城ヶ崎莉嘉「お姉ちゃんが見てないっ!」
1: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:37:52.30 ID:4lYCBEc9O
※設定は一応アニメ基準
※キャラ崩壊
※誤字脱字
※若干の百合描写
※ありきたりなネタ
2: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:38:44.13 ID:4lYCBEc9O
城ヶ崎美嘉「ふぁ……」
莉嘉「あれー? お姉ちゃん、寝不足ー?」
美嘉「うーん……。ちょっと昨日は寝るの遅かったから……」
莉嘉「そういえば、ずっとなんか観てたね」
莉嘉「でも夜ふかしはお肌に悪いよー? アイドルとして、そんなことでいいのー?」
美嘉「なーに生意気なこと言ってんのよ」
美嘉「大体、誰のせいだと思って――」
3: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:40:14.41 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「その点、アタシはバッチリ寝たからね! 今日も元気いっぱいだよー☆」
莉嘉「今日のダンスレッスン、お姉ちゃんよりうまくできるかもねー!」
美嘉「莉嘉はむしろ寝すぎでしょーが」
美嘉「今朝だって、アタシが起こしてあげなかったら寝坊確実だったくせに」
莉嘉「そ、そんなことないよ!」
美嘉「それにダンスだって――アンタ、まだ細かいとこ、テキトーにやる癖が抜けてないでしょ?」
美嘉「この前のステージも――」
莉嘉「い、いちいち言われなくたって分かってるもんっ!」
4: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:42:07.95 ID:4lYCBEc9O
美嘉「ほら、タイも曲がってるし! だらしないよー」グイッ
莉嘉「こ、これは着崩し! こういうファッションなのー!」
美嘉「アンタのそれは、今朝、慌てて着替えたからでしょうが……」
美嘉「それに着崩すのと着崩れるのは違うの。その辺、莉嘉はもうちょっと勉強が必要だね」
莉嘉「むぅ……! もう、ちょっとは褒めてよー!」
5: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:43:59.65 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「あ、ファッションと言えば! ねぇねぇ、お姉ちゃん!」
美嘉「んー?」
莉嘉「今度の雑誌の撮影、私服で撮るんだって!」
莉嘉「だから、アタシの考えたコーデを――」
赤城みりあ「あっ! 莉嘉ちゃんと美嘉ちゃんだっ!」
みりあ「おはよー!」
莉嘉「あ、みりあちゃん! おは――」
美嘉「みみみみ、みりあちゃんっ!!」ダッ
6: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:44:52.23 ID:4lYCBEc9O
美嘉「おおお、おはよう!! きょ、今日もカワイイね★」
美嘉「あっ! その服、とっても似合ってるよ!!」ハァハァ
みりあ「えへへ♪ ありがとー!」
みりあ「でもちょっと、子供っぽくないかな?」
美嘉「そそそ、そんなことないよ!!」
美嘉「みりあちゃんの可愛さをバッチリ引き出してるよ! アタシが保証するって!!!」ハァハァ!!
みりあ「ホントー!?」
7: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:45:31.23 ID:4lYCBEc9O
みりあ「でもね、もうちょっと大人っぽい服も着てみたいんだー」
美嘉「だったら、今度アタシがコーディネートしてあげるよっ!」
美嘉「だから、今度一緒にまた――」
みりあ「――――!! ――♪」
莉嘉「むぅ……」
8: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:47:29.65 ID:4lYCBEc9O
みりあ「あ、そういえば、プロデューサーに呼ばれてたんだった!」
美嘉「あ、そ、そうなんだ……」
みりあ「うん! 美嘉ちゃん、今日も頑張ろうね!」
みりあ「莉嘉ちゃん、あとでレッスンでね!」
スタスタ
美嘉「あぁ……! カワイイなぁ……みりあちゃん……!」ウットリ
美嘉「ふひひ……★」
美嘉「――あ、それで莉嘉、なんの話だっけ……?」
莉嘉「…………なんでもない」
美嘉「へ?」
莉嘉「なんでもないもん!!」プイッ
9: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:48:26.74 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(なにさ! お姉ちゃん、みりあちゃんにデレデレしちゃって……)
莉嘉(確かにみりあちゃんはカワイイけど……。でも、もうちょっと、アタシのこと見てくれてもいいじゃん!)
莉嘉(妹そっちのけでイチャイチャしちゃってさ……)
莉嘉(むぅ……! なんでアタシが、こんなモヤモヤした気持ちにならなくちゃいけないんだろ……)
莉嘉(それもこれも全部、お姉ちゃんが悪いんだ……!)
10: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:52:34.11 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(いいもん! お姉ちゃんがその気なら……)
莉嘉(アタシだって……)
莉嘉(アタシだって――!!)
莉嘉「というわけで」
莉嘉「協力して、未央ちゃん!!」
本田未央「と、唐突だね……、莉嘉ちー……」
11: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:53:08.94 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「お願い! アタシのこの作戦には、未央ちゃんの協力が必要不可欠なの!」
未央「えっと……、話が見えないんだけど……」
未央「作戦って……?」
莉嘉「決まってるじゃん!」
莉嘉「お姉ちゃんにふくしゅーするの!」
未央「ふ、復讐っ!?」
12: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:54:07.37 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「そう!」
莉嘉「いっつもみりあちゃんばっかり可愛がって、全然アタシのこと見てくれないお姉ちゃんへのふくしゅー!」
莉嘉「アタシがお姉ちゃんにされたように――お姉ちゃんの前で、アタシと未央ちゃんがイチャイチャするの!」
莉嘉「そんな、ちょーラブラブな姿をこれでもかって見せつけて――」
莉嘉「それでお姉ちゃんに、アタシの気持ちを思い知らせてやるんだから!」
未央「い、イチャイチャって……」
莉嘉「だからお願い未央ちゃん! お姉ちゃんにふくしゅーするために、アタシのお姉ちゃんになってよ!」
未央「な、なるほど……」
未央(つまり、最近、自分に構ってくれない美嘉ねぇへの当て付け、意趣返しがしたいと……)
13: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:54:43.55 ID:4lYCBEc9O
未央「は、話は分かったけどさ……」
未央「でも、なんで私なのかな?」
未央「ほ、ほら! お姉ちゃん役なら、シンデレラプロジェクトで、他にもっと適任がいるんじゃない?」
未央「例えば、同じ凸レーションのきらりんとか……」
莉嘉「うーん……」
14: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:55:32.40 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「確かに、きらりちゃん、年上だけど……」
莉嘉「でもきらりちゃんは、どっちかって言うと、『お姉ちゃん』っていうより、『お母さん』ってカンジだし……」
未央「……確かに、杏ちゃんとかへの対応は母性に溢れてるけども……」
未央「じゃ、じゃあ、シンデレラプロジェクトの頼れるリーダー、新田のみなみんなら――」
莉嘉「美波ちゃんは、お姉ちゃんっていうより、お姉さんってカンジだし……」
莉嘉「それに、お姉さんの前に、"大人の"って付くカンジだし……」
未央「ううむ……、否定できない……」
莉嘉「でしょー?」
15: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:56:28.17 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「だからやっぱり、未央ちゃんしか適任はいないんだよ!」
莉嘉「それに未央ちゃんって、三人兄弟の真ん中なんでしょー?」
莉嘉「なら、お姉ちゃんキャラはもちろん、妹キャラとして、アタシの気持ちも分かってくれるかなって!」
未央「って言っても、ウチは男兄弟だけどね……」
莉嘉「お願いー! 未央ちゃーん!」ウルウル
未央「う、ううむ……」
16: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:57:28.68 ID:4lYCBEc9O
未央(まあ、莉嘉ちー、お姉ちゃん子だしねぇ……)
未央(そんな大好きなお姉ちゃんが、いくらみりあちゃんとか、仲良し相手とはいえ――他の子ばっかに構ってたら、面白くないって思っちゃうか)
未央(……確かにその気持ちは分かるし、ここは一つ――)
未央「よーし……、相分かった……!」
未央「いいよ! この未央ちゃん、カワイイ莉嘉ちーのために一肌脱ごうじゃありませんかっ!」
莉嘉「ホントー!?」
未央「うんうん! お姉ちゃんだろうがなんだろうが、バッチ来いだよ!」
莉嘉「わぁーい! 未央ちゃん大好きー!」ダキッ
未央「ほほほ……! 愛いやつ愛いやつ……」ナデリナデリ
――――――
――――
――
17: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 22:58:46.44 ID:4lYCBEc9O
「お姉ちゃーん!」
美嘉「んー?」
美嘉「あれ、莉嘉に未央? どうしたの? 二人して……」
莉嘉「えへへ~♪ 未央ちゃん、大好きー!」スリスリ
未央「うんうん! 私も大好きだぞー! 莉嘉ちー!」ナデナデ
美嘉「えーと……」
18: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:01:26.98 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「どう!? お姉ちゃん!」ドヤッ
美嘉「へ……?」キョトン
莉嘉「アタシと未央ちゃんは、ちょーラブラブのそーしそーあいなんだよ!!」
美嘉「う、うん。そうなんだ……?」
莉嘉「これからだって、いっぱいイチャイチャしちゃうんだからね!」
莉嘉「だから今日は、お姉ちゃんと一緒に帰ってあげませーん!!」
美嘉「は、はぁ……?」
19: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:02:13.29 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「ふふふっ……! どう? くやし――」
美嘉「良かったね、莉嘉。未央に遊んでもらってるんだ」
莉嘉「へ……?」
美嘉「未央、ありがとね。莉嘉の相手してくれて」
美嘉「なんか迷惑とかかけてない?」
未央「迷惑だなんて! カワイイ妹ができたみたいで、私も楽しいよ!」
美嘉「そっかそっか★」
美嘉「ああでも、なんかやらかしたら、遠慮なく叱ってくれていいからね?」
莉嘉「あ、あの、えっと――」
美嘉「莉嘉も、未央が優しいからって、あんまワガママ言っちゃダメだよ?」
20: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:03:07.05 ID:4lYCBEc9O
美嘉「じゃあアタシ、先帰るけど……。アンタもあんまり遅くならないようにね?」
莉嘉「おねえ――」
美嘉「未央、妹のことよろしくね」
未央「うん! 任せてよ!」
美嘉「それじゃ、お疲れさまー★」スタスタ
莉嘉「なっ……!」
21: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:03:48.32 ID:4lYCBEc9O
――――――
――――
――
莉嘉「お姉ちゃんのバカー!!」
莉嘉「なんなの!? あの涼しい顔……!!」
莉嘉「アタシたちのイチャイチャにも、ちょー無関心だったし!」
未央「まあまあ、莉嘉ちー」
未央「さすがに、さっきの一回だけ仲良くしてるとこ見せたって、美嘉ねぇもヤキモチなんて焼かないって」
未央「ほらほら! 悔しがってるヒマがあったら、もっと美嘉ねぇがジェラシーしちゃうようなプランを考えようよ!」
莉嘉「そ、そうだね! さすが未央ちゃん! そうこなくっちゃ!」
莉嘉「よぉーし……! 見ててね、お姉ちゃん!」
莉嘉「あんな風に澄ましていられるのも今のうちなんだから……!」
22: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:05:41.49 ID:4lYCBEc9O
――翌日――
――346カフェ――
莉嘉「そんなわけで、お姉ちゃんへのふくしゅー大作戦、開始っ☆」
莉嘉「お姉ちゃんの前で、アタシと未央ちゃんが仲良くお茶してるとこを見せて、『ぐぬぬー!』って顔にしてあげるんだから!」
莉嘉「いくよ! 未央ちゃんっ!」
未央「おー!」
23: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:06:58.64 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「じゃあ早速、お姉ちゃんに見える位置に座って――」
莉嘉「って、アレ?」
みりあ「あ、新作のケーキだって! おいしそー!」
美嘉「おっ、ホントだー★」
莉嘉「んなー!? またみりあちゃんと一緒にいるー!!」
莉嘉「ぐぬぬ……!」
未央「ま、まあまあ……」
未央「ほら、まずは私たちも何か頼もうよ」
莉嘉「あっ! そうだね!」
莉嘉(ふん! いいもんね!)
莉嘉(お姉ちゃんとみりあちゃんより、アタシと未央ちゃんのほうがいっぱいラブラブしてやるんだからっ!!)
24: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:08:55.63 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「えーと、これがいいかなー? でも、こっちもおいしそー……」
莉嘉「あっ、これも食べてみたいって思ってたし……」ウーン
莉嘉「どうしよー……」
未央「んー? どれどれー?」ズイッ
莉嘉「わぁ……!」
莉嘉(み、未央ちゃん、近い……!)
莉嘉(あ、でも、この距離感! 仲良しカップルっぽくていいかも……♪)
未央「なるほどー」
未央「じゃあ、私、これ頼むからさ。莉嘉ちーは、もう一個、好きなの頼みなよ」
未央「それでそれぞれ、半分こにしない?」
莉嘉「えっ、いいの?」
未央「うん。私もそれ、食べてみたいって思ってたし」
莉嘉「わぁ! ありがとー♪」
25: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:09:39.47 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(やった! 未央ちゃん優しー☆)
莉嘉(それに二人で半分こって、すっごくラブラブ同士ってカンジだよね!)
莉嘉(どう? お姉ちゃん。謝るなら今のうちだぞ――)チラッ
美嘉「どう? みりあちゃん、決まった?」
みりあ「あ、あの、もうちょっと考えたいかな……」
みりあ「うーん、これかな……。あ、でも、これもおいしそう……」ウーン
みりあ「ごめんね、美嘉ちゃん。先に頼んでいいよ?」
美嘉「ふむふむ。なるほど」
26: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:11:08.45 ID:4lYCBEc9O
美嘉「すいませーん、菜々ちゃん、注文いいですかー」
安部菜々「はいはーい! お伺いします!」
美嘉「みりあちゃん、どれとどれで迷ってるんだっけ?」
みりあ「え? うん、これと、これと……」
美嘉「そっか! オッケー★」
美嘉「じゃあ菜々ちゃん。メニューの、ここからここまで、持ってきてくれる?」
みりあ「へ?」
莉嘉「えっ!?」
27: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:14:04.22 ID:4lYCBEc9O
みりあ「み、美嘉ちゃん……? あの……」
美嘉「ああ、気にしないで? 全部アタシがご馳走してあげるから★」
みりあ「ええー!? そんなの悪いよー!」
美嘉「気にしない気にしない! こういうときこそおねーさんに甘えてよ★」
みりあ「で、でも……!」
みりあ「そ、それにほら、こんなには食べられないし……、残しちゃったら勿体ないし……」
美嘉「ダイジョウブダイジョウブ! 残したのは全部アタシが食べるから!」
みりあ「美嘉ちゃん、これ全部、食べきれるの……?」
美嘉「心配しないで。ほら、よく言うでしょー? 甘いものは別腹って」
美嘉「それにアタシ、こう見えて結構マジメだからね! (みりあちゃんが食べ残した)食べ物を残すなんてこと、真っ当な真人間としてできるわけないじゃん!」
みりあ「そ、そっかぁ……! すごいねー、美嘉ちゃん!」
菜々「やっぱり若いですねぇ……。ナナなんかは最近、甘すぎると胃が……」
莉嘉「な、なぁ……!」ワナワナ
28: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:15:26.68 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(なにそれ!? お姉ちゃん、アタシには我慢しろとか言うくせに!!)
莉嘉「ぐぬぬ……!」ギリギリ
未央「さ、さすがカリスマギャル。太っ腹だねぇ……」
莉嘉「――ふん! いいもんね。まだ全然、負けたわけじゃないんだから!」
「お待たせしましたー」
莉嘉「あ! 来たよ未央ちゃん! あんなの気にしないで食べようよ!」
未央「あはは……。そうだね」
29: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:17:23.69 ID:4lYCBEc9O
未央「おー、どっちも美味しそうだね!」
莉嘉「カリスマJCのセレクトだもん! とーぜんだよ!」
未央「じゃあ、莉嘉ちー。はい、あーん」
莉嘉「へ!? あ、あーん!?」
未央「ホラホラー? ラブラブするんでしょー?」
未央「こんなんで恥ずかしがってちゃダメだぞー?」
莉嘉「そ、そうだね! うん!」
莉嘉「あーん……」パクッ
莉嘉「うーん! おいしー♪」
30: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:19:47.77 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「じゃあ、お返し! 未央ちゃんも、あーん☆」
未央「あーん……」パクッ
未央「うーん! カワイイ莉嘉ちーに食べさせてもらうと、美味しさ倍増ですなー♪」
莉嘉「えへへ♪ そうでしょー☆」
莉嘉(さっすが未央ちゃん! ラブラブのしかた、よく分かってるー!)
莉嘉(どうどう? お姉ちゃん。カワイイ妹が、自分以外とちょー仲良くしてる光景は――)
美嘉「はい、みりあちゃん!」
美嘉「あーん……!!」ハァハァ
みりあ「あーん」パクッ
みりあ「うん! おいしいね!」パァァアアア
美嘉「あはぁ……」トローン
31: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:21:06.15 ID:4lYCBEc9O
美嘉「じゃ、じゃあ、今度はこっちね! あーん!」
みりあ「あ、あーん……」パクッ
美嘉「どうどう? みりあちゃんっ!?」
みりあ「うん! これも甘くって好きだよー!」パァァアアア
美嘉「おほぉ……!」デレェ
美嘉「じゃ、じゃあ、今度は――」
みりあ「み、美嘉ちゃん!」
みりあ「さっきから、私ばっかり食べさせてもらってて、悪いよ」
みりあ「ほら、美嘉ちゃんも食べて?」
美嘉「うん? そう?」
美嘉「じゃあ……」パクッ
美嘉「うーん! ホントにおいひいねー!」チュパチュパ
みりあ「美嘉ちゃん、それスプーンだよー?」
美嘉「ふひ★ ふひひひひ……★」トローン
莉嘉「な、なぁ……!」
32: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:22:29.38 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(なに!? あの甘やかしっぷりっ!!)
莉嘉(いっつもアタシのことは叱ってばっかなのにっ!!)
莉嘉「がるるるるる…………!!!」
未央「うーむ……」
未央「なんか美嘉ねぇから、仲良しって言葉で言い表せない、アブナイ香りが漂ってる気が……」
みりあ「ほら! これとか、クリームがすっごくおいしいんだよ!」
みりあ「美嘉ちゃんも食べてみて!」
みりあ「はい! あーん!!」
美嘉「みみみみ、みりあちゃんからの『あーん』……!!!」ハァハァハァハァ!!
美嘉「ああああへへぇぇ――」デレェェ
ベチャ
みりあ「あっ……!」
33: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:23:44.88 ID:4lYCBEc9O
みりあ「ご、ごめんね!? ほっぺに付いちゃった!」ワタワタ
美嘉「あー、あはは、気にしないで★ ちゃんと口開けてないアタシが悪いんだし」
みりあ「ホントごめんね。今、拭くから……」
美嘉「大丈夫だよ。これくらい――」
みりあ「…………」
ヒョイ
パクッ
美嘉「!?★!!☆?!!★??」
34: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:24:54.42 ID:4lYCBEc9O
美嘉「み、みりあ……ちゃん……?」
美嘉「い、いま……なにを……」
みりあ「あ、ご、ごめんね!?」
みりあ「このクリーム、すっごくおいしいから……。だから、拭いちゃうの、ちょっと勿体なくて……」
みりあ「でもやっぱり、お行儀悪いよね……。えへへ……」
美嘉(おっほぉぉぉおおおお!!)「うんうん! 気持ちは分かるよー★」
莉嘉「……なん……だと……」ワナワナ
35: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:26:15.91 ID:4lYCBEc9O
未央「確かにあの二人、ホント仲がいいねぇ」
未央「こりゃ、莉嘉ちーがヤキモチ焼いちゃうのも当然かも――」
ベチャ
未央「って、あ……!」
未央「あちゃー、服にクリーム落ちちゃった……」
莉嘉「だ、大丈夫っ?」
未央「まあ制服じゃなくてブラウス部分だし。胸元、開けてたのが幸いしたかな」
莉嘉「そっか、なら良かっ――」
莉嘉「………………」
36: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:28:55.03 ID:4lYCBEc9O
莉嘉(……ちょっと待って)
莉嘉(未央ちゃんの胸元に落ちたクリーム……)
莉嘉(お姉ちゃんとみりあちゃんのあのラブラブっぷり)
莉嘉(加えて、みりあちゃんが繰り出した、ほっぺのクリームを『ヒョイからのパクッ』)
莉嘉(お姉ちゃんを見返すために、アタシは――いや、アタシたちは、あれ以上のラブラブっぷりを見せつけなきゃならない……)
莉嘉(だったら、このじょーきょーで、アタシが取るべき選択は――!!)
未央「ねぇねぇ、莉嘉ちー! 胸元のクリームって、ちょっと色っぽくないかな?」
未央「なーんて――」
ガシッ!!
未央「へ? 莉嘉ちー――」
莉嘉「大丈夫だよ、未央ちゃん」
莉嘉「アタシたち、ちょーラブラブのそーしそーあいだもん」
莉嘉「だから、ここはアタシが――」
莉嘉「アタシが綺麗にしてあげるっ!!」ガバッ
未央「ちょっ!?」
ペロペロペロペロペロペロッ!!
未央「ひゃぁ!?」
37: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:29:30.85 ID:4lYCBEc9O
未央「ちょ、ちょっと莉嘉ちー! 落ち着い――ひゃん!!」
莉嘉(お姉ちゃんに対抗するためは、あれ以上にラブラブしなきゃならない!)ペロペロペロ
莉嘉(だったらこっちは直接、口で舐めとっちゃうもんねっ!!)ペロペロペロ
未央「もう取れた! クリームとれ――」バチンッ
未央「って、待って莉嘉ちー! ホック! ホック外れたから――んんっ!!」ビクッ
38: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:30:41.21 ID:4lYCBEc9O
未央「……ぜぇー……はぁー……!」
莉嘉(ふぅ……! どうよ、お姉ちゃん!)
莉嘉(この、所構わず路チューするバカップルもびっくりのいちゃつきっぷり!!)
莉嘉(これだけやれば、さすがに少しは――)
みりあ「うーん……」
美嘉「どうしたの、みりあちゃん? まだ何か頼みたいものある?」
みりあ「へっ!? あ、あのね……」
美嘉「もう、アタシたち、お姉さん同士でしょ? 遠慮はなしだよ★」
みりあ「う、うん。あのね……」
39: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:32:22.92 ID:4lYCBEc9O
みりあ「メニューのこれ……、この一つのドリンクを、二人で一緒にストローで飲むっていうの……」
みりあ「これ、やってみたいなぁって……」
美嘉「え……、ええっ!?」
みりあ「えへへ……。この前観たドラマでそういうシーンがあってね。ちょっといいなって思ったの」
みりあ「でも、一人じゃできないし……。だからって女の子同士でやるのは、変だって言われそうで……」
40: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:33:49.26 ID:4lYCBEc9O
みりあ「だから――」
美嘉「バトラー」パチンッ
美嘉「この『ハート型ストロー付き ラブラブカップルジュース』、よく冷やして持ってきて。カップサイズマシマシで」
菜々「ナナはバトラーじゃなくてメイドですけど……」
菜々「でもかしこまりました!」
菜々「いやー、これを頼んだの、美嘉ちゃんたちが初めてですね。元々、ナナが冗談で考えたメニューだったんですけど――」
41: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:37:48.84 ID:4lYCBEc9O
未央「うーむ……。美嘉ねぇのデレっぷりもだけど、みりあちゃんの魅力っていうか、魔性っぷりの結構なもんだねぇ」
未央「こりゃ、将来大きくなったら――いや、今現在もう既に、無意識に周りの男子たちとかを魅了したり、勘違いさせまくってるのかも……」
未央「みりあちゃん……、末恐ろしい子だよ……!」ウンウン
「お待たせしましたー」コト
未央「ん? 莉嘉ちー、なんか注文したの?」
未央「アイスと、コーヒー?」
莉嘉「――うん」
莉嘉「未央ちゃん。さっきのお詫びに、アイス食べていいよ」
未央「そう? なんか悪いねー」
未央「じゃあ、お言葉に甘えて……」パクッ
未央「うん。おいし――」
菜々「み、未央ちゃん!?」
菜々「そ、"それ"、注文したんですか……!?」
未央「へ?」
42: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:39:10.00 ID:4lYCBEc9O
未央「このアイスとコーヒーが、どうかしたの?」
菜々「そ、それ……、メニューとしては、『コーヒーフロート』なんです……」
未央「コーヒーフロート? ああ、あのコーヒーにアイスが乗ってるやつね」
未央「なるほど。これってじゃあ、本来、別々に食べちゃダメだったんだ」
菜々「ええ……、だからそれ……、本来は、合わせていただくものなんです……」
菜々「カップル同士で……」
未央「へ?」
莉嘉「…………」ガシッ
未央「へ? へ? 莉嘉ちー……?」
43: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:40:03.75 ID:4lYCBEc9O
菜々「酔った川島さんと早苗さんが、冗談で考えたメニューだったんですけど……」
未央「ちょ、ちょっと莉嘉ちー……?」
未央「な、なんでコーヒーを口に含んでるのかな……?」
未央「それで……、なんで顔を寄せてくるのかな……!?」
未央「ま、待とうよ……! ほ、ほら! 美嘉ねぇに対抗したいなら、私たちもおんなじやつ頼めばいいじゃん!」
未央「さ、さすがにこれは……」
未央「あ、ちょ、ち、近いよ莉嘉ちー! ちょっと近すぎるよ!?」
未央「お願い待って! 話せばわか――」
ジュルルルルルルル…………!!!!
ンンーーーー!!!
菜々「いやぁ、若いですねぇ……」シミジミ
46: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:41:43.11 ID:4lYCBEc9O
フフフ! コレクライヤレバ、オネエチャンモ……
ッテアレ? ミオチャン?
ドウシタノー!? シッカリシテー!!
みりあ「えへへー♪ 最初は恥ずかしかったけど、でも、実際にやってみると結構楽しいねー!」チュー
みりあ「……って、美嘉ちゃん? どうしたの?」
美嘉「――ん? ああ、いや、なんでもないよ」ツヤツヤ
美嘉「ただちょっと、世界平和について考えてたんだ……」ツヤツヤ
みりあ「世界平和……?」
美嘉「世界はこんなに美しいのに……、なぜ、醜い争いはなくならないのか――」ツヤツヤ
美嘉「どうして、人は分かり合えないんだろうね……」ツヤツヤ
みりあ「んー?」チュー
47: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:44:51.94 ID:4lYCBEc9O
――――――
――――
――
――ステージ撮影後 凸レーション控室――
ガチャ
未央「みんなー、お疲れさまー!」
諸星きらり「あ、未央ちゃん! おっすおっす☆」
莉嘉「わぁ! 未央ちゃん、来てくれたんだ―!」
未央「ニュージェネも別スタジオでお仕事あったからね」
未央「帰りに寄ってみたんだ」
48: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:49:25.97 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「えへへ! 今日のアタシのダンス、ちょーセクシーだったんだよ!」
莉嘉「カメラマンさんもお客さんもメロメロだったんだから!」
未央「莉嘉ちーは、凸レーションのセクシー担当だもんね!」
莉嘉「ふふん! もっちろんだよー!」
きらり「なんだか最近、未央ちゃんと莉嘉ちゃん、今まで以上に仲良しだよね?」
莉嘉「今、未央ちゃんはアタシのお姉ちゃんだからね!」
莉嘉「アタシたち、ちょーラブラブのそーしそーあいなんだからっ!」
きらり「にょわ~、そうなんだ☆」
きらり「二人でラブラブで、ハピハピなんだねっ!」
49: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:50:12.25 ID:4lYCBEc9O
未央「あれ、そういえば、みりあちゃんは?」
きらり「みりあちゃんなら、お手洗いに行ってくるって――」
ガチャ
みりあ「戻ったよー!」
きらり「お、噂をすればっ!」
莉嘉「おかえり、みりあちゃ――」
美嘉「みんなお疲れー★」
美嘉「あれ、未央も来てたんだ。お疲れ!」
莉嘉「お、お姉ちゃんっ!?」
50: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:51:02.00 ID:4lYCBEc9O
みりあ「そこの廊下で一緒になったの」
みりあ「美嘉ちゃん、さっきの撮影、見ててくれたんだって!」
美嘉「アタシのほうの仕事が早く終わったからねー」
美嘉「みんなのステージ風景も見ておきたいと思ってさ」
莉嘉「そ、そっか……」
未央「……ふむ」
51: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:51:48.46 ID:4lYCBEc9O
未央「それで、美嘉ねぇ?」
未央「今日のみんなの頑張りについて、先輩からのお言葉がいただきたいですなぁ~?」
莉嘉「――!!」
美嘉「んー? そうだねぇ……」
美嘉「みんな、着実に歌もダンスもうまくなってると思うよ」
美嘉「きらりちゃんの、さりげないメンバーへのフォローは、すっごくいいと思うし――」
きらり「うぇへへ……。きょーしゅくでありますっ!」ビシッ
美嘉「みりあちゃんの目いっぱい楽しんでお仕事してる姿は、とっても魅力的だしね」
みりあ「えへへっ! ありがとー!」
52: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:56:05.79 ID:4lYCBEc9O
美嘉「まあ、強いて言えば、もうちょっと周りを見るようにして、ダンスに連帯感が出るといいのかな」
美嘉「特に莉嘉? アンタ、自分だけどんどんテンポ上げて、みんなとズレてるとことか、まだちょっとあるからね?」
美嘉「そういうところ、今はまだ若いからって許されてるかもだけど、クセになったら直すの大変だよ?」
莉嘉「むぅ……」
美嘉「だから――」
未央「み、美嘉ねぇ! でも、莉嘉ちーのトークとかさ、いつも会場を盛り上げてるじゃんっ!?」
美嘉「え? ああうん、まあ――」
莉嘉「――いいもん!」プイッ
53: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:57:32.54 ID:4lYCBEc9O
莉嘉「お姉ちゃんなんかに何言われたってカンケーないしっ!」
莉嘉「その分、いっぱい未央ちゃんが褒めてくれるもんねっ!」ダキッ
未央「り、莉嘉ちー……」
莉嘉「えへへ……! 未央ちゃん大好き!」ギュッ
みりあ「莉嘉ちゃん、未央ちゃんと仲良しだねー!」
莉嘉「そのとーりっ! アタシと未央ちゃんはそーしそーあいだもんっ!」
莉嘉「お姉ちゃんなんかに負けないんだからっ!」
54: ◆qORzIPv9mw 2016/09/26(月) 23:58:31.31 ID:4lYCBEc9O
みりあ「負けない……? 莉嘉ちゃんと美嘉ちゃん、勝負してるの?」
美嘉「え? いや、そんなことは――」
莉嘉「そうだよっ! お姉ちゃんなんか、アタシと未央ちゃんがコテンパンにしちゃうんだからっ!」
未央「ちょ、ちょっと、莉嘉ち――」
みりあ「そっかー! そうなんだ!」
みりあ「じゃあ、莉嘉ちゃんには未央ちゃんがいるから、みりあ、美嘉ちゃんに味方してあげるねっ!」ギュッ
美嘉「!?」
莉嘉「!?」
55: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:00:53.16 ID:ASkrRspOO
美嘉「みみみみ、みりあちゃん!?!?!?」
みりあ「美嘉ちゃん一人じゃ寂しいでしょー?」
みりあ「だから、みりあが協力してあげるよー!」
美嘉「い、いやぁ、別にアタシと莉嘉は――」
莉嘉「じょ、じょうとーだよ!」
莉嘉「アタシと未央ちゃんと、お姉ちゃんとみりあちゃん――」
莉嘉「どっちがよりラブラブか、この場で白黒――白星黒星つけよーじゃん!」
みりあ「わーい! ラブラブばとるだねー! 負けないよー!」
莉嘉「きらりちゃん! ジャッジよろしくっ!」
きらり「にょわ!?」
56: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:01:55.42 ID:ASkrRspOO
美嘉「こ、コラ! きらりちゃんまで巻き込むな!」
美嘉「未央からもなんか言ってやって!」
未央「……あはは、ごめんね、美嘉ねぇ」
未央「でも、私は今、莉嘉ちーのお姉ちゃんで、莉嘉ちーの味方だから――」
未央「よーしよーし、莉嘉ちー!」ナデナデ
未央「莉嘉ちーは可愛いなぁ」ナデナデ
莉嘉「えへへへ……♪」スリスリ
みりあ「わぁ! 二人とも仲良しさんだぁ……!」
みりあ「私たちも負けないよー!」
美嘉「ちょ、ちょっと、みりあちゃ――」
みりあ「みーかちゃん!」
みりあ「大好きっ!」ニコッ
美嘉「お、おほぉ……!」ビクン
57: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:03:42.01 ID:ASkrRspOO
みりあ「えへへー♪ 美嘉ちゃーん!」スリスリ
美嘉「おっ……おほぉっ……!!」
みりあ「美嘉ちゃん……、いい匂いするね! さすがカリスマギャルっ!」スンスン
美嘉「え、ええ!? そ、そうかな……///」
莉嘉(へ、へぇ……! ちょっとはできるみたいだね!)
莉嘉(でも、それくらいのこと、アタシの未央ちゃんだって――)クンクン
莉嘉「未央ちゃん! なんか美味しそうな匂いするね!」
莉嘉「フライドチキン食べたでしょっ!」
未央「やめて莉嘉ちー! 恥ずかしいからっ!!」
58: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:05:02.43 ID:ASkrRspOO
みりあ「じゃあ美嘉ちゃん! ちょっとしゃがんでくれる?」
美嘉「へ? こ、こう……?」スチャッ
みりあ「うん! じゃあ、美嘉ちゃん――」
みりあ「よーしよーし……」ナデナデ
美嘉「んほぉ!? み、みりあちゃん……!?」
59: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:08:43.02 ID:ASkrRspOO
みりあ「美嘉ちゃん、いつも私たちのこと、頑張ってるって褒めてくれるけど――」
みりあ「でも、美嘉ちゃんだっていっぱい頑張ってるの、知ってるから……」
みりあ「だから、いつものお礼に、みりあがよしよしってしてあげる!」ナデナデ
みりあ「よしよーし……。えらいぞー、美嘉ちゃん……!」ナデナデ
美嘉「ん、んへぇ……」トローン
莉嘉(み、みりあちゃん……! なんて恐ろしい技を……!)
莉嘉(でも、ナデナデくらいなら、コッチだって……)
莉嘉(――いや、待って)
莉嘉(ここで、アタシが未央ちゃんの頭を撫でたところで、それは所詮、みりあちゃんの後追い……、二番煎じに過ぎない……!)
莉嘉(後手に回った時点で……、何をしても、アタシたちの不利は揺るがしがたい事実……!)
莉嘉(だったら、この戦況を覆すには――)
60: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:10:55.19 ID:ASkrRspOO
莉嘉(覆すには……)
未央「……?」
莉嘉(――その常識を、覆すっ!!)モミモミッ!!
未央「ひゃあ!? 莉嘉ちー!?」
莉嘉「未央ちゃん! アタシも未央ちゃんを褒めてあげるよ!!」モミモミ
未央「そ、それは嬉しいけど……、なんで胸を揉んで――んっ!」ビクッ
莉嘉「未央ちゃん! よくここまで育ったね!」ナデナデ
未央「!?」
莉嘉「おっきくて、柔らかくて、ハリがあって……!」プルンプルン
莉嘉「よーしよし、えらいぞー! 未央ちゃんの胸、えらいぞー!!」モミモミナデナデ
未央「ん……! ひゃんっ……!!」ビクンビクン
61: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:13:18.76 ID:ASkrRspOO
莉嘉「さあ、きらりちゃん! 判定はっ!?」モミモミ
きらり「ええぇっ!?」
きらり「あの、えっと……」
美嘉「あ、あひぃぃぃいい……」トローン
未央「んっ……、うぅん……! あんっ……!」ビクンビクン
きらり「ど、どっちも、どっちかなぁ……」
莉嘉「くっ……!」
莉嘉(引き分けか……!)
莉嘉(でもいいよ! むしろそうでなくちゃ、張り合いがないもんねっ!!)
62: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:16:13.64 ID:ASkrRspOO
みりあ「そうだ!」
みりあ「いっつも頑張ってる美嘉ちゃんに、今度はマッサージしてあげる!」
美嘉「えっ、あ、あの……」
みりあ「ほら、座って?」スチャ
みりあ「もみもみ~♪」モミモミ
みりあ「どう? 気持ちいい~?」モミモミ
美嘉「ああ……、みみみみみりあちゃんの……ちっちゃい手が……!!!」
美嘉「ふ、ふひひひぃぃ……★」デレェェ
63: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:17:28.64 ID:ASkrRspOO
莉嘉「あ、アタシだってそれぐらいできるよっ!」モミモミッ!!
未央「きゃんっ!? こ、今度はお尻!?」ビクッ
莉嘉「お尻だって結構こるんだからっ!」モミモミッ!!
莉嘉「未央ちゃんはお尻もおっきいから、よくほぐさないとねっ!!」モミモミモミッ!!!
未央「き、気持ちは……嬉しいけど……」
未央「し、下着がずれて……食い込んで――あっ!///」ビクンッ
65: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:20:43.14 ID:ASkrRspOO
みりあ「そういえば、テレビで観たんだけど……」
みりあ「確か、この辺にあるツボを押すのがいいんだってっ!」
みりあ「えいっ!」ギュムッ
美嘉「あひっ!!」ビクンッ
みりあ「どう? 気持ちいいかな?」
美嘉「み、みりあちゃぁん……」トローン
みりあ「美嘉ちゃん、顔が赤くなってる?」
みりあ「そっか! けっこーが良くなってる証拠だねっ!」
莉嘉(つ、ツボ……!? つ、ツボは……)
莉嘉(うぅ、ダメだ……。アタシじゃ分かんない……)
莉嘉(……ううん!)
莉嘉(――それでも、まだ諦める時じゃないよね……!)
莉嘉(これはお姉ちゃんと、アタシとの全身全霊をかけた戦いなんだ)
莉嘉(ここでお姉ちゃんを討ち果たし、姉より優れた妹だっているって、証明してやるんだ!)
莉嘉(だったらアタシは、全力で、これまで経験した全部を全部――全てを統べて、立ち向かわなきゃっ!!)
66: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:22:15.47 ID:ASkrRspOO
莉嘉(そう、思い出すの、城ヶ崎莉嘉……!)
莉嘉(確か――人体において重要な器官は、その正中線に集中しているはず! そう、有香ちゃんも言っていた……!)
莉嘉(正中線……、身体の真ん中……!)
未央「り、りきゃちー……」ピクンピクン
莉嘉(見極めろ、アタシ……! 未央ちゃんの重要器官……!)
莉嘉(頭……? じゃないっ!)
莉嘉(胸……? 違うっ!)
莉嘉(おへそ……? 否っ!!)
67: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:22:50.78 ID:ASkrRspOO
莉嘉(となれば、残されたものこそが正答)
莉嘉(それすなわち――!!)
莉嘉「お股の中心っ!!」クリクリッ!!
未央「――――――!!!!」ビクンッ!!
きらり「にょ、にょわぁ……」
68: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:24:35.12 ID:ASkrRspOO
未央「お゛……! おほぉ……!!!」ビクンビクン
莉嘉「あ、あれ……!? 間違ったかな……!?」
未央「あ……あひっ……」ヒューヒュー
莉嘉(未央ちゃん、なんだか苦しそう……)
莉嘉(む、向こうの様子は……!?)チラッ
みりあ「えーい! えーーい!!」ギュゥゥ
美嘉「あへぇぇぇ!!! んほぉぉぉおお!!!」ビクンビクン
莉嘉(で、でも、お姉ちゃんもおんなじような顔してるし……)
莉嘉(そうだよね!)
莉嘉(気力、体力、技術、戦術、時の運……)
莉嘉(全てを出し尽くして――それでも、まだ勝利へ至らないと言うならば……)
莉嘉(最後に大事になってくるのは…………!)
莉嘉「自分を信じる心だよねっ!!」カッ
69: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:25:14.60 ID:ASkrRspOO
みりあ「えーい! えーい!! えーい!!!」ギュム! ギュム! ギュム!
莉嘉「うぉぉおおおお!!!」クリクリクリ!!!
美嘉・未央「「あひぃぃぃいいいいいんっっっ!!!!!」」ビクビクビクッッ!!!
きらり「あ、杏ちゃん……、助けて……!」
70: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:26:59.07 ID:ASkrRspOO
莉嘉「ふっ……! どう? お姉ちゃん」
莉嘉「これで分かったでしょ。アタシと未央ちゃんのラブラブパワーが」
莉嘉「まあ、誰にでも間違いはあるからね。今から謝るって言うなら、許してあげても――」
莉嘉「って、未央ちゃん?」
未央「」ピクッ……ピクッ……
71: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:27:54.87 ID:ASkrRspOO
ミオチャン!? ドウシタノー!?
シッカリシテー!!
みりあ「ふぅ……。これで結構ほぐれたかな……」
みりあ「どうかな、美嘉ちゃん。みりあ、マッサージ、上手くできてた……?」
美嘉「――うん、そうだね」ツヤツヤ
美嘉「みりあちゃんのおかげで、スッキリしたよ。まるで生まれ変わったようにね」ツヤツヤ
美嘉「ああ……、この世には、みりあちゃんのような素晴らしい存在がいると言うのに……」ツヤツヤ
美嘉「どうして、世界から争いがなくならないのだろうね……」ツヤツヤ
美嘉「醜い戦争、凄惨な闘争――醜悪に奪い合い、潰し合うことが人間の本能だなんて……、そんな悲しいことが真理だなんて……」ツヤツヤ
美嘉「なんて世界は残酷なんだろう……」フゥ……
みりあ「んー?」
72: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:38:09.59 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
莉嘉(ダメだ……)
莉嘉(ダメだダメだダメだダメだっ!!!!)
莉嘉(何をやっても、どうやっても、お姉ちゃんはアタシを見てくれない)
莉嘉(お姉ちゃんとみりあちゃんの仲を超えられないっ!)
莉嘉(きっとまだまだ足りないんだ……)
莉嘉(お姉ちゃんに見せつけるために……、お姉ちゃんに突きつけるために……)
莉嘉(お姉ちゃんに思い知らせるためには、もっともっと、すっごいラブラブなことを未央ちゃんとしなくちゃダメなんだ!)
莉嘉(でも……、これ以上って、アタシにも思いつかないよ……)
73: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:39:12.52 ID:ASkrRspOO
莉嘉(どうしたら……)
「――――――! ――――!!」
莉嘉「ん?」
莉嘉(誰かがしゃべってる?)
「――。――――――!!」
莉嘉(会議室……、ここから聞こえてくる)
莉嘉(でも、こっちのフロアって、基本あんまり使われてないって聞いてたけど……)
莉嘉(ま、まさか! シンデレラプロジェクト解体の話が、もう密かに進んでるとかっ!?)
莉嘉(だ、だったら大変だっ!)
莉嘉(コッソリ聞いて、Pくんにチクっちゃうもんねっ!)ササッ
74: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:40:15.73 ID:ASkrRspOO
「――――――きです」
莉嘉(さぁ……、一体、どんな話してるのー?)
「諸君、私は―――が好きです」
莉嘉(女の人の声……。でも、美城常務じゃない……?)
莉嘉(誰だろ? なんか聞いたことがある気もするけど……)
「諸君、私はせいこうが大好きです」
莉嘉(っていうか、なんの話……?)
莉嘉(せいこう? 成功? ってなんのこと……?)
75: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:41:02.22 ID:ASkrRspOO
「室内戦が好きです」
「野外戦が好きです」
「白昼戦が好きです」
「夜戦が好きです」
「侵略戦が好きです」
「防衛戦が好きです」
「連戦が好きです」
「観戦が好きです」
「複数戦が好きです」
76: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:41:48.60 ID:ASkrRspOO
「ベッドで、公園で」
「トイレで、更衣室で」
「窓辺で、玄関で」
「プールで、浴場で」
「ホテルで、民宿で」
「この地上で行われるありとあらゆるせいこう行動が大好きです」
莉嘉(やっぱりこの声……、どっかで聞いたことはあるんだけど……)
莉嘉(でも、あんなコワイ雰囲気の口調の人なんて知らないし……)
77: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:42:54.13 ID:ASkrRspOO
「振動するバイブレーションの容赦ない洗礼が、唸りと共に相手の理性を吹き飛ばすのが好きです」
「快楽に突き上げられた恋人が、さらなる弱点への猛攻で顔がぐちゃぐちゃになった時など、心がおどりました」
「私の操るイボ付きの88cmが、あの人の肉壺を洪水にするのが好きです」
「悲鳴を上げて蜜を噴き出させるパートナーの口を口で塞ぎ、押し倒した時など、胸がすくような気持ちでした」
78: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:44:32.95 ID:ASkrRspOO
「上下で揃えた純白の下着姿の彼女を、無慈悲に蹂躙するのが好きです」
「興奮状態の彼女が、既に何回戦を経ながらも、何度も何度もこちらを求めてくる様など感動すら覚えます」
「清楚で通っているあの人を暗がりに連れ込み、自分色に染め上げていく様などもうたまりません」
「啼き叫ぶ年上が、私の動かした手指とともに、響き渡るリモコンローターでビクビクとよがり狂うのも最高です」
「愛しい彼女が、可愛らしいオモチャで仕返ししようと微笑ましくも企んでいるところを、80cm振動機能付きオーダーメイドのディルトが、その下着ごとずっぷりと貫いた時など絶頂すら覚えました」
79: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:45:32.81 ID:ASkrRspOO
「最愛のあの人に無茶苦茶にされるのが好きです」
「必死に守るはずだった貞操が蹂躙され、身も心も犯され、堕とされていく様はとてもとても悲しいものです」
「年上のテクニックに翻弄されて屈服させられるのが好きです」
「未知の技の数々に圧倒されて、雌犬の様にベッドを這い回るのは恥辱の極みです」
80: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:46:14.59 ID:ASkrRspOO
「諸君、私はせいこうを――悪魔の様なせいこうを望んでいます」
「諸君、私に賛同する同志諸君」
「皆さんは一体何を望みますか?」
81: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:47:03.36 ID:ASkrRspOO
「更なるせいこうを望みますか?」
「情け容赦のない、鬼の様なせいこうを望みますか?」
「羅武雷火の限りを尽くし、三次世界の規制を殺す、嵐の様なせいせんを望みますか?」
83: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:48:34.44 ID:ASkrRspOO
橘ありす「ユリーク!」
北条加蓮「ユリーク!」
多田李衣菜「ユリーク!」
白坂小梅「ユリーク!」
「「「ユリーク! ユリーク! ユリーク! ユリーク!」」」
莉嘉(な、なに……!? ホントになんの話……!?)
莉嘉("ゆりーく"って、一体――)
84: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:49:16.50 ID:ASkrRspOO
「よろしい――」
アナスタシア「ならば"百合ーク"だっ!!」
莉嘉「アーニャちゃん!?」
85: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 00:52:14.68 ID:ASkrRspOO
「あれー? おかしいっスね……」
「奈緒ちゃん、ここにあった私のDVD、知らないっスか?」
「いや、ごめん、分かんないけど……」
「そうっスかー。うーん、どこ行ったんだろ……」
「そうだ。なあ比奈さん、ここにアーニャ来なかった?」
「フルボッコちゃんが観たいって言ってたから、DVD持ってきたのに、置きっぱだし……」
「まだ取りに来てないのかな?」
「うーん……。他と混ざらないように、赤い袋に入れといたんスけど……」
「うーん……。分かりやすいように、赤い袋に入れといたんだけどな……」
「「ん?」」
86: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:28:07.40 ID:ASkrRspOO
アーニャ「ほう、そこで聞き耳を立てていたのはリカでしたか」
莉嘉「あ、えっと、その……」アセアセ
莉嘉「ごめんね!? 別に盗み聞きしたかったわけじゃなくて……」
アーニャ「構いません」
アーニャ「むしろ、リカがこうしてここを訪れたのも、何かの縁、なのでしょう」
莉嘉「縁……?」
アーニャ「ダー。ズヴィズダ――星の巡り合わせ、です」
87: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:29:39.91 ID:ASkrRspOO
莉嘉「どういうこと……?」
アーニャ「リカ。あなたは今、何か悩みを抱えている」
アーニャ「違いますか?」
莉嘉「え!? う、うん、そうだけど……」
アーニャ「そしてあなたがここに来た――導かれたということは、その悩み、問題の解決に私が協力できる、ということです」
莉嘉「ほ、ホントに!?」
莉嘉「アーニャちゃん、未央ちゃんともっとラブラブになれる方法を知ってるの!?」
アーニャ「なるほど。リカのお相手はミオでしたか」
アーニャ「カニィーシナ。私、リカのお役に立てます!」
アーニャ「今よりもっと濃厚で、濃密な関係に、愛しの彼女となれると、約束しましょう!」グッ
莉嘉「濃厚……! 濃密……!!」
莉嘉(す、すごい! さすがアーニャちゃん! よく分かんないけどすごい!)
莉嘉(よぉーし、待っててね、未央ちゃん!)
莉嘉(そして、首を洗って待ってなよ、お姉ちゃん!!)
莉嘉(アタシ、未央ちゃんと、お姉ちゃんには想像もつかないほどの関係になっちゃうんだからっ!!)
88: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:31:23.99 ID:ASkrRspOO
莉嘉「じゃ、じゃあ、早速だけど、アーニャちゃん!」
莉嘉「どうしたら、未央ちゃんともっと仲良くなれるっ!?」ズイッ
アーニャ「アー、そうですね……」
アーニャ「ミナミから教えてもらった日本語に、こんな言葉があります――」
アーニャ「『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』」
莉嘉「彼を知り……?」
アーニャ「リカ」
アーニャ「まずは、ミオの『弱点』を知ることから始めましょう」
89: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:32:43.72 ID:ASkrRspOO
莉嘉「弱点……?」
莉嘉「えっと、アーニャちゃん? アタシ、未央ちゃんと仲良くなりたいんだよ?」
莉嘉「別に未央ちゃんとケンカとか、バトルしたいわけじゃなくて……」
アーニャ「ダー。分かっていますよ」
アーニャ「でも、リカ。『弱点』――相手の持つ弱さを知ることは、二人の関係を深める上で重要なことです」
莉嘉「そ、そうなの……?」
90: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:34:24.23 ID:ASkrRspOO
アーニャ「誰にでも、多かれ少なかれ、自らが短所だと思っている部分があります」
アーニャ「そして、人なら誰しも――そんな自分の弱点は、他人には隠しておきたいと思うものです」
アーニャ「特に親しい関係の人になら尚更、『嫌われたくない』、『見損なわれたくない』という思いから、それを隠そうとします」
アーニャ「でも、そんな自分の弱点を、弱い部分を相手に知ってもらって――そして分かってもらえたなら……」
アーニャ「自分の魅力的な部分だけじゃなく、弱くて恥ずかしい部分も認めてもらえるような間柄になれたら……」
アーニャ「そうなった時こそ、二人はただの仲良しではない――それより深く、心で繋がった関係となるのです!」
91: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:35:38.60 ID:ASkrRspOO
莉嘉「で、でも……、じゃあどうやってその『弱点』を探るの?」
莉嘉「未央ちゃんだって、教えたくないんじゃ……」
アーニャ「そうですね」
アーニャ「とりあえず、ここはコレを使いましょう」スッ
莉嘉「なに? その白い粉……」
92: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:36:44.06 ID:ASkrRspOO
アーニャ「ずばり、眠たくなる薬、です!」
莉嘉「!?」
アーニャ「リカ、これを飲み物に混ぜて、ミオに飲ませるのです」
アーニャ「普通に聞いてもダメなら、身体に聞きましょう!!」グッ
莉嘉「ちょ、ちょ!? それって未央ちゃんに一服盛るってこと!?」
莉嘉「さ、さすがにそれは、悪いんじゃ……」
93: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:38:32.52 ID:ASkrRspOO
アーニャ「リカ」
アーニャ「人と人が分かり合い、手を取り合うというのは、簡単なことではありません」
アーニャ「それは本来、立ち塞がる困難を超え、押し寄せる波乱を打破し、降りかかる艱難辛苦を振り払った末に――ようやく成されるもの」
アーニャ「そんな苦難の道を進むにあたって……、多少の犠牲はつきものです」
アーニャ「それにリカはさっき、ミオとバトルしたいわけじゃないと言いましたが……」
アーニャ「たとえ親しい者同士であっても、闘う時は――闘争の夜は来るものなのです」
莉嘉「そ、そうなの……?」
アーニャ「ダー」
94: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:43:35.72 ID:ASkrRspOO
アーニャ「親しいからこそ、お互いを想っているからこそ――お互いに愛しているからこそ……」
アーニャ「闘争し、抗争し、奔走し、競争し――そして生存したいと思う」
アーニャ「愛しい人と、ぶつかり合ったり、すれ合ったり、上になったり下になったりする……」
アーニャ「そうなった時、相手の弱点を知っていることは大きなアドバンテージになります」
アーニャ「愛とは――すなわち戦争なのですっ!!」
アーニャ「だからリカ!」
アーニャ「あなたも、二人の幸福な未来のために、戦いへ身を投じるのです!」
アーニャ「命令《オーダー》は唯ひとつ《オンリーワン》」
アーニャ「『既成事実』《ラブアンドデスティニー》、以上《オーバー》!」
莉嘉(あ、アーニャちゃん、日本語上手くなったね……)
95: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:44:36.39 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
未央「ふぅ~、今日のレッスン、ちょっと頑張り過ぎたかな……」
未央「でも、私はニュージェネのリーダーなんだし……、やっぱ人一倍頑張って、しまむーやしぶりんを引っ張っていかないとね!」
莉嘉「あっ、未央ちゃん!」タッタッタ
未央「おや、莉嘉ちー」
96: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:46:09.16 ID:ASkrRspOO
莉嘉「レッスンお疲れさま!」
莉嘉「はい! こ、これ……」スッ
莉嘉「の、飲んで……?」
未央「おっ! カワイイ莉嘉ちーからの労いの一杯ですなぁー?」
未央「ありがとう!」
ンクンクンク……
莉嘉「………………」
97: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:47:04.88 ID:ASkrRspOO
未央「ぷはぁ! いやー、五臓六腑に染み渡りますなぁ~!」
莉嘉「あ、あの、未央ちゃん!」
莉嘉「疲れたでしょっ!? ほら、そこに座って、お話しよっ!」グイグイ
未央「んー? うん、そうだね。そうしよっかっ!」
98: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:48:07.08 ID:ASkrRspOO
莉嘉「――でね! 最近の男子ったら情けないんだよー!」
莉嘉「カブトムシとかも、怖いって触れないんだからー!」
未央「あはは……! 確かに、うちの弟も、最近ゲームばっかしてるし……」
未央「最近は、そういう子がふえて……きて……る……」ウツラウツラ
未央「の……」パタリッ
未央「」スゥースゥー
莉嘉「わ、わぁ……」
莉嘉(アーニャちゃんの言った通り、ホントに寝ちゃった……)
99: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:49:29.78 ID:ASkrRspOO
莉嘉(でも、ここからどうすればいいんだろ……)
莉嘉(アーニャちゃんは、未央ちゃんが眠ったら、あとはアタシの思うように――したいようにやればいいって言ってたけど……)
莉嘉(したいようにって言われても……)
100: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:50:32.54 ID:ASkrRspOO
莉嘉「ほっぺた、つついてみるとか?」フニッ
未央「むにゃむにゃ……」
未央「しまむー……ぴにゃこら太のモノマネ……うまいねぇ……」ムニャムニャ
莉嘉「耳元で話しかけてみるとか?」
莉嘉「おーい、未央ちゃーん……。弱点教えて―……」コショコショ
未央「し……しぶりん……!」ウーンウーン
未央「わるかった……、プリンセスブルーでいいから……」ウーンウーン
未央「その……アズールなんとかだけは……」ウーンウーン
莉嘉「やっぱダメだよねぇ……」
101: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:51:33.09 ID:ASkrRspOO
莉嘉(やっぱり起こして、直接聞くしか――)
未央「……しまむー……、しぶりん……」
莉嘉「ん?」
未央「私……頑張るよ……」
未央「もっともっと頑張って……、ちゃんとリーダーやるから……」
未央「だから……」
未央「いかないで……!」グスッ
莉嘉「未央ちゃん……」
102: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:53:00.93 ID:ASkrRspOO
莉嘉(そっか……)
莉嘉(未央ちゃん、いつも元気で前向きだけど――)
莉嘉(こんなに、弱気な部分も、あったんだね)
莉嘉(弱気……。じゃあこれが、アーニャちゃんの言ってた、『弱点』ってこと?)
未央「……ふたりとも……」ウーンウーン……
莉嘉「えっと……」
莉嘉「……よーしよーし」ナデナデ
未央「……んっ……」
未央「…………♪」スゥースゥー
莉嘉「ふふふっ……」
103: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:56:00.07 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
莉嘉「というわけで、未央ちゃんの『弱点』を発見したよ」
アーニャ「ハラショー! すごいです、リカ!」
アーニャ「私はもっと、何回かトライする必要があると思っていましたが……、初めてでいきなり成功させるなんてっ!!」
莉嘉「え、そ、そう……? ふふっ……、まぁね☆」
アーニャ「さ、参考までに……、ナニをどうやったのか、聞いてもいいですか?」
莉嘉「どんな風って言われても……」
104: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 01:58:58.78 ID:ASkrRspOO
莉嘉「慰めてあげただけだよ?」
莉嘉(ナデナデ~、って……)
アーニャ「な、慰めたっ!?」
アーニャ「ダーティシトー!! い、いきなりでそ、そこまでいくなんて……!!」
莉嘉「え? そんなに驚くこと……?」
莉嘉「普通に、手で、こう……」
アーニャ「手で! 慰めたっ!!」
アーニャ「そ、それで、ミオは!? ミオの反応は……!?」
莉嘉「いや、別に……」
莉嘉(まあ、安心してくれたのかな)
莉嘉「ぐっすり寝てたけど」
アーニャ「ぐったり寝てしまうほどにっ!!」
莉嘉(アーニャちゃん、なんで顔赤いのかな?)
105: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:00:42.91 ID:ASkrRspOO
アーニャ「どうやらリカは、私が思っていた以上の逸材、ですね」
アーニャ「これは考えていた工程を、いくつか飛ばしても良さそうです……」
莉嘉「アーニャちゃん、それで次は何をすればいいのー?」
アーニャ「そうですね……、次は……」
アーニャ「裸のつきあい、しましょうか!」
莉嘉「裸の付き合いって……」
106: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:02:10.81 ID:ASkrRspOO
莉嘉「ああ、一緒にお風呂入るってやつだよね」
アーニャ「ダー! 私も、初めてはおフロでしたね!」
アーニャ「あの時は……すごく……すごく、気持ちよかったです……!」ウットリ
莉嘉(アーニャちゃん、お風呂気に入ったんだ)
アーニャ「だからリカも、ミオと一緒に裸のつきあいを――裸の突き合いをすれば、より関係が進展するはずです!」
莉嘉「そっかそっか! オッケー☆」
108: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:03:24.69 ID:ASkrRspOO
莉嘉(なーんだ。一緒にお風呂入るだけなら、最初の時より簡単じゃん!)
莉嘉「分かったよ。じゃあ早速、未央ちゃんを誘って、行ってくるねー!」
アーニャ「さ、さすが莉嘉……! 積極的ですね……!」ゴクリ
アーニャ「ち、ちなみに、ど、道具は、ありますか……?」
莉嘉「道具?」
莉嘉(シャンプーとか、タオルとか?)
莉嘉「うん。用意はあるから、大丈夫だよー☆」
アーニャ「よ、用意済みですかっ!!」
アーニャ「さすがリカ……! ヤル気マンマンですね!!」ハァハァ
莉嘉(だからアーニャちゃん、なんで顔赤いんだろ……)
109: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:04:21.21 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
――346プロ 社員用浴場――
シャァァー
未央「♪め~の~まえにあるのは~、未知への扉~」シャカシャカ
未央「♪君も、僕も、みんな――」
莉嘉「みーおちゃん!」
莉嘉「お背中、お流ししますよ~☆」
未央「おっ! ホントにー?」
未央「じゃあ、お願いしようかな」
110: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:06:13.02 ID:ASkrRspOO
莉嘉「かゆいとこありませんか~?」ワシャワシャ
未央「いやぁ~、快適ですぞ~!」
莉嘉「未央ちゃん、やっぱ胸大きいね……!」ワシャワシャ
莉嘉「いいなー! どうしたら、そんなボインになれるのー?」ワシャワシャ
未央「別に特別なことはしてないってば」
未央「それに、莉嘉ちーはまだまだ成長期だし、それに美嘉ねぇだってあんなにセクシーなんだもの」
未央「心配しなくたって、将来有望だって!」
莉嘉「えへへ! そうかな~!」ワシャワシャ
莉嘉「って、未央ちゃん! 今はアタシといるんだから、お姉ちゃんの話は禁止ー!」コチョコチョ
未央「ひゃははっ! ゴメンゴメンー!!」
111: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:08:32.19 ID:ASkrRspOO
カポーン
未央「ふぅ~、極楽極楽……」
未央「生き返りますなぁ~」
莉嘉「未央ちゃん、なんかオヤジっぽい~!」
未央「おやおや……。この美少女を指して、オヤジっぽいだなんて……、言ってくれますなぁ……」
莉嘉「だってホントのことだも~ん!」
未央「そんな莉嘉ちーには……、こうだっ!」ピュッ
莉嘉「わぷっ!? やったなー!?」
莉嘉「えいっ! お返し!」バシャ
未央「ぬわっ! ええい! まだまだっ!」ピュッ! ピュッ! ピュッ!
112: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:09:28.57 ID:ASkrRspOO
莉嘉「未央ちゃん! その水鉄砲みたいなの反則ー!」バシャバシャ
未央「ふっふっふ! この未央ちゃんスプラッシュはお風呂にて最強っ!」ピュッ! ピュッ! ピュッ!
莉嘉「だったらアタシだって――」
美城常務「君たち」
莉嘉「わぁ!?」
未央「じょ、常務っ!?」
113: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:10:12.24 ID:ASkrRspOO
常務「仲が良いのは結構だがな」
常務「しかし、ここは他にも多くの人間が利用する場所だ」
常務「ならば君たちも、いくらリラックスできる空間と言えども、常識ある人として――」
常務「そして、美城に所属する者として相応しい、マナーと節度を持った行動を常に心がけなさい」
莉嘉「ご、ごめんなさい……」
未央「すいませんでした……」
常務「分かればよろしい」スタスタ
114: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:11:01.76 ID:ASkrRspOO
未央「び、びっくりした~」
未央「常務みたいなトップな御仁でも、こういうところ使うんだね……」
莉嘉「っていうか、アタシは常務のあのスタイルにびっくりだよ」
莉嘉「何歳だとしても、かなりのプロポーションだよね……」
莉嘉「すごいね……。どうしたら、あんなになれるのかなぁ……」
未央「すごいねぇ……」
115: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:11:59.85 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
莉嘉「というわけで、未央ちゃんと裸の付き合いしてきたよー☆」
アーニャ「お、おかえりなさい!」
アーニャ「それで、き、気持ち良かった、ですか……!?」
莉嘉「え? うん。そりゃそうだよ」
莉嘉「未央ちゃんなんて、『極楽~』なんて言ってたし」
アーニャ「極楽までイクほどの!? ずいぶん激しくシたんですねっ!!」
莉嘉「……激しく?」
116: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:13:31.44 ID:ASkrRspOO
莉嘉「ああ、でもそうだね。かけあいっことかしたし」
アーニャ「ぶっかけあいっこ!?」
アーニャ「そ、それは……、一体……!?」ガクガク
莉嘉「別に、普通に、手で……」
アーニャ「て、手ですか……! 手でいじるだけでも、そこまでできるんですか……!」
アーニャ「勉強になりますっ!」フンス
117: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:16:11.35 ID:ASkrRspOO
莉嘉「未央ちゃんってばずるいんだよー!」
莉嘉「ぴゅーって、水鉄砲みたいなの飛ばしてくるのー!」
アーニャ「水鉄砲っ!?」
アーニャ「すごいですね、ミオは……! そんなことができるんですか……」
アーニャ「さ、さすが、パッションがほとばしってますね!」
莉嘉「『未央ちゃんスプラッシュ』だってさ。もう、顔ばっか狙ってきてね」
莉嘉「アタシも教えてもらったけど、上手くできなくて……」
アーニャ「おおお教えてもらったんですか……!?」カァァアア
アーニャ「……よ、良ければ今度、私にも教えてくださいっ!」
莉嘉「うん? うん、まあ未央ちゃんに言っとくよ」
118: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:18:48.14 ID:ASkrRspOO
莉嘉「そうそう! あとね!」
莉嘉「かけあいっこしてるの美城常務に見つかって、怒られちゃったのー」
アーニャ「!?」
アーニャ「そ、それは……、大丈夫、だったんですか……!?」
莉嘉「うん。もっと怒られるかと思ったけど、軽く注意されて終わりだったよー」
アーニャ「か、軽い注意で済んだんですか……!?」
アーニャ「ズドーラヴァ! 大企業のトップは、マイノリティーにも理解があるんですねっ!!」
莉嘉(だから、なんでアーニャちゃんは顔が赤いんだろ……?)
119: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:20:52.55 ID:ASkrRspOO
アーニャ「――さて、リカ」
アーニャ「あなたとミオの関係は、もはや他の追随を許さない、とても親密で深いものになっています」
莉嘉「そ、そうかな? あんまり実感ないけど……」
アーニャ「ですから、あと、私が二人のために提案できるのは一つだけです」
莉嘉「そ、それって……?」
アーニャ「ダー。それすなわち――」
アーニャ「ホテルですっ!!」
120: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:22:07.15 ID:ASkrRspOO
莉嘉「ホテル? 二人でお泊りしろってこと……?」
アーニャ「ニェット、少し違います」
アーニャ「『お泊り』ではなく『休憩』。そして、より正確に言うなら、『ホテル』ではなく――」
アーニャ「『お城みたいなホテル』ですっ!!」
莉嘉「お城みたいな……?」
莉嘉「って、そ、それって……!!///」カァアア
121: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:24:28.50 ID:ASkrRspOO
莉嘉「いやいや待ってアーニャちゃん!」
莉嘉「さ、さすがにそういうのは、早いっていうか、行き過ぎじゃないっ!?」
莉嘉(お姉ちゃんだって、さすがにみりあちゃんとそんなことはしてないだろうし……)
アーニャ「そんなことありません」
アーニャ「私から言わせれば、むしろ二人で今まで、そういうことがなかったのが不思議なくらいです」
莉嘉「ええっ!? アタシと未央ちゃんってそこまで!?」
122: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:29:02.38 ID:ASkrRspOO
アーニャ「リカ」
アーニャ「リカは言いましたね? 『ミオとラブラブになりたい』と……」
アーニャ「確かに今の状態でも、二人の関係は十分、ラブラブと言えるものかもしれません」
アーニャ「しかしそれでも――いえ、だからこそ」
アーニャ「これは必要なことです」
莉嘉「え、ええ……!?///」
123: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:29:47.47 ID:ASkrRspOO
アーニャ「いつも傍にいて、多くの時を共に過ごすのは、二人の仲を深めるためには大事なことです」
アーニャ「しかし、いつも傍にいて、その愛情が当たり前になってくると――だんだん、その大切さは忘れられてしまうのです」
アーニャ「長く同棲を続けたカップルが、しかし結婚に至らず、ズルズルとそのなあなあの状態を引き延ばしてしまうように」
アーニャ「あるいは、長年連れ添った夫婦の、その愛が今ではすっかり冷めてしまうように」
アーニャ「大切なものが日常になったが故に、その価値が日常に埋もれてしまうのです」
124: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:31:19.53 ID:ASkrRspOO
アーニャ「ですから、リカ。あなたたちも今一度、その価値を想起し、改めて心に、それも強烈に刻む必要があります」
アーニャ「そしてそのためには、今までのようなまぐわい程度ではもはや足りません」
アーニャ「だいせいこうを!! 一心不乱のだいせいこうを!!」
アーニャ「忘却の彼方へと追いやられつつある思いを引きずり出し、心の眼を開かせましょう」
アーニャ「意中の彼女に愛情の味を思い出させ、夢中の彼女に嬌歌の音を思い出させるのです!」
莉嘉「アーニャちゃん……」
125: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:32:40.15 ID:ASkrRspOO
莉嘉(そうだ……、アタシはお姉ちゃんを超えなきゃならない)
莉嘉(だったら、今までみたいなお姉ちゃんの真似じゃなくて――まだ、お姉ちゃんもしたことがないようなことを――)
莉嘉(お姉ちゃんのその先を目指さなきゃっ!!)
126: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:34:26.60 ID:ASkrRspOO
莉嘉「話は分かったよ」
莉嘉「でも、現実的な問題として……、そういうホテルって、未成年は入れないんじゃないの……?」
アーニャ「心配ないです。そこは考えてあります」
アーニャ「確かに莉嘉の言う通り、ああいった施設は、未成年が利用することは難しいです」
アーニャ「――では、リカ。ここでちょっと思い出してみてください」
アーニャ「私たちがアイドルとして所属する、この会社の名前はなんですか」
莉嘉「へ?」
莉嘉「そんなの、346プロダクションでしょ?」
莉嘉「346プロ……」
莉嘉「346……『美城』……」
莉嘉「まさかっ!!」
アーニャ「気づいたようですね」
127: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:35:55.43 ID:ASkrRspOO
アーニャ「そうです!」
アーニャ「お城みたいなホテルが使えないのならっ!!」
アーニャ「美城をホテルみたいに使いましょうっ!!!」
莉嘉「あ、アーニャちゃん……天才……!?」
アーニャ「我がロシア連邦の発想力は世界一です!」
アーニャ「こんなこともあろうかと、普段は使われていない一室、そのカギを入手しておきました」チャリ
アーニャ「さあ、リカ! 征くのです!」
アーニャ「二人の愛を無限に繋ぐために」
アーニャ「次のせいこうのために」
アーニャ「次の次のせいこうのために!!」
莉嘉「うん! アタシ行ってくる!」
128: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:37:23.40 ID:ASkrRspOO
――――――
――――
――
未央「うーんと、この部屋かな?」
未央(莉嘉ちーから、呼び出されたけど……、こんな人気のないとこでどうしたんだろ?)
未央(それも、メールや電話じゃなくて、直筆の手紙って……)
未央「莉嘉ちー、いるー?」
ガチャ
129: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:38:32.84 ID:ASkrRspOO
莉嘉「あっ、未央ちゃん。来てくれたんだね」
莉嘉「嬉しい……!」
未央「そりゃ、莉嘉ちーの頼みを無下になんてしないさ」
未央「でも、なんでこんな部屋に呼んだの? 話なら、またいつものカフェで――」
ガチャリ
未央「あれ……? カギかけちゃうの……?」
130: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:39:40.41 ID:ASkrRspOO
未央「あの……、莉嘉ちー……?」
莉嘉「……カフェじゃ、ダメだよ」
莉嘉「こんな風に、未央ちゃんと二人っきりになれる場所じゃなくちゃ」
未央「お、おぉ……」
未央「あ、あはは! 嬉しいこと言ってくれるねー!」
未央「そんなに未央ちゃんのことが恋しくなっちゃったのかな?」
未央「もう、ホントに莉嘉ちーはカワイイ――」
ガバッ
未央「わぁ!?」
どさっ
131: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:40:55.02 ID:ASkrRspOO
未央「り、莉嘉ちー!?」
未央「突然、押し倒してきて、どうし――」
莉嘉「未央ちゃん……」
莉嘉「好きだよ」
未央「へ……?」
莉嘉「未央ちゃんは、アタシのこと、好き?」
未央「う、うん……?」
未央「当たり前じゃん! 大好きだぞ、莉嘉ちー!」
莉嘉「ふふふっ……、そうだよね……」
莉嘉「アタシたち、超ラブラブの相思相愛だもんね」
莉嘉「だから、この先に進んでも……、いいよね?」
未央「こ、この先って……?」
132: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:44:10.55 ID:ASkrRspOO
莉嘉「……未央ちゃんは、どういうのが好きかな?」
莉嘉「例えば――これとかかな?」ブィィイイイイイイイ……
未央「!?」
未央「ちょっ、莉嘉ちー!? そ、そのイボイボで振動してるのって……」
莉嘉「えへへ……! 大丈夫だよ☆」
莉嘉「アタシも未央ちゃんのこと大好きだから!」
莉嘉「だから、いっぱいシて、もっともっと仲良くなろうね!」
133: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:45:05.14 ID:ASkrRspOO
未央「いやいや!」
未央「さ、さすがにそういうのは、違うんじゃないの!?」
莉嘉「そんなことないよ! むしろ、こうならないほうが不思議だって、アーニャちゃんも言ってたもん!!
未央「どういうこと!?」
莉嘉「そっか。いきなりコレは嫌だったよね」
莉嘉「でも安心して? アーニャちゃんに色々貸してもらったから!」
莉嘉「未央ちゃんはどれが気に入るかな?」
莉嘉「これは? こっちはどうかな?」
莉嘉「ふふ……、まあこれから二人で、いっぱいするうちに見つければいいよねっ!!」
未央「ひぃ、ひぃいい……!!」
134: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:45:56.61 ID:ASkrRspOO
未央「ちょ、ちょっと落ち着こうよ!」
未央「莉嘉ちー、当初の目的を見失ってない!?」
莉嘉「そんなことないよ。これでいいの」
莉嘉「……これじゃなきゃダメなの」
莉嘉「お姉ちゃんを振り向かせるために――」
莉嘉「お姉ちゃんに見せつけて、思い知らせるためには、お姉ちゃんたち以上のことをしなくちゃなんだよ!」
135: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:46:58.04 ID:ASkrRspOO
莉嘉「未央ちゃんなら分かってくれるよね!」
莉嘉「協力してくれるよね!」
莉嘉「アタシのお姉ちゃんになってくれるって、言ったもんね!!」
莉嘉「あんなお姉ちゃんと違って、未央ちゃんなら、アタシのこと見てくれるよね!!」
莉嘉「未央ちゃ――」
未央「莉嘉ちー!!」ダキッ
莉嘉「ひゃ!?」
136: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:47:51.10 ID:ASkrRspOO
莉嘉「あ、み、未央ちゃんからしてくれるの……?」
莉嘉「う、うん……、いいよ……」
莉嘉「でも、初めては、優しく――」
未央「ねぇ、莉嘉ちー」
未央「ちょっと聞いてくれる?」
莉嘉「え……?」
137: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:52:23.13 ID:ASkrRspOO
未央「莉嘉ちーはさ――美嘉ねぇが、他の子ばっかり見てて、自分を構ってくれないことが不満なんだよね……?」
未央「自分をちゃんと見てくれないことに、怒ってるんだよね?」
莉嘉「そ、そうだよ……?」
未央「莉嘉ちーのその気持ちは、私も分かるよ。だからこそ、私は協力したんだけどさ……」
未央「でも、莉嘉ちー」
未央「美嘉ねぇが自分を見てくれないって言うけどさ――」
未央「じゃあ、莉嘉ちーは美嘉ねぇのこと、ちゃんと見てる?」
莉嘉「えっ……?」
138: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:53:18.42 ID:ASkrRspOO
莉嘉「な、なんで、アタシの話になるの……?」
莉嘉「い、今はお姉ちゃんが――」
未央「いいから、ちょっと考えてみてよ」
未央「ちょっと思い出してみて?」
莉嘉「お、思い出してって……」
莉嘉「当たり前じゃん! お姉ちゃんのことなら見てるよ。だってアタシたち姉妹だよ!?」
莉嘉「いっつもアタシのこと見てくれないお姉ちゃんを見てて、見せられてて……、それでアタシ、怒ってるんだもんっ!!!」
139: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:55:39.40 ID:ASkrRspOO
莉嘉「そうだよ! お姉ちゃんはいっつもいっつも……!!」
莉嘉「ここ最近だって――」
美嘉『みみみみ、みりあちゃんっ!!』
美嘉『おおお、おはよう!! きょ、今日もカワイイね★』
美嘉『みりあちゃんの可愛さをバッチリ引き出してるよ! アタシが保証するって!!!』
莉嘉「みりあちゃんばっかり見てて、みりあちゃんばっかり褒めて……!」
美嘉『特に莉嘉? アンタ、自分だけどんどんテンポ上げて、みんなとズレてるとことか、まだちょっとあるからね?』
美嘉『そういうところ、今はまだ若いからって許されてるかもだけど、クセになったら直すの大変だよ?』
莉嘉「アタシにはダメ出しばっかり!」
美嘉『あんたのそれは、今朝、慌てて着替えたからでしょうが……』
美嘉『それに着崩すのと着崩れるのは違うの。その辺、莉嘉はもうちょっと勉強が必要だね』
莉嘉「アタシのことなんて、全然褒めてくれなくて……!」
140: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:57:06.70 ID:ASkrRspOO
美嘉『ほら、タイも曲がってるし! だらしないよー』
美嘉『それにダンスだって――アンタ、まだ細かいとこ、テキトーにやる癖が抜けてないでしょ?』
莉嘉「そうだよ! アタシのことは叱ってばっかで……」
莉嘉「……怒って、ばっかで……」
美嘉『今朝だって、アタシが起こしてあげなかったら寝坊確実だったくせに』
莉嘉「それで……それで……」
莉嘉「あれ……」
莉嘉「あれ……?」
未央「………………」
141: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 02:59:56.59 ID:ASkrRspOO
莉嘉「お姉ちゃん……、いっつも朝、起きられないアタシのこと、起こしてくれて……」
莉嘉「アタシが準備できるまで、待っててくれて……」
莉嘉「アタシのダンスやファッションとかも、チェックしてくれて……」
莉嘉「ここ最近、遅くまで起きてるのだって……」
莉嘉「アタシたちのステージの録画、観てたから……」
142: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:00:53.98 ID:ASkrRspOO
莉嘉「お姉ちゃんは……」
莉嘉「お姉ちゃんは、アタシのこといつも見ててくれた……?」
莉嘉「いっつも、アタシのこと……」
未央「うん、そうなんだよ」
未央「おかしいと思ってたんだよね」
未央「あの面倒見のいい美嘉ねぇが、一人の子に構ってばっかりで周りが見えなくなるなんて」
未央「それで大事な妹のことが見えなくなるなんてこと、考えられなかったから」
莉嘉「そんな、アタシ……」
143: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:07:39.75 ID:ASkrRspOO
莉嘉「お姉ちゃんは、ずっとアタシのこと見てて、気にしてくれてたのに……」
莉嘉「どうしよう……」
莉嘉「アタシ……、お姉ちゃんにヒドイこと言っちゃった……」
莉嘉「ヒドイこと、思っちゃった……」グスッ
未央「莉嘉ちー……」
莉嘉「そうだよね……」
莉嘉「妹が、こんな自分勝手で、ワガママじゃ、嫌だもんね……」
莉嘉「アタシなんて、いっつもお姉ちゃんに叱られて、注意されてばっかりで……」
莉嘉「そりゃあ、みりあちゃんみたいな素直でいい子のほうがいいもんね……」
莉嘉「アタシなんて……」グスッ
144: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:10:11.17 ID:ASkrRspOO
未央「莉嘉ちー、美嘉ねぇが、莉嘉ちーを叱ったり注意したりするのが、自分を嫌ってるからだって思ってるの?」
莉嘉「えっ……、違うの……?」
未央「むしろ逆だよ」
未央「美嘉ねぇがそうやって厳しいのは――大切な妹が、ちゃんと成長してほしいって思ってるからじゃないかな」
莉嘉「成長……?」
未央「自分に憧れてアイドルなって、まだまだ未熟なとこも多い妹に――」
未央「悪いところは直して、まだまだのとこは伸ばして、もっともっと技術を磨いて、もっともっと楽しんで――」
未央「人としても、アイドルとしても立派に成長して、輝いてほしい」
未央「そんな願いがあるからじゃないのかな」
未央「私なんかは、莉嘉ちーがカワイイからさ。お願いは聞いちゃうし、したいことには協力しちゃって――目いっぱい、甘やかしちゃうけどさ……」
未央「でも、美嘉ねぇみたいに、悪いところをダメだって、しっかり怒ってくれるっていうのも――優しさだと思う」
莉嘉「お姉ちゃん……」
145: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:11:50.92 ID:ASkrRspOO
莉嘉「未央ちゃん……、アタシ、どうしたらいいかな……」
莉嘉「これから、どうしたら……」
未央「莉嘉ちーはどうしたいの……?」
莉嘉「それは、やっぱり……、謝りたい……」
莉嘉「それで、伝えたいっ!」
莉嘉「『ありがとう』って……!!」
未央「なら、その思いを、素直に言えば――」
莉嘉「でも!」
莉嘉「でも……、今更、そんなこと言ったって、遅すぎるよ……」
莉嘉「きっとお姉ちゃんは、もうアタシのことなんて……」
146: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:13:31.28 ID:ASkrRspOO
未央「――アイドルの美嘉ねぇにはさ、たくさんのファンがいる」
未央「カリスマギャルの美嘉ねぇには、たくさんリスペクトしてる人がいて、モデルの美嘉ねぇはたくさんの人気がある」
未央「先輩アイドルの美嘉ねぇには、私も含め、色んな子が目標にしてるよ」
未央「でもね――」
未央「城ヶ崎美嘉の――その大切な妹は、莉嘉ちーしかいないんだよ」
未央「大事な家族は、莉嘉ちーだけなの」
未央「きっと美嘉ねぇにとって莉嘉ちーは、心に輝く一番星なんじゃないかな」
147: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:16:31.72 ID:ASkrRspOO
未央「家族ってさ、特に莉嘉ちーと美嘉ねぇは、他の人より多くの時間を一緒に過ごしているだろうからさ」
未央「だから、その大切さをうっかり忘れちゃうこともあるかもだけど……」
未央「でも、家族同士が想いを伝え合うのに、遅すぎるなんてことはないんだよ」
未央「いつも一緒にいて、いつも傍にいるからこそ――いつ伝えたっていいの」
莉嘉「み、未央ちゃん……」
未央「確かに、改めてそういうこと伝えるのって、気恥ずかしいってのも分かるけどさ――」
未央「でも、今日私にしようとしてたことに比べたら、全然でしょ……?」ニヤリ
莉嘉「あ、う、うん……」
莉嘉「そだね……///」
未央「ふふふ……」
148: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:17:32.10 ID:ASkrRspOO
未央「行ってきなよ、莉嘉ちー」
未央「お姉ちゃんの未央ちゃんはここまで」
未央「あとは姉妹水入らずで、ね?」
莉嘉「うん……」
莉嘉「ありがとう、未央ちゃん!」
莉嘉「やっぱり、未央ちゃんにお姉ちゃんを頼んで正解だった!」
未央「私も、カワイイ莉嘉ちーが妹で良かったよ」
莉嘉「えへへ☆」
149: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:19:46.09 ID:ASkrRspOO
莉嘉「アタシ、行ってくるっ!」
莉嘉「それで、伝えてくるねっ!!」タッタッタッタッタ
未央「ふぅ……。やれやれ……」
未央「確かに妹の気持ちも……、そしてお姉ちゃんの気持ちも、分かったかもねぇ……」
未央「っと、浸るのはまだ早いか……」ピポパポ……
未央「――あ、もしもし? 新田みなみんさんですか?」
未央「あの、おたくのアナスタシアさんの件なんですが――」
150: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:27:08.38 ID:ASkrRspOO
――翌日――
未央「おはよーございまーす!」ガチャ
島村卯月「あ、未央ちゃん! おはようございます!」
渋谷凛「おはよう、未央」
未央「おはよ、二人とも! 今日も頑張ろうねっ!」
新田美波「全く……。アーニャちゃんに悪気がないのは分かってるけど、だからって、あんまり変なことを他人に教えちゃ駄目だよ?」
アーニャ「イズヴィニーチェ……、ごめんなさい……。反省してます……」シュン
みりあ「ねぇねぇ! ウサミン星って電車で行けるのー? みりあも行きたいなー!」
菜々「いえ、あの……、そのですね……」ダラダラ
きらり「み、みりあちゃんは、もうちょっと大きくなってから、行けると思うにぃ……☆」
美嘉「おはよ、未央」
美嘉「待ってたよ」
未央「美嘉ねぇ? どうしたの?」
美嘉「もう、とぼけないでよ★」
美嘉「お礼、ちゃんと言っとかなくちゃと思ってね」
美嘉「妹のこと……、ううん、アタシのことも含めて――」
美嘉「ありがとう」
美嘉「昨日、莉嘉と話したよ」
美嘉「もう、次から次に、色んなことまくし立ててきてねー」
美嘉「あんな莉嘉、久しぶりに見たかな」
未央「そっかそっか! それは重畳!」
未央「それでそれで? 美嘉ねぇからの謝礼のほうはいかほどで~?」
151: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:28:15.50 ID:ASkrRspOO
美嘉「あはは、そうだね」
美嘉「……ホント未央には、一言だけじゃ感謝し切れないもんね」
未央「じょ、冗談だって! 天下のカリスマギャルにそこまで言われると、逆に困っちゃうよー!」
未央「……莉嘉ちーさ、強がってはいたけど、やっぱり辛そうだったからさ」
未央「だから、また元気になってくれたのなら、私はそれで満足だよ」
美嘉「ふふっ、ありがとう」
152: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:29:19.91 ID:ASkrRspOO
美嘉「――そうだね」
美嘉「そこまで言ってくれるんなら、やっぱりアンタに任せて大丈夫そうだね」
未央「うんうん! 莉嘉ちーは大事な仲間だからね!」
未央「これからも、私にできることなら、なんでも力になるよっ!」
153: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:31:25.61 ID:ASkrRspOO
美嘉「『仲間』ねぇ……」
美嘉「それも悪くはないけど……」
美嘉「でもやっぱり、"これから"のアンタたちの関係を言い表すには、ちょっと合わないんじゃない?」
未央「へ……? これからのって……?」
ガチャ
莉嘉「みんなー、おはよー☆」
美嘉「おっ、噂をすれば……」
154: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:33:01.93 ID:ASkrRspOO
美嘉「ほら莉嘉。未央、もう来てるよー?」
未央「莉嘉ちー、おはよー!」
莉嘉「あ、み、未央ちゃんっ!?」
莉嘉「おおおお――」
莉嘉「おはよう……ございます……」ゴニョゴニョ
未央「あれ? 莉嘉ちー?」
美嘉「こら、莉嘉。何縮こまってんの」
美嘉「昨日、ちゃんと話して、それで決めたでしょ?」
美嘉「未央に、自分の気持ちを伝えるって」
莉嘉「そ、そうだけど……」
155: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:34:24.56 ID:ASkrRspOO
未央「ん? なになに?」
未央「なんの話……?」
美嘉「未央も、何ビミョーにとぼけてんのよ」
未央「へ……?」
美嘉「アンタ、莉嘉と付き合うんでしょ?」
未央「!?」
「「「!?!?!?!?」」」
莉嘉「…………///」カァアアア
156: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:36:16.88 ID:ASkrRspOO
未央「あー、えっと……」
未央「そ、そりゃあね! 莉嘉ちーとはこれからも、大切な仲間として付き合いを――」
美嘉「これからは『恋人』になるんだから、未央もしっかりしてよね」
美嘉「まあ、どっちも女の子だけど……、でも、年上のアンタが引っ張っていくことが多くなると思うし……」
未央「こここ、恋人っ!?」
157: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:38:01.97 ID:ASkrRspOO
未央「あの、莉嘉ちー……?」
未央「これは一体……」
莉嘉「あのね……」
莉嘉「昨日、未央ちゃんに言われた通りに、お姉ちゃんと話して、仲直りできたんだけど――」
莉嘉「そのあとでね、お姉ちゃんに言われたの」
莉嘉「『アンタは、未央のこと、ちゃんと見てる?』って……」
未央「えっ……」
158: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:42:44.75 ID:ASkrRspOO
莉嘉「それでね、改めて考えてみたらね――」
莉嘉「未央ちゃんは、こんなアタシのワガママにも嫌な顔一つせず付き合ってくれて……」
莉嘉「アタシの話を聞いてくれて、アタシのこと見てくれて、アタシのこと考えてくれて……」
莉嘉「アタシのことを導いてくれた……」
莉嘉「あの時の目的は、お姉ちゃんにふくしゅーしてやろうってことだったけどさ……」
莉嘉「それでも、未央ちゃんとお茶したり、お話ししたり、他にもいっぱいいっぱい仲良くしてたあの時間は――すっごく楽しかったの」
莉嘉「さ、最後の、あの部屋の出来事は、勢いに任せただけのことだったんだけど……」
莉嘉「でも、あの時、アタシのことを好きって言ってくれて――やっぱりすごく嬉しかった」
莉嘉「それでやっぱり、アタシも未央ちゃんのこと好きだって、改めて思ったの」
159: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:44:00.38 ID:ASkrRspOO
莉嘉「そんな大好きな未央ちゃんと、これからも、もっと一緒に過ごしたい」
莉嘉「一緒にお花見したり、一緒に花火に行ったり、一緒にお月見したり、一緒にスキーに行ったり――」
莉嘉「いっぱいワクワクして、いっぱいドキドキできる……」
莉嘉「初めてだらけしたいって、思ったんだ……!」
美嘉「うんうん」コクコク
未央「い、いや、そう言ってくれるのはありがたいけど……」
160: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:45:56.07 ID:ASkrRspOO
「ま、まさか未央ちゃんと莉嘉ちゃんが……! お、おめでとう、でいいのかな……?」
「まあ、色々大変だろうけど、私は応援するかな。今度、二人に似合う花でも持ってくるよ」
「アーニャちゃん!? なんで指揮者みたいな動きをしてるの!? やっぱり反省してないでしょ!?」
「いやぁ……、甘酸っぱいですねぇ……。こういうのも青春ですか……」シミジミ
「未央ちゃんと莉嘉ちゃん、どうなるのー?」
「え、えっとね……? 簡単に言うと、未央ちゃんは莉嘉ちゃんのお姉ちゃんになって、それで美嘉ちゃんは未央ちゃんのお義姉ちゃんになるんだにぃ……」
未央「ちょ、ちょっと! みんな待って!?」
161: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:47:15.74 ID:ASkrRspOO
未央「み、美嘉ねぇ!」
未央「み、美嘉ねぇもさ、莉嘉ちーに一旦落ち着くようにって――」
美嘉「――未央」
美嘉「莉嘉はさ――まだまだワガママで、甘えたがりで、子供っぽくて……」
美嘉「アンタにも、いっぱい苦労をかけると思う」
美嘉「でも、それでも、アタシにとっては大切で、かけがえのない妹だから」
未央「いや、あの、美嘉ねぇ……?」
美嘉「だから――」
美嘉「妹を泣かせたら――許さないよ★」ニコッ
未央(逃げ道がねぇ!?)
162: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:48:48.67 ID:ASkrRspOO
莉嘉「――未央ちゃんっ!」ダキッ
未央「り、莉嘉ちー……!?」
莉嘉「不束者ですが――」
莉嘉「これから、末永くよろしくお願いしますね?」
莉嘉「未央お姉ちゃん……、じゃなくて――」
莉嘉「未央お姉さま……///」
未央「莉嘉ちー!? キャラが曲がっていてよー!?」
――――――
――――
――
163: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:55:37.48 ID:ASkrRspOO
――????――
「アナスタシアさん! このたわわなお山はどうしましょう?」
アーニャ「凌辱しなさい。当然です、不健全極まる。手加減なしです」
「ま、待ってください、ありすちゃん、おねが――あぁんっ!!」
「このかわいい唇はどうしよっか、アーニャちゃん」
アーニャ「塞ぎましょう。舌は入れましょう」
「か、加蓮! これはいくらなんでも冗談がすぎ――うむぅ!?」
「こ、この、立ってきた突起は?」
アーニャ「堕としましょう。いい声で歌うように」
「だ、だりー? おいおい、これがお前のロックなの――はうぅ!!」
「こ、この、ヒクヒクしてる穴は、どうしよっか……?」
アーニャ「侵略しなさい」
「お、おいおい小梅……! 目を覚ませ――おほぉ!!!」
アーニャ「目についたものは片端から攻め、目についたものは片端からしゃぶりなさい」
アーニャ「存分に喰い、存分に飲みなさい」
アーニャ「この蕩け切った年上たちは、諸君らのご馳走となり果てるのです」
164: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:56:25.68 ID:ASkrRspOO
アーニャ「♪Welcome to this pussy time――」
アーニャ「♪この爛れた世界へようこそ」
アーニャ「♪君とズッコンバッコン、ズッコンバッコン――」
「あらあら、アーニャちゃん」
165: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:57:09.42 ID:ASkrRspOO
「昨日、あんなにいっぱい、おイタはダメだってお仕置きしてあげたのに……」
「またそんなに調子にのって……」
アーニャ「!!」
166: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 03:58:11.01 ID:ASkrRspOO
「やっぱり全然、反省の色が見えないなぁ……」
「これはもっと――」
「もぉっっと、いじめてあげないと、ダメなのかな……?」ブィィイイイイン
アーニャ「88cm!!」
アーニャ「ウラー! それは素敵ですっ!! 大好きですっ!!」
完
167: ◆qORzIPv9mw 2016/09/27(火) 04:03:50.69 ID:ASkrRspOO
美しい姉妹愛が書きたかっただけ。
肉食系(意味深)な姉妹に振り回され、ミツボシがりゅーせーしちゃう、『よくばりSi☆☆★s』的なウ=ス異本とか出ないですかね。
誤字脱字、予想以上の長さはごめんなさい。
読んでくれてありがとう。
168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 04:08:42.78 ID:A1jpp4TP0
おいおい若干じゃないじゃないか!
紳士としては百合はニガテだけど笑った。
次も楽しみにしてますー。
紳士としては百合はニガテだけど笑った。
次も楽しみにしてますー。
170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 06:40:59.09 ID:sgWz5hIno
りかみお……アリですね
おつおつ
おつおつ
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 07:19:52.96 ID:WxTW+QUuO
乙。りかみおという新ジャンルが良い
しかしアーニャは影響され過ぎだろう…
しかしアーニャは影響され過ぎだろう…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474897072/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
シンジ「半端ないゴールだね」 アスカ「えぇ、半端ないわね」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:16:06.75 ID:ynaXWy870
~ミサトの家~
アスカ「バカシンジィ、何してんの?」
シンジ「んー?ゲームだよ」
アスカ「あんたってゲームするんだ」
シンジ「その言い方酷くない?……..」
アスカ「で、何のゲームしてんの?」
シンジ「ウイニングイレブンっていうゲーム」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:17:20.13 ID:ynaXWy870
アスカ「え!?あんたもウイイレしてたの?」
シンジ「アスカ知ってるの?」
アスカ「当たり前じゃない!!」
シンジ「当たり前って、、、、」
アスカ「私をどこ出身だと思ってるの?」
シンジ「ドイツでしょ」
アスカ「ワールドカップ優勝国よ優勝国!!」
シンジ「わ、わかってるよ。でもアスカがサッカーに興味があるなんて意外だよ」
アスカ「それはこっちのセリフよ。あんたみたいなやつがサッカー好きなんてね」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:19:09.71 ID:ynaXWy870
シンジ「うるさいなぁ」
アスカ「ま、丁度今暇だし、遊んであげてもいいわよ?」
シンジ「対戦したいの?」
アスカ「あんたがぼっちで寂しそうだから仕方なく一緒に遊んであげるの」
シンジ「ホントは対戦したいだけのくせに」
アスカ「っさいわねぇ!!今PSP持ってくるから待ってなさいよ!」
シンジ「わかったよ……..」
アスカ「何ため息ついてんの!!」
シンジ「ご、ごめん」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:21:14.75 ID:ynaXWy870
アスカ「でも寂しいわよねぇ~、PSPが製造中止になるからPSP版ウイイレはこの2014で最後なのよね」
シンジ「うん、僕の長年使ってきたPSPが…………」
アスカ「あんたも分かるのね、この気持ち」
シンジ「もちろんだよ」
アスカ「さ、感傷に浸ってないでやるわよ!舐めたプレーしたらこ〇すから!」
シンジ「切り替え早いなぁ」
アスカ「私は過去のことなんてどうでもいい女なの!」
シンジ「なんだよそれ……そういえばアスカは好きなチームとかあるの?」
アスカ「フフ、愚問ね……………バイエルンに決まってるじゃない!!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:42:45.67 ID:ynaXWy870
シンジ「そ、そっか。まあ強いもんね」
アスカ「そういうあんたは好きなチームあるわけ?」
シンジ「僕は特に無いんだけどね、でも日本人が所属しているチームは応援したくなるよ」
アスカ「ったくつまんない男ねぇ。あ、ロードできた」
シンジ「つまんないってなんだよ。それで、どのチームで対戦するの?」
アスカ「最初は代表戦に決まってるじゃない!」
シンジ「ドイツ対日本か~、勝てる気しないよ…………」
アスカ「フフフ、私のドイツ代表は最強だから見てなさいよ」
シンジ「アスカがどれくらい上手いかわかんないけど、僕もやりこんでるから意地を見せないと」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:44:37.55 ID:ynaXWy870
アスカ「(早くボコボコにして落ち込む顔が見たいわ~)」
シンジ「それじゃ、始めようか」
アスカ「フフ、あんたフォーメーションそのままなのね」
シンジ「まあね、そういうアスカは................!?」
アスカ「どうしたのバカシンジ?」ニヤニヤ
シンジ「なんだよ、このバルサのパクリフォーメーションは................4-3-3でCBはフンメルスとボア天狗、サイドはシュメルツァーとラーム、アンカーにシュバインシュタイガー、真ん中にミュラーとギュンドアン、最前列をゲッツェ、エジル、ロイスでSTにしてるじゃないか!!こんなの強すぎるよ!」
アスカ「そうよ!絶対に現実では無理でもウイイレだと最強になる、これが醍醐味なのよ!」
シンジ「アスカがそこまでするなんて思ってなかったよ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:46:03.72 ID:ynaXWy870
アスカ「天才の私を舐めてもらっちゃ困るわね」
シンジ「そもそもドイツ代表はウイイレ2014だと強すぎるよ........................」
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
シンジ「そうだけどさぁ、全体的にもっさりしてるからなぁ日本代表の能力値.....................」
アスカ「愚図ってないでやるわよ!」
シンジ「分かったよ....................というかなんでそんなに寄ってくるんだよ」
アスカ「あ、あんたが不正しないかどうか見るためよ!!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:48:12.11 ID:ynaXWy870
シンジ「そんなことしないよ...................(アスカの実力を見てみるか)」
試合中
シンジ「..........................5対1.......................」
アスカ「あ~、楽しかったわ~!!」
シンジ「チートすぎるよ」
アスカ「ま、私から1点奪えたのは褒めてやるわ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:50:43.04 ID:ynaXWy870
シンジ「パスとドリブルの速さが違い過ぎるよ」
アスカ「男なんだから言い訳なんかするんじゃないわよ、しょうがないから次は好きなチーム同士で勝負してやってもいいわよ」
シンジ「わかったよ.............................(よしっ、僕のレアルでアスカを完膚なきまでに叩きのめしてやる)」
アスカ「私はもちろんバイエルンを使うわ!!!(バカシンジの実力は大した事なさそうだし、どのチームでも勝てそうだわ)」
シンジ「僕はレアル使うからね(どうせ馬鹿にしてるんだろうな)」ニヤニヤ
アスカ「ふんっ、日本人所属のチームが好きなんじゃなかったの?」
シンジ「今はゲームだから関係ないよ、アスカ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:52:44.79 ID:ynaXWy870
アスカ「まあいいわ、あんたが銀河系使おうがたかが知れてるわ。どうせクリロナとベイルに頼るクソサッカーするんでしょ」
シンジ「勝手に言ってればいいよ」
アスカ「さ、やるわよ!!」
シンジ「うん」
アスカ「ん?あんただってレアルの布陣バルサのパクッてるじゃない」チラチラ
シンジ「まあね、こうした方が強いんだ(CMFになってるモドリッチとディマリアをOMFにした4-1-2-3の僕のチートチームさ)」
アスカ「ま、そんな小細工私には通用しないけどね」
シンジ「よーし頑張るぞ~(虐殺ショーの始まりだぁ)」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:55:59.21 ID:ynaXWy870
試合中
ジョンカビラ「ゴーーーーーーール、クリスティアーノ・ロナウド~!!」
アスカ「チッ、バカシンジのくせに!!!」
シンジ「あはは...................」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 20:57:50.46 ID:ynaXWy870
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーール!!!」
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーール!!!!これでハットトリック!!」
アスカ「........................................」カチャカチャ
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーーーール!!」「ゴーーーーール!!」........................
ジョンカビラ「ここで試合終了~!!!7対0!!!いや~北澤さん、大差がついた試合になってしまいましたね~」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:01:02.79 ID:ynaXWy870
アスカ「..................................」プルプル
シンジ「いや~楽しかったよ!(あ、やばい、泣きそうになってる)」
アスカ「..........................あんたさっき手加減してたわけ?...........................」グスッ
シンジ「て、手加減なんてしてないよ、今回はすごい調子が良かったていうかなんていうか....................................」
アスカ「嘘つきっ!もうバカシンジなんて知らないっ!」ダッ
シンジ「あ、待ってアスカ!」
バンッ
シンジ「やっちゃったよ........................謝ろう」
シンジ「いや~楽しかったよ!(あ、やばい、泣きそうになってる)」
アスカ「..........................あんたさっき手加減してたわけ?...........................」グスッ
シンジ「て、手加減なんてしてないよ、今回はすごい調子が良かったていうかなんていうか....................................」
アスカ「嘘つきっ!もうバカシンジなんて知らないっ!」ダッ
シンジ「あ、待ってアスカ!」
バンッ
シンジ「やっちゃったよ........................謝ろう」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:31:52.30 ID:ynaXWy870
トントン
シンジ「アスカ~」
アスカ「うるさい!」
シンジ「入るよ」ガラ
アスカ「何勝手に入ってんのよ!変態!痴漢!!」
シンジ「わ、悪かったよ」
アスカ「私を笑いに来たわけ?」
シンジ「違うよ、手加減してたこと謝ろうと思って」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:34:10.18 ID:ynaXWy870
アスカ「やっぱりしてたんじゃない!最低ッ」
シンジ「ごめんよ」
アスカ「早く出てきなさいよ」
シンジ「アスカ、今日のブンデスの試合一緒に見ようよ」
アスカ「いや」
シンジ「アイス買ってくるから」
アスカ「...................................」
>>15 確かにそうですね!でもここでは一応2014ってことになってるんでご勘弁を
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:35:27.58 ID:ynaXWy870
シンジ「アスカがサッカー好きだって知って嬉しかったんだ」
アスカ「..........................................」
シンジ「もうゲームのことは忘れて一緒に見ようよ」
アスカ「.........................ハーゲンダッツ」
シンジ「え?」
アスカ「ハーゲンダッツ買ってきなさいよ..........................」
シンジ「あ、ありがとうアスカ、すぐに買ってくるね!」ダッ
ガチャ
アスカ「..........................バカ.................」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:36:48.60 ID:ynaXWy870
~夜~
シンジ「アスカ~、そろそろ始まるよ~」
アスカ「分かってるっての、そんなことより早くハーゲンダッツ持ってきなさいよ!」
シンジ「はいはい」
アスカ「ほんとにとろいんだからぁ」
シンジ「お、始まった......................そんなに寄ってこなくても」
アスカ「見えづらいんだからいいでしょ!いちいちうるさいわねぇ」
ガチャ
ミサト「ただいま~、ってさすがに寝てるか」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:41:00.69 ID:ynaXWy870
ミサト「ん?シンちゃんの部屋から何か聞こえる」
ガラ
ミサト「シンちゃんまだ寝てなかったの?」
シンジ・アスカ「!?」ビクッ
ミサト「これはどういうことかしら~」ニヤニヤ
シンジ「サ、サッカーを観てるんですよ」
アスカ「そうよ!サッカー観戦!!!」
ミサト「サッカーなんて興味あったのね、意外だわ。それにしても二人で観てるなんてねぇ」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:43:58.08 ID:ynaXWy870
シンジ「えぇ、まぁ、今日色々あって」
アスカ「もうその話はいいっての」
シンジ「う、うん」
ミサト「まぁ、いいわ。それに、パイロット同士が仲良くなるのはいいことだしね」
シンジ「はい」
ミサト「そんじゃ、邪魔者は退散しなくちゃね!二人とも明日の朝ちゃんと起るのよ」
アスカ「言われなくても分かってるっての!!!」
シンジ「おやすみなさい、ミサトさん」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:49:30.82 ID:ynaXWy870
ガラ
アスカ「ミサトはいつもうるさいわねぇ」
シンジ「あはは」
アスカ「あ、ゴール決まった」
シンジ「おぉ!半端ないゴールだね」
アスカ「えぇ、半端ないわね」
~完~
読んでくれた方、ありがとうございます
アスカと一緒にサッカー見たいよぉ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473422075/
前書いたやつでです
興味があれば読んでください
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:51:55.66 ID:kbbiM3uq0
最近の大迫半端ないよな
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:55:52.40 ID:8jemlUEkO
と言っても前節だけだけどな
本当にヤバいのは原口
本当にヤバいのは原口
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:56:31.18 ID:L0RyHWcMO
乙!他の人達のも見たかったけどw
つか昨日の試合見て書いたろw
つか昨日の試合見て書いたろw
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 21:58:37.85 ID:ykwyPW1ZO
乙
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
現実でも歴代最強だろ!W杯で一番結果出した岡ちゃんもそう言ってるんだから間違いない!
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
現実でも歴代最強だろ!W杯で一番結果出した岡ちゃんもそう言ってるんだから間違いない!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474888566/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
武内P「これは……私の抱き枕?」
1: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 19:59:22.11 ID:Pq23FA/x0
・アニメ基準
・武内Pもの
・BAD END
武内P「これは……」
武内P(CPルームに入るとソファに抱き枕が置いてありました)
武内P(いったい誰の物だろうかと近づいてみると、カバーには私の姿が……)
武内P(羞恥に染まる顔を横に向け、ネクタイがほどけかかっている状態です)
武内P(驚きは――ありません。あまりの現実離れした光景に、まるで夢でも見ているかのような感覚です)
ポフッ
武内P(……この柔らかな感触。まごうことなき枕です)
武内P(こんな異常なモノは枕などという日常の物ではなく、理解の及ばない未知の物質であった方が受け入れやすかったかもしれませんが……)
武内P(ん……? 枕から甘い匂い……これは、女性用のシャンプー?)
武内P(持ち上げてみてわかりました。これには……裏がある)
武内P(心拍数が上がったことが、胸に手をあてたわけでもないのにわかります。私以外誰もいない部屋で、時計の針と心臓の音だけが鳴り響いていく)
武内P(決意したわけではなく、わなわなとふるえる手が勝手に少しずつ枕の裏をのぞかせる。この場の異様な空気がそうさせたのか、はたまた緊張に耐えかねた心臓が命じたのか)
クルッ
武内P(そこにはシャツのボタンを全てはずし、こちらに向けて両手を伸ばす私の姿が――――)
武内P「~~~~~ッ!!?」
武内P(……気がつけば枕をソファに投げ捨て、全身から汗を噴き出しながら片膝を着いていました)
武内P(枕の裏にあるものがおぞましいものであることは覚悟していました。しかしそこにあったものは私の想像の範疇を超えて余りあるもので――――)
武内P(呼吸が何とか落ち着きハンカチで首をぬぐっていると、ある疑問が今頃になってわいてきました)
武内P「いったい誰の物……それにこの商品レベルのつくり……誰が何の目的で……私への嫌がらせぐらいにしか意味はないでしょうに」
タッタッタッタッタッ
武内P「!?」
武内P(誰かが走ってくる!? もしかすると持ち主の方でしょうか。ここは隠れて様子を――)スゥ
・武内Pもの
・BAD END
武内P「これは……」
武内P(CPルームに入るとソファに抱き枕が置いてありました)
武内P(いったい誰の物だろうかと近づいてみると、カバーには私の姿が……)
武内P(羞恥に染まる顔を横に向け、ネクタイがほどけかかっている状態です)
武内P(驚きは――ありません。あまりの現実離れした光景に、まるで夢でも見ているかのような感覚です)
ポフッ
武内P(……この柔らかな感触。まごうことなき枕です)
武内P(こんな異常なモノは枕などという日常の物ではなく、理解の及ばない未知の物質であった方が受け入れやすかったかもしれませんが……)
武内P(ん……? 枕から甘い匂い……これは、女性用のシャンプー?)
武内P(持ち上げてみてわかりました。これには……裏がある)
武内P(心拍数が上がったことが、胸に手をあてたわけでもないのにわかります。私以外誰もいない部屋で、時計の針と心臓の音だけが鳴り響いていく)
武内P(決意したわけではなく、わなわなとふるえる手が勝手に少しずつ枕の裏をのぞかせる。この場の異様な空気がそうさせたのか、はたまた緊張に耐えかねた心臓が命じたのか)
クルッ
武内P(そこにはシャツのボタンを全てはずし、こちらに向けて両手を伸ばす私の姿が――――)
武内P「~~~~~ッ!!?」
武内P(……気がつけば枕をソファに投げ捨て、全身から汗を噴き出しながら片膝を着いていました)
武内P(枕の裏にあるものがおぞましいものであることは覚悟していました。しかしそこにあったものは私の想像の範疇を超えて余りあるもので――――)
武内P(呼吸が何とか落ち着きハンカチで首をぬぐっていると、ある疑問が今頃になってわいてきました)
武内P「いったい誰の物……それにこの商品レベルのつくり……誰が何の目的で……私への嫌がらせぐらいにしか意味はないでしょうに」
タッタッタッタッタッ
武内P「!?」
武内P(誰かが走ってくる!? もしかすると持ち主の方でしょうか。ここは隠れて様子を――)スゥ
2: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:00:13.83 ID:Pq23FA/x0
ガチャバターンッ!!
未央「ハッ……ハッ……ま、間に合った!?」
武内P(ま、まさか……)
未央「良かった~、ちゃんとあるし誰もいないし。プロデューサーに見つかったらって考えただけでも冷や冷やもんだったよ」
武内P(ありえない……本田さんがなぜ)
凛「ちょっと未央。廊下をあんなに勢いよく走ってどうしたの」
未央「げ、しぶりん」
凛「げってなに……未央、その枕は?」
未央「え、えっとその~」
武内P(渋谷さんもこられましたか。渋谷さんが本田さんに枕について詳しく訊いてくれるのなら助か――)
凛「Pグッズを事務所で楽しむときは個室でカギをかけるっていう決まりでしょ」ガチャ
武内P「」
未央「ごめんね。色々あってバタバタしちゃってさ。次からはちゃんと気をつけるから☆」
凛「しっかりしてよね。一人でもバレたら芋づる式になりかねないんだから」
未央「しぶりんは一人だけでも芋づる式って表現できるぐらい抱えてるけどね」
凛「それより早くそれ隠して。卯月が待ってるよ」
未央「アイアイサー!」
ギィー、ゴソゴソ、ギィー……ガチャ、バタン
武内P「……………………いったい、何が起きているのでしょうか」
未央「ハッ……ハッ……ま、間に合った!?」
武内P(ま、まさか……)
未央「良かった~、ちゃんとあるし誰もいないし。プロデューサーに見つかったらって考えただけでも冷や冷やもんだったよ」
武内P(ありえない……本田さんがなぜ)
凛「ちょっと未央。廊下をあんなに勢いよく走ってどうしたの」
未央「げ、しぶりん」
凛「げってなに……未央、その枕は?」
未央「え、えっとその~」
武内P(渋谷さんもこられましたか。渋谷さんが本田さんに枕について詳しく訊いてくれるのなら助か――)
凛「Pグッズを事務所で楽しむときは個室でカギをかけるっていう決まりでしょ」ガチャ
武内P「」
未央「ごめんね。色々あってバタバタしちゃってさ。次からはちゃんと気をつけるから☆」
凛「しっかりしてよね。一人でもバレたら芋づる式になりかねないんだから」
未央「しぶりんは一人だけでも芋づる式って表現できるぐらい抱えてるけどね」
凛「それより早くそれ隠して。卯月が待ってるよ」
未央「アイアイサー!」
ギィー、ゴソゴソ、ギィー……ガチャ、バタン
武内P「……………………いったい、何が起きているのでしょうか」
3: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:01:16.52 ID:Pq23FA/x0
※ ※ ※
武内P「双葉さん、お話があるのですがいいでしょうか?」
杏「えー、週休八日にするって? まいったなー、けどプロデューサーの命令じゃ仕方ないなー」
武内P「その……真面目な話なのですが」
杏「ん?」
杏(プロデューサーの顔が青ざめている。ここ最近の勤務時間は一時期と比べて落ち着いてるし、今朝顔を合わせた時は問題があるようには見えなかった。それにさっきから視線が一ヶ所に定まってなくて落ち着きが無い。っていうかドア閉めているのに背後気にしすぎ)この間0,2秒
杏(ハハーン。ということはつまり――)
杏「しょうがないなあ。話長くなりそ?」
武内P「……双葉さんがこれからする私の話に心当たりがなければ、すぐに終わる話です」
杏「じゃあ長くなるか。疲れそうだからちょっと待ってて。出すものがあるから」
武内P「……はい?」
杏「どっこいしょ」
つ 腕枕
武内P「」
杏「これね、本物みたいな弾力があって肘関節もちゃんと曲がるから、座りながらアゴ乗せたり、横に人が座っているみたいに体を預けられて便利なんだよ。こんな風に」ポフッ
武内P「か……肩から先だけの、枕ででですか。斬新? ですね?」
杏「そだね。でも杏は気に入ってるから、今みたいに長く座る時に愛用してるよ」
武内P「ちなみに……その腕のモデルは?」
杏「見覚えのある腕だと思わない?」
武内P「ええ……悲しいことに」
杏「誰がやらかしちゃったか知らないけど、Pグッズの存在を知ったんでしょ?」
武内P「はい。ただ、誰がどのようにしてPグッズという物を所有しているのかほとんど検討がつかないので、双葉さんにうかがうことにしました」
杏「そっかー。困ったときに真っ先に頼る相手に杏を選んだわけかー、ふふん♪」
武内P「その……双葉さん?」
杏「まあ正しい判断だと思うよ。全体を把握しきれているのは杏を含めて数人だし、杏以外のアイドルに訊いても……美波はうまくけむに巻くだろうし、一部のアイドルは下手に追い詰めたら――あ、うん。なんでもないから」
武内P(いったい何が起きえたのでしょう……)
杏「まあ本当に最初が杏でよかったよ。ねえ、プロデューサー」
杏「見なかったことにできない?」
双葉杏
http://i.zazen-inc.com/idol/l/2519a9de93e6cf2e5fee9e4cb9776afe.jpg
本田未央
http://image01.seesaawiki.jp/u/n/unkochan/d52e6543fceec9ab.jpg
武内P「双葉さん、お話があるのですがいいでしょうか?」
杏「えー、週休八日にするって? まいったなー、けどプロデューサーの命令じゃ仕方ないなー」
武内P「その……真面目な話なのですが」
杏「ん?」
杏(プロデューサーの顔が青ざめている。ここ最近の勤務時間は一時期と比べて落ち着いてるし、今朝顔を合わせた時は問題があるようには見えなかった。それにさっきから視線が一ヶ所に定まってなくて落ち着きが無い。っていうかドア閉めているのに背後気にしすぎ)この間0,2秒
杏(ハハーン。ということはつまり――)
杏「しょうがないなあ。話長くなりそ?」
武内P「……双葉さんがこれからする私の話に心当たりがなければ、すぐに終わる話です」
杏「じゃあ長くなるか。疲れそうだからちょっと待ってて。出すものがあるから」
武内P「……はい?」
杏「どっこいしょ」
つ 腕枕
武内P「」
杏「これね、本物みたいな弾力があって肘関節もちゃんと曲がるから、座りながらアゴ乗せたり、横に人が座っているみたいに体を預けられて便利なんだよ。こんな風に」ポフッ
武内P「か……肩から先だけの、枕ででですか。斬新? ですね?」
杏「そだね。でも杏は気に入ってるから、今みたいに長く座る時に愛用してるよ」
武内P「ちなみに……その腕のモデルは?」
杏「見覚えのある腕だと思わない?」
武内P「ええ……悲しいことに」
杏「誰がやらかしちゃったか知らないけど、Pグッズの存在を知ったんでしょ?」
武内P「はい。ただ、誰がどのようにしてPグッズという物を所有しているのかほとんど検討がつかないので、双葉さんにうかがうことにしました」
杏「そっかー。困ったときに真っ先に頼る相手に杏を選んだわけかー、ふふん♪」
武内P「その……双葉さん?」
杏「まあ正しい判断だと思うよ。全体を把握しきれているのは杏を含めて数人だし、杏以外のアイドルに訊いても……美波はうまくけむに巻くだろうし、一部のアイドルは下手に追い詰めたら――あ、うん。なんでもないから」
武内P(いったい何が起きえたのでしょう……)
杏「まあ本当に最初が杏でよかったよ。ねえ、プロデューサー」
杏「見なかったことにできない?」
双葉杏
http://i.zazen-inc.com/idol/l/2519a9de93e6cf2e5fee9e4cb9776afe.jpg
本田未央
http://image01.seesaawiki.jp/u/n/unkochan/d52e6543fceec9ab.jpg
4: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:02:28.56 ID:Pq23FA/x0
武内P「……アイドルが強く男を匂わせる物を持つのは避けてもらいたいのです。もちろん全て禁止するつもりはありませんが……さすがに、私の抱き枕は」
杏「ああ、よりにもよって最初に見たのが抱き枕だったんだ。あれはけっこう上……上の方? だから? そこまで深刻じゃないよ?」
武内P「あれより上があるということですか……」ハァ
杏「ほら、プロデューサーの精神衛生上よくないからさ。考えるの止めようよ」
武内P「私が気になっているのはもう一つあります。それは誰がつくり、そしてどれだけアイドルの皆さんからお金を取っているかです」
杏「やっぱそっちにも考えがいくよねー。皆売れてきて財布に余裕があるから、買い手が限定されていて多売できないという点を差し引いても、けっこうぼったくってるよ」
杏「まあ出来がいいから皆文句言ってないけどさ。ちなみにこの腕枕は2万5千円だよ」
武内P「……やはり製造元にあたり、このような法外な値段を取るいかがわしいことは止めてもらわなければなりません。双葉さん、どのようにして腕枕を購入したのですか?」
杏「購入ルートを調べても無駄だよ。直接顔を合わせない方法で商品をやり取りして、連絡や振り込みは海外経由」
杏「調べるだけ無駄で危険かもしんないことやめて、アイドルのモチベが上がるならそれでいいやって軽く受け止めない?」
武内P(あれでなぜモチベーションが上がるのでしょうか。いえ、今はそのことよりも――――)
武内P「……双葉さん。貴方は誰が販売しているのかご存じなのでは?」
杏「杏が? 何で?」
武内P「先ほど貴方はご自分のことを『全体を把握しきれている数人のうちの一人』と言いました」
杏「別にー。ただ誰が何をどれだけ持っているか、ある程度知ってるって意味で言っただけだよ」
武内P「それは違います。双葉さんがこの怪しい商売の存在をいつ知ったかはわかりません。ですがこの商売の消費者になることで、仲間であるアイドルが弱みを握られることを懸念しなかったとは思えません」
杏「……」
武内P「表に出すことは嫌いますが、貴方は思慮深く、そして仲間想いです。貴方は販売ルートを調べ安全を確認済みです。違いますか?」
杏「違うに決まってるじゃん。杏が販売ルートを確認した理由は単に、もし悪質な商品を握らされた時は殴り込みに行こうと思っていただけだから」
武内P「そういうことにしておきましょう」フフッ
杏「あ、その顔なんなのさ! 腹立つなー、もう」
武内P「も、申し訳ありません」サスリサスリ
杏「ああ、よりにもよって最初に見たのが抱き枕だったんだ。あれはけっこう上……上の方? だから? そこまで深刻じゃないよ?」
武内P「あれより上があるということですか……」ハァ
杏「ほら、プロデューサーの精神衛生上よくないからさ。考えるの止めようよ」
武内P「私が気になっているのはもう一つあります。それは誰がつくり、そしてどれだけアイドルの皆さんからお金を取っているかです」
杏「やっぱそっちにも考えがいくよねー。皆売れてきて財布に余裕があるから、買い手が限定されていて多売できないという点を差し引いても、けっこうぼったくってるよ」
杏「まあ出来がいいから皆文句言ってないけどさ。ちなみにこの腕枕は2万5千円だよ」
武内P「……やはり製造元にあたり、このような法外な値段を取るいかがわしいことは止めてもらわなければなりません。双葉さん、どのようにして腕枕を購入したのですか?」
杏「購入ルートを調べても無駄だよ。直接顔を合わせない方法で商品をやり取りして、連絡や振り込みは海外経由」
杏「調べるだけ無駄で危険かもしんないことやめて、アイドルのモチベが上がるならそれでいいやって軽く受け止めない?」
武内P(あれでなぜモチベーションが上がるのでしょうか。いえ、今はそのことよりも――――)
武内P「……双葉さん。貴方は誰が販売しているのかご存じなのでは?」
杏「杏が? 何で?」
武内P「先ほど貴方はご自分のことを『全体を把握しきれている数人のうちの一人』と言いました」
杏「別にー。ただ誰が何をどれだけ持っているか、ある程度知ってるって意味で言っただけだよ」
武内P「それは違います。双葉さんがこの怪しい商売の存在をいつ知ったかはわかりません。ですがこの商売の消費者になることで、仲間であるアイドルが弱みを握られることを懸念しなかったとは思えません」
杏「……」
武内P「表に出すことは嫌いますが、貴方は思慮深く、そして仲間想いです。貴方は販売ルートを調べ安全を確認済みです。違いますか?」
杏「違うに決まってるじゃん。杏が販売ルートを確認した理由は単に、もし悪質な商品を握らされた時は殴り込みに行こうと思っていただけだから」
武内P「そういうことにしておきましょう」フフッ
杏「あ、その顔なんなのさ! 腹立つなー、もう」
武内P「も、申し訳ありません」サスリサスリ
5: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:03:50.61 ID:Pq23FA/x0
杏「まったく……けどねプロデューサー。杏は教える気はないよ。理由はさっき言った通り調べても無駄で危険だから」
武内P「しかし――」
杏「安全は確認したよ。『アイドル』にとっては安全だったよ」
武内P「それは……どういう意味でしょうか?」
杏「これ以上は教えらんないよ。下手に情報流してプロデューサーが危ない目にあったらたまったもんじゃないし」
杏「プロデューサーもここら辺で手を引こうよ。アイドルにとっては安全な事は杏が保障するから。そりゃあ勝手に自分を使ってあんな商売されたら気持ち悪いかもしんないけど、さわらぬ神にたたりなしだよ」
武内P(双葉さんがここまで言うとは……おそらく忠告に従うのが賢いのでしょう)
武内P(しかしこんな方法でアイドルの皆さんを食い物にすることなど、決して許すわけには……っ)
杏「……言っても無駄か」ハァ
武内P「忠告を無視してしまい、申し訳ありません」
杏「いいよ。杏は別に、プロデューサーの堅物なところ嫌いじゃないから」
杏「けど真相には近づけたくないから販売元もPグッズ所有者も教えないよ。まあPグッズの回収には応じてあげるけどね」
武内P「よろしいのですか……?」
杏「これを腕枕にしてお昼寝するの最高なんだけど……まあ仕方ないでしょ」
武内P「ご協力感謝します。2万5千円でしたね?」
杏「え、お金くれるの?」
武内P「はい。お金を出して購入した物を回収させてもらうのですから当然のことです」
杏「あー、うん。まあ別にこれは言ってもいいかな?」
武内P「?」
杏「Pグッズを持ってるアイドルは軽く20人以上いてね」
武内P「……はい?」
杏「杏は腕枕一個しか買ってないけど……凄い人はすげえ金額の物をたまらん量購入してるよ」
武内P「た、たとえば……?」
杏「プロデューサーが見た抱き枕は確か3~4万円だったと思うけど、値段だけでいうと中の上レベルだよ」
武内P「」
杏「回収するたびにお金払ってたら数百万……いやもっといくよ」
武内P「これは……いったいどうしたものでしょうか」
杏(ティンときた)
武内P「しかし――」
杏「安全は確認したよ。『アイドル』にとっては安全だったよ」
武内P「それは……どういう意味でしょうか?」
杏「これ以上は教えらんないよ。下手に情報流してプロデューサーが危ない目にあったらたまったもんじゃないし」
杏「プロデューサーもここら辺で手を引こうよ。アイドルにとっては安全な事は杏が保障するから。そりゃあ勝手に自分を使ってあんな商売されたら気持ち悪いかもしんないけど、さわらぬ神にたたりなしだよ」
武内P(双葉さんがここまで言うとは……おそらく忠告に従うのが賢いのでしょう)
武内P(しかしこんな方法でアイドルの皆さんを食い物にすることなど、決して許すわけには……っ)
杏「……言っても無駄か」ハァ
武内P「忠告を無視してしまい、申し訳ありません」
杏「いいよ。杏は別に、プロデューサーの堅物なところ嫌いじゃないから」
杏「けど真相には近づけたくないから販売元もPグッズ所有者も教えないよ。まあPグッズの回収には応じてあげるけどね」
武内P「よろしいのですか……?」
杏「これを腕枕にしてお昼寝するの最高なんだけど……まあ仕方ないでしょ」
武内P「ご協力感謝します。2万5千円でしたね?」
杏「え、お金くれるの?」
武内P「はい。お金を出して購入した物を回収させてもらうのですから当然のことです」
杏「あー、うん。まあ別にこれは言ってもいいかな?」
武内P「?」
杏「Pグッズを持ってるアイドルは軽く20人以上いてね」
武内P「……はい?」
杏「杏は腕枕一個しか買ってないけど……凄い人はすげえ金額の物をたまらん量購入してるよ」
武内P「た、たとえば……?」
杏「プロデューサーが見た抱き枕は確か3~4万円だったと思うけど、値段だけでいうと中の上レベルだよ」
武内P「」
杏「回収するたびにお金払ってたら数百万……いやもっといくよ」
武内P「これは……いったいどうしたものでしょうか」
杏(ティンときた)
6: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:04:52.79 ID:Pq23FA/x0
杏「あのさ、プロデューサー」
武内P「はい。何か良い案があるのですか?」
杏「杏はね、これに腕枕してもらいながらお昼寝するのが大のお気に入りなんだ。できればお金という形で代償をもらうより、同じぐらいの充足感を得たいよ」
武内P「なるほど……お金ではなく満足度という形で等しいモノを用意すると」
杏「そゆこと。で、杏は腕枕でお昼寝を気に入ってるわけだから――」チラー
武内P「……?」
武内P「………………!?」
杏「できれば毎日腕枕で寝たいけど、まあオリジナルの価値を考えると週に一度腕枕でお昼寝させてもらえれば……ね?」
武内P「そ、それはいくらなんでも……」
杏「ダメ?」
武内P「年頃の女性が……それもアイドルが男に腕枕をしてもらうというのは」
杏「そっかー……残念だなぁ」シュン
武内P「うっ」
杏「あ、そうだ! ひざだよひざ! ひざ枕ならいいでしょ!?」
武内P「ひざ……ですか? 確かに腕枕より問題はないでしょうが……」
杏「いいでしょ? 杏がプロデューサーにひざ枕してもらってても、仲の良い親子にしか見えないよ。問題なんか無いよね?」
武内P「し、しかし……」
杏「ひざ! ひーざー!」
武内P「……わかり、ました」
杏「本当!? やったやった♪ じゃあこれから週一でプロデューサーにひざ枕してもらえる代わりにこれあげるね」
つ 腕枕
武内P「ええ……ありがとうございます」
杏「ちなみにね、プロデューサー」
武内P「はい、なんでしょう」
杏「杏は最初っからひざ枕が目当てだったから」
武内P「…………え?」
武内P「はい。何か良い案があるのですか?」
杏「杏はね、これに腕枕してもらいながらお昼寝するのが大のお気に入りなんだ。できればお金という形で代償をもらうより、同じぐらいの充足感を得たいよ」
武内P「なるほど……お金ではなく満足度という形で等しいモノを用意すると」
杏「そゆこと。で、杏は腕枕でお昼寝を気に入ってるわけだから――」チラー
武内P「……?」
武内P「………………!?」
杏「できれば毎日腕枕で寝たいけど、まあオリジナルの価値を考えると週に一度腕枕でお昼寝させてもらえれば……ね?」
武内P「そ、それはいくらなんでも……」
杏「ダメ?」
武内P「年頃の女性が……それもアイドルが男に腕枕をしてもらうというのは」
杏「そっかー……残念だなぁ」シュン
武内P「うっ」
杏「あ、そうだ! ひざだよひざ! ひざ枕ならいいでしょ!?」
武内P「ひざ……ですか? 確かに腕枕より問題はないでしょうが……」
杏「いいでしょ? 杏がプロデューサーにひざ枕してもらってても、仲の良い親子にしか見えないよ。問題なんか無いよね?」
武内P「し、しかし……」
杏「ひざ! ひーざー!」
武内P「……わかり、ました」
杏「本当!? やったやった♪ じゃあこれから週一でプロデューサーにひざ枕してもらえる代わりにこれあげるね」
つ 腕枕
武内P「ええ……ありがとうございます」
杏「ちなみにね、プロデューサー」
武内P「はい、なんでしょう」
杏「杏は最初っからひざ枕が目当てだったから」
武内P「…………え?」
7: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/24(土) 20:05:55.16 ID:Pq23FA/x0
杏「腕枕はいくらなんでも無理なことぐらいわかるよ。けどプロデューサーは杏が腕枕がダメで落ち込んだフリしたのを見て罪悪感を覚えたよね」
武内P「え、ええ。その通りです」
杏「二度も続けて断るなんてこと、優しいプロデューサーにできっこないからね。さっきの形にもっていかれた時点でプロデューサーの負けだよ」
杏「プロデューサーが打つべきだった手は、腕枕を拒否しつつ『プロデューサーの方から』代案を出す。とっさに考えがでないなら携帯が震えたフリでもしてその場を離れて、後日プロデューサーの方から話を切り出す。重要なことは主導権を握り続けること。プロデューサーってば押しに弱いから」
武内P「……なるほど」
杏「もし受けに回って逃げることもできないなら、徹底して話の趣旨をずらして『負けない戦い』をするように」
杏「気をつけてねプロデューサー。杏がさっき使ってたテクぐらい、Pグッズの所有者は息を吸うように自然とやってくるから」
武内P「双葉さん……本当に、ありがとうございます」
杏「……お礼を言うぐらいなら諦めてほしいんだけどなあ」
武内P「……申し訳ありません」
杏「ああ、もう。謝んなくていいから。ほら、行った行った」
武内P「ええ。それでは失礼します」
ガチャ、バタン
杏「なんだろうこの感覚……HFルートでライダーの協力無しで最終決戦に向かう士郎を見送るような……まったくもう!」
杏「杏は面倒なのは嫌いなのに」
ガチャ、バタン ペタペタペタ
武内P「え、ええ。その通りです」
杏「二度も続けて断るなんてこと、優しいプロデューサーにできっこないからね。さっきの形にもっていかれた時点でプロデューサーの負けだよ」
杏「プロデューサーが打つべきだった手は、腕枕を拒否しつつ『プロデューサーの方から』代案を出す。とっさに考えがでないなら携帯が震えたフリでもしてその場を離れて、後日プロデューサーの方から話を切り出す。重要なことは主導権を握り続けること。プロデューサーってば押しに弱いから」
武内P「……なるほど」
杏「もし受けに回って逃げることもできないなら、徹底して話の趣旨をずらして『負けない戦い』をするように」
杏「気をつけてねプロデューサー。杏がさっき使ってたテクぐらい、Pグッズの所有者は息を吸うように自然とやってくるから」
武内P「双葉さん……本当に、ありがとうございます」
杏「……お礼を言うぐらいなら諦めてほしいんだけどなあ」
武内P「……申し訳ありません」
杏「ああ、もう。謝んなくていいから。ほら、行った行った」
武内P「ええ。それでは失礼します」
ガチャ、バタン
杏「なんだろうこの感覚……HFルートでライダーの協力無しで最終決戦に向かう士郎を見送るような……まったくもう!」
杏「杏は面倒なのは嫌いなのに」
ガチャ、バタン ペタペタペタ
77: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:18:22.96 ID:kGAioRXy0
※ ※ ※
スタスタ、スタスタ
武内P(こうやってPグッズである腕枕を私が持ち歩いているのを見れば、心当たりのある人間は動揺するはず)
まゆP(何やってんだアイツ……今度部長に有給取らせるように頼まねえと)
???「あ、CPのプロデューサーさんこんにちンンッ!?」
武内P(この声は……ッ!)
加蓮「ケホッ……ッ……むせっ」
武内P「北条さん、大丈夫ですか」サスリサスリ
加蓮「……!? う、うん。少し楽になってきたかな?」
武内P「そうですか。最近お体の具合は良いと聞いていたのですが……最近忙しくなったせいもあるのでしょう。気をつけて――」スゥ
加蓮「ケホッ……ンッ……」
武内P「北条さん!?」サスリサスリ
加蓮「あー……プロデューサーさんの手、おっきくて温かくて落ち着く……」
武内P「そ、そうですか。とりあえずいったん、あそこの椅子に座りましょうか」
加蓮「……うん」ギュッ
武内P「ほ、北条さん?」
加蓮「肩……貸してほしいかな?」
武内P「わ、わかりました」
加蓮「ありがとうプロデューサーさん。……うん、プロデューサーさんってばたくましいから体を思い切り寄せても安心できるよ」ムニュウ
武内P「……」
武内P(心頭を滅却すれば火もまた涼し、心頭を滅却すれば火もまた涼し。体調が悪い北条さんが私を信じて体を預けてくれているのです。邪な考えなど消してしまわなければ)
加蓮(表情が固まったかと思ったら今度はどこか遠くを見たりしちゃって。動揺してるのがバレバレでおかしいなあ。ホント、凛が羨ましい)
ギシッ
武内P「何か飲み物を持ってきましょうか」
加蓮「ううん。少し休めば大丈夫だよ。……でも、できればもう少し落ち着くまで、プロデューサーさんがそばにいてくれたら嬉しいな」
武内P「私でよければ」
加蓮「もう。プロデューサーさんがいいんだよ」
武内P「は、はあ」
加蓮「ふふ」
北条加蓮
http://s.eximg.jp/exnews/feed/Appget/Appget_News_161269_9.png
スタスタ、スタスタ
武内P(こうやってPグッズである腕枕を私が持ち歩いているのを見れば、心当たりのある人間は動揺するはず)
まゆP(何やってんだアイツ……今度部長に有給取らせるように頼まねえと)
???「あ、CPのプロデューサーさんこんにちンンッ!?」
武内P(この声は……ッ!)
加蓮「ケホッ……ッ……むせっ」
武内P「北条さん、大丈夫ですか」サスリサスリ
加蓮「……!? う、うん。少し楽になってきたかな?」
武内P「そうですか。最近お体の具合は良いと聞いていたのですが……最近忙しくなったせいもあるのでしょう。気をつけて――」スゥ
加蓮「ケホッ……ンッ……」
武内P「北条さん!?」サスリサスリ
加蓮「あー……プロデューサーさんの手、おっきくて温かくて落ち着く……」
武内P「そ、そうですか。とりあえずいったん、あそこの椅子に座りましょうか」
加蓮「……うん」ギュッ
武内P「ほ、北条さん?」
加蓮「肩……貸してほしいかな?」
武内P「わ、わかりました」
加蓮「ありがとうプロデューサーさん。……うん、プロデューサーさんってばたくましいから体を思い切り寄せても安心できるよ」ムニュウ
武内P「……」
武内P(心頭を滅却すれば火もまた涼し、心頭を滅却すれば火もまた涼し。体調が悪い北条さんが私を信じて体を預けてくれているのです。邪な考えなど消してしまわなければ)
加蓮(表情が固まったかと思ったら今度はどこか遠くを見たりしちゃって。動揺してるのがバレバレでおかしいなあ。ホント、凛が羨ましい)
ギシッ
武内P「何か飲み物を持ってきましょうか」
加蓮「ううん。少し休めば大丈夫だよ。……でも、できればもう少し落ち着くまで、プロデューサーさんがそばにいてくれたら嬉しいな」
武内P「私でよければ」
加蓮「もう。プロデューサーさんがいいんだよ」
武内P「は、はあ」
加蓮「ふふ」
北条加蓮
http://s.eximg.jp/exnews/feed/Appget/Appget_News_161269_9.png
78: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:19:57.96 ID:kGAioRXy0
武内P「……実は北条さんにお聞きしたいことがあるので、このままここでお話をさせてもらってもいいでしょうか?」
加蓮「え、何かなー」
加蓮(この腕枕……誰から回収したものなんだろ? 腕枕だけ買うニッチなアイドル……杏ちゃん?)
武内P「この腕枕……Pグッズというものの一つらしいのですが」
加蓮(でも杏ちゃんならプロデューサーさんをいくらでもごまかせたはず。それなのに素直に渡した?)
武内P「聞くところによると、そのPグッズをアイドルの皆さんに法外な値段で売りつけている人たちがいるそうです」
加蓮(あ……最初に杏ちゃんのPグッズを回収しようとしたから応じたんだ。一番に味方になって好感度を上げる。やるなあ杏ちゃん)
武内P「アイドルの皆さんがこのような物を持つのはよくないことです」
加蓮(となると、ここで私がPグッズを渡さないのはまずいか。素直に協力してくれた杏ちゃんの後だとことさらイメージが悪い)
武内P「私はこのPグッズを回収しながら販売者を特定し、このような商売を止めさせ、可能な限り購入者に返金させようと思っています」
加蓮(ばれずにずっと隠し続ける手もあるけど、後になってばれるリスクを考えると……でもただで手放すのはやだなあ)
武内P「北条さんはPグッズを持っている人や販売者に心当たりはありませんか?」
加蓮(ただで? 杏ちゃんもただで手放した? ……ちょっと突いてみようかな)
武内P「……北条さん?」
加蓮「あ、ごめんなさい。最初はびっくりしたけどその腕枕、けっこういい出来だなって思って。いくらしたんだろ?」
武内P「なんでも、2万5千円もしたそうです」
加蓮「へえー、そんなに! これ持っていた人よく手放してくれたね? うまく返金できるかわからないのに」
武内P「え、ええ。まあ、そうですね」
加蓮(このぎこちない反応……ビンゴッ!!)
加蓮「ふう……あ、いつの間にか汗かいてた」
武内P「空調の効いた部屋でそれはいけませんね。ハンカチは持っていますか?」
加蓮「大丈夫だよ。汗を拭くには大きいけど、レッスン後のシャワーのためにバスタオルがあるから」
つ 武内P萌え萌えバスタオル
武内P「」
加蓮「このデザイン私気に入ってるんだ。ベッドの上の寝起きでまだ目がさめきってないプロデューサーさん。大人の色気たっぷりだよ」フキフキ
武内P「あの……その」
加蓮「ん、なあに?」フキフキ
武内P「北条さんも持って……いえ、その前にもう汗は拭き終わりましたね? その……目の前で私が写ったもので、体を拭くのはやめてほしいのですが……」
加蓮「あ、ごめんね。でも私、いっっっつもシャワーやお風呂の後、このバスタオルを体に巻いてるんだよ」
武内P「は……はい」
加蓮「そのバスタオルを回収したいんだよね?」
武内P「え、ええ」
加蓮「かぐの?」
武内P「……今、何と?」
加蓮「この私が使い込んだ萌え萌えバスタオルをかいじゃうの?」
武内P「……かぎません」
加蓮「夜、使う?」
武内P「使いませんっ!」
加蓮「え、何かなー」
加蓮(この腕枕……誰から回収したものなんだろ? 腕枕だけ買うニッチなアイドル……杏ちゃん?)
武内P「この腕枕……Pグッズというものの一つらしいのですが」
加蓮(でも杏ちゃんならプロデューサーさんをいくらでもごまかせたはず。それなのに素直に渡した?)
武内P「聞くところによると、そのPグッズをアイドルの皆さんに法外な値段で売りつけている人たちがいるそうです」
加蓮(あ……最初に杏ちゃんのPグッズを回収しようとしたから応じたんだ。一番に味方になって好感度を上げる。やるなあ杏ちゃん)
武内P「アイドルの皆さんがこのような物を持つのはよくないことです」
加蓮(となると、ここで私がPグッズを渡さないのはまずいか。素直に協力してくれた杏ちゃんの後だとことさらイメージが悪い)
武内P「私はこのPグッズを回収しながら販売者を特定し、このような商売を止めさせ、可能な限り購入者に返金させようと思っています」
加蓮(ばれずにずっと隠し続ける手もあるけど、後になってばれるリスクを考えると……でもただで手放すのはやだなあ)
武内P「北条さんはPグッズを持っている人や販売者に心当たりはありませんか?」
加蓮(ただで? 杏ちゃんもただで手放した? ……ちょっと突いてみようかな)
武内P「……北条さん?」
加蓮「あ、ごめんなさい。最初はびっくりしたけどその腕枕、けっこういい出来だなって思って。いくらしたんだろ?」
武内P「なんでも、2万5千円もしたそうです」
加蓮「へえー、そんなに! これ持っていた人よく手放してくれたね? うまく返金できるかわからないのに」
武内P「え、ええ。まあ、そうですね」
加蓮(このぎこちない反応……ビンゴッ!!)
加蓮「ふう……あ、いつの間にか汗かいてた」
武内P「空調の効いた部屋でそれはいけませんね。ハンカチは持っていますか?」
加蓮「大丈夫だよ。汗を拭くには大きいけど、レッスン後のシャワーのためにバスタオルがあるから」
つ 武内P萌え萌えバスタオル
武内P「」
加蓮「このデザイン私気に入ってるんだ。ベッドの上の寝起きでまだ目がさめきってないプロデューサーさん。大人の色気たっぷりだよ」フキフキ
武内P「あの……その」
加蓮「ん、なあに?」フキフキ
武内P「北条さんも持って……いえ、その前にもう汗は拭き終わりましたね? その……目の前で私が写ったもので、体を拭くのはやめてほしいのですが……」
加蓮「あ、ごめんね。でも私、いっっっつもシャワーやお風呂の後、このバスタオルを体に巻いてるんだよ」
武内P「は……はい」
加蓮「そのバスタオルを回収したいんだよね?」
武内P「え、ええ」
加蓮「かぐの?」
武内P「……今、何と?」
加蓮「この私が使い込んだ萌え萌えバスタオルをかいじゃうの?」
武内P「……かぎません」
加蓮「夜、使う?」
武内P「使いませんっ!」
79: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:21:06.28 ID:kGAioRXy0
加蓮「わかってる、わかってるってば。顔真っ赤にしてうつむいちゃって。歳下のアイドルにこんなに振り回されたらダメだよ、ふふ」
武内P「そう思うのでしたら、心臓に悪い冗談はやめていただきたいのですが……」
加蓮「えー。だって私、CPの娘たちと違ってプロデューサーさんとお話できる機会少ないんだもん。ちょっとぐらいスキンシップが激しくてもいいでしょ?」
武内P(いったいどういう理屈なんでしょうか……?)
武内P「ンンッ……北条さんが持っているPグッズはバスタオルだけでしょうか?」
加蓮「そうだよ。凛とちがっ……あ、なんでもない、なんでもない。一枚7800円でお買い得だったんだ」
武内P「先ほども申しましたように、アイドルがそのような物を持つのはよくありません。回収に協力してもらえませんか?」
加蓮「……あのね、プロデューサーさん。私はこれ体を拭く以外にも使ってるの」
武内P「何にでしょうか?」
加蓮「私今でこそ体もだいぶよくなったけど、それでも時々寝込んだりするんだ」
武内P「……」
加蓮「お母さんや友達が看病してくれるけど、いつもいつもそばに誰かがいてくれるなんて無理でしょ。無理なんだけど……無性に寂しくなることもあって」
加蓮「そういう時に、枕元にこのバスタオルを置いておくと――担当でない私まで温かく見守ってくれているプロデューサーさんの姿があると、すごく落ち着くの」
加蓮「プロデューサーさんがバスタオルを回収する事情はわかるし協力するけど……ちょっぴり、寂しくなるかな」
武内P「北条さん……」
加蓮「だから、もしプロデューサーさんがよければ――」
武内P(待て、この流れは――)
杏『重要なことは主導権を握り続けること。プロデューサーってば押しに弱いから』
武内P「……ッ!」
加蓮「私が体調崩して寝込んでだら『そうですね。そのような時は渋谷さんや神谷さんとご一緒にお見舞いに行かせていただきます』……え?」
武内P「病は気からとも言います。気が沈んでいては回復も弱まるでしょう。私でよければ皆さんと一緒にうかがわせていただきます」
加蓮「あ……うん。とっても嬉しい……かな」
加蓮(あれれ? 確かにお見舞いの約束をとりつけようと思ってはいたけど、こういうほんわかしたのじゃなくてもっと甘々な内容――汗かいちゃった私の背中をプロデューサーさんが拭いてくれたり、アーンしてもらったりするつもりだったのに)
加蓮(……まあこれはこれでありだし、妥協点としては悪くないか)
加蓮(女の子の私室に入れてさえすればこっちのものだし、なんなら凛と奈緒と手を組んで――ふふ)
武内P(おかしい……うまく切り抜けたはずなのに、首の皮一枚つながったにすぎないような気が)
武内P「そう思うのでしたら、心臓に悪い冗談はやめていただきたいのですが……」
加蓮「えー。だって私、CPの娘たちと違ってプロデューサーさんとお話できる機会少ないんだもん。ちょっとぐらいスキンシップが激しくてもいいでしょ?」
武内P(いったいどういう理屈なんでしょうか……?)
武内P「ンンッ……北条さんが持っているPグッズはバスタオルだけでしょうか?」
加蓮「そうだよ。凛とちがっ……あ、なんでもない、なんでもない。一枚7800円でお買い得だったんだ」
武内P「先ほども申しましたように、アイドルがそのような物を持つのはよくありません。回収に協力してもらえませんか?」
加蓮「……あのね、プロデューサーさん。私はこれ体を拭く以外にも使ってるの」
武内P「何にでしょうか?」
加蓮「私今でこそ体もだいぶよくなったけど、それでも時々寝込んだりするんだ」
武内P「……」
加蓮「お母さんや友達が看病してくれるけど、いつもいつもそばに誰かがいてくれるなんて無理でしょ。無理なんだけど……無性に寂しくなることもあって」
加蓮「そういう時に、枕元にこのバスタオルを置いておくと――担当でない私まで温かく見守ってくれているプロデューサーさんの姿があると、すごく落ち着くの」
加蓮「プロデューサーさんがバスタオルを回収する事情はわかるし協力するけど……ちょっぴり、寂しくなるかな」
武内P「北条さん……」
加蓮「だから、もしプロデューサーさんがよければ――」
武内P(待て、この流れは――)
杏『重要なことは主導権を握り続けること。プロデューサーってば押しに弱いから』
武内P「……ッ!」
加蓮「私が体調崩して寝込んでだら『そうですね。そのような時は渋谷さんや神谷さんとご一緒にお見舞いに行かせていただきます』……え?」
武内P「病は気からとも言います。気が沈んでいては回復も弱まるでしょう。私でよければ皆さんと一緒にうかがわせていただきます」
加蓮「あ……うん。とっても嬉しい……かな」
加蓮(あれれ? 確かにお見舞いの約束をとりつけようと思ってはいたけど、こういうほんわかしたのじゃなくてもっと甘々な内容――汗かいちゃった私の背中をプロデューサーさんが拭いてくれたり、アーンしてもらったりするつもりだったのに)
加蓮(……まあこれはこれでありだし、妥協点としては悪くないか)
加蓮(女の子の私室に入れてさえすればこっちのものだし、なんなら凛と奈緒と手を組んで――ふふ)
武内P(おかしい……うまく切り抜けたはずなのに、首の皮一枚つながったにすぎないような気が)
83: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:22:15.67 ID:kGAioRXy0
加蓮「それじゃあバスタオルは今日レッスン終わってから使うから、今度家にあるのと一緒に持ってくるね」
武内P「ご協力感謝します。……ところで、全部で何枚なのですか?」
加蓮「使用していたのが4枚。観賞用・保存用が1枚ずつだよ」
武内P(観賞? 保存?)
武内P「6枚も購入されていたということは5万近い金額ですね……可能な限り返金できるよう販売元と掛け合おうと思うのですが、販売元について何かご存じの点はありますか?」
加蓮「うーん。誰だったか海外経由だとか何とか言ってたけど、難しそうな話だったから聞き流しちゃった」
武内P「そうですか。では他にPグッズを持っている人について心当たりはありますか?」
加蓮「控え室とかで堂々と見せる娘もいれば、持っていること自体隠そうとしてる娘もいるよ。まあ私がハッキリわかってることは――」
加蓮「CPは全員持ってるよ」
武内P「…………………はい?」
加蓮「だから、CPの人たちは全員Pグッズ持ってるよ」
武内P「…………赤城さんや、城ヶ崎さんも……ですか?」
加蓮「うん。前にみりあちゃんが二頭身プロデューサー人形を抱えているの見たことあるから」
武内P「私が二頭身の……人形?」
加蓮「そうそう。けっこうデフォルメされてて、ぴにゃこら太みたいなぶさカワイイ感じだったよ」
武内P「なるほど。そういった物ならば特に問題は――」
加蓮「で、莉嘉ちゃんは萌えTシャツでレッスン受けてたし」
武内P「」
加蓮「蘭子ちゃんなら、禍々しき霊気を感じるって言いそうな……プロデューサーさん?」
武内P「……だ、大丈夫です。城ヶ崎さんは……独特の感性と、背伸びしたい年頃なんです。きっと……一時の気の迷いで、私とお姉さんが軽く注意さえすれば何の問題も……」
加蓮(実はお姉さんはPグッズ購入額ランキングトップ3なんだけど……うん、ここは黙っといてあげよう)
武内P「ご協力ありがとうございました。CPのアイドルたちは明日集まる機会があるのでその時に回収するとして、今日は引き続き腕枕を持ち歩いてPグッズ所有者を探したいと思います」
加蓮「私もそうだったけど、プロデューサーさんがPグッズ持ち歩いてるの見たらバレたって焦るから良い手だと思うよ。頑張ってね」
加蓮(無関係な人から怪しい目で見られるけど)
武内P「ご協力感謝します。……ところで、全部で何枚なのですか?」
加蓮「使用していたのが4枚。観賞用・保存用が1枚ずつだよ」
武内P(観賞? 保存?)
武内P「6枚も購入されていたということは5万近い金額ですね……可能な限り返金できるよう販売元と掛け合おうと思うのですが、販売元について何かご存じの点はありますか?」
加蓮「うーん。誰だったか海外経由だとか何とか言ってたけど、難しそうな話だったから聞き流しちゃった」
武内P「そうですか。では他にPグッズを持っている人について心当たりはありますか?」
加蓮「控え室とかで堂々と見せる娘もいれば、持っていること自体隠そうとしてる娘もいるよ。まあ私がハッキリわかってることは――」
加蓮「CPは全員持ってるよ」
武内P「…………………はい?」
加蓮「だから、CPの人たちは全員Pグッズ持ってるよ」
武内P「…………赤城さんや、城ヶ崎さんも……ですか?」
加蓮「うん。前にみりあちゃんが二頭身プロデューサー人形を抱えているの見たことあるから」
武内P「私が二頭身の……人形?」
加蓮「そうそう。けっこうデフォルメされてて、ぴにゃこら太みたいなぶさカワイイ感じだったよ」
武内P「なるほど。そういった物ならば特に問題は――」
加蓮「で、莉嘉ちゃんは萌えTシャツでレッスン受けてたし」
武内P「」
加蓮「蘭子ちゃんなら、禍々しき霊気を感じるって言いそうな……プロデューサーさん?」
武内P「……だ、大丈夫です。城ヶ崎さんは……独特の感性と、背伸びしたい年頃なんです。きっと……一時の気の迷いで、私とお姉さんが軽く注意さえすれば何の問題も……」
加蓮(実はお姉さんはPグッズ購入額ランキングトップ3なんだけど……うん、ここは黙っといてあげよう)
武内P「ご協力ありがとうございました。CPのアイドルたちは明日集まる機会があるのでその時に回収するとして、今日は引き続き腕枕を持ち歩いてPグッズ所有者を探したいと思います」
加蓮「私もそうだったけど、プロデューサーさんがPグッズ持ち歩いてるの見たらバレたって焦るから良い手だと思うよ。頑張ってね」
加蓮(無関係な人から怪しい目で見られるけど)
87: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:23:04.48 ID:kGAioRXy0
※ ※ ※
武内P(あれから警備の人に捕まること2回……まさか社内で捕まる日が来るとは思っていませんでした)
武内P(北条さん以外見つけていませんが、今日はこのぐらいで――)
幸子「考え込んでどうしたんですかプロデューサーさん? ハハーン? KBYDルームの近くまで来たものの、カワイイボクに会うのが今さらになって恥ずかしゲフンゲフンちょっと何持ってバレ嘘くぁwせdrftgyふじこlp」
武内P(北条さんと違ってわかりやすいですね……)
武内P「輿水さん、お話があるのですがよろしいでしょうか?」
幸子「ぼ、ボクに話があると!? ま、まあプロデューサーさんには昔お世話になりましたし、カワイイボクは寛大ですから普段なら忙しくても時間を割いてあげますが、今日は――」
友紀「幸子ちゃーん。鈴木のポスター貼りたいからこのタペストリーどかしていい?」
幸子「友紀さあああああああああんっ!?」
つ 武内P萌え萌えタペストリー
武内P(私が鏡の前でネクタイを締めている光景ですか……こういうのに慣れてきたのが少し悲しいような気が)
友紀「あ、CPのプロデューサーいたんだ。アッハッハッハッハ。ご、ごめんね幸子ちゃん」
幸子「ち、違いますからねプロデューサーさん! こ、これは……ほらアレですよ! 驚いたことにPグッズを買うアイドルが多いから、元担当として一つも買わないのは悪い気がしたんです! それだけです!」
友紀「え? でもちょっと前までKBYDルームの八割はキャッツ関係だったのに、今じゃ八割がPグッズで――」
幸子「何で言うんですか!? というかそのポスターキャッツの鈴木さんじゃなくて広島の鈴木さんじゃないですか!?」
友紀「チッチッチ。甘いね幸子ちゃん。よくこのポスターを見なよ」
幸子「はあ?」
武内P「……キャッツのユニフォームを着ているコラージュですね」
幸子「はあ!?」
友紀「ほら、広島はイキのいい若手が何人もいるのに、キャッツは今一つでしょ? 球界の盟主であるキャッツの不振は球界全体のマイナスだから、今年優勝して余裕のある広島はキャッツに鈴木を移籍させるべきそうすべき。だからあるべき姿を形にしてみたんだ♪」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「野村も魅力的だけど、今キャッツが解決しなきゃならないのは貧打だからね! そういった意味だと菊池も捨てがた――」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「さ、幸子ちゃん……?」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「ええっと……もしかして、おこなの?」
幸子「そんな理由で……プロデューサーさんに、よりによってプロデューサーさんにバレてしまって……!」
幸子「う、うう――――」
幸子「うわああああああんっ!」
輿水幸子
http://deresute-japan.com/wp-content/uploads/2015/11/sachiko01.jpg
姫川友紀
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/watari800/20130522/20130522181234.jpg
武内P(あれから警備の人に捕まること2回……まさか社内で捕まる日が来るとは思っていませんでした)
武内P(北条さん以外見つけていませんが、今日はこのぐらいで――)
幸子「考え込んでどうしたんですかプロデューサーさん? ハハーン? KBYDルームの近くまで来たものの、カワイイボクに会うのが今さらになって恥ずかしゲフンゲフンちょっと何持ってバレ嘘くぁwせdrftgyふじこlp」
武内P(北条さんと違ってわかりやすいですね……)
武内P「輿水さん、お話があるのですがよろしいでしょうか?」
幸子「ぼ、ボクに話があると!? ま、まあプロデューサーさんには昔お世話になりましたし、カワイイボクは寛大ですから普段なら忙しくても時間を割いてあげますが、今日は――」
友紀「幸子ちゃーん。鈴木のポスター貼りたいからこのタペストリーどかしていい?」
幸子「友紀さあああああああああんっ!?」
つ 武内P萌え萌えタペストリー
武内P(私が鏡の前でネクタイを締めている光景ですか……こういうのに慣れてきたのが少し悲しいような気が)
友紀「あ、CPのプロデューサーいたんだ。アッハッハッハッハ。ご、ごめんね幸子ちゃん」
幸子「ち、違いますからねプロデューサーさん! こ、これは……ほらアレですよ! 驚いたことにPグッズを買うアイドルが多いから、元担当として一つも買わないのは悪い気がしたんです! それだけです!」
友紀「え? でもちょっと前までKBYDルームの八割はキャッツ関係だったのに、今じゃ八割がPグッズで――」
幸子「何で言うんですか!? というかそのポスターキャッツの鈴木さんじゃなくて広島の鈴木さんじゃないですか!?」
友紀「チッチッチ。甘いね幸子ちゃん。よくこのポスターを見なよ」
幸子「はあ?」
武内P「……キャッツのユニフォームを着ているコラージュですね」
幸子「はあ!?」
友紀「ほら、広島はイキのいい若手が何人もいるのに、キャッツは今一つでしょ? 球界の盟主であるキャッツの不振は球界全体のマイナスだから、今年優勝して余裕のある広島はキャッツに鈴木を移籍させるべきそうすべき。だからあるべき姿を形にしてみたんだ♪」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「野村も魅力的だけど、今キャッツが解決しなきゃならないのは貧打だからね! そういった意味だと菊池も捨てがた――」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「さ、幸子ちゃん……?」
幸子「何言ってるんですか……?」
友紀「ええっと……もしかして、おこなの?」
幸子「そんな理由で……プロデューサーさんに、よりによってプロデューサーさんにバレてしまって……!」
幸子「う、うう――――」
幸子「うわああああああんっ!」
輿水幸子
http://deresute-japan.com/wp-content/uploads/2015/11/sachiko01.jpg
姫川友紀
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91: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:23:55.14 ID:kGAioRXy0
ポカポカ、ポカポカ
友紀「ちょっ、幸子ちゃんごめんってば。痛い痛い痛いから」
武内P「こ、輿水さん。落ち着かれてください」
幸子「ゆきゅしゃんののバカビャカバカ! キャッツにゃんてCSで横浜にこてんぴゃんに負けちゃえ!」
友紀「あーもう。あたしが悪かったって、ほら」ギュウ
幸子「なっ! なにしゅるんですか、グス」
友紀「よしよし、よしよし」
幸子「……ふん」
友紀「プロデューサードン引きしないであげてね。去年担当が代わったころ幸子ちゃん寂しくて様子がおかしくなったんだよ」
武内P「そう、だったのですか……?」
幸子「ぐすっ……」
友紀「プロデューサーは担当代わったころ色々あって大変だったからわからないだろうけどさ。この子ってば甘えん坊なのに強がりだし、そのうえ気も遣うから余裕が無かったプロデューサーに顔を出しに行くことすら我慢しちゃって」
幸子「ゆ、友紀さん。ちょっと……」
友紀「はーい、ここはお姉さんに任せて幸子ちゃんは黙ってようね?」ナデナデ
幸子「……任せてダメだったら、マダガスカルへのロケ代わってもらいますからね」
友紀「アハハハ。キャッツが日本一になる瞬間をこの目で見るためにも、失敗は許されないか」
友紀「ん、そういえばプロデューサー何それ? 変なの持ってるけど」
武内P「今私はPグッズを回収していまして、これはその一つです」
友紀「あー、なるほど。アイドルが持ってたら色々と問題があるもんね。じゃあ幸子ちゃんからも回収したいんだ」
武内P「はい。最終的には販売元に返品して返金を願いたいと考えていますが、今の段階では難しいと思われます」
友紀「プロデューサーの立場と考えはわかるけど……幸子ちゃん、寂しさを紛らわすためにたくさん買ってKBYDルームと自室に飾りまくってるんだよ。それがいきなり無くなったら幸子ちゃん悲しいだろうし、お金だって返金できなきゃシャレになんない金額だよ。いくらだと思う?」
武内P「そうですね……30万ほどでしょうか?」
友紀「全っ然! そんなもんじゃないから。タペストリーやポスターを壁のいたるところに貼りまくったうえに、Pグッズじゃないけどでっかいコレクションケース買って、そこにプロデューサーのフィギュアをずらっと並べてるんだから」
幸子「~~~~~っ///」
武内P「フィギュアというと……私の人形でしょうか?」
友紀「そうそう。スーツが着脱できたり水着姿、ホスト風なやつとか全種類を自宅とこっちに一つずつ買っちゃって。2~3万するのを36個買ったわけだね。そんでもって4~5千円するポスターやタペストリーをだいたい30枚ぐらいだから合計で……100万いっちゃうね」
武内P「」
幸子「あ……あうあう///」
友紀「いくらプロデューサーが正しいとはいっても、これだけのものを返金されないリスクがあるのにただで渡すわけにはいかないかなーって」
武内P「……それは重々承知しています。ですので、私ができることがあれば可能な限り協力したいと思っています」
友紀「なーんだ! さすが幸子ちゃんの元担当。話がわかるじゃん。じゃあ手始めに毎週幸子ちゃんと――」
幸子「ん」クイクイ
友紀「え、どったの? 今からちゃんとふっかけるから。福留ばりの銭闘で自費キャンプも辞さない覚悟だよ」
幸子「その――――――」ゴニョゴニョゴニョ
友紀「え!? それだけでいいの? それにプラスして担当を元に戻すとか、両親に会うとか、毎週金曜の夜はナイター観戦とかつけようよ」
幸子「///」
友紀「ちょっ、幸子ちゃんごめんってば。痛い痛い痛いから」
武内P「こ、輿水さん。落ち着かれてください」
幸子「ゆきゅしゃんののバカビャカバカ! キャッツにゃんてCSで横浜にこてんぴゃんに負けちゃえ!」
友紀「あーもう。あたしが悪かったって、ほら」ギュウ
幸子「なっ! なにしゅるんですか、グス」
友紀「よしよし、よしよし」
幸子「……ふん」
友紀「プロデューサードン引きしないであげてね。去年担当が代わったころ幸子ちゃん寂しくて様子がおかしくなったんだよ」
武内P「そう、だったのですか……?」
幸子「ぐすっ……」
友紀「プロデューサーは担当代わったころ色々あって大変だったからわからないだろうけどさ。この子ってば甘えん坊なのに強がりだし、そのうえ気も遣うから余裕が無かったプロデューサーに顔を出しに行くことすら我慢しちゃって」
幸子「ゆ、友紀さん。ちょっと……」
友紀「はーい、ここはお姉さんに任せて幸子ちゃんは黙ってようね?」ナデナデ
幸子「……任せてダメだったら、マダガスカルへのロケ代わってもらいますからね」
友紀「アハハハ。キャッツが日本一になる瞬間をこの目で見るためにも、失敗は許されないか」
友紀「ん、そういえばプロデューサー何それ? 変なの持ってるけど」
武内P「今私はPグッズを回収していまして、これはその一つです」
友紀「あー、なるほど。アイドルが持ってたら色々と問題があるもんね。じゃあ幸子ちゃんからも回収したいんだ」
武内P「はい。最終的には販売元に返品して返金を願いたいと考えていますが、今の段階では難しいと思われます」
友紀「プロデューサーの立場と考えはわかるけど……幸子ちゃん、寂しさを紛らわすためにたくさん買ってKBYDルームと自室に飾りまくってるんだよ。それがいきなり無くなったら幸子ちゃん悲しいだろうし、お金だって返金できなきゃシャレになんない金額だよ。いくらだと思う?」
武内P「そうですね……30万ほどでしょうか?」
友紀「全っ然! そんなもんじゃないから。タペストリーやポスターを壁のいたるところに貼りまくったうえに、Pグッズじゃないけどでっかいコレクションケース買って、そこにプロデューサーのフィギュアをずらっと並べてるんだから」
幸子「~~~~~っ///」
武内P「フィギュアというと……私の人形でしょうか?」
友紀「そうそう。スーツが着脱できたり水着姿、ホスト風なやつとか全種類を自宅とこっちに一つずつ買っちゃって。2~3万するのを36個買ったわけだね。そんでもって4~5千円するポスターやタペストリーをだいたい30枚ぐらいだから合計で……100万いっちゃうね」
武内P「」
幸子「あ……あうあう///」
友紀「いくらプロデューサーが正しいとはいっても、これだけのものを返金されないリスクがあるのにただで渡すわけにはいかないかなーって」
武内P「……それは重々承知しています。ですので、私ができることがあれば可能な限り協力したいと思っています」
友紀「なーんだ! さすが幸子ちゃんの元担当。話がわかるじゃん。じゃあ手始めに毎週幸子ちゃんと――」
幸子「ん」クイクイ
友紀「え、どったの? 今からちゃんとふっかけるから。福留ばりの銭闘で自費キャンプも辞さない覚悟だよ」
幸子「その――――――」ゴニョゴニョゴニョ
友紀「え!? それだけでいいの? それにプラスして担当を元に戻すとか、両親に会うとか、毎週金曜の夜はナイター観戦とかつけようよ」
幸子「///」
95: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/25(日) 17:24:42.06 ID:kGAioRXy0
友紀「んー、まあ代理人は本人の願いを叶えるもんか」
武内P「あの……輿水さんは何と?」
友紀「えっとね。来年の11月25日は丸一日幸子ちゃんに尽くすこと。以上!」
武内P「……それだけ、ですか?」
友紀「これだけ……で、いいんだよね?」
幸子「///」コクコク
友紀「さあこの条件でどうプロデューサー? いっとくけどこっちは格安の条件出してるから、一切の譲歩は認めないよ! たとえ当日に常務から呼び出しくらっても幸子ちゃん最優先だから!」
武内P「……わかりました。その条件でよければお引き受けしましょう」
幸子「……ッッッ!!! ま、まあカワイイボクは優しいですから! 毎日ひいこら言って大変なプロデューサーさんに、ボクに一日中尽くせる権利をあげましょう♪」
友紀「良かったねー幸子ちゃん」
幸子「フフーン! 良かったのはボクじゃなくてプロデューサーさんの方ですよ。それではプロデューサーさん、ボクはカワイくPグッズをまとめなければならないので失礼します」
武内P「ええ、お願いします」
幸子「さあ行きますよ友紀さん」タッタッタ
友紀「ああもう、はしゃいじゃって。そうそうプロデューサー。幸子ちゃんはあれだけでいいって言ったけど、寂しがり屋の甘えん坊だから近くを寄った時は顔を出してね」
武内P「わかりました。……姫川さん、輿水さんをよろしくお願いします」
友紀「お願いされなくってもあんなにカワイくて面白い子、かわいがらなきゃ損でしょ! ちゃんと立派なキャッツファンに育てるから安心してねー」タッタッタ
武内P「別にキャッツファンには育てなくていいのですが……」
武内P(それにしても輿水さんはなぜあのような条件を出されたのでしょうか……?)
武内P(来年の11月25日……輿水さんは今14歳なので16歳になる日ですが……何か関係があるのでしょうか?)
武内P「あの……輿水さんは何と?」
友紀「えっとね。来年の11月25日は丸一日幸子ちゃんに尽くすこと。以上!」
武内P「……それだけ、ですか?」
友紀「これだけ……で、いいんだよね?」
幸子「///」コクコク
友紀「さあこの条件でどうプロデューサー? いっとくけどこっちは格安の条件出してるから、一切の譲歩は認めないよ! たとえ当日に常務から呼び出しくらっても幸子ちゃん最優先だから!」
武内P「……わかりました。その条件でよければお引き受けしましょう」
幸子「……ッッッ!!! ま、まあカワイイボクは優しいですから! 毎日ひいこら言って大変なプロデューサーさんに、ボクに一日中尽くせる権利をあげましょう♪」
友紀「良かったねー幸子ちゃん」
幸子「フフーン! 良かったのはボクじゃなくてプロデューサーさんの方ですよ。それではプロデューサーさん、ボクはカワイくPグッズをまとめなければならないので失礼します」
武内P「ええ、お願いします」
幸子「さあ行きますよ友紀さん」タッタッタ
友紀「ああもう、はしゃいじゃって。そうそうプロデューサー。幸子ちゃんはあれだけでいいって言ったけど、寂しがり屋の甘えん坊だから近くを寄った時は顔を出してね」
武内P「わかりました。……姫川さん、輿水さんをよろしくお願いします」
友紀「お願いされなくってもあんなにカワイくて面白い子、かわいがらなきゃ損でしょ! ちゃんと立派なキャッツファンに育てるから安心してねー」タッタッタ
武内P「別にキャッツファンには育てなくていいのですが……」
武内P(それにしても輿水さんはなぜあのような条件を出されたのでしょうか……?)
武内P(来年の11月25日……輿水さんは今14歳なので16歳になる日ですが……何か関係があるのでしょうか?)
137: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:25:27.99 ID:Ef7wbUQf0
※ ※ ※
武内P(おや、あれは……)
文香「……」
武内P(熱心に本を読まれていますね。Pグッズを持っている人に心当たりが無いか訊きたいところですが……邪魔をするのは悪いですね)
武内P(それに話しかけても気づいてもらえるかどうか。聞いた話では、鷺沢さんは一度本を読み始めると周りの声が――)
ピピピッ、ピピピッ
『レッスンの時間です、がんばりましょう。レッスンの時間です、がんばりましょう――』
武内P「!!?」
武内P(今のは……私の声!?)
文香「ふう……」パタン
武内P(まさか、鷺沢さんの携帯から……?)
文香(このアプリ……やはりとても良いものです。どれだけ本の中に惹きこまれていても、そっと私を掬い上げてくれる。ありすちゃんに頼んでダウンロードしてもらって正解でした)
文香「……レッスンは大変だけど、プロデューサーさんに応援してもらえれば……えれば……」
武内P「」
文香「」
武内P「……広々とした、それでいて緻密に設計されたこの城は、シンデレラたちの願いと活力で幻想のように、そして生き物のように熱を持っていました」
文香「……しかしここは、今私と貴方がいるこの時この場所だけは時が凍ったかのように静かです」
武内P「静かさは趣きの良き友です。鷺沢さん……貴女の気品ある美しさがそうであるように」
文香「それでも……私も時には、熱を求めたいのです。焦がれるのです。凍てついたモノ全てを薙ぎ払う熱風を」
武内P「熱風は貴方の願いを叶えるかもしれません。ですが同時に、貴女を傷つけ血という名の熱まで奪いさらんとするのでは?」
文香「傷つくことは怖いです。でも……この凍てついた空間より恐れるものがあるのでしょうか?」
武内P「……」
文香「……」
武内P「……それでは率直に訊きますが――」
文香「ま、待ってください!///」
武内P「は、はい!」
文香「プロデューサーさんは……そう、誤解されています」
武内P「誤解……なるほど、私は誤解をしているのですね」
文香「そうです。その通りです。決して――」
文香「私はこのアプリ『おはようからお休みまで武内Pと一緒ボイス』をダウンロードしてからことあるごとに利用したりなどしていません。ささいな用事がある度にセットなどしていませんし、鳴る少し前に時間が来たと気づいてもプロデューサーさんの声を聞くためにジッと待ったりなどしていません。夜寝る時には一分ごとにタイマーをセットして『もう寝ませんと明日に響きますよ』という柔らかで落ち着きのある声を子守唄に眠りつくなんていう習慣もありません。『おはようございます、今日も一日がんばりましょう』という声がなければ起きられない体質になど一切なっていません」
武内P「は、はい」
鷺沢文香
http://i0.wp.com/xn--zck0ab2m.com/wp-content/uploads/2015/09/c01b3b478b8bc4e81e212e95476d9819.jpg
武内P(おや、あれは……)
文香「……」
武内P(熱心に本を読まれていますね。Pグッズを持っている人に心当たりが無いか訊きたいところですが……邪魔をするのは悪いですね)
武内P(それに話しかけても気づいてもらえるかどうか。聞いた話では、鷺沢さんは一度本を読み始めると周りの声が――)
ピピピッ、ピピピッ
『レッスンの時間です、がんばりましょう。レッスンの時間です、がんばりましょう――』
武内P「!!?」
武内P(今のは……私の声!?)
文香「ふう……」パタン
武内P(まさか、鷺沢さんの携帯から……?)
文香(このアプリ……やはりとても良いものです。どれだけ本の中に惹きこまれていても、そっと私を掬い上げてくれる。ありすちゃんに頼んでダウンロードしてもらって正解でした)
文香「……レッスンは大変だけど、プロデューサーさんに応援してもらえれば……えれば……」
武内P「」
文香「」
武内P「……広々とした、それでいて緻密に設計されたこの城は、シンデレラたちの願いと活力で幻想のように、そして生き物のように熱を持っていました」
文香「……しかしここは、今私と貴方がいるこの時この場所だけは時が凍ったかのように静かです」
武内P「静かさは趣きの良き友です。鷺沢さん……貴女の気品ある美しさがそうであるように」
文香「それでも……私も時には、熱を求めたいのです。焦がれるのです。凍てついたモノ全てを薙ぎ払う熱風を」
武内P「熱風は貴方の願いを叶えるかもしれません。ですが同時に、貴女を傷つけ血という名の熱まで奪いさらんとするのでは?」
文香「傷つくことは怖いです。でも……この凍てついた空間より恐れるものがあるのでしょうか?」
武内P「……」
文香「……」
武内P「……それでは率直に訊きますが――」
文香「ま、待ってください!///」
武内P「は、はい!」
文香「プロデューサーさんは……そう、誤解されています」
武内P「誤解……なるほど、私は誤解をしているのですね」
文香「そうです。その通りです。決して――」
文香「私はこのアプリ『おはようからお休みまで武内Pと一緒ボイス』をダウンロードしてからことあるごとに利用したりなどしていません。ささいな用事がある度にセットなどしていませんし、鳴る少し前に時間が来たと気づいてもプロデューサーさんの声を聞くためにジッと待ったりなどしていません。夜寝る時には一分ごとにタイマーをセットして『もう寝ませんと明日に響きますよ』という柔らかで落ち着きのある声を子守唄に眠りつくなんていう習慣もありません。『おはようございます、今日も一日がんばりましょう』という声がなければ起きられない体質になど一切なっていません」
武内P「は、はい」
鷺沢文香
http://i0.wp.com/xn--zck0ab2m.com/wp-content/uploads/2015/09/c01b3b478b8bc4e81e212e95476d9819.jpg
139: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:26:39.61 ID:Ef7wbUQf0
文香「いえ、でも……その」
武内P「何でしょうか?」
文香「お、オータムフェスの時は……ご迷惑をおかけしました。改めてお礼を言いたいと思っていたのですが、なかなか勇気が出なくて……」
武内P「そのことでしたか。困っているアイドルの手助けをするのは当然のことです。こうして今も元気にアイドル活動している姿を見せていただくだけで、私には十分です」
文香「……見て、いただけているのですか?」
武内P「もちろんです。まだ本番での緊張は見られますが、少しずつ場馴れしていくのが見てとれます。鷺沢さん本来の柔らかな人を惹きつける、いい笑顔が出てきて……鷺沢さん? どうされましたか?」
文香「い、いえ……なんでもありません///」
文香「その……プロデューサーさんはそうおっしゃってくださいますが、私はあの時のことを深く感謝しているんです。貴方のおかげでありすちゃんの晴れ舞台が無くならず……そして私もその隣に立つことができたんです」
文香「だからなのでしょう。プロデューサーさんの声なら、どんなに本にのめりこんでいても、必ず耳に届くんです。深く落ち着きのある、まだ不安だらけの私たちアイドルを導いてくれる声が」
武内P「そ、そう言われると嬉しいのですが……こそばゆいですね」
文香「……私がこのようなアプリを利用することに不快感を覚えられるでしょうが、どうか見逃していただけませんか?」
武内P「まさか、不快感など……」
武内P(アプリは外から見えるものではありませんし、鷺沢さんのモチベーションにもつながるのでしたら……)
武内P「では鷺沢さん。アプリの音声がクローネやCPの皆さん以外に聞かれないようにすると、約束していただけますか?」
文香「も、もちろんです……!」
武内P「それでしたら、私などの声でよければ活用してください」
文香「プロデューサーさん……っ!」
ハラリ
武内P「おや? 何か……本のシオリが落ちましたよ」ヒョイ
文香「……え?」
武内P「はい、どうぞ――――」
つ 武内駿輔 十九の夏(浴衣)
文香「」
武内P「」
文香「あ……いや……これは、その……あ、ああ――」
文香「し、失礼しますっ」タタタタタッ
武内P「鷺沢さん……っ!! 行かれてしまった……どうしたものでしょうか」
ありす「今はそっとしてあげてください」スッ
武内P「橘さん?」
ありす「はい、その通り。ありすではなく橘です」ムフー
武内P「いつから見ていたのですか?」
ありす「レッスンの時間になったので文香さんに声をかけようとしたら、お二人が詩で想いを語り合っていたいました」
武内P「それは……だいぶ最初の方からですね」
橘ありす
http://blog-imgs-64.fc2.com/7/t/o/7toriaezu/2014091715032083a.jpg
武内P「何でしょうか?」
文香「お、オータムフェスの時は……ご迷惑をおかけしました。改めてお礼を言いたいと思っていたのですが、なかなか勇気が出なくて……」
武内P「そのことでしたか。困っているアイドルの手助けをするのは当然のことです。こうして今も元気にアイドル活動している姿を見せていただくだけで、私には十分です」
文香「……見て、いただけているのですか?」
武内P「もちろんです。まだ本番での緊張は見られますが、少しずつ場馴れしていくのが見てとれます。鷺沢さん本来の柔らかな人を惹きつける、いい笑顔が出てきて……鷺沢さん? どうされましたか?」
文香「い、いえ……なんでもありません///」
文香「その……プロデューサーさんはそうおっしゃってくださいますが、私はあの時のことを深く感謝しているんです。貴方のおかげでありすちゃんの晴れ舞台が無くならず……そして私もその隣に立つことができたんです」
文香「だからなのでしょう。プロデューサーさんの声なら、どんなに本にのめりこんでいても、必ず耳に届くんです。深く落ち着きのある、まだ不安だらけの私たちアイドルを導いてくれる声が」
武内P「そ、そう言われると嬉しいのですが……こそばゆいですね」
文香「……私がこのようなアプリを利用することに不快感を覚えられるでしょうが、どうか見逃していただけませんか?」
武内P「まさか、不快感など……」
武内P(アプリは外から見えるものではありませんし、鷺沢さんのモチベーションにもつながるのでしたら……)
武内P「では鷺沢さん。アプリの音声がクローネやCPの皆さん以外に聞かれないようにすると、約束していただけますか?」
文香「も、もちろんです……!」
武内P「それでしたら、私などの声でよければ活用してください」
文香「プロデューサーさん……っ!」
ハラリ
武内P「おや? 何か……本のシオリが落ちましたよ」ヒョイ
文香「……え?」
武内P「はい、どうぞ――――」
つ 武内駿輔 十九の夏(浴衣)
文香「」
武内P「」
文香「あ……いや……これは、その……あ、ああ――」
文香「し、失礼しますっ」タタタタタッ
武内P「鷺沢さん……っ!! 行かれてしまった……どうしたものでしょうか」
ありす「今はそっとしてあげてください」スッ
武内P「橘さん?」
ありす「はい、その通り。ありすではなく橘です」ムフー
武内P「いつから見ていたのですか?」
ありす「レッスンの時間になったので文香さんに声をかけようとしたら、お二人が詩で想いを語り合っていたいました」
武内P「それは……だいぶ最初の方からですね」
橘ありす
http://blog-imgs-64.fc2.com/7/t/o/7toriaezu/2014091715032083a.jpg
141: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:27:40.25 ID:Ef7wbUQf0
ありす「ところでCPのプロデューサーさん。話は変わりますが、文香さんは男の人にだまされやすいタイプだと思うんです」
武内P「……理由を聞かせてもらえますか?」
ありす「文香さんはこれまでほとんど恋愛経験がありません。その一方で恋愛ものの小説や映画により、恋への憧れは日に日に高まります」
武内P「……」
ありす「それに信じられないことですが、あれだけ教養があって美しいのに、文香さんは自分に自信が無いんです」
武内P「そうですね。確かに鷺沢さんはもっと自分に自信をもっていいでしょう」
ありす「まったくです。ただ今問題なのは、恋に憧れ、しかし恋愛についての知識が本や映画などの媒体がほとんどを占め、さらに自分に自信がない絶世の美女……蟻が花の蜜に敏感なように、ろくでもない男が寄ってたかるに違いありません」
武内P「鷺沢さんは初対面の人に警戒心が強く、アイドルの自覚もしっかりとある方ですが……橘さんのおっしゃることは一理あり、心配になってきますね」
ありす「な・の・で! 私が鷺沢さんに近づく男が悪い虫でないか見極めないとならないんです!」ロンパァ
武内P「……は、はい」ビクッ
ありす「プロデューサーさん。貴方は私だけでなく、まだ小学生のアイドルたちに対しても丁寧な口調で、さらに苗字で呼びますね?」
武内P「ええ。もっと打ち解けるべきかとは思いますが……」
ありす「私は『この人は私を一人前として認めてくれている』と感じましたし、言葉こそ硬いですがアイドルとそれなりに打ち解けているように見えましたよ」
武内P「本当ですか?」
ありす「はい。相手が年下であってもおざなりにせず丁寧に応対する。ちょっと生真面目すぎるところはありますが、オータムフェスで凛さんの進言を聞き入れて実行に移すなど機転がきかないわけではありません。人格面は上々です」
武内P「は、はあ……」
ありす「仕事面で言うと、私が尊敬して、私を抜擢してくださった美城常務と対立したのはいただけませんが……和解したそうですし、この前常務が貴方のことを褒めていたのでこれも良しとしましょう」
武内P「ありがとう……ございます?」
ありす「これはプライベートに関することなので質問に答えなくていいのですが……貯金はどれほどありますか?」
武内P(人に言うことではありませんが……ずいぶんと真剣な目をしていますし、橘さんは歳の割に分別もあります。私のことだから別にいいでしょう)
武内P「だいたいゴニョゴニョゴニョです」
ありす「えっ……!? プロデューサーさん、まだ30歳ぐらいですよね?」
武内P「残業代や休日出勤の手当など色々と出るのですが、特に使い道がないものでして」
ありす「お酒や煙草は?」
武内P「どちらも付き合いでたしなむ程度です」
ありす「なるほど……金遣い、健康ともに問題無し」
ありす「肝心の相性ですが、先ほどの様子を見るに大丈夫でしょう」
武内P(ひょっとすると、私が鷺沢さんに近づく悪い虫ではないかと警戒しているのでしょうか?)
武内P(私のような者を警戒するのは仕方ないですが、そもそも鷺沢さんが私を相手にするはずがないのですが。鷺沢さんの私への信用は、あくまで仕事における年上の男性に向けるものであって、それ以上でもそれ以下でもないのですから)
武内P「……理由を聞かせてもらえますか?」
ありす「文香さんはこれまでほとんど恋愛経験がありません。その一方で恋愛ものの小説や映画により、恋への憧れは日に日に高まります」
武内P「……」
ありす「それに信じられないことですが、あれだけ教養があって美しいのに、文香さんは自分に自信が無いんです」
武内P「そうですね。確かに鷺沢さんはもっと自分に自信をもっていいでしょう」
ありす「まったくです。ただ今問題なのは、恋に憧れ、しかし恋愛についての知識が本や映画などの媒体がほとんどを占め、さらに自分に自信がない絶世の美女……蟻が花の蜜に敏感なように、ろくでもない男が寄ってたかるに違いありません」
武内P「鷺沢さんは初対面の人に警戒心が強く、アイドルの自覚もしっかりとある方ですが……橘さんのおっしゃることは一理あり、心配になってきますね」
ありす「な・の・で! 私が鷺沢さんに近づく男が悪い虫でないか見極めないとならないんです!」ロンパァ
武内P「……は、はい」ビクッ
ありす「プロデューサーさん。貴方は私だけでなく、まだ小学生のアイドルたちに対しても丁寧な口調で、さらに苗字で呼びますね?」
武内P「ええ。もっと打ち解けるべきかとは思いますが……」
ありす「私は『この人は私を一人前として認めてくれている』と感じましたし、言葉こそ硬いですがアイドルとそれなりに打ち解けているように見えましたよ」
武内P「本当ですか?」
ありす「はい。相手が年下であってもおざなりにせず丁寧に応対する。ちょっと生真面目すぎるところはありますが、オータムフェスで凛さんの進言を聞き入れて実行に移すなど機転がきかないわけではありません。人格面は上々です」
武内P「は、はあ……」
ありす「仕事面で言うと、私が尊敬して、私を抜擢してくださった美城常務と対立したのはいただけませんが……和解したそうですし、この前常務が貴方のことを褒めていたのでこれも良しとしましょう」
武内P「ありがとう……ございます?」
ありす「これはプライベートに関することなので質問に答えなくていいのですが……貯金はどれほどありますか?」
武内P(人に言うことではありませんが……ずいぶんと真剣な目をしていますし、橘さんは歳の割に分別もあります。私のことだから別にいいでしょう)
武内P「だいたいゴニョゴニョゴニョです」
ありす「えっ……!? プロデューサーさん、まだ30歳ぐらいですよね?」
武内P「残業代や休日出勤の手当など色々と出るのですが、特に使い道がないものでして」
ありす「お酒や煙草は?」
武内P「どちらも付き合いでたしなむ程度です」
ありす「なるほど……金遣い、健康ともに問題無し」
ありす「肝心の相性ですが、先ほどの様子を見るに大丈夫でしょう」
武内P(ひょっとすると、私が鷺沢さんに近づく悪い虫ではないかと警戒しているのでしょうか?)
武内P(私のような者を警戒するのは仕方ないですが、そもそも鷺沢さんが私を相手にするはずがないのですが。鷺沢さんの私への信用は、あくまで仕事における年上の男性に向けるものであって、それ以上でもそれ以下でもないのですから)
144: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:28:30.97 ID:Ef7wbUQf0
ありす「それと……先ほどから気になっていたんですが、プロデューサーさんが手に持ってる腕のようなものは?」
武内P「ああ、これですか。実は――――」
ありす「――――なるほど。まあ当然の対応ですね。ですが……」
武内P「先ほど鷺沢さんにも申しましたが、アプリは認めようと思います。ただこのシオリは回収させてもらわないと」
ありす「……プロデューサーさん。文香さんにとってシオリはとても重要なものです」
武内P「おっしゃるとおりだと思います。ですがこれが先ほどのように本からハラリと落ち、ファンの皆さんの目に触れる事態を考えると回収せざるをえません」
ありす「でしたら代わりに、プロデューサーさんがシオリを選んで文香さんにプレゼントしてあげてください」
武内P「なるほど……シオリを選ぶのは初めてですが、良い考えですね」
ありす「プロデューサーさんが文香さんのことを考えて選んでくれたのなら、文香さんもきっと喜んで回収に応じますよ」
武内P「ところで、鷺沢さんは他にPグッズを持っていないのでしょうか?」
ありす「アプリとシオリだけ……あ、誤解しないでくださいよ」
武内P「何を、でしょうか?」
ありす「聞くことろによると、何を考えているのか他のアイドル達の中にはPグッズに何十万も費やしている人もいるそうですね」
武内P「はい……不思議なことに」
ありす「私たちのファンの方の中には、アイドルに費やしたお金の多さが愛情の大きさだと考える人もいるらしいですね。こちらも商売ですからそういう行為はありがたいのですが、身を破滅させるほどのめり込む姿は申し訳なくなるので止めてほしいものですが……」ハア
ありす「話を戻しますと、文香さんがPグッズに使ったお金は合わせて4千円です。ですが、決して、この金額だけを見て、文香さんの想いが軽いなどと、夢にも思わないでください!」
武内P「は、はい」
ありす「文香さんは貞淑な方なんです。アプリやシオリを買うことですら、プロデューサーさんにバレたらはしたないと思われるのではないかと不安に思い、それでも勇気を出して買ったんです」
ありす「文香さんはこのように慎みのある方です。ですから……文香さんに好意を寄せられた男性がもしいるとしたら、その人から当然食事や本屋巡りを誘うべきだと思います。違いますか?」ジロ
武内P「そ、そうですね? 時代錯誤かもしれませんが、私は告白は男の役目だと思って……あの、橘さん。いったい何の話を私たちはしているのでしょうか?」
ありす「何の話か……ですって!!?」クールタチバナァ
武内P「……ッ!?」ビクッ
ありす「文香さんを泣かせたら私が許さないという話です! プロデューサーさんは今のところ及第点ですが、今後も精進するように!」
武内P「わ、わかりましたっ!」
ありす「……それでは失礼します。レッスンまで時間が無いので」タッタッタッタッ
武内P「……」
武内P「もう、今日は終わりにしましょうか……」
武内P「ああ、これですか。実は――――」
ありす「――――なるほど。まあ当然の対応ですね。ですが……」
武内P「先ほど鷺沢さんにも申しましたが、アプリは認めようと思います。ただこのシオリは回収させてもらわないと」
ありす「……プロデューサーさん。文香さんにとってシオリはとても重要なものです」
武内P「おっしゃるとおりだと思います。ですがこれが先ほどのように本からハラリと落ち、ファンの皆さんの目に触れる事態を考えると回収せざるをえません」
ありす「でしたら代わりに、プロデューサーさんがシオリを選んで文香さんにプレゼントしてあげてください」
武内P「なるほど……シオリを選ぶのは初めてですが、良い考えですね」
ありす「プロデューサーさんが文香さんのことを考えて選んでくれたのなら、文香さんもきっと喜んで回収に応じますよ」
武内P「ところで、鷺沢さんは他にPグッズを持っていないのでしょうか?」
ありす「アプリとシオリだけ……あ、誤解しないでくださいよ」
武内P「何を、でしょうか?」
ありす「聞くことろによると、何を考えているのか他のアイドル達の中にはPグッズに何十万も費やしている人もいるそうですね」
武内P「はい……不思議なことに」
ありす「私たちのファンの方の中には、アイドルに費やしたお金の多さが愛情の大きさだと考える人もいるらしいですね。こちらも商売ですからそういう行為はありがたいのですが、身を破滅させるほどのめり込む姿は申し訳なくなるので止めてほしいものですが……」ハア
ありす「話を戻しますと、文香さんがPグッズに使ったお金は合わせて4千円です。ですが、決して、この金額だけを見て、文香さんの想いが軽いなどと、夢にも思わないでください!」
武内P「は、はい」
ありす「文香さんは貞淑な方なんです。アプリやシオリを買うことですら、プロデューサーさんにバレたらはしたないと思われるのではないかと不安に思い、それでも勇気を出して買ったんです」
ありす「文香さんはこのように慎みのある方です。ですから……文香さんに好意を寄せられた男性がもしいるとしたら、その人から当然食事や本屋巡りを誘うべきだと思います。違いますか?」ジロ
武内P「そ、そうですね? 時代錯誤かもしれませんが、私は告白は男の役目だと思って……あの、橘さん。いったい何の話を私たちはしているのでしょうか?」
ありす「何の話か……ですって!!?」クールタチバナァ
武内P「……ッ!?」ビクッ
ありす「文香さんを泣かせたら私が許さないという話です! プロデューサーさんは今のところ及第点ですが、今後も精進するように!」
武内P「わ、わかりましたっ!」
ありす「……それでは失礼します。レッスンまで時間が無いので」タッタッタッタッ
武内P「……」
武内P「もう、今日は終わりにしましょうか……」
147: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:29:18.67 ID:Ef7wbUQf0
※ ※ ※
ボンバァーーー!!!
武内P「この声は……非常階段からですか」
武内P「もうPグッズを探す気力はありませんが……せっかくなので顔だけでも見ましょうか」
ガチャ
茜「バアアアァーーー!!! っと、プロデューサーじゃないですか!」
武内P「やはり日野さんだったのですね。声がしたので様子を……ん?」
武内P「背中に何をかついでいるのですか?」
茜「あ、これですか! 走る時間が足りない時に、短い時間で燃えられるように負荷をかけようと思って買ったんです!」
つ 武内Pラブドール
武内P「」
茜「重さは40キロほどあってですね! 今みたいに人がいない非常階段をおぶって走るようにしているんです!」
武内P「」
茜「あ、さわってみてください! ちょっとひんやりしていますけど、まるでプロデューサーのような感触があるんです!!!」
武内P「」
茜「こんなに高い物買ったのは生まれて初めてですけど、とっても満足しています♪」
武内P「あの……日野さん」
茜「どうしましたプロデューサー!? 顔が青ざめてますよ! 医務室までおぶりましょうか!?」
武内P「いえ……大丈夫です。そのラブドげふんげふん。……その人形はおいくらでしたか?」
茜「898,000円です!!!」
武内P「はちじゅっ……きゅっまん……」
茜「さらに! サイズを合わせたスーツセット! 私服セット! 寝間着セット! 諸々で5万円!」
武内P「き、着せ替えているのですか!?」
茜「はい……? 私の汗がついたりするので洗濯しないといけませんから」
武内P(何を当たり前なことを、などという顔をしないでほしいのですが……)
日野茜
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/watari800/20130601/20130601231809.jpg
ボンバァーーー!!!
武内P「この声は……非常階段からですか」
武内P「もうPグッズを探す気力はありませんが……せっかくなので顔だけでも見ましょうか」
ガチャ
茜「バアアアァーーー!!! っと、プロデューサーじゃないですか!」
武内P「やはり日野さんだったのですね。声がしたので様子を……ん?」
武内P「背中に何をかついでいるのですか?」
茜「あ、これですか! 走る時間が足りない時に、短い時間で燃えられるように負荷をかけようと思って買ったんです!」
つ 武内Pラブドール
武内P「」
茜「重さは40キロほどあってですね! 今みたいに人がいない非常階段をおぶって走るようにしているんです!」
武内P「」
茜「あ、さわってみてください! ちょっとひんやりしていますけど、まるでプロデューサーのような感触があるんです!!!」
武内P「」
茜「こんなに高い物買ったのは生まれて初めてですけど、とっても満足しています♪」
武内P「あの……日野さん」
茜「どうしましたプロデューサー!? 顔が青ざめてますよ! 医務室までおぶりましょうか!?」
武内P「いえ……大丈夫です。そのラブドげふんげふん。……その人形はおいくらでしたか?」
茜「898,000円です!!!」
武内P「はちじゅっ……きゅっまん……」
茜「さらに! サイズを合わせたスーツセット! 私服セット! 寝間着セット! 諸々で5万円!」
武内P「き、着せ替えているのですか!?」
茜「はい……? 私の汗がついたりするので洗濯しないといけませんから」
武内P(何を当たり前なことを、などという顔をしないでほしいのですが……)
日野茜
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/watari800/20130601/20130601231809.jpg
150: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:30:04.72 ID:Ef7wbUQf0
武内P「その……これを誰か他の人に見られたりしましたか?」
茜「先着5名様の商品だったので、手に入れられなかった人には悪いのでなるべく見られないように気をつけています!」
武内P「そもそも6人以上欲しがる物ではないと思いますが……」
茜「そんなことありません! うっかり幸子ちゃんに見つかって、倍額出すから譲ってほしいと言われました!」
武内P「輿水さん……」ホロリ
茜「当然断りましたよ! たとえ10倍の金額を積まれたって譲る気なんてこれっぽっちもありません!」
武内P「その……実はですね、今Pグッズを――――――――」
茜「――――――――え?」
武内P「たいへんな金額を出されたものだとは承知しています。可能な限り返金できるように努力しますので、どうかご協力を」
茜「プロデューサー人形……手放さないと、いけないんですか……?」
武内P「はい。アイドルが持つにはあまりにもリスクが……」
茜「プロデューサー人形をかついで、階段を走れなくなるんですか……?」
武内P「申し訳ありませんが……」
茜「私服に着替えさせて椅子に座ってもらうことも……?」
武内P「え、ええ……?」
茜「寝間着に着替えさせて一緒に寝るのも……?」
武内P「ストップ」
茜「はい?」
武内P「ええっと……日野さんはこれを、トレーニングのために購入したのですよね?」
茜「はい、そうです!」
武内P「椅子に座らせるのはともかく……なぜ一緒に寝るのですか? クローゼットの中にでも入れればいいのでは」
茜「でもプロデューサーにそっくりな人形なんですよ? 私がベッドで寝ているのに、クローゼットで立ったままだなんてかわいそうじゃないですか!」
武内P「な、なるほど……?」
茜「人形と一緒に寝る……ちまたでは女子力が話題になっているそうですが、これは女子力高いですよね!?」
武内P「どちらかというと女子力が低い行為では……?」
茜「そんな!? 人形に頬ずりだってしているんですよ!」
武内P「頬ず……っ」
茜「分厚い胸板を枕にしたりも――あれ、どうしましたプロデューサー? 顔が赤いですよ? 熱ですか!?」
武内P「いえ、あの……これは」
茜「やっぱり医務室まで行きましょう! 私がかついで――」
武内P(ここは双葉さんのアドバイス通り、一時撤退を!)
武内P「仕事があるので失礼します! Pグッズの件は考えていてくださ――」クルッ
茜「逃がしませんっ! ボンバー!!!」
武内P「!?」
タタタタタタタッ、ギュオンッ、ズガガガガガガガ、アーッ!
茜「先着5名様の商品だったので、手に入れられなかった人には悪いのでなるべく見られないように気をつけています!」
武内P「そもそも6人以上欲しがる物ではないと思いますが……」
茜「そんなことありません! うっかり幸子ちゃんに見つかって、倍額出すから譲ってほしいと言われました!」
武内P「輿水さん……」ホロリ
茜「当然断りましたよ! たとえ10倍の金額を積まれたって譲る気なんてこれっぽっちもありません!」
武内P「その……実はですね、今Pグッズを――――――――」
茜「――――――――え?」
武内P「たいへんな金額を出されたものだとは承知しています。可能な限り返金できるように努力しますので、どうかご協力を」
茜「プロデューサー人形……手放さないと、いけないんですか……?」
武内P「はい。アイドルが持つにはあまりにもリスクが……」
茜「プロデューサー人形をかついで、階段を走れなくなるんですか……?」
武内P「申し訳ありませんが……」
茜「私服に着替えさせて椅子に座ってもらうことも……?」
武内P「え、ええ……?」
茜「寝間着に着替えさせて一緒に寝るのも……?」
武内P「ストップ」
茜「はい?」
武内P「ええっと……日野さんはこれを、トレーニングのために購入したのですよね?」
茜「はい、そうです!」
武内P「椅子に座らせるのはともかく……なぜ一緒に寝るのですか? クローゼットの中にでも入れればいいのでは」
茜「でもプロデューサーにそっくりな人形なんですよ? 私がベッドで寝ているのに、クローゼットで立ったままだなんてかわいそうじゃないですか!」
武内P「な、なるほど……?」
茜「人形と一緒に寝る……ちまたでは女子力が話題になっているそうですが、これは女子力高いですよね!?」
武内P「どちらかというと女子力が低い行為では……?」
茜「そんな!? 人形に頬ずりだってしているんですよ!」
武内P「頬ず……っ」
茜「分厚い胸板を枕にしたりも――あれ、どうしましたプロデューサー? 顔が赤いですよ? 熱ですか!?」
武内P「いえ、あの……これは」
茜「やっぱり医務室まで行きましょう! 私がかついで――」
武内P(ここは双葉さんのアドバイス通り、一時撤退を!)
武内P「仕事があるので失礼します! Pグッズの件は考えていてくださ――」クルッ
茜「逃がしませんっ! ボンバー!!!」
武内P「!?」
タタタタタタタッ、ギュオンッ、ズガガガガガガガ、アーッ!
154: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/26(月) 20:30:41.06 ID:Ef7wbUQf0
今日はここまで
明日でラスト。真実は都のものだ!
明日でラスト。真実は都のものだ!
175: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:12:46.72 ID:dc7m5dYL0
※ ※ ※
武内P「酷い目にあいました……今度こそ終わりに……うん?」ボロボロ
都「ほら、うちのプロデューサーさんに目つきが悪くて体がおっきな人がいるじゃないですか。その人の写真とかが写ったグッズを見かけたことはありませんか?」
清掃のおばちゃん「へえ? そんなの見た覚えはないねえ」
都「そうでしたか……すみません、時間をとらせてしま――――むむっ!?」
武内P with 腕枕「安斎さん?」
都「その腕っぽいものこそは噂に聞くPグッズ! まさかCPのプロデューサーさん自身が犯人だったとは……この都の目をもってしても見抜けませんでした」
武内P「いえ、これはですね――」
都「見た目こそナラクニンジャソウルが宿っていたり、善悪相殺の武帝のようですが、何だかんだで良い人だと思っていたのに……ハッ!? まさかこれは、雨の日に捨て猫に優しくする不良理論を利用して?」
武内P「安斎さん? もしもし?」
都「その凶悪な見た目にも関わらず一度でも親切にされたら、この人は良い人に違いないと思い込む……なんと隙がなく恐ろしい手段!」
武内P「あ、もしよければこのゴミも一緒に入れていただけますか?」
清掃のおばちゃん「はいはい」
都「しかしここで名探偵都に出会ったのが運の尽き! 真実は都のものだ!」ビシッ
武内P「ああ、終わりましたか。ところで今Pグッズをこの通り回収中なのですが、安斎さんも調査中なのですか?」
都「回収……中?」ビシッ
清掃のおばちゃん「元気なのはいいけど、あんまり散らかさないでおくれよ」スタスタ
武内P「はい。いつもお疲れ様です」
都「……」
武内P「安斎さん?」
都「子どもが懐く人って良い人だと思います」
武内P「え、ええ」
都「なので、みりあちゃんが懐いているプロデューサーさんが良い人なのは確定的に明らか。疑ったことなど一度もありません」
武内P「……はい」
都「……」
武内P「……」
都「ごめんなさい」
武内P「いえ、誤解されるのは慣れていますので」
安斎都
http://i.zazen-inc.com/idol/l/4ee4d08e6743566a2417831a32247d1e.jpg
武内P「酷い目にあいました……今度こそ終わりに……うん?」ボロボロ
都「ほら、うちのプロデューサーさんに目つきが悪くて体がおっきな人がいるじゃないですか。その人の写真とかが写ったグッズを見かけたことはありませんか?」
清掃のおばちゃん「へえ? そんなの見た覚えはないねえ」
都「そうでしたか……すみません、時間をとらせてしま――――むむっ!?」
武内P with 腕枕「安斎さん?」
都「その腕っぽいものこそは噂に聞くPグッズ! まさかCPのプロデューサーさん自身が犯人だったとは……この都の目をもってしても見抜けませんでした」
武内P「いえ、これはですね――」
都「見た目こそナラクニンジャソウルが宿っていたり、善悪相殺の武帝のようですが、何だかんだで良い人だと思っていたのに……ハッ!? まさかこれは、雨の日に捨て猫に優しくする不良理論を利用して?」
武内P「安斎さん? もしもし?」
都「その凶悪な見た目にも関わらず一度でも親切にされたら、この人は良い人に違いないと思い込む……なんと隙がなく恐ろしい手段!」
武内P「あ、もしよければこのゴミも一緒に入れていただけますか?」
清掃のおばちゃん「はいはい」
都「しかしここで名探偵都に出会ったのが運の尽き! 真実は都のものだ!」ビシッ
武内P「ああ、終わりましたか。ところで今Pグッズをこの通り回収中なのですが、安斎さんも調査中なのですか?」
都「回収……中?」ビシッ
清掃のおばちゃん「元気なのはいいけど、あんまり散らかさないでおくれよ」スタスタ
武内P「はい。いつもお疲れ様です」
都「……」
武内P「安斎さん?」
都「子どもが懐く人って良い人だと思います」
武内P「え、ええ」
都「なので、みりあちゃんが懐いているプロデューサーさんが良い人なのは確定的に明らか。疑ったことなど一度もありません」
武内P「……はい」
都「……」
武内P「……」
都「ごめんなさい」
武内P「いえ、誤解されるのは慣れていますので」
安斎都
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176: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:13:48.75 ID:dc7m5dYL0
武内P「それにしても安斎さんがPグッズを調査しているとは驚きました。いったいどういう理由でしょうか?」
都「実は数時間ほど前に、差出人が誰かわからないアドレスからメールがありまして、内容は346のアイドルを対象にPグッズというものを売りつける悪徳商法の存在を知らせるものでした」
都「誰か何の目的で私に知らせたのか気になりましたが……それはPグッズの真相に近づければおのずとわかると考え、今こうして調査にあたっていたのです」
武内P「差出人不明のアドレスから……奇妙ですね」
武内P(その差出人の目的はいったい何でしょうか? 失礼ながら安斎さんが事件の真相に近づけるとは思えません。つまりこの事件を解明させることは目的ではない)
武内P(メールを受け取った彼女が起こすことは……場が騒がしくなる?)
武内P(何でしょう……何か、見落としがあるのでは――)
携帯<♪~♪~
都「むむっ! さっきと同じアドレスからメールが来ました!」
武内P「……ッ! 私にも見せていただけますか?」
都「もちろんです」
本日23:00 西棟の第三会議室で販売者たちが集まる模様。
警戒しているため大勢での捜査は薦められない。
武内P「これは……っ!?」
都「現場を抑えるチャンスです!」
武内P「……待ってください安斎さん。これは怪しい……罠なのでは?」
都「罠?」
武内P「はい。少数で来たところを待ち構えているのでは」
都「うーん。でもこの人が私に今回の事件を教えてくれたんですよ。私が邪魔になるなら最初から教えなければいいじゃないですか」
武内P「それは……確かに」
都「きっとこの人は無理矢理協力させられていたけど嫌気がさしたとか、もしくは偶然真相を知ったもののどうすればいいかわからず、この名探偵都に頼ることにしたんですよ!」
武内P「はあ」
武内P(これは止めても一人で行ってしまいそうですね……仕方がない、こうなれば)
都「でもプロデューサーさんの言うとおり怪しいので十分警戒するとして……プロデューサーさんも一緒に来てもらえますか?」
武内P「はい。ご一緒させてもらおうと思っていました」
都「16歳の私が一人で出歩いていい時間じゃありませんし、犯人に見つかってもプロデューサーさんのカラテがあれば大丈夫です!」
武内P「え?」
都「え?」
武内P「私は空手や武道などの経験はありませんが……」
都「そんな……てっきりカラテの使い手だとばかり」
都「ま、まあいざとなったら早苗さん直伝のバリツの腕前(週に一回30分を二ヶ月)を見せてあげます!」
武内P(いざという時は私が盾となり、安斎さんだけは傷つかないようにしなければ……!)
???「……」
都「実は数時間ほど前に、差出人が誰かわからないアドレスからメールがありまして、内容は346のアイドルを対象にPグッズというものを売りつける悪徳商法の存在を知らせるものでした」
都「誰か何の目的で私に知らせたのか気になりましたが……それはPグッズの真相に近づければおのずとわかると考え、今こうして調査にあたっていたのです」
武内P「差出人不明のアドレスから……奇妙ですね」
武内P(その差出人の目的はいったい何でしょうか? 失礼ながら安斎さんが事件の真相に近づけるとは思えません。つまりこの事件を解明させることは目的ではない)
武内P(メールを受け取った彼女が起こすことは……場が騒がしくなる?)
武内P(何でしょう……何か、見落としがあるのでは――)
携帯<♪~♪~
都「むむっ! さっきと同じアドレスからメールが来ました!」
武内P「……ッ! 私にも見せていただけますか?」
都「もちろんです」
本日23:00 西棟の第三会議室で販売者たちが集まる模様。
警戒しているため大勢での捜査は薦められない。
武内P「これは……っ!?」
都「現場を抑えるチャンスです!」
武内P「……待ってください安斎さん。これは怪しい……罠なのでは?」
都「罠?」
武内P「はい。少数で来たところを待ち構えているのでは」
都「うーん。でもこの人が私に今回の事件を教えてくれたんですよ。私が邪魔になるなら最初から教えなければいいじゃないですか」
武内P「それは……確かに」
都「きっとこの人は無理矢理協力させられていたけど嫌気がさしたとか、もしくは偶然真相を知ったもののどうすればいいかわからず、この名探偵都に頼ることにしたんですよ!」
武内P「はあ」
武内P(これは止めても一人で行ってしまいそうですね……仕方がない、こうなれば)
都「でもプロデューサーさんの言うとおり怪しいので十分警戒するとして……プロデューサーさんも一緒に来てもらえますか?」
武内P「はい。ご一緒させてもらおうと思っていました」
都「16歳の私が一人で出歩いていい時間じゃありませんし、犯人に見つかってもプロデューサーさんのカラテがあれば大丈夫です!」
武内P「え?」
都「え?」
武内P「私は空手や武道などの経験はありませんが……」
都「そんな……てっきりカラテの使い手だとばかり」
都「ま、まあいざとなったら早苗さん直伝のバリツの腕前(週に一回30分を二ヶ月)を見せてあげます!」
武内P(いざという時は私が盾となり、安斎さんだけは傷つかないようにしなければ……!)
???「……」
177: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:14:46.06 ID:dc7m5dYL0
※ ※ ※
都(ここが犯罪者たちのハウスですね!)
武内P(中の様子はわかりませんが、明かりはついていますね。この時間帯に会議室を使用するのはよほどの問題が起きた時のみのはず。私はそんな話は聞いていません)
都(いよいよもってクロですねこれは! 中の会話を聞くとしましょう)スチャッ
武内P(その聴診器のようなものは?)
都(晶葉ちゃんがくれたもので、これさえあればたとえ防音であっても中の会話が聞こえるそうです。片方どうぞ)
武内P(失礼します……確かに、聞こえ――)
都(シッ! 集中しますよ)
???A「目標の金額についに達したな」
???B「純利益500万……達成は難しいと思っていたが、短期間で、さらに目標額を大きく超えて達成できるなんてな」
???C「クハハハハハ。アイドルたちの欲望の大きさを見くびっていたわ」
???D「ハァハァ」
武内P(この会話は……間違いない!)
???A「この売上をもってついに我々はあの夢の計画に着手できる!」
???B「夢……そうだ! 叶うなんて夢のまた夢だと思っていたのに、あと一歩の距離まで来れたんだ俺たちは!」
???C「もはやこの胸の猛り、抑えることなどできぬ」
???D「クンカクンカ」
武内P(計画……!? Pグッズの販売で資金を得るのは手段に過ぎなかった? では本当の目的とは……?」
???A「既に設計図はここにある! 明日からアイドルのためではなく、我々のためだけに製造する――――」
CuPABC『動いてしゃべる武内Pラブドール!!!』
CuPD「んほおおおおおおおおおおお」ビクンビクン
武内P「」
都(ラブド……? ラブラドールレトリバー?)
都(ここが犯罪者たちのハウスですね!)
武内P(中の様子はわかりませんが、明かりはついていますね。この時間帯に会議室を使用するのはよほどの問題が起きた時のみのはず。私はそんな話は聞いていません)
都(いよいよもってクロですねこれは! 中の会話を聞くとしましょう)スチャッ
武内P(その聴診器のようなものは?)
都(晶葉ちゃんがくれたもので、これさえあればたとえ防音であっても中の会話が聞こえるそうです。片方どうぞ)
武内P(失礼します……確かに、聞こえ――)
都(シッ! 集中しますよ)
???A「目標の金額についに達したな」
???B「純利益500万……達成は難しいと思っていたが、短期間で、さらに目標額を大きく超えて達成できるなんてな」
???C「クハハハハハ。アイドルたちの欲望の大きさを見くびっていたわ」
???D「ハァハァ」
武内P(この会話は……間違いない!)
???A「この売上をもってついに我々はあの夢の計画に着手できる!」
???B「夢……そうだ! 叶うなんて夢のまた夢だと思っていたのに、あと一歩の距離まで来れたんだ俺たちは!」
???C「もはやこの胸の猛り、抑えることなどできぬ」
???D「クンカクンカ」
武内P(計画……!? Pグッズの販売で資金を得るのは手段に過ぎなかった? では本当の目的とは……?」
???A「既に設計図はここにある! 明日からアイドルのためではなく、我々のためだけに製造する――――」
CuPABC『動いてしゃべる武内Pラブドール!!!』
CuPD「んほおおおおおおおおおおお」ビクンビクン
武内P「」
都(ラブド……? ラブラドールレトリバー?)
178: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:15:29.69 ID:dc7m5dYL0
CuPA「長かった……本当は俺たちだけのためにPグッズを作成したかった」
CuPB「でもラブドールや超高性能ラブドールの資金源のためには、小娘どもにPグッズを販売しなければならず……」
CuPC「武内は我らだけのアイドルであった……Pグッズを持つアイドルを見るたびに、臓腑をえぐられる忍耐の日々」
CuPD「悔しい……でも……」ビクンビクン
CuPA「動いてしゃべる武内Pラブドールは絶っっっ対販売なんかしない」
CuPB「まだ一体しか作る金がないから他のPグッズ販売は続けなきゃならんけど」
CuPC「その屈辱も、我らが一体ずつ武内を所有する日までのこと」
CuPD「クンカクンカ」
CuPD「クンカクンカ」
CuPD「武内君の匂いがするよぉ」ニタァ
武内P・都「!!?」
CuPB「でもラブドールや超高性能ラブドールの資金源のためには、小娘どもにPグッズを販売しなければならず……」
CuPC「武内は我らだけのアイドルであった……Pグッズを持つアイドルを見るたびに、臓腑をえぐられる忍耐の日々」
CuPD「悔しい……でも……」ビクンビクン
CuPA「動いてしゃべる武内Pラブドールは絶っっっ対販売なんかしない」
CuPB「まだ一体しか作る金がないから他のPグッズ販売は続けなきゃならんけど」
CuPC「その屈辱も、我らが一体ずつ武内を所有する日までのこと」
CuPD「クンカクンカ」
CuPD「クンカクンカ」
CuPD「武内君の匂いがするよぉ」ニタァ
武内P・都「!!?」
179: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:16:39.73 ID:dc7m5dYL0
バンッ
CuPA「こんばんはー、こんな時間にどうしたんだい?」
武内P「あ、安斎さん逃げ――」
CuPB「あて身」ドスッ
都「きゅう」バタッ
武内P「なっ!? あ、貴方たちも仮にもプロデューサーでしょう! アイドルを傷つけるとは何事ですか!」
CuPC「何、少しすれば何事もなく目覚める。意識があるままこれから起きることを見る方がよほど残酷だ」
CuPD「ナマ武内君! ナマ武内君!」ペタペタ
武内P「ヒイィ!」
CuPA「都ちゃんは君を連れてくるのに役立った。無事に返すことを約束しよう」
武内P「……ッ!? 安斎さんにメールを送ったのは、Pグッズの回収を始めて邪魔となった私を呼び込むため……Pグッズ回収中の私と自然に出会わせ、出会った時を見計らってここに来るように二度目のメールを!?」
CuPB「その通り。君に直接コンタクトをとるのはさけたかった。興奮のあまり目が血走りバレていただろうし、メールを使っても君は怪しんでこなかっただろう」
武内P「なぜ……なぜこんなことを!?」
CuPC「これはうぬのためでもある」
武内P「な、何を言ってるのですか!?」
CuPD「き、君もプロデューサーなら身に覚えがあるはず」
CuPABC『担当アイドルが可愛すぎてプロデュースするのが辛い……』
武内P「……ッ!?」
CuPA「アイドルは恋愛禁止……まして、プロデューサーがアイドルに惚れるなどあってはならないこと」
CuPB「けどな。そもそも俺たちが魅力的だと思ったからスカウトしたわけで、そんなアイドルと二人三脚で苦楽を共にして恋心を抱かないことなどできるか!?」
CuPC「淫らな想いが芽生えるたびに心を押し殺し、それでも芽吹く淡い想いを踏みにじり続け、やがて心が虚無になっていく……」
CuPD「ちゃま……」
CuPA「誰かを愛したい、愛してもらいたい……」
CuPB「けど一番魅力的な女性がいつもそばにいて、その女性以外を愛そうにも愛せない」
CuPC「……そう、女性なら担当アイドル以外選びようがない。ならば枠を広げればよかろう」
CuPD「おお、俺たちが渇ききってすさんでいたころ、担当がアイドルを辞めて落ち込んでいる君を見かけたんだ。そして俺たちは――」
CuPA「落ち込む顔を見てゾクゾクした」
CuPB「腹筋の割れ目に舌を這わせたいと思った」
CuPC「我の剛剣を口にねじり込むと決めた」
CuPD「××な××を×の××××へ××に×××で、さんざん××××させたあげくムリヤリ凸凹×する夢を見た」
武内P「」
CuPA「こんばんはー、こんな時間にどうしたんだい?」
武内P「あ、安斎さん逃げ――」
CuPB「あて身」ドスッ
都「きゅう」バタッ
武内P「なっ!? あ、貴方たちも仮にもプロデューサーでしょう! アイドルを傷つけるとは何事ですか!」
CuPC「何、少しすれば何事もなく目覚める。意識があるままこれから起きることを見る方がよほど残酷だ」
CuPD「ナマ武内君! ナマ武内君!」ペタペタ
武内P「ヒイィ!」
CuPA「都ちゃんは君を連れてくるのに役立った。無事に返すことを約束しよう」
武内P「……ッ!? 安斎さんにメールを送ったのは、Pグッズの回収を始めて邪魔となった私を呼び込むため……Pグッズ回収中の私と自然に出会わせ、出会った時を見計らってここに来るように二度目のメールを!?」
CuPB「その通り。君に直接コンタクトをとるのはさけたかった。興奮のあまり目が血走りバレていただろうし、メールを使っても君は怪しんでこなかっただろう」
武内P「なぜ……なぜこんなことを!?」
CuPC「これはうぬのためでもある」
武内P「な、何を言ってるのですか!?」
CuPD「き、君もプロデューサーなら身に覚えがあるはず」
CuPABC『担当アイドルが可愛すぎてプロデュースするのが辛い……』
武内P「……ッ!?」
CuPA「アイドルは恋愛禁止……まして、プロデューサーがアイドルに惚れるなどあってはならないこと」
CuPB「けどな。そもそも俺たちが魅力的だと思ったからスカウトしたわけで、そんなアイドルと二人三脚で苦楽を共にして恋心を抱かないことなどできるか!?」
CuPC「淫らな想いが芽生えるたびに心を押し殺し、それでも芽吹く淡い想いを踏みにじり続け、やがて心が虚無になっていく……」
CuPD「ちゃま……」
CuPA「誰かを愛したい、愛してもらいたい……」
CuPB「けど一番魅力的な女性がいつもそばにいて、その女性以外を愛そうにも愛せない」
CuPC「……そう、女性なら担当アイドル以外選びようがない。ならば枠を広げればよかろう」
CuPD「おお、俺たちが渇ききってすさんでいたころ、担当がアイドルを辞めて落ち込んでいる君を見かけたんだ。そして俺たちは――」
CuPA「落ち込む顔を見てゾクゾクした」
CuPB「腹筋の割れ目に舌を這わせたいと思った」
CuPC「我の剛剣を口にねじり込むと決めた」
CuPD「××な××を×の××××へ××に×××で、さんざん××××させたあげくムリヤリ凸凹×する夢を見た」
武内P「」
180: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:17:44.19 ID:dc7m5dYL0
CuPA「君はまだ無意識にアイドルへの想いを殺している状態だ。しかし無意識ではあっても、それは君のストレスになる」
CuPB「いつか俺たちみたいに追い詰められて心がガランドウになる」
CuPC「ガランドウであった我らが心に熱を吹き込んだうぬに、同じ苦しみを味あわせるわけにはいかぬ」
CuPD「だ、だから、これからすることは君のため……フヒ」ペタペタ、サワサワ
武内P「~~~~~っっっ!!!」
CuPA「うおおっ! たまらん反応だ! カメラ持ってこいカメラ!」
CuPB「動いてしゃべる武内Pラブドールの設計はできあがっているけど……こ、これは練り直す必要があるのでは!?」
CuPC「ええいもう我慢できぬ! そこをどけ! 我の剛掌波を放つ時がきたのだ!」
CuPD「武内君ハアハア、武内君ハアハア。あの苦しみを味わう前に、君もホモになるんだよお!!」
武内P「あ、ああ――――――」ガクガク
武内P(双葉さんはこうなることを恐れて私を止めてくれたのですね……こんなことになるのなら、双葉さんの忠告を受け入れておけば……)
武内P「南無三……」
ダンッ
武内P「!?」
CUPABCD「!?」
常務「そこまでだ。全員動くな!」
CuPA「なっ……常務がなぜ!?」
CuPB「今日の警備員は熱くて固いモノ(♂)無しでは生きていけない体にした同志のはず!」
CuPC「知らせがないとはいったいどういうわけだ!」
シーザー「同志とやらなら今はお休み中だ」ザッ
CuPC「貴様……できるな!」
シーザー「むさ苦しいホモの相手なんざごめんだが、先生の頼みとあっては仕方ない」
CuPD「ひ、ひいいいいいぃ」だばだば
メッシーナ「波紋!」
CuPD「ひでぶっ!!」
ロギンズ「逃げられると思ったか」
CuPB「いつか俺たちみたいに追い詰められて心がガランドウになる」
CuPC「ガランドウであった我らが心に熱を吹き込んだうぬに、同じ苦しみを味あわせるわけにはいかぬ」
CuPD「だ、だから、これからすることは君のため……フヒ」ペタペタ、サワサワ
武内P「~~~~~っっっ!!!」
CuPA「うおおっ! たまらん反応だ! カメラ持ってこいカメラ!」
CuPB「動いてしゃべる武内Pラブドールの設計はできあがっているけど……こ、これは練り直す必要があるのでは!?」
CuPC「ええいもう我慢できぬ! そこをどけ! 我の剛掌波を放つ時がきたのだ!」
CuPD「武内君ハアハア、武内君ハアハア。あの苦しみを味わう前に、君もホモになるんだよお!!」
武内P「あ、ああ――――――」ガクガク
武内P(双葉さんはこうなることを恐れて私を止めてくれたのですね……こんなことになるのなら、双葉さんの忠告を受け入れておけば……)
武内P「南無三……」
ダンッ
武内P「!?」
CUPABCD「!?」
常務「そこまでだ。全員動くな!」
CuPA「なっ……常務がなぜ!?」
CuPB「今日の警備員は熱くて固いモノ(♂)無しでは生きていけない体にした同志のはず!」
CuPC「知らせがないとはいったいどういうわけだ!」
シーザー「同志とやらなら今はお休み中だ」ザッ
CuPC「貴様……できるな!」
シーザー「むさ苦しいホモの相手なんざごめんだが、先生の頼みとあっては仕方ない」
CuPD「ひ、ひいいいいいぃ」だばだば
メッシーナ「波紋!」
CuPD「ひでぶっ!!」
ロギンズ「逃げられると思ったか」
181: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:18:56.85 ID:dc7m5dYL0
武内P「じょ、常務……これはいったい?」
常務「社内で怪しい動きをしている者たちがいるという知らせがあってな。急なことだったので信頼できる身内を呼ぶことにした」
CuPA「馬鹿な……こうなることを一番恐れ内密に動いていたのに。いったい誰が貴方に知らせたのですか!?」
常務「内密? 17歳の少女に知られておきながら何を言う。これを機に無能を切れると思うと、彼女には感謝しなければならないな」
武内P「17歳……まさか!?」
常務「君も後で彼女に礼を言っておきたまえ。柄にもなく肩で息をしていたぞ」
武内P「双葉さん……」
シーザー「必殺ゥ~~~シャボンランチャー!!!」
CuPABC「ぬぎゃあああああああああああ!!!」
CuPA「あ、あと少しで……全てが叶うのに」ガクッ
CuPB「ようこそ……男の世界へ」ガクッ
CuPC「奈良づくし……したかった」ガクッ
メッシーナ「先生。部屋の奥に証拠の品が多数あります」
常務「よし。あまり人の目に触れても面倒だ。私の部屋に運び込め」
シーザー「せ、先生? こんな趣味の悪い物、先生の部屋に入れるなんて――」
常務「い・い・か・ら、一つ残さず私の部屋に運びなさい」
シーザー「は、はい!」
常務「傷一つつけないように、そっと運ぶように。む、この設計書は……けしからん、実にけしからん」ポッケナイナイ
ロギンズ(今ふところの中に……)
メッシーナ(シッ。気づかぬふりをするんだ)
武内P(……ところでこのイタリア人たちは何者なのでしょうか?)
こうして武内PのSAN値を削り、アイドルたちの財布を寂しくする代わりに癒しを与えた事件は解決――
――すればよかったんだけどねえ
常務「社内で怪しい動きをしている者たちがいるという知らせがあってな。急なことだったので信頼できる身内を呼ぶことにした」
CuPA「馬鹿な……こうなることを一番恐れ内密に動いていたのに。いったい誰が貴方に知らせたのですか!?」
常務「内密? 17歳の少女に知られておきながら何を言う。これを機に無能を切れると思うと、彼女には感謝しなければならないな」
武内P「17歳……まさか!?」
常務「君も後で彼女に礼を言っておきたまえ。柄にもなく肩で息をしていたぞ」
武内P「双葉さん……」
シーザー「必殺ゥ~~~シャボンランチャー!!!」
CuPABC「ぬぎゃあああああああああああ!!!」
CuPA「あ、あと少しで……全てが叶うのに」ガクッ
CuPB「ようこそ……男の世界へ」ガクッ
CuPC「奈良づくし……したかった」ガクッ
メッシーナ「先生。部屋の奥に証拠の品が多数あります」
常務「よし。あまり人の目に触れても面倒だ。私の部屋に運び込め」
シーザー「せ、先生? こんな趣味の悪い物、先生の部屋に入れるなんて――」
常務「い・い・か・ら、一つ残さず私の部屋に運びなさい」
シーザー「は、はい!」
常務「傷一つつけないように、そっと運ぶように。む、この設計書は……けしからん、実にけしからん」ポッケナイナイ
ロギンズ(今ふところの中に……)
メッシーナ(シッ。気づかぬふりをするんだ)
武内P(……ところでこのイタリア人たちは何者なのでしょうか?)
こうして武内PのSAN値を削り、アイドルたちの財布を寂しくする代わりに癒しを与えた事件は解決――
――すればよかったんだけどねえ
182: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:20:03.87 ID:dc7m5dYL0
※ ※ ※
――翌日
タタタタタッ
武内P「あれは……?」
杏「ハァ……ハァ……プロデューサー!」
武内P「双葉さん? 貴方が走るとはいったい何が……」
杏「え、えらいことに……」ゼェゼェ
武内P「えらいこと? あ、いえそれよりも。昨日の件についてお礼を言わせてくださ――」
杏「そ、それどころじゃないんだよ!」
武内P「……いったい何があったのですか?」
杏「ねえプロデューサー。貯金は今いくらある? 答えにくいと思うけど正直に答えて」
武内P「……わかりました。ゴニョゴニョゴニョほどです」
杏「――よし。杏のと合わせれば数年逃げられる」
武内P「逃げ?」
杏「お願いプロデューサー。こうしている間にもいつ何が起きるかわかんないから、何も聞かずに杏と北海道に逃げて」
武内P「な、何を……」
杏「杏が悪いんだ。杏が昨日ちゃんとプロデューサーを止めていれば……」
武内P「双葉さんはちゃんと私に危険だと忠告をくださりましたし、それに昨日の件は解決したではないですか」
杏「違う……違ったんだ。杏はもっと本気でプロデューサーを止めるべきだったんだ。面倒だけど状況をコントロールできる自信があって……プロデューサーに感謝されたくて、ひざ枕してもらいたくて、欲ばり過ぎちゃった」
杏「杏が……杏が欲ばったせいで……プロデューサーは、プロデューサーは……」
武内P(いつも冷静な双葉さんらしくない……何が起きているか自分はわかっているのに、それを周りに説明できていない……それだけのことが起こっている?)
武内P(たとえ冷静でないとしても、双葉さんの忠告は重い。……ですが、いきなり北海道までアイドルの皆さんへのケアも無しに逃げるのはあまりにも――)
杏「早く、早く行こうよプロデューサー」
武内P「双葉さん。貴方の忠告を無視するつもりなどありませんが、確証も無しに仕事を放っておいてどこかに行くなど許されることではありません」
杏「そんなっ……そんなこと言ってる場合じゃないんだよ!」
武内P「教えてください双葉さん。どこに行けば貴方をそこまで混乱させるものを見れるのかを」
杏「えっと……あれ? 今の時間なら……あ、頭の中がごちゃごちゃして」
杏「――CPルーム」
武内P「CPルームに……ですか?」
杏「うん。……多分、その目で見ないと信じられないんだろうね。だから外からこっそりのぞいて、事の大きさが分かったら西棟の第三会議室に来てちょうだい」
武内P「確かその部屋は……」
杏「うん、あの変態たちが使ってた部屋だよ。常務の身内が強すぎて使う間も無かったけど、あそこには逃走路もあったんだ。杏はそこでプロデューサーを待ってるから」
武内P「わかりました。それでは行ってきます」
タッタッタッタッタッ
杏「プロデューサー……」
――翌日
タタタタタッ
武内P「あれは……?」
杏「ハァ……ハァ……プロデューサー!」
武内P「双葉さん? 貴方が走るとはいったい何が……」
杏「え、えらいことに……」ゼェゼェ
武内P「えらいこと? あ、いえそれよりも。昨日の件についてお礼を言わせてくださ――」
杏「そ、それどころじゃないんだよ!」
武内P「……いったい何があったのですか?」
杏「ねえプロデューサー。貯金は今いくらある? 答えにくいと思うけど正直に答えて」
武内P「……わかりました。ゴニョゴニョゴニョほどです」
杏「――よし。杏のと合わせれば数年逃げられる」
武内P「逃げ?」
杏「お願いプロデューサー。こうしている間にもいつ何が起きるかわかんないから、何も聞かずに杏と北海道に逃げて」
武内P「な、何を……」
杏「杏が悪いんだ。杏が昨日ちゃんとプロデューサーを止めていれば……」
武内P「双葉さんはちゃんと私に危険だと忠告をくださりましたし、それに昨日の件は解決したではないですか」
杏「違う……違ったんだ。杏はもっと本気でプロデューサーを止めるべきだったんだ。面倒だけど状況をコントロールできる自信があって……プロデューサーに感謝されたくて、ひざ枕してもらいたくて、欲ばり過ぎちゃった」
杏「杏が……杏が欲ばったせいで……プロデューサーは、プロデューサーは……」
武内P(いつも冷静な双葉さんらしくない……何が起きているか自分はわかっているのに、それを周りに説明できていない……それだけのことが起こっている?)
武内P(たとえ冷静でないとしても、双葉さんの忠告は重い。……ですが、いきなり北海道までアイドルの皆さんへのケアも無しに逃げるのはあまりにも――)
杏「早く、早く行こうよプロデューサー」
武内P「双葉さん。貴方の忠告を無視するつもりなどありませんが、確証も無しに仕事を放っておいてどこかに行くなど許されることではありません」
杏「そんなっ……そんなこと言ってる場合じゃないんだよ!」
武内P「教えてください双葉さん。どこに行けば貴方をそこまで混乱させるものを見れるのかを」
杏「えっと……あれ? 今の時間なら……あ、頭の中がごちゃごちゃして」
杏「――CPルーム」
武内P「CPルームに……ですか?」
杏「うん。……多分、その目で見ないと信じられないんだろうね。だから外からこっそりのぞいて、事の大きさが分かったら西棟の第三会議室に来てちょうだい」
武内P「確かその部屋は……」
杏「うん、あの変態たちが使ってた部屋だよ。常務の身内が強すぎて使う間も無かったけど、あそこには逃走路もあったんだ。杏はそこでプロデューサーを待ってるから」
武内P「わかりました。それでは行ってきます」
タッタッタッタッタッ
杏「プロデューサー……」
183: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:21:11.51 ID:dc7m5dYL0
※ ※ ※
武内P(さて、CPルームの前まで来ましたが……中から物音はしませんね)
カチャ
武内P(薄暗い……何か物がたくさん置かれているようですが、ひょっとするとアレが双葉さんを錯乱させてものなのでしょうか?)
凛「プロデューサー?」
武内P「……ッ!?」ビクッ
凛「ドアの前でどうしたの? 中に入れないんだけど」
武内P「す、すみません。少し……」
凛「変なプロデューサー。さ、中に入ろうよ」
武内P「いえ……私は中には」
凛「なんで? 入ろうよ」
武内P「用事が――」
凛「入 ろ う よ 」
武内P「!?」
渋谷さんの突然の剣幕に思わず一歩後ずさる。
開きかけていたドアは私の背中に押され音を立てて開く。
薄暗い空間を廊下の明かりが照らし、中のモノたちをさらけ出した――
「……ッ!!」
等身大の自分の人形。十数センチほどの自分の人形。タペストリーに、ポスターに写る自分の姿。
マグカップに、時計に、筆箱に、ファイルに、写真集に、Tシャツに、ジャージに、バッグに、カーテンに、CDに、水筒に、靴に、トランプに、ジグソーパズルに、財布に、手袋に、マフラーに、帽子に、クッションに、タオルに、ハンカチに、カレンダーに、手帳に、ブックカバーに――――
そこにあるモノ全てに私の姿が……!
武内P「」
凛「聞いたよプロデューサー。加蓮はバスタオルでお見舞い、幸子はたかが100万程度のグッズと引き換えにプロデューサーを一日独占」
凛「私には……何をしてくれるの?」
【Pグッズランキング3位 銭闘力250万5千 プリンセスブルー凛】
http://cdn-ak.b.st-hatena.com/entryimage/240012106-origin-1422151934.jpg
武内P(さて、CPルームの前まで来ましたが……中から物音はしませんね)
カチャ
武内P(薄暗い……何か物がたくさん置かれているようですが、ひょっとするとアレが双葉さんを錯乱させてものなのでしょうか?)
凛「プロデューサー?」
武内P「……ッ!?」ビクッ
凛「ドアの前でどうしたの? 中に入れないんだけど」
武内P「す、すみません。少し……」
凛「変なプロデューサー。さ、中に入ろうよ」
武内P「いえ……私は中には」
凛「なんで? 入ろうよ」
武内P「用事が――」
凛「入 ろ う よ 」
武内P「!?」
渋谷さんの突然の剣幕に思わず一歩後ずさる。
開きかけていたドアは私の背中に押され音を立てて開く。
薄暗い空間を廊下の明かりが照らし、中のモノたちをさらけ出した――
「……ッ!!」
等身大の自分の人形。十数センチほどの自分の人形。タペストリーに、ポスターに写る自分の姿。
マグカップに、時計に、筆箱に、ファイルに、写真集に、Tシャツに、ジャージに、バッグに、カーテンに、CDに、水筒に、靴に、トランプに、ジグソーパズルに、財布に、手袋に、マフラーに、帽子に、クッションに、タオルに、ハンカチに、カレンダーに、手帳に、ブックカバーに――――
そこにあるモノ全てに私の姿が……!
武内P「」
凛「聞いたよプロデューサー。加蓮はバスタオルでお見舞い、幸子はたかが100万程度のグッズと引き換えにプロデューサーを一日独占」
凛「私には……何をしてくれるの?」
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184: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:22:13.08 ID:dc7m5dYL0
武内P(ふ、双葉さんが正しかった。渋谷さんの狙いはわかりませんが、尋常ではない気迫です。ほとぼりが冷めるまで、まずは何にしても逃げないと!)
凛「別にね、無茶なことを言うつもりはないんだよ。ただ私とプロデューサー、二人で進める予定を早めようかなって。プロデューサーの家のかgi――」
武内P「部長に呼ばれているので失礼します!!!」ダダダダダッ
凛「プロデューサー……? なんで……なんで私から逃げる……あ、プロデューサーが私から逃げるはずないか。うん、追いかけっこしたいんだ。男の人っていつまでたっても子どもなところがあるって本当だったんだ。大丈夫だよプロデューサー。ちょっと意外だったけどそんなプロデューサーも……悪くないかな。フフ、フフフフフフフ」
ダダダダダダダッ
武内P「会議室へ……双葉さんがいる会議室へ……これは!?」キキィッ
武内P「段ボールで道がふさがって……?」
美嘉「どうしたの、そんなに慌てて?」
武内P「城ヶ崎さん? いえ、その……すみません今急いでいまして、失礼しま――」ガシッ
美嘉「……」
武内P「じょ、城ヶ崎さん? 手を離していただけますか?」
美嘉「アタシのネット上でのあだ名……知ってるよね?」
武内P「え……その、姉ヶ崎……でしょうか?」
美嘉「カリスマギャルなのに未経験だって、笑ってる奴がいるらしいんだ。言わせておけばいいと思ったけど……アタシ気づいちゃったんだ」
武内P「何に……でしょうか?」
武内P(気のせいでしょうか……城ヶ崎さんの様子が、まるで先ほどの渋谷さんと同じような気が)
美嘉「アタシをカリスマギャル路線で売り始めたのはアンタ。つまりアンタはアタシが未経験のままカリスマギャルに仕立て上げた落ち度があって、これからするアタシのお願いを受け入れないといけない……ねえ、そうでしょ?」
武内P(まさかこの道をふさぐ段ボールの中には全てPグッズが――――!?)
【Pグッズランキング2位 銭闘力322万8千 処女ヶ崎美嘉】
http://blog-imgs-76.fc2.com/7/t/o/7toriaezu/f84e6d3c1d11b46d7efe8e53e1013eb4.jpg
凛「別にね、無茶なことを言うつもりはないんだよ。ただ私とプロデューサー、二人で進める予定を早めようかなって。プロデューサーの家のかgi――」
武内P「部長に呼ばれているので失礼します!!!」ダダダダダッ
凛「プロデューサー……? なんで……なんで私から逃げる……あ、プロデューサーが私から逃げるはずないか。うん、追いかけっこしたいんだ。男の人っていつまでたっても子どもなところがあるって本当だったんだ。大丈夫だよプロデューサー。ちょっと意外だったけどそんなプロデューサーも……悪くないかな。フフ、フフフフフフフ」
ダダダダダダダッ
武内P「会議室へ……双葉さんがいる会議室へ……これは!?」キキィッ
武内P「段ボールで道がふさがって……?」
美嘉「どうしたの、そんなに慌てて?」
武内P「城ヶ崎さん? いえ、その……すみません今急いでいまして、失礼しま――」ガシッ
美嘉「……」
武内P「じょ、城ヶ崎さん? 手を離していただけますか?」
美嘉「アタシのネット上でのあだ名……知ってるよね?」
武内P「え……その、姉ヶ崎……でしょうか?」
美嘉「カリスマギャルなのに未経験だって、笑ってる奴がいるらしいんだ。言わせておけばいいと思ったけど……アタシ気づいちゃったんだ」
武内P「何に……でしょうか?」
武内P(気のせいでしょうか……城ヶ崎さんの様子が、まるで先ほどの渋谷さんと同じような気が)
美嘉「アタシをカリスマギャル路線で売り始めたのはアンタ。つまりアンタはアタシが未経験のままカリスマギャルに仕立て上げた落ち度があって、これからするアタシのお願いを受け入れないといけない……ねえ、そうでしょ?」
武内P(まさかこの道をふさぐ段ボールの中には全てPグッズが――――!?)
【Pグッズランキング2位 銭闘力322万8千 処女ヶ崎美嘉】
http://blog-imgs-76.fc2.com/7/t/o/7toriaezu/f84e6d3c1d11b46d7efe8e53e1013eb4.jpg
185: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:23:20.49 ID:dc7m5dYL0
武内P「い、急いでいるので失礼しま――――なっ!?」ダダダダダッ
美嘉「絶対に……離さないこの繋いだ手は」ダダダダダッ
武内P「手をつかんだまま並走……!?」
美嘉「ねえ、アタシをカリスマギャルにした責任をとってよ。もちろんアタシの初めてをもらうんだから、その後はお父さんとお母さんに挨拶してね。莉嘉もきっと喜ぶから。ふふふふふっ」
武内P「た、助け――」
パンッ
武内P・美嘉「!!?」ビクッ
楓「もう二人とも、廊下を走っちゃいけませんよ」お手てパンパン
武内P「高垣さん……よかった」ホッ
美嘉「くっ……」
楓「そういえばさっき凛ちゃんも勢いよく走ってましたね。プロデューサーが大人としてちゃんとお手本を示さないと」
武内P「その……これには理由が」
楓「言い訳なんて言っていいわけ?」
武内P「は、はあ」
楓「なーんちゃって。実は何があってるのか知ってるんです。凛ちゃんも美嘉ちゃんも思いつめた顔してますね」
武内P「……知っていたのですか。そういうわけですので、申し訳ありませんが城ヶ崎さんを――」
美嘉「ねえプロデューサー。楓さんって不思議な雰囲気を持つ人だけど、アタシと凛がここまで本気でアンタを追っているのにいつも通りなのってさ……なんだか不自然じゃない?」
武内P「え……?」
楓「……」
美嘉「楓さん、そこのドア開けてみてくれない? 何もないんだったら……見せられるよね」
楓「……ううん、美嘉ちゃん。何 か あ る か ら 見 せ る の 」
ガチャ
武内P「~~~~~っっっ」
美嘉「これが……トップアイドルの財力!?」
【Pグッズランキング1位 銭闘力500万 25歳児楓ちゃん】
http://imas.gamedbs.jp/cg/image_sp/card/l/2cc6e90536c27201a4042b1bc3aa7a4b.jpg
美嘉「絶対に……離さないこの繋いだ手は」ダダダダダッ
武内P「手をつかんだまま並走……!?」
美嘉「ねえ、アタシをカリスマギャルにした責任をとってよ。もちろんアタシの初めてをもらうんだから、その後はお父さんとお母さんに挨拶してね。莉嘉もきっと喜ぶから。ふふふふふっ」
武内P「た、助け――」
パンッ
武内P・美嘉「!!?」ビクッ
楓「もう二人とも、廊下を走っちゃいけませんよ」お手てパンパン
武内P「高垣さん……よかった」ホッ
美嘉「くっ……」
楓「そういえばさっき凛ちゃんも勢いよく走ってましたね。プロデューサーが大人としてちゃんとお手本を示さないと」
武内P「その……これには理由が」
楓「言い訳なんて言っていいわけ?」
武内P「は、はあ」
楓「なーんちゃって。実は何があってるのか知ってるんです。凛ちゃんも美嘉ちゃんも思いつめた顔してますね」
武内P「……知っていたのですか。そういうわけですので、申し訳ありませんが城ヶ崎さんを――」
美嘉「ねえプロデューサー。楓さんって不思議な雰囲気を持つ人だけど、アタシと凛がここまで本気でアンタを追っているのにいつも通りなのってさ……なんだか不自然じゃない?」
武内P「え……?」
楓「……」
美嘉「楓さん、そこのドア開けてみてくれない? 何もないんだったら……見せられるよね」
楓「……ううん、美嘉ちゃん。何 か あ る か ら 見 せ る の 」
ガチャ
武内P「~~~~~っっっ」
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186: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:25:49.06 ID:dc7m5dYL0
武内P(渋谷さんと城ヶ崎さん……お二人のPグッズを合わせたぐらいの量が部屋中に……!?)
楓「これだけの物と引き換えだと……週に一回ひざ枕、週に一回お食事、週に一回マルマルという形式だとキリが無いですし、仕事で忙しいプロデューサーさんを拘束しすぎですよね」
楓「そこで私気づいたんです。プロデューサーさんがこの書類に印鑑を押すだけで全てが解決するんです!」
つ 婚姻届
楓「印鑑でないと、いかん。ふふふ」
武内P「た、高垣さん……?」
楓「楓と呼んで……あ、ハニーでもいいですよ♪」
美嘉「そんなことならないから! コイツはアタシに責任とって、それからうちの両親に挨拶に行くんだから!」
楓「美嘉ちゃん……あんまり聞き分けが悪いと、結婚式に招待しませんよ」
児・処「……」バチバチバチバチッ
武内P(ふ、二人がにらみ合っている隙に……ですが右手は城ヶ崎さん、左手には高垣さんで逃げ場が――――かくなる上は!)
ガラッ
美嘉「えっ……窓から!?」
楓「窓からだなんて、まーどうしましょう」
楓「そこまでして逃げるだなんて……ふふふ、フフフフフフフフフフフフフフフ」
ドサッ
武内P「……ッ! 下が芝生で、助かりました。早く……早く、双葉さんの……ところへ」ヨロヨロ
武内P(思えば昨日も今日も、双葉さんの忠告を受け入れなかったために酷い目にあいました)
武内P(なんと馬鹿だったのでしょうか……そんな私を双葉さんはあそこまで心配し、自分のせいだと責任を感じていました)
武内P(早く双葉さんに会いたい……会って謝って、これからは忠告は全て受け入れるようにしましょう……)
武内P「そうです……彼女の言うとおり……北海道へ……北へ……北に……」
「ヤラッド……嬉しいです、プロデューサー」
武内P「」
「私から提案する前に実家に来てくれるなんて……プロデューサーはそこまで真剣に私のこと、考えてくれていたのですね」
茜『先着5名様の商品だったので』
武内P(気づくべきだった……あんなものを買ったアイドルが日野さんの他に四人もいたことを……追っ手は――――四人)バタンッ
アーニャ「ダブロ パジャーラヴァチ……祖国へようこそ」
【Pグッズランキング4位 銭闘力248万9千 殲滅の拳士アーニャ】
http://imas.gamedbs.jp/cg/image_sp/card/l/1434c2b1e8ac2b9526af0dbc0be53e53.jpg
楓「これだけの物と引き換えだと……週に一回ひざ枕、週に一回お食事、週に一回マルマルという形式だとキリが無いですし、仕事で忙しいプロデューサーさんを拘束しすぎですよね」
楓「そこで私気づいたんです。プロデューサーさんがこの書類に印鑑を押すだけで全てが解決するんです!」
つ 婚姻届
楓「印鑑でないと、いかん。ふふふ」
武内P「た、高垣さん……?」
楓「楓と呼んで……あ、ハニーでもいいですよ♪」
美嘉「そんなことならないから! コイツはアタシに責任とって、それからうちの両親に挨拶に行くんだから!」
楓「美嘉ちゃん……あんまり聞き分けが悪いと、結婚式に招待しませんよ」
児・処「……」バチバチバチバチッ
武内P(ふ、二人がにらみ合っている隙に……ですが右手は城ヶ崎さん、左手には高垣さんで逃げ場が――――かくなる上は!)
ガラッ
美嘉「えっ……窓から!?」
楓「窓からだなんて、まーどうしましょう」
楓「そこまでして逃げるだなんて……ふふふ、フフフフフフフフフフフフフフフ」
ドサッ
武内P「……ッ! 下が芝生で、助かりました。早く……早く、双葉さんの……ところへ」ヨロヨロ
武内P(思えば昨日も今日も、双葉さんの忠告を受け入れなかったために酷い目にあいました)
武内P(なんと馬鹿だったのでしょうか……そんな私を双葉さんはあそこまで心配し、自分のせいだと責任を感じていました)
武内P(早く双葉さんに会いたい……会って謝って、これからは忠告は全て受け入れるようにしましょう……)
武内P「そうです……彼女の言うとおり……北海道へ……北へ……北に……」
「ヤラッド……嬉しいです、プロデューサー」
武内P「」
「私から提案する前に実家に来てくれるなんて……プロデューサーはそこまで真剣に私のこと、考えてくれていたのですね」
茜『先着5名様の商品だったので』
武内P(気づくべきだった……あんなものを買ったアイドルが日野さんの他に四人もいたことを……追っ手は――――四人)バタンッ
アーニャ「ダブロ パジャーラヴァチ……祖国へようこそ」
【Pグッズランキング4位 銭闘力248万9千 殲滅の拳士アーニャ】
http://imas.gamedbs.jp/cg/image_sp/card/l/1434c2b1e8ac2b9526af0dbc0be53e53.jpg
187: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:26:33.38 ID:dc7m5dYL0
※ ※ ※
――杏は待ち続けた。
何人もの大人たちが熱く論じる場所で、その小さな体を抱えながら一人で待ち続けた。
あの不器用で誤解されやすい、けれど優しくてそばにいてくれるとそれだけで温かな気持ちになれる大男を待ち続ける。
来てもおかしくない時間がたっても待ち続けた。
来なければおかしい時間がたっても待ち続けた。
待ち続ける間、時おりその小さな体は何かを怯えるように震えた。
待つ時間が長くなるにつれ、震える回数が多くなっていく。
それでも彼女は不安を押し殺し待ち続ける。
太陽は沈み空が燃えるように赤く染まる。
炎は消え空が暗闇に呑まれる。
ついに、シンデレラの魔法が解ける時間となった時――
「ごめんなさい……プロデューサー」
――杏は彼が助からぬ身となったことをついに認め、涙した。
~BAD END~
――杏は待ち続けた。
何人もの大人たちが熱く論じる場所で、その小さな体を抱えながら一人で待ち続けた。
あの不器用で誤解されやすい、けれど優しくてそばにいてくれるとそれだけで温かな気持ちになれる大男を待ち続ける。
来てもおかしくない時間がたっても待ち続けた。
来なければおかしい時間がたっても待ち続けた。
待ち続ける間、時おりその小さな体は何かを怯えるように震えた。
待つ時間が長くなるにつれ、震える回数が多くなっていく。
それでも彼女は不安を押し殺し待ち続ける。
太陽は沈み空が燃えるように赤く染まる。
炎は消え空が暗闇に呑まれる。
ついに、シンデレラの魔法が解ける時間となった時――
「ごめんなさい……プロデューサー」
――杏は彼が助からぬ身となったことをついに認め、涙した。
~BAD END~
189: ◆SbXzuGhlwpak 2016/09/27(火) 06:30:56.14 ID:dc7m5dYL0
最後まで読んでいただきありがとうございました。
販売元からのあまりの圧力の強さに>>1以外書き込めない!orz機能を使おうかと何度か考えましたが、皆さんから感想をいただけないのは悲しいので、読みにくいとは思いましたが使用しませんでした。
それと千川さんを販売元と疑った人へ。千川さんはカネゴンと違って心が清らかな女性で、こんなことには関わりません(ガチャガチャ
今後の予定は
12月1日のちゃんみお誕生日SS
1月は正月ネタでしぶりん
時間に余裕があればシンフォギアかMTGに初チャレンジしようと思います。
シンフォギアは公式がぶっ飛びすぎている上に、書くうえで参考となるSSの数が少ないので骨が折れそう……
販売元からのあまりの圧力の強さに>>1以外書き込めない!orz機能を使おうかと何度か考えましたが、皆さんから感想をいただけないのは悲しいので、読みにくいとは思いましたが使用しませんでした。
それと千川さんを販売元と疑った人へ。千川さんはカネゴンと違って心が清らかな女性で、こんなことには関わりません(ガチャガチャ
今後の予定は
12月1日のちゃんみお誕生日SS
1月は正月ネタでしぶりん
時間に余裕があればシンフォギアかMTGに初チャレンジしようと思います。
シンフォギアは公式がぶっ飛びすぎている上に、書くうえで参考となるSSの数が少ないので骨が折れそう……
190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 06:35:31.28 ID:O9RhUJB7O
茜ちゃんと何があったんですか
191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 07:02:10.14 ID:GK+/BVbt0
おつおつん、杏が可哀想だがよく考えると武内くんと駆け落ちしようとしたんじゃ
192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 07:17:28.93 ID:7+zQgiGso
おつ
ラストのボスラッシュには恐怖を感じたぜ
ラストのボスラッシュには恐怖を感じたぜ
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Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
理亞「雪かきで勝負!」 千歌「良いよ!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:01:18.40 ID:H7XalldR0
聖良『ラブライブ優勝おめでとうございます』
――つきましては、私の家で祝勝会を行いたいと思います。よろしければぜひ。
千歌「っていう内容のメールが届いたんだけど……」
曜「祝勝会って、もう冬だよ? 今さら?」
梨子「しかも優勝おめでとうって言われたの、これが初めてよね」
千歌「確かラブライブ本選の後、二人とも俯いて帰っちゃったよね」
曜「呼びかけても無反応だったし」
梨子「肩を震わせて、洟啜ってた気が……」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:05:00.58 ID:H7XalldR0
千歌「でも、理亞ちゃんは審査員の人に『ワンモア! チャンスタイム!』って訴えかけて
たっけ」
千歌「九位だったし、何回やってもあまり変わらないと思うけど」
曜「ルビィちゃんとかは、理亞ちゃんの真剣な表情に感動して『ダンスモア! ダンスモア!』ってインタビューのときに言ってたよね」
梨子「ほんと良い子よね、ルビィちゃん……ふひ」
千歌「……? それで、どうする?」
曜「うーん、あの時はこっちから呼び出しちゃったし。行くしかないのかなぁ」
たっけ」
千歌「九位だったし、何回やってもあまり変わらないと思うけど」
曜「ルビィちゃんとかは、理亞ちゃんの真剣な表情に感動して『ダンスモア! ダンスモア!』ってインタビューのときに言ってたよね」
梨子「ほんと良い子よね、ルビィちゃん……ふひ」
千歌「……? それで、どうする?」
曜「うーん、あの時はこっちから呼び出しちゃったし。行くしかないのかなぁ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:11:05.78 ID:H7XalldR0
梨子「ぜひ、行きましょう」ガタッ
曜「ずいぶん乗り気だねぇ……」
千歌「まあ、交通費はマリさんに出してもらうとして……」
曜「自腹で行ったら格安でも数万かかっちゃうしね」
梨子「とりあえず、皆に召集かける?」
千歌「うん、そうしよう!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:12:27.97 ID:H7XalldR0
招集後
千歌「ええと、道連れに出来たのは善子ちゃんだけかぁ」
千歌「マリさんは交通費だけ出してくれるって。値段のこと話したら 少し青ざめて
たけど」
曜「皆、予定あるんだねー」
梨子「花丸ちゃんは修行、果南さんは遠征、ダイヤさんとルビィちゃんは ライブを
観に行くのね」
千歌「皆、明らかに嫌がってるよね……」
曜「善子ちゃんは生放送が~って言ってたけど、追求したら 『時間は作れるけど……』って
ボロ出してたし」
千歌「可哀想な善子ちゃん……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:15:44.19 ID:H7XalldR0
梨子「まあ、とにかくこのメンバー+善子ちゃんで北海道旅行ね」
梨子「楽しみだわ……理亞ちゃん」ジュルリ
曜「見境ないなー」
千歌「……んん?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:23:07.63 ID:H7XalldR0
‐そして当日 新千歳空港からタクシーで移動中‐
善子「これが、凍てついた大地の洗礼……っっ」がくがくぶるぶる
千歌「車内なのに、この寒さ……!」ぶるぶるっ
善子「あぁ、このままでは堕天してしまう……っ」
千歌「堕天よりも半纏が欲しいよぉ。こんなに寒いなら、もっと厚着してくれば……っ」
曜「よ、よ~そろ~~~っ」ぶるぶるっ
梨子「ああぁっ、理亞ちゃん……っ!」ゾクゾクゾクっ!
千歌「皆寒がってるねぇ~~、うぅ、早く着かないかなぁ……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:25:13.85 ID:H7XalldR0
曜「もうそろー、のはず」
千歌「」ぶるぶる
善子「」ぶるるっ
曜「あ、ここだ。すみませーん、ここで下ろしてください」
千歌「……うぅぅ、やっと着いたぁ」
善子「はぁ、やっとなのね……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:26:12.71 ID:H7XalldR0
曜「……でも、なんか足の踏み場がないっていうか……」
梨子「辺り一面、雪よね?」
千歌「わぁ、すっごい。少しテンション上がって来たかも!」
善子「淡雪降り積もる中、堕天使、降臨!」
理亞「……やっと来た」ザク、ザクッ
聖良「皆さん、お待ちしていました」ザク、ザクッ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:32:54.85 ID:H7XalldR0
千歌「あ、聖良ちゃんたちだ! お久しぶりです! いやぁ、
寒いですねー」白い息
曜「マイナスいってるんじゃないの、これぇ……」
梨子「確かに、この寒さではあえなく温め合いっこするしかないのでは……?」
理亞「ふっ、寒い? これが普通だけど(笑)」
聖良「私たちは慣れているので」
理亞「この程度で寒いって、東京民じゃあるまいし(笑)」
理亞「もしかして、雪が積もってるのって珍しい?」
千歌「うん、内浦じゃ滅多に降らないし……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:36:02.87 ID:H7XalldR0
千歌「ていうか、二人とも何してるの?」
理亞「ふん、見れば分かるでしょ? 雪かきよ」
聖良「昨晩から積雪が凄まじくて……もしよろしければ、手伝って
いただけませんか?」
千歌「いいよっ、面白そうだし!」
梨子「千歌ちゃん、そんな安請け合いしちゃって大丈夫?」
千歌「大丈夫だって。簡単そうだし。ただ雪を運ぶだけでしょ?」
理亞「後悔しても遅いから……」
理亞「雪かきは、遊びじゃない」ドン!
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 11:56:18.70 ID:H7XalldR0
千歌「えぇ……?」
善子「ふふ。堕天使ヨハネにかかれば、雪かきなど造作もない」
曜「それって死亡フラグなんじゃ……」
善子「降り積もる結晶たちを魔具で運んで……ぐぬぬっ、お、重いぃ……」
善子「うっ、バランスが崩れて……!? あわわ、んんぅ~~」
梨子「……」
善子「ひゃう!」ツルン!
千歌「ああぁっ、善子ちゃんが! 逝った!?」
善子「逝ってない! いったた……もう、何なのよぉ」
善子「ふふ。堕天使ヨハネにかかれば、雪かきなど造作もない」
曜「それって死亡フラグなんじゃ……」
善子「降り積もる結晶たちを魔具で運んで……ぐぬぬっ、お、重いぃ……」
善子「うっ、バランスが崩れて……!? あわわ、んんぅ~~」
梨子「……」
善子「ひゃう!」ツルン!
千歌「ああぁっ、善子ちゃんが! 逝った!?」
善子「逝ってない! いったた……もう、何なのよぉ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:00:21.53 ID:H7XalldR0
理亞「無様ね。本当は勝負でもしようかと思ったけど、結果は見えてるようだし」
千歌「勝負? 良いよ、乗った!」
理亞「正気? にわかは相手にならないよ」
曜「千歌ちゃんがそう言うんなら、雪かきようそろー!」
聖良「面白爽ですね。人数的にハンデもあるので、いい勝負が出来るかと」
梨子「決まりね。では、負けた方は勝った方の言う事を何でも一つ聞くという
ことで。ファイ!」
聖良 理亞「!!??」
曜「すかさずブッ込んで来たねこのレズ」
梨子「モノはないけどね」ファサッ
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:01:36.98 ID:H7XalldR0
千歌「……?」
理亞「ま、まあ私たちが負けることは皆無に等しいし。その条件、呑んであげる。
今スコップで線を引いたとこが、わたしたちの陣地ね。反対側があんたたち。
制限時間は一時間!」
梨子「(ふ、まんまと釣れたわね勢いづいちゃったワカサギが!)」
梨子「千歌ちゃん! 全力で挑みましょう!」
千歌「うん! いっくよぉ! おりゃ~~!」ザクッ
千歌「んぎぎぎ、重いぃぃ……」ふらふら
梨子「千歌ちゃんっ、一度にそんな多く持ち上げたら……っ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:02:51.82 ID:H7XalldR0
千歌「わ、わわ……」
梨子「このままじゃ善子ちゃんの二の舞に……くっ、間に合え!」DASH!!
梨子「今度こそ、救って見せる!!」
善子「いや、わたしのとき静観してたでしょ」
梨子「はああああぁっ! ――えいっ、捕まえた!」
千歌「わわっ、梨子ちゃんありがとー」
梨子「良いのよ、これくらい」ワキワキ、サワサワ
梨子「~~~~っっ」
千歌「ひゃう! ちょ、くすぐったい……」
梨子「はあ、はあ」白い息
梨子「このままじゃ善子ちゃんの二の舞に……くっ、間に合え!」DASH!!
梨子「今度こそ、救って見せる!!」
善子「いや、わたしのとき静観してたでしょ」
梨子「はああああぁっ! ――えいっ、捕まえた!」
千歌「わわっ、梨子ちゃんありがとー」
梨子「良いのよ、これくらい」ワキワキ、サワサワ
梨子「~~~~っっ」
千歌「ひゃう! ちょ、くすぐったい……」
梨子「はあ、はあ」白い息
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:03:57.12 ID:H7XalldR0
梨子「(手のひらに馴染む、千歌ちゃんのくびれ。ワイングラスのように華奢で
ありながらも、程よい肉付きが心地良い。沈み込む五指を押し返す絶妙な質感、
鼻先に香る甘やか香りが理性を揺する。直に伝わって来るのは、女の子特有の
精緻な造り。服越しとはいえ、強く意識してしまう。このまま強く抱きしめて
いたら、どうなってしまうのだろう? 千歌ちゃんの熱い輪郭を感じたまま、
腰に添えられた両手は図らずも上向きにずれて――)
曜「友情ヨーソロー!!」バキっ
梨子「がっ!」ばたん
曜「危なかったね、千歌ちゃん」
千歌「え、何なに??」
曜「あはは、ちょっとスコップが滑っちゃって」
梨子「」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:05:46.79 ID:H7XalldR0
曜「代わりに、わたしが支えてあげるからさ!」
千歌「う、うん。梨子ちゃん大丈夫かなぁ……」
梨子「」ぴくぴく
梨子「(レズは、何度でも蘇る……!)」がばぁっ!
梨子「その手を離せええええええ!」ブン!
曜「くっ、このぉ!」ガキン!
千歌「えええっ!? ちょ、二人とも、喧嘩はダメ!」
曜「あっ……」
梨子「う……」
善子「協力しないと、勝てないわよ」
梨子「……そうね、見くびっていたわ」
曜「敵は姉妹でありながら、強大だね」
千歌「」ぶるぶる
善子「」ぶるるっ
梨子「すごい、もうあんなに雪を……!?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:10:05.65 ID:H7XalldR0
聖良「いささかスピードが遅くないですか?」ザクザク!
理亞「もっと真剣になったらどう?」ザクザク!
梨子「くっ……! こうなったら共同戦線よ、曜ちゃん」ザクッ!
曜「友情(?)ヨーソロー!」ザクッ!
千歌「(二人の協力もあってペースは速まったけど……)」
千歌「くしゅん!」
千歌「(指先の感覚が、無くなってきた)」
千歌「(スコップを握る手に、力が入らない……!)」
千歌「はあ、はあ……」
千歌「わたしたちに比べて、あの二人はあんなに……!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:10:38.88 ID:H7XalldR0
聖闘士雪「――――ッ!」ザクザク、シュッシュ――!
千歌「洗練されたあの動きに比べ、わたしたちは……っ」ふらふら
善子「千歌ちゃん、あれ!」
千歌「えっ!」
善子「あの二人、妙な道具を使ってる!」
千歌「あ、あれは……!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:11:12.24 ID:H7XalldR0
理亞「ふっ、気付いたようね。これはプッシャー」
理亞「これを用いることによって、広範囲に広がった雪を一カ所に集めることが
出来る!」
聖良「そして、スノーダンプを用いることによってまとめて雪を運べます!」
理亞「これぞ、私と姉様の連携技! あなたたちには出来ない技巧よ!」
千歌「くっ、私たちだって同じ道具を使えば! 曜ちゃん!」
曜「ヨーソロー!」ガガガガッ!
千歌「よし、一カ所に集めた雪をダンプで……!」
千歌「んんっ……ん、あれ?」
千歌「重いぃぃ~~」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:11:50.73 ID:H7XalldR0
理亞「甘い。大切なのは、セルフコントロール!」ぐいっ
千歌「あんな小さい身体で、あの物量を……!」
善子「いや、違う。足元を見て!」
千歌「あ、あれはっ……!」
理亞「んしょっ」ぐいっ
千歌「足だ! 腕の力だけじゃなく、脚の力をも使って雪を持ち上げてる!」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:12:39.62 ID:H7XalldR0
千歌「それに、良く見ると……震えてる?」
理亞「(まだまだ、大丈夫)」
理亞「(震える指先……知ってても、見ないで!)」
理亞「わたしはまだ、大丈夫!」
千歌「そっか……本当は、寒さを感じてるんだ」
千歌「道民だからって、寒さに適応してるわけじゃないんだ」
千歌「ただ、見栄を張ってるだけなんだ!」
千歌「わたしたちも、あの方法で頑張るよ!」
曜「ヨーソロー!」ザクザクザクッ!
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:14:09.19 ID:H7XalldR0
理亞「あ、そろそろこっちの方に投げて」
曜「え?」
理亞「あっちは雪でいっぱいだから」
曜「ん? おっけー。投げるよーそろー!」ブンッ!
理亞「へぶっ!?」ビチャッ!
千歌「ああっ、スコップ満杯の雪が理亞ちゃんの顔面に!」
理亞「」バタリ
曜「え、だって投げてって言ったし……」
聖良「……こちらの方言で、捨てるという意味です」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:14:44.64 ID:H7XalldR0
曜「へえ……。ええと、ごめんね、理亞ちゃん」
理亞「」
千歌「でも、ナイスだよ曜ちゃん! これで四対一だ!」
曜「何気に鬼畜発言多いよね、千歌ちゃん」
千歌「……?」
梨子「ともかく、今がチャンスよ! てきぱき動いて!」
曜「う、うん」
千歌「いっくよー! これから逆転だ!」
善子「堕天使の秘めたる力が覚醒する……!」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:16:24.71 ID:H7XalldR0
千歌「(四人のコンビネーションもあって、徐々に追い上げてきた)」
千歌「(だけど、理亞ちゃんはわずか十分で起き上がって来た!)」
千歌「(元のペースを取り戻してしまうSaint Snow)」
千歌「残り時間は……あまりない」
千歌「くっ……」
わたしの手から、スコップが滑り落ちる。
ダンプを押し進めていた曜ちゃんが、その手を放す。
プッシャーで雪を集めていた梨子ちゃんは、勇ましい歩みを止める。
震えていた善子ちゃんは、驚きに目を見開く。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:17:02.32 ID:H7XalldR0
善子「そんな……まさか……」
梨子「千歌ちゃん!?」
曜「嘘……だよね?」
千歌「…………」
震える手を、ぎゅっと握りしめる。
千歌「……無理、だよ。雪かきでは、彼女たちの足元にも及ばない(積雪量)」
千歌「だから……、こうする!」DASH!!
曜「ええっ!?」
理亞「くっ、不意打ち!?」
聖良「でも、遅いです」ヒュンッ
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:19:57.13 ID:H7XalldR0
千歌「それは、どうかな!」
――ビュンッ!
理亞「なっ――ぶっ!」
理亞「これは……雪玉っ」
理亞「ふん、舐められたも同然ね。雪合戦は、私たち道民の得手!」ビュンっ!
聖良「聖戦で挑もうとは、笑止です!」ビュンビュンっ!
千歌「わたしたちも、負けないよ――ッ!」ビュンビュン!
曜「ヨーソロー!」
梨子「YURYYYYYYッ!」
善子「暗黒のエネルギーを集束させし堕天の――いだぁっ!」
そうして、両チームの闘いは激化の一途を辿る。
飛び交う雪玉、響き渡るヨハネの絶叫……そして。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:20:52.37 ID:H7XalldR0
千歌「ぐっ! ……あぁっ」ドサッ
理亞「ふふふ。勝った……勝ったんだ!」
理亞「これで文字通り、雪辱を果たせた!!」
理亞「長かった……。一期最終回では出番を奪われ、ラブライブ本選では惨敗し……」
理亞「だけど今日! 今、この瞬間! わたしたちは勝利者となった!」
理亞「もう、九位なんて呼ばせない!」
千歌「……それは、どうかな」
理亞「ふん、見苦しい。まだ息があったか」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:23:09.60 ID:H7XalldR0
千歌「勝つのは、わたしたちだよ」
理亞「そんなボロボロの身体で、勝てるとでも?」
理亞「それとも、敗走して罰ゲームを無効にする気?」
理亞「道外に逃げる? ここは場内みたいに狭くない!」
理亞「ふふ、まあそれも無理ね。立っているだけで、精一杯のくせに」
理亞「しかも、そんなに震えて。今日なんて特にしばれるから、顔なんて寒さで真っ赤」
千歌「……?」
理亞「――ッ! ともかく、あなたたちはもう負けて――」
千歌「負けてるのは、理亞ちゃんだよ」
理亞「……は?」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:28:28.91 ID:H7XalldR0
曜「……夢中になりすぎたようだね」
梨子「道民としての性が、仇になったわね」
理亞「な、何を強がって……」
善子「――定刻よ。あなたたちは、堕天する」
理亞「……堕天?」チラっ
理亞「え……嘘? 足元に雪がない……あっ」
千歌「そう。雪合戦の時、入れ替わってたんだよ!」
理亞「な、ななな……」
千歌「雪合戦が始まった時、わたしはダッシュして理亞ちゃんの陣地に
踏み入った。対する理亞ちゃんたちは距離を取った」
千歌「そうして理亞ちゃんはわたしたちの陣地の雪を自分たちの場所へ送り
続けていた……つまり――」
理亞「……そん、な」ガクッ
千歌「ちょうど一時間、経ったね」
千歌「タイムアップ。私たちの、勝ちだよ」
梨子「道民としての性が、仇になったわね」
理亞「な、何を強がって……」
善子「――定刻よ。あなたたちは、堕天する」
理亞「……堕天?」チラっ
理亞「え……嘘? 足元に雪がない……あっ」
千歌「そう。雪合戦の時、入れ替わってたんだよ!」
理亞「な、ななな……」
千歌「雪合戦が始まった時、わたしはダッシュして理亞ちゃんの陣地に
踏み入った。対する理亞ちゃんたちは距離を取った」
千歌「そうして理亞ちゃんはわたしたちの陣地の雪を自分たちの場所へ送り
続けていた……つまり――」
理亞「……そん、な」ガクッ
千歌「ちょうど一時間、経ったね」
千歌「タイムアップ。私たちの、勝ちだよ」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:30:10.05 ID:H7XalldR0
理亞「くっ……こんな、ことって……」うるうる
理亞「わたしたち、次こそ、次こそはって……」
千歌「理亞ちゃん……大丈夫だよ。ゆっくりで良いから、立ち上がって」すっ
理亞「え……?」
理亞「こんなに、意地悪したのに……?」
千歌「泣かないで、理亞ちゃん」
理亞「ち、千歌……ちゃん?」キュン
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:30:56.85 ID:H7XalldR0
千歌「わたしたちに負けたとしても、二位だよ。九位じゃないから!」
理亞「……ぅ、うわぁああああああん!!」
理亞「こ、こんなのってひでーべ! この悪魔ぁ!」
善子「ヨハネのことね……」ファサッ
……こうして、雪かき勝負は千歌たちが制した。
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:33:36.75 ID:H7XalldR0
‐その夜‐
聖良「昼間は、妹が取り乱してすみません」
理亞「ごめん……なさい」
聖良「今夜はご馳走です。たくさん用意しましたので、好きなだけどうぞ!」ジュウジュウ
千歌「やったー! お肉だ!」
梨子「焼き肉……ですか? それにしては、妙な匂いが……」
曜「善子ちゃん……先に食べて」
善子「な、なんでこのヨハネが……」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:34:53.91 ID:H7XalldR0
理亞「何よ。わたしたちの料理が、食べられないって言うの?」
理亞「別に、毒なんて仕込んでない」ヒョイ、パクパク
善子「まあ、安全なようね。匂いは気になるけど……じゃあ、いただきます」パクッ
善子「――うぅっ!?」
善子「――――――っ!!」堕天中
千歌「うわ、吐いた……」
曜「えぇ……」
千歌「ちょっと癖はあるけど、美味しいよ。これ」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:36:06.68 ID:H7XalldR0
曜「うん、意外といける! 癖になる味だね。お肉柔らかいし」
聖良「これはジンギスカンという料理です。ラム肉を焼いているんですよ」
千歌「へえ、羊なんだ!」パクパク
曜「タレとお肉が絶妙だねぇ~」パクパク
理亞「ふん、当たり前でしょ。姉様の手作r……」とんとん
理亞「ん?」くるっ
梨子「――今夜、空いてるわね?」
理亞「ぁ…………」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:38:59.28 ID:H7XalldR0
‐深夜‐
梨子「ぺろぺろ、れろぉ、くちゅくちゅくちゅ!」
理亞「ああ、ひぅっ、何か来て……んんッ、あっ、ひゃあああああん!」プッシャー
チラっ
善子「えっろ」
おわり
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:42:07.38 ID:H7XalldR0
以上です。読んでくれた方、乙でした。
明日くらいにhtml化依頼というのをしてきます。
明日くらいにhtml化依頼というのをしてきます。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474768878/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (0)
提督「助けてくれ」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:37:41.71 ID:3KAFAlu0O
息抜きに書きました
駄作です
駄作です
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:38:25.55 ID:3KAFAlu0O
瑞鳳「えへへっ・・・今日も提督に私の卵焼き食べてもらうんだぁっ」
瑞鳳「んっ・・・ハァハァ、私の愛、隠し味だからねっ・・・♡」
瑞鳳「提督っ、もっと私の格納庫いじくってぇぇ・・・」クチュクチュ
瑞鳳「ハァハァ・・・えへ、えへへへへへへ」
瑞鳳「・・・たくさん食べてもらうからねっ」
瑞鳳「私のが提督の体の中にっ・・・・」
瑞鳳「ふふふ・・・のこさず食べてねっ」
瑞鳳「残すのは、許さないから」
瑞鳳「んっ・・・ハァハァ、私の愛、隠し味だからねっ・・・♡」
瑞鳳「提督っ、もっと私の格納庫いじくってぇぇ・・・」クチュクチュ
瑞鳳「ハァハァ・・・えへ、えへへへへへへ」
瑞鳳「・・・たくさん食べてもらうからねっ」
瑞鳳「私のが提督の体の中にっ・・・・」
瑞鳳「ふふふ・・・のこさず食べてねっ」
瑞鳳「残すのは、許さないから」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:38:58.76 ID:3KAFAlu0O
提督「ん?」
瑞鳳「えへへ、提督、卵焼きたくさん作ったんだぁ」
提督「おお、ありがと。お腹すいてたんだ」
瑞鳳「ほら、提督 あーん♡」
提督「んんっ、ちょ、はずかしい」
瑞鳳「だーめっ、ほら?食べて?」
提督「あ、あーん・・」パクッ
瑞鳳「どお?」
提督「美味しいよ、二個目いいかな?」モグモグ
瑞鳳「ふふっ、まだまだたくさんあるよっ」
提督「ふむふむ、やっぱ瑞鳳の卵焼きはおいしいな」
瑞鳳「私の愛がたっぷり詰まってるんだよぉ提督」
瑞鳳「さっき出したばかりだから新鮮だよっ・・・えへへ」
瑞鳳「えへへ、提督、卵焼きたくさん作ったんだぁ」
提督「おお、ありがと。お腹すいてたんだ」
瑞鳳「ほら、提督 あーん♡」
提督「んんっ、ちょ、はずかしい」
瑞鳳「だーめっ、ほら?食べて?」
提督「あ、あーん・・」パクッ
瑞鳳「どお?」
提督「美味しいよ、二個目いいかな?」モグモグ
瑞鳳「ふふっ、まだまだたくさんあるよっ」
提督「ふむふむ、やっぱ瑞鳳の卵焼きはおいしいな」
瑞鳳「私の愛がたっぷり詰まってるんだよぉ提督」
瑞鳳「さっき出したばかりだから新鮮だよっ・・・えへへ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:40:39.22 ID:3KAFAlu0O
提督「・・・隠し味はなに使ったんだ?」
瑞鳳「セクハラだよぉもう、私の愛液だよっ♡最近構ってくれないから提督のこと考えて下のほう弄ったらとっても気持ちよかったのお、ほら、みて?もうグショグショだよ・・・?」
提督「・・・す、すごい濡れてるな、は、ははは・・・ちょっとトイレ行ってくる・・・」
瑞鳳「どこ行くの」
提督「と、トイレだよ」
瑞鳳「だーめぇ、私の卵焼きからだよ?」
提督「げ、限界なんだ頼む」
瑞鳳「・・・いいよ、すぐ戻ってきてね」
提督「さんきゅ!」
瑞鳳「必ず来てね」
提督「あぁ!任せろ!」
瑞鳳「セクハラだよぉもう、私の愛液だよっ♡最近構ってくれないから提督のこと考えて下のほう弄ったらとっても気持ちよかったのお、ほら、みて?もうグショグショだよ・・・?」
提督「・・・す、すごい濡れてるな、は、ははは・・・ちょっとトイレ行ってくる・・・」
瑞鳳「どこ行くの」
提督「と、トイレだよ」
瑞鳳「だーめぇ、私の卵焼きからだよ?」
提督「げ、限界なんだ頼む」
瑞鳳「・・・いいよ、すぐ戻ってきてね」
提督「さんきゅ!」
瑞鳳「必ず来てね」
提督「あぁ!任せろ!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:41:05.05 ID:3KAFAlu0O
トイレ
提督「おええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
提督「うそだろおい食べちまったよ・・・」
提督「うっ・・・思い出したら吐き気が・・・・」
提督「くそあの卵野郎・・・」
提督「戻ったらあれ全部食わされんのか、よし、逃げよう」
提督「おええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
提督「うそだろおい食べちまったよ・・・」
提督「うっ・・・思い出したら吐き気が・・・・」
提督「くそあの卵野郎・・・」
提督「戻ったらあれ全部食わされんのか、よし、逃げよう」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:41:44.66 ID:3KAFAlu0O
提督「どうしたんだ時雨」
時雨「最近夕立と仲良いよね」
提督「ん?そうか?」
時雨「抱き着かれてさ、嬉しそうだよ提督の顔」
提督「あいつは犬みたいだからな、かわいいものだよ」
時雨「へぇ可愛かったらなんでもいいの?」
提督「変な言い方するな」
時雨「答えてよ」
提督「い、いや、ま、まぁそうだな、可愛いいからつい撫でたくなるんだ」
時雨「そう」
提督「ど、どうした?」
時雨「最近夕立と仲良いよね」
提督「ん?そうか?」
時雨「抱き着かれてさ、嬉しそうだよ提督の顔」
提督「あいつは犬みたいだからな、かわいいものだよ」
時雨「へぇ可愛かったらなんでもいいの?」
提督「変な言い方するな」
時雨「答えてよ」
提督「い、いや、ま、まぁそうだな、可愛いいからつい撫でたくなるんだ」
時雨「そう」
提督「ど、どうした?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:42:12.20 ID:3KAFAlu0O
夕立「あ、提督さーん!」
提督「ん?」
夕立「ねね!またMVPとったよ!褒めて褒めてーっ!」ダキッ
提督「おー!すごいなー夕立は」ナデナデ
夕立「えへへっ!」
時雨「・・・」ジー
提督「ん?・・・ハッ!?ゆ、夕立いま仕事中だからまたあとからな!」
夕立「んーっわかったっぽい~」シュン
夕立「じゃあとからね!」
時雨「よかったね提督」
提督「ひっ・・・」
提督「ん?」
夕立「ねね!またMVPとったよ!褒めて褒めてーっ!」ダキッ
提督「おー!すごいなー夕立は」ナデナデ
夕立「えへへっ!」
時雨「・・・」ジー
提督「ん?・・・ハッ!?ゆ、夕立いま仕事中だからまたあとからな!」
夕立「んーっわかったっぽい~」シュン
夕立「じゃあとからね!」
時雨「よかったね提督」
提督「ひっ・・・」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:42:44.69 ID:3KAFAlu0O
時雨「ねぇ夕立」
時雨「邪魔なんだよ」
時雨「僕が提督の近くによるといっつも割り込んでくるよね」
時雨「気づいてないとでも思った?」
時雨「提督は頭撫でてるあげてるけど正直うざいって言ってたよ」
時雨「だからさ、消えてくれないかな」
時雨「なんで泣きそうになってるの?」
時雨「僕と提督の間には誰もいらない」
時雨「親友ごっこ楽しかったね」
時雨「なんで怯えてるの?泣いたり怯えたりさぁ」
時雨「あぁ、このナイフ?もちろん君を刺すためさ」
時雨「気持ち悪いよ、その顔見てるだけでイライラしてくる」
時雨「じゃぁね、夕立」
時雨「邪魔なんだよ」
時雨「僕が提督の近くによるといっつも割り込んでくるよね」
時雨「気づいてないとでも思った?」
時雨「提督は頭撫でてるあげてるけど正直うざいって言ってたよ」
時雨「だからさ、消えてくれないかな」
時雨「なんで泣きそうになってるの?」
時雨「僕と提督の間には誰もいらない」
時雨「親友ごっこ楽しかったね」
時雨「なんで怯えてるの?泣いたり怯えたりさぁ」
時雨「あぁ、このナイフ?もちろん君を刺すためさ」
時雨「気持ち悪いよ、その顔見てるだけでイライラしてくる」
時雨「じゃぁね、夕立」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:43:26.69 ID:3KAFAlu0O
榛名「提督」
提督「ん?」
榛名「・・・」ダキッ
提督「!?」
榛名「はぁぁぁぁ提督の臭いっ///」クンカクンカ
提督「ちょ、離れてくれ」
榛名「なんでですか」ガシッ
提督「い、痛い!強くつかみすぎだ!」
榛名「金剛お姉さまにはなにも言わないのに、なんで榛名にそんなこと言うのですか」
提督(始まったか、こうなると言うことをきかん)
榛名「榛名はいつも提督のことを見ているのに・・・榛名はいつも提督の傍にいるのに・・・榛名は榛名はっ・・・」
提督「ん?」
榛名「・・・」ダキッ
提督「!?」
榛名「はぁぁぁぁ提督の臭いっ///」クンカクンカ
提督「ちょ、離れてくれ」
榛名「なんでですか」ガシッ
提督「い、痛い!強くつかみすぎだ!」
榛名「金剛お姉さまにはなにも言わないのに、なんで榛名にそんなこと言うのですか」
提督(始まったか、こうなると言うことをきかん)
榛名「榛名はいつも提督のことを見ているのに・・・榛名はいつも提督の傍にいるのに・・・榛名は榛名はっ・・・」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 22:43:52.03 ID:3KAFAlu0O
提督「ご、ごめんな、ほら、いったん離れて」ナデナデ
榛名「嫌です、ずっとこのままがいいです」
提督「・・・はぁわかったよ」
榛名「えへへぇ・・・提督ぅ」
榛名「もっと提督を感じたいです・・・」
榛名「もっと提督を知りたいです・・・」
提督「は、榛名・・・?」
榛名「ごめんなさい提督、榛名は悪い子です」
提督「な、なんだその手錠とスタンガンは」
榛名「これからずっと提督は私と二人きりです・・・提督は榛名がいないとすぐに浮気してしまいます」
提督「じょ、冗談だろ榛名・・・な?」
榛名「起きた時には提督は私のものです、えへへ、またあとからですね、提督」スタンガン
提督「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおお」
榛名END
榛名「嫌です、ずっとこのままがいいです」
提督「・・・はぁわかったよ」
榛名「えへへぇ・・・提督ぅ」
榛名「もっと提督を感じたいです・・・」
榛名「もっと提督を知りたいです・・・」
提督「は、榛名・・・?」
榛名「ごめんなさい提督、榛名は悪い子です」
提督「な、なんだその手錠とスタンガンは」
榛名「これからずっと提督は私と二人きりです・・・提督は榛名がいないとすぐに浮気してしまいます」
提督「じょ、冗談だろ榛名・・・な?」
榛名「起きた時には提督は私のものです、えへへ、またあとからですね、提督」スタンガン
提督「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおお」
榛名END
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474897061/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
みほ「優花里さんにおちんちん生えてた」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:47:42.44 ID:ViybZzWJO
みほ「ゆ、ゆかり殿ーーー!!!」
優花里「ににに西住殿!これは誤解です、誤解なんです!!」
みほ「まさか優花里さんが男の子だったなんて……」
優花里「ちがっ!違います!男の子ではないです!」
みほ「ちょっとスキンシップ激しいなーと思ってたけど、あれは私たちをオカズに……」
優花里「わー!わー!!違います!友情!友情です!!」
みほ「装填手(意味深)……」
優花里「やめてください!!!」
優花里「ににに西住殿!これは誤解です、誤解なんです!!」
みほ「まさか優花里さんが男の子だったなんて……」
優花里「ちがっ!違います!男の子ではないです!」
みほ「ちょっとスキンシップ激しいなーと思ってたけど、あれは私たちをオカズに……」
優花里「わー!わー!!違います!友情!友情です!!」
みほ「装填手(意味深)……」
優花里「やめてください!!!」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:49:42.43 ID:ViybZzWJO
みほ「えぇ………優花里さん、ふたなりさんだったんだ」
優花里「そ、そうなんですよぉ……どうか皆さんにはこのことを内密に……」
みほ「確かに、力持ちだなーとは思ってたけど……で、でも、私たち一緒にお風呂にもよく入ってるのに、全然気づかなかったな……」
優花里「だってそれは、バレたら絶対引かれるので必死に挟んだりなんだり……というか西住殿引きましたよね、キモいですよねごめんなさいもう触ったりしないんでせめて絶交とかはしないでください」
みほ「わーわーわー!優花里さんやめて!頭を上げて!」
優花里「はひ、戦車道もやめましゅ……」
みほ「ゆっ、優花里さん!」ガバッ
優花里「そ、そうなんですよぉ……どうか皆さんにはこのことを内密に……」
みほ「確かに、力持ちだなーとは思ってたけど……で、でも、私たち一緒にお風呂にもよく入ってるのに、全然気づかなかったな……」
優花里「だってそれは、バレたら絶対引かれるので必死に挟んだりなんだり……というか西住殿引きましたよね、キモいですよねごめんなさいもう触ったりしないんでせめて絶交とかはしないでください」
みほ「わーわーわー!優花里さんやめて!頭を上げて!」
優花里「はひ、戦車道もやめましゅ……」
みほ「ゆっ、優花里さん!」ガバッ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:51:39.24 ID:ViybZzWJO
優花里「へっ」
みほ「……それは、びっくりしたけど、別に引いてないよ?優花里さんがふたなりさんでもそうでなくても、優花里さんは優花里さんでしょ?」
優花里「に、にしずみどにょぉ……」
みほ「だから、やめるなんて絶対言わないで。私には、私たちには優花里さんが必要なの」
優花里「西住殿……!」
みほ「安心して。ね?」
ムククッ
みほ「えっ」
優花里「あっやばっ……」
みほ「ひいい、そ、装填手(意味深)……」
優花里「ごめ、ごめんなさい!か、感動のあまり!いや!ついうっかり挟み忘れて……いやその!というかそれやめてください!!」
みほ「……それは、びっくりしたけど、別に引いてないよ?優花里さんがふたなりさんでもそうでなくても、優花里さんは優花里さんでしょ?」
優花里「に、にしずみどにょぉ……」
みほ「だから、やめるなんて絶対言わないで。私には、私たちには優花里さんが必要なの」
優花里「西住殿……!」
みほ「安心して。ね?」
ムククッ
みほ「えっ」
優花里「あっやばっ……」
みほ「ひいい、そ、装填手(意味深)……」
優花里「ごめ、ごめんなさい!か、感動のあまり!いや!ついうっかり挟み忘れて……いやその!というかそれやめてください!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:53:28.93 ID:ViybZzWJO
みほ「たまにキューポラから出てると下の方から視線を感じたのはやっぱりぃ……」
優花里「心配だから!西住殿心配だったから!」
みほ「私が笑うと前かがみになってたのも今思えば……」
優花里「そ、それは生理現象だから仕方ないでしょう!!?」
みほ「えっ」
優花里「西住殿に笑いかけられたらそりゃあ、誰だって、豆だってそうなるでしょう?」
みほ「えっ、う、うーん?(豆……?)」
優花里「だから仕方ないんですよう……。それにご自分は自覚ないでしょうけどね、戦車道おちんぽ会内バキバキにガン攻めしたいランキング1位ですよ!?」
みほ「ちょっと待って、理解が追いつかない」
優花里「心配だから!西住殿心配だったから!」
みほ「私が笑うと前かがみになってたのも今思えば……」
優花里「そ、それは生理現象だから仕方ないでしょう!!?」
みほ「えっ」
優花里「西住殿に笑いかけられたらそりゃあ、誰だって、豆だってそうなるでしょう?」
みほ「えっ、う、うーん?(豆……?)」
優花里「だから仕方ないんですよう……。それにご自分は自覚ないでしょうけどね、戦車道おちんぽ会内バキバキにガン攻めしたいランキング1位ですよ!?」
みほ「ちょっと待って、理解が追いつかない」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:55:04.15 ID:ViybZzWJO
優花里「ちなみに2位は河嶋先輩です」
みほ「……分かる気が……じゃなくて、えっ、何、戦車道ってその、おち……ふたなりさんが多いの!?」
優花里「何を今更。戦車道女子の二割はふたなりですよ」
みほ「ええっ!?」
優花里「ちなみにあんこうチームは西住殿と武部殿以外全員ふたなりです」
みほ「ええええっ!!!」
優花里「ちなみにおちんぽ会現総帥は西住まほ殿です」
みほ「ええええええええええっ!!!!!」
みほ「……分かる気が……じゃなくて、えっ、何、戦車道ってその、おち……ふたなりさんが多いの!?」
優花里「何を今更。戦車道女子の二割はふたなりですよ」
みほ「ええっ!?」
優花里「ちなみにあんこうチームは西住殿と武部殿以外全員ふたなりです」
みほ「ええええっ!!!」
優花里「ちなみにおちんぽ会現総帥は西住まほ殿です」
みほ「ええええええええええっ!!!!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:58:15.62 ID:ViybZzWJO
優花里「……知らなかったんですか!?」
みほ「知らないよ!身内にそんな、……しかも総帥って!」
優花里「でかさと懐の深さで決まるんです」
みほ「ぜ、全然、全然知らなかった……高校一年生まで一緒にお風呂入ってたのに」
優花里「(高1まで!?)姉君殿のチンポステルススキルは逸品ですからね……やむをえませんよ」
みほ(チンポステルススキル……)
優花里「ちなみに私は少佐クラスです」
みほ「た、多分優花里さんのが大きいんだろうなってことは分かるけど……」
優花里「ムフ……ちなみに逸見殿は二等兵です」
みほ「知らないよ!身内にそんな、……しかも総帥って!」
優花里「でかさと懐の深さで決まるんです」
みほ「ぜ、全然、全然知らなかった……高校一年生まで一緒にお風呂入ってたのに」
優花里「(高1まで!?)姉君殿のチンポステルススキルは逸品ですからね……やむをえませんよ」
みほ(チンポステルススキル……)
優花里「ちなみに私は少佐クラスです」
みほ「た、多分優花里さんのが大きいんだろうなってことは分かるけど……」
優花里「ムフ……ちなみに逸見殿は二等兵です」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 12:59:16.22 ID:ViybZzWJO
みほ「え、エリカさん……。というかその情報は今関係ないですよね。エリカさんがかわいそうです」
優花里「す、すみません。私としたことが。西住殿に見栄を張りたいあまり部下チンを馬鹿にするような真似を……浅ましい……!!」
みほ(部下チン……)
優花里「……と、とにかく!ふたなりは別に異常なことじゃないんですよ。それに、普通な皆さんの平穏を乱すようなこともしません……」
みほ「ち、近いよぉ」
優花里「近くないですよ、いつも通りです。……害は、決して与えませんから。……だから、そっとしておいてやってください」
みほ「う、うん……わかった」
優花里「す、すみません。私としたことが。西住殿に見栄を張りたいあまり部下チンを馬鹿にするような真似を……浅ましい……!!」
みほ(部下チン……)
優花里「……と、とにかく!ふたなりは別に異常なことじゃないんですよ。それに、普通な皆さんの平穏を乱すようなこともしません……」
みほ「ち、近いよぉ」
優花里「近くないですよ、いつも通りです。……害は、決して与えませんから。……だから、そっとしておいてやってください」
みほ「う、うん……わかった」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:00:00.93 ID:ViybZzWJO
優花里「たとえたまに部屋から栗の花のような香りがしても……」
みほ「う、うーん?」
優花里「たとえ、アルバムがかぴかぴになってたとしても……」
みほ(そういえば………)
優花里「たとえ、枕に変なシミがついてしまっていたとしても………」
みほ「………」
優花里「たとえ、『背中を流してやろう』と執拗に迫ってきたとしても……」
みほ「お姉ちゃんだこれ!!!」
みほ「う、うーん?」
優花里「たとえ、アルバムがかぴかぴになってたとしても……」
みほ(そういえば………)
優花里「たとえ、枕に変なシミがついてしまっていたとしても………」
みほ「………」
優花里「たとえ、『背中を流してやろう』と執拗に迫ってきたとしても……」
みほ「お姉ちゃんだこれ!!!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:06:41.68 ID:ViybZzWJO
優花里「害は!!害は与えませんから!!!」
みほ「いや、害出てるよ!こ、こわいよぉ!お姉ちゃんがこわい!!私は今夜枕をどうすればいいの!?」
優花里「わっ、私の腕で良ければ……!!」
みほ「なんでこの流れでいけると思っちゃったの!?」
優花里「だっ、大丈夫ですよぉ。友達です、西住殿とは友達なんですからぁ」
みほ「目がケモノのそれだよぉ………」
優花里「にっ、にっ、西住殿ぉ……!!しゅしゅ、しゅきでしゅううう!」
ガバッ
みほ「わー!!!わぁー!!!」
みほ「いや、害出てるよ!こ、こわいよぉ!お姉ちゃんがこわい!!私は今夜枕をどうすればいいの!?」
優花里「わっ、私の腕で良ければ……!!」
みほ「なんでこの流れでいけると思っちゃったの!?」
優花里「だっ、大丈夫ですよぉ。友達です、西住殿とは友達なんですからぁ」
みほ「目がケモノのそれだよぉ………」
優花里「にっ、にっ、西住殿ぉ……!!しゅしゅ、しゅきでしゅううう!」
ガバッ
みほ「わー!!!わぁー!!!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:08:06.53 ID:ViybZzWJO
優花里「に、にしずみどのおおおぉぉ!!」
カクカクカク
みほ「いやあああああ!!!」
優花里「ずっと好きだったんですぅぅぅう!!!」
カクカクカク
みほ「なんで今言っちゃうのお!!!」
優花里「ううう、好きです、好きですぅ西住殿ぉ……!!!」ポロポロ
みほ「ゆ、優花里さん……」
優花里「か、家族になってくださいぃぃぃ……」
みほ「えっ……!!」
優花里「あ、赤ちゃん孕んでくださいぃぃぃ」
カクカクカク
みほ「わ゛ぁー!!!わ゛ぁーーーー!!!」
カクカクカク
みほ「いやあああああ!!!」
優花里「ずっと好きだったんですぅぅぅう!!!」
カクカクカク
みほ「なんで今言っちゃうのお!!!」
優花里「ううう、好きです、好きですぅ西住殿ぉ……!!!」ポロポロ
みほ「ゆ、優花里さん……」
優花里「か、家族になってくださいぃぃぃ……」
みほ「えっ……!!」
優花里「あ、赤ちゃん孕んでくださいぃぃぃ」
カクカクカク
みほ「わ゛ぁー!!!わ゛ぁーーーー!!!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:09:02.92 ID:ViybZzWJO
ガシャーン!!!
みほ「窓!窓から黒森峰!!」
エリカ「大丈夫!?みほ!」
みほ「エリ……逸見さん!?なんで!?」
エリカ「ふん、偶然黒森峰も近くを航行しててね……たまには顔でも見ようと思ったら、よ」
みほ「逸見さん……」
エリカ「今は苗字で呼んで欲しくない気分ね」
みほ「二等兵……」
エリカ「ちょっ」
みほ「窓!窓から黒森峰!!」
エリカ「大丈夫!?みほ!」
みほ「エリ……逸見さん!?なんで!?」
エリカ「ふん、偶然黒森峰も近くを航行しててね……たまには顔でも見ようと思ったら、よ」
みほ「逸見さん……」
エリカ「今は苗字で呼んで欲しくない気分ね」
みほ「二等兵……」
エリカ「ちょっ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:11:31.55 ID:ViybZzWJO
優花里「嘘つけ!どうせ盗聴でもしてて慌てて駆けつけたんでしょう!!」
エリカ「少佐……いや、秋山!!あんたはやっちゃいけないことをやった!!」
優花里「何を……おちんぽ会鉄の掟ですか!?」
エリカ「そうよ。おちんぽ会鉄の掟第2条。『ノンケと普通のレズには死んでもチンポを出すな』」
優花里「うんざりです!こんなものが付いてるからって、好きな人に想いを伝えることも出来ないなんてうんざり!!私の方がみほさんにお近づきになるチャンスが多いからって、がんじがらめに……もう限界です!!」
エリカ「伝え方が問題だっつってんのよ。それに、がんじがらめなのは何もあんただけじゃなかったわよ。……第一あんたがそんな真似したら、傷つくのはみほだけじゃない。……慎ましく暮らしてる罪なきふたなりにも累が及ぶわ!」
優花里「何を!そもそも慎ましく暮らしてるなんてのがおかしいんです!人の目を気にして、いつバレないかビクビクと……おかしいのは我々を怖がる普通のやつらの方だ!!我々はこういう風に生まれたんだ!!大手を振って……チンポを振って!!他の子達のように、堂々生きていけない理由がありますか!!」
みほ「なんで言い直したの……」
エリカ「少佐……いや、秋山!!あんたはやっちゃいけないことをやった!!」
優花里「何を……おちんぽ会鉄の掟ですか!?」
エリカ「そうよ。おちんぽ会鉄の掟第2条。『ノンケと普通のレズには死んでもチンポを出すな』」
優花里「うんざりです!こんなものが付いてるからって、好きな人に想いを伝えることも出来ないなんてうんざり!!私の方がみほさんにお近づきになるチャンスが多いからって、がんじがらめに……もう限界です!!」
エリカ「伝え方が問題だっつってんのよ。それに、がんじがらめなのは何もあんただけじゃなかったわよ。……第一あんたがそんな真似したら、傷つくのはみほだけじゃない。……慎ましく暮らしてる罪なきふたなりにも累が及ぶわ!」
優花里「何を!そもそも慎ましく暮らしてるなんてのがおかしいんです!人の目を気にして、いつバレないかビクビクと……おかしいのは我々を怖がる普通のやつらの方だ!!我々はこういう風に生まれたんだ!!大手を振って……チンポを振って!!他の子達のように、堂々生きていけない理由がありますか!!」
みほ「なんで言い直したの……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:13:43.65 ID:ViybZzWJO
エリカ「……私達は、絶対的に少数なのよ。戦車道が特異な環境というだけ……世間的には、どうしたって奇異の目で見られる」
優花里「それがおかしいんです!そもそも、ふたなりは種として優れているんです……そうだ!男の力強さ、女の強かさ!両方を受け入れられて、両方を屈服させ得る!ふたなりこそが優れた人種!だから導いてあげるべきなんです!!私達のふたなり道に!!!」
エリカ「それって、まるで……。いいわ、それがあんたのふたなり道ってわけね」
優花里「そうです!男の子にも混じれず、女の子にも混じれなかった私の、ふたなり道!やっと見つけました!!」
みほ「ふえぇ……辱められてる気がするよ」
優花里「それがおかしいんです!そもそも、ふたなりは種として優れているんです……そうだ!男の力強さ、女の強かさ!両方を受け入れられて、両方を屈服させ得る!ふたなりこそが優れた人種!だから導いてあげるべきなんです!!私達のふたなり道に!!!」
エリカ「それって、まるで……。いいわ、それがあんたのふたなり道ってわけね」
優花里「そうです!男の子にも混じれず、女の子にも混じれなかった私の、ふたなり道!やっと見つけました!!」
みほ「ふえぇ……辱められてる気がするよ」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:15:16.26 ID:ViybZzWJO
エリカ「短絡的ね。幼稚園の駄々っ子だってもう少し上手にやるでしょうね」
優花里「逸見だって分かるでしょう!好きな人と心を通わせたい!口付けたい!バッキバキに犯したい!私は西住殿の……いやみほの苗字を秋山にしたいんです!!」
エリカ「………」
みほ「ふぇっ………」
エリカ「………それがその強姦紛いなわけ?だったら私は、あんたを止める!私のふたなり道で!!」
ガシャーン!!!
みほ「窓!窓から黒森峰!!」
まほ「その勝負、合意と見てよろしいですね?」
みほ「お姉ちゃん!!!」
優花里「逸見だって分かるでしょう!好きな人と心を通わせたい!口付けたい!バッキバキに犯したい!私は西住殿の……いやみほの苗字を秋山にしたいんです!!」
エリカ「………」
みほ「ふぇっ………」
エリカ「………それがその強姦紛いなわけ?だったら私は、あんたを止める!私のふたなり道で!!」
ガシャーン!!!
みほ「窓!窓から黒森峰!!」
まほ「その勝負、合意と見てよろしいですね?」
みほ「お姉ちゃん!!!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:16:47.77 ID:ViybZzWJO
まほ「ああ、お姉ちゃんだ。そして今の私は、ふたなりチンポバトルの公式レフリーでもある」
みほ「お、お姉ちゃん………」
エリカ「隊長……いえ、総帥!」
まほ「エリカ、強く……いや、今の私はレフリーに過ぎん。……さて、双方心構えはよろしいか!」
優花里「いつでも」
エリカ「どこでも!」
みほ「わけわかんないけどここではやめてね!?」
まほ「バトルフィールドはみほベッド。ルールはバーリトゥード。二本先取で勝利だ」
みほ「お、お姉ちゃん………」
エリカ「隊長……いえ、総帥!」
まほ「エリカ、強く……いや、今の私はレフリーに過ぎん。……さて、双方心構えはよろしいか!」
優花里「いつでも」
エリカ「どこでも!」
みほ「わけわかんないけどここではやめてね!?」
まほ「バトルフィールドはみほベッド。ルールはバーリトゥード。二本先取で勝利だ」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:18:45.63 ID:ViybZzWJO
優花里(ゴク……)ギシ……
エリカ(………!)ギシ……
みほ「やめてぇ!」
まほ「チャージ3回、フリーオプションバトル、オーケー?」
優花里「上等です」バッ
エリカ「一瞬で終わらせてあげるわ」ババッ
エリカ(………!)ギシ……
みほ「やめてぇ!」
まほ「チャージ3回、フリーオプションバトル、オーケー?」
優花里「上等です」バッ
エリカ「一瞬で終わらせてあげるわ」ババッ
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:19:40.85 ID:ViybZzWJO
みほ「わ゛ぁーーー!!!えっち!!変態!!服着てよぉ!!!」
優花里(………!!)ムククッ
エリカ(………!!)ムクククッ
みほ「なんでそうなるの!!」
まほ(………!!)ムククククククッ
みほ「なんでそうなるの!!!!!」
ダージリン「この勝負………荒れるわね」
オレンジペコ「そうですね」
みほ「なんでいるの!!?」
まほ「それではぁぁ!!チィィィンポバトルゥゥゥ………ファイッ!!!!」
みほ「いやああああああ………」
優花里(………!!)ムククッ
エリカ(………!!)ムクククッ
みほ「なんでそうなるの!!」
まほ(………!!)ムククククククッ
みほ「なんでそうなるの!!!!!」
ダージリン「この勝負………荒れるわね」
オレンジペコ「そうですね」
みほ「なんでいるの!!?」
まほ「それではぁぁ!!チィィィンポバトルゥゥゥ………ファイッ!!!!」
みほ「いやああああああ………」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:21:53.97 ID:ViybZzWJO
~~~~~~~~~~
エリカ「ハァ……ハァ……ハァ……」
優花里「……スー……ハー……」
みほ(…………)
優花里 (ニヤリ)
エリカ「くっ……」ガクッ
みほ(………!!)
優花里「……逸見殿……………お見事。……んぅっ!あっあっあぁっ……」ドサ、ヌチュッ
まほ「………勝者!逸見エリカ!!」
エリカ「う、おお……おおおおおお!!!」
エリカ「ハァ……ハァ……ハァ……」
優花里「……スー……ハー……」
みほ(…………)
優花里 (ニヤリ)
エリカ「くっ……」ガクッ
みほ(………!!)
優花里「……逸見殿……………お見事。……んぅっ!あっあっあぁっ……」ドサ、ヌチュッ
まほ「………勝者!逸見エリカ!!」
エリカ「う、おお……おおおおおお!!!」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:23:15.97 ID:ViybZzWJO
オレンジペコ「おめでとう!!」
ダージリン「おめでとう……!」
まほ「見事だ、エリカ。……よくやった」
パチパチパチパチ
みほ「す、すごかった……」
まほ「ああ。まさに手に汗握る戦いだったな」
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「………すまなかったな、今まで」
ダージリン「おめでとう……!」
まほ「見事だ、エリカ。……よくやった」
パチパチパチパチ
みほ「す、すごかった……」
まほ「ああ。まさに手に汗握る戦いだったな」
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「………すまなかったな、今まで」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:24:00.83 ID:ViybZzWJO
みほ「何が……?」
まほ「お前にその、………黙っていたこと」
みほ「………ううん、いいの」
まほ「え?」
みほ「2人を見ててね、わかったんだ。……ふたなりさんだって私達と同じなんだって。苦しいことは苦しいし、楽しいことは楽しいし、……す、好きな人も、できちゃうし」
まほ「みほ………」
みほ「ううん、むしろ全力で、一途で、1人だけ好きになるって、ふたなりさんだからなのかな。……ちょっとだけ、カッコよかったかも」
まほ「………」
まほ「お前にその、………黙っていたこと」
みほ「………ううん、いいの」
まほ「え?」
みほ「2人を見ててね、わかったんだ。……ふたなりさんだって私達と同じなんだって。苦しいことは苦しいし、楽しいことは楽しいし、……す、好きな人も、できちゃうし」
まほ「みほ………」
みほ「ううん、むしろ全力で、一途で、1人だけ好きになるって、ふたなりさんだからなのかな。……ちょっとだけ、カッコよかったかも」
まほ「………」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:25:28.38 ID:ViybZzWJO
みほ「やってることはただのえっちなキャットファイトだけどね……」
まほ「みほ………綺麗になった」
みほ「え?」
まほ「さぁ、行ってやれ。エリカが待ってる」
みほ「お姉ちゃん……いいの?」
まほ「いいって、何が」
みほ「だってお姉ちゃん、その……」
まほ「……ふっふふ!この自意識過剰め。私を誰だと思ってる。みほ以外にもいい子をたくさん知ってるんだぞ。お姉ちゃんは。……いい、行きなさい。エリカが待ってる」
みほ「……はい!」
エリカさん、エリカさーん!!
まほ「……ふふ、ふ、さよならみほ。……けど、たまには……顔を見せてくれよ」
まほ「みほ………綺麗になった」
みほ「え?」
まほ「さぁ、行ってやれ。エリカが待ってる」
みほ「お姉ちゃん……いいの?」
まほ「いいって、何が」
みほ「だってお姉ちゃん、その……」
まほ「……ふっふふ!この自意識過剰め。私を誰だと思ってる。みほ以外にもいい子をたくさん知ってるんだぞ。お姉ちゃんは。……いい、行きなさい。エリカが待ってる」
みほ「……はい!」
エリカさん、エリカさーん!!
まほ「……ふふ、ふ、さよならみほ。……けど、たまには……顔を見せてくれよ」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:26:14.62 ID:ViybZzWJO
~~~~~~~~~~
みほ「エリカさーん!!」
エリカ「み、みほっ…!」
ガバッ
エリカ「みっ、みみみみっほ!!」
みほ「エリカさん………かっこよかったよ」
エリカ「みほ……!!」ジワ……
みほ「大きさじゃ、ないんだね」
エリカ「うるさいわよ!!」
みほ「エリカさーん!!」
エリカ「み、みほっ…!」
ガバッ
エリカ「みっ、みみみみっほ!!」
みほ「エリカさん………かっこよかったよ」
エリカ「みほ……!!」ジワ……
みほ「大きさじゃ、ないんだね」
エリカ「うるさいわよ!!」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:27:05.38 ID:ViybZzWJO
優花里「はぁぁぁ……逸見殿、強かったなぁ」
みほ「!!!」
エリカ「……あなたも、強かったわ」
優花里「……やめてください。勝者が敗者にかける言葉はない。……あなたはどちらの立場もよく知っているはずです」
エリカ「………」
優花里「けど、私に勝ったんだから、み、みほ殿を……し、しあわ、せ、に……!」
みほ「……優花里さん」
みほ「!!!」
エリカ「……あなたも、強かったわ」
優花里「……やめてください。勝者が敗者にかける言葉はない。……あなたはどちらの立場もよく知っているはずです」
エリカ「………」
優花里「けど、私に勝ったんだから、み、みほ殿を……し、しあわ、せ、に……!」
みほ「……優花里さん」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:28:08.83 ID:ViybZzWJO
フワッ
優花里「!!!」
みほ「優花里さんも、ありがとう。私は、優花里さんのいうふたなり道はなんだか変だなって思ってた。けど、優花里さんの真剣な顔、とっても素敵だった。かっこよかったよ」
優花里「み、みほ殿………。や、やめてください、期待させるようなこと。あなたにはもう、逸見殿が………」
みほ「え、なんで?」
エリカ・優花里「「えっ」」
優花里「!!!」
みほ「優花里さんも、ありがとう。私は、優花里さんのいうふたなり道はなんだか変だなって思ってた。けど、優花里さんの真剣な顔、とっても素敵だった。かっこよかったよ」
優花里「み、みほ殿………。や、やめてください、期待させるようなこと。あなたにはもう、逸見殿が………」
みほ「え、なんで?」
エリカ・優花里「「えっ」」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:28:55.68 ID:ViybZzWJO
みほ「だって2人は、お互いの道をかけて戦ったんでしょう?」
エリカ「そ、そうよみほ。だから……」
みほ「この勝負で、私をどうするとかって、決めてたっけ?」キョトン
エリカ「」
優花里「と、ということは、みほ殿……!!」
みほ「うん。でも、2人とも素敵で、その、我ながら、なんだかなっていうか、その、さ、……最低かなって思っちゃうんだけど……ほんとに2人とも素敵で、その………」
エリカ・優花里「「………」」
みほ「ふ、2人とも、まずはお友達からって、だめですか?」
エリカ「そ、そうよみほ。だから……」
みほ「この勝負で、私をどうするとかって、決めてたっけ?」キョトン
エリカ「」
優花里「と、ということは、みほ殿……!!」
みほ「うん。でも、2人とも素敵で、その、我ながら、なんだかなっていうか、その、さ、……最低かなって思っちゃうんだけど……ほんとに2人とも素敵で、その………」
エリカ・優花里「「………」」
みほ「ふ、2人とも、まずはお友達からって、だめですか?」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:30:00.48 ID:ViybZzWJO
まほ「マジでか」
エリカ「うぐぐ、しかし、うぐむ……」
優花里「そ、それは……しかし、良いのでしょうか!?」
ダージリン「いいのよ」
まほ「ダージリン!?」
ダージリン「いいのよ。恋と戦争では、あらゆることが正当化される……ということよ」
オレンジペコ「………」
ダージリン「それに、サンドイッチはね…」
オレンジペコ「はい?」ガシッ
モゴゴ……
みほ「あ、あはは………」
エリカ「うぐぐ、しかし、うぐむ……」
優花里「そ、それは……しかし、良いのでしょうか!?」
ダージリン「いいのよ」
まほ「ダージリン!?」
ダージリン「いいのよ。恋と戦争では、あらゆることが正当化される……ということよ」
オレンジペコ「………」
ダージリン「それに、サンドイッチはね…」
オレンジペコ「はい?」ガシッ
モゴゴ……
みほ「あ、あはは………」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:30:53.26 ID:ViybZzWJO
エリカ「……いいわよ」
優花里「逸見殿!?」
エリカ「勘違いしないで。納得しているわけではないわ。……でも、秋山。あなたがみほの笑顔を取り戻してくれたこと、居場所のひとつになってあげたこと……私ができなかったことをしてくれたことに、私は少なからず感謝と、嫉妬をしている」
優花里「………」
みほ「エリカさん………」
エリカ「そんな私のふたなり道での好敵手を、この戦いだけで白黒つけるのはもったいない……そう感じただけよ。……次は、私が完膚なきまでに勝つわ」
優花里「………上等です。エリカ殿。私こそ、次は負けません」
みほ「ふ、2人とも……」
優花里「逸見殿!?」
エリカ「勘違いしないで。納得しているわけではないわ。……でも、秋山。あなたがみほの笑顔を取り戻してくれたこと、居場所のひとつになってあげたこと……私ができなかったことをしてくれたことに、私は少なからず感謝と、嫉妬をしている」
優花里「………」
みほ「エリカさん………」
エリカ「そんな私のふたなり道での好敵手を、この戦いだけで白黒つけるのはもったいない……そう感じただけよ。……次は、私が完膚なきまでに勝つわ」
優花里「………上等です。エリカ殿。私こそ、次は負けません」
みほ「ふ、2人とも……」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:31:58.61 ID:ViybZzWJO
まほ「待て、それなら私も……」
ダージリン「こら、まほさん。水差さないの。それにあなたにはもう、安斎さんに小梅さんに直下さんに……それから私。たーくさんいるじゃない」
まほ「う、その……」
みほ「………お姉ちゃん?」
まほ「み、みほ、その……」
オレンジペコ「英雄色を好む、ですね」
ダージリン「おやりになるわね、ペコ。そして今回の場合、血は争えないとも言うのかしらね。……さて、私達はこの方を少々教育して差し上げましょうか」
オレンジペコ「はい!」
まほ「待て!やめろ!」
ダージリン「好きよね、鞭」
まほ「やめてぇ!」
ズリズリズリ……
ダージリン「こら、まほさん。水差さないの。それにあなたにはもう、安斎さんに小梅さんに直下さんに……それから私。たーくさんいるじゃない」
まほ「う、その……」
みほ「………お姉ちゃん?」
まほ「み、みほ、その……」
オレンジペコ「英雄色を好む、ですね」
ダージリン「おやりになるわね、ペコ。そして今回の場合、血は争えないとも言うのかしらね。……さて、私達はこの方を少々教育して差し上げましょうか」
オレンジペコ「はい!」
まほ「待て!やめろ!」
ダージリン「好きよね、鞭」
まほ「やめてぇ!」
ズリズリズリ……
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:32:45.58 ID:ViybZzWJO
みほ「…………身内の知りたくなかった性癖が………」
優花里「まぁ、普段激務なできる人ほどそういう方向に走ると言いますし」
エリカ「……そして、あなたがいなくなってからでもある」
みほ「うっ………」
優花里「まあまあ、姉君のことはひとまずとして……」
エリカ「こ、これから、どうする?」
優花里「まぁ、普段激務なできる人ほどそういう方向に走ると言いますし」
エリカ「……そして、あなたがいなくなってからでもある」
みほ「うっ………」
優花里「まあまあ、姉君のことはひとまずとして……」
エリカ「こ、これから、どうする?」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:33:36.54 ID:ViybZzWJO
みほ「これから?」
エリカ「これから」
優花里(コクコク)
みほ「これから、えーっと……」ギシ……
優花里(ゴク………)
エリカ(ゴク………)
みほ「じゃあ、まずは……」
優花里「まずは」
エリカ「まずは……!」
掃除!!!洗濯!!!!染みにしたら絶対許しませーん!!!!!
は、ハイイイィィィィ……
エリカ「これから」
優花里(コクコク)
みほ「これから、えーっと……」ギシ……
優花里(ゴク………)
エリカ(ゴク………)
みほ「じゃあ、まずは……」
優花里「まずは」
エリカ「まずは……!」
掃除!!!洗濯!!!!染みにしたら絶対許しませーん!!!!!
は、ハイイイィィィィ……
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:34:31.42 ID:ViybZzWJO
その後滅茶苦茶手を繋いで添い寝した
優花里とエリカは当然眠れなかった
優花里とエリカは当然眠れなかった
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:38:25.68 ID:ViybZzWJO
くぅ~疲れました!
以上になります!
途中感想くれた方、ありしゃす!
ねこにゃー「気に入った!うちにきて、ファックされていいぞ!」
以上になります!
途中感想くれた方、ありしゃす!
ねこにゃー「気に入った!うちにきて、ファックされていいぞ!」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 13:40:54.09 ID:TX9Qj8YZ0
ノンケと普通のレズには死んでもチンポを出すな
強いこだわりを感じる
強いこだわりを感じる
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 14:05:23.53 ID:Pe6InKTho
サンドイッチ言うが為に書いただろこれwwwwwwwwww
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 14:06:15.98 ID:NsgilqH4o
乙
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 14:22:08.37 ID:dgXMRGop0
アホすぎて笑った。
大好きだわ。
大好きだわ。
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/25(日) 15:07:00.98 ID:ViybZzWJO
>>43
初投稿でしゅう……
今見たらタイトルに【ガルパン】ってつける作法があるんですね
今から直せないですよね……
初投稿でしゅう……
今見たらタイトルに【ガルパン】ってつける作法があるんですね
今から直せないですよね……
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474775262/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー | Comments (0)
藍子「ゆっくり止まっていく」
1: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:28:00.67 ID:TbFOIgDP0
前の
まゆ「一目惚れ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467820704/
寺生まれのPさんとか、ふじともとか、妖怪みくにゃんとか、猫語を学んだ茄子さんとか出ます
まゆ「一目惚れ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1467820704/
寺生まれのPさんとか、ふじともとか、妖怪みくにゃんとか、猫語を学んだ茄子さんとか出ます
2: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:29:24.82 ID:TbFOIgDP0
みく「ん~♪」
みく「にゃぁ~♪」
朋「ご機嫌ね、みくちゃん」
みく「そりゃあ、もう!」
みく「お日様がぽかぽかで、とっても気持ちいいんだもん!」
朋「ふふ、そっか」
みく「うにゃぁ~♪」
みく「お散歩に来てよかった~♪」
朋「近くの公園だけどね」
みく「近くでも遠くでも、気持ちよければなんにも変わらないにゃ!」
朋「そっかー」
みく「~♪」
朋「……ふふ」
みく「にゃぁ~♪」
朋「ご機嫌ね、みくちゃん」
みく「そりゃあ、もう!」
みく「お日様がぽかぽかで、とっても気持ちいいんだもん!」
朋「ふふ、そっか」
みく「うにゃぁ~♪」
みく「お散歩に来てよかった~♪」
朋「近くの公園だけどね」
みく「近くでも遠くでも、気持ちよければなんにも変わらないにゃ!」
朋「そっかー」
みく「~♪」
朋「……ふふ」
3: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:30:04.63 ID:TbFOIgDP0
みく「ね、ね、朋チャン!」
みく「みく、ちょっとあっちの方に遊びに行ってくるね!」
朋「ん、行ってらっしゃ~い」
みく「~♪」
朋「……みくちゃんは元気ねー」
朋「元々が猫っていうのもあるんだろうけど」
朋「……」
朋「……一緒に来てた茄子さんもはしゃいでどっかいっちゃったし」
朋「ほんと、みんな元気よねー……」
朋「……」
朋「でも……本当に今日はいい天気ね」
朋「思わずあくびが出ちゃうくらい……ふわぁ」
朋「……平和ねー」
朋「……」
朋「……ちょっとだけ寝ちゃおうかな」
朋「……」
朋「ふわぁ……」
朋「……」
朋「……」
朋「……すー」
みく「みく、ちょっとあっちの方に遊びに行ってくるね!」
朋「ん、行ってらっしゃ~い」
みく「~♪」
朋「……みくちゃんは元気ねー」
朋「元々が猫っていうのもあるんだろうけど」
朋「……」
朋「……一緒に来てた茄子さんもはしゃいでどっかいっちゃったし」
朋「ほんと、みんな元気よねー……」
朋「……」
朋「でも……本当に今日はいい天気ね」
朋「思わずあくびが出ちゃうくらい……ふわぁ」
朋「……平和ねー」
朋「……」
朋「……ちょっとだけ寝ちゃおうかな」
朋「……」
朋「ふわぁ……」
朋「……」
朋「……」
朋「……すー」
4: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:30:34.60 ID:TbFOIgDP0
朋「……ん」
朋「んぅ……なんか重い……?」
朋「……」ゴシゴシ
朋「……あ」
「みゃぁ」
朋「猫……もしかしてみくちゃん?」
朋「……なわけないか」
朋「よい……しょっと」スクッ
朋「どしたの、猫ちゃん? あたしの上に乗って?」
「んにゃぁ……」
朋「……んー」
朋「やっぱみくちゃんの傍にいただけじゃ言葉なんてわからないかー……」
「……」ペロペロ
朋「きゃっ!」
朋「ふふっ、もう。くすぐったいわよ」
朋「もう……仕返しっ」ナデナデ
「みゃぁ……♪」
朋「ふふ、気持ちいい?」
朋「じゃあ、こことかも……ごろごろ」
「にゃぁ♪」
朋「ふふっ」
朋「人懐っこい子ね~」
??「……」パシャッ
朋「……ん?」
??「あっ……」
朋「んぅ……なんか重い……?」
朋「……」ゴシゴシ
朋「……あ」
「みゃぁ」
朋「猫……もしかしてみくちゃん?」
朋「……なわけないか」
朋「よい……しょっと」スクッ
朋「どしたの、猫ちゃん? あたしの上に乗って?」
「んにゃぁ……」
朋「……んー」
朋「やっぱみくちゃんの傍にいただけじゃ言葉なんてわからないかー……」
「……」ペロペロ
朋「きゃっ!」
朋「ふふっ、もう。くすぐったいわよ」
朋「もう……仕返しっ」ナデナデ
「みゃぁ……♪」
朋「ふふ、気持ちいい?」
朋「じゃあ、こことかも……ごろごろ」
「にゃぁ♪」
朋「ふふっ」
朋「人懐っこい子ね~」
??「……」パシャッ
朋「……ん?」
??「あっ……」
5: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:31:18.46 ID:TbFOIgDP0
朋「……」
??「えっと……」
朋「……もしかして、あたしを撮った?」
??「あ、はい……つい」
??「そのあなたと猫さんの戯れる姿がとっても可愛らしかったので」
??「……えへへ」
朋「いや、笑っても誤魔化されないわよ」
??「そうですよね……」
??「ごめんなさい、すぐに消しますね」
朋「……あ、ちょっと待って」
??「はい?」
朋「ね、今の写真見せてくれる?」
??「あ、はい! えっと……どうぞ」
朋「ありがと……わ、本当」
朋「自分で言うのもなんだけど、すっごく可愛く撮れてるわね……」
??「そうなんです! だから、つい手が勝手に動いちゃって……」
??「うぅ……ごめんなさい……」
朋「いや、まあ別に――」
みく「――たっだいまー!……うにゃ? そいつは誰にゃ?」
藍子「あ、えっと……私は高森藍子って言います!」
みく「藍子チャン……朋チャンの知り合い?」
朋「ううん、あたしもたった今出会ったばかりよ」
朋「あたしは藤居朋。よろしくね」
みく「みくは前川みくにゃぁ」
藍子「朋さんにみくさん……よろしくお願いしますね」
??「えっと……」
朋「……もしかして、あたしを撮った?」
??「あ、はい……つい」
??「そのあなたと猫さんの戯れる姿がとっても可愛らしかったので」
??「……えへへ」
朋「いや、笑っても誤魔化されないわよ」
??「そうですよね……」
??「ごめんなさい、すぐに消しますね」
朋「……あ、ちょっと待って」
??「はい?」
朋「ね、今の写真見せてくれる?」
??「あ、はい! えっと……どうぞ」
朋「ありがと……わ、本当」
朋「自分で言うのもなんだけど、すっごく可愛く撮れてるわね……」
??「そうなんです! だから、つい手が勝手に動いちゃって……」
??「うぅ……ごめんなさい……」
朋「いや、まあ別に――」
みく「――たっだいまー!……うにゃ? そいつは誰にゃ?」
藍子「あ、えっと……私は高森藍子って言います!」
みく「藍子チャン……朋チャンの知り合い?」
朋「ううん、あたしもたった今出会ったばかりよ」
朋「あたしは藤居朋。よろしくね」
みく「みくは前川みくにゃぁ」
藍子「朋さんにみくさん……よろしくお願いしますね」
6: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:31:52.40 ID:TbFOIgDP0
藍子「あ、そうだ。すぐこの写真消しますね!」
朋「ん、ああいいわよ別に。そんな変な写真でもなかったし」
朋「勝手に撮られたのはちょっとあれだけど。ちゃんと見せてもらえたしね」
みく「写真?」
朋「うん。藍子ちゃんが撮ったやつ」
みく「へー……わ、朋チャンも猫チャンも楽しそう!」
藍子「ですよねっ!」
みく「うんうん!」
みく「キミも楽しかったかにゃ?」
「みゃぁ」
みく「ふふ、それはよかったにゃ」
朋「なんて言ってたの?」
みく「いい匂いがして気持ちよかったって」
朋「……なんかすっごい複雑だわ」
藍子「……みくちゃんは猫ちゃんと話せるんですか?」
みく「もちろんにゃ!」
みく「なんていったってみくは猫だからね!」
藍子「そうなんですか!」
藍子「ふふっ、素敵ですね……♪」
みく「にゃあ!」
朋(……冗談だと思ってるだろうけど、本当なのよねー)
朋「ん、ああいいわよ別に。そんな変な写真でもなかったし」
朋「勝手に撮られたのはちょっとあれだけど。ちゃんと見せてもらえたしね」
みく「写真?」
朋「うん。藍子ちゃんが撮ったやつ」
みく「へー……わ、朋チャンも猫チャンも楽しそう!」
藍子「ですよねっ!」
みく「うんうん!」
みく「キミも楽しかったかにゃ?」
「みゃぁ」
みく「ふふ、それはよかったにゃ」
朋「なんて言ってたの?」
みく「いい匂いがして気持ちよかったって」
朋「……なんかすっごい複雑だわ」
藍子「……みくちゃんは猫ちゃんと話せるんですか?」
みく「もちろんにゃ!」
みく「なんていったってみくは猫だからね!」
藍子「そうなんですか!」
藍子「ふふっ、素敵ですね……♪」
みく「にゃあ!」
朋(……冗談だと思ってるだろうけど、本当なのよねー)
7: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:32:57.86 ID:TbFOIgDP0
茄子「朋ちゃーん、みくちゃーん」
朋「あ、茄子さん――ってうわっ!?」
茄子「ふふっ、たくさんお友達ができました♪」
藍子「すごい……あんなにたくさんの猫さんが……!」
みく「……うー」
茄子「……あら?」
藍子「あ……こんにちは」ペコリ
茄子「ふふ、はじめましてですね。鷹富士茄子ですよー♪」
藍子「私は高森藍子って言います」
茄子「ふふ、よろしくお願いしますねー♪」
茄子「みんなも……にゃ、にゃあ!」
「にゃあ!」
藍子「きゃっ……!」
朋「うわ、すごっ……みんなにお辞儀させてる……」
朋「……というか、猫の言葉話せるようになったのね」
茄子「ふふっ、みくちゃんにたくさん教えてもらいましたから」
茄子「ねー?」
みく「……」
茄子「……あら、みくちゃん?」
みく「……なんかずるいにゃ」
みく「ずるいにゃ!」
朋「わっ、どしたの?」
みく「茄子チャンばっかりそんなにいっぱい猫チャンを連れてきてずるいにゃ!」
みく「みくももっとたくさん連れてくる!」ダッ
朋「……えぇ」
茄子「ふふ、じゃあ私ももっとたくさんお友達を作らなきゃ♪」
みく「ふしゃー! 対抗しないでよー!」
茄子「私はお友達が作りたいだけですよー♪」
朋「……二人とも行っちゃった」
藍子「猫の言葉をしゃべれるなんてすごいなぁ……」
朋「そうねー」
朋「あ、茄子さん――ってうわっ!?」
茄子「ふふっ、たくさんお友達ができました♪」
藍子「すごい……あんなにたくさんの猫さんが……!」
みく「……うー」
茄子「……あら?」
藍子「あ……こんにちは」ペコリ
茄子「ふふ、はじめましてですね。鷹富士茄子ですよー♪」
藍子「私は高森藍子って言います」
茄子「ふふ、よろしくお願いしますねー♪」
茄子「みんなも……にゃ、にゃあ!」
「にゃあ!」
藍子「きゃっ……!」
朋「うわ、すごっ……みんなにお辞儀させてる……」
朋「……というか、猫の言葉話せるようになったのね」
茄子「ふふっ、みくちゃんにたくさん教えてもらいましたから」
茄子「ねー?」
みく「……」
茄子「……あら、みくちゃん?」
みく「……なんかずるいにゃ」
みく「ずるいにゃ!」
朋「わっ、どしたの?」
みく「茄子チャンばっかりそんなにいっぱい猫チャンを連れてきてずるいにゃ!」
みく「みくももっとたくさん連れてくる!」ダッ
朋「……えぇ」
茄子「ふふ、じゃあ私ももっとたくさんお友達を作らなきゃ♪」
みく「ふしゃー! 対抗しないでよー!」
茄子「私はお友達が作りたいだけですよー♪」
朋「……二人とも行っちゃった」
藍子「猫の言葉をしゃべれるなんてすごいなぁ……」
朋「そうねー」
8: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:33:37.20 ID:TbFOIgDP0
藍子「……朋さんたちもお散歩でここに来たんですか?」
朋「うん。ちょっと暇だったからね」
朋「天気もよかったし」
藍子「そうですね……本当に今日は良い天気で気持ちがいいです」
藍子「私もちょっとお仕事の気分転換に来ちゃいました」
朋「お仕事……?」
藍子「あっ……!」
藍子「……」
朋「……いや、別に話したくないならいいわよ」
藍子「いえ……」
藍子「……あの、私、喫茶店で働いてるんです」
朋「喫茶店で?」
藍子「はい」
藍子「――って喫茶店です」
朋「……ごめん、知らないわ」
藍子「そうなんですか……!?」
朋「う、うん……聞いたこと無いと思うけど……」
朋「もしかしたら名前覚えてないだけかな……どこにあるの?」
藍子「あ、えっと――」
朋「うん。ちょっと暇だったからね」
朋「天気もよかったし」
藍子「そうですね……本当に今日は良い天気で気持ちがいいです」
藍子「私もちょっとお仕事の気分転換に来ちゃいました」
朋「お仕事……?」
藍子「あっ……!」
藍子「……」
朋「……いや、別に話したくないならいいわよ」
藍子「いえ……」
藍子「……あの、私、喫茶店で働いてるんです」
朋「喫茶店で?」
藍子「はい」
藍子「――って喫茶店です」
朋「……ごめん、知らないわ」
藍子「そうなんですか……!?」
朋「う、うん……聞いたこと無いと思うけど……」
朋「もしかしたら名前覚えてないだけかな……どこにあるの?」
藍子「あ、えっと――」
9: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:34:08.91 ID:TbFOIgDP0
藍子「――です」
朋「うーん……やっぱり知らないと思うわ」
朋「今度行ってみようかな?」
藍子「えぇっ……!?」
朋「え、そんなに嫌だった……?」
藍子「あ、いえ、そういうわけじゃ……ないん……ですけど……」
朋「……?」
藍子「えっと……」
藍子「……」
藍子「……あの、ちょっとした決まりがあって」
朋「決まり?」
藍子「はい……その一人一時間しかいられないって決まってるんです」
朋「あ、そうなんだ……へぇ、そんなに人気なんだ……」
藍子「……」
藍子「その……それを守っていただければ」
朋「うん、わかったわ」
朋「じゃ、今度遊びに行くわね……それこそ明日にでも遊びに行こうかしら」
藍子「……ありがとうございます」
藍子「お待ちしてますね」
朋「うん!」
藍子「……」
茄子「朋ちゃーん! 藍子ちゃーん!」
朋「あ、二人が帰ってきたみたいね」
みく「はぁ……はぁ……結構走って疲れたにゃ」
茄子「ふふ、ここら辺の猫ちゃんはたぶんみんないますねー♪」
藍子「……行く前よりさらに増えてますね」
朋「もはや大名行列みたいね、あれ」
藍子「……」
藍子「……写真撮ってもいいでしょうか……」
朋「あたしもちょっと撮りたい……ふふっ」
朋「うーん……やっぱり知らないと思うわ」
朋「今度行ってみようかな?」
藍子「えぇっ……!?」
朋「え、そんなに嫌だった……?」
藍子「あ、いえ、そういうわけじゃ……ないん……ですけど……」
朋「……?」
藍子「えっと……」
藍子「……」
藍子「……あの、ちょっとした決まりがあって」
朋「決まり?」
藍子「はい……その一人一時間しかいられないって決まってるんです」
朋「あ、そうなんだ……へぇ、そんなに人気なんだ……」
藍子「……」
藍子「その……それを守っていただければ」
朋「うん、わかったわ」
朋「じゃ、今度遊びに行くわね……それこそ明日にでも遊びに行こうかしら」
藍子「……ありがとうございます」
藍子「お待ちしてますね」
朋「うん!」
藍子「……」
茄子「朋ちゃーん! 藍子ちゃーん!」
朋「あ、二人が帰ってきたみたいね」
みく「はぁ……はぁ……結構走って疲れたにゃ」
茄子「ふふ、ここら辺の猫ちゃんはたぶんみんないますねー♪」
藍子「……行く前よりさらに増えてますね」
朋「もはや大名行列みたいね、あれ」
藍子「……」
藍子「……写真撮ってもいいでしょうか……」
朋「あたしもちょっと撮りたい……ふふっ」
10: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:34:44.79 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朋「えーっと……ここだったわよね」
朋「……」カランカラン
藍子「いらっしゃいま――あ、朋さん!」
朋「あ、藍子ちゃんやっほー」
朋「せっかくだから遊びに来たわ」
藍子「ふふ、ありがとうございます♪」
朋「みくちゃんと茄子さんは用事があるから……ってこなかったけど」
藍子「朋さんが来てくれただけでもすごい嬉しいですっ」
藍子「じゃあ、えっと……こちらの席にどうぞ」
朋「はーい」
藍子「何か飲みたいものとかありますか?」
朋「んー……」
朋「……じゃ、コーヒーで」
藍子「はーい。すぐに持ってきますねっ」
朋「えーっと……ここだったわよね」
朋「……」カランカラン
藍子「いらっしゃいま――あ、朋さん!」
朋「あ、藍子ちゃんやっほー」
朋「せっかくだから遊びに来たわ」
藍子「ふふ、ありがとうございます♪」
朋「みくちゃんと茄子さんは用事があるから……ってこなかったけど」
藍子「朋さんが来てくれただけでもすごい嬉しいですっ」
藍子「じゃあ、えっと……こちらの席にどうぞ」
朋「はーい」
藍子「何か飲みたいものとかありますか?」
朋「んー……」
朋「……じゃ、コーヒーで」
藍子「はーい。すぐに持ってきますねっ」
11: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:35:12.51 ID:TbFOIgDP0
藍子「お待たせしました」
朋「ありがと」
藍子「よいしょっと……ふふっ、遊びに来てくれてありがとうございます」
朋「ふふ、行くっていったじゃない……あ、おいし」
藍子「ありがとうございます」
藍子「……見てのとおり、あまり人がいないので……」
藍子「遊びに来てくれるだけでもとってもうれしいです」
朋「そっか……」
朋「一人一時間って言うからもっと人いっぱいいるんだと思ったわ」
藍子「……」
朋「……ねぇ、藍子ちゃん以外の従業員とかはいないの?」
藍子「!」
藍子「あ、えっと……」
朋「……?」
藍子「……そうですね、私だけです」
朋「へぇ……大変ね」
藍子「そんなことないですよ」
藍子「……今はそんなに人も来ないので、私一人でも十分なんです」
朋「……なんかごめん」
藍子「いえ……」
藍子「……」
朋「ありがと」
藍子「よいしょっと……ふふっ、遊びに来てくれてありがとうございます」
朋「ふふ、行くっていったじゃない……あ、おいし」
藍子「ありがとうございます」
藍子「……見てのとおり、あまり人がいないので……」
藍子「遊びに来てくれるだけでもとってもうれしいです」
朋「そっか……」
朋「一人一時間って言うからもっと人いっぱいいるんだと思ったわ」
藍子「……」
朋「……ねぇ、藍子ちゃん以外の従業員とかはいないの?」
藍子「!」
藍子「あ、えっと……」
朋「……?」
藍子「……そうですね、私だけです」
朋「へぇ……大変ね」
藍子「そんなことないですよ」
藍子「……今はそんなに人も来ないので、私一人でも十分なんです」
朋「……なんかごめん」
藍子「いえ……」
藍子「……」
12: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:35:43.54 ID:TbFOIgDP0
朋「ってことは、料理とかも全部藍子ちゃんがやってるの?」
藍子「はい、そうです」
藍子「一通りのお仕事の仕方はお父さんから教わってたので、なんとか……」
朋「へぇ……」
藍子「このお店……お父さんのお店なんです」
藍子「なので、小さいころからたくさんお手伝いしてて……気がついたら全部できるようになっちゃってました」
朋「すごいわねぇ……」
朋「……あれ? 今はお父さんは?」
藍子「あ! えぇっと……えっと……」
朋「……?」
藍子「……あ、そうだ!」
藍子「この前の写真現像したんです。持ってきますねっ!」
朋「え、あ、うん……」
朋「……」
藍子「はい、そうです」
藍子「一通りのお仕事の仕方はお父さんから教わってたので、なんとか……」
朋「へぇ……」
藍子「このお店……お父さんのお店なんです」
藍子「なので、小さいころからたくさんお手伝いしてて……気がついたら全部できるようになっちゃってました」
朋「すごいわねぇ……」
朋「……あれ? 今はお父さんは?」
藍子「あ! えぇっと……えっと……」
朋「……?」
藍子「……あ、そうだ!」
藍子「この前の写真現像したんです。持ってきますねっ!」
朋「え、あ、うん……」
朋「……」
13: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:36:12.63 ID:TbFOIgDP0
藍子「お待たせしましたっ」
朋「わ、ありがと!」
朋「ふふ、どれも綺麗に撮れてるわね」
藍子「そうですね♪」
藍子「ほら……この朋さんと猫さんのも」
朋「一番最初に撮ったやつね」
藍子「あの時は……ごめんなさい」
朋「いや、まあいいわよ。過ぎたことだし」
朋「それに藍子ちゃんと出会えて、こんな素敵な店にもこれたしね」
藍子「素敵な……」
朋「雰囲気もやわらかくて、心地よくて……静かで……」
朋「あたし、結構ここ好きよ?」
藍子「……」
朋「……藍子ちゃん?」
藍子「……」
朋「おーい」
藍子「あっ……いえ……あの……」
藍子「……なんでもありません」
朋「……?」
朋「わ、ありがと!」
朋「ふふ、どれも綺麗に撮れてるわね」
藍子「そうですね♪」
藍子「ほら……この朋さんと猫さんのも」
朋「一番最初に撮ったやつね」
藍子「あの時は……ごめんなさい」
朋「いや、まあいいわよ。過ぎたことだし」
朋「それに藍子ちゃんと出会えて、こんな素敵な店にもこれたしね」
藍子「素敵な……」
朋「雰囲気もやわらかくて、心地よくて……静かで……」
朋「あたし、結構ここ好きよ?」
藍子「……」
朋「……藍子ちゃん?」
藍子「……」
朋「おーい」
藍子「あっ……いえ……あの……」
藍子「……なんでもありません」
朋「……?」
14: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:37:31.25 ID:TbFOIgDP0
藍子「それよりっ……えっと、ほら!」
藍子「茄子さんとかみくちゃんの写真もありますよ!」
朋「……二人ともたくさん猫を侍らせてるわね」
藍子「すごいですよね……」
朋「まあ、二人とも猫と話せるからねー」
朋(みくちゃんにいたっては元猫だし)
藍子「……私も猫さんと話せたらもっと可愛い写真取れるんでしょうか……?」
朋「いや、十分可愛い写真撮れてるじゃない」
朋「ほら、この辺のとか」
藍子「あ、はい……でも、撮りたいって思ったときに撮れなかったのも結構あるんです」
藍子「逃げちゃったりとか……動いてブレちゃったりとか……」
藍子「猫さんと話せたらそういうのもなくなって、もっとたくさん撮れたのかな……って」
朋「あー、確かにねー」
朋「猫って結構気まぐれだからね」
朋「ちょっと前まではじっとしていても、急にバッて逃げ出すこともあるし」
藍子「そうなんですよね……」
藍子「……だからみくさんと茄子さんが少し羨ましいです」
朋「……でもさ、猫ちゃんに『写真NG』とか言われたら嫌よね」
藍子「あ……そっちの可能性を考えてませんでした」
朋「『魂が抜かれるから絶対嫌にゃ!』とか言われたり」
藍子「ふふっ、可愛い猫さんですね」
朋「もしかしたら、カメラ構えたらすぐ逃げる猫達って本当にこういうこと考えてたのかもね」
藍子「わぁ……そう考えるともっと可愛くなってきちゃいました」
藍子「ふふ、今度から見る目が変わっちゃいそうです♪」
朋「他にも――」
藍子「茄子さんとかみくちゃんの写真もありますよ!」
朋「……二人ともたくさん猫を侍らせてるわね」
藍子「すごいですよね……」
朋「まあ、二人とも猫と話せるからねー」
朋(みくちゃんにいたっては元猫だし)
藍子「……私も猫さんと話せたらもっと可愛い写真取れるんでしょうか……?」
朋「いや、十分可愛い写真撮れてるじゃない」
朋「ほら、この辺のとか」
藍子「あ、はい……でも、撮りたいって思ったときに撮れなかったのも結構あるんです」
藍子「逃げちゃったりとか……動いてブレちゃったりとか……」
藍子「猫さんと話せたらそういうのもなくなって、もっとたくさん撮れたのかな……って」
朋「あー、確かにねー」
朋「猫って結構気まぐれだからね」
朋「ちょっと前まではじっとしていても、急にバッて逃げ出すこともあるし」
藍子「そうなんですよね……」
藍子「……だからみくさんと茄子さんが少し羨ましいです」
朋「……でもさ、猫ちゃんに『写真NG』とか言われたら嫌よね」
藍子「あ……そっちの可能性を考えてませんでした」
朋「『魂が抜かれるから絶対嫌にゃ!』とか言われたり」
藍子「ふふっ、可愛い猫さんですね」
朋「もしかしたら、カメラ構えたらすぐ逃げる猫達って本当にこういうこと考えてたのかもね」
藍子「わぁ……そう考えるともっと可愛くなってきちゃいました」
藍子「ふふ、今度から見る目が変わっちゃいそうです♪」
朋「他にも――」
15: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:38:20.05 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朋「――でね、この前……」
藍子「……あっ!」
朋「わっ!?」
朋「……どしたの?」
藍子「いえ、えっと……そろそろ、一時間経ってしまうので……」
朋「……あ、本当?」
藍子「はい……さっき入ってきたのがこのくらいの時間だったので」
藍子「だから、あの……」
朋「……」
朋「……わかった」
朋「コーヒーおいしかったわ。ごちそうさま」
藍子「ありがとうございます……」
藍子「……ごめんなさい、朋さん」
朋「ううん、そういう決まりなら仕方ないわよね」
朋「それに、また来ればいいんだしね」
藍子「!」
朋「ふふ、また遊びに来るわ!」
藍子「は、はいっ! ありがとうございますっ!」
朋「いえいえ……じゃ、また――」
藍子「――あ、お会計……」
朋「……そういえばそうだったわ」
朋「――でね、この前……」
藍子「……あっ!」
朋「わっ!?」
朋「……どしたの?」
藍子「いえ、えっと……そろそろ、一時間経ってしまうので……」
朋「……あ、本当?」
藍子「はい……さっき入ってきたのがこのくらいの時間だったので」
藍子「だから、あの……」
朋「……」
朋「……わかった」
朋「コーヒーおいしかったわ。ごちそうさま」
藍子「ありがとうございます……」
藍子「……ごめんなさい、朋さん」
朋「ううん、そういう決まりなら仕方ないわよね」
朋「それに、また来ればいいんだしね」
藍子「!」
朋「ふふ、また遊びに来るわ!」
藍子「は、はいっ! ありがとうございますっ!」
朋「いえいえ……じゃ、また――」
藍子「――あ、お会計……」
朋「……そういえばそうだったわ」
16: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:39:01.53 ID:TbFOIgDP0
朋「じゃ、またねー!」
藍子「はい、また来てくださいね!」
朋「……」
朋「……」
朋「はー……楽しかった」
朋「写真もたくさんもらっちゃったし……ふふ」
朋「茄子さんたちも喜んでくれるかな……?」
朋「……」
朋「でも……」
朋「……」
朋(でも……ところどころ、藍子ちゃんの様子がおかしかったわね)
朋(何か隠そうとしてるみたいだった……)
朋(……)
朋(……何か、あったのよね。きっと)
朋(従業員一人ってのも、一人一時間しかいられないって言うのもおかしいし……)
朋(……)
朋(……ちょっと調べてみようかな)
朋(……)
藍子「はい、また来てくださいね!」
朋「……」
朋「……」
朋「はー……楽しかった」
朋「写真もたくさんもらっちゃったし……ふふ」
朋「茄子さんたちも喜んでくれるかな……?」
朋「……」
朋「でも……」
朋「……」
朋(でも……ところどころ、藍子ちゃんの様子がおかしかったわね)
朋(何か隠そうとしてるみたいだった……)
朋(……)
朋(……何か、あったのよね。きっと)
朋(従業員一人ってのも、一人一時間しかいられないって言うのもおかしいし……)
朋(……)
朋(……ちょっと調べてみようかな)
朋(……)
17: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:39:33.12 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
藍子「いらっしゃいま――あ、朋さん!」
朋「ふふ、こんにちは」
朋「昨日の今日になっちゃったわね」
藍子「ふふ、ありがとうございますっ」
朋「またみくちゃんと茄子さんはいないけど……」
朋「二人とも今日はお仕事があるから」
藍子「お仕事……何ので――いえ、席についてからでいいですよね」
藍子「じゃあ、えっと……昨日と同じところでいいですか?」
朋「うん。あと飲み物も昨日と同じで」
藍子「わかりました。じゃあ用意しますねっ♪」
藍子「いらっしゃいま――あ、朋さん!」
朋「ふふ、こんにちは」
朋「昨日の今日になっちゃったわね」
藍子「ふふ、ありがとうございますっ」
朋「またみくちゃんと茄子さんはいないけど……」
朋「二人とも今日はお仕事があるから」
藍子「お仕事……何ので――いえ、席についてからでいいですよね」
藍子「じゃあ、えっと……昨日と同じところでいいですか?」
朋「うん。あと飲み物も昨日と同じで」
藍子「わかりました。じゃあ用意しますねっ♪」
18: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:40:05.98 ID:TbFOIgDP0
藍子「どうぞ♪」
朋「ありがと!」
藍子「よいしょっと……」
藍子「それで……お二人って何のお仕事してるんですか?」
朋「みくちゃんと茄子さんよね」
藍子「はい」
朋「んーっとね。昨日は言う機会がなかったから話さなかったけど
朋「アイドルなんだ。みくちゃんも、茄子さんも、あたしも。同じ事務所のね」
藍子「アイドル……!」
朋「知らなかった?」
藍子「あ、いえ、えっと……」
藍子「……て、テレビで少し見たことある……かも……」
朋「や、無理しなくていいわよ」
藍子「うぅ……ごめんなさい……」
朋「あはは、いいっていいって」
朋「……でも、もっと頑張んないとねー」
藍子「……」
朋「ありがと!」
藍子「よいしょっと……」
藍子「それで……お二人って何のお仕事してるんですか?」
朋「みくちゃんと茄子さんよね」
藍子「はい」
朋「んーっとね。昨日は言う機会がなかったから話さなかったけど
朋「アイドルなんだ。みくちゃんも、茄子さんも、あたしも。同じ事務所のね」
藍子「アイドル……!」
朋「知らなかった?」
藍子「あ、いえ、えっと……」
藍子「……て、テレビで少し見たことある……かも……」
朋「や、無理しなくていいわよ」
藍子「うぅ……ごめんなさい……」
朋「あはは、いいっていいって」
朋「……でも、もっと頑張んないとねー」
藍子「……」
19: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:40:36.39 ID:TbFOIgDP0
朋「……で、二人は今日お仕事に行ってて」
朋「あと、他にも3人仲間がいるんだけど。その子達もみんな長期ロケに行っちゃってて」
朋「アシスタントの人はそっちについてって。プロデューサーは営業でいろいろなところ回ってて」
朋「だから、今はあたし一人だけなの」
藍子「なるほど……」
朋「いつか二人も……ううん、みんなも連れてくるわ、ふふっ」
藍子「……」
朋「……藍子ちゃん?」
藍子「あ、いえ……」
藍子「えっと……そ、その日を楽しみにしてますねっ」
朋「……うん、楽しみにしてて!」
朋「んー……みんなの次の休みはいつだったかな……」
藍子「……あの、朋さん」
朋「ん?」
藍子「よかったらアイドルのお話聞いてもいいですか?」
朋「……アイドルの?」
藍子「はい」
藍子「どんなことしてるのかなーって……少しだけ興味があります」
朋「んー」
朋「……一般人に知られちゃいけないこととか、そういうのは話せないわよ?」
藍子「あ、もちろんわかってます!」
藍子「黒服の人に連れ去られたくありませんし……」
朋「どんなイメージ持ってんのよ」
朋「……んー、でも何から話そうかな」
朋「えっとー……あ、最近のお仕事の話なんだけどね――」
朋「あと、他にも3人仲間がいるんだけど。その子達もみんな長期ロケに行っちゃってて」
朋「アシスタントの人はそっちについてって。プロデューサーは営業でいろいろなところ回ってて」
朋「だから、今はあたし一人だけなの」
藍子「なるほど……」
朋「いつか二人も……ううん、みんなも連れてくるわ、ふふっ」
藍子「……」
朋「……藍子ちゃん?」
藍子「あ、いえ……」
藍子「えっと……そ、その日を楽しみにしてますねっ」
朋「……うん、楽しみにしてて!」
朋「んー……みんなの次の休みはいつだったかな……」
藍子「……あの、朋さん」
朋「ん?」
藍子「よかったらアイドルのお話聞いてもいいですか?」
朋「……アイドルの?」
藍子「はい」
藍子「どんなことしてるのかなーって……少しだけ興味があります」
朋「んー」
朋「……一般人に知られちゃいけないこととか、そういうのは話せないわよ?」
藍子「あ、もちろんわかってます!」
藍子「黒服の人に連れ去られたくありませんし……」
朋「どんなイメージ持ってんのよ」
朋「……んー、でも何から話そうかな」
朋「えっとー……あ、最近のお仕事の話なんだけどね――」
20: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:41:05.47 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
朋「――ってことがあって、もうみんな大爆笑よ、大爆笑!」
藍子「ふふ……私もその場にいたらお腹がいたくなっちゃいそう……!」
朋「でしょ! もう、本当に大変だったんだから!」
朋「その後も、思い出し笑い何度もするし……」
藍子「ふふふっ!」
朋「……どう、アイドルのお話面白い?」
藍子「はい、とっても……♪」
朋「……まあ、ほとんどあたしのエピソードトークなんだけどね」
朋「じゃ、藍子ちゃんも満足したところで――」
藍子「――えー……もっと聞きたいです」
朋「や、もうだいぶ話したんだからいったん休憩させてよ」
朋「あたしも藍子ちゃんに聞きたいことがあるし」
藍子「聞きたいこと、ですか?」
朋「うん」
朋「……あのね。昨日帰った後このお店のこと調べたのよ。インターネットで」
藍子「!」
藍子「それじゃあ……!」
朋「……うん」
朋「このお店が、呪われてる店って言われてるのも知っちゃった」
藍子「……」
朋「――ってことがあって、もうみんな大爆笑よ、大爆笑!」
藍子「ふふ……私もその場にいたらお腹がいたくなっちゃいそう……!」
朋「でしょ! もう、本当に大変だったんだから!」
朋「その後も、思い出し笑い何度もするし……」
藍子「ふふふっ!」
朋「……どう、アイドルのお話面白い?」
藍子「はい、とっても……♪」
朋「……まあ、ほとんどあたしのエピソードトークなんだけどね」
朋「じゃ、藍子ちゃんも満足したところで――」
藍子「――えー……もっと聞きたいです」
朋「や、もうだいぶ話したんだからいったん休憩させてよ」
朋「あたしも藍子ちゃんに聞きたいことがあるし」
藍子「聞きたいこと、ですか?」
朋「うん」
朋「……あのね。昨日帰った後このお店のこと調べたのよ。インターネットで」
藍子「!」
藍子「それじゃあ……!」
朋「……うん」
朋「このお店が、呪われてる店って言われてるのも知っちゃった」
藍子「……」
21: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:41:51.56 ID:TbFOIgDP0
朋「何の前触れもなく人が倒れた……って、それが何回も起きてた……って書いてたけど」
朋「……本当なの?」
藍子「……」
藍子「……多少誇張はされてると思いますが。本当のことです」
朋「!」
藍子「……」
朋「……ねぇ、藍子ちゃん」
朋「よかったら、話してくれない?」
藍子「……」
朋「……あのね。あたしの知り合いに、そういう不思議な現象を何でも解決できちゃうやつがいてね」
朋「だから、もしかしたら協力できるかもしれない」
朋「その呪いだって解決できちゃうかもしれない!」
朋「だから……話してくれない?」
藍子「……」
藍子「……本当に、変な話ですよ?」
朋「そういうのには慣れてるわ」
藍子「……」
朋「大丈夫、あたしを信じて話してみて」
朋「なんて、出会って3日で言うセリフじゃないわよね……あはは」
藍子「……いえ」
藍子「朋さんなら信じることができます」
朋「藍子ちゃん……」
藍子「……だから、聞いてください」
藍子「……昔は」
朋「!」
藍子「昔は……いえ、つい最近までは、ここは普通の喫茶店だったんです」
朋「……本当なの?」
藍子「……」
藍子「……多少誇張はされてると思いますが。本当のことです」
朋「!」
藍子「……」
朋「……ねぇ、藍子ちゃん」
朋「よかったら、話してくれない?」
藍子「……」
朋「……あのね。あたしの知り合いに、そういう不思議な現象を何でも解決できちゃうやつがいてね」
朋「だから、もしかしたら協力できるかもしれない」
朋「その呪いだって解決できちゃうかもしれない!」
朋「だから……話してくれない?」
藍子「……」
藍子「……本当に、変な話ですよ?」
朋「そういうのには慣れてるわ」
藍子「……」
朋「大丈夫、あたしを信じて話してみて」
朋「なんて、出会って3日で言うセリフじゃないわよね……あはは」
藍子「……いえ」
藍子「朋さんなら信じることができます」
朋「藍子ちゃん……」
藍子「……だから、聞いてください」
藍子「……昔は」
朋「!」
藍子「昔は……いえ、つい最近までは、ここは普通の喫茶店だったんです」
22: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:42:35.76 ID:TbFOIgDP0
藍子「お父さんとお母さんと……私と」
藍子「後、やさしいスタッフのみんなと……楽しくお仕事してました」
藍子「その時は一人一時間なんて決まりもなくって……静かでやさしい喫茶店でした」
朋「……」
藍子「でも、急に……本当に急に」
藍子「人が動かなくなるようになりました」
朋「……動かなくなる?」
藍子「はい……」
藍子「倒れるわけじゃありません……ただ、動かなくなるんです」
藍子「……いえ、動かなくなる、も少し違いますね」
藍子「たぶん、動きがすごく遅くなるんです……止まってると見間違うほどに」
朋「……」
藍子「……最初はお母さんが」
藍子「次にお父さんが」
藍子「その次にスタッフさんが――という風に。みんなみんな、動きを止めていきました」
藍子「……一気にというわけじゃありません」
藍子「一日に一人、動きがゆっくりになっていったんです」
朋「……」
藍子「後、やさしいスタッフのみんなと……楽しくお仕事してました」
藍子「その時は一人一時間なんて決まりもなくって……静かでやさしい喫茶店でした」
朋「……」
藍子「でも、急に……本当に急に」
藍子「人が動かなくなるようになりました」
朋「……動かなくなる?」
藍子「はい……」
藍子「倒れるわけじゃありません……ただ、動かなくなるんです」
藍子「……いえ、動かなくなる、も少し違いますね」
藍子「たぶん、動きがすごく遅くなるんです……止まってると見間違うほどに」
朋「……」
藍子「……最初はお母さんが」
藍子「次にお父さんが」
藍子「その次にスタッフさんが――という風に。みんなみんな、動きを止めていきました」
藍子「……一気にというわけじゃありません」
藍子「一日に一人、動きがゆっくりになっていったんです」
朋「……」
23: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:43:16.23 ID:TbFOIgDP0
藍子「……最初にお母さんがゆっくりになったとき、救急車を呼びました」
藍子「けれど『どういう状況かわからない。治し方も検討もつかない』という結論でした」
藍子「……だって、止まった人たちは動きが遅くなっているだけで、生きていましたから」
藍子「じっと見ていると、時たまゆっくりと瞬きをしたり。手がぴくりと動いたり、歩こうとしたり……」
藍子「死んでいるわけでもなければ眠ってるわけでもなく、かといっていつもどおり動いているわけでもなく……」
藍子「……うまく言葉にできませんが。みんなみんな動きが遅くなっているだけなんです」
朋「……」
藍子「……次にお父さんがゆっくりになったときも、同じ結論でした」
藍子「次の人も、その次の人も……」
藍子「……そうして、いつしかこの店は呪われているといわれるようになったんです」
藍子「仲良くしていた常連さんも頼りにしていたスタッフさんも、この店に寄り付かなくなりました」
藍子「たまにくるのはそのうわさを知らない人と物珍しさで寄り付く人」
藍子「……でも、後者の人たちも自分達と一緒に来た人が動かなくなったのを見て、それを拡散して」
藍子「……そして、ここはとても静かなお店になったんです」
朋「……なるほどね」
朋「だから、今は藍子ちゃん一人なんだ」
藍子「はい……あ、でもゆっくりになった皆さんはここにいます」
藍子「病院から追い出されたので……」
朋「……」
藍子「けれど『どういう状況かわからない。治し方も検討もつかない』という結論でした」
藍子「……だって、止まった人たちは動きが遅くなっているだけで、生きていましたから」
藍子「じっと見ていると、時たまゆっくりと瞬きをしたり。手がぴくりと動いたり、歩こうとしたり……」
藍子「死んでいるわけでもなければ眠ってるわけでもなく、かといっていつもどおり動いているわけでもなく……」
藍子「……うまく言葉にできませんが。みんなみんな動きが遅くなっているだけなんです」
朋「……」
藍子「……次にお父さんがゆっくりになったときも、同じ結論でした」
藍子「次の人も、その次の人も……」
藍子「……そうして、いつしかこの店は呪われているといわれるようになったんです」
藍子「仲良くしていた常連さんも頼りにしていたスタッフさんも、この店に寄り付かなくなりました」
藍子「たまにくるのはそのうわさを知らない人と物珍しさで寄り付く人」
藍子「……でも、後者の人たちも自分達と一緒に来た人が動かなくなったのを見て、それを拡散して」
藍子「……そして、ここはとても静かなお店になったんです」
朋「……なるほどね」
朋「だから、今は藍子ちゃん一人なんだ」
藍子「はい……あ、でもゆっくりになった皆さんはここにいます」
藍子「病院から追い出されたので……」
朋「……」
24: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:44:13.28 ID:TbFOIgDP0
藍子「それで――」
朋「――ごめん、ちょっとだけゆっくりしゃべってもらってもいい?」
藍子「あ……少し早かったですか?」
朋「うん……ごめんね」
藍子「いえ……きっと私が興奮してしゃべってしまってるんですよね」
藍子「もっとゆっくりに……」
藍子「……こほん」
藍子「それで……私、みんながゆっくりになっていくのを見て最初は怯えていました」
藍子「親しい人がみんな動かなくなっていく恐怖に」
藍子「……いつ、自分が動かなくなるのかっていう恐怖に」
藍子「でも……私だけは一向に動きが止まらなくって」
藍子「ここ以外で動きが止まる話も聞かなくって」
藍子「気づいたんです……もしかして、私が呪われてるからこんなことになってるんじゃないかな……って」
藍子「……ううん、私とここの店がそろって初めて人の動きが止まるんじゃないかな……って」
朋「……」
藍子「外に出かけているときなんかは誰も固まりませんでしたから」
藍子「きっとそうなんだ……って思ったんです」
藍子「……理由にしては弱いかもしれませんけど。でもそうとしか考えられなかったんで
す」
藍子「じゃあ、次はどうやったら止まるんだろうって考えたんです」
朋「……」
朋(……早い)
朋「――ごめん、ちょっとだけゆっくりしゃべってもらってもいい?」
藍子「あ……少し早かったですか?」
朋「うん……ごめんね」
藍子「いえ……きっと私が興奮してしゃべってしまってるんですよね」
藍子「もっとゆっくりに……」
藍子「……こほん」
藍子「それで……私、みんながゆっくりになっていくのを見て最初は怯えていました」
藍子「親しい人がみんな動かなくなっていく恐怖に」
藍子「……いつ、自分が動かなくなるのかっていう恐怖に」
藍子「でも……私だけは一向に動きが止まらなくって」
藍子「ここ以外で動きが止まる話も聞かなくって」
藍子「気づいたんです……もしかして、私が呪われてるからこんなことになってるんじゃないかな……って」
藍子「……ううん、私とここの店がそろって初めて人の動きが止まるんじゃないかな……って」
朋「……」
藍子「外に出かけているときなんかは誰も固まりませんでしたから」
藍子「きっとそうなんだ……って思ったんです」
藍子「……理由にしては弱いかもしれませんけど。でもそうとしか考えられなかったんで
す」
藍子「じゃあ、次はどうやったら止まるんだろうって考えたんです」
朋「……」
朋(……早い)
25: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:45:06.13 ID:TbFOIgDP0
藍子「お母さんも、お父さんも、私の大切な人で、たくさん一緒にいた人たちです」
藍子「動きがゆっくりになったその日も、たくさん一緒にいたと思ってます」
朋(……どうしよう)
朋(だんだん、聞き取れなくなってくる)
藍子「その次にゆっくりになったスタッフさんも、私が一番仲の良いスタッフさんでした」
藍子「……思い返してみると、仲の良い、たくさん一緒にいた人たちから順にゆっくりになっていってることに気がついたんです」
朋(言葉が、早まわしになっていく)
朋(それは、まるで動画の早送りのように)
藍子「だから、きっと私と一緒にいる時間が長いとゆっくりになってしまうんだろうって」
藍子「『どうして』とか、理由はわからないけど、そう思ったんです」
朋(何を言っているか聞き取れる速度から)
朋(聞き取れない速度へ)
藍子「……呪いのうわさを聞いてやってきた人たちの一人が固まったのは、ちょうどここにいて一時間十五分くらいのタイミングでした」
藍子「私が何度言っても出て行こうとしなくて……そしてそのまま、一人が固まってしまったんです」
藍子「だから――」
朋「――あ――あ、い、こ、ちゃ、ん――」
藍子「――えっ?」
朋「――こ、え、が、は、や、く、て――」
藍子「――うそ……!?」
藍子「もう、一時間も経って……!?」
朋「――わ、か、ら、な、い――」
藍子「動きがゆっくりになったその日も、たくさん一緒にいたと思ってます」
朋(……どうしよう)
朋(だんだん、聞き取れなくなってくる)
藍子「その次にゆっくりになったスタッフさんも、私が一番仲の良いスタッフさんでした」
藍子「……思い返してみると、仲の良い、たくさん一緒にいた人たちから順にゆっくりになっていってることに気がついたんです」
朋(言葉が、早まわしになっていく)
朋(それは、まるで動画の早送りのように)
藍子「だから、きっと私と一緒にいる時間が長いとゆっくりになってしまうんだろうって」
藍子「『どうして』とか、理由はわからないけど、そう思ったんです」
朋(何を言っているか聞き取れる速度から)
朋(聞き取れない速度へ)
藍子「……呪いのうわさを聞いてやってきた人たちの一人が固まったのは、ちょうどここにいて一時間十五分くらいのタイミングでした」
藍子「私が何度言っても出て行こうとしなくて……そしてそのまま、一人が固まってしまったんです」
藍子「だから――」
朋「――あ――あ、い、こ、ちゃ、ん――」
藍子「――えっ?」
朋「――こ、え、が、は、や、く、て――」
藍子「――うそ……!?」
藍子「もう、一時間も経って……!?」
朋「――わ、か、ら、な、い――」
26: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:46:16.20 ID:TbFOIgDP0
藍子「そんな、だって、さっき、まだまだ時間あったから、だから、だからこんなに話せ
て……!」
藍子「……時計っ!」バッ
藍子「……うそ……だって、まだ、一時間経ってないのに……!」
藍子「今までは大丈夫だったのに……なんで急に……!?」
朋「――あ、い、こ、ちや、ん、?――」
朋「な、に、を、いっ、て――」
藍子「朋さん……や、いやぁっ、止まらないで……!」
藍子「ごめんなさい……ごめんなさい、私が、私が……!」
朋「――」
朋「――だ――い――――じょ――――う――――ぶ――――」
朋「――――あ――――――い――――――――つ――――――――――が――――――――――」
朋「――――――――――――」
藍子「ごめんなさい……ごめんなさい、朋さん……!」
藍子「もっと、もっと早く話してれば……!」
藍子「もっと、要点だけを話してれば……!」
藍子「もっと、朋さんのことを見ていれば……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「あんなに、やさしくしてくれたのに……!」
藍子「私の話を、聞いてくれたのに……!」
藍子「私のせいで……!」
藍子「私が朋さんにここを教えたせいで……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「ごめんなさい……!」
て……!」
藍子「……時計っ!」バッ
藍子「……うそ……だって、まだ、一時間経ってないのに……!」
藍子「今までは大丈夫だったのに……なんで急に……!?」
朋「――あ、い、こ、ちや、ん、?――」
朋「な、に、を、いっ、て――」
藍子「朋さん……や、いやぁっ、止まらないで……!」
藍子「ごめんなさい……ごめんなさい、私が、私が……!」
朋「――」
朋「――だ――い――――じょ――――う――――ぶ――――」
朋「――――あ――――――い――――――――つ――――――――――が――――――――――」
朋「――――――――――――」
藍子「ごめんなさい……ごめんなさい、朋さん……!」
藍子「もっと、もっと早く話してれば……!」
藍子「もっと、要点だけを話してれば……!」
藍子「もっと、朋さんのことを見ていれば……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「あんなに、やさしくしてくれたのに……!」
藍子「私の話を、聞いてくれたのに……!」
藍子「私のせいで……!」
藍子「私が朋さんにここを教えたせいで……!」
藍子「ごめんなさい……!」
藍子「ごめんなさい……!」
27: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:46:45.33 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
茄子「おはようございまーす♪」
みく「んー、おはよー」
茄子「……あれ、朋ちゃんは?」
みく「見てないよー」
茄子「そうですか……」
みく「……何かあったの?」
茄子「いえ……昨日から姿を見かけてないので」
みく「……確かにみくも見てないにゃ」
みく「レッスン終わった後もいなかったし」
茄子「どこにいったのか携帯で聞いてみても返事もありませんでしたね」
みく「……」
茄子「……」
みく「……もしかして、何かあったのかな?」
茄子「もしかしなくても、そうかもしれません」
みく「……」
茄子「……」
茄子「……朋ちゃん探すの、手伝ってくれますか?」
みく「もちろん!」
茄子「おはようございまーす♪」
みく「んー、おはよー」
茄子「……あれ、朋ちゃんは?」
みく「見てないよー」
茄子「そうですか……」
みく「……何かあったの?」
茄子「いえ……昨日から姿を見かけてないので」
みく「……確かにみくも見てないにゃ」
みく「レッスン終わった後もいなかったし」
茄子「どこにいったのか携帯で聞いてみても返事もありませんでしたね」
みく「……」
茄子「……」
みく「……もしかして、何かあったのかな?」
茄子「もしかしなくても、そうかもしれません」
みく「……」
茄子「……」
茄子「……朋ちゃん探すの、手伝ってくれますか?」
みく「もちろん!」
28: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:47:14.60 ID:TbFOIgDP0
モバP「……何の話だ?」
みく「あ、Pチャン」
茄子「おはようございます、プロデューサーさん」
茄子「……昨日から朋ちゃんの姿を見てないので、探そうと思ってたんです」
モバP「朋か……」
モバP「……」
モバP「……だめだ。やはり気配が読めない」
茄子「読めない……って」
みく「……も、もしかして、死んじゃってるってこと!?」
モバP「いや、そういうわけじゃないと思う。まったく気配が無いってわけじゃないしな」
みく「……どういうこと?」
モバP「今の朋の気配は、一瞬ポツっと現れては、すぐに消えるんだ」
モバP「だから、上手く気配を読むことができない」
茄子「それって……どういう状況なんですか?」
モバP「わからん……こんな状況初めてだからな」
茄子「……」
みく「……少なくとも、朋チャン、何らかの事件に巻き込まれてるってことだよね」
モバP「……そうだろうな」
茄子「じゃあ、なおさら早く探さないといけませんね」
モバP「ああ」
茄子「朋ちゃん……」
みく「……」
みく「あ、Pチャン」
茄子「おはようございます、プロデューサーさん」
茄子「……昨日から朋ちゃんの姿を見てないので、探そうと思ってたんです」
モバP「朋か……」
モバP「……」
モバP「……だめだ。やはり気配が読めない」
茄子「読めない……って」
みく「……も、もしかして、死んじゃってるってこと!?」
モバP「いや、そういうわけじゃないと思う。まったく気配が無いってわけじゃないしな」
みく「……どういうこと?」
モバP「今の朋の気配は、一瞬ポツっと現れては、すぐに消えるんだ」
モバP「だから、上手く気配を読むことができない」
茄子「それって……どういう状況なんですか?」
モバP「わからん……こんな状況初めてだからな」
茄子「……」
みく「……少なくとも、朋チャン、何らかの事件に巻き込まれてるってことだよね」
モバP「……そうだろうな」
茄子「じゃあ、なおさら早く探さないといけませんね」
モバP「ああ」
茄子「朋ちゃん……」
みく「……」
29: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:47:56.97 ID:TbFOIgDP0
みく「ね、だいたいどの辺かっていうのもわからないの?」
モバP「だいたい……か」
モバP「……あっちの方ってくらいだな」
みく「あっち……」
みく「……ん、わかった!」
みく「じゃ、茄子チャン、行こ!」
茄子「……そうですね」
茄子「それじゃ、プロデューサーさん。ちょっと探しに行ってきますね」
モバP「ああ。何かあったら知らせてくれ。俺も俺で探してるから」
茄子「はい」
みく「じゃ、Pチャン、また後で!」
モバP「だいたい……か」
モバP「……あっちの方ってくらいだな」
みく「あっち……」
みく「……ん、わかった!」
みく「じゃ、茄子チャン、行こ!」
茄子「……そうですね」
茄子「それじゃ、プロデューサーさん。ちょっと探しに行ってきますね」
モバP「ああ。何かあったら知らせてくれ。俺も俺で探してるから」
茄子「はい」
みく「じゃ、Pチャン、また後で!」
30: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:48:30.21 ID:TbFOIgDP0
茄子「……あっちの方ですよね?」
みく「Pチャンの言うことを信じるならそうなるにゃ」
茄子「朋ちゃん……」
みく「……そんな不安そうな顔しなくても大丈夫にゃ」
茄子「!」
みく「いつも茄子チャンが言ってるじゃん!」
みく「茄子チャンがいるなら不幸なことが起こらないって」
みく「だから、今回もだいじょーぶ!」
みく「すぐに見つかるにゃ!」
茄子「みくちゃん……」
茄子「……私、そんな不安そうな顔してました?」
みく「すっごく不安そうな顔だったよ」
みく「いっつも気持ち悪いくらいに楽しそうなのに。欠片もなかったにゃ」
茄子「あら、ひどい……」
みく「否定できるの?」
茄子「……いえ、まったく♪」
みく「……今回だって、てっきり『ふふ、大丈夫ですよ♪ 私がいるんですから大丈夫です♪』とか笑うと思ってたのに」
茄子「ふふ、確かにいつもは私そんなこと言ってますねー♪」
茄子「……みくちゃん、励ましてくれてありがとうございます」
茄子「おかげで元気出てきました♪」
みく「そりゃよかったにゃ」
みく「Pチャンの言うことを信じるならそうなるにゃ」
茄子「朋ちゃん……」
みく「……そんな不安そうな顔しなくても大丈夫にゃ」
茄子「!」
みく「いつも茄子チャンが言ってるじゃん!」
みく「茄子チャンがいるなら不幸なことが起こらないって」
みく「だから、今回もだいじょーぶ!」
みく「すぐに見つかるにゃ!」
茄子「みくちゃん……」
茄子「……私、そんな不安そうな顔してました?」
みく「すっごく不安そうな顔だったよ」
みく「いっつも気持ち悪いくらいに楽しそうなのに。欠片もなかったにゃ」
茄子「あら、ひどい……」
みく「否定できるの?」
茄子「……いえ、まったく♪」
みく「……今回だって、てっきり『ふふ、大丈夫ですよ♪ 私がいるんですから大丈夫です♪』とか笑うと思ってたのに」
茄子「ふふ、確かにいつもは私そんなこと言ってますねー♪」
茄子「……みくちゃん、励ましてくれてありがとうございます」
茄子「おかげで元気出てきました♪」
みく「そりゃよかったにゃ」
31: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:49:03.37 ID:TbFOIgDP0
茄子「さて、それじゃどうやって探しましょうか?」
みく「にゃふふ……それに関しては案があるにゃ」
茄子「案?」
みく「うん」
みく「あっちの方にいるってのはPチャンのおかげでわかったけど、それだけじゃぜんぜん範囲が絞り込めないでしょ?」
茄子「そうですねー」
茄子「ずーっとあっちにまっすぐ行くわけにもいきませんし」
みく「だからね。まずは聞き込み調査にゃ!」
茄子「……聞き込み?」
みく「うん!」
みく「あっちの方にいる子に昨日朋チャンを見なかったから、たくさん聞いてみるの!」
みく「そしたら、見かけた子も出てくるかもしれないし!」
茄子「……なるほど」
茄子「じゃ、さっそくいろんな人に聞いてみましょうか♪」
みく「ん? 人には聞かないよ?」
茄子「……あれ?」
みく「みくが聞き込みするのは――」
みく「――ズバリ猫チャンにゃ!」
みく「にゃふふ……それに関しては案があるにゃ」
茄子「案?」
みく「うん」
みく「あっちの方にいるってのはPチャンのおかげでわかったけど、それだけじゃぜんぜん範囲が絞り込めないでしょ?」
茄子「そうですねー」
茄子「ずーっとあっちにまっすぐ行くわけにもいきませんし」
みく「だからね。まずは聞き込み調査にゃ!」
茄子「……聞き込み?」
みく「うん!」
みく「あっちの方にいる子に昨日朋チャンを見なかったから、たくさん聞いてみるの!」
みく「そしたら、見かけた子も出てくるかもしれないし!」
茄子「……なるほど」
茄子「じゃ、さっそくいろんな人に聞いてみましょうか♪」
みく「ん? 人には聞かないよ?」
茄子「……あれ?」
みく「みくが聞き込みするのは――」
みく「――ズバリ猫チャンにゃ!」
32: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:49:42.74 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「にゃぁ……」
みく「んにゃ。にゃ、にゃあ」
茄子「どうでした?」
みく「んー、この子も知らないみたい」
みく「茄子さんの話してた子は?」
茄子「駄目でした……あのときの公園で一緒に遊んだ子でしたけど、その後は見てないそうです」
みく「そっかー……」
茄子「んー……なかなか見つかりませんね」
みく「うにゃぁ……」
みく「猫チャンっていろんなところのらりくらりしてるからすぐ見つかると思ったんだけど……」
茄子「ああ、そういう理由で猫に聞き込みすることにしたんですね」
みく「うん」
みく「後、人間より猫チャンの方が信用できるし」
茄子「……」
みく「……まあ、もう少しあたってみよう?」
茄子「……そうですね」
茄子「数撃てばいつかあたります♪」
みく「にゃ!」
「にゃぁ……」
みく「んにゃ。にゃ、にゃあ」
茄子「どうでした?」
みく「んー、この子も知らないみたい」
みく「茄子さんの話してた子は?」
茄子「駄目でした……あのときの公園で一緒に遊んだ子でしたけど、その後は見てないそうです」
みく「そっかー……」
茄子「んー……なかなか見つかりませんね」
みく「うにゃぁ……」
みく「猫チャンっていろんなところのらりくらりしてるからすぐ見つかると思ったんだけど……」
茄子「ああ、そういう理由で猫に聞き込みすることにしたんですね」
みく「うん」
みく「後、人間より猫チャンの方が信用できるし」
茄子「……」
みく「……まあ、もう少しあたってみよう?」
茄子「……そうですね」
茄子「数撃てばいつかあたります♪」
みく「にゃ!」
33: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:50:12.56 ID:TbFOIgDP0
茄子「あ、あっちに二匹いますよー」
みく「ほんとだ! おーいっ……じゃなくて、うにゃーっ!」
「みゃ?」
みく「にゃ、にゃにゃ、うにゃあ」
「にゃぁ……」
「……」
「……にゃ!」
みく「!」
茄子「!」
茄子「み、見たって、どこで見たんですか……!?」
みく「茄子チャン茄子チャン、猫チャンの言葉じゃないと」
茄子「あ、そうでした……みゃ、みゃぁ?」
「にゃっ!」
みく「……案内してくれるみたいにゃ」
茄子「みたいですねー。やさしい猫ちゃんでよかったです」
みく「猫チャンはみんな優しいにゃ」
茄子「ふふ、そうですね♪」
茄子「もちろん、みくちゃんも♪」
みく「……」
茄子「ふふっ、照れてますねー」
みく「別に照れてないにゃ!」
みく「それより……ほら、見失わないうちに行こ!」
茄子「にゃぁ♪」
みく「ほんとだ! おーいっ……じゃなくて、うにゃーっ!」
「みゃ?」
みく「にゃ、にゃにゃ、うにゃあ」
「にゃぁ……」
「……」
「……にゃ!」
みく「!」
茄子「!」
茄子「み、見たって、どこで見たんですか……!?」
みく「茄子チャン茄子チャン、猫チャンの言葉じゃないと」
茄子「あ、そうでした……みゃ、みゃぁ?」
「にゃっ!」
みく「……案内してくれるみたいにゃ」
茄子「みたいですねー。やさしい猫ちゃんでよかったです」
みく「猫チャンはみんな優しいにゃ」
茄子「ふふ、そうですね♪」
茄子「もちろん、みくちゃんも♪」
みく「……」
茄子「ふふっ、照れてますねー」
みく「別に照れてないにゃ!」
みく「それより……ほら、見失わないうちに行こ!」
茄子「にゃぁ♪」
34: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:50:47.95 ID:TbFOIgDP0
「みゃぁ」
茄子「にゃっ、にゃにゃあ?」
「にゃ!」
みく「そっか……ありがと!」
みく「……じゃなくて。にゃあ!」
「にゃ!」
みく「にゃぁにゃぁ」フリフリ
茄子「にゃぁにゃぁ」フリフリ
みく「……」
茄子「……」
茄子「……朋ちゃんは昨日この喫茶店に入っていったんですね」
みく「あの猫ちゃんはそういってたにゃ」
茄子「……」
みく「……」
茄子「……入りましょうか」
みく「にゃ」
みく「……あ、ちょっと待って。一応みくが先に入るよ」
茄子「ふふ、守ってくれるんですか?」
みく「茄子チャンなんて守る必要無いと思うけど、一応ね」
茄子「あら」
茄子「にゃっ、にゃにゃあ?」
「にゃ!」
みく「そっか……ありがと!」
みく「……じゃなくて。にゃあ!」
「にゃ!」
みく「にゃぁにゃぁ」フリフリ
茄子「にゃぁにゃぁ」フリフリ
みく「……」
茄子「……」
茄子「……朋ちゃんは昨日この喫茶店に入っていったんですね」
みく「あの猫ちゃんはそういってたにゃ」
茄子「……」
みく「……」
茄子「……入りましょうか」
みく「にゃ」
みく「……あ、ちょっと待って。一応みくが先に入るよ」
茄子「ふふ、守ってくれるんですか?」
みく「茄子チャンなんて守る必要無いと思うけど、一応ね」
茄子「あら」
35: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:51:27.45 ID:TbFOIgDP0
みく「それじゃ、あけるよ」
茄子「はーい♪」
みく「たのもー! にゃあ!」バン
藍子「きゃっ!」
茄子「そんなに勢いよく開けなくても……ってあら。藍子ちゃん」
藍子「あ……茄子さん、みくさん……」
茄子「へぇ……ここが藍子ちゃんの働いてる喫茶店なんですね」
みく「朋ちゃんから聞いてたけど場所は知らなかったにゃぁ……へー」
藍子「……っ」ビクッ
みく「あ、そうだ。藍子チャン」
みく「昨日、朋チャンここに――」
藍子「――ごっ、ごめんなさいっ!」
みく「!?」
茄子「!?」
藍子「ごめんなさい……私のせいで……!」ポロポロ
藍子「ごめんなさい……!」
みく「え、えぇ……!?」
茄子「えっと……藍子ちゃん。落ち着いてください……!」
藍子「ごめんなさい……!」
みく「藍子ちゃん、何があったの!?」
藍子「ごめんなさい……!」
茄子「……ど、どうしましょう?」オロオロ
みく「えっと……と、とりあえず泣き止むにゃ!」オロオロ
茄子「はーい♪」
みく「たのもー! にゃあ!」バン
藍子「きゃっ!」
茄子「そんなに勢いよく開けなくても……ってあら。藍子ちゃん」
藍子「あ……茄子さん、みくさん……」
茄子「へぇ……ここが藍子ちゃんの働いてる喫茶店なんですね」
みく「朋ちゃんから聞いてたけど場所は知らなかったにゃぁ……へー」
藍子「……っ」ビクッ
みく「あ、そうだ。藍子チャン」
みく「昨日、朋チャンここに――」
藍子「――ごっ、ごめんなさいっ!」
みく「!?」
茄子「!?」
藍子「ごめんなさい……私のせいで……!」ポロポロ
藍子「ごめんなさい……!」
みく「え、えぇ……!?」
茄子「えっと……藍子ちゃん。落ち着いてください……!」
藍子「ごめんなさい……!」
みく「藍子ちゃん、何があったの!?」
藍子「ごめんなさい……!」
茄子「……ど、どうしましょう?」オロオロ
みく「えっと……と、とりあえず泣き止むにゃ!」オロオロ
36: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:52:00.66 ID:TbFOIgDP0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
藍子「……ごめんなさい。少し落ち着きました」
茄子「いえ……」
みく「……何があったの?」
藍子「その……」
藍子「……説明してると、また時間がかかってしまうかもしれないので」
藍子「あの、こちらへ……朋さんがいるので」
茄子「朋ちゃんが……?」
藍子「はい……ベッドの上に」
みく「……寝てるの?」
藍子「……」
茄子「……」
みく「……」
藍子「……この部屋です」ガチャ
茄子「朋ちゃん!」
みく「朋チャン!」
藍子「……ごめんなさい。少し落ち着きました」
茄子「いえ……」
みく「……何があったの?」
藍子「その……」
藍子「……説明してると、また時間がかかってしまうかもしれないので」
藍子「あの、こちらへ……朋さんがいるので」
茄子「朋ちゃんが……?」
藍子「はい……ベッドの上に」
みく「……寝てるの?」
藍子「……」
茄子「……」
みく「……」
藍子「……この部屋です」ガチャ
茄子「朋ちゃん!」
みく「朋チャン!」
37: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:54:04.63 ID:TbFOIgDP0
みく「……っ!」
茄子「目を開けたまま寝てる……?」
みく「というか、息してないにゃ!?」
茄子「朋ちゃん……!」
藍子「あ、いえ……死んでるわけではないんです」
藍子「ただ……動きがとてもゆっくりになっているんです」
茄子「ゆっくり……」
みく「……あ!」
みく「今、まぶたが少し動いたにゃ!」
藍子「そう……完全に止まっているわけでも寝ているわけでもないんです」
藍子「ただ、動きがすごくゆっくりになっているんです……」
茄子「……死んでいるわけじゃないんですね」
茄子「よかった……」
藍子「……治す方法はわかりませんが、こうなった原因は私なんです」
みく「……どういうこと?」
藍子「理由はわかりません……原理もわかりません」
藍子「ただ、私のそばに長くいるとこうなってしまうんです……」
茄子「……」
藍子「気をつけてたつもりでした……長話しないようにって」
藍子「でも、私と話してくれるのが……私の話を聞いてくれるのが本当に嬉しくて」
藍子「荒唐無稽な話だって、聞いてくれて……舞い上がっちゃって……話しすぎちゃって」
藍子「だから私のせい……私のせいで朋さんはこうなってしまったんです……」
みく「……」
藍子「私……しばらくずっと一人で……話し相手が欲しかった」
藍子「このお店が……私が呪われてから、誰もここによりつかないし……誰も私によりつかなくなって……」
藍子「だから、公園で皆さんに出会えたのが本当に嬉しくて……もっと話したくなって……」
藍子「一時間の決まりを守れば大丈夫だろうって思って……だから、朋さんにこのお店を教えちゃって……だから、朋さんは……」
藍子「……教えなければよかった……待ってますなんて言わなければよかった……」
藍子「あの日、散歩なんて行かずに家でじっとしてれば……!」
藍子「一日大丈夫だったからって、また来て欲しいなんて言わなければ……!」
藍子「ごめんなさい……朋さん……みくさん……茄子さん……!」
藍子「ごめんなさい……!」
茄子「……」
みく「……」
茄子「目を開けたまま寝てる……?」
みく「というか、息してないにゃ!?」
茄子「朋ちゃん……!」
藍子「あ、いえ……死んでるわけではないんです」
藍子「ただ……動きがとてもゆっくりになっているんです」
茄子「ゆっくり……」
みく「……あ!」
みく「今、まぶたが少し動いたにゃ!」
藍子「そう……完全に止まっているわけでも寝ているわけでもないんです」
藍子「ただ、動きがすごくゆっくりになっているんです……」
茄子「……死んでいるわけじゃないんですね」
茄子「よかった……」
藍子「……治す方法はわかりませんが、こうなった原因は私なんです」
みく「……どういうこと?」
藍子「理由はわかりません……原理もわかりません」
藍子「ただ、私のそばに長くいるとこうなってしまうんです……」
茄子「……」
藍子「気をつけてたつもりでした……長話しないようにって」
藍子「でも、私と話してくれるのが……私の話を聞いてくれるのが本当に嬉しくて」
藍子「荒唐無稽な話だって、聞いてくれて……舞い上がっちゃって……話しすぎちゃって」
藍子「だから私のせい……私のせいで朋さんはこうなってしまったんです……」
みく「……」
藍子「私……しばらくずっと一人で……話し相手が欲しかった」
藍子「このお店が……私が呪われてから、誰もここによりつかないし……誰も私によりつかなくなって……」
藍子「だから、公園で皆さんに出会えたのが本当に嬉しくて……もっと話したくなって……」
藍子「一時間の決まりを守れば大丈夫だろうって思って……だから、朋さんにこのお店を教えちゃって……だから、朋さんは……」
藍子「……教えなければよかった……待ってますなんて言わなければよかった……」
藍子「あの日、散歩なんて行かずに家でじっとしてれば……!」
藍子「一日大丈夫だったからって、また来て欲しいなんて言わなければ……!」
藍子「ごめんなさい……朋さん……みくさん……茄子さん……!」
藍子「ごめんなさい……!」
茄子「……」
みく「……」
38: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:54:45.88 ID:TbFOIgDP0
みく「……茄子チャン」
茄子「もちろん、もう呼んでますよ」
茄子「藍子ちゃん、大丈夫です。もう泣かないでください。謝らないでください」
藍子「でも……でも、朋さんが……!」
茄子「ふふ、それも大丈夫です。すぐ治りますから♪」
藍子「えっ……」
みく「……あ、来たみたい。この部屋に連れてくるねー」
茄子「はーい、お願いしまーす♪」
藍子「あの……どういうことですか……?」
茄子「ふふっ♪」
茄子「少し待てばきっとわかりますよ……♪」
藍子「……?」
みく「連れてきたにゃ!」
モバP「よう」
茄子「ふふ、お疲れ様です、プロデューサーさん」
藍子「プロデューサー……?」
みく「その子、なんか憑りついてる?」
モバP「……ああ」
モバP「なるほど……だから、朋もそこで止まってるんだな」
モバP「これは気配が読めないわけだ」
茄子「なんとかできそうですか?」
モバP「もちろんだ。そのために俺が来たんだから」
モバP「すぅ……」
モバP「破ぁ!!!」
藍子「!」
藍子(二人がプロデューサーさんと呼ぶ男の人の手から光が溢れる)
藍子(その光は私を……朋さんを……部屋全体を包み込んだ)
茄子「もちろん、もう呼んでますよ」
茄子「藍子ちゃん、大丈夫です。もう泣かないでください。謝らないでください」
藍子「でも……でも、朋さんが……!」
茄子「ふふ、それも大丈夫です。すぐ治りますから♪」
藍子「えっ……」
みく「……あ、来たみたい。この部屋に連れてくるねー」
茄子「はーい、お願いしまーす♪」
藍子「あの……どういうことですか……?」
茄子「ふふっ♪」
茄子「少し待てばきっとわかりますよ……♪」
藍子「……?」
みく「連れてきたにゃ!」
モバP「よう」
茄子「ふふ、お疲れ様です、プロデューサーさん」
藍子「プロデューサー……?」
みく「その子、なんか憑りついてる?」
モバP「……ああ」
モバP「なるほど……だから、朋もそこで止まってるんだな」
モバP「これは気配が読めないわけだ」
茄子「なんとかできそうですか?」
モバP「もちろんだ。そのために俺が来たんだから」
モバP「すぅ……」
モバP「破ぁ!!!」
藍子「!」
藍子(二人がプロデューサーさんと呼ぶ男の人の手から光が溢れる)
藍子(その光は私を……朋さんを……部屋全体を包み込んだ)
39: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:55:12.04 ID:TbFOIgDP0
藍子(一瞬、視界が全部白くなる)
藍子(……そして、緩やかに回復していく)
藍子(視界を取り戻した私の目に映ったのは――)
朋「んーっ……!」
藍子(――背伸びをする朋さんでした)
藍子「朋さん……!?」
朋「あ、藍子ちゃんおはよ」
朋「んー……ずっと動いてなかった割にはぜんぜん凝ってないわね……んーっ……!」
藍子「な、なんで……どうして……!?」
モバP「ああ。彼女と朋に憑りついてた悪いものは今吹き飛ばしたからな」
藍子「吹き飛ばした……!?」
藍子「どうやってそんなこと……!?」
茄子「寺生まれですからね♪」
みく「寺生まれだからにゃ」
朋「寺生まれだからね」
モバP「いや、それじゃわかんないだろ」
モバP「……修行したんだよ」
モバP「妖怪や霊……魔物なんかに悩まされてる人たちを助けるためにな」
藍子「助けるために……」
藍子(……そして、緩やかに回復していく)
藍子(視界を取り戻した私の目に映ったのは――)
朋「んーっ……!」
藍子(――背伸びをする朋さんでした)
藍子「朋さん……!?」
朋「あ、藍子ちゃんおはよ」
朋「んー……ずっと動いてなかった割にはぜんぜん凝ってないわね……んーっ……!」
藍子「な、なんで……どうして……!?」
モバP「ああ。彼女と朋に憑りついてた悪いものは今吹き飛ばしたからな」
藍子「吹き飛ばした……!?」
藍子「どうやってそんなこと……!?」
茄子「寺生まれですからね♪」
みく「寺生まれだからにゃ」
朋「寺生まれだからね」
モバP「いや、それじゃわかんないだろ」
モバP「……修行したんだよ」
モバP「妖怪や霊……魔物なんかに悩まされてる人たちを助けるためにな」
藍子「助けるために……」
40: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:57:00.96 ID:TbFOIgDP0
茄子「ところで、今回の霊はどういうものだったんですか?」
モバP「そうだな……人の時間を食う魔物が彼女に憑りついてたんだ」
みく「時間を食べる魔物?」
モバP「ああ」
モバP「世界全体の……じゃなく、対象の個人の時間だけを食べて糧とする魔物だ」
モバP「その魔物に時間を食べられると、食べられた人間は時間の感覚が他人と狂ってしまう」
モバP「通常は1秒の動きは1秒でできるが、食べられた人間は1秒の動きをするのに10秒必要とするんだ」
モバP「だが、世界は通常どおり1秒は1秒で進行していく」
モバP「そのため、普通の世界で過ごしている人間には時間を食べられた人間の動きが遅く見えるようになるんだ」
モバP「さっきの例で言うと食べられた人間は10秒で1秒分の動きしかできないわけだからな」
モバP「……そして、それが過剰なまでに増えると、止まったように見える」
モバP「それがさっきまでベッドで寝ていた俺達から見た朋の状態だ」
朋「そうだったんだ……」
モバP「そうだな……人の時間を食う魔物が彼女に憑りついてたんだ」
みく「時間を食べる魔物?」
モバP「ああ」
モバP「世界全体の……じゃなく、対象の個人の時間だけを食べて糧とする魔物だ」
モバP「その魔物に時間を食べられると、食べられた人間は時間の感覚が他人と狂ってしまう」
モバP「通常は1秒の動きは1秒でできるが、食べられた人間は1秒の動きをするのに10秒必要とするんだ」
モバP「だが、世界は通常どおり1秒は1秒で進行していく」
モバP「そのため、普通の世界で過ごしている人間には時間を食べられた人間の動きが遅く見えるようになるんだ」
モバP「さっきの例で言うと食べられた人間は10秒で1秒分の動きしかできないわけだからな」
モバP「……そして、それが過剰なまでに増えると、止まったように見える」
モバP「それがさっきまでベッドで寝ていた俺達から見た朋の状態だ」
朋「そうだったんだ……」
41: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:57:52.18 ID:TbFOIgDP0
モバP「逆に朋にしてみたら、10秒かけて1秒分の動きをしたら、周りは10秒分の動きをしている――いや、実際はそれよりひどかったわけだが」
朋「あー……だからみんなの言葉とか動きが早かったんだ」
茄子「あら、私達のことも見えていたんですか」
朋「うん……たぶん」
茄子「……たぶん?」
朋「話す言葉も早いし、体の動きも早かったからよくわかんなくて、すっごく頭痛かったけど」
朋「……でも、なんとなく茄子さんもみくちゃんもわかったわよ」
朋「……それと、藍子ちゃんも」
藍子「あ……!」
藍子「ごっ……ごめんなさい、朋さん……本当に……!」
朋「や、別にいいわよ。ちゃんと元に戻れたしね」
朋「止まってる間もずっと謝ってくれてたんだもん。もう十分よ」
藍子「きっ、聞こえてたんですか……!?」
朋「何を言ってるかはぜんぜんわかんなかったけど……でも、ずっと泣いてあたしに話してたから。きっとそうなんだなって思ってた」
朋「ごめんね。口がもっと早く動かせてたらもういいよって言ってあげられたのに」
藍子「朋さん……!」
朋「あたしこういうこと慣れてるから、ぜんぜん平気だったしね」
藍子「な、慣れてる……?」
朋「うん」
朋「この前は人形にされたし、その前も刺し殺されかけたし……」
藍子「……」
朋「でも、みんなが助けてくれて今のあたしがここにいるから、今回もきっと大丈夫って信じてたの」
朋「だから、怖くなんて無かったし、藍子ちゃんを責める気もぜんぜんなかったわ」
藍子「わぁ……」
藍子「……みなさんのこと信頼してるんですね」
朋「うん!」
茄子「……でも、慣れるっていうのもすごい話ですよね」
朋「ふふ、茄子さんも慣れちゃってるでしょ?」
茄子「……そう思ってたんですけどねー」
朋「……?」
みく「にゃふふ。茄子チャンすごい心配してたよ、朋チャンのこと」
朋「え、そうなの?」
朋「てっきり『私幸運だから今回も大丈夫ですよー♪』とか言ってるのかと」
朋「今までだってこういうことよくあったし」
茄子「うーんそうなんですけど……でもどれも私がいるところか、すぐに何とかなったりしてたじゃないですか」
茄子「今回は私のいないところで、朋ちゃんが急にいなくなったので、心配だったんです」
朋「……そっか、ふふ。確かにあたしも茄子さんの立場だったらそうなってたわね」
朋「ありがとね、心配してくれて」
茄子「いえいえ……無事でよかったです、ふふっ♪」
朋「あー……だからみんなの言葉とか動きが早かったんだ」
茄子「あら、私達のことも見えていたんですか」
朋「うん……たぶん」
茄子「……たぶん?」
朋「話す言葉も早いし、体の動きも早かったからよくわかんなくて、すっごく頭痛かったけど」
朋「……でも、なんとなく茄子さんもみくちゃんもわかったわよ」
朋「……それと、藍子ちゃんも」
藍子「あ……!」
藍子「ごっ……ごめんなさい、朋さん……本当に……!」
朋「や、別にいいわよ。ちゃんと元に戻れたしね」
朋「止まってる間もずっと謝ってくれてたんだもん。もう十分よ」
藍子「きっ、聞こえてたんですか……!?」
朋「何を言ってるかはぜんぜんわかんなかったけど……でも、ずっと泣いてあたしに話してたから。きっとそうなんだなって思ってた」
朋「ごめんね。口がもっと早く動かせてたらもういいよって言ってあげられたのに」
藍子「朋さん……!」
朋「あたしこういうこと慣れてるから、ぜんぜん平気だったしね」
藍子「な、慣れてる……?」
朋「うん」
朋「この前は人形にされたし、その前も刺し殺されかけたし……」
藍子「……」
朋「でも、みんなが助けてくれて今のあたしがここにいるから、今回もきっと大丈夫って信じてたの」
朋「だから、怖くなんて無かったし、藍子ちゃんを責める気もぜんぜんなかったわ」
藍子「わぁ……」
藍子「……みなさんのこと信頼してるんですね」
朋「うん!」
茄子「……でも、慣れるっていうのもすごい話ですよね」
朋「ふふ、茄子さんも慣れちゃってるでしょ?」
茄子「……そう思ってたんですけどねー」
朋「……?」
みく「にゃふふ。茄子チャンすごい心配してたよ、朋チャンのこと」
朋「え、そうなの?」
朋「てっきり『私幸運だから今回も大丈夫ですよー♪』とか言ってるのかと」
朋「今までだってこういうことよくあったし」
茄子「うーんそうなんですけど……でもどれも私がいるところか、すぐに何とかなったりしてたじゃないですか」
茄子「今回は私のいないところで、朋ちゃんが急にいなくなったので、心配だったんです」
朋「……そっか、ふふ。確かにあたしも茄子さんの立場だったらそうなってたわね」
朋「ありがとね、心配してくれて」
茄子「いえいえ……無事でよかったです、ふふっ♪」
42: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/25(日) 23:58:48.66 ID:TbFOIgDP0
朋「それより! ねぇ、プロデューサー!」
モバP「ん?」
朋「藍子ちゃんのお父さんとか、お母さんとか……いろんな子がまだ止まったままみたいなの」
朋「そっちも治してあげられないかな?」
モバP「ああ。それならもう大丈夫だ」
モバP「彼女の――藍子の憑りつかれていた魔物がすべての元凶だ。そいつを倒せば元に戻る」
モバP「食べられていた時間はすべて元に戻るはずだ」
藍子「本当ですかっ!?」
モバP「ああ……たぶんもう動いてると思うぞ」
藍子「……っ!」ダッ
藍子(みんなのプロデューサーさんの言葉を聞いて私はたまらず駆け出しました)
藍子「お父さん……お母さん……!」
藍子(お父さんと、お母さんがいる部屋に向かって)
藍子(……本当に治っているのか)
藍子(ドキドキした気持ちが溢れています)
藍子(期待か不安かもわかりません)
藍子(……ただ、お父さんとお母さんが戻ってるなら)
藍子(戻ってるなら……!)
藍子(そんな気持ちで走って、走って――)
藍子「……っ!」バン
藍子(その部屋の扉を開けました)
藍子(……私のことを見つめる二人の姿がありました)
藍子「……よかった」
藍子「本当によかった……!」ポロポロ
藍子「お父さん……! お母さん……!」
藍子(……あの日、公園でみんなと会わなければ)
藍子(朋ちゃんに私の話を聞いてもらわなければ)
藍子(みくちゃんが、茄子さんが私の家を見つけて、プロデューサーさんが来なければ……)
藍子(……寺生まれってすごいし)
藍子(寺生まれの事務所ってすごい)
藍子(初めて私はそう思いました)
おしまい
モバP「ん?」
朋「藍子ちゃんのお父さんとか、お母さんとか……いろんな子がまだ止まったままみたいなの」
朋「そっちも治してあげられないかな?」
モバP「ああ。それならもう大丈夫だ」
モバP「彼女の――藍子の憑りつかれていた魔物がすべての元凶だ。そいつを倒せば元に戻る」
モバP「食べられていた時間はすべて元に戻るはずだ」
藍子「本当ですかっ!?」
モバP「ああ……たぶんもう動いてると思うぞ」
藍子「……っ!」ダッ
藍子(みんなのプロデューサーさんの言葉を聞いて私はたまらず駆け出しました)
藍子「お父さん……お母さん……!」
藍子(お父さんと、お母さんがいる部屋に向かって)
藍子(……本当に治っているのか)
藍子(ドキドキした気持ちが溢れています)
藍子(期待か不安かもわかりません)
藍子(……ただ、お父さんとお母さんが戻ってるなら)
藍子(戻ってるなら……!)
藍子(そんな気持ちで走って、走って――)
藍子「……っ!」バン
藍子(その部屋の扉を開けました)
藍子(……私のことを見つめる二人の姿がありました)
藍子「……よかった」
藍子「本当によかった……!」ポロポロ
藍子「お父さん……! お母さん……!」
藍子(……あの日、公園でみんなと会わなければ)
藍子(朋ちゃんに私の話を聞いてもらわなければ)
藍子(みくちゃんが、茄子さんが私の家を見つけて、プロデューサーさんが来なければ……)
藍子(……寺生まれってすごいし)
藍子(寺生まれの事務所ってすごい)
藍子(初めて私はそう思いました)
おしまい
44: ◆6QdCQg5S.DlH 2016/09/26(月) 00:02:25.50 ID:lwOaXdMX0
最近書いたの
モバP「智絵里の頭を1ヶ月間毎日撫でる実験」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474209403/
朋「茄子さんって占い信じてるの?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473955622/
朋「まゆちゃんの誕生日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473242758/
よかったらこちらもよろしくお願いします
モバP「智絵里の頭を1ヶ月間毎日撫でる実験」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474209403/
朋「茄子さんって占い信じてるの?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473955622/
朋「まゆちゃんの誕生日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473242758/
よかったらこちらもよろしくお願いします
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 02:43:03.45 ID:ENrADfNU0
智絵里の頭を撫でていた人か…
乙
乙
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 03:38:44.69 ID:KOTUTWogo
まゆ朋シリーズと智恵里の頭を撫でてるのと寺生まれが同じ作者さんだったことに初めて気付いて衝撃を受ける
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474813680/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
美希「迷惑メールは迷惑なの」
1: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:45:07.78 ID:izpzl3I/o
<ユーガットメィール!!
美希「あ」パカ
美希「………むー」パタム
<ユーガットメィール!!
美希「はーい」パカ
美希「………」パタム
<ユーガットメィール!!
美希「」パカ パタム
P「……星井さん。先程から大変携帯を気にしているようですが、何かございましたか?」
2: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:45:45.18 ID:izpzl3I/o
美希「ううん。ミキ、何にも待ってないよ」
P「その割にはさっきから携帯が」
<ユーガットメィール!!
美希「あ、ちょっと待って」パカ
P「……よく鳴ってるようですが」
美希「ただの迷惑メール。最近すっごく増えてるの、大メーワクってカンジ」パタム
P「わかってるなら放っておけばいいじゃないか」
美希「知ってる人のメールが混ざってるかもしれないでしょ?」
P「そりゃそうかもしれないけど」
3: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:46:23.95 ID:izpzl3I/o
<ユーガットメィール!!
美希「あ、ちょっと待ってて。……ください」パタパタ
トレーナー「え、あ。うん」
美希『いま すぐなの! もう まてない! 約束したよね キスを―――』
<ユーガットメィール!!
美希「はーい」パカ
スタッフ「はいやりなおし」
P「宜しくお願いします!!」
美希「よろしくおねがいします」ペコ
音楽ディレクター「うんうん、星井さんには期待しt」
<ユーガットメィール!!
美希「……あ、今度はママからなの!ちゃんと見ててよかったでしょ?」
P「」
音楽ディレクター「」
4: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:47:05.82 ID:izpzl3I/o
P「気にし過ぎだろ!!!」
美希「だってー」
P「『だって』じゃありません」
美希「ぶー」プンスコ
P「大体なんで逐一見るんだよ。『迷惑メール』ってわかってるんだろ?」
美希「だってー……一度気になると、ずっと気になっちゃうんだもん」
P「限度があるだろ、限度が」
5: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:47:48.68 ID:izpzl3I/o
P「とにかく、原因がわかってるなら対処しよう。アドレス変えるなり、フィルター効かすなり」
美希「フィルター?」
P「……アドレス変える方にしようか。変え方わかるか?」
美希「えー、ミキよくわかんなーい」
P「変えたことある筈だろ?初期アドレスじゃないんだし」
美希「だってメンドーなんだもん。プロデューサーさん、やってくれたらうれしいな」
P「……いいだろう。美希に相応しいアドレスを俺が考えてやろうじゃないか」
美希「やたっ!」
P「『suki_suki_daisuki_producer』だ!どうだ、俺への溢れんばかりの想いを形にした素晴らしいアドレスだろう」
美希「やっぱりミキがやる」
6: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:48:35.95 ID:izpzl3I/o
美希「『星井美希です。今日はメールばっかり見てごめんなさい。次から気を付けます』」ポチポチ
美希「これでごめんなさいメールは全部だよね。……疲れた」
―――――――――
P『帰ってからでいいから、今日中に仕事先に謝罪メール送っておくことな』
美希『ミキのせいじゃないのに……』
P『それでも、だ。理由はあっても相手に見えてるのは美希の態度なんだから』
P『直接顔合わせて謝るのでもいいけど。美希はどっちがいい?』
美希『……メールにする。怒られそうで、や』
P『キチンと謝れば相手も許してくれるさ。俺からも言っておくから安心しとけって』
美希『あーあ。アイドルって楽しいけど、メンドーなこともいっぱいだね』
P『面倒なことは先済ませちゃえばいいんだよ。とにかくよろしく頼むな』
美希『はいはい』
P『……『はい』は一回』ムニー
美希『ふぁい』
―――――――――
美希「うー……。ほっぺたひりひりする」
7: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:49:02.50 ID:izpzl3I/o
美希「えっと、あと誰に送ればいいんだっけ……」
美希「クラスのみんなはおっけーでしょ、パパとママはお姉ちゃんが教えてくれてるでしょ」
美希「んー」パタパタ
美希「……あ、そだ。プロデューサーさんにも送らなきゃ」ポフ
美希(小鳥や社長にはプロデューサーさんが教えてくれるからいいよね)
美希「えっとー」ポチポチ
美希「―――あ、ふぅ」
美希「……Zzz」スピー
―――――――――
8: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:49:38.26 ID:izpzl3I/o
―――――――――
P「―――はい、はい。では、本日もよろしくお願いします」ガチャ
小鳥「朝からお疲れ様です」
P「美希の奴が謝ってなかったらこちらでフォローするつもりだったんですが……」
小鳥「その心配はなかった、と」
P「これで午後からの準備に専念できます」
小鳥「美希ちゃん、その手のことはきちんとやるんですから。あんまり疑っちゃダメですよ?」
P「全部そうしてくれればそう思えるんですけどね……」
P(休みだからって寝坊してないといいが)ピ、ポ、パ
9: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:50:15.48 ID:izpzl3I/o
<prrrr prrrr
??『はい、星井です』
P「朝早く失礼します。765プロダクションのPですが―――」
美希母『プロデューサーさん!いつもお世話になってます、美希の母です』
美希母『美希ですよね?ちょっとお待ちください』
<~♪
P「……起きてた」
10: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:50:54.37 ID:izpzl3I/o
美希『もしもし、プロデューサーさん?おはよー』
美希『ねね。ミキ、学校がお休みでもちゃーんと起きたよ。えらい?』
P「ああ。正直驚いた」
美希『ふふん。いつも寝てばっかりって思ったら大間違いなの』ムフー
P「メールも送ってくれたみたいだな。先方からお褒めの言葉を戴いたぞ」
美希『じゃあもう怒られない?』
P「次あった時に一言だけ言えばもう大丈夫だよ。その時は俺もついてくから」
美希『やたっ』
11: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:51:20.23 ID:izpzl3I/o
P「朝早くからありがとな」
美希『あ、そだ。ミキ、今日お出かけしてから事務所行くね』
P「時間には遅れないように気を付けてな」
美希『はーい。それじゃ、また後でね!』
ピ
P「……俺、変に疑い過ぎなのかなあ」
小鳥「さあ?」ニコニコ
―――――――――
12: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:52:06.01 ID:izpzl3I/o
―――――――――
美希「あはっ☆ まだ残っててよかったぁ」
書店員「あの……星井美希さん、ですか?」
美希「ミキのこと知ってるの?」
書店員「もちろん!先日取材で来て下さったでしょう?その時から気になってたんですよ~」
書店員「ね。もしよろしければ、サイン、お店に飾ってもいいかしら?」
美希「うん、いいよ」
美希(えっと。サインは力を抜いて描く、っと……)サラサラ
13: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:53:09.03 ID:izpzl3I/o
P「美希の奴、まだかなー」
小鳥「そんなに美希ちゃんが待ち遠しいんですか?」
P「そういう訳じゃないですが……いざ全部やってあると手持無沙汰で」
小鳥「ふふ」ニコ
P「……俺の顔に何かついてます?」
小鳥「いえ。プロデューサーさん、楽しそうだなあって」
P「楽しそうに見えるんですか」
小鳥「担当になってからずーっと、『美希ちゃん、美希ちゃん』ですから」
P「いやいやいや」
14: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:54:48.19 ID:izpzl3I/o
P「好きで美希美希言ってる訳じゃないですよ。今回の件に限らず色々やらかしますからねアイツ」
P「タメ口は日常茶飯事だし時間にもルーズだし気紛れだし、一度休日でばったり会った時はえらい目に遭いましたし」
小鳥「でも美希ちゃん、一度お話ししたらきちんと聞いてくれるんでしょう?」
P「その辺は有難いですね。あんななりだけど根は素直でいい子って言うか」
P「あれこれ文句は言うけれど仕事中は凄い楽しそうで。こちらもプロデュースのし甲斐があると言うか……」
小鳥「……ふぅん」ジトー
P「……小鳥さん、目が怖いです」
小鳥「私は事務所に籠りっきりなのに。ちょっと妬いちゃいますからね?」プクー
15: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:55:30.80 ID:izpzl3I/o
小鳥「準備も一通り終わってるならゆっくりしててください。こちらも殆ど終わってますので」
P「そうですね……でしたらお言葉に甘えさせていただきます」
小鳥「はい♪」
P(一応メールは送っとくか)ポチポチ
<ピロリン
<ユーガットメィール!!
P「……あれ?」
16: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:55:56.10 ID:izpzl3I/o
美希「―――ん、美味し♪」
喫茶店員「ありがとうございますっ☆」
美希「ここ、地下にある割には広いし雰囲気もバッチリでちょっと気になってたの」
美希「前来たときはちょっとだけしか居られなかったから。今回ゆっくり来れてよかったぁ」
喫茶店員「お褒めに預かり光栄です☆ 秘密の隠れ家って感じで、お友達との時間もバッチリ過ごせますよ☆」
美希「ん。今度はミキの友達も誘ってみるね」
喫茶店員「お待ちしておりまーすっ!」
喫茶店員「……と・こ・ろ・で? 折角の機会ですし?ちょ~っとお聞きしたいことがあるんですけど☆」
美希「?」
17: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:57:37.40 ID:izpzl3I/o
『お掛けになった電話は 電波の届かない場所にあるか―――』
小鳥「電話、繋がらないんですか?」
P「さっきから。もうだいぶん時間も経ってるのに」
小鳥「メールは……さっきも試してましたけれど」
P「……」ポチポチ
【<Mail Delivery Subsystem> MAILER-DAEMON】
小鳥「やっぱり届いてないみたいですね」
P「『アドレス変えよう』って話はしてたんで、連絡し忘れって可能性はあります」
P「けど……美希の性格上、着信入れたのに反応がないってのは変だな」
小鳥「まだ集合までは時間ありますけれど……」
P「心配ですね、少し」
18: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:58:10.77 ID:izpzl3I/o
美希「…………うー」グッタリ
喫茶店員「ありがとうございましたー☆ また、ゼヒゼヒ来てくださいネ!!!」
美希(……ここのお店。雰囲気もいいし、ご飯も美味しいし、お小遣いにも優しいけど……)
美希「店員さんが、厄介すぎるの!!!」
美希(キワドイことばっかり聞いてくるし、『知らない』って言ってもしつこく聞いてくるし)
美希(こんなんじゃみんな連れてきても全然落ち着けないの……)
美希「しかも圏外だしー…………あ」
19: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:59:02.66 ID:izpzl3I/o
P「遅い」
小鳥「集合時間、過ぎてしまいましたね……」
P「今まで遅刻することはあっても、まったく連絡がない……ってことはありませんでした」
小鳥「ご家族から連絡先は頂けたんですか?」
P「先ほどお姉さんから送っていただきました。けど、やっぱり返信はないですね」
小鳥「美希ちゃん……どうしちゃったんでしょう」
P(事務所に向かってるなら圏外の筈はないし、ずっと同じ場所にいるってことになる)
P(まさか……本当に何かあったのか?)
20: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 22:59:32.21 ID:izpzl3I/o
<prrrr prrrr
P「!」ピ
美希『もしもしプロデューサーさん?』
P「美希か!?良かった、繋がって」
美希『どしたの?何かあったの?』
P「そりゃこっちの台詞だよ。もう時間とっくに過ぎてるじゃないか。全然連絡も繋がらないし」
美希『へ?……わ、もうこんな時間!?』
P「どうしたんだ、何かあったのか?」
美希『すっごいしつこい人につかまっちゃって。それに圏外でケータイ使えなかったの』
P「しつこい……?どういうことだ、誰かと一緒にいるのか?今どこにいるんだ?」
美希『えっと、この前取材で行っ』プツ
ツーツーツー
P「え、あれ。……美希!?」
美希「?……プロデューサーさん?」ポチポチ
美希「切れちゃった……」シーン
21: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:00:23.91 ID:izpzl3I/o
美希(電池切れかな?えっと、バッテリーは……)ゴソゴソ
美希「?……むー??」ゴソゴソ
美希「………ない」
美希「もー!遅刻しちゃうし電池もないしでサイアクなのー!!」プンスカ
美希「はー……。とりあえず事務所いこ……」
美希(プロデューサーさん怒るかなぁ)
トボトボ
美希「あ。この服カワイイかも」
美希「?……むー??」ゴソゴソ
美希「………ない」
美希「もー!遅刻しちゃうし電池もないしでサイアクなのー!!」プンスカ
美希「はー……。とりあえず事務所いこ……」
美希(プロデューサーさん怒るかなぁ)
トボトボ
美希「あ。この服カワイイかも」
22: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:00:52.08 ID:izpzl3I/o
<オカケニナッタデンワハー
P「……やっぱダメだ」
小鳥「美希ちゃんの家にも掛けてみましたけれど、やっぱり連絡が取れないみたいです」
P(しつこい人、捕まった、携帯が使えなかった)
P(………美希の奴、何か変な事件に巻き込まれたんじゃ)
P「俺、行ってきます」
小鳥「え。アテはあるんですか?」
P「切れる直前『取材に行った』って言ってました。その近くを当たってみます!!!」
小鳥「ちょ、ちょっと待ってください。それならそこに連絡してからの方が―――」
<バターン!! カンカンカン
小鳥「―――もう!すぐ動いちゃうんだから!!」
24: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:01:24.41 ID:izpzl3I/o
書店員「え、星井さんですか?確かに来ましたけれど」
P「何か聞かれませんでしたか?どこへ行くか、とか―――」
書店員「特には……お店を出て、あちらの方にはいかれましたけれど」
P「わかりました、ありがとうございます!!!」
バタム バタバタバタ
書店員「……何かあったのかしら?」
25: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:01:54.66 ID:izpzl3I/o
雑貨店員「ええ、確かに来てました」
レコード店員「けれど急に何か思い出したようで、すぐ行っちゃいましたね」
コスメ店員「ところでお客様はどういった関係の方で……?」
ブティック店員「お兄さんはどなたですか、ファンの方ですか?」
書店員「すみませんが、あまり個人的なことにお答えすることは」
カフェ店員「なんと☆今度はプロダクションの方が来て下さるとは!」
P「いねえ」ゼーハー
26: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:03:36.44 ID:izpzl3I/o
P「くそー……散々振り回されてやがる」
P(足跡は辿れても、美希からの連絡がない)
P(道すがら何かに巻き込まれたか?それとも……何か連絡できない事情があるのか?)
P「クソ。こんなことになるなら、こっちで迎えに行ってやりゃあ良かった……」
P(相手は14歳、まだ子どもなんだぞ。出来ない事が多くて当たり前なんだ、面倒見てやらないでどうする)
P(足りない事はきちんと教えて、キチンと伸ばしてやるのが大人の役目なんじゃないのか)
P(御家族にも心配掛けさせて……連絡先くらい、こっちで確認取っておくべきだったのに)
P「……ここでうだうだ考えててもしょうがないか」
27: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:05:46.91 ID:izpzl3I/o
【公園】
美希「あれ、せんせー!!」
教師「お?……星井じゃないか」
美希「すっごい偶然。どしたの?何でここにいるの?」
教師「折角の休みだからな。近所を散歩してるんだ」
美希「ふーん。ミキ、せんせーってお休みでも学校にいるって思ってたの」
教師「全否定できん所が悲しいところだ」
美希「何か学校の外にいるせんせーって変なカンジ。ただのおじさんだね」
教師「………俺はまだ『おじさん』って歳じゃないぞ」
28: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:07:54.57 ID:izpzl3I/o
P(こんな所にまで来ちまったか……美希の奴よくここで時間潰してるし、いてくれるといいんだけど)
美希「―――」
教師「―――」
P「いた!!み、き―――」
P(隣に誰かいる……何だ、あの男)
男「―――!!」パッ
美希「~~~!!!」
P(あいつか!? 美希が言ってた、しつこい奴!!!)
29: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:10:15.72 ID:izpzl3I/o
美希「せんせーもケータイ持ってるんだね」
教師「当たり前だろ」
美希「あ、そだ。ケータイ貸して欲しいな」
教師「……は?」
美希「ミキ、電話したいんだけど電池切れちゃったの。いいよね?」パッ
教師「あ、こら!」グイ
美希「あ~!」
教師「勝手に人の物を取るな」
美希「ぶー、ケチ。ちょっとくらい―――」
30: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:11:10.82 ID:izpzl3I/o
P「美希!!!」
美希「?……あ、プロデューサーさんだ!お―――」
P「その子から離れろ!!!」
美希「わっ」
教師「な、何だ?」
P「……アンタか。しつこく付きまとってたってのは」
P「この子が良く思ってない以上度を過ぎたのは看過できない。悪いけど―――」
美希「プロデューサーさん、せんせーと知り合いなの?」
31: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:11:58.69 ID:izpzl3I/o
P「…………へ?」
キョロキョロ
P「……せんせーって、誰だ?」
美希「その人」
P「えっ」
美希「その人、変な人じゃないの。ミキの学校の体育のせんせー」
P「」
教師「……どうも。星井さんの学校で教師をやっております」
P「」
―――――――――
――――――
―――
32: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:12:53.50 ID:izpzl3I/o
美希「―――それでね、プロデューサーさん、美希のセンセーをストーカーさんって間違えちゃったの」
美希「『その子から離れろ!』って言ってた時はすっごくカッコよかったのに、すぐペコペコしちゃって台無しってカンジ」
司会「このことについて美希のプロデューサーさんは『穴があったら入りたい』とコメントしています」
美希「へー。じゃ、ミキ後でスコップ渡しとくね」
司会「以上、星井美希ちゃんの『最近びっくりした話』でした!」
ディレクター「ハイカット!チェック入りまーす!」
33: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:14:04.29 ID:izpzl3I/o
美希「プロデューサーさん!おわったよー」
P「そうかい」
美希「まだ怒ってるの?」
P「話のタネにもなったし良かったじゃねーの」
美希「あんまり怒ってるとミキも怒っちゃうよ?」
P「試しにやってみろ」
美希「むっ」プクー
P「おおこわいこわい」
美希「バカにしてるの!もー!!」
34: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:14:33.26 ID:izpzl3I/o
P「それじゃあ、気を付けてな」
美希「……ね、プロデューサーさん。ホントに、怒ってない?」
P「怒ってないよ。俺の方ももっと気を付けなきゃって思ってるだけだ」
美希「そ。よかったぁ」
P「ただメールの返事はきちんと返してくれ。最近遅れがちだけどなんかあったのか?」
美希「ううん」
P「以前は日を跨いだりってことはなかったじゃないか」
美希「なんにもないよ、たまたまなの」
P「……まさかとは思うけど、わざとか?」
美希「ミキ、しーらない」
P「図星かよ!ったく……心配になるから早目に返してくれよな」
美希「お返事はちゃんとしてるんだしいいって思うな」
35: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:15:49.21 ID:izpzl3I/o
美希「それにもしメール届かなくなってもだいじょぶなの」
P「なんでだよ」
美希「だって……」
美希「ミキのことは、プロデューサーさんがちゃーんと見つけてくれるもん!」
おわり
36: ◆dzX3.Do/lI 2016/09/26(月) 23:21:33.30 ID:izpzl3I/o
以上でおしまいです。ここまでありがとうございました。
古来より電池切れとメーラーデーモンさんは連絡取るうえで最大の敵と言われていますが
今だとLINEなりSMSなりがあるのでこの辺の心配は無用そうですね。
もうちょいで無印から10周年になるのでそちらも注目して行ければと思います。
古来より電池切れとメーラーデーモンさんは連絡取るうえで最大の敵と言われていますが
今だとLINEなりSMSなりがあるのでこの辺の心配は無用そうですね。
もうちょいで無印から10周年になるのでそちらも注目して行ければと思います。
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 23:49:42.76 ID:yNENUFaGo
乙なの
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/26(月) 23:58:56.82 ID:a9TfPeJUo
おつおつ
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/27(火) 00:05:26.30 ID:VgQgBxdFo
ケータイをパカッって開いてるということは
もしかしてガラパコス?
もしかしてガラパコス?
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474897507/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ アイドルマスター | Comments (0)
橘ありす「早く大人になりたいです」モバP「どうして?」
1: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:07:54.39 ID:oaD626V30
・モバマスSS
・若干ポケモン関係
夢の泉をはよ書けって言われそうですが思いついちゃったから仕方ないね
全体の文は考えてるのですぐ終わる予定です
・若干ポケモン関係
夢の泉をはよ書けって言われそうですが思いついちゃったから仕方ないね
全体の文は考えてるのですぐ終わる予定です
2: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:14:18.55 ID:oaD626V30
モバP「…ふー、喉が渇いたなー…水でも買うか」
ピッ ゴトンッゴトンッ
モバP「あれ、二つ…当たりか?なんでまたこんな機能作ったんだ?貰えるなら貰うけどさ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガタッ
モバP「…っと、はぁ、外は暑すぎるな…ちょっと車から降りて歩いたらこれだ」
モバP「おっと、そうだ、今何かいるかなー?どれどれ…」スッ
モバP「おー、ゼニガメか。懐かしいな。…よし!ゲット!」
ピッ ゴトンッゴトンッ
モバP「あれ、二つ…当たりか?なんでまたこんな機能作ったんだ?貰えるなら貰うけどさ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガタッ
モバP「…っと、はぁ、外は暑すぎるな…ちょっと車から降りて歩いたらこれだ」
モバP「おっと、そうだ、今何かいるかなー?どれどれ…」スッ
モバP「おー、ゼニガメか。懐かしいな。…よし!ゲット!」
3: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:19:12.20 ID:oaD626V30
ありす「おはようございます」ガチャ
モバP「お、おはようありす。って、ん?」
ありす「どうかしましたか?」
モバP「今出したスマホ、それもしかしてポケモンか?」
ありす「はい、そうですけど…」
モバP「おー、後で見せてくれないか?俺のも見せるからさ。あと水いる?」
ありす「はぁ、別に構いませんけど…お水はいただきます」
ゴクッゴクッ
モバP「お、なんか美味しいなこの水」
ありす「気のせいじゃないですか?」
モバP「お、おはようありす。って、ん?」
ありす「どうかしましたか?」
モバP「今出したスマホ、それもしかしてポケモンか?」
ありす「はい、そうですけど…」
モバP「おー、後で見せてくれないか?俺のも見せるからさ。あと水いる?」
ありす「はぁ、別に構いませんけど…お水はいただきます」
ゴクッゴクッ
モバP「お、なんか美味しいなこの水」
ありす「気のせいじゃないですか?」
4: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:24:56.59 ID:oaD626V30
ありす「…って、プロデューサーもポケモンやってるんですか?大人なのに…」
モバP「なんだよー、いけないか?」
ありす「いけないわけではないですが…」
モバP「にしても、ははっ、ありすも流行に乗ったりするんだな」
モバP「さっき口元緩んでたぞ?イーブイでもいたか?」
ありす「!?」バッ
ありす「な、何でイーブイ限定なんですかっ」
モバP「ありすってイーブイ似合いそうだからさ。しかしそういうところ、やっぱ年相応って感じだな」
ありす「こ、子供扱いしないで下さいっ!」
モバP「悪い悪い。ちょっとからかいすぎたかな」
ありす「もう…」
モバP「なんだよー、いけないか?」
ありす「いけないわけではないですが…」
モバP「にしても、ははっ、ありすも流行に乗ったりするんだな」
モバP「さっき口元緩んでたぞ?イーブイでもいたか?」
ありす「!?」バッ
ありす「な、何でイーブイ限定なんですかっ」
モバP「ありすってイーブイ似合いそうだからさ。しかしそういうところ、やっぱ年相応って感じだな」
ありす「こ、子供扱いしないで下さいっ!」
モバP「悪い悪い。ちょっとからかいすぎたかな」
ありす「もう…」
5: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:30:27.34 ID:oaD626V30
モバP「しかしポケモンかー。やっぱり今子供たちの間でも広まってたり?」
ありす「確かに広まってますね。みんないつも以上に外を出歩いてるみたいです」
モバP「この暑い中元気だなー。やっぱり子供っていいな」
ありす「そんなことないです」
モバP「え?」
ありす「だって、マナーだってきちんとしてないし、男子なんか急に大声で叫んだりするし…」
ありす「私は早く大人になりたいです」
モバP「っ…」
ありす「確かに広まってますね。みんないつも以上に外を出歩いてるみたいです」
モバP「この暑い中元気だなー。やっぱり子供っていいな」
ありす「そんなことないです」
モバP「え?」
ありす「だって、マナーだってきちんとしてないし、男子なんか急に大声で叫んだりするし…」
ありす「私は早く大人になりたいです」
モバP「っ…」
6: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 18:31:18.13 ID:oaD626V30
ちょっと何か食べてきます
夜にもまた更新できるかな
夜にもまた更新できるかな
8: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:19:49.38 ID:oaD626V30
ありすが年上の人に憧れてるところとか、ゲームのことをよく知ってるから選びました
幸子って大人になりたいとかそういうのありましたっけ…?うわぁ俺まだまだだなぁスイマセン!
って仕掛けた側ながら一瞬本気で焦りましたw確かにある意味幸子ですねwいや、幸子にもそういう願いはあってもおかしくはないですが…
幸子って大人になりたいとかそういうのありましたっけ…?うわぁ俺まだまだだなぁスイマセン!
って仕掛けた側ながら一瞬本気で焦りましたw確かにある意味幸子ですねwいや、幸子にもそういう願いはあってもおかしくはないですが…
9: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:22:24.32 ID:oaD626V30
モバP「…なあ、ありす。それ、前から言ってたけど、どうしてなんだ?」
ありす「どうしてと言われても…とにかくなりたいんです。」
モバP「子供って、楽しいじゃないか」
ありす「否定はしません。でも、なってみたいんです」
ありす「どうしてと言われても…とにかくなりたいんです。」
モバP「子供って、楽しいじゃないか」
ありす「否定はしません。でも、なってみたいんです」
11: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:29:01.45 ID:oaD626V30
ありす「そうですね…例えば美波さんや文香さん、あんな風になりたいです」
モバP「そうか…やっぱり、ありすから見てカッコいいものかな、大人って」
ありす「はいっ!…っと言っても、例外はありますけど。私にとって美波さん達は目標です」
モバP「へー、そっか。やっぱりそう考えたりするんだなぁ…」
ありす「…プロデューサー?」
モバP「そうか…やっぱり、ありすから見てカッコいいものかな、大人って」
ありす「はいっ!…っと言っても、例外はありますけど。私にとって美波さん達は目標です」
モバP「へー、そっか。やっぱりそう考えたりするんだなぁ…」
ありす「…プロデューサー?」
12: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:36:26.20 ID:oaD626V30
モバP「いやさ、俺なんかはもう一度子供に戻ってみたいけどなって」
ありす「えっ…どうして」
モバP「どうしてって言われてもなー。お前が言ったみたく、そうなりたいんだよ」
ありす「大人でいいのに…」
モバP「そうだ!晶葉に頼んだらそういう機械作ってくれるんじゃないか!?一日限定とかでさ!」
ありす「ありえませんよ」
モバP「むぐっ…そんなあっさりと…意地が悪いな…」
ありす「貴方にだけは言われたくないです!」
ありす「えっ…どうして」
モバP「どうしてって言われてもなー。お前が言ったみたく、そうなりたいんだよ」
ありす「大人でいいのに…」
モバP「そうだ!晶葉に頼んだらそういう機械作ってくれるんじゃないか!?一日限定とかでさ!」
ありす「ありえませんよ」
モバP「むぐっ…そんなあっさりと…意地が悪いな…」
ありす「貴方にだけは言われたくないです!」
13: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:44:09.76 ID:oaD626V30
ありす「でもやっぱり気になります。どうして戻りたいんですか?」
モバP「そうだなー。まあやっぱり思い出のせいかな。懐かしくってさ」
モバP「今だって、誰かの家に集まってみんなでゲーム!とかあるだろ?」
ありす「はい、それはまあ…」
モバP「俺がまだ子供だった頃ってさ、今みたいにWifiとか普及してなかったから…」
モバP「持ち寄って遊ぶのとか日常茶飯事だったんだよ、ゲーム機ポケットに入れてさ」
ありす「そうだったんですか?」
モバP「そりゃあもう。と、そうだ、確かこの辺に…」ゴソゴソ
ありす「?」
モバP「そうだなー。まあやっぱり思い出のせいかな。懐かしくってさ」
モバP「今だって、誰かの家に集まってみんなでゲーム!とかあるだろ?」
ありす「はい、それはまあ…」
モバP「俺がまだ子供だった頃ってさ、今みたいにWifiとか普及してなかったから…」
モバP「持ち寄って遊ぶのとか日常茶飯事だったんだよ、ゲーム機ポケットに入れてさ」
ありす「そうだったんですか?」
モバP「そりゃあもう。と、そうだ、確かこの辺に…」ゴソゴソ
ありす「?」
14: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:55:04.99 ID:oaD626V30
モバP「お、あったあった。ほら」ゴトッ
ありす「この黒い四角い物は…?開けますけど…」パカッ
ありす「ABボタンに、十字キー…?ゲーム機ですか?使い古されてるみたいですけど」
モバP「ああ、ゲームボーイって言うんだ、それも最新機種。といってもまあ古いんだけど。カッコいいだろ?」
ありす「昔のゲーム機ってことですか?」
モバP「その通り」
ありす「この赤い部分は…?あ、外せた。これゲームソフトですか、それもポケモン…」
モバP「ああ、初代のリメイク版だよ」
ありす「この黒い四角い物は…?開けますけど…」パカッ
ありす「ABボタンに、十字キー…?ゲーム機ですか?使い古されてるみたいですけど」
モバP「ああ、ゲームボーイって言うんだ、それも最新機種。といってもまあ古いんだけど。カッコいいだろ?」
ありす「昔のゲーム機ってことですか?」
モバP「その通り」
ありす「この赤い部分は…?あ、外せた。これゲームソフトですか、それもポケモン…」
モバP「ああ、初代のリメイク版だよ」
15: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 21:59:34.59 ID:oaD626V30
モバP「ちなみに今でも充電すれば遊べるぞ。もちろん当時のデータも残ってる。たまにやりたくなるんだよな」
ありす「もしかして、遊ぶためにこれを?」ジトッ
モバP「ああいや、それはまた別だよ」
ありす「別って…結局遊ぶための物はあるんじゃないですか。仕事して下さい」
モバP「ちゃーんとやってるって。心配するな。…それで、ゲームボーイを持ってきた理由、だけど」
モバP「まあそうだな…お守りって感じかな」
ありす「お守り…」
モバP「そう、どうしても手放せなくってさ」
ありす「もしかして、遊ぶためにこれを?」ジトッ
モバP「ああいや、それはまた別だよ」
ありす「別って…結局遊ぶための物はあるんじゃないですか。仕事して下さい」
モバP「ちゃーんとやってるって。心配するな。…それで、ゲームボーイを持ってきた理由、だけど」
モバP「まあそうだな…お守りって感じかな」
ありす「お守り…」
モバP「そう、どうしても手放せなくってさ」
16: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/06(土) 22:03:34.22 ID:oaD626V30
モバP「ほら、こうやって電源入れてみると」カチッ
プァーン ピーン
モバP「当時そのまんまの画面が出てきて」テーレッテー テーレレレー
ありす「はい…」
モバP「昔のなじみ深い仲間たちが顔を覗かせる。これが懐かしくってさ。時々昔やったゲーム漁っちゃうんだ」
ありす「少しだけど、分かる気がします。無性に前やったゲームがやりたくなる時がある…」
モバP「だろ?そうなんだよ」
プァーン ピーン
モバP「当時そのまんまの画面が出てきて」テーレッテー テーレレレー
ありす「はい…」
モバP「昔のなじみ深い仲間たちが顔を覗かせる。これが懐かしくってさ。時々昔やったゲーム漁っちゃうんだ」
ありす「少しだけど、分かる気がします。無性に前やったゲームがやりたくなる時がある…」
モバP「だろ?そうなんだよ」
28: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:30:43.02 ID:+/ysvV5A0
歌詞FULLとかむーりぃー
しかし皆さんの思い出が色々知れて嬉しい限りです
しかし皆さんの思い出が色々知れて嬉しい限りです
29: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:36:19.63 ID:+/ysvV5A0
モバP「それでさ、やり直してる時に思うんだよ」
モバP「あ、ここ苦労したな。うわっ、こんな攻略法だっけ!?」
モバP「そうそう!偶然この場所で凄いやつ見つけたんだ!あの時のこの敵、本当に強かった!ってな」
ありす「確かに」コクッ
モバP「それにつられてさ、昔の友達とか思い出しちゃったり。学校の中で集まって攻略法考えてみてさ」
ありす「攻略本とかは無かったんですか?」
モバP「ありはしたけど、俺の周囲にはあんまり持ってる人いなかったなー。お小遣いとかの問題じゃないかな」
モバP「それに集まって話すのがなんだかんだ一番楽しいんだよ。数少ない攻略本持ちは英雄だったよ」ハハッ
ありす「そうだったんですね…」
モバP「まあ今の子も少なからずそういうことはあるだろうけどな」
モバP「あ、ここ苦労したな。うわっ、こんな攻略法だっけ!?」
モバP「そうそう!偶然この場所で凄いやつ見つけたんだ!あの時のこの敵、本当に強かった!ってな」
ありす「確かに」コクッ
モバP「それにつられてさ、昔の友達とか思い出しちゃったり。学校の中で集まって攻略法考えてみてさ」
ありす「攻略本とかは無かったんですか?」
モバP「ありはしたけど、俺の周囲にはあんまり持ってる人いなかったなー。お小遣いとかの問題じゃないかな」
モバP「それに集まって話すのがなんだかんだ一番楽しいんだよ。数少ない攻略本持ちは英雄だったよ」ハハッ
ありす「そうだったんですね…」
モバP「まあ今の子も少なからずそういうことはあるだろうけどな」
30: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:38:02.93 ID:+/ysvV5A0
モバP「しかし、まーた子供に戻ってからやりたいことが増えたな」
ありす「え?何ですか?」
モバP「いや、また会ってみたい人がいるんだよ。今何してるんだろうなー」
ありす「!?」ガタッ
ありす「え?何ですか?」
モバP「いや、また会ってみたい人がいるんだよ。今何してるんだろうなー」
ありす「!?」ガタッ
31: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:40:29.12 ID:+/ysvV5A0
ありす「誰ですかっ!?はっ、まさか初恋の人とか!?」クワッ
モバP「うおっ!?落ち着け、友達のことだよ!さっきの話題に出てた!」
ありす「友達!?…あ、ああ、そうですか」
フゥー
ありす「すみません、取り乱しました」キリッ
モバP「お、おう」
モバP「うおっ!?落ち着け、友達のことだよ!さっきの話題に出てた!」
ありす「友達!?…あ、ああ、そうですか」
フゥー
ありす「すみません、取り乱しました」キリッ
モバP「お、おう」
32: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:42:58.07 ID:+/ysvV5A0
モバP「でもさー…」
ありす「はい?」
モバP「結局のところ、どんなに技術が発達しても今の子供も昔の子供も変わらないなってさ」
ありす「ああ、確かにそうですね」フフッ
モバP「みんな馬鹿みたいにハマってそのことにしか目がいかない。でもそれがすごく楽しいんだ」
ありす「はい?」
モバP「結局のところ、どんなに技術が発達しても今の子供も昔の子供も変わらないなってさ」
ありす「ああ、確かにそうですね」フフッ
モバP「みんな馬鹿みたいにハマってそのことにしか目がいかない。でもそれがすごく楽しいんだ」
33: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:45:00.51 ID:+/ysvV5A0
ありす「それにしても、そうですか…プロデューサーにもそういう頃があったんですね」
モバP「俺にもとは何だ俺にもとは」
ありす「いえ、いつも仕事のことしか考えてないみたいですし」
モバP「いやここ仕事場だし」
ありす「昔から灰色だったんだろうな、と」フフッ
モバP「おい」
モバP「俺にもとは何だ俺にもとは」
ありす「いえ、いつも仕事のことしか考えてないみたいですし」
モバP「いやここ仕事場だし」
ありす「昔から灰色だったんだろうな、と」フフッ
モバP「おい」
35: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/07(日) 23:52:21.77 ID:+/ysvV5A0
ありす「…」
モバP「おいこら。…ありす?」
ありす「あの、プロデューサー」
モバP「どした?」
ありす「どうして今日はこんな話をしてくれたんですか?だって、いつもは昔の話とかしないじゃないですか」
モバP「ああ、そうだな…自分でも正直よく分かんないけど、多分…」
ありす「多分?」
モバP「いやさ、最近卯月や凛、未央達とちょっと思い入れのあるゲームをやってさ」
モバP「それで自然と、昔を懐かしむようになったのかもな」
ありす「ニュージェネレーションズの皆さんと、ですか」
ありす(そっか…羨ましいな…)
モバP「おいこら。…ありす?」
ありす「あの、プロデューサー」
モバP「どした?」
ありす「どうして今日はこんな話をしてくれたんですか?だって、いつもは昔の話とかしないじゃないですか」
モバP「ああ、そうだな…自分でも正直よく分かんないけど、多分…」
ありす「多分?」
モバP「いやさ、最近卯月や凛、未央達とちょっと思い入れのあるゲームをやってさ」
モバP「それで自然と、昔を懐かしむようになったのかもな」
ありす「ニュージェネレーションズの皆さんと、ですか」
ありす(そっか…羨ましいな…)
38: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:19:06.59 ID:/wKt5NCi0
モバP「それともう一つ」
ありす「…えっ?はい?もう一つ?」
モバP「ああ、それがさっきお前が言ったことだ」
ありす「えっ…?」
モバP「『早く大人になりたいです』。これだよ」
ありす「…えっ?はい?もう一つ?」
モバP「ああ、それがさっきお前が言ったことだ」
ありす「えっ…?」
モバP「『早く大人になりたいです』。これだよ」
39: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:22:34.56 ID:/wKt5NCi0
ありす「それが、どうかしたんですか…?」
モバP「うん、お前がカッコいい大人になりたいってことはよく分かったよ」
モバP「そして、そうなれるように努力し続けてるのもな。でもさ」
ありす「はい…?」
モバP「『子供に戻りたい』って言った俺に、お前はこう返しただろ?」
モバP「『ありえませんよ』って」
ありす「…」
モバP「うん、お前がカッコいい大人になりたいってことはよく分かったよ」
モバP「そして、そうなれるように努力し続けてるのもな。でもさ」
ありす「はい…?」
モバP「『子供に戻りたい』って言った俺に、お前はこう返しただろ?」
モバP「『ありえませんよ』って」
ありす「…」
40: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:26:21.54 ID:/wKt5NCi0
モバP「俺と話をしてて思っただろうけど、思い出話って尽きないんだよ、それこそ無限って言ってもいい程」
ありす「…」
モバP「でさ、そんな思い出を作れる子供時代」
モバP「俺たちは、もう戻れないんだよ。誰にだって一回しかない」
モバP「お前の大切な時間だって、少しずつ減っていってる」
ありす「…ぁ」
ありす「…」
モバP「でさ、そんな思い出を作れる子供時代」
モバP「俺たちは、もう戻れないんだよ。誰にだって一回しかない」
モバP「お前の大切な時間だって、少しずつ減っていってる」
ありす「…ぁ」
41: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:30:58.74 ID:/wKt5NCi0
モバP「お前にはまだピンと来ないかもしれないけど、大人に近づくほど、時間が過ぎるのが早くなるんだ」
モバP「怠いって思ってた授業も、友達と話す休み時間も…」
ありす「…はい」
モバP「だからさ。『早く大人になりたい』って言うのも分かる、けど」
モバP「今、子供であるお前にも少しでいいから目を向けて欲しかったんだよ。お節介かもしれないけどさ」
ありす「…いえ、そんなこと、ないです」
モバP「怠いって思ってた授業も、友達と話す休み時間も…」
ありす「…はい」
モバP「だからさ。『早く大人になりたい』って言うのも分かる、けど」
モバP「今、子供であるお前にも少しでいいから目を向けて欲しかったんだよ。お節介かもしれないけどさ」
ありす「…いえ、そんなこと、ないです」
42: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:53:12.96 ID:/wKt5NCi0
モバP「もちろん、お前が今楽しんでて、大切って胸張って言える思い出が作れてるんならいいけどさ」
モバP「最近、お前、子供らしさを無くそうとして言いたいこと我慢したりしてないか?」
ありす「それは…」
モバP「我慢する必要なんかないぞ?我儘は子供の特権だし」
モバP「俺から見たらお前は聞き分けが良すぎなくらいだ」
ありす「そうでしょうか?」
モバP「最近、お前、子供らしさを無くそうとして言いたいこと我慢したりしてないか?」
ありす「それは…」
モバP「我慢する必要なんかないぞ?我儘は子供の特権だし」
モバP「俺から見たらお前は聞き分けが良すぎなくらいだ」
ありす「そうでしょうか?」
43: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 18:57:04.00 ID:/wKt5NCi0
モバP「ああ、まあ流石に麗奈ほどのいたずらっ子になられても困るけどさ」ハハッ
モバP「もっと素直になってもいいんじゃないか?」
ありす(素直になる、か…)
モバP「そうだ、なんかやりたいこととかないか?」
ありす(やりたいこと…あ、そうだ)
モバP「もっと素直になってもいいんじゃないか?」
ありす(素直になる、か…)
モバP「そうだ、なんかやりたいこととかないか?」
ありす(やりたいこと…あ、そうだ)
44: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:00:53.06 ID:/wKt5NCi0
ありす「あり、ます」オズオズ
モバP「お、何だ?遠慮せずに言ってみな?」
ありす「あの、さっきの話…NGsの皆さんと、一緒にゲームをしてたって言う…」
ありす「それに、その、私も…」カァァ
モバP「はははっ!なーんだ、そんなことか!もちろん!あいつらに色々教えてやってくれ」
ありす(…!やった!)グッ
モバP「素直になるって案外難しいんだけどなー。よく言えたな、ありす」ナデナデ
ありす「ふぁっ…えへへ」ニコニコ
モバP「お、何だ?遠慮せずに言ってみな?」
ありす「あの、さっきの話…NGsの皆さんと、一緒にゲームをしてたって言う…」
ありす「それに、その、私も…」カァァ
モバP「はははっ!なーんだ、そんなことか!もちろん!あいつらに色々教えてやってくれ」
ありす(…!やった!)グッ
モバP「素直になるって案外難しいんだけどなー。よく言えたな、ありす」ナデナデ
ありす「ふぁっ…えへへ」ニコニコ
45: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:06:09.16 ID:/wKt5NCi0
モバP「…っと。大分話し込んじゃったな。お前これからレッスンだったろ?」
ありす「っ!はいっ」キリッ
モバP「そろそろ時間だから行ってきな。また今度やる時に誘うからさ」
ありす「はいっ!」
モバP「頑張って来いよ?目標は、素直になれるクールタチバナ、だ」
ありす「はっ!…いぃ…」
ありす「クー…ル…ちょ、プロデューサー!」
モバP「はははっ!いやー悪い悪い」
ありす「もうっ、全く、もう!」
ありす「っ!はいっ」キリッ
モバP「そろそろ時間だから行ってきな。また今度やる時に誘うからさ」
ありす「はいっ!」
モバP「頑張って来いよ?目標は、素直になれるクールタチバナ、だ」
ありす「はっ!…いぃ…」
ありす「クー…ル…ちょ、プロデューサー!」
モバP「はははっ!いやー悪い悪い」
ありす「もうっ、全く、もう!」
46: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:12:11.03 ID:/wKt5NCi0
モバP「く、ふふ…いや、でも本当に応援してるからさ」
ありす「ふー、ふふっ…私が、なれるでしょうか?」
モバP「当ったり前だろ!そのために俺がいるんだし」
モバP「お前なら大丈夫!」
ありす「っ…はい!それじゃ、行ってきます!お誘い、待ってますから!」ガチャ
モバP「おう!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ありす(『お前なら大丈夫!』…)
ありす(ずっと、不安、あったけど…やっぱり、私の夢、追いかけていたい!)
ありす(うん!今なら大丈夫!)
ありす「ふー、ふふっ…私が、なれるでしょうか?」
モバP「当ったり前だろ!そのために俺がいるんだし」
モバP「お前なら大丈夫!」
ありす「っ…はい!それじゃ、行ってきます!お誘い、待ってますから!」ガチャ
モバP「おう!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ありす(『お前なら大丈夫!』…)
ありす(ずっと、不安、あったけど…やっぱり、私の夢、追いかけていたい!)
ありす(うん!今なら大丈夫!)
47: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:19:19.20 ID:/wKt5NCi0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「ふー…」
モバP(本当に話し込んじゃったなー…まさかあそこまでになってしまうとは…ちょっと反省)
モバP(ここまでアイドル達を育てるのに夢中になってて気づかずにいたけど、思い返すとなぁ…)
モバP(また、アレとかアレとか、やり直したいなー。友達とも会いたいし)
モバP(あの時の対戦どっちが勝ったっけ?とか笑いながら話をしたいな。あいつら忘れてそうだけど)フフッ
モバP「ふー…」
モバP(本当に話し込んじゃったなー…まさかあそこまでになってしまうとは…ちょっと反省)
モバP(ここまでアイドル達を育てるのに夢中になってて気づかずにいたけど、思い返すとなぁ…)
モバP(また、アレとかアレとか、やり直したいなー。友達とも会いたいし)
モバP(あの時の対戦どっちが勝ったっけ?とか笑いながら話をしたいな。あいつら忘れてそうだけど)フフッ
48: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:32:13.22 ID:/wKt5NCi0
モバP(ま、やり直すって言っても当分先にはなるな。なんたって、今は別の夢があるしな)
モバP(それこそ、アイドル達に関わってきてからも色々あったよな)
モバP(何にでも全力でぶつかって、へこんだらちょっと休憩して)
モバP(頑張ることに、疲れたりなんかして…あの時は陰で泣いたなー…なんでうまくいかないんだって)
モバP(どれだけの時間がたったんだっけかな。そんなでもないか。…アイドル達は本当に俺の自慢だ)
モバP(みんなまとめてトップアイドルにするって夢を叶えるためにも…)
モバP(思い出は、今はまだ、仕舞っておこう)
モバP(それこそ、アイドル達に関わってきてからも色々あったよな)
モバP(何にでも全力でぶつかって、へこんだらちょっと休憩して)
モバP(頑張ることに、疲れたりなんかして…あの時は陰で泣いたなー…なんでうまくいかないんだって)
モバP(どれだけの時間がたったんだっけかな。そんなでもないか。…アイドル達は本当に俺の自慢だ)
モバP(みんなまとめてトップアイドルにするって夢を叶えるためにも…)
モバP(思い出は、今はまだ、仕舞っておこう)
49: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:36:56.49 ID:/wKt5NCi0
これにて本編は終了です
番外編っていうか、ポケモンの思い出に関する話を覗き見しよう的な話をいれようとは思ってますが
最後の部分、自分としては複数の歌詞の要素を詰め込んだつもりなのですが、分かってもらえるかな…
雑談が可能なら、歌詞の答え合わせとかも含めて、後日談を始めるまで皆さんの思い出話も聞かせてほしいです
番外編っていうか、ポケモンの思い出に関する話を覗き見しよう的な話をいれようとは思ってますが
最後の部分、自分としては複数の歌詞の要素を詰め込んだつもりなのですが、分かってもらえるかな…
雑談が可能なら、歌詞の答え合わせとかも含めて、後日談を始めるまで皆さんの思い出話も聞かせてほしいです
50: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 19:43:23.53 ID:/wKt5NCi0
>>34
SPには黒もありますよー
DSとかより頑丈な気が…
SPには黒もありますよー
DSとかより頑丈な気が…
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 19:58:35.85 ID:Mkzmt9fwo
乙
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 20:52:58.99 ID:Jh0HiqRVo
おつ
攻略本持ちは英雄だったけど家に入り浸られて大変だったろうなって今は思う
何のゲームだったか忘れたけど攻略本が間違ってて何故か持ち主の責任だってみんなでボロカスに貶して泣かせちゃったことがあったよ
数年後あのときはごめんなって謝ったらお前が一番謝るの遅かったなって笑われてしまった
攻略本持ちは英雄だったけど家に入り浸られて大変だったろうなって今は思う
何のゲームだったか忘れたけど攻略本が間違ってて何故か持ち主の責任だってみんなでボロカスに貶して泣かせちゃったことがあったよ
数年後あのときはごめんなって謝ったらお前が一番謝るの遅かったなって笑われてしまった
54: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 22:35:13.27 ID:/wKt5NCi0
ヒント…って程でもないですが歌詞ネタはラストに固まってます
全体のテーマになった曲はもう言わずもがなですね
全体のテーマになった曲はもう言わずもがなですね
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 23:11:51.21 ID:MjeYxjLSO
タイプワイルド、ライバル、心のファンファーレはわかった
ポケモンは神曲多いけど個人的にはそこに空があるから、スマイル、僕のベストフレンドへ、心のファンファーレみたいな感じの曲が好き
ポケモンは神曲多いけど個人的にはそこに空があるから、スマイル、僕のベストフレンドへ、心のファンファーレみたいな感じの曲が好き
57: ◆PLE3wWwbfw 2016/08/09(火) 23:28:21.24 ID:/wKt5NCi0
続々と正解が出てますね…分かってくれてるみたいでほっとしてます
残り3曲、かな
残り3曲、かな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470474474/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
愛海「いよいよ山の日だーっ!」
1: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 10:52:49.66 ID:kIOH9r2y0
【モバマスSS】です
――――8月10日、プロダクションの一室
愛海「うひひっ! あぁ楽しみだなぁ、こんなに名前の響きだけでワクワクしちゃう日が今まであったかなー!」
ジャラジャラ
愛海「山の日! 山の日!! お山の日っ!! 何回言っても素晴らしい響きだよっ!」グルグル
カキカキ
愛海「しかも『お山に親しむ機会を得て、お山の恩恵に感謝する』ための日だっていうんでしょ!」ゴロゴロ
ジャララララ
愛海「これはもうあたしのためにあるような祝日っ!! ……なのに」
チャキン ジャララ カキカキ
モバP「おっし、鎖のほうは問題ねえな。これで愛海の拘束は出来たぞ」
芳乃「わたくしのほうもこれで封印の式が完成でしてー」パァァ
パリンッ
愛海「どうしてこんなにきつく縛られて閉じ込められないといけないのー!? ひどいよプロデューサー!!」ドンドンッ
両手両足を鎖で縛られた愛海はもがくが、芳乃によって床に描かれた陣の外へ動くことがまったく出来ない。
愛海「いたっ!! うえーん! なんでー!? せっかく楽しみにしてた山の日までもうすぐなのにー!」ゴンゴン
――――8月10日、プロダクションの一室
愛海「うひひっ! あぁ楽しみだなぁ、こんなに名前の響きだけでワクワクしちゃう日が今まであったかなー!」
ジャラジャラ
愛海「山の日! 山の日!! お山の日っ!! 何回言っても素晴らしい響きだよっ!」グルグル
カキカキ
愛海「しかも『お山に親しむ機会を得て、お山の恩恵に感謝する』ための日だっていうんでしょ!」ゴロゴロ
ジャララララ
愛海「これはもうあたしのためにあるような祝日っ!! ……なのに」
チャキン ジャララ カキカキ
モバP「おっし、鎖のほうは問題ねえな。これで愛海の拘束は出来たぞ」
芳乃「わたくしのほうもこれで封印の式が完成でしてー」パァァ
パリンッ
愛海「どうしてこんなにきつく縛られて閉じ込められないといけないのー!? ひどいよプロデューサー!!」ドンドンッ
両手両足を鎖で縛られた愛海はもがくが、芳乃によって床に描かれた陣の外へ動くことがまったく出来ない。
愛海「いたっ!! うえーん! なんでー!? せっかく楽しみにしてた山の日までもうすぐなのにー!」ゴンゴン
2: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 10:55:59.13 ID:kIOH9r2y0
3: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 10:59:46.85 ID:kIOH9r2y0
モバP「悪いな愛海。その山の日ってのが今回問題でよ。こうしないとまずいって色んな連中から話が来てんだ」
愛海「……どういうこと?」
芳乃「愛海、そなたを明日自由にしておけばー、災いが起こるとの神託がありましてー」
愛海「え、ええ!? そ、そんなことないよー! 明日はちゃんといい子にするから! きゅるる~ん♪」キラキラ
モバP「……あー、やっぱ外に出してやりてえな……」
芳乃「そなたは愛海に甘すぎるのでして。分かっているとは思いますがー、この神託はわたくしだけでなくー」
モバP「言われなくても歌鈴やクラリスさんにもあったのは覚えてるって」
愛海「そ、そうなの……?」
モバP「おう。それだけじゃねえぞ、他にも朋の占いにこずえの予知夢に、はてはユッコのサイキック悪寒とかいう謎のモン」
プロデューサーは受けた報告を指を折って数えていく。
モバP「とにかく色んな理由で20人くらいが、明日お前を放っておくとヤバイって連絡してきたって訳だ」
愛海「……ホント?」
4: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:01:29.86 ID:kIOH9r2y0
モバP「おう、マジもマジだ」
愛海「そんなぁ~、あたしまだなにもしてないのに!」
芳乃「しかしこれだけの者達が災いを感じたならばー、なにもしないわけにはいかずー」
モバP「そういうわけで、こうして俺と芳乃でお前を拘束して監視するに至ったってな」
愛海「うぅ~、陰謀だよ! 酷い! 皆もどうしてあたしのことそんなに警戒するの!?」
モバP「……正直さっきまでの台詞なんざ聞いたら、普段の愛海知ってる奴なら誰でも警戒すると思うぜ?」
愛海「ぐっ、は、反論出来ない……」ションボリ
芳乃「まー、なにもなければそれでよくー、そうでないならこのように準備しておくほうがよいのでしてー」ストンッ
モバP「念には念をってやつだからな。悪いがこれもしょうがないと思って諦めてくれ」ドスッ
そう言うと二人はその場に座り、各々準備してきた仕事道具や暇つぶしのための物を弄り始めた。
愛海「……あれ? 二人共帰らないの?」
モバP「言ったろ、拘束して監視するって。正直あんだけの人数が警告してきた以上ここに閉じ込めてはい終わりって訳にもいかねえ」
5: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:03:39.55 ID:kIOH9r2y0
芳乃「それに愛海、そなたその状態では満足にお手洗いにもいけぬでしょうー?」
愛海「あうっ……///」
芳乃「そのような時のためにわたくしもここに残るのでしてー」
モバP「ま、本音を言うなら愛海を1人にしといたら寂しいだろうから、話相手として残らねえとなってのもある。な?」
芳乃「はいー」ニコッ
愛海「……も、もう! そこまで考えてくれるならやっぱりこの拘束外して――」
モバP「それは」
芳乃「無理でしてー」
愛海「……はぁ、だよねー。まぁ、プロデューサーと芳乃ちゃん達が決めたならいっか」
モバP「悪ィな。その代わり明日が何事もなく終わったら愛海の希望通りのことをなるべくなんでもしてやる。楽しみにしてろ」
愛海「ほんと!? やったーっ!」
こうして拘束された愛海であったがその後しばらくは何事もなく、プロデューサーと芳乃の心配は杞憂に終わるかと思われた……しかし。
6: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:06:17.46 ID:kIOH9r2y0
――――8月11日、0時丁度、プロダクションの一室
愛海「……スゥ……スゥ――うっ……!」ビクンッ
いつの間にか眠っていた愛海の身体がびくりと震える。
芳乃「……!」
モバP「おいどうした?」
プロデューサーと花札をしていた芳乃は、その瞬間空間そのものを押し潰してしまうような膨大な力を感じ取り、愛海に視線を向けた。
芳乃「これはー……!」
ドォン!
モバP「うおおお!? なんだ!? 愛海からすげえ風が!?」
芳乃「そなたー、気をつけるのでしてー……悪い予感が当たってしまったようでしてー」
モバP「……嘘だろおい……!」
愛海「う……あ、あぁあ……アァアアアアアアアアアア!!!」ヒュゥウ
モバP「愛海が浮いた!? おい愛海ーっ!!」ダッ
芳乃「いけませぬー、いまの愛海に近づいてはそなたがー……!」ギュッ
7: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:08:31.70 ID:kIOH9r2y0
愛海「ウアアアアアアアアアア!!!」
ガキャアン!
モバP「うお鎖が!? ありえねえ! 鋼鉄の鎖が弾け飛びやがった!!」
ギィイイイイ……!
芳乃(わたくしの結界が悲鳴をー……このような、こと……お、抑えなくてはー……!)
愛海「ガァアアアアアアアアア!!!」バリバリッ!
ZZZZTTTTTTAAAAAAAAAAAAAAA!!
モバP「か、雷!? どうなってんだ! 愛海が放電してやがる!」
芳乃「くううー!? な、なんて力なのでしてー……!」キィィン
必死に封じようとするが、全身から白い稲妻を迸らせる愛海がついに芳乃の力を上回る!
芳乃「そ、そんな、抑えきれな――」
愛海「AAAAAAAAAGRUUUUUUUUUU!!!」バリバリッ!
バキィイイイイイン!!
芳乃「……あ……」ドサッ
モバP「芳乃!? おい芳乃!? しっかりしろ! クソッ! この雷のせいで拘束してたもん全部壊されちまった!!」
8: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:11:12.25 ID:kIOH9r2y0
愛海「UUGAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」バリバリッ!
モバP「ぐぅ……おいどうなっちまうんだよ愛海ィー!!」
愛海「……!!」ピカッ!
KATA-DOOOOOOOOOOM!!
モバP「うおおおお!?」
一際大きな閃光が愛海を中心に空間を貫いた。
プロデューサーは倒れた芳乃を庇いながらその場にしがみつきなんとか衝撃をやり過ごすと、途端に静かになった周囲に視線を巡らせる。
モバP「……なんだ、どうなった……?」
芳乃「そなたー……」
モバP「芳乃! 無事か、怪我とかしてねえか!?」
芳乃「大丈夫なのでしてー……術式を破られた反動で少々苦しかっただけなのでしてー……愛海は……うっ」フラッ
モバP「無理するな、俺が様子を見てくる。芳乃はここで休んでろ」
芳乃「はいー……」
モバP「……さて、愛海は……」
注意深く愛海のいた場所に歩み寄っていくプロデューサー。床は彼女の放電によって焼け焦げ、芳乃の描いた陣はすでに消滅している。
9: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:12:57.84 ID:kIOH9r2y0
モバP「チッ……それにしても視界が」
さらに愛海のいた場所の周りには奇妙な煙が立ち込めており、それがわずが数メートルの移動すら困難にさせていた。
モバP「愛海! おい愛海ッ! 無事なら返事しやがれ!」
???「……んっ……プロ、デュー……サー……」
モバP「……おしっ、生きてるな、無事なんだな!? まってろ、今そっちに――」
声に喜び急いで愛海の元へと駆け寄るプロデューサー。直後、まるでそれを待っていたかのように煙が晴れ、彼はその姿を見た。
モバP「……は?」
???「……うぅ、なんだか変な気分……プロデューサー、あたし、なにが……」
モバP「あつ……み……?」
???「どうしたのプロデューサー? そんな驚いた顔して……というか、なんだか大きくなってない?」
モバP「いや、大きくなったっていうか、お前、それ……!」
???「な、なに、どうしたの?」
芳乃「……そんな……愛海……」
顔だけを動かして愛海の姿を見た芳乃も絶句し、プロデューサーは理解できないといった表情で叫んだ。
モバP「お前……どうしてぷちデレラになってるんだーっ!?」
ぷち愛海「……へ?」
10: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:16:05.75 ID:kIOH9r2y0
――――8月11日、朝、プロダクション事務室
乃々「つまり、芳乃さんは山の日の力を取り込んだから、愛海さんがこんな登山服を着たぷちの姿になったと考えているんですか……?」ツンツン
ぷち愛海「あわわ」プニプニ
芳乃「そうと考えねば説明が出来ないのでしてー……力を取り込む際の出来事を鑑みれば、なにがおきても不思議ではなくー」ツンツン
ぷち愛海「ふええ」ポヨポヨ
モバP「あの雷とかが全部山の日のパワーを取り込んでいった結果ってんなら、なんで愛海はこんな小さいぷちデレラになったんだ?」ツンツン
ぷち愛海「うひゃあ」コロコロ
芳乃「大きな力が必ずしも大きい物に宿る訳でなくー、むしろ小さき者だからこそ正しく扱える力というものもありましてー」ツンツン
モバP「なるほどなぁ……しかしまたどうしてぷちデレラなんだか」ツンツン
乃々「8月8日にぷちデレラ養成所へ愛海さんのぷちデレラが追加された……それが理由かもしれないんですけど……」ツンツン
モバP「おいおい、スカウトメダル100枚で愛海のぷちデレラが手に入るようになったからって、愛海がぷちデレラになるか?」ツンツン
乃々「ぷちデレラの愛海さんは小さくて可愛いですし……ステータスも可愛さを表現していますけど……」ツンツン
モバP「ふーむ、つまり誰でもわかる可愛くて小さな物ってことならぷちデレラの形が最適ってことか」ツンツン
ぷち愛海「うううう! んもー! みんなしてあたしをツンツンしないでよっ!! なんで指でつつくの!?」
11: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:17:11.43 ID:kIOH9r2y0
※森久保乃々
http://i.imgur.com/tgLiXVU.jpg
※ぷち愛海(可愛い)
http://i.imgur.com/PwWnivZ.png
※ぷち愛海レベル30通常ステータス(Vi高くて可愛い)
http://i.imgur.com/0j33D3u.png
※ぷち愛海現在の格好
http://i.imgur.com/uasRP7W.png
http://i.imgur.com/tgLiXVU.jpg
※ぷち愛海(可愛い)
http://i.imgur.com/PwWnivZ.png
※ぷち愛海レベル30通常ステータス(Vi高くて可愛い)
http://i.imgur.com/0j33D3u.png
※ぷち愛海現在の格好
http://i.imgur.com/uasRP7W.png
12: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:19:35.53 ID:kIOH9r2y0
乃々「うっ、ご、ごめんなさい……」
芳乃「そのー……」
モバP「触った感触がすげえ気持よくてよ、なんかついツンツンしちまいたくなったんだ。悪かった」
ぷち愛海「えぇー……」
ぷちデレラとなってしまった愛海をそのままにしておくことも出来ず、プロデューサーと芳乃は愛海と共に事務室へとやってきていた。
そこで愛海のことを心配しながら机の下で過ごしていた乃々とも合流すると、4人は今後のことについて話し合っていく。
モバP「しかし油断したぜ……こうなりゃちひろさんに相談するしかねえと思ってたが、ちひろさん買い出しに行ってていねえとはよ……」
乃々「その……芳乃さんが元に戻すとかは出来ないんですか……?」
芳乃「……いまのわたくしではー、愛海の中に取り込まれた力に対抗することが難しくー……」
乃々「むーりぃー……ってことですか……」
芳乃「むーりぃーなのでしてー」
モバP「芳乃が無理ならどうしようもねえし、ちひろさんもいねえ。さてどうしたもんか」
ぷち愛海「こんなにちっちゃくなっちゃったし、あたしは今日一日人形みたいに大人しくしてみるとか?」
モバP「あー、そりゃいい考えだけどよ……実現出来んのか?」
ぷち愛海「……自分で言ったけど絶対無理だね♪」
13: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:21:14.22 ID:kIOH9r2y0
乃々「でもいまの愛海さん……触るとすごく気持ちいいですし、じっとしてれば本当にお人形さんみたいなんですけど……」
ぷち愛海「ふむふむ、いまのあたしそんなに人形みたいなんだ。試しにじっとしてたら事情知らない人騙せたりするかも!」
モバP「いやいや流石にそりゃ――」
ガチャ
心「おっはよ~♪ はぁとが事務所に来ちゃったぞ☆ さてお仕事はっと」
モバP「これはこれは佐藤心さんおはようございます」
心「だからシュガーハァトって呼べよ☆ つうかプロデューサーなんでいんの?」
モバP「なんでって酷え」
心「やー、だって今日プロデューサーは休むってちひろちゃんから聞いてたし……あれ? 芳乃ちゃんまで」
芳乃「おはようなのでしてー」ヒラヒラ
心「うーん? 休むって聞いてた二人がいるって謎……ん?」
ここで心はプロデューサーの椅子の上にちょこんと座ったまま動かないぷち愛海に気付いた。
心「プロデューサー、その椅子に座らせてる愛海ちゃんによく似た人形なに?」
モバP「え? いやこいつは……」
14: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:21:46.27 ID:kIOH9r2y0
15: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:23:48.64 ID:kIOH9r2y0
心「プロデューサー相変わらず愛海ちゃんラブなんだから♪ どれどれ」ヒョイ
芳乃・乃々「「あ」」
心はぷち愛海を摘み上げると、その姿をしげしげと眺めて感嘆する。
心「へーなにこれすごいよく出来てる! まるでちっちゃい愛海ちゃんが生きてるみたいな感じがするし!」
モバP「あー、はぁとさん? 悪いけどすぐにでも降ろしてもらえると嬉しいんだがよ」
心「堅いこと言うなって、盗ったりしないから☆ しかしほんと良く出来てる……こういうグッズはぁとも作って欲しいなぁ~?」チラッ
モバP「いやだからな」
心「それとも愛海ちゃんだからこういうの作ったの? もー、このこの♪」グリグリ
モバP「だからちげーんだって! その愛海は――」
ぷち愛海「く、くるちい……」ジタバタ
心「……うん?」
服を摘むようにして持ち上げられた愛海は息苦しさのあまりついに我慢できなくなったのか、心の指から離れようともがき始める。
ぷち愛海「お、降ろして、おーろーしーてー!」ジタバタ
心「なっ、なっ、なぁ!? 愛海ちゃんの人形が動いたぁ!?」
モバP「だからその愛海は本物なんだよ! 事情があってそんな姿になっちまってるが!」
心「なにー!? てか暴れちゃだめ落としちゃうって――ああっ!?」スポッ
16: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:26:22.45 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「うわーっ!?」ヒューン
ポムンッ
ぷち愛海「あうう……いた……くない? というかこの柔らかい感触は……」モミモミ
心「ひゃう!?」ビクンッ
モバP「げっ!? おい愛海、そこから早く降りろ!」
ぷち愛海「わかる……これは……! これは心さんのお山!!」モミモミ
もがいた結果偶然心のお山の上に落ちてしまった愛海は、最初は無意識だった手の動きを次第にお山を登る時のような動きに変化させていく。
心「ひゃああんっ!?」ビクビクッ
乃々「わわわ……心さんの様子がおかしいんですけど……!」
芳乃「……まさかー」
心「あっ♡ あっ♡ なに、これ……きもぢいいっ♡ やっ、ひゃああ!? ダメダメダメ!! こん、なの……ふぁああああ♡」ビクンッ!
ぷち愛海「おっとっと」ピョン
身体を震わせてその場にへたり込んでしまった心から飛び離れた愛海は、驚いた様子で自分の手を見つめる。
そして周りの者達もまた、へたり込む心とその原因となった愛海を見比べて困惑した表情を浮かべた。
モバP「お、おいはぁとさん……?」
17: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:27:50.39 ID:kIOH9r2y0
心「……ふーっ♡ ……ふーっ♡」ビクンッビクンッ
乃々「な、なにがなんだか分からないんですけど……!」
モバP「芳乃! どうなってる!」
芳乃「もしかするとー、山の日の力を取り込み愛海があのように小さくなったのは、ひとえにこのための可能性がありますー」
モバP「……まさかぷちデレラになって登山服着てるのは、いつもやってる愛海の山登りを本格的にそうと見せるためってことか!?」
芳乃「ええー。しかもわたくし達が少し触っただけでも気持ち良いと感じたあの感触でー、一度お山登りをされてしまえばー」
乃々「い、今の心さんみたいになるってことですか……!?」
心「ひぅ♡」ビクンッ
ぷち愛海「……ふふふ」ギュッ
モバP「お、おい愛海! やっぱりお前は今日大人しく――なに笑ってるんだ?」
ぷち愛海「ふふふ、ウヒ、ウヒヒヒヒヒッ! 分かったんだよプロデューサー! あたしの、あたしがこうなった理由!!」
モバP「そりゃお前、そうなったのは山の日の力が変に作用して」
ぷち愛海「そう! 山の日の力! つまりは、天が! 世界が! 運命がッ! あたしにお山を登れと叫んだんだよッ!!」グルグル
モバP「……お、おお?」
18: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:29:12.81 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「この感じ! わかる! 今ならあたしがどうするべきか! 心さんのお山を登って魂が理解したの!!」グルグル
グルグルと回る渦のような状態を愛海の瞳は一瞬見せたが、今の愛海の大きさもあってそのことに気付く者はないない。
芳乃「しかし愛海ー、いまのそなたがいつものことをすればー、まわりに及ぼす悪しき影響はー」
ぷち愛海「悪いことなんてなにもないよ! ほら、心さんを見てよ!」
モバP「なんだよ、正直いまのはぁとさん見るの結構ヤベえんだけどなにが……」
心「――……あれ? なんだかすっごい身体が軽くなった☆」スクッ
乃々「……え? あ、あの、心さん……大丈夫なんですか……?」
心「いやーそれがね、最初愛海ちゃんに触れられて訳わかんなくなってたんだけど、少し前からいきなりそういうのがなくなってぇ~♪」
さらに心はその場で突然ストレッチを開始すると、腰の動きや肩の動きに感動した様子を見せる
心「うっわ!! うっわ!! 調子悪かった肩とか少し痛かった腰がもう全然痛くない!! 微妙に二日酔いだったのも治ってるっ!!」
モバP「なんだ、と……」
心「なにこれすっごぉい♪ はぁと、こんなに超スウィーティーな感じで身体が動かせるのはじめてなのぉ☆」ピョンピョン
ぷち愛海「ほらね! 悪いことなんてなかったでしょ!」
心「やぁん♪ 愛海ちゃんありがとっ! 今ならどんなお仕事でも完璧にできちゃうぞ☆」
モバP「そいつは良かった……いやいやまてまて! 結果だけ見て流されそうになったが途中のことは流石に見過ごせねえからな!?」
19: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:30:44.59 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「むぐぐぐっ! なんでー!?」
乃々「さ、流石にその、さっきまでのはぁとさんみたいになるのはもりくぼこわいんですけど……」
ぷち愛海「うひひ、こわくなんてないってば! 大丈夫、一度味わえば乃々ちゃんだって好きになるから……さぁあたしにそのお山を!」
乃々「ひゃああ!?」
芳乃『――』
刹那。美しい音が響いたかと思うと、愛海の身体が地面に縫い付けられていた。
ぷち愛海「うげえ!?」ビターン
ぷち愛海「な、なんで身体が地面に……はっ!? まさか芳乃ちゃん!?」
芳乃「乃々をあのような目に合わすわけにはいきませぬからー」
モバP「よくやった芳乃! ちょっと待ってろ! すぐに愛海を捕まえる道具を――」
ぷち愛海「……くく、くふふっ! あはは、ちょっとちょっとプロデューサー、忘れてない?」
モバP「なに……?」
ぷち愛海「いまのあたしは、芳乃ちゃんの力だって跳ね返せるってことをーっ!!」
バキィン!
芳乃「……っ!?」クラッ
20: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:32:15.38 ID:kIOH9r2y0
※ぷち愛海現在ステータス
http://i.imgur.com/KbbWYqD.png
http://i.imgur.com/KbbWYqD.png
21: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:34:02.58 ID:kIOH9r2y0
乃々「芳乃さんの拘束が……!」
心「え、え、なに、なにが起きてる感じなの?」
モバP「まずい……! 乃々ォ! そっから離れろォ!!」
乃々「あ、ああ……」
ぷち愛海「それじゃ改めて……乃々ちゃんのお山を登らせていただきまーす! お山!!」ドンッ
芳乃「乃々!」
咄嗟に乃々を庇うように前に出た芳乃。
だがそれこそが愛海の真の狙いであり、彼女は笑みを浮かべて突撃すると芳乃の小さなお山を一瞬にして登り切り、その背後へと着地した。
ぷち愛海「……この山の日の力でお山登りをする時、どうしても芳乃ちゃんが障害になるのは分かってた」
ぷち愛海「だから、真っ先に足止めさせてもらうよ芳乃ちゃん……ごめんね。お山登りもいつもより激しくさせてもらったから」
芳乃「……あ……」ヘトォ
芳乃「――ぁあああ!? あ、この、ような……ひぅうう♡ だ、め、やぁ……ふぁああああ♡♡」ビクビクッ
モバP「芳乃!? くそ、愛海お前!」ヒュッ
ぷち愛海「おっと! 悪いけどプロデューサーにも捕まる気はないよ! あたしにお山を登れと、山の日が! 世界が言ってるんだから!」
モバP「馬鹿言ってんじゃねえ! さっさと戻ってこい! 山登るのなら俺のだけにしやがれ!!」
22: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:37:46.72 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「プロデューサーは男だから後回し! 乃々ちゃんのお山も登っておきたいけど……」チラッ
乃々「芳乃さん! 芳乃さんしっかりしてください……!」ユサユサ
芳乃「あ、あ……の、の……んんんっ♡ ひっ♡ あぅぅ♡ わたくし……こんなっ♡ み、ない……~~~っ♡♡」ビクンッビクン
乃々「ああ!? なぜか芳乃さんの震えが激しくなったんですけど……!?」
ぷち愛海「あれなら乃々ちゃんも後回し! それじゃプロデューサー、あたし今からいっぱいお山登りしてくるねっ!」ビュン!
モバP「愛海!! ――ああ、ったく見た目が小さくなっただけで身体能力は上がってるのかよ!」
廊下に飛び出た愛海を追いかけるプロデューサーであったが、すぐに姿を見失ってしまい、仕方なく事務室へと戻ってくる。
心「あー、えとプロデューサー? 正直今更かもしれないけど状況が全然わからないぞ☆」
モバP「説明は……」チラッ
芳乃「んくっ……~~~っ♡♡♡」ビクンビクンッ
モバP「してる暇ないんで心さんは携帯で出来るだけ他の連中に『ぷちデレラの愛海を見かけても近づくな』って連絡しといて下さい」
心「い、いいけど……」
モバP「それと、今日はもう普通に仕事行って下さい。あとは俺のほうでなんとかしますんで」ゴソゴソッ
23: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:39:39.96 ID:kIOH9r2y0
心「そう言うけど、なんとなかる感じじゃなかったような……」
モバP「それでもなんとかしますよ、プロデューサーですからね」ゴソゴソ
心「……そっか、じゃあ任せたプロデューサー! ちゃんとはぁとが帰ってくるころには騒ぎを終わらせておくんだぞ☆」
モバP「はいよ!」
心はそう言うと、未だ震える芳乃を心配そうに一瞥した後事務室から退出していった。
それを見届けプロデューサーは事務室のロッカーから対愛海用の道具をいくつか引っ張り出してくると、簡単な状態確認を行っていく。
モバP「こいつは……だめか。札はどうだ……?」ゴソゴソッ
芳乃「そな、た……ひぅ……♡」ビクン
モバP「無理すんな芳乃。愛海の言葉が本当なら、お前はしばらく動かないほうが良い」ゴソゴソッ
乃々「そ、そうです……芳乃さん、無茶しちゃだめなんですけど……!」
芳乃「しか、し……少しお話がー……んうっ!?」ビクッ!
モバP「……分かったよ、それでなんだ?」
芳乃「不本意、ですがー……愛海の、あぁん♡ ……あの力が……わたくしの力をもー……かい、ふく……ゃあああ♡」ビクンッ
モバP「……つまり、今の芳乃の状態が治まれば、愛海を捕まえられる可能性があるってことか?」
24: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:42:59.26 ID:kIOH9r2y0
芳乃「それだけ、っぁ……でなくー……おそらく、はっ♡ ……もと、にも、もどせ――んんんっ~~~~♡♡」ビクンビクンッ
モバP「それだけ聞けば十分だ、今は無理するんじゃねえ」
芳乃「し、しかし……いそがね、ばー……♡ このような、力、むせいげんに、使えば……あっ♡ もとにもどった、とき……ぃ♡」ビクンッ
モバP「反動がヤバイ可能性があるのか……!」
芳乃「……(コクコク♡)」
ここで会話が難しくなったのか、芳乃は口を閉じて頷くだけに留めると、あとは必死に身体に与えられたお山登りの影響に耐え始める。
乃々「……芳乃さん……」サスサス
モバP「さて……とにかくうちに所属してる連中の中で携帯持ってない奴らにも連絡しにいかねえと……」
乃々「あ、あのプロデューサーさん……」
モバP「なんだ?」
乃々「もりくぼはなにも出来ません……だから祈っておきます……愛海さんを無事に止められますようにって……」
モバP「おう、ありがとうな。それじゃ、行ってくるわ」
乃々「き、気をつけて……」
25: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:46:47.62 ID:kIOH9r2y0
――――8月11日、プロダクション内各所
事務室に芳乃と乃々を残して愛海の追跡を開始したプロデューサーは、直ぐ様愛海の動きを把握していく。
モバP(今回はその場でへたり込んでるか自分の身体の調子に驚いている奴を見つけりゃ、愛海がどう行動したか分かるからいいんだが)
しかしその行動速度が尋常でないことが判明してくると、プロデューサーの表情は険しいものになっていく。
たとえばトレーニングルームで。
裕子「っ!? ひぅ!? こん、なの……しらない、こんなの、さいきっくじゃ……しらな――ふぁああああ♡」ビクビクッ
茜「ボン……バー……んっ♡」ビクンッ
トレーナー「レッスンッ♡ しない、と♡ いけない……のに♡ なんで! こんな……はひぃ♡♡」ガクガク
たとえばカフェテラスで。
菜々「あっ、プロデューサーさん! 聞いて下さい、いまのナナ、すっごく身体の調子がいいんです! まるで百歳は若返ったみたいで!」
菜々「えっ、なにがあったって? そ、それは、その……乙女の秘密です! キャハ☆」
杏「愛海にお山登りされたんだよねー」
菜々「ちょ、杏ちゃん!」
杏「だって事実だし、杏も登られたから……でねプロデューサー、杏、今ならお仕事頑張ってあげようかなって気分だけど……どうする?」
26: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:49:23.68 ID:kIOH9r2y0
たとえばエステルーム近くの廊下で。
瑞樹「見てよプロデューサー君! この肌の艶! 愛海ちゃんに揉まれたらすっごくピチピチになったのよぉ~♪」
瑞樹「え? 愛海ちゃんはどこに行ったですって? それは……わからないわ。そこまで余裕ある状態じゃなかったから……」
瑞樹「あ、あとエステルームには今近づいちゃだめよ? まだ中に愛梨ちゃんと雫ちゃんがいるから……ね?」
他にも様々な場所で愛海と接触したアイドル達の状態を確認していったプロデューサーは、最後に地下駐車場へと訪れる。
そして入口で最初に目にしたのは、地面に崩れ落ちていた真奈美の姿であった。
モバP「……ま、真奈美さん!?」
真奈美「……あぁ……プロデューサー、か……くっ♡ すまない、心のメールを見て愛海をお仕置きしに来たのだが……んっ♡」ビクンッ
モバP「返り討ちにあった、そういうことですね」
真奈美「情けない、話、だがね……ふぅぅ♡ 頼む……まだ、先に清良、と――」
早苗「――ふぁああああっ♡♡」
モバP「早苗さんがいたのは分かりました。あとは俺に任せて下さい」
真奈美「そうさせて、もらうよ……っ~~♡」ビクッ
その場を離れたプロデューサーは、途中愛海のお山登りの衝撃に完全に呑まれた早苗の姿を確認しつつ、さらに先へと進んでいく。
27: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:53:16.13 ID:kIOH9r2y0
奥へと進むほどまるで戦闘ような激しい音が大きくなっていったが、プロデューサーが地下駐車場の最奥にたどり着いた瞬間、それは止んだ。
清良「愛海、ちゃ――んぁああ!? うっ……くぅ……! ……あああーっ♡♡」バタンッ
ぷち愛海「――や、やった……ついにやった! 清良さんと真奈美さんと早苗さんのお山を! 一日で全部登れたっ! やったぁー!!」
モバP「そりゃ良かったな愛海」ズサッ
ぷち愛海「……あっちゃー、もう見つかっちゃたんだ……早かったねプロデューサー?」
モバP「これだけ分かりやすい痕跡があったら、嫌でも見つけられるっての」
清良「……んんっ♡ っ……♡」ビクビクッ
モバP「清良さん、あとは俺に任せて、今は自分のことに集中しといて下さい」
清良「……はいっ……♡」ビクンッ
モバP「さてと……結局色んな連中から忠告されてたのにこうなっちまったなぁ愛海」
ぷち愛海「……うっ、プロデューサー、怒ってる?」
モバP「自分にな。なんて情けないプロデューサーなんだ俺って奴は! って感じだが、まぁ反省は後回しだ。今は……」
モバP「……そう、今はお前をこれ以上好き勝手させないようにすることのほうが大事だからよ」ドサドサ
ぷち愛海「うわぁ……またすごいいっぱい道具持ってきたねプロデューサー」
モバP「そりゃ早くお前を捕まえる必要があるからな。芳乃が言ってたぜ、今の状態でお山登りを続けたら愛海の身体がやばいって」
28: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:57:35.43 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「……そうなの?」
モバP「ああ。だから俺としてはこういう道具使う前に、愛海が今日はもう自主的に山登りをやめてくれると嬉しいんだが」
ぷち愛海「それは無理だよプロデューサー。お山登りはやめられない、特に今日という日には!」
モバP「……はぁ、ま、そう言うと思ったぜ。それでこそ愛海だしな」
ぷち愛海「へへっそうでしょ♪ だから邪魔するならプロデューサーのお山もいただいちゃうよ?」
モバP「やれるもんなら――」
芳乃(((――そなたー)))
モバP「っ!?」ビクッ
芳乃(((いまそなたに直接語りかけているのでしてー。わたくしもう動けますゆえー、愛海を油断させてほしいのですー)))
モバP(((いきなりこういうのやめろって! あー、でも分かった、ちょっと待ってろ!)))
突然脳内に響いた芳乃の声に驚きつつも、プロデューサーは言われたとおり愛海を油断させるために悲嘆の表情を作る。
モバP「……はぁ~~~」
ぷち愛海「……いきなりどうしたのプロデューサー?」
モバP「いやぁ悲しくてよ……俺が身体やべえぞって言ったのに、愛海が山登りやめようとしてくれねえもんだから……」
29: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 11:59:15.33 ID:kIOH9r2y0
ぷち愛海「だってあたしの生きる道だから! 例え今日死ぬとしても理由がお山登りしすぎたからなら本望だよ!」
モバP「お前はそれでいいかもしれねえけどよ……愛海がいなくなったら困るんだよなぁこっちは」
ぷち愛海「……お仕事に穴があいちゃうからとか?」
モバP「ばーか……単純にお前がいないと寂しくて死にそうになるからに決まってるだろ?」
ぷち愛海「ふぇ!?」
予想外の答えに固まる愛海。直後、愛海の後ろの空間が縦に裂けて開き、別の空間と繋がった。
そこは事務室。そして中から悠然と歩み出てきた芳乃が、愛海が反応するよりも早く彼女に触れて、何かを囁き始めた。
芳乃『――――』
ぷち愛海「えっ――うわぁあ!?」
芳乃『――――』
美しい言葉とも音色とも聴こえる声を響かせながら、芳乃は視線だけをプロデューサーへ向ける。
その意図を理解したプロデューサーは、持ってきた対愛海用の道具の中から神聖な物だけを選んで地下駐車場へとばら撒いていく。
モバP「芳乃の奴ここでやる気か! ならクラリスさんから貰った聖水を辺りに撒く!」ザパァ
モバP「そして清めた上から歌鈴に貰った札を貼って!」バシバシッ
モバP「……芳乃! 仕上げだ!」
30: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:00:59.53 ID:kIOH9r2y0
その言葉に従うように、芳乃はさらに響かせる声を大きくしていく。
空間に声が満ちていく度に芳乃の身体が光っていき、同時にその足元を中心として地下駐車場に神々しき紋様が浮かび上がった。
芳乃『――――――――』
浮かび上がった紋様は端の部分から光の線を伸ばし、それが空中で曲線を描いて愛海へと突き刺さっていく!
ぷち愛海「あ、あううううう!?」ブルブル
芳乃『――――――――』
ぷち愛海「うがあああああああ!?」バリバリッ!
ZZZZTTTTTTAAAAAAAAAAAAAAA!
モバP「また愛海の身体から雷が……!」
芳乃『――――――――』
ぷち愛海「AAAAAAAAAAAAA!!!」バリバリッ!
白く光る芳乃に負けないくらい愛海もまた放電し、そばにいる障害を排除しようと試みる。
それは取り込まれた山の日の力による防御反応であったが、お山登りをされた結果、普段よりも力を増した芳乃には全く意味を成さない。
31: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:06:04.54 ID:kIOH9r2y0
芳乃『――――――――』
ぷち愛海「GAAAAAAAAAA!!!」バリバリッ!
ZZZZTTTTTTAAAAAAAAA!
芳乃『――――――――』
ぷち愛海「アァアアアア……」ビリ
神聖なる声によって山の日の力は愛海から引き剥がされていき、次第に愛海の放電は弱まっていく。
芳乃『――――――――』
ぷち愛海「ウワアアアアアアアアア!!!」ピカッ
モバP「っ!? 芳乃! 愛海!!」
DOOOOOOOOM!!
それでも、山の日の力は最後の意地とばかりに愛海から恐ろしい閃光を放ち、周囲を白一色に染めた。
モバP「ぐわーっ!?」
あまりの光に思わず顔を腕で覆ったプロデューサーであったが、数秒後にはその閃光は掻き消え、彼は前を見る。
愛海「……」シュー
芳乃「……ふぅー」グラッ
32: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:07:29.16 ID:kIOH9r2y0
そこには身体から煙を出しつつも元の姿に戻った愛海と、芳乃が今にも倒れそうな状態になっており、彼は直ぐ様駆け寄ると芳乃の身体を支えた。
モバP「芳乃!」ガシッ
芳乃「あぁそなたー……わたくし、やりましたー……」ニコッ
モバP「ああ、ああ! よくやってくれたぜ! それで、愛海は――」
愛海「……ん、う?」ムクリ
モバP「……愛海!」
愛海「……ん、あれ、プロデューサー……芳乃ちゃん……あたし……」ジッ
愛海「……そっか、元に戻ったんだ……」
モバP「芳乃のお陰でな。礼を言っとけよ」
愛海「うん……ありがとう、芳乃ちゃん」
芳乃「いえいえー」
モバP「……それじゃ芳乃と愛海はこの裂けてるとこから先に事務室に戻っててくれ。俺は――」
33: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:08:46.03 ID:kIOH9r2y0
清良「今のは一体……それに、この身体の調子の良さはなにが……」
モバP「ここにいる清良さんみたいに、愛海が山登りした奴らに色々説明しに行かないといけないからな」
愛海「うっ……ごめんねプロデューサー……」
モバP「気にすんな、これも俺の仕事だからよ」
芳乃「さぁ愛海、わたくし達は戻るのでしてー。それにー、そなたも明日は大変でしょうからー」
愛海「えっ、な、なにかあるの……?」
芳乃「さぁー、なんでしょうー?」ニコニコ
愛海「な、なんなのその笑顔!? あたしに何が起きるの!? 不安だよ!?」
モバP「心配しなくても今日より酷いことにはならねえだろ……まぁともかくだ、愛海。無事に戻ってくれてありがとな、嬉しいぜ」
愛海「……うん!」
こうして山の日の騒動は終了し、プロデューサーは騒動の影響確認とアイドル達への説明に奔走することとなった。
そして、騒動の中心となった愛海はというと……。
34: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:10:39.80 ID:kIOH9r2y0
――――8月12日、プロダクション事務室
愛海「いだい~……いだっ!? いったぁー!? うぅ~プロデューサーたすけて~……」グスッ
モバP「我慢しろ、昨日のことの反動なんだからよ」
愛海「うぅ……いった!?」ビクッ
乃々「まさか、愛海さんが全身筋肉痛で動けなくなるなんて思わなかったんですけど……」
芳乃「これでもまだ軽い反動で済んだほうでしょうー。愛海があれ以上力を使っていればー、身体が崩壊していた可能性もー」
愛海「……ホント?」ガクブル
芳乃「ほんとーでしてー」ニコッ
モバP「だから言っただろ、身体がやばいって。芳乃があの時こなかったら、お前どうする気だったんだ?」
愛海「そりゃ……プロデューサーのお山を登って、他の人達のお山登りも続けてたと思うけど――いっつぅ!?」ビクン
モバP「ほれみろ。まったく……」
愛海「……いっつ……あーあ、でもこうなるって分かってたらプロデューサーの平たいお山登っておくんだった……うぐっ」
モバP「……なんだ愛海、お前まさか俺の痴態を見たかったとかそんな――」
35: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:16:02.44 ID:kIOH9r2y0
愛海「ち、違うよ!? ほ、ほら、その後の状態のことだってば! 皆元気になってたでしょー!?」
モバP「ああ……結局愛海が山登りした連中に話聞いてみたが、全員体の調子がすこぶる良くなってたもんなぁ」
愛海「だ、だからね、いつも迷惑かけちゃってるプロデューサーの身体を少しでも元気にしたかったなー……なんて――いったっぁ!!」ビクッ
モバP「はははっ! 気持ちは嬉しいが、愛海がそんな状態になるなら俺は必要ねえな」
芳乃「ふむー、しかし愛海の身体に反動がくるのはお山登りをしすぎるためでありー、そなた1人が引き受ければあるいはー」
乃々「……山の日にはプロデューサーさんがずっと愛海さんの相手をしていれば問題ないってことですか……?」
芳乃「可能性としてはー」
モバP「……てか待て芳乃、まさか今後は毎年昨日みたいなことが起きるってことなのか!?」
芳乃「愛海の身体から力を引き剥がした時ー、強大なる意志を感じましてー、おそらくはー来年もまた同じことが起きるかとー」
愛海「うええ!?」
モバP「そりゃめんどくせえな……とりあえず今から準備はしておくとして……しゃーねーな……愛海っ!」ガシッ
愛海「はひ!?」
真剣な眼差しで愛海を見つめたプロデューサーは、来年の予防策を宣言する。
36: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:16:58.95 ID:kIOH9r2y0
モバP「もしまた来年同じことがあったら、今度は俺の山だけ登れ! つうか俺だけ襲え! いいな!? 他の誰にも目を向けるなよ!」
愛海「う、うん……」
モバP「変な力に呑まれそうになっても俺のことだけ考えろ! 他のことなんてどうでもいいってくらいに、必死にだ!」
モバP「俺は愛海にされることに絶対耐えてやる。だから愛海も俺のことだけ意識しろ、いいな!?」
愛海「そ、それは分かったけど……プロデューサー、その、いまの発言……いや、あたしは嬉しいけど、マズイような……」
モバP「なんでだ?」
乃々「……え、えと……事情知らない人が聞いたら、愛海さんを独占しようとする告白にしか……」
モバP「……は? いや、まてまてまて、そんなつもりはまったくねえぞ!? 偶然だ、偶然――」
トントン
モバP「誰ですかこんな時、に……」
ちひろ「プロデューサーさん……隣でちょっとお話しましょうか?」ニコォ
モバP「ち、ちひろさん!? 待ってくださいよ! これは誤解って奴で!? というか今までどこにいたんすか!?」ズルズル
ちひろ「買い出しをしていたら色々あったんです」ニッコリ
37: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:18:29.44 ID:kIOH9r2y0
モバP「色々ってどういうことっすか!? つうか、あ、ちょ、ま――」ズルズル
バタンッ!
乃々「……連れて行かれちゃったんですけど」
愛海「プロデューサー……大丈夫かな……いっつっ……それにしても、えへへ……」
芳乃「愛海、顔が笑っているのでしてー」
愛海「へっ!? あ、これはプロデューサーが連れて行かれたからじゃなくてその前の言葉が――あぐう!? いったぁ!?」ビクンッ
芳乃「みなまで言わずとも、わかっているのでしてー。ふふっ」
愛海「うぅ///」カァァ
――それだけは勘弁してくれぇーッ!!
愛海「プロデューサー!?」
乃々「……うわぁ」
芳乃「ふむー……やはり平和なことは良きことかなー」ニコニコ
――その後、山の日の騒動を防げなかったことと、愛海へ誤解を招く発言をしたことの罰として、プロデューサーはちひろから
スタミナドリンクとエナジードリンクを大量購入させられるのであった。
〈終〉
38: ◆R4LxbbyKhE 2016/08/11(木) 12:20:11.40 ID:kIOH9r2y0
可愛い棟方師匠のぷちデレラが誰でも手に入れられるようになったぞヤッター! ってことを宣伝するだけのはずだった
ぷちエピソードも良い! 色んな着せ替え出来て可愛いし台詞もいい! って宣伝のはずが山の日なんて師匠のための祝日があるから……
読んでくださった方ありがとうございました
ぷちエピソードも良い! 色んな着せ替え出来て可愛いし台詞もいい! って宣伝のはずが山の日なんて師匠のための祝日があるから……
読んでくださった方ありがとうございました
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 12:31:51.35 ID:NDry8kPA0
乙
感動した
感動した
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 12:35:27.47 ID:z7/IEKRT0
山の日ってこんな解釈があったのか…乙っ。
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 14:01:43.53 ID:/LI5BGHFo
いい
とてもいい
とてもいい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470880369/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
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