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【SS】梨子「第三回」善子「ギルキス」マリー「シチュエーションゲーム♪」

1: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:26:47.03 ID:hDVkvVK70


・ギルキスの3人が様々なシチュエーションを演じる企画です

・短いです

・よしりこまりです


【SS】梨子「第二回」善子「ギルキス」鞠莉「シチュエーションゲーム♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471779746/

上記の続きになりますが、読んでいなくても問題ないと思います。

 


2: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:30:30.55 ID:hDVkvVK70


~ Guilty Kiss 定例ミーティング ~


梨子「それじゃ、『TVアニメ ラブライブ! サンシャイン!! Blu-ray 特装限定版』の全巻購入特典ユニットシングルの収録日はこの日にしましょう」

善子「アニ○イトで全巻購入すると『Guilty Kiss』の特典CDが貰えるわ! ギルキスが好きなみんな、ぜひ買ってね!」

マリー「オーケー、収録日も決まったので今日のミーティングはこれでおしまい」

梨子・善子・マリー「お疲れ様でした」

梨子「それでは、みんなお待ちかねの『第三回ギルキスシチュエーションゲーム』を始めますね!」

善子・マリー「わー」パチパチ



3: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:32:17.18 ID:hDVkvVK70


説明しよう


ギルキスシチュエーションゲームとは

ギルキスの3人で様々なシチュエーションを演じることにより親睦を深めて、チームワークを上げようという鞠莉ちゃん発案のナイスな企画である!



4: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:35:22.01 ID:hDVkvVK70


梨子「さて、前回はいろいろと大変な目にあったけど、今回のお題は何かな?」ペラッ


『おばけ』


善子「今回はおばけになりきればいいのね!」

マリー「今日はハロウィン! だから、ハロウィンにふさわしいお題にしてみたわ♪」



5: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:37:08.59 ID:hDVkvVK70


梨子「だけど、何でハロウィンはおばけの仮装をするんだろう?」

善子「おばけといったら普通は夏よね?」

マリー「二人ともハロウィンについて知らないの!?」

梨子「実はあまり詳しく知りません……」

善子「ハロウィンってただコスプレをする日でしょ?」

マリー「Oh、これだから日本人は……」

マリー「せっかくだから、このマリーが二人にハロウィンについて教えてあげるわ♪」



6: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:40:36.19 ID:hDVkvVK70


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ー 教えて、マリーちゃん! ー


『ハロウィンの由来』


マリー「ハロウィンは、もともとは古代ケルト人の秋の収穫を祝うお祭りだったのよ♪」

マリー「古代ケルト人にとって、10月31日が1年の終わりで、この日はこの世とあの世が繋がって、死んだ人がこの世に帰ってくると信じられていたの……日本でいうお盆みたいなものね」

マリー「そして、古代ケルト人は先祖の霊と一緒に秋の収穫を祝うのだけど、先祖の霊と一緒に悪魔や魔物といった悪霊もこの世にやって来ると信じていたの」

マリー「悪霊は子ども達をあの世に連れて行こうとするから、子ども達が悪霊に攫われないように、この日だけはおばけの格好をさせて悪霊を騙していたの……これがハロウィンの仮装の起源ね」

マリー「そして、この古代ケルト人のお祭りが後にキリスト教の11月1日の『聖者の日(All Hallows)』の前夜祭と合体して『ハロー・イブ(Hallows eve)』となり、これが訛って『ハロウィン(Halloween)』と呼ばれるようになったわ」

マリー「ちなみに『Trick or Treat.(お菓子をくれないと、イタズラするぞ!)』は、貧しい農民がお祭りの時に他人の家に食料をもらいに歩きまわっていたのを子ども達が見て、自分達はおばけの仮装をしているから正体がバレないんじゃないかと思いつき、おばけの仮装をしながら、他人の家にお菓子をもらいに行ったことからできた可愛い風習よ♪」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



7: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:43:15.14 ID:hDVkvVK70


マリー「少しはハロウィンのことをわかってもらえたかしら?」

梨子「はい、とてもわかりやすかったです」

善子「マリーは物知りなのね」

マリー「ふふふ、二人にハロウィンのことを知ってもらえて良かったわ♪」



8: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:45:04.06 ID:hDVkvVK70


マリー「ところで、梨子ちゃんと善子ちゃんはおばけっていると思う?」

善子「おばけなんて迷信よ! 存在しないわ!」

梨子「よっちゃんは普段から堕天使や悪魔とか言っているのにおばけは信じていないの?」

善子「あ、当たり前よ……だって、おばけが本当にいたら……怖いじゃない……」ボソッ

梨子(可愛い///)

善子「そういうリリーはおばけを信じているの?」

梨子「まさか、子どもじゃないんだから」クスクス

マリー「ふふふ、マリーはおばけはいると思うわ♪」

梨子「どうしてですか?」

マリー「だって、おばけがいたら楽しそうじゃない♪」

善子「マリーらしいわね」



9: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:47:07.20 ID:hDVkvVK70


マリー「それじゃ、そろそろ始めましょうか……」

マリー「もしも、善子ちゃんがおばけになったとしたら」

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10: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:49:16.88 ID:hDVkvVK70


~ 真夜中の学校 ~


ガチャ

梨子『よっちゃん……いるの?』ソー

???『リリー、待ってたわ……』

???『こんな夜中に学校に呼び出してごめんね……』

梨子(部屋が暗くてよっちゃんの姿がよく見えない……)

梨子『私に大事な話があるって言ってたけど、何の話なの?』

???『ふふふ、それにしても今日は月が綺麗ね、リリー』

梨子(これって、もしかして///)ドキッ

梨子『私、死んでもいいわ///』ドキドキ

???『……何を言ってるの、リリー?』キョトン

梨子(ち、違った……)ガクッ



11: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:52:07.75 ID:hDVkvVK70


???『実はあなたに、私の正体を教えようと思ったの』

梨子『……正体?』

???『実は私ね……』トコトコ

梨子『よっちゃん?』

梨子(目が慣れてきてよっちゃんの姿が……)

吸血鬼(善子)『吸血鬼なのよ!!』ギラッ

梨子『っ!? き、牙が!?』

吸血鬼(善子)『リリー、ずっと、あなたの血を吸ってみたかったの……』ジリジリ

梨子『あっ、あぁ……』

吸血鬼(善子)『今からあなたの血を吸わせてもらうわ!!』バサッ

梨子『きゃあああああぁぁぁぁぁ!!』ダッ



12: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:55:27.40 ID:hDVkvVK70


吸血鬼(善子)『おっと、逃さないわよ!』ガシッ

梨子『嫌っ!! 離して、よっちゃん!!』ジタバタ

吸血鬼(善子)『ふふふ、吸血鬼に力で敵うはずないでしょ』

吸血鬼(善子)『あーん♪』

ガブッ

梨子『痛っ!』

吸血鬼(善子)『///』チュー

梨子『えっ、よっちゃん!? 本当に噛まないで痛いよ!!』

吸血鬼(善子)『///』チューチュー

梨子『痛い痛い痛い痛い』

鞠莉「はい、ストーーーーーーーーップ!」

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13: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 00:57:30.12 ID:hDVkvVK70


梨子「何で本当に噛むのよ!」グスッ

善子「ご、ごめん、つい……」

梨子「噛み痕が付いちゃったじゃない……」サスサス

善子(リリーの首元に私の噛み痕が綺麗に付いてるわね///)

マリー(この子はここぞとばかりに、梨子ちゃんに噛み痕を付けようとするわね……)

マリー「それにしても、善子ちゃんは普段から堕天使になりきっているだけあって、吸血鬼も上手ね」

善子「ヨハネにかかればこんなもの……って、堕天使は演技じゃないわよ!」

マリー「でも、70点ね」

善子「どうして!?」

マリー「善子ちゃんの吸血鬼は少し間違っていたからよ」

マリー「私が吸血鬼のことを教えてあげるわ♪」



14: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:00:39.14 ID:hDVkvVK70


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ー 教えて、マリーちゃん! ー


『吸血鬼ってどんなおばけ?』


マリー「吸血鬼っていえば、知らない人はまずいないとても有名なおばけね♪」

梨子「よっちゃんは吸血鬼とか好きそうだよね」

善子「もちろん、吸血鬼ってかっこいいわよね!」

マリー「ハロウィンでも、よく仮装される人気のおばけよ♪」

マリー「だけど、吸血鬼は地域や時代によって名前も姿も違ったの」

マリー「例えば、古代ギリシアでは『ストリゲス』と呼ばれていて、姿は血に飢えた鳥だと言われていたり、メソポタミアでは『ラマシュトゥ』と呼ばれていて、姿はライオンの頭にロバの体だったと言われているわ」

マリー「他にも各地で様々な吸血鬼が存在するのだけど、どれも魔物的な姿をしていて、共通点が名前の通り生物の血を吸うってところね」

善子「私の知ってる吸血鬼じゃないわね……」



15: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:02:55.58 ID:hDVkvVK70


マリー「吸血鬼が人間の姿をした不死者のイメージになったのは、18世紀の東欧の吸血鬼伝説からよ」

マリー「この時代の東欧は原因不明の病気や疫病が発生して、沢山の死者が出たのだけど、医学が発展していなかったから、中には誤診で生きたまま埋葬された人達もいたのよ」

マリー「そのため、墓では夜な夜な生きたまま埋められた人のうめき声が聞こえたそうよ」

梨子「何だか怖いですね……」

マリー「後日、墓を掘り起こしてみると、墓の中でもがいた跡があったり、死体が腐敗して体内の血が押し出されたことによる口まわりの血の跡があったりしたことから、死者が生き返って吸血鬼になったという噂が世界中に広まってしまったわ」



16: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:05:08.22 ID:hDVkvVK70


マリー「そして、吸血鬼が黒いマントを羽織った紳士的な男性のイメージを持つようになったのは、吸血鬼伝説後のブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』という小説に出てくるドラキュラ伯爵の影響が大きいわね」

梨子「有名なホラー小説ですよね」

マリー「吸血鬼の特徴は伝承や作品によって、どれも違うから厳密に定義することは実は不可能なの」

善子「確かに、特徴がたくさんありすぎて、どれが正しいかわからないわよね」

マリー「まあ、よく知られる一般的な吸血鬼の特徴だと……」

マリー「吸血鬼は日光を浴びると灰になる、または火傷をする」

マリー「吸血鬼は十字架を恐れる」

マリー「吸血鬼はにんにくが嫌い」

マリー「吸血鬼は流れる水を泳いだり渡ったりすることが出来ない」

マリー「吸血鬼は影が無いや鏡に映らないなどがあるわね」

善子「どれも有名な吸血鬼の特徴ね」



17: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:06:38.72 ID:hDVkvVK70


マリー「あと、吸血鬼に血を吸われている間は性的な快楽があるとも言われているわ」

梨子「へ、へぇー///」

マリー「だから、梨子ちゃんは善子ちゃんに血を吸われていた時に気持ち良さそうに喘いでいないと駄目だったわけよ」

梨子「そんな、恥ずかしいことできません///」

善子(吸血鬼になりたい……)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



18: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:09:06.46 ID:hDVkvVK70


マリー「……とまあ、こんな感じかしらね」

善子「吸血鬼にもいろいろあるのね」

善子「さて、次はリリーの番ね……」

善子「もしも、リリーがおばけになったとしたら」

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19: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:10:51.45 ID:hDVkvVK70


~ 真夜中の学校 ~


マリー『つい、教室に忘れ物をしてしまったわ……』

マリー『こういう時、理事長だといろいろと便利ね……』

マリー『それにしても、真っ暗な廊下は何か出てきそうで嫌ね……』

ズルズル

マリー『……何か変な音が聞こえるわね?』

???『アアアァァァ!!』ズルズル

マリー『あらっ、向こうから何かやってくるわ?』

???『アアアアァァァァ!!』ズルズル

マリー『あれは……』



20: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:12:35.56 ID:hDVkvVK70


ミイラ(梨子)『アアアアアァァァァァ!!』バーン

マリー『……』ニコニコ

ミイラ(梨子)『アアアアアアァァァァァァ!!!』ババーン

マリー『……』ニコニコ

ミイラ(梨子)『……』

マリー『……』ニコニコ

ミイラ(梨子)『オ、オバケダゾー……』ガオー

マリー『……』ニコニコ

ミイラ(梨子)『えっと……ミイラですよー……』

マリー『全然、怖くないわね♪』ニコニコ

ミイラ(梨子)『そ、そんなぁ……』ガックシ



21: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:15:17.61 ID:hDVkvVK70


マリー『ところで、ミイラさん……』

ミイラ(梨子)『何ですか?』

マリー『やけに身体のラインがくっきりわかるけど、服の上から包帯を巻いてるわけじゃなさそうね……』

マリー『その包帯の下は下着なの? それとも全裸?』ニコニコ

ミイラ(梨子)『なっ!? 急に何を聞いてくるんですか///』バッ

マリー『』ニヤッ

マリー『そーれっ!』グイッ

ミイラ(梨子)『ち、ちょっと、鞠莉さん!?』ガシッ

マリー『マリー、ミイラの包帯の下がどうなっているのか、どうしても気になるの!!』ググッ

ミイラ(梨子)『やめて! 包帯を引っ張らないでください///』グググッ

マリー『えーいっ!!』スルッ

ミイラ(梨子)『きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁ///』スルスル

マリー『HAHAHA、よいではないか~よいではないか~』スルスル

善子「カット! カット! カーーーーーーット///」

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22: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:18:37.60 ID:hDVkvVK70


善子「ちょっと、マリー! リリーになんてことするのよ!」プンプン

マリー「It's joke♪」ニコニコ

梨子「もう! ひどいですよ、鞠莉さん///」ナミダメ

善子(下着姿のリリー……)

善子「えっろ」ボソッ

梨子「よっちゃん、じろじろ見ないで///」プンプン

善子「じゃなかった///」

善子「と、とりあえず目のやり場に困るから、リリーは私の吸血鬼のマントを羽織っておきなさい///」パサッ

梨子「……ありがとう、よっちゃん///」

マリー「さて、次はミイラのことを教えてあげるわ♪」



23: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:20:54.17 ID:hDVkvVK70


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ー 教えて、マリーちゃん! ー


『ミイラってどんなおばけ?』


マリー「元々、ミイラは人為的な加工または自然的な乾燥によって、長期間原型を留めている死体のことを指す言葉よ♪」

マリー「梨子ちゃんが仮装した包帯を巻いたミイラは古代エジプトのミイラの特徴ね♪」

マリー「おばけのミイラはゾンビやスケルトンと同じアンデッドモンスター(不死の怪物)として扱われているわ」

マリー「その中でも、ミイラは乾燥しているから火に弱いという特徴があるわね」

マリー「あと、ミイラは呪いの力で動いているから魔法を使えたりもできるわ」



24: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:23:31.40 ID:hDVkvVK70


マリー「おばけとして出てくるミイラは、ミイラ男と呼ばれるだけあって、ほとんどが男のミイラね」

マリー「だから、梨子ちゃんの場合は身体のラインで、すぐに女の子ってわかってしまったから、いまいち迫力に欠けていたわ」

マリー「あと、ミイラをやるならもっと低い声でうめき声を出さないと駄目よ」

マリー「梨子ちゃんのミイラはうめき声も可愛くて全然怖くなかったわ♪」

梨子「怖くないからって、どうして包帯を取ろうとするんですか!」

マリー「だって、可愛い女の子のミイラなら包帯を取って中身(裸)を見たくなるじゃない!」

善子「確かに、一理あるわね!」

梨子「ありません///」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



25: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:26:40.83 ID:hDVkvVK70


善子「とにかく、マリーはリリーに謝って!」

マリー「悪ふざけが過ぎたわね……ごめんね、梨子ちゃん」ナデナデ

梨子「ひゃっ!?」ビクッ

善子「ちょっと、リリーにもうちょっかいをかけちゃ駄目よ!」

マリー「えー、頭を撫でただけよ……」

梨子(鞠莉さんの手……すごく冷たかった……)

善子「リリー、大丈夫?」

梨子「だ、大丈夫! それより次は鞠莉さんの番だったね……」

梨子「もしも、鞠莉さんがおばけになったとしたら」

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26: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:28:48.67 ID:hDVkvVK70


~ 真夜中の学校 ~


善子『何で学校に忘れ物をしちゃったのかしら……本当についてないわ』

善子『何とか学校に入れたけど、夜の学校は何か出そうで嫌なのよ……』

善子『まあ、おばけなんて迷信よ! 存在するはずがないわ!』

カツ

善子『……何の音かしら?』

カツカツカツカツ

善子『あ、足音だわ!』

カツカツカツカツカツカツカツカツカツ

善子『こっちに近づいてくる!?』



27: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:30:36.61 ID:hDVkvVK70


???『ケケケケケケケケケ!』カツカツカツカツカツカツ

善子『ひぃ! あの明かりは鬼火だわ!』

善子『にっ、逃げないと……』ダッ

ドテッ

善子『いたた……何でこんな時に転んじゃうのよ……』

???『ケケケケケケケケケ!!』ギラッ

善子『きゃあああああぁぁぁぁぁ!!』



28: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:32:15.02 ID:hDVkvVK70


ジャック(マリー)『ケケケケケケケケケ!!(裏声)』

善子『……カボチャ?』

ジャック(マリー)『ケケケケケケケケケ、ジャック・オー・ランタンだぞー!!(裏声)』

善子『……』

ジャック(マリー)『ケケケケケケケケケ(裏声)』

善子『ごめん……全然怖くないわ……』

ジャック(マリー)『What? ジャック・オー・ランタンよ!』

梨子「えっと……とりあえず、ここで終了です」

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29: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:34:50.45 ID:hDVkvVK70


善子「散々、私やリリーにダメ出ししておいて、マリーが1番怖くないわよ!」

マリー「何で!? ジャック・オー・ランタンよ! カボチャの王様よ!」

梨子「だからじゃないかな……」

善子「マリーの青い目がギラッて光ったから、ちょっと怖かったけど、カボチャの被り物をしていたら、怖いどころか笑えるわよ」

マリー「ちぇっ、自信あったんだけどなー……」

梨子(えっ、……青い目?)

マリー「ところで、二人はジャック・オー・ランタンがどういうおばけか知ってる?」

善子「詳しくは知らないけど、カボチャのおばけじゃないの?」

梨子「ランタンを持ってるぐらいしか知らないかな」

マリー「それじゃ、マリーがジャック・オー・ランタンのことを教えてあげるわね♪」



30: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:37:14.65 ID:hDVkvVK70


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ー 教えて、マリーちゃん! ー


『ジャック・オー・ランタンってどんなおばけ?』


マリー「ジャック・オー・ランタン……通称、ランタン男はアイルランドの古い伝承が由来なのよ」

マリー「昔々、ジャックというずる賢くて悪いことばかりしている男がいたの……ジャックはよく嘘をついて人を騙していたわ」

マリー「あるハロウィンの夜、ジャックが酒場でお酒を飲んでいると、地獄から来た悪魔が現れたの」

マリー「悪魔は悪人の魂を集めていて、ジャックの魂も取ろうとしていたのね」

マリー「ところが、ジャックは『俺の魂をやるから人生最後のお願いを聞いてくれ』と得意の嘘で悪魔を騙し、逆に悪魔の良心を利用したの」

マリー「そして、ジャックは悪魔を散々利用したあげく、自分の魂をあげることなく、最後は十字架で悪魔を封じたの」

マリー「十字架に封じられて困っている悪魔に、ジャックは『もう二度と俺の魂を取ろうとするな』と言って悪魔に魂を取らないことを約束をさせたわ」

マリー「そう言っておけば、自分が死んだ時に悪魔に地獄に連れて行かれることがなく、天国へ行けると思ったのね」

善子「悪魔を騙して、利用しただけでなく、最後は魂もあげないなんて、ジャックはとんだ悪党ね」



31: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:41:10.23 ID:MUTvaG0J0


マリー「悪魔は仕方なくジャックとの約束を承諾して、何とか十字架から解放してもらったわ」

マリー「それから年月が経って、ジャックはついに寿命が尽きてしまい、天国へ行くことにしたの」

マリー「だけど、もちろん悪いことばかりしていた悪人のジャックは天使に天国へ入れてもらえなかったわ」

マリー「仕方なく、地獄へ行くことにしたのだけど、地獄の入口に行くとあの時の悪魔がいたの」

マリー「悪魔は『あの時の約束でお前の魂は二度と取らないと約束したから、お前を地獄に連れて行けない』と言って、ジャックを地獄へ入れてあげなかったわ」

マリー「天国へも地獄へも行けないジャックは悪魔に『俺はどこへ行けばいいんだ?』と聞くと、悪魔は『元にいた場所に帰るしかない』とだけ言ったわ」

マリー「もちろん、生き返れるはずもないから、現世に帰ることもできない……残されたのはこの世とあの世の狭間にある先の見えない暗闇のみ……ジャックは途方に暮れるしかなかったわ」



32: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:43:10.56 ID:MUTvaG0J0


マリー「そんなジャックを見て哀れんだ悪魔は地獄の劫火で燃えている炎の塊を一つ取って、ジャックに灯りとしてあげたの」

善子「ジャックに騙されたのに灯りをあげるなんて、優しい悪魔もいたものね」

マリー「ジャックは悪魔からもらった炎が消えないように道端に転がっていたカブをくり抜いて、その中に炎を入れてランタンを作ったわ」

マリー「ジャックは今もそのランタンを持って、この世とあの世の狭間にある暗闇を永遠に彷徨い続けていると言われているわ……」

マリー「その伝承がアメリカへ伝わって、カブよりカボチャの方がたくさん収穫されることから、カボチャに変わったと言われているわ♪」

梨子「だから、ジャック・オー・ランタンはカボチャのイメージなんですね」

マリー「つまり、ジャック・オー・ランタンは天国へも地獄へも行けず、永遠に暗闇を彷徨っているランタンを持った可哀想なおばけよ♪」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



33: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:44:47.37 ID:MUTvaG0J0


善子「今回も楽しかったわね♪」

梨子「うん、それにハロウィンやおばけのことを色々と知れて勉強になったよ♪」

マリー「ねえ、梨子ちゃん、善子ちゃん」

梨子「どうしたんですか、鞠莉さん?」

善子「というか、いつの間に魔女の衣装に着替えたのよ」

マリー「Trick or Treat.」ニッコリ

梨子「ふふふ、きちんとお菓子は用意していますよ♪」スッ

善子「マリーにイタズラされるのだけは勘弁だからね♪」スッ



34: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:46:11.38 ID:MUTvaG0J0


マリー「Thank you.」ニコニコ

マリー「マリー、お菓子が大好きだから、すごく嬉しいわ♪」ニコニコ

マリー「それに……二人にイタズラをせずにすんで良かったわ……」ボソッ

梨子「……鞠莉さん?」

マリー「あっ! マリー、そろそろ帰らないといけないわ!」

マリー「梨子ちゃん、善子ちゃん、今年のハロウィンは最高に楽しかったわ♪」

マリー「また、来年のハロウィンも絶対に遊びに来るわね♪」

マリー「See you.」

ガチャッ



35: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:47:51.51 ID:MUTvaG0J0


善子「まったく、あんなに慌ててどうしたのかしら?」

梨子「……」

梨子「……ねぇ、よっちゃん」

梨子「今日の鞠莉さん……何か変じゃなかった?」

善子「何を言ってるの、リリー? マリーが変なのはいつものことでしょ」

梨子「そうじゃなくて、いつもと雰囲気が違ったというか、変なこと言っていたり、手が冷たかったり……」

梨子「それに……」







梨子「鞠莉さんって碧眼だったっけ?」



36: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:49:34.37 ID:MUTvaG0J0


ガチャッ

鞠莉「トリック・オア・トリート♪ お菓子をくれなきゃ、イタズラするよ♪」

善子「えっ!?」

梨子「ま、鞠莉さん!?」

鞠莉「二人とも、ミーティングに遅れちゃって、ごめんなシャイニー☆」

鞠莉「果南とダイヤとトークしていたら、ついミーティングを忘れちゃった♪」テヘペロッ

鞠莉「さあ、さっさと定例ミーティングを終わらせて、いつも通り三人で遊びましょう♪」

善子「ミーティングって……ギルキスのミーティングはさっき終わったじゃない!?」

梨子「それに鞠莉さんも私達と一緒にギルキスシチュエーションゲームをやっていましたよね!?」

鞠莉「……何を言ってるの二人とも?」







鞠莉「私は今、ミーティングに来たところよ?」



37: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:50:55.50 ID:MUTvaG0J0


梨子・善子「えっ……」サァー

梨子「それじゃ、さっきまで私達と一緒にいた鞠莉さんは……」ガクブル

善子「ほ、本物のおばけ……」ガクブル

梨子・善子「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!」ギューッ

鞠莉「?」



38: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:52:37.91 ID:MUTvaG0J0


ハロウィン……それはおばけがあの世からやってくる日……。

あの鞠莉ちゃんにそっくりな女の子は本物のおばけで、梨子ちゃんと善子ちゃんにイタズラをしにやってきたのだろうか……。

もしかしたら、彼女も鞠莉ちゃんのように二人と一緒に遊びたかっただけなのかもしれない……。

しかし、あの時……彼女にお菓子をあげていなかったら、二人はいったいどうなっていたのだろう……。

それは、また来年……彼女が再び遊びにきた時にわかるのかもしれない……。


彼女達のシチュエーションゲームはまだまだ続くのであった……。


おわり



39: ◆E9MhvIcHXGjR 2016/10/31(月) 01:53:50.27 ID:MUTvaG0J0


ハロウィンなのでホラーっぽいSSを書いてみました。

閲覧ありがとうございました。



40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/31(月) 09:55:34.34 ID:iCMcQL6uo

おつ
面白かった




掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477841206/
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