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QB「宇宙の維持に君たちのエネルギーなんて必要ないんだ」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:31:25.14 ID:hr92bco60

QB「宇宙の維持に君たちのエネルギーなんて必要ないんだ」

まどか「え、それってどういうこと?」

QB「こういうことさ」

QB「カァッッッ!!!」

まどか「!?」ビクッ

宇宙の寿命が1億年延びた!

QB「ほらね」


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:36:43.26 ID:hr92bco60

まどか「ふうん……だったら私もキュゥべえに負けてられないな」

QB「無理をしない方がいい」

QB「ボクならともかく、君みたいな少女にはとても無理──」

まどか「ケェッッッ!!!」

QB「!?」ビクッ

宇宙の寿命が2億年延びた!

まどか「ね?」

QB「…………」ビキッ


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:42:29.96 ID:hr92bco60

QB「なるほどね」

QB「地球の少女というのも、案外あなどれないものらしい」

QB「感情のないボクが、なんらかの感情に芽生えるところだったよ」

QB「だけど、やっぱりボクには及ばないね」

QB「ショアッッッ!!!」

まどか「!?」ビクッ

宇宙の寿命が10億年延びた!

QB「ボクがちょっと本気を出せば、こんなものさ」

まどか「ふぅ~ん、あくまで張り合うつもりなのね……」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:48:33.03 ID:hr92bco60

まどか「すぅ~……」

まどか「はぁ~~~……」

QB「深呼吸なんかしたって無駄だよ」

まどか「ヌォアッッッ!!!」

QB「!?」ビクッ

宇宙の寿命が20億年延びた!

まどか「どう?」

QB「なるほど……とことんボクに刃向かうというわけかい」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:55:25.51 ID:hr92bco60

QB「ザリャッ!!!」

宇宙の寿命が30億年延びた!

まどか「シャアッッッ!!!」

宇宙の寿命が50億年延びた!

QB「グワァッッッ!!!」

宇宙の寿命が100億年延びた!

まどか「キェバッッッ!!!」

宇宙の寿命が200億年延びた!


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 21:59:33.75 ID:hr92bco60

QB「ドゥアッッッ!!!」

宇宙の寿命が500億年延びた!

まどか「アゥオッッッ!!!」

宇宙の寿命が700億年延びた!

QB「ドリュオゥッッッ!!!」

宇宙の寿命が1000億年延びた!

まどか「フゥアィッッッ!!!」

宇宙の寿命が1500億年延びた!


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:06:40.19 ID:hr92bco60



──

───

さやか「……アンタたち、何やってんの?」

まどか「あ、さやかちゃん!」

QB「ボクとまどかで宇宙の寿命延ばし競争をしてたんだよ」

さやか「ふ、ふぅ~ん……(どんな競争よ)」

まどか「もう10兆年くらい延びたかな」

まどか「そうだ、さやかちゃんも一緒にどう?」

さやか「いや……あたしはいいや。これから決闘だからさ」

まどか「あ、そっか……今日だったね。頑張ってね!」

さやか「うん、すぐにアイツの首を持ってきてやるから!」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:12:32.46 ID:hr92bco60

QB「決闘というのはなんのことだい?」

まどか「さやかちゃんには因縁のライバルがいるの」

QB「ライバル?」

まどか「上条恭介君っていうクラスメイト」

まどか「今日……二人は決闘して、どちらか一人がこの世から消えちゃうの」

まどか「こんなのってないよ……」グスッ

まどか(あの二人は、いつか二人とも私が葬るって決めてたのに……)

QB「ふぅん」

QB(これは面白そうだ)


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:21:16.59 ID:hr92bco60

<病院>

さやか「──えぇっ!? ウ、ウソでしょ……!」

恭介「本当だよ。事故で、もうボクの両腕は動かないんだ」

恭介「魔法か奇跡でもない限り、ね」ニヤッ

さやか「そんな……!」

恭介「さあ、決闘を始めようか」

恭介「ボクは事故に感謝してるよ」

恭介「両腕を使えないというハンデを背負いながら、さやかを倒したという──」

恭介「最上級の名誉を得ることができるからね」ニコッ


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:25:24.08 ID:hr92bco60

さやか(こんなことって……!)

さやか(ようやく恭介と決着をつけるチャンスが来たのに……)

さやか(両腕を使えない恭介を倒したところで、あたしの名が上がるワケじゃない)

さやか(むしろ、あたしの人生の汚点になっちゃう!)

さやか(かといって、決闘拒否はあたしの辞書にはない)

さやか(ああ、どうしたらいいの!?)


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:30:21.20 ID:hr92bco60

QB「やぁ」ヒョコッ

さやか「あ、キュゥべえ!」

恭介(キュゥべえ……? さやかにはなにかが見えてるのか……?)

恭介(凝視!)ギロッ

恭介(──見えた!)

恭介「さやか、なんなんだいこの小動物は?」

QB(へえ、魔法少女の素質もないのにボクを目視できるとはね)

さやか「えぇ~と、なんか宇宙のために少女を魔法ゾンビにしてるんだって」

恭介「えっ、いいなぁ! ぜひボクをゾンビにしてくれないか!?」

QB「君には素質がないから無理だよ。そもそも少女ですらないし」

QB「ところでさやか、ボクが前にいったことを覚えているかい?」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:33:32.00 ID:hr92bco60

さやか「アンタと契約してゾンビになったら、願いを叶えてくれるんだっけ?」

QB「うん」

QB「今こそ契約する時じゃないかい?」

さやか「…………」

さやか「──あ、そっかぁ!」

恭介「?」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:40:23.55 ID:hr92bco60

さやか「じゃあキュゥべえ、あたしの願いを叶えて!」

QB「さあ君は魂を代価にして、なにを願う?」

さやか「あたしの両腕も動かないようにして!」

恭介「!?」

恭介(今さやかの腕まで動かなくなったら──)

恭介(ボクが両腕を使わずに、さやかを倒すという最高の名誉を得るチャンスが)

恭介(永久に失われてしまう!)

恭介(じょ、冗談じゃない!)


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:47:23.04 ID:hr92bco60

恭介「ふざけないでくれっ!」

恭介「キュゥべえ、だったね。そんなバカげた願いを叶えちゃダメだ!」

さやか「なによ、恭介は関係ないでしょ」

さやか「これはあたしとキュゥべえの契約なんだから」

恭介「…………!」ビキビキッ

QB「悪いけど、さやか」

QB「今の願い、ボクとしても叶えることができないな」

さやか「え、なんで!?」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:51:12.04 ID:hr92bco60

QB「だって、もし君の両腕が使えなくなったら」

QB「ボクが君を倒した時、名誉に傷がついてしまうじゃないか」

QB「“インキュベーターは両腕を使えない美樹さやかを倒しました”」

QB「──なんて、なんの自慢にもならないからね」

QB「だから今の願いを叶えることはできない」

さやか「なんですってぇ!?」

恭介「さすがはキュゥべえ!」

QB「だからさ、ここは上条恭介の腕を治すのがいいんじゃないかな?」

さやか「あ、なるほどね!」ニヤッ

恭介「!?」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:56:26.94 ID:hr92bco60

恭介「や、やめろ……」

さやか「キュゥべえ、恭介の腕を治して!」

QB「うん」

恭介「やめろぉぉぉぉぉ!!!」

パアァァァ……

さやかは魔法少女になり、恭介の両腕は完治してしまった。

さやか「これでハンデ無しだね、恭介」ニヤッ

恭介「ち、ちくしょう……!」ギリッ…


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 22:59:26.61 ID:hr92bco60

恭介「よくもボクの腕を治してくれたね……!」

恭介「これでもう、両腕無しでさやかを倒すという名誉を得ることはできない……!」

恭介「しかも、さやかはゾンビになれるというおまけつき……!」

恭介「君たちはボクをいじめているのかい?」

QB&さやか「うん」

恭介「…………」ブチッ


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:05:34.02 ID:hr92bco60

恭介「よぉ~し、分かった……」

恭介「さやかとキュゥべえ、せめてこの場で君たちを葬らなきゃ気が済まない」ビキビキッ

さやか「だれがだれを葬るって?」

さやか「ま、ここらでだれが最強かを決めるのも悪くないか」ニイッ

QB「美樹さやか、上条恭介……」

QB「君らのようなビッグネームを狩れば、ボクの名もさらに上がるよ!」キュップイ

恭介、さやか、キュゥべえが、同時に拳を繰り出す。

──ズドォンッ!



見滝原が、揺れた。



3匹の怪物による闘いが幕を開けた。


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:12:28.06 ID:hr92bco60

まどか「…………」ピクッ

まどか(大きな闘気が三つ、激しくぶつかり合ってる……)

まどか(さやかちゃんと上条君と……残りはキュゥべえか。決闘に混ざったのね)

まどか(いいなぁ、私も混ざればよかった)

まどか(でもまあ……あの三人の勝者を私が斃せばいいだけだしね)ウェヒヒッ

マミ「あら、鹿目さん」

まどか「あ、マミさん! 今日も魔女退治ですか?」

まどか「歯に魔女の食べカスがついてますよ」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:15:29.82 ID:hr92bco60

マミ「あらやだ」ポッ

マミ「首を噛みつかれたから、ついついお返しに噛み砕いちゃったの」

まどか「もう、マミさんったら」フフッ

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ズドォン!

マミは自分の口の中にティロ・フィナーレを放ち、歯を掃除した。

マミ「──ふうっ」プスプス…


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:20:28.16 ID:hr92bco60

まどか「前から聞きたかったんですけど……」

まどか「マミさんはいったいなにを願って魔法少女──」

まどか「じゃなかった、ゾンビになったんですか?」

マミ「……私ね、昔交通事故にあったの」

マミ「そしたら、瀕死になった私にキュゥべえが近づいてきたのよ」

まどか(マミさんにそんな過去が──)

マミ「ここまでいえば、あなたなら私がなにを願ったか分かるでしょう?」

まどか「え……ちょっと分からないです」

マミ「私の立場になったつもりで考えればカンタンよ」

まどか「──あ、そうか!」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:26:41.59 ID:hr92bco60

まどか「マミさんは──」

まどか「“自力で助かってみせるから、絶対手を貸すな”って願ったんですね!」

マミ「そのとおり!」

マミ「キュゥべえの力を借りずに危機を脱した私は、契約に従いゾンビになったの」

マミ「いずれ魔女になるっていうのも、面白そうだったしね」ウフッ

まどか「魔女になれるといいですね!」

マミ「ええ」

マミ「だけどほら、このソウルジェムを見て」

まどか「うわぁ、真っ黒!」

マミ「でしょう? なのに全然魔女になる気配がなくて困ってるのよ」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:30:36.37 ID:hr92bco60

マミ「他にやることもないし、魔女をひたすら倒してたんだけど……」

マミ「それもいささか飽きてきたわ」

マミ「そろそろもっと手応えのある人と戦いたいわね」チラッ

まどか「ダ、ダメですよマミさん……」

まどか「そんな素敵な殺気を向けられたら私、自分を抑えられなくなっちゃう……!」


ゴゴゴゴゴ……


マミの闘気に触れ、まどかの理性が急速に失われていく。

一触即発!

「させないわ」ザッ


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:35:42.65 ID:hr92bco60

ほむら「まどかは──」

ほむら「私の獲物よ」

まどか「ほむらちゃん!?」

マミ「暁美さん……」

マミ「たしかあなたは、あらゆる時間軸の中で最強の鹿目さんと戦うことを」

マミ「キュゥべえに願ったんだったわね?」

ほむら「そうよ。そして何度も時間をやり直し、ようやくたどり着いた」

ほむら「そのまどかはまちがいなく、全ての時間軸の中で最強よ」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:41:28.73 ID:hr92bco60

ほむら「ようやく私の手で葬るに値するまどかを見つけたの」

ほむら「ジャマはさせないわ」

マミ「あなたの努力は認めるけど、物事にはルールがあるの」

マミ「先に鹿目さんと出会ったのは私なんだから、鹿目さんは私の獲物よ」



ゴゴゴゴゴ……



睨み合うマミとほむら。

見滝原の法則が乱れるほどの、闘気のぶつかり合い。

まどか「ちょ、ちょっと待って二人とも!」

まどか「獲物とかどうとか、そんなの絶対おかしいよ!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:44:50.34 ID:hr92bco60

まどか「だって……獲物はあなたたちの方なんだから」

マミ&ほむら「!」ゾクッ

ドギャアッ!

まどかは二人の顔面に、同時に拳を叩き込んだ。

二人に獲物扱いされたことが、よほどプライドにさわったようだ。

マミ「くっ!」ズザァッ

ほむら「ううっ!」ザザッ


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:47:29.64 ID:hr92bco60

マミ「…………」ペッ コロン

マミ(金剛石を豆腐のように噛み砕く、私の歯が欠けた……)

マミ(すばらしい、すばらしいわ、鹿目さん……!)

ほむら「…………」ヨロッ

ほむら(タンクローリーの爆発でもビクともしない私をよろめかせるなんて……)

ほむら(まどか、ますますこの手で倒したくなったわ!)


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:52:26.37 ID:hr92bco60

その頃──

<病院>

恭介「ストラディバリウスッッッ!!!」

バギャアッ!

恭介の正拳突きが、さやかのソウルジェムを粉砕した。

恭介「ん? さやかが死なない?」

恭介「キュゥべえ、君の話ではあの石は、ゾンビの弱点だったはずだけど」

QB「ボクにもわけがわからないよ」

さやか「ふっふーん、なんで平気か教えてあげよっか?」

さやか「根性があれば、ソウルジェムなんか砕けてもどうってことないのよ」

恭介「なるほど」

QB「根性なら仕方ないね」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/17(月) 23:59:25.09 ID:hr92bco60

さやか「スキありィィィッッッ!!!」

ズドォッ!

さやかの蹴りがキュゥべえを壁まで吹き飛ばした。

さやか「あれ、あまり効いてない……?」

QB「さやか、なんでボクがキュゥべえと呼ばれるのか教えよう」コキッ

QB「究極だからさッッッ!!!」

ボゴォッ!

QBの体当たりが、恭介のミゾ落ちに炸裂した。

QB「おかしいな、内臓ごと腹を貫通するつもりだったのに」

恭介「この程度じゃ、バイオリンで鍛えたボクの肉体は貫けないよ」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:08:47.54 ID:+7BOMkve0

外の三つ巴バトルも激化していた。

マミ「ティロ・フィナーレ(背負い投げ)ッッッ!!!」ブオンッ

ズドンッ!

マミの背負い投げで、まどかが地面に埋まる勢いで叩きつけられる。

まどか「効いたよ、マミさん」ガシッ

まどかは一瞬でマミの右足にアキレス腱固めを極めた。

ブチンッ!

マミ「やるわね、鹿目さん」

マミはちぎれたアキレス腱を、蝶結びで治した。

そこへほむらが飛び込み、マミとまどかに蹴りをお見舞いする。

ドゴォッ!

まどか&マミ「うごっ!」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:13:28.20 ID:+7BOMkve0

まどか「いい一撃だったよ、ほむらちゃん……セイッッッ!!!」

メキャアッ!

まどかのハイキックが、ほむらの顔面にめり込んだ。

ほむら「くうっ!」ザザッ

ほむら「……さすがね」

ほむら「まどかはもちろんだけど……巴マミもね」

ほむら「予定変更、まどかだけじゃなく二人とも今この場で仕留めるわ」

マミ「私こそ、こんなに楽しい戦いは初めて……!」ニタァ…

まどか(二人とも、ものすごく強いなぁ)

まどか(もしこんなものすごい二人を私の手で葬り去れたら)

まどか(それはとっても嬉しいなって)ゴゴゴゴゴ…


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:20:15.20 ID:+7BOMkve0

彼女らの死闘を眺める、一人の魔法少女。

杏子「まったく、どいつもこいつもドンパチ始めやがって……」

ギュウウウウ……!

杏子の右手にあるリンゴが、握力で汁を出す。

杏子「あ~ん」

ボジョボジョボジョ……

ゴクッ ゴクッ ゴクッ

杏子「やっぱり果汁は100%に限るね」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:23:38.71 ID:+7BOMkve0

杏子「しかしまぁ、このバトルで生き残ったヤツをアタシが狩れば」

杏子「アタシの最強が証明できるってわけだ」

杏子「こっちはリンゴでも飲みながら、高みの見物と洒落こませてもらうよ」

ギュウウウウ……!

ボジョボジョボジョ……

ゴクッ ゴクッ ゴクッ


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:29:55.64 ID:+7BOMkve0

しかし──

仁美「すごい闘気を感じたかと思ったら、あなたは誰ですの?」ザッ

杏子「ん?」

仁美「今日こそさやかさんと上条君を仕留めようと、はりきっていたのですけど」

仁美「まあ、あなたでもいいですわ」ゴキッ ゴキッ

首を鳴らす仁美。

杏子「ふぅん、ようするにアタシで準備体操でもしようってこと?」

杏子「ナメられたもんだねぇ」ギロッ

両者のローキックが、ぶつかり合う。

ズガァッ!!!

衝撃で大気が弾け飛び、見滝原全域が一時的に真空状態となった。


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:38:30.41 ID:+7BOMkve0

巨大な闘気は新たな死闘を生み、それはさらに巨大な闘気を生む。

ここでもまた、新たな戦いが始まろうとしていた。

<鹿目家>

知久「さてと、ボクらも始めようか!」パキポキ

詢子「これだけの闘気を見せつけられちゃ、戦わずにはいられないねえ」メキメキ…

タツヤ「たたかう~!」

タツヤはフォークを床に突き刺した。

ズンッ!!!

鹿目家を中心に、猛烈な闘気の奔流が生み出される。

ズオアッッッ!!!!!


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:42:45.27 ID:+7BOMkve0

桜前線ならぬ死闘前線は、瞬く間に見滝原中に広がった。

至るところで人智を超えた超絶バトルが展開される。

もはや見滝原は、常人では生存すらかなわない異次元の魔境と化していた。





だが、それゆえに──

嗚呼、それゆえに──

人々は迫りくる『絶望』に気付きもしなかった!


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:49:27.20 ID:+7BOMkve0

<気象観測所>

観測員A「雷雲が、とんでもない勢いで分裂と回転を起こしています!」

観測員A「明らかにスーパーセルの前兆です!」

観測員B「…………」ワクワク

観測員B「こんなチャンスを待っていたッッッ!」

観測員B「我が鋼の肉体で、異常気象を食い止めるチャンスをッッッ!」

観測員B「出撃するぞ!」

観測員A「応ッ!」

観測員B「おっとその前に、キサマと決着をつけなければな!」

観測員A「応ッッッ!!!」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 00:56:00.77 ID:+7BOMkve0

誇り高き見滝原の戦士たちよ!

我を見失って戦っている場合ではないぞ!

戦闘を中断し、感覚を研ぎ澄ませれば、気付くことができるはずだ!





だが不運にも、誰も気付くことはない。

最凶最悪の魔女、真なる絶望『ワルプルギスの夜』の接近に……!


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:05:19.76 ID:+7BOMkve0

“元”魔女ワルプルギスの夜氏は語る──

ワルプルギス「なんで、あっしが魔女をやめたか……だったな?」キャハハッ

ワルプルギス「あっしもさ、これでも魔女としてはベテランを自負しててね……」キャハハッ

ワルプルギス「そりゃあ、あちらこちらでヤンチャをしたもんさ」キャハハッ

ワルプルギス「ま、魔女なんつうモンは、好き勝手やってナンボだからな」キャハハッ

ワルプルギス「んで、少し前だったか……ある町を狙ったのさ」キャハハッ

ワルプルギス「なんつったかな、たしか……“ミタキハラ”だったか……」キャハハッ


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:11:08.99 ID:+7BOMkve0

ワルプルギス「──信じられるかい?」キャハハッ

ワルプルギス「あの町の住民全員……あっしより遥かに強い力を持っていやがった」キャハハッ

ワルプルギス「一人や二人がじゃない、全員がだ」キャハハッ

ワルプルギス「悟ったよ……。あの町にゃあ逆立ちしても……」キャハハッ

ワルプルギス「いや逆立ちしなくても勝てねえってな」キャハハッ

ワルプルギス「あっしは“ミタキハラ”への侵入を諦め……引き返したよ」キャハハッ

ワルプルギス「もちろん、その日のうちに足を洗ったさ」キャハハッ

ワルプルギス「一度心が折れたら、もう魔女はやっていけねェ」キャハハッ

ワルプルギス「今後はこのデカイ体を生かして……マジメに働くつもりさ……」キャハハッ


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:16:05.09 ID:+7BOMkve0

ワルプルギスの夜との戦いは回避できたが、戦いは続いていた。

まどか「でやぁッッッ!!!」ズドンッ!

ほむら「はぁぁッッッ!!!」ベキィッ!

マミ「ティロ・フィナーレ(アルゼンチン・バックブリーカー)ッッッ!!!」メキィッ!

さやか「えいやァッッッ!!!」バキィッ!

QB「きゅっぷいッッッ!!!」ドゴンッ!

恭介「グァルネリッッッ!!!」ザシュッ!

杏子「とりゃぁッッッ!!!」ガキィッ!

仁美「DEATH輪(死のリング)ッッッ!!!」ドズゥッ!

知久「ココアッッッ!!!」ジャボォッ!

詢子「ハゲッッッ!!!」ドシュッ!

タツヤ「鹿目流奥義、絶命昇天他界拳ッッッ!!!」グシャアッ!



見滝原は、今日も平和です。

                                     おわり


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:18:55.89 ID:zg1+OehN0

おつ
とりあえず俺だけのティロフィナーレッ!


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:23:13.83 ID:LaaoEmjn0

乙乙乙


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/09/18(火) 01:26:31.81 ID:rit1yk9h0

頭がティロティロしてきた

面白かった
乙じゃん




掲載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347885085/
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