女騎士「これが最後の一撃だ」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 12:22:52 ID:domKm/72
そう言って私は魔王へのトドメを盛大に外した。
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 13:39:17 ID:domKm/72
~都内、大衆居酒屋にて~
勇者「では、魔王討伐を祝して、かんぱーい」
一同「かんぱーい」
カツン カツン
グビッ グビッ
戦士「いやぁ、長かったなぁ」
魔法使い「しかし、私達はやり遂げた」
勇者「みんな生きて帰ってこれたのは、奇跡だよ。本当によかった…よかったよ…」
ウルッ
戦士「おいおい、今日はめでたい日だぜ。泣くより笑おうぜ」
勇者「では、魔王討伐を祝して、かんぱーい」
一同「かんぱーい」
カツン カツン
グビッ グビッ
戦士「いやぁ、長かったなぁ」
魔法使い「しかし、私達はやり遂げた」
勇者「みんな生きて帰ってこれたのは、奇跡だよ。本当によかった…よかったよ…」
ウルッ
戦士「おいおい、今日はめでたい日だぜ。泣くより笑おうぜ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 13:41:47 ID:domKm/72
魔「そうだぞ勇者、これからが大変なんだ。私達がやらなければならない事は山ほどある」
戦士「おおよ、でも今日はそんな事忘れて、騒ごうぜ」
勇者「魔法使い…戦士…ありがとう」
戦士「だからよ、女騎士も部屋の隅で三角座りなんかしてないで飲めよ!」
女騎士「…」
ショボーン
戦士「おおよ、でも今日はそんな事忘れて、騒ごうぜ」
勇者「魔法使い…戦士…ありがとう」
戦士「だからよ、女騎士も部屋の隅で三角座りなんかしてないで飲めよ!」
女騎士「…」
ショボーン
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 13:44:53 ID:domKm/72
戦士「まったく…トドメを外したくらいで落ち込むなよ」
女騎士「…」
エダマメ モチュモチュ
女騎士「…」
勇者「元気だしてよ女騎士。君の一撃がむしろフェイントになって、俺の斬撃が魔王に当たった訳だし」
魔「ま、結果オーライね」
戦士「そういうこった、だから枝豆ばっか食べてないで飲めよ!」
女騎士「…」
エダマメ モチュモチュ
女騎士「…」
勇者「元気だしてよ女騎士。君の一撃がむしろフェイントになって、俺の斬撃が魔王に当たった訳だし」
魔「ま、結果オーライね」
戦士「そういうこった、だから枝豆ばっか食べてないで飲めよ!」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 13:47:31 ID:domKm/72
女騎士「…」
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
女騎士「せせり三本、塩で」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
魔(ここの店員の口癖、癖がすごい)
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
女騎士「せせり三本、塩で」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
魔(ここの店員の口癖、癖がすごい)
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 13:50:40 ID:domKm/72
戦士「だーかーら、酒を頼めって!お前アルコール大好きだろ!」
女騎士「いい…今日は、お酒、飲まない…」
ショボーン
戦士「ったく、面倒くさい奴だ。ほっといて俺はジャンジャン飲むぜ」
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
戦士「ハイボールおかわりね」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
女騎士「いい…今日は、お酒、飲まない…」
ショボーン
戦士「ったく、面倒くさい奴だ。ほっといて俺はジャンジャン飲むぜ」
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
戦士「ハイボールおかわりね」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/21(金) 14:00:13 ID:domKm/72
・ ・ ・ ・ ・
~一時間後~
戦士「うぉぉ~、だからよぉ~俺は感動してんだよぉ~」
ダバー
魔(こいつ泣き上戸なのよね、ウザイわ…)
勇者(普段は気さくで仲間思いなんだけどね…酔うと苦手かな)
戦士「魔王だってよぉ、本当は世界の事を憂いていたんだ…あいつはよぉ、俺達みたいな仲間に出会えなかった勇者ともいえるんだよぉ~」
女騎士「…」
セセリ モチュモチュ
~一時間後~
戦士「うぉぉ~、だからよぉ~俺は感動してんだよぉ~」
ダバー
魔(こいつ泣き上戸なのよね、ウザイわ…)
勇者(普段は気さくで仲間思いなんだけどね…酔うと苦手かな)
戦士「魔王だってよぉ、本当は世界の事を憂いていたんだ…あいつはよぉ、俺達みたいな仲間に出会えなかった勇者ともいえるんだよぉ~」
女騎士「…」
セセリ モチュモチュ
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 00:02:04 ID:g.ztYI0c
戦士「うぉぉ~、俺ぁ、俺ぁよ、なぜだか涙が止まらないんだぁ~よぉ~」
ダバー
女騎士「けっ、暑苦しい野郎だぜ…反吐がでらぁ」
ペッ
ピチャ
女騎士が吐き捨てたツバは
戦士の鼻先に会心の一撃【クリティカル】をかました。
戦士「あぁ…?」
ツゥン
戦士「くさっ!」
女騎士「女騎士のツバは強酸性…知らなかったのか?」
ニヤッ
ダバー
女騎士「けっ、暑苦しい野郎だぜ…反吐がでらぁ」
ペッ
ピチャ
女騎士が吐き捨てたツバは
戦士の鼻先に会心の一撃【クリティカル】をかました。
戦士「あぁ…?」
ツゥン
戦士「くさっ!」
女騎士「女騎士のツバは強酸性…知らなかったのか?」
ニヤッ
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 00:05:24 ID:g.ztYI0c
魔「ぶはは!魔王への一撃は外すのに、戦士にはクリティカルヒットするとか、えらい皮肉な話やな!」
勇者「ちょ、魔法使い…笑いすぎだよ」
魔「ぶはは!」
ブッ
魔「あっ、笑いすぎて屁ぇ出てもた」
勇者(魔法使いは酔うと関西弁の下品なババアになる…てか俺の仲間酒癖悪すぎ)
勇者「ちょ、魔法使い…笑いすぎだよ」
魔「ぶはは!」
ブッ
魔「あっ、笑いすぎて屁ぇ出てもた」
勇者(魔法使いは酔うと関西弁の下品なババアになる…てか俺の仲間酒癖悪すぎ)
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 09:34:33 ID:g.ztYI0c
女騎士「てめェ!」
ガタッ
魔「なんや?」
女騎士「なんやとはなんや」
魔「お前こそなんや」
女騎士「なんやとちゃうわ」
魔「なんなんやゆーとるんや」
女騎士「なんやぁ!?」
魔「なんやぁ!?」
ガタッ
魔「なんや?」
女騎士「なんやとはなんや」
魔「お前こそなんや」
女騎士「なんやとちゃうわ」
魔「なんなんやゆーとるんや」
女騎士「なんやぁ!?」
魔「なんやぁ!?」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 09:56:00 ID:g.ztYI0c
ダダッ
女騎士「このアマ、ぶっ〇してやる!」
魔「やってみさらせボケぇ!」
女騎士「後でわめくなよ糞っだらぁぁぁ!」
ブゥン
バキィ
魔「ぐっ、っだらぁ…」
フラッ
ブゥン
バキィ
女騎士「ぐぶっっっ!」
魔「もう一丁!」
ブゥン
バキィ
女騎士「なぐっ…んっのアマぁぁぁぁぁ!」
女騎士「このアマ、ぶっ〇してやる!」
魔「やってみさらせボケぇ!」
女騎士「後でわめくなよ糞っだらぁぁぁ!」
ブゥン
バキィ
魔「ぐっ、っだらぁ…」
フラッ
ブゥン
バキィ
女騎士「ぐぶっっっ!」
魔「もう一丁!」
ブゥン
バキィ
女騎士「なぐっ…んっのアマぁぁぁぁぁ!」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 10:05:41 ID:g.ztYI0c
バカスカ
バカスカ
戦士「おろろ~ん、やめろよ二人とも。仲間だろぉ~」
ダバー
勇者(仲間、ね…)
ガサゴソ
シュッ ボゥー
タバコ スパー
勇者「ふぅ…」
勇者(俺達が…本当に…心から仲間だと胸を張って言えたなら…どれだけよかったか…)
スパー
バカスカ
戦士「おろろ~ん、やめろよ二人とも。仲間だろぉ~」
ダバー
勇者(仲間、ね…)
ガサゴソ
シュッ ボゥー
タバコ スパー
勇者「ふぅ…」
勇者(俺達が…本当に…心から仲間だと胸を張って言えたなら…どれだけよかったか…)
スパー
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 10:14:14 ID:g.ztYI0c
勇者(俺達は魔法により契約を刻まれた、偽りの仲間…それを破れば背中に刻まれた契約の印章が心臓に食らいつき絶命する…国王がかけた、呪いといえる魔法だ)
スパー
勇者(真相は、俺と国王しか知らない。ほかの奴らは忘却の魔法で忘れている)
勇者(酷い話だ…結局まがいものの絆が、俺達を強くした訳である)
勇者(死に際に魔王は笑っていた…あるいは俺達にかけられた魔王に気付いていたのかも知れない)
スパー
勇者(真相は、俺と国王しか知らない。ほかの奴らは忘却の魔法で忘れている)
勇者(酷い話だ…結局まがいものの絆が、俺達を強くした訳である)
勇者(死に際に魔王は笑っていた…あるいは俺達にかけられた魔王に気付いていたのかも知れない)
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/23(日) 15:41:28 ID:g.ztYI0c
勇者「…」
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
勇者「梅酒、ロックで」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
ビクンビクン
店員「何度もご注文…ありがとうござひましゅるのぉぉぉぉぉ!」
ビクンビクン
チョロ…
チョロロロロロ
勇者(注文のしすぎで失禁したか…この店特有のシステムとはいえ、不愉快だな)
ピンポーン
サッ
店員「はいご注文ですね」
勇者「梅酒、ロックで」
店員「はい喜んでアッヒィ!」
ビクンビクン
店員「何度もご注文…ありがとうござひましゅるのぉぉぉぉぉ!」
ビクンビクン
チョロ…
チョロロロロロ
勇者(注文のしすぎで失禁したか…この店特有のシステムとはいえ、不愉快だな)
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/24(月) 18:50:17 ID:6A5UvoQ.
・ ・ ・ ・ ・
~そんなこんなで~
店員「では締めの雑炊セットになりまーすアッヒィ!」
雑炊。
それは散々、皆が箸でつつき尽くした鍋の残り汁に
飯と卵を投入して作る
ぐちゅぐちゅの食べ物である。
グツグツ
カチャカチャ
魔「ほな、火ぃ止めてー。卵入れるで」
カチャカチャ ファサー
チャッチャ
魔「ネギと海苔散らして、できたでー」
戦士「よーし、食べるぜぇ~」
女騎士「ウェーイ」
勇者「ウェーイ」
~そんなこんなで~
店員「では締めの雑炊セットになりまーすアッヒィ!」
雑炊。
それは散々、皆が箸でつつき尽くした鍋の残り汁に
飯と卵を投入して作る
ぐちゅぐちゅの食べ物である。
グツグツ
カチャカチャ
魔「ほな、火ぃ止めてー。卵入れるで」
カチャカチャ ファサー
チャッチャ
魔「ネギと海苔散らして、できたでー」
戦士「よーし、食べるぜぇ~」
女騎士「ウェーイ」
勇者「ウェーイ」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/24(月) 18:55:13 ID:6A5UvoQ.
勇者「ふぅ、ふぅ」
モチュモチュ
戦士「あちあち」
モチュモチュ
魔「いい出汁でてるわー、やっぱ雑炊はええなぁ」
ズズー
女騎士「うまうま」
モチュモチュ
戦士「あちあち」
モチュモチュ
魔「いい出汁でてるわー、やっぱ雑炊はええなぁ」
ズズー
女騎士「うまうま」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/24(月) 18:57:50 ID:6A5UvoQ.
・ ・ ・ ・ ・
勇者「もう注文ないかー」
戦士「おう、存分に」
女騎士「もう、食ったさ」
魔「ハラぁ、いっぱいだぁ」
勇者「もう注文ないかー」
戦士「おう、存分に」
女騎士「もう、食ったさ」
魔「ハラぁ、いっぱいだぁ」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:00:43 ID:wxp3vNrE
戦士「確かに腹いっぱい、おっぱい!」
ガシッ
女騎士「あんっ」
戦士「…」
モミモミ…
女騎士「っ…んくっ…」
モミモミ
モミモミ
モミモミ
ミニモニ。
ガシッ
女騎士「あんっ」
戦士「…」
モミモミ…
女騎士「っ…んくっ…」
モミモミ
モミモミ
モミモミ
ミニモニ。
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:04:20 ID:wxp3vNrE
勇者「…」
チラッ
魔「?」
勇者(この流れなら、俺だって…おっぱいを揉めるに違いない!)
ニジリニジリ
魔「?」
勇者「…」
チラッ
魔「?」
勇者(この流れなら、俺だって…おっぱいを揉めるに違いない!)
ニジリニジリ
魔「?」
勇者「…」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:08:58 ID:wxp3vNrE
魔「勇者、なんか近づいてきてない?なんなん?」
勇者「…」
勇者(ここでうかつに反応しては駄目だ…あえて無視して近づく…そして、手が届く距離まで…!)
勇者「…」
勇者(ここでうかつに反応しては駄目だ…あえて無視して近づく…そして、手が届く距離まで…!)
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:23:10 ID:wxp3vNrE
ニジリニジリ
魔「ちょ、ほんまなんなん、怖いやん…」
勇者(ひるむな…全ては乳の為…行くっ…!行けっ…!俺の…)
ヒュバッ
勇者(黄金の右手【ゴールデンハンド】!)
ムニュ
魔「ちょ、ほんまなんなん、怖いやん…」
勇者(ひるむな…全ては乳の為…行くっ…!行けっ…!俺の…)
ヒュバッ
勇者(黄金の右手【ゴールデンハンド】!)
ムニュ
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:25:37 ID:wxp3vNrE
―――――
その時不思議な事が起こった。
勇者は確かに魔法使いの乳を揉んだ筈だった。
だがそれは
乳では、なかった。
それは
戦士の股間だった。
戦士「アヒィ」
勇者「!?」
戦士「勇者よ…それは私のおいなりさんだ」
その時不思議な事が起こった。
勇者は確かに魔法使いの乳を揉んだ筈だった。
だがそれは
乳では、なかった。
それは
戦士の股間だった。
戦士「アヒィ」
勇者「!?」
戦士「勇者よ…それは私のおいなりさんだ」
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 10:35:36 ID:wxp3vNrE
勇者「ば、馬鹿な…何故そこにおいなりさんがあるゥゥゥ!?」
戦士「ンフフフフ…これぞ戦士忍法、性感帯入れ替えの術!」
戦士「ンフフフフ…これぞ戦士忍法、性感帯入れ替えの術!」
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 15:40:40 ID:B1MErljU
勇者「戦士忍法…だと!?」
戦士「そうだ、俺と魔法使いの性感帯を入れ替えておいたのさ!」
バーババー バンバン
(スパイダーマンのあれのBGM)
勇者「くそっ、せっかく魔法使いの乳が揉めると思ったのに…くそったれ!」
モミモミ
戦士「んっ…」
戦士「そうだ、俺と魔法使いの性感帯を入れ替えておいたのさ!」
バーババー バンバン
(スパイダーマンのあれのBGM)
勇者「くそっ、せっかく魔法使いの乳が揉めると思ったのに…くそったれ!」
モミモミ
戦士「んっ…」
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 15:44:56 ID:B1MErljU
勇者「!?」
勇者(オラおでれぇたぞ…戦士のおいなりさんっちゅうのは、まるで女の乳みてぇだぞ、クリリン!)
モミモミ
戦士「っ…んくっ…」
ハァハァ
勇者(なんだかオラ、モミモミしだしたぞ!)
モミモミ
勇者(オラおでれぇたぞ…戦士のおいなりさんっちゅうのは、まるで女の乳みてぇだぞ、クリリン!)
モミモミ
戦士「っ…んくっ…」
ハァハァ
勇者(なんだかオラ、モミモミしだしたぞ!)
モミモミ
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 15:48:41 ID:B1MErljU
モミモミ
モモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモミモミ
戦士「やっ…だめっ…はーん、すこすこ!」
ドビュッシー
勇者「うっひゃあー!ビルスさま―――――!」
ドビュッシー
・ ・ ・ ・ ・
こうして勇者と戦士の二人は同時に果てて
なんやかんやあって
幸せなキスをして結婚しましたとさ。
ふたりぐらし、ふたりぐらし。
【完】
モモモモモモモモモモモモモモモモモモモモモミモミ
戦士「やっ…だめっ…はーん、すこすこ!」
ドビュッシー
勇者「うっひゃあー!ビルスさま―――――!」
ドビュッシー
・ ・ ・ ・ ・
こうして勇者と戦士の二人は同時に果てて
なんやかんやあって
幸せなキスをして結婚しましたとさ。
ふたりぐらし、ふたりぐらし。
【完】
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 16:18:47 ID:xFLnKzrg
オラ、タイトルからの>>1オチで殺された魔王に黙祷すっぞ
乙
乙
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 17:24:03 ID:TIBHe6ZM
女騎士どこいった
乙
乙
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 17:31:33 ID:FIgkJUwM
数々の名作少年漫画を汚してゆくスタイル
掲載元;http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1477020172/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ 魔王・勇者 | Comments (0)
兄「妹が妊娠だと…?」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 01:50:03 ID:cRiIvc/c
妹「どうしようお兄ちゃん…」
兄「相手は誰なんだ!」
妹「わかんない(゚ω゚?)」
兄「セックスした相手は誰だと聞いているんだ!」
妹「心当たりがありすぎるよ~」
兄「相手は誰なんだ!」
妹「わかんない(゚ω゚?)」
兄「セックスした相手は誰だと聞いているんだ!」
妹「心当たりがありすぎるよ~」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 01:53:41 ID:cRiIvc/c
妹「ねぇ?お兄ちゃんの子供って事にしようよ」
兄「舐めてんなよ!殺すぞ!」
妹「今月20人位と生でヤッたからなあ…。そういえば兄友君ともヤッた!」
兄「そうか、じゃあ兄友に責任を押し付けよう!」
妹「流石お兄ちゃん!」
兄「舐めてんなよ!殺すぞ!」
妹「今月20人位と生でヤッたからなあ…。そういえば兄友君ともヤッた!」
兄「そうか、じゃあ兄友に責任を押し付けよう!」
妹「流石お兄ちゃん!」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 01:57:18 ID:cRiIvc/c
妹「早速連絡するね!」
兄「おう!」
プルプルプル
妹「あ…もしもし兄友君…大事な話があるの…」
妹「電話では言いにくいから…家に来てくれない…?」
妹「待ってるね…」ピッ
妹「すぐに来るってさw」
兄「そうか!」
兄「おう!」
プルプルプル
妹「あ…もしもし兄友君…大事な話があるの…」
妹「電話では言いにくいから…家に来てくれない…?」
妹「待ってるね…」ピッ
妹「すぐに来るってさw」
兄「そうか!」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 01:59:55 ID:cRiIvc/c
妹「もちろん産むのは嫌だから責任押し付けてお金を貰おう!」
妹「兄友君気が弱そうだからイケるイケるw」
兄「ははは!」
妹「何笑ってるのw 」
兄「もういるでw」
妹「え?」
クローゼットから
兄友「やあ!」
妹「兄友君気が弱そうだからイケるイケるw」
兄「ははは!」
妹「何笑ってるのw 」
兄「もういるでw」
妹「え?」
クローゼットから
兄友「やあ!」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:01:33 ID:cRiIvc/c
妹「どういう事?」
兄「これから妹を解体するんやでw」
兄友「ビッチは死すべし!」
妹「意味わかんないよ。頭おかしいんじゃない。」
兄「これから妹を解体するんやでw」
兄友「ビッチは死すべし!」
妹「意味わかんないよ。頭おかしいんじゃない。」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:03:32 ID:cRiIvc/c
兄「新しい妹を創るんや!」
兄友「せや!」
妹「ばっかじゃないの?」
兄友「せや!」
妹「ばっかじゃないの?」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:08:20 ID:cRiIvc/c
兄「兄友君さあ妹の足を切断するんだ!」
兄友「おうさ!」チェーンソー
妹「ひっ…冗談だよね…?」
兄「やれw」
兄友「w」ギュイイイン
妹「やばいこいつら…」
兄友「おうさ!」チェーンソー
妹「ひっ…冗談だよね…?」
兄「やれw」
兄友「w」ギュイイイン
妹「やばいこいつら…」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:24:32 ID:cRiIvc/c
兄「逃がさんぞ」
妹「何でこんなことするのよ!」
兄友「ビッチは死すべし!」
妹「童貞の方がキモいわ!」
兄「はっ?」
兄友「うーん」
妹「そうでしょ?兄友?」
兄友「せやな!」
兄「待て、兄友。その腐れビッチはお前に妊娠した責任を押し付けようとしてたんだぞ。」
妹「童貞の言い訳はキモいわw」
兄友「www」
妹「何でこんなことするのよ!」
兄友「ビッチは死すべし!」
妹「童貞の方がキモいわ!」
兄「はっ?」
兄友「うーん」
妹「そうでしょ?兄友?」
兄友「せやな!」
兄「待て、兄友。その腐れビッチはお前に妊娠した責任を押し付けようとしてたんだぞ。」
妹「童貞の言い訳はキモいわw」
兄友「www」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:26:10 ID:cRiIvc/c
妹「死ぬべきなのは童貞のお兄ちゃんよね?」
兄友「せやな!」ギュイイイン
兄「待て…」
兄友「せやな!」ギュイイイン
兄「待て…」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 02:30:48 ID:cRiIvc/c
妹「オマンコのまま死ぬのは可哀相だから特別に見せてあげるw」ヌギヌギ
妹「どう?初めて見るオマンコは?w」
妹「さよならお兄ちゃんw」
兄友「w」ギュイイイン
兄「ああ…オマンコは黒かったんだ…」
ザシュッ
完
妹「どう?初めて見るオマンコは?w」
妹「さよならお兄ちゃんw」
兄友「w」ギュイイイン
兄「ああ…オマンコは黒かったんだ…」
ザシュッ
完
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/04/12(火) 17:52:15 ID:2ThcSktU
言葉にならない(褒め言葉)
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/28(金) 21:50:48 ID:XZjgnZGg
あ
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1460393403/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
神谷奈緒「ペット……のようなものが住み着いた」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:53:36.36 ID:1zc5ibQM0
アイドルマスターシンデレラガールズです。
神谷奈緒と北条加蓮が一応メインです。渋谷凛もちょこっと出てます。
くだらないお話です。
神谷奈緒と北条加蓮が一応メインです。渋谷凛もちょこっと出てます。
くだらないお話です。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:54:05.10 ID:1zc5ibQM0
事務所
奈緒「なぁ、凛」
凛「なに?」
奈緒「ちょっと相談があるんだけどいいか?」
凛「別にいいけど」
奈緒「凛って犬飼ってるよな」
凛「うん。飼ってるよ、ハナコ」
奈緒「そこを見込んでちょっと教えてほしいんだけど……」
凛「飼うの?」
奈緒「飼うって言うか……拾ったと言うか……」
凛「野良犬? 今時珍しいね」
奈緒「あ、すまん。犬……じゃなくて猫かも」
凛「猫なら私よりもみくの方が詳しいと思うけど……」
奈緒「なぁ、凛」
凛「なに?」
奈緒「ちょっと相談があるんだけどいいか?」
凛「別にいいけど」
奈緒「凛って犬飼ってるよな」
凛「うん。飼ってるよ、ハナコ」
奈緒「そこを見込んでちょっと教えてほしいんだけど……」
凛「飼うの?」
奈緒「飼うって言うか……拾ったと言うか……」
凛「野良犬? 今時珍しいね」
奈緒「あ、すまん。犬……じゃなくて猫かも」
凛「猫なら私よりもみくの方が詳しいと思うけど……」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:55:08.51 ID:1zc5ibQM0
奈緒「その……えっと……。なんて言うか、そう! 生き物を飼う上での心構え的なのが知りたいんだ!」
凛「ああ、そういう事。それなら私でも教えられるね」
奈緒「だろ!?」
凛「じゃあ、とりあえず私から言える事はひとつかな」
奈緒「なんだ?」
凛「愛情を持って接する事」
奈緒「? 当たり前じゃないのか?」
凛「うん。当たり前。当たり前だけど難しい事だよ」
凛「子犬や子猫みたいに子どものうちは可愛がっても大人になったら、思っていたのと違ったとかで可愛がらなくなる事もあるんだよ」
奈緒「そうなのか?」
凛「聞いたことない? 飼いきれなくなってその辺に捨てたとか」
奈緒「んー……?」
凛「あ、ごめん。犬や猫に限った話じゃなくてね。魚とか爬虫類とかでも」
奈緒「あー、それなら聞いたことあるな。外来種のカメとか」
凛「そう。そういう人達もきっと小さいうちは可愛がってたんだよ」
凛「でも、段々と成長して手に負えなくなって、その辺に捨てる」
凛「きっと本人は強く生きて欲しいとか思って捨てるんだと思うけど、これは生き物を飼う上で絶対にやっちゃいけない事」
凛「ペットとは言え、命には変わりないんだから、人間の都合だけで捨てるなんて絶対にダメ」
凛「ああ、そういう事。それなら私でも教えられるね」
奈緒「だろ!?」
凛「じゃあ、とりあえず私から言える事はひとつかな」
奈緒「なんだ?」
凛「愛情を持って接する事」
奈緒「? 当たり前じゃないのか?」
凛「うん。当たり前。当たり前だけど難しい事だよ」
凛「子犬や子猫みたいに子どものうちは可愛がっても大人になったら、思っていたのと違ったとかで可愛がらなくなる事もあるんだよ」
奈緒「そうなのか?」
凛「聞いたことない? 飼いきれなくなってその辺に捨てたとか」
奈緒「んー……?」
凛「あ、ごめん。犬や猫に限った話じゃなくてね。魚とか爬虫類とかでも」
奈緒「あー、それなら聞いたことあるな。外来種のカメとか」
凛「そう。そういう人達もきっと小さいうちは可愛がってたんだよ」
凛「でも、段々と成長して手に負えなくなって、その辺に捨てる」
凛「きっと本人は強く生きて欲しいとか思って捨てるんだと思うけど、これは生き物を飼う上で絶対にやっちゃいけない事」
凛「ペットとは言え、命には変わりないんだから、人間の都合だけで捨てるなんて絶対にダメ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:55:39.72 ID:1zc5ibQM0
奈緒「なるほどなー……。だから愛情を持って接する事が重要なのか」
凛「そういう事」
凛「それに、犬や猫は人間に比べて寿命が短いから、飼うなら最期の時までちゃんとお世話してあげなきゃね」
奈緒「だなぁ……」
凛「ところでどんな子を飼うの?」
奈緒「へ!?」
凛「いや、だからどんな猫?」
奈緒「えっ!? ね、猫!?」
凛「? 猫って言ってたよね?」
奈緒「そ、そうだっけ?」
凛「……まさかと思うけど、猫じゃない、とか」
奈緒「そ、そそ、そんなわけないだろ!? 猫だよ! 猫! うん! 猫!」
凛「……なんか怪しくない?」
奈緒「あ、怪しくなんかない! 怪しくなんかないぞ!」
凛「ふーん……」
奈緒「……あ、あーっ! そ、そろそろアニメの時間だー! あ、あたしは帰るからな! お疲れ!」
凛「お疲れさ……ってもう行っちゃった」
凛「それにしてもあの奈緒の慌てよう……何か怪しい気がする」
凛「そういう事」
凛「それに、犬や猫は人間に比べて寿命が短いから、飼うなら最期の時までちゃんとお世話してあげなきゃね」
奈緒「だなぁ……」
凛「ところでどんな子を飼うの?」
奈緒「へ!?」
凛「いや、だからどんな猫?」
奈緒「えっ!? ね、猫!?」
凛「? 猫って言ってたよね?」
奈緒「そ、そうだっけ?」
凛「……まさかと思うけど、猫じゃない、とか」
奈緒「そ、そそ、そんなわけないだろ!? 猫だよ! 猫! うん! 猫!」
凛「……なんか怪しくない?」
奈緒「あ、怪しくなんかない! 怪しくなんかないぞ!」
凛「ふーん……」
奈緒「……あ、あーっ! そ、そろそろアニメの時間だー! あ、あたしは帰るからな! お疲れ!」
凛「お疲れさ……ってもう行っちゃった」
凛「それにしてもあの奈緒の慌てよう……何か怪しい気がする」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:56:06.95 ID:1zc5ibQM0
◆
神谷家
奈緒(はぁ……。凛に怪しまれただろうなぁ……)
奈緒(でも……言えるわけがないし……)
加蓮「あ、おかえりー♪」
奈緒「ただいまー」
奈緒(まさか加蓮があたしのペットとしてうちに居るなんて)
奈緒「言えるわけがない……」
加蓮「ん? 何が?」
奈緒「お前があたしのペットになったって事」
加蓮「言ってくれても良いんだよ?」
加蓮「大好きな奈緒のペットだもん♪」
奈緒「言えるわけないだろ!」
神谷家
奈緒(はぁ……。凛に怪しまれただろうなぁ……)
奈緒(でも……言えるわけがないし……)
加蓮「あ、おかえりー♪」
奈緒「ただいまー」
奈緒(まさか加蓮があたしのペットとしてうちに居るなんて)
奈緒「言えるわけがない……」
加蓮「ん? 何が?」
奈緒「お前があたしのペットになったって事」
加蓮「言ってくれても良いんだよ?」
加蓮「大好きな奈緒のペットだもん♪」
奈緒「言えるわけないだろ!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:56:35.93 ID:1zc5ibQM0
加蓮「なんで? どうして?」
奈緒「世間体とかそういうの色々あるだろ!」
加蓮「えー? きっと世の中は受け入れてくれるよ。なんかそういう性癖の人も居るんでしょ?」
奈緒「まぁそりゃ居るだろうけど……」
加蓮「でしょ。だから私が奈緒のペットでもなんの問題もない!」
奈緒「問題だらけだわ!」
加蓮「はいはい。気にしない気にしない。ご主人様はイライラし過ぎだにゃー」
奈緒「みくのアイデンティティがクライシスしそうだからやめてやれ」
加蓮「でも、『わん』だと凛のアイデンティティがクライシスしちゃうし」
奈緒「じゃあそのペットのスタンスやめろ!」
加蓮「えっ……? じゃあ私はこれから奈緒の奴隷として……?」
奈緒「やめろやめろ! よりディープな方向に話を進めるなー!」
加蓮「あはは、冗談だよ、冗談」
奈緒「勘弁してくれ……」
加蓮「ま、でもたまにはいいんじゃない?」
奈緒「たまにでもあたしの人間性が疑われるからやめてほしい」
奈緒「世間体とかそういうの色々あるだろ!」
加蓮「えー? きっと世の中は受け入れてくれるよ。なんかそういう性癖の人も居るんでしょ?」
奈緒「まぁそりゃ居るだろうけど……」
加蓮「でしょ。だから私が奈緒のペットでもなんの問題もない!」
奈緒「問題だらけだわ!」
加蓮「はいはい。気にしない気にしない。ご主人様はイライラし過ぎだにゃー」
奈緒「みくのアイデンティティがクライシスしそうだからやめてやれ」
加蓮「でも、『わん』だと凛のアイデンティティがクライシスしちゃうし」
奈緒「じゃあそのペットのスタンスやめろ!」
加蓮「えっ……? じゃあ私はこれから奈緒の奴隷として……?」
奈緒「やめろやめろ! よりディープな方向に話を進めるなー!」
加蓮「あはは、冗談だよ、冗談」
奈緒「勘弁してくれ……」
加蓮「ま、でもたまにはいいんじゃない?」
奈緒「たまにでもあたしの人間性が疑われるからやめてほしい」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:57:07.21 ID:1zc5ibQM0
加蓮「まぁまぁ、どうせあと3日くらいだし」
奈緒「普通に友達としてお泊りでよくないか?」
加蓮「えー? それじゃあ奈緒が私を可愛がってくれなくない?」
奈緒「例えペットだったとしても加蓮を無意味に可愛がる必要ないと思うんだ」
加蓮「そんなっ……! 私はこんなにも奈緒の事が大好きなのに……!」
奈緒「あー、どーも。ありがとなー」
加蓮「もう、奈緒つまんなーい」
奈緒「昨日一日、散々言われたからさすがに慣れた」
加蓮「そっか。うーん。ちょっとペース配分を間違えたかな」
奈緒「と言うか加蓮はなんでこんなにテンション高いんだよ。あたしなんかもう疲れ切ってるのに」
加蓮「だって、奈緒の家に一週間もお泊り出来るんだよ? これでテンション上がらないわけないでしょ?」
加蓮「奈緒のパパとママも大歓迎してくれるし、これはもう神谷加蓮でも違和感ないと思う!」
奈緒「あたしだって加蓮が普通に人間で居てくれた間は歓迎してただろ!」
加蓮「あーそうだね。うん」
奈緒「普通に友達としてお泊りでよくないか?」
加蓮「えー? それじゃあ奈緒が私を可愛がってくれなくない?」
奈緒「例えペットだったとしても加蓮を無意味に可愛がる必要ないと思うんだ」
加蓮「そんなっ……! 私はこんなにも奈緒の事が大好きなのに……!」
奈緒「あー、どーも。ありがとなー」
加蓮「もう、奈緒つまんなーい」
奈緒「昨日一日、散々言われたからさすがに慣れた」
加蓮「そっか。うーん。ちょっとペース配分を間違えたかな」
奈緒「と言うか加蓮はなんでこんなにテンション高いんだよ。あたしなんかもう疲れ切ってるのに」
加蓮「だって、奈緒の家に一週間もお泊り出来るんだよ? これでテンション上がらないわけないでしょ?」
加蓮「奈緒のパパとママも大歓迎してくれるし、これはもう神谷加蓮でも違和感ないと思う!」
奈緒「あたしだって加蓮が普通に人間で居てくれた間は歓迎してただろ!」
加蓮「あーそうだね。うん」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:57:41.87 ID:1zc5ibQM0
奈緒「なのに、なんで急にペットになるなんて……」
加蓮「えー? だってそろそろ飽きてきたし」
奈緒「暇つぶしでペットになったのかよ!?」
加蓮「むしろそれ以上の理由がどこにあるの?」
奈緒「この……!」
加蓮「はいはい。怒らない怒らない。ご主人様の可愛いお顔が台無しわん」
奈緒「さっき凛のアイデンティティがクライシスするってった割にすぐに『わん』使うんだな」
加蓮「……奈緒的には『ぴょん』の方が好みだった?」
奈緒「あたしは普通に人間の加蓮が好みだ」
加蓮「えっ……そんな、あたしの事が大好きだなんて……。照れちゃう……」
奈緒「あー! 言ってないし! そんな事、言ってないし!」
加蓮「……奈緒は……私の事、嫌いなの……?」
奈緒「へっ!? い、いや! そんなわけないだろ! 加蓮の事は大す……」
加蓮「す?」
奈緒「っ……! もう良いだろ!」
加蓮「奈緒顔真っ赤でかーわーいーいー!」
奈緒「あー! もうあんまりからかうなら追い出すぞ!」
加蓮「……今、ここを追い出されちゃったら、私は帰るところがなくなっちゃう……」
奈緒「そんなシリアスムード出しても無駄だぞ。ご両親が仕事で留守だからうちで預かってるだけだろ」
加蓮「えー? だってそろそろ飽きてきたし」
奈緒「暇つぶしでペットになったのかよ!?」
加蓮「むしろそれ以上の理由がどこにあるの?」
奈緒「この……!」
加蓮「はいはい。怒らない怒らない。ご主人様の可愛いお顔が台無しわん」
奈緒「さっき凛のアイデンティティがクライシスするってった割にすぐに『わん』使うんだな」
加蓮「……奈緒的には『ぴょん』の方が好みだった?」
奈緒「あたしは普通に人間の加蓮が好みだ」
加蓮「えっ……そんな、あたしの事が大好きだなんて……。照れちゃう……」
奈緒「あー! 言ってないし! そんな事、言ってないし!」
加蓮「……奈緒は……私の事、嫌いなの……?」
奈緒「へっ!? い、いや! そんなわけないだろ! 加蓮の事は大す……」
加蓮「す?」
奈緒「っ……! もう良いだろ!」
加蓮「奈緒顔真っ赤でかーわーいーいー!」
奈緒「あー! もうあんまりからかうなら追い出すぞ!」
加蓮「……今、ここを追い出されちゃったら、私は帰るところがなくなっちゃう……」
奈緒「そんなシリアスムード出しても無駄だぞ。ご両親が仕事で留守だからうちで預かってるだけだろ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:58:20.46 ID:1zc5ibQM0
加蓮「んー、駄目だったかー」
奈緒「はぁ……、もうなんなんだよ、お前……」
加蓮「昨日今日とオフで暇だったからさー。退屈で退屈で仕方がないの」
奈緒「だからってあたしで遊ぶな! と言うか普段からあたしをいじるのやめろ!」
加蓮「えー」
奈緒「『えー』じゃない! あたしの方が年上なんだぞ! 少しは敬え!」
加蓮「はぁい、ご主人様♪ ご奉仕しますにゃん♪」
奈緒「ひょぇっ……」
加蓮「ちょっと、なんで悲鳴あげるの!」
奈緒「いや……だって、こうなんかぞわぞわすんだよ……」
奈緒「よくよく考えたら加蓮に敬われるだけでもなんか気持ち悪いのに、さらにそんな壊れたキャラで来られたら……情報過多で脳の処理が追いつかない」
加蓮「今の発言、私だけじゃなくてみくも的に回してる気がする」
奈緒「みくは常識あるけど、今の加蓮には常識がないのが悪い」
加蓮「もう、ひどーい」
奈緒「酷くないし」
奈緒「と言うか、あたし汗かいてるしシャワー浴びたいんだけど」
加蓮「ん。そっか」
奈緒「うん」
奈緒「はぁ……、もうなんなんだよ、お前……」
加蓮「昨日今日とオフで暇だったからさー。退屈で退屈で仕方がないの」
奈緒「だからってあたしで遊ぶな! と言うか普段からあたしをいじるのやめろ!」
加蓮「えー」
奈緒「『えー』じゃない! あたしの方が年上なんだぞ! 少しは敬え!」
加蓮「はぁい、ご主人様♪ ご奉仕しますにゃん♪」
奈緒「ひょぇっ……」
加蓮「ちょっと、なんで悲鳴あげるの!」
奈緒「いや……だって、こうなんかぞわぞわすんだよ……」
奈緒「よくよく考えたら加蓮に敬われるだけでもなんか気持ち悪いのに、さらにそんな壊れたキャラで来られたら……情報過多で脳の処理が追いつかない」
加蓮「今の発言、私だけじゃなくてみくも的に回してる気がする」
奈緒「みくは常識あるけど、今の加蓮には常識がないのが悪い」
加蓮「もう、ひどーい」
奈緒「酷くないし」
奈緒「と言うか、あたし汗かいてるしシャワー浴びたいんだけど」
加蓮「ん。そっか」
奈緒「うん」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:58:47.76 ID:1zc5ibQM0
加蓮「じゃ、行こっか」
奈緒「は?」
加蓮「? シャワーでしょ? 髪の毛洗ってあげるし、お背中流してあげるよ、ご主人様」
奈緒「いらん! ついてくるな!」
加蓮「えー」
奈緒「いいか! 絶対についてくるなよ! 脱衣所に入ってきたら絶交だかんな!」
加蓮「はいはい。じゃあここに居るから。先にシャワー浴びて来いよ」
奈緒「プロデューサーさんがいつか言ってみたいって言ってたな、その台詞」
加蓮「うん。だから言ってみた」
奈緒「感想は?」
加蓮「ちょっと恥ずかしい……」
奈緒「は?」
加蓮「? シャワーでしょ? 髪の毛洗ってあげるし、お背中流してあげるよ、ご主人様」
奈緒「いらん! ついてくるな!」
加蓮「えー」
奈緒「いいか! 絶対についてくるなよ! 脱衣所に入ってきたら絶交だかんな!」
加蓮「はいはい。じゃあここに居るから。先にシャワー浴びて来いよ」
奈緒「プロデューサーさんがいつか言ってみたいって言ってたな、その台詞」
加蓮「うん。だから言ってみた」
奈緒「感想は?」
加蓮「ちょっと恥ずかしい……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:59:14.67 ID:1zc5ibQM0
◆
奈緒 シャワー中
加蓮(んー、ちょっと羽目外し過ぎかなー)
加蓮(でも楽しいし、仕方ないか)
奈緒『か、かれーん……?』
加蓮「なーにー?」
奈緒『あ、あのさ……』
加蓮「どしたの?」
奈緒『その……』
奈緒『き、着替え忘れたからあたしの部屋から取ってきて欲しい……』
加蓮「ふふっ。もう、仕方ないなー」
奈緒『取ってきたら脱衣所に投げ込んどいてください……。あたしはそれまでお風呂に居る……』
奈緒 シャワー中
加蓮(んー、ちょっと羽目外し過ぎかなー)
加蓮(でも楽しいし、仕方ないか)
奈緒『か、かれーん……?』
加蓮「なーにー?」
奈緒『あ、あのさ……』
加蓮「どしたの?」
奈緒『その……』
奈緒『き、着替え忘れたからあたしの部屋から取ってきて欲しい……』
加蓮「ふふっ。もう、仕方ないなー」
奈緒『取ってきたら脱衣所に投げ込んどいてください……。あたしはそれまでお風呂に居る……』
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 01:59:43.71 ID:1zc5ibQM0
◆
加蓮「奈緒ー、入るよー」
奈緒『おう! ありがとな!』
加蓮「どういたしまして。じゃあここに置いておくから」
奈緒『ありがとな!』
加蓮「うん」
奈緒『置いたらすぐに出て行ってください』
加蓮「ありゃ、バレた?」
奈緒『やっぱりまだそこに居たのか!』
加蓮「せっかくご主人様のお身体を拭いて差し上げようかと思ったのになー」
奈緒『いらんわ!』
加蓮「はいはい。じゃあ私はリビングに行ってるね。お茶淹れてるね」
奈緒『了解ー。頼んだ』
加蓮「はーい」
加蓮「奈緒ー、入るよー」
奈緒『おう! ありがとな!』
加蓮「どういたしまして。じゃあここに置いておくから」
奈緒『ありがとな!』
加蓮「うん」
奈緒『置いたらすぐに出て行ってください』
加蓮「ありゃ、バレた?」
奈緒『やっぱりまだそこに居たのか!』
加蓮「せっかくご主人様のお身体を拭いて差し上げようかと思ったのになー」
奈緒『いらんわ!』
加蓮「はいはい。じゃあ私はリビングに行ってるね。お茶淹れてるね」
奈緒『了解ー。頼んだ』
加蓮「はーい」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 02:00:26.44 ID:1zc5ibQM0
◆
神谷家 リビング
奈緒「かぁれぇぇぇん!!!」
加蓮「どったの?」
奈緒「どこから出してきた! どこで見つけた! どうして見つけた!」
加蓮「どこって奈緒の部屋のタンスの奥の方。どうしてって部屋の掃除しておくねって朝言っておいたし」
奈緒「ああああぁぁぁもおー! あー言えばこー言うー!」
加蓮「まぁいいじゃんいいじゃん。お気に入りなんでしょ? そのバックプリント」
奈緒「お気に入りだけどさ! お気に入りだけど、お前に知られたくなかったんだよ!」
加蓮「大丈夫だって。凛にしか言わないし」
奈緒「絶対に言うなよ!? 絶対だからな!?」
加蓮「……これは幸子ちゃんが言ってたフリってやつ?」
奈緒「ちがーう!」
加蓮「あはは。大丈夫大丈夫。言わないから」
加蓮「はい、麦茶」
奈緒「ありがと……」
加蓮「大丈夫だって。ご主人様が嫌がる事はペットってしないんだよ」
奈緒「加蓮はペットじゃないだろ」
加蓮「今は奈緒のペットだよ」
奈緒「はぁ……」
奈緒「なんでまたそんな事始めたんだよ」
加蓮「まぁいいでしょ?」
奈緒「……昨日も言ったけど、父さんと母さんの前では絶対にやめろよな」
加蓮「わかってるって」
神谷家 リビング
奈緒「かぁれぇぇぇん!!!」
加蓮「どったの?」
奈緒「どこから出してきた! どこで見つけた! どうして見つけた!」
加蓮「どこって奈緒の部屋のタンスの奥の方。どうしてって部屋の掃除しておくねって朝言っておいたし」
奈緒「ああああぁぁぁもおー! あー言えばこー言うー!」
加蓮「まぁいいじゃんいいじゃん。お気に入りなんでしょ? そのバックプリント」
奈緒「お気に入りだけどさ! お気に入りだけど、お前に知られたくなかったんだよ!」
加蓮「大丈夫だって。凛にしか言わないし」
奈緒「絶対に言うなよ!? 絶対だからな!?」
加蓮「……これは幸子ちゃんが言ってたフリってやつ?」
奈緒「ちがーう!」
加蓮「あはは。大丈夫大丈夫。言わないから」
加蓮「はい、麦茶」
奈緒「ありがと……」
加蓮「大丈夫だって。ご主人様が嫌がる事はペットってしないんだよ」
奈緒「加蓮はペットじゃないだろ」
加蓮「今は奈緒のペットだよ」
奈緒「はぁ……」
奈緒「なんでまたそんな事始めたんだよ」
加蓮「まぁいいでしょ?」
奈緒「……昨日も言ったけど、父さんと母さんの前では絶対にやめろよな」
加蓮「わかってるって」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 02:01:00.78 ID:1zc5ibQM0
◆
夜 奈緒の自室
奈緒「疲れた……」
加蓮「お疲れ様」
奈緒「って、なんであたしのベッドに入ってくるんだ」
加蓮「ペットだしいいでしょー?」
奈緒「狭いんだよ! 昨日みたいに床で寝ろ!」
加蓮「そんなっ……か弱い女の子に床で寝ろだなんて……!」
奈緒「布団が敷いてあるだろ! 人聞きの悪い事を言うな!」
加蓮「まぁまぁ」
奈緒「まぁまぁ、じゃない!」
奈緒「あー、もー……」
加蓮「えへへ、奈緒あったかーい」
奈緒「むしろ暑いんだけど」
加蓮「ペットだと思って。ほら、ぎゅってしてよ」
奈緒「えぇ……」
加蓮「奈緒の可愛い可愛いペットがこんなにお願いしてるのに……」
奈緒「自分で言うのか」
加蓮「言葉の綾ってやつかな」
奈緒「はぁ……。ほら、これでいいかー?」
加蓮「うん。ありがと、奈緒」
奈緒「はいはい。じゃあもう寝るからなー、おやすみー」
加蓮「おやすみ、奈緒」
夜 奈緒の自室
奈緒「疲れた……」
加蓮「お疲れ様」
奈緒「って、なんであたしのベッドに入ってくるんだ」
加蓮「ペットだしいいでしょー?」
奈緒「狭いんだよ! 昨日みたいに床で寝ろ!」
加蓮「そんなっ……か弱い女の子に床で寝ろだなんて……!」
奈緒「布団が敷いてあるだろ! 人聞きの悪い事を言うな!」
加蓮「まぁまぁ」
奈緒「まぁまぁ、じゃない!」
奈緒「あー、もー……」
加蓮「えへへ、奈緒あったかーい」
奈緒「むしろ暑いんだけど」
加蓮「ペットだと思って。ほら、ぎゅってしてよ」
奈緒「えぇ……」
加蓮「奈緒の可愛い可愛いペットがこんなにお願いしてるのに……」
奈緒「自分で言うのか」
加蓮「言葉の綾ってやつかな」
奈緒「はぁ……。ほら、これでいいかー?」
加蓮「うん。ありがと、奈緒」
奈緒「はいはい。じゃあもう寝るからなー、おやすみー」
加蓮「おやすみ、奈緒」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 02:01:29.77 ID:1zc5ibQM0
◆
翌日 事務所
奈緒「はよー」
加蓮「おはよー」
凛「あ、おはよ。二人とも」
凛「ところでこれどういう事?」
奈緒「これ?」
奈緒「加蓮のツイッターがどうか……し……って、おいぃ! 加蓮!? お前何をしてやがる!」
奈緒「って居ないし! どこ行った!」
凛「まさか朝から奈緒と加蓮が同じベッドで抱き合って寝てる写真がアップされるなんて思いもしなかったよ」
凛「ほら、見てよ、このリツイート数」
奈緒「やめろ! リツイートすんな! 加蓮! 加蓮はどこだ! 消せ! 早く消せ!」
凛「あ、また増えた」
奈緒「やめて! これ以上リツイートすんなー!」
加蓮「ふふっ。やっぱり奈緒はからかいがいがあるなぁ」
加蓮「私も楽しかったし、またやろっと♪」
加蓮「でも、残りは普通にお友達としてお泊りかな」
加蓮「そろそろご機嫌とっておかないとね」
End
翌日 事務所
奈緒「はよー」
加蓮「おはよー」
凛「あ、おはよ。二人とも」
凛「ところでこれどういう事?」
奈緒「これ?」
奈緒「加蓮のツイッターがどうか……し……って、おいぃ! 加蓮!? お前何をしてやがる!」
奈緒「って居ないし! どこ行った!」
凛「まさか朝から奈緒と加蓮が同じベッドで抱き合って寝てる写真がアップされるなんて思いもしなかったよ」
凛「ほら、見てよ、このリツイート数」
奈緒「やめろ! リツイートすんな! 加蓮! 加蓮はどこだ! 消せ! 早く消せ!」
凛「あ、また増えた」
奈緒「やめて! これ以上リツイートすんなー!」
加蓮「ふふっ。やっぱり奈緒はからかいがいがあるなぁ」
加蓮「私も楽しかったし、またやろっと♪」
加蓮「でも、残りは普通にお友達としてお泊りかな」
加蓮「そろそろご機嫌とっておかないとね」
End
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 02:03:18.17 ID:1zc5ibQM0
以上です。
これは酷い……。
今書いてる別のが行き詰ってるから息抜きがてらに書いてました。駄作を書くのは楽しい。
気分転換も必要ですよね!
では、お読み頂ければ幸いです。依頼出してきます。
これは酷い……。
今書いてる別のが行き詰ってるから息抜きがてらに書いてました。駄作を書くのは楽しい。
気分転換も必要ですよね!
では、お読み頂ければ幸いです。依頼出してきます。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 03:47:11.90 ID:BoOGtJwB0
まだ3時だし続きを書けばいいんじゃないかな
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 20:28:46.18 ID:b+qlKYj3O
次は凛の家に行って凛のペットになろう(提案)
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498323216/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【モバマス】渋谷凛「私の想い、人形の呪い」
1: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:38:49.87 ID:deNVFBuR0
ホラーです。
そこまで怖くないですが、苦手な方は序盤だけ読めると思います。
最後まで読んでくれればうれしいですが、ホラー無理な方はこちらをどうぞ。
まったりしていて読みやすいと思います。
【モバマス】茜「藍子ちゃんの1日を」未央「体験しよう!」藍子「……え?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498217863/
2: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:39:15.99 ID:deNVFBuR0
『プロデューサー。私、プロデューサーのことが好き』
『……そう、だよね。うん、わかってた』
『プロデューサーが謝ることないよ。悪いのは私の方なんだから』
『……アイドルとプロデューサーなんだもん。恋をしちゃいけない関係だから』
『……恋をしたら、いけなかったんだよ』
3: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:39:41.97 ID:deNVFBuR0
-----------
自宅
どうしてこんなに気が重いのだろう。
そんな原因はわかっている。彼に振られたことが楔となって心に突き刺さったままなのだから。
「はぁ……」
振られることはわかっていた。覚悟していたことなのに、それでもショックは大きかった。
「私、何してるんだろ……」
彼女―渋谷凛―は、ベッドの上でクッションを抱いてうつ伏せになっている。
昨日凛はプロデューサーに告白をし、振られたショックが抜けきっていない。
「なんか、楽になりたいなー」
早く割りきって普段通りになりたいと凛は思う。
幸い、今日がオフだったのは助かった。
こんな不安定な精神状態で仕事なんて出来なかったと思うから。
4: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:40:20.39 ID:deNVFBuR0
「……ーん?……りーん?」
突然、階下から母の声が聞こえる。
正直に言えば、返事をすることも面倒なのだが、気力を出して返事をすることにした。
「……なーにー?」
自室のドアが開き、母が顔を出す。
「凛。お母さんね、これから叔母さんのお家に行ってくるから店番お願いしてもいい?」
「……叔母さんの家?……確かこの前叔母さん亡くなったよね?」
「ええ。あの子、一人暮らしだったから、その遺品整理とかがあるのよ」
「ふーん」
今の凛にとっては、母が出かけるのは良いことだが、店番をするのは億劫だった。
「……うん、わかった。行ってらっしゃい」
それでも仕方なく、了承した。
出来るだけ客が来ないことを祈って、最悪二組くらいなら嫌な顔をせず対応できるだろう。
「夜までには戻るから、その間お願いね」
「……うん」
5: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:40:52.15 ID:deNVFBuR0
それから母が一階へ戻っていき、凛もだるい身体を起こして動き出した。
「……ま、ハナコと店番すればいいか。少しは身体動かした方が気も紛れるだろうし」
そのまま一階へ降りて店に顔を出すと、ちょうど母が出ていく所だった。
「それじゃ、行ってくるわね」
「行ってらっしゃい」
母の背中を見送って、レジの椅子に腰かける。
店内には誰も客はいないし、人通りもいつもより少なく見える。
少しだけ胸を撫で下ろし、ただ無意味な時間を過ごす。
「……ハナコー。おいでー」
家の中でじっとしているハナコを呼び寄せる。
しばらくしてトテトテとハナコが走ってくる足音が聞こえ、足元に来てから抱き上げた。
「……ハナコは元気だなー。私にもその元気ちょうだいよ」
クゥーン?
珍しく主人の弱気な姿を見たからか、それとも単に鳴いただけなのか、ハナコの様子は少しだけ凛を気遣っているようだった。
「……少しの間だけこんな私だけど、そのうち元気になるだろうから心配しないで」
ワンッ
「ありがと、ハナコ」
6: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:41:44.57 ID:deNVFBuR0
少しだけ、ハナコに元気づけられたのか気力が戻った。
そこでちょうど店のドアが開いて、誰かがやってくる。
「……いらっしゃいませ」
ハナコを足元に下ろして、平静を装って接客をした。
「しぶりーん、元気ー?」
店を訪ねてきたのは客ではなく、アイドル仲間の本田未央だった。
「……なんだ、未央か。どうしたの?」
珍しい来客に驚くのと同時に、面倒な気持ちがあった。
見ず知らずの人なら平静を保てるのに、知り合いなら話は別だろう。
「いやー、なんとなく近くを通ったからねー。確かしぶりんはオフだったなって思い出して」
眩しい笑顔を見せて、未央は無邪気に話しかける。
「そういうこと。冷やかしだったら帰ってください」
ついつい冷たい態度を取ってしまい、すぐに後悔した。
未央は何も悪くないのに当たるなんて最低だ。
「ちょっ。しぶりん冷たいぞー。せっかく未央ちゃんが顔を出したってのにー」
未央は言葉では文句を言いながらも、本気で落ち込む様子はない。
ただの冗談だと思われたのだろう。
7: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:42:20.66 ID:deNVFBuR0
「はいはい。それで今日は何の用?」
冗談だと思われたなら好都合で、依然気持ちは重いままだったが、何とか平静を保つことを努力する。
「……いやー、しぶりんの顔色を窺った方がいいかなーって」
「……どういうこと?」
ドキッとした。
なぜ未央はそんなことを言うのだろうか。
普通なら遊びにきたと言う場面ではないのか。
まだ誰にも話していないのに、未央が知っているはずはないのに。
「………………」
未央から返事は何もない。
それなのに、未央の目がしっかりと凛のことを見ていて、事情を知っていると訴えかけていた。
「……どうして?」
もはや凛は平静を保ってなんかいられない。
声が震えるのを隠すこともできず、ただ未央を見つめることしかできない。
「……今のしぶりんは良く思えないかもしれないけどさ、様子を見てきてくれって頼まれたんだよね」
8: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:42:50.15 ID:deNVFBuR0
誰に?
そんな言葉を投げかけようとしてやめた。
そんなことを頼むのは一人しか該当者がいない。
「…………そっか」
隠すだけ無駄なことなんだろう。
彼の気遣いは憎くて、それでも甘えてしまう。
一人で抱え続けたところでどうしようもないのだから。
「……あのさ、未央。少しだけ私の話を聞いてくれる?」
意を決して未央に話しかけた。
きっと断られることはないとわかっていても、少しだけ勇気のいることだった。
「うん」
彼女を手招きして、レジの裏側に呼び寄せる。
椅子をもうひとつ出して未央に座ってもらう。
「……私、昨日失恋したんだ」
「……そっか」
何から話そうか迷い、言葉を考えてみるが、何も考えずとも自然と言葉は口から漏れていた。
9: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:43:32.25 ID:deNVFBuR0
「頼まれたなら知ってるだろうけどさ、相手はプロデューサーで、キッパリ断られたんだ」
それを聞いて未央はどう思ったのか。彼に頼まれたとき、何を思ったのだろう。
「もちろん私も、アイドルとプロデューサーなんだから付き合うことは出来ないってわかってたんだよ」
告白する以前から何度も思い、その度に立ち止まってきた。
けれど日に日に想いは高まり、それを止めることなんてできなかった。
「わかってたのに、どうしてこんなに辛いんだろうね……」
視界が歪む。
未央の顔すらまともに見ることができず、凛は俯いてしまう。
肩が震え、鼻をすすり、涙が頬を伝う。
凛の足元で、ハナコがそっと寄り添った。
「……つらいよね、しぶりん」
凛の肩に手をおいて、未央が語りかける。
表情は見えなくても本気で心配しているのが伝わってくる。
「アイドルとプロデューサーってだけで、許されないのは私もおかしく思うよ。だってしぶりんはアイドル以前に一人の女の子なんだから」
慰める未央の声を、凛はしっかりと聞いていた。
それと同時に理不尽な気持ちが募り、改めて凛を苛む。
どうすることが最善だったのだろうか。
10: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:44:06.09 ID:deNVFBuR0
「しぶりんもわかってると思うけどさ、プロデューサーは、決してしぶりんのことが嫌いじゃないよ。……それだから尚更辛いってのもあるんだろうけど」
そんなことは凛もわかっている。
だからこそ辛いし、相手のことを100パーセント憎めるのなら、こんなに凛は思い悩まないはずだ。
「でも言うよ?しぶりんはプロデューサーに恋しちゃいけなかったんだよ」
未央の言葉が胸に深く突き刺さる。
「……どう、して?」
「しぶりんがアイドルだから」
知っていた。
そんなことはわかりきっていた。
だからこそ深く胸に突き刺さる。
「ファンを裏切ることになるし、信用も失っちゃう」
「……じゃあ……」
ーアイドルやめたら……
そんな希望にも思える言葉が喉元まで競り上がってきて、けれど必死に飲み込んだ。
「アイドルやめたらオッケーもらえるなんて思っちゃ駄目だよ?」
そんな機微すらお見通しなのか、未央は淡々と告げた。
11: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:44:42.79 ID:deNVFBuR0
「そんなの、誰もが憧れる渋谷凛じゃないからね」
だったら、何が本当の渋谷凛なのか。
今ここで俯いている渋谷凛は何者なのか。
「キッパリと諦めて、普段のしぶりんに戻りなさい!」
残酷な宣告。
けれど事情を知っている人から見れば、当然の言葉でもあった。
「……って、本来は言うべき何だろうけどさ」
張りつめた空気が急に弛緩して、凛は顔をあげた。
あげさせられたと言うべきだろうか。
「別に失恋してもいいじゃん。すぐに立ち直れなくたっていいじゃん」
「……みお?」
未央が何を言いたいのかわからず、ただ名前を呼び掛けた。
「今のしぶりんはアイドルじゃないからさ。15歳の女の子にそんな酷なことは誰も言わないよ」
「……未央、私はアイドルなんだよ?」
思わず、そんな訂正を入れてしまう。
ファンが想像する渋谷凛からかけ離れた姿を見せているからといって、凛は正真正銘アイドルなのだから。
12: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:45:23.88 ID:deNVFBuR0
「うん、しぶりんはアイドルだよ?でも今のしぶりんは違うじゃん」
「……は?」
怒りとも悲しみとも違う感情が凛を襲う。
人を惑わすことが好きな、困惑という感情。
「だってしぶりん、今日オフじゃん」
「………………」
馬鹿らしくて、つい凛は黙ってしまった。
そんなことは気にせず、未央は続ける。
「休みの日までアイドルやることなんてないんだよ。アイドルの渋谷凛が失恋しても、花屋の娘の渋谷凛が悩むことなんてないでしょ?」
何て馬鹿らしい考えなのだろうか。
何て前向きな考えなのだろうか。
そんなこと、凛には考え付くことすらできなかっただろう。
「……ふふっ」
あまりの思考に、凛は笑ってしまう。
もう何年も笑っていなかったように思えるのに、自然と笑みがこぼれた。
13: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:45:54.81 ID:deNVFBuR0
「お?ようやく笑ったね!」
釣られて未央も笑顔になる。
凛にとって眩しい笑顔。
けれど、とても安心させてくれる。
「未央の考えがバカすぎて笑っちゃったよ」
「バカとは何だー!せっかく未央ちゃんが慰めてあげたっていうのに!」
「……はいはい、ありがとね。でも、バカっぽいのは未央の良いところだから」
軽口を叩けるほど気持ちが軽くなったことに凛は気付く。
これも未央のお陰で、しっかりと勇気付けられていた。
「はぁ。これなら慰めなければ良かったよ。珍しく落ち込んでるしぶりんが見れたっていうのに」
「花屋の渋谷凛は落ち込まなくていいって誰かが言ってたからね。落ち込むだけ疲れるだろうし」
いじける未央と、元気な凛。
さっきまで落ち込んでいたのが嘘のような光景だった。
割りきれたわけではない。けれど少しだけ前を向く勇気をもらった。
「しぶりんもパッションしてけば良いんだよ」
「ふふっ、なにそれ。クールに決めるのが私だから」
もう軽口だって言える。
それだけ未央に支えてもらえたと思っている。
14: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:46:32.17 ID:deNVFBuR0
「……しぶりんもしぶりんでバカっぽいよね」
「なっ!?私のどこがバカだって言うの!?」
「蒼。足跡。ふーん、あんたがわt……」
今になって思えばどうしてあんなことを言ったのかわからない。
ただ心で感じたことを口にしただけだ。
「…………あのときは若かったんだよ」
「へー……」
ジトッとした目が凛を見つめる。
凛はなんとなく悔しくて、イタズラをしようと思った。
「それに最後のは……。プロデューサー、が……」
「あ、これ地雷だった?」
これは冗談でも酷だろうか。
そんな思いと同時に、それをネタにしてもいいくらいには回復していた。
「プロデューサーに振られたんだ……」
「しぶりーん?」
「……死のうかな」
「しぶりん!?」
15: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:47:19.54 ID:deNVFBuR0
全くの嘘だっていうのに、未央はしっかりと反応してくれる。
思わず口の端が上がって、笑いそうになるのを必死にこらえて演技を続ける。
「ごめんね、ハナコ。こんな主人で。どうか先立つことを許して」
「ええと、しぶりん?もしもーし」
「来世では蒼く生まれて、お金持ちのイケメンと結婚したい」
これなら未央も冗談だとわかってくれるだろう。
「意味不明だし、欲望駄々漏れじゃん!」
いつも通りの反応をしてくれてホッとした。
けれどまだ色々な反応が見たくて続ける。
「それから、卯月と未央とまたユニットを組むんだ……」
「しぶりん……」
「それから……、思い付かないや」
「唐突にエチュード始めるなら最後までやりきってよ!!!」
16: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:47:56.33 ID:deNVFBuR0
感極まったところで落とす。
未央の反応が楽しくて、色々としてしまった。
「ふふっ、ごめんごめん。でも、もう大丈夫だから安心して」
「それならいいけどさー。カラオケにでも行ってパーっと発散する?」
「いいよ、大丈夫だから」
「そっか、それなら良かった」
本当に安心してくれたようで、凛は嬉しく思った。
こんなに自分のことを気にかけてくれる友達がいる。それだけで心が満たされていくようだった。
「大丈夫なようなら未央ちゃんは帰りますよー」
「うん、ありがとね未央」
「へへっ。どういたしまして!」
未央の背中を見送って改めてレジに座り直す。
クゥーン
足元ではハナコが凛を見上げていた。
「ハナコもありがとう。さっきも寄り添ってくれたし」
頭を撫でてあげながら感謝を告げた。
「本当に、当分は頭があがらないかな」
17: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:48:50.05 ID:deNVFBuR0
それからは何事もなく、店番は終わった。
ほんの少しの客が来ただけで特に忙しくもなく、夜になって母が帰ってきた。
「おかえり」
「ただいま。……何か嬉しいことでもあった?」
そんなに表情が変わっただろうか。
鏡で見てはいなかったが、元々酷い顔をしていたのかもしれない。
「うん。未央が来て少し話してたんだ」
「そう。良かったわね」
母はそう告げて家に入っていく。
何やら荷物が多いようだが、それが持ち帰った遺品なのだろう。
「何か手伝うことある?」
「いいわよ。夜ご飯作るからお店閉めちゃって」
「はーい」
それからは慣れた仕事だった。
closeと書かれた札をドアにかけて、フロアを簡単に掃除する。
売上は親の仕事で、凛ができることはすぐに終了した。
18: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:49:36.22 ID:deNVFBuR0
「……終わったよ」
リビングへ戻ると、ソファに人形が置かれていた。
ハナコより少し小さくて、漆黒の瞳が魅力的な日本人形。
「……人形?」
それにしては不気味なほど人間らしかった。
精巧な容姿と愛らしい表情は至高の逸品だと素人目にもわかる。
ただ、人形のはずなのに、まるで小さな人間のように錯覚する。
着物を着た、艶やかな黒髪の小さな人間。そんな印象が不気味さを醸し出していた。
「あぁ、それあの子の物よ」
先日亡くなった叔母さんの人形。
こんな人形は家になかったのだからすぐに理解できた。
「なんでこの人形、精巧に出来すぎてるの?」
「さあ?それが芸術じゃない?」
つい気になりすぎて声に出ていたが、母も知らないようだった。
「あの子に日本人形の趣味があったなんて知らなかったけど、見た目も綺麗だしきっと大事にしていたんでしょうね」
「……ふーん」
不思議な魅力がある人形だなと凛は思った。
吸い込まれそうな瞳と愛らしい姿。
精巧すぎるのが不気味だが、決して印象は悪くなかった。
今はまだ。
19: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:50:11.53 ID:deNVFBuR0
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翌朝、凛は跳ね起きた。
「……はぁ、はぁ、はぁ」
嫌な夢を見ていた気がする。
パジャマは汗でぐっしょりと濡れ、今も汗が頬を流れていく。
夢の内容は思い出せない。
けれど悪い夢だと言うことはしっかりとわかっていた。
「……シャワー浴びよ」
ぐしょぐしょの身体が気持ち悪くて、素早くベッドを出た。
適当に服をひっ掴み、部屋から出る。
その背中はまるで、何かから逃げるようだった。
「おはよう」
キッチンで朝食を作っている母に挨拶をする。
凛は汗を洗い流し、さっぱりした気分でリビングに顔を出した。
20: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:50:51.44 ID:deNVFBuR0
「あら、凛。おはよう。今日は仕事だっけ?」
凛はカレンダーで日付を確認してから答える。
「うん。撮影の仕事だけだったはず」
「そう。じゃあ夜ご飯は家で食べるのね?」
「よっぽど長引かなかったらだけど、多分大丈夫なはずだよ」
「わかったわ」
ジューっという油が弾ける音と、ベーコンの香ばしい香りがする。
凛はハナコのご飯を戸棚から取り出し、皿に盛った。
待ってましたと言わんばかりにハナコが近づいてきて、元気にご飯を食べ始める。
「ふふっ。ゆっくり食べなよ。……ん?」
ハナコの可愛い姿を眺めていると、不意に視線を感じた。
なんとなく冷たい視線だと思い、なぜかその正体がわかった。
キッチンで料理をしている母の視線ではない。
ご飯に夢中のハナコのものでもない。
その視線はソファの方からする。
昨日家にやってきた、不気味なほど精巧な人形からだった。
21: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:51:46.52 ID:deNVFBuR0
「………………」
不意に凛は人形から目を離せなくなった。
透き通る瞳に自我が吸い込まれてしまうような錯覚に陥る。
初めてのことなのに、既視感のある光景。
どこで覚えがあるのか、すぐに思い出した。
夢だ。
今朝見た悪夢。そこで感じた視線にそっくりだった。
夢はどんな内容だったのか思い出そうとし、
「……ん?りーん?何突っ立ってるの。ご飯食べるわよ?」
パッと意識が浮上して、思考も中断される。
「……ん?うん、わかった……」
思考の中断で意識を引き離されたせいか、夢の内容は思い出せなくなっていた。
いつの間に朝食ができていたのかわからなかったが、もうテーブルに並べられていた。
ご飯と味噌汁、スクランブルエッグにベーコン、サニーレタスのサラダとヨーグルトといういつも通りの朝食。
ただいつもと違うのは後頭部に感じる視線だけだった。
粘つくような視線は絶えず注がれ続け、凛は朝食の味が何一つわからなかった。
「……ごちそうさま」
何を食べたのかわからなくても、何かを食べきったのは皿を見ればわかる。
22: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:52:23.90 ID:deNVFBuR0
「あら、今日は速いのね」
凛は逃げだしたくなる気持ちを抑えきれず、食器の片付けもしないままリビングを後にした。
何が怖いのかわからない。けれどしっかりと恐怖を感じていた。
あの人形は何かおかしい。
本能で悟り、人形の視界に入らないよう逃げた。
それなのに、部屋に戻っても見られている感覚がする。
「……はぁ、はぁ。なにこれ」
心臓が早鐘を打つ。
運動もしていないのに息が整わない。
普段なら事務所に休むと連絡をいれるほど体調が優れないが、何よりも今はこの家に、人形の近くにいたくなかった。
急いで荷物を準備して、足早に玄関へ向かう。
「早いけど、行ってきます」
母の返事を待たずにそのまま家を飛び出した。
暖かい日差しと穏やかな風が吹いている良い天気。
しかし、今の凛にとっては感じられるすべてが不快に思えた。
世界が変転した気分。自分が世界にとって異物のように感じられるが、それも少しのことだった。
家から離れるにつれて視線は感じなくなり、日差しも風も心地よく感じられる。
まるで何事もなかったかのように気分は晴れていった。凛はそのまま事務所へ向かって歩を進めていく。
23: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:53:04.13 ID:deNVFBuR0
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事務所ビル
事務所のあるビルへ到着すると、今朝の不思議な衝動とは違う不安が押し寄せてきた。
原因ははっきりとわかっている。
プロデューサーとどんな顔をして会えば良いのかわからなかったのだ。
どうしようか迷いながら通路を歩いていると、前から見知った顔の子が歩いてくる。
「……あ、おはよう。凛さん」
「おはよう、小梅」
白坂小梅。同じアイドルで凛は何度も共演したことがある。
小梅にプロデューサーが事務所にいたのか聞こうか迷ったが、それよりも早く、
「……凛さん。それ、どうしたの?」
と、言われた。
「それ?」
小梅の視線は凛の後方に向けられている。
何か糸屑でも服についていたのだろうか。
「その……幽霊、というか、思念。かな……?」
24: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:53:53.53 ID:deNVFBuR0
ドキッとした。
今朝の人形から感じられた視線を思いだし、それがまだまとわりついているのだと思った。
「思念……。ねえ小梅。これってそんなに危ないものなの?」
霊感がある小梅ならば、この現象をどうにかすることができるのか。
そんな希望をこめて聞いてみることにした。
「……ううん。そんなに強いものじゃないよ?でも……」
「でも?」
そこに含みがあることに気付き、続きを促す。
「……良いものでもない、かな」
やっぱりと凛は納得した。
粘りつく、背筋が凍りつくような視線を向け続けられ、悪いものだということはわかっていた。
それが確信に変わっただけ。
「どうすればいいとかってわかる?」
小梅なら解決法を知っているのではないかと思って聞いてみた。
「すぐに、どうにかしたいなら……お祓いしてもらうのが、一番かな。でも、原因がわからないと……」
「それなら大丈夫。何が原因かわかってるから」
凛は確信を持ってそう告げた。
25: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:54:28.96 ID:deNVFBuR0
「そっか……。でも、気をつけて、ね?」
「ん?」
「もし、反抗されたら……危険だから」
あの人形はどう反抗するのだろうか。
現状では不快な視線がつきまとうだけなのだが、まったく想像もつかなかった。
「もしそうなったら、どうすr……」
「おっ!しぶりーん。と、うめちゃん。おっはよー!」
さらに対処法を聞こうとして、未央の声で言葉が途切れた。
凛は振り返ると、通路を走りよってくる未央の姿を見つけた。
「しぶりんもういいの?元気?」
先日の出来事を知っている未央が聞いてくる。昨日話していたのに、心配してくれる。
「うん、元気ではあるよ。まだ不安な部分もあるけど」
「そっか、まあ良かったかな?二人は何話してたの?」
「ええっとね……」
「ううん。なんでもないよ」
小梅が話そうとしたのを凛が止める。
これ以上未央には心配かけたくない気持ちがあった。
26: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:55:11.59 ID:deNVFBuR0
「そっかー」
未央も特に食いつくこともなく引き下がった。
「……いいの?」
「うん」
心配そうな小梅の視線を受けつつ、凛はしっかりと頷いた。
少しの間、小梅は凛を見続けていたが、やがて諦めた。
「……それじゃあ、私、行くね?このあと、収録だから」
「おっ!行ってらっしゃーい。頑張ってね!」
「引き止めちゃってごめんね。行ってらっしゃい」
「うん。……行ってきます」
二人は小梅を見送ってから動きだす。
ただ事務所に近づくにつれて凛の足は重くなっていく。
「……しぶりん、私先に入った方がいい?」
事務所のドアの前に着くと凛の動きが止まり、そんな凛のことを想って、未央が提案をもちかける。
「そう、だね。そうしてもらえるとありがたいかも」
「うん、わかった」
ガチャりとドアが引かれる。
凛は極力中を見ないように、意識して未央のことを見ていた。
27: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:56:01.13 ID:deNVFBuR0
「おっはよー!……ってあれ?」
普段通りの光景ならデスクにはプロデューサーがいるはずのだが、どこにも見当たらなかった。
それ以前に事務所には誰もいなかった。
「……どうしたの?」
「んー、誰もいないみたい」
凛は無意識にホッとした。
ただプロデューサーと会うときが後回しになっただけなのだが、今の凛には時間ができるのはありがたかった。
「とりあえず中に入ろっか」
「うん」
二人は事務所に入ると、ソファーに荷物をおろして座る。
「……しぶりんも大変だね」
「ほんと、そうだよ。私自身こんな風になるなんて思わなかったし」
余裕が出てくると、先程までの凛の行動は情けなく思う。
「まあまあ。しょうがないことでもあるしね?それよりも今日の仕事は大丈夫なの?」
「うん。それは平気。何度も一人で行ったことあるとこだし」
初めて行く場所だったり、大きな仕事だったらプロデューサーも同行するだろうが、今日の仕事はそこまで大きいものでもない。
「そっか、私はレッスンだけだから事務所にいるけど何かあったら呼んでね?」
「レッスンってもうすぐだっけ?」
「そうだよー。朝早いレッスンって大変だよねー」
もうすぐ未央がレッスンでいなくなると思うと少しだけ気分が重くなる。
けれど、ずっと未央にいてもらうこともできないので、早くなんとかしないといけない。
28: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:57:08.88 ID:deNVFBuR0
ガチャッ
そのとき、唐突に事務所のドアが開いて、凛は硬直した。
「……あっ。未央ちゃん、凛ちゃん」
「……ん?みゆみゆだー、おはようー」
「あの……未央ちゃん。そのあだ名は……」
凛は現れたのがプロデューサーではなくてホッとした。
同じアイドルの三船美優。
「……美優さん、おはよう」
「凛ちゃん。おはようござ……い……ま……」
本来だったら知的な雰囲気の彼女だったが、凛のことを見てからか、次第に表情から色が抜けていった。
「お?どうしたの、みゆみゆ?」
唐突に彼女を襲った異変は、二人の目から見ても明らかだった。
顔色が悪い。動揺している。そして、はっきりと恐怖が浮かんでいた。
「あの……、すみません!」
脱兎の如く、美優は事務所から逃げ出した。
取り残された二人は、そんな後ろ姿を見つめることしかできなかった。
「みゆみゆどうしたんだろ?」
しばらくの沈黙のあと、未央が口を開いた。
しかし、それに対する答えを今の凛は持ち合わせていない。
29: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:57:42.20 ID:deNVFBuR0
「さあ?」
「何か大切なものでも忘れたのかな?」
「だとしても、あれはちょっと異常な気がするけど……」
今も凛の脳裏には、恐怖に支配された美優の表情が消えない。
「だよねー……。あとで会ったら聞いてみよ」
「そうだね」
果たして答えてくれるのかどうかわからなかったが、あんな姿を見せられたら放っておくことはできないだろう。
それに、まったく信憑性のない可能性が凛には浮かんでいた。
「……あっ。もうすぐレッスンの時間だ!」
そんな声とともに時計を見てみると、いつの間にか事務所に来てから30分は経過していた。
「ほんとだ。レッスン、頑張ってね」
「うん!しぶりんもあんまり無理しちゃダメだぞ?」
「ありがと。なんとかするよ」
それから二、三言交わしてから未央はレッスン場に向かっていった。
事務所に一人取り残された凛は、どうしようかと悩む。
このままここに残っていてもプロデューサーと嫌でも会ってしまう。
「外、出ようかな……」
まだ、凛には時間が必要だった。
それと、このまま事務所にいるのは、なぜか嫌だった。
30: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:58:26.05 ID:deNVFBuR0
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それから半日ほど経ち、凛は撮影の仕事をこなした。
普段から仕事に取り組むときはカチリとギアが変わったように集中できて、撮影をしている間はプロデューサーのことや人形のことは考えずに済んだ。
ピカピカ
「ん?」
衣装から着替えて控え室に戻ると、携帯が点滅していることに凛は気がついた。
ランプの色を見て、誰かからメッセージが飛んできていたとわかる。
「んー、小梅と美優さんから?」
どちらも今朝会った人物だった。
小梅とは少しだけ会話をして、美優とはまったく会話ができなかった。
小梅の方が通知の時間が早く、先にそちらのメッセージを確認する。
『余計かもしれないけど一言だけ』
『死者は生者には絶対に勝てないんだよ』
「……なにこれ?」
はっきりと言えば、凛には意味がわからない文章だった。
もちろん、なんで小梅が急にこんな文章を送ってきたのかは理解できる。
ただし、内容をどれだけ反芻しても意味がわからなかった。
31: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 14:59:07.08 ID:deNVFBuR0
少しの間考えてみたが、結局諦めて美優のメッセージを確認することにした。
小梅よりも一時間ほど遅く到着したメッセージ。
『凛ちゃん。さっきはすみませんでした。』
『いきなり事務所から逃げ出したように見えて驚いたと思います。』
『私、さっきとても怖かったんです。』
『突拍子もない話で困ると思いますけど、凛ちゃんの後ろにとても小さな人間が見えたんです』
『そのが喋りかけてきて、私とても怖くて逃げたんです』
『凛ちゃん。……その子のこと、何か知ってますか?』
『その子、「殺そうよ」って言ってたんです』
「………………」
なんだこれは。
美優の身に起きた出来事。
凛の背後にいる小さな人間。
どう考えても、家にある人形のことだった。
さらに、その人形が喋った。
凛は自身の身に起こりうる可能性に恐怖した。
悪寒がし、タオルで拭いたばかりの身体を冷や汗が汚し、小刻みに身体が震える。
32: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:02:13.01 ID:deNVFBuR0
「……誰か……!」
誰かに縋っても意味などないのに、一人でいることへの恐怖を感じる。
「未央……小梅……」
震える肩を抱いて、思いついた名を呼んだ。
今日会ったばかりの信頼できる友人の名。
二人に何ができるかわからないが、それでも一人でいるのは嫌だった。
「助けて……」
歯の根が合わない。
静かな空間に、カチカチと音が響く。
「……プロデューサー……」
そして最後に、一人の男性を思い浮かべた。
縋るように、凛は愛した人のことを呼んだ。
33: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:02:55.10 ID:deNVFBuR0
-----------
気づけば凛は事務所に到着していた。
いったいどうやって来たのか覚えていない。
けれど事務所にいるということは何かしらの交通機関を使ってたどり着いたのだろう。
ガチャッ
事務所のドアを開けて見えた室内では、未央とプロデューサーがいた。
何か会話をしていたようだったが、ドアが開いたことに気づくと、未央は顔を明るくし、プロデューサーは困惑した表情になった。
「おっ、しぶりんおかえり!」
未央の元気な声が出迎える。
対するプロデューサーは何も言葉を発することはなかった。
「………………」
しかし、凛には未央の声など聞こえていなかった。
34: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:03:21.75 ID:deNVFBuR0
―ほら目の前にいるよ
―私を裏切った男
―私を振った男が
―ねえ、憎いでしょ
―憎いよね。男なんてみんなそう
―…………………
―私を受け入れない男には罰が当たればいい
―不幸にしよう。破滅させよう。
―ねえ、殺そうよ
35: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:04:11.51 ID:deNVFBuR0
声が聞こえる。
誰かを呪う声が聞こえる。
ノイズみたいに掠れ、気持ち悪い声。
脳がぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、息がつげない。
未央のことは見えるのに、プロデューサーが赤く塗りつぶされている。
死んだ……死んでない。……殺した?
思考が奪われかけ、凜は嗚咽をもらす。
「……ぅ……ぁ……」
もはやまともな言葉も喋れない。
思考が完全に奪われる前に早く逃げ出さなければいけない。
「……しぶ、りん?」
凛の異常さに気づいたのか、未央が名前を呼ぶ。
「…………ぁ………」
凛は逃げ出した。
考えるよりも先に身体が動いた。
「しぶりん!!!」
未央の声が遠くでする。
しかし、そんな声に反応していられない。
逃げて、逃げて、逃げて。
今は1センチでも遠くへ逃げなければいけない。
そうじゃないと危険だから。
彼が危険だから。
36: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:04:55.58 ID:deNVFBuR0
凛は事務所ビルの屋上にいた。
空が赤く染まり、灰色の雲が流れていく。
「……はぁ……はぁ、はぁ」
いきなり走りだしたせいか、身体が酸素を要求して悲鳴をあげている。
汗がしたたり落ち、服を濡らす。
「…………はぁ」
膝に手をついて呼吸を整える。
他に何も考えず、ただ深呼吸だけに集中する。
「………………」
荒かった息が整うと、崩れ落ちるように地面に膝をついた。
身体はとても重い。誰かをおんぶしているみたいに感じる。
けれど、もう声は聞こえなかった。
「……なんなの」
何が声を発したのかなんてわかっている。
声の主は凛の後ろにずっといるのだから。
朝よりも、昼よりも、強く背後の存在を感じる。
37: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:05:26.55 ID:deNVFBuR0
「……この人形は、なんなの」
なぜ自分がこんな目に遭うのか、なぜ人形は凛につきまとうのか、なぜ叔母さんはこんな人形を持っていたのか。
答えの出ない問いだけが凛の思考を埋めていく。
「…………しぶりん」
いつの間にか、未央が隣に立っていた。
額から汗を流し、ずっと凛のことを探していたのだろう。
「……未央」
凛はどうすればいいのか迷った。
自分と一緒にいたら未央にも被害が出てしまうのではないか。
そんな心配が新たに生まれる。
「しぶりん、何があったの」
質問ではない。はっきりと何かあったことを未央は理解していた。
「……わかんないよ。何があったかなんて私が聞きたい!」
自然と声が荒ぶる。行き場のない感情が晒け出される。
「なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないのさ!なんで私が!……なんで?……なんで!!」
未央に感情をぶつけたところで何になる。
それでも凛はやめることができなかった。
38: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:05:59.29 ID:deNVFBuR0
「ねえ、さっきの声はなに!この人形はなに!教えてよ、ねえ!」
屋上を悲痛な叫びが切り裂く。
周囲のビルに反響し残酷さが木霊する。
「………………」
未央は何も答えられない。
何を言ってあげたら良いのかわからない。
「ねえ、教えてよ!!」
凛は頬を濡らしている。
綺麗な顔を台無しにして叫んでいる。
「………………」
未央は立ち尽くすことしかできなかった。
ガチャッ
ドアが開く音がした。
騒ぎを聞きつけたのか、誰かが来たのだとしたらどう言い訳をすれば良いか、未央は考えた。
「……悪しき気がー」
39: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:06:37.92 ID:deNVFBuR0
現れたのは警備員ではない。事務所の事務員でもない。
依田芳乃。同じアイドルで、どこか神秘的な人。
「……よしのん」
未央は不思議と安堵した。
彼女なら何とかしてくれるのではないか。
凛を救ってくれると思えた。
「……ほー」
てくてくと芳乃が近寄ってくる。
ゆっくりと、決して歩幅は大きくないのに、たどり着くのは速かった。
「……芳乃。ねえ、芳乃ならなんとかしてくれるの?」
凛は問う。
遠慮も、説明もなしに、ただただ問う。
「凛さん」
穏やかな口調。
大きな声でもないのに、すっと言葉が入ってきた。
「……芳乃ならこれがきっと見えるよね。この人形が」
凛は少しだけ平静を取り戻し、改めて芳乃に尋ねた。
40: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:07:20.99 ID:deNVFBuR0
「ほー。凛さんの背後には人形がいるのですかー」
「……は?」
芳乃はとぼけているのかと凛は思った。
芳乃に過度な期待をしていた自分がおかしいのかとも思った。
「私の後ろにいるでしょ。あの、人形が」
凛は自分の後ろにいる人形をはっきりと見たことはない。
不快な視線と重い存在感。それに小梅と美優の話で、後ろに昨日家に来た人形がいると確信があった。
「私には、そんな人形は見えませんよー」
けれど、芳乃の証言は違う。
「じゃあ何がいるのさ!」
意見が食い違ってくることが凛には憎らしい。
人形だと思い込んでいた。
人形ならお祓いなりなんなり解決法があると信じていた。
そんな救いが消えるかもしれない。
「私には、人形の姿は見えません。ただ……」
「ただ?」
「ただ、女性の声が聞こえるだけなのですー」
41: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:07:57.43 ID:deNVFBuR0
女性の声。
凛の背後にいるのは人形ではないのか、また新たな疑問が生じたところで、芳乃は言葉を続ける。
「凛さんが人形だと言うのならば、後ろの悪しき気はその人形のものなのでしょー」
「………………」
困惑。
凛は何を考えれば良いのかわからなくなった。
意見が食い違っていた。それが食い違っていないのかもしれない。
背後にいるのは、なんなのか。
「……ねえ、二人とも。何の話をしてるの?」
二人の会話に全くついていけてない未央がようやく口を挟んだ。
「凛さんは悪しき存在に、悪霊に憑かれているのです」
とても簡潔に芳乃が告げた。
「……へ?」
突拍子のない話をしっかりと噛み砕いてから、未央は声をあげた。
42: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:08:36.21 ID:deNVFBuR0
「えっ、しぶりん大丈夫なの!?さっきの様子じゃ大丈夫じゃないよね!?お祓い?よしのんお祓いできる!?」
当事者以上に未央は取り乱し、慌てふためいた。
未央はずっと、凛とプロデューサーの関係のことで何があったのだと思っていた。
けれどそれは違うらしく、今さら先程の叫びの意味を理解した。
「未央さん、一旦落ち着いてー」
「落ち着いてられないでしょ!?しぶりんが人形?幽霊?に憑かれてるんでしょ!?」
宥める芳乃と落ち着きそうにない未央のやり取りを見て、逆に凛は落ち着いた。
自分より誰かが混乱する姿は、意外と冷静になれるようだ。
「未央、落ち着いて。これを何とかするために芳乃に聞かないと、話さないといけないんだから」
凛の声が届いたのか、未央は少しずつだが落ち着いていく。
未央が静かになり、場に沈黙が降りたところで凛は話し始めた。
「誰かのお陰で冷静になれたから改めて話を続けたいんだけどさ、まず一つ芳乃に聞きたいんだけど」
「なんでしょー?」
「芳乃って霊感あるの?」
43: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:09:30.31 ID:deNVFBuR0
話を進める上で重要な疑問。
意見が食い違ったのも、そこに齟齬があるからかもしれない。
そんな意図があって、凛は尋ねた。
「ふむー。霊感ですかー。とても認識が難しい問題ですがー、結論から言えば、私に霊感はありませんよー」
芳乃自身、しっかりと考えながら言葉にした。
それを聞いて、凛はなにも驚かなかった。
むしろ、やっぱりとさえ思った。
「やはり、話が食い違うのはそこが原因ですかー。凛さん、少し私の話を聞いてくださいー」
「うん」
それから語られたのは芳乃のこと。
芳乃の家は拝み屋を生業にしている。
それは何度か聞いたことがあった。
けれどそれが何なのか知らなかったから生まれた食い違いだった。
「つまり、よしのんってイタコみたいなことができるの?」
死者だけでなく、草や木、動物や石など、あらゆるものの声が聞こえる。
そんな話を聞いて、イタコだと未央は感じた。
「降霊術はできませんがー、声だけならば聞こえますよー」
44: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:10:16.24 ID:deNVFBuR0
「ということは、芳乃はこの人形のことは見えないけど声は聞こえるんだよね?」
話をまとめ、凛は改めて芳乃に質問する。
「はい。凛さんが人形だと言うなら、そこにいるのは人形なのでしょー」
ゆっくりと芳乃は語る。
「私はその人形は見えませんが、女性の声、怨念と言い換えても良いですが、その人形に宿る思念の主の声は聞こえますー」
ようやく、話が食い違った理由がわかった。
何も話は最初から食い違ってはいなかったのだ。
「うん、わかった。それで次の話だけど、芳乃はこの状況をどうにかできる?」
この騒動を解決するためにはそこが重要だった。
芳乃ならどうにかしてくれる。そんな期待があったからこそ、生じた疑問。
「……できると言えばできますがー」
「ほんとに!?」
凛は希望が差したことで姿勢が前のめりになった。
この現象が消えるならば、これ以上嬉しいことはない。
45: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:10:56.55 ID:deNVFBuR0
「はい。……けれど、それで凛さんは良いのですかー?」
「……なにが?」
これ以上嬉しいことはないはずなのに、凛の表情は曇った。
解決するならそれで良いのではないか。
「なぜ凛さんが憑かれたのか、知らなくて良いのですかー?」
そんなの知りたいに決まっている。
なぜ自分が酷い目に遭うのか、何度も問いを繰り返した。
「……芳乃はそれがわかるの?」
声が震えそうになるのを必死に堪えて問いを発する。
「さあ?それがわかるかは凛さん次第でしてー」
凛次第、それが何を意味しているのかわからない。
「私次第……」
けれど、凛は知りたかった。
なぜ自分がこんな目に遭ったのか。
「凛さん、その人形の声。人形に宿る女性に心当たりはありませんかー?」
46: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:11:49.26 ID:deNVFBuR0
「………………」
該当する人なんて、一人しかいない。
なぜ凛に憑いたのかわからないが、一人だけ。
「……叔母さん、かな」
恐る恐る言葉にすると、記憶の声も塗り替えられる。
なぜノイズみたいだと思ったのか、なぜ気持ち悪いと思ったのか、凛の知っている声だったのに。
「ふむー。そうですかー。なぜ亡くなったのか聞いても?」
「私も詳しく聞いてない。持病があったのか知らないけど、孤独死って聞いた」
そもそも凛は叔母さんと親しくなかった。
会うのは年に一度、正月に会うくらいだったし、家は近くても凛は仕事で忙しかった。
「ほー。その方は、ご結婚は?」
「知らない。私が小さかったころから、ずっと一人だったと思う。……詳しく聞いた方がいいならお母さんに電話するけど?」
しっかりと解決するなら話は凛一人の手には負えない。
もっと詳しい人物に尋ねなければいけなかった。
「では、お願いします。なぜ亡くなったのか。結婚、またはお相手がいたのかを」
凛はポケットから携帯を取り出して、母に電話をかけた。
「……もしもし」
数回のコール音が響いてから、電話は繋がった。
該当する人なんて、一人しかいない。
なぜ凛に憑いたのかわからないが、一人だけ。
「……叔母さん、かな」
恐る恐る言葉にすると、記憶の声も塗り替えられる。
なぜノイズみたいだと思ったのか、なぜ気持ち悪いと思ったのか、凛の知っている声だったのに。
「ふむー。そうですかー。なぜ亡くなったのか聞いても?」
「私も詳しく聞いてない。持病があったのか知らないけど、孤独死って聞いた」
そもそも凛は叔母さんと親しくなかった。
会うのは年に一度、正月に会うくらいだったし、家は近くても凛は仕事で忙しかった。
「ほー。その方は、ご結婚は?」
「知らない。私が小さかったころから、ずっと一人だったと思う。……詳しく聞いた方がいいならお母さんに電話するけど?」
しっかりと解決するなら話は凛一人の手には負えない。
もっと詳しい人物に尋ねなければいけなかった。
「では、お願いします。なぜ亡くなったのか。結婚、またはお相手がいたのかを」
凛はポケットから携帯を取り出して、母に電話をかけた。
「……もしもし」
数回のコール音が響いてから、電話は繋がった。
47: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:13:19.70 ID:deNVFBuR0
『もしもし、凛?どうしたの?』
「あのさ、ちょっと聞きたいことがあって」
『なーに?』
「叔母さんってどうしてなくなったの?」
『……病気よ』
「なにか持病でもあったの?」
『私が知ってる限りはそんなのなかったわ』
「じゃあ……」
『……あの子はね、精神が参っちゃったのよ』
「精神が?」
『ええ、心の病気。そのせいで、すぐに治せるものを放置して、それが取り返しのつかないものに変わったの』
「それが原因か。……叔母さんってさ、結婚はしなかったの?」
『……っ!……してたことはあったわよ。ただ少しの間だけ』
「そうだったのか……」
『ええ、そして離婚してからだんだんと心が壊れていったのよ』
「そっか、ありがとう」
『いいけど、どうして急に?』
「ううん。あとで教えるよ」
『……わかったわ』
「それじゃ、切るね」
48: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:13:58.00 ID:deNVFBuR0
ピッと音が鳴って通話は途切れた。
話の内容を噛み砕いてから、凛は芳乃に話す。
「叔母さん、結婚したことあったんだって。すぐに別れたみたいだけど」
「ふむー」
「離婚が原因で心が病んで、どんどん悪化した上で病死、らしい」
簡潔に凛は伝えた。
同情する。
血の繋がり以前に、一人の女性として同情した。
「だから、怨念が残ったのですねー」
「そうみたい。私もさっき聞いたよ。誰か男性を呪う声。殺したいほど憎んでる声を」
仕事を終え、事務所に戻ってきたときのことを思い出す。
あのときはプロデューサーを認識した途端、声が聞こえた。
「……凛さん」
「なに?」
「最近、失恋しましたか?」
「っ!」
49: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:14:40.55 ID:deNVFBuR0
誰かが息を飲んだ。
凛だったか、未央だったかもしれない。
あるいは二人とも。
「…………………」
「……しぶりん」
未央の慮る声。
けれど、これは凛が話さなければいけない。
「……したよ。この前……まだ、一昨日に」
辛い思い出。
まだその傷は癒えていない。
人形の騒動が新たに起こったせいで隅に追いやられていたが、しっかりと凛には傷が残っている。
「そうですかー。……それが原因かもしれませんー」
「原因?」
凛の歪んだ表情を横目に見て、未央は聞いた。
「はい。人形に宿る思念は、常に男性への怨念を発しています」
「……うん」
「それが、離婚した男性を憎んでいる、凛さんの叔母さまのものだとするとー、失恋した凛さんと波長があってしまったかと」
50: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:15:20.21 ID:deNVFBuR0
芳乃はそう告げた。
ゆっくりとした声音でも、確信を持って話していたのだと未央は理解した。
「波長って……」
気になった単語を未央が聞こうとしたところで、
―殺そうよ
「違うっ!!」
凛の声が遮った。
脳裏をノイズのような声がフラッシュバックする。
叔母さんの声だとわかっているのに、忌々しい。
―憎いんでしょう
「違うっ!私はそんなこと思ってない!」
「しぶりん!?」
いきなり叫び声をあげた凛に未央は驚き、悲痛な表情を見てとった。
―私を振った男が
「私は憎んでなんかない!叔母さんとは違う!私は、私はプロデューサーを憎んでないっ!!」
51: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:16:16.53 ID:deNVFBuR0
未央はなぜそんな結論に達したのか、遅ればせながら理解した。
波長とは、共通した部分のこと。
離婚した叔母さんと、失恋したばかりの凛は似ている心境にあった。
「……うん、違うよね」
似ているからこそ、凛は自分がプロデューサーを憎んでいるという考えを拒否したのだろう。
けれど、未央は凛がプロデューサーを憎んでいないことを知っている。
「しぶりんはプロデューサーのこと、憎んでなんかいないよ」
昨日話したから。
直接凛の言葉を聞いたからこそ、未央はそれを知っていた。
―憎いのよね
「私は、私はっ!」
「凛さん、あくまでも凛さんと叔母さまは別でして」
芳乃も凛を擁護する。
失恋したあとの気持ちは分からなくとも、プロデューサーの名前が出れば何かはわかる。
52: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:16:57.10 ID:deNVFBuR0
―憎んでよ
「私は、プロデューサーを憎んでない、よ……」
凛は俯く。
自身を苛む気持ちから逃れようと、必死に声を荒げた。
それに疲れ、勢いが弱まったところで、
「……しぶりん、大丈夫だよ」
未央は凛を抱きしめた。
「しぶりんはプロデューサーのことを憎んでないよ。むしろ、その逆」
凛の肩を寄せて、宥めるように優しい声音で話す。
「しぶりんはプロデューサーのことが大好きなんだよ」
―………………
声が止んだ。
フラッシュバックなのか、新たに紡がれていたのかわからないが、声は沈黙した。
53: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:17:34.03 ID:deNVFBuR0
「……好き……でも……」
そんな未央の声が届いたのか、凛は反応した。
「……好きでいちゃ、いけないんだから」
何度も自問自答した言葉。
アイドルとプロデューサーだから、恋愛してはいけない。
「しぶりん、私昨日言ったよね。失恋してもいいじゃんって」
「………………」
昨日言われたことならしっかりと覚えている。
昨日の凛はオフだったから関係ないと。
でも今日はオフではない。
「アイドルとプロデューサーだから恋愛しちゃいけないとも言ったけどさ、しぶりん、諦められるの?」
そう問われて凛はどう思うのか。
そんなことは決まっている。
「……諦め、られないよ」
54: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:18:17.60 ID:deNVFBuR0
―どうして
新たに声がする。
今度は叔母さんの声だと理解できた。
「だよね」
「そんなすぐに諦めるなんて私はできない」
―どうして?
それが渋谷凛なのだから。
簡単に諦めるなんて言わない、誰もが知っているアイドルだから。
「しぶりん。私、しぶりんのこと応援してるんだよ?」
「未央?」
あまりにも未央の声が優しくて、凛は顔をあげて様子を窺った。
「私、昨日も今日も、一言もしぶりんに諦めろなんて言ってないでしょ」
そうだっただろうかと、凛は記憶を探る。
言われたような気もするし、言葉を濁していたような気もする。
56: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:19:01.12 ID:deNVFBuR0
「しぶりんはプロデューサーに振られたけどさ、失恋してないよね」
「なにを、言ってるの?」
―何を言っているの?
未央の言葉は相変わらず、凛には届きづらい。
根本から考え方が違うから。
凛と未央では性格が違うから。
「恋心は失ってないよね。だったらそれは失恋って言わないよ」
―あなたは何なの
「………………」
「しぶりんは簡単に諦める人じゃないから、簡単に失恋する人じゃないから。……好きでしょ、プロデューサーのこと」
―なぜ
まただ。
また未央は前向きに物事を捉えている。
凛にはない思考。凛とは違う思考。
「……うん」
57: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:20:11.60 ID:deNVFBuR0
―なぜ、愛せるの
「しぶりんの叔母さんは離婚して、相手を憎んだよ。結婚もしたことない私たちが知らない重みを抱えてたんだと思う」
―やめて
「それは素直に悲しいことでもあるけどさ、しぶりんは前を見なきゃ」
前を見る。
未央が得意なことを凛もできるのか。
できるに決まっている。
「しぶりんは恋心を失っていない。プロデューサーのこと、簡単に諦められない……」
―やめて!
そこで未央は言葉を区切って、続けようか少し迷った。
けれど、言葉を続ける。
「だって、しぶりんはプロデューサーの気持ち、全部聞いてないはずだよ」
プロデューサーの気持ち、振られたのがそうではないのか。
それが彼の気持ちではないのか。
「どういうこと?」
「しぶりんはアイドルだからプロデューサーに告白したの?違うよね?」
58: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:21:02.04 ID:deNVFBuR0
プロデューサーにスカウトされ、出会ったからこそ、凛は好意を抱いた。
苦労する時期もあったけど、隣には彼がいて常に助けてくれた。
だからアイドルとして好ましく思っている。
けれどそれ以上に女性として好きだから告白した。
ならば彼は。
「……未央、ありがと」
―あっ……
何をすべきか理解して、凛は未央に感謝を告げた。
「おっ。もういいの?」
「うん」
気分はスッキリしていた。さっきまでの重かった身体は羽のように軽かった。
「悪しき気は、晴れたのでしてー」
芳乃の呟きを聞いて、凛は背後に何も感じなくなっていることに気づいた。
人形は、叔母さんはもう凛に憑いていない。
「芳乃もありがと。助かったよ」
「どういたしましてー。ふむー、これが人間の強さですねー」
光輝なものを見たように芳乃は微笑んでいた。
そして、凛もようやくわかった。
59: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:21:33.37 ID:deNVFBuR0
『死者は生者には絶対に勝てないんだよ』
小梅から送られてきたメッセージ。
解決してから、意味がわかった。
「死者は生者に勝てない……か」
そんな呟きは誰の耳に届くことはなく、風に乗って飛んでいった。
「未央、少しプロデューサーと話してくるよ」
凛は改めて未央のことを見て告げた。
「うん。でも、少しでいいの?」
ニヤニヤとからかう視線を凛に向けて未央は返事をする。
「……ふふっ」
「未央さん、それは少し意地悪ですよー」
芳乃が未央をたしなめ、空気が弛緩する。
「そうだね、少しじゃダメだから、しばらくの間プロデューサーを独り占めしてくるよ」
そんなことを言い残して、凛はドアに向かって歩いていく。
「おっ。もう彼女気取ってるよ、あの人」
「みーおーさーんー」
背後からはそんな楽しい声しか聞こえなかった。
60: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:22:13.50 ID:deNVFBuR0
-----------
『プロデューサー、今時間いい?』
『さっきはごめんね、いきなり飛び出していって』
『うん、もう大丈夫だから。心配、した?』
『そっか、ありがと……』
『それでね、話があるんだ。大事な話』
『私、やっぱりプロデューサーのことが好き』
『プロデューサーのアイドルじゃなくて、一人の女性として』
『……だから、今度は。……Pさんの気持ち、教えて?』
61: ◆Rj0X.392Pk 2017/06/25(日) 15:25:19.69 ID:deNVFBuR0
終わりです。
長かったですが、お付き合いいただきありがとうございました。
よしのん頼みにならないよう頑張りましたが難しいですね。
あと、一番の被害者は三船さんだと思います。
三船さんPの方にはお詫びしておきます。
ホラーは当分書かないと思いますが、またそのうち何か書きます。
それではお疲れさまでした。
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 17:14:43.71 ID:Ll6W+0+Ko
おつおつ
面白かった
面白かった
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 22:50:19.45 ID:l2QArg2p0
はいちゃんみおは天使
おつおつ面白かった よしのんも小梅ちゃんもGSでは無いもんな 問答無用で悪霊退散するパターン多いから良かった
おつおつ面白かった よしのんも小梅ちゃんもGSでは無いもんな 問答無用で悪霊退散するパターン多いから良かった
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498369129/
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瑞鳳「祥鳳と温泉に行きたい」
1: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:09:49.52 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳ちゃんの進水日記念に。
※お姉ちゃん大好きな瑞鳳ちゃんのSS
※提督LOVEな瑞鳳ちゃんがお好きな方は閲覧注意
※この提督は祥鳳さんとケッコン済みです
※お姉ちゃん大好きな瑞鳳ちゃんのSS
※提督LOVEな瑞鳳ちゃんがお好きな方は閲覧注意
※この提督は祥鳳さんとケッコン済みです
2: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:10:21.17 ID:9ypto+6Q0
6月18日 ショートランド鎮守府 昼
提督「あー、だるいー」グダー
瑞鳳「ていとくー、寝てないでさー。仕事、しよーよ……」(←今日の秘書艦担当)
提督「あー、疲れたから寝てた」
瑞鳳「あのねぇ…… ほら。ちゃんと仕事する」
提督「へいへい……」
提督「あー、だるいー」グダー
瑞鳳「ていとくー、寝てないでさー。仕事、しよーよ……」(←今日の秘書艦担当)
提督「あー、疲れたから寝てた」
瑞鳳「あのねぇ…… ほら。ちゃんと仕事する」
提督「へいへい……」
3: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:11:36.87 ID:9ypto+6Q0
提督「ところで瑞鳳」
瑞鳳「……なによ」
提督「明日、お前の誕生日だけど、なんか欲しいもんあるか?」
瑞鳳「サラトガさんの持ってる艦載機」
提督「残念だがウチにサラトガはいねー」
瑞鳳「……じゃあ祥鳳を返して」
提督「はいいい?」
瑞鳳「あなたがケッコンした、私の姉の、祥鳳を、返してよ」
提督「やだぴょーん」
瑞鳳「……だよね」ハァ
提督「当たり前だろ」
瑞鳳「あーあ、なんで祥鳳もこんなのとケッコンしたんだろ……」
提督「ひでぇ言い草だな」
瑞鳳「祥鳳にいやらしいことする人、好きになれるわけないでしょ」プイ
提督「一応全機発艦してからおさわりしてるんだけどな~」ユビワチラ
瑞鳳「……そういう問題じゃないの!」
提督「ケッコンして本人からも了承済みなんだけどなぁ……」
瑞鳳「……爆撃するよ?」チラ
提督「ごめんなさい」
瑞鳳「……」
提督「……」
4: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:13:12.10 ID:9ypto+6Q0
提督「で、結局なにがいいのさ。艦載機のプラモ? ゴルトフェニックスのフィギュア?」
瑞鳳「祥鳳」
提督「え、お前さんも祥鳳にエロいことすんの?」
瑞鳳「違うわよバカ! 提督が祥鳳のこと独り占めしてるから! 私も祥鳳と一緒にいたいの!」
提督「あぁ……。なるほどね……」
瑞鳳「ケッコンしてから、いつも祥鳳のこと独り占めしてるくせに……」
提督「ヤキモチか」ニヤニヤ
瑞鳳「なによ! 祥鳳は私の家族なんだから!」
提督「俺の家族でもあるがな」
瑞鳳「血のつながった家族の方が大事だもん!」
提督「ふふ……。お姉ちゃんにべったりな瑞鳳はかわいいなぁ……」ニヤニヤ
瑞鳳「もう! 子ども扱いしないでよ!」
提督「まあいいや。そしたら、誕生日プレゼントは祥鳳で決まりだな」
瑞鳳「……えっ? いいの?」
提督「好きにしろ。明日一日くらい、いっぱいお姉ちゃんに甘えてこい」
瑞鳳「ホントに!? やったぁ!」キャッ
5: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:14:37.03 ID:9ypto+6Q0
そして6月19日……
提督「……というわけで、瑞鳳への誕生日プレゼントとして、今日一日は瑞鳳と付き合って
あげてくれ。秘書艦は漣にやってもらうんで」
祥鳳「はい! 喜んで……!」ニッコリ
提督「やけに嬉しそうだな」
祥鳳「ふふ。そうですか?」
瑞鳳「だって、マダオよりかわいい妹と一緒の方がいいに決まってるじゃない!」プン
祥鳳「瑞鳳、ダメよ。提督にそんなこと言っちゃ」
提督「そうだそうだー」
瑞鳳「なによ! このマダオ!」
祥鳳「はいはい。ふたりともそれくらいにして」
瑞鳳「むむむ……」
提督「ぬぬぬ……」
祥鳳「それでは行ってまいります。提督」ペコリ
提督「おう。気をつけてな。いってらっしゃい祥鳳」
瑞鳳「じゃあ行こっ。祥鳳」
提督「はいよー。楽しんでこいよー」
スタスタ
提督「……というわけで、瑞鳳への誕生日プレゼントとして、今日一日は瑞鳳と付き合って
あげてくれ。秘書艦は漣にやってもらうんで」
祥鳳「はい! 喜んで……!」ニッコリ
提督「やけに嬉しそうだな」
祥鳳「ふふ。そうですか?」
瑞鳳「だって、マダオよりかわいい妹と一緒の方がいいに決まってるじゃない!」プン
祥鳳「瑞鳳、ダメよ。提督にそんなこと言っちゃ」
提督「そうだそうだー」
瑞鳳「なによ! このマダオ!」
祥鳳「はいはい。ふたりともそれくらいにして」
瑞鳳「むむむ……」
提督「ぬぬぬ……」
祥鳳「それでは行ってまいります。提督」ペコリ
提督「おう。気をつけてな。いってらっしゃい祥鳳」
瑞鳳「じゃあ行こっ。祥鳳」
提督「はいよー。楽しんでこいよー」
スタスタ
6: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:17:00.30 ID:9ypto+6Q0
提督「行ってしまったか……祥鳳……」ショボン
漣「まあまあ。さみしがらないで。たった一日だけでしょう、ご主人様?」
提督「まあそうだけど」
漣「それに、瑞鳳さんの誕生会も準備しなきゃいけないんですから、ちゃんと働いてくださいね? ご主人様?」
提督「ああ、わかってるさ」
漣「ふふん。では、祥鳳お姉様たちのかわりに、今日はこの漣が面倒を見てあげますぞ。ご主人様?(○`ω´○)」
提督「おう。よろしくな」
漣「では、この漣にお茶を淹れるのじゃ( ^-^)o旦」
提督「なんでやねん!」
ゴソゴソ
漣「と言いつつお茶っ葉用意するご主人様萌え(*´∀`*)」
提督「うるさいよ!」
7: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:17:26.04 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳「♪゜・*:.。. .。.:*・♪」
祥鳳「瑞鳳、うれしそうね」
瑞鳳「だって、姉妹ふたりでおでかけなんて、久しぶりなんだもん!」
祥鳳「ふふ。いつも鎮守府で一緒じゃない」
瑞鳳「それとこれとは、話は別なの!」
祥鳳「そ、そうなのね……」
瑞鳳「ねえ、祥鳳……」
祥鳳「なあに?」
瑞鳳「今日一日だけ……、おねえちゃんって呼んでもいい?」
祥鳳「もちろん」ニコ
瑞鳳「ほんと! えへへ……」ギュウ
祥鳳「むしろいつもおねえちゃん呼びでもいいのよ?」ニコニコ
瑞鳳「そ、それは恥ずかしいから、き、今日だけ!」
祥鳳「そう……」シュン
祥鳳(恥ずかしがらずに「お姉ちゃん」って呼んでくれればいいのに……)
祥鳳「それで、今日は何する?」
瑞鳳「うーんとね……。じゃあ、ふたりで温泉いこっ!」
祥鳳「えぇ。いいわよ」
瑞鳳「えへへ……」
8: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:19:01.00 ID:9ypto+6Q0
ショートランド温泉
瑞鳳「今日は空いてるね」
祥鳳「ええ」
瑞鳳「じゃあ、早速入っちゃいましょう!」
祥鳳「そうね」ヌギヌギ
瑞鳳「……」ジーッ
祥鳳「ず、瑞鳳……?」
瑞鳳「お姉ちゃん、肌きれい……」ポッ
祥鳳「も、もう……。瑞鳳ったら……」テレテレ
瑞鳳「そういえば、あんまり日焼けしてないんだね」
祥鳳「こう見えて、ちゃんと出撃前に日焼け止めはしてるんだから」
瑞鳳「そうなんだ……」
祥鳳「あ、あんまりジロジロ見ないで……」
瑞鳳「だってお姉ちゃん、きれいなんだもん……」
祥鳳「は、恥ずかしいからやめて……。さ、さっ! 早く温泉入ろう! ねっ?」
瑞鳳「う、うん……」
瑞鳳(お姉ちゃん、また胸おっきくなってる……)
9: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:19:33.00 ID:9ypto+6Q0
それから10分後……
チャポーン
祥鳳「いい湯ねぇ……」
瑞鳳「そうだねぇ……」
祥鳳「ふう……」
瑞鳳「今更だけど、あの長い髪の毛、よく束ねられたね……」
祥鳳「コツをつかめば、結構簡単よ」
瑞鳳「そうなんだ……」
瑞鳳「……」
祥鳳「……」
瑞鳳(お姉ちゃん、きれいだなぁ……)
祥鳳「たまには温泉もいいわねぇ……」
瑞鳳「うん……」
祥鳳「……」
瑞鳳「……ふう」
10: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:20:13.47 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳「ねえ、お姉ちゃん」
祥鳳「どうしたの?」
瑞鳳「ひとつ、聞いてもいい?」
祥鳳「いいけど……」
瑞鳳「なんで……。提督とケッコンしちゃったの?」
祥鳳「え?」
瑞鳳「だって、祥鳳には、お姉ちゃんには、私がいるのに……。なんで提督なんかと……」
祥鳳「瑞鳳……。それは……」
瑞鳳「ずっと、お姉ちゃんと一緒だと思ってたのに……。なんで……?」グス
祥鳳「……瑞鳳」
11: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:22:51.31 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳「祥鳳。最近、漣ちゃんや提督とばっかり、仲良くしてるよね……」
祥鳳「そ、そんなことないわよ……」
瑞鳳「私が妹なのに……。ホントは私のこと嫌いなの?」
祥鳳「瑞鳳……。そんなことないわよ」
瑞鳳「……」
祥鳳「……もう、ヤキモチやきね。瑞鳳は」
瑞鳳「ヤ、ヤキモチなんてやいてないもん!」
祥鳳「瑞鳳と、漣ちゃんと、それから大鯨と、みんなのお姉ちゃんでいいじゃない?」
瑞鳳「でもぉ……」
祥鳳「あなたも、漣ちゃんも、大事な妹だから」
瑞鳳「……」
祥鳳「よしよし」ナデナデ
瑞鳳「……お姉ちゃん」
祥鳳「瑞鳳。別に結婚したからって私は、あなたのこと嫌いになったりとかしないわよ」
瑞鳳「お姉ちゃん……。ホントに!?」
祥鳳「本当よ。ウソなんか、ついたりしないから」
瑞鳳「そっか。よかった……」
祥鳳「もう。瑞鳳は心配しすぎよ……」ナデナデ
瑞鳳「だって、だって……」グズ
12: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:24:34.06 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳「ねえ、お姉ちゃん……。これからも、いなくならない? そばにいてくれる?」
祥鳳「大丈夫。約束する」
瑞鳳「ホントに?」
祥鳳「ホントよ。たとえ結婚したって、私はいつまでも瑞鳳のお姉ちゃんだから」
瑞鳳「お姉ちゃん……」
祥鳳「困ったことがあったら、いつだって助けてあげるし、瑞鳳のこと、何があっても守っ
てあげるわよ」
瑞鳳「お姉ちゃん……」ウルウル
祥鳳「よしよし」ナデナデ
瑞鳳「……ありがとう。お姉ちゃん」クスン
祥鳳「はいはい。泣かないの。今日はあなたのお誕生日でしょ? ねっ?」
瑞鳳「だって……。ずっと怖かったんだもん……! いつか、私が捨てられちゃうんじゃないかって……! また珊瑚海の時みたいに、わたしを置いてどっかに消えちゃうんじゃないかって……!」ポロポロ
祥鳳「心配しなくても、私はどこにもいかないわよ」ニコ
瑞鳳「お姉ちゃん……!」
祥鳳「瑞鳳。おいで」
瑞鳳「お姉ちゃん……」ギュッ
瑞鳳「えへへ……。お姉ちゃんのお肌すべすべしてる……」サスサス
祥鳳「もう、瑞鳳ったら……」
瑞鳳「えへへ……」
13: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:25:27.37 ID:9ypto+6Q0
祥鳳「瑞鳳。帰ったら、またみんなでお誕生日パーティやりましょうね」
瑞鳳「……うん!」
祥鳳「誕生日ケーキ、実はもう作ってあるから」
瑞鳳「ホント!? やったぁ!」
祥鳳「ふふ……」
瑞鳳「ねえねえお姉ちゃん」
祥鳳「なあに?」
瑞鳳「お姉ちゃん、だーい好き♪」ニッコリ
祥鳳「瑞鳳……///」
瑞鳳「えへへ……」
祥鳳「じゃあ、そろそろ上がりましょうか」
瑞鳳「……うん!」
このあと、鎮守府帰って滅茶苦茶誕生日祝った
おしまい
14: ◆li7/Wegg1c 2017/06/19(月) 23:27:14.31 ID:9ypto+6Q0
瑞鳳ちゃん、進水日おめでとうございます!!!
ヽ(*´∀`)ノオメデト─ッ♪
ヽ(*´∀`)ノオメデト─ッ♪
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 02:08:34.42 ID:fvntVBmUo
おめでとう
ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ
ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497881389/
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ガヴリール「ラフィって結構導き(イジリ)の距離感絶妙なんだぞ?」【ガヴドロ】
1: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:02:55.92 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「ラフィって割と導き(イジリ)をやり過ぎる時があるわよね。私たまにサターニャが可哀相に思えてくるわ」
ガヴ「そうか? サターニャも本気で怒ったことはないだろ」
ヴィーネ「それはサターニャが優しいから……」
ガヴ「勿論それもある。だが、ラフィはそれを解ったうえでやってるんだ」
ヴィーネ「そうなの?」
ガヴ「ラフィって結構導き(イジリ)の距離感絶妙なんだぞ?」
2: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:03:14.70 ID:USHymRjy0
キャラ崩壊注意
独自設定注意
その他二次創作に関する諸注意
3: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:03:56.49 ID:USHymRjy0
ガヴ「相手の優しさ、自分への好感度、TPO……。全て加味して、相手がギリギリで許す導き(イジリ)しかやってこない」
ヴィーネ「サターニャがアレらを許してるっていうの?」
ガヴ「考えてもみろ。ヴィーネ自身はラフィに本気で嫌なことされたか? サターニャが受けてるような導き(イジリ)を」
ヴィーネ「確かにそう考えるとないかも……」
ガヴ「ないよな。だからサターニャも内心嫌がってないから大丈夫だって」
4: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:04:23.28 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「うーん、言われてみるとそんな気もしてきたような……」
ガヴ「だろ?」
ヴィーネ「でも、私会ってすぐの時から結構踏みこんだ導き(イジリ)されたわよ? ロシアンシューとか」
ガヴ「はぁ……。さっきお前が言ったことそっくりそのまま返すぞ……」
ガヴ「それはヴィーネが優しいからだ」
ヴィーネ「て……照れるわね……////」
5: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:04:56.80 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「つまりサターニャとラフィの関係について、気に病む必要はないってことでいいかしら?」
ガヴ「そうなるな」
ヴィーネ「因みに、なんだけどさ」
ガヴ「?」
ヴィーネ「今の話、納得は出来たんだけど、ガヴはどうしてそう考えたのかなって」
ガヴ「うーん、そればっかりは長年の付き合いとしか……」
ヴィーネ「むー、やっぱり同郷ってズルイわ」ムムム
ガヴ「こればっかりは仕方ないだろ。そうむくれんなって」
ヴィーネ「悪魔らしく嫉妬してみました」
ガヴ「無理すんなって。ヴィーネは普通に天使やってた方がいいぞ」
ヴィーネ「おかしいわね、普通の意味が解らないわ」
6: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:24:29.56 ID:USHymRjy0
ガヴ「ヴィーネは悪魔らしくないって、いつも言われてるヤツだよ」
ヴィーネ「そんないつもは言われてないわよ!」
ガヴ「実際私やサターニャに何されても大抵のことは許しちゃうじゃん? 天使どころか慈愛の女神かよ」
ヴィーネ「いや明らかに言い過ぎよ」
ヴィーネ「ガヴは殴り倒しちゃったことあるし、サターニャは簀巻きにしたことあるし……」
ガヴ「アレは10:0でこっちが悪い」
ヴィーネ「そ、そう」
7: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:25:12.82 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「で、ラフィの話に戻るんだけど」
ヴィーネ「ガヴがさっき言ってたみたいなことに思い至ったきっかけとかあったりする?」
ガヴ「うーん、そうだな……『だ~れだ?』ってあるだろ? 後ろから近付いて目隠すヤツ」
ヴィーネ「懐かしいわね。子供の頃よくやったわ」
ガヴ「アレ結構ラフィやってたんだよ」
ヴィーネ「ラフィの導き(イジリ)にしては大人しめね」
ガヴ「最初は、な」
8: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 00:53:53.66 ID:USHymRjy0
ガヴ「学校でちょこっと話すくらいの頃は、それで済んでたんだ」
ガヴ「だがな、いつも一緒に帰ったり放課後遊びに行くような関係になってからはな……」
ガヴ「『だ~れだ?』って言いながら後ろから抱き着いて頬擦りするようになってきやがったんだ」
ヴィーネ「(ラ、ラフィが天使のガヴに抱き着いて頬擦り!? 尊すぎかよ…………)」
ガヴ「もう『だ~れだ?』の体を成してないだろ?」
ヴィーネ「そうね……」
ガヴ「……何泣きながら拝んでんだよ」
ヴィーネ「続けて……」
ガヴ「お、おう」
9: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:09:35.87 ID:USHymRjy0
ガヴ「で、ある日それを別のクラスメイトに話した。そいつもラフィと仲がよかったからな」
ガヴ「もう『だ~れだ?』でもなんでもないし背中に当たって困るよね、ってな」
ガヴ「だが、そいつはラフィに『だ~れだ?』なんてされたことがないという」
ヴィーネ「そ、それって当時のラフィはガヴのことが……」
ガヴ「勿論私も最初はそう思ったさ。ラフィはこういうことを私にしかしないんだって」
ガヴ「だが当時の私は謙虚だった。すぐに思い直して冷静に考えた」
ガヴ「それで思い至った理由だが、そのクラスメイトはあまり体を触るスキンシップを好まないヤツだった」
ヴィーネ「あ、だから……」
ガヴ「そう。ラフィはちゃんと導き(イジリ)の相手とその内容を選んでるんだ」
ガヴ「ラフィは誰彼構わず導く(イジる)ようで、その実誰よりも導き(イジリ)に慎重なんだ」
10: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:16:02.54 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「改めて……凄いわね、ラフィって」
ガヴ「ああ。……因みにタプリスはケツ揉まれてたぞ。『だ~れだ?』で」
ヴィーネ「ぶっふぅううううwwwwwww」
11: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:24:11.29 ID:USHymRjy0
ガヴ「おいwwww笑い過ぎだろwwwwwww」
ヴィーネ「なんかww想像出来過ぎてwwwwwww」
ヴィーネ「はぁ……はぁ……。全くもう、息苦しくなるくらい笑わせないでよ」
ガヴ「あの一言でそんなに笑うとは思わねーよ」
ヴィーネ「はぁはぁ……ぷふ、ふ……ふぅ。それで、他にはどんな導き(イジリ)をされたの?」
ガヴ「えー? それ聞いちゃう?」
12: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:25:26.22 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「嫌なの?」
ガヴ「私は被害者側だから嫌っていうのとは少し違うんだけど……」
ヴィーネ「だけど?」
ガヴ「自分で言うのもなんだが当時の私は優しかったからな。今では考えられないような導き(イジリ)も許してたんだ」
ヴィーネ「確かに天使らしい天使だったわね」
ガヴ「ああ。多分ヴィーネくらい優しかったぞ」
ヴィーネ「なんでそれ私で喩えるのよ! (悪い気はしないけど////)」
13: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:28:25.68 ID:USHymRjy0
ガヴ「因みに今はFPS廃人くらい怒りっぽくなった」
ヴィーネ「えふぴーえすはいじんとやらに謝りなさいよ」
14: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:31:14.11 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「で? 具体的にはどんな導きだったの?」
ガヴ「結構沢山あるから挙げるとキリないんだがな……」
ヴィーネ「改めて恐ろしいわね……」
ガヴ「今だったら絶対許さないようなのをピックアップしてくか」
ヴィーネ「……ごく」
15: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:38:00.98 ID:USHymRjy0
ガヴ「まずな、天界学校時代、連れションよくしてたんだよ」
ヴィーネ「今のガヴは一人で行っちゃう方が多いけどそうだったのね」
ガヴ「ああ。客観的に見て、当時の私は"人気者"ってポジションだったからな」
ヴィーネ「まぁあのガヴならそうなって当たり前よね」
ガヴ「それでだ、いつもは大体は3~4人くらいで行くことが多かったんだが……」
ガヴ「ある日、ラフィと二人だけだったんだ」
ヴィーネ「(なんか怪談聞いてる気分になってきたわ)」
16: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:54:54.75 ID:USHymRjy0
ガヴ「ラフィも人気者だからな、私達二人だけってことは相当珍しかった」
ガヴ「そのことについても話しながら、トイレへの道を歩いていたんだよ」
ガヴ「その時はまだ、あんなことになるなんて思ってもいなかった……」
ヴィーネ「(なんかガヴの話し方も怪談調になってるような)」
17: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:58:21.37 ID:USHymRjy0
ガヴ「で、だ。連れションだから、当然隣同士の個室に入る訳だ」
ガヴ「そこで用を足してる最中、ラフィが居る個室から不自然な物音が聞こえてきたんだ」
ガヴ「布が擦れるような、壁にぶつかるような」
ガヴ「驚いて私はそちらを向いた。そしてどんどん目線を上へと移していくと……」
ガヴ「なんとそこには笑顔で私を見やるラフィの姿が!」
ヴィーネ「小学生男子かよ!!」
18: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 01:59:58.60 ID:USHymRjy0
ガヴ「因みにその時ラフィが手を怪我したから、私が手当てした」
ヴィーネ「天使かよ!!!!」
19: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:00:37.12 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「確かに今のガヴだったら許さなそうね」
ガヴ「ああ。多分壁ごとぶっ飛ばすな」
ヴィーネ「学校壊さないで。というか、それを余裕で許すなんて、流石当時のガヴね」
ガヴ「ま、あの時はラフィの方が恥ずかしそうにしてたってのもあるな」
ヴィーネ「なんで見た側が恥ずかしがるのよ」
ガヴ「恥ずかしがる私を見たかったのに、怪我の心配されて居た堪れなくなったらしい」
ヴィーネ「ふふ。意外と想定外のことに弱いきらいがあるわよね、ラフィって」
ガヴ「だからなんだかんだ許しちゃうのかも知れないな」
20: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:05:12.86 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「他には何かあった?」
ガヴ「そうだな……。身体測定かなんかで、下着まで脱いだことがあったんだよ」
ヴィーネ「今の人間界じゃ絶対そこまで脱がないわよね」
ガヴ「出席番号順だったから、天真より白羽の方が若干早く終わる訳だよ」
ガヴ「で、私が戻った時……ラフィのブラと私のブラがすり替えられてたんだ」
ヴィーネ「ちょっ」
21: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:05:51.21 ID:USHymRjy0
ガヴ「私が困惑してると、ラフィが声をかけてきたんだ。『どうしましたか? ガヴちゃん』と」
ガヴ「声をした方を見ると、ラフィが私のブラを着けていた」
ヴィーネ「ぶっふぉぅwwwww」
22: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:09:51.55 ID:USHymRjy0
ガヴ「いやお前が『どうしましたか?』って感じだったよ」
ガヴ「当然ホックが閉めれないから後ろ手でずっと抑えてるし、布面積が足らなくてマイクロビキニみたいになってたし」
ガヴ「なんなら少し乳輪はみだしてたよ!」
ヴィーネ「それwwww慎重な人ならR-18タグ付けるヤツwwwwww」
ガヴ「これからどんどん厳しくなっていくからなー」
23: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:16:06.07 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「ふふふ……。今のガヴなら気にしてるし許さなさそうね」
ガヴ「そこまで小さいことを気にしてる訳じゃないが……」
ガヴ「もぐと思う、乳を」
ヴィーネ「チョップで我慢しときなさい」
24: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:18:03.39 ID:USHymRjy0
ガヴ「あとは普通にスカートめくりとかもされたかな」
ヴィーネ「定番よねー」
ガヴ「めくられた後『ガヴちゃんならくまさんのパンツとか穿いててそのことを恥ずかしがると思ったんですが……』」
ガヴ「とか、溜息混じりに言われた時は流石にやりかえしたわ。黒だった」
ヴィーネ「白羽wwwwなのにwwwwww」
25: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:22:24.47 ID:USHymRjy0
ガヴ「ったく。ソレ系はとっくにハニエルに下げてたっての」
ヴィーネ「え、下着もお下がりにするの?」
ガヴ「ん? ヴィーネん家はしないのか?」
ヴィーネ「私一人っ子だから分からないのよ」
ガヴ「そうだったのか」
26: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:23:55.80 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「サターニャも自分の服とかお下がりにしてるのかしら」
ガヴ「アイツも妹が居るのか?」
ヴィーネ「いえ、弟が居るのよ」
ガヴ「性別違ったら流石に下げないんじゃないか? 私は女だけの3人姉妹だから分からんが」
ヴィーネ「じゃあ、何者かに言われるがまま姉の服を着させられて」
ヴィーネ「『可愛い、これでお姉ちゃんとお揃いだね♪』とか言われたり……」
ガヴ「そんな某宇宙№1アイドルの弟みたいな扱いやめたれよ……」
27: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:28:03.67 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「ちなみにさ」
ガヴ「ん? なんだ?」
ヴィーネ「今までラフィにされたので、一番恥ずかしかった導き(イジリ)は?」
ガヴ「一番恥ずかしかった導き(イジリ)かぁ。…………あ、あ、あっ/////」ボフン
ヴィーネ「!?」
ガヴ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!!」ゴロゴロ
ヴィーネ「ちょっとガヴ!?」
28: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:31:36.80 ID:USHymRjy0
ガヴ「無し! 今までの話全部無し!! ラフィは距離感近過ぎるし嫌がる導き(イジリ)もする!!!!」
ヴィーネ「ええっ!? 今までの話全否定!?」
ガヴ「忘れてたんだ。喉元過ぎればなんとやら、ってヤツだ」
ヴィーネ「そんなに嫌なこと忘れるなんて……。それに、当時のガヴは許したんでしょ?」
ガヴ「それは……その、あの時は別に嫌じゃなかったというか……」モジモジ
ヴィーネ「?」
ガヴ「……はっ//// 無し! 今のも無し!!」
ヴィーネ「?????」
29: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 02:42:35.89 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「……気になるわね。一体何をされたの?」
ガヴ「言わない! 絶対言わないからな!!」
ヴィーネ「う~ん……今ならラフィにされたら絶対怒るのよね?」
ガヴ「ああ。まぁ今のラフィは私にやらんと思うがな」
ヴィーネ「もし私にされたら? ……な~んて」
ガヴ「~~~~っ!?////// だ、ダメに決まってるだろバカタレがっ!!」
ヴィーネ「バカタレ!?」
ガヴ「…………ほんとは満更でもないけど……………………」
ヴィーネ「え? ガヴなんか言った?」
ガヴ「なんでもない!」
30: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 03:09:29.83 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「で、結局、一番恥ずかしかった導き(イジリ)って……」
ガヴ「絶対教えないからな」
ヴィーネ「どうしても……ダメ?」
ガヴ「ダメ!」
ヴィーネ「気になる……」
ガヴ「それ以上言及するなら帰ってもらうから!」
ヴィーネ「えぇ……」
ガヴ「はい! この話はもう終わり! 閉廷!!」
ヴィーネ「はぁ、わかったわよ……」
36: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 22:01:56.42 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「結局昨日ガヴ、ラフィにされた一番の導き(イジリ)教えてくれなかったなぁ……」
タプリス「~~♪」
ヴィーネ「あ、千咲ちゃんだ。おーい、千咲ちゃん。ラフィによくお尻揉まれてたって本当?」
タプリス「月乃瀬しぇんぱい!? どうしてそんなことを!?」
ヴィーネ「それはー……(聞いちゃまずかったかしら)」
タプリス「くうう、恥ずかしい……」
ヴィーネ「あー……(女の子だもん、恥ずかしいに決まってるわよね。流石にデリカシー無さ過ぎたわ)」
37: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 22:09:00.95 ID:USHymRjy0
タプリス「そして私をこのネタで強請ろうと……やはり悪魔だったんですね!!」
ヴィーネ「ぇえっ!?(折角最近信用されてたのに、また悪魔呼ばわりされちゃった……)」
タプリス「上下関係というものが分からない私ではありません……」クルッ
タプリス「さあ! 私のお尻を好きにしたらいいじゃないですか! この悪魔!!」ヌギヌギ
ヴィーネ「ご、ごめん千咲ちゃん! そんなつもりじゃ、怒らせる気はなかったの……。じゃあねっ」タッタッタ
タプリス「あっ!? 待って下さっ……」
タプリス「月乃瀬先輩にお尻揉んで欲しかったです…………」ションボリ
38: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 22:32:03.14 ID:USHymRjy0
…………
ヴィーネ「(ダメとは言われてないし、もう一人の当事者に聞いちゃいましょう)」
ヴィーネ「ラフィ、天界時代、ガヴにした一番の導き(イジリ)って何かしら?」
ラフィ「ガヴちゃんにした一番の導き(イジリ)……ですか?」
ヴィーネ「ええ。ガヴに聞いても教えてくれなかったのよね」
ラフィ「うーん、心当たりが多過ぎてどれのことだか……」
ヴィーネ「アンタ一体……」
39: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 22:51:37.95 ID:USHymRjy0
ラフィ「あ、その話の時、ガヴちゃんどんな反応してました?」
ヴィーネ「顔を真っ赤にしてゴロゴロしてたわね」
ラフィ「あー……、じゃあ多分アレですかね。ふふ♪」
ヴィーネ「分かったの?」
ラフィ「ええ♪」
ヴィーネ「なになに? 教えてよ」
ラフィ「んー、どうしましょうか。流石にこれ話すとガヴちゃん嫌がりそうですからねー」
ヴィーネ「お願いっ。ガヴには聞いたこと言わないから!」
40: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:08:44.47 ID:USHymRjy0
ラフィ「そうですねぇ。では、ガヴちゃんにしたのと同じことを、ヴィーネさんにもするということでどうでしょうか」
ヴィーネ「ええっ!? (ガヴが『殺す』とまで言ったことを、私もラフィにされる……?)」
ラフィ「それなら私が"話した"、ヴィーネさんが"聞き出した"ことにはなりません」
ヴィーネ「成る程……(でも、ガヴの話と、何よりラフィ自身を信じるなら、私が嫌がることはしてこない筈……)」
ヴィーネ「わ、分かったわ。それでいきましょう」
ラフィ「いいんですか? 後悔しても知りませんよ?」
ヴィーネ「(不穏な前置き!?) 大丈夫よ。さっさとしてよ」
41: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:15:14.43 ID:USHymRjy0
ラフィ「ふふ。そこまでですか。……では、目を閉じてください」
ヴィーネ「え、怖い」
ラフィ「じゃあしません」
ヴィーネ「閉じるから! して!!」
ラフィ「良いおねだりですね~」
ヴィーネ「違う!!」
42: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:30:22.24 ID:USHymRjy0
ラフィ「やはりヴィーネさんのツッコミは天性のものがありますねー。あ、少し屈んでください」
ヴィーネ「だからツッコミじゃないって……こうかしら」
ラフィ「はい、丁度いいです。では、しますよ。……すー……はー……」
ヴィーネ「(あわわ、勢いでOKしちゃったけど、これから何されちゃうんだろ……)」
ラフィ「ヴィーネさんっ、一目見たときから思ってましたが、そのヘアピンお似合いですよ」チュ
ヴィーネ「ひゃうっ!?//// (おでこにキスされた!?//////)」
43: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:42:23.26 ID:USHymRjy0
ラフィ「目……開けちゃいましたね。これで終わりです」
ヴィーネ「あ……」
ラフィ「因みに、ガヴちゃんにしたのはおでこじゃないですよ。……それではっ」タッタッタ
ヴィーネ「…………(おでこじゃない部位って……)」
44: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:47:15.04 ID:USHymRjy0
ヴィーネ「(私も女子高生だ。キスの部位による意味くらい調べたことがある)」
ヴィーネ「(おでこは友情、髪は思慕、手の甲は敬愛、耳は誘惑、頬は親愛……)」
ヴィーネ「(私がされたのはおでこだから、まだ"とても恥ずかしい"程度で済んでいる)」
ヴィーネ「(じゃあ、ガヴがされた部位は……?)」
ヴィーネ「(そんなの、考えるまでもない。調べないと分からないキスの意味なんか知らなくても、一番恥ずかしい部位に決まってる)」
ヴィーネ「…………(『ほんとは満更でもないけど……』)」ピト
ヴィーネ「~~~~~~~っ////////」
45: ◆vVOjebR9BA 2017/06/24(土) 23:56:31.98 ID:USHymRjy0
終わりです。
2連続でへんたいヴィーネさんを書いてしまったので、ピュアピュアなヴィーネさんを。
あと、1回でいいから1スレを1日で完結させたかった。
ラフィの導き(イジリ)と天界時代のガヴとラフィの関係に関しては、考察でもあり、願望でもあり。
以下過去作です。そろそろ全部紹介するのもアレな量になってきたんで直近3~4作くらいで
ガヴリール「……私のプライバシー、どこへ行った?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491222440/
【ガヴドロ】ガヴリール「ヴィーネに告白したら振られた」【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493414416/
ヴィーネ「ガヴのごはんを多めに作る」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496320849/
【ガヴドロ】ガヴリールドロップアウトNG集
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497032823/
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 00:10:25.47 ID:Z3SBYzuTo
大変だ!
ヴィーネがガヴにキスするシーンが抜け落ちてるぞ!!
ヴィーネがガヴにキスするシーンが抜け落ちてるぞ!!
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 20:43:40.02 ID:jwnhwuSJo
良い
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498230175/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ ガヴリールドロップアウト | Comments (0)
菜々「それじゃPさん、行ってきますね」【モバマス】
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:47:31.86 ID:4vbah+GRo
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:48:25.47 ID:4vbah+GRo
「とうさん、いきなり重いモノローグから始めるのはどうかと思うよ」
P「あ、ああ……すまんな息子よ」
P「いや、なんだ……その、もうすぐ一年になるかと思って……つい、な」
息子「一年……おかあさんが、居なくなってから?」
P「ああ……」
P「まったく、どこで何をしているのやら」
娘「おかあさん……もう、このまま帰ってこないの?」
P「そんな事ないよ、きっと帰ってくるさ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:49:14.39 ID:4vbah+GRo
P(もう、一年前になるのか……)
P(あの時菜々は、役所に行くと言って出かけていった)
P(子供が産まれたから、出生届を提出するためだったはずだが……)
P(しかし、菜々は戻らなかった)
P(すぐに警察に届け出て調査してもらったが、どういうわけか役所どころか、自宅近隣の防犯カメラにさえ姿が映っていなかった)
P(まるで……我が家を出たと同時に、この世から消えてしまったかのように……)
P(子供のことを見ておく必要があったとはいえ、何故菜々に着いて行かなかったのかと──)
P(あれ以来、後悔しなかった日は無い……)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:50:06.09 ID:4vbah+GRo
P「それじゃ、父さんは仕事に行ってくるから、良い子にしているんだぞ?」
娘「……」ギュッ
P「?」
P「p菜、どうした? 離してくれないと父さん遅刻してしまうよ」
娘「……わたしもおとうさんについてく」
P「え……? 付いてくるって……事務所に?」
娘「……うん」
P「えぇ……?」
息子「あれだよ、とうさんがおかあさんの話するから、さみしくなっちゃったんだよ」
P「……」
P(そうか……この子たちも、寂しいか……)
P(普段から聞き分けがいいから忘れていたが──)
P(そうだよな……本当なら、母親を一番必要とする時期だもんな)
P「それじゃ二人とも、お利口にしていられるか?」
娘「うん!」
息子「連れて行ってくれるの?」
P「ああ、ちょっと待っててな」
P(保育所と、ちひろさんに連絡しておかないと……)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:51:41.98 ID:4vbah+GRo
──事務所──
P「ちひろさんすみません、無理を聞いてもらって……」
ちひろ「いえいえ、いいんですよ」
ちひろ「私も久しぶりにp君とp菜ちゃんに会いたかったですから」
ちひろ「それに、他のアイドルの子達もそう思っているはずですよ」
息子「ちひろさん、お久しぶりです」
息子「いつも父がお世話になってます」
娘「おせわになってます」
ちひろ「!?」
ちひろ「え……Pさんのお子さんたちって、いくつでしたっけ……?」
P「もうすぐ一歳ですね」
ちひろ「……喋ってますよ?」
P「ええ」
P「俺に似ずに、賢く育ってくれて、喜ばしい限りです」
ちひろ「いや、おかしいですよね!?」
ちひろ「一歳っていったら、単語一語を話せるかどうかってところですよ!?」
P「まあ、たまに舌っ足らずになることはありますね」
P「それに、歩くのはまだ少し苦手みたいで」
ちひろ「……私がおかしいのかしら」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:52:59.22 ID:4vbah+GRo
まゆ「pくん、お久しぶりですね」
まゆ「まゆのこと、覚えていますか?」
息子「……ほんの少しですが、覚えています」
まゆ「あら、嬉しい」
亜里沙「pくん……可愛い……面倒を見てあげたい……」
星花「ええ、本当に……愛らしいですわ……」
響子「私も……赤ちゃん欲しいな……Pさんの、赤ちゃん……」
息子(とうさん……周りの人たちの、ぼくを見る目が怖いです……)
まゆ「pくんさえよければ、まゆがpくんのお母さんになってあげたいんですけどねぇ」
息子「まゆさん……」
息子「すみません、お気持ちはとても嬉しいのですが」
息子「ぼくの母は、安部菜々ただひとりなんです」
まゆ「……あなたのそばから居なくなってしまっても、ですか?」
息子「はい」
息子「それに、まゆさんが母親になってくれるなんて、ぼくの身には過ぎることです」
まゆ「……」
まゆ「……やっぱり、pくんは、Pさんお子さんなんですね」
まゆ「その、意思が強いところ……そっくりです」
息子(とうさん……我が父ながら罪作りな……一体何人のアイドルを落としてきたのやら……)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:54:09.22 ID:4vbah+GRo
ミミミン ミミミン ウーサミーン
娘「……」
「おや、p菜じゃないか」
娘「あ、晶葉ちゃん」
晶葉「ん……私を覚えているのか」
娘「うん、少しだけ」
娘「あと、家で晶葉ちゃんがテレビに出てるのを見てるから」
晶葉「そうか」
晶葉「……ウサミンのライブを見ていたのか?」
娘「うん」
娘「ライブ中のおかあさん、かっこいい」
娘「あと、ウサちゃんロボもかっこよくてかわいい」
晶葉「ふむ、ロボの格好良さに気づくとは、なかなか見る目があるな!」
晶葉「そうだ、少し待っていてくれ」
娘「うん……?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:55:20.11 ID:4vbah+GRo
晶葉「待たせたな、p菜にこれをやろう」ゴトッ
娘「これ……ウサちゃんロボ?」
晶葉「うむ」
晶葉「かつて君の母と一緒のステージに立った由緒あるロボだ」
晶葉「これは菜々に譲った物なんだが、メンテナンスのために私が預かっていたのだ」
晶葉「整備はとっくに済ませてあるんだが……現状菜々本人には渡すことができないからな」
晶葉「代わりに、君が受け取ってくれ」
娘「ウサちゃんロボ、くれるの?」
晶葉「ああ……あげるというより、菜々のものだったからな、返すといった方が適切か」
娘「晶葉ちゃん、ありがとう!」
娘「けど……これわたしじゃ持てないよ……」
晶葉「フフフ、心配無用だ! p菜ほどの体格であればウサちゃんロボの方がp菜を抱き抱えて運べる!」
娘「わっ! ちょっとこわい……けど楽しい!」キャッキャッ
晶葉「改良を重ねたウサちゃんロボには造作も無いことだ」フフン
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:56:34.55 ID:4vbah+GRo
──なんやかんやで帰宅後──
P「ただいまー」ガチャ
P「まあ……返事は無いんだけどな」
P「子供たちは……はは、疲れて寝ちゃったか……二人ともぐっすりだな」
P(子供を連れて行っても、事務所の皆は嫌な顔一つせずに受け入れてくれた……)
P(理解ある職場で働くことが出来て、同僚や担当アイドルにも恵まれて、とてもありがたいと思う)
P(それに──)チラッ
息子「……」スヤァ
P(子供達は何事もなく育ってくれているし)
P「俺は、幸せ者だよ……本当に……」
P「……」
P(だけど……やっぱり……)
P(菜々……君が居ないと、ダメだ……)
P(ダメなんだ……)
娘「おかあさん……」ムニャ
P「……」ナデ...
P(……子供達も、待っているからな)
P(できるだけ早く、帰ってきてくれよ?)
P「……なんてな」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:57:37.00 ID:4vbah+GRo
「あぁ、もうこんな時間」
「昼過ぎには帰るって言っちゃったし、Pさん心配してるかなぁ」
「まさか乗り過ごしちゃうなんて……」
ガチャ
「ただいま帰りましたー」
P「っ!?」
「Pさん、遅くなってしまってごめんなさい」
P「え…………?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:58:52.46 ID:4vbah+GRo
P「な……な…………?」
菜々「はいっ! あなたのナナが、今戻りましたよ!」キャハ
P「なな……ななあぁっ!!」ダキッ
菜々「わわっ!?」
菜々「Pさん!? どうしたんですか?」
P「ななぁ……今まで……どこに行ってたんだよぉ……」
菜々「え……? 言ってませんでしたっけ?」
P「ずっと……ずっと待ってたんだからな!」
菜々(えぇ~? Pさん、どうしちゃったの?)
菜々「そ、そんなにナナに会いたかったんですか? なーんて」
P「会いたかったに……決まってるだろ……っ!」
菜々「っ!?」
菜々(Pさん……泣いて? ええぇ!?)
菜々(だって、半日くらいしか経ってないのに、こんなに取り乱すなんておかしいよ!?)
菜々「も、もう! Pさんてば大げさですよぅ、少し会わなかったくらいで」
P「おおげさ? す、少し……って、菜々おまえっ」
P「ずっと行方をくらましておいて……どれだけ心配したか!」
菜々「え……?」
菜々(ずっと行方をくらましていたって……どういうこと?)
P「おまけに、何事も無かったかのように平然と帰ってくるし!」
菜々(……よくよく見てみると、部屋の様子も、なんとなく出かけた時と違っているような……あれぇ……?)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:00:47.32 ID:4vbah+GRo
菜々(その時頬から、一筋の冷や汗が垂れてきたのです……)
菜々(なんて! すっとぼけてる場合じゃない!)
菜々「あ……あの、Pさん……」
菜々「ナナが、出かけてから……どれくらい時間が経っているんです……?」ダラダラ
P「え?」
P(菜々、何を言ってるんだ? あと、汗すごい)
P「だいたい一年だ……ほら」
菜々(Pさんのスマホ……今日の日付……)
菜々「っ!?」
菜々(ほ、本当に、一年経って───ハッ!?)
菜々(し、ししし、しまったああぁ!! やらかしちゃったあぁ!)
菜々「Pさん……あ、あの……その……」
菜々「すみませんでしたああぁぁっ!」ガバッ
P「えぇ!?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:02:28.71 ID:4vbah+GRo
P「それで結局、何がどうなっているんだ?」
菜々「えーとですね……今朝は──あ、えーっと、ナナにとっての今朝の話なんですけど」
菜々「家を出てからウサミン本星の役所に向かったんです」
P「う、ウサミン本星……?」
菜々「はい」
菜々「pくんとp菜ちゃんのウサミンIDの取得をするために、ですね」
菜々「あと、一応Pさんのウサミン星永住権の申請も一緒にしてきました」
菜々「審査が通れば、Pさんも晴れて名誉ウサミン星人ですよ!」
P「えぇ……?」
菜々「それで、話を戻しますけど……」
菜々「今になって思い出したんですが、太陽系周辺の物理法則って少し変わっているらしくて……ウサミン力学が適用されないんですよね」
P「た、太陽系周辺って……」
菜々「地球の物理学だと、確か相対性理論って言うんでしたっけ……物体の移動速度によって時間の流れが違っちゃうとかなんとか」
菜々「なので、ウサミンエクスプレスの量子ウサミン航法による超光速移動の影響で──」
菜々「ナナがウサミン星に帰っている間に、地球にいるPさんとの時間がズレちゃったみたい……です」
P「ズレちゃった……?」
菜々「太陽系以外の他の宇宙ならそんなこと起こらないので、忘れちゃってて」
菜々「ただ、それでも、ウサミン星と地球を往復するだけなら、そこまで時間のズレは生じないハズなんですけど──」
菜々「その……今回は太陽系で乗り過ごして、ライラット系まで行っちゃいまして、そのせいで一年も……」
菜々「Pさん、ごめんなさいぃ」
P「あー、うん……」
P「菜々の言ったこと全てを理解出来たわけじゃないが……」
P「話を聞く限りだとつまりあれか、菜々が帰ってこなかった原因は、いわゆるウラシマ効果ってヤツか?」
菜々「あ! そうです、それです!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:03:24.08 ID:4vbah+GRo
P「……」
菜々「……」
P「いや、いやいやいや」
P「待って、ちょっと待って……?」
菜々「はい?」
P「え? いや……えっ?」
菜々「?」
P「……あの、菜々の話を聞いていると……だな」
菜々「はい」
P「いや、その……俺の理解力が──」
P「あー、俺の頭がおかしいって事だったら……笑い飛ばして欲しいんだけど」
P「えっと……菜々は……つまり、本物の異星人ってことか?」
菜々「ええっ!? そこからですか!?」ガビーン
菜々「Pさんにプロポーズされた時に、聞いたじゃないですか」
菜々「『ナナがウサミン星人でも、好きでいてくれますか?』って」
P「……あれって、そういう意味だったの?」
菜々「どういう意味だと思ってたんですか!?」
P「結婚して、アイドルを引退した後も、キャラを維持する宣言かと思っていた」
菜々「えぇ……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:04:53.30 ID:4vbah+GRo
P「じゃあ、アイドル時代に住んでいた落花生で有名な某県某市は? あそこウサミン星じゃないのか?」
菜々「あれは、地球における活動拠点というだけです」
P「じゃあ、電車で1時間てのは……」
菜々「ウサミン星までは、地球からウサミンエクスプレスで1時間ほどです……」
P「じゃあ、pが年齢の割に賢いのは?」
菜々「あ、そうです! 子供たちは?」
P「ああ、今は寝ているよ」
菜々「そうでしたか……」
菜々「えっと、ウサミン星人の脳機能の発達は、地球人に比べると早いんです」
P「マジか……」
P(つまり、地球人である俺と──)
P(改めて自分を地球人て呼ぶのも変な感じがするが、ウサミン星人である菜々との混血でも、そうなるってことか……)
P「待てよ? ということは、年齢だけじゃなく『安部菜々』も、もしかして詐称なのか?」
菜々「それは詐称じゃないですっ!」
菜々「ナナはちゃんと地球への渡航申請をしたので、ウサミン外務局経由で日本国政府から異星人用の国籍と戸籍を貰っているんです」
P「なんかよくわからんけど、宇宙すごい……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:06:16.19 ID:4vbah+GRo
菜々「ということは……あの……」
菜々「Pさんはナナのこと、結婚してからもずっと地球人だと思っていたんですか?」
P「……そうなるな」
菜々「そんな……」
菜々(てっきり、ウサミン星人であるナナのことを……受け入れてくれたものとばかり考えていたけど)
菜々(でも、今初めて知られたとなると……もしかしたらPさんに、拒絶されちゃうかもしれない……)
菜々(多分、今までは電波系人間で済ませられていたけど、『本物の異星人』だもん……いくら懐の広いPさんでも──)
菜々(ハッ!? だ、ダメよナナ! Pさんの気持ちを疑うような事があってはダメ!)
菜々(だってPさんとは、それはもうじっくりと、ねっとりと、ラブを育んできた仲なんだから!)
菜々(でも……)
菜々(ナナがPさんにしてしまった事を考えると、見限られてもしょうがない……よね)
菜々(だって、Pさんからすれば、突然失踪して音信不通のまま一年も戻らなかったんだもん)
菜々(そんな相手と夫婦でいたくないって思われて、縁を切られたって、何も言えない……)
菜々(だけど……)
菜々(別れたくない……別れたくないよぉ……)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:07:15.65 ID:4vbah+GRo
P(まさか本当に、ウサミン星が実在していたとは……)
P(しかも、菜々はウサミン星に行っていたから帰ってこなかったって?)
P(にわかには信じがたいことだけど……)
P(いや……しかし)
P(確かに驚きはしたが、それを知ったからといって、特にどうということはない……よな)
P(菜々がウサミン星人だからって、俺達の関係が何か変わるわけじゃない)
P(今は、菜々が無事に帰って来てくれたことを喜ぶべき──)
菜々「うぅ……Pさん……ごめんなさい……」
P「って、菜々? なんでベソかいてるんだ!?」
菜々「ナナのこと……見捨てないで下さいぃ」
P「え!?」
P「ちょっと待った……どちらかというとそれは俺のセリフじゃないか?」
菜々「へ?」
P「菜々が突然居なくなって、見捨てられたかもって」
P「もちろん他の可能性も考えたが、俺だって不安だったんだからな」
菜々「うっ」
P「まぁ、宇宙に行っていた……なんてのは考えつかなかったけど」
P「いずれにせよ、俺はずっと菜々が帰ってくるのを待っていたんだ」
P「それなのに、菜々のこと見捨てるはずがないだろ?」
菜々「で、でも……ナナはウサミン星人で、Pさんは地球人だから……っ!」
P「……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:08:13.64 ID:4vbah+GRo
P(そうか……菜々が異星人だって、そもそも知らなかったから、考えが及ばなかったけど)
P(菜々も、今まで不安だったんだろうな)
P(例えるなら、外国で一人暮らしするような感じか?)
P(ウサミン星人の精神構造がどうなっているのかは分からないけど、菜々の様子からすると、地球人とそう変わらないみたいだし)
P(そう考えると、見知らぬ土地で、慣れない文化の中で暮らすのに、不安が無いわけないよな)
P(それに今だって、俺に拒絶されることを恐れているんだろう)
P(そうだとすると、俺のすべきは──)
P「菜々、大丈夫だから……落ち着いて」
菜々「Pさん……」
P「菜々がウサミン星人だって知って、確かに面食らったけど」
P「それでも、俺は変わらず、菜々を愛しているよ」
P「俺と菜々が出会ってからさ、今まで時間をかけて積み重ねてきた関係は、この程度で揺らいだりしないさ」
菜々「……」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:09:39.45 ID:4vbah+GRo
菜々「だけどナナは、Pさんに何も告げずに突然失踪しちゃうような、ダメダメなウサミン星人です……」
P「そこはほら……なんというか、お互い認識の相違があったし、仕方ないさ……」
P「それに、こうして帰ってきてくれたじゃないか……それだけで十分だ」
菜々「うぅ……」
P「……まだ不安?」
菜々「……」コクッ
P「そうか……」
P (……こんな風に菜々がしおらしくするのは、甘えたがっている時……だよな)
P「まいったなーどうすれば菜々を安心させてあげられるかなー?(棒)」
P(我ながら、わざとらしすぎるが……)
菜々「……」
菜々「抱き締めて、欲しいです……ギュッて……」
P「……わかったよ」ギュッ
菜々「あっ……Pさん……」
P「……菜々」
菜々「Pさん……っ! 好きです、Pさん」
P「俺もだよ……菜々」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:11:56.43 ID:4vbah+GRo
──数分後──
P「落ち着いた?」
菜々「はいっ」
菜々「Pさんに抱き締められると、不安な気持ちもどこかへ行っちゃって……ウサミンパワーが即座に満タンになります」
菜々(そう……アイドルだった時から、Pさんはいつもナナのことを励ましてくれてた……)
菜々(やっぱり……ナナはPさんと一緒じゃないと……)
P(うーむ、しかし)
P(菜々が帰ってきて、当初の想定では『Pさん、長い間待たせてごめんなさい、寂しかったですねーよしよし』)
P(みたいな感じで、俺の方が菜々に甘えられると思っていたんだが……)
P(何故か俺が菜々をあやす側に回ってしまっているという)
P「まあなんにせよ、こうしてまた菜々と会えて良かったよ……本当に」
菜々「ナナも……Pさんと一緒にいられて、嬉しいです」
菜々「もし、Pさんが離れていってしまったらと考えると……怖くて……」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:14:15.90 ID:4vbah+GRo
P「でも……」
P「考えてみると少し不公平だよなぁ」
菜々「え……?」
菜々(あ……ピピッと来た……Pさん、きっとよからぬこと考えてる……)
P「お互い会えていなかった時間を考えるとさ、菜々の方は、家を出てから半日くらいしか経っていないんだろ?」
菜々「……ナナの体感で、大体10時間くらい……です」
P「10時間か……」
P「俺の方は……役一年と考えると、8000時間以上だからな」
菜々「はっせ……っ!?」
P「例えばさ、俺が出掛けたっきり戻らなくなって、8000時間会えなくなったとすると……ナナはどうする?」
菜々(はっせん……八千時間……)
P「……」
菜々「……」
P(長考……あれ、これやらかしたか……?)
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:15:06.59 ID:4vbah+GRo
菜々「……考えられないです」ボソッ
P「え?」
菜々「そんなに長い間、Pさんに会えないなんて……ナナ、耐えられないです……っ!」
菜々「Pさんっ! いなくならないでくださいっ!」ガバッ
P「うわっ!」
P「わ、悪かった、今のは意地悪が過ぎた! ごめん!」
菜々「ああぁ! で、でも……ナナは……Pさんに、それをしてしまった……」
菜々「あうぅ、Pさんごめんなさいぃ!!」
P「それはもう過ぎたことだから! 俺も気にしてないから!」
菜々「うぅ……Pさぁん……」
P「ごめんよ、俺はどこにも行かないから」ナデナデ
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:17:33.12 ID:4vbah+GRo
──またまた数分後──
菜々「……Pさん、意地悪です」
P「悪かったって」
菜々「全面的に悪いのは……ナナの方ですけど……」
菜々「でも……あんなこと言うなんて、意地悪です」
P「ごめん……」
菜々「……」
菜々「……キス」
P「え?」
菜々「お詫びに……キス、してください」
P「……菜々」
菜々「あ……んっ……んん…………ふぁ」
P「……これで、許してくれるか?」
菜々「……うふ、えへへ」
P「?」
菜々「そういえばPさん、昔からナナによく意地悪してきましたよね?」
P「そ、そうか?」
菜々「そうですよ」
菜々「アイドルだったころは、事あるごとにナナのこと、弄ってきたじゃないですか」
P「言われてみれば……心当たりがあり過ぎる」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:18:54.05 ID:4vbah+GRo
菜々「でも……」
菜々「ナナのことを大切に思ってくれてるというのは、伝わってましたから」
菜々「今も、Pさんの気持ちは、ナナにしっかりと伝わりました」
P「……ウサミンは心と心で通じる……か」
菜々「あ……覚えていてくれたんですね」
P「……でも、俺は地球人だからさ、口にしないとうまく伝わらないこともあるって、考えてしまうんだ」
P「こういうのは、口にするんじゃなくて、行動で示すべきなんだろうけど」
菜々「?」
P「俺は、いつだって、菜々のことを想っているよ」
P「これまでも、これからもずっと、それは変わらないから」
菜々「Pさん……」
P「な、なんてな! ……あー、気恥ずかしい」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:20:34.70 ID:4vbah+GRo
P「まあ、いずれにせよ、菜々も無事に帰ってきてくれたことだし」
P「これからはさ、ようやく家族四人で一緒に暮らせるってことで、子供たちも喜ぶな、うん」
菜々「そうですね……子供たちにも、寂しい思いをさせちゃっただろうなぁ……」
菜々「つくづくとんでもないことをしでかしちゃったと反省しきりです……本当に」
P「今まで一緒にいられなかった分は、これから取り戻していけばいいさ」
菜々「それじゃ、嫌がられるまで構うことにします!」
P「二人ともすっかり大きくなったからな、たぶん見たら驚くぞ」
菜々「うぅ……ナナも、成長を見届けたかったです……自業自得ですけど」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:22:05.18 ID:4vbah+GRo
菜々「……時にPさん」
P「ん?」
菜々「ナナとしては、ですね」
菜々「今は……家族四人……ですけど」
P「うん」
菜々「その……出来ればもう少し、日本とウサミン星の人口増加に、貢献したいなーなんて」
菜々「考えていたり……いなかったり……するんですけど……」
菜々「Pさんは……どうですか?」
P「……」
P(上目使いで、『どうですか?』って、そんなん聞いてくるの……反則だろ!)
P「菜々っ!」ガバッ
菜々「あっ」
P「ウサミン星の人口、増やそう! 一緒に!」
菜々「あぁっ……Pさん……っ!」
───────────────
────────
───
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:23:42.51 ID:4vbah+GRo
──Pと菜々がいちゃついている隣の部屋──
息子「行方知れずだった母が帰ってきたのに出て行きにくい雰囲気な件について」
娘「……しょうがないよ、おとうさんはずっとおかあさんのこと待ってたんだし」
息子「妹が空気を読みすぎな件について」
娘「それは、わたしだって、おかあさんに会いたいよ?」
息子「ですよねー」
娘「でも、おかあさん帰ってきたから、これからは一緒にいられるし」
息子「明日、起きてからでもいっか」
娘「それに、うまくすれば──」
息子「兄弟がふえるよ!!」
娘「やったねおにいちゃん!」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:25:06.72 ID:4vbah+GRo
おわり
深刻そうな出だしから菜々さんモノホンの宇宙人オチにしたコメディぽい感じにするつもりが、色々継ぎ足してたらオチが行方不明になりました
お付き合いいただきありがとうございました
深刻そうな出だしから菜々さんモノホンの宇宙人オチにしたコメディぽい感じにするつもりが、色々継ぎ足してたらオチが行方不明になりました
お付き合いいただきありがとうございました
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 08:51:01.18 ID:7h2kqGlj0
おっつおっつ
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 09:04:06.37 ID:NewDBqaz0
乙
ウサギは多産だからなぁ
数年後にはテレビで年一の特番を組まれそうだな(安部さんチ感)
ウサギは多産だからなぁ
数年後にはテレビで年一の特番を組まれそうだな(安部さんチ感)
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 11:28:18.38 ID:Ne6X3kk+O
おつおつ
最後の発言が不穏すぎるぞ
やっぱりなながなんばーわん!
最後の発言が不穏すぎるぞ
やっぱりなながなんばーわん!
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 16:18:39.22 ID:/Gf3K1rWo
おつ
人口増加の過程も書いてくれるんですよね?
人口増加の過程も書いてくれるんですよね?
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 18:45:55.52 ID:YQ+spBpLO
P菜→ぴーな→ぴな→ピナ
つまり娘は…
つまり娘は…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497912451/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
ヴィーネ「ガヴとサターニャが付き合い始めた」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 06:50:50.13 ID:rv+wmYb5o
ガヴリール「今日もお前んち行っていい?」
サターニャ「もちろんよ」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「ヴィーネさん?」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「あっ、ごめんなさい。どうしたの?」
ラフィエル「いえ、なんだか心ここにあらずという感じだったので」
ヴィーネ「そ、そうかしら」
サターニャ「もちろんよ」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「ヴィーネさん?」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「あっ、ごめんなさい。どうしたの?」
ラフィエル「いえ、なんだか心ここにあらずという感じだったので」
ヴィーネ「そ、そうかしら」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 06:51:33.42 ID:rv+wmYb5o
サターニャ「ほら、お弁当作ってきたわよ」
ガヴリール「お、サンキュー」
ガヴリール「せめて食べられるものだったらいいんだが」
ガヴリール「昨日なんてひどかったぞ」
サターニャ「でも全部食べてくれたじゃない」
ガヴリール「そりゃあまあ、な」
ヴィーネ「……」モヤモヤモヤモヤ
ラフィエル「やっぱりそういうことですよね……」
ガヴリール「お、サンキュー」
ガヴリール「せめて食べられるものだったらいいんだが」
ガヴリール「昨日なんてひどかったぞ」
サターニャ「でも全部食べてくれたじゃない」
ガヴリール「そりゃあまあ、な」
ヴィーネ「……」モヤモヤモヤモヤ
ラフィエル「やっぱりそういうことですよね……」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:16:57.57 ID:rv+wmYb5o
ラフィエル「ヴィーネさん、ガヴちゃんとサターニャさんが付き合いだして嫉妬してるんですね」
ヴィーネ「し、嫉妬!?」ズキッ
ヴィーネ「そんな、嫉妬だなんて」
ラフィエル「じゃあ、あの二人をよーく見ていてください」
ヴィーネ「二人を……?」
ヴィーネ「し、嫉妬!?」ズキッ
ヴィーネ「そんな、嫉妬だなんて」
ラフィエル「じゃあ、あの二人をよーく見ていてください」
ヴィーネ「二人を……?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:18:00.68 ID:rv+wmYb5o
ガヴリール「宿題写させろ」
サターニャ「えー?」
サターニャ「今回だけよ」
ガヴリール「よっしゃ! サンキュー!」パラパラ
ガヴリール「……ってほとんど間違えてるじゃん」
サターニャ「うそ!?」
ガヴリール「マジだって」
ガヴリール「教えてやるから急いで直すぞ」
サターニャ「うん」
サターニャ「えー?」
サターニャ「今回だけよ」
ガヴリール「よっしゃ! サンキュー!」パラパラ
ガヴリール「……ってほとんど間違えてるじゃん」
サターニャ「うそ!?」
ガヴリール「マジだって」
ガヴリール「教えてやるから急いで直すぞ」
サターニャ「うん」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:18:28.74 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「……」
ラフィエル「今のお気持ちは?」
ヴィーネ「吐きそう」
ラフィエル「やっぱり」
ラフィエル「それは嫉妬です」
ヴィーネ「だってガヴは大切な友達で、サターニャも……」
ラフィエル「今まで友達として見ていたはずなのに、その友達に恋人が出来たらなんだか寂しくなる」
ラフィエル「そんなものです」
ヴィーネ「そうなの?」
ラフィエル「今のお気持ちは?」
ヴィーネ「吐きそう」
ラフィエル「やっぱり」
ラフィエル「それは嫉妬です」
ヴィーネ「だってガヴは大切な友達で、サターニャも……」
ラフィエル「今まで友達として見ていたはずなのに、その友達に恋人が出来たらなんだか寂しくなる」
ラフィエル「そんなものです」
ヴィーネ「そうなの?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:19:21.46 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「ラフィもそういう気持ちになる?」
ラフィエル「もちろんですよ」
ラフィエル「サターニャさんとずっと一緒に居たのは私なのに、って」
ラフィエル「ちょっぴりガヴちゃんに嫉妬してます」
ヴィーネ「そう……なのね」
ヴィーネ「今までガヴの面倒を見てきたのは私なのに……」モヤモヤ
ヴィーネ「もうガヴは私なんて必要としてないのかしら」
ラフィエル「そういうわけではありません」
ラフィエル「もちろんですよ」
ラフィエル「サターニャさんとずっと一緒に居たのは私なのに、って」
ラフィエル「ちょっぴりガヴちゃんに嫉妬してます」
ヴィーネ「そう……なのね」
ヴィーネ「今までガヴの面倒を見てきたのは私なのに……」モヤモヤ
ヴィーネ「もうガヴは私なんて必要としてないのかしら」
ラフィエル「そういうわけではありません」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:20:24.42 ID:rv+wmYb5o
ラフィエル「ガヴちゃんに恋人が出来たからといって」
ラフィエル「ガヴちゃんからヴィーネさんへの感情は何も変わりません」
ラフィエル「もともと友達だったのが友達でいるままなんですから」
ヴィーネ「っ」ズキッ
ラフィエル「関係性が変わったのはガヴちゃんとサターニャさんだけなんですよ」
ヴィーネ「なんかもう、聞きたくない」
ヴィーネ「ごめんね」
ラフィエル「追い詰めるようなことを言ってごめんなさい」
ヴィーネ「ううん、ラフィの言ってることは正しいし」
ヴィーネ「しっかり自分を見つめなおしてみるわ」
ラフィエル「あまり根を詰めないでください」
ラフィエル「ガヴちゃんからヴィーネさんへの感情は何も変わりません」
ラフィエル「もともと友達だったのが友達でいるままなんですから」
ヴィーネ「っ」ズキッ
ラフィエル「関係性が変わったのはガヴちゃんとサターニャさんだけなんですよ」
ヴィーネ「なんかもう、聞きたくない」
ヴィーネ「ごめんね」
ラフィエル「追い詰めるようなことを言ってごめんなさい」
ヴィーネ「ううん、ラフィの言ってることは正しいし」
ヴィーネ「しっかり自分を見つめなおしてみるわ」
ラフィエル「あまり根を詰めないでください」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:20:53.86 ID:rv+wmYb5o
ガヴリール「そろそろ休み時間終わるぞ。自分の教室に帰れ」
サターニャ「ここよ!」
ガヴリール「なんだ気づかなかった」
サターニャ「あんた私をなんだと思ってるのよ!」
ガヴリール「彼女」
サターニャ「えぅっ!?」
サターニャ「そ、そうね」
ガヴリール「なんだ? その反応面白いじゃないか」ニヤニヤ
ガヴリール「おい私のカ・ノ・ジョのサターニャさん」
サターニャ「ちょっと! 恥ずかしいからやめなさいよ!」
サターニャ「ここよ!」
ガヴリール「なんだ気づかなかった」
サターニャ「あんた私をなんだと思ってるのよ!」
ガヴリール「彼女」
サターニャ「えぅっ!?」
サターニャ「そ、そうね」
ガヴリール「なんだ? その反応面白いじゃないか」ニヤニヤ
ガヴリール「おい私のカ・ノ・ジョのサターニャさん」
サターニャ「ちょっと! 恥ずかしいからやめなさいよ!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:21:27.92 ID:rv+wmYb5o
バン!!
ガヴリール「!」ビクッ
ヴィーネ「……ごめん、静かにしてくれる?」
サターニャ「ご、ごめんなさいヴィネット」
ガヴリール「あ、あぁ」
ガヴリール「少し騒ぎすぎたかもな」
ヴィーネ「ごめんなさい……」
ガヴリール「!」ビクッ
ヴィーネ「……ごめん、静かにしてくれる?」
サターニャ「ご、ごめんなさいヴィネット」
ガヴリール「あ、あぁ」
ガヴリール「少し騒ぎすぎたかもな」
ヴィーネ「ごめんなさい……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:21:56.86 ID:rv+wmYb5o
放課後
ヴィーネ「……」
ヴィーネ(一緒に帰りましょうって声をかけたいのに、なんて声をかければいいかわからない)
ヴィーネ(断られるんじゃないかって、それが怖い)
サターニャ「さ、帰りましょ」
ガヴリール「ん」
ガヴリール「ヴィーネも一緒に帰るだろ?」
ヴィーネ「えっ、私?」
ヴィーネ「あ、あー……いいわ」
ヴィーネ「ちょっと用事があるから先に帰ってて」
ガヴリール「? わかった」
ヴィーネ「……」
ヴィーネ(一緒に帰りましょうって声をかけたいのに、なんて声をかければいいかわからない)
ヴィーネ(断られるんじゃないかって、それが怖い)
サターニャ「さ、帰りましょ」
ガヴリール「ん」
ガヴリール「ヴィーネも一緒に帰るだろ?」
ヴィーネ「えっ、私?」
ヴィーネ「あ、あー……いいわ」
ヴィーネ「ちょっと用事があるから先に帰ってて」
ガヴリール「? わかった」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:22:25.29 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(折角声をかけてくれたのに)
ヴィーネ(なんで断っちゃったんだろ)
ヴィーネ(あの二人が一緒に居るところをこれ以上見たくなかったからかしら)
ヴィーネ(今あの二人、一緒に帰ってるのよね)
ヴィーネ(どんな話してるんだろう)
ヴィーネ(……)モヤモヤモヤモヤ
ヴィーネ(……)モヤモヤモヤモヤ
ヴィーネ(なんで断っちゃったんだろ)
ヴィーネ(あの二人が一緒に居るところをこれ以上見たくなかったからかしら)
ヴィーネ(今あの二人、一緒に帰ってるのよね)
ヴィーネ(どんな話してるんだろう)
ヴィーネ(……)モヤモヤモヤモヤ
ヴィーネ(……)モヤモヤモヤモヤ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:22:54.00 ID:rv+wmYb5o
夜 ヴィーネの家
ヴィーネ「そろそろ寝る支度をしなきゃ」
ヴィーネ「悩んでても仕方ないし」
ヴィーネ「アラームを設定して……っと」スマホスマホ
ヴィーネ「あら、ラフィからメッセージが来てる」
ラフィエル『休み時間のこと、大丈夫でしたか?』
ヴィーネ「心配させちゃってるのね」
ヴィーネ「大丈夫、落ち着いたわ。これからはちゃんとあの二人を応援する……っと」スマホスマホ
ヴィーネ「これでよし、と」
ヴィーネ「……ん?」
ヴィーネ「ガヴのアイコンが変わってる」
ヴィーネ「そろそろ寝る支度をしなきゃ」
ヴィーネ「悩んでても仕方ないし」
ヴィーネ「アラームを設定して……っと」スマホスマホ
ヴィーネ「あら、ラフィからメッセージが来てる」
ラフィエル『休み時間のこと、大丈夫でしたか?』
ヴィーネ「心配させちゃってるのね」
ヴィーネ「大丈夫、落ち着いたわ。これからはちゃんとあの二人を応援する……っと」スマホスマホ
ヴィーネ「これでよし、と」
ヴィーネ「……ん?」
ヴィーネ「ガヴのアイコンが変わってる」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:23:25.63 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「なにこれ、プリクラ写真……?」
ヴィーネ「ガヴとサターニャの二人で……」
ヴィーネ「こんなのいつの間に……」
ヴィーネ「今日の帰りに行ったのかしら」
ヴィーネ「……」イライラ
ヴィーネ「何が『私たちラブラブ』よ」
ヴィーネ「何が『ずっと一緒』よ」
ヴィーネ「こんなの見せびらかして、何を考えてるの……?」イライラ
ヴィーネ「……」イライラ
ヴィーネ「って駄目よヴィネット! そんなこと考えちゃ!」
ヴィーネ「あの二人のことをちゃんと応援するって決めたんだから!」
ヴィーネ「ガヴとサターニャの二人で……」
ヴィーネ「こんなのいつの間に……」
ヴィーネ「今日の帰りに行ったのかしら」
ヴィーネ「……」イライラ
ヴィーネ「何が『私たちラブラブ』よ」
ヴィーネ「何が『ずっと一緒』よ」
ヴィーネ「こんなの見せびらかして、何を考えてるの……?」イライラ
ヴィーネ「……」イライラ
ヴィーネ「って駄目よヴィネット! そんなこと考えちゃ!」
ヴィーネ「あの二人のことをちゃんと応援するって決めたんだから!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:23:54.42 ID:rv+wmYb5o
翌朝
ヴィーネ(結局、色々な事を考えたり)
ヴィーネ(見たくないのにガヴのアイコンを何度も見返したり)
ヴィーネ(そんな事を繰り返している間にすでに日は登っていた)
ガヴリール「ヴィーネ、おはよう」
ヴィーネ「っあ、ガヴ……おはよう」
ガヴリール「なんか疲れてる?」
ヴィーネ「昨日あんまり寝れなくて」
ガヴリール「ヴィーネが夜更かしなんて珍しいな」
ヴィーネ(結局、色々な事を考えたり)
ヴィーネ(見たくないのにガヴのアイコンを何度も見返したり)
ヴィーネ(そんな事を繰り返している間にすでに日は登っていた)
ガヴリール「ヴィーネ、おはよう」
ヴィーネ「っあ、ガヴ……おはよう」
ガヴリール「なんか疲れてる?」
ヴィーネ「昨日あんまり寝れなくて」
ガヴリール「ヴィーネが夜更かしなんて珍しいな」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:24:23.93 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「ガヴがちゃんと登校してるのこそ珍しいわよ」
ガヴリール「まあ、最近はな」
ヴィーネ「っ」
ヴィーネ「それって……」
サターニャ「あら、ガヴリールとヴィネットじゃない! おはよう」
ガヴリール「おう、おはよう」
ヴィーネ「おはようサターニャ」
ガヴリール「弁当は?」
サターニャ「最初に気にするのはそこ?」
サターニャ「ちゃんと持ってきてるわよ」
ガヴリール「まあ、最近はな」
ヴィーネ「っ」
ヴィーネ「それって……」
サターニャ「あら、ガヴリールとヴィネットじゃない! おはよう」
ガヴリール「おう、おはよう」
ヴィーネ「おはようサターニャ」
ガヴリール「弁当は?」
サターニャ「最初に気にするのはそこ?」
サターニャ「ちゃんと持ってきてるわよ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:24:50.89 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(きっとガヴがちゃんと学校に行くようになったのはサターニャのおかげ)
ヴィーネ(サターニャがいるから学校にいくのよね)
ヴィーネ(私じゃガヴを自分から学校に行かせるなんて出来なかった)
ヴィーネ(私が今までずっとずっとずっとずっと頑張ってきたことを)
ヴィーネ(サターニャはたった数日で出来てしまうのね)
ヴィーネ(あぁ、本当に)
ヴィーネ(凄いわね(むかつくわね))
ヴィーネ(サターニャがいるから学校にいくのよね)
ヴィーネ(私じゃガヴを自分から学校に行かせるなんて出来なかった)
ヴィーネ(私が今までずっとずっとずっとずっと頑張ってきたことを)
ヴィーネ(サターニャはたった数日で出来てしまうのね)
ヴィーネ(あぁ、本当に)
ヴィーネ(凄いわね(むかつくわね))
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:25:19.03 ID:rv+wmYb5o
学校
サターニャ「ねえガヴリール! 今日はどこでお昼食べる?」
ヴィーネ「……」イライラ
ガヴリール「いつも通りここでいいだろ」
ヴィーネ「……」イライライライラ
サターニャ「たまには二人きりになりたいじゃない」
ガヴリール「はあ? 学校終わったらいつも二人きりじゃんか」
ヴィーネ「もう……てよ……」
サターニャ「どうしたの? ヴィネット?」
サターニャ「ねえガヴリール! 今日はどこでお昼食べる?」
ヴィーネ「……」イライラ
ガヴリール「いつも通りここでいいだろ」
ヴィーネ「……」イライライライラ
サターニャ「たまには二人きりになりたいじゃない」
ガヴリール「はあ? 学校終わったらいつも二人きりじゃんか」
ヴィーネ「もう……てよ……」
サターニャ「どうしたの? ヴィネット?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:25:46.54 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「もうやめてよ!」
サターニャ「」ビクッ
ヴィーネ「なんでそんなふうに見せつけてくるの!?」
ヴィーネ「見たくないのに、考えたくもないのに、見えちゃうの、考えちゃうの!」
ガヴリール「お、おいヴィーネ」
ヴィーネ「私だってガヴのことが……」ハッ
ヴィーネ「……」
サターニャ「」ビクッ
ヴィーネ「なんでそんなふうに見せつけてくるの!?」
ヴィーネ「見たくないのに、考えたくもないのに、見えちゃうの、考えちゃうの!」
ガヴリール「お、おいヴィーネ」
ヴィーネ「私だってガヴのことが……」ハッ
ヴィーネ「……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:26:39.98 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「うっ……ぐすっ……」
サターニャ「ちょ、ちょっとどうしたのよヴィネット泣かないで!」
ヴィーネ「も……なんなのよぉ……」グスッ
ラフィエル「お二人は席を外してください」
ラフィエル「私がお相手します」
ガヴリール「ごめん、任せられるか」
ラフィエル「はい」
ヴィーネ「うぐっ……う……」グスッ
サターニャ「ちょ、ちょっとどうしたのよヴィネット泣かないで!」
ヴィーネ「も……なんなのよぉ……」グスッ
ラフィエル「お二人は席を外してください」
ラフィエル「私がお相手します」
ガヴリール「ごめん、任せられるか」
ラフィエル「はい」
ヴィーネ「うぐっ……う……」グスッ
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:27:06.59 ID:rv+wmYb5o
数分後
ラフィエル「どうですか? ヴィーネさん」
ラフィエル「少しは落ち着いてきました?」
ヴィーネ「うん……ごめんなさい」
ラフィエル「いえいえ」
ヴィーネ「なんであんなこと……」
ラフィエル「感情を出すのは良い事だと思いますよ」
ヴィーネ「でもあんな……私……」
ラフィエル「しばらく落ち着いた方がいいと思います」
ラフィエル「時間が解決してくれる悩みっていうのもありますから」
ヴィーネ「そう、なのかな……」
ラフィエル「どうですか? ヴィーネさん」
ラフィエル「少しは落ち着いてきました?」
ヴィーネ「うん……ごめんなさい」
ラフィエル「いえいえ」
ヴィーネ「なんであんなこと……」
ラフィエル「感情を出すのは良い事だと思いますよ」
ヴィーネ「でもあんな……私……」
ラフィエル「しばらく落ち着いた方がいいと思います」
ラフィエル「時間が解決してくれる悩みっていうのもありますから」
ヴィーネ「そう、なのかな……」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:27:32.41 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(その日はそれ以降、ガヴとサターニャは必要以上に会話することはなかった)
ヴィーネ(私に気を遣っているのだろう)
ヴィーネ(申し訳がなかったけれどこれで安心だ)
ヴィーネ(これで二人を見て心を揺さぶられることもなくなる)
ヴィーネ(良かった(でも放課後は?))
ヴィーネ(こうして少しずつあの二人に距離が出来れば(私に見えない場所では?))
ヴィーネ(いつか別れる日が来る(本当に?))
ヴィーネ(私に気を遣っているのだろう)
ヴィーネ(申し訳がなかったけれどこれで安心だ)
ヴィーネ(これで二人を見て心を揺さぶられることもなくなる)
ヴィーネ(良かった(でも放課後は?))
ヴィーネ(こうして少しずつあの二人に距離が出来れば(私に見えない場所では?))
ヴィーネ(いつか別れる日が来る(本当に?))
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:28:08.85 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(でも放課後は?(二人きりになるんじゃないか))
ヴィーネ(私に見えない場所では?(抑圧された分が解放されるんじゃないか))
ヴィーネ(いつか別れる日が来る?)
ヴィーネ(考えたくない)
ヴィーネ(考えたくないのに考えずにはいられない)
ヴィーネ(見えてないところで私には見せられないようなことをしているんじゃないか)
ヴィーネ(嫌な想像だけが膨らんでいく)
ヴィーネ(私に見えない場所では?(抑圧された分が解放されるんじゃないか))
ヴィーネ(いつか別れる日が来る?)
ヴィーネ(考えたくない)
ヴィーネ(考えたくないのに考えずにはいられない)
ヴィーネ(見えてないところで私には見せられないようなことをしているんじゃないか)
ヴィーネ(嫌な想像だけが膨らんでいく)
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:28:35.69 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(これ以上悩み続けるのは耐えられない)
ヴィーネ(サターニャのことを嫌いになってしまうかもしれない)
ヴィーネ(ガヴのことまで嫌いに……)
ヴィーネ(だから決めた)
ヴィーネ(だから私は)
ヴィーネ(サターニャのことを嫌いになってしまうかもしれない)
ヴィーネ(ガヴのことまで嫌いに……)
ヴィーネ(だから決めた)
ヴィーネ(だから私は)
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:29:03.37 ID:rv+wmYb5o
翌日 学校
ヴィーネ「サターニャ、ちょっとだけガヴ借りていい?」
サターニャ「好きに持ってきなさい」
ガヴリール「私は物かよ」
ヴィーネ「ガヴ、一生のお願い!」
ガヴリール「いやまあ、ヴィーネには世話になってるからそんなに頼まなくてもある程度は聞くよ」
ガヴリール「んで、どこに向かってるの?」
ヴィーネ「屋上よ」
ヴィーネ「こういうのはムードが大切なの」
ガヴリール「ムード?」
ヴィーネ「サターニャ、ちょっとだけガヴ借りていい?」
サターニャ「好きに持ってきなさい」
ガヴリール「私は物かよ」
ヴィーネ「ガヴ、一生のお願い!」
ガヴリール「いやまあ、ヴィーネには世話になってるからそんなに頼まなくてもある程度は聞くよ」
ガヴリール「んで、どこに向かってるの?」
ヴィーネ「屋上よ」
ヴィーネ「こういうのはムードが大切なの」
ガヴリール「ムード?」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:29:30.53 ID:rv+wmYb5o
屋上
ガヴリール「こんなところに呼び出すなんて」
ガヴリール「告白だな」
ヴィーネ「うん、そんな感じ」
ガヴリール「え」
ガヴリール「いや、その」
ヴィーネ「とりあえず話を聞いてほしいの」
ガヴリール「う、うん」
ガヴリール「こんなところに呼び出すなんて」
ガヴリール「告白だな」
ヴィーネ「うん、そんな感じ」
ガヴリール「え」
ガヴリール「いや、その」
ヴィーネ「とりあえず話を聞いてほしいの」
ガヴリール「う、うん」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:29:57.76 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「私はガヴが好き」
ヴィーネ「一目惚れだったと思う」
ヴィーネ「初めて会ったあの日にガヴを好きになって」
ヴィーネ「ガヴが駄目になってもう一度好きになった」
ヴィーネ「だから、だからね」
ヴィーネ「ガヴがサターニャと付き合い始めたって聞いたとき」
ヴィーネ「私どうすればいいのかわからなくて」
ヴィーネ「怒鳴ったりして、ごめんなさい」
ガヴリール「……謝るのは私だよ」
ヴィーネ「一目惚れだったと思う」
ヴィーネ「初めて会ったあの日にガヴを好きになって」
ヴィーネ「ガヴが駄目になってもう一度好きになった」
ヴィーネ「だから、だからね」
ヴィーネ「ガヴがサターニャと付き合い始めたって聞いたとき」
ヴィーネ「私どうすればいいのかわからなくて」
ヴィーネ「怒鳴ったりして、ごめんなさい」
ガヴリール「……謝るのは私だよ」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:30:24.91 ID:rv+wmYb5o
ガヴリール「ヴィーネの気持ちにはさ、うっすらとは気づいてたんだ」
ガヴリール「でも私はサターニャに惹かれていって」
ガヴリール「その……」
ヴィーネ「大丈夫よ」
ヴィーネ「ガヴがサターニャのことが好きっていうのは」
ヴィーネ「もう痛いほどわかっちゃったから」
ガヴリール「ヴィーネ……」
ヴィーネ「それでね、ガヴ」
ヴィーネ「最後に一つだけ悪魔らしいことをしようと思うの」
ガヴリール「悪魔らしいこと……?」
ガヴリール「でも私はサターニャに惹かれていって」
ガヴリール「その……」
ヴィーネ「大丈夫よ」
ヴィーネ「ガヴがサターニャのことが好きっていうのは」
ヴィーネ「もう痛いほどわかっちゃったから」
ガヴリール「ヴィーネ……」
ヴィーネ「それでね、ガヴ」
ヴィーネ「最後に一つだけ悪魔らしいことをしようと思うの」
ガヴリール「悪魔らしいこと……?」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:30:52.35 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「私はガヴのナンバーワンになれない」
ヴィーネ「だから私はガヴのオンリーワンになるの」
ガシャン
ガヴリール「お、おいヴィーネ!」
ヴィーネ「見ててねガヴ」
ヴィーネ「よーく見てて」
ヴィーネ「絶対に目を離さないで」
ヴィーネ「そして何度も夢に見て」
ヴィーネ「私が、飛び降りるところ」
ヴィーネ「だから私はガヴのオンリーワンになるの」
ガシャン
ガヴリール「お、おいヴィーネ!」
ヴィーネ「見ててねガヴ」
ヴィーネ「よーく見てて」
ヴィーネ「絶対に目を離さないで」
ヴィーネ「そして何度も夢に見て」
ヴィーネ「私が、飛び降りるところ」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:31:24.68 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(そして私は、空に一歩踏み出した)
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:31:51.05 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「……?」
バサッバサッ
ガヴリール「この馬鹿!」
ヴィーネ「ガヴ……?」
ヴィーネ「こんなところで羽なんて出したら皆に見られちゃうわよ……」
ガヴリール「そんなのどうでもいい!」
ガヴリール「お前何考えてるんだよ!」
ヴィーネ「……っ」
ヴィーネ「……?」
バサッバサッ
ガヴリール「この馬鹿!」
ヴィーネ「ガヴ……?」
ヴィーネ「こんなところで羽なんて出したら皆に見られちゃうわよ……」
ガヴリール「そんなのどうでもいい!」
ガヴリール「お前何考えてるんだよ!」
ヴィーネ「……っ」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:32:19.99 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「離して!」
ガヴリール「嫌だ!」
ガヴリール「絶対に離すもんか!」
ヴィーネ「だって……なんで……」
ガヴリール「とりあえず屋上まで引き上げるぞ」
バサッバサッ
ガヴリール「嫌だ!」
ガヴリール「絶対に離すもんか!」
ヴィーネ「だって……なんで……」
ガヴリール「とりあえず屋上まで引き上げるぞ」
バサッバサッ
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:32:48.43 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「……」
ガヴリール「ヴィーネ!」
ペシン
ガヴリール「こんなことしていいと思ってるのかよ!」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「私は、ヴィーネが居なくなったら悲しいよ」
ガヴリール「だけど、ヴィーネをこんなに追い詰めたのは私だ」
ガヴリール「だから、悲しいし悔しいんだ」
ヴィーネ「ち、違う……」
ヴィーネ「ガヴは悪くない!」
ガヴリール「ヴィーネ!」
ペシン
ガヴリール「こんなことしていいと思ってるのかよ!」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「私は、ヴィーネが居なくなったら悲しいよ」
ガヴリール「だけど、ヴィーネをこんなに追い詰めたのは私だ」
ガヴリール「だから、悲しいし悔しいんだ」
ヴィーネ「ち、違う……」
ヴィーネ「ガヴは悪くない!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:33:15.53 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「私がもう、どうすればいいのかわからなくなって」
ヴィーネ「思いついたのがこれで……」
ヴィーネ「だから全部私が悪いの!」
ガヴリール「じゃあ、お互いさまだ」
ガヴリール「どっちも悪くてどっちも悪くない」
ガヴリール「だからこれ以上この件の話は禁止だ」
ヴィーネ「ガヴ……」
ガヴリール「それと、約束だヴィーネ」
ヴィーネ「思いついたのがこれで……」
ヴィーネ「だから全部私が悪いの!」
ガヴリール「じゃあ、お互いさまだ」
ガヴリール「どっちも悪くてどっちも悪くない」
ガヴリール「だからこれ以上この件の話は禁止だ」
ヴィーネ「ガヴ……」
ガヴリール「それと、約束だヴィーネ」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:33:42.57 ID:rv+wmYb5o
ガヴリール「ずっとちゃんと私のそばに居てくれ」
ガヴリール「やっぱりヴィーネが居ないと寂しいよ」
ヴィーネ「それって、プロポーズ?」
ガヴリール「え、いや」
ヴィーネ「ふふ、冗談よ」
ヴィーネ「でも、ガヴのこと諦めないから」
ヴィーネ「サターニャと喧嘩したときは教えてね」
ガブリール「なんだよ悪魔みたいだな」
ヴィーネ「悪魔ですもの」
ガヴリール「やっぱりヴィーネが居ないと寂しいよ」
ヴィーネ「それって、プロポーズ?」
ガヴリール「え、いや」
ヴィーネ「ふふ、冗談よ」
ヴィーネ「でも、ガヴのこと諦めないから」
ヴィーネ「サターニャと喧嘩したときは教えてね」
ガブリール「なんだよ悪魔みたいだな」
ヴィーネ「悪魔ですもの」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:34:10.33 ID:rv+wmYb5o
ラフィエル「あらあら、一件落着みたいですね」
サターニャ「思いっきり窓から二人が飛んでる姿見えてたわよ!」
ガヴリール「やべ、あとで記憶消しとかなきゃな」
ラフィエル「ヴィーネさん、吹っ切れたみたいですね」
ヴィーネ「うん、もう大丈夫」
ヴィーネ「サターニャ!」
サターニャ「な、なに?」ビクッ
サターニャ「思いっきり窓から二人が飛んでる姿見えてたわよ!」
ガヴリール「やべ、あとで記憶消しとかなきゃな」
ラフィエル「ヴィーネさん、吹っ切れたみたいですね」
ヴィーネ「うん、もう大丈夫」
ヴィーネ「サターニャ!」
サターニャ「な、なに?」ビクッ
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:34:38.73 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ「勝負よ!」
ヴィーネ「ガヴを賭けて、私と!」
ガヴリール「直球すぎるだろ」
ラフィエル「うふふ」
サターニャ「勝負……?」
サターニャ「勝負と言われちゃあ、無視は出来ないわね」
サターニャ「望むところよ!」
ラフィエル「なんだか前のガヴちゃんとサターニャさんみたいですね」
ガヴリール「私はこんなにノリノリじゃねーよ」
ヴィーネ「ガヴを賭けて、私と!」
ガヴリール「直球すぎるだろ」
ラフィエル「うふふ」
サターニャ「勝負……?」
サターニャ「勝負と言われちゃあ、無視は出来ないわね」
サターニャ「望むところよ!」
ラフィエル「なんだか前のガヴちゃんとサターニャさんみたいですね」
ガヴリール「私はこんなにノリノリじゃねーよ」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 07:35:05.53 ID:rv+wmYb5o
ヴィーネ(やれることは全部やった)
ヴィーネ(伝えたいことは全て伝えた)
ヴィーネ(だからこれから先は、これからの私次第)
ヴィーネ(きっといつか幸せになってみせる)
ヴィーネ(みんなとなら、きっと)
終わり
ヴィーネ(伝えたいことは全て伝えた)
ヴィーネ(だからこれから先は、これからの私次第)
ヴィーネ(きっといつか幸せになってみせる)
ヴィーネ(みんなとなら、きっと)
終わり
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 08:00:40.86 ID:1Pwzh0Z1O
よき
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 10:37:51.91 ID:jwnhwuSJo
良い
乙
乙
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 13:29:35.38 ID:Z3SBYzuTo
こういうのもありだな!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498341049/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ ガヴリールドロップアウト | Comments (0)
的場梨沙「6代目のあの人、関係者と寝たらしいわよ」
1: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 05:54:05.88 ID:4OcDht6OO
閲覧注意
2: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:01:17.41 ID:4OcDht6OO
晴「うへぇ、マジか…」
梨沙「あの人もよくやるわよねー」
晴「やだやだ。大人は汚ねぇなぁ」
ありす「いやいや、あくまで噂なんですよね?」
梨沙「まあね」
ありす「楓さん人気あるし、普通に実力じゃないですか?」
梨沙「あの人もよくやるわよねー」
晴「やだやだ。大人は汚ねぇなぁ」
ありす「いやいや、あくまで噂なんですよね?」
梨沙「まあね」
ありす「楓さん人気あるし、普通に実力じゃないですか?」
3: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:06:31.63 ID:4OcDht6OO
晴「いやー。それは甘いんじゃないか橘?」
ありす「そうですかね?楓さんこれまでの順位高かったですし、わざわざ枕なんてしなくても…」
晴「だってあの人、外様だろ?」
梨沙「うん。他所でモデルしてて25歳でこの事務所でアイドル始めたはずよ」
ありす「あー…」
晴「こんなん誰かと寝ないと無理だろフツー」
ありす「ですねぇ」
ありす「そうですかね?楓さんこれまでの順位高かったですし、わざわざ枕なんてしなくても…」
晴「だってあの人、外様だろ?」
梨沙「うん。他所でモデルしてて25歳でこの事務所でアイドル始めたはずよ」
ありす「あー…」
晴「こんなん誰かと寝ないと無理だろフツー」
ありす「ですねぇ」
4: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:17:42.41 ID:4OcDht6OO
晴「大人は嫌だねー。大変でさ」
梨沙「シンデレラガールなんて事務所の看板なんだし、普通は生え抜きで推すものね」
ありす「うわー。結構ショックですね。楓さんそういうのしない人な気がしてましたから…」
梨沙「芸能界の闇よね~」
晴「まぁ良いんじゃねーの?本人が納得してんなら」
梨沙「20歳超えたアイドルの枕なんてギョーカイのゴアイサツみたいなもんって聞くし。そんなもんなんでしょ」
ありす「他の人もやってるんですかね?」
梨沙「シンデレラガールなんて事務所の看板なんだし、普通は生え抜きで推すものね」
ありす「うわー。結構ショックですね。楓さんそういうのしない人な気がしてましたから…」
梨沙「芸能界の闇よね~」
晴「まぁ良いんじゃねーの?本人が納得してんなら」
梨沙「20歳超えたアイドルの枕なんてギョーカイのゴアイサツみたいなもんって聞くし。そんなもんなんでしょ」
ありす「他の人もやってるんですかね?」
5: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:28:40.51 ID:4OcDht6OO
晴「わかんねーけどシンデレラガールも初代2代目くらいまでは純粋にファンの投票じゃねーかな?」
梨沙「3代目以降は事務所とかスポンサーの推してる子をゴリ押してるわよね?」
ありす「ニュージェネ、事務所の一押しユニットですもんね」
晴「事務所から推されるだけの評価は受けてるんだし、それはそれでシンデレラガールで良いと思うけどね。俺は」
梨沙「ジャリタレのアタシらには元々関係無いし、ね」
ありす「うーん…」
梨沙「3代目以降は事務所とかスポンサーの推してる子をゴリ押してるわよね?」
ありす「ニュージェネ、事務所の一押しユニットですもんね」
晴「事務所から推されるだけの評価は受けてるんだし、それはそれでシンデレラガールで良いと思うけどね。俺は」
梨沙「ジャリタレのアタシらには元々関係無いし、ね」
ありす「うーん…」
6: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:38:27.04 ID:4OcDht6OO
晴「橘はあんまり納得いってない感じ?」
ありす「せっかくファンが投票して順位決めてるんですから、それがシンデレラガールで良いじゃないですか」
梨沙「ま、それが理想ではあるわよね」
ありす「なんだか選挙自体が無駄な気がして不愉快です」
晴「じゃあそんな橘にちょっと面白い話してやるよ」
ありす「なんですか?」
ありす「せっかくファンが投票して順位決めてるんですから、それがシンデレラガールで良いじゃないですか」
梨沙「ま、それが理想ではあるわよね」
ありす「なんだか選挙自体が無駄な気がして不愉快です」
晴「じゃあそんな橘にちょっと面白い話してやるよ」
ありす「なんですか?」
7: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:46:07.93 ID:4OcDht6OO
晴「俺さっき初代と2代目は純粋にファンの投票で決まったって言ったじゃん?」
ありす「はい。でもそれが…?」
晴「つまり2代目蘭子のファン層は女子中学生相手に本気で熱を入れあげて、集団で爆裂投票しまくったヤベェ連中って事になる」
梨沙「うっわ、キッモ!」
ありす「うわぁ…」
晴「純粋にファンの人気投票で決めても、なんかキモい感じになる事もあるんだよ」
ありす「そうですね」ぷふっ
ありす「はい。でもそれが…?」
晴「つまり2代目蘭子のファン層は女子中学生相手に本気で熱を入れあげて、集団で爆裂投票しまくったヤベェ連中って事になる」
梨沙「うっわ、キッモ!」
ありす「うわぁ…」
晴「純粋にファンの人気投票で決めても、なんかキモい感じになる事もあるんだよ」
ありす「そうですね」ぷふっ
8: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 06:58:23.15 ID:4OcDht6OO
晴「ちょっと面白かったろ?」
ありす「はい。ちょっとだけ」くすくす
梨沙「蘭子のファンヤッバ~。アタシのファンもロリコンばっかだけど」
晴「俺のファンなんてロリコンと百合こじらせたイカレた女子小中学生だぜ?女のファンのが凶暴でやんの」
ありす「糞コラグランプリ開始するファンよりはマシですよ、それ」
梨沙「アハハッ!それウケるっ」ケラケラ
晴「俺らのファンも大概だったな」ぷーくすくす
ありす「まったくですよ」
ありす「はい。ちょっとだけ」くすくす
梨沙「蘭子のファンヤッバ~。アタシのファンもロリコンばっかだけど」
晴「俺のファンなんてロリコンと百合こじらせたイカレた女子小中学生だぜ?女のファンのが凶暴でやんの」
ありす「糞コラグランプリ開始するファンよりはマシですよ、それ」
梨沙「アハハッ!それウケるっ」ケラケラ
晴「俺らのファンも大概だったな」ぷーくすくす
ありす「まったくですよ」
9: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 07:10:39.93 ID:4OcDht6OO
晴「3、5代目が事務所が売ってるニュージェネ枠だとして、4代目の周子ってなんなんだ?」
梨沙「チャイナマネー。アイツのファンに中国人のすっごい金持ちいて、票入れまくったんだって」
晴「うへー。すっげ」
ありす「そっちはそっちですごいファンがいたものですね」
梨沙「パトロン居るって強いわよね~。周子今そのチャイナ社長の愛人みたいな感じらしいわよ」
ありす「またそんな話になってきますか…」
晴「まー、それも大別するなら枕かぁ」
梨沙「チャイナマネー。アイツのファンに中国人のすっごい金持ちいて、票入れまくったんだって」
晴「うへー。すっげ」
ありす「そっちはそっちですごいファンがいたものですね」
梨沙「パトロン居るって強いわよね~。周子今そのチャイナ社長の愛人みたいな感じらしいわよ」
ありす「またそんな話になってきますか…」
晴「まー、それも大別するなら枕かぁ」
10: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 07:25:56.29 ID:4OcDht6OO
梨沙「金さえあればシンデレラガールも買える。夢があるんだか無いんだか」
ありす「無いですよ。少なくともアイドル側の私としては」
晴「俺には魅力の無い業界だぜ。そこまでしてアイドルってやりたいもんなのか?」
梨沙「アタシはアイドルやるの好きよー?まぁでも、夢追うにも引き際間違えないようにしないとだけど」
晴「そんなもんかねぇ。ま、俺も飽きるまではやってみるけどよ」
ありす「私も仕事があるうちはやりたいですね。他に自力でお金稼ぐ手段もありませんし」
晴「給料超安いけどなっ!」
ありす「無いですよ。少なくともアイドル側の私としては」
晴「俺には魅力の無い業界だぜ。そこまでしてアイドルってやりたいもんなのか?」
梨沙「アタシはアイドルやるの好きよー?まぁでも、夢追うにも引き際間違えないようにしないとだけど」
晴「そんなもんかねぇ。ま、俺も飽きるまではやってみるけどよ」
ありす「私も仕事があるうちはやりたいですね。他に自力でお金稼ぐ手段もありませんし」
晴「給料超安いけどなっ!」
11: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 07:35:03.04 ID:4OcDht6OO
梨沙「ホントそれな!」
晴「俺最初マジでビックリしたんだって!芸能人ってもっと金持ちのイメージあったからさー!」
ありす「子役はどこも給料安いらしいでから…」
晴「どこもこんな感じなのかよ…」
梨沙「ジャリタレなんて掃いて捨てるほどいるし、仕方ないんじゃない?むしろ給料安い分他の待遇は良い方だし」
晴「そうなん?」
ありす「ジュニアアイドルなんて下にはどこまでも下がありますよ」
晴「俺最初マジでビックリしたんだって!芸能人ってもっと金持ちのイメージあったからさー!」
ありす「子役はどこも給料安いらしいでから…」
晴「どこもこんな感じなのかよ…」
梨沙「ジャリタレなんて掃いて捨てるほどいるし、仕方ないんじゃない?むしろ給料安い分他の待遇は良い方だし」
晴「そうなん?」
ありす「ジュニアアイドルなんて下にはどこまでも下がありますよ」
13: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 07:48:06.26 ID:4OcDht6OO
梨沙「ジュニアアイドルなんて芸能界の闇そのものよ?」
晴「うわっ、そうだった…たまにニュースになるヤツとかいるんだったわ…」
ありす「うちは結構大手だから変な営業とか無いですけど、他の小規模な事務所だと…」
梨沙「いろいろ噂は聞くわね」
晴「うおお聞きたくねぇ~」
ありす「それでも事務所に所属しているアイドルの話ですし、地下アイドルとかになるともう…」
梨沙「地下に入ってからもさらに下には下がいて、もっと深いらしいわよ」
晴「闇だ。アイドルには闇しかないっ」ガクブル
晴「うわっ、そうだった…たまにニュースになるヤツとかいるんだったわ…」
ありす「うちは結構大手だから変な営業とか無いですけど、他の小規模な事務所だと…」
梨沙「いろいろ噂は聞くわね」
晴「うおお聞きたくねぇ~」
ありす「それでも事務所に所属しているアイドルの話ですし、地下アイドルとかになるともう…」
梨沙「地下に入ってからもさらに下には下がいて、もっと深いらしいわよ」
晴「闇だ。アイドルには闇しかないっ」ガクブル
15: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 08:02:43.10 ID:4OcDht6OO
梨沙「そう考えると、アタシら相当周りに守られてるわね」
晴「サンキュープロデューサー!!」
ありす「いつも助かってます」
晴「おかげで芸能界の暗黒面に落ちずに済んでるぜ!」
梨沙「パパとママもね。親がアレだと一番ヤバイし」
晴「アイドルやべー。給料安いとか言ってらんねぇわ…」
ありす「安全に仕事できる分他よりマシです」
晴「ホントだわ」
晴「サンキュープロデューサー!!」
ありす「いつも助かってます」
晴「おかげで芸能界の暗黒面に落ちずに済んでるぜ!」
梨沙「パパとママもね。親がアレだと一番ヤバイし」
晴「アイドルやべー。給料安いとか言ってらんねぇわ…」
ありす「安全に仕事できる分他よりマシです」
晴「ホントだわ」
17: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 08:15:51.80 ID:jkq2DxIFO
晴「いつまで…」
梨沙「ん?」
晴「いつまでプロデューサーや親は俺らを守ってくれるんだろうな、って思ってさ」
ありす「…いつまでも、とはいかないでしょうね」
梨沙「ま、当然よね」
晴「親に売り飛ばされる地下アイドルやら、枕営業やら。アイドルってなんなんだろーな?」
梨沙「ん?」
晴「いつまでプロデューサーや親は俺らを守ってくれるんだろうな、って思ってさ」
ありす「…いつまでも、とはいかないでしょうね」
梨沙「ま、当然よね」
晴「親に売り飛ばされる地下アイドルやら、枕営業やら。アイドルってなんなんだろーな?」
19: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 08:26:38.08 ID:jkq2DxIFO
梨沙「さあ?人によるんじゃない?」
晴「まぁそうなんだけどさ…」
ありす「ただの仕事で、ただの生き方です。意義は人それぞれですよ」
晴「うーん…」
梨沙「アイドルになりたくてもなれないヤツもいるし、やりたくなくてもなっちゃったヤツもいる。それだけっ!」
晴「そんなもんなのかなぁ…」
梨沙「アンタもアイドルなっちゃった以上、運命と思うしかないんじゃない?少なくとも18歳くらいまでは周りがフォローしてくれるっしょ」
晴「まぁそうなんだけどさ…」
ありす「ただの仕事で、ただの生き方です。意義は人それぞれですよ」
晴「うーん…」
梨沙「アイドルになりたくてもなれないヤツもいるし、やりたくなくてもなっちゃったヤツもいる。それだけっ!」
晴「そんなもんなのかなぁ…」
梨沙「アンタもアイドルなっちゃった以上、運命と思うしかないんじゃない?少なくとも18歳くらいまでは周りがフォローしてくれるっしょ」
20: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 08:59:57.22 ID:jkq2DxIFO
晴「18か…あと6年。長いのか短いのか」
ありす「18歳以下なら厳しい仕事を要求されたりしないでしょうし。仮にヤバい仕事振られるようならアイドルとして未来ないですし」
梨沙「見限るなら早いに越したことはないわ。てか、アンタ自分でさっき飽きたら辞めるって言ってたじゃない」
晴「あー、うん」
ありす「それに、我々小学生が深く考えることじゃありませんよ。大人たちの仕事の仕方なんて」
晴「まぁ、そうだけど…」
梨沙「良いんじゃない?曖昧なままでも。今はまだプロデューサーに見限られも見限りもしてないんだし」
晴「見限る…うん。そうだな」
ありす「18歳以下なら厳しい仕事を要求されたりしないでしょうし。仮にヤバい仕事振られるようならアイドルとして未来ないですし」
梨沙「見限るなら早いに越したことはないわ。てか、アンタ自分でさっき飽きたら辞めるって言ってたじゃない」
晴「あー、うん」
ありす「それに、我々小学生が深く考えることじゃありませんよ。大人たちの仕事の仕方なんて」
晴「まぁ、そうだけど…」
梨沙「良いんじゃない?曖昧なままでも。今はまだプロデューサーに見限られも見限りもしてないんだし」
晴「見限る…うん。そうだな」
21: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 09:02:50.16 ID:jkq2DxIFO
ありす「そうですよ。まずはプロデューサーさんの持ってきた仕事をこなしてキャリア積んでから悩んでください」
晴「それもそうだな。飽きたら辞めればいいだけの話。やりたきゃやればいいだけだったわ」
梨沙「そうよ。答えが出るまでわプロデューサーについていけばいいんじゃない?」
晴「ああ。今はまだ、もうしばらくだけプロデューサーの仕事に付き合ってやるかー!」
晴「それもそうだな。飽きたら辞めればいいだけの話。やりたきゃやればいいだけだったわ」
梨沙「そうよ。答えが出るまでわプロデューサーについていけばいいんじゃない?」
晴「ああ。今はまだ、もうしばらくだけプロデューサーの仕事に付き合ってやるかー!」
22: ◆NMf56WY9tg 2017/06/25(日) 09:07:45.61 ID:jkq2DxIFO
終わります
この3人に自分たちのいるアイドルの世界に、少し引いた立場から、小学生の目線で、下世話な話題も含めて会話をさせたかっただけの文章です。
なので特に落ちや意味はありません。
もし読んで怒り狂ってる人がいるなら、彼女らは信憑性の無いただの噂話をしているだけなので鎮まりたまへ。
この3人に自分たちのいるアイドルの世界に、少し引いた立場から、小学生の目線で、下世話な話題も含めて会話をさせたかっただけの文章です。
なので特に落ちや意味はありません。
もし読んで怒り狂ってる人がいるなら、彼女らは信憑性の無いただの噂話をしているだけなので鎮まりたまへ。
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 09:18:49.26 ID:1E4gtINA0
たしかに
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 09:26:08.30 ID:En01MYrTO
しょうもな……
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 09:26:19.75 ID:5EAop5AVo
乙
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/25(日) 09:37:45.72 ID:JXqqkesX0
乙
他の年代のも見たい
他の年代のも見たい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498337645/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
天照大御神「そろそろ隠居したいからお前らバトれ」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 02:14:12 ID:WmOtQFK2
現在の天照大御神が隠居を決めたのは、突然のことであった。
当然、八百万の神々には激震が走ることとなる。
神はそれと定められれば恒久的に同じ名前同じ存在として崇め続けられるがその実、中身は数多の神々が名を受け継ぎ、移ろいつつ、長きにわたり絶たれることなく積み上げられてきた信仰を、後世へと紡いでゆく。
いわゆる日本国の象徴として、八百万の神々の頂点に君臨する天照大御神とて例外ではなく、天照大御神として崇め続けられど、長い歴史の中でその信仰の対象となる神は入れ替わりつづけていたのであった。
まぁ、ぶっちゃけアニメでいうCV変更である。中の人が変われどキャラクターが変わるわけではない。天照大御神の中身が水田わさびであれど、大山のぶ代であれど、いっそ野沢雅子でも天照大御神は天照大御神。
そういうことである。
当然、八百万の神々には激震が走ることとなる。
神はそれと定められれば恒久的に同じ名前同じ存在として崇め続けられるがその実、中身は数多の神々が名を受け継ぎ、移ろいつつ、長きにわたり絶たれることなく積み上げられてきた信仰を、後世へと紡いでゆく。
いわゆる日本国の象徴として、八百万の神々の頂点に君臨する天照大御神とて例外ではなく、天照大御神として崇め続けられど、長い歴史の中でその信仰の対象となる神は入れ替わりつづけていたのであった。
まぁ、ぶっちゃけアニメでいうCV変更である。中の人が変われどキャラクターが変わるわけではない。天照大御神の中身が水田わさびであれど、大山のぶ代であれど、いっそ野沢雅子でも天照大御神は天照大御神。
そういうことである。
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 02:23:37 ID:WmOtQFK2
とはいえ、神々は神々で割と序列関係などどうでもよく。
八百万の神々はその性質故、皆が皆何がしかの領域ではトップだと豪語できるので、「○○の神」というポジションだけで満足でき……というか、○○の神というポジションですら「ずっとやってると飽きる」とのたまいだし、同胞を集め、自主的にシフト表を編みだし、シフト制を導入している神すらいる始末であり。
「名ありの神になりたい!」などとのたまうものは大抵他の神々を圧倒する人間からの信仰を目的とした、いわば承認欲求の塊である。
とはいえど、名ありの神々はどれも他の神に比べ圧倒的な知名度であり、その座を退いてまで天照大御神にまで成り上がろうとする者もさしておらず。
つまるところ、次代天照大御神の座を巡る争いはそこまで熾烈なものでもなかった。消化試合である。
八百万の神々はその性質故、皆が皆何がしかの領域ではトップだと豪語できるので、「○○の神」というポジションだけで満足でき……というか、○○の神というポジションですら「ずっとやってると飽きる」とのたまいだし、同胞を集め、自主的にシフト表を編みだし、シフト制を導入している神すらいる始末であり。
「名ありの神になりたい!」などとのたまうものは大抵他の神々を圧倒する人間からの信仰を目的とした、いわば承認欲求の塊である。
とはいえど、名ありの神々はどれも他の神に比べ圧倒的な知名度であり、その座を退いてまで天照大御神にまで成り上がろうとする者もさしておらず。
つまるところ、次代天照大御神の座を巡る争いはそこまで熾烈なものでもなかった。消化試合である。
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 02:33:15 ID:WmOtQFK2
とはいえど、八百万の神々はその数八百万……と言いたいところだが、この名称はAKB48へと至る系譜の原点であり、その数そのものが神の柱数を表すわけではない……が、それなりに多い。
全体数が多ければ変態数も多い。承認欲求バリバリの神もそれなりにいる。
しかし、現天照大御神はこれらの変態どもに消化試合をさせる……これまでの前例を挙げるなれば、じゃんけんや大富豪、ラップバトルなど、そんな子どもの遊びのようなもので優劣で決めるのは実に芸がないと考えた。
何か、革新的な採用案を出さねばならない。
天照大御神は悩んだ。実に悩んだ。15分くらい悩んだ。食器を洗いながら悩んだ。
そうして編み出されたその選定方が、後に波乱を呼ぶこととなるとは、このとき誰も思いもしなかったということは、言うまでもない。
……というか大半は次の天照大御神とかどうでもよかった。みんなオセロとか大富豪とかしてた。
全体数が多ければ変態数も多い。承認欲求バリバリの神もそれなりにいる。
しかし、現天照大御神はこれらの変態どもに消化試合をさせる……これまでの前例を挙げるなれば、じゃんけんや大富豪、ラップバトルなど、そんな子どもの遊びのようなもので優劣で決めるのは実に芸がないと考えた。
何か、革新的な採用案を出さねばならない。
天照大御神は悩んだ。実に悩んだ。15分くらい悩んだ。食器を洗いながら悩んだ。
そうして編み出されたその選定方が、後に波乱を呼ぶこととなるとは、このとき誰も思いもしなかったということは、言うまでもない。
……というか大半は次の天照大御神とかどうでもよかった。みんなオセロとか大富豪とかしてた。
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 02:41:01 ID:WmOtQFK2
して、三日くらい経って、運命の日~X-DAY~(なんかかっこいい)。
「わたしは、"天照大御神"という名に囚われることなく、神々への信仰を得られるものこそが偉大なる神と心得る!」
朝礼台に立ち、現天照大御神がマイクでなんかそれっぽいことを言う。
朝礼台の前には次代天照大御神の座を狙う神々、それを見届けんとする神々、通りすがりの野次馬が散見された。
「では、これよりみなのものには、人間に対して何かを施し、神々への信仰を増やしてもらいたい!神を信じるもの、神に感謝するもの、神に祈るもの……単純明快、そのような人々の増加数が最も多い神が次代の天照大御神を担うものとする!」
めちゃくちゃ王道であった。端の方から「北風と太陽かよ」とか聞こえてくるくらいであった。無論、現天照大御神の本棚に北風と太陽が三冊ほどあることは言うまでもない。
「わたしは、"天照大御神"という名に囚われることなく、神々への信仰を得られるものこそが偉大なる神と心得る!」
朝礼台に立ち、現天照大御神がマイクでなんかそれっぽいことを言う。
朝礼台の前には次代天照大御神の座を狙う神々、それを見届けんとする神々、通りすがりの野次馬が散見された。
「では、これよりみなのものには、人間に対して何かを施し、神々への信仰を増やしてもらいたい!神を信じるもの、神に感謝するもの、神に祈るもの……単純明快、そのような人々の増加数が最も多い神が次代の天照大御神を担うものとする!」
めちゃくちゃ王道であった。端の方から「北風と太陽かよ」とか聞こえてくるくらいであった。無論、現天照大御神の本棚に北風と太陽が三冊ほどあることは言うまでもない。
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 02:51:34 ID:WmOtQFK2
「さぁ、挑戦せしものは名乗りをあぎぇよ!」
現天照大御神がそう言った。
明らかに噛んでいたが、噛んだ後もその風格は崩されることがなく、凛と立っているものだから、誰もツッコみはしなかった。
いや、彼女にいったい誰がツッコめよう。
現天照大御神の言葉を受けて、事前に行った前に習えなどのおかげにより、整然と並ぶ大衆の中から一柱の神が名乗りをあげた。
「私が、大衆の信仰心を奪ってみせましょうZO!」
アフロにサングラス、色黒で右手にマラカス。肩にトゲトゲの肩パッド。あと左手にチェーンソー。
神々の中には己が何の神か、そのアイデンティティーを主張すべく外見に象徴をちりばめるものも少なくない。
ギターを司りし神は日によって種類は違えど、ギターを抱きつつ日常を送っているし(ESPの高見沢モデルのギターが勝負ギターである)、リーゼントを司る神は無論、リーゼント(ちなみにソフトモヒカンを司る神は「最近流行っていてモテるらしいから」とツーブロックになっていた)だ。
故に、奇抜な格好そのものは神界においてはそれほど珍しいものでもないのだが、彼女のその容姿からは何の情報も読み取れない。
あえて言うならサンバとかの神だろうか。その肩パッドとチェーンソーいらなくない?あと何その語尾のノリノリ感。いらなくない?
現天照大御神がそう言った。
明らかに噛んでいたが、噛んだ後もその風格は崩されることがなく、凛と立っているものだから、誰もツッコみはしなかった。
いや、彼女にいったい誰がツッコめよう。
現天照大御神の言葉を受けて、事前に行った前に習えなどのおかげにより、整然と並ぶ大衆の中から一柱の神が名乗りをあげた。
「私が、大衆の信仰心を奪ってみせましょうZO!」
アフロにサングラス、色黒で右手にマラカス。肩にトゲトゲの肩パッド。あと左手にチェーンソー。
神々の中には己が何の神か、そのアイデンティティーを主張すべく外見に象徴をちりばめるものも少なくない。
ギターを司りし神は日によって種類は違えど、ギターを抱きつつ日常を送っているし(ESPの高見沢モデルのギターが勝負ギターである)、リーゼントを司る神は無論、リーゼント(ちなみにソフトモヒカンを司る神は「最近流行っていてモテるらしいから」とツーブロックになっていた)だ。
故に、奇抜な格好そのものは神界においてはそれほど珍しいものでもないのだが、彼女のその容姿からは何の情報も読み取れない。
あえて言うならサンバとかの神だろうか。その肩パッドとチェーンソーいらなくない?あと何その語尾のノリノリ感。いらなくない?
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:05:07 ID:WmOtQFK2
サンバ神(仮)は一歩前に出ると、天照の前方、朝礼台前に設置された大きな水晶を眺めた。
よくある人間界の様子を写し出す水晶というである。
サンバ神(仮)はその水晶に少しばかりの念仏を唱える。
「なむあみなむあみ」
「いや、念仏は仏教だろ」
現天照大御神が素に戻りつつツッコむがサンバ神(仮)はいざ知らず。ひたすらになむあみっていく。
すると、水晶からいくつも映画フィルムのようなものが溢れ出す。
「これは、アカシックレコード……?」
アカシックレコード。
原始――宇宙創生より現在まで、この世界に存在せし森羅万象が記録される、いわば"世界の記憶"。
その記憶は……人々の願いも例外ではなく。
映画フィルムのように見えるその記憶の帯には一コマ一コマに人々の理想や願いがひとつひとつ、刻まれていた。
サンバ神(仮)はその中からいくらかの願いを汲み取り、指でなぞり……そっと記憶を、掬い上げる。
その行為は。"掬う"という行為は、すなわち、"救う"ことと等しい。
掬い上げられた願いは光となり、空へと消える。……それは、願いの成就を意味した。
よくある人間界の様子を写し出す水晶というである。
サンバ神(仮)はその水晶に少しばかりの念仏を唱える。
「なむあみなむあみ」
「いや、念仏は仏教だろ」
現天照大御神が素に戻りつつツッコむがサンバ神(仮)はいざ知らず。ひたすらになむあみっていく。
すると、水晶からいくつも映画フィルムのようなものが溢れ出す。
「これは、アカシックレコード……?」
アカシックレコード。
原始――宇宙創生より現在まで、この世界に存在せし森羅万象が記録される、いわば"世界の記憶"。
その記憶は……人々の願いも例外ではなく。
映画フィルムのように見えるその記憶の帯には一コマ一コマに人々の理想や願いがひとつひとつ、刻まれていた。
サンバ神(仮)はその中からいくらかの願いを汲み取り、指でなぞり……そっと記憶を、掬い上げる。
その行為は。"掬う"という行為は、すなわち、"救う"ことと等しい。
掬い上げられた願いは光となり、空へと消える。……それは、願いの成就を意味した。
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:13:49 ID:WmOtQFK2
「天照大御神。いかがでしょう」
サンバ神(仮)の確認に、現天照大御神は答える。
「ふむ。確かに、神への感謝が高まっている」
「まさに今、神に祈らんとしていたものどもを救いましたゆえ……願っていれば、人々は神の御業と認識しますゆえ……」
「なるほどな」
普通。
圧倒的、普通。
奇抜な容姿からは想像ができない、普通。
現天照大御神もコメントに困り、「なるほどな」以外の言葉が出てこない。
「……よっしゃ」
しかし、サンバ神(仮)は得意気な表情であった。どや顔であった。
「うむ。戻ってよいぞ」
現天照大御神がそう促すと、サンバ神(仮)は元の位置へと戻る。
……にやにや顔を崩すことなく。というかチェーンソーが時折うぃんうぃん言ってる。危ない。止めて。
まぁ、しかし。
見方を変えれば、彼女の行為は、王道そのもの。
正攻法はこの場では先に行ったもの勝ち同然であり、何より、正攻法ゆえの堅実さは確かに、強い。
サンバ神(仮)の確認に、現天照大御神は答える。
「ふむ。確かに、神への感謝が高まっている」
「まさに今、神に祈らんとしていたものどもを救いましたゆえ……願っていれば、人々は神の御業と認識しますゆえ……」
「なるほどな」
普通。
圧倒的、普通。
奇抜な容姿からは想像ができない、普通。
現天照大御神もコメントに困り、「なるほどな」以外の言葉が出てこない。
「……よっしゃ」
しかし、サンバ神(仮)は得意気な表情であった。どや顔であった。
「うむ。戻ってよいぞ」
現天照大御神がそう促すと、サンバ神(仮)は元の位置へと戻る。
……にやにや顔を崩すことなく。というかチェーンソーが時折うぃんうぃん言ってる。危ない。止めて。
まぁ、しかし。
見方を変えれば、彼女の行為は、王道そのもの。
正攻法はこの場では先に行ったもの勝ち同然であり、何より、正攻法ゆえの堅実さは確かに、強い。
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:21:11 ID:WmOtQFK2
次からこの試練に挑戦するものは、この正攻法を打ち破る手段を持ってして、より多くの人間から神々への信仰を集めねばならない。
そのハードルは、その実、高い。
「では、次に挑戦するものは!」
現天照大御神の問いかけに、多くの神が固唾を飲む。
ある神は、次に繰り出されるであろう、そのハードルの高さを超える案への期待を募らせ。
ある神は、自らの案がそのハードルの高さを越えられるかどうか、その瀬戸際について思いを巡らせ。
またある神は、己の案を心の内に秘めながら、次に誰かが挙げうる案への思案を巡らせながら。
そして、ある神は、己の案への絶対的自信を抱きつつ、高らかに手を挙げる。
「はい!」
「うむ。ではそこの者、前へ」
そうして、神々の争いはさらに熾烈を極める。
誰がなんと言おうと、どんぐりの背比べだって熾烈なのだ。どんぐりをナメてはいけないぞ。
そのハードルは、その実、高い。
「では、次に挑戦するものは!」
現天照大御神の問いかけに、多くの神が固唾を飲む。
ある神は、次に繰り出されるであろう、そのハードルの高さを超える案への期待を募らせ。
ある神は、自らの案がそのハードルの高さを越えられるかどうか、その瀬戸際について思いを巡らせ。
またある神は、己の案を心の内に秘めながら、次に誰かが挙げうる案への思案を巡らせながら。
そして、ある神は、己の案への絶対的自信を抱きつつ、高らかに手を挙げる。
「はい!」
「うむ。ではそこの者、前へ」
そうして、神々の争いはさらに熾烈を極める。
誰がなんと言おうと、どんぐりの背比べだって熾烈なのだ。どんぐりをナメてはいけないぞ。
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:30:56 ID:WmOtQFK2
その神の外見は至って普通。
服装はブラウスにカーディガン、そしてスカートとどこか学校の制服を思わせるものであり、その他に個性を引き出すアイテムは少し大きめの眼鏡であろうか。
個性が無個性の中に埋没しており、実質無個性が個性というような、面白味も何もない神。
「うひょー!図書委員たそきたこれー!」
「うふぅー!拙者図書委員たそに票を入れるでござるぅー!CD買うでござるぅー!」
周りの神々(おそらくキモオタの神か何かであろう)の言動を見る限り、彼女は図書委員を司りし神らしい。なるほど、そう言われてみれば確かに図書委員のイメージそのままの容姿である。……いやニッチすぎない?
ちなみに言うまでもないが、これはAMT8000000総選挙ではない。
「では、やりますね?」
メガネの位置を正しながらそう訪ねる図書委員神に「こいつ敵との戦闘の際に勝率とか割り出すタイプだな」と思いつつ現天照大御神はそれを承諾した。
服装はブラウスにカーディガン、そしてスカートとどこか学校の制服を思わせるものであり、その他に個性を引き出すアイテムは少し大きめの眼鏡であろうか。
個性が無個性の中に埋没しており、実質無個性が個性というような、面白味も何もない神。
「うひょー!図書委員たそきたこれー!」
「うふぅー!拙者図書委員たそに票を入れるでござるぅー!CD買うでござるぅー!」
周りの神々(おそらくキモオタの神か何かであろう)の言動を見る限り、彼女は図書委員を司りし神らしい。なるほど、そう言われてみれば確かに図書委員のイメージそのままの容姿である。……いやニッチすぎない?
ちなみに言うまでもないが、これはAMT8000000総選挙ではない。
「では、やりますね?」
メガネの位置を正しながらそう訪ねる図書委員神に「こいつ敵との戦闘の際に勝率とか割り出すタイプだな」と思いつつ現天照大御神はそれを承諾した。
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:45:04 ID:WmOtQFK2
「…………」
図書委員神は、無表情のまま、水晶へ近づく。
水晶はまたもや、アカシックレコードを吐き出す。
いくつも吐き出されるアカシックレコードのなかに刻まれた一コマ一コマには、どれも神社にいる人々が映し出される。
「…………」
図書委員神は無表情のまま、吐き出されるアカシックレコードに指を滑らせてゆく。
掬うのではなく、優しく、優しく、刺激する。撫で上げる。
彼女が人々に与えたものは、救いではなく……欲望だった。
図書委員神は、無表情のまま、水晶へ近づく。
水晶はまたもや、アカシックレコードを吐き出す。
いくつも吐き出されるアカシックレコードのなかに刻まれた一コマ一コマには、どれも神社にいる人々が映し出される。
「…………」
図書委員神は無表情のまま、吐き出されるアカシックレコードに指を滑らせてゆく。
掬うのではなく、優しく、優しく、刺激する。撫で上げる。
彼女が人々に与えたものは、救いではなく……欲望だった。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 03:45:35 ID:WmOtQFK2
彼女が駆り立てたのは、購買意欲。
人々は神社で様々なお守りを買い、持ち去ってゆく。
「これは……。む、確かに信仰は増えているな」
現天照大御神がそうつぶやくと、図書委員神はふふっと微笑み(外野のキモオタ神付近がその表情を受け騒がしくなっていた)、返す。
「人間というものは、お守りなんかが身近にあると、半信半疑でもとりあえず頼っちゃうものですから」
「ほほう!なるほどな!なるほどな!」
先程と打って変わって人間の心理を利用しており、知的感が垣間見える図書委員神のアプローチに現天照大御神のテンションがあからさまに上がる。
サンバ神(仮)、不憫である。
人々は神社で様々なお守りを買い、持ち去ってゆく。
「これは……。む、確かに信仰は増えているな」
現天照大御神がそうつぶやくと、図書委員神はふふっと微笑み(外野のキモオタ神付近がその表情を受け騒がしくなっていた)、返す。
「人間というものは、お守りなんかが身近にあると、半信半疑でもとりあえず頼っちゃうものですから」
「ほほう!なるほどな!なるほどな!」
先程と打って変わって人間の心理を利用しており、知的感が垣間見える図書委員神のアプローチに現天照大御神のテンションがあからさまに上がる。
サンバ神(仮)、不憫である。
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:00:10 ID:WmOtQFK2
「ふむ、ふむ、なるほど。戻ってよいぞ」
図書委員神が一通りの作業を終えると、サンバ神(仮)との優劣を発表することなく図書委員神を元の位置へと帰るよう促す。
彼女が元の位置へと座り込んだのを確認してから、現天照大御神は進行を続行した。
「では、次の者!」
数多の神が手を挙げる。
現天照大御神はその神々を一柱一柱指名し、次々に彼女らのPR、その発想を覗き見る。
「絶望の手前の人間を絶望へと陥れました!死の間際、みな神の救いを欲するはずです!」
「アクションゲームやってる人たちをギリギリでクリアできない状態にしました!神様!クリアさせてくれ!って声がいっぱいです!」
「ゲーム界でソシャゲを流行らせ、ガチャブームを巻き起こしました!ガチャ引くときにみんな神に願うはずです!」
「じゃあ俺はロシアンルーレットブームを巻きおこ「やめろ」
20柱を超えた辺りで現天照大御神の中に「面接官を司る神を今度から労ってやろう来年からちゃんと暑中見舞贈ってやろう」という思いが湧いた。
しかし、それを優に超える神々が次々と手を挙げる。
50柱を超えた辺りで「あ、これあみだくじにするべきだったわ」とか思い始めたということは言うまでもない。
図書委員神が一通りの作業を終えると、サンバ神(仮)との優劣を発表することなく図書委員神を元の位置へと帰るよう促す。
彼女が元の位置へと座り込んだのを確認してから、現天照大御神は進行を続行した。
「では、次の者!」
数多の神が手を挙げる。
現天照大御神はその神々を一柱一柱指名し、次々に彼女らのPR、その発想を覗き見る。
「絶望の手前の人間を絶望へと陥れました!死の間際、みな神の救いを欲するはずです!」
「アクションゲームやってる人たちをギリギリでクリアできない状態にしました!神様!クリアさせてくれ!って声がいっぱいです!」
「ゲーム界でソシャゲを流行らせ、ガチャブームを巻き起こしました!ガチャ引くときにみんな神に願うはずです!」
「じゃあ俺はロシアンルーレットブームを巻きおこ「やめろ」
20柱を超えた辺りで現天照大御神の中に「面接官を司る神を今度から労ってやろう来年からちゃんと暑中見舞贈ってやろう」という思いが湧いた。
しかし、それを優に超える神々が次々と手を挙げる。
50柱を超えた辺りで「あ、これあみだくじにするべきだったわ」とか思い始めたということは言うまでもない。
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:10:44 ID:WmOtQFK2
70柱を超えた辺りだろうか。
手を挙げる神も途絶えたかと思われた頃、一柱の神が、新たに手を挙げた。
現天照大御神としては「ガチでもうやめてくれ、帰らせてくれ」という無駄に長々と語り続ける生徒会選挙の演説へのそれとほぼ同一の胸中が胸の中で渦巻いて仕方がなかったが、笑顔で「よし、ではお前が最後だ!」と言い放った。
何気にこれ以降続くものに対して牽制をした抜かりのなさは褒められるべきだろう。流石天照大御神。流石。
最後の神は、おどおどとした上目遣いが保護欲をそそる、小動物を思わせるような外見であり、その見た目からまさに無害の化身、といったようであった。
その外見からは、何の神かは伺い知れない。
「えと、あの、その、よろしくです」
ぺこり、と頭を下げる彼女の姿を受けて、キモオタ神が推し神の変更を一考したが、僅差でツンデレの神が勝った。
ここに至る約70柱を経て、彼の推し神に9回の変更が起こったことということは、ここに記しておこう。
手を挙げる神も途絶えたかと思われた頃、一柱の神が、新たに手を挙げた。
現天照大御神としては「ガチでもうやめてくれ、帰らせてくれ」という無駄に長々と語り続ける生徒会選挙の演説へのそれとほぼ同一の胸中が胸の中で渦巻いて仕方がなかったが、笑顔で「よし、ではお前が最後だ!」と言い放った。
何気にこれ以降続くものに対して牽制をした抜かりのなさは褒められるべきだろう。流石天照大御神。流石。
最後の神は、おどおどとした上目遣いが保護欲をそそる、小動物を思わせるような外見であり、その見た目からまさに無害の化身、といったようであった。
その外見からは、何の神かは伺い知れない。
「えと、あの、その、よろしくです」
ぺこり、と頭を下げる彼女の姿を受けて、キモオタ神が推し神の変更を一考したが、僅差でツンデレの神が勝った。
ここに至る約70柱を経て、彼の推し神に9回の変更が起こったことということは、ここに記しておこう。
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:17:59 ID:WmOtQFK2
最後の神が、皆と同じく水晶の前に立つと、水晶はアカシックレコードを吐き出した。
最後の神は、そのアカシックレコードにそっと手を添えて、ひたすらになぞり続けた。
次々に、並々と、水晶からアカシックレコードが吐き出されてゆく。
その量はそれまでの70柱が引っ張り出したアカシックレコード達の比ではなく。
彼女は、次々に水晶が吐き出すフィルムをなぞり続ける。
天空にいくつもの虹がかかるかのようにアカシックレコードが駆け巡る。
やがてその数は70億を超えた。
「まさか……すべての人間の信仰を……?」
「えと、その、はい……」
彼女がおどおどと答えた瞬間、現天照大御神の右目につけられたスカウター(型信仰観測装置 ※現天照大御神の趣味です。)の数値が回りに回る。
「なに!?いや、そんな、ばかな!?」
最後の神が集めた信仰は、みるみるうちに、これまでの70柱の誰をも……いや、70柱全てを足した数をも凌駕する。
最後の神は、そのアカシックレコードにそっと手を添えて、ひたすらになぞり続けた。
次々に、並々と、水晶からアカシックレコードが吐き出されてゆく。
その量はそれまでの70柱が引っ張り出したアカシックレコード達の比ではなく。
彼女は、次々に水晶が吐き出すフィルムをなぞり続ける。
天空にいくつもの虹がかかるかのようにアカシックレコードが駆け巡る。
やがてその数は70億を超えた。
「まさか……すべての人間の信仰を……?」
「えと、その、はい……」
彼女がおどおどと答えた瞬間、現天照大御神の右目につけられたスカウター(型信仰観測装置 ※現天照大御神の趣味です。)の数値が回りに回る。
「なに!?いや、そんな、ばかな!?」
最後の神が集めた信仰は、みるみるうちに、これまでの70柱の誰をも……いや、70柱全てを足した数をも凌駕する。
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:26:33 ID:WmOtQFK2
「これは……いや、そんな、いったい何が、起きてるんだ!これ!」
現天照大御神、テンション爆上げである。
最後の神の肩を掴み、ぶんぶんと振る。
「ひゃっ、えっと、その、あのぉ」
「す、すまない。して、これは……?」
「えっと、人間みなさんのお腹の調子を……こう、ちょっと……」
「……?」
「下痢ぎみにして……便意を漏らす瀬戸際で絶妙に……こう……」
「……!?」
最後の神、畜生であった。
彼女は、核兵器よりも恐ろしい爆弾を、全人類に対して放ったのだ。
神々が彼女の行為への畏怖と、そんな事態における、それまでの様々な事案を圧倒的に上回る人々の信仰に困惑。
ついには神々への信仰に疑念を覚えるものまで出始めた。
この日、神々は困惑の縁にぶち落とされ、人類は一人残らず、絶望の縁へとぶち落とされた。
後の神界においてこのときの悲劇は、下痢の頭文字である"G"を取って、G-SHOCKと呼ばれることとなる……。
現天照大御神、テンション爆上げである。
最後の神の肩を掴み、ぶんぶんと振る。
「ひゃっ、えっと、その、あのぉ」
「す、すまない。して、これは……?」
「えっと、人間みなさんのお腹の調子を……こう、ちょっと……」
「……?」
「下痢ぎみにして……便意を漏らす瀬戸際で絶妙に……こう……」
「……!?」
最後の神、畜生であった。
彼女は、核兵器よりも恐ろしい爆弾を、全人類に対して放ったのだ。
神々が彼女の行為への畏怖と、そんな事態における、それまでの様々な事案を圧倒的に上回る人々の信仰に困惑。
ついには神々への信仰に疑念を覚えるものまで出始めた。
この日、神々は困惑の縁にぶち落とされ、人類は一人残らず、絶望の縁へとぶち落とされた。
後の神界においてこのときの悲劇は、下痢の頭文字である"G"を取って、G-SHOCKと呼ばれることとなる……。
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:32:07 ID:WmOtQFK2
かくして、次代天照大御神の座は最後の神に譲られた。
こうして、天照大御神への信仰は次代へと受け継がれ、紡がれ続けていく。
しかし、神々の中で手軽に信仰を集めたい際、そこらの人間に突発的に便意を与えるものが出始めた。
もしもあなたが突発的に便意を催したのなら。
そんなときは、もしかするとあなたは神々の手のひらの上で踊っているのかもしれない。
こうして、天照大御神への信仰は次代へと受け継がれ、紡がれ続けていく。
しかし、神々の中で手軽に信仰を集めたい際、そこらの人間に突発的に便意を与えるものが出始めた。
もしもあなたが突発的に便意を催したのなら。
そんなときは、もしかするとあなたは神々の手のひらの上で踊っているのかもしれない。
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:33:16 ID:WmOtQFK2
おしまい。
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 04:37:42 ID:N2jPLnN6
終わりかな?
クソみたいなオチつけやがって!(誉め言葉
短編形式ならまだまだネタ出せるやろ、な?
クソみたいなオチつけやがって!(誉め言葉
短編形式ならまだまだネタ出せるやろ、な?
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 12:26:11 ID:92dJs7zI
全人類同時にってトイレの数足りなくて大惨事ですやん…
あと結局アフロは何の神だったんだよww
あと結局アフロは何の神だったんだよww
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/27(木) 21:14:41 ID:9g6C3MQ.
乙
これはもっと評価されるべき
これはもっと評価されるべき
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/10/29(土) 00:26:43 ID:pfGNqr9Y
おつ
面白かった
面白かった
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1477502052/
Entry ⇒ 2017.06.30 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
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