ダイヤ「貴方と見る雪」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:07:15.31 ID:mj93QUbr
ダイヤ「・・・・・・・・・」
カキカキ
ダイヤ(外で部活に励む生徒も、この時期はまばらなせいか)
ダイヤ(冬の生徒会室は――静かで、どこか寂しい)
ダイヤ(もっとも、私にとっては、落ち着いて仕事が出来る良い環境)
ダイヤ(だけど、もうすぐ昼休み)
ダイヤ(この、私だけの静寂を吹き飛ばしてしまう――)
ダイヤ(あの子が、そろそろやって来る頃)
バタバタバタ
ガラッ!
千歌「こんちかー!」
カキカキ
ダイヤ(外で部活に励む生徒も、この時期はまばらなせいか)
ダイヤ(冬の生徒会室は――静かで、どこか寂しい)
ダイヤ(もっとも、私にとっては、落ち着いて仕事が出来る良い環境)
ダイヤ(だけど、もうすぐ昼休み)
ダイヤ(この、私だけの静寂を吹き飛ばしてしまう――)
ダイヤ(あの子が、そろそろやって来る頃)
バタバタバタ
ガラッ!
千歌「こんちかー!」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:08:47.32 ID:mj93QUbr
ダイヤ「ノックもせずに入ってくるのは、不躾ですわよ」
千歌「えへへ、すいません」
千歌「でも、チカとダイヤさんの仲だし、いいかなーって」
ダイヤ「何を言っておりますの。“親しき仲にも礼儀あり”ですわ」
ダイヤ(これ以上は、またお説教になってしまいそうなので――私は、ため息をついて、口を閉じる)
ダイヤ(千歌さんは、構わずニコニコしながら、私の向かいの机の上に、お弁当を広げ始めた)
千歌「えへへ、すいません」
千歌「でも、チカとダイヤさんの仲だし、いいかなーって」
ダイヤ「何を言っておりますの。“親しき仲にも礼儀あり”ですわ」
ダイヤ(これ以上は、またお説教になってしまいそうなので――私は、ため息をついて、口を閉じる)
ダイヤ(千歌さんは、構わずニコニコしながら、私の向かいの机の上に、お弁当を広げ始めた)
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:10:11.19 ID:mj93QUbr
ダイヤ「また、ここでお昼を食べるんですの?」
千歌「迷惑ですか?」
ダイヤ「いえ、そこまでは言っていませんが・・・・・・」
千歌「ですよねっ!」
ダイヤ「・・・・・・相変わらず厚顔無恥な方ですわね」
ダイヤ「ですが、なぜわざわざここで? 曜さんや梨子さんと、教室で食べれば良いではありませんか」
千歌「ほら、ダイヤさんがひとりで生徒会室にこもってるのを、ほったらかしにするのは可哀相かなって!」
ダイヤ「余計なお世話ですわ」
千歌「迷惑ですか?」
ダイヤ「いえ、そこまでは言っていませんが・・・・・・」
千歌「ですよねっ!」
ダイヤ「・・・・・・相変わらず厚顔無恥な方ですわね」
ダイヤ「ですが、なぜわざわざここで? 曜さんや梨子さんと、教室で食べれば良いではありませんか」
千歌「ほら、ダイヤさんがひとりで生徒会室にこもってるのを、ほったらかしにするのは可哀相かなって!」
ダイヤ「余計なお世話ですわ」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:11:35.41 ID:mj93QUbr
ダイヤ(このところ、千歌さんは毎日のように、昼休みになると決まって生徒会室にやってくる)
ダイヤ(千歌さんがお弁当を食べながら、とりとめのない話をして、私がそれに相槌をうつ)
ダイヤ(まったく、何が楽しくて、こんなことをしているのか・・・・・・)
千歌「ダイヤさんだって、物好きじゃないですか」
ダイヤ「なにがですの?」
千歌「生徒会の仕事ですよ。もう来期の生徒会長も決まってるんだから、仕事なんて丸投げしちゃえばいいのに」
千歌「3年生はもう登校しなくてもいいのに、こうやってわざわざ生徒会室に来て、仕事してるんですから」
ダイヤ「わたくしの好きでやっていることですわ。諸々の雑事はきちんと片付けてから、引継ぎをしたいので」
ダイヤ(千歌さんがお弁当を食べながら、とりとめのない話をして、私がそれに相槌をうつ)
ダイヤ(まったく、何が楽しくて、こんなことをしているのか・・・・・・)
千歌「ダイヤさんだって、物好きじゃないですか」
ダイヤ「なにがですの?」
千歌「生徒会の仕事ですよ。もう来期の生徒会長も決まってるんだから、仕事なんて丸投げしちゃえばいいのに」
千歌「3年生はもう登校しなくてもいいのに、こうやってわざわざ生徒会室に来て、仕事してるんですから」
ダイヤ「わたくしの好きでやっていることですわ。諸々の雑事はきちんと片付けてから、引継ぎをしたいので」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:12:33.31 ID:mj93QUbr
千歌「だったら、もっと部活の練習の方にも、顔出してくださいよー」
ダイヤ「それはまた、別の話ですわ」
ダイヤ「わたくしの、スクールアイドルとしての活動は、終わったんですの」
ダイヤ「最後に、念願のラブライブに出場することも出来ましたし」
ダイヤ「未練は無いですわ。これからは、千歌さんたちが、新たなAqoursの歴史を作っていくんですのよ」
ダイヤ「それはまた、別の話ですわ」
ダイヤ「わたくしの、スクールアイドルとしての活動は、終わったんですの」
ダイヤ「最後に、念願のラブライブに出場することも出来ましたし」
ダイヤ「未練は無いですわ。これからは、千歌さんたちが、新たなAqoursの歴史を作っていくんですのよ」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:13:37.41 ID:mj93QUbr
ダイヤ(本音を言えば――未練を残したくない、というのが本当の所なのかもしれない)
ダイヤ(これ以上、自分があの場にいたら――いつまでも、スクールアイドルとして輝きたかった、輝いていた、あの日々を引きずってしまう)
ダイヤ(そうならないように――けじめをつけるために、距離を置きたかったのかもしれない)
ダイヤ(だけど――)
千歌「――だけど」
ボソッ
千歌「やっぱり――さみしいな」
ダイヤ(これ以上、自分があの場にいたら――いつまでも、スクールアイドルとして輝きたかった、輝いていた、あの日々を引きずってしまう)
ダイヤ(そうならないように――けじめをつけるために、距離を置きたかったのかもしれない)
ダイヤ(だけど――)
千歌「――だけど」
ボソッ
千歌「やっぱり――さみしいな」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:14:44.11 ID:mj93QUbr
…………
……
千歌「ねぇ――ダイヤさん」
千歌「ダイヤさんは、卒業したら――内浦を、離れるんですよね?」
ダイヤ(次の日の昼休み――)
ダイヤ(唐突に、千歌さんが呟いて――私は、思わず箸を止めた)
……
千歌「ねぇ――ダイヤさん」
千歌「ダイヤさんは、卒業したら――内浦を、離れるんですよね?」
ダイヤ(次の日の昼休み――)
ダイヤ(唐突に、千歌さんが呟いて――私は、思わず箸を止めた)
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:15:42.51 ID:mj93QUbr
ダイヤ「ええ――そうですわ」
ダイヤ「静岡の大学に、推薦が決まっておりますから」
ダイヤ「内浦から通うのは大変なので、一人暮らしをいたしますわ」
千歌「ふーん・・・・・・」
千歌「鞠莉さんは、経営の勉強をするために、東京の大学に行っちゃうし」
千歌「果南ちゃんは、インストラクターの資格をとるから、沼津の専門学校に」
千歌「寂しくなっちゃうなー」
ダイヤ「静岡の大学に、推薦が決まっておりますから」
ダイヤ「内浦から通うのは大変なので、一人暮らしをいたしますわ」
千歌「ふーん・・・・・・」
千歌「鞠莉さんは、経営の勉強をするために、東京の大学に行っちゃうし」
千歌「果南ちゃんは、インストラクターの資格をとるから、沼津の専門学校に」
千歌「寂しくなっちゃうなー」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:16:49.03 ID:mj93QUbr
ダイヤ「もう、何を言っているんですの? そんなこと、とっくにわかっていたことではありませんか」
ダイヤ「それに、今生の別れという訳ではありません。皆、会おうと思えばすぐ会えますわ」
千歌「わかってます――けど」
千歌「もう――2月も、半ば」
千歌「あと、2週間くらいで――みんな、卒業しちゃうんですよね」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ「それに、今生の別れという訳ではありません。皆、会おうと思えばすぐ会えますわ」
千歌「わかってます――けど」
千歌「もう――2月も、半ば」
千歌「あと、2週間くらいで――みんな、卒業しちゃうんですよね」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:17:37.79 ID:mj93QUbr
…………
……
ダイヤ(千歌さんは、昼休みになると、生徒会室にやって来る)
ダイヤ(今日もまた、やって来る)
ダイヤ(お弁当を食べながら、とりとめのない話をして)
ダイヤ(私がそれに、相槌を打つ)
千歌「雪の話、知ってますか?」
ダイヤ「雪の話?」
千歌「そう、雪の話」
……
ダイヤ(千歌さんは、昼休みになると、生徒会室にやって来る)
ダイヤ(今日もまた、やって来る)
ダイヤ(お弁当を食べながら、とりとめのない話をして)
ダイヤ(私がそれに、相槌を打つ)
千歌「雪の話、知ってますか?」
ダイヤ「雪の話?」
千歌「そう、雪の話」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:18:35.25 ID:mj93QUbr
千歌「沼津って、全然雪なんか降らないじゃないですか」
千歌「ましてや、海沿いの内浦なんて、全く降らない」
千歌「だから、雪が振るって、すごいことなんです」
千歌「この地方で、雪が降った日に、お願いした願い事は――」
千歌「必ず、叶うんだって」
千歌「たとえば、誰かに告白したら、必ず両想いになれるって――」
千歌「そんな、沼津の女の子たちの間で囁かれてる、噂」
千歌「ましてや、海沿いの内浦なんて、全く降らない」
千歌「だから、雪が振るって、すごいことなんです」
千歌「この地方で、雪が降った日に、お願いした願い事は――」
千歌「必ず、叶うんだって」
千歌「たとえば、誰かに告白したら、必ず両想いになれるって――」
千歌「そんな、沼津の女の子たちの間で囁かれてる、噂」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:19:34.89 ID:mj93QUbr
ダイヤ「馬鹿馬鹿しい」
ダイヤ「そんなの、迷信ですわ――ただの噂話ではないですか」
ダイヤ「それに――」
ダイヤ「雪なんて、降るわけがありませんわ」
千歌「そう――ですよね」
千歌「ただの、噂話」
千歌「雪なんて――降るわけ、ないし」
ダイヤ(毎日、やって来る貴方を)
ダイヤ(どこか、心待ちにしている自分がいるなんて――)
ダイヤ(認めたく、なかったのかもしれない)
ダイヤ「そんなの、迷信ですわ――ただの噂話ではないですか」
ダイヤ「それに――」
ダイヤ「雪なんて、降るわけがありませんわ」
千歌「そう――ですよね」
千歌「ただの、噂話」
千歌「雪なんて――降るわけ、ないし」
ダイヤ(毎日、やって来る貴方を)
ダイヤ(どこか、心待ちにしている自分がいるなんて――)
ダイヤ(認めたく、なかったのかもしれない)
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:20:35.12 ID:mj93QUbr
…………
……
ダイヤ「もう、残っていた生徒会の仕事も、あらかた片付きました」
ダイヤ「ですから、こうして生徒会室に来るのも、明日で最後になりますわ」
千歌「―――」
千歌「そう――ですか」
千歌「明日で、終わりなんですね」
……
ダイヤ「もう、残っていた生徒会の仕事も、あらかた片付きました」
ダイヤ「ですから、こうして生徒会室に来るのも、明日で最後になりますわ」
千歌「―――」
千歌「そう――ですか」
千歌「明日で、終わりなんですね」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:21:34.39 ID:mj93QUbr
ダイヤ「毎日、飽きもせずにここに来て――」
ダイヤ「わたくしの話し相手になって頂いて、ありがとうございました」
ダイヤ「もっとも――話していたのは、千歌さんばかりでしたけれど」
千歌「そうですよ」
千歌「ダイヤさんの方こそ、色々話してくれればいいのに、チカばっかり」プクッ
ダイヤ「わたくしの話し相手になって頂いて、ありがとうございました」
ダイヤ「もっとも――話していたのは、千歌さんばかりでしたけれど」
千歌「そうですよ」
千歌「ダイヤさんの方こそ、色々話してくれればいいのに、チカばっかり」プクッ
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:22:34.93 ID:mj93QUbr
千歌「もー。ダイヤさん、もっと話してくれればよかったのに」
千歌「もっと――話したかったのに」
ダイヤ「――千歌さん?」
千歌「もっと、ダイヤさんの話が、聞きたかった」
千歌「スクールアイドルのこととか、もっとお話ししたかった」
千歌「もっと、一緒にいたかった」
千歌「もっと・・・・・・」
ポロッ…
千歌「もっと――話したかったのに」
ダイヤ「――千歌さん?」
千歌「もっと、ダイヤさんの話が、聞きたかった」
千歌「スクールアイドルのこととか、もっとお話ししたかった」
千歌「もっと、一緒にいたかった」
千歌「もっと・・・・・・」
ポロッ…
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:23:31.45 ID:mj93QUbr
千歌「寂しい・・・・・・」
千歌「3年生の、みんなが・・・・・・ダイヤさんが、いなくなっちゃうのは・・・・・・」
千歌「やっぱり・・・・・・寂しいから・・・・・・」
ダイヤ「千歌さん・・・・・・」
千歌「――っ」グイッ
千歌「ご、ごめんなさい! なんかチカ、変で――」
千歌「また、明日――来ますねっ!」
ガラッ
バタタッ
ダイヤ「千歌さん!」
千歌「3年生の、みんなが・・・・・・ダイヤさんが、いなくなっちゃうのは・・・・・・」
千歌「やっぱり・・・・・・寂しいから・・・・・・」
ダイヤ「千歌さん・・・・・・」
千歌「――っ」グイッ
千歌「ご、ごめんなさい! なんかチカ、変で――」
千歌「また、明日――来ますねっ!」
ガラッ
バタタッ
ダイヤ「千歌さん!」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:24:38.63 ID:mj93QUbr
ダイヤ(こぼれた涙をぬぐって、)
ダイヤ(無理に笑顔を作って、顔を伏せ気味にして、千歌さんが走り去ってしまった後)
ダイヤ(今さら――気がついた)
「また明日、来ますね」
ダイヤ(その台詞を聞けるのも、)
ダイヤ(今日が、最後だったんだ、ってことに)
ダイヤ(無理に笑顔を作って、顔を伏せ気味にして、千歌さんが走り去ってしまった後)
ダイヤ(今さら――気がついた)
「また明日、来ますね」
ダイヤ(その台詞を聞けるのも、)
ダイヤ(今日が、最後だったんだ、ってことに)
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:25:34.49 ID:mj93QUbr
ダイヤ(そうだ。わかってたのに)
ダイヤ(私だって、寂しい)
ダイヤ(この学校を離れるのが。内浦を離れるのが。部活が出来なくなるのが。みんなと、会えなくなるのが)
ダイヤ(本当は、寂しくて、嫌で、悲しくて)
ダイヤ(そして――)
――ダイヤさーん!
――また、明日も来ますねっ!
ダイヤ(私だって、寂しい)
ダイヤ(この学校を離れるのが。内浦を離れるのが。部活が出来なくなるのが。みんなと、会えなくなるのが)
ダイヤ(本当は、寂しくて、嫌で、悲しくて)
ダイヤ(そして――)
――ダイヤさーん!
――また、明日も来ますねっ!
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:26:35.65 ID:mj93QUbr
ダイヤ(もっと、話がしたかった)
ダイヤ(スクールアイドルの話で、盛り上がりたかった)
ダイヤ(一緒に、お弁当を食べたかった)
ダイヤ(貴方の冗談に、笑いたかった)
ダイヤ(たまには、叱ることだってしたかった)
ダイヤ(もっと、貴方の笑顔が、見たかった)
ダイヤ「なぜ――いつも」
ダイヤ「自分の気持ちに、嘘をついて――」
ダイヤ「逃げて――しまうんですの」
ダイヤ「わたくしは――・・・」
ポロッ…
ダイヤ(スクールアイドルの話で、盛り上がりたかった)
ダイヤ(一緒に、お弁当を食べたかった)
ダイヤ(貴方の冗談に、笑いたかった)
ダイヤ(たまには、叱ることだってしたかった)
ダイヤ(もっと、貴方の笑顔が、見たかった)
ダイヤ「なぜ――いつも」
ダイヤ「自分の気持ちに、嘘をついて――」
ダイヤ「逃げて――しまうんですの」
ダイヤ「わたくしは――・・・」
ポロッ…
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:27:31.15 ID:mj93QUbr
…………
……
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ(次の日――もうすぐ昼休みだというのに、生徒会室に行かずに愚図愚図していたのは)
ダイヤ(あの場所に行ってしまったら――もう、何もかもが、終わりになってしまう)
ダイヤ(そんな気が、していたのかもしれない)
……
ダイヤ「・・・・・・・・・」
ダイヤ(次の日――もうすぐ昼休みだというのに、生徒会室に行かずに愚図愚図していたのは)
ダイヤ(あの場所に行ってしまったら――もう、何もかもが、終わりになってしまう)
ダイヤ(そんな気が、していたのかもしれない)
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:28:33.82 ID:mj93QUbr
ダイヤ(校門の前に立ち、校舎を見上げる)
ダイヤ(もうすぐ、この学校ともお別れ)
ダイヤ(そして――Aqoursとも)
ダイヤ(千歌さんとも――)
ダイヤ(今さらながら――そのことを実感して)
ダイヤ(目頭が熱くなって、それを誤魔化すかのように、灰色の空を見上げる)
ダイヤ(その時――)
ダイヤ(もうすぐ、この学校ともお別れ)
ダイヤ(そして――Aqoursとも)
ダイヤ(千歌さんとも――)
ダイヤ(今さらながら――そのことを実感して)
ダイヤ(目頭が熱くなって、それを誤魔化すかのように、灰色の空を見上げる)
ダイヤ(その時――)
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:29:33.99 ID:mj93QUbr
ひらり。
ひらり。と。
ダイヤ(最初は、花びらかと錯覚した)
ダイヤ(だけど、灰色の空から、ゆっくりゆっくり降りてくる――)
ダイヤ(その、白い欠片は――)
ダイヤ「嘘・・・・・・まさか・・・・・・」
ダイヤ「嘘でしょう・・・・・・!?」
――だから、雪が振るって、すごいことなんです。
――この地方で、雪が降った日に、お願いした願い事は――
――必ず、叶うんだって。
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:30:32.75 ID:mj93QUbr
ダイヤ(私は、駆け出した)
ダイヤ(走ったら、先生に怒られるとか――そんなことは、どうでもよくて)
ダイヤ(あの場所に)
ダイヤ(いつも、貴方と逢っていた――)
ダイヤ(あの場所に、行って――)
ダイヤ(また。貴方を、迎えたい)
ダイヤ(そして、貴方と一緒に――この、雪を――)
ダイヤ(走ったら、先生に怒られるとか――そんなことは、どうでもよくて)
ダイヤ(あの場所に)
ダイヤ(いつも、貴方と逢っていた――)
ダイヤ(あの場所に、行って――)
ダイヤ(また。貴方を、迎えたい)
ダイヤ(そして、貴方と一緒に――この、雪を――)
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:31:34.62 ID:mj93QUbr
ダイヤ「・・・・・・・・・」ハァハァ
ガララッ…
ダイヤ(生徒会室に着いた私は――窓を開けた)
ダイヤ(部屋の中は、冷気に包まれて)
ダイヤ(でも、空から降る雪は、まるで舞い散る花びらのように、綺麗で――)
千歌「――ダイヤさん」
ガララッ…
ダイヤ(生徒会室に着いた私は――窓を開けた)
ダイヤ(部屋の中は、冷気に包まれて)
ダイヤ(でも、空から降る雪は、まるで舞い散る花びらのように、綺麗で――)
千歌「――ダイヤさん」
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:32:31.94 ID:mj93QUbr
ダイヤ「千歌さん――」
千歌「雪――雪、雪」
千歌「雪ですよっ!!」
ガバッ!
ダイヤ(私の横に走り寄ってきた千歌さんは――)
ダイヤ(まるで子どものように、興奮気味に窓から身を乗り出した)
千歌「綺麗・・・・・・」
ダイヤ「まさか――本当に、この土地で、雪が降るなんて」
千歌「ほらー、ダイヤさん、言ったじゃないですかぁ」
ダイヤ「なんで貴方がドヤ顔してるんですか」
千歌「雪――雪、雪」
千歌「雪ですよっ!!」
ガバッ!
ダイヤ(私の横に走り寄ってきた千歌さんは――)
ダイヤ(まるで子どものように、興奮気味に窓から身を乗り出した)
千歌「綺麗・・・・・・」
ダイヤ「まさか――本当に、この土地で、雪が降るなんて」
千歌「ほらー、ダイヤさん、言ったじゃないですかぁ」
ダイヤ「なんで貴方がドヤ顔してるんですか」
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:33:33.23 ID:mj93QUbr
千歌「でも――良かった」
千歌「滅多に降らない雪を――」
千歌「最後に、ダイヤさんと、一緒に見れて」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
千歌「これって、ちょっとした、奇跡じゃありませんか?」
ダイヤ「――違いますわ」
ダイヤ「奇跡なんかじゃ、ない」
千歌「え?」
ダイヤ「ううん――」
ダイヤ「この、1回きりの、奇跡にはしたくない」
――この地方で、雪が降った日に、お願いした願い事は――
――必ず、叶うんだって。
ダイヤ(だから、私は――)
ダイヤ(願った。祈った)
千歌「滅多に降らない雪を――」
千歌「最後に、ダイヤさんと、一緒に見れて」
ダイヤ「・・・・・・・・・」
千歌「これって、ちょっとした、奇跡じゃありませんか?」
ダイヤ「――違いますわ」
ダイヤ「奇跡なんかじゃ、ない」
千歌「え?」
ダイヤ「ううん――」
ダイヤ「この、1回きりの、奇跡にはしたくない」
――この地方で、雪が降った日に、お願いした願い事は――
――必ず、叶うんだって。
ダイヤ(だから、私は――)
ダイヤ(願った。祈った)
33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:34:31.83 ID:mj93QUbr
ダイヤ「来年も、再来年も。その先も――」
ダイヤ「どこかで、貴方と――雪が、見られますように」
ダイヤ「これなら――奇跡には、ならないでしょう?」
千歌「・・・・・・・・・!!」
ダイヤ(もう、自分に嘘はつきたくなかったから)
ダイヤ(だから私は、願った)
ダイヤ(貴方と、ずっと繋がっていられるように、って)
ダイヤ(わがままな、願い事だけど――)
ダイヤ(この雪に、祈らずには、いられなかったのだ)
ダイヤ「どこかで、貴方と――雪が、見られますように」
ダイヤ「これなら――奇跡には、ならないでしょう?」
千歌「・・・・・・・・・!!」
ダイヤ(もう、自分に嘘はつきたくなかったから)
ダイヤ(だから私は、願った)
ダイヤ(貴方と、ずっと繋がっていられるように、って)
ダイヤ(わがままな、願い事だけど――)
ダイヤ(この雪に、祈らずには、いられなかったのだ)
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:35:32.16 ID:mj93QUbr
千歌「だ・・・・・・ダイヤさん」
千歌「私も・・・・・・ダイヤさんに、お願い事が・・・・・・」
ダイヤ(真っ赤になった、愛らしい顔を――こちらに向けて)
ダイヤ(千歌さんは――きっと、ありったけの、勇気を振り絞って)
ダイヤ(私に――言ってくれた)
千歌「あの・・・・・・わ、私・・・・・・・」
千歌「ダイヤさんのことが・・・・・・!!」
……
…………
千歌「私も・・・・・・ダイヤさんに、お願い事が・・・・・・」
ダイヤ(真っ赤になった、愛らしい顔を――こちらに向けて)
ダイヤ(千歌さんは――きっと、ありったけの、勇気を振り絞って)
ダイヤ(私に――言ってくれた)
千歌「あの・・・・・・わ、私・・・・・・・」
千歌「ダイヤさんのことが・・・・・・!!」
……
…………
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:36:31.09 ID:mj93QUbr
――来年も。再来年も。その先も。
――ずっとずっと。大好きな、貴方と――
――どこかで、雪が――
――見られますように。
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:37:05.30 ID:mj93QUbr
おしまい
今日雪が降ったのでダイちかです
今日雪が降ったのでダイちかです
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:38:46.57 ID:vhLkdAm+
おつ
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:40:15.00 ID:VQQYey0U
すごく良かった心が洗われた
超乙
超乙
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/02/11(土) 00:42:48.37 ID:/T96XyJ0
乙
すごく良かった
すごく良かった
掲載元:http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1486739235/