女「私、今日からイケメンくんと付き合うことになったの…」
1: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:07:47.57 ID:Grqn/7DQo
女「だからもう、男くんとは一緒ではいられないんだ…」
女「…ごめんね」
ピピピピピピ…
男「…!!」ガバッ
男「…夢か」
男「幼馴染がイケメンと付き合うようになってもう3ヶ月かぁ…」
女「…ごめんね」
ピピピピピピ…
男「…!!」ガバッ
男「…夢か」
男「幼馴染がイケメンと付き合うようになってもう3ヶ月かぁ…」
4: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:18:14.16 ID:Grqn/7DQo
学校 教室
女「ねぇ、イケメンくん、今日は天気いいから屋上でお昼食べない?」
イケメン「悪い!今日の昼はちょっとコーチから呼び出しかかってんだ」
女「えー。じゃあ一緒に食べられないの?」
イケメン「ホントごめん!県選抜の話だから抜けられないんだよ」
女「ぶー。…まぁいいよ。帰りは?」
イケメン「練習。今日から夏メニューになるから、それなりに遅くなるよ?」
女「ん…待ってる」
イケメン「悪いな」
女「平気。待ってるの好きだよ、私」
男「…」ガタッ
ガラガラガラ
教師「おい、男。一限からサボりか?」
男「腹痛いんでうんこしてきます」
クラス「ザワザワ…」
教師「何で朝の内にしてこなかったんだ。早く行け」
男「すんません」
教師「全く…おい!授業始めるぞ」
屋上
男「ハァハァ…うぅっ…!!」シコシコ
男「うっ…イクっ!イクよ!!イクよぉぉぉおおおおお!!!」ドピュドピュ
男「ふぅ…うっ…くっ…うぅっ…うわあぁぁぁぁぁぁん!!!!幼馴染いいいぃぃぃ!!」
男「うぅっ…なんでなんだよぉ…幼馴染いぃ…なんで…」
男「…」
男「グズッ…」
男(精子拭かなきゃ…)
男(もういいや…このまま寝ちゃおう)
ムスコ「refreshed!」
×××
男「…」ムクッ
男(もう四限目終わる頃か…混む前に購買行こ)
男「幼馴染はどこで飯食うんだろ…」
5: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:22:11.40 ID:Grqn/7DQo
購買
おばちゃん「なんだい、あんた。またサボってんのかい?」
男「違いますよ。今日はたまたま早めに授業終わっただけ」
おばちゃん「今日'も'の間違いじゃないの?」ニヤニヤ
男「おばちゃん、そんな笑うと化粧崩れるよ」
おばちゃん「失礼な奴だねまったく…まだそんな厚化粧するような歳じゃないよ」
男「とりあえず、テリ玉サンドとおかかのおにぎりちょうだい」
おばちゃん「はいよ。調整豆乳つけるかい?」
男「ん、お願い」
おばちゃん「はいよ。450円」
男「…30円高くない?」
おばちゃん「前は20円まけてやったろ?今日は機嫌いいから上乗せしてやったのさ。いいからさっさと払いな」
男「ぼったくりだ…」チャリーン
おばちゃん「はいよ。お姉さんのことおだてたくなったらまたおいで」
廊下
キーンコーンカーンコーン
男(どこで食べようかなぁ…)
男(夏祭りのポスター…もうそんな時期か…)
男(幼馴染は…やっぱりイケメンと行くのかな…)
男「…」
男(…幼馴染はどこで昼飯食べるんだろ)トボトボ
女友「……なんだってぇー」
女「えっー?それホントにー?」
女友「ホントだってばー。そういえば今日はいいの?イケメン君とお昼食べなくて」
女「んー…なんか、部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」
女友「そういえば、県選抜に選ばれたんだってね!おめでとう!」
女「ははは…ありがと」
女友「あれー?女はあんま嬉しくない感じなの?」
女「んーん…嬉しいんだけどね…」
女友「そっかぁー。遊ぶ時間無くなっちゃうもんね」
女「それよりもね、なんかイケメン君がどんどん遠くにいっちゃう感じが嫌なんだ…私ってちゃんと釣り合った彼女でいれるのかなぁーって…」
女友「それはダイジョブだよ。女は凄い可愛いし、頭もいいんだから!…あ」
女「えっ?」
女友「男君がこっちみてる…早く行こ」スタスタ
女「…うん…」トテトテ
男「…」
男「屋上行こ…」ボソッ
おばちゃん「なんだい、あんた。またサボってんのかい?」
男「違いますよ。今日はたまたま早めに授業終わっただけ」
おばちゃん「今日'も'の間違いじゃないの?」ニヤニヤ
男「おばちゃん、そんな笑うと化粧崩れるよ」
おばちゃん「失礼な奴だねまったく…まだそんな厚化粧するような歳じゃないよ」
男「とりあえず、テリ玉サンドとおかかのおにぎりちょうだい」
おばちゃん「はいよ。調整豆乳つけるかい?」
男「ん、お願い」
おばちゃん「はいよ。450円」
男「…30円高くない?」
おばちゃん「前は20円まけてやったろ?今日は機嫌いいから上乗せしてやったのさ。いいからさっさと払いな」
男「ぼったくりだ…」チャリーン
おばちゃん「はいよ。お姉さんのことおだてたくなったらまたおいで」
廊下
キーンコーンカーンコーン
男(どこで食べようかなぁ…)
男(夏祭りのポスター…もうそんな時期か…)
男(幼馴染は…やっぱりイケメンと行くのかな…)
男「…」
男(…幼馴染はどこで昼飯食べるんだろ)トボトボ
女友「……なんだってぇー」
女「えっー?それホントにー?」
女友「ホントだってばー。そういえば今日はいいの?イケメン君とお昼食べなくて」
女「んー…なんか、部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」
女友「そういえば、県選抜に選ばれたんだってね!おめでとう!」
女「ははは…ありがと」
女友「あれー?女はあんま嬉しくない感じなの?」
女「んーん…嬉しいんだけどね…」
女友「そっかぁー。遊ぶ時間無くなっちゃうもんね」
女「それよりもね、なんかイケメン君がどんどん遠くにいっちゃう感じが嫌なんだ…私ってちゃんと釣り合った彼女でいれるのかなぁーって…」
女友「それはダイジョブだよ。女は凄い可愛いし、頭もいいんだから!…あ」
女「えっ?」
女友「男君がこっちみてる…早く行こ」スタスタ
女「…うん…」トテトテ
男「…」
男「屋上行こ…」ボソッ
6: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:23:05.43 ID:Grqn/7DQo
屋上
男(さっきの精子、もう乾いたかな…)
?「ぎゃーっ!!なにこれ!?うっわベタベタ…最悪…」
男(あそこはさっき俺が居た…)スタスタ
男「大丈夫?」
?「何!?」
男「いや…何か叫んでたから」
?「全然ダイジョブじゃない!何か変なの触っちゃうし!ビックリしてお弁当ひっくり返したし!最悪!!何なのこれ!?」
男「…」
?「スカート染みになっちゃったらどうしよ…」
男「…そこに座ったの?」
?「ちょっと見てくれない?」
男「やべぇ…なんかエロいわ。(紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?)」
?「は?」
男「紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?」
?「今、なんかエロいとか言わなかった?」
男「お漏らしみたいになってるよ」
?「最低。それ、普通初対面の女子に言う?」
男「言わない」
?「まぁ、いいや。ごめん、ちょっと私のクラスまで行ってジャージ取ってきてくれない?」
男「は?」
?「今のセクハラ発言は聞かなかったことにしてあげる。だから、ジャージ取ってきて」
男「チッ…分かったよ。お前、何年何組?」
?「えっ?私のこと知らないの??」
男「当たり前だろ。お前だってさっき初対面っていってたじゃんかよ」
?「ホントに知らない?キミ、何年生?」
男「2年」
?「何組?」
男「3組」
?「えっ!?ウソ?ホントのホントに知らないの?同学年なのに!?クラス隣なのに!?」
男「しつこいな。誰だよ」
?「4月に可愛過ぎる転校生が来たって話題にならなかった!?」
男「…ああ、何かあったなそんなの」
?「それ、私!!ホントに知らない?」
男「知らねぇよ。興味無かったし。(その日は幼馴染みとイケメンが付き合う事になった日だからな…)」
転校生「うわぁ…本人前にしてそーゆーこと言うかな?ちょっとショックなんですけど…」
男「お前、自意識過剰だろ。いいから何組だよ」
転校生「軽く流されたし…2組よ」
男「分かったからちょっと待ってろ」スタスタ
男(さっきの精子、もう乾いたかな…)
?「ぎゃーっ!!なにこれ!?うっわベタベタ…最悪…」
男(あそこはさっき俺が居た…)スタスタ
男「大丈夫?」
?「何!?」
男「いや…何か叫んでたから」
?「全然ダイジョブじゃない!何か変なの触っちゃうし!ビックリしてお弁当ひっくり返したし!最悪!!何なのこれ!?」
男「…」
?「スカート染みになっちゃったらどうしよ…」
男「…そこに座ったの?」
?「ちょっと見てくれない?」
男「やべぇ…なんかエロいわ。(紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?)」
?「は?」
男「紺色だからそんな目立ってないけど、確かに染みになってるね。洗えば落ちんじゃない?」
?「今、なんかエロいとか言わなかった?」
男「お漏らしみたいになってるよ」
?「最低。それ、普通初対面の女子に言う?」
男「言わない」
?「まぁ、いいや。ごめん、ちょっと私のクラスまで行ってジャージ取ってきてくれない?」
男「は?」
?「今のセクハラ発言は聞かなかったことにしてあげる。だから、ジャージ取ってきて」
男「チッ…分かったよ。お前、何年何組?」
?「えっ?私のこと知らないの??」
男「当たり前だろ。お前だってさっき初対面っていってたじゃんかよ」
?「ホントに知らない?キミ、何年生?」
男「2年」
?「何組?」
男「3組」
?「えっ!?ウソ?ホントのホントに知らないの?同学年なのに!?クラス隣なのに!?」
男「しつこいな。誰だよ」
?「4月に可愛過ぎる転校生が来たって話題にならなかった!?」
男「…ああ、何かあったなそんなの」
?「それ、私!!ホントに知らない?」
男「知らねぇよ。興味無かったし。(その日は幼馴染みとイケメンが付き合う事になった日だからな…)」
転校生「うわぁ…本人前にしてそーゆーこと言うかな?ちょっとショックなんですけど…」
男「お前、自意識過剰だろ。いいから何組だよ」
転校生「軽く流されたし…2組よ」
男「分かったからちょっと待ってろ」スタスタ
7: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:25:41.81 ID:Grqn/7DQo
2組教室
男(とは言ったものの…男の俺が女子のジャージ取りに来たってどうなんだ?大丈夫なのか?)
同級生A「あれ?男じゃん。どうかした?」
男「…わりぃ、ちょっと頼み辛いんだけど…」
同級生A「ん?」
男「…いや、いいわ。誰でもいいからテキトーに女子呼んで貰えない?」
同級生A「?ちょっとまって」
×××
同級生B「男くん?どうかしたの?何かAくんに呼ばれたけど…」
男「あ、ああ…ごめん、ちょっと事情があってさ…転校生さんがジャージ取ってきてって…」
同級生B「男くんに?」
男「うん…まぁ…」
同級生B「どういうこと?何かあったの?」
男「お…」
同級生B「お?」
男「お漏らしした」
同級生B「…転校生ちゃんが?」
男「…まぁ、そんな感じ」
同級生B「…ちょっとまって。今、転校生ちゃんに電話してみるから…」
男「あ…うん(んだよ、最初からその手があったんじゃん。最悪だ。完全に変態だと思われてるよ…もう行こう…)」トボトボ
男「俺の昼飯、屋上じゃん…」
男(とは言ったものの…男の俺が女子のジャージ取りに来たってどうなんだ?大丈夫なのか?)
同級生A「あれ?男じゃん。どうかした?」
男「…わりぃ、ちょっと頼み辛いんだけど…」
同級生A「ん?」
男「…いや、いいわ。誰でもいいからテキトーに女子呼んで貰えない?」
同級生A「?ちょっとまって」
×××
同級生B「男くん?どうかしたの?何かAくんに呼ばれたけど…」
男「あ、ああ…ごめん、ちょっと事情があってさ…転校生さんがジャージ取ってきてって…」
同級生B「男くんに?」
男「うん…まぁ…」
同級生B「どういうこと?何かあったの?」
男「お…」
同級生B「お?」
男「お漏らしした」
同級生B「…転校生ちゃんが?」
男「…まぁ、そんな感じ」
同級生B「…ちょっとまって。今、転校生ちゃんに電話してみるから…」
男「あ…うん(んだよ、最初からその手があったんじゃん。最悪だ。完全に変態だと思われてるよ…もう行こう…)」トボトボ
男「俺の昼飯、屋上じゃん…」
8: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:26:17.75 ID:Grqn/7DQo
屋上
ガチャッ
転校生「うんうん、いやだからホントに違うから。お漏らしじゃないから、ダイジョブだよ。ごめんね。あ…男くん来た。うん、よろしくね。ありがと」ピッ
男「…」
転校生「…」ジトー
男「ええっと…俺の昼飯はどこかなぁ…」キョロキョロ
転校生「ちょっと、男くん!ふざけないでよ!」
男「ジャージはBさんが届けてくれるんだろ?感謝しろよ」
転校生「Bちゃんにはね。キミ、私がお漏らししたって言ったでしょ」
男「お漏らしみたいな感じっていっただけだよ。厳密には違う」
転校生「意味わかんないし。ホント、最低。あり得ない。後、男くんのお昼ごはんもうないから」
男「は?」
転校生「あ、調整豆乳なら残ってるよ。私、これ苦手なんだ」
男「なっ…どういうことだよバカ野郎…」
転校生「だって、私のお昼ごはんなくなっちゃったんだもん。それに男君からは辱しめ受けるし」
男「バカバカ!俺の昼飯どうすんだよ!?」
転校生「知らない。後、私、男くんよりは頭良いと思うよ。中間試験1位だったし」
男「中間1位の奴が人の昼飯無断拝借すんのかよ…」
転校生「男くんがわるいんじゃないのー」
ガチャッ
転校生「あ!Bちゃん来た」
同級生B「転校生ちゃん、ジャージ持ってきたよ」
転校生「ありがと!ごめんね?わざわざ」
同級生B「ううん、大丈夫だよ。でもこういうのって男子に頼まない方がいいよ?私に話す前にAくんに言ってたら多分、クラス中に言いふらされてただろうし…」
男「…」
同級生B「男くんも、変なこと言っちゃダメだよ?」
転校生「ホント、男くんサイテー」
同級生B「下だけジャージだと変だから、トイレで着替えよ?…それで、結局、何に座っちゃったの?」
転校生「わかんない…」テクテク
バタン
男「…」
男「…昼飯どうしよ」
男「つかあの女、弁当忘れてんじゃん…」パカッ
男「中身グチャグチャだけど、全然食えるし…」モグモグ
男「あー。調整豆乳マジうめぇわ」
男「…」
男(幼馴染みはもう食べ終わった頃かな…)
ガチャッ
転校生「うんうん、いやだからホントに違うから。お漏らしじゃないから、ダイジョブだよ。ごめんね。あ…男くん来た。うん、よろしくね。ありがと」ピッ
男「…」
転校生「…」ジトー
男「ええっと…俺の昼飯はどこかなぁ…」キョロキョロ
転校生「ちょっと、男くん!ふざけないでよ!」
男「ジャージはBさんが届けてくれるんだろ?感謝しろよ」
転校生「Bちゃんにはね。キミ、私がお漏らししたって言ったでしょ」
男「お漏らしみたいな感じっていっただけだよ。厳密には違う」
転校生「意味わかんないし。ホント、最低。あり得ない。後、男くんのお昼ごはんもうないから」
男「は?」
転校生「あ、調整豆乳なら残ってるよ。私、これ苦手なんだ」
男「なっ…どういうことだよバカ野郎…」
転校生「だって、私のお昼ごはんなくなっちゃったんだもん。それに男君からは辱しめ受けるし」
男「バカバカ!俺の昼飯どうすんだよ!?」
転校生「知らない。後、私、男くんよりは頭良いと思うよ。中間試験1位だったし」
男「中間1位の奴が人の昼飯無断拝借すんのかよ…」
転校生「男くんがわるいんじゃないのー」
ガチャッ
転校生「あ!Bちゃん来た」
同級生B「転校生ちゃん、ジャージ持ってきたよ」
転校生「ありがと!ごめんね?わざわざ」
同級生B「ううん、大丈夫だよ。でもこういうのって男子に頼まない方がいいよ?私に話す前にAくんに言ってたら多分、クラス中に言いふらされてただろうし…」
男「…」
同級生B「男くんも、変なこと言っちゃダメだよ?」
転校生「ホント、男くんサイテー」
同級生B「下だけジャージだと変だから、トイレで着替えよ?…それで、結局、何に座っちゃったの?」
転校生「わかんない…」テクテク
バタン
男「…」
男「…昼飯どうしよ」
男「つかあの女、弁当忘れてんじゃん…」パカッ
男「中身グチャグチャだけど、全然食えるし…」モグモグ
男「あー。調整豆乳マジうめぇわ」
男「…」
男(幼馴染みはもう食べ終わった頃かな…)
9: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:28:50.10 ID:Grqn/7DQo
通学路
男(今日の夕飯は何にしよ…)テクテク
男(コンビニ弁当はもう飽きたし…たまには自炊してみようかな)
男(…少し遠いけどマク○ナルド行こ)
×××
男「ふぅ…」ノットシコシコ
男「やっぱ久々に食べると上手いな」
男「もう7時か…(商店街の方寄って帰ろう)」
男(今日の夕飯は何にしよ…)テクテク
男(コンビニ弁当はもう飽きたし…たまには自炊してみようかな)
男(…少し遠いけどマク○ナルド行こ)
×××
男「ふぅ…」ノットシコシコ
男「やっぱ久々に食べると上手いな」
男「もう7時か…(商店街の方寄って帰ろう)」
10: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:29:20.41 ID:Grqn/7DQo
商店街
男(そういや、ここの喫茶店のケーキ、幼馴染みが好きなんだよな)
男(ケーキ買ってこうかな…)
キィー
女「あっ…」
男「あっ…(幼馴染み!)」
女「男くん…」
イケメン「どうしたの女?早く出ようよ」ヒョコッ
男「…」
女「あっ…うん…」
イケメン「あれ?男?」
男「…」
女「い…行こ!イケメンくん!男くん、じゃあね!」スタスタ
イケメン「あぁ…」テクテク
男「…」
店員「お客様?お決まりでしたらこちらでお伺いしますよ」
男「…ブレンドのレギュラーサイズ、テイクアウトで」
店員「かしこまりました……」
×××
店員「ありがとうごさいましたー」
キィー
男「はぁ…最悪だ」テクテク
イケメン「何が最悪なの?」
男「!?」
イケメン「何が最悪なの?」
男「イケメン…女…さんと帰ったんじゃなかったのかよ…」
イケメン「ちょっとお前に言っておきたいことがあってさ。申し訳なかったけど先帰ってもらった」
男「もう暗くなってきてんのに一人で帰らせてダイジョブなのかよ…」
イケメン「家近いし、この辺は人も多いから問題ねぇだろ。ってか、お前が心配することじゃなくね?」
男「…俺に何の用だよ」
イケメン「女のことだよ。いい加減、アイツに付きまとうのやめてくんねぇかな。お前が女のこと、どう思ってるかは知らねぇけど、今は俺の彼女なんだよね。」
男「…別に、付きまとってなんかねぇだろ…」
イケメン「女友も言ってたぜ?女と居るとしょっちゅうお前から見られてるって。キモいんだよね、そういうの。マジやめてくんね?」
男「…女…さんがそう言ったのかよ…」
イケメン「お前それ、判ってて聞いてるだろ?あいつはそんな事言わないよ。そういう性格じゃねぇからな。でも、言わないからって思ってないわけじゃない。迷惑してんだよこっちは」
男「…何かの勘違いだろ。俺は別に何もしてない」
イケメン「あっそーかよ。まぁ、俺も女もお前も同じクラスだし、これ以上ゴチャゴチャしたくねぇから今日はもう言わねぇけど、次に何かあったらただじゃおかねぇから」スタスタ
男「…最悪だ」
男(そういや、ここの喫茶店のケーキ、幼馴染みが好きなんだよな)
男(ケーキ買ってこうかな…)
キィー
女「あっ…」
男「あっ…(幼馴染み!)」
女「男くん…」
イケメン「どうしたの女?早く出ようよ」ヒョコッ
男「…」
女「あっ…うん…」
イケメン「あれ?男?」
男「…」
女「い…行こ!イケメンくん!男くん、じゃあね!」スタスタ
イケメン「あぁ…」テクテク
男「…」
店員「お客様?お決まりでしたらこちらでお伺いしますよ」
男「…ブレンドのレギュラーサイズ、テイクアウトで」
店員「かしこまりました……」
×××
店員「ありがとうごさいましたー」
キィー
男「はぁ…最悪だ」テクテク
イケメン「何が最悪なの?」
男「!?」
イケメン「何が最悪なの?」
男「イケメン…女…さんと帰ったんじゃなかったのかよ…」
イケメン「ちょっとお前に言っておきたいことがあってさ。申し訳なかったけど先帰ってもらった」
男「もう暗くなってきてんのに一人で帰らせてダイジョブなのかよ…」
イケメン「家近いし、この辺は人も多いから問題ねぇだろ。ってか、お前が心配することじゃなくね?」
男「…俺に何の用だよ」
イケメン「女のことだよ。いい加減、アイツに付きまとうのやめてくんねぇかな。お前が女のこと、どう思ってるかは知らねぇけど、今は俺の彼女なんだよね。」
男「…別に、付きまとってなんかねぇだろ…」
イケメン「女友も言ってたぜ?女と居るとしょっちゅうお前から見られてるって。キモいんだよね、そういうの。マジやめてくんね?」
男「…女…さんがそう言ったのかよ…」
イケメン「お前それ、判ってて聞いてるだろ?あいつはそんな事言わないよ。そういう性格じゃねぇからな。でも、言わないからって思ってないわけじゃない。迷惑してんだよこっちは」
男「…何かの勘違いだろ。俺は別に何もしてない」
イケメン「あっそーかよ。まぁ、俺も女もお前も同じクラスだし、これ以上ゴチャゴチャしたくねぇから今日はもう言わねぇけど、次に何かあったらただじゃおかねぇから」スタスタ
男「…最悪だ」
11: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:30:19.58 ID:Grqn/7DQo
男宅
男「ただいまー」ガチャッ
男「って、誰も居るわけないか…」
男(一人暮らしもだいぶ慣れたな…)
男「いって!!なんだ?」
男(…夏祭りのときの指輪…こんなところにあったのか…)
男(…料理と掃除も早く出来るようになんないとな)
×××
男「はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…」シコシコ
(幼幼馴染「ねぇ、むこうに射的があるよ!わたしあれやりたい!」)
男「うぅっ…幼馴染みぃい!!」シコシコシコ
(幼幼馴染「えーっとね…あ!あれほしい!!あのキラキラしたゆびわ!」)
男「はぁ…はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…うっ…」シコシコシコシコ
(幼幼馴染「やったー!!すごい!!じょうずだね!…うん!ありがとう!大切にするね!!」)
男「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…はぁはぁ…」シコシコシコシコシコ
(幼幼馴染「ううん、うれしい!ゆびわもらったからわたしのことお嫁さんにしてくれるんだよね!」)
男「うっ…うっ…イクよっ!イクよっ!幼馴染っ!!」シコシコシコシコシコ
(幼幼馴染「うんっ!やくそく!おとなになったらわたしのこと、ぜったいにお嫁さんにしてね!」)
男「あぁっ…イク!イクイクイクっ!!」ドビュッドビュッ
男「ふぅ…」ムスコビクンビクン
男「くずっ…寝よう。もう起きなくっても、いいや」
ムスコ「(´・ω・`)」
男「ただいまー」ガチャッ
男「って、誰も居るわけないか…」
男(一人暮らしもだいぶ慣れたな…)
男「いって!!なんだ?」
男(…夏祭りのときの指輪…こんなところにあったのか…)
男(…料理と掃除も早く出来るようになんないとな)
×××
男「はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…」シコシコ
(幼幼馴染「ねぇ、むこうに射的があるよ!わたしあれやりたい!」)
男「うぅっ…幼馴染みぃい!!」シコシコシコ
(幼幼馴染「えーっとね…あ!あれほしい!!あのキラキラしたゆびわ!」)
男「はぁ…はぁ…はぁ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…うっ…」シコシコシコシコ
(幼幼馴染「やったー!!すごい!!じょうずだね!…うん!ありがとう!大切にするね!!」)
男「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…はぁはぁ…」シコシコシコシコシコ
(幼幼馴染「ううん、うれしい!ゆびわもらったからわたしのことお嫁さんにしてくれるんだよね!」)
男「うっ…うっ…イクよっ!イクよっ!幼馴染っ!!」シコシコシコシコシコ
(幼幼馴染「うんっ!やくそく!おとなになったらわたしのこと、ぜったいにお嫁さんにしてね!」)
男「あぁっ…イク!イクイクイクっ!!」ドビュッドビュッ
男「ふぅ…」ムスコビクンビクン
男「くずっ…寝よう。もう起きなくっても、いいや」
ムスコ「(´・ω・`)」
12: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:32:28.17 ID:Grqn/7DQo
学校
男(授業受ける気しないな…)テクテク
女「あっ…」
男(幼馴染み!?)
女「おっ…おはよう…」
男「あっ…ああ…おはよう(昨日の事があったから気まずいな…)」
男「今日、イケメンは一緒じゃないの?」
女「えっ?…うん…朝練行ってるから…」
男「そっか…」
女「昨日、あの後、イケメンくんと会った?」
男「えっ?…なんで?(幼馴染みは昨日のこと、どこまで知ってるんだ?)」
女「…何か喫茶店出たあと、用事思い出したって言ってすぐ戻っちゃったから…」
男「そうなんだ…」
女「うん…男くん、何か知らない?」
男「いや…知らない…」
女「そっか…」
男「…」テクテク
女「…」テクテク
男(気まずいな…)
男(このまま一緒に教室入るのも嫌だ。…仕方ない。二日連続になるけどまたサボるか)スタスタ
女「?男くん?教室こっちだよ?」
男「ちょっと、トイレ」スタスタ
男(授業受ける気しないな…)テクテク
女「あっ…」
男(幼馴染み!?)
女「おっ…おはよう…」
男「あっ…ああ…おはよう(昨日の事があったから気まずいな…)」
男「今日、イケメンは一緒じゃないの?」
女「えっ?…うん…朝練行ってるから…」
男「そっか…」
女「昨日、あの後、イケメンくんと会った?」
男「えっ?…なんで?(幼馴染みは昨日のこと、どこまで知ってるんだ?)」
女「…何か喫茶店出たあと、用事思い出したって言ってすぐ戻っちゃったから…」
男「そうなんだ…」
女「うん…男くん、何か知らない?」
男「いや…知らない…」
女「そっか…」
男「…」テクテク
女「…」テクテク
男(気まずいな…)
男(このまま一緒に教室入るのも嫌だ。…仕方ない。二日連続になるけどまたサボるか)スタスタ
女「?男くん?教室こっちだよ?」
男「ちょっと、トイレ」スタスタ
13: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:35:42.32 ID:Grqn/7DQo
屋上
男「ふぅ…」ノットシコシコ
男「っていっても、ここ来たってやることないんだよなぁ…」
男「あぢぃ…」
転校生「あ、居た。男くん!」
男「!?…ああ…何?」
転校生「いやぁ、何か気まずそうな雰囲気出して歩いてたねぇ。一緒にいた子、女さんだよね?仲いいの?」
男「見てたのかよ…」
転校生「何かアヤシイカンケイに見えたよ?」ニヤニヤ
男「別になんもないよ。ていうかお前こそ何だよ。それ言うためにわざわざ来たのか?」
転校生「そんな訳ないでしょ。…男くん、私のお弁当知らない?昨日、忘れたと思って取りに来たんだけど…見付かんないんだよね」
男「ああ…」ガサゴソ
男「はい。ごちそうさま。弁当箱は一応洗っておいたから」
転校生「…食べたの?男くんが??」
男「俺の昼飯はお前が食ったんだからおあいこだろ。ってか、中身グチャグチャになってただけで全然食えたぞ」
転校生「…だってお弁当箱に変なの着いちゃったんだもん…ってかさ、これ、水洗いしかしてないでしょ?」
男「ああ…悪い。家に帰ってちゃんと洗おうとしたんだけど、スポンジも洗剤も無くてな」
転校生「…スゴいお家に住んでるのね…え?何それ?そんな家初めて聞いたんだけど…」
男「一人暮らしなんだよ俺。自炊とかしないから食器も使わない訳」
転校生「それにしたって、それくらいなきゃダメでしょ…後これ、一応洗ったとは言わないから。カビになったら男くんのせいだよ?」
男「カビが生えたらそれは調整豆乳の恨みだな」
転校生「意味わかんないし…」
男「いや、俺もあんま好きじゃないんだよ。調整豆乳。どうせ俺の飯奪うならあいつも一緒に奪って欲しかった。」
転校生「…だったら何で買ったのよ…ホントに意味わかんないよねキミ…」
男「購買のおばちゃんが押し付けてくんだよ。いつも売れ残るから買ってくれって」
転校生「そんなの断ればいいだけじゃない…」
男「こっちにも色々あるんだよ…(授業サボって早めに買ってるの見逃してもらってるからな)」
転校生「あっそ。ま、どうでもいいけど。そう言えば昨日のお昼ごはん、いくらだったの?」
男「…2,000円位」
転校生「高っ?!んな訳ないでしょ!真面目にいくらかって聞いてんのよ!」
男「昨日はあの後、マックで夕飯食って喫茶店でコーヒー飲んだからな。昼飯をお前にとられたせいだと考えればこれらの出費は昼飯の延長だろ」
転校生「フツーに夜ご飯だから…しかも、私のお弁当食べてんだからお昼は関係ないじゃん」
男「…まぁ、そういう事だ」
転校生「は?」
男「いや、昼飯代返そうとしてくれてたんだろ?お前の昼飯食っちゃったからチャラでいいよ」
転校生「…ちっ、違うわよ!私のお弁当代から男くんの昼飯代を差し引いた差額を徴収しようとしてんのっ!いくら?」
男「お前、マジで性格悪いよな…確か300円くらいか?」
転校生「300円ね。はい」チャリーン
男「え?いや、マジでいいって。これもらったら俺も何か返さないとじゃん」
転校生「私の気持ちの問題だからいいの!…それで…さ…」
男「ん?」
転校生「…ホントに食べたの?…その…お弁当……ダイジョブだった?」
男「ふぅ…」ノットシコシコ
男「っていっても、ここ来たってやることないんだよなぁ…」
男「あぢぃ…」
転校生「あ、居た。男くん!」
男「!?…ああ…何?」
転校生「いやぁ、何か気まずそうな雰囲気出して歩いてたねぇ。一緒にいた子、女さんだよね?仲いいの?」
男「見てたのかよ…」
転校生「何かアヤシイカンケイに見えたよ?」ニヤニヤ
男「別になんもないよ。ていうかお前こそ何だよ。それ言うためにわざわざ来たのか?」
転校生「そんな訳ないでしょ。…男くん、私のお弁当知らない?昨日、忘れたと思って取りに来たんだけど…見付かんないんだよね」
男「ああ…」ガサゴソ
男「はい。ごちそうさま。弁当箱は一応洗っておいたから」
転校生「…食べたの?男くんが??」
男「俺の昼飯はお前が食ったんだからおあいこだろ。ってか、中身グチャグチャになってただけで全然食えたぞ」
転校生「…だってお弁当箱に変なの着いちゃったんだもん…ってかさ、これ、水洗いしかしてないでしょ?」
男「ああ…悪い。家に帰ってちゃんと洗おうとしたんだけど、スポンジも洗剤も無くてな」
転校生「…スゴいお家に住んでるのね…え?何それ?そんな家初めて聞いたんだけど…」
男「一人暮らしなんだよ俺。自炊とかしないから食器も使わない訳」
転校生「それにしたって、それくらいなきゃダメでしょ…後これ、一応洗ったとは言わないから。カビになったら男くんのせいだよ?」
男「カビが生えたらそれは調整豆乳の恨みだな」
転校生「意味わかんないし…」
男「いや、俺もあんま好きじゃないんだよ。調整豆乳。どうせ俺の飯奪うならあいつも一緒に奪って欲しかった。」
転校生「…だったら何で買ったのよ…ホントに意味わかんないよねキミ…」
男「購買のおばちゃんが押し付けてくんだよ。いつも売れ残るから買ってくれって」
転校生「そんなの断ればいいだけじゃない…」
男「こっちにも色々あるんだよ…(授業サボって早めに買ってるの見逃してもらってるからな)」
転校生「あっそ。ま、どうでもいいけど。そう言えば昨日のお昼ごはん、いくらだったの?」
男「…2,000円位」
転校生「高っ?!んな訳ないでしょ!真面目にいくらかって聞いてんのよ!」
男「昨日はあの後、マックで夕飯食って喫茶店でコーヒー飲んだからな。昼飯をお前にとられたせいだと考えればこれらの出費は昼飯の延長だろ」
転校生「フツーに夜ご飯だから…しかも、私のお弁当食べてんだからお昼は関係ないじゃん」
男「…まぁ、そういう事だ」
転校生「は?」
男「いや、昼飯代返そうとしてくれてたんだろ?お前の昼飯食っちゃったからチャラでいいよ」
転校生「…ちっ、違うわよ!私のお弁当代から男くんの昼飯代を差し引いた差額を徴収しようとしてんのっ!いくら?」
男「お前、マジで性格悪いよな…確か300円くらいか?」
転校生「300円ね。はい」チャリーン
男「え?いや、マジでいいって。これもらったら俺も何か返さないとじゃん」
転校生「私の気持ちの問題だからいいの!…それで…さ…」
男「ん?」
転校生「…ホントに食べたの?…その…お弁当……ダイジョブだった?」
14: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:36:22.01 ID:Grqn/7DQo
男「ああ…うん。これ、ぜってぇー返すときに言ってやろうと思ったんだけど…玉子焼きに殻入ってて口の中、ジャリっていた。あれはないわー」
転校生「…うそ?」
男「あと、ウインナーすげぇ焦げてただろ。一本はほとんどケシズミ状態だったし。あれもないわー」
転校生「…うっ…」
男「あれ、お前が作ったのか?まぁ、確かにあんな悲惨な弁当、教室で友達と。なんて無理だわな。屋上で一人こそこそ食べたくなる気持ちも分かるわ」
転校生「…ひっ…ひどっ!そこまで言うことなくない!?…た…確かに、見た目悪かったし、ちょっと…失敗しちゃってたから美味しくはなかった…かもしれないけど…」
男「見た目の悪さに関してはグチャグチャにシェイクされてたからなおさらだな」
転校生「うぅっ…」タジッ
男「…あ、でも唐揚げは上手かったな」
転校生「それ、冷凍のやつだし…!」
男「だと思いました(あれ…なんか顔赤い…怒ってんのか?)」
転校生「…だいたい、キミが勝手に食べちゃうのが悪いんだからね!?私、料理得意なんて言ってないし!そもそも誰かに食べさせようと思って作った訳じゃないし!!朝はいつも時間ぎりぎりだから仕方ないし!!…それにそれに…」
男「…いや…そう…か…なんかすまんな…」
転校生「…うっ…うるさいばかっ!ホントに信じらんない…普通そこは、ウソでも美味しかったって言うところじゃないの!?空気読みなさいよっ!」
男「いや…ごめん…まぁなんだ?…そんな落ち込むなよ」
転校生「…べっ…別に落ち込んでないし!ぜんっぜん気になんないしっ!!」
男「そうか…すまん…」
転校生「…うぅ~…」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…男くん、こんな可愛い子に恥かかせてただで済むと思ってる?」
男「…それ、自分で言ってて恥ずかしくないの?」
転校生「うっ…うるさいなぁ!…私、これでも男子からは結構人気あるんだからね!…転校してきてからも色んな人に付き合って下さいって言われたんだから!」
男「…今度はいきなり自慢かよ…」
転校生「私が男くんに辱め受けたって言ったら、男くんたいへんだよ?色んな男子から恨まれて、報復されるかも…」
男「んな、マンガみたいな話があるかよ!辱めなんて受けさせてねぇし!!…てかもう戻んねぇと授業始まんぞ?」
転校生「えっ?ウソ?HRは!?」
男「もう終わってんね」
転校生「そんな…私まだこっち来てから一度も遅刻してなかったのに…」
男「そりゃご立派だわ」
転校生「ホント、キミに関わってるとロクなことないよ!サイテー!」
男「またえらい言い掛かりだなおい!お前が勝手に絡んできたんだろ?」
転校生「言い掛かりじゃないですー、事実ですー!」
男「マジでめんどくせー。いいからさっさと行けよ…」
転校生「言われなくても行きます!男くんなんて大っ嫌い!!フンッ!」スタスタ
男「小学生かよ…」ボソッ
転校生「…ていうか、男くんは戻らないの?」
男「まぁな…」
転校生「ふぅ~ん…やっぱ女さんと何かあるから気まずいんだぁ」ニヤニヤ
男「関係ねぇよ。俺はいつもこうなんだ」
転校生「…あっそ。まぁ、どうでもいいけど。じゃあまたね」バタン
男「はぁ…あいつマジめんどくせぇ。モテるとか絶対嘘だわ…」
転校生「…うそ?」
男「あと、ウインナーすげぇ焦げてただろ。一本はほとんどケシズミ状態だったし。あれもないわー」
転校生「…うっ…」
男「あれ、お前が作ったのか?まぁ、確かにあんな悲惨な弁当、教室で友達と。なんて無理だわな。屋上で一人こそこそ食べたくなる気持ちも分かるわ」
転校生「…ひっ…ひどっ!そこまで言うことなくない!?…た…確かに、見た目悪かったし、ちょっと…失敗しちゃってたから美味しくはなかった…かもしれないけど…」
男「見た目の悪さに関してはグチャグチャにシェイクされてたからなおさらだな」
転校生「うぅっ…」タジッ
男「…あ、でも唐揚げは上手かったな」
転校生「それ、冷凍のやつだし…!」
男「だと思いました(あれ…なんか顔赤い…怒ってんのか?)」
転校生「…だいたい、キミが勝手に食べちゃうのが悪いんだからね!?私、料理得意なんて言ってないし!そもそも誰かに食べさせようと思って作った訳じゃないし!!朝はいつも時間ぎりぎりだから仕方ないし!!…それにそれに…」
男「…いや…そう…か…なんかすまんな…」
転校生「…うっ…うるさいばかっ!ホントに信じらんない…普通そこは、ウソでも美味しかったって言うところじゃないの!?空気読みなさいよっ!」
男「いや…ごめん…まぁなんだ?…そんな落ち込むなよ」
転校生「…べっ…別に落ち込んでないし!ぜんっぜん気になんないしっ!!」
男「そうか…すまん…」
転校生「…うぅ~…」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…男くん、こんな可愛い子に恥かかせてただで済むと思ってる?」
男「…それ、自分で言ってて恥ずかしくないの?」
転校生「うっ…うるさいなぁ!…私、これでも男子からは結構人気あるんだからね!…転校してきてからも色んな人に付き合って下さいって言われたんだから!」
男「…今度はいきなり自慢かよ…」
転校生「私が男くんに辱め受けたって言ったら、男くんたいへんだよ?色んな男子から恨まれて、報復されるかも…」
男「んな、マンガみたいな話があるかよ!辱めなんて受けさせてねぇし!!…てかもう戻んねぇと授業始まんぞ?」
転校生「えっ?ウソ?HRは!?」
男「もう終わってんね」
転校生「そんな…私まだこっち来てから一度も遅刻してなかったのに…」
男「そりゃご立派だわ」
転校生「ホント、キミに関わってるとロクなことないよ!サイテー!」
男「またえらい言い掛かりだなおい!お前が勝手に絡んできたんだろ?」
転校生「言い掛かりじゃないですー、事実ですー!」
男「マジでめんどくせー。いいからさっさと行けよ…」
転校生「言われなくても行きます!男くんなんて大っ嫌い!!フンッ!」スタスタ
男「小学生かよ…」ボソッ
転校生「…ていうか、男くんは戻らないの?」
男「まぁな…」
転校生「ふぅ~ん…やっぱ女さんと何かあるから気まずいんだぁ」ニヤニヤ
男「関係ねぇよ。俺はいつもこうなんだ」
転校生「…あっそ。まぁ、どうでもいいけど。じゃあまたね」バタン
男「はぁ…あいつマジめんどくせぇ。モテるとか絶対嘘だわ…」
15: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:38:15.55 ID:Grqn/7DQo
購買
男(寝過ごした…この時間は混んでるから来たくないんだよな…)
男(…どうしよ)
転校生「あ。男くんだ」
男「?…ああ、なんだ。今日は購買なのか?」
転校生「誰かさんが私のお弁当箱持って帰っちゃったせいでね」
男「…悪かったな」
転校生「男くんはいつも購買なの?」
男「基本な。だから昨日は正直久々の手作り弁当で感動したんだぜ?…まぁ、内容はアレだったけど」
転校生「うるさいなぁ。私みたいな可愛い女の子のお弁当食べれたんだからそれだけで幸せだと思ってよね」
男「…今日も屋上で食うのか?」
転校生「何?来てほしいの?」ニヤニヤ
男「んな訳あるか。お前が来んなら俺がどっか行かなきゃと思っただけだよ」
転校生「あっそ。残念だけど今日は普通に友達と食べるから。私、男くんと違って友達多いし!」
男「そうかよ…」
転校生「そうですぅ~…じゃあ私、もう行くから。またね」スタスタ
男「…」
女「…男くん?」
男「!?…何?」
女「…今の転校生さんだよね?仲良いの?」
男「…別に…」
女「そう?でもなんかお弁当の話してたし…」
男「そんなことよりイケメンは?一緒じゃないの?」
女「…男くん、私と会うとすぐイケメンくんのこと聞くよね…なんか部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」
男「そっか…」
女「それより、男くん凄いね。あの転校生さんと仲良いなんて…」
男「…何で?」
女「知らないの?あの人、すっごい人気あるのに全然男子と仲良くしないんだよ」
男「…」
女「何かね、転校してからもう10人以上の人に告白されてるみたい…でも、全部断ってるって…」
男(モテるってマジだったのか…)
女「でも、いいと思うよ転校生さん。可愛いし、性格も優しそうだよね」
男「(性格はクソ悪いけどな。っつか何で俺は幼馴染とこんな話してんだよ…)…別に関係ないだろ。俺もう行くわ」スタスタ
女「あっ…」
屋上
男「…昼飯買い忘れた」
男(まあ、いいか…午後もこのままフケっちゃお…)
男(寝過ごした…この時間は混んでるから来たくないんだよな…)
男(…どうしよ)
転校生「あ。男くんだ」
男「?…ああ、なんだ。今日は購買なのか?」
転校生「誰かさんが私のお弁当箱持って帰っちゃったせいでね」
男「…悪かったな」
転校生「男くんはいつも購買なの?」
男「基本な。だから昨日は正直久々の手作り弁当で感動したんだぜ?…まぁ、内容はアレだったけど」
転校生「うるさいなぁ。私みたいな可愛い女の子のお弁当食べれたんだからそれだけで幸せだと思ってよね」
男「…今日も屋上で食うのか?」
転校生「何?来てほしいの?」ニヤニヤ
男「んな訳あるか。お前が来んなら俺がどっか行かなきゃと思っただけだよ」
転校生「あっそ。残念だけど今日は普通に友達と食べるから。私、男くんと違って友達多いし!」
男「そうかよ…」
転校生「そうですぅ~…じゃあ私、もう行くから。またね」スタスタ
男「…」
女「…男くん?」
男「!?…何?」
女「…今の転校生さんだよね?仲良いの?」
男「…別に…」
女「そう?でもなんかお弁当の話してたし…」
男「そんなことよりイケメンは?一緒じゃないの?」
女「…男くん、私と会うとすぐイケメンくんのこと聞くよね…なんか部活のことで職員室に呼ばれてるみたい」
男「そっか…」
女「それより、男くん凄いね。あの転校生さんと仲良いなんて…」
男「…何で?」
女「知らないの?あの人、すっごい人気あるのに全然男子と仲良くしないんだよ」
男「…」
女「何かね、転校してからもう10人以上の人に告白されてるみたい…でも、全部断ってるって…」
男(モテるってマジだったのか…)
女「でも、いいと思うよ転校生さん。可愛いし、性格も優しそうだよね」
男「(性格はクソ悪いけどな。っつか何で俺は幼馴染とこんな話してんだよ…)…別に関係ないだろ。俺もう行くわ」スタスタ
女「あっ…」
屋上
男「…昼飯買い忘れた」
男(まあ、いいか…午後もこのままフケっちゃお…)
16: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:39:06.43 ID:Grqn/7DQo
×××
キーンコーンカーンコーン
男「…」ムクッ
男「…ふぁ…」
男「…」
男「…明日こそは真面目に授業受けよう」
男「…帰るか」ムクッ
階段 踊り場
男(あれ?転校生…と、ありゃ5組の優男か?…邪魔だな)
転校生「…だから、無理って言ってるでしょ。あなたのこと全然知らないし…」
優男「お互いを知るのは付き合ってからでもいいと思う。とりあえず1週間だけでもいい。僕と付き合ってくれないかな」
転校生「…ごめん、やっぱり無理。あなたを好きになる可能性ないもの」
優男「それは付き合ってみなきゃ分からないと思うよ?僕、本当にキミが好きなんだ」
転校生「知りもしないくせによく好きとか言えるよね。私のどこを好きになったの?私のなにを知ってるの?」
優男「…やっぱりキミはイケメンが好きなの?」
男(…!!)
転校生「はぁ!?なんでそうなるのよ!!」
優男「知らないの?転入した日、イケメンとキミが怒鳴り合いのケンカしてたって…結構なウワサになってたんだよ?」
転校生「っ…!」
優男「…やっぱりそうなんだ。でもね、キミの為にも言わせてもらうけど、諦めた方がいい。イケメンは女さんと付き合ってるんだからね」
転校生「知ってるわよそんなこと!それと私があなたを振ったのとイケメンは何の関係もないから!!変なこと言わないでよね!!」タッタッタ…
優男「…」
男「…」
男(すげぇ所見ちまった…)
キーンコーンカーンコーン
男「…」ムクッ
男「…ふぁ…」
男「…」
男「…明日こそは真面目に授業受けよう」
男「…帰るか」ムクッ
階段 踊り場
男(あれ?転校生…と、ありゃ5組の優男か?…邪魔だな)
転校生「…だから、無理って言ってるでしょ。あなたのこと全然知らないし…」
優男「お互いを知るのは付き合ってからでもいいと思う。とりあえず1週間だけでもいい。僕と付き合ってくれないかな」
転校生「…ごめん、やっぱり無理。あなたを好きになる可能性ないもの」
優男「それは付き合ってみなきゃ分からないと思うよ?僕、本当にキミが好きなんだ」
転校生「知りもしないくせによく好きとか言えるよね。私のどこを好きになったの?私のなにを知ってるの?」
優男「…やっぱりキミはイケメンが好きなの?」
男(…!!)
転校生「はぁ!?なんでそうなるのよ!!」
優男「知らないの?転入した日、イケメンとキミが怒鳴り合いのケンカしてたって…結構なウワサになってたんだよ?」
転校生「っ…!」
優男「…やっぱりそうなんだ。でもね、キミの為にも言わせてもらうけど、諦めた方がいい。イケメンは女さんと付き合ってるんだからね」
転校生「知ってるわよそんなこと!それと私があなたを振ったのとイケメンは何の関係もないから!!変なこと言わないでよね!!」タッタッタ…
優男「…」
男「…」
男(すげぇ所見ちまった…)
17: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:40:27.06 ID:Grqn/7DQo
廊下
男(…しかしマジかよ…まさか、あいつがイケメンのこと好きだったなんて…)
男(何であいつばっかそんな人気あんだよ…)
男(やっぱ顔か…)
男「…」
男「おい」
転校生「!?」クルッ
男「なんか、よく合うな」
転校生「…うん…そうだね…」グズッ
男(目が赤いな…泣いてたのか?やっぱりそれほどイケメンのことが…)
転校生「…男くんは今、帰り?」
男「そうだな…」
転校生「そっか…じゃあさ、一緒に帰らない?もし嫌じゃなかったら…」
男「別に構わんぞ」
転校生「良かった…ありがと」ニコッ
男「…(///)」
男(…しかしマジかよ…まさか、あいつがイケメンのこと好きだったなんて…)
男(何であいつばっかそんな人気あんだよ…)
男(やっぱ顔か…)
男「…」
男「おい」
転校生「!?」クルッ
男「なんか、よく合うな」
転校生「…うん…そうだね…」グズッ
男(目が赤いな…泣いてたのか?やっぱりそれほどイケメンのことが…)
転校生「…男くんは今、帰り?」
男「そうだな…」
転校生「そっか…じゃあさ、一緒に帰らない?もし嫌じゃなかったら…」
男「別に構わんぞ」
転校生「良かった…ありがと」ニコッ
男「…(///)」
18: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:41:07.00 ID:Grqn/7DQo
通学路
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…あ」
転校生「そうだっ!!」
男「!?…どうした?」
転校生「ね、男くん!この後暇?」
男「まあ…用事はないけど…」
転校生「ホント?じゃあさ、一緒にご飯食べない?昨日、不味い料理食べさせちゃったから、私の奢りでさ!ね?行こ?」
男「…いや、悪いって。昼飯代も返してもらってんのにそんな甘えらんねぇよ…」
転校生「…ダメ?」
男「お前に悪いからな。俺のプライドが許さん」
転校生「そっか…」トボトボ
男「…」テクテク
転校生「…」トボトボ
男「…と、思ったけど行く。うん、行く。腹減って死にそうだわ。これ、このままだと家着く前に餓死しそうだわ。ヤバいわコレ」
転校生「…いいの?」
男「家着く前に死にたくないしな」
転校生「えへへ…男くんってどうしようもない奴だけど、良い奴だね…」
男「…言ってろ」
転校生「うん…」
商店街 ファミレス
店員「せー。お客さま何名さますかー」
男「二人です」
店員「すねー。どぞー」
男「…」
転校生「…」
店員「メニュー決まりましたらっせねー」スタスタ
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…あ」
転校生「そうだっ!!」
男「!?…どうした?」
転校生「ね、男くん!この後暇?」
男「まあ…用事はないけど…」
転校生「ホント?じゃあさ、一緒にご飯食べない?昨日、不味い料理食べさせちゃったから、私の奢りでさ!ね?行こ?」
男「…いや、悪いって。昼飯代も返してもらってんのにそんな甘えらんねぇよ…」
転校生「…ダメ?」
男「お前に悪いからな。俺のプライドが許さん」
転校生「そっか…」トボトボ
男「…」テクテク
転校生「…」トボトボ
男「…と、思ったけど行く。うん、行く。腹減って死にそうだわ。これ、このままだと家着く前に餓死しそうだわ。ヤバいわコレ」
転校生「…いいの?」
男「家着く前に死にたくないしな」
転校生「えへへ…男くんってどうしようもない奴だけど、良い奴だね…」
男「…言ってろ」
転校生「うん…」
商店街 ファミレス
店員「せー。お客さま何名さますかー」
男「二人です」
店員「すねー。どぞー」
男「…」
転校生「…」
店員「メニュー決まりましたらっせねー」スタスタ
男「…」
転校生「…」
19: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:42:49.85 ID:Grqn/7DQo
×××
店員「以上でおそろすねー。ごゆっくりどぞー」スタスタ
男「…」
転校生「…」
男「…」モグモグ
転校生「…いただきます…」
男「…」モグモグ
転校生「…」
男「モグモグ」
転校生「…男くんさ…」
男「ん?」
転校生「…女さんと仲…良いの?」
男「…何で?」
転校生「朝、何か深刻そうな話してたじゃん…?」
男「あれは別にそういうのじゃないよ。昨日放課後にたまたま会ってさ…そん時の話をしてただけ」
転校生「…同じクラスにイケメンって人いるよね?」
男「…ああ」
転校生「女さんと付き合ってるって知ってる?」
男「知ってるよ」
転校生「その人とは仲良い?」
男「俺がイケメンとってこと?」
転校生「うん…」
男「…別にだな。ほとんど話したこともないし」
転校生「…そっか…」
男「…どうかしたのか?」
転校生「…どうして?」
男「いや…いきなりそんなこと聞いてきたから…」
転校生「うん…」
男「…」
店員「以上でおそろすねー。ごゆっくりどぞー」スタスタ
男「…」
転校生「…」
男「…」モグモグ
転校生「…いただきます…」
男「…」モグモグ
転校生「…」
男「モグモグ」
転校生「…男くんさ…」
男「ん?」
転校生「…女さんと仲…良いの?」
男「…何で?」
転校生「朝、何か深刻そうな話してたじゃん…?」
男「あれは別にそういうのじゃないよ。昨日放課後にたまたま会ってさ…そん時の話をしてただけ」
転校生「…同じクラスにイケメンって人いるよね?」
男「…ああ」
転校生「女さんと付き合ってるって知ってる?」
男「知ってるよ」
転校生「その人とは仲良い?」
男「俺がイケメンとってこと?」
転校生「うん…」
男「…別にだな。ほとんど話したこともないし」
転校生「…そっか…」
男「…どうかしたのか?」
転校生「…どうして?」
男「いや…いきなりそんなこと聞いてきたから…」
転校生「うん…」
男「…」
20: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:43:15.17 ID:Grqn/7DQo
転校生「…何か私、イケメンって人のこと好きって勘違いされちゃってるみたい」
男「…」
転校生「…迷惑な話だよね…私は全然そんな風には思ってないのに…」
男「…」
転校生「…男くんから伝えてもらえないかな?女さんに…このままだと向こうにも迷惑かけちゃう…」
男「…」
転校生「…お願い、出来ない?」
男「…4月にさ、イケメンっと言い合いしてったっての…ホントなのか?」
転校生「…あはは…知ってたんだ…男くんも…」
男「噂程度でな…」
転校生「…うん、ホント…ちょっと色々あって…まあ…私がカーッとなちゃってそれで…」
男「そか…」
転校生「でもね、ホントに好きとかそういうのじゃなくて…それは全然関係ないことなの…」
男「わかったよ」
転校生「え?」
男「よく分かんないけど、何か事情があんだろ?伝えとけばいいんだろ?女さんに」
転校生「…うん…ありがと…ごめんね」
男「いいから食おうぜ。冷めたら不味くなっちまう」モグモグ
転校生「うん…」モグモグ
転校生「おいしい…」
男「…」
転校生「…迷惑な話だよね…私は全然そんな風には思ってないのに…」
男「…」
転校生「…男くんから伝えてもらえないかな?女さんに…このままだと向こうにも迷惑かけちゃう…」
男「…」
転校生「…お願い、出来ない?」
男「…4月にさ、イケメンっと言い合いしてったっての…ホントなのか?」
転校生「…あはは…知ってたんだ…男くんも…」
男「噂程度でな…」
転校生「…うん、ホント…ちょっと色々あって…まあ…私がカーッとなちゃってそれで…」
男「そか…」
転校生「でもね、ホントに好きとかそういうのじゃなくて…それは全然関係ないことなの…」
男「わかったよ」
転校生「え?」
男「よく分かんないけど、何か事情があんだろ?伝えとけばいいんだろ?女さんに」
転校生「…うん…ありがと…ごめんね」
男「いいから食おうぜ。冷めたら不味くなっちまう」モグモグ
転校生「うん…」モグモグ
転校生「おいしい…」
21: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:45:17.67 ID:Grqn/7DQo
商店街
転校生「…ごめんね?結局、私が奢ってもらっちゃって」
男「いんだよ。そういうときは素直にありがとうで」
転校生「うん…ありがと…」
男「まぁ、弁当貰ったしな。これでチャラだろ」
転校生「そんな訳ないじゃん!私のお弁当がファミレスのオムライス一個で清算されるなんて思わないでよ」
男「…おまっ…まだ何か奢らせる気か?」
転校生「えへへっ、どうだろうね?」
男「言っとくけど、俺すげえ貧乏だから多分二度と奢ることなんてねぇぞ」
転校生「うわっ…甲斐性なしだ」
男「なんでお前に甲斐性見せなきゃいけねえんだよ」
転校生「うーん…美少女だから?」
男「また自分で言ってるし…マジで恥ずかしいからな、それ」
転校生「事実なんだからしょうがないじゃん!」
男「ホント、どこまで本気なんだよ…」
転校生「…ねぇ、私ってそんなに魅力ない?」
男「…は?」
転校生「男くんから見ると私って、そんなに可愛く見えない??」
男「…なんだそれ?」
転校生「ね?どうなの?…それとも男くんに他に好きな子いるからとか?」ジー
男「…」
転校生「…」ジー
男「…あ」
転校生「ん?」クルッ
キィー
イケメン「それにしてもお前、そんなにケーキばっか食ってたら太るぞ?」
女「好きなものは仕方ないの!こんなに美味しいのが悪いんだもん!あっ…」
イケメン「?どうした?あっ…」
男「…」
転校生「…」
女「…」
イケメン「…」
女「お…」
転校生「行こっ!男くん!」グイッ
男「おっ!?うわっ…ちょっと待てよ!引っ張んな!」ズルズル
転校生「…」スタスタ
男「…おい!」ズルズル
転校生「…」スタスタ
男「おい!」ズルズル
転校生「…ごめんね?結局、私が奢ってもらっちゃって」
男「いんだよ。そういうときは素直にありがとうで」
転校生「うん…ありがと…」
男「まぁ、弁当貰ったしな。これでチャラだろ」
転校生「そんな訳ないじゃん!私のお弁当がファミレスのオムライス一個で清算されるなんて思わないでよ」
男「…おまっ…まだ何か奢らせる気か?」
転校生「えへへっ、どうだろうね?」
男「言っとくけど、俺すげえ貧乏だから多分二度と奢ることなんてねぇぞ」
転校生「うわっ…甲斐性なしだ」
男「なんでお前に甲斐性見せなきゃいけねえんだよ」
転校生「うーん…美少女だから?」
男「また自分で言ってるし…マジで恥ずかしいからな、それ」
転校生「事実なんだからしょうがないじゃん!」
男「ホント、どこまで本気なんだよ…」
転校生「…ねぇ、私ってそんなに魅力ない?」
男「…は?」
転校生「男くんから見ると私って、そんなに可愛く見えない??」
男「…なんだそれ?」
転校生「ね?どうなの?…それとも男くんに他に好きな子いるからとか?」ジー
男「…」
転校生「…」ジー
男「…あ」
転校生「ん?」クルッ
キィー
イケメン「それにしてもお前、そんなにケーキばっか食ってたら太るぞ?」
女「好きなものは仕方ないの!こんなに美味しいのが悪いんだもん!あっ…」
イケメン「?どうした?あっ…」
男「…」
転校生「…」
女「…」
イケメン「…」
女「お…」
転校生「行こっ!男くん!」グイッ
男「おっ!?うわっ…ちょっと待てよ!引っ張んな!」ズルズル
転校生「…」スタスタ
男「…おい!」ズルズル
転校生「…」スタスタ
男「おい!」ズルズル
22: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:47:00.04 ID:Grqn/7DQo
転校生「…」スタスタ
男「おいってば!」グイッ
転校生「あっ…ごめん…」
男「…ダイジョブかよ、お前…」
転校生「え…うん…」
男「そうか?…俺、向こうだからもう帰るな」
転校生「あっ…う、うん…ありがと…なんかごめん…」
男「…ああ。じゃあな」
転校生「うん…バイバイ…またね…」
男宅
男「ふっ…うっ…」シコシコ
男「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコ
男「うっ…うっ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ
男「出るっ…出るよっ…幼馴染ぃ!…」シコシコシコシコシコ
男「ううぅぅぅっ!!!…」ドッピュンコ☆
男「うっ…ふぅ…」フキフキ
男「…」
男「寝よ」
ムスコ「…」
男「おいってば!」グイッ
転校生「あっ…ごめん…」
男「…ダイジョブかよ、お前…」
転校生「え…うん…」
男「そうか?…俺、向こうだからもう帰るな」
転校生「あっ…う、うん…ありがと…なんかごめん…」
男「…ああ。じゃあな」
転校生「うん…バイバイ…またね…」
男宅
男「ふっ…うっ…」シコシコ
男「幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコ
男「うっ…うっ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ
男「出るっ…出るよっ…幼馴染ぃ!…」シコシコシコシコシコ
男「ううぅぅぅっ!!!…」ドッピュンコ☆
男「うっ…ふぅ…」フキフキ
男「…」
男「寝よ」
ムスコ「…」
23: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:48:10.90 ID:Grqn/7DQo
学校
男「はぁ…」トボトボ
イケメン「…おい」
男「…ん?ああ…なんだよ」
イケメン「お前、転校生と仲良いのか?」
男「…は?」
イケメン「昨日、一緒に居ただろ。お前は女のこと好きなんだと思ってたんだが…転校生と付き合ってんのか?」
男「んな訳ねえだろ。」
イケメン「…転校生からなんか話しされてるか?」
男「何がだよ」
イケメン「…」
男「ああ。何かお前らがケンカしてたって話か?別になんも。興味ないし」
イケメン「…ホントだな?」
男「気になるなら転校生に直接聞いたらいいだろ」
イケメン「うるせえな。あいつに余計なこと言うんじゃねえぞ」スタスタ
男「…なんなんだよ」
教室
教師「お。今日はちゃんと男がいるじゃないか」
男「…」
教師「不思議なもんだよな。教室以外では見かけるのに授業の時間にはいないんだから」
男「…」
教師「今日は当てまくるからな」
男「…」
クラス「クスクス…」
×××
男(やっと昼か…)
男(購買はもう混んでるだろうし…どうすっか)
男(面倒だし寝てようかな)
男「…」
クラス「ワイワイガヤガヤ」
男「うるせえな…」ボソッ
男(…屋上行こ)ガタッ
男「はぁ…」トボトボ
イケメン「…おい」
男「…ん?ああ…なんだよ」
イケメン「お前、転校生と仲良いのか?」
男「…は?」
イケメン「昨日、一緒に居ただろ。お前は女のこと好きなんだと思ってたんだが…転校生と付き合ってんのか?」
男「んな訳ねえだろ。」
イケメン「…転校生からなんか話しされてるか?」
男「何がだよ」
イケメン「…」
男「ああ。何かお前らがケンカしてたって話か?別になんも。興味ないし」
イケメン「…ホントだな?」
男「気になるなら転校生に直接聞いたらいいだろ」
イケメン「うるせえな。あいつに余計なこと言うんじゃねえぞ」スタスタ
男「…なんなんだよ」
教室
教師「お。今日はちゃんと男がいるじゃないか」
男「…」
教師「不思議なもんだよな。教室以外では見かけるのに授業の時間にはいないんだから」
男「…」
教師「今日は当てまくるからな」
男「…」
クラス「クスクス…」
×××
男(やっと昼か…)
男(購買はもう混んでるだろうし…どうすっか)
男(面倒だし寝てようかな)
男「…」
クラス「ワイワイガヤガヤ」
男「うるせえな…」ボソッ
男(…屋上行こ)ガタッ
25: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:50:14.54 ID:Grqn/7DQo
屋上
男「…」
男(幼馴染はまたイケメンといるのかな)
男「…」グゥー
ガチャッ
転校生「あっ!やっぱり男くんここにいた。こんなに暑いのによく毎日毎日こんなとこにいられるよね」
男「…なんだよ」
転校生「なんだとは何よ。ホントキミって失礼だよね」
男「何か用?」
転校生「うん…一緒にお昼食べようと思って…」
男「俺と?何で?」
転校生「…別に何でもいいじゃん…って言うか男くん、もっと喜んだら?こんな可愛い子とお昼一緒できるんだから」
男「…何回も言ってると思うが、お前その可愛い子って自分で言うのやめろよ。痛々しいぞ」
転校生「う…うるさいなあ…別にいいでしょ!」
男「いや…あんま良くないと思うけど。かなり恥ずかしいぞ」
転校生「そ、それより一緒にお昼食べようよ!」(///)
男「残念ながら俺、今日は飯ないんだ。だから一人で食ってくれ」
転校生「え?…どうして?」
男「今日は真面目に授業に出たんだ」
転校生「…うん」
男「…」
転校生「…」
男「…」
男(幼馴染はまたイケメンといるのかな)
男「…」グゥー
ガチャッ
転校生「あっ!やっぱり男くんここにいた。こんなに暑いのによく毎日毎日こんなとこにいられるよね」
男「…なんだよ」
転校生「なんだとは何よ。ホントキミって失礼だよね」
男「何か用?」
転校生「うん…一緒にお昼食べようと思って…」
男「俺と?何で?」
転校生「…別に何でもいいじゃん…って言うか男くん、もっと喜んだら?こんな可愛い子とお昼一緒できるんだから」
男「…何回も言ってると思うが、お前その可愛い子って自分で言うのやめろよ。痛々しいぞ」
転校生「う…うるさいなあ…別にいいでしょ!」
男「いや…あんま良くないと思うけど。かなり恥ずかしいぞ」
転校生「そ、それより一緒にお昼食べようよ!」(///)
男「残念ながら俺、今日は飯ないんだ。だから一人で食ってくれ」
転校生「え?…どうして?」
男「今日は真面目に授業に出たんだ」
転校生「…うん」
男「…」
転校生「…」
26: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:51:13.83 ID:Grqn/7DQo
男「…」
転校生「…それで?」
男「は?」
転校生「いや、真面目に授業出て、それでなんでお昼ご飯なくなるの?」
男「購買が混むじゃん」
転校生「はぁ…」
男「いや、男子から絶大な支持を誇り学校ヒエラルキーのトップに君臨するようなお前には分からないかもしれんがな、購買というのは本来、俺みたいな底辺ぼっちが行けるような場所じゃねえんだよ」
転校生「…は?」
男「だから、要はあそこはリア充の巣窟で、輝く青春を謳歌せんと地肉を削る若人が集う戦場な訳。俺みたいな人種が本来立ち入ってはいけない聖域なの」
転校生「…何言ってんのかはさっぱり理解出来ないけど、普段は授業サボって早めに行くから買えるけど授業出ちゃうと混むから行きたくないってこと?」
男「みなまで言うなばかやろう」
転校生「…男くんってホントどうしようもない奴だよね」
男「ほっとけ」
転校生「…私のお弁当、半分食べる?」
男「…はい?」
転校生「うっ…い、いやなら別にいいんだけど…そのままじゃ午後の授業でお腹鳴って恥ずかしくなっちゃうよ…」
男「いやだってお前の弁当ってお前…」
転校生「…っ!…今回はお母さんに手伝って貰ったからダイジョブです!!ちゃんとキレイな美味しいお弁当です!!」
男「…ならいいんだが…お前はいいのかよ?」
転校生「うーん…昨日のお礼ってことで?」
男「…お前、何かにつけて俺に何か食わせようとするよな」
転校生「わっ…悪い!?」
男「いやまあ、悪かねえけど…」
転校生「じゃあ、食べようよ。…あ」
男「ん?」
転校生「お箸、ひとつしかないね」
男「だろうな」
転校生「どうしよ…」
男「俺は気にしなくていいから、お前が普通に食えよ」
転校生「いい。これ、男くんにあげる!私は購買行ってくる」
男「いやそりゃ流石に悪いだろ。もともとお前のなんだからお前が食えよ」
転校生「いいの!男くんが食べて!じゃないと私の評価が料理下手な女のままで終わっちゃう…」
男「お前、それが理由かよ…」
転校生「いいから食べて。美味しいから!」ズイッ
男「…まぁ、そこまでいうなら…」
転校生「じゃあ、私購買行くね。お弁当箱はちゃんと洗わないなら今日中に返してね」スタタタタ…
男(…あの女は結局、何がしたかったんだ…)
男「…」
男「いただきます」カパッ
27: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:52:31.59 ID:Grqn/7DQo
2組 教室
男「…」
同級生B「男くんだ。また転校生ちゃんがお漏らししたの?」
男「…まだ言ってんのかそれ。転校生は?」
同級生B「そういえば帰りのHRにはもういなかったかな…何か用だった?」
男「まあ…(あの女、弁当箱のこと忘れてやがるな)」
同級生B「なんか二人って仲良いよね。付き合ってたりするの?」
男「そんなんじゃないよ」
同級生B「そう?でも確かに男くんって転校生ちゃんみたいな子はタイプじゃなさそうだよね」
男「…??俺が転校生のタイプなんじゃなくて?」
同級生B「さあ?それはどうなんだろうね?」
男「…」
男「…」
同級生B「男くんだ。また転校生ちゃんがお漏らししたの?」
男「…まだ言ってんのかそれ。転校生は?」
同級生B「そういえば帰りのHRにはもういなかったかな…何か用だった?」
男「まあ…(あの女、弁当箱のこと忘れてやがるな)」
同級生B「なんか二人って仲良いよね。付き合ってたりするの?」
男「そんなんじゃないよ」
同級生B「そう?でも確かに男くんって転校生ちゃんみたいな子はタイプじゃなさそうだよね」
男「…??俺が転校生のタイプなんじゃなくて?」
同級生B「さあ?それはどうなんだろうね?」
男「…」
28: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:57:09.69 ID:Grqn/7DQo
商店街 スーパー
男(久々に入ったが、相変わらず安いな…)
男(これからはコンビニとかじゃなくてこっちで飯買うか)
男「…ん?」
男(転校生だ)
男「おい」
転校生「?」クルッ
男「お前、弁当箱のこと忘れてただろ。何先に帰ってんだよ」
転校生「…男くんか…」
?「なあに?学校のお友達?」
転校生「えっ…う、うん。同級生の男くん」
?「あら。転校生のお友達なんて珍しいわね。しかも男の子だなんて」
転校生「もう、そういうのじゃないから…茶化さないでよ」
?「こんにちは。男くん、わ…」
転校生「男くん!この人は私のお母さん!!」
男「…ども…同級生の男です…」
転校生母「…はじめまして。転校生の母です。…私なんだか邪魔みたい。先帰ってるわね」スタスタ
転校生「…もう…」
男「若いお母さんだな」
転校生「キレイでしょ?」
男「まあな」
転校生「…男くんは年上が好み?」
男「そうだとしてもお前のお母さんは狙わないから安心しろ」
転校生「当たり前じゃない。お母さんと男くんじゃ全然釣り合わないもの」
男「…仲良いんだな」
転校生「うん。お母さん大好きだもん。私」
男「そっか…」
転校生「それより一旦出ましょ。何か私に用なんでしょ?」
男(久々に入ったが、相変わらず安いな…)
男(これからはコンビニとかじゃなくてこっちで飯買うか)
男「…ん?」
男(転校生だ)
男「おい」
転校生「?」クルッ
男「お前、弁当箱のこと忘れてただろ。何先に帰ってんだよ」
転校生「…男くんか…」
?「なあに?学校のお友達?」
転校生「えっ…う、うん。同級生の男くん」
?「あら。転校生のお友達なんて珍しいわね。しかも男の子だなんて」
転校生「もう、そういうのじゃないから…茶化さないでよ」
?「こんにちは。男くん、わ…」
転校生「男くん!この人は私のお母さん!!」
男「…ども…同級生の男です…」
転校生母「…はじめまして。転校生の母です。…私なんだか邪魔みたい。先帰ってるわね」スタスタ
転校生「…もう…」
男「若いお母さんだな」
転校生「キレイでしょ?」
男「まあな」
転校生「…男くんは年上が好み?」
男「そうだとしてもお前のお母さんは狙わないから安心しろ」
転校生「当たり前じゃない。お母さんと男くんじゃ全然釣り合わないもの」
男「…仲良いんだな」
転校生「うん。お母さん大好きだもん。私」
男「そっか…」
転校生「それより一旦出ましょ。何か私に用なんでしょ?」
29: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:57:55.18 ID:Grqn/7DQo
帰り道
転校生「にしてもびっくりした。まさかあんな所で男くんに合うなんてね…」
男「誰のせいだと思ってんだよ…」
転校生「?誰のせいなの?」
男「お前が弁当箱受け取る前に帰ったからだろ。そのせいで洗剤とスポンジ買う羽目になったんだよ」
転校生「ああ!ごめん!忘れてた。…でも、洗剤とスポンジくらいこんなことが無くても持っておくべきだと思うよ…」
男「あんまり無駄な出費はしたくねえんだよ」
転校生「無駄な出費って…ホント男くんってどういう生活してんのよ…確か一人暮らしなんだっけ?」
男「ああ」
転校生「生活費は?仕送り?」
男「それもあるけど、あんま使わない。4月位まではすげえバイトしてたから今はそれの貯金切り崩して生活してる」
転校生「へえー。偉いんだね。でもそれならちゃんと自炊したほうが安上がりなんじゃないの?」
男「食器や調理器具、それに調味料やら何やら揃えんといけないことを考えると実はそうでもない。切り詰めた食生活してれば外食の方が安上がりなんだ。光熱費なんかも全然違うぞ」
転校生「そんなもんなの?」
男「ああ。(俺はあんまり切り詰めてないからどっこいどっこいって感じだが…)…あ、それと忘れんうちにこれ。ありがとな」
転校生「うん…で、今回はどう?ちゃんと美味しかったでしょ?」
男「ああ。びっくりする位マトモだった。」
転校生「でしょ!?ちゃんとやれば出来るんだから!」
男「お母さんに手伝って貰っといてよくそこまでえばれるな…」
転校生「…っ…お母さんに手伝って貰ったのはせいぜい2割くらいだしっ!実質はほとんど一人で作ったんだからいいの!!」
男「そうかよ。…ってか、お前、完全に弁当箱忘れてただろ。学年一位が聞いて呆れるぜ」
転校生「…今日は、たまたまよ…たまたま、お母さんが仕事早く終わったから久々に夜ご飯一緒に食べようって連絡きて…」
男「そんでHRバックれて急いで帰ったのかよ…どんだけお母さん好きなんだよお前…」
転校生「どれだけだって好き。恩人だもん」
男「…」
転校生「にしてもびっくりした。まさかあんな所で男くんに合うなんてね…」
男「誰のせいだと思ってんだよ…」
転校生「?誰のせいなの?」
男「お前が弁当箱受け取る前に帰ったからだろ。そのせいで洗剤とスポンジ買う羽目になったんだよ」
転校生「ああ!ごめん!忘れてた。…でも、洗剤とスポンジくらいこんなことが無くても持っておくべきだと思うよ…」
男「あんまり無駄な出費はしたくねえんだよ」
転校生「無駄な出費って…ホント男くんってどういう生活してんのよ…確か一人暮らしなんだっけ?」
男「ああ」
転校生「生活費は?仕送り?」
男「それもあるけど、あんま使わない。4月位まではすげえバイトしてたから今はそれの貯金切り崩して生活してる」
転校生「へえー。偉いんだね。でもそれならちゃんと自炊したほうが安上がりなんじゃないの?」
男「食器や調理器具、それに調味料やら何やら揃えんといけないことを考えると実はそうでもない。切り詰めた食生活してれば外食の方が安上がりなんだ。光熱費なんかも全然違うぞ」
転校生「そんなもんなの?」
男「ああ。(俺はあんまり切り詰めてないからどっこいどっこいって感じだが…)…あ、それと忘れんうちにこれ。ありがとな」
転校生「うん…で、今回はどう?ちゃんと美味しかったでしょ?」
男「ああ。びっくりする位マトモだった。」
転校生「でしょ!?ちゃんとやれば出来るんだから!」
男「お母さんに手伝って貰っといてよくそこまでえばれるな…」
転校生「…っ…お母さんに手伝って貰ったのはせいぜい2割くらいだしっ!実質はほとんど一人で作ったんだからいいの!!」
男「そうかよ。…ってか、お前、完全に弁当箱忘れてただろ。学年一位が聞いて呆れるぜ」
転校生「…今日は、たまたまよ…たまたま、お母さんが仕事早く終わったから久々に夜ご飯一緒に食べようって連絡きて…」
男「そんでHRバックれて急いで帰ったのかよ…どんだけお母さん好きなんだよお前…」
転校生「どれだけだって好き。恩人だもん」
男「…」
30: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 02:59:22.85 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「着いた。ここが私ん家」
男「…」
転校生「…良かったら、上がってく?」
男「迷惑だろ。遠慮するよ」
転校生「…そう?でもどうせ夕飯も一人なんでしょ?家で食べてけば?」
男「久々にお母さんと食べるんだろ?家族水入らずに俺が混ざったら気まずいだろ…それにお前の親父さんだっていい気分じゃないだろうし…」
転校生「お父さんいないよ。母子家庭だから。家」
男「あ…悪い。失言だった」
転校生「ううん、そうじゃなくって、だから気にしなくても大丈夫だよってこと…」
男「いや、それにしたって悪いって。昼飯まで貰ってるのに…いきなり来たらお前のお母さんだって困るだろ」
転校生「そっか…ちょっと待って。聞いてくる」タッタッタ…
男「あ…」
×××
転校生「お母さん、大歓迎だって!!入って入って!」グイグイ
男「…お邪魔します」
転校生母「いらっしゃい。また会ったわね」
男「はぁ…どうも」
転校生母「狭いけどゆっくりしていってね!」
男「おかまいなく…」
転校生「お母さん!私も手伝う」
転校生「着いた。ここが私ん家」
男「…」
転校生「…良かったら、上がってく?」
男「迷惑だろ。遠慮するよ」
転校生「…そう?でもどうせ夕飯も一人なんでしょ?家で食べてけば?」
男「久々にお母さんと食べるんだろ?家族水入らずに俺が混ざったら気まずいだろ…それにお前の親父さんだっていい気分じゃないだろうし…」
転校生「お父さんいないよ。母子家庭だから。家」
男「あ…悪い。失言だった」
転校生「ううん、そうじゃなくって、だから気にしなくても大丈夫だよってこと…」
男「いや、それにしたって悪いって。昼飯まで貰ってるのに…いきなり来たらお前のお母さんだって困るだろ」
転校生「そっか…ちょっと待って。聞いてくる」タッタッタ…
男「あ…」
×××
転校生「お母さん、大歓迎だって!!入って入って!」グイグイ
男「…お邪魔します」
転校生母「いらっしゃい。また会ったわね」
男「はぁ…どうも」
転校生母「狭いけどゆっくりしていってね!」
男「おかまいなく…」
転校生「お母さん!私も手伝う」
31: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:00:07.45 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「ホントに送ってかなくて平気?道分かる?」
男「来た道戻ればいいだけだろ。小学生じゃあるまいし」
転校生「そう…今日はありがとね…」
男「そりゃ、俺の台詞だろ。ありがとな。なんか久々にすげえ楽しかった」
転校生「ホント?…だったら良かった」
男「ああ。お前の母さんの料理、最高だったし」
転校生「私だって手伝ったんだからね!」
男「そうだったな。まあ、頑張って一人でちゃんと弁当作れる位にはなれよ」
転校生「男くんに言われたくないし。…でも、そしたらまたお弁当食べてくれる?」
男「俺は基本貧乏だかんな。貰えるもんはもらいます」
転校生「うん…じゃあ頑張ろうかな…」
男「そうしろ。お母さんも喜ぶだろ」
転校生「そだね…」
男「ああ…」
転校生「…」
男「じゃあ、そろそろ帰るわ」
転校生「うん…」
男「じゃあな」
転校生「…男くん…」
男「ん?」
転校生「やっぱり私も、今日はありがとうなんだ…私、ホントは転校してからあんまりクラスに馴染めてなくって…そのことでお母さんに心配かけちゃってたから…だから…」
男「…」
転校生「だから、お母さん、凄い安心してくれたと思う。ありがとうね、男くん…」
男「…お前は友達多い奴かと思ってたわ。てか、前に自分でそう言ってたよな」
転校生「友達多い奴が屋上で一人でお昼食べようとなんてする訳ないじゃん」
男「それもそうだな」
転校生「そうだよ…ね、今度は男くんの家に行ってもいい?」
男「はあ?家なんてなんもねえし狭いだけだぞ?」
転校生「家も十分狭かったでしょ?別に気にしないよ」
男「…確かに俺の部屋と比べても遜色ない狭さだったな…」
転校生「ひどっ!?…でも、だったらいいでしょ?ね?」
男「…まあ、気が向いたらな」
転校生「うん、約束。…そろそろ戻るね」
男「ああ。じゃあな。ごちそうさん」
転校生「うん…バイバイ。またね」
転校生「ホントに送ってかなくて平気?道分かる?」
男「来た道戻ればいいだけだろ。小学生じゃあるまいし」
転校生「そう…今日はありがとね…」
男「そりゃ、俺の台詞だろ。ありがとな。なんか久々にすげえ楽しかった」
転校生「ホント?…だったら良かった」
男「ああ。お前の母さんの料理、最高だったし」
転校生「私だって手伝ったんだからね!」
男「そうだったな。まあ、頑張って一人でちゃんと弁当作れる位にはなれよ」
転校生「男くんに言われたくないし。…でも、そしたらまたお弁当食べてくれる?」
男「俺は基本貧乏だかんな。貰えるもんはもらいます」
転校生「うん…じゃあ頑張ろうかな…」
男「そうしろ。お母さんも喜ぶだろ」
転校生「そだね…」
男「ああ…」
転校生「…」
男「じゃあ、そろそろ帰るわ」
転校生「うん…」
男「じゃあな」
転校生「…男くん…」
男「ん?」
転校生「やっぱり私も、今日はありがとうなんだ…私、ホントは転校してからあんまりクラスに馴染めてなくって…そのことでお母さんに心配かけちゃってたから…だから…」
男「…」
転校生「だから、お母さん、凄い安心してくれたと思う。ありがとうね、男くん…」
男「…お前は友達多い奴かと思ってたわ。てか、前に自分でそう言ってたよな」
転校生「友達多い奴が屋上で一人でお昼食べようとなんてする訳ないじゃん」
男「それもそうだな」
転校生「そうだよ…ね、今度は男くんの家に行ってもいい?」
男「はあ?家なんてなんもねえし狭いだけだぞ?」
転校生「家も十分狭かったでしょ?別に気にしないよ」
男「…確かに俺の部屋と比べても遜色ない狭さだったな…」
転校生「ひどっ!?…でも、だったらいいでしょ?ね?」
男「…まあ、気が向いたらな」
転校生「うん、約束。…そろそろ戻るね」
男「ああ。じゃあな。ごちそうさん」
転校生「うん…バイバイ。またね」
32: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:00:59.84 ID:Grqn/7DQo
男宅
男「…」シコシコ
男「はぁ…はぁ…」シコシコシコ
男「…うっ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ
男「幼馴染、幼馴染、幼馴染ぃ!」シコシコシコシコシコ
男「…うぅっ!!…イキそうだよっ…」シコシコシコシコシコシコ
男「…はぁ…はぁ…うっ…イく!イくよ!!幼馴染ぃ!!」シコシコシコシコシコシコシコ
男「うぅっ…ああぁぁぁあぁぁあぁ!!!」シコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…あれ?」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…い…かない…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシ…
男「…」
男「…そういう日も…あるか。…うん…もう寝よう」
ムスコ「WTF!?」
男「…」シコシコ
男「はぁ…はぁ…」シコシコシコ
男「…うっ…幼馴染ぃ…幼馴染ぃ…」シコシコシコシコ
男「幼馴染、幼馴染、幼馴染ぃ!」シコシコシコシコシコ
男「…うぅっ!!…イキそうだよっ…」シコシコシコシコシコシコ
男「…はぁ…はぁ…うっ…イく!イくよ!!幼馴染ぃ!!」シコシコシコシコシコシコシコ
男「うぅっ…ああぁぁぁあぁぁあぁ!!!」シコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…あれ?」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ
男「…い…かない…」シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシ…
男「…」
男「…そういう日も…あるか。…うん…もう寝よう」
ムスコ「WTF!?」
33: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:03:31.43 ID:Grqn/7DQo
×××
プルルルルルル…
男「…」ピッ
男「…あれ?…もう…10時半…学校…」
男「…」
男「…あ?…今日休みじゃん…」
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
男「…何?」
転校生「あ、男くん?良かった全然出ないから番号間違ってるんじゃないかと思っちゃったよ」
男「出ないというか、切ってたんだけど…」
転校生「だろうね。ちょっと酷くない?」
男「お前がこんな非常識な時間に電話掛けてくるのが悪い」
転校生「非常識って…もうお昼なんだけど…」
男「休日の午前中は深夜の延長なんて学生の常識だろ。で、なんの用だよ」
転校生「…男くん、今日は暇なのかな?」
男「…暇じゃない」
転校生「…そか…何するの?」
男「お前に奪われた貴重な睡眠時間を取り戻すのに忙しい」
転校生「…それって、暇ってこと?」
男「お前は俺の話しを聞いてなかったのか?忙しいんだよ…」
転校生「だったらさ、今から男くんの家行ってもいい?」
男「…え?なんだって?」
転校生「うわぁ…その台詞、ホントに言う人いるんだね。ちょっと引くわ…ね?ダメ?」
男「…家来て何すんの?」
転校生「テスト勉強一緒にしようよ!男くん、授業サボりまくってて勉強全然ダメだって昨日言ってたでしょ?私が教えてあげるから!ね!」
男「…気が進まん」
転校生「なんだったらご飯も作るよ?一人でもちゃんと出来るとこ見せてあげる!男くん、何が好き?」
男「…天丼」
転校生「分かった!材料買って行くから待っててね!」ピッ
男「…あいつホントはすげえ馬鹿だろ」
男「…部屋片さねえと…」
男(とりあえず、ゴミまとめてベランダにポイしよう)
プルルルルルル…
男「…」ピッ
男「…あれ?…もう…10時半…学校…」
男「…」
男「…あ?…今日休みじゃん…」
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
プルルルルルルル…
男「…」ピッ
男「…何?」
転校生「あ、男くん?良かった全然出ないから番号間違ってるんじゃないかと思っちゃったよ」
男「出ないというか、切ってたんだけど…」
転校生「だろうね。ちょっと酷くない?」
男「お前がこんな非常識な時間に電話掛けてくるのが悪い」
転校生「非常識って…もうお昼なんだけど…」
男「休日の午前中は深夜の延長なんて学生の常識だろ。で、なんの用だよ」
転校生「…男くん、今日は暇なのかな?」
男「…暇じゃない」
転校生「…そか…何するの?」
男「お前に奪われた貴重な睡眠時間を取り戻すのに忙しい」
転校生「…それって、暇ってこと?」
男「お前は俺の話しを聞いてなかったのか?忙しいんだよ…」
転校生「だったらさ、今から男くんの家行ってもいい?」
男「…え?なんだって?」
転校生「うわぁ…その台詞、ホントに言う人いるんだね。ちょっと引くわ…ね?ダメ?」
男「…家来て何すんの?」
転校生「テスト勉強一緒にしようよ!男くん、授業サボりまくってて勉強全然ダメだって昨日言ってたでしょ?私が教えてあげるから!ね!」
男「…気が進まん」
転校生「なんだったらご飯も作るよ?一人でもちゃんと出来るとこ見せてあげる!男くん、何が好き?」
男「…天丼」
転校生「分かった!材料買って行くから待っててね!」ピッ
男「…あいつホントはすげえ馬鹿だろ」
男「…部屋片さねえと…」
男(とりあえず、ゴミまとめてベランダにポイしよう)
34: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:04:30.16 ID:Grqn/7DQo
×××
プルルル…
男「…」ピッ
to:転校生
題名:今スーパー(T‐T)
本文:家の場所知らなかった(T‐T)
男「…アホだ」
×××
転校生「おじゃまします…」
男「まぁ、なんもないけどな」
転校生「…ホントだ…家とあんまり広さ変わらないね…モノがなにもない分、家より広く感じるかも…」
男「しかし、ホントに来るとわな…」
転校生「…ごめんねいきなり…迷惑だった?」
男「だいぶ」
転校生「…ごめん…でも、そこは嘘でもそんなことないよって言うのが男子の礼儀じゃないの?」
男「そんな礼儀は知らん。後俺、教科書、ノート、筆記具、全部学校に置きっぱだから」
転校生「…だろうと思った…よくそんなんで2年生に進級できたよね…」
男「…その頃はまだちゃんと勉強してたんだよ…」
転校生「へえー。なんかちょっと以外…」
男「あのな、根は真面目なの俺」
転校生「そっか…ちなみにちゃんと勉強してたときは何位くらいだったの?」
男「…100位前後?」
転校生「中の下…いや、下の上くらいじゃん…それ、ちゃんとやってたって言うの?」
男「うるせえな。元々そんなに好きじゃないんだよ。」
転校生「まあ、今回は私がしっかり見てあげるから、ちゃんと頑張りなさいよね?」
男「…とりあえず、先に飯にしないか?何か買ってきたんだろ?」
転校生「…と、思ってたんだけど…ホントに何もなさ過ぎて自炊諦めるレベル…」
男「お前…まさか食材買い込んだのか?」
転校生「ううん、なんにもないって聞いてたからお弁当買っておいた」
男「賢明な判断だ…と、言いたい所だが残念。この家には電子レンジすらないぜ」
転校生「…ホント、どうやって生活してるのキミ」
男「電気ケトルならある」
転校生「…」
プルルル…
男「…」ピッ
to:転校生
題名:今スーパー(T‐T)
本文:家の場所知らなかった(T‐T)
男「…アホだ」
×××
転校生「おじゃまします…」
男「まぁ、なんもないけどな」
転校生「…ホントだ…家とあんまり広さ変わらないね…モノがなにもない分、家より広く感じるかも…」
男「しかし、ホントに来るとわな…」
転校生「…ごめんねいきなり…迷惑だった?」
男「だいぶ」
転校生「…ごめん…でも、そこは嘘でもそんなことないよって言うのが男子の礼儀じゃないの?」
男「そんな礼儀は知らん。後俺、教科書、ノート、筆記具、全部学校に置きっぱだから」
転校生「…だろうと思った…よくそんなんで2年生に進級できたよね…」
男「…その頃はまだちゃんと勉強してたんだよ…」
転校生「へえー。なんかちょっと以外…」
男「あのな、根は真面目なの俺」
転校生「そっか…ちなみにちゃんと勉強してたときは何位くらいだったの?」
男「…100位前後?」
転校生「中の下…いや、下の上くらいじゃん…それ、ちゃんとやってたって言うの?」
男「うるせえな。元々そんなに好きじゃないんだよ。」
転校生「まあ、今回は私がしっかり見てあげるから、ちゃんと頑張りなさいよね?」
男「…とりあえず、先に飯にしないか?何か買ってきたんだろ?」
転校生「…と、思ってたんだけど…ホントに何もなさ過ぎて自炊諦めるレベル…」
男「お前…まさか食材買い込んだのか?」
転校生「ううん、なんにもないって聞いてたからお弁当買っておいた」
男「賢明な判断だ…と、言いたい所だが残念。この家には電子レンジすらないぜ」
転校生「…ホント、どうやって生活してるのキミ」
男「電気ケトルならある」
転校生「…」
35: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:05:56.60 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…ごちそうさまでした」
男「…お前、食うのすげえ遅いよな」
転校生「…その分、よく噛んで食べてるんだからいいの!さ、勉強しよ!」
男「うげ…でも、俺何も勉強道具ないぞ…」
転校生「一緒にやるんだから私の使えばいいでしょ?」
男「…まさかガチでテスト勉強する羽目になるとは…つかお前、ホントよく来たよな」
転校生「なにが?そんなに嫌だった?」
男「…っていうか、だって同級生の男が一人暮らししてる部屋だぜ?普通だったら警戒して来たがらないだろ?」
転校生「…警戒?」
男「お?なんだお前、普段は自分可愛い可愛いって言いまくってる割にはこういうことには無頓着なのか?…要は襲われないかとか心配しないかってこと」
転校生「…襲うの?」
男「…は?」
転校生「男くんは私を襲う気なの?」
男「そんな気はないけど」
転校生「じゃあダイジョブじゃん」
男「…」
転校生「私だってちゃんと相手選ぶよ?それくらい分かる。男くん、私に興味ないでしょ?」
男「なんかその言い方だと俺が酷い奴にならないか…」
転校生「その通りじゃん。…本当に興味ないよね。態度見てると凄いよく分かるよ」
男「…ホントに興味なかったら、一緒に飯食ったり部屋に呼んだりしねえんじゃねの?」
転校生「あはは、男くん、誰に向かってフォローしてるの?変なの」
男「い…いいから、さっさと勉強始めようぜ」
転校生「うん、そだね。男くん何の教科が得意?」
男「得意じゃないが点数一番取れてたのは国語だな。中間は70点位だったはず…」
転校生「一番低かったのは?」
男「数学も悪かったけど英語かな。10点も取れてない」
転校生「それは流石に酷い…reading?writing?」
男「…どっちも…」
転校生「…ごちそうさまでした」
男「…お前、食うのすげえ遅いよな」
転校生「…その分、よく噛んで食べてるんだからいいの!さ、勉強しよ!」
男「うげ…でも、俺何も勉強道具ないぞ…」
転校生「一緒にやるんだから私の使えばいいでしょ?」
男「…まさかガチでテスト勉強する羽目になるとは…つかお前、ホントよく来たよな」
転校生「なにが?そんなに嫌だった?」
男「…っていうか、だって同級生の男が一人暮らししてる部屋だぜ?普通だったら警戒して来たがらないだろ?」
転校生「…警戒?」
男「お?なんだお前、普段は自分可愛い可愛いって言いまくってる割にはこういうことには無頓着なのか?…要は襲われないかとか心配しないかってこと」
転校生「…襲うの?」
男「…は?」
転校生「男くんは私を襲う気なの?」
男「そんな気はないけど」
転校生「じゃあダイジョブじゃん」
男「…」
転校生「私だってちゃんと相手選ぶよ?それくらい分かる。男くん、私に興味ないでしょ?」
男「なんかその言い方だと俺が酷い奴にならないか…」
転校生「その通りじゃん。…本当に興味ないよね。態度見てると凄いよく分かるよ」
男「…ホントに興味なかったら、一緒に飯食ったり部屋に呼んだりしねえんじゃねの?」
転校生「あはは、男くん、誰に向かってフォローしてるの?変なの」
男「い…いいから、さっさと勉強始めようぜ」
転校生「うん、そだね。男くん何の教科が得意?」
男「得意じゃないが点数一番取れてたのは国語だな。中間は70点位だったはず…」
転校生「一番低かったのは?」
男「数学も悪かったけど英語かな。10点も取れてない」
転校生「それは流石に酷い…reading?writing?」
男「…どっちも…」
36: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:07:39.66 ID:Grqn/7DQo
×××
男「ふぅ…」ノットシコシコ
転校生「もう8時か…今日は終わりにしようか…」
男「疲れた…全然頭に入ってこねえ…」
転校生「それは男くんが勉強できないのに授業サボってるのが悪い」
男「…」
転校生「高校の勉強なんて容量なんだから…要はやることやってれば点数とるのなんて簡単だよ」
男「それは出来る奴の見解だろ…」
転校生「私だって最初からこんなに出来たわけじゃないよ?いっぱい勉強したし…」
男「俺には真似出来ん…」
転校生「頑張んなきゃ留年しちゃうかもよ?」
男「…それは嫌だなぁ…」
転校生「じゃあ、やっぱり頑張らないとね…さて、私はそろそろ帰るね」
男「ああ。てか、こんな遅くまでダイジョブだったのか?お母さん心配しない?」
転校生「まだこの時間じゃ帰って来てないよ。いつも日が変わる位まで働いてるから…」
男「そっか…大変なんだな」
転校生「ホントは私もバイトして少しでも楽してもらいたいんだけど…学生は勉強しなさいって…」
男「いいお母さんじゃねえか」
転校生「うん、大好き…」
男「なんかいいよな。そういうの」
転校生「何が?」
男「親子でちゃんと互いを支え合ってるっていうの?ちゃんとお互いが必要としてる感じがさ…」
転校生「…そうかな?確かに私はお母さんが必要だけど…お母さんに私は必要ないと思うな…」
男「そうか?お前のお母さんはお前が立派にお母さんの期待に答えて頑張ってるからこそ、一生懸命働いて、お前に勉強に集中出来る環境を作ってやってるように思うけどな」
転校生「…えへへ…だとしたら嬉しいな…」
男「もっと誇れよ。お前は偉いよ」
転校生「うんっ!」ニコッ
男「ふぅ…」ノットシコシコ
転校生「もう8時か…今日は終わりにしようか…」
男「疲れた…全然頭に入ってこねえ…」
転校生「それは男くんが勉強できないのに授業サボってるのが悪い」
男「…」
転校生「高校の勉強なんて容量なんだから…要はやることやってれば点数とるのなんて簡単だよ」
男「それは出来る奴の見解だろ…」
転校生「私だって最初からこんなに出来たわけじゃないよ?いっぱい勉強したし…」
男「俺には真似出来ん…」
転校生「頑張んなきゃ留年しちゃうかもよ?」
男「…それは嫌だなぁ…」
転校生「じゃあ、やっぱり頑張らないとね…さて、私はそろそろ帰るね」
男「ああ。てか、こんな遅くまでダイジョブだったのか?お母さん心配しない?」
転校生「まだこの時間じゃ帰って来てないよ。いつも日が変わる位まで働いてるから…」
男「そっか…大変なんだな」
転校生「ホントは私もバイトして少しでも楽してもらいたいんだけど…学生は勉強しなさいって…」
男「いいお母さんじゃねえか」
転校生「うん、大好き…」
男「なんかいいよな。そういうの」
転校生「何が?」
男「親子でちゃんと互いを支え合ってるっていうの?ちゃんとお互いが必要としてる感じがさ…」
転校生「…そうかな?確かに私はお母さんが必要だけど…お母さんに私は必要ないと思うな…」
男「そうか?お前のお母さんはお前が立派にお母さんの期待に答えて頑張ってるからこそ、一生懸命働いて、お前に勉強に集中出来る環境を作ってやってるように思うけどな」
転校生「…えへへ…だとしたら嬉しいな…」
男「もっと誇れよ。お前は偉いよ」
転校生「うんっ!」ニコッ
37: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:09:36.43 ID:Grqn/7DQo
帰り道(>>0�
転校生「ごめんね?送ってもらちゃって…」
男「別に。夕飯も食いたかったし、流石に時間も遅いしな」
転校生「早い日だとお母さん、この位には帰ってきてるんだよね…」
男「そっか…だとしたら心配させてるかもな」
転校生「一応、男くんと一緒に夕飯食べてるって連絡はしたから大丈夫だと思うけど…」
男「それは果たして大丈夫というのか、俺にはわからん」
転校生「…?なんで?」
男「まぁ…なんでもない」
転校生「ふーん…」
男「あ」
転校生「え?」
男「あそこの人影、ありゃお前のお母さんじゃないか?あの自転車押してる人…」
転校生「あ…」
男「…隣に居るの誰だ?」
転校生「…」
男「…あれ、イケメンじゃねえか?」
転校生「…っ!!」タッ…
男「おいっ!」
公園
男「はあ…はあ…っ!」
転校生「…」
男「ぜぇっ…お前…脚も速いのな…」
転校生「…」
男「…どうしたんだよ、いきなり…」
転校生「…男くん、今日ちょっと帰りたくないかも…」
男「…は?」
転校生「…ね、今日泊めてくれない?」
男「何言ってんだお前…」
転校生「ダメ?」ジワッ
男「ダメも何も、んなこと…」
転校生「ね、お願い…」ポロポロ
男「…」
転校生「ごめんね?送ってもらちゃって…」
男「別に。夕飯も食いたかったし、流石に時間も遅いしな」
転校生「早い日だとお母さん、この位には帰ってきてるんだよね…」
男「そっか…だとしたら心配させてるかもな」
転校生「一応、男くんと一緒に夕飯食べてるって連絡はしたから大丈夫だと思うけど…」
男「それは果たして大丈夫というのか、俺にはわからん」
転校生「…?なんで?」
男「まぁ…なんでもない」
転校生「ふーん…」
男「あ」
転校生「え?」
男「あそこの人影、ありゃお前のお母さんじゃないか?あの自転車押してる人…」
転校生「あ…」
男「…隣に居るの誰だ?」
転校生「…」
男「…あれ、イケメンじゃねえか?」
転校生「…っ!!」タッ…
男「おいっ!」
公園
男「はあ…はあ…っ!」
転校生「…」
男「ぜぇっ…お前…脚も速いのな…」
転校生「…」
男「…どうしたんだよ、いきなり…」
転校生「…男くん、今日ちょっと帰りたくないかも…」
男「…は?」
転校生「…ね、今日泊めてくれない?」
男「何言ってんだお前…」
転校生「ダメ?」ジワッ
男「ダメも何も、んなこと…」
転校生「ね、お願い…」ポロポロ
男「…」
39: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:32:32.67 ID:Grqn/7DQo
男宅
男「はい。はい。そうです。今は俺ん家にいます…」
男「ええ。なんか帰りたくないって…はい。お母さんには謝っといてくれって…本人は今は話したくないっていってます…」
男「分かりました。明日の朝には帰らせますんで。はい…すいません、失礼します」ピッ
男「…」
転校生「…お母さん、なんて?」
男「お前のこと、心配してた。そんでなんかちゃんと話がしたいって…」
転校生「…」
男「明日、仕事休むからちゃんと話そうって言ってたぞ。今からでも帰ってやったらどうだ?」
転校生「…」
男「本気で家に泊まるつもりか?」
転校生「ごめん…迷惑なら出てく…」
男「今出てっても家には帰らないんだろ?」
転校生「…」
男「はぁ…明日の朝にはちゃんと帰れよ?」
転校生「うん…」
男「…風呂入るか?何か飲み物でも買ってくるか?」
転校生「ううん…ダイジョブ…ありがとう」
男「何かしてほしいことあったら言えよ」
転校生「へへ…なんだか男くんが優しい…嬉しいな…」
男「気持ちわりいこと言うんじゃねえよ。俺はいつも優しいだろ…」
転校生「そうかもね…聞かないんだ、さっきのこと」
男「お前のお母さんとイケメンのことか?聞いて欲しいなら聞いてやるよ」
転校生「あ…やっぱりいつもの男くんだ。イジワルだ」
男「お前、落ち込むとキャラ変わるよな」
転校生「そうかな…自分じゃよくわかんない…」
男「実はすげえ打たれ弱いだろ…」
転校生「…それは、そうかも…だからあんなことでもすぐ不安になっちゃう…」
男「…何があったんだよ」
転校生「知りたい?」
男「聞いてやるから話せよ」
転校生「…ホント、イジワルな言い方するよね男くん…」
男「悪かったな」
転校生「…でも、取り繕おうとしないところ好きだよ」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…風呂でも入るか?」
転校生「うん…」
男「…タオルとってくる…」
男「はい。はい。そうです。今は俺ん家にいます…」
男「ええ。なんか帰りたくないって…はい。お母さんには謝っといてくれって…本人は今は話したくないっていってます…」
男「分かりました。明日の朝には帰らせますんで。はい…すいません、失礼します」ピッ
男「…」
転校生「…お母さん、なんて?」
男「お前のこと、心配してた。そんでなんかちゃんと話がしたいって…」
転校生「…」
男「明日、仕事休むからちゃんと話そうって言ってたぞ。今からでも帰ってやったらどうだ?」
転校生「…」
男「本気で家に泊まるつもりか?」
転校生「ごめん…迷惑なら出てく…」
男「今出てっても家には帰らないんだろ?」
転校生「…」
男「はぁ…明日の朝にはちゃんと帰れよ?」
転校生「うん…」
男「…風呂入るか?何か飲み物でも買ってくるか?」
転校生「ううん…ダイジョブ…ありがとう」
男「何かしてほしいことあったら言えよ」
転校生「へへ…なんだか男くんが優しい…嬉しいな…」
男「気持ちわりいこと言うんじゃねえよ。俺はいつも優しいだろ…」
転校生「そうかもね…聞かないんだ、さっきのこと」
男「お前のお母さんとイケメンのことか?聞いて欲しいなら聞いてやるよ」
転校生「あ…やっぱりいつもの男くんだ。イジワルだ」
男「お前、落ち込むとキャラ変わるよな」
転校生「そうかな…自分じゃよくわかんない…」
男「実はすげえ打たれ弱いだろ…」
転校生「…それは、そうかも…だからあんなことでもすぐ不安になっちゃう…」
男「…何があったんだよ」
転校生「知りたい?」
男「聞いてやるから話せよ」
転校生「…ホント、イジワルな言い方するよね男くん…」
男「悪かったな」
転校生「…でも、取り繕おうとしないところ好きだよ」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…風呂でも入るか?」
転校生「うん…」
男「…タオルとってくる…」
40: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:35:26.92 ID:Grqn/7DQo
転校生「私のお母さんね…」
男「え…」
転校生「私のお母さん、本当のお母さんじゃないんだ…本当のお母さんとは私が中学に上がった頃に別れたの。それっきり連絡もとってない。今はどうしてるかも全然知らないんだ…」
転校生「本当のお父さんには会ったこともない。私は会ってみたかったんだけど…向こうは会いたくないみたい…」
転校生「…なんか、難しいね…こうやって話すのって…上手く出来ないや。ごめんね…」
男「ゆっくりでいいよ」
転校生「うん…それでね、私の本当のお父さんっていうのがイケメンのお父さん。異母兄弟なんだ、私たち」
男「…」
転校生「…で、今のお母さんはイケメンのお父さん、私のお父さんの妹さん…つまり本当は叔母さんなんだ」
転校生「本当のお母さんが私を産んだ頃にはもうお父さんはイケメンの家庭に入ってて、家族の反対を押し切って一人で私を育てたの」
転校生「…でも、すぐその後に再婚して…私が小学生になる位にはその再婚相手の人との間に子供が出来てた」
転校生「その子が産まれたあとの私はもう本当に惨めだった。学校ではイジメられてたし、家に帰れば空気のように扱われてた…私の分のご飯だけ用意されてないこともあったかな…」
転校生「…でもね、それでも親だったから…親だと思いたかったから私は一生懸命空気を演じてた。だってそれが私に望まれた役割だったから」
転校生「やっぱり本当のお母さんのこと、嫌いにはなれなかったしね」
転校生「そうやって6年間過ごして…中学生になったときに再婚相手の人に…殺されそうになった…寝てるときに枕を頭に押し付けられて…」
転校生「お前が邪魔だって…邪魔だから死んでくれって…グイグイグイグイ…押し付けられたの」
転校生「その声を聞いてだと思うんだけれど…お母さんが来たから、未遂で終わったの…でもお母さん、助けてくれなかった」
転校生「…ただ私のことじーっと見て…慰めてもくれなかった…」
転校生「それからすぐ私は叔母さん…今のお母さんに引き取られたの。どういう経緯でそうなったのか、知ったのは最近だけど…どうも本当のお母さんがお父さんに連絡してたみたい」
転校生「アンタの子なんだからアンタが面倒見ろ!って…おかしいよね、だって、お母さんの子供でもあるのに…」
転校生「でも、お父さんにはイケメンとイケメンのお母さんがいる家庭があったから…勿論、私を引き取るなんてしなかった」
転校生「そこで、名乗りを上げてくれたのが今のお母さん、お父さんの妹さんだったんだ…私を引き取ったとき、まだ24歳だった…」
男「…」
転校生「ここに引っ越してきたのは、叔母さんの仕事の都合だったんだけど、ホントに偶然。私は…引っ越す前に聞かされてはいたけど出来るだけ深く考えないようにしてた」
転校生「叔母さんにこれ以上迷惑かけたくなかったから…」
転校生「…いい機会だとも思ったの。折角なんだからお父さんに会ってみようって。どうせ同じ学校にいるならお兄ちゃんとも仲良くしたいって…」
転校生「…でも無理だった。転校した日に早速、お兄ちゃん…イケメンに声を掛けてみたんだけど、向こうはそんな話、全然知らなかった。凄い目で睨まれた…」
転校生「いきなりそんな話しを振ったのも悪かったかもしれないけど、それでもお父さんには私がこの街に来ること、ちゃんと伝えてあった筈だから…」
男「…」
転校生「お互い無関係でいようって…そう言われた。…それで、私…カっとなちゃって…」
男「それで怒鳴り合いのケンカか」
転校生「…私が一方的にまくし立ててただけだったけど、酷いこといちゃった。いっぱい…八つ当たりだった」
転校生「それで、私も決めたの。無関係に生きようって…心残りはあるけど、でもお互いのことを考えたらそれがベストなんだろうって…」
男「そうか…」
転校生「その考えを叔母さんに伝えたら叔母さんも理解してくれた。だったら私も兄とは無関係でいるとまで言ってくれた。凄く嬉しかったな。私を選んでくれるんだって…涙がとまらなかった」
転校生「…だから、さっきイケメンとお母さんが歩いてるのを見たら…どうしても裏切られた気分になっちゃって…悔しくて…」ジワッ
男「…」
転校生「…きっと、何か理由があるんだろうとは思うんだ…思うんだけど…悔しくてっ…悔しいっ…悔しいよ…っ!!」ポロポロ
転校生「私は…結局、誰にも選んでもらえないのかな?…やっぱり…どこに行ってもよそ者で邪魔物なのかな…」ポロポロポロ
男「…」ギュッ
転校生「うっ…うわああぁぁぁぁぁっ!!」ボロボロボロボロ
男「…」
男「え…」
転校生「私のお母さん、本当のお母さんじゃないんだ…本当のお母さんとは私が中学に上がった頃に別れたの。それっきり連絡もとってない。今はどうしてるかも全然知らないんだ…」
転校生「本当のお父さんには会ったこともない。私は会ってみたかったんだけど…向こうは会いたくないみたい…」
転校生「…なんか、難しいね…こうやって話すのって…上手く出来ないや。ごめんね…」
男「ゆっくりでいいよ」
転校生「うん…それでね、私の本当のお父さんっていうのがイケメンのお父さん。異母兄弟なんだ、私たち」
男「…」
転校生「…で、今のお母さんはイケメンのお父さん、私のお父さんの妹さん…つまり本当は叔母さんなんだ」
転校生「本当のお母さんが私を産んだ頃にはもうお父さんはイケメンの家庭に入ってて、家族の反対を押し切って一人で私を育てたの」
転校生「…でも、すぐその後に再婚して…私が小学生になる位にはその再婚相手の人との間に子供が出来てた」
転校生「その子が産まれたあとの私はもう本当に惨めだった。学校ではイジメられてたし、家に帰れば空気のように扱われてた…私の分のご飯だけ用意されてないこともあったかな…」
転校生「…でもね、それでも親だったから…親だと思いたかったから私は一生懸命空気を演じてた。だってそれが私に望まれた役割だったから」
転校生「やっぱり本当のお母さんのこと、嫌いにはなれなかったしね」
転校生「そうやって6年間過ごして…中学生になったときに再婚相手の人に…殺されそうになった…寝てるときに枕を頭に押し付けられて…」
転校生「お前が邪魔だって…邪魔だから死んでくれって…グイグイグイグイ…押し付けられたの」
転校生「その声を聞いてだと思うんだけれど…お母さんが来たから、未遂で終わったの…でもお母さん、助けてくれなかった」
転校生「…ただ私のことじーっと見て…慰めてもくれなかった…」
転校生「それからすぐ私は叔母さん…今のお母さんに引き取られたの。どういう経緯でそうなったのか、知ったのは最近だけど…どうも本当のお母さんがお父さんに連絡してたみたい」
転校生「アンタの子なんだからアンタが面倒見ろ!って…おかしいよね、だって、お母さんの子供でもあるのに…」
転校生「でも、お父さんにはイケメンとイケメンのお母さんがいる家庭があったから…勿論、私を引き取るなんてしなかった」
転校生「そこで、名乗りを上げてくれたのが今のお母さん、お父さんの妹さんだったんだ…私を引き取ったとき、まだ24歳だった…」
男「…」
転校生「ここに引っ越してきたのは、叔母さんの仕事の都合だったんだけど、ホントに偶然。私は…引っ越す前に聞かされてはいたけど出来るだけ深く考えないようにしてた」
転校生「叔母さんにこれ以上迷惑かけたくなかったから…」
転校生「…いい機会だとも思ったの。折角なんだからお父さんに会ってみようって。どうせ同じ学校にいるならお兄ちゃんとも仲良くしたいって…」
転校生「…でも無理だった。転校した日に早速、お兄ちゃん…イケメンに声を掛けてみたんだけど、向こうはそんな話、全然知らなかった。凄い目で睨まれた…」
転校生「いきなりそんな話しを振ったのも悪かったかもしれないけど、それでもお父さんには私がこの街に来ること、ちゃんと伝えてあった筈だから…」
男「…」
転校生「お互い無関係でいようって…そう言われた。…それで、私…カっとなちゃって…」
男「それで怒鳴り合いのケンカか」
転校生「…私が一方的にまくし立ててただけだったけど、酷いこといちゃった。いっぱい…八つ当たりだった」
転校生「それで、私も決めたの。無関係に生きようって…心残りはあるけど、でもお互いのことを考えたらそれがベストなんだろうって…」
男「そうか…」
転校生「その考えを叔母さんに伝えたら叔母さんも理解してくれた。だったら私も兄とは無関係でいるとまで言ってくれた。凄く嬉しかったな。私を選んでくれるんだって…涙がとまらなかった」
転校生「…だから、さっきイケメンとお母さんが歩いてるのを見たら…どうしても裏切られた気分になっちゃって…悔しくて…」ジワッ
男「…」
転校生「…きっと、何か理由があるんだろうとは思うんだ…思うんだけど…悔しくてっ…悔しいっ…悔しいよ…っ!!」ポロポロ
転校生「私は…結局、誰にも選んでもらえないのかな?…やっぱり…どこに行ってもよそ者で邪魔物なのかな…」ポロポロポロ
男「…」ギュッ
転校生「うっ…うわああぁぁぁぁぁっ!!」ボロボロボロボロ
男「…」
41: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:39:39.07 ID:Grqn/7DQo
×××
男「…?」
男「おい…」ユサユサ
転校生「すぅ…すぅ…」
男(こいつ…寝やがった…)
男(とりあえず降ろすか)
転校生「んんっ…」ギュッ
男「…鼻水ついてるし…」
男「… …」
×××
男「…ん…」
転校生「男くん?起きた?」
男「…あ…」
転校生「男くん?」
男「…ああ」
転校生「…起きてる?」
男「…起きた」
転校生「おはよう」
男「…今何時?」
転校生「8時ちょっと前」
男「大丈夫?」
転校生「うん…いろいろありがとう。迷惑かけてごめんね…あ…」
男「何?」
転校生「涙…男くんの服に染みちゃってる」
男「ああ、そりゃ鼻水だ」
転校生「うそ…」
男「昨日の夜に確認した。ばっちり鼻から垂れてた」
転校生「…うそ?寝顔見たの?」
男「引き剥がそうとしても離れねえんだもん。困ったよ」
転校生「…バカッ!」(///)
男「なにが?お前だって先起きてたんだから俺の寝顔見ただろ?おあいこじゃねえか」
転校生「っ…私はいいのっ!バカ!」(///)
男「なんつー理不尽な…」
転校生「理不尽じゃないっ!もう帰るね!ありがとっ!バイバイ!」スタスタ
男「なんなんだよめんどくせえ…」
転校生「…ねえ」
男「あん?」
転校生「…家まで送ってくれない?」
男「…」
男「…?」
男「おい…」ユサユサ
転校生「すぅ…すぅ…」
男(こいつ…寝やがった…)
男(とりあえず降ろすか)
転校生「んんっ…」ギュッ
男「…鼻水ついてるし…」
男「… …」
×××
男「…ん…」
転校生「男くん?起きた?」
男「…あ…」
転校生「男くん?」
男「…ああ」
転校生「…起きてる?」
男「…起きた」
転校生「おはよう」
男「…今何時?」
転校生「8時ちょっと前」
男「大丈夫?」
転校生「うん…いろいろありがとう。迷惑かけてごめんね…あ…」
男「何?」
転校生「涙…男くんの服に染みちゃってる」
男「ああ、そりゃ鼻水だ」
転校生「うそ…」
男「昨日の夜に確認した。ばっちり鼻から垂れてた」
転校生「…うそ?寝顔見たの?」
男「引き剥がそうとしても離れねえんだもん。困ったよ」
転校生「…バカッ!」(///)
男「なにが?お前だって先起きてたんだから俺の寝顔見ただろ?おあいこじゃねえか」
転校生「っ…私はいいのっ!バカ!」(///)
男「なんつー理不尽な…」
転校生「理不尽じゃないっ!もう帰るね!ありがとっ!バイバイ!」スタスタ
男「なんなんだよめんどくせえ…」
転校生「…ねえ」
男「あん?」
転校生「…家まで送ってくれない?」
男「…」
43: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 03:59:27.90 ID:Grqn/7DQo
帰り道(>>0�
転校生「…ホントにごめんね?最後の最後まで迷惑かけちゃって」
男「まあ、そういう時もあるだろ。気にすんな」
転校生「…今度ちゃんとお礼するから」
男「気にすんなって」
転校生「うんん、ちゃんとさせて?何でもいいから…」
男「お前な、何でもいいとか簡単に言うなよな…まあ、だったらまた飯でも作ってくれよ。ちゃんと美味しいやつな」
転校生「分かった…頑張るね」
男「ああ」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…ダイジョブか?」
転校生「…うん…今のお母さん、大好きだから…いなくなっちゃたらって考えると…そんなことはないってわかってるんだけど…思い出しちゃうんだ…お母さんに捨てられたときのこと…」
男「あのお母さんに限ってそんなこと絶対ねえだろ。ダイジョブだって。お前を捨てるような人じゃないよ」
転校生「…男くんも」
男「ん?」
転校生「…男くんも、やっぱり親と上手くいってないの?」
男「…まぁな」
転校生「そっか…」
男「…」
転校生「…」
転校生「…ホントにごめんね?最後の最後まで迷惑かけちゃって」
男「まあ、そういう時もあるだろ。気にすんな」
転校生「…今度ちゃんとお礼するから」
男「気にすんなって」
転校生「うんん、ちゃんとさせて?何でもいいから…」
男「お前な、何でもいいとか簡単に言うなよな…まあ、だったらまた飯でも作ってくれよ。ちゃんと美味しいやつな」
転校生「分かった…頑張るね」
男「ああ」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…ダイジョブか?」
転校生「…うん…今のお母さん、大好きだから…いなくなっちゃたらって考えると…そんなことはないってわかってるんだけど…思い出しちゃうんだ…お母さんに捨てられたときのこと…」
男「あのお母さんに限ってそんなこと絶対ねえだろ。ダイジョブだって。お前を捨てるような人じゃないよ」
転校生「…男くんも」
男「ん?」
転校生「…男くんも、やっぱり親と上手くいってないの?」
男「…まぁな」
転校生「そっか…」
男「…」
転校生「…」
44: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:00:17.03 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
男「…」
転校生「…」
イケメン「…」
転校生「お兄ちゃん…」
イケメン「…なんで男がここにいんだよ。やっぱお前らそういう関係なんだろ」
男「ちげえよ」
転校生母「転校生っ!」
転校生「…お母さん…」
転校生母「良かった…戻ってきてくれて…男くんも、どうもありがとう。迷惑かけてごめんなさいね…」
男「いや…俺は別に…」
転校生「お母さん…話って…」
転校生母「ええ…あなたのお父さんの話…とりあえず中に入って、ね?」
転校生「…」
転校生母「ごめんね、イケメンくん。最初は転校生と二人で話したいから…少し待っててくれるかしら?」
イケメン「わかりました」
転校生母「男くんも本当にありがとう。また家に遊びにきて?ごちそうするから」
男「いえ…」
転校生「あ…」
転校生母「さ、入って。ちゃんとお話しましょ…」パタン
イケメン「…」
男「…」
イケメン「…」
男「…」スタスタ
イケメン「帰るのかよ」
男「あ?」
イケメン「心配じゃねえのかよ?転校生のこと」
男「…俺がここで心配してたらどうこうなる問題じゃねえだろ。後はお前ら家族の問題じゃねえか」
イケメン「…ちっ…全部知ってんだな」
男「ああ。昨日転校生から聞いた」
イケメン「そうかよ…」
男「仲良くしてやれよ。転校生と」
イケメン「そんな簡単にできっかよ…だいたい俺、あいつにどんな顔して接すればいいと思うんだよ…」
男「でも、なんとかしたいと思ってるからここにいるんじゃねえの?」
イケメン「…」
男「まぁ、最初からは上手くはいかねえだろ。時間かけてゆっくり頑張れよ」
イケメン「知った風な言い方だな」
男「…悪かったよ」スタスタ
イケメン「待たねえのか?」
男「もう俺には関係ないよ」スタスタ
イケメン「…」
男「…」
転校生「…」
イケメン「…」
転校生「お兄ちゃん…」
イケメン「…なんで男がここにいんだよ。やっぱお前らそういう関係なんだろ」
男「ちげえよ」
転校生母「転校生っ!」
転校生「…お母さん…」
転校生母「良かった…戻ってきてくれて…男くんも、どうもありがとう。迷惑かけてごめんなさいね…」
男「いや…俺は別に…」
転校生「お母さん…話って…」
転校生母「ええ…あなたのお父さんの話…とりあえず中に入って、ね?」
転校生「…」
転校生母「ごめんね、イケメンくん。最初は転校生と二人で話したいから…少し待っててくれるかしら?」
イケメン「わかりました」
転校生母「男くんも本当にありがとう。また家に遊びにきて?ごちそうするから」
男「いえ…」
転校生「あ…」
転校生母「さ、入って。ちゃんとお話しましょ…」パタン
イケメン「…」
男「…」
イケメン「…」
男「…」スタスタ
イケメン「帰るのかよ」
男「あ?」
イケメン「心配じゃねえのかよ?転校生のこと」
男「…俺がここで心配してたらどうこうなる問題じゃねえだろ。後はお前ら家族の問題じゃねえか」
イケメン「…ちっ…全部知ってんだな」
男「ああ。昨日転校生から聞いた」
イケメン「そうかよ…」
男「仲良くしてやれよ。転校生と」
イケメン「そんな簡単にできっかよ…だいたい俺、あいつにどんな顔して接すればいいと思うんだよ…」
男「でも、なんとかしたいと思ってるからここにいるんじゃねえの?」
イケメン「…」
男「まぁ、最初からは上手くはいかねえだろ。時間かけてゆっくり頑張れよ」
イケメン「知った風な言い方だな」
男「…悪かったよ」スタスタ
イケメン「待たねえのか?」
男「もう俺には関係ないよ」スタスタ
イケメン「…」
45: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:02:35.08 ID:Grqn/7DQo
男宅
男「…」シコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…勃たない…」シコシコシコシコシコ
男「どうしよう…勃たないよ…勃たなくなっちゃったよ…うっ…」シコシコシコシコシコシコ
男「うっ…なんで…なんで勃って…くれないんだよ…うぅっ…幼馴染ぃ…」グズッ
男「…今日は疲れたからな…もう寝よう…」
ムスコ「(´;ω;`)」
男「…」シコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…勃たない…」シコシコシコシコシコ
男「どうしよう…勃たないよ…勃たなくなっちゃったよ…うっ…」シコシコシコシコシコシコ
男「うっ…なんで…なんで勃って…くれないんだよ…うぅっ…幼馴染ぃ…」グズッ
男「…今日は疲れたからな…もう寝よう…」
ムスコ「(´;ω;`)」
47: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:14:41.34 ID:Grqn/7DQo
>>46支援感謝です
学校
女「おはよう…」
男「あ…ああ…」
女「…」テクテク
男「…」テクテク
女「…男くんは…知ってるんだよね」
男「何が?」
女「イケメンくんと転校生さんの関係…」
男「おさ…女も知ってたのか?」
女「…うん、転校生さんが来る前の日に聞いたんだ…」
男「…え?」
女「?…どうかした?」
男「…いや…なんで、そんなこと…いや…それより…なんでそんな話聞いて次の日付き合おうってなるんだよ?」
女「…うん…イケメンくん、すっごく辛そうで…転校生さんとどう接すればいいのか…うんん、関わっていいのかすら分かってなかったの…」
男「…」
女「凄い罪悪感を感じてた…自分のせいだって言って…泣いてた…」
男「…」
女「イケメンくんも、知ったのは転校生さんが来る3日前位だったんだって…それで、すごいショック受けちゃったみたい…ホント、あのときのイケメンくん、見てられなかったな…」
男「…」
女「それで次の日、転校生さんが来て、仲良くしようって言ったみたい…それで、イケメンくん動揺しちゃって…知らないって追いはらちゃって…」
男「…」
女「その後、すっごい泣いて…なんか、それ見てたら…そばに居てあげたいなって思って…」
男「そうか…」
女「…軽蔑してる?私のこと」
男「…え?」
女「薄情な女だなって思ってたり…するのかなって…」
男「…」
女「…こういう話しってあんまりしたことなかったよね。今まで」
男「なあ…」
女「なに?」
男「そろそろ行かないと、授業始まる」
女「…そうだね…」
学校
女「おはよう…」
男「あ…ああ…」
女「…」テクテク
男「…」テクテク
女「…男くんは…知ってるんだよね」
男「何が?」
女「イケメンくんと転校生さんの関係…」
男「おさ…女も知ってたのか?」
女「…うん、転校生さんが来る前の日に聞いたんだ…」
男「…え?」
女「?…どうかした?」
男「…いや…なんで、そんなこと…いや…それより…なんでそんな話聞いて次の日付き合おうってなるんだよ?」
女「…うん…イケメンくん、すっごく辛そうで…転校生さんとどう接すればいいのか…うんん、関わっていいのかすら分かってなかったの…」
男「…」
女「凄い罪悪感を感じてた…自分のせいだって言って…泣いてた…」
男「…」
女「イケメンくんも、知ったのは転校生さんが来る3日前位だったんだって…それで、すごいショック受けちゃったみたい…ホント、あのときのイケメンくん、見てられなかったな…」
男「…」
女「それで次の日、転校生さんが来て、仲良くしようって言ったみたい…それで、イケメンくん動揺しちゃって…知らないって追いはらちゃって…」
男「…」
女「その後、すっごい泣いて…なんか、それ見てたら…そばに居てあげたいなって思って…」
男「そうか…」
女「…軽蔑してる?私のこと」
男「…え?」
女「薄情な女だなって思ってたり…するのかなって…」
男「…」
女「…こういう話しってあんまりしたことなかったよね。今まで」
男「なあ…」
女「なに?」
男「そろそろ行かないと、授業始まる」
女「…そうだね…」
48: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:16:33.51 ID:Grqn/7DQo
教室
教師「今日はイケメン休みなのか…珍しいな」
男「…!?」ガバッ
教師「?…どうかしたか?男」
男「…いや…」
教師「なんだお前、イケメンが休みでさみしいのか?」ニヤニヤ
男「…」
クラス「ザワザワ…」
×××
教師「はい。ではこの辺で終わります。ワークの27ページを明日までにやってこいな」スタスタ
ガララ…
男(イケメンが休みだってこと…女は知ってたのか?)
男(…転校生は来てんだろうか…)
男「…」
教師「今日はイケメン休みなのか…珍しいな」
男「…!?」ガバッ
教師「?…どうかしたか?男」
男「…いや…」
教師「なんだお前、イケメンが休みでさみしいのか?」ニヤニヤ
男「…」
クラス「ザワザワ…」
×××
教師「はい。ではこの辺で終わります。ワークの27ページを明日までにやってこいな」スタスタ
ガララ…
男(イケメンが休みだってこと…女は知ってたのか?)
男(…転校生は来てんだろうか…)
男「…」
49: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:17:36.19 ID:Grqn/7DQo
2組教室
同級生A「お!男じゃん。どうしたよ」
男「…あ、転校生って今日来てるか?」
同級生A「いや、休んでるけど?」
男「…そうか。さんきゅ…」テクテク…
同級生A「ちょっと待てよ!」ガシッ
男「なんだよ?」
同級生A「なんかお前最近、転校生さんと仲良いみたいじゃんかよ。え?どういうことなんだ?」ニヤニヤ
男「は?」
同級生A「とぼけんなって。2人で一緒にいるところ、結構目撃されてんだぜ!?」
男「たまたまだろ。…別になんもねえよ…」
同級生A「おいおい、あの男を寄せ付けない転校生さんがたまたまで野郎と2人きりでなんか居るかよ!ホントは付き合ってたりすんじゃねぇの?」ニヤニヤ
男「マジでそんなんじゃねえよ。もう離せ」ガバッ
同級生A「えぇ~ムキになると、尚更怪しいぜ?」
男「言ってろ」スタスタ
同級生A「お!男じゃん。どうしたよ」
男「…あ、転校生って今日来てるか?」
同級生A「いや、休んでるけど?」
男「…そうか。さんきゅ…」テクテク…
同級生A「ちょっと待てよ!」ガシッ
男「なんだよ?」
同級生A「なんかお前最近、転校生さんと仲良いみたいじゃんかよ。え?どういうことなんだ?」ニヤニヤ
男「は?」
同級生A「とぼけんなって。2人で一緒にいるところ、結構目撃されてんだぜ!?」
男「たまたまだろ。…別になんもねえよ…」
同級生A「おいおい、あの男を寄せ付けない転校生さんがたまたまで野郎と2人きりでなんか居るかよ!ホントは付き合ってたりすんじゃねぇの?」ニヤニヤ
男「マジでそんなんじゃねえよ。もう離せ」ガバッ
同級生A「えぇ~ムキになると、尚更怪しいぜ?」
男「言ってろ」スタスタ
50: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:18:44.51 ID:Grqn/7DQo
廊下
女友「……なんだってぇー」
女「えっー?それホントにー?」
男(幼馴染…)
女友「あっ…また男くんがこっち見てるよ…早く行こ」ボソッ
女「えっ…あ…」
男「女さん!」
女「え?」
女友「何か用?」ズイッ
男「…ちょっといい?女さん」
女「うん…ごめんね女友ちゃん、ちょっと行くね」
女友「…」
×××
男「ごめん、友達と一緒だったのに…」
女「それは平気なんだけど…どうしたの?珍しいね。男くんの方から私に話しかけてくるなんて…転校生さんのこと?」
男「…」
女「男くんは転校生さんから聞いてないの?今日のこと…私が話してもいいのかな…」
男「話せないなら別に…」
女「いや、そんな対した話しじゃないんだけど…今日はイケメンくんたちと4人で会ってるんだって」
男「…昨日の今日で?また急だな…」
女「うん…私も経緯はよく知らないんだけど…」
男「そっか…」
女「でも、これで仲良くなれればいいよね…転校生さんも、イケメンくんも…お父さんとも…」
男「…」
女「…ね、男くん、今年の夏祭りさ…転校生さんと一緒に来なよ…」
男「…!!」
女「私はイケメンくんと行こうと思ってる」
男「…なんで…」
女「そこで、ちゃんと話そうと思ってるよ…イケメンくんに私と男くんとそれから…」
男「ふざけんなっ!!!」
女「男くん…」
男「なんでっ!…何でそんなこと言えんだよっ!…お前…お前もかよ…」
女「…このままじゃ男くんのためにもならないよ…」
男「うるせぇ!そんなことは自分で決める!!お前とはもう関係ない!」
女「でも…」
男「もうこの話はやめだ」スタスタ
女「どこ行くの?午後の授業始まっちゃうよ…」
男「関係ないって言ってんだろ」スタスタ
女「男くん…」
女友「……なんだってぇー」
女「えっー?それホントにー?」
男(幼馴染…)
女友「あっ…また男くんがこっち見てるよ…早く行こ」ボソッ
女「えっ…あ…」
男「女さん!」
女「え?」
女友「何か用?」ズイッ
男「…ちょっといい?女さん」
女「うん…ごめんね女友ちゃん、ちょっと行くね」
女友「…」
×××
男「ごめん、友達と一緒だったのに…」
女「それは平気なんだけど…どうしたの?珍しいね。男くんの方から私に話しかけてくるなんて…転校生さんのこと?」
男「…」
女「男くんは転校生さんから聞いてないの?今日のこと…私が話してもいいのかな…」
男「話せないなら別に…」
女「いや、そんな対した話しじゃないんだけど…今日はイケメンくんたちと4人で会ってるんだって」
男「…昨日の今日で?また急だな…」
女「うん…私も経緯はよく知らないんだけど…」
男「そっか…」
女「でも、これで仲良くなれればいいよね…転校生さんも、イケメンくんも…お父さんとも…」
男「…」
女「…ね、男くん、今年の夏祭りさ…転校生さんと一緒に来なよ…」
男「…!!」
女「私はイケメンくんと行こうと思ってる」
男「…なんで…」
女「そこで、ちゃんと話そうと思ってるよ…イケメンくんに私と男くんとそれから…」
男「ふざけんなっ!!!」
女「男くん…」
男「なんでっ!…何でそんなこと言えんだよっ!…お前…お前もかよ…」
女「…このままじゃ男くんのためにもならないよ…」
男「うるせぇ!そんなことは自分で決める!!お前とはもう関係ない!」
女「でも…」
男「もうこの話はやめだ」スタスタ
女「どこ行くの?午後の授業始まっちゃうよ…」
男「関係ないって言ってんだろ」スタスタ
女「男くん…」
51: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:19:17.20 ID:Grqn/7DQo
屋上
男「クソッ…」
男「…」ポロン
ムスコ「hello!」ヒョコッ
男「…」シコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコ
男「…」シコッ…
男「…寝よう…」
ムスコ「(。□。)」
男「クソッ…」
男「…」ポロン
ムスコ「hello!」ヒョコッ
男「…」シコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコシコ
男「…」シコシコシコシコ
男「…」シコシコシコ
男「…」シコシコ
男「…」シコッ…
男「…寝よう…」
ムスコ「(。□。)」
52: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:20:01.14 ID:Grqn/7DQo
×××
男「…放課後か…」
男「…帰ろう」
男「…放課後か…」
男「…帰ろう」
53: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:21:03.22 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「お帰り…」
男「…どうしたんだよ」
転校生「うん…ちょっとね…」
男「…今日はイケメンやお父さんと会ってるって聞いたけど」
転校生「知ってたんだ…女さん?」
男「まぁな…」
転校生「そっか…」
男「何かあったか?」
転校生「うん…どうだろ…」
男「…」
転校生「…なんか、結局、会ってみてもなんにもなかったのかなぁって感じかな…私やお母さんとは全然関係ないところで生きてきた人みたいだった…実際にそうなんだけどね」
男「…そうか」
転校生「うん…ああ、こんなもんなんだーって思ってさ…でも…やっぱり会えてよかったかな…」
転校生「確かに私一人の満足のためって感じにはなちゃったけど…なんかね、これでようやくちゃんと私の人生が始められる気がするんだ」
男「そっか…まぁ、ならよかったじゃねえか」
転校生「うん…でも、私をお父さんと会わせる為にお母さんとお兄ちゃんがお父さんを説得してくれてたのは嬉しかったかな…」
男「イケメンがか?へぇ…」
転校生「うん、私とケンカしたあともずっと、色々考えてくれてたみたい…お父さんとは無理そうだけど、お兄ちゃんとは仲良く出来そう…かな?」
男「そっか…」
転校生「今度、試合の応援に行く約束もしたよ…」
男「…よかったな…」
転校生「うん…よかった…」
男「…」
転校生「…男くん」
男「ん?」
転校生「…私はこれから私を生きるよ。そう決めたの。今日がそのスタート」
男「ああ…」
転校生「私はこれからの私の人生にあなたがほしい」
男「…」
転校生「私、男くんのことが好きだよ」
転校生「お帰り…」
男「…どうしたんだよ」
転校生「うん…ちょっとね…」
男「…今日はイケメンやお父さんと会ってるって聞いたけど」
転校生「知ってたんだ…女さん?」
男「まぁな…」
転校生「そっか…」
男「何かあったか?」
転校生「うん…どうだろ…」
男「…」
転校生「…なんか、結局、会ってみてもなんにもなかったのかなぁって感じかな…私やお母さんとは全然関係ないところで生きてきた人みたいだった…実際にそうなんだけどね」
男「…そうか」
転校生「うん…ああ、こんなもんなんだーって思ってさ…でも…やっぱり会えてよかったかな…」
転校生「確かに私一人の満足のためって感じにはなちゃったけど…なんかね、これでようやくちゃんと私の人生が始められる気がするんだ」
男「そっか…まぁ、ならよかったじゃねえか」
転校生「うん…でも、私をお父さんと会わせる為にお母さんとお兄ちゃんがお父さんを説得してくれてたのは嬉しかったかな…」
男「イケメンがか?へぇ…」
転校生「うん、私とケンカしたあともずっと、色々考えてくれてたみたい…お父さんとは無理そうだけど、お兄ちゃんとは仲良く出来そう…かな?」
男「そっか…」
転校生「今度、試合の応援に行く約束もしたよ…」
男「…よかったな…」
転校生「うん…よかった…」
男「…」
転校生「…男くん」
男「ん?」
転校生「…私はこれから私を生きるよ。そう決めたの。今日がそのスタート」
男「ああ…」
転校生「私はこれからの私の人生にあなたがほしい」
男「…」
転校生「私、男くんのことが好きだよ」
54: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:34:22.30 ID:Grqn/7DQo
学校
男「…」テクテク
男(授業ダルいな…)テクテク
男「あ…」
イケメン「……だから全然できてないんだよね」テクテク
女「それは仕方ないよ。転校生さんのこととか…部活のこともあるしね…」テクテク
イケメン「そうなんだよなぁ…期末終わったらすぐに選抜メンバーの顔合わせだし。夏休みも遊べそうにないよ」
女「そっか…」
イケメン「でも、夏祭りはちゃんといくから!そこはダイジョブ!」
女「うん…ごめんねワガママ言って…あ…」
イケメン「ん?…あ…男…」
男「…」スタスタ
イケメン「…なんだ?あいつ…」
女「…」
男「…」テクテク
男(授業ダルいな…)テクテク
男「あ…」
イケメン「……だから全然できてないんだよね」テクテク
女「それは仕方ないよ。転校生さんのこととか…部活のこともあるしね…」テクテク
イケメン「そうなんだよなぁ…期末終わったらすぐに選抜メンバーの顔合わせだし。夏休みも遊べそうにないよ」
女「そっか…」
イケメン「でも、夏祭りはちゃんといくから!そこはダイジョブ!」
女「うん…ごめんねワガママ言って…あ…」
イケメン「ん?…あ…男…」
男「…」スタスタ
イケメン「…なんだ?あいつ…」
女「…」
55: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:35:02.97 ID:Grqn/7DQo
屋上
男「結局、ここか…」
男「…」
男「私を生きる…か…」
男「…」
男(そういや来週は期末テストだな…)
男「2限からは出るか…」
男「結局、ここか…」
男「…」
男「私を生きる…か…」
男「…」
男(そういや来週は期末テストだな…)
男「2限からは出るか…」
56: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:36:00.99 ID:Grqn/7DQo
教室
男「…」
クラスメイトA「あれ?男じゃん。何?女さんの水着姿見に来たの?」
男「…もしかして、体育?」
クラスメイトA「そ。水泳」
男「…最悪だ」
クラスメイトA「今日は女さん出るっぽいよ」
男「だからなんだよ…」
クラスメイトA「お前、女さんのこと好きなんだろ?…あ、でも最近は隣のクラスの転校生との方が仲いいんだっけ?」
男「…」
同級生C「何?男も転校生さんの水着狙い?」
男「は?」
同級生C「今日は転校生さん、多分出るぞ」
男「…3組の体育って単独じゃなかったか?」
クラスメイトA「はぁ?お前、何言ってんだ?ずっと2組と一緒だったじゃねえかよ」
男「…そうだっけ?」
クラスメイトA「お前それ、1年のときの話だろ」
男「…知らなかった」
同級生C「…ダイジョブかよこいつ…」
クラスメイトA「さあ…」
男「…」
クラスメイトA「あれ?男じゃん。何?女さんの水着姿見に来たの?」
男「…もしかして、体育?」
クラスメイトA「そ。水泳」
男「…最悪だ」
クラスメイトA「今日は女さん出るっぽいよ」
男「だからなんだよ…」
クラスメイトA「お前、女さんのこと好きなんだろ?…あ、でも最近は隣のクラスの転校生との方が仲いいんだっけ?」
男「…」
同級生C「何?男も転校生さんの水着狙い?」
男「は?」
同級生C「今日は転校生さん、多分出るぞ」
男「…3組の体育って単独じゃなかったか?」
クラスメイトA「はぁ?お前、何言ってんだ?ずっと2組と一緒だったじゃねえかよ」
男「…そうだっけ?」
クラスメイトA「お前それ、1年のときの話だろ」
男「…知らなかった」
同級生C「…ダイジョブかよこいつ…」
クラスメイトA「さあ…」
57: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:37:27.37 ID:Grqn/7DQo
プール
イケメン「お前、こういうのにはしっかり来るのな」
男「うるせえ…」
イケメン「どっち見に来たの?女?転校生?」
男「関係ねぇよ」
イケメン「お前さ、いい加減女のことは諦めろよ」
男「…」
イケメン「てか、何でそんなに女にこだわる訳?意味分かんねえよ」
男「…」
イケメン「…だんまりかよ」
男「…」
イケメン「なんとか言えよ」
男「…お前には関係ないよ」
イケメン「んな訳ねぇだろ!俺の彼女だぞ!?」
男「…」
イケメン「っち…」
イケメン「お前、こういうのにはしっかり来るのな」
男「うるせえ…」
イケメン「どっち見に来たの?女?転校生?」
男「関係ねぇよ」
イケメン「お前さ、いい加減女のことは諦めろよ」
男「…」
イケメン「てか、何でそんなに女にこだわる訳?意味分かんねえよ」
男「…」
イケメン「…だんまりかよ」
男「…」
イケメン「なんとか言えよ」
男「…お前には関係ないよ」
イケメン「んな訳ねぇだろ!俺の彼女だぞ!?」
男「…」
イケメン「っち…」
58: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:38:38.73 ID:Grqn/7DQo
転校生「あ!男くんだ!おーい!」タッタッタ
男「…」
イケメン「よお」
転校生「あれ?お兄ちゃんも見学なの?ってか、二人って実は仲良い?」
男「なわけないだろ…」
イケメン「つか、お前…学校でその呼び方はやめてくれ…」
転校生「それもそうだね…それより、男くん!どうよ?私の水着姿!!」
男「…」
転校生「え?無反応!?ひどくない?ね?可愛いでしょ?」
男「…そうだな…」
転校生「うわっ…超冷たい…ね、イケメンくん、可愛いよね、私」
イケメン「…俺に振るなよ…」
転校生「あーもう!二人ともひどい!傷ついた!だいたい水着が学校指定なのが悪いんだよ!」
イケメン「それは関係ないと思うけどな…」
転校生「うるさい!もういい!二人には二度と見せてあげない!」スタスタ
男「…」
イケメン「よお」
転校生「あれ?お兄ちゃんも見学なの?ってか、二人って実は仲良い?」
男「なわけないだろ…」
イケメン「つか、お前…学校でその呼び方はやめてくれ…」
転校生「それもそうだね…それより、男くん!どうよ?私の水着姿!!」
男「…」
転校生「え?無反応!?ひどくない?ね?可愛いでしょ?」
男「…そうだな…」
転校生「うわっ…超冷たい…ね、イケメンくん、可愛いよね、私」
イケメン「…俺に振るなよ…」
転校生「あーもう!二人ともひどい!傷ついた!だいたい水着が学校指定なのが悪いんだよ!」
イケメン「それは関係ないと思うけどな…」
転校生「うるさい!もういい!二人には二度と見せてあげない!」スタスタ
59: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:39:11.23 ID:Grqn/7DQo
イケメン「…おい」
男「なんだよ」
イケメン「なんだあの態度」
男「…別に」
イケメン「やっぱりお前は女がいい訳だ」
男「…」
イケメン「…否定しないのな」
男「別にそんなんじゃねえよ」
イケメン「ならさ、転校生と付き合えよ」
男「は?」
イケメン「あいつ、絶対お前のこと好きだよ。どこがいいのかは知らねえけど」
男「なんでお前にんなこと言われなきゃいけないんだよ」
イケメン「わかんだろ…あいつにはさ、なんつーか…幸せになって欲しいんだよ」
男「…」
イケメン「って、何話してんだろうな俺は…どっちにしろお前の女に対しての感情は迷惑でしかないんだよ。俺らからすれば」
男「だから、お前には関係ないんだって…」
イケメン「いい加減に現実から目逸らすのやめろよ。お前が女に対してどんな思い入れがあるのか知らんがもう諦めろ」
男「お前だって知った風に言うじゃねえかよ…」
イケメン「茶化すな。俺は真面目に言ってんだぞ」
男「…」
イケメン「はっきり言うぞ。女はお前のことなんてなんとも思ってねえんだよ。これは事実だ」
男「…本人に聞いたのか?」
イケメン「ああ。はっきりと好きじゃないって言ってたぞ」
男「そらそうだろうね…」
イケメン「わかってんならもう引けよ。ウザいだけだろ」
男「あいつが好きなのは俺じゃないんだよ…」
イケメン「当たり前だろ」
男「…」スタスタ
イケメン「おい、どこ行くんだよ。まだ話は終わってねぇぞ!」
男「…」スタスタ
イケメン「またそうやって逃げんのかよ!!おい!」
男「…」スタスタ
男「なんだよ」
イケメン「なんだあの態度」
男「…別に」
イケメン「やっぱりお前は女がいい訳だ」
男「…」
イケメン「…否定しないのな」
男「別にそんなんじゃねえよ」
イケメン「ならさ、転校生と付き合えよ」
男「は?」
イケメン「あいつ、絶対お前のこと好きだよ。どこがいいのかは知らねえけど」
男「なんでお前にんなこと言われなきゃいけないんだよ」
イケメン「わかんだろ…あいつにはさ、なんつーか…幸せになって欲しいんだよ」
男「…」
イケメン「って、何話してんだろうな俺は…どっちにしろお前の女に対しての感情は迷惑でしかないんだよ。俺らからすれば」
男「だから、お前には関係ないんだって…」
イケメン「いい加減に現実から目逸らすのやめろよ。お前が女に対してどんな思い入れがあるのか知らんがもう諦めろ」
男「お前だって知った風に言うじゃねえかよ…」
イケメン「茶化すな。俺は真面目に言ってんだぞ」
男「…」
イケメン「はっきり言うぞ。女はお前のことなんてなんとも思ってねえんだよ。これは事実だ」
男「…本人に聞いたのか?」
イケメン「ああ。はっきりと好きじゃないって言ってたぞ」
男「そらそうだろうね…」
イケメン「わかってんならもう引けよ。ウザいだけだろ」
男「あいつが好きなのは俺じゃないんだよ…」
イケメン「当たり前だろ」
男「…」スタスタ
イケメン「おい、どこ行くんだよ。まだ話は終わってねぇぞ!」
男「…」スタスタ
イケメン「またそうやって逃げんのかよ!!おい!」
男「…」スタスタ
60: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:40:31.86 ID:Grqn/7DQo
屋上
男「…」
男「…結局またサボっちまった」
男「ま、いいか…」
転校生「全然良くないでしょ!」
男「!?」
転校生「私の水着姿見てるより、こんなところでボケっとしてる方がいい訳?」
男「…別に」
転校生「ねえ、さっきのお兄ちゃんとの話、どういうこと?」
男「…聞いてたのかよ。てかお前、授業はどうしたんだよ」
転校生「生理来たって抜け出してきた。ねえ、女さんが好きなのってホント?」
男「…」
転校生「昨日の私の話、断ったのってそれが理由?」
男「…関係ないだろ」
転校生「関係あるっ!!」
男「…」
転校生「バカ!なんで関係ないなんて言えるの!?信じらんない!」
男「うるせえな…」
転校生「うぅっ…ひどいよ…男くん…」
男「…」
転校生「ねえ、女さんのことが好きなの?」
男「…」
転校生「だから私とは付き合えないの…?」
男「…そんなに単純じゃねえんだよ」
転校生「…なんにも…」グズッ
男「あ?」
転校生「…なんにも話てくれないんだね…」ポロポロ
男「言ってんだろ…お前には関係ないって」
転校生「…」ポロポロ
男「…授業始まんぞ。そろそろ戻れよ」
転校生「…」トボトボ…
男「…」
ポツ…ポツ…ポツ…
男「…?」
男「雨か…」
男「…」
男「…結局またサボっちまった」
男「ま、いいか…」
転校生「全然良くないでしょ!」
男「!?」
転校生「私の水着姿見てるより、こんなところでボケっとしてる方がいい訳?」
男「…別に」
転校生「ねえ、さっきのお兄ちゃんとの話、どういうこと?」
男「…聞いてたのかよ。てかお前、授業はどうしたんだよ」
転校生「生理来たって抜け出してきた。ねえ、女さんが好きなのってホント?」
男「…」
転校生「昨日の私の話、断ったのってそれが理由?」
男「…関係ないだろ」
転校生「関係あるっ!!」
男「…」
転校生「バカ!なんで関係ないなんて言えるの!?信じらんない!」
男「うるせえな…」
転校生「うぅっ…ひどいよ…男くん…」
男「…」
転校生「ねえ、女さんのことが好きなの?」
男「…」
転校生「だから私とは付き合えないの…?」
男「…そんなに単純じゃねえんだよ」
転校生「…なんにも…」グズッ
男「あ?」
転校生「…なんにも話てくれないんだね…」ポロポロ
男「言ってんだろ…お前には関係ないって」
転校生「…」ポロポロ
男「…授業始まんぞ。そろそろ戻れよ」
転校生「…」トボトボ…
男「…」
ポツ…ポツ…ポツ…
男「…?」
男「雨か…」
61: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:43:39.60 ID:Grqn/7DQo
×××
ザー…
男(よく降るな…)
男「クシュンッ…」
男(寒…)ブルルッ
男「…もう昼休みか…」
男「帰ろう」
ザー…
男(よく降るな…)
男「クシュンッ…」
男(寒…)ブルルッ
男「…もう昼休みか…」
男「帰ろう」
62: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:44:05.13 ID:Grqn/7DQo
男宅
男「…」
男(ヤバい。ダルい…)
男(こりゃ完全に風邪引いたな…)
男(熱っぽいし、今日は休もう…)
男「…」
男(ヤバい。ダルい…)
男(こりゃ完全に風邪引いたな…)
男(熱っぽいし、今日は休もう…)
63: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:44:41.31 ID:Grqn/7DQo
×××
男「・・・暇だ」
男(なんだかこうやってひとりでのんびりするの、すげぇ久々な気がするな…)
男(よく分らんが最近、色々あったからな…)
男「いつか反動で引き篭もりそうだぜ」キラキラ
男「…」ムクッ
男(身体起こすと辛いな…)
ガサゴソ…ガサゴソ…
男(…懐かしいな)
男(…)グズッ
男「…シコシコしなきゃ」
男「・・・暇だ」
男(なんだかこうやってひとりでのんびりするの、すげぇ久々な気がするな…)
男(よく分らんが最近、色々あったからな…)
男「いつか反動で引き篭もりそうだぜ」キラキラ
男「…」ムクッ
男(身体起こすと辛いな…)
ガサゴソ…ガサゴソ…
男(…懐かしいな)
男(…)グズッ
男「…シコシコしなきゃ」
64: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:45:09.92 ID:Grqn/7DQo
男「シコシコしなきゃ」シコシコ
65: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:46:00.99 ID:Grqn/7DQo
男「シコシコしなきゃ…」シコシコシコシコ
66: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 04:46:27.33 ID:Grqn/7DQo
男「シコシコしなきゃ……」シコシコシコシコシコシコ
72: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 09:54:30.95 ID:Grqn/7DQo
×××
×××
学校
転校生(男くん…今日も来てない…)トボトボ
転校生(…私のせいかな…私があんなこと言ったから…)トボトボ
転校生(会いたいな…)トボトボ
転校生「あ…」
教師「…じゃあ、お前も知らないんだな?」
女「…はい…」
教師「連絡もつかないのか?」
女「はい…携帯も電源が切れてるみたいで…」
教師「そうか…弱ったな…ご両親には連絡つかなし…もう休んで3日経ってるからな…なんかの事件に巻き込まれてなければいいんだが」
女「…」
教師「なぁ女、お前、ちょっと男の家に行ってみてくれないか?」
転校生「行きます!」
女「!?」
教師「えっ!?」
転校生「あ…えっと…」
教師「転校生か…どうしたんだ?」
転校生「…私が男くんの家に行きます!」
73: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 09:56:05.99 ID:Grqn/7DQo
通学路
女「ごめんなさい、転校生さん…手間かけさせちゃって…」
転校生「別にいいの。私が行きたいんだから…それよりさ、女さん」
女「何?」
転校生「なんで先生は女さんに頼んでたの?なんかちょっとおかしくない?」
女「それは…」
転校生「それに、そのことを女さんが私に謝るのもおかしいよね?どういうこと?」
女「…」
転校生「…私、男くんのことが好き」
女「そう…なんだ…」
転校生「うん。大好き。だからね、告白したの。私が学校休んだ日に」
女「…」
転校生「振られちゃったけど…」
女「そうなんだ…」
転校生「…」
女「…」
転校生「ねえ?男くんがなんで私を振ったかわかる?」
女「…」
転校生「ふーん…」
74: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 09:56:38.29 ID:Grqn/7DQo
男宅 前
女「あの…私はここで…」
転校生「…一緒には来ないの?」
女「うん…男くんのそばに私は居ない方がいいから…転校生さんが居てあげて?」
転校生「…女さんは、お兄ちゃんのことが好き?」
女「好きだよ。誰よりも好き」
転校生「…そっか。バイバイ。またね」
女「うん…男くんのこと、よろしくね…」
女「あの…私はここで…」
転校生「…一緒には来ないの?」
女「うん…男くんのそばに私は居ない方がいいから…転校生さんが居てあげて?」
転校生「…女さんは、お兄ちゃんのことが好き?」
女「好きだよ。誰よりも好き」
転校生「…そっか。バイバイ。またね」
女「うん…男くんのこと、よろしくね…」
76: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 09:59:07.97 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「…男くん、いる?」コンコン
転校生「…男くん?」コンコン
転校生「…」
転校生「…」ガチャッ
転校生(開いてる…)
転校生「お邪魔します…」
転校生(真っ暗だ…男くんは…寝室かな?)
転校生(…何これ?アルバム?)ピラッ
転校生(これって…)
転校生「!?」
男「ハァ…幼馴染ぃ…ハァ…ハァ…ゲフッ」ジャリジャリ…
転校生「男くん!?何してんの!!」バッ
男「ハァ…ハァ…ハァ…幼馴染…」ジャリジャリジャリ…
転校生「男くん!男くんてばっ!!」ユサユサ
男「うっ…ゲホゲホッ…うぇぷ…」ジャリッ…
転校生「男くん?!しっかりして!」ユサユサ
男「うぇっ…うっ…あ…」
転校生「男くん?大丈夫?気が付いた?」
男「…幼馴染?」
転校生「…」ジワッ
男「…あ…幼馴染なのか?」
転校生「…うっ…男くん、私だよ!」ポロポロ
男「…ああ…そうか…よかった…なあ、これでまた…」
転校生「うぅっ…男くん…私だよぉ…」ボロボロ
男「ああ…やっぱり、幼馴染がいないとダメだよな…」
転校生「うっ…気付いてよ…男くん…気付いてよぉ!!」ダキッ
男「…幼馴染?」
転校生「…うわあぁぁぁぁぁぁぁん!!男くん!男くん!男くん!」ボロボロボロボロ
男「ど…どうしたんだよ…幼馴染…?」
転校生「好き!…大好き!!大好きだよ!男くん!!」ボロボロボロボロ
男「…」
転校生「うわああぁぁぁぁぁぁん!!」ボロボロボロボロ
男「…あ…」
転校生「…男くん、いる?」コンコン
転校生「…男くん?」コンコン
転校生「…」
転校生「…」ガチャッ
転校生(開いてる…)
転校生「お邪魔します…」
転校生(真っ暗だ…男くんは…寝室かな?)
転校生(…何これ?アルバム?)ピラッ
転校生(これって…)
転校生「!?」
男「ハァ…幼馴染ぃ…ハァ…ハァ…ゲフッ」ジャリジャリ…
転校生「男くん!?何してんの!!」バッ
男「ハァ…ハァ…ハァ…幼馴染…」ジャリジャリジャリ…
転校生「男くん!男くんてばっ!!」ユサユサ
男「うっ…ゲホゲホッ…うぇぷ…」ジャリッ…
転校生「男くん?!しっかりして!」ユサユサ
男「うぇっ…うっ…あ…」
転校生「男くん?大丈夫?気が付いた?」
男「…幼馴染?」
転校生「…」ジワッ
男「…あ…幼馴染なのか?」
転校生「…うっ…男くん、私だよ!」ポロポロ
男「…ああ…そうか…よかった…なあ、これでまた…」
転校生「うぅっ…男くん…私だよぉ…」ボロボロ
男「ああ…やっぱり、幼馴染がいないとダメだよな…」
転校生「うっ…気付いてよ…男くん…気付いてよぉ!!」ダキッ
男「…幼馴染?」
転校生「…うわあぁぁぁぁぁぁぁん!!男くん!男くん!男くん!」ボロボロボロボロ
男「ど…どうしたんだよ…幼馴染…?」
転校生「好き!…大好き!!大好きだよ!男くん!!」ボロボロボロボロ
男「…」
転校生「うわああぁぁぁぁぁぁん!!」ボロボロボロボロ
男「…あ…」
77: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:01:34.02 ID:Grqn/7DQo
>>75ありがとうございます!
×××
転校生「…」グズッ
男「…なんか、つい最近にもおんなじ光景があったよな…」
転校生「…」ズズッ
男「落ち着いたかよ…」
転校生「う゜ん…」ズビッ
男「…だったら、離れて欲しいんだが」
転校生「…い゜や゜」
男「…まぁ、お前は気になんないのかもしれんが…俺は気にするんだ…」
転校生「…」ギュッ
男「俺今、下フルチンなんだよね」
転校生「!?」バッ
男「…気付いてなかったのか?」
転校生「こんなに暗かったら気付く訳ないでしょバカッ!!早く言いなさいよ!!」(///)
男「そういわれてもな…しまう間もなく抱きついてきたのはそっちじゃねぇかよ…」
転校生「うっ…」(///)
男「いや…悪かった…ありがとう」履キ履キ…
転校生「…血」
男「…ん?」
転校生「…おちんちん…血が出てる…」
男「…まぁ…なんかずっとシゴいちゃってたからな…」
転校生「痛そう…」
男「…恥ずかしいからあんま見ないで欲しいんだけど…」履キ履キ
転校生「ダメ…」
男「えっ!?」
転校生「そのまま履いたらバイキン入るよ…脱いで」
男「え…え?」
転校生「洗わないと」ヌガシヌガシ
男「お…おい…」
転校生「まって…タオル濡らしてくるから…」パタパタ
男「…」
×××
転校生「…」グズッ
男「…なんか、つい最近にもおんなじ光景があったよな…」
転校生「…」ズズッ
男「落ち着いたかよ…」
転校生「う゜ん…」ズビッ
男「…だったら、離れて欲しいんだが」
転校生「…い゜や゜」
男「…まぁ、お前は気になんないのかもしれんが…俺は気にするんだ…」
転校生「…」ギュッ
男「俺今、下フルチンなんだよね」
転校生「!?」バッ
男「…気付いてなかったのか?」
転校生「こんなに暗かったら気付く訳ないでしょバカッ!!早く言いなさいよ!!」(///)
男「そういわれてもな…しまう間もなく抱きついてきたのはそっちじゃねぇかよ…」
転校生「うっ…」(///)
男「いや…悪かった…ありがとう」履キ履キ…
転校生「…血」
男「…ん?」
転校生「…おちんちん…血が出てる…」
男「…まぁ…なんかずっとシゴいちゃってたからな…」
転校生「痛そう…」
男「…恥ずかしいからあんま見ないで欲しいんだけど…」履キ履キ
転校生「ダメ…」
男「えっ!?」
転校生「そのまま履いたらバイキン入るよ…脱いで」
男「え…え?」
転校生「洗わないと」ヌガシヌガシ
男「お…おい…」
転校生「まって…タオル濡らしてくるから…」パタパタ
男「…」
78: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:02:56.63 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…なんか、恥ずかしいね…」サワッ…
男「そりゃ、俺の方だろ…汚ねぇしいいよ。自分でやるから」
転校生「ううん、大丈夫」
男「…でも」
転校生「ダイジョブだから…」フキフキ
男「イッツ…」
転校生「あっ…痛かった?…ごめん…」
男「いや…まぁ、ダイジョブだから」
転校生「ごめんね…なんか…触ったことないから…痛かったら言ってね…」フキフキ
男「…なんか、その台詞、すげぇエロいなって、いってぇ!」
転校生「い、今のは男くんが悪いっ!…意識しないようにしてるんだから、変なこと言わないで!!」フキフキ
男「悪かったよ…」
転校生「…」フキフキ
男「…」
転校生「…」フキフキ
男「…もういいだろ」
転校生「…勃たないね」
男「…!!おまっ…お前、思いっきり意識してんじゃねぇかよ!!」
転校生「だって…悔しいんだもん…」
男「…もうずっとシコってたって言ったろ。こんな状態じゃ勃たねえんだよ」
転校生「…そうかもしれないけどさぁ…」
男「ほらもういいだろ。諦めろ」履キ履キ
転校生「うん…カーテン開けるね」シャーッ
男「まぶしっ…」
転校生「…疲れた顔してる」
男「そうかもな…」
転校生「…なんか、何から聞けばいいのか分らないや」
男「とりあえず、何しに来たんだよ…ってか、どうやって入ってんだ??」
転校生「いや、普通に鍵開いてましたけど?」
男「マジかよ…」
転校生「…なんか、恥ずかしいね…」サワッ…
男「そりゃ、俺の方だろ…汚ねぇしいいよ。自分でやるから」
転校生「ううん、大丈夫」
男「…でも」
転校生「ダイジョブだから…」フキフキ
男「イッツ…」
転校生「あっ…痛かった?…ごめん…」
男「いや…まぁ、ダイジョブだから」
転校生「ごめんね…なんか…触ったことないから…痛かったら言ってね…」フキフキ
男「…なんか、その台詞、すげぇエロいなって、いってぇ!」
転校生「い、今のは男くんが悪いっ!…意識しないようにしてるんだから、変なこと言わないで!!」フキフキ
男「悪かったよ…」
転校生「…」フキフキ
男「…」
転校生「…」フキフキ
男「…もういいだろ」
転校生「…勃たないね」
男「…!!おまっ…お前、思いっきり意識してんじゃねぇかよ!!」
転校生「だって…悔しいんだもん…」
男「…もうずっとシコってたって言ったろ。こんな状態じゃ勃たねえんだよ」
転校生「…そうかもしれないけどさぁ…」
男「ほらもういいだろ。諦めろ」履キ履キ
転校生「うん…カーテン開けるね」シャーッ
男「まぶしっ…」
転校生「…疲れた顔してる」
男「そうかもな…」
転校生「…なんか、何から聞けばいいのか分らないや」
男「とりあえず、何しに来たんだよ…ってか、どうやって入ってんだ??」
転校生「いや、普通に鍵開いてましたけど?」
男「マジかよ…」
79: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:04:13.62 ID:Grqn/7DQo
転校生「男くん、学校に連絡しないで休んでたでしょ?先生が気にしてたんだよ。だから私が様子見に来たの」
男「ああ…そういうことか…」
転校生「心配したんだよ…私のせい?」
男「…何が?」
転校生「だって…プールの後…」
男「ああ…そうか。いや関係ねえよそりゃ」
転校生「えっ?」
男「いやほら、あの後すぐ雨降ったじゃん?俺それからしばらく屋上居たからな…そんで風邪引いたんだよ」
転校生「そっか…ダイジョブなの?」
男「いや…あんまりだな…正直、辛い。来週からテストだろ?うつらない内に早く帰れよ」
転校生「そういうわけにも…いかないよ…」
男「お母さんと約束してんだろ?だったらダメだろ」
転校生「…今は男くんの方が大事だよ」
男「…」
男「ああ…そういうことか…」
転校生「心配したんだよ…私のせい?」
男「…何が?」
転校生「だって…プールの後…」
男「ああ…そうか。いや関係ねえよそりゃ」
転校生「えっ?」
男「いやほら、あの後すぐ雨降ったじゃん?俺それからしばらく屋上居たからな…そんで風邪引いたんだよ」
転校生「そっか…ダイジョブなの?」
男「いや…あんまりだな…正直、辛い。来週からテストだろ?うつらない内に早く帰れよ」
転校生「そういうわけにも…いかないよ…」
男「お母さんと約束してんだろ?だったらダメだろ」
転校生「…今は男くんの方が大事だよ」
男「…」
80: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:05:29.30 ID:Grqn/7DQo
転校生「…この写真、小さい頃の女さんだよね…こっちのには隣に男くんも写ってる」
男「…!お前、それどこで…」
転校生「勝手に見てごめん…リビングのテーブルに置いてあったの…」
男「チッ…」
転校生「…それにさっき女さんのこと、幼馴染って呼び方してたよね…」
男「…」
転校生「…ずっと好きだったの?」
男「…」
転校生「女さん、私は男くんのそばには居ない方がいいって言ってた…」
男「…」
転校生「これって、女さんは男くんの気持ちを知っててお兄ちゃんと付き合ったってことじゃないの?」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…やっぱり、答えてくれないんだ…」ジワッ
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…」
転校生「…帰るね」
男「女を!」
転校生「…え?」
男「…女を…好きなのは…俺じゃない…」
転校生「えっ…でも…」
男「…俺は女のことは…好きじゃ…ない」
転校生「…どういうこと?」
男「…お前はもう帰れ…」
転校生「でも…」
男「いいから帰れ。お母さんとの約束は守れ」
転校生「…」
男「俺は疲れたからもう休むよ…」
転校生「…わかった」
男「…」
男「…!お前、それどこで…」
転校生「勝手に見てごめん…リビングのテーブルに置いてあったの…」
男「チッ…」
転校生「…それにさっき女さんのこと、幼馴染って呼び方してたよね…」
男「…」
転校生「…ずっと好きだったの?」
男「…」
転校生「女さん、私は男くんのそばには居ない方がいいって言ってた…」
男「…」
転校生「これって、女さんは男くんの気持ちを知っててお兄ちゃんと付き合ったってことじゃないの?」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…やっぱり、答えてくれないんだ…」ジワッ
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…」
転校生「…帰るね」
男「女を!」
転校生「…え?」
男「…女を…好きなのは…俺じゃない…」
転校生「えっ…でも…」
男「…俺は女のことは…好きじゃ…ない」
転校生「…どういうこと?」
男「…お前はもう帰れ…」
転校生「でも…」
男「いいから帰れ。お母さんとの約束は守れ」
転校生「…」
男「俺は疲れたからもう休むよ…」
転校生「…わかった」
男「…」
81: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:05:56.78 ID:Grqn/7DQo
転校生「…男くん」
男「…何?」
転校生「明日も来ていい?…やっぱり、男くんのこと心配だし…テスト勉強ならここでも出来るから…」
男「風邪がうつったらどうすんだよ」
転校生「それは大丈夫!私、こう見えて身体はジョウブなんだよ?」
男「…」
転校生「…ね、迷惑?お弁当持ってくるよ。あ…お粥とかの方がいいかな?ね、いいでしょ…」
男「…お前、ホント会ったときから性格変わったよな」
転校生「…それってきっと、男くんのせいだよ」
男「…」
転校生「じゃぁ、また明日ね…」
男「…何?」
転校生「明日も来ていい?…やっぱり、男くんのこと心配だし…テスト勉強ならここでも出来るから…」
男「風邪がうつったらどうすんだよ」
転校生「それは大丈夫!私、こう見えて身体はジョウブなんだよ?」
男「…」
転校生「…ね、迷惑?お弁当持ってくるよ。あ…お粥とかの方がいいかな?ね、いいでしょ…」
男「…お前、ホント会ったときから性格変わったよな」
転校生「…それってきっと、男くんのせいだよ」
男「…」
転校生「じゃぁ、また明日ね…」
82: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:06:34.58 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「ただいまー」ガチャッ
転校生(お母さんはまだ帰ってないか…)
転校生(…勉強しよ)
転校生「ただいまー」ガチャッ
転校生(お母さんはまだ帰ってないか…)
転校生(…勉強しよ)
83: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:07:46.07 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」カキカキ
転校生(…考えたらさっき、男くんのおちんちん触っちゃったんだよね)カキカキ
転校生(私、振られたのに…なにやってんだろ…)カキカキ
転校生(男くん…やっぱり嫌だったかな…)カキッ…
転校生(女さんにも八つ当たりみたいなことしちゃったし…私ってホント、自分のことばっかだ…全然可愛くない…嫌だな…)
転校生「だから男くんにも振られちゃうのかな…」
転校生「…」カキカキ
転校生(…考えたらさっき、男くんのおちんちん触っちゃったんだよね)カキカキ
転校生(私、振られたのに…なにやってんだろ…)カキカキ
転校生(男くん…やっぱり嫌だったかな…)カキッ…
転校生(女さんにも八つ当たりみたいなことしちゃったし…私ってホント、自分のことばっかだ…全然可愛くない…嫌だな…)
転校生「だから男くんにも振られちゃうのかな…」
84: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:08:12.99 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「いただきます」
転校生「…」モグモグ
転校生(お母さんの料理、やっぱり美味しい…)モグモグ
転校生(なんで私は上手く出来ないんだろう…ガサツだからかな?…バカだから?)モグモグ
転校生(女さんは上手なのかな…)
転校生(あれだけ可愛くて、優しくて…それで料理も上手だったらもう勝ち目ないよね…おっぱいも、多分私より大きいし)
転校生(いけないいけない!男くんは女さんのこと好きじゃないって言ってたじゃない!…それなのに私…)モグモグ
転校生(私ってホント可愛くない…嫌な奴だ…)
転校生「いただきます」
転校生「…」モグモグ
転校生(お母さんの料理、やっぱり美味しい…)モグモグ
転校生(なんで私は上手く出来ないんだろう…ガサツだからかな?…バカだから?)モグモグ
転校生(女さんは上手なのかな…)
転校生(あれだけ可愛くて、優しくて…それで料理も上手だったらもう勝ち目ないよね…おっぱいも、多分私より大きいし)
転校生(いけないいけない!男くんは女さんのこと好きじゃないって言ってたじゃない!…それなのに私…)モグモグ
転校生(私ってホント可愛くない…嫌な奴だ…)
85: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:09:14.62 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生母「ただいまー」
転校生「おかえりーお風呂沸いてるよー」
転校生母「ありがと。もう汗だくだくだわ…」
転校生「お疲れ様。すぐ入る?」
転校生母「そうする。…男くん、今日も休みだった?」
転校生「うん…」
転校生母「そう…一人暮らしなのよね?ダイジョブなの?」
転校生「うん…」
転校生母「…あんまり気負いしないで、連絡くらいとってみたら?」
転校生「うん…」
転校生母「…まあ、なんか複雑そうな子だったし…難しいのかもね」
転校生「…今日ね、行ってきたんだ。男くんの家」
転校生母「あら!ちゃんと謝ってきたの?」
転校生「うんん…休んだの、ただの風邪だって…私の話は関係ないって言ってた」
転校生母「そう。良かったじゃない…って訳でもなさそうね。何かあったの?」
転校生「…おちんちん拭いてきた」
転校生母「…は?」
転校生「…」
転校生母「ごめんなさい…お母さんちょっと何言ってるか分らなかったのだけれど…」
転校生「…なんかね、凄かった」
転校生母「…あなた、男くんに振られたのよね?」
転校生「うん」
転校生母「なのに、したの?」
転校生「してないよ!してないしてない!…ただ拭いただけ…」
転校生母「ごめん…全然何言ってるか分らない…」
転校生「私も…何やってんだか分らない…」
転校生母「…」
転校生「…」
転校生母「転校生、あなたもうお風呂入った?」
転校生「え?…まだだけど…」
転校生母「よし!じゃあ今日は久々に一緒に入りましょう!」
転校生「ええっ!?…いいよ…恥ずかしいし…家のお風呂狭いし…」
転校生母「いいから来なさいって」グイグイ
転校生「ええ~…」ズルズル
転校生母「ただいまー」
転校生「おかえりーお風呂沸いてるよー」
転校生母「ありがと。もう汗だくだくだわ…」
転校生「お疲れ様。すぐ入る?」
転校生母「そうする。…男くん、今日も休みだった?」
転校生「うん…」
転校生母「そう…一人暮らしなのよね?ダイジョブなの?」
転校生「うん…」
転校生母「…あんまり気負いしないで、連絡くらいとってみたら?」
転校生「うん…」
転校生母「…まあ、なんか複雑そうな子だったし…難しいのかもね」
転校生「…今日ね、行ってきたんだ。男くんの家」
転校生母「あら!ちゃんと謝ってきたの?」
転校生「うんん…休んだの、ただの風邪だって…私の話は関係ないって言ってた」
転校生母「そう。良かったじゃない…って訳でもなさそうね。何かあったの?」
転校生「…おちんちん拭いてきた」
転校生母「…は?」
転校生「…」
転校生母「ごめんなさい…お母さんちょっと何言ってるか分らなかったのだけれど…」
転校生「…なんかね、凄かった」
転校生母「…あなた、男くんに振られたのよね?」
転校生「うん」
転校生母「なのに、したの?」
転校生「してないよ!してないしてない!…ただ拭いただけ…」
転校生母「ごめん…全然何言ってるか分らない…」
転校生「私も…何やってんだか分らない…」
転校生母「…」
転校生「…」
転校生母「転校生、あなたもうお風呂入った?」
転校生「え?…まだだけど…」
転校生母「よし!じゃあ今日は久々に一緒に入りましょう!」
転校生「ええっ!?…いいよ…恥ずかしいし…家のお風呂狭いし…」
転校生母「いいから来なさいって」グイグイ
転校生「ええ~…」ズルズル
87: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:10:24.54 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生母「考えたら、あんたとお風呂入るなんて、あんたを引き取ったとき以来ね」
転校生「そうだね…」
転校生母「あの頃はまだおっぱいもぺたんこで全然子供だったのよね…」
転校生「うん…お母さんもまだ全然若かった…」
転校生母「今でも十分若いわよ私は!これでも職場ではモテモテなんだかね!」
転校生「あはは。お母さん、私みたい」
転校生母「…どうして?」
転校生「私も男くんにおんなじようなこと言ったなぁーって」
転校生母「親子だからね、似てるのよ思考パターンが」
転校生「そうだね。似てるよね。私とお母さん」
転校生母「私の方が美人だけどね!」
転校生「うん…そんなこと言っちゃうのもそっくり…」
転校生母「そうね…恥ずかしいくらいにね…」
転校生「人の振り見て我が振り直せ?」
転校生母「え?」
転校生「お母さん、今恥ずかしいって言った」
転校生母「確かにちょっとこの年になって何いってるんだろ私って思うことはあるけどね…まぁでも直すほど間違ってもいないでしょ?」
転校生「すごい自信家…」
転校生母「そうよ。あんたのお母さんはすごい自信家なの」
転校生「うん…ホントにすごい…」
転校生母「…」
転校生母「考えたら、あんたとお風呂入るなんて、あんたを引き取ったとき以来ね」
転校生「そうだね…」
転校生母「あの頃はまだおっぱいもぺたんこで全然子供だったのよね…」
転校生「うん…お母さんもまだ全然若かった…」
転校生母「今でも十分若いわよ私は!これでも職場ではモテモテなんだかね!」
転校生「あはは。お母さん、私みたい」
転校生母「…どうして?」
転校生「私も男くんにおんなじようなこと言ったなぁーって」
転校生母「親子だからね、似てるのよ思考パターンが」
転校生「そうだね。似てるよね。私とお母さん」
転校生母「私の方が美人だけどね!」
転校生「うん…そんなこと言っちゃうのもそっくり…」
転校生母「そうね…恥ずかしいくらいにね…」
転校生「人の振り見て我が振り直せ?」
転校生母「え?」
転校生「お母さん、今恥ずかしいって言った」
転校生母「確かにちょっとこの年になって何いってるんだろ私って思うことはあるけどね…まぁでも直すほど間違ってもいないでしょ?」
転校生「すごい自信家…」
転校生母「そうよ。あんたのお母さんはすごい自信家なの」
転校生「うん…ホントにすごい…」
転校生母「…」
88: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:12:11.47 ID:Grqn/7DQo
転校生「…湯船狭いね」
転校生母「でもね、私にも自信がなくなることってあるのよ…」
転校生「えっ?…」
転校生母「あんたを引き取った最初の頃は本当に自信なくしてたわ…あんたはすごい塞ぎ込んじゃってたし…私も貧乏だったから、この子のこと幸せに出来るのかなって、とても不安だった」
転校生「…」
転校生母「イケメンくんと一緒に居たのを見られて、逃げ出された時もそう。やっぱり私はあの子の母親になれてなかったのかって…すごい自信なくした」
転校生「そんな…」
転校生母「でもね、自信を失わせたのもあんただけど、自信を取り戻させてくれたのもまたあんただった」
転校生「…」
転校生母「やっぱり、私は間違ってなかったんだって…これでよかったんだって…そう思わせてくれるのはいつも転校生だった」
転校生「お母さん…」
転校生母「だからね、あなたもきっと大丈夫。正直、何が大丈夫なのか分らないけど…でも大丈夫!お母さんが保証する」
転校生「…」
転校生母「だってあなたはこんなに可愛いんだもの。だからあなたは、あなたの思うままにやりなさい」
転校生「…もし…もしも…さ」
転校生母「なあに?」
転校生「もし、それで失敗しちゃって取り返しのつかないことになったら…どうする?」
転校生母「取り返しのつかないようなことになんてそうそうならないわよ。特に若いうちはね」
転校生「…」
転校生母「そうね…もしそれでもダメだったら…その時は…」
転校生「その時は…?」
転校生母「私を呼びなさい。本当の本当に一生懸命頑張って、悩んで、それでも失敗しちゃったら私に頼りなさい。あなたにない経験と知識で解決してあげるから」
転校生「うん…わかった。そうするね」
転校生母「よし!じゃあ、ひと段落ついたところで、転校生には背中流して貰おうかな」
転校生「ええ~!?なんでよ?」
転校生母「今のお悩み相談代?と思えば安いもんじゃない」
転校生「私、相談した覚えないんだけど」
転校生母「そうだったかしら?じゃあ、人生授業料ってことで」
転校生「ええ~…なんか納得いかないんだけど…」
転校生母「いいから流しなさいよ。それくらいいいでしょ?」
転校生「意味わかんないし…」
転校生母「でもね、私にも自信がなくなることってあるのよ…」
転校生「えっ?…」
転校生母「あんたを引き取った最初の頃は本当に自信なくしてたわ…あんたはすごい塞ぎ込んじゃってたし…私も貧乏だったから、この子のこと幸せに出来るのかなって、とても不安だった」
転校生「…」
転校生母「イケメンくんと一緒に居たのを見られて、逃げ出された時もそう。やっぱり私はあの子の母親になれてなかったのかって…すごい自信なくした」
転校生「そんな…」
転校生母「でもね、自信を失わせたのもあんただけど、自信を取り戻させてくれたのもまたあんただった」
転校生「…」
転校生母「やっぱり、私は間違ってなかったんだって…これでよかったんだって…そう思わせてくれるのはいつも転校生だった」
転校生「お母さん…」
転校生母「だからね、あなたもきっと大丈夫。正直、何が大丈夫なのか分らないけど…でも大丈夫!お母さんが保証する」
転校生「…」
転校生母「だってあなたはこんなに可愛いんだもの。だからあなたは、あなたの思うままにやりなさい」
転校生「…もし…もしも…さ」
転校生母「なあに?」
転校生「もし、それで失敗しちゃって取り返しのつかないことになったら…どうする?」
転校生母「取り返しのつかないようなことになんてそうそうならないわよ。特に若いうちはね」
転校生「…」
転校生母「そうね…もしそれでもダメだったら…その時は…」
転校生「その時は…?」
転校生母「私を呼びなさい。本当の本当に一生懸命頑張って、悩んで、それでも失敗しちゃったら私に頼りなさい。あなたにない経験と知識で解決してあげるから」
転校生「うん…わかった。そうするね」
転校生母「よし!じゃあ、ひと段落ついたところで、転校生には背中流して貰おうかな」
転校生「ええ~!?なんでよ?」
転校生母「今のお悩み相談代?と思えば安いもんじゃない」
転校生「私、相談した覚えないんだけど」
転校生母「そうだったかしら?じゃあ、人生授業料ってことで」
転校生「ええ~…なんか納得いかないんだけど…」
転校生母「いいから流しなさいよ。それくらいいいでしょ?」
転校生「意味わかんないし…」
89: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:13:02.18 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「お母さーん、電気消すよー?」
転校生母「いいわよー」
ポチッ
転校生「ね、お母さん」
転校生母「なあに?」
転校生「明日の朝、お料理手伝ってもらってもいい?」
転校生母「男くん?」
転校生「…うん」
転校生母「いいわよ」
転校生「やった。ありがとう」
転校生母「でも、もうおちんちん触るのはダメよ?そういうのはちゃんと好き合ってからにしなさいね?」
転校生「う…わかってるよ…それくらい」
転校生母「まぁ、ダイジョブだと思ってるからあんまり心配はしてないけどね…だから、私の信頼を裏切らないでよ?」
転校生「はぁい」
転校生母「よろしい。じゃあ寝ましょうか」
転校生「うん…おやすみ。お母さん」
転校生母「おやすみ、転校生」
転校生「お母さーん、電気消すよー?」
転校生母「いいわよー」
ポチッ
転校生「ね、お母さん」
転校生母「なあに?」
転校生「明日の朝、お料理手伝ってもらってもいい?」
転校生母「男くん?」
転校生「…うん」
転校生母「いいわよ」
転校生「やった。ありがとう」
転校生母「でも、もうおちんちん触るのはダメよ?そういうのはちゃんと好き合ってからにしなさいね?」
転校生「う…わかってるよ…それくらい」
転校生母「まぁ、ダイジョブだと思ってるからあんまり心配はしてないけどね…だから、私の信頼を裏切らないでよ?」
転校生「はぁい」
転校生母「よろしい。じゃあ寝ましょうか」
転校生「うん…おやすみ。お母さん」
転校生母「おやすみ、転校生」
90: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:13:57.25 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「…どう?」
男「ああ。美味いよ。…ありがとな」モグモグ
転校生「どういたしまして」
男「自分で作ったのか?」モグモグ
転校生「うん…ちょっとだけお母さんに手伝ってもらちゃった…」
男「そうか…」
転校生「うん…」
男「正直、ここんとこマトモに食ってなかったから助かる」モグモグ
転校生「病気なんだから、ちゃんと食べなきゃダメだよ?」
男「そうだな…」モグモグ
転校生「…どう?」
男「ああ。美味いよ。…ありがとな」モグモグ
転校生「どういたしまして」
男「自分で作ったのか?」モグモグ
転校生「うん…ちょっとだけお母さんに手伝ってもらちゃった…」
男「そうか…」
転校生「うん…」
男「正直、ここんとこマトモに食ってなかったから助かる」モグモグ
転校生「病気なんだから、ちゃんと食べなきゃダメだよ?」
男「そうだな…」モグモグ
91: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:14:47.00 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…来週は、学校これそう?」
男「多分、大丈夫だろ。熱も下がったし…」
転校生「そっか…」カキカキ
男「ああ。それに、期末落とすとマジで留年しかねないからな」
転校生「…そうだね」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…来週は、学校これそう?」
男「多分、大丈夫だろ。熱も下がったし…」
転校生「そっか…」カキカキ
男「ああ。それに、期末落とすとマジで留年しかねないからな」
転校生「…そうだね」カキカキ
92: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:15:55.85 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…じゃあ、そろそろ帰るね」
男「ああ…悪いな夕飯まで…」
転校生「ううん…どうせ家に帰っても一人で食べるし…」
男「そうだな…」
転校生「うん…」
男「…」
転校生「…これね、今日書いてたノート。3教科分しか出来なかったけど、今回の期末の要点まとめておいてあるから、使って?」
男「え…これ、わざわざ俺の為に?」
転校生「自分の復習にもなるし…それに、やっぱり男くんにもちゃんと勉強してもらいたいもん…」
男「…マジかよ…なんかホント悪いな…何から何まで…」
転校生「いいの。私が好きでやってることなんだから」
男「マジで助かるよ…ありがと」
転校生「…そんなにたいしたものじゃないから期待しないでね?」
男「いや…でも…」
転校生「ホントに気にしなくていいから!はい!…じゃあ、帰るね」
男「あ…」
転校生「ん?」
男「…明日も来てくれないか?」
転校生「…え?」
男「なんていうか…正直、熱出て、一人で寝てて…参ってたんだ…恥ずかしいけど…寂しかった…」
転校生「…」
男「…だから、お前が来てくれたとき、すげえ嬉しかった…今日も…」
転校生「…」
男「図々しいのは分ってる…けど、迷惑じゃなかったら…明日も来てほしい…」
転校生「…初めてだよね。男くんが自分から何か言うのって」
男「…そうだったか?」
転校生「そうだよ。だからびっくりした」
男「…」
転校生「男くん、何考えてんだか全然分かんないんだもん…」
男「…嫌か?」
転校生「ううん、嬉しい。」ニコッ
男「…よく分らんのはお前も一緒だよ」
転校生「そうかな?私ってけっこうすぐ思ったことそのまま言っちゃうタイプだと思うけど…」
男「だからこそ、訳わかんねぇんだよ」
転校生「あはは、それちょっと酷いよ。なんか私が変な人みたい」
男「変なのは事実だろ?」
転校生「ホント男くんって酷いよね。女の子にモテなさそう」
男「お前も大概酷いやつだと思うけどな」
転校生「…似てるかもね、私たち」
男「…いや、それはないな」
転校生「そう?」
男「…ああ。俺はお前ほど、立派じゃねえよ」
転校生「…じゃあ、そろそろ帰るね」
男「ああ…悪いな夕飯まで…」
転校生「ううん…どうせ家に帰っても一人で食べるし…」
男「そうだな…」
転校生「うん…」
男「…」
転校生「…これね、今日書いてたノート。3教科分しか出来なかったけど、今回の期末の要点まとめておいてあるから、使って?」
男「え…これ、わざわざ俺の為に?」
転校生「自分の復習にもなるし…それに、やっぱり男くんにもちゃんと勉強してもらいたいもん…」
男「…マジかよ…なんかホント悪いな…何から何まで…」
転校生「いいの。私が好きでやってることなんだから」
男「マジで助かるよ…ありがと」
転校生「…そんなにたいしたものじゃないから期待しないでね?」
男「いや…でも…」
転校生「ホントに気にしなくていいから!はい!…じゃあ、帰るね」
男「あ…」
転校生「ん?」
男「…明日も来てくれないか?」
転校生「…え?」
男「なんていうか…正直、熱出て、一人で寝てて…参ってたんだ…恥ずかしいけど…寂しかった…」
転校生「…」
男「…だから、お前が来てくれたとき、すげえ嬉しかった…今日も…」
転校生「…」
男「図々しいのは分ってる…けど、迷惑じゃなかったら…明日も来てほしい…」
転校生「…初めてだよね。男くんが自分から何か言うのって」
男「…そうだったか?」
転校生「そうだよ。だからびっくりした」
男「…」
転校生「男くん、何考えてんだか全然分かんないんだもん…」
男「…嫌か?」
転校生「ううん、嬉しい。」ニコッ
男「…よく分らんのはお前も一緒だよ」
転校生「そうかな?私ってけっこうすぐ思ったことそのまま言っちゃうタイプだと思うけど…」
男「だからこそ、訳わかんねぇんだよ」
転校生「あはは、それちょっと酷いよ。なんか私が変な人みたい」
男「変なのは事実だろ?」
転校生「ホント男くんって酷いよね。女の子にモテなさそう」
男「お前も大概酷いやつだと思うけどな」
転校生「…似てるかもね、私たち」
男「…いや、それはないな」
転校生「そう?」
男「…ああ。俺はお前ほど、立派じゃねえよ」
93: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:16:52.30 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「ただいま…」
転校生(…男くんがあんな風に言ってくれるなんてなぁ…)
転校生(私を振ったこと、どう思ってるんだろ…)
転校生(なんて、怖くて聞けないよね…)
転校生(今日のも…別に私じゃなくても良かったんだよね…)
転校生(明日、女さん呼んであげたら、男くん、喜ぶかな?)
転校生(…ってまた私は女さんのこと…男くんはなんともないって言ってるのに…信じなきゃ)
転校生「…」
転校生(じゃあ、なんで、女さんのこと呼びながらシコシコしてたの?男くん…分らないよ…)
転校生「ただいま…」
転校生(…男くんがあんな風に言ってくれるなんてなぁ…)
転校生(私を振ったこと、どう思ってるんだろ…)
転校生(なんて、怖くて聞けないよね…)
転校生(今日のも…別に私じゃなくても良かったんだよね…)
転校生(明日、女さん呼んであげたら、男くん、喜ぶかな?)
転校生(…ってまた私は女さんのこと…男くんはなんともないって言ってるのに…信じなきゃ)
転校生「…」
転校生(じゃあ、なんで、女さんのこと呼びながらシコシコしてたの?男くん…分らないよ…)
94: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:17:31.79 ID:Grqn/7DQo
×××
プルルルルルル…
男「…どうした?」
転校生「あ、男くん…寝てた?」
男「いや…風呂上がったとこ」
転校生「そっか…私は今、お風呂中」
男「…」
転校生「あっ!想像した?」
男「してねえよ!よく風呂場に携帯持ち込めるなって思っただけ」
転校生「ホントにぃ?アヤシイなぁ」
男「してねえっつってんだろ。いたずら電話なら切るぞ」
転校生「違うわよ…ちょっと思ったんだけど…」
男「なんだよ」
転校生「…」
男「?どうしたんだよ?」
転校生「…ううん、やっぱりいい」
男「はぁ?」
転校生「なんでもないの。ごめんね、もう切るね。バイバイ」
男「…お、おう…」
転校生「…」ピッ
転校生「…」
転校生「なにやってんだろ…私…」
プルルルルルル…
男「…どうした?」
転校生「あ、男くん…寝てた?」
男「いや…風呂上がったとこ」
転校生「そっか…私は今、お風呂中」
男「…」
転校生「あっ!想像した?」
男「してねえよ!よく風呂場に携帯持ち込めるなって思っただけ」
転校生「ホントにぃ?アヤシイなぁ」
男「してねえっつってんだろ。いたずら電話なら切るぞ」
転校生「違うわよ…ちょっと思ったんだけど…」
男「なんだよ」
転校生「…」
男「?どうしたんだよ?」
転校生「…ううん、やっぱりいい」
男「はぁ?」
転校生「なんでもないの。ごめんね、もう切るね。バイバイ」
男「…お、おう…」
転校生「…」ピッ
転校生「…」
転校生「なにやってんだろ…私…」
95: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:18:15.81 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…どこか分らない?」
男「…ここ」
転校生「これはね……」
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…」カキカキ
男「…」
転校生「…どこか分らない?」
男「…ここ」
転校生「これはね……」
96: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:18:56.86 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「今日はお弁当いっぱい作ってきたよ」
男「…悪いな」
転校生「今回のはね、私一人でつくりました!!」
男「…ほぉ…」
転校生「まあ、おにぎりと…簡単なおかずしかないんだけどね」
男「いや…ありがとう」ニコッ
転校生「…!」(///)
男「?どうした?」
転校生「な、なんでもない!…なんか男くんから素直にお礼言われるとか、ちょっと不気味かも…」
男「ああ…ありゃ、照れ隠しだからな」
転校生「…何が?」
男「いや、なんでもない。それより、食ってもいいか?」
転校生「うん…どうぞ」
男「…いただきます」モグモグ
転校生「いただきます…」モグモグ
転校生「今日はお弁当いっぱい作ってきたよ」
男「…悪いな」
転校生「今回のはね、私一人でつくりました!!」
男「…ほぉ…」
転校生「まあ、おにぎりと…簡単なおかずしかないんだけどね」
男「いや…ありがとう」ニコッ
転校生「…!」(///)
男「?どうした?」
転校生「な、なんでもない!…なんか男くんから素直にお礼言われるとか、ちょっと不気味かも…」
男「ああ…ありゃ、照れ隠しだからな」
転校生「…何が?」
男「いや、なんでもない。それより、食ってもいいか?」
転校生「うん…どうぞ」
男「…いただきます」モグモグ
転校生「いただきます…」モグモグ
97: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:20:10.25 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」
男「…」カキカキ
転校生「…今日も暑いね」
男「そうだな」カキカキ
転校生「…お昼、そうめんでもよかったね」
男「そうかもな」カキカキ
転校生「期末終わったら、すぐ夏休みだね」
男「そうだな」カキカキ
転校生「男くん、夏休み何するの?」
男「…バイト」カキカキ
転校生「…そっか…何のバイトするの?」
男「まだ決まってない…っしゃ!終わった!!」
転校生「お疲れ様。じゃあ、答え合わせしようか」
男「だいたいお前、終わんの早過ぎるんだよ…」
転校生「男くんが遅すぎるんだよ。ホント、ずっと勉強サボってたんだね…」
男「…うるせえ…」
転校生「じゃぁ、お互いのを採点し合おうか」
男「…え゜?」
転校生「男くんがどれだけできたか、見てあげる」
男「マジか…」
転校生「マジ」
男「…お手柔らかに…」スッ
転校生「採点にお手柔らかにとか言われてもね…」
転校生「…」
男「…」カキカキ
転校生「…今日も暑いね」
男「そうだな」カキカキ
転校生「…お昼、そうめんでもよかったね」
男「そうかもな」カキカキ
転校生「期末終わったら、すぐ夏休みだね」
男「そうだな」カキカキ
転校生「男くん、夏休み何するの?」
男「…バイト」カキカキ
転校生「…そっか…何のバイトするの?」
男「まだ決まってない…っしゃ!終わった!!」
転校生「お疲れ様。じゃあ、答え合わせしようか」
男「だいたいお前、終わんの早過ぎるんだよ…」
転校生「男くんが遅すぎるんだよ。ホント、ずっと勉強サボってたんだね…」
男「…うるせえ…」
転校生「じゃぁ、お互いのを採点し合おうか」
男「…え゜?」
転校生「男くんがどれだけできたか、見てあげる」
男「マジか…」
転校生「マジ」
男「…お手柔らかに…」スッ
転校生「採点にお手柔らかにとか言われてもね…」
98: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:21:05.23 ID:Grqn/7DQo
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」マルッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…男くん、間違いばっか」バツッ
男「お前が異常なだけだろ」マルッ
転校生「いや、これはどう見ても男くんに問題ありでしょ」バツッ
男「…お!お前の間違い発見!!」バツッ
転校生「…そんなので喜ばないでよ…」バツッ
男「…うるせえ。こうも正解ばっかだとなんかむかつくんだよ」マルッ
転校生「人の努力をなんだと…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…ねぇ」バツッ
男「…なんだよ」マルッ
転校生「もうすぐ夏休みだね」バツッ
男「それ、さっきも言ってただろ」マルッ
転校生「夏休み入ったらさ、すぐに夏祭りがあるでしょ」バツッ
男「…」
男「…そうだな」マルッ
転校生「…男くんは、誰かと行くの?」
男「高校生にもなって、んなもん行くかよ」マルッ
転校生「そう?でもお兄ちゃんと女さんは行くって言ってたよ?」バツッ
男「…」マルッ
転校生「男くん…私と行かない?」
男「…あ、間違えてる」バツッ
転校生「いちいち言わなくていいの!…ね、ダメ?…嫌?」
男「…いいから、採点続けろよ」マルッ
転校生「うぅー…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…嫌なんだ」バツッ
男「…お前とがどうこうって訳じゃねえよ」
転校生「・・・」
男「…」
転校生「…」
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」マルッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…男くん、間違いばっか」バツッ
男「お前が異常なだけだろ」マルッ
転校生「いや、これはどう見ても男くんに問題ありでしょ」バツッ
男「…お!お前の間違い発見!!」バツッ
転校生「…そんなので喜ばないでよ…」バツッ
男「…うるせえ。こうも正解ばっかだとなんかむかつくんだよ」マルッ
転校生「人の努力をなんだと…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…ねぇ」バツッ
男「…なんだよ」マルッ
転校生「もうすぐ夏休みだね」バツッ
男「それ、さっきも言ってただろ」マルッ
転校生「夏休み入ったらさ、すぐに夏祭りがあるでしょ」バツッ
男「…」
男「…そうだな」マルッ
転校生「…男くんは、誰かと行くの?」
男「高校生にもなって、んなもん行くかよ」マルッ
転校生「そう?でもお兄ちゃんと女さんは行くって言ってたよ?」バツッ
男「…」マルッ
転校生「男くん…私と行かない?」
男「…あ、間違えてる」バツッ
転校生「いちいち言わなくていいの!…ね、ダメ?…嫌?」
男「…いいから、採点続けろよ」マルッ
転校生「うぅー…」バツッ
男「…」マルッ
転校生「…嫌なんだ」バツッ
男「…お前とがどうこうって訳じゃねえよ」
転校生「・・・」
男「…」
転校生「…」
99: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:22:22.72 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「ふー。疲れた」バタッ
男「行儀悪いな」
転校生「別にいいじゃん」
男「今日はもう終わりにするか?」
転校生「…そうだね。もう時間も遅いし」
男「夕飯は?」
転校生「男くんはどうするの?」
男「お前がこのまま帰るんだったら送ってくついでに外で済ませるかな…」
転校生「へぇー。送ってってくれるんだ…優しいね」
男「…別に、いつものことだろ」
転校生「あ、今、照れた?」
男「照れてねえよ」
転校生「顔赤いよ?」
男「…もうお前、一人で帰れ」
転校生「ふー。疲れた」バタッ
男「行儀悪いな」
転校生「別にいいじゃん」
男「今日はもう終わりにするか?」
転校生「…そうだね。もう時間も遅いし」
男「夕飯は?」
転校生「男くんはどうするの?」
男「お前がこのまま帰るんだったら送ってくついでに外で済ませるかな…」
転校生「へぇー。送ってってくれるんだ…優しいね」
男「…別に、いつものことだろ」
転校生「あ、今、照れた?」
男「照れてねえよ」
転校生「顔赤いよ?」
男「…もうお前、一人で帰れ」
100: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:23:13.97 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「ありがとね…夕飯まで奢ってもらちゃって…」
男「土日は世話になりっぱなしだったかんな…これぐらい安いもんだ」
転校生「体調はもう平気なの?」
男「完全復活って訳でもないけどな…まあ、明日からは学校行けるくらいには平気」
転校生「だったら私も世話した甲斐あったよ」
男「ああ…さんきゅな」
転校生「どういたしまして」
男「…お母さんはまだ帰ってないのか?」
転校生「うん…多分…少し上がってく?」
男「いや、今日はもう帰るよ。少しでも勉強しときたいし」
転校生「まだ病み上がりなんだから、あんまり無理しちゃダメだよ?」
男「分ってる。日付変わる前には寝るよ」
転校生「うん…じゃあ、また明日ね」
男「ああ。おやすみ」
転校生「おやすみなさい…」
転校生「ありがとね…夕飯まで奢ってもらちゃって…」
男「土日は世話になりっぱなしだったかんな…これぐらい安いもんだ」
転校生「体調はもう平気なの?」
男「完全復活って訳でもないけどな…まあ、明日からは学校行けるくらいには平気」
転校生「だったら私も世話した甲斐あったよ」
男「ああ…さんきゅな」
転校生「どういたしまして」
男「…お母さんはまだ帰ってないのか?」
転校生「うん…多分…少し上がってく?」
男「いや、今日はもう帰るよ。少しでも勉強しときたいし」
転校生「まだ病み上がりなんだから、あんまり無理しちゃダメだよ?」
男「分ってる。日付変わる前には寝るよ」
転校生「うん…じゃあ、また明日ね」
男「ああ。おやすみ」
転校生「おやすみなさい…」
101: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:30:28.50 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」カキカキ
転校生(ホントは男くん、私のことどう思ってるんだろう…)カキカキ
転校生(嫌われてはない…よね…多分…)カキカキ
転校生(なんかこうやってると振られたこと、忘れちゃいそう…)
転校生(今、もう一回告白したら、今度は付き合ってくれないかなぁ…)
転校生(なんて…そんなことないよね…)カキカキ
転校生(でも、こんな中途半端なままじゃいられないよ…)
転校生「男くん…」
転校生「…」カキカキ
転校生(ホントは男くん、私のことどう思ってるんだろう…)カキカキ
転校生(嫌われてはない…よね…多分…)カキカキ
転校生(なんかこうやってると振られたこと、忘れちゃいそう…)
転校生(今、もう一回告白したら、今度は付き合ってくれないかなぁ…)
転校生(なんて…そんなことないよね…)カキカキ
転校生(でも、こんな中途半端なままじゃいられないよ…)
転校生「男くん…」
102: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:30:54.75 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生(お母さん、今日は遅いな…)
転校生(明日はテストだし、私も今日はもう寝よう…)
ポチッ
転校生「おやすみなさい…」
転校生(お母さん、今日は遅いな…)
転校生(明日はテストだし、私も今日はもう寝よう…)
ポチッ
転校生「おやすみなさい…」
103: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:31:30.97 ID:Grqn/7DQo
2組教室
教師「では、開始」
転校生「…」ペラッ
転校生「…」カリカリカリ
転校生「…」カリカリカリ
転校生(男くんとやったところばっかだ…)カリカリカリ
転校生「…」カリカリカリ
転校生(これなら、男くんもちゃんとできてる…よね…)カリカリカリ
×××
教師「では今日はこれで終了です。明日に備えて速やかに帰宅するように」
教師「では、開始」
転校生「…」ペラッ
転校生「…」カリカリカリ
転校生「…」カリカリカリ
転校生(男くんとやったところばっかだ…)カリカリカリ
転校生「…」カリカリカリ
転校生(これなら、男くんもちゃんとできてる…よね…)カリカリカリ
×××
教師「では今日はこれで終了です。明日に備えて速やかに帰宅するように」
104: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:32:06.49 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…今日のテスト、どうだった?」カキカキ
男「…びっくりするくらいできた」カキカキ
転校生「一緒にやったとこ、けっこう出てたよね」カキカキ
男「そうだな…」カキカキ
転校生「明日もそうだといいね…」カキカキ
男「ああ…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
男「…」カキカキ
転校生「…今日のテスト、どうだった?」カキカキ
男「…びっくりするくらいできた」カキカキ
転校生「一緒にやったとこ、けっこう出てたよね」カキカキ
男「そうだな…」カキカキ
転校生「明日もそうだといいね…」カキカキ
男「ああ…」カキカキ
105: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:32:41.17 ID:Grqn/7DQo
帰り道(>>0�
転校生「ねぇ、見て…」
男「ん?」
転校生「天の川…キレイ…」
男「ああ…」
転校生「…男くん、全然興味なさそう」
男「…いや…」
プルルルルルルル…
男「電話だ…」ゴソゴソ
転校生「誰から?」
男「…」
転校生「…男くん?」
男「…いや、なんでもない」ピッ
転校生「?」
男「いいからいこうぜ」
転校生「ねぇ、見て…」
男「ん?」
転校生「天の川…キレイ…」
男「ああ…」
転校生「…男くん、全然興味なさそう」
男「…いや…」
プルルルルルルル…
男「電話だ…」ゴソゴソ
転校生「誰から?」
男「…」
転校生「…男くん?」
男「…いや、なんでもない」ピッ
転校生「?」
男「いいからいこうぜ」
106: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:34:24.29 ID:Grqn/7DQo
転校生宅 前
転校生「いつもいつもありがとね…」
男「いや、俺もお前に世話になりっぱなしだからな」
転校生「そうだね。男くん、もう私居ないと生活出来ないんじゃない?」ニヤニヤ
男「ははは。遠まわしに告白のリベンジしてる?」
転校生「うっ…」(///)
男「悪い…意地悪だったな…」
転校生「…」
男「…帰るわ」
転校生「…好きだよ」
男「…」
転校生「私、男くんが好き。男くんと女さんの間に何があったかは知らないけど、それでも好き」
男「…」
転校生「おやすみ…また、明日ね…」
転校生「いつもいつもありがとね…」
男「いや、俺もお前に世話になりっぱなしだからな」
転校生「そうだね。男くん、もう私居ないと生活出来ないんじゃない?」ニヤニヤ
男「ははは。遠まわしに告白のリベンジしてる?」
転校生「うっ…」(///)
男「悪い…意地悪だったな…」
転校生「…」
男「…帰るわ」
転校生「…好きだよ」
男「…」
転校生「私、男くんが好き。男くんと女さんの間に何があったかは知らないけど、それでも好き」
男「…」
転校生「おやすみ…また、明日ね…」
107: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:35:05.27 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「ただいま…」
転校生「はぁ…」
転校生(何言ってんだろ…私…)
転校生(振られたばっかなのに…)
転校生「…お風呂入ろ」
×××
転校生「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
転校生「…」カキ…
転校生「…」
転校生「男くん…」
転校生「ただいま…」
転校生「はぁ…」
転校生(何言ってんだろ…私…)
転校生(振られたばっかなのに…)
転校生「…お風呂入ろ」
×××
転校生「…」カキカキ
転校生「…」カキカキ
転校生「…」カキ…
転校生「…」
転校生「男くん…」
108: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:36:54.19 ID:Grqn/7DQo
学校
教師「今日の試験はこれにて終了です。最終日の明日に備えて、しっかりと勉強しておいてください」
×××
転校生(男くん、まだ教室にいるかな?)
転校生(あ…)
女「あ…転校生さん…」
転校生「こんにちは」
女「男くん?」
転校生「うん…いる?」
女「うんん…今日はもう帰っちゃったみたい…」
転校生「…そっか…ありがと…」
女「あの…」
転校生「ん?」
女「…」
転校生「・・・」
女「…ごめん、なんでもない…」
転校生「…」
女「…」
転校生「…女さんは知ってるの?男くんのこと…」
女「…」
転校生「…そっか」
女「…夏祭りに…」
転校生「え!?」
女「…夏祭りに…来て…男くんと…」
転校生「…どうして?」
女「…それがきっと大事なことだと思うから…男くんにとって…」
転校生「…」
女「ごめんね…変なこと言ったね私…帰るね…」タッタッタ…
転校生「…」
教師「今日の試験はこれにて終了です。最終日の明日に備えて、しっかりと勉強しておいてください」
×××
転校生(男くん、まだ教室にいるかな?)
転校生(あ…)
女「あ…転校生さん…」
転校生「こんにちは」
女「男くん?」
転校生「うん…いる?」
女「うんん…今日はもう帰っちゃったみたい…」
転校生「…そっか…ありがと…」
女「あの…」
転校生「ん?」
女「…」
転校生「・・・」
女「…ごめん、なんでもない…」
転校生「…」
女「…」
転校生「…女さんは知ってるの?男くんのこと…」
女「…」
転校生「…そっか」
女「…夏祭りに…」
転校生「え!?」
女「…夏祭りに…来て…男くんと…」
転校生「…どうして?」
女「…それがきっと大事なことだと思うから…男くんにとって…」
転校生「…」
女「ごめんね…変なこと言ったね私…帰るね…」タッタッタ…
転校生「…」
109: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:37:31.35 ID:Grqn/7DQo
男宅
転校生「…」コンコン
転校生「男くーん?」コンコン
転校生(いないのかな?)ピピピ…
ケイタイ「留守番電話サービスセンターに……」
転校生「…」ピッ
転校生「…」
転校生「…」コンコン
転校生「男くーん?」コンコン
転校生(いないのかな?)ピピピ…
ケイタイ「留守番電話サービスセンターに……」
転校生「…」ピッ
転校生「…」
110: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:38:22.38 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…帰ろうかな…」
男「…どうして」
転校生「男くん!」
男「…」
転校生「…帰ろうかな…」
男「…どうして」
転校生「男くん!」
男「…」
111: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:38:54.71 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「今日は勉強しないの?」
男「…」
転校生「明日もテストあるよ?」
男「…」
転校生「ご飯食べる?…外行こうか?」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…帰った方がいいかな…私…」
男「…勉強、教えてくれないか?」
転校生「…うん…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「今日は勉強しないの?」
男「…」
転校生「明日もテストあるよ?」
男「…」
転校生「ご飯食べる?…外行こうか?」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…帰った方がいいかな…私…」
男「…勉強、教えてくれないか?」
転校生「…うん…」
112: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:39:42.69 ID:Grqn/7DQo
帰り道(>>0�
転校生「…」
男「…飯、一緒に食わねえか?俺出すよ」
転校生「うん…でも、私も払うからダイジョブだよ…」
男「そっか…何食べたい?」
転校生「なんでもいいかなぁ…男くんは食べたいものないの?」
男「…ファミレスでいいか?」
転校生「うん…」
転校生「…」
男「…飯、一緒に食わねえか?俺出すよ」
転校生「うん…でも、私も払うからダイジョブだよ…」
男「そっか…何食べたい?」
転校生「なんでもいいかなぁ…男くんは食べたいものないの?」
男「…ファミレスでいいか?」
転校生「うん…」
113: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:40:27.89 ID:Grqn/7DQo
商店街 ファミレス
転校生「いただきます」
男「…」
転校生「…」モグモグ
男「…」
転校生「…」モグモグ
男「…」
転校生「…男くん?食べないの?」
男「…食欲ないんだ」
転校生「え?」
男「なんか、食う気しない…」
転校生「…どうしたの?また体調悪くなった?」
男「…」
転校生「…男くん?」
男「…なんか、ダメだな…俺…」
転校生「?何がダメなの?」
男「…ありがとな…」
転校生「…??どうしたの?なんか変だよ?」
男「…」
転校生「…」
男「…明日で、テスト終わりだな」
転校生「…そうだね」
男「学校終わったら、午後どっか遊びに行かないか?」
転校生「…私と?いいの?」
男「…ダメか?」
転校生「うんん…私は嬉しいけど…」
男「そうか…なら行こうぜ。どこか行きたいとこあるか?」
転校生「うーん…どうしよう…」
男「俺も考えとくから、お前も明日の昼までに何か考えといてよ」
転校生「うん。分かった」
男「ああ…」
転校生「びっくりしちゃった…男くんがこういうの誘ってくれるなんて…」
男「…」
転校生「…これって、デートだよね?」
男「…」
転校生「いただきます」
男「…」
転校生「…」モグモグ
男「…」
転校生「…」モグモグ
男「…」
転校生「…男くん?食べないの?」
男「…食欲ないんだ」
転校生「え?」
男「なんか、食う気しない…」
転校生「…どうしたの?また体調悪くなった?」
男「…」
転校生「…男くん?」
男「…なんか、ダメだな…俺…」
転校生「?何がダメなの?」
男「…ありがとな…」
転校生「…??どうしたの?なんか変だよ?」
男「…」
転校生「…」
男「…明日で、テスト終わりだな」
転校生「…そうだね」
男「学校終わったら、午後どっか遊びに行かないか?」
転校生「…私と?いいの?」
男「…ダメか?」
転校生「うんん…私は嬉しいけど…」
男「そうか…なら行こうぜ。どこか行きたいとこあるか?」
転校生「うーん…どうしよう…」
男「俺も考えとくから、お前も明日の昼までに何か考えといてよ」
転校生「うん。分かった」
男「ああ…」
転校生「びっくりしちゃった…男くんがこういうの誘ってくれるなんて…」
男「…」
転校生「…これって、デートだよね?」
男「…」
114: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:41:28.64 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
男「じゃあ、帰るな」
転校生「うん…ありがと…気をつけてね」
男「…」クルッ
転校生「男くん…」
男「ん?」
転校生「…明日、楽しみにしてるね」
男「…ああ」
男「じゃあ、帰るな」
転校生「うん…ありがと…気をつけてね」
男「…」クルッ
転校生「男くん…」
男「ん?」
転校生「…明日、楽しみにしてるね」
男「…ああ」
115: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:41:54.25 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生(びっくりしちゃった…男くんがあんな風に誘ってくれるなんて…)カキカキ
転校生(…でも私、振られたんだよね…男くんは何考えてるんだろう?)カキカキ
転校生(嬉しいけど…私って尻軽なのかのなぁ…)カキ…
転校生「…」
転校生「…寝よう」
転校生(びっくりしちゃった…男くんがあんな風に誘ってくれるなんて…)カキカキ
転校生(…でも私、振られたんだよね…男くんは何考えてるんだろう?)カキカキ
転校生(嬉しいけど…私って尻軽なのかのなぁ…)カキ…
転校生「…」
転校生「…寝よう」
116: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:42:29.46 ID:Grqn/7DQo
学校
教師「ではここまで。3日間お疲れ様でした」
校門
転校生「男くん!」
男「ああ…お疲れ」
転校生「ごめんね…待った?」
男「別に。どこ行くか決めた?」
転校生「うーん…とりあえず、ご飯食べに行かない?」
男「そうだな」
教師「ではここまで。3日間お疲れ様でした」
校門
転校生「男くん!」
男「ああ…お疲れ」
転校生「ごめんね…待った?」
男「別に。どこ行くか決めた?」
転校生「うーん…とりあえず、ご飯食べに行かない?」
男「そうだな」
117: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 10:43:15.43 ID:Grqn/7DQo
商店街 ファミレス
男「…どうすっか」
転校生「何が?」
男「これから。せっかく時間あるんだし、久々にちょっと遠出してみたい気分なんだよな」
転校生「…私、こうして男くんと一緒にご飯食べてるだけでも楽しいよ?」
男「…お前なぁ…そういうの言ってて恥ずかしくならんのか?」
転校生「…恥ずかしい」
男「ならいちいち言うな。俺の方も恥ずかしいんだから…」
転校生「…だって、わかんないんだもん…」
男「何が?」
転校生「男くん、私のこと振っておいて、デート誘ってくるし…前より優しいし…」
男「…」
転校生「…ねえ、ホントは私のことどう思ってるの?」
男「…嫌だったか?」
転校生「嫌な訳ない。嬉しいよ。…でも、わからないから知りたい。男くんが思ってること」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「私、行きたいところあるよ」
男「…どうすっか」
転校生「何が?」
男「これから。せっかく時間あるんだし、久々にちょっと遠出してみたい気分なんだよな」
転校生「…私、こうして男くんと一緒にご飯食べてるだけでも楽しいよ?」
男「…お前なぁ…そういうの言ってて恥ずかしくならんのか?」
転校生「…恥ずかしい」
男「ならいちいち言うな。俺の方も恥ずかしいんだから…」
転校生「…だって、わかんないんだもん…」
男「何が?」
転校生「男くん、私のこと振っておいて、デート誘ってくるし…前より優しいし…」
男「…」
転校生「…ねえ、ホントは私のことどう思ってるの?」
男「…嫌だったか?」
転校生「嫌な訳ない。嬉しいよ。…でも、わからないから知りたい。男くんが思ってること」
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「私、行きたいところあるよ」
118: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:03:57.13 ID:Grqn/7DQo
夏祭り 会場
男「…どうして」
転校生「…」
男「帰る」スタスタスタ
転校生「待って!」
男「…お前、何考えてんだ?知ってたのか?」
転校生「…知らないよ。何にも知らない。ただ、女さんが連れてきてって…お祭りは明日だけど…」
男「…あの女か」
転校生「怒ったなら、ごめんなさい。でも、男くんのこと知りたい。どうしてここに連れてくるのが大事なのかも男くんが嫌がる理由も…私、本当に何にも知らないから」
男「…」
転校生「…男くんが…どうして女さんを気にするのかも…」
男「…やっぱ帰るわ」スタスタスタ
転校生「男くんっ!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「男くん!!私、明日もここに居るから!!男くんのこと待ってるから!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「きてね!!ゼッタイにきてね!!待ってるから!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「…うぅっ」ジワッ
男「…どうして」
転校生「…」
男「帰る」スタスタスタ
転校生「待って!」
男「…お前、何考えてんだ?知ってたのか?」
転校生「…知らないよ。何にも知らない。ただ、女さんが連れてきてって…お祭りは明日だけど…」
男「…あの女か」
転校生「怒ったなら、ごめんなさい。でも、男くんのこと知りたい。どうしてここに連れてくるのが大事なのかも男くんが嫌がる理由も…私、本当に何にも知らないから」
男「…」
転校生「…男くんが…どうして女さんを気にするのかも…」
男「…やっぱ帰るわ」スタスタスタ
転校生「男くんっ!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「男くん!!私、明日もここに居るから!!男くんのこと待ってるから!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「きてね!!ゼッタイにきてね!!待ってるから!!」
男「…」スタスタスタ
転校生「…うぅっ」ジワッ
119: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:06:09.92 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」グズッ
転校生(…帰ろう)
転校生(嫌われちゃったよね…きっと…)トボトボ
転校生「…ん?」
転校生(…お財布だ)キョロキョロ
転校生「…あ」
転校生「すみません」
A「はい?」
転校生「あの…財布、落としませんでしたか?」
B「ああ…私のだわ。ありがとうございます」
転校生「あ…いえ…」
B「…その制服…」
転校生「…はい?」
B「家の子と同じ高校の制服だわ…」
A「…そうか?」
B「間違いないわよ。校章もほら…同じじゃない」
A「…よく分からんな。そうだったけか」
B「そうよ。もう、昨日見たじゃない」
A「そうだったかなぁ…」
転校生「…あの」
B「ああ、ごめんなさいね。うちの子、男の子なんだけど、あなたと同じ高校なのよ。2年生の男っていうんだけど、知らない?」
A「おい…」
B「あら、いいじゃないの別に」
転校生「え…男くん…の?」
B「…知ってるの?男のこと」
転校生「はい…あの、男くんのお父さんとお母さんですか?」
男母「ええ、そうよ。男の…お友達かしら?」
転校生「あ…はい…」
男母「あらびっくり。女ちゃん以外で女の子の友達がいたなんて…しかも可愛い子よ。ねえ?」
男父「…男が今どこにいるか知らないか?」
転校生「…え?」
男母「実は今日、会う約束をしてたのよね…あ、私たちが別々に暮らしてるのは知ってる?」
転校生「はい…」
男母「それなのに、男ったら電話にも出ないし、部屋にも居ないもんだから困ちゃって…」
転校生「そうだったんですか…」
男母「それでもしかしたら、ここに来てるんじゃないかと思って…」
転校生「あの…」
男母「どうしたの?」
転校生「教えてくれませんか?男くんのこと…」
転校生「…」グズッ
転校生(…帰ろう)
転校生(嫌われちゃったよね…きっと…)トボトボ
転校生「…ん?」
転校生(…お財布だ)キョロキョロ
転校生「…あ」
転校生「すみません」
A「はい?」
転校生「あの…財布、落としませんでしたか?」
B「ああ…私のだわ。ありがとうございます」
転校生「あ…いえ…」
B「…その制服…」
転校生「…はい?」
B「家の子と同じ高校の制服だわ…」
A「…そうか?」
B「間違いないわよ。校章もほら…同じじゃない」
A「…よく分からんな。そうだったけか」
B「そうよ。もう、昨日見たじゃない」
A「そうだったかなぁ…」
転校生「…あの」
B「ああ、ごめんなさいね。うちの子、男の子なんだけど、あなたと同じ高校なのよ。2年生の男っていうんだけど、知らない?」
A「おい…」
B「あら、いいじゃないの別に」
転校生「え…男くん…の?」
B「…知ってるの?男のこと」
転校生「はい…あの、男くんのお父さんとお母さんですか?」
男母「ええ、そうよ。男の…お友達かしら?」
転校生「あ…はい…」
男母「あらびっくり。女ちゃん以外で女の子の友達がいたなんて…しかも可愛い子よ。ねえ?」
男父「…男が今どこにいるか知らないか?」
転校生「…え?」
男母「実は今日、会う約束をしてたのよね…あ、私たちが別々に暮らしてるのは知ってる?」
転校生「はい…」
男母「それなのに、男ったら電話にも出ないし、部屋にも居ないもんだから困ちゃって…」
転校生「そうだったんですか…」
男母「それでもしかしたら、ここに来てるんじゃないかと思って…」
転校生「あの…」
男母「どうしたの?」
転校生「教えてくれませんか?男くんのこと…」
120: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:06:41.29 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「…ただいま」
転校生母「おかえり」
転校生「お母さん…今日は早いんだね」
転校生母「うん、夜の方の仕事はお休みだったの」
転校生「そっか…ご飯作ってるの?」
転校生母「ええ」
転校生「手伝うよ…」
転校生「…ただいま」
転校生母「おかえり」
転校生「お母さん…今日は早いんだね」
転校生母「うん、夜の方の仕事はお休みだったの」
転校生「そっか…ご飯作ってるの?」
転校生母「ええ」
転校生「手伝うよ…」
121: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:07:22.27 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生母「いただきます」
転校生「いただきます…」
転校生母「そういえば、今日でテスト終わりよね?どうだった?」
転校生「うん…いつもどおりだよ…」
転校生母「そう?最近ずっと男くんと一緒だったみたいだから少し心配だったんだけど…」
転校生「…ずっと一緒に勉強してたもん」
転校生母「ならいいんだけど…」
転校生「…」モグモグ
転校生母「…」モグモグ
転校生母「…どうかしたの?」
転校生「うん…」
転校生母「男くん?」
転校生「…さっきね」
転校生母「うん」
転校生「会ったんだ。男くんのお父さんとお母さんに…」
転校生母「あら…離れて暮らしてるっていう?」
転校生「うん…この時期になると帰ってくるんだって…」
転校生母「そうなの…」
転校生「…ねえ、お母さん」
転校生母「何?」
転校生「もし、男くんの為になることが男くんに嫌われるかもしれないようなことだったとしたら、私はどうしたらいいと思う?」
転校生母「…」
転校生「…それでも、私は男くんの為になることをするべきかな?」
転校生母「…あんたは、男くんが好きなのよね?」
転校生「うん…」
転校生母「…私には、男くんがどういう事情を抱えてるか分からないけどそれでもやっぱり、一人はさみしいと思うな」
転校生「どういうこと?」
転校生母「何にも知らない私が言えることなんてこれくらいしかないってこと。後は一番悩んだ人が答えを出しなさい」
転校生「…」
転校生母「あなたが本当に男くんの為を思ってしたことなら、いつか必ずそれを分かってくれるわよ」
転校生「…そうかな」
転校生母「いつになるかは分からないけどね」
転校生「…」
転校生母「…また家に呼びなさい」
転校生「うん…」
転校生母「いただきます」
転校生「いただきます…」
転校生母「そういえば、今日でテスト終わりよね?どうだった?」
転校生「うん…いつもどおりだよ…」
転校生母「そう?最近ずっと男くんと一緒だったみたいだから少し心配だったんだけど…」
転校生「…ずっと一緒に勉強してたもん」
転校生母「ならいいんだけど…」
転校生「…」モグモグ
転校生母「…」モグモグ
転校生母「…どうかしたの?」
転校生「うん…」
転校生母「男くん?」
転校生「…さっきね」
転校生母「うん」
転校生「会ったんだ。男くんのお父さんとお母さんに…」
転校生母「あら…離れて暮らしてるっていう?」
転校生「うん…この時期になると帰ってくるんだって…」
転校生母「そうなの…」
転校生「…ねえ、お母さん」
転校生母「何?」
転校生「もし、男くんの為になることが男くんに嫌われるかもしれないようなことだったとしたら、私はどうしたらいいと思う?」
転校生母「…」
転校生「…それでも、私は男くんの為になることをするべきかな?」
転校生母「…あんたは、男くんが好きなのよね?」
転校生「うん…」
転校生母「…私には、男くんがどういう事情を抱えてるか分からないけどそれでもやっぱり、一人はさみしいと思うな」
転校生「どういうこと?」
転校生母「何にも知らない私が言えることなんてこれくらいしかないってこと。後は一番悩んだ人が答えを出しなさい」
転校生「…」
転校生母「あなたが本当に男くんの為を思ってしたことなら、いつか必ずそれを分かってくれるわよ」
転校生「…そうかな」
転校生母「いつになるかは分からないけどね」
転校生「…」
転校生母「…また家に呼びなさい」
転校生「うん…」
122: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:08:57.76 ID:Grqn/7DQo
学校
女「…おはよう」
転校生「おはよう…」
女「…男くんはどう?」
転校生「夏祭りのこと?」
女「うん…」
転校生「…昨日ね、会ったんだ。男くんのお父さんとお母さんに」
女「そっか…聞いたの?」
転校生「うん…」
女「…」
転校生「ごめんなさい、女さん…私勘違いして八つ当たりみたいなことしちゃって」
女「私は別に…」
転校生「このこと、お兄ちゃんは知ってるの?」
女「うんん…だから、イケメンくんのこと不安にしちゃってると思う…」
転校生「…話さないの?」
女「今日、全部話すって約束してるの。男くんが来ようと来まいと…」
転校生「そっか…」
女「うん…」
転校生「…いままで、話さなかったのは男くんのため?」
女「…自分ではそのつもりだったんだけど、本当は嫌だったんだと思う」
転校生「お兄ちゃんに嫌われることが?」
女「じゃなくて、自分が薄情者だと思われることが…」
転校生「…」
女「…転校生さんはどう思う?私のこと」
転校生「…わかんない」
女「そっか…」
転校生「でも、お兄ちゃんは凄い女さんに支えられてるって言ってたよ」
女「そっか…」
転校生「…私は今日、男くんを連れていくよ」
女「…」
転校生「女さんにお願いしたいことがあるの」
女「…おはよう」
転校生「おはよう…」
女「…男くんはどう?」
転校生「夏祭りのこと?」
女「うん…」
転校生「…昨日ね、会ったんだ。男くんのお父さんとお母さんに」
女「そっか…聞いたの?」
転校生「うん…」
女「…」
転校生「ごめんなさい、女さん…私勘違いして八つ当たりみたいなことしちゃって」
女「私は別に…」
転校生「このこと、お兄ちゃんは知ってるの?」
女「うんん…だから、イケメンくんのこと不安にしちゃってると思う…」
転校生「…話さないの?」
女「今日、全部話すって約束してるの。男くんが来ようと来まいと…」
転校生「そっか…」
女「うん…」
転校生「…いままで、話さなかったのは男くんのため?」
女「…自分ではそのつもりだったんだけど、本当は嫌だったんだと思う」
転校生「お兄ちゃんに嫌われることが?」
女「じゃなくて、自分が薄情者だと思われることが…」
転校生「…」
女「…転校生さんはどう思う?私のこと」
転校生「…わかんない」
女「そっか…」
転校生「でも、お兄ちゃんは凄い女さんに支えられてるって言ってたよ」
女「そっか…」
転校生「…私は今日、男くんを連れていくよ」
女「…」
転校生「女さんにお願いしたいことがあるの」
123: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:09:42.59 ID:Grqn/7DQo
体育館
校長「以上にて終業式を閉幕します」
×××
イケメン「…男、今日は休みなのか?」
転校生「みたいだね…」
イケメン「お前も何も聞いてないの?」
転校生「うん…」
イケメン「そっか…」
転校生「お兄ちゃん」
イケメン「だからお前、その呼び方は…」
転校生「女さんのこと、ちゃんと支えてあげてね」
イケメン「はあ?」
校長「以上にて終業式を閉幕します」
×××
イケメン「…男、今日は休みなのか?」
転校生「みたいだね…」
イケメン「お前も何も聞いてないの?」
転校生「うん…」
イケメン「そっか…」
転校生「お兄ちゃん」
イケメン「だからお前、その呼び方は…」
転校生「女さんのこと、ちゃんと支えてあげてね」
イケメン「はあ?」
124: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:11:11.12 ID:Grqn/7DQo
夏祭り 会場
人々「ワイワイガヤガヤ」
転校生「…」
人々「ワイワイガヤガヤ」
転校生「…」
125: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:11:56.67 ID:Grqn/7DQo
×××
人々「ワイワイガヤガヤ」
転校生「…」
×××
人々「ワイワイガヤガヤ」
転校生「…」
×××
人々「ワイワイ…」
転校生「…」
×××
転校生「…」
転校生「男くん…」
126: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:13:10.12 ID:Grqn/7DQo
×××
転校生「…」
男「お前…」
転校生「…」
男「そこまでして…俺をここに呼びたかったのかよ…」
転校生「…夏祭り、終わちゃったね」
男「…」
転校生「遅いよ…男くん」
男「…」
転校生「場所、変えようか…」
転校生「…」
男「お前…」
転校生「…」
男「そこまでして…俺をここに呼びたかったのかよ…」
転校生「…夏祭り、終わちゃったね」
男「…」
転校生「遅いよ…男くん」
男「…」
転校生「場所、変えようか…」
127: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:16:31.33 ID:Grqn/7DQo
×××
×××
-10年前-
夏祭り
幼女「はやくしないとなくなっちゃうよー」
幼男「女ちゃん、もっとゆっくり行こうよ。ゆかただから走ると危ないよ」
幼女「だってはやくいかないとなくなっちゃうもん…」
男弟「危ないから、手つなごうよ。幼ちゃん」
幼女「うん!」
×××
-10年前-
夏祭り
幼女「はやくしないとなくなっちゃうよー」
幼男「女ちゃん、もっとゆっくり行こうよ。ゆかただから走ると危ないよ」
幼女「だってはやくいかないとなくなっちゃうもん…」
男弟「危ないから、手つなごうよ。幼ちゃん」
幼女「うん!」
128: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:16:57.87 ID:Grqn/7DQo
幼女「すごーい!いっぱーい!」
男弟「何からするの?」
幼女「わたあめ食べたい!」
幼男「だったら、あそこにあるよ」
幼女「ホントだー!食べたい!」
男弟「じゃあ、行こうか」
幼女「うん!…あ…」
男弟「どうしたの?」
幼女「りんごあめ…美味しそう…」
男弟「買うの?」
幼女「うん!」
男弟「何からするの?」
幼女「わたあめ食べたい!」
幼男「だったら、あそこにあるよ」
幼女「ホントだー!食べたい!」
男弟「じゃあ、行こうか」
幼女「うん!…あ…」
男弟「どうしたの?」
幼女「りんごあめ…美味しそう…」
男弟「買うの?」
幼女「うん!」
129: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:18:17.66 ID:Grqn/7DQo
幼女「ねぇ、むこうに射的があるよ!わたしあれやりたい!」
幼男「女ちゃんに出来る?あのピストルけっこう重たいよ?」
幼女「うーっ…出来るもん…」
男弟「何か欲しい景品あるの?」
幼女「えーっとね…あ!あれほしい!!あのキラキラしたゆびわ!」
男弟「じゃあ、やってみる?僕が教えてあげるよ」
幼女「うんっ!!」
男弟「すいませーん」
店員「はいらっしゃい」
幼女「一回おねがいします」
店員「お嬢ちゃんやるのかい?重たいけどダイジョブかな?」
幼女「ダイジョブです!」
店員「はいよ。じゃあ、3発で300円ね」
幼女「はい」チャリーン
店員「はい、気をつけてね」
幼女「…あのゆびわをねらうの?ちっちゃいよ…」
男弟「その下の台をねらうんだよ。上の方に当たればたおせるよ」
幼女「わかった!」
男弟「まず、このレバーをカチッっていうまで引くんだよ」
幼女「んーっ…んーっ…かたくてできないよぉ…」
男弟「貸して?」
幼女「はい…」
男弟「こうやって、お腹に力を入れて、グッってやると…」カチッ
幼女「ホントだー!男弟くんすごい!力持ち!!」
男弟「次に、弾をココに入れて…」
幼女「あっ!わたしやる!」
男弟「じゃあ、ぎゅーって押し込んで…」
幼女「ぎゅーっ!!」
男弟「そうそう。そしたら、右手で引き金のところをもって…」
幼女「こう?」
男弟「うん。次に、前の部分を左手で持つんだよ…で、目の高さまでピストルを上げてごらん…」
幼女「んっ…重い…」
男弟「それで、ピストルの上のくぼんでるところから的をのぞくんだ。そうすると上手くねらえるよ!」
幼女「うん!」
幼男「女ちゃん、頑張って!」
幼女「…」スパーンッ
スカッ
幼女「…」スパーンッ
スカッ
幼男「女ちゃんに出来る?あのピストルけっこう重たいよ?」
幼女「うーっ…出来るもん…」
男弟「何か欲しい景品あるの?」
幼女「えーっとね…あ!あれほしい!!あのキラキラしたゆびわ!」
男弟「じゃあ、やってみる?僕が教えてあげるよ」
幼女「うんっ!!」
男弟「すいませーん」
店員「はいらっしゃい」
幼女「一回おねがいします」
店員「お嬢ちゃんやるのかい?重たいけどダイジョブかな?」
幼女「ダイジョブです!」
店員「はいよ。じゃあ、3発で300円ね」
幼女「はい」チャリーン
店員「はい、気をつけてね」
幼女「…あのゆびわをねらうの?ちっちゃいよ…」
男弟「その下の台をねらうんだよ。上の方に当たればたおせるよ」
幼女「わかった!」
男弟「まず、このレバーをカチッっていうまで引くんだよ」
幼女「んーっ…んーっ…かたくてできないよぉ…」
男弟「貸して?」
幼女「はい…」
男弟「こうやって、お腹に力を入れて、グッってやると…」カチッ
幼女「ホントだー!男弟くんすごい!力持ち!!」
男弟「次に、弾をココに入れて…」
幼女「あっ!わたしやる!」
男弟「じゃあ、ぎゅーって押し込んで…」
幼女「ぎゅーっ!!」
男弟「そうそう。そしたら、右手で引き金のところをもって…」
幼女「こう?」
男弟「うん。次に、前の部分を左手で持つんだよ…で、目の高さまでピストルを上げてごらん…」
幼女「んっ…重い…」
男弟「それで、ピストルの上のくぼんでるところから的をのぞくんだ。そうすると上手くねらえるよ!」
幼女「うん!」
幼男「女ちゃん、頑張って!」
幼女「…」スパーンッ
スカッ
幼女「…」スパーンッ
スカッ
130: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:19:08.06 ID:Grqn/7DQo
幼女「…」スパーンッ
スカッ
幼女「…全然当たらない…」
男弟「ピストルが重いから、ずれちゃうんだよね…」
幼女「もう一回…あ…」
男弟「どうしたの?」
幼女「…もうお金ないよ…」
幼男「女ちゃん、食べてばっかりだったからだよ」
幼女「うぅー…ほしい…」
男弟「すいません…」
店員「はいよ」
男弟「もう一回お願いします」チャリーンッ
店員「はいよ」
男弟「…」スパーンッ
カツッ
幼女「あっ!…」
幼男「うーん…当たったんだけどなぁ…」
男弟「でも、多分、あと二発当てればとれるよ…」
幼女「…男弟くん…今、ゆびわねらって…」
男弟「うん…ぼくももうお金ないから、取れなかったらごめんね?」
幼女「いいの?」
男弟「うん!」
スカッ
幼女「…全然当たらない…」
男弟「ピストルが重いから、ずれちゃうんだよね…」
幼女「もう一回…あ…」
男弟「どうしたの?」
幼女「…もうお金ないよ…」
幼男「女ちゃん、食べてばっかりだったからだよ」
幼女「うぅー…ほしい…」
男弟「すいません…」
店員「はいよ」
男弟「もう一回お願いします」チャリーンッ
店員「はいよ」
男弟「…」スパーンッ
カツッ
幼女「あっ!…」
幼男「うーん…当たったんだけどなぁ…」
男弟「でも、多分、あと二発当てればとれるよ…」
幼女「…男弟くん…今、ゆびわねらって…」
男弟「うん…ぼくももうお金ないから、取れなかったらごめんね?」
幼女「いいの?」
男弟「うん!」
131: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:19:48.71 ID:Grqn/7DQo
幼女「あーっ!」
幼男「落ちた」
幼女「やったー!!すごい!!じょうずだね!」
男弟「はい、やったよ!幼ちゃん!!」
幼女「うん!ありがとう!大切にするね!!」
男弟「本当は幼ちゃんが自分で取れれば良かったんだけどね…」
幼女「ううん、うれしい!ゆびわもらったからわたしのことお嫁さんにしてくれるんだよね!」
幼男「えっ…」
男弟「…」(///)
幼女「お母さんが言ってたもん!おとこの人からゆびわもらったら、その人と結婚するんだって」
幼男「それは…」
幼女「ちがうの?」
男弟「…そうだよ!」
幼男「男弟…」
男弟「幼ちゃんは…僕と結婚してくれる?」
幼女「うんっ!やくそく!おとなになったらわたしのこと、ぜったいにお嫁さんにしてね!」
幼男「落ちた」
幼女「やったー!!すごい!!じょうずだね!」
男弟「はい、やったよ!幼ちゃん!!」
幼女「うん!ありがとう!大切にするね!!」
男弟「本当は幼ちゃんが自分で取れれば良かったんだけどね…」
幼女「ううん、うれしい!ゆびわもらったからわたしのことお嫁さんにしてくれるんだよね!」
幼男「えっ…」
男弟「…」(///)
幼女「お母さんが言ってたもん!おとこの人からゆびわもらったら、その人と結婚するんだって」
幼男「それは…」
幼女「ちがうの?」
男弟「…そうだよ!」
幼男「男弟…」
男弟「幼ちゃんは…僕と結婚してくれる?」
幼女「うんっ!やくそく!おとなになったらわたしのこと、ぜったいにお嫁さんにしてね!」
133: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:20:31.90 ID:Grqn/7DQo
-7年前-
クラスメイト「あー!また男弟と女が手繋いでるぜー!」
クラスメイト「ひゅーひゅー!アツアツだねー!!」
クラスメイト「もうチューしたのかよ!?」
男弟「…」(///)
幼女「…」(///)
クラスメイト「おい、どうなんだよ!」
男弟「…してないよ…そんなの…」
クラスメイト「ホントかよ!?」
クラスメイト「嘘じゃねえの?」
幼女「行こ…男弟くん…」
男弟「ホントだよ!!」
クラスメイト「ムキになるのが怪しくねー?」
クラスメイト「なー。怪しいよなー」
幼男「…おい、いい加減にしろよお前ら」
クラスメイト「…っち…いこうぜ」
男弟「ありがと…兄ちゃん」
幼男「お前らも、学校ではあんまりそういうことするなよな」
幼女「どうして?」
幼男「クラスの奴らにバカにされてんじゃねえかよ。いいのかよそれでも」
幼女「…だって、男弟くんと一緒にいたいもん…」
男弟「幼ちゃん…」
幼男「…俺まで一緒にバカにされるんだぜ」
幼女「…」
男弟「…」
幼男「…別にいいんだけどさ」
男弟「ごめん…」
幼男「お前らは辛くないのかよ…」
クラスメイト「あー!また男弟と女が手繋いでるぜー!」
クラスメイト「ひゅーひゅー!アツアツだねー!!」
クラスメイト「もうチューしたのかよ!?」
男弟「…」(///)
幼女「…」(///)
クラスメイト「おい、どうなんだよ!」
男弟「…してないよ…そんなの…」
クラスメイト「ホントかよ!?」
クラスメイト「嘘じゃねえの?」
幼女「行こ…男弟くん…」
男弟「ホントだよ!!」
クラスメイト「ムキになるのが怪しくねー?」
クラスメイト「なー。怪しいよなー」
幼男「…おい、いい加減にしろよお前ら」
クラスメイト「…っち…いこうぜ」
男弟「ありがと…兄ちゃん」
幼男「お前らも、学校ではあんまりそういうことするなよな」
幼女「どうして?」
幼男「クラスの奴らにバカにされてんじゃねえかよ。いいのかよそれでも」
幼女「…だって、男弟くんと一緒にいたいもん…」
男弟「幼ちゃん…」
幼男「…俺まで一緒にバカにされるんだぜ」
幼女「…」
男弟「…」
幼男「…別にいいんだけどさ」
男弟「ごめん…」
幼男「お前らは辛くないのかよ…」
134: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:21:06.61 ID:Grqn/7DQo
-5年前- 夏祭り
幼男「なあ…」
男弟「何?兄ちゃん」
幼男「今日の夏祭りは女と二人で行ってこいよ」
男弟「…どうして?」
幼男「どうしてって…俺はいない方がいいだろ。邪魔になるし」
男弟「でも…」
幼男「俺のことは気にしなくていいんだよ。お前らが楽しめればいいんだ…」
男弟「兄ちゃん…」
幼女「男弟くん!男くん!迎えにきたよ!はやく行こう!!」
男弟「幼馴染…」
幼男「女…ごめん、今日は俺、学校の友達と行く約束なんだ。だから男弟と二人で行ってくれ…」
幼女「えっ…そうなの?」
幼男「ああ…」
幼女「そっか…じゃあ仕方ないね。行こ。男弟くん!」
男弟「うん…」
幼男「なあ…」
男弟「何?兄ちゃん」
幼男「今日の夏祭りは女と二人で行ってこいよ」
男弟「…どうして?」
幼男「どうしてって…俺はいない方がいいだろ。邪魔になるし」
男弟「でも…」
幼男「俺のことは気にしなくていいんだよ。お前らが楽しめればいいんだ…」
男弟「兄ちゃん…」
幼女「男弟くん!男くん!迎えにきたよ!はやく行こう!!」
男弟「幼馴染…」
幼男「女…ごめん、今日は俺、学校の友達と行く約束なんだ。だから男弟と二人で行ってくれ…」
幼女「えっ…そうなの?」
幼男「ああ…」
幼女「そっか…じゃあ仕方ないね。行こ。男弟くん!」
男弟「うん…」
135: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:21:40.59 ID:Grqn/7DQo
×××
幼女「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!男弟くーん!!!」ボロボロ
男母「男弟!!男弟!!しっかりして!!目を覚まして!!」
男父「男弟…」
幼男「…」
×××
医師「ええ…トラックに撥ねられて…即死ですね」
男母「そんな…」
医師「苦しまずに逝けた分…まだ…」
男母「うぅっ…男弟ぉ…」ボロボロ
医師「現場に居合わせた女さんの方も、精神的にかなりのショックを負っています。ご家族の方はしっかりと支えてあげてください…」
女母「はい…」
幼男「…」
幼女「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!男弟くーん!!!」ボロボロ
男母「男弟!!男弟!!しっかりして!!目を覚まして!!」
男父「男弟…」
幼男「…」
×××
医師「ええ…トラックに撥ねられて…即死ですね」
男母「そんな…」
医師「苦しまずに逝けた分…まだ…」
男母「うぅっ…男弟ぉ…」ボロボロ
医師「現場に居合わせた女さんの方も、精神的にかなりのショックを負っています。ご家族の方はしっかりと支えてあげてください…」
女母「はい…」
幼男「…」
136: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:22:32.31 ID:Grqn/7DQo
×××
女母「あら、男くん…今日も来てくれたの?」
男「はい…あの、女ちゃんは…」
女母「ごめんなさいね…まだ、男くんとは会えないみたい…」
男「無理もないですよね…」
女母「…男くんは偉いわね…」
男「どうしてです?」
女母「男弟くんが亡くなって…辛いのはあなたも同じはずなのに…」
男「…」
×××
女母「いらっしゃい、男くん…上がって」
男「…お邪魔します」
女母「女ー!!男くん、今日も来てくれたわよー!」
男「…」
女母「…ごめんなさい、まだダメみたい」
男「いえ…」
女母「晩ご飯、食べてく?」
男「…いえ、お構いなく…」
女母「遠慮しないでいいのよ。…あ、冷蔵庫空っぽだわ…何か買ってくるから、ちょっと待ってて」
男「…」
男「…幼馴染?いる?」
女「…」
男「入ってもいいかな?」
女「…入ってこないで」
男「幼馴染…」
女「…その呼び方やめてっ!男弟くんでもないくせにっ!!」
男「…」
男「…どうして?」ガチャッ
女「やめてっ!入ってこないでっ!!」
男「…俺じゃダメかな?」
女「えっ…」
男「俺が、男弟の代わりになるよ…」
女母「あら、男くん…今日も来てくれたの?」
男「はい…あの、女ちゃんは…」
女母「ごめんなさいね…まだ、男くんとは会えないみたい…」
男「無理もないですよね…」
女母「…男くんは偉いわね…」
男「どうしてです?」
女母「男弟くんが亡くなって…辛いのはあなたも同じはずなのに…」
男「…」
×××
女母「いらっしゃい、男くん…上がって」
男「…お邪魔します」
女母「女ー!!男くん、今日も来てくれたわよー!」
男「…」
女母「…ごめんなさい、まだダメみたい」
男「いえ…」
女母「晩ご飯、食べてく?」
男「…いえ、お構いなく…」
女母「遠慮しないでいいのよ。…あ、冷蔵庫空っぽだわ…何か買ってくるから、ちょっと待ってて」
男「…」
男「…幼馴染?いる?」
女「…」
男「入ってもいいかな?」
女「…入ってこないで」
男「幼馴染…」
女「…その呼び方やめてっ!男弟くんでもないくせにっ!!」
男「…」
男「…どうして?」ガチャッ
女「やめてっ!入ってこないでっ!!」
男「…俺じゃダメかな?」
女「えっ…」
男「俺が、男弟の代わりになるよ…」
137: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:23:35.90 ID:Grqn/7DQo
-3年前-
女「ねえ…」
男「…何?」
女「…もう、大丈夫だよ」
男「何が?」
女「…男弟くんの振りをしなくても、もう大丈夫」
男「幼馴染…」
女「…その呼び方も、男くんは一度もしたことなかったよね」
男「…」
女「長い間、無理させちゃってごめんね…男くん…」
男「…」
女「…でもね、もう私は大丈夫だよ」
男「そっか…」
女「…うん…本当にありがとう。私を支えてくれて…」
男「…」
女「男くんがいなかったら、私、きっと立ち直れなかった」
男「…」
女「感謝してもしきれないくらい…」
男「…」
女「…だから、これからはもう男弟くんを演じなくていいよ。普通の男くんに戻って?」
男「…」
女「…私は男くんに居て欲しいの。男弟くんじゃない、男くんに…」
×××
男父「…だから、お前が高校に上がるのと同時に引っ越そうと思うんだ」
男母「ね、男…分かってくれるわよね?」
男「…」
男父「父さんたちはお前のためを考えて言ってるんだ…」
男母「あなたが心配なのよ…」
男「…」
女「ねえ…」
男「…何?」
女「…もう、大丈夫だよ」
男「何が?」
女「…男弟くんの振りをしなくても、もう大丈夫」
男「幼馴染…」
女「…その呼び方も、男くんは一度もしたことなかったよね」
男「…」
女「長い間、無理させちゃってごめんね…男くん…」
男「…」
女「…でもね、もう私は大丈夫だよ」
男「そっか…」
女「…うん…本当にありがとう。私を支えてくれて…」
男「…」
女「男くんがいなかったら、私、きっと立ち直れなかった」
男「…」
女「感謝してもしきれないくらい…」
男「…」
女「…だから、これからはもう男弟くんを演じなくていいよ。普通の男くんに戻って?」
男「…」
女「…私は男くんに居て欲しいの。男弟くんじゃない、男くんに…」
×××
男父「…だから、お前が高校に上がるのと同時に引っ越そうと思うんだ」
男母「ね、男…分かってくれるわよね?」
男「…」
男父「父さんたちはお前のためを考えて言ってるんだ…」
男母「あなたが心配なのよ…」
男「…」
138: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:25:03.31 ID:Grqn/7DQo
-3ヶ月前-
男「…」
女「ごめんね…急に呼び出して」
男「別に…」
女「…なんだか、こうやって二人で会うのって久しぶりだね」
男「…」
女「最近、全然話さなくなっちゃったもんね…私たち…」
男「…用事ってなんだよ」
女「…うん、あのね」
男「…」
女「私、今日からイケメンくんと付き合うことになったの…」
男「えっ…」
女「だからもう、男くんとは一緒ではいられないんだ…」
男「一緒って…どういう…」
女「…私、知ってるよ?男くんが今でも一番、男弟くんのこと思ってるんだって」
男「…」
女「多分、その原因は私のせいなんだと思うけど…」
男「…」
女「だから、男くんにはちゃんと言っておかなくちゃいけないと思ったんだ…」
男「…」
女「…ごめんね」
男「…なんでだよ」
女「…」
男「なんで、そうなるんだよっ!!」
女「ごめんなさい…」
男「くそっ…」
男「…」
女「ごめんね…急に呼び出して」
男「別に…」
女「…なんだか、こうやって二人で会うのって久しぶりだね」
男「…」
女「最近、全然話さなくなっちゃったもんね…私たち…」
男「…用事ってなんだよ」
女「…うん、あのね」
男「…」
女「私、今日からイケメンくんと付き合うことになったの…」
男「えっ…」
女「だからもう、男くんとは一緒ではいられないんだ…」
男「一緒って…どういう…」
女「…私、知ってるよ?男くんが今でも一番、男弟くんのこと思ってるんだって」
男「…」
女「多分、その原因は私のせいなんだと思うけど…」
男「…」
女「だから、男くんにはちゃんと言っておかなくちゃいけないと思ったんだ…」
男「…」
女「…ごめんね」
男「…なんでだよ」
女「…」
男「なんで、そうなるんだよっ!!」
女「ごめんなさい…」
男「くそっ…」
139: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:25:41.67 ID:Grqn/7DQo
-現在- 弟の墓
男「…それでその時、弟が射的で取った指輪を女に返されたんだ」
転校生「…」
男「ホントは女は自分で捨てようとしたみたいなんだけど、貰いものとはいえ遺品を自分が勝手に捨てるわけにはいかないと思ったらしい…」
男「俺も…」
男「俺も…捨てられなかった」
転校生「男くん…」
男「…それでその時、弟が射的で取った指輪を女に返されたんだ」
転校生「…」
男「ホントは女は自分で捨てようとしたみたいなんだけど、貰いものとはいえ遺品を自分が勝手に捨てるわけにはいかないと思ったらしい…」
男「俺も…」
男「俺も…捨てられなかった」
転校生「男くん…」
140: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:26:23.48 ID:Grqn/7DQo
男「分かってるだろうけど、あの写真に写ってたのも、女のことを好きだったのも、俺じゃない…双子の弟だ…」
男「俺が、女をオカズにシコってたのも…そうしなきゃっていう脅迫観念みたいなものなんだ…」
男「俺がそうやることで…なんていうか…弟の存在を俺の中でつなぎ止められる感じがしたんだ」
転校生「そっか…」
男「…でも、最近は全然できなくなって…どうしようもなくて…焦ってた」
男「本当は分かってたんだ…俺がどんどん弟の死を受け入れてったことも、弟の存在が俺の中からどんどん消えていくことも…」
男「でも…それを認めるのは怖かった…」
男「俺は両親のことも、女のことも、弟を忘れた薄情者だと思ってたから…あいつらと一緒になるのが怖かったんだ…」
転校生「…」
男「分かってる…本当はみんな、現実と向き合って前に進んでただけなんだって…足踏みしてるのは俺だけなんだって」
男「でも、怖くて…足が竦んで、動けなかった…一番血の通った存在だったから…俺の中からあいつがいなくなるのは、イコールで俺が俺じゃなくなる気がしたんだ…」
転校生「…」
男「それでも、実際は全然抑えられなかった…俺のなくなってく弟の部分にはどんどん…お前が…転校生が、入ってきてた…」
転校生「えっ…」
男「…それが許せなくて、一生懸命、幼馴染でシコろうとしたんだ…でも、ダメだった…どうしても、お前の顔が浮かんできて…」
転校生「…それって…」
男「…」
男「俺が、女をオカズにシコってたのも…そうしなきゃっていう脅迫観念みたいなものなんだ…」
男「俺がそうやることで…なんていうか…弟の存在を俺の中でつなぎ止められる感じがしたんだ」
転校生「そっか…」
男「…でも、最近は全然できなくなって…どうしようもなくて…焦ってた」
男「本当は分かってたんだ…俺がどんどん弟の死を受け入れてったことも、弟の存在が俺の中からどんどん消えていくことも…」
男「でも…それを認めるのは怖かった…」
男「俺は両親のことも、女のことも、弟を忘れた薄情者だと思ってたから…あいつらと一緒になるのが怖かったんだ…」
転校生「…」
男「分かってる…本当はみんな、現実と向き合って前に進んでただけなんだって…足踏みしてるのは俺だけなんだって」
男「でも、怖くて…足が竦んで、動けなかった…一番血の通った存在だったから…俺の中からあいつがいなくなるのは、イコールで俺が俺じゃなくなる気がしたんだ…」
転校生「…」
男「それでも、実際は全然抑えられなかった…俺のなくなってく弟の部分にはどんどん…お前が…転校生が、入ってきてた…」
転校生「えっ…」
男「…それが許せなくて、一生懸命、幼馴染でシコろうとしたんだ…でも、ダメだった…どうしても、お前の顔が浮かんできて…」
転校生「…それって…」
男「…」
141: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:27:15.13 ID:Grqn/7DQo
転校生「…」
男「…」
転校生「…それって、私をオカズにしようとしてたって事?…男くん、最低…」
男「…おまっ!!今、すげえ重い話してるのによくんなこと言えるなっ!?」
転校生「だって、キモチワルイんだもんっ!」
男「…ちげえよ馬鹿!お前の顔が浮かんじゃってシコれなくなるんだよ!!」
転校生「何それ!?私じゃヌけないってこと!?こんな美少女をオカズにしといて、そんな贅沢言う訳だ…」
男「うおっ…なんか久々に聞いたなそれ…」
転校生「信じらんないんだけどー」
男「いや、だからそうじゃなくて…って、お前、さっきと言ってること全然違くねえかっ!?オカズにされんのは気持ち悪いんだろっ!?」
転校生「っ…オカズにされるのはキモチワルイけど、それでヌけないとか言われると悔しいのっ!!それとこれとは話が違うのっ!!」
男「…いや、だからな…その…」
転校生「何よ…」
男「…恥ずかしいけど、本当に大切にしたい存在ってのはオカズにできないもんなんだよ!!…まだ、自分の想いを伝えてなかったらなおさら…」
転校生「えっ…」(///)
男「…なんか、不誠実な感じがするじゃねえかそれって」
転校生「…そ…そうなんだ」(///)
男「ああ…くっそなんだこれ。めちゃくちゃ恥ずかしいな」
転校生「そっかぁ。男くん、私が本当に大切だったから…へへへ…」ニヤニヤ
男「…なんか、キモいな…お前」
転校生「えへへへ…そんなに照れなくていいんだよ?」ニヤニヤ
男「いや…なんか、お前の変顔見てたらむっちゃ冷めたわ。なんかもうマジになって話してるのが本当にバカらしくなってくるな…」
転校生「うっ…ごめんなさい…」シュン…
男「…まぁ、いいんだけどな。正直、ちょっと前にはもう俺の中で整理付いてたんだと思う」
転校生「え?」
男「だから、要は、あとはそれを自分に納得させる為のきっかけが必要だったってだけなんだよ、ホントは…」
転校生「…そう、なの?」
男「…」
転校生「…それって、私をオカズにしようとしてたって事?…男くん、最低…」
男「…おまっ!!今、すげえ重い話してるのによくんなこと言えるなっ!?」
転校生「だって、キモチワルイんだもんっ!」
男「…ちげえよ馬鹿!お前の顔が浮かんじゃってシコれなくなるんだよ!!」
転校生「何それ!?私じゃヌけないってこと!?こんな美少女をオカズにしといて、そんな贅沢言う訳だ…」
男「うおっ…なんか久々に聞いたなそれ…」
転校生「信じらんないんだけどー」
男「いや、だからそうじゃなくて…って、お前、さっきと言ってること全然違くねえかっ!?オカズにされんのは気持ち悪いんだろっ!?」
転校生「っ…オカズにされるのはキモチワルイけど、それでヌけないとか言われると悔しいのっ!!それとこれとは話が違うのっ!!」
男「…いや、だからな…その…」
転校生「何よ…」
男「…恥ずかしいけど、本当に大切にしたい存在ってのはオカズにできないもんなんだよ!!…まだ、自分の想いを伝えてなかったらなおさら…」
転校生「えっ…」(///)
男「…なんか、不誠実な感じがするじゃねえかそれって」
転校生「…そ…そうなんだ」(///)
男「ああ…くっそなんだこれ。めちゃくちゃ恥ずかしいな」
転校生「そっかぁ。男くん、私が本当に大切だったから…へへへ…」ニヤニヤ
男「…なんか、キモいな…お前」
転校生「えへへへ…そんなに照れなくていいんだよ?」ニヤニヤ
男「いや…なんか、お前の変顔見てたらむっちゃ冷めたわ。なんかもうマジになって話してるのが本当にバカらしくなってくるな…」
転校生「うっ…ごめんなさい…」シュン…
男「…まぁ、いいんだけどな。正直、ちょっと前にはもう俺の中で整理付いてたんだと思う」
転校生「え?」
男「だから、要は、あとはそれを自分に納得させる為のきっかけが必要だったってだけなんだよ、ホントは…」
転校生「…そう、なの?」
142: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:29:21.67 ID:Grqn/7DQo
男「ああ。だから、正直、あんな回りくどい…お母さんや女まで使ってお前を行方不明に仕立て上げて、俺を無理矢理引きずり出そうとしなくても、案外俺はココに来たんじゃねえか?」
転校生「うそ…」
男「まぁ、やってみなきゃ分からんがな。正直、女から連絡もらった時にはもう俺を呼び出すための口実だってだいたい想像してたけどな」
転校生「うっ…」
男「でも、お前のお母さんの迫真の演技には完全に騙された。連絡きてそっこー飛び出しちゃったもんな」
転校生「…え???」
男「ん?お母さんもサクラだろ?」
転校生「…お母さんから、連絡あったの?」
男「…ああ?」
転校生「…男くん」
男「ん?」
転校生「…お母さんには話してない」
男「…何??」
転校生「…お母さんは、このこと、知らない」
男「…は?」
転校生「だって、まだ仕事中だと思ってたから…」
男「…」
転校生「…」
男「…ってことは、お前のお母さんは、本当にお前が行方不明だと思ってるのか?」
転校生「…多分」
男「携帯は!?電話出なかったのかよ??」
転校生「だって…男くんから連絡くると思ってたから…電源切って…」
男「馬鹿、お前!!急いで連絡しろよっ!多分、まだ探してるぞ!?」
転校生「う、うんっ!そうだねっ」ピピピピ…
転校生「…あ、お母さん…うん…えっ!?…ああ、大丈夫です…はい…男くんといます…ごめんなさい…」
男「…」
転校生「あの…すいません…お母さん、仕事中だと思いまして…はい…いや、ちゃんとあとで説明します…はい…はい…ご心配おかけしました…はい…すいません」ピッ
男「…ばーか」
転校生「…男くんが私を見付けたときに、ちゃんと連絡してくれなかったのが悪い」
男「…うっ…まあ、確かにそれは思ったけど、お前のお母さんの後に女からも連絡きて俺をここに呼び出すための作戦だと考えたから、知ってるもんだと思ったんだよ」
転校生「…そっか」
男「ああ…」
転校生「…ごめんなさい」
男「別にお前が謝るようなことじゃねえよ。元はといえば俺のせいなんだし」
転校生「…」
男「…」
転校生「…さっきの話」
男「ん?」
転校生「…3年前に男くんに戻ってって言われて、女さんに告白されたとき…なんで断ったの?そこがよくわかんない」
男「…」
転校生「うそ…」
男「まぁ、やってみなきゃ分からんがな。正直、女から連絡もらった時にはもう俺を呼び出すための口実だってだいたい想像してたけどな」
転校生「うっ…」
男「でも、お前のお母さんの迫真の演技には完全に騙された。連絡きてそっこー飛び出しちゃったもんな」
転校生「…え???」
男「ん?お母さんもサクラだろ?」
転校生「…お母さんから、連絡あったの?」
男「…ああ?」
転校生「…男くん」
男「ん?」
転校生「…お母さんには話してない」
男「…何??」
転校生「…お母さんは、このこと、知らない」
男「…は?」
転校生「だって、まだ仕事中だと思ってたから…」
男「…」
転校生「…」
男「…ってことは、お前のお母さんは、本当にお前が行方不明だと思ってるのか?」
転校生「…多分」
男「携帯は!?電話出なかったのかよ??」
転校生「だって…男くんから連絡くると思ってたから…電源切って…」
男「馬鹿、お前!!急いで連絡しろよっ!多分、まだ探してるぞ!?」
転校生「う、うんっ!そうだねっ」ピピピピ…
転校生「…あ、お母さん…うん…えっ!?…ああ、大丈夫です…はい…男くんといます…ごめんなさい…」
男「…」
転校生「あの…すいません…お母さん、仕事中だと思いまして…はい…いや、ちゃんとあとで説明します…はい…はい…ご心配おかけしました…はい…すいません」ピッ
男「…ばーか」
転校生「…男くんが私を見付けたときに、ちゃんと連絡してくれなかったのが悪い」
男「…うっ…まあ、確かにそれは思ったけど、お前のお母さんの後に女からも連絡きて俺をここに呼び出すための作戦だと考えたから、知ってるもんだと思ったんだよ」
転校生「…そっか」
男「ああ…」
転校生「…ごめんなさい」
男「別にお前が謝るようなことじゃねえよ。元はといえば俺のせいなんだし」
転校生「…」
男「…」
転校生「…さっきの話」
男「ん?」
転校生「…3年前に男くんに戻ってって言われて、女さんに告白されたとき…なんで断ったの?そこがよくわかんない」
男「…」
143: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:29:55.60 ID:Grqn/7DQo
男「…前にも言ったけどさ」
転校生「うん」
男「結局、女のこと好きだったのは俺じゃないんだよ。俺の中にそんな気持ちがあるんだとしたら…ヘンなこと言うけど、それはきっと俺の中の男弟の部分なんだと思う」
転校生「…」
男「…だから、男弟を真似てた俺じゃなくて、俺そのものを好きになった女に、俺は同じ好意を返せなかった…んだと思う」
転校生「なんか難しいね…」
男「そうだな。当時の俺からしたらきっと、男弟として俺を見てくれなかったことへのショックが大きかったんだと思う。やっぱり女も男弟のこと忘れていくのかって…」
転校生「…」
男「だから、そこからはもう女のこと避けまくってたもんな…避けまくってるつもりだったもんな…」
転校生「つもりって?」
男「いや、なんか…自覚はなかったけど端から見たら俺、女のストーカーみたいになってたらしいんだよ…だから、多分、無意識にはずっと追ってたのかなってさ」
男「きっと、信じたくなかったんだろうな。女が男弟のこと忘れてくの…信じたくなくて、信じたくて、そうやって無意識に意識してたんだと思う…」
転校生「お兄ちゃんと…イケメンくんと仲良かったのは知ってたの?」
男「いや全然。だから完全に寝耳に水状態だった。あの時は本当に焦った。まさか女が男弟以外の男と付き合うなんて考えもしなかったからな…」
転校生「そっか…」
男「ああ。もうあの前後は荒れまくってたね。女のこともかなり軽蔑してた」
転校生「…そこだけ聞いてると、ただの嫉妬だよね」
男「自分との関係に関しての嫉妬だったらまだよかったけどな。死んだ奴の想いに対しての嫉妬とか訳分かんねえよ…どうすりゃいいんだよって話だよな」
転校生「それもそうだね…」
男「はあ…俺も弟のこと、死んだ奴とか言えるようになっちゃったのか…」
転校生「うん」
男「結局、女のこと好きだったのは俺じゃないんだよ。俺の中にそんな気持ちがあるんだとしたら…ヘンなこと言うけど、それはきっと俺の中の男弟の部分なんだと思う」
転校生「…」
男「…だから、男弟を真似てた俺じゃなくて、俺そのものを好きになった女に、俺は同じ好意を返せなかった…んだと思う」
転校生「なんか難しいね…」
男「そうだな。当時の俺からしたらきっと、男弟として俺を見てくれなかったことへのショックが大きかったんだと思う。やっぱり女も男弟のこと忘れていくのかって…」
転校生「…」
男「だから、そこからはもう女のこと避けまくってたもんな…避けまくってるつもりだったもんな…」
転校生「つもりって?」
男「いや、なんか…自覚はなかったけど端から見たら俺、女のストーカーみたいになってたらしいんだよ…だから、多分、無意識にはずっと追ってたのかなってさ」
男「きっと、信じたくなかったんだろうな。女が男弟のこと忘れてくの…信じたくなくて、信じたくて、そうやって無意識に意識してたんだと思う…」
転校生「お兄ちゃんと…イケメンくんと仲良かったのは知ってたの?」
男「いや全然。だから完全に寝耳に水状態だった。あの時は本当に焦った。まさか女が男弟以外の男と付き合うなんて考えもしなかったからな…」
転校生「そっか…」
男「ああ。もうあの前後は荒れまくってたね。女のこともかなり軽蔑してた」
転校生「…そこだけ聞いてると、ただの嫉妬だよね」
男「自分との関係に関しての嫉妬だったらまだよかったけどな。死んだ奴の想いに対しての嫉妬とか訳分かんねえよ…どうすりゃいいんだよって話だよな」
転校生「それもそうだね…」
男「はあ…俺も弟のこと、死んだ奴とか言えるようになっちゃったのか…」
144: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:31:36.82 ID:Grqn/7DQo
転校生「…ねえ、男くん?」
男「ん?」
転校生「亡くなった弟くんのこと、忘れるのとそこから前に進むことは違うよ?」
男「…」
転校生「男くんはだって、一生弟くんのこと、忘れたりはしないでしょ?」
男「…」
転校生「それは男くんのお父さんもお母さんも、それに女さんだって一緒だよ」
男「…」
転校生「でも、忘れないことと、その思い出に囚われて生きていくことは違うんじゃないかな…」
男「…」
転校生「きっと、そんなこと誰も望まないんだよ…女さんも、男くんのお父さんとお母さんも、弟くんだってそうだよ。」
転校生「…それに誰より、男くんが」
男「…」
転校生「だからずっと苦しかったんじゃないかな?」
男「…そう…なのかな」
転校生「…今だったら私、分かるよ。男くんの部屋があんなに空っぽだった理由」
男「え?」
転校生「あれって、男くんが自分を持たないようにしてたからじゃないの?自分の中を出来るだけ男弟くんの居るための場所として開けておきたかったから…」
男「…考えたことなかった」
転校生「そうなの?」
男「ああ…でも確かに、そうなのかもな。言われてみれば…うん、その通りな気がする」
転校生「うん…そうだと思うな。だって、私もそうだったもん」
男「そっか…」
転校生「うん…」
男「…」
転校生「やっぱり似てるよ。私たち」
男「それはねえよ…」
転校生「どうして?」
男「やっぱり俺はお前ほど、立派じゃないからな…」
転校生「…私だって、全然立派なんかじゃないよ?」
男「ん?」
転校生「亡くなった弟くんのこと、忘れるのとそこから前に進むことは違うよ?」
男「…」
転校生「男くんはだって、一生弟くんのこと、忘れたりはしないでしょ?」
男「…」
転校生「それは男くんのお父さんもお母さんも、それに女さんだって一緒だよ」
男「…」
転校生「でも、忘れないことと、その思い出に囚われて生きていくことは違うんじゃないかな…」
男「…」
転校生「きっと、そんなこと誰も望まないんだよ…女さんも、男くんのお父さんとお母さんも、弟くんだってそうだよ。」
転校生「…それに誰より、男くんが」
男「…」
転校生「だからずっと苦しかったんじゃないかな?」
男「…そう…なのかな」
転校生「…今だったら私、分かるよ。男くんの部屋があんなに空っぽだった理由」
男「え?」
転校生「あれって、男くんが自分を持たないようにしてたからじゃないの?自分の中を出来るだけ男弟くんの居るための場所として開けておきたかったから…」
男「…考えたことなかった」
転校生「そうなの?」
男「ああ…でも確かに、そうなのかもな。言われてみれば…うん、その通りな気がする」
転校生「うん…そうだと思うな。だって、私もそうだったもん」
男「そっか…」
転校生「うん…」
男「…」
転校生「やっぱり似てるよ。私たち」
男「それはねえよ…」
転校生「どうして?」
男「やっぱり俺はお前ほど、立派じゃないからな…」
転校生「…私だって、全然立派なんかじゃないよ?」
145: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:32:17.51 ID:Grqn/7DQo
男「…なあ」
転校生「なに?」
男「お前は、自分の父親と会ってその後、やっと自分の人生を始められるって、そう言ってたよな」
転校生「うん…」
男「だったら、今日が俺のその日だな」
転校生「そうだね…」
男「転校生、俺はこれから、俺を生きるよ。そう決めた。今日がそのスタートだ」
転校生「うん…」
男「俺はこれからの俺の人生にお前がほしい」
転校生「うん…」
男「転校生のことが好きだ。俺と付き合ってくれないか?」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…転校生?」
転校生「ははは…男くん、カッコワルイ…」ポロポロ
男「え?」
転校生「…だって、それ、私の告白のパクリじゃん…ホント、信じらんないよ…」ポロポロ
男「うっ…すまん…」
転校生「でも…嬉しいな…やっと想いが伝わった…」ポロポロ
男「ごめんな…」ナデナデ
転校生「ホントだよ…バカ…」ポロポロ
男「転校生…俺の彼女になってくれるか?」
転校生「うんっ!!」ニコッ
転校生「なに?」
男「お前は、自分の父親と会ってその後、やっと自分の人生を始められるって、そう言ってたよな」
転校生「うん…」
男「だったら、今日が俺のその日だな」
転校生「そうだね…」
男「転校生、俺はこれから、俺を生きるよ。そう決めた。今日がそのスタートだ」
転校生「うん…」
男「俺はこれからの俺の人生にお前がほしい」
転校生「うん…」
男「転校生のことが好きだ。俺と付き合ってくれないか?」
転校生「…」
男「…」
転校生「…」ポロポロ
男「…転校生?」
転校生「ははは…男くん、カッコワルイ…」ポロポロ
男「え?」
転校生「…だって、それ、私の告白のパクリじゃん…ホント、信じらんないよ…」ポロポロ
男「うっ…すまん…」
転校生「でも…嬉しいな…やっと想いが伝わった…」ポロポロ
男「ごめんな…」ナデナデ
転校生「ホントだよ…バカ…」ポロポロ
男「転校生…俺の彼女になってくれるか?」
転校生「うんっ!!」ニコッ
146: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:32:47.42 ID:Grqn/7DQo
×××
男「…考えてみたら、弟の墓来たのなんて葬式以来なんだよな」
転校生「本当に全然きてなかったんだね…」
男「ずっと逃げてたからな…」
転校生「…よかったの?」
男「何が?」
転校生「ここで告白しちゃって…弟くんの命日に…」
男「…」
転校生「…辛くならない?」
男「…辛くないときなんてないからな」
転校生「そっか…」
男「ああ…」
転校生「そろそろ帰ろうか…」
男「そうだな」
男「…考えてみたら、弟の墓来たのなんて葬式以来なんだよな」
転校生「本当に全然きてなかったんだね…」
男「ずっと逃げてたからな…」
転校生「…よかったの?」
男「何が?」
転校生「ここで告白しちゃって…弟くんの命日に…」
男「…」
転校生「…辛くならない?」
男「…辛くないときなんてないからな」
転校生「そっか…」
男「ああ…」
転校生「そろそろ帰ろうか…」
男「そうだな」
147: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:33:24.54 ID:Grqn/7DQo
×××
男父「男…」
男母「…」
男「父さん…母さん…」
男父「…墓参りしてたのか?」
男「ああ…」
男母「そう…ちゃんと男弟にお話できたの?」
男「ああ…したよ…」
男父「そうか…」
男「うん…」
男父「…」
男母「…」
男「…」
転校生「…じゃあ、私は帰るね…お母さんも心配してるだろうし…」
男「あっ…」
男父「女の子をこんな時間に一人で出歩かせるもんじゃないぞ、男」
男母「男、送ってあげなさい」
男「…わかった」
男母「転校生さん」
転校生「はい?」
男母「ありがとう」
男父「男…」
男母「…」
男「父さん…母さん…」
男父「…墓参りしてたのか?」
男「ああ…」
男母「そう…ちゃんと男弟にお話できたの?」
男「ああ…したよ…」
男父「そうか…」
男「うん…」
男父「…」
男母「…」
男「…」
転校生「…じゃあ、私は帰るね…お母さんも心配してるだろうし…」
男「あっ…」
男父「女の子をこんな時間に一人で出歩かせるもんじゃないぞ、男」
男母「男、送ってあげなさい」
男「…わかった」
男母「転校生さん」
転校生「はい?」
男母「ありがとう」
148: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:34:11.90 ID:Grqn/7DQo
転校生宅
転校生「ありがとう…でもよかったの?話しなくて」
男「…正直、何話していいかよく分かんねえや。あの二人からも、長い間、逃げてたからな」
転校生「そうだね。その気持ち、わかるな。…上がってく?」
男「迷惑じゃないか?」
転校生「私だけお母さんに怒られるの、納得いかないもん。男くんのせいなんだから、男くんも一緒に怒られてよ」
男「おまっ…なんだそりゃ…」
転校生「ただいまー」ガチャッ
転校生「ありがとう…でもよかったの?話しなくて」
男「…正直、何話していいかよく分かんねえや。あの二人からも、長い間、逃げてたからな」
転校生「そうだね。その気持ち、わかるな。…上がってく?」
男「迷惑じゃないか?」
転校生「私だけお母さんに怒られるの、納得いかないもん。男くんのせいなんだから、男くんも一緒に怒られてよ」
男「おまっ…なんだそりゃ…」
転校生「ただいまー」ガチャッ
149: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:34:54.08 ID:Grqn/7DQo
×××
男「ごちそうさまでした!」
転校生母「はい、おそまつさまでした。お茶どうぞ」
男「あっ…すいません」
転校生母「転校生も飲む?」
転校生「熱いからいい」
転校生母「そ」
男「あの…改めて、今日はすいませんでした。俺のせいで、迷惑かけちゃって…」
転校生母「もういいのよ。二人とも無事だったんだから。それより、良かったわ。男くんが転校生と付き合うようになってくれて」
男「はは…親公認ってのも、なんかやりづらいですね…」
転校生母「悪いことできないものね」
男「そうっすね…」
転校生母「まあ、そんなに肩肘張らないで?…また3人でご飯食べましょうね」
男「はい、ありがとうございます」
×××
男「…じゃあ、帰るな。今日はホントありがとう」
転校生「うんん、こっちこそ…嬉しかった」
男「…そっか」
転校生「うん…」
男「…じゃあ、また」
転校生「うん…おやすみ」
男「ああ、おやすみ…」
男「ごちそうさまでした!」
転校生母「はい、おそまつさまでした。お茶どうぞ」
男「あっ…すいません」
転校生母「転校生も飲む?」
転校生「熱いからいい」
転校生母「そ」
男「あの…改めて、今日はすいませんでした。俺のせいで、迷惑かけちゃって…」
転校生母「もういいのよ。二人とも無事だったんだから。それより、良かったわ。男くんが転校生と付き合うようになってくれて」
男「はは…親公認ってのも、なんかやりづらいですね…」
転校生母「悪いことできないものね」
男「そうっすね…」
転校生母「まあ、そんなに肩肘張らないで?…また3人でご飯食べましょうね」
男「はい、ありがとうございます」
×××
男「…じゃあ、帰るな。今日はホントありがとう」
転校生「うんん、こっちこそ…嬉しかった」
男「…そっか」
転校生「うん…」
男「…じゃあ、また」
転校生「うん…おやすみ」
男「ああ、おやすみ…」
150: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:36:23.59 ID:Grqn/7DQo
県選抜試合日
スタジアム
男「…なんかさ」
女「どうしたの?」
男「いや、完全に俺の感想の問題なんだけど…」
転校生「何?」
男「キーパーって、なんかあれだな…」
女「あれ?」
男「いや…地味っつーか、なんつーか…華がないような…」
転校生「まあ確かにね」
男「俺はてっきりイケメンはMFかなんかかと思ってたよ。エースストライカー的な存在を考えてたから、正直、ちょっとがっかりだ…」
女「ははは…酷いよ男くん…あとでイケメンくんに言っちゃうよ?」
男「好きにしてくれ。俺はあいつの好感度なんて求めとらんからな」
転校生「あれ?女ちゃんとの問題が解消されても、まだ仲悪いの?」
女「うーん…そうみたい…」
男「女は関係ねえよ。俺みたいな男からすれば全イケメン男子は敵なの」
転校生「うっわ…醜い嫉妬だ…」
男「ほっとけ…」
転校生「でも私、お兄ちゃんのこと、別にイケメンだと思わないけどな…」
男「それは兄妹だからじゃねえの?」
転校生「そうかな?…女ちゃんはやっぱりイケメンだと思う?」
女「うーん…正直、私のタイプではない…かな?」
男「うわっ…これは流石にイケメンが可哀想…自分の彼女にタイプじゃないとか言われてるぞあいつ…」
転校生「あーあ…ゴールの前で一生懸命突っ立てるのに…お兄ちゃん…不憫っ!!」
女「…転校生ちゃんの言い方もどうかと思うけどな…」
男「あ、シュート止めた…」
転校生「…なんか、シュートみたいにイマイチ盛り上がらないね…」
女「うん…私も応援のとき、ちょっと困ってる…」
転校生「だよね…」
男「まあ、県選抜に選ばれてるだけすごいんだけどな…」
スタジアム
男「…なんかさ」
女「どうしたの?」
男「いや、完全に俺の感想の問題なんだけど…」
転校生「何?」
男「キーパーって、なんかあれだな…」
女「あれ?」
男「いや…地味っつーか、なんつーか…華がないような…」
転校生「まあ確かにね」
男「俺はてっきりイケメンはMFかなんかかと思ってたよ。エースストライカー的な存在を考えてたから、正直、ちょっとがっかりだ…」
女「ははは…酷いよ男くん…あとでイケメンくんに言っちゃうよ?」
男「好きにしてくれ。俺はあいつの好感度なんて求めとらんからな」
転校生「あれ?女ちゃんとの問題が解消されても、まだ仲悪いの?」
女「うーん…そうみたい…」
男「女は関係ねえよ。俺みたいな男からすれば全イケメン男子は敵なの」
転校生「うっわ…醜い嫉妬だ…」
男「ほっとけ…」
転校生「でも私、お兄ちゃんのこと、別にイケメンだと思わないけどな…」
男「それは兄妹だからじゃねえの?」
転校生「そうかな?…女ちゃんはやっぱりイケメンだと思う?」
女「うーん…正直、私のタイプではない…かな?」
男「うわっ…これは流石にイケメンが可哀想…自分の彼女にタイプじゃないとか言われてるぞあいつ…」
転校生「あーあ…ゴールの前で一生懸命突っ立てるのに…お兄ちゃん…不憫っ!!」
女「…転校生ちゃんの言い方もどうかと思うけどな…」
男「あ、シュート止めた…」
転校生「…なんか、シュートみたいにイマイチ盛り上がらないね…」
女「うん…私も応援のとき、ちょっと困ってる…」
転校生「だよね…」
男「まあ、県選抜に選ばれてるだけすごいんだけどな…」
151: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:36:54.89 ID:Grqn/7DQo
転校生「そういえば、男くんはスポーツとかしないの?」
男「しない。中学も帰宅部だったし」
転校生「せっかく身長高いんだから何かすればいいのに…」
女「男くんは小学生のとき、剣道やってたよ」
転校生「そうなの!?…なんか以外」
男「失礼だな。つか、女もいちいちいらんこと言うな」
女「あら、いいじゃない」
転校生「私ももっと聞きたいな」
女「あとは…そうだなあ…あっ!男くん、ピアノがすっごい上手だった!!」
転校生「えぇっ!?うそ?ホントに!?」
男「…なんだよその反応…」
転校生「いや、だって…男くんにピアノって…」
女「ね。今からじゃ想像つかないよね。剣道はそうでもなかったけど、でも、ピアノは本当に上手だったよ」
男「剣道はってお前な…」
女「合唱コンクールとかだといつも男くんがピアノ弾いてたもんなあ…」
転校生「もう弾かないの?私、聴いてみたいな…」
男「…もう辞めてから5年も経つからな。上手く弾けねえよ」
転校生「また始めればいいじゃん!好きだったんじゃないの?」
男「…ああ…好きだったな。すっかり忘れてた。男弟はやってなかったから…」
女「そうだったね…」
転校生「だったら勿体無いよ!またやろうよ!」
男「そうだな…久々にやってみるか」
女「また、私にも聴かせてね?」
男「人に聴かせられるレベルになったらな…」
転校生「あっ!いつの間にPKになってるよ…」
女「本当だ…」
男「しない。中学も帰宅部だったし」
転校生「せっかく身長高いんだから何かすればいいのに…」
女「男くんは小学生のとき、剣道やってたよ」
転校生「そうなの!?…なんか以外」
男「失礼だな。つか、女もいちいちいらんこと言うな」
女「あら、いいじゃない」
転校生「私ももっと聞きたいな」
女「あとは…そうだなあ…あっ!男くん、ピアノがすっごい上手だった!!」
転校生「えぇっ!?うそ?ホントに!?」
男「…なんだよその反応…」
転校生「いや、だって…男くんにピアノって…」
女「ね。今からじゃ想像つかないよね。剣道はそうでもなかったけど、でも、ピアノは本当に上手だったよ」
男「剣道はってお前な…」
女「合唱コンクールとかだといつも男くんがピアノ弾いてたもんなあ…」
転校生「もう弾かないの?私、聴いてみたいな…」
男「…もう辞めてから5年も経つからな。上手く弾けねえよ」
転校生「また始めればいいじゃん!好きだったんじゃないの?」
男「…ああ…好きだったな。すっかり忘れてた。男弟はやってなかったから…」
女「そうだったね…」
転校生「だったら勿体無いよ!またやろうよ!」
男「そうだな…久々にやってみるか」
女「また、私にも聴かせてね?」
男「人に聴かせられるレベルになったらな…」
転校生「あっ!いつの間にPKになってるよ…」
女「本当だ…」
152: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:37:40.96 ID:Grqn/7DQo
レストラン
女「イケメンくん、今日はお疲れ様でした」
イケメン「ああ。ありがとな」
転校生「また明日から練習なの?」
イケメン「明日からは合宿で遠征だとさ。2週間も山奥だぜ…」
女「大変だよね…無理しないでね?」
イケメン「そこは普通に頑張ってねって行ってほしかったな」
女「そっか…ごめんね、頑張ってね!」ニコッ
イケメン「ああ!」
男「…なんかお前、女の前だと爽やか過ぎねえか?」
イケメン「はあ?そうか?」
転校生「うん…正直ちょっとキモチワルイ…」
イケメン「え゜っ…」
女「そんなことないと思うけど…」
転校生「いや、女ちゃんは私たちと接するときのお兄ちゃんの態度を知らないからそう思うだけだよ」
男「間違いないな。いくらなんでも差がありすぎるぞこれは…」
イケメン「んなことねえって…」
男「マジで自覚ないのかよ…お前…」
転校生「がっかりだよ…お兄ちゃん…」
イケメン「…男はともかく転校生に言われると軽くショックだな…」
男「まあ、俺からの台詞に一喜一憂してたら相当キモいけどな」
イケメン「…俺よりも、お前のが性格変わっただろ?」
男「そうか?」
イケメン「ああ。よく喋るようになってウザさが倍増した」
男「そりゃよかった」
女「男くんは小さいときから口悪かったよね」
転校生「あ、そこは昔から変わらずなんだ。ホント、平気で傷つくこと言ってくるよね、男くん。信じらんないよ」
男「…お前はどっちの味方なんだよ」
転校生「えっ!?勿論、男くんだよ?」
男「だったらフォローしろよ…」
女「イケメンくん、今日はお疲れ様でした」
イケメン「ああ。ありがとな」
転校生「また明日から練習なの?」
イケメン「明日からは合宿で遠征だとさ。2週間も山奥だぜ…」
女「大変だよね…無理しないでね?」
イケメン「そこは普通に頑張ってねって行ってほしかったな」
女「そっか…ごめんね、頑張ってね!」ニコッ
イケメン「ああ!」
男「…なんかお前、女の前だと爽やか過ぎねえか?」
イケメン「はあ?そうか?」
転校生「うん…正直ちょっとキモチワルイ…」
イケメン「え゜っ…」
女「そんなことないと思うけど…」
転校生「いや、女ちゃんは私たちと接するときのお兄ちゃんの態度を知らないからそう思うだけだよ」
男「間違いないな。いくらなんでも差がありすぎるぞこれは…」
イケメン「んなことねえって…」
男「マジで自覚ないのかよ…お前…」
転校生「がっかりだよ…お兄ちゃん…」
イケメン「…男はともかく転校生に言われると軽くショックだな…」
男「まあ、俺からの台詞に一喜一憂してたら相当キモいけどな」
イケメン「…俺よりも、お前のが性格変わっただろ?」
男「そうか?」
イケメン「ああ。よく喋るようになってウザさが倍増した」
男「そりゃよかった」
女「男くんは小さいときから口悪かったよね」
転校生「あ、そこは昔から変わらずなんだ。ホント、平気で傷つくこと言ってくるよね、男くん。信じらんないよ」
男「…お前はどっちの味方なんだよ」
転校生「えっ!?勿論、男くんだよ?」
男「だったらフォローしろよ…」
153: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:38:40.65 ID:Grqn/7DQo
×××
イケメン「…そっか…結局、向こうで暮らすのか」
男「ああ。普通に考えて、高校生の身分で親と離れてる方が不自然だからな」
女「そうだよね…私もその方がいいと思う…」
イケメン「まあ、問題が解決したんだったらそっちの方が正しいよな…ただ」
女「…転校生ちゃんはそれでいいの?」
転校生「え?」
女「せっかく、付き合えるようになったのに、2学期前には離れ離れになっちゃうんでしょ?」
転校生「…うん、でも、やっぱり家族は一緒に居るべきだと思うな…少なくとも、そうできる間はそうするべきだよ…」
イケメン「…」
転校生「それに男くん、私が居るからここに残るとか言い出すんだもん…そんなこと言われちゃったら、もう私から残って欲しいなんて言えないよ」
男「おまっ…それ普通いうかよ…」
転校生「えっ?」
女「いいじゃん別に」
イケメン「普通のことだろ」
男「…くっそ…マジでハズいな…」
イケメン「…そっか…結局、向こうで暮らすのか」
男「ああ。普通に考えて、高校生の身分で親と離れてる方が不自然だからな」
女「そうだよね…私もその方がいいと思う…」
イケメン「まあ、問題が解決したんだったらそっちの方が正しいよな…ただ」
女「…転校生ちゃんはそれでいいの?」
転校生「え?」
女「せっかく、付き合えるようになったのに、2学期前には離れ離れになっちゃうんでしょ?」
転校生「…うん、でも、やっぱり家族は一緒に居るべきだと思うな…少なくとも、そうできる間はそうするべきだよ…」
イケメン「…」
転校生「それに男くん、私が居るからここに残るとか言い出すんだもん…そんなこと言われちゃったら、もう私から残って欲しいなんて言えないよ」
男「おまっ…それ普通いうかよ…」
転校生「えっ?」
女「いいじゃん別に」
イケメン「普通のことだろ」
男「…くっそ…マジでハズいな…」
154: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:39:12.07 ID:Grqn/7DQo
転校生「…本当なら…いやだよ…よくないよね…こういうワガママ言うの…」
男「…いいんだよ。ワガママくらい。もっと言えばいいだろ。彼氏に遠慮してどうすんだよ」
転校生「…うん。ありがとう」
女「…」ニヤニヤ
イケメン「…」ニヤニヤ
男「…なんだよお前ら」
女「なんでもないよ?」ニヤニヤ
男「っち…」
転校生「…でも、やっぱり、家族とちゃんと一緒に暮らして欲しい。私は大丈夫だから…お父さんとお母さんと仲良くして欲しいな」
男「…ああ。ありがとな、転校生」
転校生「でも、浮気はしないで欲しい…」
男「は?」
転校生「浮気はしないで欲しい…」
男「する訳ねえだろ?俺にそんな甲斐性があるように見えるのかお前は…」
転校生「…ほんとう?」
男「勿論。自慢じゃないが俺は究極にモテない。そこは安心しろ」
女「その言い方はどうなんだろうね…」
男「うるせえな。俺よりもその変の問題はお前のがあるだろ?お前は俺と違ってモテまくるんだからな」
転校生「そんなことないよ。それに、私、男子となんて全然話さないもん!女ちゃんやお兄ちゃんもいるし…」
男「そうかよ…」
転校生「そうだよ。私が好きなのは男くんだけ」
男「おまっ…ホントそういう恥ずかしいことを平気で言えるよな…」(///)
転校生「うぅっ…」(///)
イケメン「まあ、いいじゃねえかよ。んな心配、今してたって始まらねえんだから…で、いつ引っ越すんだ?」
男「夏休みギリギリまではこっちにいるつもり。ただ、向こうの高校への試験だりなんだりとあるから、8月頭くらいからは少し忙しくなるかな…」
女「…男くんの学力で受かる高校、あるといいね」
男「この女、マジでムカつくな…」
転校生「私もそこ、すごく心配…」
イケメン「何?男ってそんなにバカなの??」
男「…」
転校生「また私が勉強教えてあげるね」
男「…いいんだよ。ワガママくらい。もっと言えばいいだろ。彼氏に遠慮してどうすんだよ」
転校生「…うん。ありがとう」
女「…」ニヤニヤ
イケメン「…」ニヤニヤ
男「…なんだよお前ら」
女「なんでもないよ?」ニヤニヤ
男「っち…」
転校生「…でも、やっぱり、家族とちゃんと一緒に暮らして欲しい。私は大丈夫だから…お父さんとお母さんと仲良くして欲しいな」
男「…ああ。ありがとな、転校生」
転校生「でも、浮気はしないで欲しい…」
男「は?」
転校生「浮気はしないで欲しい…」
男「する訳ねえだろ?俺にそんな甲斐性があるように見えるのかお前は…」
転校生「…ほんとう?」
男「勿論。自慢じゃないが俺は究極にモテない。そこは安心しろ」
女「その言い方はどうなんだろうね…」
男「うるせえな。俺よりもその変の問題はお前のがあるだろ?お前は俺と違ってモテまくるんだからな」
転校生「そんなことないよ。それに、私、男子となんて全然話さないもん!女ちゃんやお兄ちゃんもいるし…」
男「そうかよ…」
転校生「そうだよ。私が好きなのは男くんだけ」
男「おまっ…ホントそういう恥ずかしいことを平気で言えるよな…」(///)
転校生「うぅっ…」(///)
イケメン「まあ、いいじゃねえかよ。んな心配、今してたって始まらねえんだから…で、いつ引っ越すんだ?」
男「夏休みギリギリまではこっちにいるつもり。ただ、向こうの高校への試験だりなんだりとあるから、8月頭くらいからは少し忙しくなるかな…」
女「…男くんの学力で受かる高校、あるといいね」
男「この女、マジでムカつくな…」
転校生「私もそこ、すごく心配…」
イケメン「何?男ってそんなにバカなの??」
男「…」
転校生「また私が勉強教えてあげるね」
155: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:40:00.75 ID:Grqn/7DQo
8月31日
男父「荷物はこれで全部か?」
男「ああ」
男父「なんか少なすぎて怖いな。今までどんな生活してたんだよ…」
男「うわっ…その台詞、激しくデジャヴ」
男父「ん?…そろそろ行くから、転校生さんに挨拶してこい」
男「はいよ…」
転校生「…」グズッ
男「…最後の最後に泣くなよな…」
転校生「…泣いてない」グズッ
男「お前、泣くと絶対鼻水垂れるんだな」
転校生「うるさい…」ゴシゴシ
男「裾で拭うなよ…」
転校生「…」グズッ
男「…まあ、週末にはまた戻ってくるから」
転校生「うん…」
男「言ったって、電車で2時間くらいだからお前も会いたい時に来いよ?」
転校生「うん…」
男「イケメンと、女と仲良くやれよ?」
転校生「うん…」
男「後、クラスからもあんまり浮くなよな」
転校生「…それ、男くんも同じ」
男「…まあ、俺も頑張るよ…」
転校生「うん…」グズッ
男「お前のお母さんにもよろしくな」
転校生「うん…」
男父「荷物はこれで全部か?」
男「ああ」
男父「なんか少なすぎて怖いな。今までどんな生活してたんだよ…」
男「うわっ…その台詞、激しくデジャヴ」
男父「ん?…そろそろ行くから、転校生さんに挨拶してこい」
男「はいよ…」
転校生「…」グズッ
男「…最後の最後に泣くなよな…」
転校生「…泣いてない」グズッ
男「お前、泣くと絶対鼻水垂れるんだな」
転校生「うるさい…」ゴシゴシ
男「裾で拭うなよ…」
転校生「…」グズッ
男「…まあ、週末にはまた戻ってくるから」
転校生「うん…」
男「言ったって、電車で2時間くらいだからお前も会いたい時に来いよ?」
転校生「うん…」
男「イケメンと、女と仲良くやれよ?」
転校生「うん…」
男「後、クラスからもあんまり浮くなよな」
転校生「…それ、男くんも同じ」
男「…まあ、俺も頑張るよ…」
転校生「うん…」グズッ
男「お前のお母さんにもよろしくな」
転校生「うん…」
156: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:41:06.70 ID:Grqn/7DQo
男「…」
転校生「…」
男「…」
転校生「…これ」
男「ん?」
転校生「お弁当…車の中で食べて?」
男「おお…ありがとな」
転校生「今度は全部、私が作ったんだ…途中で落としちゃって、中身ぐちゃぐちゃかもしれないけど…」
男「はは…なんか懐かしいな」
転校生「うん…そうだね」
男「そういや、覚えてるか?始めて屋上で会った時、お前が踏んづけた変な液体」
転校生「うん…そういえばあったね…」
男「あの時、お前が踏んだのってさ…」
転校生「何?」
男「…いや、やっぱいいや。また今度話すよ」
転校生「??変な男くん…」
男「…じゃあ、そろそろ行くな」
転校生「…ね、男くん」
男「何?」
転校生「目、閉じて?」
男「?」
転校生「…」チュッ
男「っ!!」
転校生「へへへ…男くん、顔真っ赤」(///)
男「…お前のほうこそ」(///)
転校生「…じゃあ、バイバイ。元気でね」
男「ああ…お前もな。しっかりやれよ」
転校生「うん!男くん、大好きっ!!」
男「ああ。俺も大好きだよ」
ムスコ「long time no see!! and see you again next SS!!」
転校生「…」
男「…」
転校生「…これ」
男「ん?」
転校生「お弁当…車の中で食べて?」
男「おお…ありがとな」
転校生「今度は全部、私が作ったんだ…途中で落としちゃって、中身ぐちゃぐちゃかもしれないけど…」
男「はは…なんか懐かしいな」
転校生「うん…そうだね」
男「そういや、覚えてるか?始めて屋上で会った時、お前が踏んづけた変な液体」
転校生「うん…そういえばあったね…」
男「あの時、お前が踏んだのってさ…」
転校生「何?」
男「…いや、やっぱいいや。また今度話すよ」
転校生「??変な男くん…」
男「…じゃあ、そろそろ行くな」
転校生「…ね、男くん」
男「何?」
転校生「目、閉じて?」
男「?」
転校生「…」チュッ
男「っ!!」
転校生「へへへ…男くん、顔真っ赤」(///)
男「…お前のほうこそ」(///)
転校生「…じゃあ、バイバイ。元気でね」
男「ああ…お前もな。しっかりやれよ」
転校生「うん!男くん、大好きっ!!」
男「ああ。俺も大好きだよ」
ムスコ「long time no see!! and see you again next SS!!」
157: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 11:42:52.94 ID:Grqn/7DQo
終わりです
読んでくれた方ありがとうございます
もしできたら感想なんかを聞きたいと思ったのですがすぐに落としてもらった方がいいのでしょうか?
読んでくれた方ありがとうございます
もしできたら感想なんかを聞きたいと思ったのですがすぐに落としてもらった方がいいのでしょうか?
170: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 12:49:49.91 ID:Grqn/7DQo
後日談
男(新しい学校に来てから2ヵ月経ったが、未だに新しい友達が出来ない…)
男(毎日の楽しみがオナニーしかない…)
男(だが、最近はオカズのネタもマンネリ気味でムスコの元気も衰えてきた…)
男(これは忌々しき事態だぞ…)
男(どうする…)ムスコポロン
男「マイサムよ…」
ムスコ「いかがされた、マイファザー(男裏声)」
男「今晩のオカズがないのだ。新しい食材を買おうにも、その資金すらない」
ムスコ「それは困りましたな。死活問題ですぞ!(男裏声)」
男「なにかいいアイディアはないものか…タダで新しいオカズを入手するためのいいアイディアは…」
ムスコ「…父上には交際されてる女子がいらっしゃいましたよね?(男裏声)」
男「確かに…しかし、それが今晩のオカズとどういった関わりがあるのだムスコよ」
ムスコ「愚息ながらに考えを巡らせた結果、その女子に食材を提供してもらうのが一番の解決だという結論が出たのですが・・・いかがでしょう父上(男裏声)」
男「…な、なんと!!それは名案だっ!!流石は我が息子!一皮も二皮も剥けた意気な策を申すな!!」
ムスコ「父上にお喜び頂き、至上の極みにございます(男裏声)」
男「よし!早速その案を実行に移すぞ!!」
ムスコ「御意(男裏声)」
to:転校生
from:男
タイトル:緊急事態!
本文:今晩のオカズがない!!
このままでは餓死してしまうので、エロ写メ送ってくださいm(_ _)m
to:男
from:転校生
タイトル:Re:緊急事態!
本文:そのまま餓死しろ
男「…ムスコよ、今夜のオカズはTSUT〇YAで借りた剃れイけパイ〇ンマンだ」
ムスコ「(´;ω;`)ブワッ」
>>167
こんな感じでよろしいでしょうか?
男(新しい学校に来てから2ヵ月経ったが、未だに新しい友達が出来ない…)
男(毎日の楽しみがオナニーしかない…)
男(だが、最近はオカズのネタもマンネリ気味でムスコの元気も衰えてきた…)
男(これは忌々しき事態だぞ…)
男(どうする…)ムスコポロン
男「マイサムよ…」
ムスコ「いかがされた、マイファザー(男裏声)」
男「今晩のオカズがないのだ。新しい食材を買おうにも、その資金すらない」
ムスコ「それは困りましたな。死活問題ですぞ!(男裏声)」
男「なにかいいアイディアはないものか…タダで新しいオカズを入手するためのいいアイディアは…」
ムスコ「…父上には交際されてる女子がいらっしゃいましたよね?(男裏声)」
男「確かに…しかし、それが今晩のオカズとどういった関わりがあるのだムスコよ」
ムスコ「愚息ながらに考えを巡らせた結果、その女子に食材を提供してもらうのが一番の解決だという結論が出たのですが・・・いかがでしょう父上(男裏声)」
男「…な、なんと!!それは名案だっ!!流石は我が息子!一皮も二皮も剥けた意気な策を申すな!!」
ムスコ「父上にお喜び頂き、至上の極みにございます(男裏声)」
男「よし!早速その案を実行に移すぞ!!」
ムスコ「御意(男裏声)」
to:転校生
from:男
タイトル:緊急事態!
本文:今晩のオカズがない!!
このままでは餓死してしまうので、エロ写メ送ってくださいm(_ _)m
to:男
from:転校生
タイトル:Re:緊急事態!
本文:そのまま餓死しろ
男「…ムスコよ、今夜のオカズはTSUT〇YAで借りた剃れイけパイ〇ンマンだ」
ムスコ「(´;ω;`)ブワッ」
>>167
こんな感じでよろしいでしょうか?
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 12:54:27.25 ID:N/Q6AeeRo
乙面白かった。読み直すと二度楽しめる系の作品やんけ
まーたクソビッチ系NTRかよと思ったら思わぬ良SSだったわ
まーたクソビッチ系NTRかよと思ったら思わぬ良SSだったわ
172: ◆Yu5RA0Xbd. 2015/12/30(水) 13:12:44.83 ID:Grqn/7DQo
>>171
ありがとうございます
読み直して楽しんでもらえるのは嬉しいです
今から寝るのでこのスレは自分が起きた時に落としてもらおうと思います
それまでに読んだ方いましたら是非感想をお願いしますm(_ _)m
ありがとうございます
読み直して楽しんでもらえるのは嬉しいです
今から寝るのでこのスレは自分が起きた時に落としてもらおうと思います
それまでに読んだ方いましたら是非感想をお願いしますm(_ _)m
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 14:04:05.19 ID:G+dOsAhi0
ムスコが可哀想だと思いました(小並感)
175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 14:14:45.91 ID:1CrBAqKxo
クソワロタ
おつ
おつ
176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 14:23:32.31 ID:9FXmmtp7O
展開が読めなくて引き込まれた
次作も楽しみにしてるよ乙
次作も楽しみにしてるよ乙
177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 15:23:38.52 ID:x32JrRUco
面白かったし読みやすかった、おつ
184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:41:15.93 ID:FXQOzrdwO
面白かった
乙ー
乙ー
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451408867/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
??「お、お母さん!?」 菜々「え?」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:24:55.01 ID:lz+IKLer0
モバP「俺の子供かー」
のあとの話ですが読んでなくても問題ないです
のあとの話ですが読んでなくても問題ないです
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:25:51.42 ID:lz+IKLer0
???ビル前
??「ふっふっふっ、遂に念願のアイドルになることができました!」
??「お父さんもお母さんもまだ早いって言ってたけど私ももう中学生!」
??「今日から私の伝説が始まりますよー!」
??「ウーサミン!キャハッ☆、ってあれ?なにこれ?光につつまr」
??「ふっふっふっ、遂に念願のアイドルになることができました!」
??「お父さんもお母さんもまだ早いって言ってたけど私ももう中学生!」
??「今日から私の伝説が始まりますよー!」
??「ウーサミン!キャハッ☆、ってあれ?なにこれ?光につつまr」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:32:52.00 ID:lz+IKLer0
346プロビル内
菜々「きゃっ、まぶしっ」
晶葉「うーむ?」
菜々「ど、どうしたんですか? 今何か光りましたけど…」
晶葉「いや、実はこの{助手の子供を未来から呼ぶ装置}の点検をしていたんだがな」
菜々「なんですか…そのピンポイントな装置……」
晶葉「長い間放置していたからか、誤作動を起こしてしまったようだ」
菜々「きゃっ、まぶしっ」
晶葉「うーむ?」
菜々「ど、どうしたんですか? 今何か光りましたけど…」
晶葉「いや、実はこの{助手の子供を未来から呼ぶ装置}の点検をしていたんだがな」
菜々「なんですか…そのピンポイントな装置……」
晶葉「長い間放置していたからか、誤作動を起こしてしまったようだ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:36:52.73 ID:lz+IKLer0
菜々「プロデューサーさんの子供を呼ぶ装置なんですよね?でも菜々達の他には誰もいませんよ?」
晶葉「そこが気になっているんだ……まあ、ただ正常に起動しなかっただけだろう、一旦休憩にする」
菜々「あっ、じゃあ菜々がお茶を入れてきますねー」
晶葉「すまない、ありがとう」
みく「おはよーにゃ!」ガチャ
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:41:14.73 ID:lz+IKLer0
晶葉「おはよう、みく」
みく「あれ?今、事務所には晶葉ちゃんしかいないの?」
晶葉「あぁ、助手は今は出払ってる、何でも新たしい子が来るらしい、ちひろさんならそろそろ…」
ちひろ「ただいま戻りましたー」ガチャ
みく「あっ、ちひろさん、お疲れ様にゃ!」
みく「あれ?今、事務所には晶葉ちゃんしかいないの?」
晶葉「あぁ、助手は今は出払ってる、何でも新たしい子が来るらしい、ちひろさんならそろそろ…」
ちひろ「ただいま戻りましたー」ガチャ
みく「あっ、ちひろさん、お疲れ様にゃ!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 23:47:39.88 ID:lz+IKLer0
ちひろ「みくちゃん、晶葉ちゃん、おはよう、ところでそのメカは何ですか?」
晶葉「うむ、{助手の子供を未来から呼ぶ装置}だ」
みく「」
ちひろ「また、なんでそんなピンポイントな物を…、あれ?みくちゃんどうしたの?」
みく「みくはあれにいい思い出がないにゃ……」
晶葉「うむ、{助手の子供を未来から呼ぶ装置}だ」
みく「」
ちひろ「また、なんでそんなピンポイントな物を…、あれ?みくちゃんどうしたの?」
みく「みくはあれにいい思い出がないにゃ……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 00:01:39.37 ID:Q2lttwtb0
ID変わりましたが>>1です
ちひろ「でもプロデューサーさんの子供ですか、ちょっと見てみたい気もしますね」
晶葉「それが現在修理中なんだ、直るまで待ってくれ」
ちひろ「ちなみに前に呼んだときはどんな子が来たんですか?」
晶葉「確か…、スーツを着た女性とYシャツを被った少女だった」
みく「Yシャツを被った?着てたんじゃないの?」
晶葉「いや、あれは被っていた」
ちひろ「前半はさっぱりだけど後半は何となく誰との子供かわかっちゃいましたね……」
ちひろ「でもプロデューサーさんの子供ですか、ちょっと見てみたい気もしますね」
晶葉「それが現在修理中なんだ、直るまで待ってくれ」
ちひろ「ちなみに前に呼んだときはどんな子が来たんですか?」
晶葉「確か…、スーツを着た女性とYシャツを被った少女だった」
みく「Yシャツを被った?着てたんじゃないの?」
晶葉「いや、あれは被っていた」
ちひろ「前半はさっぱりだけど後半は何となく誰との子供かわかっちゃいましたね……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 00:08:49.85 ID:Q2lttwtb0
ちひろ「それがプロデューサーさんがスカウトしてきた子なので私も見たことはないんですよ、そろそろ来ると思うんだけど…」
??「お、おはようございまーす」ガチャ
p「は、初めまして!pっていいます!今日からよろしくお願いいます!」
みく「噂をすればにゃ、みくは前川みくにゃ!、よろしくねpちゃん!」
ちひろ「初めまして、pちゃん、私はアシスタントの千川ちひろと申します、これからよろしくね」
??「お、おはようございまーす」ガチャ
p「は、初めまして!pっていいます!今日からよろしくお願いいます!」
みく「噂をすればにゃ、みくは前川みくにゃ!、よろしくねpちゃん!」
ちひろ「初めまして、pちゃん、私はアシスタントの千川ちひろと申します、これからよろしくね」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 00:24:15.20 ID:Q2lttwtb0
p「みくさんにちひろさんですね! それでそのそちらの方は…」
晶葉「ん?あぁ、私は池袋晶葉だ、これからよろしく」
p「はい!これからよr「おまたせしましたー」」
菜々「いやー、お茶の葉が切れちゃってて、コーヒーにしたんですけどよかったですか?」
晶葉「いや、すまない、ありがとう」
菜々「また買ってこないといけませんねー、あっ、ちひろさんにみくちゃん!おはようございます!…そちらの子はどなたですか?」
晶葉「ん?あぁ、私は池袋晶葉だ、これからよろしく」
p「はい!これからよr「おまたせしましたー」」
菜々「いやー、お茶の葉が切れちゃってて、コーヒーにしたんですけどよかったですか?」
晶葉「いや、すまない、ありがとう」
菜々「また買ってこないといけませんねー、あっ、ちひろさんにみくちゃん!おはようございます!…そちらの子はどなたですか?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 00:35:57.58 ID:Q2lttwtb0
ちひろ「おはよう、菜々ちゃん、この子はですね、新しいアイドルの……」
p「」
みく「あれ?どうしたの固まって?もしかして菜々ちゃんの大ファンだったとか?」
菜々「そ、そうなんですか!遂に菜々の努力が身をm「お、」」
p「お母さん!?」
菜々「え?」
ち 晶 み「」
p「」
みく「あれ?どうしたの固まって?もしかして菜々ちゃんの大ファンだったとか?」
菜々「そ、そうなんですか!遂に菜々の努力が身をm「お、」」
p「お母さん!?」
菜々「え?」
ち 晶 み「」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 00:46:39.43 ID:Q2lttwtb0
菜々「えーと?、だ、誰かと勘違いしてるんじゃないかなー?菜々は永遠の17歳だから年頃の娘なんていませんよー?」
p「え?ちょっと、外でもその設定でやってたの?やめてよ恥ずかしいもう今年でs「わー!わー!」になるのに」
菜々「ちょっと何を言うつもりなんですか!菜々は正真正銘のJK!ナウいJKなんですよー!」
菜々「そうですよね!みなさん!」
みく「菜々ちゃn…、菜々さんは既婚者だったのかにゃ?」
菜々「そんなわけないじゃないですか!」
ちひろ「安部さん、娘さんがいらっしゃったんですね…」
菜々「ちょっと何でちひろさんまで敬語になってるんですか!菜々は年下!」
ちひろ「え?でも、pちゃんくらいの年の娘さんがいらっしゃるなら確実に私より年上……」
菜々「だから誤解ですって!」
p「え?ちょっと、外でもその設定でやってたの?やめてよ恥ずかしいもう今年でs「わー!わー!」になるのに」
菜々「ちょっと何を言うつもりなんですか!菜々は正真正銘のJK!ナウいJKなんですよー!」
菜々「そうですよね!みなさん!」
みく「菜々ちゃn…、菜々さんは既婚者だったのかにゃ?」
菜々「そんなわけないじゃないですか!」
ちひろ「安部さん、娘さんがいらっしゃったんですね…」
菜々「ちょっと何でちひろさんまで敬語になってるんですか!菜々は年下!」
ちひろ「え?でも、pちゃんくらいの年の娘さんがいらっしゃるなら確実に私より年上……」
菜々「だから誤解ですって!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 01:26:32.13 ID:Q2lttwtb0
p「それにそのメイド服…この前着てポーズをきめてるところを偶々遊びに来てた私の友達に見られて「げ、元気のいいお母さんだね」って引きつった顔でフォローされて私すっごい恥ずかしかったんだからね!」
菜々「やけに具体的なエピソードを出さないでください!みんなが信じたらどうするんですか!」
p「あと、ちょいちょいお母さんが使ってるナウいとかってワード全然ナウくないからね」
菜々「」ガーン
p「何のつもりか知らないけど私はアイドル諦めるつもりはないよ!それからそのキャラはイタイから外では止めて」
菜々「やけに具体的なエピソードを出さないでください!みんなが信じたらどうするんですか!」
p「あと、ちょいちょいお母さんが使ってるナウいとかってワード全然ナウくないからね」
菜々「」ガーン
p「何のつもりか知らないけど私はアイドル諦めるつもりはないよ!それからそのキャラはイタイから外では止めて」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 01:45:18.01 ID:Q2lttwtb0
菜々「さっきから聞いてれば、あなたも!菜々には娘なんていません!そもそも結婚だってしてな「ただいまもどりましたー」」
モバP「なんだか騒がしいですけど何かあったんですか?」
ちひろ「それがですね…」
みく「菜々さんが結婚してpちゃんが反抗期にゃ」
モバP「なるほど、全くわからん」
晶葉「私が説明しよう」
モバP「なんだか騒がしいですけど何かあったんですか?」
ちひろ「それがですね…」
みく「菜々さんが結婚してpちゃんが反抗期にゃ」
モバP「なるほど、全くわからん」
晶葉「私が説明しよう」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:13:28.72 ID:Q2lttwtb0
晶葉「カクカクシカジカ」
モバP「つまりこの女の子が菜々さんの娘さんで絶賛修羅場ってるというわけか」
菜々「だから違いますって!菜々に娘なんていませ「お、」」
p「お父さん!?」
モバP「はい?」
一同「」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:16:28.32 ID:Q2lttwtb0
p「な、何でお父さんまで、まさか私がアイドルになるのを止めに来たの?、私は絶対諦めないからね!」ダッ
モバP「こ、こらっ!ちょっと待」バタン
菜々「な、菜々が追いかけます!待てー!」ダッ
モバP「な、菜々さんまで!?」
晶葉「(ん?父親が助手?)」
ちひろ「プロデューサーさん…」
みく「Pチャン…」
モバP「……ええい!、俺も追いかけてくる!」ダッ
モバP「こ、こらっ!ちょっと待」バタン
菜々「な、菜々が追いかけます!待てー!」ダッ
モバP「な、菜々さんまで!?」
晶葉「(ん?父親が助手?)」
ちひろ「プロデューサーさん…」
みく「Pチャン…」
モバP「……ええい!、俺も追いかけてくる!」ダッ
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:39:21.33 ID:Q2lttwtb0
p「全くお父さんもお母さんもこんなところまで追いかけてくるなんて」タッタッタ
p「私は諦めn痛っ」ドン
凛「ッ、大丈夫?怪我はない?」
p「は、はい、ごめんなさい、ぶつかっちゃって…」
凛「……随分と慌ててたみたいだけどどうかしたの?」
p「実は……」
p「私は諦めn痛っ」ドン
凛「ッ、大丈夫?怪我はない?」
p「は、はい、ごめんなさい、ぶつかっちゃって…」
凛「……随分と慌ててたみたいだけどどうかしたの?」
p「実は……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:52:52.15 ID:Q2lttwtb0
p説明中
凛「なるほどね、アイドルになることを両親に反対されてると」
p「はい…まだ早いって、お姉さんは……」
凛「凛でいいよ、自分のやりたいことを反対されるのは辛いよね」
p「凛さん…」
凛「でもね、アイドルは楽じゃないよ」
凛「最初は裏方の仕事ばっかりだし、いざライブに出れるって話になっても必ず成功するわけじゃない、挫折をすることだってある」
凛「私の友達もそれで1回アイドルを辞めそうになった子がいる」
凛「それにpも学生でしょ?勉強だってしなくちゃいけない」
p「そ、それは……」
凛「それにpの親だって絶対に駄目だって言ってるわけじゃないんでしょ?」
p「はい……、でも、私は早くアイドルに「それならさ」」
凛「認めさせればいいんだよ」
p「?」
凛「勉強も頑張って自主練もして私はもう大丈夫って言えるようになればきっと認めてくれるよ」
凛「それができないようならアイドルになったって続かないだろうし」
凛「なるほどね、アイドルになることを両親に反対されてると」
p「はい…まだ早いって、お姉さんは……」
凛「凛でいいよ、自分のやりたいことを反対されるのは辛いよね」
p「凛さん…」
凛「でもね、アイドルは楽じゃないよ」
凛「最初は裏方の仕事ばっかりだし、いざライブに出れるって話になっても必ず成功するわけじゃない、挫折をすることだってある」
凛「私の友達もそれで1回アイドルを辞めそうになった子がいる」
凛「それにpも学生でしょ?勉強だってしなくちゃいけない」
p「そ、それは……」
凛「それにpの親だって絶対に駄目だって言ってるわけじゃないんでしょ?」
p「はい……、でも、私は早くアイドルに「それならさ」」
凛「認めさせればいいんだよ」
p「?」
凛「勉強も頑張って自主練もして私はもう大丈夫って言えるようになればきっと認めてくれるよ」
凛「それができないようならアイドルになったって続かないだろうし」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:55:23.19 ID:Q2lttwtb0
p「凛さん…ありがとうございます!私もうちょっと自分のことが見えるようになってからアイドルを目指すことにします!」
凛「ん、頑張ってね、ところでpの親ってどんn「あー!」」
菜々「ぜぇぜぇ、見つけましたよー!」
モバP「あっ、いた!」
凛「な、菜々さんとプロデューサー?どうし「お父さん!お母さん!」」
凛「ん、頑張ってね、ところでpの親ってどんn「あー!」」
菜々「ぜぇぜぇ、見つけましたよー!」
モバP「あっ、いた!」
凛「な、菜々さんとプロデューサー?どうし「お父さん!お母さん!」」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 02:56:55.39 ID:Q2lttwtb0
p「私アイドルになるのもうちょっと待ってみる!」
p「それで自分を見つめなおすことができたら」
p「そのときは改めてみとm」ピカッ
モバP「き、消えた?」
菜々「ど、どういうことなんでしょう?」
モバP「わからん、でも今はそんなことよりも…」
凛「ふーん、あんたがpの父親?どういうことなの?」ゴゴゴゴ
モバP「凛をなんとかしないといけないらしい……」
p「それで自分を見つめなおすことができたら」
p「そのときは改めてみとm」ピカッ
モバP「き、消えた?」
菜々「ど、どういうことなんでしょう?」
モバP「わからん、でも今はそんなことよりも…」
凛「ふーん、あんたがpの父親?どういうことなの?」ゴゴゴゴ
モバP「凛をなんとかしないといけないらしい……」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 03:03:37.22 ID:Q2lttwtb0
晶葉「つまりあの子はこの装置から本来ここに呼び出されるはずの未来の助手の子供だったわけだ」
凛「ふーん、なるほどね」
ちひろ「ということはプロデューサーさんと菜々さんは近い将来結婚するってことですか?」
モバP「え!?///」
菜々「な、菜々はプロデューサーさんとなら///「そうとは限らないんじゃないかな」」
凛「私が試したときは私とプロデューサーの子供が出てきたし」
みく「みくは何にもしてないのにとばっちりを受けたにゃ」
モバP「お前らも使ったことがあるのか」
晶葉「つまり未来には様々な可能性があるということだ」
凛「ふーん、なるほどね」
ちひろ「ということはプロデューサーさんと菜々さんは近い将来結婚するってことですか?」
モバP「え!?///」
菜々「な、菜々はプロデューサーさんとなら///「そうとは限らないんじゃないかな」」
凛「私が試したときは私とプロデューサーの子供が出てきたし」
みく「みくは何にもしてないのにとばっちりを受けたにゃ」
モバP「お前らも使ったことがあるのか」
晶葉「つまり未来には様々な可能性があるということだ」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 03:06:26.45 ID:Q2lttwtb0
晶葉「しかし、今回のようなことがそう何度も起こっても困るな…本格的な調整をするか」
モバP「そうしてくれ……、じゃなきゃ心臓に悪い」
ちひろ「なんにせよ、これで一件落着!ですね」
モバP「そうしてくれ……、じゃなきゃ心臓に悪い」
ちひろ「なんにせよ、これで一件落着!ですね」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 03:08:14.29 ID:Q2lttwtb0
モバP「ところで凛」
凛「何?プロデューサー」
モバP「そろそろ俺のジャケット返して」
凛「いや」スーハースーハー
終わり
凛「何?プロデューサー」
モバP「そろそろ俺のジャケット返して」
凛「いや」スーハースーハー
終わり
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 03:10:21.46 ID:Q2lttwtb0
菜々さん編はこれで終了です
久しぶりにギャグじゃない話が書けました(気のせい)
後日おまけを書いて、その後次のアイドルの子供の話を書こうと思います
久しぶりにギャグじゃない話が書けました(気のせい)
後日おまけを書いて、その後次のアイドルの子供の話を書こうと思います
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:19:35.68 ID:leFwrMaZ0
>>1です
おまけ投下します
おまけ投下します
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:21:11.50 ID:leFwrMaZ0
おまけ
???ビル前
p「あ、あれいつの間にかビルの前に…」
??「そこのお嬢さん、ちょっとよろしいかな?」
p「はい? どなたですか……あっ!お父さん!お母さんも!」
モバP(未来)「よう、父さんの会社に何か用かな?」
菜々(未来)「pちゃんもしかして?」
p「うっ……ここお父さんの会社だったの!?」
モバP「あぁ、数年前にアイドル部門だけ独立させてそこの社長を……ってそんなことはいいんだ、pはなんでここに?」
???ビル前
p「あ、あれいつの間にかビルの前に…」
??「そこのお嬢さん、ちょっとよろしいかな?」
p「はい? どなたですか……あっ!お父さん!お母さんも!」
モバP(未来)「よう、父さんの会社に何か用かな?」
菜々(未来)「pちゃんもしかして?」
p「うっ……ここお父さんの会社だったの!?」
モバP「あぁ、数年前にアイドル部門だけ独立させてそこの社長を……ってそんなことはいいんだ、pはなんでここに?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:31:02.87 ID:leFwrMaZ0
p「えーと、私ここのオーディションに受かって今日からアイドルをする予定だったんだけど」
モバP「まぁ、通したの俺だから知ってるんだけどな」
p「え!?あんなに反対してたのになんで……」
モバP「まぁ、なんだ…お前の本気を見れたからな」
p「私の本気?」
モバP「あぁ、pも中学生になったとはいえまだまだ子供だ、そう思っていたんだが」
モバP「1人でオーディションを受けることを決めて、その上でちゃんとうちのプロデューサーの目に留まったわけだからな、そこを尊重して」
p「お父さん……」
菜々「とか言ってますけど本当は親バカもいい加減にしろって元担当アイドル達にお説教されちゃったからなんですけどね」
モバP「お、おい、菜々余計なことは」
モバP「まぁ、通したの俺だから知ってるんだけどな」
p「え!?あんなに反対してたのになんで……」
モバP「まぁ、なんだ…お前の本気を見れたからな」
p「私の本気?」
モバP「あぁ、pも中学生になったとはいえまだまだ子供だ、そう思っていたんだが」
モバP「1人でオーディションを受けることを決めて、その上でちゃんとうちのプロデューサーの目に留まったわけだからな、そこを尊重して」
p「お父さん……」
菜々「とか言ってますけど本当は親バカもいい加減にしろって元担当アイドル達にお説教されちゃったからなんですけどね」
モバP「お、おい、菜々余計なことは」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:41:12.40 ID:leFwrMaZ0
p「ありがとう、お父さん、お母さん、でもね、その話お断りしようって考えてたんだ」
菜々「どうして?」
p「お父さんのいう通り私は前しか見えてない子供だったってことに気がついたからかな…だから……」
モバP「……そうか、まぁ、席は残して置くから覚悟ができたら戻ってきなさい」
p「ありがとう!」
p「よーし!目指せ!トップアイドルー!」
菜々「どうして?」
p「お父さんのいう通り私は前しか見えてない子供だったってことに気がついたからかな…だから……」
モバP「……そうか、まぁ、席は残して置くから覚悟ができたら戻ってきなさい」
p「ありがとう!」
p「よーし!目指せ!トップアイドルー!」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:49:14.23 ID:leFwrMaZ0
p「あっ、そういえば、お母さんいつの間に着替えたの?」
菜々「?今日は朝からこの服ですけど?」
p「え?でもさっき…っていうか二人とも何か老けた?」
菜々「」ピキッ
モバP「(アカン)」
おまけ終わり
菜々「?今日は朝からこの服ですけど?」
p「え?でもさっき…っていうか二人とも何か老けた?」
菜々「」ピキッ
モバP「(アカン)」
おまけ終わり
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 21:54:44.43 ID:leFwrMaZ0
菜々さんが母親という設定にはなぜこんなにも魅力があるのか
次はパッションでキュートなあのアイドルの登場です
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:01:49.28 ID:leFwrMaZ0
晶葉「さて、調整完了だ、これでpのときのようなことは起こらないだろう」
モバP「そうか、ならあとはうっかり誰かがそれを使ってしまわないようにし「にょっわー☆」」
きらり「おはようだにぃー☆」
杏「帰りたい…」
晶葉「うむ、おはよう」
モバP「おう、二人ともおはよう」
モバP「そうか、ならあとはうっかり誰かがそれを使ってしまわないようにし「にょっわー☆」」
きらり「おはようだにぃー☆」
杏「帰りたい…」
晶葉「うむ、おはよう」
モバP「おう、二人ともおはよう」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:06:07.06 ID:leFwrMaZ0
杏「…この事務所の真ん中に鎮座してる巨大な機械は何?」
晶葉「ふむ、よく聞いてくれた、これは{助手の子供を未来から呼ぶ装置}だ」
杏「もう名前から出落ちじゃん」
きらり「にょわ?Pちゃんの子供が見れるのー?」
晶葉「あぁ、そうだ、どんな子が来るかは入れるもの次第だがな」
晶葉「ふむ、よく聞いてくれた、これは{助手の子供を未来から呼ぶ装置}だ」
杏「もう名前から出落ちじゃん」
きらり「にょわ?Pちゃんの子供が見れるのー?」
晶葉「あぁ、そうだ、どんな子が来るかは入れるもの次第だがな」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:11:22.96 ID:leFwrMaZ0
モバP「そういえば、今まではどんな物を入れて動かしてたんだ?」
晶葉「確か…Yシャツとマグカップだな、前回は何を媒体に呼んだのかさっぱりだが」
モバP「そういえば、Yシャツが何度か勝手に新しいものに変わってたことがあったな…」
晶葉「まぁ、これの実験で使ったのは一回だけだがな」
モバP「え?じゃあ他のYシャツはどこに…」
晶葉「確か…Yシャツとマグカップだな、前回は何を媒体に呼んだのかさっぱりだが」
モバP「そういえば、Yシャツが何度か勝手に新しいものに変わってたことがあったな…」
晶葉「まぁ、これの実験で使ったのは一回だけだがな」
モバP「え?じゃあ他のYシャツはどこに…」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:27:48.20 ID:leFwrMaZ0
杏「プロデューサーのくたびれたYシャツの行方なんてどうでもいいよ…そんなことより飴頂戴」
モバP「出たな、妖怪飴くれめ、仕事をこなしてから出直してきやがれ」
杏「えー?仕方ないなー、今日は真面目にやるよー」
モバP「おっ、珍しくやる気だな、感心、感心」
杏「と見せかけて、そこだー!」
モバP「あっ、こら!引き出しの中を引っ掻き回すな!」
きらり「こらー!杏ちゃんズルはめっ!だよー」
杏「はーなーせー!」
晶葉「おい、あんまり暴れると装置ぶつかるぞ」
モバP「そうだぞ、大人しくし、うお!」ガタガタ
杏「うわ!」ガンッ!
装置「」ピカッ
モバP「出たな、妖怪飴くれめ、仕事をこなしてから出直してきやがれ」
杏「えー?仕方ないなー、今日は真面目にやるよー」
モバP「おっ、珍しくやる気だな、感心、感心」
杏「と見せかけて、そこだー!」
モバP「あっ、こら!引き出しの中を引っ掻き回すな!」
きらり「こらー!杏ちゃんズルはめっ!だよー」
杏「はーなーせー!」
晶葉「おい、あんまり暴れると装置ぶつかるぞ」
モバP「そうだぞ、大人しくし、うお!」ガタガタ
杏「うわ!」ガンッ!
装置「」ピカッ
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:33:22.20 ID:leFwrMaZ0
??「うーん」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:34:45.72 ID:leFwrMaZ0
きらり「Pちゃん、杏ちゃん大丈夫?」
モバP「いてて、杏大丈夫か?」
杏「もう無理、骨折れた、だから帰っていい?」
モバP「よし、元気そうだな、それで…」
??「zzz」
モバP「この子は誰だ?」
杏「さあ?」
モバP「いてて、杏大丈夫か?」
杏「もう無理、骨折れた、だから帰っていい?」
モバP「よし、元気そうだな、それで…」
??「zzz」
モバP「この子は誰だ?」
杏「さあ?」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:44:43.02 ID:leFwrMaZ0
晶葉「まぁ、状況と今までの結果から考えられるとすれば……助手と杏の子供ということになるだろう」
モバP「この子が?」
??「うーん、は、働きたくない……」zzzzz
モバP「……あぁ、うん、間違いなく杏の子だわ」
きらり「うきゃー☆かわゆいにぃー☆」
モバP「この子が?」
??「うーん、は、働きたくない……」zzzzz
モバP「……あぁ、うん、間違いなく杏の子だわ」
きらり「うきゃー☆かわゆいにぃー☆」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:46:27.64 ID:leFwrMaZ0
モバP「しかし、また随分と小さい子を呼んじまったみたいだな小学生ぐらいか?」
晶葉「いや、ダイヤルの数値を見る限り15歳になっているから正常に起動しているならこの子は15歳だ」
モバP「え、まぁでも…」
杏「何さ」
モバP「なんでもない」
きらり「ちっちゃくても大きくても杏ちゃんは可愛いにぃー」
晶葉「いや、ダイヤルの数値を見る限り15歳になっているから正常に起動しているならこの子は15歳だ」
モバP「え、まぁでも…」
杏「何さ」
モバP「なんでもない」
きらり「ちっちゃくても大きくても杏ちゃんは可愛いにぃー」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 22:50:27.63 ID:leFwrMaZ0
モバP「しかしこの子よくこんな状況で目を覚まさないな」
杏「杏の子供だからね、多少の騒音は子守唄だよ」ドヤァ
モバP「威張れることではないぞ」
??「うーん、ハッ!」
きらり「あ!お目覚めだにぃ!」
杏「杏の子供だからね、多少の騒音は子守唄だよ」ドヤァ
モバP「威張れることではないぞ」
??「うーん、ハッ!」
きらり「あ!お目覚めだにぃ!」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:01:05.79 ID:leFwrMaZ0
??「こ、ここは?」
モバP「おはよう、突然で申し訳ないのだけどここは「あー!」」
??「もうこんな時間!p太郎とp助を起こさないと!」
??「お弁当も作ってないし!お洗濯もしきゃ!」
??「なんで目覚まし鳴ってくれないの!もー!」
??「働きたくない!」
モバP「」
杏「」
晶葉「」
きらり「にょわ…、働き者の杏ちゃんだにぃ」
モバP「おはよう、突然で申し訳ないのだけどここは「あー!」」
??「もうこんな時間!p太郎とp助を起こさないと!」
??「お弁当も作ってないし!お洗濯もしきゃ!」
??「なんで目覚まし鳴ってくれないの!もー!」
??「働きたくない!」
モバP「」
杏「」
晶葉「」
きらり「にょわ…、働き者の杏ちゃんだにぃ」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:04:51.83 ID:leFwrMaZ0
??「すみません、先ほどは取り乱してしまって…」
モバP「い、いや、驚きはしたけどね、大丈夫だよ、それで君は?」
p美「私の名前はp美といいます…それであなたは家の父によく似ていますがどちら様ですか?というかここは?」
晶葉「それについては私が説明しよう」
モバP「い、いや、驚きはしたけどね、大丈夫だよ、それで君は?」
p美「私の名前はp美といいます…それであなたは家の父によく似ていますがどちら様ですか?というかここは?」
晶葉「それについては私が説明しよう」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:09:02.37 ID:leFwrMaZ0
説明略
p美「なるほど、では、ここは過去の世界なのですね、ということはこちらにいるのは若い頃の父と母ということですか」
モバP「p美ちゃんから見たらそういうことになるな、しかし、驚いたなぁ、まさか…杏の子供がこんなしっかりした子になるなんて…」
杏「ひどい言われようだなぁ、まぁ、杏も驚いてるけどね」
p美「……幼いころからこんな母を見て育ちましたからね、嫌でもしっかりしますよ」
晶葉「反面教師というやつだな」
p美「えぇ、この人は弟の世話から家事から何から全くやりませんからね」
p美「なるほど、では、ここは過去の世界なのですね、ということはこちらにいるのは若い頃の父と母ということですか」
モバP「p美ちゃんから見たらそういうことになるな、しかし、驚いたなぁ、まさか…杏の子供がこんなしっかりした子になるなんて…」
杏「ひどい言われようだなぁ、まぁ、杏も驚いてるけどね」
p美「……幼いころからこんな母を見て育ちましたからね、嫌でもしっかりしますよ」
晶葉「反面教師というやつだな」
p美「えぇ、この人は弟の世話から家事から何から全くやりませんからね」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:17:06.66 ID:leFwrMaZ0
きらり「p美ちゃんには弟がいるのかにぃ?」
p美「はい、p助とp太郎が…、二人とも母親に似て性格がルーズで手を焼いてます」
モバP「杏が三人か……うへぇ、大変そうだな」
杏「何さ、その露骨に嫌そうな顔は」
p美「まぁ、弟の世話は姉の勤めですからね、それに憎たらしいばっかりでもないですし…」
p美「はい、p助とp太郎が…、二人とも母親に似て性格がルーズで手を焼いてます」
モバP「杏が三人か……うへぇ、大変そうだな」
杏「何さ、その露骨に嫌そうな顔は」
p美「まぁ、弟の世話は姉の勤めですからね、それに憎たらしいばっかりでもないですし…」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:22:23.14 ID:leFwrMaZ0
きらり「p美ちゃんはとーっても良いお姉ちゃんなんだねー!えらいえらい!」ナデナデ
p美「うわっわ、……きらりさんはこの時代でも変わりませんね…」
きらり「うゆ?p美ちゃんはきらりとお知り合いだったの?」
p美「はい、何かと家に来ては弟と遊んでくれたり家事を手伝ってくれたりと、とても感謝をしてます」
きらり「うきゃー☆きらりと杏ちゃんはずーっと仲良しさんなんだってー!きらりうれすぃー!」
杏「きらり、わかったわかったから揺さないで」グワングワン
p美「うわっわ、……きらりさんはこの時代でも変わりませんね…」
きらり「うゆ?p美ちゃんはきらりとお知り合いだったの?」
p美「はい、何かと家に来ては弟と遊んでくれたり家事を手伝ってくれたりと、とても感謝をしてます」
きらり「うきゃー☆きらりと杏ちゃんはずーっと仲良しさんなんだってー!きらりうれすぃー!」
杏「きらり、わかったわかったから揺さないで」グワングワン
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:27:31.17 ID:leFwrMaZ0
モバP「ちなみに俺はその時代だと何を……」
p美「父は私たちの為によく働いてくれています」
モバP「そ、そうか」
p美「はい、半年に1回ぐらいしか顔を見せないことを除けば良い父親です」ジトー
モバP「うっ」
きらり「Pちゃーん、家族にはちゃーんと合わないとめっだよー」
モバP「はい…精進します…」
p美「父は私たちの為によく働いてくれています」
モバP「そ、そうか」
p美「はい、半年に1回ぐらいしか顔を見せないことを除けば良い父親です」ジトー
モバP「うっ」
きらり「Pちゃーん、家族にはちゃーんと合わないとめっだよー」
モバP「はい…精進します…」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:10:25.74 ID:Dvem3MNN0
晶葉「そろそろ時間だ」
モバP「何?もうか…」
きらり「えー?もっともっとp美ちゃんとお話したいにぃ」
p美「あ、そういえば、向こうでの時間経過って」
晶葉「心配する必要はない、向こうではほんの一瞬視界から消えたぐらいの認識のはずだ」
モバP「何?もうか…」
きらり「えー?もっともっとp美ちゃんとお話したいにぃ」
p美「あ、そういえば、向こうでの時間経過って」
晶葉「心配する必要はない、向こうではほんの一瞬視界から消えたぐらいの認識のはずだ」
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:16:56.80 ID:Dvem3MNN0
モバP「向こうに帰っても頑張れよ、困ったときは遠慮せず俺を頼れ!父親なんだからな!」
p美「はい、ありがとうございます」
きらり「p美ちゃん、向こうのきらりににもハピハピよろしくにぃー☆」
p美「おっつおっつばっちし☆…です」
杏「あー、p美」
p美「何でしょう?」
p美「はい、ありがとうございます」
きらり「p美ちゃん、向こうのきらりににもハピハピよろしくにぃー☆」
p美「おっつおっつばっちし☆…です」
杏「あー、p美」
p美「何でしょう?」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:31:11.04 ID:Dvem3MNN0
杏「杏はさ、向こうでも普段はだらしなくて何にもやらないやりたくないって言ってるんだろうけど」
p美「そうですね、その通りです」
杏「……でもね、ちゃんとp美たちのことも考えてると思うから……だから…」
杏「もし、本当にp美が困ったときは杏を頼っても……いいよ?」
p美「…大丈夫です、ちゃんとわかってますよ……」
p美「お母さん」ピカッ
p美「そうですね、その通りです」
杏「……でもね、ちゃんとp美たちのことも考えてると思うから……だから…」
杏「もし、本当にp美が困ったときは杏を頼っても……いいよ?」
p美「…大丈夫です、ちゃんとわかってますよ……」
p美「お母さん」ピカッ
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:42:03.14 ID:Dvem3MNN0
モバP「いっちまったな」
晶葉「そうだな」
モバP「しかし、杏からあんな言葉が出るとは意外だったな」
きらり「きらりはちゃーんとわかってたよー、杏ちゃんは普段はだらだらしてるけどしっかりみーんなのことを見てるにぃ」
杏「本当はこういうの杏のキャラじゃないんだけどなー」
晶葉「そうだな」
モバP「しかし、杏からあんな言葉が出るとは意外だったな」
きらり「きらりはちゃーんとわかってたよー、杏ちゃんは普段はだらだらしてるけどしっかりみーんなのことを見てるにぃ」
杏「本当はこういうの杏のキャラじゃないんだけどなー」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:46:32.00 ID:Dvem3MNN0
モバP「よし、じゃあそのついでに今日の仕事もやる気全快でいってみようか」
杏「断る!杏はここで帰らせて「きらり頼んだ」」
きらり「にょっわー!杏ちゃーん一緒にお仕事頑張ろうにぃー☆」
杏「ぬわー!離せー!」
終わり
杏「断る!杏はここで帰らせて「きらり頼んだ」」
きらり「にょっわー!杏ちゃーん一緒にお仕事頑張ろうにぃー☆」
杏「ぬわー!離せー!」
終わり
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 08:50:20.77 ID:Dvem3MNN0
これで杏編は終わりです
今まで通りおまけは投下しますが、一旦寝かせてくれパトラッシュ……
ということで、次を誰にするか考えつつ眠りにつきます
今まで通りおまけは投下しますが、一旦寝かせてくれパトラッシュ……
ということで、次を誰にするか考えつつ眠りにつきます
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 22:04:35.36 ID:RZctXzht0
おまけ
p美「こらー!起きろー!」
p助「うぇぇ、姉ちゃんだ…」
p太郎「いいじゃん……、今日は休もうよ…」
p美「バカなこと言ってないで早く起きる! これからご飯の準備もしなくちゃいけないんだから!」
p美「こらー!起きろー!」
p助「うぇぇ、姉ちゃんだ…」
p太郎「いいじゃん……、今日は休もうよ…」
p美「バカなこと言ってないで早く起きる! これからご飯の準備もしなくちゃいけないんだから!」
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 22:14:01.05 ID:RZctXzht0
p美「脱いだ服はちゃんと洗濯機の中に入れておいてね!」
p助「着替えるのメンドい……、姉ちゃん手伝ってー」
p太郎「あ、俺のもよろしくー」
p美「………、あんたらそのまま洗濯機に突っ込んでやろうか」ピキピキ
p助 太郎「ごめんなさい、すぐ着替えます」
p助「着替えるのメンドい……、姉ちゃん手伝ってー」
p太郎「あ、俺のもよろしくー」
p美「………、あんたらそのまま洗濯機に突っ込んでやろうか」ピキピキ
p助 太郎「ごめんなさい、すぐ着替えます」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 22:22:52.17 ID:RZctXzht0
p美「全く…、あいつらはもう……、っとこうしちゃいられない、朝ごはんの準備をしなきゃ……ってあれ?何かいい匂いがする」
p美「リビングの方から?」ガチャ
モバP(未来)「おっp美、おはよう」
p美「お、お父さん、帰ってきてたの?」
モバP「あぁ、昨日の夜遅くにな、ほら、朝ごはんもできたところだし、座って、座って」
p美「う、うん」
p美「リビングの方から?」ガチャ
モバP(未来)「おっp美、おはよう」
p美「お、お父さん、帰ってきてたの?」
モバP「あぁ、昨日の夜遅くにな、ほら、朝ごはんもできたところだし、座って、座って」
p美「う、うん」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 22:36:31.43 ID:RZctXzht0
p美「でも、どうして突然帰ってきたの?」
モバP「実はな、「にょっわー!」」
きらり(未来)「杏ちゃんも引っ張ってきたにぃー☆」
杏「うぇぇ、まだ、朝じゃんかー」
p美「お母さん……、きらりさんまで」
モバP「実はな、「にょっわー!」」
きらり(未来)「杏ちゃんも引っ張ってきたにぃー☆」
杏「うぇぇ、まだ、朝じゃんかー」
p美「お母さん……、きらりさんまで」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 22:45:46.86 ID:RZctXzht0
モバP「さて、ここで問題です!今日は何の日でしょう?」
p美「今日?………あっ!」
p美「私の……誕生日?」
きらり「ピンポン、ピンポーン!大正解だにぃ☆、おめでとー!」
モバP「おめでとう、p美」
杏「……おめでとう」
p美「今日?………あっ!」
p美「私の……誕生日?」
きらり「ピンポン、ピンポーン!大正解だにぃ☆、おめでとー!」
モバP「おめでとう、p美」
杏「……おめでとう」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:02:37.52 ID:RZctXzht0
モバP「というわけで今日から家族みんなで行く二泊三日温泉旅行をプレゼントだ!」
p美「え!?ちょっと待って!学校とか」
杏「今日金曜日でしょ?大丈夫だよ、今日の分の休みの連絡は入れといたし」
モバP「おっ、流石に今回の企画者だけあってやる気だな」
p美「え?お母さんが?」
p美「え!?ちょっと待って!学校とか」
杏「今日金曜日でしょ?大丈夫だよ、今日の分の休みの連絡は入れといたし」
モバP「おっ、流石に今回の企画者だけあってやる気だな」
p美「え?お母さんが?」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:07:46.82 ID:RZctXzht0
きらり「杏ちゃんがp美ちゃんに誕生日ぐらいは楽しんで欲しいって」
モバP「うん、珍しく俺の休みを取るために仕事まで手伝ってくれたしな」
p美「お母さん……、ありがとう」
杏「まぁ、こんなときぐらい母親らしいことしないとね」
p美「そう思うんなら、普段からしっかりしてくれると嬉しいんだけど?」
杏「それはそれ、これはこれ」
p美「全く……」
モバP「うん、珍しく俺の休みを取るために仕事まで手伝ってくれたしな」
p美「お母さん……、ありがとう」
杏「まぁ、こんなときぐらい母親らしいことしないとね」
p美「そう思うんなら、普段からしっかりしてくれると嬉しいんだけど?」
杏「それはそれ、これはこれ」
p美「全く……」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:16:17.93 ID:RZctXzht0
モバP「よし、それじゃー準備して旅行に出発だ!ってp助とp太郎はまだ起きてこないのか」
p美「あいつら…二度寝してやがるな、ちょっと起こしてくる」
きらり「大丈夫!きらりが行ってくるにぃ☆」
きらり「にょわー☆」
ギャアァァァァァ
終わり
p美「あいつら…二度寝してやがるな、ちょっと起こしてくる」
きらり「大丈夫!きらりが行ってくるにぃ☆」
きらり「にょわー☆」
ギャアァァァァァ
終わり
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:22:02.85 ID:RZctXzht0
これにて杏編終わりです
さて、次のアイドルは……、と言いたいところなのですが
しばらく、ssを書く時間が取れそうにありません
このシリーズはまだ続けるつもりですが
あまり間を空けるのもどうかと思うので一旦HTML化します
見ていてくださった方はありがとうございます
では
さて、次のアイドルは……、と言いたいところなのですが
しばらく、ssを書く時間が取れそうにありません
このシリーズはまだ続けるつもりですが
あまり間を空けるのもどうかと思うので一旦HTML化します
見ていてくださった方はありがとうございます
では
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:23:56.60 ID:RlCq8axX0
おつ
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 23:34:53.97 ID:RvyPGTEjo
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424701494/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【FGO】ぐだお「アリス・イン・ワンダーランド?」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:46:09.20 ID:FUWjQZ6Q0
重大な内容は無いと思いますがちょっとだけextraのネタバレかもしれません
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:47:23.34 ID:FUWjQZ6Q0
ぐだお「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
シュゴォオォォォォォォォ
ぐだお「よし、召喚は成功だ! って、これは……本?」
ぐだお「いつもの偽臣の書じゃないな……タイトルは英語か。アリス・イン・ワンダーランド?」
ぐだお「って、不思議の国の……不思議な国の、だっけ、どっちだっけ……どうして絵本が?」
シュゴォオォォォォォォォ
ぐだお「よし、召喚は成功だ! って、これは……本?」
ぐだお「いつもの偽臣の書じゃないな……タイトルは英語か。アリス・イン・ワンダーランド?」
ぐだお「って、不思議の国の……不思議な国の、だっけ、どっちだっけ……どうして絵本が?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:48:09.39 ID:FUWjQZ6Q0
マシュ「先輩、召喚はどうでしたか?」
ぐだお「この本だよ」
マシュ「アリス・イン・ワンダーランド。1800年代にイギリスで出版された有名な児童向け小説ですね。著者はルイス・キャロル。ちなみにこれはペンネームで本名ではないそうです」
ぐだお「マシュは物知りだなぁ」
マシュ「あ……ありがとうございます。私の知識が先輩の役に立つと過去に知っていたなら、もっともっと勉強して知識を詰め込んでいたのですが……」テレテレ
ハサン「してこれは……概念礼装なのであろうか、魔術師殿?」
ぐだお「まぁ、そうだよなぁ……普通の、ちょっと古くて大きい本にしか見えないよなぁ」
ぐだお「この本だよ」
マシュ「アリス・イン・ワンダーランド。1800年代にイギリスで出版された有名な児童向け小説ですね。著者はルイス・キャロル。ちなみにこれはペンネームで本名ではないそうです」
ぐだお「マシュは物知りだなぁ」
マシュ「あ……ありがとうございます。私の知識が先輩の役に立つと過去に知っていたなら、もっともっと勉強して知識を詰め込んでいたのですが……」テレテレ
ハサン「してこれは……概念礼装なのであろうか、魔術師殿?」
ぐだお「まぁ、そうだよなぁ……普通の、ちょっと古くて大きい本にしか見えないよなぁ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:49:33.52 ID:FUWjQZ6Q0
小次郎「えぇ~? まさかマスター、某が頑張って集めてきた聖晶石で召喚失敗してしまったのでござるかぁ~?」
マシュ「小次郎さん!」
小次郎「はっは、そう怒るな。無論冗談だ」
ぐだお「そうだよなぁ、俺が魔術師の才能無いから……いつも召喚しようとしてるのに概念摘出しちゃうし……持ってる概念礼装の半分でもサーヴァントを召喚できていたら皆にこんなに厳しい戦いをさせずに済んでただろうに……」ドヨーン
小次郎(あっ)
マシュ「せ、先輩、そんなことありませんよ! 普通の魔術師ではこんなに多くのサーヴァントと契約なんて出来ませんから! それに、魔術回路を持っていて、更にマスター適正があるだけで十分な才能です! 魔術の名門生まれのオルガマリー所長ですら持っていなかったのですから!」
ハサン「不憫であるな」
カエサル「所長とやらには我々は出会ったことが無いがな。それでも不憫であるな」
マシュ「小次郎さん!」
小次郎「はっは、そう怒るな。無論冗談だ」
ぐだお「そうだよなぁ、俺が魔術師の才能無いから……いつも召喚しようとしてるのに概念摘出しちゃうし……持ってる概念礼装の半分でもサーヴァントを召喚できていたら皆にこんなに厳しい戦いをさせずに済んでただろうに……」ドヨーン
小次郎(あっ)
マシュ「せ、先輩、そんなことありませんよ! 普通の魔術師ではこんなに多くのサーヴァントと契約なんて出来ませんから! それに、魔術回路を持っていて、更にマスター適正があるだけで十分な才能です! 魔術の名門生まれのオルガマリー所長ですら持っていなかったのですから!」
ハサン「不憫であるな」
カエサル「所長とやらには我々は出会ったことが無いがな。それでも不憫であるな」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:50:46.04 ID:FUWjQZ6Q0
ぐだお「どうせ俺なんて……」
マシュ「先輩! 大丈夫ですよ、いつも召喚に成功していたのですから、失敗なんてあり得ません! きっと何かしらの概念礼装ですよ!」
カエサル「しかし、手に取ってみても特別な力は感じぬな。偽臣の書ですら手に取れば感じる物があるのだが」
ぐだお「うーん、やっぱり失敗したのかな……」
カエサル「だがしかし、この書物は正規の手順を踏んで召喚を行った結果であるのだろう? ならば何かしらの意味はあるものなのだろうよ。毎度毎度、召喚前には慎重すぎるほど念入りに準備を行っていることも知っておる。貴様は未熟ではあるが、それでいて世界を救おうとするその行為、その精神に過ちは無い。今のところはと文頭につくが、それでもよければこのカエサルが保証してやろう」
ぐだお「……そう、かな。ありがとう、カエサル」
マシュ「先輩! 大丈夫ですよ、いつも召喚に成功していたのですから、失敗なんてあり得ません! きっと何かしらの概念礼装ですよ!」
カエサル「しかし、手に取ってみても特別な力は感じぬな。偽臣の書ですら手に取れば感じる物があるのだが」
ぐだお「うーん、やっぱり失敗したのかな……」
カエサル「だがしかし、この書物は正規の手順を踏んで召喚を行った結果であるのだろう? ならば何かしらの意味はあるものなのだろうよ。毎度毎度、召喚前には慎重すぎるほど念入りに準備を行っていることも知っておる。貴様は未熟ではあるが、それでいて世界を救おうとするその行為、その精神に過ちは無い。今のところはと文頭につくが、それでもよければこのカエサルが保証してやろう」
ぐだお「……そう、かな。ありがとう、カエサル」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:51:27.09 ID:FUWjQZ6Q0
カエサル「おっと、重大な過ちを一つ忘れていた」
ぐだお「えっ」
カエサル「私をセイバーとして召喚したこと。それが貴様のただ一つの過ちだ」
ぐだお「ははっ。たまには剣を振らなきゃって言ってるじゃないか」
カエサル「たまには、だ。常日頃振るってやるほど私の黄金剣は軽い物ではないのだぞ?」
小次郎「さすがあのサンタは口が上手い」
ハサン「覚悟しておいたほうがいいぞ、小次郎殿。思惑がどうあれ、あの詐欺師に救われたのだから、何を吹っ掛けられるか分からんぞ」
小次郎「……刀さえ残れば(震え声)」
ぐだお「えっ」
カエサル「私をセイバーとして召喚したこと。それが貴様のただ一つの過ちだ」
ぐだお「ははっ。たまには剣を振らなきゃって言ってるじゃないか」
カエサル「たまには、だ。常日頃振るってやるほど私の黄金剣は軽い物ではないのだぞ?」
小次郎「さすがあのサンタは口が上手い」
ハサン「覚悟しておいたほうがいいぞ、小次郎殿。思惑がどうあれ、あの詐欺師に救われたのだから、何を吹っ掛けられるか分からんぞ」
小次郎「……刀さえ残れば(震え声)」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:59:16.39 ID:FUWjQZ6Q0
~ぐだおルーム~
ぐだお「カエサルもマシュも色々フォローしてくれたけど、結局ただの絵本にしか見えないんだよなぁ……」
ぐだお「うーん、とりあえず読んでみるか。読めば使い道が分かるかもしれないし……不思議の国のアリス、読んだことないしな」
『ナーサリーライムは童歌。
トミーサムの可愛い絵本。
マザーグースのさいしょのカタチ。
寂しいアナタに悲しいワタシ。
最期の望みを、叶えましょう。』
ぐだお「うわっ何言ってるのか全然分からない……これは難敵かもしれないな。辞書はどこだっけ……トミーサムは人の名前か? マザーグースは……」
ぐだお「っていうか最期とか書いてあるんだけど……文章の意味も全く分からないし、これホントにただの絵本なのか?」
ぐだお「カエサルもマシュも色々フォローしてくれたけど、結局ただの絵本にしか見えないんだよなぁ……」
ぐだお「うーん、とりあえず読んでみるか。読めば使い道が分かるかもしれないし……不思議の国のアリス、読んだことないしな」
『ナーサリーライムは童歌。
トミーサムの可愛い絵本。
マザーグースのさいしょのカタチ。
寂しいアナタに悲しいワタシ。
最期の望みを、叶えましょう。』
ぐだお「うわっ何言ってるのか全然分からない……これは難敵かもしれないな。辞書はどこだっけ……トミーサムは人の名前か? マザーグースは……」
ぐだお「っていうか最期とか書いてあるんだけど……文章の意味も全く分からないし、これホントにただの絵本なのか?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:00:30.51 ID:FUWjQZ6Q0
~~
ネロ「む。マスター、何を読んでいる? 余が暇を持て余しておるぞ。もっと構え」
ぐだお「不思議の国のアリス。言葉遊びが多いから時々何を言ってるのかさっぱり分からないんだけど、読んでいて気持ちが良くて楽しいよ」
ネロ「アリス?」
ぐだお「そう、アリス……どうかした?」
ネロ「……いや。その名前で思い出すことがあるだけだ。決して気持ちの良い思い出ではないが……決して忘れることは出来ぬ。悲しき乙女のことだ……余計なことを言ったな。すまないマスター、忘れてくれ」
ネロ「む。マスター、何を読んでいる? 余が暇を持て余しておるぞ。もっと構え」
ぐだお「不思議の国のアリス。言葉遊びが多いから時々何を言ってるのかさっぱり分からないんだけど、読んでいて気持ちが良くて楽しいよ」
ネロ「アリス?」
ぐだお「そう、アリス……どうかした?」
ネロ「……いや。その名前で思い出すことがあるだけだ。決して気持ちの良い思い出ではないが……決して忘れることは出来ぬ。悲しき乙女のことだ……余計なことを言ったな。すまないマスター、忘れてくれ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:03:03.81 ID:FUWjQZ6Q0
~オルレアン~
ぐだお「……ふう。ま、こんなところだな。みんなお疲れ様」
ネロ「今日も余の独壇場だったな! な! な? な!?」
カエサル「だから私をセイバーとして運用するのは間違いだと」
ハサン「いい加減諦めてはどうだ」
カエサル「何度でも言うさ」
小次郎「うーむ。飛竜相手は刀がよく通る。まるで豆腐でも斬っているようだ」
マシュ「流石です、小次郎さん。そろそろドラゴンスレイヤーを名乗れますね」
小次郎「本家が悲しむのでやめて差し上げろ」
ぐだお「……ふう。ま、こんなところだな。みんなお疲れ様」
ネロ「今日も余の独壇場だったな! な! な? な!?」
カエサル「だから私をセイバーとして運用するのは間違いだと」
ハサン「いい加減諦めてはどうだ」
カエサル「何度でも言うさ」
小次郎「うーむ。飛竜相手は刀がよく通る。まるで豆腐でも斬っているようだ」
マシュ「流石です、小次郎さん。そろそろドラゴンスレイヤーを名乗れますね」
小次郎「本家が悲しむのでやめて差し上げろ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:06:48.67 ID:FUWjQZ6Q0
ネロ「……む。マスター、その本、持ってきていたのか?」
ぐだお「ああ。空いた時間で読み進めてるんだ。もう少しで読み終わるんだけど、続きが気になって仕方ないよ」
ハサン「ところで魔術師殿。今日戦ったサーヴァントは我ら五人。何か意図が?」
ぐだお「いや、それがレイシフトが安定しなかったのか、五人しかこれなかったんだ。本当はタマモにも来てもらおうと思ってたんだけど……」
ハサン「ほう……一時的な不調で済めばよいですな。これからも厳しくなるであろう戦いに、こちらの戦力が一人欠けるのは大きな痛手になる」
ぐだお「そうだな。まぁ、ドクターがきっとなんとかしてくれるだろう。多分な、多分……」
マシュ「そうなっては世界と先輩の危機ですからね。何が何でも命に変えても直すよう、ドクターに頼んでおきましょう」
ロマン『僕の命はどうなったっていいのかい!?』
小次郎「我らはレイシフトの度に命を懸けているからな」
マシュ「たまにはドクターも命かけてください」
ぐだお「ああ。空いた時間で読み進めてるんだ。もう少しで読み終わるんだけど、続きが気になって仕方ないよ」
ハサン「ところで魔術師殿。今日戦ったサーヴァントは我ら五人。何か意図が?」
ぐだお「いや、それがレイシフトが安定しなかったのか、五人しかこれなかったんだ。本当はタマモにも来てもらおうと思ってたんだけど……」
ハサン「ほう……一時的な不調で済めばよいですな。これからも厳しくなるであろう戦いに、こちらの戦力が一人欠けるのは大きな痛手になる」
ぐだお「そうだな。まぁ、ドクターがきっとなんとかしてくれるだろう。多分な、多分……」
マシュ「そうなっては世界と先輩の危機ですからね。何が何でも命に変えても直すよう、ドクターに頼んでおきましょう」
ロマン『僕の命はどうなったっていいのかい!?』
小次郎「我らはレイシフトの度に命を懸けているからな」
マシュ「たまにはドクターも命かけてください」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:11:21.29 ID:FUWjQZ6Q0
ロマン『そんなぁ……ん? ちょっと待った、サーヴァントの反応が6つあるぞ!?』
カエサル「何!? 我々は5人しかいないぞ!?」
マシュ「ドクター。6人目の反応はどこですか!?」
ネロ「仕事をしろドクター!」
ロマン『ぐだお君のすぐそばだ! 反応がほぼ重なっていて気付かなかった!』
ぐだお「えっ? 何もいないぞ!?」
マシュ「もしや、空!? 地下かもしれません!」
ぐだお「ええっ!? そんなの対処できないぞ!」
ロマン『……待った! ワイバーンの大群がそっちに向かっている! 謎のサーヴァント反応もだけど、そっちも警戒してくれ!』
カエサル「何!? 我々は5人しかいないぞ!?」
マシュ「ドクター。6人目の反応はどこですか!?」
ネロ「仕事をしろドクター!」
ロマン『ぐだお君のすぐそばだ! 反応がほぼ重なっていて気付かなかった!』
ぐだお「えっ? 何もいないぞ!?」
マシュ「もしや、空!? 地下かもしれません!」
ぐだお「ええっ!? そんなの対処できないぞ!」
ロマン『……待った! ワイバーンの大群がそっちに向かっている! 謎のサーヴァント反応もだけど、そっちも警戒してくれ!』
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:12:28.99 ID:FUWjQZ6Q0
ハサン「何とも間が悪いことよ……!」
ネロ「皆、剣を抜け! 既にワイバーンが見えているぞっ!」
小次郎「見せどころよなぁっ! 下がれ、主殿! 警戒は怠るなよ!」
ハサン「マシュ殿、魔術師殿を頼む!」
マシュ「分かりました!」
ぐだお「みんな、頼むぞ!」
ネロ「うむ、任せるがよい! 天幕よ、落ちよ! 花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!」ズバー
小次郎「竜の首とは、落とし甲斐があるものよ!」ズバー
カエサル「ふぅむ。斬り合い押し合いは本職の物に任せておけばよい。とはいえ―—」
ワイバーン「クゥアアアアアアアアッ!」
カエサル「掛かる火の粉を払わぬほど、怠惰でもない! 」ズバー
ハサン「竜の心臓も潰すなどと、生前には考えもしなかったことな!」
ネロ「皆、剣を抜け! 既にワイバーンが見えているぞっ!」
小次郎「見せどころよなぁっ! 下がれ、主殿! 警戒は怠るなよ!」
ハサン「マシュ殿、魔術師殿を頼む!」
マシュ「分かりました!」
ぐだお「みんな、頼むぞ!」
ネロ「うむ、任せるがよい! 天幕よ、落ちよ! 花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!」ズバー
小次郎「竜の首とは、落とし甲斐があるものよ!」ズバー
カエサル「ふぅむ。斬り合い押し合いは本職の物に任せておけばよい。とはいえ―—」
ワイバーン「クゥアアアアアアアアッ!」
カエサル「掛かる火の粉を払わぬほど、怠惰でもない! 」ズバー
ハサン「竜の心臓も潰すなどと、生前には考えもしなかったことな!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:13:17.20 ID:FUWjQZ6Q0
マシュ「先輩、こちらへ! ドクター、サーヴァントの反応はまだありますか!?」
ロマン『ああ、ぐだお君にぴったりくっついているぞ!』
マシュ「こっちには何もいませんよ! 機器の故障では!?」
ロマン『……可能性はあるけど、かなりはっきり確認できる! 警戒はしてくれ!』
マシュ「了解! 先輩、私の後ろへ!ワイバーンが来ます!」
ぐだお「分かった!」
マシュ「ステータスアップ……やああっ!」ドゴォ
ぐだお「あんなに重そうな盾を振り回すんだもんな、頼もしい限りだよ」
マシュ「くっ……予想よりも手強いです。早く倒さないと、これ以上ワイバーンが増えたら先輩が……!」
ロマン『ぐだお君ッ! 後ろからワイバーンが来るぞッ!』
ぐだお「えっ」
ワイバーン「グゥアアアアアアアアッ!」
マシュ「先輩ーーーッ!」
ぐだお(ヤバいッ、避けられないッ……!)
ロマン『ああ、ぐだお君にぴったりくっついているぞ!』
マシュ「こっちには何もいませんよ! 機器の故障では!?」
ロマン『……可能性はあるけど、かなりはっきり確認できる! 警戒はしてくれ!』
マシュ「了解! 先輩、私の後ろへ!ワイバーンが来ます!」
ぐだお「分かった!」
マシュ「ステータスアップ……やああっ!」ドゴォ
ぐだお「あんなに重そうな盾を振り回すんだもんな、頼もしい限りだよ」
マシュ「くっ……予想よりも手強いです。早く倒さないと、これ以上ワイバーンが増えたら先輩が……!」
ロマン『ぐだお君ッ! 後ろからワイバーンが来るぞッ!』
ぐだお「えっ」
ワイバーン「グゥアアアアアアアアッ!」
マシュ「先輩ーーーッ!」
ぐだお(ヤバいッ、避けられないッ……!)
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:14:46.06 ID:FUWjQZ6Q0
『変身するわ、変身するの。私は貴方、貴方は私。変身するぞ、変身したぞ。俺はおまえで、おまえは俺だ』
ぐだお「なっ何だ!? 本が、光って……!」
???「こんにちは、素敵なあなた。初めましてはとっくの昔、けれどこれから、二人で素敵に出会いましょう?」
ぐだお「ほっ……本から、女の子が……!?」
???「わたしを大事に楽しく愛してくれた愛しいあなた。けれどもわたしの正体には気づかない間抜けなあなた。バッドエンドは大嫌い。最後の一ページまで愛してもらうために、いびつなジャバウォックの首をわたしがポトンと落としてあげる。ヴォーパルの剣は無いけどね!」
???「こんがり美味しくしてあげる!」
ワイバーン「ギャアアアアアッ!」
ぐだお「凄い……ワイバーンがどんどん黒こげになっていく!」
ぐだお「この威力の魔法……君はサーヴァント、キャスター!」
???「ええ、そうよ、その通り。わたしはアリス。あなたに召喚された、れっきとしたサーヴァント」
ぐだお「召喚は成功していたのか……!」
アリス「もちろんよ。みんな揃ってわたしのことを礼装扱いだなんて、失礼しちゃうわ」
ぐだお「ご、ごめん……」
ぐだお「なっ何だ!? 本が、光って……!」
???「こんにちは、素敵なあなた。初めましてはとっくの昔、けれどこれから、二人で素敵に出会いましょう?」
ぐだお「ほっ……本から、女の子が……!?」
???「わたしを大事に楽しく愛してくれた愛しいあなた。けれどもわたしの正体には気づかない間抜けなあなた。バッドエンドは大嫌い。最後の一ページまで愛してもらうために、いびつなジャバウォックの首をわたしがポトンと落としてあげる。ヴォーパルの剣は無いけどね!」
???「こんがり美味しくしてあげる!」
ワイバーン「ギャアアアアアッ!」
ぐだお「凄い……ワイバーンがどんどん黒こげになっていく!」
ぐだお「この威力の魔法……君はサーヴァント、キャスター!」
???「ええ、そうよ、その通り。わたしはアリス。あなたに召喚された、れっきとしたサーヴァント」
ぐだお「召喚は成功していたのか……!」
アリス「もちろんよ。みんな揃ってわたしのことを礼装扱いだなんて、失礼しちゃうわ」
ぐだお「ご、ごめん……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:17:57.54 ID:FUWjQZ6Q0
ネロ「……既知の魔翌力を感じたと思えば、やはりキャスター! お主か!」
アリス「あら、一人ぼっちのお姫様。またアリスを虐めるの?」
ネロ「せぬ。またマスターにおかしな魔法を使わぬ限り」
アリス「不思議なものね。またあなたと遊べるなら、わたしはとっても嬉しいわ!」
ネロ「余はもう、遊びたくはないがな!」ズバー
ハサン「魔術師殿!無事であられるか!?」
ぐだお「ハサン!俺は大丈夫。あの女の子は味方だ、協力して残りのワイバーンを倒してくれ!」
ハサン「承知!」
マシュ「先輩、そばを離れてしまって申し訳ありません! もう何があっても離れませんから!」
小次郎「主殿は無事か。ならば、締めにはいるか!」ズバー
カエサル「面倒だが、よかろう。無駄に冗長に戦う方が面倒だ!」ズバー
ネロ「ようし! 行くぞっ!」
ぐだお(これはもう、大丈夫……かな?)
アリス「あら、一人ぼっちのお姫様。またアリスを虐めるの?」
ネロ「せぬ。またマスターにおかしな魔法を使わぬ限り」
アリス「不思議なものね。またあなたと遊べるなら、わたしはとっても嬉しいわ!」
ネロ「余はもう、遊びたくはないがな!」ズバー
ハサン「魔術師殿!無事であられるか!?」
ぐだお「ハサン!俺は大丈夫。あの女の子は味方だ、協力して残りのワイバーンを倒してくれ!」
ハサン「承知!」
マシュ「先輩、そばを離れてしまって申し訳ありません! もう何があっても離れませんから!」
小次郎「主殿は無事か。ならば、締めにはいるか!」ズバー
カエサル「面倒だが、よかろう。無駄に冗長に戦う方が面倒だ!」ズバー
ネロ「ようし! 行くぞっ!」
ぐだお(これはもう、大丈夫……かな?)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:19:36.08 ID:FUWjQZ6Q0
ネロ「……ふぅ。これで全て斬り終えたか」
ぐだお「お疲れ様、ネロ」
ネロ「うむ。実に疲れた。もっと褒め称えるがよい!」
ぐだお「マシュ、カエサル、小次郎、ハサンもお疲れ様。いやあ、危なかった危なかった」
ハサン「少々、危険な戦いでありましたな。マスターの防衛方法など、また考えなくてはなりませぬな」
マシュ「先輩、すみませんでした! 私がもっと先輩の防衛のみに集中すれば危険な目に遭わせずに……」
ぐだお「気にすることは無いよ。俺はどうやらずっとサーヴァントを持ち歩いていたみたいだし。だからいつもより一人少ない人数でしかレイシフト出来なかったのかぁ。本がサーヴァントだったのかぁ……」
アリス「あなたったら、わたしの正体にいつまで経っても気づいてくれないんだもの。魔術師としては採点放棄よ?」
ぐだお「うぐぅ」
アリス「……だけれど読者としては満点以上。あなたがわたしを愛してくれたから、無事に変化できたわ。ありがとう、マスター」
ぐだお「お疲れ様、ネロ」
ネロ「うむ。実に疲れた。もっと褒め称えるがよい!」
ぐだお「マシュ、カエサル、小次郎、ハサンもお疲れ様。いやあ、危なかった危なかった」
ハサン「少々、危険な戦いでありましたな。マスターの防衛方法など、また考えなくてはなりませぬな」
マシュ「先輩、すみませんでした! 私がもっと先輩の防衛のみに集中すれば危険な目に遭わせずに……」
ぐだお「気にすることは無いよ。俺はどうやらずっとサーヴァントを持ち歩いていたみたいだし。だからいつもより一人少ない人数でしかレイシフト出来なかったのかぁ。本がサーヴァントだったのかぁ……」
アリス「あなたったら、わたしの正体にいつまで経っても気づいてくれないんだもの。魔術師としては採点放棄よ?」
ぐだお「うぐぅ」
アリス「……だけれど読者としては満点以上。あなたがわたしを愛してくれたから、無事に変化できたわ。ありがとう、マスター」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:21:09.59 ID:FUWjQZ6Q0
マシュ「……愛した?」ジトー
ぐだお「本の話だから。えっと、キャスター。単刀直入なんだけど、君の真名は……アリス、でいいのかな。不思議の国のアリス?」
ネロ「……否。その姿もまた、仮初の一つにすぎぬ」
ぐだお「ネロ。さっきも何か言っていたけど、知り合いなのか?」
ネロ「以前、な。その幼子はまともに答えぬ。答えたとしてもいまいち要領を得ない。よって余が代わりに答えよう……そのキャスターの真名は、ナーサリー・ライム」
マシュ「英語で絵本……ですね」
ネロ「の、ようだな。幼子たちの夢を受け止めた絵本が概念と化し、『子供たちの英雄』として具現化したものだ」
ぐだお「……いまいち分からん。何でもアリだな、サーヴァントって」
ネロ「余からすればデミ・サーヴァントも十分常識の範疇から外れておる。訳の分からぬ者など、他にいくらでもいるのだろうな……しかしキャスター、その姿は……」
ぐだお「本の話だから。えっと、キャスター。単刀直入なんだけど、君の真名は……アリス、でいいのかな。不思議の国のアリス?」
ネロ「……否。その姿もまた、仮初の一つにすぎぬ」
ぐだお「ネロ。さっきも何か言っていたけど、知り合いなのか?」
ネロ「以前、な。その幼子はまともに答えぬ。答えたとしてもいまいち要領を得ない。よって余が代わりに答えよう……そのキャスターの真名は、ナーサリー・ライム」
マシュ「英語で絵本……ですね」
ネロ「の、ようだな。幼子たちの夢を受け止めた絵本が概念と化し、『子供たちの英雄』として具現化したものだ」
ぐだお「……いまいち分からん。何でもアリだな、サーヴァントって」
ネロ「余からすればデミ・サーヴァントも十分常識の範疇から外れておる。訳の分からぬ者など、他にいくらでもいるのだろうな……しかしキャスター、その姿は……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:22:58.95 ID:FUWjQZ6Q0
アリス「ええ、そうね。まさかもう一度あたし(ありす)になるなんて。これはわたしも予想外よ」
ぐだお「どういうことだ?」
ネロ「ナーサリー・ライムは特定の姿を持たぬ。マスターの夢見た、理想の姿となる」
ぐだお「えっ」
小次郎「主殿、女装願望があったのでござるか? それもこんな幼子に」
マシュ「先輩……」
ぐだお「違う!」
マシュ(それはそれで……)
ネロ「うむ。この姿は、余が以前出会った時とほとんど同じ姿だ。多少異なってはいるが……キャスター、お主自身は何か分かっているのか?」
アリス「予想外、と言ったでしょう? こんなことは初めてよ。あたし(ありす)が次回の召喚にまで引きずられるほど、強い力を持っていた訳でもないのだけれど……そうね、あたし(ありす)と、マスターの奥底が似ていたのかもしれないわ」
ぐだお「どういうことだ?」
ネロ「ナーサリー・ライムは特定の姿を持たぬ。マスターの夢見た、理想の姿となる」
ぐだお「えっ」
小次郎「主殿、女装願望があったのでござるか? それもこんな幼子に」
マシュ「先輩……」
ぐだお「違う!」
マシュ(それはそれで……)
ネロ「うむ。この姿は、余が以前出会った時とほとんど同じ姿だ。多少異なってはいるが……キャスター、お主自身は何か分かっているのか?」
アリス「予想外、と言ったでしょう? こんなことは初めてよ。あたし(ありす)が次回の召喚にまで引きずられるほど、強い力を持っていた訳でもないのだけれど……そうね、あたし(ありす)と、マスターの奥底が似ていたのかもしれないわ」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:24:27.31 ID:FUWjQZ6Q0
ネロ「……なるほど。現実の否定、か」
アリス「そうね。可能性があるとすれば、そこからあたし(ありす)が流れてきてしまったのかもしれないわ」
ぐだお「あのー、俺含め周囲がさっぱりなので、もう少し簡単に説明してもらえないでしょうか……」
ネロ「む。すまぬ。飽くまで推測ではあるのだが……ありす、つまりこやつの前回のマスターだな。その幼子の根底にあったのは、『現実の否定』であったのだ。話せば長くなるので詳しくは言わぬが……現実そのものを否定していた。それは、世界の全てが燃え上がっても、否定し続けているマスターと似ている……の、かもしれないな」
アリス「直接繋がっているわたしは分かるわ。マスターは、あたし(ありす)とよく似ている……その共通項が、前回の召喚時の記憶を呼び起こさせてしまったのかもしれない。自分で言うのも何だけれど、前よりは少し大人びたつもりよ。これはきっと、マスターのおかげね」
ぐだお「……」
マシュ「あっ……先輩が知性を放棄した顔をして理解を諦めようとしています!」
アリス「そうね。可能性があるとすれば、そこからあたし(ありす)が流れてきてしまったのかもしれないわ」
ぐだお「あのー、俺含め周囲がさっぱりなので、もう少し簡単に説明してもらえないでしょうか……」
ネロ「む。すまぬ。飽くまで推測ではあるのだが……ありす、つまりこやつの前回のマスターだな。その幼子の根底にあったのは、『現実の否定』であったのだ。話せば長くなるので詳しくは言わぬが……現実そのものを否定していた。それは、世界の全てが燃え上がっても、否定し続けているマスターと似ている……の、かもしれないな」
アリス「直接繋がっているわたしは分かるわ。マスターは、あたし(ありす)とよく似ている……その共通項が、前回の召喚時の記憶を呼び起こさせてしまったのかもしれない。自分で言うのも何だけれど、前よりは少し大人びたつもりよ。これはきっと、マスターのおかげね」
ぐだお「……」
マシュ「あっ……先輩が知性を放棄した顔をして理解を諦めようとしています!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:25:53.47 ID:FUWjQZ6Q0
アリス「理解する必要なんてないわ。わたしはサーヴァント・キャスター。名前はアリス。全ての童話は、わたしのお友達。それだけでいいじゃない」
ぐだお「本人がそう言ってるんだから、それでいこう」
マシュ「先輩もう少し頑張ってください」
アリス「あまりマスターを虐めてあげないで。魔術師としては未熟なのかもしれないけれど、わたしにとってはとっても大事な素敵な人よ」
マシュ「えっ」
ぐだお「えっ」
アリス「本が人に恋をするなんて、変かしら? いいえ、全然おかしくないわよね。だって、物語に恋をする人だっているんだもの! マスターがわたしという物語に恋をして、ときめいている間、わたしもあなたに恋をしていたわ。いい読者と言うものは、物語をより豊かにしてくれるもの。わたしとあなたは、最高のカップルなんだわ、マスター!」チュッ
ぐだお「えっあっ……ありがとう……?」
マシュ「」
小次郎「主殿はついに口説かずに、しかも幼子をモノにしてしまったのか」
カエサル「実に実に実にいつものことだな」
ぐだお「本人がそう言ってるんだから、それでいこう」
マシュ「先輩もう少し頑張ってください」
アリス「あまりマスターを虐めてあげないで。魔術師としては未熟なのかもしれないけれど、わたしにとってはとっても大事な素敵な人よ」
マシュ「えっ」
ぐだお「えっ」
アリス「本が人に恋をするなんて、変かしら? いいえ、全然おかしくないわよね。だって、物語に恋をする人だっているんだもの! マスターがわたしという物語に恋をして、ときめいている間、わたしもあなたに恋をしていたわ。いい読者と言うものは、物語をより豊かにしてくれるもの。わたしとあなたは、最高のカップルなんだわ、マスター!」チュッ
ぐだお「えっあっ……ありがとう……?」
マシュ「」
小次郎「主殿はついに口説かずに、しかも幼子をモノにしてしまったのか」
カエサル「実に実に実にいつものことだな」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:28:04.87 ID:FUWjQZ6Q0
アリス「ねぇマスター、早く私達の部屋に帰りましょう。あなたには一刻でも早く、わたしの全てを最後までを愛して欲しいもの」
ぐだお「ええっ!?」
小次郎「おおっとこれは大胆な告白でござるぅ!」
マシュ「」
ハサン「……マシュ殿が白目を剥いておられる。瞼を下ろして差し上げろ」
アリス「何をそんなに驚いているの? マスター、早く続きが読みたいってずっと思っていたじゃない」キョトン
小次郎「なあんだ本の事でござるかぁ~拙者残念でござるなぁ~」ニヤニヤ
カエサル「……貴様、本当に分かりやすい性格をしておるよな」
ぐだお「あ、ああ、本だよな、そうだよな。確かに早く続きを読みたいし、帰るとしようか」
アリス「読書をするなら、ティーセットの準備を忘れずに。マカロンはカシス味でお願いね」
ぐだお「俺、マカロンなんて食ったことも見たことも無いよ……」
アリス「そうなの? 仕方のないマスターね、初めてはわたしが教えてあげる。だから次からはマスターが用意をしてね!」
ぐだお「おお……頑張ってみるよ」
マシュ「」
小次郎「マシュ殿はそろそろ血を吐くのでは?」
ハサン「ドクター殿に帰還を依頼しておこう……これ以上はマシュ殿に毒である」
カエサル「この甘い空気は我らにとっても毒であろう」
アリス「うふふ。マスター、最後の一ページまでわたしを愛してね。愛し終わったら、初めからもう一度。あなたが望むのなら、新しい物語も用意してあげる。全ての童話は私のお友達だもの。だからどうか、末永くわたしを大切に愛してね?」
ぐだお「ええっ!?」
小次郎「おおっとこれは大胆な告白でござるぅ!」
マシュ「」
ハサン「……マシュ殿が白目を剥いておられる。瞼を下ろして差し上げろ」
アリス「何をそんなに驚いているの? マスター、早く続きが読みたいってずっと思っていたじゃない」キョトン
小次郎「なあんだ本の事でござるかぁ~拙者残念でござるなぁ~」ニヤニヤ
カエサル「……貴様、本当に分かりやすい性格をしておるよな」
ぐだお「あ、ああ、本だよな、そうだよな。確かに早く続きを読みたいし、帰るとしようか」
アリス「読書をするなら、ティーセットの準備を忘れずに。マカロンはカシス味でお願いね」
ぐだお「俺、マカロンなんて食ったことも見たことも無いよ……」
アリス「そうなの? 仕方のないマスターね、初めてはわたしが教えてあげる。だから次からはマスターが用意をしてね!」
ぐだお「おお……頑張ってみるよ」
マシュ「」
小次郎「マシュ殿はそろそろ血を吐くのでは?」
ハサン「ドクター殿に帰還を依頼しておこう……これ以上はマシュ殿に毒である」
カエサル「この甘い空気は我らにとっても毒であろう」
アリス「うふふ。マスター、最後の一ページまでわたしを愛してね。愛し終わったら、初めからもう一度。あなたが望むのなら、新しい物語も用意してあげる。全ての童話は私のお友達だもの。だからどうか、末永くわたしを大切に愛してね?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:29:14.94 ID:FUWjQZ6Q0
~~ぐだルーム
ぐだお「ふぅ……読み終わってしまった」パタン
ぐだお「子供向けと侮ることなかれ、だな。面白かった。読書の醍醐味の一つは、読み終わった後の満足感と、ちょっとした喪失感だな」
アリス「最後まで楽しんでくれたわね、マスター」ポンッ
ぐだお「うわあっビックリした。急に膝の上に出てくるのはやめてくれよ」
アリス「いいじゃない、サイズ的にはあなたの膝の上はぴったりよ。それよりも、わたし嬉しいわ。あなたがわたしを読み進める度に、心が昂っているのを感じたわ。あなたがやっぱりあなたは最高のマスターね」
ぐだお「うーん、まぁ悪い気はしないな」
ぐだお「ふぅ……読み終わってしまった」パタン
ぐだお「子供向けと侮ることなかれ、だな。面白かった。読書の醍醐味の一つは、読み終わった後の満足感と、ちょっとした喪失感だな」
アリス「最後まで楽しんでくれたわね、マスター」ポンッ
ぐだお「うわあっビックリした。急に膝の上に出てくるのはやめてくれよ」
アリス「いいじゃない、サイズ的にはあなたの膝の上はぴったりよ。それよりも、わたし嬉しいわ。あなたがわたしを読み進める度に、心が昂っているのを感じたわ。あなたがやっぱりあなたは最高のマスターね」
ぐだお「うーん、まぁ悪い気はしないな」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:30:48.38 ID:FUWjQZ6Q0
アステリオス「ますたぁ、なにをよんでいるの?」
ぐだお「やぁ、アステリオス。不思議の国のアリスって言ってね、子供向けの小説だよ」
アステリオス「こどもむけ……えが、きれい」
ぐだお「うん、そうだね。アステリオスも読んでみる?」
アステリオス「でもぼく、じが、よめないから」
ぐだお「そうか……じゃあ俺が読もうか?」
アステリオス「……いいの?」
ぐだお「あぁ。もう一度読み返したいし……そうだな、絵が見やすいように……アステリオス、あぐらで座って貰っていい?」
アステリオス「こう?」
ぐだお「そうそう。ごめんアリス、一回降りて」
アリス「仕方ないわね」
ぐだお「で、アステリオスの上に俺が座って」
アリス「わたしがマスターの上に座る」
ぐだお「やっぱり座るの?」
アリス「えぇ。ここはわたしの特等席よ」
ぐだお「……まぁいいや。アステリオス、大丈夫? 重くないか?」
アステリオス「だいじょうぶ。ぼく、つよいから」
ぐだお「よかった。じゃあ始めようか……アリスは土手の上に寝転んでいて―—」
ぐだお「やぁ、アステリオス。不思議の国のアリスって言ってね、子供向けの小説だよ」
アステリオス「こどもむけ……えが、きれい」
ぐだお「うん、そうだね。アステリオスも読んでみる?」
アステリオス「でもぼく、じが、よめないから」
ぐだお「そうか……じゃあ俺が読もうか?」
アステリオス「……いいの?」
ぐだお「あぁ。もう一度読み返したいし……そうだな、絵が見やすいように……アステリオス、あぐらで座って貰っていい?」
アステリオス「こう?」
ぐだお「そうそう。ごめんアリス、一回降りて」
アリス「仕方ないわね」
ぐだお「で、アステリオスの上に俺が座って」
アリス「わたしがマスターの上に座る」
ぐだお「やっぱり座るの?」
アリス「えぇ。ここはわたしの特等席よ」
ぐだお「……まぁいいや。アステリオス、大丈夫? 重くないか?」
アステリオス「だいじょうぶ。ぼく、つよいから」
ぐだお「よかった。じゃあ始めようか……アリスは土手の上に寝転んでいて―—」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:31:44.45 ID:FUWjQZ6Q0
~~
ハサン「マスター。少々よろしいでしょうか……おや」
「「「zzz……」」」
ハサン「……これは起こす訳にはいかんな」
マシュ「はい。そのとおりですね(低音)」
ハサン「うおっ誰のものか分からぬ程に低い声だと思えばマシュ殿であったか。拳と唇を固く結んでどうされた?」
マシュ「何でもありません。何でも……」
マシュ(混ざりたい……! 先輩の膝の上に……! 膝の……! 膝……!)
ハサン(……放っておくのが吉か)
マシュ「膝ぁ!」
ハサン「」ビクゥ
ハサン「マスター。少々よろしいでしょうか……おや」
「「「zzz……」」」
ハサン「……これは起こす訳にはいかんな」
マシュ「はい。そのとおりですね(低音)」
ハサン「うおっ誰のものか分からぬ程に低い声だと思えばマシュ殿であったか。拳と唇を固く結んでどうされた?」
マシュ「何でもありません。何でも……」
マシュ(混ざりたい……! 先輩の膝の上に……! 膝の……! 膝……!)
ハサン(……放っておくのが吉か)
マシュ「膝ぁ!」
ハサン「」ビクゥ
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 20:37:43.50 ID:FUWjQZ6Q0
おわりです
読んでくださった方がおられましたらありがとうございます
ジャックとナーサリーライムが解放されたので喜び勇んでガチャを回しましたが爆死したので悲しいです
更に言えばスカサハもモードレッドもフランも爆死しているので辛いです
前に沖田SSを書いた時にノッブで続くかもって言いましたが何も思いつかなかったので続きませんでした
すいません許してください何でもしますから
読んでくださった方がおられましたらありがとうございます
ジャックとナーサリーライムが解放されたので喜び勇んでガチャを回しましたが爆死したので悲しいです
更に言えばスカサハもモードレッドもフランも爆死しているので辛いです
前に沖田SSを書いた時にノッブで続くかもって言いましたが何も思いつかなかったので続きませんでした
すいません許してください何でもしますから
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 21:01:41.95 ID:mcDhHdIwo
おうガチャ引いて再臨させてキャラクエ見るんだよあくしろよ(涙ちょちょぎらせながら)
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 21:31:17.20 ID:XP5X5xCTo
乙
相も変わらずいい性格してるな小次郎
いつかぐだおに頼まれたキャス子にアバラを全開にさせられそう
相も変わらずいい性格してるな小次郎
いつかぐだおに頼まれたキャス子にアバラを全開にさせられそう
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 22:32:14.36 ID:OjTEjmRuO
乙。年明けは頑張れ。
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 22:36:53.12 ID:J+0Usfc1O
乙
ナーサリー欲しかったな……欲し、かったな……
だが次の挑戦はカルナさんだ……!
ナーサリー欲しかったな……欲し、かったな……
だが次の挑戦はカルナさんだ……!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451472368/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ Fate/GrandOrder | Comments (0)
ちなつ「ときどき366日」
1: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 09:38:33.38 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「今年ももう終わりですね」
午後のごらく部室で、何気なくそうつぶやいた。
晴れているとはいえ外は12月の寒空だけど、部屋の中は効き過ぎなくらい暖房が効いていて、なんとなく気だるさが漂っている。
12月も30日ともなれば、師であれば走り回っていないといけないくらい慌ただしいはずなのに、
ごらく部の私たちしかいないこの空間にはそんな雰囲気はほんのかけらもなかった。
あかり「そうだね」
あかりちゃんが相づちを打つ。
あまりにも内容のない会話に、ちょっと笑ってしまった。
ちなつ「お茶でも淹れましょうか」
あかり「わぁい、あかりのど乾いてたんだ」
京子「私ものど乾いた」
結衣「ちなつちゃん、私の分もいい?」
ちなつ「もちろんですぅ!」
京子「じゃあ私汁なし担担麺なー」
結衣「のど乾いてんならせめて汁ありにしろよ」
午後のごらく部室で、何気なくそうつぶやいた。
晴れているとはいえ外は12月の寒空だけど、部屋の中は効き過ぎなくらい暖房が効いていて、なんとなく気だるさが漂っている。
12月も30日ともなれば、師であれば走り回っていないといけないくらい慌ただしいはずなのに、
ごらく部の私たちしかいないこの空間にはそんな雰囲気はほんのかけらもなかった。
あかり「そうだね」
あかりちゃんが相づちを打つ。
あまりにも内容のない会話に、ちょっと笑ってしまった。
ちなつ「お茶でも淹れましょうか」
あかり「わぁい、あかりのど乾いてたんだ」
京子「私ものど乾いた」
結衣「ちなつちゃん、私の分もいい?」
ちなつ「もちろんですぅ!」
京子「じゃあ私汁なし担担麺なー」
結衣「のど乾いてんならせめて汁ありにしろよ」
2: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 09:39:07.25 ID:9s4XE4KR0
流しの辺りの空気は冷たくて、それが少し心地いい。
湯呑みを4つ取り出し、お茶を注いでいく。何度も何度も、この場所で繰り返してきた日常。
年の瀬で学校もないのに、いつもと同じようにこうして4人で集まって、何もせずに過ごしている。
それはすごく嬉しいことなんだろうな、なんて。
大晦日とかお正月はどうするのかな。
みんなで過ごせたりしないかな。
ほんの少しの違和感は、淹れたてのお茶の香りが掻き消していった。
ちなつ「お茶がはいりました~」
結衣「ありがとう、ちなつちゃん」
結衣先輩に真っ先にお茶を渡し、残りの湯呑みも机に並べていく。
季節が流れても変わらない光景。
湯呑みを4つ取り出し、お茶を注いでいく。何度も何度も、この場所で繰り返してきた日常。
年の瀬で学校もないのに、いつもと同じようにこうして4人で集まって、何もせずに過ごしている。
それはすごく嬉しいことなんだろうな、なんて。
大晦日とかお正月はどうするのかな。
みんなで過ごせたりしないかな。
ほんの少しの違和感は、淹れたてのお茶の香りが掻き消していった。
ちなつ「お茶がはいりました~」
結衣「ありがとう、ちなつちゃん」
結衣先輩に真っ先にお茶を渡し、残りの湯呑みも机に並べていく。
季節が流れても変わらない光景。
3: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 09:39:36.27 ID:9s4XE4KR0
京子「ちなつちゃんのお茶を飲むのも今年はこれが最後か……」
あかり「明日も集まればもう1回飲めるよ?」
結衣「それはそうだけど、でもさすがに大晦日に学校の施設は使えないんじゃない?」
京子「それは大丈夫!」
ちなつ「え、そうなんですか?」
京子「そもそも今日だって不法侵入だしね」
結衣「おいコラ」
ちなつ「まあ、京子先輩が許可なんて取るわけないとは思ってましたけど」
あかり「でも京子ちゃん、さっき校門の鍵持ってたよね?どうして持ってたの?」
京子「フフフ……聞きたいかい諸君?」
あかり「うん!」ワクワク
結衣「どうせその辺で拾ったとかだろ?」
ちなつ「そうですね、京子先輩のことですから」
京子「おおう、もうちょっと興味持てよ!」
あかり「あかりは聞きたいなぁ」
京子「そうかそうか……あかりはいい子だなあ、人の話をしっかり聞いてくれても」
結衣「いいから早く鍵のこと話せよ」
京子「何故か分からないけど持ってた!」
結衣「……」
あかり「明日も集まればもう1回飲めるよ?」
結衣「それはそうだけど、でもさすがに大晦日に学校の施設は使えないんじゃない?」
京子「それは大丈夫!」
ちなつ「え、そうなんですか?」
京子「そもそも今日だって不法侵入だしね」
結衣「おいコラ」
ちなつ「まあ、京子先輩が許可なんて取るわけないとは思ってましたけど」
あかり「でも京子ちゃん、さっき校門の鍵持ってたよね?どうして持ってたの?」
京子「フフフ……聞きたいかい諸君?」
あかり「うん!」ワクワク
結衣「どうせその辺で拾ったとかだろ?」
ちなつ「そうですね、京子先輩のことですから」
京子「おおう、もうちょっと興味持てよ!」
あかり「あかりは聞きたいなぁ」
京子「そうかそうか……あかりはいい子だなあ、人の話をしっかり聞いてくれても」
結衣「いいから早く鍵のこと話せよ」
京子「何故か分からないけど持ってた!」
結衣「……」
4: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 09:49:53.40 ID:9s4XE4KR0
京子「で、明日もごらく部やる?」
結衣「んー、私は実家に戻らないといけないし」
ちなつ「そうですねー、私も結衣先輩の実家に行かないといけませんから」
結衣「え!?」
ちなつ「あれ、もしかして駆け落ちのパターンのほうがお好きでしたか!?」
あかり「あかりも大掃除のお手伝いするようにお姉ちゃんに言われてるんだぁ」
京子「ちぇー、じゃあ明日はナシだな」
ちなつ「そうですね」
結衣「んー、私は実家に戻らないといけないし」
ちなつ「そうですねー、私も結衣先輩の実家に行かないといけませんから」
結衣「え!?」
ちなつ「あれ、もしかして駆け落ちのパターンのほうがお好きでしたか!?」
あかり「あかりも大掃除のお手伝いするようにお姉ちゃんに言われてるんだぁ」
京子「ちぇー、じゃあ明日はナシだな」
ちなつ「そうですね」
5: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 09:51:06.49 ID:9s4XE4KR0
***
あかり「みんなは大晦日ってどうやって過ごしてる?」
ちなつ「大晦日、かぁ……」
別にたいして特別なことをしているわけではないとは思うけれど、一応考えてみた。
大晦日、大晦日……
去年の大晦日って、何をしてたっけ?ごらく部にいた?それとも家に?
……って、良く考えれば去年の私はまだ小学生なんだった。ごらく部の存在なんか全然知らなかったはず。
結衣「まあ、これといって何かするわけでもないよね。雪積もってたりすると出かけるのも大変だし」
結衣「大掃除も、うちは大晦日にまとめてやらずに1週間くらいかけて少しずつやるんだ」
あかり「そうなんだぁ」
京子「あ、そうだ」
結衣「ん?」
京子「4人で初詣行こうぜ」
あかり「みんなは大晦日ってどうやって過ごしてる?」
ちなつ「大晦日、かぁ……」
別にたいして特別なことをしているわけではないとは思うけれど、一応考えてみた。
大晦日、大晦日……
去年の大晦日って、何をしてたっけ?ごらく部にいた?それとも家に?
……って、良く考えれば去年の私はまだ小学生なんだった。ごらく部の存在なんか全然知らなかったはず。
結衣「まあ、これといって何かするわけでもないよね。雪積もってたりすると出かけるのも大変だし」
結衣「大掃除も、うちは大晦日にまとめてやらずに1週間くらいかけて少しずつやるんだ」
あかり「そうなんだぁ」
京子「あ、そうだ」
結衣「ん?」
京子「4人で初詣行こうぜ」
6: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:09:06.21 ID:9s4XE4KR0
あかり「初詣、あかり行きたいなぁ~」
結衣「でも私、親戚の集まり抜けられるかどうか……」
あかり「そういえば、あかりも1日はそうかも」
京子「2日は?」
結衣「そうだな、2日なら大丈夫だと思う」
ちなつ「私もOKですよ」
京子「じゃあ決まりな!2日に思い思いの時間、思い思いの場所で待ち合わせしよう」
あかり「難易度高すぎるよぉ!」
結衣「でも私、親戚の集まり抜けられるかどうか……」
あかり「そういえば、あかりも1日はそうかも」
京子「2日は?」
結衣「そうだな、2日なら大丈夫だと思う」
ちなつ「私もOKですよ」
京子「じゃあ決まりな!2日に思い思いの時間、思い思いの場所で待ち合わせしよう」
あかり「難易度高すぎるよぉ!」
7: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:09:42.76 ID:9s4XE4KR0
結衣「じゃあ、お昼前に行って、そのままうちに来る?」
京子「そうしよっかー」
ちなつ「どこの神社に行くんですか?」
あかり「あかり、ちょっと離れてるけどそんなに混んでない神社知ってるよぉ」
あかり「お姉ちゃんに教えてもらったんだ」
結衣「そうだね、そこにしよっか」
ちなつ「はい♪」
京子「そうしよっかー」
ちなつ「どこの神社に行くんですか?」
あかり「あかり、ちょっと離れてるけどそんなに混んでない神社知ってるよぉ」
あかり「お姉ちゃんに教えてもらったんだ」
結衣「そうだね、そこにしよっか」
ちなつ「はい♪」
8: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:14:25.33 ID:9s4XE4KR0
***
いつものように1年が終わり、次の1年が始まった。
私は大晦日にちょっと大掃除を手伝ったくらいで、あとはおせちを食べたりお年玉をもらったり、ダラダラ過ごしていた。
部屋で寝転びながら携帯をいじっていたら、ふとこの間あかりちゃんが言ったことを思い出した。
大晦日ってどうやって過ごしてる?
去年の大晦日、私が小学6年生として過ごした大晦日が、なんだか遠くに感じる。
えっと去年は……そうだ、お正月に親戚の家に行ったんだ。
たった1年前なのに大昔のことのように思えるのは……
……もしかしたら、中学校で、ごらく部で、大切な想い出があまりにもたくさんできたからなのかもしれない。
とん、とんと誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。私は起き上がって、上着を羽織る。
ともこ「ちなつー?」
ちなつ「なに?」
ともこ「どうかしら?」
ちなつ「ん?……って、どうしたのそれ?」
お姉ちゃんは、何故か着物姿で立っていた。
いつものように1年が終わり、次の1年が始まった。
私は大晦日にちょっと大掃除を手伝ったくらいで、あとはおせちを食べたりお年玉をもらったり、ダラダラ過ごしていた。
部屋で寝転びながら携帯をいじっていたら、ふとこの間あかりちゃんが言ったことを思い出した。
大晦日ってどうやって過ごしてる?
去年の大晦日、私が小学6年生として過ごした大晦日が、なんだか遠くに感じる。
えっと去年は……そうだ、お正月に親戚の家に行ったんだ。
たった1年前なのに大昔のことのように思えるのは……
……もしかしたら、中学校で、ごらく部で、大切な想い出があまりにもたくさんできたからなのかもしれない。
とん、とんと誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。私は起き上がって、上着を羽織る。
ともこ「ちなつー?」
ちなつ「なに?」
ともこ「どうかしら?」
ちなつ「ん?……って、どうしたのそれ?」
お姉ちゃんは、何故か着物姿で立っていた。
9: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:14:56.36 ID:9s4XE4KR0
ともこ「どう?似合う?」
ちなつ「うん、すごい似合ってる……でもなんで着物なの?」
ともこ「あかねちゃん……ほら、赤座さんと一緒に初詣に行くから」
ちなつ「そうなんだ、いってらっしゃい」
ともこ「あ、行くのは明日なのよ」
ちなつ「え、じゃあ何で今着てるの?」
ともこ「あ、え、えと、変だったら困るじゃない?だからちなつに見てもらおうと」
ちなつ「ふーん?」
ちなつ「うん、すごい似合ってる……でもなんで着物なの?」
ともこ「あかねちゃん……ほら、赤座さんと一緒に初詣に行くから」
ちなつ「そうなんだ、いってらっしゃい」
ともこ「あ、行くのは明日なのよ」
ちなつ「え、じゃあ何で今着てるの?」
ともこ「あ、え、えと、変だったら困るじゃない?だからちなつに見てもらおうと」
ちなつ「ふーん?」
10: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:15:29.43 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「お姉ちゃん達も明日初詣行くんだ」
ともこ「も、ってことは、やっぱりちなつも?」
ちなつ「うん、ていうか、やっぱりって?」
ともこ「赤座さん、お正月はお家のことがあって行けない、って言ってたから、あかりちゃんもそうかと思って」
ちなつ「あかりちゃんが知ってる神社に連れてってくれるって言うんだけど、もしかして行先も一緒?」
ともこ「どうかしら……まだ行先は決めてないから」
ちなつ「そういえば、今年はどこも行かないんだね」
ともこ「そうね、このところあんまり……」
ともこ「あれ、去年のお正月に行ったんだっけ?」
ちなつ「うん」
ともこ「だいぶ前のことに感じるかも
ちなつ「私もそう思ってたとこ」
ともこ「も、ってことは、やっぱりちなつも?」
ちなつ「うん、ていうか、やっぱりって?」
ともこ「赤座さん、お正月はお家のことがあって行けない、って言ってたから、あかりちゃんもそうかと思って」
ちなつ「あかりちゃんが知ってる神社に連れてってくれるって言うんだけど、もしかして行先も一緒?」
ともこ「どうかしら……まだ行先は決めてないから」
ちなつ「そういえば、今年はどこも行かないんだね」
ともこ「そうね、このところあんまり……」
ともこ「あれ、去年のお正月に行ったんだっけ?」
ちなつ「うん」
ともこ「だいぶ前のことに感じるかも
ちなつ「私もそう思ってたとこ」
11: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:16:30.96 ID:9s4XE4KR0
ふわぁ、と大きなあくびが出た。
いけない。このままじゃ完全にダラけきってしまう。
ちなつ「お姉ちゃん、せっかく着物なんだから初詣行かない?」
ともこ「えっ、今から?」
ちなつ「でもさすがに混んでるかな……じゃあそこのコンビニまで」
ともこ「それじゃ着物関係ないでしょ」
適当なコートを羽織って、今年初めて家の外に出る。冬の冷たい空気もなんだか心地良い。
コンビニでお姉ちゃんに期間限定のチョコを買ってもらい、他にすることもなく私たちはそのまま帰った。
この往復10分の道のりも、来年になったら大昔のことになるのだろうか。
いけない。このままじゃ完全にダラけきってしまう。
ちなつ「お姉ちゃん、せっかく着物なんだから初詣行かない?」
ともこ「えっ、今から?」
ちなつ「でもさすがに混んでるかな……じゃあそこのコンビニまで」
ともこ「それじゃ着物関係ないでしょ」
適当なコートを羽織って、今年初めて家の外に出る。冬の冷たい空気もなんだか心地良い。
コンビニでお姉ちゃんに期間限定のチョコを買ってもらい、他にすることもなく私たちはそのまま帰った。
この往復10分の道のりも、来年になったら大昔のことになるのだろうか。
12: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:23:06.27 ID:9s4XE4KR0
***
次の日、集合場所のあかりちゃん家に着くと、あかりちゃんは律儀に玄関の前で待っていた。
京子先輩から昨日「10時にあかりん家の前」という文面だけの簡潔すぎるメールが来たから、
玄関の前にいるのは確かに正しいんだけど、わざわざ外で待っている必要は全然ない。
それでも、あかりちゃんはそんなこと気にしない様子で、もこもこしたコートを着込んでニコニコしていた。
私が声を掛けるようとする一瞬前に、あかりちゃんがこちらに気づいた。あかりちゃんの笑顔がさらに明るくなる。
あかり「あっ、ちなつちゃん!」
ちなつ「寒いんだから家の中にいればいいのに」
あかり「えへへ、そうかな」
ちなつ「結衣先輩と京子先輩は?」
あかり「もうすぐ二人とも来るって」
ちなつ「そっか」
普段の私なら、部屋で待たせてもらっていたと思うけど、今日はこのままでもいいかな。
あかりちゃんの横で、あかりちゃんと同時に空を見上げる。
澄んだ空気の先に、雲が見えた。
次の日、集合場所のあかりちゃん家に着くと、あかりちゃんは律儀に玄関の前で待っていた。
京子先輩から昨日「10時にあかりん家の前」という文面だけの簡潔すぎるメールが来たから、
玄関の前にいるのは確かに正しいんだけど、わざわざ外で待っている必要は全然ない。
それでも、あかりちゃんはそんなこと気にしない様子で、もこもこしたコートを着込んでニコニコしていた。
私が声を掛けるようとする一瞬前に、あかりちゃんがこちらに気づいた。あかりちゃんの笑顔がさらに明るくなる。
あかり「あっ、ちなつちゃん!」
ちなつ「寒いんだから家の中にいればいいのに」
あかり「えへへ、そうかな」
ちなつ「結衣先輩と京子先輩は?」
あかり「もうすぐ二人とも来るって」
ちなつ「そっか」
普段の私なら、部屋で待たせてもらっていたと思うけど、今日はこのままでもいいかな。
あかりちゃんの横で、あかりちゃんと同時に空を見上げる。
澄んだ空気の先に、雲が見えた。
13: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:23:32.80 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「雪、降らなくて良かったね」
あかり「うん、でも明日は雪みたいだよ」
ちなつ「えー、やだなあ」
あかり「ちなつちゃんは、雪嫌いなの?」
ちなつ「んー、嫌いってわけでもないけど、出かけるのも大変になるし、積もったら雪かきもしなくちゃだし」
ちなつ「あかりちゃんは好きなの?」
あかり「うん、あかりは雪好きだよ……あっ!」
ちなつ「どうしたの?」
あかり「あけましておめでとうございます」
かしこまってお辞儀するあかりちゃんが顔を上げるのを待って、私も言った。
ちなつ「うん、あけましておめでとう、あかりちゃん」
あかり「うん、でも明日は雪みたいだよ」
ちなつ「えー、やだなあ」
あかり「ちなつちゃんは、雪嫌いなの?」
ちなつ「んー、嫌いってわけでもないけど、出かけるのも大変になるし、積もったら雪かきもしなくちゃだし」
ちなつ「あかりちゃんは好きなの?」
あかり「うん、あかりは雪好きだよ……あっ!」
ちなつ「どうしたの?」
あかり「あけましておめでとうございます」
かしこまってお辞儀するあかりちゃんが顔を上げるのを待って、私も言った。
ちなつ「うん、あけましておめでとう、あかりちゃん」
14: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:26:16.64 ID:9s4XE4KR0
***
結衣「お待たせ」
ちなつ「結衣先輩!」
結衣「あけましておめでとう」
ちなつ「はい!あけましておめでとうございます!」
あかり「あけましておめでとう、結衣ちゃん」
結衣「京子は?」
あかり「もうすぐ来ると思うよぉ」
結衣「お待たせ」
ちなつ「結衣先輩!」
結衣「あけましておめでとう」
ちなつ「はい!あけましておめでとうございます!」
あかり「あけましておめでとう、結衣ちゃん」
結衣「京子は?」
あかり「もうすぐ来ると思うよぉ」
15: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:26:46.32 ID:9s4XE4KR0
京子「おっ待たせー!」
あかり「あっ、京子ちゃん」
京子「お年玉くれ」
あかり「いきなりそれ!?」
ちなつ「結衣先輩にはお年玉として私の全てをあげますぅ!」
結衣「いや……それはさすがに困るかな」
京子「よしっ!皆の衆、ボヤボヤしてないで行くぞ!」
結衣「一番遅く来てそれかよ」
あかり「あっ、京子ちゃん」
京子「お年玉くれ」
あかり「いきなりそれ!?」
ちなつ「結衣先輩にはお年玉として私の全てをあげますぅ!」
結衣「いや……それはさすがに困るかな」
京子「よしっ!皆の衆、ボヤボヤしてないで行くぞ!」
結衣「一番遅く来てそれかよ」
16: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:27:21.39 ID:9s4XE4KR0
***
あかり「ここだよぉ」
30分くらい歩いて、神社に到着した。
あかりちゃんが案内してくれた神社は、大きくはないけれど、何て言うのかな、神聖な感じがする。
人もいるとはいえまばらで、お正月にはお賽銭の行列ができる近所の神社よりもお参りしやすい。
結衣「こんなところに神社あったんだね」
ちなつ「私も知りませんでした」
京子「おみくじ引いてきた!」
結衣「早っ!」
ちなつ「だめですよ、まだお参りもしてないのに」
京子「どれどれ……ほう、小吉」
あかり「お参りする前に小吉ってことは、お参りしたらもっと運勢が良くなるかもしれないね」
京子「なるほど、そういう考え方もあるな」
あかり「って京子ちゃん!あかりのお団子におみくじ結ばないでよぉ!」
あかり「ここだよぉ」
30分くらい歩いて、神社に到着した。
あかりちゃんが案内してくれた神社は、大きくはないけれど、何て言うのかな、神聖な感じがする。
人もいるとはいえまばらで、お正月にはお賽銭の行列ができる近所の神社よりもお参りしやすい。
結衣「こんなところに神社あったんだね」
ちなつ「私も知りませんでした」
京子「おみくじ引いてきた!」
結衣「早っ!」
ちなつ「だめですよ、まだお参りもしてないのに」
京子「どれどれ……ほう、小吉」
あかり「お参りする前に小吉ってことは、お参りしたらもっと運勢が良くなるかもしれないね」
京子「なるほど、そういう考え方もあるな」
あかり「って京子ちゃん!あかりのお団子におみくじ結ばないでよぉ!」
17: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:28:26.26 ID:9s4XE4KR0
人が途切れる瞬間を待って、4人一緒に手を合わせる。
横目でチラッと結衣先輩の方を見たら、軽く目を閉じてお祈りする先輩の姿が見えた。
何をお願いしてるんだろう?
もっとも、結衣先輩の願い事が何であろうと、私のお願いは変わらない。
正面を向いて目を閉じ、頭の中で何回も繰り返す。
今年こそ、結衣先輩と親密になれますように!
あかり「あっ、お守り売ってるよぉ」
ちなつ「ほんとだ」
結衣「お守りかあ……あれ、京子は?」
京子「おみくじ引いてきた!」
結衣「またかよ」
京子「どれどれ……ほう、小吉」
あかり「あっ、京子ちゃん、またあかりのお団子に結ぼうと思ったでしょ!?」
京子「イヤなの?じゃーちなちゅに……」
ちなつ「やめてください!」
横目でチラッと結衣先輩の方を見たら、軽く目を閉じてお祈りする先輩の姿が見えた。
何をお願いしてるんだろう?
もっとも、結衣先輩の願い事が何であろうと、私のお願いは変わらない。
正面を向いて目を閉じ、頭の中で何回も繰り返す。
今年こそ、結衣先輩と親密になれますように!
あかり「あっ、お守り売ってるよぉ」
ちなつ「ほんとだ」
結衣「お守りかあ……あれ、京子は?」
京子「おみくじ引いてきた!」
結衣「またかよ」
京子「どれどれ……ほう、小吉」
あかり「あっ、京子ちゃん、またあかりのお団子に結ぼうと思ったでしょ!?」
京子「イヤなの?じゃーちなちゅに……」
ちなつ「やめてください!」
18: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:28:57.77 ID:9s4XE4KR0
結衣「お守りって、結構種類あるんだね」
ちなつ「あっ!恋愛成就!これにします!」
あかり「ちなつちゃんのお守り、可愛いね。色もピンクでぴったりだし」
京子「あかりは影の薄さ解消がいいんじゃない?」
あかり「そんなのないよぉ!」
ちなつ「結衣先輩はどれにするんですか?」
結衣「私はこれ」
ちなつ「キャー、無病息災なんてシブいですぅ!」
結衣「う、うん……?」
ちなつ「あっ!恋愛成就!これにします!」
あかり「ちなつちゃんのお守り、可愛いね。色もピンクでぴったりだし」
京子「あかりは影の薄さ解消がいいんじゃない?」
あかり「そんなのないよぉ!」
ちなつ「結衣先輩はどれにするんですか?」
結衣「私はこれ」
ちなつ「キャー、無病息災なんてシブいですぅ!」
結衣「う、うん……?」
19: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:29:48.51 ID:9s4XE4KR0
***
結局、4人で別々のお守りを買って、そのまま帰路についた。
途中のスーパーでちょっと買い物をして、結衣先輩の部屋にお邪魔する。
京子「腹減ったー」
結衣「もう1時過ぎてるもんな、すぐ作るから待ってろ」
京子「んじゃーできるまでゲームしようぜ」
あかり「結衣ちゃん、あかりもお手伝いするよ」
結衣「いや、どっちかっていうと京子の相手してくれたほうが助かるかな」
あかり「そうなの?」
ちなつ「そういうことなら……ん?」
結局、4人で別々のお守りを買って、そのまま帰路についた。
途中のスーパーでちょっと買い物をして、結衣先輩の部屋にお邪魔する。
京子「腹減ったー」
結衣「もう1時過ぎてるもんな、すぐ作るから待ってろ」
京子「んじゃーできるまでゲームしようぜ」
あかり「結衣ちゃん、あかりもお手伝いするよ」
結衣「いや、どっちかっていうと京子の相手してくれたほうが助かるかな」
あかり「そうなの?」
ちなつ「そういうことなら……ん?」
20: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 10:30:25.33 ID:9s4XE4KR0
結衣先輩の机の上に、見覚えのあるお守りを見つけた。
さっき結衣先輩が買っていた、無病息災のお守り。それが紺のスクールバッグについている。
確か神社で買ってすぐ、先輩が持ってた黒いカバンに付けてたはずなんだけど。
京子「ちなつちゃん、どうかした?」
ちなつ「あっ、いえ、何やりますか?またナモブラですか?」
先輩、いつの間に付け替えたんだろう?
あかり「あかり、おいでませ八ッ橋村がいいなぁ」
ちなつ「あかりちゃん、ナモブラ弱いもんね」
京子「よし、落とし穴を掘り続けるだけの肉体労働をしよう」
あかり「それ、面白いの!?」
3人でゲームをやっていたら、結衣先輩がカルボナーラを作って持ってきてくれた。
お昼ごはんを食べて、そのあとも4人でゲームやったり、おしゃべりしたり、いつも通りだったけれど、
なんとなくお守りのことは話せずにいた。
さっき結衣先輩が買っていた、無病息災のお守り。それが紺のスクールバッグについている。
確か神社で買ってすぐ、先輩が持ってた黒いカバンに付けてたはずなんだけど。
京子「ちなつちゃん、どうかした?」
ちなつ「あっ、いえ、何やりますか?またナモブラですか?」
先輩、いつの間に付け替えたんだろう?
あかり「あかり、おいでませ八ッ橋村がいいなぁ」
ちなつ「あかりちゃん、ナモブラ弱いもんね」
京子「よし、落とし穴を掘り続けるだけの肉体労働をしよう」
あかり「それ、面白いの!?」
3人でゲームをやっていたら、結衣先輩がカルボナーラを作って持ってきてくれた。
お昼ごはんを食べて、そのあとも4人でゲームやったり、おしゃべりしたり、いつも通りだったけれど、
なんとなくお守りのことは話せずにいた。
23: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:35:56.71 ID:9s4XE4KR0
***
ちなつ「ただいまー」
家に戻った時は、ちょうど誰もいなかった。
お姉ちゃんは、あかりちゃんのお姉さんと初詣に行ったらしい。
自分の部屋に戻り、カバンを下ろす。
あ、そうだ。
カバンの中から買ったばかりのお守りを取り出した。刺繍で書かれた恋愛成就の4文字を見ていると、ついつい顔がにやけてくる。
学校のバッグにつけようかな、それとも机のコルクボードに……
ちなつ「ただいまー」
家に戻った時は、ちょうど誰もいなかった。
お姉ちゃんは、あかりちゃんのお姉さんと初詣に行ったらしい。
自分の部屋に戻り、カバンを下ろす。
あ、そうだ。
カバンの中から買ったばかりのお守りを取り出した。刺繍で書かれた恋愛成就の4文字を見ていると、ついつい顔がにやけてくる。
学校のバッグにつけようかな、それとも机のコルクボードに……
24: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:37:44.28 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「あ、あれ?」
コルクボードには、私が手に持っているのと同じ、ピンク色をしたお守りが掛かっていた。
ちなつ「なんで……?」
あの神社には初めて行ったはずなのに、どうして同じお守りが?
それとも他のところで同じお守りが売ってたの?
だとしたら、どこで買ったんだろう?
そもそもこのお守りはいつからあったっけ?
……全然、思い出せない。
コルクボードには、私が手に持っているのと同じ、ピンク色をしたお守りが掛かっていた。
ちなつ「なんで……?」
あの神社には初めて行ったはずなのに、どうして同じお守りが?
それとも他のところで同じお守りが売ってたの?
だとしたら、どこで買ったんだろう?
そもそもこのお守りはいつからあったっけ?
……全然、思い出せない。
25: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:39:01.91 ID:9s4XE4KR0
そうだ、結衣先輩の部屋でも似たようなことがあった。
2つのカバンについたお守り。
ぶるり、と体が震えるのを感じた。
怖いのを掻き消すように考えを巡らす。
京子先輩のイタズラとか?さすがにそんな訳ないか。
あ、お姉ちゃんがくれたのかも?焦ってメールを打つ。
私の机のお守り、もしかしてお姉ちゃん?
メールはすぐに帰ってきた。
お守り?私はしらないけど。今赤座さんの家にいて、これから神社に行くところよ
ちなつ「お姉ちゃんでもない……」
2つのカバンについたお守り。
ぶるり、と体が震えるのを感じた。
怖いのを掻き消すように考えを巡らす。
京子先輩のイタズラとか?さすがにそんな訳ないか。
あ、お姉ちゃんがくれたのかも?焦ってメールを打つ。
私の机のお守り、もしかしてお姉ちゃん?
メールはすぐに帰ってきた。
お守り?私はしらないけど。今赤座さんの家にいて、これから神社に行くところよ
ちなつ「お姉ちゃんでもない……」
26: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:43:48.79 ID:9s4XE4KR0
結衣「ちなつちゃん?」
結衣先輩に電話を掛けてみたはいいものの、何をどう話せばいいのか分からない。
ちなつ「えっと……」
結衣「何か話しにくいこと?」
結衣先輩の言い方はどこまでも優しくて、そんな先輩にはあまり心配かけたくないような気がした。
ちなつ「あの、お守りのことで」
結衣「お守り?さっき買ったやつ?」
ちなつ「はい、あれ、カバンに付けてますよね」
結衣「うん、付けられるところがちょうどあったから」
ちなつ「黒のカバンでしたよね、今日持ってた」
結衣「うん、そうだけど?」
ちなつ「ごめんなさい、なんかどうでもいいことで電話しちゃって」
結衣「?……ううん、気にしなくていいけど」
それでは!と叫ぶように言って、電話を切った。
結局何が何だかわからないけど、多分結衣先輩も、私と同じようにお守りを2つ持っている。
あかりちゃんや京子先輩は……?
結衣先輩に電話を掛けてみたはいいものの、何をどう話せばいいのか分からない。
ちなつ「えっと……」
結衣「何か話しにくいこと?」
結衣先輩の言い方はどこまでも優しくて、そんな先輩にはあまり心配かけたくないような気がした。
ちなつ「あの、お守りのことで」
結衣「お守り?さっき買ったやつ?」
ちなつ「はい、あれ、カバンに付けてますよね」
結衣「うん、付けられるところがちょうどあったから」
ちなつ「黒のカバンでしたよね、今日持ってた」
結衣「うん、そうだけど?」
ちなつ「ごめんなさい、なんかどうでもいいことで電話しちゃって」
結衣「?……ううん、気にしなくていいけど」
それでは!と叫ぶように言って、電話を切った。
結局何が何だかわからないけど、多分結衣先輩も、私と同じようにお守りを2つ持っている。
あかりちゃんや京子先輩は……?
27: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:47:07.91 ID:9s4XE4KR0
あかりちゃんに電話したのは、お守りのことを確認したいというよりも、
怖いから誰かと話していたかったって思いの方が強かったと思う。
あかり「お守り?」
ちなつ「うん、あかりちゃんも2つ持ってたりしない?」
あかり「そんなはずないと思うけど……」
あかり「あかり、あそこの神社でお守り買うの初めてだもん」
ちなつ「まあ、それはそうなんだけど」
あかり「さっき引き出しにしまったから……」
あかり「あ、あれ?」
ちなつ「?」
あかり「ちなつちゃん……あかりも、2つ持ってるみたい」
ちなつ「やっぱり……」
怖いから誰かと話していたかったって思いの方が強かったと思う。
あかり「お守り?」
ちなつ「うん、あかりちゃんも2つ持ってたりしない?」
あかり「そんなはずないと思うけど……」
あかり「あかり、あそこの神社でお守り買うの初めてだもん」
ちなつ「まあ、それはそうなんだけど」
あかり「さっき引き出しにしまったから……」
あかり「あ、あれ?」
ちなつ「?」
あかり「ちなつちゃん……あかりも、2つ持ってるみたい」
ちなつ「やっぱり……」
28: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 11:48:31.10 ID:9s4XE4KR0
あかり「そういえば、前にもこんなことあったよね」
ちなつ「え?」
あかり「ほら、京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行に行ったとき、おみやげに木刀買ってきてくれたでしょ?」
あかり「あれも部室に最初からあったから」
ちなつ「あ……」
あのときは、昔の茶道部員が買ってきたりしたのかな、って話になって、それっきり特に気にはしてこなかった。
むしろそう考えた方がよっぽど普通なんだけれど、今日はどうしても無関係とは思えなかった。
あかり「不思議だよねぇ」
あかりちゃんは、何でもない風に言って、電話口で笑った。
そんないつもと変わらない様子に、私も少し落ち着けたような気がする。
それはまるで、あかりちゃんだけが使える魔法みたいに思えた。
ちなつ「え?」
あかり「ほら、京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行に行ったとき、おみやげに木刀買ってきてくれたでしょ?」
あかり「あれも部室に最初からあったから」
ちなつ「あ……」
あのときは、昔の茶道部員が買ってきたりしたのかな、って話になって、それっきり特に気にはしてこなかった。
むしろそう考えた方がよっぽど普通なんだけれど、今日はどうしても無関係とは思えなかった。
あかり「不思議だよねぇ」
あかりちゃんは、何でもない風に言って、電話口で笑った。
そんないつもと変わらない様子に、私も少し落ち着けたような気がする。
それはまるで、あかりちゃんだけが使える魔法みたいに思えた。
29: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 12:35:42.71 ID:9s4XE4KR0
***
冬休みが終わり、新学期が始まった。
昇降口で結衣先輩と京子先輩とは別れ、あかりちゃんと1年生の靴箱に向かう。
靴をはきかえていると、あかりちゃんのカバンにあのお守りが2つ付いていた。
不思議で不可解なことが起きて、私は怖がっていたけれど、あかりちゃんは全然気にしてないみたい。
ちなつ「あかりちゃんは何でだと思う?」
あかり「えっ?」
ちなつ「ほら、お守りのこと」
あかり「あっ」
ちなつ「?」
あかり「あのね、あのあと、他にも何個かお守り出てきたんだ」
あかりちゃんは軽くそう言って笑ったけれど、私にはそんなお気楽なことには思えなかった。
あかり「全く一緒、ってわけじゃなかったけど、同じ種類のやつ」
ちなつ「それもいつ買ったかとか覚えてないんだよね……?」
あかり「うん」
ちなつ「あかりちゃん……」
なんで気にせずにいられるの?と聞けなかったのは、何故だろう。
冬休みが終わり、新学期が始まった。
昇降口で結衣先輩と京子先輩とは別れ、あかりちゃんと1年生の靴箱に向かう。
靴をはきかえていると、あかりちゃんのカバンにあのお守りが2つ付いていた。
不思議で不可解なことが起きて、私は怖がっていたけれど、あかりちゃんは全然気にしてないみたい。
ちなつ「あかりちゃんは何でだと思う?」
あかり「えっ?」
ちなつ「ほら、お守りのこと」
あかり「あっ」
ちなつ「?」
あかり「あのね、あのあと、他にも何個かお守り出てきたんだ」
あかりちゃんは軽くそう言って笑ったけれど、私にはそんなお気楽なことには思えなかった。
あかり「全く一緒、ってわけじゃなかったけど、同じ種類のやつ」
ちなつ「それもいつ買ったかとか覚えてないんだよね……?」
あかり「うん」
ちなつ「あかりちゃん……」
なんで気にせずにいられるの?と聞けなかったのは、何故だろう。
30: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 12:38:38.01 ID:9s4XE4KR0
あかり「でも、ほんとに不思議だよねぇ」
口元に手を当てながら、あかりちゃんが首をかしげて考え込む。
そのまま教室を通り過ぎそうになるあかりちゃんの袖をひっぱり、おはよう、と適当な挨拶をしながら教室に入っていった。
櫻子「あっ、おっはよー!」
私たちの姿を見て、櫻子ちゃんが真っ先に声を掛けてくる。
あかり「おはよう、櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」
向日葵「おはようございます……」
向日葵ちゃんが朝眠そうなのもいつも通り。特に冬場はつらいみたい。
あかり「あ、そうだ。ちなつちゃん、あとで木刀も見てみようよ」
ちなつ「うん、そうだね。今日見てみたほうがいいかな?」
あかり「えっ、でも今日は部活やってちゃだめなんじゃ……」
ちなつ「ちょっと確認するだけだし、先生に見つかっても忘れ物取りに来たとか言っとけば大丈夫」
ちなつ(まあ、無断で使ってる部室に忘れ物がある時点でどうかと思うけど……)
口元に手を当てながら、あかりちゃんが首をかしげて考え込む。
そのまま教室を通り過ぎそうになるあかりちゃんの袖をひっぱり、おはよう、と適当な挨拶をしながら教室に入っていった。
櫻子「あっ、おっはよー!」
私たちの姿を見て、櫻子ちゃんが真っ先に声を掛けてくる。
あかり「おはよう、櫻子ちゃん、向日葵ちゃん」
向日葵「おはようございます……」
向日葵ちゃんが朝眠そうなのもいつも通り。特に冬場はつらいみたい。
あかり「あ、そうだ。ちなつちゃん、あとで木刀も見てみようよ」
ちなつ「うん、そうだね。今日見てみたほうがいいかな?」
あかり「えっ、でも今日は部活やってちゃだめなんじゃ……」
ちなつ「ちょっと確認するだけだし、先生に見つかっても忘れ物取りに来たとか言っとけば大丈夫」
ちなつ(まあ、無断で使ってる部室に忘れ物がある時点でどうかと思うけど……)
31: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 12:40:05.96 ID:9s4XE4KR0
あかり「でも、木刀を忘れてったなんて、変な感じだね」
ちなつ「いや、何も木刀じゃなくてもいいでしょ……」
櫻子「なになに?木刀?誰か成敗すんの!?」
ちなつ「成敗って……」
あかり「ごらく部にあるんだよぉ」
櫻子「マジで!?いいなー!」
向日葵「櫻子にそういう危ないものを持たせないほうがいいですわ」
櫻子「何を!?そんなこと言うおっぱいお化けは刀で悪霊退散してくれる!」
向日葵「お化けに刀って効きますの?」
櫻子「そう、私のスーパー木刀ビームを持ってすれば悪霊など一撃……!」
向日葵「それで、なんで木刀なんですの?」
ちなつ「あ、えっとね」
櫻子「おい!無視すんな!」
ちなつ「いや、何も木刀じゃなくてもいいでしょ……」
櫻子「なになに?木刀?誰か成敗すんの!?」
ちなつ「成敗って……」
あかり「ごらく部にあるんだよぉ」
櫻子「マジで!?いいなー!」
向日葵「櫻子にそういう危ないものを持たせないほうがいいですわ」
櫻子「何を!?そんなこと言うおっぱいお化けは刀で悪霊退散してくれる!」
向日葵「お化けに刀って効きますの?」
櫻子「そう、私のスーパー木刀ビームを持ってすれば悪霊など一撃……!」
向日葵「それで、なんで木刀なんですの?」
ちなつ「あ、えっとね」
櫻子「おい!無視すんな!」
32: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 12:42:14.62 ID:9s4XE4KR0
とはいえ、このことを向日葵ちゃんと櫻子ちゃんに話していいものかどうか、ちょっと迷った。
普通に考えたら、何を変なこと言ってるんだ、って思われるだけだろうし、適当にごまかしておいたほうがいいのかもしれない。
私が逡巡している間に、あかりちゃんが喋り出した。
あかり「部室にね、京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行で買ってきてくれた木刀があるんだよぉ」
ちなつ「……それでね、もう1本同じのがあるんだよね。誰が買ったものか分かんないんだけど」
ちなつ「多分昔の茶道部の人が置きっぱなしにしたんだと思うんだけど、いつからあるんだろうなー、って」
櫻子「ふーん?まあでも、2本あればちょうど遊べるね」
あかり「あはは、そうだね」
向日葵「……そういえば、生徒会室にも」
ちなつ「えっ?」
向日葵「いえ、この間、生徒会室の掃除をしたときに見つけたのですが……」
眠たそうだった向日葵ちゃんの表情が、真剣なものに変わった。
具体的なことはまだ何も言っていないのだから、大したことのない話の可能性もあるんだけど、
まるで怪談話が始まったかのような空気を感じて私は鳥肌が立つのを感じた。
あかりちゃんも櫻子ちゃんも、その雰囲気に圧されて息をのむ。
普通に考えたら、何を変なこと言ってるんだ、って思われるだけだろうし、適当にごまかしておいたほうがいいのかもしれない。
私が逡巡している間に、あかりちゃんが喋り出した。
あかり「部室にね、京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行で買ってきてくれた木刀があるんだよぉ」
ちなつ「……それでね、もう1本同じのがあるんだよね。誰が買ったものか分かんないんだけど」
ちなつ「多分昔の茶道部の人が置きっぱなしにしたんだと思うんだけど、いつからあるんだろうなー、って」
櫻子「ふーん?まあでも、2本あればちょうど遊べるね」
あかり「あはは、そうだね」
向日葵「……そういえば、生徒会室にも」
ちなつ「えっ?」
向日葵「いえ、この間、生徒会室の掃除をしたときに見つけたのですが……」
眠たそうだった向日葵ちゃんの表情が、真剣なものに変わった。
具体的なことはまだ何も言っていないのだから、大したことのない話の可能性もあるんだけど、
まるで怪談話が始まったかのような空気を感じて私は鳥肌が立つのを感じた。
あかりちゃんも櫻子ちゃんも、その雰囲気に圧されて息をのむ。
33: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 12:43:34.23 ID:9s4XE4KR0
向日葵「西垣先生の発明品らしきものがあったんです、棚の奥に」
櫻子「いつものことじゃん」
向日葵「……あなたもいた時の話ですわよ?」
向日葵「話を戻しますわ。焦げ跡があって、多分爆発した後だったんだと思います。動きもしませんでしたし……」
向日葵「それはすぐに処分してしまったんですが、その何週間か後に西垣先生が持ってきた発明品が、捨てた方にそっくりだったんですの」
あかり「おんなじものを作ったってこと?」
向日葵「私も最初はそう思いましたわ、ですが……」
向日葵「先生は、それを作ったのは初めてだ、似た物も作ったことはない、と」
櫻子「怖ぁ……」
向日葵「だから、櫻子もそのときいましたわよ」
櫻子「そだっけ?」
櫻子「いつものことじゃん」
向日葵「……あなたもいた時の話ですわよ?」
向日葵「話を戻しますわ。焦げ跡があって、多分爆発した後だったんだと思います。動きもしませんでしたし……」
向日葵「それはすぐに処分してしまったんですが、その何週間か後に西垣先生が持ってきた発明品が、捨てた方にそっくりだったんですの」
あかり「おんなじものを作ったってこと?」
向日葵「私も最初はそう思いましたわ、ですが……」
向日葵「先生は、それを作ったのは初めてだ、似た物も作ったことはない、と」
櫻子「怖ぁ……」
向日葵「だから、櫻子もそのときいましたわよ」
櫻子「そだっけ?」
34: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:25:16.05 ID:9s4XE4KR0
***
登校初日は午前中で終わりになって、やっている部活もないからクラスの皆も一目散に帰って行く。
それでも、私とあかりちゃんは部室へ向かった。
できれば結衣先輩と京子先輩が感づく前に木刀の確認はしてしまいたい。
今日中に見ておけば二人と鉢合わせになることはないはずで、それでも何となく気がはやって少し早歩きになってしまう。
ちょっと遅れたあかりちゃんの手を取って、私は部室に急いだ。
2つある部室の合鍵の内、片方を持っているあかりちゃんが鍵を開ける。
なるべく音を立てないように扉を開けて、中に入った。
木刀の一本は相変わらずお床に飾られていて、もう1本は押し入れの中。それを取り出して、見比べてみる。
登校初日は午前中で終わりになって、やっている部活もないからクラスの皆も一目散に帰って行く。
それでも、私とあかりちゃんは部室へ向かった。
できれば結衣先輩と京子先輩が感づく前に木刀の確認はしてしまいたい。
今日中に見ておけば二人と鉢合わせになることはないはずで、それでも何となく気がはやって少し早歩きになってしまう。
ちょっと遅れたあかりちゃんの手を取って、私は部室に急いだ。
2つある部室の合鍵の内、片方を持っているあかりちゃんが鍵を開ける。
なるべく音を立てないように扉を開けて、中に入った。
木刀の一本は相変わらずお床に飾られていて、もう1本は押し入れの中。それを取り出して、見比べてみる。
35: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:27:22.53 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「やっぱりおんなじだね」
あかり「うん」
ちなつ「まあでも、同じところで買えば一緒か」
あかり「でも、去年までとは行き先違うんだって」
ちなつ「え、そうなの?」
あかり「確か結衣ちゃんが、今年から泊まるホテルが変わって良いところになったらしいよ、って言ってたから」
ちなつ「ふぅん」
ちなつ「……お土産用の木刀なんて、たいして種類があるわけでもないのかもね」
あかり「そうかもねぇ」
あかり「うん」
ちなつ「まあでも、同じところで買えば一緒か」
あかり「でも、去年までとは行き先違うんだって」
ちなつ「え、そうなの?」
あかり「確か結衣ちゃんが、今年から泊まるホテルが変わって良いところになったらしいよ、って言ってたから」
ちなつ「ふぅん」
ちなつ「……お土産用の木刀なんて、たいして種類があるわけでもないのかもね」
あかり「そうかもねぇ」
36: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:28:23.22 ID:9s4XE4KR0
何気なく木刀を鞘から抜いてみる。
鞘の付け根の、何て言うのかな、普段は木刀と接していて見えない部分が目に留まった。
あかり「わぁ、ちなつちゃんかっこいい」
刀を抜いた姿勢で固まった私を見て、あかりちゃんが呑気な声を上げる。
でも、その言葉は右から左に通り抜けていった。
また、ぶるりと体が震えた。何か予感めいたものを感じる。
ちなつ「あかりちゃん、ここ」
あかり「?」
私が指差す先には、ホテルの名前が印字してあった。
それを見てあかりちゃんも「あっ」と小さく声を漏らす。
私はその木刀をあかりちゃんに渡し、飾ってあるの方の木刀を鞘から抜く。
ちなつ「一緒だ」
さすがのあかりちゃんも深刻そうな表情になった。
2本とも同じホテルで買えるわけがないってことは、今まさにあかりちゃんが言ったことなのだから。
鞘の付け根の、何て言うのかな、普段は木刀と接していて見えない部分が目に留まった。
あかり「わぁ、ちなつちゃんかっこいい」
刀を抜いた姿勢で固まった私を見て、あかりちゃんが呑気な声を上げる。
でも、その言葉は右から左に通り抜けていった。
また、ぶるりと体が震えた。何か予感めいたものを感じる。
ちなつ「あかりちゃん、ここ」
あかり「?」
私が指差す先には、ホテルの名前が印字してあった。
それを見てあかりちゃんも「あっ」と小さく声を漏らす。
私はその木刀をあかりちゃんに渡し、飾ってあるの方の木刀を鞘から抜く。
ちなつ「一緒だ」
さすがのあかりちゃんも深刻そうな表情になった。
2本とも同じホテルで買えるわけがないってことは、今まさにあかりちゃんが言ったことなのだから。
37: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:30:09.30 ID:9s4XE4KR0
あかり「ちなつちゃん……」
ちなつ「……とりあえず、明日とかに先輩たちにホテルの名前を確認してみよっか」
あかり「京子ちゃん達にも、このこと話してみる?」
ちなつ「……」
ちなつ「ううん、私たちだけの秘密にしよう?変に先輩達の心配事増やすのもなんだし」
あかり「そっかぁ、そうだね」
先輩達には伝えないほうがいい。
そんな予感を、結衣先輩に電話したあのときから何故か感じていた。
心配させたくないなんていう適当な言い訳は、ぱっと出た割にはあかりちゃんには効果てき面だったみたいで、
あかりちゃんは何度もうんうん、とうなずきながら木刀を鞘にしまった。
しばらく二人とも無言で、部室には風の音だけが響いていたけれど、ずっとこうしているわけにもいかない。
ちなつ「帰ろっか」
あかり「うん」
部室を出るときの足取りは、入ってきた時よりも少しだけ重い感じがした。
ちなつ「……とりあえず、明日とかに先輩たちにホテルの名前を確認してみよっか」
あかり「京子ちゃん達にも、このこと話してみる?」
ちなつ「……」
ちなつ「ううん、私たちだけの秘密にしよう?変に先輩達の心配事増やすのもなんだし」
あかり「そっかぁ、そうだね」
先輩達には伝えないほうがいい。
そんな予感を、結衣先輩に電話したあのときから何故か感じていた。
心配させたくないなんていう適当な言い訳は、ぱっと出た割にはあかりちゃんには効果てき面だったみたいで、
あかりちゃんは何度もうんうん、とうなずきながら木刀を鞘にしまった。
しばらく二人とも無言で、部室には風の音だけが響いていたけれど、ずっとこうしているわけにもいかない。
ちなつ「帰ろっか」
あかり「うん」
部室を出るときの足取りは、入ってきた時よりも少しだけ重い感じがした。
38: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:33:46.65 ID:9s4XE4KR0
***
結衣先輩と京子先輩は多分先に帰ったんだろう。
櫻子ちゃんと向日葵ちゃんも、生徒会の仕事はないって言ってたからすぐ帰ったはず。
よくよく考えてみると、学校からあかりちゃんと2人だけで帰ることはあんまりない。
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが1本ずつ買ったってわけじゃなかったよねぇ?」
ちなつ「うん、ていうか結衣先輩はああいうの買わないでしょ」
あかり「あはは、そうだね」
横を見ると、あかりちゃんが微笑んでいた。
それに比べて私はさっきから険しい顔ばっかりなんだろうなあ、とか考えていたら、
あかりちゃんの顔の先に、見慣れない景色を感じた。
あれ、と思ってよく見ると、お洒落な感じのお店ができている。店先に出ている黒板を見る限りカフェみたいだ。
そういえば、2学期の頃に何かの工事をしてるな、と思ったんだった。それが完成したみたい。
ちなつ「新しくカフェができたみたいだね」
あかり「ほんとだ」
結衣先輩と京子先輩は多分先に帰ったんだろう。
櫻子ちゃんと向日葵ちゃんも、生徒会の仕事はないって言ってたからすぐ帰ったはず。
よくよく考えてみると、学校からあかりちゃんと2人だけで帰ることはあんまりない。
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが1本ずつ買ったってわけじゃなかったよねぇ?」
ちなつ「うん、ていうか結衣先輩はああいうの買わないでしょ」
あかり「あはは、そうだね」
横を見ると、あかりちゃんが微笑んでいた。
それに比べて私はさっきから険しい顔ばっかりなんだろうなあ、とか考えていたら、
あかりちゃんの顔の先に、見慣れない景色を感じた。
あれ、と思ってよく見ると、お洒落な感じのお店ができている。店先に出ている黒板を見る限りカフェみたいだ。
そういえば、2学期の頃に何かの工事をしてるな、と思ったんだった。それが完成したみたい。
ちなつ「新しくカフェができたみたいだね」
あかり「ほんとだ」
39: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:34:30.91 ID:9s4XE4KR0
そのまま通り過ぎようとしたけれど、妙な違和感があってUターンした。
あかりちゃんは不思議そうな顔をして付いてきて、黒板のメニューを見る私の横に立つ。
あかり「ちなつちゃん?」
あかりちゃんに呼びかけられたことは分かっていたけれど、私はそれどころじゃなくて、
メニューに書かれた「ローズティー」という文字だけを凝視していた。
ちなつ「私、あかりちゃんと飲んだことあるよね」
あかり「えっ?」
ちなつ「ローズティーって」
あかり「えっと……あっ!あかり覚えてるよぉ」
ちなつ「どこで飲んだかな」
あかり「んーと、どこだろう?」
あかりちゃんが口元に持っていこうとした手を、私の右手が掴んだ。
びっくりしているあかりちゃんを引っ張って、私はカフェの中に入っていく。
あかり「え、ちょっと、ちなつちゃん、あかりおサイフ持ってないよ!?」
ちなつ「私持ってるから!」
あかりちゃんは不思議そうな顔をして付いてきて、黒板のメニューを見る私の横に立つ。
あかり「ちなつちゃん?」
あかりちゃんに呼びかけられたことは分かっていたけれど、私はそれどころじゃなくて、
メニューに書かれた「ローズティー」という文字だけを凝視していた。
ちなつ「私、あかりちゃんと飲んだことあるよね」
あかり「えっ?」
ちなつ「ローズティーって」
あかり「えっと……あっ!あかり覚えてるよぉ」
ちなつ「どこで飲んだかな」
あかり「んーと、どこだろう?」
あかりちゃんが口元に持っていこうとした手を、私の右手が掴んだ。
びっくりしているあかりちゃんを引っ張って、私はカフェの中に入っていく。
あかり「え、ちょっと、ちなつちゃん、あかりおサイフ持ってないよ!?」
ちなつ「私持ってるから!」
40: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:37:33.83 ID:9s4XE4KR0
ちりん、というドアベルの綺麗な音が鳴って、店員さんが私たちに気が付いた。
お客さんは誰もいないみたい。店員さんのお好きな席にどうぞ、という声が聞こえる。
ぐるりと店内を見回す。洒落た店内に中学校の制服の2人組は場違いなような気がしたけれど、
そんなことはお構いなしで私は真っ直ぐ窓際の席に向かった。
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「ちなつちゃん……」
ちなつ「やっぱり、覚えてる?」
ちなつ「私たち、だいぶ前にここのカフェに来たことあるよね?」
あかり「うん、覚えてる……」
そう、確かに私たちは2人でここに来て、この席に座ったことがある。
私はオシャレっぽいからっていう理由で飲んだこともないローズティーっていうのを頼み、
色は綺麗だけどあんまり美味しくないなあ、ってあかりちゃんに言ったんだ。
お水を運んできた店員さんに、メニューも見ないで注文する。
ちなつ「私、ローズティー。あかりちゃんは?」
あかり「ええっ?ちょっと待って、えっと、えっと……じゃあ、これ、ロイヤルミルクティー……」
お客さんは誰もいないみたい。店員さんのお好きな席にどうぞ、という声が聞こえる。
ぐるりと店内を見回す。洒落た店内に中学校の制服の2人組は場違いなような気がしたけれど、
そんなことはお構いなしで私は真っ直ぐ窓際の席に向かった。
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「ちなつちゃん……」
ちなつ「やっぱり、覚えてる?」
ちなつ「私たち、だいぶ前にここのカフェに来たことあるよね?」
あかり「うん、覚えてる……」
そう、確かに私たちは2人でここに来て、この席に座ったことがある。
私はオシャレっぽいからっていう理由で飲んだこともないローズティーっていうのを頼み、
色は綺麗だけどあんまり美味しくないなあ、ってあかりちゃんに言ったんだ。
お水を運んできた店員さんに、メニューも見ないで注文する。
ちなつ「私、ローズティー。あかりちゃんは?」
あかり「ええっ?ちょっと待って、えっと、えっと……じゃあ、これ、ロイヤルミルクティー……」
41: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:39:46.82 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「いつ来たか覚えてる?」
あかり「それが、あんまり思い出せないんだよね。だいぶ前な気がするんだけど……」
ちなつ「うん、何年も前みたいな感じ」
あかり「でもそんなわけないよねぇ、ちなつちゃんと来たんだったら」
それが引っかかるところだった。あかりちゃんと一緒に来ているのならこの1年の出来事のはずだし、
2学期の終わり頃は工事中だったのだから、このカフェができたのはどう考えてもつい最近のことだ。
似たお店だったのかもしれないけれど、外観も中も記憶の断片と一致していた。
運ばれてきたお茶を一口すする。やっぱり私の口にはあまり合わなかった。
あかり「それが、あんまり思い出せないんだよね。だいぶ前な気がするんだけど……」
ちなつ「うん、何年も前みたいな感じ」
あかり「でもそんなわけないよねぇ、ちなつちゃんと来たんだったら」
それが引っかかるところだった。あかりちゃんと一緒に来ているのならこの1年の出来事のはずだし、
2学期の終わり頃は工事中だったのだから、このカフェができたのはどう考えてもつい最近のことだ。
似たお店だったのかもしれないけれど、外観も中も記憶の断片と一致していた。
運ばれてきたお茶を一口すする。やっぱり私の口にはあまり合わなかった。
42: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:40:23.14 ID:9s4XE4KR0
あかり「あれっ……?」
ちなつ「ん?」
あかり「え、でも、でも……」
ちなつ「どうしたの?あかりちゃん」
あかり「ちなつちゃん、あのカレンダー見て?」
花の写真が大きく写って、その下にはふた月分の日付が書かれたありがちなカレンダー。
あかり「ちなつちゃん、あかり、お茶を飲みながらカレンダーを見て……」
あかり「今日は2月29日だね、って話……したよね?」
あかり「ちなつちゃんと……」
いったんは持ち上げたカップをそのまま戻す。2月のカレンダーの最後には、29の文字が見えた。
漂ってきたローズの香りが、私の記憶を呼び戻す。
ちなつ「ん?」
あかり「え、でも、でも……」
ちなつ「どうしたの?あかりちゃん」
あかり「ちなつちゃん、あのカレンダー見て?」
花の写真が大きく写って、その下にはふた月分の日付が書かれたありがちなカレンダー。
あかり「ちなつちゃん、あかり、お茶を飲みながらカレンダーを見て……」
あかり「今日は2月29日だね、って話……したよね?」
あかり「ちなつちゃんと……」
いったんは持ち上げたカップをそのまま戻す。2月のカレンダーの最後には、29の文字が見えた。
漂ってきたローズの香りが、私の記憶を呼び戻す。
43: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:41:06.25 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「そうだ……」
ちなつ「29日がある年はうるう年だけど、29日自体は何て言うんだろうね、って言った」
あかり「……4年前?」
ちなつ「そんなはずは……」
あかり「デジャヴ、ってやつなのかな?」
ちなつ「うーん……」
店内は暖房が効いていたけれど、私の体はかすかに震えていた。
ぎこちない手つきでカップを持ち上げ、お茶に口をつけた。この味は、確かに記憶の中にある。
それはかなり遠く、何年も前のようにも感じられたけれど……
ちなつ「やっぱり、あんまり美味しくないなあ」
あかり「んっ?」
ちなつ「これ」
あかり「ああ、ちなつちゃん、お茶っぽいやつは大抵好きなのにねぇ」
うん、と曖昧な返事を返して、もう一口お茶をすすった。
ちなつ「29日がある年はうるう年だけど、29日自体は何て言うんだろうね、って言った」
あかり「……4年前?」
ちなつ「そんなはずは……」
あかり「デジャヴ、ってやつなのかな?」
ちなつ「うーん……」
店内は暖房が効いていたけれど、私の体はかすかに震えていた。
ぎこちない手つきでカップを持ち上げ、お茶に口をつけた。この味は、確かに記憶の中にある。
それはかなり遠く、何年も前のようにも感じられたけれど……
ちなつ「やっぱり、あんまり美味しくないなあ」
あかり「んっ?」
ちなつ「これ」
あかり「ああ、ちなつちゃん、お茶っぽいやつは大抵好きなのにねぇ」
うん、と曖昧な返事を返して、もう一口お茶をすすった。
44: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:43:55.07 ID:9s4XE4KR0
***
あかり「ちなつちゃん、昨日のお金」
ちなつ「いいのに、私が無理やり引っ張ってったんだしさ」
あかり「でも、悪いよぉ」
ちなつ「そう?」
次の日の放課後、ごらく部に向かう途中に昨日のお茶代がちょうど入った封筒をあかりちゃんから受け取った。
財布から直接出せばいいのに、こういったところはマメというか真面目というか。
あかり「あっ、松本先輩だ」
あかりちゃんの視線の先には、生徒会長の松本先輩がいた。
普段は西垣先生と一緒にいることが多いように思うけれど、今日は1人だった。
ちなつ「西垣先生の発明品のこと、もしかしたら知ってるかもね」
あかり「そうかも!あかり、聞いてみるね」
あかり「ちなつちゃん、昨日のお金」
ちなつ「いいのに、私が無理やり引っ張ってったんだしさ」
あかり「でも、悪いよぉ」
ちなつ「そう?」
次の日の放課後、ごらく部に向かう途中に昨日のお茶代がちょうど入った封筒をあかりちゃんから受け取った。
財布から直接出せばいいのに、こういったところはマメというか真面目というか。
あかり「あっ、松本先輩だ」
あかりちゃんの視線の先には、生徒会長の松本先輩がいた。
普段は西垣先生と一緒にいることが多いように思うけれど、今日は1人だった。
ちなつ「西垣先生の発明品のこと、もしかしたら知ってるかもね」
あかり「そうかも!あかり、聞いてみるね」
45: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:45:11.25 ID:9s4XE4KR0
あかりちゃんが松本先輩に近づいていき、こんにちは、と声を掛けた。
はた目にはあかりちゃんが一方的に喋りかけているようにしか見えないんだけど……
あかり「ちなつちゃん、松本先輩もあの発明品は見たことなかったんだって」
どうやら、ちゃんと会話になっていたらしい。
あかり「それでね、それは髪を伸ばすビームがでる機械だったらしいんだけど」
あかり「松本先輩が実験台になったのは2台目の新しく作った方だけで、最初の壊れてた方は誰が試したか分からないって」
あかり「2台目の方もやっぱりすぐ爆発しちゃったらしいよ」
ちなつ「……それ、ヤバいんじゃないの?」
西垣先生の危険性はともかく、こっちのほうもだいぶヤバい。
お守り、木刀、カフェ、それから発明品。
妙なことが増殖していくみたいに次々と起きている。
偶然にしては、あまりにも出来過ぎているような気がして……
はた目にはあかりちゃんが一方的に喋りかけているようにしか見えないんだけど……
あかり「ちなつちゃん、松本先輩もあの発明品は見たことなかったんだって」
どうやら、ちゃんと会話になっていたらしい。
あかり「それでね、それは髪を伸ばすビームがでる機械だったらしいんだけど」
あかり「松本先輩が実験台になったのは2台目の新しく作った方だけで、最初の壊れてた方は誰が試したか分からないって」
あかり「2台目の方もやっぱりすぐ爆発しちゃったらしいよ」
ちなつ「……それ、ヤバいんじゃないの?」
西垣先生の危険性はともかく、こっちのほうもだいぶヤバい。
お守り、木刀、カフェ、それから発明品。
妙なことが増殖していくみたいに次々と起きている。
偶然にしては、あまりにも出来過ぎているような気がして……
46: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:58:33.11 ID:9s4XE4KR0
部室に着くと、コタツに潜り込み丸くなっている京子先輩の姿があった。
脱ぎ散らかしたコートが漫画の山に半分掛かっている。
京子「やっほーあかりー、ちなつちゃーん」
あかり「あっ、京子ちゃん」
ちなつ「結衣先輩は?」
京子「トイレ行ってるだけー。すぐ来ると思うよ?」
ちなつ「そうですか」
京子「うーさむさむ……」
脱ぎ散らかしたコートが漫画の山に半分掛かっている。
京子「やっほーあかりー、ちなつちゃーん」
あかり「あっ、京子ちゃん」
ちなつ「結衣先輩は?」
京子「トイレ行ってるだけー。すぐ来ると思うよ?」
ちなつ「そうですか」
京子「うーさむさむ……」
47: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:59:19.59 ID:9s4XE4KR0
あかり「……ねえ、京子ちゃん」
京子「ん?」
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行で泊まったホテルって、なんてところ?」
ちなつ「ちょ、あ……」
いくらなんでもド直球すぎるでしょ、その聞き方は。
嘘がつけないあかりちゃんらしいといえばらしいんだけれど。
案の定、京子先輩は不思議そうな顔をしていた。
京子「えっと……なんだったかなあ?」
京子「あ、そうそう、ここに……」
そういって京子先輩は木刀に手を伸ばし、シャキーン!と効果音が付きそうな勢いで刀を抜いた。
そして鞘のほうを私たちに向ける。私は動揺を隠すので精いっぱいだった。
京子「ん?」
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが修学旅行で泊まったホテルって、なんてところ?」
ちなつ「ちょ、あ……」
いくらなんでもド直球すぎるでしょ、その聞き方は。
嘘がつけないあかりちゃんらしいといえばらしいんだけれど。
案の定、京子先輩は不思議そうな顔をしていた。
京子「えっと……なんだったかなあ?」
京子「あ、そうそう、ここに……」
そういって京子先輩は木刀に手を伸ばし、シャキーン!と効果音が付きそうな勢いで刀を抜いた。
そして鞘のほうを私たちに向ける。私は動揺を隠すので精いっぱいだった。
48: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 15:59:50.51 ID:9s4XE4KR0
京子「ほらほら、ここに書いてあるっしょ?」
ちなつ「え、あ、そうだったんですね……」
京子「で、なんでホテルの名前なの?」
あかり「えっとね……」
ちなつ「来年私たちが行くときも同じところなのかな、って話してたんですよ」
京子「ふーん……」
結衣「みんな、遅れてごめん」
ちなつ「あっ、結衣先輩!!」
脊髄反射で結衣先輩に飛びつく。
結衣先輩は苦笑いで私を抱きとめると、木刀を構える京子先輩のほうを見た。正しくは木刀の鞘を、だけど。
それを見た結衣先輩が小首をかしげる。私も不思議に思って京子先輩を見ると、いつになく真剣に何かを考え込むような表情だった。
一瞬の間が過ぎて、京子先輩はいつものニヤケ顔に戻る。
ちなつ「え、あ、そうだったんですね……」
京子「で、なんでホテルの名前なの?」
あかり「えっとね……」
ちなつ「来年私たちが行くときも同じところなのかな、って話してたんですよ」
京子「ふーん……」
結衣「みんな、遅れてごめん」
ちなつ「あっ、結衣先輩!!」
脊髄反射で結衣先輩に飛びつく。
結衣先輩は苦笑いで私を抱きとめると、木刀を構える京子先輩のほうを見た。正しくは木刀の鞘を、だけど。
それを見た結衣先輩が小首をかしげる。私も不思議に思って京子先輩を見ると、いつになく真剣に何かを考え込むような表情だった。
一瞬の間が過ぎて、京子先輩はいつものニヤケ顔に戻る。
49: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:05:18.20 ID:9s4XE4KR0
結衣「何してんだ、京子?」
京子「ん、これ?いいであろう」
結衣「お前、それ好きだな」
京子「まあいいや……今日なにしようか」
ちなつ「あ、私お茶淹れますね」
京子「ん、これ?いいであろう」
結衣「お前、それ好きだな」
京子「まあいいや……今日なにしようか」
ちなつ「あ、私お茶淹れますね」
50: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:05:47.57 ID:9s4XE4KR0
お茶を淹れて部室に戻ると、既に木刀は元通りにお床に飾られていた。
京子先輩とあかりちゃんはマンガを読んでいて、結衣先輩は宿題をやっている。
統一感はないけれど、これが何回も見たごらく部の光景だ。
お茶を一通り配って、私もこたつに入る。
ちなつ「はぁ……寒いですねぇ」
結衣「ちなつちゃん、くっつきすぎ……」
あかり「京子ちゃん、これの7巻ってある?」
京子「あたぼうよ!」
結衣「お前どんだけ私物持ち込んでんだよ」
あかり「でもこんだけあったら持って帰るのも大変そうだよね」
ちなつ「あー、夏休み前の小学生みたいなことになりますね、絶対」
結衣「そもそも京子は持って帰る気、ないだろ」
京子「まあねー、その気になればいつでも学校に侵入して持って帰れるし」
結衣「ああ、あの鍵……」
京子先輩とあかりちゃんはマンガを読んでいて、結衣先輩は宿題をやっている。
統一感はないけれど、これが何回も見たごらく部の光景だ。
お茶を一通り配って、私もこたつに入る。
ちなつ「はぁ……寒いですねぇ」
結衣「ちなつちゃん、くっつきすぎ……」
あかり「京子ちゃん、これの7巻ってある?」
京子「あたぼうよ!」
結衣「お前どんだけ私物持ち込んでんだよ」
あかり「でもこんだけあったら持って帰るのも大変そうだよね」
ちなつ「あー、夏休み前の小学生みたいなことになりますね、絶対」
結衣「そもそも京子は持って帰る気、ないだろ」
京子「まあねー、その気になればいつでも学校に侵入して持って帰れるし」
結衣「ああ、あの鍵……」
51: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:06:15.82 ID:9s4XE4KR0
結衣「あれ、ちゃんと返さなくていいのか?さすがに校門はマズいと思うけど」
あかり「怒られちゃわないかなぁ?」
京子「んー、まあいいんじゃない?」
ちなつ「ほんと、怖いもの知らずですよね、京子先輩は」
京子「いやいやそれほどでも」
ちなつ「誉めてません」
あかり「怒られちゃわないかなぁ?」
京子「んー、まあいいんじゃない?」
ちなつ「ほんと、怖いもの知らずですよね、京子先輩は」
京子「いやいやそれほどでも」
ちなつ「誉めてません」
52: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:06:44.78 ID:9s4XE4KR0
結衣「にしても、なんか知らないけど持ってた、ってどういうことだよ」
京子「……」
結衣「?」
京子「……いやー、あんま良く覚えてないんだけどさ」
ちなつ「あ、一応覚えてはいるんですね」
京子「それはある寒い冬の朝のことじゃった……」
結衣「じゃあ最近じゃねーか」
京子「……」
結衣「?」
京子「……いやー、あんま良く覚えてないんだけどさ」
ちなつ「あ、一応覚えてはいるんですね」
京子「それはある寒い冬の朝のことじゃった……」
結衣「じゃあ最近じゃねーか」
53: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:08:06.39 ID:9s4XE4KR0
京子「休みの日に、私が不審者のような恰好で学校の近くを歩いていたら」
ちなつ「普通に歩いてください」
京子「だって冬だからコートきなきゃいけないし、マスクもしなきゃいけないし」
あかり「うんうん」
京子「サングラスもかけなきゃいけないし、全体的にこそこそしてなきゃいけないじゃん?」
結衣「途中からおかしいぞ」
京子「手うがもしないといけないし」
結衣「だから流行んねーよ」
京子「そしたら校門を開ける先生がいて、この鍵を落としていったわけだ」
あかり「ちゃんと返さなきゃだめだよぉ!」
京子「大丈夫大丈夫、そのうち返すから」
ちなつ「……」
ちなつ「普通に歩いてください」
京子「だって冬だからコートきなきゃいけないし、マスクもしなきゃいけないし」
あかり「うんうん」
京子「サングラスもかけなきゃいけないし、全体的にこそこそしてなきゃいけないじゃん?」
結衣「途中からおかしいぞ」
京子「手うがもしないといけないし」
結衣「だから流行んねーよ」
京子「そしたら校門を開ける先生がいて、この鍵を落としていったわけだ」
あかり「ちゃんと返さなきゃだめだよぉ!」
京子「大丈夫大丈夫、そのうち返すから」
ちなつ「……」
54: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:08:58.65 ID:9s4XE4KR0
結衣「それ、いつの話?最近なんだろ?」
京子「んー、いつだったっけなぁ……わりと前だと思うんだけど」
ちなつ「にしても不用心ですよね、校門の鍵がなくなっても騒ぎにならないとか」
あかり「拾ったのが不審者さんじゃなくてよかったよぉ」
京子「そうだなー」
結衣(拾った奴、十分不審者なんだが……)
京子「んー、いつだったっけなぁ……わりと前だと思うんだけど」
ちなつ「にしても不用心ですよね、校門の鍵がなくなっても騒ぎにならないとか」
あかり「拾ったのが不審者さんじゃなくてよかったよぉ」
京子「そうだなー」
結衣(拾った奴、十分不審者なんだが……)
55: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:11:33.62 ID:9s4XE4KR0
***
なんとなくモヤモヤした気持ちが抜けないまま、マンガを読んだり宿題をやったり、いつも通りごらく部で過ごしていたら、
いつの間にか窓の外はもう薄暗くなっていて、最終下校時刻を知らせる放送が鳴った。
4人一緒の帰り道では特に気にしなかったけれど、皆と別れて1人だけになると、ついつい考えごとをしてしまう。
京子先輩が買ってきた修学旅行のお土産。そもそも2本あったって時点で十分訳が分からないし、
ホテルの名前が確認できたところで黒がもっと濃い黒になったようなものだけれど、
私の周りで起きている「変なこと」たちがその存在感を増していっているのは間違いない。
つき始めた街灯の脇を通り過ぎるたび、私の影が私を追い抜かしていった。
なんとなくモヤモヤした気持ちが抜けないまま、マンガを読んだり宿題をやったり、いつも通りごらく部で過ごしていたら、
いつの間にか窓の外はもう薄暗くなっていて、最終下校時刻を知らせる放送が鳴った。
4人一緒の帰り道では特に気にしなかったけれど、皆と別れて1人だけになると、ついつい考えごとをしてしまう。
京子先輩が買ってきた修学旅行のお土産。そもそも2本あったって時点で十分訳が分からないし、
ホテルの名前が確認できたところで黒がもっと濃い黒になったようなものだけれど、
私の周りで起きている「変なこと」たちがその存在感を増していっているのは間違いない。
つき始めた街灯の脇を通り過ぎるたび、私の影が私を追い抜かしていった。
56: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:12:22.80 ID:9s4XE4KR0
京子「ちなつちゃん」
京子先輩の声が聞こえて、私は足を止めた。
家の方向が京子先輩とは違うから、わざわざ追いかけてきたことになる。
ちなつ「何ですか?」
京子「んー、ちょっと聞きたいことがあって」
ちなつ「?」
京子「ホテルの名前、何で気にしてたの?」
ちなつ「え、それは……」
京子「木刀のあそこに書いてあるの、ちなつちゃんも見たんじゃない?」
ズバリ言い当てられて、私は言葉を失った。
ちなつ「……はい、そうですよ」
京子「そう」
京子「知ってる?木刀さ、押し入れ探すとあと何本かあるって」
ちなつ「え?」
京子「何でか分かんないけどね」
京子先輩の声が聞こえて、私は足を止めた。
家の方向が京子先輩とは違うから、わざわざ追いかけてきたことになる。
ちなつ「何ですか?」
京子「んー、ちょっと聞きたいことがあって」
ちなつ「?」
京子「ホテルの名前、何で気にしてたの?」
ちなつ「え、それは……」
京子「木刀のあそこに書いてあるの、ちなつちゃんも見たんじゃない?」
ズバリ言い当てられて、私は言葉を失った。
ちなつ「……はい、そうですよ」
京子「そう」
京子「知ってる?木刀さ、押し入れ探すとあと何本かあるって」
ちなつ「え?」
京子「何でか分かんないけどね」
57: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:12:55.76 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「あの、もしも」
京子「?」
ちなつ「もしも、もしもですよ?私たちが何度もこの1年を繰り返しているとしたら……」
ちなつ「何度も修学旅行に行って、何度も初詣に行って、何度も……」
ちなつ「そしたら、京子先輩ならどうします?」
普段の私なら絶対に言わないような、ありえないこと。
それでも言ってしまったのは、本当にそんなことが起こっていると思っていたからなのか、
それとも「そんなわけないじゃん」といつもの軽さで否定してもらいたかったからなのか、
それは自分でも分からない。
京子「私だったら……」
京子「来年もまた、お土産買ってくるかな。木刀を」
ちなつ「……」
京子「じゃあね、ちなつちゃん」
京子先輩は、そのまま踵を返して帰ってしまった。
「何度もこの1年を繰り返している」なんていう、言った私自身も信じられないようなことを、
さも受け入れているような京子先輩の口ぶりは何だったのだろう。
京子「?」
ちなつ「もしも、もしもですよ?私たちが何度もこの1年を繰り返しているとしたら……」
ちなつ「何度も修学旅行に行って、何度も初詣に行って、何度も……」
ちなつ「そしたら、京子先輩ならどうします?」
普段の私なら絶対に言わないような、ありえないこと。
それでも言ってしまったのは、本当にそんなことが起こっていると思っていたからなのか、
それとも「そんなわけないじゃん」といつもの軽さで否定してもらいたかったからなのか、
それは自分でも分からない。
京子「私だったら……」
京子「来年もまた、お土産買ってくるかな。木刀を」
ちなつ「……」
京子「じゃあね、ちなつちゃん」
京子先輩は、そのまま踵を返して帰ってしまった。
「何度もこの1年を繰り返している」なんていう、言った私自身も信じられないようなことを、
さも受け入れているような京子先輩の口ぶりは何だったのだろう。
58: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:28:26.27 ID:9s4XE4KR0
***
週末が来て、私はあかりちゃんを家に呼びだした。
あかり「京子ちゃんがそんなこと言ったの?」
ちなつ「うん、冗談めかした感じでもなく、ね」
あかり「でも、そういうの好きそうだよねぇ、京子ちゃん」
あかり「京子ちゃんが読んでるマンガにも、そういうお話あるから」
ちなつ「ふーん」
あかり「何回も何回も同じ世界をループしてる、みたいなの」
週末が来て、私はあかりちゃんを家に呼びだした。
あかり「京子ちゃんがそんなこと言ったの?」
ちなつ「うん、冗談めかした感じでもなく、ね」
あかり「でも、そういうの好きそうだよねぇ、京子ちゃん」
あかり「京子ちゃんが読んでるマンガにも、そういうお話あるから」
ちなつ「ふーん」
あかり「何回も何回も同じ世界をループしてる、みたいなの」
59: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:29:00.63 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「でも、お守りと、木刀と、あのカフェと、あと西垣先生の発明?」
ちなつ「さすがに重なり過ぎだよね」
あかり「そうだね、うーん……」
ちなつ「?」
あかり「ちなつちゃんは、お守り買った時のこと、覚えてないんだよね?」
ちなつ「うん」
あかり「京子ちゃんが木刀を何回も買ってきてるのも、やっぱり覚えてないってことなのかなぁ?」
ちなつ「……?」
ちなつ「さすがに重なり過ぎだよね」
あかり「そうだね、うーん……」
ちなつ「?」
あかり「ちなつちゃんは、お守り買った時のこと、覚えてないんだよね?」
ちなつ「うん」
あかり「京子ちゃんが木刀を何回も買ってきてるのも、やっぱり覚えてないってことなのかなぁ?」
ちなつ「……?」
60: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:30:00.87 ID:9s4XE4KR0
あかりちゃんの言いたいことが分からず首をひねっていたら、部屋のドアがノックされた。
返事をする前にドアが開く。お茶とケーキを持ったお姉ちゃんだった。
あかり「あっ、お邪魔してます」
ともこ「あかりちゃん、いらっしゃい!あのね、ケーキ買ってきたのよ」
ちなつ「ケーキ?何で?」
ともこ「いいじゃない、2人で食べて?」
あかり「わぁい!ありがとうございます!」
お姉ちゃんは、うふふ、と笑いながらあかりちゃんの頭を軽く撫でて、部屋を出て行った。
私は紅茶をひと口すする。やっぱりローズティーよりもこっちのほうが美味しいな。
あかり「ちなつちゃん、このケーキすっごくおいしい!」
ちなつ「うん、それで、京子先輩が覚えてないのがどうしたの?」
あかり「あ、えっとね」
あかり「松本先輩とか向日葵ちゃん、あと櫻子ちゃんも、西垣先生の発明のこと覚えてなかったでしょ?」
あかり「でも、あかりたちは覚えてた」
ちなつ「あっ……」
返事をする前にドアが開く。お茶とケーキを持ったお姉ちゃんだった。
あかり「あっ、お邪魔してます」
ともこ「あかりちゃん、いらっしゃい!あのね、ケーキ買ってきたのよ」
ちなつ「ケーキ?何で?」
ともこ「いいじゃない、2人で食べて?」
あかり「わぁい!ありがとうございます!」
お姉ちゃんは、うふふ、と笑いながらあかりちゃんの頭を軽く撫でて、部屋を出て行った。
私は紅茶をひと口すする。やっぱりローズティーよりもこっちのほうが美味しいな。
あかり「ちなつちゃん、このケーキすっごくおいしい!」
ちなつ「うん、それで、京子先輩が覚えてないのがどうしたの?」
あかり「あ、えっとね」
あかり「松本先輩とか向日葵ちゃん、あと櫻子ちゃんも、西垣先生の発明のこと覚えてなかったでしょ?」
あかり「でも、あかりたちは覚えてた」
ちなつ「あっ……」
61: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:30:35.32 ID:9s4XE4KR0
言われてみれば確かにその通りだ。
他の3つは覚えてないけど証拠だけある、って感じなのに、カフェの一件だけは記憶「だけ」がある。
似ているようで全然違うことが起きてるってこと?私はケーキを食べる手を止めた。
あかりちゃんはケーキの上に乗ったマカロンをぱくっ、と頬張り、ちょっと表情を緩めた。
あかり「このケーキも何回か食べてたりするのかなぁ?」
ちなつ「さあ……」
もちろん、私たちは覚えていない。
たったひとつだけ覚えているのは、カフェで飲んだローズティー。
それが意味することはなんだろう?
他の3つは覚えてないけど証拠だけある、って感じなのに、カフェの一件だけは記憶「だけ」がある。
似ているようで全然違うことが起きてるってこと?私はケーキを食べる手を止めた。
あかりちゃんはケーキの上に乗ったマカロンをぱくっ、と頬張り、ちょっと表情を緩めた。
あかり「このケーキも何回か食べてたりするのかなぁ?」
ちなつ「さあ……」
もちろん、私たちは覚えていない。
たったひとつだけ覚えているのは、カフェで飲んだローズティー。
それが意味することはなんだろう?
62: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:31:02.80 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「4月のことは覚えてるよね」
あかり「うん、入学した時のことも、ちなつちゃんが初めてごらく部に来た時のことも、ちゃんと覚えてるよ」
ちなつ「その前は?」
あかり「うーん……」
あかり「小学生のときのことは覚えてるけど……」
ちなつ「けど?」
あかり「すっごく前のことみたいな感じがするな」
ちなつ「あかりちゃんも?」
あかり「うん、やっぱり変な感じだね」
あかりちゃんがあはは、と小さく笑う。
私は残った紅茶を飲み干すと、ふう、と大きくため息をついた。
あかり「うん、入学した時のことも、ちなつちゃんが初めてごらく部に来た時のことも、ちゃんと覚えてるよ」
ちなつ「その前は?」
あかり「うーん……」
あかり「小学生のときのことは覚えてるけど……」
ちなつ「けど?」
あかり「すっごく前のことみたいな感じがするな」
ちなつ「あかりちゃんも?」
あかり「うん、やっぱり変な感じだね」
あかりちゃんがあはは、と小さく笑う。
私は残った紅茶を飲み干すと、ふう、と大きくため息をついた。
63: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:31:29.98 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「状況を整理する必要がありそうね」
あかり「ちなつちゃん、なんだか探偵さんみたい」
ちなつ「えーっと、年に1回しか買えないようなものが何個もあることがある」
あかり「木刀とお守りと、あと西垣先生の発明もそんな感じだよね」
ちなつ「それで、それに関する記憶は無い」
あかり「うん」
ちなつ「そもそも『1年が繰り返してる』なんて記憶はないから、当たり前なんだけど」
あかり「つまりちなつちゃんは、毎年記憶がリセットされるって言いたいんだね」
ちなつ「まあ、そう考えればつじつまは合うよね、ここまでは」
ちなつ「だけど、私たちは行ったはずのないカフェに行った記憶がある」
あかり「何かきっかけがあれば思い出したりするのかなぁ?」
ちなつ「でもお守りなんかは神社に行って同じもの買ってるのに、そこまでしても全然思い出せないよね」
あかり「そっかぁ」
ちなつ「だから……つまり、あのカフェが特別ってこと?」
あかり「うーん、普通にお茶しただけだよねぇ」
ちなつ「そうだよね」
あかり「ちなつちゃん、なんだか探偵さんみたい」
ちなつ「えーっと、年に1回しか買えないようなものが何個もあることがある」
あかり「木刀とお守りと、あと西垣先生の発明もそんな感じだよね」
ちなつ「それで、それに関する記憶は無い」
あかり「うん」
ちなつ「そもそも『1年が繰り返してる』なんて記憶はないから、当たり前なんだけど」
あかり「つまりちなつちゃんは、毎年記憶がリセットされるって言いたいんだね」
ちなつ「まあ、そう考えればつじつまは合うよね、ここまでは」
ちなつ「だけど、私たちは行ったはずのないカフェに行った記憶がある」
あかり「何かきっかけがあれば思い出したりするのかなぁ?」
ちなつ「でもお守りなんかは神社に行って同じもの買ってるのに、そこまでしても全然思い出せないよね」
あかり「そっかぁ」
ちなつ「だから……つまり、あのカフェが特別ってこと?」
あかり「うーん、普通にお茶しただけだよねぇ」
ちなつ「そうだよね」
64: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:32:31.24 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「……あかりちゃん」
ちなつ「あかりちゃんだったらどうする?」
あかり「へ?」
ちなつ「もし、本当にこの1年を何回も繰り返してるとしたら……」
あかり「うーん……」
あかり「あかりは、それでもいいかなぁ」
あかり「毎日ちなつちゃんやみんなと一緒にいられるんだったら、あかりはそれでもいいかな、って思うんだ」
ちなつ「そっか」
あかり「ちなつちゃんは?」
ちなつ「あかりちゃんだったらどうする?」
あかり「へ?」
ちなつ「もし、本当にこの1年を何回も繰り返してるとしたら……」
あかり「うーん……」
あかり「あかりは、それでもいいかなぁ」
あかり「毎日ちなつちゃんやみんなと一緒にいられるんだったら、あかりはそれでもいいかな、って思うんだ」
ちなつ「そっか」
あかり「ちなつちゃんは?」
65: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:33:59.07 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「私?」
あかり「うん、ちなつちゃんはどうしたいの?」
ちなつ「んー……」
ちなつ「分かんないや。でも……」
ちなつ「どうでもいいとは思わないから、こうやって色々考えたりしてるんだよね、多分」
自分のことなのに、多分、という言い方しかできない自分がちょっともどかしかったけれど、
私自身がどうすればいいのかは全然分からなかった。
1年が繰り返されているとしたら。繰り返されていないとしたら。
あかり「うん、ちなつちゃんはどうしたいの?」
ちなつ「んー……」
ちなつ「分かんないや。でも……」
ちなつ「どうでもいいとは思わないから、こうやって色々考えたりしてるんだよね、多分」
自分のことなのに、多分、という言い方しかできない自分がちょっともどかしかったけれど、
私自身がどうすればいいのかは全然分からなかった。
1年が繰り返されているとしたら。繰り返されていないとしたら。
66: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:36:16.78 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「そうよね、私だけは知らない人になっちゃうんだ」
あかり「あっ、そういえばそうだね」
ちなつ「はぁー、何でだろう」
あかり「……でも、あかりは大丈夫だと思うな」
あかり「もう一度、4月からやり直したとしても、またちなつちゃんとお友達になれると思う」
ちなつ「……ありがと」
ちなつ「紅茶、もっと飲む?」
あかり「じゃあ貰おうかなぁ」
ちなつ「うん、ちょっと待ってて」
新しく紅茶を淹れながら思う。
このお茶も、繰り返し繰り返し、何度も飲んでいるのだろうか。
あかり「あっ、そういえばそうだね」
ちなつ「はぁー、何でだろう」
あかり「……でも、あかりは大丈夫だと思うな」
あかり「もう一度、4月からやり直したとしても、またちなつちゃんとお友達になれると思う」
ちなつ「……ありがと」
ちなつ「紅茶、もっと飲む?」
あかり「じゃあ貰おうかなぁ」
ちなつ「うん、ちょっと待ってて」
新しく紅茶を淹れながら思う。
このお茶も、繰り返し繰り返し、何度も飲んでいるのだろうか。
67: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:46:14.85 ID:9s4XE4KR0
***
淹れなおした紅茶にふーっと息を吹きかけてから、あかりちゃんがこちらを見た。
あかり「そういえば、さ」
ちなつ「なに?」
あかり「ちなつちゃん、最近あんまり結衣ちゃんの話、してないよね」
ちなつ「そうかな」
あかり「うん、そうだよ」
ちなつ「そっか……」
ちなつ「まあ、それどころじゃない問題があるもんね」
あかり「んー……」
ちなつ「?」
あかり「……ほんとに、そうなのかなぁ?」
ちなつ「えっ?」
淹れなおした紅茶にふーっと息を吹きかけてから、あかりちゃんがこちらを見た。
あかり「そういえば、さ」
ちなつ「なに?」
あかり「ちなつちゃん、最近あんまり結衣ちゃんの話、してないよね」
ちなつ「そうかな」
あかり「うん、そうだよ」
ちなつ「そっか……」
ちなつ「まあ、それどころじゃない問題があるもんね」
あかり「んー……」
ちなつ「?」
あかり「……ほんとに、そうなのかなぁ?」
ちなつ「えっ?」
68: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:46:50.09 ID:9s4XE4KR0
あかり「なんていうのかなぁ、ちなつちゃん……あきらめちゃったみたいに見えるの」
あかり「どうせまた初めからやり直しなんだからって、そんな風に思ってるみたいで」
あかり「あかり、なんかね、それが悲しいんだ」
あかりちゃんにそう言われて、ふと右頬に伝わるものを感じた。
私、泣いてる……?
あかり「ちなつちゃん……?」
ちなつ「だって、しょうがないじゃん……」
あかり「しょうがなくなんて」
ちなつ「しょうがないのっ!!」
ちなつ「来年また結衣先輩に巡り合えるかも分からないし!」
ちなつ「面識のない赤の他人同士から始めなくちゃならないし!」
ちなつ「それじゃ無意味じゃん!何も残らないよ!結衣先輩には、私の何も……!」
ちなつ「私が今まで頑張ってきたのはなんだったのよ……」
あかり「どうせまた初めからやり直しなんだからって、そんな風に思ってるみたいで」
あかり「あかり、なんかね、それが悲しいんだ」
あかりちゃんにそう言われて、ふと右頬に伝わるものを感じた。
私、泣いてる……?
あかり「ちなつちゃん……?」
ちなつ「だって、しょうがないじゃん……」
あかり「しょうがなくなんて」
ちなつ「しょうがないのっ!!」
ちなつ「来年また結衣先輩に巡り合えるかも分からないし!」
ちなつ「面識のない赤の他人同士から始めなくちゃならないし!」
ちなつ「それじゃ無意味じゃん!何も残らないよ!結衣先輩には、私の何も……!」
ちなつ「私が今まで頑張ってきたのはなんだったのよ……」
69: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:48:04.00 ID:9s4XE4KR0
あかり「ちなつちゃん」
あかりちゃんがそっと私を抱きしめる。それでようやく我に返った。
顔がぐしゃぐしゃに濡れている。それを軽く手で拭って、ひとつ深呼吸をした。
言っても仕方がない後ろ向きなことばかり言ってごめんね。
それに、あかりちゃんに当たったことも謝らなきゃ。
あかり「もしかしたら全部あかりたちの思い違いなのかもしれないし」
あかり「それに、きっと無意味なんかじゃないよ」
あかり「あかりがちなつちゃんとお茶したときのことを覚えてるように、ちなつちゃんもきっと思い出せるよ」
あかり「あかりとってはそれも大切な思い出だから」
あかり「だから……ちなつちゃんも、きっと忘れない」
ちなつ「……ありがとう。ごめんね、あかりちゃん」
あかり「あかりこそひどいこと言っちゃってごめんなさい」
ちなつ「ううん、ほんとのことだもん」
あかりちゃんがそっと私を抱きしめる。それでようやく我に返った。
顔がぐしゃぐしゃに濡れている。それを軽く手で拭って、ひとつ深呼吸をした。
言っても仕方がない後ろ向きなことばかり言ってごめんね。
それに、あかりちゃんに当たったことも謝らなきゃ。
あかり「もしかしたら全部あかりたちの思い違いなのかもしれないし」
あかり「それに、きっと無意味なんかじゃないよ」
あかり「あかりがちなつちゃんとお茶したときのことを覚えてるように、ちなつちゃんもきっと思い出せるよ」
あかり「あかりとってはそれも大切な思い出だから」
あかり「だから……ちなつちゃんも、きっと忘れない」
ちなつ「……ありがとう。ごめんね、あかりちゃん」
あかり「あかりこそひどいこと言っちゃってごめんなさい」
ちなつ「ううん、ほんとのことだもん」
70: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/29(火) 16:49:01.63 ID:9s4XE4KR0
ちなつ「それに、どんな意味があるかは分からないけど、覚えてることもあるんだもんね」
あかり「それにね、もしも忘れちゃったとしても、多分何かが残ってると思うんだ」
ちなつ「何か?」
あかり「うん。何かはわからないけど、そんな気がする」
あかり「きっとちょっとずつ変わっていくんだよ。同じことの繰り返しなんかじゃなくて」
ちなつ「……うん、そうだね」
あかり「それにね、もしも忘れちゃったとしても、多分何かが残ってると思うんだ」
ちなつ「何か?」
あかり「うん。何かはわからないけど、そんな気がする」
あかり「きっとちょっとずつ変わっていくんだよ。同じことの繰り返しなんかじゃなくて」
ちなつ「……うん、そうだね」
75: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:46:32.94 ID:ZBSd0e9l0
***
月曜の授業が終わり、放課後になった。
あかりちゃんと並んで、運動部の掛け声をステレオで聞きながら部室に向かう。
部室の鍵はもう開いていた。先輩たちはもう来ているようだ。
あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん、おまたせ」
結衣「あ、あかり、ちなつちゃん」
ちなつ「結衣先輩!会いたかったですぅ~!」
京子「私も会いたかったよ、ちなちゅ~」
結衣先輩に抱き着いた私に、さらに京子先輩が抱き着いてくる。
あかりちゃんがあきれたようにあはは、と笑った。
あかり「今日はなにする?」
結衣「そうだな、今日はちょうど私たち宿題ないんだ」
ちなつ「私たちもちょっとしか出てないです」
結衣「じゃあ何かして遊ぼうか。まあ、その前に……」
結衣「二人とも、離れてくれない?」
月曜の授業が終わり、放課後になった。
あかりちゃんと並んで、運動部の掛け声をステレオで聞きながら部室に向かう。
部室の鍵はもう開いていた。先輩たちはもう来ているようだ。
あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん、おまたせ」
結衣「あ、あかり、ちなつちゃん」
ちなつ「結衣先輩!会いたかったですぅ~!」
京子「私も会いたかったよ、ちなちゅ~」
結衣先輩に抱き着いた私に、さらに京子先輩が抱き着いてくる。
あかりちゃんがあきれたようにあはは、と笑った。
あかり「今日はなにする?」
結衣「そうだな、今日はちょうど私たち宿題ないんだ」
ちなつ「私たちもちょっとしか出てないです」
結衣「じゃあ何かして遊ぼうか。まあ、その前に……」
結衣「二人とも、離れてくれない?」
76: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:48:25.56 ID:ZBSd0e9l0
京子「しょうがない、改良型全自動話題BOXでもやるか」
あかり「全自動!?さすが京子ちゃん、すごい!」
結衣「お前、まさか西垣先生の発明とかじゃないだろうな」
京子「安心したまえ結衣君、これは完全に私の手作りだから」
京子先輩が押し入れから取り出した箱は、前からある話題BOXと変わらない見た目だった。
京子「なんとこれに私が話題を書いて入れておき、あとは引くだけで自動的に話題が出るというスグレモノ!」
結衣「全手動だろ」
ちなつ「まあ京子先輩のことですし、そんなところだろうと思いましたけど」
京子「じゃああかりからなー」
あかり「うん!」
あかり「全自動!?さすが京子ちゃん、すごい!」
結衣「お前、まさか西垣先生の発明とかじゃないだろうな」
京子「安心したまえ結衣君、これは完全に私の手作りだから」
京子先輩が押し入れから取り出した箱は、前からある話題BOXと変わらない見た目だった。
京子「なんとこれに私が話題を書いて入れておき、あとは引くだけで自動的に話題が出るというスグレモノ!」
結衣「全手動だろ」
ちなつ「まあ京子先輩のことですし、そんなところだろうと思いましたけど」
京子「じゃああかりからなー」
あかり「うん!」
77: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:52:09.57 ID:ZBSd0e9l0
あかり「えっと……なにこれ?何も書いてないよぉ!」
京子「それじゃあ次、結衣」
結衣「うん」
あかり「えっ、あかりもう終わり!?」
結衣「……昔の話?」
ちなつ「結衣先輩の昔の話、聞きたいですぅ!!」
結衣「昔って言われてもな、いつ頃の話?」
京子「2日前くらい?」
結衣「2日前……ああ、ビーフシチューを作ってみた」
京子「ほう」
結衣「……」
京子「じゃあ次」
結衣「今のでいいのかよ!」
京子「それじゃあ次、結衣」
結衣「うん」
あかり「えっ、あかりもう終わり!?」
結衣「……昔の話?」
ちなつ「結衣先輩の昔の話、聞きたいですぅ!!」
結衣「昔って言われてもな、いつ頃の話?」
京子「2日前くらい?」
結衣「2日前……ああ、ビーフシチューを作ってみた」
京子「ほう」
結衣「……」
京子「じゃあ次」
結衣「今のでいいのかよ!」
78: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:53:34.74 ID:ZBSd0e9l0
昔の話、かあ。
「昔」と言っていいのか分からない、奇妙な記憶のことを思いだす。
もしかしたら、結衣先輩もそれを持ってるんじゃ……
聞いてみたかったけれど、何故だかそれはためらわれた。結衣先輩を目の前にすると、いつもそうだ。
何となく、この話はしてはいけないような気がして……
ちなつ「結衣先輩の小さい頃の話とか、聞きたいです」
結衣「そっか、ちなつちゃんはあんまり知らないもんね」
ちなつ「はい!」
先輩のことをもっと知りたいっていう欲望の方を今日は優先させることにした。
「昔」と言っていいのか分からない、奇妙な記憶のことを思いだす。
もしかしたら、結衣先輩もそれを持ってるんじゃ……
聞いてみたかったけれど、何故だかそれはためらわれた。結衣先輩を目の前にすると、いつもそうだ。
何となく、この話はしてはいけないような気がして……
ちなつ「結衣先輩の小さい頃の話とか、聞きたいです」
結衣「そっか、ちなつちゃんはあんまり知らないもんね」
ちなつ「はい!」
先輩のことをもっと知りたいっていう欲望の方を今日は優先させることにした。
79: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:55:33.70 ID:ZBSd0e9l0
結衣「んー、でも、昔の話って何の話していいか分かんないなあ、抽象的すぎて」
京子「じゃあ結衣が生まれた頃の話してよ、土器作ってたんでしょ?」
結衣「何時代だ」
あかり「もう1枚引いてみたら?」
結衣「そうだな、昔の何の話をするかそれで決めよう」
ちなつ「何が出ましたか?」
結衣「その……これ」
照れた様子の結衣先輩は「恋の話」と書かれた紙をこちらに向けた。
ちなつ「ゆ、ゆ……結衣先輩のこここ恋の話!?」
ちなつ「何があったんですか!?何が!!」
結衣「ちょ、ちなつちゃん、落ち着いて」
ちなつ「これが落ち着いていられますか!」
結衣「そもそも何もなかったし!」
ちなつ「……ホントですか?」
結衣「うん、本当」
京子「じゃあ結衣が生まれた頃の話してよ、土器作ってたんでしょ?」
結衣「何時代だ」
あかり「もう1枚引いてみたら?」
結衣「そうだな、昔の何の話をするかそれで決めよう」
ちなつ「何が出ましたか?」
結衣「その……これ」
照れた様子の結衣先輩は「恋の話」と書かれた紙をこちらに向けた。
ちなつ「ゆ、ゆ……結衣先輩のこここ恋の話!?」
ちなつ「何があったんですか!?何が!!」
結衣「ちょ、ちなつちゃん、落ち着いて」
ちなつ「これが落ち着いていられますか!」
結衣「そもそも何もなかったし!」
ちなつ「……ホントですか?」
結衣「うん、本当」
80: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:56:15.02 ID:ZBSd0e9l0
京子「でも結衣にゃん、小学校のときに告白されたことあったよなー?」
ちなつ「えええええ!誰にですか!?私ですか!?」
結衣「いや、そんなわけないでしょ……」
京子「いつだっけ?小4か小5?」
結衣「そのくらいだったとは思うけど……あんまり覚えてないな」
京子「あらまあ!結衣様はおモテになるのでそのくらいのことはいちいち覚えていないのですわね!」
結衣「何キャラだよ」
あかり「でも結衣ちゃんはずっと人気者なんだよ」
あかり「小学校のときのあかりのクラスにも、結衣ちゃんのこと好きって子いたんだぁ」
ちなつ「ちょっと……ちゃんと阻止したんでしょうね」
あかり「阻止?」
結衣「だから別に、何もなかったってば」
ちなつ「えええええ!誰にですか!?私ですか!?」
結衣「いや、そんなわけないでしょ……」
京子「いつだっけ?小4か小5?」
結衣「そのくらいだったとは思うけど……あんまり覚えてないな」
京子「あらまあ!結衣様はおモテになるのでそのくらいのことはいちいち覚えていないのですわね!」
結衣「何キャラだよ」
あかり「でも結衣ちゃんはずっと人気者なんだよ」
あかり「小学校のときのあかりのクラスにも、結衣ちゃんのこと好きって子いたんだぁ」
ちなつ「ちょっと……ちゃんと阻止したんでしょうね」
あかり「阻止?」
結衣「だから別に、何もなかったってば」
81: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 10:59:04.55 ID:ZBSd0e9l0
京子「ちなちゅは?昔なにかあったんじゃないの?」
ちなつ「私も何もありません!」
ちなつ「私の初めては全部結衣先輩に捧げるんですから……!」
ちなつ「そう、初デートも、ファーストキスも……」
あかり「んんっ!?」
結衣「そういう京子は?」
京子「んー、別にないなあ」
結衣「だろうな」
京子「じゃ次、ちなつちゃん引く?」
ちなつ「はい」
あかり「あかりには聞かないのっ!?」
京子「無いだろ、なにも」
ちなつ「あかりちゃんに限ってねえ」
結衣「あかりだもんな」
あかり「そうだけど、ちょっとくらい聞いてよぉ!」
ちなつ「私も何もありません!」
ちなつ「私の初めては全部結衣先輩に捧げるんですから……!」
ちなつ「そう、初デートも、ファーストキスも……」
あかり「んんっ!?」
結衣「そういう京子は?」
京子「んー、別にないなあ」
結衣「だろうな」
京子「じゃ次、ちなつちゃん引く?」
ちなつ「はい」
あかり「あかりには聞かないのっ!?」
京子「無いだろ、なにも」
ちなつ「あかりちゃんに限ってねえ」
結衣「あかりだもんな」
あかり「そうだけど、ちょっとくらい聞いてよぉ!」
82: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:02:35.85 ID:ZBSd0e9l0
昔の恋、ねえ。
去年もおととしも、何度も何度も結衣先輩に出会って、何度も恋をしてきたとするなら、それは昔の恋と言ってもいいのかもしれない。
そして今のこの恋も忘れてしまって、次の春には「昔の」恋になってしまう。
はあ。
話題BOXに手を突っ込みながら、誰からも見えない角度でため息をつく。
たとえ告白したって、結衣先輩は覚えていてくれない。私だって覚えてはいられない。
あんまり覚えてない、なんてものじゃない。そんなことがあったという事実ごと記憶からなくなってしまう。
ため息を今度は押し殺して、お題の紙を一枚掴んだ。
ちなつ「こくっ……!!」
紙を開いて、書かれた文字を読み上げる一瞬前に、叫ぶような声を上げてしまった。
3人の視線が私に刺さる。
結衣「こく……?」
ちなつ「かんじゃっただけですよぅ、えっと、生徒会について?」
あかり「……?」
適当にごまかしながら、考えを整理する。
そっか。私の感じていた予感はこれだったんだ。
去年もおととしも、何度も何度も結衣先輩に出会って、何度も恋をしてきたとするなら、それは昔の恋と言ってもいいのかもしれない。
そして今のこの恋も忘れてしまって、次の春には「昔の」恋になってしまう。
はあ。
話題BOXに手を突っ込みながら、誰からも見えない角度でため息をつく。
たとえ告白したって、結衣先輩は覚えていてくれない。私だって覚えてはいられない。
あんまり覚えてない、なんてものじゃない。そんなことがあったという事実ごと記憶からなくなってしまう。
ため息を今度は押し殺して、お題の紙を一枚掴んだ。
ちなつ「こくっ……!!」
紙を開いて、書かれた文字を読み上げる一瞬前に、叫ぶような声を上げてしまった。
3人の視線が私に刺さる。
結衣「こく……?」
ちなつ「かんじゃっただけですよぅ、えっと、生徒会について?」
あかり「……?」
適当にごまかしながら、考えを整理する。
そっか。私の感じていた予感はこれだったんだ。
83: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:07:25.80 ID:ZBSd0e9l0
***
家について、制服を着替えてからすぐにあかりちゃんに電話を掛けた。
あかりちゃん家のほうが学校から近いから、もう家に付いているはず。一刻も早く、あかりちゃんに話したかった。
あかり「ちなつちゃん?」
ちなつ「あかりちゃん!」
あかり「どうしたの?お話があるならごらく部ですればよかったのに……」
ちなつ「行くわよ」
あかり「えっ?えっ?」
ちなつ「あのカフェ!今から大丈夫?」
あかり「ええっ!」
家について、制服を着替えてからすぐにあかりちゃんに電話を掛けた。
あかりちゃん家のほうが学校から近いから、もう家に付いているはず。一刻も早く、あかりちゃんに話したかった。
あかり「ちなつちゃん?」
ちなつ「あかりちゃん!」
あかり「どうしたの?お話があるならごらく部ですればよかったのに……」
ちなつ「行くわよ」
あかり「えっ?えっ?」
ちなつ「あのカフェ!今から大丈夫?」
あかり「ええっ!」
84: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:10:36.16 ID:ZBSd0e9l0
あかり「ちなつちゃん、こないだ行ったときね、たしか月曜日はお休みって書いてあったような……」
ちなつ「え」
あかり「それに、もうすぐ夕ご飯だからお出かけできないよぉ」
ちなつ「……そうね」
あかり「でも、どうして?」
ちなつ「どうすれば覚えていられるのか、絶対突き止めなきゃいけないの!」
あかり「?」
ちなつ「ほら、今私が先輩に告白したとしても、それは覚えていられないでしょ?」
あかり「うん」
ちなつ「でも、例外的に覚えていることがある」
ちなつ「その条件を見つけて告白すれば、私たちの関係も変えられるかもしれない」
あかり「うん、そうかも」
ちなつ「私ね、何となく結衣先輩にこのことは喋らない方が良いような気がしてたんだ」
ちなつ「予感、っていうのかな?その理由が分かった気がするの」
ちなつ「だって、先輩が覚えててくれるはずだから告白する、なんて思われたらちょっとあざとい感じじゃない?」
あかり「あはは」
ちなつ「え」
あかり「それに、もうすぐ夕ご飯だからお出かけできないよぉ」
ちなつ「……そうね」
あかり「でも、どうして?」
ちなつ「どうすれば覚えていられるのか、絶対突き止めなきゃいけないの!」
あかり「?」
ちなつ「ほら、今私が先輩に告白したとしても、それは覚えていられないでしょ?」
あかり「うん」
ちなつ「でも、例外的に覚えていることがある」
ちなつ「その条件を見つけて告白すれば、私たちの関係も変えられるかもしれない」
あかり「うん、そうかも」
ちなつ「私ね、何となく結衣先輩にこのことは喋らない方が良いような気がしてたんだ」
ちなつ「予感、っていうのかな?その理由が分かった気がするの」
ちなつ「だって、先輩が覚えててくれるはずだから告白する、なんて思われたらちょっとあざとい感じじゃない?」
あかり「あはは」
85: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:13:46.88 ID:ZBSd0e9l0
あかり「じゃあ、今度はお休みの日に行ってみない?」
ちなつ「お休み?」
あかり「うん、ちなつちゃんとあのカフェに行ったの、多分お休みの日だと思うんだぁ」
あかり「だって制服じゃなかったもん」
ちなつ「そうだったかな……」
ついこの間は制服で入ったわけだけど、その前の遠い記憶の中の私たちが制服だったか私服だったか。
私の記憶はあまり定かではなかったけれど、あかりちゃんを疑ってもしょうがない。
ちなつ「そうだね、じゃあ今週末に」
あかり「うん!」
ちなつ「お休み?」
あかり「うん、ちなつちゃんとあのカフェに行ったの、多分お休みの日だと思うんだぁ」
あかり「だって制服じゃなかったもん」
ちなつ「そうだったかな……」
ついこの間は制服で入ったわけだけど、その前の遠い記憶の中の私たちが制服だったか私服だったか。
私の記憶はあまり定かではなかったけれど、あかりちゃんを疑ってもしょうがない。
ちなつ「そうだね、じゃあ今週末に」
あかり「うん!」
86: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:19:42.27 ID:ZBSd0e9l0
***
土曜日の午後、あかりちゃんと待ち合わせてカフェに向かった。
外の黒板には確かに「定休日 月曜」と書かれていて、あかりちゃんの観察力に感心してしまう。
扉をくぐると、今日はちらほらとお客さんの姿があった。
それでも前と同じ窓際の席は空いていた。先を歩くあかりちゃんが何も言わずにその席に向かう。
あかり「ちなつちゃん、何飲むの?」
ちなつ「んー、またローズティーかな。なるべく前と一緒にしたいし」
あかり「あかりは何にしようかなぁ」
ちなつ「あかりちゃん……が何を飲んでたかまでは思い出せないな」
あかり「あかりもあんまり覚えてないんだぁ」
結局あかりちゃんはココアを頼んで、ちょっとお菓子も食べたいね、と言ってふたりでパウンドケーキも注文した。
それが来るのを待ちながら、何かヒントになるものはないかと店内をぐるぐる見回す。
あかりちゃんは指を口元に当てていた。多分、何かを思い出そうとしてくれているのだろう。
土曜日の午後、あかりちゃんと待ち合わせてカフェに向かった。
外の黒板には確かに「定休日 月曜」と書かれていて、あかりちゃんの観察力に感心してしまう。
扉をくぐると、今日はちらほらとお客さんの姿があった。
それでも前と同じ窓際の席は空いていた。先を歩くあかりちゃんが何も言わずにその席に向かう。
あかり「ちなつちゃん、何飲むの?」
ちなつ「んー、またローズティーかな。なるべく前と一緒にしたいし」
あかり「あかりは何にしようかなぁ」
ちなつ「あかりちゃん……が何を飲んでたかまでは思い出せないな」
あかり「あかりもあんまり覚えてないんだぁ」
結局あかりちゃんはココアを頼んで、ちょっとお菓子も食べたいね、と言ってふたりでパウンドケーキも注文した。
それが来るのを待ちながら、何かヒントになるものはないかと店内をぐるぐる見回す。
あかりちゃんは指を口元に当てていた。多分、何かを思い出そうとしてくれているのだろう。
87: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:21:36.12 ID:ZBSd0e9l0
あかり「何か思い出した?」
ちなつ「あんまり……」
あかり「難しいねぇ」
ちなつ「そうだね」
頼んだお茶とケーキが来て、とりあえずは一服することにした。
抹茶のパウンドケーキを一口食べると、ほろ苦さが口いっぱいに広がる。
こんな味、どこかで……ああ、あれは結衣先輩の部屋に泊まりに行った時のロールケーキか。
これははっきりと覚えている最近の記憶。1年以上前のことじゃない。
赤いローズティーに口をつけた。あかりちゃんはニコニコしながらココアを飲んでいる。
ちなつ「ここでケーキ食べたのは初めてだよね?」
あかり「うん、そうだと思う」
ちなつ「んー……そもそも何でここに来たんだろう?あかりちゃん、分かる?」
あかり「うーん……」
ちなつ「あんまり……」
あかり「難しいねぇ」
ちなつ「そうだね」
頼んだお茶とケーキが来て、とりあえずは一服することにした。
抹茶のパウンドケーキを一口食べると、ほろ苦さが口いっぱいに広がる。
こんな味、どこかで……ああ、あれは結衣先輩の部屋に泊まりに行った時のロールケーキか。
これははっきりと覚えている最近の記憶。1年以上前のことじゃない。
赤いローズティーに口をつけた。あかりちゃんはニコニコしながらココアを飲んでいる。
ちなつ「ここでケーキ食べたのは初めてだよね?」
あかり「うん、そうだと思う」
ちなつ「んー……そもそも何でここに来たんだろう?あかりちゃん、分かる?」
あかり「うーん……」
88: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:23:59.49 ID:ZBSd0e9l0
私服で来たってことは、休みの日のはず。
でも、私たちの家からどこかに行くとしても、ここを通りかかるということはまずない。
この先にあるのは学校と、学校の裏のちょっとした山になってるところくらいだし、わざわざ行かないと思う。
あかり「もしかしたら、この前に来た時も、今日とおんなじ理由だったのかもね」
そう言いながらあかりちゃんはココアに口をつけた。
私は視線を逸らして窓の外を眺める。落ち葉が風に舞っているのが見えた。
確かに、今日は風強かったもんなあ。ここまで来るのもすごく寒かったし。
今日と同じ理由、ねえ。そうやって毎年ここに来ているとしたらちょっと間抜けだな。
でも確かに、今日みたいに何かを探してるのでもない限り、わざわざカフェでお茶をするとは思えない。
あとは……別のカフェであかりちゃんと待ち合わせしたことならあった。キャンプのことを話し合おうって言って。
あのときは夏で、外で待っていると暑いからそうしたんだっけ。
窓には考える私の姿が映っていた。
その隣の椅子には、普段使っているカバンを置いている。
ちなつ「あれ……?」
ふと、そのカバンにお守りが付いていないことに違和感を覚えた。
あのお守りを付けたことなんてないはずなのに。
でも、私たちの家からどこかに行くとしても、ここを通りかかるということはまずない。
この先にあるのは学校と、学校の裏のちょっとした山になってるところくらいだし、わざわざ行かないと思う。
あかり「もしかしたら、この前に来た時も、今日とおんなじ理由だったのかもね」
そう言いながらあかりちゃんはココアに口をつけた。
私は視線を逸らして窓の外を眺める。落ち葉が風に舞っているのが見えた。
確かに、今日は風強かったもんなあ。ここまで来るのもすごく寒かったし。
今日と同じ理由、ねえ。そうやって毎年ここに来ているとしたらちょっと間抜けだな。
でも確かに、今日みたいに何かを探してるのでもない限り、わざわざカフェでお茶をするとは思えない。
あとは……別のカフェであかりちゃんと待ち合わせしたことならあった。キャンプのことを話し合おうって言って。
あのときは夏で、外で待っていると暑いからそうしたんだっけ。
窓には考える私の姿が映っていた。
その隣の椅子には、普段使っているカバンを置いている。
ちなつ「あれ……?」
ふと、そのカバンにお守りが付いていないことに違和感を覚えた。
あのお守りを付けたことなんてないはずなのに。
89: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:40:55.24 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「あっ……」
思い出した。学校の裏山の公園でお守りを探してたんだ。
あかりちゃんにも付き合ってもらって、ベンチのところに落としてしまっていたのを回収した。
その帰りに寒いからと言ってここに来たはず。
ちなつ「あかりちゃん!」
ちなつ「私たち、ここに来たのは裏山の公園に行った帰りよね?」
ちなつ「あのお守りを私が置き忘れてて、それを取りに行ったはずなんだけど」
あかり「えっと、お守り……」
思い出した。学校の裏山の公園でお守りを探してたんだ。
あかりちゃんにも付き合ってもらって、ベンチのところに落としてしまっていたのを回収した。
その帰りに寒いからと言ってここに来たはず。
ちなつ「あかりちゃん!」
ちなつ「私たち、ここに来たのは裏山の公園に行った帰りよね?」
ちなつ「あのお守りを私が置き忘れてて、それを取りに行ったはずなんだけど」
あかり「えっと、お守り……」
90: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:47:37.45 ID:ZBSd0e9l0
あかり「あっ、そうだったかも」
何秒か経って、あかりちゃんがそう答えた。
ひとまず疑問は解決したけれど、それで何が進展したわけでもない。
あかりちゃんも妙にぼんやりした様子だし……
あかり「……ちなつちゃん」
あかりちゃんがぽつりとそう言って、真っ直ぐ何かを指差した。その先を視線でたどると、あのカレンダーが見えた。
前に来た時も見覚えがあるね、と話した、2か月分の日付が書かれたカレンダーを、あかりちゃんは深刻な表情で見つめている。
何秒か経って、あかりちゃんがそう答えた。
ひとまず疑問は解決したけれど、それで何が進展したわけでもない。
あかりちゃんも妙にぼんやりした様子だし……
あかり「……ちなつちゃん」
あかりちゃんがぽつりとそう言って、真っ直ぐ何かを指差した。その先を視線でたどると、あのカレンダーが見えた。
前に来た時も見覚えがあるね、と話した、2か月分の日付が書かれたカレンダーを、あかりちゃんは深刻な表情で見つめている。
91: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:49:46.66 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「どうかした?」
あかり「あかり……あかりたち、ここに来たのはお休みの日だったはずだよね?」
ちなつ「うん、何で来たのかも思い出せたし」
あかり「でも、ほら」
ちなつ「?」
あかり「あかりたち、2月29日にここに来たはずだよ」
ようやく私も気づいた。今年の2月29日は金曜日だ。つまり……?
ちなつ「あ、あれ……?」
混乱した頭でカレンダーを見つめる。
てことは、休みの日じゃなかったんだ。わざわざ帰ってから私服に着替えてここに来たってこと?
果たしてそんなことするだろうか。あの公園は学校から行った方がよほど近いし、そもそも昼ぐらいから行った記憶がある。
学校があったらだいたいはごらく部でダラダラしているし、そうすると明るいうちに着替えて公園に戻れるわけもないし。
あかり「あかり……あかりたち、ここに来たのはお休みの日だったはずだよね?」
ちなつ「うん、何で来たのかも思い出せたし」
あかり「でも、ほら」
ちなつ「?」
あかり「あかりたち、2月29日にここに来たはずだよ」
ようやく私も気づいた。今年の2月29日は金曜日だ。つまり……?
ちなつ「あ、あれ……?」
混乱した頭でカレンダーを見つめる。
てことは、休みの日じゃなかったんだ。わざわざ帰ってから私服に着替えてここに来たってこと?
果たしてそんなことするだろうか。あの公園は学校から行った方がよほど近いし、そもそも昼ぐらいから行った記憶がある。
学校があったらだいたいはごらく部でダラダラしているし、そうすると明るいうちに着替えて公園に戻れるわけもないし。
92: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:51:13.91 ID:ZBSd0e9l0
あかり「……もしかして、4年前かな」
ちなつ「へ?」
あかり「4年前のうるう年の、2月29日は日曜日だから」
ちなつ「でも、4年前って」
あかり「うん、なんていうのかな。あかりたち、同じ1年を繰り返してるんじゃなくて、ずっと日付は進んでるのかもしれないなって思ったんだぁ」
あかり「だから、うるう年は4年に1回しか来ないし、来るたびに曜日も変わるんじゃないかな、って……」
ちなつ「へ?」
あかり「4年前のうるう年の、2月29日は日曜日だから」
ちなつ「でも、4年前って」
あかり「うん、なんていうのかな。あかりたち、同じ1年を繰り返してるんじゃなくて、ずっと日付は進んでるのかもしれないなって思ったんだぁ」
あかり「だから、うるう年は4年に1回しか来ないし、来るたびに曜日も変わるんじゃないかな、って……」
93: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:51:55.93 ID:ZBSd0e9l0
そう説明されても釈然としない様子の私を見て、あかりちゃんはカバンからメモ帳を取り出して丁寧に説明してくれた。
1年は普通365日だから、52週間と1日で、普通は1年進むたび曜日が1日ずれていく。
うるう年には2日ずれるから、4年前とは曜日が5日分ずれてるはずで、今年の2月29日が金曜日なら4年前の2月29日は日曜日になる。
言われてみると、このカフェに関する記憶がここまでうろ覚えで古い記憶に感じるということは、
確かにその日付は去年というより4年前のもののような気がしてくる。
ちなつ「4年前……」
あかり「お守りも2つじゃなくて、もっといっぱいあったし」
ちなつ「木刀もあるらしいしね」
はあ、とため息をつく。あかりちゃん相手ならそれを隠す必要もない。
4年間で覚えているのはたった1つの出来事だけだなんて。
やるせなさと一緒に、残りのお茶を一気に飲み干した。
ちなつ「そろそろ行こっか」
あかり「うん、これ以上思いだせることもなさそうだしねぇ」
まだ薔薇の香りがカップを置いて、私たちは席を立った。
1年は普通365日だから、52週間と1日で、普通は1年進むたび曜日が1日ずれていく。
うるう年には2日ずれるから、4年前とは曜日が5日分ずれてるはずで、今年の2月29日が金曜日なら4年前の2月29日は日曜日になる。
言われてみると、このカフェに関する記憶がここまでうろ覚えで古い記憶に感じるということは、
確かにその日付は去年というより4年前のもののような気がしてくる。
ちなつ「4年前……」
あかり「お守りも2つじゃなくて、もっといっぱいあったし」
ちなつ「木刀もあるらしいしね」
はあ、とため息をつく。あかりちゃん相手ならそれを隠す必要もない。
4年間で覚えているのはたった1つの出来事だけだなんて。
やるせなさと一緒に、残りのお茶を一気に飲み干した。
ちなつ「そろそろ行こっか」
あかり「うん、これ以上思いだせることもなさそうだしねぇ」
まだ薔薇の香りがカップを置いて、私たちは席を立った。
94: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:53:54.86 ID:ZBSd0e9l0
× まだ薔薇の香りがカップを置いて、私たちは席を立った。
↓
○ まだ薔薇の香りがするカップを置いて、私たちは席を立った。
↓
○ まだ薔薇の香りがするカップを置いて、私たちは席を立った。
95: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:54:55.92 ID:ZBSd0e9l0
***
店を出て、風の冷たさにコートの襟をギュッと閉じる。
マフラーと手袋で完全防備のあかりちゃんが吐いた白い息を、北風がすぐにかき消していった。
何歩か歩き出したところで、コートを着た女性とすれ違った。その姿にはなんだか見覚えがある気がした。
隣のあかりちゃんに小声で聞く。
ちなつ「あかりちゃん、今の人、知ってる人かな?」
あかり「うーん、知らない人だと思うけど……」
ちなつ「そっか……」
振り返ってその人の後ろ姿をもう1度見る。カーキ色のコートを着た髪の長い女性。確かに知っている人ではなさそうだ。
その人が、さっきのカフェの前を通りすぎていく。
店を出て、風の冷たさにコートの襟をギュッと閉じる。
マフラーと手袋で完全防備のあかりちゃんが吐いた白い息を、北風がすぐにかき消していった。
何歩か歩き出したところで、コートを着た女性とすれ違った。その姿にはなんだか見覚えがある気がした。
隣のあかりちゃんに小声で聞く。
ちなつ「あかりちゃん、今の人、知ってる人かな?」
あかり「うーん、知らない人だと思うけど……」
ちなつ「そっか……」
振り返ってその人の後ろ姿をもう1度見る。カーキ色のコートを着た髪の長い女性。確かに知っている人ではなさそうだ。
その人が、さっきのカフェの前を通りすぎていく。
96: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 11:56:47.66 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「あっ!」
自分でも意外なくらい大きな声が出てしまった。
あわてて後ろ姿の女性から目を逸らす。その人は別に気にしていないようで、振り返ることもなく歩き去っていった。
あかり「ちなつちゃん、どうしたの?」
ちなつ「思いだしたの」
あかり「さっきの人のこと?」
ちなつ「ううん、私たち、お店を出てから京子先輩に会ってるんだ」
あかり「京子ちゃんに?」
ちなつ「うん、京子先輩。ああいうトレンチコートみたいなの着てて、何故かサングラス付けてて……」
あかり「あっ、あかりもどこかでその京子ちゃんに会ったことは覚えてるよぉ」
あかり「不審者さんみたいだねぇ、って言ったんだよね」
ちなつ「うん、怪しい恰好で出歩くのはやめてください、って……不審者?」
あかり「?」
ちなつ「不審者……」
あかり「ちなつちゃん?」
自分でも意外なくらい大きな声が出てしまった。
あわてて後ろ姿の女性から目を逸らす。その人は別に気にしていないようで、振り返ることもなく歩き去っていった。
あかり「ちなつちゃん、どうしたの?」
ちなつ「思いだしたの」
あかり「さっきの人のこと?」
ちなつ「ううん、私たち、お店を出てから京子先輩に会ってるんだ」
あかり「京子ちゃんに?」
ちなつ「うん、京子先輩。ああいうトレンチコートみたいなの着てて、何故かサングラス付けてて……」
あかり「あっ、あかりもどこかでその京子ちゃんに会ったことは覚えてるよぉ」
あかり「不審者さんみたいだねぇ、って言ったんだよね」
ちなつ「うん、怪しい恰好で出歩くのはやめてください、って……不審者?」
あかり「?」
ちなつ「不審者……」
あかり「ちなつちゃん?」
97: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:01:26.55 ID:ZBSd0e9l0
不審者、というワードに引っ掛かりを覚えた。不審者、不審者……。
あっ。
何かがつながった気がした。
ちなつ「京子先輩が校門の鍵を拾ったって話」
あかり「えっ?」
ちなつ「休みの日に不審者みたいな恰好で歩いてた、って言ってたよね」
あかり「うん。……えっ?」
ちなつ「寒い日とも言ってた。まあコート着るような季節だったらそりゃ寒いんだろうけど」
あかり「もしかして、それが?」
ちなつ「そう。最近のことって感じの口ぶりじゃなかったし、最初はよく覚えてないっていってたし」
ちなつ「同じ日の出来事だとしたら……?」
あかり「その日にあったことは覚えてるってこと?」
ちなつ「たぶん、ね」
あっ。
何かがつながった気がした。
ちなつ「京子先輩が校門の鍵を拾ったって話」
あかり「えっ?」
ちなつ「休みの日に不審者みたいな恰好で歩いてた、って言ってたよね」
あかり「うん。……えっ?」
ちなつ「寒い日とも言ってた。まあコート着るような季節だったらそりゃ寒いんだろうけど」
あかり「もしかして、それが?」
ちなつ「そう。最近のことって感じの口ぶりじゃなかったし、最初はよく覚えてないっていってたし」
ちなつ「同じ日の出来事だとしたら……?」
あかり「その日にあったことは覚えてるってこと?」
ちなつ「たぶん、ね」
98: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:04:22.24 ID:ZBSd0e9l0
365日が何度も繰り返し、その度に私たちは全部忘れてしまう。
でも、ときどき366日目がやってきて、その時だけ思い出を紡ぐことができるとしたら?
あかり「ちなつちゃん」
ちなつ「うん、ようやく分かったかもしれないね」
今年には、無機質に繰り返す365日に、プラス1日の特別な時間があるのかもしれない。だとしたら……
あかり「やっぱり告白するの?」
ちなつ「当たり前じゃない!」
あかり「29日、楽しみだねぇ」
ちなつ「うん」
あかり「あかりも楽しみだよ」
そう言って、あかりちゃんはいつものように笑った。
でも、ときどき366日目がやってきて、その時だけ思い出を紡ぐことができるとしたら?
あかり「ちなつちゃん」
ちなつ「うん、ようやく分かったかもしれないね」
今年には、無機質に繰り返す365日に、プラス1日の特別な時間があるのかもしれない。だとしたら……
あかり「やっぱり告白するの?」
ちなつ「当たり前じゃない!」
あかり「29日、楽しみだねぇ」
ちなつ「うん」
あかり「あかりも楽しみだよ」
そう言って、あかりちゃんはいつものように笑った。
99: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:38:36.98 ID:ZBSd0e9l0
***
目覚まし代わりに使っている携帯のアラームが鳴って、私は目を覚ました。
部屋の中に漂う空気に、いつもとは違う特別なものを感じる。
それは、今日がときどきしか来ない2月29日……思い出がつながる日だと、私が知っているから?
とん、とんと誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。私は起き上がって、上着を羽織る。
ともこ「ちなつー?」
ちなつ「なに?」
ともこ「なに?って……。朝ごはんよ」
目覚まし代わりに使っている携帯のアラームが鳴って、私は目を覚ました。
部屋の中に漂う空気に、いつもとは違う特別なものを感じる。
それは、今日がときどきしか来ない2月29日……思い出がつながる日だと、私が知っているから?
とん、とんと誰かが階段を上がってくる音が聞こえた。私は起き上がって、上着を羽織る。
ともこ「ちなつー?」
ちなつ「なに?」
ともこ「なに?って……。朝ごはんよ」
100: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:48:02.47 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「……ねえ、お姉ちゃん」
ともこ「何?」
ちなつ「お正月のさ、着物、似合ってたよ」
一緒にリビングに向かう途中、お姉ちゃんにそう話しかけた。
案の定、お姉ちゃんは訝しげな顔を私に向ける。それもそうだ。もうお正月は2か月も前のことだから。
ちなつ「来年、私も着れたらいいな」
ほんの少しでも多く、思い出を残せたら。繰り返す日常を変えられたら。
お姉ちゃんはそんな私の考えには多分気づいていないけど、それでも私に向かって笑った。
ともこ「……ちなつも似合うわよ、きっと」
ともこ「何?」
ちなつ「お正月のさ、着物、似合ってたよ」
一緒にリビングに向かう途中、お姉ちゃんにそう話しかけた。
案の定、お姉ちゃんは訝しげな顔を私に向ける。それもそうだ。もうお正月は2か月も前のことだから。
ちなつ「来年、私も着れたらいいな」
ほんの少しでも多く、思い出を残せたら。繰り返す日常を変えられたら。
お姉ちゃんはそんな私の考えには多分気づいていないけど、それでも私に向かって笑った。
ともこ「……ちなつも似合うわよ、きっと」
101: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:49:46.64 ID:ZBSd0e9l0
***
学校に着くと、西垣先生に呼び止められた。
西垣「ああ、吉川」
ちなつ「西垣先生?なんですか?」
西垣「無くした記憶を復元する装置の改良版ができたんだが」
ちなつ「無くした記憶を……?」
西垣「おや?松本から吉川と赤座が興味を持っていたと聞いたんだが」
ちなつ「いえ……」
西垣「あれは凄いぞ、ビームを浴びるだけで記憶が戻るようになっている。多少副作用で髪が伸びるがな」
ちなつ「あ、ああ、それですか。髪が伸びる機械って会長さんから聞いてましたけど」
西垣「そうか?……まあ、確かに松本には何の装置か話さずに使ったかもしれん」
ちなつ「え」
西垣「前回は正常に作動する前に爆発してしまったが、今回は作動後に爆発するよう改良してあるぞ」
ちなつ「……遠慮しておきます」
西垣「そうか、それならまあいい。赤座にも伝えておいてくれ」
もっと早くに言ってくれたら被験者になっていたかもしれないのにな。
今なら思い出すことはできなくても、この思いを残すことができるから。それだけあれば十分。
学校に着くと、西垣先生に呼び止められた。
西垣「ああ、吉川」
ちなつ「西垣先生?なんですか?」
西垣「無くした記憶を復元する装置の改良版ができたんだが」
ちなつ「無くした記憶を……?」
西垣「おや?松本から吉川と赤座が興味を持っていたと聞いたんだが」
ちなつ「いえ……」
西垣「あれは凄いぞ、ビームを浴びるだけで記憶が戻るようになっている。多少副作用で髪が伸びるがな」
ちなつ「あ、ああ、それですか。髪が伸びる機械って会長さんから聞いてましたけど」
西垣「そうか?……まあ、確かに松本には何の装置か話さずに使ったかもしれん」
ちなつ「え」
西垣「前回は正常に作動する前に爆発してしまったが、今回は作動後に爆発するよう改良してあるぞ」
ちなつ「……遠慮しておきます」
西垣「そうか、それならまあいい。赤座にも伝えておいてくれ」
もっと早くに言ってくれたら被験者になっていたかもしれないのにな。
今なら思い出すことはできなくても、この思いを残すことができるから。それだけあれば十分。
102: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:51:39.34 ID:ZBSd0e9l0
***
いつも通り退屈な授業が終わり、放課後になった。
今日もごらく部の活動がある。その後に、なんとしても結衣先輩に告白しないといけない。
ちょっと緊張して部室に入ると、京子先輩が一人でいた。
ちなつ「あれ、結衣先輩は?」
京子「ちょっと先生に呼ばれてるって。あかりは?」
ちなつ「花瓶の水を替えたらすぐ来るって言ってましたよ」
京子「ふーん」
いつも通り退屈な授業が終わり、放課後になった。
今日もごらく部の活動がある。その後に、なんとしても結衣先輩に告白しないといけない。
ちょっと緊張して部室に入ると、京子先輩が一人でいた。
ちなつ「あれ、結衣先輩は?」
京子「ちょっと先生に呼ばれてるって。あかりは?」
ちなつ「花瓶の水を替えたらすぐ来るって言ってましたよ」
京子「ふーん」
103: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:52:08.08 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「京子先輩」
京子「なにー?」
ちなつ「先輩は、気づいてるんじゃないですか?」
京子「……何に?」
ちなつ「……京子先輩が校門の鍵を拾ったのって、あれ、いつのことですか?」
京子「だから結構前の……」
ちなつ「何月何日ですか?」
京子「……」
ちなつ「そうですか」
京子「なにー?」
ちなつ「先輩は、気づいてるんじゃないですか?」
京子「……何に?」
ちなつ「……京子先輩が校門の鍵を拾ったのって、あれ、いつのことですか?」
京子「だから結構前の……」
ちなつ「何月何日ですか?」
京子「……」
ちなつ「そうですか」
104: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:56:37.71 ID:ZBSd0e9l0
京子「ちなつちゃん」
京子「ちなつちゃんは、どうするつもり?」
ちなつ「どうって……」
京子「まあ、私は何も言わないけどね」
やっぱり、京子先輩は知っているみたい。
それ以上会話が無いまま結衣先輩とあかりちゃんを待つ。
しばらくして、ふたりが一緒にやってきた。道すがらたまたま一緒になったらしい。
結衣「お待たせ」
ちなつ「あかりちゃん、遅かったね」
あかり「うん、櫻子ちゃんとお話ししてたんだけど、なかなか放してくれなくて」
京子「そいじゃー、今日もなんかするか」
京子「ちなつちゃんは、どうするつもり?」
ちなつ「どうって……」
京子「まあ、私は何も言わないけどね」
やっぱり、京子先輩は知っているみたい。
それ以上会話が無いまま結衣先輩とあかりちゃんを待つ。
しばらくして、ふたりが一緒にやってきた。道すがらたまたま一緒になったらしい。
結衣「お待たせ」
ちなつ「あかりちゃん、遅かったね」
あかり「うん、櫻子ちゃんとお話ししてたんだけど、なかなか放してくれなくて」
京子「そいじゃー、今日もなんかするか」
105: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 12:59:16.49 ID:ZBSd0e9l0
あかりちゃんがチラッとこっちを見る。
私は結衣先輩と京子先輩には気づかれないくらい小さく、首を横に振った。
多分気を使ってくれたんだろうけど、そうじゃないよ、あかりちゃん。
ちなつ「京子先輩、何しますか?」
京子「んー、特にやることないし……しょうがない、あれを使うか」
あかり「あれって?」
京子「全自動話題BOX!」
ちなつ「またですか」
京子「なんとこれに私が話題を書いて入れておき」
結衣「それは前聞いた」
あかり「じゃああかりから引くね」
毎日続いていく、ごらく部の日常。
これも絶対に忘れたくないことなんだから。
私は結衣先輩と京子先輩には気づかれないくらい小さく、首を横に振った。
多分気を使ってくれたんだろうけど、そうじゃないよ、あかりちゃん。
ちなつ「京子先輩、何しますか?」
京子「んー、特にやることないし……しょうがない、あれを使うか」
あかり「あれって?」
京子「全自動話題BOX!」
ちなつ「またですか」
京子「なんとこれに私が話題を書いて入れておき」
結衣「それは前聞いた」
あかり「じゃああかりから引くね」
毎日続いていく、ごらく部の日常。
これも絶対に忘れたくないことなんだから。
106: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 13:01:55.96 ID:ZBSd0e9l0
***
京子「あ、私今日は早めに帰らなきゃいけないんだったの忘れてた」
あかり「え、そうなの?」
京子「うん、悪いけど私はもう帰るなー」
4時半を過ぎたくらいで、京子先輩はそそくさと荷物をまとめて帰って行った。
誰かが用事で先に帰るなんて別に珍しいことではないけれど、今日が今日なだけに何となく勘ぐってしまうものがある。
そもそも冬場は下校時刻が早くて、特別に認められた部活や生徒会でなければ5時には帰らないといけないから、
京子先輩が帰るのならごらく部自体をお開きにして皆で帰っても良さそうなものなのに。
とはいえ、結衣先輩もあかりちゃんも、さっきからずっと黙々とマンガを読みふけっていて、帰ろうという雰囲気はない。
多分京子先輩が置いていったものだろう。よく見かけるミラクるんの表紙ではないみたいだけど。そんなに夢中になるほど面白いのかな。
結衣先輩がその巻を読み終えたらしく、マンガを閉じて無造作に机の上に置く。そのタイミングで話しかけた。
京子「あ、私今日は早めに帰らなきゃいけないんだったの忘れてた」
あかり「え、そうなの?」
京子「うん、悪いけど私はもう帰るなー」
4時半を過ぎたくらいで、京子先輩はそそくさと荷物をまとめて帰って行った。
誰かが用事で先に帰るなんて別に珍しいことではないけれど、今日が今日なだけに何となく勘ぐってしまうものがある。
そもそも冬場は下校時刻が早くて、特別に認められた部活や生徒会でなければ5時には帰らないといけないから、
京子先輩が帰るのならごらく部自体をお開きにして皆で帰っても良さそうなものなのに。
とはいえ、結衣先輩もあかりちゃんも、さっきからずっと黙々とマンガを読みふけっていて、帰ろうという雰囲気はない。
多分京子先輩が置いていったものだろう。よく見かけるミラクるんの表紙ではないみたいだけど。そんなに夢中になるほど面白いのかな。
結衣先輩がその巻を読み終えたらしく、マンガを閉じて無造作に机の上に置く。そのタイミングで話しかけた。
107: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 13:02:26.93 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「先輩、何読んでたんですか?」
結衣「これ?京子が最近はまってるんだけど」
ちなつ「あかりちゃんが読んでるのも同じの?」
あかり「ううん、あかり、それはもう読み終わっちゃったから」
ちなつ「ふーん……」
ちなつ「どういう話なんですか?」
結衣「SFっていうのかな。主人公が何回も同じ時間をループしてて……」
一瞬、ビクッと反応してしまう。
それをなるべく悟られないように、姿勢を変えるフリでごまかした。
結衣「まあ、まだ途中までしか読んでないからどういう結末になるのかは分からないけどね」
結衣「これ?京子が最近はまってるんだけど」
ちなつ「あかりちゃんが読んでるのも同じの?」
あかり「ううん、あかり、それはもう読み終わっちゃったから」
ちなつ「ふーん……」
ちなつ「どういう話なんですか?」
結衣「SFっていうのかな。主人公が何回も同じ時間をループしてて……」
一瞬、ビクッと反応してしまう。
それをなるべく悟られないように、姿勢を変えるフリでごまかした。
結衣「まあ、まだ途中までしか読んでないからどういう結末になるのかは分からないけどね」
108: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 13:04:07.29 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「……もし、結衣先輩だったらどうします?」
結衣「ん?」
ちなつ「何回も同じ時間を繰り返す、みたいなことがあったとしたら」
結衣「えーと、そうだな……私は今と変わらずに過ごすんじゃないかな」
ちなつ「そうなんですね!さすが先輩、クールです!」
結衣「そうかな……?」
ちなつ「そうですよ!」
結衣「あ、もう結構時間ギリギリだね。あかりがそれ読み終わったら帰ろうか」
あかり「あっ、ごめんね、もう帰る?」
ちなつ「大丈夫、この辺の片付けやっちゃうから。あかりちゃんはまだ読んでていいよ」
結衣「うん、京子が散らかしっぱなしで帰りやがったから……」
結衣「ん?」
ちなつ「何回も同じ時間を繰り返す、みたいなことがあったとしたら」
結衣「えーと、そうだな……私は今と変わらずに過ごすんじゃないかな」
ちなつ「そうなんですね!さすが先輩、クールです!」
結衣「そうかな……?」
ちなつ「そうですよ!」
結衣「あ、もう結構時間ギリギリだね。あかりがそれ読み終わったら帰ろうか」
あかり「あっ、ごめんね、もう帰る?」
ちなつ「大丈夫、この辺の片付けやっちゃうから。あかりちゃんはまだ読んでていいよ」
結衣「うん、京子が散らかしっぱなしで帰りやがったから……」
109: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 13:20:48.34 ID:ZBSd0e9l0
***
帰る頃にはもう空が薄暗くなり始めていた。
結衣先輩と別れる道に差し掛かった時、ちょうど街灯が点いた。
それをぼんやり見上げる私に、結衣先輩が声をかける。
結衣「それじゃ」
ちなつ「あ、はい、それでは」
あかり「結衣ちゃん、ばいばい」
そう言って結衣先輩は曲がり角を曲がっていく。
普段であれば京子先輩が結衣先輩と同じ道で帰るはずだけれど、今日の結衣先輩は1人だけ。
あかりちゃんが何か言いたそうに私のコートの裾を引く。
ちなつ「行こ、あかりちゃん」
帰る頃にはもう空が薄暗くなり始めていた。
結衣先輩と別れる道に差し掛かった時、ちょうど街灯が点いた。
それをぼんやり見上げる私に、結衣先輩が声をかける。
結衣「それじゃ」
ちなつ「あ、はい、それでは」
あかり「結衣ちゃん、ばいばい」
そう言って結衣先輩は曲がり角を曲がっていく。
普段であれば京子先輩が結衣先輩と同じ道で帰るはずだけれど、今日の結衣先輩は1人だけ。
あかりちゃんが何か言いたそうに私のコートの裾を引く。
ちなつ「行こ、あかりちゃん」
110: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 13:27:02.73 ID:ZBSd0e9l0
あかりちゃんは今なら先輩に告白できると言いたかったんだと思うけれど、
昨日までの私のシミュレーションでは京子先輩も一緒に帰ると思っていたから、結衣先輩が家に帰ってからお邪魔するつもりだった。
先輩達をつけていって、もし京子先輩が大人しく自分の家に帰ったらそのまま私は結衣先輩の家に行き、
京子先輩が結衣先輩の家に行ったとしたらあかりちゃんに京子先輩をおびき出してもらうのが今日の計画。
万全を期して京子先輩が居なくても計画は変えずにいくことにした。
あかり「結衣ちゃん家に行くんだよねぇ」
ちなつ「うん」
あかり「あかりもついていった方がいい?」
ちなつ「んー、そうね、何かあった時のために。実は京子先輩が結衣先輩の家にいたりとか」
あかり「あはは、あるかもねぇ」
昨日までの私のシミュレーションでは京子先輩も一緒に帰ると思っていたから、結衣先輩が家に帰ってからお邪魔するつもりだった。
先輩達をつけていって、もし京子先輩が大人しく自分の家に帰ったらそのまま私は結衣先輩の家に行き、
京子先輩が結衣先輩の家に行ったとしたらあかりちゃんに京子先輩をおびき出してもらうのが今日の計画。
万全を期して京子先輩が居なくても計画は変えずにいくことにした。
あかり「結衣ちゃん家に行くんだよねぇ」
ちなつ「うん」
あかり「あかりもついていった方がいい?」
ちなつ「んー、そうね、何かあった時のために。実は京子先輩が結衣先輩の家にいたりとか」
あかり「あはは、あるかもねぇ」
111: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:03:27.22 ID:ZBSd0e9l0
結衣先輩の後をつけながら、先輩のアパートの近くまで来た。
物陰に隠れて様子をうかがう。
あかり「結衣ちゃん1人みたいだけど」
ちなつ「うん、あ、あかりちゃんさ、念のため京子先輩にメールしてもらえる?」
あかり「メール?」
ちなつ「うん、今何してるかとか聞いてくれないかな?」
あかり「ちょっと待っててね」
物陰に隠れて様子をうかがう。
あかり「結衣ちゃん1人みたいだけど」
ちなつ「うん、あ、あかりちゃんさ、念のため京子先輩にメールしてもらえる?」
あかり「メール?」
ちなつ「うん、今何してるかとか聞いてくれないかな?」
あかり「ちょっと待っててね」
112: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:03:54.62 ID:ZBSd0e9l0
あかり「あっ、京子ちゃんから返信来たよ。今は家にいるって」
ちなつ「これで間違いないわね」
あかり「行くの?」
ちなつ「うん」
私は立ち上がってあかりちゃんの方を向く。
あかりちゃんもすっと立ち、私の手を握った。
あかり「ちなつちゃん、震えてる」
ちなつ「そう?」
あかり「うん」
ちなつ「これで間違いないわね」
あかり「行くの?」
ちなつ「うん」
私は立ち上がってあかりちゃんの方を向く。
あかりちゃんもすっと立ち、私の手を握った。
あかり「ちなつちゃん、震えてる」
ちなつ「そう?」
あかり「うん」
113: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:04:43.68 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「あかりちゃん、ありがとう」
あかり「えっ?」
ちなつ「なんかいっぱい振り回しちゃったかな、って思って」
ちなつ「あかりちゃんを巻き込んで、謎を解くんだー、みたいなことを言ったり何回もカフェに行ったり……」
ちなつ「ごめんね、あかりちゃん」
真っ直ぐに私の瞳を見つめるあかりちゃんの表情が、心配そうな顔からいつもの柔らかな笑顔に変わった。
あかり「ううん」
あかり「あかり、嬉しかったんだぁ」
ちなつ「え?」
あかり「嬉しかったの」
あかり「ちなつちゃんと一緒にいれて、ちなつちゃんに頼ってもらえて……」
あかりちゃんが私の手を握るその強さが、ちょっとだけ強くなった。
あかり「えっ?」
ちなつ「なんかいっぱい振り回しちゃったかな、って思って」
ちなつ「あかりちゃんを巻き込んで、謎を解くんだー、みたいなことを言ったり何回もカフェに行ったり……」
ちなつ「ごめんね、あかりちゃん」
真っ直ぐに私の瞳を見つめるあかりちゃんの表情が、心配そうな顔からいつもの柔らかな笑顔に変わった。
あかり「ううん」
あかり「あかり、嬉しかったんだぁ」
ちなつ「え?」
あかり「嬉しかったの」
あかり「ちなつちゃんと一緒にいれて、ちなつちゃんに頼ってもらえて……」
あかりちゃんが私の手を握るその強さが、ちょっとだけ強くなった。
114: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:05:12.15 ID:ZBSd0e9l0
あかり「えへへ、今日言わないと忘れちゃうんだもんね」
ちなつ「あかりちゃん……」
あかり「ちなつちゃんと仲良くなれて、あかり、すっごく嬉しいんだ」
あかり「ちなつちゃんはあかりの一番のお友達だよ」
私は何も言わずにうなずいた。
あかりちゃんは震えの収まった私の手をぱっと放すと、もう一度私を真っ直ぐに見つめる。
あかり「頑張ってね、ちなつちゃん」
ちなつ「うん」
あかり「……あっ」
ちなつ「ん?」
あかり「えへへ、なんでもないよぉ」
ちなつ「言ってよ、気になるから」
あかり「あのね、2月29日って何て呼ぶんだろう、って話したよね?」
ちなつ「うん」
あかり「うるう日、っていうんだって」
ちなつ「そのまんまじゃん」
あかり「そのまんまだよねぇ」
私はくるりとあかりちゃんに背を向けて、結衣先輩の部屋に向かって歩き出した。
アパートのエントランスに入るまでずっと、背中にあかりちゃんの視線が感じられた。
ちなつ「あかりちゃん……」
あかり「ちなつちゃんと仲良くなれて、あかり、すっごく嬉しいんだ」
あかり「ちなつちゃんはあかりの一番のお友達だよ」
私は何も言わずにうなずいた。
あかりちゃんは震えの収まった私の手をぱっと放すと、もう一度私を真っ直ぐに見つめる。
あかり「頑張ってね、ちなつちゃん」
ちなつ「うん」
あかり「……あっ」
ちなつ「ん?」
あかり「えへへ、なんでもないよぉ」
ちなつ「言ってよ、気になるから」
あかり「あのね、2月29日って何て呼ぶんだろう、って話したよね?」
ちなつ「うん」
あかり「うるう日、っていうんだって」
ちなつ「そのまんまじゃん」
あかり「そのまんまだよねぇ」
私はくるりとあかりちゃんに背を向けて、結衣先輩の部屋に向かって歩き出した。
アパートのエントランスに入るまでずっと、背中にあかりちゃんの視線が感じられた。
115: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:47:52.89 ID:ZBSd0e9l0
***
結衣先輩の部屋の前に立ち、チャイムに手を伸ばした。
胸に手を当てると、心臓の鼓動を感じた。いつだって先輩の部屋のチャイムを鳴らすときはドキドキする。
チャイムの音が鳴りインターホンのランプが付いてから、結衣先輩が出るまでの数秒間。
ただ遊びに来るだけでも、あかりちゃんや京子先輩と一緒でも、何故かドキドキするあの瞬間。
でも、こんなに緊張したことはない。鼓動の速さは今日が一番だ。
ひとつ大きく深呼吸をした。オーバーヒートしそうな心臓を吸い込んだ真冬の空気が冷やしていく。
スクールバッグの外ポケットに忍ばせておいたお守りを取り出した。
昨日部屋中を探して、見つかっただけ全部詰め込んだらカバンのポケットが膨らんじゃって、
誰かに怪しまれたりしないかなあ、と思いながら1日過ごしてきたわけだけど、
何個も出てきた「恋愛成就」のお守りはそれだけ私が片思いをしながら過ごしてきた証明のようで、
もう記憶には無いその日々のためにも何としても今日は頑張らなくちゃ、なんて思っていた。
お守りたちに向かって願いごとをする。
もう、あなたたちを買うことはありませんように。
結衣先輩の部屋の前に立ち、チャイムに手を伸ばした。
胸に手を当てると、心臓の鼓動を感じた。いつだって先輩の部屋のチャイムを鳴らすときはドキドキする。
チャイムの音が鳴りインターホンのランプが付いてから、結衣先輩が出るまでの数秒間。
ただ遊びに来るだけでも、あかりちゃんや京子先輩と一緒でも、何故かドキドキするあの瞬間。
でも、こんなに緊張したことはない。鼓動の速さは今日が一番だ。
ひとつ大きく深呼吸をした。オーバーヒートしそうな心臓を吸い込んだ真冬の空気が冷やしていく。
スクールバッグの外ポケットに忍ばせておいたお守りを取り出した。
昨日部屋中を探して、見つかっただけ全部詰め込んだらカバンのポケットが膨らんじゃって、
誰かに怪しまれたりしないかなあ、と思いながら1日過ごしてきたわけだけど、
何個も出てきた「恋愛成就」のお守りはそれだけ私が片思いをしながら過ごしてきた証明のようで、
もう記憶には無いその日々のためにも何としても今日は頑張らなくちゃ、なんて思っていた。
お守りたちに向かって願いごとをする。
もう、あなたたちを買うことはありませんように。
116: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 14:55:02.44 ID:ZBSd0e9l0
まだ胸のドキドキは治まりそうになかった。
この1年で生まれた思い出をひとつずつ思い出す。
結衣先輩に出会った時のこと。守ってあげる、って言われたときは、本当に王子様に出会ったような感じがした。
七夕のときに、おでこにキスしてもらったこともあった。あのときも今と同じくらい抱きドキドキしてたかも。
私と結衣先輩が出てくる紙芝居を作ったこともあったっけ。自信作だったし、結衣先輩も誉めてくれた。
マフラーのお返しに映画に連れてってくれたこと。ふたりっきりで結衣先輩の家にお泊りしたこと。
ほかには……
あ、あれ……?
私のなかにある結衣先輩との失くしたくない思い出は、決して結衣先輩と2人きりの時間ばかりじゃなかった。
ごらく部で過ごした時間。先輩の家でだらだらゲームしたこと。温泉旅行に行ったこと。水風船で水遊びしたこと。
粘土で遊んだこと。ホットケーキを作って食べたこと。京子先輩の原稿を徹夜で手伝ったこと。雪でかまくらを作ったこと。
生徒会のみんなとも一緒にキャンプに行ったこと。部室で女王様ゲームをやったこと。プールに行ったこと。
さっき結衣先輩が言っていたことを思い出す。
それにあかりちゃんも、京子先輩も言っていた。
皆、今のこの時間が楽しくて、心地よくて……
それは私のなかでも……結衣先輩に恋する気持ちよりも強いものなのかもしれない。
この1年で生まれた思い出をひとつずつ思い出す。
結衣先輩に出会った時のこと。守ってあげる、って言われたときは、本当に王子様に出会ったような感じがした。
七夕のときに、おでこにキスしてもらったこともあった。あのときも今と同じくらい抱きドキドキしてたかも。
私と結衣先輩が出てくる紙芝居を作ったこともあったっけ。自信作だったし、結衣先輩も誉めてくれた。
マフラーのお返しに映画に連れてってくれたこと。ふたりっきりで結衣先輩の家にお泊りしたこと。
ほかには……
あ、あれ……?
私のなかにある結衣先輩との失くしたくない思い出は、決して結衣先輩と2人きりの時間ばかりじゃなかった。
ごらく部で過ごした時間。先輩の家でだらだらゲームしたこと。温泉旅行に行ったこと。水風船で水遊びしたこと。
粘土で遊んだこと。ホットケーキを作って食べたこと。京子先輩の原稿を徹夜で手伝ったこと。雪でかまくらを作ったこと。
生徒会のみんなとも一緒にキャンプに行ったこと。部室で女王様ゲームをやったこと。プールに行ったこと。
さっき結衣先輩が言っていたことを思い出す。
それにあかりちゃんも、京子先輩も言っていた。
皆、今のこの時間が楽しくて、心地よくて……
それは私のなかでも……結衣先輩に恋する気持ちよりも強いものなのかもしれない。
117: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:00:24.45 ID:ZBSd0e9l0
握っていたお守りから手を放す。その中に、少し土で汚れたものを見つけた。
これがきっと、あのときの。
表を向けて、私は目を見開いた。そこに書かれているのは「恋愛成就」ではなかったから。
同じピンク色だったし、全部一緒なのかと思っていたけれど……
私の思い出を紡いでくれたそのお守りに刺繍された「良縁成就」は、多分何度繰り返しても叶うはず。
だって、良縁っていうのは、私たちごらく部が繋がっていることでしょ?
ちなつ「結衣先輩……」
ちなつ「ごらく部に私を迎え入れてくれてありがとうございます」
ランプの付いていないインターホンに向かって、小さくつぶやいた。
これがきっと、あのときの。
表を向けて、私は目を見開いた。そこに書かれているのは「恋愛成就」ではなかったから。
同じピンク色だったし、全部一緒なのかと思っていたけれど……
私の思い出を紡いでくれたそのお守りに刺繍された「良縁成就」は、多分何度繰り返しても叶うはず。
だって、良縁っていうのは、私たちごらく部が繋がっていることでしょ?
ちなつ「結衣先輩……」
ちなつ「ごらく部に私を迎え入れてくれてありがとうございます」
ランプの付いていないインターホンに向かって、小さくつぶやいた。
118: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:02:09.37 ID:ZBSd0e9l0
***
私が先輩のアパートのエントランスからでてくると、白い息を弾ませながらあかりちゃんが駆け寄ってきた。
ちなつ「ダメだった」
そう言って私は笑う。
あかりちゃんは、えっ、と小さく声を漏らして、そのまま押し黙ってしまった。
ちなつ「そうじゃないの」
あかり「え……?」
ちなつ「告白、できなかった」
あかり「そうなんだ……」
ちなつ「うん、それでいいの」
あかり「えっ、でも」
ちなつ「それでいいの」
もし本当にこの時間が繰り返しの中にあるのなら、来年も再来年も、また私は出会うだろう。
結衣先輩と、京子先輩と、あかりちゃん……ごらく部に、きっと。
そして4年後にも8年後にも366日目がやってくる。
その時の私がどんな風に考えて、どんな風に行動するのかは分からない。
先輩に告白しようと思うかな。恋の形は今と同じなのかな。どんな関係を望むのかな。
それは未来の私にしか分からない。だから―
私が先輩のアパートのエントランスからでてくると、白い息を弾ませながらあかりちゃんが駆け寄ってきた。
ちなつ「ダメだった」
そう言って私は笑う。
あかりちゃんは、えっ、と小さく声を漏らして、そのまま押し黙ってしまった。
ちなつ「そうじゃないの」
あかり「え……?」
ちなつ「告白、できなかった」
あかり「そうなんだ……」
ちなつ「うん、それでいいの」
あかり「えっ、でも」
ちなつ「それでいいの」
もし本当にこの時間が繰り返しの中にあるのなら、来年も再来年も、また私は出会うだろう。
結衣先輩と、京子先輩と、あかりちゃん……ごらく部に、きっと。
そして4年後にも8年後にも366日目がやってくる。
その時の私がどんな風に考えて、どんな風に行動するのかは分からない。
先輩に告白しようと思うかな。恋の形は今と同じなのかな。どんな関係を望むのかな。
それは未来の私にしか分からない。だから―
119: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:03:56.07 ID:ZBSd0e9l0
ちなつ「あかりちゃん」
あかり「なに?」
ちなつ「……帰ろっか。寒いし」
あかり「うん」
だから今は、私の一番大切な気持ちだけを言葉にしよう。
ちなつ「ねえ、あかりちゃん」
ちなつ「私と友達になってくれてありがとう」
あかり「なに?」
ちなつ「……帰ろっか。寒いし」
あかり「うん」
だから今は、私の一番大切な気持ちだけを言葉にしよう。
ちなつ「ねえ、あかりちゃん」
ちなつ「私と友達になってくれてありがとう」
120: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:22:18.12 ID:ZBSd0e9l0
***
帰り道、あかりちゃんと別れてから京子先輩にばったり会った。
ちなつ「あれ、京子先輩」
京子「おっ、ちなつちゃんじゃん」
ちなつ「何してるんですか?っていうか、なんですかその恰好」
京子「不審者のコスプレだよー」
ちなつ「不審者そのものじゃないですか」
ちなつ「これから用事ですか?」
京子「ううん、単にコンビニ行く途中」
ちなつ「へ?じゃあ先帰ったのは……」
京子「劇場版ミラクるん2の録画忘れててさー、いやホント危なかった」
ちなつ「……どうでもよすぎますね」
京子「そんなことないぞ!今日を逃すと次いつ放送するか分かんないし!」
帰り道、あかりちゃんと別れてから京子先輩にばったり会った。
ちなつ「あれ、京子先輩」
京子「おっ、ちなつちゃんじゃん」
ちなつ「何してるんですか?っていうか、なんですかその恰好」
京子「不審者のコスプレだよー」
ちなつ「不審者そのものじゃないですか」
ちなつ「これから用事ですか?」
京子「ううん、単にコンビニ行く途中」
ちなつ「へ?じゃあ先帰ったのは……」
京子「劇場版ミラクるん2の録画忘れててさー、いやホント危なかった」
ちなつ「……どうでもよすぎますね」
京子「そんなことないぞ!今日を逃すと次いつ放送するか分かんないし!」
121: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:30:10.26 ID:ZBSd0e9l0
長いトレンチコートにサングラスという、どう見ても怪しいいでたちの京子先輩がミラクるんの映画について熱く説明を始める。
どうやら私が呆れ顔で聞き流していることには気づいていないらしい。それともわざとやってるのかな。
てっきり京子先輩にも何か考えがあって先に帰ったのかと思ったけど、京子先輩は京子先輩だったみたい。
ちなつ「京子先輩」
京子「ん?」
ちなつ「ごらく部に誘ってくれて、ありがとうございます」
京子「……?」
ちなつ「なんですか、その顔は」
京子「ふふ」
京子「あ、明日休みだし遊ぼうぜー」
ちなつ「……はい、どこ集合にします?」
京子「結衣ん家」
ちなつ「勝手に決めていいんですか?」
京子「へーきへーき、じゃまた明日!」
こうやってまた、いつもの日常が流れていくんだろう。
そして私はきっといつまでも笑っていられるはず。
だってそれは無機質に繰り返す365日なんかじゃなくて、ずっと重なり続けていく大切な時間なんだから。
どうやら私が呆れ顔で聞き流していることには気づいていないらしい。それともわざとやってるのかな。
てっきり京子先輩にも何か考えがあって先に帰ったのかと思ったけど、京子先輩は京子先輩だったみたい。
ちなつ「京子先輩」
京子「ん?」
ちなつ「ごらく部に誘ってくれて、ありがとうございます」
京子「……?」
ちなつ「なんですか、その顔は」
京子「ふふ」
京子「あ、明日休みだし遊ぼうぜー」
ちなつ「……はい、どこ集合にします?」
京子「結衣ん家」
ちなつ「勝手に決めていいんですか?」
京子「へーきへーき、じゃまた明日!」
こうやってまた、いつもの日常が流れていくんだろう。
そして私はきっといつまでも笑っていられるはず。
だってそれは無機質に繰り返す365日なんかじゃなくて、ずっと重なり続けていく大切な時間なんだから。
122: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:32:21.15 ID:ZBSd0e9l0
***
春。
ゆっくりと流れる季節を感じながら、私は2年生になった。
ちなつ「クラス、別々になっちゃったね」
あかり「そうだねぇ、でもごらく部で会えるよ」
始業式が終わった後、慣れない2年生の教室前の廊下であかりちゃんと話す。
開いた窓から入ってくる柔らかな風が、私の髪を撫でていった。
ちなつ「今日ってごらく部できるの?」
あかり「うーん、どうかなぁ?」
ちなつ「まあどのみち非公式の部活だから、勝手に部室入ればいいんだけど」
春。
ゆっくりと流れる季節を感じながら、私は2年生になった。
ちなつ「クラス、別々になっちゃったね」
あかり「そうだねぇ、でもごらく部で会えるよ」
始業式が終わった後、慣れない2年生の教室前の廊下であかりちゃんと話す。
開いた窓から入ってくる柔らかな風が、私の髪を撫でていった。
ちなつ「今日ってごらく部できるの?」
あかり「うーん、どうかなぁ?」
ちなつ「まあどのみち非公式の部活だから、勝手に部室入ればいいんだけど」
123: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:36:16.13 ID:ZBSd0e9l0
結衣「あっ、いたいた。あかり、ちなつちゃん」
ちなつ「結衣先輩!」
京子「帰ろうぜー」
あかり「うん、いま行くよ」
ちなつ「今日は部活なしなんですね」
京子「いや、ちょっとやんなきゃいけない原稿が……」
ちなつ「えー、てことはまた手伝いですか?」
京子「えっ」
結衣「えっ」
あかり「えっ」
ちなつ「?」
結衣「いや、今回は京子1人でやるんじゃないかな?あはは……」
京子「うんうん、そんな量ないから多分大丈夫、うん」
ちなつ「そうなんですか?」
ちなつ「結衣先輩!」
京子「帰ろうぜー」
あかり「うん、いま行くよ」
ちなつ「今日は部活なしなんですね」
京子「いや、ちょっとやんなきゃいけない原稿が……」
ちなつ「えー、てことはまた手伝いですか?」
京子「えっ」
結衣「えっ」
あかり「えっ」
ちなつ「?」
結衣「いや、今回は京子1人でやるんじゃないかな?あはは……」
京子「うんうん、そんな量ないから多分大丈夫、うん」
ちなつ「そうなんですか?」
124: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:54:52.01 ID:ZBSd0e9l0
学校を出ると、日差しがまぶしかった。
いつもよりゆっくり歩く帰り道は、いつもより色鮮やかで、街中に春の匂いが溢れているように感じた。
あかり「今日はすっごくあったかいねぇ」
結衣「そうだな」
ちなつ「……さっきから気になってたんですけど、京子先輩、その袋何ですか?」
京子「これ?部室に置いてたマンガ。読み終わったから持って帰ろうかと思って」
あかり「すごい量だね」
京子「重い……」
結衣「分けて持って帰れよ」
いつもよりゆっくり歩く帰り道は、いつもより色鮮やかで、街中に春の匂いが溢れているように感じた。
あかり「今日はすっごくあったかいねぇ」
結衣「そうだな」
ちなつ「……さっきから気になってたんですけど、京子先輩、その袋何ですか?」
京子「これ?部室に置いてたマンガ。読み終わったから持って帰ろうかと思って」
あかり「すごい量だね」
京子「重い……」
結衣「分けて持って帰れよ」
125: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:55:36.92 ID:ZBSd0e9l0
京子「はぁ、はぁ……」
京子「私はもうダメだ、せめてここで奴らを食い止める。皆は先に行ってくれ」
結衣「それじゃ行くか」
ちなつ「そうですね」
京子「えっ」
あかり「ちょっと休憩していこうか」
京子「おお、やっぱりあかりはいい子だなぁ」
ちなつ「休憩ですか?」
京子「疲れたしのど乾いちゃって。この辺に自販機とかあったっけ?」
あかり「んー……あんまり見たことない気がするな」
結衣「家帰った方が早いんじゃないか?」
京子「そんなこと言わずにさー……あ、あそこって?」
京子「私はもうダメだ、せめてここで奴らを食い止める。皆は先に行ってくれ」
結衣「それじゃ行くか」
ちなつ「そうですね」
京子「えっ」
あかり「ちょっと休憩していこうか」
京子「おお、やっぱりあかりはいい子だなぁ」
ちなつ「休憩ですか?」
京子「疲れたしのど乾いちゃって。この辺に自販機とかあったっけ?」
あかり「んー……あんまり見たことない気がするな」
結衣「家帰った方が早いんじゃないか?」
京子「そんなこと言わずにさー……あ、あそこって?」
126: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:56:51.71 ID:ZBSd0e9l0
結衣「ああ、割と最近できたんだよな、あそこの喫茶店」
あかり「あかり、行ったことあるよぉ」
京子「え、そうなの?」
ちなつ「私とあかりちゃんで行ったことがあるんです。いつだっけ?」
あかり「うーん、あんまり覚えてないかなぁ」
京子「ふむ……よし、行ってみるか」
ちなつ「まあいいですけど」
あかり「あかり、おサイフ持ってないよぉ」
ちなつ「貸してあげるって、そのくらい」
あかり「あかり、行ったことあるよぉ」
京子「え、そうなの?」
ちなつ「私とあかりちゃんで行ったことがあるんです。いつだっけ?」
あかり「うーん、あんまり覚えてないかなぁ」
京子「ふむ……よし、行ってみるか」
ちなつ「まあいいですけど」
あかり「あかり、おサイフ持ってないよぉ」
ちなつ「貸してあげるって、そのくらい」
127: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 15:57:39.04 ID:ZBSd0e9l0
中に入ると、他にお客さんは1人もいなかった。静かな店内にドアベルの音と知らない曲が漂う。
窓側の席に向かい、私は長椅子の奥側に入った。一番窓際に自分のスクールバッグを置く。
隣りに座ったあかりちゃんがメニューを渡してくれたけれど、私はほとんど迷わず決めてしまった。
他の3人もすぐ決めたみたいで、店員さんに思い思いの飲み物を注文する。
あかり「京子ちゃん、どのマンガを持って帰るの?」
京子「あー、これとこれと……」
結衣「おいコラ、こんなところで広げるなよ」
京子「だいたいあかりも読んだんじゃない?」
あかり「うん、全部面白かったよ」
ちなつ「ふーん、ミラクるんは持って帰らないんですね」
京子「ミラクるんは2セットあるから。家用と部室用で」
結衣「でも私も全部読んでるな。部室にあるとなんだかんだで読んじゃうから」
ちなつ「あ、私これ読んだことないです」
京子「貸そうか?」
ちなつ「いや、別にいいですけど……面白いですか?」
京子「うん、まあちょっとSFチックな話で、いわゆるループものなんだけどさ」
窓側の席に向かい、私は長椅子の奥側に入った。一番窓際に自分のスクールバッグを置く。
隣りに座ったあかりちゃんがメニューを渡してくれたけれど、私はほとんど迷わず決めてしまった。
他の3人もすぐ決めたみたいで、店員さんに思い思いの飲み物を注文する。
あかり「京子ちゃん、どのマンガを持って帰るの?」
京子「あー、これとこれと……」
結衣「おいコラ、こんなところで広げるなよ」
京子「だいたいあかりも読んだんじゃない?」
あかり「うん、全部面白かったよ」
ちなつ「ふーん、ミラクるんは持って帰らないんですね」
京子「ミラクるんは2セットあるから。家用と部室用で」
結衣「でも私も全部読んでるな。部室にあるとなんだかんだで読んじゃうから」
ちなつ「あ、私これ読んだことないです」
京子「貸そうか?」
ちなつ「いや、別にいいですけど……面白いですか?」
京子「うん、まあちょっとSFチックな話で、いわゆるループものなんだけどさ」
128: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 16:06:54.46 ID:ZBSd0e9l0
京子先輩が語っている間に頼んだ飲み物が来た。
それに気が付かず喋り続ける京子先輩を無視して、カップを持ち上げて息を吹きかける。
結衣先輩とあかりちゃんも同じようにしているのが見えて、少し笑ってしまった。
ちなつ「結衣先輩はコーヒー好きなんですか?」
結衣「うん、最近よく飲むんだ」
あかり「いいなぁ、あかりも結衣ちゃんみたいにブラックで飲んでみたいなぁ」
ちなつ「先輩かっこいいですぅ!」
結衣「2人は何にしたんだっけ?」
あかり「あかりは紅茶にしたよ」
ちなつ「私はローズティーです」
結衣「ローズティー?って、薔薇の花なの?」
ちなつ「うーん、分からないです」
結衣「美味しい?」
ちなつ「そうですねぇ……」
それに気が付かず喋り続ける京子先輩を無視して、カップを持ち上げて息を吹きかける。
結衣先輩とあかりちゃんも同じようにしているのが見えて、少し笑ってしまった。
ちなつ「結衣先輩はコーヒー好きなんですか?」
結衣「うん、最近よく飲むんだ」
あかり「いいなぁ、あかりも結衣ちゃんみたいにブラックで飲んでみたいなぁ」
ちなつ「先輩かっこいいですぅ!」
結衣「2人は何にしたんだっけ?」
あかり「あかりは紅茶にしたよ」
ちなつ「私はローズティーです」
結衣「ローズティー?って、薔薇の花なの?」
ちなつ「うーん、分からないです」
結衣「美味しい?」
ちなつ「そうですねぇ……」
129: ◆K27FRRVqmQ 2015/12/30(水) 16:07:30.71 ID:ZBSd0e9l0
ローズティーを一口すする。
これが春の匂いなのかも、と思った。
ちなつ「微妙な味です、かね」
結衣「そうなんだ」
ちなつ「でも……なんだかほっとする味です」
窓の外には柔らかな風が吹いている気配がした。
スクールバッグにひとつだけ付けたピンクのお守りが揺れたような気がして、ふっと横を見る。
結衣「どうかした?」
ちなつ「あ、いえ、何でも」
金で刺繍された「良縁成就」の4文字が、窓から漏れる光を静かに反射していた。
おわり
これが春の匂いなのかも、と思った。
ちなつ「微妙な味です、かね」
結衣「そうなんだ」
ちなつ「でも……なんだかほっとする味です」
窓の外には柔らかな風が吹いている気配がした。
スクールバッグにひとつだけ付けたピンクのお守りが揺れたような気がして、ふっと横を見る。
結衣「どうかした?」
ちなつ「あ、いえ、何でも」
金で刺繍された「良縁成就」の4文字が、窓から漏れる光を静かに反射していた。
おわり
130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 16:33:47.57 ID:jrClb+E3o
おつ!
なんかあるかと思ったがなんもなかったな
なんかあるかと思ったがなんもなかったな
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 16:42:57.91 ID:S86uwbAAO
おつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451349513/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ ゆるゆり | Comments (0)
提督「…………」野分「…………」カリカリ
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:13:45.28 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:15:41.72 ID:R8ZEpv3qo
野分「えっと…………」
提督「…………」
野分「……うん」カリカリ
提督「…………」
野分「んー……?」
提督「…………」
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野分「こう……かしら」カリカリ
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野分「んー……?」
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野分「…………」
提督「…………」
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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:17:17.16 ID:R8ZEpv3qo
野分「ふう…………」
提督「…………」
野分「…………」
提督「…………」
野分「…………」
提督「…………」
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提督「…………」
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野分「…………」
提督「…………」
野分「…………」
提督「…………」
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提督「…………」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:20:07.20 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………ふう」
提督「…………」
野分「…………」
提督「…………」
野分「舞風、どうしてるかな……元気、かな……」
提督「…………」
野分「…………もうちょっと頑張ろうかな……」
提督「…………」
野分「…………うん」カリカリ
提督「…………」
提督「…………」
野分「…………」
提督「…………」
野分「舞風、どうしてるかな……元気、かな……」
提督「…………」
野分「…………もうちょっと頑張ろうかな……」
提督「…………」
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5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:22:04.21 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
野分「…………フンフーン♪」カリカリ
提督「…………」
野分「フーフーフフフーフフーンフーフーンフーンフーン♪」カリカリ
野分「フフンフーン♪」カリカリ
提督「…………」
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提督「…………」
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野分「フフンフーン♪」カリカリ
提督「…………」
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:24:19.87 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
野分「…………」ウツラウツラ
提督「…………」
野分「…………っ」ブンブン
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野分「…………」ウツラウツラ
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野分「…………」ペチン
提督「…………」
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提督「…………」
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提督「…………」
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野分「…………」ペチン
提督「…………」
野分「ふう…………」カリカリ
提督「…………」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:26:26.46 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
野分「…………」カリカリ
提督「…………」
野分「あ……終わった……」
提督「…………」
野分「……疲れたー……」グデー
提督「…………」
野分「…………」グデー
提督「…………」
野分「……ケーキ食べたいなあ……」グデー
提督「…………」
提督「…………」
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提督「…………」
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提督「…………」
野分「……疲れたー……」グデー
提督「…………」
野分「…………」グデー
提督「…………」
野分「……ケーキ食べたいなあ……」グデー
提督「…………」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:29:08.95 ID:R8ZEpv3qo
野分「…………」グデー
提督「…………」
野分「……司令、戻ってこないなー……」
提督「…………」
野分「司令、まだかな……」
提督「…………」
提督「…………」
野分「……司令、戻ってこないなー……」
提督「…………」
野分「司令、まだかな……」
提督「…………」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:31:55.11 ID:R8ZEpv3qo
提督「…………」クルクル
野分「…………?」
提督「…………」ナデナデ
野分「………………」
野分「っ!?」ガバッ
提督「…………」
野分「し、司令……?」
提督「…………」
野分「……いつからそこに?」
提督「だいぶ前から」
野分「え、えぇぇ?」
野分「…………?」
提督「…………」ナデナデ
野分「………………」
野分「っ!?」ガバッ
提督「…………」
野分「し、司令……?」
提督「…………」
野分「……いつからそこに?」
提督「だいぶ前から」
野分「え、えぇぇ?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:33:48.05 ID:R8ZEpv3qo
野分「………………」
提督「………………」
野分「………………」
提督「…………野分は可愛いな」
野分「えぇ!?///」
提督「………………」
野分「………………」
提督「…………野分は可愛いな」
野分「えぇ!?///」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:34:50.52 ID:R8ZEpv3qo
終わり
野分がケーキ食べて幸せそうな顔眺めたい
野分のSSはよ
野分がケーキ食べて幸せそうな顔眺めたい
野分のSSはよ
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/04(水) 05:17:17.21 ID:f5ohW0CLo
おつおつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425305625/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
【ごちうさ】あんこはサンタさん【クリスマス短編+α】
1: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:30:05.37 ID:gSwQl99O0
ちょっと早いですがクリスマスSSです。
2部構成です。
詳しくは後述します。
2部構成です。
詳しくは後述します。
2: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:31:15.07 ID:gSwQl99O0
―――12月24日……深夜……甘兎庵の未使用の一室
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
あんこ「・・・」(キリッ
そこには王冠の変わりに赤い帽子をかぶり、歩く度にもふもふという擬音がピッタリな赤くふさふさな服を身にまとうあんこが居た。
その姿はまさに妖精のように可愛らしいサンタクロースであった。
あんこ「・・・」(モゾモゾ
そしてあんこは用意した大きな袋を器用に引きずりながら
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
その部屋をあとにするのであった。
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
あんこ「・・・」(キリッ
そこには王冠の変わりに赤い帽子をかぶり、歩く度にもふもふという擬音がピッタリな赤くふさふさな服を身にまとうあんこが居た。
その姿はまさに妖精のように可愛らしいサンタクロースであった。
あんこ「・・・」(モゾモゾ
そしてあんこは用意した大きな袋を器用に引きずりながら
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
その部屋をあとにするのであった。
3: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:31:57.31 ID:gSwQl99O0
―――甘兎庵の隣のボロ小屋
シャロ「……わー。とっても美味しそうなチキンです~」(ムニャムニャ
あんこ「・・・」(ジー
ワイルドギース「………」
あんこ「!!」
ワイルドギース「………」(ペシペシ
あんこ「!!」(ジタバタジタバタ
―――――
―――――――
―――――――――
「ピィッ!!」
―――――
―――――――
―――――――――も…もふ、も…もふ、も…もふ
シャロ「う~ん。良い匂い~♪」(ムニャムニャ
シャロ「……わー。とっても美味しそうなチキンです~」(ムニャムニャ
あんこ「・・・」(ジー
ワイルドギース「………」
あんこ「!!」
ワイルドギース「………」(ペシペシ
あんこ「!!」(ジタバタジタバタ
―――――
―――――――
―――――――――
「ピィッ!!」
―――――
―――――――
―――――――――も…もふ、も…もふ、も…もふ
シャロ「う~ん。良い匂い~♪」(ムニャムニャ
4: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:32:31.88 ID:gSwQl99O0
―――天々座邸
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
リゼ「………」(スヤスヤ
リゼはワイルドギース(ぬいぐるみ)を抱えながら眠っているようだ。
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
リゼ「……ふふふ……もふもふだー……♪」(zzz
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
リゼ「………」(スヤスヤ
リゼはワイルドギース(ぬいぐるみ)を抱えながら眠っているようだ。
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
リゼ「……ふふふ……もふもふだー……♪」(zzz
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
5: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:33:35.47 ID:gSwQl99O0
―――ラビットハウス(ココアの部屋)
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
ココア「スー」
チノ「う~ん……ティッピー……どこ……ですか?」
ココア「おねえちゃんにまかせてチノちゃ~ん」
あんこ「!!」(ビク
まるで起きているかのような寝言を発する二人だったが、ベッド内のココアとチノはぐっすりと眠っていた。
あんこはそれを確認すると袋内へと入りモゾモゾとなにやら漁りだのであった。
あんこ「♪」
??「ンーンー」
??「「・・・」」
ココア「えへへ~もふもふ~」(スピー
チノ「あったかいです」(クー
あんこ「・・・」(もふもふ、もふもふ
カチャ……パタン
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
ココア「スー」
チノ「う~ん……ティッピー……どこ……ですか?」
ココア「おねえちゃんにまかせてチノちゃ~ん」
あんこ「!!」(ビク
まるで起きているかのような寝言を発する二人だったが、ベッド内のココアとチノはぐっすりと眠っていた。
あんこはそれを確認すると袋内へと入りモゾモゾとなにやら漁りだのであった。
あんこ「♪」
??「ンーンー」
??「「・・・」」
ココア「えへへ~もふもふ~」(スピー
チノ「あったかいです」(クー
あんこ「・・・」(もふもふ、もふもふ
カチャ……パタン
6: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:34:10.71 ID:gSwQl99O0
――25日朝、千夜の部屋
千夜「すー」
千夜「………ん~……?」
あんこ「・・・」
千夜「……赤い……あんこ……?」
あんこ「・・・」
千夜「ん~っ。おはよう。あんこ」
あんこ「・・・」(ジー
千夜「あら。あんこがサンタさんになってる」(ヒョイ
千夜「ひょっとして私へのプレゼントのつもり?」
あんこ「・・・」
千夜「今年は去年みたいにクリスマスイブを楽しめなかったから慰めてくれたのかしら?」
千夜「ありがとう。あんこ♪」(抱き~
久しぶりにとても幸せな気分で朝を迎えた千夜であった。
??「い、いやーーーーーーーワ、ワイルドギース!?」
千夜「あら?なにかあったのかしら?」
千夜「あんこ。ちょっと待っててね?」
あんこ「・・・」
突如外から聞こえてきた悲鳴。
千夜はあんこを布団の上に下ろすと様子を見がてら、その悲鳴の主と思われる少女を朝食に誘うため室内から出ていくのであった。
千夜「すー」
千夜「………ん~……?」
あんこ「・・・」
千夜「……赤い……あんこ……?」
あんこ「・・・」
千夜「ん~っ。おはよう。あんこ」
あんこ「・・・」(ジー
千夜「あら。あんこがサンタさんになってる」(ヒョイ
千夜「ひょっとして私へのプレゼントのつもり?」
あんこ「・・・」
千夜「今年は去年みたいにクリスマスイブを楽しめなかったから慰めてくれたのかしら?」
千夜「ありがとう。あんこ♪」(抱き~
久しぶりにとても幸せな気分で朝を迎えた千夜であった。
??「い、いやーーーーーーーワ、ワイルドギース!?」
千夜「あら?なにかあったのかしら?」
千夜「あんこ。ちょっと待っててね?」
あんこ「・・・」
突如外から聞こえてきた悲鳴。
千夜はあんこを布団の上に下ろすと様子を見がてら、その悲鳴の主と思われる少女を朝食に誘うため室内から出ていくのであった。
7: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:34:37.93 ID:gSwQl99O0
―――天々座邸
リゼ「うわぁ。な、なんだお前たち?」
顔をくすぐるむずがゆさとわずかな重みで目を覚ましたリゼは驚愕していた。
仔ウサギ×2「「・・・」」
そこには見知らぬ小さな仔ウサギが2羽いたのである。
リゼ「お前ら……一体どこから入ってきたんだ?」
仔ウサギたちは当然その問いに答えたりはしなかったが、代わりにリゼのことをジーっと見つめ続けた。
リゼ「……お前ら……どこかで見たような?」
リゼ「………あっ」
わずかな間の後でリゼはハッとすると大急ぎで着替えを済ませ、その仔ウサギたちを抱え何処かへと駆け出すのであった。
リゼ「うわぁ。な、なんだお前たち?」
顔をくすぐるむずがゆさとわずかな重みで目を覚ましたリゼは驚愕していた。
仔ウサギ×2「「・・・」」
そこには見知らぬ小さな仔ウサギが2羽いたのである。
リゼ「お前ら……一体どこから入ってきたんだ?」
仔ウサギたちは当然その問いに答えたりはしなかったが、代わりにリゼのことをジーっと見つめ続けた。
リゼ「……お前ら……どこかで見たような?」
リゼ「………あっ」
わずかな間の後でリゼはハッとすると大急ぎで着替えを済ませ、その仔ウサギたちを抱え何処かへと駆け出すのであった。
8: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:35:04.97 ID:gSwQl99O0
―――ラビットハウス
チノ「………」
ティッピー「………」
チノ「えーと。おかえりなさいです」
ティッピー「……その……心配をかけた……のぉ……」
ココア「チノちゃ~ん。そんな怖い顔しちゃダメだよー。ティッピーも無事に帰ってきたんだしーそーれーにー」
ココア「チノちゃんもこっちへ来てこの子たちをもふもふしようよー」
なんとも重苦しい空気であったが、それを打ち砕くのはいつもの様にココアの良く言えば明るい、悪く言えば能天気な声であった。
二人が目覚めた時そこにはティッピーと3羽の仔ウサギたちが居たのである。
ココアは起きてからずっとこの素敵なクリスマスプレゼントに大はしゃぎであった。
チノ「わかりました」
ココア「ねえねえチノちゃん。この子たちのお父さんってやっぱりあんこなのかなあ?」
チノ「……その可能性が高いでしょうね」(ジー
ティッピー「(ずーん)」
ココア「ほら。チノちゃん」
チノ「はい」
ココアから子ウサギの1羽を受け取るチノ。
外からリゼの慌てた声が聞こえてくるのはこの直後の事であった。
チノ「………」
ティッピー「………」
チノ「えーと。おかえりなさいです」
ティッピー「……その……心配をかけた……のぉ……」
ココア「チノちゃ~ん。そんな怖い顔しちゃダメだよー。ティッピーも無事に帰ってきたんだしーそーれーにー」
ココア「チノちゃんもこっちへ来てこの子たちをもふもふしようよー」
なんとも重苦しい空気であったが、それを打ち砕くのはいつもの様にココアの良く言えば明るい、悪く言えば能天気な声であった。
二人が目覚めた時そこにはティッピーと3羽の仔ウサギたちが居たのである。
ココアは起きてからずっとこの素敵なクリスマスプレゼントに大はしゃぎであった。
チノ「わかりました」
ココア「ねえねえチノちゃん。この子たちのお父さんってやっぱりあんこなのかなあ?」
チノ「……その可能性が高いでしょうね」(ジー
ティッピー「(ずーん)」
ココア「ほら。チノちゃん」
チノ「はい」
ココアから子ウサギの1羽を受け取るチノ。
外からリゼの慌てた声が聞こえてくるのはこの直後の事であった。
9: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:35:41.32 ID:gSwQl99O0
――― 一ヶ月後
あんこ「・・・」
ティッピー「はぁはぁはぁ」
チノ「おつかれさまです。ティッピー」
ココア「うわーかわいい」
リゼ「今回は4羽か。頑張ったなティッピー」
千夜「ふふ。みんなあんこに似て可愛いわ………そうだ!」
ココア「どうしたの?」
千夜「ワイルドギースがいなくなってから落ち込んでるシャロちゃんにもこの幸せを1羽お裾分けしてあげようと思って」
千夜「きっと可愛がってくれるわ」
ココア「そうだね。ウサギが苦手なのも治りかけてたし、きっとシャロちゃんも元気を出してくれるよね」
あんこ「♪」
――fin――
あんこ「・・・」
ティッピー「はぁはぁはぁ」
チノ「おつかれさまです。ティッピー」
ココア「うわーかわいい」
リゼ「今回は4羽か。頑張ったなティッピー」
千夜「ふふ。みんなあんこに似て可愛いわ………そうだ!」
ココア「どうしたの?」
千夜「ワイルドギースがいなくなってから落ち込んでるシャロちゃんにもこの幸せを1羽お裾分けしてあげようと思って」
千夜「きっと可愛がってくれるわ」
ココア「そうだね。ウサギが苦手なのも治りかけてたし、きっとシャロちゃんも元気を出してくれるよね」
あんこ「♪」
――fin――
10: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 22:44:45.91 ID:gSwQl99O0
第一部はここまでです。
第二部は23時過ぎからスタートします。
第一部とは全く関係ない内容です。
第二部は23時過ぎからスタートします。
第一部とは全く関係ない内容です。
11: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 23:23:50.12 ID:gSwQl99O0
第二部
■注意事項■
・ここから先は過去SSであんこを愛でた者たちによるあんこをひたすら愛でるパーティー会場です。
・下ネタ、暴力発言等がある場合がございます。
・その手の類へ抵抗がある、不快に感じるお方はお引き返しください。
・安価有
・24日の23時くらいで強制終了します。
■主な登場人物■
あんこ・・・みんなが大好き。きらら世界の看板レイパーうさぎ。
俺・・・あんこをオナホにすることに命を賭ける紳士
男・・・あんこを肉体的に徹底的にいたぶる事に快感を覚える蛇好きな好青年。
僕・・・あんこの愛を試すことに余念の無い愛の戦士
少年・・・ちょーっとエッチなうなぎの飼い主。主に肉食魚の捕食行為を愛でる。
ネガ魔法少女チノ・・・あんことここ最近増えた自分たちを性的な目で見てくる男たちのせいで♂への憎悪の念から生まれた魔法少女
家主・・・あんこを立派なパパにするため日夜奮闘する優しいお兄さん。
??・・・安価次第
■注意事項■
・ここから先は過去SSであんこを愛でた者たちによるあんこをひたすら愛でるパーティー会場です。
・下ネタ、暴力発言等がある場合がございます。
・その手の類へ抵抗がある、不快に感じるお方はお引き返しください。
・安価有
・24日の23時くらいで強制終了します。
■主な登場人物■
あんこ・・・みんなが大好き。きらら世界の看板レイパーうさぎ。
俺・・・あんこをオナホにすることに命を賭ける紳士
男・・・あんこを肉体的に徹底的にいたぶる事に快感を覚える蛇好きな好青年。
僕・・・あんこの愛を試すことに余念の無い愛の戦士
少年・・・ちょーっとエッチなうなぎの飼い主。主に肉食魚の捕食行為を愛でる。
ネガ魔法少女チノ・・・あんことここ最近増えた自分たちを性的な目で見てくる男たちのせいで♂への憎悪の念から生まれた魔法少女
家主・・・あんこを立派なパパにするため日夜奮闘する優しいお兄さん。
??・・・安価次第
12: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 23:26:05.36 ID:gSwQl99O0
――??――
俺「ああ。あんこのケツは相変わらず良い具合だぜ」
――いたいよ。やめてよ。たすけて千夜
男「他人の痛みを知れ。このレイパーが」
そう言うと男は錐であんこの片目を抉る
――うわああああああああ。ボクのチャーミングなお目目がああああああ
少年「その目玉ください。カンビルたちの餌にしますから」
ボチャン
水槽に放り込まれた途端にその音と臭いに釣られ魚たちが群がる。
そしてあんこの小さな目は瞬く間に食い尽くされてしまった。
あんこ「・・・」
残った目からポタポタと涙を流すあんこだが、直後に歯をペンチで押さえつけられるとバキバキとへし折られるのであった。
――――!!
僕「ほら。あんこ、頑張って。愛する千夜ちゃんたちへのプレゼントを作るためにはキミの歯や骨が必要なんだから」
家主「このままじゃさすがに死にません?(笑」
ネガ魔法少女「大丈夫です。魔法で治癒と再生力を極限まで高めてありますから例え首だけになっても数時間は生きています」
少女の言葉どおりあんこの抉られた目、へし折られた歯は瞬く間に再生していくのであった。
俺「うっ!…………ふぅ」
俺「ああ。あんこのケツは相変わらず良い具合だぜ」
――いたいよ。やめてよ。たすけて千夜
男「他人の痛みを知れ。このレイパーが」
そう言うと男は錐であんこの片目を抉る
――うわああああああああ。ボクのチャーミングなお目目がああああああ
少年「その目玉ください。カンビルたちの餌にしますから」
ボチャン
水槽に放り込まれた途端にその音と臭いに釣られ魚たちが群がる。
そしてあんこの小さな目は瞬く間に食い尽くされてしまった。
あんこ「・・・」
残った目からポタポタと涙を流すあんこだが、直後に歯をペンチで押さえつけられるとバキバキとへし折られるのであった。
――――!!
僕「ほら。あんこ、頑張って。愛する千夜ちゃんたちへのプレゼントを作るためにはキミの歯や骨が必要なんだから」
家主「このままじゃさすがに死にません?(笑」
ネガ魔法少女「大丈夫です。魔法で治癒と再生力を極限まで高めてありますから例え首だけになっても数時間は生きています」
少女の言葉どおりあんこの抉られた目、へし折られた歯は瞬く間に再生していくのであった。
俺「うっ!…………ふぅ」
13: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/23(水) 23:26:33.91 ID:gSwQl99O0
――また汚されちゃったよぉ
なんでこんなことに?
本当なら今日はティッピーとラブラブな夜を過ごすハズだったのに・・・
――神様。
ボクが一体なにをしたっていうの?
ボクの可愛さに嫉妬してこんな酷いことをしてるの?
男「俺さん。漏れ出したら勿体無いから腸が吸収するまでツリーの天辺にしばらく挿しておきましょうよ」
俺「ああ。そうだね」
――!!
直後あんこの股間に再び衝撃が走る。
あんこはミニサイズのツリーの天辺の枝へとズブズブと差し込まれてゆく。
家主「ガキどものために写真撮っておいてやるぜ」
男「さすがあんこだ。スターに負けぬ輝きだ」
ネガ魔法少女「………こんなにされてもあんな勃起してます。気持ち悪いです」
あんこ「・・・」
無表情で涙を流しながら射精をしてしまうあんこ。
そんな彼の脳裏に浮かぶ人物は・・・?↓1
なんでこんなことに?
本当なら今日はティッピーとラブラブな夜を過ごすハズだったのに・・・
――神様。
ボクが一体なにをしたっていうの?
ボクの可愛さに嫉妬してこんな酷いことをしてるの?
男「俺さん。漏れ出したら勿体無いから腸が吸収するまでツリーの天辺にしばらく挿しておきましょうよ」
俺「ああ。そうだね」
――!!
直後あんこの股間に再び衝撃が走る。
あんこはミニサイズのツリーの天辺の枝へとズブズブと差し込まれてゆく。
家主「ガキどものために写真撮っておいてやるぜ」
男「さすがあんこだ。スターに負けぬ輝きだ」
ネガ魔法少女「………こんなにされてもあんな勃起してます。気持ち悪いです」
あんこ「・・・」
無表情で涙を流しながら射精をしてしまうあんこ。
そんな彼の脳裏に浮かぶ人物は・・・?↓1
14: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 09:27:14.53 ID:VSRh2WkQ0
男「本当に節操のないうさちゃんだな」
男はそういうとおもむろに取り出した鋏であんこの可愛らしく勃起したペニスをヂョキンと切り落とす。
あんこ「――――」
――ボ、ボクの可愛いらしくも雄の象徴であるぺにぺにが。
ボクのティッピーと子供を作って親子で一緒に看板うさぎをするという夢が
ショックのためか?
激痛のためか?
或いはその両方か?
声にならぬ絶叫をするあんこであったが、その股間は瞬く間に再生し新たなペニスが生えてくるのである。
あんこ「!!」
あんこ「――――」
だが男はそのたびに無邪気にチョキチョキとあんこのペニスを切り落としてゆくのであった。
↑1で浮かんだ人物が後にあんこを救う存在となるかもしれません。
あんこに救いの手を!!
↓1
男はそういうとおもむろに取り出した鋏であんこの可愛らしく勃起したペニスをヂョキンと切り落とす。
あんこ「――――」
――ボ、ボクの可愛いらしくも雄の象徴であるぺにぺにが。
ボクのティッピーと子供を作って親子で一緒に看板うさぎをするという夢が
ショックのためか?
激痛のためか?
或いはその両方か?
声にならぬ絶叫をするあんこであったが、その股間は瞬く間に再生し新たなペニスが生えてくるのである。
あんこ「!!」
あんこ「――――」
だが男はそのたびに無邪気にチョキチョキとあんこのペニスを切り落としてゆくのであった。
↑1で浮かんだ人物が後にあんこを救う存在となるかもしれません。
あんこに救いの手を!!
↓1
15: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 15:38:04.02 ID:VSRh2WkQ0
――千夜が優しくボクを抱きしめてくれる
俺「やっぱ首をへし折りながらヤると締まりが半端ないな」
――シャロが笑顔でボクとかけっこをしてくれる
男「ほら。さっさと逃げろよ。もっとも逃げる度にフックがお前の内臓を抉るけどな」
――ココアがボクに美味しいおやつを食べさせてくれる
少年「このカンビルアスたちは本当にあんこを美味しそうに食べてくれるなあ」
――リゼがはしゃぎすぎちゃったボクを優しく叱ってる
家主「このクソうさぎが。トイレすら覚えられないのか?てめーのそのクソ雑巾みたいな体でキレイにしやがれ」
――チノがボクを頭に乗せてくれる。なんて乗り心地がいいんだ。
ネガ魔法少女「気持ち悪いな。消え失せろ」
――熱いよ。
ボクの体の中が焼けるように熱い。
目の前が真っ白になっていく。
鼻や口の中が焼けた肉の臭いや味で満たされていく。
あれ?ボクの自慢のもふもふな毛並みから黒い煙・・・火・・・いやだあああああああああああああああああ。
――テ、ティッピー。かわいそうなボクを慰めて・・・
僕「次はシャロちゃんへのお詫びの形としてあんこの足を使って幸運のお守りを作らないとね。愛があれば耐えれるよね?」
――メグーーーなにしてるのーーーーボクがこんなにくるしんでるんだよおおおおーーーもういっしょにおふろにもはいってあげないよーーーーー
一同「まだまだお楽しみはこれからだよ♪」
――だれかたしゅけてええええええええ
あんこの脳裏に浮かんだのは?↓1
俺「やっぱ首をへし折りながらヤると締まりが半端ないな」
――シャロが笑顔でボクとかけっこをしてくれる
男「ほら。さっさと逃げろよ。もっとも逃げる度にフックがお前の内臓を抉るけどな」
――ココアがボクに美味しいおやつを食べさせてくれる
少年「このカンビルアスたちは本当にあんこを美味しそうに食べてくれるなあ」
――リゼがはしゃぎすぎちゃったボクを優しく叱ってる
家主「このクソうさぎが。トイレすら覚えられないのか?てめーのそのクソ雑巾みたいな体でキレイにしやがれ」
――チノがボクを頭に乗せてくれる。なんて乗り心地がいいんだ。
ネガ魔法少女「気持ち悪いな。消え失せろ」
――熱いよ。
ボクの体の中が焼けるように熱い。
目の前が真っ白になっていく。
鼻や口の中が焼けた肉の臭いや味で満たされていく。
あれ?ボクの自慢のもふもふな毛並みから黒い煙・・・火・・・いやだあああああああああああああああああ。
――テ、ティッピー。かわいそうなボクを慰めて・・・
僕「次はシャロちゃんへのお詫びの形としてあんこの足を使って幸運のお守りを作らないとね。愛があれば耐えれるよね?」
――メグーーーなにしてるのーーーーボクがこんなにくるしんでるんだよおおおおーーーもういっしょにおふろにもはいってあげないよーーーーー
一同「まだまだお楽しみはこれからだよ♪」
――だれかたしゅけてええええええええ
あんこの脳裏に浮かんだのは?↓1
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/24(木) 18:32:26.25 ID:vmvyRfQ6o
タカヒロ
17: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 19:24:53.25 ID:VSRh2WkQ0
タカヒロ「(ピキーン)」
チノ「どうかしましたか?」
タカヒロ「チノ、ココアくん。魔法は決して私欲のために使ってはいけないよ?わかっているね?」
チノ「どうしたんですか?突然」
ココア「………魔法少女は16歳で定年」(ガクガク
タカヒロ「いや。なんでもないんだ」
チノ「変なお父さんです。」
――――――
ネガ魔法少女チノ「さぁあんこ。次はどんな目にあってみたい?」
あんこ「・・・(助けて↓1)」
チノ「どうかしましたか?」
タカヒロ「チノ、ココアくん。魔法は決して私欲のために使ってはいけないよ?わかっているね?」
チノ「どうしたんですか?突然」
ココア「………魔法少女は16歳で定年」(ガクガク
タカヒロ「いや。なんでもないんだ」
チノ「変なお父さんです。」
――――――
ネガ魔法少女チノ「さぁあんこ。次はどんな目にあってみたい?」
あんこ「・・・(助けて↓1)」
18: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 19:30:57.79 ID:VSRh2WkQ0
―――
千夜「あんこを虐める悪い人たちを成敗するチャンスは貴方の安価にかかっているの」
シャロ「お願い。あんこを助けてあげて」
チノ「私たちはもうあんこ無しじゃ生きていけないんです」
―――
あんこ「・・・(助けて↓1)」
千夜「あんこを虐める悪い人たちを成敗するチャンスは貴方の安価にかかっているの」
シャロ「お願い。あんこを助けてあげて」
チノ「私たちはもうあんこ無しじゃ生きていけないんです」
―――
あんこ「・・・(助けて↓1)」
19: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 19:44:14.12 ID:VSRh2WkQ0
男「小汚いあんこもこれで少しはマシになったな?」
あんこ「・・・」
あんこは体中の毛を毟り取られていた。
刈られたのではない。
男が丹念に引き抜いていったのである。
僕「男くん。これがあんこのお気に入りだった「みつ」くんかい?」
男「ああ。あんこの愛したメスウサギだ」
僕「そうか。ならあんこ。キミの愛をまた試させてもらうよ?」
あんこ「・・・」(プルプルプル
男「はっはっは。あんこ~久々に会えて嬉しいか~?「みつ」も喜んでるぞ~?」
あんこ「(じょばー)」
あんこは願う。
↓1が自分を助けてくれることを。
■登場キャラ説明
・「みつ」…かつてのあんこ虐待SSでのヒロイン。あんこの性奴隷。この世界では魔法によりアンデッドとして復活。
■ルール補足
・安価がなくても虐待行為は進行させます
あんこ「・・・」
あんこは体中の毛を毟り取られていた。
刈られたのではない。
男が丹念に引き抜いていったのである。
僕「男くん。これがあんこのお気に入りだった「みつ」くんかい?」
男「ああ。あんこの愛したメスウサギだ」
僕「そうか。ならあんこ。キミの愛をまた試させてもらうよ?」
あんこ「・・・」(プルプルプル
男「はっはっは。あんこ~久々に会えて嬉しいか~?「みつ」も喜んでるぞ~?」
あんこ「(じょばー)」
あんこは願う。
↓1が自分を助けてくれることを。
■登場キャラ説明
・「みつ」…かつてのあんこ虐待SSでのヒロイン。あんこの性奴隷。この世界では魔法によりアンデッドとして復活。
■ルール補足
・安価がなくても虐待行為は進行させます
20: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 20:00:52.81 ID:VSRh2WkQ0
――ひっ、ひい
みつ「………」
――く、くるな化け物
ところどころ毛が抜け落ち、体もボロボロな不気味なウサギがボクへ迫ってくる。
みつ「………」
――こわいよ。千夜。
でもボクは勇気を振り絞り駆け出す。
ボクをいじめる鬼畜外道どもは油断してかボクを地面に置いた事を後悔するといいんだ。
ゴン!!
――!!
え?え?え?
な、なんなのこれ?
壁?え?え?
僕「そこはガラスケースの中だよ?気づかなかったかい?」
僕「ほら。あんこ、かつてキミが散々その体を貪った「みつ」ちゃんが今回は彼女の方からキミを求めてくれているんだ」
僕「彼女の愛に応えてあげるのが筋ってもんだろ?」
――な、何を言ってる―――!!
ボクが目の前の変態の言ってることの意味を考える間もなく
ボクの背後に何かが覆いかぶさってきた。
そして―――
みつ「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
ボクの首筋に激痛が走ったのはその唸り声が耳に届くのと同時であった。
――た、たちゅけ・・・て
きゃわ・・・いい・・・ボクがたべら・・・ちゃう・・・
たしゅけ・・・て・・・↓1
みつ「………」
――く、くるな化け物
ところどころ毛が抜け落ち、体もボロボロな不気味なウサギがボクへ迫ってくる。
みつ「………」
――こわいよ。千夜。
でもボクは勇気を振り絞り駆け出す。
ボクをいじめる鬼畜外道どもは油断してかボクを地面に置いた事を後悔するといいんだ。
ゴン!!
――!!
え?え?え?
な、なんなのこれ?
壁?え?え?
僕「そこはガラスケースの中だよ?気づかなかったかい?」
僕「ほら。あんこ、かつてキミが散々その体を貪った「みつ」ちゃんが今回は彼女の方からキミを求めてくれているんだ」
僕「彼女の愛に応えてあげるのが筋ってもんだろ?」
――な、何を言ってる―――!!
ボクが目の前の変態の言ってることの意味を考える間もなく
ボクの背後に何かが覆いかぶさってきた。
そして―――
みつ「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
ボクの首筋に激痛が走ったのはその唸り声が耳に届くのと同時であった。
――た、たちゅけ・・・て
きゃわ・・・いい・・・ボクがたべら・・・ちゃう・・・
たしゅけ・・・て・・・↓1
21: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 20:19:54.62 ID:VSRh2WkQ0
――ボクには夢があるんだ。
立派な看板うさぎとして千夜と一緒に甘兎庵をもっともっと大きくするんだ。
運命の兎(ひと)であるティッピーといっぱい交尾して沢山子供を作るんだ。
やがてラブットハウスをはじめ全てのお店を吸収合併し、この街の看板うさぎになってからはシャロとチノとココアとリゼにもボクの子供を産ませてあげるんだ。
そして沢山の可愛い子供たちとボクを愛するメスたちに囲まれて後はのんびりした余生を過ごすんだ。
――あ、あう。あぴゃ・・・
みつ「ガツガツガツガツ」
ネガ魔法少女「残念だったな。お前の夢はぜーったいに叶わない。」
あんこ「ひ、ひどいよ。ヂノ゛」
あんこ「どうぢでごんなごどずるのお゛?」
ネガ魔法少女「そんなの決まってる。お前が大嫌いだからさ。このレイパーが」
あんこ「う゛ぞだーーーーー」
哀れなあんこに救済をするのは↓1
立派な看板うさぎとして千夜と一緒に甘兎庵をもっともっと大きくするんだ。
運命の兎(ひと)であるティッピーといっぱい交尾して沢山子供を作るんだ。
やがてラブットハウスをはじめ全てのお店を吸収合併し、この街の看板うさぎになってからはシャロとチノとココアとリゼにもボクの子供を産ませてあげるんだ。
そして沢山の可愛い子供たちとボクを愛するメスたちに囲まれて後はのんびりした余生を過ごすんだ。
――あ、あう。あぴゃ・・・
みつ「ガツガツガツガツ」
ネガ魔法少女「残念だったな。お前の夢はぜーったいに叶わない。」
あんこ「ひ、ひどいよ。ヂノ゛」
あんこ「どうぢでごんなごどずるのお゛?」
ネガ魔法少女「そんなの決まってる。お前が大嫌いだからさ。このレイパーが」
あんこ「う゛ぞだーーーーー」
哀れなあんこに救済をするのは↓1
22: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 20:22:25.29 ID:VSRh2WkQ0
―――
千夜「あんこが酷い目にあってる気がするわ」
シャロ「ガタガタガタ」
千夜「あんこを虐める人たちにはお仕置きをしないと」
シャロ「ガタガタガタ」
―――
哀れなあんこに救済をするのは↓1
千夜「あんこが酷い目にあってる気がするわ」
シャロ「ガタガタガタ」
千夜「あんこを虐める人たちにはお仕置きをしないと」
シャロ「ガタガタガタ」
―――
哀れなあんこに救済をするのは↓1
23: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 20:46:58.00 ID:VSRh2WkQ0
グチュグチュグチュ
室内をなんとも薄汚い音が支配する。
男「ほら。あんこ以前は暇さえあれば交尾してたろ?遠慮せずに好きなだけヤっていいんだぞ?」
僕「もっと真剣に彼女を愛してあげないと駄目だろぉ?」
男たちの眼下であんこは所々腐り爛れ異臭を放つゾンビと化し「みつ」を相手に交尾を強いられていた。
元の姿に戻してもらえたあんこであったが、それが一層哀れさとあんこの狂気を際立たせていた。
あんこはひたすら腰を振る。
あんこは涙を流し、涎を垂らしながらも、一心不乱に腰を振る。
程なくあんこはビクンと大きく痙攣をした。
男「これで20回めか?」
僕「ほらほら。「みつ」ちゃんが出産するまで休んじゃ駄目だよ?」
少年「ねえ。うなぎもそろそろ我慢の限界みたいだからあんこと遊ばせてあげていい?」
少年の抱きかかえる兎。
それは死んだ時のままの姿。
頭部がグチャグチャに潰れた状態のうなぎであった。
だが、股間部分だけはビンビンになっており、あんこを求めているのであった。
あんこの扱いに火がついた↓1はあんこを救えるのか?
室内をなんとも薄汚い音が支配する。
男「ほら。あんこ以前は暇さえあれば交尾してたろ?遠慮せずに好きなだけヤっていいんだぞ?」
僕「もっと真剣に彼女を愛してあげないと駄目だろぉ?」
男たちの眼下であんこは所々腐り爛れ異臭を放つゾンビと化し「みつ」を相手に交尾を強いられていた。
元の姿に戻してもらえたあんこであったが、それが一層哀れさとあんこの狂気を際立たせていた。
あんこはひたすら腰を振る。
あんこは涙を流し、涎を垂らしながらも、一心不乱に腰を振る。
程なくあんこはビクンと大きく痙攣をした。
男「これで20回めか?」
僕「ほらほら。「みつ」ちゃんが出産するまで休んじゃ駄目だよ?」
少年「ねえ。うなぎもそろそろ我慢の限界みたいだからあんこと遊ばせてあげていい?」
少年の抱きかかえる兎。
それは死んだ時のままの姿。
頭部がグチャグチャに潰れた状態のうなぎであった。
だが、股間部分だけはビンビンになっており、あんこを求めているのであった。
あんこの扱いに火がついた↓1はあんこを救えるのか?
24: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 20:56:51.86 ID:VSRh2WkQ0
――だれかーたすけてー
かわいいボクをたすけてー
なんでたすけてくれないのー
うなぎ「………」
あんこは「みつ」に対して腰を振りながら、その可愛らしいアナルを「うなぎ」に陵辱されていた。
この化け物ウサギたちの数珠交尾繋ぎはまさに悪夢のような光景であった。
後に動画配信がされたこの地獄絵図が絶対に検索してはならない動画となるのにそう時間はかからなかったが、それはまた別のお話である。
あんこの扱いに火がついた↓1はあんこを救えるのか?
かわいいボクをたすけてー
なんでたすけてくれないのー
うなぎ「………」
あんこは「みつ」に対して腰を振りながら、その可愛らしいアナルを「うなぎ」に陵辱されていた。
この化け物ウサギたちの数珠交尾繋ぎはまさに悪夢のような光景であった。
後に動画配信がされたこの地獄絵図が絶対に検索してはならない動画となるのにそう時間はかからなかったが、それはまた別のお話である。
あんこの扱いに火がついた↓1はあんこを救えるのか?
25: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 21:44:24.89 ID:VSRh2WkQ0
男「よし。これであんこの中身は全部取り替え終わったぞ」
俺「じゃあ新調されたアナルと腸をつかってオナホ作るか」
あんこの身体を再度メスや鋏が切り刻む。
もはやあんこは反応らしい反応をしなくなってしまっていた。
ネガ魔法少女「精神を壊して逃げるなんて許さない」
あんこ「!!!!」
ネガチノが手をかざし魔方陣があんこの身体を覆った直後、それまで人形のようになっていたあんこが再び盛大にはしゃぎだした。
僕「動くなぁ。あんこぉ。手が滑ってしまうぞぉ?」
あんこはビクビクと身体をバタつかせるが、その身体は台にしっかり固定されているため逃げることは出来かった。
あんこは涙をボタボタと流しながら男たちへ懇願の視線を送るが男たちはただ嘲笑に満ちた表情を返すだけで、その手を止めることは無かった。
――なんで↓1はボクを助けてくれないの?
俺「じゃあ新調されたアナルと腸をつかってオナホ作るか」
あんこの身体を再度メスや鋏が切り刻む。
もはやあんこは反応らしい反応をしなくなってしまっていた。
ネガ魔法少女「精神を壊して逃げるなんて許さない」
あんこ「!!!!」
ネガチノが手をかざし魔方陣があんこの身体を覆った直後、それまで人形のようになっていたあんこが再び盛大にはしゃぎだした。
僕「動くなぁ。あんこぉ。手が滑ってしまうぞぉ?」
あんこはビクビクと身体をバタつかせるが、その身体は台にしっかり固定されているため逃げることは出来かった。
あんこは涙をボタボタと流しながら男たちへ懇願の視線を送るが男たちはただ嘲笑に満ちた表情を返すだけで、その手を止めることは無かった。
――なんで↓1はボクを助けてくれないの?
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/24(木) 21:45:08.99 ID:vmvyRfQ6o
ティッピーによる報復
27: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 21:55:22.88 ID:VSRh2WkQ0
??「これは報いじゃ」
――ティッピー?
助けに来てくれたんだね?
??「散々人の嫌がることをしてきたお主へ天が与えた罰じゃ」
――何を言っているんだい?
――ボクは他人の嫌がることなんて一度だってしたことがないよ?
??「おぬしはその穢れた身体も魂も一度綺麗に浄化されねばならぬ。これはそのための儀式なのじゃ」
――わけがわからないよ。
――そんなことより早くボクを出すけてよ
――ボクはキミの旦那様なんだよ?
??「………」
――ねえ。はやく―――
ギュイイイイイイイイイン
ズガガガガガガガガガガガ
――――!!
直後轟音とともにあんこの腹部内は盛大に掻き雑ぜられてゆく。
そしてあんこの口の中にも何か機械を突っ込まれたかと思うと盛大に唸りを上げるのであった。
ネガチノ「本当のバカな奴だ」
ネガティッピー「全くじゃ。チノはこんな男は容赦なく駆除するのじゃぞ?」
ネガチノ「ええ。わかってるわ。」
――たすけて・・・↓1
――ティッピー?
助けに来てくれたんだね?
??「散々人の嫌がることをしてきたお主へ天が与えた罰じゃ」
――何を言っているんだい?
――ボクは他人の嫌がることなんて一度だってしたことがないよ?
??「おぬしはその穢れた身体も魂も一度綺麗に浄化されねばならぬ。これはそのための儀式なのじゃ」
――わけがわからないよ。
――そんなことより早くボクを出すけてよ
――ボクはキミの旦那様なんだよ?
??「………」
――ねえ。はやく―――
ギュイイイイイイイイイン
ズガガガガガガガガガガガ
――――!!
直後轟音とともにあんこの腹部内は盛大に掻き雑ぜられてゆく。
そしてあんこの口の中にも何か機械を突っ込まれたかと思うと盛大に唸りを上げるのであった。
ネガチノ「本当のバカな奴だ」
ネガティッピー「全くじゃ。チノはこんな男は容赦なく駆除するのじゃぞ?」
ネガチノ「ええ。わかってるわ。」
――たすけて・・・↓1
28: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 22:41:27.43 ID:VSRh2WkQ0
――・・・あれ?ここは?
ハッと目覚めたボクは辺りを確認する。
そこは見慣れた甘兎庵の一室。
千夜の部屋であった。
――夢だったの?
よかった。
ボクはほっと胸を撫で下ろす。
そうだよね。ボクがあんな理不尽な目にあう訳がない。
ティッピーがあんな酷いことを言うハズがない。
――そうだ。
今日は24日じゃないか
ボクは千夜たちへのサプライズを思い出し準備を始めることにした。
ハッと目覚めたボクは辺りを確認する。
そこは見慣れた甘兎庵の一室。
千夜の部屋であった。
――夢だったの?
よかった。
ボクはほっと胸を撫で下ろす。
そうだよね。ボクがあんな理不尽な目にあう訳がない。
ティッピーがあんな酷いことを言うハズがない。
――そうだ。
今日は24日じゃないか
ボクは千夜たちへのサプライズを思い出し準備を始めることにした。
29: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 22:54:05.13 ID:VSRh2WkQ0
―――12月24日……深夜……甘兎庵の未使用の一室
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
あんこ「・・・」(キリッ
そこには王冠の変わりに赤い帽子をかぶり、歩く度にもふもふという擬音がピッタリな赤くふさふさな服を身にまとうあんこが居た。
その姿はまさに妖精のように可愛らしいサンタクロースであった。
あんこ「・・・」(モゾモゾ
そしてあんこは用意した大きな袋を器用に引きずりながら
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
その部屋をあとにするのであった。
あんこ「・・・」(ゴソゴソ
あんこ「・・・」(キリッ
そこには王冠の変わりに赤い帽子をかぶり、歩く度にもふもふという擬音がピッタリな赤くふさふさな服を身にまとうあんこが居た。
その姿はまさに妖精のように可愛らしいサンタクロースであった。
あんこ「・・・」(モゾモゾ
そしてあんこは用意した大きな袋を器用に引きずりながら
あんこ「・・・」(も…もふ、も…もふ
その部屋をあとにするのであった。
30: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 22:55:04.09 ID:VSRh2WkQ0
中 略
31: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 22:56:48.87 ID:VSRh2WkQ0
あんこ「・・・」
ティッピー「はぁはぁはぁ」
チノ「おつかれさまです。ティッピー」
ココア「うわーかわいい」
リゼ「今回は4羽か。頑張ったなティッピー」
千夜「ふふ。みんなあんこに似て可愛いわ………そうだ!」
ココア「どうしたの?」
千夜「ワイルドギースがいなくなってから落ち込んでるシャロちゃんにもこの幸せを1羽お裾分けしてあげようと思って」
千夜「きっと可愛がってくれるわ」
ココア「そうだね。ウサギが苦手なのも治りかけてたし、きっとシャロちゃんも元気を出してくれるよね」
あんこ「♪」
――みんなボクのおかげで幸せそうだ。
ボクもとっても幸せだ。
これからもボクはティッピーをみんなを幸せにしていってあげなきゃ。
そして立派なパパになれるようにがんばらないとね!!
ティッピー「はぁはぁはぁ」
チノ「おつかれさまです。ティッピー」
ココア「うわーかわいい」
リゼ「今回は4羽か。頑張ったなティッピー」
千夜「ふふ。みんなあんこに似て可愛いわ………そうだ!」
ココア「どうしたの?」
千夜「ワイルドギースがいなくなってから落ち込んでるシャロちゃんにもこの幸せを1羽お裾分けしてあげようと思って」
千夜「きっと可愛がってくれるわ」
ココア「そうだね。ウサギが苦手なのも治りかけてたし、きっとシャロちゃんも元気を出してくれるよね」
あんこ「♪」
――みんなボクのおかげで幸せそうだ。
ボクもとっても幸せだ。
これからもボクはティッピーをみんなを幸せにしていってあげなきゃ。
そして立派なパパになれるようにがんばらないとね!!
32: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 22:59:39.53 ID:VSRh2WkQ0
??「おー食ってる食ってる」
??「お前ら。ソレは甘(うま)いか?」
??「急がなくても無くならないからゆっくりいっぱい食べていけよー」
??「お前ら。ソレは甘(うま)いか?」
??「急がなくても無くならないからゆっくりいっぱい食べていけよー」
33: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 23:11:16.72 ID:VSRh2WkQ0
―――少し前―――
ネガチノ「完了だ。これであんこは生きた練り切りになった。勿論意識も痛覚もそのままで……だ」
ネガチノ「そして夜が明けるまでどれだけ食おうが……この通りにすぐに欠損部は補填され元通りだ」
ネガチノがあんこの身体の一部をつねり切るがその部分はすぐにもとの状態へと戻っていく。
俺「凄いな」
男「じゃあさっさと公園にでも連れて行こうぜ」
少年「野良うさぎちゃんたちへのクリスマスプレゼントですね♪」
木組みの街の普段はココアたちの憩いの場である公園。
かつては千夜とチノやティッピーと一緒にピクニックに行った公園。
その広場の一空間に練り切りとされたあんこはボトっと放り投げられる。
ネガチノ「この公園一帯に今夜は人が来ないように、そしてウサギが集まる結界を張った」
その言葉の通りあんこは地面に放られた直後すぐに野良ウサギたちに群がられ頭を胴体を手足を容赦なく食い散らかされているのであった。
ネガチノ「完了だ。これであんこは生きた練り切りになった。勿論意識も痛覚もそのままで……だ」
ネガチノ「そして夜が明けるまでどれだけ食おうが……この通りにすぐに欠損部は補填され元通りだ」
ネガチノがあんこの身体の一部をつねり切るがその部分はすぐにもとの状態へと戻っていく。
俺「凄いな」
男「じゃあさっさと公園にでも連れて行こうぜ」
少年「野良うさぎちゃんたちへのクリスマスプレゼントですね♪」
木組みの街の普段はココアたちの憩いの場である公園。
かつては千夜とチノやティッピーと一緒にピクニックに行った公園。
その広場の一空間に練り切りとされたあんこはボトっと放り投げられる。
ネガチノ「この公園一帯に今夜は人が来ないように、そしてウサギが集まる結界を張った」
その言葉の通りあんこは地面に放られた直後すぐに野良ウサギたちに群がられ頭を胴体を手足を容赦なく食い散らかされているのであった。
34: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 23:16:32.87 ID:VSRh2WkQ0
――♪
――ん?
決意を新たにしたボクの身体が急にムズムズしだす。
――あれ?なんだろう痛いよ?
そのむず痒さはやがて明確な痛みとなり熱を帯びだしてくる。
――千夜。
ボクは千夜に駆け寄ろうとするが足がうまく動かずに転んでしまう。
それだけではない。
目の前の千夜たちがどんどんぼやけてゆく。
――あれ?あれ?あれ?
――ん?
決意を新たにしたボクの身体が急にムズムズしだす。
――あれ?なんだろう痛いよ?
そのむず痒さはやがて明確な痛みとなり熱を帯びだしてくる。
――千夜。
ボクは千夜に駆け寄ろうとするが足がうまく動かずに転んでしまう。
それだけではない。
目の前の千夜たちがどんどんぼやけてゆく。
――あれ?あれ?あれ?
35: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 23:23:21.31 ID:VSRh2WkQ0
――な、なんなのこれは?
ボクの周りに見知らぬ野良ウサギたちが群がっている。
や、やめて。汚らしい。あっちへいくんだ。
あんこは野良ウサギたちから逃れようとするが身体が全く動かない。声を出すことも出来ない。
――ぐぴゃああああああああああああああああああああ
同時に意識が完全に覚醒したためか激痛があんこの全身をくまなく襲う。
――な、なんでこいつらはボクを食べて・・・るの?
ネガチノ「味は甘兎庵製のと同じにしてある。恨むなら普段からこいつらにその味を覚えさせた飼い主を恨むのだな」
野良ウサギたちにとってはまさに天国である。
なんだか心地の良い空間。
そこに時折人間が施しでくれる美味しいお菓子が食べ放題の状態であるのだから。
――あ、あ、あ。
激痛と恐怖に支配されるもあんこの意識は気絶することも妄想の中へ逃げ込むことも許されなかった。
ネガチノ「安心しろ。日が昇る頃には魔法も解ける」
ボクの周りに見知らぬ野良ウサギたちが群がっている。
や、やめて。汚らしい。あっちへいくんだ。
あんこは野良ウサギたちから逃れようとするが身体が全く動かない。声を出すことも出来ない。
――ぐぴゃああああああああああああああああああああ
同時に意識が完全に覚醒したためか激痛があんこの全身をくまなく襲う。
――な、なんでこいつらはボクを食べて・・・るの?
ネガチノ「味は甘兎庵製のと同じにしてある。恨むなら普段からこいつらにその味を覚えさせた飼い主を恨むのだな」
野良ウサギたちにとってはまさに天国である。
なんだか心地の良い空間。
そこに時折人間が施しでくれる美味しいお菓子が食べ放題の状態であるのだから。
――あ、あ、あ。
激痛と恐怖に支配されるもあんこの意識は気絶することも妄想の中へ逃げ込むことも許されなかった。
ネガチノ「安心しろ。日が昇る頃には魔法も解ける」
36: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 23:31:17.18 ID:VSRh2WkQ0
俺「それじゃサンタあんこちゃん頑張ってな」
男「さすが天下のあんこ様だ。カッコイイぜ」
僕「愛に生きるあんこにはピッタリだなぁ」
少年「うなぎにも食べさせてあげたかった……」
家主「さーて。帰ってガキどもに餌でもやるか」
ネガチノ「ではな。頑張って可愛いウサギさんたちにクリスマスプレゼントを与え続けてやってくれ」
――あっ。ま・・・ま・・・って・・・
男たちが去り公園にはあんこと野良ウサギたちのみが残される。
夜が明けるまでまだたっぷりと6時間以上あった。
野良ウサギたちはガツガツと嬉々として餡子を貪る。
野良ウサギたちの咀嚼音のみが静かな公園に響き渡る。
そして腹を満たした野良ウサギはその場を離れてゆくが、入れ替わりに新たなウサギたちが現れ、その数は減るどころかどんどんと増えてゆくのであった。
~Merry Christmas~
男「さすが天下のあんこ様だ。カッコイイぜ」
僕「愛に生きるあんこにはピッタリだなぁ」
少年「うなぎにも食べさせてあげたかった……」
家主「さーて。帰ってガキどもに餌でもやるか」
ネガチノ「ではな。頑張って可愛いウサギさんたちにクリスマスプレゼントを与え続けてやってくれ」
――あっ。ま・・・ま・・・って・・・
男たちが去り公園にはあんこと野良ウサギたちのみが残される。
夜が明けるまでまだたっぷりと6時間以上あった。
野良ウサギたちはガツガツと嬉々として餡子を貪る。
野良ウサギたちの咀嚼音のみが静かな公園に響き渡る。
そして腹を満たした野良ウサギはその場を離れてゆくが、入れ替わりに新たなウサギたちが現れ、その数は減るどころかどんどんと増えてゆくのであった。
~Merry Christmas~
37: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/24(木) 23:40:41.24 ID:VSRh2WkQ0
ひとまずは終了です。
来年も引き続きあんこを愛でていこうと思います。
ご意見・ご感想・苦情をお待ちしています。
いちおう翌朝もうちょっと更新するかもしれません。
来年も引き続きあんこを愛でていこうと思います。
ご意見・ご感想・苦情をお待ちしています。
いちおう翌朝もうちょっと更新するかもしれません。
38: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/25(金) 19:08:16.53 ID:IPLDU28z0
―――12月25日 夜―――
その日
木組みと石畳の街は
あんこの街と化した
その日
木組みと石畳の街は
あんこの街と化した
39: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/25(金) 19:24:37.64 ID:IPLDU28z0
―――??日後―――
タカヒロ「チノ。ココアくん。死ぬな」
ティッピー「これが本当の世界だったのか」
??「正体を明かすときが来たわね」
??「私があんこを倒します」
ネガ・チノ「これがモカの本当の姿だ。ふふ」
リゼ「お前が本当のチノだって?」
チノ「世界は私が貰います」
―――ご注文はゾンビ大戦―――
タカヒロ「チノ。ココアくん。死ぬな」
ティッピー「これが本当の世界だったのか」
??「正体を明かすときが来たわね」
??「私があんこを倒します」
ネガ・チノ「これがモカの本当の姿だ。ふふ」
リゼ「お前が本当のチノだって?」
チノ「世界は私が貰います」
―――ご注文はゾンビ大戦―――
40: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/25(金) 19:35:53.92 ID:IPLDU28z0
お付き合いありがとうございました。
これは完結篇の予告です。
シャロ「そしてこれが私の魔法少女姿です」
千夜「シャロちゃんが部活をしない理由を私だけは知っていた……」
シャロ「千夜。饅頭食べる?」
これは完結篇の予告です。
シャロ「そしてこれが私の魔法少女姿です」
千夜「シャロちゃんが部活をしない理由を私だけは知っていた……」
シャロ「千夜。饅頭食べる?」
41: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/27(日) 09:53:37.36 ID:PHiF9/N70
練り切りを食したウサギたちは全てA(あんこ)細胞によりあんことなった。
そしてAフラッグ(甘兎庵フラッグ)を立てた店以外は全てあんこたちの襲撃を受けた。
それはラビットハウスも例外ではなかった。
ココア「きゃああああああああああ」
チノ「お店がーーーーー!!」
あんこA「・・・」(ガジガジ
あんこB「・・・」(パクパクパク
あんこC「・・・」(プリプリプリ
あんこD「・・・」(ジョバー
リゼ「くっ。店を守るために戦うしかないのか?」
↓1は選択してください。
1.戦う
2.あんこを傷つける事なんて出来ない
そしてAフラッグ(甘兎庵フラッグ)を立てた店以外は全てあんこたちの襲撃を受けた。
それはラビットハウスも例外ではなかった。
ココア「きゃああああああああああ」
チノ「お店がーーーーー!!」
あんこA「・・・」(ガジガジ
あんこB「・・・」(パクパクパク
あんこC「・・・」(プリプリプリ
あんこD「・・・」(ジョバー
リゼ「くっ。店を守るために戦うしかないのか?」
↓1は選択してください。
1.戦う
2.あんこを傷つける事なんて出来ない
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:40:07.12 ID:c9ETuMCH0
1
43: ◆AkH/4.EZSk 2015/12/29(火) 09:10:52.67 ID:zfIHnre60
>>42
ありがとうございます。
その選択は来年書くかもしれない仁義無き日常への道に反映します。
~予告~
綺羅々社会で一大勢力を誇るごちうさ組。
だがごちうさ組は熾烈な派閥争いの結果、和風甘兎組と珈琲兎小屋会に分かれ血で血を洗う抗争を続けるのであった。
しかし兎小屋会先代マスターであるタカヒロは甘兎組の放ったヒットマンの凶弾に倒れてしまう。
その跡目を継いだ若頭である天々座理世は先代の遺志を継ぎ日常道を極めんとする。
そしてリゼは甘兎組若頭であり同時に組長の孫娘でもある治松千夜と綺羅々世界全土を巻き込み幾度と無く抗争を繰り広げてゆくのであった。
このスレはこれで本当に終わりです。
お疲れ様でした。
ありがとうございます。
その選択は来年書くかもしれない仁義無き日常への道に反映します。
~予告~
綺羅々社会で一大勢力を誇るごちうさ組。
だがごちうさ組は熾烈な派閥争いの結果、和風甘兎組と珈琲兎小屋会に分かれ血で血を洗う抗争を続けるのであった。
しかし兎小屋会先代マスターであるタカヒロは甘兎組の放ったヒットマンの凶弾に倒れてしまう。
その跡目を継いだ若頭である天々座理世は先代の遺志を継ぎ日常道を極めんとする。
そしてリゼは甘兎組若頭であり同時に組長の孫娘でもある治松千夜と綺羅々世界全土を巻き込み幾度と無く抗争を繰り広げてゆくのであった。
このスレはこれで本当に終わりです。
お疲れ様でした。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450877405/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ ご注文はうさぎですか? | Comments (0)
雪穂「お姉ちゃんDiary」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 22:07:58.91 ID:+Iv2NbAGO
ゆきほの
書き溜めはなし
スマホからちまちま更新します
書き溜めはなし
スマホからちまちま更新します
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 22:17:52.50 ID:+Iv2NbAGO
皆さんこんにちは
高坂穂乃果の妹、高坂雪穂です
皆さんご存知の通りお姉ちゃんこと高坂穂乃果はスクールアイドルμ'sのリーダー
ステージの上では歌って踊ってキラキラしてます
今日はスクールアイドルとしてではなく、一人のお姉ちゃんとして高坂穂乃果の日常を教えちゃいます
-〇月○日(日曜日)-
お姉ちゃん曰く、今日はμ'sの練習は休みだそうです。なので幼馴染みの海未ちゃんとことりちゃんと遊ぶそうなのですが......
雪穂「お姉ちゃん起きて!!海未ちゃんとことりちゃんもう来ちゃうよ!!」
穂乃果「ん〜...来たら起こして〜......」ムニャムニャ
......とまぁこんな感じで、
当然私もあんな事を受け入れるはずもなく
雪穂「起きろー!!バカ姉貴ー!!」
いつもの様にお姉ちゃんから布団を思いっきり取りお姉ちゃんを無理やり叩き置き起こします
穂乃果「うわぁ!?もう少し優しく起こしてよー」
雪穂「一発で起きないお姉ちゃんが悪いの、て言うか自分で起きろ」
高坂穂乃果の妹、高坂雪穂です
皆さんご存知の通りお姉ちゃんこと高坂穂乃果はスクールアイドルμ'sのリーダー
ステージの上では歌って踊ってキラキラしてます
今日はスクールアイドルとしてではなく、一人のお姉ちゃんとして高坂穂乃果の日常を教えちゃいます
-〇月○日(日曜日)-
お姉ちゃん曰く、今日はμ'sの練習は休みだそうです。なので幼馴染みの海未ちゃんとことりちゃんと遊ぶそうなのですが......
雪穂「お姉ちゃん起きて!!海未ちゃんとことりちゃんもう来ちゃうよ!!」
穂乃果「ん〜...来たら起こして〜......」ムニャムニャ
......とまぁこんな感じで、
当然私もあんな事を受け入れるはずもなく
雪穂「起きろー!!バカ姉貴ー!!」
いつもの様にお姉ちゃんから布団を思いっきり取りお姉ちゃんを無理やり叩き置き起こします
穂乃果「うわぁ!?もう少し優しく起こしてよー」
雪穂「一発で起きないお姉ちゃんが悪いの、て言うか自分で起きろ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 22:34:10.40 ID:+Iv2NbAGO
雪穂「とにかく、顔洗って歯磨き!後朝ごはん出来てるし寝癖も直すこと!!」
これじゃあ、どっちが姉で妹か分かりません。
そうこうしてるうちに海未ちゃんとことりちゃんがやって来てお姉ちゃんは遊びに行きました。
-〇月○日(月曜日)-
この日、私はいつもの様に受験勉強を居間でしていました。そんな時に
穂乃果「雪穂雪穂!!見て見てー!!」
嬉しそうに上の階から走って私の名前を呼んできたためなんだろうと思いノートから目を離すと、
穂乃果「じゃーん!!新しいライブの衣装だよ!どう?どう?」
目をキラキラさせていかにも感想を言って欲しそうな顔。はぁ......せめて勉強してない時に言って欲しいです。
正直な所、凄く似合ってます。でもそれを素直に口に出来る程私はまともではないため
雪穂「いいんじゃない?」
こんな感じで再びノートに視線を落として適当にあしらってしまいます。
するとお姉ちゃんは
穂乃果「もー、ちゃんと見てよー ねぇねぇお姉ちゃんキラキラしてしる??」
なんて、犬みたいに絡んできます。受験勉強していない時ならまだしも今は勉強中なので容赦なくこう言います
雪穂「うっさい!!今勉強してるだからあっち行ってて!!」
まぁ、受験生が必至に勉強している時に服がどーこー言われたらこうなりますよね
これじゃあ、どっちが姉で妹か分かりません。
そうこうしてるうちに海未ちゃんとことりちゃんがやって来てお姉ちゃんは遊びに行きました。
-〇月○日(月曜日)-
この日、私はいつもの様に受験勉強を居間でしていました。そんな時に
穂乃果「雪穂雪穂!!見て見てー!!」
嬉しそうに上の階から走って私の名前を呼んできたためなんだろうと思いノートから目を離すと、
穂乃果「じゃーん!!新しいライブの衣装だよ!どう?どう?」
目をキラキラさせていかにも感想を言って欲しそうな顔。はぁ......せめて勉強してない時に言って欲しいです。
正直な所、凄く似合ってます。でもそれを素直に口に出来る程私はまともではないため
雪穂「いいんじゃない?」
こんな感じで再びノートに視線を落として適当にあしらってしまいます。
するとお姉ちゃんは
穂乃果「もー、ちゃんと見てよー ねぇねぇお姉ちゃんキラキラしてしる??」
なんて、犬みたいに絡んできます。受験勉強していない時ならまだしも今は勉強中なので容赦なくこう言います
雪穂「うっさい!!今勉強してるだからあっち行ってて!!」
まぁ、受験生が必至に勉強している時に服がどーこー言われたらこうなりますよね
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 22:44:55.24 ID:+Iv2NbAGO
-〇月○日(火曜日)-
今日も今日とてお姉ちゃんは朝ギリギリまで寝ています。お姉ちゃんは別に寝たくて寝ている訳じゃないと言っていますが...
いつもの様に居間でテレビを見ながらご飯を食べているとお姉ちゃんが走って降りてきます。
穂乃果「もー!!なんで誰も起こしてくれないのー」
穂乃果ママ「何回か下から呼んでもアンタ起きて来なかったじゃない」
ごもっともです。私は目覚まし時計で起きるのですがこれから少ししてお母さんは毎日お姉ちゃんを下の階から呼んでます。当然無反応
穂乃果「むぅ......」
雪穂「拗ねてる暇があったらご飯食べなよ、ホントに遅刻しちゃうよ?」
穂乃果「は!!そうだった!」
バタバタと品の無い足音が家の中に響き回ります。これがあのμ'sのリーダーの日常なんです...。本人はあまり気にしてる様子はないのですが...
穂乃果「わー!!また海未ちゃんに怒られるー!」
雪穂「うっさい!!」
今日も今日とてお姉ちゃんは朝ギリギリまで寝ています。お姉ちゃんは別に寝たくて寝ている訳じゃないと言っていますが...
いつもの様に居間でテレビを見ながらご飯を食べているとお姉ちゃんが走って降りてきます。
穂乃果「もー!!なんで誰も起こしてくれないのー」
穂乃果ママ「何回か下から呼んでもアンタ起きて来なかったじゃない」
ごもっともです。私は目覚まし時計で起きるのですがこれから少ししてお母さんは毎日お姉ちゃんを下の階から呼んでます。当然無反応
穂乃果「むぅ......」
雪穂「拗ねてる暇があったらご飯食べなよ、ホントに遅刻しちゃうよ?」
穂乃果「は!!そうだった!」
バタバタと品の無い足音が家の中に響き回ります。これがあのμ'sのリーダーの日常なんです...。本人はあまり気にしてる様子はないのですが...
穂乃果「わー!!また海未ちゃんに怒られるー!」
雪穂「うっさい!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 22:56:10.93 ID:+Iv2NbAGO
-〇月○日(水曜日)-
夕食を済ませた後、お姉ちゃんは決まって居間に寝転びます。そして一言
穂乃果「雪穂ー!お茶ー」
こんなスクールアイドル世の中には恐らくお姉ちゃんだけです。まぁ、そんなお姉ちゃんを甘やかしてお茶を入れる私も私なんですけど
雪穂「はいはい......」
このやり取り何年しているか分かりません。だからと言って今更どうこう言うつもりもないですし、ぶっちゃけもう慣れました。そんなこんなで私の分のお茶とお姉ちゃんのお茶を持って居間に行きます
穂乃果「ふぅ〜...やっぱり雪穂のお茶は美味しいなぁ」
雪穂「そりゃあ毎日お姉ちゃんにお茶入れさせられてるからね」
穂乃果「あはは...面目ない」
雪穂「そう思うなら今度から自分で入れてよ」
穂乃果「えー、雪穂のお茶だから毎日飲みたいのにー...」
でも、こんな風に私の入れたお茶を美味しいと毎日笑顔で言ってくれる事に対してちょっぴり嬉しく思ったりもしています。
夕食を済ませた後、お姉ちゃんは決まって居間に寝転びます。そして一言
穂乃果「雪穂ー!お茶ー」
こんなスクールアイドル世の中には恐らくお姉ちゃんだけです。まぁ、そんなお姉ちゃんを甘やかしてお茶を入れる私も私なんですけど
雪穂「はいはい......」
このやり取り何年しているか分かりません。だからと言って今更どうこう言うつもりもないですし、ぶっちゃけもう慣れました。そんなこんなで私の分のお茶とお姉ちゃんのお茶を持って居間に行きます
穂乃果「ふぅ〜...やっぱり雪穂のお茶は美味しいなぁ」
雪穂「そりゃあ毎日お姉ちゃんにお茶入れさせられてるからね」
穂乃果「あはは...面目ない」
雪穂「そう思うなら今度から自分で入れてよ」
穂乃果「えー、雪穂のお茶だから毎日飲みたいのにー...」
でも、こんな風に私の入れたお茶を美味しいと毎日笑顔で言ってくれる事に対してちょっぴり嬉しく思ったりもしています。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 23:08:28.00 ID:+Iv2NbAGO
-〇月○日(木曜日)-
お姉ちゃんの帰りが最近遅いです。μ'sの練習は日が暮れる前には終わるのですが、意外や意外、お姉ちゃん生徒会長になってるんです。これを聞いた時は流石に私も驚きを隠せず受験勉強所ではありませんだ。
穂乃果「ふぃ〜...疲れたぁ」ガラガラ
雪穂「あ、おかえりお姉ちゃん」
穂乃果「ただいまぁ〜...お姉ちゃんもう疲れたよー」
と、私の膝に寝転んでくるお姉ちゃん。本来なら頭叩いてやろうかなんで思いましたがここ最近のお姉ちゃんはホントに頑張ってます。μ'sとしても生徒会長としても。だから、そんなお姉ちゃんに私からの囁かなご褒美です
雪穂「あーはいはい、疲れてるのは知ってるしとりあえず着替えてきたら?」
なんて、素直じゃないですよね?でも今の私にはこれが精一杯。
穂乃果「もうちょっとこのままー...」
雪穂「もー...」
結局お姉ちゃんは私の膝に寝転んで晩御飯が出来るまで寝ちゃいました。当然私も受験勉強は手付かずです...でも、これはこれで悪い気はしませんでした。え?シスコン?や、やだなぁー...そんなじゃないですよー
お姉ちゃんの帰りが最近遅いです。μ'sの練習は日が暮れる前には終わるのですが、意外や意外、お姉ちゃん生徒会長になってるんです。これを聞いた時は流石に私も驚きを隠せず受験勉強所ではありませんだ。
穂乃果「ふぃ〜...疲れたぁ」ガラガラ
雪穂「あ、おかえりお姉ちゃん」
穂乃果「ただいまぁ〜...お姉ちゃんもう疲れたよー」
と、私の膝に寝転んでくるお姉ちゃん。本来なら頭叩いてやろうかなんで思いましたがここ最近のお姉ちゃんはホントに頑張ってます。μ'sとしても生徒会長としても。だから、そんなお姉ちゃんに私からの囁かなご褒美です
雪穂「あーはいはい、疲れてるのは知ってるしとりあえず着替えてきたら?」
なんて、素直じゃないですよね?でも今の私にはこれが精一杯。
穂乃果「もうちょっとこのままー...」
雪穂「もー...」
結局お姉ちゃんは私の膝に寝転んで晩御飯が出来るまで寝ちゃいました。当然私も受験勉強は手付かずです...でも、これはこれで悪い気はしませんでした。え?シスコン?や、やだなぁー...そんなじゃないですよー
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 23:31:35.65 ID:+Iv2NbAGO
-〇月○日(金曜日)-
週の終わりはいつもお姉ちゃんのテンションは高いです。いつも高いのですが金曜日は特別高いです。理由なんて単純、土曜日休みだからです。全くいつまで子供気分なんだか...
穂乃果「たっだいまー!!」
雪穂「はぁ...」
お姉ちゃんと正反対に私は土日が嫌いです。何でかと言うと受験勉強です。土日ほど有意義に勉強できる時間はないなんて言うかもしれないけど私には無理です。まぁ、私の理由も子供ですよね 。それではこれからお姉ちゃんの鬼絡みをしばしどうぞ
穂乃果「ねぇねぇ雪穂!!明日は土曜日だよ!」
雪穂「今勉強してるからあっち行っててよ」
穂乃果「もー、なんでそんなに乗り気じゃないのー?土曜日だよ?お休みだよ?」
雪穂「とか言ってるけどμ'sの練習あるじゃん」
穂乃果「あれは楽しいからいいの!!とにかく土曜日だよ!楽しまなきゃ損だよ!!」
雪穂「別に土曜日なんて毎週来るんだからいいじゃん」
穂乃果「駄目だよ!!絶対駄目!明日の土曜日は人生で最後の土曜日だよ!?」
こういう時に限ってお姉ちゃんは何故か力説してきます。正直う鬱陶しくて堪りません。でもお姉ちゃんはホントに嬉しそうで私はどことなく羨ましいと思ったりもします。
週の終わりはいつもお姉ちゃんのテンションは高いです。いつも高いのですが金曜日は特別高いです。理由なんて単純、土曜日休みだからです。全くいつまで子供気分なんだか...
穂乃果「たっだいまー!!」
雪穂「はぁ...」
お姉ちゃんと正反対に私は土日が嫌いです。何でかと言うと受験勉強です。土日ほど有意義に勉強できる時間はないなんて言うかもしれないけど私には無理です。まぁ、私の理由も子供ですよね 。それではこれからお姉ちゃんの鬼絡みをしばしどうぞ
穂乃果「ねぇねぇ雪穂!!明日は土曜日だよ!」
雪穂「今勉強してるからあっち行っててよ」
穂乃果「もー、なんでそんなに乗り気じゃないのー?土曜日だよ?お休みだよ?」
雪穂「とか言ってるけどμ'sの練習あるじゃん」
穂乃果「あれは楽しいからいいの!!とにかく土曜日だよ!楽しまなきゃ損だよ!!」
雪穂「別に土曜日なんて毎週来るんだからいいじゃん」
穂乃果「駄目だよ!!絶対駄目!明日の土曜日は人生で最後の土曜日だよ!?」
こういう時に限ってお姉ちゃんは何故か力説してきます。正直う鬱陶しくて堪りません。でもお姉ちゃんはホントに嬉しそうで私はどことなく羨ましいと思ったりもします。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 00:58:38.65 ID:fUB/edKsO
-〇月○日(土曜日)-
ついにお姉ちゃんの待ちに待った土曜日です。この土曜日だけは珍しくお姉ちゃんは自分で起きてきます。
穂乃果「じゃあ、行ってきまーす!!」
いつもより明るい声で行ってきますと言いμ'sの練習へ。平日もこんな風に起きてくれたらどれだけ気が楽か...でもそれが出来ない所がお姉ちゃんらしい所でもあります。
休日というのはあっという間に過ぎるもので気づけばもう夜です。勉強もキリのいいところで切り上げてお風呂に入る私。唯一まったり出来る時間です。
雪穂「ふぅ〜」
穂乃果「たのもー!!」
そんな私の平穏はことごとく壊れました。
雪穂「うわぁ!?な、何しにいきたの!?」
穂乃果「いやー、たまには姉妹水入らずって事で」
意味分かりません。そんな話す事も特にないはずなのに...
穂乃果「最近受験勉強どう?」
雪穂「別に、普通だよ」
穂乃果「そっかー、雪穂はUTX希望だもんね」
そうです、私は音乃木坂ではなくUTXに行くつもりでいます。理由は簡単で、廃校寸前の学校に行くより人気のあるUTXの方がいいと思ったからです。お姉ちゃんは音乃木坂に来て欲しいそうですが
雪穂「別にUTXだからどうこうって訳じゃないよ、ただ落ちたくないだけ」
穂乃果「あはは、凄いね雪穂は...お姉ちゃんは近場だから音乃木坂行っただけなのに」
なんて何処か寂しそうにしているお姉ちゃん。そりゃあ受験生に音乃木坂来なよって志望校決まってるのは誘うのは不味いですよね。1回言われましたけど
ついにお姉ちゃんの待ちに待った土曜日です。この土曜日だけは珍しくお姉ちゃんは自分で起きてきます。
穂乃果「じゃあ、行ってきまーす!!」
いつもより明るい声で行ってきますと言いμ'sの練習へ。平日もこんな風に起きてくれたらどれだけ気が楽か...でもそれが出来ない所がお姉ちゃんらしい所でもあります。
休日というのはあっという間に過ぎるもので気づけばもう夜です。勉強もキリのいいところで切り上げてお風呂に入る私。唯一まったり出来る時間です。
雪穂「ふぅ〜」
穂乃果「たのもー!!」
そんな私の平穏はことごとく壊れました。
雪穂「うわぁ!?な、何しにいきたの!?」
穂乃果「いやー、たまには姉妹水入らずって事で」
意味分かりません。そんな話す事も特にないはずなのに...
穂乃果「最近受験勉強どう?」
雪穂「別に、普通だよ」
穂乃果「そっかー、雪穂はUTX希望だもんね」
そうです、私は音乃木坂ではなくUTXに行くつもりでいます。理由は簡単で、廃校寸前の学校に行くより人気のあるUTXの方がいいと思ったからです。お姉ちゃんは音乃木坂に来て欲しいそうですが
雪穂「別にUTXだからどうこうって訳じゃないよ、ただ落ちたくないだけ」
穂乃果「あはは、凄いね雪穂は...お姉ちゃんは近場だから音乃木坂行っただけなのに」
なんて何処か寂しそうにしているお姉ちゃん。そりゃあ受験生に音乃木坂来なよって志望校決まってるのは誘うのは不味いですよね。1回言われましたけど
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 12:06:56.81 ID:R9dKUrWo0
-○月○日(日曜日)-
基本的に日曜日はお昼から練習だそうです。なので、お姉ちゃんはお昼までぐっすり。よく動けるなぁなんて思います。
穂乃果「お母さーん、お腹減ったー」
どうやら起きてきたみたいです。起きてきて開口一番にこれもどうかと思いますけど...
穂乃果母「カップラーメンあるからそれ食べてなさーい」
穂乃果「はーい」
日曜日も穂むらは休まず営業しています。特に日曜日は忙しかったりでお母さんはお父さんと一緒に厨房へ、私はその手伝いで店番をしています。これが意外と大変でスクールアイドルをお姉ちゃんが始めてから日曜日はほとんど私が店番です。
亜里沙「雪穂ー」
雪穂「亜里沙、いらっしゃい」
で、この子が私の友達絢瀬亜里沙。名字に聞き覚えあったりしませんか?そうです、μ'sの絢瀬絵理の妹なんです。亜里沙も絵里さんが練習で家に居ないから暇になってたまにこうやって家にきます。
亜里沙「ねぇねぇ、雪穂は今暇?」
雪穂「どう見ても暇じゃないでしょ......」
何を思ったのか亜里沙のある意味爆弾発言炸裂。
雪穂「私今お店番してるんだけど...」
亜里沙「хорошо...雪穂はおやこーこーさんだね!!」
雪穂「別にそういうわけじゃ......」
亜里沙「ねぇねぇ雪穂!!これ何!!」
雪穂「どれどれ...あぁ......これはお姉ちゃんが作った奴だけど型が悪いから試食販売用だって」
亜里沙「試食販売??」
雪穂「勝手に食べていいって事」
亜里沙「ホントに!?じゃあいただきまーす!!」
基本的に日曜日はお昼から練習だそうです。なので、お姉ちゃんはお昼までぐっすり。よく動けるなぁなんて思います。
穂乃果「お母さーん、お腹減ったー」
どうやら起きてきたみたいです。起きてきて開口一番にこれもどうかと思いますけど...
穂乃果母「カップラーメンあるからそれ食べてなさーい」
穂乃果「はーい」
日曜日も穂むらは休まず営業しています。特に日曜日は忙しかったりでお母さんはお父さんと一緒に厨房へ、私はその手伝いで店番をしています。これが意外と大変でスクールアイドルをお姉ちゃんが始めてから日曜日はほとんど私が店番です。
亜里沙「雪穂ー」
雪穂「亜里沙、いらっしゃい」
で、この子が私の友達絢瀬亜里沙。名字に聞き覚えあったりしませんか?そうです、μ'sの絢瀬絵理の妹なんです。亜里沙も絵里さんが練習で家に居ないから暇になってたまにこうやって家にきます。
亜里沙「ねぇねぇ、雪穂は今暇?」
雪穂「どう見ても暇じゃないでしょ......」
何を思ったのか亜里沙のある意味爆弾発言炸裂。
雪穂「私今お店番してるんだけど...」
亜里沙「хорошо...雪穂はおやこーこーさんだね!!」
雪穂「別にそういうわけじゃ......」
亜里沙「ねぇねぇ雪穂!!これ何!!」
雪穂「どれどれ...あぁ......これはお姉ちゃんが作った奴だけど型が悪いから試食販売用だって」
亜里沙「試食販売??」
雪穂「勝手に食べていいって事」
亜里沙「ホントに!?じゃあいただきまーす!!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 12:19:00.13 ID:R9dKUrWo0
雪穂「どう?」
亜里沙「美味しいよ!!」
まぁ、材料は全く一緒だから足が変わるはずもないんだけど...何だかそれは言わない方がいいかななんて思います黙っておきます。
亜里沙「じゃあお姉ちゃんにお土産にほむまん2つ買って帰ろ♪」
上機嫌な亜里沙、本気で気に入った様です。
穂乃果「ただいま~、ってあれ?亜里沙ちゃんだ」
亜里沙「あ!!穂乃果さん!!」
店の玄関から帰っくるなといつも言われてるのに問答無用で帰ってきます。後でお母さんに怒られるといいよ
雪穂「あ、お姉ちゃん丁度良かった。亜里沙の相手するから店番変わってよ」
穂乃果「え......」
うわ、すっごい嫌そうな顔。でもお姉ちゃんには色々と貸しがあります。貸しというのはもちろん...
雪穂「この前、お姉ちゃんの変わりに私店番したよねぇ?」
穂乃果「わ、分かった!分かったよぉー!!」
亜里沙「い、いいの?雪穂」
雪穂「いーのいーの、ねぇお姉ちゃん?」
穂乃果「わ、私の事は大丈夫だから...雪穂と遊んでおいで亜里沙ちゃん」
なんだかんだ文句を言いながらもお姉ちゃんは店番を変わってくれました。たまには良いとこあるじゃん。
雪穂「じゃあ亜里沙どっか行こっか?」
亜里沙「今日は雪穂のお家で遊びたい」
雪穂「別にいいけど...何もないよ?」
亜里沙「いいからいいから~」
そう言って私達は上に上がった訳ですが......結局μ'sの動画を見て亜里沙はハラショーハラショー叫んでるだけでした。
亜里沙「美味しいよ!!」
まぁ、材料は全く一緒だから足が変わるはずもないんだけど...何だかそれは言わない方がいいかななんて思います黙っておきます。
亜里沙「じゃあお姉ちゃんにお土産にほむまん2つ買って帰ろ♪」
上機嫌な亜里沙、本気で気に入った様です。
穂乃果「ただいま~、ってあれ?亜里沙ちゃんだ」
亜里沙「あ!!穂乃果さん!!」
店の玄関から帰っくるなといつも言われてるのに問答無用で帰ってきます。後でお母さんに怒られるといいよ
雪穂「あ、お姉ちゃん丁度良かった。亜里沙の相手するから店番変わってよ」
穂乃果「え......」
うわ、すっごい嫌そうな顔。でもお姉ちゃんには色々と貸しがあります。貸しというのはもちろん...
雪穂「この前、お姉ちゃんの変わりに私店番したよねぇ?」
穂乃果「わ、分かった!分かったよぉー!!」
亜里沙「い、いいの?雪穂」
雪穂「いーのいーの、ねぇお姉ちゃん?」
穂乃果「わ、私の事は大丈夫だから...雪穂と遊んでおいで亜里沙ちゃん」
なんだかんだ文句を言いながらもお姉ちゃんは店番を変わってくれました。たまには良いとこあるじゃん。
雪穂「じゃあ亜里沙どっか行こっか?」
亜里沙「今日は雪穂のお家で遊びたい」
雪穂「別にいいけど...何もないよ?」
亜里沙「いいからいいから~」
そう言って私達は上に上がった訳ですが......結局μ'sの動画を見て亜里沙はハラショーハラショー叫んでるだけでした。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 12:33:21.32 ID:R9dKUrWo0
-△月○日(月曜日)-
ついにお姉ちゃんがやってくれました。私がお風呂上がりに楽しみにしていたプリン、あろうことかお姉ちゃんが食べてしまったのです。しかもお風呂上がりの私の目の前で
雪穂「何してるの...お姉ちゃん......」
穂乃果「あ、雪穂 これ美味しいよー」
雪穂「それ、誰のだと思ってんの......?」
穂乃果「誰のってそりゃあ......ぁ」
雪穂「この...バカ姉貴ー!!」
響く私の怒鳴り声。お姉ちゃんは咄嗟に耳を塞いで目を瞑ります。
雪穂「私がどれだけ楽しみにしてたと思ってるの!!」
穂乃果「ご、ごめんー雪穂~」
手を合わせて謝るお姉ちゃんですが、今日は許せません。このプリン、その辺のプリンとは違うんです
雪穂「このプリンいくらしたと思ってんの!?スーパーで売ってるのと違うんだよ!!あぁもぉおおぉ!!」
そりゃ美味しいはずです。実はこのプリン600円しました。中学生のお財布には大打撃です。
穂乃果「あ、明日買ってくるからさぁ...ね?」
雪穂「ね?じゃないよ!!ね?じゃあ!!はぁ、もういいよ......」
いくら怒鳴ってももうプリンは帰ってこない事を悟ると大きくため息をついて私は自分の部屋に戻りました。お姉ちゃんのバカ
穂乃果「ごめんね...雪穂......」
居間から出ていく直前に聞こえたお姉ちゃんの小さな謝る声。ふん、謝ったってプリンは帰ってこないんだよ
ついにお姉ちゃんがやってくれました。私がお風呂上がりに楽しみにしていたプリン、あろうことかお姉ちゃんが食べてしまったのです。しかもお風呂上がりの私の目の前で
雪穂「何してるの...お姉ちゃん......」
穂乃果「あ、雪穂 これ美味しいよー」
雪穂「それ、誰のだと思ってんの......?」
穂乃果「誰のってそりゃあ......ぁ」
雪穂「この...バカ姉貴ー!!」
響く私の怒鳴り声。お姉ちゃんは咄嗟に耳を塞いで目を瞑ります。
雪穂「私がどれだけ楽しみにしてたと思ってるの!!」
穂乃果「ご、ごめんー雪穂~」
手を合わせて謝るお姉ちゃんですが、今日は許せません。このプリン、その辺のプリンとは違うんです
雪穂「このプリンいくらしたと思ってんの!?スーパーで売ってるのと違うんだよ!!あぁもぉおおぉ!!」
そりゃ美味しいはずです。実はこのプリン600円しました。中学生のお財布には大打撃です。
穂乃果「あ、明日買ってくるからさぁ...ね?」
雪穂「ね?じゃないよ!!ね?じゃあ!!はぁ、もういいよ......」
いくら怒鳴ってももうプリンは帰ってこない事を悟ると大きくため息をついて私は自分の部屋に戻りました。お姉ちゃんのバカ
穂乃果「ごめんね...雪穂......」
居間から出ていく直前に聞こえたお姉ちゃんの小さな謝る声。ふん、謝ったってプリンは帰ってこないんだよ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 12:50:08.42 ID:R9dKUrWo0
-△月○日(火曜日)-
今日はやけにお姉ちゃんの帰りが遅いです。生徒会の仕事があるならちゃんと連絡してくるのですがその連絡もなし。何してるんだろ
穂乃果母「雪穂ー、穂乃果まだ帰ってないの?」
雪穂「うんー」
お店の方からお母さんがお姉ちゃんがまだ帰ってきてないかと聞いてきました。念のためと思い携帯を開いて連絡が来てないかチェック。
雪穂「ホント、何やってるんだろお姉ちゃん」
時計の針はそろそろ21時を指そうとしています。そんな時でした
穂乃果「た、ただいまぁ~...」
穂乃果母「アンタこんな時間までどこほっつき歩いてたの!!」
穂乃果「いやぁ、ちょっとね......」
お母さんの怒った声が聞こえてきます。そりゃあ連絡もなしにこの時間だと怒るよ
穂乃果「あ!!雪穂...お風呂もう入った??」
雪穂「......まだだけど」
穂乃果「良かったぁ...」
何が良かったのか意味が分かりません。それに昨日の事許したつもりなんて全くないし...
穂乃果「お風呂上がりに私の部屋に来てね!!」
そう一言言い残してお姉ちゃんは部屋に入って行きました。ますます意味が分かりません。
雪穂「で、何の用?」
お風呂上がり私は念のためお姉ちゃんの部屋へ行きました。すると
穂乃果「えへへ、昨日はごめんね雪穂...お姉ちゃんバカだから勝手にプリン食べちゃって」
バカなのは知ってるよ。それにそんな事に言うためにわざわざ部屋に呼びつけたの?なんてまたイライラが蘇ってきました。
穂乃果「だからはい!!昨日のプリン!!」
雪穂「え...?」
穂乃果「いやぁ、プリンの名前しか憶えなかったから大変だったよぉ...」
もしかして今日帰りが遅かったのって......。
穂乃果「とにかく、雪穂がまだお風呂入って良かったよ」
だからあの時お風呂に入っていないか聞いたのか...。当然と言えば当然の事なのですが、私にとってはこの事が案外嬉しくて。
雪穂「お姉ちゃんってホントバカだよね」
穂乃果「なぁ!?」
その後私はお姉ちゃんの部屋で美味しくプリンを食べました。
今日はやけにお姉ちゃんの帰りが遅いです。生徒会の仕事があるならちゃんと連絡してくるのですがその連絡もなし。何してるんだろ
穂乃果母「雪穂ー、穂乃果まだ帰ってないの?」
雪穂「うんー」
お店の方からお母さんがお姉ちゃんがまだ帰ってきてないかと聞いてきました。念のためと思い携帯を開いて連絡が来てないかチェック。
雪穂「ホント、何やってるんだろお姉ちゃん」
時計の針はそろそろ21時を指そうとしています。そんな時でした
穂乃果「た、ただいまぁ~...」
穂乃果母「アンタこんな時間までどこほっつき歩いてたの!!」
穂乃果「いやぁ、ちょっとね......」
お母さんの怒った声が聞こえてきます。そりゃあ連絡もなしにこの時間だと怒るよ
穂乃果「あ!!雪穂...お風呂もう入った??」
雪穂「......まだだけど」
穂乃果「良かったぁ...」
何が良かったのか意味が分かりません。それに昨日の事許したつもりなんて全くないし...
穂乃果「お風呂上がりに私の部屋に来てね!!」
そう一言言い残してお姉ちゃんは部屋に入って行きました。ますます意味が分かりません。
雪穂「で、何の用?」
お風呂上がり私は念のためお姉ちゃんの部屋へ行きました。すると
穂乃果「えへへ、昨日はごめんね雪穂...お姉ちゃんバカだから勝手にプリン食べちゃって」
バカなのは知ってるよ。それにそんな事に言うためにわざわざ部屋に呼びつけたの?なんてまたイライラが蘇ってきました。
穂乃果「だからはい!!昨日のプリン!!」
雪穂「え...?」
穂乃果「いやぁ、プリンの名前しか憶えなかったから大変だったよぉ...」
もしかして今日帰りが遅かったのって......。
穂乃果「とにかく、雪穂がまだお風呂入って良かったよ」
だからあの時お風呂に入っていないか聞いたのか...。当然と言えば当然の事なのですが、私にとってはこの事が案外嬉しくて。
雪穂「お姉ちゃんってホントバカだよね」
穂乃果「なぁ!?」
その後私はお姉ちゃんの部屋で美味しくプリンを食べました。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/27(金) 23:49:13.21 ID:R9dKUrWo0
-△月○日(水曜日)-
最近お姉ちゃんの様子が変です。スマホをずっと見てニヤニヤしてて...
雪穂「何してるの...お姉ちゃん?」
穂乃果「Twitterだよ!!」
どうやらクラスの友人にSNSを勧められたらしく、やってみた所ハマったそうです。アカウントを作って少しして沢山フォローをされたらしくそれが嬉しくて堪らないとか...まぁ、スクールアイドルなら当然かも知れませんけど......
穂乃果「あ、応援してますだって、えへへぇ...」
しかもお姉ちゃん律儀に一人一人コメントを返している様です。変な所で真面目なんだから
雪穂「別にどうでもいいけど、ご飯時にスマホつついてたらお母さんに怒られるよ?」
穂乃果「分かってるよ~」
結局お姉ちゃんご飯時にTwitterの通知が来てスマホを見ているのをお母さんに見つかり怒られてました。予想を裏切らないと言うか何と言うか、......私もTwitterしてみようかな。
最近お姉ちゃんの様子が変です。スマホをずっと見てニヤニヤしてて...
雪穂「何してるの...お姉ちゃん?」
穂乃果「Twitterだよ!!」
どうやらクラスの友人にSNSを勧められたらしく、やってみた所ハマったそうです。アカウントを作って少しして沢山フォローをされたらしくそれが嬉しくて堪らないとか...まぁ、スクールアイドルなら当然かも知れませんけど......
穂乃果「あ、応援してますだって、えへへぇ...」
しかもお姉ちゃん律儀に一人一人コメントを返している様です。変な所で真面目なんだから
雪穂「別にどうでもいいけど、ご飯時にスマホつついてたらお母さんに怒られるよ?」
穂乃果「分かってるよ~」
結局お姉ちゃんご飯時にTwitterの通知が来てスマホを見ているのをお母さんに見つかり怒られてました。予想を裏切らないと言うか何と言うか、......私もTwitterしてみようかな。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 01:16:39.40 ID:QTPFEYXxO
-△月○日(木曜日)-
季節も冬でよく冷える時期です。部屋は幸いヒーター等で暖かくしているのですがそれをいい事に私は薄着でいました。当然そんな事をしていると風邪を引いてしまう訳でして...
雪穂「こほっ...こほっ......頭いた」
受験生にとって病気ほど嫌なものはありません。ただでさえ受験が近付いているのに風邪なんて...熱もしっかり38度ありこの日は学校も休みました。
穂乃果「雪穂ー...風邪大丈夫?」
雪穂「お姉ちゃん...なんで......」
夢?なんて一瞬思いました。この時間いつもはお姉ちゃんはいつも練習で学校でいるはずです。なのになぜ私の部屋にいるのか一瞬理解出来ませんでした。
穂乃果「えへへ、雪穂苦しそうだし今日は看病しようかなって、練習休んじゃった」
雪穂「別に大丈夫だから...こほっ...練習行きなよ」
穂乃果「全然大丈夫じゃないよ!!」
お姉ちゃんの顔を見ると真剣で同時に凄く心配そう。こんなお姉ちゃん家見るの久しぶりだな。
穂乃果「とりあえず林檎、食べれる?」
雪穂「今なら何とか...」
そう言って身体を起こそうとしますが、咄嗟にお姉ちゃんが肩を持って起こしてくれました。もう大袈裟だなぁ...
穂乃果「はい、あーん」
雪穂「それくらい自分で食べれるよ...」
穂乃果「病人なんだからこんな時まで強がらなくてもいいの!!」
なるほど、日頃私がお姉ちゃんに反発してるのが強がりって事お姉ちゃんにはお見通しなんだ。結局お姉ちゃんに押し切られて林檎を食べさせて貰う私。
穂乃果「でも、珍しいね。雪穂が風邪なんて」
そりゃ私だって人間なんだから風邪なんていつ引いてもおかしくはありません。今まではちゃんと対策をしていたというか気を付けていたんです。でも受験生になってそれどころではなくなってこの結果。
雪穂「とにかく、私少し寝るからお姉ちゃんもういいよ」
穂乃果「駄目!!今日はつきっきりで看病するよ!」
頑固。まぁ、悪い気はしないけど...。そうこうしてるうちに私は眠りについたのでした。
季節も冬でよく冷える時期です。部屋は幸いヒーター等で暖かくしているのですがそれをいい事に私は薄着でいました。当然そんな事をしていると風邪を引いてしまう訳でして...
雪穂「こほっ...こほっ......頭いた」
受験生にとって病気ほど嫌なものはありません。ただでさえ受験が近付いているのに風邪なんて...熱もしっかり38度ありこの日は学校も休みました。
穂乃果「雪穂ー...風邪大丈夫?」
雪穂「お姉ちゃん...なんで......」
夢?なんて一瞬思いました。この時間いつもはお姉ちゃんはいつも練習で学校でいるはずです。なのになぜ私の部屋にいるのか一瞬理解出来ませんでした。
穂乃果「えへへ、雪穂苦しそうだし今日は看病しようかなって、練習休んじゃった」
雪穂「別に大丈夫だから...こほっ...練習行きなよ」
穂乃果「全然大丈夫じゃないよ!!」
お姉ちゃんの顔を見ると真剣で同時に凄く心配そう。こんなお姉ちゃん家見るの久しぶりだな。
穂乃果「とりあえず林檎、食べれる?」
雪穂「今なら何とか...」
そう言って身体を起こそうとしますが、咄嗟にお姉ちゃんが肩を持って起こしてくれました。もう大袈裟だなぁ...
穂乃果「はい、あーん」
雪穂「それくらい自分で食べれるよ...」
穂乃果「病人なんだからこんな時まで強がらなくてもいいの!!」
なるほど、日頃私がお姉ちゃんに反発してるのが強がりって事お姉ちゃんにはお見通しなんだ。結局お姉ちゃんに押し切られて林檎を食べさせて貰う私。
穂乃果「でも、珍しいね。雪穂が風邪なんて」
そりゃ私だって人間なんだから風邪なんていつ引いてもおかしくはありません。今まではちゃんと対策をしていたというか気を付けていたんです。でも受験生になってそれどころではなくなってこの結果。
雪穂「とにかく、私少し寝るからお姉ちゃんもういいよ」
穂乃果「駄目!!今日はつきっきりで看病するよ!」
頑固。まぁ、悪い気はしないけど...。そうこうしてるうちに私は眠りについたのでした。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/28(土) 01:34:03.58 ID:QTPFEYXxO
-△月○日(金曜日)-
またこの日がやってきました。そうです、お姉ちゃんお姉ちゃんハイテンションの日。特に土曜日はライブがあるらしく余計にハイテンション。当然朝から賑やかな訳で
穂乃果「雪穂!!明日お姉ちゃんライブなんだよ!!」
雪穂「知ってる、亜里沙から聞いた」
穂乃果「ライブだよ!!ライブ!!雪穂は見に来るの?」
雪穂「行かないよ、寒いし」
ホントはちょっと行ってみたかったり。μ'sのライブはなんだかんだで屋上ライブが最後。お姉ちゃんが無茶して倒れたあのライブ。ほんと、バカだよね......
雪穂「て言うか、時間いいの?」
穂乃果「あー!!じ、じゃあ行ってきます!!」
そう言って残りのパンを一口で食べてお姉ちゃんは家を出ていきました。実際寒いからライブは行かないなんて言いましたが、多分亜里沙に無理やり連れて行かれると思います。
雪穂「あ、私も学校行かなきゃ」
学校に行くと亜里沙が駆け寄ってきました。
亜里沙「雪穂雪穂ー、明日のμ'sのライブ当然行くよね?」
ほら、予想通りです。お姉ちゃんと亜里沙は何処か似てる所があり単純と言うか素直と言うか...悪い言い方をすると扱いやすいです。
雪穂「行かないよ、寒いし」
当然断ります。寒いのはホントですしお姉ちゃんには行かないなんて言ったくせに今更行くと言うのもどうかななんて思います。
亜里沙「えー、行こーよー雪穂ー!!」
亜里沙はそんな私の肩を掴んで揺らしてきます。これも予想通り。亜里沙は譲れない事があると大体肩を揺らしてきます。
雪穂「別に新曲の発表とかないしいいじゃん」
亜里沙「無くても関係ないよ!とにかく、明日向かえに行くからね!!」
雪穂「ちょ......はぁ」
無理やり押し切られてしまいました。私って押しに弱いのかな...?
またこの日がやってきました。そうです、お姉ちゃんお姉ちゃんハイテンションの日。特に土曜日はライブがあるらしく余計にハイテンション。当然朝から賑やかな訳で
穂乃果「雪穂!!明日お姉ちゃんライブなんだよ!!」
雪穂「知ってる、亜里沙から聞いた」
穂乃果「ライブだよ!!ライブ!!雪穂は見に来るの?」
雪穂「行かないよ、寒いし」
ホントはちょっと行ってみたかったり。μ'sのライブはなんだかんだで屋上ライブが最後。お姉ちゃんが無茶して倒れたあのライブ。ほんと、バカだよね......
雪穂「て言うか、時間いいの?」
穂乃果「あー!!じ、じゃあ行ってきます!!」
そう言って残りのパンを一口で食べてお姉ちゃんは家を出ていきました。実際寒いからライブは行かないなんて言いましたが、多分亜里沙に無理やり連れて行かれると思います。
雪穂「あ、私も学校行かなきゃ」
学校に行くと亜里沙が駆け寄ってきました。
亜里沙「雪穂雪穂ー、明日のμ'sのライブ当然行くよね?」
ほら、予想通りです。お姉ちゃんと亜里沙は何処か似てる所があり単純と言うか素直と言うか...悪い言い方をすると扱いやすいです。
雪穂「行かないよ、寒いし」
当然断ります。寒いのはホントですしお姉ちゃんには行かないなんて言ったくせに今更行くと言うのもどうかななんて思います。
亜里沙「えー、行こーよー雪穂ー!!」
亜里沙はそんな私の肩を掴んで揺らしてきます。これも予想通り。亜里沙は譲れない事があると大体肩を揺らしてきます。
雪穂「別に新曲の発表とかないしいいじゃん」
亜里沙「無くても関係ないよ!とにかく、明日向かえに行くからね!!」
雪穂「ちょ......はぁ」
無理やり押し切られてしまいました。私って押しに弱いのかな...?
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 01:30:35.99 ID:Y2Gxty9P0
-△月○日(土曜日)-
ライブ当日です。お姉ちゃんは準備があるとかで朝から出ていきましたが私はまだベットの中。せっかくの休みですし、ゆっくりしたいです。
prrr…prrr……
しばらくして私の枕元に置いていた携帯が鳴りました。今日はアラームをかけた覚えはないのですが…画面を見てみるとそこには『絢瀬亜里沙』の文字が……
雪穂「……もしもし」
亜里沙「あ、雪穂!!ライブ音乃木坂だから今から行く向かえに行くね!!」ブツッ
雪穂「へ……?」
電話が切れました。寝惚けいてよく聞いてませんでしたがとりあえず亜里沙が来るらしいです。欠伸をしながらベットから降りて顔を洗いに下の階へ。
亜里沙「雪穂ー!!」
お店の方から亜里沙の声がしました。予想以上に早いです。
雪穂「なに……?」
亜里沙「ライブだよ!!ほら、早く準備して!」
雪穂「いや、だから私は…」
亜里沙「もう!遅れちゃうよ!!」
いつの間にか家に上がっていた亜里沙は私の背中を押しながら私の部屋へ連れていきました。
雪穂「も、もう分かったから…」
亜里沙「なら私外で待ってるね?」
雪穂「う、うん……」
やってしまった……。また押し切られてしまいました。結局服を着替えて亜里沙と一緒に音乃木坂へ。
穂乃果「みんなー!!今日は来てくれてありがとー!」
あの衣装…。今回の奴だったんだ。やっぱりステージでのお姉ちゃんはいつもとは全然違い少しメイクしてて踊って歌って、家の中でのぐーたら振りが嘘のようです。
亜里沙「わぁ、穂乃果さん凄いキラキラしてるね雪穂!!」
雪穂「え?あぁ…まぁまぁ……かな」
やっぱり素直になれません。そうこうしているうちにライブも終わり、私の休暇はあっという間に1日を終えました。
ライブ当日です。お姉ちゃんは準備があるとかで朝から出ていきましたが私はまだベットの中。せっかくの休みですし、ゆっくりしたいです。
prrr…prrr……
しばらくして私の枕元に置いていた携帯が鳴りました。今日はアラームをかけた覚えはないのですが…画面を見てみるとそこには『絢瀬亜里沙』の文字が……
雪穂「……もしもし」
亜里沙「あ、雪穂!!ライブ音乃木坂だから今から行く向かえに行くね!!」ブツッ
雪穂「へ……?」
電話が切れました。寝惚けいてよく聞いてませんでしたがとりあえず亜里沙が来るらしいです。欠伸をしながらベットから降りて顔を洗いに下の階へ。
亜里沙「雪穂ー!!」
お店の方から亜里沙の声がしました。予想以上に早いです。
雪穂「なに……?」
亜里沙「ライブだよ!!ほら、早く準備して!」
雪穂「いや、だから私は…」
亜里沙「もう!遅れちゃうよ!!」
いつの間にか家に上がっていた亜里沙は私の背中を押しながら私の部屋へ連れていきました。
雪穂「も、もう分かったから…」
亜里沙「なら私外で待ってるね?」
雪穂「う、うん……」
やってしまった……。また押し切られてしまいました。結局服を着替えて亜里沙と一緒に音乃木坂へ。
穂乃果「みんなー!!今日は来てくれてありがとー!」
あの衣装…。今回の奴だったんだ。やっぱりステージでのお姉ちゃんはいつもとは全然違い少しメイクしてて踊って歌って、家の中でのぐーたら振りが嘘のようです。
亜里沙「わぁ、穂乃果さん凄いキラキラしてるね雪穂!!」
雪穂「え?あぁ…まぁまぁ……かな」
やっぱり素直になれません。そうこうしているうちにライブも終わり、私の休暇はあっという間に1日を終えました。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 01:38:22.25 ID:Y2Gxty9P0
-□月○日(月曜日)-
季節も変わり春になりました。私は中学生から高校生になり、お姉ちゃんも無事進級出来て最高学年に。いつもと変わらない朝ですが今日からは少し違います。それは……
穂乃果「雪穂ー!学校行くよー!!」
雪穂「はいはい…」
穂乃果「もー、今日から高校生なんだから遅刻しちゃダメだよ?」
雪穂「その言葉お姉ちゃんにそっくりそのまま返すよ…どの口が言ってんだか……」
そう、私は音乃木坂に進路を変えたのです。理由は…可能性を感じたから、なんて。皆さんご存知の通りμ'sは見事ラブライブで優勝をして音乃木坂は廃校を免れました。それをいい事に亜里沙に無茶苦茶説得されて…。
やっぱり私って押しに弱いみたいです。
季節も変わり春になりました。私は中学生から高校生になり、お姉ちゃんも無事進級出来て最高学年に。いつもと変わらない朝ですが今日からは少し違います。それは……
穂乃果「雪穂ー!学校行くよー!!」
雪穂「はいはい…」
穂乃果「もー、今日から高校生なんだから遅刻しちゃダメだよ?」
雪穂「その言葉お姉ちゃんにそっくりそのまま返すよ…どの口が言ってんだか……」
そう、私は音乃木坂に進路を変えたのです。理由は…可能性を感じたから、なんて。皆さんご存知の通りμ'sは見事ラブライブで優勝をして音乃木坂は廃校を免れました。それをいい事に亜里沙に無茶苦茶説得されて…。
やっぱり私って押しに弱いみたいです。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 01:38:59.90 ID:Y2Gxty9P0
以上で終わりです
見てくれてた方ありがとうございます。
見てくれてた方ありがとうございます。
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 02:17:02.55 ID:HH1ZqMWzo
おつ
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 18:03:57.16 ID:It3pQJLNo
乙おつ!
また何か思いついたら書いてもええんやで?
また何か思いついたら書いてもええんやで?
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 20:57:19.40 ID:9/bifKTb0
ほのゆきほんと好き
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424956078/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (0)
戦艦レ級「経験人数ガ分カル眼鏡?」
1: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:12:19.44 ID:f3A7WvIuO
レ級e「何だこの眼鏡?」
レ級e「艦載機を開発していた筈なのに……何で眼鏡が出来るんだ?」
レ級e「んー……」カチャ
レ級e(度は入っていないな……)
ヲ級改f「ヲ?! おい、レ級!」
レ級e「げっ……ヲ級」
ヲ級改f「また勝手に艦載機を開発しているの!」
レ級e「許可とったよ…」
ヲ級改f「嘘つけ! それと……この前また勝手に海域から離脱したでしょっ!」
レ級e「う……」
ヲ級改f「アンタがばっくれたせいで、わざわざ南方棲戦姫様に来てもらったんだよ! いつも、問題児を庇ってやってるこっちの身にもなってよっ!」ガミガミ
レ級e(五月蠅い奴だ…………ん?)
ヲ級改f「だ、だから…お詫びに今度2人で、デート…….お出掛けしてもらうからねっ」【経験人数・0】
レ級e(何だこれ……経験人数?)
レ級e「艦載機を開発していた筈なのに……何で眼鏡が出来るんだ?」
レ級e「んー……」カチャ
レ級e(度は入っていないな……)
ヲ級改f「ヲ?! おい、レ級!」
レ級e「げっ……ヲ級」
ヲ級改f「また勝手に艦載機を開発しているの!」
レ級e「許可とったよ…」
ヲ級改f「嘘つけ! それと……この前また勝手に海域から離脱したでしょっ!」
レ級e「う……」
ヲ級改f「アンタがばっくれたせいで、わざわざ南方棲戦姫様に来てもらったんだよ! いつも、問題児を庇ってやってるこっちの身にもなってよっ!」ガミガミ
レ級e(五月蠅い奴だ…………ん?)
ヲ級改f「だ、だから…お詫びに今度2人で、デート…….お出掛けしてもらうからねっ」【経験人数・0】
レ級e(何だこれ……経験人数?)
2: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:14:21.47 ID:f3A7WvIuO
レ級e(経験人数って言ったら……あれだよね…もしかして、その人数が分かるのか?)
ヲ級改f「ん? ……そういえば眼鏡をしているの? 珍しいね……」
ヲ級改f「ま、まあ中々似合っているんじゃない……?」
レ級e「なあ、ヲ級」
ヲ級改f「ん?」
レ級e「お前、経験人数は0か?」
ヲ級改f「は?!」
ヲ級改f「ん? ……そういえば眼鏡をしているの? 珍しいね……」
ヲ級改f「ま、まあ中々似合っているんじゃない……?」
レ級e「なあ、ヲ級」
ヲ級改f「ん?」
レ級e「お前、経験人数は0か?」
ヲ級改f「は?!」
3: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:16:07.46 ID:f3A7WvIuO
レ級e「いや、だから性交した事はあるのかって…」
ヲ級改f「な、なななななな何を言っているのよ! この私が人間共と盛っているように見えるの?!」
レ級e「い、いや。そういうわけじゃ……0なんだよね?」
ヲ級改f「あ、当たり前でしょっ!! 憎むべき人間共なんかとっ」
レ級e「んー、やっぱりそうだよな。0だよね……」
レ級e(まぁ私達が人間と交わる機会なんてそう無いだろうし…)
ヲ級改f「も、もしかして私はだらしのない女に見えるの……そんな……うっ……うっ」
レ級e(ンー…でも他の奴らも見てみるか。なんか面白そうだし)
レ級e「ねぇヲ級」
ヲ級改f「だ、だから私は未経験だからね!」
レ級e「いや、そうじゃなくて。実は……」
ヲ級改f「な、なななななな何を言っているのよ! この私が人間共と盛っているように見えるの?!」
レ級e「い、いや。そういうわけじゃ……0なんだよね?」
ヲ級改f「あ、当たり前でしょっ!! 憎むべき人間共なんかとっ」
レ級e「んー、やっぱりそうだよな。0だよね……」
レ級e(まぁ私達が人間と交わる機会なんてそう無いだろうし…)
ヲ級改f「も、もしかして私はだらしのない女に見えるの……そんな……うっ……うっ」
レ級e(ンー…でも他の奴らも見てみるか。なんか面白そうだし)
レ級e「ねぇヲ級」
ヲ級改f「だ、だから私は未経験だからね!」
レ級e「いや、そうじゃなくて。実は……」
4: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:18:44.55 ID:f3A7WvIuO
ー ー ー
ヲ級改f「け、経験人数の見える眼鏡?!」
レ級e「ああ。何か突然開発できちゃった」
ヲ級改f「な、何それ…」
レ級e「んー、これを付けて、じーっと見てると頭の上に経験人数が浮かんでいるんだよ」
ヲ級改f「だから突然わけ分からない質問をしたの…」
レ級e「うん。本当にあってるのかなって」
ヲ級改f「あ、当たり前でしょ! そもそも私が最初と決めているのは……///」
イ級「イキュー!」バシャ
レ級e「お、イ級か…」
ヲ級改f「………」
ヲ級改f「け、経験人数の見える眼鏡?!」
レ級e「ああ。何か突然開発できちゃった」
ヲ級改f「な、何それ…」
レ級e「んー、これを付けて、じーっと見てると頭の上に経験人数が浮かんでいるんだよ」
ヲ級改f「だから突然わけ分からない質問をしたの…」
レ級e「うん。本当にあってるのかなって」
ヲ級改f「あ、当たり前でしょ! そもそも私が最初と決めているのは……///」
イ級「イキュー!」バシャ
レ級e「お、イ級か…」
ヲ級改f「………」
5: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:20:16.39 ID:f3A7WvIuO
レ級e「……ん?」
イ級「イキューイキュー!」【経験人数・3】
レ級e「は?!」
ヲ級改f「ど、どうしたの?」
レ級e「いやいや、そんなまさかね……」ゴシゴシ
イ級「イキュ?」【経験人数・3】
レ級e「えぇ………」
ヲ級改f「どうしたのよ?」
レ級e「イ級が経験人数3なんだけど…」
ヲ級改f「?!」
イ級「イキューイキュー!」【経験人数・3】
レ級e「は?!」
ヲ級改f「ど、どうしたの?」
レ級e「いやいや、そんなまさかね……」ゴシゴシ
イ級「イキュ?」【経験人数・3】
レ級e「えぇ………」
ヲ級改f「どうしたのよ?」
レ級e「イ級が経験人数3なんだけど…」
ヲ級改f「?!」
6: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:21:15.12 ID:f3A7WvIuO
レ級e「やっぱりこれデタラメなのかなぁ」
ヲ級改f「ち、ちょっと。私は経験人数0よっ!!」
レ級e「な、何でそんな必死なんだよ」
ヲ級改f「ちょっと待ってて! 今、私がこの子から話を聞いてみるから! ヲヲッ! ヲヲーヲッ。ヲッヲー!」
イ級「イキュ? イキュイキュイキュー!」
ヲ級改f「ヲッヲ……ヲヲ?」
イ級「イキュイキュ…」
レ級e「通じるのか……」
ヲ級改f「ち、ちょっと。私は経験人数0よっ!!」
レ級e「な、何でそんな必死なんだよ」
ヲ級改f「ちょっと待ってて! 今、私がこの子から話を聞いてみるから! ヲヲッ! ヲヲーヲッ。ヲッヲー!」
イ級「イキュ? イキュイキュイキュー!」
ヲ級改f「ヲッヲ……ヲヲ?」
イ級「イキュイキュ…」
レ級e「通じるのか……」
7: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 02:22:19.24 ID:f3A7WvIuO
ヲ級改f「ヲヲッ……ヲヲッ」
イ級「イキュー」
ヲ級改f「……分かったわ」
レ級e「何だって?」
ヲ級改f「なんか漁師3人にぶち込まれたらしいわよ」
レ級e「えぇ……何それは」
ヲ級改f「まぁイ級にも穴はあるから」
イ級「イキュー……///」
ヲ級改f「それに前に本で読んだんだけど、人間共はエイとも性交した記録があるらしいわよ。だからイ級と性交してもおかしくないわ」
レ級e「流石のレ級もドン引きだよ……人間共ド変態過ぎでしょ」
イ級「イキュイキュ…///」
ヲ級改f「不覚にも感じたと言っているわ」
レ級e「お前も変態かよ…」
イ級「イキュー」
ヲ級改f「……分かったわ」
レ級e「何だって?」
ヲ級改f「なんか漁師3人にぶち込まれたらしいわよ」
レ級e「えぇ……何それは」
ヲ級改f「まぁイ級にも穴はあるから」
イ級「イキュー……///」
ヲ級改f「それに前に本で読んだんだけど、人間共はエイとも性交した記録があるらしいわよ。だからイ級と性交してもおかしくないわ」
レ級e「流石のレ級もドン引きだよ……人間共ド変態過ぎでしょ」
イ級「イキュイキュ…///」
ヲ級改f「不覚にも感じたと言っているわ」
レ級e「お前も変態かよ…」
27: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 18:52:45.81 ID:f3A7WvIuO
レ級e「おい、もう行っていいぞ…」
イ級「イキュ? イキュー!」バシャッ
ヲ級改f「バイバイ」
レ級e「はぁ…何かどっと疲れた…」
ヲ級改f「あ、そういえばほっぽ様がアンタを呼んでいたよ! 年末だから遊びに来いってさ」
レ級e「えー……行きたくない。寒いんだもん……」
ヲ級改f「ワガママいうんじゃないの! ほら、行くよ!」ガシッ
レ級e「うう……尻尾引っ張るなよぉ……」ズルズル
イ級「イキュ? イキュー!」バシャッ
ヲ級改f「バイバイ」
レ級e「はぁ…何かどっと疲れた…」
ヲ級改f「あ、そういえばほっぽ様がアンタを呼んでいたよ! 年末だから遊びに来いってさ」
レ級e「えー……行きたくない。寒いんだもん……」
ヲ級改f「ワガママいうんじゃないの! ほら、行くよ!」ガシッ
レ級e「うう……尻尾引っ張るなよぉ……」ズルズル
28: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 18:54:05.24 ID:f3A7WvIuO
ーー北方海域ーー
レ級「ううぅ……寒い……」
ヲ級改f「だらしないなぁ…。たいして寒くないよ」
レ級e「何でお前は平気なんだよ…」
ヲ級改f「私はちょくちょく来てるからね。アンタみたいに引きこもってないのよ!」
レ級e「南方は居心地が良いんだよ…あったかいし……」
ヲ級改f「じ、じゃあ慣れるまで私が随伴艦に……」
レ級e「ぶえっくしょい!! うう…寒……ん、何か言った?」
ヲ級改f「…………」
レ級「ううぅ……寒い……」
ヲ級改f「だらしないなぁ…。たいして寒くないよ」
レ級e「何でお前は平気なんだよ…」
ヲ級改f「私はちょくちょく来てるからね。アンタみたいに引きこもってないのよ!」
レ級e「南方は居心地が良いんだよ…あったかいし……」
ヲ級改f「じ、じゃあ慣れるまで私が随伴艦に……」
レ級e「ぶえっくしょい!! うう…寒……ん、何か言った?」
ヲ級改f「…………」
29: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 18:56:46.39 ID:f3A7WvIuO
ほっぽ「ヨクキタナ」
ヲ級改f「お招きいただきありがとうございます」
レ級e「寒い……」ガタガタ
ほっぽ「キョウハ2人二ハプレゼントヲ渡ソウトオモッテナ」
ヲ級改f「あ、ありがとうございます」
レ級e「寒い…」ガタガタ
ヲ級改f「いつまで震えてるのよ!」バシッ
レ級e「痛っ!」
ほっぽ「相変ワラズ中ガ良イナ、2人ハ…」
ヲ級改f「そ、そうですか。えへへ…///」
レ級e(……ほっぽ様の経験人数はどうなんだろう?)
ほっぽ「今年モ艦娘共ガシツコクテナ」
ヲ級改f「あいつらマジ鬼畜ですよね…」
レ級e(まぁゼロだろうけど…)スチャ
ほっぽ「クルナトイウノニマッタク……」【経験人数・2】
レ級e「………」
ヲ級改f「お招きいただきありがとうございます」
レ級e「寒い……」ガタガタ
ほっぽ「キョウハ2人二ハプレゼントヲ渡ソウトオモッテナ」
ヲ級改f「あ、ありがとうございます」
レ級e「寒い…」ガタガタ
ヲ級改f「いつまで震えてるのよ!」バシッ
レ級e「痛っ!」
ほっぽ「相変ワラズ中ガ良イナ、2人ハ…」
ヲ級改f「そ、そうですか。えへへ…///」
レ級e(……ほっぽ様の経験人数はどうなんだろう?)
ほっぽ「今年モ艦娘共ガシツコクテナ」
ヲ級改f「あいつらマジ鬼畜ですよね…」
レ級e(まぁゼロだろうけど…)スチャ
ほっぽ「クルナトイウノニマッタク……」【経験人数・2】
レ級e「………」
30: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 18:58:10.39 ID:f3A7WvIuO
レ級e「いやいや、おかしいでしょ…」
ほっぽ「ドウシタ?」
ヲ級改f「どうしたの………ま、まさか?」
レ級e「……2人…」
ヲ級改f「ええ?!」
ほっぽ「?」
ヲ級改f「こ、こんな愛らしい幼女のほっぽ様がそんな汚らわしい真似をするわけないでしょっ!」ナデナデ
ほっぽ「ナデナデ気持イ……」
レ級e「んー……だよな。やっぱ壊れてるんじゃないかな…」
ヲ級改f「私は未経験よっ!」
レ級e「だから分かってるよ…」
ほっぽ「ドウシタ?」
ヲ級改f「どうしたの………ま、まさか?」
レ級e「……2人…」
ヲ級改f「ええ?!」
ほっぽ「?」
ヲ級改f「こ、こんな愛らしい幼女のほっぽ様がそんな汚らわしい真似をするわけないでしょっ!」ナデナデ
ほっぽ「ナデナデ気持イ……」
レ級e「んー……だよな。やっぱ壊れてるんじゃないかな…」
ヲ級改f「私は未経験よっ!」
レ級e「だから分かってるよ…」
31: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 18:59:12.96 ID:f3A7WvIuO
レ級e「ねぇ、ちょっとほっぽ様に遠回しに聞いてみてよ」ヒソヒソ
ヲ級改f「えっ。わ、私が」ヒソヒソ
レ級e「念のために…さりげなく遠回しにさ」ヒソヒソ
ヲ級改f「そ、そうね…」ヒソヒソ
ヲ級改f「あの…ほっぽ様…」
ほっぽ「ン?」
ヲ級改f「せ、性交ってした事ありますか?」
レ級e「直球かよ……」
ヲ級改f「えっ。わ、私が」ヒソヒソ
レ級e「念のために…さりげなく遠回しにさ」ヒソヒソ
ヲ級改f「そ、そうね…」ヒソヒソ
ヲ級改f「あの…ほっぽ様…」
ほっぽ「ン?」
ヲ級改f「せ、性交ってした事ありますか?」
レ級e「直球かよ……」
32: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:00:13.87 ID:f3A7WvIuO
ほっぽ「……? ナンダ性交ッテ?」
ヲ級改f「わ、分からないですか?」
ほっぽ「ウン。ソレ食ベレルノカ?」
ヲ級改f「い、いや。何でもないです。あは、あはは……」
ほっぽ「?」
ヲ級改f「し、知らないみたい」ヒソヒソ
レ級e「じゃあやっぱり数字はデタラメか……良かった…」
ほっぽ「ナンノ話?」
ヲ級改f「な、何でもないです」ナデナデ
ほっぽ「ナデナデ良イ……」
ヲ級改f「わ、分からないですか?」
ほっぽ「ウン。ソレ食ベレルノカ?」
ヲ級改f「い、いや。何でもないです。あは、あはは……」
ほっぽ「?」
ヲ級改f「し、知らないみたい」ヒソヒソ
レ級e「じゃあやっぱり数字はデタラメか……良かった…」
ほっぽ「ナンノ話?」
ヲ級改f「な、何でもないです」ナデナデ
ほっぽ「ナデナデ良イ……」
33: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:01:19.00 ID:f3A7WvIuO
ほっぽ「ホラ、2人トモ。プレゼントダ!」
ヲ級改f「わぁ。ボーキと烈風が沢山……良いんですか?」
ほっぽ「ウン。沢山余ッテイルカラナ」
レ級e「沢山余ってる?」
ほっぽ「アア。ボーキヤ烈風ヲ沢山クレル人間ガイルンダ」
レ級e「ん……?」
ヲ級改f「に、人間?」
ほっぽ「良イ人間モイルモンダナ」
レ級e「その……タダでくれるんですか?」
ほっぽ「ン? イヤ、エート……ヨクワカラナイケド、オ股ノ上二乗ルトクレルンダ」
レ級e「」
ヲ級改f「」
ヲ級改f「わぁ。ボーキと烈風が沢山……良いんですか?」
ほっぽ「ウン。沢山余ッテイルカラナ」
レ級e「沢山余ってる?」
ほっぽ「アア。ボーキヤ烈風ヲ沢山クレル人間ガイルンダ」
レ級e「ん……?」
ヲ級改f「に、人間?」
ほっぽ「良イ人間モイルモンダナ」
レ級e「その……タダでくれるんですか?」
ほっぽ「ン? イヤ、エート……ヨクワカラナイケド、オ股ノ上二乗ルトクレルンダ」
レ級e「」
ヲ級改f「」
34: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:02:29.97 ID:f3A7WvIuO
ほっぽ「最初ハ、チョット痛クテ嫌ダッタケド…慣レテクルトワルクナイシナ。人間共モ奇妙ナ事ヲシタガルモノダ…」
ヲ級改f「…もしかして白い帽子被ってます?」
ほっぽ「オオ、ヨク分カルナ」
ヲ級改f「……レ級。明日、襲撃」
レ級e「おk」
ヲ級改f「ロリコンは死ね……」
ほっぽ「?」
ヲ級改f「…もしかして白い帽子被ってます?」
ほっぽ「オオ、ヨク分カルナ」
ヲ級改f「……レ級。明日、襲撃」
レ級e「おk」
ヲ級改f「ロリコンは死ね……」
ほっぽ「?」
35: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:03:43.93 ID:f3A7WvIuO
ー ー ー
レ級e「人間共ド変態過ぎだろ…頭おかしい…」
ヲ級改f「汚らわしいわ…」
港湾棲姫「あら?」
ヲ級改f「あ、港湾棲艦様!」
レ級e「こんにちわ」
港湾棲姫「こんにちは、二人とも。ほっぽの所に行って来たの?」
ヲ級改f「はい。港湾棲姫様は戦闘の帰りですか?」
港湾棲姫「ええ。ちょっとほっぽにオイタをした人間に……ね」
ヲ級改f「な、なるほど」
レ級e(バレたのか。ご愁傷様だね…)
レ級e(港湾棲姫様はどうだろう。流石に襲おうにも無理だろう…0かな)スチャ
港湾棲姫「あら、良い眼鏡ね」【経験人数・30】
レ級e「ぶーっ?!」
ヲ級改f「え?!」
レ級e「人間共ド変態過ぎだろ…頭おかしい…」
ヲ級改f「汚らわしいわ…」
港湾棲姫「あら?」
ヲ級改f「あ、港湾棲艦様!」
レ級e「こんにちわ」
港湾棲姫「こんにちは、二人とも。ほっぽの所に行って来たの?」
ヲ級改f「はい。港湾棲姫様は戦闘の帰りですか?」
港湾棲姫「ええ。ちょっとほっぽにオイタをした人間に……ね」
ヲ級改f「な、なるほど」
レ級e(バレたのか。ご愁傷様だね…)
レ級e(港湾棲姫様はどうだろう。流石に襲おうにも無理だろう…0かな)スチャ
港湾棲姫「あら、良い眼鏡ね」【経験人数・30】
レ級e「ぶーっ?!」
ヲ級改f「え?!」
36: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:04:28.03 ID:f3A7WvIuO
港湾棲艦「ど、どうしたの?」
レ級e「はぁっはぁっ……いやいや…えぇ……」
ヲ級改f「だ、大丈夫?」
レ級e「……30人」
ヲ級改f「…え。えええええ?!」
レ級e「信じたくはないが…」
港湾棲姫「??」
ヲ級改f「こ、港湾棲姫様! に、人間共に襲われたりしませんでしたか?!」
港湾棲姫「え?! そ、それは…」
レ級e「やっぱり……ゆ、許せない」
ヲ級改f「その屑人間共をぶち殺しに行きましょう!」
レ級e「はぁっはぁっ……いやいや…えぇ……」
ヲ級改f「だ、大丈夫?」
レ級e「……30人」
ヲ級改f「…え。えええええ?!」
レ級e「信じたくはないが…」
港湾棲姫「??」
ヲ級改f「こ、港湾棲姫様! に、人間共に襲われたりしませんでしたか?!」
港湾棲姫「え?! そ、それは…」
レ級e「やっぱり……ゆ、許せない」
ヲ級改f「その屑人間共をぶち殺しに行きましょう!」
37: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:05:10.93 ID:f3A7WvIuO
港湾棲姫「あ、いや……襲われてはいない」
レ級e「え?」
ヲ級改f「じゃあ、どういう……」
港湾棲姫「うう……何でバレたの。やっぱ匂いかな…」
レ級e「?」
港湾棲姫「その……襲われたんじゃなくて……ワタシが…その………襲ったの///」
レ級e「?!」
ヲ級改f「?!」
レ級e「え?」
ヲ級改f「じゃあ、どういう……」
港湾棲姫「うう……何でバレたの。やっぱ匂いかな…」
レ級e「?」
港湾棲姫「その……襲われたんじゃなくて……ワタシが…その………襲ったの///」
レ級e「?!」
ヲ級改f「?!」
38: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:06:02.43 ID:f3A7WvIuO
ヲ級改f「お、襲う…?」
港湾棲姫「う、うん……」
レ級e「い、いわゆる逆レイプですか?」
港湾棲艦「キャア! 声に出さないで…恥ずかしい///」
レ級e「えぇ……」
港湾棲艦「最近、人間共を逆レイプするのが癖になっちゃって……ついさっきもほっぽのお返しに泣き喚いて悶絶するまで吸い取ってきちゃったわ///」
レ級e「ひぇ……」
港湾棲艦「ほっぽには言わないでね///」
ヲ級改f「は、はい……」ドンビキ
港湾棲姫「う、うん……」
レ級e「い、いわゆる逆レイプですか?」
港湾棲艦「キャア! 声に出さないで…恥ずかしい///」
レ級e「えぇ……」
港湾棲艦「最近、人間共を逆レイプするのが癖になっちゃって……ついさっきもほっぽのお返しに泣き喚いて悶絶するまで吸い取ってきちゃったわ///」
レ級e「ひぇ……」
港湾棲艦「ほっぽには言わないでね///」
ヲ級改f「は、はい……」ドンビキ
39: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:06:47.07 ID:f3A7WvIuO
ー ー ー
ヲ級改f「何か凄い疲れた…」
レ級e「うん……」
ヲ級「ヲ?! 先輩方こんにちわっす」
ヲ級改f「あら、こんにちわ」
レ級e「後輩?」
ヲ級改f「そうよ」
レ級「………」スチャッ
ヲ級「レ級さんですよね!会えて光栄っす!」【経験人数・1】
レ級「…1回」
ヲ級f「え?」
ヲ級改f「ええ?! いや、あり得ないわよ。この子はガチレズで人間嫌いなのよ!」
ヲ級「ちょ……ま、まあそうですけど///」
レ級e「人間に襲われたりした?」
ヲ級「いや、ないですけど…」
レ級e「だよね…」
ヲ級「?」
ヲ級改f「何か凄い疲れた…」
レ級e「うん……」
ヲ級「ヲ?! 先輩方こんにちわっす」
ヲ級改f「あら、こんにちわ」
レ級e「後輩?」
ヲ級改f「そうよ」
レ級「………」スチャッ
ヲ級「レ級さんですよね!会えて光栄っす!」【経験人数・1】
レ級「…1回」
ヲ級f「え?」
ヲ級改f「ええ?! いや、あり得ないわよ。この子はガチレズで人間嫌いなのよ!」
ヲ級「ちょ……ま、まあそうですけど///」
レ級e「人間に襲われたりした?」
ヲ級「いや、ないですけど…」
レ級e「だよね…」
ヲ級「?」
40: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:07:35.24 ID:f3A7WvIuO
ー ー ー
レ級e「………」
ヲ級改f「どうしたのよ、考え込んで。さっきの事? でもあの子はガチレズ人間嫌いなのよ。見間違いじゃないのかしら」
レ級e「………疑問に思う事がある」
ヲ級改f「疑問?」
レ級e「実はちょくちょく通りすがりの奴をみていると…3人に1人ぐらい経験済みなんだよ。全部で30人くらいかな」
ヲ級改f「え?!」
レ級e「ちょっとそれはおかしいだろ?」
ヲ級改f「ええ……やっぱり壊れてるのかしら」
レ級e「いや、一つ思う事がある」
ヲ級改f「思う事?」
レ級e「つまりレズセックスは回数に入るかって事さ」
ヲ級改f「ヲ?!」
レ級e「………」
ヲ級改f「どうしたのよ、考え込んで。さっきの事? でもあの子はガチレズ人間嫌いなのよ。見間違いじゃないのかしら」
レ級e「………疑問に思う事がある」
ヲ級改f「疑問?」
レ級e「実はちょくちょく通りすがりの奴をみていると…3人に1人ぐらい経験済みなんだよ。全部で30人くらいかな」
ヲ級改f「え?!」
レ級e「ちょっとそれはおかしいだろ?」
ヲ級改f「ええ……やっぱり壊れてるのかしら」
レ級e「いや、一つ思う事がある」
ヲ級改f「思う事?」
レ級e「つまりレズセックスは回数に入るかって事さ」
ヲ級改f「ヲ?!」
41: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:08:19.64 ID:f3A7WvIuO
ヲ級改f「な、何言ってんのよアンタ///」
レ級e「もし、これがありならさっきの後輩ちゃんの事とかも説明がつく」
ヲ級改f「ま、まあそうだけど……確かめようがないじゃない」
レ級e「いやある」ガシッ
ヲ級改f「え…ち、ちょっと…」
レ級e「協力してくれ。嫌か?」
ヲ級改f「…………い、嫌じゃないけど///」
レ級e「そうか…じゃあ、いくぞ」
ヲ級改f「うん……///」
レ級e「もし、これがありならさっきの後輩ちゃんの事とかも説明がつく」
ヲ級改f「ま、まあそうだけど……確かめようがないじゃない」
レ級e「いやある」ガシッ
ヲ級改f「え…ち、ちょっと…」
レ級e「協力してくれ。嫌か?」
ヲ級改f「…………い、嫌じゃないけど///」
レ級e「そうか…じゃあ、いくぞ」
ヲ級改f「うん……///」
42: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:09:20.06 ID:f3A7WvIuO
ー ー ー
レ級e「ふぅ………」
ヲ級改f「………///」
レ級e「中々疲れるな……」
レ級e「んーと、どうかな」スチャ
ヲ級改f「……激し過ぎよ///」【経験人数・0】
レ級e「ありゃ……違うのか」
レ級e(じゃあ、何だろうな……ん? 鏡?)
レ級e「………」ジッー
レ級e「………は?」【経験人数・1】
レ級e「わけわかんないなコレ……」
レ級e「ふぅ………」
ヲ級改f「………///」
レ級e「中々疲れるな……」
レ級e「んーと、どうかな」スチャ
ヲ級改f「……激し過ぎよ///」【経験人数・0】
レ級e「ありゃ……違うのか」
レ級e(じゃあ、何だろうな……ん? 鏡?)
レ級e「………」ジッー
レ級e「………は?」【経験人数・1】
レ級e「わけわかんないなコレ……」
43: ◆jMqpzvitLs 2015/12/30(水) 19:10:34.98 ID:f3A7WvIuO
ヲ級改f「もうどうでも良いじゃない…そんなの。それより責任とってよね……だからもう一回///」
レ級e「んー…そうだな、この眼鏡にも飽きてきたし…」
レ級e(一回って、一度もした事ないしな……何なんだろう)
レ級e(生まれてから一度も…間違いなく無い)
レ級e(…一度も……)
―――……――テザザッ……――ト―――ザザッ―ク……――ザザッ
レ級e(………?)
レ級e「……まあ、良いか」ポイッ
完
レ級e「んー…そうだな、この眼鏡にも飽きてきたし…」
レ級e(一回って、一度もした事ないしな……何なんだろう)
レ級e(生まれてから一度も…間違いなく無い)
レ級e(…一度も……)
―――……――テザザッ……――ト―――ザザッ―ク……――ザザッ
レ級e(………?)
レ級e「……まあ、良いか」ポイッ
完
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:19:09.47 ID:Et54vyyY0
乙
ほっぽちゃんが2人とかむしろ少なすぎじゃないですかね
ほっぽちゃんが2人とかむしろ少なすぎじゃないですかね
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:19:51.98 ID:Hln5q7/mo
乙
こ、怖いというか悲しいというか面白いというか
こ、怖いというか悲しいというか面白いというか
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 19:28:36.61 ID:TBSl6cz+O
オチで感心してしまった
おつおつ
おつおつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451409139/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
綾乃「いたずらスキンシップ」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 23:56:56.85 ID:sV5jd6LVo
<生徒会室>
櫻子「こんちはー!」がらっ
綾乃「あら、大室さん」
放課後の生徒会室。今日の仕事分を確認していると、元気よく扉が開かれて大室さんが入ってきた。
きょろきょろと部屋を見回して、少し驚いたように尋ねてくる。
櫻子「あれっ? 先輩だけですか?」
綾乃「そうなの。千歳は昨日から風邪で休んでてね……会長も今日は外せない用事があるみたいで、今のところは私ひとりなの」
千歳は昨日と今日、体調不良で学校を休んでいた。風邪そのものは軽いもので心配はいらないらしく、明日には行けるかもしれないと言っていた。
会長は何か受験に関しての用事があるようで……詳しいことはわからなかったが、今回は参加できないことを昼休みに私の元まで伝えに来てくれた。
今日は三人ということで、会長の指定した仕事量は大したものではないが、それでもノルマはある。後輩たちと協力して、その仕事を済ませるのが今日の予定だ。
しかし、
櫻子「ほぇ~……偶然かなあ、向日葵も今日来れないんですよ」
綾乃「えっ?」
櫻子「こんちはー!」がらっ
綾乃「あら、大室さん」
放課後の生徒会室。今日の仕事分を確認していると、元気よく扉が開かれて大室さんが入ってきた。
きょろきょろと部屋を見回して、少し驚いたように尋ねてくる。
櫻子「あれっ? 先輩だけですか?」
綾乃「そうなの。千歳は昨日から風邪で休んでてね……会長も今日は外せない用事があるみたいで、今のところは私ひとりなの」
千歳は昨日と今日、体調不良で学校を休んでいた。風邪そのものは軽いもので心配はいらないらしく、明日には行けるかもしれないと言っていた。
会長は何か受験に関しての用事があるようで……詳しいことはわからなかったが、今回は参加できないことを昼休みに私の元まで伝えに来てくれた。
今日は三人ということで、会長の指定した仕事量は大したものではないが、それでもノルマはある。後輩たちと協力して、その仕事を済ませるのが今日の予定だ。
しかし、
櫻子「ほぇ~……偶然かなあ、向日葵も今日来れないんですよ」
綾乃「えっ?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:02:35.65 ID:mcjyyjUNo
櫻子「お母さんに予定が入って、妹を幼稚園に迎えに行く人がいないからって……だから今頃あいつ、幼稚園向かってるんです」
綾乃「そ、そうだったの……」
まさかの事態になった。たった今仕事分のプリント類を確認しながら、古谷さんにやってもらおうと思っている箇所をいくつかチェックしていたところなので、それが来れないとなると予定を変更しなくてはならない。
いや、それ以前に……
綾乃「……ってことは、今日は私と大室さんだけなのね……!」
櫻子「そういうことになりますね~」
まさかの、生徒会役員の60%が欠席。
櫻子「二人だけなんて、珍しいですよね!」
綾乃「そうねぇ……」
珍しいというか初めてである。会長、千歳、古谷さんと高い出席率を誇る面々がみんな欠席。恐らくこれから先もこんなことは起こらないのではないだろうか。
綾乃「そ、そうだったの……」
まさかの事態になった。たった今仕事分のプリント類を確認しながら、古谷さんにやってもらおうと思っている箇所をいくつかチェックしていたところなので、それが来れないとなると予定を変更しなくてはならない。
いや、それ以前に……
綾乃「……ってことは、今日は私と大室さんだけなのね……!」
櫻子「そういうことになりますね~」
まさかの、生徒会役員の60%が欠席。
櫻子「二人だけなんて、珍しいですよね!」
綾乃「そうねぇ……」
珍しいというか初めてである。会長、千歳、古谷さんと高い出席率を誇る面々がみんな欠席。恐らくこれから先もこんなことは起こらないのではないだろうか。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:04:42.55 ID:mcjyyjUNo
二人しかいない事態を面白がっている大室さんを、優しく諭す。
綾乃「二人きりってなると、五人分の仕事を私達だけでやらなきゃいけないから、すごく大変よ」
櫻子「えぇー!?」
綾乃「……ふふ、冗談だけどね。会長が今日の分の仕事量を少なく決めておいてくれたのよ。それでも古谷さんがいると思ってたから、その分は私たちが頑張らないとだけど」
櫻子「なーんだ、それなら楽勝ですよ!」
意気揚々とカバンを置いた大室さんに、今日の仕事を教える。
簡単なプリント整理だ。アンケートの答えが色々と書かれているので、その答えに応じて分けてほしいのだ。
二人しかいないということで、机をいつもより大きくとって教える。
綾乃「―――で、それを学年分全部。これさえ終わったら帰っても大丈夫よ」
櫻子「うぇー、結構たくさん……」
綾乃「そんなことないわよ。一クラスあたり三分くらいじゃない? それに慣れれば早くなるし」
櫻子「ん~……」
綾乃「二人きりってなると、五人分の仕事を私達だけでやらなきゃいけないから、すごく大変よ」
櫻子「えぇー!?」
綾乃「……ふふ、冗談だけどね。会長が今日の分の仕事量を少なく決めておいてくれたのよ。それでも古谷さんがいると思ってたから、その分は私たちが頑張らないとだけど」
櫻子「なーんだ、それなら楽勝ですよ!」
意気揚々とカバンを置いた大室さんに、今日の仕事を教える。
簡単なプリント整理だ。アンケートの答えが色々と書かれているので、その答えに応じて分けてほしいのだ。
二人しかいないということで、机をいつもより大きくとって教える。
綾乃「―――で、それを学年分全部。これさえ終わったら帰っても大丈夫よ」
櫻子「うぇー、結構たくさん……」
綾乃「そんなことないわよ。一クラスあたり三分くらいじゃない? それに慣れれば早くなるし」
櫻子「ん~……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:06:11.92 ID:mcjyyjUNo
櫻子「競争?」ぴくっ
綾乃「私より早く終わったら、冷蔵庫のプリンを上げてもいいわ」
櫻子「ほんとですか!?///」きらーん
……大室さんの扱い方は、そこそこ長い付き合いで既に心得ている。
つまらない作業を押し付けてもあまり進んでやってくれない彼女だが、ひとたび競争とかご褒美をちらつかせると俄然やる気になってくれるのだ。
しかも本気になった大室さんは、私達も驚くほどのパフォーマンスを見せることもある。その大室さんが現れてくれれば、今日の仕事は私達だけでも充分早く終わるだろう。
るんるんと歌いながら、なかなか早い手つきでプリントを整理し始めた。どうやら作戦は上手くいったようだ。恐らく私の仕事よりも早く終わらせてくれるはず。
プリンは大室さんに渡ることになるが、今回ばかりは構わない。こんな使い方も訪れるだろうと予想はしていた。
はりきる後輩の姿に安堵し、私も自分の仕事分にとりかかる。
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:08:04.82 ID:mcjyyjUNo
~
櫻子「ん~~! おいし~♪」
綾乃「私ももうちょっとで終わるから、それ食べて待っててね」
大室さんは期待以上のスピードで作業を終わらせてくれた。
ご褒美のプリンに美味しそうに舌つづみを打っている。私もその美味しさはよくわかっているつもりだが、それにしてもこの子は本当に美味しそうに食べてくれる。
今回はそこに勝利の喜びも加わっているのだろう。もとより、私が勝ってしまってもプリンはあげてもいいと思っていたが。
櫻子「はー、おいしかった!」
ぺろりと平らげた大室さんは、人口密度の少ない生徒会室で遊び始めた。会長の席に座って口をぱくぱくさせたり(モノマネらしい)、千歳の席に座って「頑張ってや~」と応援してくれたり。
少し気は散るが、特に支障は無い。もう数分で私の仕事も終わるだろう。二人きりと知った時は驚いたものだが、なんとか今日のノルマは達成できそうだ。
櫻子「ん~~! おいし~♪」
綾乃「私ももうちょっとで終わるから、それ食べて待っててね」
大室さんは期待以上のスピードで作業を終わらせてくれた。
ご褒美のプリンに美味しそうに舌つづみを打っている。私もその美味しさはよくわかっているつもりだが、それにしてもこの子は本当に美味しそうに食べてくれる。
今回はそこに勝利の喜びも加わっているのだろう。もとより、私が勝ってしまってもプリンはあげてもいいと思っていたが。
櫻子「はー、おいしかった!」
ぺろりと平らげた大室さんは、人口密度の少ない生徒会室で遊び始めた。会長の席に座って口をぱくぱくさせたり(モノマネらしい)、千歳の席に座って「頑張ってや~」と応援してくれたり。
少し気は散るが、特に支障は無い。もう数分で私の仕事も終わるだろう。二人きりと知った時は驚いたものだが、なんとか今日のノルマは達成できそうだ。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:08:53.63 ID:mcjyyjUNo
大室さんはいろんなモノマネに飽きると、今度は背後にすり寄って来て、私の肩を揉み始めた。
櫻子「先輩まだですか~?」もみもみ
綾乃「あ……えと、もう少しで終わるけど」
櫻子「早く~早く~」もみもみ
綾乃「ちょ、ちょっと……///」
帰ってもいいよと言おうと思ったが、もうすぐこっちも終わりそうだし、なによりせっかく待ってくれているのだから早く終わらせてあげたほうがいい。
しかし、大室さんの手つきは何故か私に大きな脱力感を与え、私の作業スピードは格段に遅くなった。
櫻子「気持ちいいですか?」
綾乃「う、うん……っ」
櫻子「うちのねーちゃんにもたまにやってあげるけど、好評なんですよ~。『あんたマッサージだけはうまいね』って……だけは余計だ! って言うんですけどね」
本当に……うまい。特段肩が凝っているというわけではなかったが、なんともいえぬ快感がじわじわと両肩から伝わってくる。
櫻子「先輩まだですか~?」もみもみ
綾乃「あ……えと、もう少しで終わるけど」
櫻子「早く~早く~」もみもみ
綾乃「ちょ、ちょっと……///」
帰ってもいいよと言おうと思ったが、もうすぐこっちも終わりそうだし、なによりせっかく待ってくれているのだから早く終わらせてあげたほうがいい。
しかし、大室さんの手つきは何故か私に大きな脱力感を与え、私の作業スピードは格段に遅くなった。
櫻子「気持ちいいですか?」
綾乃「う、うん……っ」
櫻子「うちのねーちゃんにもたまにやってあげるけど、好評なんですよ~。『あんたマッサージだけはうまいね』って……だけは余計だ! って言うんですけどね」
本当に……うまい。特段肩が凝っているというわけではなかったが、なんともいえぬ快感がじわじわと両肩から伝わってくる。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:09:24.73 ID:mcjyyjUNo
しかし肩もみにも飽きてしまうと、今度は私の髪をいじり始めた。ポニーテール部分をくるくる弄ぶ。
櫻子「~♪」もしゃもしゃ
綾乃「……大室さん?」
櫻子「はい?」
綾乃「…………」
やめて、というのは角が立つかなと思った。別に拒絶するほどうっとおしくないのも事実だった。
少し言葉を選んで、振り返りながら告げる。
……ここの言葉が後に信じられない事態を招くきっかけになるとは、この時は微塵も思わなかった。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:10:24.04 ID:mcjyyjUNo
綾乃「大室さんって、スキンシップ多いわよね」
櫻子「そうですか?」
綾乃「まあ、普通の子よりは遥かにそんな気が……なんだかんだで私が学校で一番触れ合ってる子って、大室さんなのよね」
櫻子「えー、池田先輩とか、歳納先輩じゃなくて?」
綾乃「確かによく話すけど、触れ合ったりってそこまでしないもの。大室さんの方が多いわ」
嘘ではなかった。というか、言わなかっただけで以前から思っていたことだ。
生徒会で集まる時はもちろん、校内で偶然会う時なども、大室さんは急に抱きついてきたり手を握ってきたりすることが多い。
古谷さんは「昔から人懐っこい子なので、年上の人から構ってもらうのが好きなんですわ」と言っていた。なるほど年上の人に気にしてもらう嬉しさというのは確かにあるが、かといって千歳や歳納京子に私と同じほど触れ合っている所は見たことがない。
普段の時に聞くのも変かなと遠慮していたが、せっかく二人っきりなんだしと疑問を投げかけると、自問の末に答えを出してくれた。
櫻子「ん~……先輩ってなんか、落ち着くんですよね」
綾乃「落ち着く?」
櫻子「そうですか?」
綾乃「まあ、普通の子よりは遥かにそんな気が……なんだかんだで私が学校で一番触れ合ってる子って、大室さんなのよね」
櫻子「えー、池田先輩とか、歳納先輩じゃなくて?」
綾乃「確かによく話すけど、触れ合ったりってそこまでしないもの。大室さんの方が多いわ」
嘘ではなかった。というか、言わなかっただけで以前から思っていたことだ。
生徒会で集まる時はもちろん、校内で偶然会う時なども、大室さんは急に抱きついてきたり手を握ってきたりすることが多い。
古谷さんは「昔から人懐っこい子なので、年上の人から構ってもらうのが好きなんですわ」と言っていた。なるほど年上の人に気にしてもらう嬉しさというのは確かにあるが、かといって千歳や歳納京子に私と同じほど触れ合っている所は見たことがない。
普段の時に聞くのも変かなと遠慮していたが、せっかく二人っきりなんだしと疑問を投げかけると、自問の末に答えを出してくれた。
櫻子「ん~……先輩ってなんか、落ち着くんですよね」
綾乃「落ち着く?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:11:08.03 ID:mcjyyjUNo
櫻子「触ってると気持ちいいんです。いい匂いもするし、身長もおっきいから安心感があるんです」
綾乃「ふうん……///」
悪い気はしなかった。というか、嬉しい。こんなことを誰かに言われたのは初めてである。
思ったことをそのまま伝える大室さんのせいで、むしろ聞いてるこっちの方がだんだん恥ずかしくなってきた。
綾乃「で、でも今言ったことは古谷さんにも当てはまるんじゃない?」
櫻子「あいつはムカつくんですもん! 身体中柔らかくて……おっぱいでかいし!」
綾乃「安心感はないの?」
櫻子「先輩の方が断然ありますよ! あいつの匂いなんてもう嗅ぎ慣れちゃいましたしねぇ」くんくん
綾乃「っ!///」ぴくっ
大室さんはポニーテールを持ち上げると、私のうなじのあたりに顔を潜めてすんすんと鼻を鳴らした。
作業に半分集中していた私の手が、完全に止まる。
だめだ、そこは、弱い。
綾乃「ふうん……///」
悪い気はしなかった。というか、嬉しい。こんなことを誰かに言われたのは初めてである。
思ったことをそのまま伝える大室さんのせいで、むしろ聞いてるこっちの方がだんだん恥ずかしくなってきた。
綾乃「で、でも今言ったことは古谷さんにも当てはまるんじゃない?」
櫻子「あいつはムカつくんですもん! 身体中柔らかくて……おっぱいでかいし!」
綾乃「安心感はないの?」
櫻子「先輩の方が断然ありますよ! あいつの匂いなんてもう嗅ぎ慣れちゃいましたしねぇ」くんくん
綾乃「っ!///」ぴくっ
大室さんはポニーテールを持ち上げると、私のうなじのあたりに顔を潜めてすんすんと鼻を鳴らした。
作業に半分集中していた私の手が、完全に止まる。
だめだ、そこは、弱い。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:12:51.62 ID:mcjyyjUNo
綾乃「お、大室さん……だめよ……///」
櫻子「ん~落ち着く~……やっぱり先輩が一番ですね~」
綾乃「ちょ、ちょっとストップ! 私作業できないじゃない……」
櫻子「えー? なんでですか?」
綾乃「私そこ……っ、弱いのよ……」
櫻子「…………」
二人きりしかいないのもあって、言葉のひとつひとつが静かな空間にとても良く通る。
後輩に何を言っているんだ自分は、と冷静を取り戻そうとしていると、大室さんは急に目を輝かせ、楽しそうな声で変な提案をしてきた。
櫻子「ちょっと、私にもやってくれませんか!? 私自分がどこ弱いとかわからないんですよ!」
綾乃「な、なにが?」
櫻子「弱点です! やっぱり私も自分の弱点知っとかないとって思って。先輩私の弱点探してください!」
綾乃「…………」
櫻子「ん~落ち着く~……やっぱり先輩が一番ですね~」
綾乃「ちょ、ちょっとストップ! 私作業できないじゃない……」
櫻子「えー? なんでですか?」
綾乃「私そこ……っ、弱いのよ……」
櫻子「…………」
二人きりしかいないのもあって、言葉のひとつひとつが静かな空間にとても良く通る。
後輩に何を言っているんだ自分は、と冷静を取り戻そうとしていると、大室さんは急に目を輝かせ、楽しそうな声で変な提案をしてきた。
櫻子「ちょっと、私にもやってくれませんか!? 私自分がどこ弱いとかわからないんですよ!」
綾乃「な、なにが?」
櫻子「弱点です! やっぱり私も自分の弱点知っとかないとって思って。先輩私の弱点探してください!」
綾乃「…………」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:16:57.84 ID:mcjyyjUNo
……変なことを言いだしたぞ、と危惧していると、タイミング悪く手元の仕事がちょうど終わってしまった。
「終わりましたか!? じゃあ早速!」と、大室さんは隣の椅子に座る。
……よくわからないが、今私にしていたことと同じことをして欲しいらしい。
綾乃「えーと……何すればいいの?」
櫻子「なんでもいいですよ! どんとこいです!」わくわく
何からやっていいかわからないので、とりあえず後ろに立って肩を揉む。小さくてか細い肩だ。
私自身あんまり他の人の肩をを揉んであげたりしたことはないので、自分が上手にできているかどうかはわからない。
「終わりましたか!? じゃあ早速!」と、大室さんは隣の椅子に座る。
……よくわからないが、今私にしていたことと同じことをして欲しいらしい。
綾乃「えーと……何すればいいの?」
櫻子「なんでもいいですよ! どんとこいです!」わくわく
何からやっていいかわからないので、とりあえず後ろに立って肩を揉む。小さくてか細い肩だ。
私自身あんまり他の人の肩をを揉んであげたりしたことはないので、自分が上手にできているかどうかはわからない。
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:18:11.37 ID:mcjyyjUNo
櫻子「肩くらいは平気ですよ~」
綾乃「そう? じゃあ……」
さっきの大室さんと同じように、後ろ髪をかきあげてうなじの匂いを吸い込んでみる。
櫻子「あ、先輩も落ち着きますか?」
綾乃「落ち着きは……しないわね」
落ち着くどころか、変にドキドキしてきた。
大室さんの匂いはなんというか……子供の匂いだ。少しだけプリンのような甘い香りも感じる。
ウェーブがかった後ろ髪に指を通してその面白い感触を楽しんでいると、私の微妙な対応にしびれを切らしたようだった。
櫻子「もー全然ですよー! もっとガバッと来ちゃってください!」
綾乃「わ、わかったわよ」
綾乃「そう? じゃあ……」
さっきの大室さんと同じように、後ろ髪をかきあげてうなじの匂いを吸い込んでみる。
櫻子「あ、先輩も落ち着きますか?」
綾乃「落ち着きは……しないわね」
落ち着くどころか、変にドキドキしてきた。
大室さんの匂いはなんというか……子供の匂いだ。少しだけプリンのような甘い香りも感じる。
ウェーブがかった後ろ髪に指を通してその面白い感触を楽しんでいると、私の微妙な対応にしびれを切らしたようだった。
櫻子「もー全然ですよー! もっとガバッと来ちゃってください!」
綾乃「わ、わかったわよ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:18:52.17 ID:mcjyyjUNo
このままだとこの変なやりとりが永遠に続くと思った私は、思い切って弱点っぽいところを触ってみることにする。
手始めに、脇腹を大きく揉んでみた。
櫻子「ぅあっ……!!///」ぞわっ
綾乃「あれ、弱点?」
櫻子「やっ、ちょ……そこはずるいですよ! そんなとこ誰だって弱いじゃないですか!」
綾乃「でも弱点ってそういうことなんじゃないの?」
櫻子「そっ、そういうのじゃなくて、私だけが弱いところとかを見つけたいんですよ~!///」ぱたぱた
綾乃「ふーん……けど、弱点であることに変わりはないみたいね。くすぐったいの?」
櫻子「くすぐったいに……決まってるじゃないですかぁ……にゃははは!」ぴくっ
笑いながら身体をよじらせる大室さん。
骨の部分をなぞるように触ると、反応は更に大きくなる。こり、こりとあばらを前後に揉んであげると、ひゃん! と可愛い声が出てくる。
手始めに、脇腹を大きく揉んでみた。
櫻子「ぅあっ……!!///」ぞわっ
綾乃「あれ、弱点?」
櫻子「やっ、ちょ……そこはずるいですよ! そんなとこ誰だって弱いじゃないですか!」
綾乃「でも弱点ってそういうことなんじゃないの?」
櫻子「そっ、そういうのじゃなくて、私だけが弱いところとかを見つけたいんですよ~!///」ぱたぱた
綾乃「ふーん……けど、弱点であることに変わりはないみたいね。くすぐったいの?」
櫻子「くすぐったいに……決まってるじゃないですかぁ……にゃははは!」ぴくっ
笑いながら身体をよじらせる大室さん。
骨の部分をなぞるように触ると、反応は更に大きくなる。こり、こりとあばらを前後に揉んであげると、ひゃん! と可愛い声が出てくる。
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:19:24.12 ID:mcjyyjUNo
だんだん、小動物のお腹をなでているような愛しさが出てきた。
この辺りが弱いのかな? ここかな? と探るたび、違ったレスポンスが帰ってくることが楽しくなってくる。
櫻子「きゃ~! も、も~先輩!」
綾乃「ここが弱いみたいねぇ」
櫻子「あははは! だめ! だめですって~!///」ぎゅっ
綾乃「あっ」
脇の下に手を忍ばせると、大室さんはあまりのくすぐったさに脇を閉めてしまった。
私の腕が少し引っ張られて、そのまま背中にもたれる形になる。
そうして前にずれた私の手は、強制的に……大室さんの胸を触ることとなった。
この辺りが弱いのかな? ここかな? と探るたび、違ったレスポンスが帰ってくることが楽しくなってくる。
櫻子「きゃ~! も、も~先輩!」
綾乃「ここが弱いみたいねぇ」
櫻子「あははは! だめ! だめですって~!///」ぎゅっ
綾乃「あっ」
脇の下に手を忍ばせると、大室さんはあまりのくすぐったさに脇を閉めてしまった。
私の腕が少し引っ張られて、そのまま背中にもたれる形になる。
そうして前にずれた私の手は、強制的に……大室さんの胸を触ることとなった。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:19:51.93 ID:mcjyyjUNo
綾乃「…………」さわさわ
櫻子「あっ! ちょ、どこ触ってるんですか!?」
綾乃「あ、いや、違うわよ! これは仕方なく……!」
ぱっと手を離して弁明する。しかし大室さんは大きな目を驚いたように見開くと、はっとした様子になって胸をまさぐり始めた。
櫻子「あれ!? 今……」さわさわ
綾乃「……?」
櫻子「ちょ、先輩! もう一回おっぱいお願いします!」
綾乃「ええっ!?///」
何か感じるものがあったのだろうか、大室さんは胸の接触を解禁してきた。
櫻子「あっ! ちょ、どこ触ってるんですか!?」
綾乃「あ、いや、違うわよ! これは仕方なく……!」
ぱっと手を離して弁明する。しかし大室さんは大きな目を驚いたように見開くと、はっとした様子になって胸をまさぐり始めた。
櫻子「あれ!? 今……」さわさわ
綾乃「……?」
櫻子「ちょ、先輩! もう一回おっぱいお願いします!」
綾乃「ええっ!?///」
何か感じるものがあったのだろうか、大室さんは胸の接触を解禁してきた。
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:20:50.49 ID:mcjyyjUNo
綾乃「…………いいの?」
櫻子「お願いです! 今なんか来たんですよ!」
葛藤はもちろんあったが、ここまで散々脇を責めていて今更なことだし、せがまれるままにその控えめな胸を触る。
櫻子「ふ、ふあぁ……!///」
綾乃「ど、どう?」
櫻子「ああっ、これ……他の人に触られると……!」
櫻子「んっ、や、やっぱり……! 私の弱点、おっぱいかもです……!」
綾乃「…………」
……爆弾発言が飛び出る。今日が二人きりでよかった。誰かに聞かれていたら大事件だ。
櫻子「お願いです! 今なんか来たんですよ!」
葛藤はもちろんあったが、ここまで散々脇を責めていて今更なことだし、せがまれるままにその控えめな胸を触る。
櫻子「ふ、ふあぁ……!///」
綾乃「ど、どう?」
櫻子「ああっ、これ……他の人に触られると……!」
櫻子「んっ、や、やっぱり……! 私の弱点、おっぱいかもです……!」
綾乃「…………」
……爆弾発言が飛び出る。今日が二人きりでよかった。誰かに聞かれていたら大事件だ。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:21:33.82 ID:mcjyyjUNo
櫻子「もっと、もっとお願いします……ぁん……」
綾乃「いや、これ以上はさすがに……///」
櫻子「お願いします! ちゃんと確かめたいんですよぉ……!」
綾乃「……はぁ」
こうなると、もはや言っても聞き入れて貰えないだろう。大室さんには身体でわからせてあげるのが一番だ。
気持ち良すぎるとわかったら、向こうから拒絶してくれるはず。意を決して、私は脇腹の下からから大きく包み込むように大室さんの胸を揉んだ。
櫻子「んぁぁっ!」
綾乃「…………」もむっ
櫻子「んっ……く……あぁ……」ぴくっ
色っぽい声が漏れる。息遣いも変わり、身をくねらせながら我慢している。
綾乃「いや、これ以上はさすがに……///」
櫻子「お願いします! ちゃんと確かめたいんですよぉ……!」
綾乃「……はぁ」
こうなると、もはや言っても聞き入れて貰えないだろう。大室さんには身体でわからせてあげるのが一番だ。
気持ち良すぎるとわかったら、向こうから拒絶してくれるはず。意を決して、私は脇腹の下からから大きく包み込むように大室さんの胸を揉んだ。
櫻子「んぁぁっ!」
綾乃「…………」もむっ
櫻子「んっ……く……あぁ……」ぴくっ
色っぽい声が漏れる。息遣いも変わり、身をくねらせながら我慢している。
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:22:33.00 ID:mcjyyjUNo
私が揉み上げると、肩をせばめて身を縮める。円を描くように指を這わせながら揉みおろすと、声を出しながらぴくぴくと身体を震わせる。
我慢なんて強情だ、そう思いながら手つきを強くしても、大室さんは更に強い我慢を重ねて私に釣り合おうとしてくる。
綾乃「じゃ、弱点じゃない……もう認めたら?」
櫻子「だって……お、おっぱいが弱点なんて、かっこわるいんですもん……んっ!///」
人差し指を噛んで、必死に我慢を重ねる大室さん。その齢で、こんなに胸が感じるのも珍しいと思う。
その声はいつもよりも高く震えていた。こんな声を出す子だったのかと少し驚きながらも、もっとその声を聴き出せるようにと私の手つきも自然にポイントを探ってしまっていた。
可愛い。大室さんが、可愛い。
静かな部屋に小さく篭る、私と大室さんの息遣い。衣擦れの音。漏れる甘い声。
先ほどと同じはずの大室さん髪の匂いが、さらなるドキドキを私にもたらす。くるくるとしたウェーブが顔をくすぐって、それがこそばゆくて、すっかり顔を押し付けてしまう形になった。
我慢なんて強情だ、そう思いながら手つきを強くしても、大室さんは更に強い我慢を重ねて私に釣り合おうとしてくる。
綾乃「じゃ、弱点じゃない……もう認めたら?」
櫻子「だって……お、おっぱいが弱点なんて、かっこわるいんですもん……んっ!///」
人差し指を噛んで、必死に我慢を重ねる大室さん。その齢で、こんなに胸が感じるのも珍しいと思う。
その声はいつもよりも高く震えていた。こんな声を出す子だったのかと少し驚きながらも、もっとその声を聴き出せるようにと私の手つきも自然にポイントを探ってしまっていた。
可愛い。大室さんが、可愛い。
静かな部屋に小さく篭る、私と大室さんの息遣い。衣擦れの音。漏れる甘い声。
先ほどと同じはずの大室さん髪の匂いが、さらなるドキドキを私にもたらす。くるくるとしたウェーブが顔をくすぐって、それがこそばゆくて、すっかり顔を押し付けてしまう形になった。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:23:17.05 ID:mcjyyjUNo
そうして夢中で楽しんでいた私は、意識的に避けていた乳首の部分を、いつの間にか人差し指と中指で探ってしまっていた。
櫻子「せんぱぃ……ゆび、やばいです……!」はぁはぁ
綾乃「そう……? じゃあここも弱いのね」きゅっ
櫻子「んぁ……ああっ……///」ぴくっ
椅子からずり落ちそうになっている大室さんを、下から抱え込むように責める。乳首のあたりに指を這わせて、手のひらで胸を揉む。
我慢で震えてしまっている肩に頬を乗せ、耳元で囁く。
綾乃「どう? 気持ちいい?」
櫻子「んっ……は、はぃ……///」
……自分は何を言っているんだという気持ちはある。はたから見れば、先輩が後輩に声を我慢させながら弱い部分をいじめる酷い構図だ。
こんなことしちゃいけない。しかし、大室さんの可愛い顔がもっと見たくて、意志と反して執拗になっていってしまう。
櫻子「せんぱぃ……ゆび、やばいです……!」はぁはぁ
綾乃「そう……? じゃあここも弱いのね」きゅっ
櫻子「んぁ……ああっ……///」ぴくっ
椅子からずり落ちそうになっている大室さんを、下から抱え込むように責める。乳首のあたりに指を這わせて、手のひらで胸を揉む。
我慢で震えてしまっている肩に頬を乗せ、耳元で囁く。
綾乃「どう? 気持ちいい?」
櫻子「んっ……は、はぃ……///」
……自分は何を言っているんだという気持ちはある。はたから見れば、先輩が後輩に声を我慢させながら弱い部分をいじめる酷い構図だ。
こんなことしちゃいけない。しかし、大室さんの可愛い顔がもっと見たくて、意志と反して執拗になっていってしまう。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:24:32.28 ID:mcjyyjUNo
しゅり、しゅりと一番敏感な部分を指でさすってみる。気持ちよすぎるのか、そこからは声も一層激しくなった。
櫻子「あっ、はぁ……あぁんっ……! もっ、もうだめですっ!///」がたっ
綾乃「!」
ついに我慢が限界に達した大室さんは、跳ね起きて机に前かがみになる。
机が揺れる音、椅子がずれる大きな音は、とろけていた私の意識を覚ました。
自分は、なんてことをしてしまっていたのだ。
綾乃「ごっ、ごめんなさい大室さん……! 私ちょっと自分を見失ってたわ……大丈夫?」
櫻子「……はぁ、ぅ……はひ……」
大室さんは息遣いを安定させながら、身体を翻して私に向き合い、机に座るようにして胸を抑えながら言った。
櫻子「えへへ……だめです、私、おっぱいきもちぃみたい……///」
綾乃「っ……!///」どきっ
―――魔性。
もしここが生徒会室じゃなくて私の部屋だったら、もし今下校の時刻を告げるチャイムが鳴ってくれていなかったら、もし私たちが、これからも付き合いの続く先輩と後輩の間柄じゃなかったら。
私はこの子を、今すぐにでも襲っていたかもしれない。
そう思わせるほどの可愛い笑顔を、私に向けてくれた。
櫻子「あっ、はぁ……あぁんっ……! もっ、もうだめですっ!///」がたっ
綾乃「!」
ついに我慢が限界に達した大室さんは、跳ね起きて机に前かがみになる。
机が揺れる音、椅子がずれる大きな音は、とろけていた私の意識を覚ました。
自分は、なんてことをしてしまっていたのだ。
綾乃「ごっ、ごめんなさい大室さん……! 私ちょっと自分を見失ってたわ……大丈夫?」
櫻子「……はぁ、ぅ……はひ……」
大室さんは息遣いを安定させながら、身体を翻して私に向き合い、机に座るようにして胸を抑えながら言った。
櫻子「えへへ……だめです、私、おっぱいきもちぃみたい……///」
綾乃「っ……!///」どきっ
―――魔性。
もしここが生徒会室じゃなくて私の部屋だったら、もし今下校の時刻を告げるチャイムが鳴ってくれていなかったら、もし私たちが、これからも付き合いの続く先輩と後輩の間柄じゃなかったら。
私はこの子を、今すぐにでも襲っていたかもしれない。
そう思わせるほどの可愛い笑顔を、私に向けてくれた。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:25:23.17 ID:mcjyyjUNo
櫻子「へ、変なことしちゃいましたね……もうこんな時間だ」ぴょん
綾乃「…………」
制服を整えて、帰る準備を始める。
混乱する頭に鞭を打って、私もなんとか作業の終わってあるプリント類をまとめた。これはここに置いておいて、明日また会長に渡せばいい。
櫻子「じゃあ、もう帰りましょうか」
綾乃「え、ええ……」
大室さんは大きく伸びをすると、もうほとんど通常の状態に戻っていた。生徒会室に入ってきたときの、いつもの元気な姿だ。
しかし私の耳にはもう、さっきの喘ぎ声が焼き付いてしまっている。我慢を重ねる表情、紅潮した顔、震える肩の力、全てが大きく意識に刻まれている。
こんな気持ちは初めてだった。
そして、願ってしまった。もっともっと、この先にあるものを見てみたいと。
綾乃「大室さん……今日、暇?」
櫻子「えっ?」
綾乃「…………」
制服を整えて、帰る準備を始める。
混乱する頭に鞭を打って、私もなんとか作業の終わってあるプリント類をまとめた。これはここに置いておいて、明日また会長に渡せばいい。
櫻子「じゃあ、もう帰りましょうか」
綾乃「え、ええ……」
大室さんは大きく伸びをすると、もうほとんど通常の状態に戻っていた。生徒会室に入ってきたときの、いつもの元気な姿だ。
しかし私の耳にはもう、さっきの喘ぎ声が焼き付いてしまっている。我慢を重ねる表情、紅潮した顔、震える肩の力、全てが大きく意識に刻まれている。
こんな気持ちは初めてだった。
そして、願ってしまった。もっともっと、この先にあるものを見てみたいと。
綾乃「大室さん……今日、暇?」
櫻子「えっ?」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:26:12.98 ID:mcjyyjUNo
~
綾乃(……こんなことになっちゃった……)しゃわー
ぽんぽんと流れるように事は進み、なんと大室さんは今日私の家に泊まることになった。
「私、前から先輩の家に遊びに行ってみたかったんですよ~!」……帰りがけに誘ってみると、無邪気にそう答えてくれた大室さんは、そのまま私の家に一緒に帰宅した。
普段から外泊には慣れているのだろうか、家に電話をさせるとあっさり許可が降りたようだった。夕飯当番がなんとか言っていたが、それくらいの心配で済んだらしい。
生徒会で一緒の後輩が遊びに来たと言うと、うちの親も「良いことだ」と大室さんを手厚くもてなしてくれた。同級生でさえ家に呼ぶことが少ない私が、後輩と仲良くなるのは珍しいと。
無断外泊は校則違反だ。が、二人きりの生徒会室で淫行まがいのことをしていた自分にもはやそんな規則は効かない。
そんなことよりも私は、大室さんを離したくなかった。
綾乃(……こんなことになっちゃった……)しゃわー
ぽんぽんと流れるように事は進み、なんと大室さんは今日私の家に泊まることになった。
「私、前から先輩の家に遊びに行ってみたかったんですよ~!」……帰りがけに誘ってみると、無邪気にそう答えてくれた大室さんは、そのまま私の家に一緒に帰宅した。
普段から外泊には慣れているのだろうか、家に電話をさせるとあっさり許可が降りたようだった。夕飯当番がなんとか言っていたが、それくらいの心配で済んだらしい。
生徒会で一緒の後輩が遊びに来たと言うと、うちの親も「良いことだ」と大室さんを手厚くもてなしてくれた。同級生でさえ家に呼ぶことが少ない私が、後輩と仲良くなるのは珍しいと。
無断外泊は校則違反だ。が、二人きりの生徒会室で淫行まがいのことをしていた自分にもはやそんな規則は効かない。
そんなことよりも私は、大室さんを離したくなかった。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:26:41.27 ID:mcjyyjUNo
今私は入浴中である。大室さんを先に風呂に入らせて、宿題でもしててねと部屋に置いて、手早くシャワーを浴びている。
私はまだ、生徒会室での出来事が忘れられない。目蓋を閉じればすぐにでもあの時の光景を思い描けていた。
続きがしたいというあの時の刹那的な欲求が、とんとん拍子でこんなところまで来てしまった。もう後には引けない感じがある。
大室さんの胸の感触、くすぐる髪のこそばゆさ、香り、そして可愛い喘ぎ声は、思い起こしただけで頭を熱くさせる。
今その人は、私の部屋にいる。
いつもより一回多くシャンプーをして、この後に起こる……いや、起こそうとしている事を想像しながら、風呂を上がった。
ドキドキを抑えながら部屋へ戻る。宿題でもしててと言ったものの、大室さんは足をぱたつかせながら雑誌を読んでいた。
綾乃「お待たせ」
櫻子「あっ! おかえりなさーい」
私はまだ、生徒会室での出来事が忘れられない。目蓋を閉じればすぐにでもあの時の光景を思い描けていた。
続きがしたいというあの時の刹那的な欲求が、とんとん拍子でこんなところまで来てしまった。もう後には引けない感じがある。
大室さんの胸の感触、くすぐる髪のこそばゆさ、香り、そして可愛い喘ぎ声は、思い起こしただけで頭を熱くさせる。
今その人は、私の部屋にいる。
いつもより一回多くシャンプーをして、この後に起こる……いや、起こそうとしている事を想像しながら、風呂を上がった。
ドキドキを抑えながら部屋へ戻る。宿題でもしててと言ったものの、大室さんは足をぱたつかせながら雑誌を読んでいた。
綾乃「お待たせ」
櫻子「あっ! おかえりなさーい」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:27:10.57 ID:mcjyyjUNo
綾乃「ふう……」すとん
櫻子「いやー、先輩のおうちは本当楽しいですね~」
綾乃「そう?」
櫻子「私、年上の人のお部屋に泊まるのって初めてなんです! なんか特別な感じしますよ」
急な外泊のため、大室さんは今私の服を借りている。ベッドに座って私を見上げるその体勢だと、少しゆったりした胸元から肌白い空間が覗く。
大室さんの、弱点らしい場所。さっきまで、私が執拗に触っていた場所。
慌てて目をそらして隣に座ると、大室さんは身体をすらせてベッドを這い、生徒会室での時と同じように私の肩を揉みはじめた。
綾乃「きゃっ……///」
櫻子「もー先輩にはいつもお世話になっちゃってますね。いっぱい遊んでくれるし、プリンもたくさんくれるし……本当ありがとうございますぅ」
綾乃「い、いいのよそのくらい」
櫻子「いやー、先輩のおうちは本当楽しいですね~」
綾乃「そう?」
櫻子「私、年上の人のお部屋に泊まるのって初めてなんです! なんか特別な感じしますよ」
急な外泊のため、大室さんは今私の服を借りている。ベッドに座って私を見上げるその体勢だと、少しゆったりした胸元から肌白い空間が覗く。
大室さんの、弱点らしい場所。さっきまで、私が執拗に触っていた場所。
慌てて目をそらして隣に座ると、大室さんは身体をすらせてベッドを這い、生徒会室での時と同じように私の肩を揉みはじめた。
綾乃「きゃっ……///」
櫻子「もー先輩にはいつもお世話になっちゃってますね。いっぱい遊んでくれるし、プリンもたくさんくれるし……本当ありがとうございますぅ」
綾乃「い、いいのよそのくらい」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:27:43.48 ID:mcjyyjUNo
櫻子「私やっぱり生徒会入って良かったな~。最初は向日葵に負けないようにって入ったんですけど、先輩とお友達になれたのがすごい嬉しいですよ!」
とても嬉しいことを言ってくれているが、肩揉みの手つきは相変わらず抜群で、私の意識はほとんどそっちに持っていかれてしまう。なんとか平静を保ちながら、「私もいい後輩ができて嬉しいわ」とだけ伝える。
櫻子「ほんとですか? でもお礼したいけど、私が先輩にできることって言ったら肩揉むぐらいしかないし……あ、そうだ! 今度またうちに遊びにきてくださいよ! いつでも歓迎なんで!」
綾乃「ええ。近いうちにっ、行きたい、わ……」びくっ
両肩がぞくぞくする。もはや肩揉みの気持ち良さとは違うベクトルの快感しか感じられない。もしかして私は肩に特別な感帯があるんじゃないかと思ってしまうほどだ。
そのまま肩から胸に降りてきてもいい。脇に降りてきてくれてもいい。なんなら首を軽く締めても、もしかしたら気持ちいいかもしれない……私の意識はすっかり大室さんの手のとりこである。
とても嬉しいことを言ってくれているが、肩揉みの手つきは相変わらず抜群で、私の意識はほとんどそっちに持っていかれてしまう。なんとか平静を保ちながら、「私もいい後輩ができて嬉しいわ」とだけ伝える。
櫻子「ほんとですか? でもお礼したいけど、私が先輩にできることって言ったら肩揉むぐらいしかないし……あ、そうだ! 今度またうちに遊びにきてくださいよ! いつでも歓迎なんで!」
綾乃「ええ。近いうちにっ、行きたい、わ……」びくっ
両肩がぞくぞくする。もはや肩揉みの気持ち良さとは違うベクトルの快感しか感じられない。もしかして私は肩に特別な感帯があるんじゃないかと思ってしまうほどだ。
そのまま肩から胸に降りてきてもいい。脇に降りてきてくれてもいい。なんなら首を軽く締めても、もしかしたら気持ちいいかもしれない……私の意識はすっかり大室さんの手のとりこである。
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:28:27.11 ID:mcjyyjUNo
櫻子「あっ。そうだ! 先輩何かお願い事とかありますか?」ぽんっ
綾乃「おっ、お願い事……?」
櫻子「はい! 私も先輩に何かしてあげたいんですよ! 私にできることがあったら遠慮なく言ってください、何でもしますから♪」
綾乃「…………」
……この子は本当に私の意図と無関係に付き合ってくれているのだろうか。
もしかしたら、私のしたいことを見越してリードしてくれているのではないだろうか。そんなことする子じゃないとわかっていつつも、大室さんは着々と私の期待以上の展開に導いてくれる。
もうここまで来たら、やるしかない。
これが目的で誘ったのだ。
部屋の明かりを消して、もう一度隣に座る。
櫻子「あれっ、寝ちゃうんですか!?」
綾乃「んー……まあまあ。じゃあ私のお願いを聞いてくれる?」
櫻子「おお。なんですか、お願いって」
綾乃「おっ、お願い事……?」
櫻子「はい! 私も先輩に何かしてあげたいんですよ! 私にできることがあったら遠慮なく言ってください、何でもしますから♪」
綾乃「…………」
……この子は本当に私の意図と無関係に付き合ってくれているのだろうか。
もしかしたら、私のしたいことを見越してリードしてくれているのではないだろうか。そんなことする子じゃないとわかっていつつも、大室さんは着々と私の期待以上の展開に導いてくれる。
もうここまで来たら、やるしかない。
これが目的で誘ったのだ。
部屋の明かりを消して、もう一度隣に座る。
櫻子「あれっ、寝ちゃうんですか!?」
綾乃「んー……まあまあ。じゃあ私のお願いを聞いてくれる?」
櫻子「おお。なんですか、お願いって」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:28:56.59 ID:mcjyyjUNo
綾乃「私ね……」ごくっ
必死に言葉を選んだ。ここで使うべき表現は何か。
直接的な言葉を使っていいのか。そんなこといったら関係にヒビが入るかもしれない。そもそも自分は大室さんとどこまでしたいのだ。最後までしたいとまでは決して思っていない。
あの時の続きでいいのだ。あの時許された程度のスキンシップに続きを見たくて誘ったのだから。大室さんは難しいことも考えずに応じてくれるはずだ。というかこの子に専門的な用語を使ってもわかってもらえない可能性すらある。一つ下とはいえ、この子はそのくらい幼い子なのだ。
綾乃「大室さんに……マッサージしてあげたいの」
櫻子「…………」
私たちの間に、少しの静寂が産まれた。
まずい、やはり間違ったか……! と言い直そうとすると、「そんなことで良いんすか……?」と否定しない様子を見せてくれた。
必死に言葉を選んだ。ここで使うべき表現は何か。
直接的な言葉を使っていいのか。そんなこといったら関係にヒビが入るかもしれない。そもそも自分は大室さんとどこまでしたいのだ。最後までしたいとまでは決して思っていない。
あの時の続きでいいのだ。あの時許された程度のスキンシップに続きを見たくて誘ったのだから。大室さんは難しいことも考えずに応じてくれるはずだ。というかこの子に専門的な用語を使ってもわかってもらえない可能性すらある。一つ下とはいえ、この子はそのくらい幼い子なのだ。
綾乃「大室さんに……マッサージしてあげたいの」
櫻子「…………」
私たちの間に、少しの静寂が産まれた。
まずい、やはり間違ったか……! と言い直そうとすると、「そんなことで良いんすか……?」と否定しない様子を見せてくれた。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:29:24.24 ID:mcjyyjUNo
綾乃「せ、生徒会室でしてくれたみたいに……大室さんをマッサージしてあげたいのよ」
櫻子「はー……先輩やっぱりすごいっすね~、こんな時まで私に何かしてくれるなんて。もちろん断る理由はないですけど」
綾乃「嬉しいわ。そのまま寝ちゃってもいいから、よろしくね」
櫻子「あーあ、私もてなされてばっかりだな~。ほんと天国みたいですね、ここのおうち!」
その答えを了承と受け止めて、それじゃあ……と姿勢を変えた。
大室さんの背後に座り、あの時と同じように肩揉みから入る。
櫻子「はー……先輩やっぱりすごいっすね~、こんな時まで私に何かしてくれるなんて。もちろん断る理由はないですけど」
綾乃「嬉しいわ。そのまま寝ちゃってもいいから、よろしくね」
櫻子「あーあ、私もてなされてばっかりだな~。ほんと天国みたいですね、ここのおうち!」
その答えを了承と受け止めて、それじゃあ……と姿勢を変えた。
大室さんの背後に座り、あの時と同じように肩揉みから入る。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:29:57.88 ID:mcjyyjUNo
~
櫻子「ぁ……やっ、あん……///」
綾乃「……どう? 気持ちいい?」
櫻子「や、ばいですぅ……だから、そこ弱点なんですってぇ……!」
もはや欲情を抑えることはできなかった。
徐々に肩から脇へ、脇から胸へとすべらせて、大室さんからすっかりあの時と同じ声が出てくるようになると、いよいよ私の箍も外れた。
二人羽織のような密着状態で胸を責める。
櫻子「やぁぁ……んっ、ぅぁ……」
綾乃「大室さん……私いま、すごい幸せよ……///」
櫻子「こっ、こんなのが幸せなんですかぁ……?」
櫻子「ぁ……やっ、あん……///」
綾乃「……どう? 気持ちいい?」
櫻子「や、ばいですぅ……だから、そこ弱点なんですってぇ……!」
もはや欲情を抑えることはできなかった。
徐々に肩から脇へ、脇から胸へとすべらせて、大室さんからすっかりあの時と同じ声が出てくるようになると、いよいよ私の箍も外れた。
二人羽織のような密着状態で胸を責める。
櫻子「やぁぁ……んっ、ぅぁ……」
綾乃「大室さん……私いま、すごい幸せよ……///」
櫻子「こっ、こんなのが幸せなんですかぁ……?」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:30:40.47 ID:mcjyyjUNo
綾乃「大室さんが私の手で気持ちよくなってくれてると、こっちも嬉しいの……」
櫻子「そうなんですか……じゃ、じゃあ我慢しなきゃ……!」むっ
綾乃「我慢……しなくてもいいのよ?」
櫻子「だってぇ、が、我慢しなかったら、おかしくなっちゃいそうなんですもん……っ! んぁっ!」
綾乃「ふふ……///」
薄暗い室内だが、すっかり目は闇に慣れた。はみつきたくなる白い首元を愛おしく見つめる。
無いようでわずかにある胸の突起を指で探り当て、そこをつまみながら手首をゆっくり動かす。大室さんは毛布をぎゅっと掴んで、大きい声を出さないように耐えている。その姿がとても愛しくて、私は震える背中を包むようにして密着度合いをさらに高めた。
叶うことなら、キスのひとつもしたいところだが……それは許されない。
櫻子「そうなんですか……じゃ、じゃあ我慢しなきゃ……!」むっ
綾乃「我慢……しなくてもいいのよ?」
櫻子「だってぇ、が、我慢しなかったら、おかしくなっちゃいそうなんですもん……っ! んぁっ!」
綾乃「ふふ……///」
薄暗い室内だが、すっかり目は闇に慣れた。はみつきたくなる白い首元を愛おしく見つめる。
無いようでわずかにある胸の突起を指で探り当て、そこをつまみながら手首をゆっくり動かす。大室さんは毛布をぎゅっと掴んで、大きい声を出さないように耐えている。その姿がとても愛しくて、私は震える背中を包むようにして密着度合いをさらに高めた。
叶うことなら、キスのひとつもしたいところだが……それは許されない。
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:31:08.90 ID:mcjyyjUNo
私に許されるのは、上半身へのスキンシップだけ。それ以上は絶対のタブーで、私自身もそれ以上のことは大室さんにしたくない。
夢のような距離感にいてくれるこの可愛い後輩は、私にとっても大切なのだった。これより先の世界を求めてしまうと、必ずや後悔を生むことになる。
劣情を許してほしい。どうか一晩、一日の過ちであったと。ただのスキンシップの慣れの果てだと。
大室さんは、性行為も何も知らない、無垢な女の子。自分を一番に慕ってくれて、いつでも私を求めてくれる子。
守らなきゃいけないのは、私に対して想ってくれている憧れと、親愛だ。
綾乃「大室さん……私、大室さんが好きみたい」
櫻子「えっ、ええっ? 好きって……?///」
綾乃「大室さんの可愛い顔がもっと見たいの。可愛い声が聞きたいの。それができているから……今私は幸せなのね」
櫻子「そうなんですか……じゃあ私も、先輩のこと好きですよ……?」
綾乃「えっ……///」
夢のような距離感にいてくれるこの可愛い後輩は、私にとっても大切なのだった。これより先の世界を求めてしまうと、必ずや後悔を生むことになる。
劣情を許してほしい。どうか一晩、一日の過ちであったと。ただのスキンシップの慣れの果てだと。
大室さんは、性行為も何も知らない、無垢な女の子。自分を一番に慕ってくれて、いつでも私を求めてくれる子。
守らなきゃいけないのは、私に対して想ってくれている憧れと、親愛だ。
綾乃「大室さん……私、大室さんが好きみたい」
櫻子「えっ、ええっ? 好きって……?///」
綾乃「大室さんの可愛い顔がもっと見たいの。可愛い声が聞きたいの。それができているから……今私は幸せなのね」
櫻子「そうなんですか……じゃあ私も、先輩のこと好きですよ……?」
綾乃「えっ……///」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:31:37.30 ID:mcjyyjUNo
私の手に手を絡めて動きを止めると、胸にもたれかかるようにして私を見上げながら言ってくれた。
差し込む月明かりを取り込んだ大室さんの綺麗な目には、重ねた我慢による涙が溜まっていた。
櫻子「先輩が私に何かしてくれる時とか、私に構ってくれるときとか、私のことちゃんと受け止めてくれる時……そういうのがすごい嬉しいんです。先輩みたいなすごい人が、私のことちゃんと見てくれてるんだって……」
綾乃「……私は別にすごくなんかないけど、それでも嬉しいわ」
櫻子「先輩、だけなんですからね……私の弱点知ってるの。誰にも言っちゃ、だめですからね……?」
綾乃「っ……!///」
魔性の笑顔が、私を大きく揺らす。
可愛すぎて、愛しすぎて。壊れそうに震える小さな大室さんを、強く強く抱きしめた。
綾乃「……ええ、誰にも言わないわ。その代わり……」
―――これからも、あなたにとって一番の先輩でいさせてね。
私たちは手を取り合ったまま横に倒れ、そのまま眠りに落ちてしまった。
差し込む月明かりを取り込んだ大室さんの綺麗な目には、重ねた我慢による涙が溜まっていた。
櫻子「先輩が私に何かしてくれる時とか、私に構ってくれるときとか、私のことちゃんと受け止めてくれる時……そういうのがすごい嬉しいんです。先輩みたいなすごい人が、私のことちゃんと見てくれてるんだって……」
綾乃「……私は別にすごくなんかないけど、それでも嬉しいわ」
櫻子「先輩、だけなんですからね……私の弱点知ってるの。誰にも言っちゃ、だめですからね……?」
綾乃「っ……!///」
魔性の笑顔が、私を大きく揺らす。
可愛すぎて、愛しすぎて。壊れそうに震える小さな大室さんを、強く強く抱きしめた。
綾乃「……ええ、誰にも言わないわ。その代わり……」
―――これからも、あなたにとって一番の先輩でいさせてね。
私たちは手を取り合ったまま横に倒れ、そのまま眠りに落ちてしまった。
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:32:05.45 ID:mcjyyjUNo
――――――
――――
――
―
櫻子「こんちはーっ!」がらっ
向日葵「失礼しますわ」
綾乃「あ、来たわね」
翌日は、いつもと同じ生徒会。今日は会長も千歳もいる。
千歳「ほんまごめんな~、大したことなかったんやけど、やっと治ってん」
向日葵「聞きましたわ、風邪だったそうで……そんなに重くなさそうでよかったです」
りせ「…………」こくこく
櫻子「昨日は私と杉浦先輩だけで全部終わらせたんだぞー。みんな感謝してよね!」
千歳「ほんまありがとうな~。大室さん偉いわあ」
――――
――
―
櫻子「こんちはーっ!」がらっ
向日葵「失礼しますわ」
綾乃「あ、来たわね」
翌日は、いつもと同じ生徒会。今日は会長も千歳もいる。
千歳「ほんまごめんな~、大したことなかったんやけど、やっと治ってん」
向日葵「聞きましたわ、風邪だったそうで……そんなに重くなさそうでよかったです」
りせ「…………」こくこく
櫻子「昨日は私と杉浦先輩だけで全部終わらせたんだぞー。みんな感謝してよね!」
千歳「ほんまありがとうな~。大室さん偉いわあ」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:32:33.58 ID:mcjyyjUNo
向日葵「杉浦先輩もありがとうございました。昨日は櫻子がお世話になったそうで……」
綾乃「いえ、いいのよ。誘ったのは私だし」
櫻子「へへー、向日葵がいない間に先輩ともっと仲良くなっちゃったもんね! こりゃあ、時期生徒会副会長は私かなー?」ぎゅっ
綾乃「あ……///」
荷物を置いた大室さんが、私の腰に抱きついてくる。
その笑顔は、いつもの元気な大室さんだった。
向日葵「えっ! す、杉浦先輩困りますわ! 私のこともちゃんと見てくださいね!?」
綾乃「だ、大丈夫。それに副会長を決めるのは私じゃなくて学校の皆よ」
綾乃「いえ、いいのよ。誘ったのは私だし」
櫻子「へへー、向日葵がいない間に先輩ともっと仲良くなっちゃったもんね! こりゃあ、時期生徒会副会長は私かなー?」ぎゅっ
綾乃「あ……///」
荷物を置いた大室さんが、私の腰に抱きついてくる。
その笑顔は、いつもの元気な大室さんだった。
向日葵「えっ! す、杉浦先輩困りますわ! 私のこともちゃんと見てくださいね!?」
綾乃「だ、大丈夫。それに副会長を決めるのは私じゃなくて学校の皆よ」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:33:10.40 ID:mcjyyjUNo
櫻子「えへへ、それでも私の方が先輩と仲良いもんね。ねっ、先輩~♪」するっ
綾乃「あ、ちょっと……!///」
私の首元に蛇のように巻きついてくる。大室さんは私の弱い部分をちゃんと覚えていた。
向日葵「こっ、こら櫻子! べたべたしすぎですわ! 杉浦先輩困ってるじゃありませんの!」
櫻子「そんなことないもーん、だって先輩は私のこと好きなんだから!」
向日葵「えっ」
千歳「えっ」
りせ「っ……」
大室さんの一言は、まるで昨日二人きりだった時よりも静かな静寂を巻き起こした……
綾乃「あ、ちょっと……!///」
私の首元に蛇のように巻きついてくる。大室さんは私の弱い部分をちゃんと覚えていた。
向日葵「こっ、こら櫻子! べたべたしすぎですわ! 杉浦先輩困ってるじゃありませんの!」
櫻子「そんなことないもーん、だって先輩は私のこと好きなんだから!」
向日葵「えっ」
千歳「えっ」
りせ「っ……」
大室さんの一言は、まるで昨日二人きりだった時よりも静かな静寂を巻き起こした……
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:33:52.02 ID:mcjyyjUNo
そのまま続く首元へのすりすり攻撃に耐えながらも、私は古谷さんの目が光を失っていくのを見てしまった。
綾乃「や、違うわよ!? 昨日のはそういう意味で言ったんじゃ……!」
向日葵「好き……!? 昨日……!?」
綾乃「古谷さん待って、これは誤解なのよ! ちょっとした行き違いというか、ニュアンスの違いというか……!」
千歳「綾乃ちゃんホンマなん!? もうウチ二人のことそういう目でしか見えへんようなるで!?」
綾乃「千歳も落ち着いて! 好きっていうのは、一人の後輩としてというか、ちょっとした秘密の共有というか……!」
必死に誤解を説明する。困ったことに、全然誤解じゃないのが悩み所だ。大室さんを好きと言ったことに嘘はないし、むしろそれをちゃんと受け止めてくれた大室さんに対して、失礼な対応をとってしまっている。
大室さんのことは前よりもっと好きになったけど……今の尋常でない古谷さんを見てしまうと、嘘をついてでも弁明したくなってしまった。
しかし日頃から嘘を並べるなどしたことのない私だ。取り繕うとするたびに不自然になり、結果的に自分でも意味のわからない状態になってくる。
綾乃「や、違うわよ!? 昨日のはそういう意味で言ったんじゃ……!」
向日葵「好き……!? 昨日……!?」
綾乃「古谷さん待って、これは誤解なのよ! ちょっとした行き違いというか、ニュアンスの違いというか……!」
千歳「綾乃ちゃんホンマなん!? もうウチ二人のことそういう目でしか見えへんようなるで!?」
綾乃「千歳も落ち着いて! 好きっていうのは、一人の後輩としてというか、ちょっとした秘密の共有というか……!」
必死に誤解を説明する。困ったことに、全然誤解じゃないのが悩み所だ。大室さんを好きと言ったことに嘘はないし、むしろそれをちゃんと受け止めてくれた大室さんに対して、失礼な対応をとってしまっている。
大室さんのことは前よりもっと好きになったけど……今の尋常でない古谷さんを見てしまうと、嘘をついてでも弁明したくなってしまった。
しかし日頃から嘘を並べるなどしたことのない私だ。取り繕うとするたびに不自然になり、結果的に自分でも意味のわからない状態になってくる。
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:34:41.25 ID:mcjyyjUNo
どうしようどうしようと頭を抱えていると、大室さんがぽんと肩を叩きながら笑った。
櫻子「うっそー! 冗談だよーん♪」
綾乃「……え?」
向日葵「……はい?」
櫻子「あははは! 杉浦先輩はそんなこと私に言わないもん。みんな何焦ってるの?」
向日葵「いや……そ、そうですわよね! 確かに杉浦先輩は年上の方の中では一番バカ櫻子を理解してくれてる方ですから、そういう意味でってことですわよね。わかってますわ私」
千歳「ふぅびっくりしたわ~……これからは生徒会室でもテイッシュ大量消費せなあかんところやったで」
りせ「…………」
綾乃「う、うん……そうよね……」
各自、よくわからない事態を「冗談」と認識し、それぞれの都合に合わせて解釈してくれたようだ。古谷さんが胸を撫で下ろしているということは、そういうことなのだろう。
でもこれだと、大室さんに申し訳ない。昨日の夜のことは、二人きりのスキンシップは、一体私たちにとってなんだったのかということになる。
だが、
櫻子「うっそー! 冗談だよーん♪」
綾乃「……え?」
向日葵「……はい?」
櫻子「あははは! 杉浦先輩はそんなこと私に言わないもん。みんな何焦ってるの?」
向日葵「いや……そ、そうですわよね! 確かに杉浦先輩は年上の方の中では一番バカ櫻子を理解してくれてる方ですから、そういう意味でってことですわよね。わかってますわ私」
千歳「ふぅびっくりしたわ~……これからは生徒会室でもテイッシュ大量消費せなあかんところやったで」
りせ「…………」
綾乃「う、うん……そうよね……」
各自、よくわからない事態を「冗談」と認識し、それぞれの都合に合わせて解釈してくれたようだ。古谷さんが胸を撫で下ろしているということは、そういうことなのだろう。
でもこれだと、大室さんに申し訳ない。昨日の夜のことは、二人きりのスキンシップは、一体私たちにとってなんだったのかということになる。
だが、
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:35:10.23 ID:mcjyyjUNo
櫻子(……プリン一個で、手を打ちますね)ひそひそ
綾乃「えっ」
櫻子「いひひー……///」
耳元で小さく囁くと、大室さんは私の手を握っていたずらっぽく笑った。
純粋無垢な魔性の少女は、以外に策士なのであった。
~fin~
綾乃「えっ」
櫻子「いひひー……///」
耳元で小さく囁くと、大室さんは私の手を握っていたずらっぽく笑った。
純粋無垢な魔性の少女は、以外に策士なのであった。
~fin~
39: 孤独の人 2015/03/03(火) 00:35:41.46 ID:mcjyyjUNo
ありがとうございました。
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 01:37:10.44 ID:v+3zfovUo
乙
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 07:29:53.77 ID:OjtH5Ka/O
おつ
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/07(土) 04:47:21.65 ID:c53Qh78Ao
りせは貰って行くぞ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425308216/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ ゆるゆり | Comments (0)
暁「私はレディになれたかしら……」
1: 霞煌 2015/07/13(月) 01:35:22 ID:6MiqkZ0E
響「暁、そろそろ行こう」
暁「わかってるわ、そんなに焦ったらだめよ」
私の言葉を彼女は優しい口調で嗜める。
響「だって今日は久しぶりに四人で食事をするんだ、焦りもするさ」
暁「そうねぇ、いつぶりかしら……」
すらりとした蒼い髪を結いながら昔を懐かしむ彼女の顔は笑顔が溢れていた。
暁「さ、準備できたわ。行きましょうか」
響「ああ、じゃあ行こうか」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:38:19 ID:6MiqkZ0E
1です
~喫茶店~
チリーンチリーン
雷「あ、暁よ。おーい、こっちこっち」
電「私達のほうが早かったのです」
暁「あら、先を越されちゃったみたいね」
響「だから早く行こうと言ったじゃないか」
暁「それでも約束の30分前なんだけどねぇ」
彼女は困ったように笑う。まさか自分たちより先に来てるとは思わなかったのだろう。それだけ雷と電も待ちわびてたということだ。
~喫茶店~
チリーンチリーン
雷「あ、暁よ。おーい、こっちこっち」
電「私達のほうが早かったのです」
暁「あら、先を越されちゃったみたいね」
響「だから早く行こうと言ったじゃないか」
暁「それでも約束の30分前なんだけどねぇ」
彼女は困ったように笑う。まさか自分たちより先に来てるとは思わなかったのだろう。それだけ雷と電も待ちわびてたということだ。
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:39:15 ID:6MiqkZ0E
雷「それにしても久しぶりね、一ヶ月振りくらいかしら」
電「二ヶ月振りなのです」
響「あっという間に日々が過ぎいくからね」
雷「子供の相手してると疲れるわー。凄くやり甲斐はあるんだけどね」
電「昔の私達を見ているようで楽しいのです」
雷と電は今は幼稚園の先生をしている。元々母性オーラが溢れていた雷には天職といえるだろう。
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:40:40 ID:6MiqkZ0E
暁「私達の花屋も少しは安定してきたのよ。固定客も増えてきたわ」
雷「良かったじゃない!最初は赤字で潰れるかもしれないって言ってたのに」
響「あの時期は流石に笑えなかったね」
雷「でもしょうがないわよ、だって港町に花屋なんて聞いたことないし」
私と暁は港町の小さな花屋を経営している。はじめは殆ど客が来なかったが秘境の花屋という噂が立って今は固定客や旅行客のお陰で安定している。
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:41:27 ID:6MiqkZ0E
雷「二人も幼稚園の先生になればずっと一緒にいられたのに」
電「こればっかりはしょうがないのです」
響「そうだよ、ここに頑固な人が一人いるからね」
暁「もう、皆して。だって司令官が帰ってきた時に誰もいなかったら司令官が悲しむでしょう?」
雷「暁……」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:42:08 ID:6MiqkZ0E
10年前、司令官はある海域に出撃してそのまま姿を消した。司令官が行方不明になってからは長門さんがずっと指揮をとっていたがそのまま終戦を迎え私達は解体され普通の少女に戻った。
「あの時の暁は泣いて酷かった」
「それは皆同じじゃない」
「それでも暁ちゃんが一番泣いてたのです」
「そうだったかしら?」
「あれから暁変わったもんね」
「なのです」
「そうかしら?何も変わってないと思うけど」
暁はあの日を境に少しずつ変わっていった。誰にも涙を見せなくなったし、雰囲気も大人びていていった。そしてなによりつくり笑顔が上手くなった。
段々変わっていく暁を、私はただ側で見ている事しかできなかった。辛い感情や泣きたい感情を圧し殺して笑う暁見る度に心が痛んだ。
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:44:22 ID:6MiqkZ0E
名前付け忘れてた
10年前、司令官はある海域に出撃してそのまま姿を消した。司令官が行方不明になってからは長門さんがずっと指揮をとっていたがそのまま終戦を迎え私達は解体され普通の少女に戻った。
響「あの時の暁は泣いて酷かった」
暁「それは皆同じじゃない」
電「それでも暁ちゃんが一番泣いてたのです」
暁「そうだったかしら?」
雷「あれから暁変わったもんね」
電「なのです」
暁「そうかしら?何も変わってないと思うけど」
暁はあの日を境に少しずつ変わっていった。誰にも涙を見せなくなったし、雰囲気も大人びていていった。そしてなによりつくり笑顔が上手くなった。
段々変わっていく暁を、私はただ側で見ている事しかできなかった。辛い感情や泣きたい感情を圧し殺して笑う暁見る度に心が痛んだ。
10年前、司令官はある海域に出撃してそのまま姿を消した。司令官が行方不明になってからは長門さんがずっと指揮をとっていたがそのまま終戦を迎え私達は解体され普通の少女に戻った。
響「あの時の暁は泣いて酷かった」
暁「それは皆同じじゃない」
電「それでも暁ちゃんが一番泣いてたのです」
暁「そうだったかしら?」
雷「あれから暁変わったもんね」
電「なのです」
暁「そうかしら?何も変わってないと思うけど」
暁はあの日を境に少しずつ変わっていった。誰にも涙を見せなくなったし、雰囲気も大人びていていった。そしてなによりつくり笑顔が上手くなった。
段々変わっていく暁を、私はただ側で見ている事しかできなかった。辛い感情や泣きたい感情を圧し殺して笑う暁見る度に心が痛んだ。
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:45:48 ID:6MiqkZ0E
雷「そうだ、あなた達も一回幼稚園に来なさいよ。子供たち可愛いわよ
電「そうなのです。二人共子供が大好きなのは知ってるのです」
暁「でも用事も無いのに部外者が行くのはだめよ」
響「幼稚園に花を植に来たという用事ならどうだい?」
雷「そ、それよ!そのついでに一緒に遊ぶといいわ!」
電「もちろん花壇の予算雷ちゃんの給料から引いておくのです」
雷「電ぁ!?」
暁「そうね、それならいいわ。来週行こうかしら」
響「決まりだね。来週が楽しみだ」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/13(月) 01:56:44 ID:6MiqkZ0E
~幼稚園~
雷「はーい皆ー。今日はお花屋さんの二人が来てくれましたー」
幼稚園児「「「「わーい」」」」
女の子「お姉ちゃん遊んで!」
暁「わかったわ。こっちにおいで」ポンポン
女の子「わーいお膝の上だー」
暁「それで何して遊ぶ?」
女の子「お姉ちゃんの話が聞きたい!」
暁「私の話?うーん、じゃあ私知ってるすっごいカッコイイ人のお話しをしてあげる。その人はね……」
雷「ほんと暁は司令官の事になるとわかりやすいわね」
電「なのです」
響「ああ……」
口では淡々と話しているがここ最近見た中で一番の笑顔だ。あんな暁を見たのはいつぶりだろう、昔はいつも見ていた筈なのに
雷「はーい皆ー。今日はお花屋さんの二人が来てくれましたー」
幼稚園児「「「「わーい」」」」
女の子「お姉ちゃん遊んで!」
暁「わかったわ。こっちにおいで」ポンポン
女の子「わーいお膝の上だー」
暁「それで何して遊ぶ?」
女の子「お姉ちゃんの話が聞きたい!」
暁「私の話?うーん、じゃあ私知ってるすっごいカッコイイ人のお話しをしてあげる。その人はね……」
雷「ほんと暁は司令官の事になるとわかりやすいわね」
電「なのです」
響「ああ……」
口では淡々と話しているがここ最近見た中で一番の笑顔だ。あんな暁を見たのはいつぶりだろう、昔はいつも見ていた筈なのに
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 13:33:02 ID:McFiW7xY
暫く更新してなくてすまぬ
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 13:34:16 ID:McFiW7xY
女の子「その人とっても凄いね!」
暁「ええ、だって私の尊敬する人ですもの。でもあの人いつも私を子供扱いするのよ」
女の子「お姉ちゃんを子供扱い?変なのー。だってお姉ちゃんとっても大人っぽいのに」
暁「そうかしら」
女の子「うん、まるでレディみたい!」
ありがとね、と言って暁は優しく微笑んだ。でもその微笑みからは喜びは感じられなくて。暁、君は確かに綺麗になったさ。振る舞いも大人になったし雰囲気も落ち着いた。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 13:41:22 ID:McFiW7xY
女の子「私もお姉ちゃんみたいな綺麗なレディになりたいなぁ」
暁「なれるわ、いつかきっとね」
でも、本当にこれが君の目指した姿なのかい?必死で寂しさを笑顔で誤魔化して、張り裂けそうな思いを胸に秘め続け苦しむ姿が本当に君の目指した姿なのかい?
響「暁、そろそろ帰ろう」
暁「え?でもまだ花植えが終わってないじゃない」
響「もう終わらせたさ。君が喋るのに夢中になってる内にね」
暁「そう、ごめんなさい」
そう言って彼女は申し訳なさそうに私に謝った。いいんだ、久しぶりに君の楽しそうな顔を見ることができたから。
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 14:06:26 ID:McFiW7xY
雷「もう行っちゃうのね」
電「もう少しゆっくりしてってもいいんですよ?」
響「私はもう少し居てもいいと思うんだけどね隣の人が、ね」
暁「そんなに長くいる訳にもいかないわ。迷惑になっちゃうもの」
雷「相変わらずねぇ」
暁「それに今日は響に全部やらせちゃったから晩御飯は私が作るわ」
響「それは楽しみだね」
電「二人供仲良しですね」
雷「それは私達もじゃない」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 14:07:22 ID:McFiW7xY
暁「よかったら今度は私達の花屋に来て、サービスするわ」
雷「ええ、今度行かせてもらうわ」
暁「じゃあね」
そう言って彼女は歩きだした。その後ろ姿はとても儚くて、今にも壊れてしまいそうな、そんな背中だった
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 14:08:30 ID:McFiW7xY
響「じゃあ私も行くよ」
雷「ちょっと待って」
響「なんだい?」
雷「……頑張ってね」
響「ああ、花屋が潰れないように頑張るよ」
雷が言っている事の意味はわかっていた。でも敢えて気づかない振りをする。だって頑張るのは私じゃないから
暁「響ー?どうしたの?」
響「ごめんごめん、今行くよ」
電「……」
雷「……」
電「暁ちゃん、とっても辛そうなのです」
雷「何言ってんのよ……一番辛いのは響よ」
電「……そうですね」
雷「なんでかしらね、あんなに近くにいるのに二人の距離がずっとずっと遠いのは」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 14:48:08 ID:GLuwOJ9A
暁「買い物してたら暗くなっちゃったわね」
響「ああ」
暁「それにしても遠いわねぇ。やっぱり車とか買うべきかしら」
響「そうだね、そうすればもっと雷や電に会える回数が増える」
港で過ごす私達は街までの移動手段は主にバスを使う。でもバスは一日に数本しか出ないのが欠点だ。
暁「でも偶にはこうして歩くのもいいものね」
響「星が綺麗だしね」
空を見上げると一面に広がる星。一つ一つが小さいながらに輝いていて、大きな光になっている。
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 15:13:41 ID:GLuwOJ9A
暁「綺麗ねぇ」
響「暁、そういえばいつもより量が多いけど何を買ったんだい?」
暁「これは司令官の分よ。帰って来た時にお腹が空いてたら可哀想じゃない」
ああ、私達はいつまでこんな事を続けるんだろう。いつまで幻想を追いかけ続けるんだろう。もうこんな事は辞めるべきだ、終わらせるべきなんだ。でも
響「暁」
暁「ん?なあに?」
司令官の話をする時の彼女の笑顔は本物で、その笑顔を見る度に私は何も言えなくなるんだ。
響「……いや、なんでもないよ」
現実を見てくれと言いたいのに、司令官はもう帰って来ないんだと言いたいのに、何も言葉にできないんだ。
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 15:29:05 ID:GLuwOJ9A
暁「響?どうして泣いてるの?」
響「え……?」
気づけば私の頬を涙が伝っていた。
暁「大丈夫、どこかぶつけたの?」
響「いや、大丈夫さ」
暁「本当に?」
響「ああ。目にゴミが入っただけさ」
暁に心配かけまいと涙を腕で拭っても、次から次へと溢れ出てくる。
響「あれ、おかしいな」
響「なんでもない……なんでもないんだ……」
一度溢れると止まらない。いくら腕で拭っても、両手で顔を押さえても、涙は流れ続ける。
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 15:30:36 ID:GLuwOJ9A
不意に私の身体は温もりに包まれた。
暁「もう大丈夫よ」
響「あか……つき……?」
暁「辛い時は、私が抱き締めてあげるから」
その言葉が、温もりが、今の私にはとても苦しくて、もう何も我慢できなくて。
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 15:31:30 ID:GLuwOJ9A
響「うう……」
暁「響が泣くなんて珍しいわね、雷と電に会ったのが効いたのかしら」
響「……暁のせいさ」
暁が笑うから私は泣くんだ。君が心を隠すから、私は代わりに表に出すんだ。
暁「そう、ごめんなさい」
司令官がいなくなってからの10年は、暁を強くし、私を弱くした。
もうあの頃には戻れないとわかっていても、四人で笑い合う日は来ないとわかっていても、忘れる事ができなかった。
きっと暁が司令官の幻想を追いかけるのと同じように私は君の幻想を追いかけているんだ
――――遠き日の君の無邪気な姿を
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/09/21(月) 15:34:57 ID:GLuwOJ9A
終わり。地の文はやっぱり難しい。
これを書き終える間に金剛姉妹が仲悪い話とか金剛姉妹姉妹がアルバイトする話とか金剛姉妹がケッコンカッコカリする話とか司令官がとっても過保護な話とか書いてた。
暇だったら読んで欲しい。ついでにコテは見なかった事にしてくれ
これを書き終える間に金剛姉妹が仲悪い話とか金剛姉妹姉妹がアルバイトする話とか金剛姉妹がケッコンカッコカリする話とか司令官がとっても過保護な話とか書いてた。
暇だったら読んで欲しい。ついでにコテは見なかった事にしてくれ
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/11/30(月) 01:44:44 ID:YU6yRjkg
暁がこういう状態にあって、雷電と響で違う選択をしたのは何か考えさせられる
自分の夢を選ぶのか、側にいることを選ぶのか
乙です
自分の夢を選ぶのか、側にいることを選ぶのか
乙です
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1436718922/
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