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希「十一月二十二日は」花陽「ボタンの日」

1: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:01:47.66 ID:v9W8xNnL

【昨年】

絵里(二年)「牡丹?…春の花だったかしら?」

希(二年)「秋から冬にかけて咲く品種もあるんよ。…って、花の牡丹やないよ。制服のボタンの話」

絵里「ブレザーのボタンがどうかしたの?」

希「三月に卒業しちゃう先輩がいるやろ?エリちは誰かのボタン貰ったりするん?」

絵里「別に、そんな予定はないけど…そんな物もらってどうするの?」

希「あれ、エリちは知らない?…好きな先輩が卒業するとき後輩がボタン貰ったりするのは定番なんよ」

絵里「そんなこと言われても…ボタンって二つあるじゃない。貰うならリボンじゃないの?」

希「まあリボンでもいいんだけど…ボタンは二つで一対やろ。二つしかない物を恋人と自分で一つずつ持ってる。それって結婚指輪みたいやん?」

絵里「…そういう話なら、尚更そんな物を貰う気はないわ」

希「エリちは気になる先輩は居ないの?」

絵里「ある程度尊敬できる人くらいは居るけど、だからってその人と恋愛関係になりたいとは思わないわ」

希「ふーん…じゃあ、エリちの恋愛対象は同級生か後輩なん?」

絵里「…」

『あっちであそぼ。えりちゃん』

絵里「…い、居ないわよ。そんなもの」

希「ふーん?」

絵里「そういう希はどうなの?…そんなこと考えてるんだから、そういう相手がいるんでしょ?」

希「いや、ウチも特に気になる先輩は居ないかな…」

絵里「そうなの?」

希「うん。だって、どの先輩よりエリちのほうが美人やし♪」

絵里「そんなこと言っても、ボタンもリボンもあげないわよ」

希「まあウチらの卒業はまだまだ先やし、ボタンもリボンもまだ使うもんね」

絵里(卒業まで一年と四ヶ月足らずか…これから先、そんな相手が現れるのかしら?)


2: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:04:32.61 ID:v9W8xNnL

【一年教室】

穂乃果(一年)「あれっ、海未ちゃんは?」

ことり(一年)「弓道部の練習に行っちゃったよ」

穂乃果「ふーん…」

ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん」

穂乃果「ずいぶん熱心だよね。海未ちゃん…弓道部に気になる先輩でもいるのかな」

ことり「どうして?」

穂乃果「だって三年生は三月には卒業しちゃうし、何だったら二年生も来年は部活に来なくなったりするでしょ」

ことり「海未ちゃんが私たちより先輩との時間を優先してるってこと?」

穂乃果「そう思わない?」

ことり「んー。海未ちゃんにかぎって、そんなことないと思うけどなぁ」

穂乃果「ことりちゃんは?…気になる先輩が居たりするの?」

ことり「え?…私?」

穂乃果「うん」

ことり「まあ、素敵な先輩はいると思うけど♪」

穂乃果「へー」

ことり「…でも、たとえば先輩が卒業するときボタンを貰いに行くとか…そこまでの相手はいないかな♪」

穂乃果「ボタンかぁ…」

ことり「穂乃果ちゃんはどうなの?気になる先輩がいるのかなぁ?」

穂乃果「んー。みんな素敵だけど、特別誰か一人っていうのはないなぁ。ほかにボタン欲しい人がいるんだったら、どうぞって感じ」

ことり「そっか」

穂乃果「うん。…でも、ことりちゃんは素敵だから来年、後輩ができたらモテそうだよね♪」

ことり「そんなことないよ。穂乃果ちゃんのほうが可愛いし、後輩にも慕われると思うよ♪」

穂乃果「えー?私が先輩なんて、全然想像できないよ…」

ことり「でも穂乃果ちゃん、中学のときは後輩にもモテてたでしょ?」

穂乃果「どうだろ…雪穂くらいじゃないかな?」

ことり「穂乃果ちゃんのボタンは雪穂ちゃんにあげるの?」

穂乃果「うーん…まあ、雪穂が欲しいって言ってくれたら嬉しいけどね。…エヘヘ♪」

ことり(穂乃果ちゃんは雪穂ちゃん大好きだもんね…もちろん雪穂ちゃんもだけど)

ことり(私のボタンは…後輩より穂乃果ちゃんにあげたいな♪)


3: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:07:13.18 ID:v9W8xNnL

【アイドル研究部・部室】

にこ(二年)「希か…なんか用?」

希「にこっちは今年卒業した先輩からボタン貰ったりした?」

にこ「はぁ?…んなわけないでしょ。そんな相手いないし」

希「じゃあ、来年の三月に貰う予定は?」

にこ「ないわよ。そこまで好きな先輩とか居ないし、興味ないわ」

希「もったいないなぁ」

にこ「何がよ」

希「にこっちは先輩と親しくなれば絶対可愛がられるタイプやん?」

にこ「知らないわよ。私がそんなの求めてないんだからどうでもいいでしょ」

希「年上には興味ないってこと?」

にこ「年上かどうかは関係ないの。音ノ木坂にそこまで好きになる相手がいないってだけの話よ」

希「ふーん…今はUTXのA-RISEに夢中ってこと?」

にこ「まあそんなとこ。別に個人的にどうこうってわけじゃないけどね。相手は日本で一番人気があるスクールアイドルだし」

希「もったいないもったいない!」

にこ「うっさい。あんたこそ、こんなとこに居ないで先輩か後輩とでも仲良くしてりゃいいのよ」

希「ウチにそんな相手がいると思う?」

にこ「知らないわよ。いいから、さっさと行け!」グイグイ

バタン

希(…追い出された)トボトボ

【部室】

にこ(どうでもいいわよ。先輩なんて…)

『にこちゃん。だいすきー♪』

にこ(…あいつのだったら、貰ってやってもいいけど)


4: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:09:36.69 ID:v9W8xNnL

【今年・四月】

理事長「廃校」

パラララ シュタタタ

絵里「希!こんなときに占いなんて…」

希「こんなときだからこそ、や」スッ

希「ん?…珍しいカードが出たなぁ」パタ

絵里「それは…小アルカナだっけ?」

希「そう。ペンタクルの8、正位置…専門的な知識、こだわり」

絵里「それが廃校を防ぐカギになるのね!?」

希「へ?…廃校?」

絵里「こんなときだからこそ占うって言ったじゃない。…違うの?」

希「あ、あー。そやね…ハハハ」

希(何やろ…ウチのことならオカルト関連かな?…もしくは、アイドルヲタクのにこっち)

絵里「この横向きのカードは?…これだと正位置か逆位置かわからないんじゃない?」

希「そこは占う人によって逆位置を無しにしたり、左右で決めてたりするん」

絵里「へー」

希「じゃあ、せっかくだから次はエリちが一枚めくってみて」

絵里「この横向きのでいいの?」

希「どれでもいいよ」

絵里「じゃあ、これにするわ」スッ

パタ

希「小アルカナ、ワンドの7か…正位置なら、信念。逆位置は消極性ってとこかな」

絵里「どっちなの?」

希「ウチは横向きのカードに関しては、両方の可能性があると考えてるよ。確かな信念は持ってるけど消極的で、思い通りに行動できない…そんな感じかな」

絵里「なるほどね。わかる気がするわ…」

希(エリちも素直になれないタイプやし、これはエリちのことかな?)

希「三枚目のカードは…」

スッ パタ

希「またワンドやな…4の正位置。出会い…かな?」


5: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:13:37.16 ID:v9W8xNnL

絵里「これから出会う人が廃校を防ぐカギになるの?」

希「たぶんね」

希(…となると、先に出た二枚のカードもその人のことなんかな?)

希(専門的な知識と強いこだわりをもち、信念はあるけど消極的…)

【秋葉原・UTX前】

ザワザワ

凛「なんか混んできたにゃ…」

花陽「ピャァ!?お、押さないで…」

ブチッ コロン

\♪キャナイドゥーアイテーキベービ/

穂乃果「これだ…見つけた!」

にこ「落としたわよ」

穂乃果「あ、はい。すみません…ありがとうございます」

にこ「これもあんたの?」

穂乃果「え?…これ、制服のボタン…?」

【音ノ木坂・生徒会室】

希「落とし物?」

穂乃果「はい。秋葉原の…UTXの前に落ちてたんですけど」

絵里「音ノ木坂の制服のボタンね…なぜそんな場所に?」

穂乃果「私も今朝行ったし、たぶん誰か音ノ木坂の生徒が落としたんじゃないですか?」

絵里「そう…ありがとう」

穂乃果「落とした人、早く見つかるといいですね!」

パタン

希「ふふ…いい子やね」

絵里「そうね。…消極性とは縁が無さそう」

希「まあね。あのカードは、あの子ではないんやろな…」

絵里「もしかして…ボタンの持ち主のほうなんじゃない?」

希「あー、それはあり得るね…」

希(消極的な子やったら、自分からは取りに来ないかも?)


6: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:21:05.39 ID:v9W8xNnL

【廊下】

凛「どこで落としたのー?」

希(…ん?)

花陽「朝、家を出るときはちゃんとあったし…ひょっとして」

凛「秋葉原…とか?」

花陽「…そうかも」

希「探し物はこれかな?」

りんぱな「えっ」

花陽「あっ。ボタン…」

希「UTXの前に落ちてたんやって。今朝そこで拾った子がいたんよ」

凛「よかったね!かよちん♪」

花陽「で、でも…まだ私のって決まったわけじゃ…」

凛「なに言ってるにゃ。あんなところで音ノ木坂の制服のボタン落とす人がたくさんいるわけないよ」

希(“消極性”…この子かもしれんね)

希「じゃあ、念のためウチが占ってあげる」

花陽「占い…?」

パラララ シュタタタ

希「大アルカナだけの簡単な占いや。…えーと、あなた」

花陽「小泉、花陽…です」

希「小泉さん。このボタン持ってて」

花陽「は、はい」

スッ パタ

希「愚者のカード、正位置…“直感”」

希「あなたは、どう思う?」

凛「絶対かよちんのボタンですよ!」

花陽「り、凛ちゃん…」

希「ふふ…じゃあ、次は小泉さんがカードをめくってみて」

花陽「はい…えっと、どれですか…?」

希「直感で決めていいんよ」

凛「直感…なるほどにゃ」


7: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:23:19.86 ID:v9W8xNnL

花陽「じゃ、じゃあ…これ」スッ

パタ

希「隠者のカードや。真実、結論、解決」

凛「ほら!これって、かよちんのボタンが見つかって解決ってことでしょー?」

花陽「でも…横向きのカードなら、正位置の意味とは限らないんじゃ…?」

希「小泉さんも知ってるん?タロットの意味」

花陽「は、はい。母もタロット占いするので…」

『ふふふ。何のカードが出たのかなー?』

希「そか。…確かに隠者の逆位置だと“疑い”とか“真実は闇の中”なんて意味もあるね」

凛「えー?><」

希「でも、もう一枚のカードとあわせて見ると…直感を信じて解決。疑えば真実は闇の中…とも考えられないかな?」

花陽「直感を、信じて…?」

凛「そうだよ。凛は絶対、かよちんのボタンだと思う!」

花陽「そ、そうかなぁ?」

凛「そうだよ。かよちんは凛を信じてくれないのー?」

花陽(凛ちゃんと、先輩の占い…信じてもいいよね)

花陽「ありがとうございました…先輩」

希「ウチよりも、ボタンを届けてくれた子に言ってあげて」

花陽「あ、はい」

花陽(それはもちろんだけど、先輩も…何だか、あの人に似てる…?)

『アイドルになるって強く思っていれば、きっとなれる。そういう意味のカードや』

【二年教室】

穂乃果「そっか。よかったね、見つかって!」

花陽「はい。ありがとうございました…先輩が拾ってくれたおかげで」

穂乃果「待って。そのボタン、拾ったの私じゃないんだ」

花陽「え…?」

穂乃果「拾ってくれた人がいてね。私はその人からボタンを受け取っただけなの。たぶん私だけだったら気づかなかったんじゃないかな?」


8: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:25:53.21 ID:v9W8xNnL

【生徒会室】

希「なるほど。…それ、にこっちやないかな?」

花陽「ニコッチ…?」

希「うん。会ってみればわかると思うよ。…エリち」

絵里「…は?」

希「案内してあげて」

絵里「なんで私が…希のほうが矢澤さんと仲いいでしょ」

花陽「あ、あの…教えていただければ、私だけでも…」

希「いいからエリちと一緒に行き」

【アイドル研究部・部室】

にこ「げ…(絢瀬)」

花陽「げ?」

にこ「…あんたは?」

絵里「矢澤さん、UTXの前で制服のボタンを拾わなかった?」

にこ「あー。あれ落としたの、あんた?」

花陽「は、はい。ありがとうございました…見つけてくれて」

にこ「別に。届けてくれた子に言いなさいよ。私だけだったらそのへんに捨てて帰ったわ」

花陽「…ふふっ」

絵里「小泉さん?」

花陽(高坂先輩と同じこと言ってる。副会長さんも…みんな優しいな…)

花陽「私、音ノ木坂に入ってよかったです」

絵里「そう?」

花陽「はい。素敵な先輩がたくさんいて…」

『エリちは気になる先輩は居ないの?』

絵里(素敵な先輩か…私も、そう言ってもらえるような人になれるかしら…)


9: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:28:03.37 ID:v9W8xNnL

【再び生徒会室】

希「んー。承認してあげたいところやけど、部活は同好会でも最低五人は必要なん」

穂乃果「五人…」

希「あと二人やね」

ガチャ

ことほのうみ「!」

絵里「あなたたち…」

希「おかえり。エリち」

絵里「…何の話をしていたの?」

穂乃果「三人でスクールアイドルを始めようと思って…」

海未「でも部活動として承認されるためには人数が足りないということですから…」

ことり「もう帰るところです。失礼しました」ペコ

絵里「待って。高坂さん」

穂乃果「はい?」

絵里「矢澤さんとは話したの?」

穂乃果「やざわさん?」

絵里「今朝、秋葉原でボタンを拾った子よ」

穂乃果「あの子、ヤザワさんっていうんですか?」

希「うん。矢澤にこ。ウチらと同じ三年生や」

穂乃果「え!?」

ことうみ「?」

穂乃果(あの子も高校生だったんだ…)

にこ「ふーん…スクールアイドルねえ」

穂乃果「まだ三人しかいなくて、部活動としては認められてないですけど…」

にこ(…この子を寄越したってことは、協力しろって言いたいのかしら)

にこ「で?…あんたたち、どれくらいできるの」

穂乃果「はい?どれくらいって、どういう…」

にこ「歌とダンスに決まってんでしょ。当然、練習くらいしてんのよね?」

穂乃果「いや、まだ全然…何もしてないです」

にこ「あんた以外の二人は?経験者なの?」


10: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:30:03.26 ID:v9W8xNnL

穂乃果「海未ちゃんが日本舞踊だけ…ことりちゃんと私は特に何も」

にこ「はぁ!?そんなんでアイドルとか、寝ぼけてんの?」

穂乃果「確かに今日ちょっと早起きしたから眠いです」ファー

にこ「そういうことじゃなくて…はぁ、もういいわ。とにかく今のあんたたちじゃ話になんない。ちゃんと練習始めてから出直してきなさい!」

穂乃果「出直してって…まだ何も始めてないのに」

にこ「だから、本当にやる気があるならさっさと始めなさいよ。…なんかわからないことがあったらいつでも聞きに来なさい」

穂乃果「矢澤先輩…ありがとうございます♪」

【正門】

花陽「副会長さん」

希「小泉さん。どうしたん?」

花陽「えーと…さっきは、ありがとうございました…」

希「いえいえ。ウチは占っただけやんな」

花陽「でも副会長さんが来てくれなかったら、ボタンが学校に落とし物として届いてることも知らなかったし…」

希「ボタンが取れちゃった瞬間は運が悪かったかもしれないけど、その後は上がる運気やったんやね♪」

花陽「そうですね…ふふふ」

希「じゃあ、ウチは」
花陽「あ、あのっ。…よかったら、途中まで一緒に…」

希「あ…ウチと一緒に帰る?」

花陽「は、はい。お願いします…」

希「そんなかしこまらなくても…じゃあ行こっか♪」

花陽「はい。…エヘヘ」

希(小泉さん…可愛いな♪)

希「さっき一緒に居たお友達は?」

花陽「凛ちゃんは興味がある部活動を幾つか見てから帰るって…」

希「そうなんや…小泉さんはいいの?部活見学」

花陽「私は…運動も苦手だし、これといって取り柄もないし…」

希「そうなん?成績はどう?」

花陽「えっと…体育以外なら、そこそこできます…」

希「そっか。じゃあ美術部とか?」

花陽「あ…絵を描くのは結構好きかも…ただ」

希「んー?」


11: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:33:44.17 ID:v9W8xNnL

花陽「知らない人に見せたりするのは…テーマとか期限とか、プレッシャーっていうか…」

希(才能はあっても消極性が問題って感じやな)

希「じゃあ…生徒会なんてどうかな?」

花陽「えっ。…生徒会?」

希「うん。ウチらは年内に引退やし、小泉さんが生徒会に入ってくれたら助かるんやけど♪」

花陽「わ、私が生徒会!?…無理だと思いますけど…」

希「どうして?」

花陽「だって、私は…会長さんや副会長さんみたいに堂々としてないし…そんな責任のある役目なんて、とても…」

希「責任があるのは生徒会だけやないと思うよ。どんな部活でも委員会でも一緒やん?…それに入ったばかりの一年生で実績も何もないのに態度だけ立派でも意味ないし」

花陽「そ、それは…そうかもしれないですけど…」

希「しばらくはウチらがサポートするから大丈夫や。そのための先輩やろ?」

花陽「はあ。…で、でも」

希「ウチは、小泉さんみたいな可愛い女の子がそばに居てくれたら嬉しいし、今よりもっと頑張れると思うけどなぁ♪」

花陽「そ、そんなこと…私なんて…」

希「まあ、気が向いたらいつでも生徒会室に来てよ。ウチは小泉さんが来てくれるの楽しみに待ってるから♪」

花陽「副会長さん…」

【後日・生徒会室】

花陽「は、はい。午後から…えーと、この日は…」

希「新入生歓迎会の日の放課後やね」

花陽(せっかく副会長さんに誘ってもらったし、生徒会に入っちゃった…)

花陽(副会長さん、優しくて素敵な人だし…なぜか昔から知ってるような安心感があるんだよね)

花陽「では承認ということで…が、頑張ってください」ポン

穂乃果「ありがとー♪よかったらみんなで見に来てね!」

絵里「そんなこと言える状態なの?」

希「まあ、まあ。エリち…ライブうまくいくといいね」

花陽「きっと行きます。みんなで…」

花陽(通常の行事のほかに今年は廃校問題絡みでいろいろあって、生徒会のお仕事は結構大変みたいです…)


12: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:40:03.01 ID:v9W8xNnL

花陽「はぁ…ちょっと緊張しちゃいました」

絵里「まあ、一年生が一番少ないから基本的に来るのはほとんど先輩だものね」

希「でも可愛い後輩がいるとウチらもやりがいがあるよね♪」

花陽「そ、そんな…」

絵里「悪かったわね。私は可愛くなくて」

希「そんなことないよ。二人とも可愛い♪」ナデナデ

花陽「えへへ」
絵里「やめてよ///」

花陽(雰囲気もいいし、頼れる素敵な先輩方がついてるから…なんとかうまくやっていけるかな?)

希「そういえば制服のボタンも元通りやね。もしかして小泉さん、自分でつけたん?」

花陽「は、はい。これくらいなら何とか…」

絵里「裁縫とか得意なの?」

花陽「母ほど上手じゃないですけど、結構好きで…簡単なものならできます」

希「ええね。今度ウチも小泉さんにやってもらおうかな♪」

花陽「え?…えーと、何かボタンが取れちゃったのとかあるんですか?」

希「いや、今のところないけど」

絵里「希は自分でできるでしょ?」

希「エリちは亜里沙ちゃんにやってもらってるん?」

絵里「いや、私も自分でやるわよ」

花陽「ありさちゃん?」

絵里「妹よ。中3なの」

花陽「へー(私のひとつ下かぁ)」

希「自分でやるより好きな娘にやってもらうのがいいんよ♪」

花陽「え!?」

希「…ん?」

花陽(好きな…って、もしかして私…とか…アハハ。そんなわけないよね)

絵里「…」

キーンコーンカーン…


13: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:42:10.52 ID:v9W8xNnL

【昼・中庭】

希「今日は天気もいいし、中庭でお昼や!」

希「…ってあれ、小泉さんは…?」

凛「かよちんならアルパカ小屋じゃないですかー?」

希「アルパカ?」

凛「はい。かよちん飼育委員だから」

希「へー。そうなんや…」

【アルパカ小屋】

希「あ、いたいた。小泉さん」

花陽「副会長さん…どうしたんですか?」

希「一人で大変やない?…ウチも手伝うよ」

花陽「いえ、大丈夫です。…えっと、このあと花壇の水やりをする予定なんですけど」

希「お水ね。ウチがじょうろ持ってくるよ」

花陽「すみません…じゃあ、お願いします」

希「もー。水汲む前に水くさいこと言わんといて」

花陽「へ?」

希「こういうときはすみませんやなくて、ありがとうや♪」

アルパカ「フガッ」

花陽「そ、そうですね…ありがとうございます。よろしくお願いします。副会長さん♪」

アルパカ「メ゙ェ♪」

【中庭】

希「これくらいでいいの?」

花陽「はい。ありがとうございました♪」

希「ウチでよかったら毎日でも手伝うよ♪」

花陽「毎日!?…そ、そんなにいつも副会長さんに迷惑かけるわけには…」

希「お昼、小泉さんと一緒に食べたいから。早く終わったほうがウチも助かるし」

花陽「わ、私と…?」

希「うん。…ダメかな?」

花陽「い、いえっ。…私も、副会長さんと一緒がいいです///」

花陽(また副会長さんと一緒に居られる時間が増えて…嬉しい♪)


14: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:44:20.55 ID:v9W8xNnL

希「えーと…あれや、そういう形のお弁当箱か何か?」

花陽「はい?…これ、おむすびですよ」

希「みんなの分作ってきてくれたん?」

花陽「私の分だけですけど…副会長さんも食べますか?」

希「う、うん。じゃあ…ひと口だけもらおうかな」

花陽「どうぞ♪」ニコニコ

希(なんやろ…巨大おむすびとしか言いようがないけど…ドッキリとかやないんかな?)

花陽「いただきます♪」

希(大袈裟な比喩とかやなくて、本当に顔より大きいおむすびなんて初めて見た…)

花陽「おいしい♪」モグモグ

希(普通に食べてるけど…ウチに少し分けても食べきれる量やないよね。残すんかな?)

花陽「…あれ、副会長さん…お昼、もしかしてそれだけですか?」

希「あ、うん。もし時間なくてもこれなら手軽に食べられるし…」

花陽(たくさん入ってる小さいあんパン。ペットボトルのフタくらいの大きさかなぁ…全部食べても普通のあんパン1個より量が少なそう)

希「結構おいしいんよ。小泉さんも食べる?」

花陽「えっ。…でも、それを私がもらっちゃったら足りないんじゃ…?」

希「いや、ウチは小泉さんがくれたおむすびで充分足りるよ」

花陽「それだけじゃ栄養が偏りますよ。よかったら、おかずも食べてください♪」

希「そ、そう?…じゃあ、一つ貰っていい?あんパン1個と交換で」

花陽「はい。どうぞ♪」

希(あの巨大おむすびだけじゃなくおかずも普通にあるんや…)モグモグ

花陽「どうですか…?」

希「おいしい♪このチキンロール、もしかして小泉さんの手作り?」

花陽「いえ、それは母が。私はおむすびとか簡単なものを…」

希「へー。親子で料理かぁ…なんかいいね♪」

花陽「副会長さんは、お料理は…?」

希「ウチ?…まあ、一応それなりにできるけど。小泉さんは料理も得意なん?」

花陽「得意っていうほどじゃないですけど…私でよかったら、副会長さんのお弁当も作りましょうか?」

希「ちょ、ウチも料理できないわけやないよ!?」

花陽「そ、そうですよね…ふふっ」


15: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:52:06.53 ID:v9W8xNnL

希「あっ、信じてないなー?じゃあ今度はウチがお弁当作って小泉さんに食べさせてあげるからね!」

花陽「別に疑ってるわけじゃ…でも楽しみにしてます♪」

希(あの巨大おむすびを…小泉さんはいつの間にか全部食べてしまった)

希「あ…そうそう。明日はウチ、ちょっと遅れるから。エリちと二人で頑張って」

花陽「遅れるって…何かあるんですか?」

希「ちょっとね。…まあ、そのうちわかると思うよ♪」

花陽「はあ」

希「今日は一緒に帰ろ♪」

花陽「はい♪」

絵里(あの二人、仲いいわね…)モグモグ

にこ(…つーか、なんで隠れて見てんのよ)モグモグ

【小泉家】

花陽「ただいまー」パタン

花陽ママ「花陽?おかえりなさい。ちょっと待っててー」

花陽「?」

凛「いただきにゃ」バシバシ

花陽ママ「あっ、ずるいわよ凛ちゃん」

花陽「凛ちゃん来てたんだ?(お母さんとゲームやってる…)」

凛「おかえり、かよちん。今日はラーメンの日だよー♪」

花陽「そっか(凛ちゃんのお母さんがうちに来てラーメン作ってくれてるみたい)」

凛ママ「もうすぐできるわよ」

花陽ママ「楽しみねー♪」

花陽(凛ちゃんはもちろんだけど、お母さんもラーメン好きで…特に凛ちゃんのお母さんが作るラーメンが大好きなんだよね)

花陽「っていうか、お母さんも手伝おうよ…」

花陽ママ「たまには何もしないで好きな娘の手料理を食べたいのよー」

花陽「そういえば…これもボタンっていうよね」

凛「かよちんもやろうよー♪」

花陽「あとでね。今はお手伝い優先」

凛ママ「ごめんね花陽ちゃん」

花陽「ううん。私にできるのはこれくらいだし…」


16: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:54:53.01 ID:v9W8xNnL

凛ママ「凛も、もうちょっと料理を覚えてくれるといいんだけど」

花陽「アハハ…そうだね…」

花陽ママ「そろそろね。一旦終わり」

凛「えー?まだできるよ><」

花陽ママ「手を洗わない子にはラーメンはおあずけよー?」

凛「それは困るにゃ」

花陽(テレビのリモコンも…ボタンがいっぱいだね)

ママりんぱな「いただきます♪」

花陽(私は普段はごはん派だけど、凛ちゃんのお母さんのラーメンは美味しいから好き♪)

【翌朝】

花陽ママ「花陽。これお願い」

花陽「うん」

パタン ピッ

花陽(オーブンレンジは…ゲームのコントローラやテレビのリモコンみたいに立体的ではないけど、これもボタンでいいのかな?)

ブーン…

【音ノ木坂・生徒会室】

花陽「おはようございます」

絵里「おはよう小泉さん」

花陽(昨日言ってたとおり、今日はまだ副会長さん来てない…)

絵里「…希?」

花陽「はい」

絵里「そうね…放課後、時間があったら見に行ってみる?」


17: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:55:56.86 ID:v9W8xNnL

【神田明神】

『ちょっとね』

花陽(ここに来ればわかるって生徒会長さんが言ってたけど…)

\キャー!/

花陽「!?(女の子の悲鳴?)」

希「まだ発展途上といったところやな♪」

花陽「…何してるんですか?」

のぞまき「!」

希「え、えーと。ウチは巫女さんや!」ドヤァ

花陽「似合いますね」

希「そう?…何なら小泉さんも」

花陽「それより。…西木野さんに何をしてたんですか?」ジトー

希「い、いやあれは…何と言うか…スピリチュアルや!」

花陽「は?」

希「ごめんなさい。もうしません…」ドゲザ

花陽「…西木野さんのこと、気になるんですか?」

希「えっ。…まあ気になるといえばなるけど…恋愛的なあれではないというか」

花陽「ふーん…じゃあ誰にでもするんですか?」

希「そ、そんなことないよ。…っていうか小泉さん、ウチに会いに来てくれたん?」

花陽「はい。生徒会長さんに聞いて…」

希「そか。エリちが…」

花陽(副会長さんが巫女さんのバイトしてるなんて、知らなかった…)

希「ひと目でウチやってわかってくれたね♪」

花陽「まあ、声も聞こえたし…」

希「でも、見た目はいつもとひと味違う感じやろ?」

花陽「そうですね。素敵です♪…見た目は」

希「ちょ、ウチ嫌われてる!?」

花陽「冗談ですよ。ふふふ…でも、女の子が悲鳴上げるようなことは…」ジトー

希「ごめん、ごめん。もうしないよ…西木野さんにも後で謝るから」

花陽(副会長さんって、単純に女の子が好きなのかなぁ…)


18: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 00:58:25.88 ID:v9W8xNnL

【五月・生徒会室】

絵里「私はいいわよ。二人で行けばいいじゃない」

希「別にデートってわけやないし、みんなで行こうよ」

花陽「人数が多いほうがいいし、こういう機会ってなかなか無いし…」

絵里「…わかったわ。でも私は応援するわけじゃないからね?」

【講堂前・廊下】

凛「あっ、かよちーん!」

花陽「凛ちゃん。…西木野さんも?」

真姫「わ、私は通りかかっただけだって言ってるのに、星空さんが…」

凛「いいから、いいから。早く入るにゃー♪」

パタン

絵里「…矢澤さん?」

にこ「あんたが来るなんて…希が連れて来たの?」

希「今回は花陽ちゃんのご指名や♪」

絵里「…生徒会長として、きちんとライブが行われるかどうか確認しに来ただけよ」

にこ「ふーん…まあ、何でもいいけど。隣、座る?」

絵里「…そうね」

花陽(生徒会長さんと矢澤先輩って、もしかして…?)

希「花陽ちゃん。ウチらも座ろ」

花陽「はい」

穂乃果「…六人かぁ」ガクッ

ことり「知ってる人ばっかりだね」

海未(これなら緊張しなくて済みそうです)ホッ

\アイセー♪/

花陽(希先輩とはお互い名前で呼ぶようになって、前より仲良くなれた…かな?)

絵里「どうするつもり?」


19: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:00:22.64 ID:v9W8xNnL

花陽「…希先輩」

希「ん、なに?」

花陽「呼んでみただけです。…エヘヘ」

希「花陽ちゃん♪」

にこ「…あんたたち緊張感なさすぎ」クス

穂乃果「ここを満員にしてみせます!」

絵里「…」スタスタ

希「もう帰るん?」

凛「凛たちも帰るにゃー」

花陽「そうだね…」

にこ「高坂」

穂乃果「矢澤先輩。ライブどうでした?」

にこ「全然ダメね」

穂乃果「えー!?」

にこ「けど…見せてもらったわ。あんたたちの心意気…」

ことり「はあ」

にこ「一緒にやらない?」

ことほのうみ「えっ」

【後日・西木野邸】

ピンポーン

花陽(これもボタン…だよね?)

真姫ママ「はーい♪」

【穂乃果の部屋】

海未「すごい再生数ですね…」カチ

花陽(マウスは…ボタンかなぁ?…キーボードのほうは何々キーっていうけど)


20: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:01:56.10 ID:v9W8xNnL

【六月】

花陽(にこ先輩と真姫ちゃん、私、凛ちゃんも加わってμ'sは七人になったよ)

『でも私、生徒会もあるし…』

『ウチらがいるから大丈夫や』

『園田さんも弓道部と掛け持ちみたいだし…あなたならできるわ』

\マーダマダマダマダコレカラ♪/

花陽(スクールアイドル、やってみたいと思ってたから…でも、希先輩と一緒に居る時間がちょっと減っちゃうのが残念…)

花陽「ラブライブです!」

真姫「生徒会役員もいるし…」

花陽「じゃあ承認ということで…」

絵里「前例もない事だし、理事長に確認しましょう」

理事長「赤点がry」

にこ「に、にっこにっこにーが赤点なんて取るわけないでしょー?」

絵里「覚悟はできてるわよね?」

花陽(にこ先輩の勉強は絵里先輩が、凛ちゃんは真姫ちゃんが見てくれるみたいで…)

希「えーと…ウチらも勉強する?」

花陽「私は赤点の心配はないと思いますけど…まあ、ある程度は…」

希「ウチも元々はそんな成績良くなかったんよ」

花陽「そうなんですか?」

希「うん。でも生徒会に入りたくて勉強頑張ったん。かりにも学校を代表する立場やし、頭悪そうやったら安心して任せられないやん?」

花陽「アハハ…そうかも…」

花陽(勉強してない、努力しない人。宿題をやってこない、期限を守れない人。授業を真面目に受けない、人の話を聞かない人…そう思われても仕方ないから、成績は信用にかかわるんだよね)

【七月】

希「九人や。ウチを入れて」

\ダイスキ♪/

花陽(ついに絵里先輩と…希先輩もμ'sのメンバーになった♪)

花陽「…希先輩もアイドルやりたかったの?」

希「んー?…ウチは絶対アイドルじゃなきゃってほどでもなかったけど、μ'sに入れば花陽ちゃんと一緒やし♪」

花陽「希先輩…エヘヘ。これからもよろしくお願いします♪」


21: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:07:30.81 ID:v9W8xNnL

【夏合宿】

凛「テンション上がるにゃー!」バシャバシャ

花陽「こんなに遊んでていいのかな…?」

にこ「ま、たまにはいいんじゃない?…私たちは高校生活最後の夏休みだし」

花陽「あ…(そっか。希ちゃんも三年生だから…三月には卒業しちゃうんだよね…)」

希「今のうちに花陽ちゃんの水着姿を堪能しておかないとね♪」

花陽「あ、あんまり撮らないで…」

希「花陽ちゃんのセクシーショットはウチが個人的に楽しむだけやから大丈夫や♪」

花陽「さっき海未ちゃんも撮ってたよね?」ジトー

希「いやぁ、海未ちゃんの恥じらう表情もなかなか…」

花陽「…」

【夕方】

希「…あれ、真姫ちゃんは?」

花陽「地図書いてくれたの。…ほら」

希(…もしかして、ウチと花陽ちゃんが二人きりになるように気をつかってくれたんかな?)

花陽「行こ。希ちゃん」ギュ

希「う、うん」

花陽「きれいだねー♪海が夕焼けの色に染まって…」

希「…花陽ちゃんも綺麗だよ」ボソ

花陽「え?」

希「花陽ちゃん!」ギュ

花陽「な、なに?」ドキ

希「ごはんとウチ、どっちが好き!?」

希(ウチは何言ってるんや…)トホホ

花陽「え、えーと…両方?」

希「アハハ…そか…」

花陽「うん。…でもね」

希「なに?」


22: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:09:04.71 ID:v9W8xNnL

花陽「おいしいごはんはみんなで食べたいけど…希ちゃんは」

希「?」

花陽「…ううん。なんでもない///」

花陽(希ちゃんは、私が独り占めしたいな。なんて…エヘヘ)

【九月】

希「ことりちゃん、レバノンへ行くのやめたんやって」

花陽「へー。…レバノンってどこ?」

希「中東のパリって呼ばれてる、地中海の小さな国らしいよ」

花陽「そうなんだ…ねえ、希ちゃん」

希「んー?」

花陽「もし私が留学するって言ったら…希ちゃんはどうする?」

希「花陽ちゃん…そんな予定あるん?」

花陽「ないけど…もしもの話」

希「どうかなぁ…でも、もしウチが行くとしたら花陽ちゃんも連れて行っちゃおうかな♪」

花陽「希ちゃん…じゃあ、二人でレバノンへ行くの?」

希「そやね。いつか二人で行けレバノンびり過ごしたいなあ♪」

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

【十月】

希「!」

凛「なんか不本意だにゃー!」

花陽「希ちゃん?…どうしたの?」

希「制服のボタンが取れちゃって…花陽ちゃん、つけ直してくれる?」

花陽「うん。いいけど…」

【矢澤家】

にこ「人んちでいちゃつかないでよ」

希「別に、いちゃついてるわけじゃ…ボタンは不可抗力やし」

にこ「花陽のはなんで取れたのよ」

希「えっ。…花陽ちゃん?」

花陽「こ、これは、その…」モジモジ


23: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:09:57.39 ID:v9W8xNnL

【十一月】

希「見た目は、何も変わらんけど…」

花陽「アハハ…そうだよね。同じボタンだし…」

希「これって…卒業する前にウチのボタンは花陽ちゃんにあげたってことでいいんだよね?」

花陽「…いいの?」

希「そのつもりでウチのと花陽ちゃんのをつけ替えたんやろ?」ニヤニヤ

花陽「うん///…私のも、希ちゃんにあげたことになるし」

希「こんなに早く、お互い“予約”してるなんて…さすがにウチらだけかな?」

花陽「そうかもね…エヘヘ」

花陽(あの日、希ちゃんが持ってきてくれた私のボタンが…今は希ちゃんの物♪)

希「そういえば…今日は“いい夫婦の日”やね♪」

花陽「ふ、夫婦…?」

希「うん。花陽ちゃんはまだ十五歳やけど…来年か、もっと先か…いつかの11月22日は、二人で過ごす日になってるんかな?」

花陽「それって…つまり…///」

希「ふふふ。指輪はまだないけど、ボタンの交換が約束の証や」

花陽「うん♪」



おわり


24: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 01:14:05.19 ID:v9W8xNnL

※関連スレ

花陽「占いのお姉さん?」希「六番目は緑の森」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1471195727/

希「十一月」ことり「十六日は」花陽ママ「幼稚園記念日」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1479222238/


25: 名無しで叶える物語(王都図書館司書室)@\(^o^)/ 2016/11/22(火) 12:36:10.90 ID:9wezmLeQ

アナザーストーリーいいね




掲載元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1479740507/
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