黒井「冬馬、もう朝だから起きろ」冬馬「う~ん…」
1: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:02:10.25 ID:B75XpUSZ0
冬馬「ふわぁ…、もう朝か…」
黒井「朝遅くまで寝ていると体に毒だ」
黒井「さあ、早く着替えて飯を食べるんだ」
黒井「今日は私が作っておいたぞ」
冬馬「えっ、そうなのか?悪いな」
黒井「気にするな、今日は大事な日だからな」
冬馬「そうだったな」
黒井「朝遅くまで寝ていると体に毒だ」
黒井「さあ、早く着替えて飯を食べるんだ」
黒井「今日は私が作っておいたぞ」
冬馬「えっ、そうなのか?悪いな」
黒井「気にするな、今日は大事な日だからな」
冬馬「そうだったな」
2: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:05:06.18 ID:B75XpUSZ0
コゲコゲー
冬馬「…こりゃひでぇな」
黒井「こ…これは失敗作だ、完成品はこっちだ」ササッ
冬馬「まあ、こっちは見た目は良いな」
冬馬「味はどうかな?」パクッ
モグモグ
黒井「どうだ?」
冬馬「…ふっ」
黒井「!?」
冬馬「今度俺が作り方を教えてやるよ」
黒井「すまん…」
冬馬「…こりゃひでぇな」
黒井「こ…これは失敗作だ、完成品はこっちだ」ササッ
冬馬「まあ、こっちは見た目は良いな」
冬馬「味はどうかな?」パクッ
モグモグ
黒井「どうだ?」
冬馬「…ふっ」
黒井「!?」
冬馬「今度俺が作り方を教えてやるよ」
黒井「すまん…」
4: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:07:24.69 ID:B75XpUSZ0
冬馬「それで、今日は俺に何をしてくれるんだ?」
黒井「このセレブな私がお前のために取って置きのプレゼントを用意しておいたぞ」
黒井「一生忘れられない誕生日にしてやるつもりだ」
冬馬「そうか、それでどんなプレゼントだ?」
黒井「フッ…、もう手配はすんでいる」
黒井「さあ、早く着替えるんだ」
冬馬「ああ、わかった」
黒井「このセレブな私がお前のために取って置きのプレゼントを用意しておいたぞ」
黒井「一生忘れられない誕生日にしてやるつもりだ」
冬馬「そうか、それでどんなプレゼントだ?」
黒井「フッ…、もう手配はすんでいる」
黒井「さあ、早く着替えるんだ」
冬馬「ああ、わかった」
5: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:09:40.48 ID:B75XpUSZ0
運転手「おはようございます、社長、冬馬様」
運転手「いつでも出発可能です」
黒井「よし冬馬、乗るぞ」
冬馬「どこへ行くんだ?」
黒井「なに、もうすぐわかる」
ブロロロロロロロロロロロロ
―――――――
―――――――
―――――――
黒井「着いたぞ」
冬馬「空港?海外に行くのか?」
黒井「ああ、今日はお前にとって大切な日だからな」
黒井「さあ、そろそろ出発する、行くぞ」
冬馬「ああ」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
運転手「いつでも出発可能です」
黒井「よし冬馬、乗るぞ」
冬馬「どこへ行くんだ?」
黒井「なに、もうすぐわかる」
ブロロロロロロロロロロロロ
―――――――
―――――――
―――――――
黒井「着いたぞ」
冬馬「空港?海外に行くのか?」
黒井「ああ、今日はお前にとって大切な日だからな」
黒井「さあ、そろそろ出発する、行くぞ」
冬馬「ああ」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
6: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:12:18.59 ID:B75XpUSZ0
冬馬「やっぱ景色すげぇな…!」
冬馬「それにしても今までいろんな誕生日を経験したが…」
冬馬「海外に行くなんて初めてだ」
黒井「これくらいのことで驚くのなら」
黒井「これから連れて行くところに行ったらもっと驚くだろうな」
黒井「それでいい、お前の驚く顔、喜ぶ顔が見たい」
黒井「私にもっと見せてくれ、それが今の私の生き甲斐となるのだから」
冬馬「なら期待してるぜ、あんたが用意したゴージャスなプレゼントをよ」
冬馬「それにしても今までいろんな誕生日を経験したが…」
冬馬「海外に行くなんて初めてだ」
黒井「これくらいのことで驚くのなら」
黒井「これから連れて行くところに行ったらもっと驚くだろうな」
黒井「それでいい、お前の驚く顔、喜ぶ顔が見たい」
黒井「私にもっと見せてくれ、それが今の私の生き甲斐となるのだから」
冬馬「なら期待してるぜ、あんたが用意したゴージャスなプレゼントをよ」
7: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:15:14.10 ID:B75XpUSZ0
ワイワイ ガヤガヤ
冬馬「ここって…」
黒井「そう、オーストラリアだ」
黒井「日本の寒さなんて忘れるくらい暑いだろ?」
冬馬「ああ、もう今すぐ脱ぎたいくらいだな!」
黒井「その前に腹が減っただろ、ランチでもどうだ?」
冬馬「ああ、そうだな」
冬馬「とりあえずなんか適当に…」
黒井「おいおい、この私が愛するものに適当なものを食べさせるわけには行かないだろう」
黒井「この日のために予約しておいたレストランで食ようではないか」
黒井「おっと、礼はいい」
黒井「これからよりいいところに連れて行くからな、礼はその時にとっておけ」
冬馬「そうか、ならその時のためにとって置いてやるぜ」
冬馬「ここって…」
黒井「そう、オーストラリアだ」
黒井「日本の寒さなんて忘れるくらい暑いだろ?」
冬馬「ああ、もう今すぐ脱ぎたいくらいだな!」
黒井「その前に腹が減っただろ、ランチでもどうだ?」
冬馬「ああ、そうだな」
冬馬「とりあえずなんか適当に…」
黒井「おいおい、この私が愛するものに適当なものを食べさせるわけには行かないだろう」
黒井「この日のために予約しておいたレストランで食ようではないか」
黒井「おっと、礼はいい」
黒井「これからよりいいところに連れて行くからな、礼はその時にとっておけ」
冬馬「そうか、ならその時のためにとって置いてやるぜ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:20:27.33 ID:B75XpUSZ0
ザザアアアアアアン
冬馬「ここは?」
黒井「オーストラリアの中でも…」
黒井「いや、世界の中でトップクラスのリゾート地だ」
黒井「この海を、この空を、この光景を見てどう思う?」
冬馬「…日本では見られない光景だな」
冬馬「日本の海だってこんなに澄んだ青色はしていなかったぜ」
冬馬「心が晴れそうだ」
黒井「喜んでくれたか?」
冬馬「まあな、だがこの程度じゃ終わらないんだろ?」
黒井「鋭いな、流石私の妻なだけのことはあるな」
冬馬「長い間暮らしてるだけのことはあるだろ?」
黒井「まあな」
冬馬「ここは?」
黒井「オーストラリアの中でも…」
黒井「いや、世界の中でトップクラスのリゾート地だ」
黒井「この海を、この空を、この光景を見てどう思う?」
冬馬「…日本では見られない光景だな」
冬馬「日本の海だってこんなに澄んだ青色はしていなかったぜ」
冬馬「心が晴れそうだ」
黒井「喜んでくれたか?」
冬馬「まあな、だがこの程度じゃ終わらないんだろ?」
黒井「鋭いな、流石私の妻なだけのことはあるな」
冬馬「長い間暮らしてるだけのことはあるだろ?」
黒井「まあな」
11: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:21:46.75 ID:B75XpUSZ0
黒井「ここがこのリゾートの目玉である場所だ」
黒井「ここからはヘリで見るぞ、地上じゃ見えづらいからな」
冬馬「ヘリか…プライベートで乗るのは初めてだな」
黒井「さあ、もたもたしないで乗るぞ」
冬馬「わかってる」
ブロロロロロロロロロロロロロ
冬馬「何があるんだろうな?」
黒井「私たち二人にふさわしいものだ」
黒井「ここからはヘリで見るぞ、地上じゃ見えづらいからな」
冬馬「ヘリか…プライベートで乗るのは初めてだな」
黒井「さあ、もたもたしないで乗るぞ」
冬馬「わかってる」
ブロロロロロロロロロロロロロ
冬馬「何があるんだろうな?」
黒井「私たち二人にふさわしいものだ」
12: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:22:39.01 ID:B75XpUSZ0
黒井「これだ」
冬馬「これは…」
黒井「凄いだろ、珍しいだろ」
冬馬「ああ、ハートマークの珊瑚礁なんてロマンチックだぜ!」
黒井「まあ私もロマンチストだからな」
冬馬「どうやってできたんだ?なあおっさん、もっと近づいてくれないか?」
黒井「いい笑顔だ…、おい、もっと寄せろ」
パイロット「ラジャー」
冬馬「これは…」
黒井「凄いだろ、珍しいだろ」
冬馬「ああ、ハートマークの珊瑚礁なんてロマンチックだぜ!」
黒井「まあ私もロマンチストだからな」
冬馬「どうやってできたんだ?なあおっさん、もっと近づいてくれないか?」
黒井「いい笑顔だ…、おい、もっと寄せろ」
パイロット「ラジャー」
13: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:23:47.73 ID:B75XpUSZ0
ブロロロロロロロロロロロロロ
冬馬「スゲー!マジ良いぞこれ、こんなにきれいなものがあったなんて!」
冬馬「おっさん、ありがとな!」
黒井「礼には及ばないさ、お前の笑顔を見るためならどんなことでもするぞ」
黒井「このハートマークのさんご礁は今の私たちを表現している」
黒井「そうは思わないか?」
冬馬「ああ、俺たちの愛をぴったり表しているぜ!」
冬馬「もう忘れられない誕生日になったぜ!」
黒井「ふっ…」
冬馬「スゲー!マジ良いぞこれ、こんなにきれいなものがあったなんて!」
冬馬「おっさん、ありがとな!」
黒井「礼には及ばないさ、お前の笑顔を見るためならどんなことでもするぞ」
黒井「このハートマークのさんご礁は今の私たちを表現している」
黒井「そうは思わないか?」
冬馬「ああ、俺たちの愛をぴったり表しているぜ!」
冬馬「もう忘れられない誕生日になったぜ!」
黒井「ふっ…」
14: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:25:19.47 ID:B75XpUSZ0
夜
冬馬「なあおっさん」
黒井「何だ?」
冬馬「まさかあんたがこんなに心が優しい人間なんて思っても見なかったぜ」
冬馬「あんたと一緒にいれて、とても幸せだぜ」
黒井「お前は一つ勘違いをしてるぞ」
冬馬「え?」
黒井「お前が私を心優しい人間に変えさせたんだ」
黒井「私は冬馬という存在のおかげでここまで変われた」
黒井「本来礼を言うのは私だ、ありがとう」
冬馬「よ、よせよ///照れるぜ」
黒井「フフッ…」
冬馬「なあおっさん」
黒井「何だ?」
冬馬「まさかあんたがこんなに心が優しい人間なんて思っても見なかったぜ」
冬馬「あんたと一緒にいれて、とても幸せだぜ」
黒井「お前は一つ勘違いをしてるぞ」
冬馬「え?」
黒井「お前が私を心優しい人間に変えさせたんだ」
黒井「私は冬馬という存在のおかげでここまで変われた」
黒井「本来礼を言うのは私だ、ありがとう」
冬馬「よ、よせよ///照れるぜ」
黒井「フフッ…」
15: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:26:45.34 ID:B75XpUSZ0
黒井「さて、そろそろかな」
冬馬「なにがだ?」
黒井「3、2、1…」
ヒュウウウウウウウウウウウウ…
ドオオオオオオオオオオオオン!!!
冬馬「うわぁ…、すげえ花火だな…」
黒井「お前のために用意しておいたんだ、綺麗だろ」
冬馬「ああ、とてもな…」
冬馬「だが花火でI LOVE YOUって書くのはどうなんだよ?」
黒井「愛が伝わって良いじゃないか」
冬馬「それもそうだな」
冬馬「なにがだ?」
黒井「3、2、1…」
ヒュウウウウウウウウウウウウ…
ドオオオオオオオオオオオオン!!!
冬馬「うわぁ…、すげえ花火だな…」
黒井「お前のために用意しておいたんだ、綺麗だろ」
冬馬「ああ、とてもな…」
冬馬「だが花火でI LOVE YOUって書くのはどうなんだよ?」
黒井「愛が伝わって良いじゃないか」
冬馬「それもそうだな」
16: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:27:27.80 ID:B75XpUSZ0
黒井「改めて言おう」
黒井「冬馬」
冬馬「ん?」
黒井「誕生日、おめでとう」
冬馬「ありがとう//」
チュッ
終わり
黒井「冬馬」
冬馬「ん?」
黒井「誕生日、おめでとう」
冬馬「ありがとう//」
チュッ
終わり
17: ◆5m18GD4M5g 2015/03/03(火) 00:30:51.14 ID:B75XpUSZ0
書いてて気持ち悪くなった、もうホモはいいや…
ちなみにハートのさんご礁はオーストラリアのハミルトン島のハートリーフのことを指しています
機会があれば見に行ってみてください
改めて誕生日おめでとう
ちなみにハートのさんご礁はオーストラリアのハミルトン島のハートリーフのことを指しています
機会があれば見に行ってみてください
改めて誕生日おめでとう
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 00:34:22.68 ID:FufIrhwT0
いい話なのになあ
次はノンケで頼む
次はノンケで頼む
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425308529/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ アイドルマスター | Comments (0)
データで見てみたモバマスアイドル
1: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:45:12.61 ID:xPkIxv390
※SSを書く際にみんなのプロフィールを調べてて気づいた事をただ書いていくだけのSSです。
※今回使用したデータは初登場時のデータを基にしています。古参の方には今更な話ばかりと思います。
※今回使用したデータは初登場時のデータを基にしています。古参の方には今更な話ばかりと思います。
2: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:45:51.43 ID:xPkIxv390
ちひろ「プロデューサ-さん、お説教があります」
P「え?何ですか?今月もしっかりガチャ回してたじゃないですか」
ちひろ「プロデューサーさん、お忘れじゃないですか。アイドルの事」
P「はい?」
ちひろ「こちらで働き始めて随分経ちますけど、アイドル達の基本的なデータをお忘れでないかと思いまして」
P「…というと?」
P「え?何ですか?今月もしっかりガチャ回してたじゃないですか」
ちひろ「プロデューサーさん、お忘れじゃないですか。アイドルの事」
P「はい?」
ちひろ「こちらで働き始めて随分経ちますけど、アイドル達の基本的なデータをお忘れでないかと思いまして」
P「…というと?」
3: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:46:35.78 ID:xPkIxv390
ちひろ「そうですねぇ…例えば先日、夏樹ちゃんにファッションモデルのお仕事を回しましたよね?」
P「あぁ、そうですね。キリッとした感じがピッタリじゃないですか」
ちひろ「夏樹ちゃんの身長覚えてます?」
P「え…どれくらいでしたっけ…」
ちひろ「159cmですよ」
P「あれ、そんなもんでした?」
ちひろ「夏樹ちゃんのかっこいいイメージと、よく一緒にいる李衣菜ちゃん達が小柄なせいで大きく見えますけど、
夏樹ちゃん自身はそんなに大きくないんですよ。だって159cmといったら卯月ちゃんと同じですから…162cmの未央ち
ゃんやネネちゃんより小さいんですよ?」
P「そ…そんな数cm差くらい…」
P「あぁ、そうですね。キリッとした感じがピッタリじゃないですか」
ちひろ「夏樹ちゃんの身長覚えてます?」
P「え…どれくらいでしたっけ…」
ちひろ「159cmですよ」
P「あれ、そんなもんでした?」
ちひろ「夏樹ちゃんのかっこいいイメージと、よく一緒にいる李衣菜ちゃん達が小柄なせいで大きく見えますけど、
夏樹ちゃん自身はそんなに大きくないんですよ。だって159cmといったら卯月ちゃんと同じですから…162cmの未央ち
ゃんやネネちゃんより小さいんですよ?」
P「そ…そんな数cm差くらい…」
4: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:47:02.76 ID:xPkIxv390
ちひろ「ではプロデューサーさん、美優さんと恵磨ちゃん藍子ちゃん蘭子ちゃん。身長同じな事知ってますか?」
P「え…美優さんそんなに小さかったっけ…」
ちひろ「そうなんですみんな156cmなんですよ。よく絡んでる川島さんもイメージのわりに159cmしか無かったり、仁
奈ちゃん達年少組といる事も多いせいで気づき難いんですが、決して大きくは無いんです」
P「うわぁ…ホントだ…言われてみれば楓さん(171cm)と並ぶと結構身長差ありましたね…」
P「え…美優さんそんなに小さかったっけ…」
ちひろ「そうなんですみんな156cmなんですよ。よく絡んでる川島さんもイメージのわりに159cmしか無かったり、仁
奈ちゃん達年少組といる事も多いせいで気づき難いんですが、決して大きくは無いんです」
P「うわぁ…ホントだ…言われてみれば楓さん(171cm)と並ぶと結構身長差ありましたね…」
5: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:47:42.79 ID:xPkIxv390
ちひろ「さ・ら・に!プロデューサーさん!ロリ勢は子供っぽさが魅力の一つですよね?」
P「え…えぇ…」
ちひろ「特に身長なんていうのはわかり易い記号ですから、ロリ勢は背の高い人と組み合わせた方がより子供っぽさ
が際立つ」
P「え…えぇ…」
ちひろ「じゃあ何であずきちゃん(145cm)とロリ勢を一緒の番組に出したんですか!あずきちゃんはメアリーちゃん
(150cm)より5cm小さいんですよ!!」
P「!!?」
P「え…えぇ…」
ちひろ「特に身長なんていうのはわかり易い記号ですから、ロリ勢は背の高い人と組み合わせた方がより子供っぽさ
が際立つ」
P「え…えぇ…」
ちひろ「じゃあ何であずきちゃん(145cm)とロリ勢を一緒の番組に出したんですか!あずきちゃんはメアリーちゃん
(150cm)より5cm小さいんですよ!!」
P「!!?」
6: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:48:18.47 ID:xPkIxv390
ちひろ「これであずきちゃんの隣に乙倉ちゃん(164cm)も出してたらグーで殴ってますよ…まったく…」
P「ご…ごめんなさい」
ちひろ「まぁ765さんの亜美真美ちゃん(158cm)にヘレンさん(158cm)にぶつけた件は評価しましょう。司会者の『ヘレ
ンさん意外に小柄ですね』に対する『そう?そんな私からすればこの国はもっと小さいわよ』の返しは良かったです
。ウケてました」
P「(結構失笑気味だったけどなぁ…)」
ちひろ「ちなみに私の身長は154cmです」
P「あ、はい」
P「ご…ごめんなさい」
ちひろ「まぁ765さんの亜美真美ちゃん(158cm)にヘレンさん(158cm)にぶつけた件は評価しましょう。司会者の『ヘレ
ンさん意外に小柄ですね』に対する『そう?そんな私からすればこの国はもっと小さいわよ』の返しは良かったです
。ウケてました」
P「(結構失笑気味だったけどなぁ…)」
ちひろ「ちなみに私の身長は154cmです」
P「あ、はい」
7: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:50:14.74 ID:xPkIxv390
P「イメージだけで仕事を選んでた俺が馬鹿でした…心さん(166cm)みたいに意外にデカかったりすると覚えてるんで
すけどね。」
ちひろ「まぁ心さんは亜季(165cm)ちゃん拓海(163cm)ちゃんより大きいですからね。若干とはいえ、いざ数字を並べ
てみると違いが出るんですよ」
P「はあ…身長差に付いてもっと気をつけます…」
ちひろ「あ、待ってくださいプロデューサーさん」
P「はい?」
ちひろ「まだ、終わりませんよ」
P「え?まだありました?」
8: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:50:59.54 ID:xPkIxv390
ちひろ「次は女の武器。おっぱいについてです」
P「……もう一回いいですか?」
ちひろ「セクハラですか?すり潰しますよ?」
P「ごめんなさい」
ちひろ「よろしい。先日、藍子ちゃんを貧乳ネタで弄ってましたね?」
P「え」
ちひろ「…」ジー
P「すいません、弄りました」
P「……もう一回いいですか?」
ちひろ「セクハラですか?すり潰しますよ?」
P「ごめんなさい」
ちひろ「よろしい。先日、藍子ちゃんを貧乳ネタで弄ってましたね?」
P「え」
ちひろ「…」ジー
P「すいません、弄りました」
9: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:52:10.42 ID:xPkIxv390
ちひろ「はい、正直でよろしい。では比較に当たって、もしかしたら成長の余地があるかも知れない可能性の有るっぽい18歳未満の子は一旦おいておきますね」
P「ありますか?成長…」
ちひろ「あります。あるって言ってあげてください」
P「は、はい」
ちひろ「では聞きますが18歳以上のアイドルで貧乳といえば誰だと思いますか?ちなみに若葉ちゃんは除きます」
P「えっ」
ちひろ「除きます」
P「ありますか?成長…」
ちひろ「あります。あるって言ってあげてください」
P「は、はい」
ちひろ「では聞きますが18歳以上のアイドルで貧乳といえば誰だと思いますか?ちなみに若葉ちゃんは除きます」
P「えっ」
ちひろ「除きます」
10: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:53:13.86 ID:xPkIxv390
P「は、はぁ……えっと…誰だろう…和久井さんかな…?」
ちひろ「確かに彼女は168cmという長身ですが、スリーサイズは81-60-86ですからスレンダー体型といえるでしょう。ですが地味に忘れられがちなのは里奈ちゃん・朋ちゃん・柑奈ちゃんですね」
P「あー…言われてみれば…アレ?里奈ってそんなもんでしたっけ?」
ちひろ「彼女のスリーサイズは77-55-80ですよ。身長は私と同じですが私のスリーサイズは82-58-84です」
P「あれ、小さい」
ちひろ「ちなみに彼女の身長とスリーサイズは765の水瀬伊織ちゃんと殆ど変わりません」
P「小さい!!?」
ちひろ「バストサイズだけで言えば智絵理ちゃんや泰葉ちゃん(共に79cm)以下ですよ」
P「あ…荒猛怒…」
ちひろ「確かに彼女は168cmという長身ですが、スリーサイズは81-60-86ですからスレンダー体型といえるでしょう。ですが地味に忘れられがちなのは里奈ちゃん・朋ちゃん・柑奈ちゃんですね」
P「あー…言われてみれば…アレ?里奈ってそんなもんでしたっけ?」
ちひろ「彼女のスリーサイズは77-55-80ですよ。身長は私と同じですが私のスリーサイズは82-58-84です」
P「あれ、小さい」
ちひろ「ちなみに彼女の身長とスリーサイズは765の水瀬伊織ちゃんと殆ど変わりません」
P「小さい!!?」
ちひろ「バストサイズだけで言えば智絵理ちゃんや泰葉ちゃん(共に79cm)以下ですよ」
P「あ…荒猛怒…」
11: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:53:43.53 ID:xPkIxv390
ちひろ「まぁ里奈ちゃんや柑奈ちゃんは身長も低いので(それぞれ154と155)まだマシですが、朋ちゃんはスリーサイズは智絵理ちゃん達と大差ないのに身長は10cm近く高い163cmですから…」
P「優しくしよう…」
ちひろ「ちなみに茜ちゃんも148cmとかなり小柄なんですが、スリーサイズは80-60-82なんですよ」
P「ん?」
ちひろ「ウェスト60cm台では身長最小なんですよ。それって結構幼児体k」
P「茜の腹筋は凄いなぁ!」
P「優しくしよう…」
ちひろ「ちなみに茜ちゃんも148cmとかなり小柄なんですが、スリーサイズは80-60-82なんですよ」
P「ん?」
ちひろ「ウェスト60cm台では身長最小なんですよ。それって結構幼児体k」
P「茜の腹筋は凄いなぁ!」
12: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:54:11.01 ID:xPkIxv390
ちひろ「続きまして体重いきますね」
P「踏み込みますねぇ…」
ちひろ「先に言っておきますが、私の体重は秘密です」
P「聞きませんよ…」
13: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:55:26.96 ID:xPkIxv390
ちひろ「…そうですか。ではアイドル達の体重ベスト5ってわかりますか?」
P「え、誰だろ…菜帆とかな子は確定だろ…あとは身長もあるしきらりも入るかな…」
ちひろ「ちなみにかな子ちゃんはベスト5に入りませんよ」
P「マジですか!!?」
ちひろ「後で本人にも伝えておきますね」
P「待って!ごめんなない!」
P「え、誰だろ…菜帆とかな子は確定だろ…あとは身長もあるしきらりも入るかな…」
ちひろ「ちなみにかな子ちゃんはベスト5に入りませんよ」
P「マジですか!!?」
ちひろ「後で本人にも伝えておきますね」
P「待って!ごめんなない!」
14: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:56:13.22 ID:xPkIxv390
ちひろ「それじゃあトップ5を発表しますね
1.諸星きらり 60kg
2.海老原菜帆 58kg
3.及川雫 56kg
4.西川保奈美
赤西瑛梨華 55kg
5.向井拓海 53kg
がトップ5です」
P「あーそっか、かな子は身長低い(153cm)しな……んん???保奈美?」
1.諸星きらり 60kg
2.海老原菜帆 58kg
3.及川雫 56kg
4.西川保奈美
赤西瑛梨華 55kg
5.向井拓海 53kg
がトップ5です」
P「あーそっか、かな子は身長低い(153cm)しな……んん???保奈美?」
15: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:56:55.56 ID:xPkIxv390
ちひろ「そうなんです保奈美ちゃんがランクインしているんです。ちなみにかな子ちゃん(52kg)は第6位ですね」
P「きらりは身長があるし、雫と拓海は胸もデカけりゃ体格もいい。菜帆はかな子とおなじポッチャリ路線だけど身長分(162cm)でランクが上か…あれ保奈美と瑛梨華の身長って…」
ちひろ「保奈美ちゃんが155cm、瑛梨華ちゃんが154cmですね。ちなみに154cmの最軽量である里奈ちゃんと忍ちゃんは41kgです」
P「アイツら何が詰まってんだ!?瑛梨華はポッチャリ巨乳キャラだからともかく、保奈美は一体…」
ちひろ「みんなアイドルですから実際の体重よりも幾分軽く申告している、と考えれば、実は二人が馬鹿正直にホントの体重を申告しているだけだったりして…」
P「保奈美…瑛梨華…お前って奴は…」
P「きらりは身長があるし、雫と拓海は胸もデカけりゃ体格もいい。菜帆はかな子とおなじポッチャリ路線だけど身長分(162cm)でランクが上か…あれ保奈美と瑛梨華の身長って…」
ちひろ「保奈美ちゃんが155cm、瑛梨華ちゃんが154cmですね。ちなみに154cmの最軽量である里奈ちゃんと忍ちゃんは41kgです」
P「アイツら何が詰まってんだ!?瑛梨華はポッチャリ巨乳キャラだからともかく、保奈美は一体…」
ちひろ「みんなアイドルですから実際の体重よりも幾分軽く申告している、と考えれば、実は二人が馬鹿正直にホントの体重を申告しているだけだったりして…」
P「保奈美…瑛梨華…お前って奴は…」
16: 墓堀人 2015/12/27(日) 23:58:56.27 ID:xPkIxv390
ちひろ「保奈美ちゃんに近いスリーサイズなのは木場さんと風香ちゃんなんですが、保奈美ちゃんが155cmの55kgに対して
木場真奈美172cm50kg
浅野風香 160cm48kg
なんですよね…」
P「優しくしよう…」
ちひろ「もちろんBMI値は瑛梨華ちゃんが1位、保奈美ちゃんが2位です」
P「おおう…」
ちひろ「無関係かとは思いますが、保奈美ちゃん瑛梨華ちゃんともに利き手が両利きです」
P「お、おう…」
ちひろ「そして乙倉ちゃんは164cmの40kgです」
P「誰か!誰かあの子に食べ物を!!!」
木場真奈美172cm50kg
浅野風香 160cm48kg
なんですよね…」
P「優しくしよう…」
ちひろ「もちろんBMI値は瑛梨華ちゃんが1位、保奈美ちゃんが2位です」
P「おおう…」
ちひろ「無関係かとは思いますが、保奈美ちゃん瑛梨華ちゃんともに利き手が両利きです」
P「お、おう…」
ちひろ「そして乙倉ちゃんは164cmの40kgです」
P「誰か!誰かあの子に食べ物を!!!」
17: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:00:20.32 ID:pgqP3uDM0
ちひろ「年齢と出身地に付いてはおいておきましょう」
P「え、何でですか」
ちひろ「語る部分が少ないし、出身地についてはその県出身のプロデューサーさんに任せちゃえばいいですからね。強いて言えば芳乃ちゃんが16歳に見えないぞ!!とか、山形なんて辺鄙な所に里美ちゃんのようなお嬢様がいるか!!とかじゃないですか?」
P「ちひろさんは山形に何か恨みがあるんですか!?」
ちひろ「そんな事はありません、世界中お金があるならどこでも好きですよ?」
P「鬼!悪魔!」
18: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:00:52.64 ID:pgqP3uDM0
ちひろ「最後に総選挙で見た3属性それぞれの人気の差の話をしましょう」
P「ほう」
ちひろ「まず上位30位以内にどの属性が何人くらい入ってるか調べてみました」
※○内数字は総選挙の回数。○無しの数字はランクに入ったアイドルの数
① ② ③ ④
Cu 9―8―10―9
Co 9―14―13―13
Pa 12―8―7―8
P「こうして見るとクールの強さが目立ちますけど、第二回以降はわりと安定してるんですね」
19: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:01:35.80 ID:pgqP3uDM0
ちひろ「そうですね。それでは範囲を上位10位以内に絞ってみましょう」
① ② ③ ④
Cu 3―4―4―6
Co 3―6―4―3
Pa 4―0―2―1
P「あれ!?パッションが少ない!?」
ちひろ「そうなんですよ、トップ30で見ると差の少ないCuとPaもトップ10になると途端に差が開くんです」
① ② ③ ④
Cu 3―4―4―6
Co 3―6―4―3
Pa 4―0―2―1
P「あれ!?パッションが少ない!?」
ちひろ「そうなんですよ、トップ30で見ると差の少ないCuとPaもトップ10になると途端に差が開くんです」
20: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:02:28.55 ID:pgqP3uDM0
P「という事はPaは人気が無い…?」
ちひろ「いいえ、トップ30にすると差が小さいと言う事は、人気が無いというよりも同属性内で票が割れてしまっている、つまり一定の人気があるキャラが複数いるとみるべきかと」
P「なるほど…第四回のCuみたいにトップ10に6人もいるのに11~30位内では3人しかいないという事は、人気が特定のキャラクターに集中しているともとれる訳ですね」
ちひろ「そうです」
ちひろ「いいえ、トップ30にすると差が小さいと言う事は、人気が無いというよりも同属性内で票が割れてしまっている、つまり一定の人気があるキャラが複数いるとみるべきかと」
P「なるほど…第四回のCuみたいにトップ10に6人もいるのに11~30位内では3人しかいないという事は、人気が特定のキャラクターに集中しているともとれる訳ですね」
ちひろ「そうです」
21: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:03:01.59 ID:pgqP3uDM0
P「なるほど…改めてデータを見てみると色んな事がわかるもんですねぇ…」
ちひろ「お分かりいただけました?」
P「はい、自分の勝手なイメージや印象で仕事を与えたり、偏見で新しいユニットを組もうとしてました事を反省しました」
ちひろ「よろしい。これからはちゃあんとアイドルの事を調べた上でお仕事回してくださいね♪」
P「はい!」
ちひろ「お分かりいただけました?」
P「はい、自分の勝手なイメージや印象で仕事を与えたり、偏見で新しいユニットを組もうとしてました事を反省しました」
ちひろ「よろしい。これからはちゃあんとアイドルの事を調べた上でお仕事回してくださいね♪」
P「はい!」
22: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:03:30.98 ID:pgqP3uDM0
~数日後~
P「はい!みんな注目!これから今後の予定を発表するぞ」
ザワザワザワ…
P「まず、乙倉!」
悠貴「はい!」
P「再来週からかな子のグルメ番組のレギュラーな」
悠貴「はい!…え?」
P「たらふく食べさせてもらいなさい…」
悠貴「は…はい…?」
23: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:04:13.40 ID:pgqP3uDM0
P「続いて海老原!赤西!西川!」
菜帆「はぁい」
瑛梨華「はい☆」
保奈美「はい。えっ?」
P「お前達にはユニットを組んでもらう。ユニット名は『Foot Mercies(フットマーシーズ)』だ」
菜帆「おぉ~、何だか楽しみですね♪」
瑛梨華「二人とも!大船に乗ったつもりで瑛梨華にO・MA・KA・SE☆」
保奈美「え…えぇ……よろしくお願いします…?????」
菜帆「はぁい」
瑛梨華「はい☆」
保奈美「はい。えっ?」
P「お前達にはユニットを組んでもらう。ユニット名は『Foot Mercies(フットマーシーズ)』だ」
菜帆「おぉ~、何だか楽しみですね♪」
瑛梨華「二人とも!大船に乗ったつもりで瑛梨華にO・MA・KA・SE☆」
保奈美「え…えぇ……よろしくお願いします…?????」
24: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:04:39.40 ID:pgqP3uDM0
P「それじゃあ次は輿水!前川!」
幸子「フフーン、かわいいボクにどんなお仕事を持って来たんですか?プロデューサー」
みく「幸子ちゃんといっしょ…今度はどんな企画をやらされるにゃ…」
P「二人とも属性をPaに変更な」
幸子「へっ?」
みく「んにゃ!?」
幸子「フフーン、かわいいボクにどんなお仕事を持って来たんですか?プロデューサー」
みく「幸子ちゃんといっしょ…今度はどんな企画をやらされるにゃ…」
P「二人とも属性をPaに変更な」
幸子「へっ?」
みく「んにゃ!?」
25: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:06:16.67 ID:pgqP3uDM0
P「よぉし、それじゃあ最後に今から抜き打ちの身体検査やるぞー。体重もスリーサイズも嘘の申告は許さんからなー」
「「「えええええ!!」」」
P「はいはい、油断してるお前らが悪ーい」
ちひろ「…」
P「おお、ちひろさん!ちひろさんに言われた通り、こないだのデータを基に新しい仕事始めますよー!」
ちひろ「おう、ちょっとツラ貸せやハゲ」
「「「えええええ!!」」」
P「はいはい、油断してるお前らが悪ーい」
ちひろ「…」
P「おお、ちひろさん!ちひろさんに言われた通り、こないだのデータを基に新しい仕事始めますよー!」
ちひろ「おう、ちょっとツラ貸せやハゲ」
26: 墓堀人 2015/12/28(月) 00:12:06.94 ID:pgqP3uDM0
おしまい。
ある程度知ってるつもりでも、いざみんなのプロフィール見てみると案外知らなかった事や忘れてる事ってあるんだなぁと思って書きました。
皆さんも是非一度みんなのプロフィール確認してみてください。新しい発見があるかもしれません。
ある程度知ってるつもりでも、いざみんなのプロフィール見てみると案外知らなかった事や忘れてる事ってあるんだなぁと思って書きました。
皆さんも是非一度みんなのプロフィール確認してみてください。新しい発見があるかもしれません。
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/30(水) 11:04:03.33 ID:cMaAEg2fo
このプロフィールの数字に対してアイドルなのに逆サバよんでるのがいるからややこしい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451227512/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
玄「トリック・オア・おもち!」 宥「えっ」
1: ◆nC3Zr8GApc 2015/03/01(日) 19:31:06.95 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 午前零時
松実館
玄「おねーちゃー、起きてますか?」コンコン
宥「玄ちゃん? 起きてるけど、どうしたの?」ガラッ
玄「えへへー。おねーちゃん、今日は何の日でしょう?」ニコニコ
宥「今日? 今日は十月三十日だよね? えっと、何の日かなぁ……」
玄「おねーちゃん、時計をよーく見てください」
宥「あ、日付が変わってるからもう十月三十一日なんだね。つまり今日はハロウィンだ」
玄「おねーちゃん大正解です! というわけで――」
玄「トリック・オア・おもち!」
宥「えっ」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:32:02.69 ID:eLPL/wswo
玄「えっ」キョトン
宥「あ、あの……、玄ちゃん、どうしたの……?」
玄「おねーちゃんこそどうしたのですか? 『トリック・オア・おもち』ですよ?」キョトン
宥(えぇー……、玄ちゃんどうしてそんな意外そうな顔してるの……? 私が何か間違ってるのかな……)
宥「え、えっと、玄ちゃん、とりあえずお部屋に入ろ? そこでお話しようね」
玄「はいですのだ!」
宥「あ、あのね玄ちゃん、今はもうお父さんも仲居さん達も寝ちゃってるし、もうちょっと静かにしようね」オロオロ
玄「はいですのだ!」
宥「ううー、玄ちゃーん……」オロオロ
玄「はいですのだ」(小声)
宥「わぁ……、やっぱり玄ちゃんはいい子だね」ナデナデ
玄「えへへ」ニコニコ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:33:17.58 ID:eLPL/wswo
宥「それで玄ちゃん、『トリック・オア・おもち』って何なのかな?」
玄「おねーちゃん、これはハロウィンの合言葉ですよ。一般常識ですのだ」
宥(どうして玄ちゃんは知ってて当然みたいな顔してるの……? 私は初耳なのに……)
玄「一般常識ですのだ!」
宥「なんで二回言ったの!?」ビクッ
宥(ううー、「それは『トリック・オア・トリート』だよね?」――なんて言える雰囲気じゃないよぉ……)
宥(とりあえず、玄ちゃんの言う『トリック・オア・おもち』がどんな意味なのか確認しないとだよね)
宥(イヤな予感しかしないけど……)フゥ…
宥「あのね、玄ちゃん。『トリック・オア・おもち』ってどういう意味なのかな? おねーちゃんに教えてくれる?」
玄「おまかせあれっ!」
宥(玄ちゃん、どうしてこんなに元気なんだろう……)
玄「いいですか、おねーちゃん。『トリック・オア・おもち』とは、『おもちを出しなさい。さもなければイタズラしますよ』という意味です!」
宥「玄ちゃんはおもちが欲しいの? それなら厨房にあるから取ってきてあげるね。食べた分はあとで報告して――」
玄「おねーちゃん、そういう小ボケは要らないですのだ」キッパリ
宥(ええー、私が悪いの……?)ガーン
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:34:49.07 ID:eLPL/wswo
宥「あ、あの……、玄ちゃんのいう『おもち』って、やっぱりその……、私の胸のこと……?」
玄「その通りです! さすがおねーちゃん、飲み込みが早いですね!」
宥「それで……、玄ちゃんにおもちをあげたら、どうなるのかな……」
玄「おねーちゃんのおもちをいじりたおします」
宥「」
玄「?」キョトン
宥(ふえぇ……、玄ちゃんどうしてそんな不思議そうな顔するの? なんだか私の方がおかしなこと言ってるみたいだよ……)
宥「そ、それじゃ、玄ちゃんにイタズラされちゃうと、どうなっちゃうのかな……?」
玄「おねーちゃんのおもちをいじりたおします」
宥「」
玄「さぁおねーちゃー、『トリック・オア・おもち』の時間です。好きな方を選んでください」
宥「そ、それって、私の選択肢ないよね!?」
玄「おねーちゃん、今はもうお父さんも仲居さん達も寝ていますので、もうちょっと静かにしましょう」
宥「……ぇぇー」シュン
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:35:38.83 ID:eLPL/wswo
宥(今日の玄ちゃん、どこかヘン……)
宥(今までもこういうことはあったけど、今日と違って申し訳なさそうにお願いする感じだった)
宥(強引な玄ちゃんもそれはそれでいいんだけど、どうしてこんな風になっちゃったのかな……)
宥(それに今の玄ちゃん、なんだか子供の頃に戻っちゃったような――)
宥「あっ……」ハッ
宥(玄ちゃん……、子供……、ハロウィン……)
玄「おねーちゃん?」
宥「ううん、何でもないよ」ニコ
宥(ごめんね、玄ちゃん。おねーちゃんなのに、今まで気づいてあげられなくて)
宥(私、玄ちゃんのおねーちゃんだもん。がんばらなくっちゃね)
宥「玄ちゃん」
玄「はいですのだ」
宥「いいよ。おねーちゃんのおもち、玄ちゃんにあげるからね」ニコ
玄「わーい! おねーちゃんだいすきです!」パァァ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:36:26.11 ID:eLPL/wswo
宥「もう時間も遅いし、このまま一緒のおふとんで寝ようね」
宥「その……、お、おもちは、おふとんの中で、玄ちゃんの好きにしてもらっていいから……」////
玄「おまかせあれっ!」
宥「それと……」ドキドキ
玄「どうかしましたか? おねーちゃん」
宥「私のおもち……、さわるだけで、いいの……?」ドキドキ
玄「!?」
玄「あ、あの、おねーちゃん……、それって……」ドキドキ
宥「うん……、玄ちゃんだったら、いいよ」ニコ
玄「おねーちゃー!!」ガバッ
宥「わわわっ! 玄ちゃん、焦らなくてもおねーちゃんのおもちは逃げないから――はうぅ……っ!」////
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:37:08.04 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 朝
阿知賀女子学院 通学路
宥「はうぅ……」////
宥(昨日の玄ちゃん、すごかったな……)
宥(今でもまだ胸がじんじんしてる……)////
宥(好きな人に胸を揉まれたら大きくなるって言うけど、また大きくなっちゃうのかなぁ……)
宥(うぅ~、永水の大将さんみたいになったらどうしよう……)
宥(…………)
宥(玄ちゃんはすごく喜びそうだけど……)ハァ…
憧「やっほー、宥姉おはよっ!」ポン
宥「ひうっ!!」ビビクン
憧「ふきゅっ!」ビクッ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:38:18.37 ID:eLPL/wswo
憧「ご、ごめんね宥姉……、なんか驚かせちゃったみたいで」
宥「憧ちゃん? 違うの、私びっくりしたんじゃなくて――」
憧「びっくりしたんじゃなくて?」
宥「ううん、え、えっと、その……、や、やっぱりびっくりしたの」アセアセ
憧「んー?」
宥(うぅ、憧ちゃん変な顔してる……。でも、玄ちゃんに胸を触られてたから、敏感になってるなんて言えないよ……)////
憧「うーん?」ジロジロ
宥「あの……、憧ちゃん……?」
憧「うん、まあ宥姉の様子は気になるけど、それは別にいいわ」
宥(よかった……。玄ちゃんとのことは気付かれずに澄みそう……)ホッ
憧「それより玄はどうしたの? いつも宥姉と一緒なのに」キョロキョロ
宥「えっ! 玄ちゃん!?」ビビクン
憧「ふきゅっ!」ビクッ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:39:54.68 ID:eLPL/wswo
憧「あのさ、宥姉」
宥「う、うん……?」
憧「もしかしてなんだけど、玄と何かあった?」
宥「べ、別に、玄ちゃんとは、何もないよ……」
憧「もしかして、ケンカしちゃった……、とか?」
宥「ケンカなんてしてないよ。ただ――」
憧「ただ?」
宥「ただ……、その……」
宥(うぅ~、ホントのことなんて恥ずかしくて言えないよ……)////
憧「ねぇ、宥姉」
宥「うん?」
憧「もし何か事情があるなら話して欲しい。私じゃ力になれるか微妙だけど、それでも宥姉の力になりたいって思うし」
憧「こんなこと言うの照れくさいけど、私たちってもう友達なんて生温いものじゃなくて、仲間だって思ってるから」キリッ
宥「憧ちゃん……」アッタカーイ
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:40:52.08 ID:eLPL/wswo
宥(いつも明るい憧ちゃんが、真剣な目で私を見てくれてる……)
宥(私たちのことをこんなに心配してくれてる憧ちゃんに、隠し事をするなんていけないことだよね……)
宥(憧ちゃんには本当のこと話さなきゃ、仲間なんだもん)
宥「あ、あのね……、憧ちゃんには本当のことを言うけど、びっくりしないでね……」
憧「大丈夫よ、宥姉がなに言ったって驚いたりしないから」アハハ
宥「あ、あのね……、昨日……」
憧「昨日?」
宥「玄ちゃんと……、その……」
憧「玄と?」
宥「えっとね、一緒に……」
憧「一緒に?」
宥「…………寝たの」////
憧「ファッ!?」ビクッ
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:41:44.72 ID:eLPL/wswo
宥「うぅ~、憧ちゃん驚かないって言ってたのに……」オロオロ
憧「えっ、あ、ごめん、宥姉……」
憧「えっ? でも、えっ???」
憧(どういうこと? 宥姉も『こっち側』だったってこと?)
憧(いやいやいや、決め付けはダメよ。落ち着いて考えなさい)
憧(あのゆるふわでおっとりした宥姉が、肉親である玄とiPSするわけないわよね)
憧(様子がおかしかったからへんな風に考えちゃったけど、宥姉に限ってそんなことありえないわ)
憧(姉妹で仲良く一緒の布団で寝るなんて普通じゃない。私だって小さい頃にはそういうことあったし)
憧(宥姉って人一倍恥ずかしがり屋だから、へんに意識しちゃって照れちゃってただけよね)
憧(さすが偏差値70の分析力! ふふ、たまに自分が恐くなるわ)フフフ
憧「あのさ、宥姉」
宥「うん?」
憧「ごめんね、一人でびっくりしちゃって、なんか今になって恥ずかしくなってきたよ……」アハハ…
宥「ううん、いいの。私もすごくへんなこと言っちゃったし」フルフル
憧「いやいや、別にへんじゃないよ。姉妹なんだし一緒に寝てたって普通じゃん」
宥「普通なのかな……?」
憧「そうだよ、普通普通。一緒に寝てたって言っても、玄に何かされたわけじゃないんでしょ?」アハハ
宥「ううん、胸をいっぱい触られたよ」
憧「普通じゃなかった!!」ガーン
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:42:39.56 ID:eLPL/wswo
憧「あ、あのさ宥姉、もしイヤだったら言わなくていいからね。そ、その……、昨日なにがあったの……?」ドキドキ
宥「だいじょうぶ、憧ちゃんに話すのはイヤじゃないよ。それに、私だってここまで話したんだもん、今さら憧ちゃんに隠したりしないよ」ニコ
宥(すごく、恥ずかしいけど……)////
宥「まず、順を追って話すね」
宥「昨日っていうか、今日なのかな。零時ちょうどに玄ちゃんが私の部屋に来て、『トリック・オア・おもち』って――
・・・・・・
・・・・
・・
憧「そ、そんな……、宥姉の豊満な胸を揉みしだくだけでは飽き足らず、寄せて両方いっぺんに……」ドキドキ
宥「憧ちゃん、あんまり言わないで……」////
憧「それでそれで? 次はどんなことされたの?」ドキドキ
宥「そんなこと言われても憶えてないよ……。それされちゃうと、いつも頭が真っ白になって気絶しちゃうんだもん……」フゥ…
憧「き、気絶って……。さすが玄ね……」////
憧「……あれ?」ハッ
憧(さっき宥姉、『いつも』って言ったよね……?)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:43:52.86 ID:eLPL/wswo
憧「あ、あのさ、宥姉……」コソコソ
宥「どうしたの? 急に小声になって」
憧「ちょっと気になったんだけどさ」コソコソ
宥「う、うん?」
憧「その……、玄に胸をいじり倒されてたのって、昨日だけじゃなかったりする?」ドキドキ
宥「!!」ビクッ
憧「あのさ、宥姉の胸が玄よりもかなり大きいのって、玄に何度も何度もいじり倒されてたせいだったりするの?」ドキドキ
宥「ふぇっ!!」ビビクン
憧「やっぱりそうだったね……、さすが玄だわ……」ウーム
宥「ぅぅー……」////
憧(ふふ、宥姉ってば赤くなっちゃってかわいい。しずもこんな表情見せてくれたらもっとかわいいのに――)
憧「はっ!」ピコーン
憧(もしかして、これってしずに使えるんじゃない?)
憧(しずは小学生の頃から体型が変わっていないことにすごく悩んでいるはず。だから――
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:44:50.13 ID:eLPL/wswo
穏乃『うーん……』
憧『しずー? なんか暗いけどどうしたの?』
穏乃『ちょっとね』ハァ…
憧『なになに? 悩みがあるなら私に話しなさいよ。しずのためなら何でも力になるわよ』
穏乃『そうだね。一人で悩んでても仕方ないし、ちょっと恥ずかしいけど憧になら話せそうだから』
憧『まっかせなさい!』ドン
穏乃『あのね、憧……。実は――』
憧『どうやったら胸が大きくなるかですって?』
穏乃『憧! 声が大きいよ!』アタフタ
憧『ごめんごめん。でもしずもそういうことで悩むのね、ちょっと意外だわ』
穏乃『私だって一応女なんだよ。そういうことで悩んだりもするさ』ムスー
憧『ごめんごめん、しずが女の子ってことはよーくわかってるわよ』
穏乃『それならいいんだけど……』
憧『それで、さっきの悩みに対する回答なんだけどさ、女の人の胸って、好きな人に揉まれると大きくなるみたいよ』
穏乃『それは私も聞いたことがあるけど、なんだか下心のある人が広めた迷信としか思えないんだよね』
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:45:52.05 ID:eLPL/wswo
憧『それが迷信でもないんだなー』ニヤニヤ
穏乃『どういうこと?』
憧『ここだけの話なんだけど、宥姉の胸って好きな人に揉まれ続けたからあんなに大きくなったらしいのよ』ヒソヒソ
穏乃『宥さんの胸が? すごい! 今すぐにでも試した――』ハッ
憧『急に黙ったりして、どうしたの?』
穏乃『宥さんみたいに胸が大きくなるなら、私もその方法を試してみたい……』
穏乃『けど、好きな人なんて言われても、誰に頼めばいいのかよくわからないよ……』ハァ…
憧『しず、さっき私が言ったでしょ? 『まかせなさい』ってさ』
穏乃『どういうこと?』
憧『私が責任をもって、しずの胸を大きくしてあげるってことよ!』ドン
穏乃『ええーっ!?』
憧『むー、なによそのリアクション。しずは私に胸さわられるのイヤ?』
穏乃『そ、そんなことないよ。むしろ、こんなこと憧以外に頼めないっていうか……』
憧『しずは、私のこと……、き、嫌い?』カタカタ
穏乃『嫌いなわけないよ』
憧『じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃ、じゃあ、わ、私のこと……、好き?』ドキドキ
穏乃『うん、好きだよ』ニコ
憧『はうっ!』////
穏乃『憧! イエローストーン国立公園の間欠泉みたいな勢いで鼻血が吹き出てるよ!』
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:46:27.21 ID:eLPL/wswo
憧『しず、もう一回言って……』
穏乃『えっ? それより今すぐ止血しないと!』
憧『お願い、さっきの言葉もう一回言って! もっと真剣な顔で!』
穏乃『よ、よくわからないけど、わかったよ』
穏乃『それじゃいくよ、憧……』
憧『うん……』ドキドキ
穏乃『私は、憧のこと好きだよ』キリッ
憧『はうぅ、もう死んでもいいわ……』////
穏乃『アコー!!』ヒィィ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:48:28.72 ID:eLPL/wswo
一ヶ月後
憧『しずー? なんか暗いけどどうしたの?』
穏乃『ちょっとね』ハァ…
憧『なになに? 悩みがあるなら私に話しなさいよ。しずのためなら何でも力になるわよ』
穏乃『そうだね。一人で悩んでても仕方ないし、ちょっと恥ずかしいけど憧になら話せそうだから』
憧『まっかせなさい!』ドン
穏乃『あのね、憧……。実は――』
憧『宥姉よりも胸が大きくなって、小学生の頃から愛用してたジャージが着られなくなったですって?』
穏乃『憧! 声が大きいよ!』アタフタ
憧『ごめんごめん。でもしずの胸ほんとに大きくなったわよね。もう和どころか、永水の大将にも負けないんじゃない?』
穏乃『憧のおかげだよ。こんなに効果があるなら、もっと早く憧に相談すればよかった』
憧『しずの役に立てたみたいで、私も嬉しいわ』
穏乃『そ、それでさ、憧……』
憧『ん? どうしたの?』
穏乃『私、もう一つ悩みができちゃったみたいなんだ……』
憧『しずもたいへんね。でも、私でよかったら力になるわよ』
穏乃『うん、憧なら……、ううん、憧以外には解決できない悩みなんだ……』
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:50:07.42 ID:eLPL/wswo
憧『それで、しずの悩みってどんなことなの?』
穏乃『話す前に、ひとつだけお願いしてもいいかな』
憧『もちろん、いいわよ』
穏乃『私の悩みを聞いても、その……、笑ったりしないで欲しいんだ……』
憧『そんなの当然じゃない。しずの悩みは私の悩みでもあるもの、どんな内容だって絶対に笑ったりなんかしない。約束するわ』
穏乃『ありがとう、憧。それじゃ話すね――』
穏乃『私、ずっと恋愛なんてわからなかったけど……』
穏乃『憧のおかげで、こんなに胸が大きくなったってことは、私――』
穏乃『私、憧のことが大好きだってことだよね……』
憧『わ、私だってしずのこと大好きよ』
穏乃『そうじゃ、ないんだ……』ハハ…
憧『しず、もしかして……』
穏乃『憧、お願いします! 私と結婚してください!』
憧『もちろんよ! 今すぐ結婚しましょう!! そしてiPS細胞というので同性の間でも子供を作るわよ!!!』
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:52:20.29 ID:eLPL/wswo
憧「ウフフ、シズケッコンシマショウ…」ブツブツ…
宥(どうしよう……。憧ちゃん急に黙りこんだと思ったら、鼻血を流しながら笑い始めちゃった……)
宥(このままじゃ憧ちゃんが危ないよね……、早く保健室に連れて行かないと――)
憧「宥姉!」
宥「は、はひっ!」ビクッ
憧「玄はどこ!? 今すぐ玄に訊きたい事があるの!」
宥「玄ちゃん? えっと、玄ちゃんなんだけど、いないの……」
憧「宥姉、今さら隠し立てはダメよ」
宥「別に隠してるわけじゃないよ……。でもね、今は玄ちゃんに会えないと思うの」
憧「どうしてよ!」
宥「だって玄ちゃん――」
宥「――鹿児島に居るんだもん」
憧「…………は?」ポカーン
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:53:47.13 ID:eLPL/wswo
同日同刻
九州自動車道
怜「よーやっと鹿児島入ったなー」
竜華「ここまで来ればもう着いたも同然やね。左に見える山のあたりがそうなんちゃう?」
怜「奈良から運転してきたと考えるとホンマ目の前って実感するなー。なんや感慨深いものがあるわ」
竜華「うちも怜と同じ気持ちやで、二人で力を合わせてここまで来れたんやなーって」
怜「けど、あともうひとふんばりやからこそ慎重にならなな。ここまで来た言うのに、事故ってしまったら笑い話にもならんで」
竜華「そうやね、これまで以上に安全運転で行こか」
怜「まー大船に乗ったつもりでおったらええで、私がハンドル握っとる限り絶対に事故はありえへんし」
竜華「なんやえらい自信やん。免許とりたての人間とは思われへんで」
怜「確かに私は免許とりたての初心者ドライバーや。けどな、ただの初心者ドライバーとはちゃうねん」
竜華「ま、まさか怜……、あんたまたあの力を――」
怜「私は園城寺怜――1メートル先を見る者や……」ドヤァ
竜華「なんでやねん、ボンネットしか見えへんわ」ポフ
怜「せやなー」ハァ
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:55:13.09 ID:eLPL/wswo
竜華「むー、ノリわるいなー」
怜「せっかくりゅーかがツッコんでくれたいうのになんや申し訳ないわ」
竜華「怜、疲れてるんやったら無理せんとパーキングで休も」
怜「そやね、いくら強靭な肉体を持つ私でも、徹夜で運転するんはしんどいし」
竜華「ほな次のパーキングで運転かわろか?」
怜「なに言うてるん、さっきまで竜華に運転してもらっとったんやし、そっちにばっかり負担かけられへんわ」
竜華「怜の体調が良くなってきてるんは私も知ってるけど、まだちょっと不安やねん……。またインハイの時みたいに――」
怜「ホンマりゅーかは心配性でかわいいなー。運転中やなかったらあっついあっついキスしてたところやわ」
竜華「べ、別に今してもええねんで?」
怜「あほ、運転中にそないなことしたら、三人まとめてあの世行きやっちゅうねん」
竜華「えー。そんならパーキングに着いたらしよっ」
怜「私もそうしたいねんけど、まぁお預けやねんな」
竜華「えーなんで?」
怜「玄ちゃん起きてしもたで」
竜華「ファッ!?」ビビクン
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:55:59.26 ID:eLPL/wswo
玄「お、園城寺さん、気付いてたんですか!?」
竜華「ホンマに起きとるやん……。あかん、めっちゃ恥ずかしいとこ見られてしもた……」
玄「ご、ごめんなさい。お二人の邪魔しちゃダメだと思って静かにしてたら、その……、いろいろ聞こえちゃって……」
怜「私は園城寺怜――1メートルうしろも見る者や……」ドヤァ
竜華「めっちゃすごいやん!」
怜「まぁルームミラーで見えただけやねんけど」
竜華「すごない!」
怜「なー、りゅーか」
竜華「え? なに?」
怜「あないなとこ見られて恥ずかしいのはわかるねんけど、無理矢理テンション上げて流そうとせんくてええんやで」
竜華「怜のあほー! そこまでうちのことわかっとるんやったら要らんこと言わんといて!」
怜「玄ちゃん、ちょうどパーキングあるし、朝ごはん食べよか。目的地までけっこう近なったし、ゆっくり休んでも午前中には着くやろ」
玄「は、はいっ! 園城寺さん、本当にありがとうございます」
竜華「もー、ハミ子にせんといてー!」ワーン
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:58:13.24 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 午前
霧島神境
怜「うーん、よーやっと着いたなー」ノビー
竜華「ほんまやねー。がんばった分、この景色も一層荘厳に見えんで」
玄「あ、あのっ! ここまで連れてきて頂いて本当にありがとうございました!」ペッコリン
怜「お礼言うんは、ちょっと早いんとちゃう?」
玄「でも、園城寺さんと清水谷さんに誘って頂かなかったら、こんなに早く来られなかったと思いますし……」
怜「そんなん気にせんといて。私らも二人でどっか旅行したいって話しとったとこやったし」
竜華「怜の言う通りやで。むしろくろちゃんがうちらに巻き込まれた方なんとちゃう?」
怜「せやな。松実館に泊ろかって話しとったはずやのに、竜華が勝手にくろちゃんのお忍び旅行を聞き出したうえに、無理矢理ついてったってだけの話や」ウンウン
怜「しかも、夜中に松実館へ押しかけてんで? くろちゃんがそうして欲しい言うたとはいえ、良識ある人間やったらフツー遠慮するやろ」
玄「いえあのっ! 来て頂いた時間については、私が清水谷さんにどうしてもってお願いしたので――」
竜華「くろちゃんはなんにも気にせんでええんよ。怜はな、うちと二人っきりの旅行やなかったから子供みたいに拗ねとるだけやねん」ニコニコ
怜「あほ、別に拗ねてへんわ」ムスー
竜華「そないな顔せんと、あとで飴ちゃんあげるから機嫌なおしー」ニコニコ
怜「さっきから鬱陶しいねん。ええ加減にせんと膝枕三時間の刑に処すで」
竜華「そんなんかまへんよ? 怜のためやったら何時間でも枕になるし」
怜「そこまで言うんやったら一晩中膝枕の刑にしたるわ。りゅーか、覚悟せぇよ」フン
竜華「うん、楽しみにしとるよ」ニコニコ
玄(園城寺さんと清水谷さん、本当に仲いいなぁ……)
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 19:59:43.05 ID:eLPL/wswo
怜「なぁ玄ちゃん、話は変わるんやけど」
玄「はい、なんでしょうか?」
怜「今さらこないなこと訊くのもあれやねんけど、なんで玄ちゃんは鹿児島まで来なあかんかったん?」
玄「えっと、それは、その……」
竜華「そんなん訊かんでもええやん。なー、くろちゃん?」
玄「いえ、ここまで連れてきていただいたわけですし、理由くらいきちんと説明しなきゃ――」
怜「……玄ちゃん、皆まで言わんでええよ。竜華の言う通りやったわ」
玄「えっ」
怜「旅の目的なんて、本人から訊かんでも明々白々やったな」
玄「園城寺さん、気付いてたんですか……?」ドキッ
怜「私とくろちゃんはインハイの舞台でともに死線を潜り抜けた仲なんやで? それくらいわかってしまうもんや」
竜華「へぇ、すごいやん。そこまで言うんやったら、旅の目的訊いとかんとなー」
怜「ああ、くろちゃんの旅の目的はな――」
玄「……っ!」ドキドキ
怜「永水のおっぱいおばけ『石戸霞』の胸を揉むことや!!」ドン
玄「えええええええ!?」ガーン
竜華「くろちゃんやし、まぁそんなとこやんなー」シレッ
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:00:57.44 ID:eLPL/wswo
玄「ち、ちがいます! 目的は石戸さんのおもちじゃありません!」
怜「えー、ほんなら玄ちゃんは石戸の胸なんかに興味ないってことなん?」
玄「ないわけないです! すごく興味あります!」ゴッ
竜華「どっちやねん」アハハ
玄「いえ、あの……、石戸さんのおもちにはすごく興味ありますけど……、今回の目的はそうじゃないんです……」
怜「そうやったんか、早合点してしもてごめんな」
玄「いえ、わかってもらえたならいいんです……」
竜華「そんでくろちゃんの本当の目的ってなんやったん?」
玄「えっと……、私がここに来たのは、神代さんと麻雀を打って――」
怜「なるほど。神代を麻雀で打ち負かして、あの石戸ほどではないとはいえ、あほみたいにデカい胸を思う存分揉みまくることやったんか……」
竜華「意外やね。くろちゃんのことやから、大きければ大きいほどええもんやて思ってたわ」
玄「ちがいますってばー!」
竜華「あれ? やっぱり大きい胸の方がええってことなん?」
玄「そうですけどそうじゃないんです!」ワーン
???「さっきから騒がしいですねー」
怜「何モンやっ!?」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:03:20.26 ID:eLPL/wswo
???「人に名前を尋ねるときは、まず自分から名乗るべきじゃないですかねー?」
怜「その通りですね、気が回らんくてすみません。私、千里山女子高校三年の園城寺怜いいます」ペコ
竜華「私は清水谷竜華です。怜と同じ学校に通ってます」
玄「あ、あのっ、私は阿知賀女子学院二年の松実玄っていいます」ペッコリン
初美「あ、えっと……、私は永水女子高校三年の薄墨初美ですよー」
怜「お噂はかねがね伺ってます。こうして薄墨さんにお会いできるなんて、私はラッキーですね」ウフフ
初美「あ、ありがとうですよー」
初美(なんなんですかこの豹変振りは……。丁寧すぎて気持ち悪いくらいですよー……)
怜「薄墨さん、どうかしたんですか?」
初美「あのー、えーと、失礼を承知で言わせてもらうとですねー……」
怜「はい、なんでしょう?」
初美「さっきと態度ちがいすぎじゃないですかねー? ここまで丁寧な応対をされると逆に怪しい感じがしますよー」
怜「そうですか。初対面の方に失礼じゃないかと思ってこうしたんですけど……」
初美「さっきみたいなので別にかまいませんよー。私は器の大きな聖女ですからねー」
怜「わかりました、ほな遠慮なく――」コホン
怜「下手に出とれば調子に乗りくさりよって! さっさと神代のところへ案内せぇやこのドサンピンが!!」ゴッ
初美「ひうっ!?」ビビクン
竜華「やりすぎや」ペシ
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:05:45.79 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 午前
霧島神境 本殿
霞「――なるほど、松実さんは小蒔ちゃんと麻雀を打ちたくてここまで来たのね」
玄「あ、あのっ、突然押しかけてしまってすみませんっ!」ペッコリン
霞「いえ、いいのよ。遠路はるばる来てくれて嬉しいわ。小蒔ちゃんもきっと喜んでくれるはずよ」
玄「そう言ってもらえると嬉しいです」ホッ
霞「でも困ったわね。小蒔ちゃんは席を外していて――」
初美「そうです。姫様は大切な儀式の最中なのですよー、こんな乱暴モノの相手なんてする必要ありませんー」
怜(なんやさっきのことめっちゃ根に持たれとるやん)ヒソヒソ
竜華(誰のせいや思っとるん。怜があほなこと言うたからやろ)ヒソヒソ
怜(いや、あんだけ露骨なネタフリされたら乗らん方が失礼やんか……)ヒソヒソ
玄「あの、神代さんにお逢いすることはできないんでしょうか……?」
初美「私も鬼ではありません。姫様に逢わせるつもりはありませんが、わざわざ大阪とかいうド田舎からやって来た人たちを、問答無用で追い払うというのもさすがに気が引けます」
初美「なので、ここは麻雀で白黒つけましょうー」
玄「麻雀ですか?」
初美「私たち二人と麻雀で勝負をして、あなたたちが勝てば望み通り姫様に逢わせてあげましょう。ただし――」
初美「こちらが勝った場合は、そのまま大阪へお帰りいただくことになりますー」
怜「いくらなんでもそれはひどいやろ。くろちゃんはな、あんたらの姫さんに逢いたい一心でここまで――」
玄「わかりました」
竜華「ちょっ!? くろちゃん?」
玄「薄墨さんの仰っていることは尤もだと思います。突然訪ねてきた私にチャンスをくれただけでもありがたいです」
竜華「けど……」
玄「大丈夫です。勝てばいいんですよね」
竜華「そらそやけど、もし負けたら……」
怜「竜華、そこまでや。くろちゃんの決意に水差したらあかん」
竜華「怜……」
怜「何でか知らんけどくろちゃん冷静やないみたいやし、私らの力でくろちゃんの目的叶えたろな」コソコソ
竜華「そうやね、がんばろ!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:07:29.70 ID:eLPL/wswo
霞(初美ちゃん、何もそこまで……)ヒソヒソ
初美(これはただの脅しですよー。こっちが勝っても『お情け』という形で姫様には逢わせてあげるつもりですー)ヒソヒソ
霞(だったらあんなこと言わなくても……)ヒソヒソ
初美(姫様の儀式が終わるまでまだ時間がありますし、待ち時間を有効活用しましょうってことですよー)ヒソヒソ
霞(ふんふむ、それもそうね)ヒソヒソ
初美(それに部活を引退してからというもの、外部の人と真剣勝負する機会なんてないですからねー。こうすれば私も霞ちゃんも楽しめるってわけですよー)ヒソヒソ
霞(初美ちゃん、そこまで考えてくれてたのね)ヒソヒソ
初美(えへへ、霞ちゃんのためならいくらでも知恵が回るのですよー)ヒソヒソ
初美「さて、手加減なしの真剣勝負と行きましょうー」
初美(ふふふ、たったの一回で終わらせるつもりはありませんよー。私が味わった恐怖を三倍にして返してやりますー)フフフ
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:08:43.52 ID:eLPL/wswo
怜「ようわからんうちに勝負する流れになってもうたな。まぁ私としては望むところやけど」
竜華「うちもええねんけど、こっちのメンツどないする? あっちは二人で来るみたいやし、うちらから二人決めなあかんみたいやわ」
怜「玄ちゃんは主賓やねんから外されへんし、私か竜華のどっちかが抜けなあかんなー」
竜華「ほんならうちがくろちゃんとペア組むで。怜はゆっくり休んどき」
怜「私だけハミ子かー、かなしいなー」
竜華「何言うてんの。怜も一緒に戦うんやで?」
怜「えっ、いきなり何言うてんの? 病院行く?」
竜華「あほなこと言うてへんで、ゆっくり休んどき。膝枕できんくて寂しいかもしれへんけど、麻雀終わったらゆっくりしたるから」
怜「そんなんあかん! りゅーかかて運転し通しで疲れとるやん。せやからそっちこそちゃんと休んで――」
竜華「うふふー」ニコニコ
怜「なんやねんその顔……」ムー
竜華「べつにー? 怜に心配されて嬉しいだけやで」ニコニコ
怜「あほ、別に心配してへんわ。ちょっとくらい竜華のこと元気づけたろかって思ったくらいで――」
竜華「うん、怜のおかげでめっちゃ元気でたわ。せやからそこでうちのこと見守っててな」
怜「そこまで言うんやったらしゃーないな。穴が開くほど凝視したるわ」
初美(ふふふ、私が味わった恐怖を三万二千倍にして返してやりますー)イラッ
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:09:42.43 ID:eLPL/wswo
竜華「そんでルールとかどないするん?」
霞「そうね、インターハイ個人戦ルールの東南戦でいいかしら?」
竜華「インハイのルールやと、一発裏ドラあり、赤四枚、頭ハネ、ダブル役満なし、数え役満あり、喰いタン後付けあり、トビ終了って感じやんな?」
霞「それと連風対子は4符計算、大明槓からの嶺上開花は責任払いってところかしら」
竜華「了解やで。そんでトップ取った方の勝ちって感じなんかな」
初美「それについてなんですが、せっかく二対二なんですからチーム戦にしましょうー」
竜華「チーム戦?」
初美「二人の合計点で勝敗を決める感じですねー。例えば、清水谷さんが一着を取ったとしても、合計点で私たちが上回ればこちらの勝ちということになりますー」
竜華「ふんふむ……、向こうはああ言うてるけど、くろちゃんはどない?」
玄「私はかまいません」
怜「ちょっと質問ええかな?」
初美「はい、なんでしょうー?」
怜「チーム同士の合計点がぴったり同じで、勝負が終わった時にはどうなるん? 極端な例やけど、東発0本場で薄墨さんの役満に石戸さんが差し込んだりしたら」
初美「インターハイルールなので、その場合は上家取りになりますねー」
怜「席決めはどうするん? チーム戦やし、同じチームのメンバーを隣にするん?」
初美「そこまではしなくていいんじゃないですかねー。席決めも起家もインハイのやり方でいきましょうかー」
怜「了解や」
怜(薄墨の役満に石戸が差し込むってパターンが怖かってんけど、薄墨が北家になるまでにリードしておけば大丈夫そうやな)
怜(石戸が起家で薄墨が北家やと最悪即死もありうるけど、確率的には1/12。これは気にせんでもええやろ)
初美「それじゃ席と親を決めちゃいましょー」
東 石戸霞(起家)
南 清水谷竜華
西 松実玄
北 薄墨初美
怜「なんでや!!」
初美「ボゼが私にもっと輝けと囁いていますねー。これはもらいましたよー」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:12:00.42 ID:eLPL/wswo
竜華(薄墨が北家……。ここは出し惜しみなしや!)
竜華「怜、出番やで! エクスペクト・パトローナム!!」ペカー
怜ちゃん『いきなり呼び出すなんて、りゅーかはせっかちやなー』
竜華「せっかちとか言うとる場合ちゃうもん。怜、力貸して」
怜ちゃん『この貸しは高くつくでー』
竜華「別にかまへんよ。怜やったらいくらでもお返しするし」
怜ちゃん『ほなお支払いはりゅーかの体(膝枕)でおねがいするわー』
竜華「もう、相変わらず怜はスケベやな」
怜ちゃん『商談成立やな。早速いくでー』
怜ちゃん『――卍解 神殺鎗(かみしにのやり)』ドン
竜華「なんでブリーチやねん。麻雀と全然関係ないやん」
怜ちゃん『今気付いたんやけど、神殺鎗(かみしにのやり)ってあれちゃう? キリストさんが槍で刺されたいう話から取ったんと違う?』
竜華「もっと関係ないわ!」
怜ちゃん『結果出たでー、残念やけどこの局は和了られへんな』
竜華「そうかー、ある程度は覚悟しとったけど厳しいな……」
怜ちゃん『お嬢ちゃんめっちゃ好みやから怜ちゃん出血大サービスや。特別にこの局に和了られる翻数教えたるでー』
竜華「ほんま? めっちゃええサービスやん。そんで点数なんぼなん?」
怜ちゃん『いやいや、点数やなしに翻数で訊いてくれへん?』
竜華「そんなんどっちかて一緒やん。むしろ点数のがありがたいくらいやわ」
怜ちゃん『翻数で訊いてくださいお願いします! なんやったらこれまでの貸し全部チャラにしてええから!』
竜華「なんでそんな必死なん……? まぁそこまで言うんやったらええけど――」
竜華「そんでこの局で和了られる翻数てなんぼなん?」
怜ちゃん『14翻や……』ドン
竜華「そこは13翻ちゃうん!?」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:12:49.36 ID:eLPL/wswo
竜華「なんやうち疲れてきたわ……。なんでこないコントみたいなやり取りせなあかんの……」
怜ちゃん『ちょけてしもてごめんな、りゅーか』チュッ
竜華「怜……」
怜ちゃん『勝利の女神ちゃうねんけど、これは私からのプレゼントやで』エヘヘ
竜華「ありがとう、怜のおかげで疲れも吹き飛んだわ」ニコ
怜ちゃん『私にもうちょっと勇気があったら、りゅーかの唇にできたのになー』ハァ…
竜華「おでこでも嬉しいよ。最初からゾーンに入れそうなくらいみなぎってきたわ」
怜ちゃん『りゅーか……』
竜華「とき……」
怜ちゃん『まぁどんだけみなぎっとっても竜華は和了られへんねんけどな』フッ
竜華「それ言わんといて!」ガーン
怜ちゃん『そないなわけで私は帰るわ。りゅーかがんばってなー、ほなほなー』
竜華「なんや釈然とせんけどありがとー、ほななー」
竜華(しっかし、14翻ってしんどいな……。役満やん……)
竜華(しかも薄墨が北家ってことはまず間違いなく――)
竜華(……って、あれ?)
竜華(なんで怜は『14翻』なんて言うたんやろ? 小四喜は13翻で、大の方は14翻って意味なん?)
竜華(それともただネタとして14翻て言うたんかな?)
竜華(けど、怜が麻雀のことでウソをつくはずないし……)
竜華(んんー? ようわからんくなってきた……)ウーン
玄「…………」ゴゴゴ
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:14:59.28 ID:eLPL/wswo
東一局 0本場 親:石戸霞 ドラ:西
霞「それじゃ始めましょうか。よろしくお願いしますね」
竜華「よろしくお願いします」
初美「フフフ、東一局で終わらせてあげますよー。覚悟してくださいー」
玄「…………」
竜華(うー、くろちゃんあかん感じやな……)
竜華(礼儀正しいくろちゃんが挨拶もせずにだんまりやなんて。ガチで心配になってきたわ……)ハラハラ
霞「……」 打:東
初美「ポンですよー」 ポン:東
竜華(親の第一打がダブ東……。よっぽど薄墨のこと信頼しとるんやろな)
竜華(けど、これで手牌にある北が切れんくなってしもた。難儀やなぁ……)
玄「……」 打:北
竜華「ちょっ!? くろちゃん?」ファッ!?
初美「それもポンですよー!」 ポン:北
初美(こんなにあっさり鳴かせてくれるなんて、いい人ですねー)
初美(お礼と言ってはなんですが、あなたたちには敗北をプレゼントしてあげますよー!)フフフ
・・・・・・
・・・・
・・
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:16:08.22 ID:eLPL/wswo
東一局 0本場 親:石戸霞 ドラ:西
薄墨初美 18巡目 手牌
2s3s4s南南南西 北北北 東東東 ツモ:白
初美(うーん、おかしいですねー……。早々にテンパイしたまでは良かったんですが、和了れないまま流局しそうですよー?) 打:白
初美(これで私のツモは、あと一回。霞ちゃんの差込を考えてもあと三回しかありませんー)
初美(それに私以外誰も鳴いてませんし、気持ち悪いくらい何事もなく場が進んでいきますねー)フゥ
霞「……」 打:東
初美(霞ちゃんは、手出しで四枚目の東……。張ったんでしょうか?)
竜華「……」 打:5p
初美(む……、清水谷さんは手出しで5pですか……)
玄「……」チャッ
初美(松実さんは5pに無反応。この終盤でど真ん中を切ってきたので差込かとも思いましたが、どうやら違ったようですねー)
玄「……」 打:5p
初美(そして手出しで5p合わせ打ち……。松実さんにはもうツモ番もないことですし、オリと見てもいいかも知れませんねー)
初美(さて、私もラスヅモです。ここで西を引けば――)チャッ
初美(くっ……)
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:17:02.33 ID:eLPL/wswo
薄墨初美 19巡目 手牌
2s3s4s南南南西 北北北 東東東 ツモ:5s
初美「すみません、ちょっと時間くださいー」
初美(まずは状況を整理しましょうかー)
初美(同じチームである霞ちゃんは、まずテンパイ維持で親を続けるでしょうねー。私の霞ちゃんが張ってないはずがありませんー)
初美(相手チームですが、松実さんはオリ気配。だた清水谷さんは張っていてもおかしくないですねー)
初美(ここで私がテンパイを維持すれば、清水谷さんがテンパイしていても、チームとして四千点の差が開きます)
初美(さらに清水谷さんもノーテンだった場合は六千点差――これはバカにできない数字ですよー)
初美(相手チームにプレッシャーを与えるためにも、ここはなんとしてでもテンパイ維持したいところですねー)
初美(そのためには、二索・五索・西のどれかを切らなければなりませんが――)
初美(二索、五索は普通に危ないんですよねー。清水谷さんに当たってもおかしくありませんー)
初美(となると、テンパイ維持のためには西切りになりますが――)チラッ
玄「…………」
初美(西はドラなんですよねー。あのドラゴンロード様が持っていないはずがありませんー)
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:19:20.20 ID:eLPL/wswo
初美(さて――)フゥ…
初美(西が当たる可能性としては、松実さんが西と何かのシャボで待っていた場合になりますが……)
初美(松実さんは直前に五筒を切ってるんですよねー)
初美(ドラロー様にはもちろん赤ドラも来るわけですから、五筒を切ったということは、赤五筒との対子、もしくは赤五筒二枚との暗刻を崩したことになります)
初美(もちろん556と持っていたところに7をツモってきたなら、五筒を手出しして尚且つ、西となにかのシャボ待ちテンパイということも考えられますが――)
初美(松実さんのドラ収集能力は圧倒的なんですよね……)
初美(高校チャンピオンさんでさえ、ドラロー様と同卓したときにはドラを引けませんでした)
初美(あのチャンピオンが、一枚たりとも、です)
初美(もうひとつ、松実さんのドラゴンロードたる所以があるんですよね)
初美(ドラが字牌だった場合、松実さんの和了率は目に見えて下がってしまいます)
初美(それがオタ風などではなく、役牌となる自風や三元牌であっても、なんです)
初美(そしてその原因は『ドラが来すぎてしまうから』というのですから、本当に馬鹿げてますー)
初美(ドラを切れない、槓もできないという制約があっては、例え役牌であっても四枚目が来た時点で手詰まりですからねー)
初美(そして実際に、四枚目が来て和了れなくなるというケースが非常に多い)
初美(私が見た牌譜は多くありませんが、終盤になってドラが四枚揃っていなかったことはありませんでした)
初美(つまり――)
初美(松実さんの手牌には、西が三枚あることはまず間違いありません)
初美(すなわち、『西がロン牌となることは絶対にない』ということです)
初美(それと、私の切った西をポンしてツモ巡をずらすなんてこともないでしょうねー)
初美(なぜなら、海底が清水谷さんから霞ちゃんに移ってしまううえに、私のツモ番が復活しますから、自殺行為と言っていいでしょう)
初美(カン? もっとありえませんよー。松実さんは、ただでさえ窮屈な手牌をさらに狭めるカンなんてしませんからねー)
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:20:09.93 ID:eLPL/wswo
初美(この最終局面で初牌のドラを切るなんて、普通では当然ありえませんー)
初美(しかし、ドラロー様がいるこの場では、ドラ切りこそが安全策と言えるのですよー)
初美(私の一手はコレ……! どうですかねー) 打:西
玄「――ン」パタ
初美「えっ!?」ビクッ
玄「カンです」 カン:西
初美(ええええええ!? なんでカンなんですかー? 自分で自分の首を絞めてどうするんですかー? バカなんですかー?)
玄「ツモ」パタン
初美「は?」
松実玄 手牌
2s2s2s5s5sr5s5m5mr5mr5p 西西西西 ツモ:r5p
玄「西、三暗刻、対々、ドラ4、赤4、嶺上開花――」
玄「32000です」ゴッ
初美「」
霞「あらあら、初美ちゃんの責任払いでトビ終了ね」
竜華(直前に五筒切っとって、赤五筒でツモ和了りて……。その前の巡目で四暗刻ツモっとるやん……)アハハ…
初美「そんなの考慮してませんよー……」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:21:07.06 ID:eLPL/wswo
竜華「くろちゃん、めちゃくちゃしよるなー」アハハ…
玄「すみません……」
竜華「いやいや、別にケチつけとるわけやないねん。ただ普通ならありえへん展開やったから、びっくりしたってだけで」
玄「はい、私もいつもだったらこんなことはしなかったと思います」
竜華「ちょっと訊いてもええかな?」
玄「はい」
竜華「くろちゃんは、カンする前に二回も和了れたやん? なんでそれを蹴ってまで、ドラが出るん待ってたんかなって」
竜華「今の局はドラが西で、くろちゃんのところに集まっていったから、薄墨の役満を防げた」
竜華「けど石戸がテンパイしたまんま流局なんてことになったら、また薄墨は北家や。そしてその時にドラが風牌やなかったら――」
竜華「たぶん為す術なく、うちらは負けてたと思う」
玄「はい……」
竜華「いや、別に批判とかやないねんで?」
竜華「けど、あん時のくろちゃんは迷いがなかった。四暗刻ツモでさえノータイムで蹴ってた」
竜華「はるばる鹿児島まで来て、目的のお姫さんに逢えるかどうかって勝負で、なんでツモらんかったんかなーって不思議に思ってん」
竜華「もしかして怜みたいに一巡先が見えたん? 薄墨が西を切り、それをカンして、嶺上で和了るって未来が――」
玄「いえ、未来なんて見えませんでした」
竜華「じゃあなんで?」
玄「こんなこと言うと、笑われてしまうかもしれませんが……」
玄「私にとって、ドラは大切な絆なんです」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:21:44.69 ID:eLPL/wswo
玄「だからどうしても今日は……」
玄「今日だけは、ドラを諦めたくなかったんです。全てのドラが私のところに来てくれるって、信じたかったんです……」
竜華「もし……、もしもの話やで? もしもあの時ドラが来なかったらどうしてたん?」
玄「もしも、そうなっていたら」
玄「負けてもいい。神代さんに逢えなくても仕方ないって……、そう、思ってました……」
竜華「くろちゃん……」
玄「ごめんなさい。なんかへんな話しちゃって……」
竜華「よかったやん」ニコ
竜華「大切にしてたドラが応えてくれたってことは、くろちゃんの言うてた絆がしっかりと結ばれてたってことなんやし――」
竜華「旅の目的よりも大切にしてたドラが全部くろちゃんに来てくれたってことは、ドラもくろちゃんのことを同じくらい大切に思ってるってことになるんとちゃう」ナデナデ
玄「そうですね……。そうだといいなって、思います」
玄「清水谷さん、ありがとうございます」ニコ
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:24:03.92 ID:eLPL/wswo
小蒔「何やら騒がしいのですが、どうしました……?」フアァ…
初美「ひ、姫様、起きてたんですか?」
霞「あら、小蒔ちゃんおはよう」
怜「なんや、重要な儀式てお昼寝やったんか」
霞「ごめんなさいね。小蒔ちゃんは神様の依代となる身だから、どうしても定期的な休息が必要なの」
玄「…………」ゴクリ
小蒔「それで霞ちゃん、この方たちは?」
霞「小蒔ちゃんにお願い事があるみたいで、わざわざ関西から来てくれたのよ」
小蒔「まぁ、そうだったんですか」
小蒔「遠路はるばるこちらまで来てくださって、ありがとうございます」ペッコリン
玄「あ、あのっ! 折り入って神代さんにお願いしたいことがあるんです!」
小蒔「はい。私にできることなら、何でも協力しますよ」ニコ
玄「あ、ありがとうございますっ!」
玄「そ、そそそ、それで、あ、あのっ!」アタフタ
竜華「くろちゃん、そんなに焦らんでも大丈夫やで。もうお姫さんは逃げたりせーへんよ」ニコ
玄「あっ、はい。そうでした……」フゥ…
玄「神代さんにお願いしたいことというのは――」
・・・・・・
・・・・
・・
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:25:43.34 ID:eLPL/wswo
小蒔「なるほど……、そのような事情でここまで訪ねて来て下さったのですか……」
玄「はい、それで是非神代さんの力をお借りしたいと思いまして」
小蒔「…………」
玄「えっと、あの……、どうでしょうか?」
小蒔「松実さん、本当にごめんなさい。今の私の力では、松実さんの望みを叶えることができません……」
玄「そう……、ですか……」
霞「ごめんなさいね。小蒔ちゃんが依代となれるのは、この神境に祀られている九柱の神様だけなの……」
玄「いえ、いきなり訪ねてきたのにこうして真剣に話を聞いてもらって、本当に感謝してます」
小蒔「申し訳ありません。遠路はるばるこちらまでお越し頂いたというのに、何の力にもなれなくて……」シュン
玄「そんな、謝るのはこちらの方です……」
怜(なんやおかしなことになってきたな)コソコソ
竜華(そやね……)
小蒔「あ、そういえば――」
小蒔「雑誌の記事で見かけたのですが、松実さんのお好きなものは『おもち』だと仄聞しています」
玄「あの……、お恥ずかしい話なんですが、私の好きな『おもち』は食べ物じゃないんです……」アハハ…
小蒔「はい、松実さんのおっしゃる『おもち』とは、女性の胸のことですよね」ニッコリ
玄「えっ」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:27:06.09 ID:eLPL/wswo
小蒔「わざわざここまで訪ねてきて下さったのに、何のおもてなしもできないとあっては、神代の名に瑕がついてしまいます」
玄「えっ? えっ?」
小蒔「相手が異性であればこのような申し出をすることさえ憚られるのですが、幸い私も松実さんも女性同士です」
小蒔「同性であれば問題ありません。きっと神様も、松実さんに胸を供することをお許しになって下さることでしょう」
玄「えっ、あの……」ゴクリ
小蒔「もし松実さんがお望みなら、どうぞ私の胸をご自由になさってください」ニコ
玄「ほ、本当ですかっ! 是非是非お願いしま――」パアァ
霞「…………」ジーッ
初美「…………」ジロリ
玄「いえ、いくら同性といえど、過度なスキンシップは道義やモラルに反すると思います。たいへんありがたい申し出ではあるのですが、断腸の思いで辞退させていただきます」キリッ
小蒔「そうですね……。やはり私程度の胸では、松実さんのお眼鏡に適うはずもありませんね」シュン
玄「そんなことないです! 神代さんのおもちは本当にすばら――」
小蒔「ではこうしましょう」
小蒔「私たちの中で一番大きい霞ちゃんのおもちを提供しますね」
玄「ふえええええええええええええ!?!?!?」
霞「」
初美「」
玄「ありがとうございます! 全力以上であたらせてもらいます!」ブンブン
竜華「くろちゃん相当テンパっとるな……。思いっきり横に首振っとんのに、口では『ありがとう』って言うてるし」
怜「くろちゃんの理性もここまでやったってことやろ。ようがんばったって言いたいとこやけど、ここは先輩としてくろちゃんの暴走を止めたらんとな」ヤレヤレ
竜華「そうやね。くろちゃんのことやから、このまま暴走してしまったら、あとでめっちゃ凹みそうやし」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:29:30.32 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 午後
鹿児島空港
玄「うっ……、くっ……」ポロポロ
竜華「おーよしよし。そんなに泣いとったら、せっかくのべっぴんさんが台無しやで」ヨシヨシ
玄「はい……、ごめんなさい……っ」ポロポロ
怜「私らと別れるのが泣くほど辛いん? ほんまにくろちゃんはかわいいなー」ナデナデ
玄「ふえぇ……、園城寺さん……」
怜「んー? どないしたん?」ナデナデ
玄「もちろん、園城寺さんたちとの別れも悲しいんですが……」
玄「石戸さんのおもちを目の前にして、触らなかったことが今になって悔しくなって……」メソメソ
怜「めっちゃ正直やな自分!」
玄「ごめんなさい……、でも……」シクシク
怜「なー、くろちゃん」
玄「はい、なんでしょうか……?」グス
怜「私の胸でも揉むか?」
竜華「ちょっ!? 怜、何言うてんの!」ファッ!?
怜「いや、さすがにくろちゃんがかわいそうやろ? あんだけがんばったいうのに、結局目的は果たせんかった。しかも石戸の胸を揉めるチャンスも棒に振ってしもたし」
怜「そら神代や石戸に比べれば豆粒みたいな胸やけど、そんでくろちゃんの気が晴れるんやったら――」
玄「園城寺さん……」
玄「そのように言ってくださってとても嬉しいのですが、頂くのはお気持ちだけにしておきますね」
怜「やっぱりくろちゃんのお眼鏡には適わんかったか。こんなんでも胸にはけっこう自信あってんけどな……」ハァ…
玄「いえ、そうではなくて――」
玄「園城寺さんのおもちはとても魅力的ですし、園城寺さんからそういった申し出があったことはとても嬉しいんです」
怜「じゃあなんで?」
玄「園城寺さんのおもちは、清水谷さんのものだと思っていますから」
怜「おおっ……」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:30:32.24 ID:eLPL/wswo
玄「もし私が園城寺さんのおもちを触ってしまったら、きっと清水谷さんはいい気分がしないと思います」
玄「石戸さんのおもちを諦めたのだって、石戸さんは薄墨さん以外の誰にも触られたくないだろうなって思ったので……」
怜「くろちゃん……」
竜華「ほんまええ子やな……」
怜「よっしゃ! 特別に私が許可したる、りゅーかの胸を揉みくちゃにしてええで! 私の分までガッとやったれ!」
竜華「なんで怜がOK出しとんねんあほ!」////
玄「あはは、それもお気持ちだけ……」アハハ…
怜「ほんまに触らんでええのん? りゅーかのおもち、ぷにゅんぷにゅんでめっちゃ気持ちええで?」
竜華「ちょっ! ほんまなに言うてんの!」////
玄「正直なところ清水谷さんのおもちには心惹かれるものがあるのですが、私にはおねーちゃんが居ますから大丈夫です」ニコ
怜「そうやったな、くろちゃんにはかわいいおねーちゃんがおったな」
竜華「くろちゃんのおねーちゃんも、おっきなおもちしとるしなー」アハハ
怜「せやせや、石戸のおもちなんかはよ忘れて、おねーちゃんのおもちに甘えたらええねん」
玄「はいっ! おねーちゃんにたくさん甘えて、石戸さんと同じくらい大きなおもちにしてみせます!」
怜「お、おう……」
竜華「が、がんばってな……」アハハ…
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:31:45.90 ID:eLPL/wswo
・・・・・・
・・・・
・・
怜「行ってしもたな」
竜華「そやね」
怜「なー、りゅーか」
竜華「どないしたん?」
怜「りゅーかはなんでまた、くろちゃんの冒険旅行に付き合うたん? やっぱくろちゃんが好きで好きでしゃーないから首つっこんだんか?」
竜華「なに言うてんの。うちが怜以外の人を好きになるわけないやん」
怜「…………」ムー
竜華「どないしたん? 急にむくれっ面になって」
怜「そない恥ずかしいセリフ言うてんのに、なんでりゅーかはめっちゃ普通で居れんねん」フン
竜華「なんでて、怜のことがほんまに大好きやからに決まってるやん」
怜「ほれ、また言うた」ムスー
竜華「あー、もしかして照れてるん?」
怜「あ、あほ! 厚顔無恥なりゅーかの代わりに照れてやっただけや!」////
竜華「ふふ、おーきに」ニコ
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:32:37.23 ID:eLPL/wswo
竜華「さっきの質問やけど、うちにとってくろちゃんは妹みたいなもんやで。そんな子が困っとったら協力したくなるやろ?」
怜「ふんふむ、まぁそうやな」
竜華「それに――」
怜「お、まだあるん?」
竜華「くろちゃん、もしかしたらこっち側の人間ちゃうかなーって」
怜「あー、なるほどなー」
竜華「iPS婚が認められたりしたけど、やっぱり世間様の目ってものがあるやん?」
竜華「もしくろちゃんがこっち側やったら、なるべく協力したいって思ってた」
怜「けど、実際はそやなかったってことやったんか」
竜華「そうやね。うちの早とちりやったわ」
怜「しっかり者のお嬢様って感じがしててんけどなー」
竜華「うちも意外やったわ。あの子が求めてたんは――」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:36:12.57 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 夕方
通学路
憧「お母さん?」
宥「うん。玄ちゃんの旅の目的は、お母さんだと思うの」
憧「露子さんが目的って……、どういうこと?」
宥「それを説明するにはちょっと複雑な事情があるから、まず私たちのお母さんの話をしてもいいかな?」
憧「うん、もちろん」
宥「ありがとね、憧ちゃん」ニコ
宥「……私たちのお母さんが亡くなったのって、ちょうど今くらいの時期なんだ」
宥「ちょうど菊の花の時期でね。ご先祖さまが眠ってる古いお墓に、真っ白な菊のお花が捧げられて」
宥「私はお母さんがいなくなっちゃったことがすごくショックで、人前でもわんわん泣いてたの」
宥「それなのに、玄ちゃんはじっと我慢して、私のことをずっと抱きしめてくれたんだ」
宥「玄ちゃんだってすごくすごく悲しくて、本当は大声で泣きたいはずなのに……」
憧「宥姉……」
宥「これじゃどっちがおねーちゃんかわからないよね。私はおねーちゃん失格だね」アハハ…
憧「そんなことない! 宥姉はすごくいいお姉ちゃんだと思うよ。あたしだって宥姉がホントのお姉ちゃんだったらって思ったことあるもん!」
宥「憧ちゃん、ありがとう」ニコ
憧「……ていうか、ごめん。へんなこと訊いちゃって」
宥「ううん、憧ちゃんならぜんぜん平気だよ。こっちこそ、なんだか暗い話をしちゃってごめんね」
憧「宥姉も玄も大切な仲間なんだもん。明るい話じゃないけど、ちゃんと知りたいよ」
憧「その……、もし宥姉が話してくれるなら、だけど……」
宥「うん、私も今回のこと整理したいし、それに今年で卒業しちゃうから、憧ちゃんには玄ちゃんのこと知っておいてもらいたいかな」
憧「私で良ければ力になるよ――っていうかむしろなりたい!」
宥「ありがとね、憧ちゃん」ニコ
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:38:01.11 ID:eLPL/wswo
憧「でも、宥姉のお母さんの話って、今回の件とどんな関係があるの?」
宥「それはね、ハロウィンが関係してるの」
憧「え……? どうしてハロウィンなの?」
宥「憧ちゃんは、ハロウィンがどんなお祭りか知ってる?」
憧「そりゃあ人並み程度には――」
憧「えっと、十月の最終日に、仮装した子供たちが家々を巡ってお菓子をもらうお祭り、って感じよね?」
宥「うん、それが正解だって私も思う。でも玄ちゃんにはもっと特別な意味があるみたいなの」
憧「特別な意味……?」
宥「私たちがまだ小さくて……、お母さんが亡くなってまだ一年くらいしか経ってないころ、テレビの教養番組でハロウィンの特集してたんだ」
宥「ハロウィンってもともとは古代ケルト人のお祭りで、死者の霊魂が家族を訪ねてくる日らしいの」
宥「わかりやすく例えるなら、日本でいうお盆みたいなものなのかな」
憧「お盆って……。じゃあ玄は――」
宥「お母さんが帰ってくる日って憶えちゃったのかなって、私は思ってるの」
憧「そうだったんだ……」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:39:14.25 ID:eLPL/wswo
憧「それじゃ、毎年ハロウィンにはこんなことしてたの……?」
宥「ううん、去年もおととしもその前も、玄ちゃんが大きくなってからはずっといつも通りだったよ」
憧「じゃあ、どうして……」
宥「きっとね」
宥「玄ちゃんがこんなことしたのは、インターハイの試合でドラを切っちゃったことが原因じゃないかなって思うの」
憧「そっか……」
憧(昔、玄が言ってたっけ、『ドラはおかーさんとの大切な絆なのです』って……)
憧(インターハイ準決勝のオーラス、玄は自分の意思でドラを手放した)
憧(正直ビックリしすぎた出来事だったけど、あの時の玄はかっこよくてすごく大人に見えた)
憧(でも――)
憧(ずっと玄を支えてきた絆なんだもん。あのことでお母さんとの絆が揺らいだんじゃないかって、不安になってもおかしくないよね……)
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:40:50.11 ID:eLPL/wswo
宥「玄ちゃんが神代さんたちのところへお邪魔したのも、きっとお母さんのためだったと思うの」
憧「えっ!?」
憧「玄のことだから、あのおっぱい大将に会いに行ったものとばかり……」
宥「あはは、普段の玄ちゃんならそれもありうると思うんだけど、それなら学校をズル休みしなくても会いに行けるよね?」
憧「ああ、そっか……」
憧「玄にとっては今日じゃなきゃ、ハロウィンじゃなきゃダメだったんだ……」
宥「うん。そして今回の目的のために、神代さんと麻雀を打ったんじゃないかなって」
憧「永水の二年生エースだっけ? あの、すごく胸の大きい……」
宥「うん。憧ちゃんは憶えてるかな? インターハイ個人戦をみんなで観てたときに、赤土先生が神代さんについて話してくれたこと」
憧「えっと、何だったっけ。確か……、『対局中、眠りに似たトランス状態になって神様を宿す』とかだったような……」
宥「さすが憧ちゃん、よく憶えてるね」
憧「なんかイタコみたいだなーって印象あったから――」
憧「って、えっ……?」
憧「もしかして、玄が鹿児島に行ったのって……」
宥「憧ちゃんが想像した通りだと思うよ。きっと玄ちゃんは神代さんの力を借りたかったんだと思うの――」
宥「――天国のお母さんに、逢うために」
憧「でもハルエが熊倉さんから聞いた話じゃ、九面っていう特定の神様しか降りないって……」
宥「うん。赤土先生はそう『補足』してたね」
憧「補足――あぁ、そっか……」
憧(そのときの玄はもう、ハルエの補足説明が聞こえるような状態じゃなかったってことなのね……。能力のことを聞いて、上の空になっちゃったのか……)
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:41:46.51 ID:eLPL/wswo
憧「…………」グス
宥「憧ちゃん?」
憧「なんかムカついちゃってさ」グスン
宥「ご、ごめんね? 玄ちゃんは、思い立ったら周りが見えなくなっちゃうことがあるから――」
憧「そうじゃないの」
憧「玄がそんなに苦しんでたことに、全然気付けなかった私にムカついちゃって」
宥「そんなことないよ。私は、憧ちゃんがとっても優しくて、みんなを大切に想ってること知ってるから」
憧「宥姉……」
宥「ふふ、玄ちゃんが帰ってきたら、憧ちゃんがこんなに心配してたんだよって教えてあげなきゃ」ウフフ
憧「ちょ、ちょっと宥姉! それは恥ずかしいからやめて!」////
憧「――って、そういえば玄はいつ帰ってくるの? まさか一週間くらい向こうにいるとかないでしょうね……?」
宥「あはは……、確かに玄ちゃんにとっては夢のような場所かもしれないけどね……」
宥「でも大丈夫、ちゃんと今日帰ってくるよ」
宥「一時間くらい前に、清水谷さんから『玄ちゃんは無事飛行機に乗りました』ってメールがあったから、もうすぐ空港に着くんじゃないかな?」
憧「迎えに行かなくてよかったの?」
宥「うん、それは大丈夫。玄ちゃんは電車でこっちまで戻るみたいだし、赤土先生が『麓の駅まで迎えに行く』って言ってくれたから」
宥「それよりも私たちは私たちの仕事をしないとね」
憧「それもそうね。思いっきりがんばって、玄のことびっくりさせてやらなきゃ!」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:43:11.40 ID:eLPL/wswo
同日同刻
日本上空
――おかーさん
――天国のおかーさん 見てますか?
――あなたの娘、松実玄はたくさんの大切なお友達に囲まれて 毎日幸せに暮らしています
――そこにおかーさんがいないのはとても寂しいけれど 玄はもう大人なので泣いたりしません
――おかーさんがいなくても 玄はもう大丈夫です
――でも
――でも いつか
――わたしがおかーさんになって
――おばーちゃんになって ひいおばーちゃんになって
――天国のおかーさんにまた逢えるときが来たら
――たくさん甘えさせてください
――今まで甘えられなかった分 たくさん甘えさせてください
――たくさん泣かせてください
――今まで我慢していた分 たくさん泣かせてください
――そして 子供みたいに泣いている私を ぎゅっと抱きしめてください
――いくら願っても もうこの世界では触れることさえできなくなってしまったおかーさんの胸で
――私のことを 力いっぱい抱きしめてください
――それが 私からの最後のわがままです
――おかーさん 大好きなおかーさん
――何十年後になるかわかりませんが またおかーさんに逢える日を楽しみにしています
――だから その時まで
――さようなら おかーさん
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:44:12.26 ID:eLPL/wswo
十月三十一日 夜
松実館 ハロウィンパーティー会場
『あれ?』
『どーしたの?』
『今、おかーさんが笑ったような』
『写真の露子さんが?』
『うん、あの時みたいに優しく微笑んでた気がして……』
『宥姉、ちゃんとメガネかけなよー?』フフフ
『うー、憧ちゃんひどい……』ムー
『冗談だって。まぁ和が聞いたら『そんなオカモチ――』なんて思うかも知れないけど』
『私は宥姉の言葉、信じるよ』
『だって今日はハロウィンなんだもん。かわいい娘に逢うために、天国から露子さんが来てくれたに決まってるじゃん!』
『憧ちゃん……』
『松実玄! ただいま帰還しましたっ!』
『玄おっそ~い! ほら、さっさと席に座って。パーティー始めるわよ』
『おっと、そういえば憧ちゃんにはまだハロウィンの挨拶を済ませていませんでしたね』
『えっ? ちょっと玄、なによその手は……?』
『憧ちゃん、好きな方を選んでくださいね? それでは行きますよ――』
『――トリック・オア・おもち!』
<玄「トリック・オア・おもち!」 おわり>
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 20:44:57.63 ID:eLPL/wswo
おまけ
『灼さん、どうして玄さんは、私たちにハロウィンの挨拶をしてくれないんでしょうか……?』モグモグ
『穏乃ごめん。私はハルちゃんの護衛で忙しいから、その質問には答えられない』ゴゴゴゴゴ
<もいっこカン!>
57: ◆nC3Zr8GApc 2015/03/01(日) 20:56:56.25 ID:eLPL/wswo
お疲れ様でした。
だらだらと長くなってしまいましたが、お目通し頂ければ幸いです。
最後に妄想を垂れ流す場所を提供してくださった速報さんに御礼申し上げます。
ありがとうございました。
だらだらと長くなってしまいましたが、お目通し頂ければ幸いです。
最後に妄想を垂れ流す場所を提供してくださった速報さんに御礼申し上げます。
ありがとうございました。
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:05:42.53 ID:8QJsRZxF0
いい話でした 乙
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/01(日) 21:06:44.97 ID:E17e11TVO
乙です
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 00:14:20.49 ID:aKwTGoSSO
乙だよ
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 09:34:34.06 ID:9NrzwoEMo
おつ!
ほっこりしたー
ほっこりしたー
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/03(火) 04:34:55.35 ID:2PuZrFHrO
まーたですのだ玄ちゃんでかと思ったらいい話だったでござる
乙
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425205866/
Entry ⇒ 2015.12.31 | Category ⇒ 咲-Saki- | Comments (0)
太田優「7人が行く・公園の花の満開の下」
1: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:13:22.68 ID:/DHBZG2j0
あらすじ
孤独と悪意の狭間に生まれた偶然が、少女と彼女を夜明け前の公園で引き合わせた。
注
7人が行く、の第5話。
各個人の設定は全てドラマ内のものです。
それでは、投下していきます。
孤独と悪意の狭間に生まれた偶然が、少女と彼女を夜明け前の公園で引き合わせた。
注
7人が行く、の第5話。
各個人の設定は全てドラマ内のものです。
それでは、投下していきます。
2: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:14:15.42 ID:/DHBZG2j0
7人が行く・シリーズリスト
第1話
松山久美子「7人が行く・吸血令嬢」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403002283
第2話
伊集院惠「7人が行く・狐憑き」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406552681/
第3話
持田亜里沙「7人が行く・真鍋先生の罪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407499766/
第4話
大和亜季「7人が行く・ハッピーエンド」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410009024/
第1話
松山久美子「7人が行く・吸血令嬢」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403002283
第2話
伊集院惠「7人が行く・狐憑き」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406552681/
第3話
持田亜里沙「7人が行く・真鍋先生の罪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407499766/
第4話
大和亜季「7人が行く・ハッピーエンド」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410009024/
3: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:15:01.44 ID:/DHBZG2j0
メインキャスト
多田李衣菜
服部瞳子
SWOWメンバー
1・太田優
2・持田亜里沙
3・伊集院惠
4・大和亜季
5・財前時子
6・松山久美子
7・仙崎恵磨
多田李衣菜
服部瞳子
SWOWメンバー
1・太田優
2・持田亜里沙
3・伊集院惠
4・大和亜季
5・財前時子
6・松山久美子
7・仙崎恵磨
4: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:19:11.55 ID:/DHBZG2j0
序
花の満開の下
今年の藤棚は見事だった。
だが、私が眺めていたのは妻の横顔だった。ぽつりと「不気味ね」と言った口の動きが良く見えた。
「どうしてだい?今年の藤は見事だろう」率直な感想を返すと、あなたはいつも表面しか見ないのね、と言いたげな表情で妻が見て来た。
「花の下から何か出てきそうで」不安げに妻が言う。
「映画の見過ぎだよ」と、我ながら気の利かない返事だ。25年以上も子供もなくただ二人でいたのに。
「あら、あなただって思ってるでしょう。さっきから藤の花を見てないもの」同時に自分ですら気付かないことを相手に当てられる。
そう、やっと自分が感じているものを自覚する。不気味さ、だ。
藤棚の下には特に何もない。ベンチも置かれておらず、花と地面の間には何もない。
しかしながら、そこには空間がある。何も無い満開の下が存在する。
私と妻はそこに気づいていた。だからこそ。
空からひらりひらりと舞い落ちた白い羽根に目を取られた。その直後に。
誰もいなかった満開の下に。
美しい少女が立っていても、それが現実だと受け入れられた。
白い衣装に身を包んだ少女は、ぼんやりと頭上の藤の花を眺めていた。
その透き通るような瞳から涙が一筋落ちて、頬を伝い、滑らかな首筋へと落ちて行った。
感嘆した、隣にいる妻も同じことを思っていたに違いない。
それは孤独だった、なんと美しいカタチをした……
故に、私と妻は手を差し伸べて、この記憶は彼方へと消える。
「さぁ、帰ろうか。冷えてしまうよ」
「はい、お父さん」美しく育った娘の返事は明瞭だった。
序 了
花の満開の下
今年の藤棚は見事だった。
だが、私が眺めていたのは妻の横顔だった。ぽつりと「不気味ね」と言った口の動きが良く見えた。
「どうしてだい?今年の藤は見事だろう」率直な感想を返すと、あなたはいつも表面しか見ないのね、と言いたげな表情で妻が見て来た。
「花の下から何か出てきそうで」不安げに妻が言う。
「映画の見過ぎだよ」と、我ながら気の利かない返事だ。25年以上も子供もなくただ二人でいたのに。
「あら、あなただって思ってるでしょう。さっきから藤の花を見てないもの」同時に自分ですら気付かないことを相手に当てられる。
そう、やっと自分が感じているものを自覚する。不気味さ、だ。
藤棚の下には特に何もない。ベンチも置かれておらず、花と地面の間には何もない。
しかしながら、そこには空間がある。何も無い満開の下が存在する。
私と妻はそこに気づいていた。だからこそ。
空からひらりひらりと舞い落ちた白い羽根に目を取られた。その直後に。
誰もいなかった満開の下に。
美しい少女が立っていても、それが現実だと受け入れられた。
白い衣装に身を包んだ少女は、ぼんやりと頭上の藤の花を眺めていた。
その透き通るような瞳から涙が一筋落ちて、頬を伝い、滑らかな首筋へと落ちて行った。
感嘆した、隣にいる妻も同じことを思っていたに違いない。
それは孤独だった、なんと美しいカタチをした……
故に、私と妻は手を差し伸べて、この記憶は彼方へと消える。
「さぁ、帰ろうか。冷えてしまうよ」
「はい、お父さん」美しく育った娘の返事は明瞭だった。
序 了
5: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:26:50.41 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・1
多田李衣菜の自室
多田李衣菜「……まだ、こんな時間だ」
多田李衣菜
S大学付属高校の生徒。音楽が好きな女の子だが、最近悩みをかかえている。
まだ日も登っていない時間に起きた理由はわかってる。
早く寝たから。ギターの練習も、音楽を聴く気にもならなくて。
それと、気分が悪いから。
不貞寝はこの気持ちを楽にしてくれない。わかってるけど、そんなの。
音楽プレイヤーの電源を入れようとして、やめた。
どんな陽気な、音楽、では気分が落ち込みそうな気がした。
カーテンと窓を開けて、秋の冷たい空気を吸う。
散歩に行こう。冷たい空気があたしを落ち着かせてくれると、思って。
多田李衣菜の自室
多田李衣菜「……まだ、こんな時間だ」
多田李衣菜
S大学付属高校の生徒。音楽が好きな女の子だが、最近悩みをかかえている。
まだ日も登っていない時間に起きた理由はわかってる。
早く寝たから。ギターの練習も、音楽を聴く気にもならなくて。
それと、気分が悪いから。
不貞寝はこの気持ちを楽にしてくれない。わかってるけど、そんなの。
音楽プレイヤーの電源を入れようとして、やめた。
どんな陽気な、音楽、では気分が落ち込みそうな気がした。
カーテンと窓を開けて、秋の冷たい空気を吸う。
散歩に行こう。冷たい空気があたしを落ち着かせてくれると、思って。
6: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:28:52.91 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・2
河川敷
川沿いにある公園は静かだった。
花壇の花が咲いていた。ちょっと暗くて、色鮮やかには見えない。
なんだか、疲れてきて、あたしは土手に座りこんだ。
空も気持ちも晴れない夜明け前。
ため息を吐いて俯いた私に、声はかけられた。
河川敷
川沿いにある公園は静かだった。
花壇の花が咲いていた。ちょっと暗くて、色鮮やかには見えない。
なんだか、疲れてきて、あたしは土手に座りこんだ。
空も気持ちも晴れない夜明け前。
ため息を吐いて俯いた私に、声はかけられた。
7: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:33:37.68 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・3
服部瞳子「おはよう」
服部瞳子
李衣菜が夜明け前の公園で出会った女性。長身の美女。
李衣菜「……おはようございます」
瞳子「隣、座ってもいいかしら」
李衣菜「……どうぞ」
瞳子「ありがとう。それじゃ失礼するわね」
李衣菜「……」
瞳子「……」
李衣菜「……あの」
瞳子「話したくないなら、無理に話さなくてもいいのよ」
李衣菜「……なら、そうします」
瞳子「ええ」
服部瞳子「おはよう」
服部瞳子
李衣菜が夜明け前の公園で出会った女性。長身の美女。
李衣菜「……おはようございます」
瞳子「隣、座ってもいいかしら」
李衣菜「……どうぞ」
瞳子「ありがとう。それじゃ失礼するわね」
李衣菜「……」
瞳子「……」
李衣菜「……あの」
瞳子「話したくないなら、無理に話さなくてもいいのよ」
李衣菜「……なら、そうします」
瞳子「ええ」
8: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:34:37.74 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・4
瞳子「そろそろ時間だから帰るわね」
李衣菜「あの……何をしに来たんですか、こんな時間に」
瞳子「何も。私はこの時間のこの場所が好きなだけ」
李衣菜「……変な人」
瞳子「そっちはそうじゃないみたいね」
李衣菜「……」
瞳子「またね」
李衣菜「……さようなら」
瞳子「ちゃんと、帰るのよ」
李衣菜「わかってま……あれっ?」
李衣菜「もういない……誰なんだろ、あの人」
李衣菜「……またね、か」
瞳子「そろそろ時間だから帰るわね」
李衣菜「あの……何をしに来たんですか、こんな時間に」
瞳子「何も。私はこの時間のこの場所が好きなだけ」
李衣菜「……変な人」
瞳子「そっちはそうじゃないみたいね」
李衣菜「……」
瞳子「またね」
李衣菜「……さようなら」
瞳子「ちゃんと、帰るのよ」
李衣菜「わかってま……あれっ?」
李衣菜「もういない……誰なんだろ、あの人」
李衣菜「……またね、か」
10: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:37:20.27 ID:/DHBZG2j0
太田優・1
夕方
SWOW部室
SWOW
セブン・ワンダーズ・オブ・ワールドの略称で、名目上旅行サークル。おかしなことを調べるのが最近の活動内容。
太田優「はいっ、完成☆どうかなぁ?」
太田優
SWOWメンバー。メイク、カットなどを得意とする愛犬家。
仙崎恵磨「おっしゃ!バッチリだよ!」
仙崎恵磨
SWOWメンバー。白く染めた短髪がトレードマークのパワフル女子。
優「良かった☆人の髪を切るの久しぶりだったから緊張しちゃったぁ♪」
松山久美子「あら、終わったのね」
松山久美子
SWOWメンバー。髪も美しい。
恵磨「久美子ちゃん、これ、バッチリっしょ!」
久美子「ええ。カットもカラーもお店レベルじゃない?」
優「ホント?」
久美子「嘘をついてもしょうがないでしょ」
財前時子「ただいま」
財前時子
SWOW代表。滑らかな長髪をしているが、本人は特にどうとも思っていない。
夕方
SWOW部室
SWOW
セブン・ワンダーズ・オブ・ワールドの略称で、名目上旅行サークル。おかしなことを調べるのが最近の活動内容。
太田優「はいっ、完成☆どうかなぁ?」
太田優
SWOWメンバー。メイク、カットなどを得意とする愛犬家。
仙崎恵磨「おっしゃ!バッチリだよ!」
仙崎恵磨
SWOWメンバー。白く染めた短髪がトレードマークのパワフル女子。
優「良かった☆人の髪を切るの久しぶりだったから緊張しちゃったぁ♪」
松山久美子「あら、終わったのね」
松山久美子
SWOWメンバー。髪も美しい。
恵磨「久美子ちゃん、これ、バッチリっしょ!」
久美子「ええ。カットもカラーもお店レベルじゃない?」
優「ホント?」
久美子「嘘をついてもしょうがないでしょ」
財前時子「ただいま」
財前時子
SWOW代表。滑らかな長髪をしているが、本人は特にどうとも思っていない。
11: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:39:26.72 ID:/DHBZG2j0
恵磨「おかえりー!」
時子「無駄に元気ね、恵磨」
恵磨「優ちゃんに切ってもらったんだ、似合う?」
時子「似合うって、いつもと同じじゃない」
恵磨「それはそうだけどさ」
時子「美容院と同じに出来るレベルなのね。やるわね、優」
優「あはっ、褒められちゃったぁ♪」
時子「次はお願いしようかしら」
優「任せて☆アッキーとお揃いにしてあげるからぁ」
久美子「アッキーとお揃いの時子ちゃん……」
恵磨「いいよっ!ロックじゃん!」
時子「……」
優「冗談だってぇー」
時子「冗談以外は洒落にならないわよ、まったく」
優「毛先とか切ってあげるねぇ」
時子「ええ」
時子「無駄に元気ね、恵磨」
恵磨「優ちゃんに切ってもらったんだ、似合う?」
時子「似合うって、いつもと同じじゃない」
恵磨「それはそうだけどさ」
時子「美容院と同じに出来るレベルなのね。やるわね、優」
優「あはっ、褒められちゃったぁ♪」
時子「次はお願いしようかしら」
優「任せて☆アッキーとお揃いにしてあげるからぁ」
久美子「アッキーとお揃いの時子ちゃん……」
恵磨「いいよっ!ロックじゃん!」
時子「……」
優「冗談だってぇー」
時子「冗談以外は洒落にならないわよ、まったく」
優「毛先とか切ってあげるねぇ」
時子「ええ」
12: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:41:03.86 ID:/DHBZG2j0
久美子「ところで、そのファイルは何?」
優「なんかの資料?」
時子「大学がくれたわ」
恵磨「大学が?」
時子「ええ。変な訴えがあった時のメモらしいわ」
優「変な、ってどんな?」
時子「幽霊を見たとか、そんな話よ」
久美子「ということは」
優「知られてるってこと?」
恵磨「変なことに首突っ込んでるのを?」
時子「そうなんじゃないの。亜里沙と適当に丸めこむ理由は考えておくわ」
恵磨「よろしくっ」
時子「まぁ、暇つぶしにでもなるわ」
久美子「そうね。本物が紛れてる可能性はあるものね」
優「うん」
恵磨「あんなの見せられちゃうとね」
優「ねぇー」
伊集院惠「ただいま」
大和亜季「ただいまであります!」
伊集院惠
SWOWメンバー。メンバーで一番の長髪。
大和亜季
SWOWメンバー。たまに洗いざらしで登校する。
優「なんかの資料?」
時子「大学がくれたわ」
恵磨「大学が?」
時子「ええ。変な訴えがあった時のメモらしいわ」
優「変な、ってどんな?」
時子「幽霊を見たとか、そんな話よ」
久美子「ということは」
優「知られてるってこと?」
恵磨「変なことに首突っ込んでるのを?」
時子「そうなんじゃないの。亜里沙と適当に丸めこむ理由は考えておくわ」
恵磨「よろしくっ」
時子「まぁ、暇つぶしにでもなるわ」
久美子「そうね。本物が紛れてる可能性はあるものね」
優「うん」
恵磨「あんなの見せられちゃうとね」
優「ねぇー」
伊集院惠「ただいま」
大和亜季「ただいまであります!」
伊集院惠
SWOWメンバー。メンバーで一番の長髪。
大和亜季
SWOWメンバー。たまに洗いざらしで登校する。
13: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:43:15.05 ID:/DHBZG2j0
恵磨「おかえりー。院試の結果はどうだった?」
惠「つつがなく」
亜季「二人とも無事に合格であります」
時子「それは良かったわ」
優「来年からも頑張ってねぇ」
惠「ええ。私達はこれからが本番だもの」
時子「……」
久美子「どうしたの、時子ちゃん?」
時子「いいえ。何でもないわ」
恵磨「めでたいね!よっしゃっ!」
亜季「おお、恵磨殿、気合いが入っておりますな」
時子「うるさいだけよ」
恵磨「せっかくだし、お祝いに行こうよ!そろそろ夜だしさ!」
久美子「そうね」
優「どこがいいかなぁー」
惠「つつがなく」
亜季「二人とも無事に合格であります」
時子「それは良かったわ」
優「来年からも頑張ってねぇ」
惠「ええ。私達はこれからが本番だもの」
時子「……」
久美子「どうしたの、時子ちゃん?」
時子「いいえ。何でもないわ」
恵磨「めでたいね!よっしゃっ!」
亜季「おお、恵磨殿、気合いが入っておりますな」
時子「うるさいだけよ」
恵磨「せっかくだし、お祝いに行こうよ!そろそろ夜だしさ!」
久美子「そうね」
優「どこがいいかなぁー」
14: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:44:31.29 ID:/DHBZG2j0
恵磨「あそこにしよう、ほら、前に言ってたじゃん」
優「あのお鍋のお店?うん、いいねー」
久美子「奥の座敷席借りれるかな?」
恵磨「電話で聞いてみようか」
惠「なんか勝手に決まってるわ」
亜季「行かないでありますか?」
惠「もちろん行くけど」
時子「よろしい。ファイルは置いといて、行くとしましょう」
優「でも、待ってぇ」
恵磨「優ちゃん、何か問題でもあるん?」
優「亜里沙ちゃんを忘れちゃだめでしょー」
恵磨「あっ、そう言えばいないね」
久美子「心なしか、そこのウサコが怖いんだけど」
ウサコ
持田亜里沙が愛用しているパペット。養護施設などの慰問で利用しているとのこと。
惠「生きてるかもしれないわ」
亜季「……冗談でありますよね?」
惠「……」
恵磨「ホントなの?」
惠「冗談よ、もちろん」
時子「あなたが冗談を言うと怖いわ。控えなさい」
惠「ええ。そうするわ」
久美子「亜里沙ちゃんは来るって?」
優「うん。用事が終わったらここに来るって言ってたよー」
時子「なら、待つわ」
恵磨「早く来ないかなー」
久美子「もしかして、恵磨ちゃんは髪お披露目したいだけ……?」
優「あのお鍋のお店?うん、いいねー」
久美子「奥の座敷席借りれるかな?」
恵磨「電話で聞いてみようか」
惠「なんか勝手に決まってるわ」
亜季「行かないでありますか?」
惠「もちろん行くけど」
時子「よろしい。ファイルは置いといて、行くとしましょう」
優「でも、待ってぇ」
恵磨「優ちゃん、何か問題でもあるん?」
優「亜里沙ちゃんを忘れちゃだめでしょー」
恵磨「あっ、そう言えばいないね」
久美子「心なしか、そこのウサコが怖いんだけど」
ウサコ
持田亜里沙が愛用しているパペット。養護施設などの慰問で利用しているとのこと。
惠「生きてるかもしれないわ」
亜季「……冗談でありますよね?」
惠「……」
恵磨「ホントなの?」
惠「冗談よ、もちろん」
時子「あなたが冗談を言うと怖いわ。控えなさい」
惠「ええ。そうするわ」
久美子「亜里沙ちゃんは来るって?」
優「うん。用事が終わったらここに来るって言ってたよー」
時子「なら、待つわ」
恵磨「早く来ないかなー」
久美子「もしかして、恵磨ちゃんは髪お披露目したいだけ……?」
15: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:51:25.89 ID:/DHBZG2j0
太田優・2
某居酒屋の座敷個室
持田亜里沙「もう一杯ウサー!」
持田亜里沙
SWOWメンバー。小学校教諭のタマゴ。未来予想図は落ち着いた優しいせんせい……アルコールが入ってなければ。
恵磨「おっ!今日はいくね!ささ、どーぞ」
亜里沙「うふふん♪いただきまーす♪」
久美子「今日はまた随分と……」
亜季「……何があったでありますか?」
時子「まだ教員採用試験の結果が出てないのよ」
優「うんうん。亜里沙ちゃんだからぁ、絶対に大丈夫って皆言ってるんだけどね」
亜里沙「信頼ならないウサー!人間は嘘つきウサ」
優「大丈夫だってぇ。試験出来たんでしょー?」
亜里沙「……うん」
優「自信持って、亜里沙ちゃんは、ぜっーたい先生に向いてるからぁ♪」
時子「そうよ。自信を持ちなさい。あなたもそう思うでしょう、惠?」
惠「うふふ……」
時子「惠?」
某居酒屋の座敷個室
持田亜里沙「もう一杯ウサー!」
持田亜里沙
SWOWメンバー。小学校教諭のタマゴ。未来予想図は落ち着いた優しいせんせい……アルコールが入ってなければ。
恵磨「おっ!今日はいくね!ささ、どーぞ」
亜里沙「うふふん♪いただきまーす♪」
久美子「今日はまた随分と……」
亜季「……何があったでありますか?」
時子「まだ教員採用試験の結果が出てないのよ」
優「うんうん。亜里沙ちゃんだからぁ、絶対に大丈夫って皆言ってるんだけどね」
亜里沙「信頼ならないウサー!人間は嘘つきウサ」
優「大丈夫だってぇ。試験出来たんでしょー?」
亜里沙「……うん」
優「自信持って、亜里沙ちゃんは、ぜっーたい先生に向いてるからぁ♪」
時子「そうよ。自信を持ちなさい。あなたもそう思うでしょう、惠?」
惠「うふふ……」
時子「惠?」
16: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:53:08.13 ID:/DHBZG2j0
惠「……はっ、何か言った?」
時子「ねむたそうね」
亜季「顔が真っ赤であります。少しペースが速かったでありますか?」
亜里沙「大和亜季!」
亜季「はい!って、突然名前を呼ばないで欲しいであります」
亜里沙「貴官はウサコの酒が飲めないのか!」ドン!
優「あ、ちょっとこぼれた」
亜季「なんでそんな口調でありますか!?」
亜里沙「グスン……飲んでくれないんですかぁ?」
時子「また変わったわ」
亜季「いや、そういうわけじゃ……」
亜里沙「えええーん、誰もこの不安をわかってくれないの……」
亜季「不安なのでありますな。わかりました、付き合うでありますよ」
亜里沙「それじゃ、飲みましょ。かんぱーい!」ゴッゴッゴ
亜季「はやいであります……」
恵磨「ちなみに言っておくけど、これに付き合って惠ちゃんはつぶれたから」
惠「……すーすー」
時子「惠、寝るのは構わないけど私にもたれかかるのはやめなさい」
時子「ねむたそうね」
亜季「顔が真っ赤であります。少しペースが速かったでありますか?」
亜里沙「大和亜季!」
亜季「はい!って、突然名前を呼ばないで欲しいであります」
亜里沙「貴官はウサコの酒が飲めないのか!」ドン!
優「あ、ちょっとこぼれた」
亜季「なんでそんな口調でありますか!?」
亜里沙「グスン……飲んでくれないんですかぁ?」
時子「また変わったわ」
亜季「いや、そういうわけじゃ……」
亜里沙「えええーん、誰もこの不安をわかってくれないの……」
亜季「不安なのでありますな。わかりました、付き合うでありますよ」
亜里沙「それじゃ、飲みましょ。かんぱーい!」ゴッゴッゴ
亜季「はやいであります……」
恵磨「ちなみに言っておくけど、これに付き合って惠ちゃんはつぶれたから」
惠「……すーすー」
時子「惠、寝るのは構わないけど私にもたれかかるのはやめなさい」
17: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:54:50.70 ID:/DHBZG2j0
惠「……」ダキッ
優「あはっ、らぶらぶだー」
時子「ちょっと、惠!離しなさい」
惠「……やだー」
久美子「そんな声出せるんだ、惠ちゃん」
恵磨「だって、時子ちゃん」
亜里沙「仲良くて羨ましいウサ」
時子「あなたが元凶でしょう、亜里沙!自重しなさい」
亜里沙「はーい♪次はぁ、梅酒にするー!」
惠「むにゃむにゃ……」
時子「久美子、優、恵磨、亜季」
久美子「なに?」
時子「亜里沙をとめなさい。亜里沙が私達の唯一の良心なんだから、なくすわけにはいかないわ」
恵磨「何気に酷いこと言ってるよね」
優「うん」
久美子「でも、確かにそろそろ止めましょうか」
優「あはっ、らぶらぶだー」
時子「ちょっと、惠!離しなさい」
惠「……やだー」
久美子「そんな声出せるんだ、惠ちゃん」
恵磨「だって、時子ちゃん」
亜里沙「仲良くて羨ましいウサ」
時子「あなたが元凶でしょう、亜里沙!自重しなさい」
亜里沙「はーい♪次はぁ、梅酒にするー!」
惠「むにゃむにゃ……」
時子「久美子、優、恵磨、亜季」
久美子「なに?」
時子「亜里沙をとめなさい。亜里沙が私達の唯一の良心なんだから、なくすわけにはいかないわ」
恵磨「何気に酷いこと言ってるよね」
優「うん」
久美子「でも、確かにそろそろ止めましょうか」
18: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:56:44.51 ID:/DHBZG2j0
亜里沙「ウサコちゃん、私、私……」
亜季「泣きはじめるのはまずいでありますな」
優「よしよし、亜里沙ちゃん、お水で落ち着こうねぇ」
亜里沙「そもそも!」タン!
久美子「急に立ち上がると危ないわよ」
恵磨「座って座って」
亜里沙「そもそも、優ちゃんが悪いんですっ」スタッ
優「え、あたし?」
亜里沙「もぉ、なんで先生にならないとかぁ、もう!一緒になろう、って言ってたのに!」
恵磨「あ、結構寂しかったんだ」
優「ごめんね、亜里沙ちゃん」
亜里沙「でも、わかってるの。好きなことやってね、優ちゃん……」
優「ありがとー。亜里沙ちゃんもね」
亜里沙「だから、愚痴ぐらい聞いてね」
優「うん、いっぱい話して」
亜里沙「優ちゃん!」
優「亜里沙ちゃん!」ダキッ
久美子「抱き合ってる」
時子「見ればわかるわよ」
優「よしよし、亜里沙ちゃん……亜里沙ちゃん?」
亜季「おや、ついに停止したようでありますな」
恵磨「スイッチ入ると凄いよね、亜里沙ちゃん」
亜季「スイッチというかアルコールであります」
時子「お手柄ね、優」
亜里沙「スースー……」
優「大丈夫だよ、亜里沙ちゃんはずっと頑張って来たから……」ポンポン
時子「だいぶ遅くなったわね」
久美子「二人は寝てるし、そろそろお開きにしましょうか」
亜季「泣きはじめるのはまずいでありますな」
優「よしよし、亜里沙ちゃん、お水で落ち着こうねぇ」
亜里沙「そもそも!」タン!
久美子「急に立ち上がると危ないわよ」
恵磨「座って座って」
亜里沙「そもそも、優ちゃんが悪いんですっ」スタッ
優「え、あたし?」
亜里沙「もぉ、なんで先生にならないとかぁ、もう!一緒になろう、って言ってたのに!」
恵磨「あ、結構寂しかったんだ」
優「ごめんね、亜里沙ちゃん」
亜里沙「でも、わかってるの。好きなことやってね、優ちゃん……」
優「ありがとー。亜里沙ちゃんもね」
亜里沙「だから、愚痴ぐらい聞いてね」
優「うん、いっぱい話して」
亜里沙「優ちゃん!」
優「亜里沙ちゃん!」ダキッ
久美子「抱き合ってる」
時子「見ればわかるわよ」
優「よしよし、亜里沙ちゃん……亜里沙ちゃん?」
亜季「おや、ついに停止したようでありますな」
恵磨「スイッチ入ると凄いよね、亜里沙ちゃん」
亜季「スイッチというかアルコールであります」
時子「お手柄ね、優」
亜里沙「スースー……」
優「大丈夫だよ、亜里沙ちゃんはずっと頑張って来たから……」ポンポン
時子「だいぶ遅くなったわね」
久美子「二人は寝てるし、そろそろお開きにしましょうか」
20: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 18:59:17.31 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・5
李衣菜「……おはようございます」
瞳子「あら、今日も来たのね」
李衣菜「隣、座っていいですか」
瞳子「どうぞ」
李衣菜「いつもいるんですか?」
瞳子「最近はこの時間にはいるわ。秘密よ」
李衣菜「秘密?」
瞳子「なんでもない。好きだから来る、それだけなの」
李衣菜「好きだから……」
瞳子「花って夜寝てるのは知ってる?」
李衣菜「寝るんですか?」
瞳子「花は閉じて、この時間に開くのよ。少しずつ花開いて行くこの時間が私は好きなの」
李衣菜「……そうですか」
瞳子「あなたは、何か好き?」
李衣菜「私は、お……」
瞳子「お?」
李衣菜「……なんでもないです。好きなものは、特にはなくて」
瞳子「嘘」
李衣菜「……」
瞳子「楽器の練習してるでしょう?」
李衣菜「……おはようございます」
瞳子「あら、今日も来たのね」
李衣菜「隣、座っていいですか」
瞳子「どうぞ」
李衣菜「いつもいるんですか?」
瞳子「最近はこの時間にはいるわ。秘密よ」
李衣菜「秘密?」
瞳子「なんでもない。好きだから来る、それだけなの」
李衣菜「好きだから……」
瞳子「花って夜寝てるのは知ってる?」
李衣菜「寝るんですか?」
瞳子「花は閉じて、この時間に開くのよ。少しずつ花開いて行くこの時間が私は好きなの」
李衣菜「……そうですか」
瞳子「あなたは、何か好き?」
李衣菜「私は、お……」
瞳子「お?」
李衣菜「……なんでもないです。好きなものは、特にはなくて」
瞳子「嘘」
李衣菜「……」
瞳子「楽器の練習してるでしょう?」
21: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:00:21.40 ID:/DHBZG2j0
李衣菜「……え?」
瞳子「当たったみたいね」
李衣菜「……はい」
瞳子「指に傷をつけてまでやってるなら、それは好きなんじゃないかしら」
李衣菜「でも、上手くならなくて」
瞳子「そう。上手くないとやっちゃいけないの?」
李衣菜「……」
瞳子「よいしょ。戻らないと、またね」
李衣菜「……さようなら」
瞳子「当たったみたいね」
李衣菜「……はい」
瞳子「指に傷をつけてまでやってるなら、それは好きなんじゃないかしら」
李衣菜「でも、上手くならなくて」
瞳子「そう。上手くないとやっちゃいけないの?」
李衣菜「……」
瞳子「よいしょ。戻らないと、またね」
李衣菜「……さようなら」
22: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:02:07.02 ID:/DHBZG2j0
太田優・3
翌日
SWOW部室
惠「それじゃ、行ってきます」
優「いってらっしゃーい♪」
久美子「研究、がんばってね」
惠「ええ」
時子「潰れてたわりには元気にしてるわね」
恵磨「前から回復は早いタイプだもん」
久美子「そうね。でも、今日から研究室に行くなんて真面目だよね」
優「まだ夏休み終わってないのにねぇー」
時子「やりたいことをやるだけなのよ。辛いことでもなんでもないんでしょう」
恵磨「うんうん。前から言ってたしさ」
亜里沙「……うう」
時子「それで、こっちはアルコールが残ってるみたいね」
久美子「お水、飲んでね」
亜里沙「ありがとう……」
優「大丈夫?」
亜里沙「うん。吐き気はしない、かな……」
恵磨「明らかに覇気がないね」
翌日
SWOW部室
惠「それじゃ、行ってきます」
優「いってらっしゃーい♪」
久美子「研究、がんばってね」
惠「ええ」
時子「潰れてたわりには元気にしてるわね」
恵磨「前から回復は早いタイプだもん」
久美子「そうね。でも、今日から研究室に行くなんて真面目だよね」
優「まだ夏休み終わってないのにねぇー」
時子「やりたいことをやるだけなのよ。辛いことでもなんでもないんでしょう」
恵磨「うんうん。前から言ってたしさ」
亜里沙「……うう」
時子「それで、こっちはアルコールが残ってるみたいね」
久美子「お水、飲んでね」
亜里沙「ありがとう……」
優「大丈夫?」
亜里沙「うん。吐き気はしない、かな……」
恵磨「明らかに覇気がないね」
23: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:03:39.93 ID:/DHBZG2j0
久美子「いつも元気なのにね」
時子「今日はゆっくりしてなさい。いいわね?」
亜里沙「はい、時子ちゃん」
時子「よろしい。恵磨も騒ぐんじゃないわよ」
恵磨「なんで、アタシ指定なのさ?」
久美子「だって、ね」
優「ねぇー」
恵磨「わかった、静かにしてるよっ」
久美子「亜里沙ちゃん、今日は予定ないの?」
亜里沙「うん……ないよね?」
優「大学関係のはないよー」
時子「そう。なら、気がねなく休んでなさい」
亜季「ただいまであります」
久美子「おかえり。なに、その荷物?」
恵磨「リュックサック?」
亜季「ええ。これで気兼ねなく夏休みを満喫出来るであります。あとは、これを持って、と」
優「サバゲーに行くの?」
亜季「はい。久々なので血沸き肉踊る気分であります」
久美子「気をつけてね」
亜季「ええ。それでは、行ってくるであります!」
恵磨「いってらっしゃーい」
久美子「天気も良いし、お出かけびよりかもね」
時子「そうね」
久美子「……亜里沙ちゃん、今日は行かないから裾つかまなくても大丈夫よ」
時子「今日はゆっくりしてなさい。いいわね?」
亜里沙「はい、時子ちゃん」
時子「よろしい。恵磨も騒ぐんじゃないわよ」
恵磨「なんで、アタシ指定なのさ?」
久美子「だって、ね」
優「ねぇー」
恵磨「わかった、静かにしてるよっ」
久美子「亜里沙ちゃん、今日は予定ないの?」
亜里沙「うん……ないよね?」
優「大学関係のはないよー」
時子「そう。なら、気がねなく休んでなさい」
亜季「ただいまであります」
久美子「おかえり。なに、その荷物?」
恵磨「リュックサック?」
亜季「ええ。これで気兼ねなく夏休みを満喫出来るであります。あとは、これを持って、と」
優「サバゲーに行くの?」
亜季「はい。久々なので血沸き肉踊る気分であります」
久美子「気をつけてね」
亜季「ええ。それでは、行ってくるであります!」
恵磨「いってらっしゃーい」
久美子「天気も良いし、お出かけびよりかもね」
時子「そうね」
久美子「……亜里沙ちゃん、今日は行かないから裾つかまなくても大丈夫よ」
24: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:05:07.89 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・6
李衣菜「おはようございます」
瞳子「おはよう。よく眠れた?」
李衣菜「……」フルフル
瞳子「はやく起きるの?」
李衣菜「はい」
瞳子「そう……だから、この時間にいるのね」
李衣菜「……そうです」
瞳子「悩み事でもあるのかしら」
李衣菜「……」
瞳子「ねぇ、音楽は好き?」
李衣菜「私は……」
瞳子「他の誰も聞いてないわ。いいのよ、本音で」
李衣菜「……好きです」
瞳子「なら、それでいいんじゃないかしら」
李衣菜「それでいい、ってどういうことですか」
瞳子「それだけでいいんじゃない。好きなだけで」
李衣菜「それじゃ、嫌なんです!」
瞳子「……」
李衣菜「……ごめんなさい」
瞳子「謝ることはないのよ。私こそごめんなさい、真剣だったのね」
李衣菜「……真剣なんかじゃ」
瞳子「本気で見つめてないものには悩まない。あなたは本当に音楽が好き、でしょう?」
李衣菜「……そうなんでしょうか」
瞳子「私は知らない。あなたが知ってるはず」
李衣菜「……」
李衣菜「おはようございます」
瞳子「おはよう。よく眠れた?」
李衣菜「……」フルフル
瞳子「はやく起きるの?」
李衣菜「はい」
瞳子「そう……だから、この時間にいるのね」
李衣菜「……そうです」
瞳子「悩み事でもあるのかしら」
李衣菜「……」
瞳子「ねぇ、音楽は好き?」
李衣菜「私は……」
瞳子「他の誰も聞いてないわ。いいのよ、本音で」
李衣菜「……好きです」
瞳子「なら、それでいいんじゃないかしら」
李衣菜「それでいい、ってどういうことですか」
瞳子「それだけでいいんじゃない。好きなだけで」
李衣菜「それじゃ、嫌なんです!」
瞳子「……」
李衣菜「……ごめんなさい」
瞳子「謝ることはないのよ。私こそごめんなさい、真剣だったのね」
李衣菜「……真剣なんかじゃ」
瞳子「本気で見つめてないものには悩まない。あなたは本当に音楽が好き、でしょう?」
李衣菜「……そうなんでしょうか」
瞳子「私は知らない。あなたが知ってるはず」
李衣菜「……」
25: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:05:52.95 ID:/DHBZG2j0
瞳子「名前を聞いてもいいかしら」
李衣菜「私の、ですか」
瞳子「ええ。私は服部瞳子。目の瞳でトウでコは子供の子」
李衣菜「私は、多田李衣菜って言います。リは李白とかの李で、イは衣服の衣、ナは安部菜々さんの菜です」
瞳子「アベナナ?」
李衣菜「あっと、知らなかったか、えっと、菜っ葉の菜です」
瞳子「李衣菜ちゃん、ね」
李衣菜「あの、服部さん」
瞳子「瞳子でいいわよ」
李衣菜「じゃあ、瞳子さん」
瞳子「なに?」
李衣菜「また、明日来てもいいですか」
瞳子「ええ。待ってる」
李衣菜「ありがとうございます。明日には、ちゃんと……」
瞳子「ちゃんと?」
李衣菜「なんでもないです。また、明日」
瞳子「ええ。また明日」
李衣菜「私の、ですか」
瞳子「ええ。私は服部瞳子。目の瞳でトウでコは子供の子」
李衣菜「私は、多田李衣菜って言います。リは李白とかの李で、イは衣服の衣、ナは安部菜々さんの菜です」
瞳子「アベナナ?」
李衣菜「あっと、知らなかったか、えっと、菜っ葉の菜です」
瞳子「李衣菜ちゃん、ね」
李衣菜「あの、服部さん」
瞳子「瞳子でいいわよ」
李衣菜「じゃあ、瞳子さん」
瞳子「なに?」
李衣菜「また、明日来てもいいですか」
瞳子「ええ。待ってる」
李衣菜「ありがとうございます。明日には、ちゃんと……」
瞳子「ちゃんと?」
李衣菜「なんでもないです。また、明日」
瞳子「ええ。また明日」
26: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:07:16.50 ID:/DHBZG2j0
太田優・4
翌日
SWOW部室
時子「あら、他の人は?」
久美子「優ちゃんはさっき出かけて行ったよ」
恵磨「アッキーと公園で遊ぶんだって」
久美子「亜季ちゃんは泊まりがけだし、惠ちゃんは研究室かな」
時子「亜里沙は?」
恵磨「図書館にいるよ。何か調べ事があるって」
久美子「何を調べてるのかしら?」
恵磨「なんか、妖怪がどうたらこうたら」
時子「妖怪?」
久美子「何か、変な噂でも聞いたのかしら」
恵磨「違うと思うよ。たんなる興味だと思う」
時子「そう」
コンコン
涼宮星花「失礼いたします」
涼宮星花
S大学の学生。クラシック研究会所属。好奇心旺盛なお嬢様。
久美子「こんにちは」
時子「何かご用かしら」
星花「大学からの連絡ですわ。こちらをどうぞ」
時子「恵磨、受け取りなさい」
恵磨「ほいほい……不審者?」
翌日
SWOW部室
時子「あら、他の人は?」
久美子「優ちゃんはさっき出かけて行ったよ」
恵磨「アッキーと公園で遊ぶんだって」
久美子「亜季ちゃんは泊まりがけだし、惠ちゃんは研究室かな」
時子「亜里沙は?」
恵磨「図書館にいるよ。何か調べ事があるって」
久美子「何を調べてるのかしら?」
恵磨「なんか、妖怪がどうたらこうたら」
時子「妖怪?」
久美子「何か、変な噂でも聞いたのかしら」
恵磨「違うと思うよ。たんなる興味だと思う」
時子「そう」
コンコン
涼宮星花「失礼いたします」
涼宮星花
S大学の学生。クラシック研究会所属。好奇心旺盛なお嬢様。
久美子「こんにちは」
時子「何かご用かしら」
星花「大学からの連絡ですわ。こちらをどうぞ」
時子「恵磨、受け取りなさい」
恵磨「ほいほい……不審者?」
27: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:08:37.65 ID:/DHBZG2j0
星花「はい。後をつけられたりするそうですので、お気をつけてくださいな」
時子「物騒ね」
久美子「ありがとう、星花さん」
星花「いえいえ。千秋さんに大学が配りなさい、と押しつけられたものをお手伝いしているだけですわ」
時子「……大学職員が配りなさいよ」
恵磨「遅くまでいることも多いし、気をつけないとね」
星花「ええ。皆様もお気をつけて。それでは、失礼いたします」
ガチャン
久美子「……」
時子「で、これはどうなのかしら」
時子「物騒ね」
久美子「ありがとう、星花さん」
星花「いえいえ。千秋さんに大学が配りなさい、と押しつけられたものをお手伝いしているだけですわ」
時子「……大学職員が配りなさいよ」
恵磨「遅くまでいることも多いし、気をつけないとね」
星花「ええ。皆様もお気をつけて。それでは、失礼いたします」
ガチャン
久美子「……」
時子「で、これはどうなのかしら」
28: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:09:33.44 ID:/DHBZG2j0
恵磨「人間じゃない可能性はあるの?」
久美子「とりあえず、千秋さんではないわ」
時子「涼宮星花には隠せているようね」
恵磨「うん。ますます大学内の人気は上昇中だし。ミスコンに出てくれ出てくれ、うるさいらしいよ」
時子「出ないでしょうね」
久美子「うん、音葉さんもそう言ってた」
時子「梅木音葉からは何か聞いてるのかしら」
久美子「何もないそうよ。最近忙しいから会えてないみたいだけど」
時子「芸能活動は順調のようね」
恵磨「CD出したもんね。半年も経ってないのに」
久美子「ええ。でも、音葉さんなら当然かも」
時子「梅木音葉は思った通りだわ。話を戻しなさい」
恵磨「千秋ちゃんの件だけど、そもそも元凶いなくなったじゃん」
時子「それもそうね。なら、この不審者の正体は?」
久美子「ただの人間じゃないかしら。どこにでもいる中肉中背の男性みたいだし」
恵磨「吸血鬼ではない……よね?」
時子「夕方にも出てる。違うわ」
久美子「本物は凄い太陽光に反応するらしいもの」
恵磨「それじゃ、どうする?」
久美子「どうもしない。皆に気をつけるように、メールだけ送っておきましょう」
時子「頼むわ。でも、そうねぇ」
恵磨「どうしたん?」
時子「ファイルを放置してたわ。少しずつ調べることにしましょう。久美子、ファイルを取って」
久美子「はーい。この大学からもらったやつね」
久美子「とりあえず、千秋さんではないわ」
時子「涼宮星花には隠せているようね」
恵磨「うん。ますます大学内の人気は上昇中だし。ミスコンに出てくれ出てくれ、うるさいらしいよ」
時子「出ないでしょうね」
久美子「うん、音葉さんもそう言ってた」
時子「梅木音葉からは何か聞いてるのかしら」
久美子「何もないそうよ。最近忙しいから会えてないみたいだけど」
時子「芸能活動は順調のようね」
恵磨「CD出したもんね。半年も経ってないのに」
久美子「ええ。でも、音葉さんなら当然かも」
時子「梅木音葉は思った通りだわ。話を戻しなさい」
恵磨「千秋ちゃんの件だけど、そもそも元凶いなくなったじゃん」
時子「それもそうね。なら、この不審者の正体は?」
久美子「ただの人間じゃないかしら。どこにでもいる中肉中背の男性みたいだし」
恵磨「吸血鬼ではない……よね?」
時子「夕方にも出てる。違うわ」
久美子「本物は凄い太陽光に反応するらしいもの」
恵磨「それじゃ、どうする?」
久美子「どうもしない。皆に気をつけるように、メールだけ送っておきましょう」
時子「頼むわ。でも、そうねぇ」
恵磨「どうしたん?」
時子「ファイルを放置してたわ。少しずつ調べることにしましょう。久美子、ファイルを取って」
久美子「はーい。この大学からもらったやつね」
29: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:11:01.90 ID:/DHBZG2j0
太田優・5
根高緑地公園・ドッグラン
根高緑地公園
河岸にある公園。河川敷のグラウンドや、ドッグラン、遊具、バーベキュー場など備える。
優「アッキー♪」
アッキー「わん!」トトトト
アッキー
太田優が溺愛している愛犬。品種はビション・フリーゼ。その中でも小さい方。優によっておなじみのカットがされている。
優「うふふ♪元気だねぇー」
水木聖來「やっほー、アッキーのお姉さん」
水木聖來
優の愛犬家仲間。わんこ、という名前の大型犬の飼い主。
優「あ、わんこのおねえさん、やっほー♪」
聖來「よしっ、行って来いわんこ!」
わんこ「はっはっ」タッタッタ
わんこ
聖來が拾って来たわんこ。
優「わんこのおねえさん、今日はお休み?」
聖來「そうだよ。そっちは?」
優「まだ、夏休みー」
聖來「そっか、大学生だもんね」
優「うん♪最後の夏休みだから、楽しまなくちゃ」
聖來「あ、アッキーだ!こんにちはー」
アッキー「……」
聖來「こっちおいでー……行っちゃった」
優「あはっ、照れてるかのもー」
聖來「わんこなら飛びついてくるのに」
優「そうなの?呼んでみよー、わんこー!」
わんこ「ばうっ!」
優「うふふ、くすぐったいよ♪」
根高緑地公園・ドッグラン
根高緑地公園
河岸にある公園。河川敷のグラウンドや、ドッグラン、遊具、バーベキュー場など備える。
優「アッキー♪」
アッキー「わん!」トトトト
アッキー
太田優が溺愛している愛犬。品種はビション・フリーゼ。その中でも小さい方。優によっておなじみのカットがされている。
優「うふふ♪元気だねぇー」
水木聖來「やっほー、アッキーのお姉さん」
水木聖來
優の愛犬家仲間。わんこ、という名前の大型犬の飼い主。
優「あ、わんこのおねえさん、やっほー♪」
聖來「よしっ、行って来いわんこ!」
わんこ「はっはっ」タッタッタ
わんこ
聖來が拾って来たわんこ。
優「わんこのおねえさん、今日はお休み?」
聖來「そうだよ。そっちは?」
優「まだ、夏休みー」
聖來「そっか、大学生だもんね」
優「うん♪最後の夏休みだから、楽しまなくちゃ」
聖來「あ、アッキーだ!こんにちはー」
アッキー「……」
聖來「こっちおいでー……行っちゃった」
優「あはっ、照れてるかのもー」
聖來「わんこなら飛びついてくるのに」
優「そうなの?呼んでみよー、わんこー!」
わんこ「ばうっ!」
優「うふふ、くすぐったいよ♪」
30: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:12:12.94 ID:/DHBZG2j0
聖來「わんこ、そんなにひっつかない!」
わんこ「?」
聖來「とぼけた顔して、このー。ほら、ボールあげるからアッキーと遊んでおいで!」ポーイ
わんこ「わん!」
優「わんこはなつっこいよねー。アッキーてばシャイだからぁ☆」
聖來「うんうん。でも、あったかくていいねー」
優「ねー。最近、人も多いしぃー」
聖來「土日とか来ると、ピクニックしてる子とか多いよ」
優「そうなんだぁ」
聖來「今度来て見れば?お友達が増えるかも」
優「うん、来て見るねぇ。大学の友達と来ようかなぁー」
並木芽衣子「こんにちはー!」
並木芽衣子
大きな帽子がトレードマークの女性。古ぼけた大きなパラソルとトランクを所持。
聖來「こんにちは!」
優「こんにちはー。はじめまして、かなぁ?」
芽衣子「はい。はじめまして」
優「うーん、どこかで会ったようなぁ」
芽衣子「気のせいですよっ。あの、私はこういう、あれっ?」ゴソゴソ
聖來「なんか、一杯入ってるね」
優「なんか、落ちたよー。なんか、凄い色したトカゲみたいのが」
芽衣子「おかしいなぁ、このカバンに入れたんだけど……あ、あったあった!」
優「このトカゲなぁに?」
芽衣子「それはスペインで買ったガウディリスペクトの偽物。いる?」
優「うーん……いらない」
わんこ「?」
聖來「とぼけた顔して、このー。ほら、ボールあげるからアッキーと遊んでおいで!」ポーイ
わんこ「わん!」
優「わんこはなつっこいよねー。アッキーてばシャイだからぁ☆」
聖來「うんうん。でも、あったかくていいねー」
優「ねー。最近、人も多いしぃー」
聖來「土日とか来ると、ピクニックしてる子とか多いよ」
優「そうなんだぁ」
聖來「今度来て見れば?お友達が増えるかも」
優「うん、来て見るねぇ。大学の友達と来ようかなぁー」
並木芽衣子「こんにちはー!」
並木芽衣子
大きな帽子がトレードマークの女性。古ぼけた大きなパラソルとトランクを所持。
聖來「こんにちは!」
優「こんにちはー。はじめまして、かなぁ?」
芽衣子「はい。はじめまして」
優「うーん、どこかで会ったようなぁ」
芽衣子「気のせいですよっ。あの、私はこういう、あれっ?」ゴソゴソ
聖來「なんか、一杯入ってるね」
優「なんか、落ちたよー。なんか、凄い色したトカゲみたいのが」
芽衣子「おかしいなぁ、このカバンに入れたんだけど……あ、あったあった!」
優「このトカゲなぁに?」
芽衣子「それはスペインで買ったガウディリスペクトの偽物。いる?」
優「うーん……いらない」
31: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:13:28.36 ID:/DHBZG2j0
芽衣子「だよねー。はい、私はこういうものです」
聖來「頂戴いたします。えっと、並木芽衣子さんでございますね?」
芽衣子「はい、並木芽衣子です。よろしくお願いしまーす」
優「職業は旅人?」
芽衣子「その通り」
聖來「旅人?旅費とかはどうしてるの?」
芽衣子「ああ、それはね……これこれ」
優「トランク?」
聖來「何が入ってるの?」
芽衣子「雑貨とかだよ。これを売ってるんだ」
優「へぇー」
芽衣子「それで、聞いていい?」
優「なにかなぁ?」
芽衣子「ここって、人が一杯来るの?」
聖來「うん。土日とか凄いよ」
優「お天気もいいしぃ、次の土日とかいるんじゃないかなぁ?」
聖來「後は、ホームレスのおじさんとかもいるよ」
芽衣子「ふーん。ふむふむ」
優「何か気になることでもあるの?」
芽衣子「ないよ。ありがとう。あのわんちゃん達は二人の?」
優「そうだよぉー。小さい方がアッキー」
聖來「大きい方がわんこ」
芽衣子「それじゃ、お礼にこれをあげるね」
優「なんかブチャイクな緑の人形だねぇ」
聖來「頂戴いたします。えっと、並木芽衣子さんでございますね?」
芽衣子「はい、並木芽衣子です。よろしくお願いしまーす」
優「職業は旅人?」
芽衣子「その通り」
聖來「旅人?旅費とかはどうしてるの?」
芽衣子「ああ、それはね……これこれ」
優「トランク?」
聖來「何が入ってるの?」
芽衣子「雑貨とかだよ。これを売ってるんだ」
優「へぇー」
芽衣子「それで、聞いていい?」
優「なにかなぁ?」
芽衣子「ここって、人が一杯来るの?」
聖來「うん。土日とか凄いよ」
優「お天気もいいしぃ、次の土日とかいるんじゃないかなぁ?」
聖來「後は、ホームレスのおじさんとかもいるよ」
芽衣子「ふーん。ふむふむ」
優「何か気になることでもあるの?」
芽衣子「ないよ。ありがとう。あのわんちゃん達は二人の?」
優「そうだよぉー。小さい方がアッキー」
聖來「大きい方がわんこ」
芽衣子「それじゃ、お礼にこれをあげるね」
優「なんかブチャイクな緑の人形だねぇ」
32: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:14:50.18 ID:/DHBZG2j0
聖來「うん、ブサイク」
芽衣子「犬が噛んでも簡単には壊れないんだー」
聖來「ほんとだ。適度に弾力があって頑丈」
優「こんなのどこで買ってくるの?」
芽衣子「それは空の上で取って来たんだ」
聖來「空の上?」
芽衣子「冗談冗談。それは日本のメーカーが作った売れ残りだよ」
優「あ、アッキー、興味ある?」
アッキー「わん!」
優「はいどーぞ。大切に遊んでねぇ」
アッキー「……」ガブガブ
芽衣子「気にいったみたいだね!それじゃ、またね~」
聖來「ばいばーい」
優「ばいばーい」
聖來「ねぇ、アッキーのお姉さん」
優「なに?」
聖來「あれ、そんなに噛み心地いいのかな?」
わんこ「……」ブンブン
優「そうみたいだねぇ。面白いもの持ってそうだし、土曜日にでも来てみようかなぁー」
芽衣子「犬が噛んでも簡単には壊れないんだー」
聖來「ほんとだ。適度に弾力があって頑丈」
優「こんなのどこで買ってくるの?」
芽衣子「それは空の上で取って来たんだ」
聖來「空の上?」
芽衣子「冗談冗談。それは日本のメーカーが作った売れ残りだよ」
優「あ、アッキー、興味ある?」
アッキー「わん!」
優「はいどーぞ。大切に遊んでねぇ」
アッキー「……」ガブガブ
芽衣子「気にいったみたいだね!それじゃ、またね~」
聖來「ばいばーい」
優「ばいばーい」
聖來「ねぇ、アッキーのお姉さん」
優「なに?」
聖來「あれ、そんなに噛み心地いいのかな?」
わんこ「……」ブンブン
優「そうみたいだねぇ。面白いもの持ってそうだし、土曜日にでも来てみようかなぁー」
33: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:16:03.48 ID:/DHBZG2j0
太田優・6
夜
SWOW部室
優「ただいまぁー!」
時子「お帰り」
亜季「お帰りであります」
優「あ、帰って来たんだねぇ。サバゲーはどうだった?」
亜季「負け越しであります。強豪相手に良い所まで行ったのでありますが」
恵磨「おっす。優ちゃん、お帰りー」
優「ただいま。それ、なーに?」
恵磨「煮物。亜里沙ちゃんが作ってくれたんだ」
亜季「図書館で本を眺めていたら作りたくなったとか言っておりました」
時子「いいニオイがするわね。ご飯も炊けたのね」
亜里沙「おまたせっ!ご飯にしましょうね」
優「そのご飯、炊きたて?」
恵磨「そうだよ、土鍋で炊いてたんだよ」
亜里沙「優ちゃん、お帰り!ご飯食べる?」
優「うん♪」
亜里沙「準備するから待っててね!」
夜
SWOW部室
優「ただいまぁー!」
時子「お帰り」
亜季「お帰りであります」
優「あ、帰って来たんだねぇ。サバゲーはどうだった?」
亜季「負け越しであります。強豪相手に良い所まで行ったのでありますが」
恵磨「おっす。優ちゃん、お帰りー」
優「ただいま。それ、なーに?」
恵磨「煮物。亜里沙ちゃんが作ってくれたんだ」
亜季「図書館で本を眺めていたら作りたくなったとか言っておりました」
時子「いいニオイがするわね。ご飯も炊けたのね」
亜里沙「おまたせっ!ご飯にしましょうね」
優「そのご飯、炊きたて?」
恵磨「そうだよ、土鍋で炊いてたんだよ」
亜里沙「優ちゃん、お帰り!ご飯食べる?」
優「うん♪」
亜里沙「準備するから待っててね!」
34: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:17:28.60 ID:/DHBZG2j0
太田優・7
SWOW部室
亜里沙「ごちそうさまでした!」
時子「ごちそうさま」
亜里沙「さて、お片づけしましょうか♪」
時子「もう少し休んでなさい。恵磨」
恵磨「お茶淹れてくるっ。ほら、亜里沙ちゃんは座ってて」
亜里沙「うん。お願いね」
亜季「そういえばお土産を買って来たであります。準備をしてきます」
優「なにかなぁ?」
時子「さぁね。出てきてからのお楽しみよ」
亜里沙「そうですね」
時子「亜里沙、だいぶ落ち着いたかしら?」
亜里沙「試験は終わりましたから。後は、信じます」
時子「それがいいわ」
優「ねぇねぇ、今日は何かしてたの?」
時子「なんでそう思うのかしら」
優「貰ったファイルの上に紙が増えてるよねぇ」
時子「ええ。少しだけ調べてみたのよ」
亜里沙「調べ始めてるの?」
時子「そうね。簡単に解決にしそうなところから」
優「成果はあった?」
SWOW部室
亜里沙「ごちそうさまでした!」
時子「ごちそうさま」
亜里沙「さて、お片づけしましょうか♪」
時子「もう少し休んでなさい。恵磨」
恵磨「お茶淹れてくるっ。ほら、亜里沙ちゃんは座ってて」
亜里沙「うん。お願いね」
亜季「そういえばお土産を買って来たであります。準備をしてきます」
優「なにかなぁ?」
時子「さぁね。出てきてからのお楽しみよ」
亜里沙「そうですね」
時子「亜里沙、だいぶ落ち着いたかしら?」
亜里沙「試験は終わりましたから。後は、信じます」
時子「それがいいわ」
優「ねぇねぇ、今日は何かしてたの?」
時子「なんでそう思うのかしら」
優「貰ったファイルの上に紙が増えてるよねぇ」
時子「ええ。少しだけ調べてみたのよ」
亜里沙「調べ始めてるの?」
時子「そうね。簡単に解決にしそうなところから」
優「成果はあった?」
35: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:19:16.67 ID:/DHBZG2j0
亜里沙「ニセモノは省けた?」
時子「昼に何もしてないのに良くわかるわね。そうよ、ニセモノを消していったわ」
亜里沙「どんなものですか?」
時子「あからさまな嘘と酔っぱらいの証言を消しただけよ」
優「ふーん」
亜里沙「調査はこれから?」
時子「そうよ」
亜里沙「気になった事件とかある?」
時子「そうねぇ……失語症の噂とか」
優「失語症?」
時子「ある日、急に話せなくなるとか」
亜里沙「それが気になってるの?」
時子「恵磨がそう言うのよ、気になるって」
恵磨「お茶入ったよー」
亜季「お煎餅も持ってきたであります」
亜里沙「ありがとっ♪」
恵磨「テレビつけていい?」
時子「好きになさい」
恵磨「ありがと。ポチッとな」
テレビ『安部菜々さんでしたー』
安部菜々『はぁはぁ、あ、ありがとうございましたー!』
安部菜々
ウサミン。ウサミン星人で永遠の17歳。CGプロ所属。
時子「昼に何もしてないのに良くわかるわね。そうよ、ニセモノを消していったわ」
亜里沙「どんなものですか?」
時子「あからさまな嘘と酔っぱらいの証言を消しただけよ」
優「ふーん」
亜里沙「調査はこれから?」
時子「そうよ」
亜里沙「気になった事件とかある?」
時子「そうねぇ……失語症の噂とか」
優「失語症?」
時子「ある日、急に話せなくなるとか」
亜里沙「それが気になってるの?」
時子「恵磨がそう言うのよ、気になるって」
恵磨「お茶入ったよー」
亜季「お煎餅も持ってきたであります」
亜里沙「ありがとっ♪」
恵磨「テレビつけていい?」
時子「好きになさい」
恵磨「ありがと。ポチッとな」
テレビ『安部菜々さんでしたー』
安部菜々『はぁはぁ、あ、ありがとうございましたー!』
安部菜々
ウサミン。ウサミン星人で永遠の17歳。CGプロ所属。
36: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:20:58.23 ID:/DHBZG2j0
恵磨「あらら、ウサミンの番は終わっちゃったか」
時子「ねぇ、恵磨」
恵磨「なに?」
時子「なんで、失語症の噂が気になるのかしら」
恵磨「さっきも言ったじゃん、なんとなくだよ」
亜里沙「特に理由はないんだ。あ、このお煎餅美味しい」パリパリ
亜季「お口にあって良かったであります」
優「でも、恵磨ちゃんのカンって当たるよねぇ」
時子「そうかしら?」
恵磨「アタシはそう思わないけど」
亜里沙「そうなの?」
恵磨「当たるなら、もっと色々当ててるよ」
亜季「それもそうでありますな」
テレビ『続いて、今日のスペシャルゲスト、我那覇響ちゃんです!』
我那覇響『はいさーい!』
我那覇響
765プロ所属のアイドル。動物好きで有名。
恵磨「今日のゲストは響ちゃんかぁ」
優「今日は可愛い衣装着てるねぇ」
時子「ねぇ、恵磨」
恵磨「なに?」
時子「なんで、失語症の噂が気になるのかしら」
恵磨「さっきも言ったじゃん、なんとなくだよ」
亜里沙「特に理由はないんだ。あ、このお煎餅美味しい」パリパリ
亜季「お口にあって良かったであります」
優「でも、恵磨ちゃんのカンって当たるよねぇ」
時子「そうかしら?」
恵磨「アタシはそう思わないけど」
亜里沙「そうなの?」
恵磨「当たるなら、もっと色々当ててるよ」
亜季「それもそうでありますな」
テレビ『続いて、今日のスペシャルゲスト、我那覇響ちゃんです!』
我那覇響『はいさーい!』
我那覇響
765プロ所属のアイドル。動物好きで有名。
恵磨「今日のゲストは響ちゃんかぁ」
優「今日は可愛い衣装着てるねぇ」
37: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:22:15.74 ID:/DHBZG2j0
亜里沙「あら、ほんと」
恵磨「マイディアヴァンパイアって衣装だねっ!評判いいよ!」
時子「へぇ」
響『なになに、ハム蔵?ふむふむ』
亜季「恵磨殿聞きたいことがあるでありますが」
恵磨「なに?」
亜季「この我那覇響殿は動物と本当に話しているでありますか?」
亜里沙「うーん、どうなの?」
恵磨「直接会ったことがないからわかんない」
優「あたしもアッキーと話せたらいいのにねぇー」
恵磨「いいかもね!響ちゃんは本当に話せるんじゃないかな?」
時子「どっちでもいいわ。動物と話せるぐらいじゃ驚かないわよ」
亜里沙「うん、そうね」
響『それじゃ、聞くさー!我那覇響で、きゅんっ!ヴァンバイアガール!』
恵磨「たったったたたた……」
優「あっ、そうだ」
恵磨「マイディアヴァンパイアって衣装だねっ!評判いいよ!」
時子「へぇ」
響『なになに、ハム蔵?ふむふむ』
亜季「恵磨殿聞きたいことがあるでありますが」
恵磨「なに?」
亜季「この我那覇響殿は動物と本当に話しているでありますか?」
亜里沙「うーん、どうなの?」
恵磨「直接会ったことがないからわかんない」
優「あたしもアッキーと話せたらいいのにねぇー」
恵磨「いいかもね!響ちゃんは本当に話せるんじゃないかな?」
時子「どっちでもいいわ。動物と話せるぐらいじゃ驚かないわよ」
亜里沙「うん、そうね」
響『それじゃ、聞くさー!我那覇響で、きゅんっ!ヴァンバイアガール!』
恵磨「たったったたたた……」
優「あっ、そうだ」
38: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:23:42.59 ID:/DHBZG2j0
時子「なによ、優」
優「ねぇ、ピクニックに行こうよー」
亜里沙「ピクニック?」
亜季「暖かいでありますからな」
時子「いいわよ」
優「ホント?」
時子「嘘ついてどうするのよ」
亜里沙「ここにはいないけど、久美子ちゃんと惠ちゃんの予定があう日に行きましょうね」
優「うん♪アッキー連れてくるからねぇ」
恵磨「ルビーの瞳、濡れたまつ毛の……」フンフン
時子「ええ。予定ぐらい聞いておいてあげるわ」
優「うふふ。楽しみー♪」
優「ねぇ、ピクニックに行こうよー」
亜里沙「ピクニック?」
亜季「暖かいでありますからな」
時子「いいわよ」
優「ホント?」
時子「嘘ついてどうするのよ」
亜里沙「ここにはいないけど、久美子ちゃんと惠ちゃんの予定があう日に行きましょうね」
優「うん♪アッキー連れてくるからねぇ」
恵磨「ルビーの瞳、濡れたまつ毛の……」フンフン
時子「ええ。予定ぐらい聞いておいてあげるわ」
優「うふふ。楽しみー♪」
39: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:24:59.69 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・7
瞳子「おはよう」
李衣菜「おはようございます、瞳子さん」
瞳子「今日は良く眠れた?」
李衣菜「うん。ちゃんと早く寝て、起きて来ました」
瞳子「そう」
李衣菜「瞳子さんも早寝なんですか?」
瞳子「ええ」
李衣菜「お仕事の関係ですか?朝早いとか、あっ、お花屋さんとかですか?」
瞳子「……そうね」
李衣菜「どうかしましたか?」
瞳子「なんでもないわ。それより、今日はいい表情をしてるわ」
李衣菜「私がですか?」
瞳子「ええ」
李衣菜「あの、瞳子さん」
瞳子「なにかしら」
李衣菜「私、音楽が好きです」
瞳子「ふふ」
李衣菜「あの、おかしかったですか?」
瞳子「いいえ……羨ましい」
李衣菜「羨ましい……?」
瞳子「好きなものは好きでいてね。好きでい続けて、諦めなければ、きっと報いてくれるはずよ」
李衣菜「そう、ですよね」
瞳子「あなたの話を聞かせてもらえる?」
李衣菜「はい!」
瞳子「おはよう」
李衣菜「おはようございます、瞳子さん」
瞳子「今日は良く眠れた?」
李衣菜「うん。ちゃんと早く寝て、起きて来ました」
瞳子「そう」
李衣菜「瞳子さんも早寝なんですか?」
瞳子「ええ」
李衣菜「お仕事の関係ですか?朝早いとか、あっ、お花屋さんとかですか?」
瞳子「……そうね」
李衣菜「どうかしましたか?」
瞳子「なんでもないわ。それより、今日はいい表情をしてるわ」
李衣菜「私がですか?」
瞳子「ええ」
李衣菜「あの、瞳子さん」
瞳子「なにかしら」
李衣菜「私、音楽が好きです」
瞳子「ふふ」
李衣菜「あの、おかしかったですか?」
瞳子「いいえ……羨ましい」
李衣菜「羨ましい……?」
瞳子「好きなものは好きでいてね。好きでい続けて、諦めなければ、きっと報いてくれるはずよ」
李衣菜「そう、ですよね」
瞳子「あなたの話を聞かせてもらえる?」
李衣菜「はい!」
40: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:26:22.04 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・8
李衣菜「えっ、瞳子さんって歌手だったんですか?」
瞳子「昔の話よ」
李衣菜「すごい!」
瞳子「……でもやめたの」
李衣菜「美人でスタイルもよくて、声も魅力的なのに……」
瞳子「私に才能も努力も足りなかったの。それだけ」
李衣菜「あの、歌手の仕事は好きでしたか?」
瞳子「……きっと、好きじゃなかったのね。だから、辞めたのだと思うわ」
李衣菜「本当、ですか」
瞳子「そうよ。だから、あなたはそうならないでね」
李衣菜「違うと、思います。だって」
瞳子「いいえ。これは本当よ。本当なの」
李衣菜「……」
瞳子「いつか、あなたの歌を聞かせて」
李衣菜「はい」
瞳子「今日って何曜日?」
李衣菜「金曜日です」
瞳子「それだと、21日ね。もう9月21日なのね……」
李衣菜「21日……?」
瞳子「そろそろ、戻るわ。またね、李衣菜さん」
李衣菜「はい、また明日。あの、瞳子さん」
瞳子「なに?」
李衣菜「もっと、話を聞かせてもらっていいですか?」
瞳子「……ええ、もちろん。また明日」
李衣菜「また、明日」
李衣菜「えっ、瞳子さんって歌手だったんですか?」
瞳子「昔の話よ」
李衣菜「すごい!」
瞳子「……でもやめたの」
李衣菜「美人でスタイルもよくて、声も魅力的なのに……」
瞳子「私に才能も努力も足りなかったの。それだけ」
李衣菜「あの、歌手の仕事は好きでしたか?」
瞳子「……きっと、好きじゃなかったのね。だから、辞めたのだと思うわ」
李衣菜「本当、ですか」
瞳子「そうよ。だから、あなたはそうならないでね」
李衣菜「違うと、思います。だって」
瞳子「いいえ。これは本当よ。本当なの」
李衣菜「……」
瞳子「いつか、あなたの歌を聞かせて」
李衣菜「はい」
瞳子「今日って何曜日?」
李衣菜「金曜日です」
瞳子「それだと、21日ね。もう9月21日なのね……」
李衣菜「21日……?」
瞳子「そろそろ、戻るわ。またね、李衣菜さん」
李衣菜「はい、また明日。あの、瞳子さん」
瞳子「なに?」
李衣菜「もっと、話を聞かせてもらっていいですか?」
瞳子「……ええ、もちろん。また明日」
李衣菜「また、明日」
41: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:27:28.38 ID:/DHBZG2j0
太田優・8
SWOW部室
昼
時子「優」
優「なーにぃ?」
時子「昨日の話だけど」
優「昨日?えっと、大学に押し付けられたファイルの話だっけ?」
時子「違うわ」
優「それじゃ、響ちゃんが動物と話せるかどうか?」
時子「そんなことじゃないわよ。ピクニックの話よ」
優「あっ、ピクニック!予定聞いてくれたー?」
時子「ええ。天気が良ければ明日、土曜日にしましょう」
優「うん♪準備をしなくちゃ☆」
時子「そうね。シートはあったわね?」
優「あるよー。パラソルとかもあるよ」
時子「なら、買いに行くのは食べ物くらいかしらね」
優「どうしようか?」
時子「そのうち、久美子と亜里沙が来るわ。相談するとしましょう」
優「わかった。美味しいパン屋さんがあるから、紹介するねぇ」
時子「それで」
優「ん?何かあるのぉ?」
時子「アッキーは連れてくるのかしら?」
優「連れてくよー。そんなに会いたい?」
時子「そんなんじゃないわ。聞いてみただけ」
優「ふーん」
時子「何よ、その顔は」
優「なんでもなーい♪」
SWOW部室
昼
時子「優」
優「なーにぃ?」
時子「昨日の話だけど」
優「昨日?えっと、大学に押し付けられたファイルの話だっけ?」
時子「違うわ」
優「それじゃ、響ちゃんが動物と話せるかどうか?」
時子「そんなことじゃないわよ。ピクニックの話よ」
優「あっ、ピクニック!予定聞いてくれたー?」
時子「ええ。天気が良ければ明日、土曜日にしましょう」
優「うん♪準備をしなくちゃ☆」
時子「そうね。シートはあったわね?」
優「あるよー。パラソルとかもあるよ」
時子「なら、買いに行くのは食べ物くらいかしらね」
優「どうしようか?」
時子「そのうち、久美子と亜里沙が来るわ。相談するとしましょう」
優「わかった。美味しいパン屋さんがあるから、紹介するねぇ」
時子「それで」
優「ん?何かあるのぉ?」
時子「アッキーは連れてくるのかしら?」
優「連れてくよー。そんなに会いたい?」
時子「そんなんじゃないわ。聞いてみただけ」
優「ふーん」
時子「何よ、その顔は」
優「なんでもなーい♪」
42: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:30:03.71 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・10
S大学付属高校・李衣菜の教室
李衣菜「うーん?」
冴島清美「難しい顔してどうしたんですか?」
冴島清美
李衣菜のクラスの委員長。清く正しい学生生活を!がモットー。
李衣菜「あっ、委員長」
清美「今日は顔色は良いですね。授業中も寝てないみたいですし」
李衣菜「あはは……」
清美「大方、音楽でも聞いて夜更かししていたんです。ほどほどに」
李衣菜「……」
清美「それで、なんで難しい顔してたんですか」
李衣菜「え?」
清美「難しい顔してるのは、なんでかって聞いてるんです」
李衣菜「そんな顔してた?」
清美「はい」
李衣菜「なんでもないよ、なんでも」
清美「悩みを解決するのも委員長の仕事です。言ってみてください」
李衣菜「……それじゃ、聞いていい?」
清美「どうぞ!」
李衣菜「今日って、何月何日の何曜日?」
清美「9月20日金曜日です。ついでに2013年、明日から3連休です」
李衣菜「やっぱり間違えたのかな」
清美「何がですか?」
李衣菜「ねぇ、委員長、日付を間違えるのってどんな時?」
清美「曜日だけを意識してると忘れがちですね。さっきもカレンダーを見ないと言えませんでした」
李衣菜「そうだよね。日付って覚えてないよね」
清美「何事も確認が大切なんです」
李衣菜「ありがと、委員長」
キーンコーンカンコーン……
清美「授業が始まりますね。今日は居眠りしないように!」
李衣菜「わかってるって」
S大学付属高校・李衣菜の教室
李衣菜「うーん?」
冴島清美「難しい顔してどうしたんですか?」
冴島清美
李衣菜のクラスの委員長。清く正しい学生生活を!がモットー。
李衣菜「あっ、委員長」
清美「今日は顔色は良いですね。授業中も寝てないみたいですし」
李衣菜「あはは……」
清美「大方、音楽でも聞いて夜更かししていたんです。ほどほどに」
李衣菜「……」
清美「それで、なんで難しい顔してたんですか」
李衣菜「え?」
清美「難しい顔してるのは、なんでかって聞いてるんです」
李衣菜「そんな顔してた?」
清美「はい」
李衣菜「なんでもないよ、なんでも」
清美「悩みを解決するのも委員長の仕事です。言ってみてください」
李衣菜「……それじゃ、聞いていい?」
清美「どうぞ!」
李衣菜「今日って、何月何日の何曜日?」
清美「9月20日金曜日です。ついでに2013年、明日から3連休です」
李衣菜「やっぱり間違えたのかな」
清美「何がですか?」
李衣菜「ねぇ、委員長、日付を間違えるのってどんな時?」
清美「曜日だけを意識してると忘れがちですね。さっきもカレンダーを見ないと言えませんでした」
李衣菜「そうだよね。日付って覚えてないよね」
清美「何事も確認が大切なんです」
李衣菜「ありがと、委員長」
キーンコーンカンコーン……
清美「授業が始まりますね。今日は居眠りしないように!」
李衣菜「わかってるって」
43: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:31:30.80 ID:/DHBZG2j0
太田優・9
SWOW部室
夜
亜里沙「よしっ!」
恵磨「亜里沙ちゃん、お弁当の下拵え、これで終わり?」
亜里沙「うん。後は、朝に仕上げをしてから行きましょうね」
時子「惠は?」
久美子「あれ、部室にいない?」
優「いないよぉ。どこに行ったのかなぁ?」
恵磨「帰った?」
亜季「帰ってはないであります。トイレでありましょうか」
時子「乗せられるものは乗せておくわよ」
亜季「了解であります」
ガチャ
惠「車、下につけてきたわ」
時子「あら、気が利くじゃない」
久美子「パラソルとか持ってきましょうか」
恵磨「アタシがやるよっ!これだけだよね?」
優「うん、そうだよー」
時子「一人で運ぶには多いわね。亜季と惠も手伝いなさい」
惠「わかったわ」
亜季「さて、どれを運ぶでありますか」
亜里沙「ねぇ、優ちゃん」
優「なーにー?」
亜里沙「バスケットの準備を手伝ってもらっていい?」
優「うん。バスケットはどこだっけ?」
久美子「あの棚、だったかな?」
時子「私に聞かれても覚えてないわよ。探してみなさい」
優「はぁーい」
久美子「ふー。これで準備はひと段落かな?」
時子「そうね。なら、久美子」
久美子「なに?」
時子「お湯でもわかして、お茶の準備でもしなさい」
亜里沙「明日は紅茶を持っていくから、それ以外でねー」
時子「だそうだから、コーヒーでも淹れて」
久美子「ええ」
SWOW部室
夜
亜里沙「よしっ!」
恵磨「亜里沙ちゃん、お弁当の下拵え、これで終わり?」
亜里沙「うん。後は、朝に仕上げをしてから行きましょうね」
時子「惠は?」
久美子「あれ、部室にいない?」
優「いないよぉ。どこに行ったのかなぁ?」
恵磨「帰った?」
亜季「帰ってはないであります。トイレでありましょうか」
時子「乗せられるものは乗せておくわよ」
亜季「了解であります」
ガチャ
惠「車、下につけてきたわ」
時子「あら、気が利くじゃない」
久美子「パラソルとか持ってきましょうか」
恵磨「アタシがやるよっ!これだけだよね?」
優「うん、そうだよー」
時子「一人で運ぶには多いわね。亜季と惠も手伝いなさい」
惠「わかったわ」
亜季「さて、どれを運ぶでありますか」
亜里沙「ねぇ、優ちゃん」
優「なーにー?」
亜里沙「バスケットの準備を手伝ってもらっていい?」
優「うん。バスケットはどこだっけ?」
久美子「あの棚、だったかな?」
時子「私に聞かれても覚えてないわよ。探してみなさい」
優「はぁーい」
久美子「ふー。これで準備はひと段落かな?」
時子「そうね。なら、久美子」
久美子「なに?」
時子「お湯でもわかして、お茶の準備でもしなさい」
亜里沙「明日は紅茶を持っていくから、それ以外でねー」
時子「だそうだから、コーヒーでも淹れて」
久美子「ええ」
44: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:33:22.18 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・11
根高公園
夜明け前
李衣菜「休みの日に早起きすると、得した気になるなー」
李衣菜「そうだ、明日はギターを持ってこよう」
李衣菜「瞳子さん、ロックとか歌えるのかな」
李衣菜「今日、聞いてみよう」
李衣菜「まぶしい……もう日の出かぁ」
李衣菜「……あれ?」
李衣菜「瞳子さん、なんで来ないんだろ……」
李衣菜「……また明日って言ってたのに」
根高公園
夜明け前
李衣菜「休みの日に早起きすると、得した気になるなー」
李衣菜「そうだ、明日はギターを持ってこよう」
李衣菜「瞳子さん、ロックとか歌えるのかな」
李衣菜「今日、聞いてみよう」
李衣菜「まぶしい……もう日の出かぁ」
李衣菜「……あれ?」
李衣菜「瞳子さん、なんで来ないんだろ……」
李衣菜「……また明日って言ってたのに」
45: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:35:57.77 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・12
根高公園
日野茜「おはようございます!」
日野茜
近くの交番勤務の巡査。ただいま早めの土曜日出勤途中。
李衣菜「お、おはようございます、警察官さん」
茜「何かお困りですか!?」
李衣菜「え、別に大丈夫かな」
茜「いえいえ、何かお探しではありませんか?」
李衣菜「……人を待ってたんだけど」
茜「人、誰ですか?」
李衣菜「服部瞳子さん、っていう背が高くて綺麗な人なんだけど見かけませんでしたか?」
茜「うーん、見ておりません!」
李衣菜「そうですか……」
茜「探しましょうか?」
李衣菜「いいえ、今日は都合が悪くて来れなくなったんだと思う。この時間が好きな人だから」
茜「そうですか、わかりましたっ。本官は交番へ急ぎます!今日も一日お元気で!」タッタッタ!
李衣菜「元気だなぁ……」
李衣菜「……冷えちゃったし、今日は帰ろう」
根高公園
日野茜「おはようございます!」
日野茜
近くの交番勤務の巡査。ただいま早めの土曜日出勤途中。
李衣菜「お、おはようございます、警察官さん」
茜「何かお困りですか!?」
李衣菜「え、別に大丈夫かな」
茜「いえいえ、何かお探しではありませんか?」
李衣菜「……人を待ってたんだけど」
茜「人、誰ですか?」
李衣菜「服部瞳子さん、っていう背が高くて綺麗な人なんだけど見かけませんでしたか?」
茜「うーん、見ておりません!」
李衣菜「そうですか……」
茜「探しましょうか?」
李衣菜「いいえ、今日は都合が悪くて来れなくなったんだと思う。この時間が好きな人だから」
茜「そうですか、わかりましたっ。本官は交番へ急ぎます!今日も一日お元気で!」タッタッタ!
李衣菜「元気だなぁ……」
李衣菜「……冷えちゃったし、今日は帰ろう」
46: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:38:40.81 ID:/DHBZG2j0
太田優・10
根高公園
優「晴れてよかったねぇー」
久美子「そうね。良い秋晴れ」
恵磨「それにしても、結構人がいるんだね」
時子「ふむ。場所を取りに急ぎましょうか」
亜里沙「そうしましょう。惠ちゃんと亜季ちゃんは?」
久美子「亜季ちゃんは少し遅れて、自転車で来るって」
優「惠ちゃんは?」
恵磨「あっ、連絡来た。駐車場に着いたって」
久美子「荷物を取りに行こうか」
亜里沙「行ってくるわねー」
時子「いってらっしゃい」
優「ねぇ、時子ちゃん」
時子「なに?」
優「アッキーが遊びたがってるから、少しだけドックランに行ってきていい?」
恵磨「抱かれたがってないね」
時子「いいわ。場所は恵磨が探しておくわ」
恵磨「時子ちゃんも探してよ」
時子「冗談よ」
優「おねがいねぇー」
時子「……」
恵磨「時子ちゃんも遊んでくる?」
時子「後にするわ。行きましょう」
根高公園
優「晴れてよかったねぇー」
久美子「そうね。良い秋晴れ」
恵磨「それにしても、結構人がいるんだね」
時子「ふむ。場所を取りに急ぎましょうか」
亜里沙「そうしましょう。惠ちゃんと亜季ちゃんは?」
久美子「亜季ちゃんは少し遅れて、自転車で来るって」
優「惠ちゃんは?」
恵磨「あっ、連絡来た。駐車場に着いたって」
久美子「荷物を取りに行こうか」
亜里沙「行ってくるわねー」
時子「いってらっしゃい」
優「ねぇ、時子ちゃん」
時子「なに?」
優「アッキーが遊びたがってるから、少しだけドックランに行ってきていい?」
恵磨「抱かれたがってないね」
時子「いいわ。場所は恵磨が探しておくわ」
恵磨「時子ちゃんも探してよ」
時子「冗談よ」
優「おねがいねぇー」
時子「……」
恵磨「時子ちゃんも遊んでくる?」
時子「後にするわ。行きましょう」
47: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:39:52.53 ID:/DHBZG2j0
太田優・11
根高公園・ドッグラン
優「アッキー、ちょっと遊んでおいでぇー」
アッキー「……」タッタッタ
相川千夏「こんにちは」
相川千夏
優の公園仲間。メガネが似合うレディ。今日は片手に厚手の本と肩にショルダーバック。
優「こんにちはー」
千夏「今日もアッキーのお散歩かしら?」
優「それもそうだけど、今日はみんなでピクニック♪」
千夏「あら」
優「千夏ちゃんは?」
千夏「私もよ。一人もいいけれど、たまにはね」
優「へぇー。あたしも知ってる人?」
千夏「いいえ。来てくれたら紹介するわ」
優「わかった。探してみるねぇ」
千夏「とてもいい子よ。来てるはずなのに、見つからないけど」
優「どんな子?探してみよっか?」
千夏「どんな子……そうねぇ」
優「?」
千夏「ギャルね」
優「……ギャル?」
千夏「ええ。意外?」
優「そんなに意外じゃないよ。大学時代の友達?」
千夏「まだ高校生なのよ。何が縁かはわからないものね」
優「へぇー」
千夏「電話が来たわ。行くわね、なに、唯ちゃん、いまどこ……迷ったの?仕方ないわね、迎えに行くから待ってて」
優「千夏ちゃんと仲良しの高校生のギャル……どんな子なんだろ?」
アッキー「……」
優「あれ、アッキーどうしたのぉ?」
アッキー「……」タッタッタ
優「なーんにもいない、よね?うん、いない」
根高公園・ドッグラン
優「アッキー、ちょっと遊んでおいでぇー」
アッキー「……」タッタッタ
相川千夏「こんにちは」
相川千夏
優の公園仲間。メガネが似合うレディ。今日は片手に厚手の本と肩にショルダーバック。
優「こんにちはー」
千夏「今日もアッキーのお散歩かしら?」
優「それもそうだけど、今日はみんなでピクニック♪」
千夏「あら」
優「千夏ちゃんは?」
千夏「私もよ。一人もいいけれど、たまにはね」
優「へぇー。あたしも知ってる人?」
千夏「いいえ。来てくれたら紹介するわ」
優「わかった。探してみるねぇ」
千夏「とてもいい子よ。来てるはずなのに、見つからないけど」
優「どんな子?探してみよっか?」
千夏「どんな子……そうねぇ」
優「?」
千夏「ギャルね」
優「……ギャル?」
千夏「ええ。意外?」
優「そんなに意外じゃないよ。大学時代の友達?」
千夏「まだ高校生なのよ。何が縁かはわからないものね」
優「へぇー」
千夏「電話が来たわ。行くわね、なに、唯ちゃん、いまどこ……迷ったの?仕方ないわね、迎えに行くから待ってて」
優「千夏ちゃんと仲良しの高校生のギャル……どんな子なんだろ?」
アッキー「……」
優「あれ、アッキーどうしたのぉ?」
アッキー「……」タッタッタ
優「なーんにもいない、よね?うん、いない」
48: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:41:11.91 ID:/DHBZG2j0
太田優・12
根高公園・ドッグラン
時子「優」
優「あっ、時子ちゃん」
惠「アッキーの運動は済んだ?」
優「うん、おいでー!」
アッキー「わん!」
優「だっこだっこ。スリスリもしちゃーう」
時子「後でやりなさい。移動するわよ」
亜里沙「優ちゃんに荷物持ってもらわなくて大丈夫?」
亜季「大丈夫であります」
恵磨「それじゃ、行こっか!」
久美子「あっちだっけ?」
時子「こっちよ。着いてきなさい」
根高公園・ドッグラン
時子「優」
優「あっ、時子ちゃん」
惠「アッキーの運動は済んだ?」
優「うん、おいでー!」
アッキー「わん!」
優「だっこだっこ。スリスリもしちゃーう」
時子「後でやりなさい。移動するわよ」
亜里沙「優ちゃんに荷物持ってもらわなくて大丈夫?」
亜季「大丈夫であります」
恵磨「それじゃ、行こっか!」
久美子「あっちだっけ?」
時子「こっちよ。着いてきなさい」
49: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:44:06.24 ID:/DHBZG2j0
太田優・13
根高公園・中央
芽衣子「こんにちはー!」
久美子「こんにちは、フリーマーケットですか?」
芽衣子「はい♪」
優「芽衣子ちゃんだ、お久しぶりー」
芽衣子「アッキーのお姉さん、こんにちはー。アッキーもこんにちは」
アッキー「……」プイ
亜季「あらら、アッキーはシャイでありますな」
優「もぉー、アッキーってば」
芽衣子「……残念」
時子「ポストカードが多いわね」
芽衣子「一点ものとかあるんですよ、路上画家に描いてもらったやつとか」
時子「へぇ」
惠「ねぇ、これとか、どこから持ってきたの?」
芽衣子「いろんな場所から。詳しくは覚えてないかな……これはシエラレオネだったような」
惠「私も多く行ってるつもりだけど、上には上がいるのね……」
時子「惠、張り合わないで。安易にそこには行かないように」
恵磨「革の小物とかある?」
芽衣子「ちょっと待ってねー」
亜里沙「奥にあるパペットを見てもいい?」
芽衣子「どうぞー」ゴソゴソ
亜季「なんというか、味があるパペットでありますなぁ」
惠「ええ。でも、いい感じがする」
亜里沙「丁寧に長く使われてきたのかな……」
久美子「ふーん」
根高公園・中央
芽衣子「こんにちはー!」
久美子「こんにちは、フリーマーケットですか?」
芽衣子「はい♪」
優「芽衣子ちゃんだ、お久しぶりー」
芽衣子「アッキーのお姉さん、こんにちはー。アッキーもこんにちは」
アッキー「……」プイ
亜季「あらら、アッキーはシャイでありますな」
優「もぉー、アッキーってば」
芽衣子「……残念」
時子「ポストカードが多いわね」
芽衣子「一点ものとかあるんですよ、路上画家に描いてもらったやつとか」
時子「へぇ」
惠「ねぇ、これとか、どこから持ってきたの?」
芽衣子「いろんな場所から。詳しくは覚えてないかな……これはシエラレオネだったような」
惠「私も多く行ってるつもりだけど、上には上がいるのね……」
時子「惠、張り合わないで。安易にそこには行かないように」
恵磨「革の小物とかある?」
芽衣子「ちょっと待ってねー」
亜里沙「奥にあるパペットを見てもいい?」
芽衣子「どうぞー」ゴソゴソ
亜季「なんというか、味があるパペットでありますなぁ」
惠「ええ。でも、いい感じがする」
亜里沙「丁寧に長く使われてきたのかな……」
久美子「ふーん」
50: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:45:22.05 ID:/DHBZG2j0
芽衣子「革の小物はこれくらいです」
恵磨「お、いい色してる。何の革だろ、触っていい?」
惠「それはダメよ」
芽衣子「……ダメ?普通の革ですよ?」
恵磨「やっぱりやめとく」
芽衣子「そうですか……パペットはいりますか?」
亜里沙「私もやめておきますね。もっと、いい人が見つかると思うの」
時子「そろそろ、行きましょうか」
優「芽衣子ちゃん、またねー」
芽衣子「はーい。またお見かけしたらごひいきにー」
恵磨「お、いい色してる。何の革だろ、触っていい?」
惠「それはダメよ」
芽衣子「……ダメ?普通の革ですよ?」
恵磨「やっぱりやめとく」
芽衣子「そうですか……パペットはいりますか?」
亜里沙「私もやめておきますね。もっと、いい人が見つかると思うの」
時子「そろそろ、行きましょうか」
優「芽衣子ちゃん、またねー」
芽衣子「はーい。またお見かけしたらごひいきにー」
51: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:47:07.69 ID:/DHBZG2j0
太田優・14
根高公園・東地区
亜里沙「ごちそうさまでした!」
時子「ごちそうさま」
亜里沙「おなか一杯になった?」
恵磨「うん。張り切って作りすぎたくらいかなっ」
時子「優がいいパン屋を紹介してくれたおかげね」
久美子「今度はお店に行ってみましょうか」
優「うん、みちるちゃんに言っておくねぇ」
惠「おなかいっぱい。暖かいし、よかったわ」
久美子「ほんと、いいお天気ね……」
亜季「パラソルがあってよかったであります」
アッキー「zzz……」
亜里沙「アッキーちゃんはもうお休みみたいね」
惠「私も寝ようかしら……」
恵磨「そうだねっ、たまには時間を忘れ、て」
優「どうしたの?」
惠「あら、お久しぶり。今日はお散歩かしら?」
水本ゆかり「お久しぶりですって、響子さん」
五十嵐響子「そうだね、ゆかりちゃん」
水本ゆかり
N高校1-Bの学生。穏やかな口調の女生徒。
五十嵐響子
N高校1-Bの女生徒。お弁当箱を手に持っている。
根高公園・東地区
亜里沙「ごちそうさまでした!」
時子「ごちそうさま」
亜里沙「おなか一杯になった?」
恵磨「うん。張り切って作りすぎたくらいかなっ」
時子「優がいいパン屋を紹介してくれたおかげね」
久美子「今度はお店に行ってみましょうか」
優「うん、みちるちゃんに言っておくねぇ」
惠「おなかいっぱい。暖かいし、よかったわ」
久美子「ほんと、いいお天気ね……」
亜季「パラソルがあってよかったであります」
アッキー「zzz……」
亜里沙「アッキーちゃんはもうお休みみたいね」
惠「私も寝ようかしら……」
恵磨「そうだねっ、たまには時間を忘れ、て」
優「どうしたの?」
惠「あら、お久しぶり。今日はお散歩かしら?」
水本ゆかり「お久しぶりですって、響子さん」
五十嵐響子「そうだね、ゆかりちゃん」
水本ゆかり
N高校1-Bの学生。穏やかな口調の女生徒。
五十嵐響子
N高校1-Bの女生徒。お弁当箱を手に持っている。
52: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:49:09.67 ID:/DHBZG2j0
亜季「お元気でありましたか?」
ゆかり「お元気ですか、響子さん?」
響子「元気だよ、ゆかりちゃん」
久美子「どなた?」
亜季「N高校の生徒であります」
時子「……ああ、あの」
ゆかり「響子さん、お天気が良くてよかったですね」
響子「そうだね、ゆかりちゃん。私達もお弁当を食べよ!」
ゆかり「ええ、響子さん。奏さんを待たせてます」
響子「大変だね、ゆかりちゃん」
ゆかり「最後はご挨拶をしていきましょう、響子さん」
響子「この前はお世話になりました、ね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、響子さん」
惠「変わってないようで安心したわ」
ゆかり「それでは行きましょう、響子さん」
響子「行こう、ゆかりちゃん」
亜季「……相変わらずでありますな」
惠「そうね……」
亜里沙「すごいなぁ、一回もこちらと会話してくれなかった」
恵磨「あっ、やっぱりそうだよね。アタシが間違ってるのかと思った」
時子「聞いてはいるし、聞こえさせてもいるわ。ただ、明らかにこっちと会話してない」
亜里沙「ふーむ、不思議な関係ねぇ」
優「あの二人もピクニックかなぁ?」
亜季「そのようでありますな」
惠「話に出てた、奏さんもN高校の生徒よ」
時子「そう」
亜季「事件の影響は少ないようでありますな」
惠「よかったわ。せめてもの、救いよ」
亜里沙「……」
時子「辛気臭いわよ。優、紅茶を入れて」
優「はぁーい」
亜里沙「今、カップを配りますねー」
ゆかり「お元気ですか、響子さん?」
響子「元気だよ、ゆかりちゃん」
久美子「どなた?」
亜季「N高校の生徒であります」
時子「……ああ、あの」
ゆかり「響子さん、お天気が良くてよかったですね」
響子「そうだね、ゆかりちゃん。私達もお弁当を食べよ!」
ゆかり「ええ、響子さん。奏さんを待たせてます」
響子「大変だね、ゆかりちゃん」
ゆかり「最後はご挨拶をしていきましょう、響子さん」
響子「この前はお世話になりました、ね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、響子さん」
惠「変わってないようで安心したわ」
ゆかり「それでは行きましょう、響子さん」
響子「行こう、ゆかりちゃん」
亜季「……相変わらずでありますな」
惠「そうね……」
亜里沙「すごいなぁ、一回もこちらと会話してくれなかった」
恵磨「あっ、やっぱりそうだよね。アタシが間違ってるのかと思った」
時子「聞いてはいるし、聞こえさせてもいるわ。ただ、明らかにこっちと会話してない」
亜里沙「ふーむ、不思議な関係ねぇ」
優「あの二人もピクニックかなぁ?」
亜季「そのようでありますな」
惠「話に出てた、奏さんもN高校の生徒よ」
時子「そう」
亜季「事件の影響は少ないようでありますな」
惠「よかったわ。せめてもの、救いよ」
亜里沙「……」
時子「辛気臭いわよ。優、紅茶を入れて」
優「はぁーい」
亜里沙「今、カップを配りますねー」
53: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:50:30.55 ID:/DHBZG2j0
太田優・15
根高公園・東地区
恵磨「zzz……」
惠「zzz……」
亜里沙「……」ペラペラ
時子「亜里沙は何を読んでるのかしら」
亜里沙「民俗学、地元のものを見つけたから、読んでみようかなって」
久美子「へー」
優「あれ、亜季ちゃんは?」
時子「散歩に行ったわよ」
優「あたしも行ってこようかなぁ」
久美子「私も行こうかな」
時子「いってらっしゃい」
亜里沙「待ってるね」
優「アッキーも行こうねぇー」
根高公園・東地区
恵磨「zzz……」
惠「zzz……」
亜里沙「……」ペラペラ
時子「亜里沙は何を読んでるのかしら」
亜里沙「民俗学、地元のものを見つけたから、読んでみようかなって」
久美子「へー」
優「あれ、亜季ちゃんは?」
時子「散歩に行ったわよ」
優「あたしも行ってこようかなぁ」
久美子「私も行こうかな」
時子「いってらっしゃい」
亜里沙「待ってるね」
優「アッキーも行こうねぇー」
54: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:51:45.70 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・13
根高公園・河川敷
李衣菜「来てみたけど……いるわけないか」
有浦柑奈「お悩みですか?」
有浦柑奈
公園のギター奏者。ギターでラブアンドピースを伝えたいらしい。
李衣菜「悩みとか、じゃなくて……」
柑奈「一曲歌いましょう、あなたの悩みが消えるように」
李衣菜「あっ、いいです!大丈夫ですから!」
柑奈「そうですか?」
李衣菜「はいっ!友達と会う約束があるので、これで」
柑奈「それではまたの機会に。ところで」
李衣菜「なにか?」
柑奈「あなたも音楽をたしなむのでしょうか」
李衣菜「え?」
柑奈「そのケースは?」
李衣菜「そうです。いけない、いかないと」
柑奈「あなたの心に愛と平和のあらんことを!また会いましょう」
根高公園・河川敷
李衣菜「来てみたけど……いるわけないか」
有浦柑奈「お悩みですか?」
有浦柑奈
公園のギター奏者。ギターでラブアンドピースを伝えたいらしい。
李衣菜「悩みとか、じゃなくて……」
柑奈「一曲歌いましょう、あなたの悩みが消えるように」
李衣菜「あっ、いいです!大丈夫ですから!」
柑奈「そうですか?」
李衣菜「はいっ!友達と会う約束があるので、これで」
柑奈「それではまたの機会に。ところで」
李衣菜「なにか?」
柑奈「あなたも音楽をたしなむのでしょうか」
李衣菜「え?」
柑奈「そのケースは?」
李衣菜「そうです。いけない、いかないと」
柑奈「あなたの心に愛と平和のあらんことを!また会いましょう」
55: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:53:10.00 ID:/DHBZG2j0
太田優・16
根高公園・南地区
優「亜季ちゃん」
亜季「優殿、久美子殿、ご紹介するであります」
久美子「どちら様?二人とはさっき会ったけど」
亜季「水本ゆかり殿と五十嵐響子殿、それと」
速水奏「はじめまして」
速水奏
N高校の生徒。視聴覚室のお姫様。
亜季「速水奏殿であります」
優「奏ちゃんね、はじめましてー。太田優です」
久美子「松山です。はじめまして」
亜季「お二人は、大学の同期であります」
奏「そうですか。今日は伊集院さんはどちらに?」
響子「さっきは居たよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「そうですね、響子さん」
久美子「惠ちゃんはお昼寝中よ」
奏「大和さん、お礼を伝えておいてくださいね」
亜季「もちろんであります。奏殿にもお変わりはありませんか?」
奏「ええ」
ゆかり「あら、可愛らしい子犬ですね、響子さん」
響子「うん、可愛いね、ゆかりちゃん」
優「あはっ、アッキー褒められてるよ♪」
アッキー「……」
久美子「いつも通りの困り顔ね」
奏「こっち向いて」
亜季「向いてくれないでありますな」
奏「そう……」
優「また会いに来てね、この公園のドッグランによくいるから」
奏「ええ、またの機会に」
根高公園・南地区
優「亜季ちゃん」
亜季「優殿、久美子殿、ご紹介するであります」
久美子「どちら様?二人とはさっき会ったけど」
亜季「水本ゆかり殿と五十嵐響子殿、それと」
速水奏「はじめまして」
速水奏
N高校の生徒。視聴覚室のお姫様。
亜季「速水奏殿であります」
優「奏ちゃんね、はじめましてー。太田優です」
久美子「松山です。はじめまして」
亜季「お二人は、大学の同期であります」
奏「そうですか。今日は伊集院さんはどちらに?」
響子「さっきは居たよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「そうですね、響子さん」
久美子「惠ちゃんはお昼寝中よ」
奏「大和さん、お礼を伝えておいてくださいね」
亜季「もちろんであります。奏殿にもお変わりはありませんか?」
奏「ええ」
ゆかり「あら、可愛らしい子犬ですね、響子さん」
響子「うん、可愛いね、ゆかりちゃん」
優「あはっ、アッキー褒められてるよ♪」
アッキー「……」
久美子「いつも通りの困り顔ね」
奏「こっち向いて」
亜季「向いてくれないでありますな」
奏「そう……」
優「また会いに来てね、この公園のドッグランによくいるから」
奏「ええ、またの機会に」
56: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:55:05.38 ID:/DHBZG2j0
太田優・17
根高公園・ドッグラン
久美子「何か、騒がしくないかしら」
優「ん、何かあったのかなぁ?」
亜季「人が集まってるでありますな」
久美子「なんか悪いことな気がする」
聖來「あっ、アッキーのお姉さん!」
優「わんこのお姉さん、どうしたの?」
聖來「ちょっとこっち来て!」
亜季「何事でありますか?」
聖來「人が倒れてるの!とりあえず、来て!」
根高公園・ドッグラン
久美子「何か、騒がしくないかしら」
優「ん、何かあったのかなぁ?」
亜季「人が集まってるでありますな」
久美子「なんか悪いことな気がする」
聖來「あっ、アッキーのお姉さん!」
優「わんこのお姉さん、どうしたの?」
聖來「ちょっとこっち来て!」
亜季「何事でありますか?」
聖來「人が倒れてるの!とりあえず、来て!」
57: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 19:58:58.46 ID:/DHBZG2j0
太田優・18
根高公園・ドッグラン
久美子「警察に連絡は?」
聖來「見つけてすぐにした。近くの交番に直接電話したから、すぐに来ると思う」
亜季「救急車は?」
聖來「それより前に」
久美子「なら、大丈夫よね」
亜季「倒れてる男性に意識はありませんが、呼吸に問題はありません」
久美子「問題は、この人が誰かってことよね?」
聖來「うん。アッキーのお姉さん、見たことある?」
優「うーん、見たことないなぁ」
聖來「だよね。私もわからないし」
亜季「ホームレスでありますか?」
久美子「そうみたいね」
亜季「何か身に着けておりませんでしたか?」
聖來「さっき調べたけど、何にも。サイフとか持ってなかった」
久美子「参ったわね……」
亜季「意識を戻るのを待つ?」
聖來「それだと病院に押し付けることになるし……」
久美子「少しでも情報を集めましょうか」
優「見つけたのは、わんこのお姉さん?」
聖來「ううん、違う。警察と救急車を呼んだのは私だけど」
久美子「なら、誰が?」
聖來「あそこにいる二人。アッキーのお姉さんは知ってるよね?」
優「うん。話を聞いてみるねぇ」
聖來「お願い。ここでこの人を見てるから」
根高公園・ドッグラン
久美子「警察に連絡は?」
聖來「見つけてすぐにした。近くの交番に直接電話したから、すぐに来ると思う」
亜季「救急車は?」
聖來「それより前に」
久美子「なら、大丈夫よね」
亜季「倒れてる男性に意識はありませんが、呼吸に問題はありません」
久美子「問題は、この人が誰かってことよね?」
聖來「うん。アッキーのお姉さん、見たことある?」
優「うーん、見たことないなぁ」
聖來「だよね。私もわからないし」
亜季「ホームレスでありますか?」
久美子「そうみたいね」
亜季「何か身に着けておりませんでしたか?」
聖來「さっき調べたけど、何にも。サイフとか持ってなかった」
久美子「参ったわね……」
亜季「意識を戻るのを待つ?」
聖來「それだと病院に押し付けることになるし……」
久美子「少しでも情報を集めましょうか」
優「見つけたのは、わんこのお姉さん?」
聖來「ううん、違う。警察と救急車を呼んだのは私だけど」
久美子「なら、誰が?」
聖來「あそこにいる二人。アッキーのお姉さんは知ってるよね?」
優「うん。話を聞いてみるねぇ」
聖來「お願い。ここでこの人を見てるから」
59: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:00:25.46 ID:/DHBZG2j0
太田優・19
根高公園・ドッグラン
優「倒れてる人を見つけたのは、晴ちゃん、それとも琴歌ちゃん?」
結城晴「どっちかじゃなくてさ、どっちも」
西園寺琴歌「そうですわ」
結城晴
サッカー好きな少女。平日夕方と休日に根高公園に来ることが多い。
西園寺琴歌
押し花が趣味のお嬢様。暖かい花の季節に野花を探しにくる。
久美子「どういうこと?」
晴「同時に見つけたからだよ」
琴歌「そうなんですの。びっくりしてしまって……」
亜季「同時なのはどうしてでありますか?」
琴歌「茂みで花を探していたら、ボールが飛んできたのです」
晴「オレが変なところ蹴っちまってさ。奥の方に飛んでいった」
久美子「それで、ボールを探してる時に見つけたの?」
琴歌「そういうことですわ」
亜季「ふむ」
晴「ホント、びっくりしたぜ。死んでるかと思った」
優「見つけた後はどうしたの?」
晴「なにすればいいか、わかんなくてさ」
琴歌「晴さんに人を呼びに行ってもらいましたの」
晴「わんこのお姉さんが近くにいてくれてよかった」
優「その後は、聖來ちゃんが全部?」
琴歌「ええ。救急車と警察を呼んでもらいました」
優「ねぇ、二人はあの人を知らないの?」
晴「知らないな。琴歌ねーちゃんは?」
琴歌「私もわかりませんわ。聖來さんと優さんが知らないのでは、私たちも知らないかと」
優「うーん、そうだよねぇ……」
茜「通報した方はどなたですか!?」
亜季「日野巡査!お疲れ様であります!」
茜「話はあとです!どちらですか!」
亜季「こちらです」
茜「急ぎましょう!」
根高公園・ドッグラン
優「倒れてる人を見つけたのは、晴ちゃん、それとも琴歌ちゃん?」
結城晴「どっちかじゃなくてさ、どっちも」
西園寺琴歌「そうですわ」
結城晴
サッカー好きな少女。平日夕方と休日に根高公園に来ることが多い。
西園寺琴歌
押し花が趣味のお嬢様。暖かい花の季節に野花を探しにくる。
久美子「どういうこと?」
晴「同時に見つけたからだよ」
琴歌「そうなんですの。びっくりしてしまって……」
亜季「同時なのはどうしてでありますか?」
琴歌「茂みで花を探していたら、ボールが飛んできたのです」
晴「オレが変なところ蹴っちまってさ。奥の方に飛んでいった」
久美子「それで、ボールを探してる時に見つけたの?」
琴歌「そういうことですわ」
亜季「ふむ」
晴「ホント、びっくりしたぜ。死んでるかと思った」
優「見つけた後はどうしたの?」
晴「なにすればいいか、わかんなくてさ」
琴歌「晴さんに人を呼びに行ってもらいましたの」
晴「わんこのお姉さんが近くにいてくれてよかった」
優「その後は、聖來ちゃんが全部?」
琴歌「ええ。救急車と警察を呼んでもらいました」
優「ねぇ、二人はあの人を知らないの?」
晴「知らないな。琴歌ねーちゃんは?」
琴歌「私もわかりませんわ。聖來さんと優さんが知らないのでは、私たちも知らないかと」
優「うーん、そうだよねぇ……」
茜「通報した方はどなたですか!?」
亜季「日野巡査!お疲れ様であります!」
茜「話はあとです!どちらですか!」
亜季「こちらです」
茜「急ぎましょう!」
60: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:02:14.73 ID:/DHBZG2j0
久美子「他に何か知ってることはある?」
晴「他のこと、ってなんだ?」
優「気づいたこととかない?」
琴歌「気づいたこと……」
晴「といってもなぁ」
琴歌「そういえば」
久美子「何かあるの?」
琴歌「最近、この公園で増えてるらしいですわ」
優「何が?」
琴歌「動物の……遺体ですわ」
晴「他のこと、ってなんだ?」
優「気づいたこととかない?」
琴歌「気づいたこと……」
晴「といってもなぁ」
琴歌「そういえば」
久美子「何かあるの?」
琴歌「最近、この公園で増えてるらしいですわ」
優「何が?」
琴歌「動物の……遺体ですわ」
61: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:05:25.49 ID:/DHBZG2j0
太田優・20
亜季「男性は病院に運ばれました。水木聖來殿が念のため、付き添っているであります」
久美子「発見者の二人は、日野巡査に聴取を受けてから帰宅したわ」
優「大きな問題になってはないけど……」
久美子「変な話よね」
亜季「日野巡査が男性の身元を調べてくれているでありますが」
優「大変そうだねぇ」
久美子「ホームレスよね、たぶん」
亜季「おそらく」
優「だとすると、やっぱおかしいよねぇ」
久美子「ええ。そうならば、むしろすぐにわかるはず」
亜季「目撃例が少ないのはおかしいでありますな」
優「うん。それと、琴歌ちゃんが変な話をしてた」
久美子「動物の遺体の話よね」
亜季「ふーむ。何か、起こってるでありましょうか?」
久美子「わからないけど……」
亜季「優殿は見つけたことがあるでありますか?」
優「ううん」
久美子「でも、噂としては出てる」
亜季「少し、調べてみるでありますか」
久美子「そうね」
優「それで、問題があるんだけどぉ」
わんこ「わん!」
優「聖來ちゃんにお願いされたの。見ててね、って」
亜季「お安いごようであります」
久美子「私達で見てるわ。優ちゃんは調べてみて」
優「あたし?」
亜季「ええ。知人も多いようでありますから」
久美子「時子ちゃん達に連絡しておきましょう」
優「会ってくるね。アッキーもお願いねぇー」
亜季「男性は病院に運ばれました。水木聖來殿が念のため、付き添っているであります」
久美子「発見者の二人は、日野巡査に聴取を受けてから帰宅したわ」
優「大きな問題になってはないけど……」
久美子「変な話よね」
亜季「日野巡査が男性の身元を調べてくれているでありますが」
優「大変そうだねぇ」
久美子「ホームレスよね、たぶん」
亜季「おそらく」
優「だとすると、やっぱおかしいよねぇ」
久美子「ええ。そうならば、むしろすぐにわかるはず」
亜季「目撃例が少ないのはおかしいでありますな」
優「うん。それと、琴歌ちゃんが変な話をしてた」
久美子「動物の遺体の話よね」
亜季「ふーむ。何か、起こってるでありましょうか?」
久美子「わからないけど……」
亜季「優殿は見つけたことがあるでありますか?」
優「ううん」
久美子「でも、噂としては出てる」
亜季「少し、調べてみるでありますか」
久美子「そうね」
優「それで、問題があるんだけどぉ」
わんこ「わん!」
優「聖來ちゃんにお願いされたの。見ててね、って」
亜季「お安いごようであります」
久美子「私達で見てるわ。優ちゃんは調べてみて」
優「あたし?」
亜季「ええ。知人も多いようでありますから」
久美子「時子ちゃん達に連絡しておきましょう」
優「会ってくるね。アッキーもお願いねぇー」
62: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:10:57.24 ID:/DHBZG2j0
太田優・21
根高公園・東地区
時子「ご苦労だったわね、優」
優「びっくりしたー」
恵磨「何があったん?」
優「なんだかよくわからないけど、人が倒れてた」
時子「そうみたいね。だけれど、身分が不明」
恵磨「調べに行くの?」
優「うん。知り合いに話を聞いてみようかなって」
時子「それでいいわ」
恵磨「アタシも行くよ」
優「恵磨ちゃん、よろしくねぇ」
時子「久美子がさっき言ってたけど、動物の死体についてだけど」
優「それも聞いてみる」
時子「いいえ、それはいいわ」
優「なんで?」
恵磨「亜里沙ちゃんと惠ちゃんが公園の管理室に聞きに行ったから」
時子「そういうこと。優、あなたが調べることは二つ」
優「一つは倒れてた人について調べること?」
時子「そうね」
優「二つ目は?」
時子「不審な人物について」
恵磨「時子ちゃんは誰かの仕業だと思ってる?」
時子「どうせなら犯人がいたほうがわかりやすいわ。それだけよ」
優「わかった。聞いてみるねぇ」
時子「気温が落ちてくる前に調べてきて帰ってきなさい」
恵磨「なんで?」
時子「冷えたくないからに決まってるでしょう。行ってきなさい」
根高公園・東地区
時子「ご苦労だったわね、優」
優「びっくりしたー」
恵磨「何があったん?」
優「なんだかよくわからないけど、人が倒れてた」
時子「そうみたいね。だけれど、身分が不明」
恵磨「調べに行くの?」
優「うん。知り合いに話を聞いてみようかなって」
時子「それでいいわ」
恵磨「アタシも行くよ」
優「恵磨ちゃん、よろしくねぇ」
時子「久美子がさっき言ってたけど、動物の死体についてだけど」
優「それも聞いてみる」
時子「いいえ、それはいいわ」
優「なんで?」
恵磨「亜里沙ちゃんと惠ちゃんが公園の管理室に聞きに行ったから」
時子「そういうこと。優、あなたが調べることは二つ」
優「一つは倒れてた人について調べること?」
時子「そうね」
優「二つ目は?」
時子「不審な人物について」
恵磨「時子ちゃんは誰かの仕業だと思ってる?」
時子「どうせなら犯人がいたほうがわかりやすいわ。それだけよ」
優「わかった。聞いてみるねぇ」
時子「気温が落ちてくる前に調べてきて帰ってきなさい」
恵磨「なんで?」
時子「冷えたくないからに決まってるでしょう。行ってきなさい」
63: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:19:07.35 ID:/DHBZG2j0
太田優・22
根高公園・南地区
千夏「人が倒れてた?」
優「うん」
大槻唯「ちなったん、それって、ヤバくない?」
大槻唯
千夏のお友達。千夏とは真逆のタイプに見えるが、仲良し。
千夏「ええ……」
唯「まさか、事件とか?」
優「うーん、そうじゃないと思う」
千夏「病気とかが原因で倒れてただけ?」
唯「よかったー、それなら安心?」
優「でも、誰かがわからないの。写真を撮ってもらったんだけど、知ってる?」
唯「しらなーい」
千夏「唯ちゃんはほとんど来たことがないもの」
優「千夏ちゃんはわかる?」
千夏「ごめんなさい、わからないわ。でも一つだけ」
恵磨「なにかな?」
千夏「この公園、ホームレスはほとんどいないわ」
優「そうだね。じゃあ、動物の死体を見つけたことある?」
唯「この公園で?」
優「うん」
唯「ううん、見たことない」
千夏「私もよ」
恵磨「それじゃ、変なウワサとかは聞いたことある?」
千夏「噂?」
恵磨「そうウワサ」
千夏「ふーむ。ごめんなさい、思い当たらないわ」
唯「唯は知ってるよー」
優「どんなウワサなの?」
唯「フリフリな衣装を着た女の人が妖怪を殴り倒してるんだって」
恵磨「……なにそれ?」
唯「詳しくはしらなーい。でも、すごい速さで走ってるのを見た人がいるって」
優「妖怪がいるの?」
千夏「そうなの、唯ちゃん?」
唯「アタシは見たことないよ。妖怪もその人も」
千夏「そうよね」
恵磨「ふむ。ありがと」
優「ありがとー。またね」
根高公園・南地区
千夏「人が倒れてた?」
優「うん」
大槻唯「ちなったん、それって、ヤバくない?」
大槻唯
千夏のお友達。千夏とは真逆のタイプに見えるが、仲良し。
千夏「ええ……」
唯「まさか、事件とか?」
優「うーん、そうじゃないと思う」
千夏「病気とかが原因で倒れてただけ?」
唯「よかったー、それなら安心?」
優「でも、誰かがわからないの。写真を撮ってもらったんだけど、知ってる?」
唯「しらなーい」
千夏「唯ちゃんはほとんど来たことがないもの」
優「千夏ちゃんはわかる?」
千夏「ごめんなさい、わからないわ。でも一つだけ」
恵磨「なにかな?」
千夏「この公園、ホームレスはほとんどいないわ」
優「そうだね。じゃあ、動物の死体を見つけたことある?」
唯「この公園で?」
優「うん」
唯「ううん、見たことない」
千夏「私もよ」
恵磨「それじゃ、変なウワサとかは聞いたことある?」
千夏「噂?」
恵磨「そうウワサ」
千夏「ふーむ。ごめんなさい、思い当たらないわ」
唯「唯は知ってるよー」
優「どんなウワサなの?」
唯「フリフリな衣装を着た女の人が妖怪を殴り倒してるんだって」
恵磨「……なにそれ?」
唯「詳しくはしらなーい。でも、すごい速さで走ってるのを見た人がいるって」
優「妖怪がいるの?」
千夏「そうなの、唯ちゃん?」
唯「アタシは見たことないよ。妖怪もその人も」
千夏「そうよね」
恵磨「ふむ。ありがと」
優「ありがとー。またね」
64: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:22:42.76 ID:/DHBZG2j0
太田優・23
根高公園・南地区
奏「……この人ですか」
ゆかり「ご存じですか、響子さん?」
響子「わからないね、ゆかりちゃん」
恵磨「奏さんは知ってる?」
奏「いいえ。見たことはありません」
優「そうだよね……」
恵磨「それじゃ、動物の死体は見たことある?」
奏「動物……」
響子「動物の死体を見たことある、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ここではありませんね、響子さん」
優「ないんだ?」
ゆかり「いつも一緒にいますもの、ね、響子さん?」
響子「うん、ゆかりちゃん」
恵磨「うーん、それじゃウワサとかは?」
奏「ウワサ?」
ゆかり「響子さん、知っていますね?」
響子「知ってるよ、ゆかりちゃん」
奏「それは、死体のウワサかしら?」
優「死体?」
響子「この公園にはお花がいっぱいあるんだよね?」
ゆかり「ええ」
響子「なんでその花は綺麗に咲いているんだろ?」
ゆかり「なんででしょうね」
響子「なんでだろうね、ゆかりちゃん」
ゆかり「それは、ね?」
響子「ふふ、そうだね」
恵磨「……なんでなん?」
響子「その花の下にはね」
ゆかり「死体が埋まってるのですよ」
根高公園・南地区
奏「……この人ですか」
ゆかり「ご存じですか、響子さん?」
響子「わからないね、ゆかりちゃん」
恵磨「奏さんは知ってる?」
奏「いいえ。見たことはありません」
優「そうだよね……」
恵磨「それじゃ、動物の死体は見たことある?」
奏「動物……」
響子「動物の死体を見たことある、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ここではありませんね、響子さん」
優「ないんだ?」
ゆかり「いつも一緒にいますもの、ね、響子さん?」
響子「うん、ゆかりちゃん」
恵磨「うーん、それじゃウワサとかは?」
奏「ウワサ?」
ゆかり「響子さん、知っていますね?」
響子「知ってるよ、ゆかりちゃん」
奏「それは、死体のウワサかしら?」
優「死体?」
響子「この公園にはお花がいっぱいあるんだよね?」
ゆかり「ええ」
響子「なんでその花は綺麗に咲いているんだろ?」
ゆかり「なんででしょうね」
響子「なんでだろうね、ゆかりちゃん」
ゆかり「それは、ね?」
響子「ふふ、そうだね」
恵磨「……なんでなん?」
響子「その花の下にはね」
ゆかり「死体が埋まってるのですよ」
65: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:24:33.00 ID:/DHBZG2j0
太田優・24
根高公園・南地区
優「死体……」
ゆかり「その花の美しさは」
響子「血の色」
ゆかり「誰も花の下に埋まった女性の」
響子「無念なんかしらないで」
ゆかり「せめて花として咲いていたいと」
響子「思ったんだよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、響子さん」
響子「夢と命を奪われた女の人の無念の花なんだよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「悲しいですわ、響子さん」
恵磨「死体ねぇ……」
優「その、埋まってるのは女の人なの?」
ゆかり「知っていますか、響子さん?」
響子「女の人、だけじゃないんだよね?」
ゆかり「ええ。でも、それもウワサですから」
恵磨「うーん、本当だと思う?」
優「そうとは思えないけどぉ……」
根高公園・南地区
優「死体……」
ゆかり「その花の美しさは」
響子「血の色」
ゆかり「誰も花の下に埋まった女性の」
響子「無念なんかしらないで」
ゆかり「せめて花として咲いていたいと」
響子「思ったんだよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、響子さん」
響子「夢と命を奪われた女の人の無念の花なんだよね、ゆかりちゃん?」
ゆかり「悲しいですわ、響子さん」
恵磨「死体ねぇ……」
優「その、埋まってるのは女の人なの?」
ゆかり「知っていますか、響子さん?」
響子「女の人、だけじゃないんだよね?」
ゆかり「ええ。でも、それもウワサですから」
恵磨「うーん、本当だと思う?」
優「そうとは思えないけどぉ……」
66: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:25:26.50 ID:/DHBZG2j0
奏「映画の見すぎよ」
優「映画?」
奏「映画じゃなくてもよくある話」
恵磨「桜の花の下には死体が埋まってる、ってやつだよね」
奏「そうね」
優「それじゃ、デタラメ?」
ゆかり「まぁ、ひどいですね、響子さん」
響子「映画ばっかり見てるのは奏さんなのにね、ゆかりちゃん」
ゆかり「ええ。視聴覚室のお姫様も日に当たらなすぎはよくありませんよね、響子さん」
響子「そうだね、ゆかりちゃん」
優「確かに、色白だねぇ」
ゆかり「こんなにも天気が良くて、美味しいお弁当もあるのに」
響子「美味しかった、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、いつも美味しいですよ、響子さん」
響子「嬉しいな、あっ、デザートもあるんだ、食べる、ゆかりちゃん?」
ゆかり「はい、いただきますね」
響子「待っててね、ゆかりちゃん」
ゆかり「はい、響子さん」
恵磨「……あれ、完全に蚊帳の外になった?」
優「お話は終わりみたい。奏ちゃんも何か知ってる?」
奏「なにを?」
優「死体のウワサ」
奏「いいえ」
恵磨「ふーむ」
優「ありがと、お邪魔しましたー」
優「映画?」
奏「映画じゃなくてもよくある話」
恵磨「桜の花の下には死体が埋まってる、ってやつだよね」
奏「そうね」
優「それじゃ、デタラメ?」
ゆかり「まぁ、ひどいですね、響子さん」
響子「映画ばっかり見てるのは奏さんなのにね、ゆかりちゃん」
ゆかり「ええ。視聴覚室のお姫様も日に当たらなすぎはよくありませんよね、響子さん」
響子「そうだね、ゆかりちゃん」
優「確かに、色白だねぇ」
ゆかり「こんなにも天気が良くて、美味しいお弁当もあるのに」
響子「美味しかった、ゆかりちゃん?」
ゆかり「ええ、いつも美味しいですよ、響子さん」
響子「嬉しいな、あっ、デザートもあるんだ、食べる、ゆかりちゃん?」
ゆかり「はい、いただきますね」
響子「待っててね、ゆかりちゃん」
ゆかり「はい、響子さん」
恵磨「……あれ、完全に蚊帳の外になった?」
優「お話は終わりみたい。奏ちゃんも何か知ってる?」
奏「なにを?」
優「死体のウワサ」
奏「いいえ」
恵磨「ふーむ」
優「ありがと、お邪魔しましたー」
67: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:28:25.68 ID:/DHBZG2j0
太田優・25
根高公園・東地区
優「あ、春菜ちゃーん!」
上条春菜「アッキーのお姉さん、こんにちは!」
上条春菜
優の公園仲間。猫派。趣味は縁側でお昼寝。
時子「知り合いかしら?」
優「うん。紹介するね、上条春菜ちゃん」
春菜「この、尖ったメガネが似合いそうな女性はどなたですか?」
恵磨「メガネ?」
春菜「これです!」
時子「なぜか声をかけられたのよ」
春菜「いやー、手持無沙汰にしていたメガネが似合いそうな人がいたら話かけます!」
恵磨「そうなの?」
春菜「はい!」
時子「……優の友人だから大目に見るわ。私は財前時子よ」
春菜「財前時子、さん?」
時子「ええ。なによ、じろじろ見て」
春菜「あの財前時子さんですか!ウワサはアッキーのお姉さんから聞いてます!」
時子「……優」
優「なにー?」
根高公園・東地区
優「あ、春菜ちゃーん!」
上条春菜「アッキーのお姉さん、こんにちは!」
上条春菜
優の公園仲間。猫派。趣味は縁側でお昼寝。
時子「知り合いかしら?」
優「うん。紹介するね、上条春菜ちゃん」
春菜「この、尖ったメガネが似合いそうな女性はどなたですか?」
恵磨「メガネ?」
春菜「これです!」
時子「なぜか声をかけられたのよ」
春菜「いやー、手持無沙汰にしていたメガネが似合いそうな人がいたら話かけます!」
恵磨「そうなの?」
春菜「はい!」
時子「……優の友人だから大目に見るわ。私は財前時子よ」
春菜「財前時子、さん?」
時子「ええ。なによ、じろじろ見て」
春菜「あの財前時子さんですか!ウワサはアッキーのお姉さんから聞いてます!」
時子「……優」
優「なにー?」
68: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:29:21.84 ID:/DHBZG2j0
時子「変なこと話してないわよね?」
優「もちろん♪見た目と口はきついけど、可愛いところあるくらいしか話してないよ♪」
恵磨「かわいい……?」
春菜「やはり、これは悩みますね……外見だけではメガネとの相性は……ブツブツ」
時子「優」
優「大丈夫だよー。春菜ちゃんにはよくあることだからぁ」
時子「そうじゃないわ。口は慎みなさい、そう言いたいだけよ」
優「ムリ!」
恵磨「だよね」
時子「……そうね、私が悪かったわ。上条春菜」
春菜「ここは一度うちに帰って……」
優「春菜ちゃん、呼んでるよ」
春菜「はっ、どうしましたか?」
時子「聞きたいことがあるわ」
春菜「メガネのことですか?」
時子「違うわ。優、写真を見せなさい」
優「りょーかい、この人、見たことある?」
春菜「誰ですか?」
時子「知らないようね。動物の死体が公園に転がってるらしいけど、本当かしら?」
春菜「えっ?」
恵磨「これも違うみたいだね」
春菜「死体はないです。この公園に住み着いてたノラネコちゃんはいなくなったくらいですね」
優「じゃあ、花の下に死体が埋まってるってウワサは?」
時子「私も初耳なのだけれど」
恵磨「そりゃ、さっき聞いてきたばっかりだし」
春菜「うーん……うん?」
時子「ありがちな話ね」
春菜「聞いたこと、ありますよ」
優「もちろん♪見た目と口はきついけど、可愛いところあるくらいしか話してないよ♪」
恵磨「かわいい……?」
春菜「やはり、これは悩みますね……外見だけではメガネとの相性は……ブツブツ」
時子「優」
優「大丈夫だよー。春菜ちゃんにはよくあることだからぁ」
時子「そうじゃないわ。口は慎みなさい、そう言いたいだけよ」
優「ムリ!」
恵磨「だよね」
時子「……そうね、私が悪かったわ。上条春菜」
春菜「ここは一度うちに帰って……」
優「春菜ちゃん、呼んでるよ」
春菜「はっ、どうしましたか?」
時子「聞きたいことがあるわ」
春菜「メガネのことですか?」
時子「違うわ。優、写真を見せなさい」
優「りょーかい、この人、見たことある?」
春菜「誰ですか?」
時子「知らないようね。動物の死体が公園に転がってるらしいけど、本当かしら?」
春菜「えっ?」
恵磨「これも違うみたいだね」
春菜「死体はないです。この公園に住み着いてたノラネコちゃんはいなくなったくらいですね」
優「じゃあ、花の下に死体が埋まってるってウワサは?」
時子「私も初耳なのだけれど」
恵磨「そりゃ、さっき聞いてきたばっかりだし」
春菜「うーん……うん?」
時子「ありがちな話ね」
春菜「聞いたこと、ありますよ」
69: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:30:02.83 ID:/DHBZG2j0
優「ホント?」
春菜「何年か前に、神隠しがあったとか。神隠しじゃなくて本当は……って話です」
時子「神隠し、ね」
春菜「ウワサですよ?」
恵磨「えっと、2191?」
時子「急になにかしら、恵磨」
恵磨「いや、思いついただけ」
春菜「2191ってなんですか?」
恵磨「うん、ごめん、忘れて」
時子「恵磨の話はおいておきましょう。ありがとう、上条春菜。手掛かりは得たわ」
優「神隠し、のこと?」
時子「そうよ。神隠しなら、絶対に記録に残る。人が消えることに、人間はそれほど鈍感じゃないわ」
春菜「何年か前に、神隠しがあったとか。神隠しじゃなくて本当は……って話です」
時子「神隠し、ね」
春菜「ウワサですよ?」
恵磨「えっと、2191?」
時子「急になにかしら、恵磨」
恵磨「いや、思いついただけ」
春菜「2191ってなんですか?」
恵磨「うん、ごめん、忘れて」
時子「恵磨の話はおいておきましょう。ありがとう、上条春菜。手掛かりは得たわ」
優「神隠し、のこと?」
時子「そうよ。神隠しなら、絶対に記録に残る。人が消えることに、人間はそれほど鈍感じゃないわ」
70: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:33:56.91 ID:/DHBZG2j0
太田優・26
根高公園・東地区
惠「ただいま」
時子「惠、亜里沙、収穫は?」
亜里沙「あると思うならある、という感じかな」
優「どういうこと?」
惠「結論から言うわ、動物の死体は増えてない」
恵磨「やっぱりか」
亜里沙「聞き取りの結果も同じ?」
優「うん」
惠「野生動物とかペットの死骸とか見つかることはあるわ」
亜里沙「見つかっても、公園の管理会社が掃除してるの。あそこの看板とか、注意書きにも書いてあるの」
惠「数も記録してあるの」
時子「その数が変わっていないと?」
亜里沙「ええ、ここ半年の数はいつも通りなの」
惠「5年前まで記録が残ってるけど、そこまでに異常はないわ」
恵磨「それより前は?」
亜里沙「データなし。管理会社も3年前に変わったから、それ以前のことはわからないって」
優「でも、成果なしじゃないんでしょ?」
惠「そうね。明らかに少ない時があったわ」
時子「少ない?」
優「増えてるんじゃなくて?」
亜里沙「うん。減ってるわ」
恵磨「それはいつ?」
惠「ここ、1ヶ月」
優「本当に最近だねぇ」
亜里沙「ここ1週間に関していえば、ゼロ」
恵磨「どういう意味なんだろ?」
優「死体が増えてる、ってウワサ。でも、現状は逆なんだ」
時子「どう思うかしら、亜里沙?」
亜里沙「可能性の、一つはデータの改ざん」
惠「どうも違うようね。一人でデータを管理しているわけではないし」
亜里沙「なら、可能性はもう一つ」
優「……」
亜里沙「誰かが回収してる」
根高公園・東地区
惠「ただいま」
時子「惠、亜里沙、収穫は?」
亜里沙「あると思うならある、という感じかな」
優「どういうこと?」
惠「結論から言うわ、動物の死体は増えてない」
恵磨「やっぱりか」
亜里沙「聞き取りの結果も同じ?」
優「うん」
惠「野生動物とかペットの死骸とか見つかることはあるわ」
亜里沙「見つかっても、公園の管理会社が掃除してるの。あそこの看板とか、注意書きにも書いてあるの」
惠「数も記録してあるの」
時子「その数が変わっていないと?」
亜里沙「ええ、ここ半年の数はいつも通りなの」
惠「5年前まで記録が残ってるけど、そこまでに異常はないわ」
恵磨「それより前は?」
亜里沙「データなし。管理会社も3年前に変わったから、それ以前のことはわからないって」
優「でも、成果なしじゃないんでしょ?」
惠「そうね。明らかに少ない時があったわ」
時子「少ない?」
優「増えてるんじゃなくて?」
亜里沙「うん。減ってるわ」
恵磨「それはいつ?」
惠「ここ、1ヶ月」
優「本当に最近だねぇ」
亜里沙「ここ1週間に関していえば、ゼロ」
恵磨「どういう意味なんだろ?」
優「死体が増えてる、ってウワサ。でも、現状は逆なんだ」
時子「どう思うかしら、亜里沙?」
亜里沙「可能性の、一つはデータの改ざん」
惠「どうも違うようね。一人でデータを管理しているわけではないし」
亜里沙「なら、可能性はもう一つ」
優「……」
亜里沙「誰かが回収してる」
71: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:42:22.25 ID:/DHBZG2j0
太田優・27
根高公園・東地区
恵磨「回収してる?」
惠「ええ。連絡はあるのよ、死骸を見つけたというものは」
亜里沙「でも、死骸が消えるの」
時子「ふむ」
惠「だから、回収実績はゼロになる」
優「……なんで、そんなことするの?」
惠「わからないわ」
優「……そうだよねぇ」
亜里沙「私達からはこれくらい。他になにかある?」
時子「神隠しの話は聞いたかしら?」
惠「神隠し?」
優「神隠しとか誘拐事件とか、全然聞かないよ?」
時子「更にさかのぼれば存在する可能性はあるわ」
亜里沙「誘拐ね……」
恵磨「亜里沙ちゃん、何かあるの?」
亜季「お疲れ様であります」
時子「あら、亜季。何かあったのかしら」
亜季「特にはありません。搬送された男性の身元はやはりわかっておりません」
根高公園・東地区
恵磨「回収してる?」
惠「ええ。連絡はあるのよ、死骸を見つけたというものは」
亜里沙「でも、死骸が消えるの」
時子「ふむ」
惠「だから、回収実績はゼロになる」
優「……なんで、そんなことするの?」
惠「わからないわ」
優「……そうだよねぇ」
亜里沙「私達からはこれくらい。他になにかある?」
時子「神隠しの話は聞いたかしら?」
惠「神隠し?」
優「神隠しとか誘拐事件とか、全然聞かないよ?」
時子「更にさかのぼれば存在する可能性はあるわ」
亜里沙「誘拐ね……」
恵磨「亜里沙ちゃん、何かあるの?」
亜季「お疲れ様であります」
時子「あら、亜季。何かあったのかしら」
亜季「特にはありません。搬送された男性の身元はやはりわかっておりません」
72: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:43:29.44 ID:/DHBZG2j0
優「そうなんだぁ……」
亜季「あと、通行人に話を聞いてみたであります」
惠「収穫はあったの?」
亜季「いいえ。何も」
時子「花の下に死体が埋まってる話とかしてなかったかしら?」
惠「……」
亜季「物騒な話でありますな。なかったであります」
優「……なんにもないんだ」
亜里沙「そう、何にもないのね」
惠「なにも、ない」
亜里沙「何もなくしてる、のかしら。逆だった、ってこと」
時子「逆?」
優「見つかったのが、逆?」
恵磨「つまり、倒れていたのが正しいことじゃなくて」
亜里沙「この公園から、消えるのが本当に起こってること。動物の死骸とか含めて」
優「見つからなかったら、倒れてた人も消えてたってこと……?」
時子「そっちの方が納得はいくわね、少しだけ」
惠「ある日、何かが消える」
時子「倒れていたホームレスも結局は身元もわからない。消えてしまっても、誰も気にしない」
恵磨「なんだかなぁ……」
優「消えちゃうの?」
亜里沙「まだ、そうと決まったわけじゃないけど……」
時子「わからないことが多すぎるわ」
惠「結論を出すのにはまだ早いわね」
亜季「まずは、何でありましょうか?」
時子「消える、という話かしらね。誘拐じゃなくてもいいわ、人がいなくなった話を調べるとかね」
亜季「それは、日野巡査にご協力をお願いするであります」
優「あたしたちはなにする?」
時子「そうね……」
恵磨「うーん」
時子「帰りましょう。冷える前に」
優「でも……」
時子「顔つき合わせて悩んでてもしかたないわ。久美子は?」
亜季「まだ、わんことアッキーを見ているであります」
時子「飼い主が帰り次第、私達も戻るわよ」
亜季「あと、通行人に話を聞いてみたであります」
惠「収穫はあったの?」
亜季「いいえ。何も」
時子「花の下に死体が埋まってる話とかしてなかったかしら?」
惠「……」
亜季「物騒な話でありますな。なかったであります」
優「……なんにもないんだ」
亜里沙「そう、何にもないのね」
惠「なにも、ない」
亜里沙「何もなくしてる、のかしら。逆だった、ってこと」
時子「逆?」
優「見つかったのが、逆?」
恵磨「つまり、倒れていたのが正しいことじゃなくて」
亜里沙「この公園から、消えるのが本当に起こってること。動物の死骸とか含めて」
優「見つからなかったら、倒れてた人も消えてたってこと……?」
時子「そっちの方が納得はいくわね、少しだけ」
惠「ある日、何かが消える」
時子「倒れていたホームレスも結局は身元もわからない。消えてしまっても、誰も気にしない」
恵磨「なんだかなぁ……」
優「消えちゃうの?」
亜里沙「まだ、そうと決まったわけじゃないけど……」
時子「わからないことが多すぎるわ」
惠「結論を出すのにはまだ早いわね」
亜季「まずは、何でありましょうか?」
時子「消える、という話かしらね。誘拐じゃなくてもいいわ、人がいなくなった話を調べるとかね」
亜季「それは、日野巡査にご協力をお願いするであります」
優「あたしたちはなにする?」
時子「そうね……」
恵磨「うーん」
時子「帰りましょう。冷える前に」
優「でも……」
時子「顔つき合わせて悩んでてもしかたないわ。久美子は?」
亜季「まだ、わんことアッキーを見ているであります」
時子「飼い主が帰り次第、私達も戻るわよ」
73: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:44:37.45 ID:/DHBZG2j0
太田優・28
SWOW部室
夜
優「……」
時子「優」
優「……」
時子「優」
優「なにか、言った?」
時子「やっと気づいたわね。帰らないのかしら」
優「そろそろ帰ろうかな。時子ちゃんは?」
時子「私も帰るわよ」
優「アッキー、おいでぇ。よしよし」
時子「行きましょう」
優「ねぇ、時子ちゃん」
時子「なによ」
優「なんで、時子ちゃんは待っててくれたの?」
時子「理由なんてないわ」
優「でもぉ、待っててくれたんでしょ?」
時子「……不審者の話があったでしょう」
優「そうだっけ?」
時子「そうよ。少しは警戒心を持ちなさい」
優「大丈夫、だってぇ、アッキーが守ってくれるもんねぇ♪」
時子「……」
優「時子ちゃん?」
時子「家に帰る理由も見つからないわ。それなら、ここの方がいいわ」
優「時子ちゃんもペット飼う?」
時子「考えておくわ」
優「それじゃ、帰ろっか」
SWOW部室
夜
優「……」
時子「優」
優「……」
時子「優」
優「なにか、言った?」
時子「やっと気づいたわね。帰らないのかしら」
優「そろそろ帰ろうかな。時子ちゃんは?」
時子「私も帰るわよ」
優「アッキー、おいでぇ。よしよし」
時子「行きましょう」
優「ねぇ、時子ちゃん」
時子「なによ」
優「なんで、時子ちゃんは待っててくれたの?」
時子「理由なんてないわ」
優「でもぉ、待っててくれたんでしょ?」
時子「……不審者の話があったでしょう」
優「そうだっけ?」
時子「そうよ。少しは警戒心を持ちなさい」
優「大丈夫、だってぇ、アッキーが守ってくれるもんねぇ♪」
時子「……」
優「時子ちゃん?」
時子「家に帰る理由も見つからないわ。それなら、ここの方がいいわ」
優「時子ちゃんもペット飼う?」
時子「考えておくわ」
優「それじゃ、帰ろっか」
74: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:45:41.01 ID:/DHBZG2j0
太田優・29
夜道
優「でねぇ、今度出たアイペンシルがねぇ」
時子「そう……待ちなさい」
優「待つ?」
時子「参ったわ」
優「どうしたの、時子ちゃん?」
時子「優、聞きなさい」
アッキー「わん!」
優「どうしたの、アッキー?」
時子「お手柄ね」
優「ねぇ、何の話?」
時子「そこに電灯があるわ。そこまで行きなさい」プルルル……
優「アッキー、さっきからグルグル言ってるけどどうかしたのー?」
時子「ええ、お願いするわ」ピッ
優「アッキー、よしよし」
時子「タクシーを呼んだわ。帰りましょう」
優「あれっ?歩いて帰るんじゃないの?」
時子「気が変わったわ」
優「ふーん」
時子「しくじったわ。どう理由をつけようかしら」
優「さっきから何を言ってるの?」
時子「なんでもないわ。ただ、どうしようもなく自分にイラついているだけ」
夜道
優「でねぇ、今度出たアイペンシルがねぇ」
時子「そう……待ちなさい」
優「待つ?」
時子「参ったわ」
優「どうしたの、時子ちゃん?」
時子「優、聞きなさい」
アッキー「わん!」
優「どうしたの、アッキー?」
時子「お手柄ね」
優「ねぇ、何の話?」
時子「そこに電灯があるわ。そこまで行きなさい」プルルル……
優「アッキー、さっきからグルグル言ってるけどどうかしたのー?」
時子「ええ、お願いするわ」ピッ
優「アッキー、よしよし」
時子「タクシーを呼んだわ。帰りましょう」
優「あれっ?歩いて帰るんじゃないの?」
時子「気が変わったわ」
優「ふーん」
時子「しくじったわ。どう理由をつけようかしら」
優「さっきから何を言ってるの?」
時子「なんでもないわ。ただ、どうしようもなく自分にイラついているだけ」
75: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:48:04.35 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・14
翌朝
根高公園・河川敷
李衣菜「また、朝日だ……」
李衣菜「今日も瞳子さん、来なかったな」
李衣菜「……」
李衣菜「何か、起こってるのかな?」
芽衣子「おはよう!」
李衣菜「お、おはようございます」
芽衣子「ランニングですか?」
李衣菜「いいえ、違います」
芽衣子「なら、なんで?」
李衣菜「……なんでもないです」
芽衣子「いいことを教えてあげますね」
李衣菜「何でしょう?」
芽衣子「人には聞いた方がいいですよ」
李衣菜「……」
芽衣子「聞きにくいかもしれないけどね」
李衣菜「……」
芽衣子「次の場所に行きます。また、どこかで会いましょう」
李衣菜「ま、待って」
芽衣子「なにかな?」
李衣菜「あの、服部瞳子さんって人知ってますか?この時間によくいるんですけど……」
芽衣子「よく聞けました。答えは、知りません」
李衣菜「そうですか……」
芽衣子「ばいばーい。きっと、楽しいことが起こるよ」
翌朝
根高公園・河川敷
李衣菜「また、朝日だ……」
李衣菜「今日も瞳子さん、来なかったな」
李衣菜「……」
李衣菜「何か、起こってるのかな?」
芽衣子「おはよう!」
李衣菜「お、おはようございます」
芽衣子「ランニングですか?」
李衣菜「いいえ、違います」
芽衣子「なら、なんで?」
李衣菜「……なんでもないです」
芽衣子「いいことを教えてあげますね」
李衣菜「何でしょう?」
芽衣子「人には聞いた方がいいですよ」
李衣菜「……」
芽衣子「聞きにくいかもしれないけどね」
李衣菜「……」
芽衣子「次の場所に行きます。また、どこかで会いましょう」
李衣菜「ま、待って」
芽衣子「なにかな?」
李衣菜「あの、服部瞳子さんって人知ってますか?この時間によくいるんですけど……」
芽衣子「よく聞けました。答えは、知りません」
李衣菜「そうですか……」
芽衣子「ばいばーい。きっと、楽しいことが起こるよ」
76: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:49:15.14 ID:/DHBZG2j0
太田優・30
SWOW部室
亜季「不審者……でありますか?」
時子「ええ。優と帰ってる時につけられたわ」
久美子「何時ごろ?」
時子「11時頃よ。亜季が帰ってからそう時間は経ってないわ」
亜季「そうでありますか、実は私も何か視線を感じたであります」
時子「警告は出てたわ。私のミスよ」
久美子「悪いのは犯人だし、何もなくてよかった」
時子「……」
亜季「そう気負うものではないであります、時子殿」
時子「……ええ、わかってるわよ」
恵磨「ちわーっす」
亜季「おや、恵磨殿」
恵磨「おっす、亜季ちゃん。そうそう、聞いてよ」
久美子「なに?」
恵磨「不審者の話があったじゃん?」
時子「その話をしてたところだけど」
恵磨「捕まったって」
久美子「え?」
時子「待ちなさい、いつの話よ」
恵磨「昨日の夜だってさ。交番の近くで簀巻きにされてたみたい」
亜季「ずいぶんと解決が早いでありますな」
時子「恵磨、正確な時間はわかるかしら?」
恵磨「交番の警察官が見つけたのが、12時前だったかな」
久美子「となると……」
時子「私と優がつけられた直後ね」
恵磨「えっ!大丈夫だった?」
SWOW部室
亜季「不審者……でありますか?」
時子「ええ。優と帰ってる時につけられたわ」
久美子「何時ごろ?」
時子「11時頃よ。亜季が帰ってからそう時間は経ってないわ」
亜季「そうでありますか、実は私も何か視線を感じたであります」
時子「警告は出てたわ。私のミスよ」
久美子「悪いのは犯人だし、何もなくてよかった」
時子「……」
亜季「そう気負うものではないであります、時子殿」
時子「……ええ、わかってるわよ」
恵磨「ちわーっす」
亜季「おや、恵磨殿」
恵磨「おっす、亜季ちゃん。そうそう、聞いてよ」
久美子「なに?」
恵磨「不審者の話があったじゃん?」
時子「その話をしてたところだけど」
恵磨「捕まったって」
久美子「え?」
時子「待ちなさい、いつの話よ」
恵磨「昨日の夜だってさ。交番の近くで簀巻きにされてたみたい」
亜季「ずいぶんと解決が早いでありますな」
時子「恵磨、正確な時間はわかるかしら?」
恵磨「交番の警察官が見つけたのが、12時前だったかな」
久美子「となると……」
時子「私と優がつけられた直後ね」
恵磨「えっ!大丈夫だった?」
77: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:50:26.41 ID:/DHBZG2j0
亜季「見た通りであります」
恵磨「不審者を鞭でしばきあげたりしてないよね?」
久美子「そっちの心配……?」
時子「私も不審者に鞭を振るほどサービス良くないわ」
亜季「サービス……サービスなのでありますか」
恵磨「まっ、無事ならいっか!」
亜季「ですが、そうなると疑問が残るであります」
久美子「誰が不審者を捕まえたんだろ?」
時子「私か優か、不審者をつけていたのは間違いないでしょうね」
亜季「なんのためでありますか?」
時子「それがわかったら苦労しないわよ」
恵磨「ま、そうだよね。公園の話もそうだし」
久美子「そういえば、公園の話は進展したの?」
亜季「日野巡査からは連絡はないであります」
時子「今日も優と亜里沙が公園に行ってるわ。何かしら、聞いてくるわよ」
亜季「私は日野巡査を訪ねてみるであります」
時子「お願い。恵磨と久美子は大学内で聞き取りでもなさい」
恵磨「いいけど、なんで?」
久美子「根高公園は近いもの。コンパとかバーベキューで使ってる人も多いから?」
時子「そういうこと。気張らずに行ってきなさい」
恵磨「不審者を鞭でしばきあげたりしてないよね?」
久美子「そっちの心配……?」
時子「私も不審者に鞭を振るほどサービス良くないわ」
亜季「サービス……サービスなのでありますか」
恵磨「まっ、無事ならいっか!」
亜季「ですが、そうなると疑問が残るであります」
久美子「誰が不審者を捕まえたんだろ?」
時子「私か優か、不審者をつけていたのは間違いないでしょうね」
亜季「なんのためでありますか?」
時子「それがわかったら苦労しないわよ」
恵磨「ま、そうだよね。公園の話もそうだし」
久美子「そういえば、公園の話は進展したの?」
亜季「日野巡査からは連絡はないであります」
時子「今日も優と亜里沙が公園に行ってるわ。何かしら、聞いてくるわよ」
亜季「私は日野巡査を訪ねてみるであります」
時子「お願い。恵磨と久美子は大学内で聞き取りでもなさい」
恵磨「いいけど、なんで?」
久美子「根高公園は近いもの。コンパとかバーベキューで使ってる人も多いから?」
時子「そういうこと。気張らずに行ってきなさい」
78: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:51:23.56 ID:/DHBZG2j0
太田優・31
根高公園・ドッグラン
優「お仕事が忙しいのにごめんねー」
聖來「ううん、大丈夫、気にしなくていいよー」
亜里沙「それで、どうだったの?」
聖來「結局、意識も戻らないし、身元もわからない」
優「そうなんだ……」
亜里沙「本当に何もわからないの?」
聖來「うん。警察の人が捜索願とかも見てくれたんだけど、なんにも」
亜里沙「変な話ね……」
優「ねぇ、聖來ちゃん」
聖來「なに?」
優「誰なら、その人のこと知ってそう?」
聖來「うーん、私と優ちゃんを除くと……あっ」
亜里沙「心当たりが?」
聖來「あの子なら知ってるかも」
根高公園・ドッグラン
優「お仕事が忙しいのにごめんねー」
聖來「ううん、大丈夫、気にしなくていいよー」
亜里沙「それで、どうだったの?」
聖來「結局、意識も戻らないし、身元もわからない」
優「そうなんだ……」
亜里沙「本当に何もわからないの?」
聖來「うん。警察の人が捜索願とかも見てくれたんだけど、なんにも」
亜里沙「変な話ね……」
優「ねぇ、聖來ちゃん」
聖來「なに?」
優「誰なら、その人のこと知ってそう?」
聖來「うーん、私と優ちゃんを除くと……あっ」
亜里沙「心当たりが?」
聖來「あの子なら知ってるかも」
79: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:52:52.84 ID:/DHBZG2j0
太田優・32
根高公園・南地区
優「あの子だったはず」
亜里沙「あの、ベンチでパンを食べてる子?」
優「うん」
亜里沙「二人いるけど、どっち?」
優「ライラちゃんは、外国人の方。もう一人は、おおはらベーカリーの娘さん」
亜里沙「まぁ♪お礼をしないと」
優「そうだねー、みちるちゃーん、ライラちゃーん」
ライラ「こんにちは、です」
大原みちる「フゴフゴ、ゴックン、こんにちは!」
ライラ
S大学付属高校の高校生。遠い祖国を離れ、一人で日本で学んでいる褐色の少女。
大原みちる
おおはらベーカリーの娘さん。パンが大好き、いくらでも食べるほど。
優「こんにちはー」
亜里沙「こんにちは!」
みちる「いやー、いい天気ですね、お姉さんたちもパンをいかがでしょうか?」
ライラ「おいしーです」
優「いっぱいあるねぇ。今朝の焼きたて?」
みちる「モグモグ、もちろんです。さぁ、どうぞ!」
亜里沙「いただきます、みちるちゃん……でも、フランスパン丸々一つはいらないかなぁ」
みちる「丸かじりするとおいしいですよ!えっと、どなたでしたっけ?」
優「紹介するねぇ、亜里沙ちゃん」
亜里沙「持田亜里沙です。よろしくね」
優「来年から小学校の先生なんだよー」
ライラ「そーでございますか。ライラさんは、いいと思うです」
亜里沙「ありがとう。それでね、聞いてもいいかな?」
根高公園・南地区
優「あの子だったはず」
亜里沙「あの、ベンチでパンを食べてる子?」
優「うん」
亜里沙「二人いるけど、どっち?」
優「ライラちゃんは、外国人の方。もう一人は、おおはらベーカリーの娘さん」
亜里沙「まぁ♪お礼をしないと」
優「そうだねー、みちるちゃーん、ライラちゃーん」
ライラ「こんにちは、です」
大原みちる「フゴフゴ、ゴックン、こんにちは!」
ライラ
S大学付属高校の高校生。遠い祖国を離れ、一人で日本で学んでいる褐色の少女。
大原みちる
おおはらベーカリーの娘さん。パンが大好き、いくらでも食べるほど。
優「こんにちはー」
亜里沙「こんにちは!」
みちる「いやー、いい天気ですね、お姉さんたちもパンをいかがでしょうか?」
ライラ「おいしーです」
優「いっぱいあるねぇ。今朝の焼きたて?」
みちる「モグモグ、もちろんです。さぁ、どうぞ!」
亜里沙「いただきます、みちるちゃん……でも、フランスパン丸々一つはいらないかなぁ」
みちる「丸かじりするとおいしいですよ!えっと、どなたでしたっけ?」
優「紹介するねぇ、亜里沙ちゃん」
亜里沙「持田亜里沙です。よろしくね」
優「来年から小学校の先生なんだよー」
ライラ「そーでございますか。ライラさんは、いいと思うです」
亜里沙「ありがとう。それでね、聞いてもいいかな?」
80: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:53:45.10 ID:/DHBZG2j0
ライラ「なんでございますか?」
優「この人、知ってるかなぁ?」
みちる「おじさんですね」
ライラ「この人は……」
優「知ってる?」
ライラ「見たことないでございます」
亜里沙「やっぱり知らないのね……」
みちる「この人を探してるんですか?」
優「ううん、この人は見つかってるの」
亜里沙「この人が誰かを知りたいの」
ライラ「聞けばいいと思うです」
優「聞けないの、意識がなくて」
みちる「……モグモグ」
ライラ「それは悲しいでございますね」
優「それじゃあ、この公園のウワサを聞かない?」
ライラ「ウワサですか?」
亜里沙「この公園、何かがなくなってない?」
みちる「銅像とか、はなくなってませんね」
ライラ「……あの」
優「なに?」
ライラ「ここ最近、見てない人がいるであります」
亜里沙「どなたがいないの?」
ライラ「名前はわからないでございます。この公園にいた、人であります」
亜里沙「言葉は悪いけど、ホームレス?」
ライラ「そういうのでございますね」
優「この人、知ってるかなぁ?」
みちる「おじさんですね」
ライラ「この人は……」
優「知ってる?」
ライラ「見たことないでございます」
亜里沙「やっぱり知らないのね……」
みちる「この人を探してるんですか?」
優「ううん、この人は見つかってるの」
亜里沙「この人が誰かを知りたいの」
ライラ「聞けばいいと思うです」
優「聞けないの、意識がなくて」
みちる「……モグモグ」
ライラ「それは悲しいでございますね」
優「それじゃあ、この公園のウワサを聞かない?」
ライラ「ウワサですか?」
亜里沙「この公園、何かがなくなってない?」
みちる「銅像とか、はなくなってませんね」
ライラ「……あの」
優「なに?」
ライラ「ここ最近、見てない人がいるであります」
亜里沙「どなたがいないの?」
ライラ「名前はわからないでございます。この公園にいた、人であります」
亜里沙「言葉は悪いけど、ホームレス?」
ライラ「そういうのでございますね」
81: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:54:47.27 ID:/DHBZG2j0
優「人が消える……」
みちる「物騒ですね」
亜里沙「でも、事件性になってないわよね?」
みちる「平和です。ハトもいっぱい」
ライラ「そうでございます。パンをおすそわけしましょう」
みちる「ほらー、美味しいパンですよ……あれ?」
優「どうしたの?」
ライラ「……これしかいなかったでございますか?」
みちる「物騒ですね」
亜里沙「でも、事件性になってないわよね?」
みちる「平和です。ハトもいっぱい」
ライラ「そうでございます。パンをおすそわけしましょう」
みちる「ほらー、美味しいパンですよ……あれ?」
優「どうしたの?」
ライラ「……これしかいなかったでございますか?」
82: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:55:29.62 ID:/DHBZG2j0
太田優・33
根高公園・河川敷
優「亜里沙ちゃん、コーヒー買ってきたよぉ」
亜里沙「ありがと。優ちゃんも座る?」
優「うん」
亜里沙「……平和そうなのにね」
優「そうだね……」
亜里沙「でも、この公園から何かが消えてる」
優「名もない動物たちと」
亜里沙「誰にも心配されない人たち」
優「……ねぇ、亜里沙ちゃん」
亜里沙「どうしたの?」
優「あたし、そんなの、イヤ」
亜里沙「……」
優「だってぇ、今まで誰も気づかなかった」
亜里沙「そうね……」
優「何が起こってるかわからないけど……明らかに狙ってるもん」
亜里沙「……」
優「アッキーとかわんこも狙われちゃうのかな……」
亜里沙「大丈夫よ、見ていれば」
優「うん……」
亜里沙「でも……もしかしたら、今も誰にも心配されないで、誰にも気づかれないで、静かに消えていってるのかも」
優「それでいいの?」
亜里沙「いいえ、違う」
優「何が、起こってるんだろ……」
亜里沙「……優ちゃん、聞いていい?」
優「うん」
亜里沙「もし……犯人がいるとしたら、目的は何かな」
優「……その人と動物に思い入れはないと思うかな」
亜里沙「恨みじゃない、のかな」
優「怖いね……」
亜里沙「そうね……」
根高公園・河川敷
優「亜里沙ちゃん、コーヒー買ってきたよぉ」
亜里沙「ありがと。優ちゃんも座る?」
優「うん」
亜里沙「……平和そうなのにね」
優「そうだね……」
亜里沙「でも、この公園から何かが消えてる」
優「名もない動物たちと」
亜里沙「誰にも心配されない人たち」
優「……ねぇ、亜里沙ちゃん」
亜里沙「どうしたの?」
優「あたし、そんなの、イヤ」
亜里沙「……」
優「だってぇ、今まで誰も気づかなかった」
亜里沙「そうね……」
優「何が起こってるかわからないけど……明らかに狙ってるもん」
亜里沙「……」
優「アッキーとかわんこも狙われちゃうのかな……」
亜里沙「大丈夫よ、見ていれば」
優「うん……」
亜里沙「でも……もしかしたら、今も誰にも心配されないで、誰にも気づかれないで、静かに消えていってるのかも」
優「それでいいの?」
亜里沙「いいえ、違う」
優「何が、起こってるんだろ……」
亜里沙「……優ちゃん、聞いていい?」
優「うん」
亜里沙「もし……犯人がいるとしたら、目的は何かな」
優「……その人と動物に思い入れはないと思うかな」
亜里沙「恨みじゃない、のかな」
優「怖いね……」
亜里沙「そうね……」
83: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 20:56:57.65 ID:/DHBZG2j0
多田李衣菜・15
根高公園・河川敷
プルルルル……
李衣菜「ごめん、なつきち!」
李衣菜「うん、明日でも大丈夫?」
李衣菜「ありがと」
李衣菜「なんでもないって!またね」ピッ
李衣菜「……よし、聞こう」
李衣菜「あの二人でいいかな」
李衣菜「あ、あの……」
優「こんにちはー。なーにぃ?」
李衣菜「聞きたいことがあるんです!」
亜里沙「何かな?」
李衣菜「服部瞳子さんを知りませんか?」
根高公園・河川敷
プルルルル……
李衣菜「ごめん、なつきち!」
李衣菜「うん、明日でも大丈夫?」
李衣菜「ありがと」
李衣菜「なんでもないって!またね」ピッ
李衣菜「……よし、聞こう」
李衣菜「あの二人でいいかな」
李衣菜「あ、あの……」
優「こんにちはー。なーにぃ?」
李衣菜「聞きたいことがあるんです!」
亜里沙「何かな?」
李衣菜「服部瞳子さんを知りませんか?」
84: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:11:26.45 ID:/DHBZG2j0
公園の花・1
根高公園・河川敷
亜里沙「ハットリトウコさん?」
李衣菜「はい、瞳と子供の子で瞳子さんです」
亜里沙「私は知らないな、優ちゃんは知ってる?」
優「ごめんねー、わたしも知らない」
李衣菜「明け方にここによくいる人なんです、知りませんか?」
優「朝はあんまり来ないからぁ……」
李衣菜「……そうですか、他の人に当たってみます」
亜里沙「待って。その、服部さんをなんで探してるの?」
李衣菜「連絡先を知らなくて……」
優「どこに来るかはわかるの?」
李衣菜「毎朝ここに来てて、昨日来る約束をしてたけど」
亜里沙「来なかった」
李衣菜「……はい」
優「ねぇ、それって」
亜里沙「消えたってこと?」
李衣菜「消えた?」
優「調べてみるね」
亜里沙「ええ。日野巡査を呼んでみましょう」
李衣菜「あの、協力してくれるんですか?」
優「うん、任せておいて!」
李衣菜「ありがとうございます!」
亜里沙「亜季ちゃんに電話してみるね」
根高公園・河川敷
亜里沙「ハットリトウコさん?」
李衣菜「はい、瞳と子供の子で瞳子さんです」
亜里沙「私は知らないな、優ちゃんは知ってる?」
優「ごめんねー、わたしも知らない」
李衣菜「明け方にここによくいる人なんです、知りませんか?」
優「朝はあんまり来ないからぁ……」
李衣菜「……そうですか、他の人に当たってみます」
亜里沙「待って。その、服部さんをなんで探してるの?」
李衣菜「連絡先を知らなくて……」
優「どこに来るかはわかるの?」
李衣菜「毎朝ここに来てて、昨日来る約束をしてたけど」
亜里沙「来なかった」
李衣菜「……はい」
優「ねぇ、それって」
亜里沙「消えたってこと?」
李衣菜「消えた?」
優「調べてみるね」
亜里沙「ええ。日野巡査を呼んでみましょう」
李衣菜「あの、協力してくれるんですか?」
優「うん、任せておいて!」
李衣菜「ありがとうございます!」
亜里沙「亜季ちゃんに電話してみるね」
85: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:12:32.49 ID:/DHBZG2j0
公園の花・2
根高公園・河川敷
李衣菜「人が消えてる……?」
優「うん。ほとんどがホームレスの人たち」
亜里沙「名前がわかった人は初めてなの」
李衣菜「瞳子さんも……誰かに連れ去られた?」
優「わかんない」
亜里沙「でも、名前がわかったから次に進みやすいと思うの」
亜季「優殿、亜里沙殿!」
優「亜季ちゃん、こっちこっち」
亜季「お待たせしたであります」
優「紹介するね、多田李衣菜ちゃん。服部瞳子さんを探してるの」
李衣菜「多田李衣案です」
亜季「大和亜季であります」
亜里沙「亜季ちゃん、日野巡査は?」
亜季「今日は交番から離れられないそうであります。日曜日ですので」
優「それじゃ、李衣菜ちゃんを連れて行ってもらえる?」
亜季「了解であります」
李衣菜「お願いします」
亜季「ええ。こちらへ」
亜里沙「いってらっしゃい」
優「あたしたちは瞳子さんのことを聞いてみるね」
根高公園・河川敷
李衣菜「人が消えてる……?」
優「うん。ほとんどがホームレスの人たち」
亜里沙「名前がわかった人は初めてなの」
李衣菜「瞳子さんも……誰かに連れ去られた?」
優「わかんない」
亜里沙「でも、名前がわかったから次に進みやすいと思うの」
亜季「優殿、亜里沙殿!」
優「亜季ちゃん、こっちこっち」
亜季「お待たせしたであります」
優「紹介するね、多田李衣菜ちゃん。服部瞳子さんを探してるの」
李衣菜「多田李衣案です」
亜季「大和亜季であります」
亜里沙「亜季ちゃん、日野巡査は?」
亜季「今日は交番から離れられないそうであります。日曜日ですので」
優「それじゃ、李衣菜ちゃんを連れて行ってもらえる?」
亜季「了解であります」
李衣菜「お願いします」
亜季「ええ。こちらへ」
亜里沙「いってらっしゃい」
優「あたしたちは瞳子さんのことを聞いてみるね」
86: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:14:05.88 ID:/DHBZG2j0
公園の花・3
根高公園・河川敷
柑奈「服部瞳子さん、ですか?」
優「うん、柑奈ちゃんは何か知ってる?」
柑奈「服部瞳子、服部瞳子……」
亜里沙「早朝に来てるらしいの」
柑奈「早朝はどれくらいですか?」
優「夜明け前くらい」
柑奈「そこまで早いとわかりませんね。なんで、そんな人を探しているのですか?」
優「この公園でね、人と動物が消えてるの」
柑奈「……どういうことです?」
亜里沙「身寄りがない人だったり、ペットじゃない生物を狙ってるの。気づいてない?」
柑奈「そうですか……そんな変化が」
優「だから、知ってることを教えて。気になってることを何でも」
柑奈「徐々に消えていく。だけど、心配はありません」
亜里沙「心配はない?」
柑奈「ならば、つなぎましょう、愛の輪を。奪われないように」
優「つなぐ?」
柑奈「ええ。強固につながった魂は奪われたりしません。ね?」
亜里沙「……確かにそうかもね。消えてるのは、誰とも繋がりがないからかも」
柑奈「ということで、私の歌を聞いていきませんか?」
優「うーん。それだと、服部瞳子さんは違うような気がするなぁ」
柑奈「どういうことですか?」
優「だって、李衣菜ちゃんは本気で心配して探してたよ?」
亜里沙「そうね」
柑奈「なら、違うとか」
根高公園・河川敷
柑奈「服部瞳子さん、ですか?」
優「うん、柑奈ちゃんは何か知ってる?」
柑奈「服部瞳子、服部瞳子……」
亜里沙「早朝に来てるらしいの」
柑奈「早朝はどれくらいですか?」
優「夜明け前くらい」
柑奈「そこまで早いとわかりませんね。なんで、そんな人を探しているのですか?」
優「この公園でね、人と動物が消えてるの」
柑奈「……どういうことです?」
亜里沙「身寄りがない人だったり、ペットじゃない生物を狙ってるの。気づいてない?」
柑奈「そうですか……そんな変化が」
優「だから、知ってることを教えて。気になってることを何でも」
柑奈「徐々に消えていく。だけど、心配はありません」
亜里沙「心配はない?」
柑奈「ならば、つなぎましょう、愛の輪を。奪われないように」
優「つなぐ?」
柑奈「ええ。強固につながった魂は奪われたりしません。ね?」
亜里沙「……確かにそうかもね。消えてるのは、誰とも繋がりがないからかも」
柑奈「ということで、私の歌を聞いていきませんか?」
優「うーん。それだと、服部瞳子さんは違うような気がするなぁ」
柑奈「どういうことですか?」
優「だって、李衣菜ちゃんは本気で心配して探してたよ?」
亜里沙「そうね」
柑奈「なら、違うとか」
88: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:15:18.07 ID:/DHBZG2j0
亜里沙「違う、どういう意味かな?」
柑奈「例えば、ですけど。その人、早朝にしかいないんですよね?」
優「うん」
柑奈「犯行を見てしまった、とか?」
亜里沙「可能性は無きにしも非ず、ってとこかしら」
優「見られたから、消された?」
亜里沙「ドラマみたい」
柑奈「あの、閃いたことを言ってるだけですからね?」
優「ありがと。他に知ってること、ない?」
柑奈「そうですね……そういえば」
亜里沙「なにか心当たりが?」
柑奈「小さい女の子を連れた、二十歳ぐらいの女の人が私の歌を聞いてました」
優「うん。その人がどうしたの?」
柑奈「すごく真剣な……違います、複雑な表情で聞いてたので覚えてます」
亜里沙「複雑な表情ね」
柑奈「歌の後に聞いたんです、どうかしましたか、って」
優「なんて言ってたの?」
柑奈「いや、なんでもないさ、としか」
亜里沙「そう……」
柑奈「たぶんですけど。音楽の道を諦めたような気がします」
優「なんで?」
柑奈「手が動いてました。ギターかベースかはわかりませんけど」
亜里沙「ふーん。他に何かあるかな?」
柑奈「いいえ、特には」
優「ありがとー」
柑奈「つないでみます。次が起こらぬように」
亜里沙「お願いね」
柑奈「例えば、ですけど。その人、早朝にしかいないんですよね?」
優「うん」
柑奈「犯行を見てしまった、とか?」
亜里沙「可能性は無きにしも非ず、ってとこかしら」
優「見られたから、消された?」
亜里沙「ドラマみたい」
柑奈「あの、閃いたことを言ってるだけですからね?」
優「ありがと。他に知ってること、ない?」
柑奈「そうですね……そういえば」
亜里沙「なにか心当たりが?」
柑奈「小さい女の子を連れた、二十歳ぐらいの女の人が私の歌を聞いてました」
優「うん。その人がどうしたの?」
柑奈「すごく真剣な……違います、複雑な表情で聞いてたので覚えてます」
亜里沙「複雑な表情ね」
柑奈「歌の後に聞いたんです、どうかしましたか、って」
優「なんて言ってたの?」
柑奈「いや、なんでもないさ、としか」
亜里沙「そう……」
柑奈「たぶんですけど。音楽の道を諦めたような気がします」
優「なんで?」
柑奈「手が動いてました。ギターかベースかはわかりませんけど」
亜里沙「ふーん。他に何かあるかな?」
柑奈「いいえ、特には」
優「ありがとー」
柑奈「つないでみます。次が起こらぬように」
亜里沙「お願いね」
90: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:17:16.05 ID:/DHBZG2j0
公園の花・4
根高公園・北地区
優「ここは花があんまりないねぇー」
亜里沙「あそこにあるのは藤棚みたい」
優「季節っていつだっけぇ?」
亜里沙「春だったかなぁ?」
優「この花壇とかいつごろ出来たっけ?」
亜里沙「看板があるわね、なになに、5年前ね」
優「この看板、ボロボロだねー」
亜里沙「管理会社が変わっちゃって、放置してるのも多いみたい」
優「へぇ、個人の寄付で作られてるんだ」
亜里沙「きちんと設計したみたいで、この花壇は管理会社が変わってもよく咲いてるんだって」
優「そうなんだぁ。この花壇の見ごろも、春」
亜里沙「春になったら来てみましょう」
優「来年には卒業しちゃうよ?」
亜里沙「大丈夫、ここには来れるもの」
優「そうだねぇ」
亜里沙「ええ」
優「なら、来れなくなる理由ってなんだろ?」
亜里沙「うーん、遠くにいるとか」
優「約束したのに?」
亜里沙「来れなくなった理由……風邪とか」
優「そうかもねぇ」
亜里沙「亜季ちゃんの方はどうなったかしら?」
優「交番に行ってみよっか。公園に知ってる人はいないみたいだし」
根高公園・北地区
優「ここは花があんまりないねぇー」
亜里沙「あそこにあるのは藤棚みたい」
優「季節っていつだっけぇ?」
亜里沙「春だったかなぁ?」
優「この花壇とかいつごろ出来たっけ?」
亜里沙「看板があるわね、なになに、5年前ね」
優「この看板、ボロボロだねー」
亜里沙「管理会社が変わっちゃって、放置してるのも多いみたい」
優「へぇ、個人の寄付で作られてるんだ」
亜里沙「きちんと設計したみたいで、この花壇は管理会社が変わってもよく咲いてるんだって」
優「そうなんだぁ。この花壇の見ごろも、春」
亜里沙「春になったら来てみましょう」
優「来年には卒業しちゃうよ?」
亜里沙「大丈夫、ここには来れるもの」
優「そうだねぇ」
亜里沙「ええ」
優「なら、来れなくなる理由ってなんだろ?」
亜里沙「うーん、遠くにいるとか」
優「約束したのに?」
亜里沙「来れなくなった理由……風邪とか」
優「そうかもねぇ」
亜里沙「亜季ちゃんの方はどうなったかしら?」
優「交番に行ってみよっか。公園に知ってる人はいないみたいだし」
91: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:18:28.55 ID:/DHBZG2j0
公園の花・5
交番・日野茜の勤務先
優「李衣菜ちゃん、どう?」
李衣菜「それが……」
亜里沙「どうしたの?亜季ちゃんまでパソコンの前で難しい顔して」
亜季「おかしいでありますなぁ」
茜「こんにちは!お茶を淹れましたので、一息つきましょう!お二人さんにも湯呑をもってきます!」
優「ありがと、巡査さん」
茜「いえいえ!どうぞ、適当なところにおかけください!」
亜里沙「それじゃ、失礼して、っと」
優「それで、どうなったの?」
李衣菜「それが、変なんです」
亜季「うーむ、やはりありませんな」カチカチ
茜「ちょっとリラックスしましょう!報告はそれからです!」
亜季「そうでありますな、お茶をいただくであります」
李衣菜「……いただきます」
交番・日野茜の勤務先
優「李衣菜ちゃん、どう?」
李衣菜「それが……」
亜里沙「どうしたの?亜季ちゃんまでパソコンの前で難しい顔して」
亜季「おかしいでありますなぁ」
茜「こんにちは!お茶を淹れましたので、一息つきましょう!お二人さんにも湯呑をもってきます!」
優「ありがと、巡査さん」
茜「いえいえ!どうぞ、適当なところにおかけください!」
亜里沙「それじゃ、失礼して、っと」
優「それで、どうなったの?」
李衣菜「それが、変なんです」
亜季「うーむ、やはりありませんな」カチカチ
茜「ちょっとリラックスしましょう!報告はそれからです!」
亜季「そうでありますな、お茶をいただくであります」
李衣菜「……いただきます」
92: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:20:29.23 ID:/DHBZG2j0
公園の花・6
交番
優「いない……?」
茜「結論から言うと、服部瞳子さんはこの近くにいません」
李衣菜「……」
亜里沙「ごめんなさい、意味がわからないから教えて?」
亜季「教えるも何もその通りなのであります」
優「何を調べたの?」
茜「まずは住所録と役所の利用履歴です。この近くにはいませんでした」
亜里沙「別の場所から来てたとか?」
李衣菜「あの時間に、来れないと思う」
優「そっか、じゃあ、近くにいるんだ」
亜季「ええ。そう思ったのでありますが……」
茜「いませんでした」
李衣菜「……」
優「亜季ちゃんは何を調べてるの?警察の資料?」
亜季「それはさすがにダメであります」
亜里沙「捜索願は?」
茜「該当者はいません」
亜季「私はインターネット検索をしてるであります」
優「なんでぇ?」
交番
優「いない……?」
茜「結論から言うと、服部瞳子さんはこの近くにいません」
李衣菜「……」
亜里沙「ごめんなさい、意味がわからないから教えて?」
亜季「教えるも何もその通りなのであります」
優「何を調べたの?」
茜「まずは住所録と役所の利用履歴です。この近くにはいませんでした」
亜里沙「別の場所から来てたとか?」
李衣菜「あの時間に、来れないと思う」
優「そっか、じゃあ、近くにいるんだ」
亜季「ええ。そう思ったのでありますが……」
茜「いませんでした」
李衣菜「……」
優「亜季ちゃんは何を調べてるの?警察の資料?」
亜季「それはさすがにダメであります」
亜里沙「捜索願は?」
茜「該当者はいません」
亜季「私はインターネット検索をしてるであります」
優「なんでぇ?」
93: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:21:53.98 ID:/DHBZG2j0
亜季「李衣菜殿のお話によると、歌手として活動していたそうであります」
亜里沙「歌手?」
李衣菜「はい、そう言ってて」
亜季「それで調べてるのでありますが……」
茜「こっちも出てこないです。本名以外で活動していたと思います」
亜季「特に情報として当たるものはありません。探し方があまい可能性はありますが」
李衣菜「瞳子さん、長く活動してたわけじゃないみたいだから……」
優「あんまり有名じゃない、ってこと?」
李衣菜「……はい」
亜里沙「有名になれるのは一握りだもの。でも、確かにいた」
優「何か他に言ってたことはないの?」
李衣菜「歌手の仕事続けたかったんじゃないかなぁ。でも、今は別の仕事をしてるらしくて」
茜「早朝に仕事があるとの話でして、花屋や市場に連絡しました」
亜季「まぁ、結果は芳しくなかったであります」
李衣菜「お花に関わる仕事をしてるって言ってたのに……」
茜「現状はそのようなところです」
李衣菜「どこにいるんだろ……瞳子さん」
亜里沙「住んでないけど、近くにいる、としたらどんな所かしら」
亜里沙「歌手?」
李衣菜「はい、そう言ってて」
亜季「それで調べてるのでありますが……」
茜「こっちも出てこないです。本名以外で活動していたと思います」
亜季「特に情報として当たるものはありません。探し方があまい可能性はありますが」
李衣菜「瞳子さん、長く活動してたわけじゃないみたいだから……」
優「あんまり有名じゃない、ってこと?」
李衣菜「……はい」
亜里沙「有名になれるのは一握りだもの。でも、確かにいた」
優「何か他に言ってたことはないの?」
李衣菜「歌手の仕事続けたかったんじゃないかなぁ。でも、今は別の仕事をしてるらしくて」
茜「早朝に仕事があるとの話でして、花屋や市場に連絡しました」
亜季「まぁ、結果は芳しくなかったであります」
李衣菜「お花に関わる仕事をしてるって言ってたのに……」
茜「現状はそのようなところです」
李衣菜「どこにいるんだろ……瞳子さん」
亜里沙「住んでないけど、近くにいる、としたらどんな所かしら」
94: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:23:29.69 ID:/DHBZG2j0
亜季「ホテルとかでありますか?」
茜「お金がかかりすぎます。親戚の家はいかがでしょうか」
優「その服部瞳子さん、って背の高い美人さんなんだよねぇ?」
李衣菜「はい、綺麗な人です」
優「歌手をやってたくらいなんでしょー?誰か見たことあってもおかしくないのに」
茜「うーむ、確かに話は聞きません」
亜季「あまり出歩かない人なのかもしれませんな」
李衣菜「出歩かないような所?」
亜里沙「それでいて、長期に滞在できるところ」
亜季「朝早起きできるような環境」
茜「そんなところはこの周辺にありますか?」
優「うーん……」
李衣菜「うーん」
優「あっ!」
亜季「どうしたでありますか?」
優「お願い、地図を見せてー」
茜「これです。ここが根高公園です」
優「ここは?」
亜里沙「病院!」
茜「お金がかかりすぎます。親戚の家はいかがでしょうか」
優「その服部瞳子さん、って背の高い美人さんなんだよねぇ?」
李衣菜「はい、綺麗な人です」
優「歌手をやってたくらいなんでしょー?誰か見たことあってもおかしくないのに」
茜「うーむ、確かに話は聞きません」
亜季「あまり出歩かない人なのかもしれませんな」
李衣菜「出歩かないような所?」
亜里沙「それでいて、長期に滞在できるところ」
亜季「朝早起きできるような環境」
茜「そんなところはこの周辺にありますか?」
優「うーん……」
李衣菜「うーん」
優「あっ!」
亜季「どうしたでありますか?」
優「お願い、地図を見せてー」
茜「これです。ここが根高公園です」
優「ここは?」
亜里沙「病院!」
95: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:24:40.69 ID:/DHBZG2j0
亜季「病院、入院患者でありますか!」
李衣菜「……時間って、そういうこと?起床時間前に抜け出してきたから?」
茜「わかりました!片っ端から電話をかけます!皆様はお待ちください!」
李衣菜「……時間って、そういうこと?起床時間前に抜け出してきたから?」
茜「わかりました!片っ端から電話をかけます!皆様はお待ちください!」
96: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:26:24.27 ID:/DHBZG2j0
公園の花・7
交番
李衣菜「……」
優「……」
亜里沙「……」
亜季「……」
茜「わかりました。お忙しいところ、ありがとうございました!」ガチャン
李衣菜「どうでしたか……?」
茜「いませんでした!服部瞳子さんという入院患者はいません」
優「これで近隣の病院は全部当たったね」
亜里沙「ええ……」
亜季「S大学付属病院と市立病院と赤十字にいなかった時点で予想はしていたであります」
李衣菜「名前が嘘だったのかなぁ……」
亜里沙「そう思う?」
李衣菜「……ううん、そんな人じゃない」
亜季「なら、本当であります」
亜里沙「私も信じていいと思うな」
茜「じゃあ、なんでいないのでしょう?」
優「……いないから?」
亜季「どういう意味でありますか?」
優「その、幽霊とか」
交番
李衣菜「……」
優「……」
亜里沙「……」
亜季「……」
茜「わかりました。お忙しいところ、ありがとうございました!」ガチャン
李衣菜「どうでしたか……?」
茜「いませんでした!服部瞳子さんという入院患者はいません」
優「これで近隣の病院は全部当たったね」
亜里沙「ええ……」
亜季「S大学付属病院と市立病院と赤十字にいなかった時点で予想はしていたであります」
李衣菜「名前が嘘だったのかなぁ……」
亜里沙「そう思う?」
李衣菜「……ううん、そんな人じゃない」
亜季「なら、本当であります」
亜里沙「私も信じていいと思うな」
茜「じゃあ、なんでいないのでしょう?」
優「……いないから?」
亜季「どういう意味でありますか?」
優「その、幽霊とか」
97: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:27:56.68 ID:/DHBZG2j0
公園の花・8
交番
李衣菜「幽霊……?」
茜「幽霊ですか……?」
亜季「否定が出来ないのが困るであります」
亜里沙「優ちゃんは、なんでそう思ったの?」
優「昨日、N高校の生徒が言ってたウワサがあってぇ」
亜里沙「花の下に死体があるって、ウワサ?」
優「うん。だから、なんとなく」
李衣菜「……そうとは、思わないです」
茜「信じられないというか、そうなると警察ではどうしようもありません!」
亜季「そうでありますな。餅屋は餅屋、であります」
亜里沙「餅は餅屋じゃないかしら……」
亜季「相談してみるであります。夜に根高公園に来てもらっても良いでありますか?」
李衣菜「夜ですか?」
亜季「はい。ちょっと諸事情あるであります」
李衣菜「わかりました」
茜「時間があれば引き続き調べておきます」
李衣菜「ありがとうございます」
優「お邪魔しましたー」
交番
李衣菜「幽霊……?」
茜「幽霊ですか……?」
亜季「否定が出来ないのが困るであります」
亜里沙「優ちゃんは、なんでそう思ったの?」
優「昨日、N高校の生徒が言ってたウワサがあってぇ」
亜里沙「花の下に死体があるって、ウワサ?」
優「うん。だから、なんとなく」
李衣菜「……そうとは、思わないです」
茜「信じられないというか、そうなると警察ではどうしようもありません!」
亜季「そうでありますな。餅屋は餅屋、であります」
亜里沙「餅は餅屋じゃないかしら……」
亜季「相談してみるであります。夜に根高公園に来てもらっても良いでありますか?」
李衣菜「夜ですか?」
亜季「はい。ちょっと諸事情あるであります」
李衣菜「わかりました」
茜「時間があれば引き続き調べておきます」
李衣菜「ありがとうございます」
優「お邪魔しましたー」
98: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:28:57.11 ID:/DHBZG2j0
公園の花・9
SWOW部室
夕方
恵磨「ただいまっ!」
久美子「ただいま」
時子「おかえりなさい。何か進展はあったかしら」
久美子「変な話は聞けたわ」
時子「変な話?」
恵磨「失語症の話、覚えてる?」
時子「ええ。それがどうかしたのかしら?」
久美子「ウワサどころか被害者も見つかったの」
時子「へぇ。被害者は?」
久美子「失語症になったのはうちの学生。聖書研究会所属のクリスチャン」
恵磨「失語症自体は、突然治ったらしいよ」
時子「フムン、的外れなウワサじゃなくて、事実に即したものだったのね」
恵磨「で、これからが重要なんだけど」
時子「そうでしょうね、私が調べろ、と言ったことは違うわ」
久美子「その人が、失語症になった場所は根高公園だって」
時子「何か関係はあるのかしらね」
恵磨「わかんない」
時子「調べればわかるでしょう」
久美子「優ちゃんからは連絡あった?」
時子「ええ。別の行方不明者が見つかったから、探しているらしいわ」
恵磨「その人は見つかりそう?」
時子「見つかるどころか、幽霊説まで出てたわよ」
久美子「……それは大変ね」
時子「結果は明日にでも聞きましょう」
久美子「何かが起こってることは間違いないものね」
SWOW部室
夕方
恵磨「ただいまっ!」
久美子「ただいま」
時子「おかえりなさい。何か進展はあったかしら」
久美子「変な話は聞けたわ」
時子「変な話?」
恵磨「失語症の話、覚えてる?」
時子「ええ。それがどうかしたのかしら?」
久美子「ウワサどころか被害者も見つかったの」
時子「へぇ。被害者は?」
久美子「失語症になったのはうちの学生。聖書研究会所属のクリスチャン」
恵磨「失語症自体は、突然治ったらしいよ」
時子「フムン、的外れなウワサじゃなくて、事実に即したものだったのね」
恵磨「で、これからが重要なんだけど」
時子「そうでしょうね、私が調べろ、と言ったことは違うわ」
久美子「その人が、失語症になった場所は根高公園だって」
時子「何か関係はあるのかしらね」
恵磨「わかんない」
時子「調べればわかるでしょう」
久美子「優ちゃんからは連絡あった?」
時子「ええ。別の行方不明者が見つかったから、探しているらしいわ」
恵磨「その人は見つかりそう?」
時子「見つかるどころか、幽霊説まで出てたわよ」
久美子「……それは大変ね」
時子「結果は明日にでも聞きましょう」
久美子「何かが起こってることは間違いないものね」
99: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:31:26.08 ID:/DHBZG2j0
公園の花・10
根高公園・河川敷
夜
亜季「来たでありますな」
優「あの子が裕美ちゃんなんだ」
関裕美「亜季さん!」
関裕美
吸血鬼。亜季と縁のある少女。オデコがチャーミングな14歳。
亜季「裕美殿、こんばんはであります」
裕美「こんばんは。えっと……」
亜季「紹介するであります。持田亜里沙殿と太田優殿であります」
亜里沙「こんばんは」
優「こんばんはー」
裕美「……」ジッ
優「あたしに何かついてる?」
裕美「あの、亜季さん」
亜季「なんでありますか?」
裕美「……えっと」
亜季「どうしたでありますか?」
裕美「ううん、なんでもない。そう、芳乃さんに来てもらったんだ。芳乃さん、こっち」
依田芳乃「失せものをお探しの方はどなたでしてー?」
依田芳乃
退魔師。和装の少女。特技は失せもの探し。
李衣菜「私です」
芳乃「悩みはありませんかー?」
李衣菜「えっ?」
芳乃「忘れてくださいー。何をお探しでしょうー?」
優「なんだか、ゆっくりとした子だねぇ」
亜季「常にこんな感じであります」
根高公園・河川敷
夜
亜季「来たでありますな」
優「あの子が裕美ちゃんなんだ」
関裕美「亜季さん!」
関裕美
吸血鬼。亜季と縁のある少女。オデコがチャーミングな14歳。
亜季「裕美殿、こんばんはであります」
裕美「こんばんは。えっと……」
亜季「紹介するであります。持田亜里沙殿と太田優殿であります」
亜里沙「こんばんは」
優「こんばんはー」
裕美「……」ジッ
優「あたしに何かついてる?」
裕美「あの、亜季さん」
亜季「なんでありますか?」
裕美「……えっと」
亜季「どうしたでありますか?」
裕美「ううん、なんでもない。そう、芳乃さんに来てもらったんだ。芳乃さん、こっち」
依田芳乃「失せものをお探しの方はどなたでしてー?」
依田芳乃
退魔師。和装の少女。特技は失せもの探し。
李衣菜「私です」
芳乃「悩みはありませんかー?」
李衣菜「えっ?」
芳乃「忘れてくださいー。何をお探しでしょうー?」
優「なんだか、ゆっくりとした子だねぇ」
亜季「常にこんな感じであります」
100: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:33:05.22 ID:/DHBZG2j0
李衣菜「人を探しているんです」
芳乃「どなたでしょうかー?」
李衣菜「服部瞳子さん、です」
芳乃「良い響ですー」
裕美「なにかわかる?」
芳乃「少しだけお待ちくださいー」
亜季「目をつぶったであります」
亜里沙「何かわかるのかしら?」
李衣菜「……」
芳乃「お待たせしましたー」パチッ
李衣菜「どうなんですか?」
芳乃「簡単には見つかりそうもないですー」
李衣菜「そうですか……」
亜季「……何故でありますか?」
芳乃「何も感じられないのでしてー」
優「何もない?」
芳乃「もしも、物の怪の類でしたらー見つかるのでありましてー」
裕美「それも、ないの?」
芳乃「ええー」
亜里沙「綺麗さっぱりいなくなってる……?」
芳乃「何かが大きく動いたように思えるのでしてー」
優「痕跡ごと連れ去られた?」
芳乃「ごめんなさいですー」
李衣菜「……でも、それなら」
亜季「それなら?」
李衣菜「生きてる可能性もあるってことだよね?」
優「うん、そうだね」
李衣菜「なら、探してみる」
芳乃「お気をつけくださいませー。加護を受けし者が力となってくれるでしょうー」
亜季「ええ」
裕美「亜季さん、この公園も見回ってみるね」
亜里沙「……あら?」
亜季「お願いするであります」
李衣菜「あの、明日からもよろしくお願いします!」
優「任せてー。明日の夜明け前はあたしも公園に行ってみるねぇ」
芳乃「どなたでしょうかー?」
李衣菜「服部瞳子さん、です」
芳乃「良い響ですー」
裕美「なにかわかる?」
芳乃「少しだけお待ちくださいー」
亜季「目をつぶったであります」
亜里沙「何かわかるのかしら?」
李衣菜「……」
芳乃「お待たせしましたー」パチッ
李衣菜「どうなんですか?」
芳乃「簡単には見つかりそうもないですー」
李衣菜「そうですか……」
亜季「……何故でありますか?」
芳乃「何も感じられないのでしてー」
優「何もない?」
芳乃「もしも、物の怪の類でしたらー見つかるのでありましてー」
裕美「それも、ないの?」
芳乃「ええー」
亜里沙「綺麗さっぱりいなくなってる……?」
芳乃「何かが大きく動いたように思えるのでしてー」
優「痕跡ごと連れ去られた?」
芳乃「ごめんなさいですー」
李衣菜「……でも、それなら」
亜季「それなら?」
李衣菜「生きてる可能性もあるってことだよね?」
優「うん、そうだね」
李衣菜「なら、探してみる」
芳乃「お気をつけくださいませー。加護を受けし者が力となってくれるでしょうー」
亜季「ええ」
裕美「亜季さん、この公園も見回ってみるね」
亜里沙「……あら?」
亜季「お願いするであります」
李衣菜「あの、明日からもよろしくお願いします!」
優「任せてー。明日の夜明け前はあたしも公園に行ってみるねぇ」
101: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:34:01.23 ID:/DHBZG2j0
公園の花・11
幕間
次は枯れない花になりたい。
いいえ、枯れてもいい。また、来年咲けるのならば。
花になれなくてもいい。
せめて、次の春に誰かを喜ばせられるものを残したい。
何も叶わなかったから、せめてあの子の夢がかなうと信じてる。
その気持ちだけは残したい。
幕間 了
幕間
次は枯れない花になりたい。
いいえ、枯れてもいい。また、来年咲けるのならば。
花になれなくてもいい。
せめて、次の春に誰かを喜ばせられるものを残したい。
何も叶わなかったから、せめてあの子の夢がかなうと信じてる。
その気持ちだけは残したい。
幕間 了
102: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:35:02.05 ID:/DHBZG2j0
公園の花・12
翌朝
太田優の自室
優「ふあああ、夜明け前だとやっぱり眠いねぇ」
アッキー「……」
優「アッキーも眠いよねぇ。あたし一人で行ってくるねぇ」
アッキー「……」トテトテ
優「もう、無理して起きなくていいのにー」
アッキー「くぅーん」
優「アッキーったら寂しがりなんだからぁ♪一緒に行こうねー」
アッキー「わん!」
翌朝
太田優の自室
優「ふあああ、夜明け前だとやっぱり眠いねぇ」
アッキー「……」
優「アッキーも眠いよねぇ。あたし一人で行ってくるねぇ」
アッキー「……」トテトテ
優「もう、無理して起きなくていいのにー」
アッキー「くぅーん」
優「アッキーったら寂しがりなんだからぁ♪一緒に行こうねー」
アッキー「わん!」
103: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:36:03.73 ID:/DHBZG2j0
公園の花・13
根高公園・河川敷
夜明け前
優「アッキー、誰もいないねぇー」
アッキー「……くぅん」
優「ちょっとお散歩する?遠くにいかないでねぇ」
アッキー「わん!」トテトテ
優「服部さん、いますかー?いないよねぇ」
アッキー「……」タッタッタ
優「ねぇ、アッキー……アッキー?」
優「あれ、アッキー、どこ?アッキー!」
優「あの子じゃ、そんなにすぐに遠くにいけないのに……アッキー、アッキー!」
根高公園・河川敷
夜明け前
優「アッキー、誰もいないねぇー」
アッキー「……くぅん」
優「ちょっとお散歩する?遠くにいかないでねぇ」
アッキー「わん!」トテトテ
優「服部さん、いますかー?いないよねぇ」
アッキー「……」タッタッタ
優「ねぇ、アッキー……アッキー?」
優「あれ、アッキー、どこ?アッキー!」
優「あの子じゃ、そんなにすぐに遠くにいけないのに……アッキー、アッキー!」
104: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:38:18.58 ID:/DHBZG2j0
公園の花・14
根高公園・河川敷
夜明け前
李衣菜「……今日もいないか」
李衣菜「あれ、なんだろ、これ」
李衣菜「黒い羽根?カラスかな……」
李衣菜「あれ、この子……優さんが写真見せてくれた犬だ」
李衣菜「倒れてる……?大丈夫?」
李衣菜「息苦しそう……なんでこんなところにいるんだろ?」
李衣菜「優さん、近くにいるのかな……」
根高公園・河川敷
夜明け前
李衣菜「……今日もいないか」
李衣菜「あれ、なんだろ、これ」
李衣菜「黒い羽根?カラスかな……」
李衣菜「あれ、この子……優さんが写真見せてくれた犬だ」
李衣菜「倒れてる……?大丈夫?」
李衣菜「息苦しそう……なんでこんなところにいるんだろ?」
李衣菜「優さん、近くにいるのかな……」
105: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:39:19.57 ID:/DHBZG2j0
公園の花・15
根高公園・河川敷
優「アッキー!アッキー!」
優「どうしよ……、アッキー、どこいったの!」
優「アッキー……」
李衣菜「優さん!」
優「わっ、びっくりした……アッキー!よかったぁ……」
李衣菜「あの、優さん……」
優「アッキー……?」
李衣菜「見つけた時からぐったりしてるんです」
優「アッキー、大丈夫……アッキー!」
李衣菜「……優さん」
優「アッキー、アッキーが……なんで」
李衣菜「人を呼びましょう、優さん!」
優「アッキー……」
李衣菜「うう、ショックが大きすぎてるかな。えっと、亜里沙さんでいいかな」
優「ごめんね、アッキー……あたしが目を離さなければ……」
李衣菜「もしもし!ごめんなさい!早く来てください!」
根高公園・河川敷
優「アッキー!アッキー!」
優「どうしよ……、アッキー、どこいったの!」
優「アッキー……」
李衣菜「優さん!」
優「わっ、びっくりした……アッキー!よかったぁ……」
李衣菜「あの、優さん……」
優「アッキー……?」
李衣菜「見つけた時からぐったりしてるんです」
優「アッキー、大丈夫……アッキー!」
李衣菜「……優さん」
優「アッキー、アッキーが……なんで」
李衣菜「人を呼びましょう、優さん!」
優「アッキー……」
李衣菜「うう、ショックが大きすぎてるかな。えっと、亜里沙さんでいいかな」
優「ごめんね、アッキー……あたしが目を離さなければ……」
李衣菜「もしもし!ごめんなさい!早く来てください!」
106: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:40:42.45 ID:/DHBZG2j0
公園の花・16
根高公園・河川敷
惠「優ちゃん!」タッタッタ
優「惠ちゃん……アッキーが……」
惠「ちょっと見せて……大丈夫よ、命には別状ないわ」
優「でもぉ……」
惠「大丈夫。あなた達は勝手に離れたりしないでしょう?」
優「……ううん、違う、あたしなんて」
惠「優ちゃん……?」
優「アッキー……」
惠「……」
李衣菜「あの」
惠「連絡してくれた、多田さんね。伊集院です」
李衣菜「多田李衣菜です」
惠「優ちゃんとアッキーは任せて」
李衣菜「お願いします」
惠「あなたは心配しなくていいわ」
李衣菜「なんだか、不気味で……」
惠「何がかしら?」
李衣菜「キツネとかに化かされてるんじゃないかって」
惠「……キツネに関しては否定しておくわ。そんな生易しいものじゃないの」
李衣菜「あと……これが落ちてました」
惠「大きな黒い羽根ね……何かしら……わかる?わからないわよね」
李衣菜「……アッキー元気になるといいですね」
惠「絶対に元気になるわよ……わかった、言っておくわ。多田さん?」
李衣菜「何ですか?」
惠「あなたが探している人は、幽霊ではないと思うわ。ちゃんと、どこかにいる人のはず」
李衣菜「え?」
惠「行くわ。優ちゃん、車まで走れる?」
優「……うん」
惠「急ぎましょう。またね」
李衣菜「連絡くださいね!」
李衣菜「……行っちゃった」
李衣菜「どこかにいる人か、瞳子さん……」
根高公園・河川敷
惠「優ちゃん!」タッタッタ
優「惠ちゃん……アッキーが……」
惠「ちょっと見せて……大丈夫よ、命には別状ないわ」
優「でもぉ……」
惠「大丈夫。あなた達は勝手に離れたりしないでしょう?」
優「……ううん、違う、あたしなんて」
惠「優ちゃん……?」
優「アッキー……」
惠「……」
李衣菜「あの」
惠「連絡してくれた、多田さんね。伊集院です」
李衣菜「多田李衣菜です」
惠「優ちゃんとアッキーは任せて」
李衣菜「お願いします」
惠「あなたは心配しなくていいわ」
李衣菜「なんだか、不気味で……」
惠「何がかしら?」
李衣菜「キツネとかに化かされてるんじゃないかって」
惠「……キツネに関しては否定しておくわ。そんな生易しいものじゃないの」
李衣菜「あと……これが落ちてました」
惠「大きな黒い羽根ね……何かしら……わかる?わからないわよね」
李衣菜「……アッキー元気になるといいですね」
惠「絶対に元気になるわよ……わかった、言っておくわ。多田さん?」
李衣菜「何ですか?」
惠「あなたが探している人は、幽霊ではないと思うわ。ちゃんと、どこかにいる人のはず」
李衣菜「え?」
惠「行くわ。優ちゃん、車まで走れる?」
優「……うん」
惠「急ぎましょう。またね」
李衣菜「連絡くださいね!」
李衣菜「……行っちゃった」
李衣菜「どこかにいる人か、瞳子さん……」
107: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:42:14.60 ID:/DHBZG2j0
公園の花・17
SWOW部室
優「大丈夫だからねぇ、アッキー……」ナデナデ
アッキー「ゥゥ……」
時子「優から説明させるのも酷ね。惠、状況を」
惠「アッキーの命に別状はないわ」
久美子「獣医さんの見解は?」
惠「理由不明。少なくとも体調の異常ではない」
恵磨「それじゃ、なんなの?」
惠「ストレスとか」
時子「かまい過ぎなところはあるけど、優がアッキーに過度なストレスを与えるとは思わないわ」
亜里沙「同感」
亜季「なら、なんでありますか?」
惠「わからないわ……状況もよくわからないし」
恵磨「急に姿が見えなくなって、李衣菜ちゃんがアッキーを見つけてきた」
久美子「河川敷で急に見えなくなるかしら?」
亜季「優殿が見てない隙というと、かなり短時間であります」
恵磨「うーん、いなくなったは置いとくとして、何があったん?」
亜里沙「それもよくわからないところね」
時子「何があったら、あの状態になるのかしらね」
惠「……さぁ」
恵磨「夜明け前の公園で何があるんだろ?」
惠「そういえば、多田さんがこれをくれたわ」
亜季「羽根でありますか?」
亜里沙「ん……?」
時子「黒い羽根のようね」
恵磨「なんだろ、カラス……じゃないよね」
久美子「アッキーについてたの?」
惠「そうみたい。何か、怪しいものだとは思うのだけど……」
SWOW部室
優「大丈夫だからねぇ、アッキー……」ナデナデ
アッキー「ゥゥ……」
時子「優から説明させるのも酷ね。惠、状況を」
惠「アッキーの命に別状はないわ」
久美子「獣医さんの見解は?」
惠「理由不明。少なくとも体調の異常ではない」
恵磨「それじゃ、なんなの?」
惠「ストレスとか」
時子「かまい過ぎなところはあるけど、優がアッキーに過度なストレスを与えるとは思わないわ」
亜里沙「同感」
亜季「なら、なんでありますか?」
惠「わからないわ……状況もよくわからないし」
恵磨「急に姿が見えなくなって、李衣菜ちゃんがアッキーを見つけてきた」
久美子「河川敷で急に見えなくなるかしら?」
亜季「優殿が見てない隙というと、かなり短時間であります」
恵磨「うーん、いなくなったは置いとくとして、何があったん?」
亜里沙「それもよくわからないところね」
時子「何があったら、あの状態になるのかしらね」
惠「……さぁ」
恵磨「夜明け前の公園で何があるんだろ?」
惠「そういえば、多田さんがこれをくれたわ」
亜季「羽根でありますか?」
亜里沙「ん……?」
時子「黒い羽根のようね」
恵磨「なんだろ、カラス……じゃないよね」
久美子「アッキーについてたの?」
惠「そうみたい。何か、怪しいものだとは思うのだけど……」
108: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:43:37.79 ID:/DHBZG2j0
亜里沙「ねぇ、惠ちゃん」
惠「何かしら?」
亜里沙「これ、鳥じゃないよね」
亜季「鳥じゃないなら、なんでありますか?」
亜里沙「それは……わからないけど」
優「……」
時子「優、大丈夫?」
優「……うん、アッキーは大丈夫」
時子「あなたもよ」
優「大丈夫、アッキーを助けないと」
久美子「ムリはダメよ」
優「ううん、大丈夫。あたしがやらないと」
惠「……」
時子「止めないわ。それで、何か案でも?」
優「……」
亜里沙「特にないのね……」
優「……アッキーがね」
恵磨「アッキーが?」
優「何か話しそうにしてるの……でもぉ」
亜季「アッキーの言葉は理解できないでありますな」
久美子「被害者に意識がなかったり、動物だったり、大変ね」
優「動物と話せる人なんて……いないもんね」
時子「……」
亜季「日野巡査から良い進展は聞けていませんし、さて……」
恵磨「どうしよっか」
惠「何かしら?」
亜里沙「これ、鳥じゃないよね」
亜季「鳥じゃないなら、なんでありますか?」
亜里沙「それは……わからないけど」
優「……」
時子「優、大丈夫?」
優「……うん、アッキーは大丈夫」
時子「あなたもよ」
優「大丈夫、アッキーを助けないと」
久美子「ムリはダメよ」
優「ううん、大丈夫。あたしがやらないと」
惠「……」
時子「止めないわ。それで、何か案でも?」
優「……」
亜里沙「特にないのね……」
優「……アッキーがね」
恵磨「アッキーが?」
優「何か話しそうにしてるの……でもぉ」
亜季「アッキーの言葉は理解できないでありますな」
久美子「被害者に意識がなかったり、動物だったり、大変ね」
優「動物と話せる人なんて……いないもんね」
時子「……」
亜季「日野巡査から良い進展は聞けていませんし、さて……」
恵磨「どうしよっか」
109: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:44:54.98 ID:/DHBZG2j0
時子「いるじゃない」
亜里沙「なに、時子ちゃん?」
時子「動物と話せればいいわけよね?」
優「……うん」
時子「呼ぶわよ」
恵磨「動物と話せる……え?響ちゃん?」
時子「我那覇響を呼べばいいんでしょう」
惠「……アイドルよね?」
時子「父親のツテでなんとかなるわよ」
久美子「でも、お父さんの力借りたくないんじゃ……」
時子「そんなのどうでもいいわ。優とアッキーが優先よ」
優「時子ちゃん……」
時子「連絡を取るわ。ちょっと待ってなさい」
亜里沙「なに、時子ちゃん?」
時子「動物と話せればいいわけよね?」
優「……うん」
時子「呼ぶわよ」
恵磨「動物と話せる……え?響ちゃん?」
時子「我那覇響を呼べばいいんでしょう」
惠「……アイドルよね?」
時子「父親のツテでなんとかなるわよ」
久美子「でも、お父さんの力借りたくないんじゃ……」
時子「そんなのどうでもいいわ。優とアッキーが優先よ」
優「時子ちゃん……」
時子「連絡を取るわ。ちょっと待ってなさい」
110: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:46:25.38 ID:/DHBZG2j0
公園の花・18
S大学付属高校・食堂
木村夏樹「よ、だりー」
木村夏樹
李衣菜の音楽仲間。来春に高校を卒業する。
李衣菜「なつきち」
夏樹「昨日は何があったんだ?」
李衣菜「ちょっと、うん」
夏樹「肝心なことを隠すよな、だりー」
李衣菜「そう?」
夏樹「そうそう。普段は正直なのにさ」
李衣菜「そうかなぁ……?」
夏樹「先週くらいは落ち込んでたのに、復活してるしさ」
李衣菜「気づいてたんだ」
夏樹「気づくって。よし、それじゃ練習すっか」
李衣菜「うんうん」
夏樹「そういえば、曲作るとか言ってたよな。あれ、どうなったんだ?」
李衣菜「あはは、それは……」
夏樹「ま、ある日ふとできたりするさ」
李衣菜「間に合うかなぁ」
夏樹「ん、発表するのか?」
李衣菜「なんでもない。さっさといこう!」
夏樹「……だりー、やっぱり何か隠してないか?」
李衣菜「もー、私にも一つや二つプライベートがあるの!」
夏樹「昨日もデートだったのか?」
李衣菜「違う!」
夏樹「冗談だって、せっかくの3連休中日だしさ」
李衣菜「……あっ、思い出した」
夏樹「どうした?」
李衣菜「今日って、何日?」
夏樹「9月23日、秋分の日だろ」
李衣菜「……まさか、そんなことないか」
夏樹「どうした?」
李衣菜「ううん、なんでもない」
夏樹「変な奴。さ、行こうぜ」
李衣菜「うん」
S大学付属高校・食堂
木村夏樹「よ、だりー」
木村夏樹
李衣菜の音楽仲間。来春に高校を卒業する。
李衣菜「なつきち」
夏樹「昨日は何があったんだ?」
李衣菜「ちょっと、うん」
夏樹「肝心なことを隠すよな、だりー」
李衣菜「そう?」
夏樹「そうそう。普段は正直なのにさ」
李衣菜「そうかなぁ……?」
夏樹「先週くらいは落ち込んでたのに、復活してるしさ」
李衣菜「気づいてたんだ」
夏樹「気づくって。よし、それじゃ練習すっか」
李衣菜「うんうん」
夏樹「そういえば、曲作るとか言ってたよな。あれ、どうなったんだ?」
李衣菜「あはは、それは……」
夏樹「ま、ある日ふとできたりするさ」
李衣菜「間に合うかなぁ」
夏樹「ん、発表するのか?」
李衣菜「なんでもない。さっさといこう!」
夏樹「……だりー、やっぱり何か隠してないか?」
李衣菜「もー、私にも一つや二つプライベートがあるの!」
夏樹「昨日もデートだったのか?」
李衣菜「違う!」
夏樹「冗談だって、せっかくの3連休中日だしさ」
李衣菜「……あっ、思い出した」
夏樹「どうした?」
李衣菜「今日って、何日?」
夏樹「9月23日、秋分の日だろ」
李衣菜「……まさか、そんなことないか」
夏樹「どうした?」
李衣菜「ううん、なんでもない」
夏樹「変な奴。さ、行こうぜ」
李衣菜「うん」
111: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:48:56.79 ID:/DHBZG2j0
公園の花・19
SWOW部室
時子「ここが部室よ」
響「はいさーい!」
恵磨「765プロのアイドルが本当に来た……」
久美子「連絡してから半日も経ってないわよ……」
惠「えっと、我那覇響さんですよね?」
響「うん。突然呼ばれてびっくりしたぞ」
亜里沙「どうやってきたの?」
響「えーっと、事務所に帰ってきたら社長に呼ばれて、降りて行ったらベンツが停まってて、それでここまで」
久美子「時子ちゃんが同行したんだよね?」
時子「そうよ」
響「自分、リムジンなんて初めてだったから落ち着かなかったさ」
亜里沙「うん、そうよね」
恵磨「サイン、もらっていいかな……」
時子「後になさい。とりあえず、お茶でも出すわ」
亜季「淹れるであります」
響「お茶もあとで」
久美子「話は聞いてる?」
響「うん、アッキーはどこ?」
時子「向こうよ」
響「お邪魔するぞ」
優「……あっ」
時子「我那覇響さんよ」
優「来てくれたんだ……」
響「困ってるなら放っておけないさ!」
優「……ありがとう。アッキー、何か話したがってると思うの」
響「うん、何か言いたげにしてる。傍に行っていい?」
優「どうぞ」
響「アッキー、こんにちは……」
惠「……話始めたけど」
亜季「本当に話してるのでありますか?」
時子「本人曰く話せるわ。話してもらえないと困る」
亜里沙「ええ、信じるわ」
響「……」
優「……何か、言ってる?」
響「もうちょっと待って」
SWOW部室
時子「ここが部室よ」
響「はいさーい!」
恵磨「765プロのアイドルが本当に来た……」
久美子「連絡してから半日も経ってないわよ……」
惠「えっと、我那覇響さんですよね?」
響「うん。突然呼ばれてびっくりしたぞ」
亜里沙「どうやってきたの?」
響「えーっと、事務所に帰ってきたら社長に呼ばれて、降りて行ったらベンツが停まってて、それでここまで」
久美子「時子ちゃんが同行したんだよね?」
時子「そうよ」
響「自分、リムジンなんて初めてだったから落ち着かなかったさ」
亜里沙「うん、そうよね」
恵磨「サイン、もらっていいかな……」
時子「後になさい。とりあえず、お茶でも出すわ」
亜季「淹れるであります」
響「お茶もあとで」
久美子「話は聞いてる?」
響「うん、アッキーはどこ?」
時子「向こうよ」
響「お邪魔するぞ」
優「……あっ」
時子「我那覇響さんよ」
優「来てくれたんだ……」
響「困ってるなら放っておけないさ!」
優「……ありがとう。アッキー、何か話したがってると思うの」
響「うん、何か言いたげにしてる。傍に行っていい?」
優「どうぞ」
響「アッキー、こんにちは……」
惠「……話始めたけど」
亜季「本当に話してるのでありますか?」
時子「本人曰く話せるわ。話してもらえないと困る」
亜里沙「ええ、信じるわ」
響「……」
優「……何か、言ってる?」
響「もうちょっと待って」
112: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:50:27.79 ID:/DHBZG2j0
公園の花・20
SWOW部室
恵磨「……話してる?」
惠「わからない……」
亜季「お茶入れたであります」
久美子「ありがと」
響「わかった。大丈夫だからな、アッキー」ナデナデ
時子「終わったようね」
優「どうだったの……?」
響「話せない」
亜季「なんと、キャラ造りでありましたか」
亜里沙「芸能界って大変ねぇ」
響「ちがーう!話せないのは自分じゃないさ!」
優「……どういう意味?」
響「話せないのは、アッキーの方」
久美子「話せない……?」
時子「フムン、お茶も入ったことだし、席に案内してあげて」
惠「ええ。響さん、こっちにどうぞ」
SWOW部室
恵磨「……話してる?」
惠「わからない……」
亜季「お茶入れたであります」
久美子「ありがと」
響「わかった。大丈夫だからな、アッキー」ナデナデ
時子「終わったようね」
優「どうだったの……?」
響「話せない」
亜季「なんと、キャラ造りでありましたか」
亜里沙「芸能界って大変ねぇ」
響「ちがーう!話せないのは自分じゃないさ!」
優「……どういう意味?」
響「話せないのは、アッキーの方」
久美子「話せない……?」
時子「フムン、お茶も入ったことだし、席に案内してあげて」
惠「ええ。響さん、こっちにどうぞ」
113: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:51:47.02 ID:/DHBZG2j0
公園の花・21
SWOW部室
優「……アッキーは話せない」
響「話したくても話せない、なんだろ……」
時子「ストレスかしら」
響「違うと思うさ。カットも毛並みも綺麗だし、飼い主さんが大切にしてるのが良くわかる」
惠「でしょうね。私たちが良く知ってるわ」
響「純粋に話せなくなってるから、こういうのは……なんていう言うんだっけ?」
恵磨「失語症?」
響「そう、それ!」
久美子「失語症、また根高公園ね」
響「でも、病気じゃない。ストレスとかじゃなくて……」
優「なら、なに?」
響「催眠術、強い暗示だと思う」
惠「……強い暗示」
亜季「強い暗示でありますか」
響「こんなことするなんて信じられないぞ」
時子「待って」
優「時子ちゃん、なに?」
SWOW部室
優「……アッキーは話せない」
響「話したくても話せない、なんだろ……」
時子「ストレスかしら」
響「違うと思うさ。カットも毛並みも綺麗だし、飼い主さんが大切にしてるのが良くわかる」
惠「でしょうね。私たちが良く知ってるわ」
響「純粋に話せなくなってるから、こういうのは……なんていう言うんだっけ?」
恵磨「失語症?」
響「そう、それ!」
久美子「失語症、また根高公園ね」
響「でも、病気じゃない。ストレスとかじゃなくて……」
優「なら、なに?」
響「催眠術、強い暗示だと思う」
惠「……強い暗示」
亜季「強い暗示でありますか」
響「こんなことするなんて信じられないぞ」
時子「待って」
優「時子ちゃん、なに?」
114: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:52:42.94 ID:/DHBZG2j0
時子「催眠術を知ってるわね?」
響「知ってるさ。前に撮影で見たぞ」
時子「どうやってたかしら」
響「ゆっくりと言葉をかけて……」
時子「ストップ。質問を変えるわ。アッキーは人の言葉を理解してる?」
響「たぶん、ある程度は通じてると思うけど……」
恵磨「あ、そういうことか!」
時子「催眠術でもなんでもいいわ。どうして、アッキーを対象にできるのかしら」
響「動物と話せないといけない……?」
亜里沙「なるほど」
亜季「もしくは、でありますが」
惠「亜季ちゃん」
亜季「……後にするであります」
時子「ありがとう、我那覇響」
響「お役に立てた?」
優「うん、ありがと」
時子「次の仕事があるんでしょう、送るわ」
響「お願いするさー。元気出すんだぞ、アッキーのお姉さん」
優「うん……」
響「知ってるさ。前に撮影で見たぞ」
時子「どうやってたかしら」
響「ゆっくりと言葉をかけて……」
時子「ストップ。質問を変えるわ。アッキーは人の言葉を理解してる?」
響「たぶん、ある程度は通じてると思うけど……」
恵磨「あ、そういうことか!」
時子「催眠術でもなんでもいいわ。どうして、アッキーを対象にできるのかしら」
響「動物と話せないといけない……?」
亜里沙「なるほど」
亜季「もしくは、でありますが」
惠「亜季ちゃん」
亜季「……後にするであります」
時子「ありがとう、我那覇響」
響「お役に立てた?」
優「うん、ありがと」
時子「次の仕事があるんでしょう、送るわ」
響「お願いするさー。元気出すんだぞ、アッキーのお姉さん」
優「うん……」
115: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:53:50.03 ID:/DHBZG2j0
公園の花・22
SWOW部室
時子「失語症ねぇ」
恵磨「動物まで失語症にさせられる存在か」
久美子「失語症だけど、前例だと突然治るらしい……」
優「……」
久美子「突然なんて信じないわよね。何かの方法で治ると思う」
恵磨「それも調べないとだよね」
時子「あとは暗示ね」
亜季「先ほど、裕美殿に聞いてみたでありますが」
亜里沙「寝てたでしょうにね」
亜季「そんな高度な暗示はかけられないらしいであります。いくらなんでも、言葉の通じない獣に対しては」
恵磨「吸血鬼でそれなら、他は?」
惠「……ムリでしょうね」
時子「動物と話せる人物は?」
優「……いないと思う」
惠「獣に暗示をかけられる存在か……」
亜季「……惠?」
惠「……ちょっと、出てくるわ」
亜里沙「どこに?」
惠「ずっと考えてるの。少しだけ、気になってることがあって」
亜季「何でありますか?」
惠「……今は聞かないで」
時子「信じるわ。行ってきなさい」
惠「ありがとう」
SWOW部室
時子「失語症ねぇ」
恵磨「動物まで失語症にさせられる存在か」
久美子「失語症だけど、前例だと突然治るらしい……」
優「……」
久美子「突然なんて信じないわよね。何かの方法で治ると思う」
恵磨「それも調べないとだよね」
時子「あとは暗示ね」
亜季「先ほど、裕美殿に聞いてみたでありますが」
亜里沙「寝てたでしょうにね」
亜季「そんな高度な暗示はかけられないらしいであります。いくらなんでも、言葉の通じない獣に対しては」
恵磨「吸血鬼でそれなら、他は?」
惠「……ムリでしょうね」
時子「動物と話せる人物は?」
優「……いないと思う」
惠「獣に暗示をかけられる存在か……」
亜季「……惠?」
惠「……ちょっと、出てくるわ」
亜里沙「どこに?」
惠「ずっと考えてるの。少しだけ、気になってることがあって」
亜季「何でありますか?」
惠「……今は聞かないで」
時子「信じるわ。行ってきなさい」
惠「ありがとう」
116: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:54:48.10 ID:/DHBZG2j0
優「犯人につながること……?」
惠「まったく見当はずれかもしれない。でも、可能性はある」
優「じゃあ、あたしもいく」
時子「優、あなたはダメよ」
優「なんで、じゃあ、あたしはどうしたらいいの!?」
久美子「優ちゃん……」
時子「……それでもダメよ」
優「あたしは、あたしは戦うの」
時子「だから、ダメよ。少なくとも落ち着きなさい」
亜季「……」
優「時子ちゃんのわからずや!」
時子「でも、出ていけないでしょう」
優「……わかってて聞いてるのは、ずるいよ」
時子「……」
亜里沙「優ちゃん、落ち着いて」
優「……落ち着いてる」
亜里沙「落ち着いてない」
優「……落ち着いてないといけないの」
亜里沙「……わかった。時子ちゃんもわかってる?」
時子「わかるわよ」
優「……」
時子「惠と行ってきなさい」
優「……いいの?」
亜里沙「アッキーも心配しないでね。見てるから」
優「うん」
惠「行きましょうか、その……」
亜季「……」
惠「優ちゃん、少しだけ覚悟して」
優「大丈夫、あたしは戦えるよ」
時子「……」
惠「まったく見当はずれかもしれない。でも、可能性はある」
優「じゃあ、あたしもいく」
時子「優、あなたはダメよ」
優「なんで、じゃあ、あたしはどうしたらいいの!?」
久美子「優ちゃん……」
時子「……それでもダメよ」
優「あたしは、あたしは戦うの」
時子「だから、ダメよ。少なくとも落ち着きなさい」
亜季「……」
優「時子ちゃんのわからずや!」
時子「でも、出ていけないでしょう」
優「……わかってて聞いてるのは、ずるいよ」
時子「……」
亜里沙「優ちゃん、落ち着いて」
優「……落ち着いてる」
亜里沙「落ち着いてない」
優「……落ち着いてないといけないの」
亜里沙「……わかった。時子ちゃんもわかってる?」
時子「わかるわよ」
優「……」
時子「惠と行ってきなさい」
優「……いいの?」
亜里沙「アッキーも心配しないでね。見てるから」
優「うん」
惠「行きましょうか、その……」
亜季「……」
惠「優ちゃん、少しだけ覚悟して」
優「大丈夫、あたしは戦えるよ」
時子「……」
117: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:55:47.84 ID:/DHBZG2j0
公園の花・23
SWOW部室
亜里沙「アッキーちゃん、よしよし」
恵磨「大丈夫かな?」
久美子「優ちゃんのこと?」
恵磨「うん」
亜里沙「優ちゃんもスイッチが入る時があるのね」
時子「常時お気楽だと思っていたけど、事態が事態のようね」
亜季「……」
時子「亜季、惠が言っていたことに心当たりは?」
亜季「おそらく、キツネの事件に関することだと思うでありますが……」
亜里沙「詳しくはわからないのね」
恵磨「失語症の話ともつながったね」
久美子「行方不明にならない場合は、失語症を患って発見される?」
時子「どうもそのようね」
亜季「あとは、服部瞳子殿のことでありますな」
亜里沙「うーん、何か手がかりでもあればいいんだけど……」
コンコン!
時子「来客ね、お通しなさい」
亜季「了解であります」
SWOW部室
亜里沙「アッキーちゃん、よしよし」
恵磨「大丈夫かな?」
久美子「優ちゃんのこと?」
恵磨「うん」
亜里沙「優ちゃんもスイッチが入る時があるのね」
時子「常時お気楽だと思っていたけど、事態が事態のようね」
亜季「……」
時子「亜季、惠が言っていたことに心当たりは?」
亜季「おそらく、キツネの事件に関することだと思うでありますが……」
亜里沙「詳しくはわからないのね」
恵磨「失語症の話ともつながったね」
久美子「行方不明にならない場合は、失語症を患って発見される?」
時子「どうもそのようね」
亜季「あとは、服部瞳子殿のことでありますな」
亜里沙「うーん、何か手がかりでもあればいいんだけど……」
コンコン!
時子「来客ね、お通しなさい」
亜季「了解であります」
118: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:56:44.75 ID:/DHBZG2j0
公園の花・24
S大学駐車場
惠「ええ、お願いします。それでは」
優「……連絡取れた?」
惠「ええ。準備してくれるわ」
優「どこに行くの?」
惠「留置所よ」
優「留置所……」
惠「ごめんなさい、ね」
優「ううん、ちょっとびっくりしただけ」
惠「……」
優「惠ちゃん?」
惠「ありがと。行きましょう」
S大学駐車場
惠「ええ、お願いします。それでは」
優「……連絡取れた?」
惠「ええ。準備してくれるわ」
優「どこに行くの?」
惠「留置所よ」
優「留置所……」
惠「ごめんなさい、ね」
優「ううん、ちょっとびっくりしただけ」
惠「……」
優「惠ちゃん?」
惠「ありがと。行きましょう」
119: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 21:58:26.08 ID:/DHBZG2j0
公園の花・25
SWOW部室
李衣菜「えっと、こんにちは!」
亜里沙「こんにちは、李衣菜ちゃん」
李衣菜「あっ、亜里沙さん、よかった、合ってた」
時子「どなたかしら?」
亜季「昨日話していた多田李衣菜殿であります。服部瞳子殿を探していた」
恵磨「アッキーを見つけてくれた子だね」
時子「そう。はじめまして、財前時子よ。おかけなさい」
李衣菜「は、はい」
亜里沙「そんなに緊張しなくていいのよ」
時子「それで、何かごようかしら?」
李衣菜「気になっちゃって……同じキャンパスにいるからいてもたってもいられなくて」
恵磨「同じキャンパス?」
亜里沙「付属高校の生徒なんだって」
時子「へぇ。それで、気になることはなにかしら?」
李衣菜「まずは、アッキーは無事ですか?」
亜季「無事であります。状況は良くなっておりませんが……」
李衣菜「……そうですか」
久美子「でも、進展はしてる」
時子「その通り。だから心配はいらないわ。なんとかするわ、必ず」
亜里沙「他にも気になることがあるんでしょ?」
李衣菜「はい、瞳子さんが言ってたことが気になって」
亜季「何か言ってたでありますか?」
李衣菜「先週の金曜日って、何日ですか?」
SWOW部室
李衣菜「えっと、こんにちは!」
亜里沙「こんにちは、李衣菜ちゃん」
李衣菜「あっ、亜里沙さん、よかった、合ってた」
時子「どなたかしら?」
亜季「昨日話していた多田李衣菜殿であります。服部瞳子殿を探していた」
恵磨「アッキーを見つけてくれた子だね」
時子「そう。はじめまして、財前時子よ。おかけなさい」
李衣菜「は、はい」
亜里沙「そんなに緊張しなくていいのよ」
時子「それで、何かごようかしら?」
李衣菜「気になっちゃって……同じキャンパスにいるからいてもたってもいられなくて」
恵磨「同じキャンパス?」
亜里沙「付属高校の生徒なんだって」
時子「へぇ。それで、気になることはなにかしら?」
李衣菜「まずは、アッキーは無事ですか?」
亜季「無事であります。状況は良くなっておりませんが……」
李衣菜「……そうですか」
久美子「でも、進展はしてる」
時子「その通り。だから心配はいらないわ。なんとかするわ、必ず」
亜里沙「他にも気になることがあるんでしょ?」
李衣菜「はい、瞳子さんが言ってたことが気になって」
亜季「何か言ってたでありますか?」
李衣菜「先週の金曜日って、何日ですか?」
120: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:02:52.33 ID:/DHBZG2j0
恵磨「えっと、20日」
李衣菜「でも、瞳子さん、21日だって言ってたんです」
亜季「間違えた、わけではないと?」
李衣菜「21日の金曜日だって、確かに」
恵磨「どういうことかな?」
時子「亜里沙」
亜里沙「はーい」
時子「考えられることは?」
亜里沙「単純に間違えた」
李衣菜「でも、それは違うと思うんです。日にちを気にしてたから」
亜里沙「それなら、本当に彼女のその日は21日だった」
李衣菜「……」
時子「多田李衣菜、あなたは答えを持っているから来たのでしょう」
久美子「21日の意味は?」
李衣菜「……別のところとつながってる。瞳子さんは21日が金曜日になる日に生きてる」
亜里沙「……」
恵磨「別の場所とつながってる……そうか、それだとアッキーの話もつながるね」
亜季「目を離した隙に違うところに迷い込んだでありますか?」
李衣菜「うん、そうだと思う。アッキーも瞳子さんも、私の前にいきなり現れてた」
時子「亜里沙」
亜里沙「うん、21日が金曜日になる日を調べてみるね」
時子「多田李衣菜、彼女はどっちから来たと思うかしら」
李衣菜「あの、疑わないんですか?」
時子「疑うだけムダよ。私は解決して、アッキーと優が元気になればそれでいいのよ。私の質問に答えなさい、多田李衣菜」
亜里沙「うん、直近だと2007年か2018年のどっちか」
李衣菜「でも、瞳子さん、21日だって言ってたんです」
亜季「間違えた、わけではないと?」
李衣菜「21日の金曜日だって、確かに」
恵磨「どういうことかな?」
時子「亜里沙」
亜里沙「はーい」
時子「考えられることは?」
亜里沙「単純に間違えた」
李衣菜「でも、それは違うと思うんです。日にちを気にしてたから」
亜里沙「それなら、本当に彼女のその日は21日だった」
李衣菜「……」
時子「多田李衣菜、あなたは答えを持っているから来たのでしょう」
久美子「21日の意味は?」
李衣菜「……別のところとつながってる。瞳子さんは21日が金曜日になる日に生きてる」
亜里沙「……」
恵磨「別の場所とつながってる……そうか、それだとアッキーの話もつながるね」
亜季「目を離した隙に違うところに迷い込んだでありますか?」
李衣菜「うん、そうだと思う。アッキーも瞳子さんも、私の前にいきなり現れてた」
時子「亜里沙」
亜里沙「うん、21日が金曜日になる日を調べてみるね」
時子「多田李衣菜、彼女はどっちから来たと思うかしら」
李衣菜「あの、疑わないんですか?」
時子「疑うだけムダよ。私は解決して、アッキーと優が元気になればそれでいいのよ。私の質問に答えなさい、多田李衣菜」
亜里沙「うん、直近だと2007年か2018年のどっちか」
121: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:03:40.22 ID:/DHBZG2j0
李衣菜「公園は同じみたいだし……あ、ウサミンを知りませんでした」
恵磨「ウサミンを知らない、か。そろそろブレイクが来る気がするんだよなぁー」
久美子「恵磨ちゃんの勘だと過去?」
亜季「いや、それが核心じゃないであります。河川敷で会っていたでありますな?」
李衣菜「はい」
久美子「そうか。再開発がそろそろよね?」
時子「2016年に工事開始よ。2018年には終わってるはず」
亜里沙「それなら、2007年。6年前ですね」
恵磨「本当なら、見つかるはずないね」
亜季「6年前でありますか……公園の資料の保存期限より前かつ管理会社が変わる前であります」
亜里沙「もっと前の可能性もあるけど」
李衣菜「うーん、そんな昔の人には思えませんでした」
時子「外れてから考えなさい。亜季」
亜季「はい」
時子「多田さんを連れて、日野巡査のところへ」
亜季「了解であります!行きましょう、李衣菜殿!」
李衣菜「あっ、待ってください!」
時子「亜里沙、久美子」
久美子「なに?」
時子「公園の管理会社、前の管理会社を当たってきなさい」
亜里沙「わかった。いってきます」
久美子「6年前ね、まずは」
時子「ええ」
恵磨「アタシは?」
時子「公園へ。6年前だと優はもちろん、優の公園仲間でも知らない。新しい話を仕入れてきなさい」
恵磨「オッケー!時子ちゃんはアッキー見ててね!」
時子「もとよりそのつもりよ。行ってきなさい」
恵磨「いってきまーす!」
恵磨「ウサミンを知らない、か。そろそろブレイクが来る気がするんだよなぁー」
久美子「恵磨ちゃんの勘だと過去?」
亜季「いや、それが核心じゃないであります。河川敷で会っていたでありますな?」
李衣菜「はい」
久美子「そうか。再開発がそろそろよね?」
時子「2016年に工事開始よ。2018年には終わってるはず」
亜里沙「それなら、2007年。6年前ですね」
恵磨「本当なら、見つかるはずないね」
亜季「6年前でありますか……公園の資料の保存期限より前かつ管理会社が変わる前であります」
亜里沙「もっと前の可能性もあるけど」
李衣菜「うーん、そんな昔の人には思えませんでした」
時子「外れてから考えなさい。亜季」
亜季「はい」
時子「多田さんを連れて、日野巡査のところへ」
亜季「了解であります!行きましょう、李衣菜殿!」
李衣菜「あっ、待ってください!」
時子「亜里沙、久美子」
久美子「なに?」
時子「公園の管理会社、前の管理会社を当たってきなさい」
亜里沙「わかった。いってきます」
久美子「6年前ね、まずは」
時子「ええ」
恵磨「アタシは?」
時子「公園へ。6年前だと優はもちろん、優の公園仲間でも知らない。新しい話を仕入れてきなさい」
恵磨「オッケー!時子ちゃんはアッキー見ててね!」
時子「もとよりそのつもりよ。行ってきなさい」
恵磨「いってきまーす!」
122: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:05:07.73 ID:/DHBZG2j0
公園の花・26
某留置所
惠「青木警部補」
青木聖「久しぶりだな」
青木聖
刑事一課の警部補。N高校の事件では惠と協力して捜査にあたった。
惠「……いかがですか」
青木「順調なら、彼女はここにはいないさ」
惠「問題が?」
青木「責任能力の有無だ。かなり弁護側にごねられてる」
惠「……」
青木「それは司法側の仕事だ。君が気に病むことじゃない」
惠「ええ……」
青木「そちらの方は?」
惠「私に協力してくれる人よ。太田優さん」
優「太田です」
青木「青木だ」
惠「警部補、そろそろ」
青木「ああ、私は外で待ってる。何かあったら、いや、ないだろうが、呼びたまえ」
惠「感謝します」
某留置所
惠「青木警部補」
青木聖「久しぶりだな」
青木聖
刑事一課の警部補。N高校の事件では惠と協力して捜査にあたった。
惠「……いかがですか」
青木「順調なら、彼女はここにはいないさ」
惠「問題が?」
青木「責任能力の有無だ。かなり弁護側にごねられてる」
惠「……」
青木「それは司法側の仕事だ。君が気に病むことじゃない」
惠「ええ……」
青木「そちらの方は?」
惠「私に協力してくれる人よ。太田優さん」
優「太田です」
青木「青木だ」
惠「警部補、そろそろ」
青木「ああ、私は外で待ってる。何かあったら、いや、ないだろうが、呼びたまえ」
惠「感謝します」
123: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:06:17.01 ID:/DHBZG2j0
公園の花・27
某留置所・面会室
惠「お久しぶりね、小早川紗枝」
小早川紗枝「……伊集院はんか」
小早川紗枝
N高校の事件の犯人。そして、狐憑き。彼女の被害者は延べ12人。
優「……この子が」
惠「……」
紗枝「会いにきやはったんに酷い表情……当たり前どすなぁ」
惠「……聞きたいことがあるの」
紗枝「今も夢見てはるよう。あの人、ここにいはるよう」
優「……」
紗枝「質問、ええどすか?」
惠「どうぞ」
紗枝「うち、狐に化かされてとったんやろか」
惠「あなたは、どっちの答えが聞きたいの?」
優「どっち……?」
惠「救われたいの、それとも逆かしら」
紗枝「さぁ……どっちやろうなぁ」
惠「狐に憑かれていたのは本当よ。でも、それ以上は答えない」
紗枝「……そう」
惠「本題に戻るわ。あなたの事件について答えて」
紗枝「警察に、医者に、何度も何度も話したんや。もう、あらしまへん」
惠「凶器を教えなさい」
優「凶器……」
紗枝「……知っとるやろ。脇差どす」
惠「違うわ。まずは村松さくら」
紗枝「ああ、使こうてまへん」
惠「ええ、彼女は違うからよ。次は杉坂海」
紗枝「血を集めるにはあれが良かったんどす」
惠「質問するわ」
紗枝「……」
某留置所・面会室
惠「お久しぶりね、小早川紗枝」
小早川紗枝「……伊集院はんか」
小早川紗枝
N高校の事件の犯人。そして、狐憑き。彼女の被害者は延べ12人。
優「……この子が」
惠「……」
紗枝「会いにきやはったんに酷い表情……当たり前どすなぁ」
惠「……聞きたいことがあるの」
紗枝「今も夢見てはるよう。あの人、ここにいはるよう」
優「……」
紗枝「質問、ええどすか?」
惠「どうぞ」
紗枝「うち、狐に化かされてとったんやろか」
惠「あなたは、どっちの答えが聞きたいの?」
優「どっち……?」
惠「救われたいの、それとも逆かしら」
紗枝「さぁ……どっちやろうなぁ」
惠「狐に憑かれていたのは本当よ。でも、それ以上は答えない」
紗枝「……そう」
惠「本題に戻るわ。あなたの事件について答えて」
紗枝「警察に、医者に、何度も何度も話したんや。もう、あらしまへん」
惠「凶器を教えなさい」
優「凶器……」
紗枝「……知っとるやろ。脇差どす」
惠「違うわ。まずは村松さくら」
紗枝「ああ、使こうてまへん」
惠「ええ、彼女は違うからよ。次は杉坂海」
紗枝「血を集めるにはあれが良かったんどす」
惠「質問するわ」
紗枝「……」
124: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:08:05.25 ID:/DHBZG2j0
惠「なぜ、杉坂海さんのケータイで彼女の名前を使ったの?」
紗枝「……覚えてまへん」
惠「そうね。では、次。喜多見柚さん」
紗枝「……」
惠「なんで、突き落としたの?」
紗枝「……串刺しのため」
惠「だけど、あなたにとっては無意味よ」
紗枝「どういうことどすか」
惠「あなたの心情からして、脇差を使わない理由がない。そして、狐憑きとしては血を無為にする意味がない」
紗枝「何が、言いたいんどす……?」
優「……暗示」
惠「もう、あなたに狐は憑いていない。だから、無駄なことだけど言うわ」
紗枝「……」
惠「あそこには、狐より上の存在がいたのよ」
優「獣に暗示をかけられる存在……」
紗枝「なら……うちに聞いても無駄やろ」
惠「犯行を実行したのはあなたよ。だから、あなたに聞くわ」
紗枝「……」
惠「どうやって、どうして、視聴覚室に入ったの?」
紗枝「覚えてまへん……なんで、やろ」
惠「理由がないのよ。犯行の場所を選んだ理由も、使える理由もない」
紗枝「……」
惠「あなたは操作されたの。獣すら操る存在に」
優「……誰」
惠「物理的に視聴覚室のカギを持ち、あなたに接触できる人物」
紗枝「へぇ……もう、どうでもいいことどす」
優「あたしたちにはそうじゃないの!」
惠「抑えて、優ちゃん。犯人の検討もついてる」
紗枝「そうやなぁ……不気味なところ、ありましたなぁ」
惠「犯人は、視聴覚室のお姫様よ」
紗枝「……覚えてまへん」
惠「そうね。では、次。喜多見柚さん」
紗枝「……」
惠「なんで、突き落としたの?」
紗枝「……串刺しのため」
惠「だけど、あなたにとっては無意味よ」
紗枝「どういうことどすか」
惠「あなたの心情からして、脇差を使わない理由がない。そして、狐憑きとしては血を無為にする意味がない」
紗枝「何が、言いたいんどす……?」
優「……暗示」
惠「もう、あなたに狐は憑いていない。だから、無駄なことだけど言うわ」
紗枝「……」
惠「あそこには、狐より上の存在がいたのよ」
優「獣に暗示をかけられる存在……」
紗枝「なら……うちに聞いても無駄やろ」
惠「犯行を実行したのはあなたよ。だから、あなたに聞くわ」
紗枝「……」
惠「どうやって、どうして、視聴覚室に入ったの?」
紗枝「覚えてまへん……なんで、やろ」
惠「理由がないのよ。犯行の場所を選んだ理由も、使える理由もない」
紗枝「……」
惠「あなたは操作されたの。獣すら操る存在に」
優「……誰」
惠「物理的に視聴覚室のカギを持ち、あなたに接触できる人物」
紗枝「へぇ……もう、どうでもいいことどす」
優「あたしたちにはそうじゃないの!」
惠「抑えて、優ちゃん。犯人の検討もついてる」
紗枝「そうやなぁ……不気味なところ、ありましたなぁ」
惠「犯人は、視聴覚室のお姫様よ」
125: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:09:13.69 ID:/DHBZG2j0
公園の花・28
SWOW部室
時子「わかったわ、惠。無理はしないように」
プルルル……
時子「亜里沙、私よ。何かわかったしら」
時子「上々ね。すぐに帰ってきなさい」
時子「次は……」
バターン!
恵磨「時子ちゃん!」
時子「あら、恵磨。早かったわね」
恵磨「聞いてよっ!」
時子「落ち着きなさい。要点を一言で」
恵磨「次の失語症患者を連れてきた」
時子「わかった。すぐに入れなさい」
恵磨「うん。入って」
響子「……」
時子「あら、というか」
響子「……」
恵磨「五十嵐響子さん。知ってるよね?」
時子「ええ。N高校の生徒ね」
ゆかり「響子さん……」
響子「……」フルフル
恵磨「とりあえず、座って」
響子「……」コクリ
SWOW部室
時子「わかったわ、惠。無理はしないように」
プルルル……
時子「亜里沙、私よ。何かわかったしら」
時子「上々ね。すぐに帰ってきなさい」
時子「次は……」
バターン!
恵磨「時子ちゃん!」
時子「あら、恵磨。早かったわね」
恵磨「聞いてよっ!」
時子「落ち着きなさい。要点を一言で」
恵磨「次の失語症患者を連れてきた」
時子「わかった。すぐに入れなさい」
恵磨「うん。入って」
響子「……」
時子「あら、というか」
響子「……」
恵磨「五十嵐響子さん。知ってるよね?」
時子「ええ。N高校の生徒ね」
ゆかり「響子さん……」
響子「……」フルフル
恵磨「とりあえず、座って」
響子「……」コクリ
126: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:10:06.40 ID:/DHBZG2j0
時子「筆談は?」
恵磨「ダメだった。手が震えて書けない」
時子「相手も周到ね」
ゆかり「響子さんなら……話さなくても通じると思っていたのに……」
時子「そこまで通じ合わなくていいから、言葉があるのよ」
恵磨「そういえば、犯人はわかったの?」
時子「おそらくは。だから、話を聞くわ」
ゆかり「……」
時子「どんな状況だったのかしら?」
ゆかり「一緒に歩いていたんですよね、響子さん」
響子「……」
恵磨「歩いてたのは根高公園の北側」
時子「失語症になったのはどんな時?」
ゆかり「急に見失ってしまいまして……直後に、倒れてる響子さんを見つけて……響子さん、ごめんなさい……」
恵磨「優ちゃんとアッキーと同じだね」
時子「そうね。だから、同一犯」
ゆかり「響子さん……何を見たんですか」
響子「……」パクパク
時子「首を振ることはできるのね。なら、聞けるわ」
恵磨「何を?」
時子「何を見たかは私たちが突き止めるわ」
ゆかり「……」
時子「見たのは、速水奏」
響子「……!」
時子「ビンゴ。連絡先を教えなさい」
恵磨「ダメだった。手が震えて書けない」
時子「相手も周到ね」
ゆかり「響子さんなら……話さなくても通じると思っていたのに……」
時子「そこまで通じ合わなくていいから、言葉があるのよ」
恵磨「そういえば、犯人はわかったの?」
時子「おそらくは。だから、話を聞くわ」
ゆかり「……」
時子「どんな状況だったのかしら?」
ゆかり「一緒に歩いていたんですよね、響子さん」
響子「……」
恵磨「歩いてたのは根高公園の北側」
時子「失語症になったのはどんな時?」
ゆかり「急に見失ってしまいまして……直後に、倒れてる響子さんを見つけて……響子さん、ごめんなさい……」
恵磨「優ちゃんとアッキーと同じだね」
時子「そうね。だから、同一犯」
ゆかり「響子さん……何を見たんですか」
響子「……」パクパク
時子「首を振ることはできるのね。なら、聞けるわ」
恵磨「何を?」
時子「何を見たかは私たちが突き止めるわ」
ゆかり「……」
時子「見たのは、速水奏」
響子「……!」
時子「ビンゴ。連絡先を教えなさい」
127: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:11:45.65 ID:/DHBZG2j0
公園の花・29
交番
茜「はい!ありがとうございます!」ガチャン
亜季「どうでありましたか?」
茜「見つかりました!服部瞳子さんは6年前に赤十字病院に入院してました!」
李衣菜「ホント!?」
茜「ええ!綺麗な人なので、ベテランの看護師が覚えていたようです!」
亜季「今はどこにいらっしゃるでありますか?」
李衣菜「良かった……お礼を言わなくちゃ」
茜「……」
亜季「日野巡査……?」
茜「亡くなっております……彼女は26歳の誕生日を迎えられなかったようで……」
李衣菜「え……?」
亜季「そうでありますか……」
茜「今探してもいないわけです。入院していた時も別の住所でした」
李衣菜「え……それじゃ、何も、私は何もできないの?」
亜季「……」
李衣菜「そんな……そんな、瞳子さん」
茜「行きましょう」
李衣菜「はい?」
茜「何個か遺品を預かってるそうです。看護師さんが彼女のことを覚えてるそうです」
李衣菜「……うん」
亜季「善は急げ、であります!」
メーデーメーデーメデメデメ-デー
李衣菜「誰のケータイ?」
亜季「エマージェンシーコールでありますな……もしもし、時子殿、お疲れ様であります」
茜「何かわかりましたか?」
亜季「わかったであります。戻るであります」ピッ
李衣菜「何か、進展が?」
亜季「犯人がわかったようであります」
茜「本当ですか!?」
亜季「日野巡査、調べ物をお願いできますか?」
茜「お任せください!」
李衣菜「私も何か……」
亜季「李衣菜殿は病院へ。服部瞳子さんのこと、聞いてくるであります」
李衣菜「でも……」
亜季「李衣菜殿は犯人を追う理由はいりません。その縁だけ追ってください」
李衣菜「わかった……ありがとう」
亜季「いえいえ。こちらこそ、ありがとうであります。仲間が助けられるであります」
交番
茜「はい!ありがとうございます!」ガチャン
亜季「どうでありましたか?」
茜「見つかりました!服部瞳子さんは6年前に赤十字病院に入院してました!」
李衣菜「ホント!?」
茜「ええ!綺麗な人なので、ベテランの看護師が覚えていたようです!」
亜季「今はどこにいらっしゃるでありますか?」
李衣菜「良かった……お礼を言わなくちゃ」
茜「……」
亜季「日野巡査……?」
茜「亡くなっております……彼女は26歳の誕生日を迎えられなかったようで……」
李衣菜「え……?」
亜季「そうでありますか……」
茜「今探してもいないわけです。入院していた時も別の住所でした」
李衣菜「え……それじゃ、何も、私は何もできないの?」
亜季「……」
李衣菜「そんな……そんな、瞳子さん」
茜「行きましょう」
李衣菜「はい?」
茜「何個か遺品を預かってるそうです。看護師さんが彼女のことを覚えてるそうです」
李衣菜「……うん」
亜季「善は急げ、であります!」
メーデーメーデーメデメデメ-デー
李衣菜「誰のケータイ?」
亜季「エマージェンシーコールでありますな……もしもし、時子殿、お疲れ様であります」
茜「何かわかりましたか?」
亜季「わかったであります。戻るであります」ピッ
李衣菜「何か、進展が?」
亜季「犯人がわかったようであります」
茜「本当ですか!?」
亜季「日野巡査、調べ物をお願いできますか?」
茜「お任せください!」
李衣菜「私も何か……」
亜季「李衣菜殿は病院へ。服部瞳子さんのこと、聞いてくるであります」
李衣菜「でも……」
亜季「李衣菜殿は犯人を追う理由はいりません。その縁だけ追ってください」
李衣菜「わかった……ありがとう」
亜季「いえいえ。こちらこそ、ありがとうであります。仲間が助けられるであります」
128: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:12:44.64 ID:/DHBZG2j0
公園の花・30
SWOW部室
夜
亜季「お待たせしたであります!」
時子「来たわね」
亜季「状況はどうでありますか?」
惠「速水奏が見つからないわ」
優「……公園にはいると思うのだけど」
久美子「動物も消えてる、犯人は焦ってる可能性があるわ」
亜里沙「その理由は、わからないけど」
恵磨「失語症の被害者も増えた」
時子「久美子、6年前に何か起こっていたのかしら?」
久美子「ええ。まずは、焼却炉にハトの死骸」
亜里沙「どこから持ってきたかわからないほどの量」
優「……過去へ持って帰ってる」
亜季「服部瞳子さんも6年前にはいました。今は亡くなっておりますが……」
優「そうなんだ……」
亜里沙「身元不明の遺体も6年前のこの時期に何人か見つかってるの」
久美子「理由も原理も全くわからないけれど」
優「ちょっと、トイレに行ってくるね……」
時子「ええ。これで6年前につながっていることは確かよ」
恵磨「動物にも暗示をかけられる存在も見つかった」
惠「……狐憑きに影響を与えられる」
時子「だから、速水奏が犯人で間違いない」
亜季「日野巡査に調べてもらったでありますが、どうやら書類は偽造でありますな」
亜里沙「いつごろから、速水奏になったの?」
惠「……3年前の藤の時期よ」
久美子「それ、誰から聞いたの?」
SWOW部室
夜
亜季「お待たせしたであります!」
時子「来たわね」
亜季「状況はどうでありますか?」
惠「速水奏が見つからないわ」
優「……公園にはいると思うのだけど」
久美子「動物も消えてる、犯人は焦ってる可能性があるわ」
亜里沙「その理由は、わからないけど」
恵磨「失語症の被害者も増えた」
時子「久美子、6年前に何か起こっていたのかしら?」
久美子「ええ。まずは、焼却炉にハトの死骸」
亜里沙「どこから持ってきたかわからないほどの量」
優「……過去へ持って帰ってる」
亜季「服部瞳子さんも6年前にはいました。今は亡くなっておりますが……」
優「そうなんだ……」
亜里沙「身元不明の遺体も6年前のこの時期に何人か見つかってるの」
久美子「理由も原理も全くわからないけれど」
優「ちょっと、トイレに行ってくるね……」
時子「ええ。これで6年前につながっていることは確かよ」
恵磨「動物にも暗示をかけられる存在も見つかった」
惠「……狐憑きに影響を与えられる」
時子「だから、速水奏が犯人で間違いない」
亜季「日野巡査に調べてもらったでありますが、どうやら書類は偽造でありますな」
亜里沙「いつごろから、速水奏になったの?」
惠「……3年前の藤の時期よ」
久美子「それ、誰から聞いたの?」
129: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:14:01.66 ID:/DHBZG2j0
惠「……びっくりすると思うけど」
亜季「誰でありますか?」
惠「彼女の両親よ」
亜里沙「……本当の両親じゃないわよね?」
惠「ええ。気づいてた、というか……」
久美子「なんなの?」
惠「暗示が解けた、みたい」
恵磨「暗示が解けた……?」
久美子「やっぱり、何かキーがあるってことね」
時子「何か、心当たりはあるのかしら?」
惠「ないわ……残念だけど」
亜里沙「失語症と行方不明はどうやって分けられるのかしら」
恵磨「程度の問題じゃないかな。軽いなら言葉だけ奪われる」
時子「酷い時は命ごと」
亜里沙「それをわけるのは……何かしら?」
亜季「考えても答えは出ないであります」
時子「……速水奏を見つけるしかないわ。彼女が何者で何を目的としているかも」
亜里沙「ええ」
久美子「でも、どうやって見つけるの?」
惠「特定の時間、特定の場所で6年前とつながる。彼女はそれを利用できる」
亜里沙「それを特定するのは苦難の技だけど、私たちは知ってる」
亜季「誰でありますか?」
惠「彼女の両親よ」
亜里沙「……本当の両親じゃないわよね?」
惠「ええ。気づいてた、というか……」
久美子「なんなの?」
惠「暗示が解けた、みたい」
恵磨「暗示が解けた……?」
久美子「やっぱり、何かキーがあるってことね」
時子「何か、心当たりはあるのかしら?」
惠「ないわ……残念だけど」
亜里沙「失語症と行方不明はどうやって分けられるのかしら」
恵磨「程度の問題じゃないかな。軽いなら言葉だけ奪われる」
時子「酷い時は命ごと」
亜里沙「それをわけるのは……何かしら?」
亜季「考えても答えは出ないであります」
時子「……速水奏を見つけるしかないわ。彼女が何者で何を目的としているかも」
亜里沙「ええ」
久美子「でも、どうやって見つけるの?」
惠「特定の時間、特定の場所で6年前とつながる。彼女はそれを利用できる」
亜里沙「それを特定するのは苦難の技だけど、私たちは知ってる」
130: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:15:41.72 ID:/DHBZG2j0
恵磨「それが、李衣菜ちゃんと服部瞳子さん」
時子「それは偶然だった。でも、それがこの事件を解決するわ」
久美子「時間は朝」
亜季「場所は河川敷」
惠「多田さんと優ちゃんが詳細な場所と時間を特定できる」
亜季「そこしかないであります」
時子「ええ、次の朝に行くわよ」
惠「……あら?」
久美子「待って……優ちゃん、トイレ?」
恵磨「えっ?待って、見てくる!」バタン
亜里沙「……もう」
時子「気持ちはわかるわ。でも、まずいわ」
恵磨「いない!」
亜季「本当に緊急事態であります!!」
時子「声が大きいわ、亜季。アッキーは見てるから、探してきなさ……」
バターン!
裕美「亜季さん!何か、あったの!?」
時子「あら、可愛い服装じゃない」
恵磨「マイディアヴァンパイアだ。すごいっ!」
亜里沙「いや……そこは問題じゃないかなぁ」
久美子「ええ。でも、色々わかった。そういうことね……」
亜季「すぐに来た理由はおいておくであります。裕美殿、ご協力ください!」
裕美「……何かあったの?」
亜季「優殿を探すであります!」
時子「それは偶然だった。でも、それがこの事件を解決するわ」
久美子「時間は朝」
亜季「場所は河川敷」
惠「多田さんと優ちゃんが詳細な場所と時間を特定できる」
亜季「そこしかないであります」
時子「ええ、次の朝に行くわよ」
惠「……あら?」
久美子「待って……優ちゃん、トイレ?」
恵磨「えっ?待って、見てくる!」バタン
亜里沙「……もう」
時子「気持ちはわかるわ。でも、まずいわ」
恵磨「いない!」
亜季「本当に緊急事態であります!!」
時子「声が大きいわ、亜季。アッキーは見てるから、探してきなさ……」
バターン!
裕美「亜季さん!何か、あったの!?」
時子「あら、可愛い服装じゃない」
恵磨「マイディアヴァンパイアだ。すごいっ!」
亜里沙「いや……そこは問題じゃないかなぁ」
久美子「ええ。でも、色々わかった。そういうことね……」
亜季「すぐに来た理由はおいておくであります。裕美殿、ご協力ください!」
裕美「……何かあったの?」
亜季「優殿を探すであります!」
131: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:16:40.43 ID:/DHBZG2j0
満開の下・1
幕間
まるでシャンデリアのように、紫色の淡い光が天にはじけては消えた。
現れて、またたいて、消える。
紫の光点達は、まるで満開の藤の花。
小さな水滴が聞こえてくる。
地面に満たされた水に落ちては広がって、やがて消える。
彼女は佇む。背中の羽根を、奇異の目で見る人間どもはここにはいない。
彼女はそっと手を伸ばす。ぽっかりと空中に空いた穴に。
彼女は投げ入れる。ぼんやりと光る球体が穴に吸い込まれて消えた。
彼女には時間がなかった。約束の時間まではもう少し。逃したら、ここもこの穴も消えてしまう。
でも、これで終わりと。彼女は安堵の息をつこうとしていた。
だから、隙があった。
ぴちゃりぴちゃりと水を踏む音が聞こえて、彼女は振り返る。
どこにでもいそうで、どこにもいない、思いつめた目をした女性が立っていた。
幕間 了
幕間
まるでシャンデリアのように、紫色の淡い光が天にはじけては消えた。
現れて、またたいて、消える。
紫の光点達は、まるで満開の藤の花。
小さな水滴が聞こえてくる。
地面に満たされた水に落ちては広がって、やがて消える。
彼女は佇む。背中の羽根を、奇異の目で見る人間どもはここにはいない。
彼女はそっと手を伸ばす。ぽっかりと空中に空いた穴に。
彼女は投げ入れる。ぼんやりと光る球体が穴に吸い込まれて消えた。
彼女には時間がなかった。約束の時間まではもう少し。逃したら、ここもこの穴も消えてしまう。
でも、これで終わりと。彼女は安堵の息をつこうとしていた。
だから、隙があった。
ぴちゃりぴちゃりと水を踏む音が聞こえて、彼女は振り返る。
どこにでもいそうで、どこにもいない、思いつめた目をした女性が立っていた。
幕間 了
132: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:18:55.69 ID:/DHBZG2j0
満開の下・2
優「速水奏……さんだよね?」
奏「……違う」
優「じゃあ、なに?」
奏「名前は私が隠れ蓑として使った夫婦が、授からなかった子供のために用意していたもの」
優「……」
奏「私の名前は、こんな世界で価値はないの」
優「だから、酷いことだって出来るの?」
奏「帰るの。ここより上の世界へ」
パッ!
優「明るくなった……なに、これ……」
奏「魂を集めろと、それなら帰してあげると」
優「誰、これ、この動物たち、なに?あなたがやったの?」
奏「ええ……それが?」
優「あなたは……何者なの?」
奏「この地獄にいるべきではない、それだけです」
優「羽根が……」
奏「見えてるかしら、白い羽根が。私の自慢なの」
優「え……」
奏「驚いても仕方がないと思う」
優「違う、あなた、見えてないの?」
奏「何か?」
優「速水奏……さんだよね?」
奏「……違う」
優「じゃあ、なに?」
奏「名前は私が隠れ蓑として使った夫婦が、授からなかった子供のために用意していたもの」
優「……」
奏「私の名前は、こんな世界で価値はないの」
優「だから、酷いことだって出来るの?」
奏「帰るの。ここより上の世界へ」
パッ!
優「明るくなった……なに、これ……」
奏「魂を集めろと、それなら帰してあげると」
優「誰、これ、この動物たち、なに?あなたがやったの?」
奏「ええ……それが?」
優「あなたは……何者なの?」
奏「この地獄にいるべきではない、それだけです」
優「羽根が……」
奏「見えてるかしら、白い羽根が。私の自慢なの」
優「え……」
奏「驚いても仕方がないと思う」
優「違う、あなた、見えてないの?」
奏「何か?」
133: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:20:19.62 ID:/DHBZG2j0
優「……公園で魂を集めていたのは、あなた」
奏「ええ。私」
優「あなたには、それができる……」
奏「はい。私は、あなた達と違うから」
優「失語症も……あなたの仕業?」
奏「ええ。強固に結びついた魂は奪えなかった……だから、口を閉じた」
優「返して」
奏「人間なんかに返すものなんてありません」
優「アッキーを返してよ!」
奏「ペットの名前ですか……強固なつながりを持っているとは、所詮は畜生同士ということ」
優「違う!あなたが天使なんだか、悪魔なのか知らないけど、ここであたし達も動物も生きてる……」
奏「見てました」
優「見てた……?」
奏「この世界を。雑多で争いが絶えなくて。少しだけ、興味を持った」
優「……」
奏「愚かで、愛を知らないものに」
優「……」
奏「だから、変な誘いに乗ったのね。私はここに墜ちてきた。でも、それで今日も終わり」
優「……!」
奏「あなたの魂もこちらへ。一緒に連れて行ってあげる」
奏「ええ。私」
優「あなたには、それができる……」
奏「はい。私は、あなた達と違うから」
優「失語症も……あなたの仕業?」
奏「ええ。強固に結びついた魂は奪えなかった……だから、口を閉じた」
優「返して」
奏「人間なんかに返すものなんてありません」
優「アッキーを返してよ!」
奏「ペットの名前ですか……強固なつながりを持っているとは、所詮は畜生同士ということ」
優「違う!あなたが天使なんだか、悪魔なのか知らないけど、ここであたし達も動物も生きてる……」
奏「見てました」
優「見てた……?」
奏「この世界を。雑多で争いが絶えなくて。少しだけ、興味を持った」
優「……」
奏「愚かで、愛を知らないものに」
優「……」
奏「だから、変な誘いに乗ったのね。私はここに墜ちてきた。でも、それで今日も終わり」
優「……!」
奏「あなたの魂もこちらへ。一緒に連れて行ってあげる」
134: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:21:08.74 ID:/DHBZG2j0
満開の下・3
SWOW部室
アッキー「……」
時子「立ち上がってはダメよ」
アッキー「……」
時子「ご主人様の気持ちがわかるのかしらね。それとも……」
アッキー「……」
時子「守りたいのかしら、優を」
SWOW部室
アッキー「……」
時子「立ち上がってはダメよ」
アッキー「……」
時子「ご主人様の気持ちがわかるのかしらね。それとも……」
アッキー「……」
時子「守りたいのかしら、優を」
135: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:22:32.12 ID:/DHBZG2j0
満開の下・4
優「魂は奪え、なかったでしょ……?」
奏「何故……何故?」
優「だって、あるもの。あたしにはあるもん」
奏「この墜ちた世界に、そんなものがあるの……」
優「3年もいて、そんなことにも気付けなかったんだ」
奏「3年……なんで、それを」
優「聞いたんだ」
奏「誰に……」
優「あなたが、支配できると思ってたお父さんとお母さんに」
奏「え……?そんなはずは……」
優「自分たちの子供じゃないって、知ってたよ」
奏「……なぜ、そんなことを」
優「あなたが、孤独だったから」
奏「……」
優「この世界で、自分たちが手を伸ばしてあげないと、って」
奏「……映画の見過ぎよ」
優「あなたが、お父さんとお母さんを理解するために見続けた映画みたい」
奏「何が、わかるの……」
優「それなのに、どうして……孤独な魂を奪い続けたの?」
奏「この世界が、醜いから、私のいる清浄な世界に帰りたいから」
優「……本当に?」
奏「……」
優「この世界って、愛もない地獄だったの?」
奏「そうよ!そうなの!そうじゃなかったら、この手を血に染めてきた意味がないじゃない!」
優「なかった……ないの」
奏「あなたも落ちて。魂が奪えなくても、生きてるままここに落とせば魂は集められるの」
優「どうして、気づいてたのに……変えられなかったの?」
奏「黙って……」ピシピシピシ
優「弓と羽根が宙に……」
奏「浮かせた羽根はあなたを貫くわ。ここには弓もある。今すぐ、消えて」
優「行かない。アッキーを助けるまではいかない」
奏「なら、死ねばいいわ」
優「魂は奪え、なかったでしょ……?」
奏「何故……何故?」
優「だって、あるもの。あたしにはあるもん」
奏「この墜ちた世界に、そんなものがあるの……」
優「3年もいて、そんなことにも気付けなかったんだ」
奏「3年……なんで、それを」
優「聞いたんだ」
奏「誰に……」
優「あなたが、支配できると思ってたお父さんとお母さんに」
奏「え……?そんなはずは……」
優「自分たちの子供じゃないって、知ってたよ」
奏「……なぜ、そんなことを」
優「あなたが、孤独だったから」
奏「……」
優「この世界で、自分たちが手を伸ばしてあげないと、って」
奏「……映画の見過ぎよ」
優「あなたが、お父さんとお母さんを理解するために見続けた映画みたい」
奏「何が、わかるの……」
優「それなのに、どうして……孤独な魂を奪い続けたの?」
奏「この世界が、醜いから、私のいる清浄な世界に帰りたいから」
優「……本当に?」
奏「……」
優「この世界って、愛もない地獄だったの?」
奏「そうよ!そうなの!そうじゃなかったら、この手を血に染めてきた意味がないじゃない!」
優「なかった……ないの」
奏「あなたも落ちて。魂が奪えなくても、生きてるままここに落とせば魂は集められるの」
優「どうして、気づいてたのに……変えられなかったの?」
奏「黙って……」ピシピシピシ
優「弓と羽根が宙に……」
奏「浮かせた羽根はあなたを貫くわ。ここには弓もある。今すぐ、消えて」
優「行かない。アッキーを助けるまではいかない」
奏「なら、死ねばいいわ」
136: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:24:06.75 ID:/DHBZG2j0
満開の花・5
ピュン!
奏「入り込まれた……何者?」
優「銃弾……?」
奏「入り口が開いてる……不安定になってる……?」
亜季「優殿!」
惠「優ちゃん!」
優「亜季ちゃん、惠ちゃん!」
亜季「おっと、なかなか物騒でありますな」
奏「銃を構えておいて、酷い言いぐさね」
惠「弓を構えてるあなたとはお相子だと思うわ」
奏「勝てるとでも?」
亜季「人間3人なら危ないところでありますが」
スタン!
裕美「優さん、私の後ろに」
優「裕美ちゃん……」
奏「へぇ、何者?」
裕美「ヴァンパイア」
奏「下品なこと」
裕美「あなたには言われたくない、堕天使さん」
奏「上と下がいることを思い出しましょう。さぁ、食らいなさい」ヒュン!
優「羽根が……裕美ちゃん!?」
裕美「大丈夫。この服ね、お裁縫上手な魔法使いが編んでくれたんだ。可愛いし、強いんだ」
奏「へぇ……」
裕美「私が……相手になるよ」
惠「優ちゃん、こっちへ」
優「惠ちゃん……」
惠「大丈夫。とりあえず、しゃがんで」
ヒュン!
亜季「危ないであります!」
奏「それが?そんな顔で睨まないで、吸血鬼さん?」
裕美「強い存在なんだね」
奏「さっきから目を合わせているのに、こちらの暗示も効かない。そちらこそ」
裕美「みんな、下がってて。行くよ」
奏「どうぞ」
ピュン!
奏「入り込まれた……何者?」
優「銃弾……?」
奏「入り口が開いてる……不安定になってる……?」
亜季「優殿!」
惠「優ちゃん!」
優「亜季ちゃん、惠ちゃん!」
亜季「おっと、なかなか物騒でありますな」
奏「銃を構えておいて、酷い言いぐさね」
惠「弓を構えてるあなたとはお相子だと思うわ」
奏「勝てるとでも?」
亜季「人間3人なら危ないところでありますが」
スタン!
裕美「優さん、私の後ろに」
優「裕美ちゃん……」
奏「へぇ、何者?」
裕美「ヴァンパイア」
奏「下品なこと」
裕美「あなたには言われたくない、堕天使さん」
奏「上と下がいることを思い出しましょう。さぁ、食らいなさい」ヒュン!
優「羽根が……裕美ちゃん!?」
裕美「大丈夫。この服ね、お裁縫上手な魔法使いが編んでくれたんだ。可愛いし、強いんだ」
奏「へぇ……」
裕美「私が……相手になるよ」
惠「優ちゃん、こっちへ」
優「惠ちゃん……」
惠「大丈夫。とりあえず、しゃがんで」
ヒュン!
亜季「危ないであります!」
奏「それが?そんな顔で睨まないで、吸血鬼さん?」
裕美「強い存在なんだね」
奏「さっきから目を合わせているのに、こちらの暗示も効かない。そちらこそ」
裕美「みんな、下がってて。行くよ」
奏「どうぞ」
137: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:25:26.06 ID:/DHBZG2j0
満開の花・6
裕美「……はぁはぁ」
奏「終わりですか?」
亜季「くっ、銀の銃弾も効かないでありますか」
惠「まぁ、あの人たちがあまり会いたくないと言っただけあるわね」
優「裕美ちゃん……」
裕美「大丈夫」
奏「所詮は、この下の世界の存在。勝てはしません」
カチャン。
奏「開いた……」
裕美「なに……天井が開いた」
奏「やった……これで、やっと」
亜季「何が起こってるでありますか……?」
優「どこかに移動するの……?」
惠「……地面!」
裕美「……!ごめんなさい、掴んで飛びます!」
優「え、ひゃあ!」
奏「あははは……」
亜季「助かったであります」
惠「地面のあれ、なに……?」
裕美「上よりもまずいと思う……」
裕美「……はぁはぁ」
奏「終わりですか?」
亜季「くっ、銀の銃弾も効かないでありますか」
惠「まぁ、あの人たちがあまり会いたくないと言っただけあるわね」
優「裕美ちゃん……」
裕美「大丈夫」
奏「所詮は、この下の世界の存在。勝てはしません」
カチャン。
奏「開いた……」
裕美「なに……天井が開いた」
奏「やった……これで、やっと」
亜季「何が起こってるでありますか……?」
優「どこかに移動するの……?」
惠「……地面!」
裕美「……!ごめんなさい、掴んで飛びます!」
優「え、ひゃあ!」
奏「あははは……」
亜季「助かったであります」
惠「地面のあれ、なに……?」
裕美「上よりもまずいと思う……」
138: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:27:14.90 ID:/DHBZG2j0
奏「え……なにこれ……待って」
優「沈んでる……?」
奏「待って、なに、私は上に行きたいの!約束が違う……」
バラバラバラ!
亜季「何か振ってきたであります」
裕美「大量のポストカード……?」
優「文字が書いてあるね……なになに」
『お疲れ様でした』
惠「なに、これ」
『必死にあがく姿、滑稽でした』
奏「や、やめて!」
優「羽根が……地面から伸びた手に掴まれてる……」
『魂なんか集められても使えないんです』
『そんな存在じゃないので』
亜季「……」
『楽しい世界だったでしょう?』
『愛は見つかりましたか?』
『哀れな堕天使さん』
優「沈んでる……」
裕美「近づいちゃ、だめ」
惠「……」
『約束なんですけどね、全部嘘です』
奏「嘘……?」
『違うところに連れていくことなんて簡単にできるんですよ』
惠「まさか……全部、必要なかった」
奏「そんな……それなら」
『とっても綺麗な黒い羽根』
亜季「起こしていた事件も意味がないと」
『あなたがやったことはすべてムダです』
『ムダムダ』
『出まかせを正直に信じるなんて、正直な天使さん』
奏「助けて!これより、下の世界なんてもういや!」
『世間知らずな天使さん。もっともっと地獄に行ってみる?』
優「……誰なの」
『6年前につなげたのも何の意味もありません』
裕美「……李衣菜さんと瞳子さんの出会いにも意味がないの?」
惠「それは……あると信じたいわ」
優「沈んでる……?」
奏「待って、なに、私は上に行きたいの!約束が違う……」
バラバラバラ!
亜季「何か振ってきたであります」
裕美「大量のポストカード……?」
優「文字が書いてあるね……なになに」
『お疲れ様でした』
惠「なに、これ」
『必死にあがく姿、滑稽でした』
奏「や、やめて!」
優「羽根が……地面から伸びた手に掴まれてる……」
『魂なんか集められても使えないんです』
『そんな存在じゃないので』
亜季「……」
『楽しい世界だったでしょう?』
『愛は見つかりましたか?』
『哀れな堕天使さん』
優「沈んでる……」
裕美「近づいちゃ、だめ」
惠「……」
『約束なんですけどね、全部嘘です』
奏「嘘……?」
『違うところに連れていくことなんて簡単にできるんですよ』
惠「まさか……全部、必要なかった」
奏「そんな……それなら」
『とっても綺麗な黒い羽根』
亜季「起こしていた事件も意味がないと」
『あなたがやったことはすべてムダです』
『ムダムダ』
『出まかせを正直に信じるなんて、正直な天使さん』
奏「助けて!これより、下の世界なんてもういや!」
『世間知らずな天使さん。もっともっと地獄に行ってみる?』
優「……誰なの」
『6年前につなげたのも何の意味もありません』
裕美「……李衣菜さんと瞳子さんの出会いにも意味がないの?」
惠「それは……あると信じたいわ」
139: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:29:00.66 ID:/DHBZG2j0
『ばいばい。少しは面白かったです』
『ばいばい』
『ばいばい』
『ばいばい』
奏「やめて!助けて、お父さん!お母さん!誰か……助け……」
ズボン
優「沈んじゃった……」
惠「……」
『更なる地獄へいってらっしゃい、孤独な堕天使さん』
『ばいばい』
『ばいばい』
『ばいばい』
奏「やめて!助けて、お父さん!お母さん!誰か……助け……」
ズボン
優「沈んじゃった……」
惠「……」
『更なる地獄へいってらっしゃい、孤独な堕天使さん』
140: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:30:28.64 ID:/DHBZG2j0
公園の花・31
根高公園・北地区
亜季「空間が消えたでありますな……」
優「こんなことしたくないって、言ってた」
惠「……意味がないことだった」
裕美「……」
亜季「裕美殿、何か知ってるでありますか?」
裕美「ううん。でも……」
惠「でも……?」
裕美「クラリスさんが、言ってた。別の所から何かを持ってきてる人がいるんじゃないかって」
優「何かって……」
裕美「わからないけど……不思議なものとか」
惠「追及は後にしましょう」
亜季「ええ。アッキーの様子が気になるであります」
優「うん!早く、帰ろう……でも、ちょっと待って」
亜季「なんでありますか?」
優「ここ。汚れて見えないから、拭くとね……」
惠「あっ……」
裕美「この名前……」
亜季「6年前、寄贈したのは服部瞳子殿でありましたか」
優「……悪いことが起こったけど、意味がないわけじゃないよ」
惠「そうね。こうやって、彼女の思いは私たちに伝わった」
亜季「たとえ、それが誰かの悪意が生んだ偶然であっても、でありますな」
優「うん。それにね……」
亜季「なにでありますか?」
優「あたしね、アッキーを救えてた。行こっ!」
根高公園・北地区
亜季「空間が消えたでありますな……」
優「こんなことしたくないって、言ってた」
惠「……意味がないことだった」
裕美「……」
亜季「裕美殿、何か知ってるでありますか?」
裕美「ううん。でも……」
惠「でも……?」
裕美「クラリスさんが、言ってた。別の所から何かを持ってきてる人がいるんじゃないかって」
優「何かって……」
裕美「わからないけど……不思議なものとか」
惠「追及は後にしましょう」
亜季「ええ。アッキーの様子が気になるであります」
優「うん!早く、帰ろう……でも、ちょっと待って」
亜季「なんでありますか?」
優「ここ。汚れて見えないから、拭くとね……」
惠「あっ……」
裕美「この名前……」
亜季「6年前、寄贈したのは服部瞳子殿でありましたか」
優「……悪いことが起こったけど、意味がないわけじゃないよ」
惠「そうね。こうやって、彼女の思いは私たちに伝わった」
亜季「たとえ、それが誰かの悪意が生んだ偶然であっても、でありますな」
優「うん。それにね……」
亜季「なにでありますか?」
優「あたしね、アッキーを救えてた。行こっ!」
141: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:33:01.57 ID:/DHBZG2j0
公園の花・32
SWOW部室
優「……」
時子「そう……」
久美子「時間をつなげることができる人がいる……?」
恵磨「話を聞く限りだと、別世界にも行けそうだよね」
亜季「ええ」
惠「不思議なことが起こっているのも、原因があった」
時子「おかしな存在を招き入れている、そう言いたいわけね」
亜里沙「否定はできないよね……」
久美子「うん」
時子「事件はこれで終りね」
惠「根高公園に関しては、ね」
優「……アッキー」
亜季「暗示の張本人は消えてしまいましたが……」
亜里沙「暗示そのものは残ってる」
久美子「……」
恵磨「大丈夫だって」
時子「なんでかしら?」
恵磨「暗示は解けるんでしょ?なら、優ちゃんとアタシ達が見つけられないわけないじゃん!」
亜里沙「ええ」
時子「お疲れ様。今日は休みなさい、明日から平日よ」
優「ありがと、時子ちゃん」
時子「ええ。アッキーの傍にいてあげるのよ」
優「うん」
SWOW部室
優「……」
時子「そう……」
久美子「時間をつなげることができる人がいる……?」
恵磨「話を聞く限りだと、別世界にも行けそうだよね」
亜季「ええ」
惠「不思議なことが起こっているのも、原因があった」
時子「おかしな存在を招き入れている、そう言いたいわけね」
亜里沙「否定はできないよね……」
久美子「うん」
時子「事件はこれで終りね」
惠「根高公園に関しては、ね」
優「……アッキー」
亜季「暗示の張本人は消えてしまいましたが……」
亜里沙「暗示そのものは残ってる」
久美子「……」
恵磨「大丈夫だって」
時子「なんでかしら?」
恵磨「暗示は解けるんでしょ?なら、優ちゃんとアタシ達が見つけられないわけないじゃん!」
亜里沙「ええ」
時子「お疲れ様。今日は休みなさい、明日から平日よ」
優「ありがと、時子ちゃん」
時子「ええ。アッキーの傍にいてあげるのよ」
優「うん」
142: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:36:10.74 ID:/DHBZG2j0
公園の花・33
翌朝
多田李衣菜の自室
夜明け前に起きてしまった。
昨日の話を思い返しながら、もらった日記に目を通す。
確かに瞳子さんはこの世にいた。
それで、私と会った。
本当に単なる偶然で。
李衣菜「……生きてたら、お礼が言えたのに」
瞳子さんが、歌手の仕事を辞めた理由は病気だった。
でも、瞳子さんは自分の力不足だと言った。
それって、プライドだったのかな、と思う。
李衣菜「こっちには正直に言いいなさい、って」
歌うこと、好きだったんじゃないかな。
私のことが書いてある病床日記をめくる。
公園の花を咲かせたい、その願いは、亡くなった後に保険が実現してくれた。
李衣菜「2007年9月21日。病状が悪化……」
来れなかったのだ。来たくても、彼女の体がそれを許してくれなかった。
李衣菜「2007年9月24日。だいぶ楽になった。明日が最後のチャンスかもしれないから」
から?
李衣菜「朝の公園へ……」
李衣菜「今日は、2013年9月24日。だから瞳子さんがこっちに来るのは……」
李衣菜「今日だ!」
李衣菜「しまった!夜があけちゃう!」
翌朝
多田李衣菜の自室
夜明け前に起きてしまった。
昨日の話を思い返しながら、もらった日記に目を通す。
確かに瞳子さんはこの世にいた。
それで、私と会った。
本当に単なる偶然で。
李衣菜「……生きてたら、お礼が言えたのに」
瞳子さんが、歌手の仕事を辞めた理由は病気だった。
でも、瞳子さんは自分の力不足だと言った。
それって、プライドだったのかな、と思う。
李衣菜「こっちには正直に言いいなさい、って」
歌うこと、好きだったんじゃないかな。
私のことが書いてある病床日記をめくる。
公園の花を咲かせたい、その願いは、亡くなった後に保険が実現してくれた。
李衣菜「2007年9月21日。病状が悪化……」
来れなかったのだ。来たくても、彼女の体がそれを許してくれなかった。
李衣菜「2007年9月24日。だいぶ楽になった。明日が最後のチャンスかもしれないから」
から?
李衣菜「朝の公園へ……」
李衣菜「今日は、2013年9月24日。だから瞳子さんがこっちに来るのは……」
李衣菜「今日だ!」
李衣菜「しまった!夜があけちゃう!」
143: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:37:52.08 ID:/DHBZG2j0
公園の花・34
根高公園・河川敷
全身全霊で走った。
いろんな気持ちがないまぜになって心臓が大きく大きく跳ねている。
李衣菜「はぁはぁ……瞳子さん!」
河川敷で私を迎えていたのは。
オレンジ色から瑠璃色へとグラデーションする、綺麗な朝焼けだった。
李衣菜「間に合わなかった……」
前を見て。自分の気持ちに正直になって。音楽が好きだと思い出させてくれた人に。
李衣菜「なんで、ありがとうの一言、言っておかなかったんだろ……」
李衣菜「ああ、もう!」
李衣菜「わかった!この気持ちを隠してちゃダメなんだ!」
李衣菜「届けるよ、瞳子さん!」
李衣菜「この気持ちは、届けなくちゃいけないんだ!」
それに。
李衣菜「待ってて、私、心をこめて歌うから!」
あなたが持たせてくれた音楽が、私にはある。
根高公園・河川敷
全身全霊で走った。
いろんな気持ちがないまぜになって心臓が大きく大きく跳ねている。
李衣菜「はぁはぁ……瞳子さん!」
河川敷で私を迎えていたのは。
オレンジ色から瑠璃色へとグラデーションする、綺麗な朝焼けだった。
李衣菜「間に合わなかった……」
前を見て。自分の気持ちに正直になって。音楽が好きだと思い出させてくれた人に。
李衣菜「なんで、ありがとうの一言、言っておかなかったんだろ……」
李衣菜「ああ、もう!」
李衣菜「わかった!この気持ちを隠してちゃダメなんだ!」
李衣菜「届けるよ、瞳子さん!」
李衣菜「この気持ちは、届けなくちゃいけないんだ!」
それに。
李衣菜「待ってて、私、心をこめて歌うから!」
あなたが持たせてくれた音楽が、私にはある。
144: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:39:38.20 ID:/DHBZG2j0
公園の花・35
SWOW部室
優「ん……」
アッキー「……」
優「まだ、元気にならないんだね……アッキー」
アッキー「……」
優「うん、ずっといるからねぇ」
アッキー「……」
優「アッキー、あたしを守ってくれたの?」ナデナデ
アッキー「……」
優「ありがとアッキー……大好き」チュッ
アッキー「……」
優「キスしちゃった。あはっ、これで治ってくれないかな……」
アッキー「……」
優「朝ごはん、買ってくるねぇ。待ってて、アッキー」
アッキー「……」
優「いってきま……」
アッキー「わん!」
優「……!アッキー!」
アッキー「わん!」
優「良かったぁ……」ダキッ
優「ずっと一緒にいようね……私を守って」
優「アッキーがずーっと幸せな所を見てるからね……」
優「今度はあなたを置いて、先にどこかへ行ったりしないからねぇ、アッキー……」
エンディングテーマ
YOu
歌 太田優
SWOW部室
優「ん……」
アッキー「……」
優「まだ、元気にならないんだね……アッキー」
アッキー「……」
優「うん、ずっといるからねぇ」
アッキー「……」
優「アッキー、あたしを守ってくれたの?」ナデナデ
アッキー「……」
優「ありがとアッキー……大好き」チュッ
アッキー「……」
優「キスしちゃった。あはっ、これで治ってくれないかな……」
アッキー「……」
優「朝ごはん、買ってくるねぇ。待ってて、アッキー」
アッキー「……」
優「いってきま……」
アッキー「わん!」
優「……!アッキー!」
アッキー「わん!」
優「良かったぁ……」ダキッ
優「ずっと一緒にいようね……私を守って」
優「アッキーがずーっと幸せな所を見てるからね……」
優「今度はあなたを置いて、先にどこかへ行ったりしないからねぇ、アッキー……」
エンディングテーマ
YOu
歌 太田優
145: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:40:55.02 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・1
夏樹「バンド?」
李衣菜「うん!曲のコンセプトは決まったし、始めるなら今だよ!」
夏樹「完全に復活したな、だりー」
李衣菜「それで、お願いがあるんだ」
夏樹「なんだ、そんなにやる気ならアタシも……」
李衣菜「これ、配ってくれない?」
夏樹「バンドメンバー募集?」
李衣菜「善は急げだよ、なつきち」
夏樹「アタシに助けを求めに来たわけじゃないのか?」
李衣菜「なつきちをメンバーにいれたらダメなんだよ。だって、なつきちとかに送る歌なんだから。楽しみにしてて!」
夏樹「え……?」
李衣菜「お願い、S大学付属高校の生徒だけでいいから!またね、なつきち!」
夏樹「急だし、恥ずかしいぞ、だりー……」
夏樹「バンド?」
李衣菜「うん!曲のコンセプトは決まったし、始めるなら今だよ!」
夏樹「完全に復活したな、だりー」
李衣菜「それで、お願いがあるんだ」
夏樹「なんだ、そんなにやる気ならアタシも……」
李衣菜「これ、配ってくれない?」
夏樹「バンドメンバー募集?」
李衣菜「善は急げだよ、なつきち」
夏樹「アタシに助けを求めに来たわけじゃないのか?」
李衣菜「なつきちをメンバーにいれたらダメなんだよ。だって、なつきちとかに送る歌なんだから。楽しみにしてて!」
夏樹「え……?」
李衣菜「お願い、S大学付属高校の生徒だけでいいから!またね、なつきち!」
夏樹「急だし、恥ずかしいぞ、だりー……」
146: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:41:42.20 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・2
ライラ「カンカンカーン……こうで、ございますか?」
李衣菜「いいよ、ライラちゃん!」
ライラ「李衣菜さん、バンドとは何なのでしょう」
李衣菜「やってみればわかるよ!一緒にやろう!」
ライラ「そういうものでございますか?」
李衣菜「そうそう、それがロックなんだよ!」
ライラ「カンカンカーン……こうで、ございますか?」
李衣菜「いいよ、ライラちゃん!」
ライラ「李衣菜さん、バンドとは何なのでしょう」
李衣菜「やってみればわかるよ!一緒にやろう!」
ライラ「そういうものでございますか?」
李衣菜「そうそう、それがロックなんだよ!」
147: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:42:34.69 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・3
清美「誰ですかー!?バンド募集のチラシをばらまいているのは!?」
李衣菜「あっ、委員長」
清美「犯人は知ってます!李衣菜さんですね!いったいどういうつもりですか!?」
李衣菜「委員長、聞いて」
かくかくしかじか喧々諤々……
清美「感動しました!ぜひ、協力させてください!」
李衣菜「ありがとう!意外とノリが良くて大好き、委員長!」
清美「誰ですかー!?バンド募集のチラシをばらまいているのは!?」
李衣菜「あっ、委員長」
清美「犯人は知ってます!李衣菜さんですね!いったいどういうつもりですか!?」
李衣菜「委員長、聞いて」
かくかくしかじか喧々諤々……
清美「感動しました!ぜひ、協力させてください!」
李衣菜「ありがとう!意外とノリが良くて大好き、委員長!」
148: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:43:30.78 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・4
李衣菜「うう……もう一人くらい集まるといいんだけどなぁ」
李衣菜「最悪、スリーピースバンドでも……」
李衣菜「あわわ、チラシが!」
星花「大丈夫ですか?はい、どうぞ」
李衣菜「ありがとうございます」
星花「あら……付属高校の生徒さんですのね?」
李衣菜「はい。大学生ですか?」
星花「ええ。涼宮星花と申します」
李衣菜「多田李衣菜です」
星花「こんな寒い中、何をなさってたのですの?」
李衣菜「チラシを配ってて」
星花「見せてくださいます?」
李衣菜「バンド募集のチラシですよ?」
星花「わかっております。うーん、これも縁ですね」
李衣菜「はい?」
星花「私が参加したら、だめでしょうか?」
李衣菜「うう……もう一人くらい集まるといいんだけどなぁ」
李衣菜「最悪、スリーピースバンドでも……」
李衣菜「あわわ、チラシが!」
星花「大丈夫ですか?はい、どうぞ」
李衣菜「ありがとうございます」
星花「あら……付属高校の生徒さんですのね?」
李衣菜「はい。大学生ですか?」
星花「ええ。涼宮星花と申します」
李衣菜「多田李衣菜です」
星花「こんな寒い中、何をなさってたのですの?」
李衣菜「チラシを配ってて」
星花「見せてくださいます?」
李衣菜「バンド募集のチラシですよ?」
星花「わかっております。うーん、これも縁ですね」
李衣菜「はい?」
星花「私が参加したら、だめでしょうか?」
149: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:45:22.58 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・5
李衣菜「なつきち!」
夏樹「よ、だりー」
李衣菜「バンドメンバー集まったよ!バンド名も決めてないし、まだ曲もできてないけど」
夏樹「大丈夫なのか?」
李衣菜「やってみせるよ!これから練習なんだ、またね!」
夏樹「おう、がんばれよ。期待してるからな」
李衣菜「うん、そうだ、なつきち」
夏樹「なんだ?」
李衣菜「音楽は好き?」
夏樹「急だな、ああ、好きだよ」
李衣菜「私も大好き。だから、全力でやるよ!この気持ちをちゃんと歌にするから!」
李衣菜「なつきち!」
夏樹「よ、だりー」
李衣菜「バンドメンバー集まったよ!バンド名も決めてないし、まだ曲もできてないけど」
夏樹「大丈夫なのか?」
李衣菜「やってみせるよ!これから練習なんだ、またね!」
夏樹「おう、がんばれよ。期待してるからな」
李衣菜「うん、そうだ、なつきち」
夏樹「なんだ?」
李衣菜「音楽は好き?」
夏樹「急だな、ああ、好きだよ」
李衣菜「私も大好き。だから、全力でやるよ!この気持ちをちゃんと歌にするから!」
150: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:46:21.17 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・6
ゆかり「響子さん……」
響子「……」
ゆかり「強固な結びつきを持った人の、キスで暗示は解けるそうです」
響子「……」
ゆかり「だから、お手を借りますね」
響子「……」コクリ
ゆかり「……では」ドキドキ
響子「……」
ゆかり「え……あっ……」
チュパッ
響子「ありがと、ゆかりちゃん」
ゆかり「……」カーッ
ゆかり「響子さん……」
響子「……」
ゆかり「強固な結びつきを持った人の、キスで暗示は解けるそうです」
響子「……」
ゆかり「だから、お手を借りますね」
響子「……」コクリ
ゆかり「……では」ドキドキ
響子「……」
ゆかり「え……あっ……」
チュパッ
響子「ありがと、ゆかりちゃん」
ゆかり「……」カーッ
151: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:47:04.13 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・7
SWOW部室
亜里沙「はい!N県の教員採用試験に合格しました!」ニコニコ
優「あはっ☆亜里沙ちゃん、おめでとー!」
亜里沙「ありがと、優ちゃん」
時子「これで進路は決定ね。安心したわ」
亜季「ええ、めでたいでありますな」
恵磨「よーっし、飲みにいくぞー!」
SWOW部室
亜里沙「はい!N県の教員採用試験に合格しました!」ニコニコ
優「あはっ☆亜里沙ちゃん、おめでとー!」
亜里沙「ありがと、優ちゃん」
時子「これで進路は決定ね。安心したわ」
亜季「ええ、めでたいでありますな」
恵磨「よーっし、飲みにいくぞー!」
152: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:49:00.47 ID:/DHBZG2j0
エピローグ・8
某教会・地下室
柳瀬美由紀「クラリスさん、足元に気をつけてー。はい、イスはここ」
クラリス「ありがとうございます、美由紀さん」
美由紀「どういたしましてー」
クラリス
『シスター』。とある事情から神戸から東京に来た。
柳瀬美由紀
クラリスのアシスタント。視界が塞がれているクラリスの日常生活をサポートしている。
クラリス「皆様、お集まりですか?」
裕美「はい」
芳乃「いるのでしてー」
松永涼「アタシと小梅もいる」
白坂小梅「いるよ……」
松永涼
死神。ロッキンな服装をした女性。音楽とは決別した。
白坂小梅
ネクロマンサー。非常に痩せた小柄な少女。
高垣楓「私もいます」
高垣楓
捕食者。人間としての外見はミステリアスな美女。
クラリス「集まっているようですね」
涼「魔法使いはどうすんだ?」
クラリス「おって連絡しましょう。話は聞いていますね?」
楓「敵のお話ですか?」
裕美「敵……」
クラリス「敵はこちら側の存在をこの周辺に招きいれています」
芳乃「時間や空間をつなげられることによってでしてー」
涼「しかも、害を及ぼすような存在を、だ」
小梅「どこから……?」
裕美「根高公園にいたのは、天使だった。違う世界から、来た……」
クラリス「例え、どこから来ようが私達は変わりません。なすことをなすだけ、です」
芳乃「わかったのでしてー」
楓「それで、何をしたらよいのでしょう?」
クラリス「敵を捕捉することから。この場所とこの時にある意味で執着しているのは間違いないでしょう」
裕美「地道に探すって、こと?」
涼「ま、そういうことだろうよ」
クラリス「連絡は以上です。光あれ。この世界に幸あらんことを」
終
制作 ブーブーエス
某教会・地下室
柳瀬美由紀「クラリスさん、足元に気をつけてー。はい、イスはここ」
クラリス「ありがとうございます、美由紀さん」
美由紀「どういたしましてー」
クラリス
『シスター』。とある事情から神戸から東京に来た。
柳瀬美由紀
クラリスのアシスタント。視界が塞がれているクラリスの日常生活をサポートしている。
クラリス「皆様、お集まりですか?」
裕美「はい」
芳乃「いるのでしてー」
松永涼「アタシと小梅もいる」
白坂小梅「いるよ……」
松永涼
死神。ロッキンな服装をした女性。音楽とは決別した。
白坂小梅
ネクロマンサー。非常に痩せた小柄な少女。
高垣楓「私もいます」
高垣楓
捕食者。人間としての外見はミステリアスな美女。
クラリス「集まっているようですね」
涼「魔法使いはどうすんだ?」
クラリス「おって連絡しましょう。話は聞いていますね?」
楓「敵のお話ですか?」
裕美「敵……」
クラリス「敵はこちら側の存在をこの周辺に招きいれています」
芳乃「時間や空間をつなげられることによってでしてー」
涼「しかも、害を及ぼすような存在を、だ」
小梅「どこから……?」
裕美「根高公園にいたのは、天使だった。違う世界から、来た……」
クラリス「例え、どこから来ようが私達は変わりません。なすことをなすだけ、です」
芳乃「わかったのでしてー」
楓「それで、何をしたらよいのでしょう?」
クラリス「敵を捕捉することから。この場所とこの時にある意味で執着しているのは間違いないでしょう」
裕美「地道に探すって、こと?」
涼「ま、そういうことだろうよ」
クラリス「連絡は以上です。光あれ。この世界に幸あらんことを」
終
制作 ブーブーエス
153: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 22:50:54.13 ID:/DHBZG2j0
オマケ
PaP「誰だ、響子ちゃんに唇へキスするのを唆したのは」
CuP「ええ……びっくりしましたよ。ゆかりちゃんが手にキスするだけのシーンだったのに」
CoP「そりゃ、わかってるでしょう。たまたま撮影を見に来てた、奏ですよ」
PaP「やっぱりか」
CuP「あの後、しばらくゆかりちゃん真っ赤だったんですよ」
CoP「奏はしてやったりな顔してましたよ」
PaP「まぁ、グッジョブだ。衣装のチョイスも演技も奏ちゃん様様だ」
CoP「ですね」
CuP「瞳子さんも良かったですね」
CoP「伝えておきますよ、喜びます」
PaP「瞳子ちゃんはスタイルも演技もいいし、女優路線もいいんじゃないか?」
CoP「はぁ?アイドル全力で頑張ってもらいます、瞳子さんには」
PaP「すまん、僕が悪かった」
CuP「そんなにガチな反応はこっちが困りますよ……」
おしまい
PaP「誰だ、響子ちゃんに唇へキスするのを唆したのは」
CuP「ええ……びっくりしましたよ。ゆかりちゃんが手にキスするだけのシーンだったのに」
CoP「そりゃ、わかってるでしょう。たまたま撮影を見に来てた、奏ですよ」
PaP「やっぱりか」
CuP「あの後、しばらくゆかりちゃん真っ赤だったんですよ」
CoP「奏はしてやったりな顔してましたよ」
PaP「まぁ、グッジョブだ。衣装のチョイスも演技も奏ちゃん様様だ」
CoP「ですね」
CuP「瞳子さんも良かったですね」
CoP「伝えておきますよ、喜びます」
PaP「瞳子ちゃんはスタイルも演技もいいし、女優路線もいいんじゃないか?」
CoP「はぁ?アイドル全力で頑張ってもらいます、瞳子さんには」
PaP「すまん、僕が悪かった」
CuP「そんなにガチな反応はこっちが困りますよ……」
おしまい
154: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 23:04:35.86 ID:/DHBZG2j0
次回予告
卯月「私、島村卯月、17歳!CGプロダクションで明日のトップアイドルを目指してがんばってます!最近は、ハロウィンの大きなイベントを前にみんな忙しそう。それなのに、事務所で幽霊騒ぎが起きて大変なんです!新しく来た恵磨さんと音葉さんが調べてくれてるけど、不思議なことが次々と!イベントを成功させるために、私もがんばります!次回、
仙崎恵磨「7人が行く・偶像怪奇夜話」
みんな、見てくださいね!」
卯月「私、島村卯月、17歳!CGプロダクションで明日のトップアイドルを目指してがんばってます!最近は、ハロウィンの大きなイベントを前にみんな忙しそう。それなのに、事務所で幽霊騒ぎが起きて大変なんです!新しく来た恵磨さんと音葉さんが調べてくれてるけど、不思議なことが次々と!イベントを成功させるために、私もがんばります!次回、
仙崎恵磨「7人が行く・偶像怪奇夜話」
みんな、見てくださいね!」
155: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 23:05:41.07 ID:/DHBZG2j0
あとがき
嫁にガラスの靴を渡したら、王子様に見えたとか言われたので当分がんばれます。
奏CDデビューおめでとー。
今回プロフィールネタないけど、デレマスでやらないと説得力はない話になってるはず。
こんなところで、フォー・ピース結成してるとは誰も思うまい。
嫁にガラスの靴を渡したら、王子様に見えたとか言われたので当分がんばれます。
奏CDデビューおめでとー。
今回プロフィールネタないけど、デレマスでやらないと説得力はない話になってるはず。
こんなところで、フォー・ピース結成してるとは誰も思うまい。
156: ◆ty.IaxZULXr/ 2014/12/10(水) 23:06:22.18 ID:/DHBZG2j0
時子様回はクリスマスの話なんだけど、間に合いそうもないわ。残念。
次回は、
仙崎恵磨「7人が行く・偶像怪奇夜話」です。
それでは。
次回は、
仙崎恵磨「7人が行く・偶像怪奇夜話」です。
それでは。
157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 23:16:52.92 ID:wIWEp0Ev0
乙
アイチャレ組でまとまってるのな
SRをネタにしてもらえてうれしかったりああいう終わり方して
一奏Pとしてはちょい複雑だったけどオマケみてほっこり
次も楽しみにしてます
アイチャレ組でまとまってるのな
SRをネタにしてもらえてうれしかったりああいう終わり方して
一奏Pとしてはちょい複雑だったけどオマケみてほっこり
次も楽しみにしてます
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 00:11:50.39 ID:rlmbivXao
相変わらず毎回おもしろいな…
次回も頼むで
次回も頼むで
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 01:20:38.28 ID:9nBzky1W0
おっつん
一体これはなんてジャンルなんだ...?
一体これはなんてジャンルなんだ...?
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418202792/
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
向井拓海「隣人がうるさい?」
1: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:07:52.80 ID:mXJL5nW/0
P「そうなんだ、ウチのアパートの壁が薄くてさ、雑音とかすげー気になるんだ」
拓海「そりゃ災難だな」
P「だからさ、今度文句言ってやろうと思うんだよ」
拓海「お、珍しく強気じゃねーか、言ってやれ言ってやれ!」
P「でもやっぱ怖くて……ちょっと練習に付き合ってくれないか?」
拓海「……あ?」
前作
拓海「命乞いの練習?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450865898/
2: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:08:31.26 ID:mXJL5nW/0
P「だから、ちょっと隣人やってくれよ、俺が文句言いに行くから」
拓海「なんでアタシがやんなきゃいけねぇんだ、めんどくせえな」
P「頼むよ~~~!モバコインあげるから!」
拓海「それで釣られるのはごく一部だってこの前言ったろ!?」
P「この通りだ!」ドゲザー
拓海「お前にプライドはないのか!?しょうがねぇな……」
3: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:09:19.05 ID:mXJL5nW/0
コンコン ガチャ
P「ちょっとすいません!」
拓海「ん?隣のPさんじゃねーか、どうしたんだ?」
P「どうしたもこうしたもありませんよ!そっちのテレビの音がうるさいせいでねぇ!」
拓海「ええ?」
P「ウチの森久保目覚まし時計の
『アサデスケド……ハヤオキナンテムーリィ……』ボソッ
が聞こえないんですよ!」
拓海「それ目覚ましとして機能してねーだろ!」
4: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:09:51.58 ID:mXJL5nW/0
P「それだけじゃありませんよ!」
拓海「何だよ」
P「のあさん目覚まし時計の
『…………アサヨ』ボソッ
も聞こえないんですよ!」
拓海「なんでそんな静かなやつばっかり目覚ましに採用してんだよ!?」
5: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:10:21.40 ID:mXJL5nW/0
拓海「アンタずいぶん耳いいな!」
P「え?」
拓海「アンタずいぶん耳いいな!」
P「え?」
拓海「なんで聞こえないんだよ!!おかしいだろ!!!」
6: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:10:55.94 ID:mXJL5nW/0
拓海「ってかそれはそっちの責任であって、こっちは別に迷惑かけてないだろ!?」
P「かけてますよ!迷惑も小指も欠けまくりですよ!」
拓海「欠けてねえよ!!!そっちの筋じゃねえからな!?」
P「おかげでこっちはねぇ!スタドリ飲んだら夜も眠れませんよ!」
拓海「じゃあスタドリのせいだろ!?それがスタドリの力だよ!何が入っているのか知らねぇけども!」
7: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:11:36.28 ID:mXJL5nW/0
拓海「つーかまだ寝る時間でもないじゃねーか!!」
P「寝る時間じゃない!?」
拓海「そうだろ」
P「失礼ですけどアナタ、何をされている方ですか?」
拓海「あ……アイドルだけど?」
P「アイドルですか!!アイドルみたいなねぇ!特殊な職業の人にはわからないでしょうけどね!」
P「私らみたいな普通の錬金術師にはさすがに」
拓海「錬金術師!?そっちの方がよっぽど特殊だろ!?」
8: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:12:12.51 ID:mXJL5nW/0
拓海「だいたい錬金術師ってなんなんだよ!!」
P「あのですねぇ!デジタルのデータを景品にするだけで、みんながガチャガチャとお金を貢いでくれるんですよ!?これを錬金術と言わずになんと表現すれば」
拓海「やめろやめろやめろぉ!!!」
9: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:13:31.15 ID:mXJL5nW/0
P「この際だからロシア語で言わせてもらいますけどね」
拓海「はぁ?」
P「アンタね、неприятностьなんですよ!」
拓海「わかんねえよ!!!この事務所の人間がみんなロシア語わかると思ってんじゃねーぞ!!!」
※迷惑
10: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:14:09.67 ID:mXJL5nW/0
P「ここに住んでるのはあなただけじゃないんですから」
拓海「そんなんわかってんよ……」
P「いいですか?昔、ある泥酔してセットをぶち壊したアイドルがこんな素晴らしいことを言ってました。『人間というのは……』」
拓海「聞く耳もたねーよ!!!そんなヤツの話は!!!!」
11: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:14:35.70 ID:mXJL5nW/0
P「とにかく、これ以上うるさくするようならこのアパートから出て行ってもらいますよ!」
拓海「なんでアタシが出ていかなきゃいけねぇんだよ!」
P「アンタはこんなとこで燻っているようなアイドルじゃない!!!」
拓海「お前なんなんだよ!!!何が言いてえんださっきから!!!」
12: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:15:13.81 ID:mXJL5nW/0
P「だから、静かにしてくださいと言ってるんですよ!」
拓海「静かにって……いいか?人間が住んでるんだぞ?少しの物音も出さないなんて100%無理なんだよ!」
P「たとえ100%無理でも残りの1%が」
拓海「残りはねぇよ!!!ひゃく!!ぱー!!!せんと!!!!!」
13: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:15:39.55 ID:mXJL5nW/0
拓海「つーかなぁ!ちっちゃい物音で文句言いすぎなんだよ!この神経質野郎!!」
P「ちっちゃい物音で文句言いすぎなんだよこの神経質野郎……?」
P「アンタ今なんて言った!?」
拓海「言えてたじゃねーか!!!それで正解だよこの野郎!」
P「も~~~あったまってきた!!!!!」
拓海「あったまってどうすんだ!!!頭にきたんじゃねぇのかよ!?」
14: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:16:10.43 ID:mXJL5nW/0
P「こうなったらね、ハッキリ言わせてもらいますよ」
拓海「なんだよ」
P「あんたねぇ!近所名物なんですよ!!」
拓海「近所迷惑だろうが!!!」
15: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:16:41.83 ID:mXJL5nW/0
拓海「お前の方が迷惑だよ!!」
P「え?」
拓海「お前の方が迷惑だよ!!」
P「え?」
拓海「だからなんで聞こえないんだよ!!!おかしいだろ!!!」
16: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:17:17.01 ID:mXJL5nW/0
拓海「もういいよ帰れよ!」
P「帰るわけにはいきません!」
拓海「お前と話しててもなぁ!時間の無駄なんだよ!!」
P「時間の無駄!?時間の無駄ってなんすか」
拓海「時間の無駄は時間の無駄だろ」
P「そんなこと言うならね、ちょっとこのゴールドメダルチャンスを回してみてくださいよ」
拓海「ああ!?」ポチッ
獲得景品一覧
トレーニングバッジ3個
30,000マニー ×2
5,000マニー ×4
1000友情pt ×2
500友情pt ×3
トレーニングバッジ2個 ×2
トレーニングバッジ1個×5
P「こういうのを時間の無駄って言うんですよ!!!」
拓海「じゃあやらせんな!!!」
P「なんで柑奈が出ないんだ!?」
拓海「関係ねぇだろ!?」
17: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:17:56.42 ID:mXJL5nW/0
拓海「いいから帰れよこのクソジジイ!」
P「なんだとこの七色ヒョウくん!」
拓海「うるせぇこの自己中野郎!!」
P「言いやがったな渦巻きブリッツェン!!」
拓海「クレーマーおやじ!!!」
P「わんぱく御城常務!!!」
拓海「悪口が独特だな!?」
18: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:18:25.20 ID:mXJL5nW/0
拓海「ピンとこねえんだよ!バーカ!!!」
P「!!!」
P「きぃ~~さぁ~~まぁ~~らぁ~~!!!!」
拓海「1人だよ!!!何人に見えてんだ!」
P「うるせぇ!全員まとめてかかってこい!!」
拓海「だから1人だよ!!!」
20: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:19:39.43 ID:mXJL5nW/0
P「いいからこのアパートから出ていけ!」
拓海「出ていかねぇよ!」
P「そしてその目で世界を見て来い!!ヘーイ!!!」
拓海「お前誰なんだよ!?『世界』と『ヘーイ!』を同時に使ったら面白くなると思ってんじゃねえぞ!!!」
P「このシャカリキぴにゃこら太!!!」
拓海「だから独特だな!?いいかげんにしろ!」
おわり
元ネタはパンクブーブー「隣の住人」です
https://www.youtube.com/watch?v=gbE1F66GO7Y
求)Pにため口で勢いよくツッコミができるアイドル
21: ◆i/Ay6sgovU 2015/12/29(火) 01:20:13.47 ID:mXJL5nW/0
ちひろ「モバマスドラフト会議!」
杏「はやとちりーず」
杏「分解病」
智絵里「HAPPY」ほたる「HAPPY」朋「DAYS?」
智絵里「LET’S」ほたる「GO」朋「HAPPY?」
もよろしければ
「陶芸家に弟子入り」は、一番面白いと感じている部分である
手をついて頼めよ!→壁に手をつく→壁にじゃねぇよ!床に!!!
がSSでは再現できないので諦めました
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 01:22:09.82 ID:9Ozyhwit0
乙
ゴールドメダルチャンスの下りは卑怯w
パンクブーブーは駅のネタが好き
ゴールドメダルチャンスの下りは卑怯w
パンクブーブーは駅のネタが好き
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 01:22:52.37 ID:gWdbjSQJo
これM-1で優勝した時のネタだよな?
こう言っちゃ悪いが何で人気出ないんだろう……
乙!
こう言っちゃ悪いが何で人気出ないんだろう……
乙!
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 01:30:59.99 ID:HtH99uMEO
いい混ざり方だ
知ってるネタなのに笑った
乙
知ってるネタなのに笑った
乙
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 01:38:39.28 ID:VfV+p1nko
いい感じに溶け込んでいて面白かった
乙です
未央も案外いけるかもしれない
乙です
未央も案外いけるかもしれない
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Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
ハク「ネコネ……ネコネッ」シコシコ クオン「ハクー、洗濯物持ってき」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:51:00.53 ID:wS515mdV0
ハク「あっ」ドピュ
クオン「た……」
ハク「ち、違うんだクオン。これはそのだな……」
クオン「ここに置いとくね」ニヤニヤ
ハク「おいっ、待て!いや、でもちょっと待って!てかその生暖かい反応やめて!」
クオン「た……」
ハク「ち、違うんだクオン。これはそのだな……」
クオン「ここに置いとくね」ニヤニヤ
ハク「おいっ、待て!いや、でもちょっと待って!てかその生暖かい反応やめて!」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:51:46.98 ID:wS515mdV0
クオンの部屋
クオン「で、ハクはネコネの事が好きなのかな?」
ハク「いきなり核心突くな……。まあ、好きってのとはちょっと違くて」
クオン「?」
ハク「その、ちょっとムラッとしたと言うか……滅茶苦茶にしたいって、思ったっていうか……」
クオン「まあ、その気持ちは分からないでも無いけど」
ハク「だ、だよな!」
クオン「でも、仲間をオカズに自家発電はちょっと良くないかな」
ハク「は、はい……」
クオン「どうせなら、一思いに夜這いでもかけるのが男ってものかな!」
クオン「で、ハクはネコネの事が好きなのかな?」
ハク「いきなり核心突くな……。まあ、好きってのとはちょっと違くて」
クオン「?」
ハク「その、ちょっとムラッとしたと言うか……滅茶苦茶にしたいって、思ったっていうか……」
クオン「まあ、その気持ちは分からないでも無いけど」
ハク「だ、だよな!」
クオン「でも、仲間をオカズに自家発電はちょっと良くないかな」
ハク「は、はい……」
クオン「どうせなら、一思いに夜這いでもかけるのが男ってものかな!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:52:24.45 ID:wS515mdV0
ハク「そ、そうだよな……って、え?」
クオン「ネコネも生娘じゃあるまいし、一夜の過ちぐらい軽く許してくれると思うよ」
ハク「えっ、ちょ、ま……てか、生娘じゃない?マジで?」
クオン「ネコネもハクに負けじ劣らずのオナニー狂だしね。膜なんてもう無くしちゃってるんじゃないかな?」
ハク「膜無くすぐらいのオナニーってどんなのだよ……」
クオン「ネコネも生娘じゃあるまいし、一夜の過ちぐらい軽く許してくれると思うよ」
ハク「えっ、ちょ、ま……てか、生娘じゃない?マジで?」
クオン「ネコネもハクに負けじ劣らずのオナニー狂だしね。膜なんてもう無くしちゃってるんじゃないかな?」
ハク「膜無くすぐらいのオナニーってどんなのだよ……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:52:58.98 ID:wS515mdV0
クオン「ちなみにオカズはもっぱらオシュトルだけどね」
ハク「うへえ、それは聞きたくなかった……」
クオン「ま、とにかく、行動あるのみかな!」
ハク「マジかよ……いけるか?」
クオン「うん、いけるいける。案ずるよりヤるが易しだよ」
コンコン
「姉様、寝る前のお茶なのです」
ハク「!?」
ハク「うへえ、それは聞きたくなかった……」
クオン「ま、とにかく、行動あるのみかな!」
ハク「マジかよ……いけるか?」
クオン「うん、いけるいける。案ずるよりヤるが易しだよ」
コンコン
「姉様、寝る前のお茶なのです」
ハク「!?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:53:45.56 ID:wS515mdV0
クオン「あ、入って入って」
ガチャ
ネコネ「げ……余計な虫が付いてたのです」
ハク「虫とはなんだ、虫とは」
クオン「あはは、ハクとちょっとお喋りしてたんだ」
ネコネ「こんなやつと何を話す事があるですか。ほら、さっさと自分の部屋に戻るです」
クオン「ネコネ、そんな意地悪言わないの。ほら、たまには三人でのお茶も良いものだよ」
ネコネ「姉様がそうおっしゃるなら……」
クオン「そうと決まったら湯呑みをもう一つ持ってきて欲しいかな」
ネコネ「分かったのです」
ガチャ
ネコネ「げ……余計な虫が付いてたのです」
ハク「虫とはなんだ、虫とは」
クオン「あはは、ハクとちょっとお喋りしてたんだ」
ネコネ「こんなやつと何を話す事があるですか。ほら、さっさと自分の部屋に戻るです」
クオン「ネコネ、そんな意地悪言わないの。ほら、たまには三人でのお茶も良いものだよ」
ネコネ「姉様がそうおっしゃるなら……」
クオン「そうと決まったら湯呑みをもう一つ持ってきて欲しいかな」
ネコネ「分かったのです」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:54:43.01 ID:wS515mdV0
ハク「……なあ、やっぱり夜這いなんて無理じゃねーか。この嫌われ様とか」
クオン「そこで取り出したるはこの秘薬かな」
ハク「うげ、それって……」
クオン「私印の特性媚薬かな。こいつをひと飲みすれば、どんなインポ野郎もギンギンカチカチ、たとえ生理の止まった老婆でもオークを前にした女騎士になるかな」
ハク「女騎士?まあよく分からんが凄いんだな?……でもあんなお子様に薬盛るってのには若干、罪悪感が……」
クオン「そのお子様をズリネタにしてた癖によく言うよ。さ、ネコネがくる前にこれをネコネの湯呑みにダバーっと」
ハク「うおおい、入れ過ぎじゃねえか?そんなに入れたら——」
ネコネ「入れたらなんなのです?」
クオン「そこで取り出したるはこの秘薬かな」
ハク「うげ、それって……」
クオン「私印の特性媚薬かな。こいつをひと飲みすれば、どんなインポ野郎もギンギンカチカチ、たとえ生理の止まった老婆でもオークを前にした女騎士になるかな」
ハク「女騎士?まあよく分からんが凄いんだな?……でもあんなお子様に薬盛るってのには若干、罪悪感が……」
クオン「そのお子様をズリネタにしてた癖によく言うよ。さ、ネコネがくる前にこれをネコネの湯呑みにダバーっと」
ハク「うおおい、入れ過ぎじゃねえか?そんなに入れたら——」
ネコネ「入れたらなんなのです?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:56:15.23 ID:wS515mdV0
ハク「わひゃあ!?」
クオン「あ、おかえりネコネ。さあ、お茶にしようか」
ネコネ「姉様、今、私の湯呑みに入れたのは?」
クオン「体を温める体に良い薬かな。ほら、最近は冷えるしね」
ネコネ「流石姉様。お心遣い痛み入るです」ゴクゴク
ハク「あ……あ……」
ネコネ「それではおやすみなさいなのです。姉様もそんな奴相手にに夜更かししないでさっさと寝るですよ」
クオン「うん、分かったかな。おやすみなさい」
ガララ
クオン「で、はい、ハクもはい、ぐいっとー」
ハク「うわ、馬鹿!?俺にはそんなもの——むぐっ」ゴクゴクゴク
クオン「ふふふ」
ハク「ぅ……ぁ……」ビンビン
クオン「あ、おかえりネコネ。さあ、お茶にしようか」
ネコネ「姉様、今、私の湯呑みに入れたのは?」
クオン「体を温める体に良い薬かな。ほら、最近は冷えるしね」
ネコネ「流石姉様。お心遣い痛み入るです」ゴクゴク
ハク「あ……あ……」
ネコネ「それではおやすみなさいなのです。姉様もそんな奴相手にに夜更かししないでさっさと寝るですよ」
クオン「うん、分かったかな。おやすみなさい」
ガララ
クオン「で、はい、ハクもはい、ぐいっとー」
ハク「うわ、馬鹿!?俺にはそんなもの——むぐっ」ゴクゴクゴク
クオン「ふふふ」
ハク「ぅ……ぁ……」ビンビン
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:57:10.70 ID:wS515mdV0
三十分後
ネコネの部屋
ネコネ(お、おかしいのです……お股のあたりがじんじんと熱いのです……)
ネコネ(厠にいった方が良いのでしょうか……でも一人でいくのは……っ)
コンコン
ネコネ「姉様、姉様、すみません、厠に付いてきて欲しいのですが……」
ガラッ
ネコネ(い、いないのです……こうなったら……あいつを頼るしか)
ネコネの部屋
ネコネ(お、おかしいのです……お股のあたりがじんじんと熱いのです……)
ネコネ(厠にいった方が良いのでしょうか……でも一人でいくのは……っ)
コンコン
ネコネ「姉様、姉様、すみません、厠に付いてきて欲しいのですが……」
ガラッ
ネコネ(い、いないのです……こうなったら……あいつを頼るしか)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:58:01.35 ID:wS515mdV0
コンコン
ネコネ「い、いるですか?」
ハク「いるぞ。……何だネコネ」
ネコネ(?何だかいつもと雰囲気が違うのです?変に堂々としてると言うか……いや、そんなことより)
ネコネ「その……っ、こんな事を頼むのは誠に遺憾なのですが……っ」
ハク「便所だろ。付いて行ってやるよ」
ネコネ(よかった……)
ハク「でもな、もったいないと思わないか」
ネコネ「い、いるですか?」
ハク「いるぞ。……何だネコネ」
ネコネ(?何だかいつもと雰囲気が違うのです?変に堂々としてると言うか……いや、そんなことより)
ネコネ「その……っ、こんな事を頼むのは誠に遺憾なのですが……っ」
ハク「便所だろ。付いて行ってやるよ」
ネコネ(よかった……)
ハク「でもな、もったいないと思わないか」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:58:55.99 ID:wS515mdV0
ネコネ(なっ、何なのです。急に、手を引いてきて)
ネコネ「さ、触るな。なのです……」バッ
ハク「声に力が無いな……大丈夫か?」
ネコネ(な、何かおかしいのです。なんでこんな奴相手にドキドキするのです!?)
ハク「でな、もったいないと思うんだよ。ネコネみたいな可愛い女の子の小水を厠に流してしまうなんてのは」
ネコネ(う……ぁ……変態……なのに)
ハク「全部、見せてくれ。俺に。ネコネの恥ずかしいところ全部」ギュッ
ネコネ「ぁ……」トサッ……
ネコネ(抵抗……できない……)
ハク「ネコネ……」
ネコネ「さ、触るな。なのです……」バッ
ハク「声に力が無いな……大丈夫か?」
ネコネ(な、何かおかしいのです。なんでこんな奴相手にドキドキするのです!?)
ハク「でな、もったいないと思うんだよ。ネコネみたいな可愛い女の子の小水を厠に流してしまうなんてのは」
ネコネ(う……ぁ……変態……なのに)
ハク「全部、見せてくれ。俺に。ネコネの恥ずかしいところ全部」ギュッ
ネコネ「ぁ……」トサッ……
ネコネ(抵抗……できない……)
ハク「ネコネ……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 22:59:39.16 ID:wS515mdV0
* * * * * * * * * * * *
クオン「へぇ、ルルティエって男女のカップリングもいけるんだー」
ルルティエ「そ、それはまだ習作中のもので——」
ネコネ「じょ、冗談じゃないのです!誰があんな奴と!」
ネコネ(あの日の事が——バレたかと思ったのです……)
おしり
クオン「へぇ、ルルティエって男女のカップリングもいけるんだー」
ルルティエ「そ、それはまだ習作中のもので——」
ネコネ「じょ、冗談じゃないのです!誰があんな奴と!」
ネコネ(あの日の事が——バレたかと思ったのです……)
おしり
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 23:01:30.73 ID:wS515mdV0
エロ書こうかと思ったけどなんか違う感満載だったのでやめた。
HTML化依頼してきますん
HTML化依頼してきますん
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 23:04:06.96 ID:U98vwh410
もったいない
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 23:39:46.05 ID:Mk0OvWsYO
いやいやいやいやいやいや、いいとこだったのにww
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 23:44:04.48 ID:MFO8mcmWO
もうちょっと頑張ろうか
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/30(月) 00:29:44.33 ID:UHML2X3Io
乙
次スレに期待
次スレに期待
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/30(月) 01:03:41.87 ID:hTyLUvYn0
乙
エロは3クリックの代わりに3レスで終わるのかww
うたわれだしww
エロは3クリックの代わりに3レスで終わるのかww
うたわれだしww
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/30(月) 03:06:42.14 ID:iFNP13iio
ネコネちゃん口悪くなってるぅ…
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/30(月) 07:09:12.33 ID:R8Qw4bPLO
あっさりしていて飲みやすかった
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/30(月) 08:06:35.37 ID:F8v9Qs45O
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448805060/
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ うたわれるもの | Comments (0)
提督「なぁ、金剛」榛名「はい……」
1: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:30:07.03 ID:6OG/c6H6O
たてなおし
提督「今日は良い天気だな」
榛名「ええ。そうですね」
提督「後で比叡と榛名と霧島を呼んで、外で紅茶でも飲まないか。また、金剛のスコーンが食べたいなぁ」
榛名「駄目ですよ提督。今日は演習の日なんですから」
提督「おっと、そうだったな。すまない……」
榛名「全く、しっかりして下さいね」
提督「あはは…悪い悪い。でも、それだけ金剛の入れる紅茶が好きなんだよ」
榛名「もう、提督ったら。お上手ですね」
榛名「じゃあ、そろそろ休憩にしましょうか。お紅茶入れてきますね」
提督「お、待ってました! じゃあ、俺は茶菓子でも出すか」
提督「今日は良い天気だな」
榛名「ええ。そうですね」
提督「後で比叡と榛名と霧島を呼んで、外で紅茶でも飲まないか。また、金剛のスコーンが食べたいなぁ」
榛名「駄目ですよ提督。今日は演習の日なんですから」
提督「おっと、そうだったな。すまない……」
榛名「全く、しっかりして下さいね」
提督「あはは…悪い悪い。でも、それだけ金剛の入れる紅茶が好きなんだよ」
榛名「もう、提督ったら。お上手ですね」
榛名「じゃあ、そろそろ休憩にしましょうか。お紅茶入れてきますね」
提督「お、待ってました! じゃあ、俺は茶菓子でも出すか」
2: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:31:53.73 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
提督「うーん、やっぱり金剛の淹れてくれた紅茶は最高だな」ズズッ
榛名「紅茶には自信がありますから。誰にも負けませんよ」
提督「流石、英国直伝だな…。しかし、こうなるとスコーンがほしくなるなぁ」
榛名「昨日、比叡と霧島と榛名も同じ事を言ってましたよ」
提督「やっぱりそうだよなぁ。それだけ金剛のスコーンは美味いんだよ〜」
榛名「じゃあ、後で焼いてきてあげますね。夜、差し入れに持ってきます」
提督「お、さっすが金剛! これで、午後も頑張れるぞ!」
榛名「ふふ、頑張って下さい。じゃあ、私も演習に行ってきますね」
提督「おう、頑張って来てくれ。俺も夜のために書類の山を片付けとくよ」
ーーーー
提督「うーん、やっぱり金剛の淹れてくれた紅茶は最高だな」ズズッ
榛名「紅茶には自信がありますから。誰にも負けませんよ」
提督「流石、英国直伝だな…。しかし、こうなるとスコーンがほしくなるなぁ」
榛名「昨日、比叡と霧島と榛名も同じ事を言ってましたよ」
提督「やっぱりそうだよなぁ。それだけ金剛のスコーンは美味いんだよ〜」
榛名「じゃあ、後で焼いてきてあげますね。夜、差し入れに持ってきます」
提督「お、さっすが金剛! これで、午後も頑張れるぞ!」
榛名「ふふ、頑張って下さい。じゃあ、私も演習に行ってきますね」
提督「おう、頑張って来てくれ。俺も夜のために書類の山を片付けとくよ」
4: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:33:00.81 ID:6OG/c6H6O
榛名「………」ガチャッバタン
榛名「………」
霧島「あ………」
榛名「………」
霧島「金剛…お姉様。これから演習ですか」
榛名「ええ」
霧島「お姉様が旗艦で、今日は霧島も同じ艦隊です。一緒に行きましょう」
榛名「…ええ」
霧島「………」
5: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:35:53.50 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
霧島「……」
電「……」
雷「……」
榛名「今回は電と雷も今回は火力重視の装備だから積極的に攻めてね」
榛名「特に、潜水艦は私と霧島では手が出せないからお願いします」
雷「分かったわ…」
電「了解なのです…金剛さん」
榛名「そんなに心配しなくても大丈夫。いざという時は庇うから」スッ
電「は、はい」ビクッ
霧島「時間です。行きましょう、金剛お姉様」
榛名「はい」
ーーーー
ーーーー
榛名「ふっ!」ドカーンッ
霧島「こちらが押しているわ! 皆、旗艦に続いて!!」
電「なのです!」
雷「魚雷発射よ!」
ヒューン
霧島「!! 電、危ないわ!」
電「え?」
ーーーー
霧島「……」
電「……」
雷「……」
榛名「今回は電と雷も今回は火力重視の装備だから積極的に攻めてね」
榛名「特に、潜水艦は私と霧島では手が出せないからお願いします」
雷「分かったわ…」
電「了解なのです…金剛さん」
榛名「そんなに心配しなくても大丈夫。いざという時は庇うから」スッ
電「は、はい」ビクッ
霧島「時間です。行きましょう、金剛お姉様」
榛名「はい」
ーーーー
ーーーー
榛名「ふっ!」ドカーンッ
霧島「こちらが押しているわ! 皆、旗艦に続いて!!」
電「なのです!」
雷「魚雷発射よ!」
ヒューン
霧島「!! 電、危ないわ!」
電「え?」
6: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:37:10.03 ID:6OG/c6H6O
ドカーン
電「あうっ! ………あれ。痛く…ない」
榛名「だ、大丈夫?」
霧島「こ、金剛姉様!」
榛名「大丈夫よ…直撃だけど中破ですんだわ」
電「金剛さん…庇ってくれありがとうなのです……ごめんなさいなのです」
榛名「大丈夫よ。それに、ほら。私達の勝ちみたいね。電と雷がきちんと潜水艦を沈めてくれたおかげだわ」ナデナデ
電「えへへ……」
電「ありがとうなのです……榛名さん」
榛名「え……」ピクッ
雷「い、電!」
霧島「!!」
電「あ……」
7: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:39:28.39 ID:6OG/c6H6O
榛名「………ねぇ」ガシッ
電「あぐっ?!」
霧島「お、おやめください! お姉様!」ガシッ
榛名「私は誰だっけ?」ミシミシッ
電「あぐっ……かはっ……」
雷「こ、金剛さんごめんなさい!ごめんなさい!許してあげて下さい!!」
霧島「姉様!!」
電「こ…ん…ご……う…さ…」
榛名「………」パッ
電「あぐっ……はぁっ! はぁっ!」
雷「電! しっかりして!」
榛名「…霧島。先に戻るわ」
霧島「……はい」
電「あぐっ?!」
霧島「お、おやめください! お姉様!」ガシッ
榛名「私は誰だっけ?」ミシミシッ
電「あぐっ……かはっ……」
雷「こ、金剛さんごめんなさい!ごめんなさい!許してあげて下さい!!」
霧島「姉様!!」
電「こ…ん…ご……う…さ…」
榛名「………」パッ
電「あぐっ……はぁっ! はぁっ!」
雷「電! しっかりして!」
榛名「…霧島。先に戻るわ」
霧島「……はい」
8: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:42:05.78 ID:6OG/c6H6O
電「うぐっ……ごべんなざい…ごべんなざいなのでず……」
雷「電……うあ…うわああああ…」
霧島「…………大丈夫よ…悪くない。誰も……悪くないのよ」ギュッ
ーーーー
ーーーー
榛名「……」カチャカチャ
比叡「……スコーン?」
榛名「ええ……提督が食べたいと言うので。金剛のスコーンは絶品だって楽しみにしているんです」
比叡「………」
榛名「……食べてみてください」
比叡「…うん」モグモグ
榛名「どうですか。ちゃんと出来てますか」
比叡「うん……とっても美味しい…お姉様のスコーンだ」
榛名「良かった…」
比叡「………」
雷「電……うあ…うわああああ…」
霧島「…………大丈夫よ…悪くない。誰も……悪くないのよ」ギュッ
ーーーー
ーーーー
榛名「……」カチャカチャ
比叡「……スコーン?」
榛名「ええ……提督が食べたいと言うので。金剛のスコーンは絶品だって楽しみにしているんです」
比叡「………」
榛名「……食べてみてください」
比叡「…うん」モグモグ
榛名「どうですか。ちゃんと出来てますか」
比叡「うん……とっても美味しい…お姉様のスコーンだ」
榛名「良かった…」
比叡「………」
9: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:43:35.91 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
榛名「提督、失礼します」
提督「おー、来たか金剛。待っていたぞ!」
榛名「ちゃんと仕事を終わらせてからじゃないと駄目ですよ!」
提督「ふふ……あの山のような書類が見当たるかい?」
榛名「…流石ですね。じゃあ、食べましょうか」
ーーーー
ーーーー
提督「んー紅茶にスコーン。最高……幸せだなぁ」
提督「金剛のせいで、今はビールより紅茶だよ」
榛名「その方が健康に良いじゃないですか」
提督「はは、一理あるな」
提督「でも、ただ紅茶とスコーンがあるだけじゃダメなんだ…」
榛名「え?」
ーーーー
榛名「提督、失礼します」
提督「おー、来たか金剛。待っていたぞ!」
榛名「ちゃんと仕事を終わらせてからじゃないと駄目ですよ!」
提督「ふふ……あの山のような書類が見当たるかい?」
榛名「…流石ですね。じゃあ、食べましょうか」
ーーーー
ーーーー
提督「んー紅茶にスコーン。最高……幸せだなぁ」
提督「金剛のせいで、今はビールより紅茶だよ」
榛名「その方が健康に良いじゃないですか」
提督「はは、一理あるな」
提督「でも、ただ紅茶とスコーンがあるだけじゃダメなんだ…」
榛名「え?」
12: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:54:05.60 ID:6OG/c6H6O
提督「紅茶とスコーン……そして大事な金剛がそろって始めて幸せなんだ」
榛名「提督……」
提督「俺は、金剛とケッコンッコカリが出来て本当に嬉しいよ」
榛名「………」
提督「………」
提督「………金剛」
榛名「はい…」
提督「おいで」
榛名「はい……」
ーーーー
ーーーー
榛名「あっ!…あうっ! あんっ!」
提督「はぁっはぁっ!気持ちいい…気持ちいいよ金剛っ!」
榛名「んああああっ! 激し、激し過ぎますっ! ああもう、らめっ!」
提督「あぐっ…イクッ! 中に出すぞ金剛!」
榛名「……っ。は、はい…金剛の中にた、たっぷり出して下さい!」
提督「う、うぁ…こ、金剛!い、イクっ!」ビュルルッ
榛名「うあっ…で、出てる。金剛の中に熱いのが沢山でてますっ…」
提督「はぁっはぁっ……愛してる。愛してるよ…金剛…」
榛名「っ………。私もです……提督…」
榛名「提督……」
提督「俺は、金剛とケッコンッコカリが出来て本当に嬉しいよ」
榛名「………」
提督「………」
提督「………金剛」
榛名「はい…」
提督「おいで」
榛名「はい……」
ーーーー
ーーーー
榛名「あっ!…あうっ! あんっ!」
提督「はぁっはぁっ!気持ちいい…気持ちいいよ金剛っ!」
榛名「んああああっ! 激し、激し過ぎますっ! ああもう、らめっ!」
提督「あぐっ…イクッ! 中に出すぞ金剛!」
榛名「……っ。は、はい…金剛の中にた、たっぷり出して下さい!」
提督「う、うぁ…こ、金剛!い、イクっ!」ビュルルッ
榛名「うあっ…で、出てる。金剛の中に熱いのが沢山でてますっ…」
提督「はぁっはぁっ……愛してる。愛してるよ…金剛…」
榛名「っ………。私もです……提督…」
13: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:54:59.77 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
榛名「じゃあお休みなさい提督」ガチャ
提督「ああ、明日は休みだからな。ゆっくり休んでくれ」
榛名「はい」
提督「おやすみ、金剛」チュッ
榛名「おやすみなさい…提督」チュッ
バタンッ
榛名「…………」テクテク
榛名「………」ガチャ
榛名「ただいま…です」
比叡「おかえり…………――榛名」
霧島「おかえり榛名…」
ーーーー
榛名「じゃあお休みなさい提督」ガチャ
提督「ああ、明日は休みだからな。ゆっくり休んでくれ」
榛名「はい」
提督「おやすみ、金剛」チュッ
榛名「おやすみなさい…提督」チュッ
バタンッ
榛名「…………」テクテク
榛名「………」ガチャ
榛名「ただいま…です」
比叡「おかえり…………――榛名」
霧島「おかえり榛名…」
14: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:55:47.31 ID:6OG/c6H6O
榛名「………」フラフラ
比叡「榛名……」ギュッ
霧島「……」ギュッ
榛名「…今日は三人で寝ても良いですか…」
比叡「もちろんよ…」
ーーーー
ーーーー
榛名「….…」
比叡「……」
霧島「……」
榛名「霧島……今日は、ごめんなさい。電と雷にも怖い思いを……させちゃった…」
霧島「大丈夫よ…誰も悪くないわ。榛名も電も…誰も悪くないのよ」
榛名「うん…」
榛名「比叡姉さん……私、ちゃんと上手く出来てますか…」
比叡「ええ…榛名は頑張ってるわ。大丈夫よ…」
榛名「そう…ですか…」
比叡「榛名……」ギュッ
霧島「……」ギュッ
榛名「…今日は三人で寝ても良いですか…」
比叡「もちろんよ…」
ーーーー
ーーーー
榛名「….…」
比叡「……」
霧島「……」
榛名「霧島……今日は、ごめんなさい。電と雷にも怖い思いを……させちゃった…」
霧島「大丈夫よ…誰も悪くないわ。榛名も電も…誰も悪くないのよ」
榛名「うん…」
榛名「比叡姉さん……私、ちゃんと上手く出来てますか…」
比叡「ええ…榛名は頑張ってるわ。大丈夫よ…」
榛名「そう…ですか…」
15: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:56:59.98 ID:6OG/c6H6O
榛名「榛名は…大丈夫ですか?」
比叡「大丈夫よ…榛名」
榛名「良かった……」
榛名「榛名は……大丈夫…」
榛名「だいじょ……ぶ」
榛名「……」zzz
霧島「寝たみたいですね……」
比叡「………榛名」ギュッ
霧島「……誰も悪くない…けれど、どうすれば良いのでしょうか…」
比叡「……分からないわ。本当に……分からない…」
榛名「……金剛……姉様…」zzz
比叡「大丈夫よ…榛名」
榛名「良かった……」
榛名「榛名は……大丈夫…」
榛名「だいじょ……ぶ」
榛名「……」zzz
霧島「寝たみたいですね……」
比叡「………榛名」ギュッ
霧島「……誰も悪くない…けれど、どうすれば良いのでしょうか…」
比叡「……分からないわ。本当に……分からない…」
榛名「……金剛……姉様…」zzz
16: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:57:39.26 ID:6OG/c6H6O
金剛お姉様が沈んだ。司令とのケッコンッコカリ三日後の事。同じ艦隊だった榛名は自分のせいだと自らを責めた。
提督は壊れてしまった。榛名を金剛お姉様と呼び、そばに置くようになった。
提督は壊れてしまったけど、優秀なままだった。だから、上は現状維持を望んだ。
そうして、榛名は金剛お姉様になった。今日も榛名は紅茶を入れ、スコーンを焼き、司令の愛した金剛お姉様でいる。
提督は壊れてしまった。榛名を金剛お姉様と呼び、そばに置くようになった。
提督は壊れてしまったけど、優秀なままだった。だから、上は現状維持を望んだ。
そうして、榛名は金剛お姉様になった。今日も榛名は紅茶を入れ、スコーンを焼き、司令の愛した金剛お姉様でいる。
17: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:58:42.54 ID:6OG/c6H6O
榛名は金剛お姉様と随伴艦を見捨て逃げ延びて来たと榛名は繰り返す。
決して艦隊のせいではない。敵に対し、装備も編成も間違ってはいなかった。練度も足りていた。……誰も悪くないと思う。ただ…運が悪かったのだ。提督には防ぎ用がなく、榛名にもどうしようもない。だが、轟沈という事実は提督を苦しめている。
決して艦隊のせいではない。敵に対し、装備も編成も間違ってはいなかった。練度も足りていた。……誰も悪くないと思う。ただ…運が悪かったのだ。提督には防ぎ用がなく、榛名にもどうしようもない。だが、轟沈という事実は提督を苦しめている。
18: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 20:59:21.50 ID:6OG/c6H6O
ーー翌朝ーー
霧島「………」
比叡「………」
榛名「……じゃあ、提督の元へ行ってきます」
比叡「…榛名」
榛名「なんでしょうか?」
比叡「…もうやめよう」
榛名「え…」
比叡「こんなの駄目よ! いつまでも榛名が金剛お姉様の代わりで居続けるなんて間違ってるわ!」
榛名「………」
比叡「幾ら戦績が優秀でも、榛名一人が苦しみ続けるなんて間違ってるっ!」
榛名「比叡お姉様…別に……私は…」
比叡「嘘よっ!」
榛名「……っ」
霧島「………」
比叡「………」
榛名「……じゃあ、提督の元へ行ってきます」
比叡「…榛名」
榛名「なんでしょうか?」
比叡「…もうやめよう」
榛名「え…」
比叡「こんなの駄目よ! いつまでも榛名が金剛お姉様の代わりで居続けるなんて間違ってるわ!」
榛名「………」
比叡「幾ら戦績が優秀でも、榛名一人が苦しみ続けるなんて間違ってるっ!」
榛名「比叡お姉様…別に……私は…」
比叡「嘘よっ!」
榛名「……っ」
19: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:00:10.86 ID:6OG/c6H6O
比叡「私は榛名のお姉ちゃん…幾ら私でも榛名が苦しんでいる事なんて分かるわっ」ギュッ
榛名「お姉様…」
霧島「それに…金剛お姉様もこんな事望んでいないわ……。提督には目を覚ましてもらいましょう」
榛名「でも…大本営が。もし、提督が指揮をできなくなったら、お姉様達は……」
比叡「妹を犠牲にしてまで生きようとは思わないわ」
霧島「………」コクッ
榛名「………っ」
榛名「お姉様……ありがとう…ございます」
比叡「今まで榛名に背負わせてた私達には、感謝される資格はないわ…本当にごめんなさい」
霧島「今度は私達が苦しみを受け止めるわ」
榛名「お姉様…」
榛名「お姉様…」
霧島「それに…金剛お姉様もこんな事望んでいないわ……。提督には目を覚ましてもらいましょう」
榛名「でも…大本営が。もし、提督が指揮をできなくなったら、お姉様達は……」
比叡「妹を犠牲にしてまで生きようとは思わないわ」
霧島「………」コクッ
榛名「………っ」
榛名「お姉様……ありがとう…ございます」
比叡「今まで榛名に背負わせてた私達には、感謝される資格はないわ…本当にごめんなさい」
霧島「今度は私達が苦しみを受け止めるわ」
榛名「お姉様…」
20: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:00:46.45 ID:6OG/c6H6O
榛名「でも、どうやって提督を戻すのでしょうか? 正直な所……口頭や書類程度で治るとは思えないです…」
霧島「………それには考えがあるわ」
榛名「?」
霧島「お姉様の死体はサルベージされていないわよね」
榛名「はい。何しろあの時は満身創痍でしたから……。榛名だけが…逃げ延びて来て…私…私だけがっ……お姉様と皆を見捨てて…」
比叡「榛名…貴方は悪くないわ……誰も悪くないのよ…」ギュッ
霧島「榛名…」
榛名「ごめんなさい…大丈夫です…」
榛名「はい……死体も艤装も…沈んでしまったので…」
霧島「……金剛お姉様の死体をサルベージします」
榛名「え?!」
霧島「そして、それを提督に突きつけるのです」
榛名「!?」
霧島「………それには考えがあるわ」
榛名「?」
霧島「お姉様の死体はサルベージされていないわよね」
榛名「はい。何しろあの時は満身創痍でしたから……。榛名だけが…逃げ延びて来て…私…私だけがっ……お姉様と皆を見捨てて…」
比叡「榛名…貴方は悪くないわ……誰も悪くないのよ…」ギュッ
霧島「榛名…」
榛名「ごめんなさい…大丈夫です…」
榛名「はい……死体も艤装も…沈んでしまったので…」
霧島「……金剛お姉様の死体をサルベージします」
榛名「え?!」
霧島「そして、それを提督に突きつけるのです」
榛名「!?」
21: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:01:31.30 ID:6OG/c6H6O
比叡「死体…もしくは壊れた艤装を見れば、提督も認識するでしょう…金剛お姉様の死を」
榛名「で、でも…もう海流で流されてしまったかもしれません…」
霧島「お姉様が沈んだ海域は潮の流れがかなり緩やかなのよ。それに…死んだ私たちはかなり重い」
比叡「大体の目星は付いているわ。潜水艦の子達にも協力をしてくれる。……皆、榛名を心配しているのよ」
榛名「………でも、大本営はサルベージをしない方針で…これがしれてしまったら皆は…」
比叡「言ったでしょ。大本営がなんだろうと、榛名一人にもう苦しみは背負わせないって。皆、同じ気持ちなのよ」
榛名「皆……」
榛名「で、でも…もう海流で流されてしまったかもしれません…」
霧島「お姉様が沈んだ海域は潮の流れがかなり緩やかなのよ。それに…死んだ私たちはかなり重い」
比叡「大体の目星は付いているわ。潜水艦の子達にも協力をしてくれる。……皆、榛名を心配しているのよ」
榛名「………でも、大本営はサルベージをしない方針で…これがしれてしまったら皆は…」
比叡「言ったでしょ。大本営がなんだろうと、榛名一人にもう苦しみは背負わせないって。皆、同じ気持ちなのよ」
榛名「皆……」
22: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:03:34.18 ID:6OG/c6H6O
比叡「サルベージは遠征時に行うわ。引き上げには私が行く。霧島と榛名は秘密裏に母港で受け入れの準備をしてもらうわ」
榛名「………私も遠征隊について行きます。いや、行かせて下さいっ! 私も行かなきゃ駄目なんですっ…」
比叡「榛名……。お姉様の死体は…もう綺麗じゃないかもしれないのよ。辛い思いはもう…」
榛名「……私も心の何処かで金剛お姉様の死を受け入れられていないのかもしれません」
榛名「だから、これで私も向き合わなきゃだめなんです! 私も行かせて下さい!」
比叡「………」
霧島「比叡お姉様……これも乗り越えなければならない事なのでしょう。だから…榛名も行くべきだと私は思います」
比叡「……分かったわ」
比叡「戦艦があと一隻いた方が安全なのは事実よ」
比叡「榛名…強くなったわね」
榛名「……そんな。私はただ…」
榛名「………私も遠征隊について行きます。いや、行かせて下さいっ! 私も行かなきゃ駄目なんですっ…」
比叡「榛名……。お姉様の死体は…もう綺麗じゃないかもしれないのよ。辛い思いはもう…」
榛名「……私も心の何処かで金剛お姉様の死を受け入れられていないのかもしれません」
榛名「だから、これで私も向き合わなきゃだめなんです! 私も行かせて下さい!」
比叡「………」
霧島「比叡お姉様……これも乗り越えなければならない事なのでしょう。だから…榛名も行くべきだと私は思います」
比叡「……分かったわ」
比叡「戦艦があと一隻いた方が安全なのは事実よ」
比叡「榛名…強くなったわね」
榛名「……そんな。私はただ…」
23: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:04:33.10 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーー数日後
比叡「行ってくるわ。霧島、そっちは頼んだわよ」
榛名「行ってきます」
霧島「はい……。比叡お姉様、榛名…気を付けて…」
比叡「そんな心配そうな顔をしないで。ほら、主砲も新しい新型よ。たとえどんな深海棲艦がきたとしても負けないわ」
霧島「はい……」
ーーーー
ーーーー
比叡「この辺りね……」
榛名「索敵………敵影はありません」
比叡「よし、探索を開始するわ」
榛名「は、はい……」ブルッ
比叡「榛名…」
榛名「…大丈夫です。すいません…」
比叡「何かあったら直ぐに言うのよ」
榛名「はい…」
比叡「……よし。では、探索開始!」
ーー数日後
比叡「行ってくるわ。霧島、そっちは頼んだわよ」
榛名「行ってきます」
霧島「はい……。比叡お姉様、榛名…気を付けて…」
比叡「そんな心配そうな顔をしないで。ほら、主砲も新しい新型よ。たとえどんな深海棲艦がきたとしても負けないわ」
霧島「はい……」
ーーーー
ーーーー
比叡「この辺りね……」
榛名「索敵………敵影はありません」
比叡「よし、探索を開始するわ」
榛名「は、はい……」ブルッ
比叡「榛名…」
榛名「…大丈夫です。すいません…」
比叡「何かあったら直ぐに言うのよ」
榛名「はい…」
比叡「……よし。では、探索開始!」
24: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:05:26.29 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
霧島「………」
霧島「…そろそろ。比叡お姉様から通信が入るころだわ」
霧島「………きた!」
《…………》ザザッ
霧島「…….? こちら霧島です!」
《………っ……あ……》ザザッ
霧島「……お姉様?」
《……霧島…お姉様…》ザザッ
霧島「は、榛名?通信が乱れて…」
《皆……轟沈……帰投…私だけ…大破で……航行…不安て……》ザザッ
霧島「な…?!」
ーーーー
霧島「………」
霧島「…そろそろ。比叡お姉様から通信が入るころだわ」
霧島「………きた!」
《…………》ザザッ
霧島「…….? こちら霧島です!」
《………っ……あ……》ザザッ
霧島「……お姉様?」
《……霧島…お姉様…》ザザッ
霧島「は、榛名?通信が乱れて…」
《皆……轟沈……帰投…私だけ…大破で……航行…不安て……》ザザッ
霧島「な…?!」
25: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:07:00.72 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーーーー
「うっ……うっ……そんな」
「比叡さん……」
「うえぇぇえんっ!」
霧島「……………」
「霧島さん! 榛名さんが目を覚ましました!」
ーーーー
ーーーー
霧島「は、榛名っ!」
榛名「……ごめんなさい。私だけ…また」
榛名「また……私だけが……私だけっ……」プルプル
霧島「…っ。榛名……」ギュッ
榛名「ごめんなさい……ごめんなさい…」
霧島「……大丈夫、大丈夫よ……誰も悪くないのよ…」
ーーーー
「うっ……うっ……そんな」
「比叡さん……」
「うえぇぇえんっ!」
霧島「……………」
「霧島さん! 榛名さんが目を覚ましました!」
ーーーー
ーーーー
霧島「は、榛名っ!」
榛名「……ごめんなさい。私だけ…また」
榛名「また……私だけが……私だけっ……」プルプル
霧島「…っ。榛名……」ギュッ
榛名「ごめんなさい……ごめんなさい…」
霧島「……大丈夫、大丈夫よ……誰も悪くないのよ…」
26: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:07:51.41 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーー
霧島「…何があったの」
榛名「……悪魔のようなでした」
霧島「悪魔…?」
榛名「…あっという間に皆、殲滅されてしまったんです。姿も何も……わからなかった」
霧島「………」
榛名「ただ、声が聞こえました……」
霧島「声…?」
榛名「黒いヘドロのような声………ただ、一言…シカタガナイ…と」
霧島「シカタガナイ…?」
提督「金剛っ!」バタンッ
ーー
霧島「…何があったの」
榛名「……悪魔のようなでした」
霧島「悪魔…?」
榛名「…あっという間に皆、殲滅されてしまったんです。姿も何も……わからなかった」
霧島「………」
榛名「ただ、声が聞こえました……」
霧島「声…?」
榛名「黒いヘドロのような声………ただ、一言…シカタガナイ…と」
霧島「シカタガナイ…?」
提督「金剛っ!」バタンッ
27: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:08:31.71 ID:6OG/c6H6O
榛名「あ……提督」
提督「大丈夫か、金剛?!」
榛名「はい…」
提督「ああ…俺の責任だ。比叡が…俺のせいで比叡が…」
榛名「……大丈夫です。提督は悪くないありません…」
霧島「………」
提督「すまない…霧島……こんご」
霧島「……っ」
榛名「大丈夫……大丈夫です」ギュッ
榛名「誰も…悪くないんです…」
提督「すまないっ……すまないっ…」
榛名「大丈夫です…金剛がいますから……」ギュッ
提督「うぐっ……うああああ…」
霧島「………」
提督「大丈夫か、金剛?!」
榛名「はい…」
提督「ああ…俺の責任だ。比叡が…俺のせいで比叡が…」
榛名「……大丈夫です。提督は悪くないありません…」
霧島「………」
提督「すまない…霧島……こんご」
霧島「……っ」
榛名「大丈夫……大丈夫です」ギュッ
榛名「誰も…悪くないんです…」
提督「すまないっ……すまないっ…」
榛名「大丈夫です…金剛がいますから……」ギュッ
提督「うぐっ……うああああ…」
霧島「………」
28: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:09:49.44 ID:6OG/c6H6O
遠征隊は榛名を残して全滅。命からがら戻ってきた榛名も大破状態。
お姉様を沈め、榛名を大破させ、潜水艦の子達も沈めたとなると既存の深海棲艦では考えられない……。二度目の轟沈。流石に異常だと判断した大本営は海域の調査が行ったが、比叡お姉様の死体も金剛お姉様の死体も見つからず原因は分からず仕舞いだった。
29: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:11:09.06 ID:6OG/c6H6O
霧島「………」ガチャガチャ
霧島「…………よし」
榛名「…………霧島」
霧島「……! 榛名…」
榛名「その装備……お姉様を探しにいくの?」
霧島「ええ」
榛名「もう……無理よ」
霧島「私は自分の目で確かめるまで諦めない……死ぬことになろうと諦めないわ」
榛名「霧島……」
榛名「分かった……私も行く」
霧島「……何があるのか分からないわよ。もしかしたら……死ぬかもしれない」
榛名「ううん……霧島が頑張っているのに、私だけじっとしてなんかいられないわ」
霧島「………」
霧島「……分かったわ」
霧島「…………よし」
榛名「…………霧島」
霧島「……! 榛名…」
榛名「その装備……お姉様を探しにいくの?」
霧島「ええ」
榛名「もう……無理よ」
霧島「私は自分の目で確かめるまで諦めない……死ぬことになろうと諦めないわ」
榛名「霧島……」
榛名「分かった……私も行く」
霧島「……何があるのか分からないわよ。もしかしたら……死ぬかもしれない」
榛名「ううん……霧島が頑張っているのに、私だけじっとしてなんかいられないわ」
霧島「………」
霧島「……分かったわ」
30: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:12:15.38 ID:6OG/c6H6O
ーーーー
ーー
霧島「……このあたりね」
榛名「ええ」
霧島「潮で流されていたならこの辺りも可能性がある…探しましょう」
榛名「はい」
榛名「………」
榛名「あ……お姉様。向こうに何か」
霧島「え?」
榛名「……」チャキッ
ドカーン
霧島「………あが?!」
榛名「……」チャキッ
霧島「……っぐ!」
榛名「あれ……外しましたか。……でも、もう動けないですね」
霧島「……うっ………あっ……は、榛名…なん……で?」
榛名「………ふふ。一撃で沈まなかったのは霧島だけですね」
霧島「は……?」
榛名「こうなると話したくなっちゃいます。金剛お姉様と比叡お姉様には話せませんでしたから」
霧島「金剛……比叡…お姉様?」
榛名「ふふ……お姉様方を沈めたのは私なんですよ。今みたいに後ろからズドーンッてね」
霧島「?!」
ーー
霧島「……このあたりね」
榛名「ええ」
霧島「潮で流されていたならこの辺りも可能性がある…探しましょう」
榛名「はい」
榛名「………」
榛名「あ……お姉様。向こうに何か」
霧島「え?」
榛名「……」チャキッ
ドカーン
霧島「………あが?!」
榛名「……」チャキッ
霧島「……っぐ!」
榛名「あれ……外しましたか。……でも、もう動けないですね」
霧島「……うっ………あっ……は、榛名…なん……で?」
榛名「………ふふ。一撃で沈まなかったのは霧島だけですね」
霧島「は……?」
榛名「こうなると話したくなっちゃいます。金剛お姉様と比叡お姉様には話せませんでしたから」
霧島「金剛……比叡…お姉様?」
榛名「ふふ……お姉様方を沈めたのは私なんですよ。今みたいに後ろからズドーンッてね」
霧島「?!」
31: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:13:57.95 ID:6OG/c6H6O
霧島「あ……え? な、何で……」
榛名「んー、そうですね。金剛お姉様を沈めたのは単純に憎かったからですかね」
霧島「……?」
榛名「あー、分からないですよね。……私も提督が好きだったんですよ」
榛名「まぁでも選ばれるわけないですよね。金剛お姉様は第一艦隊で金剛型1番艦。榛名は唯の3番艦ですから」
霧島「そんな……皆で提督と金剛お姉様が結ばれたのを喜んで……榛名もお姉様のお姉様の幸せが一番って…」
榛名「そんなわけないじゃないですか。榛名は榛名の幸せが一番ですよ。………まぁ、でもどうにもならないから金剛お姉様を沈めて、私も死のうと思ったんです」
榛名「でも、そしたら………………ぷっ」
霧島「…………」
榛名「ぷっ……くっ…くくく……あは、あはははははははっ!!」
霧島「??」
榛名「て、提督が私の事、金剛って。ふふふ……傑作ですよね。提督が私のことを金剛って呼ぶんですよ」
霧島「………榛名」
榛名「………だから、榛名は金剛になった。偶然だけど…私は提督の一番になれたんです」
榛名「んー、そうですね。金剛お姉様を沈めたのは単純に憎かったからですかね」
霧島「……?」
榛名「あー、分からないですよね。……私も提督が好きだったんですよ」
榛名「まぁでも選ばれるわけないですよね。金剛お姉様は第一艦隊で金剛型1番艦。榛名は唯の3番艦ですから」
霧島「そんな……皆で提督と金剛お姉様が結ばれたのを喜んで……榛名もお姉様のお姉様の幸せが一番って…」
榛名「そんなわけないじゃないですか。榛名は榛名の幸せが一番ですよ。………まぁ、でもどうにもならないから金剛お姉様を沈めて、私も死のうと思ったんです」
榛名「でも、そしたら………………ぷっ」
霧島「…………」
榛名「ぷっ……くっ…くくく……あは、あはははははははっ!!」
霧島「??」
榛名「て、提督が私の事、金剛って。ふふふ……傑作ですよね。提督が私のことを金剛って呼ぶんですよ」
霧島「………榛名」
榛名「………だから、榛名は金剛になった。偶然だけど…私は提督の一番になれたんです」
32: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:16:24.82 ID:6OG/c6H6O
榛名「それなのに…比叡お姉様ったら死体を見つけるって言い出して。もう…提督が正気に戻ったらどうするんですか」
榛名「しょうがないから比叡お姉様にも沈んでもらいました。きっと沈むまで諦めないですからね」
霧島「……うっ……くっ」
榛名「そんな訳で、霧島にも沈んでもらいます。あ、動かないで下さいね。探索用装備しか持ってきていないんだから、抵抗しても苦しむだけです」
霧島「……ずっと隠してはいられないわ。いずれ…明るみに………でるわよ」
榛名「いいです別に。暫く、榛名が提督の一番でいられれば良いんですから。バレたら…提督のくれた指輪と沈むだけ」
榛名「じゃあ、さよな……」
霧島「私は嫌ですね」ズドーン
榛名「あがっ?!」
榛名「あ?! ぐっ?! え? え? 」
霧島「私はずっと提督の1番が良いですね」
榛名「うっ……あ…何で?!」
霧島「ふぅ……芝居も疲れます。ああ、これは探索用装備じゃないです。特注の偽装装備ですね。明石さんに作ってもらいました」
榛名「き、気づいて……」
霧島「まあ憎かった気持ちは理解できます。あ、指輪はもらいますよ
じゃあ、さようなら――」
榛名「しょうがないから比叡お姉様にも沈んでもらいました。きっと沈むまで諦めないですからね」
霧島「……うっ……くっ」
榛名「そんな訳で、霧島にも沈んでもらいます。あ、動かないで下さいね。探索用装備しか持ってきていないんだから、抵抗しても苦しむだけです」
霧島「……ずっと隠してはいられないわ。いずれ…明るみに………でるわよ」
榛名「いいです別に。暫く、榛名が提督の一番でいられれば良いんですから。バレたら…提督のくれた指輪と沈むだけ」
榛名「じゃあ、さよな……」
霧島「私は嫌ですね」ズドーン
榛名「あがっ?!」
榛名「あ?! ぐっ?! え? え? 」
霧島「私はずっと提督の1番が良いですね」
榛名「うっ……あ…何で?!」
霧島「ふぅ……芝居も疲れます。ああ、これは探索用装備じゃないです。特注の偽装装備ですね。明石さんに作ってもらいました」
榛名「き、気づいて……」
霧島「まあ憎かった気持ちは理解できます。あ、指輪はもらいますよ
じゃあ、さようなら――」
33: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:17:25.57 ID:6OG/c6H6O
ーー記録ーー
痴情のもつれによる事件。金剛型3番艦榛名は姉二人を殺害し、妹をも殺害しようとしたが反撃を受け死亡した。
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
提督「おーい、金剛」
霧島「何ですか提督?」
提督「今夜…どうだ」
霧島「分かってますよ、ちゃんと焼いときますから。その代わり仕事を終わらせといて下さいよ」
提督「分かってるよっ。金剛こそ忘れないでくれよ」
明石「あの……」
霧島「あ。じゃあ、提督。また後で」
提督「おう、頑張れよ金剛」
霧島「ええ」
明石「…………」
ーーーー
ーーーー
霧島「……予定通りの個数ね。来週もお願いします」
霧島「改修資材は後で運ばせますので」
明石「はい……」
明石「………」
痴情のもつれによる事件。金剛型3番艦榛名は姉二人を殺害し、妹をも殺害しようとしたが反撃を受け死亡した。
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
提督「おーい、金剛」
霧島「何ですか提督?」
提督「今夜…どうだ」
霧島「分かってますよ、ちゃんと焼いときますから。その代わり仕事を終わらせといて下さいよ」
提督「分かってるよっ。金剛こそ忘れないでくれよ」
明石「あの……」
霧島「あ。じゃあ、提督。また後で」
提督「おう、頑張れよ金剛」
霧島「ええ」
明石「…………」
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ーーーー
霧島「……予定通りの個数ね。来週もお願いします」
霧島「改修資材は後で運ばせますので」
明石「はい……」
明石「………」
34: ◆Qz0e4gvs0s 2015/12/28(月) 21:21:31.03 ID:6OG/c6H6O
明石「………事件は解決しても、提督は治りませんね」
明石「大本営も、現状維持に努めよだなんて…」
霧島「……仕方がないです。こうなってしまった以上、私は務めを果たすだけです」
明石「……私に出来る事があったら言って下さいね」
霧島「はい、分かっています」
明石「………」
明石「…………防ぎ用がなかったんですかね」
霧島「………どうしようもなかった事です。気を負わないでください。私の手で姉妹のケジメをつける事に協力してくれた明石さんには感謝してますから」
明石「………はい」
明石「…………」
明石「………本当にケジメをつけるためだったんですか」
霧島「……もちろん。それ以外に何が?」
明石「………いえ」
ーー完ーー
明石「大本営も、現状維持に努めよだなんて…」
霧島「……仕方がないです。こうなってしまった以上、私は務めを果たすだけです」
明石「……私に出来る事があったら言って下さいね」
霧島「はい、分かっています」
明石「………」
明石「…………防ぎ用がなかったんですかね」
霧島「………どうしようもなかった事です。気を負わないでください。私の手で姉妹のケジメをつける事に協力してくれた明石さんには感謝してますから」
明石「………はい」
明石「…………」
明石「………本当にケジメをつけるためだったんですか」
霧島「……もちろん。それ以外に何が?」
明石「………いえ」
ーー完ーー
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 21:35:04.00 ID:C/+SLNM0o
やはりこれからは航空戦艦の時代か…
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 21:35:40.54 ID:lAsXs0OHo
乙
榛名かわいかった
榛名かわいかった
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 04:32:07.63 ID:fHNAsiDEo
乙
面白かった
面白かった
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451302207/
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
[ガルパン]みほ「4号が安価で会話してくる…」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 10:26:00.18 ID:aT7GgadtO
ルール。安価でみほと会話できます、みほももちろん感情をもってるので、嫌なことやどうでもいい事を言われると当然好感度が下がります。最高好感度は100。最低は0です。0になった時点で終了。
みほの相談にのったりみほが楽しいと思える会話をしましょう。
スタート
みほの相談にのったりみほが楽しいと思える会話をしましょう。
スタート
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 10:29:35.76 ID:aT7GgadtO
ゆかり「今日も練習疲れましたね!」
みほ「うん、明日はグロリアーナとの練習試合だからね」
ゆかり「緊張するであります…」
みほ「練習どうりやろうね」
4号「>>3」
みほに気づいてもらえるように、声をかけてみましょう
みほ「うん、明日はグロリアーナとの練習試合だからね」
ゆかり「緊張するであります…」
みほ「練習どうりやろうね」
4号「>>3」
みほに気づいてもらえるように、声をかけてみましょう
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 10:31:07.51 ID:grNLZE0rO
私もがんばります!
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:06:45.70 ID:aT7GgadtO
4号「私も頑張ります!」
みほ「うん、そうだね」
ゆかり「?なにがですか?」
みほ「え?」
ゆかり「?」
どうやらゆかりさんと思ってるようだ、
もう一度>>6
みほ「うん、そうだね」
ゆかり「?なにがですか?」
みほ「え?」
ゆかり「?」
どうやらゆかりさんと思ってるようだ、
もう一度>>6
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:18:26.70 ID:4cY9aN37O
みほさん、私ですよ私!
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:29:45.43 ID:aT7GgadtO
4号「みほさん、私ですよ私!」
みほ「!?」キョロキョロ
ゆかり「西住殿?」
沙織「みぽりんどうしたの?」
みほ「ご、ごめんね。気のせいみたい」
ゆかり「そうですか?」
4号「>>9」
もっとインパクトに!そして言葉を発しているのが4号だとわかるように!
みほ「!?」キョロキョロ
ゆかり「西住殿?」
沙織「みぽりんどうしたの?」
みほ「ご、ごめんね。気のせいみたい」
ゆかり「そうですか?」
4号「>>9」
もっとインパクトに!そして言葉を発しているのが4号だとわかるように!
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:31:34.28 ID:4cY9aN37O
私が4号です
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:37:52.26 ID:aT7GgadtO
4号「私が4号です」
みほ「4号…」
ゆかり「え?」
みほ「4号が喋ってる…」
沙織「ど、どうしたのみぽりん?」
みほ「4号、あなたが喋ってるの?」
4号「>>14」
みほ「4号…」
ゆかり「え?」
みほ「4号が喋ってる…」
沙織「ど、どうしたのみぽりん?」
みほ「4号、あなたが喋ってるの?」
4号「>>14」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:41:52.78 ID:ejMV9sWKO
戦車だって喋りますよ、信じる人には聞こえる声でね
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:47:51.93 ID:aT7GgadtO
4号「戦車だって喋りますよ、信じる人には聞こえる声でね」
みほ「そ、そんなはずない…」
沙織「ね、ねぇ。みぽりん本当に大丈夫?」
ゆかり「体調がわるいなら、保健室までご一緒します」
みほ「みんなには聞こえないの?」
ゆかり「なにがですか?」
沙織「わたしもなにも聞こえないけど…」
みほ「ほ、本当に聞こえてるの!」
沙織「みぽりん…」
ゆかり「西住殿がここまで動揺するなんて…」
みほ「そ、そんなはずない…」
沙織「ね、ねぇ。みぽりん本当に大丈夫?」
ゆかり「体調がわるいなら、保健室までご一緒します」
みほ「みんなには聞こえないの?」
ゆかり「なにがですか?」
沙織「わたしもなにも聞こえないけど…」
みほ「ほ、本当に聞こえてるの!」
沙織「みぽりん…」
ゆかり「西住殿がここまで動揺するなんて…」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:51:23.79 ID:aT7GgadtO
麻子「どうした?」
華「け、喧嘩ですか?」
みほ「ねぇ、冷泉さんと五十鈴さんにも聞こえない?」
みほ「もう一回喋って!」
4号「>>20」
華「け、喧嘩ですか?」
みほ「ねぇ、冷泉さんと五十鈴さんにも聞こえない?」
みほ「もう一回喋って!」
4号「>>20」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 12:56:43.77 ID:/d/g0Cv8O
ゆかりさんに負けないくらいみほさんを愛してます
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 13:02:03.42 ID:aT7GgadtO
4号「ゆかりさんに負けないくらいみほさんを愛してます」
みほ「ほ、ほら!」
麻子「?」
華「ごめんなさい、なにも聞こえないです」
沙織「なんていってるの?」
みほ「ゆかりさんに負けないくらいみほさんを愛してますって言ってるの!」
ゆかり「へ!?」顔真っ赤
沙織「あ、あは、は」
みほ「ほ、本当なの!」
河嶋「おーい、お前ら。はやくガレージからでて家に帰れ」
沙織「あ、はーい」
ゆかり「行きましょうか…西住殿」
麻子「すこし休んだほうがいい、明日は練習試合だ」
沙織「そうだね、って麻子もちゃんと起きなきゃダメだよ!!」
麻子「うぐっ…わかってる」
みほ「ほ、ほら!」
麻子「?」
華「ごめんなさい、なにも聞こえないです」
沙織「なんていってるの?」
みほ「ゆかりさんに負けないくらいみほさんを愛してますって言ってるの!」
ゆかり「へ!?」顔真っ赤
沙織「あ、あは、は」
みほ「ほ、本当なの!」
河嶋「おーい、お前ら。はやくガレージからでて家に帰れ」
沙織「あ、はーい」
ゆかり「行きましょうか…西住殿」
麻子「すこし休んだほうがいい、明日は練習試合だ」
沙織「そうだね、って麻子もちゃんと起きなきゃダメだよ!!」
麻子「うぐっ…わかってる」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:03:55.76 ID:aT7GgadtO
沙織「起こしに行くんだかちゃんと起きてよね!」
麻子「はいはい」
ゆかり「あ、西住殿」
みほ「…」スタスタ
ゆかり「行っちゃいました…」
華「心配ですね…」
沙織「うん…」
みほ家…
みほ「いったいなんだったんだろう…」
みほ「戦車が喋るなんてありえるわけ…きっと疲れてるだけ!明日はグロリアーナとの練習試合!こんな調子じゃ負けちゃう!」
みほ「勝たなきゃ、あんこう踊り?ってのを踊らないといけないし、今日ははやく寝よう!」
麻子「はいはい」
ゆかり「あ、西住殿」
みほ「…」スタスタ
ゆかり「行っちゃいました…」
華「心配ですね…」
沙織「うん…」
みほ家…
みほ「いったいなんだったんだろう…」
みほ「戦車が喋るなんてありえるわけ…きっと疲れてるだけ!明日はグロリアーナとの練習試合!こんな調子じゃ負けちゃう!」
みほ「勝たなきゃ、あんこう踊り?ってのを踊らないといけないし、今日ははやく寝よう!」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:17:21.44 ID:aT7GgadtO
ピンポーン
みほ「はーい?」
ガチャ
沙織「やっほーみぽりん!」
ゆかり「こんばんわ!」
華「こんばんわ、みほさん」
麻子「大丈夫か?」
みほ「あ…みんな。」
沙織「心配できちゃった」
みほ「ごめんね、心配かけちゃって」
沙織「みんなで、みぽりんの家でご飯食べようって話してていいかな?」
みほ「うん!もちろんだよ!あがってあがって!」
ゆかり「ここが、西住殿の!」
麻子「鼻息あらいぞ」
ゆかり「失礼」
中略
沙織「また明日〜、みぽりん!」
ゆかり「おやすみなさいであります!」
みほ「うん!おやすみ!みんな!」
みほ「ふふ、楽しかったー!」
みほ「ふんふんふ〜ん♪」
みほ「はーい?」
ガチャ
沙織「やっほーみぽりん!」
ゆかり「こんばんわ!」
華「こんばんわ、みほさん」
麻子「大丈夫か?」
みほ「あ…みんな。」
沙織「心配できちゃった」
みほ「ごめんね、心配かけちゃって」
沙織「みんなで、みぽりんの家でご飯食べようって話してていいかな?」
みほ「うん!もちろんだよ!あがってあがって!」
ゆかり「ここが、西住殿の!」
麻子「鼻息あらいぞ」
ゆかり「失礼」
中略
沙織「また明日〜、みぽりん!」
ゆかり「おやすみなさいであります!」
みほ「うん!おやすみ!みんな!」
みほ「ふふ、楽しかったー!」
みほ「ふんふんふ〜ん♪」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:21:21.22 ID:aT7GgadtO
翌日
みほ「あわわわわ」ガチャ
ピリリリ
みほ「沙織さんからだ」
沙織[みぽりんどーしよぉ、やっぱり麻子起きなくて!]
みほ「わ、わかりました。私に考えがあります!」
沙織[お願いみぽりん!]
ガチャ
みほ「えーと」
みほ「もしもし!華さん!今からガレージ行けますか?」
華[もうすぐ付きまーす]
みほ「ありがとうございます!」
ガレージ…
みほ「まだ華さんは来てないかな」
4号「」
みほ「大丈夫だよね、ちゃんと寝たから。」
4号「>>28」
みほ「あわわわわ」ガチャ
ピリリリ
みほ「沙織さんからだ」
沙織[みぽりんどーしよぉ、やっぱり麻子起きなくて!]
みほ「わ、わかりました。私に考えがあります!」
沙織[お願いみぽりん!]
ガチャ
みほ「えーと」
みほ「もしもし!華さん!今からガレージ行けますか?」
華[もうすぐ付きまーす]
みほ「ありがとうございます!」
ガレージ…
みほ「まだ華さんは来てないかな」
4号「」
みほ「大丈夫だよね、ちゃんと寝たから。」
4号「>>28」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:24:02.66 ID:zrg6OAikO
何も心配ありませんよ、なんたってみほさん何だから!
なにか困ったら私に行ってくださいね♪
なにか困ったら私に行ってくださいね♪
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:28:54.42 ID:aT7GgadtO
4号「何も心配ありませんよ、なんたってみほさん何だから!
なにか困ったら私に言ってくださいね♪」
みほ「どうして…やっぱりちゃんと聞こえてる…」
みほ「あ、あなたの目的はなんなんですか!どうして私だけにしか聞こえないの…?」
4号「>>32」
目的をみほさんに教えてあげましょう
なにか困ったら私に言ってくださいね♪」
みほ「どうして…やっぱりちゃんと聞こえてる…」
みほ「あ、あなたの目的はなんなんですか!どうして私だけにしか聞こえないの…?」
4号「>>32」
目的をみほさんに教えてあげましょう
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:30:58.36 ID:gNSWbxNXO
私を整備して使ってくれる恩返しです!
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:31:28.19 ID:+ks22xZ3O
↑+みほさんと楽しく日本一を目指したいんです
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/18(水) 16:44:22.59 ID:aT7GgadtO
4号「私を整備して使ってくれる恩返しです!そしてみほさんと楽しく日本一を目指したいんです!」
ティン!
好感度20
みほ「ま、待ってください、まだ整理が…」
みほ「あなたは4号で、整備した恩返しに私と話してくれてて、えーと。私たちと一緒に日本一位を目指してくれる…つまり…わるい人じゃないんですよね!人じゃなかった!戦車だった!」
華「みほさん?」
みほ「ひゃ!?い、い五十鈴さん!」
華「誰かいらっしゃるのですか?」
みほ(言っても信じてもらえそうにないかな…)
みほ「ううん!なんでもないよ!」
華「そうですか?」
みほ「うん!あっ!それより冷泉さんが!」
華「はい、沙織さんからききました!」
みほ「操縦お願いしていいですか?」
華「まかせてください!ふふ」
ティン!
好感度20
みほ「ま、待ってください、まだ整理が…」
みほ「あなたは4号で、整備した恩返しに私と話してくれてて、えーと。私たちと一緒に日本一位を目指してくれる…つまり…わるい人じゃないんですよね!人じゃなかった!戦車だった!」
華「みほさん?」
みほ「ひゃ!?い、い五十鈴さん!」
華「誰かいらっしゃるのですか?」
みほ(言っても信じてもらえそうにないかな…)
みほ「ううん!なんでもないよ!」
華「そうですか?」
みほ「うん!あっ!それより冷泉さんが!」
華「はい、沙織さんからききました!」
みほ「操縦お願いしていいですか?」
華「まかせてください!ふふ」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 07:11:44.93 ID:PzOn5ek8O
麻子家…
沙織「麻子ぉ!起きてよぉ!!」
麻子「いやだ」
沙織「ちゃんと起きるって言ったじゃん!!」
麻子「無理な物は無理」
ゆかり「冷泉殿!おはようございます!」
ゴゴゴゴッ
ドンッ
沙織「よ、4号!」
ザワザワザワザワ
みほ「すいません!空砲です!」
麻子「起きる…」
4号車内…
沙織「はい!顔洗って歯磨いて!着替えてご飯はここにあるから!」
ゆかり「お母さんみたいですね」
4号「>>41」
適当に話しの流れ的な
沙織「麻子ぉ!起きてよぉ!!」
麻子「いやだ」
沙織「ちゃんと起きるって言ったじゃん!!」
麻子「無理な物は無理」
ゆかり「冷泉殿!おはようございます!」
ゴゴゴゴッ
ドンッ
沙織「よ、4号!」
ザワザワザワザワ
みほ「すいません!空砲です!」
麻子「起きる…」
4号車内…
沙織「はい!顔洗って歯磨いて!着替えてご飯はここにあるから!」
ゆかり「お母さんみたいですね」
4号「>>41」
適当に話しの流れ的な
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 07:15:24.51 ID:nTUKwDr1O
沙織さんはモテるために頑張る女子力が高いですからね。
女子力と言うか母性だと思いますけど
女子力と言うか母性だと思いますけど
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 07:28:31.92 ID:PzOn5ek8O
4号「沙織さんはモテるために頑張る女子力が高いですからね。
女子力と言うか母性だと思いますけど」
ティン!
好感度22
みほ「ふふ、そうだね。沙織さんは親しみやすいから、お母さんって思っちゃうのかもね」
沙織「もー!違うよ!私は女子力が高いの!」
みほ「母性?」
沙織「ひどいよー!みぽりーん!」
みほ「ふふ…」
ゆかり「よかったですね、西住殿元気になって」コソコソ
華「はい、昨日よりも元気になってますね」コソコソ
華「ここの車庫でいいんですよね?」
みほ「うん、着いたらここから陸に降りるみたいだね」
ゆかり「緊張します…」
女子力と言うか母性だと思いますけど」
ティン!
好感度22
みほ「ふふ、そうだね。沙織さんは親しみやすいから、お母さんって思っちゃうのかもね」
沙織「もー!違うよ!私は女子力が高いの!」
みほ「母性?」
沙織「ひどいよー!みぽりーん!」
みほ「ふふ…」
ゆかり「よかったですね、西住殿元気になって」コソコソ
華「はい、昨日よりも元気になってますね」コソコソ
華「ここの車庫でいいんですよね?」
みほ「うん、着いたらここから陸に降りるみたいだね」
ゆかり「緊張します…」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 07:32:20.17 ID:PzOn5ek8O
麻子「一旦、外に出よう…酸素が…」
沙織「じゃあ、行こっか」
ゆかり「了解であります!」
みほ「そうだね」
4号「>>47」
みほさんに話しかけてみましょう!好感度を上げるチャンスです!
沙織「じゃあ、行こっか」
ゆかり「了解であります!」
みほ「そうだね」
4号「>>47」
みほさんに話しかけてみましょう!好感度を上げるチャンスです!
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 07:36:58.39 ID:NiNugSOkO
みほさん、休んできて下さいね。
出来たら少し早く戻ってきてくださると嬉しいですけど…、
出来たら少し早く戻ってきてくださると嬉しいですけど…、
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/19(木) 08:16:11.86 ID:DcLS1Msz0
↑
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 18:11:41.08 ID:tvQyDKoHO
4号「みほさん、休んできて下さいね。
出来たら少し早く戻ってきてくださると嬉しいですけど…、」
ティン!
29%
みほ「ふふ、今からお話ししよっか」
沙織「ん?」
みほ「ご、ごめん!私もうちょっと4号の整備してくるね」
ゆかり「さすが西住殿です!私も手伝います!」
みほ「だ、大丈夫だよ、ちょっと様子見るだけだから!」
ゆかり「そ、そうですか」
麻子「なら、早く外に…」
沙織「はいはい、時間になったらまた来るねー」
みほ「うん、ありがとう」
タッタッタ
みほ「ふぅ、なに話そうかなぁ」
4号「>>54」
みほさんが楽しく話せそうな話題を振りましょう!
出来たら少し早く戻ってきてくださると嬉しいですけど…、」
ティン!
29%
みほ「ふふ、今からお話ししよっか」
沙織「ん?」
みほ「ご、ごめん!私もうちょっと4号の整備してくるね」
ゆかり「さすが西住殿です!私も手伝います!」
みほ「だ、大丈夫だよ、ちょっと様子見るだけだから!」
ゆかり「そ、そうですか」
麻子「なら、早く外に…」
沙織「はいはい、時間になったらまた来るねー」
みほ「うん、ありがとう」
タッタッタ
みほ「ふぅ、なに話そうかなぁ」
4号「>>54」
みほさんが楽しく話せそうな話題を振りましょう!
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 18:13:42.35 ID:O2lrY2niO
みほさんのマイブームはありませんか、もしくは好きなものを教えて下さい
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 18:24:17.64 ID:tvQyDKoHO
4号「みほさんのマイブームはありませんか、もしくは好きなものを教えて下さい」
みほ「んー、マイブーム、やっぱり友達といることかな!私前の学校の時は洗車道ばかりで友達もいなかったの…だけど大洗に引っ越して沙織さんに華さん、それにゆかりさんに麻子さん生徒会に1年生!」
みほ「私こんなに学校で楽しいって思えたの初めてだった!ここに引っ越してきて本当に良かった!」
4号「>>59」
話しの流れ的な
みほ「んー、マイブーム、やっぱり友達といることかな!私前の学校の時は洗車道ばかりで友達もいなかったの…だけど大洗に引っ越して沙織さんに華さん、それにゆかりさんに麻子さん生徒会に1年生!」
みほ「私こんなに学校で楽しいって思えたの初めてだった!ここに引っ越してきて本当に良かった!」
4号「>>59」
話しの流れ的な
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 18:38:12.87 ID:eZib+Q5qO
私は森の中にいましたが、みほさんたちが見つけて下さったおかげで久しぶりに動きました。
私と一緒に素敵な大洗を探しましょうね!
私と一緒に素敵な大洗を探しましょうね!
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/23(月) 20:47:32.94 ID:tvQyDKoHO
倉庫の中 に修正させていただきます。
4号「私は倉庫の中にいましたが、みほさんたちが見つけて下さったおかげで久しぶりに動きました。私と一緒に素敵な大洗を探しましょうね!」
ティン!
35%
みほ「!!」
みほ「うん!!」ニコ
みほ「でも、なんで4号は倉庫にあったんだろう、4号と3突F型と38tがドイツで、89式は日本。M3Leeはアメリカだったかな、黒森峰はドイツ中心なんだけど、大洗はいったいどこ中心だったんだろ?」
みほ「まだ、別国の戦車が何処かありそうだね。」
4号「私は倉庫の中にいましたが、みほさんたちが見つけて下さったおかげで久しぶりに動きました。私と一緒に素敵な大洗を探しましょうね!」
ティン!
35%
みほ「!!」
みほ「うん!!」ニコ
みほ「でも、なんで4号は倉庫にあったんだろう、4号と3突F型と38tがドイツで、89式は日本。M3Leeはアメリカだったかな、黒森峰はドイツ中心なんだけど、大洗はいったいどこ中心だったんだろ?」
みほ「まだ、別国の戦車が何処かありそうだね。」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 06:57:28.10 ID:X5Gpb4g9O
角谷「あれ?西住ちゃん?」
みほ「あ、生徒会長」
角谷「名前でいいって、西住ちゃん」
みほ「す、すいません」
角谷「ほかのあんこうチームは?」
みほ「あ、もう先に上へ」
角谷「西住ちゃんは4号の整備かーやるねー」
みほ「ははは…」
典子「いつも心にバレーボール!!アターック」
河嶋「お前ら!ここでバレーをするな!」
典子「な、なんだって…我々からバレーを取ったら、なにがのこるんですか!!」
みほ「あ、生徒会長」
角谷「名前でいいって、西住ちゃん」
みほ「す、すいません」
角谷「ほかのあんこうチームは?」
みほ「あ、もう先に上へ」
角谷「西住ちゃんは4号の整備かーやるねー」
みほ「ははは…」
典子「いつも心にバレーボール!!アターック」
河嶋「お前ら!ここでバレーをするな!」
典子「な、なんだって…我々からバレーを取ったら、なにがのこるんですか!!」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 07:03:29.42 ID:X5Gpb4g9O
河嶋「い、いやなにもやるなとは、言ってなくてな、やるなら外でな?」
典子「はぁ、桃ちゃん先輩は厳しいな」
河嶋「誰だ!桃ちゃん言った奴は!!」
典子「いこっかー」
河嶋「おい待てー!」
角谷「はぁ…」
みほ「ははは…」
角谷「勝てそうかな?」
みほ「わかりません…」
典子「はぁ、桃ちゃん先輩は厳しいな」
河嶋「誰だ!桃ちゃん言った奴は!!」
典子「いこっかー」
河嶋「おい待てー!」
角谷「はぁ…」
みほ「ははは…」
角谷「勝てそうかな?」
みほ「わかりません…」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/24(火) 07:04:36.05 ID:X5Gpb4g9O
みほ「グロリアーナ女学院は強いですから…」
河嶋「なにを言っている、負けたらアンコウ踊りだぞ」
角谷「ははは、ま!がんばろーねー」
みほ「は、はい」
沙織「おーい、みぽりーん!」
みほ「あ、みんな」
ゆかり「そろそろ時間です!」
角谷「よーし!」
角谷「いくか!!」
河嶋「なにを言っている、負けたらアンコウ踊りだぞ」
角谷「ははは、ま!がんばろーねー」
みほ「は、はい」
沙織「おーい、みぽりーん!」
みほ「あ、みんな」
ゆかり「そろそろ時間です!」
角谷「よーし!」
角谷「いくか!!」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 07:32:09.09 ID:YS1Y91IXO
A子「これから、聖グロリアーナ女学院と大洗女子学校の練習試合をはじめる」
A子「一同礼!」
大洗「よろしくお願いします!」
グロリアーナ「よろしくお願いします!」
ダージリン「ふふっそれにしても。なんてユニークな。」
角谷「やーやー、今日は練習試合を受けてくれてありがとう」
ダージリン「構いませんは、我々は逃げませんの」
A子「それでは!開始!」
A子「一同礼!」
大洗「よろしくお願いします!」
グロリアーナ「よろしくお願いします!」
ダージリン「ふふっそれにしても。なんてユニークな。」
角谷「やーやー、今日は練習試合を受けてくれてありがとう」
ダージリン「構いませんは、我々は逃げませんの」
A子「それでは!開始!」
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 07:50:57.72 ID:YS1Y91IXO
ゆかり「いよいよはじまりましたね!」
みほ「…うん」
優季「あの〜、それでどうするんでしたっけ〜」
みほ「え?先ほども説明したとおり、今回は殲滅戦ルールですのでどちらかが全部やられたら負けになります」
あや「そうなんだー」
みほ「まず、我々が偵察に出ますので、各チームは100mほど前進したところで待機していてください」
ゆかり「みほさん、この作戦はちょっと単純なきがしませんか?グロリアーナも待ち伏せされてるのは多分わかってますし」
みほ「うん、やっぱりなにか奥の手を考えておくね」
みほ(奥の手かぁ、もしこの作戦で一機も撃破出来なかったら…たぶん負ける。なにかそうなった時状況を打破出来る奥の手を…)
4号「>>76」
みほ「…うん」
優季「あの〜、それでどうするんでしたっけ〜」
みほ「え?先ほども説明したとおり、今回は殲滅戦ルールですのでどちらかが全部やられたら負けになります」
あや「そうなんだー」
みほ「まず、我々が偵察に出ますので、各チームは100mほど前進したところで待機していてください」
ゆかり「みほさん、この作戦はちょっと単純なきがしませんか?グロリアーナも待ち伏せされてるのは多分わかってますし」
みほ「うん、やっぱりなにか奥の手を考えておくね」
みほ(奥の手かぁ、もしこの作戦で一機も撃破出来なかったら…たぶん負ける。なにかそうなった時状況を打破出来る奥の手を…)
4号「>>76」
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 07:52:02.45 ID:YS1Y91IXO
ー本当のルートー
待ち伏せで一機も撃破できず、市街地に持ち込みます。
待ち伏せで一機も撃破できず、市街地に持ち込みます。
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 07:56:37.80 ID:4GzQ97OYO
誰かを囮にして追ってこさせて、市街地に何両か待機させてそこで迎撃はどうでしょうか
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 08:03:27.06 ID:YS1Y91IXO
4号「誰かを囮にして追ってこさせて、市街地に何両か待機させてそこで迎撃はどうでしょうか」
ティン!
40%
みほ(なるほど…まず私たちが偵察して、グロリアーナを作戦場所まで誘導、作戦場所には89式がいいかも、その後89式と4号で市街地に持ち込む。)
みほ(数でグロリアーナに怪しまれそうだけど)
みほ「これならいけるかも」
ゆかり「え?」
みほ「沙織さん、皆さんに通信繋いでください」
沙織「わ、わかった。」
みほ「皆さん、作戦場所に残るのは89式だけでお願いします」
河嶋「なに!?今から作戦を変えるのか!」
ティン!
40%
みほ(なるほど…まず私たちが偵察して、グロリアーナを作戦場所まで誘導、作戦場所には89式がいいかも、その後89式と4号で市街地に持ち込む。)
みほ(数でグロリアーナに怪しまれそうだけど)
みほ「これならいけるかも」
ゆかり「え?」
みほ「沙織さん、皆さんに通信繋いでください」
沙織「わ、わかった。」
みほ「皆さん、作戦場所に残るのは89式だけでお願いします」
河嶋「なに!?今から作戦を変えるのか!」
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 08:08:26.52 ID:YS1Y91IXO
角谷「いきなりだね、西住ちゃーん」
みほ「すいません…」
典子「わかりました!」
カエサル「我々は隊長殿に従うぞ。」
河嶋「なにぃ!許さんぞ!!」
角谷「まぁまぁ」
カエサル「して、我々はどこへ?」
みほ「はい!M3Leeと3突、38tは市街地にお願いします」
おりょう「御意」
かりな「はーい」
河嶋「…仕方ない」
みほ「すいません…」
典子「わかりました!」
カエサル「我々は隊長殿に従うぞ。」
河嶋「なにぃ!許さんぞ!!」
角谷「まぁまぁ」
カエサル「して、我々はどこへ?」
みほ「はい!M3Leeと3突、38tは市街地にお願いします」
おりょう「御意」
かりな「はーい」
河嶋「…仕方ない」
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 08:17:20.62 ID:YS1Y91IXO
みほ「89式は作戦場所で待機、のち我々あんこうチームと市街地にグロリアーナを誘導します。」
みほ「3突は左側の壁にピッタリとくっ付いてくださいM3はその後ろ、M3は待ち伏せ中絶対に下の砲塔は使わないでください、3凸にあたってしまいますので上の砲塔でお願いします」
エルヴァ「なるほど、3凸は車体が低いから、M3の高い砲塔では当たらないか」
みほ「38tは前側の家近くに草で車体が隠れます、狙うのはマチルダだけです、チャーチルは装甲が厚いので抜けません」
みほ「3突は左側の壁にピッタリとくっ付いてくださいM3はその後ろ、M3は待ち伏せ中絶対に下の砲塔は使わないでください、3凸にあたってしまいますので上の砲塔でお願いします」
エルヴァ「なるほど、3凸は車体が低いから、M3の高い砲塔では当たらないか」
みほ「38tは前側の家近くに草で車体が隠れます、狙うのはマチルダだけです、チャーチルは装甲が厚いので抜けません」
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 10:12:23.39 ID:YS1Y91IXO
みほ「M3、89式もマチルダです、4号と3突でチャーチルを攻撃します」
麻子「しかし、全車両撃破できなかったら皆袋叩きになってしまうぞ」
みほ「大丈夫です、市街地で終わらせます。」
麻子「ふっ、頼りにしてるぞ」
角谷「なんか作戦名とかないのー?」
みほ「え?作戦名は、えーと」
4号「>>84」
麻子「しかし、全車両撃破できなかったら皆袋叩きになってしまうぞ」
みほ「大丈夫です、市街地で終わらせます。」
麻子「ふっ、頼りにしてるぞ」
角谷「なんか作戦名とかないのー?」
みほ「え?作戦名は、えーと」
4号「>>84」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/26(木) 10:19:59.16 ID:QBrylE7vO
鬼ごっこ作戦とかどうですか?
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:05:37.65 ID:NPgN6/gzO
4号「鬼ごっこ作戦とかどうですか?」
みほ「ふふ」
沙織「どしたの?」
みほ「いえ、鬼ごっこ作戦です!」
河嶋「子供か!」
角谷「まぁまぁ、じゃあ鬼ごっこ作戦かいし〜」
ーーー
ダージリン「全車前進」
ダージリン「私たちは一滴たりとも紅茶をこぼしませんの」
ガコンッ
ビチャ
オレンジペコ、アッサム「あっ…」
ダージリン「…」
ダージリン「…やり直す」
オレンジペコ「え?」
ダージリン「やり直す!!」
ーーー
みほ「ふふ」
沙織「どしたの?」
みほ「いえ、鬼ごっこ作戦です!」
河嶋「子供か!」
角谷「まぁまぁ、じゃあ鬼ごっこ作戦かいし〜」
ーーー
ダージリン「全車前進」
ダージリン「私たちは一滴たりとも紅茶をこぼしませんの」
ガコンッ
ビチャ
オレンジペコ、アッサム「あっ…」
ダージリン「…」
ダージリン「…やり直す」
オレンジペコ「え?」
ダージリン「やり直す!!」
ーーー
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:10:15.58 ID:NPgN6/gzO
ダージリン「全車前進」
ダージリン「私たちは一滴たりとも紅茶をこぼしませんの!」ドヤァ
オレンジペコ、アッサム「あ、はい」
ーーー
ゆかり「さすがグロリアーナですね!前進が綺麗です!」
みほ「うん、あの速度でみんなついて来れるなんてすごい。」
ゆかり「しかし、西住殿。4号ではあの距離では抜けません」
みほ「そこは、戦術と腕かな」
ゆかり「はい!!」
ダージリン「私たちは一滴たりとも紅茶をこぼしませんの!」ドヤァ
オレンジペコ、アッサム「あ、はい」
ーーー
ゆかり「さすがグロリアーナですね!前進が綺麗です!」
みほ「うん、あの速度でみんなついて来れるなんてすごい。」
ゆかり「しかし、西住殿。4号ではあの距離では抜けません」
みほ「そこは、戦術と腕かな」
ゆかり「はい!!」
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:15:51.14 ID:NPgN6/gzO
みほ「冷泉さん、起きてください。エンジン音が響かないように展開してください」
麻子「」すぅすぅ
みほ「冷泉さん!?」
沙織「どーしよ!麻子起きないよぉ!」
みほ「え、え」
華「朝が早かったですからねー」
みほ「ど、どうしよう」
沙織「そ、そうだ!空砲!」
ゆかり「だ、ダメですよ!気づかれてしまいます!」
沙織「うぅ…」
みほ「うぅ…」(4号さん助けてぇ…)
4号「>>93」
あなたは4号です、頑張れば体を動かせるかも…!?
麻子「」すぅすぅ
みほ「冷泉さん!?」
沙織「どーしよ!麻子起きないよぉ!」
みほ「え、え」
華「朝が早かったですからねー」
みほ「ど、どうしよう」
沙織「そ、そうだ!空砲!」
ゆかり「だ、ダメですよ!気づかれてしまいます!」
沙織「うぅ…」
みほ「うぅ…」(4号さん助けてぇ…)
4号「>>93」
あなたは4号です、頑張れば体を動かせるかも…!?
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:20:26.02 ID:E3ilFNlKO
体を揺らしてみます、バランスはとってくださいね
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:25:44.70 ID:NPgN6/gzO
4号「体を揺らしてみます、バランスはとってくださいね」
みほ「え!?どうして心の声が…」
沙織「みぽりん?」
ガタガタガタガタ
沙織、華、ゆかり「!?」
ゆかり「わわわ、なにごとですか!?」
沙織「やだもーー」
華「ふふふ」
ゆかり「戦車が揺れるって相当ですよ!」
みほ「れ、冷泉さん!」
麻子「なにこれ…」
沙織「はぁ、はぁ。終わった…」
ゆかり「なんだったんでしょう…」
みほ(ありがとう!)
ティン!
40%
みほ「え!?どうして心の声が…」
沙織「みぽりん?」
ガタガタガタガタ
沙織、華、ゆかり「!?」
ゆかり「わわわ、なにごとですか!?」
沙織「やだもーー」
華「ふふふ」
ゆかり「戦車が揺れるって相当ですよ!」
みほ「れ、冷泉さん!」
麻子「なにこれ…」
沙織「はぁ、はぁ。終わった…」
ゆかり「なんだったんでしょう…」
みほ(ありがとう!)
ティン!
40%
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:30:01.73 ID:NPgN6/gzO
みほ「冷泉さん、エンジン音が響かないように展開おねがいします」
麻子「わかった」
ゴゴゴ
みほ「それではみなさん!鬼ごっこ作戦開始します!!」
かりな「あいー!」
典子「了解しました!」
おりょう「了解ぜよ」
角谷「ゴーゴー!」
麻子「わかった」
ゴゴゴ
みほ「それではみなさん!鬼ごっこ作戦開始します!!」
かりな「あいー!」
典子「了解しました!」
おりょう「了解ぜよ」
角谷「ゴーゴー!」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:35:07.29 ID:NPgN6/gzO
みほ「華さん、砲撃の準備いいですか?」
華「えーと1シュトリヒ1.000mだから、いつでもオッケーです」
みほ「それでは…撃て!」
ドンッ
スカ
華「すいません…」
みほ「ううん、当てるのが目的じゃないから、作戦場所まで移動しましょう」
麻子「了解」
華「えーと1シュトリヒ1.000mだから、いつでもオッケーです」
みほ「それでは…撃て!」
ドンッ
スカ
華「すいません…」
みほ「ううん、当てるのが目的じゃないから、作戦場所まで移動しましょう」
麻子「了解」
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:40:51.28 ID:NPgN6/gzO
ーーー
オレンジペコ「撃ってきましたね」
ダージリン「ふふ、誘導。いいわ乗って差し上げます。全車大洗へ」
ーーー
ドンッ
沙織「やだもー、撃ってきたよー!」
みほ「冷泉さん、なるべくジグザグに進んでください、4号の装甲では当たれば終わりです」
麻子「ほい」
沙織「みぽりん危ないって!」
みほ「え?大丈夫だよ、戦車内は特別なコーティングがしてあるから」
沙織「違う!みぽりんが!」
みほ「え?それも大丈夫、キューポラとかはほとんど当たらないから」
沙織「でももしもの事があったら!」
みほ「わかりました、お言葉に甘えて」
オレンジペコ「撃ってきましたね」
ダージリン「ふふ、誘導。いいわ乗って差し上げます。全車大洗へ」
ーーー
ドンッ
沙織「やだもー、撃ってきたよー!」
みほ「冷泉さん、なるべくジグザグに進んでください、4号の装甲では当たれば終わりです」
麻子「ほい」
沙織「みぽりん危ないって!」
みほ「え?大丈夫だよ、戦車内は特別なコーティングがしてあるから」
沙織「違う!みぽりんが!」
みほ「え?それも大丈夫、キューポラとかはほとんど当たらないから」
沙織「でももしもの事があったら!」
みほ「わかりました、お言葉に甘えて」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 07:47:14.85 ID:NPgN6/gzO
ダージリン「なかなかやりますわね」
オレンジペコ「初めてとききましたが操縦士は相当の腕ですね」
ダージリン「しかし勝つのは私たち」
ーーー
みほ「みなさん、残り100mです!」
河嶋「お前ら!遊んでないで戦車に乗れ!」
あや「えー、やっと勝てそうだったのに…」
みほ「残り50m!」
ーーー
ダージリン「崖に89式だけ…?」
オレンジペコ「どうしました?」
ダージリン「いえ…全車前進」
ーーー
典子「ついてきましたね!」
みほ「うん」
オレンジペコ「初めてとききましたが操縦士は相当の腕ですね」
ダージリン「しかし勝つのは私たち」
ーーー
みほ「みなさん、残り100mです!」
河嶋「お前ら!遊んでないで戦車に乗れ!」
あや「えー、やっと勝てそうだったのに…」
みほ「残り50m!」
ーーー
ダージリン「崖に89式だけ…?」
オレンジペコ「どうしました?」
ダージリン「いえ…全車前進」
ーーー
典子「ついてきましたね!」
みほ「うん」
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 10:26:18.80 ID:r+c1rq7JO
みほ「みなさん!来ます!」
河嶋「うてうてーーー!!??」
沙織「ちょっと!仲間撃ってどうすんのよーー」
みほ「そんなめちゃくちゃに撃っちゃダメです!履帯を狙ってください!」
河嶋「撃て撃て!!見えるもの全て撃てぇーー!!」
みほ「あれ、おかしい!マチルダが二両しか来てない!」
おりょう「やった!マチルダ二両撃墜ぜよ!」
ドンッ
梓「きゃ!?すいません!やられてしまきました!」
ゆかり「ど、どうしましょう!」
みほ「ウサギさんチーム大丈夫ですか!?」
あや「メガネ割れたけど大丈夫でーす!」
梓「みんな大丈夫です!」
沙織「よかった…」
河嶋「うてうてーーー!!??」
沙織「ちょっと!仲間撃ってどうすんのよーー」
みほ「そんなめちゃくちゃに撃っちゃダメです!履帯を狙ってください!」
河嶋「撃て撃て!!見えるもの全て撃てぇーー!!」
みほ「あれ、おかしい!マチルダが二両しか来てない!」
おりょう「やった!マチルダ二両撃墜ぜよ!」
ドンッ
梓「きゃ!?すいません!やられてしまきました!」
ゆかり「ど、どうしましょう!」
みほ「ウサギさんチーム大丈夫ですか!?」
あや「メガネ割れたけど大丈夫でーす!」
梓「みんな大丈夫です!」
沙織「よかった…」
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 10:30:55.95 ID:r+c1rq7JO
みほ「いまのはマチルダ…」
河嶋「ぐはぁ…!?」
河嶋「やーらーれーたー」
小山「ごめんねー、やらちゃった…」
沙織「そんな…」
麻子「どうする、このままでは全滅だぞ」
みほ「っ!?」
沙織「みぽりん!私たちみぽりんの言うこときくよ!」
ゆかり「頼りにしてます!西住殿!」
カエサル「我々もだ!」
典子「私たちもです!!」
4号「>>103」
河嶋「ぐはぁ…!?」
河嶋「やーらーれーたー」
小山「ごめんねー、やらちゃった…」
沙織「そんな…」
麻子「どうする、このままでは全滅だぞ」
みほ「っ!?」
沙織「みぽりん!私たちみぽりんの言うこときくよ!」
ゆかり「頼りにしてます!西住殿!」
カエサル「我々もだ!」
典子「私たちもです!!」
4号「>>103」
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 10:36:51.97 ID:hNoBeenLO
みほさん、私もあなたと頑張りたいです!
あなたのためなら何でもします!
あなたのためなら何でもします!
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:08:11.17 ID:r+c1rq7JO
4号「みほさん、私もあなたと頑張りたいです!
あなたのためなら何でもします!」
みほ「みんな…4号さん…」
沙織「4号さん!?」
みほ「わかりました!!」
みほ「89式、3突でマチルダ、撃破出来ますか?」
典子「はい!大洗は庭です!」
カエサル「当然」
みほ「!!」
みほ「4号で」
みほ「チャーチルを撃破します!」
あなたのためなら何でもします!」
みほ「みんな…4号さん…」
沙織「4号さん!?」
みほ「わかりました!!」
みほ「89式、3突でマチルダ、撃破出来ますか?」
典子「はい!大洗は庭です!」
カエサル「当然」
みほ「!!」
みほ「4号で」
みほ「チャーチルを撃破します!」
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:17:08.84 ID:r+c1rq7JO
ゆかり「チャーチル発見しました!」
みほ「華さん、動きながらですが頑張ってください!」
華「いいえ、一発で大丈夫です」
沙織「華…」
典子「マチルダ撃破しました!!」
みほ「了解です!ありがとうございます!」
みほ「冷泉さん、チャーチルに突っ込んでください」
麻子「わかった」
みほ「と、見せかけて合図でチャーチルの後ろへ」
みほ「はい!」
キキーキー
ドンッ
ドンッ
みほ「…」
ダージリン「…」
勝者!グロリアーナ女学院!
みほ「華さん、動きながらですが頑張ってください!」
華「いいえ、一発で大丈夫です」
沙織「華…」
典子「マチルダ撃破しました!!」
みほ「了解です!ありがとうございます!」
みほ「冷泉さん、チャーチルに突っ込んでください」
麻子「わかった」
みほ「と、見せかけて合図でチャーチルの後ろへ」
みほ「はい!」
キキーキー
ドンッ
ドンッ
みほ「…」
ダージリン「…」
勝者!グロリアーナ女学院!
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:25:04.09 ID:r+c1rq7JO
みほ「そんな…」
c子「これで大洗女子学校、グロリアーナ女学院の練習試合を終わる、礼!」
グロリアーナ「ありがとうございました!」
大洗「ありがとうございました!」
ダージリン「あなたが隊長さん?」
みほ「え、はい」
ダージリン「名前は?」
みほ「…西住みほです」
ダージリン「西住?あの西住流の。」
ダージリン「ふふ、楽しかったわ」
ゆかり「あの、どうしてチャーチルとマチルダ一両が回り込んでたんですか?」
ダージリン「最初は崖での待ち伏せを予想していたのだけれど、89式しかいなかった時は、わたくしの感が鈍ったのかと思いましたわ。」
ダージリン「まぁ、別行動にさせたとも感よ」
ゆかり「流石です…」
ダージリン「それはこちらのセリフよ、凄く楽しめたわよ」
c子「これで大洗女子学校、グロリアーナ女学院の練習試合を終わる、礼!」
グロリアーナ「ありがとうございました!」
大洗「ありがとうございました!」
ダージリン「あなたが隊長さん?」
みほ「え、はい」
ダージリン「名前は?」
みほ「…西住みほです」
ダージリン「西住?あの西住流の。」
ダージリン「ふふ、楽しかったわ」
ゆかり「あの、どうしてチャーチルとマチルダ一両が回り込んでたんですか?」
ダージリン「最初は崖での待ち伏せを予想していたのだけれど、89式しかいなかった時は、わたくしの感が鈍ったのかと思いましたわ。」
ダージリン「まぁ、別行動にさせたとも感よ」
ゆかり「流石です…」
ダージリン「それはこちらのセリフよ、凄く楽しめたわよ」
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:27:08.62 ID:r+c1rq7JO
ダージリン「みほさん、また大会で会いましょう」
みほ「はい!」
沙織「大会?」
ゆかり「はい!戦車道の全国大会です!!」
to be continued
みほ「はい!」
沙織「大会?」
ゆかり「はい!戦車道の全国大会です!!」
to be continued
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:28:43.87 ID:r+c1rq7JO
すいません、このスレはこれで終わります。また次回作作ります!
ガルパン好きが増える事を願って!
ガルパン好きが増える事を願って!
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:34:51.80 ID:7mVJWgwco
おつ
110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/02(月) 12:57:40.04 ID:MDrWGK9TO
おつ
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ ガールズ&パンツァー | Comments (0)
チノ「あんこに下剤を盛りました」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 20:38:22.112 ID:czixliuIK.net
あんこ「イデア…」
マヤ「あっ 千夜のところにいる変なうさぎだ」
チノ「あんこですよ」
メグ「かわいいねぇ」
ヨシヨシ
マヤ「そうだ!じゃーん!さっき買ったパンに…」
マヤ「下剤を盛ろーっと!」
チノ「あんこを盛ってどうするんですか?」
メグ「おもしろそう」
あんこ「フッハッフッ」
ムシャムシャ
マヤ「まぁ 見てろって」
-甘兎庵
あんこ「ンッンッンッ…」
ブリブリブリ
千夜「もー!どうしてさっきからうんちばっかりするの!?」
あんこ「アッアッアッ…」
ブリブリブリ
『おい臭ェぞ!!』
『こんな店 もう絶対来ない!』
マヤ「あははは!あんこのやつ店中でうんこ漏らしてる!」
メグ「臭いねぇ」
チノ「笑っちゃ悪いですよ…」
マヤ「あっ 千夜のところにいる変なうさぎだ」
チノ「あんこですよ」
メグ「かわいいねぇ」
ヨシヨシ
マヤ「そうだ!じゃーん!さっき買ったパンに…」
マヤ「下剤を盛ろーっと!」
チノ「あんこを盛ってどうするんですか?」
メグ「おもしろそう」
あんこ「フッハッフッ」
ムシャムシャ
マヤ「まぁ 見てろって」
-甘兎庵
あんこ「ンッンッンッ…」
ブリブリブリ
千夜「もー!どうしてさっきからうんちばっかりするの!?」
あんこ「アッアッアッ…」
ブリブリブリ
『おい臭ェぞ!!』
『こんな店 もう絶対来ない!』
マヤ「あははは!あんこのやつ店中でうんこ漏らしてる!」
メグ「臭いねぇ」
チノ「笑っちゃ悪いですよ…」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 20:47:11.831 ID:czixliuIK.net
あんこ「ンッンッンッ」
ブリブリブリ
あんこ「ハッハッハッ」
ブリブリブリ
千夜「あんこ!あんこ!もうやめて!お願いだから!」
あんこ「アゥ?」
ブリブリブリ
『そいつ伝染病じゃねェか!?』
『さっさと店畳めカス』
千夜「あんこ…どうしちゃったの…?」
グスン
-動物病院
あんこ「モォォォォッ…」
ブリブリブリ
先生「間違えて下剤を飲んでしまったようですね 伝染病とかではないので安心してください」
千夜「よかった…」
千夜「もう拾い食いなんかしちゃダメよ」
あんこ「アッアッアッ」
ブリブリブリ
ブリブリブリ
あんこ「ハッハッハッ」
ブリブリブリ
千夜「あんこ!あんこ!もうやめて!お願いだから!」
あんこ「アゥ?」
ブリブリブリ
『そいつ伝染病じゃねェか!?』
『さっさと店畳めカス』
千夜「あんこ…どうしちゃったの…?」
グスン
-動物病院
あんこ「モォォォォッ…」
ブリブリブリ
先生「間違えて下剤を飲んでしまったようですね 伝染病とかではないので安心してください」
千夜「よかった…」
千夜「もう拾い食いなんかしちゃダメよ」
あんこ「アッアッアッ」
ブリブリブリ
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 20:54:18.487 ID:czixliuIK.net
千夜「…というわけで甘兎庵は少しの間 休むことになったの…」
リゼ「大変だな」
ココア「あんこ 大丈夫?」
あんこ「ヘッヘッヘッ」
ブリブリブリ
千夜「おばあちゃんからもすごく叱られて…」
チノ「プッ」
チノ(いい気味ですね)
千夜「?!」
千夜(あんこは頭がいいから知ってる人から与えられたご飯しか食べないから 怪しいと思ってたけど…)
千夜(まさかチノちゃんが?!)
あんこ「オッオッオッ」
ブリブリブリ
リゼ「大変だな」
ココア「あんこ 大丈夫?」
あんこ「ヘッヘッヘッ」
ブリブリブリ
千夜「おばあちゃんからもすごく叱られて…」
チノ「プッ」
チノ(いい気味ですね)
千夜「?!」
千夜(あんこは頭がいいから知ってる人から与えられたご飯しか食べないから 怪しいと思ってたけど…)
千夜(まさかチノちゃんが?!)
あんこ「オッオッオッ」
ブリブリブリ
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:03:15.125 ID:czixliuIK.net
-次の日・ラビットハウス
千夜「みんな~」
ココア「あっ!千夜ちゃん!」
リゼ「この時間にラビットハウスに来るってことは 甘兎庵はまだ…」
チノ「ニャガニャガ ライバル店もしばらくやってないと 寂しいものですねぇ」
千夜「ふん」
千夜(そんな顔していられるのも今のうちよ)
千夜「新メニューよ 今度は抹茶じゃなくてほうじ茶を使ったわらび餅ソフトなの」
ココア「ほうじ茶ってなに?」
リゼ「とりあえず食べてみよう」
千夜「チノちゃんとティッピーの分もあるわよ~」
チノ「あ…ありがとうございます…(ティッピーの分も…?)」
千夜「みんな~」
ココア「あっ!千夜ちゃん!」
リゼ「この時間にラビットハウスに来るってことは 甘兎庵はまだ…」
チノ「ニャガニャガ ライバル店もしばらくやってないと 寂しいものですねぇ」
千夜「ふん」
千夜(そんな顔していられるのも今のうちよ)
千夜「新メニューよ 今度は抹茶じゃなくてほうじ茶を使ったわらび餅ソフトなの」
ココア「ほうじ茶ってなに?」
リゼ「とりあえず食べてみよう」
千夜「チノちゃんとティッピーの分もあるわよ~」
チノ「あ…ありがとうございます…(ティッピーの分も…?)」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:08:53.458 ID:czixliuIK.net
千夜「じゃあね」
ココア「ばいばーい!」
リゼ「これおいしいな」
ハムッ
ティッピー「ブルルルァ!!」
チノ(ティッピーが警戒してる…)
ティッピー「ワンワンワン!!」
チノ(このソフトクリームは食べない方がいいかもしれませんね…)
ポイッ
リゼ「なんだチノ いらないのか?」
チノ「あ…はい…死んだおじいちゃんの声が聞こえたんです…『甘兎庵の物は食べるな』…と」
リゼ「まだそんなことにこだわってるのか?」
ハムッ
チノ(食べた………!)
ココア「ばいばーい!」
リゼ「これおいしいな」
ハムッ
ティッピー「ブルルルァ!!」
チノ(ティッピーが警戒してる…)
ティッピー「ワンワンワン!!」
チノ(このソフトクリームは食べない方がいいかもしれませんね…)
ポイッ
リゼ「なんだチノ いらないのか?」
チノ「あ…はい…死んだおじいちゃんの声が聞こえたんです…『甘兎庵の物は食べるな』…と」
リゼ「まだそんなことにこだわってるのか?」
ハムッ
チノ(食べた………!)
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:13:59.827 ID:czixliuIK.net
リゼ「あああああッ?!」
ブリブリブリッ
ココア「リ…リゼちゃん?!」
チノ「大丈夫ですか?!リゼさん?!」
リゼ「うにゃぁぁぁぁ!!うんち止まらないのぉぉぉぉッ!!」
ブリブリブリッ
ティッピー(ワシらもなめられたもんじゃな)
チノ(全くです 今度はあんこだけでなく 千夜さんにも下剤を盛った方がいいかもしれませんね)
リゼ「み…見ないでくれっ…見ないでっ………」
ブリブリブリッ
ブリブリブリッ
ココア「リ…リゼちゃん?!」
チノ「大丈夫ですか?!リゼさん?!」
リゼ「うにゃぁぁぁぁ!!うんち止まらないのぉぉぉぉッ!!」
ブリブリブリッ
ティッピー(ワシらもなめられたもんじゃな)
チノ(全くです 今度はあんこだけでなく 千夜さんにも下剤を盛った方がいいかもしれませんね)
リゼ「み…見ないでくれっ…見ないでっ………」
ブリブリブリッ
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:18:03.871 ID:czixliuIK.net
-ラビットハウス
チノ「リゼさんは帰しました」
ココア「くさいのう…リゼちゃんのうんちどうするの?」
チノ「シャロさんを呼びました」
シャロ「ちょっと!なんで600円でラビットハウスのうんこを掃除しなきゃいけないのよ!」
チノ「すみません リゼさんがうんこ漏らしてしまいまして…」
シャロ「えっ?!全部 リゼ先輩のうんこなの?!」
シャロ「それを先に言いなさいよ!私に任せて!」
フキフキ
チノ「リゼさんは帰しました」
ココア「くさいのう…リゼちゃんのうんちどうするの?」
チノ「シャロさんを呼びました」
シャロ「ちょっと!なんで600円でラビットハウスのうんこを掃除しなきゃいけないのよ!」
チノ「すみません リゼさんがうんこ漏らしてしまいまして…」
シャロ「えっ?!全部 リゼ先輩のうんこなの?!」
シャロ「それを先に言いなさいよ!私に任せて!」
フキフキ
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:21:48.402 ID:czixliuIK.net
-
リゼ「見るなっ…見るなぁぁ…」
ブリブリブリッ
千夜「あら リゼちゃん…」
千夜(もうバイト終わったのかしら?)
リゼ「うっうっうっ…」
ブリブリブリッ
千夜「!!」
千夜「…リゼちゃんがうんこ漏らしてる…」
千夜「くっ…しくじった…」
ガンッ
リゼ「見るなっ…見るなぁぁ…」
ブリブリブリッ
千夜「あら リゼちゃん…」
千夜(もうバイト終わったのかしら?)
リゼ「うっうっうっ…」
ブリブリブリッ
千夜「!!」
千夜「…リゼちゃんがうんこ漏らしてる…」
千夜「くっ…しくじった…」
ガンッ
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:29:07.192 ID:czixliuIK.net
-甘兎庵
千夜「ダメ…営業再開したのに ちっともお客さんが来ない…」
ポチポチ
甘兎庵とかいう抹茶屋がクソ不快なんだが お前らやってくれ(685)
千夜「2ちゃんねるでも そうとう叩かれてるわね…」
千夜「ちゃんと工夫しであんこは店内じゃなくて 店の入り口に置くようにしたんだけど…」
あんこ「アッアッアッ」
ブリブリブリ
カランカラーン
千夜「あ いらっしゃいま…」
マヤ「うーっす」
メグ「営業再開したんだねぇ」
チノ「あら?全自動下痢便マシーンは 入り口に追いやられたんですか?(笑)」
あんこ「ンッンッンッ」
ブリブリブリ
千夜「くっ…」
千夜「ダメ…営業再開したのに ちっともお客さんが来ない…」
ポチポチ
甘兎庵とかいう抹茶屋がクソ不快なんだが お前らやってくれ(685)
千夜「2ちゃんねるでも そうとう叩かれてるわね…」
千夜「ちゃんと工夫しであんこは店内じゃなくて 店の入り口に置くようにしたんだけど…」
あんこ「アッアッアッ」
ブリブリブリ
カランカラーン
千夜「あ いらっしゃいま…」
マヤ「うーっす」
メグ「営業再開したんだねぇ」
チノ「あら?全自動下痢便マシーンは 入り口に追いやられたんですか?(笑)」
あんこ「ンッンッンッ」
ブリブリブリ
千夜「くっ…」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:40:21.890 ID:czixliuIK.net
千夜「ご注文は?」
チノ「あ…いえ…あいさつだけですよ?(笑)」
マヤ「下剤でも盛られたらたまんないからな~」
メグ「クスクス」
千夜「ちっ…」
ギリッ
チノ「ではさよならです この調子では甘兎庵は千夜さんの代でおしまいですね」
マヤ「肥料屋さんでも始めたら?」
メグ「クスクス」
千夜「キーーーーッ!!」
ポカポカポカ
チノ「あ…いえ…あいさつだけですよ?(笑)」
マヤ「下剤でも盛られたらたまんないからな~」
メグ「クスクス」
千夜「ちっ…」
ギリッ
チノ「ではさよならです この調子では甘兎庵は千夜さんの代でおしまいですね」
マヤ「肥料屋さんでも始めたら?」
メグ「クスクス」
千夜「キーーーーッ!!」
ポカポカポカ
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:46:45.281 ID:czixliuIK.net
おばあちゃん「千夜や…」
千夜「!!」
ビクッ
おばあちゃん「長襦袢を置いておくよ…」
千夜「ハァーッ ハァーッ ハァーッ」
千夜(おばあちゃんもかなり怒ってる…)
千夜(このままじゃまずい…なんとかしてラビットハウスを同じ目に遭わせないと…)
千夜(私がおばあちゃんから殺されてしまうわ…)
あんこ「ZZZ」
ブリブリブリ
千夜(かたきは討つからね…)
千夜「!!」
ビクッ
おばあちゃん「長襦袢を置いておくよ…」
千夜「ハァーッ ハァーッ ハァーッ」
千夜(おばあちゃんもかなり怒ってる…)
千夜(このままじゃまずい…なんとかしてラビットハウスを同じ目に遭わせないと…)
千夜(私がおばあちゃんから殺されてしまうわ…)
あんこ「ZZZ」
ブリブリブリ
千夜(かたきは討つからね…)
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 21:55:31.099 ID:czixliuIK.net
千夜(この戦の鍵(キー)はシャロちゃんね…)
千夜(甘兎庵にもラビットハウスにも属さないシャロちゃん…)
千夜(シャロちゃんを利用する………)
千夜(最弱の駒 シャロちゃんは手に入れて初めて最強の駒になる)
ポチポチ
千夜「もしもしシャロちゃん?」
千夜(甘兎庵にもラビットハウスにも属さないシャロちゃん…)
千夜(シャロちゃんを利用する………)
千夜(最弱の駒 シャロちゃんは手に入れて初めて最強の駒になる)
ポチポチ
千夜「もしもしシャロちゃん?」
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:04:20.148 ID:czixliuIK.net
シャロ「千夜の部屋 いい匂い」
クンクン
千夜「リゼちゃんの調子はどう?」
シャロ「…リゼ先輩が言うには お腹が痛くて肛門が仕事を放棄しちゃったみたいで…」
千夜(想像以上ね これなら少なくても1週間の営業停止は狙えるわ…)
千夜「それよりシャロちゃん 自炊とかお菓子作りとか興味ある?」
シャロ「興味はあるんだけど お金かかりそうだから…」
シャロ「お菓子とか作ったらチノちゃんやリゼ先輩に食べてもらいたいな…」
千夜「………」
ニヤッ
千夜「それはもったいないわね 材料をあげるからお菓子 作ってみない?」
シャロ「本当?!ありがとう!」
クンクン
千夜「リゼちゃんの調子はどう?」
シャロ「…リゼ先輩が言うには お腹が痛くて肛門が仕事を放棄しちゃったみたいで…」
千夜(想像以上ね これなら少なくても1週間の営業停止は狙えるわ…)
千夜「それよりシャロちゃん 自炊とかお菓子作りとか興味ある?」
シャロ「興味はあるんだけど お金かかりそうだから…」
シャロ「お菓子とか作ったらチノちゃんやリゼ先輩に食べてもらいたいな…」
千夜「………」
ニヤッ
千夜「それはもったいないわね 材料をあげるからお菓子 作ってみない?」
シャロ「本当?!ありがとう!」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:11:30.930 ID:czixliuIK.net
千夜「ゼリーとかどう?簡単よ」
シャロ「ゼリーって抹茶の?」
千夜(抹茶ゼリーだと私が関わっていると思われるわね…最低限 私の匂いは消さないと)
千夜「抹茶ゼリーなんか受けないわよ イチゴやレモンとか果物がいいんじゃないかしら?」
シャロ「でも難しそう…」
千夜「簡単簡単♪グラニュー糖とゼラチンと…熱湯があれば!」
シャロ「私でもできそう!」
シャロ「手 洗ってくるね!」
千夜(………屍(かばね))
千夜(後遺症が残る強力な下剤…)
千夜(これもゼリーに入れさせてもらうわよ)
シャロ「ゼリーって抹茶の?」
千夜(抹茶ゼリーだと私が関わっていると思われるわね…最低限 私の匂いは消さないと)
千夜「抹茶ゼリーなんか受けないわよ イチゴやレモンとか果物がいいんじゃないかしら?」
シャロ「でも難しそう…」
千夜「簡単簡単♪グラニュー糖とゼラチンと…熱湯があれば!」
シャロ「私でもできそう!」
シャロ「手 洗ってくるね!」
千夜(………屍(かばね))
千夜(後遺症が残る強力な下剤…)
千夜(これもゼリーに入れさせてもらうわよ)
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:26:45.313 ID:czixliuIK.net
シャロ「ゼラチンとグラニュー糖とレモン汁…」
千夜(そして私の屍も入れて)
トントン
千夜(一回戦突破確定)
スゥ
シャロ「できたー!シャロゼリー!」
シャロ「千夜にもあげる!」
千夜「ありがとう」
ポイッ
シャロ「私も食べよーっと」
千夜「あっ その前にチノちゃんに食べさせてあげた方がいいんじゃないかしら?」
千夜「ほら ゼリーは劣化が早いし もう夜遅いじゃない?早く渡してあげた方がいいんじゃない?」
シャロ「うん!ありがとう千夜!」
千夜(そして私の屍も入れて)
トントン
千夜(一回戦突破確定)
スゥ
シャロ「できたー!シャロゼリー!」
シャロ「千夜にもあげる!」
千夜「ありがとう」
ポイッ
シャロ「私も食べよーっと」
千夜「あっ その前にチノちゃんに食べさせてあげた方がいいんじゃないかしら?」
千夜「ほら ゼリーは劣化が早いし もう夜遅いじゃない?早く渡してあげた方がいいんじゃない?」
シャロ「うん!ありがとう千夜!」
49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:33:07.694 ID:czixliuIK.net
-リゼの家
シャロ「あ…あの…リゼ先輩の後輩の桐間です…」
シャロ「このゼリー…リゼ先輩のお見舞いのために作りました…よかったら渡してください…」
『お嬢様に渡しておきます』
-リゼの部屋
リゼ「しゃ…シャロからお見舞いの品…?」
ハァハァハァ
リゼ「手作りのゼリー…?あいつもかわいいところあるじゃないか…」
リゼ「ちょうど下痢もおさまったし…消化にいいから食べるか…」
パクッ
リゼ「があああああ!!どうして?!」
ブリブリブリッ
リゼ「うっうっうっ」
ブリブリブリッ
シャロ「あ…あの…リゼ先輩の後輩の桐間です…」
シャロ「このゼリー…リゼ先輩のお見舞いのために作りました…よかったら渡してください…」
『お嬢様に渡しておきます』
-リゼの部屋
リゼ「しゃ…シャロからお見舞いの品…?」
ハァハァハァ
リゼ「手作りのゼリー…?あいつもかわいいところあるじゃないか…」
リゼ「ちょうど下痢もおさまったし…消化にいいから食べるか…」
パクッ
リゼ「があああああ!!どうして?!」
ブリブリブリッ
リゼ「うっうっうっ」
ブリブリブリッ
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:39:01.649 ID:czixliuIK.net
シャロ「リゼ先輩 よろこんでくれたかな~??」
シャロ「私もちょっと食べてみよ つまみ食~♪」
パクッ
シャロ「ぶわあああああ!!」
ブリブリブリッ
シャロ「あああああッ!!」
ブリブリブリッ
シャロ「やだっ…!!下痢が止まらない…!!なんで…?!」
ブリブリブリッ
シャロ「うっ…うっ…うっ…」
ブリブリブリッ
ガクッ
シャロ「…」
ブリブリブリッ
シャロ「私もちょっと食べてみよ つまみ食~♪」
パクッ
シャロ「ぶわあああああ!!」
ブリブリブリッ
シャロ「あああああッ!!」
ブリブリブリッ
シャロ「やだっ…!!下痢が止まらない…!!なんで…?!」
ブリブリブリッ
シャロ「うっ…うっ…うっ…」
ブリブリブリッ
ガクッ
シャロ「…」
ブリブリブリッ
57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:43:30.806 ID:czixliuIK.net
-次の日・ラビットハウス
カランカラーン
ココア・チノ「いらっしゃいませ~っ」
千夜「…」
千夜(シャロちゃん…しくじったわね…)
千夜(シャロちゃんはしばらく使えないし…)
チラッ
ココア「?」
千夜(ココアちゃんも ラビットハウス側…)
ギョロギョロ
チノ(千夜さん…あまりにも甘兎庵に客が入らなすぎて頭がおかしくなってしまったのでしょうか…)
チノ(少し気の毒ですね)
青山「ゴクゴク」
青山「プハー」
千夜(…!!)
カランカラーン
ココア・チノ「いらっしゃいませ~っ」
千夜「…」
千夜(シャロちゃん…しくじったわね…)
千夜(シャロちゃんはしばらく使えないし…)
チラッ
ココア「?」
千夜(ココアちゃんも ラビットハウス側…)
ギョロギョロ
チノ(千夜さん…あまりにも甘兎庵に客が入らなすぎて頭がおかしくなってしまったのでしょうか…)
チノ(少し気の毒ですね)
青山「ゴクゴク」
青山「プハー」
千夜(…!!)
59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:50:13.679 ID:czixliuIK.net
千夜(青山さん…)
千夜(青山さんもどちらかと言えばラビットハウス側の人間だし 分別のつく大人だからシャロちゃんのように万能ではないけど…)
千夜(使えるかもしれないわね)
千夜「お仕事…大変そうですね…?」
青山「でも楽しいですよ」
青山「まだ未完成で人に見せられるような内容ではありませんが…」
千夜「よかったら甘兎庵に来ません?」
青山「いいですね 新しい刺激になりそうです」
青山「お代はここに置いておきますね~」
カランカラーン
ココア「青山さん やっと出ていってくれたね まさか200円のコーヒーで3時間も居座るなんて思わなかったよ」
チノ「なぜ千夜さんが青山さんと…?」
チノ(青山さんも警戒した方がいいかもしれませんね…)
千夜(青山さんもどちらかと言えばラビットハウス側の人間だし 分別のつく大人だからシャロちゃんのように万能ではないけど…)
千夜(使えるかもしれないわね)
千夜「お仕事…大変そうですね…?」
青山「でも楽しいですよ」
青山「まだ未完成で人に見せられるような内容ではありませんが…」
千夜「よかったら甘兎庵に来ません?」
青山「いいですね 新しい刺激になりそうです」
青山「お代はここに置いておきますね~」
カランカラーン
ココア「青山さん やっと出ていってくれたね まさか200円のコーヒーで3時間も居座るなんて思わなかったよ」
チノ「なぜ千夜さんが青山さんと…?」
チノ(青山さんも警戒した方がいいかもしれませんね…)
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 22:54:47.407 ID:czixliuIK.net
-甘兎庵
あんこ「ンッオッアッ」
ブリブリブリ
青山「マーライオンみたいですね~」
千夜「青山さん どうぞ」
青山「わらび餅…ですか…?」
千夜「最近 あんまりお客さん入らないから余っちゃって…よかったら青山さん食べます?」
青山「ありがとうございます」
青山「でもちょっと多いですね…」
千夜「大丈夫ですよ チノちゃんやココアちゃんの分も入れてその量ですから」
千夜(計画通り)
ニヤッ
あんこ「ンッオッアッ」
ブリブリブリ
青山「マーライオンみたいですね~」
千夜「青山さん どうぞ」
青山「わらび餅…ですか…?」
千夜「最近 あんまりお客さん入らないから余っちゃって…よかったら青山さん食べます?」
青山「ありがとうございます」
青山「でもちょっと多いですね…」
千夜「大丈夫ですよ チノちゃんやココアちゃんの分も入れてその量ですから」
千夜(計画通り)
ニヤッ
66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:02:31.413 ID:czixliuIK.net
-ラビットハウス
青山「千夜さんからこんなにわらび餅 もらっちゃいました」
ココア「わぁ すごい!」
チノ・ティッピー「ブッ!!」
ココア「どうしたのチノちゃん?」
チノ「い…いえ…なんでもないです…クヒヒ…」
チノ(稚拙すぎワロタですね…千夜さんの「ち」は稚拙の「ち」です…)
ティッピー(こんなもんに引っかかるのは なかなかおらんぞ)
青山「ハムッ…」
グルグルグル
青山「うっ…1週間ぶりに…」
ブリブリブリッ
ココア「よかったね 青山さん」
パクパク
チノ(やはり下剤を…もはや なりふりかまわないって感じですね…情けない…)
青山「千夜さんからこんなにわらび餅 もらっちゃいました」
ココア「わぁ すごい!」
チノ・ティッピー「ブッ!!」
ココア「どうしたのチノちゃん?」
チノ「い…いえ…なんでもないです…クヒヒ…」
チノ(稚拙すぎワロタですね…千夜さんの「ち」は稚拙の「ち」です…)
ティッピー(こんなもんに引っかかるのは なかなかおらんぞ)
青山「ハムッ…」
グルグルグル
青山「うっ…1週間ぶりに…」
ブリブリブリッ
ココア「よかったね 青山さん」
パクパク
チノ(やはり下剤を…もはや なりふりかまわないって感じですね…情けない…)
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:10:55.030 ID:czixliuIK.net
リゼ「ありがとう 千夜 おかげで治ったよ」
千夜「気にしないで」
リゼ「それにしても千夜が解毒剤を持ってて助かった…干からびるかと思ったよ」
千夜「大げさよ~ リゼちゃん」
リゼ「長いこと休んじゃったから ココアたちにお菓子持っていった方がいいかな…?」
リゼ「あ~ でもこの時間なら店は ほとんどしまってるよな…」
千夜「それなら私に任せておいて じゃーん!高級チョコレート!」
千夜「これをチノちゃんたちにあげればいいわ お金は返さなくてもいいから」
リゼ「ありがとう千夜!」
千夜「私からもらったっていうのは 内緒よ~?」
シーッ
リゼ「ああ!」
千夜(チノちゃんは…青山さんが私の切り札だと思っているみたいだけど…)
千夜(なんのためにチノちゃんの目の前で青山さんをスカウトしたと思ってるの?)
千夜「気にしないで」
リゼ「それにしても千夜が解毒剤を持ってて助かった…干からびるかと思ったよ」
千夜「大げさよ~ リゼちゃん」
リゼ「長いこと休んじゃったから ココアたちにお菓子持っていった方がいいかな…?」
リゼ「あ~ でもこの時間なら店は ほとんどしまってるよな…」
千夜「それなら私に任せておいて じゃーん!高級チョコレート!」
千夜「これをチノちゃんたちにあげればいいわ お金は返さなくてもいいから」
リゼ「ありがとう千夜!」
千夜「私からもらったっていうのは 内緒よ~?」
シーッ
リゼ「ああ!」
千夜(チノちゃんは…青山さんが私の切り札だと思っているみたいだけど…)
千夜(なんのためにチノちゃんの目の前で青山さんをスカウトしたと思ってるの?)
72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:21:21.492 ID:czixliuIK.net
-ラビットハウス
カランカラーン
リゼ「心配かけたな」
ココア「リゼちゃんッッッ?!!」
チノ「よかった 体調はよくなったんですね」
リゼ「ほら 迷惑かけたな チョコレート買ってきたから食べてくれ」
ティッピー「ウマホー」
チノ「い…いただきます…」
パクパク
チノ「うっ…ウォォォォッ?!」
ブリブリブリッ
リゼ「チノ?!?!」
ココア「チノちゃん?!」
チノ「や…やられました…!!おじ…ティッピー!!」
ブリブリブリッ
ティッピー「ワシ?」
パクパク
ティッピー「オォォォォッ!!」
ブリブリブリッ
チノ「があああああ!!」
ブリブリブリッ
青山「ふぅ♪ 出た出た」
青山「あら?」
カランカラーン
リゼ「心配かけたな」
ココア「リゼちゃんッッッ?!!」
チノ「よかった 体調はよくなったんですね」
リゼ「ほら 迷惑かけたな チョコレート買ってきたから食べてくれ」
ティッピー「ウマホー」
チノ「い…いただきます…」
パクパク
チノ「うっ…ウォォォォッ?!」
ブリブリブリッ
リゼ「チノ?!?!」
ココア「チノちゃん?!」
チノ「や…やられました…!!おじ…ティッピー!!」
ブリブリブリッ
ティッピー「ワシ?」
パクパク
ティッピー「オォォォォッ!!」
ブリブリブリッ
チノ「があああああ!!」
ブリブリブリッ
青山「ふぅ♪ 出た出た」
青山「あら?」
78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:27:26.695 ID:czixliuIK.net
千夜「は~い」
ココア「千夜ちゃん!!」
チノ「まさか…千夜さん…」
ブリブリブリッ
千夜「あぁ…それには下剤が入っている」
ニッ
チノ「クソァ!!」
ブリブリブリッ
チノ「クソッ!クソッ!クソッ!」
ブリブリブリッ
『なんかうんこ臭くないか?』
『わっ!!チノちゃんがうんこ漏らしてやがる!!』
ティッピー「ハァハァハァ」
ブリブリブリッ
『ウサギもだ!!食中毒か?!』
『こんなコーヒー飲んでられるか!オレは帰る!』
チノ「そ…そんな…」
ブリブリブリッ
千夜「どう?全自動下痢便排泄機になった気分は?」
チノ「ちくしょぉぉぉ~~~~っ!!」
ブリブリブリッ
ココア「千夜ちゃん!!」
チノ「まさか…千夜さん…」
ブリブリブリッ
千夜「あぁ…それには下剤が入っている」
ニッ
チノ「クソァ!!」
ブリブリブリッ
チノ「クソッ!クソッ!クソッ!」
ブリブリブリッ
『なんかうんこ臭くないか?』
『わっ!!チノちゃんがうんこ漏らしてやがる!!』
ティッピー「ハァハァハァ」
ブリブリブリッ
『ウサギもだ!!食中毒か?!』
『こんなコーヒー飲んでられるか!オレは帰る!』
チノ「そ…そんな…」
ブリブリブリッ
千夜「どう?全自動下痢便排泄機になった気分は?」
チノ「ちくしょぉぉぉ~~~~っ!!」
ブリブリブリッ
92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:47:47.030 ID:czixliuIK.net
-学校
千夜「…」
ポチポチ
『宇治松さんのお店いったよ!』
『宇治松さんのお店のメニューキチガイじみてた!』
千夜(ふふっ)
パカッ
NERVAまとめ「【初見草不可避】木組みの町の老舗・甘兎庵のメニューが凄すぎると話題に」
まとめ「【乞食速報】甘兎庵で2000円以上買い物すると美人黒髪店員のパンストがもらえるぞ!」
Twitter「甘兎庵でおやつ 味もさっぱりしていて店の雰囲気も◎」
千夜(使えるものはなんだって使うわよ)
ポチポチ
ラビットハウスの短期間の営業停止により
みんなが甘兎庵の存在を思いだし 売上も回復してきた
千夜「…」
ポチポチ
『宇治松さんのお店いったよ!』
『宇治松さんのお店のメニューキチガイじみてた!』
千夜(ふふっ)
パカッ
NERVAまとめ「【初見草不可避】木組みの町の老舗・甘兎庵のメニューが凄すぎると話題に」
まとめ「【乞食速報】甘兎庵で2000円以上買い物すると美人黒髪店員のパンストがもらえるぞ!」
Twitter「甘兎庵でおやつ 味もさっぱりしていて店の雰囲気も◎」
千夜(使えるものはなんだって使うわよ)
ポチポチ
ラビットハウスの短期間の営業停止により
みんなが甘兎庵の存在を思いだし 売上も回復してきた
94: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:54:00.905 ID:czixliuIK.net
ココア「千~夜ちゃん♪」
千夜「あら ココアちゃん おはよう」
ココア「ラビットハウスがしばらくおやすみだから パンをたくさん作ったよ!千夜ちゃん食べてね!」
千夜「ありがと♪」
モニュモニュ
千夜「ヴッッッ!!」
グルグルグル
千夜「ウッ…ウソでしょ…?!そんな…嫌ァァァァッ!!」
ブリブリブリッ
千夜「ヤダッ!見ないで!止まって!止まってェ!!」
ブリブリブリッ
『宇治松さんが漏らした!!』
『臭ェ!!蛆松かよ!!』
『マジかよ 甘兎庵最低だな』
千夜「見ないでぇ…」
ブリブリブリッ
カシャカシャカシャ
千夜「撮らないで!」
『Twitterにアップしよ』
『VIPにスレ立てよ』
『YouTubeにアップしよ』
千夜「やめてやめてやめてぇ…」
ブリブリブリッ
ココア「…」
ココア「任務完了」
チャキ
完
千夜「あら ココアちゃん おはよう」
ココア「ラビットハウスがしばらくおやすみだから パンをたくさん作ったよ!千夜ちゃん食べてね!」
千夜「ありがと♪」
モニュモニュ
千夜「ヴッッッ!!」
グルグルグル
千夜「ウッ…ウソでしょ…?!そんな…嫌ァァァァッ!!」
ブリブリブリッ
千夜「ヤダッ!見ないで!止まって!止まってェ!!」
ブリブリブリッ
『宇治松さんが漏らした!!』
『臭ェ!!蛆松かよ!!』
『マジかよ 甘兎庵最低だな』
千夜「見ないでぇ…」
ブリブリブリッ
カシャカシャカシャ
千夜「撮らないで!」
『Twitterにアップしよ』
『VIPにスレ立てよ』
『YouTubeにアップしよ』
千夜「やめてやめてやめてぇ…」
ブリブリブリッ
ココア「…」
ココア「任務完了」
チャキ
完
95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:55:09.855 ID:Qn5xDFGzr.net
不人気抹茶ざまぁww
96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:55:15.392 ID:AhcfLqxh0.net
おつ!
97: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:56:33.407 ID:jMDFmUUn0.net
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
99: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/08(火) 23:59:16.961 ID:jMDFmUUn0.net
乙
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1449574702/
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ ご注文はうさぎですか? | Comments (0)
提督「朝潮型、結婚!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:01:03.38 ID:f/wl4UGh0
朝潮「そんな……司令官と……け、結婚だなんて……」
提督「嫌か?」
朝潮「と、とんでもない! 私、司令官と結婚できるなんて、幸せです! 嬉しいです!」
提督「そうか、それは良かった。なら言ってごらん? 朝潮は私と、どうしたいんだ?」
朝潮「はい! わ、私は……し、ししし司令官と、け……結婚――――――」
大潮「ハイハイハーイ! 大潮、司令官と結婚しまーす!」
満潮「ちょっと大潮、あんた何勝手に言い出すのよ。司令官と結婚するのは私でしょ?」
朝潮「え、あ……ちょっ……」
荒潮「あらあら面白そうねぇ。私もしようかしら。司令官と、結婚」
霰「わたし……司令官と結婚……したい」
霞「はぁ……こんなクズとの結婚生活なんて、お先真っ暗ね。
このクズと結婚して将来きちんとやっていけそうなのは、私くらいよ」
朝潮「み、皆どうしてここに……司令官と二人きりだったはずなのに……」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:10:51.80 ID:f/wl4UGh0
大潮「朝潮だけ抜け駆けなんてズルいよー。大潮も、司令官大好きー!」
荒潮「私だって、いつも司令官のこと、好きだって言ってるじゃないの」
霰「相撲界の中では、司令官が一番すき」
満潮「私だって、本当は司令官のことが大好きなんだからッ」
霞「フン! こんなゴミクズのどこがいいのかしら。本気で最後まで好きでいられるのは私くらいね、きっと」
朝潮「そ、そんな……まさか皆、こんなにも司令官のことが好きだったなんて……」
提督「あっはっは、いやいや困ったものだ。だが、私も皆が大好きだ。……よし、じゃあ全員と結婚しよう!」
朝潮「し、司令官!? わ、私との結婚の約束は……」
提督「もちろん朝潮とも結婚するぞ。心配性だなぁ朝潮は。あっはっは」
朝潮「い、いえ、そうではなく! わ、私は……司令官を……私だけの司令官に…………」
提督「ん? どうした?」
霞「鈍感ね。つまり朝潮は、正妻を決めようと言っているのよ」
朝潮「いや、そういうわけでは……」
満潮「正妻……そうね、朝潮の言う通りだわ」
朝潮「いやだから……」
霰「どうやって決めよう」
荒潮「大潮ちゃんは正妻選びについて、何かいい案ある?」
大潮「元気出していきましょう! セーサイ!」
朝潮(くっ…………もうこうなったら、せめて正妻に……!!)
提督「じゃあこうしよう。この場でおパンツを脱いで、一番早く頭に被った人が正妻ということで」
朝潮「私やります!!」
提督「おお、即答だな朝潮」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:19:51.31 ID:f/wl4UGh0
朝潮(恥ずかしいけれど、躊躇なんてしていられない! 皆もあれだけやる気なら、もうすでに下着を脱ぐ体勢に入っているはず!)
朝潮「はい! この朝潮、命に代えても司令官の正妻に――――――――――あれ?」
シーン
朝潮「みんな……脱がないの?」
大潮「いやー、さすがにそれはちょっと」
荒潮「女子として……というより、人としてそれは……ね?」
霞「あり得ないわね」
満潮「まさか朝潮……あんた、本気で脱ぐつもりなの……さすがにひくわ」
霰「変態行為だと思う」
朝潮「え、あれ……だって皆、あんなにスゴイやる気で……あれ?」
提督「さぁ朝潮、どうした。 やるんだろう? 脱ぐんだろう?」
朝潮「あ、あの……司令官、いや、その……」
朝潮(どうしよう……。恥を忍んで下着を脱いで、さらに頭に被れば、
私は晴れて司令官の正妻に……でも、そんなハレンチな行為を……この私が……! うぅ……)
提督「さぁ朝潮、脱ぐんだ」
朝潮「はっ! 司令官、いつの間に背後に!?」
提督「さぁさぁ朝潮、被るんだ」
朝潮「あれ? 司令官が前にも!?」
提督「さぁ、今すぐ脱ぐ。そして被る」
朝潮「あ、あれ?? 司令官が二人……三人? あれ? あれ??」
提督「自分に素直になるんだ」
提督「きっと気持ちいいぞ」
提督「脱いで被る、簡単だろう?」
提督「恥ずかしいなら私が手伝おうか?」
提督「いや、私も一緒に脱ごうか?」
朝潮「あわ、あわわわわわ??!?!?!」
提督「さぁ朝潮」
提督「さぁさぁ朝潮」
提督「朝潮……さぁ!」
提督「「「「 さぁ!!! 」」」」」
朝潮「くっ……み、見ていてください司令官……」スッ
提督「………………」
朝潮(恥ずかしいけれど……もう、やるしかない!!!)
朝潮「これが……これが、朝潮型駆逐艦の………………力なんです!!!」ズルッ
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:29:52.40 ID:f/wl4UGh0
~ 朝 食堂 ~
霞「朝潮……アンタちょっと酷い顔してるけど、大丈夫?」
朝潮「う、うん……平気よ。 少し、変な夢を見てしまって……」
荒潮「珍しいわねぇ。いつもはどんなに朝早くてもシャキっとしてる朝潮が」
満潮「で? どんな夢だったのよ?」
霰「気になる……」
朝潮「う、うん……一言でいえば……まぁ、司令官と結婚、する夢なんだけど……」
大潮「結婚!?」
満潮「バカ大潮、声が大きい」
大潮「えへへー、ごめんごめん。驚いちゃって」
霞「ふ、フーン……まぁ確かに、酷い夢よね」
荒潮「うふふっ、またまた霞ちゃんったら」
霞「な、何よもう!」
霰「それで朝潮、夢で何かあったの?」
朝潮「私は司令官との結婚を果たすため……危うく社会的に死ぬところだったわ……」
満潮「どういう状況よ……」
荒潮「ふふふ、でも夢って、自分の経験や考えていることを表すって言うわよねぇ。つまりそれって……」
大潮「朝潮、結婚するのォーー!?」
霞「だから声が大きいってば」
霰「でも確かに、朝潮は秘書艦で、司令官との距離は最も近いはずの存在……」
朝潮「い、いやそんな! 司令官との結婚だなんて! そんな大それたことは考えて…………あっ」
満潮「え、やっぱりそうなの?」
朝潮「いや、そうじゃなくて……。思い出したのよ」
荒潮「あら、何を?」
朝潮「あれはたしか、昨晩……遅くまで書類仕事を片付けていた時のことだったわ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:44:03.63 ID:f/wl4UGh0
~ 昨夜 司令室 ~
朝潮「司令官、お手紙が届いています」
提督「あぁ、そこに置いといてくれ」
朝潮「ご覧にならないのですか?」
提督「それがすべて、駆逐艦の子たちからのラブレターだったら20回は読む」
朝潮「…………残念ながら、どれも軍令部からのようですね」
提督「そう……そうなんだよ。ここんとこ、ずっとそう」
朝潮「あの、差支えがなければ、内容を伺ってもよろしいでしょうか?」
提督「何の変哲もない、ただの出撃要請さ。朝潮たちも最近、実感しているだろう?」
朝潮「はい……たしかに。ここのところ、妙に出撃が増えていますね。
それも、場所や練度に見合わない、雑多な任務ばかりで…………はっ、すみません! 私……」
提督「いや、いいんだ朝潮。君の言う通りだ。他の鎮守府に要請すべきである遠方での任務。
戦艦や空母に課せられる陳腐な掃討戦。駆逐艦を危険にさらす、絶望的な出撃任務……。
上層部からの命令とはいえ、君たちにはかなり苦労をかけてしまっているな……すまない」
朝潮「そんな……司令官は悪くありません!」
提督「ありがとう朝潮。君がそう言ってくれるだけで、私は救われる」
朝潮「それにしても……何故このような、理不尽な出撃命令ばかり下されるのでしょうか……」
提督「圧力、だろうな」
朝潮「圧力……ですか?」
提督「要は嫌がらせだ」
朝潮「嫌がらせ!? どうしてそんな……理由が分かりません!」
提督「軍属でありながら、艦娘に手を出しかねない司令官とか」
朝潮「し、司令官にそんな自覚があったとは……あ、いえ何でもありません」
提督「他にはまぁ、駆逐艦を主力の一部としている、という軍令部が示す方針から逸れた組織体制とか」
朝潮「ですが、我々はきちんと戦果を得ています!」
提督「戦果を得ているからこそ、大艦巨砲主義のお偉い様方にとっては、我々が気に入らないのだろう」
朝潮「そんな……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 19:54:29.61 ID:f/wl4UGh0
提督「あと他にも色々と目立つことがあったりしたからなぁ……」
朝潮「はっ! もしや、以前、中央鎮守府へ転属になった私を、強引にここへ再着任させた件も……」
提督「あー……たしかにあれも、かなり睨まれたな……。
いやしかし、そもそも秘書艦である朝潮に対してわざわざ転属命令が出されている時点で、それが既に嫌がらせだろう」
朝潮「…………」
提督「なに、朝潮が気に病むことはない。むしろ私は、君たちを誇りに思っているんだ。
戦艦や空母にも負けない、最強の駆逐艦……朝潮型駆逐隊を」
朝潮「司令官……」
提督「それに、気に病むとしたら、それは私の方だ。
君たちを私の方針に付き合わせてしまって、現にこうして辛い状況に巻き込んでしまっているのだから」
朝潮「いいえ、司令官! 私たち朝潮型駆逐隊は……ううん、この鎮守府に所属する艦娘は、司令官のことが大好きです。
私たちは司令官のためであれば、どんなに辛くても、どこまでもお付き合いする覚悟です!」
提督「朝潮……。 そうか……私はその言葉が聞きたかったのかもしれない。少し安心したよ」
朝潮「それは良かったです! あ、私、コーヒーをお持ちしますね!」
提督「あぁ頼む。ちゃっちゃと終わらせないとな!」
朝潮「司令官、コーヒーをお持ちしまし……―――――あれ?」
提督「ぐぅ……ぐぅ……」
朝潮(司令官……寝ちゃってる……)
提督「ぐぅ……ぐぅ……うすしお……」
朝潮「クスッ……どんな夢を見ているんだろう……」
提督「ぐぅ……ぐぅ……」
朝潮「お疲れですか、司令官。 ……司令官も私たちと同じ…………戦っているのですね……」ナデナデ
提督「ぐぅ……ぐぐ……うへへ……」
朝潮「あ、笑った……かわいい……」
ヒラッ……ポト
朝潮「あ、手紙が一枚落ちて…………これは…………『新システム実装のお知らせ』……?」
朝潮(……何だろう? すごく気になる…………しかし、司令官宛の手紙を、盗み見るような真似は……)
朝潮「司令官……少しだけ、拝見してもよろしいでしょうか……」スリスリ
提督「ぐぅ……ぐぅ……ぐへへ……」
朝潮「わ、分かりました司令官。では少しだけ失礼して……―――――こ、これは……!!」
――――――――――ケッコン カッコカリ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:02:22.31 ID:f/wl4UGh0
大潮「ケッコンンンンンーーーー!?!?!?」
荒潮「大潮ちゃん、本当にお願いだから、もう少し静かにね?」
霞「……どうでもいいけど、序盤ののろけ回想って必要だったのかしら?」
満潮「とにかく、その『ケッコンカッコカリ』っていうシステムが原因でおかしな夢を見たってことね」
霰「夢の内容よりも、その新システムというのが気になる……」
大潮「そうそう! そのケッコンって、どんなシステムなの!? 手紙の続きは読んだんでしょ!?」
霞「何言ってるのよ。真面目な朝潮がそんなことするわけ――――」
朝潮「―――――当然、読んだわ」
霞「読んだんだ……」
朝潮「ケッコンカッコカリシステム……
それは、軍令部が定めるところの最高練度に達した艦娘にのみ適用を許された夢のシステム……」
満潮「最高練度の艦娘…………」
朝潮「司令官から直々に、左手の薬指に指輪を差し込まれることで、その効果が発揮されると書いてあったわ」
荒潮「あらやだ……本当の結婚指輪みたいじゃないの」
霞「フン……そ、そんなのどうだっていいわよ。それで、その効果とやらは何なの?」
朝潮「指輪を装備することで、艤装の耐久力、燃費、運の向上……」
霰「運がよくなるんだ……」
満潮「いやいや、たしかに駆逐艦にとっては時の運ってヤツは大事だけれど……」
朝潮「それから、さらなる成長を遂げることが可能になると、その手紙には書いてあったわ」
大潮「さらなる成長!! 戦艦になれたりするのかな!!」
荒潮「そういうわけではないような気がするけれど……」
霞「ふーん、なんだか胡散臭いわね」
朝潮「えぇ、まぁ言われてみればそうなんだけど……」
満潮「でも最高練度に達した艦娘に適用可能っていうことは……もしかして……」
霰「もしかするかも……」
荒潮「あり得るわよねぇ」
大潮「大潮たち、司令官から指輪がもらえる!!」
霞「ふん、アホくさ。そんな頑張ったで賞みたいな粗品を貰って、何が嬉しいっていうのよ、まったく」
朝潮「あの、それでその、指輪のことなんだけど……」
霞「あーはいはい、どうせ失くしたら始末書、とかそういう話でしょ」
朝潮「……じゃなくてその指輪、各鎮守府にひとつしか支給されないみたいなのよ」
一同「…………」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:12:42.65 ID:f/wl4UGh0
大潮「ハイハイハーイ! じゃあここは、代表して大潮が! 司令官から指輪を貰いまーす!」
霞「はァ!? アンタ、何勝手に決めてんのよッ!!」
荒潮「あら~? 霞ちゃんは指輪なんて、興味ないんじゃなかったの?」
霞「ち、違うわよ! 私はただ、その……ちょうどアクセサリが欲しかったっていうか!!」
霰「わたしも……指輪、欲しい」
満潮「私だって欲しいわよ! いや、言っておくけどね! 司令官からの指輪が欲しいんじゃなくて!
強くなるために欲しいの! ほら、私って占いとか信じるタイプだから! 本当だから!!」
大潮「ええー、嘘だー。 満潮、占いは食べられないから興味ないって言ってたくせにぃー」
満潮「言ってないわよ! あんたと一緒にしないで!」
朝潮「み、みんな落ち着いて! こういう時こそ会議をしましょう。
この中で司令官から指輪を頂くのにふさわしい人物は誰なのか……話し合って決めましょう」
霰「朝潮型緊急会議……in食堂」
大潮「ハイハーイ! 艦娘たる者、やっぱり戦って勝った人が指輪をゲットするってことで良いと思いまーす!」
朝潮「なるほど……優勝商品として、ということね」
満潮「でもそれだと、露骨すぎて司令官に怪しまれない?」
霞「それもそうね。第一、私たちはケッコンカッコカリについては知らないハズなんだし」
霰「それに、最終的な決定を下すのは司令官……」
朝潮「では、一体どうすれば……」
荒潮「うふふっ、そんなの簡単じゃない。司令官に対するアピール、すなわち点数稼ぎ……これしかないわ」
霞「なんだかヤな響きだけど、たしかに一理あるわ」
朝潮「司令官に自分の良いところを見せて、気に入ってもらうということね」
大潮「要は、お色気攻撃で司令官をローラクさせればいいんでしょ!」
満潮「はんっ、大潮のチンチクリンで、司令官を虜にできるわけ…………」
霰「……あの司令官が相手なら、できそう」
霞「誠に残念ながら、あの変態なら……ね」
朝潮「そ、そういうのはナシで! 自分のアピールポイントを示していく方針で行きましょう!」
荒潮「それなら、きちんとルールを決めておいた方がいいわねぇ」
満潮「なら、ボディタッチ禁止で」
荒潮「服を脱ぐのは?」
霞「ダメに決まってんでしょうがッ!」
霰「それから、一人が司令官を独占するのもナシにしよう」
大潮「うんうん! じゃあ一回のアピールで、最大3分までにしよう!
3分経ってもアピールを続けていたら、床が開いて落下する形式で!」
霞「なんでわざわざ芸人スタイルの退場しなきゃいけないのよ……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:21:57.77 ID:f/wl4UGh0
朝潮「ではここまでの意見をまとめましょう。
まず、司令官から指輪を頂くために、私たちができることは『アピール』のみ。
理由がどうであれ、最終的に決断を下すのは司令官であり、私たちは異議を唱えないこととします」
満潮「そうね。誰が勝っても、恨みっこなしね」
霰「分かった……」
朝潮「そして『アピール』には一定のルールを設けることとします。
まず、ボディタッチは厳禁。司令官を誘惑するような破廉恥な行為を、私たちは認めません」
荒潮「はーい、質問。ボディタッチといっても、司令官から触ってきたり、やむを得ない場合は?」
朝潮「それは……」
霞「向こうから触ってきた場合は、その場で殴るか憲兵団を呼ぶこと。
やむを得ない場合ってのがどんな状況なのか想像つかないけど、まぁセーフでいいんじゃない?」
朝潮「そうね……では、そういうことにします。 あと、服を脱ぐ行為は全面的に禁止です」
荒潮「はーい、質問。脱ぐのは禁止といっても、司令官が脱がせてきた場合は?」
霞「速やかに消し炭にするか、憲兵団を呼ぶこと」
荒潮「やむを得ない場合は?」
霞「やむを得ず服を脱ぐ状況って何よ!」
朝潮「世の中にはやむを得ず下着を脱いで頭に被るという状況も存在するくらいだから……」
霞「どんな状況よ!!」
大潮「最初から何も着てなければ、脱ぐことにはならないんじゃない?」
荒潮「あぁ~、なるほどぉ」
霞「アンタたち、冗談で言ってるのよね……」
朝潮「それから、司令官を独占するような行為も禁止とします(秘書艦を除く)」
満潮「いやいやいや! なにさらっと秘書艦を除かせてんのよ!」
朝潮「秘書艦ともなれば、自然と司令官と二人きりになる時間が増えるので」
霰「朝潮だけアピールする時間がたくさんあって……ずるい……」
大潮「それなら大潮たちも、ずっと司令官のそばを離れなきゃいいんだよ!」
霞「な、なんでわざわざ休憩中までクズ司令官の所にいなきゃいけないのよ」
荒潮「あらー、じゃあ霞ちゃんはお部屋にいるといいわ」
霞「ふん、そうさせてもらうわ。別にそこまでしてその指輪が欲しいわけじゃないし……」
朝潮「ではこのような方針で、異議はありませんね?」
一同「異議なーし」
朝潮「それじゃあ皆……おそらくこの中から一人だけ、近々司令官から指輪を渡され、
新システムのケッコンカッコカリが適用されることになるでしょう……。
その相手が誰になったとしても、私たちは決して恨まず、僻まず、祝福することを、ここに誓いましょう」
一同「了解!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:27:59.29 ID:f/wl4UGh0
~ 司令室 ~
霞「―――――って、言ってるそばから……」
朝潮「…………」
提督「おぉ皆、おはよう。揃ってどうしたんだ? 今日は非番じゃなかったか?」
霞「……」ジロッ
提督「な、なぜ睨む……」
大潮(朝潮だけずるーーい!!)
満潮(そうよ! なんで朝潮が率先してルール無視してんのよ!)
霰(秘書艦特権……)
荒潮(司令官の膝の上で一緒にお仕事なんて、これはポイント高いわねぇ)
朝潮(ち、違うのよ! これはその、朝やる気の出ない司令官を元気にするために、毎朝やっていることであって……)
霞(そんなの関係ないわよ! ルール1のボディタッチ厳禁に違反よ!)
朝潮(こ、これは司令官が円滑に仕事を行うために、やむを得ず行った行為に該当するわ!)
提督「えっと……なんか皆、私を置いてアイコンタクトで会話してないか?」
霰「……そんなことはない。司令官が、少し疲れているだけ」
満潮「そうよ。……あ、私、司令官にコーヒーを淹れてくるわ!」サッ
霞「あっ、しまった、出遅れた!」
提督「え?」
霰「わたし……疲れている司令官のために、肩叩きする」ポンポンポンポン
提督「ありがとう霰。おぉ……なんだか孫を持つおじいちゃんになった気分だ……和む」
霞(霰め……朝潮がルールを曖昧にしたのを見計らって、さっそくボディタッチを……!!)
霰「おじいちゃんの背中、とっても大きい」
提督「霰よ、欲しいものがあれば何でも買ってやるぞ。ふぉっほっほ」
霰「おじいちゃん、霰、なにかキラキラしたアクセサリが欲しいなー」
提督「おうおう買ってやるとも。おじいちゃんに任せなさい」
霞(アピールが露骨すぎでしょ!!)
荒潮「あらー、しまったわー、どうしようかしらー」
提督「どうかしたか? 荒潮」
荒潮「うふふっ、気づかない? 私、今日はスパッツを履き忘れちゃって」
提督「な、なに!? いつもスパッツを履いている荒潮が……今日は……」ゴクリ
霞(んなっ! 荒潮……まさか本当にそんな仕込みをしてくるとは……!!)
荒潮「せっかくだから気分を変えて、今日は髪をポニーテールにしてみようかしら」ファサッ
霞(髪ゴムを口にくわえて髪をかき上げ、さりげなくうなじを見せる角度……なんて計算し尽くされた立ち姿なの!?)
提督「おお……おお……いいな。 いいな!!」フゥンフゥン
荒潮「あっ、シュシュ落としちゃった。よいしょっ」
提督「うおおおお! 見え……見え……見えーっ!!」
霞(わざと落とした!? スカートの中がギリギリ見えないように拾うその姿に、ゴミクズはもう釘づけ!!
さ、さすがは荒潮……私まで少しドキッとしたわ……)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:35:38.16 ID:f/wl4UGh0
大潮「うおおお!! 司令官!! ドォオオーーーン!!!」
提督「お、どうした大潮……って、うわぁ!?」
大潮「大潮は、司令官の肩の上で索敵を開始します!」
提督「うおおおっ」
霞(大胆というか、不自然すぎる突然の肩車! そして潔いほどのルール無視!
言ってることも意味が分からないけれど、太ももが顔に当たっているからか、クズはご満悦!)
大潮「辺りに敵影を確認できません!」
提督「よし大潮、もっと動いてよく確認するんだ」
大潮「了解です!」ユーラユーラ
提督「おぉ……」スリスリ
霞(しかも調子に乗り始めた……!)
満潮「お、お待たせ司令官! こ、コーヒーを持ってきたわ!」
提督「おぉ満潮、ありが……――――な、なんてことだ……いつの間にか満潮がフリフリメイド姿に!」
霞(こ、これは想定外だったわ! まさか満潮が、七夕祭りで散々嫌がっていたメイド服を、また着てくるなんて……!)
満潮「べ、別に着たくて着たわけじゃないわよ! ちょうど着る服がコレしかなかっただけよ!」
霞(しかもそんな見え透いた嘘まで用意して……!!)
提督「ではさっそくコーヒー頂こう……あ、砂糖をひとつ貰えるか?」
満潮「スティックシュガーしかないわよ、ほら」スッ
提督「ああ、ありがとう」
満潮「あっ」
提督「あっ」
霞(そして砂糖を渡す時に少しだけ触れてしまう手……大胆なボディタッチとは違う、そこはかとない青春っぽさ!
二人の背景はもう、シュガーのように甘いシャボントーン!)
朝潮「司令官、それより早くお仕事を……!」
霰「おじいちゃん、霰、手元が光る装飾が欲しいな」
荒潮「あら、これシュシュだと思ったら今朝履こうと思っていた下着だったわ。私ったら、慌てんぼさんねぇ」
大潮「司令官! 大潮、索敵を続けます!」
満潮「司令官は仕事を続けなさい! コーヒーは私が飲ませるから!」
提督「あぁ^~」
霞「ま、まずい……! 気づいたら私だけ何もしてないじゃない……!! 解説なんてしている場合じゃなかった……!」
提督「いやぁ、今日は何だか良い日だなあぁ。あっはっはっは」
霞(くっ……このままじゃ、私が指輪を手に入れる確率は低い! なんとかして逆転の一手を……!!
この際だからルールなんて無視して、とにかくクズ司令官が喜びそうなことを……)グルグルグル
霞(もう……下着を脱いで……頭に被るしか……!!)グルグルグルグル
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:41:58.33 ID:f/wl4UGh0
朝潮(はっ!? 霞のあの体勢はもしや……!)
満潮(あの霞が……まさか……)
荒潮(苦悩の末に、行き着いた答えなのね……)
霰(プライドを捨てた、最低な行為……でも、司令官にはたぶん、効果テキメン……)
大潮(霞、トイレでも我慢してたのかな……?)
霞「うぅ……このクズ……私になんてことさせんのよ……」
提督「え? え? どうしたんだ霞?」
霞「うるさい! いいからよく見ておきなさい! これが本気になった私の――――――」
コンコン
??「失礼します」
提督「あ、はい」
ガチャッ
??「あの……何やら騒がしいようですが、ここが司令室でよろしいのでしょう……か…………」
一同「………………」
提督「えっと……あ、はい。いかにも司令室ですが」
??「では、この状況について、何かご説明して頂けないでしょうか」
提督「いや、これはその……」
霞(もうやだ、死にたい……)カァアアアア
朝潮「あの……」
??「はい」
朝潮「あなたは艦娘ですが、この鎮守府の方ではありません、よね?」
??「駆逐艦朝潮、あなたの仰る通りです」
朝潮「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?」
??「そうでしたね。大変申し訳ありません。遅ればせながら自己紹介をさせて頂きます。
私は、軍令部直属部隊、軍令部総長の秘書艦を務めます―――――――」
一同(軍令部……!!)
??「――――――――――大和型1番艦、戦艦大和です」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 20:51:31.58 ID:f/wl4UGh0
~ 駆逐艦寮 会議室 ~
朝潮「今回の議題は……皆も知っての通り、大和さんについてです」
満潮「唐突すぎて驚いたわ……。まさかあんなタイミングで現れるなんて……」
霰「戦艦大和……生で見たのは初めてだったけど、噂ではよく耳にする人……」
霞「まぁ、私たち艦娘の間では有名な人よね。私たちが艦娘になるよりも前……今ほど防衛線が整っていない頃、
深海棲艦による本土への侵攻を、たった一隻で防ぎ切った無敵の戦艦……」
荒潮「そして、当時の指揮官が現軍令部総長であり、大和さんがそのまま秘書艦となった……っていう話だったわよね?」
大潮「でもそんなスゴイ人が、うちに何の用があったんだろう?」
満潮「大潮、あんた話聞いてなかったの? 言ってたでしょ、監査役として来たって」
大潮「ふむふむ監査……つまり?」
朝潮「ここのところ、ずっと軍令部からの風当たりが強かったと、司令官が言っていたわ。
そして、いよいよ軍令部の秘書艦が直接来たということは…………」
霰「司令官が………………クビになるかもしれない」
霞「最悪、この鎮守府そのものの存続にも関わるかもしれないわね」
大潮「えぇー!? そんな! 司令官がいなくなるのも、鎮守府がなくなるのもイヤだよ!!」
朝潮「えぇ……だからこそ、私たちで何とかしようという会議よ」
荒潮「けれど、まず私たちにできることって、何があるのかしら……?」
満潮「あんな変な所を大和さんに見られちゃってるし、むしろ状況を悪化させているわね、私たち……」
霰「朝潮、私たち、一体どうすれば……」
朝潮「それは、私にもどうすればいいか分からない。けれど、必ず何か手はあるはず。
だからまずは監査役としてやって来た大和さんについて、少しまとめておきたいの」
霞「そうは言っても、噂程度しか聞いたことが……」
大和「その会議、私が混ざってもよろしいでしょうか?」
朝潮「はい、まぁ今回は人数が多ければ情報も多く集ま―――――――」
一同「えぇええーーーーーーーっ!?」
大和「すみません……やはりお邪魔でしたでしょうか?」
霞「あ、あああああアンタい、いいいいつからそこにィ!?」
大和「申し訳ありません、会議が始まるころから、ずっと聞いておりました」
荒潮「あらあら……全部筒抜けだったのね……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 21:00:26.21 ID:f/wl4UGh0
朝潮「であれば大和さん。包み隠さず、単刀直入にお伺いします」
大和「はい」
朝潮「軍令部はどうして、司令官に対して嫌がらせのような圧力をかけ続けているのですか?」
一同「…………」ゴクリ
大和「すみません。それは、私からはお答えできません」
霞「はァ!? ちょっとそれどういうことよ! あれだけクズ司令官に嫌がらせして!
私たちにまでその影響が及んでいるのよ!? そうするだけの、真っ当な理由がない限り、納得できないわ!」
大潮「そーだそーだー!」
大和「軍令部がこの鎮守府に対して圧力をかけていること自体は、もちろん私も存じています。
ですがその理由については、私も総長から聞かされておりません」
霰「軍令部総長の意向を、その秘書艦が知らないなんて……ヘン……」
満潮「霰の言う通りだわ。そんな主張、とても信じられない」
大和「皆さんがそう仰られるのは当然だと思います。総長の意向を秘書艦が理解できていないというのも、
私自身、おかしな話だと思います。 ですが本当に、恥ずかしながら……分からないんです」
朝潮「……分かりました。では質問を変えます。大和さんは今回、監査役として当鎮守府にいらしたと
仰っていましたが、具体的な監査項目を教えていただけますか?」
霞「まさかコレも分からないなんて言わないでしょうね?」
大和「……私は、あることを確認し、必要とあれば適切な処置をとるようにと、総長から命を受けて参りました」
大潮「司令官が変態異常者であることを確認したら、即刻その場で打ち首、鎮守府は爆撃処分に!?」
大和「機密事項のため具体的なことは申し上げられませんが、
提督を辞めさせたり、鎮守府を閉鎖させるようなことは致しません」
満潮「ほっ……なんだ、少し安心したわ……」
朝潮「ですが大和さん。司令官への圧力と、今回の監査…………何か関係があるのですね?」
大和「それは……」
荒潮「沈黙は肯定の印……ね」
大和「すみません、私からお答えできるのは、これで全部です」
霰「結局、色々分からないまま……」
一同「………………」
霞「はぁ……。無敵の大和型が、今じゃまるでお人形ね」
荒潮「ちょ、ちょっと霞ちゃん、さすがにそれ以上は……」
大和「…………」
霞「軍令部総長が何をしようとしているのか分からない。けれど命令には従う。
それも深海棲艦との戦闘ならまだしも、こんな下らない監査のため。
危険な海域には私たちのような下っ端に出撃させておいて、大戦艦さまはのうのうと電車に揺られながら味方の偵察?
何が無敵の艦娘よ、何が大和型よ。陸の上で縮こまってるだけの、ただの操り人形じゃない」
大和「………………」
大潮「うわぁ……霞、言い過ぎ……」
荒潮「あ、あの大和さん……霞ちゃんは少し口調が厳しいだけで、別に悪意があるわけじゃ……」
大和「いいえ……霞さんの言う通りだと思います。何度か勲章を頂いたことはありますが、それはもう昔の話です。
最後に艤装を装着して海へ出たのはいつだったでしょうか……。今となっては、陸の上でこんなことばかり
しているような気がします。…………あはは、ダメですね、私」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 21:05:58.84 ID:f/wl4UGh0
~ 工廠前 ~
朝潮「そして最後に、こちらが工廠です。最近では電探の開発を主に進めています」
大和「ありがとうございます、朝潮さん。私なんかのために、わざわざ鎮守府の案内までして頂いて」
朝潮「いえ、大和さんはしばらく鎮守府に滞在するとのことなので、一度鎮守府全体を見ておいた方が良いと、
司令官も仰っていましたし。私も、誰かに鎮守府の案内をするのは好きなので」
大和「そうでしたか……。それにしても、ここの提督は不思議なお方ですね。
本来であれば目の敵にするはずの私に対して、ここまで良くして頂いて……」
朝潮「司令官は、私たちのことが……艦娘のことが大好きなんです」
大和「え?」
朝潮「たまに怒ったり突き放したり、変なコトもしてきたりしますけど、そのすべてが、私たちに対する愛情なんです。
だからこそ私も、この鎮守府に属する皆も、司令官のことが大好きなんです」
大和「はい……それは皆さんを見ていると、本当によく伝わってきます。
だからこそ、あの時の霞さんの言葉は、私の心に深く刺さりました」
朝潮「あ……すみません! 霞は決して、悪い子では……!!」
大和「はい、それはもちろん分かっていますよ。私がただ、事実を突きつけられだけですから。
昔は私も未熟者でしたが、現総長と二人で二人三脚で頑張ってきました。辛くて苦しい場面に何度も直面しましたが、
そのたびに乗り越えてきました。…………とある、ひとつの夢のために」
朝潮「私たちと、同じなんですね」
大和「ですが、私も総長も、役職が上がるたびに出撃回数は減り、今となっては総長のお考えが私には分かりません」
朝潮「大和さん……」
大和「今思えば司令室の扉を開けてあなたたちと提督の姿を見た瞬間、少し昔の自分を思い出していたのかもしれません。
夢に向かって突き進むだけの、楽しかったあの時を……」
朝潮「…………」
大和「あ、すみません朝潮さん。こんな暗いお話をするつもりではなかったのですが、あははは」
朝潮「大和さん!」
大和「は、はい?」
朝潮「私、あなたのことを誤解していました。同じ艦娘、平和を取り戻す者として、共に奮闘している同志なのですね」
大和「朝潮さん……」
朝潮「私たち朝潮型駆逐隊は、あなたを歓迎します!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 21:38:42.05 ID:f/wl4UGh0
~ 別の日 夜 司令室 ~
提督「なんだか最近、賑やかになってないか? この部屋」
朝潮「えぇ、まぁ……」
大和「すみません、執務のお邪魔にはならにように努めますので……」
提督「いやまぁ、別に立入禁止というわけじゃないからいいんだが……」
大潮「ねぇねぇ満潮ー、おせんべいはー?」
満潮「無いわよ。全部あんたが食べたから」
大潮「えーっ!? もう誰だよ大潮のおせんべい食べたのー!」
満潮「だからあんただってば! っていうか、もともと私のお煎餅だからね?!」
荒潮「あらぁ霰ちゃん、椅子なんて持ち込んじゃって、気持ちよさそうねぇ」
霰「この場所、結構気に入ったかも」グデーン
荒潮「あらあら、じゃあ私も、布団でも持ってこようかしら?」
霞「アンタたち、人の部屋でくつろぎすぎでしょ……」
朝潮(大和さんの件で色々とうやむやになってしまったけれど、アピール作戦に関しては誰も忘れていないみたいね……)
提督「皆そろそろ風呂にでも入ってきたらどうだ?」
大潮「おおー、気付けばもうこんな時間!」
荒潮「あら、じゃあ司令官もご一緒します?」
提督「よし。ではそうしよう」
大和「……はい? あの……提督もご一緒されるというのは、つまりどういう……」
提督「裸と裸の付き合い。これがウチのやり方でな」
大和「そ、そうだったのですね……」
満潮「なワケないでしょ!!」
霞「アンタのお風呂は別! さっき『私が』沸かしておいたから、さっさと入りなさい!!」
霰「霞の……さり気ないできる子アピール……」
朝潮「私の仕事なのに……」ショボン
提督「おぉ、さすが霞だ。気が利くじゃないか」ナデナデ
霞「と、当然よ! っていうか、気安く触らないでよねっ」プイッ
一同( すごく嬉しそう…… )
大潮「ねーねー、じゃあ大和さんは、大潮たちと一緒に入ろうよ!」
大和「え? よろしいのですか……?」
朝潮「はい。私たち、大和さんとお話ししたいことがたくさんありますし」
荒潮「来客用のお風呂って、なんだか味気ないものねぇ」
満潮「まぁ、いいんじゃないの? 広いし。霞はどう?」
霞「な、何でいちいち私に振るのよ……。 ……構わないわよ、別に」
大和「ありがとうございます。ご一緒させて頂きますね」
大潮「よーし、そうと決まればお風呂にゴー!」
提督「いやぁ、大勢でお風呂って楽しいよなぁ」
霞「…………あん?」
提督「冗談です」
霰「強いて言うなら、ここまでの一連の流れがウチのやり方……」
大和「あははは……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 21:52:14.77 ID:f/wl4UGh0
~ 駆逐艦寮 大浴場 ~
カポーン
大和「本当に大きいですねぇ、駆逐艦寮の浴場は……」
朝潮「はい。少し前までは一番少なかったのですが、今ではたくさんの駆逐艦がいますから」
大和「軍令部ではいつも個室のお風呂でしたので、なんだか感動です」
大潮「うん……すごいよこれ、この大きさは、本当に感動ものだよ……ッ!」ペターン
大和「はい、そうですね」ドーン
満潮「大潮、あんたドコ見て言ってんのよ……」
霞「さすがだわ。軍令部の秘書艦様ともなれば、個室のお風呂が与えられちゃうのね」
荒潮「もぉ、霞ちゃんったらまた悪態ついちゃって」
霞「う、うるさいわね……」
霰「わたしは……広いお風呂で、皆と一緒の方がすき……」
大和「私も同感です、霰さん。こうやって誰かとお風呂に入るのも、かなり久しぶりです」
満潮「逆に私たちは、一人で入浴することなんて滅多にないわねぇ」
大潮「あっ、ハイハーイ! 大潮、大和さんに質問がありまーす!」
大和「はい、何でしょう?」
大潮「軍令部って、どんな所なの? 何があるのー?」
満潮「随分とまたキワドイ質問ねぇ……」
大和「ふふっ、いいですよ。まず軍令部は、こちらと同じで海に面しています。
ですが中枢都市に存在しているということもあり、どちらかというと機械や人混みといった
環境音であふれる場所になります」
霰「波の音が聞こえないのは……ちょっと不安になりそう」
荒潮「ある意味、職業病ねぇ……」
大和「ですが少し行ったところには山もあるので、鳥や虫たちの鳴き声が聞こえてきて、とても風流ですよ」
朝潮「そうなんですか。あ、山ならウチにもありますよ」
大和「ここへ来る途中に見えました。なんという山なのでしょう?」
大潮「その名も…………うらめし山」
満潮「勝手に変な名前つけるな」
霰「“温羅山(うらやま)”っていう名前の山で、鬼とか幽霊とかが出るって言われてる山」
大和「お、鬼や幽霊!? 本当ですか?」
霞「そうやって言われてるだけよ。実際は艦娘の墓標として存在しているみたいね」
大和「そうなのですか……とはいえ、少し怖い気もしますね」
朝潮「ただの山ですし、なんてことはありませんよ」
満潮「いやいやいや、朝潮が一番怖がってたでしょうが」
大潮「そうそう! そういえば朝潮、真夜中にその山で迷子になったんですよー」
大和「それは大変でしたね。提督も、さぞご心配されたことでしょう」
荒潮「あの時は逆に、キリッとしてたわよねぇ、司令官」
霞「まぁ、実は無理してただけで、失神寸前だった、っていう裏話もあり得そうだけど……」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 21:58:25.68 ID:f/wl4UGh0
~ 数分後 ~
大和「それから軍令部は、鎮守府と違って艦娘が少なく、男性の軍人さんが多いですね」
満潮「まぁ、中枢部だものね」
大和「それに厳格な方が多く集まっているので、この鎮守府のように司令室に集まってお喋りするようなことはできませんね」
大潮「うえー、大潮、堅苦しいのは苦手だなぁ」
霞「何しろ、急に司令室に呼び出されたと思ったら、ふざけたクイズ大会が始まるくらいだものね、ウチは」
大和「クイズ大会?」
朝潮「ふふっ、霞が落ち込んでいる時期があって、見かねた司令官が元気づけるために開催したんですよ」
大和「艦娘のメンタルケアまで、面倒見の良い提督ですね」
霞「あ、あれは結局クズ司令官が、私を弄んだだけで……!」
荒潮「でも、最終的にはご機嫌になったじゃない」
霰「おまけに第二改装まで受けられて」
大和「そういえば霞さんは、朝潮型駆逐隊の中で、唯一の改二でしたね?」
霞「別に改二になったからって、特に変わりはないわよ」
霰「司令官のことがより好きになったってことくらい」ボソッ
霞「うーるーさーいー!!」グイー グイー
霰「あうあうあう」
大和「くすっ」
霞「あっ! いま笑ったわね……戦艦だからって、容赦しないわよ!」
満潮「まぁまぁ霞」
荒潮「今更そんなムキにならなくても、ねぇ?」
大潮「そーそー。もう認めちゃえばいいのに」
朝潮「霞が皆や司令官のことが大好きなことくらい、みんな知っているわ」
霞「あーもう! 何なのよォー!!」
大和「うふっ、あはははは」
一同「あはははははっ」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:05:44.69 ID:f/wl4UGh0
~ 別の日 演習後 桟橋 ~
大和「皆さん、演習お疲れさまでした。よろしければこれ、大和特製ラムネです」
大潮「うおおおー!! なにこれ、なんかスゴそう! 貰っていいの!?」
大和「はい。お口に合えば良いのですが」
満潮「ふーん。じゃあ、遠慮なく頂くわ」ゴクゴク
荒潮「あら、美味しい」
霰「口の中が……シュワシュワする……」
霞「まぁ、疲れた後の一杯としては、悪くないわね」
朝潮「ありがとうございます大和さん」
大和「うふふ、いいんです。半分趣味みたいなものですし、それに皆さんの素晴らしい演習も見られましたし」
霞「それはどーも。でも、どうせ言うなら、悪い点を指摘してくれた方がこちらとしてはありがたいんだけど?」
大和「悪い点、ですか?」
荒潮「ここに来たばかりの頃は色んな人に教わってきたけれど、今ではそういうことも無いものねぇ」
霰「初心に帰ること……大事だと思う」
大和「そうですねぇ……本当に非の打ちどころのない技術と艦隊運動だとは思いますが、
一点だけ気になることがありました」
大潮「え、なになに!」
満潮「遠慮なく言ってちょうだい」
大和「では……皆さん、何かを急いてはいませんか?」
朝潮「急いている……?」
大和「各々が焦っていると言いますか、手柄を立てるために前へ出すぎているように思えました。
うまく表現できませんが、成長するための演習というより、魅せるための演習……みたいな」
一同「………………」
大和「どうやら、何か心当たりがおありのようですね」
霞「軍令部の秘書艦なら当然知ってるわよね。……ケッコンカッコカリってのがあるんでしょ?」
大和「…………はい、もちろん存じ上げております」
荒潮「うちの鎮守府における最高練度の艦娘は、ほぼ間違いなく私たち朝潮型駆逐隊」
満潮「でもシステムの適用を許されているのはひとりだけ……」
霰「演習の結果は、いつも司令官に報告されるから」
大潮「成績が良ければ、司令官に選んでもらえるでしょ!?」
大和「なるほど……それで皆さん、あんなにも張り切っていたのですね」
朝潮「教えてください大和さん。ケッコンカッコカリとは何なのでしょうか?
朝潮型駆逐隊が、そろって適用されることはないのでしょうか??」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:14:46.57 ID:f/wl4UGh0
大和「そうですね……ケッコンカッコカリというのは、提督との絆を深めるシステムです。
指輪はそのための媒介装置であり、艦娘の心と、艤装に宿る魂に共鳴すると言われています」
大潮「……え? んん? どういうこと??」
大和「要するに、最高練度という条件さえ満たしていれば、指輪の数だけケッコンカッコカリを適用できるということです」
荒潮「指輪が六つあれば、私たち全員に適用することもできるということね」
満潮「でも、それができないから一つしか支給されないんでしょ?」
大和「はい。指輪の製造には莫大な費用と年月を要すると言われています。
将来的にどうなるかは分かりませんが、現時点では各鎮守府にひとつとされています」
霰「やっぱり……この中でひとりだけ……」
霞「分かったわ。じゃあ質問を変えるけど、その指輪の効果って結局何なの?」
朝潮「文書では耐久と運と燃費が向上すると記載されていましたが、それだけではイマイチ分かりません」
大和「では順番に説明いたしましょう。
まず耐久についてですが、これはその名の通り、艤装の耐久度を意味します。
通常であれば大破して航行不能となる場面でも、場合によっては中破で持ちこたえることがあるかもしれません」
大潮「そっかー! 夜戦ともなれば、大破と中破じゃ大違いだもんね!!」
荒潮「大事な局面で撤退を余儀なくされるというケースも、もしかしたら減るかもしれないわね」
大和「そして運についてですが、これは一般的に言われている運勢とは別物です。
たとえば夜戦等において深海棲艦と肉薄した際、
確実に敵を仕留めることができるというタイミングを、実感したことはありませんか?」
霰「ある……。その瞬間を狙って魚雷を発射すると、ほぼ確実に敵を撃沈できる」
大和「軍令部ではそのタイミングの見つけやすさを『運』と呼称しているのです」
満潮「なるほどね。つまり運が高ければ夜戦で敵を仕留められる確率が上がるってわけね。
それで、その指輪にはその『運』を上昇させる効果があると」
大和「その通りです。では最後に、燃費の向上についてです。まず具体的な数値を挙げますと、
システム適用前と比べて燃料と弾薬の消費量がおよそ15%軽減することが分かっています」
大潮「うおー! エコだ! すごーい!」
霞「でもちょっと待って? そもそも駆逐艦と戦艦とじゃ、消費量は雲泥の差よ。
戦艦ならまだしも、駆逐艦にとってはそれほど恩恵がないんじゃないの?」
大和「それも仰る通りです。あなた達を前にしては言いにくいことですが、
そもそもこのケッコンカッコカリというものは、戦艦や空母といった大型艦を強化するという
目的で実装されたシステムみたいなので、あまり駆逐艦向きではないのかもしれません」
朝潮「そ、そんな……。では駆逐艦への適用は、認められないということなのですか!?」
大和「いえ、そのようなことは決して」
霞「そういうわけではないけれど、軍令部の意向としては、大型艦に適用するべき、なんでしょ?」
大和「はい……。軍令部においては、大艦巨砲主義が基本的な考え方ですので……」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:26:03.59 ID:f/wl4UGh0
荒潮「前から気になってはいたけれど、大和さんがしているその指輪って……」
大和「はい。これは総長から頂いたものです」
大潮「うおー! これが指輪かぁ~。もっとよく見せてー!」
満潮「やめなさい大潮、汚い手で」
大潮「えぇー、汚くなんかないよー!」
霰「大和さんに指輪の効果が加わったら、もはや敵なし……」
荒潮「燃費の問題から見ても、効果は抜群よねぇ」
霞「…………」
朝潮「司令官は……本当に私たちの誰かに、指輪を渡してくださるのでしょうか……」
大和「朝潮さん……」
霞「はぁ……ついに言ったわね、朝潮……」
満潮「この流れからして、大潮あたりを除いた全員が薄々気づき始めていたけれど……」
大潮「お、大潮だって気づき始めてたってー!」
霰「別に私たちの中の誰かでなくても、戦艦や空母の人たちの成長を待って、
最高練度に達したときに指輪を渡すという選択肢もあるはず……」
荒潮「そんな……深く考えるのはやめましょう? それは司令官が考えることであって、私たちは……」
朝潮「だって、よく考えたらおかしいわ……。 ケッコンカッコカリ実装の手紙が届いたのはもうずっと前の話なのに、
全体周知どころか、秘書艦の私にだって何も聞かされていない……」
荒潮「朝潮……」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:32:26.50 ID:f/wl4UGh0
朝潮「これはつまり、戦艦や空母の方たちが最高練度に達するまで、話自体を伏せておこうという司令官の配慮……」
霞「憶測ばかりで物を考えるのは良くないけれど、今回ばかりはそう考えざるを得ないわね」
大潮「同じ練度になれば、強いのはどう考えたって大型艦だもんねぇ……」
満潮「悔しいけれど、性能差がありすぎるわ」
霰「……そう考えれば、司令官の判断は正しいのかも」
荒潮「所詮私たちは、駆逐艦の中では強いだけ。戦艦や空母と同じ土俵には立てないものね……」
朝潮「司令官は最初から、私たちに指輪を渡すつもりなんて、なかったんだわ……」
一同「………………」
大和「私は、最初に言ったはずです」
一同「…………??」
大和「ケッコンカッコカリとは“絆を深める”システムです、と。これは文書の一番初めにも書かれている言葉です」
朝潮「絆を……深める……」
大和「はい。色々と細かいお話をしてきましたが、このシステムの第一目的は“絆を深める”ことであると、
総長は仰っておりました。それは艦隊を運営する上での単なる『システム』ではなく、
本当の結婚のように、心と心を繋ぐ『 印 』であると」
霞「でも……そうは言っても軍令部の方針は―――」
大和「たしかに、大型艦に渡すべきであるという風潮はあります。ですが考えてもみてください。
あのユニークな提督が、そんな軍令部の方針に従うでしょうか?」
満潮「それは……」
大和「それは私よりも、あなた達が一番、よくご存じではないでしょうか?」
一同「…………」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:37:43.84 ID:f/wl4UGh0
大潮「そっか……そうだよね! なんたって司令官だもん!」
霰「司令官はいつも、常識にとらわれない」
荒潮「司令官は私たちに、ゾッコンだものね? うふふっ」
ピーンポーンパーンポーン
霰「あ、構内放送……」
提督『朝潮型駆逐隊、大事なお話があるので至急司令室まで来るように』
霞「噂をすれば、ね」
朝潮「もしかしたら、大事なお話って……!!」
満潮「考えても無駄。さっさと行くわよ!」ダッ
大潮「あ、待ってよぉー!」
荒潮「あらあら、早く着いたからといって、評価は変わらないわよぉ」
霰「うぅ……荒潮もそう言いつつ、全力疾走してる……」
霞「まったく、やれやれね。朝潮、私たちも行きましょう」
朝潮「えぇ。……あ、大和さん」
大和「はい」
朝潮「ありがとうございます」
大和「ふふっ、できるといいですね、ケッコン」
朝潮「は、はい……」カァアアッ
霞「朝潮ー! 置いていくわよー!」
朝潮「今行くわー!」タッタッタッ
大和「あの子たちも、私と同じなのですね。
総長、この気持ちは届いていますか? 私が本当に欲しいのは―――――」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:44:43.66 ID:f/wl4UGh0
~ 司令室 ~
提督「皆、急に呼び出してしまってすまない。さっそくだが、大事な話というのは――――――」
一同(ケッコンカッコカリケッコンカッコカリケッコンカッコカリケッコンカッコカリケッコンカッコカリ)ブツブツブツ
提督「けっこん――――」
一同(キタ!!!)キラーン
提督「……失礼、けっこう酷な出撃任務なんだけどな」
一同(………………)ガーン
提督「お、おい……なに落ち込んでるんだ。まだ内容は何も言ってないぞ」
朝潮「し、失礼しました司令官。それで、朝潮型駆逐隊の出撃任務とは?」
提督「南方海域に突如姿を現した、新種の深海棲艦の撃破だ」
大潮「新種の深海棲艦!? 強いの?」
提督「非常に強力で、特に装甲がかなり硬いとの報告が上がっている」
荒潮「あら? 装甲の厚い大型艦なら、戦艦や空母の出番じゃないの?」
提督「軍令部はその深海棲艦を、『軽巡棲鬼』と名付けたそうだ」
満潮「軽巡? 大型艦じゃないってこと??」
霞「なるほどね……固い上に機動力もある深海棲艦……これはたしかに厄介ね」
霰「そして決め手になるのは……私たち駆逐艦の、夜戦火力……」
提督「うむ、その通りだ。物分かりが良くて助かる」
朝潮「これが私たちの……私たちにしかできない任務……」
提督「そうだ。既に中央鎮守府から陽炎型の駆逐隊を何度か送り込んだそうだが、作戦は失敗している」
大潮「大丈夫! 大潮たちなら、できる!」
満潮「相変わらず適当な自信ね……」
提督「もちろん、君たちならできると思ってこの話をしている。……朝潮、やってくれるか?」
朝潮「はい! 朝潮型駆逐隊……総力をあげて、必ずや作戦を成功させてみせます!!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 22:54:17.55 ID:f/wl4UGh0
~ 南方海域 ~
朝潮「各艦、被害報告」
大潮「大潮、パーフェクト!」
満潮「満潮、損傷なし」
荒潮「荒潮、同じく損傷なし」
霰「霰、平気」
霞「霞、無傷よ」
朝潮「よし、全員ここまで損傷なし。最高の気分ね」
霰「そろそろ最終目標地点のはず……」
朝潮「そうね……大潮、満潮、羅針盤に変動は?」
大潮「異常なし!」
満潮「このまま南東へ真っ直ぐ。そろそろ小島がいくつか見えてくるはずよ」
荒潮「少し不気味な雰囲気になってきたわね……」
朝潮「今回の任務は軽巡棲鬼の撃破……。この辺りに現れるのは間違いないはず……。
敵の偵察機に捕捉される前に、敵艦を発見する必要があるわ」
満潮「グズグズしてられないわね」
朝潮「えぇ。よし……両舷前進、強速! 全方位、索敵を厳に! 島影に注意して!」
一同「了解!」
朝潮( 私たち駆逐艦が、戦艦や空母に劣る? ううん、そんなことはない!
今回の出撃だって、司令官は私たちを選んでくれた。私たちならできると、言ってくれた!
私たちは強い。戦艦や空母よりも……朝潮型駆逐隊が、一番強い!! )
霞「敵艦見ゆっ!!」
一同「!?」
霞「十字方向、小島の影から六隻!」
朝潮「霰、望遠鏡!」
霰「…………駆逐3、戦艦2……それから、軽巡棲鬼」
満潮「ビンゴね」
荒潮「向こうもこちらに気付き始めたわぁ」
朝潮「偵察機を持つ相手に、索敵で後れをとらなかったのは大きいわね。……みんな、準備はいい?」
大潮「いつでも大丈夫!」
霞「ひとり残らず叩きのめしてやるわ」
荒潮「うふふふふっ、なんだかワクワクしてきたわぁ」
霰「絶対に……勝つ」
満潮「さぁ朝潮、ちゃっちゃと始めましょう」
朝潮「えぇ……それじゃあ、朝潮型駆逐隊! これより、戦闘態勢に移行します!!」
一同「了解!!」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:02:29.04 ID:f/wl4UGh0
大潮「まずは反航戦だー!」
朝潮「両舷前進、最大戦速! ターゲットは敵の駆逐艦三隻に固定!」
荒潮「かわいそうかしら? うふふっ、一撃で仕留めてあげるから」
朝潮「砲戦用意! ……撃てぇーーーー!!!」
朝潮「報告!」
大潮「駆逐艦を撃沈! うっ、あいったたたぁ~」
朝潮「大潮、大丈夫?」
大潮「うぅ、軽巡棲鬼の砲撃がかすっただけで中破だよぉ。でも大潮、まだ、大丈夫だから!」
霞「うっ……あの戦艦にやられた……。被害としては小破だけど、魚雷発射管がイカれたわ」
荒潮「うふふ、小破したけれど、私も駆逐艦を撃沈したわ」
霰「損傷なし」
満潮「私も無傷よ」
朝潮「私が撃沈させた駆逐艦も合わせると計三隻の撃沈……。
こちらの被害は、大潮が中破、霞と荒潮が小破ね。概ね予定通り……行ける!!」
霰「朝潮、次はどうする?」
満潮「まだ夕暮れ時……夜戦を始めるには早すぎるわ」
朝潮「そうね……皆、軽巡棲鬼の姿は見た?」
霞「嫌でもよく見えたわ……。あれ、ヲ級やタ級よりももっと……完全に人型だったわね……」
大潮「大潮、あれに睨まれた気がする。殺意の塊だったよぉ~」
朝潮「そうね……。きっとあの深海棲艦は、今まで見てきた中でも、かなり知能の高い部類だと思う。
こちらの目的が艦隊としての勝利ではなく、軽巡棲鬼の撃破であるということも、おそらく向こうは勘付いているわ」
荒潮「このまま夜を待って夜戦へ突入しても、軽巡棲鬼は戦艦にかばわれる……?」
朝潮「そういうこと」
霰「なら一体……」
朝潮「残りの戦艦二隻を…………昼のうちに沈めます」
満潮「せ、戦艦二隻を、昼のうちに!?」
霞「くくく……滅茶苦茶言ってくれるじゃない。でも……燃えてきたわ!」
大潮「うおー! すごい! すごい!」
荒潮「朝潮? 何か策があるの?」
朝潮「えぇ……一度しか言わないから、皆よく聞いて―――――――」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:08:09.68 ID:f/wl4UGh0
朝潮「作戦開始!」
大潮「いよーーっし! 頑張るぞー!!」
朝潮「大潮……本当に大丈夫? かなり大変な役目よ」
大潮「もぉ、朝潮は心配性なんだから。大丈夫、大潮にドーンと任せてよ!」
朝潮「信じるわ大潮……沈まないで」
大潮「へへん、朝潮もね!」
朝潮「じゃあ行くわよ……両舷前進! 最大戦速!!」
大潮「よーし…………うわっ、出た! 後方に戦艦二隻と軽巡棲鬼!!」
朝潮「よし、うまく引き付けられたわね……。撃ってくるわよ! 最大戦速を維持したまま之字運動!」
ドォオオオン! ドォオオオン! ドォオオオン!!
大潮「うわぁああああすごい轟音! 当たるよ! 当たるってぇええ!!」
朝潮「当たらないで!」
大潮「そんな簡単に言うけどぉおおおおお!!」
朝潮「じゃあ祈って!!」
大潮「うわぁあああああ危ない! 危ないってばぁああ!!」
霞「大潮そのまま! 当たるんじゃないわよ!!」
荒潮「うふふふ、軽巡棲鬼さん? あなたの相手は、私たちよ?」
軽巡棲鬼「………………ニドトフジョウデキナイ……シンカイヘ………………シズメェッ!」
霞「こいつ、喋るの!?」
荒潮「あらあら、面白いじゃない。私たちと口喧嘩でもする気かしら?」
霞「ふんっ、良い度胸ね。泣いたって、許してあげないんだから!!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:15:46.03 ID:f/wl4UGh0
朝潮「よし……軽巡棲鬼の離脱を確認。霞、荒潮、頼んだわよ……」
大潮「うわっ!? え、あれ!?」
朝潮「どうしたの大潮! 被弾!?」
大潮「違う! 違うけど……あれ!? なんか主機から異音がするよ! 出力も落ちてる!!」
朝潮「くっ……あと少しなのに……。なんとか持ちこたえて!」
大潮「ぐぬぬぬぬっ! あほー! もっと速く動けぇええっ!!」
朝潮「満潮、霰、聞こえる?! そちらの状況は?」
霰『聞こえる』
満潮『持ち場についたわ。いつでも行ける』
朝潮「大潮がもう限界なの! なんとか一撃で仕留めて!」
霰『朝潮、落ち着いて』
満潮『ちょっとは信用しなさいよね』
朝潮「うん……ありがとう。二人の声が聴けて、安心したわ」
大潮「うおおおおっ!! 大潮、絶対にそっちまで行くからぁあああっ!!」
ドォオオオン! ドォオオオン! ドォオオオン!!
朝潮(ここから約2km先に島がある……。島の近海には、あらかじめ満潮と霰が機雷を設置。
水しぶきが上がって敵の目を眩ませた瞬間に、島影から霰と満潮が超至近距離からの挟撃……。
敵を引き付けているうちに私と大潮は大破するかもしれないけれど、
これなら霰と満潮を無傷のまま夜戦へ送り出せる!)
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:24:01.23 ID:f/wl4UGh0
大潮「ぐぅうう……ううっ……!」
朝潮「大潮、血が!」
大潮「大丈夫! 破片がかすっただけ!」
朝潮「あと少し……あと少しよ! あの場所まで行けば……たどり着きさえすれば――――――」
ドォオオオン!
大潮「うわぁあああああああっ!!」
朝潮「大潮ッ!!」
大潮「うぅ……」
朝潮「だめ……直撃弾……。大潮、意識がない……しっかりして! 大潮! 大潮!!」
大潮「…………」
朝潮「このままじゃ……」
大潮「うぅ……朝潮……いっ……」
朝潮「大潮! 良かった、気が付いたのね! さぁ手を! 私が曳航するわ!!」
大潮「だめ……朝潮……行って……」
朝潮「なっ……何言ってるのよ!! 大潮を置いて行けるわけ!」
大潮「倒して…………勝って…………司令官に……褒めて、もらっ……て……ケッコン……」
朝潮「もうバカ! こんな時に……何言ってるのよ!!」
大潮「…………」
朝潮「大潮! 起きて!! 大潮ーーーーーーーっ!!!」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:30:49.41 ID:f/wl4UGh0
霞「ちっ……この距離からの砲戦で倒せるとは思ってないけど……」
荒潮「本当に時間稼ぎにしかならないわねぇ」
霞「それに、少しでも気を抜いたら! 一撃でやられる!」
荒潮「朝潮たちの心配を、してる場合じゃないわね!」
霞「荒潮、各自最大戦速で回避運動を取りつつ砲撃、いいわね?」
荒潮「うふふ、了解よ」
霞「いい? お願いだから衝突とかやめてよね! すっごい痛いわよ!」
荒潮「あら、霞ちゃんこそ。射線上に出てきても、私、撃っちゃうわよ?」
霞「ふんっ、そしたら撃ち返してあげるわよ!」
荒潮「うっふふふふ、それじゃあ、行くわよぉ~!」
霞「くっ……お喋りするだけあって、なかなかやるじゃないの……」
荒潮「霞ちゃん! そっちに行ったわよ!」
霞「くそっ……両舷後進一杯! 後退しながら砲撃を……―――――」
プスッ…… プスッ……
霞「主機が……くっ、吹かしすぎた!? だめ、体勢を立て直せない!」
軽巡棲鬼「……シズメ……シズメ……シズメ!!」
霞「ううっ!」
荒潮「霞ちゃん!」
霞「うっ……平気よ。主砲がぶっ飛んだだけだから……」
荒潮「主機は大丈夫なの!?」
霞「ちょっと最大戦速で吹かしすぎたみたいね。一時的に停止しただけで、今は大丈夫」
荒潮「そう……。でも、これ以上は無理ね。朝潮たちの方も決着がついている時間だし、そろそろ離脱しましょう」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:36:12.75 ID:f/wl4UGh0
霞「悔しいけど……そうね、そうするわ」
軽巡棲鬼「サセヌ……サセヌワ……!」
荒潮「逃がさないつもりね……。霞ちゃん、もう一度最大戦速、行ける?」
霞「知らないわよ! やってみるしかないでしょうが!!」
荒潮「撃ってくるわよ!」
霞「両舷前進、最大戦速!!」
ブォオオオオン!! ……プスッ……プスッ……
荒潮「そ、そんな……」
霞「くっ、速度が上がらない! この速度のまま朝潮たちの所まで逃げるしかないわ!」
軽巡棲鬼「シズメ! シンカイヘ……シズメ!!」
荒潮「霞ちゃん、危ない!!」
ドォオオオオオン!!
荒潮「うっ……くぅ……」
霞「あ、荒潮! アンタ、何かばってんのよ!!」
荒潮「大丈夫……主砲は守ったわ……これ、霞ちゃんが、使うのよ……」
霞「アホ! 装備よりも自分の身を守りなさいよ!!」
荒潮「うふっ……お説教はあとよ。私の主機は大丈夫みたいだから、このまま離脱しましょう」
霞「くっそォーーー!!」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:41:58.23 ID:f/wl4UGh0
朝潮「大潮……大潮ってば!!」
大潮「………………」
深海棲艦「ウオオオォオオン!!」
朝潮( ダメ……やられる……!! )
満潮「作戦変更よ、朝潮」
朝潮「満潮……どうしてここに……!」
満潮「どうしてじゃないでしょ。あんた達がもうダメそうだったから、迎えに来たんでしょうが」
霰「間に合って、よかった……」
朝潮「霰……。はっ、作戦変更って、どうするつもり!?」
霰「わたしと満潮が二人で……」
満潮「ぶっ潰すのよ、戦艦を」
朝潮「えっ……ちょ、それって……」
満潮「朝潮、あんたは大潮を安全なところに運んで! それから軽巡棲鬼との戦いにでも備えてなさい!」
朝潮「二人とも……」
霰「このデカイの二つは…………私たちが片付ける」
朝潮「くっ……大潮を移したら、すぐに追いつくから!!」
満潮「さーて霰、一世一代の大勝負よ」
霰「うん……」
満潮「なに? 怖いの?」
霰「荒潮がキレた時の戦慄に比べたら、そうでもない」
満潮「ぷっ、あとで荒潮に言っとくわ」
霰「ちょっと……」
満潮「冗談よ。それよりどうするつもり?」
霰「深海棲艦の喉元に魚雷を投げる。これしかない」
満潮「シンプルで分かりやすいわね。おっけー、それで行きましょ」
霰「やっぱり砲戦より、水雷戦…………あ、来た」
満潮「さぁいらっしゃい深海棲艦! その先にあるのは……地獄よ!!」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:50:37.54 ID:f/wl4UGh0
朝潮( もう夜だ……暗闇の世界……。お願い皆……無事でいて!! )
??「朝潮!!」
朝潮「えっ、誰!? どこにいるの!?」
霞「ここよ、ここ」
朝潮「霞……無事だったのね、よかった」
霞「一時は死ぬかと思ったけど、おかげ様で何とか小破止まりよ。あ、それから荒潮もいるわ」
荒潮「うふふ……ごめんねぇ朝潮。私、ちょっぴり無茶しすぎちゃって」
朝潮「荒潮! ううん……無事でいてくれただけで、本当に良かった……」
霞「大潮は? 生きてる?」
朝潮「向こうの島に退避させておいたわ。出血もしていたけど、大したことはないみたい」
荒潮「さすがは大潮ちゃん……タフねぇ」
霞「じゃあ満潮と霰は? 今頃はあの世?」
満潮『聞こえてるわよバカ……勝手に殺さないで……』
朝潮「無線……! 満潮、無事なのね?」
満潮『えぇ、大破したけど何とかね。ほら、霰も何か言いなさいよ』
霰『疲れた……死にそう……』
霞「ふぅ……残念、元気そうね」
満潮『そうそう、デカブツ戦艦なら二隻とも仕留めたから、存分に褒めるといいわ』
荒潮「あらあら……大手柄ね、二人とも」
朝潮「となると、敵の残存は軽巡棲鬼のみね……」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/26(土) 23:57:37.44 ID:f/wl4UGh0
荒潮「闇に紛れてなんとか振り切ったけれど、アレ、まだきっと近くをうろついているわねぇ」
朝潮「そしてこちらの状況は……大潮、荒潮、満潮、霰が大破。霞が小破ね……」
霞「魚雷発射管がイカれてて、雷撃ができないポンコツ仕様だからよろしく」
荒潮「かなり厳しい状況ね……」
霞「けれど、可能性はゼロじゃない」
霰『とても危険……だと思う』
満潮『別に撤退するって言っても、私たちは恨んだりしないわよ、朝潮』
朝潮「………………いいえ、やるわ、夜戦」
荒潮「朝潮……」
朝潮「ここまで皆、死ぬ気でバトンを繋いできた……こんなところで、みすみす手放すわけにはいかないわ!
それに大潮も、勝ってくれって、倒してくれって、言っていたから」
霞「そうね、天国の大潮の分までね」
荒潮「ふふっ、もう、霞ちゃんってば」
朝潮「これが最後よ……霞、付き合ってくれる?」
霞「当然よ。アンタがそう言うなら、断る理由なんてないわ、リーダー!」
荒潮「二人ともさすがね。じゃあ私は一度満潮ちゃん達と合流してから、大潮ちゃんの所に行ってるわね?」
朝潮「えぇ。皆のこと、頼んだわよ、荒潮」
荒潮「うふっ、頼まれましたっ」
霞「それじゃあ朝潮、ちょっとそこまで、深海棲艦に……風穴開けに行くわよ!」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:10:38.48 ID:fve4OYoA0
朝潮「両舷前進、微速……音を立てないで」
霞「無茶言わないでよ……私の主機、そろそろガタが来てるんだから……」
朝潮「今夜だけ……何とか乗り切って」
霞「いや、私に言われても」
朝潮「…………」
霞「…………」
朝潮「……いたわ。見える?」
霞「どんな視力してんのよ……。普通気づく? あんなの」
朝潮「あちらはまだ、私たちに気づいてない。絶好のチャンスよ」
霞「作戦は?」
朝潮「…………」
霞「ちょっと朝潮、もしかしてアンタ、今さら私に遠慮しようとしてない?」
朝潮「そ、それは……」
霞「図星みたいね……。いい? 私のことは将棋の駒や働きアリとでも思いなさい!
どういう扱いをしてもいいから、アンタの思う最善の策を提供してちょうだい!」
朝潮「……分かったわ。レッサーパンダだと思うことにする。可愛いから」
霞「いや、いいから、そういうの」
朝潮「じゃあ作戦だけど――――――――」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:13:56.92 ID:fve4OYoA0
霞「できればもう二度とあんな化け物と対面したくはなかったんだけど……。
まったく無茶を言うわね、うちの旗艦は……。 ふふっ、でもそれくらいじゃないと、つまらないわ!」
霞( さぁお願い……これっきりでいい……しっかり動いて! 駆逐艦霞の主機なら、根性見せてみなさいよッ!! )
霞「両舷前進! 最大戦速!! 動けぇええええええっ!!」
ブォオオオオオオオン!!!
霞( やった!! ……って、これで喜んでどうするのよ。これからが本番だって、いうのにね!! )
霞「探照灯、照射!!」
軽巡棲鬼「オノレ…………オノレ……!!」
霞「当たってたまるもんですか!!」
霞( どんなに硬くたって、ゼロ距離で砲撃すれば……!! )
軽巡棲鬼「ウウゥウウウ!!」
霞「唸ったって当たらないわよポンコツ! さぁ、そろそろ行くわよォ!!」
軽巡棲鬼「シズメェ!!」
霞「沈みなさい!!」
ドォオオオオオオオオン!!
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:24:37.85 ID:fve4OYoA0
霞「うわぁあああああっ!! うぅ……痛い……くそ……でも、確実に当てた……ダメージを与えた……」
軽巡棲鬼「…………」
霞「…………」
軽巡棲鬼「ククク……ソノテイドカ……?」
霞「う、嘘でしょ!? あんな超至近距離で被弾しといて……どんだけ硬いのよ!?」
軽巡棲鬼「ククク……」
霞「ふんっ、だけど笑っていられるのも今のうちよ……。アンタは沈むのよ。……うちの旗艦の、雷撃でね!!」
軽巡棲鬼「!?」
朝潮「一発……必中……」
朝潮( 霞が軽巡棲鬼を引き付けておいてくれたおかげで、気付かれずに敵の背後へ肉薄することができた……。
おそらくこれが最後のチャンス! 私が……私がコイツを! 沈めてみせる!! )
軽巡棲鬼「……!!」
朝潮「遅い! 四連装酸素魚雷、発射!!」
霞「お願い朝潮…………これで決めて!!」
軽巡棲鬼「オノレ……ッ!」
朝潮「深海棲艦! この世界から、出ていけぇええええええっ!!!」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:32:49.13 ID:fve4OYoA0
~ 翌日 夜 司令室 ~
大和「軽巡棲鬼……かなりの強敵であると聞きます」
提督「それは、大和にとってもか?」
大和「はい。私の砲撃でも、通用するかどうか、不安が残るところです」
提督「なるほど……それはたしかに、かなりの強敵だ」
大和「はい……ですから、そんな軽巡棲鬼を含む艦隊を相手に勝利するなんて、素晴らしいことだと思います」
提督「だな。さすが、我が鎮守府、自慢の朝潮型駆逐隊だ」
大和「朝潮さん以外が全員大破した状態で帰って来たときは驚きましたが、酷い外傷もないみたいで、心底安心しました」
提督「さて、そんな朝潮たちがそろそろ入渠を終えてこちらに来る頃だが……」
コンコン
朝潮「司令官! 朝潮型六名、入渠を終え、改めて任務の報告に参りました!」
提督「噂をすればだな……。待っていたぞ、入ってくれ」
朝潮「失礼します」
ガチャ ゾロゾロゾロ……
提督「まずは皆、本当にお疲れさま。よく全員生きて帰ってきてくれた。ありがとう」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:37:36.76 ID:fve4OYoA0
大潮「大潮、今度こそ本当にダメかと思ったぁ~」
荒潮「大潮ちゃんが一番重傷だったものねぇ」
満潮「大潮じゃないけど、私も……途中で生きてるのか死んでるのか分からなくなったわ」
霰「地獄を見た気がする……」
大和「壮絶な戦いだったのですね」
朝潮「それでは司令官。改めて報告致します。
我々朝潮型駆逐隊は、南方海域へ出撃。目標地点へ向かう道中で二度の会敵がありましたが、
損害を出すことなく突破。そのまま目標地点へ到達し、標的である軽巡棲鬼を含む水上打撃部隊と交戦しました。
我々は最終的に五隻大破という大損害を受けましたが、結果として我々は勝利を収めることができました」
提督「うむ、ご苦労。本当によく頑張ったな」
朝潮「…………」
大和「…………」
霞「……ふざけないでよ」
荒潮「霞ちゃん……」
霞「何が……何が勝利よ……何がよく頑張ったよ……そんなの、何の意味もないわ」
朝潮「やめて霞……何も、言わないで……」
提督「霞、無意味なんかじゃない」
霞「無意味よ…………どれだけ勝利しても! どれだけ頑張っても!
作戦失敗してたら、意味なんてないじゃない!! 無理に褒めようとしないでよ!!」
一同「………………」
朝潮「私が……私が悪いんです。最後の雷撃で……一撃で、決め切れなかった……」
大潮「朝潮は悪くないよ! 元はといえば大潮が大破して、朝潮が考えた作戦を台無しにしちゃったから!」
満潮「なに言ってんのよ! そんなリスクの高い役目を大潮に負わせたのは、私たちじゃない!」
霰「せめて中破でとどまっていれば……私たちも夜戦に参加できた……」
荒潮「私、主機は無事だったんだから……夜戦で囮になるくらいなら、できたはずだったわ……」
大和「皆さん……同じ艦娘として、お気持ちは分かります。ですが、戦いの後に
『もしもこうしていたら』という話をしてはいけません」
霞「だって……あと少し……あと少しだったのよ!? あとたった一撃与えるだけで、アイツを撃沈できたのよ!?
そんなの悔しいじゃない……負けたのと同じよ……」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:43:13.35 ID:fve4OYoA0
提督「戦いの流れについては朝潮から一通り報告は受けている。
会敵から速やかに駆逐艦三隻を撃沈。策を講じたが敵の火力に一歩劣り、大潮と荒潮が大破。
その後、残った戦艦と刺し違えるようにして、満潮と霰が大破……。
夜戦にて軽巡棲鬼を追い込んだ霞と朝潮だったが、火力が一歩及ばず軽巡棲鬼を取り逃す……。
私が思うに……たとえ、たったのあと一撃で倒せたとしても、これが最大限の戦果であり、
これ以上の結果は見込めないとも考えられる」
大和「私も同感です」
朝潮「私たちの実力が……そこまでだったと……いうことですか……?」
提督「それだけ敵が強力だったということだ」
一同「………………」
提督「報告は以上だな。君たちは部屋に戻って休息を――――――」
霞「違う……」
提督「霞?」
霞「あの戦いは……勝てる戦いだった……」
大潮「霞、もうそれくらいにしようよ……」
満潮「そうよ。あんたらしくもない」
霞「朝潮型駆逐隊の中で一人でも……大破ではなく、中破だったら……。
夜戦中、ヤツを確実に仕留められるタイミングを、すぐに見つけられていたら……」
大和「霞さん……あなた……」
提督「…………霞、何が言いたい」
霞「誰でもいい……私たちの中で一人でも、ケッコンカッコカリが適用されていたら……倒せたって、言っているのよ」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 00:47:11.09 ID:fve4OYoA0
提督「霞、その話……どこで聞いた」
朝潮「し、司令官…………申し訳ありませんでした! 私が……私が……」
提督「朝潮か……。はぁ……そうか……まさかこんな形で、君たちに知られることになるとはな……」
朝潮「うっ……司令官……ぇぐ……ごめんなさい……私……私……」
提督「…………」
荒潮「朝潮…………泣かないで? ね?」
霰「ごめんなさい司令官……朝潮だけのせいじゃない。わたしも、共犯だから……」
大潮「そうだよ! だから朝潮だけを叱らないで! 悪いのは大潮も同じだから!」
提督「…………」
満潮「ちょっと待って。謝る必要なんて、無いんじゃないの?」
荒潮「満潮ちゃん……? それは、どういう……」
満潮「よく考えてもみなさいよ。そのケッコンカッコカリってのは、私たち艦娘に対するシステムなんでしょ?
それを司令官は、当の私たちに知らせず黙っていた。私たちにはそれを知る権利があるはずよ」
霞「そうよ……いつまでも待っていられないわ。さぁ、答えてよ……司令官」
提督「そうだな……。少し予定が狂ったが、この際だから話しておこう」
一同「…………」
提督「今、私の手元にはケッコンカッコカリの書類一式と、指輪がある。
そして、軍令部からこれが届いたのを確認した瞬間から……こいつの使い道は既に決めていた」
大和( 指輪を渡す相手は……最初から既に決めていた!?
てっきり、彼女たちの中で決めかねていたのだとばかり…… )
霞「いったい…………誰なの…………」
提督「…………朝潮」
朝潮「えっ」
提督「大潮」
大潮「な、なに?!」
提督「満潮」
満潮「…………え」
提督「荒潮」
荒潮「あら……?」
提督「霰」
霰「……?」
提督「霞」
霞「…………な、何よ」
提督「この指輪を渡す相手は………………――――――――――――――――」
(前編 おわり)
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 19:10:55.72 ID:fve4OYoA0
(中編)
提督「この指輪を渡す相手は………………―――――――君たちの中の、誰でもない」
~ 数分後 ~
大和「良かったのですか。あんな風に言ってしまって」
提督「嘘を言っても仕方がないだろう」
大和「皆さん、非常にガッカリしていましたよ」
提督「あぁ……だから内緒にしておいたんだ」
大和「結局その指輪は、どうなさるおつもりですか? 戦艦や空母の方が最高翌練度になるのを、待つおつもりですか?」
提督「いいや、この指輪は誰にも渡さないつもりだ」
大和「そうですか…………って、はい? 今……なんと仰いました?」
提督「ケッコンカッコカリ……私はこのシステムを、使わないつもりだと言ったんだ」
大和「まさか……いや、そんな…………」
提督「何をそんなに驚いているんだ?」
大和「いえ、失礼しました。…………提督、あなたのそのお考えに、お変わりはないのですね?」
提督「無論だ」
大和「……そうですか。これはまさかの展開です」
提督「まさかで悪かったな。さ、夜も更けてきたことだし……大和も部屋で休んでいいぞ」
大和「いいえ、提督」
提督「どうした? まだ何か用か?」
大和「お忘れですか? 私は軍令部総長の秘書艦であり、ここへは監査のために参ったということを」
提督「何を監査しているのかまるで分らないけどな」
大和「それは、いずれ分かることになるでしょう」
提督「ん? どういうことだ?」
大和「これは、軍令部総長からの命令です。 提督…………あなたを――――――――」
提督「この指輪を渡す相手は………………―――――――君たちの中の、誰でもない」
~ 数分後 ~
大和「良かったのですか。あんな風に言ってしまって」
提督「嘘を言っても仕方がないだろう」
大和「皆さん、非常にガッカリしていましたよ」
提督「あぁ……だから内緒にしておいたんだ」
大和「結局その指輪は、どうなさるおつもりですか? 戦艦や空母の方が最高翌練度になるのを、待つおつもりですか?」
提督「いいや、この指輪は誰にも渡さないつもりだ」
大和「そうですか…………って、はい? 今……なんと仰いました?」
提督「ケッコンカッコカリ……私はこのシステムを、使わないつもりだと言ったんだ」
大和「まさか……いや、そんな…………」
提督「何をそんなに驚いているんだ?」
大和「いえ、失礼しました。…………提督、あなたのそのお考えに、お変わりはないのですね?」
提督「無論だ」
大和「……そうですか。これはまさかの展開です」
提督「まさかで悪かったな。さ、夜も更けてきたことだし……大和も部屋で休んでいいぞ」
大和「いいえ、提督」
提督「どうした? まだ何か用か?」
大和「お忘れですか? 私は軍令部総長の秘書艦であり、ここへは監査のために参ったということを」
提督「何を監査しているのかまるで分らないけどな」
大和「それは、いずれ分かることになるでしょう」
提督「ん? どういうことだ?」
大和「これは、軍令部総長からの命令です。 提督…………あなたを――――――――」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 19:46:20.89 ID:fve4OYoA0
~ 就寝前 朝潮型の部屋 ~
朝潮「うぅ……ひっく……ぐすっ……」
―――――― この指輪を渡す相手は………………君たちの中の、誰でもない ――――――
霞「朝潮……そろそろ、泣き止んでよ……」
朝潮「うん……ごめんなさい……」
霞「謝るのはこっちよ……悪かったわ……勢い任せに……ケッコンカッコカリの話、しちゃって……。
あれじゃあ朝潮のことをチクったのと同じよね……。バカだわ……私……」
朝潮「ううん……ううん……」
荒潮「本当に悲しかったのは、その後の司令官の言葉……よね?」
朝潮「…………」コクン
大潮「はぁ……あれってつまり、結局は戦艦や空母の人たちに渡すつもりって意味だよねー」
満潮「まぁ、妥当な使い道なんだろうけれど、何だかちょっと、見損なったわ」
霰「うちの司令官だけは……他の人たちとは違うって……信じてたのに」
霞「“絆を深める”なんて、結局はキレイゴトよね。どういう名目であれ、能力が向上するんだもの。
それこそが真の目的なんだわ。絆だけで深海棲艦を倒せたら、苦労しないわよ」
朝潮「司令官は……私たちのことを……何とも思っていないのかな……」
一同「…………」
朝潮「司令官がいつも私たちに言ってくれている『好き』は……他の皆に対する『好き』と……同じだったのかな……」
大潮「そんな風には……思いたくないよ……」
荒潮「思いたくないけれど…………何だかもう、分からなくなってきちゃったわね……」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 19:54:43.48 ID:fve4OYoA0
満潮「はぁ……もう寝ない? いつまでもうだうだしてたって、仕方ないじゃない」
朝潮「ねぇ、満潮……」
満潮「なによ」
朝潮「今日は、そっちで一緒に寝てもいい?」
満潮「はぁ!?」
朝潮「……いい?」
満潮「……わ、分かったわよ。今日だけなんだから……」
朝潮「うん……ありがとう。温かいわ」ガサガサ
大潮「じゃあ大潮もー!」ドスーン!
満潮「は?」
霰「わたしも」ササッ
満潮「ちょっ! 何言って……」
荒潮「うふふ、それじゃあ私も、お邪魔しようかしらぁ?」ピョーン
満潮「ちょ、ちょっとぉ!!」
霞「同じベッドに六人は……さすがに狭いわね」スススッ
満潮「霞までーっ!」
大潮「うう……狭いんだけど……」
霰「苦しい……」
満潮「当たり前でしょ! いいから出なさいよ!」
荒潮「あらあら、朝潮だけなんてズルイじゃない」
霞「ふぁ~……枕は私が使うから」
満潮「あ、こら! もう! 朝潮、元はといえばあんたが―――」
朝潮「満潮」
満潮「なによ!」
朝潮「ありがとう」
満潮「うぅ……」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:02:11.38 ID:fve4OYoA0
~ 翌朝 ~
朝潮「…………」スヤスヤ
満潮「うっ……重い……。人の気も知らないで、気持ちよさそうに寝てるじゃない……」
ドタドタドタ
荒潮「ふぁ~……あら? おはよう満潮ちゃん、これ、何の音かしら?」
満潮「知らないわよ……。廊下にイノシシでもいるんじゃないの?」
霰「…………力士かもしれない」ゴシゴシ
霞「……だったら面白いわね」
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
??「大変だぁあああーーーー!! 大変大変大変大変大変!」
満潮「大潮ね」
荒潮「大潮ちゃんよねぇ」
霰「大潮」
霞「大潮だわ」
バァン!!
大潮「みんなー!! 大変だよ!! 大変なんだよー!!」
満潮「朝から騒々しいわね」
大潮「だから大変なんだってば!!」
満潮「分かったから、早く言いなさいよ」
大潮「しり!」
霰「おしり?」
大潮「違う! 噛んだ! 司令官が……!!」
荒潮「司令官が?」
大潮「司令官が……いなくなっちゃったぁあああーーーーーっ!!!」
朝潮「…………」スヤスヤ
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:11:04.95 ID:fve4OYoA0
~ 軍令部 執務室 ~
総長「よく来てくれた。歓迎するぞ、若造よ。ようこそ、軍令部へ」
提督「総長殿の秘書艦に、無理矢理連れて来られたのですが。それも夜中に」
大和「…………」
総長「んっふっふ、その秘書艦にお前を連れてくるように命じたのは、この私だからな。
その様子だと、なぜ連れて来られたのかも分かっていないのだろう」
提督「えぇ。心当たりが多すぎましてね」
大和「提督、言葉遣いにはお気を付けください」
総長「いや、いい。大和、お前は黙っておれ」
大和「……失礼しました」
提督「…………」
総長「では、まだまだ尻の青い若造に、ここまでの経緯を教えてやろう」
提督「『ここまで』というのは、どこからの圧力のことでしょうか?」
総長「くっくっく、圧力? とんでもない。あれはお前たちに課せられた試練なのだよ」
提督「試練?」
総長「従来から我々は、戦艦の火力こそが艦隊の要であるという方針で艦隊運用を続けてきた。
ところが近年では海域の変化や、深海棲艦の多様化などにより、
従来通りの運用では上手くいかないケースが増えつつある」
提督「大型艦では突破できない、潮の流れの激しい北方海域……。
そして、突如として出現した新種の深海棲艦……軽巡棲鬼……」
総長「その通り。そうしたことで我々が苦戦している中、ある鎮守府だけはきちんと戦果をあげているではないか。
しかも詳しく調べると、その鎮守府の主力は戦艦でも航空母艦でもなく……駆逐艦ときたものだ」
提督「えぇ、駆逐艦は……戦艦や空母よりも強い」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:19:18.99 ID:fve4OYoA0
総長「しかし、それは我々の方針とはあまりにも違いすぎる。たとえ結果が出ていても、すぐに受け入れられるものではなかった」
提督「だから……試した、と?」
総長「そうだ。お前の自慢の駆逐艦に厳しい任務を与えることで、駆逐艦の力というものを試すことにした」
提督「それで、総長殿の目には、どう映ったのですか?」
総長「ふっふっふ……先日の軽巡棲鬼との死闘、報告を受けたとき、思わず身震いしたものだ。
…………素晴らしいではないか、最強の駆逐隊…………朝潮型駆逐隊と言ったな」
提督「…………それは、どうも。ありがとうございます」
総長「軍令部としては、今後の艦隊運用には駆逐艦の編成にも力を入れていくつもりだ」
提督「そうですか。……それで、私をここへ連れてきたのは、そのことを伝えるためですか?」
総長「まさか、本題はここからだ」
提督「…………」
総長「ケッコンカッコカリについて、お前の意見を聞きたい」
提督「雀の涙ほどしか効果のない、高価な粗品だと思っています」
大和「て、提督……あなた……」
総長「くくく……正直なのは良いことだ。つまらんお世辞を言われるより、よっぽど良い。
実はこのシステムを考案したのは私だが、お前の言う通り、気持ち程度の効果しかない。
だが、艦娘の性能が向上するのは確かなことだ。たとえ僅かでも勝率を上げられるなら、
装備しておいても損はないだろう」
提督「勝率……」
総長「よって試験的に、各鎮守府に一つずつ指輪を支給した。そして、鎮守府内の最強の艦娘に、その装着を促したのだ」
提督「最強の艦娘ですか……なるほど」チラッ
大和「…………」
総長「ところがどういうことか、ここでも我々の方針に従わない鎮守府が、ただひとつだけ存在したのだ」
提督「まったくけしからんですね」
総長「待てど暮せど、ケッコンカッコカリの申請書類は送られてこない。
だから私は、大和を監査官として送り込んだ。場合によっては、その問題児をここへ連れてくるようにと」
提督「なるほど……。だから私が『誰にも渡さない』と言ったとき、あんなにも目の色を変えて驚いていたのか」
大和「当たり前です。あなたが指輪を渡すべき相手は、あの子たち……朝潮型駆逐隊の、誰かだったはずです」
総長「では若造よ、今一度尋ねる。……お前はあの指輪を、誰に渡す」
提督「あの指輪は……誰にも渡しません」
大和「そんな…………どうして…………」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:28:04.99 ID:fve4OYoA0
~ 数日後 ~
提督「なぁ大和、ちょっとだけ、外を散歩してきてもいいか?」
大和「いけません」
提督「じゃあせめて、扉越しの会話をやめて、こっちに顔を出してくれ。退屈なんだ」
大和「はぁ……提督……あなたはご自分の置かれた状況を、本当に理解しているのですか?」
提督「分かっているとも」
大和「分かっていません! あなたは軟禁されているのですよ!?」
提督「これでも焦っているんだ。なにせ、何の連絡もなく、もう何日も鎮守府をほったらかしだからな」
大和「でしたら今すぐに、お手元の書類に艦娘の名前を書いて、総長へ提出してください」
提督「おいおい、ケッコンカッコカリってのは、名前を書いて提出さえすれば済むものなのか?」
大和「あなたがすぐに指輪を渡さないからです!!」
提督「……分かった。分かったから大声を出すな」
大和「……失礼しました」
提督「はぁ……しかしこの指輪、どうしたものか……」
大和「お尋ねしてもよろしいですか?」
提督「なんだ?」
大和「あなたが指輪を誰にも渡さないと言ったのは……あの子たちの中から一人を、選べなかったからですか?
だとしたら総長にお願いして、指輪をあと五人分……」
提督「当たらずとも遠からず……ってところだな」
大和「……はい?」
提督「私は、たとえ指輪が六つ支給されていたとしても、誰にも渡さなかっただろう」
大和「そんな……どういことですか? あなたの考えが、まるで分かりません」
提督「分からないのは……私の考えだけか?」
大和「くっ…………何が、言いたいのですか」
提督「教えてくれ大和――――――」
大和「…………」
提督「―――――――君はその指輪を貰って…………本当に幸せだったのか?」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:40:17.58 ID:fve4OYoA0
~ 鎮守府 司令室 ~
霞「………………」イライラ
大潮「あ、霞ー。蛍光灯が切れかかってるよー?」
霞「……………………」イライライライライラ
満潮「ねぇ、ついでにペンのインクも切れたんだけど」
霞「………………………………」イライライライライライライライライライラ
霰「少し早いけど、お昼にしたい」
霞「あぁああああーーーーっ!!! もう!! なんでまた私があのクズの代理なんてやらなきゃいけないのよ!!」
荒潮「あらー、仕方ないじゃない。司令官がお留守なんだもの」
霞「そういうことを言ってるんじゃないの! 代理なら朝潮がやるべきなんじゃないの!?」
朝潮「私は秘書艦だから。それに霞には、司令官の代理の経験があるみたいだし」
霞「あの時とはワケが違うの! 難しい書類がたくさん来てるし、アンタたちはうるさいし、何よりあのクズ!
もうあれから何日経ったと思ってるのよ!!」
大潮「司令官……もう帰ってこないのかな……」
満潮「大和さんからの手紙、見たでしょ? あれは今、軍令部にいるだけだって」
霰「でも、いつ帰ってくるかは……書いてなかった……」
荒潮「そもそもどうして、司令官は軍令部へ行っちゃったのかしら?」
朝潮「それも、私たちに何も言わないまま……急に……」
霞「言わなかったんじゃなくて、言えなかったんでしょ?」
大潮「どういうこと?」
荒潮「あの晩、私たちが司令室を飛び出して行って……そこに残っていたのは司令官と大和さん。
そして翌朝には、その二人の姿がなくなっていた……これってつまり」
大潮「か、駆け落ち!!」
満潮「何でそうなるのよ」
霰「あのあと司令官は、大和さんに、軍令部へ連れて行かれた……」
霞「そういうこと。つまりあのクズが、軍令部へ連行されるだけの何かをしでかしたということになるわ」
荒潮「うーん、何か、ねぇ……朝潮? なにか心当たりはない?」
朝潮「ごめんなさい…………ありすぎて、どれのことだか……」
霞「朝潮にここまで言わせるなんて、どんだけクズなのよ……」
朝潮「あ、いや! でも、何日も帰ってこれないような、そんな悪いことは……!!」
霰「知ってる」
満潮「だから分らないんじゃない。今のこの状況が」
朝潮「うん……」
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 20:50:10.30 ID:fve4OYoA0
荒潮「じゃあまず、私たちもお手紙か何かで、軍令部へ連絡をとってみればいいんじゃないかしら?」
大潮「おおー! 荒潮、あったまイイー! なら大潮が書く!!」
満潮「だめよ。あんた字、汚いじゃない」
霰「イタズラだと思われそう」
大潮「ええー、そんなぁ~」
朝潮「本当に……そうなのかな」
一同「え……?」
朝潮「本当に司令官は……大和さんに連れて行かれただけ、なのかな……」
荒潮「朝潮? ……それは、どういう意味?」
朝潮「司令官は……私たちに愛想を尽かして……自ら鎮守府を出たのかもしれないわ」
満潮「はぁ? ちょっと何言ってるのよ、そんなワケ……」
朝潮「司令官だって、本当は戦艦や空母の人たちを艦隊の主力にしたかったのよ。
それなのに私たちは駆逐艦で……そのくせ指輪を欲しがって…………」
霰「待って朝潮……司令官は、私たちのことをそんな風に思ったりしない……」
朝潮「その証拠に……指輪は私たちには与えられなかった。戦艦や空母の人たちの成長を待ってから、その後にあげるのよ……」
大潮「そんなこと、司令官は言ってないよ! それに、大潮たちが愛想を尽かされる理由なんて、どこにもない!!」
朝潮「だって……だって私たちは…………作戦に、失敗した……」
荒潮「朝潮……あなた、作戦のこと、まだ気にして……」
朝潮「だからもう……司令官は、私たちのことなんて……!!」
一同「………………」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:00:28.68 ID:fve4OYoA0
霞「朝潮……アンタの言いたいことは分かったわ。だから、顔をあげて」
朝潮「霞……」
霞「それから、歯を食いしばりなさい」
朝潮「えっ……」
パァン!
大潮「うわぁ! 霞がまた殴った!」
満潮「ちょ、ちょっと、霞……」
朝潮「なに……するのよ……」
霞「いい加減にしなさいよ……あッたま来た。むかつくのよ……アンタ!!」
パァン! パァン! パァン!
朝潮「うっ……!」
霞「むかつく! むかつく! むかつく!!」
荒潮「ちょっと霞ちゃん! やりすぎよ!!」
霰「霞……落ち着いて……」
霞「うるさいわね! 私は今、この女をボコボコにしないと、気が済まないのよ!!」
朝潮「……よくも……やったわね!!」スッ
スカッ
朝潮「しまっ……」
霞「今日という今日は、絶対に許さないから!!」
ドサッ
満潮「か、霞! 馬乗りなんて、そこまでする必要ある!?」
朝潮「重い……どきなさいよ……!!」
霞「言ったでしょ! アンタをボコボコにするまで、絶対にどかない!!」
パァン! パァン!
朝潮「うっ……このっ……」
大潮「霞! ねぇ、もうやめようよ!!」
荒潮「やめて霞ちゃん! ……みんな、霞ちゃんを止めるの、手伝って!」
霰「うん……!」
満潮「もう! なんで毎回こうなるのよ!!」
霞「やめて! 放しなさいよ! もっと……もっとコイツを! 殴らせてよぉおおお!!」
朝潮「霞…………!!」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:07:15.46 ID:fve4OYoA0
大潮「ダメだよ霞! これ以上やったら、朝潮が死んじゃうよぉ!」
荒潮「どうしちゃったの!? こんな一方的なの、あなたらしくないじゃない!?」
霰「霞……かお、こわい……」
満潮「霞! いいから立って! やめなさいってば!」
霞「良い子ぶらないで!! アンタ達だって、同じ気持ちなんでしょ!?」
一同「…………!」
朝潮「どういう……ことよ……!」
霞「とぼけないで……。アンタはさっき、どれだけ私たちをバカにしたのか、分かってるの?!」
朝潮「え……?」
霞「たしかにアイツはバカだけど! 駆逐艦だからといって、私たちを弱い者扱いなんてしなかった!
どうしようもない変態だけど! 私たちのことを心から大事に思ってくれていた!
救いようのないクズ司令官だけど…………作戦失敗の一つや二つで、私たちに愛想を尽かすほどクズじゃない!」
荒潮「霞ちゃん……」
朝潮「…………」
霞「どうしてアンタにそれが分からないの?!
秘書艦として、一番近くでアイツの背中を見てきたアンタが! どうしてそんなことも分からないのよ!!」
朝潮「…………」
霞「なんとか……言ったらどうなのよ」
朝潮「長い」
霞「はァ!?」
朝潮「言いたいことがあるなら、一言でまとめて」
霞「いいわ……言ってやるわよ。言ってあげるから、もう一度歯を食いしばりなさい」スッ
大潮「ちょ、ちょっと霞……」
霰「また殴る……」
満潮「はぁ……もう……」
朝潮「…………」
霞「…………」スゥー ハァー
霞「私たちの大好きな司令官を、バカにするなぁぁああああああああああっ!!!!」
パァン!!
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:16:13.17 ID:fve4OYoA0
~ 昔 工廠裏 ~
朝潮「私……またやっちゃった……」
ねこ「にゃー」
朝潮「ううん。あれは私のせいよ」
ねこ「にゃー、にゃー」
朝潮「慰めてくれるのね……ありがとう」ナデナデ
ねこ「にゃー」
提督「朝潮は猫と会話ができるのか?」
朝潮「ほわぁああああっ!?!?!? し、司令官! い、いいいいつからそこに!?」
提督「今来たところだが?」
朝潮「そ、そうですか…………あっ! あの! この子は……!!」
提督「鎮守府において、猫は不吉な生き物……朝潮ならそれくらい、当然知っているよな?」
朝潮「はい……。鎮守府では猫の飼育を禁止されています。
迷い込んだ猫を発見した場合は、直ちに追い出すようにと、養成所で何度も聞かされました」
提督「そうだ。で、その子猫、かなり朝潮に懐いているようだが……。まさか、こっそり育てていたのか?」
朝潮「も、申し訳ありません! ……でもこの子、親とはぐれちゃったみたいで、餌も自分で取れなくて!
弱っていて……可哀そうで……」
提督「それで、軍規違反と知りながら、育てていたんだな?」
朝潮「はい……」
提督「陸奥が知ったら怒るだろうなぁ。あいつ、昔思いっきり引っ掻かれたとかで、猫が嫌いらしいからな」
朝潮「…………」
提督「じゃあこれは、私と朝潮の、秘密ということにしよう」
朝潮「えっ?」
提督「あ、大潮たちにも言うんじゃないぞ? 特に霞なんかは、こういう規律には厳しそうだからなぁ」
朝潮「私と司令官の……秘密。二人だけの……秘密……」
提督「それはそうと、子猫はなんて言ってたんだ? 作戦の失敗は、朝潮のせいじゃないって、言ってくれたか?」
朝潮「司令官の意地悪……やっぱり聞いていたんじゃないですか……」
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:23:25.43 ID:fve4OYoA0
提督「で、どうなんだ?」
朝潮「あれは……どう考えたって私のせいです。皆さん無傷で、とてもいい調子だったんです。
それなのに私が……目標地点到達前に大破して……撤退を余儀なくされて……」
提督「一緒に出撃した赤城や加賀、陸奥、妙高も神通も、誰も朝潮が悪いなんて言わなかったぞ」
朝潮「皆さんは強くて優しいから、そう口にしないだけです」
提督「強くて優しいのは、朝潮も同じだ」
朝潮「いいえ、私は弱いです」
提督「ふぅむ」
朝潮「司令官……この作戦に、駆逐艦は必要ないと思います」
提督「どうしてそう思う?」
朝潮「いくら安定した航路を進むためとはいえ、目標地点を前に撤退しているのでは、意味がありません」
提督「駆逐艦の枠をゼロにして、迂回路から攻めた方が得策だと?」
朝潮「はい」
提督「それは無理だ」
朝潮「どうして……!」
提督「朝潮、私は今作戦の編成を考えるために、二時間もトイレにこもった」
朝潮「は、はあ……」
提督「艦隊に駆逐艦を編成すべきか否か、本当に最後まで、ずっと考えていた。
この作戦に駆逐艦を組み込むことは、それだけリスクが大きいからだ」
朝潮「では……なぜ……」
提督「駆逐艦の力を……強さを、信じていたからだ」
朝潮「司令官…………でも……」
提督「いいか朝潮。君が分かってくれるまで、私は何度でも言う。 駆逐艦は強い。
その強さは戦艦や空母、巡洋艦……それらに匹敵する、いや、それ以上だ」
朝潮「しかし私は……私のせいで! 現に作戦は失敗しています!」
提督「いくら大破しようが、作戦に失敗しようが、私は駆逐艦の強さを諦めない」
朝潮「どうして……そこまで……」
提督「私が駆逐艦を…………朝潮型駆逐隊のことを、愛しているからだ」
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:34:35.39 ID:fve4OYoA0
朝潮「司令……官……私は……うぅ……私は…………」
荒潮「朝潮……」
霞「なによ、泣き虫…………泣きたいのは、こっちの方よ」
満潮「霞、もう、気が済んだでしょ」
霞「えぇ……悪かったわね、うるさくして」
大潮「うるさいどころの騒ぎじゃなかったよぉ……もぉ、怖かったぁ……」
霰「大潮が言うんだから、相当うるさかったと思う」
霞「だから悪かったってば」
荒潮「朝潮、大丈夫? 立てる? よしよし、ほら、もう泣かないで」
朝潮「ぐすっ……ごめん……荒潮。皆も……本当にごめんなさい」
霞「…………」
朝潮「……撤回するわ。司令官は、そんな人じゃない。
私たちは皆、司令官のことが大好きで……そして司令官は、私たち皆のことが大好き……」
大潮「うんうん! そうだよね!」
霰「……」コクン
朝潮「だから……だからこそ私も、司令官のことを、諦めたくない」
満潮「いい顔になってきたじゃない」
朝潮「指輪を貰えなくたっていい。能力が向上しなくたっていい。
でも……あんな最後でお別れなんて……絶対にイヤ!!」
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:38:17.85 ID:fve4OYoA0
霞「ふん……それがアンタの……朝潮の本心ってわけね。じゃあ、これからどうするつもり?
お淑やかに手紙でもしたためる? 激しい抗議の電話? はたまたテレパシーとか?」
朝潮「何を言ってるの霞。私たちは駆逐艦……デストロイヤーよ。手紙や電話だなんて、生ぬるいわ」
荒潮「うふっ、あらあら。いったい何を企んでいるのかしら?」
大潮「うおおおー! なんだか……なんだか燃えてきたね!!」
霰「わたし、どこまでも朝潮についていく……」
満潮「はぁ……ホント最悪な展開だけど……最高ね」
霞「それじゃあリーダー。アンタが私たちに指示を出しなさい。何かあった時に、真っ先にアンタのせいにするから」
朝潮「分かったわ。責任は全て私が負う。だから、司令官を迎えに行くのに、皆の力を貸して」
荒潮「久しぶりの出撃ねぇ。うふふっ、腕がなるわぁ~」
大潮「当然! 大潮、頑張るから!!」
霰「朝潮のためなら、何だって……」
満潮「やれやれ、もうどうなっても知らないんだから」
霞「私たちの力……全てアンタに託したわ」
朝潮「ありがとう……。 それじゃあ行きましょう。
朝潮型駆逐隊は…………これより、軍令部への殴り込みを行います!」
大潮「了解!」
満潮「了解!」
荒潮「了解!」
霰「了解!」
霞「了解!」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 21:51:25.77 ID:fve4OYoA0
~ 夜 軍令部近海 ~
朝潮「両舷前進、原速。闇夜に紛れて突破します。索敵は常時続けて」
霰「真正面に船影が2つ。二時方向に3つ見える」
荒潮「うーん……あのシルエット、漁船かしら?」
大潮「なーんだ、なら問題ないね! お魚貰ってきちゃう?」
満潮「アホ。あれは漁船だけど、おおかた監視艇ってところね」
霞「速力はほどほどで火力も皆無、戦闘向けではないけれど索敵能力だけは高いわ。あれに見つかったら一発でアウトよ」
荒潮「あらあら、じゃあ見つかる前に、魚雷で沈めちゃう?」
霰「荒潮、無慈悲すぎる……」
荒潮「うふふ、冗談よ」
満潮「冗談に聞こえないんだってば……」
朝潮「速度を速めつつ、監視艇を迂回します! 両舷前進強速、Q方!」
霞「なっ……九時方向! サーチライトよ!」
大潮「三時方向からもだよ!!」
朝潮「速度を第三戦速に! 十秒後に後進をかけて!」
一同「了解!」
満潮「いい皆? お願いだからしっかり止まってよ?」
荒潮「追突事故は嫌よねぇ」
3 2 1 ・・・・
朝潮「今! 後進一杯! 急停止!!」
ザザーッ!!
大潮「よ、よし……うまく止まった」
霞「ホッとするにはまだ早いわよ」
霰「サーチライト……来る」
朝潮「総員、一ミリたりとも動かないで。やり過ごします」
・・・・・・・・
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:01:13.14 ID:fve4OYoA0
霞「……ふぅ……何とかやり過ごせたみたいね……」
荒潮「いつもとは少し違う緊張感ねぇ」
大潮「うぅ~、変な汗かいちゃったよぉ」
満潮「それにしても、我ながら綺麗な艦隊運動だったわね。艦列もほとんど乱れてない。
どこかの新米おバカトリオに見せてやりたいくらいよ」
霰「出た、満潮先生……」ボソッ
朝潮「ふふっ、そうね。今度一緒に訓練したいわね」
満潮「べ、別にそういうつもりで言ったんじゃないわよ……」
霞「それより、これからどうするつもり? 一難去って、また一難……見てよあれ」
大潮「うわぁ……監視艇がいっぱい……夜間偵察機も飛んでるよ!」
朝潮「さすがは軍令部ね……これでも警戒レベルは低い方だと思うけど、こんな中を正面から突破するのはさすがに無理だわ」
荒潮「ねぇ、とりあえず移動しない? ずっとここにいても危険じゃないかしら?」
朝潮「そうね……まずは一旦、そこの小島に上陸して、作戦を練り直すわ」
霰「六時方向から監視艇が二隻……急いだ方がいい」
朝潮「えぇ、慌てず急ぎましょう。両舷前進原速……絶対に見つからないで!」
一同「了解!」
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:05:04.43 ID:fve4OYoA0
~ 小島 ~
朝潮「霰、どう?」
霰「だめ。軍令部に上陸するためには、どうしてもあの警戒網を突破する必要がある」
朝潮「そう……。海路から見つからずに侵入するのは無理ということね……」
大潮「じゃあさ、じゃあさ! いかにも遠征帰りです、みたいな顔で堂々と突入するのはどう?!」
荒潮「まぁ、艦娘かどうかなんて、身なりを見れば一発で分かるものねぇ」
朝潮「うーん…………おそらく、それは通用しないと思う」
大潮「ええー、なんでー?」
霞「大和さんが言ってたでしょ。軍令部は少数精鋭。艦娘の数自体は少ないのよ。
監視艇の船員たちが見慣れない艦娘を見ていきなり発砲することは無いだろうけど、確実に連絡が飛ぶ」
満潮「ま、そうなるわよねぇ」
霰「結局は、最後まで見つからずに侵入するしかない……」
朝潮「何か方法があるはず……何か…………」
???「誰!? 誰かそこにいるの!?」
一同「!?」
朝潮(しまった! この島に誰かが潜んでいる可能性を考えていなかった……!!)
荒潮「あらあら……ヤっちゃう?」
霞「バカ! 民間人かもしれないでしょうがっ」
???「やっぱり誰かいるのね……隠れてないで出てきなさい!」
霰「……どうする?」
大潮「逃げる?」
満潮「逃げたら連絡されるんじゃない?」
一同「…………」
朝潮「ごめんなさい。私たち、隠れていたわけじゃないの」
霰「朝潮……」
???「んん……? あなた達、見かけない艦娘ね?」
朝潮「わ、私たちは……」
霞「そういうアンタは、その独特な格好………………伊号潜水艦ね?」
???「あらご明察。その通り、私は軍令部直属艦隊の伊号潜水艦……伊168よ。イムヤって呼んでね」
大潮「おお……変な格好! しかも勝手に名乗った!」
荒潮「あら大潮ちゃん、しーっ、よ?」
朝潮「私たちは朝潮型駆逐隊……私が旗艦の朝潮よ」
伊168「朝潮型……名前くらいは聞いたことがあるわ。でもウチに何の用なの? しかもそんなコソコソと」
満潮「そ、それは……!」
伊168「……ふぅ~ん、なんだかイムヤ、分かっちゃったかも? ふふっ、いいわ。ついてらっしゃい」
霞「大丈夫なの……あれ」
朝潮「今は……行くしかないわ」
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:12:43.28 ID:fve4OYoA0
伊58「伊58でち。ゴーヤって呼んでもいいよ?」
伊19「はじめましてなのね! 伊19、イクって呼んで欲しいのォ!」
一同「…………」
伊168「この二人が艦隊の仲間よ。改めてよろしくね」
朝潮「よ、よろしく……お願いします」
霞(な、何なの……この強烈な艦娘……)
大潮(大潮……この水着の人たちには勝てる気がしない……!)
荒潮(これはもう……もはや個性と呼べる範囲を逸脱しているわ……)
満潮(私たち……本当に大丈夫なの……)
霰(頭おかしい)
朝潮「―――――――…………と、言うわけなんだけど」
伊168「ふぅ~ん、だいたいの事情は理解したわ。でも、それを私たちに話しても良かったの?
今ここで無線を使って連絡すれば、あなた達の水面下の企みは、すべて海上へ浮き出ることになるわ」
朝潮「えぇ。だから一か八か、あなた達に望みを託そうとしているの」
伊58「ふむふむ……なかなか度胸のある艦娘でち」
大潮「あの頭に花が咲いてるピンクの人、なんかスゴイ偉そうにしてる!」
荒潮「はいはい大潮ちゃん。本音はしばらく控えましょうねぇ」
伊19「いひひっ、でもー? 潜入のことに関してなら、イクたちの右に出る者はいないのね!
そういう意味ではー、イクたちを頼ったシオシオちゃんは、なかなか見る目があるのォ!」
朝潮「シオシオ……?」
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:22:06.94 ID:fve4OYoA0
霞「で、イチロッパーだっけ? 監視の目をかいくぐって潜入する方法なんて、あるの?」
伊168「イムヤよ! イ・ム・ヤ! もう、失礼しちゃうわね!」プイー
満潮「ちょっと霞、あんたのせいで機嫌損ねちゃったじゃない」
霞「自分のことを愛称で呼ばせようとする方が悪いのよ……」
伊58「監視の目を掻い潜って直接軍令部へ潜入する方法……まぁ、無くは無いでちね」
霰「本当?」
荒潮「あらぁ、是非とも知りたいわ」
伊19「うーん、教えてあげてもイイけどぉー、タダで教えるわけにはいかないのね」
朝潮「じゃ、じゃあ……大潮が一発芸をやりますので、それで……」
大潮「えぇー!? なんでぇー!?」
伊19「そんなの見せられても、ちぃーっとも嬉しくないのォー」
大潮「むきーっ!!」
満潮「あんたはやりたいのかやりたくないのかどっちよ……」
霞「それじゃあ、どうすれば教えてくれるわけ?」
伊168「そうねぇ……。実は私たち、今とっても燃料と弾薬が必要なの」
荒潮「燃料と弾薬? ……どうしてかしら?」
伊58「や、野暮なことは聞くなでち!」
霰「なんか、怪しい」
伊58「別にゴーヤたちは、実はオリョール海へ出撃していることになっていて、それなのにこの島でサボっていて、
向こうで回収するはずの燃料と弾薬についてどう報告しようか悩んでいたわけでは、断じて無いんでち!!」
一同「…………」ジトー
伊19「そういう訳だから、燃料と弾薬を用意してくれたら、抜け道のことを教えてあげてもいいのォ!!」
満潮「ねぇ、これってもう、『私たちのことをバラしたら、あんた達のサボりもバラすぞ』って脅しちゃえばいいんじゃないの?」
大潮「さっすが満潮! 考え方が鬼ぃ~」
霰「でも、それが一番手っ取り早いかも」
荒潮「第一、そんな今すぐ燃料と弾薬を用意しろと言われても、無理よねぇ?」
朝潮「でも……それはダメよ。この人たちが可哀想」
霞「可哀想って……単なる自業自得でしょ。それとも何? 別の方法があるとでも言うの?」
朝潮「それは…………」
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:26:08.40 ID:fve4OYoA0
朝潮「ねぇイムヤさん、燃料と弾薬って、オリョール海ではどれくらい獲得できるものなの?」
伊168「オリョールで獲得可能な資源はほんの僅かよ。でも私たち潜水艦って燃費がすごく良いから、それでも黒字になるの。
だから何度も出撃するのよ。たとえほんの少しでも……ほんの、少しでも」
伊58「ゴーヤ知ってるでち。オリョールは温暖な気候で、水底も穏やか、綺麗な魚たちがたくさん住んでる良い所なんでち。
ただすこーし、そこへ出撃する回数が多くて、見飽きちゃって、人生に疲れを感じてきたとか、
そういう訳ではないでち。断じてそういう訳では……ないんでち。えへへへ」
伊19「オリョールの海はね、もうしゅごいのォ! 思い出しただけで頭がシュワシュワになってぇー、
耳の中が魚雷と爆雷の音でいっぱいになるのね! ゾクゾクしちゃうのォ~、いっひひひひぃ」
霞「これは……重症だわ……」
荒潮「なんだか触れてはいけないことに触れてしまったようね……」
霰「目が死んでる」
満潮「たしかに……これはなんだか、可哀想な気がするわね……」
大潮「大潮、潜水艦じゃなくて良かった……」
朝潮「………………分かったわイムヤさん。燃料と弾薬、あなた達に差し上げます」
伊168「ほ、本当!?」
霞「いやいやいや! ちょっと待ちなさいよ朝潮! そんなもの、私たち持ってきてないわよ!?」
朝潮「あるじゃない、ここに」コンコン
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:29:01.29 ID:fve4OYoA0
霰「ココって……もしかして、わたしたちの艤装の中の……?」
朝潮「えぇ。皆の分を集めれば、それなりの量にはなるわ」
大潮「ええー!? 途中で戦闘とかになったらどうするの!?」
朝潮「知らない」
荒潮「帰り道は? 燃料がないと海路を進めないわよ?」
朝潮「それも知らない」
満潮「ちょっ、無鉄砲すぎない!? 大丈夫なの!?」
朝潮「どうなるかなんて分からないわ……。でも、司令官のもとへたどり着かないと意味がない。
艤装に関しては、司令官を救出したあとに考えましょう」
霞「はぁ、大した決心だこと。ま、でも、それもそうよね。旗艦の決めたことでもあるし、私は従うわ」
朝潮「霞……」
霰「うん、朝潮が言うなら……」
大潮「だ、大丈夫……大潮は、普通の女の子になっても、強いから!」
荒潮「もぉ、仕方ないわねぇ」
満潮「超大型のうずしおに巻き込まれたと思えば、同じことよね」
朝潮「ありがとう皆……
そういうわけだから、教えてもらえる? 軍令部への抜け道を」
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:34:12.57 ID:fve4OYoA0
~ 抜け道 ~
荒潮「艤装が無いと、やっぱり身軽ねぇ」
満潮「その代わり、かなり不安だけどね」
霰「イムヤさん達の情報によると……この洞窟を行けば、軍令部にたどり着くって……」
朝潮「今はあの人たちを信じて、進むしかないわね……」
大潮「なんだか薄暗いよねぇ……わぁ!」
霞「な、なによ大声だして!」
大潮「あ、足元に水が……」
霞「それくらいで変な声出さないでよね……びっくりするじゃない」
荒潮「でもこれ、だんだんと深くなっていくみたいねぇ」
満潮「艤装があればスイスイ行けるんだけど……」
朝潮「靴と靴下、脱がないと進めないわね」
霰「海水に浸かると、なんだか不安になる……」
霞「躊躇してる暇なんてないわ。何も服を脱げって言ってるわけじゃないんだから。靴くらいさっさと脱いで裸足になりなさい」
ヌギヌギヌギ……
朝潮「みんな準備はいい? 出発するわ!」
一同「おー!」
ピチャ ピチャ ピチャ
ジャブ ジャブ ジャブ
ズズズ ズズズ ズブズブ……
大潮「って!! 行き止まりだよ!?」
荒潮「違うわ大潮ちゃん。これ、通路が水の中へ続いてるのよ」
霰「ここからは、海水の中を潜って進まないといけない……」
満潮「はァ!? そんなこと、あの潜水艦は一言も言ってなかったじゃない!」
霞「まぁアイツら潜水艦だし、これも単なる道なのよねぇ……」
朝潮「……行くしかないわ」
大潮「えぇー!? 本気なの!?」
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:40:09.53 ID:fve4OYoA0
朝潮「見て。この通路、別に冠水しているというわけではないわ。
僅かだけど上の方には空気がある。途中で息継ぎができるはずよ」
霰「で、でも朝潮……服を着たままじゃ私、うまく泳げない」
荒潮「そうよねぇ。艦娘の服って、水に対してよく浮くようにできているみたいだし、
普通の服とは違って着衣状態での潜水は難しいかもしれないわ」
朝潮「で、では………………服も…………ここに、置いていきます…………」ワナワナワナ
霞「あぁなるほど、それなら海の中もスイスイと…………って、はぁああああっ!?!!?」
満潮「じょ、冗談でしょ朝潮! 全裸で進めって言うの!?」
朝潮「そ、そうよ……。こ、ここここれも司令官のもとへたどり着くために、ひひひ必要な……」プシュー
荒潮「朝潮、恥ずかしいなら言わなくてもいいのよ……」
朝潮「へ、平気よ……。そ、そうだわ、お風呂だと思えばいいの。
みんなの裸ならお風呂で見慣れているし……うん、何の問題もないわ……」
大潮「問題大ありだよー! 向こうに着いたら司令官ならまだしも、他にも男の人がたくさんいるんでしょ?!
さすがにそれは、大潮も恥ずかしいよぉー!!」
満潮「っていうか、全裸で構内をうろついている時点で、完全に変態じゃないの……」
朝潮「恥ずかしいのは分かるわ……でも、司令官を助け出すために、今はこれしか手段がないのよ……。
霰……霰は、私にどこまでもついて来てくれるのよね?」
霰「えっ……」ギクッ
朝潮「霞もそうよね……旗艦の命令なら、従うんだったわよね……」
霞「んなっ……!」
朝潮「荒潮も、満潮も、大潮も、みんな……私に力を貸してくれるって、言ったわよね……」
大潮「あはは…………いやー」
荒潮「うふふ……」
満潮「……はは……ははは……」
朝潮「……言ったわよね?」
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:44:56.88 ID:fve4OYoA0
~ 数分後 ~
朝潮「みんな、しっかり全部脱いだわね?」スッポンポーン!
満潮「朝潮……せめて下着だけでも……」
朝潮「ダメよ。下着にも通常のもの以上の浮力が効いているから、潜水の妨げになるわ」
満潮「鬼……」
大潮「司令官のため司令官のため司令官のため……」ブツブツブツ
霰「………………」
荒潮「大丈夫よ……服をまったく着ていないと、逆に健全に見えるものだから……」
霞「朝潮……この作戦に、変更はないのね……」
朝潮「私は……やるわ……。司令官のためなら……文字通り、一肌脱ぐ!」
霞「何うまいこと言ってんのよ……」
朝潮「さぁ、夜が明ける前に行きましょう! 朝潮型、潜水!」
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:52:58.44 ID:fve4OYoA0
ザバァ
朝潮「ぷはぁ! はぁ……はぁ……どうやら、開けた場所に出たようね……」
霞「人影は……ないみたいね」
荒潮「もぉ、体も髪もベタベタ。お風呂入りたいわ」
霰「ここ……どこ?」
満潮「小さいけれど……出撃ドックみたいね。ウチの鎮守府には無い、立派な設備だわ」
大潮「そっかぁ……ってことは、ココって艦娘以外は立ち入らない場所ってことじゃない?」
朝潮「……そうね。人の気配もないし、そういうことなのかもしれないわ」
霞「そういう所であると信じて、いったん上がるわ……海の中って、沈んだみたいでほんと気持ち悪い……」
バサァ…… ペタペタペタ
荒潮「さて……これからどうする? 司令官がどこにいるかも分からないけれど?」
朝潮「なるべく人に見つからないようにして、建物内を調べるしかないわね」
満潮「なるべくじゃなくて、絶対に見つかりたくないんだけど……」
霰「とりあえず体を拭きたいのと……あと、着るものが欲しい……」
大潮「ここが出撃ドックなら、もしかしたら何か服があるかも!」
朝潮「よし……じゃあまずは、衣服の捜索から……―――――――」
パァン! パァン! パァン!
大潮「うわぁ!? 探照灯!? まぶしいぃ!!」
朝潮「て、敵襲!?」
霞「お、大潮! 朝潮も! 前隠しなさいよ、前!!」
大和「ようこそ軍令部へ。
………………って、なんて格好をしているんですか……」
一同「や、大和さん!?」
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:58:27.61 ID:fve4OYoA0
~ 別部屋 ~
大和「良いですか? 婦女子たるもの、常に気品を持たねばなりません。
我々は艦娘である前に、女です。それもあなた達のような少女であればなおさら。
どんな状況であろうと、女子としてのプライドを捨ててはなりません。丸腰で軍令部へやってくるなんて、言語道断です」
霞「うぅ……なんでこんなあっさりバレてんのよ……」
大和「そろそろあなた達がここへ来るだろうと思い、電探で索敵を続けていました。
……まさかあんなルートから、あんな姿でやって来るとは思いませんでしたが……」
満潮「私たちだって、あんなことになるとは思ってなかったわよ……」
荒潮「あの、ところで大和さん?」
大和「はい」
荒潮「さっきから色々してくれてる、この人たちは……?」
大和「軍令部における、信頼できる最高峰の美容技術を持った女性スタッフの方々です。ここであなた達を綺麗にします」
霰「わたし……普通の服でいい……」
大和「あら、霰さん、そのドレスとてもお似合いじゃないですか」
大潮「うわー、大潮こんなの初めて着たかもー! お姫様になったみたーい!」
朝潮「あ、あの大和さん……洋服に関しては分からなくもないのですが……その、髪のセットまでする必要は……」
大和「朝潮さんはとてもツヤのある、綺麗な黒髪をしていらっしゃいます。
こうやって髪を持ち上げて束ねると、いつもと違った大人の女性の雰囲気が出せますよ」
朝潮「わ、私は……こ、こういうのは別に……」
荒潮「あらあら、うなじが見えちゃって、少しセクシーな感じがするわね?」
朝潮「…………」カァアアアアッ
大和「そういう荒潮さんは、髪を巻くことで気品が増して、お屋敷のお嬢様みたいになりましたね」
荒潮「うふふ、こういうの、久しぶりだわ」
大和「大潮さん、満潮さん、霞さんは普段から髪をまとめていらっしゃるので、今回はおろした状態でケアを施しました」
大潮「大潮、大潮じゃないみたーい!」
満潮「これも悪くは……ないわね……」
霞「ふ、服が着れればいいのに、ここまでする必要ないでしょ」
大和「霰さんは髪が短いので髪型自体は変えていませんが、傷んでいた髪を綺麗にしました。とても可愛らしいですよ」
霰「必要……ない……」
荒潮「あらーあらあら、霰ちゃん。いつにも増して日本人形みたいになっちゃって~」
霰「むっ……」
大和「さぁ皆さん。これだけでは終わりません。さらにお化粧もします」
霞「はァ!? どういうつもりよ! 何を企んで……わっぶ、変なモン塗らないで!」
大和「あまり動かれると、危ないですよ?」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 23:00:55.26 ID:fve4OYoA0
~ 数分後 ~
大和「完成です。どうぞ、ご自分のお姿を、鏡でよくご覧ください」ガラガラガラ
朝潮「うそ……これが……私……」
満潮「自分じゃないみたい……」
大潮「すごーい! すごーい!」
霰「気に入った……かも」
荒潮「純白のドレスに髪のセット、お化粧までしてもらって、頭にはティアラまで……これって、まるで…………」
霞「ちょっと! 私たちはこんなことをしてもらうために来たんじゃないの!!」
大和「大好きな提督を連れ戻すため……ですよね?」
霞「そ、そうよ……分かってるなら……」
大和「えぇ。……ですから、あちらの扉へお進みください」
朝潮「あそこには一体何が……」
大和「提督があなた達を、待っていますよ」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 23:03:27.25 ID:fve4OYoA0
ギィイイイイイイイ……
朝潮「ここは…………」
大潮「真っ暗だねー」
満潮「一体どこに司令官が……」
パァン!
荒潮「あら、またライト?」
霰「まぶしい……」
パパパパーン パパパパーン パパパパン パパパパン パパパパン パパパパン
霞「な、何この音? パイプオルガン?」
朝潮「メンデルスゾーン…………結婚行進曲だわ。やっぱり、これって……」
総長「ようこそ軍令部へ……朝潮型駆逐隊の諸君」
大潮「あ、ああああの人は………………誰!!」
大和「あの方こそが、日本海軍軍令部総長です」
大潮「へ、へぇー……で、どれくらい偉い人なの?」
満潮「あんたバカなの!? 海軍で一番偉い人よ!!」
霰「そして……きっとあの人が、司令官をさらうよう命令を下した、張本人……」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 23:06:06.56 ID:fve4OYoA0
朝潮「教えてください総長! 司令官は……私たちの司令官は、今どこにいらっしゃるのですか!?」
総長「お前たちの目の前だ」
パァン!
提督「…………」
一同「司令官!!!」
提督「みんな…………」
総長「さぁ若造よ、つまらん意地を張るのも今日でおしまいだ。
こうしてわざわざ艦娘たちがお前に会いに来たのだ。手に持っているソレを、誰か一人に渡したまえ」
朝潮「ケッコンカッコカリの……指輪…………」
大潮「えぇ? な、なに? どういう状況なの!?」
満潮「し、知らないわよ!」
荒潮「でもこれってつまり……今から私たちの中の誰かに、指輪が渡されるって、ことよね……」
霰「だから……こんな格好を……」
霞「どういうことよ……私たちには渡さないんじゃなかったの……?」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 23:11:08.30 ID:fve4OYoA0
大和「さぁ提督、前へ。花嫁たちが待っています」
提督「あぁ…………」ガタッ
コツ コツ コツ
――――― 霞には改二になる資格がある。十分にな ―――――
霞( クズ司令官…… )
コツ コツ コツ
――――― 君たちのピンチに駆けつけない訳がないだろう!! さぁ、漕げ!! ―――――
霰( 司令官…… )
コツ コツ コツ
――――― 大潮、旗艦は君だ。皆のことを、よろしく頼んだぞ ―――――
大潮( 司令官!! )
コツ コツ コツ
――――― 本当に素晴らしい戦いだった。……そして、最高の観艦式だった ―――――
満潮( 司令……官…… )
コツ コツ コツ
――――― この鎮守府に来てくれたこと……本当に感謝している ―――――
荒潮( うふ……司令官…… )
コツ コツ コツ
――――― 朝潮……もう我慢するな! 隠すな! 強がるな! ―――――
朝潮( 司令官……私は…… )
コツ コツ コツ コツ………… ピタッ
総長「さぁ、渡しなさい」
提督「この指輪を渡す……相手は…………―――――――――――――――」
(中編 おわり)
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 23:21:27.90 ID:TOLoR8LLo
いいところで引っ張るなあ…
乙でした
乙でした
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 00:45:50.42 ID:rm9aLcGGo
おつ
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 12:19:00.83 ID:6IdaLjkvO
乙!
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:45:17.73 ID:mo/xOc1co
乙
迷ったらルドマン総長に渡しとけって
迷ったらルドマン総長に渡しとけって
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/28(月) 14:47:20.59 ID:PJcVQ/aR0
乙
なんて引きだ。
誰を選ぶのか…期待してるぞ
なんて引きだ。
誰を選ぶのか…期待してるぞ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451124063/
Entry ⇒ 2015.12.30 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)