【モバマス】小梅「…幸子ちゃんまだかな」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:01:11.39 ID:PVffMh9Y0
小梅ちゃん誕生日おめでとうございます
小梅と幸子がでます。親友以上の関係です
百合注意
よろしければみてください
小梅と幸子がでます。親友以上の関係です
百合注意
よろしければみてください
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:02:43.06 ID:PVffMh9Y0
3月28日
小梅「……」
幸子「小梅さーん!」
小梅「あ、幸子ちゃん」
幸子「すいません!ハァハァ… 待たせてしまいました…」
小梅「ううん、大丈夫だよ、私もいま来たから」
幸子「そう言ってもらえるなら助かります…ハァハァ」
小梅「ちょっと座ろう? だいぶ急いできた…よね?」
幸子「そう…させてもらいますね……ふぅ…」
小梅「……私も楽しみで、昨日は寝れなかったよ…。 あの子が起こしてくれなかったら多分私も危なかったから……気にしないで…今日は楽しもう?」
幸子「……勿論です! ボクも楽しみで寝れませんでした! 寝れなかった分も楽しみますよ!」
小梅「じゃあ…行こう♪」
幸子「はい!」
小梅「……」
幸子「小梅さーん!」
小梅「あ、幸子ちゃん」
幸子「すいません!ハァハァ… 待たせてしまいました…」
小梅「ううん、大丈夫だよ、私もいま来たから」
幸子「そう言ってもらえるなら助かります…ハァハァ」
小梅「ちょっと座ろう? だいぶ急いできた…よね?」
幸子「そう…させてもらいますね……ふぅ…」
小梅「……私も楽しみで、昨日は寝れなかったよ…。 あの子が起こしてくれなかったら多分私も危なかったから……気にしないで…今日は楽しもう?」
幸子「……勿論です! ボクも楽しみで寝れませんでした! 寝れなかった分も楽しみますよ!」
小梅「じゃあ…行こう♪」
幸子「はい!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:03:18.68 ID:PVffMh9Y0
――
小梅「映画まで、まだ時間あるね」
幸子「そうですね…すこしお茶にしましょうか」
小梅「うん、行こっか」
幸子「ここからなら…あそこにしましょう」
……
小梅「プロデューサーさんには、感謝しなきゃね…」
幸子「そうですねー、今日わざわざスケジュール空けてくれましたし少しは労ってあげないといけませんね」
小梅「うん…、お土産、買おっか」
幸子「なら後でどこか回りましょう、カワイイボクが選んだものなら間違いなしです!」
小梅「私も…幸子ちゃんに、負けないくらいの物を選ぶよ…ふふふ…」
幸子「フフーン、ボク達のお土産なら泣いて喜びますよ」
小梅「映画まで、まだ時間あるね」
幸子「そうですね…すこしお茶にしましょうか」
小梅「うん、行こっか」
幸子「ここからなら…あそこにしましょう」
……
小梅「プロデューサーさんには、感謝しなきゃね…」
幸子「そうですねー、今日わざわざスケジュール空けてくれましたし少しは労ってあげないといけませんね」
小梅「うん…、お土産、買おっか」
幸子「なら後でどこか回りましょう、カワイイボクが選んだものなら間違いなしです!」
小梅「私も…幸子ちゃんに、負けないくらいの物を選ぶよ…ふふふ…」
幸子「フフーン、ボク達のお土産なら泣いて喜びますよ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:03:51.67 ID:PVffMh9Y0
小梅「そういえば…幸子ちゃん」
幸子「なんですか?」
小梅「映画なんだけど…大丈夫…?」
幸子「…? ……あー…、だ、大丈夫ですよ! ボクはカワイイのでホラーでもコメディでもアクションでもなんでもこいですよ!」
小梅「そっか……ならいいんだ」(怖がってる幸子ちゃんも可愛いもんね♪)
幸子「ところで今日観るものって…」
小梅「ふふ…私が、一番好きなシリーズ…演出がね、もう別格なの…!」
幸子(ボ、ボクは生きて帰れるんですかね!? ねえ!?)
小梅「……後ろ」
幸子「なんですか?」
小梅「映画なんだけど…大丈夫…?」
幸子「…? ……あー…、だ、大丈夫ですよ! ボクはカワイイのでホラーでもコメディでもアクションでもなんでもこいですよ!」
小梅「そっか……ならいいんだ」(怖がってる幸子ちゃんも可愛いもんね♪)
幸子「ところで今日観るものって…」
小梅「ふふ…私が、一番好きなシリーズ…演出がね、もう別格なの…!」
幸子(ボ、ボクは生きて帰れるんですかね!? ねえ!?)
小梅「……後ろ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:04:55.79 ID:PVffMh9Y0
幸子「ひぃ!」
小梅「……なにもないよ」
幸子「え、ええ! もも、勿論しってます! 演技です! そうです!」
小梅「なら…大丈夫…、そろそろ行こっか」
幸子「さ、さあ! なんでもきてください!!」
小梅「……なにもないよ」
幸子「え、ええ! もも、勿論しってます! 演技です! そうです!」
小梅「なら…大丈夫…、そろそろ行こっか」
幸子「さ、さあ! なんでもきてください!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:05:50.94 ID:PVffMh9Y0
――
アバババババババババババ
……ウン…、コウナルキハシタ…
――
幸子「フ、フフーン、そ、そんなに、大したことな、なかったですね!」
小梅「……さ、幸子ちゃん…し、下…」
幸子「ヒィ!! な、なんですか! …もう!小梅さん」
小梅「幸子ちゃん…面白い」
幸子「まったく…でも許します! ボクは優しいので」
小梅「許された… そういえば、お昼、どうしよっか?」
幸子「そ、それなんですけどね…」
小梅「……? どうしたの?」
アバババババババババババ
……ウン…、コウナルキハシタ…
――
幸子「フ、フフーン、そ、そんなに、大したことな、なかったですね!」
小梅「……さ、幸子ちゃん…し、下…」
幸子「ヒィ!! な、なんですか! …もう!小梅さん」
小梅「幸子ちゃん…面白い」
幸子「まったく…でも許します! ボクは優しいので」
小梅「許された… そういえば、お昼、どうしよっか?」
幸子「そ、それなんですけどね…」
小梅「……? どうしたの?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:06:41.92 ID:PVffMh9Y0
幸子「そ、そのですね…つ、作ってきたんですよ…お弁当。 よかったら食べてください」
小梅「……」
幸子「…だ、駄目ですか?」
小梅「えっとね…、じ、実は私も…作ってきたの…」
幸子「……」
小梅「……」
二人「……ふふっ」
小梅「一緒に食べよう…♪」
幸子「そうしましょうか♪」
小梅「……」
幸子「…だ、駄目ですか?」
小梅「えっとね…、じ、実は私も…作ってきたの…」
幸子「……」
小梅「……」
二人「……ふふっ」
小梅「一緒に食べよう…♪」
幸子「そうしましょうか♪」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:07:36.30 ID:PVffMh9Y0
――
幸子「……」ジィー…
小梅「あ、あの…幸子ちゃん」
幸子「あ、はい。 なんでしょう?」
小梅「その…、ちょっと目線が…」
幸子「目線?」
小梅「ずっと私を、注目してるから…何事かなって」
幸子「あ、その! いえ、な、なんでもないですよ! どうぞ!ボクのお弁当を召し上がってください!」
小梅「う、うん、じゃあ…いただきます」
幸子「……」
小梅「……」モグモグ
幸子「ど、どう…ですか…?」
小梅「…うん、美味しいよ?」
幸子「ほ、ほんとですか!」
幸子「……」ジィー…
小梅「あ、あの…幸子ちゃん」
幸子「あ、はい。 なんでしょう?」
小梅「その…、ちょっと目線が…」
幸子「目線?」
小梅「ずっと私を、注目してるから…何事かなって」
幸子「あ、その! いえ、な、なんでもないですよ! どうぞ!ボクのお弁当を召し上がってください!」
小梅「う、うん、じゃあ…いただきます」
幸子「……」
小梅「……」モグモグ
幸子「ど、どう…ですか…?」
小梅「…うん、美味しいよ?」
幸子「ほ、ほんとですか!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:08:32.98 ID:PVffMh9Y0
小梅「うん、薄味だけど、私…濃い味よりも、こっちの方が好き」
幸子「そ、そうですか…。 ま、まあボクは才色兼備ですので! 料理だってこなしちゃいますよ!」
小梅「じゃあ…また、お願いしようかな…」
幸子「ま、任せてください! ボクがなんでも作っちゃいますよ!」
小梅「ふふふ…じゃあ、今度リクエストするね? ほら、幸子ちゃんも食べて?」
幸子「ではボクも…いただきます」
小梅「召し上がれ…」
幸子「…あ、おいしいです」
小梅「よかった…、喜んで、もらえて」
幸子「それにしても小梅さんも料理するんですね。 少し意外でした」
小梅「お母さんの、手伝いで…よくやってたから」
幸子「ああなるほど」
幸子「そ、そうですか…。 ま、まあボクは才色兼備ですので! 料理だってこなしちゃいますよ!」
小梅「じゃあ…また、お願いしようかな…」
幸子「ま、任せてください! ボクがなんでも作っちゃいますよ!」
小梅「ふふふ…じゃあ、今度リクエストするね? ほら、幸子ちゃんも食べて?」
幸子「ではボクも…いただきます」
小梅「召し上がれ…」
幸子「…あ、おいしいです」
小梅「よかった…、喜んで、もらえて」
幸子「それにしても小梅さんも料理するんですね。 少し意外でした」
小梅「お母さんの、手伝いで…よくやってたから」
幸子「ああなるほど」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:09:30.19 ID:PVffMh9Y0
小梅「幸子ちゃんは?」
幸子「ボクも昔に少々…」
小梅「そっか……あれ? で、でも幸子ちゃんの両親って」
幸子「ま、まあそれはいいじゃないですか! ほ、ほら食べましょう! ね!」
小梅「う、うん…この後どうしよう?」
幸子「そうですね…小梅さんはどこか希望はありますか?」
小梅「えっとね、服見に行かない?」
幸子「あ、いいですね。 …ならボクにお任せください! 小梅さんをばっちりコーディネイトします!」
小梅「えっと…、よろしく、お願いします?」
幸子「ボクも昔に少々…」
小梅「そっか……あれ? で、でも幸子ちゃんの両親って」
幸子「ま、まあそれはいいじゃないですか! ほ、ほら食べましょう! ね!」
小梅「う、うん…この後どうしよう?」
幸子「そうですね…小梅さんはどこか希望はありますか?」
小梅「えっとね、服見に行かない?」
幸子「あ、いいですね。 …ならボクにお任せください! 小梅さんをばっちりコーディネイトします!」
小梅「えっと…、よろしく、お願いします?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:10:17.52 ID:PVffMh9Y0
――
小梅「ど、どう? …変じゃ、ない…?」
幸子「そんなことないです! ボクの目に狂いはありません! ボクと同じくらいカワイイです!」
小梅「うう…、ふ、普段はこういう服は着ない…から」
幸子「普段はえっと、何ていえばいいんでしょう? パンク?なモノですもんね」
小梅「う、うん。 似合うって言われて嬉しくて…。 あと私個人としても気にいってて」
幸子「服装褒めてもらえると嬉しいですよね」
小梅「うん、それもあるのかも…私の服装の好みの理由」
幸子「うーん、それも似合ってると思うんですけどね…」
小梅「あんまり着ない、から…慣れない…」
幸子「ん~…似合ってるのは本当なんですけどねー」
小梅「……そうだ」
幸子「ん?」
小梅「幸子ちゃんも…イメージチェンジ…うふふ」
小梅「ど、どう? …変じゃ、ない…?」
幸子「そんなことないです! ボクの目に狂いはありません! ボクと同じくらいカワイイです!」
小梅「うう…、ふ、普段はこういう服は着ない…から」
幸子「普段はえっと、何ていえばいいんでしょう? パンク?なモノですもんね」
小梅「う、うん。 似合うって言われて嬉しくて…。 あと私個人としても気にいってて」
幸子「服装褒めてもらえると嬉しいですよね」
小梅「うん、それもあるのかも…私の服装の好みの理由」
幸子「うーん、それも似合ってると思うんですけどね…」
小梅「あんまり着ない、から…慣れない…」
幸子「ん~…似合ってるのは本当なんですけどねー」
小梅「……そうだ」
幸子「ん?」
小梅「幸子ちゃんも…イメージチェンジ…うふふ」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:11:10.82 ID:PVffMh9Y0
――
小梅「……うん、いいね…」
幸子「フーン! どうですか! カワイイですか!」
小梅「うん…カワイイ」
幸子「もっと褒めてください!」
小梅「うん、カワイイよ幸子ちゃん」
幸子「フフーン!」
小梅「いつもと違う幸子ちゃんカワイイ」
幸子「フーン!」
小梅「ホラーで怯えてる幸子ちゃん…カワイイよ」
幸子「フフーン…てっ、それ褒めてます!?」
小梅「……うん、いいね…」
幸子「フーン! どうですか! カワイイですか!」
小梅「うん…カワイイ」
幸子「もっと褒めてください!」
小梅「うん、カワイイよ幸子ちゃん」
幸子「フフーン!」
小梅「いつもと違う幸子ちゃんカワイイ」
幸子「フーン!」
小梅「ホラーで怯えてる幸子ちゃん…カワイイよ」
幸子「フフーン…てっ、それ褒めてます!?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:12:08.65 ID:PVffMh9Y0
小梅「勿論だよ…、もっと怖がらせたくなる♪」
幸子「ちょ、ちょっと!ボクは怖がってなんかいません!!」
小梅「そう…なの?」シュン
幸子「へ…? 小梅さん?」
小梅「う~……私は怖いのに……」
幸子「あ、その…えっと…」
小梅「……」
幸子「……」
小梅「じゃあ…今度はもっと怖いの持ってくるね」ニヤニヤ
幸子「……え」
小梅「幸子ちゃんでも怖いって思える…とびっきり秘蔵の映画…用意するね♪」ニヤニヤ
幸子「」
小梅「うふふふふ…」
幸子「ちょ、ちょっと!ボクは怖がってなんかいません!!」
小梅「そう…なの?」シュン
幸子「へ…? 小梅さん?」
小梅「う~……私は怖いのに……」
幸子「あ、その…えっと…」
小梅「……」
幸子「……」
小梅「じゃあ…今度はもっと怖いの持ってくるね」ニヤニヤ
幸子「……え」
小梅「幸子ちゃんでも怖いって思える…とびっきり秘蔵の映画…用意するね♪」ニヤニヤ
幸子「」
小梅「うふふふふ…」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:13:03.78 ID:PVffMh9Y0
――
幸子「うーん、どうしましょうかね?」
小梅「わ、私はいい、と思う。 普段と違う服も」
幸子「お互い試着してそれはわかったんですけどね…購入となると考えますね」
二人「うーん…」
小梅「あ、そうだ…」
幸子「どうしました?」
小梅「次に二人で出掛けるとき…今日買った服で、出かけるのはどうかな…」
幸子「なるほど…ありかもしれませんね!」
小梅「一人だと、ちょっと着る勇気、なかったからこれなら…」
幸子「では…買いましょう!」
小梅「うん…!」
幸子「うーん、どうしましょうかね?」
小梅「わ、私はいい、と思う。 普段と違う服も」
幸子「お互い試着してそれはわかったんですけどね…購入となると考えますね」
二人「うーん…」
小梅「あ、そうだ…」
幸子「どうしました?」
小梅「次に二人で出掛けるとき…今日買った服で、出かけるのはどうかな…」
幸子「なるほど…ありかもしれませんね!」
小梅「一人だと、ちょっと着る勇気、なかったからこれなら…」
幸子「では…買いましょう!」
小梅「うん…!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:13:45.66 ID:PVffMh9Y0
――
小梅「今日は…すごく、すっごく楽しかったね」
幸子「はい! …また一緒にどこかに行きたいです」
小梅「次はどこに、しよっか」
幸子「うーん、遊園地、ピクニック、水族館…あー、お花見なんかもいいですね!」
小梅「また、二人で考えよっか」
幸子「ですね…、また二人で」
小梅「うん、二人で」
幸子「……」
小梅「……」
幸子「…あ、そうです」
小梅「今日は…すごく、すっごく楽しかったね」
幸子「はい! …また一緒にどこかに行きたいです」
小梅「次はどこに、しよっか」
幸子「うーん、遊園地、ピクニック、水族館…あー、お花見なんかもいいですね!」
小梅「また、二人で考えよっか」
幸子「ですね…、また二人で」
小梅「うん、二人で」
幸子「……」
小梅「……」
幸子「…あ、そうです」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:14:26.94 ID:PVffMh9Y0
小梅「どうしたの…?」
幸子「これを…」スッ
小梅「これって…」
幸子「お誕生日おめでとうございます、小梅さん」
小梅「嬉しい…開けていい?」
幸子「はい、いいですよ」
小梅「……これって、ネックレス?」
幸子「はい。 …その、駄目でした…?」
小梅「ううん…嬉しいよ…ドクロも付いてて、いいネックレスだよ」
幸子「な、ならよかったです…」(なかなか選ぶの苦労したんですよね)
小梅「ありがとうね、幸子ちゃん。 大切にする」
幸子「はい! …喜んでもらえてボクも嬉しいです!」
小梅「でもね幸子ちゃん」
幸子「ん?」
幸子「これを…」スッ
小梅「これって…」
幸子「お誕生日おめでとうございます、小梅さん」
小梅「嬉しい…開けていい?」
幸子「はい、いいですよ」
小梅「……これって、ネックレス?」
幸子「はい。 …その、駄目でした…?」
小梅「ううん…嬉しいよ…ドクロも付いてて、いいネックレスだよ」
幸子「な、ならよかったです…」(なかなか選ぶの苦労したんですよね)
小梅「ありがとうね、幸子ちゃん。 大切にする」
幸子「はい! …喜んでもらえてボクも嬉しいです!」
小梅「でもね幸子ちゃん」
幸子「ん?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:15:03.51 ID:PVffMh9Y0
小梅「もうひとつ…もうひとつあるの。 欲しいもの」
幸子「えっと…何でしょうか? や、やっぱり不満でしたか」
小梅「そんなことないよ」
幸子「じゃあ…欲しいものって?」
小梅「少し…目をつぶって?」
幸子「わかりました」
小梅「……」
幸子「……」
小梅「私が欲しいのはね…」
幸子「……」
小梅「……んっ…」
幸子「えっと…何でしょうか? や、やっぱり不満でしたか」
小梅「そんなことないよ」
幸子「じゃあ…欲しいものって?」
小梅「少し…目をつぶって?」
幸子「わかりました」
小梅「……」
幸子「……」
小梅「私が欲しいのはね…」
幸子「……」
小梅「……んっ…」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:15:58.82 ID:PVffMh9Y0
幸子(……へ?)
幸子「……!!」
小梅「……幸子ちゃんとのキス…だよ」
幸子「……へ、い、いま…えぇ!!」
小梅「…ごめんね、急にビックリしたよね?」
幸子「そりゃあビックリしますよ! その…心の準備とか……。 ……でもどうしてまた」
小梅「……今日…、二人でデートした記念に…これじゃだめ?」
幸子「…いえ。…その…またしましょう?」
小梅「うん…幸子ちゃん、真っ赤」
幸子「こ、小梅さんもですよ!」
小梅「ほ、ほんと…?」
幸子「……!!」
小梅「……幸子ちゃんとのキス…だよ」
幸子「……へ、い、いま…えぇ!!」
小梅「…ごめんね、急にビックリしたよね?」
幸子「そりゃあビックリしますよ! その…心の準備とか……。 ……でもどうしてまた」
小梅「……今日…、二人でデートした記念に…これじゃだめ?」
幸子「…いえ。…その…またしましょう?」
小梅「うん…幸子ちゃん、真っ赤」
幸子「こ、小梅さんもですよ!」
小梅「ほ、ほんと…?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:16:31.07 ID:PVffMh9Y0
幸子「……」
小梅「……」
二人「……フフッ」
小梅「じゃあ…そろそろ」
幸子「ええ…また会いましょう」
小梅「バイバイ」
幸子「また明日会いましょう…それでは」
小梅「……」
二人「……フフッ」
小梅「じゃあ…そろそろ」
幸子「ええ…また会いましょう」
小梅「バイバイ」
幸子「また明日会いましょう…それでは」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:17:07.94 ID:PVffMh9Y0
――
小梅(今までで一番楽しい誕生日だった…映画も幸子ちゃん怯えて私に飛びついてきて…ふふ)
小梅(幸子ちゃん…頑張ったんだろうなお弁当。 家事したことないって前言ってたもんね。 私のためにしてくれてたなら…本当に嬉しい…)
小梅(服だって色々考えてくれて、私に似合う物選んでくれて、それと私が選んだのも気に入ってくれて…次の二人のお出かけ…すごく楽しみ)
小梅(ネックレスも…大切な物がまた増えて……、……キスもしちゃったんだよね、私……)
小梅(ど、どうしよう…! 思い出したら…恥ずかしくなって…きた)
小梅(……でも…幸せだよ…私)
小梅(今までで一番楽しい誕生日だった…映画も幸子ちゃん怯えて私に飛びついてきて…ふふ)
小梅(幸子ちゃん…頑張ったんだろうなお弁当。 家事したことないって前言ってたもんね。 私のためにしてくれてたなら…本当に嬉しい…)
小梅(服だって色々考えてくれて、私に似合う物選んでくれて、それと私が選んだのも気に入ってくれて…次の二人のお出かけ…すごく楽しみ)
小梅(ネックレスも…大切な物がまた増えて……、……キスもしちゃったんだよね、私……)
小梅(ど、どうしよう…! 思い出したら…恥ずかしくなって…きた)
小梅(……でも…幸せだよ…私)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:17:50.54 ID:PVffMh9Y0
――
幸子(お弁当もおいしいって言ってもらえました、次に会うときの服も一緒に買えました。 …映画は…ええ、楽しかったですよ、はい)
幸子(そして……ああもう思い出したらすっごく恥ずかしい…!)
幸子「今日も寝れそうにないです…」
幸子(お弁当もおいしいって言ってもらえました、次に会うときの服も一緒に買えました。 …映画は…ええ、楽しかったですよ、はい)
幸子(そして……ああもう思い出したらすっごく恥ずかしい…!)
幸子「今日も寝れそうにないです…」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 00:20:42.31 ID:PVffMh9Y0
以上です、ここまで読んでくださってありがとうございました
幸子と小梅のSS三つ目でしたが…もっと上手く書けるように頑張りたいですね…楽しいですし
最後にもう一度、小梅ちゃん誕生日おめでとう!
幸子と小梅のSS三つ目でしたが…もっと上手く書けるように頑張りたいですね…楽しいですし
最後にもう一度、小梅ちゃん誕生日おめでとう!
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:03:33.39 ID:PVffMh9Y0
こんばんは、作者です 2スレだけおまけを投下します
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:04:53.49 ID:PVffMh9Y0
小梅誕生日より数日前のこと
幸子「……小梅さんの誕生日が少しずつ迫ってきています。 プレゼントは見に行くとして…」
幸子「うーん、でもそれ以外でも何かしたいですね」
幸子「うーん……」
幸子「……そうです! お弁当です! きっと喜んでもらえます!」
幸子「そうと決まればさっそく行動しましょう! なーにカワイイボクの手にかかれば素敵な物ができます!」
幸子「とはいってもボクの家では無理ですね……ママもパパも火は危ないって触らせてもらえません」
幸子「なら…事務所ですね、キッチンを借りてそこでやりましょう」
幸子「善は急げ、準備していきましょう!」
そして……
幸子「……小梅さんの誕生日が少しずつ迫ってきています。 プレゼントは見に行くとして…」
幸子「うーん、でもそれ以外でも何かしたいですね」
幸子「うーん……」
幸子「……そうです! お弁当です! きっと喜んでもらえます!」
幸子「そうと決まればさっそく行動しましょう! なーにカワイイボクの手にかかれば素敵な物ができます!」
幸子「とはいってもボクの家では無理ですね……ママもパパも火は危ないって触らせてもらえません」
幸子「なら…事務所ですね、キッチンを借りてそこでやりましょう」
幸子「善は急げ、準備していきましょう!」
そして……
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:05:37.49 ID:PVffMh9Y0
幸子「……」
まゆ「……」
P「……幸子さん」
幸子「……はい」
P「……これはなんですか」
幸子「……はい、卵焼きです」
P「……俺の知ってる卵焼きは黄色です。 これはなんで黒いのでしょう」
幸子「……焼きすぎました」
P「……ついでにもう一つ……これはスクランブルエッグだ…。 卵焼きはこう…もっとブロック状だ」
幸子「……」
P「……」
まゆ「……幸子ちゃん」
幸子「……はい」
まゆ「まゆと頑張りましょう?」
幸子「……うぅ……はい……」
まゆ「……」
P「……幸子さん」
幸子「……はい」
P「……これはなんですか」
幸子「……はい、卵焼きです」
P「……俺の知ってる卵焼きは黄色です。 これはなんで黒いのでしょう」
幸子「……焼きすぎました」
P「……ついでにもう一つ……これはスクランブルエッグだ…。 卵焼きはこう…もっとブロック状だ」
幸子「……」
P「……」
まゆ「……幸子ちゃん」
幸子「……はい」
まゆ「まゆと頑張りましょう?」
幸子「……うぅ……はい……」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:07:09.24 ID:PVffMh9Y0
それから幸子は悪戦苦闘しながらどうにか多少は料理できるようになったとか
おまけは以上です ありがとうございました
おまけは以上です ありがとうございました
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 02:45:28.04 ID:GdnTcaeAO
おまけは2スレって言ったじゃん
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 03:41:24.33 ID:2pOXJdh+O
おまけの2スレはよ
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 06:25:17.98 ID:5HqnhA+9O
んなおまけが本編みたいな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459090871/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
金剛「提督、私飲紅茶。情熱愛受止ー!」提督「……え?」
1: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 22:57:48.23 ID:xOkl73l3o
それなりに短編
もしかしたら何番煎じかも知れない
【金剛が鎮守府に着任しました!】
提督「苦節数週間…………何度も戦艦レシピを回して……ついに金剛がきたああぁぁ!!」
比叡「やったああぁぁ!遂にお姉さまがきたああぁぁぁ!!」
提督「さぁ、金剛よ!その姿を現せぇぃ!!」
プシューーーーーーーーー…………
金剛「英国誕生、帰国子女金剛!!是非仲良欲」
提督「……………………え?」
比叡「……………………?」
金剛「提督ー!私紅茶飲ーーー!茶時間欲ーーーーー!!」
提督「…………お前、金剛だよな?」
金剛「是」
提督「……比叡、ちょっと来い!」
比叡「あへへぇ……お姉さまあぁぁ……なんとお美しい姿ああぁぁ……」
提督「来い!!」
比叡「また後で~」ズルズル
もしかしたら何番煎じかも知れない
【金剛が鎮守府に着任しました!】
提督「苦節数週間…………何度も戦艦レシピを回して……ついに金剛がきたああぁぁ!!」
比叡「やったああぁぁ!遂にお姉さまがきたああぁぁぁ!!」
提督「さぁ、金剛よ!その姿を現せぇぃ!!」
プシューーーーーーーーー…………
金剛「英国誕生、帰国子女金剛!!是非仲良欲」
提督「……………………え?」
比叡「……………………?」
金剛「提督ー!私紅茶飲ーーー!茶時間欲ーーーーー!!」
提督「…………お前、金剛だよな?」
金剛「是」
提督「……比叡、ちょっと来い!」
比叡「あへへぇ……お姉さまあぁぁ……なんとお美しい姿ああぁぁ……」
提督「来い!!」
比叡「また後で~」ズルズル
2: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 22:59:35.85 ID:xOkl73l3o
・・・・・・
提督「アイツは誰だ……」
比叡「え、金剛お姉さまでしょ?」
提督「ああ…………姿形はな……だがあの喋り方は何だ!?」
比叡「いつもの金剛お姉さま――」
提督「んなわけあるか!!!!金剛はデース口調だろうがい!」
比叡「じゃあ中国産お姉さまですよ」
提督「中国産でもないだろ!アイツが喋ってるのは中国語じゃないぞ!!」
比叡「じゃあ漢字だけ村産のお姉さまですよ」
提督「目を覚ませ比叡ーーーーーー!!」
3: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:01:56.88 ID:xOkl73l3o
・・・・・・
榛名「お姉さま、遂に着任されたのですね!!」
金剛「榛名!私驚榛名此処居!!貴女何時着任?」
榛名「私は金剛型でも最初にここに着任しました!あと比叡お姉さまと霧島もいますよ!」
金剛「姉妹全員勢揃!私超絶嬉!!」
霧島「私も嬉しいですよ。一緒にマイクチェックでもしましょう!」
金剛「集音器音量確認?良!」
霧島「アーアー、チェックワンツー!」
金剛「嗚ー呼ー、確認一二!」
霧島「OKです!」
金剛「良好!」
比叡「ね、姉妹ともちゃんと話してるでしょう?」
提督「………………」
6: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:06:48.86 ID:xOkl73l3o
提督「金剛はあんなこと言わない!!」ダバー
金剛「提督、何故泣?元気出!!」
提督「元気なんて出ねぇよおおおぉぉぉ!!!!」
比叡「ええぇ……」
提督「比叡!ちょっと俺の部屋に来い!!作戦会議だ!!」
比叡「ひえっ!?」
・・・・・・
~執務室~
提督「お前を俺の秘書艦と見込んで話がある…………金剛を元に戻そう!」
比叡「えぇーアレが本当のお姉さまですって」
提督「ざけんな!!金剛は『HEY提督ゥー!』とか『紅茶が飲みたいネー!』とか言ってるアホ似非外国人キャラなんだよ!なんだあの喋り方!」
比叡「ですから漢字だけ村産の――」
提督「そのネタはもういい!」
7: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:11:07.62 ID:xOkl73l3o
提督「いいか、金剛と言えば外国人ノリだ。もしケッコンまでいって夜の相手もすることになったとしよう」
比叡「それを秘書艦で、しかも妹の私の前で言うんですか……」
提督「例えば金剛がHしてるときの声がだな!」
金剛『あぁん気持ちいい、提督!提督のディック大きいネ!私、もう……イッちゃう……イク、イクイクイクイクー!!」
提督「だったとしよう」
比叡「はぁ……」
提督「それが今のままじゃこうだ!」
金剛『私享受快楽、提督!貴方陰茎超絶巨大!私、既……絶頂……絶頂、絶頂絶頂絶頂絶頂絶頂ーーー!!!!』
提督「こんなんじゃムードもクソもねぇよ!!」
9: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:14:21.76 ID:xOkl73l3o
比叡「というか、お姉さまに手出しはさせません!」
提督「あ?」
比叡「で、ですから……誠に不本意ながら、この比叡……お姉さまの代わりに司令に……」
提督「いいか比叡。さっきのはあくまで一例だ。とにかく金剛を元に戻さないと俺が死ぬ」
比叡「死んでもいいですよ……」ボソッ
提督「とりあえず金剛を元に戻す方法を探すぞ!!」
10: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:18:19.52 ID:xOkl73l3o
・・・・・・
~工廠~
提督「とりあえず工廠に来てみたが…………」
金剛「工廠……私誕生英国」
提督「それは聞いたよ」
比叡「どうするんですか?司令」
提督「とりあえず明石にでも見せる。アイツなら何か分かるかもしれないしな……」
11: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:22:24.18 ID:xOkl73l3o
提督「明石、いるかー?」
明石「あれ提督。どうしました?」
提督「コイツを診てくれ」
金剛「初対面!私英国誕生帰国子女金剛ー!!是非仲良欲-!!」
明石「」
明石「あの、提督……これ、金剛さんですか?」
提督「そのようだ……」
明石「偽者じゃないですかー?」
提督「俺もそう思いたいが……この目で建造されるのを見たんだ」
明石「じゃあ建造マシンに不備があるとかかなぁ……ちょっと調べてきますね……1号機でしたっけ?」
提督「ああそうだ。頼む」
金剛「何調査?」
比叡「お姉さまも私達と少し待ちましょうー!」
12: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:31:17.67 ID:xOkl73l3o
・・・・・・
明石「戻りました。4号機まで全部調べましたが……どうやらマシンに異常は見られませんでしたよ」
提督「なにぃ!?」
比叡「ほらーやっぱりこの金剛お姉さまが本物なんですよ」
金剛「本物?何話題?」
比叡「あ、なんでもないですよー!」
提督「しかしマシンの不備でなかったとすると…………じゃあ資材か?ヤバイ所のを使ったとか」
明石「ウチの資材は大本営から送られてくるのと、遠征やクルージングで得た資材ですよ」
提督「だよなぁ…………じゃあ……何だ?」
明石「金剛さんはヴィッカースで生まれた、我が国のとは根本から少し違う艦ですからねぇ……」
提督「ヴィッカースに問い合わせることは?」
明石「できます。それと同時に色々原因を探ってみますね」
提督「ああ。頼んだよ……どうやら姉妹はこの金剛を受け入れているからな……」
明石「喋り方が違っても、見た目はどうみても金剛さんですからね……細かいことを気にするより、姉を信じることにしたんじゃないですか?」
提督「泣かせる姉妹愛だが……俺はこの原因を探りたい。頼んだぞ」
明石「了解です!」
13: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:38:18.49 ID:xOkl73l3o
比叡「そういえば司令、今日の出撃任務はどうするんですか?」
提督「あ、忘れてた……じゃあ……」
金剛「出撃!?提督提督!!私行出撃!!」
提督「お前が出撃!?」
比叡「お姉さまが行くなら私も行きます!」
提督「う、ううむ…………」
提督「(すんごく心配だが、出撃させることによって原因が分かるかもしれないな……)」
提督「分かった。じゃあ金剛型4隻と……今空いてる駆逐艦と空母は?」
比叡「吹雪ちゃんと……あと、赤城さんですね」
提督「じゃあそいつらも含めた6隻で出撃だ!」
比叡「了解!」
金剛「腕鳴ー!!活躍括目見ー!」
14: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:43:33.71 ID:xOkl73l3o
・・・・・・
~洋上~
霧島「電探に感あり…………正面です!」
赤城「水平線の向こうですね……索敵隊、出撃!」バシュッ
榛名「頑張ります!」
吹雪「私も……!」
比叡「お姉さまはまだ練度1ですから、私達の戦いを見て学んでくださいね!」
金剛「!?」
15: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:46:47.19 ID:xOkl73l3o
赤城「見つけました!戦艦1、重巡1、雷巡2、駆逐2の計6隻!」
霧島「会敵予測、1分後!」
榛名「比叡お姉さま、陣形は?」
比叡「黙って単縦陣!」
一同「了解!」
金剛「…………此、戦闘!」
霧島「来ますよー!」
赤城「第一次攻撃隊、随時発艦!」
吹雪「見えました!私達も攻撃を!」
16: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:50:36.23 ID:xOkl73l3o
榛名「勝手は、榛名が、許しません!」
比叡「撃ちます、当たって!!」
ダァン!ドォン!!
金剛「攻撃!」ジャキン
吹雪「金剛さんは下がって、私達で全部やっつけちゃいますから!」ダァン!
金剛「!?」
比叡「お姉さまに怪我はさせられませんから!」
金剛「…………」
17: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/20(水) 23:58:11.96 ID:xOkl73l3o
比叡「よし、チ級轟沈!これで赤城さんがさっきやったチ級とイ級1体で……残るは戦艦ル級、重巡リ級、駆逐イ級が1ずつ!」
榛名「私達は戦艦をやりましょう、霧島!」
霧島「ええ!」
吹雪「私はイ級を……!」
赤城「第二次攻撃隊、目標重巡リ級!」
金剛「………………私」
金剛「私行攻撃!!」ジャキン
比叡「なっ、お姉さま!?」
金剛「私金剛型一番艦!妹達後見学……不出来!!」
榛名「しかし、その練度で前に出ては……」
金剛「関係無!!」ザーーーッ
比叡「あぁっ、お姉さまー!!」
18: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 00:01:56.39 ID:9O0JNyIdo
金剛「全砲門、発射!!」ダァン!
イ級「!?」轟沈!
吹雪「一撃で!」
霧島「そりゃ、戦艦ですからね……」
金剛「次!敵何処!!」
赤城「金剛さん、危ない!!」
リ級「ッ!」ダァン!
金剛「其、遅弾……私簡単避!!」ヒョイッ
リ級「!?」
金剛「情熱……愛!!!!!!!!」ダァン!
ドガァン!!
リ級「」轟沈!
19: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 00:06:13.03 ID:9O0JNyIdo
金剛「赤城!正面!敵砲撃襲来ー!!」
赤城「え、危ないっ!」ヒョイッ
バシャァン!
赤城「目の前を砲弾が……」
金剛「油断禁物!」
ル級「……」
榛名「勝手は許しません!」ダァン!
ル級「ッ」中破
霧島「とりゃぁ!」ダァン!
ル級「……!」大破
吹雪「あと一撃!」
金剛「私決!」
吹雪「金剛さん!」
20: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 00:10:56.99 ID:9O0JNyIdo
金剛「私持情熱愛、届提督ーーーーーーーーーー!!」
ダァン!!
ル級「…………ッ!」
ドォン!!
ル級「」轟沈!
金剛「敵倒---!!全滅殲滅撃滅消滅!!!!」
比叡「す、すごい…………」
『勝利!S』
21: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 00:16:55.60 ID:9O0JNyIdo
比叡「艦隊帰投しましたー!」
金剛「私一番戦果!!私求褒ーーーー!!」
提督「え、マジで金剛がMVPなの!?」
吹雪「金剛さん、練度1だったのに勇敢に敵に立ち向かって……ステキでした!!」
赤城「背中を預けても問題ない……そう思いましたね」
提督「マジかよ…………」
比叡「やっぱり金剛お姉さまですよ!」
提督「ううむ…………まぁ戦果をあげたのは事実だし、そこは褒めてやろう」ナデナデ
金剛「提督ー!私許可接触、熟考時間場所ーー!!」
提督「……」イラッ
29: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 22:59:50.60 ID:9O0JNyIdo
・・・・・・
~工廠~
提督「どうだ明石」
明石「戦果的にも金剛さんに相応しいものですよねぇ…………ですが……」
提督「ですが……どうした?」
明石「実は、ヴィッカースに問い合わせたところ……この鎮守府に送る金剛さんはまだ建造していないと…………」
提督「え…………」
明石「まだ建造途中で…………来週、建造出来次第回航させると……」
提督「………………」
30: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:01:31.71 ID:9O0JNyIdo
・・・・・・
~食堂~
金剛「鳳翔料理上手!!超絶美味ーーーー!!」
鳳翔「ウフフ、喜んでもらえると嬉しいです」
榛名「あ、お姉さま。頬にご飯粒がついていますよ」
金剛「感謝ー!」
提督「………………」
金剛「提督、開口!私持匙乗料理食ー!」
提督「あーん…………」パクッ
金剛「沢山噛後嚥下ーーーーー!!」
提督「わかってるよ。よく噛んで飲み込むよ」
提督「(何故俺はこの金剛と普通に過ごしているんだ……)」
比叡「はいアーンをするお姉さまも素敵ぃぃぃぃ!」
提督「(だが、来週本物の金剛が来るなら……この金剛は一体…………)」
金剛「………………任務遂行中、順調問題無」ボソッ
31: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:02:35.73 ID:9O0JNyIdo
・・・・・・
~執務室~
金剛「私求紅茶~」
比叡「はいお姉さま!インスタント紅茶です!」
金剛「屑愚妹!!此不紅茶!!!私求英国産紅茶葉淹!!!!!!」カッ
比叡「ひええぇぇぇ!!!?す、すいません~!!」ガクブル
提督「おい金剛、なにもそんなに怒ることないだろう。比叡だってお前の為に……」
金剛「即席袋紅茶、私嫌!」
提督「インスタントも立派な紅茶だろうが!ったく……」ズズッ
比叡「あっ……」
提督「うん、いける。比叡が淹れたこれは俺が飲むことにするよ」
比叡「あ、えと……ありがとうございます…………」
金剛「………………優」
金剛「比叡、私行謝罪……」
比叡「え!?いやいやお姉さま、何もお姉さまが謝るようなことは!この比叡が気を遣えたなかったのが悪いし……」
金剛「私、姉失格…………謝謝」
比叡「お、お姉さまあああぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」ダキッ
提督「(なんでそこだけ中国語なんだよ)」
32: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:04:47.70 ID:9O0JNyIdo
提督「(ともあれこの金剛は、持ち前の明るさと人当たりの良さを武器に、鎮守府で受け入れられ始めた)」
・・・・・・
加賀「あら金剛さん、こんにちは」
金剛「加賀、今日良天気!」
加賀「そうね…………聞きました。この前の戦いで赤城さんの被弾を未然に防いでくれたとか。私からもお礼を言います」
金剛「問題無問題無!慢心禁物!」
加賀「慢心は禁物……ありがとう、心得ておくわ」
・・・・・・
島風「ねぇねぇ、金剛さん高速戦艦の一番艦なんでしょ?」
金剛「是!」
島風「じゃあ追いかけっこしよー!!」
金剛「走競争!私絶対勝利ー!!」
島風「私だって負けないもーん!!」
34: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:05:51.49 ID:9O0JNyIdo
・・・・・・
提督「(今日も金剛は皆と仲良くしている…………)」
提督「(もしかして、アレがウチの金剛……なのではないか?)」
提督「(ヴィッカースだって本当はウチに届けたくせに白を切ってる可能性だってあるし……)」
提督「(なにより、俺もアイツのことを受け入れ始めている)」
提督「(もうH中に『絶頂絶頂絶頂ーー!!』とか言い出してもいいかな…………というか、あの金剛と俺はそういう関係になれるのか?)」
金剛「………………可笑」
35: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:09:42.55 ID:9O0JNyIdo
・・・・・・
~深夜・港~
明石「ふあぁ~あ…………徹夜になっちゃった………………金剛さんの秘密を探ってやろうと色々したけど、結局しっぽは掴めないしぃ……」
明石「もうアレが金剛さんでいいよー………………って、あれ……誰だろう?向こうに走っていった……」
明石「怪しい…………コッソリついて行こう」タッタッタ
コソコソ
明石「港の倉庫裏…………ここに誰かが……」
「―――」「―――――――」
明石「会話?」
36: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:20:49.89 ID:9O0JNyIdo
金剛「万事予定通。此鎮守府警備脆弱」ハハハ
戦艦棲姫「ソウ…………ナライイ」
明石「ッッッッッ!?」
明石「(あ、あれって……深海棲艦!?)」
明石「(それに、金剛さん……なんであんなのと一緒に話してるの!?)」
金剛「此、出撃予定表、艦娘及装備性能表、艦隊陣形配置図、大本営指令――」
戦艦棲姫「ゴ苦労」
明石「(って、どれも極秘中の極秘じゃないのよー!!あの人がどうやってそれを……)」
金剛「提督間抜。鍵付引出、簡単突破」
明石「(鍵付きの引き出しを簡単に開けたって……それ、いつのまに……)」
38: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:26:30.22 ID:9O0JNyIdo
戦艦「ヤット…………ヤット念願ノモノが手ニ入ッタ…………」
戦艦「貴様ヲスパイトシテ送リコマセテ、正解ダッタナ……我々ガ苦労シテモ手ニ入レラレナカッタ鎮守府ノ秘ヲ……コウモ簡単ニトハ」
金剛「私体艦娘…………心深海棲艦!」
戦艦「オ前ノ忠誠ハ分カッテイルシ、信用シテイル。コレカラモ頼ンダゾ」
金剛「私任!此鎮守府…………絶対壊滅!!」
明石「(や、ヤバすぎなの聞いちゃった…………!!)」
明石「(どうしよう…………)」ソロソロ
ガタッ
明石「(あ、ヤバ……)」
金剛「!?」
戦艦「ドウヤラ、聞カレテイタヨウダ…………」
明石「(絶体絶命ってやつーーー!!?)」
39: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:32:28.13 ID:9O0JNyIdo
明石「クッ、このおおおぉぉぉーーーー!!」ダッ
金剛「明石!?」
戦艦「艦娘カ……!」
明石「(書類はまだ金剛さんの手の中!)せめて、その書類達だけはあぁぁーーーーー!!」
金剛「来突撃!?」
明石「それ、返してもらいますッ!」ガバッ
金剛「止、明石!手放!!」
明石「よしっ、取り返した!」
戦艦「ッ、ナンダト!?」
金剛「不意打卑怯!!」
明石「敵に奪われるくらいなら……この書類、燃やしてやるー!!」
明石「持ってて良かったチャッカマン!」ボッ
書類「」パチパチ
明石「やった…………これで……!」
金剛「明石…………私激怒……」
戦艦「命ハ無イト思エ…………!!」
明石「へへっ、ざまぁみろってんですよ…………」
43: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:44:07.96 ID:9O0JNyIdo
明石(捕縛)「………………」
戦艦「サテ、コイツヲドウシヨウカ…………」
金剛「…………」
戦艦「我ラノ目的ヲ燃ヤサレタノダ……生カシテハオケン!」
金剛「…………」フルフル
戦艦「ナニ、コイツヲ生カスダト?」
金剛「……」コク
戦艦「馬鹿ナ……情デモ移ッタカ?」
金剛「明石、利用価値有。今捕縛監禁、処置後決」
戦艦「甘スギル…………ガ、マァ貴様ガイウナライイダロウ」
金剛「私任」
戦艦「許可スル……ガ、失敗ハスルナヨ」
金剛「私誰思?金剛型一番艦金剛…………不油断」
戦艦「ナライイ…………私ハモウ帰ルガ……マタ色々探レ……」
金剛「了解」
44: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/21(木) 23:54:18.58 ID:9O0JNyIdo
明石「金剛さん……なんで!?あなた、深海棲艦のスパイだったんですか!?」
金剛「是」
金剛「良機会。質問有?私回答」
明石「色々聞きたいですよ…………」
金剛「色々聞、許可」
明石「あなた…………深海棲艦なんですか?」
金剛「否。私艦娘。金剛型一番艦」
明石「艦娘なら、なんで深海棲艦なんかに!」
金剛「私心深海棲艦…………人類、嫌」
明石「そんな、艦娘が人類を嫌うだなんて……それに、生まれたばかりのあなたが、何故人類を嫌うんですか?」
金剛「此鎮守府工廠、建造一号機…………其処、秘密有」
明石「金剛さんがやってきた……建造の1号機に秘密が……?」
金剛「是」
45: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 00:09:56.30 ID:WxnArp9Eo
明石「でも、建造ドックは全号機不備なんかなくて……」
金剛「明石整備上手。不備無」
明石「ならなおさら……」
金剛「戦艦棲姫、特殊電波送…………」
明石「(金剛さんの話を要約すると、こうだった……)」
明石「(例の戦艦棲姫が、ちょうど戦艦レシピで建造中だった一号機に特殊な電波を送ったら……深海棲艦の心を持った艦娘が誕生したと)」
明石「(そして何故金剛さんだったのかというと……偶然らしい)」
明石「(その艦娘の心を深海棲艦化させる電波の発信装置は、金剛さんを生み出した1回で壊れてしまい、また作り出すには少なくとも10年はかかるらしい)」
明石「(だから金剛さんみたいな裏切り者が続出する心配はないけど……結果として金剛さんは裏切った……)」
明石「(1人でも裏切り者がいたら、この鎮守府は……!)」
46: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 00:12:35.21 ID:WxnArp9Eo
金剛「一定期間、明石此処監禁。再来」
明石「あっ、ちょっと……待って!!」
ガララララ…………ガシャン
明石「(うぅ…………こんな使われてない倉庫に、誰も来ないし…………どうしよう……)」
・・・・・・
54: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 22:51:45.36 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~翌日朝・執務室~
提督「おっかしいなぁ…………おい比叡!ちょっと来てくれ!!」
比叡「なんですか司令ー」
提督「引出しにしまってた書類がごっそり無くなってるんだが……知らないか?」
比叡「ええっ!?だって司令、その引出しは鍵付きじゃないですか!」
提督「ああ…………どうしよう……ここから動かしたことないのに、なくしたってのか……?」アセアセ
比叡「…………司令、もしかして、誰かに盗まれたとか……」
提督「ええぇぇ!?ま、マジかよ……」
比叡「だってその場所は司令と秘書艦の私しか知りませんし……私も書類は触った覚えはないですから」
提督「うげえぇっ……重要書類を無くしたり盗まれるだなんて…………提督失格だなこりゃ……」
比叡「し、司令!元気出して!それにほら、こんなこともあろうかとコピーがありますし!」
提督「それは嬉しいんだが…………はぁ……上になんて説明しよう……とりあえず来月の定時報告でなんとか説明しなきゃなぁ……」
提督「はぁ…………」
比叡「司令…………元気出してください!あ、カレーでも作りましょうか!」
提督「いらん……」
55: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 22:52:58.77 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~工廠~
提督「あれ、明石の姿が見えないな…………寝坊か?」
金剛「提督ー」
提督「おう金剛。今日も出撃頼んだぞ」
金剛「私任!深海棲艦、全滅!」
提督「ははは、その意気だ」ポンポン
金剛「!?」
提督「どうした金剛……そんなに驚いて」
金剛「……私吃驚…………私頭、提督手乗……」ポケー
提督「あ、悪かったかな……この前みたいに時間と場所を弁えろって……」
金剛「!」
金剛「是!提督忘坊ーー!!」
提督「すまんすまん」ハハハ
56: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 22:53:53.70 ID:WxnArp9Eo
金剛「(不覚……私未未熟…………提督手、大……優……)」
金剛「!」ブンブン
金剛「(私心深海棲艦!鎮守府潰…………提督、殺!!)」
提督「あ、そうだ。ところで明石知らないか?ちょっと聞きたいことがあったんだが……」
金剛「明石?私不知」
提督「そうか……どこいったんだろ」
57: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 22:54:59.24 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~洋上~
榛名「当たってください!」ダァン!
リ級「」轟沈!
吹雪「やりましたね榛名さん!」
金剛「………………(忌々艦娘)」
霧島「ッ、金剛お姉さま!」
ル級「!」ダァン!
金剛「!?」
比叡「お姉さま!!」
ボォォォォン!!
58: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 22:57:19.52 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~港~
提督「金剛が被弾したって本当か!?」タッタッタ
比叡「あ、司令……」
金剛「……不覚」ボロッ 大破!
提督「金剛!」
金剛「提督?」
提督「大丈夫か!?金剛!」ダキッ
金剛「!!?」
提督「すまん……お前に怪我を負わせてしまうなんて……」
金剛「提督!心配無!!!」アセアセ
提督「練度的にまだあの海域はやっぱり無理があったな…………すまん」ギュウウ
金剛「理解、理解!提督抱擁放--!!」ジタバタ
59: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 23:06:44.87 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~執務室~
比叡「にしても驚きました。あんなにお姉さまのことを邪険にしてた司令が」
提督「…………喋り方はどうあれ、アイツも俺達の仲間だ……」
提督「心配くらいするさ」
比叡「ひえーそうなんですか……なんにしろ司令がお姉さまのことを受け入れてくれたようでなによりです!」
提督「(俺自身、驚くほどに金剛に対して仲間意識を抱いている…………)」
提督「ったく……初戦で活躍したからって、油断しすぎなんだよ」
60: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 23:15:40.98 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
~ドック~
金剛「…………」チャプッ
金剛「(提督…………)」
バケツ「」バシャーー
金剛「高速修復剤…………」
金剛「私心深海棲艦…………体、艦娘…………」
金剛「鎮守府潰、任務終了後…………私、何処行?」
金剛「深海?…………否……私艦娘……………不行深海……」
金剛「私…………何処行……」
61: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/22(金) 23:37:10.51 ID:WxnArp9Eo
・・・・・・
ガラララララ
金剛「明石、起?」
明石「う、うぅぅぅ…………」
金剛「食事…………置」カタッ
明石「金剛さん…………」
金剛「昼夜、二回食事置。暫此状況続」
明石「でも金剛さん……あなたは、どうするんですか」
明石「来週にはヴィッカースから正式に、ここに配属されるはずだった本当の金剛さんが来ます。あなたは――」
金剛「!」ガシッ
明石「う、ぐっ……!」
金剛「私偽物?……違、私金剛!」
明石「でも……あなたは深海棲艦に情報を渡す裏切り者です!このことを提督が知ったら……!」
金剛「煩!提督関係無!此鎮守府、私手壊滅……提督、殺……!」
明石「あなたにできるんですか?皆を裏切って、提督の命を奪うことが!」
金剛「可出来!簡単!」バッ
明石「うあっ」ドサッ
金剛「今提督殺行!」スタスタスタ
明石「金剛さん、待っ――」
ガララララ、ガラン
明石「クッ…………提督……気をつけて……!」
明石「私もなんとか脱出しないと…………」
62: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 00:31:02.96 ID:FOkEDbi5o
・・・・・・
~廊下~
金剛「(私心深海棲艦……私心深海棲艦……!)」カリカリ
金剛「(戦艦棲姫力、不要………私一人、鎮守府壊滅!)」カリカリ
ドンッ
金剛「!」
提督「あ、すまんぶつか…………金剛?どうした怖い顔して」
金剛「提督…………」
金剛「(提督顔見……心落着…………何故……)」
金剛「(今殺相手、目前居……周囲誰無。私達二人……)」
金剛「(殺機会…………今……!)」
63: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 00:31:54.20 ID:FOkEDbi5o
提督「どうした金剛黙っちゃって」
金剛「!?何無!」アセアセ
提督「そうか。それより時間が空いたら後で執務室に来い。話がある」
金剛「話?」
提督「ああ。大事な話だ。来てくれると嬉しい……」
提督「んじゃな」スタスタスタ
金剛「………………」
金剛「(不殺…………)」
64: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 00:39:24.02 ID:FOkEDbi5o
・・・・・・
明石「一応手足は自由……でも片足を柱に鎖と錠でつながれてる状態……」
明石「金剛さんが置いてった食器の割箸を爪や歯で削って……ピッキング用具風に形造って…………………」ガリガリ
明石「よし、鍵穴に入れて……」ガサゴソ
明石「中で折れたりしないでよーなんとか開いてよー……!」
・・・・・・
~執務室~
コンコンコン
「提督、金剛来!」
提督「よし、入っていいぞ」
ガチャッ
金剛「失礼」
金剛「(部屋中提督一人……)」
65: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 00:46:01.65 ID:FOkEDbi5o
提督「話というのは……今までのことだ」
金剛「?」
提督「今まで俺はお前を、変な喋り方だと邪険に扱ってきた…………済まなかった」ペコリ
金剛「提督!何故謝罪!?」
提督「お前は立派なウチの艦娘であり、仲間だ。皆がお前を認める中、俺だけがお前を認めない訳にはいかない」
提督「だからこれからも、よろしく頼む」
金剛「提督……!」
提督「お前の喋り方だが……それはそれで個性なのかもしれないしな」ハハハ
提督「それにヴィッカースが来週送るとか言っていた金剛も、来るかどうか分からないし、お前がいるから」
金剛「………………」
提督「まだ改にも遠いからな……頑張って一緒に練度を上げよう」
金剛「提督…………」グスッ
提督「お、おい……何故泣く」
金剛「理由、不理解……私…………私…………」ポロポロ
66: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 00:50:54.82 ID:FOkEDbi5o
金剛「(何故…………涙出)」
金剛「(提督、私受入、嬉?)」
金剛「(私中『金剛』……提督、好……愛、惚)」
金剛「(愚私……提督……殺、不可能)」
・・・・・・
明石「………………」
明石「当然と言えば当然だけど…………」
明石「細くした割箸は脆く、すぐに折れた…………」
明石「うわあぁぁぁんここから出してえぇぇ!!」ジタバタ
67: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/23(土) 01:16:59.02 ID:FOkEDbi5o
・・・・・・
金剛「提督…………謝謝」
提督「(そこも中国語か)」
提督「金剛…………」
金剛「(私提督好…………駄目)」
金剛「(体艦娘…………心、深海棲艦)」
金剛「(心、提督好不許可)」
金剛「(私、如何………………)」
71: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 01:54:52.06 ID:FksTr34yo
提督「さて、仲直りの記念にティータイムにでもするか?お前の好きな紅茶を淹れてやる」
金剛「紅茶!?提督最高ーーー!!」
提督「はははは、比叡達も呼ぶか」
金剛「私、菓子作-!」
提督「じゃあ中庭にレッツゴーだ!」
・・・・・・
~中庭~
提督「テーブルに椅子……こんなもんか」
榛名「提督、テーブルクロスを忘れています」
提督「おっと、すまんな」
榛名「いえ!」
霧島「私の計算によると、あと3、4分もすれば金剛お姉さまがクッキーをひっさげてやってくるかと」
比叡「お姉さまの手作りクッキー!楽しみ~!」
72: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 01:58:54.58 ID:FksTr34yo
金剛「皆ー!私準備完了ー!!」タッタッタ
比叡「お姉さまー!」
霧島「後ろの方々は?」
金剛「茶時間、一緒楽!」
赤城「クッキーが食べられると聞いて!」
加賀「ここは譲れないっちゃ」モシャモシャ
島風「なんかいい匂いー私も食べるー!」
吹雪「えーっと……なんか、皆楽しそうなので」エヘヘ
提督「こりゃもっと大きなテーブルが要るな」
霧島「ご安心を。この霧島、大きなテーブルを用意しました」デン
提督「いつの間に…………」
金剛「菓子沢山焼!皆分足!!」
74: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:03:40.11 ID:FksTr34yo
提督「んじゃ、ティータイム……お茶会を始めようか!」
一同「はーーーい!」
比叡「かんぱーい!」
榛名「お姉さま…………そこは乾杯じゃないですよ……」
金剛「私作菓子超絶美味~!」
提督「おいおい自惚れすぎだろ…………まぁ美味いけど」
赤城「紅茶もたまには美味しいですね」
加賀「いつも緑茶でしたものね」モッシャモッシャ
吹雪「(考えてみればこの面子、戦艦や正規空母の先輩達ばかりで……私だけ場違い!?)」ガタガタ
霧島「吹雪ちゃんも遠慮しなくていいのよ」
吹雪「は、ひゃい!」
75: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:08:16.49 ID:FksTr34yo
提督「(たまにはこうして皆とお茶ってのもいいもんだな…………あ、そうだ)」
提督「そういえば皆、明石見なかったか?今日ずっと姿を見てないんだ」
一同「明石さん?」
榛名「私は見てないですね……」
比叡「わふぁふぃほひへはいへふ!!」
霧島「お姉さま、物を食べたまま喋るのは…………私も見てないです」
赤城「工廠に居ないのなら……私も見当がつけられませんね」
加賀「分かりません」
提督「そうか……皆知らないか」
吹雪「うーーーん…………」
提督「どうした?吹雪」
吹雪「いえ、見間違いならいいんですけど……昨日の夜、ふと目が覚めてトイレに行こうとした時のことを思い出して……」
提督「今は怪談の場じゃないぞ」
吹雪「違いますよ!」
76: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:13:04.63 ID:FksTr34yo
吹雪「廊下の窓から港を見たら、ピンク髪の女の人がどこかに走っていくのを見たんです」
提督「ピンク髪……春雨か?」
吹雪「いえ。あの納豆袋の端っこみたいな髪型は明石さんでした」
榛名「ということは、明石さんは昨日の夜中に……どこかに行ってしまった?」
比叡「ひえぇぇ……いつのまにホラーに……」ガクブル
金剛「…………」
提督「ということは、明石はこの鎮守府に居ない可能性もあるってことか」
赤城「でも、鎮守府の外に行くには、外出許可証が要るはずじゃ……」
加賀「……脱走とか…………」
一同「脱走!?」
77: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:19:49.43 ID:FksTr34yo
提督「脱走か…………だが明石に限ってそんな……」
加賀「理由は様々……提督、心当たりはありませんか?」
提督「アイツは俺が着任した時からの古株だ。ずっとアイテム屋で頑張っててくれたし、出撃できるようになってからは、ヒーラーとして役に立ってくれてた」
提督「ただアイツの反応が面白くて、1辛のカレーを17辛とすりかえたり、奴のパフェを麻婆豆腐味にしたり、突然アイツの周りで皆でインド映画みたいに踊ったりしただけで……脱走されるような謂れはないな……」
赤城「(ああ、アレ……)」
加賀「(皆で踊ったアレね……結構楽しかった)」
吹雪「うーん……じゃあ一体どこに……」
金剛「皆ー!辛気臭-!!今茶時間!皆楽話題喋ーーー!!」
提督「金剛…………そうだな、せっかくのお茶会だもんな」
比叡「流石お姉さま……場をまとめるのが上手いですねぇぇー!!」
提督「明石については、俺も探す。皆も奴を見かけたら教えてくれ」
一同「はーい!」
78: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:24:52.43 ID:FksTr34yo
・・・・・・
明石「You are my ソウ!ソウ!いーつもすぐ傍にある!」
明石「ゆずーれーないよ!誰も邪魔できない!」
明石「体中に風を集めて、ときはーなーて!A・KA・SHI!A・KA・SHI!フォーリーム」
明石「ありがとー武道館!!!!!」イエーイ
ガラララララ
金剛「…………明石?」
明石「なんでしょうか。私は何もしてませんよ?」
金剛「食事、置」コトッ
明石「ああ……もう昼時でしたか…………」
金剛「明石、歌上手」
明石「」
79: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:31:07.64 ID:FksTr34yo
金剛「明石、人気者」
明石「え、私が?御冗談」
金剛「私、提督誘茶時間。皆一緒過」
明石「へーへー良かったですね」
金剛「提督、明石話題出」
明石「えっ?」
金剛「皆、明石心配…………明石、人気者」
明石「そんなこと言ったら、金剛さんの方が人気者ですよ」
金剛「私?」
明石「提督に誘われたんでしょう?ってことは、あなたは提督に仲間として認められた……違いますか?」
金剛「……」
明石「それなら、あなたは立派な鎮守府の仲間です」
金剛「違……私、深海棲艦」
明石「なら、ここと深海……どっちが過ごしやすいですか?」
金剛「此処、深海…………」
明石「あなたにとって居心地が良いのは、どっちですか?」
金剛「何方…………」
80: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:40:02.79 ID:FksTr34yo
金剛「(深海…………暗、冷……光不届…………)」
金剛「(此処…………明、暖……光常有…………)」
金剛「(居心地……此処素晴…………深海、辛…………)」
金剛「…………駄目」
明石「?」
金剛「私深海棲艦……此処、居駄目」
明石「金剛さん!!」
金剛「再来……」
ガラララララ ガシャン
明石「意地を張りすぎよ………金剛さん……!」
明石「ここに居たいなら、居たいって言えばいいのに……」
明石「あなたは、艦娘なんだから……」
81: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:44:15.45 ID:FksTr34yo
・・・・・・
~夜・金剛型の部屋~
榛名「榛名……大丈夫…………れす……」Zzz
比叡「ひ……………………えぇ……」Zzz
霧島「メ……………………ガネ……」Zzz
金剛「…………」ムクリ
ガチャッ バタン
・・・・・・
~港・物陰~
戦艦「来タカ……」
金剛「……」
82: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:50:04.94 ID:FksTr34yo
戦艦「重要書類ハ?」
金剛「提督、書類場所変……」
戦艦「見ツカラナイ、カ…………ナラ、作戦変更ダ」
金剛「作戦、変更?」
戦艦「コノ鎮守府ヲ潰ス手引キヲ、シロ」
戦艦「オ前ガコノ鎮守府ノレーダーヤ通信設備ヲ破壊シタ後ニ、我々ノ艦隊ガコノ鎮守府ニ攻メ込ム」
戦艦「艦娘共ハ我々ノ接近ニ気付カヌママ、死ヲ迎エルノダ…………」フフフ
金剛「了解。明日昼……作戦決行」
戦艦「ヤル気ダナ……期待シテイル」
金剛「………………」
83: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 02:59:20.77 ID:FksTr34yo
・・・・・・
金剛「………………」
金剛「…………私深海棲艦……鎮守府壊滅、本来役割……」
<<明石「金剛さん!!」>>
金剛「……」ズキン
<<比叡「お姉さまー!」>>
<<榛名「榛名、感激です!」>>
<<霧島「マイクチェックしましょう、お姉さま!」>>
<<赤城「え、お茶会!?クッキー!!!?」>>
<<加賀「赤城さんを守ってくれて、ありがとうござます」>>
<<吹雪「金剛さんのクッキー、とっても美味しいです!」>>
<<島風「今度はかけっこ負けないから!」>>
金剛「…………!」ズキズキ
84: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 03:02:30.00 ID:FksTr34yo
<<提督「金剛……」ニコッ>>
金剛「提督…………」
提督「こんな所にいたのか、金剛」
金剛「!!?」
提督「…………」
金剛「提督、何故……」
提督「吹雪の話を聞いて、深夜の港なら明石がいるかもと思ってな……だが、いたのはお前だった」
金剛「………………」
提督「今の会話は聞かせてもらった…………お前……深海棲艦側のスパイだったのか?」
金剛「…………………………是」
91: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:03:14.57 ID:FksTr34yo
提督「昨日、俺の部屋から書類が消えていた…………お前が?」
金剛「是」
提督「何でそんなことを……と言いたいが、既に聞いちゃったからな」
提督「お前は深海棲艦に俺達の大事な情報を流し、この鎮守府に未曾有の危機をもたらそうとしている……看過できん」
金剛「可笑…………」クスッ
提督「なに?」
金剛「何故提督一人来?護衛無…………死」ジャキン
提督「………………」
金剛「……涼顔……死怖無?」
提督「怖いさ。お前自慢の主砲を向けられて怖くないわけがない」
提督「だが、俺はお前を止めなくちゃならない」
92: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:04:33.53 ID:FksTr34yo
提督「ここは俺だけじゃない、他の艦娘の仲間だって暮らしている……そして引いては、ここは人類の防衛線なんだ。責任者として、みすみす破られるわけにはいかないんでね」
金剛「承知上、私皆破滅」
提督「その皆には、お前を慕う姉妹達も含まれているんだぞ!」
金剛「関係無!!私、深海棲艦!!役割果!!!」
提督「金剛…………お前は艦娘だ。心はどうあれ、ウチの建造ドックで建造された立派な艦娘なんだ」
提督「資材だってバーナーだって、ウチのだ。お前は深海棲艦なんかじゃないよ」
金剛「何言無駄!私心深海棲艦!人類滅亡望!!」
提督「心は深海棲艦でも、体は艦娘だろうが!考え直してくれ!今ならまだ間に合う。艦娘として生きろ!」
金剛「嫌!!!!!」
金剛「馬鹿意地張続…………意味無。大人、死!」
提督「馬鹿な意地を張ってるのはどっちだ!金剛、俺はお前が好きだ!」
金剛「!?」ドキッ
93: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:06:48.16 ID:FksTr34yo
提督「俺だけじゃない。比叡や皆だって…………この鎮守府の仲間として、お前の事が好きなんだ」
金剛「………………」
提督「戻ってこい…………俺達は、お前を受け入れるよ」
金剛「受入……?可笑!深海凄艦受入鎮守府……何処無!」
提督「だから俺達が受け入れるんだよ!どこにも無いなら、俺達が最初だ!」
金剛「嫌、嫌嫌嫌!深海棲艦人類敵!皆、私攻撃仕掛!!」
提督「仲間に攻撃する奴なんているわけないだろう!」
金剛「……!」ビクッ
提督「お前は艦娘と深海棲艦、どっちでいたいんだ!?金剛!!」
金剛「(当前即決………私、深海棲艦……………………否)」
金剛「(私、艦娘………………私、『金剛』……艦娘生活、捨無理……)」
94: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:08:10.24 ID:FksTr34yo
提督「金剛……………………大丈夫だ。また皆でお茶を飲んだりはしゃいだりしよう。それだけでも楽しいんだぜ」
金剛「……!…………!」
提督「お前を改にするまでもう少しなんだ……ゆくゆくは改二にもしたい。それにはお前がずっとここに居てくれなくちゃできないんだ」
金剛「私…………此処……」ポロポロ
提督「ああ……お前は艦娘として生きることができる」
金剛「艦娘…………生……」
金剛「(私…………許可受……艦娘生…………嬉)」
金剛「(私、不深海棲艦…………私、艦娘……!)」
金剛「………………提督」ニコッ
提督「金剛!」
金剛「私、提督好…………恋愛的意味」ダキッ
提督「えっ……!」
金剛「明石、其処倉庫監禁中。彼女全部知」
提督「明石が!?無事だったのか……」ホッ
金剛「提督……………………対不起[ごめんなさい]……」
提督「いいんだ……お前が戻って来てくれればそれで……」
金剛「違……」フルフル
提督「違うって、どういう…………」
ガスッ!
95: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:10:33.56 ID:FksTr34yo
提督「がっ……!あっ…………!!」ドサッ
提督「(ボディブロー!入りが甘かったせいか気絶は免れたが、痛ぇ……!)」
金剛「私、此処出」
提督「なっ、どうし、て……!」
金剛「提督私受入……皆仲間入…………超絶嬉」
金剛「故、迷惑掛、嫌」
金剛「私深海棲艦。本当住処、帰」クルッ
提督「待て……金剛!行くな……!」
金剛「提督…………………………………………………………再見[サヨウナラ]」
96: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:17:02.64 ID:FksTr34yo
・・・・・・
明石「ングゴゴゴゴゴゴゴゴ…………」Zzz
明石「グガアアアアアアアァァァ…………」Zzz
明石「ムニャムニャ……もっこりゴリラ……」Zzz
ガラララララ
提督「明石!」
明石「一発で、眉間をブチ抜いてやる……古い付き合いだ……苦しませたかぁねぇ!」Zzz
提督「明石起きろ起きろ!!一大事だ起きろ!!!!!」ペチペチ
明石「野郎ブッ………………」パチッ
明石「あれ、提督……?」
提督「よかった…………無事だったみたいだな」ホッ
明石「うわああぁぁぁぁん提督うううぅぅぅ!!!!」ガシッ
明石「怖かったですうぅぅぅぅ!!!!」
提督「(にしてはよく寝てたが……)」
98: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:21:50.65 ID:FksTr34yo
提督「それよりも、何故ここに閉じ込められていたんだ?」
明石「それが…………金剛さんに…………」
提督「なるほどな……お前も金剛が深海棲艦だと」
明石「ということは、提督も!?」
提督「ああ。俺も金剛が深海棲艦と密会してるのを見たよ。しかも重要な書類を奪われたって…………」
明石「あ、その書類ですけど……」
提督「え?」
・・・・・・
提督「マジか!いやあぁぁぁぁよくやった明石!!!!!!」
明石「これでも人類を守る艦娘ですから……当然のことをしたまでです」
提督「お前は俺の命の恩人だ!困ったことがあったら何でも言ってくれ!!」
提督「(ヤッホー!!これで比叡と明石に口止めすれば書類紛失の事実を揉み消せて会議に呼ばれるなんてこともないぞ!!)」
100: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:35:39.43 ID:FksTr34yo
明石「金剛さんはどこに?」
提督「それが、ここから出て行くと言ったきり……」
明石「そうなんですか…………」
提督「だが今はそれよりも重要な事がある…………明日の朝一番で俺が言う連中を叩き起こして執務室に集めろ」
明石「何が始まるんです?」
提督「………………」
明石「言ってくださいよ!!」
101: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/24(日) 23:53:51.63 ID:FksTr34yo
・・・・・・
~朝・執務室~
提督「全員揃ったな?」
明石「はい。皆を叩き起こしてきました」
比叡「司令!!!!!!!!!!!朝起きたらお姉さまがいません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
榛名「榛名は早起きでも大丈夫です!」
霧島「ふあぁぁ……眠い……」
赤城「朝ご飯にはまだ早いですよ……」
加賀「まったくです」モグモグ
島風「私は起きてたよ!寝るのも起きるのも速いから!」
吹雪「あの司令官……これは一体?」
提督「ああ…………これはお前らにだけ話すことだが……」
102: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 00:01:49.24 ID:YqYlu/hXo
提督「(俺と明石は、皆に金剛に関する全ての事を話した)」
一同「ええぇぇ!!?」
榛名「こ、金剛お姉さまが……!」
霧島「深海棲艦……!?」
比叡「そんな……嘘だあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
提督「嘘じゃない。現に明石は昨晩まで倉庫に監禁されていた」
明石「辛かったっす」
赤城「あ、明石さんいたんですか」
加賀「まるで忍者の如く……」
明石「いましたよ!!存在感無いみたいに言わないでください!!」
103: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 00:33:01.33 ID:YqYlu/hXo
提督「そこでお前達に頼みがある……今日の昼に鎮守府に襲来する深海棲艦の艦隊を迎撃してほしい」
赤城「深海棲艦の艦隊…………」
加賀「金剛さんに通信設備やレーダーを破壊されていたら、お陀仏でしたね」
明石「とりあえず連絡室は封鎖してセキュリティも厳重にしましたから、例え金剛さんが忍び込んで来ても破壊できません!」
霧島「しかし、そんな連中が攻めてくるなら警戒警報を鳴らしては?」
提督「いや、この事はあんまり大事にしたくない」
提督「この事を大本営が知ったら、金剛はどうなる?深海棲艦の心を持った艦娘なんて、例え俺達のもとに帰って来て、俺達が金剛を受け入れても……事情を知らない皆や上は金剛を放っておかないだろう」
吹雪「それは、否めないかも……」
提督「だからこの事は金剛ととりわけ仲が良かったお前らを見込んで頼んでいる」
提督「金剛は艦娘として生きると言ってくれた。その言葉を俺は信じたい」
島風「でも、それなのに何で出てっちゃったの?」
提督「分からん……アイツが何をしたいのか…………だがアイツは俺達の仲間だ。仲間を信じたい」
提督「頼む。金剛の為に、力を貸してくれ」
一同「…………」
104: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 00:45:07.75 ID:YqYlu/hXo
比叡「ま、考えるまでもありません!」
榛名「榛名は大丈夫です!」
霧島「心がどうであれ、お姉さまですから」
赤城「そうですね……提督がそこまで言うなら、信じます」
加賀「私も協力します」
吹雪「わ、私も!……お役に立てるかどうか分かりませんけど……」
島風「金剛さんとまたかけっこする約束したし!」
提督「お前ら…………恩に着る!」
提督「編成を申し渡す。比叡を旗艦として榛名、霧島、赤城、加賀……お前達は深海棲艦の艦隊を迎え撃て」
比叡「了解!」
提督「吹雪と島風は鎮守府近海を捜索。金剛がまだ近くにいるかもしれない」
吹雪「はい!」
島風「はーい」
105: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 00:59:56.35 ID:YqYlu/hXo
明石「ですが提督、艦隊戦となると流石に隠し切れませんよ……」
提督「そこは出撃中に鉢合わせたとかでいくらもシナリオが書けるさ」
提督「出撃は今日の昼……頼んだぞ」
一同「ハッ!!」
・・・・・・
~昼前・鎮守府近海~
ザアアァァァァァァァァァ……
戦艦「フフフ……遂ニコノ時ガ来タ…………忌々シイ艦娘ト、ソノ本拠地!コノ手デ滅ボシテヤル……」
戦艦「戦力モ足リテイル……駆逐、軽巡、雷巡、重巡、戦艦…………空母ハ呼ベナカッタガ、計40隻……コレデ奴ラノ不意ヲ突ケバ……」ククク
戦艦「ソロソロ奴ラノレーダーニ捉エラレル……ココデ進軍停止ダ」
戦艦「ダガ奴カラノ連絡ガ無イナ…………シクジッタカ……?」
106: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:03:25.74 ID:YqYlu/hXo
金剛「…………」ザアアァァー
戦艦「アレハ…………オイ貴様、何故コンナトコロニイル?鎮守府ノ設備破壊ハドウシタ」
金剛「………………気変」
戦艦「ナニ?」
ダァン!!
イ級「」轟沈!
戦艦「ッ!?」
金剛「私、艦娘『金剛』…………深海棲艦、敵!!」ジャキン
戦艦「貴様ァァ!裏切ッタノカ!」
金剛「此処貴女達全部沈!!」ダァン
107: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:06:51.38 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
明石「て、提督!レーダーに反応!!」
提督「なんだ!?」
明石「鎮守府近海にて、多数の深海棲艦の信号をキャッチ!それに、その中に……」
提督「…………まさか……金剛……!」
明石「どうやら戦闘中のようです!!」
提督「クッ、比叡達は出撃!吹雪と島風は戦いのドサクサに紛れて金剛の奪還をさせろ!」
明石「了解!」
108: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:12:22.94 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
戦艦「貴様、何故裏切ッタ!1度鎮守府ヲ裏切ッタ分際デ!」
金剛「私最低、裏切者。不許」
金剛「故、皆迷惑掛、贖罪!」ダァン!
ル級「!?」轟沈!
金剛「(良!雑魚一撃倒!)」
金剛「(問題、戦艦棲姫…………装甲硬…………)」
戦艦「エエイ、所詮貴様モ忌々シイ艦娘カ!コウナッタラ私自ラ引導ヲ渡シテヤル!」ジャキン
金剛「(来!回避運動……!)」
戦艦「オ前達、動キヲ封ジロ!」
チ級「」ガシッ
リ級「」ガシッ
金剛「!?邪魔……!」
戦艦「隙ガ生マレタナ」
ダァン!
109: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:18:24.99 ID:YqYlu/hXo
金剛「……!」大破!
戦艦「フッ、練度モ十分デナイクセニ、イキガルカラダ」
金剛「…………」ガクッ
戦艦「トドメハ誰ガ刺スカナ?」
リ級「!」ジャキン
金剛「………………」
戦艦「終ワリカ……アッケナカッタナ…………」
ダァン!
リ級「!?」大破!
戦艦「………………ホウ」
金剛「……私、諦悪」ボロッ
金剛「最後迄、戦!!」
戦艦「果タシテ窮鼠ハ猫ヲ噛メルカナ?フフフ……」
金剛「(戦艦棲姫、強…………他狙!)」ダァン!
イ級「」轟沈!
戦艦「周リノヲ先ニ狙ウ作戦カ……」
110: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:26:07.62 ID:YqYlu/hXo
金剛「全砲門、発射!!」ダァンダァン!
ロ級「」轟沈!
ル級「」中破!
金剛「……!」ダァン!!
チ級「」大破!
リ級「」小破!
金剛「!」
戦艦「所詮ハ大破シタ身ダ……撃チ漏ラシモ多クナッテキタナ。イツマデ戦エルカナ?」
金剛「当然……死迄!!」
金剛「(勝……!提督役立!)」ダァン!ダァン!
金剛「(提督、守!!)」ダァン!
戦艦「随分頑張ルジャナイカ…………用意シタ艦ガ沢山沈ンダゾ」
金剛「貴女、其等仲間入!!」ダァン!
戦艦「大破シタ艦娘ノ砲撃ナド……通用センナ……」
金剛「……!」
111: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:33:54.30 ID:YqYlu/hXo
リ級「!」ダァン!
金剛「危!」ヒョイッ
戦艦「回避モ精一杯ニナッテキタナ……」
金剛「…………」ゼェゼェ
金剛「!」ダァン!
ル級「」轟沈!
戦艦「ソロソロ、トドメヲ刺シテヤロウ……私ノ手デナ……」ジャキン
金剛「!」
戦艦「サラバダ」
ダァン!
金剛「(回避…………無理、脚……動、止)」
金剛「(此処迄………………)」
ドォン!!
戦艦「命中…………致命傷カナ?」
金剛「…………」グラッ
金剛「……」ブクブクブク
戦艦「フフフ…………沈ミナサイ、暗イ海ノ底ヘト……」
112: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:37:34.26 ID:YqYlu/hXo
金剛「(沈…………体、不動…………)」
金剛「(私、死……?)」
金剛「(未、深海棲艦…………居)」
金剛「(死嫌……嫌、死、駄目…………)」
金剛「(願……体、動……)」
金剛「(提督………………………………………………)」
113: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:50:34.13 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
~夕方・港~
金剛「………………!」ハッ
榛名「あ、気付きました!!」
比叡「お姉さまああああぁあぁぁっぁぁぁ!!!!!!」ダキッ
金剛「比叡…………?」
霧島「よかった…………目を覚ましたのですね」
金剛「皆…………何故……?」
赤城「金剛さんが沈み切る前に、間一髪で引き上げることができたんです」
加賀「私達の力で引き上げた後は、吹雪さんと島風さんが安全圏まで退避させ、私達は戦闘へ」
金剛「戦闘…………!」
吹雪「あ、金剛さん!無理に起き上がらないでください!」
島風「…………」
比叡「お姉さま、また会えて嬉しいです……!」ボロッ 大破
榛名「榛名、感激です!」ボロッ 中破
霧島「ええ……あの深海棲艦の群れと対峙した時は驚きましたが」ボロッ 中破
赤城「でも戦艦棲姫を含めた艦隊を全て倒すことができました」ボロッ 中破
加賀「金剛さんも引き上げられたしね……」ボロッ 小破
114: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 01:54:24.07 ID:YqYlu/hXo
金剛「戦艦棲姫、倒……?」
霧島「はい。トドメは比叡お姉さまの怒りの主砲一斉射が」
比叡「私、頑張りました!」
金剛「倒…………良」ホッ
金剛「(鎮守府、無事…………提督…………)」
提督「金剛ーーーーーー!」タッタッタ
明石「金剛さーん!!」タッタッタ
金剛「提督…………」
提督「よかった……ホントに、お前が無事で……!」
一同「………………」
115: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:01:06.32 ID:YqYlu/hXo
提督「どうしたお前ら、金剛が無事だったんだぞ!もっと喜べよ!」
榛名「……あ、あの、提督……」
赤城「…………」
吹雪「……」グスッ
提督「お、おいどうしたんだよ!皆黙り込んで」
金剛「提督…………」
提督「金剛、お前からもこの薄情者たちに言ってやれ。無事だったからもっと喜べって」
金剛「私…………無事……違」フルフル
提督「ッ……!?」
金剛「戦艦棲姫攻撃……致命傷…………私、間無、死…………」
提督「……はは、おい。こういう時に冗談言うのはよせよ……」
霧島「司令、本当ですよ……お姉さまの体、もう……生きてるだけで不思議なくらいだって……」
提督「お前には聞いてない!」
提督「なぁ嘘だろ?お前、現に生きて……」
金剛「…………」フルフル
金剛「本当」
提督「ッ!」
116: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:10:53.13 ID:YqYlu/hXo
比叡「え、霧島……嘘でしょ?だってお姉さま……」
霧島「比叡お姉さま…………」
比叡「だって、生きてるじゃない!バケツ使えばまだ間に合う!!」
提督「そうだ、バケツ!高速修復剤持ってこい!!」
一同「…………」
提督「どうした早く持ってこい!」
赤城「提督、高速修復剤はケガをした艦娘を治す物です。しかし…………」
加賀「既に死んでしまった艦娘には、使えない」
提督「金剛は死んでないだろ!」
明石「既に色んな機関が停止してます……十分轟沈判定です……」
提督「なぁ明石、お前にならいい考えがあるんじゃないのか!?」ガシッ
明石「…………」
提督「だって、俺達の仲間が死にそうなんだぞ!助けてやれる方法は無いのか!?」
一同「………………」
比叡「そんな…………お姉さま……う、ぐっ……ひぐっ……うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」
吹雪「ぅ、うあぁぁぁぁぁん!!」ポロポロ
島風「…………」ポロポロ
117: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:17:46.54 ID:YqYlu/hXo
提督「じゃあ、金剛は…………本当に…………」
金剛「…………是」ニコッ
提督「そんな…………!」
明石「………………提督、ひとつ」
提督「なんだ!」
明石「……ひとつだけ、金剛さんを死なせない方法があります」
一同「ッ!?」
提督「そ、それは本当か明石!?」
比叡「本当なの!?」
明石「はい…………成功するかどうかは極めて低いと思いますが……試してみる価値はあるかと」
提督「それって、どうするんだ?」
明石「実は…………」
118: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:21:50.87 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
提督「――――そんなんで、金剛を……?」
明石「はい。ですがこれには、本人の意思を尊重したく思います……」
明石「実行すれば最後、ここにいる金剛さんはどちらにしろ消えてしまうのですから……」
提督「金剛……」
金剛「………………明石、其実行……私、提督役立?」
明石「ええ。成功すれば」
金剛「…………私、許可」
提督「ッ、いいのか金剛!?お前…………」
金剛「提督役立……嬉」ニコッ
明石「……わかりました。では時間もありませんし、早速準備にかかりましょう」
119: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:26:48.66 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
~工廠~
明石「体のほとんどがやられてますから、素材化には手間取りますが……そこはなんとかやってみせます!」
提督「頼んだぞ、明石」
明石「はい!」
明石「提督、金剛さんは今ベッドで横になっています。おそらく最期になりますよ……」
提督「……そうか…………じゃあ、ちょっと2人にしてくれるか?」
明石「分かりました」
120: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:29:13.99 ID:YqYlu/hXo
提督「…………金剛」
金剛「提督、対不起[ごめんなさい]……私、提督裏切」
提督「いいんだ。こうしてちゃんと俺の所に戻って来てくれたじゃないか」
金剛「……私、再会嬉」ニコッ
提督「俺もだよ」
金剛「提督……多分、此最後会話機会。一質問、許可?」
提督「ああ。何でも聞いてくれ」
金剛「提督、私事…………好?」
提督「勿論大好きだ」
金剛「其、仲間的意味?恋愛的意味?」
提督「…………」
金剛「……無理答必要無」
提督「いや、答えるよ」
金剛「!」
121: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:33:43.45 ID:YqYlu/hXo
提督「ハッキリ言って最初はお前の事が嫌いだった」
金剛「…………」
提督「でも、徐々にそれは無くなっていって……仲間として好きになった」
金剛「嬉」
提督「そして今……俺はお前を失うのが嫌だ…………」
金剛「………………」
提督「もしかしたら、俺はお前の事を……恋として、好きだったのかもしれないな」
金剛「…………了解」
金剛「提督、顔寄」
提督「ん?こうか?」
金剛「良」スッ
チュッ
提督「…………」
金剛「大丈夫……私、嬉。提督最期見…………安心」
提督「…………」ポロポロ
金剛「提督……大好」
提督「ああ…………俺も、大好きだ…………」
金剛「私情熱愛、提督届?」
提督「ああ……ちゃんと届いてるよ…………」
金剛「良!」ニコッ
122: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:38:17.10 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
明石「では、始めます」
提督「ああ…………」
比叡「うぅぅぅ……お姉さまぁ…………金剛お姉さまああぁぁ……」グスグス
一同「……」ウルウル
金剛「皆、泣顔不似合。笑」
榛名「お姉さま……」
赤城「金剛さん…………」
金剛「大丈夫。私、大丈夫」
金剛「皆……再見[じゃあね]」
明石「作業開始」ポチッ
・・・・・・
123: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:42:33.61 ID:YqYlu/hXo
~1週間後~
比叡「司令、新しい妹……もしくは、お姉さまが着任しました!」
提督「ああ……そういや今日だったな」
比叡「またまた~カレンダーに丸を書いてたのは見逃しませんよ~?」
提督「バッ、誰にも言うなよ!」
・・・・・・
【金剛が鎮守府に着任しました!】
金剛「英国で生まれた帰国子女の金剛デース!よろしくお願いしマース!!」
提督「おう、お前がヴィッカースから送られてきた金剛か!」
比叡「…………」
金剛「Yes!私の活躍、目を離しちゃNoなんだからネ!」
124: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:47:06.98 ID:YqYlu/hXo
提督「早速だが金剛、お前には近代化改修を受けてもらう」
金剛「Wow!これは、提督の私へのアツい期待と捉えていいんデスかー!?」
提督「ああ。お前には期待しているぞ」
明石「金剛さん、こっちです」
・・・・・・
明石「このマシンの中に入ってください。合成素材と合わせて近代化改修をしますので」
金剛「着任早々強くなれるのは嬉しいネ!」
明石「じゃあ、始めますよ」
ウィーン、ガシャン
明石「苦しくないですかー?」
金剛「Yes、OKデース」
明石「じゃあ近代化改修、始め!」ポチッ
125: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:54:39.44 ID:YqYlu/hXo
金剛「(フフフ、強くなって私の本当の実力を見せてあげるネ!)」
金剛「(そうすれば、また提督や鎮守府を守ってあげられマース!)」
金剛「(………………『また?』)」
金剛「(変デスネ……なんか、段々…………色々と頭の中に……)」
金剛「(これは…………私?)」
「金剛」
金剛「What!?」
「頑張、金剛」
「此処皆優。提督良人……大丈夫」
金剛「…………Understand」
金剛「ありがとネ」
【近代化改修成功!】
【火力が3上がりました!】
【対空が1上がりました!】
【装甲が3上がりました!】
126: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 02:58:33.00 ID:YqYlu/hXo
・・・・・・
明石「近代化改修……成功です!」
提督「やった!!」
比叡「お姉さま!」
ウィーン……
金剛「…………」パチッ
提督「どうだ、調子は」
金剛「絶好調デース!またよろしくネ、提督!」
提督「『また』…………って、お前……!」
金剛「なんか、『私』が色々教えてくれたネ。提督や皆のこと」
提督「ってことは……お前……」
金剛「Yes!私はこの前の金剛でもありマース!」
金剛「だから、こんなこともできるヨー!」グイッ
提督「え、おわっ!」
チュッ
比叡「!!!!!?!?!???!?!?」
明石「はぁ……」
127: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 03:03:40.42 ID:YqYlu/hXo
金剛「せっかくだから他の姉妹や赤城達にも挨拶したいデース!」
比叡「うわああああぁぁぁああぁぁお姉さまのファーストキスがあああぁぁぁぁ!!!!!」ビエエエェェェン
提督「じゃあまずは皆に紹介するか!」
金剛「あ、その前に」
提督「?」
金剛「提督、私紅茶が飲みたいネー。あとバーニングラブも受け取ってくだサーイ!!」
128: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 03:12:29.72 ID:YqYlu/hXo
提督「(その後俺達は金剛型4姉妹に助けられ、海域を続々突破。制海権奪還への足がかりをつかんだ)」
提督「(先週の戦艦棲姫による襲撃未遂だが、なんとか出撃直後に鉢合わせたということにした。お蔭で前の金剛を公的記録から抹消する必要があったが)」
提督「(重要書類を深海側に流されそうになったのも、証拠が無いとして上層部には内緒にしている。ま、これくらいはいいよな…………いいよな?)」
・・・・・・
金剛「提督ゥー!クッキーが焼けたネー!」
赤城「クッキーと聞いて!」
加賀「馳せ参じました」モグモグ
霧島「テーブルの準備もOKです!」
比叡「気合、入れて、クッキー運びます!」
榛名「紅茶は榛名が淹れました!」
吹雪「わ、私も手伝いました!」
島風「なんか良い匂いー!私も食べるー!」
明石「私も食べますからね!残しといてくださいよ!」
提督「さーて、今日もお茶会するか!」
~Fin~
129: ◆IPYIJYmMYgAf 2015/05/25(月) 03:17:32.67 ID:YqYlu/hXo
あと数回の更新と言ったな。アレは嘘だ(1回で終わった)
読んでいただきありがとうございました 正直シリアス展開になったのには俺が一番驚いている
口調の元ネタは「出、出出~」系だけど風神って言われてクソ懐かしい気持ちになると同時にFF8やりたくなった
だがチャイカってなんだろうとずっと思ってた
それでは依頼出してきます ではまたいつか
130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 03:23:47.30 ID:+jPr7tNFo
面白かった。
ちょっちウルっと来た。
王道展開良かった。
★★★★★
ちょっちウルっと来た。
王道展開良かった。
★★★★★
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 03:35:53.27 ID:5X8scsmLO
チャイカについては棺姫のチャイカって言うラノベ及びアニメのヒロイン、チャイカの片言口調イメージがこの金剛になんとなく似てるって話
面白いから暇ならアニメ見るといいかも
乙
面白いから暇ならアニメ見るといいかも
乙
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 03:36:37.17 ID:/F3L/DtWo
面白かった。いいオチだった
……再見(ツァイツェン)は字の通り「また会おうね!」の意味なので95の時は別了(ビエラ)だと思う
……再見(ツァイツェン)は字の通り「また会おうね!」の意味なので95の時は別了(ビエラ)だと思う
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 03:48:02.91 ID:c2bvZCKfO
らんま1/2知識ですね分かりません
乙乙
乙乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432130258/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
暦デイリー
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 12:13:30.02 ID:riDETHBsO
羽川の問題が一応の解決を見、名ばかりではあるが僕が副委員長として臨んだ文化祭も無事に閉会して、土日を挟んだ6月20日。
いくら吸血鬼スキルの名残りのおかげで眠気に強いとはいえ、立て続けの難事に精神的疲労のピークが来たのか、昼食後から猛烈な眠気に襲われ、机に突っ伏したが最後、午後の授業の記憶がさっぱりない。
つい最近、戦場ヶ原と同じ大学に行く、という卒業すら危ぶまれる現状から見れば大層ハードルの高い目標を掲げた身としては痛恨の極みとも言える失態である。いい加減起きなければと思い、体を起こそうとしたそのとき、僕はある異変に気づいた。
肩から頭にかけてが、漬け物石を乗せられたかのようにずっしりと重たく、机に突っ伏した姿勢のまま起き上がることができないのだ。しかもこの背中の重みはこの瞬間も増え続け、息苦しさは募るばかりである。
軽いパニックに陥りかけたとき、この現象を説明する一つの原因に思い当たった。
いくら吸血鬼スキルの名残りのおかげで眠気に強いとはいえ、立て続けの難事に精神的疲労のピークが来たのか、昼食後から猛烈な眠気に襲われ、机に突っ伏したが最後、午後の授業の記憶がさっぱりない。
つい最近、戦場ヶ原と同じ大学に行く、という卒業すら危ぶまれる現状から見れば大層ハードルの高い目標を掲げた身としては痛恨の極みとも言える失態である。いい加減起きなければと思い、体を起こそうとしたそのとき、僕はある異変に気づいた。
肩から頭にかけてが、漬け物石を乗せられたかのようにずっしりと重たく、机に突っ伏した姿勢のまま起き上がることができないのだ。しかもこの背中の重みはこの瞬間も増え続け、息苦しさは募るばかりである。
軽いパニックに陥りかけたとき、この現象を説明する一つの原因に思い当たった。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 12:17:46.95 ID:riDETHBsO
羽川の問題が一応の解決を見、名ばかりではあるが僕が副委員長として臨んだ文化祭も無事に閉会して、土日を挟んだ6月20日。
いくら吸血鬼スキルの名残りのおかげで眠気に強いとはいえ、立て続けの難事に精神的疲労のピークが来たのか、昼食後から猛烈な眠気に襲われ、机に突っ伏したが最後、午後の授業の記憶がさっぱりない。
つい最近、戦場ヶ原と同じ大学に行く、という卒業すら危ぶまれる現状から見れば大層ハードルの高い目標を掲げた身としては痛恨の極みとも言える失態である。いい加減起きなければと思い、体を起こそうとしたそのとき、僕はある異変に気づいた。
肩から頭にかけてが、漬け物石を乗せられたかのようにずっしりと重たく、机に突っ伏した姿勢のまま起き上がることができないのだ。しかもこの背中の重みはこの瞬間も増え続け、軽いパニックに陥りかけたとき、この現象を説明する一つの原因に思い当たった。
いくら吸血鬼スキルの名残りのおかげで眠気に強いとはいえ、立て続けの難事に精神的疲労のピークが来たのか、昼食後から猛烈な眠気に襲われ、机に突っ伏したが最後、午後の授業の記憶がさっぱりない。
つい最近、戦場ヶ原と同じ大学に行く、という卒業すら危ぶまれる現状から見れば大層ハードルの高い目標を掲げた身としては痛恨の極みとも言える失態である。いい加減起きなければと思い、体を起こそうとしたそのとき、僕はある異変に気づいた。
肩から頭にかけてが、漬け物石を乗せられたかのようにずっしりと重たく、机に突っ伏した姿勢のまま起き上がることができないのだ。しかもこの背中の重みはこの瞬間も増え続け、軽いパニックに陥りかけたとき、この現象を説明する一つの原因に思い当たった。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 12:22:07.84 ID:riDETHBsO
ゆっくりやります。よろしく。
化物語翼キャットのすぐ後ぐらいをイメージしてます。
時系列はwikiで少し調べましたが、よく分からなかったので適当です。
作品関係ないですが
八幡「独占欲?」
結衣「夏が来る」
は前作です。
化物語翼キャットのすぐ後ぐらいをイメージしてます。
時系列はwikiで少し調べましたが、よく分からなかったので適当です。
作品関係ないですが
八幡「独占欲?」
結衣「夏が来る」
は前作です。
4: saga 2016/03/28(月) 16:42:05.40 ID:riDETHBsO
怪異____
いつもそこにあり、世界そのものでありながら、まっとうに生きている人間ならば意識して関わることもない、そんな存在。
しかし美しき吸血鬼と出会ったあの春休み以来、僕は怪異と出逢い続けた。
怪異に一度出会った人間は怪異を引き寄せやすくなると忍野は言っていたが、今回もその類の怪奇現象だろうか。
重みに関する怪異というと、戦場ヶ原が行き遭った重し蟹を想起させられるが素人の僕にはさっぱり見当もつかない。
もちろん解決策なんて都合のいいものはなおさらだ。
しかし怪異のスペシャリスト、忍野メメはもうこの町にはいない。
これからは自分で怪異たちとの折り合いをつけていかなければならないのだ。
まあもっとも忍野がいたところでこの場から動けない以上学習塾跡に相談に行くこともできないのだが……
それとは別に、ブラック羽川の時のように忍が助けてくれるということもあるかもしれないが、忍とは完全な和解には程遠い関係にある以上、気安く頼るわけにはいかない。
とりあえずしばらくは自分で解決する努力を尽くす他ないという結論に落ち着き、僕が全身に力をこめてもう一度体を起こそうとしたその時____
ほっそりとした指の感触がつうっと僕の背中をなぞった。
いつもそこにあり、世界そのものでありながら、まっとうに生きている人間ならば意識して関わることもない、そんな存在。
しかし美しき吸血鬼と出会ったあの春休み以来、僕は怪異と出逢い続けた。
怪異に一度出会った人間は怪異を引き寄せやすくなると忍野は言っていたが、今回もその類の怪奇現象だろうか。
重みに関する怪異というと、戦場ヶ原が行き遭った重し蟹を想起させられるが素人の僕にはさっぱり見当もつかない。
もちろん解決策なんて都合のいいものはなおさらだ。
しかし怪異のスペシャリスト、忍野メメはもうこの町にはいない。
これからは自分で怪異たちとの折り合いをつけていかなければならないのだ。
まあもっとも忍野がいたところでこの場から動けない以上学習塾跡に相談に行くこともできないのだが……
それとは別に、ブラック羽川の時のように忍が助けてくれるということもあるかもしれないが、忍とは完全な和解には程遠い関係にある以上、気安く頼るわけにはいかない。
とりあえずしばらくは自分で解決する努力を尽くす他ないという結論に落ち着き、僕が全身に力をこめてもう一度体を起こそうとしたその時____
ほっそりとした指の感触がつうっと僕の背中をなぞった。
5: saga 2016/03/28(月) 16:58:21.99 ID:riDETHBsO
戦場ヶ原「動かないで阿良ヶ木くん。いえ違うわねそうじゃないわ。動いてもいいけど動くと危ないから動かない方が良いわよ、というのが正しいわね。」
阿良ヶ木「お前のしわざか戦場ヶ原!」
戦場ヶ原「そうよ。寝ている彼氏の頭の上に教科書辞書文庫本ハードカバー、様々な書類を積んで遊んでいます。戦場ヶ原ひたぎです。」
阿良ヶ木「そんな斬新な自己紹介があるか!」
阿良ヶ木「お前のしわざか戦場ヶ原!」
戦場ヶ原「そうよ。寝ている彼氏の頭の上に教科書辞書文庫本ハードカバー、様々な書類を積んで遊んでいます。戦場ヶ原ひたぎです。」
阿良ヶ木「そんな斬新な自己紹介があるか!」
6: saga 2016/03/28(月) 18:53:16.55 ID:riDETHBsO
閑話休題
ここは直江津高校3年のとあるクラス、つまるところ僕阿良ヶ木暦と、僕の恋人であるところの戦場ヶひたぎが現在在籍するクラスの教室であった。
文化祭という学生生活最後の華やかなイベントの終わりは多くの受験生にとって勉強に本腰を入れ始める一つの丁度良い節目になっていたのだろうか、教室の他の生徒は皆既に帰途についており、教室に僕たち2人の他に生徒は残っていないようだった。
しかしその静けさは誰もいない放課後の教室に恋人と2人きり、という甘酸っぱいシチュエーションに華を添えるアクセントではなく、ただ僕の身に起こっている恐怖に煽りを加えるエッセンスでしかなかった。そしてまた一つ頭の上の重みが増えていく……
戦場ヶ原「阿良ヶ木くん4限から寝通しで私に構ってくれないから寂しくてつい……」
阿良「つい、という言葉をそんな便利に酷使するんじゃねえよ。早く僕の頭に積んだこの本の山をどけるんだ戦場ヶ原。」
戦場ヶ原「嫌よ。まだやっと土台が出来上がったところなんだから。私はここに、私の城を築くわ。」
阿良ヶ木「出来上がる頃には僕窒息死してるよ!」
戦場ヶ原「ふふそれなら城というよりは陵墓ね。分かったわ戦場ヶ原ひたぎの全てをかけて阿良ヶ木くんに最高の死場所を作るわ。」
阿良ヶ木「ちょっとカッコ良いマンガのセリフ風にしても駄目だ!」
戦場ヶ原「まあでも実を言うと、私この作業にもう飽きてきてしまったから、神原を呼んで阿良ヶ木ジェンガでもしようかしら。」
阿良ヶ木「ちょっとカッコ良いハーフの名前風にしても駄目だ!」
ここは直江津高校3年のとあるクラス、つまるところ僕阿良ヶ木暦と、僕の恋人であるところの戦場ヶひたぎが現在在籍するクラスの教室であった。
文化祭という学生生活最後の華やかなイベントの終わりは多くの受験生にとって勉強に本腰を入れ始める一つの丁度良い節目になっていたのだろうか、教室の他の生徒は皆既に帰途についており、教室に僕たち2人の他に生徒は残っていないようだった。
しかしその静けさは誰もいない放課後の教室に恋人と2人きり、という甘酸っぱいシチュエーションに華を添えるアクセントではなく、ただ僕の身に起こっている恐怖に煽りを加えるエッセンスでしかなかった。そしてまた一つ頭の上の重みが増えていく……
戦場ヶ原「阿良ヶ木くん4限から寝通しで私に構ってくれないから寂しくてつい……」
阿良「つい、という言葉をそんな便利に酷使するんじゃねえよ。早く僕の頭に積んだこの本の山をどけるんだ戦場ヶ原。」
戦場ヶ原「嫌よ。まだやっと土台が出来上がったところなんだから。私はここに、私の城を築くわ。」
阿良ヶ木「出来上がる頃には僕窒息死してるよ!」
戦場ヶ原「ふふそれなら城というよりは陵墓ね。分かったわ戦場ヶ原ひたぎの全てをかけて阿良ヶ木くんに最高の死場所を作るわ。」
阿良ヶ木「ちょっとカッコ良いマンガのセリフ風にしても駄目だ!」
戦場ヶ原「まあでも実を言うと、私この作業にもう飽きてきてしまったから、神原を呼んで阿良ヶ木ジェンガでもしようかしら。」
阿良ヶ木「ちょっとカッコ良いハーフの名前風にしても駄目だ!」
7: saga 2016/03/28(月) 21:01:49.75 ID:Tis3kvD1O
閑話休題
阿良ヶ木「しかしさ、お前がこんな小学3年生みたいな遊びをするなんて意外だよな。」
戦場ヶ原「そうね。でも私小学生の頃は同年代の友達が少なくて、こういう遊びをすることも少なかったからその反動が今頃になってきたのかもしれないわね。」
小学生の頃の戦場ヶ原……
全くもって想像つかないがそれを言うなら陸上部のスターであった頃の戦場ヶ原も今の彼女の姿から想像することだって僕には難しい。
戦場ヶ原「だから私いわゆるおままごとという遊びもあまりした経験がないのよ。」
阿良ヶ木「へえ」
戦場ヶ原「だからいつか阿良ヶ木くんとやってみたいわね。家族5人住める家と家財道具一切買い揃えて。」
阿良ヶ木「それは流れに無理があり過ぎる!!」
それはかなり強引なプロポーズだった。しかも僕との間に3人の子供を設けるという、かなり衝撃的な未来設計までしれっと盛り込まれている。本当に恐ろしい女である。
阿良ヶ木「しかしさ、お前がこんな小学3年生みたいな遊びをするなんて意外だよな。」
戦場ヶ原「そうね。でも私小学生の頃は同年代の友達が少なくて、こういう遊びをすることも少なかったからその反動が今頃になってきたのかもしれないわね。」
小学生の頃の戦場ヶ原……
全くもって想像つかないがそれを言うなら陸上部のスターであった頃の戦場ヶ原も今の彼女の姿から想像することだって僕には難しい。
戦場ヶ原「だから私いわゆるおままごとという遊びもあまりした経験がないのよ。」
阿良ヶ木「へえ」
戦場ヶ原「だからいつか阿良ヶ木くんとやってみたいわね。家族5人住める家と家財道具一切買い揃えて。」
阿良ヶ木「それは流れに無理があり過ぎる!!」
それはかなり強引なプロポーズだった。しかも僕との間に3人の子供を設けるという、かなり衝撃的な未来設計までしれっと盛り込まれている。本当に恐ろしい女である。
8: saga 2016/03/28(月) 21:05:15.55 ID:Tis3kvD1O
≫6 改行してなかった
閑話休題
阿良ヶ木「しかしさ、お前がこんな小学3年生みたいな遊びをするなんて意外だよな。」
戦場ヶ原「そうね。でも私小学生の頃は同年代の友達が少なくて、こういう遊びをすることも少なかったからその反動が今頃になってきたのかもしれないわね。」
小学生の頃の戦場ヶ原……
全くもって想像つかないがそれを言うなら陸上部のスターであった頃の戦場ヶ原も今の彼女の姿から想像することだって僕には難しい。
戦場ヶ原「だから私いわゆるおままごとという遊びもあまりした経験がないのよ。」
阿良ヶ木「へえ」
戦場ヶ原「だからいつか阿良ヶ木くんとやってみたいわね。
家族5人住める家と家財道具一切買い揃えて。」
阿良ヶ木「それは流れに無理があり過ぎる!!」
それはかなり強引なプロポーズだった。しかも僕との間に3人の子供を設けるという、かなり衝撃的な未来設計までしれっと盛り込まれている。本当に恐ろしい女である。
閑話休題
阿良ヶ木「しかしさ、お前がこんな小学3年生みたいな遊びをするなんて意外だよな。」
戦場ヶ原「そうね。でも私小学生の頃は同年代の友達が少なくて、こういう遊びをすることも少なかったからその反動が今頃になってきたのかもしれないわね。」
小学生の頃の戦場ヶ原……
全くもって想像つかないがそれを言うなら陸上部のスターであった頃の戦場ヶ原も今の彼女の姿から想像することだって僕には難しい。
戦場ヶ原「だから私いわゆるおままごとという遊びもあまりした経験がないのよ。」
阿良ヶ木「へえ」
戦場ヶ原「だからいつか阿良ヶ木くんとやってみたいわね。
家族5人住める家と家財道具一切買い揃えて。」
阿良ヶ木「それは流れに無理があり過ぎる!!」
それはかなり強引なプロポーズだった。しかも僕との間に3人の子供を設けるという、かなり衝撃的な未来設計までしれっと盛り込まれている。本当に恐ろしい女である。
9: saga 2016/03/28(月) 23:36:35.39 ID:1+VBLVeUO
阿良ヶ木「まったく、不動産屋さんと役所と家族を巻き込んだ壮大なおままごとになりそうだぜ。」
戦場ヶ原「ふふっ、こういうの重たい?」
彼女はまた一つ僕の頭の上に本を置きながらそう言った。
阿良ヶ木「別に。僕はそういうところも含めて……その……好きだよ。」
僕はキメ顔でそう言った。
ただし、机に突っ伏した上、頭に無数の本が積まれた状態で。
一方の戦場ヶ原から返答はない。
僕の滅多にしないストレートな物言いに鉄面皮の彼女も少し面食らったのかもしれない。
正直死ぬほど恥ずかしいセリフではあったが、その甲斐あって戦場ヶ原に一矢報いることができたと思うと満足至極である。
知らぬ間に、にいと嫌な笑みが自分の顔に浮かぶのが分かる。
戦場ヶ原「あらそう。嬉しいことを言ってくれるわね。それじゃあ……」
ドサドサッ……
一際重たい重しがいくつか、乱暴に乗せられた。
この重さ、恐らく何か辞書の類。
阿良ヶ木「なにをするんだお前!!」
戦場ヶ原「だって阿良ヶ木くんが別に重たくない、むしろ重たいのが好きだって…」
阿良ヶ木「違う!誰がこの場面で頭の上の重しを物理的に増やして下さいと頼むんだよ!!」
戦場ヶ原「ふふっ、こういうの重たい?」
彼女はまた一つ僕の頭の上に本を置きながらそう言った。
阿良ヶ木「別に。僕はそういうところも含めて……その……好きだよ。」
僕はキメ顔でそう言った。
ただし、机に突っ伏した上、頭に無数の本が積まれた状態で。
一方の戦場ヶ原から返答はない。
僕の滅多にしないストレートな物言いに鉄面皮の彼女も少し面食らったのかもしれない。
正直死ぬほど恥ずかしいセリフではあったが、その甲斐あって戦場ヶ原に一矢報いることができたと思うと満足至極である。
知らぬ間に、にいと嫌な笑みが自分の顔に浮かぶのが分かる。
戦場ヶ原「あらそう。嬉しいことを言ってくれるわね。それじゃあ……」
ドサドサッ……
一際重たい重しがいくつか、乱暴に乗せられた。
この重さ、恐らく何か辞書の類。
阿良ヶ木「なにをするんだお前!!」
戦場ヶ原「だって阿良ヶ木くんが別に重たくない、むしろ重たいのが好きだって…」
阿良ヶ木「違う!誰がこの場面で頭の上の重しを物理的に増やして下さいと頼むんだよ!!」
10: saga 2016/03/28(月) 23:43:40.10 ID:1+VBLVeUO
渾身のアタックも戦場ヶ原にスルリとかわされ、絶望した僕はもはややけくそであった。
阿良ヶ木「僕が好きなのはひたぎさん!ひたぎさんの重たい愛情です!!」
興奮のあまり死ぬほど恥ずかしく、しかも若干の変態性が加わったセリフが勢いに任せて口をついて出た。
僕のメンタルの方は満身創痍、息も絶え絶えといった状態だったが、今度は男としてのプライドを賭け、戦場ヶ原と刺し違える覚悟で放ったセリフ。
しばらくの肌がチクチクとするような沈黙が続く。
やったか?と
もはやカップル間の会話に流れる空気とは思えぬ荒涼たる雰囲気に悲愴な思いを持ちつつ、恐る恐る戦場ヶ原の息遣いを探ると、ふっと息を付く音がする。
戦場ヶ原「改めて紹介するわ神原。こちらが私の彼氏、阿良ヶ木ジェンガくんよ。」
神原「無論存じ上げている。これからもよろしく頼むぞ阿良ヶ木先輩。」
阿良ヶ木「本当に神原呼んだのかよ!!」
11: saga 2016/03/28(月) 23:44:51.04 ID:1+VBLVeUO
おしまい。
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/30(水) 02:00:46.91 ID:ilx2HodI0
えっ…?第2話は…?
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459134810/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
連装砲ちゃん「うちのご主人が一番に決まってるだろ!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 20:55:11.86 ID:P/YIqALb0
連装砲くん「いいえ、うちのご主人が一番に決まってるわ!」
連装砲ちゃん「おうっ!」
連装砲くん「なによ、ちゃんと話しなさいな」
長10㎝砲ちゃん「落ち着いてください。喧嘩はダメですよ」
連装砲ちゃん「新入りは黙っててよね!」
連装砲くん「そうよ!」
長10㎝砲ちゃん「どちらが上でも良いじゃないですか。どのみちうちのご主人より下なんですから」
連装砲ちゃん「おうっ!?」
連装砲ちゃん「おうっ!」
連装砲くん「なによ、ちゃんと話しなさいな」
長10㎝砲ちゃん「落ち着いてください。喧嘩はダメですよ」
連装砲ちゃん「新入りは黙っててよね!」
連装砲くん「そうよ!」
長10㎝砲ちゃん「どちらが上でも良いじゃないですか。どのみちうちのご主人より下なんですから」
連装砲ちゃん「おうっ!?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 20:59:54.08 ID:P/YIqALb0
連装砲くん「だいたい何なのよあんたのご主人は。バカみたいに速い速い言っちゃって」
連装砲ちゃん「速さこそパワーなんですー!」
連装砲くん「その速さでもうちのご主人に競争で負けてたじゃない」
連装砲ちゃん「そっちがタービンガン積みしてたのはバレてんですけど!」
長10㎝砲ちゃん「2人とも喧嘩は止めてください。どうでも良いじゃないですか、競争なんてあなた達しかしてないんですから」
連装砲ちゃん「速さこそパワーなんですー!」
連装砲くん「その速さでもうちのご主人に競争で負けてたじゃない」
連装砲ちゃん「そっちがタービンガン積みしてたのはバレてんですけど!」
長10㎝砲ちゃん「2人とも喧嘩は止めてください。どうでも良いじゃないですか、競争なんてあなた達しかしてないんですから」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:04:23.13 ID:P/YIqALb0
連装砲ちゃん「そっちだってしょっちゅう良い風きてる良い風きてるってバッカじゃないんですかー?」
連装砲くん「風の流れも考えずに走り回ってるあなた達に言われたくないわね。風の良さも分からないのかしら?」
連装砲ちゃん「でもこの前トイレのジェットタオルで手乾かしながら良い風きてるーとか言ってたよねー。ぶーくすくす」
連装砲くん「い、良い風が来てたんだから仕方ないでしょ!」
長10㎝砲ちゃん「確かに雨風が強い日はスーパーの値引きも早まるから大切ですよね」
長10㎝砲ちゃん「そういう意味では風も速さも大事ですよ」
連装砲くん「風の流れも考えずに走り回ってるあなた達に言われたくないわね。風の良さも分からないのかしら?」
連装砲ちゃん「でもこの前トイレのジェットタオルで手乾かしながら良い風きてるーとか言ってたよねー。ぶーくすくす」
連装砲くん「い、良い風が来てたんだから仕方ないでしょ!」
長10㎝砲ちゃん「確かに雨風が強い日はスーパーの値引きも早まるから大切ですよね」
長10㎝砲ちゃん「そういう意味では風も速さも大事ですよ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:07:53.46 ID:P/YIqALb0
連装砲ちゃん「まあぶっちゃけ年季が違うよね。うちのご主人なんて駆逐艦の皮を被った何かとか言われてたし」
連装砲くん「それって昔の話でしょ。今は改二も沢山いてあなたのご主人は出番も無くなってるみたいじゃない?」
連装砲ちゃん「は、はぁー?ありますー」
連装砲くん「ああ。一軍から姿を消すのもはっやぁーい♪ってギャグ?クスクス」
長10㎝砲ちゃん「2人とも止めてください!時代は防空駆逐艦なのにみっともないですよ」
連装砲くん「それって昔の話でしょ。今は改二も沢山いてあなたのご主人は出番も無くなってるみたいじゃない?」
連装砲ちゃん「は、はぁー?ありますー」
連装砲くん「ああ。一軍から姿を消すのもはっやぁーい♪ってギャグ?クスクス」
長10㎝砲ちゃん「2人とも止めてください!時代は防空駆逐艦なのにみっともないですよ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:13:11.77 ID:P/YIqALb0
連装砲くん「だいたいあなたのご主人は何でお尻を出してるの?恥ずかしくないの?」
連装砲ちゃん「そっちに言われたくないですー。あんなバンドみたいなので胸隠してて恥ずかしくないんですかー?」
連装砲くん「あれはファッションよ。オシャレなの。そんな事もわからないの?呆れたわね」
連装砲ちゃん「ない胸をオシャレで強調されてもねー」
連装砲くん「む、胸の大きさなんて変わらないでしょ!」
長10㎝砲ちゃん「まぁまぁ2人とも」
照月「あっ、長10㎝砲ちゃん。連装砲ちゃん達と仲良く遊んでるの?」たゆん
長10㎝砲ちゃん「あなた達のご主人なんてうちのご主人から見ればどんぐりのせ比べですよ」
連装砲ちゃん「そっちに言われたくないですー。あんなバンドみたいなので胸隠してて恥ずかしくないんですかー?」
連装砲くん「あれはファッションよ。オシャレなの。そんな事もわからないの?呆れたわね」
連装砲ちゃん「ない胸をオシャレで強調されてもねー」
連装砲くん「む、胸の大きさなんて変わらないでしょ!」
長10㎝砲ちゃん「まぁまぁ2人とも」
照月「あっ、長10㎝砲ちゃん。連装砲ちゃん達と仲良く遊んでるの?」たゆん
長10㎝砲ちゃん「あなた達のご主人なんてうちのご主人から見ればどんぐりのせ比べですよ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:17:57.53 ID:P/YIqALb0
連装砲くん「あなたのご主人はボッチで有名よね?人望が無いんじゃない?」
連装砲ちゃん「ぼ、ぼぼ、ぼっちじゃありませんー!」
連装砲くん「その点うちのご主人には時津風っていう仲の良い妹がいるんだけどね」
連装砲ちゃん「だったらうちにも雪風って言う仲の良い艦娘がいますー!」
連装砲くん「フフッ、その雪風も私達が着任してからはうちのご主人達と仲良く遊んでるみたいだけどね」
連装砲ちゃん「ぐぬぬ……」
長10㎝砲ちゃん「え?雪風と時津風はいつも仲良く遊んでるけど、天津風はいつも2人を探し回ってるだけだよね?」
連装砲くん「!」
連装砲ちゃん「ぼ、ぼぼ、ぼっちじゃありませんー!」
連装砲くん「その点うちのご主人には時津風っていう仲の良い妹がいるんだけどね」
連装砲ちゃん「だったらうちにも雪風って言う仲の良い艦娘がいますー!」
連装砲くん「フフッ、その雪風も私達が着任してからはうちのご主人達と仲良く遊んでるみたいだけどね」
連装砲ちゃん「ぐぬぬ……」
長10㎝砲ちゃん「え?雪風と時津風はいつも仲良く遊んでるけど、天津風はいつも2人を探し回ってるだけだよね?」
連装砲くん「!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:23:25.32 ID:P/YIqALb0
連装砲ちゃん「そうだ!うちのご主人は会話が出来るんだ!」
連装砲くん「会話?私達の声なんてせいぜいきゅっきゅっ言ってるようにしか聞こえてないわよ」
連装砲ちゃん「できますー。いつも仲良くお話ししてますー!」
連装砲くん「あなた達の会話って一方通行じゃない」
初月「なんだ、こんな所で井戸端会議か?」
連装砲ちゃん「きゅっきゅっ!」
連装砲くん「きゅっ!」
初月「何を必死に訴えているんだ?ぼくには理解できないんだが」
長10㎝砲ちゃん「フタリ、トモ…………ジブン……ガ、タダシイ……ト、イッテル……」
連装砲ちゃん「きゅ!?」
連装砲くん「会話?私達の声なんてせいぜいきゅっきゅっ言ってるようにしか聞こえてないわよ」
連装砲ちゃん「できますー。いつも仲良くお話ししてますー!」
連装砲くん「あなた達の会話って一方通行じゃない」
初月「なんだ、こんな所で井戸端会議か?」
連装砲ちゃん「きゅっきゅっ!」
連装砲くん「きゅっ!」
初月「何を必死に訴えているんだ?ぼくには理解できないんだが」
長10㎝砲ちゃん「フタリ、トモ…………ジブン……ガ、タダシイ……ト、イッテル……」
連装砲ちゃん「きゅ!?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:27:05.11 ID:P/YIqALb0
島風「連装砲ちゃーん。あそぼー」
連装砲くん「ほら、ぼっちのご主人が迎えに来たわよ」
天津風「連装砲くん、時津風と雪風見なかった?」
連装砲ちゃん「そっちこそぼっちのご主人が迎えに来たよ」
島風「あー、天津風ちゃんだー。ねー、あそぼー」
天津風「嫌よ。どうせまた走り回るんでしょ。私は雪風と時津風と3人でお散歩に行く約束をしているの」
島風「えー、でも2人なら1時間くらい前にお出かけしたよー?」
天津風「!!」
連装砲くん「ほら、ぼっちのご主人が迎えに来たわよ」
天津風「連装砲くん、時津風と雪風見なかった?」
連装砲ちゃん「そっちこそぼっちのご主人が迎えに来たよ」
島風「あー、天津風ちゃんだー。ねー、あそぼー」
天津風「嫌よ。どうせまた走り回るんでしょ。私は雪風と時津風と3人でお散歩に行く約束をしているの」
島風「えー、でも2人なら1時間くらい前にお出かけしたよー?」
天津風「!!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:30:15.90 ID:P/YIqALb0
島風「ねーねー、かけっこしよーよー」
天津風「いーやーよ!」
連装砲ちゃん「ご主人、やめましょうよ!こんな奴らと遊ぶのなんて反対です!」
島風「ほらぁ、連装砲ちゃんも天津風達と一緒に遊びたいって言ってるよー」
連装砲ちゃん「!?」
天津風「いいかげんなこと言わないでよ」
島風「いいかげんじゃないもーん。島風は連装砲ちゃんとお話し出来るんだから。ねー」
連装砲ちゃん「きゅっ!きゅ!」
天津風「いーやーよ!」
連装砲ちゃん「ご主人、やめましょうよ!こんな奴らと遊ぶのなんて反対です!」
島風「ほらぁ、連装砲ちゃんも天津風達と一緒に遊びたいって言ってるよー」
連装砲ちゃん「!?」
天津風「いいかげんなこと言わないでよ」
島風「いいかげんじゃないもーん。島風は連装砲ちゃんとお話し出来るんだから。ねー」
連装砲ちゃん「きゅっ!きゅ!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:35:25.87 ID:P/YIqALb0
天津風「そんなに仲がいいなら連装砲ちゃんと遊んでればいいでしょ」
島風「えー、だって連装砲ちゃんかけっこ遅いんだもん」
天津風「とにかく他の子をあたってちょうだい。まったく、どうしていつも私ばっかり……」
島風「だって天津風ちゃんは私のお姉ちゃんなんだもん」
天津風「は、はあ!?島風は陽炎型じゃないでしょ?」
島風「うん。でもお姉ちゃんみたいでしょ?私には本当の姉妹はいないけど天津風ちゃんはお姉ちゃんだと思ってるから」
天津風「うー……もう、分かったわよ!そんな事言われたら断れないじゃない」
島風「にしし♪ありがとー、おねーちゃん♪」
島風「えー、だって連装砲ちゃんかけっこ遅いんだもん」
天津風「とにかく他の子をあたってちょうだい。まったく、どうしていつも私ばっかり……」
島風「だって天津風ちゃんは私のお姉ちゃんなんだもん」
天津風「は、はあ!?島風は陽炎型じゃないでしょ?」
島風「うん。でもお姉ちゃんみたいでしょ?私には本当の姉妹はいないけど天津風ちゃんはお姉ちゃんだと思ってるから」
天津風「うー……もう、分かったわよ!そんな事言われたら断れないじゃない」
島風「にしし♪ありがとー、おねーちゃん♪」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:38:43.09 ID:P/YIqALb0
連装砲ちゃん「なんか……いつもこうやって天津風はご主人の相手をしてくれるよね。その、ありがとう」
連装砲くん「こっちこそ。ご主人の事をお姉ちゃんって慕ってくれる島風をぼっちとか言って悪かったわね」
連装砲ちゃん「ご主人達が姉妹みたいなもんなら私達も姉妹みたいなものだね」
連装砲くん「そうね。仲良くしなくちゃ。さぁかけっこしましょ」
連装砲ちゃん「うん!」
連装砲くん「こっちこそ。ご主人の事をお姉ちゃんって慕ってくれる島風をぼっちとか言って悪かったわね」
連装砲ちゃん「ご主人達が姉妹みたいなもんなら私達も姉妹みたいなものだね」
連装砲くん「そうね。仲良くしなくちゃ。さぁかけっこしましょ」
連装砲ちゃん「うん!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:44:33.88 ID:P/YIqALb0
島風「今日は200メートル走で勝負だよ!」
天津風「タービン積んで来ようかしら」
連装砲ちゃん「今日は勝たせてもらうから」
連装砲くん「残念。勝つのは姉である私達よ」
長10㎝砲ちゃん「仲直り出来たみたいで良かった……」ポツン…
連装砲ちゃん「なにボーッとしてるの?長10㎝砲ちゃんは私達の妹みたいな物なんだから」
連装砲くん「しっかりついてこないと置いてっちゃうわよ?」
長10㎝砲ちゃん「2人とも……」
連装砲くん「さぁいらっしゃい」
長10㎝砲ちゃん「いえ、私はそっちサイドには行きたくないんでお断りします。姉妹なら3人いますし」
連装砲ちゃん「おうっ!?」
おわり。
天津風「タービン積んで来ようかしら」
連装砲ちゃん「今日は勝たせてもらうから」
連装砲くん「残念。勝つのは姉である私達よ」
長10㎝砲ちゃん「仲直り出来たみたいで良かった……」ポツン…
連装砲ちゃん「なにボーッとしてるの?長10㎝砲ちゃんは私達の妹みたいな物なんだから」
連装砲くん「しっかりついてこないと置いてっちゃうわよ?」
長10㎝砲ちゃん「2人とも……」
連装砲くん「さぁいらっしゃい」
長10㎝砲ちゃん「いえ、私はそっちサイドには行きたくないんでお断りします。姉妹なら3人いますし」
連装砲ちゃん「おうっ!?」
おわり。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:46:03.92 ID:P/YIqALb0
この後運動場に行く途中、島風は仲の良い長波を見つけて抱きついたが
長波は全身性感帯になっていた為その場で絶頂した。
長波は全身性感帯になっていた為その場で絶頂した。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 21:55:23.86 ID:xfporSIR0
お前だったか、おつ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 04:47:07.13 ID:tIDiIs5ho
乙
お前かよ
天津風に素直さを見せる島風もよいな
お前かよ
天津風に素直さを見せる島風もよいな
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:17:02.25 ID:vU2m7Zcz0
>>15がいきなりぶっ飛んでて草
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459166111/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
日野茜「沈黙のアイドル選手権?」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:25:33.20 ID:ejFT5TN00
茜「ってなんですか!?」
P「言葉の通り」
茜「沈黙、つまり静かにしてればいんですか!?」
P「うん」
茜「すごく大変そうです!」
P「そだね。それ、日野君エントリーしてるから」
茜「はいっ!頑張りますっ!」
茜「…えっ!?」
P「言葉の通り」
茜「沈黙、つまり静かにしてればいんですか!?」
P「うん」
茜「すごく大変そうです!」
P「そだね。それ、日野君エントリーしてるから」
茜「はいっ!頑張りますっ!」
茜「…えっ!?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:27:38.77 ID:ejFT5TN00
P「しゅーろく明日だからよろしくー」
茜「ちょっとプロデューサーさん!」
P「はいよ」
茜「ホントですか?」
P「うんホント」
茜「静かにするだけ?」
P「サイレントするだけ」
茜「…何が楽しいんですか!?」
P「俺にもわからぬ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:29:03.46 ID:ejFT5TN00
茜「静かに…静かに…」
P「すごい黙り方だ」
茜「これは特訓、特訓だと思えば!」
P「失敗しそうだなぁ」
茜「プロデューサーさん、見ていてください!」
P「あいよ」
茜「私の沈黙をっ!!!!!!」
P(言葉の意味知ってるのかなぁ)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:30:07.66 ID:ejFT5TN00
P「と、いうわけで」
P「沈黙のアイドル選手権です」
P「司会進行は当プロダクションで本日唯一暇だった私と」
森久保乃々「たまたま近くに居た森久保ですけど…」
P「ギャラは出るんでここは一つ」
乃々「はい…あんまり頑張りませんが…」
P「森久保君はぶれないね」
P「さてこの番組は、アイドルたちがどれだけ黙っていられるか、を競い合うものとなってます」
乃々「ニッチです…」
P「まぁネット配信だからね」
P「ではでは時間も無いので選手入場をば」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:31:16.83 ID:ejFT5TN00
P「先ずはこの子。本企画のメインとも言うべきアイドル」
P「彼女の辞書に沈黙の二文字は記してあるのか」
P「個人的にはそのページだけ読んでない気がします」
P「元気百万倍アイドル、日野茜です」
茜「みなさんこんにちはぁーーーーっ!」
茜「日野ッ、茜ですっ!」
P「はい元気でよろしい」
茜「ありがとうございます!」
P「森久保君、目が点になってる」
P「分かる、俺も今超不安」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:32:31.37 ID:ejFT5TN00
P「収録始まる前に終わるんじゃない」
茜「ふふ…そんなことを言っていられるのも、今のうちです」
P「おおみなぎる自信だ」
茜「期待していてくださいっ!」
P「はーい、じゃあ別室でスタンバイお願いします」
茜「よろしくお願いしまーす!」
P「……わぁ、何に期待すればいいんだ」
乃々「あの…」
P「はいな」
乃々「帰る準備をしても…」
P「いいかもね」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:33:30.44 ID:ejFT5TN00
P「では次」
P「日野君は部屋の平均温度上げるけど」
P「この子は居るだけで部屋が明るくなる気がします」
P「天真爛漫の擬人化、野々村そらです」
野々村そら「はろはろ~☆そらちんだよー☆」
P「はいよろしく」
そら「おねがいしまーす☆」
乃々「よろしくお願いします…」
そら「あ、乃々ちんだ!」
乃々「そうです…私が乃々です…」
そら「そうだね☆」
P「☆とは一体」
そら「んー?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:34:26.04 ID:ejFT5TN00
P「では別室へどぞー」
そら「おけおけー☆」
P「…時に森久保君」
乃々「はい」
P「これ、どうなると思う?」
乃々「尺が余るのが心配です」
P「そうだね」
P「ネット配信とはいっても本編二、三分というのはね」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:35:13.31 ID:ejFT5TN00
P「ほんじゃ三人目」
P「なんとここからおしとやか枠」
乃々「え…?」
P「あ、台本読んでるだけなんで選考理由は全く分かりません」
P「司会含めて行き当たりばったりの番組です」
乃々「私が司会の時点で…」
P「野となれ山となれすな」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:36:07.70 ID:ejFT5TN00
P「ではでは改めて」
P「見た目はクール、頭脳はおじさん」
P「求めるは秘境の温泉地」
P「ご存知高垣楓でございます」
高垣楓「はいこんにちは~」
楓「今日は沈黙で、ちゅんもくを集めちゃいますね」
P「あーっはっは」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:36:43.32 ID:ejFT5TN00
楓「では行ってきまーす」
P「はいはいー」
乃々「…滑っても、堂々としてますね」
P「高垣君はダジャレ言うことに満足してるから」
乃々「なるほど…」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:37:53.61 ID:ejFT5TN00
P「四人目」
乃々「次のおしとやかな人は…」
ヘレン「私よ」
P「わっ」
乃々「えっ」
ヘレン「グッドモーニンエブリワン」
P「昼ですが」
ヘレン「新しい朝が来ただけのことよ」
乃々「はぁ……」
ヘレン「乃々、ネガティブは磨いているかしら」
乃々「何も…してませんけど…」
ヘレン「そう、ありのままが貴方よ!」
乃々「はい」
P(ああっ森久保君が遠い目を)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:38:43.29 ID:ejFT5TN00
P「沈黙のアイドル選手権ですからね」
ヘレン「沈黙。カーニヴァルを楽しむためのスパイスね」
P「そういうことでいいです」
ヘレン「聞かせてあげるわ。世界レベルの沈黙を」
P「うーわやったぁ」
乃々「では準備をお願いします……」
ヘレン「心ゆくまで楽しんでくるわ…」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:39:38.11 ID:ejFT5TN00
乃々「……あの」
P「はい」
乃々「おしとやかって一体」
P「おしとやかの枠が楓さん一人だったということか…」
乃々「なんという…」
P「台本にも書いてなかったので、スタッフの悪意を感じる」
P「森久保君、俺たちは都合のいいように使われているよ」
乃々「それは、慣れっこです…」
P「辛かったら相談してね…」
乃々「じゃあ今…」
P「俺も辛いからむーりぃー…」
乃々「ああっ…」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:40:33.62 ID:ejFT5TN00
P「最後らしいです五枠目」
P「ウサミン星の使者は果たして沈黙を知っているのか」
P「あ、電車で通勤してるから知ってるか」
P「みんな大好き安部菜々どす」
安部菜々「どすっ!?」
P「おばんどすー」
菜々「ちょっと、ウサミンの登場ですよ!?」
P「安倍君安倍君、今日、沈黙のアイドル選手権だから」
菜々「…ハッ、そうでした!おしとやかにしないと…」
P「うん…この感じだ…企画の趣旨を分かっている」
乃々「五人目でようやく…」
菜々「えっ、なんで二人共泣いてるんですか」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:41:20.71 ID:ejFT5TN00
P「自己紹介する?」
菜々「勿論です!」
菜々「歌って踊れる声優アイドル、ウサミン星から只今参上!ウサミンでーす!」
P「お、簡略版だ」
菜々「ロングはカットされると思ったので…」
P「判断が堅実すぎる」
乃々「たくましいです…」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:42:10.25 ID:ejFT5TN00
P「ではスタンバイをば」
菜々「菜々、頑張っちゃいまーす!」
P「さてこれで全員揃ったみたいです」
乃々「……あの」
P「はい」
乃々「どうしてこの方々なんでしょう…」
P「うーん、俺も知りたい」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:43:34.00 ID:ejFT5TN00
P「ルール確認です」
P「五人は皆同じ部屋で待機してます」
P「お互いに見合ってる感じで、その模様はカメラで中継します」
P「これの為にカメラ6台用意したらしいです」
乃々「でも音は無いんですよね…」
P「この企画顔芸頼みな所あるからね」
乃々「なるほど…」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:44:28.67 ID:ejFT5TN00
P「で、沈黙を守れなかった判定はこちらがします」
乃々「私たちが審判ですか…」
P「森久保君はコメントだけで大丈夫」
乃々「本当ですか…」
P「今日一番の目の輝きだ…」
P「んで、アウト判定もらった人はこっちに来てもらいます」
P「特に罰ゲームとかはないです」
P「低予算企画なんで」
P「最後の一人を今のうちに予想しておいてください」
乃々「予想できないです…」
P「多分誰もがそう思ってる」
P「それではあちらのスタンバイ待ちです」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:45:55.39 ID:ejFT5TN00
――――別室
菜々(…………分かってはいましたが)
菜々(とても、静かです)
菜々(みんな、真剣な目つきです)
菜々(……ここで結果を出せば、次のお仕事に繋がる!)
菜々(負けません、負けませんよ!)
茜(……これが、沈黙!)
茜(重い!重いです!)
茜(しかし!特訓の成果を見せなければ!)
茜(この日の為に、発声練習で声を抑えてきました!)
茜(……何故か、トレーナーさんに褒められました!)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:46:58.78 ID:ejFT5TN00
楓(……ちんもくで、ちゅうもく)
楓(別のを探さないと)
楓(ちんもく、サイレント、しずか……)
楓(……あっ)
楓(しーんとする、しーんろう……)
そら(……静かだなぁー)
そら(ここで、ばばん、ばばーんってしたら、みんなおどろくかな?)
そら(でも、お仕事だし……)
そら(でもでも、おもしろければゆるされるかも☆)
ヘレン(………………………)
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:47:55.08 ID:ejFT5TN00
茜『…………』
そら『……………』
楓『…………』
ヘレン『…………』
菜々『…………』
P「……はい、それではカメラの準備出来たみたいです」
P「森久保君の漫画談義は一旦この辺で」
乃々「ありがとうございました…」
乃々「…こんな感じで…大丈夫ですか?」
P「パーフェクト。今から収録していい位。というかする」
乃々「えっ」
P「あちらに動きがなければ、もう先に収録しよ」
乃々「は、はいぃ…」
P「まぁまぁ肩肘張らずに」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:49:08.74 ID:ejFT5TN00
P「ではでは沈黙のアイドル選手権」
P「正直この面子で成り立つか不安しかありませんが行ってみましょう」
P「3、2、1、スタートでーす」
そら「ばばーん!そらちんだよー!」
楓「ぷっ、ふふふ……」
ヘレン「さぁ、カーニヴァルの幕開けよ!」
P「三人アウトーーーーー!!!!」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:49:53.54 ID:ejFT5TN00
乃々「えぇー……」
P「……すみません、取り乱しました」
P「あ、もう三人居ない」
そら「わぁーい☆」
楓「わぁーい」
ヘレン「Let's go happppppppy!!」
P「戻ってきた戻ってきた。三人共正座」
そら「えぇー☆やだやだ☆」
楓「やだやだー」
ヘレン「プロデューサー、座っていてはサンバは刻めないわ」
P「かぁーっ腹立つー」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:50:55.81 ID:ejFT5TN00
菜々(……あ、危ないところでした)
菜々(最初にリアクションすれば、逆に注目される)
菜々(菜々もやっていれば、茜ちゃんの勝ちになる所でした…)
P「三人は安倍君を見習って」
P「最初にリアクションする算段もあったけどしなくてよかったーって顔してるでしょ」
P「でも君たち殆どノリで実行したでしょ!」
そら「いえす☆」
楓「あの…」
P「何!?」
楓「森久保総理が謝ります」
乃々「えっ」
楓「そーりぃー……」
P「高垣君もしかして謝ってる?」
楓「ふんす」
P「何がふんすだ」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:51:57.40 ID:ejFT5TN00
P「全く……あの日野君だって黙っているというのに」
ヘレン「ヘイ」
P「はい」
ヘレン「太陽は輝くために沈むものよ」
P「なるほどわからん」
ヘレン「日野茜、輝く日を楽しみにしてるわ」
P「森久保君、俺休憩もらっていい?」
乃々「私も欲しいです…」
P「……終わったら、コーヒーでも奢るよ…」
乃々「あ、どうも…」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:53:13.51 ID:ejFT5TN00
茜『…………』
菜々『…………』
P「十分経過」
乃々「二人共、頑張ってます…」
P「分かってたけど地味な絵だ」
そら「だよね!やっぱり楽しいが一番だよ☆」
P「そうだね」
そら「プロデューサーもはっぴー?」
P「さっきのツッコミでどっと疲れました」
乃々「おつかれさまです…」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:54:26.62 ID:ejFT5TN00
P「ここらでテコ入れするのが普通だけど」
P「この番組、本当にノータッチなのね」
ヘレン「自然の成り行きに任せるのも面白いものよ」
P「ふーん」
乃々「あ…」
P「森久保君、どしたの?」
乃々「あの、茜さんが…」
P「震えてるな」
そら「ふるふるだね」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:55:14.87 ID:ejFT5TN00
菜々(震えてる……!)
P「さて安倍君正念場だ」
乃々「え…」
P「一見、日野君の自滅を待てばいいようにも思える」
P「しかし、ここで日野君が目立ってしまえば、優勝しても意味は無い」
P「先程同様、安倍君は選択を迫られている」
P「ここで啖呵を切るか、それとも機会を伺うか…」
乃々「これ…そんな選手権だったんでしょうか…」
P「違うと思うな」
乃々「ですよね…」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:56:47.89 ID:ejFT5TN00
菜々(ぐぬぬぬぬぬぬ……)
菜々(どうします……どうします!?)
P「あー、なるほど」
そら「どしたの?」
P「安倍君選んだのはこういう時の為か」
P「何処かの自由な方々とは違って、ちゃんと状況を見て、考えてる」
ヘレン「私は常に自由よ」
P「……ホント、バラエティ向いてるなぁ」
楓「あのー……」
P「はい」
楓「面白い話をします」
P「自由すぎる」
楓「菜々ちゃんは…ウサギさんですよね」
乃々「あ」
楓「尾も、白い」
P「うわーつら」
P「何が辛いって、ヘレンさんが拍手してる所が」
ヘレン「ナイス、面白い」
P「なんですかそのガッツポーズは楓さん」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:57:45.60 ID:ejFT5TN00
茜『………………………う』
P「あっ」
茜『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!』
P「はい決まりました―っ」
P「沈黙のアイドル選手権、開始直後に終盤戦入りましたが、開始から十分少々、ようやく決着です」
乃々「優勝は、安部菜々さんです…」
そら「おめでとう!ないすふぁいと☆」
楓「勝者の、ショーじゃー……」
ヘレン「BRAVO、見事な沈黙だったわ」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 22:58:41.79 ID:ejFT5TN00
P「では簡単に敗者インタビューです」
P「なんでそこの三人が立ち上がるの?」
乃々「茜さん、お疲れ様でした…」
茜「はい!!!!お疲れ様でした!!!!!」
P「ここミュートにしても聞こえそうだなぁ」
乃々「健闘していましたが…最後は、どうして…」
茜「やっぱり…声を出すと、気持ちがいいですよね!!!!!!!!」
乃々「そう…ですね…」
P(森久保君頑張れ。後ちょっとで仕事も終わりだ。)
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:00:08.04 ID:ejFT5TN00
P「まぁ日野君にしては頑張ったね」
茜「ありがとうございます!!!!!!」
P「そして、優勝者の安倍君、入ってきていいよー」
菜々「は、はぁーい……」
P「ん、どかしましたか」
菜々「いや、あのぉ…なんか、菜々だけ、空気読めてないというか、そのー……」
P「今更今更。ほら、優勝のご褒美ってことで、黙ってた分の尺だけ、宣伝なり歌なり撮るから」
菜々「ほ……ホントですか!?」
P「おめでとー」
ヘレン「おめでとう」
そら「おめでとーう☆」
楓「鯛を愛でたい……」
乃々「おめでとうございます…」
菜々「皆さん……ありがとうございますっ!」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:01:41.63 ID:ejFT5TN00
P「んではこの辺で本日はお別れです。はい挨拶」
そら「野々村そらでした!またねー☆」
楓「高垣楓は、たかが着替えで動じません!」
ヘレン「私はヘレン」
乃々「森久保乃々でした…」
茜「ありがとうございました!日野茜でした!」
菜々「また皆さんの元に会いに行きます!ウサミンでした!」
P「さよーならー」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:02:48.41 ID:ejFT5TN00
P「……ってことで安倍君は収録ね」
菜々「この後ですか?」
P「別室にカメラ置いてるしね。打ち合わせはするけど」
菜々「わかりました」
P「そしてそこの自由人軍団」
そら「んー?」
楓「んー?」
ヘレン「what's?」
P「日野君と一緒にカラオケでも行ってなさい。奢るから」
茜「いいんですか!?」
P「黙り疲れただろう。」
茜「はい!!!!!!!!!!!!!」
P「元気でよろしい」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:03:44.21 ID:ejFT5TN00
P「……さて」
乃々「お疲れ様でした…」
P「本当にね」
乃々「あの、私はもう…」
P「うん。何もない何もない」
乃々「分かりました…」
P「……あ、コーヒーでも飲みに行こうか」
乃々「です、ね…」
P「なるべく、静かな所にしよう…」
乃々「はい…」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:07:29.81 ID:ejFT5TN00
P「選手権の公開後、菜々はバラエティデビューした」
P「嫌がりつつも毎回、名プレー珍プレーを起こすプロフェッショナルとなった」
P「乃々は少女漫画配信がヒットした」
P「本人が少しやる気なのは、善き哉善き哉」
P「自由人軍団は三人のユニットを結成したが、一度目のライブで解散した」
P「解散理由は自由を求めて、だった」
P「そして」
P「声の抑揚がついた茜はカラオケで高得点を出した」
おわり
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:11:01.96 ID:ejFT5TN00
以上になります。
決して茜ちゃんが静かに出来ないとかではなく、喋ってもいい場で喋らずに居るというのは案外難しいという話です。その辺全然我慢が効かない面子が半数以上揃ってしまいましたが。まぁ楓さんは自分の駄洒落に吹き出しただけなんですけども。
それでは日野ちゃんがご飯をおかずにご飯を食べる日を願って。
決して茜ちゃんが静かに出来ないとかではなく、喋ってもいい場で喋らずに居るというのは案外難しいという話です。その辺全然我慢が効かない面子が半数以上揃ってしまいましたが。まぁ楓さんは自分の駄洒落に吹き出しただけなんですけども。
それでは日野ちゃんがご飯をおかずにご飯を食べる日を願って。
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/25(月) 03:31:39.03 ID:lbJVhZ5wo
おつおつ
人選がフリーダム過ぎる件…ぼの&Pも意外とMCにあっててよかったわww
これ○○選手権でシリーズ化しない?
人選がフリーダム過ぎる件…ぼの&Pも意外とMCにあっててよかったわww
これ○○選手権でシリーズ化しない?
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432473923/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【ごちうさ】指先の熱
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/25(金) 23:39:35.97 ID:9DYlLVoM0
喧嘩の原因は、ささいなことだった。
それでも、昨日の今日で素直に話せるような大人にもなりきれない。
なのに、どうして、この人は。
「ココアさん……」
私のベッドに寝そべっている自称姉を、寝ぼけ眼で見やった。
やけに熱いと思った。
人一人の体温がベッドを温めていたのだ。
いつの間に、この部屋に入ったのだろう。
時々、忍者のような身のこなしをする。
本当に、驚く。
起こすべきか。
否か。
起きたら、何かまた甘ったるい言葉を浴びせられそうだ。
「あの、困ります」
小声で呟いた。
「んー」
憎たらしいくらい微笑みを浮かべ、眠っている。
このままベッドから突き落として、そこの狭い溝にはめてしまおうか。
どうしようか。
肩を少し、押してみた。
「うん……ん」
唸る。
困った。
何より困ったのは、彼女が私の手をしっかり握っていたことだった。
それでも、昨日の今日で素直に話せるような大人にもなりきれない。
なのに、どうして、この人は。
「ココアさん……」
私のベッドに寝そべっている自称姉を、寝ぼけ眼で見やった。
やけに熱いと思った。
人一人の体温がベッドを温めていたのだ。
いつの間に、この部屋に入ったのだろう。
時々、忍者のような身のこなしをする。
本当に、驚く。
起こすべきか。
否か。
起きたら、何かまた甘ったるい言葉を浴びせられそうだ。
「あの、困ります」
小声で呟いた。
「んー」
憎たらしいくらい微笑みを浮かべ、眠っている。
このままベッドから突き落として、そこの狭い溝にはめてしまおうか。
どうしようか。
肩を少し、押してみた。
「うん……ん」
唸る。
困った。
何より困ったのは、彼女が私の手をしっかり握っていたことだった。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/25(金) 23:46:56.75 ID:9DYlLVoM0
例え、彼女を落としても自分も一緒に道連れになる可能性が高い。
「ほんと、困ります」
ため息。
とりあえず、熱いので掛け布団を引き剥がす。
いつものパーカー姿。
と思ったら、
「コ、ココアさん!?」
下のホットパンツを履いてない。
太ももの付け根のラインにピンクの下着のラインが見えた。
咄嗟に、布団をかけ直す。
い、一体、下半身の本体はどこに?
「はッ」
ベッドの足元の方に何かずり落ちかけているものを発見。
まさか。
もしや。
熱くて、脱いでしまった。
そういうことなのか。
「ほんと、困ります」
ため息。
とりあえず、熱いので掛け布団を引き剥がす。
いつものパーカー姿。
と思ったら、
「コ、ココアさん!?」
下のホットパンツを履いてない。
太ももの付け根のラインにピンクの下着のラインが見えた。
咄嗟に、布団をかけ直す。
い、一体、下半身の本体はどこに?
「はッ」
ベッドの足元の方に何かずり落ちかけているものを発見。
まさか。
もしや。
熱くて、脱いでしまった。
そういうことなのか。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/25(金) 23:53:26.75 ID:9DYlLVoM0
勘弁して欲しい。
音を立てないように、ホットパンツを拾いあげる。
ちょっと温かいのが、生々しい。
「どうしましょうか……」
「んう、チ、ノちゃ?」
「コ、ココアさん?」
何の前触れもなく、むくりと起き上がるココアさん。
ちょっと、怖い。
「あれー…」
目を瞬かせる。
「どうして、私のパンツ持ってるの?」
「こ、これは」
首が重だるいのか、傾けて、
「あ、ああ! も、もしや怒ってる? 怒ってるんだ!?」
急に覚醒したように目を見開いた。
音を立てないように、ホットパンツを拾いあげる。
ちょっと温かいのが、生々しい。
「どうしましょうか……」
「んう、チ、ノちゃ?」
「コ、ココアさん?」
何の前触れもなく、むくりと起き上がるココアさん。
ちょっと、怖い。
「あれー…」
目を瞬かせる。
「どうして、私のパンツ持ってるの?」
「こ、これは」
首が重だるいのか、傾けて、
「あ、ああ! も、もしや怒ってる? 怒ってるんだ!?」
急に覚醒したように目を見開いた。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/26(土) 23:23:54.82 ID:mgGQfxUL0
「落ちついてください。確かに怒ってますけど、それで人の衣服をはいだりしません。ココアさんじゃあるまいし」
「私だって、しないもん!」
「なんでもいいですから、早くはいてください……みっともないですよ」
「私じゃないのに……」
じゃあ、誰が脱がしたと言うのだろう。
ティッピー?
まさか。
犯罪だ。
ココアさんはぶつぶつと文句を言って、口を尖らせた。
「それと」
一番言わなくてはいけないこと。
とても言いずらい。
「手、手を離してください」
一体、いつからいつまで握っておくつもりなんだろう。
「あ、これね、仲直りの仕方が分からなくて……」
より一層強く握ってくる。
「知りません。これじゃあ、私、起きれないじゃないですか」
「私だって、しないもん!」
「なんでもいいですから、早くはいてください……みっともないですよ」
「私じゃないのに……」
じゃあ、誰が脱がしたと言うのだろう。
ティッピー?
まさか。
犯罪だ。
ココアさんはぶつぶつと文句を言って、口を尖らせた。
「それと」
一番言わなくてはいけないこと。
とても言いずらい。
「手、手を離してください」
一体、いつからいつまで握っておくつもりなんだろう。
「あ、これね、仲直りの仕方が分からなくて……」
より一層強く握ってくる。
「知りません。これじゃあ、私、起きれないじゃないですか」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/26(土) 23:35:03.19 ID:mgGQfxUL0
語気を強めて言うと、渋りつつもココアさんは手を離した。
「チノちゃんのベッドはぐっすり眠れるねー」
「それはどうも」
笑いかけながら、彼女は私の頭の上に手を伸ばした。
それをさっと避ける。
「なんで、避けたの!?」
「一応、これでも怒ってますから」
「嘘!」
「嘘じゃありません」
「た、確かに、昨日買い物帰りにめぐちゃん達と兎を追いかけたのは悪かったと思うけど、頭を撫でるのとそれとは関係ないでしょ!」
「あ、あります! 十分、ありますから」
この言い草だと、この人は私が本当は何に怒っているのか気が付いていない。
何だか腹立たしい。
自分だけが、焦っているみたい。
自分だけが、どうしてこんな気持ちにならなくてはいけないんだろう。
「チノちゃんのベッドはぐっすり眠れるねー」
「それはどうも」
笑いかけながら、彼女は私の頭の上に手を伸ばした。
それをさっと避ける。
「なんで、避けたの!?」
「一応、これでも怒ってますから」
「嘘!」
「嘘じゃありません」
「た、確かに、昨日買い物帰りにめぐちゃん達と兎を追いかけたのは悪かったと思うけど、頭を撫でるのとそれとは関係ないでしょ!」
「あ、あります! 十分、ありますから」
この言い草だと、この人は私が本当は何に怒っているのか気が付いていない。
何だか腹立たしい。
自分だけが、焦っているみたい。
自分だけが、どうしてこんな気持ちにならなくてはいけないんだろう。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/26(土) 23:44:19.84 ID:mgGQfxUL0
「先に降りますから」
背中にココアさんの泣き言を浴びながら、私は部屋を後にした。
ココアさんに構っていたら、朝の支度が遅くなってしまう。
全く。
朝だけで、私は何度全くと思っているのか。
まったく。
ティッピーが、ドアの脇からこちらの様子をうかがっている。
「大丈夫か?」
心配そうに言った。
足元に近づいてきたので、拾い上げて頭の上に乗せた。
「大丈夫です……」
「血圧と動悸には気をつけるんじゃぞ」
確か、そういうのって遺伝するだっけ。
半分聞き流しながら、キッチンに向かった。
背中にココアさんの泣き言を浴びながら、私は部屋を後にした。
ココアさんに構っていたら、朝の支度が遅くなってしまう。
全く。
朝だけで、私は何度全くと思っているのか。
まったく。
ティッピーが、ドアの脇からこちらの様子をうかがっている。
「大丈夫か?」
心配そうに言った。
足元に近づいてきたので、拾い上げて頭の上に乗せた。
「大丈夫です……」
「血圧と動悸には気をつけるんじゃぞ」
確か、そういうのって遺伝するだっけ。
半分聞き流しながら、キッチンに向かった。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/26(土) 23:55:49.63 ID:mgGQfxUL0
それこそ、ココアさんのことだってささいなことなのに。
昨日はお客さんもいなかったので、買い物から帰ったら、二人で新作パンケーキを考える時間にしようと決めていた。
いつもだったら思わないけれど、お客さんが来ないようにと願っていた。
なのに、当の本人はいつまで経っても戻って来ない。
事故でもしたのかと、転んだんじゃないのかと、とても心配した。
この街で、何か事件が起こるとは思えないけど。
でも、結局その貴重な時間は、ウサギの追いかけっこに使われてしまったのだ。
貴重な時間?
「別に、貴重という程でも……ないです」
「何を言っておるのじゃ、チノ」
「え、あ」
独り言を喋ってしまった。
恥ずかしい。
「なんでもないです……」
ココアさんだって、約束を破ったし。
貴重なんて考えるだけ、損な話だと思う。
昨日はお客さんもいなかったので、買い物から帰ったら、二人で新作パンケーキを考える時間にしようと決めていた。
いつもだったら思わないけれど、お客さんが来ないようにと願っていた。
なのに、当の本人はいつまで経っても戻って来ない。
事故でもしたのかと、転んだんじゃないのかと、とても心配した。
この街で、何か事件が起こるとは思えないけど。
でも、結局その貴重な時間は、ウサギの追いかけっこに使われてしまったのだ。
貴重な時間?
「別に、貴重という程でも……ないです」
「何を言っておるのじゃ、チノ」
「え、あ」
独り言を喋ってしまった。
恥ずかしい。
「なんでもないです……」
ココアさんだって、約束を破ったし。
貴重なんて考えるだけ、損な話だと思う。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 00:07:26.95 ID:0/GHUJB/0
それに。二人きりになる必要なんてない。
みんなが揃った時に、アイデアを出し合ってもいいと思う。
ココアさんと考えるより、そっちの方がよっぽど素敵なパンケーキが作れそう。
「あ」
気が付いたら、卵焼きが少し焦げてしまった。
誰が食べる?
私かな。
ココアさんの分を作り直す。
フライパンを持つ左手が熱い。
それは当たり前ではあるけど。
収まりが悪い感じ。
握り心地がしっくりきてない。
フライパンの柄が悪いわけじゃない。
ごめんね。
もう少し握っておけば良かった。
意地なんて張らずに。
困り顔のココアさんを見るのは楽しい。
甘えてくるココアさんもちょっと好き。
意地悪なことしてる。
年上の人なのに。
「チ、チノちゃあん」
キッチンのドアから上目遣いでこちらを覗いていた。
「ご飯にしますよ」
ぶっきらぼうに言った。
「はーい!」
でも、笑顔が一番好き。
みんなが揃った時に、アイデアを出し合ってもいいと思う。
ココアさんと考えるより、そっちの方がよっぽど素敵なパンケーキが作れそう。
「あ」
気が付いたら、卵焼きが少し焦げてしまった。
誰が食べる?
私かな。
ココアさんの分を作り直す。
フライパンを持つ左手が熱い。
それは当たり前ではあるけど。
収まりが悪い感じ。
握り心地がしっくりきてない。
フライパンの柄が悪いわけじゃない。
ごめんね。
もう少し握っておけば良かった。
意地なんて張らずに。
困り顔のココアさんを見るのは楽しい。
甘えてくるココアさんもちょっと好き。
意地悪なことしてる。
年上の人なのに。
「チ、チノちゃあん」
キッチンのドアから上目遣いでこちらを覗いていた。
「ご飯にしますよ」
ぶっきらぼうに言った。
「はーい!」
でも、笑顔が一番好き。
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 20:40:29.15 ID:0/GHUJB/0
「チーノちゃんッ、ふふふッ」
後ろから抱き付いてくる。
「邪魔です危ないです。……邪魔です」
「付け加えた!?」
頬っぺたを私の頬っぺたに擦り付けて、
「うええーんッ」
「やめてください」
温かい。
「はい……」
もっとして欲しいけれど。
怒っている手前、言うに言えない。
だって、こちらが敗北したような気がするから。
ここで甘やかしたらダメ。
「何かついてる?」
「あ、いえ」
誤魔化すように、コーヒーを淹れる。
今、見惚れてたみたい。
気付かれてないだろうか。
恥ずかしい。
後ろから抱き付いてくる。
「邪魔です危ないです。……邪魔です」
「付け加えた!?」
頬っぺたを私の頬っぺたに擦り付けて、
「うええーんッ」
「やめてください」
温かい。
「はい……」
もっとして欲しいけれど。
怒っている手前、言うに言えない。
だって、こちらが敗北したような気がするから。
ここで甘やかしたらダメ。
「何かついてる?」
「あ、いえ」
誤魔化すように、コーヒーを淹れる。
今、見惚れてたみたい。
気付かれてないだろうか。
恥ずかしい。
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:09:12.65 ID:0/GHUJB/0
見惚れたと言っても、笑顔にということで、
決してココアさんに見惚れたとかそう言うことではない。
朝の時間は多少ココアさんのせいでバタつくことになった。
軽い言い合いをしながら、駆け足気味で二人別々の学校へ向かった。
ココアさんと別れ、いつもより遅れて教室に入るとマヤさんもメグもさんも席に着いてお喋りしていた。
「おはようございます」
二人も私に気付き挨拶を返す。
「なあなあ、知ってる?」
「何がですか?」
鞄から教科書を出しながら耳だけを傾けた。
「今日、職員室の前通ったら聞こえたんだけどさ、あの一番前の端っこの席の子いるじゃん? 急にこのクラスから転校するって」
動きを止めて、マヤさんを見た。
「急ですね」
「そうなんだよ」
ほとんど話した記憶がない。挨拶を何回かしたくらいの子だ。
友達、というよりも知り合いに近い。
それでも、急にいなくなると思ったら寂しい気持ちになった。
「お別れって、突然なんだよね~」
メグさんが周りに聞こえないくらいの小声で話す。
「なんか、両親の仲が上手くいってなかったみたいらしい……あ、いやこれ以上はやめとく」
マヤさんは口元を右手で押さえた。
偶然に知ったにしろ、人に話す内容じゃなかったと自分で気づいたみたいだった。
私も、それ以上は何も聞かなかった。
決してココアさんに見惚れたとかそう言うことではない。
朝の時間は多少ココアさんのせいでバタつくことになった。
軽い言い合いをしながら、駆け足気味で二人別々の学校へ向かった。
ココアさんと別れ、いつもより遅れて教室に入るとマヤさんもメグもさんも席に着いてお喋りしていた。
「おはようございます」
二人も私に気付き挨拶を返す。
「なあなあ、知ってる?」
「何がですか?」
鞄から教科書を出しながら耳だけを傾けた。
「今日、職員室の前通ったら聞こえたんだけどさ、あの一番前の端っこの席の子いるじゃん? 急にこのクラスから転校するって」
動きを止めて、マヤさんを見た。
「急ですね」
「そうなんだよ」
ほとんど話した記憶がない。挨拶を何回かしたくらいの子だ。
友達、というよりも知り合いに近い。
それでも、急にいなくなると思ったら寂しい気持ちになった。
「お別れって、突然なんだよね~」
メグさんが周りに聞こえないくらいの小声で話す。
「なんか、両親の仲が上手くいってなかったみたいらしい……あ、いやこれ以上はやめとく」
マヤさんは口元を右手で押さえた。
偶然に知ったにしろ、人に話す内容じゃなかったと自分で気づいたみたいだった。
私も、それ以上は何も聞かなかった。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:23:06.08 ID:0/GHUJB/0
HRでは案の定その子の話題となった。
先生の話では、家庭の事情で引っ越しするらしかった。
本当の所は分からない。
その子に聞いてみでもしないと。
けれど、自分の親のことを根掘り葉掘り聞かれるのはきっと嫌だと思う。
少なくとも、私は答えることができない。
できないように、育ってきた。
想像にしか過ぎないけれど、なんとなく分かるような気がした。
その子の気持ちが。
分かった所で、私には何もできやしないけれど。
お昼の時間に、その子とトイレで一緒になった。
私が言うのも変だけど、大人しい子だった。
自分から話すタイプの子じゃない。
ココアさんに出会う前の私なら、きっと話しかけたりなんてしなかったのに。
なぜか、放っておけない気持ちになって声をかけてしまった。
「寂しいですね」
手を洗う彼女はゆっくりとこちらを向いた。
「うん」
口もとをまごつかせて、喉を動かそうとしているのが見てとれた。
喋ろうとしているみたい。
「あの? どうされましたか?」
助け舟を出そうと、もう一度声をかけた。
「同じだと思ったのに」
「え?」
その子が言った。
「香風さんも、お父さんと上手くいってないんだよね」
悪意のある笑みを浮かべられて、私は顔をしかめた。
「どういうことでしょうか」
「授業参観とか、そういうの見てたら分かるよ」
先生の話では、家庭の事情で引っ越しするらしかった。
本当の所は分からない。
その子に聞いてみでもしないと。
けれど、自分の親のことを根掘り葉掘り聞かれるのはきっと嫌だと思う。
少なくとも、私は答えることができない。
できないように、育ってきた。
想像にしか過ぎないけれど、なんとなく分かるような気がした。
その子の気持ちが。
分かった所で、私には何もできやしないけれど。
お昼の時間に、その子とトイレで一緒になった。
私が言うのも変だけど、大人しい子だった。
自分から話すタイプの子じゃない。
ココアさんに出会う前の私なら、きっと話しかけたりなんてしなかったのに。
なぜか、放っておけない気持ちになって声をかけてしまった。
「寂しいですね」
手を洗う彼女はゆっくりとこちらを向いた。
「うん」
口もとをまごつかせて、喉を動かそうとしているのが見てとれた。
喋ろうとしているみたい。
「あの? どうされましたか?」
助け舟を出そうと、もう一度声をかけた。
「同じだと思ったのに」
「え?」
その子が言った。
「香風さんも、お父さんと上手くいってないんだよね」
悪意のある笑みを浮かべられて、私は顔をしかめた。
「どういうことでしょうか」
「授業参観とか、そういうの見てたら分かるよ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:32:33.00 ID:0/GHUJB/0
いつの話をしているのか、記憶を遡ろうとした。
けれど、すぐに彼女がもっとこちらの度肝を抜くような事を言った。
「あんた、変わった。最近楽しそう。いいね、羨ましい、羨ましくて、羨ましすぎて憎い。あんたも同じようになっちゃえばいいのに!」
水を思いっきりかけられた。
「きゃ?!」
「この街に来たら、幸せになれるんじゃないの……? ずるい!」
目に入った水を手で拭っている間に、彼女は走り去ってしまった。
ポタポタと前髪を濡らした水滴が、滴り落ちていく。
驚いて、声も出なかった。
おもむろにハンカチで顔を拭いた。
ずるい?
鏡に映った自分に問いかける。
私が一体どんなずるをしたというんだろう。
けれど、すぐに彼女がもっとこちらの度肝を抜くような事を言った。
「あんた、変わった。最近楽しそう。いいね、羨ましい、羨ましくて、羨ましすぎて憎い。あんたも同じようになっちゃえばいいのに!」
水を思いっきりかけられた。
「きゃ?!」
「この街に来たら、幸せになれるんじゃないの……? ずるい!」
目に入った水を手で拭っている間に、彼女は走り去ってしまった。
ポタポタと前髪を濡らした水滴が、滴り落ちていく。
驚いて、声も出なかった。
おもむろにハンカチで顔を拭いた。
ずるい?
鏡に映った自分に問いかける。
私が一体どんなずるをしたというんだろう。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:46:06.00 ID:0/GHUJB/0
教室に戻ると、その子は早退していた。
マヤさんにもメグさんにも、制服がビショビショになっていることを言及された。
とっさに、顔を洗ったらかかり過ぎてしまったと話した。
二人とも心配しつつ、呆れながら笑っていた。
その日彼女に突き刺すように言われた言葉は、家に帰ってからも気になっていた。
落ち着かない。
「私……」
椅子の背もたれに寄りかかる。
重みを受けて、椅子が鳴った。
天井を仰ぐ。
彼女は、私の何を見て羨ましいと思ったのだろう。
彼女は、幸せになりたかったんだということは分かった。
じゃあ、私は幸せの抜け駆けをしたというのだろうか。
幸せ。
私が。
それは、そうなのかもしれない。
でも、手を伸ばしてそれを受け止めている気もしない。
受け止めてはいけないような。
それこそ、抜け駆けしているような気がする。
誰かに、遠慮している感じ。
椅子から立ち上がって、振り返る。
ココアさんが立っていた。
「何してるんですか」
内心、かなり驚きながら静かに尋ねた。
「夕飯の時から元気無かったからね、気になってたんだよ?」
マヤさんにもメグさんにも、制服がビショビショになっていることを言及された。
とっさに、顔を洗ったらかかり過ぎてしまったと話した。
二人とも心配しつつ、呆れながら笑っていた。
その日彼女に突き刺すように言われた言葉は、家に帰ってからも気になっていた。
落ち着かない。
「私……」
椅子の背もたれに寄りかかる。
重みを受けて、椅子が鳴った。
天井を仰ぐ。
彼女は、私の何を見て羨ましいと思ったのだろう。
彼女は、幸せになりたかったんだということは分かった。
じゃあ、私は幸せの抜け駆けをしたというのだろうか。
幸せ。
私が。
それは、そうなのかもしれない。
でも、手を伸ばしてそれを受け止めている気もしない。
受け止めてはいけないような。
それこそ、抜け駆けしているような気がする。
誰かに、遠慮している感じ。
椅子から立ち上がって、振り返る。
ココアさんが立っていた。
「何してるんですか」
内心、かなり驚きながら静かに尋ねた。
「夕飯の時から元気無かったからね、気になってたんだよ?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 21:53:30.09 ID:0/GHUJB/0
駆け寄って抱き着こうとしてきたので、下方に避けた。
「うええ?」
困惑顔。
「今はちょっと」
考えがまとまらない。
ココアさんに抱きつかれたら、余計にこんがらがる。
「悩み事かな?」
「そう、だと思います」
つい昨日まで気に留めていなかった、留めないようにしていたこと。
そうしないと、いけないと思っていたこと。
意識し始めると、もうだめだ。
そればかり、考えてしまう。
寂しさが急に溢れ出してしまう。
「やっぱり、まだ怒ってる?」
おずおずとココアさんが言った。
「そうじゃないんです」
「うええ?」
困惑顔。
「今はちょっと」
考えがまとまらない。
ココアさんに抱きつかれたら、余計にこんがらがる。
「悩み事かな?」
「そう、だと思います」
つい昨日まで気に留めていなかった、留めないようにしていたこと。
そうしないと、いけないと思っていたこと。
意識し始めると、もうだめだ。
そればかり、考えてしまう。
寂しさが急に溢れ出してしまう。
「やっぱり、まだ怒ってる?」
おずおずとココアさんが言った。
「そうじゃないんです」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 22:06:11.66 ID:0/GHUJB/0
「私が聞いてもいいことかな?」
柔らかく笑う。
そっと、私の手を握りしめた。
けれど、私は首を横に振った。
「そっか」
きっと、この人は、私が隠しごとをしたと言って、また千夜さんあたりに泣きつきにいくのだろう。
優しくて繊細な人だから。
強がりな人だから。
本当は聞きたい癖に、それ以上は踏み込まない。
困らせたいわけじゃないのに。
上手くいかない。
いつもみたいに、ずかずかと踏み込んできて欲しい。
母との別れを悟ったあの日から、父にそう思ったように。
子どもの時に空いた穴を思い出して苦しい。
ココアさんがいたから、少し忘れることができていた。
けど、それは、母にも父にも抜け駆けしているようで。
指先の熱に怯えて、素直に甘えられない。
柔らかく笑う。
そっと、私の手を握りしめた。
けれど、私は首を横に振った。
「そっか」
きっと、この人は、私が隠しごとをしたと言って、また千夜さんあたりに泣きつきにいくのだろう。
優しくて繊細な人だから。
強がりな人だから。
本当は聞きたい癖に、それ以上は踏み込まない。
困らせたいわけじゃないのに。
上手くいかない。
いつもみたいに、ずかずかと踏み込んできて欲しい。
母との別れを悟ったあの日から、父にそう思ったように。
子どもの時に空いた穴を思い出して苦しい。
ココアさんがいたから、少し忘れることができていた。
けど、それは、母にも父にも抜け駆けしているようで。
指先の熱に怯えて、素直に甘えられない。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 22:15:34.36 ID:0/GHUJB/0
その夜、目を閉じてから暫く寝られなかった。
その日、月は空のずっと上の方にあった。
窓からは見えない。
ちょうど天上の真上あたり。
それを思い描きながら、目を瞑り続ける。
何か飲み物でもと思ったけれど、ちょうど廊下の軋む音が聞こえたので、すぐに寝たふりをした。
音もなく、けれど気配でココアさんが部屋に入ってきたのがわかった。
気を遣わせてしまった。
すごく、申し訳ない。
ベッドの上に静かに上がって、布団の中に入ってくる。
ずっと一人で寝るのが当たり前だと思っていた。
二人で寝るってどういうことなのだろうか考えたこともある。
ココアさんが来てから、それはすぐに分かった。
それは、とても簡単なこと。
自分を想って眠りに着く人が、すぐ隣にいるということだった。
くすぐったい。
私なんかを。
そう口に出せば、怒るんだろう。
でも、私なんかを、なのだ。
その日、月は空のずっと上の方にあった。
窓からは見えない。
ちょうど天上の真上あたり。
それを思い描きながら、目を瞑り続ける。
何か飲み物でもと思ったけれど、ちょうど廊下の軋む音が聞こえたので、すぐに寝たふりをした。
音もなく、けれど気配でココアさんが部屋に入ってきたのがわかった。
気を遣わせてしまった。
すごく、申し訳ない。
ベッドの上に静かに上がって、布団の中に入ってくる。
ずっと一人で寝るのが当たり前だと思っていた。
二人で寝るってどういうことなのだろうか考えたこともある。
ココアさんが来てから、それはすぐに分かった。
それは、とても簡単なこと。
自分を想って眠りに着く人が、すぐ隣にいるということだった。
くすぐったい。
私なんかを。
そう口に出せば、怒るんだろう。
でも、私なんかを、なのだ。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 22:30:01.00 ID:0/GHUJB/0
空の向こうの世界は、太陽よりも月よりももっとずっと遠くにあって。
朝が来ても夜が来ても、何度日が巡っても、決して私のいる場所と混じり合うことはない。
この木組みの街は、幸せに溢れている。
それに憧れて来る人もいれば、手にできずに去る人もいる。
母は、手にして去っていったのだろうか。
父にはあまり聞いたことがない。
夜は、どこまでも暗い。
暗く、深く、幸せから遠ざかっていく。
あの子は、私が幸せだと言ったけど、
幸せと言うのは目の前のことに一生懸命になれる人の事だと思う。
どんなに完璧にコーヒーを淹れれたって、
どんなに素敵に接客をしたって、
私はまだ太陽よりも月よりも遠い世界のことが気になっている。
「ココアさん……」
「は、はい!」
眠っていると思ったのだろう。
ココアさんはびくりとして私の頭を撫でる手を急いで引っ込めようとした。
それを急いで引っ掴む。
「続けてください」
「へ?」
予想しなかった言葉だったのか、動きが止まる。
「もっと、撫でてくださいって言ったんですが……ご迷惑でしたか?」
「そ、そんなことないよ!」
お姉ちゃんに任せなさい、と小声で言ってポーズを決める。
朝が来ても夜が来ても、何度日が巡っても、決して私のいる場所と混じり合うことはない。
この木組みの街は、幸せに溢れている。
それに憧れて来る人もいれば、手にできずに去る人もいる。
母は、手にして去っていったのだろうか。
父にはあまり聞いたことがない。
夜は、どこまでも暗い。
暗く、深く、幸せから遠ざかっていく。
あの子は、私が幸せだと言ったけど、
幸せと言うのは目の前のことに一生懸命になれる人の事だと思う。
どんなに完璧にコーヒーを淹れれたって、
どんなに素敵に接客をしたって、
私はまだ太陽よりも月よりも遠い世界のことが気になっている。
「ココアさん……」
「は、はい!」
眠っていると思ったのだろう。
ココアさんはびくりとして私の頭を撫でる手を急いで引っ込めようとした。
それを急いで引っ掴む。
「続けてください」
「へ?」
予想しなかった言葉だったのか、動きが止まる。
「もっと、撫でてくださいって言ったんですが……ご迷惑でしたか?」
「そ、そんなことないよ!」
お姉ちゃんに任せなさい、と小声で言ってポーズを決める。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 22:44:14.14 ID:0/GHUJB/0
どうして普通に笑えるようになったのか。目の前のココアさんに笑顔になって欲しかったから。
どうしてもっと人に頼るようになったのか。目の前のココアさんにもっと甘えられるようになりたかったから。
まるで、初めからそうだったみたいに。喧嘩なんてする暇もないくらいに、本当は彼女のことをもっと知りたい。
お姉ちゃんが欲しいと思ったことはあった。でも、少し違う気がする。
私は、ココアさんが欲しい。
どんな誕生日のプレゼントよりも、
母の写真を見るよりも、
私に力をくれる彼女が欲しい。
お母さんごめんなさい。
お父さんごめんなさい。
おじいちゃんごめんなさい。
転校したあの子ごめんなさい。
ごめんなさい。
ささいな喧嘩で拗ねて。
私は私の幸せに自信なんてこれっぽちもないから。
ごめんなさい。
私の幸せを願ってしまって。
どうしてもっと人に頼るようになったのか。目の前のココアさんにもっと甘えられるようになりたかったから。
まるで、初めからそうだったみたいに。喧嘩なんてする暇もないくらいに、本当は彼女のことをもっと知りたい。
お姉ちゃんが欲しいと思ったことはあった。でも、少し違う気がする。
私は、ココアさんが欲しい。
どんな誕生日のプレゼントよりも、
母の写真を見るよりも、
私に力をくれる彼女が欲しい。
お母さんごめんなさい。
お父さんごめんなさい。
おじいちゃんごめんなさい。
転校したあの子ごめんなさい。
ごめんなさい。
ささいな喧嘩で拗ねて。
私は私の幸せに自信なんてこれっぽちもないから。
ごめんなさい。
私の幸せを願ってしまって。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 22:49:47.98 ID:0/GHUJB/0
「私、わがままですよね」
「私はそれが嬉しいんだけどね」
「そう……なんですか」
「妹はわがままを言うのも仕事なんだよ」
「お給料は誰が支払うんですか?」
「えっとねえ、あ、あー、シャロちゃんかな」
「払えそうですか……?」
「たぶん!」
生活費が無くなりそうだ。
「私はそれが嬉しいんだけどね」
「そう……なんですか」
「妹はわがままを言うのも仕事なんだよ」
「お給料は誰が支払うんですか?」
「えっとねえ、あ、あー、シャロちゃんかな」
「払えそうですか……?」
「たぶん!」
生活費が無くなりそうだ。
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 23:00:56.31 ID:0/GHUJB/0
二人、小さく笑い合った。
おかしいくらいに楽しくて、この時間がたまらなく好き。
もっと味わいたい。
「私……」
喉元までで、一度躊躇して言った。
「ココアさんが欲しい」
沈黙。
「あ、その」
しまった。
自分の発した言葉の意味を自分でも理解できないまま、慌てた。
「もー、私はチノちゃんのお姉ちゃんなんだから言われなくてもチノちゃんのものだよ?」
頬を指でつんつんされた。
おかしいくらいに楽しくて、この時間がたまらなく好き。
もっと味わいたい。
「私……」
喉元までで、一度躊躇して言った。
「ココアさんが欲しい」
沈黙。
「あ、その」
しまった。
自分の発した言葉の意味を自分でも理解できないまま、慌てた。
「もー、私はチノちゃんのお姉ちゃんなんだから言われなくてもチノちゃんのものだよ?」
頬を指でつんつんされた。
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 23:19:39.08 ID:0/GHUJB/0
そういう軽いノリで言ったわけでもない。
私は何がしたいんだろう。
ココアさんに何をして欲しいんだろう。
彼女の指を掴んだ。
指と指を絡めて、起き上がった。
「ココアさんが欲しいと言うのとは……きっと、もっと違う意味です」
「違う意味?」
「上手く言えませんが……」
「……そうだよね。自分のことって難しいよね」
「自分のことが一番分からないです……」
「私も、そうだよ」
「でも、不思議と嫌いになれない」
「あ、それはなんでか分かるよ」
「?」
ココアさんは自分の胸元に私の頭を寄せた。
ふわりと甘い匂いと温もりが顔に広がった。
「チノちゃんのこと好きな人がたくさんいるからだよ。ここにも。そして、チノちゃんもそんなみんなが好き。だから、嫌いになれない」
ココアさんは。
ココアさんは凄い。
私の欲しい言葉をくれる。
でも、本当に欲しい言葉は、まだ――。
「ココアさんは……私のこと、欲しいですか?」
私は何がしたいんだろう。
ココアさんに何をして欲しいんだろう。
彼女の指を掴んだ。
指と指を絡めて、起き上がった。
「ココアさんが欲しいと言うのとは……きっと、もっと違う意味です」
「違う意味?」
「上手く言えませんが……」
「……そうだよね。自分のことって難しいよね」
「自分のことが一番分からないです……」
「私も、そうだよ」
「でも、不思議と嫌いになれない」
「あ、それはなんでか分かるよ」
「?」
ココアさんは自分の胸元に私の頭を寄せた。
ふわりと甘い匂いと温もりが顔に広がった。
「チノちゃんのこと好きな人がたくさんいるからだよ。ここにも。そして、チノちゃんもそんなみんなが好き。だから、嫌いになれない」
ココアさんは。
ココアさんは凄い。
私の欲しい言葉をくれる。
でも、本当に欲しい言葉は、まだ――。
「ココアさんは……私のこと、欲しいですか?」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 23:37:34.09 ID:0/GHUJB/0
物心ついた時から、子どもらしさを母と共に失くしてしまったと思っていた。
周りは、自立した良い子なんて言ってくれるけど。
でも、本当は、泣かないように思い出さなかっただけで、ずっとしまい込んでいただけ。
子どもらしい喜びを追わなくなってしまっただけで。
目覚めた今は、少し大人の感情も紛れ込んでいた。
「それは、もう、私だって」
軽い口調で切り出した。
それで、分かってしまった。
ココアさんは、わざと的を外しているんだと。
「キス、したいですか?」
だから、聞いてやった。
言ってやった。
「私にキス……したいですか? 欲しいって、そういうことです」
彼女との顔の近さは、今にも正面衝突してしまいそうな距離だった。
逃げ出してしまいたい。
「チ、チノちゃん」
「私は……ココアさんに、そういう意味で言って欲しいんですッ」
力が入ってしまい、思わず後方に押し倒してしまう。
ココアさんがびっくりして、目を瞑っていた。
「す、すみませんッ」
「……」
闇夜にうっすらと彼女の白い首筋が見えた。
とても細い。
周りは、自立した良い子なんて言ってくれるけど。
でも、本当は、泣かないように思い出さなかっただけで、ずっとしまい込んでいただけ。
子どもらしい喜びを追わなくなってしまっただけで。
目覚めた今は、少し大人の感情も紛れ込んでいた。
「それは、もう、私だって」
軽い口調で切り出した。
それで、分かってしまった。
ココアさんは、わざと的を外しているんだと。
「キス、したいですか?」
だから、聞いてやった。
言ってやった。
「私にキス……したいですか? 欲しいって、そういうことです」
彼女との顔の近さは、今にも正面衝突してしまいそうな距離だった。
逃げ出してしまいたい。
「チ、チノちゃん」
「私は……ココアさんに、そういう意味で言って欲しいんですッ」
力が入ってしまい、思わず後方に押し倒してしまう。
ココアさんがびっくりして、目を瞑っていた。
「す、すみませんッ」
「……」
闇夜にうっすらと彼女の白い首筋が見えた。
とても細い。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 23:49:03.17 ID:0/GHUJB/0
無意識に、うなじに指が伸びた。
ココアさんは瞼を閉じたまま、びくりとした。
それが、あまりにもいやらしく、気恥ずかしくて、たまらなく愛おしかった。
「年下に…‥触られるのは嫌ですか?」
返事を待たずに、耳たぶをそっと擦った。
今度は目を開けて、私を押し返すように腕を伸ばす。
「チ、チノちゃん悪ふざけは」
「そうですね……。今なら、悪ふざけで終わりにできちゃいますね。どうしますか?」
「だ、だって、そんな」
拒否されたらどうしようか。
もう、明日からどんな顔をすればいいのか。
ココアさんは瞼を閉じたまま、びくりとした。
それが、あまりにもいやらしく、気恥ずかしくて、たまらなく愛おしかった。
「年下に…‥触られるのは嫌ですか?」
返事を待たずに、耳たぶをそっと擦った。
今度は目を開けて、私を押し返すように腕を伸ばす。
「チ、チノちゃん悪ふざけは」
「そうですね……。今なら、悪ふざけで終わりにできちゃいますね。どうしますか?」
「だ、だって、そんな」
拒否されたらどうしようか。
もう、明日からどんな顔をすればいいのか。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/27(日) 23:57:00.92 ID:0/GHUJB/0
「私だって、私がお姉ちゃんなのにッ……」
「?」
「私だって、チノちゃんを押し倒してキスしたいもん!!」
思ったより声が大きく、部屋に響いた。
私は慌てて彼女の口を手で覆った。
「そうですか……」
思いがけず、口元がにやついた。
「でも、今日はダメです」
なにせ、
「今日は私が先でしたから」
「?」
「私だって、チノちゃんを押し倒してキスしたいもん!!」
思ったより声が大きく、部屋に響いた。
私は慌てて彼女の口を手で覆った。
「そうですか……」
思いがけず、口元がにやついた。
「でも、今日はダメです」
なにせ、
「今日は私が先でしたから」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 00:26:15.26 ID:zT54PXkH0
「そっか……先に言ったもの勝ち。そういうことなんだね」
どうして、そんなギャンブラーみたいな発想に至ったのか、頭の回路を覗いてみたいものだ。
「勝ちも負けもありませんが」
彼女の肩に両手を乗せた。
心の準備はできただろうか。
誰のかって。
自分のに決まっている。
深呼吸。
「ところがどっこい!」
ココアさんがチャキチャキと言った。
「妹に先を越されるわけにはいきませんなあ!」
ココアさんも私の両肩に手を乗せた。
互いに体を寄せ合い始めるが、このままではまずいと思ってココアさんを押し返す。
そのため、距離は縮まることはない。
「チノちゃん、観念してもらうよ!」
「意味が分からないです」
どうして、そんなギャンブラーみたいな発想に至ったのか、頭の回路を覗いてみたいものだ。
「勝ちも負けもありませんが」
彼女の肩に両手を乗せた。
心の準備はできただろうか。
誰のかって。
自分のに決まっている。
深呼吸。
「ところがどっこい!」
ココアさんがチャキチャキと言った。
「妹に先を越されるわけにはいきませんなあ!」
ココアさんも私の両肩に手を乗せた。
互いに体を寄せ合い始めるが、このままではまずいと思ってココアさんを押し返す。
そのため、距離は縮まることはない。
「チノちゃん、観念してもらうよ!」
「意味が分からないです」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 20:46:15.56 ID:zT54PXkH0
「言った後に、実行したものが勝ちだよ!」
何か言い始めた。
なぜ、私はココアさんと手押し相撲をしているのだろう。
謎。
ココアさん、謎。
「ぐッ……バカ力」
「さ、私の熱いベーゼを食らうがよいよ! さあ!」
「そうせっつかれると、いるものもいらなくなりますね」
ぼそりと言うと、押す力が弱まった。
「……」
やっぱり、して欲しいのかな。
まさかとは思うけど、これは、彼女なりの照れ隠し?
私は力を弱めた。
「おりょ」
「そんなに先にしたいなら、仕方ありません。どうぞしてください。譲ります」
「え、いいの」
「いいも悪いも、ココアさんの熱意に負けました」
「そ、そっか」
目を瞑る。
首筋から、沸騰する水のように熱が湧き上がっていく。
今、自分はどんな顔をしているのだろう。
変じゃないかな。
小さな心臓は今か今かと体を揺さぶっていた。
何か言い始めた。
なぜ、私はココアさんと手押し相撲をしているのだろう。
謎。
ココアさん、謎。
「ぐッ……バカ力」
「さ、私の熱いベーゼを食らうがよいよ! さあ!」
「そうせっつかれると、いるものもいらなくなりますね」
ぼそりと言うと、押す力が弱まった。
「……」
やっぱり、して欲しいのかな。
まさかとは思うけど、これは、彼女なりの照れ隠し?
私は力を弱めた。
「おりょ」
「そんなに先にしたいなら、仕方ありません。どうぞしてください。譲ります」
「え、いいの」
「いいも悪いも、ココアさんの熱意に負けました」
「そ、そっか」
目を瞑る。
首筋から、沸騰する水のように熱が湧き上がっていく。
今、自分はどんな顔をしているのだろう。
変じゃないかな。
小さな心臓は今か今かと体を揺さぶっていた。
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 20:59:46.76 ID:zT54PXkH0
受け入れることで、私は一歩近づける気がした。
木組みの街の幸せに。
おでこに柔らかいものが触れる。
すぐに瞼を開いて、おでこを左手で擦った。
目の前のココアさんは両手を顔で覆っていた。
急に、どうしたのだろう。
泣いてる?
「コ、ココアさん?」
「ご、ごめんなさいッ」
指の隙間から、ココアさんはそう言った。
「なんで謝るんですか」
「チノちゃんが可愛くて……できない、です」
「……それは、困りましたね」
唐突に、恥ずかしい台詞。
耳まで熱くなっていくのが分かった。
思わず、顔を伏せてしまう。
木組みの街の幸せに。
おでこに柔らかいものが触れる。
すぐに瞼を開いて、おでこを左手で擦った。
目の前のココアさんは両手を顔で覆っていた。
急に、どうしたのだろう。
泣いてる?
「コ、ココアさん?」
「ご、ごめんなさいッ」
指の隙間から、ココアさんはそう言った。
「なんで謝るんですか」
「チノちゃんが可愛くて……できない、です」
「……それは、困りましたね」
唐突に、恥ずかしい台詞。
耳まで熱くなっていくのが分かった。
思わず、顔を伏せてしまう。
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 21:13:37.45 ID:zT54PXkH0
「私、そんなに言うほど……可愛くないです。不愛想ですし」
「違うよ! チノちゃんは……笑顔の素敵な……」
ココアさんは弾けるように顔を上げたかと思うと、私と目が合った途端、びくんとして固まった。
泣いてはいなかった。
眉根を寄せて、今にも逃げ出しそうな子犬みたいな表情。
触れようとすれば、逃げてしまいそうだ。
「み、見ないでチノちゃん!」
枕を投げつけられた。
「あふッ」
私の顎にゼロ距離でヒットした。
「今、唐突に風邪引いたから、近づいちゃだめだよッ」
「それは、ちょっと無理が」
少しずつ後ろに下がっていくココアさん。
そして、
「あ、落ちますよ」
「ふんが!?」
ずどんッ、と痛そうな音を立ててベッドから落ちた。
「違うよ! チノちゃんは……笑顔の素敵な……」
ココアさんは弾けるように顔を上げたかと思うと、私と目が合った途端、びくんとして固まった。
泣いてはいなかった。
眉根を寄せて、今にも逃げ出しそうな子犬みたいな表情。
触れようとすれば、逃げてしまいそうだ。
「み、見ないでチノちゃん!」
枕を投げつけられた。
「あふッ」
私の顎にゼロ距離でヒットした。
「今、唐突に風邪引いたから、近づいちゃだめだよッ」
「それは、ちょっと無理が」
少しずつ後ろに下がっていくココアさん。
そして、
「あ、落ちますよ」
「ふんが!?」
ずどんッ、と痛そうな音を立ててベッドから落ちた。
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 21:24:02.89 ID:zT54PXkH0
ベッドの上に残された足裏の話しかける。
「生きてますか?」
「なんとか」
「ココアさんがこんなに動揺するの初めて見ました」
昨日の一件は、これでチャラにしてもいいくらい。
「私も、なんでこんなにドキドキしてるか分からない」
ドキドキって。
「血圧と動悸には気をつけろって、おじ……お父さんが言ってました」
「病気かなあ」
「そうかもしれません」
こっそりと、近づく。
ベッドの上から、涙目のココアさんを見下ろした。
「生きてますか?」
「なんとか」
「ココアさんがこんなに動揺するの初めて見ました」
昨日の一件は、これでチャラにしてもいいくらい。
「私も、なんでこんなにドキドキしてるか分からない」
ドキドキって。
「血圧と動悸には気をつけろって、おじ……お父さんが言ってました」
「病気かなあ」
「そうかもしれません」
こっそりと、近づく。
ベッドの上から、涙目のココアさんを見下ろした。
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 21:37:32.00 ID:zT54PXkH0
病気なら薬で治る。
でも、薬が一生手放せなくなるかもしれない。
「……キスしたら、治ると思いますか」
「間違いなく、悪化すると思う」
「悪化したら……面倒くらい見ますよ」
ココアさんの反応は待たなかった。
ベッドから這うように降りて、
彼女の唇の上に、自分の唇を乗せた。
そして、すぐに離した。
「ココアさん、息してますか……」
「はッ……すうううー……ぅッごほ?!」
せき込みもだえる。
悪化したみたい。
でも、薬が一生手放せなくなるかもしれない。
「……キスしたら、治ると思いますか」
「間違いなく、悪化すると思う」
「悪化したら……面倒くらい見ますよ」
ココアさんの反応は待たなかった。
ベッドから這うように降りて、
彼女の唇の上に、自分の唇を乗せた。
そして、すぐに離した。
「ココアさん、息してますか……」
「はッ……すうううー……ぅッごほ?!」
せき込みもだえる。
悪化したみたい。
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 22:04:46.94 ID:zT54PXkH0
「ごほッ……チノちゃん」
「はい」
「今日は、もう、これ以上は……勘弁してください」
「まるで、私がゆすってるみたいに聞えるんですが」
「違うけど、これ以上は、もたないッ、むりッ。私、こういうの初めてで分からないもんッ。最近の中学生はガッツがあるね。ビックリだよ」
「初めて……」
「あ」
ココアさんがしまっとと言う顔をした。
「私もです」
「その割には、ぐいぐいと来られましたが……」
「怖いからです。怖いから、待っていられなかったんです。自信があったら、きっと自分から行ったりはしません」
一呼吸置いて、続けた。
「本当は、私のことなんてなんとも思ってないんじゃないかって怖かったんです。昨日だって、私との約束……二人で、作るの楽しみにしてたのに」
後からマヤさんに聞いた。
マヤさんがうっかりウサギの入っていたゲージを倒してしまって、捕まえるのに協力して遅くなったと。
言ってくれれば良かったのに。
「昨日は、ホントにごめんね」
なのに、それを言わない。
まるで何もなかったみたいに。
楽しい事をしてきたみたいに。
説明不足と言えばそうなのだけど。
彼女の場合、もしかしたら、何もかも楽しんでいるのかも。
「はい」
「今日は、もう、これ以上は……勘弁してください」
「まるで、私がゆすってるみたいに聞えるんですが」
「違うけど、これ以上は、もたないッ、むりッ。私、こういうの初めてで分からないもんッ。最近の中学生はガッツがあるね。ビックリだよ」
「初めて……」
「あ」
ココアさんがしまっとと言う顔をした。
「私もです」
「その割には、ぐいぐいと来られましたが……」
「怖いからです。怖いから、待っていられなかったんです。自信があったら、きっと自分から行ったりはしません」
一呼吸置いて、続けた。
「本当は、私のことなんてなんとも思ってないんじゃないかって怖かったんです。昨日だって、私との約束……二人で、作るの楽しみにしてたのに」
後からマヤさんに聞いた。
マヤさんがうっかりウサギの入っていたゲージを倒してしまって、捕まえるのに協力して遅くなったと。
言ってくれれば良かったのに。
「昨日は、ホントにごめんね」
なのに、それを言わない。
まるで何もなかったみたいに。
楽しい事をしてきたみたいに。
説明不足と言えばそうなのだけど。
彼女の場合、もしかしたら、何もかも楽しんでいるのかも。
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 22:51:54.54 ID:zT54PXkH0
「でも、なんともないなんて思ってないよ。チノちゃん、今日はどんな楽しいことがあったのかなとか。いじめられたりしてないかなとか。お腹空かせてないかなとか、まだ帰って来ないのかなとか。それは、もう、チノちゃんが困っちゃうくらいチノちゃんのこと考えてるよ! いつも!」
息を荒くして熱弁する。
笑ってしまった。もちろん、嬉しくて。
ココアさんは、お姉ちゃん。
この街でいつからか私が羨むようになっていた何か。
喧嘩したって手を繋いで、私の隣を歩いてくれる人で。
何も言わなくても夕暮れになれば、私を探してくれる存在。
特別な、私のお姉ちゃん。
「ココアさん、ありがとうございます」
私を、好きになってください。
もっと、もっと、もっと好きになってください。
ずっと、一緒にいてください。
どうか。
お願いします。
お母さんを忘れたわけじゃありません。
おじいちゃんを大切にしなくなるわけじゃありません。
ただ、私は、ココアさんが欲しい。
どんな甘いお菓子よりも、 父の慰めの言葉よりも、彼女が欲しい。
かつて、私の幸せは、この街にあったのかもしれない。
でも、もし、ココアさんに呼ばれれば、きっとどこにだって行ける気がする。
幸せは、今、この指先に――灯っている。
おわり
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 22:58:35.58 ID:zT54PXkH0
短くてすみません
ありがとうございます
ありがとうございます
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 22:59:50.04 ID:BWpFnF76o
乙なのです
この距離感とてもいい
この距離感とてもいい
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 23:07:31.48 ID:R8s7izIbo
乙
素晴らしい
素晴らしい
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/30(水) 00:15:16.96 ID:vgLqNDeyo
こちらこそありがとう、まだまだこのココチノ物語を読んでいたい気分
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/30(水) 00:18:42.04 ID:BH+hCWWzO
しおらしいココア凄く好き
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/30(水) 01:06:09.17 ID:Bx71dfo80
とても良かった
実は押されると弱いココアさん好き、二期最終話みたいな
実は押されると弱いココアさん好き、二期最終話みたいな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458916775/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ ご注文はうさぎですか? | Comments (0)
P「僕の千早は胸がある」
1: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 19:38:56.45 ID:xBharFQc0
※ このssにはオリジナル設定やキャラ崩壊が含まれます。
===
早速で悪いが、一つばかり訂正せねばならないことがある。
如月千早には確かに胸があったが、彼女自身は別に僕の所有物でもなんでもない。
なので、「僕の千早」というのは、誤りだ。ここに訂正を宣言する。
2: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 19:40:57.62 ID:xBharFQc0
「ふふっ、見てください……可愛いですね」
透明なビニールの中は水で満たされ、その小さな世界を、二匹の金魚が悠々自適に泳いでいた。
それを見る千早は、丸い。
そう、胸が大きくなってからというもの、なんだか千早が丸っこい。
優しいのだ、ほんわかしているのだ、余裕ができたと言うべきか。
胸の大きさが母性の大きさを象徴すると言っていたのは
どこのロリコンだっただろうか。少なくとも、僕ではない。
折りしも、夏祭りの夜である。
6: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 20:22:24.92 ID:xBharFQc0
===
「なんだか、人生の半分を損していたような気がします」
いつもの長髪を二つに結わえて、着物姿の彼女が笑う。
屋台に吊り下げられた提灯や、街灯の安っぽい明かりを受けて、深蒼色の着物が妖しくその色を変えていく。
角のとれた微笑で綿飴を口の端につける彼女を見れば、その言葉にも妙な説得力を感じるのだから面白い。
それはまな板と揶揄されて、小さな胸を締め付けるように伏せていた頃からは、考えられないほどの丸さだった。
川のほとり、花火を待つ人の群れにまぎれて、千早が言う。
「なんだか、人生の半分を損していたような気がします」
いつもの長髪を二つに結わえて、着物姿の彼女が笑う。
屋台に吊り下げられた提灯や、街灯の安っぽい明かりを受けて、深蒼色の着物が妖しくその色を変えていく。
角のとれた微笑で綿飴を口の端につける彼女を見れば、その言葉にも妙な説得力を感じるのだから面白い。
それはまな板と揶揄されて、小さな胸を締め付けるように伏せていた頃からは、考えられないほどの丸さだった。
川のほとり、花火を待つ人の群れにまぎれて、千早が言う。
7: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 20:23:09.69 ID:xBharFQc0
「……怒ってますか?」
「なにが」
「胸を、大きくしたことです」
「それで千早が良いのなら、僕に言えることは何も無いよ」
8: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 20:24:22.05 ID:xBharFQc0
そうして僕は思い出す。
あの日、いつものように事務所にやって来た彼女の胸には、隠しきれない存在感を放つ乳房がついていた。
一体全体、どこの魔女と契約を交わしてきたのか、良い塩梅の代物と引き換えに、彼女が対価として支払った物。
それが「歌」だ。
彼女は自分の「歌声」と引き換えに、その丸い母性を手に入れていたのである。
13: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 21:21:15.25 ID:xBharFQc0
===
「歌」という物は、それまでの千早にとっての全てであった。
歌うために生きており、歌のために生かされている。
彼女は、自らの歌声に自分を混ぜて歌っていた。だからこそ、彼女の歌は人を打つ。
だが、それは同時に千早自身を曖昧にしていく。
歌に溶け出した千早に残るのは、空っぽの身体だけ。
どこかのカナリアが歌うことを忘れたように、誰かが、そこに千早を注ぎ足す必要があった。
そしてそれは、他でもない、千早自身の役割だったのだ。
「歌」という物は、それまでの千早にとっての全てであった。
歌うために生きており、歌のために生かされている。
彼女は、自らの歌声に自分を混ぜて歌っていた。だからこそ、彼女の歌は人を打つ。
だが、それは同時に千早自身を曖昧にしていく。
歌に溶け出した千早に残るのは、空っぽの身体だけ。
どこかのカナリアが歌うことを忘れたように、誰かが、そこに千早を注ぎ足す必要があった。
そしてそれは、他でもない、千早自身の役割だったのだ。
14: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 21:22:08.85 ID:xBharFQc0
どん、と。川面を震わせて花火が鳴った。
四散した火の粉が、夜空にぽんと死んでいく。
「うわぁ……綺麗……」
隣に立つ千早が、およそ千早らしからぬ表情で見上げている。
僕の知る彼女はいつも不機嫌で、無愛想で、他人との距離を明確に取っている、そんな女性である。
それがどうだ、ここにいるのはまるで幼い……あぁ、なるほど。そういうことか。
15: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 21:22:45.03 ID:xBharFQc0
「千早」
「なぁにー?」
「祭りは、楽しいかい?」
「うん! 楽しいっ!」
16: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 21:25:03.50 ID:xBharFQc0
どうかしていたのは、どうやら僕の方だったらしい。
苦笑する僕の顔を、隣に立つ幼い少女が笑顔で見上げていた。
19: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:33:16.19 ID:xBharFQc0
===
丸はとても居心地の良い物だが、得てしてそういう場所には何かしらの裏があるものだ。
千早の居座るその場所も、つまりはそういう場所の一つであった。
花火が終わり、祭りも終わる。
あれほど人で溢れていた川沿いに、今は寂しい夜風が吹く。
僕と千早はそんなところで、ぼぉっと川面に映る提灯の明かりを眺めていた。
丸はとても居心地の良い物だが、得てしてそういう場所には何かしらの裏があるものだ。
千早の居座るその場所も、つまりはそういう場所の一つであった。
花火が終わり、祭りも終わる。
あれほど人で溢れていた川沿いに、今は寂しい夜風が吹く。
僕と千早はそんなところで、ぼぉっと川面に映る提灯の明かりを眺めていた。
20: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:34:16.14 ID:xBharFQc0
「そろそろ、帰ろうか」
「……やだ」
「風も冷たい。このままじゃ、風邪を引いてしまう」
「平気、寒くないもん」
「千早」
「嫌っ! やだったらヤダっ!!」
21: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:36:15.94 ID:xBharFQc0
幼い千早は丸に抱かれ、涙目で僕に訴えかける。つまるところ、丸は卵なのだ。
卵の中は居心地が良い。それはある意味、母性の塊。
空っぽになってしまった千早にとって、そこはとても良いところなのだ。
打つ手なし。
僕に出来るのは、自然と卵が孵るのを待つことだけで……いや、待てよ?
22: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:38:27.14 ID:xBharFQc0
ふんふんふふん、ふんふふん。
夜風によって音程の飛ばされた僕の鼻歌が、夜の空気に吸い込まれ。
あの曲、この曲、そんな曲。
思いつく限り、うろ覚えのメロディがふらふらゆらゆら流れていく。
それは本当に酷いもので、どれも元の曲とはかけ離れていたのだが。
へたくそなメロディはしかし、彼女の耳にも届いたようだ。
23: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:40:29.78 ID:xBharFQc0
突然、すぅっと通るような音がした。
音は次第に歌になり、夜風に乗った歌声は、どこまでも空を飛んでいくようだった。
たっぷりと一曲分、歌った彼女が僕を睨む。
「……担ぎましたね」
「人聞きが悪いな。僕はただ、退屈を紛らわせただけだよ」
こつんこつんと、彼女が内側から丸を叩く。とはいえ、今の今まで丸かったのだ。
「手伝おうか?」
「……お願いします」
僕はどこからともなくスコップを取り出すと、彼女を覆う丸にかつん、とその先端を突き立てた。
ぴしりと、小さなヒビが生まれ、そうしてそこを中心にして、ぱらぱらと形を失くす丸。
後に残るのは、着物を着た如月千早そのものである。
24: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:41:36.33 ID:xBharFQc0
「お帰り」
「はぁ……短い、夢でした」
「でも、楽しかっただろう?」
「それは、まぁ、否定はしませんけど」
25: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:42:11.88 ID:xBharFQc0
いつものように、彼女が素っ気無く言い放つ。
その胸は小さく萎み、どうやら悪い呪いは解けたようだった。
「それじゃ、今度こそ帰ろうか」
「嫌です」
月明かりに照らされて、千早がふっ、と息を吐く。
26: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:43:01.23 ID:xBharFQc0
「もう一曲、歌わせてください」
歌の中のカナリアは、結局歌を思い出したのだろうか。
川沿いに、久しぶりに聞く彼女の歌声が響く。
それはとても、人を打つ歌だった。
27: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:43:33.99 ID:xBharFQc0
===
以上。お読みいただき、ありがとうございました。
以上。お読みいただき、ありがとうございました。
28: ◆Xz5sQ/W/66 2016/03/28(月) 22:45:02.38 ID:xBharFQc0
こちらちなみに、前作となります。よろしければ、ご一緒にどうぞ。
P「ここの事務所は二人きり」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459012629/
P「ここの事務所は二人きり」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459012629/
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:52:33.23 ID:bfhadsIk0
乙乙
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 10:31:52.12 ID:o9fCA5qx0
乙
ツインGNドライヴじゃなく粒子貯蔵タンクだかr(アーアアー
ツインGNドライヴじゃなく粒子貯蔵タンクだかr(アーアアー
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 12:51:29.44 ID:EzixmKtT0
乙
アイデンティティを2つ捨てるとは
アイデンティティを2つ捨てるとは
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459161536/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ アイドルマスター | Comments (0)
【ゆるゆり】櫻子「milky dream」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:19:17.42 ID:WF9dHGfho
<櫻子の部屋>
向日葵「ほら櫻子、そのページだけでもいいからやっちゃいなさい?」
櫻子「今あかりちゃんからメール来たのー! これ返すまで待ってよもう」
向日葵「まったく……」
櫻子「よし、へーんしん、っと」ぴっ
向日葵「だらだらやってたらやる気無くなっていっちゃうタイプなんですから、やれるうちにパパッと進めちゃいなさいな」
櫻子「はいはいわかってますよー」
向日葵「はいは一回」
櫻子「はーい……あ…………え?」ぴくっ
向日葵「ん? どうしたんですの?」きょとん
櫻子「ひ、向日葵それ何……?」
向日葵「それって……今私がやってるやつ? これは課題じゃなくて次の授業の予習……」
櫻子「いやいや違う! 課題じゃないよおっぱい!」
向日葵「おっぱい…………は、はぁっ!?///」どきっ
櫻子「向日葵、おっぱい濡れてるよ……?」
向日葵「えっ…………ええええ~~~~っ!?」
向日葵「ほら櫻子、そのページだけでもいいからやっちゃいなさい?」
櫻子「今あかりちゃんからメール来たのー! これ返すまで待ってよもう」
向日葵「まったく……」
櫻子「よし、へーんしん、っと」ぴっ
向日葵「だらだらやってたらやる気無くなっていっちゃうタイプなんですから、やれるうちにパパッと進めちゃいなさいな」
櫻子「はいはいわかってますよー」
向日葵「はいは一回」
櫻子「はーい……あ…………え?」ぴくっ
向日葵「ん? どうしたんですの?」きょとん
櫻子「ひ、向日葵それ何……?」
向日葵「それって……今私がやってるやつ? これは課題じゃなくて次の授業の予習……」
櫻子「いやいや違う! 課題じゃないよおっぱい!」
向日葵「おっぱい…………は、はぁっ!?///」どきっ
櫻子「向日葵、おっぱい濡れてるよ……?」
向日葵「えっ…………ええええ~~~~っ!?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:20:32.60 ID:WF9dHGfho
~
櫻子「ど、どしたのこれ……びしょびしょじゃん!」
向日葵「なっ、き、気づかなかった……なにこれ……」
櫻子「飲み物でもこぼしたの? こんな所に」
向日葵「そんな憶えはありませんわよ! 何もこぼしてなんか……」
櫻子「じゃあなんで濡れてるの?」
向日葵「…………」
ぬぎぬぎ
櫻子「わああっ! な、なんで脱ぐんだよ!///」
向日葵「仕方ないじゃありませんの! こんな濡れてる服いつまでも着てるわけには……じゃなくて」
向日葵「や、やっぱり……中の方が濡れてる……!」
櫻子「どういうこと? ブラもびしょびしょだねこれ」
向日葵「さ、櫻子……」
櫻子「ど、どしたのこれ……びしょびしょじゃん!」
向日葵「なっ、き、気づかなかった……なにこれ……」
櫻子「飲み物でもこぼしたの? こんな所に」
向日葵「そんな憶えはありませんわよ! 何もこぼしてなんか……」
櫻子「じゃあなんで濡れてるの?」
向日葵「…………」
ぬぎぬぎ
櫻子「わああっ! な、なんで脱ぐんだよ!///」
向日葵「仕方ないじゃありませんの! こんな濡れてる服いつまでも着てるわけには……じゃなくて」
向日葵「や、やっぱり……中の方が濡れてる……!」
櫻子「どういうこと? ブラもびしょびしょだねこれ」
向日葵「さ、櫻子……」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:21:00.56 ID:WF9dHGfho
櫻子「結局この濡れてるのはなんなの? んー……ちょっと甘いにおいがする」くんくん
向日葵「嗅いじゃダメー!!///」ばっ
櫻子「うわっ! な、なんで……?」
向日葵「こ、これは、わたくしの……」
櫻子「?」
向日葵「わたくしの、ぼ、母乳ですわ……///」
櫻子「…………」
櫻子「えええええええ~~~~~っ!?///」
櫻子「ぼ、母乳って……なんで!? 向日葵お母さんかよ!」
向日葵「そんなわけないでしょう! でも、どう考えてもそうとしか……」
櫻子「ミルク出ちゃうくらい、おっぱいが大きくなったってこと……?」
向日葵「大きさと関係あるかは知らないですけど……なんで急に……」
櫻子「…………」
向日葵「嗅いじゃダメー!!///」ばっ
櫻子「うわっ! な、なんで……?」
向日葵「こ、これは、わたくしの……」
櫻子「?」
向日葵「わたくしの、ぼ、母乳ですわ……///」
櫻子「…………」
櫻子「えええええええ~~~~~っ!?///」
櫻子「ぼ、母乳って……なんで!? 向日葵お母さんかよ!」
向日葵「そんなわけないでしょう! でも、どう考えてもそうとしか……」
櫻子「ミルク出ちゃうくらい、おっぱいが大きくなったってこと……?」
向日葵「大きさと関係あるかは知らないですけど……なんで急に……」
櫻子「…………」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:21:27.25 ID:WF9dHGfho
櫻子「ちょ、ちょっといい?」
向日葵「えっ?」
櫻子「ちょっと、本当に出るかどうかだけ……確かめてみなくちゃ」すっ
向日葵「なっ、いいですわよ!///」
櫻子「痛くしないから、大丈夫だから……」
向日葵「ばっ、バカ櫻子……!!///」かああっ
櫻子「もしかしたら違うかもしれないじゃん! だから確認だよ!」
向日葵「ん、んん……///」ぴくっ
櫻子(おっぱい……しっとりしてる……)さわさわ
向日葵「そんな触り方じゃ出るものも出ないですわよ……」
櫻子「わ、わかってるってば。じゃあ、いくよ……」
とろー
櫻子「うわ……」
向日葵「あ……」
向日葵「えっ?」
櫻子「ちょっと、本当に出るかどうかだけ……確かめてみなくちゃ」すっ
向日葵「なっ、いいですわよ!///」
櫻子「痛くしないから、大丈夫だから……」
向日葵「ばっ、バカ櫻子……!!///」かああっ
櫻子「もしかしたら違うかもしれないじゃん! だから確認だよ!」
向日葵「ん、んん……///」ぴくっ
櫻子(おっぱい……しっとりしてる……)さわさわ
向日葵「そんな触り方じゃ出るものも出ないですわよ……」
櫻子「わ、わかってるってば。じゃあ、いくよ……」
とろー
櫻子「うわ……」
向日葵「あ……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:21:53.87 ID:WF9dHGfho
櫻子(も、もうちょっと……)ふにゅ
向日葵「ああっ、そんな……」
ぴゅーっ
櫻子「うわっ!」
向日葵「きゃっ……!」
櫻子「め、めっちゃ出てるよ……おっぱい……」
向日葵「こんなに……っ!」
櫻子「…………」
向日葵「…………」
櫻子「わっ……私向日葵の家から着替え持ってきてあげるよ。待ってて!」だっ
向日葵「あっ、櫻子!」
向日葵(なんで、こんなことに……)
向日葵「ああっ、そんな……」
ぴゅーっ
櫻子「うわっ!」
向日葵「きゃっ……!」
櫻子「め、めっちゃ出てるよ……おっぱい……」
向日葵「こんなに……っ!」
櫻子「…………」
向日葵「…………」
櫻子「わっ……私向日葵の家から着替え持ってきてあげるよ。待ってて!」だっ
向日葵「あっ、櫻子!」
向日葵(なんで、こんなことに……)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:22:20.98 ID:WF9dHGfho
~
櫻子「ほら、着替えとタオル」がちゃっ
向日葵「ありがとう……」
櫻子「一体いつからこんなことになっちゃったわけ? 最近だよね?」
向日葵「最近っていうか、今初めて知りましたわよ。今まではこんなことなかったのに……」
櫻子「子供がいるわけでもないんだしさ、向日葵がおっぱいなんか出たって仕方ないのにね……」
向日葵「ええ……」
櫻子「おっぱいって、どうすれば止まるんだろ」
向日葵「そんなのわかりませんわ……というか止める方法なんて無いと思うんですけど……」
櫻子「まだわかんないじゃん! 誰か知ってる人に聞いてみようよ。お母さんとかさ」
向日葵「恥ずかしい……それにうちのお母さんは今楓とお出かけしてるんですわ」
櫻子「あっ、うちも今いないんだった……だめだ」
櫻子「……じゃあねーちゃんに聞いてみる?」
向日葵「撫子さんに……わかるでしょうか」
櫻子「どういう意味……? ねーちゃん泣いちゃうぞ」
向日葵「あ、ああごめんなさいっ」
櫻子「私たちだけじゃ何もわからないんだから、少しでも詳しそうな人に協力してもらわないと」
向日葵「確かに……そうですわね」
櫻子「ほら、着替えとタオル」がちゃっ
向日葵「ありがとう……」
櫻子「一体いつからこんなことになっちゃったわけ? 最近だよね?」
向日葵「最近っていうか、今初めて知りましたわよ。今まではこんなことなかったのに……」
櫻子「子供がいるわけでもないんだしさ、向日葵がおっぱいなんか出たって仕方ないのにね……」
向日葵「ええ……」
櫻子「おっぱいって、どうすれば止まるんだろ」
向日葵「そんなのわかりませんわ……というか止める方法なんて無いと思うんですけど……」
櫻子「まだわかんないじゃん! 誰か知ってる人に聞いてみようよ。お母さんとかさ」
向日葵「恥ずかしい……それにうちのお母さんは今楓とお出かけしてるんですわ」
櫻子「あっ、うちも今いないんだった……だめだ」
櫻子「……じゃあねーちゃんに聞いてみる?」
向日葵「撫子さんに……わかるでしょうか」
櫻子「どういう意味……? ねーちゃん泣いちゃうぞ」
向日葵「あ、ああごめんなさいっ」
櫻子「私たちだけじゃ何もわからないんだから、少しでも詳しそうな人に協力してもらわないと」
向日葵「確かに……そうですわね」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:22:48.67 ID:WF9dHGfho
~
撫子「……はぁ?」ぽかん
櫻子「だから、向日葵のおっぱいが止まらないんだよ。どうすればいいの?」
撫子「何言ってんの……どういうこと?」
向日葵「急にお乳が出るようになってしまって……服がいつの間にかびしょびしょになったりして困りますの。でもどうしていいかわからないんですわ」
櫻子「ねーちゃん何かわかる?」
撫子「いや、わかるわけないでしょ……私だって一回も出たことないのに」
櫻子「やっぱりな……」
撫子「おいどういう意味だ」
向日葵「母乳って、子供が生まれたお母さんしか出ないものなんじゃないんですの?」
撫子「うん……子供を産んだ人には、お乳の分泌を促進させるホルモンが出て、それで良く出るようになるって生物の授業でやったような気が……」
櫻子「向日葵はそのホルモンが出ちゃってるのかなぁ」
撫子「まあ、そんな感じのことなんじゃないかな……子供生んでないけど、そういう身体になっちゃったとしか」
撫子「……はぁ?」ぽかん
櫻子「だから、向日葵のおっぱいが止まらないんだよ。どうすればいいの?」
撫子「何言ってんの……どういうこと?」
向日葵「急にお乳が出るようになってしまって……服がいつの間にかびしょびしょになったりして困りますの。でもどうしていいかわからないんですわ」
櫻子「ねーちゃん何かわかる?」
撫子「いや、わかるわけないでしょ……私だって一回も出たことないのに」
櫻子「やっぱりな……」
撫子「おいどういう意味だ」
向日葵「母乳って、子供が生まれたお母さんしか出ないものなんじゃないんですの?」
撫子「うん……子供を産んだ人には、お乳の分泌を促進させるホルモンが出て、それで良く出るようになるって生物の授業でやったような気が……」
櫻子「向日葵はそのホルモンが出ちゃってるのかなぁ」
撫子「まあ、そんな感じのことなんじゃないかな……子供生んでないけど、そういう身体になっちゃったとしか」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:23:34.15 ID:WF9dHGfho
向日葵「はぁ……嫌ですわ、こんなの……」しゅん
撫子「あんまりひどいようなら、本当にお医者さんとかに相談しなきゃだよ……?」
向日葵「そんなの恥ずかしいですわ……お母さんに相談するのだって恥ずかしいくらいですもの……」
櫻子「でも自分でどうにもできないなら、仕方ないよね……」
撫子「とりあえずさ、溜まってる分を全部出しちゃえば?」
向日葵「えっ?」
撫子「勝手に溢れてきちゃうってことは、身体の中におっぱいが溜まっちゃってるってことでしょ? それを出しちゃえばさ、しばらくは大丈夫だと思うんだけど」
櫻子「そ、そうだよそれだ! おっぱいを減らしておけば出なくなるって!」ぽん
向日葵「なるほど……!」
櫻子「よーし、待ってて! 何か大きいお皿とか持ってくるから!」ばっ
撫子「……なんであの子はこの一件にあそこまで協力的なの?」
向日葵「わかりませんわ……でも、どこか真剣に心配してくれてるみたいで……」
撫子「ま、私もできる範囲で調べてみたりするからさ、すぐに解決するはずだよ」
向日葵「ありがとうございます、撫子さん……」
櫻子「お待たせ! うちで一番おっきいお皿持ってきた!」ばーん
向日葵「撫子さんの部屋じゃあれですし、櫻子の部屋に戻りましょう」
櫻子「そうだね。ねーちゃんじゃあまた」ぱたん
撫子(えっ……二人でやるの……?///)
撫子「あんまりひどいようなら、本当にお医者さんとかに相談しなきゃだよ……?」
向日葵「そんなの恥ずかしいですわ……お母さんに相談するのだって恥ずかしいくらいですもの……」
櫻子「でも自分でどうにもできないなら、仕方ないよね……」
撫子「とりあえずさ、溜まってる分を全部出しちゃえば?」
向日葵「えっ?」
撫子「勝手に溢れてきちゃうってことは、身体の中におっぱいが溜まっちゃってるってことでしょ? それを出しちゃえばさ、しばらくは大丈夫だと思うんだけど」
櫻子「そ、そうだよそれだ! おっぱいを減らしておけば出なくなるって!」ぽん
向日葵「なるほど……!」
櫻子「よーし、待ってて! 何か大きいお皿とか持ってくるから!」ばっ
撫子「……なんであの子はこの一件にあそこまで協力的なの?」
向日葵「わかりませんわ……でも、どこか真剣に心配してくれてるみたいで……」
撫子「ま、私もできる範囲で調べてみたりするからさ、すぐに解決するはずだよ」
向日葵「ありがとうございます、撫子さん……」
櫻子「お待たせ! うちで一番おっきいお皿持ってきた!」ばーん
向日葵「撫子さんの部屋じゃあれですし、櫻子の部屋に戻りましょう」
櫻子「そうだね。ねーちゃんじゃあまた」ぱたん
撫子(えっ……二人でやるの……?///)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:24:23.42 ID:WF9dHGfho
~
櫻子「じゃあほら、服脱いで?」
向日葵「いや、自分でできますから……というか帰ってやろうかしら」
櫻子「私も何か協力したいの! それに誰かにやってもらったほうが良いんだって、絶対!」
向日葵「そうでしょうか……」
櫻子「……前にさ、私のおっぱいが大きくなっちゃったことがあったでしょ?」
向日葵「ええ」
櫻子「結局あれもよくわかんないままに解決したけど、向日葵はすごく私のこと助けてくれたじゃん! 色々教えてくれたり、一緒にブラ買いに行ったり……」
櫻子「だから今度は私の番だよ! 向日葵が悩んでるなら……私も協力したいの!」
向日葵「…………」
櫻子「お願い……!」ぎゅっ
向日葵「わ、わかりましたから……その好意は素直に受け取っておきますわ。よろしくお願いします」
櫻子「うん!」
櫻子「じゃあほら、服脱いで?」
向日葵「いや、自分でできますから……というか帰ってやろうかしら」
櫻子「私も何か協力したいの! それに誰かにやってもらったほうが良いんだって、絶対!」
向日葵「そうでしょうか……」
櫻子「……前にさ、私のおっぱいが大きくなっちゃったことがあったでしょ?」
向日葵「ええ」
櫻子「結局あれもよくわかんないままに解決したけど、向日葵はすごく私のこと助けてくれたじゃん! 色々教えてくれたり、一緒にブラ買いに行ったり……」
櫻子「だから今度は私の番だよ! 向日葵が悩んでるなら……私も協力したいの!」
向日葵「…………」
櫻子「お願い……!」ぎゅっ
向日葵「わ、わかりましたから……その好意は素直に受け取っておきますわ。よろしくお願いします」
櫻子「うん!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:24:51.99 ID:WF9dHGfho
櫻子「じゃあ、服脱いで……」
向日葵「ええ……///」するする
ぷるん
櫻子(お、おお……)
向日葵「ど、どういう体勢にしましょうか」
櫻子「じゃあ私が横からこう……」
向日葵「そ、そんな牛みたいな感じは嫌ですわよ! 痛いじゃない!」
櫻子「じゃあお皿の上に四つん這いになってよ。私が向日葵の上にまたがって、後ろからやるよ」
向日葵「ええ……」
ぽいん
櫻子「い、いくよ?///」どきどき
向日葵「んっ……///」ぴくっ
ぴゅーっ
櫻子(す、すご……!)
向日葵「ええ……///」するする
ぷるん
櫻子(お、おお……)
向日葵「ど、どういう体勢にしましょうか」
櫻子「じゃあ私が横からこう……」
向日葵「そ、そんな牛みたいな感じは嫌ですわよ! 痛いじゃない!」
櫻子「じゃあお皿の上に四つん這いになってよ。私が向日葵の上にまたがって、後ろからやるよ」
向日葵「ええ……」
ぽいん
櫻子「い、いくよ?///」どきどき
向日葵「んっ……///」ぴくっ
ぴゅーっ
櫻子(す、すご……!)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:25:22.91 ID:WF9dHGfho
櫻子(こんなに……出るものなの……?)ぴゅー
向日葵「あっ、ちょっと……外れてますわ! ちゃんとお皿に出して……」
櫻子「い、以外と難しいんだよぉ……」きゅっ
向日葵「んっ!」ぴくっ
櫻子「あ、ごめん! 痛かった?」
向日葵「……いえ、大丈……夫……///」ぴゅーっ
櫻子(やさしく、やさしく……)
向日葵(櫻子の手……やばいですわ……)ぞくっ
櫻子「なんでこんなに出るんだろうねぇ……」ぴゅー
向日葵「そんなの……わかんないですわよ……」
向日葵「あっ、ちょっと……外れてますわ! ちゃんとお皿に出して……」
櫻子「い、以外と難しいんだよぉ……」きゅっ
向日葵「んっ!」ぴくっ
櫻子「あ、ごめん! 痛かった?」
向日葵「……いえ、大丈……夫……///」ぴゅーっ
櫻子(やさしく、やさしく……)
向日葵(櫻子の手……やばいですわ……)ぞくっ
櫻子「なんでこんなに出るんだろうねぇ……」ぴゅー
向日葵「そんなの……わかんないですわよ……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:25:52.55 ID:WF9dHGfho
櫻子(な、なんか変な気持ちになってきちゃった……///)
向日葵「……ちょっと櫻子、何興奮してるんですの」
櫻子「しぃっ、してないよ!?///」
向日葵「さっきから……んっ、息が荒いですわよ……バレバレですわ」
櫻子「ちがうもん! この体勢が疲れるだけだもん!」
向日葵「うぅ……///」
櫻子(おっぱい……やわらかいなぁ……)ぴゅーっ
向日葵「……ちょっと櫻子、何興奮してるんですの」
櫻子「しぃっ、してないよ!?///」
向日葵「さっきから……んっ、息が荒いですわよ……バレバレですわ」
櫻子「ちがうもん! この体勢が疲れるだけだもん!」
向日葵「うぅ……///」
櫻子(おっぱい……やわらかいなぁ……)ぴゅーっ
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:26:35.66 ID:WF9dHGfho
~
ちょろちょろ……
櫻子「もうだいぶ出たよ……?」
向日葵「お皿がすっかりたぷたぷですわね……私の体のどこにこんなにミルクがあったのかしら……」
櫻子「ちょっと怖いくらいだね……向日葵体重測ったらきっと痩せてるよ」
向日葵「あっ、それは嬉しいかも……」
櫻子「どう? まだ出そう?」
向日葵「んーわかんないですわ……でも結構出しましたわよね」
櫻子「とりあえずこのくらいにしとこうか……ふう」
向日葵「あら……まだ、ちょっとだけ出るみたい」ぴゅっ
櫻子「そんなに出し尽くしたいの?」
向日葵「だって、お洋服が濡れちゃうようなのは困りますもの……明日も学校ですし」
櫻子(……!)
櫻子「じゃあ、出し尽くそうか」のそっ
向日葵「え?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:27:05.09 ID:WF9dHGfho
櫻子「搾って出すよりは、やっぱりこっちの方がさ……///」あーん
向日葵「ば、ばばばバカ!! さすがにそんな……!///」
櫻子「だってちゃんと出し切りたいんでしょ? それなら吸った方が確実だもん」
向日葵「い、いくらあなただからって……」
櫻子「私が……何?」
向日葵「ううう~~……///」
向日葵「……はぁ……わかりましたわよ。ちょっとだけですからね」
櫻子「っ!///」どきっ
櫻子「へへ……じゃあ、いくね……」むにゅ
向日葵「まったくだらしない顔して……///」
櫻子「そんなことないもん……あむっ」
ちゅーっ
向日葵「んん……っ……///」ぴくっ
櫻子「……! け、結構出る……!」ごくん
向日葵「そりゃそうでしょう……あなたの手で搾るだけであそこまで勢いよく出てたんですもの」
櫻子「すごいなぁ……」ちゅー
向日葵「ば、ばばばバカ!! さすがにそんな……!///」
櫻子「だってちゃんと出し切りたいんでしょ? それなら吸った方が確実だもん」
向日葵「い、いくらあなただからって……」
櫻子「私が……何?」
向日葵「ううう~~……///」
向日葵「……はぁ……わかりましたわよ。ちょっとだけですからね」
櫻子「っ!///」どきっ
櫻子「へへ……じゃあ、いくね……」むにゅ
向日葵「まったくだらしない顔して……///」
櫻子「そんなことないもん……あむっ」
ちゅーっ
向日葵「んん……っ……///」ぴくっ
櫻子「……! け、結構出る……!」ごくん
向日葵「そりゃそうでしょう……あなたの手で搾るだけであそこまで勢いよく出てたんですもの」
櫻子「すごいなぁ……」ちゅー
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:27:36.08 ID:WF9dHGfho
向日葵「……はぁ……ん……っ///」ぴくっ
櫻子「向日葵……気持ちいいの?」
向日葵「そ、そんなことは……///」
櫻子「だって変な声出てるよ……」
向日葵「あ、あなたの、吸い方が……あぁ……」
櫻子(向日葵……///)
向日葵「ちょっと、ちゃんと反対側も飲んでくださいな……」
櫻子「わかってるよ……けど、首が疲れてきちゃった……」ちゅー
向日葵「じゃあほら、膝枕してあげますから」
櫻子「あ……」ごろん
向日葵「……本当に赤ちゃんみたいですわね、櫻子」
櫻子「し、仕方ないでしょ……」
向日葵「まったく大きい赤ちゃんだこと……」
櫻子(う……///)
櫻子「向日葵……気持ちいいの?」
向日葵「そ、そんなことは……///」
櫻子「だって変な声出てるよ……」
向日葵「あ、あなたの、吸い方が……あぁ……」
櫻子(向日葵……///)
向日葵「ちょっと、ちゃんと反対側も飲んでくださいな……」
櫻子「わかってるよ……けど、首が疲れてきちゃった……」ちゅー
向日葵「じゃあほら、膝枕してあげますから」
櫻子「あ……」ごろん
向日葵「……本当に赤ちゃんみたいですわね、櫻子」
櫻子「し、仕方ないでしょ……」
向日葵「まったく大きい赤ちゃんだこと……」
櫻子(う……///)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:28:04.47 ID:WF9dHGfho
向日葵「……おいしい?」なでなで
櫻子「は、はぁ? 何言ってんの……」
向日葵「昔はよくこうやって楓にミルクあげたものですわね……」
櫻子「昔もおっぱい出たのかよ」
向日葵「いや、その時は哺乳瓶であげてたんですわよ」
向日葵「早く大きくなーれって……楓も今じゃあんなに元気に育ちましたわ」
櫻子「私もあげてたから、その時のことはよく覚えてるよ」
向日葵「あの時の楓よりも、今のあなたはお子ちゃまですわね」
櫻子「な、なにぃ……!///」
向日葵「こんなに必死になって吸っちゃって……」
櫻子「それは向日葵のためでしょうが」ちゅっちゅっ
向日葵「ふふ……///」なでなで
櫻子「子ども扱い……すんな……んっ……///」
櫻子「は、はぁ? 何言ってんの……」
向日葵「昔はよくこうやって楓にミルクあげたものですわね……」
櫻子「昔もおっぱい出たのかよ」
向日葵「いや、その時は哺乳瓶であげてたんですわよ」
向日葵「早く大きくなーれって……楓も今じゃあんなに元気に育ちましたわ」
櫻子「私もあげてたから、その時のことはよく覚えてるよ」
向日葵「あの時の楓よりも、今のあなたはお子ちゃまですわね」
櫻子「な、なにぃ……!///」
向日葵「こんなに必死になって吸っちゃって……」
櫻子「それは向日葵のためでしょうが」ちゅっちゅっ
向日葵「ふふ……///」なでなで
櫻子「子ども扱い……すんな……んっ……///」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:29:02.11 ID:WF9dHGfho
~
向日葵「ふぅ……」
櫻子「あー……結構飲んじゃった」けふっ
向日葵「ありがとう櫻子、なんか身体が軽くなった気がしますわ」
櫻子「そりゃよかった……」
向日葵「すっかり夕方になっちゃいましたわね、私そろそろ帰らなきゃ」
櫻子「あっ、そっか……じゃあね」
向日葵「じゃあまた明日。送れないようにしなさいね」
櫻子「わかってますよー」
向日葵「…………」
向日葵「ねえ、櫻子……」
向日葵「また溜まってきちゃったら、その時はお願いしますわよ……?///」
櫻子「う、うん……///」
向日葵「あなたにしか、こんなこと頼めないんですから……」
櫻子「わかってるって……協力するよ」
向日葵「ふぅ……」
櫻子「あー……結構飲んじゃった」けふっ
向日葵「ありがとう櫻子、なんか身体が軽くなった気がしますわ」
櫻子「そりゃよかった……」
向日葵「すっかり夕方になっちゃいましたわね、私そろそろ帰らなきゃ」
櫻子「あっ、そっか……じゃあね」
向日葵「じゃあまた明日。送れないようにしなさいね」
櫻子「わかってますよー」
向日葵「…………」
向日葵「ねえ、櫻子……」
向日葵「また溜まってきちゃったら、その時はお願いしますわよ……?///」
櫻子「う、うん……///」
向日葵「あなたにしか、こんなこと頼めないんですから……」
櫻子「わかってるって……協力するよ」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:29:30.83 ID:WF9dHGfho
向日葵「まあでも今日これだけ出したし、しばらくは大丈夫だと思いますけど」
櫻子「そうだよね……そういえばこのお皿のミルクどうしよう」たぷたぷ
向日葵「……は、恥ずかしいから、捨てちゃってくださいな。適当に」
櫻子「んー、じゃあ適当に流しとくよ。じゃあね」
向日葵「ええ。今日はありがとう」
ぱたん
櫻子「…………」
ぺろっ
櫻子(ひ、向日葵の……味……///)ぴちゃぴちゃ
櫻子(捨てるなんて……もったいないよ……)
櫻子「ひまわり、ひまわりぃ……」こくこく
――――――
――――
――
―
櫻子「そうだよね……そういえばこのお皿のミルクどうしよう」たぷたぷ
向日葵「……は、恥ずかしいから、捨てちゃってくださいな。適当に」
櫻子「んー、じゃあ適当に流しとくよ。じゃあね」
向日葵「ええ。今日はありがとう」
ぱたん
櫻子「…………」
ぺろっ
櫻子(ひ、向日葵の……味……///)ぴちゃぴちゃ
櫻子(捨てるなんて……もったいないよ……)
櫻子「ひまわり、ひまわりぃ……」こくこく
――――――
――――
――
―
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:30:07.20 ID:WF9dHGfho
「……くらこ……さくらこ!」
櫻子「ん……」
撫子「櫻子起きてよ。ごはんだよ」
櫻子「あ、あれ、ねーちゃん……?」
撫子「もうひま子帰っちゃったよ。どんだけ寝てたの?」
櫻子「う、うそ私寝てたの……あっ!! あのお皿は!?」
撫子「?」
櫻子「あれ……あれ……隠したのかな、見つからないや……!」
撫子「よくわかんないけど……早くきなよ。今日シチューだから」
櫻子「し、シチュー!? ねーちゃんばか!! あれでシチュー作ったの!?///」
撫子「はぁ? なんの話……?」
櫻子「だからここにあったミルクでシチュー作ったんでしょ!! あれ向日葵のおっぱいだったんだよ!」
撫子「…………」
撫子「……あんたらの事情は知らないけど、シチューは普通のシチューだよ。早く来な」ぺしっ
櫻子「いてっ!」
撫子「…………」すたすた
櫻子(お、おかしいな……もしかして、全部夢……?)
櫻子「ん……」
撫子「櫻子起きてよ。ごはんだよ」
櫻子「あ、あれ、ねーちゃん……?」
撫子「もうひま子帰っちゃったよ。どんだけ寝てたの?」
櫻子「う、うそ私寝てたの……あっ!! あのお皿は!?」
撫子「?」
櫻子「あれ……あれ……隠したのかな、見つからないや……!」
撫子「よくわかんないけど……早くきなよ。今日シチューだから」
櫻子「し、シチュー!? ねーちゃんばか!! あれでシチュー作ったの!?///」
撫子「はぁ? なんの話……?」
櫻子「だからここにあったミルクでシチュー作ったんでしょ!! あれ向日葵のおっぱいだったんだよ!」
撫子「…………」
撫子「……あんたらの事情は知らないけど、シチューは普通のシチューだよ。早く来な」ぺしっ
櫻子「いてっ!」
撫子「…………」すたすた
櫻子(お、おかしいな……もしかして、全部夢……?)
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:30:34.48 ID:WF9dHGfho
~
向日葵「あら櫻子! どうしたんですのこんな時間に。もううちは夕飯済ませちゃいましたから何にもありませんわよ」
櫻子「いや、私も夕飯は食べたから……ごはん食べたくて来たんじゃないよ」
向日葵「そう? とりあえず上がってくださいな」
向日葵「で、なんの用ですの?」
櫻子「えっと……もう大丈夫なの? そっちの調子の方は」
向日葵「は……? 調子って……昼間ずっと一緒にいたじゃない。別に大丈夫ですわよ」
櫻子「いや、そういう体調みたいな感じじゃなくて……」
櫻子「お、おっぱいの方だよ……」
向日葵「…………」
櫻子「…………」
向日葵「あら櫻子! どうしたんですのこんな時間に。もううちは夕飯済ませちゃいましたから何にもありませんわよ」
櫻子「いや、私も夕飯は食べたから……ごはん食べたくて来たんじゃないよ」
向日葵「そう? とりあえず上がってくださいな」
向日葵「で、なんの用ですの?」
櫻子「えっと……もう大丈夫なの? そっちの調子の方は」
向日葵「は……? 調子って……昼間ずっと一緒にいたじゃない。別に大丈夫ですわよ」
櫻子「いや、そういう体調みたいな感じじゃなくて……」
櫻子「お、おっぱいの方だよ……」
向日葵「…………」
櫻子「…………」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:31:10.24 ID:WF9dHGfho
ぺしっ
櫻子「いってえ!///」
向日葵「何の話ですの……? そんな馬鹿な話するために来たんだったら私に殴られる前に帰りなさい」ごごご
櫻子「いや殴ったろ! もうやってんじゃん! そうじゃなくてほら昼間! 私たくさん向日葵のおっぱい飲んだでしょ!」
向日葵「は、はぁ……!?」かああっ
櫻子「私は心配して……いでっ!」ぽこっ
向日葵「あっああぁぁああなた、今日そんなことしてたんですの!? もしかして私が寝てるときに!? この変態!」
櫻子「変態ってなんだよ! っていうか向日葵今日寝てたっけ!?」
向日葵「寝てたというか、あなたが勉強中に仮眠とか言って堂々と居眠りはじめたから、私もつい一緒にうとうとしちゃいましたけど……あれも寝たふりだったってこと!? 私のおっぱいを狙うための演技だったんですのね!?」
櫻子「あれーおかしいな!? あれ全部夢だったのか……!?」
向日葵「まーこの子ったら!! 夢の中でも私にそんなことするなんて!!」ぺんっ
櫻子「何言ってもひっぱたくのやめろ!!///」
~fin~
櫻子「いってえ!///」
向日葵「何の話ですの……? そんな馬鹿な話するために来たんだったら私に殴られる前に帰りなさい」ごごご
櫻子「いや殴ったろ! もうやってんじゃん! そうじゃなくてほら昼間! 私たくさん向日葵のおっぱい飲んだでしょ!」
向日葵「は、はぁ……!?」かああっ
櫻子「私は心配して……いでっ!」ぽこっ
向日葵「あっああぁぁああなた、今日そんなことしてたんですの!? もしかして私が寝てるときに!? この変態!」
櫻子「変態ってなんだよ! っていうか向日葵今日寝てたっけ!?」
向日葵「寝てたというか、あなたが勉強中に仮眠とか言って堂々と居眠りはじめたから、私もつい一緒にうとうとしちゃいましたけど……あれも寝たふりだったってこと!? 私のおっぱいを狙うための演技だったんですのね!?」
櫻子「あれーおかしいな!? あれ全部夢だったのか……!?」
向日葵「まーこの子ったら!! 夢の中でも私にそんなことするなんて!!」ぺんっ
櫻子「何言ってもひっぱたくのやめろ!!///」
~fin~
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:32:34.38 ID:tIJnn4dC0
そういえば百合で母乳プレイってあんまりみないな
もっとやってください
もっとやってください
23: 孤独の人 2016/03/29(火) 11:33:04.34 ID:WF9dHGfho
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 11:38:31.23 ID:DnofNllX0
>>22
有名な百合エロ漫画があるだろ
有名な百合エロ漫画があるだろ
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 12:37:35.07 ID:Eq//dhMs0
乙
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 13:13:07.64 ID:zRGd6pvBo
おつ!
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 15:14:25.14 ID:hMM3RghG0
過去作見てきたがなぜあんたそんなにブラに詳しいんだ…
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/29(火) 15:23:34.98 ID:R8s7izIbo
乙
あなた最高だ
あなた最高だ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459217957/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ ゆるゆり | Comments (0)
モバP「酔いどれシュガーハート」
1: ◆C2VTzcV58A 2016/03/28(月) 22:25:27.30 ID:6h9O7OqXO
P「いつもの昼、いつもの事務所」
P「いつものように書類と向き合い、いつものようにプロデュースに励む」
P「ただひとつ、いつもと違うところがあるとすれば」
心「あ゛ー……クソッ」
P「(シュガーハートこと佐藤心さんの機嫌が、あからさまに悪いということだけだ)」
心「ケッ!」
P「(怖い。全然スウィーティーじゃない)」
P「いつものように書類と向き合い、いつものようにプロデュースに励む」
P「ただひとつ、いつもと違うところがあるとすれば」
心「あ゛ー……クソッ」
P「(シュガーハートこと佐藤心さんの機嫌が、あからさまに悪いということだけだ)」
心「ケッ!」
P「(怖い。全然スウィーティーじゃない)」
2: ◆C2VTzcV58A 2016/03/28(月) 22:27:45.61 ID:6h9O7OqXO
P「(今日の心さんは朝からずっとこんな調子だ)」
P「(さすがに仕事中はスウィーティーなスマイルを顔に貼り付けていたが、仕事が終わって部屋に戻ってきたら元どおりのしかめっ面)」
P「(正直、触らぬ神に祟りなしというか……)」
心「……」チラリ
P「(まずい、目が合った!)」
心「プッロデューサー♪」ニコニコ
P「な、なんでしょう」
心「最近さー、一緒に飲みに行ってないよねー?」
P「え、ええ。そうですね」
心「今日あたり、一緒にいこうぜ☆」
P「今日ですか?」
心「夜、予定あるの?」
P「予定はないですけど……」
心「じゃあ付き合って☆」
P「でも俺、今日はあんまり飲む気分じゃ」
心「付き合え」
P「は、はい」
P「(ま、真顔だ……いつも見せないぶん相当迫力があるな)」
心「ならばよし♪」
P「(さすがに仕事中はスウィーティーなスマイルを顔に貼り付けていたが、仕事が終わって部屋に戻ってきたら元どおりのしかめっ面)」
P「(正直、触らぬ神に祟りなしというか……)」
心「……」チラリ
P「(まずい、目が合った!)」
心「プッロデューサー♪」ニコニコ
P「な、なんでしょう」
心「最近さー、一緒に飲みに行ってないよねー?」
P「え、ええ。そうですね」
心「今日あたり、一緒にいこうぜ☆」
P「今日ですか?」
心「夜、予定あるの?」
P「予定はないですけど……」
心「じゃあ付き合って☆」
P「でも俺、今日はあんまり飲む気分じゃ」
心「付き合え」
P「は、はい」
P「(ま、真顔だ……いつも見せないぶん相当迫力があるな)」
心「ならばよし♪」
3: ◆C2VTzcV58A 2016/03/28(月) 22:29:35.20 ID:6h9O7OqXO
夜 居酒屋の個室にて
心「ぐびぐび」
P「ちびちび」
心「は〜〜っ! やっぱこういう時はお酒が一番☆」
心「気分がすーっとするもん♪」
P「……確かに、ストレスにアルコールはいい薬ではありますね」
心「んふふー♪ おやおや〜? プロデューサーってばペース遅いぞ、もっと飲め飲め☆」
P「そういうわけにもいきませんよ。酔い潰れると困りますし」
心「いーじゃんいーじゃん☆ 明日は休みなんだし!」
P「それはあなただけです。俺は明日も仕事」
心「あれ、そうだっけ? でへへ、勘違いしちゃった〜♪」
心「はぁと大失敗☆ てへぺろ☆」アハハハハ
P「すでに若干酔い始めてますね……」
P「まあ、平常時でもこのくらいテンション高い人だけど」
心「ぐびぐび」
P「ちびちび」
心「は〜〜っ! やっぱこういう時はお酒が一番☆」
心「気分がすーっとするもん♪」
P「……確かに、ストレスにアルコールはいい薬ではありますね」
心「んふふー♪ おやおや〜? プロデューサーってばペース遅いぞ、もっと飲め飲め☆」
P「そういうわけにもいきませんよ。酔い潰れると困りますし」
心「いーじゃんいーじゃん☆ 明日は休みなんだし!」
P「それはあなただけです。俺は明日も仕事」
心「あれ、そうだっけ? でへへ、勘違いしちゃった〜♪」
心「はぁと大失敗☆ てへぺろ☆」アハハハハ
P「すでに若干酔い始めてますね……」
P「まあ、平常時でもこのくらいテンション高い人だけど」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:31:21.61 ID:6h9O7OqXO
P「それで、なにがあったんですか?」
心「ん?」
P「今日、ずっと機嫌悪かったじゃないですか。それについての愚痴をぶつけるために俺を誘ったんじゃ」
心「あ〜……べつにそういうわけじゃなくて、単にぼっちで飲むのが寂しかったってゆーか〜♪」
心「でも、プロデューサーがそう言うなら、ちょっと愚痴っちゃおうかなぁ」
P「俺は大丈夫ですよ。アイドルのメンタルケアも仕事のうちですし」
心「……仕事かあ。なんかしゃべる気なくなるなあ」
P「え?」
心「今は残業中じゃないんだぞ? そんな言い方じゃらめぇ☆」
P「………」
P「単純に心配なので、心さんの話、聞かせてもらえませんか?」
心「うんうん♪ サンキュー☆」エヘヘ-
P「……ははっ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:32:37.08 ID:6h9O7OqXO
P「母親と喧嘩した?」
心「そう。はじめは、『あんたあんなキャラで客の前に出てるの?』っていう感じの些細な話だったんだけど……」
心「気づいたら、そろそろ売れないとこっちも心配になるーとか、おじいちゃんも『心ちゃんはまだ身を固めんのかのう』ってぼやいてるーとか、そんな話になって」
心「で、こっちも言い返してたらだんだんお互いヒートアップして……」
P「それで喧嘩になったと」
心「うん」
心「最後には、へらへらしてるならやめてしまいなさいって言われた」
P「で、心さんはどう言い返したんですか」
心「ばーかばーか! オタンコナス!って」
P「小学生ですかあなたは」
心「そう。はじめは、『あんたあんなキャラで客の前に出てるの?』っていう感じの些細な話だったんだけど……」
心「気づいたら、そろそろ売れないとこっちも心配になるーとか、おじいちゃんも『心ちゃんはまだ身を固めんのかのう』ってぼやいてるーとか、そんな話になって」
心「で、こっちも言い返してたらだんだんお互いヒートアップして……」
P「それで喧嘩になったと」
心「うん」
心「最後には、へらへらしてるならやめてしまいなさいって言われた」
P「で、心さんはどう言い返したんですか」
心「ばーかばーか! オタンコナス!って」
P「小学生ですかあなたは」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:33:58.97 ID:6h9O7OqXO
P「でも、確か心さんの両親ってアイドル活動応援してくれてましたよね」
心「うん……ありがたいことにね♪ でもやっぱり、心配なものは心配なんだろうなぁ」
心「じいちゃんがひ孫を見たがってるのは本当だろうし。もう歳なのも事実だし……妹のよっちゃんも、今のところいい人は見つかってないらしいし」
P「(生きているうちに、孫のウエディングドレスを見たいっていうのも大きいだろうな)」
心「はぁともそれはわかっちゃいるんだけど……いざキツイこと言われると、噛みついちゃうというか」
心「でもアイドルはやめたくないしねぇ……むう」グビグビ
心「ぐびぐびぐび……」
P「……さすがにペース速すぎじゃないですか?」
心「飲まないとやってられないのぉ☆」
P「そうですか……二日酔いまでは責任持ちませんよ?」
心「わかってるって♪」
心「うん……ありがたいことにね♪ でもやっぱり、心配なものは心配なんだろうなぁ」
心「じいちゃんがひ孫を見たがってるのは本当だろうし。もう歳なのも事実だし……妹のよっちゃんも、今のところいい人は見つかってないらしいし」
P「(生きているうちに、孫のウエディングドレスを見たいっていうのも大きいだろうな)」
心「はぁともそれはわかっちゃいるんだけど……いざキツイこと言われると、噛みついちゃうというか」
心「でもアイドルはやめたくないしねぇ……むう」グビグビ
心「ぐびぐびぐび……」
P「……さすがにペース速すぎじゃないですか?」
心「飲まないとやってられないのぉ☆」
P「そうですか……二日酔いまでは責任持ちませんよ?」
心「わかってるって♪」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:35:58.48 ID:6h9O7OqXO
しばらく後
心「うへへ〜〜、ぷろでゅーしゃーがふたりに分身してりゅ〜☆」
心「片方おもちかえりしちゃおうかなぁ、でへへ☆」
P「完全に酔ってますね……」
心「んだとぉ? はぁとのどこが酔ってりゅっていうんら〜」
P「さすがの心さんも素面でそんなテンションにはならないですし」
心「あ、そうだっ!!」
P「うわっ、いきなり大声出さないでくださいよ」
心「男作ればママもじーちゃんも安心するぞぉ☆」
P「アイドルが男作ったら本末転倒ですよ。というか家ではママって呼んでるんですか?」
心「じゃあキープ! はぁと、ぷろでゅーしゃーをキープしまーす!」
P「そんな無茶苦茶な」
心「うへへ〜〜、ぷろでゅーしゃーがふたりに分身してりゅ〜☆」
心「片方おもちかえりしちゃおうかなぁ、でへへ☆」
P「完全に酔ってますね……」
心「んだとぉ? はぁとのどこが酔ってりゅっていうんら〜」
P「さすがの心さんも素面でそんなテンションにはならないですし」
心「あ、そうだっ!!」
P「うわっ、いきなり大声出さないでくださいよ」
心「男作ればママもじーちゃんも安心するぞぉ☆」
P「アイドルが男作ったら本末転倒ですよ。というか家ではママって呼んでるんですか?」
心「じゃあキープ! はぁと、ぷろでゅーしゃーをキープしまーす!」
P「そんな無茶苦茶な」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:37:41.30 ID:6h9O7OqXO
心「むう、乗り気じゃないなぁ? かくなるうえは……ゆーわくだ♪」
心「ほらほらぁ、熟れたないすぼでーに触りたくないかい?」ズズッ
P「い、いきなりなんですか」
心「みてのとーり酔っちゃってるのでー、どうせ明日にはここであったこと忘れてるぞ☆ だから今ならなにしてもなかったことにできるのら!」
P「いやいや」
心「……興味、ないの?」
P「うぐっ……」
P「(頬を赤らめて上目遣い……いつもと雰囲気が違って色気がやばい)」
心「ほらほらぁ、熟れたないすぼでーに触りたくないかい?」ズズッ
P「い、いきなりなんですか」
心「みてのとーり酔っちゃってるのでー、どうせ明日にはここであったこと忘れてるぞ☆ だから今ならなにしてもなかったことにできるのら!」
P「いやいや」
心「……興味、ないの?」
P「うぐっ……」
P「(頬を赤らめて上目遣い……いつもと雰囲気が違って色気がやばい)」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:39:36.65 ID:6h9O7OqXO
心「プロデューサー……」トロン
P「………」
P「酔いすぎですよ。落ち着いて」グイッ
心「………」
心「チッ!」
P「なんで舌打ち!?」
心「へーんだ。そうですよねー、もっと若い体にしか興味ないもんね☆ いつも堪能してるし」
P「堪能なんて一度もしたことありませんよ」
心「だって梨沙ちゃんがいつもロリコンロリコンって」
P「誤解です。俺はロリコンじゃありません」
心「じゃあ夜のオカズにいくつの子使ってるか教えてよ」
P「ええっ!?」
心「おやおや〜、答えられないのかなー♪ やっぱりロリコ」
P「失礼な! ちゃんと同い年くらいの女優の………はっ」
心「ほうほう☆」ニヤニヤ
P「し、しまったつい」
P「………」
P「酔いすぎですよ。落ち着いて」グイッ
心「………」
心「チッ!」
P「なんで舌打ち!?」
心「へーんだ。そうですよねー、もっと若い体にしか興味ないもんね☆ いつも堪能してるし」
P「堪能なんて一度もしたことありませんよ」
心「だって梨沙ちゃんがいつもロリコンロリコンって」
P「誤解です。俺はロリコンじゃありません」
心「じゃあ夜のオカズにいくつの子使ってるか教えてよ」
P「ええっ!?」
心「おやおや〜、答えられないのかなー♪ やっぱりロリコ」
P「失礼な! ちゃんと同い年くらいの女優の………はっ」
心「ほうほう☆」ニヤニヤ
P「し、しまったつい」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:44:17.90 ID:6h9O7OqXO
心「ねえねえ、週何回くらいやってるの?」
心「ねーねー☆」
P「(ああもう、こうなったらやけだ! どうせ酒の席だし!)」
P「週一ですよ、週一!」
心「週一ぃ? なーんだ、はぁとの三分の一じゃん♪」
P「………」
心「ん? どしたん?」
P「い、いえ。週に三回するんだなって……回数的には普通の範囲ですね」
P「………」カアァ
心「………」
心「……!?」カアァ
P「(自分が恥ずかしいこと言ったことに気づいたな……)」
心「ねーねー☆」
P「(ああもう、こうなったらやけだ! どうせ酒の席だし!)」
P「週一ですよ、週一!」
心「週一ぃ? なーんだ、はぁとの三分の一じゃん♪」
P「………」
心「ん? どしたん?」
P「い、いえ。週に三回するんだなって……回数的には普通の範囲ですね」
P「………」カアァ
心「………」
心「……!?」カアァ
P「(自分が恥ずかしいこと言ったことに気づいたな……)」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:45:49.32 ID:6h9O7OqXO
心「あ、あうぅ」
心「………」
心「ろ、ロリコンじゃないと言うのならそれをここで証明しろぉ!」
P「照れ隠しのために強引に話題を戻してきた!」
心「さあさあ、ここではぁとのわがままぼでーをさわさわして証明しろ☆」
P「そんな無茶苦茶な……うわ、なんで肩を出してるんですか!?」
心「肩甲骨の美しさには自信があるの☆」
P「えらいピンポイントな部分に自信持ってるんですね……じゃなくて、そんなはしたない格好しちゃだめですって」
心「うるさーい♪ ほらほらあ、大サービス☆」アハハハ
P「もたれかからないでくださいよ……酔うとめちゃくちゃなんだから、まったく」
心「よいではないかよいではないか〜♪ ……って、うわあっ!」
P「わ、ちょっ」
どたどたっ!
心「………」
心「ろ、ロリコンじゃないと言うのならそれをここで証明しろぉ!」
P「照れ隠しのために強引に話題を戻してきた!」
心「さあさあ、ここではぁとのわがままぼでーをさわさわして証明しろ☆」
P「そんな無茶苦茶な……うわ、なんで肩を出してるんですか!?」
心「肩甲骨の美しさには自信があるの☆」
P「えらいピンポイントな部分に自信持ってるんですね……じゃなくて、そんなはしたない格好しちゃだめですって」
心「うるさーい♪ ほらほらあ、大サービス☆」アハハハ
P「もたれかからないでくださいよ……酔うとめちゃくちゃなんだから、まったく」
心「よいではないかよいではないか〜♪ ……って、うわあっ!」
P「わ、ちょっ」
どたどたっ!
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:47:35.43 ID:6h9O7OqXO
心「いたた……」
P「大丈夫ですか……っ!」
P「(か、顔が)」
心「(近い……)」ドキドキ
P「……き、気をつけてくださいね。酔ってるからってはしゃぎすぎないように」
心「………」
P「 ……心さん?」
心「ごめん……でも、はしゃいでないと不安だったの」
P「不安?」
心「心配してるのは、ママやじーちゃんだけじゃない………」
心「はぁとだって、本当は不安でいっぱい……将来のこと」
心「もう若くないのに、稼ぎが不安定な仕事して、子どもみたいな夢おっかけて……本当にこれでいいのかなって、たまに思うの」
心「今は、少しずつファンも増えていって上り調子だけど……いつまでもそうとは限らないし」
P「心さん……」
心「ママの言葉にカッとなっちゃったのも、そういう不安を表に引っ張り出された気がしたから。……情けないなあ、自分でワガママ言って無茶させてもらってるのに」
P「大丈夫ですか……っ!」
P「(か、顔が)」
心「(近い……)」ドキドキ
P「……き、気をつけてくださいね。酔ってるからってはしゃぎすぎないように」
心「………」
P「 ……心さん?」
心「ごめん……でも、はしゃいでないと不安だったの」
P「不安?」
心「心配してるのは、ママやじーちゃんだけじゃない………」
心「はぁとだって、本当は不安でいっぱい……将来のこと」
心「もう若くないのに、稼ぎが不安定な仕事して、子どもみたいな夢おっかけて……本当にこれでいいのかなって、たまに思うの」
心「今は、少しずつファンも増えていって上り調子だけど……いつまでもそうとは限らないし」
P「心さん……」
心「ママの言葉にカッとなっちゃったのも、そういう不安を表に引っ張り出された気がしたから。……情けないなあ、自分でワガママ言って無茶させてもらってるのに」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:49:04.40 ID:6h9O7OqXO
P「………」
心「あ……ごめん、変な空気にしちゃったな☆ しっぱいしっぱ」
P「俺は信じていますよ」
心「……え」
P「もちろん、俺だって不安はあります。けど、それを押さえつけられるのは『自信』だけですから」
P「まずは自分を信じてみないと、アイドルのみんなからも信じてもらえませんしね」
P「そして、俺にとって自分を信じるということは、そのまま担当のアイドル達を信じることにつながります」
心「プロデューサー……」
P「俺は心さんがトップアイドルになれるって信じています。でも、肝心の心さん自身がそれを信じてくれないと、俺も信じられなくなってしまう」
P「俺の道とあなたの道は、重なっていますから」
心「………」
心「プロデューサー……酔ってる?」
P「多分そうですね。じゃなきゃ、こんなクサいこと面と向かって言えませんよ」
心「ふふっ、だな♪」
心「でも……ありがと。プロデューサーのそういうとこ、好きだぞ☆」
P「はは、どういたしまして」
心「ねえねえ、さっきの語りの最後、もう一回言ってくれない?」
P「え? 」
心「ほら、俺の道がどうこうってやつ!」
P「……俺の道とあなたの道は重なっていますから?」
心「えへへ〜♪」テレテレ
心「もっかい☆」
P「俺の道とあなたの道は重なっていますから」
心「えへへ〜♪」デレデレ
P「さすがに言ってて恥ずかしくなってきた」
心「あ……ごめん、変な空気にしちゃったな☆ しっぱいしっぱ」
P「俺は信じていますよ」
心「……え」
P「もちろん、俺だって不安はあります。けど、それを押さえつけられるのは『自信』だけですから」
P「まずは自分を信じてみないと、アイドルのみんなからも信じてもらえませんしね」
P「そして、俺にとって自分を信じるということは、そのまま担当のアイドル達を信じることにつながります」
心「プロデューサー……」
P「俺は心さんがトップアイドルになれるって信じています。でも、肝心の心さん自身がそれを信じてくれないと、俺も信じられなくなってしまう」
P「俺の道とあなたの道は、重なっていますから」
心「………」
心「プロデューサー……酔ってる?」
P「多分そうですね。じゃなきゃ、こんなクサいこと面と向かって言えませんよ」
心「ふふっ、だな♪」
心「でも……ありがと。プロデューサーのそういうとこ、好きだぞ☆」
P「はは、どういたしまして」
心「ねえねえ、さっきの語りの最後、もう一回言ってくれない?」
P「え? 」
心「ほら、俺の道がどうこうってやつ!」
P「……俺の道とあなたの道は重なっていますから?」
心「えへへ〜♪」テレテレ
心「もっかい☆」
P「俺の道とあなたの道は重なっていますから」
心「えへへ〜♪」デレデレ
P「さすがに言ってて恥ずかしくなってきた」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:50:16.29 ID:6h9O7OqXO
帰り道
心「おえっぷ……ぎぼぢわるい」
P「だから飲みすぎないようにって言ったのに……吐きそうになったら言ってくださいよ」
心「あんがと……肩貸してくれて」
心「でも、できればおんぶのほうが好みかなぁ、なんて」
P「………」
P「タクシー拾えそうなところまで、ですからね」
心「やった☆」
心「おえっぷ……ぎぼぢわるい」
P「だから飲みすぎないようにって言ったのに……吐きそうになったら言ってくださいよ」
心「あんがと……肩貸してくれて」
心「でも、できればおんぶのほうが好みかなぁ、なんて」
P「………」
P「タクシー拾えそうなところまで、ですからね」
心「やった☆」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:53:25.31 ID:6h9O7OqXO
ブロロロ……
P「心さん。寮に着いたんでタクシーから降りてください」
心「はーい」
心「送ってくれてサンキューな☆」
P「方向同じですし、たいしたことじゃないですよ」
心「………」
心「ねえ、プロデューサー」
P「はい」
心「さっきは、だいぶ乱れてはしたない真似しちゃったけどさ……あれ、本当は」
心「(本当は、三割くらい計算でやってて)」
P「心さん?」
心「……ううん、なんでもない♪」
心「ハートの奥は、秘密だぞ☆」
P「は、はあ」
心「それじゃ、おやすみ♪」
P「おやすみなさい」
心「ふふっ……♪」
P「心さん。寮に着いたんでタクシーから降りてください」
心「はーい」
心「送ってくれてサンキューな☆」
P「方向同じですし、たいしたことじゃないですよ」
心「………」
心「ねえ、プロデューサー」
P「はい」
心「さっきは、だいぶ乱れてはしたない真似しちゃったけどさ……あれ、本当は」
心「(本当は、三割くらい計算でやってて)」
P「心さん?」
心「……ううん、なんでもない♪」
心「ハートの奥は、秘密だぞ☆」
P「は、はあ」
心「それじゃ、おやすみ♪」
P「おやすみなさい」
心「ふふっ……♪」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:54:33.92 ID:6h9O7OqXO
翌日
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
P「あ、心さんからメールだ。今日は休みのはずだけど」
心『二日酔いできもちわるい』
P「だから言ったのに……お大事に、と返信しておこう」
P「さて、仕事仕事」
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
心『あたまいたいよー』
P「………」
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
心『ああああああああたまがああああああ』
P「メール打つ余裕あるなら薬飲んで寝ればいいのに……」
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
P「あ、心さんからメールだ。今日は休みのはずだけど」
心『二日酔いできもちわるい』
P「だから言ったのに……お大事に、と返信しておこう」
P「さて、仕事仕事」
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
心『あたまいたいよー』
P「………」
P「………」カタカタカタ
ピロリロリン♪
心『ああああああああたまがああああああ』
P「メール打つ余裕あるなら薬飲んで寝ればいいのに……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 22:57:36.71 ID:6h9O7OqXO
ちひろ「プロデューサーさん。これ、頼まれていた資料です」
P「ありがとうございます」
ちひろ「ウェディング企画のお仕事ですか。いいですね」
P「ええ」
P「……ドレスもいいけど、ここは白無垢のほうが、インパクトあっていいかもしれないなあ」
P「あの人のおじいさんの好みは知らないけど」
おしまい
P「ありがとうございます」
ちひろ「ウェディング企画のお仕事ですか。いいですね」
P「ええ」
P「……ドレスもいいけど、ここは白無垢のほうが、インパクトあっていいかもしれないなあ」
P「あの人のおじいさんの好みは知らないけど」
おしまい
18: ◆C2VTzcV58A 2016/03/28(月) 22:58:41.43 ID:6h9O7OqXO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
もうすぐ総選挙だと思うので佐藤心さんをよろしくお願いします
少々口が悪い時もありますがとてもいい人なので
もうすぐ総選挙だと思うので佐藤心さんをよろしくお願いします
少々口が悪い時もありますがとてもいい人なので
19: ◆C2VTzcV58A 2016/03/28(月) 22:59:36.02 ID:6h9O7OqXO
あと、このSSとこの前書いた梨沙の地の文ありSSはヴァリアスハートシリーズに含まれます
ついでに過去に書いた他のシリーズも適当に載せておくのでよければ
的場梨沙「アタシがオトナになったら」
モバP「なっちゃんと春休み」
渋谷凛「泉を極限まで甘やかす?」
本田未央「プロデューサーのお嫁さん探し」
新田美波「リレー小説ですか?」 武内P「はい」
新田美波「え、ええっ? 鞭でお仕置きされる役ですか?」
本田未央「バトルスピリッツ!」
南条光「ヒーロー見参!」 龍亞「俺だって!」
モバP「つんでれちえりん」
モバP「俺の妹がこんなに清純令嬢なわけがない」
武内P「緒方さんと飲むことに」 智絵里「甘いジュースが好きです」
渋谷凛「アイドルの可能性」 水本ゆかり「新しい自分を見つけましょう」
ついでに過去に書いた他のシリーズも適当に載せておくのでよければ
的場梨沙「アタシがオトナになったら」
モバP「なっちゃんと春休み」
渋谷凛「泉を極限まで甘やかす?」
本田未央「プロデューサーのお嫁さん探し」
新田美波「リレー小説ですか?」 武内P「はい」
新田美波「え、ええっ? 鞭でお仕置きされる役ですか?」
本田未央「バトルスピリッツ!」
南条光「ヒーロー見参!」 龍亞「俺だって!」
モバP「つんでれちえりん」
モバP「俺の妹がこんなに清純令嬢なわけがない」
武内P「緒方さんと飲むことに」 智絵里「甘いジュースが好きです」
渋谷凛「アイドルの可能性」 水本ゆかり「新しい自分を見つけましょう」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:05:07.90 ID:PTNcTeLQ0
乙乙
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:17:13.52 ID:5pd0OZDLO
乙
っていうか、ゆかり麗奈様真奈美さん社長晶葉凛の6人組のシリーズってあなただったのか、初めて知った
ヴァリアスハートもなっちゃんシリーズもどれも好きだよ。次も期待してます
っていうか、ゆかり麗奈様真奈美さん社長晶葉凛の6人組のシリーズってあなただったのか、初めて知った
ヴァリアスハートもなっちゃんシリーズもどれも好きだよ。次も期待してます
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/28(月) 23:57:03.51 ID:Xagh3q3c0
乙!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459171527/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
モバP「高垣楓」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:04:03.89 ID:zFmBZDss0
短い
地の分のみ
地の分のみ
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:05:52.61 ID:zFmBZDss0
一目惚れ。
俺にとっての彼女との出会いは、その一言に尽きる。
得意先の会社へ打ち合わせに行ったとき、偶然、彼女とすれ違ったのだ。
ただ、それだけ。
たったそれだけだったが、俺はその一瞬でその目を奪われた。
整った顔立ち、目を見張るスタイルのよさ、上品な立ち振る舞い。
それらすべてに俺の瞳が、俺の中の男が、惹きつけられた。
彼女は売れる。トップアイドルになれる。
そんな確信めいたが俺の心を一瞬にして満たしていた。
俺は得意先の打ち合わせも忘れ、彼女に声を掛け、必死とアイドルにならないかと説得した。
俺にとっての彼女との出会いは、その一言に尽きる。
得意先の会社へ打ち合わせに行ったとき、偶然、彼女とすれ違ったのだ。
ただ、それだけ。
たったそれだけだったが、俺はその一瞬でその目を奪われた。
整った顔立ち、目を見張るスタイルのよさ、上品な立ち振る舞い。
それらすべてに俺の瞳が、俺の中の男が、惹きつけられた。
彼女は売れる。トップアイドルになれる。
そんな確信めいたが俺の心を一瞬にして満たしていた。
俺は得意先の打ち合わせも忘れ、彼女に声を掛け、必死とアイドルにならないかと説得した。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:06:50.80 ID:zFmBZDss0
彼女は俺の突拍子もない行動に、いぶかしみ、戸惑っていたようにも思う。
確かに我ながら、最悪の交渉だったと思う。突然声をかけ、アイドルにならないかと誘う。
ナンパまがいの声の掛け方だ。下手をすれば通報されかれなかった。
それほどまでに、俺は彼女に必死だったのだ。
彼女は、俺の必死の言葉に耳を傾けてくれた。
それが堪らなく嬉しかった。プロデューサーとしても、一人の男としても。
話終えると、彼女は、少しだけなら、と頷いてくれた。
それが、俺と彼女の始まりであり
俺の人生の歪みの始まりでもあった。
確かに我ながら、最悪の交渉だったと思う。突然声をかけ、アイドルにならないかと誘う。
ナンパまがいの声の掛け方だ。下手をすれば通報されかれなかった。
それほどまでに、俺は彼女に必死だったのだ。
彼女は、俺の必死の言葉に耳を傾けてくれた。
それが堪らなく嬉しかった。プロデューサーとしても、一人の男としても。
話終えると、彼女は、少しだけなら、と頷いてくれた。
それが、俺と彼女の始まりであり
俺の人生の歪みの始まりでもあった。
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:08:02.01 ID:zFmBZDss0
スカウトから数ヶ月。
彼女の実力は驚くほどに向上していった。
特に歌唱力の面はずば抜けており、100年に一人の逸材だ、とも言われていた。
そんな彼女を世間が放っておくわけもなく、瞬く間にその知名度は増していった。
俺は鼻が高かった。
そんな彼女を見つけ出したということに。
そんな彼女の傍にいられるということに。
その頃の彼女との間柄は友好だったかに思う。
酒を誘うこともあったし、誘われることもあった。
交友を重ね、彼女を知れば知るほど、彼女に惹かれていった。
彼女と共にいられる時間はとても幸せで、当時はそれさえあれば他は何もいらなかった。
アイドルとプロデューサーとの垣根を何度越えたいと思ったかわからない。
それでも俺と彼女はプロデューサーとアイドルだ。
超えることなど許されない。
代わりにと、俺は彼女を必ずトップアイドルに導くと、約束した。
彼女もそれに、自分も必ずトップアイドルになる、と約束してくれた。
彼女の実力は驚くほどに向上していった。
特に歌唱力の面はずば抜けており、100年に一人の逸材だ、とも言われていた。
そんな彼女を世間が放っておくわけもなく、瞬く間にその知名度は増していった。
俺は鼻が高かった。
そんな彼女を見つけ出したということに。
そんな彼女の傍にいられるということに。
その頃の彼女との間柄は友好だったかに思う。
酒を誘うこともあったし、誘われることもあった。
交友を重ね、彼女を知れば知るほど、彼女に惹かれていった。
彼女と共にいられる時間はとても幸せで、当時はそれさえあれば他は何もいらなかった。
アイドルとプロデューサーとの垣根を何度越えたいと思ったかわからない。
それでも俺と彼女はプロデューサーとアイドルだ。
超えることなど許されない。
代わりにと、俺は彼女を必ずトップアイドルに導くと、約束した。
彼女もそれに、自分も必ずトップアイドルになる、と約束してくれた。
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:09:10.51 ID:zFmBZDss0
幸せだった。本当に。
思えば、その頃が幸せの絶頂であったと思う。
その幸せが永遠に、永遠に続けばいいと願っていたのに。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:11:11.61 ID:zFmBZDss0
やがて、彼女は本格的に売れ始めた。様々なメディアの露出が増えていき、まさに引っ張りだこ、という状態だった。
それと同時に彼女の働きを評価された俺は、彼女だけでなく、ほかのアイドル達のプロデュースも任されるようになっていた。
当然、俺も彼女も仕事に追われるようになり、互いの時間を持つことができなくなっていった。
週に一度でも顔を合わせられれば運がいいといえる程に。
それでも俺は彼女を支えたい、彼女との時間を作りたいという一心で仕事を消化していった。
エクセルの一文字を打つことが彼女の助けになる。彼女との時間が増える、と一心不乱と働いた。
ほかのアイドル達が俺が必要ないようにとセルフプロデュースの術を身につけさせていった。
まさにそれは、身を削るという言葉そのものだった。
睡眠時間も十分に取れなくなり、疲労は段々と蓄積していく。
それでも、俺は辛いと思ったことがなかった。
それほどまでに彼女の為になりたかったから。
彼女の傍にいたかったから。
彼女を想っていたから。
愛していたから。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:12:14.54 ID:zFmBZDss0
だが、そんな生活も長く続かなかった。
少ない睡眠時間、蓄積する疲労、膨大な仕事、他のアイドル達のミス、彼女に会えない時間。
それらについに俺の体が悲鳴をあげてしまった。
会社の中で俺は意識を失い、倒れてしまったのだ。
原因は当然過労。
俺は入院を余儀なくされた。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:14:21.31 ID:zFmBZDss0
そのことは当然、彼女の耳に届いていた。
入院して2日目、彼女は自分が忙しいにもかかわらず、俺に会いにきてくれた。
前回会ってから一月以上たっていたかと思う。
彼女と会えたのは、心の底から嬉しかったが
こんなところで顔を合わせてしまったこと。
そして、彼女も疲れているというのに、自分だけ倒れてしまったことが、酷く情けなく思えてしまった。
そのときの俺は思うように笑えていなかったと思う。
どうして俺は、ちゃんと笑えなかったんだ。
入院期間は5日と短いものだった。
しかし、そのたった5日で俺と彼女の運命は決まってしまっていた。
入院して2日目、彼女は自分が忙しいにもかかわらず、俺に会いにきてくれた。
前回会ってから一月以上たっていたかと思う。
彼女と会えたのは、心の底から嬉しかったが
こんなところで顔を合わせてしまったこと。
そして、彼女も疲れているというのに、自分だけ倒れてしまったことが、酷く情けなく思えてしまった。
そのときの俺は思うように笑えていなかったと思う。
どうして俺は、ちゃんと笑えなかったんだ。
入院期間は5日と短いものだった。
しかし、そのたった5日で俺と彼女の運命は決まってしまっていた。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:16:28.57 ID:zFmBZDss0
病院を退院し、倒れた分を取り返せねばと出社したとき、俺を待っていたのは
部長の高垣楓のプロデュースの任を解く、という言葉だった。
目の前が真っ白になった。どうしてという言葉が頭の中を埋め尽くした。
気づかぬうちに俺は部長に詰め寄って、なぜと叫んでいた。
部長は俺と彼女を引き裂く理由を話していたが、よく覚えていない。
ただ、唯一覚えているのは。
彼女に、高垣楓に別のプロデューサーを付け、その任に俺がもう付くことはない。ということだった。
どうして俺はあの時倒れてしまったのかと、未だに自分を責めている。
倒れなけば、平気と仕事をしていればと、悔やまない日はない。
どうして、俺は倒れてしまったのだ。
どうして……。
部長の高垣楓のプロデュースの任を解く、という言葉だった。
目の前が真っ白になった。どうしてという言葉が頭の中を埋め尽くした。
気づかぬうちに俺は部長に詰め寄って、なぜと叫んでいた。
部長は俺と彼女を引き裂く理由を話していたが、よく覚えていない。
ただ、唯一覚えているのは。
彼女に、高垣楓に別のプロデューサーを付け、その任に俺がもう付くことはない。ということだった。
どうして俺はあの時倒れてしまったのかと、未だに自分を責めている。
倒れなけば、平気と仕事をしていればと、悔やまない日はない。
どうして、俺は倒れてしまったのだ。
どうして……。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:17:48.84 ID:zFmBZDss0
それから俺はどん底まで堕ちていった。
営業成績は急落し、書類の作成もままならず
他のアイドル達のプロデュースもおろそかになって行った。
築き上げた会社、得意先、アイドル達の信用も崩れ去っていった。
それに比べて、彼女はどんどんと先へ進んでいった。
大きな会場でのソロライブもこなし、レギュラー番組の司会も努めるようになっていった。
そんな彼女の功績に対し、後任が持て囃される。
やつは大したことはしていないのに、ほぼ、彼女のセルフプロデュースで成り立っているというのに。
それなのに、どこの馬とも知れないやつが皆から認められる。
俺が見つけてきたのに、俺が彼女と一緒に歩んできたのに。
それが酷く不快だった。
しかし、それ以上に、彼女は俺から離れたというのに、以前とまったく変わらないということに酷く悲しくなった。
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:19:03.94 ID:zFmBZDss0
そして遂に俺は、詐欺まがいの仕事を契約をし、会社に多大な損害を与えてしまう。
しかし、俺はそれらに何の思いも持たなかった。
もう、何もかもどうでも良くなってしまっていた。
やがて、俺は会社を首になった。
会社を辞めることに悔いはなかったが
彼女をトップアイドルに導くという約束を果たせなかったことを、酷く悔やんだ。
しかし、俺はそれらに何の思いも持たなかった。
もう、何もかもどうでも良くなってしまっていた。
やがて、俺は会社を首になった。
会社を辞めることに悔いはなかったが
彼女をトップアイドルに導くという約束を果たせなかったことを、酷く悔やんだ。
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:20:55.60 ID:zFmBZDss0
そして現在。会社を辞めてから3ヶ月くらいたっただろうか。
俺は誰もいない実家で引きこもっていた。
毎日ただただテレビを眺め、眠る。そんな生活を送っている。
テレビを眺める理由はただ一つ。
彼女のトップアイドルになった姿をその目に納めるためだ。
それさえできれば、もう俺に後悔はなかった。
俺は誰もいない実家で引きこもっていた。
毎日ただただテレビを眺め、眠る。そんな生活を送っている。
テレビを眺める理由はただ一つ。
彼女のトップアイドルになった姿をその目に納めるためだ。
それさえできれば、もう俺に後悔はなかった。
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:21:58.82 ID:zFmBZDss0
俺は彼女がトップになるのは近いうちだと確信していた。
そしてその確信通り、その時はすぐにやって来た。
年に一度のアイドルランク発表の日。
テレビではその様子が放送されていた。
10位から順に名前が発表されていく。
俺は妙な安心感の中、それただ呆然と眺めていた。
そして遂に、一位の名前が発表された。
当然名前は高垣楓。
発表と同時に彼女が控えから顔を出す。
テレビの向こうの彼女は満面の笑みを浮かべると同時に、喜びに涙を流していた。
その姿をみて、俺は心の底からの喜びをかみ締めた。
そしてその確信通り、その時はすぐにやって来た。
年に一度のアイドルランク発表の日。
テレビではその様子が放送されていた。
10位から順に名前が発表されていく。
俺は妙な安心感の中、それただ呆然と眺めていた。
そして遂に、一位の名前が発表された。
当然名前は高垣楓。
発表と同時に彼女が控えから顔を出す。
テレビの向こうの彼女は満面の笑みを浮かべると同時に、喜びに涙を流していた。
その姿をみて、俺は心の底からの喜びをかみ締めた。
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:22:50.38 ID:zFmBZDss0
「おめでとう、楓さん」
これで、後悔はもう何もない。
これが俺のすべてだったのだから。
了
これで、後悔はもう何もない。
これが俺のすべてだったのだから。
了
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:25:20.61 ID:zFmBZDss0
終わり
なんか違うなぁ
なんか違うなぁ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:31:49.46 ID:Z5KO306+o
乙乙
一流アイドルともなれば、すれ違っただけの人が身を持ち崩すなんてこともあるんかもね
ちょっとだけ谷崎を連想した
一流アイドルともなれば、すれ違っただけの人が身を持ち崩すなんてこともあるんかもね
ちょっとだけ谷崎を連想した
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/24(日) 23:38:38.96 ID:KFqkxUfGo
和光市の市議会議員になるよりは現実味があるんじゃないか?
乙
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432476233/
Entry ⇒ 2016.03.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
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