今日からアイドルの私たち、デビュー!【ミリマスSS】
1: ◆UEry/CPoDk 2018/04/21(土) 16:29:11.08 ID:YKiEB6Hg0
ミリオンライブでのアイドル達の出会いを幾つか妄想してみました。
2: ◆UEry/CPoDk 2018/04/21(土) 16:31:36.45 ID:YKiEB6Hg0
風花「ここが765プロの事務所ね。今日の契約がすめば、私もアイドルとしてスタートすることになるわけか。」
風花「看護士を辞めてまで来たんだもの、友達や患者さん達も応援してくれてるし。子供の頃に夢見た正統派アイドル、必ずなってみせるわ…よし!」
風花「失礼します…あら、誰もいないのかしら。」
??「はーい、どなた?」
風花(わ、何この子。すっごく可愛い!さすがはアイドル事務所ね、こんな可愛い子がいるなんて。)
??「あ、プロデューサーが言ってた新人さんね、よろしく。まあ、私も似たようなもんだけど。」
風花(こんな小さな子がタメ口?芸能界ってやっぱりそういう所あるのね。)
??「どうぞ、座って待ってて。今日はあなたとあと一人来る予定なの、その子が来たら手続きを始めるから。」
風花(でも何だかすごく慣れてる感じだわ。あ、もしかして?)
莉緒「失礼します。あら、あなたオーディションで一緒だった。」
風花「看護士を辞めてまで来たんだもの、友達や患者さん達も応援してくれてるし。子供の頃に夢見た正統派アイドル、必ずなってみせるわ…よし!」
風花「失礼します…あら、誰もいないのかしら。」
??「はーい、どなた?」
風花(わ、何この子。すっごく可愛い!さすがはアイドル事務所ね、こんな可愛い子がいるなんて。)
??「あ、プロデューサーが言ってた新人さんね、よろしく。まあ、私も似たようなもんだけど。」
風花(こんな小さな子がタメ口?芸能界ってやっぱりそういう所あるのね。)
??「どうぞ、座って待ってて。今日はあなたとあと一人来る予定なの、その子が来たら手続きを始めるから。」
風花(でも何だかすごく慣れてる感じだわ。あ、もしかして?)
莉緒「失礼します。あら、あなたオーディションで一緒だった。」
3: ◆UEry/CPoDk 2018/04/21(土) 16:34:48.04 ID:YKiEB6Hg0
風花「百瀬さん。はい、豊川です。百瀬さんも今日が契約だったんですね。」
莉緒「そうそう豊川さんだったわね。私の事は莉緒でいいわ、お互い頑張りましょ。同世代の子がいてくれて嬉しいわ。」
風花「じゃあ私も風花で。私も莉緒さんがいてくれてほっとしました。」
莉緒「ふふ、やっぱりちょっと緊張するものね。」
風花「ええ、いよいよですもんね。」
??「お、もう一人も来たか。待ってて、今プロデューサー呼んでくるから。」
莉緒「…風花ちゃん、さっきの子何?」
風花「私も分からないんです。ここのアイドルの一人っぽいですが。」
莉緒「765プロにあんな子いたっけ?」
風花「見たことないですね。本人は私達と同じく新人みたいなものだって言ってましたけど。」
莉緒「そりゃ、あんな子供なら当然そうだろうけど。それにしてはやけに落ち着いてたわね。」
風花「ええ。ですから多分、あの子が例の子なんじゃないですか?ほら、私たちと一緒に入るって聞かされた。」
莉緒「ええ!?まさか。いくら何でも雰囲気違い過ぎない?」
風花「子供はすぐ成長しますから。最後にあの子を見たのって、けっこう前だったでしょう?」
莉緒「うーん、そうかなあ。そりゃ、たしかに小さくて可愛いけど…」
莉緒「そうそう豊川さんだったわね。私の事は莉緒でいいわ、お互い頑張りましょ。同世代の子がいてくれて嬉しいわ。」
風花「じゃあ私も風花で。私も莉緒さんがいてくれてほっとしました。」
莉緒「ふふ、やっぱりちょっと緊張するものね。」
風花「ええ、いよいよですもんね。」
??「お、もう一人も来たか。待ってて、今プロデューサー呼んでくるから。」
莉緒「…風花ちゃん、さっきの子何?」
風花「私も分からないんです。ここのアイドルの一人っぽいですが。」
莉緒「765プロにあんな子いたっけ?」
風花「見たことないですね。本人は私達と同じく新人みたいなものだって言ってましたけど。」
莉緒「そりゃ、あんな子供なら当然そうだろうけど。それにしてはやけに落ち着いてたわね。」
風花「ええ。ですから多分、あの子が例の子なんじゃないですか?ほら、私たちと一緒に入るって聞かされた。」
莉緒「ええ!?まさか。いくら何でも雰囲気違い過ぎない?」
風花「子供はすぐ成長しますから。最後にあの子を見たのって、けっこう前だったでしょう?」
莉緒「うーん、そうかなあ。そりゃ、たしかに小さくて可愛いけど…」
4: ◆UEry/CPoDk 2018/04/21(土) 16:36:41.54 ID:YKiEB6Hg0
??「はい、お茶どうぞ。ごめんなさい、プロデューサー前の仕事が押してて来るのが遅れるそうなの。悪いけどもう少し待っててね。」
莉緒「ありがとう、いただくわね……」
??「な、何?どうしたの、急に人をじっと見たりして。」
莉緒(うーん。まあ、言われてみればどことなく面影があるような、ないような…)
風花(でしょう?絶対そうですよ、でなきゃこんなに落ち着いてませんって。)
??「お、なになに何の話?」
莉緒(はあ、何だかショック。あんなに小さかった子がもうこんなに大きくなってたなんてね。時の流れを感じさせられるわ。)
風花(何言ってるんです、まだまだそんな事言う年齢じゃないでしょう?)
莉緒(ふふ、そうね。これからアイドルになろうって時にそんな考えしてちゃいけないわよね。)
風花(その通りです、頑張りましょう?)
??「ちょっと、二人だけで盛り上がるなんてズルいじゃない。私も混ぜてよね。」
莉緒「ん、ああごめんなさい。そうよね、これから一緒にアイドルやろうって時に。」
風花「ごめんね、気をつけるわ。」
莉緒「ありがとう、いただくわね……」
??「な、何?どうしたの、急に人をじっと見たりして。」
莉緒(うーん。まあ、言われてみればどことなく面影があるような、ないような…)
風花(でしょう?絶対そうですよ、でなきゃこんなに落ち着いてませんって。)
??「お、なになに何の話?」
莉緒(はあ、何だかショック。あんなに小さかった子がもうこんなに大きくなってたなんてね。時の流れを感じさせられるわ。)
風花(何言ってるんです、まだまだそんな事言う年齢じゃないでしょう?)
莉緒(ふふ、そうね。これからアイドルになろうって時にそんな考えしてちゃいけないわよね。)
風花(その通りです、頑張りましょう?)
??「ちょっと、二人だけで盛り上がるなんてズルいじゃない。私も混ぜてよね。」
莉緒「ん、ああごめんなさい。そうよね、これから一緒にアイドルやろうって時に。」
風花「ごめんね、気をつけるわ。」
5: ◆UEry/CPoDk 2018/04/21(土) 16:39:26.22 ID:YKiEB6Hg0
??「ありがと。そうだ、せっかくだし先に自己紹介しときましょうよ。」
莉緒「ええ、いいわ。百瀬莉緒よ、よろしく。」
風花「私は豊川風花です。これからよろしくお願いね?」
??「莉緒ちゃんに風花ちゃんね、よろしく。私はね…」
莉緒「やあね、あなたの事は知ってるにきまってるじゃない。本物に会えて嬉しいわ。」
風花「私もよ、そのうち会えるかもって思ってたけど、まさか今日すぐだなんて感激。」
??「へ?何それ、私まだデビューしてないけど。」
莉緒「でも、ずいぶん雰囲気変わったのね。すっごく大人っぽくなってる。」
風花「本当。すごく大人っぽいというか。貫禄ある感じだわ。」
??「そりゃ私はオトナだけど。私、あなた達とあった事無いわよ?」
風花「もちろんよ、これから仲良くしてちょうだいね。」
莉緒「あ、でもセクシーさでは私の方が上かな?よかったら色々教えてあげる。こっちも教わる事多いでしょうけど。」
??「は、はあ。どうも…」
莉緒「だけどあなた、なんていうか素直な雰囲気ね。ごめんなさい、もっと生意気な子だと思ってたわ。」
風花「そんなわけないじゃないですか。昔観た特集番組のとおりの子ですよ?」
??「…あのねえ、あなた達。」
莉緒「ま、何にせよ頑張りましょう。これからよろしくね?」
風花「周防桃子ちゃん。」
このみ「違う!」
莉緒「ええ、いいわ。百瀬莉緒よ、よろしく。」
風花「私は豊川風花です。これからよろしくお願いね?」
??「莉緒ちゃんに風花ちゃんね、よろしく。私はね…」
莉緒「やあね、あなたの事は知ってるにきまってるじゃない。本物に会えて嬉しいわ。」
風花「私もよ、そのうち会えるかもって思ってたけど、まさか今日すぐだなんて感激。」
??「へ?何それ、私まだデビューしてないけど。」
莉緒「でも、ずいぶん雰囲気変わったのね。すっごく大人っぽくなってる。」
風花「本当。すごく大人っぽいというか。貫禄ある感じだわ。」
??「そりゃ私はオトナだけど。私、あなた達とあった事無いわよ?」
風花「もちろんよ、これから仲良くしてちょうだいね。」
莉緒「あ、でもセクシーさでは私の方が上かな?よかったら色々教えてあげる。こっちも教わる事多いでしょうけど。」
??「は、はあ。どうも…」
莉緒「だけどあなた、なんていうか素直な雰囲気ね。ごめんなさい、もっと生意気な子だと思ってたわ。」
風花「そんなわけないじゃないですか。昔観た特集番組のとおりの子ですよ?」
??「…あのねえ、あなた達。」
莉緒「ま、何にせよ頑張りましょう。これからよろしくね?」
風花「周防桃子ちゃん。」
このみ「違う!」
10: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:06:35.21 ID:xPzIX6aF0
(765プロ事務所応接スペース)
琴葉「今日の面談が終わればあとは契約だけ。そしたら私もアイドルの仲間入り、か。悪い印象を持たれないようきちんとやらないと。」
琴葉「ここで待ってるようにとの事だったけど…あれ。」
恵美「ん?」
琴葉「あ、初めまして。ここにいるってことは、あなたもオーディションに合格したんですか?」
恵美「うん、まあね。あ、高校生どうしでしょ、タメでいいよ。」
琴葉「あ、はい。じゃなくて。分かったわ。」
恵美「うん。アタシ所恵美。そっちは?」
琴葉「田中琴葉よ。めぐみって一文字?」
恵美「二文字。美術の美が入るほうね、よろしく。」
琴葉「うん、よろしく。」
恵美(…なんか、いかにも優等生って子っぽい。こういう生真面目な子はアタシみたいなの苦手なんだろうな。)
琴葉(軽そうな子ね、ギャルって言うのかしら。私みたいなのがいてうっとうしいと思われてそう。)
恵美(……)
琴葉(……)
恵美(ま、いっか。どうせしばらく一緒にアイドルやる事になるんだろうし。これから少しずつ仲良くなってけばいいよね。)
琴葉(大丈夫よね。同じオーディション受かったって事は、多分一緒にお仕事する機会も多いだろうし。今は難しいかもだけど、時間をかければきっと分かり合えるようになるはずだわ。)
エレナ「えっと、ココだね…あ、もうキテる人がいるヨ!」
琴葉「今日の面談が終わればあとは契約だけ。そしたら私もアイドルの仲間入り、か。悪い印象を持たれないようきちんとやらないと。」
琴葉「ここで待ってるようにとの事だったけど…あれ。」
恵美「ん?」
琴葉「あ、初めまして。ここにいるってことは、あなたもオーディションに合格したんですか?」
恵美「うん、まあね。あ、高校生どうしでしょ、タメでいいよ。」
琴葉「あ、はい。じゃなくて。分かったわ。」
恵美「うん。アタシ所恵美。そっちは?」
琴葉「田中琴葉よ。めぐみって一文字?」
恵美「二文字。美術の美が入るほうね、よろしく。」
琴葉「うん、よろしく。」
恵美(…なんか、いかにも優等生って子っぽい。こういう生真面目な子はアタシみたいなの苦手なんだろうな。)
琴葉(軽そうな子ね、ギャルって言うのかしら。私みたいなのがいてうっとうしいと思われてそう。)
恵美(……)
琴葉(……)
恵美(ま、いっか。どうせしばらく一緒にアイドルやる事になるんだろうし。これから少しずつ仲良くなってけばいいよね。)
琴葉(大丈夫よね。同じオーディション受かったって事は、多分一緒にお仕事する機会も多いだろうし。今は難しいかもだけど、時間をかければきっと分かり合えるようになるはずだわ。)
エレナ「えっと、ココだね…あ、もうキテる人がいるヨ!」
11: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:08:57.27 ID:xPzIX6aF0
恵美「あれ、今日三人でやるんだ?」
琴葉「そうみたいね。」
エレナ「ワタシ、島原エレナ。ヨロシク!」
琴葉「こちらこそよろしく。私は田中琴葉よ。で、こっちが。」
恵美「所恵美。よろしくね。」
恵美(名前といい見た感じといいハーフかな?こっちの子の方が、さっきの田中琴葉さんよりとっつきやすいかも。)
琴葉(この子、可愛いわね。アイドル候補生なんだから当然だけど。さっきの所さんもすっごく美人だし。今さらだけど私、場違いなんじゃ…いや、今からそんな弱気じゃ駄目よね。)
恵美(どうしよっかな。せっかくだし少し話とかしたいけど、エレナって子とばかりになりそうだしなあ。とりあえずおとなしくしておこうかな。)
琴葉(この二人がどんな子なのかも気になるけど、今はそれより自分の事よね。よし、集中。質問を頭の中で想像して…)
エレナ「お、見たことナイ機械があるよ。何かなコレ?」
エレナ「あ、曲が流れた。これなんて歌だっけ、エット。」
恵美「ん?ちょっとちょっと、何勝手にオーディオいじってるの。そんな事しちゃだめだって。」
エレナ「チョットだけなら大丈夫ダヨ。あっちの机には何があるのカナ?」
琴葉「あ、こら。いけないわ、そっちは多分事務スペースとかで…」
エレナ「わ。ねえ見て、アイドルの写真が沢山ダヨ、ホラ!」
12: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:11:49.17 ID:xPzIX6aF0
恵美「もう何やってんの。そんな勝手な真似したら…」
恵美「あ、三浦あずさだ。うわ、セクシーだね〜。なんだろ、グラビアの没写真とかかな?」
琴葉「こ、こら!あなたまで一緒になって何してるのよ。ほら、早く写真戻して。向こうで座って待ってないと…」
琴葉「へえ。こうして見ると天海春香ちゃん、やっぱり可愛いわよね。」
恵美「お、もしかしてファン?」
琴葉「ファンって程でもないけど、765なら春香ちゃんが一番好きかな。あなたは?」
恵美「アタシはやっぱり星井美希かなー。あの子のセンス、好きなんだよね。」
エレナ「あ、写真あったヨ。ハイ。」
恵美「お、サンキュー。そうそう、星井美希のこういう衣装の着こなし方がいいんだよね。」
13: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:13:40.44 ID:xPzIX6aF0
琴葉「どういう意味?」
恵美「んー、こっちの萩原雪歩と比べたら分かりやすいかな。つまりね…」
琴葉「なるほど。同じ衣装でもちょっとした事で変化を付けられるのね。」
恵美「そーゆー事。アタシ読モやってるんだけど、星井美希の着こなし方は割りと参考になるんだよね。」
琴葉「モデルさんなんだ、すごいわね。」
エレナ「かっこいいヨ!」
恵美「や、やだな。読モなんて大したもんじゃないって。」
琴葉「そんな事無いよ、人と違う事が出来たり、自分で考えて何かをやれるのってすごいと思う。」
エレナ「ウンウン。尊敬しちゃうヨ〜」
恵美「や、やめてってば。そっちだって、アイドルやる為にここに来てるんでしょ?それだけでも充分スゴい事じゃん。」
琴葉「それはそうだけど。でも、あなたやこの写真見てたらなんだか不安になってきたわ。私なんかが挑戦するなんて、無謀だったんじゃないかしら。」
エレナ「始める前から弱気は駄目だよ、スマイルスマイル♪」
恵美「そうそう、この子の言う通り。まだ始まってもないんだからさ。これから皆で頑張ろうよ。」
琴葉「そうよね。ごめん、私つい考え込んじゃうくせがあって。」
恵美「んー、こっちの萩原雪歩と比べたら分かりやすいかな。つまりね…」
琴葉「なるほど。同じ衣装でもちょっとした事で変化を付けられるのね。」
恵美「そーゆー事。アタシ読モやってるんだけど、星井美希の着こなし方は割りと参考になるんだよね。」
琴葉「モデルさんなんだ、すごいわね。」
エレナ「かっこいいヨ!」
恵美「や、やだな。読モなんて大したもんじゃないって。」
琴葉「そんな事無いよ、人と違う事が出来たり、自分で考えて何かをやれるのってすごいと思う。」
エレナ「ウンウン。尊敬しちゃうヨ〜」
恵美「や、やめてってば。そっちだって、アイドルやる為にここに来てるんでしょ?それだけでも充分スゴい事じゃん。」
琴葉「それはそうだけど。でも、あなたやこの写真見てたらなんだか不安になってきたわ。私なんかが挑戦するなんて、無謀だったんじゃないかしら。」
エレナ「始める前から弱気は駄目だよ、スマイルスマイル♪」
恵美「そうそう、この子の言う通り。まだ始まってもないんだからさ。これから皆で頑張ろうよ。」
琴葉「そうよね。ごめん、私つい考え込んじゃうくせがあって。」
14: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:16:35.50 ID:xPzIX6aF0
恵美「そうなんだ。でも、アタシは逆に考えなしにやっちゃって失敗する事が多いから、そっちの方がいいんじゃないかな。」
エレナ「ワタシもよくノーテンキだって言われるヨ。あ、じゃあこの三人でちょうどいいんじゃないカナ?」
恵美「ニャハハ、そうかもね。」
琴葉「ふふっ。ありがとう、あなた達と一緒でよかった。なんだかすごく楽しみになってきたわ。」
恵美「アタシも。早くこの写真みたいなアイドルになれるように、頑張らないとね。」
エレナ「きっとなれるヨ。皆で頑張ろ?」
琴葉「ええ!」
社長「やあ。遅くなってすまない、前の打ち合わせが長引いてね…おや、その宣材写真は。」
琴葉「あ。これは、その…」
琴葉「す、すみません!私のせいなんです、私がつい、この二人に色々話を振ったり写真を見たりしてしまって。あの、この二人は悪くないですから!」
エレナ「ワタシもよくノーテンキだって言われるヨ。あ、じゃあこの三人でちょうどいいんじゃないカナ?」
恵美「ニャハハ、そうかもね。」
琴葉「ふふっ。ありがとう、あなた達と一緒でよかった。なんだかすごく楽しみになってきたわ。」
恵美「アタシも。早くこの写真みたいなアイドルになれるように、頑張らないとね。」
エレナ「きっとなれるヨ。皆で頑張ろ?」
琴葉「ええ!」
社長「やあ。遅くなってすまない、前の打ち合わせが長引いてね…おや、その宣材写真は。」
琴葉「あ。これは、その…」
琴葉「す、すみません!私のせいなんです、私がつい、この二人に色々話を振ったり写真を見たりしてしまって。あの、この二人は悪くないですから!」
15: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:22:06.76 ID:xPzIX6aF0
恵美「ちょっと、それはないんじゃない?一番色々話をしたのはアタシでしょ、アタシのせいでこうなったんじゃん。」
エレナ「違うヨ、最初に動いたり、勝手に写真見たりしたのはワタシでしょ?だからこれは、ゼーンブ私が悪いネ。」
琴葉「違うわ、あなただけならこんなにずっと見たりしてなかったはずよ。私が話を振ったせいで。」
恵美「何言ってんの、チョーシに乗ってベラベラ喋ってたのはアタシじゃない。絶対アタシのせいだって。」
エレナ「ううん、二人が止めてくれた時にやめなかったんだモン。やっぱりワタシが悪いヨ、間違いないネ。」
社長「ほほう?なるほど。つまり…」
社長「はっはっはっ!いいねえ、皆でしでかしたイタズラの罪を自分一人で被ろうとするか。キミ達はさしずめ、この39プロジェクトの仲良しグループ第一号というワケだな。」
琴葉「え?いやあの、どうなんでしょう?」
エレナ「うん。もうとっくに仲良しダヨ。ネ?」
恵美「ニャハハ、そうかもね。」
社長「けっこうけっこう、実に素晴らしい。仲良きことは美しきかな、だよ。だがそれはそれとして、だ。持ち出し禁止の宣材写真を勝手に見た事については、一応償いをしてもらうことにしようか?」
エレナ「エ?」
エレナ「違うヨ、最初に動いたり、勝手に写真見たりしたのはワタシでしょ?だからこれは、ゼーンブ私が悪いネ。」
琴葉「違うわ、あなただけならこんなにずっと見たりしてなかったはずよ。私が話を振ったせいで。」
恵美「何言ってんの、チョーシに乗ってベラベラ喋ってたのはアタシじゃない。絶対アタシのせいだって。」
エレナ「ううん、二人が止めてくれた時にやめなかったんだモン。やっぱりワタシが悪いヨ、間違いないネ。」
社長「ほほう?なるほど。つまり…」
社長「はっはっはっ!いいねえ、皆でしでかしたイタズラの罪を自分一人で被ろうとするか。キミ達はさしずめ、この39プロジェクトの仲良しグループ第一号というワケだな。」
琴葉「え?いやあの、どうなんでしょう?」
エレナ「うん。もうとっくに仲良しダヨ。ネ?」
恵美「ニャハハ、そうかもね。」
社長「けっこうけっこう、実に素晴らしい。仲良きことは美しきかな、だよ。だがそれはそれとして、だ。持ち出し禁止の宣材写真を勝手に見た事については、一応償いをしてもらうことにしようか?」
エレナ「エ?」
16: ◆UEry/CPoDk 2018/04/26(木) 01:24:50.18 ID:xPzIX6aF0
恵美「…あーあ。まだ契約もしてないのに、いきなり罰で事務所の掃除って。」
エレナ「ゴメンね、ワタシのせいで。」
琴葉「いいのよ、私達も一緒に騒いだんだから。気にしないで。」
エレナ「アリガト!」
琴葉「…ふふっ。」
恵美「ん、どうしたの。」
琴葉「私ね。今日の面談、朝からすごく気合い入れて、ずっと緊張しっぱなしだったんだけど。」
琴葉「そんな事より今は、早くこの三人でアイドルやりたいなって気分。朝から緊張してたの、すっかりどうでもよくなっちゃった。」
恵美「あ、分かる。アタシも今、この三人でアイドルやるの、すっごい楽しみだもん。」
エレナ「ワタシも!これからヨロシクね、二人とも。」
琴葉「うん、頑張ろうね。えっと…名前で呼んでも大丈夫?」
恵美「もちろん。アタシも名前で呼ぶからさ。」
エレナ「当然ダヨ、もう友達なんだカラ。」
琴葉「ありがと。じゃあ改めて。頑張ろうね、恵美、エレナ?」
恵美「三人で頑張ろう。頼りにしてるからね、琴葉もエレナも。」
エレナ「ワクワクしてきたヨ。頑張ろうネ、コトハにメグミ!」
20: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:17:54.77 ID:7j7EmOVU0
(765プロ劇場・レッスンルーム)
静香(765プロに所属して数週間。とりあえず、初舞台に向けてのレッスンを消化する日々。我ながらまあ上手く行ってると思う。そして…)
千早「おはよう最上さん。あなたとは初めましてね、如月千早よ。今日はよろしくお願いね。」
静香「おはようございます。はい、初めまして!」
静香(憧れの千早さんのレッスン。頑張らなきゃ!)
千早「それじゃあ、まずはアップからね。」
静香「はい。よろしくお願いします、如月さん!」
千早「千早でいいわ。あなたの事は矢吹さんや志保から聞いたけど、とても熱心だそうね。期待してるわよ。」
静香「そうなんですか、ありがとうございます。」
静香(志保の事は名前で呼ぶのね。変な事吹き込んでないといいんだけど…。)
静香(765プロに所属して数週間。とりあえず、初舞台に向けてのレッスンを消化する日々。我ながらまあ上手く行ってると思う。そして…)
千早「おはよう最上さん。あなたとは初めましてね、如月千早よ。今日はよろしくお願いね。」
静香「おはようございます。はい、初めまして!」
静香(憧れの千早さんのレッスン。頑張らなきゃ!)
千早「それじゃあ、まずはアップからね。」
静香「はい。よろしくお願いします、如月さん!」
千早「千早でいいわ。あなたの事は矢吹さんや志保から聞いたけど、とても熱心だそうね。期待してるわよ。」
静香「そうなんですか、ありがとうございます。」
静香(志保の事は名前で呼ぶのね。変な事吹き込んでないといいんだけど…。)
21: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:30:46.40 ID:7j7EmOVU0
(数時間後)
静香「はぁ、はぁ…。」
千早「…そこまで。お疲れ様、上がりにしましょう。」
静香「へ、平気です。まだやれます!」
千早「オーバーワークは逆効果よ。新人に無理はさせられないわ、今日はもうおしまい。いいわね?」
静香「ですが…」
千早「最上さん。あなた、聞いてた通りの人みたいね。」
静香「え?」
千早「矢吹さんと志保が言ってたわ。あなたはとても熱心ですごく真剣だけど、どこか焦ってるようにも見えるって。」
静香「それは…」
静香「はぁ、はぁ…。」
千早「…そこまで。お疲れ様、上がりにしましょう。」
静香「へ、平気です。まだやれます!」
千早「オーバーワークは逆効果よ。新人に無理はさせられないわ、今日はもうおしまい。いいわね?」
静香「ですが…」
千早「最上さん。あなた、聞いてた通りの人みたいね。」
静香「え?」
千早「矢吹さんと志保が言ってたわ。あなたはとても熱心ですごく真剣だけど、どこか焦ってるようにも見えるって。」
静香「それは…」
22: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:35:06.89 ID:7j7EmOVU0
千早「早く舞台に立ちたいという気持ちは分かる。けど、焦っては駄目。じっくり力を蓄える事も大切なのよ。」
静香「……」
千早「ふふ。そんなこと言ってくれるなんて、いい友達が出来たみたいね?」
静香「なっ!?違います、志保とは同じ時期に入ったというだけです。」
千早「そう?でも、あなたの事をよく分かってるみたいじゃない。」
静香「たまたまです。」
千早「そうかしら。でも、彼女もデビューに向けて、すごく焦ってるように感じたわ。さっきみたいなアドバイスをしたら、似たような反応をしたしね。だから、同じような気持ちのあなたの事もよく分かるんだと思う。」
静香「そうですか。志保が…」
千早「無理に仲良くする必要は無いわ。でも、同時期に事務所に入ったんだもの。対立したり、意地を張ったりする必要もないんじゃない?」
静香「別に対立するつもりはありません。なんとなく合わないというか。そもそも私より向こうに問題がある事の方が多くて…」
千早「ふふっ。それ、志保も同じような事を言ってたわ。あなた達本当に似たもの同士なのね。」
静香「ええっ!?」
千早「いいじゃない。似たような性格だからかえって気が合わないのかもしれないけど、それだけ自分を分かってくれる人でもあるのよ?」
静香「……」
千早「ふふ。そんなこと言ってくれるなんて、いい友達が出来たみたいね?」
静香「なっ!?違います、志保とは同じ時期に入ったというだけです。」
千早「そう?でも、あなたの事をよく分かってるみたいじゃない。」
静香「たまたまです。」
千早「そうかしら。でも、彼女もデビューに向けて、すごく焦ってるように感じたわ。さっきみたいなアドバイスをしたら、似たような反応をしたしね。だから、同じような気持ちのあなたの事もよく分かるんだと思う。」
静香「そうですか。志保が…」
千早「無理に仲良くする必要は無いわ。でも、同時期に事務所に入ったんだもの。対立したり、意地を張ったりする必要もないんじゃない?」
静香「別に対立するつもりはありません。なんとなく合わないというか。そもそも私より向こうに問題がある事の方が多くて…」
千早「ふふっ。それ、志保も同じような事を言ってたわ。あなた達本当に似たもの同士なのね。」
静香「ええっ!?」
千早「いいじゃない。似たような性格だからかえって気が合わないのかもしれないけど、それだけ自分を分かってくれる人でもあるのよ?」
23: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:37:39.93 ID:7j7EmOVU0
静香「…」
千早「そういう人は、大切にした方がいいわ。友達が無理でもライバルとして、競い合う存在がいた方が刺激にもなるでしょうしね。」
静香「そういう関係なら、まあ。でも志保が私の事を分かってるというのはやっぱり間違いだと思います。あの子、他人にたいして興味無いみたいですし。」
千早「どうかしら。以前は私も似たような言ってたけど、本心はそうでもなかったのよ。」
静香「そうなんですか?」
千早「ええ、まあね。あなた達を見てるとあの頃の自分を思い出すわ。私はもっと自分勝手だったけど。」
静香「千早さんが?ちょっと、信じられないです。」
千早「ふふ、ありがとう。ここにいるとどうしてもね。色々とお節介を焼いてくれる人達が大勢いたし。きっといつか、あなた達の周りにも現れると思うわよ?」
静香「……思い当たる子は、一応。」
千早「そう。なら、よかったわ。いけない、つい話し込んじゃったわね。後片付けしましょうか?」
24: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:39:55.76 ID:7j7EmOVU0
千早「…よし、と。お疲れ様最上さん、色々偉そうな事言ってごめんなさいね。」
静香「いえ、楽しかったです…あの。」
千早「何?」
静香「その。私の事も、静香と呼んでもらえないでしょうか?」
千早「え?…そうね、分かったわ。じゃあ今日はお疲れ様、静香。」
静香「はい、お疲れ様です。ご指導ありがとうございました、千早さん。」
千早「どういたしまして。そうだ、このあと何か予定はある?」
静香「いえ、特には無いですけど。」
千早「私はこのあと夜から収録があるから、早めに夕食を取るつもりなの。長くはいられないけど、よかったら一緒にどうかしら。」
静香「いいんですか?もちろんです、ご一緒させて下さい!」
静香「いえ、楽しかったです…あの。」
千早「何?」
静香「その。私の事も、静香と呼んでもらえないでしょうか?」
千早「え?…そうね、分かったわ。じゃあ今日はお疲れ様、静香。」
静香「はい、お疲れ様です。ご指導ありがとうございました、千早さん。」
千早「どういたしまして。そうだ、このあと何か予定はある?」
静香「いえ、特には無いですけど。」
千早「私はこのあと夜から収録があるから、早めに夕食を取るつもりなの。長くはいられないけど、よかったら一緒にどうかしら。」
静香「いいんですか?もちろんです、ご一緒させて下さい!」
25: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:44:15.72 ID:7j7EmOVU0
(某イタリアンチェーン店)
千早「こんな所で悪いわね。私、あまりお店には詳しくないものだから。」
静香「いえ、大丈夫です。」
千早「そう。私はミックスドリアにするわ。静香、何にするか決めた?」
静香(あ、しまった。ここうどんが無いのよね。まあいいか、ファミレスのうどんって美味しくないのが多いし。)
静香「じゃあ、私もそれでお願いします。」
千早「………え、本当に?」
静香「どうかしましたか?」
千早「あ、いや。志保から聞いてた話と違うのに驚いちゃって。」
静香「志保から?」
千早「ええ。あなたはたとえラーメン屋でもうどんを頼むような人だって言ってたものだから。」
千早「…ごめんなさい。実を言うと、あなたがこういうお店だとどうするのかちょっと興味があったからここにしたのよ。」
静香「………やっぱり志保とは分かり合えません、絶対に!」
千早「こんな所で悪いわね。私、あまりお店には詳しくないものだから。」
静香「いえ、大丈夫です。」
千早「そう。私はミックスドリアにするわ。静香、何にするか決めた?」
静香(あ、しまった。ここうどんが無いのよね。まあいいか、ファミレスのうどんって美味しくないのが多いし。)
静香「じゃあ、私もそれでお願いします。」
千早「………え、本当に?」
静香「どうかしましたか?」
千早「あ、いや。志保から聞いてた話と違うのに驚いちゃって。」
静香「志保から?」
千早「ええ。あなたはたとえラーメン屋でもうどんを頼むような人だって言ってたものだから。」
千早「…ごめんなさい。実を言うと、あなたがこういうお店だとどうするのかちょっと興味があったからここにしたのよ。」
静香「………やっぱり志保とは分かり合えません、絶対に!」
26: ◆UEry/CPoDk 2018/04/29(日) 23:49:46.73 ID:7j7EmOVU0
おしまい。お目汚し失礼致しました。
千早の静香呼びは公式でイベント最中に出てきたことをすっかり忘れており申し訳ございません。
千早の静香呼びは公式でイベント最中に出てきたことをすっかり忘れており申し訳ございません。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:54:25.92 ID:MLEq2lDXo
乙
うどんが置いてあるラーメン屋って遭遇したことないなあ
うどんが置いてあるラーメン屋って遭遇したことないなあ
28: ◆NdBxVzEDf6 2018/04/30(月) 01:39:15.72 ID:z58vxzFM0
饂飩やっぱ目立つよね、乙です
>>2
百瀬莉緒(23)Da/Fa
http://i.imgur.com/w74d62y.jpg
http://i.imgur.com/JbNWTZH.jpg
豊川風花(22)Vi/An
http://i.imgur.com/61iE4NY.jpg
http://i.imgur.com/zCaMwdo.jpg
>>5
馬場このみ(24)Da/An
http://i.imgur.com/MSnU0VT.jpg
http://i.imgur.com/hwLRb3H.jpg
>>10
田中琴葉(18)Vo/Pr
http://i.imgur.com/1iUXPny.jpg
http://i.imgur.com/0M8XK2b.jpg
所恵美(16)Vi/Fa
http://i.imgur.com/kzw1B6Z.jpg
http://i.imgur.com/RN3cTiy.jpg
島原エレナ(17)Da/An
http://i.imgur.com/sARL4rq.jpg
http://i.imgur.com/PlGk6kr.jpg
>>20
如月千早(16)Vo/Fa
http://i.imgur.com/RFRxkra.jpg
http://i.imgur.com/tC8qFJ0.jpg
最上静香(14)Vo/Fa
http://i.imgur.com/4aXhrb7.jpg
http://i.imgur.com/BE1XQSj.jpg
>>2
百瀬莉緒(23)Da/Fa
http://i.imgur.com/w74d62y.jpg
http://i.imgur.com/JbNWTZH.jpg
豊川風花(22)Vi/An
http://i.imgur.com/61iE4NY.jpg
http://i.imgur.com/zCaMwdo.jpg
>>5
馬場このみ(24)Da/An
http://i.imgur.com/MSnU0VT.jpg
http://i.imgur.com/hwLRb3H.jpg
>>10
田中琴葉(18)Vo/Pr
http://i.imgur.com/1iUXPny.jpg
http://i.imgur.com/0M8XK2b.jpg
所恵美(16)Vi/Fa
http://i.imgur.com/kzw1B6Z.jpg
http://i.imgur.com/RN3cTiy.jpg
島原エレナ(17)Da/An
http://i.imgur.com/sARL4rq.jpg
http://i.imgur.com/PlGk6kr.jpg
>>20
如月千早(16)Vo/Fa
http://i.imgur.com/RFRxkra.jpg
http://i.imgur.com/tC8qFJ0.jpg
最上静香(14)Vo/Fa
http://i.imgur.com/4aXhrb7.jpg
http://i.imgur.com/BE1XQSj.jpg
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524295750/
Entry ⇒ 2018.04.30 | Category ⇒ ミリマス | Comments (0)
《進撃の巨人》健「巨人だと?」《Infini-T Force》
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:48:23.06 ID:HvTSwMxH0
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:49:34.31 ID:HvTSwMxH0
戦いの末、自分達の世界を取り戻した鷲尾健、鎧武士、南城二、東鉄也。
しかし笑の力で“可能性”を取り戻した世界の中で、少数だが…また異変が起き始めていた。
彼らは笑を連れてその世界へと向かい、異変の原因である“特異点”を元に戻すため行動する。
そしてまた…彼らは時空を超え、異世界へと降り立った。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:50:51.14 ID:HvTSwMxH0
《シガンシナ区》
ザワザワ…ザワザワ…
健「城二、特異点はこの世界なんだな」
城二「ああ、間違いない」
武士「しっかし、新宿に比べると随分古い街並みだな」
笑「私は好きだけどなー、この雰囲気」
武士「いや別に嫌いってわけじゃねーけど…ただ、なんで壁に囲まれてんだろうな」
城二「そういう風習…もしくは文化から来ているかもしれない」
鉄也「教授、特異点の詳しい場所は?」
城二「この世界のどこか…それ以上の事はまだ分かっていない」
武士「おいおいいくらなんでも…」
城二「この世界の特異点は今まで見てきた物とは違うらしい。ブルーアース号から範囲を絞って検索していけば必ず見付かる…はずだ」
城二「笑は何か感じたりしないか?」
笑「んーん、全然」
武士「こりゃ長引きそうだ…」
笑「ま、観光がてら地道に探しましょ」
健「笑、俺達は遊びに来たわけじゃ…」
ドンッ!
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:52:00.19 ID:HvTSwMxH0
エレン「うわっ!」ドサッ!
笑「キャッ!」ドサッ!
エレン「いてて…」
笑「いったー…」
エレン「あ、ご、ごめんなさい!」
ミカサ「エレン、大丈夫?」
アルミン「ご、ごめんなさい!友達が走って…」
健「元気なのはいいことだが走るなら前を見ろ」
エレン「は、はい…」
笑「あはは、私は大丈夫だから…気にしないで」
エレン「あ、ありがとうございます……!!?」
笑「?…どうかした?」
エレン「ミカサと同じ髪の色…もしかして東洋人……!?」
笑「東洋…人?」
健「まあ、大雑把に言えば東洋人だな」
ミカサ「私以外の…人……」
武士「で、随分急いでたみたいだったが何かあったのか?」
エレン「あ、そうだった!アルミン早く外の話の続きだ!」
アルミン「う、うん……おじさん達は内地の人ですか?東洋人の人がこの街にいるなんて聞いたこと無いし…」
健「おじさんだと?」ギロッ
アルミン「ヒッ!ご、ごめんなさい!」
笑「はいはい、オッサンは黙ってて」
鉄也「僕達は内地じゃなくて外から来たんだ」
シーン……
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:52:34.56 ID:HvTSwMxH0
エレン「え…えぇぇぇぇぇぇ!!!」
アルミン「外って…壁の外から来たんですか!!?」
ミカサ「うそ……」
武士「…教授、めっちゃ驚いてるけど」ヒソヒソ
城二「……情報が足りない今、ここはこの子達からも話を聞き出して……」ヒソヒソ
エレン「なあなあ!外にはしょっぱい湖があるってのは本当なのか!?」
アルミン「炎の川が山から流れてるっていうのは本当なんですか!?」
ミカサ「巨人に襲われたりしなかったんですか…?」
笑「しょっぱい湖…あ、海のこと?」
エレン「!」
健「火の川…溶岩か」
アルミン「!!本当にこの人達、外から…」
鉄也「巨人…?巨人ってなに?」
ミカサ「え……」
エレン「巨人を…知らない?」
アルミン「じゃ、じゃあどうやってここに…」
鉄也「空から」
三人『空から……?』
武士「(あちゃー…マズいな、このままじゃ不審者って思われるぞ)」ヒソヒソ
城二「(周りの文明レベルを見た所、空を飛ぶ技術はまだこの世界にはない…)」ヒソヒソ
城二「(だが、気になる言葉も聞けた)」スッ…
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:53:39.03 ID:HvTSwMxH0
城二「…君達は外の話が聞きたいのかい?」
エレン「え?う、うん…」
城二「私達は本当に空からこの街に来たんだ…後で君達にその機械を見せてあげよう」
城二「だから代わりに教えてくれないか?その…巨人とは何かを」
エレン「…アルミン、どう思う?」
アルミン「確かに怪しいけど、海や溶岩を知ってたし…空を飛ぶ技術が外にならあるかもしれない」
ミカサ「なら…」
アルミン「…分かりました。巨人というのは……────」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:54:06.05 ID:HvTSwMxH0
アルミン「────それで僕達は100年間、この壁の中に住んでいるんです」
笑「巨人が、人を………」
武士「嘘ってわけじゃ…無さそうだな」
鉄也「巨人の支配する世界…か」
健「城二、ブルーアース号から確認できるか?」
ピピッ、ヴゥン!
城二「……確かに、外壁は巨人の溜まり場になっているな」ピピピ
エレン「!!?アルミン!これってなんだ!?」
アルミン「わ、分からない…分からないけど、こんな物見たことない……」
ミカサ「凄い……」
ピシャァンッッ!!!
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:58:02.14 ID:HvTSwMxH0
全員『!?』
ミカサ「今のは……」
エレン「あっちの方からか!?」
アルミン「行ってみよう!」ダッ!
ミカサ「…」ダッ!
エレン「あ、おい待てよアルミン!ミカサ!」ダッ!
城二「……!!?これは…」ピピピピピピ!!
武士「どうした教授、今の振動と何か関係あるのか?」
城二「…鉄也、あの壁の高さは何メートルか分かるか」
鉄也「……50メートルだね」ピピッ
笑「それがどうかしたの?」
健「高さ…巨人……まさか!?」
ズズゥゥゥゥゥン…
笑「……うそ………」
城二「50メートルを越す、巨人……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:58:36.99 ID:HvTSwMxH0
ズガァァァァァァァァンッッッ!!!
城二「ッ!門を蹴り飛ばしただと!?」
武士「おい、今ので何人巻き込まれた…?」
笑「ちょっと待ってよ!門が壊されたって事は…」
鉄也「巨人が……来る」
キャーー!ウワーーーー!!!
健「笑!避難していろ!」
笑「わ、分かった!」
鉄也「フレンダー、笑を頼む」
フレンダー『ワオン!』
─────────
──────
───
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:59:31.26 ID:HvTSwMxH0
ハンネス「カルラ……すまない!」バッ!
エレン「離してよ!まだ母さんが…母さん!!」
ミカサ「おばさん…おばさん!!」
カルラ「エレン!ミカサ!…生きて……!!」
エレン「母さん!母さーーん!!!」
カルラ「(二人とも……私の分まで…生きて……)」ツゥー…
エレン「母さん…母さん!!」
エレン「(誰でもいい…誰か…誰か母さんを……)」ポロポロッ
エレン「母さんを……助けて……」
ババッ!!シュンッッ!!
エレン「!?」バッ!
ハンネス「!?今、何かが横切って……」
ミカサ「白い…影……」
スタッ!
ガッチャマン「………」バサバサッ!!
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:02:12.30 ID:HvTSwMxH0
カルラ「貴方は……」
ガッチャマン「もう大丈夫だ」
ズシーン!ズシーン!
巨人「」ニタニタ
ガッチャマン「無差別に蹂躙する貴様達の行動…断じて見過ごすわけにはいかない!」ババッ!
ガッチャマン「『バードラン』!」シュシュッ!!
ドカカァァァン!!
巨人「!?!?」グラッ…
ガッチャマン「覚悟しろ、悪党!!」バッ!
ヒュンヒュン!!
エレン「人が…人が飛んでる……」
ハンネス「そんな…立体機動装置も付けずに、あの高さを……」
ミカサ「かっこいい…」
ドカカァァァン!!
ガッチャマン「……!」
ミシミシミシ!!
ガッチャマン「再生しているだと…ッ!」チャキッ!
ドカカァァァン!!
クルクルクル…ズサァァァ!!
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:03:06.10 ID:HvTSwMxH0
ガッチャマン「チッ、このままでは決め手に欠けるな…」バサッ!
ハンネス「お、おいアンタ!」
ガッチャマン「!民間人は下がってろ!」
ハンネス「巨人の弱点はうなじだ!そこを斬れば巨人を倒せる!!」
ガッチャマン「なに…?」
エレン「その声…さっきのおじさん!?」
ガッチャマン「おじさんじゃ…む、さっきの子供か」
エレン「おじさん…母さんを、助けて……」ギュッ…
ガッチャマン「…ああ、任せておけ」
バシュンッ!!
ガッチャマン「『バードラン』!!」シュシュッ!!
ドカカァァァン!!!!
グラッ…ドスゥゥゥゥゥン……
巨人「」シュゥゥゥゥゥ……
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:03:52.55 ID:HvTSwMxH0
ハンネス「巨人を…倒しちまった……」
ガッチャマン「…城二、巨人の弱点が分かった。うなじを攻撃しろ」ピピッ!
《分かった、みんなに伝える》ジジッ!
ガッチャマン「よし……」クルッ
スタスタ…ガラララッ!!
ガッチャマン「出れるか?」
カルラ「あ、ありがとうございます」ググッ…
エレン「母さん!」ダッ!
ミカサ「おばさん!」ダッ!
カルラ「エレン!ミカサ!」ダキッ!
ガッチャマン「…その子達の避難を頼む」
ハンネス「あ、ああ…でも、アンタは一体……」
エレン「おじさん!」
ミカサ「おじさん!」
ガッチャマン「…おじさんではないとあれほど……」ピクピク
エレン「母さんを助けてくれて…ありがとう!」
ミカサ「ありがとう…」
ガッチャマン「…早く避難するんだ、ここが危険なのは変わりない」
ハンネス「俺は駐屯兵団のハンネス…あんたの名前を聞かせてほしい」
ガッチャマン「…ガッチャマン」
ガッチャマン「正義の影武者…科学忍者隊、ガッチャマンだ」チャッ!
バッ!!
ヒュンヒュン…タタタッ……
ミカサ「科学忍者隊……」
エレン「ガッチャマン…」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:04:36.13 ID:HvTSwMxH0
ヒュン!ヒュン!
ガッチャマン「城二、巨人を倒しているだけではらちが明かないぞ」スタッ!タタタッ!
《ああ、まずは壊された門をどうにかしなくてはならない》
ガッチャマン「…!城二、この状況で門を直すのは無理かもしれないがお前とぺガスがいるなら…!」
《…そうか!後の補修が大変になるかもしれないが……》
ガッチャマン「みんなで手伝えばいい」フッ
《…ああ、そうだな》
─────────
──────
───
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:05:43.24 ID:HvTSwMxH0
女性「逃げなきゃ…逃げなくちゃ……」タッタッタッ!!
女性「キャッ!」ドサッ!
ズシーン!ズシーン!
巨人「」ニタニタ
女性「いや……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ポリマー「『ポリマーホーク』!!」
ズガァァァァァンッ!!!
巨人「」グラッ…ドスゥゥゥゥン
ポリマー「ヘッ、うなじに直撃は効くんだろ?」ズサァァァ!!
女性「…え、あ……」
ポリマー「さあ、早く逃げなお嬢さん」
女性「は、はい!」タタッ!!
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:06:20.51 ID:HvTSwMxH0
ドシーーン!ドシーーン!!
巨人's『』ニタニタ
ポリマー「ったく、ワラワラ現れやがって…」スゥゥ…
ポリマー「いいぜ…破裏拳流ってやつをお前達に教えてやるよ」ババッ!
ポリマー「ホォォォ…」ヒュンッ!
巨人「!」
ポリマー「『反動三段蹴り』!!」
メシャッ!メシャッ!ミシシッ!!
巨人's『』ドススゥゥゥゥン…
ポリマー「立ちっぱなしのやつに、俺は負けねえよ」スタッ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:09:07.31 ID:HvTSwMxH0
ダンダンダンダンダン!!!
ポリマー「!?走ってくる巨人もいるのか!」
奇行種「」ダンダンダンダンダン!!
男性「たす…助けてくれぇぇ!!」
駐屯兵「ど、どうすれば…」バシュン!シュルルルル!!
ポリマー「チッ、間に合え…!!」バッ!!
ポリマー「『ポリマードリル』!!」
ギュィィィィィィン!!ガリガリガリガリガリ!!!
奇行種「!」ズズゥゥゥン!
駐屯兵「!?今、何かが奇行種の足を…」
男性「!!」
ポリマー「よっと……ほら、あんたも早く逃げな!!」ガララッ!!
男「は、はいぃ!!」ダッ!
駐屯兵「んなっ!あの赤いの…あんなデケエ瓦礫を片手で持ち上げてやがる!!」
ポリマー「うつ伏せに倒しゃ、うなじは丸見え…」バッ!
ポリマー「『真空片手駒』!!」ギュィィィィィィン!!
ガリガリガリガリガリ!!!
ポリマー「よっと」ヒュッ、スタッ
ポリマー「瓦礫をうなじにねじ込まれた気分はどうだい?」
巨人「」シュゥゥゥゥゥ………
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:09:48.32 ID:HvTSwMxH0
ポリマー「…格闘だけでどこまでできるか分からねえが、守ってみせる!」グッ!
駐屯兵「ち、ちょっと待ってくれ!今のは…」
ポリマー「『ポリマーホーク』!!」ギュィン!
バシュンッ!!
駐屯兵「今のは……一体……」
─────────
──────
───
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:10:42.86 ID:HvTSwMxH0
駐屯兵「クソッ、穴からゾロゾロと…」
駐屯兵「何か穴を塞ぐ方法は無いのか!?」
駐屯兵「無茶です!あんな巨大な穴をどうやって…」
キィィィィィン…!!
駐屯兵「な、なんだぁ!?」
駐屯兵「な、何かが空を飛んで…!!」
テッカマン「ぺガス!照準を壊された門の上方…縦一線に掃射!!」バッ!
ぺガス『ラーサー』
ズガガガガガガガガガガガガガァァァァァン!!!!
ガラガラガラガラガラドカカカカァァァァァァンッ!!!!
テッカマン「強引な手だが…今は時間が惜しい」ジャキン
テッカマン「『ボルテッカー』!!!」キュィンッ!!
ズシャァァァァァァァァァンッッ!!!
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:11:35.42 ID:HvTSwMxH0
駐屯兵「か、壁を崩して…」
駐屯兵「穴を塞いだ…だと?」
テッカマン「あとは中にいる巨人を…!?」ピピッ!
テッカマン「(壁から熱源反応…?この大きさ……)」ピピピピ…
テッカマン「…いや、今は民間人を助けるのを優先すべきだ」チャッ
テッカマン「ぺガス!」
ぺガス『ラーサー』
キィィィィィィン!!!
駐屯兵「……お前、今の…見たか?」
駐屯兵「ハハッ…話しても、信じてもらえそうにねえよ……」
─────────
──────
───
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:12:02.14 ID:HvTSwMxH0
ドドォォォン!ドドォォォン!
巨人's『』シュゥゥゥゥゥ…
キャシャーン「………」バリバリッ!
キャシャーン「(この分なら被害も最小限で……)」
ピシャァンッッ!!!
キャシャーン「!」クルッ
鎧「……」ドシーン…ドシーン…ググッ
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:13:12.90 ID:HvTSwMxH0
ドシンドシンドシンドシン!!!
駐屯兵「んなっ!巨人が急に…ええい!怯むなっ!!」
キャシャーン「…!」バッ!
駐屯兵「撃て!撃てぇぇ!!」ドカァァン!ドカァァン!!
ダァァァン!ダァァァン!!
鎧「…」ドシンドシンドシンドシン!!
駐屯兵「た、大砲が効いてません!!」
駐屯兵「まずい、このままじゃ…」
キャシャーン「…」ババッ!
ガシシッ!
駐屯兵「な、誰だ貴様は!」
駐屯兵「離せ!我々が死守しなければこの門が…!」
キャシャーン「……」バシュン!バシュン!バシュン!
ドカァァァァァァァン!!!
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:14:38.57 ID:HvTSwMxH0
鎧「……」ブシュゥゥゥゥゥ!!!
駐屯兵「門が…門が破られちまった…」
駐屯兵「鎧の巨人も煙と一緒に消えちまった…」
キャシャーン「無事か?」
駐屯兵「バカ野郎!なんなんだテメエは!!」
駐屯兵「俺達が無事でも門が壊れちゃ意味がねえんだよ!!」
ドシーン!ドシーン!
駐屯兵「チクショウ!巨人が…巨人が中に入っちまう……」
駐屯兵「こうなったら、命をかけても……」チャキッ!
キャシャーン「大丈夫」チャッ!
駐屯兵「あぁ!?何を…」
バシュン!バシュン!バシュン!
駐屯兵「!!?空を、飛んで……」
巨人's『』ニタニタ
キャシャーン「巨大な悪魔を叩いて砕く…俺がやらねば誰がやる」バリバリバリッ!!
ダァァァァンッ!!ダァァァァンッ!!ダァァァァンッ!!
巨人's『』シュゥゥゥゥゥ……
キャシャーン「…」スタッ
駐屯兵「」ポカーン
駐屯兵「」アングリ
キャシャーン「ここから先は…誰も通さない」ギラッ
─────────
──────
───
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:15:30.71 ID:HvTSwMxH0
《数時間後》
笑「(みんな…大丈夫かな……)」
アルミーーン!
エレン!ミカサ!オバサン!
アルミン「良かった…みんな無事だったんだね」
エレン「アルミン!良かった…」
祖父「カルラさん、無事で何よりじゃ」
カルラ「ええ…もうダメだと思いましたが、ある人に助けられまして……」
ミカサ「…!エレン、あの人……」
エレン「あ!おじさんと一緒にいた女の人だ!!」
笑「え?」
タッタッタッ!
エレン「お姉さん!さっきの…さっきのおじさんが…!」
笑「え、ちょ…えぇ?」
カルラ「エレン、その人は?」
エレン「さっき母さんを助けてくれた…ガッチャマンと一緒にいた人だよ!!」
カルラ「まあ!まあまあまあ…」
ミカサ「…?他の人はいないの?」キョロキョロ
笑「え、えーっと……」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:16:21.88 ID:HvTSwMxH0
健「どうした笑、困った顔をして」スタスタ
武士「やれやれ、これで一応片付いたのか?」
城二「ああ、この街の巨人は片付いたが…またいつ巨大な巨人や鎧の巨人が来るかは分からない。それに気になることが増えた」
鉄也「気になること?」
エレン「おじさん…!!」パァァ!
ミカサ「おじさん…!!」パァァ!
健「おじ…もういい」ハァァ…
健「二人ともケガはないか?」
エレン「はい!」キラキラキラ
ミカサ「大丈夫…です!」キラキラキラ
笑「…なんか、目が変わってない?」
アルミン「二人ともどうしたの?」
エレン「聞いてくれよアルミン!母さんが巨人に襲われそうになった所をおじさんが変身して助けてくれたんだ!!」
ミカサ「ガッチャマン…カッコいい…」キラキラキラ
カルラ「本当に…本当に、ありがとうございました……」フカブカ
健「…みんな無事なら、それでいい」
エレン・ミカサ・アルミン『(か、カッコいい…!!)』キラキラキラ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:17:33.76 ID:HvTSwMxH0
武士「だが現実問題…どうするよ?」
城二「巨人の数に限りがあるのか…そもそも巨人がどこから来ているのか…それを知らなければならない」
エレン「巨人は敵なんだ!だから一匹残らず駆逐しないと…!」ギリッ
ミカサ「エレン…」
健「いや、それだけじゃダメだ」
エレン「え…」
健「戦ってみて分かったが、巨人自身に何かを考えて行動する力は無かった」
健「あるのは目に見える人間を捕食する事だけ…」
健「だが今回の襲撃、敵は間違いなく人を滅ぼそうという意思を持って壁を壊し、中門を破壊した」
武士「つまり…それを指示したヤツがいるってわけか」
健「その指示した親玉を倒さない限り戦いは続く」
城二「なら…」
健「ああ」
エレン「おじさん!」
健「……なんだ?」
エレン「俺もおじさんみたいに強くなりたい…俺も、おじさんみたいに巨人を倒せるようになれるかな…?」
健「…ああ。心に正義があるなら、俺より強くなれる」
エレン「…!!」
─────────
──────
───
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:22:14.22 ID:HvTSwMxH0
《数ヵ月後・マーレ国のとある施設》
所長「ヒッヒッヒッ…人間を巨人にするこの薬…これが我々の手にある限りマーレ人の繁栄は揺るぎない物となる」
研究員「所長、被検体のエルディア人の用意ができました」
所長「もうすぐだ…巨人の力も手中にある今、エルディア人に受けた屈辱を全て消し去り我々マーレ人が永久の繁栄を握る…ヒッヒッヒッヒッ」
「そこまでだ」
所長「!?誰だ!!?」
「時には1つ、時には5つ」
「正義の影武者…科学忍者隊」
ガッチャマン「ガッチャマン!!」
「この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ…」
「破裏拳ポリマー、ここに参上!!」
所長「なんだ…なんだ貴様達は!?憲兵!憲兵はどうした!!?」
テッカマン「過去に何があったか私達は知らない…だが」
キャシャーン「外道の行いを黙って見過ごすわけにはいかない」
研究員「所長!け、憲兵と連絡が取れません!!」
所長「なぁっ!?」
ガッチャマン「諸悪の根源であるこの施設…破壊させてもらう!」バッ!
─────────
──────
───
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:25:00.73 ID:HvTSwMxH0
エレン「う…美味い!!」
ミカサ「美味しい…」
アルミン「こんな美味しい物、食べたことない…」
笑「たくさん作ったからどんどん食べてねー」
カルラ「フフッ…後で教えてもらってもいいかしら?えーっと…」
笑「アボカドのクリームパスタ…最近ようやく作れるようになったんだ」
エレン「…お姉さん、巨人と戦ってたおじさん…ガッチャマンってなんなんだ?」
笑「んー…っとね、」
笑「正義のヒーローだよ」ニコッ
おわり
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:26:16.54 ID:HvTSwMxH0
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 08:45:15.48 ID:TyIy2iGQO
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524401302/
Entry ⇒ 2018.04.29 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
【モバマス】速水奏「ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:01:56.41 ID:+r4IWQ3w0
ごきげんよう。新米Pです。
しばらく現れなくなるといったな。あれは嘘だ。
創作意欲が止まらなくて、一週間で4作目です。
この短期間で4作出してしまったわけですが、ここの勝手などがわからないので、大丈夫なのかなと心配になっております。
相変わらずのにわか知識です。キャラ崩壊している可能性がございます。不快な点などはご指摘くださいませ。
めずらしく地の文少なめです。よろしくお願いいたします。
しばらく現れなくなるといったな。あれは嘘だ。
創作意欲が止まらなくて、一週間で4作目です。
この短期間で4作出してしまったわけですが、ここの勝手などがわからないので、大丈夫なのかなと心配になっております。
相変わらずのにわか知識です。キャラ崩壊している可能性がございます。不快な点などはご指摘くださいませ。
めずらしく地の文少なめです。よろしくお願いいたします。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:02:32.65 ID:+r4IWQ3w0
―ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?
モバP(以下P)「だって、お、お前がキスしないとアイドルにならないって…ヒック、でも、女子高生にキスしたら社会的に終わるかもって…ヒック、でも、アイドルになってほしかったし…ヒック、だから勇気だしてしようと思ったのに…」ブワァ
速水奏(以下奏)「うふふ、そんなの冗談に決まってるでしょ?」
P「大人をからかうんじゃない!」ドバァ
奏「うふふ、ごめんなさい。でも、想像以上に反応がいいもんだから、クセになりそうね。」
奏「これからもよろしくね?プロデューサーさん?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
モバP(以下P)「だって、お、お前がキスしないとアイドルにならないって…ヒック、でも、女子高生にキスしたら社会的に終わるかもって…ヒック、でも、アイドルになってほしかったし…ヒック、だから勇気だしてしようと思ったのに…」ブワァ
速水奏(以下奏)「うふふ、そんなの冗談に決まってるでしょ?」
P「大人をからかうんじゃない!」ドバァ
奏「うふふ、ごめんなさい。でも、想像以上に反応がいいもんだから、クセになりそうね。」
奏「これからもよろしくね?プロデューサーさん?」
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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:03:13.04 ID:+r4IWQ3w0
―ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?
モバP「どうしてって、奏はこういうの平気なのか…?」ブルブル
奏「そうね、こんなのただの作り物だし。」
奏「それにあなたから誘ったんでしょう?」
P「だ、だって、このお化け屋敷の宣伝するのに、当の本人が内容をしらないのも問題だろ…?」ブルブル
奏「それはそうだけど、私一人でよかったじゃない。苦手ならわざわざ…。」
P「女の子一人だと心細いとおもったから!!まさかこんなに怖いとは思ってなかったし…。」ブルブル
奏「その女の子よりダメな人が一緒に来てちゃ本末転倒でしょう?まったくもう…」
P「うぅ、だってぇ…。」
奏「ほら、手を繋ぎましょう?」ギュ
P「うぅ、奏ぇ…。」
奏「なぁに?もしかしてキスが良かったかしら?…」
バンッ!!
P「」
P「ごめん奏!!もう無理だっ!!!」バッ
ダダダダダダダダダーー!!
奏「あ、ちょっと!」
奏「ハァ、まったくもう!」
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モバP「どうしてって、奏はこういうの平気なのか…?」ブルブル
奏「そうね、こんなのただの作り物だし。」
奏「それにあなたから誘ったんでしょう?」
P「だ、だって、このお化け屋敷の宣伝するのに、当の本人が内容をしらないのも問題だろ…?」ブルブル
奏「それはそうだけど、私一人でよかったじゃない。苦手ならわざわざ…。」
P「女の子一人だと心細いとおもったから!!まさかこんなに怖いとは思ってなかったし…。」ブルブル
奏「その女の子よりダメな人が一緒に来てちゃ本末転倒でしょう?まったくもう…」
P「うぅ、だってぇ…。」
奏「ほら、手を繋ぎましょう?」ギュ
P「うぅ、奏ぇ…。」
奏「なぁに?もしかしてキスが良かったかしら?…」
バンッ!!
P「」
P「ごめん奏!!もう無理だっ!!!」バッ
ダダダダダダダダダーー!!
奏「あ、ちょっと!」
奏「ハァ、まったくもう!」
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4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:04:08.00 ID:+r4IWQ3w0
―ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?
P「ん、あぁ、ちょっと玉ねぎが目にしみてな。」
奏「質問を変えるわね。何故あなたは玉ねぎを切ってるの?」
P「なぜって、風邪を引いた奏のために料理を作ってあげてるんだろ?」
奏「えぇ、その好意はとても嬉しいわ。でも、あくまで私の憶測に過ぎないけど、あなたカレーを作ってないかしら?」
P「は?あたりまえだろ?風邪を引いたときはあったかいカレーを食べてたっぷり寝る!これに限るよな!」
奏「えぇ、何でそんな自信満々なの…。もしかして私がおかしいのかしら…。」ブツブツ
P「ほら、できるまでちゃんと横になってろ。」
奏「そうさせてもらうわね…」クラクラ
奏(以外だったけど、思ったより料理できるのね…。)
―しばらくして。
P「奏ー、できたぞー。」
奏「ん、んー?あら、ありがとう…。」
P「ほれ、アーン」
奏「えぇ?別に一人で食べれるわよ。」
P「ほら、いいから。」
奏「あ、あーん」
ヒョイパクッ
P「いやー!!そういえば味見してなかったと思ってな!わひゃひゃひゃ!アーンだって!!いつもからかってくるから仕返しだ!」ブフッ!
奏「」ムカッ
奏「あっそ。食べ終わったら流しにいれといて。カレーはいらないから全部捨てといてね。おやすみ。」
P「うーそーだーよぉお!ごめんってばー!!奏起きてよー!」ブワァ!!
P「ん、あぁ、ちょっと玉ねぎが目にしみてな。」
奏「質問を変えるわね。何故あなたは玉ねぎを切ってるの?」
P「なぜって、風邪を引いた奏のために料理を作ってあげてるんだろ?」
奏「えぇ、その好意はとても嬉しいわ。でも、あくまで私の憶測に過ぎないけど、あなたカレーを作ってないかしら?」
P「は?あたりまえだろ?風邪を引いたときはあったかいカレーを食べてたっぷり寝る!これに限るよな!」
奏「えぇ、何でそんな自信満々なの…。もしかして私がおかしいのかしら…。」ブツブツ
P「ほら、できるまでちゃんと横になってろ。」
奏「そうさせてもらうわね…」クラクラ
奏(以外だったけど、思ったより料理できるのね…。)
―しばらくして。
P「奏ー、できたぞー。」
奏「ん、んー?あら、ありがとう…。」
P「ほれ、アーン」
奏「えぇ?別に一人で食べれるわよ。」
P「ほら、いいから。」
奏「あ、あーん」
ヒョイパクッ
P「いやー!!そういえば味見してなかったと思ってな!わひゃひゃひゃ!アーンだって!!いつもからかってくるから仕返しだ!」ブフッ!
奏「」ムカッ
奏「あっそ。食べ終わったら流しにいれといて。カレーはいらないから全部捨てといてね。おやすみ。」
P「うーそーだーよぉお!ごめんってばー!!奏起きてよー!」ブワァ!!
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:05:01.14 ID:+r4IWQ3w0
訂正
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:05:29.84 ID:+r4IWQ3w0
訂正
以外→意外
以外→意外
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:06:13.23 ID:+r4IWQ3w0
―またしばらくして。
奏「本当に大人気ないわね。」
P「面目ない。」
奏「ほら、あーん」
P「え?でも、いいのか?」
奏「いいからはやく。」
P「あ、でもこのスプーン取り替えないと」
奏「いいからっ!」
P「は、はい!」アーン
奏「ぱくっ。もぐもぐ」
P「どう?」
奏「…フフッ、まぁ、及第点かしら?」
P「ったく、素直じゃないなぁ。ほれ。」
モグモグ…
奏「ごちそうさま。」
P「驚きのスピードで食べ終えたな。」
奏「しらない。」
P「ほら、もう横になれ。あとは寝てればなおるさ。」
奏「えぇ、ありがとう。」
P「それじゃ、洗い物したら帰るから。」
奏「本当に大人気ないわね。」
P「面目ない。」
奏「ほら、あーん」
P「え?でも、いいのか?」
奏「いいからはやく。」
P「あ、でもこのスプーン取り替えないと」
奏「いいからっ!」
P「は、はい!」アーン
奏「ぱくっ。もぐもぐ」
P「どう?」
奏「…フフッ、まぁ、及第点かしら?」
P「ったく、素直じゃないなぁ。ほれ。」
モグモグ…
奏「ごちそうさま。」
P「驚きのスピードで食べ終えたな。」
奏「しらない。」
P「ほら、もう横になれ。あとは寝てればなおるさ。」
奏「えぇ、ありがとう。」
P「それじゃ、洗い物したら帰るから。」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:07:03.23 ID:+r4IWQ3w0
グイッ
P「ん、どうした?」
奏「…寝付くまで側にいてほしいわ…。なんて…。」
P「あんれれぇえ?奏さんあまえんぼになっちゃったんでちゅかー?しょうがないでちゅねー?」ゲラゲラ
奏「もう帰って!!///」グイグイ
P「冗談だよ。」
P「さーてと、俺の面白トークで爆笑の渦におとしてやるか。」
奏「どちらかというと深い眠りにおとしてほしいのだけれど。」
P「それもそうだな」
奏「…」スッ
P「ん?あぁ…」
ギュ
P「…って言うことがあって…」
奏「うふふ…」
「…だったんだ」
奏「…そう」
………
奏「……」
―次の日
奏「ふぁあぁ…。」
奏「本当に治ってるんだから不思議よね。」
奏「はぁ、いつも泣き虫のくせに、こう言うときだけ一丁前なんだから。」
奏「ふふっ」
P「ぐぅ…」スヤスヤ
奏「え?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
P「ん、どうした?」
奏「…寝付くまで側にいてほしいわ…。なんて…。」
P「あんれれぇえ?奏さんあまえんぼになっちゃったんでちゅかー?しょうがないでちゅねー?」ゲラゲラ
奏「もう帰って!!///」グイグイ
P「冗談だよ。」
P「さーてと、俺の面白トークで爆笑の渦におとしてやるか。」
奏「どちらかというと深い眠りにおとしてほしいのだけれど。」
P「それもそうだな」
奏「…」スッ
P「ん?あぁ…」
ギュ
P「…って言うことがあって…」
奏「うふふ…」
「…だったんだ」
奏「…そう」
………
奏「……」
―次の日
奏「ふぁあぁ…。」
奏「本当に治ってるんだから不思議よね。」
奏「はぁ、いつも泣き虫のくせに、こう言うときだけ一丁前なんだから。」
奏「ふふっ」
P「ぐぅ…」スヤスヤ
奏「え?」
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10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:07:51.33 ID:+r4IWQ3w0
―ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?
P「あたりまえだろ…!ずっと二人で頑張ってきたアイドルがついに最高の舞台にあがれたんだ…!」ブワァ
奏「そう…、そうよね…!夢じゃないわよね…!」
P「あぁ…、奏!」
奏「Pさんっ!」
ダキッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
P「あたりまえだろ…!ずっと二人で頑張ってきたアイドルがついに最高の舞台にあがれたんだ…!」ブワァ
奏「そう…、そうよね…!夢じゃないわよね…!」
P「あぁ…、奏!」
奏「Pさんっ!」
ダキッ
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11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:09:01.37 ID:+r4IWQ3w0
―ねぇ、どうしてあなたは泣いてるの?
P「泣いて…なんか…ないぞ!トップアイドル速水奏の最後の舞台なんだ…!笑顔で送り出すぞ!」ダバダバー
奏「もう!鼻水だらだらじゃないの!」
P「グジュジュ、かなでぇ…。」
奏「ほら、もう時間だからいくわね!」
P「あぁ…!」
P「最後のステージ、最高に盛り上げよう!」ダバァ!
奏「えぇ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
P「泣いて…なんか…ないぞ!トップアイドル速水奏の最後の舞台なんだ…!笑顔で送り出すぞ!」ダバダバー
奏「もう!鼻水だらだらじゃないの!」
P「グジュジュ、かなでぇ…。」
奏「ほら、もう時間だからいくわね!」
P「あぁ…!」
P「最後のステージ、最高に盛り上げよう!」ダバァ!
奏「えぇ!」
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12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:09:34.02 ID:+r4IWQ3w0
-ねぇ
P「どうした?」
-どうして私は泣いているの?
P「さあな。俺には奏の考えは難しすぎてわかんないよ。」
奏「そっか。」
奏「ねぇ」
P「どうした?」
奏「その指輪、とっても綺麗ね。」
P「そうか?」
奏「えぇ。とても気に入ったわ。」
P「よかった。」
P「なぁ。」
奏「なぁに?」
P「そろそろ答えを聞いてもいいかな?」
奏「そうね。」
奏「これからもよろしくお願いします。」
あなたは安堵したのか、いつもみたいになきはじめた。
私があなたからのプロポーズを断るわけないじゃない。
奏「ほんとうに、泣き虫さんね。」
P「どうした?」
-どうして私は泣いているの?
P「さあな。俺には奏の考えは難しすぎてわかんないよ。」
奏「そっか。」
奏「ねぇ」
P「どうした?」
奏「その指輪、とっても綺麗ね。」
P「そうか?」
奏「えぇ。とても気に入ったわ。」
P「よかった。」
P「なぁ。」
奏「なぁに?」
P「そろそろ答えを聞いてもいいかな?」
奏「そうね。」
奏「これからもよろしくお願いします。」
あなたは安堵したのか、いつもみたいになきはじめた。
私があなたからのプロポーズを断るわけないじゃない。
奏「ほんとうに、泣き虫さんね。」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:09:51.84 ID:+r4IWQ3w0
おしまいです。
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:15:46.18 ID:+r4IWQ3w0
過去作です。下の作品ほどイチャイチャしています。お時間のある方は是非。
【モバマス】速水奏「本当にお馬鹿さん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510243104/
【モバマス】堀裕子「素直になれないから」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510402542/
【モバマス】相葉夕美「ヤンデレ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510494377/
【モバマス】速水奏「本当にお馬鹿さん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510243104/
【モバマス】堀裕子「素直になれないから」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510402542/
【モバマス】相葉夕美「ヤンデレ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510494377/
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510668116/
Entry ⇒ 2018.04.29 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
ミリP「よし、千早と初詣に行くぞ!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:34:47.71 ID:IkrkuFooo
美咲「あ、プロデューサーさん! えへへへ、明けましておめでとうございます!」
P「明けましておめでとうございます、青羽さん。今年もよろしくお願いします」
美咲「はい、よろしくお願いします! それで早速なんですけど……。
じゃーんっ! 社長さんからお年玉を預かってます!」
P「本当ですか! おお、すごい! こんなにたくさん……!」
美咲「普段がんばってくれてるから、って言ってましたよ!」
P「あはは、ありがたいですね。あとで社長にお礼を言っておかないと。
青羽さんも、ありがとうございます」
P「明けましておめでとうございます、青羽さん。今年もよろしくお願いします」
美咲「はい、よろしくお願いします! それで早速なんですけど……。
じゃーんっ! 社長さんからお年玉を預かってます!」
P「本当ですか! おお、すごい! こんなにたくさん……!」
美咲「普段がんばってくれてるから、って言ってましたよ!」
P「あはは、ありがたいですね。あとで社長にお礼を言っておかないと。
青羽さんも、ありがとうございます」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:35:40.22 ID:IkrkuFooo
美咲「いえいえ、私は預かったものをお渡ししただけですから!」
P「あ、そうだ。ところで青羽さん、千早はもう事務所には来てますか?」
美咲「千早ちゃんですか? はい、少し前に来て、今はレッスンルームだと思いますよ」
P「そうですか、ありがとうございます!
それじゃ、ちょっと千早のところに行ってきますね!」
美咲「あっ、はい! いってらっしゃーい」
美咲(プロデューサーさん、千早ちゃんとお仕事の話かなぁ?
レッスンのあとは確かオフって言ってたけど……お正月から仕事熱心だなぁ。
私も頑張らなきゃ!)
P「あ、そうだ。ところで青羽さん、千早はもう事務所には来てますか?」
美咲「千早ちゃんですか? はい、少し前に来て、今はレッスンルームだと思いますよ」
P「そうですか、ありがとうございます!
それじゃ、ちょっと千早のところに行ってきますね!」
美咲「あっ、はい! いってらっしゃーい」
美咲(プロデューサーさん、千早ちゃんとお仕事の話かなぁ?
レッスンのあとは確かオフって言ってたけど……お正月から仕事熱心だなぁ。
私も頑張らなきゃ!)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:38:17.49 ID:IkrkuFooo
・
・
・
劇場、廊下
P「……」
P(いよいよだ……遂にこの時がやってきたぞ! 念願の、千早と初詣に行く時が!
担当アイドルと一緒に初詣に行くのが俺の夢だったんだ!
そして千早の隣で、神様にお願いするんだ……。
『俺の願いはいいから、千早の願いを二倍叶えてください』ってな……!)
P「ふふふ……そのためにスケジュールはばっちり調節したし、
単純計算で少なくとも180回は初詣に行くチャンスがあるはず。
まぁ、180回も使わなくても普通に誘えば行けるだろうけど……」
P(っと、独り言が過ぎたな。いかんいかん。
さて、もうすぐレッスンルームに……)
P「……ん? あれは……」
・
・
劇場、廊下
P「……」
P(いよいよだ……遂にこの時がやってきたぞ! 念願の、千早と初詣に行く時が!
担当アイドルと一緒に初詣に行くのが俺の夢だったんだ!
そして千早の隣で、神様にお願いするんだ……。
『俺の願いはいいから、千早の願いを二倍叶えてください』ってな……!)
P「ふふふ……そのためにスケジュールはばっちり調節したし、
単純計算で少なくとも180回は初詣に行くチャンスがあるはず。
まぁ、180回も使わなくても普通に誘えば行けるだろうけど……」
P(っと、独り言が過ぎたな。いかんいかん。
さて、もうすぐレッスンルームに……)
P「……ん? あれは……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:42:13.17 ID:IkrkuFooo
エミリー「日本の冬も寒いですが、ジュニオールさんは暖かそうですね!」
星梨花「えへへっ、そうなんです!
ジュニオールは雪の中でも元気いっぱいなんですよ!」
P「エミリーと星梨花か……。この寒い中、外で何をしているんだ?」
星梨花「こーやってぎゅーって抱きついたら、とってもふかふかなんです!」
エミリー「Wow! とっても気持ちよさそうです!」
星梨花「えへへっ。もし良かったらエミリーちゃんも……」
P「おーい、二人ともそんなところで何をしてるんだ?」
星梨花「えへへっ、そうなんです!
ジュニオールは雪の中でも元気いっぱいなんですよ!」
P「エミリーと星梨花か……。この寒い中、外で何をしているんだ?」
星梨花「こーやってぎゅーって抱きついたら、とってもふかふかなんです!」
エミリー「Wow! とっても気持ちよさそうです!」
星梨花「えへへっ。もし良かったらエミリーちゃんも……」
P「おーい、二人ともそんなところで何をしてるんだ?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:43:30.37 ID:IkrkuFooo
エミリー「仕掛け人さま! 明けましておめでとうございます!」
星梨花「明けましておめでとうございます、プロデューサーさん!」
P「ああ、明けましておめでとう。それより、外に居たら寒くないか?
ジュニオールも一緒に中に入った方がいいと思うけど……」
星梨花「いえ、平気です! ジュニオールはとっても暖かいですから。
今から私とエミリーちゃんで、ジュニオールにぎゅーってしようとしてたんです!」
エミリー「えっ? わ、私もいいんですか?」
星梨花「もちろんです! ジュニオールはふかふかで気持ちいいって、
エミリーちゃんにも知って貰いたいですから! ジュニオールも喜んでくれます!」
エミリー「そ、そうですか? でしたら……ジュニオールさん、失礼しますね」ギュッ
星梨花「明けましておめでとうございます、プロデューサーさん!」
P「ああ、明けましておめでとう。それより、外に居たら寒くないか?
ジュニオールも一緒に中に入った方がいいと思うけど……」
星梨花「いえ、平気です! ジュニオールはとっても暖かいですから。
今から私とエミリーちゃんで、ジュニオールにぎゅーってしようとしてたんです!」
エミリー「えっ? わ、私もいいんですか?」
星梨花「もちろんです! ジュニオールはふかふかで気持ちいいって、
エミリーちゃんにも知って貰いたいですから! ジュニオールも喜んでくれます!」
エミリー「そ、そうですか? でしたら……ジュニオールさん、失礼しますね」ギュッ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:44:31.53 ID:IkrkuFooo
エミリー「ふぁぁ……ふかふかでしゅ……」
P「おお……これは確かに気持ち良さそうだ……」
星梨花「良かったらプロデューサーさんもどうですか?
とっても気持ちいいですよ!」
P「え? いやでも俺は今から千早と……」
エミリー「ふかふかでしゅ……極楽でしゅぅ……」
P「……ごくり……」
P「おお……これは確かに気持ち良さそうだ……」
星梨花「良かったらプロデューサーさんもどうですか?
とっても気持ちいいですよ!」
P「え? いやでも俺は今から千早と……」
エミリー「ふかふかでしゅ……極楽でしゅぅ……」
P「……ごくり……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:45:13.43 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(くっ……! なんてことだ、俺としたことが小一時間も
ジュニオールのふかふかを堪能してしまった……!)
P「千早のレッスンはもう終わってるよな……。
じゃあ今はどこに……」
奈緒「あっ、プロデューサーさんや!」
P「! 奈緒じゃないか……って、どうしたんだその格好」
・
・
P「……」
P(くっ……! なんてことだ、俺としたことが小一時間も
ジュニオールのふかふかを堪能してしまった……!)
P「千早のレッスンはもう終わってるよな……。
じゃあ今はどこに……」
奈緒「あっ、プロデューサーさんや!」
P「! 奈緒じゃないか……って、どうしたんだその格好」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:46:06.28 ID:IkrkuFooo
奈緒「えへへっ、似合ってるやろ?
せっかくのお正月やから、着物着てみたんです!」
P「わざわざか? すごいな、大変だったんじゃないか?」
奈緒「そーなんです! もうメッチャ大変で!
でも、こうしてプロデューサーさんに会えたんやったら、
大変な思いした甲斐もあったかもなぁ」
P「うん? それはどういう……」
奈緒「プロデューサーさん、今から初詣行きましょう!
そのあとは屋台の食べ歩きや!」
P「え!? い、いや俺は千早と……」
せっかくのお正月やから、着物着てみたんです!」
P「わざわざか? すごいな、大変だったんじゃないか?」
奈緒「そーなんです! もうメッチャ大変で!
でも、こうしてプロデューサーさんに会えたんやったら、
大変な思いした甲斐もあったかもなぁ」
P「うん? それはどういう……」
奈緒「プロデューサーさん、今から初詣行きましょう!
そのあとは屋台の食べ歩きや!」
P「え!? い、いや俺は千早と……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:47:29.16 ID:IkrkuFooo
・
・
・
奈緒「とりゃあーっ!!」ガランガランガラン
奈緒「よっしゃ! メッチャ音鳴ったし、神様も気づいてくれたはずやんな♪」
P(結局一緒に来てしまった……)
奈緒「もっと鳴らしたいけど、今日はこのぐらいにしとこ。
今年もいいコトたくさんありますように!」
P(でもまぁ……アイドルが楽しそうな顔をしてるんだ。
それだけでもよしとしないとな)
P「……って、『今日はこのぐらいに』?」
・
・
奈緒「とりゃあーっ!!」ガランガランガラン
奈緒「よっしゃ! メッチャ音鳴ったし、神様も気づいてくれたはずやんな♪」
P(結局一緒に来てしまった……)
奈緒「もっと鳴らしたいけど、今日はこのぐらいにしとこ。
今年もいいコトたくさんありますように!」
P(でもまぁ……アイドルが楽しそうな顔をしてるんだ。
それだけでもよしとしないとな)
P「……って、『今日はこのぐらいに』?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:49:12.66 ID:IkrkuFooo
奈緒「ふー、メッチャお願いしてもうたわー。
お待たせしました、プロデューサーさん!」
P「いや、それはいいんだけど。奈緒、お前もしかして明日も……」
奈緒「さ、次は屋台や! 行くでプロデューサーさん!」
P「えっ、お、おい奈緒! そんな格好で走ったら危ないぞ!」
奈緒「ほんならプロデューサーさんが私のことエスコートしたってや♪ なーんてな!
あっ、あそこ、たこ焼きや! お好み焼きもある!」
P「こら奈緒、待てって! おーい!」
お待たせしました、プロデューサーさん!」
P「いや、それはいいんだけど。奈緒、お前もしかして明日も……」
奈緒「さ、次は屋台や! 行くでプロデューサーさん!」
P「えっ、お、おい奈緒! そんな格好で走ったら危ないぞ!」
奈緒「ほんならプロデューサーさんが私のことエスコートしたってや♪ なーんてな!
あっ、あそこ、たこ焼きや! お好み焼きもある!」
P「こら奈緒、待てって! おーい!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:49:54.62 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(なんやかんやでめちゃくちゃ楽しんでしまった……。
本当の目的は千早との初詣だったはずなのに……)
P「くそっ、とにかく千早を探さないと!
しかしレッスンはとっくに終わってるし、一度控え室に戻って……」
響「あっ、プロデューサー! はいさーい!」
P「響!?」
・
・
P「……」
P(なんやかんやでめちゃくちゃ楽しんでしまった……。
本当の目的は千早との初詣だったはずなのに……)
P「くそっ、とにかく千早を探さないと!
しかしレッスンはとっくに終わってるし、一度控え室に戻って……」
響「あっ、プロデューサー! はいさーい!」
P「響!?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:50:56.83 ID:IkrkuFooo
響「あけましておめでとう、プロデューサー! 今年もよろしくね!」
P「あ、あぁよろしくな」
響「それにしても、すごく良いタイミングだぞ!
自分、ちょうどプロデューサーを探してたんだ!」
P「え? お、俺をか?」
P(嫌な予感しかしない……!)
響「ねぇプロデューサー! 今から水族館に行こうよ!
お正月キャンペーンで、今行くと色々いいことがあるんだ!」
P「す、水族館!? いや、俺は千早と初詣に……!」
P「あ、あぁよろしくな」
響「それにしても、すごく良いタイミングだぞ!
自分、ちょうどプロデューサーを探してたんだ!」
P「え? お、俺をか?」
P(嫌な予感しかしない……!)
響「ねぇプロデューサー! 今から水族館に行こうよ!
お正月キャンペーンで、今行くと色々いいことがあるんだ!」
P「す、水族館!? いや、俺は千早と初詣に……!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:51:45.79 ID:IkrkuFooo
・
・
・
響「見て見て、プロデューサー! この子、人懐っこくてめちゃくちゃカワイイぞ!」
P(結局断れずに来てしまった……)
響「自分のこと、すっごく見てくるんだけど……もしかして劇場に遊びに来たいのか!?
よーしよし、いつでもおいで~、クマ作っ!」
P「いや、劇場にシロクマを呼ぶわけには……って、もう名前をつけたのか」
響「もちろんさー! 仲良くなった動物は名前で呼んであげたいしね!」
P「そうか。まぁ、響に友達ができたみたいで良かったよ」
・
・
響「見て見て、プロデューサー! この子、人懐っこくてめちゃくちゃカワイイぞ!」
P(結局断れずに来てしまった……)
響「自分のこと、すっごく見てくるんだけど……もしかして劇場に遊びに来たいのか!?
よーしよし、いつでもおいで~、クマ作っ!」
P「いや、劇場にシロクマを呼ぶわけには……って、もう名前をつけたのか」
響「もちろんさー! 仲良くなった動物は名前で呼んであげたいしね!」
P「そうか。まぁ、響に友達ができたみたいで良かったよ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:53:12.74 ID:IkrkuFooo
響「ちょっとー! その言い方だと、自分に友達が居ないみたいでしょ!」
P「あはは、ごめんごめん。それよりほら、他の水槽は回らなくていいのか?」
響「もちろん回るさー! 自分、今日は全部の生き物に名前を付けるんだ!
プロデューサーも手伝ってよね!」
P「えっ、俺もか?」
響「うん! 自分の友達はプロデューサーの友達だからね!」
P「そ、そうか。よし、じゃあがんばって名前考えないとな!」
P「あはは、ごめんごめん。それよりほら、他の水槽は回らなくていいのか?」
響「もちろん回るさー! 自分、今日は全部の生き物に名前を付けるんだ!
プロデューサーも手伝ってよね!」
P「えっ、俺もか?」
響「うん! 自分の友達はプロデューサーの友達だからね!」
P「そ、そうか。よし、じゃあがんばって名前考えないとな!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:53:58.83 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(普通に楽しんでしまった……こんなことしてる場合じゃないのに……。
まずいぞ。このままじゃ日が暮れてしまう)
P「夜に参拝に行くのは良くないって言うし、
流石にそろそろ千早を見つけないと明日以降になってしまうぞ……」
P(……っていうか、千早はもう春香あたりと初詣行っちゃってる気も……)
P「い、いや、でも諦めないぞ! まだまだ……」
雪歩「ひうっ!? プ、プロデューサー……!」
P「雪歩!?」
・
・
P「……」
P(普通に楽しんでしまった……こんなことしてる場合じゃないのに……。
まずいぞ。このままじゃ日が暮れてしまう)
P「夜に参拝に行くのは良くないって言うし、
流石にそろそろ千早を見つけないと明日以降になってしまうぞ……」
P(……っていうか、千早はもう春香あたりと初詣行っちゃってる気も……)
P「い、いや、でも諦めないぞ! まだまだ……」
雪歩「ひうっ!? プ、プロデューサー……!」
P「雪歩!?」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:54:52.43 ID:IkrkuFooo
雪歩「び、びっくりしました。
独り言いってると思ったら、急に大声を出したから……」
P「あ、あぁ、すまない。後ろに居たなんて全然気付かなくて……。
どうしたんだ、何か俺に用事だったか?」
雪歩「あっ、はい。えっと、その……へ、変なことを言うかもしれないんですけど……。
プ、プロデューサーに、お願いがあるんです」
P「変なこと? よく分からないけど、何だ?」
雪歩「その、わ、私と、今から……ク、クリスマスパーティをしてくださいっ!」
P「え?」
独り言いってると思ったら、急に大声を出したから……」
P「あ、あぁ、すまない。後ろに居たなんて全然気付かなくて……。
どうしたんだ、何か俺に用事だったか?」
雪歩「あっ、はい。えっと、その……へ、変なことを言うかもしれないんですけど……。
プ、プロデューサーに、お願いがあるんです」
P「変なこと? よく分からないけど、何だ?」
雪歩「その、わ、私と、今から……ク、クリスマスパーティをしてくださいっ!」
P「え?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:56:24.43 ID:IkrkuFooo
P「ク、クリスマス? えっと、でも今日は……」
雪歩「うぅ、やっぱり変ですよね……お正月にクリスマスパーティなんて……」
P「変というか……まあ普通はしないよな……。
しかし一体どうしてなんだ? 何か理由があるんだよな?」
雪歩「は、はい、あの……。今年の……あっ、もう去年ですけど……。
劇場でのクリスマスパーティの時、プロデューサーが居なかったから……」
P「ああ……あの時は事務所でずっと仕事してたんだよな確か」
P(まぁ千早のスケジュール調整のためなんだけど……)
雪歩「うぅ、やっぱり変ですよね……お正月にクリスマスパーティなんて……」
P「変というか……まあ普通はしないよな……。
しかし一体どうしてなんだ? 何か理由があるんだよな?」
雪歩「は、はい、あの……。今年の……あっ、もう去年ですけど……。
劇場でのクリスマスパーティの時、プロデューサーが居なかったから……」
P「ああ……あの時は事務所でずっと仕事してたんだよな確か」
P(まぁ千早のスケジュール調整のためなんだけど……)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:57:40.24 ID:IkrkuFooo
雪歩「それで、プロデューサーはきっとクリスマス気分を全然味わえなかったと思うから……。
私とプロデューサーが両方オフの時に、
ちょっとでも、クリスマス気分を味わってもらいたいなって思って……。
そ、そしたら、お正月になっちゃって……」
P「そうだったのか……」
雪歩「でも……や、やっぱり迷惑ですよね……うぅ。
私なんかがそんな、プロデューサーに楽しい気分になってもらおうだなんて、
余計なお世話っていうか、おこがましいっていうか……。
ぐすっ、私、もう、もう……穴掘って埋まってますぅ~!」
P「うわっ! ま、待て雪歩! そんなことはないぞ! すごく嬉しい!」
私とプロデューサーが両方オフの時に、
ちょっとでも、クリスマス気分を味わってもらいたいなって思って……。
そ、そしたら、お正月になっちゃって……」
P「そうだったのか……」
雪歩「でも……や、やっぱり迷惑ですよね……うぅ。
私なんかがそんな、プロデューサーに楽しい気分になってもらおうだなんて、
余計なお世話っていうか、おこがましいっていうか……。
ぐすっ、私、もう、もう……穴掘って埋まってますぅ~!」
P「うわっ! ま、待て雪歩! そんなことはないぞ! すごく嬉しい!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:58:17.82 ID:IkrkuFooo
雪歩「ぐすっ……ほ、本当ですか?」
P「ああ本当だとも! だから劇場の床に穴を掘るのはやめよう!
そんなことより、クリスマスパーティの準備だ!」
雪歩「プロデューサー……はい!
でも実はもう準備してて……あとは私がサンタさんの格好をすれば完成なんですぅ」
P「そ、そうか。じゃあ会場まで案内してくれ。そこで雪歩の着替えを待つよ」
雪歩「えへへっ、わかりました! プロデューサー、今日は楽しんでくださいね!
クリスマスケーキと、特製のお茶でたっぷりおもてなししちゃいますぅ!」
P「ああ、ありがとうな、雪歩!」
P「ああ本当だとも! だから劇場の床に穴を掘るのはやめよう!
そんなことより、クリスマスパーティの準備だ!」
雪歩「プロデューサー……はい!
でも実はもう準備してて……あとは私がサンタさんの格好をすれば完成なんですぅ」
P「そ、そうか。じゃあ会場まで案内してくれ。そこで雪歩の着替えを待つよ」
雪歩「えへへっ、わかりました! プロデューサー、今日は楽しんでくださいね!
クリスマスケーキと、特製のお茶でたっぷりおもてなししちゃいますぅ!」
P「ああ、ありがとうな、雪歩!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:58:47.13 ID:IkrkuFooo
・
・
・
翌日
P(クリスマスパーティは普通に楽しかった……。楽しかったけど……)
P「き、今日こそリベンジだ。大丈夫、まだ元旦が終わっただけ。
今日も千早のスケジュールに十分空きはあるし、
初詣に誘うチャンスはまだまだ残っているはず……」
P(確かこの時間も千早はレッスンだったよな。
よし、今からレッスンルームに……)
ジュリア「よっ、プロデューサー。あけましておめでとう」
P「ジュリア!?」
・
・
翌日
P(クリスマスパーティは普通に楽しかった……。楽しかったけど……)
P「き、今日こそリベンジだ。大丈夫、まだ元旦が終わっただけ。
今日も千早のスケジュールに十分空きはあるし、
初詣に誘うチャンスはまだまだ残っているはず……」
P(確かこの時間も千早はレッスンだったよな。
よし、今からレッスンルームに……)
ジュリア「よっ、プロデューサー。あけましておめでとう」
P「ジュリア!?」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:00:49.62 ID:IkrkuFooo
ジュリア「あん? なんだよその反応。妖怪でも出たような顔しやがって」
P「い、いや、すまん。そんなつもりはなかったんだがつい驚いて……」
ジュリア「ふーん……? ま、いいや。それより、ちょうど良かったよ。
あんたを探してたところなんだ」
P「え? お、俺を? どうしたんだ? すぐ終わる用事か?」
ジュリア「すぐ終わるかは分からないが、大事な話だよ。
今後のあたしの、アイドルとしての方向性でちょっと相談があってね」
P(めちゃくちゃ大事な話じゃないか! 絶対すぐ終わらないやつだこれ!)
P「い、いや、すまん。そんなつもりはなかったんだがつい驚いて……」
ジュリア「ふーん……? ま、いいや。それより、ちょうど良かったよ。
あんたを探してたところなんだ」
P「え? お、俺を? どうしたんだ? すぐ終わる用事か?」
ジュリア「すぐ終わるかは分からないが、大事な話だよ。
今後のあたしの、アイドルとしての方向性でちょっと相談があってね」
P(めちゃくちゃ大事な話じゃないか! 絶対すぐ終わらないやつだこれ!)
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:04:01.28 ID:IkrkuFooo
・
・
・
ジュリア「ギターさえあれば、世界のすべてはあたしの足元にひざまずく……なんてな!」
P「……」
ジュリア「さあ、音楽の魔法で、みんなまとめてあたしの作った
最高の世界へ連れていくよ。……覚悟しな!」
P「……」
ジュリア「……どうだ、プロデューサー。こういう感じもいいんじゃないかって翼に言われてさ。
まぁひざまずくだとかそういうのはちょっとどうかと思うんだけど……」
P「なるほど……。いや、いいんじゃないか?
ジュリアのかっこいい部分が前面に押し出されて、悪くないと思うぞ」
・
・
ジュリア「ギターさえあれば、世界のすべてはあたしの足元にひざまずく……なんてな!」
P「……」
ジュリア「さあ、音楽の魔法で、みんなまとめてあたしの作った
最高の世界へ連れていくよ。……覚悟しな!」
P「……」
ジュリア「……どうだ、プロデューサー。こういう感じもいいんじゃないかって翼に言われてさ。
まぁひざまずくだとかそういうのはちょっとどうかと思うんだけど……」
P「なるほど……。いや、いいんじゃないか?
ジュリアのかっこいい部分が前面に押し出されて、悪くないと思うぞ」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:04:55.04 ID:IkrkuFooo
ジュリア「そ、そうかな?
実はあたしもさ、こういう方向性の方がいいんじゃないかって……」
P「ただ、この方向性で固定するつもりは俺にはないよ。
ジュリアは、もっと多くの可能性も持ったアイドルだと思うんだ」
ジュリア「! プロデューサー……」
P「さっきみたいなかっこいいのもジュリアだけど、
仲間のボケにツッこむコミカルな一面も持ってるだろ? それに、可愛らしさもな」
ジュリア「なっ……か、可愛いとか軽く言ってんじゃねぇよバカP!」
P「あはは、そうやって照れるところも、ジュリアの魅力の一つだよ」
実はあたしもさ、こういう方向性の方がいいんじゃないかって……」
P「ただ、この方向性で固定するつもりは俺にはないよ。
ジュリアは、もっと多くの可能性も持ったアイドルだと思うんだ」
ジュリア「! プロデューサー……」
P「さっきみたいなかっこいいのもジュリアだけど、
仲間のボケにツッこむコミカルな一面も持ってるだろ? それに、可愛らしさもな」
ジュリア「なっ……か、可愛いとか軽く言ってんじゃねぇよバカP!」
P「あはは、そうやって照れるところも、ジュリアの魅力の一つだよ」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:05:30.11 ID:IkrkuFooo
P「さっきチラッと言ってたけど、
ジュリアはこういう方向性で行きたいって思ってるんだよな?」
ジュリア「あ……あぁ、まぁな。これならなんていうか……結構やりやすいからさ」
P「でも、俺は、ジュリアには『やりやすさ』を理由に方向性を決めて欲しくないと思ってる。
だからさっき言ったコミカルさやキュートさも、
自分の一部分だと思って、アピールポイントに組み入れていって欲しいんだ。
どうだ、ジュリア。そういうやり方で、行ってくれるか?」
ジュリア「……ちぇっ、なんだよ。
からかってんのかと思えば、真剣な顔しちゃってさ。
そんな顔して言われたら、断れっこないだろ」
ジュリアはこういう方向性で行きたいって思ってるんだよな?」
ジュリア「あ……あぁ、まぁな。これならなんていうか……結構やりやすいからさ」
P「でも、俺は、ジュリアには『やりやすさ』を理由に方向性を決めて欲しくないと思ってる。
だからさっき言ったコミカルさやキュートさも、
自分の一部分だと思って、アピールポイントに組み入れていって欲しいんだ。
どうだ、ジュリア。そういうやり方で、行ってくれるか?」
ジュリア「……ちぇっ、なんだよ。
からかってんのかと思えば、真剣な顔しちゃってさ。
そんな顔して言われたら、断れっこないだろ」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:08:00.40 ID:IkrkuFooo
P「おいおい、俺はいつだってプロデュースに関しては真剣なつもりだよ」
ジュリア「はッ……そうだな、あんたはそういう奴だ。
わかった、あんたがそう言うなら、そういうことにしといてやるよ。
コミカルもキュートも、あたしの一部なんだってな」
P「まぁでも、せっかく相談に来てくれたんだ。
次のライブは、今言ってくれた感じの演出にしてみよう」
ジュリア「おっ、いいねぇ!
よし、じゃあ早速その辺りを考えていこうぜプロデューサー!
あたしが信じて付いてくんだ。しっかり頼むぞ!」
P「ああ、もちろんだ!」
ジュリア「はッ……そうだな、あんたはそういう奴だ。
わかった、あんたがそう言うなら、そういうことにしといてやるよ。
コミカルもキュートも、あたしの一部なんだってな」
P「まぁでも、せっかく相談に来てくれたんだ。
次のライブは、今言ってくれた感じの演出にしてみよう」
ジュリア「おっ、いいねぇ!
よし、じゃあ早速その辺りを考えていこうぜプロデューサー!
あたしが信じて付いてくんだ。しっかり頼むぞ!」
P「ああ、もちろんだ!」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:08:36.81 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いや今のは仕方ない……。あれ真剣に応じないのはプロデューサー失格だし……。
千早のレッスンとっくに終わってても仕方ない……)
P「しかしどうする……。また千早を見失ってしまったぞ。
もうこうなったら電話をかけるしかないか……」
ピピピーピピピピ♪
P「ってうわあっ! な、なんてタイミングでかかってくるんだ! 一体誰……え?」
歩『プ、プロデューサー! ヘルプミー! 助けてー!』
・
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P「……」
P(いや今のは仕方ない……。あれ真剣に応じないのはプロデューサー失格だし……。
千早のレッスンとっくに終わってても仕方ない……)
P「しかしどうする……。また千早を見失ってしまったぞ。
もうこうなったら電話をかけるしかないか……」
ピピピーピピピピ♪
P「ってうわあっ! な、なんてタイミングでかかってくるんだ! 一体誰……え?」
歩『プ、プロデューサー! ヘルプミー! 助けてー!』
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:09:27.92 ID:IkrkuFooo
・
・
・
歩『プロデューサー、本当にこっちでいいの!? 道あってる!?』
P「ああ、大丈夫だ。そのまま太陽に向かって歩いてれば森を抜けるよ」
歩『! な、なんか、今動いて……わぁっ!?
プロデューサー、ヘビ! ヘビがいるっ!』
P「ヘビ? その辺りに生息してるのはかなり小さいヘビのはずだけど。怖いのか?」
歩『い、いや、違うんだって!
怖いんじゃなくて、噛んだりしたら危ないだろって……わ、わーーーっ!!?』
・
・
歩『プロデューサー、本当にこっちでいいの!? 道あってる!?』
P「ああ、大丈夫だ。そのまま太陽に向かって歩いてれば森を抜けるよ」
歩『! な、なんか、今動いて……わぁっ!?
プロデューサー、ヘビ! ヘビがいるっ!』
P「ヘビ? その辺りに生息してるのはかなり小さいヘビのはずだけど。怖いのか?」
歩『い、いや、違うんだって!
怖いんじゃなくて、噛んだりしたら危ないだろって……わ、わーーーっ!!?』
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:10:18.75 ID:IkrkuFooo
・
・
・
歩『いやー、ほんっとゴメン! 頼れるのがプロデューサーしか居なくてさ!』
P「いや、頼ってくれるのはいいんだが、まさかロケ中に迷子になるとは……」
歩『だ、だってしょうがないだろ!
あんな木が多い森の中、そりゃあ逸れるって!
いつの間にか誰も居ないし、変な鳴き声は聞こえるし、めちゃくちゃ不安だったんだよ!』
P「だからって電話で何時間も道案内をさせられるとは思いも寄らなかったよ」
歩『うぅ~、だから謝ってるじゃんかぁ!
そっちに戻ったら何か奢るからさ、ね! それで許してよ!』
P「まったく……。まぁ、何事もなくて良かったけどな」
・
・
歩『いやー、ほんっとゴメン! 頼れるのがプロデューサーしか居なくてさ!』
P「いや、頼ってくれるのはいいんだが、まさかロケ中に迷子になるとは……」
歩『だ、だってしょうがないだろ!
あんな木が多い森の中、そりゃあ逸れるって!
いつの間にか誰も居ないし、変な鳴き声は聞こえるし、めちゃくちゃ不安だったんだよ!』
P「だからって電話で何時間も道案内をさせられるとは思いも寄らなかったよ」
歩『うぅ~、だから謝ってるじゃんかぁ!
そっちに戻ったら何か奢るからさ、ね! それで許してよ!』
P「まったく……。まぁ、何事もなくて良かったけどな」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:11:13.16 ID:IkrkuFooo
P「改めて確認するけど、どこも怪我はしてないよな?」
歩『えっ? あ、あぁ、うん。それは大丈夫』
P「そうか。とにかく、今後はしっかりスタッフに付いていくこと。
今回は俺にすぐ連絡がついたけど、いつでも助けてやれるとは限らないんだから。
まあ、歩に付いていかなかった俺にも責任はあるけど……」
歩『い、いや、そんなことないって!
プロデューサーは千早のプロデューサーなんだから付いてこれなくてもしょうがない……
って、そうか、ごめん! もしかしてアタシ、仕事の邪魔しちゃってた!?』
P「いいや、俺も千早も今はオフだよ。だからそこは気にしなくていい。
それに、アイドルの安全が最優先だからな」
歩『プロデューサー……。あ、ありがとう。それじゃ、アタシもう切るね! また劇場で!』
歩『えっ? あ、あぁ、うん。それは大丈夫』
P「そうか。とにかく、今後はしっかりスタッフに付いていくこと。
今回は俺にすぐ連絡がついたけど、いつでも助けてやれるとは限らないんだから。
まあ、歩に付いていかなかった俺にも責任はあるけど……」
歩『い、いや、そんなことないって!
プロデューサーは千早のプロデューサーなんだから付いてこれなくてもしょうがない……
って、そうか、ごめん! もしかしてアタシ、仕事の邪魔しちゃってた!?』
P「いいや、俺も千早も今はオフだよ。だからそこは気にしなくていい。
それに、アイドルの安全が最優先だからな」
歩『プロデューサー……。あ、ありがとう。それじゃ、アタシもう切るね! また劇場で!』
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:12:08.12 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いやこれもしょうがない……。アイドルに何かあったら大変だし……)
P「し、しかしまずい、思った以上に時間を取られてしまった……。
もう日が暮れるまで時間がないぞ。
これを逃せばまた明日に持ち越しになってしまう……」
P(こうなればやっぱり千早に直接電話するしかないな。
えっと、千早の番号は……)
奈緒「あっ、プロデューサーさーん!」
P「え!?」
・
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P「……」
P(いやこれもしょうがない……。アイドルに何かあったら大変だし……)
P「し、しかしまずい、思った以上に時間を取られてしまった……。
もう日が暮れるまで時間がないぞ。
これを逃せばまた明日に持ち越しになってしまう……」
P(こうなればやっぱり千早に直接電話するしかないな。
えっと、千早の番号は……)
奈緒「あっ、プロデューサーさーん!」
P「え!?」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:13:25.62 ID:IkrkuFooo
奈緒「もー、プロデューサーさんどこにおったんですか?
メッチャ探したんですよ!」
P「あ、あぁ、ちょっと歩と電話を……。
っていうか奈緒、どうして今日も着物を……?」
奈緒「えへへっ。せっかくやし、三が日はずっと着とこと思うて!
で、せっかくついでやから……プロデューサーさん!
今日も初詣行きましょう!」
P「ええっ!? 今日も初詣って、二回目じゃないか!
それはもう初詣とは……」
奈緒「細かいことはえぇからえぇから! ほな、行っくでー!」
メッチャ探したんですよ!」
P「あ、あぁ、ちょっと歩と電話を……。
っていうか奈緒、どうして今日も着物を……?」
奈緒「えへへっ。せっかくやし、三が日はずっと着とこと思うて!
で、せっかくついでやから……プロデューサーさん!
今日も初詣行きましょう!」
P「ええっ!? 今日も初詣って、二回目じゃないか!
それはもう初詣とは……」
奈緒「細かいことはえぇからえぇから! ほな、行っくでー!」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:15:25.55 ID:IkrkuFooo
・
・
・
奈緒「ふー。今日もまたたくさんお祈りしてもうたわー」
P「そ、そうか。昨日と同じことをお願いしたのか?」
奈緒「はい! その方が叶う確率高いかなー思うて!
あっ、何お願いしたかは内緒ですよ! 人に喋ってしもたら叶わへんって言いますし!」
P「はは、大丈夫、無理に聞き出したりなんかしないって」
奈緒「ところでプロデューサーさんはお参りせーへんのですか?
昨日も今日も、見てただけでしたけど」
P「あ、あぁ、俺はいいよ」
奈緒「せっかくやし、何かお願いしたらえぇのに。
ま、プロデューサーさんがえぇならえぇか。
さて、この後はまた食べ歩きやでー! 行きましょ、プロデューサーさん♪」
・
・
奈緒「ふー。今日もまたたくさんお祈りしてもうたわー」
P「そ、そうか。昨日と同じことをお願いしたのか?」
奈緒「はい! その方が叶う確率高いかなー思うて!
あっ、何お願いしたかは内緒ですよ! 人に喋ってしもたら叶わへんって言いますし!」
P「はは、大丈夫、無理に聞き出したりなんかしないって」
奈緒「ところでプロデューサーさんはお参りせーへんのですか?
昨日も今日も、見てただけでしたけど」
P「あ、あぁ、俺はいいよ」
奈緒「せっかくやし、何かお願いしたらえぇのに。
ま、プロデューサーさんがえぇならえぇか。
さて、この後はまた食べ歩きやでー! 行きましょ、プロデューサーさん♪」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:16:07.03 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(結局また普通に楽しんでしまった……)
P「くっ……。なぜこんなことに……。
担当の千早と行かずになぜ奈緒と二回も……」
P(い、いや、まだ三が日が終わるまで一日ある。
明日行けばいいんだ、そう、明日行けば……。
明日は早起きして、レッスンが始まる前に千早に会いに行こう!)
・
・
P「……」
P(結局また普通に楽しんでしまった……)
P「くっ……。なぜこんなことに……。
担当の千早と行かずになぜ奈緒と二回も……」
P(い、いや、まだ三が日が終わるまで一日ある。
明日行けばいいんだ、そう、明日行けば……。
明日は早起きして、レッスンが始まる前に千早に会いに行こう!)
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:17:05.75 ID:IkrkuFooo
・
・
・
翌朝
P(よし、今日はばっちり早起きしたぞ!
今から劇場に行けば、レッスン前に千早に会えるはずだ!)
P「誘うチャンスは今日の夕方まで……。
夕方以降からはもうずっと先までスケジュールが埋まってしまっている……。
だから夕方までには絶対に……ん?」
未来「……」
P「あれは……未来? あんなところで何をボーッと立ってるんだ……?」
・
・
翌朝
P(よし、今日はばっちり早起きしたぞ!
今から劇場に行けば、レッスン前に千早に会えるはずだ!)
P「誘うチャンスは今日の夕方まで……。
夕方以降からはもうずっと先までスケジュールが埋まってしまっている……。
だから夕方までには絶対に……ん?」
未来「……」
P「あれは……未来? あんなところで何をボーッと立ってるんだ……?」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:18:20.68 ID:IkrkuFooo
P「おーい、未来、どうしたんだ?」
未来「あっ、プロデューサーさん! あけましておめでとうございます!」
P「ああ、おめでとう。それで、何かあったのか?
そんなところで立ち止まって何を見て……」
未来「えへへっ、ちょっと懐かしい気持ちになっちゃってました」
P「これは……39プロジェクトのポスターか」
未来「はいっ! 何ヶ月か前には、アイドル募集のポスターもいっぱいあって……。
そう言えばここにも貼ってあったなって思ったら、
オーディションを受けに行くときの気持ちを思い出しちゃって」
未来「あっ、プロデューサーさん! あけましておめでとうございます!」
P「ああ、おめでとう。それで、何かあったのか?
そんなところで立ち止まって何を見て……」
未来「えへへっ、ちょっと懐かしい気持ちになっちゃってました」
P「これは……39プロジェクトのポスターか」
未来「はいっ! 何ヶ月か前には、アイドル募集のポスターもいっぱいあって……。
そう言えばここにも貼ってあったなって思ったら、
オーディションを受けに行くときの気持ちを思い出しちゃって」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:19:28.33 ID:IkrkuFooo
未来「合格してアイドルになったら、きっと、
素敵なことがたくさん起こる気がするんだ、って……。
そうやって私、わくわくしてたんです」
P「そうか……。それで、素敵なことは起こったか?」
未来「はい! 初めてステージに立った時や、初めてセンターになった時……。
そのほかにもたくさん、たーっくさん!
アイドルになってから、素敵なことばっかりです!」
P「あはは、それは良かったよ」
未来「劇場のみんなに会えたことも、それに……プロデューサーさんに会えたことも。
私にとって、素敵なことです! でへへ~♪」
P「ああ、俺もだ。アイドル達との日々は、素敵なことばっかりだ!
そう言えば未来と初めて会った時は……」
素敵なことがたくさん起こる気がするんだ、って……。
そうやって私、わくわくしてたんです」
P「そうか……。それで、素敵なことは起こったか?」
未来「はい! 初めてステージに立った時や、初めてセンターになった時……。
そのほかにもたくさん、たーっくさん!
アイドルになってから、素敵なことばっかりです!」
P「あはは、それは良かったよ」
未来「劇場のみんなに会えたことも、それに……プロデューサーさんに会えたことも。
私にとって、素敵なことです! でへへ~♪」
P「ああ、俺もだ。アイドル達との日々は、素敵なことばっかりだ!
そう言えば未来と初めて会った時は……」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:20:07.71 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(いや確かに素敵なことばっかりなんだけど……。
何をしているんだ俺は。レッスン前に間に合うよう劇場に行くんじゃなかったのか……)
P「くそっ、未来につられて思い出に浸ってしまっていた……。
千早は……今はレッスン中だよな。
ま、まぁいい、居場所は分かってるんだから、今からレッスンルームに行けば……」
環「あっ、おやぶーん!」
P「環!?」
・
・
P「……」
P(いや確かに素敵なことばっかりなんだけど……。
何をしているんだ俺は。レッスン前に間に合うよう劇場に行くんじゃなかったのか……)
P「くそっ、未来につられて思い出に浸ってしまっていた……。
千早は……今はレッスン中だよな。
ま、まぁいい、居場所は分かってるんだから、今からレッスンルームに行けば……」
環「あっ、おやぶーん!」
P「環!?」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:22:33.61 ID:IkrkuFooo
環「おやぶん、あけましておめでとーっ!」
P「あ、あぁ、おめでとう。それより環、その格好は……?」
環「レースクイーンの衣装だぞ!
すっごくカッコイイでしょ? くふふ……♪
たまきも、今からお仕事するから見てて!」
P「え? お仕事? レースクイーンの仕事なんて入ってなかったと思うけど……」
環「車のレースじゃないけど、マラソン大会の応援するんだ!
この近くでやってるんだって、美咲が言ってた!」
P「マラソン大会って……まさか、駅伝か!?」
環「環、走ってるみんなのこと一生懸命応援するぞ!
ね、おやぶんも一緒に行こ! レッツゴー!」
P「い、いや、俺は今から千早に……」
P「あ、あぁ、おめでとう。それより環、その格好は……?」
環「レースクイーンの衣装だぞ!
すっごくカッコイイでしょ? くふふ……♪
たまきも、今からお仕事するから見てて!」
P「え? お仕事? レースクイーンの仕事なんて入ってなかったと思うけど……」
環「車のレースじゃないけど、マラソン大会の応援するんだ!
この近くでやってるんだって、美咲が言ってた!」
P「マラソン大会って……まさか、駅伝か!?」
環「環、走ってるみんなのこと一生懸命応援するぞ!
ね、おやぶんも一緒に行こ! レッツゴー!」
P「い、いや、俺は今から千早に……」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:23:40.23 ID:IkrkuFooo
・
・
・
環「みんなーがんばれー! フレー、フレー、みーんーなー!」
P(結局来てしまった……)
環「あっ、あの人すっごく苦しそうな顔してる!
がんばれー! がんばれー!」
P(……あはは。これじゃレースクイーンじゃなくてチアガールだな。
でも、選手達は環の応援を聞いて気合が入ってるようだ。
環も一生懸命でいい笑顔だし……これはこれでいいかもな)
環「ねぇおやぶん、応援するって楽しいね! あっ、もしかして、
たまき達のことを応援してくれてるファンのみんなもこんな気持ちなのかな?」
・
・
環「みんなーがんばれー! フレー、フレー、みーんーなー!」
P(結局来てしまった……)
環「あっ、あの人すっごく苦しそうな顔してる!
がんばれー! がんばれー!」
P(……あはは。これじゃレースクイーンじゃなくてチアガールだな。
でも、選手達は環の応援を聞いて気合が入ってるようだ。
環も一生懸命でいい笑顔だし……これはこれでいいかもな)
環「ねぇおやぶん、応援するって楽しいね! あっ、もしかして、
たまき達のことを応援してくれてるファンのみんなもこんな気持ちなのかな?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:24:25.87 ID:IkrkuFooo
P「そうかもな。頑張ってる人は応援したくなるし、
アイドルをすごく頑張ってる環を応援するっていうのは、同じくらい楽しいことだと思うぞ」
環「そっか……じゃあたまき、これからもいーっぱい、アイドル頑張らないとだね!」
P「ああ、そういうことだ!」
環「あっ、でも応援するのも好きだから、たまき、またレースクイーンのお仕事やりたいぞ!
おやぶん、またこのお仕事させてくれる?」
P「あはは、だったら今度はチアガールか応援団の仕事でも取ってくるよ。
そうすればレースクイーンよりもいっぱい応援できるぞ」
環「本当!? わーい、ありがとうおやぶん! おやぶん大好き!」
アイドルをすごく頑張ってる環を応援するっていうのは、同じくらい楽しいことだと思うぞ」
環「そっか……じゃあたまき、これからもいーっぱい、アイドル頑張らないとだね!」
P「ああ、そういうことだ!」
環「あっ、でも応援するのも好きだから、たまき、またレースクイーンのお仕事やりたいぞ!
おやぶん、またこのお仕事させてくれる?」
P「あはは、だったら今度はチアガールか応援団の仕事でも取ってくるよ。
そうすればレースクイーンよりもいっぱい応援できるぞ」
環「本当!? わーい、ありがとうおやぶん! おやぶん大好き!」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:25:36.63 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(しょうがないだろこれも……。あんな無邪気な笑顔で来られたら……)
P「しかし……くそっ! また千早のレッスン時間を逃してしまった。
まさか駅伝があんなに長いとは……せっかく早起きしたのに時間が……!」
P(い、いや、大丈夫。大丈夫だ。今からでも千早に電話すれば……)
育「あっ、プロデューサーさん!」
P「育!?」
・
・
P「……」
P(しょうがないだろこれも……。あんな無邪気な笑顔で来られたら……)
P「しかし……くそっ! また千早のレッスン時間を逃してしまった。
まさか駅伝があんなに長いとは……せっかく早起きしたのに時間が……!」
P(い、いや、大丈夫。大丈夫だ。今からでも千早に電話すれば……)
育「あっ、プロデューサーさん!」
P「育!?」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:26:08.71 ID:IkrkuFooo
育「? どうしたのプロデューサーさん、そんなにびっくりして」
P「い、いや、なんでもない。ちょっと考え事をしてただけだから」
育「なんでもないならいいんだけど……。
あっ、そうだ。ちゃんと挨拶しなきゃ!
プロデューサーさん、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!」
P「あ、あぁ、あけましておめでとう。今年もよろしく」
育「えへへっ……。ねぇプロデューサーさん、今お仕事じゃないよね?」
P「え? あぁ、うん、まぁ仕事ではないけど……や、やっぱり何か俺に用事か?」
育「うん! わたしね、この前おかあさんにサラダのつくり方教えてもらったの。
それで、今度は一人でつくるからプロデューサーさんに食べて欲しいんだ!」
P「い、いや、なんでもない。ちょっと考え事をしてただけだから」
育「なんでもないならいいんだけど……。
あっ、そうだ。ちゃんと挨拶しなきゃ!
プロデューサーさん、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!」
P「あ、あぁ、あけましておめでとう。今年もよろしく」
育「えへへっ……。ねぇプロデューサーさん、今お仕事じゃないよね?」
P「え? あぁ、うん、まぁ仕事ではないけど……や、やっぱり何か俺に用事か?」
育「うん! わたしね、この前おかあさんにサラダのつくり方教えてもらったの。
それで、今度は一人でつくるからプロデューサーさんに食べて欲しいんだ!」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:26:39.59 ID:IkrkuFooo
・
・
・
育「見て見て、プロデューサーさん!
おかあさんが教えてくれたサラダ、じょうずにできたよ!」
P「へぇ、すごいじゃないか。野菜も上手に切れてるし、盛りつけも綺麗だ」
育「えへへっ、すっごくおいしそうでしょ? テーブルに運んでおくね♪」
P「あぁ、俺が運ぶよ。作ってもらったんだし、そのくらいは……」
育「大丈夫、ちゃんと運べるよ! だからプロデューサーさんは座ってて!」
P「そ、そうか。ありがとうな」
・
・
育「見て見て、プロデューサーさん!
おかあさんが教えてくれたサラダ、じょうずにできたよ!」
P「へぇ、すごいじゃないか。野菜も上手に切れてるし、盛りつけも綺麗だ」
育「えへへっ、すっごくおいしそうでしょ? テーブルに運んでおくね♪」
P「あぁ、俺が運ぶよ。作ってもらったんだし、そのくらいは……」
育「大丈夫、ちゃんと運べるよ! だからプロデューサーさんは座ってて!」
P「そ、そうか。ありがとうな」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:27:10.06 ID:IkrkuFooo
育「さぁどうぞプロデューサーさん、召し上がれ♪」
P「ああ、いただきます。……うん、これは美味しいぞ!
ゆで卵の火の通り具合もちょうどいい。
単純なサラダに見えて、立派な料理だ!」
育「本当!? えへへっ、良かったぁ」
P「でも、味見は俺で良かったのか?
どうせなら料理が得意な響とか美奈子に見てもらった方が良かったんじゃ……」
育「だってプロデューサーさん、普段はあんまり野菜とか食べてないって言ってたでしょ?
だから、プロデューサーさんに食べてもらいたかったの」
P「え? じゃあもしかして、味見じゃなくて元々俺のために……?」
P「ああ、いただきます。……うん、これは美味しいぞ!
ゆで卵の火の通り具合もちょうどいい。
単純なサラダに見えて、立派な料理だ!」
育「本当!? えへへっ、良かったぁ」
P「でも、味見は俺で良かったのか?
どうせなら料理が得意な響とか美奈子に見てもらった方が良かったんじゃ……」
育「だってプロデューサーさん、普段はあんまり野菜とか食べてないって言ってたでしょ?
だから、プロデューサーさんに食べてもらいたかったの」
P「え? じゃあもしかして、味見じゃなくて元々俺のために……?」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:27:46.79 ID:IkrkuFooo
育「そうだよ! プロデューサーさんには、
今年もちゃんと元気にお仕事してもらわないとね!」
P「育……。そうか、ありがとう。
こんなに美味しいサラダを作ってもらったんだ。一年間、しっかり頑張らなきゃな!」
育「あ、でも無理はしちゃダメだよ?
体調管理もお仕事のうちだって、桃子ちゃんも言ってたし!」
P「ああ、もちろんだ。よし、じゃあまずはこのサラダを完食させてもらおう!
しっかり栄養を取らないとな!」
育「えへへっ……。うん! よくかんで食べてね!」
今年もちゃんと元気にお仕事してもらわないとね!」
P「育……。そうか、ありがとう。
こんなに美味しいサラダを作ってもらったんだ。一年間、しっかり頑張らなきゃな!」
育「あ、でも無理はしちゃダメだよ?
体調管理もお仕事のうちだって、桃子ちゃんも言ってたし!」
P「ああ、もちろんだ。よし、じゃあまずはこのサラダを完食させてもらおう!
しっかり栄養を取らないとな!」
育「えへへっ……。うん! よくかんで食べてね!」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:28:30.22 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P「……」
P(美味かったけど……確かにサラダは美味かったけど……。
育の優しさも嬉しかったけど……)
P「なんだってこんなタイミングなんだ……!
くそっ、もう日暮れまで時間がないぞ!
今日の夕方から千早のスケジュールはびっしりだし、今すぐ千早に電話しなければ……!」
奈緒「あっ、おったおった! プロデューサーさーん!」
P「三回目!?」
・
・
P「……」
P(美味かったけど……確かにサラダは美味かったけど……。
育の優しさも嬉しかったけど……)
P「なんだってこんなタイミングなんだ……!
くそっ、もう日暮れまで時間がないぞ!
今日の夕方から千早のスケジュールはびっしりだし、今すぐ千早に電話しなければ……!」
奈緒「あっ、おったおった! プロデューサーさーん!」
P「三回目!?」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:29:44.09 ID:IkrkuFooo
奈緒「うん? なんや、まだ何も言うてへんけど、わかってもうた?」
P「ってことはやっぱり……!」
奈緒「そのとーり! さ、プロデューサーさん! 三回目の初詣、行きましょ!」
P「いやいや、流石に三回は多いだろ! しかも同じ相手とって!」
奈緒「まーまー固いこと言わんと。何回行ってもえぇもんやで♪
仕事少ないんは私も今日までやし、今年最後と思うてプロデューサーさんと……」
P「お……俺は千早と一緒に行きたいんだよ!
なんで奈緒と三回も行かないといけないんだ!」
奈緒「へっ……?」
P「ってことはやっぱり……!」
奈緒「そのとーり! さ、プロデューサーさん! 三回目の初詣、行きましょ!」
P「いやいや、流石に三回は多いだろ! しかも同じ相手とって!」
奈緒「まーまー固いこと言わんと。何回行ってもえぇもんやで♪
仕事少ないんは私も今日までやし、今年最後と思うてプロデューサーさんと……」
P「お……俺は千早と一緒に行きたいんだよ!
なんで奈緒と三回も行かないといけないんだ!」
奈緒「へっ……?」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:32:14.55 ID:IkrkuFooo
P(はっ! し、しまった、つい本音を……!)
奈緒「千早と……そ、そっか、そやんな。
プロデューサーさんは千早の担当なんやし、担当アイドルと行きたいやんな……」
P「い、いや、今のは……」
奈緒「あ……なんや、分かってしもたわ。
昨日も一昨日も、プロデューサーさん見てるだけでお願いせーへんかったのって……。
お願いは、千早と一緒に、するつもりやったんやな……」
P「っ……」
奈緒「……あははっ! すみません、プロデューサーさん!
私、一人で浮かれてしもうて……あかん、メッチャ恥ずかしいわ!
プロデューサーさんの気持ちも考えんと、わ、私一人で楽しんで……!」
奈緒「千早と……そ、そっか、そやんな。
プロデューサーさんは千早の担当なんやし、担当アイドルと行きたいやんな……」
P「い、いや、今のは……」
奈緒「あ……なんや、分かってしもたわ。
昨日も一昨日も、プロデューサーさん見てるだけでお願いせーへんかったのって……。
お願いは、千早と一緒に、するつもりやったんやな……」
P「っ……」
奈緒「……あははっ! すみません、プロデューサーさん!
私、一人で浮かれてしもうて……あかん、メッチャ恥ずかしいわ!
プロデューサーさんの気持ちも考えんと、わ、私一人で楽しんで……!」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:34:02.48 ID:IkrkuFooo
P(何を……何をしているんだ俺は!
自分の我侭のためにアイドルにこんな顔をさせて……!)
奈緒「ホンマ、すみません! 私、今日は家で大人しくしときます!」
P「奈緒……!」
奈緒「プ、プロデューサーさんは千早と初詣行ってください!
ほな、また明日劇場で……!」
P「待ってくれ、奈緒!」
奈緒「! プ、プロデューサーさん……?」
P「すまない……俺が悪かった。さっきの言葉は忘れてくれ。
今から一緒に、初詣に行こう!」
自分の我侭のためにアイドルにこんな顔をさせて……!)
奈緒「ホンマ、すみません! 私、今日は家で大人しくしときます!」
P「奈緒……!」
奈緒「プ、プロデューサーさんは千早と初詣行ってください!
ほな、また明日劇場で……!」
P「待ってくれ、奈緒!」
奈緒「! プ、プロデューサーさん……?」
P「すまない……俺が悪かった。さっきの言葉は忘れてくれ。
今から一緒に、初詣に行こう!」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:34:58.93 ID:IkrkuFooo
奈緒「で、でも……。プロデューサーさんは、千早と一緒に行きたいんやろ?
無理して私に付き合うてくれへんでも……」
P「無理なんかしてないよ。一緒に行こう、奈緒」
奈緒「む……無理ですよ! 私が無理なんです!
だって私もう、知ってもうたんやで!?
プロデューサーさんが楽しんでへんって……!
せやのに、そんなんで一緒に行ったってなんも…!」
P「違うんだ、奈緒。楽しかったんだ……。
奈緒との初詣、昨日も一昨日も、すごく楽しかったんだよ!」
奈緒「え……?」
P「でも、だからだろうな……。多分、怖かったんだ。
奈緒との時間が楽しすぎて、担当である千早のことを忘れてしまいそうになるのが……」
無理して私に付き合うてくれへんでも……」
P「無理なんかしてないよ。一緒に行こう、奈緒」
奈緒「む……無理ですよ! 私が無理なんです!
だって私もう、知ってもうたんやで!?
プロデューサーさんが楽しんでへんって……!
せやのに、そんなんで一緒に行ったってなんも…!」
P「違うんだ、奈緒。楽しかったんだ……。
奈緒との初詣、昨日も一昨日も、すごく楽しかったんだよ!」
奈緒「え……?」
P「でも、だからだろうな……。多分、怖かったんだ。
奈緒との時間が楽しすぎて、担当である千早のことを忘れてしまいそうになるのが……」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:38:26.89 ID:IkrkuFooo
奈緒「プロデューサーさん……」
P「でも、奈緒のおかげで思い出したよ。確かに俺は千早をメインにプロデュースしてるけど、
765プロ全員のプロデューサーでもあるんだ……。
仕事の量に差はあるかも知れないけど、その他には何も、差なんてなかったんだ。
千早を理由に他のアイドル達を蔑ろにしていい理由なんて、どこにもなかったんだ!」
奈緒「ホ……ホンマに、ええんですか……?
差はない言うんやったら、それこそ私と三回も行かんと千早と行った方が……」
P「千早にはまだ初詣の話すらしてないからな。
誘ってくれた奈緒と一緒に行くのは当然だよ。だから、もう気にしないでくれ」
奈緒「っ……も、もう。ここまで言われて私が断ったら、逆にアカン感じやないですか……。
わかりました、一緒に行きましょう! 私は目一杯楽しませてもらいます!
せやからプロデューサーさんも今までで一番楽しまなアカンで!」
P「もちろんだ! 三回目の初詣、どっちが楽しむか勝負だぞ!」
P「でも、奈緒のおかげで思い出したよ。確かに俺は千早をメインにプロデュースしてるけど、
765プロ全員のプロデューサーでもあるんだ……。
仕事の量に差はあるかも知れないけど、その他には何も、差なんてなかったんだ。
千早を理由に他のアイドル達を蔑ろにしていい理由なんて、どこにもなかったんだ!」
奈緒「ホ……ホンマに、ええんですか……?
差はない言うんやったら、それこそ私と三回も行かんと千早と行った方が……」
P「千早にはまだ初詣の話すらしてないからな。
誘ってくれた奈緒と一緒に行くのは当然だよ。だから、もう気にしないでくれ」
奈緒「っ……も、もう。ここまで言われて私が断ったら、逆にアカン感じやないですか……。
わかりました、一緒に行きましょう! 私は目一杯楽しませてもらいます!
せやからプロデューサーさんも今までで一番楽しまなアカンで!」
P「もちろんだ! 三回目の初詣、どっちが楽しむか勝負だぞ!」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:40:37.51 ID:IkrkuFooo
・
・
・
P(そうして俺と奈緒はようやく本当の意味で、二人での初詣を終えた。
昨日と一昨日はただ見ていた俺だが、今日は奈緒の隣で、一緒にお願いをした。
三回目の初詣で見せた奈緒の笑顔は、一度目よりも二度目よりもずっと輝いて見えた。
奈緒には感謝しなければいけない。俺がこの笑顔を曇らせるような、
そんな駄目なプロデューサーになってしまうのを、止めてくれたのだから)
P「さて……これで連続して取れたオフも終わりだ。
また千早のプロデュース、頑張ってやっていこう!」
千早「……プロデューサー?」
P「うわっ! ち、千早、いつからそこに!」
千早「今来たところです。それより……少し、独り言が大きいかと。
気持ちは嬉しいのですが、独り言で名前を出されるのは、恥ずかしいです」
・
・
P(そうして俺と奈緒はようやく本当の意味で、二人での初詣を終えた。
昨日と一昨日はただ見ていた俺だが、今日は奈緒の隣で、一緒にお願いをした。
三回目の初詣で見せた奈緒の笑顔は、一度目よりも二度目よりもずっと輝いて見えた。
奈緒には感謝しなければいけない。俺がこの笑顔を曇らせるような、
そんな駄目なプロデューサーになってしまうのを、止めてくれたのだから)
P「さて……これで連続して取れたオフも終わりだ。
また千早のプロデュース、頑張ってやっていこう!」
千早「……プロデューサー?」
P「うわっ! ち、千早、いつからそこに!」
千早「今来たところです。それより……少し、独り言が大きいかと。
気持ちは嬉しいのですが、独り言で名前を出されるのは、恥ずかしいです」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:41:59.16 ID:IkrkuFooo
P「す、すまない、次から気をつけるよ」
千早「そうしていただければと」
P「あ……そう言えば、メールでは言ったけど直接言うのはまだだったよな。
千早、あけましておめでとう。今年もよろしくな!」
千早「はい。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
P「よし、新年の挨拶も終わったところで早速仕事に……って、千早? どうかしたか?」
千早「あ……いえ、その……」
P「? どうした、何か言いたいことがあるのか?」
千早「言いたいことというか……。実は少し前に、横山さんに会って……」
P「え?」
千早「そうしていただければと」
P「あ……そう言えば、メールでは言ったけど直接言うのはまだだったよな。
千早、あけましておめでとう。今年もよろしくな!」
千早「はい。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
P「よし、新年の挨拶も終わったところで早速仕事に……って、千早? どうかしたか?」
千早「あ……いえ、その……」
P「? どうした、何か言いたいことがあるのか?」
千早「言いたいことというか……。実は少し前に、横山さんに会って……」
P「え?」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:44:20.91 ID:IkrkuFooo
千早「その時に、聞きました。
この三日間、初詣に行くためにプロデューサーが私を探してくれていたのだと」
P「ええっ! そ、そうなのか?」
千早「……すみません、プロデューサー。私、そうとも知らずに……。
その、言いにくいのですが、実はもう、春香たちと……」
P「あぁ、やっぱり……」
千早「プロデューサーにも声をおかけしようかとは思ったのですが、
せっかくのオフに私用に付き合わせるわけにはいかないと思ってしまって……。
プロデューサーも私を探していたのだと知っていれば……すみません」
P「い、いや、千早が謝ることは何もないよ。
今年はタイミングが悪かったんだ。また来年、行けばいいさ」
千早「……来年でないと、駄目でしょうか」
この三日間、初詣に行くためにプロデューサーが私を探してくれていたのだと」
P「ええっ! そ、そうなのか?」
千早「……すみません、プロデューサー。私、そうとも知らずに……。
その、言いにくいのですが、実はもう、春香たちと……」
P「あぁ、やっぱり……」
千早「プロデューサーにも声をおかけしようかとは思ったのですが、
せっかくのオフに私用に付き合わせるわけにはいかないと思ってしまって……。
プロデューサーも私を探していたのだと知っていれば……すみません」
P「い、いや、千早が謝ることは何もないよ。
今年はタイミングが悪かったんだ。また来年、行けばいいさ」
千早「……来年でないと、駄目でしょうか」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:45:59.59 ID:IkrkuFooo
P「え?」
千早「三が日は、確かに終わってしまいましたが、
15日までに行けばいいという考えや……
そもそも初詣に期限はないという考えもあるそうなんです」
P「そ、そうなのか? それは知らなかったな……」
千早「ですから、何も来年まで先延ばしにする必要はないかと。
それに、春香たちとは行きましたが、『プロデューサーとの初詣』は、まだですから……」
P「! それじゃあ……」
千早「私は、プロデューサーに声をかけていただければ、いつでも……。
あ、あくまで、プロデューサーがまだそのつもりなら、ですが」
P「千早……」
千早「三が日は、確かに終わってしまいましたが、
15日までに行けばいいという考えや……
そもそも初詣に期限はないという考えもあるそうなんです」
P「そ、そうなのか? それは知らなかったな……」
千早「ですから、何も来年まで先延ばしにする必要はないかと。
それに、春香たちとは行きましたが、『プロデューサーとの初詣』は、まだですから……」
P「! それじゃあ……」
千早「私は、プロデューサーに声をかけていただければ、いつでも……。
あ、あくまで、プロデューサーがまだそのつもりなら、ですが」
P「千早……」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:47:02.34 ID:IkrkuFooo
P「あ、あぁもちろん、俺の気持ちは変わってないぞ!
いつになるかは分からないが、次のオフに必ず行こう!」
千早「! ええ、私も、楽しみに待ってます」
P「よし、気合も入ったところで仕事に行くか……!
改めて今年もよろしくな、千早!」
千早「ふふっ……はい。よろしくお願いします、プロデューサー」
P(そう、何も焦る必要なんてなかったんだ。
この時期に千早と初詣に行けなかったからって、
何も千早のプロデュースが終わるわけじゃない……。
初詣はいつか必ず行ける。
これからもずっと、俺は千早のプロデューサーなんだからな!)
おしまい
いつになるかは分からないが、次のオフに必ず行こう!」
千早「! ええ、私も、楽しみに待ってます」
P「よし、気合も入ったところで仕事に行くか……!
改めて今年もよろしくな、千早!」
千早「ふふっ……はい。よろしくお願いします、プロデューサー」
P(そう、何も焦る必要なんてなかったんだ。
この時期に千早と初詣に行けなかったからって、
何も千早のプロデュースが終わるわけじゃない……。
初詣はいつか必ず行ける。
これからもずっと、俺は千早のプロデューサーなんだからな!)
おしまい
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:47:33.54 ID:IkrkuFooo
実話です。
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした。
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした。
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:49:22.62 ID:06+DDsds0
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515065687/
Entry ⇒ 2018.04.26 | Category ⇒ ミリマス | Comments (1)
希「海未ちゃんがゲッツしてたら動かなくなった」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 00:51:16 ID:0xQd66KQ
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 00:56:55 ID:0xQd66KQ
凛「うーん、ホントに動かないね」
「えいえいっ」ツンツン
海未「」
凛「ダメだ ほっぺをツンツンしても無反応」
希「こらこら凛ちゃん」
「いくら動かないからって勝手なことしちゃダメやん?」モミモミワシワシ
凛「うん」
「凛は自分の言葉に責任を持てる大人になるよ」
海未「」
「えいえいっ」ツンツン
海未「」
凛「ダメだ ほっぺをツンツンしても無反応」
希「こらこら凛ちゃん」
「いくら動かないからって勝手なことしちゃダメやん?」モミモミワシワシ
凛「うん」
「凛は自分の言葉に責任を持てる大人になるよ」
海未「」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 01:16:24 ID:0xQd66KQ
凛「希ちゃんにワシワシされても動じないなんて」
「開発されすぎたんじゃ……」
希「失敬な。ウチそんなに海未ちゃんのことワシワシしてないで?」
「ここ最近は」
凛「え、ホントに開発してたの?」
希「海未ちゃんの胸はウチが育てた」
凛「そうか……!」
「以前海未ちゃんが背後に誰かいると問答無用で腹パンかますゴルゴより危険な時期があったのは……!」
希「うふふ」
海未「」
「開発されすぎたんじゃ……」
希「失敬な。ウチそんなに海未ちゃんのことワシワシしてないで?」
「ここ最近は」
凛「え、ホントに開発してたの?」
希「海未ちゃんの胸はウチが育てた」
凛「そうか……!」
「以前海未ちゃんが背後に誰かいると問答無用で腹パンかますゴルゴより危険な時期があったのは……!」
希「うふふ」
海未「」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 01:28:25 ID:0xQd66KQ
凛「希ちゃんが原因だったとはね」
希「蝶のように舞い蜂のように刺す
これすなわちワシワシの極意やんな」
凛「凄い、凄いよ希ちゃん!」
「やってることただのセクハラだけど凄いよ!」
希「うむ、誉めちぎれ」
凛「よっ、エベレスト! チョモランマ! フジヤーマ!」
希「フフ、東條はμ'sにて最胸……!」
海未「」
希「蝶のように舞い蜂のように刺す
これすなわちワシワシの極意やんな」
凛「凄い、凄いよ希ちゃん!」
「やってることただのセクハラだけど凄いよ!」
希「うむ、誉めちぎれ」
凛「よっ、エベレスト! チョモランマ! フジヤーマ!」
希「フフ、東條はμ'sにて最胸……!」
海未「」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 01:35:43 ID:0xQd66KQ
凛「それにしてもホントに動かないね」
希「困ったなぁ、まだ練習途中なのに」
凛「そもそも海未ちゃんなんでゲッツの練習なんてしてたの?」
「本家の人だってやってないんじゃない?」
希「さっぱり分からんなぁ……あ、そうだ」
「ここにあるは海未ちゃんの作詞ノート」
凛「おお?
朗読会でもするの?」
希「それは後。もしかするとここに
海未ちゃんを元に戻す手がかりがあるかもしれない」
希「困ったなぁ、まだ練習途中なのに」
凛「そもそも海未ちゃんなんでゲッツの練習なんてしてたの?」
「本家の人だってやってないんじゃない?」
希「さっぱり分からんなぁ……あ、そうだ」
「ここにあるは海未ちゃんの作詞ノート」
凛「おお?
朗読会でもするの?」
希「それは後。もしかするとここに
海未ちゃんを元に戻す手がかりがあるかもしれない」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 01:43:38 ID:0xQd66KQ
凛「なんでそう思ったの?」
希「作詞には書いた者の気持ちが表れる海未ちゃんの気持ちもこの中に込められ読むことで海未ちゃんの気持ちを理解しゲッツに至った原因を探る
このノート一度読んでみたかったんよ」
凛「なるほど」
「希ちゃんは嘘がつけない人だね」
希「本音と建前の使い分けなんて
大人になってからでいいんよ」
凛「凛、大人に近づいてる気がする……!」
海未「」
希「作詞には書いた者の気持ちが表れる海未ちゃんの気持ちもこの中に込められ読むことで海未ちゃんの気持ちを理解しゲッツに至った原因を探る
このノート一度読んでみたかったんよ」
凛「なるほど」
「希ちゃんは嘘がつけない人だね」
希「本音と建前の使い分けなんて
大人になってからでいいんよ」
凛「凛、大人に近づいてる気がする……!」
海未「」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 01:59:32 ID:0xQd66KQ
希・凛「どれ」パラパラ
『脱皮』
ズルッ バリバリバリッ スポンっ
新たなる日本の夜明け 虐げられた者たちは刃をその手に
ピシピシピシッ ボトッ オギャーオギャー
埋伏 拒絶 閉塞 逃避 己の殻に牙を突き立てろ
モゾモゾモゾモゾモゾモゾ ミーンミンミン
過ぎ去りし時を憂う暇はない 遥か彼方未来を追いたてろ
ミシミシミシミシミシミシ パリンッ
リメンバー リメンバー 賽は投げられた
『脱皮』
ズルッ バリバリバリッ スポンっ
新たなる日本の夜明け 虐げられた者たちは刃をその手に
ピシピシピシッ ボトッ オギャーオギャー
埋伏 拒絶 閉塞 逃避 己の殻に牙を突き立てろ
モゾモゾモゾモゾモゾモゾ ミーンミンミン
過ぎ去りし時を憂う暇はない 遥か彼方未来を追いたてろ
ミシミシミシミシミシミシ パリンッ
リメンバー リメンバー 賽は投げられた
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 02:11:00 ID:0xQd66KQ
希・凛「……」パラ……
『サマー・サマー・ウィンター』
かき氷を食べた時頭がキーンってなると夏が来たなぁ……と感じる
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
扇風機をつけっぱなしで寝ると最悪死ぬ
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
クーラーをつけっぱなしにすると電気代がかさむので今年はハッカ油でしのぐつもりだ
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
甲子園球児に感情移入して肝が冷えることが多々ある
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
『サマー・サマー・ウィンター』
かき氷を食べた時頭がキーンってなると夏が来たなぁ……と感じる
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
扇風機をつけっぱなしで寝ると最悪死ぬ
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
クーラーをつけっぱなしにすると電気代がかさむので今年はハッカ油でしのぐつもりだ
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
甲子園球児に感情移入して肝が冷えることが多々ある
そんな私のサマー・サマー・ウィンター……
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 02:26:20 ID:0xQd66KQ
希・凛「……」
『ラブハリケーン』
ホァタァァァァァァァ! アッァーォ!
アーーーーータタタタタタタタ!!
ホァタッァァァ! タタタタタタタ!
アタァァァァァァァァォ! ホッォォォオオ!
チョォォォォゥ……アアァァァァァ!
タッタッタッタッタッタッアアァァァァァ!
アリャァァァァァァタァァァァァ! オッオーゥ!!
チェリィィィィィァアッッッ! チョーォ!
ホァ……ホァタァァァァァァァァァァァ!
ァァァァァァァァァァァァァァァァ!
ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……結婚しよう
『ラブハリケーン』
ホァタァァァァァァァ! アッァーォ!
アーーーーータタタタタタタタ!!
ホァタッァァァ! タタタタタタタ!
アタァァァァァァァァォ! ホッォォォオオ!
チョォォォォゥ……アアァァァァァ!
タッタッタッタッタッタッアアァァァァァ!
アリャァァァァァァタァァァァァ! オッオーゥ!!
チェリィィィィィァアッッッ! チョーォ!
ホァ……ホァタァァァァァァァァァァァ!
ァァァァァァァァァァァァァァァァ!
ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……結婚しよう
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 02:43:38 ID:0xQd66KQ
希・凛「……」
『ぷにぷにの上腕二頭筋』
筋トレを始めて三日じゃあ俺には勝てないよマイク
『ぷにぷにの上腕二頭筋』
筋トレを始めて三日じゃあ俺には勝てないよマイク
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 03:30:45 ID:0xQd66KQ
パタン
凛「とりあえず分かったのは
海未ちゃんが心に深い傷を負ってるってことだけだね……」グスッ
希「うん」
「動かなくなったことよりずっと差し迫った問題やね」
凛「希ちゃぁん……凛、海未ちゃんを助けたいっ…!」グスグスッ
希「ウチもや、色んな意味で」
凛「海未ちゃん、待っててね」
「海未ちゃんの狂った頭の配線、凛が繋ぎ直してあげるから!」
希「凛ちゃん……
言うようになったなぁ」
凛「とりあえず分かったのは
海未ちゃんが心に深い傷を負ってるってことだけだね……」グスッ
希「うん」
「動かなくなったことよりずっと差し迫った問題やね」
凛「希ちゃぁん……凛、海未ちゃんを助けたいっ…!」グスグスッ
希「ウチもや、色んな意味で」
凛「海未ちゃん、待っててね」
「海未ちゃんの狂った頭の配線、凛が繋ぎ直してあげるから!」
希「凛ちゃん……
言うようになったなぁ」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 03:38:22 ID:0xQd66KQ
凛「よし、じゃあさっそく……」
「そぉい!」ゲシッ
海未「」バタン
希「う、海未ちゃーん!?」
「え、え? 何で蹴ったん凛ちゃん!?」
凛「え」
「壊れたテレビ直す要領でやってみた」
希「配線繋ぎ直すんやないんかい」
凛「うおおおおお! 更にもう一発!」
希「まてぇぇぇぇぇぇい!」ガシッ
「そぉい!」ゲシッ
海未「」バタン
希「う、海未ちゃーん!?」
「え、え? 何で蹴ったん凛ちゃん!?」
凛「え」
「壊れたテレビ直す要領でやってみた」
希「配線繋ぎ直すんやないんかい」
凛「うおおおおお! 更にもう一発!」
希「まてぇぇぇぇぇぇい!」ガシッ
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 03:53:45 ID:0xQd66KQ
花陽「リメンバーリメンバー 賽は投げられた~♪」
ガチャ
花陽「三人ともお疲れ様」
「どう? 練習捗って……」
凛「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァア!」
希「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァア!」
花陽「な、ナニィ~~~!? 長年の親友と敬愛する先輩が
奇妙な表情で打ち合っているだとォ~~~!?」リカイフノウッ
花陽「更に、床に倒れている『人物』はッ!」
海未「」ドォォォォォン!
花陽「う、海未ちゃんッ! あの海未ちゃんが『冬のナマズ』みてぇに大人しく床に転がってやがるだとォォォォ!?」
ガチャ
花陽「三人ともお疲れ様」
「どう? 練習捗って……」
凛「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァア!」
希「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァア!」
花陽「な、ナニィ~~~!? 長年の親友と敬愛する先輩が
奇妙な表情で打ち合っているだとォ~~~!?」リカイフノウッ
花陽「更に、床に倒れている『人物』はッ!」
海未「」ドォォォォォン!
花陽「う、海未ちゃんッ! あの海未ちゃんが『冬のナマズ』みてぇに大人しく床に転がってやがるだとォォォォ!?」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 04:04:31 ID:0xQd66KQ
希「かくかく」
凛「しかじか」
花陽「な、なるほど」
「海未ちゃんがゲッツしてたら動かなくなった、と」
「うーん、どうしたら治るんだろ」
凛「かよちんの理解力と順応性の高さが恐ろしい」
希「花陽ちゃん、それだけじゃないんよ」
「海未ちゃんは心を病んでるんよ……」つ作詞ノート
花陽「?」
「それ、私は何回も読んだことあるよ?」
凛・希「え」
凛「しかじか」
花陽「な、なるほど」
「海未ちゃんがゲッツしてたら動かなくなった、と」
「うーん、どうしたら治るんだろ」
凛「かよちんの理解力と順応性の高さが恐ろしい」
希「花陽ちゃん、それだけじゃないんよ」
「海未ちゃんは心を病んでるんよ……」つ作詞ノート
花陽「?」
「それ、私は何回も読んだことあるよ?」
凛・希「え」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:47:16 ID:0xQd66KQ
希「何で花陽ちゃんが読んだことあるん?」
花陽「えへへ」
「海未ちゃん恥ずかしがり屋さんだから勝手に作詞ノート見られたと知った時どんな顔するのかなって思ったらつい」
凛「か、かよちん……」
「凛の知らないうちに一皮剥けてたんだね」
花陽「てへ」
「大人の階段登っちゃった」
海未「」
花陽「えへへ」
「海未ちゃん恥ずかしがり屋さんだから勝手に作詞ノート見られたと知った時どんな顔するのかなって思ったらつい」
凛「か、かよちん……」
「凛の知らないうちに一皮剥けてたんだね」
花陽「てへ」
「大人の階段登っちゃった」
海未「」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:48:48 ID:0xQd66KQ
花陽「それにしても海未ちゃん動かないね」
「まるで銅像、いや石像……木像のように」
希「その材質への拘りは何なん?」
凛「やっぱりこれ緊急事態だよね」
花陽「パリコレ? ふふ、凛ちゃんのおませさん」
希「元に戻す方法、そろそろ真面目に考えようか」
凛「そうだね
かよちん、なんて?」
花陽「何でもないよ」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:49:56 ID:0xQd66KQ
凛「でも方法っていっても
ゲッツ状態で動かなくなった人なんて初めて見たからなぁ」
希「そうやね。揉んでも蹴っても無反応やし」
凛「今度はチョップでもしてみる?」
希「駄目やって。動かないからって何しても言い訳やないんよ?」
凛「胸揉んでた人に言われても説得力ないなぁ」
花陽「……」キュッキュッ
凛「かよちん何してるの?」
花陽「海未ちゃんの額に『肉』って書いたよ」ニコッ
希「花陽ちゃんのこんな幸せそうな顔初めて見たわ」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:50:50 ID:0xQd66KQ
凛「あ、そうだ」
「幼馴染二人なら何か分かるんじゃない?」
希「おっ、グッドアイディアやん」
凛「かよちん、プランターの二人を呼んできて!」
希「惜しい!」
花陽「A.プランター B.ぷりんてんぷす C.プランタン D.プライベートウォーズ
さぁ、千円の問題、正解はどれ!?」
凛「オーディエンス使うよ」
希「グリフィンドォォォォォォォォォォル!!」
凛「くそっ」
「幼馴染二人なら何か分かるんじゃない?」
希「おっ、グッドアイディアやん」
凛「かよちん、プランターの二人を呼んできて!」
希「惜しい!」
花陽「A.プランター B.ぷりんてんぷす C.プランタン D.プライベートウォーズ
さぁ、千円の問題、正解はどれ!?」
凛「オーディエンス使うよ」
希「グリフィンドォォォォォォォォォォル!!」
凛「くそっ」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:51:47 ID:0xQd66KQ
花陽「じゃあ穂乃果ちゃんとことりちゃん呼んでくるよ」
凛「うん」
希「よろしく」
ガチャ
穂乃果「ホァタァァァァァァァァァァァ!
ァァァァァァァァァァァァァァァァ!
結婚しよう」
花陽「喜んで!」
希「エンダァァァァァァァァァ」
凛「待て」
凛「うん」
希「よろしく」
ガチャ
穂乃果「ホァタァァァァァァァァァァァ!
ァァァァァァァァァァァァァァァァ!
結婚しよう」
花陽「喜んで!」
希「エンダァァァァァァァァァ」
凛「待て」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:52:58 ID:0xQd66KQ
穂乃果「いやー、花陽ちゃんなかなか帰ってこないから来ちゃったよ」
花陽「ごめん、ちょっと緊急事態があって」
穂乃果「緊急事態? 廃校とか?」
花陽「ううん。海未ちゃんが痛々しい姿に……」
穂乃果「え?」
「ゲェー!? 額に肉の字書いてある人がゲッツしてるっ!」
希「せめて名前呼んであげて」
花陽「ごめん、ちょっと緊急事態があって」
穂乃果「緊急事態? 廃校とか?」
花陽「ううん。海未ちゃんが痛々しい姿に……」
穂乃果「え?」
「ゲェー!? 額に肉の字書いてある人がゲッツしてるっ!」
希「せめて名前呼んであげて」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 21:54:21 ID:0xQd66KQ
穂乃果「海未ちゃん、なんて痛ましい……」ウゥ…
凛「穂乃果ちゃん、何か知らない?」
「前にもこんなことがあったとか」
穂乃果「うーん、分からないや」
「海未ちゃんのやることは私には分からない」
希「幼馴染やん、深い関係やん」
「作詞ノートも見てるみたいやし」
穂乃果「!? 何で作詞ノートのこと知ってるの?
まさか皆勝手に見たの? 最低、最低だよ!
見たらそのことを人に広めたら駄目でしょ!?
こういうのは陰でこそこそ楽しむものでしょ!?」
花陽「ごめん
釈然としないけど謝っておくよ」
凛「穂乃果ちゃん、何か知らない?」
「前にもこんなことがあったとか」
穂乃果「うーん、分からないや」
「海未ちゃんのやることは私には分からない」
希「幼馴染やん、深い関係やん」
「作詞ノートも見てるみたいやし」
穂乃果「!? 何で作詞ノートのこと知ってるの?
まさか皆勝手に見たの? 最低、最低だよ!
見たらそのことを人に広めたら駄目でしょ!?
こういうのは陰でこそこそ楽しむものでしょ!?」
花陽「ごめん
釈然としないけど謝っておくよ」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:36:28 ID:0xQd66KQ
穂乃果「いやー、こんな状態の海未ちゃんは初めて見たよ」
「せっかくだから服脱がしとこう」
凛「穂乃果ちゃんでもダメかー」
希「後は頼りになりそうなのはことりちゃんだけやね」
ガチャ
ことり「筋トレを始めて三日じゃあ俺には勝てないよマイク」
花陽「来ましたね
ぷにぷにの上腕二頭筋が」
「せっかくだから服脱がしとこう」
凛「穂乃果ちゃんでもダメかー」
希「後は頼りになりそうなのはことりちゃんだけやね」
ガチャ
ことり「筋トレを始めて三日じゃあ俺には勝てないよマイク」
花陽「来ましたね
ぷにぷにの上腕二頭筋が」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:42:20 ID:0xQd66KQ
ことり「もー、二人とも練習中だよ?」
「どこで油売ってるかと思ったら」
穂乃果「いやぁそれが」
花陽「トラブルがありまして」
ことり「トラブル?」
穂乃果「まぁこれをご覧よ」
海未(全裸に額に肉の字でゲッツ)「」
「どこで油売ってるかと思ったら」
穂乃果「いやぁそれが」
花陽「トラブルがありまして」
ことり「トラブル?」
穂乃果「まぁこれをご覧よ」
海未(全裸に額に肉の字でゲッツ)「」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:43:28 ID:0xQd66KQ
ことり「イヤァァァァァァァァァァァ!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
「変態! 変態! 変態! 変態!」ズドドドドドドォッ!
凛「や、やめてぇことりちゃん!」
「海未ちゃんが、海未ちゃんがァ !」
希「こんな東洋の島国にデンプシーロールの使い手がいるとは…」
海未「」ガクガクガク
「変態! 変態! 変態! 変態!」ズドドドドドドォッ!
凛「や、やめてぇことりちゃん!」
「海未ちゃんが、海未ちゃんがァ !」
希「こんな東洋の島国にデンプシーロールの使い手がいるとは…」
海未「」ガクガクガク
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:44:14 ID:0xQd66KQ
海未「…………う?」
凛「!」
「海未ちゃん!」
希「目を覚ました!」
海未「つつ……私は一体…」
凛「あ、危ない!」
ことり「キャオラァッ!」
海未「!」
ズドン
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:45:17 ID:0xQd66KQ
海未「……効かないねぇ、レズだから」ニッ
ことり「!?」
海未「レズレズの……」
「吸引(バキューム)!」ムチュゥゥゥゥ
ことり「!?///」
「きゅぅ……」パタリ
ことり「!?」
海未「レズレズの……」
「吸引(バキューム)!」ムチュゥゥゥゥ
ことり「!?///」
「きゅぅ……」パタリ
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:46:14 ID:0xQd66KQ
海未「さぁ、私を討ち取って名をあげるのは誰ですか?」
「幼馴染か? 米か? にゃんこか? 巨乳か?」
穂乃果「この戦いが終わったら私結婚するんだ」
凛「負けられない戦いがそこにある」
希「卍……解!!」
花陽「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか」
ウォォォォォォォォォォォ
「幼馴染か? 米か? にゃんこか? 巨乳か?」
穂乃果「この戦いが終わったら私結婚するんだ」
凛「負けられない戦いがそこにある」
希「卍……解!!」
花陽「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか」
ウォォォォォォォォォォォ
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:47:40 ID:0xQd66KQ
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/20(日) 22:48:13 ID:0xQd66KQ
終わりッ
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/08/24(木) 12:44:54 ID:DQ64CM8s
過去作はよ
そして昔けいおんのSS書いてなかった?
そして昔けいおんのSS書いてなかった?
掲載元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1503157876/
Entry ⇒ 2018.04.24 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (1)
周子「一日だけの友達。名前も知らないあの子」
1: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:48:45.54 ID:zBVP/rQJ0
一日だけの友達。名前も知らないあの子。でも、ずっとずっと記憶に残っている大切な思い出。
2: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:49:24.36 ID:zBVP/rQJ0
周子「そう言えばフレちゃんの金髪を見て思い出したんだけどね」
フレデリカ「ふんふん?」
周子「あたし、小さい頃に一回だけおフランスに行ったことがあるんよー」
フレデリカ「ワーオ♪ 地元じゃーん!」
周子「そーそー。あれ? でも、フレちゃん昔フランスに住んでたんだよね?」
フレデリカ「フレちゃんも住んでたよー☆ その時の物語を話してたもーれ?」
周子「どうせ時間あるし、じゃあちょっと昔話ね」
フレデリカ「パチパチパチパチ~♪」
3: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:49:57.45 ID:zBVP/rQJ0
あれはあたしがまだ五歳になるかならないぐらいかのお話。
親父がフランスのなんとかっていうイベントで、自家製の和菓子を売ることになったんだよね。
塩見ファミリー初めての海外ってことで、あたしすっごく浮かれてたんだ。
だって人生で初めての海外だったからもうわくわくだよね。
飛行機だってなんだって見る物全部がキラキラして見えたんだ。
4: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:51:00.17 ID:zBVP/rQJ0
でも、いざフランスに着くと、途端にみんなばたばたし始めちゃってさ。
最初こそは全部が初めての場所だったから楽しかったよ?
何もかもが違うんだもん。楽しくないわけがないよね。
だけどそんな時間はすぐ終わっちゃってさ。
おでかけは誰かが一緒じゃないとダメ。
だからといって、お手伝いもさせてくれない。
ずーっとホテルで何言ってるのか分かんないテレビを見るだけ。
だからあたし、ホテルを飛び出すことにしたんだよね。
ロリシューコちゃんの大冒険、みたいな?
5: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:51:50.31 ID:zBVP/rQJ0
ホテルを出ると、すぐにおっきな通りがあってね。
車もたくさん、人もたくさん。
みんななんでかニコニコしてたんだよねー。
だからあたしもなんだか楽しくなっちゃってさ。
スキップなんてしながら、フランスの街をルンルン気分で歩き回ったんだ。
ウィンドウショッピングしながらあっちへふらふら~、こっちへふらふら~。
6: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:53:20.51 ID:zBVP/rQJ0
そんなことをしているとあら大変。
幼いシューコちゃんはなんと迷子になってしまったのです!
それでも三つ子の魂なんとやらって感じで、その時はなんとかなるーって思ってたんだよねー。
帰り道はどこだろーってフランスの街を歩いていたら、おっきな公園が見えたんだ。
本当に大きな公園で、ここまで大きなのは京都でもお目にかかれないぞーなんて。
でも、こんな場所は絶対に見てないから、ここに入ると帰れなくなるんだろうなーって思いながらも好奇心に負けちゃって。
あたしはよっしと気合いを入れてその公園に入ったんだ。
7: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:54:24.45 ID:zBVP/rQJ0
ジョギングしてるおじさん、犬の散歩をしてるお姉さん。他にも色んな人がそこの公園にいた。
あたしを見るとみんな不思議そうな顔をして通り過ぎて行った。
そりゃそうだよね。幼い女の子が一人で歩いてるんだもん。
そうやって公園の中を歩き回っていると、足がくたびれちゃってさ。
あたしは近くにあった木でできたベンチによっこらせって座ったんだよ。
そしたら視界の隅にきらって光るものが見えたのね。
8: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:56:02.79 ID:zBVP/rQJ0
なんだろーってそっちを見たら、金色の髪の毛を太陽の光できらきらさせた女の子が一人でベンチに座っていてね。
俯きながら膝に置いた何かに、一生懸命ペンを走らせてるの。こう、しゃっしゃーって。
あんまり一生懸命だから何してるんだろうーって観察してたら、あたしの視線に気が付いたその子が顔を上げたのね。
エメラルドグリーンの瞳が遠目からでもすっごく綺麗だった。
あたしたちはお互いじーって見つめ合ってたんだけど、どちらともなくふふって笑っちゃったんだ。
なんだか気持ちが通じ合った気がして、あたしはその子の隣まで歩いて行って、座ることにしたんだ。
9: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:57:18.20 ID:zBVP/rQJ0
「何してるの?」って聴くと、その子が「お絵かきしてるんだー」って笑いながら教えてくれた。
何を描いてるんだろって気になって覗き込むと、そこにはすっごく上手にスケッチされた絵があって。
あたしは思わず「すごーい!」って言っちゃったんだよね。
そしたら女の子がね、「ありがとう」ってお人形さんみたいに整った顔で、嬉しそうに笑ったんだ。
10: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:58:10.98 ID:zBVP/rQJ0
女の子とあたしは手を繋いでいろんな所に行ったんだ。
落書きだらけの路地裏。
綺麗なお花が咲いている秘密の花壇。
よくわからないオブジェを見て、私たちはけらけらと笑いあった。
石畳の道を、ずっとずっと歩いて行く。
大人からすればそれはたいしたことない距離だけれど、幼い二人にとっては大冒険。
楽しくて楽しくて、ずっとこの時間が続くと思ってた。
11: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 22:59:38.74 ID:zBVP/rQJ0
でも、空は気が付けばオレンジ色になっちゃっててさ。
急にここが自分の知ってる場所じゃないんだって分かっちゃって、さっきまで楽しかったのが嘘みたいに恐くなったんだ。
帰らなきゃって。どうしようって。
なんだか心細くなっちゃって泣きたくなったんだ。
そしたらね。うん、今思い出しても少し恥ずかしいんだけどさ。
その女の子がぎゅって私を抱きしめてくれたんだ。
「大丈夫だよー」
って、暖かい声で。
そしたらそれはそれでなんだか安心しちゃったような、まだ恐いような気分になって、あたし泣き出しちゃったんだ。わーんわーんって。
お母ちゃんとお父ちゃんを泣きながら呼んだんだよね。
その間女の子はずっとあたしを優しく抱きしめてくれてた。
12: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 23:00:45.33 ID:zBVP/rQJ0
あたしの顔が涙と鼻水でぐっちゃぐちゃになったとき、聞き慣れた声がしたんだ。
あっ、と思って顔を上げたら、遠くからあたしたちを見かけたお母ちゃんが安心しきった顔で走って来てさ。
そしたらあたしはもうそれだけでわんわん泣いて、お母ちゃんの元へ走って行ったの。
その時お母ちゃんがなんて言ったのか、あたしはもう覚えてないんだけどね。多分心配したよとかそんなのだったと思う。
しばらくお母ちゃんにぎゅってされてたら、女の子のことをはっと思い出してさ。
そっちを向くと金髪の女の子はにっこり笑ってこう言ったんだ。
「またね」
って。
13: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 23:01:33.27 ID:zBVP/rQJ0
それだけ言い残すと、女の子はあたしたちに背を向けて、そのままどこかに行っちゃったんだ。
次の日がちょうど帰る日だったから、あたしはお母ちゃんに無理言ってその女の子を探した。
結局会えなくてさ。だからあたしは初めて会った公園のベンチでずっと待ってたのね。
でも、結局飛行機の時間が来ちゃって、あたしは会いたかったなーって思いながら日本に帰ることになったんだ。
14: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 23:02:09.01 ID:zBVP/rQJ0
周子「名前も知らない金髪の女の子。日本に帰ってからも、たまーにその子のことを思い出しては、あの子元気にしとるかなーとかって考えちゃうんだよねぇ。でもね、あたし最近気が付いたんだ」
フレデリカ「ほうほう」
周子「あれはあたしがいつものようにその子のことを思い出していたときのこと……」
フレデリカ「ごくり……!」
周子「あれ? なんで日本語で会話してたんだろーって」
フレデリカ「わーお……世界の謎ですな塩見殿」
周子「そうなのですよ宮本殿……」
フレデリカ「うむむ……この謎を解くために必要なもの……あっ、フレちゃんモンブラン食べたーい♪」
周子「食べ物かーい! でも、あたしも色々お話してお腹すいたーん。LiPPSのみんなでケーキ食べに行こっか」
フレデリカ「いいねー☆」
15: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 23:03:22.41 ID:zBVP/rQJ0
フレデリカ「あっ、そうだ。アタシ思うんだけどねー。きっとその女の子が成長してその絵を見ると、苦笑いしちゃうと思うんだー。下手っぴだなーって」
周子「へ? どうして?」
フレデリカ「フレちゃんも、絵の勉強してるからねーっ。うん。でも、その絵にはきっと、幸せな想い出がたーっくさん詰まってるから、ずっとずっと大切にしまってると思うの」
周子「………………」
フレデリカ「名前の知らないあの子がすごいって褒めてくれたから、その絵を見る度にその子も元気かなーってにこにこ笑うと思うんだー」
周子「フレちゃんそれって……」
フレデリカ「名探偵フレデリカ! ここに見参! なーんて♪」
周子「さっすが名探偵フレデリカ! どんな事件もしゅばっと解決!」
フレデリカ「フフーン♪ さっ、周子ちゃん行こ行こ~!」
周子「あっ、フレちゃん待っ! もー……フレちゃんにはかなわんわー」
フレデリカ「フンフンフフーン、フレデリカー♪ フレフレフレデリカー♪」
終わり
16: ◆k5IOzxfS4k 2017/02/03(金) 23:06:55.06 ID:zBVP/rQJ0
ところでフレデリカを書くのって難しくないですか??
友人に助けられてなんとか書き上げることができました。
この場をお借りして再びお礼を。
また、当SSを読んでいただき、ありがとうございました。
前作です。
卯月「周子さんと牧場体験です!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481538147/
友人に助けられてなんとか書き上げることができました。
この場をお借りして再びお礼を。
また、当SSを読んでいただき、ありがとうございました。
前作です。
卯月「周子さんと牧場体験です!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481538147/
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/04(土) 12:16:36.77 ID:u2lLYsLMo
おっつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486129725/
Entry ⇒ 2018.04.24 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【ガルパン】エリカ「ビデオ通話で画面を飛び越えて移動できる能力を身に着けたわ」
1: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:19:07.44 ID:PPqZrmXA0
小梅「えっ」
エリカ「だからちょっと実験相手になってもらえる?」
小梅「どういうことなのかさっぱりわからないんだけど」
エリカ「だから、スカイプとかでビデオ通話してる相手のところに移動できるってことよ」
小梅「貞子みたいにってこと?」
エリカ「まあビジュアル的にはそんな感じね」
小梅「一ミリも信じられないんだけど、なんでそんな能力をいきなり……」
エリカ「ドイツに行った隊長と通話してたら寂しくなって、会いたくなったから鍛えたのよ」
小梅「いや、そんな気持ちだけで鍛えられる能力じゃないでしょ!?」
エリカ「とにかく、いきなりドイツはたぶんしんどいから小梅の部屋に移動してみるわね」
小梅「この状況がしんどいんだけど」
エリカ「いいから部屋でスカイプ開いて待ってなさい!」
2: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:20:04.77 ID:PPqZrmXA0
小梅の部屋
エリカ『通話が繋がったわね。行くわよ』
小梅「はい。じゃあ満足したらとっとと寝てね」
エリカ『まだ信じてないの?ほら』
ウニョーン
小梅「うあぁーーー!!!??!?私のPCの画面からエリカさんの頭が!?!?」
エリカ「ううん、よいしょっ」
ギュッギュ
エリカ「くっ、やっぱり15インチのノートだと狭いわね……よいしょっと」
スポン スタッ
エリカ「はい、到着。成功ね」
小梅「あわ、あわ、あわ」ガタガタ
3: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:20:37.60 ID:PPqZrmXA0
エリカ「いつまで驚いてるの?」
小梅「驚くに決まってるでしょ!?物理の法則とか常識とか全部無視してるし!」
エリカ「隊長への尊敬がなせる技ね」
小梅「もうどうでもいいわ……」
エリカ「さて、同じ寮内なら移動は余裕として、次でいきなりドイツに行くのも違うかなって気はする」
小梅「距離とか関係あるの?なんかもうそういう次元を超越してない?」
エリカ「うーん、回線の問題なのか、やっぱり遠いほうがキツさが高いのよ。最初は熊本の実家に移動してみたんだけど今よりもしんどかったし」
小梅「じゃあ大洗のみほさんあたりはどうかな?他にエリカさんが他校で親しい人いないでしょうし」
エリカ「失礼ね!それに親しくなんか……ま、いいわ。それで試してみましょう」
小梅「みほさんショック死しないと良いけど」
4: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:21:06.25 ID:PPqZrmXA0
エリカの部屋
エリカ「もう小梅は休んでていいのよ?」
小梅「ううん。あまりにもみほさんが心配だから私もいる」
エリカ「そう?あ、繋がったわね」
みほ『エリカさん?いきなりどうしたの?ビデオ通話で話したいなんて』
エリカ「ちょっと今からそっちに行くから」
みほ『……へ?』
5: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:21:33.35 ID:PPqZrmXA0
エリカ「さっきは頭から行って体勢がキツかったから今度は手から行ってみるわ。よっ」
ウニョーン
みほ『!!!!!!』
エリカ「まずは右手っと」
みほ『いやぁーー!??!?!』
ブツッ
フッ
小梅「あっ画面が」
エリカ「あっ」
6: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:22:18.35 ID:PPqZrmXA0
みほの部屋
みほ「はあ、はあ、何今の……?」
みほ「一瞬モニターから腕が飛び出してきた気がしてびっくりして消しちゃったけど」
みほ「き、気のせいだよね……」
ゴトッ
みほ「?」
エリカの右腕「」バタバタバタバタ
みほ「ーーーーーーーーっ」
7: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 00:23:04.35 ID:PPqZrmXA0
エリカの部屋
エリカ「うぎゃあああ!!!腕があああああ!」
小梅「エリカさん落ち着いて!!!」
エリカ「ぎゃあああ!!!痛いいいいい!!……あれ?痛くないわ」
小梅「右腕が持ってかれたのに全然出血してない!」
エリカ「そういえば消えてるのに感覚もあるわ。動かしてる感じがする」
小梅「……右腕はみほさんの部屋にあって遠距離でもエリカさん本体とのリンク?みたいなのは切れてないってことなのかな」
エリカ「小梅、ちょっと電話してみてよ」
小梅「うん」
プルルルル
小梅「だめ、出ない。気絶してるんだと思う」
16: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:32:43.58 ID:PPqZrmXA0
エリカ「どうすんのよ!私の右手!」
小梅「この上なく自業自得じゃないかな……とにかくみほさんを起こしてみよう。手の近くにいるはずだから」
エリカ「手の感覚だけで探すのは結構大変よ……今も動かしまくってるけど」
小梅「そうだ!ちょっと動かすのやめて静かにしてみて。手がどの場所にあるのかわかる?」
エリカ「たぶん床ね」
小梅「じゃあ床に手のひらをピタッとつけてみればわずかな振動とかでみほさんの居場所がわかるかも!」
エリカ「なるほど!冴えてるじゃない!」
エリカ「……!」
小梅「わかった?」
エリカ「何か小刻みな振動がちょっとずつ大きくなって……遠くから人が近づいてくる感じがするわ!」
小梅「みほさんが起きた!?」
エリカ「どうかしらこれ……なんかもっと遠く、部屋の外から歩いてくるような振動なんだけど」
17: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:33:29.83 ID:PPqZrmXA0
みほの部屋
ピンポーン
ガチャ
沙織「みぽりーん、呼んでも出ないから入っちゃったけど、いるー?」
優花里「お邪魔します!」
華「久々の鍋パーティ、楽しみです!」
麻子「チャイムに無反応なのは妙だな」
沙織「みぽりーん?」
みほ「……」シーン
優花里「西住殿!?大丈夫ですか!?」
みほ「うーん……みんな、いらっしゃい。あれ……私、何してたっけ」
華「床で倒れてましたけど……何かありましたか?」
18: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:34:16.67 ID:PPqZrmXA0
みほ「えっと、確かエリカさんと通話してて……どうしたんだっけ」
麻子「うわぁっ!!!」
沙織「麻子どうしたの!?大きな声だし……きゃぁ!?」
エリカの右腕「」シーン
みほ「あ、思い出した……エリカさんの手が取れちゃったんだった」
華「バラバラ殺人でしょうか」
沙織「なんで冷静なの!?」
19: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:34:57.16 ID:PPqZrmXA0
エリカの部屋
エリカ「なんかすごい床揺れてる感じがするわ!これ絶対何人かに囲まれてる!」
小梅「ええっ!じゃあもう騒ぎになってるよエリカさん絶対手を動かさないでね」
エリカ「わかってるわよ。動かしたら大変なことになるものね」
小梅「すでに極限まで大変なことにはなってるけどそうだね!少しでも目撃者の衝撃は抑えよう!」
20: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:35:36.45 ID:PPqZrmXA0
みほの部屋
優花里「確かに、これは黒森峰の制服の袖ですよね」
ヒョイッ
沙織「ゆかりん!?持っちゃまずいって!」
優花里「大丈夫ですよ武部殿。おそらく映画などに使われる腕のレプリカです」
ツンツン
エリカの右腕「」ビクンビクンッ!
優花里「うわぁあああ動いたぁああ!?」
ポイッ
21: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:36:19.31 ID:PPqZrmXA0
エリカの部屋
エリカ「あひゃっ!?くすぐったいっ!」
小梅「え、くすぐられてるの!?」
エリカ「わからないけど浮遊感があって誰かに触られた!痛いっ!あ、今投げ捨てられたわ!」
小梅「誰だかわからないけどパニックになってるんだろうな……でもみほさんの部屋に来たってことはみほさんの友達の可能性が濃厚ね。きっと気絶したみほさんも助かったはず」
エリカ「あとはなんとか意志を伝達して、通話を再開させないと」
小梅「再開しても腕が戻るかっていう疑問は残るけどね」
エリカ「画面を通して頑張ってくっつければなんとかなるわ!」
22: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:36:53.37 ID:PPqZrmXA0
みほの部屋
エリカの右腕「」モゾモゾ
優花里「ど、どうしましょうこれ」
華「本物みたいですね。微かな香りが逸見さんと同じです」クンクン
みほ「さすが華さん」
沙織「そういえば麻子は」
優花里「冷泉殿なら『お化けだ!』って叫びながら外に飛び出して行きました……」
23: ◆G309cXFSD. 2017/12/27(水) 23:37:32.25 ID:PPqZrmXA0
華「あら、また動き始めましたよ」
エリカの右腕「」グッ パッ ピッ
沙織「気持ち悪っ!手を閉じたり開いたり指を動かしたりしてるけど……」
優花里「しかし先程と違って動きに法則性があるように見えます……は!西住殿これはもしや」
みほ「うん。これ、黒森峰が試合で使う指揮官のハンドサインだね」
エリカの右腕「」グッ パッ ピッ
みほ「このサインの意味は『通信開始』……!わかりました!」
31: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:28:40.06 ID:+L+8bPq80
エリカの部屋
ピロリン♪
エリカ「来た!」
小梅「やっぱりみほさんは洞察力が違うなぁ」
みほ『エリカさん?』
エリカ「私の腕はそっちにあるのよね!?」
みほ『うん、やっぱりこれエリカさんの腕なんだ……どういうことになってるの?』
エリカ「とにかく腕をこっちに返して!」
小梅「ちょっと待った!画面が消えて腕が切れたんだから、同じように画面を境目にちょうどピッタリ腕の断面を合わせるようにしないとくっつかないんじゃ?」
エリカ「た、確かに……!よし、上手いこと合わせるわよ!」
みほ『要求される難易度がやたらと上がってきたけどやってみます』
32: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:29:28.15 ID:+L+8bPq80
ググググ
みほ『……』
エリカ「……よーし、そのまま、そのままゆっくり近づけて」
みほ『うん……』
華『もう少し上では?』
優花里『速度は少し下げないとちょうど画面の境目に断面が行かないですよ!』
沙織『みんなで口出ししたら集中できないんじゃないの?』
34: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:30:25.98 ID:+L+8bPq80
エリカ「もう3cmくらい右!」
みほ『えっと、こっち?』オロオロ
エリカ「っ違う逆!私から見て右!」
みほ『ご、ごめんなさ』
優花里『西住殿!もう少し上です!』
みほ『優花里さんから見て上?』
優花里『西住殿から見て上です!』
エリカ「あなた達は同じ側にいるんだから関係ないでしょ!」
華『そもそも上は上です』
ワーワー ギャーギャー!
小梅「ちょっとストップ!一旦ストップ!」
35: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:31:32.83 ID:+L+8bPq80
エリカ「何よ」ハアハア
小梅「こんな状態でくっつけようとしたら変にずれて悲惨なことになるから。
やっぱり手をこっちに持ってきてくっつくかどうか試そうよ。それでくっつけばOKだし、駄目なら改めて方法を考えれば良いんだから」
エリカ「それもそうね。聞こえた?」
みほ『うん。じゃあそっちに投げるね』
エリカ「慎重に投げてよ」
みほ『ちょっと自信ないな』
優花里『でしたら私が投げます!肩の力には自身があります!』
みほ『ありがとう優花里さん。お願いします』
優花里『行きますよ!とりゃっ!』
ブンッ
ピロロン♪
みほ(あ、お姉ちゃんから着信だ)
カチッ
フッ
エリカ「えっ??」
小梅「いきなり画面が消えた!?」
36: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:32:44.85 ID:+L+8bPq80
まほの部屋
まほ「久々にみほに電話してみよう。そうだ、この前エリカにスカイプのやり方を教わったからやってみるか」
ピロロン♪
フッ
まほ「ものすごい速さで出たな。みほ、ひさしぶっ!!?」
ベキッイッ!!
みほ『お姉ちゃん!大丈夫!?』
優花里『西住殿!いきなり別のビデオ通話を開いてしまっては……』
みほ『ごめんなさい。つい反射的に応答しちゃって』
まほ「なっ?顔に何か当たった……?」
エリカの右腕「」ゴロン
まほ「うーん」ドサッ
華『やはり気絶しましたね』
みほ『お姉ちゃーん!!』
37: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:36:13.90 ID:+L+8bPq80
エリカの部屋
小梅「もしもし、みほさん?うん、うん、わかった」
小梅「カクカクシカジカで、エリカさんの右腕は西住元隊長のところに行っちゃったって」
エリカ「なんでそうなっちゃうの!?会いたいとは思ったけど腕だけは駄目!」
小梅「で、西住元隊長も気絶しちゃってどうにもならないみたい」
エリカ「隊長!隊長起きてください!うーん」
小梅「何してるの?」
エリカ「腕をすごくジタバタさせてるんだけど手応えが無いわね……ん!?」
エリカ「なっあっ……ひゃっ!?なにこれっ!?」
小梅「変な声出してどうしたの!?」
38: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:37:21.82 ID:+L+8bPq80
エリカ「まさかこれっ!?なめられてるっ!?///舌でなめられてる感じがするっ!」
小梅「ええー!?まさかそんな」
エリカ「でもこの感覚間違いないっ!しばらく会ってないからって大胆ですね隊長///」
小梅「もしもしみほさん、そっちの画面から西住元隊長の部屋の様子見えてるよね?状況どうなってますか?」
みほの部屋
犬『ハッハッハッハ』ペロペロペロ
みほ「お姉ちゃんが一緒にドイツに連れて行った犬がエリカさんの腕をなめてる」
小梅「あ、はい」
39: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:50:58.61 ID:+L+8bPq80
みほ「お姉ちゃんを起こして、エリカさんの体を復元しないと。その為にはエリカさんにこっちに来てもらわなきゃいけません」
小梅『でもみほさんのパソコン画面は元隊長との通話に使ってるから……』
みほ「優花里さん、お家にパソコンあったよね?借りて良いかな?」
優花里「はい!もちろんです!」
みほ「まずエリカさんは優花里さんの実家に移動して、そこから私の部屋に来てお姉ちゃんのところに移動してもらいます」
小梅『了解!』
40: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 00:52:51.63 ID:+L+8bPq80
30分後
優花里の部屋
優花里「さあ準備万端であります!いつでも来てください!」
エリカ『実家なのに悪いわね。行くわよ』
優花里「はい!」
エリカ『よいしょっと』
ニューン
ガチャッ
好子「優花里~?お友達来てるの~?」
優花里「あっ!ううん!電話!」カチカチッ
好子「あら、そうだったのね」
バタン
エリカの上半身「……何が起こったの」
優花里「……すいません、親が入ってきていつもの癖で画面消しちゃいました」
エリカの部屋
エリカの下半身「」ピクッピクッ
小梅「どうすんだこれ」
41: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 01:20:20.66 ID:+L+8bPq80
みほの部屋
ガチャッ
優花里「西住殿!逸見殿を連れてきました!よいしょっ」
エリカの上半身「隊長は無事!?」
みほ「まずエリカさんが無事なの!?」
エリカの上半身「ここまで背負ってきてもらったわ!」
沙織「もう絵面が完全にホラーだね」
華「元に戻すのが大変そうです」
エリカの上半身「そんなことは後で考えるから今はとにかく隊長のところに送って!」
みほ「うん。じゃあ私はこっち持つから画面に押し込みましょう」
エリカの上半身「頭から頼むわ」
42: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 01:21:03.19 ID:+L+8bPq80
まほの部屋
犬「ハッハッハッハ」
まほ「ん?なんだ……寝てたのか私は」
エリカ『隊長ーー!!』
まほ「エリカ!?」
エリカ『今行きます!待っててください隊長!』
ニョキッ
まほ「うわぁ!!!!」
バキィッ!!
まほ「お、驚いてとっさにPCを破壊してしまったが、今のは幻覚かな?」
ゴロン
まほ「?」
エリカの頭「こ、こんにちは」
まほ「うーん」バタン
43: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 01:22:50.95 ID:+L+8bPq80
その後、まほのPC修理に時間がかかり1ヶ月間エリカの頭とまほは一緒に行動した。
現地では西住まほがデュラハンなのではないかと噂になり、とんでもない大学デビューを飾った。
エリカはまほと過ごし美味しいドイツ料理も味わえて大満足だったが、下半身の世話をする小梅は本当に大変な目にあった。
おわり
44: ◆G309cXFSD. 2018/01/03(水) 01:23:18.07 ID:+L+8bPq80
明けましておめでとうございました
読んでくれてありがとうございました
読んでくれてありがとうございました
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:37:58.52 ID:dy9XGY8W0
乙
ミート君みたいになっちまったなエリカ
ミート君みたいになっちまったなエリカ
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:48:08.79 ID:H/XnHQc5O
草生える
おつ
おつ
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:53:01.75 ID:6/Ep4kFDO
下半身の世話ww
乙です
乙です
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514301547/
Entry ⇒ 2018.04.24 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー | Comments (0)
ヴィーネ「私が魔王で勇者はガヴで」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:34:34 ID:n506ERUg
「はぁ……」
店内の視線は一ヶ所に集まっていた。
カウンター席。数分前に来店したその絶世の美少女に。
腰まで伸びた漆黒の黒髪、背は高めだが芸術の世界から飛び出てきたかのような完璧すぎるスタイル。
それでいて、どこか幼さを残している顔立ち。
年は17、8といったところだろうか。
あと数年もすれば人類で彼女より美しい女性はいなくなる、店の客たちは本気でそう考えていた。
店内の視線は一ヶ所に集まっていた。
カウンター席。数分前に来店したその絶世の美少女に。
腰まで伸びた漆黒の黒髪、背は高めだが芸術の世界から飛び出てきたかのような完璧すぎるスタイル。
それでいて、どこか幼さを残している顔立ち。
年は17、8といったところだろうか。
あと数年もすれば人類で彼女より美しい女性はいなくなる、店の客たちは本気でそう考えていた。
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:35:27 ID:n506ERUg
男性陣は誰もが声を掛けようと機会を伺っているようで、けれどそれができずにいるのは、今までこんな美しい少女を見たのが初めてだったからだろう。
周囲の目が釘付けになっていることも気にせず、少女はカウンターに座ると同時に、憂いだ表情で溜め息をついた。
ここは酒場だ。
だが、絵画の世界の住人と評されたその美少女は、周囲の予想に反してただのホットミルクを注文した。
酒場のカウンターに座る美しい女性とミルクという、アンバランス極まりない光景が更に独特な空気を形成する。
要は浮いているのだ。
周囲の目が釘付けになっていることも気にせず、少女はカウンターに座ると同時に、憂いだ表情で溜め息をついた。
ここは酒場だ。
だが、絵画の世界の住人と評されたその美少女は、周囲の予想に反してただのホットミルクを注文した。
酒場のカウンターに座る美しい女性とミルクという、アンバランス極まりない光景が更に独特な空気を形成する。
要は浮いているのだ。
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:35:50 ID:n506ERUg
この国では15歳を過ぎれば飲酒を許される。
そして彼女はどう見ても15を過ぎているのだから、酒場にいることは不思議なことではなかった。
手にしているのがホットミルクでなければ。
そして彼女はどう見ても15を過ぎているのだから、酒場にいることは不思議なことではなかった。
手にしているのがホットミルクでなければ。
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:37:00 ID:n506ERUg
「魔王なんて滅びればいいのに。いっそ潰そうかしら……」
注文以外で、可憐な少女の口から飛び出した最初の言葉はそれだった。
周囲は凍り付いた。
最近世間では新魔王の話題で持ちきりだ。
現魔王が病で崩御したというから人々は騒然となったのだ。
勇者が手にかけなくとも、不死の魔王は死ぬ存在なのだと人間社会が周知したのだから、情報が洩れた魔界も当然慌ただしさに包まれていた。
そして彼女――ヴィネットは次期魔王候補筆頭だ。
けれど候補とは名ばかりで、既に魔界は彼女を魔王として承認してしまっている。
注文以外で、可憐な少女の口から飛び出した最初の言葉はそれだった。
周囲は凍り付いた。
最近世間では新魔王の話題で持ちきりだ。
現魔王が病で崩御したというから人々は騒然となったのだ。
勇者が手にかけなくとも、不死の魔王は死ぬ存在なのだと人間社会が周知したのだから、情報が洩れた魔界も当然慌ただしさに包まれていた。
そして彼女――ヴィネットは次期魔王候補筆頭だ。
けれど候補とは名ばかりで、既に魔界は彼女を魔王として承認してしまっている。
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:38:07 ID:n506ERUg
魔王の養子であるヴィネットが、なぜ魔王となれたのかは実にシンプルだ。
答えは彼女の桁外れの魔力にある。
膨大な魔力によって魔王に見込まれ、無理矢理養子とさせられたヴィネット。
だからといって虐待されたわけでもなく、逆に欲しいものは何でも与えられたし、生活に何の不自由もなかった。
むしろ恵まれていたと言えるだろう。
魔界では魔力こそ強さの象徴。
強い者が魔王となる。
ただそれだけの理由で彼女は……ヴィネットは、若くして魔王となってしまった。
答えは彼女の桁外れの魔力にある。
膨大な魔力によって魔王に見込まれ、無理矢理養子とさせられたヴィネット。
だからといって虐待されたわけでもなく、逆に欲しいものは何でも与えられたし、生活に何の不自由もなかった。
むしろ恵まれていたと言えるだろう。
魔界では魔力こそ強さの象徴。
強い者が魔王となる。
ただそれだけの理由で彼女は……ヴィネットは、若くして魔王となってしまった。
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:41:21 ID:n506ERUg
しかしその心中は複雑で、こうして人間界の酒場でミルクを飲んでいるのも単なる現実逃避からなのだが、魔王を憎む気持ちは勇者に負けない程度には持ち合わせていた。
育ての恩などない。
残忍な前魔王は彼女の本当の両親を殺したのだから。
「マスター、何か軽食お願い」
どこまでも透き通った美しい声だ。
未だ恋も知らないヴィネットに、魔界で愛するものなどもういない。
育ての恩などない。
残忍な前魔王は彼女の本当の両親を殺したのだから。
「マスター、何か軽食お願い」
どこまでも透き通った美しい声だ。
未だ恋も知らないヴィネットに、魔界で愛するものなどもういない。
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:42:14 ID:n506ERUg
ヴィネットの世話役として、また友として仕える側近のサターニャが、唯一ヴィネットが嫌いになれない存在。
そんなサターニャに魔王代行を押し付けているのは、サターニャが魔王という肩書きに憧れを抱いているからで、彼女が望むなら一生魔王でいてくれても構わないとすらヴィネットは思う。
「魔王が憎いの?」
気づけば隣に立つ金髪の少年が、凛とした声でヴィネットに訊ねる。
「そうね。魔王は存在自体が災害だもの」
サターニャを倒したいのではない。
ヴィネットは魔王という肩書き、暴虐の悪しき因習を破壊したかった。
そんなサターニャに魔王代行を押し付けているのは、サターニャが魔王という肩書きに憧れを抱いているからで、彼女が望むなら一生魔王でいてくれても構わないとすらヴィネットは思う。
「魔王が憎いの?」
気づけば隣に立つ金髪の少年が、凛とした声でヴィネットに訊ねる。
「そうね。魔王は存在自体が災害だもの」
サターニャを倒したいのではない。
ヴィネットは魔王という肩書き、暴虐の悪しき因習を破壊したかった。
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:45:01 ID:n506ERUg
度々人間界に侵攻する魔族は誰もが残忍だ。
人間を殺し、犯し、壊し、存在を蹂躙する。
魔族でありながらも、ヴィネットはまともな正義感を持った少女だ。
広大な資源を有する魔界が、人間界に侵攻することの無意味さを知っている。
痛感している。
徒に人を殺すべきではない。
人はいつしか魔王を討つ力を手にした。
勇者と呼ばれる存在を。
ヴィネットはそれは仕方ないと考える。
人間を殺すのなら、逆に殺される覚悟がなければならない。
人間たちの身を守るために生まれたのが勇者ならば、『勇者を生んだ責任』は我々魔族にある。
人間を殺し、犯し、壊し、存在を蹂躙する。
魔族でありながらも、ヴィネットはまともな正義感を持った少女だ。
広大な資源を有する魔界が、人間界に侵攻することの無意味さを知っている。
痛感している。
徒に人を殺すべきではない。
人はいつしか魔王を討つ力を手にした。
勇者と呼ばれる存在を。
ヴィネットはそれは仕方ないと考える。
人間を殺すのなら、逆に殺される覚悟がなければならない。
人間たちの身を守るために生まれたのが勇者ならば、『勇者を生んだ責任』は我々魔族にある。
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:46:10 ID:n506ERUg
「じゃあさ、魔王退治に協力してくれない?」
少年は言った。
彼が腰に差しているのは、女神の加護を受けた聖剣。
……そうか、彼が勇者か。
ヴィネットは納得する。
「いいわよ」
今が平和なのはサターニャのおかげ。
サターニャが魔族を抑えてくれていなければ、今頃戦争になっていても不思議ではない。
彼女だけは助けてもらおう。
その時がきたら私が斬られればいいのだから。
魔王は自身の最期を迎えるとき、後継者に魔力を託せる。
それこそが魔王たる圧倒的存在の力の秘密。
ならば誰にも託さずに死ねばどうなるか?
それは魔界への裏切りではあるものの、本当の意味での魔王の死ではないだろうか。
終わりにしよう。
この少年が私を倒すその日まで、私が彼を育てよう。
少年は言った。
彼が腰に差しているのは、女神の加護を受けた聖剣。
……そうか、彼が勇者か。
ヴィネットは納得する。
「いいわよ」
今が平和なのはサターニャのおかげ。
サターニャが魔族を抑えてくれていなければ、今頃戦争になっていても不思議ではない。
彼女だけは助けてもらおう。
その時がきたら私が斬られればいいのだから。
魔王は自身の最期を迎えるとき、後継者に魔力を託せる。
それこそが魔王たる圧倒的存在の力の秘密。
ならば誰にも託さずに死ねばどうなるか?
それは魔界への裏切りではあるものの、本当の意味での魔王の死ではないだろうか。
終わりにしよう。
この少年が私を倒すその日まで、私が彼を育てよう。
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:47:02 ID:n506ERUg
「魔王をやっつけちゃいましょう」
ヴィネットは満面の笑顔で答えた。
それを見て頬を赤く染めた少年は、自らをガヴリールと名乗った。
「私はヴィ……ヴィーネよ。よろしくね、ガヴ」
咄嗟に愛称を口にする。
なぜそうしたのかはわからない。
「よろしく、ヴィーネ」
それが二人の運命の出会い。
ヴィネットは満面の笑顔で答えた。
それを見て頬を赤く染めた少年は、自らをガヴリールと名乗った。
「私はヴィ……ヴィーネよ。よろしくね、ガヴ」
咄嗟に愛称を口にする。
なぜそうしたのかはわからない。
「よろしく、ヴィーネ」
それが二人の運命の出会い。
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:50:40 ID:n506ERUg
そして少しだけ時は流れた。
二人の出会いから2ヶ月ほど経ったある日。
勇者一行は未だ帝都に滞在していた。
「起きなさいガヴ!いつまで寝てんの」
「もう少し寝させて……」
あれから色々なことがあった。
私――ヴィネットとガヴは、冒険を続けている。
人助けをしつつ、魔王を倒すために鍛錬は欠かさない。
「ほーら、気持ちのいい朝よ」
「……ヴィーネがキスしてくれたら起きる」
「馬鹿言ってないで起きなさい」
二人の出会いから2ヶ月ほど経ったある日。
勇者一行は未だ帝都に滞在していた。
「起きなさいガヴ!いつまで寝てんの」
「もう少し寝させて……」
あれから色々なことがあった。
私――ヴィネットとガヴは、冒険を続けている。
人助けをしつつ、魔王を倒すために鍛錬は欠かさない。
「ほーら、気持ちのいい朝よ」
「……ヴィーネがキスしてくれたら起きる」
「馬鹿言ってないで起きなさい」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:51:56 ID:n506ERUg
あれからすぐに、ガヴは私に懐いた。
毎日私にべったりだった。
無条件で信頼され慕われ、ガヴの姉になったような心境だが、悪くないと思っている自分がいる。
ガヴは普段は男装しているけれど、本当は可愛い女の子。
だから同じベッドで寝るなんてしょっちゅうだし、勇者として頼りないガヴは、私が見ていないと不安になる。
すっかりお世話役に落ち着いた私と、私に頼りっきりのガヴ。
魔界にいた頃には考えられないほど、私の心は安らいでいた。
冒険がずっと続けばいい。
いつか決定的な決別の日を迎えるその時まで。
ガヴに斬られるのならそれでいい。
今が幸せだ。
毎日私にべったりだった。
無条件で信頼され慕われ、ガヴの姉になったような心境だが、悪くないと思っている自分がいる。
ガヴは普段は男装しているけれど、本当は可愛い女の子。
だから同じベッドで寝るなんてしょっちゅうだし、勇者として頼りないガヴは、私が見ていないと不安になる。
すっかりお世話役に落ち着いた私と、私に頼りっきりのガヴ。
魔界にいた頃には考えられないほど、私の心は安らいでいた。
冒険がずっと続けばいい。
いつか決定的な決別の日を迎えるその時まで。
ガヴに斬られるのならそれでいい。
今が幸せだ。
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:53:45 ID:n506ERUg
「ねぇガヴ?」
「なに?」
「最近私を頼りすぎじゃない?……もしも私が魔王だったらどうするのよ?」
「ヴィーネが魔王とかあるわけないじゃん」
「もし私が敵になったらちゃんと斬れる?私ガヴが心配なのよ」
ガヴは笑った。
「何があってもヴィーネは斬れないよ」
この子は優しすぎる。
「駄目よ。私が敵でもちゃんと斬らなきゃ」
「そんな心配してくれるヴィーネがさ、私の敵になるわけないから。だから心配するだけ無駄じゃん」
倒すべき相手を信頼する。それはとても危険なことよ?
「私が魔王ならガヴは死ぬわね……」
「ヴィーネが魔王なら私を殺せないでしょ」
「たしかにそうね」
言い返せない。
「なに?」
「最近私を頼りすぎじゃない?……もしも私が魔王だったらどうするのよ?」
「ヴィーネが魔王とかあるわけないじゃん」
「もし私が敵になったらちゃんと斬れる?私ガヴが心配なのよ」
ガヴは笑った。
「何があってもヴィーネは斬れないよ」
この子は優しすぎる。
「駄目よ。私が敵でもちゃんと斬らなきゃ」
「そんな心配してくれるヴィーネがさ、私の敵になるわけないから。だから心配するだけ無駄じゃん」
倒すべき相手を信頼する。それはとても危険なことよ?
「私が魔王ならガヴは死ぬわね……」
「ヴィーネが魔王なら私を殺せないでしょ」
「たしかにそうね」
言い返せない。
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:54:34 ID:n506ERUg
ガヴが抱きついてきた。
「ヴィーネがいなくなるくらいなら、私は魔王退治を諦めるよ」
それはきっと本心から出た言葉なのだと、私は否応なしに理解してしまった。
私がいてはいけない。
彼女をダメにしているのは私だった。
わかっていたのに。
勇者と魔王は決して相容れない。
私を殺しなさい、ガヴ。
今日、私たちの冒険を終わらせよう。
「ヴィーネがいなくなるくらいなら、私は魔王退治を諦めるよ」
それはきっと本心から出た言葉なのだと、私は否応なしに理解してしまった。
私がいてはいけない。
彼女をダメにしているのは私だった。
わかっていたのに。
勇者と魔王は決して相容れない。
私を殺しなさい、ガヴ。
今日、私たちの冒険を終わらせよう。
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:55:23 ID:n506ERUg
私はガヴの目を盗み、魔力で自分の遺体を作った。
よくできている。
ヴィーネは魔王に殺されたことにしよう。
『貴様の相棒は始末してやった。魔王』
岩に刻んだ文字。
私はお忍びの旅を終え、人間界を去った。
ガヴの障害になりそうな魔族は全部私が始末した。
ガヴは簡単に魔王城までたどり着くだろう。
サターニャには身分を隠して人間界に潜伏するよう命じた。
全てを知る頃には私はこの世にいない。
よくできている。
ヴィーネは魔王に殺されたことにしよう。
『貴様の相棒は始末してやった。魔王』
岩に刻んだ文字。
私はお忍びの旅を終え、人間界を去った。
ガヴの障害になりそうな魔族は全部私が始末した。
ガヴは簡単に魔王城までたどり着くだろう。
サターニャには身分を隠して人間界に潜伏するよう命じた。
全てを知る頃には私はこの世にいない。
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:59:24 ID:n506ERUg
魔王の甲冑を装着するのは初めて。
私だって女の子だもん。
可愛くないな。
こんな死に装束。
文句は言えないか。
こうしなければ顔を隠せないもの。
ガヴは魔王を討つ。
その正体が私とは気付かずに、私は先に消滅するのだ。
ガヴ、貴女が斬るのは親友の私じゃない。
憎き友の仇である魔王を討つの。
私だって女の子だもん。
可愛くないな。
こんな死に装束。
文句は言えないか。
こうしなければ顔を隠せないもの。
ガヴは魔王を討つ。
その正体が私とは気付かずに、私は先に消滅するのだ。
ガヴ、貴女が斬るのは親友の私じゃない。
憎き友の仇である魔王を討つの。
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:59:55 ID:n506ERUg
勇者は女神の加護を得る。
けれど力にはいつだって代償がつきまとう。
勇者は力を得た瞬間から、魔王を討てなければ自身の身体が崩れ、消滅する呪いが掛かっている。
それは女神と魔王だけが知っている残酷な真実。
ガヴ、貴女は生きなきゃだめ。
生きて。
けれど力にはいつだって代償がつきまとう。
勇者は力を得た瞬間から、魔王を討てなければ自身の身体が崩れ、消滅する呪いが掛かっている。
それは女神と魔王だけが知っている残酷な真実。
ガヴ、貴女は生きなきゃだめ。
生きて。
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:00:37 ID:k7Qd9ZQE
時が過ぎていく。
毎日友のことを想った。
短くて、あっという間なのに。
楽しかった。
ガヴとの思い出の日々。
「魔王!!!」
扉が吹き飛んだ。
「貴様だけは赦さん!貴様だけは!!!」
嬉しい。
私のために怒ってくれているんだ。
ごめんね、ガヴ。
ごめん。
毎日友のことを想った。
短くて、あっという間なのに。
楽しかった。
ガヴとの思い出の日々。
「魔王!!!」
扉が吹き飛んだ。
「貴様だけは赦さん!貴様だけは!!!」
嬉しい。
私のために怒ってくれているんだ。
ごめんね、ガヴ。
ごめん。
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:03:11 ID:k7Qd9ZQE
「ああ、あの小娘か。最期まで「ガヴだけは助けて」とみっともなく懇願してたっけなァ」
「貴様がヴィーネを語るな!!!」
剣がぶつかり合う。
「あの小娘、お前のためならと喜んで私の靴を舐めたよ。身体まで捧げたバカな女だ」
「黙れぇぇぇ!」
ガヴの渾身の一撃が……私を貫いた。
「バカ……な……」
これでいい。
刃は深く、私の胸にまで届いた。
もう助からない。
魔王として最後に、束の間でも幸せな時間をくれて……ありがとう。
「貴様がヴィーネを語るな!!!」
剣がぶつかり合う。
「あの小娘、お前のためならと喜んで私の靴を舐めたよ。身体まで捧げたバカな女だ」
「黙れぇぇぇ!」
ガヴの渾身の一撃が……私を貫いた。
「バカ……な……」
これでいい。
刃は深く、私の胸にまで届いた。
もう助からない。
魔王として最後に、束の間でも幸せな時間をくれて……ありがとう。
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:03:45 ID:k7Qd9ZQE
その場に膝をつき、壁に寄り掛かる。
口から血反吐を漏らしながら、私は最期まで悪を貫くために奮起する。
誤算だった。
ガヴが仇の、魔王の顔を見ようと甲冑に手をかけた。
間に合わない。
口から血反吐を漏らしながら、私は最期まで悪を貫くために奮起する。
誤算だった。
ガヴが仇の、魔王の顔を見ようと甲冑に手をかけた。
間に合わない。
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:07:33 ID:k7Qd9ZQE
「う……そ……ヴィー……ネ……なん……で……」
ああ……ごめんなさい……ごめんなさい……ガヴ。
「だっ……て……ガヴ……優し……から……魔王……私……斬れな……じゃ……」
「喋らなくていい!喋らなくていいから!回復しなきゃ!血止まってよ!」
無駄よ。
この傷じゃもう助からない。
「あり……がと……ガ……ヴ……」
「嫌だ!ヴィーネ待って!ヴィーネ!ヴィーネ!!」
ああ……ごめんなさい……ごめんなさい……ガヴ。
「だっ……て……ガヴ……優し……から……魔王……私……斬れな……じゃ……」
「喋らなくていい!喋らなくていいから!回復しなきゃ!血止まってよ!」
無駄よ。
この傷じゃもう助からない。
「あり……がと……ガ……ヴ……」
「嫌だ!ヴィーネ待って!ヴィーネ!ヴィーネ!!」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:08:09 ID:k7Qd9ZQE
魔王は死んだ。
後継者も現れず、魔王の力の消滅が確認された。
世界を救ったガヴリールは英雄となった。
英雄となって初めて、ガヴリールは自身に掛けられていた呪いを知った。
なぜヴィーネが私の前から去ったのか。
なぜヴィーネは私に討たれようとしたのか。
「……私を護るためだったんだな」
後継者も現れず、魔王の力の消滅が確認された。
世界を救ったガヴリールは英雄となった。
英雄となって初めて、ガヴリールは自身に掛けられていた呪いを知った。
なぜヴィーネが私の前から去ったのか。
なぜヴィーネは私に討たれようとしたのか。
「……私を護るためだったんだな」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:09:28 ID:k7Qd9ZQE
全てが灰と化し、唯一遺された形見は――私が気まぐれに贈ったペンダント。
手紙すらなかった。
私に正体を知られぬまま、私に友を斬ったと思わせないよう、何も遺さず逝くつもりだったのだろう。
それでもこのペンダントだけは外せなかった。
「私が贈ったから……なんて解釈は都合がよすぎかな?」
きっと間違っていない。
ヴィーネは自分の死期を悟ってからも、最期まで私のために……私を生かすことだけを考えてくれていた。
「私こそありがとう、ヴィーネ」
澄みきった青空に別れを告げる。
私の大好きな――天使のような魔王に向けて。
手紙すらなかった。
私に正体を知られぬまま、私に友を斬ったと思わせないよう、何も遺さず逝くつもりだったのだろう。
それでもこのペンダントだけは外せなかった。
「私が贈ったから……なんて解釈は都合がよすぎかな?」
きっと間違っていない。
ヴィーネは自分の死期を悟ってからも、最期まで私のために……私を生かすことだけを考えてくれていた。
「私こそありがとう、ヴィーネ」
澄みきった青空に別れを告げる。
私の大好きな――天使のような魔王に向けて。
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/25(木) 00:12:05 ID:k7Qd9ZQE
「っと……こんな感じでいいのかな?」
SSを書き終えた私は、静かにPCの電源を落とした。
ヴィーネ「ガヴと私の切ないラブストーリー。ガヴへの愛に殉じるって素敵じゃない?」
ニヤニヤが止まらない。
ヴィーネ「私を喪ったことで一生心に私を刻まれたガヴ……ロマンよねぇ」
ヴィーネ「腰まで伸びた漆黒の黒髪は盛りすぎだったわ。反省ね」
ヴィーネ「あぁガヴぅ……ガヴとちゅっちゅしたいよぉ」
私はガヴの部屋に向かって歩き出す。
今日のご飯は何にしようかしら。
ガヴ、喜んでくれるかな?
大好きだよ、ガヴ。
Happy End
SSを書き終えた私は、静かにPCの電源を落とした。
ヴィーネ「ガヴと私の切ないラブストーリー。ガヴへの愛に殉じるって素敵じゃない?」
ニヤニヤが止まらない。
ヴィーネ「私を喪ったことで一生心に私を刻まれたガヴ……ロマンよねぇ」
ヴィーネ「腰まで伸びた漆黒の黒髪は盛りすぎだったわ。反省ね」
ヴィーネ「あぁガヴぅ……ガヴとちゅっちゅしたいよぉ」
私はガヴの部屋に向かって歩き出す。
今日のご飯は何にしようかしら。
ガヴ、喜んでくれるかな?
大好きだよ、ガヴ。
Happy End
掲載元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1495636474/l50
Entry ⇒ 2018.04.23 | Category ⇒ ガヴリールドロップアウト | Comments (0)
【バンドリ】氷川紗夜「花咲川でバンドを組む」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:23:04.95 ID:46VT0rF00
――CiRCLE カフェテリア――
氷川紗夜「はぁ……」
湊友希那「あら、紗夜?」
紗夜「湊さん……こんにちは」
友希那「ええ、こんにちは。どうしたの? まだスタジオ練習まで1時間くらいあるわよ?」
紗夜「そういう湊さんこそ、随分と早くないでしょうか」
友希那「私は少しやることがあったのよ」
紗夜「……そうですか」
友希那「何か悩みごとかしら?」
紗夜「そう見えますか?」
友希那「ええ。こんな天気のいい日にため息を吐いていたら誰だってそう思うわ」
紗夜「…………」
友希那「対面の席、座るわね」
紗夜「やることがあるのではないんですか?」
友希那「別に、いつでも片付けられる用事よ。それよりも今は紗夜のことが気になるもの」
友希那「話を聞くくらいなら、私だっていつでも出来るわよ」
紗夜「そう、ですね……1人で悩んでいても仕方のないことですし、少し話に付き合ってください」
友希那「ええ」
紗夜「……湊さん、今の私のギターはどう聞こえますか?」
友希那「紗夜のギター?」
紗夜「はい」
友希那「そうね……いつも通り正確で頼もしい音、ね」
紗夜「……やはりそうですか」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:23:49.66 ID:46VT0rF00
友希那「……それが紗夜の悩み?」
紗夜「はい。自分の音に誇りを持つと誓ってから、色々と考えてギターを弾いてはいるのですが……最近はどう弾いても何も変わり映えがしない、という印象が拭えないんです」
紗夜「もちろんあの秋の頃のように悩みすぎて自分を見失うということはありませんが、今よりも上を目指すためには何かが足りないような気がしてしまって……」
紗夜「引っ込み思案な白金さんも、自分自身を変えようと色々な部活に体験入部していました。そして、それをきっかけに自分からピアノのコンクールに出場すると決意をしています」
紗夜「……それに比べて私は新しいことにも挑戦せず、ただ足踏みをしているだけなのではないか、と。だからいつまでも何も変わらないのではないか……そんな風に考えてしまうんです」
友希那「なるほどね……」
紗夜「悩みだしたらキリがないことは分かってはいるんです。ただ私はこういう性分ですから、一度考えてしまうとそれが気になってしまって……」
紗夜「今日も早くここへ来たのは、そういった考えを整理しようと思ってのことなんですが……考えれば考えるほど深みに嵌まってしまっている状況、といったところなんです」
友希那「……分かったわ。それじゃあ、こうしてみるのはどうかしら」
紗夜「え?」
友希那「一度、ロゼリア以外の人とバンドを組んで演奏をしてみましょう」
紗夜「他のバンドと、ですか?」
友希那「ええ。あなたは実感がないのかもしれないけど、私は紗夜のギターは少しずつ良い方へ変わってきていると思うわ」
友希那「それでも紗夜自身が何も変わり映えしないように感じるのなら、いっそ周りの環境を変えてみればいいのよ」
友希那「ロゼリアにはロゼリアの音楽がある。当然、他のバンドにも他のバンドの音楽がある」
友希那「その中に少し身を置いて演奏をしてみれば、きっとその紗夜の悩みも良い方向に改善できると思うわ」
紗夜「……そうでしょうか」
友希那「私はそう思うわ。幸い直近で大きなライブも控えていない。今はロゼリアだけに集中をしていなくても大丈夫なんだし、これも良い機会じゃないかしら」
友希那「あなたの学校にもガルパに参加したバンドのメンバーが沢山いるでしょう? 彼女たちはみんないい子だし、快く協力をしてくれると思うわよ」
紗夜「…………」
紗夜「そうですね。いつまでも考えてばかりいるだけでは何も変わりませんし……それがいいかもしれませんね」
友希那「ええ。いつもとは違う環境でギターを弾くのはきっといい刺激にもなるわ」
紗夜「ありがとうございます、湊さん。早速明日から知った顔に声をかけてみます」
友希那「これくらい仲間のためなら当然の行動よ。紗夜のギターにどんな変化が起こるのか楽しみにしてるわね」
紗夜「はい、期待を裏切らないように精進します」
――――――――――
―――――――
――――
……
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:25:02.10 ID:46VT0rF00
――翌朝 花咲川女子学園――
紗夜(湊さんからアドバイスは貰ったものの……誰に声をかけようかしら)
紗夜(風紀委員の仕事として、校門で登校してくる生徒たちの服装チェックを行いながら、脳裏に知り合いの顔を思い浮かべてみる)
紗夜(暦は4月。春休みも終わり、私は3年生になっていた)
紗夜(入ってきたばかりの新入生には顔見知りはいない)
紗夜(1つ年下の2年生にはポッピンパーティーの5人。それとハローハッピーワールドの弦巻さん、奥沢さん、北沢さん、パステルパレットの若宮さん)
紗夜(私と同い年では、松原さん、丸山さん、白鷺さん……白金さんは今回の趣旨からは外れるわね)
紗夜(この中のギター以外の人間に話を持ちかけるのだけれど……普段、あまり接点のない人ばかりだ)
紗夜(どうしたものかしら……)
北沢はぐみ「おはよーございまーす!」
松原花音「おはようございます」
紗夜「はい。おはようございます、北沢さん、松原さん。……北沢さん、元気な挨拶は結構ですが、制服はどうしたんですか?」
はぐみ「バッグの中に入ってるよ~!」
紗夜「……質問が悪かったわね。どうしてあなたはジャージで登校しているのかしら?」
はぐみ「1時間目が体育だし、どうせ着替えるなら家から着ていった方が早いかな~って思ったんだ!」
紗夜「気持ちは分かりますが、登下校の際は制服を着用するようにと校則で決まっています。……これは何度か言いましたよね」
はぐみ「うっ……確かに言われたよーな気が……」
紗夜「はぁ……」
紗夜(悪気のなさそうな反応にため息を吐きながら思う。どうにも彼女が少し苦手だ)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:25:34.08 ID:46VT0rF00
紗夜(……いや、苦手というのは語弊があるわね)
紗夜(北沢さんの、良くも悪くも純真で人懐っこいあどけなさが……幼いころの日菜と少し重なって見えてしまう)
紗夜(そうなるとどうにも強く注意が出来なくなってしまうのだ)
紗夜(日菜に対して未だに何かの負い目を感じている、という訳ではないと思う。ただ思い出はいつでも美しく見えるものだ)
紗夜(北沢さんの笑顔を見ると、小さなころの妹の屈託のない笑顔が脳裏をかすめる。すると私のものさしは幾分か甘い方向に狂ってしまうようだった)
紗夜(本来ならば再三の指摘に応じないとなると生徒指導室に呼び出すことになるのだが、私は何度か同じことをしている彼女を見逃してしまっている)
紗夜(与えられた職務に対して責任を全うしていないことに後ろめたさを感じるが、それでも私は『次から気を付けるように』という言葉を出してしまうのだ)
紗夜(しかしいい加減にこんな贔屓じみたことをするのはやめなくてはいけないだろう)
はぐみ「ごめんなさい、紗夜先輩……」
紗夜「…………」
紗夜(しゅんと落ち込んだような表情を見て、「次から気を付けるように」と喉元まで出かかった言葉をどうにか飲み込む)
紗夜「生徒指ど……いえ……」
紗夜(しかし用意しておいた「生徒指導室へ来るように」という言葉も、『そこまでするのは可哀想か』という身勝手な情状酌量によって止まってしまった)
紗夜(中途半端なところで区切ってしまった言葉の続きをどうするべきか悩む)
紗夜「……お昼休みに話があります。昼食を食べ終わったら、中庭まで来てくれませんか? 出来れば松原さんも一緒に」
はぐみ「はーい……」
花音「えっ、わ、私も……!?」
紗夜(そして最終的に出された言葉は、贔屓どころかただの私用にすぎないものだった)
……………………
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:26:30.94 ID:46VT0rF00
――昼休み 中庭――
紗夜「……いい天気ね」
紗夜(私は中庭にあるベンチに座り、誰に聞かせるでもなく独り呟く)
紗夜(自分の勝手な都合で北沢さんと松原さんを呼び出しておいて遅刻する訳にはいかなかった。だから私はお昼休みになってすぐに中庭までやってきた)
紗夜(ここで昼食を済ませてしまえば彼女たちを待たせるようなこともないだろう。その目論見通り、中庭にはまだ2人の姿は見えなかった)
紗夜(大きな桜の木と、その周りで友人同士とお弁当を広げる生徒たちを眺めつつ、私も自分の膝の上に自作のお弁当を広げる)
紗夜(羽沢珈琲店でのお菓子教室以降、たまに自分でも簡単な料理を作ってみたりしている。腕の方はまだまだ未熟であるが、自身で食べる分には問題ないくらいのものは作れるようになった)
紗夜「いただきます」
紗夜(小さく声に出してお弁当を食べ始める)
紗夜(時おり吹き抜ける風が桜の花びらを舞わせる。今年も気付けば春になっていて、いつの間にか桜も半分ほどは舞い落ちてしまっていた。もう今年の桜は散る一方だろう)
紗夜(ただ、私は今くらいの桜がそれなりに好きだった。ありふれたノスタルジーに浸れる寂しげな雰囲気が妙に心地いい)
紗夜(花は桜木、人は武士……とはよく言ったものだ)
花音「あ、さ、紗夜ちゃーんっ」
紗夜(お弁当を食べ終わってぼんやり桜を眺めていると、右手側から松原さんの声が聞こえた。そちらへ顔を向けると、彼女がこちらへ走ってくる姿が見える)
花音「ご、ごめんなさい、遅くなっちゃって……」
紗夜「いいえ、いいんですよ。私が早く来すぎただけですから」
花音「う、うん……」
紗夜(私の返事に頷くものの、何故か松原さんは直立不動になっていた)
紗夜「……どうしてそんなに畏まっているんですか?」
花音「え、えっと……私、なにか気付かないうちに校則違反でもしてたのかなって……」
紗夜「ああ……なるほど……」
紗夜(どうやら松原さんは、私から呼び出されたのは何かをしでかしてしまったからだと思っているようだった)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:27:32.33 ID:46VT0rF00
紗夜「すみません、松原さん。言葉足らずでした」
花音「え?」
紗夜「あなたと北沢さんをこちらに呼んだのは風紀委員としてではありません。その、非常に申し訳ないのですが、個人的なお願いがあってのことだったんです」
花音「そ、そうだったんだ……よかったぁ……」
紗夜(松原さんはそう言って大きく息を吐き出した。その反応を見るに、私の配慮が足りなかったせいでいらぬ気苦労を負わせてしまっていたようだ)
紗夜「本当にごめんなさい。本来ならお願いする立場の私があなたたちの元へ出向くのが道理だったんですが……あの場でもっと説明するべきでした」
花音「あ、ううん、全然大丈夫だよっ」
花音「それで、私とはぐみちゃんにどんな用事があったの?」
紗夜「それはですね――」
はぐみ「こんにちは~っ! 紗夜先輩、かのちゃん先輩!」
紗夜(言いかけた言葉が大きな声に遮られる。声のした方へ視線を動かすと、元気いっぱいな笑顔で駆け寄ってくる北沢さんの姿が見えた)
花音「こんにちは、はぐみちゃん」
紗夜「こんにちは」
はぐみ「お待たせしちゃってごめんね。ちょっと迷子になってる新入生の子がいたから、職員室まで案内してあげてたんだ」
紗夜「いえ、いいんですよ。私の都合でここに来てもらったんですから。それよりも、下級生に親切にするのは素晴らしいことだと思いますよ」
はぐみ「えへへ、困ってる人がいたら助けろってとーちゃんにもよく言われてるからね! 当然の行いだよ!」
はぐみ「それに道案内ならかのちゃん先輩で慣れてるしね!」
花音「うぅ……いつもごめんね、はぐみちゃん」
はぐみ「んーん、全然ダイジョーブだよ! それで、紗夜先輩の用事って? あっ、もしかして……ジャージで登校してたから、罰として中庭の草むしりをやれとか!?」
紗夜「いいえ、違いますよ。ジャージの件は今後気を付けてくれれば結構です」
紗夜「今日ここに来てもらったのは、私の個人的なお願いがあるんです」
はぐみ「個人的なお願い?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:28:04.64 ID:46VT0rF00
紗夜「ええ。2人とも、もし今後予定が空いているようなら……しばらく私とバンドを組んでくれませんか?」
花音「バンドって……」
はぐみ「はぐみたちがいつもやってる、あのバンド?」
紗夜「はい、そのバンドです。あ、もちろんあなたたちのバンドを抜けて、とかそういった話じゃありませんよ。私もロゼリアを脱退する訳ではありませんから」
花音「そ、そうだよね、よかった……。でも、どうして?」
紗夜「……恥ずかしい話なのですが、最近、自分のギターに何かが足りないと悩むことが多くなっていまして……」
紗夜「それを湊さんに相談したら、ロゼリア以外の人たちと1度演奏をしてみればいいとアドバイスを貰ったんです」
紗夜「ですから、これは完全に私の身勝手なお願いです。都合が悪いようなら断ってもらって平気な――」
はぐみ「はぐみはいーよ!」
紗夜(言い切る前に、北沢さんから元気な声が発せられる。それに少し呆気に取られてしまった)
紗夜「……お願いしている立場で言うのもなんですが……そんなにあっさり了承してしまっていいんですか?」
はぐみ「え? どうして?」
紗夜「どうしてって……北沢さんにも松原さんにも個人的な事情や、ハローハッピーワールドの活動があるでしょう?」
はぐみ「それならヘーキだよ! はぐみ、ソフトボールも今はそんなに忙しくないし!」
紗夜「だとしても、バンドの方は……」
はぐみ「はぐみたちは世界を笑顔にするバンドだもん! 紗夜先輩が困って笑顔じゃないなら、紗夜先輩を助けて笑顔にするのもハロハピの活動だよ!」
紗夜「北沢さん……」
花音「そうだね、はぐみちゃん。私も大丈夫だよ、紗夜ちゃん」
紗夜「松原さんも……」
紗夜「……すみませ――いや、ありがとうございます、2人とも」
紗夜(2人の厚意に感謝の気持ちと少しの申し訳なさが胸中に沸き起こる。本当に、この1年で私は素晴らしい人間関係に恵まれたのだと思う)
紗夜「短い間ですが、よろしくお願いします」
はぐみ「うん! よろしくね!」
花音「よろしくお願いします」
……………………
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:28:37.97 ID:46VT0rF00
紗夜(お昼休みに北沢さんと松原さんにバンドの件を快諾してもらい、それから残りのメンバーをどうするかという話になった)
紗夜(残りはボーカルとキーボード。ちょうどハローハッピーワールドのメンバーがギターの瀬田さん以外全員花咲川に通っているので、そこに私が入るのはどうか、という案もあった)
紗夜(しかし、「せっかくならいつもとほとんど違うメンバーで演奏をしてみたい」という北沢さんの要望があり、私もそれに頷いた)
紗夜(それから「かーくんとかに一緒にやらないか聞いてみるね!」という北沢さんの厚意に申し訳ないが甘える形になった)
紗夜(誘ったメンバーとは、放課後に、昼休みの時と同じく中庭で顔合わせをすることになっていた)
紗夜(そしてそれが今である)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:29:34.86 ID:46VT0rF00
戸山香澄「紗夜先輩っ、よろしくお願いしますね!」
若宮イヴ「よろしくお願いしますっ!」
紗夜「戸山さん、若宮さん、私のわがままに付き合ってくれてありがとうございます」
香澄「いえいえ! ガルパの時もみんなで演奏してすっごく楽しかったですし、むしろはぐに誘ってもらえて嬉しいですよ~!」
イヴ「義を見てせざるは勇なきなり、です! 困っている人を助けるのはブシドーの心得ですから、どうぞお気になさらないでください!」
紗夜「そう言ってもらえると助かります。2人とも、よろしくお願いしますね」
紗夜「北沢さんもありがとうございます。私だけではこんなにスムーズにメンバーを集められませんでした」
はぐみ「どういたしまして! えへへ、きっとこの5人なら楽しいね!」
花音「そうだね、はぐみちゃん」
紗夜「…………」
紗夜(メンバーを集めてもらったことはとてもありがたいことだ)
紗夜(それにこんなわがままにも笑顔を付き合ってくれる良い人ばかりなのも感謝してもし足りないくらいだ)
紗夜(それはもちろん分かっている。ただ……)
香澄「こうやってポピパ以外の人と演奏するの久しぶりだなぁ。えへへ~、なんだかすっごくドキドキする!」
イヴ「私もです! こうしてまた一歩、ブシドーを極められますね!」
はぐみ「どんな曲やろっか? はぐみはしゃらら~ってしてシューン! ってする感じの曲とかがいいな!」
紗夜(……先行きに若干の不安じみたものを感じるのはどうしてだろうか……)
香澄「んー、しゃらら~ってしてシューン! とする感じの曲か~、どんなのがあるかなぁ~。紗夜先輩はどういう曲がやりたいっていうの、ありますか?」
紗夜「私は……そうですね……」
香澄「あっ、ちなみに私はありますっ! やってみたいな~って思ってた曲があるんですよねっ! でもそれはポピパでっていうのとはちょっと違うかなって思ってたんで、それがやってみたいです!」
紗夜「そ、そうですか。であれば、私はそれでも――」
はぐみ「あー、かーくんずるい! はぐみもやってみたいなって曲あるよ~!」
イヴ「私はみなさんにおまかせです!」
花音「わ、私も、おまかせで……」
紗夜「……では、戸山さんか北沢さんのどちらかの希望の曲にしましょうか」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:30:11.24 ID:46VT0rF00
香澄「ぃよーし、それじゃあはぐ! 正々堂々、じゃんけんで決めよう!」
はぐみ「負けないよー、かーくん!」
紗夜(そう言って、2人は真面目な顔をして向き合う。ロゼリアであればじゃんけんで演奏をする曲を決めるなど見られない光景だ)
紗夜(仮定の話だけど、実際にそんなことで曲を決めるとしたらどんな時だろうか。……精々、ライブの最後のアンコールで演奏する曲を決める時とか、そのくらいだろう)
香澄「やったーっ、勝ったぁ~!」
はぐみ「うぅ~……負けちゃった……」
紗夜(そんなどうでもいいことを考えていると勝負がついたようだ)
香澄「えへへ、それじゃあ曲は私のやりたいやつでお願いします!」
紗夜「はい、分かりました。……北沢さん、残念でしたね」
はぐみ「うーん、残念だけど負けちゃったものはしょうがないもんね。よーし、それじゃあかーくんの曲で頑張るぞ~!」
紗夜(しょぼんと落ち込んだ様子から一転して、北沢さんはすぐに笑顔になって右こぶしを空へ突き上げる)
紗夜(その変わり身の早さ……というか、後腐れのしないさっぱりとした明るさに思わず笑みが零れた)
香澄「うん、一緒に頑張ろーっ!」
イヴ「カチドキですね! えい、えい、おーっ!」
花音「が、頑張ろうね、紗夜ちゃん」
紗夜「……ええ、そうですね」
紗夜(松原さんの言葉に頷く。改めて顔ぶれを見ると、所属もバラバラのちぐはぐなバンドだ。どんな音楽が生まれるのか想像も出来ない)
紗夜(でも、心の中に明るい感情が生じているような気がしていた)
――――――――――
―――――――
――――
……
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:31:15.01 ID:46VT0rF00
――氷川家 紗夜の部屋――
紗夜(臨時のバンドを組むことになってから1週間が過ぎた)
紗夜(私に付き合ってくれるみなさんには自身の予定を最優先してもらって、その合間に演奏する曲を練習して欲しいと言ってある)
紗夜(当然私もロゼリアでの練習が最優先であり、戸山さんの希望する曲を練習するのは主に1日の終わり、床につく前のこの時間だった)
紗夜(フレットに手を滑らせ、弦を押さえる。そしてピックでそれをはじく)
紗夜(普段ロゼリアでは演奏をしないような調子の曲だった)
紗夜(エレキギターに繋いだヘッドフォンアンプからは私の音が聞こえる。いつも通りの音だ)
紗夜(でも、その音がいつもと少し違って聞こえるような気がしないでもなかった)
紗夜(それは普段演奏しない曲調のものだからか、それとも春の夜の温い空気が私を感傷的にさせているからか)
紗夜(新鮮さと懐かしさ、そんな矛盾している感情の波音が胸中で穏やかにさざめき合う。言葉にすると理解が追い付かないが、そんな気分だった)
紗夜「……? メッセージが来てるわね」
紗夜(視界の隅でスマートフォンのランプが点滅しているのに気付く。ヘッドフォンを外してディスプレイを覗き込むと、戸山さんからのメッセージだった)
香澄『夜遅くにすいません! 紗夜先輩、ちょっとこの曲のフレーズで気になる場所があって、どういう感じで弾けばいいかアドバイスをくれませんか??』
紗夜「…………」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:31:52.21 ID:46VT0rF00
紗夜(きっとこれは何でもないメッセージだろう。分からないところがあるから教えてほしい、というありきたりなやり取りだ)
紗夜(それがやけに新鮮に感じられる)
紗夜(ロゼリアではギターは私1人だ。だから全体的な音楽の方向性でメンバーにアドバイスをすることはあっても、ギターだけに限ったアドバイスをすることはなかった)
紗夜「……あの頃はどんな気持ちだったかしら」
紗夜(ポッピンパーティーに誘われて、ガールズバンドパーティーに参加したことを思い出す)
紗夜(その時も戸山さんにギターの指導を行ったが、あの時の私は『技術が全てだ』と言っていた記憶があった)
紗夜(それは確かに間違いじゃなく、今までも1番確かな、誰の耳にでも分かる『演奏技術』に重きを置いてギターを奏でてきた)
紗夜(……であれば、これは遠回りじゃないか)
紗夜(迷っても、変わり映えしないと感じても、ひたむきに練習を重ねること。それが氷川紗夜のギターだった)
紗夜(人にアドバイスをしている暇などなくて、足を引っ張るメンバーは切り捨てて、ただ高みを目指す。それが私の理想)
紗夜(……の、はずだった)
紗夜『こんばんは。ええ、大丈夫ですよ。どのフレーズかしら?』
紗夜(戸山さんに返信をしてから、自嘲に似たため息が口から漏れる)
紗夜(こんな音楽も悪くはないんじゃないか……と)
紗夜(そう思う私を昔の私が見たらどんな反応をするのだろうか。きっと『そんな甘えた考えで音楽をやるだなんて、ふざけないで』と言うだろう)
紗夜(その自分の姿が易々と想像できて、それが少しおかしかった)
――――――――――
―――――――
――――
……
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:32:54.04 ID:46VT0rF00
――CiRCLE スタジオ内――
紗夜(戸山さんにアドバイスを送った夜が明けた今日、臨時バンドの初の音合わせとなっていた)
紗夜(放課後に校門で待ち合わせて、5人揃ってCiRCLEを目指して歩いた)
紗夜(当然と言えば当然のことだった。しかし私はそれに対して、またもどこか新鮮さを感じていた)
紗夜(……ただ、あまりにも元気すぎる年下3人組に少し呆れはしたけれど)
香澄「ふんふんふーん♪ いつも有咲の蔵で練習してるから、こうやってスタジオに入るのってなんか新鮮だなーっ」
紗夜「戸山さんたちはあまりスタジオには来ないんですか?」
香澄「はい! 有咲の家に蔵があって、いつもそこでポピパは練習してるんですよっ」
紗夜「へぇ……」
はぐみ「はぐみたちもスタジオにあんまり来ないかなぁ~。こころんのお家で練習することが多いと思う」
花音「そうだね。私のドラムセットもこころちゃんのお家に置かせてもらってるし」
紗夜「……確かに弦巻さんのお宅であれば大抵のものは揃いそうね」
イヴ「パスパレもあまり、ですね。事務所にそういった設備がありますから」
紗夜「みなさん、恵まれた環境にいるんですね」
紗夜(改めて思い起こしてみると、確かにスタジオでよく顔を合わせるのはアフターグロウのメンバーだった。毎度毎度スタジオを借りる必要がないのであれば、金銭的にもずいぶんと助かるだろう)
紗夜(そういえば昔に日菜が言っていたわね。音楽関係の出費はパステルパレットの経費で落とせると)
紗夜(……あの時も私は日菜に対してキツく当たってしまっていたな、などという思い出も一緒に蘇り、少しだけ胸の内に苦いものが広がる)
はぐみ「あれ? 紗夜先輩、ちょっと辛そうな顔してない? どこか調子とか悪い?」
紗夜「いいえ、なんでもありませんよ」
紗夜(自分としてはそういう気持ちを顔に出したつもりはなかった。しかし北沢さんにそれを見透かされたように、心配の言葉を投げられたことに少し驚く)
紗夜(彼女はいつも明るくまっすぐで……失礼な話だが、感情の機微に関しては疎そうだと勝手な印象を抱いてしまっていた)
はぐみ「そう? ならよかった!」
紗夜「……心配してくれてありがとうございます。優しいのですね、北沢さんは」
はぐみ「えへへ、はぐみ、ソフトボールでもキャプテンだからね! みんなに優しくするのは当然のことだよ!」
紗夜(謙遜するでもなく照れるでもなく、褒められたことが誇らしいというように北沢さんは胸を張る)
紗夜(その微笑ましい反応を見てフッと笑みが漏れる。それと一緒に胸中の苦みも出ていってしまったようだ)
紗夜「それでもありがとうございます」
はぐみ「うんっ、どういたしまして!」
紗夜「では、準備をして早速始めていきましょうか。まずは1度、通しで合わせてみましょう」
……………………
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:33:30.17 ID:46VT0rF00
紗夜(普段は違うバンドで演奏しているメンバーだからある程度のちぐはぐな部分はどうしても出てくるだろう)
紗夜(ただ、ベースの北沢さんとドラムの松原さんは同じハローハッピーワールドのメンバーだ。リズム隊が慣れた人同士ならばそんなに崩れた音楽にはならないはずだ)
紗夜(……なんて思っていた私は甘かったのかもしれない)
香澄「イェーイ!」
イヴ「ブシドー!」
はぐみ「あははは!」
花音「ふえぇ……」
紗夜「…………」
紗夜(テンションが上がった戸山さんのギターが走る。とにかく走る。歌声も走る)
紗夜(若宮さんはそういう走る音に慣れているのか、戸山さんに合わせて実に楽しそうに鍵盤を叩いている)
紗夜(北沢さんも同じく、笑いながら戸山さんに追いつけ追い越せと言わんばかりに弦を弾いている)
紗夜(その中で松原さんだけが迷走しているリズムを留めようとしていたが、結局3人に引きずられている)
紗夜(そしてそんな先走り続ける4人に私も合わせるしかなく、演奏はどんどん駆け足になっていくのだった)
香澄「ふぅ~! やっぱりポピパ以外の人と演奏すると新鮮だなぁ~!」
イヴ「はい! 私もなんだかとても楽しかったです!」
はぐみ「だねだね! いつものもいいけど、こういうのもすっごく楽しいね!」
紗夜(最後のフレーズを弾き終わると、戸山さんは大きく息を吐き出して満足そうに声を上げ、それに若宮さんと北沢さんが同調していた)
紗夜「…………」
紗夜(仲良くじゃれ合う3人を眺めつつ、私は今の感情をどう表現するべきかを考えていた)
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:34:27.28 ID:46VT0rF00
花音「あ、あの、紗夜ちゃん……?」
紗夜「……どうかしましたか、松原さん」
花音「えっと、気持ちは分かるけど……あんまり香澄ちゃんを怒るのは……その……」
紗夜「大丈夫です、松原さん。いま頭の中を整理していますが、怒るとかそういう気持ちはないですから」
花音「そ、そう?」
紗夜「はい。……それにしても、松原さんはすごいですね」
花音「え?」
紗夜「力強く芯のある音をずっと出していました。3人のリズムに引きずられても大元のリズムは崩れそうにありませんでしたし……とても頼りになるドラムです」
花音「あ、うん……」
花音「でも、ハロハピだとリズムがあっちこっちに行っちゃうのはよくあるから……そういうのに慣れちゃっただけかもしれないけど……」
紗夜「そうだとしても頼りになることは間違いありませんから。あなたを誘って本当に良かったと思っていますよ」
花音「そ、そうかな? えへへ……ありがと、紗夜ちゃん」
紗夜「はい」
紗夜(ふにゃりとはにかむ松原さんを見ながら、自分の中にあった感情が大体整理できた気がする)
紗夜(……ちぐはぐで、元のリズムなんかを無視した、おおよそロゼリアではしないような演奏。それを私は少し楽しいと感じていた)
紗夜(もちろん正確なリズムを刻まなくては、という気持ちも胸中にはあった)
紗夜(しかし北沢さんと戸山さんと若宮さんがとても楽しそうな表情で演奏しているのを見ると、そんな音楽もいいか、と肩の力が抜けるのだ)
紗夜(力の抜き加減がどうこうと今まで考えていたけれど、それを考えること自体が少し違っていたのかもしれなかった)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:35:03.07 ID:46VT0rF00
紗夜(『余裕』)
紗夜(自分の目指す音以外を許容して、ありのままに音楽を奏でること。走る音の中にいればそれに合わせ、きっちり決める音の中にいれば自分の目指す音を奏でる)
紗夜(私に1番足りなかったものは、ギターを弾くことを楽しみ、色々な音楽を受け入れられる『余裕』だったのかもしれない)
香澄「紗夜さんはどうでしたか、今の演奏?」
紗夜「……そうね。このメンバーらしい演奏だったと思います」
紗夜(戸山さんから声をかけられて、私は思考の海から意識を現実に戻す)
香澄「えへへ、やっぱりそう思います?」
紗夜「はい。……ただ、戸山さん。気持ちは分かりますが走り過ぎです」
香澄「うっ……」
紗夜「北沢さんと若宮さんもです。戸山さんに釣られすぎですね」
イヴ「楽しくってつい……」
はぐみ「ごめんなさーい……」
紗夜「謝る必要はありませんよ。それがみなさんの持ち味なんですから。ただ、少しだけ松原さんのドラムを意識して弾いてみてください」
花音「ふぇ!? わ、私の音を……!?」
紗夜「はい。松原さんのドラムは力強いですからね。迷子になりそうなリズムも少しは抑えられるはずです」
香澄「あ、確かに! 花音先輩のドラムってすっごくいい音しますよね!」
イヴ「はい! まるでお城の石垣のようにどっしりとしています!」
花音「そ、そうかな……」
はぐみ「そりゃあそうだよ! だってしょっちゅうドラムのスティック折るくらいだもん!」
はぐみ「意外と力持ちだよね、かのちゃん先輩!」
花音「それ……褒められてるのかな……」
紗夜「ふふ……」
紗夜(和気あいあいと話をする4人を眺めながら、口元には自然と笑みが浮かんだ)
香澄「それじゃあ紗夜先輩のアドバイス通り、次は花音先輩のドラムを意識してみますね!」
紗夜「ええ。ただ、あまり意識しすぎなくても平気ですよ。いざ走ったとなれば、私と松原さんがそれに合わせますから。北沢さんと若宮さんも同じくです」
香澄「はい! ありがとうございますっ!」
はぐみ「よーし、それじゃもう1回合わせてみようよ!」
イヴ「そうですね! サヨさんのアドバイスを生かしましょう!」
花音「その、役に立てるか分からないけど……頑張るね」
紗夜「はい。頑張りましょう」
――――――――――
―――――――
――――
……
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:36:13.69 ID:46VT0rF00
――CiRCLE カフェテリア――
紗夜(北沢さんたちとの初めての音合わせを行った次の日、今度はロゼリアでのスタジオ練習があった)
紗夜(いつも通りに早めにCiRCLEまでやってくると、春の陽気を浴びながらカフェの一席でコーヒーを飲んでいる湊さんを見つけた。私はそれに声をかける)
紗夜「こんにちは、湊さん」
友希那「ええ。こんにちは、紗夜」
紗夜「対面の席、よろしいですか?」
友希那「どうぞ」
紗夜「失礼します」
友希那「……どう? いつもと違うバンドの中で演奏した感想は?」
紗夜「湊さんの言った通り、とてもいい刺激を受けていますよ」
友希那「ふふ、やっぱりね。最近はとてもいい顔をしているもの」
紗夜「そう見えますか?」
友希那「ええ。明るい表情になっているわ」
紗夜「……ありがとうございます、湊さん」
友希那「お礼を言われることなんてしていないわ。私はただきっかけを提案しただけだもの」
紗夜「そのきっかけがとても重要だったんです。なので、お礼は言わせてください」
友希那「そう? それなら素直に受け取っておくわね。どういたしまして」
紗夜「はい」
友希那「ところで、紗夜」
紗夜「なんでしょうか?」
友希那「花咲川で組んだバンドなんだけど……これからのこととかって何か考えてる?」
紗夜「これからのことですか? いいえ、特には……」
紗夜「もちろん1度あのメンバーでステージに立ってみたいという気持ちはありますけど、みなさんの都合もありますからね。そう何曲も練習に付き合ってもらう訳にはいきませんし」
友希那「そう。ならよかった」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:36:46.87 ID:46VT0rF00
紗夜「……はい? 何がよかったんですか?」
友希那「ふふふ……紗夜ならそう言うと思って、私の方でも色々と準備を進めていたのよ」
紗夜「準備ですか? 一体何の?」
友希那「対戦的な意味での対バンよ」
紗夜「……はい?」
友希那「紗夜が花咲川でバンドメンバーを集めたように、私も羽丘の生徒でバンドメンバーを集めたのよ」
紗夜「えっ……」
友希那「紗夜の率いる花咲川バンド対私の率いる羽丘バンドね。大丈夫、もうまりなさんに話は通してCiRCLEも押さえてあるわ」
紗夜「……随分と準備がいいんですね」
友希那「あなたならきっとすぐにバンドメンバーを集めて、その子たちとステージに立ってみたいと言うと思っていたからよ」
友希那「日付は来週の月曜日か、もしくはあなたたちの都合のいい日。お互いに1曲ずつ演奏をして、お客さんの受けが良かった方がもう1曲を演奏する……というルールで行いましょうか」
紗夜(そこまで言うと、湊さんはとても挑発的な目で私を見つめる)
友希那「私からの挑戦、受けてくれるかしら?」
紗夜「……そこまでお膳立てされて逃げる訳にはいきません。受けて立ちます。日付の方はみなさんに確認をとってからになりますが」
友希那「紗夜ならそう言うと思っていたわ。それじゃあ、楽しみにしているわね」
紗夜(湊さんはそう言って小さく微笑む。つい勢いで決めてしまったけれど、みなさんはなんと言うだろうか)
紗夜(……恐らく、乗り気で付き合ってくれるだろう)
紗夜(相手は湊さんがボーカルで、羽丘のバンドならば日菜がギターかもしれない)
紗夜(とても強大な相手だ。でも、その相手に真っ向から音楽でぶつかるんだと思うと……私の胸中には楽しみだという感情が沸き起こるのだった)
――――――――――
―――――――
――――
……
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:37:36.86 ID:46VT0rF00
――花咲川女子学園 中庭――
紗夜「……という訳で、湊さんの率いる羽丘の混合バンドと対バンをすることになったんですが、みなさんは――」
香澄「わっかりましたー!」
はぐみ「了解だよ!」
紗夜(湊さんから対バンの話を持ち掛けられた翌日。中庭に集まってもらった花咲川バンドのメンバーにそのことを話すと、予想通りの返事が戸山さんと北沢さんから返ってきた)
イヴ「対バン……つまりユキナさんたちとの一騎打ち、ですね! ブシドーを志すものとして、逃げる訳にはいきません!」
紗夜「では、若宮さんも問題ありませんか?」
イヴ「はい! 腕が鳴りますね!」
紗夜「ありがとうございます。松原さんは……」
花音「う、うん。私も大丈夫だよ、紗夜ちゃん」
紗夜「ありがとうございます。それで、湊さんからの提案ですとちょうど1週間後の月曜日という話になっているんですが、みなさんの予定はどうでしょうか?」
香澄「えーっと……はい! その日ならOKですよ!」
はぐみ「はぐみもへーきだよ!」
イヴ「私もその日であれば、パスパレの活動も部活もないので大丈夫です!」
花音「私も平気だよ」
紗夜「分かりました。では、湊さんには来週の月曜日で、と話をしておきます」
紗夜「それから……負けるつもりは一切ありませんし、演奏する曲をもう1つ増やさないといけないのですが……この1週間で今の曲と新しくもう1曲を仕上げられますか?」
香澄「はい!」
はぐみ「うん!」
イヴ「任せてください!」
花音「が、頑張りますっ」
紗夜「頼もしい返事ですね。ありがとうございます」
紗夜(少し無茶なお願いだったとは思うけれど、それでも私に付き合ってくれる4人は力強く返事をくれる)
紗夜(それを見ると、私ももっと精進しなければとやる気が湧いてくるのが実感できた)
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:38:29.35 ID:46VT0rF00
イヴ「もう1つの新しい曲はどうしましょうか?」
紗夜「それは北沢さんがやりたいと言っていた曲でどうでしょうか」
はぐみ「え、いーの?」
紗夜「はい。若宮さんと松原さんはおまかせでと言っていましたし、私もそれと同じ気持ちですから」
花音「そうだね。私もはぐみちゃんがやりたいって言ってた曲でいいと思うな」
イヴ「はい! 私も異論はありません!」
香澄「私はもうやりたい曲やってるもんねっ。それにはぐにちょっと申し訳ないな~って思ってたし、それがいいな!」
紗夜「……という訳で、北沢さんの曲で決まりですね」
はぐみ「わーい! ありがと、紗夜先輩っ!」
紗夜「きゃっ……」
紗夜(北沢さんは自分のやりたい曲を選んで貰えたのが嬉しかったのか、飛ぶような勢いで私に抱きついてくる。それを少し戸惑いながら受け止める)
紗夜「……いきなり抱きついてくると危ないですよ、北沢さん」
はぐみ「えへへ、だって嬉しかったんだもん!」
紗夜「まったく、仕方ないわね……」
紗夜(言いつつ、自然と右手が彼女の頭に伸びて、そのショートカットの髪を撫でていた。思っていたよりずっとふわふわしている髪質が手に心地いい)
紗夜「……あっ、ごめんなさい」
紗夜(実に無意識にその行動をとっていた。我に返って北沢さんの髪から手をどけるのに少しの時間がかかってしまう)
はぐみ「え? なにが?」
紗夜「いえ、急に髪を撫でたりなんかしたので……」
はぐみ「んん……?」
紗夜(北沢さんはますます何に対して謝られているのか分からなくなったのか、思案顔で首をひねっていた)
紗夜(その様子を見て、髪の毛を撫でるのは馴れ馴れしくて失礼だという思考が自意識過剰だったなと思う)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:39:18.03 ID:46VT0rF00
紗夜「……いえ、何でもありません。気にしないでください」
はぐみ「うん、分かったよ!」
紗夜(北沢さんは元気よく返事をして私から身を離した。細かいことを気にしないというか、本当に純真無垢というか、それがやっぱり美しき思い出の中にいる小さな日菜に被るというか……)
紗夜(そういう姿を見せられてしまうとどうにも彼女を構いたくなるような衝動が自分の中に芽生えてしまうのだった)
花音「ふふ……」
紗夜(そしてそんな自分の心境を見透かしているかのように、松原さんがやけに温かな視線を送ってきているのが目に入る)
紗夜「……どうかしましたか、松原さん」
花音「ううん、なんでもないよ」
紗夜「…………」
紗夜(明らかに『微笑ましいなぁ』と思っている顔で、松原さんは首を横に振る。私はそれに少し気恥しい気持ちになり、わざとらしく咳ばらいをした)
紗夜「……それでは、ライブの日時も、演奏する曲も決まりました。期間は短いですが、頑張りましょう」
香澄「はい!」
はぐみ「うん!」
イヴ「これがいわゆる修羅場、というものですね! 頑張ります!」
花音「イヴちゃん、それはちょっと違うと思うな……」
紗夜(各々の反応を見て私は思う)
紗夜(ここまで協力してくれるみなさんのためにも、機会をくれた湊さんのためにも、あと1週間はより一層練習に励もう、と)
紗夜(それからふと気付く。ついこの間まで悶々と抱えていた悩みも、いつの間にかどこかへ消えてなくなっていた)
紗夜(今はただ、目の前のメンバーとギターを奏でるということにとても集中出来ている。それがなんだか不思議だった)
――――――――――
―――――――
――――
……
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:40:09.45 ID:46VT0rF00
紗夜(それから瞬く間に時間は過ぎていった)
紗夜(この1週間の多くは、スタジオで、あるいは北沢さんと松原さんに案内された弦巻さんのお宅で練習を重ねた)
紗夜(その度に、ちぐはぐだった音がどんどん1つに合わさっていくような感触を得られた)
紗夜(それがとても楽しい)
紗夜(ギターを弾くことが純粋に楽しい。ロゼリア以外のメンバーとも音を合わせられることが楽しい)
紗夜(初めてギターを手にした時も多分こんな気持ちだったと思う)
紗夜(遥か遠い記憶という訳ではないけれど、それでも心地の良い懐かしさに胸がくすぐられる)
紗夜(今なら素直に自分のことが見れる。そして気付く。私は変われていたんだな、と)
紗夜(小さな出来事の積み重ねだから気が付かなかった。でも1年前の自分と今の自分はほとんど別人に見えるし、きっと半年前の、もっと言えばひと月前の自分と比べてもまた違って見えるだろう)
紗夜(そう思うと、何か目の前が拓けたような気がした。今よりももっと高みへいけるような気がした)
紗夜(それはきっと私は前へ進めているんだ、という自覚が持てたからだろう)
……………………
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:41:08.52 ID:46VT0rF00
――CiRCLE 楽屋――
紗夜「本日はよろしくお願いします、湊さん」
友希那「ええ。お互いに精一杯のもの出しましょう」
紗夜(ライブ当日。楽屋で湊さんと顔を合わせ、握手を交わす)
紗夜(同じバンドとしては何度もここへやってきたけれど、こうして別のバンドとして楽屋に入るのは初めて会った時以来だった)
紗夜「……それにしても、日菜がいないのは意外ですね」
紗夜(湊さんが率いる羽丘バンドの面子を見る。ベースに今井さんは想像していた通りだった。それからドラムには大和さん、ギターは瀬田さんと美竹さんの2人がいた)
友希那「今回の件はいわゆるサプライズというものだから。日菜を誘うと紗夜に話が漏れそうだったし、敢えて候補にしなかったのよ」
紗夜「……確かにそうですね。あの子ならすぐに私に口を滑らせるでしょう」
友希那「他にも理由はあるんだけどね。私も今回はキーボードを弾く訳だし」
紗夜「えっ?」
友希那「そんなに驚くようなことかしら。ロゼリアで作曲をしてるのは私でしょう?」
紗夜「それはそうですが……」
友希那「キーボードやギターだって、燐子や紗夜ほどではないけれど弾けるわ。それに、たまには私もリサと同じように楽器を演奏したいのよ」
今井リサ「さーよっ。今日はよろしくね~」
紗夜(何故かしたり顔で頷く湊さんにどう言葉を返すべきかを考えていると、今井さんがやってきた。私はそれに挨拶を返す)
紗夜「はい。よろしくお願いします、今井さん」
リサ「友希那がキーボードって、驚いた?」
紗夜「ええ、少し」
リサ「あはは、やっぱそうだよね。アタシも驚いたな~」
紗夜(今井さんは晴れやかな笑顔を浮かべる。やけに上機嫌だった)
紗夜(そのまま湊さん、今井さんと言葉を交わしつつ、楽屋の中を見回す)
紗夜(みなさんはそれぞれ、普段同じバンドを組んでいる人と話をしているようだった)
紗夜(その中で、同じバンドメンバーがこの場にいない戸山さんは美竹さんに抱き着いたりしてじゃれついている)
紗夜(美竹さんはそれを困ったように笑いながら受け止めていた)
友希那「……そろそろリハーサルの時間ね」
紗夜「そうですね。では、私たち花咲川が先攻ということで、先にやらせて貰います」
友希那「ええ。主役は遅れて登場するものだから、悔いのないようにやるといいわ」
紗夜「湊さんたちが登場する前に決着がついていなければいいですけどね」
友希那「あら、紗夜も言うわね」
紗夜「負ける気は一切ありませんから」
友希那「ふふ、私もよ」
紗夜(普段は協力し合う仲だけれど、今日は向かい合って競う相手だ。挑発的な言葉には同じような言葉を返して、それを聞いた湊さんは楽しそうな顔をする)
紗夜(……私も同じような顔をしているだろうことを自覚しながら、私は花咲川のみなさんに声をかけるのだった)
……………………
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:42:27.98 ID:46VT0rF00
――ライブステージ 舞台袖――
紗夜(リハーサルも滞りなく終わった)
紗夜(間もなく開演の時刻で、先攻の私たちは舞台袖で輪になっている)
香澄「うー、すっごくドキドキしてきた!」
はぐみ「うん! えへへ、今日も楽しいライブにしようね!」
イヴ「はい!」
紗夜(相変わらず元気一杯な3人を横目に、私は松原さんに声をかける)
紗夜「松原さん、緊張はしていませんか?」
花音「う、うん、大丈夫だよ。私がこのバンドの柱、だもんね。しっかり頑張るよ」
紗夜「ええ。ですが、いざという時は私もフォローできますので……そんなに気負わないでください。このバンドで1番大切なのは、きっと楽しむことですから」
花音「うん。ありがとう、紗夜ちゃん」
紗夜「はい」
香澄「紗夜先輩っ! ステージに出る前に掛け声やりましょう!」
紗夜「掛け声、ですか?」
香澄「ポピパだといつもやってますし、その方が気合入りますよ!」
紗夜「……そうですね。では、音頭は戸山さんがとって下さい」
香澄「はーいっ! じゃ、みんな真ん中に手を合わせて~」
紗夜(戸山さんはそう言って右手を輪の中心に差し出す。私はそれに自分の手を重ねる)
紗夜(続いて北沢さん、若宮さん、松原さんの順で手を重ねていった)
香澄「……掛け声、どうしよ。ポピパじゃないからいつものじゃ違うしなぁ……」
イヴ「えい、えい、おー……ではダメですか? よくヒマリさんがやっていますよ?」
香澄「んーよし! じゃあそれでいこう!」
紗夜(戸山さんは1つ咳ばらいをして、大きく声を出す)
香澄「みんなっ! 今日は一緒に楽しもーっ! せーの、」
『えい、えい、おー!』
紗夜(私と松原さんは遠慮気味に、戸山さんと北沢さんと若宮さんは思いっきり)
紗夜(そんな5人の声が合わさる。ライブ前の独特の緊張感と高翌揚感が煽られた。ロゼリアではやらないけれど、たまにはこういうのもいいかもしれない)
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:43:16.36 ID:46VT0rF00
イヴ「あ、もう時間ですね! そろそろ参りましょうか!」
紗夜(若宮さんの声に全員が頷く。遂に開演だ)
紗夜(私たちは舞台袖からステージへ足を進める)
紗夜(そこからの光景はいつもと変わらない。見慣れた、とも言えるものが広がる)
紗夜(ギターとアンプを繋ぎ、軽く音を鳴らす。いつもの私の音だ)
紗夜(それからステージ上へ視線を移す。全員楽器の調整が終ったようで、互いに顔を見合わせて頷いた)
紗夜(観客席に向き直る。ほぼ満員のそこに宇田川さんと白金さんの顔を見つけた。目が合って、宇田川さんに大きく手を振られる)
紗夜(私はそれに小さく手を振り返した)
香澄「みなさーん、こんにちはー!」
紗夜(戸山さんの声が会場に響く)
紗夜(演奏前のMCは全て戸山さんに任せてあった。『あなたがボーカルなのだから、好きなように喋ってほしい』と伝えてある。私はただそれに耳を傾ける)
香澄「今日はギターの紗夜先輩に誘われた、花女の特別編成のバンドです! いつもとは違うメンバーだからちょっと新鮮な気持ちです! あ、有咲ぁ~! みんなぁ~!」
紗夜(戸山さんは観客席の中に市ヶ谷さんを始めとしたポッピンパーティーの姿を見つけ、大きく手を振った)
紗夜(よく見るとガルパに参加したバンドのメンバー全員が会場にいるようだった。北沢さんと若宮さんも同じバンドのメンバーに対して手を振ったり、言葉を投げている)
香澄「えへへ、ここからポピパのみんなの顔が見えるとなんだか不思議だなぁ。……でも、こうやって歌うのもちょっといいかも。出会ってからずっと一緒にステージに立ってたもんね」
紗夜(戸山さんは1度言葉を切り、それから少し間を開けて再び口を開く)
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:43:56.86 ID:46VT0rF00
香澄「……昔、星空を見て、星の鼓動を聞いて、キラキラしてドキドキしてるものを探してました」
香澄「春は出会いと始まりの季節です。ちょうど1年前の春、ポピパのみんなに出会って、バンドを始めて、たくさんの素敵な友達が出来て、私はそれを見つけることが出来ました」
香澄「きっとみなさんにもそういう出会いや、キラキラしててドキドキしてて、とっても楽しくて素敵な出来事がいっぱい待ってると思います!」
香澄「今日、このメンバーで演奏するのはそんな始まりの歌です! 聞いてください、『流星群』!」
紗夜(戸山さんは言い終えると、一度俯いて息を吸う。それから顔を上げて、歌を紡ぎだした)
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:44:52.80 ID:46VT0rF00
「空を彩る星に乗って あたしは未来へ」
「願い事をたくさん詰めた 鞄を握りしめ」
「流星が降る夜に ドキドキして歩いた」
「あたしはヒトリボッチだけど怖くなかった」
「暗闇を照らすように 光が一筋浮かぶ」
「ココから未来まで 道が出来たみたい」
「足音が響いている 思わず走り出した」
「空を彩る星に乗って あたしは未来へ」
「願い事をたくさん詰めた 鞄を握りしめ」
「ずっとずっと夢みてた キラキラのステージへ」
「振り返らずに走ってゆこう たとえ遠くたって」
「悲しみが降る夜は 鼻歌を歌ってた」
「だれにも聴こえないあたしだけのメロディー」
「流れる星のように だれよりも輝いて」
「あなたの足元を照らせたらいいな」
「涙が落ちる音を 合図に走り出そう」
「空を彩る星に乗って どこまでも行けるかな」
「寂しくないと強がる手をあたしに握らせて」
「空を彩る星に乗って 輝く未来へ」
「願い事とあなたの手を 強く握りしめ」
「唇から零れ出すコトバを並べたら」
「高鳴る胸のリズムでほら歌声に変わるの」
「願い事はもう唱えた? あたしと未来へ」
……………………
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:46:03.13 ID:46VT0rF00
――CiRCLE カフェテリア――
紗夜(ライブは大盛況で終わった)
紗夜(湊さん率いる後攻の羽丘バンドの演奏も素晴らしいものだった。結局どちらが勝った負けたということはなくなり、最後は2つのバンド全員で『クインティプル☆すまいる』を演奏することになった)
紗夜(北沢さんの希望していた曲を演奏できないのが少し残念ではあったけれど、全員がとても楽しそうで、私も楽しかった)
紗夜(だから、それで良かったのかもしれない)
友希那「いい勝負だったわ」
紗夜「ええ」
紗夜(ライブの片付けも済んだあと、私はカフェテリアの一席で湊さんと言葉を交わす。湊さんの顔には充実感のようなものがあるように見えた)
友希那「どう、紗夜? 悩みはなくなったかしら」
紗夜「はい。音楽を楽しむことを思い出せました。それと、余裕を持つことを知りました。……今考えてみると、悩んでいたのが馬鹿みたいに思えますね」
紗夜(少しの自嘲を含んだ笑みが浮かぶ。それを見て湊さんは微笑んだ)
友希那「なら良かった。私も今日は楽しかったわ」
紗夜「ええ、私も。……それにしても、キーボード、お上手なんですね」
友希那「ふふ、ありがとう。紗夜のギターも素晴らしかったわよ」
紗夜「ありがとうございます。どういう風の吹き回しだったんですか?」
友希那「楽屋でも言った通りよ。こういう機会でしか楽器を持ってステージに立つことはないもの」
友希那「リサと同じような立場で、目線で、あの子の隣に並んで立ちたかった。それだけよ」
友希那「それに、今回の曲は美竹さんが選んだものだけど……たまたまキーボードの目立つ曲だった」
友希那「特にCメロなんかは私とリサの音が目立つし、演奏していて新しい発見があったような気がするわ」
紗夜「……そうですか」
紗夜(穏やかな表情をする湊さんを見て思う。彼女も私と同じように変わっているのだ、と)
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:47:10.14 ID:46VT0rF00
紗夜(人は変わる。変わらないと思っていても、変わっている)
紗夜(1年前の私と湊さんであれば今のような言葉を交わすことなど絶対になかっただろう)
紗夜(それが良い傾向なのか、はたまた悪い傾向なのか)
紗夜(正しいのか、正しくないのか)
紗夜(そんなことを考えても、それが分かるのはどうせ未来だ。なら今は自分が思うように走ればいい)
紗夜(戸山さんが歌った歌を思い出す。彼女の明るい声にも教えられたことが多くあったように思える)
香澄「紗夜せんぱーい! あ、友希那先輩もここにいたんですね!」
友希那「お疲れ様、戸山さん。ライブ、とても良かったわよ。素晴らしい歌だったわ」
香澄「えへへ、ありがとうございますっ! 友希那先輩、楽器も弾けるんですね!」
友希那「ええ。紗夜や燐子ほどではないけれど、ギターとキーボードはそれなりにね」
香澄「へーっ、友希那先輩ってやっぱりすごいなぁ~! 私も負けてられないっ!」
紗夜「戸山さん、何か用事があったのでは?」
香澄「あ、そうだった。紗夜先輩、友希那先輩、このあと時間ってありますか?」
香澄「実はですね、せっかくだし、一緒にステージに立ったみんなで打ち上げをしようって話になってるんですよ!」
香澄「どうですか? 他のみんなは大丈夫だって言ってますよ!」
紗夜「ええ、分かりました。私も参加します。湊さんはどうですか?」
友希那「私も大丈夫よ」
香澄「ホントですか!? わーいっ! それじゃあみんなにも伝えてきますね!」
友希那「……戸山さんはいつでも元気ね」
紗夜(元気よくCiRCLEの中へと走っていく背中を見送りながら、湊さんは呟く。私もそれに頷いた)
紗夜「戸山さんと、さらに北沢さんと若宮さんがこちらのバンドにはいましたからね。みなさんはとても騒がしくて、とても元気で、とてもいい人たちです。……松原さんと私は、彼女たちが元気すぎて困ることが少しありましたけど」
友希那「ふふ、そうみたいね。でも……あなたも楽しそうな顔をしているわよ。いい経験だったんじゃない?」
紗夜(言われて、自分の顔に笑みが浮かんでいることに気付く)
紗夜「……ええ。とても素敵な、楽しい経験でしたね」
紗夜(しみじみとそう思う。彼女たちが手伝ってくれたからこそ、私はこうして笑うことが出来るのだ)
――――――――――
―――――――
――――
……
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:49:23.22 ID:46VT0rF00
――花咲川女子学園 校門――
紗夜(ライブの翌日、火曜日の朝。私はいつものように、登校してくる生徒の服装チェックを校門で行う)
紗夜(行いながら、昨日カフェテリアで思ったことを考える)
紗夜(人は変わる。変わらないと思えたことでも変わっている。それをなんと言葉にするべきなのか)
「おはよー、紗夜ちゃん」
紗夜「おはようございます」
紗夜(登校してきたクラスメイトに挨拶を返しながら、それは『成長』と呼べるものではないだろうか、と思い至った)
紗夜(変わらない、成長しないと思っていた私の音。だけど、それは私の思っている以上に変わっていて、成長していた)
紗夜(……そうであれば嬉しいし、そうでなくてもそれはそれでいい)
紗夜(多分、私が余裕を持つことが出来たからこういう風に考えられるようになったのだろう)
紗夜(そう結論付けたところで、北沢さんと若宮さんが並んで登校してくる姿が見えた)
はぐみ「おはようございまーす!」
イヴ「おはようございますっ!」
紗夜「はい。おはようございます、北沢さん、若宮さん」
紗夜「北沢さん、今日はちゃんと制服で登校してきていますね。言ったことを守ってもらえて嬉しいです」
はぐみ「もう失敗はしないよ、紗夜先輩!」
紗夜「そうですか、それはよかった」
はぐみ「えっへん!」
紗夜「ふふ……」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:50:05.23 ID:46VT0rF00
イヴ「んー……」
紗夜「……若宮さん? どうかしましたか?」
イヴ「やっぱりサヨさんは、ヒナさんがいつも仰ってる通りの方ですね!」
紗夜「日菜が?」
イヴ「はい! とっても優しくて、面倒見がよくて、なんでも出来るおねーちゃんだってよく仰ってます!」
紗夜「あの子はまたそんなことを……。私はそんな出来た人間ではありませんよ、若宮さん」
イヴ「いえいえ! 私、一緒にバンドを組んで思いました! サヨさんはとても優しい方だなって!」
イヴ「みんなにアドバイスを与えてくれて、カノンさんと共に私たちの支えになってくれていました!」
イヴ「紗夜さんには義があって、仁があって、礼があって、誠もあって……とても立派なサムライのように見えます!」
紗夜「そ、そうですか。ありがとうございます」
紗夜(……多分、若宮さんなりの誉め言葉なんだろう。そう思ってその言葉を受け取る)
はぐみ「あ、イヴちん。1時間目体育だし早く行って着替えなきゃだよ」
イヴ「そうですね、遅刻になってはいけませんね。それではサヨさん、失礼します」
はぐみ「またね、紗夜先輩!」
紗夜「ええ。外はともかく、廊下は走らないで下さいね」
紗夜(その言葉に北沢さんと若宮さんは元気よく返事をして、昇降口へと小走りに向かっていった)
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:51:46.68 ID:46VT0rF00
紗夜(2人の後ろ姿が見えなくなってから、私はなんとはなしに中庭の木に目を移す)
紗夜(桜は既に全て散ってしまっていた。木々には緑色の葉桜が茂っている)
紗夜(……去年の私はその景色の移り変わりに何を思っていただろうか)
紗夜(少し考えて、それらに目をやる余裕もなかったか、と苦笑した)
紗夜「……未来は続く 明日の先へ」
紗夜(北沢さんが望んだ曲の1フレーズを口ずさむ)
紗夜(今年はどんな出来事が起こるだろうか。どんな人たちと巡り合えて、どんなことを経験できるだろうか)
紗夜(楽しいこともたくさんあるだろうし、逆に嫌なことだって起こるだろう。でも振り返ればそれらも良い思い出になるのかもしれなかった)
紗夜(今は私を待ち受ける全てのことが少し楽しみに思える。これもきっと成長と言えるのだろう)
紗夜(そう思ったところで、緑の匂いをした、柔らかくて温い風がふわりと頬を撫でていく)
紗夜「……春、ね」
紗夜(それがいつになく心地よく感じられて、私は目を細めるのだった)
おわり
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 06:53:16.64 ID:46VT0rF00
さよつぐ さよはぐ ←響きが似てる
そんな思いつきでした。ごめんなさい。
流星群はミリマスのジュリア(CV:愛美)のものです。
流星群もクインティプル☆すまいるもダウンロード販売なら1曲250円というお手頃価格ですぐに手に入りますので興味があれば是非どうぞ。
HTML化依頼出してきます。
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 16:36:19.27 ID:Ccf2xqYP0
乙乙
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 19:55:15.58 ID:nftHMvC3o
乙
じゃんけんでやる曲決めるバンドなんてあるわけないな(白目)
じゃんけんでやる曲決めるバンドなんてあるわけないな(白目)
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524259384/
Entry ⇒ 2018.04.23 | Category ⇒ バンドリ | Comments (0)
【ごちうさ】ココア「ご注文は?」るは「……ハンバーガー」【ありすorありす】
1: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:42:05.51 ID:G7lmPuGDO
――ラビットハウス
ココア「♪ばんざぁい、ひっとらーゆーげんとぉ。ばんざぁい、なーちーす」
チーン
「焼けた焼けたぁ!うーん、今日のパンもいい焼き加減だよぉ」
「これを……牛肉100パーセントのハンバーグを挟んで」
「レタスとピクルスに……トマトはいらないっと」
「ハンバーガーの完成っ!」
「チノちゃんやみんなは喜んでくれるかなぁ?」
カランコロン
「あ、いらっしゃいませ」
るは「……」
ココア「お好きな席へどうぞ~」
るは「……」
ココア「ん?どうしたのかな?」
クー
るは「お腹空いた……」
ココア「♪ばんざぁい、ひっとらーゆーげんとぉ。ばんざぁい、なーちーす」
チーン
「焼けた焼けたぁ!うーん、今日のパンもいい焼き加減だよぉ」
「これを……牛肉100パーセントのハンバーグを挟んで」
「レタスとピクルスに……トマトはいらないっと」
「ハンバーガーの完成っ!」
「チノちゃんやみんなは喜んでくれるかなぁ?」
カランコロン
「あ、いらっしゃいませ」
るは「……」
ココア「お好きな席へどうぞ~」
るは「……」
ココア「ん?どうしたのかな?」
クー
るは「お腹空いた……」
2: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:43:48.03 ID:G7lmPuGDO
ごちうさとありすorありすのコラボ……という名のハンバーガーを食べて帰るだけの話です
極めて短いかつ、独自の設定がありますので、よろしくお願いいたします
極めて短いかつ、独自の設定がありますので、よろしくお願いいたします
3: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:47:28.30 ID:G7lmPuGDO
ココア「あははぁ~お腹空いたんだねぇ」
るは「……うん」
ココア「じゃあ……さっき出来上がったばかりのハンバーガーm」
るは「食べる」ズイ
ココア「お、乗り気だね。その心意気は江戸っ子かな?」
るは「違う……でもハンバーガーは好き」
ココア「ならアメリカ人だね」
るは「?」キョトン
ココア「とりあえず座って座って」
るは「……うん」
ココア「じゃあ……さっき出来上がったばかりのハンバーガーm」
るは「食べる」ズイ
ココア「お、乗り気だね。その心意気は江戸っ子かな?」
るは「違う……でもハンバーガーは好き」
ココア「ならアメリカ人だね」
るは「?」キョトン
ココア「とりあえず座って座って」
4: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:50:32.54 ID:G7lmPuGDO
ココア「じゃあ、これどうぞ。あ、飲物は何かいいかな?」
るは「……オレンジジュース」
ココア「オレンジジュースかぁ……リゼちゃんの持って来た、MREに入っていた石油臭いのならたしか」ガサゴソ
るは「……じゃあ牛乳で」ヒヤアセ
るは「……オレンジジュース」
ココア「オレンジジュースかぁ……リゼちゃんの持って来た、MREに入っていた石油臭いのならたしか」ガサゴソ
るは「……じゃあ牛乳で」ヒヤアセ
5: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:53:32.20 ID:G7lmPuGDO
ココア「じゃあミルクだよ」
コトッ
るは「いただきます……」
ココア「どうぞ、召し上がれ~」
るは「……」ガブッ
モグモグ
るは「っ!!」
ガツガツフゴフゴ
ココア「そんなに慌てて食べると!」
るは「っ!んっーっ!!」
ココア「ほらほら、喉に……はいっ、ミルク」
るは「んっんっ」ゴキュゴキュ
コトッ
るは「いただきます……」
ココア「どうぞ、召し上がれ~」
るは「……」ガブッ
モグモグ
るは「っ!!」
ガツガツフゴフゴ
ココア「そんなに慌てて食べると!」
るは「っ!んっーっ!!」
ココア「ほらほら、喉に……はいっ、ミルク」
るは「んっんっ」ゴキュゴキュ
6: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 00:55:30.79 ID:G7lmPuGDO
ココア「大丈夫だったかな?」
るは「うん……それから」
ココア「ん?どうしたのかな?」
るは「これ、とてもおいしい」
ココア「わぁぁぁぁ!」
「まだまだあるから沢山食べてね!」
るは「……うんっ!」
るは「うん……それから」
ココア「ん?どうしたのかな?」
るは「これ、とてもおいしい」
ココア「わぁぁぁぁ!」
「まだまだあるから沢山食べてね!」
るは「……うんっ!」
7: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:02:42.03 ID:G7lmPuGDO
…………
……
リゼ「それで代金は貰わず帰したわけと」
ココア「ハ、ハイ」
チノ「しかも私たちのお昼ご飯はハンバーガーのパンだけというわけですか」
ココア「ハ、ハイ」
リゼ「まぁ、ココアのこういうのは昨日今日に始まったわけじゃないからな」
チノ「とりあえず、スパムとMREのビーフパテがありましたからこれを挟んでいただきましょうか」
ココア「チノちゃん、ごめんね~」
リゼ「しかし、そんなにうまそうに食べたというなら、私たちもそのハンバーガー食べてみたいよな」
チノ「……リゼさんがそういうなら」
ココア「チノちゃーーーーん!!」ダキッ
チノ「もう……抱き付かないでください」
……
リゼ「それで代金は貰わず帰したわけと」
ココア「ハ、ハイ」
チノ「しかも私たちのお昼ご飯はハンバーガーのパンだけというわけですか」
ココア「ハ、ハイ」
リゼ「まぁ、ココアのこういうのは昨日今日に始まったわけじゃないからな」
チノ「とりあえず、スパムとMREのビーフパテがありましたからこれを挟んでいただきましょうか」
ココア「チノちゃん、ごめんね~」
リゼ「しかし、そんなにうまそうに食べたというなら、私たちもそのハンバーガー食べてみたいよな」
チノ「……リゼさんがそういうなら」
ココア「チノちゃーーーーん!!」ダキッ
チノ「もう……抱き付かないでください」
8: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:07:23.70 ID:G7lmPuGDO
カランコロン
リゼ「おや?いらっしゃいませ」
璃星「こ、こんにちは!」
藍璃「あ、あのっ!」
チノ「?」
ココア「えーと、どうかしたのかな?」
りせ「こ、このお店でさっきタダでハンバーガーを食べた娘の友達ですっ!」
あいり「えっと、お代金はお支払いするので許して欲しいんですが……」
リゼ「おや?いらっしゃいませ」
璃星「こ、こんにちは!」
藍璃「あ、あのっ!」
チノ「?」
ココア「えーと、どうかしたのかな?」
りせ「こ、このお店でさっきタダでハンバーガーを食べた娘の友達ですっ!」
あいり「えっと、お代金はお支払いするので許して欲しいんですが……」
9: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:11:55.89 ID:G7lmPuGDO
カランコロン
ゴソゴソ
マコ「連れてきたよぉ」
ココ「つ、疲れました」
るは「……ごめんなさい」
ココア「あ、さっきの……」
ココア「いいんだよ。あれは私からのプレゼントってことで」
るは「……いいの?」
ココア「私の代わりに試食してくれたってことで……ねっ」
るは「……うん。ありがと」
「それから」
「……ハンバーガーおいしかった」
ココア「わぁぁぁぁ」
「うんっ」ダキツキ
ゴソゴソ
マコ「連れてきたよぉ」
ココ「つ、疲れました」
るは「……ごめんなさい」
ココア「あ、さっきの……」
ココア「いいんだよ。あれは私からのプレゼントってことで」
るは「……いいの?」
ココア「私の代わりに試食してくれたってことで……ねっ」
るは「……うん。ありがと」
「それから」
「……ハンバーガーおいしかった」
ココア「わぁぁぁぁ」
「うんっ」ダキツキ
10: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:19:50.61 ID:G7lmPuGDO
あいり「じゃ、じゃあ私たちは帰りま」
マコ「えっとハンバーガーとアイスカフェオレを」
ココ「わ、わたしはこの藍子ちゃんのパンケーキとを悠貴ちゃんのミックスジュースというのを」
りせ「こ、こら!何やってるの!」
マコ「だって、このまま帰るのも失礼だよ」
ココ「せめて注文していかないと」
るは「一理ある……」
あいり「それもそっか、じゃあ私は夕美ちゃんのパンケーキとカフェモカを」
りせ「もう……なら私も志保ちゃんのチョコレートパフェを」
ココア「ご注文承りました!」
マコ「えっとハンバーガーとアイスカフェオレを」
ココ「わ、わたしはこの藍子ちゃんのパンケーキとを悠貴ちゃんのミックスジュースというのを」
りせ「こ、こら!何やってるの!」
マコ「だって、このまま帰るのも失礼だよ」
ココ「せめて注文していかないと」
るは「一理ある……」
あいり「それもそっか、じゃあ私は夕美ちゃんのパンケーキとカフェモカを」
りせ「もう……なら私も志保ちゃんのチョコレートパフェを」
ココア「ご注文承りました!」
11: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:23:06.26 ID:G7lmPuGDO
ワイワイガヤガヤ
コノパフェオイシイ
チョットソレワタシノ
キサキノトコヨリオイシイネー
ハンバーガーモウイッコ
リゼ「結果オーライだな」
チノ「ま、ココアさんのことですからあとで『お姉ちゃんのおかげだよねっ』とか言いそうですが」
ココア「誰かお姉ちゃんって呼んだ!?」ニュッ
チノ「呼んでません!!」
アハハハー
(o・▽・o)&(●・▽・●)おわりだよー
コノパフェオイシイ
チョットソレワタシノ
キサキノトコヨリオイシイネー
ハンバーガーモウイッコ
リゼ「結果オーライだな」
チノ「ま、ココアさんのことですからあとで『お姉ちゃんのおかげだよねっ』とか言いそうですが」
ココア「誰かお姉ちゃんって呼んだ!?」ニュッ
チノ「呼んでません!!」
アハハハー
(o・▽・o)&(●・▽・●)おわりだよー
12: ◆Vysj.4B9aySt 2018/04/21(土) 01:27:34.12 ID:G7lmPuGDO
初期MREのオレンジジュースは真面目に灯油臭かったです
UGRのオレンジジュースとは大違いでしたよ
あと、こちらは過去作の
【モバマス】そら「ちょっと」瑛梨華「不思議な」キャシー「喫茶店」【ごちうさ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509959119/
【モバマス】志保「クリスマス」そら「らぷそでぃー」菜々「カフェ」【ごちうさ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514117660/
の延長線の世界とお考えくださいませ(なのでメニューにアイドルの名前が出てきます)
ではありがとうございました
UGRのオレンジジュースとは大違いでしたよ
あと、こちらは過去作の
【モバマス】そら「ちょっと」瑛梨華「不思議な」キャシー「喫茶店」【ごちうさ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509959119/
【モバマス】志保「クリスマス」そら「らぷそでぃー」菜々「カフェ」【ごちうさ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514117660/
の延長線の世界とお考えくださいませ(なのでメニューにアイドルの名前が出てきます)
ではありがとうございました
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524238925/
Entry ⇒ 2018.04.22 | Category ⇒ ご注文はうさぎですか? | Comments (0)
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