穂乃果「ツバサさんのオデコにガチレズって書かれてる…」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:06:38.15 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「あら穂乃果さん、奇遇ね♪」
穂乃果(どういう事なの…)
ツバサ「どうかした、穂乃果さん?」
穂乃果「いや、その…」
ツバサ「?」
穂乃果「今日は一段と、その、目立つというか…」
ツバサ「クスッ、なにそれ」
穂乃果「いくらなんでもさらけ出しすぎというか…」
ツバサ「なにが?いつも通りだと思うけど…」
穂乃果(プライベートだといつも通りなの…というかなんで平然としてられるの…)
穂乃果(憧れの人が実はガチレズだったなんて、とんだ裏切りだよ…)ドンビキ
ツバサ「?」
穂乃果「…あの、もしかしてそういうのが好きな人なんですか?」
ツバサ「そういうの?」
穂乃果「だから、そういう…」クイクイ
ツバサ「…ああ、これ?(このデコ出しのことね)」
穂乃果(どういう事なの…)
ツバサ「どうかした、穂乃果さん?」
穂乃果「いや、その…」
ツバサ「?」
穂乃果「今日は一段と、その、目立つというか…」
ツバサ「クスッ、なにそれ」
穂乃果「いくらなんでもさらけ出しすぎというか…」
ツバサ「なにが?いつも通りだと思うけど…」
穂乃果(プライベートだといつも通りなの…というかなんで平然としてられるの…)
穂乃果(憧れの人が実はガチレズだったなんて、とんだ裏切りだよ…)ドンビキ
ツバサ「?」
穂乃果「…あの、もしかしてそういうのが好きな人なんですか?」
ツバサ「そういうの?」
穂乃果「だから、そういう…」クイクイ
ツバサ「…ああ、これ?(このデコ出しのことね)」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:07:39.35 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「ええ、そうね」
ツバサ「子供の頃からずっとこれなの」クスッ
穂乃果(子供の頃から!?道ばたでするようなカミングアウトじゃないよ!?)
ツバサ「それがどうかした?」
穂乃果(だからなんでこの人は堂々としてられるの…?)
ツバサ「穂乃果さん?」
穂乃果「…はっ!あ、いやー…ちょっとびっくりしすぎて…はは」
ツバサ「そんなに驚くことかしら?」
穂乃果(驚くってレベルじゃないよ…むしろ目を背けたい現実だよ…)
ツバサ「子供の頃からずっとこれなの」クスッ
穂乃果(子供の頃から!?道ばたでするようなカミングアウトじゃないよ!?)
ツバサ「それがどうかした?」
穂乃果(だからなんでこの人は堂々としてられるの…?)
ツバサ「穂乃果さん?」
穂乃果「…はっ!あ、いやー…ちょっとびっくりしすぎて…はは」
ツバサ「そんなに驚くことかしら?」
穂乃果(驚くってレベルじゃないよ…むしろ目を背けたい現実だよ…)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:08:52.35 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「こ、子供の頃からですか。それは、なんというか…ご苦労なされたんじゃ?」
ツバサ「苦労…?いいえ、特には」
ツバサ「むしろ開放感があって気持ち良いわよ」
穂乃果(解放感!?女の子同士ってそんな色々と超越しちゃうものなの!?)
ツバサ「激しく動いた後なんかはとっても心地良いの♪」
穂乃果(既にハードなプレイも経験済みぃ!?幼少期から業が深すぎるよ…)
穂乃果(はっ、もしかして…)
穂乃果「あの、まさか英玲奈さんかあんじゅさんに、そのぅ…」
ツバサ「ん?あーそうね、一度良さを話したことがあるわ」
穂乃果(度胸ありすぎだよ…)
ツバサ「でも私たちは別に今のままで良いって。ちょっと残念」
穂乃果(そりゃそうでしょ…むしろ変わらず接してくれてる良い仲間じゃん…)
ツバサ「苦労…?いいえ、特には」
ツバサ「むしろ開放感があって気持ち良いわよ」
穂乃果(解放感!?女の子同士ってそんな色々と超越しちゃうものなの!?)
ツバサ「激しく動いた後なんかはとっても心地良いの♪」
穂乃果(既にハードなプレイも経験済みぃ!?幼少期から業が深すぎるよ…)
穂乃果(はっ、もしかして…)
穂乃果「あの、まさか英玲奈さんかあんじゅさんに、そのぅ…」
ツバサ「ん?あーそうね、一度良さを話したことがあるわ」
穂乃果(度胸ありすぎだよ…)
ツバサ「でも私たちは別に今のままで良いって。ちょっと残念」
穂乃果(そりゃそうでしょ…むしろ変わらず接してくれてる良い仲間じゃん…)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:09:44.55 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「というかどうして今更そんなこと聞くの?」
穂乃果「今更って…かなり衝撃的な事実ですよ…」
ツバサ「え、そうなの?けっこう色んなとこで公言してるけど」
穂乃果(皆に言ってるのぉ!?積極的すぎるでしょ!!)
ツバサ「ファンレターにもよく書かれるわ。私に憧れて同じにしましたってね」
穂乃果(影響与えすぎぃ!日本の女学生皆ガチレズになっちゃうよぉ!少子化の加速だよ!!)
穂乃果「今更って…かなり衝撃的な事実ですよ…」
ツバサ「え、そうなの?けっこう色んなとこで公言してるけど」
穂乃果(皆に言ってるのぉ!?積極的すぎるでしょ!!)
ツバサ「ファンレターにもよく書かれるわ。私に憧れて同じにしましたってね」
穂乃果(影響与えすぎぃ!日本の女学生皆ガチレズになっちゃうよぉ!少子化の加速だよ!!)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:10:30.51 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(………はっ)
穂乃果(でもそういえば海未ちゃんとことりちゃんがやたら同性愛云々言ってた)
穂乃果(欧米では同性愛に寛容だとか、女の子同士で子供が出来る細胞だとか…)
穂乃果(ほんとやたらとしつこく)
穂乃果(正直言って穂乃果にはまったく理解出来ない世界だけど…)
穂乃果(でも、だとしたら…)
穂乃果(こんなに騒いじゃってる穂乃果って…)
穂乃果(すごく失礼なのかも…?)
穂乃果(むしろ堂々とさらけ出してるツバサさんの方がよっぽど偉いんじゃ…?)ジーッ
穂乃果(でもそういえば海未ちゃんとことりちゃんがやたら同性愛云々言ってた)
穂乃果(欧米では同性愛に寛容だとか、女の子同士で子供が出来る細胞だとか…)
穂乃果(ほんとやたらとしつこく)
穂乃果(正直言って穂乃果にはまったく理解出来ない世界だけど…)
穂乃果(でも、だとしたら…)
穂乃果(こんなに騒いじゃってる穂乃果って…)
穂乃果(すごく失礼なのかも…?)
穂乃果(むしろ堂々とさらけ出してるツバサさんの方がよっぽど偉いんじゃ…?)ジーッ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:11:16.70 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「あら?……ふふっ」
ツバサ「さっきから熱心に見つめてるけど…」
穂乃果「ふぇっ、あ、すみません。やっぱり失礼ですよね…」
ツバサ「ううん、それよりもしかして…」
ツバサ「穂乃果さんも、私と同じになりたいの?」クイクイ
穂乃果(仲間に誘われてるぅうう!!??穂乃果のどこを見てそう思ったの!!??)
穂乃果(『あ、こいつ目線がガチレズっぽいな』ってか!?見当違いもいい所だよっ!!)
穂乃果(やっぱり無しだ…いくらツバサさんだからって。私ノンケだし…)
ツバサ「さっきから熱心に見つめてるけど…」
穂乃果「ふぇっ、あ、すみません。やっぱり失礼ですよね…」
ツバサ「ううん、それよりもしかして…」
ツバサ「穂乃果さんも、私と同じになりたいの?」クイクイ
穂乃果(仲間に誘われてるぅうう!!??穂乃果のどこを見てそう思ったの!!??)
穂乃果(『あ、こいつ目線がガチレズっぽいな』ってか!?見当違いもいい所だよっ!!)
穂乃果(やっぱり無しだ…いくらツバサさんだからって。私ノンケだし…)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:12:04.65 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「いや~、わ、私そっちのケは無いというか…」
ツバサ「毛あるじゃない」
穂乃果(いや無いよ!!なんで断定出来るの!!)
ツバサ「まあ無いほうが都合がいいけど」
穂乃果(ノンケでもお構い無し!?逃げ場ないじゃん!?)
ツバサ「なんなら一度見せてみて、こうやって毛を…」ソッ…
穂乃果(ひぃっ、ちゅーされちゃう!?ここは話題をそらして…)
ツバサ「毛あるじゃない」
穂乃果(いや無いよ!!なんで断定出来るの!!)
ツバサ「まあ無いほうが都合がいいけど」
穂乃果(ノンケでもお構い無し!?逃げ場ないじゃん!?)
ツバサ「なんなら一度見せてみて、こうやって毛を…」ソッ…
穂乃果(ひぃっ、ちゅーされちゃう!?ここは話題をそらして…)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:13:04.05 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「あ、あの!!」
ツバサ「ひゃっ、どうしたの大声出して…」ピタッ
穂乃果「ど、どうしてツバサさんは、そんなに堂々とさらけ出せるんですかっ」
ツバサ「どうしてっていわれても…」
穂乃果「だ、だってその…普通隠すものですよね」
ツバサ「そうかしら?」
穂乃果「そ、そうですよ…周りの目とか、怖くないんですか…?」
ツバサ「ちょっと大げさだと思うけど…」
穂乃果(だって実際そうだし、むしろツバサさんの今後が心配になってきたよ…)
ツバサ「…まあ、でもそれは人それぞれだもんね」
ツバサ「ひゃっ、どうしたの大声出して…」ピタッ
穂乃果「ど、どうしてツバサさんは、そんなに堂々とさらけ出せるんですかっ」
ツバサ「どうしてっていわれても…」
穂乃果「だ、だってその…普通隠すものですよね」
ツバサ「そうかしら?」
穂乃果「そ、そうですよ…周りの目とか、怖くないんですか…?」
ツバサ「ちょっと大げさだと思うけど…」
穂乃果(だって実際そうだし、むしろツバサさんの今後が心配になってきたよ…)
ツバサ「…まあ、でもそれは人それぞれだもんね」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:14:39.87 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「うーん…私はね、個人的にこれが好きってのもあるけど」
ツバサ「ある意味、アイドルとしての決意表明でもあるのよね」
穂乃果「決意表明…?」
ツバサ「そ。いつだって綺羅ツバサの全てをファンにぶつけるぞーってね」
穂乃果「いやだからって…」
ツバサ「ファンにも、ファンじゃなくても、いつでも全力でありのまま」
ツバサ「そうして認められたいし、喜んでもらいたい、楽しませてあげたい」
ツバサ「勇気や情熱、元気なんかも与えられたらな…って」
穂乃果「…!」
ツバサ「それが出来ればすごい誇りに思うし、自信にも繋がる。もっともっと高みに行ける」
ツバサ「これはそのためのちょっとした決意の表れ」サス…
ツバサ「私の、アイドルに対する譲れないこだわり…かな」
ツバサ「ま、元々不器用だしね♪」ウインク
ツバサ「ある意味、アイドルとしての決意表明でもあるのよね」
穂乃果「決意表明…?」
ツバサ「そ。いつだって綺羅ツバサの全てをファンにぶつけるぞーってね」
穂乃果「いやだからって…」
ツバサ「ファンにも、ファンじゃなくても、いつでも全力でありのまま」
ツバサ「そうして認められたいし、喜んでもらいたい、楽しませてあげたい」
ツバサ「勇気や情熱、元気なんかも与えられたらな…って」
穂乃果「…!」
ツバサ「それが出来ればすごい誇りに思うし、自信にも繋がる。もっともっと高みに行ける」
ツバサ「これはそのためのちょっとした決意の表れ」サス…
ツバサ「私の、アイドルに対する譲れないこだわり…かな」
ツバサ「ま、元々不器用だしね♪」ウインク
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:15:24.46 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「…」
穂乃果(ツバサさん、そんな風に思ってたんだ)
穂乃果(勇気…かぁ)
穂乃果(私、知ろうともしない世界にとやかく言って…)
穂乃果(よくない事だって勝手に思い込んで…)
穂乃果(世間の人と同じ…自分が恥ずかしいよ)
穂乃果(ツバサさんは、正面からぶつかってるんだ)
穂乃果(世間に、ファンに、そしてツバサさんと同じ…)
穂乃果(周りに理解してもらえない人たちに…)
穂乃果(ツバサさん、そんな風に思ってたんだ)
穂乃果(勇気…かぁ)
穂乃果(私、知ろうともしない世界にとやかく言って…)
穂乃果(よくない事だって勝手に思い込んで…)
穂乃果(世間の人と同じ…自分が恥ずかしいよ)
穂乃果(ツバサさんは、正面からぶつかってるんだ)
穂乃果(世間に、ファンに、そしてツバサさんと同じ…)
穂乃果(周りに理解してもらえない人たちに…)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:16:16.04 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「こんな答えで満足かしら?」
穂乃果「か…」
ツバサ「か?」
穂乃果「感動しましたっ!ツバサさん素敵すぎです!!」
ツバサ「そ、そう…?」ビクッ
穂乃果「はいっ、私もツバサさんの心意気、見習っていきたいです!」
ツバサ「そんなにかしら…?」
ツバサ「まあそういうことなら、良い事聞いたお礼に…」
穂乃果「?」
ツバサ「さらけ出した穂乃果さん、一度見せて♪」
穂乃果「えぇ!?」
穂乃果(確かに見習いたいとは言ったけど…でも、うぅ…)
穂乃果「か…」
ツバサ「か?」
穂乃果「感動しましたっ!ツバサさん素敵すぎです!!」
ツバサ「そ、そう…?」ビクッ
穂乃果「はいっ、私もツバサさんの心意気、見習っていきたいです!」
ツバサ「そんなにかしら…?」
ツバサ「まあそういうことなら、良い事聞いたお礼に…」
穂乃果「?」
ツバサ「さらけ出した穂乃果さん、一度見せて♪」
穂乃果「えぇ!?」
穂乃果(確かに見習いたいとは言ったけど…でも、うぅ…)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:17:32.67 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「ダメ?」
穂乃果「う…その、だってそんなの初めてで…よくわかんない、というか…」モジモジ
穂乃果「恥ずかしいというか…」モジモジ
ツバサ「…」
ツバサ「穂乃果さんって意外と弱気な所もあるのね」
穂乃果「よ、弱気というか…そもそも…」
ツバサ「穂乃果さんなら絶対イケるのにな」
穂乃果(逆にその確信はどこから…ああ、ノンケでもお構いなしなんだっけ)
ツバサ「私みたいにこうしてさらけ出すのって、けっこう勇気いるのかしら」
穂乃果(ツバサさんはもう勇者の領域だよ…)
ツバサ「でも大丈夫よ。穂乃果さんってかなりレベル高いもの♪」
穂乃果(そこまで言われるってことはほんとに…?いやでも…)
穂乃果「う…その、だってそんなの初めてで…よくわかんない、というか…」モジモジ
穂乃果「恥ずかしいというか…」モジモジ
ツバサ「…」
ツバサ「穂乃果さんって意外と弱気な所もあるのね」
穂乃果「よ、弱気というか…そもそも…」
ツバサ「穂乃果さんなら絶対イケるのにな」
穂乃果(逆にその確信はどこから…ああ、ノンケでもお構いなしなんだっけ)
ツバサ「私みたいにこうしてさらけ出すのって、けっこう勇気いるのかしら」
穂乃果(ツバサさんはもう勇者の領域だよ…)
ツバサ「でも大丈夫よ。穂乃果さんってかなりレベル高いもの♪」
穂乃果(そこまで言われるってことはほんとに…?いやでも…)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:18:24.80 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「…まあ無理にとは言わないわ」
ツバサ「でも、いつも自信満々でメンバーを引っ張るあなたじゃない」
ツバサ「皆も一目置くくらい。もちろん私もね」
ツバサ「大丈夫、勇気を出してみて」
ツバサ「誰も笑ったりなんかしないわ」
穂乃果「…」
ツバサ「でも、いつも自信満々でメンバーを引っ張るあなたじゃない」
ツバサ「皆も一目置くくらい。もちろん私もね」
ツバサ「大丈夫、勇気を出してみて」
ツバサ「誰も笑ったりなんかしないわ」
穂乃果「…」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:22:20.13 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(そうか…)
穂乃果(私に何かあっても、いつもμ’sの皆がフォローしてくれる)
穂乃果(そして今は…)
ツバサ「ね?」
穂乃果(わかってくれる先輩…ツバサさんがいるんだ!)
穂乃果(こうなったら、やってみせるよ)
穂乃果(何事も経験、見聞を広めるのは大事って海未ちゃんもよく言ってたし…)
穂乃果(それに、女の子同士のちゅーはカウントされないって言うしね!)
穂乃果(私に何かあっても、いつもμ’sの皆がフォローしてくれる)
穂乃果(そして今は…)
ツバサ「ね?」
穂乃果(わかってくれる先輩…ツバサさんがいるんだ!)
穂乃果(こうなったら、やってみせるよ)
穂乃果(何事も経験、見聞を広めるのは大事って海未ちゃんもよく言ってたし…)
穂乃果(それに、女の子同士のちゅーはカウントされないって言うしね!)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:23:42.60 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「…わかりました、やってみます」
ツバサ「ほんとっ、やったぁ♪」
穂乃果「あ、でもここじゃアレなんで…こっちきてくださいっ」ガシッ
ツバサ「えっ、いいけど…」
ツバサ「そんなに恥ずかしいこと…?」
ツバサ「ほんとっ、やったぁ♪」
穂乃果「あ、でもここじゃアレなんで…こっちきてくださいっ」ガシッ
ツバサ「えっ、いいけど…」
ツバサ「そんなに恥ずかしいこと…?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:25:02.08 ID:TzuwPVK/0
~~~
路地裏
穂乃果「ここなら誰もいないし…いいかな」
ツバサ「穂乃果さんって思った以上に恥ずかしがり屋さんなのね」クスッ
穂乃果(流石に人前ではハードル高すぎるよぉっ)
穂乃果「えと、それじゃあ…」
ツバサ「じゃあさっそく」ソッ…
穂乃果「え、ツバサさんから!?」
ツバサ「?大丈夫よ、すぐ済むわ」
穂乃果(ま、まあ初めてだしこういうのは先輩から…)
路地裏
穂乃果「ここなら誰もいないし…いいかな」
ツバサ「穂乃果さんって思った以上に恥ずかしがり屋さんなのね」クスッ
穂乃果(流石に人前ではハードル高すぎるよぉっ)
穂乃果「えと、それじゃあ…」
ツバサ「じゃあさっそく」ソッ…
穂乃果「え、ツバサさんから!?」
ツバサ「?大丈夫よ、すぐ済むわ」
穂乃果(ま、まあ初めてだしこういうのは先輩から…)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:27:01.81 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(…!いや、まって)
穂乃果(さっき言われたばっかりだ、勇気を出してって)
穂乃果(手助けされてばかりじゃダメ、自分から新しい世界に…)
穂乃果(踏み出すんだ!!)ガシッ
ツバサ「ふへっ、ふぉ、ふぉのかさん!?」
穂乃果(前に見た大人の映画…あれみたいにやれば…!)
穂乃果(両手で相手の顔を挟んで、そのまま…)
穂乃果「い…いきます、ツバサさんっ」ゴクリ
ツバサ「い、いくってどこ………んむっ!?」
ぶちゅうううぅぅっ!!!
穂乃果(さっき言われたばっかりだ、勇気を出してって)
穂乃果(手助けされてばかりじゃダメ、自分から新しい世界に…)
穂乃果(踏み出すんだ!!)ガシッ
ツバサ「ふへっ、ふぉ、ふぉのかさん!?」
穂乃果(前に見た大人の映画…あれみたいにやれば…!)
穂乃果(両手で相手の顔を挟んで、そのまま…)
穂乃果「い…いきます、ツバサさんっ」ゴクリ
ツバサ「い、いくってどこ………んむっ!?」
ぶちゅうううぅぅっ!!!
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:27:55.71 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「んっ!?んむぅっっ!!??」バタバタ
穂乃果「んっんっ!!!」ググッ
穂乃果(ほ、ほんとにキスしちゃったぁ…)
穂乃果(うわ、唇やわらか…ぷにっとして吸い付くみたい…)チュー
穂乃果(思ったより全然イヤじゃない…むしろ…)
穂乃果(っといけないいけない、確か次は一旦離して…)
穂乃果「…っぷぁ」
ツバサ「ぷはっ、は…ほ、ほのかさん…あなた、なに……んみゅ!?」
ちゅっ…ちゅ…
穂乃果「んっんっ!!!」ググッ
穂乃果(ほ、ほんとにキスしちゃったぁ…)
穂乃果(うわ、唇やわらか…ぷにっとして吸い付くみたい…)チュー
穂乃果(思ったより全然イヤじゃない…むしろ…)
穂乃果(っといけないいけない、確か次は一旦離して…)
穂乃果「…っぷぁ」
ツバサ「ぷはっ、は…ほ、ほのかさん…あなた、なに……んみゅ!?」
ちゅっ…ちゅ…
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:28:53.63 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(確かバードキスっていうんだっけ?啄ばむ様に何度も…)チュッチュッ
ツバサ「ちょっんむ……ほのんんっ……や、んちゅぅっ」
穂乃果「ちゅっ…ちゅく…ん…んんっ…」チュッチュッ
穂乃果(こんな玩具あったよね、ちゅっちゅする動く人形の…)
穂乃果(ちょっと楽しくなってきたかも)チュッチュッ…
穂乃果(えーとそれでなんだっけ…?)
穂乃果(あ、なんか舌、舌使ってたよね!)
ツバサ「ちょっんむ……ほのんんっ……や、んちゅぅっ」
穂乃果「ちゅっ…ちゅく…ん…んんっ…」チュッチュッ
穂乃果(こんな玩具あったよね、ちゅっちゅする動く人形の…)
穂乃果(ちょっと楽しくなってきたかも)チュッチュッ…
穂乃果(えーとそれでなんだっけ…?)
穂乃果(あ、なんか舌、舌使ってたよね!)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:29:42.28 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「はあ…は…ちょっと、いいかげんに……ひぅっ」ビク
穂乃果「ちゅ…ちろ…れる…」
穂乃果(唇を丁寧に舐めて…)
穂乃果(端っこまでじっくり…)ペロ…
ツバサ「んやっ…は、ぁ…やめ……んんむっ」
穂乃果(そして口の中に…)
穂乃果(あれ、開けてくれない)
穂乃果「ちゅ…ちろ…れる…」
穂乃果(唇を丁寧に舐めて…)
穂乃果(端っこまでじっくり…)ペロ…
ツバサ「んやっ…は、ぁ…やめ……んんむっ」
穂乃果(そして口の中に…)
穂乃果(あれ、開けてくれない)
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:30:37.59 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「っはぁ…ツバサさん、お口開けてくれないと…」
ツバサ「な…なんで、なんでよ…こんなの…っ」
穂乃果「なんでって…あっ」
穂乃果(そっか、そんな簡単に頼っちゃダメだよね…)
穂乃果(自分で答えを見つけて、道を切り開かなきゃ)
穂乃果(ありがとうツバサさん!)
ツバサ「いいから、はやく手をはな……んんんっ!?」
ツバサ「んみゃっ、やっ…ぢゅっ…も、やぁ…」
穂乃果(開けてもらうんじゃない、開けさせてみせるんだ)
ツバサ「な…なんで、なんでよ…こんなの…っ」
穂乃果「なんでって…あっ」
穂乃果(そっか、そんな簡単に頼っちゃダメだよね…)
穂乃果(自分で答えを見つけて、道を切り開かなきゃ)
穂乃果(ありがとうツバサさん!)
ツバサ「いいから、はやく手をはな……んんんっ!?」
ツバサ「んみゃっ、やっ…ぢゅっ…も、やぁ…」
穂乃果(開けてもらうんじゃない、開けさせてみせるんだ)
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:31:40.04 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「んっ…れる」
ツバサ「んひゃっ!?」ビク
穂乃果(歯を舌でゴシゴシするよ)チュル…チロ…
穂乃果(一本一本…丁寧に…)レロ…
ツバサ「んんっ…んひ…」
穂乃果(歯茎も舐めてみよう)クチュ…
穂乃果(歯ブラシで優しく撫でるとキモチイイもんね)
穂乃果(あはっ穂乃果の舌、ツバサさんの歯ブラシになったみたい♪)レロ…
ツバサ「んひゃっ!?」ビク
穂乃果(歯を舌でゴシゴシするよ)チュル…チロ…
穂乃果(一本一本…丁寧に…)レロ…
ツバサ「んんっ…んひ…」
穂乃果(歯茎も舐めてみよう)クチュ…
穂乃果(歯ブラシで優しく撫でるとキモチイイもんね)
穂乃果(あはっ穂乃果の舌、ツバサさんの歯ブラシになったみたい♪)レロ…
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:32:42.73 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「んぶ…ぃん…ぁ…ひゃ、ぁ…っ」ゾクゾク
穂乃果「れお…ぢゅっ、ちく…チュルッ…」
ツバサ「ふひっ、ン…ぉあ…ぴちゅ…ぁぁ…」ダラン…
穂乃果(あ、お口が開いたっ!やた!)
穂乃果(すかさず舌を…滑りこませる!)
にゅるん
ツバサ「…っっっ!!??」ビクビク
穂乃果「れお…ぢゅっ、ちく…チュルッ…」
ツバサ「ふひっ、ン…ぉあ…ぴちゅ…ぁぁ…」ダラン…
穂乃果(あ、お口が開いたっ!やた!)
穂乃果(すかさず舌を…滑りこませる!)
にゅるん
ツバサ「…っっっ!!??」ビクビク
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:35:04.58 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(わ…なにこれ、すご…っ)
穂乃果(これが、ツバサさんの舌…まるで別の生き物みたい…)
穂乃果(あったかくて、つるつる、ぬるぬる…すごくやわらかい…)
穂乃果「はへ…あ…ちゅばささん…んれるっ…」
ツバサ「へ…ぉぶっ…ほろか…しゃん…やぁ…っ」
穂乃果(ツバサさんの甘い唾液、熱い吐息…)チュルチュル
穂乃果(穂乃果のと混ざり合って、このまま一つになっちゃいそう…)
穂乃果(これ、やばいよぉ…止まらない…)
穂乃果(脳が揺さぶられてるみたい…キモチイイ!!!)
にゅる…れろ…
穂乃果(これが、ツバサさんの舌…まるで別の生き物みたい…)
穂乃果(あったかくて、つるつる、ぬるぬる…すごくやわらかい…)
穂乃果「はへ…あ…ちゅばささん…んれるっ…」
ツバサ「へ…ぉぶっ…ほろか…しゃん…やぁ…っ」
穂乃果(ツバサさんの甘い唾液、熱い吐息…)チュルチュル
穂乃果(穂乃果のと混ざり合って、このまま一つになっちゃいそう…)
穂乃果(これ、やばいよぉ…止まらない…)
穂乃果(脳が揺さぶられてるみたい…キモチイイ!!!)
にゅる…れろ…
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:36:14.12 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「はへぇっ…ぴちゃ…ちゅばっ…な、なにこえ…?あ、ああぁ…っ」
穂乃果「ちゅく…レル…んにゅっ…ぢゅっ」
ツバサ「ひゃ…ひゃら…ぉんぶっ…こん、らお…知らな、んんんっ」ゾクゾクゾク
穂乃果(穂乃果も知らなかった…レズがこんなにキモチイイことだったなんて…)
穂乃果(…はっ、ダメダメ!これはあくまでお試しなんだから)
穂乃果(すっごいキモチイイけど…穂乃果はノンケなんだからね!)レロンッ
ツバサ「あ、ひゃっ…ら、らえっ!…うわあご、びんかんんんっっ!!??」ビクビクッ
穂乃果「れろえろっ…んんっ、ンッ…ろる、ちゅぷ、ちゅぴ…」
ツバサ「ぁ…ぁあっ…んびゅっ…へぇ…ぁ…」ボー…
穂乃果「ちゅく…レル…んにゅっ…ぢゅっ」
ツバサ「ひゃ…ひゃら…ぉんぶっ…こん、らお…知らな、んんんっ」ゾクゾクゾク
穂乃果(穂乃果も知らなかった…レズがこんなにキモチイイことだったなんて…)
穂乃果(…はっ、ダメダメ!これはあくまでお試しなんだから)
穂乃果(すっごいキモチイイけど…穂乃果はノンケなんだからね!)レロンッ
ツバサ「あ、ひゃっ…ら、らえっ!…うわあご、びんかんんんっっ!!??」ビクビクッ
穂乃果「れろえろっ…んんっ、ンッ…ろる、ちゅぷ、ちゅぴ…」
ツバサ「ぁ…ぁあっ…んびゅっ…へぇ…ぁ…」ボー…
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:36:57.91 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(ツバサさんの力が抜けてきた…?)
穂乃果(舌が垂れ下がって…)
穂乃果(!…よーし、これを)
はむっ
ツバサ「ふへ…?」
ぢゅぞぞぞぞっっ…
穂乃果(舌が垂れ下がって…)
穂乃果(!…よーし、これを)
はむっ
ツバサ「ふへ…?」
ぢゅぞぞぞぞっっ…
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:37:47.74 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「ぅびゅっぉ、んぼっ!?」ゾクッ
穂乃果「んぢゅっヂュグっんヂュっんヂュっぢゅうぅぅぅっっ」
ツバサ「や、は…舌、吸っぢゃ…オッ、おぁぁぁぁっっ……」ゾクゾクゾクッ
穂乃果(棒アイス舐めるみたいに…温度は全然違うけどね)
穂乃果(咄嗟に思いついたけど…これってやりすぎかなぁ…)
穂乃果(いや、こうなったらとことん挑戦!飛び込む勇気に賛成!だよね)
穂乃果(ファイトだよっ!私っ)ヂュゥゥ
穂乃果「んぢゅっヂュグっんヂュっんヂュっぢゅうぅぅぅっっ」
ツバサ「や、は…舌、吸っぢゃ…オッ、おぁぁぁぁっっ……」ゾクゾクゾクッ
穂乃果(棒アイス舐めるみたいに…温度は全然違うけどね)
穂乃果(咄嗟に思いついたけど…これってやりすぎかなぁ…)
穂乃果(いや、こうなったらとことん挑戦!飛び込む勇気に賛成!だよね)
穂乃果(ファイトだよっ!私っ)ヂュゥゥ
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:38:58.31 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「んヂュッ、んぢゅるっ、んっんぼっ、ぢゅぅぅぅぅぅっっっ!」
ツバサ「やらっ、ぇあっ、ぉぼっ、ぉおっああぁぁぁっ…」ガクガクガク…
ツバサ「ぃ…ひぐぅっ!?」ビグンッ
穂乃果(ふぇ、な、何!?)ドキッ
穂乃果(え、白目向いちゃってる!?)
ツバサ「ぉ……ぉあ……」ズル…
穂乃果(あ、危ないっ)
だきっ
ツバサ「やらっ、ぇあっ、ぉぼっ、ぉおっああぁぁぁっ…」ガクガクガク…
ツバサ「ぃ…ひぐぅっ!?」ビグンッ
穂乃果(ふぇ、な、何!?)ドキッ
穂乃果(え、白目向いちゃってる!?)
ツバサ「ぉ……ぉあ……」ズル…
穂乃果(あ、危ないっ)
だきっ
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:40:20.81 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(ほっ、崩れ落ちるところだった…)
穂乃果「だ、大丈夫ですか、ツバサさん?」
ツバサ「ア、はぁっ……ひへ……」ピク…ピク…
穂乃果「つ、ツバサさん?」
ツバサ「……だ、だいじょうぶなわけ…ないれしょ…」ハァ…ハァ…
穂乃果「あ、あはは、初めてだから加減が分からなくて…」
ツバサ「は、ぁ……?」
穂乃果「でも凄く奥が深い世界なんですね」
ツバサ「さっきから…なんのことなのぉ…」ハァ…ハァ…
穂乃果「まあ穂乃果はノンケなので、これ以上は…」
ツバサ「………うぅっ」ジワ…
ツバサ「いみ、わかんないよぉ…」ウル
穂乃果「だ、大丈夫ですか、ツバサさん?」
ツバサ「ア、はぁっ……ひへ……」ピク…ピク…
穂乃果「つ、ツバサさん?」
ツバサ「……だ、だいじょうぶなわけ…ないれしょ…」ハァ…ハァ…
穂乃果「あ、あはは、初めてだから加減が分からなくて…」
ツバサ「は、ぁ……?」
穂乃果「でも凄く奥が深い世界なんですね」
ツバサ「さっきから…なんのことなのぉ…」ハァ…ハァ…
穂乃果「まあ穂乃果はノンケなので、これ以上は…」
ツバサ「………うぅっ」ジワ…
ツバサ「いみ、わかんないよぉ…」ウル
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:41:29.66 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「え、どこか痛むんですかっ、ツバサさ…」
ツバサ「ひどいじゃない…ほのかさぁん…」ポロポロ
ツバサ「なんで…ひっ、こんなことしたの…」ポロポロポロ…
穂乃果「あ」トゥンク…
ツバサ「ひどいじゃない…ほのかさぁん…」ポロポロ
ツバサ「なんで…ひっ、こんなことしたの…」ポロポロポロ…
穂乃果「あ」トゥンク…
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:42:44.85 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(よだれと涙で顔はぐちゃぐちゃ…)
穂乃果(汗で髪がほっぺやおでこに張り付いて…)
穂乃果(すごく、いやらしいよ…)ドキドキ…
穂乃果(その声と表情見てたら…)ドキドキドキ…
穂乃果(なんか…なんか無性に…)ドクンドクン
穂乃果(ああ…これがそうなんだ)
穂乃果(汗で髪がほっぺやおでこに張り付いて…)
穂乃果(すごく、いやらしいよ…)ドキドキ…
穂乃果(その声と表情見てたら…)ドキドキドキ…
穂乃果(なんか…なんか無性に…)ドクンドクン
穂乃果(ああ…これがそうなんだ)
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:43:49.80 ID:TzuwPVK/0
穂乃果(お父さん、お母さん、そして雪穂)
穂乃果(親不孝な娘で申し訳ありません)
穂乃果(穂乃果は…)
穂乃果(ユメノトビラを開いてしまいました)
ツバサ「せつめいしてよ、いったいどういう…」
ガシッ
ツバサ「ふぇ!?ほのかさ……」
ちゅぅうううううう
穂乃果(親不孝な娘で申し訳ありません)
穂乃果(穂乃果は…)
穂乃果(ユメノトビラを開いてしまいました)
ツバサ「せつめいしてよ、いったいどういう…」
ガシッ
ツバサ「ふぇ!?ほのかさ……」
ちゅぅうううううう
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:44:36.55 ID:TzuwPVK/0
~~~
ツバサ「ぁ…ぁ…」ガクガク
穂乃果「ツバサさん、ありがとうございます」テカテカ
穂乃果「ツバサさんのおかげで新しい自分に出会いました!」ツヤツヤ
ツバサ「ひ…ぃ…っ」ビクンビクン
穂乃果「穂乃果…」
穂乃果「ガチレズになります!!」
ツバサ「ぁ…ぁ…」ガクガク
穂乃果「ツバサさん、ありがとうございます」テカテカ
穂乃果「ツバサさんのおかげで新しい自分に出会いました!」ツヤツヤ
ツバサ「ひ…ぃ…っ」ビクンビクン
穂乃果「穂乃果…」
穂乃果「ガチレズになります!!」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:45:48.32 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「そしてツバサさん、私ツバサさんのことが…」
穂乃果「好きです!!付き合ってください!!!」
ツバサ「も…むり…」ヒューヒュー
穂乃果「アイドルとして、そしてガチレズとして凄く尊敬してます」
穂乃果「もー大好きになっちゃいました♪」カプッ チュゥゥ
ツバサ「んひぃぃっ下くちびる吸っちゃらめぇぇぇっ!?」ビクンビクン
穂乃果「好きです!!付き合ってください!!!」
ツバサ「も…むり…」ヒューヒュー
穂乃果「アイドルとして、そしてガチレズとして凄く尊敬してます」
穂乃果「もー大好きになっちゃいました♪」カプッ チュゥゥ
ツバサ「んひぃぃっ下くちびる吸っちゃらめぇぇぇっ!?」ビクンビクン
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:46:41.78 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「ぢゅぅぅぅ…いいですよね?いいですよね?」ジュルゥゥ
ツバサ「ひょっ…ひょんな、こと…ぉぉぉっっ」ゾクゾク
穂乃果「むー、良いって言ってっ」ニュルン ジュクジュク
ツバサ「ひへっ!?舌ゴシゴシっ、やめへぇっ……い、いい!いいからぁっっ!」
穂乃果「えへへ、やったぁ♪」
ツバサ「ぁぁ…ぉあぁぁ…」ゼハーゼハー
ツバサ「ひょっ…ひょんな、こと…ぉぉぉっっ」ゾクゾク
穂乃果「むー、良いって言ってっ」ニュルン ジュクジュク
ツバサ「ひへっ!?舌ゴシゴシっ、やめへぇっ……い、いい!いいからぁっっ!」
穂乃果「えへへ、やったぁ♪」
ツバサ「ぁぁ…ぉあぁぁ…」ゼハーゼハー
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:48:59.57 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「じゃあ恋人らしく、誓いのキス…ってそれ以上のこともうしちゃったし」
穂乃果「あ、そうだ!舌出して、ツバサさん♪」
ツバサ「ぁは…は、は…はひ…」レロン
穂乃果「じゃ、舌をべったりくっつける感じで…んじゅっ」ベチョ…
ツバサ「じゅぞ……ぁ、はあ……」
ツバサ「ぁぁ……」グデッ…
穂乃果「ありゃ、ツバサさん寝ちゃった…」
穂乃果「んー、仕方ないか。誰もいないし、しばらくここで休憩しよ」
穂乃果「あ、そうだ!舌出して、ツバサさん♪」
ツバサ「ぁは…は、は…はひ…」レロン
穂乃果「じゃ、舌をべったりくっつける感じで…んじゅっ」ベチョ…
ツバサ「じゅぞ……ぁ、はあ……」
ツバサ「ぁぁ……」グデッ…
穂乃果「ありゃ、ツバサさん寝ちゃった…」
穂乃果「んー、仕方ないか。誰もいないし、しばらくここで休憩しよ」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:49:47.27 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「…ふふ、ツバサさんの寝顔かわいー♪」
穂乃果「あ、汗でオデコの文字が消えかかってる」
穂乃果「ハンカチでキレイにしてあげよっと」フキフキ
穂乃果「それにしても、ガチレズと聞いてどうなることかと思ったけど…」
穂乃果「ツバサさんを信じてよかった」
穂乃果「…へへ」
穂乃果「これからよろしくね、ツバサちゃん♪」
穂乃果「あ、汗でオデコの文字が消えかかってる」
穂乃果「ハンカチでキレイにしてあげよっと」フキフキ
穂乃果「それにしても、ガチレズと聞いてどうなることかと思ったけど…」
穂乃果「ツバサさんを信じてよかった」
穂乃果「…へへ」
穂乃果「これからよろしくね、ツバサちゃん♪」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:50:52.52 ID:TzuwPVK/0
~~~
UTX学院
あんじゅ「ふふ…」キュポ キュポ
英玲奈「マジックペンなんか持ってどうしたんだ」
あんじゅ「ちょっと落書きをね」
英玲奈「なんだ、教科書にでも落書きしたのか」
あんじゅ「ううん、ツバサのお・で・こ♪」
英玲奈「は?」
あんじゅ「さっきそこでうたた寝してるときにちょっとねー」
英玲奈「子供かおまえは…なんだ、第三の目でも書いたか」
UTX学院
あんじゅ「ふふ…」キュポ キュポ
英玲奈「マジックペンなんか持ってどうしたんだ」
あんじゅ「ちょっと落書きをね」
英玲奈「なんだ、教科書にでも落書きしたのか」
あんじゅ「ううん、ツバサのお・で・こ♪」
英玲奈「は?」
あんじゅ「さっきそこでうたた寝してるときにちょっとねー」
英玲奈「子供かおまえは…なんだ、第三の目でも書いたか」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:51:40.66 ID:TzuwPVK/0
あんじゅ「ガチレズ」
英玲奈「………は?」
あんじゅ「ガチレズ」
英玲奈「…すまんもういちど「ガチレズ」
あんじゅ「ガチレズ…って書いたの♪」
英玲奈「…それはあんじゅが考えた架空生物の絵…「文字よ」
あんじゅ「カタカナで、オデコいっぱいにね」
英玲奈「………は?」
あんじゅ「ガチレズ」
英玲奈「…すまんもういちど「ガチレズ」
あんじゅ「ガチレズ…って書いたの♪」
英玲奈「…それはあんじゅが考えた架空生物の絵…「文字よ」
あんじゅ「カタカナで、オデコいっぱいにね」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:52:39.01 ID:TzuwPVK/0
英玲奈「…」
英玲奈「…ツバサは今どこに」
あんじゅ「外にご飯食べに行ったみたいよ」
英玲奈「…」
あんじゅ「落書きがばれないように外に出すの苦労したわぁ」
英玲奈「…」
英玲奈「ばかかおまえばっっっっっかじゃないのか!!またはアホか!!!!」
英玲奈「何故そんなことをした!!??」
英玲奈「…ツバサは今どこに」
あんじゅ「外にご飯食べに行ったみたいよ」
英玲奈「…」
あんじゅ「落書きがばれないように外に出すの苦労したわぁ」
英玲奈「…」
英玲奈「ばかかおまえばっっっっっかじゃないのか!!またはアホか!!!!」
英玲奈「何故そんなことをした!!??」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:54:18.24 ID:TzuwPVK/0
あんじゅ「なにようるさいわねぇ」
英玲奈「黙れ!とにかくツバサに電話を…」
あんじゅ「携帯ならここに」ヒラヒラ
英玲奈「あぁあああああ……おま、おまえどういうつもりで…?」ワナワナ
あんじゅ「画期的なアイデアよ、ガチレズと書いておけば男は寄ってこない」
英玲奈「男どころか一般人ドン引きだわ!!」
あんじゅ「仮にレズビアンに出会ったとしても、ツバサはノンケだから無問題」
あんじゅ「アイドルに致命的な恋愛沙汰ともおさらばってわけ♪」
英玲奈「そのままアイドル界からもおさらばだ馬鹿者!!」
英玲奈「一度そんなネタが出たらどこまでも付いて回るぞ!!」
英玲奈「ましてツバサ本人に全く罪は無いのに…面白半分にとんでもない事をしでかしたなお前!」
あんじゅ「まあ待ってよ、その点についてもダイジョーブ」
あんじゅ「むしろそっちがメインだったり♪」ニヤ…
英玲奈「なんなのだそれはぁ!」
英玲奈「黙れ!とにかくツバサに電話を…」
あんじゅ「携帯ならここに」ヒラヒラ
英玲奈「あぁあああああ……おま、おまえどういうつもりで…?」ワナワナ
あんじゅ「画期的なアイデアよ、ガチレズと書いておけば男は寄ってこない」
英玲奈「男どころか一般人ドン引きだわ!!」
あんじゅ「仮にレズビアンに出会ったとしても、ツバサはノンケだから無問題」
あんじゅ「アイドルに致命的な恋愛沙汰ともおさらばってわけ♪」
英玲奈「そのままアイドル界からもおさらばだ馬鹿者!!」
英玲奈「一度そんなネタが出たらどこまでも付いて回るぞ!!」
英玲奈「ましてツバサ本人に全く罪は無いのに…面白半分にとんでもない事をしでかしたなお前!」
あんじゅ「まあ待ってよ、その点についてもダイジョーブ」
あんじゅ「むしろそっちがメインだったり♪」ニヤ…
英玲奈「なんなのだそれはぁ!」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:55:12.49 ID:TzuwPVK/0
あんじゅ「考えてもみてよ」
あんじゅ「突然自分がガチレズと言われ、世間に後ろ指を指され、ネットは炎上、アンチの中傷等々…」
あんじゅ「流石のツバサもすっかり参ってしまうわよね?…そこで私の登場!」
あんじゅ「大丈夫、私だけはツバサの味方だよ…と優しい言葉で慰めればあら不思議!」
あんじゅ「世間に裏切られ、孤独に落ちたツバサは、私という居場所に安息を求め…」
あんじゅ「徐々に依存していき、離れられなくなるの」
あんじゅ「かくしてツバサは…」
あんじゅ「ワタシのも・の♪」ニッコリ
あんじゅ「突然自分がガチレズと言われ、世間に後ろ指を指され、ネットは炎上、アンチの中傷等々…」
あんじゅ「流石のツバサもすっかり参ってしまうわよね?…そこで私の登場!」
あんじゅ「大丈夫、私だけはツバサの味方だよ…と優しい言葉で慰めればあら不思議!」
あんじゅ「世間に裏切られ、孤独に落ちたツバサは、私という居場所に安息を求め…」
あんじゅ「徐々に依存していき、離れられなくなるの」
あんじゅ「かくしてツバサは…」
あんじゅ「ワタシのも・の♪」ニッコリ
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:56:32.09 ID:TzuwPVK/0
英玲奈(こ、こいつ…人の人生をなんだと…っ!)
英玲奈(あんじゅという名が聞いて呆れる…)
英玲奈(まさに堕天使じゃないか…いや、むしろ悪魔そのもの…!)
英玲奈(前からツバサの事を異常に好き過ぎるとは思っていたが…)
英玲奈(ここまで思い切った事をするのは…やはりμ’sの…)
英玲奈(あんじゅという名が聞いて呆れる…)
英玲奈(まさに堕天使じゃないか…いや、むしろ悪魔そのもの…!)
英玲奈(前からツバサの事を異常に好き過ぎるとは思っていたが…)
英玲奈(ここまで思い切った事をするのは…やはりμ’sの…)
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:57:41.43 ID:TzuwPVK/0
あんじゅ「うふっ、μ’sはレズ集団って噂があるみたいだけど…」
あんじゅ「穂乃果さんはノンケだって調べは付いてるのよ」
あんじゅ「今頃穂乃果さんにでも遭遇して、気持ち悪い…とか言われてるのかしら?」
あんじゅ「ショックよねぇ、一番のお気に入りにそんな言葉浴びせられたら」
あんじゅ「でも安心よツバサ、ワタシがちゃぁぁぁぁんと愛してアゲル♪」
あんじゅ「ふふ、うふふふ、うふふふふふふふふふふ…」
英玲奈「ああ、もうおしまいだ…あんな目立つオデコ、通行人が気付かないはずが無い…」ガクッ
英玲奈「ツバサは、いやA-RISEはもう…」
英玲奈「奇跡でも起こらない限り…」
あんじゅ「穂乃果さんはノンケだって調べは付いてるのよ」
あんじゅ「今頃穂乃果さんにでも遭遇して、気持ち悪い…とか言われてるのかしら?」
あんじゅ「ショックよねぇ、一番のお気に入りにそんな言葉浴びせられたら」
あんじゅ「でも安心よツバサ、ワタシがちゃぁぁぁぁんと愛してアゲル♪」
あんじゅ「ふふ、うふふふ、うふふふふふふふふふふ…」
英玲奈「ああ、もうおしまいだ…あんな目立つオデコ、通行人が気付かないはずが無い…」ガクッ
英玲奈「ツバサは、いやA-RISEはもう…」
英玲奈「奇跡でも起こらない限り…」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 17:59:03.38 ID:TzuwPVK/0
がちゃ
ツバサ「ただいま」
英玲奈「おぉっ、つ、ツバサっ!?」
ツバサ「なによ、帰ってくるなり…」
英玲奈「お前、だ、大丈夫だったか…?」
あんじゅ「…」ニコニコ
ツバサ「なにが?」
英玲奈「なにがってその…あれ?」
あんじゅ「…?」
ツバサ「ただいま」
英玲奈「おぉっ、つ、ツバサっ!?」
ツバサ「なによ、帰ってくるなり…」
英玲奈「お前、だ、大丈夫だったか…?」
あんじゅ「…」ニコニコ
ツバサ「なにが?」
英玲奈「なにがってその…あれ?」
あんじゅ「…?」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:00:17.51 ID:TzuwPVK/0
英玲奈「お前、落書きは…?」
ツバサ「落書き?」
英玲奈「あ、ああ…、その、オデコにガチレズだなどと…」
ツバサ「…あなたも同じ事言うのね、もしかして私ってそういう人に見えるの?」
英玲奈「い、いやそんなことは……同じ?」
あんじゅ「え、なに…どういうこと…?」ボソボソ…
ツバサ「ええ……実はあなた達に話すことがあるの」
英玲奈「あ、ああ…聞こう」
あんじゅ「…」ブツブツ…
ツバサ「私ね…」
ツバサ「彼女が出来たわ」
ツバサ「落書き?」
英玲奈「あ、ああ…、その、オデコにガチレズだなどと…」
ツバサ「…あなたも同じ事言うのね、もしかして私ってそういう人に見えるの?」
英玲奈「い、いやそんなことは……同じ?」
あんじゅ「え、なに…どういうこと…?」ボソボソ…
ツバサ「ええ……実はあなた達に話すことがあるの」
英玲奈「あ、ああ…聞こう」
あんじゅ「…」ブツブツ…
ツバサ「私ね…」
ツバサ「彼女が出来たわ」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:01:12.43 ID:TzuwPVK/0
あんじゅ「」
英玲奈「」
ツバサ「よくわかんないうちに…変な話だけど…」
英玲奈「…そ、それはなんというか」
あんじゅ「」
英玲奈「あー…相手は誰なんだ?」
ツバサ「それはね…「ツバサちゃーん」
穂乃果「もう入っても大丈夫?」ヒョコ
あんじゅ「」
英玲奈「な、なんと…!」
英玲奈「」
ツバサ「よくわかんないうちに…変な話だけど…」
英玲奈「…そ、それはなんというか」
あんじゅ「」
英玲奈「あー…相手は誰なんだ?」
ツバサ「それはね…「ツバサちゃーん」
穂乃果「もう入っても大丈夫?」ヒョコ
あんじゅ「」
英玲奈「な、なんと…!」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:02:18.05 ID:TzuwPVK/0
ツバサ「いいわよ。…ご覧の通り、穂乃果さんよ」
穂乃果「えへへ、こんにちは英玲奈さんあんじゅさん!」
穂乃果「ツバサちゃんとお付き合いする事になりました♪」
穂乃果「高坂穂乃果です!ってもう知ってますよね」アハハ
英玲奈「そ、そうか…何とも意外な結末に落ち着いたものだ」
英玲奈「まあ、あんじゅにしてみれば因果応報というやつか」
あんじゅ「」
穂乃果「えへへ、こんにちは英玲奈さんあんじゅさん!」
穂乃果「ツバサちゃんとお付き合いする事になりました♪」
穂乃果「高坂穂乃果です!ってもう知ってますよね」アハハ
英玲奈「そ、そうか…何とも意外な結末に落ち着いたものだ」
英玲奈「まあ、あんじゅにしてみれば因果応報というやつか」
あんじゅ「」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:04:21.38 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「んふふ…ツバサちゃん♪」ギュッ
ツバサ「ひゃっ」
穂乃果「私たちってすっごくお似合いだよねっ」
ツバサ「またそれ?」
穂乃果「リーダー同士、そしてガチレズ同士、ね♪」スリスリ
ツバサ「だからそんな落書きありえないってば」
穂乃果「オデコにでかでかと書いてあったもん」
ツバサ「何も書いてないじゃない」
穂乃果「それはツバサちゃんが寝てる間に拭いてあげたから…」
ツバサ「嘘おっしゃい。大体あなた、このデコ出しについて散々質問してきたじゃない」
穂乃果「だからそれはガチレズのことで…」
ツバサ「今頃になって照れてるの?あんな大胆すぎる告白しといて」
穂乃果「もーっ、信じてくれないんだぁ」
ツバサ「ひゃっ」
穂乃果「私たちってすっごくお似合いだよねっ」
ツバサ「またそれ?」
穂乃果「リーダー同士、そしてガチレズ同士、ね♪」スリスリ
ツバサ「だからそんな落書きありえないってば」
穂乃果「オデコにでかでかと書いてあったもん」
ツバサ「何も書いてないじゃない」
穂乃果「それはツバサちゃんが寝てる間に拭いてあげたから…」
ツバサ「嘘おっしゃい。大体あなた、このデコ出しについて散々質問してきたじゃない」
穂乃果「だからそれはガチレズのことで…」
ツバサ「今頃になって照れてるの?あんな大胆すぎる告白しといて」
穂乃果「もーっ、信じてくれないんだぁ」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:06:54.12 ID:TzuwPVK/0
英玲奈「…きっかけはともかく、仲睦まじいようで何よりだな」
英玲奈「恋人として、そしてライバルとして、互いに高めあっていけるだろう」フフッ
英玲奈「これでわかったかあんじゅ、ズルイことはしちゃだめなのよってことだ」
英玲奈「なんてな、ははは」
英玲奈「……あんじゅ?」
あんじゅ「…」
英玲奈「恋人として、そしてライバルとして、互いに高めあっていけるだろう」フフッ
英玲奈「これでわかったかあんじゅ、ズルイことはしちゃだめなのよってことだ」
英玲奈「なんてな、ははは」
英玲奈「……あんじゅ?」
あんじゅ「…」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:07:57.24 ID:TzuwPVK/0
穂乃果「こうなったら…れろっ」
ツバサ「ひゃんっ、耳、舐めないでぇ…」ビクン
穂乃果「へへ、さっきスマホで調べたんだ。耳ってセイカンタイなんだって」ハムッ
ツバサ「ぁ、ひんっ、や…はぁぁっ…」ゾクゾク
穂乃果「ちゅるっ…ちろ…ねえ、信じてよぉ…んぢゅぅッ」
ツバサ「は、は…あんっ…わ、わかった…わかったからぁ…んんんっっっ!」ビクビクッ
ツバサ「こ、こういうのは、ぅんっ…部屋でしましょ…ね?」
穂乃果「…えへへ、はーい♪」
ツバサ「ひゃんっ、耳、舐めないでぇ…」ビクン
穂乃果「へへ、さっきスマホで調べたんだ。耳ってセイカンタイなんだって」ハムッ
ツバサ「ぁ、ひんっ、や…はぁぁっ…」ゾクゾク
穂乃果「ちゅるっ…ちろ…ねえ、信じてよぉ…んぢゅぅッ」
ツバサ「は、は…あんっ…わ、わかった…わかったからぁ…んんんっっっ!」ビクビクッ
ツバサ「こ、こういうのは、ぅんっ…部屋でしましょ…ね?」
穂乃果「…えへへ、はーい♪」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:10:00.16 ID:TzuwPVK/0
英玲奈「おいあんじゅ、バカな真似はやめてくれよ」
あんじゅ「…そんなことしないわよ」
英玲奈「そうか、ならよかった」
あんじゅ「好きな人の恋路は応援しなきゃ、でしょ?」
英玲奈「偉いぞ、あんじゅ」
あんじゅ「それに、なんだかね…」
英玲奈「うん?」
あんじゅ「目の前で他の女に感じさせられてるツバサを見て…」
あんじゅ「すっごく興奮してる自分がいるの」
あんじゅ「完っ全に大興奮」ハァハァ
英玲奈(…まともなのは私だけだったのか)
あんじゅ「…そんなことしないわよ」
英玲奈「そうか、ならよかった」
あんじゅ「好きな人の恋路は応援しなきゃ、でしょ?」
英玲奈「偉いぞ、あんじゅ」
あんじゅ「それに、なんだかね…」
英玲奈「うん?」
あんじゅ「目の前で他の女に感じさせられてるツバサを見て…」
あんじゅ「すっごく興奮してる自分がいるの」
あんじゅ「完っ全に大興奮」ハァハァ
英玲奈(…まともなのは私だけだったのか)
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:10:55.55 ID:TzuwPVK/0
ほのツバ「」イチャイチャ
あんじゅ「」ハァハァ
英玲奈(………あれ?)
英玲奈(私だけ、だよな…?)ポツーン
あんじゅ「」ハァハァ
英玲奈(………あれ?)
英玲奈(私だけ、だよな…?)ポツーン
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:11:22.70 ID:TzuwPVK/0
おわり
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:12:28.83 ID:zMCPurQno
ことうみもNTRに目覚めるパターン
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:12:29.32 ID:/l6C6MIAO
乙
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:27:39.16 ID:fBd9WONFO
ほのツバ好きだからもっと増えてほしい
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 18:39:40.57 ID:VkUb1XecO
ほのツバすき
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 19:02:36.43 ID:9nmDwx/no
これやってること男女関係ないけどガチレズ関係あったんですかね…
いや愛さえあれば…おつ
いや愛さえあれば…おつ
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/11(水) 19:17:22.75 ID:UsLEaFRr0
これはいいほのツバ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447229197/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (0)
【艦これ】提督「少しだけいつもと違う」 愛宕「日常」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:31:33.63 ID:RzDXO0boO
艦これ
あたごんあんまり見かけませんよね
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:36:56.30 ID:RzDXO0boO
愛宕『うふっ、どうしました? 』
提督「……はぁ」
愛宕「どうしました? まだ半分もお仕事が残ってるけど」
提督「……だからだよ」
愛宕「んー……確かに最近執務ばかりだものね。
わたしも副官としての振る舞いが板についちゃって」
提督「お前はまだいいだろ? いいこととは言えないが週に一度は出撃してるわけだしな」
愛宕「そうだけど。提督も出撃してみる? 」
提督「誰も止めないならな」
愛宕「……」
提督「……」
愛宕「……ほんと? 」
提督「さぁ? 」
愛宕「まったく……無茶はやめてよね」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:39:11.29 ID:RzDXO0boO
愛宕『高雄型の2番艦、愛宕よ、うふふ。
呉海軍工廠で生まれたの。バランスがとれた重武装ボディでしょ?
レイテ沖の決戦では、第一遊撃部隊の旗艦として出撃したんだけど……ま、そんなこともあるわよね』
提督「そういえばさ」
愛宕「はい? 」
提督「以外というかなんというか愛宕ってあんまり長くは喋らないよな」
愛宕「そうかしら? 」
提督「おう。なんか一番長いセリフ聞いたのが自己紹介な気がする」
愛宕「よく覚えてるんですね」
提督「お前のことだからな」
愛宕「んもぅ、提督ったらぁ 」ギュッ
提督(言葉より先にスキンシップ……これが噂のビッ
愛宕「ん? 」ニコッ
提督「……愛宕さん暖かいですねって」
愛宕「はい♪ 」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:40:59.62 ID:RzDXO0boO
愛宕『高雄型の2番艦、愛宕よ、うふふ。
呉海軍工廠で生まれたの。バランスがとれた重武装ボディでしょ?
レイテ沖の決戦では、第一遊撃部隊の旗艦として出撃したんだけど……ま、そんなこともあるわよね②』
提督「……ちょっと離れて。右肩と右足が重い」
愛宕「えぇ〜……重いとか言っちゃいます? 」
提督「お前相手だからな」
愛宕「うーん……それは嬉しくなーい」
提督「そうかい。……はい、どうも。いっつも右側だから最近は左に傾いて座ってる気がするよ」
愛宕「バランスをとってると? なんなら正面から座っちゃいます? ほら、夜みた」
提督「はい、この話は終わり。今はまだ執務中なのです」
愛宕「んもぅ、提督は恥ずかしがり屋さんですね」
提督「…………お前がオープン過ぎるだけだぞ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:42:10.98 ID:RzDXO0boO
愛宕『わたしが力になってあげるわ♪ 』
提督「でも、愛宕ってアレな割に書類関係とかは真面目なんだよな」
愛宕「ちょっとぉ〜……アレってなんですかアレって」
提督「アレとはアレですよ、愛宕さん」
愛宕「……はぁ……折角提督の力になってあげたくて頑張ってたのに」
提督「まぁ、感謝はしてる」
愛宕「感謝だけですかぁ? 」
提督「はぁ……艦載機でもプレゼントしようか? 」
愛宕「うふふ、あげるなら必要な子にしてあげて。
わたしが必要としているのは……考えてね? 」
提督「……善処します」
愛宕「き・た・い、してますね? 」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:44:02.85 ID:RzDXO0boO
愛宕『わたしが力になってあげるわ♪ ②』
愛宕「あっ」
提督「ん? 欲しいものでも思いついたか」
愛宕「それは冗談として」
提督「冗談なのか」
愛宕「もちろん。わたしはそんなに物ばかり強請ったりしないもの」
提督「そうかな」
愛宕「……っていうのは置いといて。
今日はむしろわたしがプレゼントする日じゃない」
提督「はぁ……まぁ、そうかな。くれるの? 」
愛宕「ふふ、どうしよっかなぁ〜 」
提督「……」
愛宕「ほしいですか? 」
提督「まぁ、そりゃあ」
愛宕「そうですか♪ 今から持ってきますね」スクッ
提督「えっ、今から? 」
愛宕「今から。それじゃ」
ガチャ、バタン
提督「………………力になれてないぞ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:45:10.01 ID:RzDXO0boO
愛宕『ぱんぱかぱーんっ! 』
愛宕「ハッピーバレンタイン♪ 頑張って作ったんですよ? 」
提督「あぁ。いただくよ」スッ
愛宕「んふ、どう? 」ニコニコ
提督「ん……」モグモグ
愛宕「……」ニコニコ
提督「……甘いな」
愛宕「それはもう」ニコニコ
提督「……あまあまで逆に舌が蕩けそうだ」
愛宕「わたしが直接とろかしてあげましょうか? 」ニコニコ
提督「舌をか、チョコをか」
愛宕「どちらでも」ニコニコ
提督「…………今はいいや」
愛宕「そうですか」ニコニコ
提督「……」モグモグ
愛宕「うふふ」ジ-ッ
提督「はぁ………………美味いぞ。ありがとう、愛宕」
愛宕「はい♪ 」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:46:10.81 ID:RzDXO0boO
愛宕『ぱんぱかぱーんっ! ②』
提督「俺さ」
愛宕「? 」
提督「あんまり相手の目を見るの得意じゃないんだよ」
愛宕「知ってますよ? 」
提督「あぁ、だろうね」
愛宕「はい」
提督「……さっきみたいに見つめ続けるやめてくれない?
心臓とかに負担掛かっちゃうんだよ、うん」
愛宕「はぁ。やっぱり提督は恥ずかしがり屋さんですねぇ」
提督「おう。特に女の子に見つめられるのは苦手だぞ。
……いや、男に見つめられるのはそれはそれで嫌だが」
愛宕「じゃあ、他のとこならどうですか? 」
提督「たとえば? 」
愛宕「谷間、とか? 」
提督「…………見つめるので勘弁してください」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:47:21.53 ID:RzDXO0boO
愛宕『ぱんぱかぱーんっ! ③』
愛宕「はーい、今度はポッキーですよぉ」
提督「いや、だからさぁ……おかしいだろこれ。
せめてポッキーゲームするならポッキーの日にやれよ」
愛宕「だってぇ〜 ……その日は出撃中だったですし。はい、あーん」
提督「だけどさ、なぁ? どう考えても変だろ。ポッキーはポッキーの包みに入れとけよ! 」
愛宕「だって折角挟めるんだからぁ。提督も口のポッキーに集中すればいいんですよ。ね? 」
提督「いや、だってさ、なぁ? いくらなんでもこの状況で谷間に目いかないとかあり得ないだろ」
愛宕「そうですね」
提督「おう」
愛宕「……」
提督「……」
愛宕「……あら、胸のポッキー溶けてきちゃった」
提督「……当たり前だろ」
愛宕「どうしようかしら? 提督、舐めてみません? 」
提督「みません、絶対に、どうしようとも」
愛宕「ざーんねん。こんなに甘いのに」
提督「…………はぁ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:48:13.98 ID:RzDXO0boO
愛宕『ぱんぱかぱーんっ! ④』
提督「やっと執務に戻れた」
愛宕「それは提督がなかなかポッキー咥えてくれないから」
提督「……ちゃんとやっただろ」
愛宕「そうね。あんなに嫌がってたのに頂いちゃってごめんなさいね? 」
提督(にゅるにゅる……ちゅるちゅる……はぁ……まぁ、嫌なわけじゃないんだが)
愛宕「まぁ、最後は提督も情熱的でしたね」
提督「…………言うなよ」
愛宕「うふふ。だーめ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:49:13.72 ID:RzDXO0boO
愛宕『敵艦多数発見! 攻撃開始ね!』
愛宕「…………」
提督「どうした。今度は黙って」
愛宕「んー……出撃してる子もいるのにはしゃきすぎちゃったかなって」
提督「はぁ」
愛宕「…………」
提督「お前も出撃するだろ。たまたま今日お前がここにいただけだ。
今出撃中のやつが普段仲間に遠慮するか? 」
愛宕「でも」
提督「俺が編成を決めてるんだ。文句なら俺に言え」
愛宕「……そうね」
提督「戦果だってお前はトップクラスなんだしな」
愛宕「はーい」
提督(案外他人のこと気にするあたりなかなかできたやつなんだよな)
愛宕「うふふ、提督が編成したんですものね。バレンタインにここにいてほしいって言われた、と。うふふ」
提督「はいはい。そうだな。仕事するぞ仕事」
愛宕「はーい。ふふふっ♪ 」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:50:12.39 ID:RzDXO0boO
愛宕『わたしの実力、わかってもらえましたか? ふふっ♪ 』
提督「んー……こんなもんかな」
愛宕「そうね……さすがにわたしも疲れちゃった」
提督「お疲れ様」
愛宕「あなたもね、提督」
提督「……」
愛宕「……」
提督「……もう、食堂閉まってるな」
愛宕「そうね」
提督「…………はぁ。チョコあってよかった」
愛宕「わたしがつくってあげましょうか? 」
提督「ん……いや、いいよ。適当に茶漬けでもつくる」
愛宕「そう……じゃあ、わたしもそれで」
提督「はいよ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:51:16.74 ID:RzDXO0boO
愛宕『わたしの実力、わかってもらえましたか? ふふっ♪ ②』
提督「鮭」
愛宕「梅」
提督「鮭ッ」
愛宕「梅っ」
提督「……」
愛宕「……」
提督「さけぇぇぇぇぇっ」
愛宕「えっ」
提督「……」
愛宕「……」
提督「……お湯沸かすからそこの棚から出してこい」
愛宕「はーい」
提督(仕方ない……どっちも載っけよ)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:52:16.23 ID:RzDXO0boO
愛宕『提督、お手紙ですよ? 』
愛宕「ごちそうさま」
提督「はい、ごちそうさま」
愛宕「やっぱりお茶漬けは梅よね」
提督「……梅昆布茶淹れればいいだろ」
愛宕「はぁ? 梅って言ってもお茶とはまた別じゃない」
提督「ん……そうね」
愛宕「もしかして、眠い? 」
提督「あぁ……大分他のことがどうでもいい気がする」
愛宕「じゃあ、これだけ読んで」スッ
提督「ん? 」
愛宕「わたしからのお・手・紙。しっかり読んでね? 」
提督「はいよ」
愛宕「わたしはお風呂貰ってくるから」
ガチャ、バタン
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:53:41.61 ID:RzDXO0boO
愛宕『ちょっとお休みをいただきますね』
提督「…………」
提督(あいつにシャワー貸すのも慣れてきたよなぁ)
提督「…………」
提督(それにしても……バレンタインに手紙って、おい。
年甲斐もなくときめいただろ。なんだこれ)
提督「……俺は…………手紙って柄じゃねぇな」
愛宕『作戦完了よー。良かったわね♪ 』
ガラガラ……ピシャッ
愛宕「ふぅ……お風呂っていいものねぇ」
愛宕(提督はお手紙読んでくれたかしら? )
愛宕「…………んぅ……タオル替えようかな……」
愛宕(……わたしの気持ち……伝わってますか? )
愛宕「…………よし」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:54:29.56 ID:RzDXO0boO
愛宕『わたし、強くなってる! うふふっ♪ 』
愛宕「はーい。お風呂上がりましたー」
提督「ん、わかった」
愛宕「うふふ、やっぱりお風呂はいいわぁ。なんだか若返った気分」
提督「そんな歳じゃないだろ……」
愛宕「気分なの。それにお肌もハリがよくなってる気がするし」
提督「そうか? 」
愛宕「ええ」
提督「……風呂のときも普段もあんまり変わらない気がするけどな」
愛宕「そうかしら? 」
提督「おう、もちろんいい意味で」
愛宕「ふふ、ありがと」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:55:33.84 ID:RzDXO0boO
愛宕『改造終了しましたぁ~ 。え? そこは改造してないわ、自前よぅ~ 』
提督「それはそれとしてさ」
愛宕「はい」
提督「バスタオルだけとかやめてくれない? 」
愛宕「どうして? 」
提督「いや、困るんだよ。こう……目に毒だから」
愛宕「そんなぁ……これでも結構気にかけてるつもりなんだけど」
提督「だからだよ! せめてキャミくらい着てこいよ」
愛宕「ん、脱がせるの好きですもんね」
提督「あぁ、うん。それでいいや。着てくださいお願いします」
愛宕「そう……黒と紫、どっちがいいですか? 」
提督「……」
愛宕「ていとくぅ」
提督「……黒で」
愛宕「はーい。楽しみにしててね? 」
提督「…………風呂入ってくる」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:56:22.76 ID:RzDXO0boO
愛宕『んもぅ、意外と甘えん坊なのですね』
提督「うぃーっす……あがったよ」
愛宕「はーい、おかえりなさい」
提督「なんかふらふらする」
愛宕「逆上せたりしちゃいました? 」
提督「かも」
愛宕「あらあら……膝枕、どうです? 」
提督「……まぁ、いいか。うん、頼む」
愛宕「ふふっ、少しくすぐったいかも」
提督「あぁ……ごめん」
愛宕「嫌なわけじゃないです」ナデナデ
提督「ん……」
愛宕「…………ふふ」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:57:13.45 ID:RzDXO0boO
愛宕『私は愛宕。提督、覚えてくださいね』
提督「……愛宕」
愛宕「はい」ナデナデ
提督「お前変わらないな」
愛宕「? 」
提督「初めて会った時からさ。お前はお前だったなって」
愛宕「それは」
提督「いや、俺がそういう風に記憶を改竄してるのかもしれないけど」
愛宕「……変わってないなら嬉しいわね」
提督「そうか」
愛宕「提督が……あなたが好きと言ってくれたときから変わらないようにしていたから」
提督「……」
愛宕「あなたが好き。あなたの好きなわたしが好き」
提督「…………あぁ。俺もだよ」
愛宕「……」
提督「……」
愛宕「……幸せです」
提督「……そうだな」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:58:31.72 ID:RzDXO0boO
愛宕『うふふふふっ、困っちゃう』
提督「俺はさ」
愛宕「……」
提督「変わったかな? 俺は、あのままじゃ好かれないと思って変わろうとしたんだ」
愛宕「……」
提督「毎日が楽しかったし、毎日が怖かったよ。
お前に嫌われるのが怖かった」
愛宕「……そんなこと」
提督「いや、いいんだ。怖いくらいに、怖さが大きくなればなるほどお前が好きなんだって。
俺の選択は間違ってないって確認できたんだから」
愛宕「……」
提督「……」
愛宕「……変わったのかとうかはわかりませんけど」
提督「おう」
愛宕「……困ったわね。また惚れ直しちゃった」
提督「そうか。俺は毎日だけどな」
愛宕「うふふっ……本当……困っちゃう」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:00:38.62 ID:RzDXO0boO
愛宕『タンクが大きいと肩が凝るのよねぇ』
提督「……ずっと乗せてるのも疲れるだろ。肩でも揉んでやろうか? 」
愛宕「そうね……ふくらはぎも張ってるかも」
提督「じゃあ、そこも」
愛宕「あっ、脇腹もちょっと」
提督「……マッサージか」
愛宕「んーん、わかるでしょ? 」
提督「はぁ……仕方ないな」スクッ
愛宕「? 」
提督「……立ってくれ」
愛宕「はぁ」スクッ
提督「……ん」グイッ
愛宕「ぁっ……」
提督「痛いとか、ないか」
愛宕「ん、ないです」ギュッ
提督「……やっぱり軽いな。前言撤回」
愛宕「でしょう? 」
提督「さて…………お姫様お一人ご案内、と」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:01:40.88 ID:RzDXO0boO
愛宕『ぁん! やめてったら! 』
「…………硬くなってるぞ」
「あ……いやっ……はぁぁ……」
「やっぱいい声で啼くなぁ」
「ちょっとぉ…………やられっぱなぁ……! 」
「おっと、危ない。たまには、な? 」
「ん…………でも…………ぅん……」
「な? 」
「でも、優しくしてね? 」
「んー…………あっ」グリッ
「やっっっ…………つよすぎよ〜……」
「…………の割に、うん」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:02:51.20 ID:RzDXO0boO
愛宕『ちょっと、やりすぎじゃないかしら? 』
「……はぁ……はぁ……」
「…………はぁ……………はぁ…………」
「…………うん」
「…………ちょぉっと、ひど、酷くないかしら? 」
「……………そう? 気持ちよくない? 」
「……あのね」
「…………普段はこれより弄り倒されてるんだぞ」
「……」
「……」
「……うふっ♪ 」
「…………まだ足りない、か」
「えっ」
「……覚悟しとけよ」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:03:52.97 ID:RzDXO0boO
愛宕『愛宕、抜錨しま~す♪ 』
「…………なんでいつの間にか馬乗りされてるんだ? 」
「さぁ? 」
「……」
「……」ニコッ
「よし、寝よう。お前も疲れただろ? 」
「寝てもいいわよ? わたしは寝ないけど」
「……」
「……あはっ」
「ッ…………はぁッッッ……! 」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:05:03.52 ID:RzDXO0boO
愛宕『夜の戦い。わたし、得意なの♪ 』
「…………」
「…………」
「…………死ぬ」
「…………わたしも」
「……バレンタインってこんな日だった? 」
「さぁ? 」
「もう少し甘々な日な気がしてた」
「んー……もう、十四日じゃないし」
「あー……確かに」
「…………死ぬ」
「…………そうね」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:06:24.58 ID:RzDXO0boO
愛宕『ご褒美くれるなら……ちょっとだけ、提督と私の帽子、交換してみたいなって……うふふふ♪ 』
愛宕「おはようございまーす! 」
提督「あぁ、うん。朝か」
愛宕「朝です」
提督「………………好きだよ」
愛宕「え? 」
提督「いや、なんでもない。なにかほしいものあるか? 」
愛宕「えっと、えっと……じゃあ、少しだけ帽子貸して? 」
提督「ん、それくらいなら。どうぞ」
愛宕「ありがと」スッ
提督「……ちゃんと隠せてないぞ」
愛宕「……」
提督「耳まで赤くなってるから。顔隠しきれてないし」
愛宕「……言わないの」
提督「…………好きだよ。愛してる」
愛宕「…………」
提督「…………」
愛宕「…………」ギュッ
提督「……」
愛宕「……わたしもよ」
おわり
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:09:39.78 ID:RzDXO0boO
別にセリフ必要なかったかもですね……
見てくれた方がいれば、ありがとうございました
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 22:11:24.21 ID:Tsp6UvFXO
乙
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/15(日) 01:54:53.75 ID:ZYD/U/1s0
乙
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Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
本田未央「よし、頑張ろう!」三村かな子「う、うん!」【モバマスSS】
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:49:24.81 ID:q3t0j9B30
モバマスのSSです。
アニメの設定で書いています。
書き溜めした物をまとめて投稿しますが上手く出来ないかもしれません。
それでもよろしければお願い致します。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:49:56.59 ID:q3t0j9B30
~衣装部屋~
ベテトレ「・・・・・・」
双葉杏「・・・・・・」
緒方智絵里「え、えっと・・・かな子ちゃん?」
三村かな子「あ、あれ?おかしいなー・・・」グイグイ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:50:23.11 ID:q3t0j9B30
ベテトレ「おい三村、どういう事だ?その衣装はお前が半年前に着ていた物だぞ」
杏「あー・・・かな子ちゃん?もしかして・・・」
かな子「・・・き、きっと!身長が伸びちゃったのかな!?」
ベテトレ「ほう・・・そうか、なら、身長と体重を量ってみるか」ゴゴゴゴ
かな子「え!?あの!身長だけじゃダメですか!?」
ベテトレ「ダメに決まってるだろ!!いいから量ってこい!!」
かな子「ふえええええ~!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:50:54.82 ID:q3t0j9B30
~測定後~
ベテトレ「・・・身長は特に変化なし・・・体重は・・・
かな子「い、言わないで下さい~!!」
智絵里「かな子ちゃん・・・」
杏「あちゃ~・・・増えちゃったか~」
かな子「うう・・・ごめんなさい・・・」
ベテトレ「ふむ・・・まあ、ライブまで後2週間ある、少し頑張れば間に合うだろう」
かな子「は、はい!頑張ります!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:51:30.41 ID:q3t0j9B30
杏「・・・かな子ちゃん、前に聞いたけど、ダイエットが原因でロケ中に倒れたって言ってたよね?」
かな子「あ・・・そ、それは・・・」
杏「杏としては、あまり一人で無理をしてほしくないんだけどなー・・・」
かな子「う・・・で、でも!せっかく久しぶりにキャンディーアイランドでライブが出来るんだもん!」
かな子「やっぱり万全の状態で杏ちゃんと智絵里ちゃんとライブしたいもん!」
智絵里「かな子ちゃん・・・わ、私も!素敵なライブにしたいから・・・」
杏「いや・・・それはわかるんだけど・・・」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:52:04.42 ID:q3t0j9B30
ベテトレ「ふむ・・・誰かに三村の体調管理を担当させたい所ではあるが・・・双葉も緒方も個人の仕事があるし、それも難しいだろうな・・・
ベテトレ「私や妹達も他の子のレッスンで予定が埋まっているからな・・・どうしたものか・・・」
杏「とりあえず、プロデューサーに相談した方が良いんじゃない?」
智絵里「そ、そうだね・・・」
かな子「うう・・・ごめんなさい・・・」
杏「・・・まあ杏も、レッスンはめんどくさいけど・・・CIのライブは成功させたいからね」
かな子「杏ちゃん・・・ありがとう!」ギュウウウ
杏「わっ!こらっ!やめろー!」ジタバタ
智絵里「ふふふ・・・」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:53:13.38 ID:q3t0j9B30
~CPルーム、プロデューサーに相談~
武内P「・・・なるほど、三村さんの、その・・・ダイエットですか・・・」
杏「プロデューサー、他のトレーナーさんとかで予定空いてる人いない?」
武内P「・・・おそらく、難しいでしょう、346プロダクションもアイドルの方がだいぶ増えてきましたので、トレーナーの皆さんも忙しくなっていると思います」
智絵里「そうですか・・・」
武内P「申し訳ありません、本来ならば私が気を付けておく事なのですが・・・」
かな子「そ、そんな!私がしっかりしていなかったら・・・」
杏「まあ、今、プロデューサーはCPの2期生も担当してるから忙しいだろうねー、杏には考えらんないよ」
智絵里「でも、そうなると、やっぱりかな子ちゃん一人で頑張る事に・・・」
武内P「・・・私としては、あまり無理をしてほしくないのですが・・・」
かな子「だ、大丈夫です!前みたいに無理はしませんから!」
杏「んー・・・でもなー・・・」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:54:17.64 ID:q3t0j9B30
ガチャッ
本田未央「おっはよー!!・・・お!CIじゃーん!!おはよー!」
智絵里「あ、未央ちゃん、おはよう」
杏「相変わらず元気だねぇ・・・」
武内P「本田さん?今日はどうされました?」
未央「いやー、やっぱりレッスンとかしてないと体が鈍りそうで・・・」
武内P「本田さん・・・しばらくは体を休めてほしいのですが・・・」
かな子「未央ちゃん?しばらく休めるってどういう事?」
武内P「本田さんはここしばらく舞台の出演や連続ドラマへの出演が多くあった為、あまり休みが取れていなかったんです」
智絵里「そういえば、未央ちゃんいろんな役やってたよね」
杏「あー・・・確か今やってる連続ドラマにも出てるね」
未央「えへへ・・・という訳で夏休みの分も含めて結構長めのお休みもらったんだけど・・・なんか落ち着かなくて・・・」
かな子「そうなんだ・・・」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:55:11.37 ID:q3t0j9B30
杏「・・・ねえ未央ちゃん、休みってどれくらいあるの?」
未央「え?・・・大体2週間ぐらいだけど・・・」
智絵里「杏ちゃん?」
杏「未央ちゃんにお願いしたい事があるんだけど」
未央「?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:55:46.82 ID:q3t0j9B30
~杏、事情を説明~
未央「ふむふむ・・・かな子ちゃんの体調管理をしてほしいと・・・」
杏「まあ、そんな感じだね、そんなに疲れることじゃないと思うからそれに専念してもらった方がプロデューサーも安心出来るんじゃない?」
武内P「・・・そうですね、そちらの方が本田さんに少しでも休んでもらえると思います」
未央「私、そんなに信用ないですかね・・・」
杏「杏としては、せっかくの休みを使わない未央ちゃんが信じられないよ」
智絵里「あはは・・・」
かな子「で、でも!未央ちゃんにそこまでしてもらうなんて・・・」
未央「ん?いいよ?」
かな子「え!?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:56:18.00 ID:q3t0j9B30
未央「休みの間、一人で自主練してもつまんないなって思ってたし、それだったら誰かと一緒にお喋りとかしたいし」
未央「・・・それに、自分のユニットのライブを成功させたいって気持ちはすごくわかるから・・・」
智絵里「未央ちゃん・・・」
未央「と、言うわけで、かな子ちゃんのダイエット大作戦!協力させてもらいますよ!!」
かな子「未央ちゃん!ありがとう!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:56:57.35 ID:q3t0j9B30
未央「さて、とりあえず確認しておきたい事は・・・プロデューサー、女子寮って空いてる?」
武内P「すこしお待ち下さい・・・ええ、空いている部屋がありますね」
未央「おっけー、それじゃあかな子ちゃん、ダイエット期間中は私と一緒に女子寮を使わない?」
かな子「え?一緒に?」
未央「うん、私がかな子ちゃんにヘルシーで美味しい料理とか作ってあげるから」
杏「え?未央ちゃん料理出来るの?」
未央「それよく言われるんだけど私そんなに料理するイメージないかな・・・」
智絵里「え、えっと・・・ごめんなさい」
かな子「・・・私も」
未央「あはは・・・まあ、自分でも自覚あるよ・・・」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:57:35.71 ID:q3t0j9B30
未央「まあ、そういう訳で、かな子ちゃんの食事とか運動も私がしっかり見てあげましょう!」
かな子「は、はい!よろしくお願いします!」
智絵里「み、未央ちゃん!かな子ちゃんの事、よろしくお願いします!」
杏「・・・まあ、杏からもお願いするよ」
未央「うん!まかせてよ!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:58:24.53 ID:q3t0j9B30
武内P「本田さん、三村さん、くれぐれも無理のないようにお願いします」
未央、かな子「「はい!」」
武内P「双葉さん、緒方さん、そろそろ収録の時間になりますので、準備をお願いします」
杏「あー、もうそんな時間かー・・・めんどくさいなー」
智絵里「杏ちゃん、がんばろう?」
杏「はいはい・・・それじゃ、かな子ちゃん、未央ちゃん、頑張ってねー」
かな子「うん!頑張るから!」
未央「じゃーねー」
ガチャッ
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:59:26.36 ID:q3t0j9B30
未央「・・・さて、それじゃかな子ちゃん、ちょっと書いてほしい事があるんだけど」
かな子「え?何を?」
未央「とりあえず、この紙に昨日食べたり飲んだりしたものを、出来るだけ詳しく書いてほしいんだ」
未央「普段のかな子ちゃんの食生活、把握しておきたいからね」
かな子「う、うん・・・わかった」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:00:17.67 ID:q3t0j9B30
かな子「こ、こんな感じかな?」
未央「ありがとー、どれどれ・・・」
未央「・・・・・・」
かな子「み、未央ちゃん?」
未央「えーと・・・すごいね」
かな子「え!?何が!?」
未央「朝昼晩の食事はむしろ少ないくらいなのに、それを大幅に上回るくらいお菓子食べてるね・・・」
かな子「えー・・・そんなにお菓子食べてるかなー」
未央「いやいや、とりあえずケーキをホール単位で書くのはやめよう?」
かな子「あ、あはは・・・」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:00:53.04 ID:q3t0j9B30
未央「んー・・・これなら、普通の食事の量を少し増やして、お菓子を食べないようにするだけですぐ痩せると思うよ」
かな子「うーん・・・やっぱりお菓子食べちゃダメ?」
未央「あはは・・・大丈夫、普段の食事をしっかり食べるようにしたらお菓子の量も減るはずだよ」
かな子「そうかなー・・・」
未央「とりあえず、今日は着替えとか持って来ないといけないから、明日から一緒に頑張ろうね」
未央「明日の朝ごはんはいつもよりしっかり食べるようにしてね、それからお菓子も食べちゃダメだよ」
かな子「う、うん、頑張る」
未央「それじゃ、明日からよろしくね」
かな子「こちらこそ、よろしくお願いします!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:01:35.62 ID:q3t0j9B30
~その日の夜、本田家~
未央「ねえ兄ちゃん」
本田兄「ん?なんだ?」
未央「私、明日からしばらく女子寮使うから、その間、弟の食事とか兄ちゃんにお願いして良い?」
兄「はあ?マジで?」
未央「どうせ兄ちゃん夏休みで暇なんでしょ、それくらいやってよ」
兄「えー・・・めんどくさいなー」
未央「・・・私、兄ちゃんの為に恥を忍んでみなみんやアーニャ、らんらんのサイン貰ってきてあげたのになー」
兄「う・・・」
未央「兄ちゃんは私の為に何もしてくれないんだね・・・」シクシク
兄「あーもう!わかったわかった!やるよ!」
未央「ありがとーそれじゃよろしくー」ケロッ
兄「くそ、妙に演技が上手くなりやがって・・・」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:02:25.51 ID:q3t0j9B30
~翌日~
未央「おっはよー!」
かな子「あ、未央ちゃん、おはよう」
未央「それじゃ、今日から頑張りましょう!朝ごはんはしっかり食べた?」
かな子「うん、いつもより多めに食べてきたよ、お母さんに驚かれちゃった」
未央「あはは・・・お昼ご飯は私がお弁当作ってきたからそれを食べてね」
かな子「え!?お弁当!?」
未央「そうだよー未央ちゃんお手製のヘルシーで美味しく、栄養満点のお弁当だよ!」
かな子「未央ちゃん、わざわざありがとー!」
未央「えへへ、頑張っておいしく作ったから、お菓子は我慢してね」
かな子「う、うん・・・がんばる」
未央「今日はかな子ちゃん、午前中に番組の収録だったね」
未央「それじゃ、これからしばらく、私は付き人としてかな子ちゃんについていくね」
かな子「よろしくね、未央ちゃん」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:03:04.22 ID:q3t0j9B30
~収録後、楽屋~
相場夕美「かな子さん!今日の収録ありがとうございました!」
かな子「こちらこそ、ありがとうございました!」
夕美「私、あんまり上手く喋られなくて、かな子さんに助けられてばかりで・・・」
かな子「そんな事ないよ!夕美ちゃんのお花の話、とっても良かったよ~」
夕美「本当ですか!?嬉しいです~、あ、この後、お昼ご飯一緒にどうですか?」
かな子「あ・・・えっと・・・」
コンコン
夕美「?・・・はーい」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:03:57.83 ID:q3t0j9B30
ガチャ
未央「お疲れ様でーす、かな子ちゃん今日の収録よかったよー」
かな子「本当?ありがとう」
未央「えへへ、最近はCPメンバーの仕事を見に行ったりする事なかったから久しぶりに見る事が出来て楽しかったよ」
未央「それじゃあ、CPルームでご飯食べようよ」
かな子「うん!・・・あ、夕美ちゃんも一緒に食べよ?」
夕美「は、はい!」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:04:35.87 ID:q3t0j9B30
~CPルーム、夕美に事情を説明~
夕美「へー、だから今日のかな子さん、お菓子を食べなかったんですね」
かな子「あはは・・・やっぱり私、よくお菓子食べてるイメージなんだね・・・」
未央「まあ、かな子ちゃんと言えばお菓子だよねー」
かな子「もう、未央ちゃんまで・・・」
未央「ごめんごめん、それじゃ、未央ちゃんの手作りお弁当を食べてもらおうかな」
かな子「どんなお弁当かなー?」
未央「ふっふっふ・・・それではご覧あれ!」パカッ!
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:05:12.37 ID:q3t0j9B30
夕美「わー・・・いろんなおかずが入ってますね」
未央「うん、ほうれん草のお浸しに、鶏ササミの香草焼き、きんぴらごぼう、舞茸のナムル、卵焼きにプチトマト!」
未央「ご飯は玄米ご飯にして、食物繊維をしっかりとれるようにしました!」
かな子「すごーい・・・彩もきれいでおいしそうだねー」
未央「ありがとー、ほら、食べて食べて」
かな子「うん、いただきます」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:06:11.50 ID:q3t0j9B30
かな子「はむ・・・この卵焼き普通のと食感がちがうね、でも美味しい!」
未央「えっとね、卵に桜海老いれて麺つゆで味付けしてたかな?」
かな子「へー・・・未央ちゃん普段から家で料理してるの?」
未央「うーん・・・両親がいない時の晩ご飯をよく作るかな?朝のお弁当を作る事は滅多にないね」
かな子「そうだよね、未央ちゃんお昼ご飯購買で買ってきてる事多かったと思うし」
夕美「それなのにこんなに美味しそうなお弁当作れるのはすごいと思います」
未央「いやいや、それをいうなら夕美ちゃんのサンドウィッチすごく美味しそうだよ」
夕美「本当ですか?ありがとうございます!」
未央「それじゃ、私たちも食べよっか」
夕美「そうですね」
未央夕美「「いただきます」」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:07:04.49 ID:q3t0j9B30
かな子未央夕美「「「ごちそうさまでした」」」
かな子「未央ちゃんお弁当ありがとう、美味しかったよ」
未央「いえいえ、かな子ちゃん美味しそうに食べてくれるから私もうれしいよ」
未央「ちょっと休憩したら運動するから頑張ろうね」
かな子「うん!」
未央「それまで何かお喋りしようよ」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:08:14.40 ID:q3t0j9B30
かな子「そういえば夕美ちゃん、未央ちゃんとお話したい事があるんじゃなかったっけ?」
未央「え?なになにー?」
夕美「あ、あの!『秘密の花園』公演、見ました!すごくよかったです!」
未央「あ、本当?ありがとー」
夕美「私、この話がすごく好きで、何回も本を読んでいたんですけど、未央さんが演じたメアリが私のイメージするメアリとぴったり一致してて感動しました!」
未央「え、えへへ・・・」
夕美「藍子ちゃんも未央さんの事、すごく努力してて私も見習わなきゃって褒めてましたよ」
未央「あーちゃん・・・な、なんか恥ずかしいなぁ・・・」テレテレ
夕美「そ、その、よかったら『秘密の花園』の舞台をやってた時の話を聞きたいなって思って・・・」
かな子「あ、私も聞きたいな、あの時の未央ちゃんすごく楽しそうだったし」
未央「いいよー、何から話そうかな・・・私とあーちゃんと茜ちんの3人で練習してたときの事なんだけど・・・
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30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:09:03.31 ID:q3t0j9B30
~1時間後~
未央「お、もうこんな時間か、楽しいと過ぎるのが早いね」
未央「さて、それじゃかな子ちゃん、この後かるく運動しよっか」
かな子「うん、頑張るよ!」
夕美「未央さん、素敵な話、ありがとうございました」
未央「いやいやこちらこそ、楽しかったよ」
未央「今度は夕美ちゃんのお花の話、聞きたいなー、しぶりんも興味あると思うし」
夕美「はい!またお話させてください!」
未央「うん!それじゃ、またねー」
かな子「夕美ちゃん、今日はありがとう、またお仕事頑張ろうね」
夕美「はい!ありがとうございました!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:10:07.52 ID:q3t0j9B30
~346プロ広場~
未央「よーし!それじゃランニング、始めるよ!」
かな子「う、うん」
未央「とにかく自分のペースでいいから、長い時間走る事を目標にしてね」
未央「私も横で一緒に走るから、頑張ろうね」
かな子「え?いいの?」
未央「もちろん!こういうのって一緒に頑張る人がいると、やる気がでるよね!」
かな子「・・・うん!ありがとう!」
未央「とりあえず、目標は30分かな?それじゃ、始めるよー」
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32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:10:58.64 ID:q3t0j9B30
~30分後~
未央「ふむ・・・かな子ちゃんストップ!30分経ったよー」
かな子「ハァ・・・ハァ・・・うう、疲れたよー」
未央「あはは、お疲れー、これスポーツドリンクだから飲んで」
かな子「ありがとう・・・ふぅ・・・未央ちゃん、全然息乱れてないね」
未央「えへへ、それなりに鍛えてますから」
未央「・・・まあ、かな子ちゃんも茜ちんと一緒にトレーニングすると、かなり鍛えられると思うよ」(遠い目)
かな子「あ、あはは・・・」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:11:38.60 ID:q3t0j9B30
未央「さて、頑張ったかな子ちゃんに未央ちゃんからご褒美があります」
かな子「何かな?」
未央「じゃじゃーん!未央ちゃん手作りのクッキーでーす!」
かな子「わぁ!クッキーだー!!」
未央「といっても、おからで作ったクッキーだからあまり美味しくないかもしれないけど、少しでもお菓子を食べた気分になれたら良いかなって思って・・・」
かな子「未央ちゃんありがとう!さっそく食べていい?」
未央「うん、どうぞ」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:12:15.51 ID:q3t0j9B30
かな子「はむ・・・う~ん!クッキーだー、美味しー」パアァ
未央「・・・あはは」
かな子「どうしたの、未央ちゃん?」
未央「いや、やっぱり、かな子ちゃんはお菓子を食べてる時が一番いい笑顔してるなって思って」
かな子「あ、あう・・・もう、そんなに見ないでよー」カァァ
未央「あはは、ごめんごめん、でも美味しそうでよかったよ」
未央「さて、もう日も暮れてきたし、晩ご飯の食材買って、女子寮に帰ろうか」
かな子「うん」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:12:51.04 ID:q3t0j9B30
~女子寮~
かな子「未央ちゃん、お野菜切れたよ」
未央「ありがとう、それじゃもう煮込んじゃおうか」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:14:09.06 ID:q3t0j9B30
多田李衣菜「お?何か良いニオイが・・・」
前川みく「あれ?未央ちゃんにかな子ちゃん?」
未央「おや、みくにゃんにリーナ、お仕事終わったの?」
李衣菜「うん、今日はみくの部屋にお邪魔してるよ」
かな子「仲良しだね~」
みく「み、みく達の事はおいといて、かな子ちゃん達も今日は女子寮なのかにゃ?」
かな子「うん、今日から2週間ぐらい、未央ちゃんと女子寮を使わせてもらうの」
李衣菜「そうなんだ、珍しい組み合わせだね」
未央「あはは、まあいろいろありまして」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:14:59.15 ID:q3t0j9B30
みく「ところで、それは・・・お鍋かにゃ?」
未央「うん、お野菜たっぷりのみぞれ鍋だよ」
李衣菜「へー・・・美味しそうだね」
未央「リーナ達も食べる?食材は多めに買ってるから量は増やせるけど」
みく「いいのかにゃ?なら食べたいにゃ」
未央「いいよー・・・あ・・・」
李衣菜「どうしたの?」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:16:22.51 ID:q3t0j9B30
未央「でも・・・この鍋、カツオ節でダシとってるけど・・・」
かな子「あ・・・みくちゃん・・・」
李衣菜「ああ、大丈夫、みくはカツオ節なら平気だから」
みく「そうにゃ」
未央「え、そうなんだ・・・お魚ダメなのに?」
みく「カツオ節は別だにゃ」
かな子「そ、そうなんだ・・・」
李衣菜「ホント、変わってるよねー、私もみくにご飯作るときは苦労するよ」
みく「む!りーなちゃん、どういう意味にゃ!?」
李衣菜「そのままの意味だけど?」
みく「むー・・・」
かな子「ふふふ、やっぱり仲良しだね」
みく李衣菜「「どこが!?」」
未央「そういうとこだよ」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:17:40.35 ID:q3t0j9B30
――――――――――――――――――――――――――――――
未央李衣菜みくかな子「「「「いただきます」」」」
かな子「あむ・・・はふはふ・・・うん!さっぱりしてて美味しいね」
みく「この鶏つくねも美味しいにゃ」
李衣菜「ダシもしっかりきいてていいね」
未央「鍋だと野菜もしっかりとれるしね」
李衣菜「これは未央ちゃんが作ったの?」
未央「そうだよー、かな子ちゃんにも手伝ってもらったけど」
みく「むむむ・・・未央ちゃん料理が出来るなんて意外だにゃ」
未央「あはは・・・よく言われるよ・・・」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:18:42.23 ID:q3t0j9B30
李衣菜「未央ちゃん、レシピがあるなら後で教えてほしいんだけど・・・」
未央「うん、いいよー、今度、リーナの料理も食べてみたいなー」
李衣菜「うん、今度作ってあげるよ」
かな子「・・・私、お菓子作りなら得意だけど、料理はあまりしないから、勉強しようかな・・・」
未央「だったら、私が教えてあげるよー、その代わり、お菓子作りを教えてほしいなー」
かな子「うんいいよー、教えあいっこしよう」
みく「・・・李衣菜ちゃん」
李衣菜「なに?」
みく「今度みくにも料理教えるにゃ」
李衣菜「え?この前「料理しないの?」って聞いたら「みくはきままな猫ちゃんだからしないのにゃ」とか言ってたのに?」
みく「気が変わったの!いいから教えるにゃ」
李衣菜「べ、別にいいけど・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:19:41.29 ID:q3t0j9B30
未央李衣菜みくかな子「「「「ご馳走様でした」」」」
みく「ふー・・・美味しかったにゃ」
未央「みくにゃんって意外と結構食べるよね」
みく「アイドルは体が資本にゃ、しっかり食べないと活動に影響が出るのにゃ」
かな子「あはは・・・」
李衣菜「はいはい、食べたなら食器洗い手伝ってよ」
みく「わ、わかってるにゃ・・・」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:21:31.53 ID:q3t0j9B30
みく「さて、みく達は明日も早いからもうお風呂入って寝る準備するにゃ」
李衣菜「そうだね、未央ちゃん、かな子ちゃん、美味しいご飯ありがとう、また明日ね」
未央「うん、また明日ー」
かな子「またねー」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:22:23.63 ID:q3t0j9B30
未央「・・・かな子ちゃんも明日朝から仕事だよね、私達も早めに寝よっか」
かな子「そうだね」
――――――――――――――――――――――――――――――――
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:24:48.03 ID:q3t0j9B30
~女子寮部屋~
未央「ふう、良いお湯だった」
かな子「・・・そうだね」
未央「?・・・かな子ちゃん、どうしたの?」
かな子「・・・未央ちゃんってスタイルいいよね、羨ましいなって思って」
未央「あ、あはは・・・ノーコメントでお願いします・・・」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:25:37.96 ID:q3t0j9B30
未央「さて、それではもう寝ましょうか」
かな子「そうだね」
未央「えっと、明日からもこんな感じの生活になると思うけど大丈夫?」
かな子「うん、むしろ私、結構しっかり食事とってるけど大丈夫かな?」
未央「大丈夫大丈夫、かな子ちゃんはお菓子を減らすだけですぐに痩せると思うから」
かな子「そうだといいんだけど・・・未央ちゃん、明日からもよろしくお願いします」
未央「うん、よろしくね」
かな子「それじゃ、お休みなさい」
未央「お休みー」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:26:08.07 ID:q3t0j9B30
かな子(こんな感じで私のダイエット生活は始まりました)
かな子(この後も、未央ちゃん監修のもと、私のダイエットは続いていくのだけど)
かな子(未央ちゃんがいろんな料理を作ってくれたり、一緒に運動してくれるから、そんなに辛くありませんでした)
かな子(今度、未央ちゃんに何かお礼が出来るといいのだけど・・・)
かな子(そして、2週間が経ち、ベテトレさんに結果を報告する日が来ました)
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:26:50.10 ID:q3t0j9B30
~レッスンスタジオ~
かな子「えへへ、ベテトレさん!衣装もちゃんと着れましたよ!」
ベテトレ「ふむ・・・確かに、体重もしっかり減らせているな」
杏「見た目もちょっとすっきりしたね」
智絵里「かな子ちゃん、おめでとう」
かな子「うん!」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:27:21.75 ID:q3t0j9B30
かな子「未央ちゃん!本当にありがとう!」
杏「杏からもお礼を言っとくよ」
智絵里「わ、私も・・・」
未央「いやいや、かな子ちゃんが頑張ったからだよ、CIのライブも頑張ってね」
かな子「うん!」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:27:49.20 ID:q3t0j9B30
杏「・・・所で未央ちゃん、ちょっと気になる事があるんだけど・・・」
未央「え?何?」
杏「未央ちゃんもなんだか・・・痩せてる様な気がするんだけど」
智絵里「私もそう思う・・・」
未央「・・・え?」
ベテトレ「そういえばそうだな・・・本田、身長と体重を量って来い」
ベテトレ「後、NGの衣装もあるから、着てみろ」
未央「あ、はい」
――――――――――――――――――――――ー―――――――――
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:28:29.01 ID:q3t0j9B30
ベテトレ「・・・・・・」
杏「・・・・・・」
智絵里「・・・・・・」
かな子「未央ちゃん・・・?」
未央「・・・えっと・・・スカートがゆるいですね・・・」
ベテトレ「・・・身長は変わらず・・・体重は減ってるな・・・」
杏「未央ちゃん・・・この2週間の食事は?」
未央「えっと・・・多分、ほぼかな子ちゃんと同じメニューだと思うけど・・・」
杏「普段フライドチキンとかよく食べてる未央ちゃんが野菜中心の食事になったらそりゃ痩せるよ・・・」
未央「あ、あはは」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:28:56.44 ID:q3t0j9B30
ベテトレ「ふむ・・・あまり痩せても、ファンの皆に心配される恐れもあるからな・・・」
ベテトレ「それに本田も、まだ先の話だが、NGでのライブがあるだろう」
未央「そ、そうですね・・・」
ベテトレ「まあ、それまでに体重を元に戻すようにしておけ」
未央「は、はい・・・あはは、どうしよっかなー」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:29:46.24 ID:q3t0j9B30
かな子「・・・未央ちゃん!」
未央「ん?何?」
かな子「今度は私が未央ちゃんの力になるよ!」
未央「・・・え?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:30:16.57 ID:q3t0j9B30
~翌日、CPルーム~
渋谷凛「・・・・・・」
島村卯月「・・・・・・」
未央「う、うう・・・もぐもぐ」
かな子「未央ちゃん、バウムクーヘン美味しい?」
未央「う、うん・・・美味しいよ、でも、量がちょっと多いかな、あはは」
かな子「だめだよーもっと食べないと、ほら、チョコケーキも1ホール作ってきたよー」
未央「1ホール!?」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:30:51.44 ID:q3t0j9B30
かな子「えへへ・・・久しぶりにお菓子作ったから、なんだか張り切っちゃって・・・他にもあるからしっかり食べてね」
未央「い、いや・・・あ!そうだ、せっかくだし、しぶりん、しまむーも一緒に食べよ!ね!?」
凛「・・・ごめん、これからトライアドプリムスでレッスンだから」
卯月「・・・わ、私もピンクチェックスクールでレッスンですので・・・」
未央「今日はこの後は暇って言ってたよね2人とも!?」
凛「それじゃ未央・・・頑張って」
卯月「未央ちゃん・・・頑張ってください」ガチャ
未央「裏切り者~~!!!」
かな子「もう、未央ちゃん、せっかく作ったんだから食べてよ~」
未央「む、無理だって!これ以上食べたらお腹爆発しちゃうよ!」
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:31:34.05 ID:q3t0j9B30
かな子「美味しいから大丈夫だよ~」
未央「その理論はおかしいから!!」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:32:38.24 ID:q3t0j9B30
以上で終わりです。ここまで見てくれた方ありがとうございました。
CPの中ではかな子ちゃんが2番目に好きです。お菓子を食べてるところをずっと眺めていたいです。
アニメは基本的にユニット内の絡みが中心だったので、こういう絡みもあればいいなと思いました。
過去に書いたSSも置いておきますのでよければご覧下さい。
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:33:12.19 ID:q3t0j9B30
高森藍子「一緒にレッスンしませんか?」 本田未央「え?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427990323/
渋谷凛「卯月の家に」本田未央「遊びに行こー」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430289792/
渋谷凛「ちょっといいかな?」 高森藍子「はい?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430696409/
本田未央「トーク練習を始めまーす」渋谷凛「え?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432977695/
一ノ瀬志希「ハスハス~♪」多田李衣菜「うわぁ・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435850278/
神谷奈緒「あ、あの・・・」本田未央「え?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436016520/
本田未央「えっと・・・これって・・・」安部菜々「うわーーー!!」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436872704/
新田美波「ミツボシ☆☆★・・・」本田未央「え?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437898979/
島村卯月「嫌・・・」渋谷凛「えぇ・・・」本田未央「しまむー・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438499729/
未央「お肉!!」茜「お米!!」藍子「お・・・お野菜!!」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439030414/
未央「夏!!」茜「海!!」藍子「す・・・砂浜!!」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440927059/
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:33:47.44 ID:q3t0j9B30
本田未央「サンセットノスタルジー」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441124811/
渋谷凛「・・・・・・」本田未央「・・・・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442679088/
島村卯月「未央ちゃんのお家に!」渋谷凛「お泊り・・・だね」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443280369/
渋谷凛「未央ってさ・・・」本田未央「うん・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445507621/
新田美波「お姉ちゃん・・・」本田未央「同盟?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445675061/
武内P「食には関心があります」本田未央「そうなんだ」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446235658/
本田未央「セクシー担当になる!」輿水幸子「はい?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446291786/
本田未央「あーちゃん」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446850902/
監督「本田ァ!!」本田未央「は、はい!!」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448697491/
それでは依頼を出してきます。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441124811/
渋谷凛「・・・・・・」本田未央「・・・・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442679088/
島村卯月「未央ちゃんのお家に!」渋谷凛「お泊り・・・だね」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443280369/
渋谷凛「未央ってさ・・・」本田未央「うん・・・」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445507621/
新田美波「お姉ちゃん・・・」本田未央「同盟?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445675061/
武内P「食には関心があります」本田未央「そうなんだ」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446235658/
本田未央「セクシー担当になる!」輿水幸子「はい?」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446291786/
本田未央「あーちゃん」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446850902/
監督「本田ァ!!」本田未央「は、はい!!」【モバマスSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448697491/
それでは依頼を出してきます。
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 19:51:36.65 ID:1Z5vqwz30
おつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448790564/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【ごちうさ】シャロ「安価で千夜のハートを射止める」
1: 1 2015/09/28(月) 20:38:59.86 ID:ahl8/I1Z0
シャロと千夜の百合です。ちょくちょく安価で人物や行動を決めます。
スレタイに大きく反する安価は安価下にする場合もありますがご了承ください
スレタイに大きく反する安価は安価下にする場合もありますがご了承ください
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 20:40:19.22 ID:ahl8/I1Z0
シャロ(千夜と居るとドキドキするようになったのはたぶん高校生になってから)
シャロ(これまでは気のせいだって事にしてたけど)
シャロ(いい加減、自分がガチレズだって事を認める事にしたわ)
シャロ(だからどうにかして千夜を振り向かせたいんだけど……)
シャロ「手始めに>>3からしてみようかしら?」
シャロ(これまでは気のせいだって事にしてたけど)
シャロ(いい加減、自分がガチレズだって事を認める事にしたわ)
シャロ(だからどうにかして千夜を振り向かせたいんだけど……)
シャロ「手始めに>>3からしてみようかしら?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 20:43:02.23 ID:BWgUTQ+KO
甘兎の手伝いをする
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 20:50:16.24 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「甘兎の手伝いからしてみようかしら?」
シャロ「あ、あんこは怖いけど……千夜の気を引く為よ!覚悟決めて……」パンッパンッ
シャロ「ち、千夜いるー?」
「はーい!」
シャロ「ねぇ千夜。私甘兎で働かせて貰えない……?」
千夜「あら?シャロちゃんあんこ恐怖症は治ったの?」
シャロ「む、昔よりは平気になったし。あとそろそろ兎に慣れとかなきゃワイルドギースと何かあった時困るし」
千夜「まぁシャロちゃんが兎と仲良くなる為に頑張るなんて……私嬉しいわ」ホロリ
シャロ「泣く程のことかしら」
千夜「うふふ、それもそうね。泣くのはあんこと仲良しになってからね?」
シャロ「う゛……わ、わかったわよ」
千夜「よし決まり!じゃあ早速今日から働けるかしら?」
シャロ「あ、あんこは怖いけど……千夜の気を引く為よ!覚悟決めて……」パンッパンッ
シャロ「ち、千夜いるー?」
「はーい!」
シャロ「ねぇ千夜。私甘兎で働かせて貰えない……?」
千夜「あら?シャロちゃんあんこ恐怖症は治ったの?」
シャロ「む、昔よりは平気になったし。あとそろそろ兎に慣れとかなきゃワイルドギースと何かあった時困るし」
千夜「まぁシャロちゃんが兎と仲良くなる為に頑張るなんて……私嬉しいわ」ホロリ
シャロ「泣く程のことかしら」
千夜「うふふ、それもそうね。泣くのはあんこと仲良しになってからね?」
シャロ「う゛……わ、わかったわよ」
千夜「よし決まり!じゃあ早速今日から働けるかしら?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 20:56:38.93 ID:ahl8/I1Z0
──────────────────────
──────────────
──────
シャロ「ちょっと帯キツいかも」
千夜「はーい。………ねぇ、どうして甘兎で一緒に働いてくれる気になったの?」
シャロ「どうしてって、さっきも言ったでしょ?兎に慣れる為よ」
千夜「そう………ありがとね、シャロちゃん」
シャロ「は?」
千夜「私シャロちゃんと働くの夢だったから。甘兎で働くって言ってくれて、本当に嬉しい」
シャロ「……そう」///
千夜「はい、着付け終わり。それじゃ無理しないで頑張りましょう」
シャロ「……うんっ!」
──────────────
──────
シャロ「ちょっと帯キツいかも」
千夜「はーい。………ねぇ、どうして甘兎で一緒に働いてくれる気になったの?」
シャロ「どうしてって、さっきも言ったでしょ?兎に慣れる為よ」
千夜「そう………ありがとね、シャロちゃん」
シャロ「は?」
千夜「私シャロちゃんと働くの夢だったから。甘兎で働くって言ってくれて、本当に嬉しい」
シャロ「……そう」///
千夜「はい、着付け終わり。それじゃ無理しないで頑張りましょう」
シャロ「……うんっ!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:03:24.37 ID:ahl8/I1Z0
シャロ(……と言ったのは良いものの)
あんこ「……」チョコン
シャロ(なんでこいつは人の頭に乗るわけ!?)ガクブル
千夜「もうこんなに仲良しになって……!」ホロリ
シャロ「違うわよそういうんじゃないの!見てないで助けなさいよー!」
シャロ(こんなの爆弾を頭に乗せてるようなものよ……千夜にどうにかしてもらいたい……)
シャロ「ち、千夜……>>9してくれない?」
あんこ「……」チョコン
シャロ(なんでこいつは人の頭に乗るわけ!?)ガクブル
千夜「もうこんなに仲良しになって……!」ホロリ
シャロ「違うわよそういうんじゃないの!見てないで助けなさいよー!」
シャロ(こんなの爆弾を頭に乗せてるようなものよ……千夜にどうにかしてもらいたい……)
シャロ「ち、千夜……>>9してくれない?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:04:07.00 ID:jrXxGiRVO
私を(あんこから)守って
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:14:37.27 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「ち、千夜……私を(あんこから)守ってくれない?」ウルウル
千夜「!もちろん全力で護るわ……黒き十字架の守護者ここに爆誕よ!!」アセアセ
シャロ「前フリは良いから早くー!」
千夜「あんこ、シャロちゃんの上に乗っちゃだめよ?こっちにいらっしゃい?」
あんこ「……」フイッ
千夜「仕方ない子ねぇ」ヒョイッ
シャロ「ひぅっ……た、助かったわ……ありがと」
千夜「でもこれからはあれくらい耐えなきゃ大変よ?」
シャロ「でも千夜私の事守ってくれるのよね?」
千夜「それはもちろんよ!上目遣いの泣きそうなシャロちゃん見られたし♪」
シャロ「なっ……忘れなさいっ!」///
千夜「毎日見たいわ~」
シャロ「絶対明日はそんなことしないから!」
──────────────────────
──────────────
──────
あんこ「ー!」
シャロ「ピャッ!?わ、私を助けて……」ウルウル
千夜「パチリ♪」ピロリン♪
千夜「!もちろん全力で護るわ……黒き十字架の守護者ここに爆誕よ!!」アセアセ
シャロ「前フリは良いから早くー!」
千夜「あんこ、シャロちゃんの上に乗っちゃだめよ?こっちにいらっしゃい?」
あんこ「……」フイッ
千夜「仕方ない子ねぇ」ヒョイッ
シャロ「ひぅっ……た、助かったわ……ありがと」
千夜「でもこれからはあれくらい耐えなきゃ大変よ?」
シャロ「でも千夜私の事守ってくれるのよね?」
千夜「それはもちろんよ!上目遣いの泣きそうなシャロちゃん見られたし♪」
シャロ「なっ……忘れなさいっ!」///
千夜「毎日見たいわ~」
シャロ「絶対明日はそんなことしないから!」
──────────────────────
──────────────
──────
あんこ「ー!」
シャロ「ピャッ!?わ、私を助けて……」ウルウル
千夜「パチリ♪」ピロリン♪
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:19:15.23 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「つ、疲れたぁ……」
千夜「お疲れ様、シャロちゃん!初日から素晴らしい働きだったわ♪」
シャロ「きびきび動かないと頭を狙われるしね……うう、あんこさえ怖くなくなれば随分楽になるのに……」
千夜「そうね。でもシャロちゃん今日は過去最高にあんこと触れ合えてたわ!これは進歩よ!」
シャロ「そ、そう?」
千夜「ええ、ご褒美になんでもしてあげる♪」
シャロ「なんでもって……じゃあ、>>13をしてもらおうかしら」
千夜「お疲れ様、シャロちゃん!初日から素晴らしい働きだったわ♪」
シャロ「きびきび動かないと頭を狙われるしね……うう、あんこさえ怖くなくなれば随分楽になるのに……」
千夜「そうね。でもシャロちゃん今日は過去最高にあんこと触れ合えてたわ!これは進歩よ!」
シャロ「そ、そう?」
千夜「ええ、ご褒美になんでもしてあげる♪」
シャロ「なんでもって……じゃあ、>>13をしてもらおうかしら」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:20:01.87 ID:jrXxGiRVO
お風呂で背中流して
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:29:36.35 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「じゃあ、お風呂で背中流してもらおうかしら」
千夜「あら、シャロちゃんからお風呂一緒に入ろうだなんて珍しいわね。もちろん良いわよ!」
シャロ「べ、別に珍しくなんかないし」///
千夜「さ、もうお湯沸いてる筈だから入っちゃいましょ?」
シャロ「うん……」///
千夜「私も背中流してほしいなー」
シャロ「千夜も?」
千夜「シャロちゃんおねがーい」
シャロ「別にいいけど。じゃあ>>15もしてもらっちゃおうかしら」
千夜「あら、シャロちゃんからお風呂一緒に入ろうだなんて珍しいわね。もちろん良いわよ!」
シャロ「べ、別に珍しくなんかないし」///
千夜「さ、もうお湯沸いてる筈だから入っちゃいましょ?」
シャロ「うん……」///
千夜「私も背中流してほしいなー」
シャロ「千夜も?」
千夜「シャロちゃんおねがーい」
シャロ「別にいいけど。じゃあ>>15もしてもらっちゃおうかしら」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:32:31.51 ID:V2ZqtI4Io
髪を洗って
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 21:54:03.37 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「髪も洗ってもらっちゃおうかしら。なんて」
千夜「んもうそのくらい朝飯前よ!はい目瞑ってー」
シャロ「あ……いいの?///」
千夜「私は全身洗ってあげるつもりでいたわよ?」シャコシャコ
シャロ「あぅ……全身は……ちょっと……ぁー………」
千夜「気持ちいい?」
シャロ「……うん」///
千夜「他人にシャンプーされるのってなんで気持ちいいのかしらね」ザバ-ッ
シャロ「なんでだろね」
千夜「さて、シャロちゃんの全身を余すとこなく洗うわよ?」
シャロ「ピャッ、全身はいいから!背中だけでいいから!」///
千夜「はいじゃあ後ろからいくわよー」ピチャン
シャロ「ピャッ!?」
千夜「シャロちゃん」
シャロ「な、なによ」
千夜「ちゃんと牛乳飲まなきゃ大きくなれないわよ?」
シャロ「飲んでるわよ!値段ケチらないで無調整乳選んでるんだからぁ!」
千夜「まあちっちゃくて可愛いけどね♪」ピトッ
シャロ「ピャァッ!?」///
千夜「んもうそのくらい朝飯前よ!はい目瞑ってー」
シャロ「あ……いいの?///」
千夜「私は全身洗ってあげるつもりでいたわよ?」シャコシャコ
シャロ「あぅ……全身は……ちょっと……ぁー………」
千夜「気持ちいい?」
シャロ「……うん」///
千夜「他人にシャンプーされるのってなんで気持ちいいのかしらね」ザバ-ッ
シャロ「なんでだろね」
千夜「さて、シャロちゃんの全身を余すとこなく洗うわよ?」
シャロ「ピャッ、全身はいいから!背中だけでいいから!」///
千夜「はいじゃあ後ろからいくわよー」ピチャン
シャロ「ピャッ!?」
千夜「シャロちゃん」
シャロ「な、なによ」
千夜「ちゃんと牛乳飲まなきゃ大きくなれないわよ?」
シャロ「飲んでるわよ!値段ケチらないで無調整乳選んでるんだからぁ!」
千夜「まあちっちゃくて可愛いけどね♪」ピトッ
シャロ「ピャァッ!?」///
19: ◆xpx6kET0yQi. 2015/09/28(月) 22:17:44.90 ID:ahl8/I1Z0
シャロ「もう千夜には頼まない///」プイッ
千夜「ごめんなさい、調子に乗っちゃった♪」
シャロ「もう……ほら、私も洗ってあげるからそっち向いて」
千夜「わーい」
シャロ(柔らかい)
千夜「フフフフ-ンフ-ン♪」
シャロ(どっどどどどうしよう散々やられたし私も前側洗ってやろうかな)
どうします↓
千夜「ごめんなさい、調子に乗っちゃった♪」
シャロ「もう……ほら、私も洗ってあげるからそっち向いて」
千夜「わーい」
シャロ(柔らかい)
千夜「フフフフ-ンフ-ン♪」
シャロ(どっどどどどうしよう散々やられたし私も前側洗ってやろうかな)
どうします↓
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/28(月) 22:18:26.16 ID:LCt7OevCO
胸を優しく揉む
23: ◆xpx6kET0yQi. 2015/09/28(月) 23:50:14.12 ID:ahl8/I1Z0
シャロ(そうよ……それは合理的に千夜のおっぱいを揉む事ができる類稀な状況!さっきまでの仕返しの体で行けば不審な行動にはならない……!)
シャロ(揉むわよ、千夜)ハァハァ
千夜「どうしたの?急に手止めて」
シャロ「そりゃあっ!」フニッ
千夜「やっ、シャロちゃんのエッチー!」
シャロ「はっ……え、エッチじゃないし!」/////
千夜「だって今おっぱい揉んだわ」
シャロ「そ、それは千夜もさっきしてきたことで」
千夜「エッチ」
シャロ「な……」
千夜「シャロちゃんのエッチ」
シャロ「ち、ちが……ちがうもん……」ウルウル
千夜「違わないもん」
シャロ「違うったらぁ……ごめんなさいぃ……」ポロポロ
千夜「……フフッ」
千夜「なんてね♪」
シャロ「え……?」
千夜「シャロちゃんからかうと面白いからつい」
シャロ「……」
千夜「よしよし」ナテナデ
シャロ「ふ、ふんっ!知らないし」///
シャロ(揉むわよ、千夜)ハァハァ
千夜「どうしたの?急に手止めて」
シャロ「そりゃあっ!」フニッ
千夜「やっ、シャロちゃんのエッチー!」
シャロ「はっ……え、エッチじゃないし!」/////
千夜「だって今おっぱい揉んだわ」
シャロ「そ、それは千夜もさっきしてきたことで」
千夜「エッチ」
シャロ「な……」
千夜「シャロちゃんのエッチ」
シャロ「ち、ちが……ちがうもん……」ウルウル
千夜「違わないもん」
シャロ「違うったらぁ……ごめんなさいぃ……」ポロポロ
千夜「……フフッ」
千夜「なんてね♪」
シャロ「え……?」
千夜「シャロちゃんからかうと面白いからつい」
シャロ「……」
千夜「よしよし」ナテナデ
シャロ「ふ、ふんっ!知らないし」///
26: ◆xpx6kET0yQi. 2015/09/29(火) 22:03:05.68 ID:8/21mNen0
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「久々ね二人で入ったの♪」
シャロ「ちょっと前にラビットハウスで入ったでしょ」
千夜「昔はいつもだったもん。あ、新しい人生ゲームがあるの、やっていかない?」
シャロ「わざわざ新作買う程好きだったっの!?」
千夜「いつも同じ人生なんてつまらないでしょ?さあ今夜は長いわよー?」
シャロ「今夜って……あ、と、泊まっていってもいい?」
千夜「私はそうさせるつもりでいたわ!」
シャロ「あ、そう……」///
千夜「でも流石に一晩中人生ゲームやったらココアちゃん達とやるときに飽きちゃってるわ。何か他にしたいことある?」
シャロ「そ、そうね……>>27でもしない?」
──────────────
──────
千夜「久々ね二人で入ったの♪」
シャロ「ちょっと前にラビットハウスで入ったでしょ」
千夜「昔はいつもだったもん。あ、新しい人生ゲームがあるの、やっていかない?」
シャロ「わざわざ新作買う程好きだったっの!?」
千夜「いつも同じ人生なんてつまらないでしょ?さあ今夜は長いわよー?」
シャロ「今夜って……あ、と、泊まっていってもいい?」
千夜「私はそうさせるつもりでいたわ!」
シャロ「あ、そう……」///
千夜「でも流石に一晩中人生ゲームやったらココアちゃん達とやるときに飽きちゃってるわ。何か他にしたいことある?」
シャロ「そ、そうね……>>27でもしない?」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/29(火) 22:07:22.48 ID:YJwlMOwzO
こっくりさん
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 20:32:36.12 ID:Z6+9RqCA0
シャロ(吊り橋効果を狙うわ!)
シャロ「こっくりさんでもしない?」
千夜「こっくりさんってあの、コインを使うやつのこと?」
シャロ「そうよ。今学校で流行っててね、面白いらしいからやってみたくて」
千夜「あんまりいい話を聞かないんだけど……試しにやってみましょうか」
シャロ「紙用意するわね」
──────────────────────
──────────────
──────
シャロ「じゃあ始めるわよ」
千夜「シャロちゃんやっぱり怖いわ……」
シャロ「だ、大丈夫よ」
シャロ(千夜が怖がるって相当よね……今になって急に怖くなってきたんだけど)
千夜「じゃ、じゃあ言うわよ」
千夜「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進み下さい」
コイン「……」ススス
シャロ「あ……『いいえ』だって」
千夜「あら失敗しちゃったのね……なら他の事しましょうか?」
シャロ(吊り橋効果はあてにならなかったけど、今度こそ距離を縮めるわ!)
シャロ「そうね。じゃあ……>>31しない?」
シャロ「こっくりさんでもしない?」
千夜「こっくりさんってあの、コインを使うやつのこと?」
シャロ「そうよ。今学校で流行っててね、面白いらしいからやってみたくて」
千夜「あんまりいい話を聞かないんだけど……試しにやってみましょうか」
シャロ「紙用意するわね」
──────────────────────
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──────
シャロ「じゃあ始めるわよ」
千夜「シャロちゃんやっぱり怖いわ……」
シャロ「だ、大丈夫よ」
シャロ(千夜が怖がるって相当よね……今になって急に怖くなってきたんだけど)
千夜「じゃ、じゃあ言うわよ」
千夜「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進み下さい」
コイン「……」ススス
シャロ「あ……『いいえ』だって」
千夜「あら失敗しちゃったのね……なら他の事しましょうか?」
シャロ(吊り橋効果はあてにならなかったけど、今度こそ距離を縮めるわ!)
シャロ「そうね。じゃあ……>>31しない?」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 20:36:39.59 ID:eu9mqsVeo
マッサージしてあげるわ
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 20:56:47.07 ID:Z6+9RqCA0
シャロ「マッサージしてあげるわ」
千夜「マッサージ?シャロちゃんが?」キョトン
シャロ「そ、そうよ。毎日重たい物持って働いてるんだし」
千夜「重たい物持っててかしら……じゃあお願いしようかしら~」
シャロ「う、うん」
シャロ(………)
シャロ(ピャァァァァッ!!何してんのよ私!身体触りたいだけじゃない!スケベよ、最低よ……)
千夜「どうしたの?固まっちゃって」
シャロ「ピャッ!?ななななんでもないわ!さぁ始めるわよ!寝て!」
千夜「うん♪」ドサッ
シャロ(頑張るのよシャロ、変に思われないように……自然体で……)
シャロ「……」グッグッ
千夜「あぁ^~いいわぁ^~」
シャロ「……」グイッ
千夜「ひゃんっ!」
シャロ「ピャッ!?」ビクッ
千夜「そこくすぐったいわ」
シャロ「あ、ご、ごめん」///
千夜「疲れたでしょ。もういいから、シャロちゃんにもしてあげる」
シャロ「え、いや私は別に」
千夜「寝なさい?」
シャロ「ピャッ!」ドサッ
千夜「マッサージ?シャロちゃんが?」キョトン
シャロ「そ、そうよ。毎日重たい物持って働いてるんだし」
千夜「重たい物持っててかしら……じゃあお願いしようかしら~」
シャロ「う、うん」
シャロ(………)
シャロ(ピャァァァァッ!!何してんのよ私!身体触りたいだけじゃない!スケベよ、最低よ……)
千夜「どうしたの?固まっちゃって」
シャロ「ピャッ!?ななななんでもないわ!さぁ始めるわよ!寝て!」
千夜「うん♪」ドサッ
シャロ(頑張るのよシャロ、変に思われないように……自然体で……)
シャロ「……」グッグッ
千夜「あぁ^~いいわぁ^~」
シャロ「……」グイッ
千夜「ひゃんっ!」
シャロ「ピャッ!?」ビクッ
千夜「そこくすぐったいわ」
シャロ「あ、ご、ごめん」///
千夜「疲れたでしょ。もういいから、シャロちゃんにもしてあげる」
シャロ「え、いや私は別に」
千夜「寝なさい?」
シャロ「ピャッ!」ドサッ
33: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/02(金) 21:08:29.64 ID:Z6+9RqCA0
シャロ「だから私はいいってば……」
千夜「遠慮しなくていいのよ、これでもマッサージには自信があるの」
シャロ「ううう……」
千夜「いくわよー」グッ
シャロ「う゛っ」
千夜「ふっ、ふっ」グイッグイッ
シャロ「あぅっ、あぅっ」
千夜「ふん!」
シャロ「ぁぁぁ………」///
千夜「ふぅ、こんなもんかしら。どうだった?」
シャロ「ひ、ひもひよはっらぁ……」///
千夜「ところでシャロちゃんちょっとお肉ついた?」
シャロ「こんのバカぁ!」
千夜「冗談よ。ねぇそろそろメインディッシュにしない?」
シャロ「メインディッシュって」
千夜「人生ゲームよ!」
シャロ「人生ゲームにメインディッシュはおかしいわよ!」
千夜「千夜ちゃんは何色の車がいい?」
シャロ「なんでもいいわよ」
千夜「じゃあ黒ね」
シャロ「緑選ぶかと思った」
千夜「ふふ。あんこともっと仲良くなってもらいたいなーって」
シャロ「もう、わかってるわよ……頑張るわ。はい千夜」
千夜「いつも通り黄色ね」
シャロ「うん」///
千夜「?なんで赤いの?」
シャロ「なっなんでもないわよ!ほらさっさとやるわよ!」
千夜「フフッ……」
千夜「遠慮しなくていいのよ、これでもマッサージには自信があるの」
シャロ「ううう……」
千夜「いくわよー」グッ
シャロ「う゛っ」
千夜「ふっ、ふっ」グイッグイッ
シャロ「あぅっ、あぅっ」
千夜「ふん!」
シャロ「ぁぁぁ………」///
千夜「ふぅ、こんなもんかしら。どうだった?」
シャロ「ひ、ひもひよはっらぁ……」///
千夜「ところでシャロちゃんちょっとお肉ついた?」
シャロ「こんのバカぁ!」
千夜「冗談よ。ねぇそろそろメインディッシュにしない?」
シャロ「メインディッシュって」
千夜「人生ゲームよ!」
シャロ「人生ゲームにメインディッシュはおかしいわよ!」
千夜「千夜ちゃんは何色の車がいい?」
シャロ「なんでもいいわよ」
千夜「じゃあ黒ね」
シャロ「緑選ぶかと思った」
千夜「ふふ。あんこともっと仲良くなってもらいたいなーって」
シャロ「もう、わかってるわよ……頑張るわ。はい千夜」
千夜「いつも通り黄色ね」
シャロ「うん」///
千夜「?なんで赤いの?」
シャロ「なっなんでもないわよ!ほらさっさとやるわよ!」
千夜「フフッ……」
34: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/02(金) 21:41:17.75 ID:Z6+9RqCA0
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「眠くなってきたわ……そろそろ寝ましょ?」
シャロ「そうね。明日は定休日だっけ?」
千夜「ええ。シャロちゃんバイトは?」
シャロ「入ってないわ。じゃあその……明日千夜は暇?」
千夜「シャロちゃんと遊ぶわ♪」
シャロ「そ、そうなの」///
千夜「久々ね。二人一緒の部屋で寝て、朝起きたらまた遊べるって」
シャロ「そうね……」
千夜「毎日こうだった日が夢みたい」
シャロ「……やめてよ。また……寂しくなっちゃうから」
千夜「……うん」
千夜「それじゃ電気消すわね。おやすみシャロちゃん」
シャロ「おやすみ、千夜」
シャロ「……」
シャロ(ついに消灯ね)
シャロ(好機っ・・・・!圧倒的好機っ・・・・!)
シャロ(>>35をするわ!)
──────────────
──────
千夜「眠くなってきたわ……そろそろ寝ましょ?」
シャロ「そうね。明日は定休日だっけ?」
千夜「ええ。シャロちゃんバイトは?」
シャロ「入ってないわ。じゃあその……明日千夜は暇?」
千夜「シャロちゃんと遊ぶわ♪」
シャロ「そ、そうなの」///
千夜「久々ね。二人一緒の部屋で寝て、朝起きたらまた遊べるって」
シャロ「そうね……」
千夜「毎日こうだった日が夢みたい」
シャロ「……やめてよ。また……寂しくなっちゃうから」
千夜「……うん」
千夜「それじゃ電気消すわね。おやすみシャロちゃん」
シャロ「おやすみ、千夜」
シャロ「……」
シャロ(ついに消灯ね)
シャロ(好機っ・・・・!圧倒的好機っ・・・・!)
シャロ(>>35をするわ!)
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/02(金) 21:45:01.19 ID:qJumOUBpO
抱きついて添い寝
37: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/04(日) 20:39:42.24 ID:Pu7y8wg20
シャロ(抱きついて添い寝するわ!)
シャロ(起きてる内にするか寝るまで待つかどっちにしようかな……)
シャロ(……私に振り向いて貰うんだから、起きてる内にやらなきゃダメよね)
シャロ「……ん」ゴソゴソ
千夜「あら?どうしたのシャロちゃん」
シャロ「その……一緒に……寝たいなって……」モジモジ
千夜「あら……今日は随分甘えんぼさんなのね?」ギュッ
シャロ「あっ……」///
千夜「おやすみなさい、シャロちゃん」
シャロ「お、おや……すみ……」///
シャロ「……」
シャロ(幸せぇ……///)
シャロ(起きてる内にするか寝るまで待つかどっちにしようかな……)
シャロ(……私に振り向いて貰うんだから、起きてる内にやらなきゃダメよね)
シャロ「……ん」ゴソゴソ
千夜「あら?どうしたのシャロちゃん」
シャロ「その……一緒に……寝たいなって……」モジモジ
千夜「あら……今日は随分甘えんぼさんなのね?」ギュッ
シャロ「あっ……」///
千夜「おやすみなさい、シャロちゃん」
シャロ「お、おや……すみ……」///
シャロ「……」
シャロ(幸せぇ……///)
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/06(火) 21:27:02.39 ID:2wT+HTh90
シャロ「すぅ……すぅ……」zzz
千夜「シャロちゃん起きてー朝よー」
シャロ「んー……?ピャッ!?」///
千夜「どうしたの?」
シャロ「あ、昨日一緒に寝たんだったわね……」///
千夜「甘えんぼさん♪」
シャロ「ちっ違うわよ!あれは一時の気の迷いで……」
千夜「そんなこと言っちゃって~」ギュ
シャロ「はなしてよ!」///
千夜「今日も甘えたって良いのよ?」
シャロ「甘えてないし甘えないし!
千夜「シャロちゃん起きてー朝よー」
シャロ「んー……?ピャッ!?」///
千夜「どうしたの?」
シャロ「あ、昨日一緒に寝たんだったわね……」///
千夜「甘えんぼさん♪」
シャロ「ちっ違うわよ!あれは一時の気の迷いで……」
千夜「そんなこと言っちゃって~」ギュ
シャロ「はなしてよ!」///
千夜「今日も甘えたって良いのよ?」
シャロ「甘えてないし甘えないし!
40: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/06(火) 21:28:32.17 ID:2wT+HTh90
千夜「もー素直じゃないんだから……今日は何する?」
シャロ「今日はそうね……>>41したいかな」
シャロ「今日はそうね……>>41したいかな」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/06(火) 21:36:43.65 ID:NVx3MPgCo
和菓子作りを教えてもらう
43: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/06(火) 21:58:38.38 ID:2wT+HTh90
シャロ「和菓子の作り方……なんて教えてくれない?」
千夜「あら、和菓子?内のメニューってこと?」
シャロ「うん。千夜の和菓子を作ってるところ見たら私も作ってみたくなって」
千夜「ウフフ……私のしごきは厳しいわよ?」
シャロ「がっ、がんばるわ」
千夜「そのうちシャロちゃんの作ったのをお客さんに出せるようになると良いわね♪」
シャロ「紅茶だったら今すぐ出せるわよ」
千夜「なっ……この親不孝者!」
シャロ「別にあんたの子になった覚えは無いわよ!」
千夜「うちの養子にでもなってくれれば後継ぎも心配無いんだけど……」
シャロ「あんた自分を何だと思ってんのよ……」
千夜「まあ養子の件は置いときましょ。朝ごはん作らなきゃ」ニコッ
シャロ「うん」
千夜「あら、和菓子?内のメニューってこと?」
シャロ「うん。千夜の和菓子を作ってるところ見たら私も作ってみたくなって」
千夜「ウフフ……私のしごきは厳しいわよ?」
シャロ「がっ、がんばるわ」
千夜「そのうちシャロちゃんの作ったのをお客さんに出せるようになると良いわね♪」
シャロ「紅茶だったら今すぐ出せるわよ」
千夜「なっ……この親不孝者!」
シャロ「別にあんたの子になった覚えは無いわよ!」
千夜「うちの養子にでもなってくれれば後継ぎも心配無いんだけど……」
シャロ「あんた自分を何だと思ってんのよ……」
千夜「まあ養子の件は置いときましょ。朝ごはん作らなきゃ」ニコッ
シャロ「うん」
44: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/06(火) 22:47:03.21 ID:2wT+HTh90
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「これが栗よ」
シャロ「見ればわかるわ。でもこれってどう見ても朝ごはんの材料ではないでしょ」
千夜「栗羊羹よ」
シャロ「栗羊羹て……朝から和菓子?」
千夜「甘兎で働いてもらう以上、この程度の甘味は朝飯前でなきゃね」
シャロ「太りそうね」
千夜「はうっ」グサッ
シャロ「じゃあ教えてもらおうかな、作り方」
千夜「太る……そりゃ太るわよね毎朝和菓子なんて……」
シャロ「千夜ー?どうしたの大丈夫?」
千夜「なんでもないわ。贅肉と会話してただけだから……」
シャロ「そんなに気にしてたの!?悪かったわね!」
千夜「ねぇシャロちゃん。ランニングでもしない?」
シャロ「落ち着きなさい、あんた5分も走ったら倒れるでしょ」
千夜「今変わらなかったら一生贅肉とお別れできないわ!そんなの嫌ー!」タッタッタッ
シャロ「あっちょっと!」
──────────────
──────
千夜「これが栗よ」
シャロ「見ればわかるわ。でもこれってどう見ても朝ごはんの材料ではないでしょ」
千夜「栗羊羹よ」
シャロ「栗羊羹て……朝から和菓子?」
千夜「甘兎で働いてもらう以上、この程度の甘味は朝飯前でなきゃね」
シャロ「太りそうね」
千夜「はうっ」グサッ
シャロ「じゃあ教えてもらおうかな、作り方」
千夜「太る……そりゃ太るわよね毎朝和菓子なんて……」
シャロ「千夜ー?どうしたの大丈夫?」
千夜「なんでもないわ。贅肉と会話してただけだから……」
シャロ「そんなに気にしてたの!?悪かったわね!」
千夜「ねぇシャロちゃん。ランニングでもしない?」
シャロ「落ち着きなさい、あんた5分も走ったら倒れるでしょ」
千夜「今変わらなかったら一生贅肉とお別れできないわ!そんなの嫌ー!」タッタッタッ
シャロ「あっちょっと!」
45: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/06(火) 23:12:35.98 ID:2wT+HTh90
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「消える……贅肉諸共消えてしまうわ……」ゼエゼエ
シャロ「だから無理するなって言ったのに」
千夜「痩せたいのよぉ……」
シャロ「食べる量を減らせば良いじゃない。あ、ギムネマシルベスターなんかどう?」
千夜「あああのシャロちゃんが昔飲んでた……家に帰ったらお願いしてもいいかしら」
シャロ「構わないけど、食事の楽しみは無くなるわよ?」
千夜「やせるためならなんでもするわ!」
シャロ「本当に無理しないでよ?じゃあ家まで走りましょうか」
千夜「シャロちゃんがいじめるぅ……」
シャロ「ほら早く歩いて!」
千夜「はぁい」
──────────────
──────
千夜「消える……贅肉諸共消えてしまうわ……」ゼエゼエ
シャロ「だから無理するなって言ったのに」
千夜「痩せたいのよぉ……」
シャロ「食べる量を減らせば良いじゃない。あ、ギムネマシルベスターなんかどう?」
千夜「あああのシャロちゃんが昔飲んでた……家に帰ったらお願いしてもいいかしら」
シャロ「構わないけど、食事の楽しみは無くなるわよ?」
千夜「やせるためならなんでもするわ!」
シャロ「本当に無理しないでよ?じゃあ家まで走りましょうか」
千夜「シャロちゃんがいじめるぅ……」
シャロ「ほら早く歩いて!」
千夜「はぁい」
46: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/06(火) 23:15:28.20 ID:2wT+HTh90
シャロ(どうしよう……折角の休日なのに全くそれっぽいムードにならないわ)
シャロ(当然といえば当然なんだけど、なんの成果もなく今日を終えるわけにもいかないわ!)
シャロ(>>48をしましょう)
シャロ(当然といえば当然なんだけど、なんの成果もなく今日を終えるわけにもいかないわ!)
シャロ(>>48をしましょう)
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/06(火) 23:22:20.51 ID:mvOJh2wOO
映画を見に
49: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/13(火) 22:29:20.05 ID:cloIX8ks0
シャロ(映画にでも誘って時間稼ぎよ!)
シャロ「ねぇ千夜」
千夜「なぁに?」
シャロ「外出たついでに映画見に行かない?」
千夜「映画……いいわね、今は何を上映してるのかしら」
シャロ「確か最近『紅葉trick』とかいう映画のCMやってなかった?どんなのかわからないけどそれなんかどうかな」
千夜「trickとかいうくらいだからミステリーものかしら?じゃあそれ見に行きましょうか」
シャロ「うんっ!」
シャロ「ねぇ千夜」
千夜「なぁに?」
シャロ「外出たついでに映画見に行かない?」
千夜「映画……いいわね、今は何を上映してるのかしら」
シャロ「確か最近『紅葉trick』とかいう映画のCMやってなかった?どんなのかわからないけどそれなんかどうかな」
千夜「trickとかいうくらいだからミステリーものかしら?じゃあそれ見に行きましょうか」
シャロ「うんっ!」
52: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/13(火) 22:38:45.74 ID:cloIX8ks0
──────────────────────
──────────────
──────
スクリーン『冬香……』『劣ちゃん……』イチャイチャ
シャロ「……」///
千夜「ね、ねぇシャロちゃん……シャロちゃんってこういうのが好きなの?」///
シャロ「ちっ、違うわよ!断じて違うわ!」///アセアセ
シャロ(見透かされた)
シャロ「たまたま選んだ映画がこういうのだっただけで……ほ、ほんとに違うからぁ!」
千夜「へーえ?」ニコニコ
シャロ「信じてないでしょ!?もう嫌ぁー!」///
千夜「待ってシャロちゃん!贅肉は急に走れないから!>>47しましょう!」
──────────────
──────
スクリーン『冬香……』『劣ちゃん……』イチャイチャ
シャロ「……」///
千夜「ね、ねぇシャロちゃん……シャロちゃんってこういうのが好きなの?」///
シャロ「ちっ、違うわよ!断じて違うわ!」///アセアセ
シャロ(見透かされた)
シャロ「たまたま選んだ映画がこういうのだっただけで……ほ、ほんとに違うからぁ!」
千夜「へーえ?」ニコニコ
シャロ「信じてないでしょ!?もう嫌ぁー!」///
千夜「待ってシャロちゃん!贅肉は急に走れないから!>>47しましょう!」
53: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/13(火) 22:40:13.02 ID:cloIX8ks0
すいません、>>54で脳内変換お願いします
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/13(火) 22:41:33.24 ID:gweaVJXAO
ディープキス
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/24(土) 22:01:15.43 ID:i66TUWYl0
千夜「ディープキスしましょう!!」バァァン
シャロ「……はっ?」ピタッ
千夜「あっ……」
シャロ「は、はっ……はぁ!?何言ってんのよバカァ!」///
千夜「待ってシャロちゃんこれは違うの!行かないでー!」
シャロ「違うって何が違うのよ!」///
千夜「これはその……映画の真似よ!!」バァァァン
シャロ「真似……?ならいいわよ」
シャロ(危なかった……突拍子無さすぎてチャンスをみすみす逃す所だったわ)
シャロ(でも千夜の方からき、キスだなんて……はぁぁぁぁ)///
シャロ「ま、真似事なんだからね!本気じゃないから!!」///
千夜「はいはい♪」
シャロ「……はっ?」ピタッ
千夜「あっ……」
シャロ「は、はっ……はぁ!?何言ってんのよバカァ!」///
千夜「待ってシャロちゃんこれは違うの!行かないでー!」
シャロ「違うって何が違うのよ!」///
千夜「これはその……映画の真似よ!!」バァァァン
シャロ「真似……?ならいいわよ」
シャロ(危なかった……突拍子無さすぎてチャンスをみすみす逃す所だったわ)
シャロ(でも千夜の方からき、キスだなんて……はぁぁぁぁ)///
シャロ「ま、真似事なんだからね!本気じゃないから!!」///
千夜「はいはい♪」
62: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/28(水) 00:48:11.49 ID:TuSWre+h0
──────────────────────
──────────────
──────
シャロ(真似をするという名目なので髪を結ったのはいいけど)
シャロ(どうやってキスを始めればいいの……!)
シャロ「え、えっと千夜……準備できた……?」
千夜「ええ。……いい?行くわよ」
シャロ「あっやっぱちょっと待っ──んぅ!?」///
千夜「……ん……」///
シャロ「ん、ぁん……む……」///
シャロ「はぁっ、はぁっ」/////
千夜「ふーっ、ふー」/////
シャロ(頭ついていかない)
シャロ「ち、千夜……私もう帰るわ」
千夜「……うん、じゃあね」
シャロ「……(好き)」
──────────────────────
──────────────
──────
──────────────
──────
シャロ(真似をするという名目なので髪を結ったのはいいけど)
シャロ(どうやってキスを始めればいいの……!)
シャロ「え、えっと千夜……準備できた……?」
千夜「ええ。……いい?行くわよ」
シャロ「あっやっぱちょっと待っ──んぅ!?」///
千夜「……ん……」///
シャロ「ん、ぁん……む……」///
シャロ「はぁっ、はぁっ」/////
千夜「ふーっ、ふー」/////
シャロ(頭ついていかない)
シャロ「ち、千夜……私もう帰るわ」
千夜「……うん、じゃあね」
シャロ「……(好き)」
──────────────────────
──────────────
──────
63: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/28(水) 00:51:42.39 ID:TuSWre+h0
私の髪をあの映画の様に結っていたヘアゴムは外されていた。
──────────────────────
──────────────
──────
64: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/28(水) 00:57:34.72 ID:TuSWre+h0
朝チュン
シャロ「うぅ……痛みで目が冴えるなんて」ズキズキ
シャロ(昨日コーヒー一気飲みしたからなぁ……)
シャロ「昨日の事が夢みたい……」
シャロ「っ!/////」カァァァァ
シャロ(授業もバイトも身が入る気がしない)
シャロチャンオキテ-!
シャロ(千夜はそういうとこ強いのかな……ちょっと>>65だけしようかな)
シャロ「うぅ……痛みで目が冴えるなんて」ズキズキ
シャロ(昨日コーヒー一気飲みしたからなぁ……)
シャロ「昨日の事が夢みたい……」
シャロ「っ!/////」カァァァァ
シャロ(授業もバイトも身が入る気がしない)
シャロチャンオキテ-!
シャロ(千夜はそういうとこ強いのかな……ちょっと>>65だけしようかな)
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/28(水) 01:05:01.43 ID:fTSYbkWdO
ねたふり
67: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/31(土) 23:09:10.42 ID:G14wk37n0
シャロ(千夜には悪いけど、顔合わせできる気がしないから寝たふりしちゃおうかな)
シャロ「……」ス-ス-
シャロチャ-ン?チコクシチャウワヨ-?
シャロ(これって千夜を無視してるって事よね……なんか急に罪悪感湧いてきた)
……ソウヨネ,アンナコトシチャッタンダモノ
シャロ(千夜帰っちゃった……)
──────────────────────
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──────
シャロ「……」ス-ス-
シャロチャ-ン?チコクシチャウワヨ-?
シャロ(これって千夜を無視してるって事よね……なんか急に罪悪感湧いてきた)
……ソウヨネ,アンナコトシチャッタンダモノ
シャロ(千夜帰っちゃった……)
──────────────────────
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68: ◆xpx6kET0yQi. 2015/10/31(土) 23:12:22.10 ID:G14wk37n0
シャロ「バイト終わったし、これから千夜の家に行かなきゃなんだけど」
シャロ「やっぱ恥ずかしい……なんて顔して会えばいいのかしら」
シャロ(会ったらまず、>>70って言いましょう)
シャロ「やっぱ恥ずかしい……なんて顔して会えばいいのかしら」
シャロ(会ったらまず、>>70って言いましょう)
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/31(土) 23:18:43.82 ID:GskRLGXz0
朝のことを謝ろう、うれしいけど恥ずかしくて顔を合わせられなかったって
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/31(土) 23:22:14.08 ID:i7PR+rMso
>>69
72: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 21:27:26.09 ID:ZFVD1bOr0
シャロ(会ったらまず朝の事を……恥ずかしくて顔を合わせられなかったって)
シャロ(……キスできたのが嬉しかったってことも)///
シャロ(これじゃもう告白みたいなもんよね)
シャロ(告白……ち、千夜にこくっ、こっここここくはく)///プシュ-
シャロ(やばいやばいやばいやばい緊張する緊張する)
ガララッ
シャロ「た、たのもー!」///
千夜「きゃっ!?な、なぁんだシャロちゃんだったのね……道場破りかと思っちゃったわ」
シャロ「なわけないでしょ!いつから甘兎は道場になったのよ」
千夜「弟子はいつでも募集中なんだけど……今はまだシャロちゃんだけね」
シャロ「弟子になったつもりないし」
シャロ(いいわよ、すごく自然体よ紗路。このままテンパらないように……)
千夜「今日はバイト上がるの早かったのね~」
シャロ「う、うん。洗い物が少なくて」
千夜「うちなら家から近くて楽だと思うんだけどね。フルールは今月で卒業だったかしら?」
シャロ「うん。店長には悪いけど辞めさせてくれるって」
千夜「雑誌に載せられるほどお気に入りだったしねー」
シャロ「お気に入りなんかじゃないし……」
73: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 21:34:52.96 ID:ZFVD1bOr0
千夜「あ、ねぇシャロちゃん。悪いけどそっちにあるお皿持ってきてくれるかしら?」
シャロ「今持っていくね」カチャ
千夜「ありがとう」
シャロ「はいどうぞ。……ねぇ千夜?」
千夜「……なぁに?」ニコッ
シャロ「朝……起こしに来てくれたのに居留守使ってごめんなさい」
千夜「あ……」
シャロ「やっぱね、その……昨日の事……恥ずかしくなっちゃって」///
シャロ「ごっごめん!ほんとごめん……」
千夜「そういうことだったのね。……いいのよ、私が悪いことしたんだから」
シャロ「悪いことなんかじゃない!」
千夜「シャロちゃん?」ビクッ
シャロ「えと……うっ、嬉しかったから!それだけ!!」///
ガララッ タタタ……
千夜「……」
シャロ「今持っていくね」カチャ
千夜「ありがとう」
シャロ「はいどうぞ。……ねぇ千夜?」
千夜「……なぁに?」ニコッ
シャロ「朝……起こしに来てくれたのに居留守使ってごめんなさい」
千夜「あ……」
シャロ「やっぱね、その……昨日の事……恥ずかしくなっちゃって」///
シャロ「ごっごめん!ほんとごめん……」
千夜「そういうことだったのね。……いいのよ、私が悪いことしたんだから」
シャロ「悪いことなんかじゃない!」
千夜「シャロちゃん?」ビクッ
シャロ「えと……うっ、嬉しかったから!それだけ!!」///
ガララッ タタタ……
千夜「……」
75: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 22:40:52.73 ID:ZFVD1bOr0
──翌朝──
千夜「シャロちゃんおはよう」
シャロ「おはよう」
千夜「……」
シャロ「……」
千夜「……///んと……じゃあまたね」
シャロ「うん……」///
シャロ(それからというもの、私と千夜はお互いに無言でいる時間が長くなってきている)
シャロ(この状態が続くのは辛いわ……ドキドキし過ぎて心臓がバクハツしちゃいそうになるし)
シャロ(なんとかしてこの状況を打破しなければ……帰って千夜にあったら>>77をするわ)
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 22:41:49.12 ID:dhfmR0PaO
押し倒してハグ
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 22:41:59.83 ID:h1xg2rlvO
↑
78: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 22:54:23.60 ID:ZFVD1bOr0
シャロ(押し倒してハグをする……!)
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「おかえりなさい、シャロちゃん」
シャロ「ただいま」
シャロ「あのね、ちょっと用があるんだけど上がってもいい?」
千夜「え?う、うん。大丈夫よ」
シャロ「ありがと。……いまおばあちゃん居る?」
千夜「それが明日までお出かけなのよー。おばあちゃんに用だった?」
シャロ「ううん、千夜に用事だからいいの」
千夜「あらよかったわ」
ガララッ
シャロ「じゃあ、お邪魔します」
千夜「いらっしゃ~い」
──────────────────────
──────────────
──────
千夜「おかえりなさい、シャロちゃん」
シャロ「ただいま」
シャロ「あのね、ちょっと用があるんだけど上がってもいい?」
千夜「え?う、うん。大丈夫よ」
シャロ「ありがと。……いまおばあちゃん居る?」
千夜「それが明日までお出かけなのよー。おばあちゃんに用だった?」
シャロ「ううん、千夜に用事だからいいの」
千夜「あらよかったわ」
ガララッ
シャロ「じゃあ、お邪魔します」
千夜「いらっしゃ~い」
79: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 23:08:27.31 ID:ZFVD1bOr0
シャロ(千夜、ごめん)
シャロ「千夜っ……」グッ
千夜「ん?きゃっ」
トサッ
千夜「びっくりした……ちょっと何するのシャロちゃ──」
シャロ「……///」ギュウゥゥゥゥゥゥゥ
千夜「え……な、何してるのシャロちゃん」///
シャロ「…………」///ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
千夜「ぁ……ちょ、ちょっと……」///
千夜「……うん……」///
シャロ(大好き大好き大好き大好き大好き///)ギュウゥゥゥゥ
千夜「ここじゃなくて……部屋じゃないと落ち着かないわ」///
シャロ「…………うん」///コクリ
──────────────────────
──────────────
──────
シャロ「千夜っ……」グッ
千夜「ん?きゃっ」
トサッ
千夜「びっくりした……ちょっと何するのシャロちゃ──」
シャロ「……///」ギュウゥゥゥゥゥゥゥ
千夜「え……な、何してるのシャロちゃん」///
シャロ「…………」///ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
千夜「ぁ……ちょ、ちょっと……」///
千夜「……うん……」///
シャロ(大好き大好き大好き大好き大好き///)ギュウゥゥゥゥ
千夜「ここじゃなくて……部屋じゃないと落ち着かないわ」///
シャロ「…………うん」///コクリ
──────────────────────
──────────────
──────
80: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/08(日) 23:29:33.61 ID:ZFVD1bOr0
シャロ(サヨナラ私の理性)
千夜「シャロちゃ──」ドサッ
シャロ「……」///ギュウゥゥゥゥゥゥ
千夜「も、もう……///」ギュッ
シャロ(抱きしめ返された……?千夜が私をギュッて、ギュッてして)
シャロ「はぁ、はぁ……」ドキドキドキドキ
千夜「シャロちゃん……」///ギュウゥゥ
シャロ「ちやっ……ちやっ……!!」/////
シャロ(もう頭のなか千夜の事だらけでわけわかんない)ハァハァ
シャロ(>>82を)
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 23:31:32.28 ID:B/u+WLpuo
濃厚なキッス
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/08(日) 23:32:01.61 ID:3Rvuol6Jo
>>81
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 21:38:39.29 ID:1Ex60Nwb0
シャロ(濃厚なキッスよ!ノンケからゲイまでビアンに目覚めさせるガチキッスをお見舞いするわッ!!)
シャロ「千夜っ……!」スッ
ガララッ
ココア「千夜ちゃーん!パスタ巻いてるー──ヴェアアアア!?」
シャロ「んっ///……ん?」
千夜「んっ!?///……ん?」
ココア「お、お大事に……」カラカラピシャッ
シャロ「ぁ……ぁぁ…………」///
千夜「……」///
シャロ「千夜っ……!」スッ
ガララッ
ココア「千夜ちゃーん!パスタ巻いてるー──ヴェアアアア!?」
シャロ「んっ///……ん?」
千夜「んっ!?///……ん?」
ココア「お、お大事に……」カラカラピシャッ
シャロ「ぁ……ぁぁ…………」///
千夜「……」///
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 22:00:42.44 ID:1Ex60Nwb0
シャロ「あの、千夜」
千夜「どうしたの?」//
シャロ「ごめんなさいっ!」
シャロ「私が変なことしたからココアに引かれちゃったから……」
千夜「……ううん、シャロちゃんは悪くないわ」
シャロ「でも……」
千夜「シャロちゃんだけじゃなくて、私もしたかったことだから」
シャロ「それって」
千夜「あの映画みたいに……あの二人以上に、シャロちゃんに近づきたいの」
シャロ「え、あ……」
シャロ「……はい」///
千夜「だから今度は私からさせてね」
シャロ「うん」///
千夜「シャロちゃん……」スッ
ガララッ
千夜祖母「お菓子持ってきてやっ……」
千夜祖母「……好きにしな」ピシャッ
千夜「ああぁぁぁぁ……」/////
シャロ「あぅあぁぁぁ……」/////
千夜「どうしたの?」//
シャロ「ごめんなさいっ!」
シャロ「私が変なことしたからココアに引かれちゃったから……」
千夜「……ううん、シャロちゃんは悪くないわ」
シャロ「でも……」
千夜「シャロちゃんだけじゃなくて、私もしたかったことだから」
シャロ「それって」
千夜「あの映画みたいに……あの二人以上に、シャロちゃんに近づきたいの」
シャロ「え、あ……」
シャロ「……はい」///
千夜「だから今度は私からさせてね」
シャロ「うん」///
千夜「シャロちゃん……」スッ
ガララッ
千夜祖母「お菓子持ってきてやっ……」
千夜祖母「……好きにしな」ピシャッ
千夜「ああぁぁぁぁ……」/////
シャロ「あぅあぁぁぁ……」/////
88: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/28(土) 22:07:51.85 ID:1Ex60Nwb0
千夜「どうして誰もノックしないの……年頃の女子の部屋なのよ?」
シャロ「落ち着きなさいよ……こうなった以上どうしようもないわ」
千夜「でも皆からどう思われるか」
シャロ「……皆からどう思われようと私は千夜のこと好きだし……」///
千夜「シャロちゃん……!」ウルウル
千夜「シャロちゃん大好き!」ギュッ!
シャロ(落ちたわ!!)
シャロ(……私が)
シャロ「落ち着きなさいよ……こうなった以上どうしようもないわ」
千夜「でも皆からどう思われるか」
シャロ「……皆からどう思われようと私は千夜のこと好きだし……」///
千夜「シャロちゃん……!」ウルウル
千夜「シャロちゃん大好き!」ギュッ!
シャロ(落ちたわ!!)
シャロ(……私が)
89: ◆xpx6kET0yQi. 2015/11/28(土) 22:37:19.39 ID:1Ex60Nwb0
これで終わりです。読んで下さった方に心から感謝すると共に謝罪させて頂きます
この程度の投下数でここまで間延びさせて申し訳ありませんでした。身の程を弁えたSSを書くことを心がけます
この程度の投下数でここまで間延びさせて申し訳ありませんでした。身の程を弁えたSSを書くことを心がけます
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 22:50:08.65 ID:cSNbuCNro
乙
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/28(土) 23:23:32.36 ID:Vo15/XR3o
いやよかったよ
乙
乙
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 04:03:37.95 ID:INHRzEB/o
乙、ちゃんと完結させたなら全て良し
別にゆっくりペースでもいいのでまた何か書いてくれると嬉しい
別にゆっくりペースでもいいのでまた何か書いてくれると嬉しい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443440339/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ ご注文はうさぎですか? | Comments (0)
男「今年はなんだか冷えこむなあ」雪女「ごめんなさいね」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:44:32.87 ID:GfNynip8o
男「え?」
雪女「ご迷惑おかけしてます」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:45:27.79 ID:GfNynip8o
……
男「ゆき、おんな? っていうとあの、妖怪の?」
雪女「です」
男「あなたのせいで今年の日本列島は特に寒い?」
雪女「飲み込みが早くて助かります」
男「物わかりの良さだけが取り柄ですから」
雪女「そうなんですか?」
男「大丈夫、もう大体状況に適応しました」
雪女「それはすごい」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:45:55.96 ID:GfNynip8o
男「それで、雪女さんが僕に何の用事でしょうか。ただ謝るために声をかけたわけでもないでしょ?」
雪女「わ、本当に適応してる。妖怪要素に動じない」
男「僕に何か手伝ってほしいことがあるとか」
雪女「わ、わ、すごい。近い」
男「ふふふ特技披露するの気持ちいい」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:46:22.94 ID:GfNynip8o
雪女「実は今年のわたしはモリモリしてるんです」
男「モリモリ」
雪女「ええモリモリ。つまり元気が有り余ってるんですが、それにつられて北から冷たい空気や風が入ってきてしまっているんですね」
男「ふむふむ」
雪女「助けてください」
男「分かりました」
雪女「え……本当に?」
男「はい」
雪女「さすがに物わかりの良さが過ぎません?」
男「取り柄ですから」
雪女「すごすぎる」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:46:50.75 ID:GfNynip8o
男「とりあえずあなたの元気を盛り下げればいいんですね」
雪女「え? いやまだ続きが」
男「そうですか。残念です」
雪女「何がです?」
男「僕がプライドをかけて磨き上げてきた気分盛り下げ術が、ついに日の目を見る瞬間かと思ったんですが」
雪女「気分盛り下げ術」
男「適切に使えば心が穏やかになります」
雪女「適切でなければ?」
男「病みます」
雪女「え」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/12(木) 22:47:40.12 ID:GfNynip8o
男「使ってみませんか、気分盛り下げ術」
雪女「え、いやその。遠慮しておこうかと」
男「ですよね。ごめんなさい」
雪女「こ、こちらこそ」
男「はぁ……」
雪女「そんなに落ち込まないで」
男「大丈夫です。物わかりはいいので。ほらもう元気」
雪女「は、はあ」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:34:00.16 ID:MqQ+9FXCo
男「春番?」
雪女「ええ、そうです」
男「それは一体何ですか?」
雪女「春呼びともいいます。その名の通り春の呼び寄せ役です」
男「なるほど春番を探しているのですね」
雪女「ええ。冬番から春番へとたすきが渡されて季節が巡っていくんです」
男「春になれば寒さも和らぐと」
雪女「はい。探すの手伝ってください」
男「いいですよ」
雪女「都合のいい人って言われません?」
男「稀に」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:34:33.54 ID:MqQ+9FXCo
男「さてしかし春番は一体どこに」
雪女「あなたの近辺にいるはずなのですが」
男「なるほど、だから他の誰でもなく僕に声をかけた。においでもするんですか?」
雪女「飲み込みのよさが怖くなってきた……ええ、あなたからは春番の気配を感じます」
男「僕が春番の可能性は?」
雪女「ありません」
男「はっきり言われると傷つきますね」
雪女「傷つくんですか?」
男「冗談です」
雪女「ええと」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:35:00.36 ID:MqQ+9FXCo
男「春番は僕に近しい人間ですか」
雪女「人間とは限りません」
男「え?」
雪女「去年は鳥でしたし、その前は大木でした」
男「それでは探すのが大変ですね」
雪女「とりあえず命あるもので引き継いでいくのが原則らしいのですが」
男「ふうむ」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:35:30.94 ID:MqQ+9FXCo
男「まあ立ち話もなんですし、とりあえず家に上がっていきませんか?」
雪女「あ。ご自宅こちらでしたか」
男「ええ」
雪女「引き留めてしまったみたいですみません」
男「はい。かれこれ数十分。身体が冷えました」
雪女「本当にごめんなさい」
男「いえ、寒いのは好きです」
雪女「変な人って言われません?」
男「稀に」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:35:58.21 ID:MqQ+9FXCo
男「ただいま」
母「おかえり。その人は?」
男「雪女さん」
雪女「え」
母「珍しいお客さんねえ」
雪女「え」
母「くつろいでいってくださいね」
雪女「あ、はい」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/13(金) 20:36:26.29 ID:MqQ+9FXCo
雪女「ご家族みんなあんな感じなんですか?」
男「はい。物わかりがいいです」
雪女「あ、自覚あるんだ。こうも綺麗にスルーされるとなんだか自分が雪女かどうか自信がなくなりますね」
男「人間界では苦労したことでしょう」
雪女「実はあなたも妖怪というオチとか」
男「ないです」
雪女「ないですか」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:50:50.63 ID:wzD2+rV9o
男「お茶どうぞ」
雪女「ありがとうございます」
男「さて話の続きをしましょうか」
雪女「あ、その前にこれを」
男「何ですか?」
雪女「いえ、ただで手伝ってもらうのも心苦しいので」
男「チョコですか」
雪女「今日はバレンタインデーというものらしく」
男「ありがとうございます」
雪女「え」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:51:22.95 ID:wzD2+rV9o
男「え、ってなんですか?」
雪女「いやずいぶん簡単に受け取るなあと」
男「なるほど、会って間もない女性からそういったものを受け取るのは不自然と」
雪女「はあ、まあ」
男「しかし受け取らなければそれはそれで変でしょう。お互い気まずいしなにより無償で人に動いてもらうのは罪悪感が強い」
雪女「物わかりの良さって過剰だとムカついてくるんですね。初めて知りました」
男「チョコ大好き」
雪女「取ってつけたように」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:51:51.25 ID:wzD2+rV9o
男「では春番探しですが」
雪女「はい」
男「心当たりがあります」
雪女「え」
男「はい」
雪女「なんでですか」
男「言いたくなる気持ちは分かります」
雪女「いやなんでですか」
男「なんかムカつきますよね。本当分かります」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:52:18.08 ID:wzD2+rV9o
男「生来の物わかりの良さからでしょうか、物事の解決法って大体察しがつくんですよ」
雪女「物わかりいいってレベルじゃない。今更だけど」
男「唐突ですが僕は友達が少ないです」
雪女「はい?」
男「というか一人しかいません」
雪女「はあ」
男「なんででしょうね」
雪女「そこは察しが悪いんですね」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:52:44.87 ID:wzD2+rV9o
男「とにかく家族とその一人ぐらいしか親密な付き合いはありません」
雪女「悲しいことをさらっと言いますね」
男「母は違うようなのであとは父か友人だけです。ちなみに他の生命体との交流もないです」
雪女「まるで異星人のような物言いを」
男「とりあえずその友人のところへ行ってみましょう」
雪女「はあ」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:53:11.61 ID:wzD2+rV9o
男「ここです」
雪女「家を出たばかりじゃないですか」
男「いえ、お向さんです」
雪女「え」
男「俗にいう幼馴染です」
雪女「それって友人カテゴリでしょうか」
男「他に適切なワードがないもので」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:53:38.82 ID:wzD2+rV9o
男「おーい!」
雪女「わっ」
男「おーい!!」
雪女「え? え? あの」
男「おーい!!!」
雪女「あの!」
男「こうしないと出てこないんですよ」
雪女「は?」
男「おーい!!!!」
ガララ!
「うるさい!」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:54:19.21 ID:wzD2+rV9o
男「あ、顔出しました。二階の窓。あれが幼馴染です」
雪女「はあ」
幼馴染「なんかウザい声がすると思ったら……あんたと話すことなんかないわ。帰って」
男「分かった。帰る」
雪女「え。なぜ」
男「それでは戻りましょう」
幼馴染「あんたのそういうとこ嫌い!」ピシャリ!
雪女「あれれ?」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:55:00.78 ID:wzD2+rV9o
雪女「で、わたしたちなんで帰ってきてるんでしょうか」
男「話しても聞いてもらえそうになかったので」
雪女「まあ確かにそんな感じでしたが」
男「『本当に友人ですか?』」
雪女「本当に友人なんですか? って、え?」
男「惜しい。誤差二文字」
雪女「なんか尊敬してきてる自分がいる」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:56:02.79 ID:wzD2+rV9o
男「正確には幼馴染は友人ではありません。かつては友人でした」
雪女「かつては?」
男「はい、秋の終わりにケンカしまして」
……
幼馴染「あんたのスカした態度大嫌い」
男「なるほど」
……
男「というわけで」
雪女「ケンカ?」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 06:56:31.15 ID:wzD2+rV9o
中断
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 17:58:54.59 ID:wzD2+rV9o
男「それよりどうでした?」
雪女「かわいい子でしたね」
男「ではなく。春番でした?」
雪女「ああ。ええと、どうでしょう」
男「曖昧ですね」
雪女「なにぶん遠くて短時間だったもので」
男「ふうむ」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 17:59:21.67 ID:wzD2+rV9o
母「お話し中ごめんなさい、ちょっといいかしら」
男「?」
雪女「何ですか?」
母「テレビがすごいこと言ってて」
男「なんでしょう」
TV「超大豪雪の見込みです」
雪女「え」
TV「全国で積雪がメートル単位でしょう」
男「これは」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 17:59:50.18 ID:wzD2+rV9o
母「あなたたちに何か関係あるかと思って。じゃあ下がるわね」
男「どうも」
雪女「何ですかこれは」
男「異常気象ですね」
雪女「一体なぜ急にこんな……はっ」
男「?」
雪女「あなたまさか、冬番?」
男「はい?」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 18:00:21.15 ID:wzD2+rV9o
雪女「ちょっと失礼。スンスン。間違いない」
男「なんと僕が冬番でしたか」
雪女「春番の気配に隠れてて気づくのが遅れました。これはまずい」
男「冬番とモリモリ雪女のコンボのせいですか?」
雪女「おそらくは」
TV「北海道が雪に沈みました」
雪女「あわわ」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 18:00:48.40 ID:wzD2+rV9o
TV「青森も陥落寸前です」
雪女「どうしようどうしよう」
男「……」
雪女「? どうしました」
男「行かなきゃ」
雪女「え?」
TV「東北はすべて沈みました」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 18:59:08.18 ID:wzD2+rV9o
男「おーい!」
雪女「何してるんですか?」
男「おーい!! 出てきてくれ! 話がしたい!」
雪女「……?」
男「ニュースは見ただろう! 時間がないんだ!」
ガララ
幼馴染「……なによ」
男「好きだ!」
幼馴染「へ?」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 18:59:39.07 ID:wzD2+rV9o
男「秋の終わり、覚えてるかい、僕は君に告白されたんだ」
幼馴染「……」
男「僕はそれを受けたけど、君は怒ってしまった」
……
幼馴染「そ、その、あんたのことが好きかも……なんだけど」
男「うん分かった。付き合おう。ゆくゆくは結婚も」
幼馴染「あんたのそういうスカしたとこ大嫌い」
男「なるほど」
……
男「なぜだろう」
幼馴染「死ね」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:00:08.98 ID:wzD2+rV9o
幼馴染「もう帰れ!」
男「帰らない!」
幼馴染「!」
男「好きだから、帰らない」
幼馴染「え……」
男「こんなに物わかりの悪い自分初めてだ。でも、それでも伝えたいことがあるから」
幼馴染「……」
男「好きじゃ足りない。適切な言葉がないから表現できないけど……とにかく一緒にいたいんだ」
幼馴染「あ……」
男「こんな時で申し訳ないけど。付き合ってください。お願いします」
雪女「わお」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:00:42.59 ID:wzD2+rV9o
ゴゴゴ……
雪女「? 何の音?」
男「あれは」
幼馴染「竜巻!?」
雪女「逃げなきゃ」
男「返事を!」
幼馴染「!」
男「……返事を、聞かせてほしい」
幼馴染「……」
幼馴染「……いいよ。付き合ったげる」
雪女「やった」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:01:26.66 ID:wzD2+rV9o
シュウゥゥ……
雪女「あ、竜巻が消えた」
男「本当ですね」
母「今テレビで超大豪雪の危険が去ったって言ってたわよ。雪も消えたって」
男「やっぱり幼馴染が春番でしたか」
雪女「ええ。みたいですね」
幼馴染「ごめんわたしだけついてけてないんだけど……」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:01:53.34 ID:wzD2+rV9o
……
雪女「本当にありがとうございました」
男「どういたしまして。雪女さんはこれからどこに?」
雪女「春はわたしには暖かすぎるので白鳥に乗ってシベリアに渡ります」
男「寒いんでしょうね」
雪女「ええ、ものすごく」
男「また来年来てください」
雪女「はい。また春番探ししましょうね」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:02:19.68 ID:wzD2+rV9o
男「お待たせ」
幼馴染「別に。雪女さんとやらは行ったの?」
男「うん、シベリアに」
幼馴染「シベリア」
男「白鳥に乗って」
幼馴染「白鳥」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:02:46.07 ID:wzD2+rV9o
幼馴染「どうも信じられないのよね、雪女に冬番春番にシベリアに」
男「信じなくてもいいよ。信じられる方がおかしい」
幼馴染「……でもあんたが言うんだから信じるわよ」
男「ありがとう」
幼馴染「か、勘違いしないでよね。あんたのことが好きだからとかじゃないから」
男「好きじゃないの?」
幼馴染「ばっ……好きは、好きだけど!」
男「好きだけど?」
幼馴染「なんでこういうときに限って物わかり悪いのよ!」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:03:17.05 ID:wzD2+rV9o
男「好きだからからかいたくなる」
幼馴染「ホントたち悪い……」
男「でも好き」
幼馴染「あー分かったわよ。好きよ大好きよ」
男「……」
幼馴染「? 照れてるの?」
男「くすぐったいなと」
幼馴染「へえ? じゃあこれ渡したらどうなっちゃのかしら」
男「これは、チョコ?」
幼馴染「そうよ」
男「……」
幼馴染「照れてるの?」
男「正直すごいうれしい」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:04:02.91 ID:wzD2+rV9o
男「今こそ使うべきかもしれない」
幼馴染「何を?」
男「気分盛り下げ術」
幼馴染「は?」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:04:31.39 ID:wzD2+rV9o
おわり
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 19:11:25.92 ID:L+uQzujt0
乙
おもしろかった
おもしろかった
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/14(土) 21:51:57.26 ID:ITxKFDvBo
おつおつ
良かった
良かった
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/15(日) 03:49:49.34 ID:aOokozJg0
乙。また
何か書いてくれ
何か書いてくれ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423748672/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
提督「加賀が嫁になっても死んだフリをしてみる」加賀「懲りない人ね」
1: 1 2015/10/29(木) 18:01:42.05 ID:SY4jpenbo
────────
執務室
提督「……」カリカリ
加賀「……」カリカリ
提督「……うん」
加賀「……?」
提督「……またやろうかな」
加賀「死んだフリ……ですか?」
提督「どうせなら全員に……って思ったが、それは諦めた」
加賀「大概にしてほしいわね」
提督「わかってるよ。でも何ていうか……」
加賀「……まあ、気持ちが分からない訳ではないですが」
提督「……被害者になってもやりたいものか?」
加賀「あれはリターンが大きかったので。後でちゃんと罰を与えたでしょう?」
提督「ああ。今までで一番効いたグーパンだったよ」
加賀「捻りましたからね」
提督「確実に殺しにきてたよね?」
加賀「愛情の裏返しです」
提督「そうか」ククッ
提督「じゃあ、誰にしようかな──」
加賀「──さすがに気分が高揚します」
2: 1 2015/10/29(木) 18:04:47.27 ID:SY4jpenbo
加賀さんでラストと言ったな。あれは嘘だ
全然書きためてませんがこれから頑張って書きます。
お茶目な加賀さんと迷演技提督の日常をお楽しみに!
前スレを見てもらった方が楽しめるかもしれません↓
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442764248/
9: 1 2015/10/31(土) 20:11:13.69 ID:I5IOJ7mpo
────────
扶桑「提督? 私が旗艦で本当によろしいのですか?」
提督「ああ。扶桑にしか出来ない事だ」
扶桑「私にしか……」
扶桑「……わかりました。戦艦扶桑、出撃致します……!」
ガチャ……バタン
加賀「……罪な人ね」
提督「……ああ言わないと、アイツがどこかに行ってしまいそうでな」
10: 1 2015/10/31(土) 20:11:43.11 ID:I5IOJ7mpo
提督「危なっかしい時が良くあるだろ? だから帰ってきてほしい人がいるんだ──っていう意識を持ってもらわないと」
加賀「少し……妬いてしまいますね」
提督「俺は皆の事を思ってるつもりだよ」
加賀「そういう所も好きですよ、提督」
提督「お、おう……///」
加賀「照れないでください。気持ち悪い」
提督「あげて落とすタイプか。それもまた──」
加賀「爆撃しますよ?」
……ズイ(ง ˘ω˘ )ว ズイ ……
11: 1 2015/10/31(土) 20:12:33.95 ID:I5IOJ7mpo
────────
加賀「提督、艦隊が帰投したようです」
提督「おお、そうか」
ガチャ……
扶桑「提……督……」ボロッ
提督「扶桑!?」
扶桑「申し訳ありません……私が不甲斐ないばかりに……」
山城「違うんです! 提督、扶桑姉様は……!」
時雨「──僕が悪いんだ! ……扶桑姉さんは悪くない!」
12: 1 2015/10/31(土) 20:13:16.13 ID:I5IOJ7mpo
扶桑「時雨……いいのよ」
時雨「……敵の砲弾が僕に集中してたんだ。捌ききれなかった僕の責任だよ……」
扶桑「そんなこと無いわ。旗艦として当然の事をしただけよ」
時雨「でも──」
提督「──そこまでだ」
時雨「提督……」
提督「皆帰ってきたんだ。それでいいじゃないか。ほら、早く風呂入ってこい」
山城「時雨、提督もそう仰ってるんだし」
13: 1 2015/10/31(土) 20:14:22.54 ID:I5IOJ7mpo
時雨「……うん。ありがとう、提督」
提督「いえいえ」
……バタン
提督「……ん? 行かないのか?」
扶桑「あの……ありがとうございました」
提督「俺は何もしてないよ」ハハッ
提督「……扶桑」
扶桑「何でしょう?」
提督「……お前がいなくなったら悲しむ奴がいる。その事だけは覚えておいてくれ」
14: 1 2015/10/31(土) 20:15:09.28 ID:I5IOJ7mpo
扶桑「……はい」
提督「よし、話は終わりだ。お前も早く休め」
扶桑「わかりました」
ガチャ……バタン
加賀「──流石ですね」
提督「……演技じゃないぞ? ホントに心配してたんだよ」
加賀「知っています。だから流石と言ったのですよ?」
提督「……さすがだな、俺の嫁」
加賀「そ、そんな直球に……///」
提督「照れてやんの」ププッ
加賀「……」ブチッ
加賀「頭に来ました」スッ
提督「ちょっ!? 艦載機放つ準備するのやめえええええい!!」
15: 1 2015/10/31(土) 20:16:11.22 ID:I5IOJ7mpo
────────
扶桑「……そんなに落ち込まないの」
時雨「うん……」
扶桑「……良い提督に巡り会えたわね」
時雨「そう……かな」
山城「そうですね。私は提督の艦娘であることを誇りに思いますよ」
扶桑「私も……かしら」
時雨「……そうだね。落ち込んでばかりじゃ駄目……だよね」
16: 1 2015/10/31(土) 20:16:47.71 ID:I5IOJ7mpo
────────
翌日
扶桑「……」
扶桑「『お前がいなくなったら悲しむ奴がいる』……か」
扶桑「私は……必要とされているのかしら」
コンコン……ガチャ
扶桑「提督、入渠が終了──」
提督「」
扶桑「……提督?」
扶桑「っ!! 提督!?」バッ
扶桑「そんな……どうして!?」
山城「どうしたんですか姉様?」
扶桑「山城! 提督が……!」
山城「ひっ……血が……」
17: 1 2015/10/31(土) 20:18:10.20 ID:I5IOJ7mpo
扶桑「……何故ですか」
・・・
扶桑「あなたがいなくなっても悲しむ人などいないと思っていたのですか!!」
扶桑「いったいどれだけの人が悲しむと思って……」グスッ
山城「扶桑姉様……」
「──そうね。私も悲しむわ」
扶桑「ッ……」
山城「……加賀さん?」
加賀「そんなあなた達に朗報ですよ」スッ
『ドッキリ大成功!!』
18: 1 2015/10/31(土) 20:19:01.83 ID:I5IOJ7mpo
山城「……え」
扶桑「ドッキリ……?」
「──そうだな。俺が死んだら皆が悲しむ」
扶桑「てい……とく……?」
提督「だが、俺もお前や他の皆に死んで欲しくない」
山城「じゃあ……今のは……」
提督「ああ、悪かったな騙して」
山城「不幸だわ……」
扶桑「……驚かせないでくださいまったく……」ハァ
提督「すまんすまん。最近癖になっててな」アッハッハ
扶桑「仕掛ける側の気持ちにもなってください……」
加賀「……」ピクッ
19: 1 2015/10/31(土) 20:20:02.58 ID:I5IOJ7mpo
提督「うむ。迷惑をかけた。お詫びにコレを贈呈するよ」スッ
山城「これは……」
提督「間宮のアイス券。使ってくれ」
扶桑「こんな寒いときに……?」
山城「不幸だわ……」
加賀「……なるほど」
終わり
20: 1 2015/10/31(土) 20:21:17.33 ID:I5IOJ7mpo
以上です
思ったより短かった……
時雨「えっ、僕の出番あれだけ?」
夕立「ぽい!」
思ったより短かった……
時雨「えっ、僕の出番あれだけ?」
夕立「ぽい!」
32: 1 2015/11/29(日) 00:45:37.99 ID:yjozR+8To
────────
夜
提督「……」カリカリ
加賀「……」カリカリ
ヤセンダー!!ヤセンー!!
提督「……」カリカリ
加賀「……」
ハヤクヤセンー!!
提督「……」カリカリ
加賀「……」イライラ
33: 1 2015/11/29(日) 00:46:23.05 ID:yjozR+8To
バアンッ!!
川内「提督!! 夜戦は!?」
加賀「頭にきました」
提督「お、おい落ち着けって! 川内も、もう夜遅いんだから静かに、な?」
川内「えぇーでも夜はこれからだよ?」
加賀「早 く 寝 な さ い」
川内「……わかった。じゃあ明日は夜戦よろしくね!」バッ
34: 1 2015/11/29(日) 00:47:06.09 ID:yjozR+8To
提督「あ、おい!」
加賀「まったく……どれだけ夜戦が好きなのあの子は?」
提督「言ってやるな。あれでも遠征とか出撃とかちゃんとやってくれてるんだぞ?」
加賀「はぁ……」
提督「まあ……アイツも最近は暇を持て余してるだろうし、しょうがない」
提督「──やってやろうじゃないか、夜戦を」
加賀「はい」
35: 1 2015/11/29(日) 00:47:39.09 ID:yjozR+8To
────────
翌日
川内「朝……か……」
神通「姉さん……しっかりしてください」
川内「夜戦……」Zzz
神通「はぁ……」
提督「……完璧に夜型だな」
加賀「うるさくて困ります」
提督「まあまあ」
36: 1 2015/11/29(日) 00:48:18.05 ID:yjozR+8To
「おっ、提督じゃん。ちーっす」
提督「──おお、鈴谷か」
「──私もおりますのよ?」
提督「熊野も、元気そうだな」
熊野「……まったく、ここ最近は出撃が少なくて困りますわ。もう少し私が活躍する場というものを作っていただきたいものね」
提督「と、言われてもな。出撃命令自体が減ってきてるんだよ」ウーン
37: 1 2015/11/29(日) 00:48:47.70 ID:yjozR+8To
加賀「良いことです。敵の数も減っていると言う事ね。それよりも──」キッ
鈴谷「な、なに?」
加賀「……私はまだ、あなたを認めているわけではないので」
鈴谷「おおう、正妻の余裕ってやつ?」
加賀「頭に来ました」
鈴谷「来いよ正妻空母。艦載機なんか捨てて掛かってこい」
38: 1 2015/11/29(日) 00:49:28.03 ID:yjozR+8To
加賀「では」グッ
提督「──はい?」
加賀「お望みの物を差し上げます」ブゥン
提督「ちょっ──!?」
鈴谷「うぇえ!?」
バタン!!
提督「っ……いたた。大丈夫か、鈴──」モニュ
提督「……もにゅ?」
39: 1 2015/11/29(日) 00:49:55.18 ID:yjozR+8To
鈴谷「……なっ、なっ……///」
熊野「あらあら」
提督「ま、待て鈴谷! これは事故──」
鈴谷「なあああああっ!!///」ブンッ
提督「ぶべらっ!!」バタンッ!!
加賀「やりました」
鈴谷「っ……///」ダッ
40: 1 2015/11/29(日) 00:50:46.23 ID:yjozR+8To
熊野「……行ってしまいましたわね」
加賀「……あなたは行かなくて良いのかしら」
熊野「鈴谷からアナタや提督への愚痴を浴びせられるので遠慮しときますわ」
加賀「……そう」
提督「(結構……根に持つタイプなんだな)」
加賀「申し訳ありません提督。お怪我はありませんか?」
41: 1 2015/11/29(日) 00:52:19.67 ID:yjozR+8To
提督「投げた本人が良く言えたもんだ。まあ、なんとか大丈夫だが」
加賀「良かったです。では昼食にしましょう」
提督「そうだな。腹が減った」
熊野「あら、なら私もご一緒してもよろしいでしょうか?」
提督「構わんよ。いいよな、加賀?」
加賀「ええ、まぁ」
熊野「(戻っても、また『正妻はあたしだ』っと永遠に話を聞かされるだけでしょうし)」ハァ
熊野「(たまには、気楽にいきたいものですわね)」
42: 1 2015/11/29(日) 00:52:48.05 ID:yjozR+8To
────────
夜
「今日は……風が騒がしいな」
「日向?」
日向「伊勢。何か一波乱ありそうな予感だ。気をつけよう」
伊勢「瑞雲飛ばしとく?」
日向「夜だぞ、伊勢」
伊勢「あっ、そっか」
日向「しかし……夜でも瑞雲は輝いて見えそうだ」
伊勢「そうだね」
43: 1 2015/11/29(日) 00:53:26.81 ID:yjozR+8To
────────
川内「……」ゴゴゴ
川内「遂にこの時が来た……」
川内「夜戦だー!!」
バアンッ!!
川内「さあ提督! 私と夜戦──」
提督「」
加賀「──あら、遅かったわね」
44: 1 2015/11/29(日) 00:53:55.95 ID:yjozR+8To
川内「……え」
加賀「まったく……貧弱な人ね。木刀が少し脳天に当たっただけで倒れるなんて」
川内「提督を……?」
加賀「さぁ、どうかしら。頭から血が出ているからタダでは済まないでしょうね」
川内「……」ゴゴゴ
加賀「……?」
45: 1 2015/11/29(日) 00:54:45.16 ID:yjozR+8To
川内「ずるーい!!」ウワーン!!
加賀「!?」
川内「私も提督と夜戦したかったよー!!」ビエーン!!
加賀「……」
加賀「なら──」スッ
川内「ッ──!」
加賀「私と夜戦をしましょうか」ブゥン!!
川内「っと!」ヒョイ
川内「……空母と夜戦ってのもなかなか新鮮だね」ハハッ
46: 1 2015/11/29(日) 00:55:15.65 ID:yjozR+8To
加賀「……」
川内「……どうしたの?」
加賀「提督の事、何とも思わないの?」
川内「んー……もし死んじゃってたらそれまでだし、まだ生きてたなら神通が明石さんを呼びに行ってるからね。私がアンタを食い止めればいいかなって」
加賀「……ふむ」
加賀「……この反応は初めてです」
川内「……?」
47: 1 2015/11/29(日) 00:56:14.90 ID:yjozR+8To
加賀「私達の負け……ということでしょうか」
川内「どういう……」
「失敗……だな」
川内「あれ、提督。生きてたの?」
提督「ああ」
川内「まあ、部屋に入った時から気付いてたけどね」フンス
提督「さすがだ夜戦バカ」フッ
川内「誉めてるつもり?」アハハ
加賀「……良い機会です。提督、このあたりで終了しては?」
提督「……」
提督「そう、だな──」
提督「今度はバレない作戦を考えてから始めるか」
加賀「まったく……懲りない人ね」フフッ
川内「早く夜戦ー!」
終わり
48: 1 2015/11/29(日) 00:57:23.52 ID:yjozR+8To
以上で終了です
依頼出してきます
またどこかでお会いしましょう
依頼出してきます
またどこかでお会いしましょう
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 01:06:04.02 ID:P60maevPo
乙乙
新作か続編待ってる
新作か続編待ってる
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 01:13:29.28 ID:0L8DNKfdo
おつ
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 01:15:59.27 ID:JS5qYeVm0
乙
さすがニンジャ
さすがニンジャ
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 01:46:31.97 ID:FN1LgI/0o
おつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446109301/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (0)
ほむら「私の願いはなんだったのかしら?」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:29:12.84 ID:VxGgDEVB0
ほむら「私の願いはなんだったのかしら?」
あんこ「はぁ、何言ってんだ?」
マミ「暁美さん、自分の願いを忘れてしまったの?」
ほむら「いえ、忘れてしまったと言うよりは、元々知らないのだけど」
あんこ「おいおい、まどかの次はそれかよ……よくわからねえけど、それが萌えってやつなのか?」
あんこ「はぁ、何言ってんだ?」
マミ「暁美さん、自分の願いを忘れてしまったの?」
ほむら「いえ、忘れてしまったと言うよりは、元々知らないのだけど」
あんこ「おいおい、まどかの次はそれかよ……よくわからねえけど、それが萌えってやつなのか?」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:32:11.64 ID:VxGgDEVB0
マミ「QBに聞いてみてはどうかしら?」
QB「おっと、それは出来ないよ」
あんこ「あん? そうなのか」
QB「君たち人類はことプライバシーにおいては異常なまでの配慮をするんだろう?」
QB「だったら僕達もそれに倣って遵守する必要があるからね」
ほむら「そう……」
マミ「でも、暁美さんは確かに願いを叶えて魔法少女になったはずよ」
ほむら「それはそうなんだけど……」
あんこ「何か手がかりはねえのか?」
QB「おっと、それは出来ないよ」
あんこ「あん? そうなのか」
QB「君たち人類はことプライバシーにおいては異常なまでの配慮をするんだろう?」
QB「だったら僕達もそれに倣って遵守する必要があるからね」
ほむら「そう……」
マミ「でも、暁美さんは確かに願いを叶えて魔法少女になったはずよ」
ほむら「それはそうなんだけど……」
あんこ「何か手がかりはねえのか?」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:35:22.93 ID:VxGgDEVB0
マミ「そうね、彼女特有の魔法を使ってみてはどうかしら?」
ほむら「私の魔法?」
あんこ「なるほどなー、固有魔法は願いを反映しているし」
マミ「私はリボン」
あんこ「あたしは幻惑だ、まあ使えないけどな……」
ほむら「それなら私は……」
ほむら「私はどんな魔法が使えるのかしら?」
ほむら「私の魔法?」
あんこ「なるほどなー、固有魔法は願いを反映しているし」
マミ「私はリボン」
あんこ「あたしは幻惑だ、まあ使えないけどな……」
ほむら「それなら私は……」
ほむら「私はどんな魔法が使えるのかしら?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:39:11.90 ID:VxGgDEVB0
ほむら「私の武器は弓ね」
マミ「そうね」
ほむら「……それだけだわ」
あんこ「あん?」
ほむら「他に何か特別な力は感じないわ……」
マミ「そういえば、暁美さんが戦うときはいつも弓を射るだけよね」
あんこ「ま、十分過ぎるほど強いからいいんだけどな」
ほむら「ギミックの付いた装備もないし……」
マミ「おかしいわね?」
マミ「そうね」
ほむら「……それだけだわ」
あんこ「あん?」
ほむら「他に何か特別な力は感じないわ……」
マミ「そういえば、暁美さんが戦うときはいつも弓を射るだけよね」
あんこ「ま、十分過ぎるほど強いからいいんだけどな」
ほむら「ギミックの付いた装備もないし……」
マミ「おかしいわね?」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:42:10.26 ID:VxGgDEVB0
マミ「そうだわ、わからないなら思い切って魔力を込めてみてはどうかしら?」
ほむら「魔力を込める?」
マミ「ええ、こんな風に……おっ!」
あんこ「おお、流石マミさんお見事!」
ほむら「やってみるわ……」
ほむら「くっ……!」
あんこ「おおぅ!」
マミ「すごいわね……」
ほむら「背中から黒い翼が生えてきたわ……」
ほむら「魔力を込める?」
マミ「ええ、こんな風に……おっ!」
あんこ「おお、流石マミさんお見事!」
ほむら「やってみるわ……」
ほむら「くっ……!」
あんこ「おおぅ!」
マミ「すごいわね……」
ほむら「背中から黒い翼が生えてきたわ……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:45:42.13 ID:VxGgDEVB0
あんこ「おいおい、禍々しいな」
マミ「ここまで強力な魔法少女は見たことがないわね、すごいわ暁美さん」
ほむら「褒められているようだけど、これがどういう魔法なのかさっぱりわからないわね」
マミ「違うわ暁美さん、あなたの潜在的な魔力が溢れ出しているのよ」
ほむら「私の?」
マミ「ええ、能力とは関係なく、あなた自身の魔力量が具現化したのよ」
あんこ「マジかよ、ぱねえ!」
ほむら「私の魔力……どうしてここまで増幅しているのかしら?」
マミ「ここまで強力な魔法少女は見たことがないわね、すごいわ暁美さん」
ほむら「褒められているようだけど、これがどういう魔法なのかさっぱりわからないわね」
マミ「違うわ暁美さん、あなたの潜在的な魔力が溢れ出しているのよ」
ほむら「私の?」
マミ「ええ、能力とは関係なく、あなた自身の魔力量が具現化したのよ」
あんこ「マジかよ、ぱねえ!」
ほむら「私の魔力……どうしてここまで増幅しているのかしら?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:48:54.80 ID:VxGgDEVB0
あんこ「結局、ほむらの魔法がなにかわからなかったけど、強いならそれでいいじゃねーか」
マミ「そうね、有り余るほどの魔力がそれを補ってくれているわ」
ほむら「……」
QB「話はおしまいかい? それじゃあそろそろ次の魔獣を狩りに行こうか」
ほむら「QB、私の願いは……」
QB「駄目だよほむら、たとえ本人であっても願いを教えることは出来ない」
QB「君自身がその記憶を忘れたくて忘れてしまった可能性もある」
ほむら「……」
QB「それに君の願いは君の中にある、そうだろう?」
ほむら「私の願いは私の中に……」
マミ「そうね、有り余るほどの魔力がそれを補ってくれているわ」
ほむら「……」
QB「話はおしまいかい? それじゃあそろそろ次の魔獣を狩りに行こうか」
ほむら「QB、私の願いは……」
QB「駄目だよほむら、たとえ本人であっても願いを教えることは出来ない」
QB「君自身がその記憶を忘れたくて忘れてしまった可能性もある」
ほむら「……」
QB「それに君の願いは君の中にある、そうだろう?」
ほむら「私の願いは私の中に……」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:52:17.74 ID:VxGgDEVB0
あんこ「出たな魔獣め! おい、さやか!」
マミ「佐倉さん、危ない!」
あんこ「くっ、そうだ……もうさやかは」
マミ「美樹さんはもう逝ってしまったわ、円環の理に導かれて」
マミ「それでも私たちは戦わないと、逝ってしまった美樹さんのためにも」
あんこ「ああ、そうだな」
マミ「円環の理に導かれるその日まで」
ほむら「美樹さやか、あなたはまどかに会えたのね」
マミ「佐倉さん、危ない!」
あんこ「くっ、そうだ……もうさやかは」
マミ「美樹さんはもう逝ってしまったわ、円環の理に導かれて」
マミ「それでも私たちは戦わないと、逝ってしまった美樹さんのためにも」
あんこ「ああ、そうだな」
マミ「円環の理に導かれるその日まで」
ほむら「美樹さやか、あなたはまどかに会えたのね」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 22:56:00.22 ID:VxGgDEVB0
マミ「ところで、そのまどかって言うのは結局誰なの?」
あんこ「そういや、さやかが導かれた辺りから急に言い出したんだよな」
マミ「文脈からすると、円環の理に導かれた先にいる人のようだけれど」
ほむら「言ったところで理解なんてされないわ」
あんこ「おいおいつれねえな、話してみろよ仲間だろ」
ほむら「仲間……久しい言葉ね」
あんこ「あん? あたしたち前から一緒に戦ってたじゃねーか」
ほむら「そうだったわね、まどかのこと聞かせてあげるわ」
ほむら「まどかは神」
あんこ「そういや、さやかが導かれた辺りから急に言い出したんだよな」
マミ「文脈からすると、円環の理に導かれた先にいる人のようだけれど」
ほむら「言ったところで理解なんてされないわ」
あんこ「おいおいつれねえな、話してみろよ仲間だろ」
ほむら「仲間……久しい言葉ね」
あんこ「あん? あたしたち前から一緒に戦ってたじゃねーか」
ほむら「そうだったわね、まどかのこと聞かせてあげるわ」
ほむら「まどかは神」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:00:56.70 ID:VxGgDEVB0
マミ「ふぅん、つまり私達が今こうして魔獣と戦っているのはまどかって子のおかげなの?」
ほむら「ええ、まどかがいなければ、私たちは魔獣ではなく、魔女と戦っている事になるわ」
あんこ「よくわかんねえな」
マミ「にわかには信じがたいわね」
ほむら「そうでしょうね、あなたたちにとってはこの世界があるべき姿だもの」
ほむら「でも、私は違う……まどかの犠牲を知っている、それでも魔獣と戦っているわ」
ほむら「この世界は……あの子が残した世界だから」
ほむら「ん……あの子の守りたかった世界を、私は守りたい」
ほむら「ええ、まどかがいなければ、私たちは魔獣ではなく、魔女と戦っている事になるわ」
あんこ「よくわかんねえな」
マミ「にわかには信じがたいわね」
ほむら「そうでしょうね、あなたたちにとってはこの世界があるべき姿だもの」
ほむら「でも、私は違う……まどかの犠牲を知っている、それでも魔獣と戦っているわ」
ほむら「この世界は……あの子が残した世界だから」
ほむら「ん……あの子の守りたかった世界を、私は守りたい」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:07:06.59 ID:VxGgDEVB0
マミ「それって……」
マミ「もしかしたら、暁美さんの願いはそれかもしれないわね」
ほむら「それ?」
マミ「ええ、この世界を守りたい……そんな途方もない願いなら、あなたの膨大な魔力量も頷けるわ」
あんこ「確かにな、本当にそんな願いをしたならスケールが違うぜ」
ほむら「そうなのかしら……」
マミ「きっとそうよ」
ほむら「まどか……」
マミ「……ねえ暁美さん」
ほむら「なにかしら?」
マミ「あなた、まどかさんの話をしている時、とってもいい表情をしているわ」
マミ「ちょっとドキッとしちゃうくらい」
マミ「もしかしたら、暁美さんの願いはそれかもしれないわね」
ほむら「それ?」
マミ「ええ、この世界を守りたい……そんな途方もない願いなら、あなたの膨大な魔力量も頷けるわ」
あんこ「確かにな、本当にそんな願いをしたならスケールが違うぜ」
ほむら「そうなのかしら……」
マミ「きっとそうよ」
ほむら「まどか……」
マミ「……ねえ暁美さん」
ほむら「なにかしら?」
マミ「あなた、まどかさんの話をしている時、とってもいい表情をしているわ」
マミ「ちょっとドキッとしちゃうくらい」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:12:02.49 ID:VxGgDEVB0
あんこ「あ、それあたしも思ってた」
ほむら「そ、そんなにかしら」
あんこ「ああ、なんつーか、ふにゃふにゃ? 違うな、ポカポカしてる感じだ」
ほむら「は、恥ずかしいわね」
マミ「段々と頬が紅潮してくるのよね」
あんこ「そうそう、表情もポーっとしてきて」
マミ「なんだか熱に浮かされてるみたいね」
ほむら「こ、この話はもうおしまいよ」
ほむら「そ、そんなにかしら」
あんこ「ああ、なんつーか、ふにゃふにゃ? 違うな、ポカポカしてる感じだ」
ほむら「は、恥ずかしいわね」
マミ「段々と頬が紅潮してくるのよね」
あんこ「そうそう、表情もポーっとしてきて」
マミ「なんだか熱に浮かされてるみたいね」
ほむら「こ、この話はもうおしまいよ」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:17:03.66 ID:VxGgDEVB0
マミ「本当に大切な人だったのね」
ほむら「おしまいって言ったでしょう?」
マミ「だーめっ! もっと聞かせてもらうんだから」
あんこ「ほむらが命がけで守ってきた奴のことなんだろ? 恥ずかしがることなんてねーじゃねーか」
ほむら「それは……そうだけど」
マミ「あなたの魔法のことを理解するチャンスだと思って、ね」
ほむら「私とまどかの話……」
ほむら「そうね……まどかは私の……」
ほむら「ん……憧れだった……」
ほむら「昔の私は、今ほど強くなくて、いつも誰かに迷惑ばかりかけて……」
ほむら「ふぅ……そんな私を、まどかが救ってくれた……」
ほむら「おしまいって言ったでしょう?」
マミ「だーめっ! もっと聞かせてもらうんだから」
あんこ「ほむらが命がけで守ってきた奴のことなんだろ? 恥ずかしがることなんてねーじゃねーか」
ほむら「それは……そうだけど」
マミ「あなたの魔法のことを理解するチャンスだと思って、ね」
ほむら「私とまどかの話……」
ほむら「そうね……まどかは私の……」
ほむら「ん……憧れだった……」
ほむら「昔の私は、今ほど強くなくて、いつも誰かに迷惑ばかりかけて……」
ほむら「ふぅ……そんな私を、まどかが救ってくれた……」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:22:21.41 ID:VxGgDEVB0
ほむら「その時始めて見た魔法少女のまどか、ん……今でも鮮明に思い出せるわ……」
ほむら「はぁ……まどか……」
ほむら「あなたの話をしていると、心がとてもあたたかい……」
マミ「……」ゴクリ
あんこ「お、おい……」
マミ「佐倉さん……」
あんこ「……」ゴクリ
ほむら「魔法少女として、最後の戦いに逝くまどかを……私は……」
ほむら「まどか……まどかぁ……くっ……ぐすっ…………ん、まどか」
ほむら「……まどかとの出会いをやり直したい」
ほむら「まどかに守られる私じゃなくて、まどかを守る私になりたい」
ほむら「ふぅ……それが、私の……最初の願い……」
ほむら「はぁ……まどか……」
ほむら「あなたの話をしていると、心がとてもあたたかい……」
マミ「……」ゴクリ
あんこ「お、おい……」
マミ「佐倉さん……」
あんこ「……」ゴクリ
ほむら「魔法少女として、最後の戦いに逝くまどかを……私は……」
ほむら「まどか……まどかぁ……くっ……ぐすっ…………ん、まどか」
ほむら「……まどかとの出会いをやり直したい」
ほむら「まどかに守られる私じゃなくて、まどかを守る私になりたい」
ほむら「ふぅ……それが、私の……最初の願い……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:28:13.33 ID:VxGgDEVB0
マミ「つ、つまり暁美さんは時間を遡って、まどかさんを救おうとしたのね」
あんこ「じゃあ、ほむらの魔法は時間を操る魔法なのか?」
ほむら「いいえ違うわ、世界が再構成された時、私の願いは変わってしまった」
ほむら「砂時計の盾が無くなり、私の手には弓が握られていた」
マミ「武器も変わっていたの? それにしては様になっているわね」
ほむら「いつもまどかの事を、見ていたもの……」
ほむら「私は魔法少女としての能力が小さかったから、できる事と言ったら時間を止めることだけ」
ほむら「武器はもっぱら現代兵器だったわ」
マミ「現代兵器?」
ほむら「そうね、爆弾とか、銃火器とかよ」
あんこ「ははっ、全然魔法少女っぽくねえな」
ほむら「知っているわ」
あんこ「じゃあ、ほむらの魔法は時間を操る魔法なのか?」
ほむら「いいえ違うわ、世界が再構成された時、私の願いは変わってしまった」
ほむら「砂時計の盾が無くなり、私の手には弓が握られていた」
マミ「武器も変わっていたの? それにしては様になっているわね」
ほむら「いつもまどかの事を、見ていたもの……」
ほむら「私は魔法少女としての能力が小さかったから、できる事と言ったら時間を止めることだけ」
ほむら「武器はもっぱら現代兵器だったわ」
マミ「現代兵器?」
ほむら「そうね、爆弾とか、銃火器とかよ」
あんこ「ははっ、全然魔法少女っぽくねえな」
ほむら「知っているわ」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:33:41.40 ID:VxGgDEVB0
マミ「武器が変わって、魔法も変わって、結局暁美さんの魔法が何かわからずじまいね」
ほむら「そうね、でも、まどかの話をいっぱい出来て私は満足よ」
あんこ「まあ楽になったんなら、それでいいか」
ほむら「まどかのために、ぁ……私はこの世界を守り続ける、それだけで十分ね」
マミ「戦う理由が、あなたにはあるのね」
マミ「ちょっと羨ましいわ、あなたも、まどかさんも」
あんこ「あん? 羨ましいがることなんてねーだろ、マミさんはマミさんだ」
マミ「ふふ、ありがとう佐倉さん」
ほむら「そうね、でも、まどかの話をいっぱい出来て私は満足よ」
あんこ「まあ楽になったんなら、それでいいか」
ほむら「まどかのために、ぁ……私はこの世界を守り続ける、それだけで十分ね」
マミ「戦う理由が、あなたにはあるのね」
マミ「ちょっと羨ましいわ、あなたも、まどかさんも」
あんこ「あん? 羨ましいがることなんてねーだろ、マミさんはマミさんだ」
マミ「ふふ、ありがとう佐倉さん」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:38:43.03 ID:VxGgDEVB0
ほむら「ただいま……」
ほむら「ふぅ……まどか……」
ほむら「今日はまどかの事をいっぱい話したわ」
ほむら「ん……まどか、私これからも頑張るね、だからずっと見守っていてね」
ほむら「もう一度会えるって、約束したから……ふぅ、その時まで」
ほむら「ほんの少し、ほんの少し……まどか」
ほむら「う……くっ、ぐすっ……うぅ……あなたの話をしたら」
ほむら「抑えていた気持ちが溢れだして、まどか、あなたが、恋しい……まどかぁ」
ほむら「まどか、まどか……すんっ……ぐすん……ん、ぅん……すー……すーすー」
.
ほむら「ふぅ……まどか……」
ほむら「今日はまどかの事をいっぱい話したわ」
ほむら「ん……まどか、私これからも頑張るね、だからずっと見守っていてね」
ほむら「もう一度会えるって、約束したから……ふぅ、その時まで」
ほむら「ほんの少し、ほんの少し……まどか」
ほむら「う……くっ、ぐすっ……うぅ……あなたの話をしたら」
ほむら「抑えていた気持ちが溢れだして、まどか、あなたが、恋しい……まどかぁ」
ほむら「まどか、まどか……すんっ……ぐすん……ん、ぅん……すー……すーすー」
.
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:42:22.49 ID:VxGgDEVB0
ほむら「あ……私ったら服も着替えないで眠ってしまったのね……」
ほむら「体が冷えない内に、着替えておかないと……」
ほむら「朝御飯も用意して」
ほむら「身だしなみも、いつまどかと会ってもいいように……」
ほむら「ん、ご飯出来たかな……いただきます」
ほむら「美味しい……」
ほむら「さあ、今日もまどかのために、頑張ろう……!」
ほむら「行ってきます、まどか」
.
ほむら「体が冷えない内に、着替えておかないと……」
ほむら「朝御飯も用意して」
ほむら「身だしなみも、いつまどかと会ってもいいように……」
ほむら「ん、ご飯出来たかな……いただきます」
ほむら「美味しい……」
ほむら「さあ、今日もまどかのために、頑張ろう……!」
ほむら「行ってきます、まどか」
.
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:46:03.16 ID:VxGgDEVB0
マミ「暁美さん、こっちこっち」
ほむら「どうしたの?」
あんこ「マミさんがまたお茶会したいんだとさ」
ほむら「そう、巴マミのケーキは美味しいから、歓迎よ」
マミ「ふふ、楽しみね」
あんこ「たらふく食ってやるから覚悟しなよ」
マミ「あらあら、食いしん坊なんだから」
あんこ「わ、悪いかよ」
マミ「いいえ、美味しく食べてもらえて嬉しいわ」
あんこ「なら問題ねーな」
ほむら「どうしたの?」
あんこ「マミさんがまたお茶会したいんだとさ」
ほむら「そう、巴マミのケーキは美味しいから、歓迎よ」
マミ「ふふ、楽しみね」
あんこ「たらふく食ってやるから覚悟しなよ」
マミ「あらあら、食いしん坊なんだから」
あんこ「わ、悪いかよ」
マミ「いいえ、美味しく食べてもらえて嬉しいわ」
あんこ「なら問題ねーな」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:49:35.43 ID:VxGgDEVB0
マミ「さて、今回のお茶会だけど」
ほむら「どうしたの?」
マミ「ただケーキを食べるだけじゃないわ」
ほむら「どういうこと?」
マミ「今日は昨日の続き」
あんこ「まどかの話だな」
ほむら「まどか……ぁ」
マミ「昨日の話だと、まどかさんは私と暁美さんとでお茶会をしていたそうじゃない」
ほむら「そんな話もしたわね」
マミ「だから、ちょっと再現してみましょう」
ほむら「ど、どうしてそんなことを?」
マミ「だって、暁美さんのあんな柔らかい表情なかなか見られないもの」
ほむら「どうしたの?」
マミ「ただケーキを食べるだけじゃないわ」
ほむら「どういうこと?」
マミ「今日は昨日の続き」
あんこ「まどかの話だな」
ほむら「まどか……ぁ」
マミ「昨日の話だと、まどかさんは私と暁美さんとでお茶会をしていたそうじゃない」
ほむら「そんな話もしたわね」
マミ「だから、ちょっと再現してみましょう」
ほむら「ど、どうしてそんなことを?」
マミ「だって、暁美さんのあんな柔らかい表情なかなか見られないもの」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:54:39.08 ID:VxGgDEVB0
ほむら「……」
マミ「たまには先輩にワガママに付き合ってくれてもいいじゃない?」
ほむら「はぁ、わかったわ……」
マミ「ふふ、それじゃあまどかさんは……」
ほむら「まず、そこから違うわ」
マミ「え?」
ほむら「鹿目まどか」
ほむら「あの子の名前は鹿目まどかよ、あなたは鹿目さんと呼んでいたわ」
あんこ「あたしはいないのか?」
ほむら「残念だけど当分先よ」
あんこ「じゃああたしがまどか役を」
ほむら「そんなの私が許さない」
あんこ「お、おう……」
マミ「たまには先輩にワガママに付き合ってくれてもいいじゃない?」
ほむら「はぁ、わかったわ……」
マミ「ふふ、それじゃあまどかさんは……」
ほむら「まず、そこから違うわ」
マミ「え?」
ほむら「鹿目まどか」
ほむら「あの子の名前は鹿目まどかよ、あなたは鹿目さんと呼んでいたわ」
あんこ「あたしはいないのか?」
ほむら「残念だけど当分先よ」
あんこ「じゃああたしがまどか役を」
ほむら「そんなの私が許さない」
あんこ「お、おう……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/08(木) 23:59:27.05 ID:VxGgDEVB0
マミ「鹿目さんは私の部屋でどうしていたのかしら?」
ほむら「そうね、まどかはいつもこのテーブルの鋭角の所に座っていたわ」
ほむら「そして、はぁ……巴マミの作ったケーキを食べながら……私に微笑みかけてくれるの」
マミ「ふぅん、じゃあ何かお人形でも置いておこうかしら」
ほむら「……もっと可愛いのはないの?」
マミ「可愛くないかしら……?」
ほむら「私が用意するわ……」
あんこ「うぉ……ほむら、いつもこれ持ち歩いてんのか?」
ほむら「ええ」
マミ「ピンク色の可愛いお人形ね」
あんこ「フリフリがすげえ!」
ほむら「この辺りは作るのが大変だったわ」
あんこ「手作りなのかよ!」
ほむら「そうね、まどかはいつもこのテーブルの鋭角の所に座っていたわ」
ほむら「そして、はぁ……巴マミの作ったケーキを食べながら……私に微笑みかけてくれるの」
マミ「ふぅん、じゃあ何かお人形でも置いておこうかしら」
ほむら「……もっと可愛いのはないの?」
マミ「可愛くないかしら……?」
ほむら「私が用意するわ……」
あんこ「うぉ……ほむら、いつもこれ持ち歩いてんのか?」
ほむら「ええ」
マミ「ピンク色の可愛いお人形ね」
あんこ「フリフリがすげえ!」
ほむら「この辺りは作るのが大変だったわ」
あんこ「手作りなのかよ!」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:01:23.13 ID:VMQvpW0a0
あんこ「へえ、ほむらってこんな可愛いの作れるんだな」
あんこ「似合わねー」
ほむら「知っているわ」
マミ「ふふ、それで鹿目さんはどうしているの?」
ほむら「それからまどかは……魔法少女の、説明をしてくれて」
ほむら「ぅん……まだなりたてだからなんて、はぁ……謙遜して」
マミ「ええ……」
ほむら「それから……」
ほむら「…………」
ほむら「……まどかぁ……んんぅ……ぐすっ……ひっく、まどかぁ」
マミ「ご、ごめんなさい……やっぱり遠く離れてしまった人を思い出すのは辛いわよね」
ほむら「ううん……いいの、まどかの話をしているとまどかに抱きしめられているような感覚がするから」
あんこ「似合わねー」
ほむら「知っているわ」
マミ「ふふ、それで鹿目さんはどうしているの?」
ほむら「それからまどかは……魔法少女の、説明をしてくれて」
ほむら「ぅん……まだなりたてだからなんて、はぁ……謙遜して」
マミ「ええ……」
ほむら「それから……」
ほむら「…………」
ほむら「……まどかぁ……んんぅ……ぐすっ……ひっく、まどかぁ」
マミ「ご、ごめんなさい……やっぱり遠く離れてしまった人を思い出すのは辛いわよね」
ほむら「ううん……いいの、まどかの話をしているとまどかに抱きしめられているような感覚がするから」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:07:50.74 ID:VMQvpW0a0
ほむら「体の内側からじんわりあたたかくなっていく感覚」
ほむら「その温もりと同時に、込み上げて来て……」
ほむら「つい、泣いてしまったのよ」
あんこ「ほむら……」
マミ「暁美さん……」
ほむら「まどかのために、頑張るって決めたのにね」
ほむら「気丈に振る舞っていないと、まどかに示しが付かないわ」
ほむら「遠くで見てくれているまどかに」
ほむら「その温もりと同時に、込み上げて来て……」
ほむら「つい、泣いてしまったのよ」
あんこ「ほむら……」
マミ「暁美さん……」
ほむら「まどかのために、頑張るって決めたのにね」
ほむら「気丈に振る舞っていないと、まどかに示しが付かないわ」
ほむら「遠くで見てくれているまどかに」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:13:18.15 ID:VMQvpW0a0
まどか「私のために泣いてくれるほむらちゃんが可愛すぎて円環の理に導かれそう」
さやか「そりゃあんただ」
まどか「ウェヒヒ、そうでした」
さやか「まどかのほむら好きは異常だね、まどかの親友はあたしだったはずなのに」
まどか「ウェヒヒ、さやかちゃんはわかってないなぁ」
さやか「ええ?」
まどか「鹿目まどかの特別は確かにさやかちゃんだけどね」
まどか「今の私、概念になった私の特別はほむらちゃん」
まどか「ほむらちゃんだけなの」
さやか「はいはい、お熱いねー」
さやか「そりゃあんただ」
まどか「ウェヒヒ、そうでした」
さやか「まどかのほむら好きは異常だね、まどかの親友はあたしだったはずなのに」
まどか「ウェヒヒ、さやかちゃんはわかってないなぁ」
さやか「ええ?」
まどか「鹿目まどかの特別は確かにさやかちゃんだけどね」
まどか「今の私、概念になった私の特別はほむらちゃん」
まどか「ほむらちゃんだけなの」
さやか「はいはい、お熱いねー」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:19:32.64 ID:VMQvpW0a0
まどか「最初に私がほむらちゃんを守って」
まどか「それからはずっとほむらちゃんが私を守ろうとしてくれて……」
まどか「だから、これは恩返しなの……頑張ってくれたほむらちゃんに出来る、私からの恩返し」
まどか「これからはずっと私がほむらちゃんを守るの」
さやか「どうしてそこまで付き合ってるのさ?」
まどか「だって、ほむらちゃんに呼ばれたんだもん」
さやか「ちょっと暖房効きすぎじゃない、マミさん?」
さやか「暑いんですけどー」
まどか「ウェヒヒ」
まどか「それからはずっとほむらちゃんが私を守ろうとしてくれて……」
まどか「だから、これは恩返しなの……頑張ってくれたほむらちゃんに出来る、私からの恩返し」
まどか「これからはずっと私がほむらちゃんを守るの」
さやか「どうしてそこまで付き合ってるのさ?」
まどか「だって、ほむらちゃんに呼ばれたんだもん」
さやか「ちょっと暖房効きすぎじゃない、マミさん?」
さやか「暑いんですけどー」
まどか「ウェヒヒ」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:25:12.74 ID:VMQvpW0a0
ほむら「そうね、でも、まどかの話をいっぱい出来て私は満足よ」
ほむら「まどかのために」
まどか「ほむらちゃんのために……」ギュ
ほむら「ぁ……私はこの世界を守り続ける、それだけで十分ね」
まどか「私はほむらちゃんの傍で……」
さやか「傍というか、ベッタベタにくっついてるよ」
まどか「だって、ほむらちゃんが私の話をしてくれてるんだよ?」
まどか「仕方ない、これは致し方ないことなんだよ」
ほむら「まどかのために」
まどか「ほむらちゃんのために……」ギュ
ほむら「ぁ……私はこの世界を守り続ける、それだけで十分ね」
まどか「私はほむらちゃんの傍で……」
さやか「傍というか、ベッタベタにくっついてるよ」
まどか「だって、ほむらちゃんが私の話をしてくれてるんだよ?」
まどか「仕方ない、これは致し方ないことなんだよ」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:31:53.98 ID:VMQvpW0a0
ほむら「ただいま……」
まどか「うん」
ほむら「ふぅ……まどか……」
まどか「何、ほむらちゃん?」スリスリ
ほむら「ん……まどか、私これからも頑張るね、だからずっと見守っていてね」
ほむら「もう一度だけ会えるって、約束したから……」
まどか「交わした約束がほむらちゃんの重荷にならないように」
ほむら「ふぅ、その時までほんの少し、ほんの少し……まどか」
まどか「私が傍でほむらちゃんを支えてあげるから」
ほむら「まどか、あなたが、恋しい……まどかぁ」
まどか「ほむらちゃんが泣きたい時は、私が抱きしめてあげるから」
ほむら「まどか、まどか……すんっ……ぐすん……ん、ぅん……すー……すーすー」
まどか「ほむらちゃん、寝ちゃった……」
まどか「おやすみ、ほむらちゃん」
まどか「うん」
ほむら「ふぅ……まどか……」
まどか「何、ほむらちゃん?」スリスリ
ほむら「ん……まどか、私これからも頑張るね、だからずっと見守っていてね」
ほむら「もう一度だけ会えるって、約束したから……」
まどか「交わした約束がほむらちゃんの重荷にならないように」
ほむら「ふぅ、その時までほんの少し、ほんの少し……まどか」
まどか「私が傍でほむらちゃんを支えてあげるから」
ほむら「まどか、あなたが、恋しい……まどかぁ」
まどか「ほむらちゃんが泣きたい時は、私が抱きしめてあげるから」
ほむら「まどか、まどか……すんっ……ぐすん……ん、ぅん……すー……すーすー」
まどか「ほむらちゃん、寝ちゃった……」
まどか「おやすみ、ほむらちゃん」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:37:13.38 ID:VMQvpW0a0
ほむら「あ……私ったら服も着替えないで眠ってしまったのね……」
ほむら「体が冷えない内に、着替えておかないと……」
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃんが風邪を引いてしまわないように私が抱いて寝ていたから」
ほむら「朝御飯も用意して」
ほむら「身だしなみも、いつまどかと会ってもいいように……」
まどか「今日もほむらちゃんは可愛いよ」ギュ
ほむら「ん、ご飯出来たかな……いただきます」
ほむら「美味しい……」
ほむら「さあ、今日もまどかのために、頑張ろう……!」
ほむら「行ってきます、まどか」
まどか「いってらっしゃい」
まどか「って私も一緒なんだけどね、ウェヒヒ」
ほむら「体が冷えない内に、着替えておかないと……」
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃんが風邪を引いてしまわないように私が抱いて寝ていたから」
ほむら「朝御飯も用意して」
ほむら「身だしなみも、いつまどかと会ってもいいように……」
まどか「今日もほむらちゃんは可愛いよ」ギュ
ほむら「ん、ご飯出来たかな……いただきます」
ほむら「美味しい……」
ほむら「さあ、今日もまどかのために、頑張ろう……!」
ほむら「行ってきます、まどか」
まどか「いってらっしゃい」
まどか「って私も一緒なんだけどね、ウェヒヒ」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:43:58.32 ID:VMQvpW0a0
さやか「まどか、マミさんがまどかの再現しようって」
まどか「私の?」
さやか「昨日ほむらが泣いちゃったからじゃない?」
まどか「ほむらちゃんは私がいなくなっちゃってすっかり昔の泣き虫ほむらちゃんに戻っちゃったね」
さやか「その頃のを再現するんでしょ?」
まどか「きっとまた泣いちゃうね、そう思うとほむらちゃんが可愛すぎて円環の理に導かれそう」
さやか「だからそりゃあんただって」
まどか「ウェヒヒ」
まどか「私の?」
さやか「昨日ほむらが泣いちゃったからじゃない?」
まどか「ほむらちゃんは私がいなくなっちゃってすっかり昔の泣き虫ほむらちゃんに戻っちゃったね」
さやか「その頃のを再現するんでしょ?」
まどか「きっとまた泣いちゃうね、そう思うとほむらちゃんが可愛すぎて円環の理に導かれそう」
さやか「だからそりゃあんただって」
まどか「ウェヒヒ」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:49:44.53 ID:VMQvpW0a0
マミ「鹿目さんは私の部屋でどうしていたのかしら?」
ほむら「そうね、まどかはいつもこのテーブルの鋭角の所に座っていたわ、そして」
まどか「でも、今はそこにはいないよ……ね」
ほむら「はぁ……巴マミの作ったケーキを食べながら……私に微笑みかけてくれるの」
マミ「ふぅん、じゃあ何かお人形でも置いておこうかしら」
ほむら「……もっと可愛いのはないの?」
マミ「可愛くないかしら……?」
まどか「ほむらちゃんのお人形の方がずっとすごいよ!」
ほむら「私が用意するわ……」
まどか「ほら、出た!」
さやか「再現度すごすぎて正直ひくわー」
まどか「……」ニコ
さやか「ごめんなさいでした」
ほむら「そうね、まどかはいつもこのテーブルの鋭角の所に座っていたわ、そして」
まどか「でも、今はそこにはいないよ……ね」
ほむら「はぁ……巴マミの作ったケーキを食べながら……私に微笑みかけてくれるの」
マミ「ふぅん、じゃあ何かお人形でも置いておこうかしら」
ほむら「……もっと可愛いのはないの?」
マミ「可愛くないかしら……?」
まどか「ほむらちゃんのお人形の方がずっとすごいよ!」
ほむら「私が用意するわ……」
まどか「ほら、出た!」
さやか「再現度すごすぎて正直ひくわー」
まどか「……」ニコ
さやか「ごめんなさいでした」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 00:55:22.45 ID:VMQvpW0a0
マミ「ふふ、それで鹿目さんはどうしているの?」
ほむら「それからまどかは……魔法少女の、説明をしてくれて」
まどか「そうだね」
ほむら「ぅん……まだなりたてだからなんて、はぁ……謙遜して」
マミ「ええ……」
ほむら「それから……」
ほむら「…………」
まどか「あなたが魔女に襲われた時、間に合って……今でもそれが自慢なの」
ほむら「……まどかぁ……んんぅ……ぐすっ……ひっく、まどかぁ」
まどか「だから魔法少女になって本当に良かったって、そう思うんだ」
まどか「あの時の私とほむらちゃんがいたから、こうしてほむらちゃんを支えられる、傍にいられる」
マミ「ご、ごめんなさい……やっぱり遠く離れてしまった人を思い出すのは辛いわよね」
ほむら「ううん……いいの、まどかの話をしているとまどかに抱きしめられているような感覚がするから」
まどか「なんとなくでも、私だってわかってくれてるのかな、だったら嬉しいな……」
ほむら「それからまどかは……魔法少女の、説明をしてくれて」
まどか「そうだね」
ほむら「ぅん……まだなりたてだからなんて、はぁ……謙遜して」
マミ「ええ……」
ほむら「それから……」
ほむら「…………」
まどか「あなたが魔女に襲われた時、間に合って……今でもそれが自慢なの」
ほむら「……まどかぁ……んんぅ……ぐすっ……ひっく、まどかぁ」
まどか「だから魔法少女になって本当に良かったって、そう思うんだ」
まどか「あの時の私とほむらちゃんがいたから、こうしてほむらちゃんを支えられる、傍にいられる」
マミ「ご、ごめんなさい……やっぱり遠く離れてしまった人を思い出すのは辛いわよね」
ほむら「ううん……いいの、まどかの話をしているとまどかに抱きしめられているような感覚がするから」
まどか「なんとなくでも、私だってわかってくれてるのかな、だったら嬉しいな……」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:01:30.99 ID:VMQvpW0a0
ほむら「時は流れて」
あんこ「はぁ……あたしももう、限界か……この一撃で……さやか」
マミ「佐倉さん!」
ほむら「杏子……!」
マミ「……逝ってしまったわ、円環の理に導かれて」
ほむら「杏子……あなたも、まどかに……」
あんこ「はぁ……あたしももう、限界か……この一撃で……さやか」
マミ「佐倉さん!」
ほむら「杏子……!」
マミ「……逝ってしまったわ、円環の理に導かれて」
ほむら「杏子……あなたも、まどかに……」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:07:50.12 ID:VMQvpW0a0
まどか「あんこちゃん、迎えに来たよ……」
あんこ「うおぉ! これか、円環の理!」
まどか「私、鹿目まどか」
あんこ「おお、本当にまどかなのか! ほむらの言ってた通りじゃねーか!」
さやか「よっす」
あんこ「さやかぁ!」
さやか「ついに杏子も導かれちゃったか」
あんこ「ああ、導かれちまったぜ……」
まどか「ウェヒヒ、導いちゃった」
三人「円環の理に!」
あんこ「うおぉ! これか、円環の理!」
まどか「私、鹿目まどか」
あんこ「おお、本当にまどかなのか! ほむらの言ってた通りじゃねーか!」
さやか「よっす」
あんこ「さやかぁ!」
さやか「ついに杏子も導かれちゃったか」
あんこ「ああ、導かれちまったぜ……」
まどか「ウェヒヒ、導いちゃった」
三人「円環の理に!」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:14:11.61 ID:VMQvpW0a0
あんこ「とは言え、いまいちあんたがどういうものなのかわかってねえんだよな」
まどか「……」
あんこ「ん?」
まどか「じゃあ、思い出しちゃえ!」
あんこ「ちょ、まて! まさかの弓で射……ッ!」
まどか「ウェヒヒ」
あんこ「ぎゃあああああああああ!」
さやか「こいつはグロい……」
あんこ「あああああああ……う、お……思い出した」
さやか「説明しよう、まどかは弓で蜂の巣にすると同時に各世界の記憶を埋め込んでいるのだ!」
まどか「……」
あんこ「ん?」
まどか「じゃあ、思い出しちゃえ!」
あんこ「ちょ、まて! まさかの弓で射……ッ!」
まどか「ウェヒヒ」
あんこ「ぎゃあああああああああ!」
さやか「こいつはグロい……」
あんこ「あああああああ……う、お……思い出した」
さやか「説明しよう、まどかは弓で蜂の巣にすると同時に各世界の記憶を埋め込んでいるのだ!」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:20:20.46 ID:VMQvpW0a0
あんこ「円環の理に導かれると、こうなるのか」
さやか「そうなんだよね」
まどか「ウェヒヒ、いらっしゃいあんこちゃん」
あんこ「おう、これからもよろしくな」
あんこ「それにしてもさ、こうやってあたしたちの事見ててくれたんだな」
さやか「まあね、あんたを放っておくと心配でさ」
あんこ「さやか……」
さやか「杏子あれでしょ、あたしと友達になりたかったんでしょ?」
あんこ「なっ、ばっばかやろう、んなわけねーだろ!」
さやか「全部見てたから知ってるもんね」
あんこ「くっ!」
さやか「そうなんだよね」
まどか「ウェヒヒ、いらっしゃいあんこちゃん」
あんこ「おう、これからもよろしくな」
あんこ「それにしてもさ、こうやってあたしたちの事見ててくれたんだな」
さやか「まあね、あんたを放っておくと心配でさ」
あんこ「さやか……」
さやか「杏子あれでしょ、あたしと友達になりたかったんでしょ?」
あんこ「なっ、ばっばかやろう、んなわけねーだろ!」
さやか「全部見てたから知ってるもんね」
あんこ「くっ!」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:26:37.67 ID:VMQvpW0a0
まどか「ほむらちゃんがマミさんと二人になって」
マミ「私たち魔法少女の逃れられない運命」
まどか「でもほむらちゃんなら大丈夫、私もついてる」
まどか「ね、ほむらちゃん」
ほむら「まどか……」
ほむら「美樹さやかが逝って、佐倉杏子が逝って……」
ほむら「確実に、近づいているのね……あなたに、まどか」
マミ「悲しいけれど、仕方のないことよ」
マミ「円環の理は別け隔てなく誰にでも訪れるわ……」
さやか「マミさん独り言多いな」
あんこ「独り言だったのか!?」
さやか「だってほむら話し聞いてないし」
マミ「私たち魔法少女の逃れられない運命」
まどか「でもほむらちゃんなら大丈夫、私もついてる」
まどか「ね、ほむらちゃん」
ほむら「まどか……」
ほむら「美樹さやかが逝って、佐倉杏子が逝って……」
ほむら「確実に、近づいているのね……あなたに、まどか」
マミ「悲しいけれど、仕方のないことよ」
マミ「円環の理は別け隔てなく誰にでも訪れるわ……」
さやか「マミさん独り言多いな」
あんこ「独り言だったのか!?」
さやか「だってほむら話し聞いてないし」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:32:17.24 ID:VMQvpW0a0
マミ「このお茶会もすっかり寂しくなっちゃったわね……」
ほむら「そうね……」
マミ「こうして仲間が少しずつ減っていって……」
ほむら「でも悲しむことじゃないわ」
マミ「暁美さん……」
ほむら「まどかのその優しさに抱きしめられるんだもの……」
まどか「こんな風に……」ギュ
ほむら「ぁ……むしろ、私は羨ましい……過去に導かれていった魔法少女たちが」
さやか「その羨ましい行為を、毎日のように享受しているのはほむらなわけだが」
あんこ「過保護にも程があるだろ」
まどか「え? まだまだ足りないくらいだけど……?」スリスリ
ほむら「そうね……」
マミ「こうして仲間が少しずつ減っていって……」
ほむら「でも悲しむことじゃないわ」
マミ「暁美さん……」
ほむら「まどかのその優しさに抱きしめられるんだもの……」
まどか「こんな風に……」ギュ
ほむら「ぁ……むしろ、私は羨ましい……過去に導かれていった魔法少女たちが」
さやか「その羨ましい行為を、毎日のように享受しているのはほむらなわけだが」
あんこ「過保護にも程があるだろ」
まどか「え? まだまだ足りないくらいだけど……?」スリスリ
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:40:43.43 ID:VMQvpW0a0
マミ「ふふ、暁美さんは本当に鹿目さんのことが大好きなのね」
ほむら「ええ、だ、だ……だい、大好き……よ」
まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃん! ほむらちゃん!」ギュウウウ
ほむら「んんッ……本当に、大好きなの……まどか」
まどか「聞いた!? さやかちゃん! ほむらちゃんが好きって言ってくれた!」
さやか「はいはい、聞いた聞いた」
まどか「私も大好きだよぉ、ほむらちゃん!」
ほむら「ぁ……はぁ……」
あんこ「いつもこうなのか?」
さやか「今日はいつもよりちょっと酷いかな」
まどか「初めてだよ! ほむらちゃんが好きって、初めて言ってくれたの!」
さやか「え!?」
ほむら「ええ、だ、だ……だい、大好き……よ」
まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃん! ほむらちゃん!」ギュウウウ
ほむら「んんッ……本当に、大好きなの……まどか」
まどか「聞いた!? さやかちゃん! ほむらちゃんが好きって言ってくれた!」
さやか「はいはい、聞いた聞いた」
まどか「私も大好きだよぉ、ほむらちゃん!」
ほむら「ぁ……はぁ……」
あんこ「いつもこうなのか?」
さやか「今日はいつもよりちょっと酷いかな」
まどか「初めてだよ! ほむらちゃんが好きって、初めて言ってくれたの!」
さやか「え!?」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:47:50.17 ID:VMQvpW0a0
さやか「ちょっと待って」
まどか「何さやかちゃん、今忙しい!」
さやか「初めてって言った? ほむらがまどかに好きって初めて?」
まどか「そうだよ! あまりの感動に円環の理に導かれそうだよ!」
さやか「何度繰り返してると思ってるんだ、あの子は」
あんこ「それでただの一度も言ってないって……」
さやか「どんだけヘタレなんだ、ほむら」
まどか「ウェヒヒ、こうやって直接聞くと、感動もひとしおだよ」
まどか「ほむらちゃんの気持ちは私にちゃんと伝わってるよ、大好きほむらちゃん」
ほむら「まどかぁ……」
マミ「ふふ、どうやらあなた達に割って入るなんて出来そうにないわね」
ほむら「ん……巴マミ、何か言ったかしら?」
マミ「……いいえ、なんでもないわ」
まどか「何さやかちゃん、今忙しい!」
さやか「初めてって言った? ほむらがまどかに好きって初めて?」
まどか「そうだよ! あまりの感動に円環の理に導かれそうだよ!」
さやか「何度繰り返してると思ってるんだ、あの子は」
あんこ「それでただの一度も言ってないって……」
さやか「どんだけヘタレなんだ、ほむら」
まどか「ウェヒヒ、こうやって直接聞くと、感動もひとしおだよ」
まどか「ほむらちゃんの気持ちは私にちゃんと伝わってるよ、大好きほむらちゃん」
ほむら「まどかぁ……」
マミ「ふふ、どうやらあなた達に割って入るなんて出来そうにないわね」
ほむら「ん……巴マミ、何か言ったかしら?」
マミ「……いいえ、なんでもないわ」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 01:54:40.19 ID:VMQvpW0a0
ほむら「時は流れて」
マミ「体が重い……でも、心は軽い……」
ほむら「巴……マミ?」
マミ「私ももう限界みたい、ごめんなさい暁美さん……私、一足お先に」
マミ「逝ってしまうわ、円環の理に導かれて」
ほむら「マミ……あなた最期の言葉がそれでよかったの……?」
ほむら「私一人……まどか」
マミ「体が重い……でも、心は軽い……」
ほむら「巴……マミ?」
マミ「私ももう限界みたい、ごめんなさい暁美さん……私、一足お先に」
マミ「逝ってしまうわ、円環の理に導かれて」
ほむら「マミ……あなた最期の言葉がそれでよかったの……?」
ほむら「私一人……まどか」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:00:32.39 ID:VMQvpW0a0
まどか「マミさん、迎えに来たよ」
マミ「円環の理に導かれ、私は次のステージに登るのね」
まどか「マミさんは変わらないね」
マミ「私の事を知っているのね、鹿目さん」
まどか「はい、もちろんです」
マミ「なるほどね、暁美さんが好きになるのもわかるわ、とっても温かいもの」
まどか「ウェヒヒ、ありがとうマミさん」
さやか「それじゃあ、マミさんも洗礼を受けようね」
マミ「な、なんのことかしら?」
あんこ「ははは」
マミ「怖い、笑顔が怖いわ佐倉さん!」
マミ「きゃあああああああ!」
マミ「円環の理に導かれ、私は次のステージに登るのね」
まどか「マミさんは変わらないね」
マミ「私の事を知っているのね、鹿目さん」
まどか「はい、もちろんです」
マミ「なるほどね、暁美さんが好きになるのもわかるわ、とっても温かいもの」
まどか「ウェヒヒ、ありがとうマミさん」
さやか「それじゃあ、マミさんも洗礼を受けようね」
マミ「な、なんのことかしら?」
あんこ「ははは」
マミ「怖い、笑顔が怖いわ佐倉さん!」
マミ「きゃあああああああ!」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:06:06.02 ID:VMQvpW0a0
あんこ「こいつはグロい……」
さやか「そうでしょう?」
あんこ「あたしもこんなにだったのか……」
さやか「寸分違わず」
あんこ「おえー」
マミ「ちょっとやり過ぎじゃないかしら、鹿目さん」
まどか「寂しさにかまけてほむらちゃんにモーションかけようと考えた罰です」
マミ「それは……ごめんなさいね」
まどか「はい」
さやか「そうでしょう?」
あんこ「あたしもこんなにだったのか……」
さやか「寸分違わず」
あんこ「おえー」
マミ「ちょっとやり過ぎじゃないかしら、鹿目さん」
まどか「寂しさにかまけてほむらちゃんにモーションかけようと考えた罰です」
マミ「それは……ごめんなさいね」
まどか「はい」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:12:27.11 ID:VMQvpW0a0
マミ「佐倉さんも美樹さんも、鹿目さんもいて……私は一人じゃないのね」
マミ「円環の理か……ふふ、私たちの絆の輪ね」
さやか「なんだかんだ、ほむらのお陰で付き合い長いですもんね」
あんこ「繰り返される時間の分だけ、あたしたちの関係も深まったわけだ」
マミ「ああやって鹿目さんに射抜かれることでね」
まどか「あー、ほむらちゃんは可愛いなあ」
あんこ「聞いてねえ!」
さやか「あれは聞こえないフリしてるだけだよ」
まどか「一人になっちゃったほむらちゃんが泣いちゃわないか心配だよ!」
マミ「円環の理か……ふふ、私たちの絆の輪ね」
さやか「なんだかんだ、ほむらのお陰で付き合い長いですもんね」
あんこ「繰り返される時間の分だけ、あたしたちの関係も深まったわけだ」
マミ「ああやって鹿目さんに射抜かれることでね」
まどか「あー、ほむらちゃんは可愛いなあ」
あんこ「聞いてねえ!」
さやか「あれは聞こえないフリしてるだけだよ」
まどか「一人になっちゃったほむらちゃんが泣いちゃわないか心配だよ!」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:19:23.71 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどか……次は私、ようやく……私なのね」
ほむら「長かった……いいえ、今までに比べれば長くはなかったわね」
ほむら「喪失感がそう感じさせただけ……」
まどか「ごめんね」
ほむら「ん……」
まどか「無理ばっかりさせて、ごめん」
ほむら「うん……」
まどか「辛い思いばっかりさせて、ごめん」
ほむら「いいの……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「……私、今……?」
ほむら「長かった……いいえ、今までに比べれば長くはなかったわね」
ほむら「喪失感がそう感じさせただけ……」
まどか「ごめんね」
ほむら「ん……」
まどか「無理ばっかりさせて、ごめん」
ほむら「うん……」
まどか「辛い思いばっかりさせて、ごめん」
ほむら「いいの……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「……私、今……?」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:27:19.77 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどかの声が聞こえたような、気がした」
まどか「ほむらちゃん……」ギュ
ほむら「まどかに触れられているような、気がした」
まどか「それでも、ほむらちゃんは私を感じられない……」
まどか「切ないよ、ほむらちゃん」
ほむら「たとえそれが幻想でも、私を満たしてくれるのね、まどか」
ほむら「ああ……ソウルジェムもこんなに濁って」
ほむら「もう近い……嬉しい」
まどか「ほむらちゃん……」ギュ
ほむら「まどかに触れられているような、気がした」
まどか「それでも、ほむらちゃんは私を感じられない……」
まどか「切ないよ、ほむらちゃん」
ほむら「たとえそれが幻想でも、私を満たしてくれるのね、まどか」
ほむら「ああ……ソウルジェムもこんなに濁って」
ほむら「もう近い……嬉しい」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:34:12.18 ID:VMQvpW0a0
QB「やあほむら、調子はどうだい?」
ほむら「QB、そうね気分は晴れやかだわ」
QB「それはよかった、君たち魔法少女のコンディションは精神面にも大きく左右されるからね」
ほむら「さあ、今日も魔獣を狩りに行くわよ」
QB「そうだね、今夜はつくづく瘴気が濃い」
ほむら「まどかの残したこの世界を、私は守る」
まどか「そして、頑張ってくれたほむらちゃんを私が抱きしめるの」
ほむら「たった一人でも」
まどか「一人じゃないって、私の声が聞こえるようになるその日まで」
ほむら「まどかにもう一度会えるその日まで」
まどか「頑張って」
ほむら「うん」
ほむら「QB、そうね気分は晴れやかだわ」
QB「それはよかった、君たち魔法少女のコンディションは精神面にも大きく左右されるからね」
ほむら「さあ、今日も魔獣を狩りに行くわよ」
QB「そうだね、今夜はつくづく瘴気が濃い」
ほむら「まどかの残したこの世界を、私は守る」
まどか「そして、頑張ってくれたほむらちゃんを私が抱きしめるの」
ほむら「たった一人でも」
まどか「一人じゃないって、私の声が聞こえるようになるその日まで」
ほむら「まどかにもう一度会えるその日まで」
まどか「頑張って」
ほむら「うん」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:40:36.13 ID:VMQvpW0a0
QB「そういえばほむら、君は自分の願いを思い出したのかい?」
ほむら「言ってるでしょう? 思い出すんじゃないわ、始めから知らないの」
QB「うーん、僕は平行世界のことを認識できないから」
QB「ほむらの言っている事は君の頭の中にしかない夢物語としか思えないね」
ほむら「ふん……」
QB「まあいいさ、君の願いが何をもたらしたのか、君自身自覚はなくても感じるものはあるだろう?」
ほむら「もったいぶった言い方ね」
QB「仕方ないさ、これはルール違反だからね」
ほむら「だったら何故?」
QB「君のソウルジェムはもう限界が近い、ヒントくらいはあげたくなってね」
ほむら「そう」
ほむら「言ってるでしょう? 思い出すんじゃないわ、始めから知らないの」
QB「うーん、僕は平行世界のことを認識できないから」
QB「ほむらの言っている事は君の頭の中にしかない夢物語としか思えないね」
ほむら「ふん……」
QB「まあいいさ、君の願いが何をもたらしたのか、君自身自覚はなくても感じるものはあるだろう?」
ほむら「もったいぶった言い方ね」
QB「仕方ないさ、これはルール違反だからね」
ほむら「だったら何故?」
QB「君のソウルジェムはもう限界が近い、ヒントくらいはあげたくなってね」
ほむら「そう」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:46:04.13 ID:VMQvpW0a0
マミ「そういえば、暁美さんの願いは結局なんだったのかしら?」
あんこ「この世界を守りたい、じゃなかったのか?」
さやか「さあ? あたしはよく知らないな」
まどか「……」
マミ「鹿目さんは知っている……わよね?」
まどか「はい、もちろん」
あんこ「なんなんだ? 教えろよ」
さやか「あたしも知りたい」
まどか「それはね……秘密!」
まどか「私とほむらちゃんだけの秘密なの」
あんこ「この世界を守りたい、じゃなかったのか?」
さやか「さあ? あたしはよく知らないな」
まどか「……」
マミ「鹿目さんは知っている……わよね?」
まどか「はい、もちろん」
あんこ「なんなんだ? 教えろよ」
さやか「あたしも知りたい」
まどか「それはね……秘密!」
まどか「私とほむらちゃんだけの秘密なの」
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:52:58.66 ID:VMQvpW0a0
ほむら「ふっ……、くっ!」
ほむら「もう力が出ないわ……」
ほむら「弓を射るのも億劫なほどに」
ほむら「今ならわかる、魔法少女が放つ最後の感覚」
ほむら「これが私の最後の一撃」
ほむら「はぁ、目が霞むわ……ろくに前が見えない」
まどか「最後の一撃は一緒に、ね」
ほむら「まどか、なの?」
まどか「そうだよ、今までありがとう……頑張ったね」
ほむら「まどかぁ……」
まどか「さあ、行くよ」
ほむら「ええ……ええ……!」
ほむら「もう力が出ないわ……」
ほむら「弓を射るのも億劫なほどに」
ほむら「今ならわかる、魔法少女が放つ最後の感覚」
ほむら「これが私の最後の一撃」
ほむら「はぁ、目が霞むわ……ろくに前が見えない」
まどか「最後の一撃は一緒に、ね」
ほむら「まどか、なの?」
まどか「そうだよ、今までありがとう……頑張ったね」
ほむら「まどかぁ……」
まどか「さあ、行くよ」
ほむら「ええ……ええ……!」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 02:58:23.59 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどかの言葉は歌声のように心地よくて、そのまま身を委ねてしまいそう」
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃんは戦わなくていい、もう全部終わったから」
ほむら「ここが、まどかのいた場所なのね」
まどか「うん、みんなもいるよ」
ほむら「そう」
まどか「でも、今はちょっとだけほむらちゃんと二人っきりで」
ほむら「まどか……」
まどか「こうして、ほむらちゃんに触れる」
ほむら「ぁ……」
まどか「私のことを感じてくれる」
まどか「それはとっても嬉しいなって」ギュ
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃんは戦わなくていい、もう全部終わったから」
ほむら「ここが、まどかのいた場所なのね」
まどか「うん、みんなもいるよ」
ほむら「そう」
まどか「でも、今はちょっとだけほむらちゃんと二人っきりで」
ほむら「まどか……」
まどか「こうして、ほむらちゃんに触れる」
ほむら「ぁ……」
まどか「私のことを感じてくれる」
まどか「それはとっても嬉しいなって」ギュ
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:04:28.15 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどか、あなたに抱きしめられて、ずっと感じていたものが何かわかったわ」
まどか「うん」
ほむら「願いが何かもわかった」
まどか「うん」
ほむら「私の願いはとても単純で」
ほむら「私の本心で」
まどか「私の事を知らなかった時に叶えたほむらちゃんの願い」
ほむら「この世界と共に在りたい、それが私の願い」
まどか「その願いはほむらちゃんに私を与えた」
ほむら「温もりも、安らぎも、全部まどかと共に在ったから、そうだったのね」
まどか「ずっと傍にいたよ、ほむらちゃんは一人じゃないよ」
ほむら「私の魔法は、まどかの力を少し借りること」
ほむら「私は外からも、中からも、まどかに満たされていた」
まどか「うん」
ほむら「願いが何かもわかった」
まどか「うん」
ほむら「私の願いはとても単純で」
ほむら「私の本心で」
まどか「私の事を知らなかった時に叶えたほむらちゃんの願い」
ほむら「この世界と共に在りたい、それが私の願い」
まどか「その願いはほむらちゃんに私を与えた」
ほむら「温もりも、安らぎも、全部まどかと共に在ったから、そうだったのね」
まどか「ずっと傍にいたよ、ほむらちゃんは一人じゃないよ」
ほむら「私の魔法は、まどかの力を少し借りること」
ほむら「私は外からも、中からも、まどかに満たされていた」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:10:07.79 ID:VMQvpW0a0
まどか「私はずっとほむらちゃんを感じることが出来たけど、ほむらちゃんはそうじゃないよね」
まどか「だからこれから満足いくまで私を感じて」
ほむら「まどか!」ギュ
まどか「ウェヒヒ」
ほむら「まどかぁ……ぐすっ……まどか、まどか……」
まどか「泣かないで、ほむらちゃん」
ほむら「でも、嬉しくて」
まどか「笑って? 私ほむらちゃんの笑顔が見たい」
ほむら「まどか……ええ……」
まどか「えへへ、やっぱりほむらちゃんには笑顔が似合うよ、すっごく可愛い」
ほむら「それはまどかだって……可愛い笑顔」
まどか「楽しみだね、これからほむらちゃんは私と一緒に永遠の時を生きるんだから」
ほむら「その言い方怖いわ、まどか!」
まどか「だからこれから満足いくまで私を感じて」
ほむら「まどか!」ギュ
まどか「ウェヒヒ」
ほむら「まどかぁ……ぐすっ……まどか、まどか……」
まどか「泣かないで、ほむらちゃん」
ほむら「でも、嬉しくて」
まどか「笑って? 私ほむらちゃんの笑顔が見たい」
ほむら「まどか……ええ……」
まどか「えへへ、やっぱりほむらちゃんには笑顔が似合うよ、すっごく可愛い」
ほむら「それはまどかだって……可愛い笑顔」
まどか「楽しみだね、これからほむらちゃんは私と一緒に永遠の時を生きるんだから」
ほむら「その言い方怖いわ、まどか!」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:16:41.65 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどか、もう一度だけ会えるって」
まどか「もう一度、だよ、それってもう二度と離れないってこと」
まどか「これからはずっと一緒だよ」
まどか「私の大好きなほむらちゃんと」
ほむら「私の大好きなまどかと」
まどか「うぅ……」
ほむら「まどか?」
まどか「そうやって、私を見つめながら言われると……」
ほむら「大好きよ、まどか」
まどか「ほむらちゃん、急に積極的すぎ!」
ほむら「ふふ、まどかがいなかった反動かしらね?」ツン
まどか「ほむらちゃん! 恥ずかしいけど、とっても嬉しい……」スリスリ
まどか「もう一度、だよ、それってもう二度と離れないってこと」
まどか「これからはずっと一緒だよ」
まどか「私の大好きなほむらちゃんと」
ほむら「私の大好きなまどかと」
まどか「うぅ……」
ほむら「まどか?」
まどか「そうやって、私を見つめながら言われると……」
ほむら「大好きよ、まどか」
まどか「ほむらちゃん、急に積極的すぎ!」
ほむら「ふふ、まどかがいなかった反動かしらね?」ツン
まどか「ほむらちゃん! 恥ずかしいけど、とっても嬉しい……」スリスリ
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:22:13.95 ID:VMQvpW0a0
まどか「もういいの?」
ほむら「ええ」
まどか「まだ足りないよ?」
ほむら「大丈夫、だってこれからはずっと一緒だもの」
まどか「もっとワガママになっていいんだよ?」
ほむら「私のワガママはもう叶っているもの」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「それに、みんなも待っているんでしょう?」
まどか「……そっか、そうだね」
ほむら「それじゃあ行きましょう?」
まどか「うん、円環の理に導かれて、ね」
ほむら「ええ」
まどか「まだ足りないよ?」
ほむら「大丈夫、だってこれからはずっと一緒だもの」
まどか「もっとワガママになっていいんだよ?」
ほむら「私のワガママはもう叶っているもの」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「それに、みんなも待っているんでしょう?」
まどか「……そっか、そうだね」
ほむら「それじゃあ行きましょう?」
まどか「うん、円環の理に導かれて、ね」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:28:00.06 ID:VMQvpW0a0
さやか「おかえり」
マミ「おかえりなさい」
あんこ「おかえり」
まどか「おかえり、ほむらちゃん」
ほむら「みんな……ただいま」
マミ「おかえりなさい」
あんこ「おかえり」
まどか「おかえり、ほむらちゃん」
ほむら「みんな……ただいま」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:34:11.17 ID:VMQvpW0a0
マミ「暁美さん、覚悟はいいかしら?」
ほむら「え?」
あんこ「ここへ来たからには洗礼を受けてもらわないとな」
さやか「大丈夫、痛いのは最初だけだから」
ほむら「な、なに?」
マミ「さあ、鹿目さん……」
まどか「何やってるの、みんな?」
さやか「何って、あれだよあれ」
あんこ「お約束があるだろ?」
まどか「ウェヒヒ、やるわけないよ?」
マミ「なん……ですって?」
ほむら「え?」
あんこ「ここへ来たからには洗礼を受けてもらわないとな」
さやか「大丈夫、痛いのは最初だけだから」
ほむら「な、なに?」
マミ「さあ、鹿目さん……」
まどか「何やってるの、みんな?」
さやか「何って、あれだよあれ」
あんこ「お約束があるだろ?」
まどか「ウェヒヒ、やるわけないよ?」
マミ「なん……ですって?」
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:40:29.17 ID:VMQvpW0a0
さやか「ほむらだけ特別扱いかよ」
マミ「私だけ自分がどうなっていたか確認できないの……」
あんこ「いや、正直あれは見ない方がいい」
ほむら「何の話をしているのかしら……?」
まどか「特別扱いして何が悪いの! 神様だって好きな人くらいいるよ!」
ほむら「も、もうみんなの前で……!」
まどか「みんなの前でも関係ないよ、ほむらちゃん」ギュ
ほむら「まどか……うん」
マミ「ソウルジェムがあったら濁っていたところだわ」
さやか「右に同じ」
マミ「私だけ自分がどうなっていたか確認できないの……」
あんこ「いや、正直あれは見ない方がいい」
ほむら「何の話をしているのかしら……?」
まどか「特別扱いして何が悪いの! 神様だって好きな人くらいいるよ!」
ほむら「も、もうみんなの前で……!」
まどか「みんなの前でも関係ないよ、ほむらちゃん」ギュ
ほむら「まどか……うん」
マミ「ソウルジェムがあったら濁っていたところだわ」
さやか「右に同じ」
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:46:34.80 ID:VMQvpW0a0
さやか「今まではまどかの一方的なスキンシップだったからまだよかったけど」
あんこ「ほむらの方もノリノリだとすげえな」
ほむら「まどか、あたたかい」
まどか「体の奥からあたたかくなっていくね」
マミ「目に毒だわ……」
まどか「気持ちに嘘は付けないよ」
ほむら「あ……」
まどか「好き」
ほむら「大好き」
まどか「ほむらちゃんと同じで嬉しい、大好きだよほむらちゃん」
あんこ「ほむらの方もノリノリだとすげえな」
ほむら「まどか、あたたかい」
まどか「体の奥からあたたかくなっていくね」
マミ「目に毒だわ……」
まどか「気持ちに嘘は付けないよ」
ほむら「あ……」
まどか「好き」
ほむら「大好き」
まどか「ほむらちゃんと同じで嬉しい、大好きだよほむらちゃん」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:52:13.66 ID:VMQvpW0a0
まどか「私ね、これから行かなきゃいけない所があるの」
ほむら「え?」
まどか「もちろん、ほむらちゃんと二人で」
あんこ「そうなのか?」
ほむら「どこへ行くの?」
まどか「それは私とほむらちゃんだけの秘密」
さやか「またか」
マミ「しょうがないわね」
あんこ「早めに帰ってこいよ」
まどか「うん、行ってくるね」
ほむら「え?」
まどか「もちろん、ほむらちゃんと二人で」
あんこ「そうなのか?」
ほむら「どこへ行くの?」
まどか「それは私とほむらちゃんだけの秘密」
さやか「またか」
マミ「しょうがないわね」
あんこ「早めに帰ってこいよ」
まどか「うん、行ってくるね」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:58:13.65 ID:VMQvpW0a0
ほむら「まどか、どこに行くの?」
まどか「すぐにわかるよ」
ほむら「そう」
まどか「ほむらちゃん、手繋いでもらえないかな」
ほむら「もちろん」ギュ
まどか「ウェヒヒ」
ほむら「まどかの手、あたたかい……」
まどか「ほむらちゃんの手、ちょっぴり汗かいてるね」
ほむら「……それはまどかだって」
まどか「すぐにわかるよ」
ほむら「そう」
まどか「ほむらちゃん、手繋いでもらえないかな」
ほむら「もちろん」ギュ
まどか「ウェヒヒ」
ほむら「まどかの手、あたたかい……」
まどか「ほむらちゃんの手、ちょっぴり汗かいてるね」
ほむら「……それはまどかだって」
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:21:31.59 ID:VMQvpW0a0
まどか「私でもね、緊張しちゃうことってあるんだ」
ほむら「神様なのに?」
まどか「そうだよ、私は確かに神様だけど、それでもやっぱり一人の女の子だから」
まどか「好きな人を前にしたら緊張もするし、動悸も激しくなるよ」
ほむら「一緒ね」
まどか「うん……」
ほむら「まどかの心臓の音が聞こえてきそう」
まどか「……だからね、これから行く所は私にとってとても大切な所なんだ」
まどか「もちろん、ほむらちゃんにとっても」
ほむら「神様なのに?」
まどか「そうだよ、私は確かに神様だけど、それでもやっぱり一人の女の子だから」
まどか「好きな人を前にしたら緊張もするし、動悸も激しくなるよ」
ほむら「一緒ね」
まどか「うん……」
ほむら「まどかの心臓の音が聞こえてきそう」
まどか「……だからね、これから行く所は私にとってとても大切な所なんだ」
まどか「もちろん、ほむらちゃんにとっても」
143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:56:15.41 ID:VMQvpW0a0
「私の願いは、全ての魔女を消し去ること」
「本当にそれが叶ったんだとしたら、私だって、もう絶望する必要なんて、ない!」
ほむら「これって……」
まどか「うん」
まどか「ほむらちゃんは特別だから、私が直接、会いに行くの」
ほむら「まどか……そのリボン?」
まどか「ウェヒヒ、ちょっとの間だけ、お揃いだね」
「これじゃ、死ぬよりも……もっとひどい……ひどい」
まどか「ううん、違うよ……ほむらちゃん」
ほむら「私と……まどか……」
「本当にそれが叶ったんだとしたら、私だって、もう絶望する必要なんて、ない!」
ほむら「これって……」
まどか「うん」
まどか「ほむらちゃんは特別だから、私が直接、会いに行くの」
ほむら「まどか……そのリボン?」
まどか「ウェヒヒ、ちょっとの間だけ、お揃いだね」
「これじゃ、死ぬよりも……もっとひどい……ひどい」
まどか「ううん、違うよ……ほむらちゃん」
ほむら「私と……まどか……」
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:03:26.01 ID:VMQvpW0a0
まどか「あなたは私の、最高の友達だったんだね」
「だからって、あなたはこのまま、帰る場所もなくなって」
「大好きな人たちとも離れ離れになって」
「こんな場所に、一人ぼっちで永遠に取り残されるって言うの?」
ほむら「違うわ、まどかは一人じゃない、そして私も」
まどか「うん、一人じゃないよ」
まどか「みんな、みんないつまでも私と一緒だよ」
ほむら「まどかがいない悲しさで泣いてしまうことも沢山あるわ、でも大丈夫安心して」
ほむら「まどかとはずっと一緒にいるから、あなたの、私の傍でずっと見守っていてくれるから」
「まどか……」
ほむら「笑顔が似合うってまどかが言ってくれた、だから泣かないで」
ほむら「その悲しみも苦しみも報われる時がもうすぐ来る、頑張って……私」
まどか「だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから」
ほむら「私の願いはようやく叶ったんだから」
おしまい
「だからって、あなたはこのまま、帰る場所もなくなって」
「大好きな人たちとも離れ離れになって」
「こんな場所に、一人ぼっちで永遠に取り残されるって言うの?」
ほむら「違うわ、まどかは一人じゃない、そして私も」
まどか「うん、一人じゃないよ」
まどか「みんな、みんないつまでも私と一緒だよ」
ほむら「まどかがいない悲しさで泣いてしまうことも沢山あるわ、でも大丈夫安心して」
ほむら「まどかとはずっと一緒にいるから、あなたの、私の傍でずっと見守っていてくれるから」
「まどか……」
ほむら「笑顔が似合うってまどかが言ってくれた、だから泣かないで」
ほむら「その悲しみも苦しみも報われる時がもうすぐ来る、頑張って……私」
まどか「だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから」
ほむら「私の願いはようやく叶ったんだから」
おしまい
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:07:14.57 ID:QAONeIQ20
とりあえず>>1乙!
147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:15:15.68 ID:LL51Xm8L0
よく頑張った乙!
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:25:47.60 ID:VMQvpW0a0
ほむらとまどかの話なので他キャラのエピソードはカットしたった
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:42:40.09 ID:L5gAE+qeP
乙!
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:44:51.20 ID:IegxdjNL0
おつ!
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:54:02.93 ID:VMQvpW0a0
何かわからんことなんてあったっけ?
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 08:30:40.29 ID:VMQvpW0a0
最高の友達なんて言う告白はまどか一人では緊張して出来なかったからほむほむと一緒に行く事に
>>88でほむらから好きだと言ってもらえるまでは自分から好きだと言うことも出来なかったまどか
>>88でほむらから好きだと言ってもらえるまでは自分から好きだと言うことも出来なかったまどか
掲載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1352381352/
Entry ⇒ 2015.11.30 | Category ⇒ 魔法少女まどか☆マギカ | Comments (0)
綾瀬穂乃香「もし柚ちゃんのプロデューサーが加蓮ちゃんだったなら」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:14:31.51 ID:oyrpMvNz0
――ね、そこのあなたっ
――……アタシ?
――そうそう。何してんのかなーって
――…………
――あなた、アイドルをやってみない?
――……アタシ?
――そうそう。何してんのかなーって
――…………
――あなた、アイドルをやってみない?
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:15:02.64 ID:oyrpMvNz0
――まえがき――
単発作品です。短くはありません。
独自設定と原作無視のオンパレードです。ご理解の上、お進みくださいませ。
単発作品です。短くはありません。
独自設定と原作無視のオンパレードです。ご理解の上、お進みくださいませ。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:15:39.90 ID:oyrpMvNz0
――レッスンスタジオ・昼――
喜多見柚「とやっ。と、っとっと」グラッ
柚「ふうっ。レッスンってムズいね! アタシ、もっと簡単なのかな~って思っちゃってた」
北条加蓮「あはは、こんなもんだよ」
柚「できるようになるまで何回かかるんだろ……歌いながら踊るなんて絶対ムリっ。っていうか歌うだけでも上手くできないし、踊るのもぜんぜんっ」
柚「ビジュアル、レッスン? なんて訳分かんないよ。アタシ、楽しいことしか考えてないもん。悲しい演技なんてぜんぜんできないや」
加蓮「そうだったね。何やっても楽しそうだった」
柚「やっぱり!? むー……」
加蓮「でも、それっていいことだよ。だって何やっても楽しそうに見えるんだよ? その方が、見てる側も楽しいんじゃないかな」
柚「……そなの?」
加蓮「うん」
喜多見柚「とやっ。と、っとっと」グラッ
柚「ふうっ。レッスンってムズいね! アタシ、もっと簡単なのかな~って思っちゃってた」
北条加蓮「あはは、こんなもんだよ」
柚「できるようになるまで何回かかるんだろ……歌いながら踊るなんて絶対ムリっ。っていうか歌うだけでも上手くできないし、踊るのもぜんぜんっ」
柚「ビジュアル、レッスン? なんて訳分かんないよ。アタシ、楽しいことしか考えてないもん。悲しい演技なんてぜんぜんできないや」
加蓮「そうだったね。何やっても楽しそうだった」
柚「やっぱり!? むー……」
加蓮「でも、それっていいことだよ。だって何やっても楽しそうに見えるんだよ? その方が、見てる側も楽しいんじゃないかな」
柚「……そなの?」
加蓮「うん」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:16:08.32 ID:oyrpMvNz0
柚「プロデューサーも?」
加蓮「私も。つまんなさそうに踊るより、楽しそうに踊ってる姿を見たいに決まってるよ。そういうアイドル、見たことない?」
柚「……そういえばテレビのアイドル、みんな楽しそうにしてるっ」
加蓮「でしょ?」
柚「じゃあ、アタシもそんな感じでやってみる!」スクッ
加蓮「…………」カチッ
<~~♪
柚「よぉーし!」
柚「ほっ、ほっ」タッタッ
柚「よっ、とっ」タタツ
柚「おわわっ」ズテッ
柚「……む、難しいっ」
加蓮「ふふっ。……ちょっと、休憩にしよっか」
加蓮「私も。つまんなさそうに踊るより、楽しそうに踊ってる姿を見たいに決まってるよ。そういうアイドル、見たことない?」
柚「……そういえばテレビのアイドル、みんな楽しそうにしてるっ」
加蓮「でしょ?」
柚「じゃあ、アタシもそんな感じでやってみる!」スクッ
加蓮「…………」カチッ
<~~♪
柚「よぉーし!」
柚「ほっ、ほっ」タッタッ
柚「よっ、とっ」タタツ
柚「おわわっ」ズテッ
柚「……む、難しいっ」
加蓮「ふふっ。……ちょっと、休憩にしよっか」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:16:43.70 ID:oyrpMvNz0
――休憩中――
柚「つかれたー。スポドリが美味しい♪」ゴクゴク
柚「にしてもプロデューサーってホントにプロデューサーだったんだねっ」
加蓮「ん? どゆこと?」
柚「だってほら、最初に話しかけた時は……なんなのか分かんなくて。もしかしてナンパ!? とか思っちゃったりっ」
加蓮「…………いやあの、私、女なんだけど」
柚「あ、違う違う、男の人みたいに見えたとかじゃないのっ。それだけ分からなかったってこと!」
柚「でもこうして見ると、なんだかすっごくプロデューサーっぽい感じ! スーツも着てるしっ」
加蓮「もう、言いたいことは分かるけどちゃんとプロデューサーだよ。ほら、名刺だって渡したじゃん」
柚「うんっ。ちゃんと持ってるよ」ゴソゴソ
柚「つかれたー。スポドリが美味しい♪」ゴクゴク
柚「にしてもプロデューサーってホントにプロデューサーだったんだねっ」
加蓮「ん? どゆこと?」
柚「だってほら、最初に話しかけた時は……なんなのか分かんなくて。もしかしてナンパ!? とか思っちゃったりっ」
加蓮「…………いやあの、私、女なんだけど」
柚「あ、違う違う、男の人みたいに見えたとかじゃないのっ。それだけ分からなかったってこと!」
柚「でもこうして見ると、なんだかすっごくプロデューサーっぽい感じ! スーツも着てるしっ」
加蓮「もう、言いたいことは分かるけどちゃんとプロデューサーだよ。ほら、名刺だって渡したじゃん」
柚「うんっ。ちゃんと持ってるよ」ゴソゴソ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:17:13.60 ID:oyrpMvNz0
――回想 12月24日・夜――
加蓮『ね、そこのあなたっ』
柚『……アタシ?』
加蓮『そうそう。何してんのかなーって』
柚『…………?』
加蓮『せっかくのクリスマスイブなのに、つまらなさそーな顔してるなーって思ってさ。って、私も1人なんだけどね』アハハ
柚『…………アタシに、何か用?』
加蓮『用ってほどじゃあないかなぁ。こんな夜にブランコに座ってたから、ちょっと気になっただけだよ。ね、何してたの?』(隣のブランコに腰掛ける)
柚『なんにも』
加蓮『そうなんだ』
加蓮『ね、そこのあなたっ』
柚『……アタシ?』
加蓮『そうそう。何してんのかなーって』
柚『…………?』
加蓮『せっかくのクリスマスイブなのに、つまらなさそーな顔してるなーって思ってさ。って、私も1人なんだけどね』アハハ
柚『…………アタシに、何か用?』
加蓮『用ってほどじゃあないかなぁ。こんな夜にブランコに座ってたから、ちょっと気になっただけだよ。ね、何してたの?』(隣のブランコに腰掛ける)
柚『なんにも』
加蓮『そうなんだ』
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:17:43.62 ID:oyrpMvNz0
柚『……せっかくのクリスマスイブだから、何か面白いことやってないかなーってぶらついてたんだ』
柚『でも、なんにも見つかんなかった』
加蓮『見つかんないの?』
柚『うん。なんにも』
柚『……面白くないやっ』キーコキーコ
柚『なんてゆーか……面白くないっ』
加蓮『そっかー……』
柚『…………』
加蓮『面白いこと、探してるの?』
柚『うん』
加蓮『ワクワクするようなこと?』
柚『うん』
加蓮『何か、やってみたいんだ』
柚『うんっ』
加蓮『じゃあさ』
加蓮『あなた、アイドルをやってみない?』
――回想終了――
柚『でも、なんにも見つかんなかった』
加蓮『見つかんないの?』
柚『うん。なんにも』
柚『……面白くないやっ』キーコキーコ
柚『なんてゆーか……面白くないっ』
加蓮『そっかー……』
柚『…………』
加蓮『面白いこと、探してるの?』
柚『うん』
加蓮『ワクワクするようなこと?』
柚『うん』
加蓮『何か、やってみたいんだ』
柚『うんっ』
加蓮『じゃあさ』
加蓮『あなた、アイドルをやってみない?』
――回想終了――
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:18:13.51 ID:oyrpMvNz0
柚「えと、名刺名刺っ……あった! 『CGプロダクション プロデューサー代理 北条加蓮』……って代理じゃん!」
加蓮「言ってなかったっけ? ぶっちゃけ手伝いみたいなもの、っていうか手伝い」
柚「じゃあプロデューサーじゃないの?」
加蓮「プロデューサーはプロデューサーだよ」
柚「代理なのに?」
加蓮「代理でもプロデューサーです」
柚「むむ…………」ジー
加蓮「あ、疑ってる顔してる。分かった分かった。じゃあ証拠を見せてあげよう」
加蓮「実はさ。あなたに……えっと、柚、でいい?」
柚「いーよー」
加蓮「じゃあ柚。実は、小さいヤツだけど、柚に仕事があります」
柚「……仕事?」
加蓮「うん、仕事」
加蓮「言ってなかったっけ? ぶっちゃけ手伝いみたいなもの、っていうか手伝い」
柚「じゃあプロデューサーじゃないの?」
加蓮「プロデューサーはプロデューサーだよ」
柚「代理なのに?」
加蓮「代理でもプロデューサーです」
柚「むむ…………」ジー
加蓮「あ、疑ってる顔してる。分かった分かった。じゃあ証拠を見せてあげよう」
加蓮「実はさ。あなたに……えっと、柚、でいい?」
柚「いーよー」
加蓮「じゃあ柚。実は、小さいヤツだけど、柚に仕事があります」
柚「……仕事?」
加蓮「うん、仕事」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:18:44.09 ID:oyrpMvNz0
柚「アイドルの?」
加蓮「アイドルの」
柚「アタシに?」
加蓮「柚に」
柚「……アイドルの?」
加蓮「アイドルのだってば」
柚「…………え、ええええええええ!!? いやいやいやアタシこの前レッスン始めたばっかりだよ!?」
加蓮「でもお仕事があります。って言っても他の人から回してもらった物なんだけどね」
加蓮「今ね、郊外のイルミネーションロードでイベントやってるんだ。駆け出しアイドルとかアイドルの卵で集まって、LIVEで盛り上がろうって企画でさ」
柚「そんなのあるの!? し、知らなかったっ」
加蓮「柚が見つけてたら面白そうって言ってたかもね」
加蓮「アイドルの」
柚「アタシに?」
加蓮「柚に」
柚「……アイドルの?」
加蓮「アイドルのだってば」
柚「…………え、ええええええええ!!? いやいやいやアタシこの前レッスン始めたばっかりだよ!?」
加蓮「でもお仕事があります。って言っても他の人から回してもらった物なんだけどね」
加蓮「今ね、郊外のイルミネーションロードでイベントやってるんだ。駆け出しアイドルとかアイドルの卵で集まって、LIVEで盛り上がろうって企画でさ」
柚「そんなのあるの!? し、知らなかったっ」
加蓮「柚が見つけてたら面白そうって言ってたかもね」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:19:13.41 ID:oyrpMvNz0
加蓮「それで、そこに1人空きがあるみたいだから、じゃあどうかって聞いてみたんだ。そしたらオッケーもらえたよ」
加蓮「この前アイドルになったばっかりって、まさにアイドルの卵らしいって面白がられて。そーいう子もけっこういるんだって」
柚「…………」
加蓮「どう? ……やっぱりまだ早すぎた?」
柚「…………」
加蓮「……そうだよね、急にこんなこと言われても困るか。レッスンだってまだまだ始めたてだし、やっぱり――」
柚「……ううんっ」
柚「えと、やってみたい……カモ。よく分かんないけど、歌って踊ればいいんだよね」
加蓮「お。そうだよ。歌って踊って、楽しませればいいの」
加蓮「この前アイドルになったばっかりって、まさにアイドルの卵らしいって面白がられて。そーいう子もけっこういるんだって」
柚「…………」
加蓮「どう? ……やっぱりまだ早すぎた?」
柚「…………」
加蓮「……そうだよね、急にこんなこと言われても困るか。レッスンだってまだまだ始めたてだし、やっぱり――」
柚「……ううんっ」
柚「えと、やってみたい……カモ。よく分かんないけど、歌って踊ればいいんだよね」
加蓮「お。そうだよ。歌って踊って、楽しませればいいの」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:19:43.54 ID:oyrpMvNz0
柚「……でも、いいのかな。アタシ、フツーのことしかできないよ? アイドルってこうもっと、ぎゅいぎゅいぎゅい! って踊ってたり、わーーーーっ、って歌ってたりしない? そんなことできないよ?」
加蓮「ぎ、ぎゅいぎゅい……? 確かにそうかもしれないけど、あのね、さっきも言ったでしょ」
加蓮「まずは柚にやりたいようにやってほしいって。上手く……ええと、ぎゅいぎゅい、って踊るんじゃなくて、柚のやりたいようにやってほしいの」
柚「……分かったっ。プロデューサーが言うなら、そうするっ」
加蓮「うん」
柚「アイドルデビューか~。アイドルデビュー……へへっ♪ なんだかすっごく面白そう!」
加蓮「ふふっ、いい笑顔してるね。その調子その調子っ」
柚「いい顔してた!?」
加蓮「してたよ。知らない人がみんな一発でファンになるような顔」
柚「やったっ」
加蓮「柚のそういう顔がもっと見たいな、私」
柚「きゃーっきゃーっ!」
加蓮「ぎ、ぎゅいぎゅい……? 確かにそうかもしれないけど、あのね、さっきも言ったでしょ」
加蓮「まずは柚にやりたいようにやってほしいって。上手く……ええと、ぎゅいぎゅい、って踊るんじゃなくて、柚のやりたいようにやってほしいの」
柚「……分かったっ。プロデューサーが言うなら、そうするっ」
加蓮「うん」
柚「アイドルデビューか~。アイドルデビュー……へへっ♪ なんだかすっごく面白そう!」
加蓮「ふふっ、いい笑顔してるね。その調子その調子っ」
柚「いい顔してた!?」
加蓮「してたよ。知らない人がみんな一発でファンになるような顔」
柚「やったっ」
加蓮「柚のそういう顔がもっと見たいな、私」
柚「きゃーっきゃーっ!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:20:13.52 ID:oyrpMvNz0
加蓮「でも、柚」
加蓮「イベントまでまだもう少し時間があるから、もうちょっと練習しよっか」
柚「え?」
加蓮「代理でも何でも、私はプロデューサーだからね。いくらアイドルの卵で集まるイベントだっていっても、やれるところまでやらなきゃ」
加蓮「さて、さっきまではほとんど初めて状態だったから遠慮してたけど、今度はビシバシやっていくよ!」
柚「ええええ――っ! あ、え、えと、お手柔らかにっ」
加蓮「イベントまでまだもう少し時間があるから、もうちょっと練習しよっか」
柚「え?」
加蓮「代理でも何でも、私はプロデューサーだからね。いくらアイドルの卵で集まるイベントだっていっても、やれるところまでやらなきゃ」
加蓮「さて、さっきまではほとんど初めて状態だったから遠慮してたけど、今度はビシバシやっていくよ!」
柚「ええええ――っ! あ、え、えと、お手柔らかにっ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:20:43.41 ID:oyrpMvNz0
――数日後 レッスンスタジオ――
加蓮「もしもし? ……うん、分かった。すぐに行くね」ピッ
加蓮「柚。時間。行くよ」
柚「…………」カチコチ
加蓮「……どしたの? カチコチに固まって。できたー! ってさっき喜んでたのに」
柚「ぷ、プロデューサー。アタシ今からアイドルになるんだよね」
柚「これ、この服、衣装なんだよね。これでアタシ、外に出て歌うんだよね」
加蓮「うん。……怖気づいた?」
柚「おおお怖気づいてなんてないもんっ。ただちょっと、えと、緊張する……」
加蓮「そっかぁ……」
柚「…………」
加蓮「もしもし? ……うん、分かった。すぐに行くね」ピッ
加蓮「柚。時間。行くよ」
柚「…………」カチコチ
加蓮「……どしたの? カチコチに固まって。できたー! ってさっき喜んでたのに」
柚「ぷ、プロデューサー。アタシ今からアイドルになるんだよね」
柚「これ、この服、衣装なんだよね。これでアタシ、外に出て歌うんだよね」
加蓮「うん。……怖気づいた?」
柚「おおお怖気づいてなんてないもんっ。ただちょっと、えと、緊張する……」
加蓮「そっかぁ……」
柚「…………」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:21:13.53 ID:oyrpMvNz0
柚「……だってしょうがないじゃん! 人前で歌うのなんてカラオケの時だけだもん! 友だちとだけだよ! 知らない人の前で歌ったことなんてないしっ」
加蓮「えー、何回も私の前で歌ったのに?」
柚「それちょっと違うよ!」
加蓮「やったことがないから、今から始めるの。柚のアイドルをね」
柚「分かってるけど~~~~……っ」
加蓮「うーん……そうだ。ね、柚。ちょっと待ってて」
加蓮「えっと、どこに入れてたっけな……」ガサゴソ
柚「……?」
加蓮「あった。ちょっと失礼するね」(柚の髪に触る)
柚「ひゃっ。くす、くすぐったいっ」
加蓮「んー、短すぎて難しいなー……留めるしちゃおっと。よいしょ」パチッ
加蓮「はい終わり。どう?」
加蓮「えー、何回も私の前で歌ったのに?」
柚「それちょっと違うよ!」
加蓮「やったことがないから、今から始めるの。柚のアイドルをね」
柚「分かってるけど~~~~……っ」
加蓮「うーん……そうだ。ね、柚。ちょっと待ってて」
加蓮「えっと、どこに入れてたっけな……」ガサゴソ
柚「……?」
加蓮「あった。ちょっと失礼するね」(柚の髪に触る)
柚「ひゃっ。くす、くすぐったいっ」
加蓮「んー、短すぎて難しいなー……留めるしちゃおっと。よいしょ」パチッ
加蓮「はい終わり。どう?」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:21:47.69 ID:oyrpMvNz0
柚「…………?」カガミヲミル
加蓮「髪留め。ユズの花のね」
柚「アタシ?」
加蓮「うん。柚と同じ名前の、ユズの花。柚のアイドルデビュー記念ってことで」
加蓮「これをつけて、私はアイドルだーっ、ってしっかり言ってきなさい」
加蓮「怖気づいた時はこれを触って思い出しなさい。あなたの笑顔を見たがってる人がいる、って」
柚「プロデューサー……。……って、これちょっと恥ずかしいよ! アタシはアイドルだーじゃなくて、アタシは柚だーって大声で言ってるみたいな感じがするっ」
加蓮「アイドルってそういう物なの。ボーカルレッスンをしていた時、間奏でアドリブ入れて叫んでたのはどこの誰?」
柚「ううっ……だって、そうしたら楽しくできるかなって思って」
加蓮「……!」
加蓮「じゃあやってみよう! 何にも恥ずかしくないよ。大丈夫。私が見ててあげる!」
柚「…………」サワ
柚「……やってみるっ。アタシ、やってみるね」
加蓮「あはは、やっとやる気になってくれた。じゃ、行こう、柚」
柚「うんっ。いくよーっ」
加蓮「髪留め。ユズの花のね」
柚「アタシ?」
加蓮「うん。柚と同じ名前の、ユズの花。柚のアイドルデビュー記念ってことで」
加蓮「これをつけて、私はアイドルだーっ、ってしっかり言ってきなさい」
加蓮「怖気づいた時はこれを触って思い出しなさい。あなたの笑顔を見たがってる人がいる、って」
柚「プロデューサー……。……って、これちょっと恥ずかしいよ! アタシはアイドルだーじゃなくて、アタシは柚だーって大声で言ってるみたいな感じがするっ」
加蓮「アイドルってそういう物なの。ボーカルレッスンをしていた時、間奏でアドリブ入れて叫んでたのはどこの誰?」
柚「ううっ……だって、そうしたら楽しくできるかなって思って」
加蓮「……!」
加蓮「じゃあやってみよう! 何にも恥ずかしくないよ。大丈夫。私が見ててあげる!」
柚「…………」サワ
柚「……やってみるっ。アタシ、やってみるね」
加蓮「あはは、やっとやる気になってくれた。じゃ、行こう、柚」
柚「うんっ。いくよーっ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:22:13.59 ID:oyrpMvNz0
――イベント終了後の帰り道――
加蓮「お疲れ、ゆ――」
柚「~~~♪ ~~~~♪ ~~~~♪」クルクル
加蓮「ず……聞いてないな」
柚「~~~~~♪」
加蓮(ま、しょうがないっか。あんなに楽しそうにしてたし、興奮冷めやらぬって感じだもんね)クス
加蓮(……ホントに。羨ましいくらい、楽しそうだったなぁ)
加蓮「柚。ほら、前に木があるよ、危ないよ……ああもうっ今度は人にぶつかりそうになってる!」ダキッ
柚「わわわ!? ……あ、アレ? あっ、ありがとうプロデューサーサン!」
加蓮「楽しかったのは分かったからせめて前を向いて歩いてよ。見てて危なっかしいよ、すごく」
柚「はーいっ」
加蓮「お疲れ、ゆ――」
柚「~~~♪ ~~~~♪ ~~~~♪」クルクル
加蓮「ず……聞いてないな」
柚「~~~~~♪」
加蓮(ま、しょうがないっか。あんなに楽しそうにしてたし、興奮冷めやらぬって感じだもんね)クス
加蓮(……ホントに。羨ましいくらい、楽しそうだったなぁ)
加蓮「柚。ほら、前に木があるよ、危ないよ……ああもうっ今度は人にぶつかりそうになってる!」ダキッ
柚「わわわ!? ……あ、アレ? あっ、ありがとうプロデューサーサン!」
加蓮「楽しかったのは分かったからせめて前を向いて歩いてよ。見てて危なっかしいよ、すごく」
柚「はーいっ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:22:43.45 ID:oyrpMvNz0
柚「ねープロデューサー。アイドルって面白いんだね!」
加蓮「ん?」
柚「アタシが歌い出したらさ、通りかかった人がきょとんってするんだ。でもすぐに、楽しそうに笑ってくれた。あとねっ一緒に歌ってくれたよ!」
柚「こけちゃった時に、がんばれ、って言ってくれた。それからそれから、終わった後には拍手もしてくれて!」
柚「それとアタシと同じような人がいた! えっと、アイドルになったばかりって人っ。LIVEバトル、1回だけ勝てたよ!」
柚「そん時もお客さんすっごい盛り上がってくれてっ。最後には10人くらいいたのかな。アタシのファンになってくれたのかなっ」
柚「……また、アタシが歌ってたら聞いてくれるかな。聞いてくれたら嬉しいな!」
柚「へへっ♪」
加蓮「ん?」
柚「アタシが歌い出したらさ、通りかかった人がきょとんってするんだ。でもすぐに、楽しそうに笑ってくれた。あとねっ一緒に歌ってくれたよ!」
柚「こけちゃった時に、がんばれ、って言ってくれた。それからそれから、終わった後には拍手もしてくれて!」
柚「それとアタシと同じような人がいた! えっと、アイドルになったばかりって人っ。LIVEバトル、1回だけ勝てたよ!」
柚「そん時もお客さんすっごい盛り上がってくれてっ。最後には10人くらいいたのかな。アタシのファンになってくれたのかなっ」
柚「……また、アタシが歌ってたら聞いてくれるかな。聞いてくれたら嬉しいな!」
柚「へへっ♪」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:23:13.40 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………そっか。面白いでしょ? アイドル」
柚「うん、面白い! アタシもっともっと歌いたい。歌って踊って、あと、ちょっぴりセクシーなのっ。もっと頑張ったらいろんな服も着られる?」
加蓮「うん、着られる着られる」
柚「そっかっ。……プロデューサーの言う通りだね。アイドルって面白くて、すっごくワクワクする!」
加蓮「…………」クスッ
加蓮「良かったね、見つけられて。面白そうなこと」
柚「見つけてくれたのはプロデューサーの方だよ!」
加蓮「え?」
柚「だってこれって、プロデューサーがアタシを見つけてくれたからできたことだよね。だからありがと、プロデューサー!」
柚「……うーん、なんだかちょっぴり堅苦しいかも。じゃあ――」
柚「加蓮……サン! 加蓮サン! これでいいやっ」
柚「うん、面白い! アタシもっともっと歌いたい。歌って踊って、あと、ちょっぴりセクシーなのっ。もっと頑張ったらいろんな服も着られる?」
加蓮「うん、着られる着られる」
柚「そっかっ。……プロデューサーの言う通りだね。アイドルって面白くて、すっごくワクワクする!」
加蓮「…………」クスッ
加蓮「良かったね、見つけられて。面白そうなこと」
柚「見つけてくれたのはプロデューサーの方だよ!」
加蓮「え?」
柚「だってこれって、プロデューサーがアタシを見つけてくれたからできたことだよね。だからありがと、プロデューサー!」
柚「……うーん、なんだかちょっぴり堅苦しいかも。じゃあ――」
柚「加蓮……サン! 加蓮サン! これでいいやっ」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:23:43.61 ID:oyrpMvNz0
柚「ね、加蓮サン。アタシ加蓮サンに声かけてもらってよかった。だって、こんなに面白いことを見つけられたんだから!」
加蓮「……あはは……まだまだこれからだよ。新しい歌も新しい振付もどんどん覚えて、もっとたくさんの人に見てもらわなきゃ。それがアイドルだからね」
柚「うんっ」
加蓮「その為にももっとビシバシ行かなきゃね~?」
柚「ぎゃーっ。か、加蓮サンっ怒ると怖いからその、や、やわらか~く、ね? やわらか~く」
加蓮「さっきのレッスンのこと?」
柚「うんっ。加蓮サンちょっと言い方きつかったから……」
加蓮「わ……ホント? 自覚なかったかも……気をつけるね」
柚「ううんっ、大丈夫! でも柔らかい方がアタシは好きだよ♪」
加蓮「うん、分かった。……そうだっ。じゃあお詫びと、あと初LIVE記念に。ほら、あったかい飲み物でもどう?」スッ
柚「やたっ。じゃあ、ココア! たっぷり甘いヤツっ」
加蓮「それなら私もそれにしよっかな」ガサゴソ
加蓮「……あはは……まだまだこれからだよ。新しい歌も新しい振付もどんどん覚えて、もっとたくさんの人に見てもらわなきゃ。それがアイドルだからね」
柚「うんっ」
加蓮「その為にももっとビシバシ行かなきゃね~?」
柚「ぎゃーっ。か、加蓮サンっ怒ると怖いからその、や、やわらか~く、ね? やわらか~く」
加蓮「さっきのレッスンのこと?」
柚「うんっ。加蓮サンちょっと言い方きつかったから……」
加蓮「わ……ホント? 自覚なかったかも……気をつけるね」
柚「ううんっ、大丈夫! でも柔らかい方がアタシは好きだよ♪」
加蓮「うん、分かった。……そうだっ。じゃあお詫びと、あと初LIVE記念に。ほら、あったかい飲み物でもどう?」スッ
柚「やたっ。じゃあ、ココア! たっぷり甘いヤツっ」
加蓮「それなら私もそれにしよっかな」ガサゴソ
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:24:13.46 ID:oyrpMvNz0
加蓮「っと……はい、柚」
柚「へへっ。じゃあ、アタシの初LIVE記念! と、加蓮サンのごめんなさい記念にっ」
加蓮「乾杯♪」
――こうして、私たちの物語は始まった。長く長く続く、アイドルとプロデューサーの物語が。
柚「へへっ。じゃあ、アタシの初LIVE記念! と、加蓮サンのごめんなさい記念にっ」
加蓮「乾杯♪」
――こうして、私たちの物語は始まった。長く長く続く、アイドルとプロデューサーの物語が。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:24:43.93 ID:oyrpMvNz0
――1月 事務所・夕方――
加蓮「こんにちはー」
柚「あっプロデューサーサン、じゃなかった加蓮サン! こんにち…………えっ?」
加蓮「やほ、柚。今日も早いね。あれ……レッスンまでまだけっこう時間ない? ふふっ、やる気が余り過ぎだよ」
柚「…………」パクパク
加蓮「さて、何か仕事は回してもらってるかなっと…………」
加蓮「……どしたの?」
柚「かっ、かっ」
加蓮「か?」
柚「加蓮サンっ制服着てる!?」
加蓮「制服って……そりゃ学校帰りだもん。いや柚だって同じでしょ? 制服を着てるってことは」
柚「がっこう!?」
加蓮「こんにちはー」
柚「あっプロデューサーサン、じゃなかった加蓮サン! こんにち…………えっ?」
加蓮「やほ、柚。今日も早いね。あれ……レッスンまでまだけっこう時間ない? ふふっ、やる気が余り過ぎだよ」
柚「…………」パクパク
加蓮「さて、何か仕事は回してもらってるかなっと…………」
加蓮「……どしたの?」
柚「かっ、かっ」
加蓮「か?」
柚「加蓮サンっ制服着てる!?」
加蓮「制服って……そりゃ学校帰りだもん。いや柚だって同じでしょ? 制服を着てるってことは」
柚「がっこう!?」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:25:13.46 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ん、やっぱり先に着替えて来よ。このままじゃ仕事してるって感じがしないし……」
加蓮「……? 学校がどうかした?」
柚「え、だって、加蓮サンってプロデューサーサンで……なのに学校?」
加蓮「言ってなかったっけ。私、高校生だよ」
柚「うっそぉ!?」
加蓮「っと、ちょっと着替えてくるね」
柚「う、うん」
<スタスタ
柚「……ええぇ!?」
加蓮「……? 学校がどうかした?」
柚「え、だって、加蓮サンってプロデューサーサンで……なのに学校?」
加蓮「言ってなかったっけ。私、高校生だよ」
柚「うっそぉ!?」
加蓮「っと、ちょっと着替えてくるね」
柚「う、うん」
<スタスタ
柚「……ええぇ!?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:25:43.56 ID:oyrpMvNz0
――レディーススーツに着替えてきました――
加蓮「これでよしっ。うん、頭も切り替わるね!」
柚「加蓮サンがプロデューサーサンになって帰って来た! え、えと、もしかして加蓮サンのお姉サン!?」
加蓮「どっちも私だよ。だからね、学生なの私。学生でプロデューサー代理」
柚「そ、そうなんだ」
加蓮「柚だって、学生でアイドルでしょ? それとおんなじだよ」
柚「あれっ? あ、そっか。そうだった。……あははっ、加蓮サンとお揃いだ!」
加蓮「うんうん、お揃い。さて、私はメールチェックを――」
柚「ね、ね、加蓮サンっ。何かして遊ぼうよっ。レッスンまでひまーっ」
加蓮「あのね、私は仕事しないといけないの。柚にどんな仕事を選べばいいか考えないといけないの」
柚「アタシに?」
加蓮「これでよしっ。うん、頭も切り替わるね!」
柚「加蓮サンがプロデューサーサンになって帰って来た! え、えと、もしかして加蓮サンのお姉サン!?」
加蓮「どっちも私だよ。だからね、学生なの私。学生でプロデューサー代理」
柚「そ、そうなんだ」
加蓮「柚だって、学生でアイドルでしょ? それとおんなじだよ」
柚「あれっ? あ、そっか。そうだった。……あははっ、加蓮サンとお揃いだ!」
加蓮「うんうん、お揃い。さて、私はメールチェックを――」
柚「ね、ね、加蓮サンっ。何かして遊ぼうよっ。レッスンまでひまーっ」
加蓮「あのね、私は仕事しないといけないの。柚にどんな仕事を選べばいいか考えないといけないの」
柚「アタシに?」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:26:13.69 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚だって変な仕事を回されたら嫌でしょ?」
柚「う~~~ん、それはヤだけど……変な仕事ってどんな仕事?」
加蓮「変な仕事は変な仕事」カチカチ
加蓮「…………うぇ……駄目だ。契約文面の読み方とかさっぱり分からない……後で頼んどこ……」
柚「ねーねー加蓮サン遊ぼうよー」グイグイ
加蓮「大人しく座ってなさいよ……」
柚「もっとこう、身体動かさなきゃダメだよっ! バトミントンしよーっ!」
加蓮「バドミントン、好きなの?」
柚「うんっ。アタシ、バト部やってるんだ。こう見えてもなかなかやるんだぞーっ」
加蓮「ふうん」
柚「ってことで、加蓮サンもやろう!」
加蓮「ごめん、私そういうのはさっぱりだから」
柚「う~~~ん、それはヤだけど……変な仕事ってどんな仕事?」
加蓮「変な仕事は変な仕事」カチカチ
加蓮「…………うぇ……駄目だ。契約文面の読み方とかさっぱり分からない……後で頼んどこ……」
柚「ねーねー加蓮サン遊ぼうよー」グイグイ
加蓮「大人しく座ってなさいよ……」
柚「もっとこう、身体動かさなきゃダメだよっ! バトミントンしよーっ!」
加蓮「バドミントン、好きなの?」
柚「うんっ。アタシ、バト部やってるんだ。こう見えてもなかなかやるんだぞーっ」
加蓮「ふうん」
柚「ってことで、加蓮サンもやろう!」
加蓮「ごめん、私そういうのはさっぱりだから」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:26:43.55 ID:oyrpMvNz0
柚「えーっ。ヘタクソでも大丈夫っ! アタシが教えてあげるっ」
加蓮「そういう問題じゃなくてね――」
<ガチャ
「戻りましたー。ああ加蓮、もう来てたのか」
加蓮「ん、モバP(以下「P」)さん。お疲れ様」
P「ああ。っと、そっちの子が柚ちゃんだな」
加蓮「うん。そういえば顔を合わせるのは初めてだっけ。あ、柚、この人は――」
柚「だれ? あっ分かった! 加蓮サンの彼氏サン!」
P「ぶっ!!」
加蓮「……。……さすが柚、よく分かってるね。こっち、私の彼氏のPさん♪」
柚「やっぱりっ」
加蓮「そういう問題じゃなくてね――」
<ガチャ
「戻りましたー。ああ加蓮、もう来てたのか」
加蓮「ん、モバP(以下「P」)さん。お疲れ様」
P「ああ。っと、そっちの子が柚ちゃんだな」
加蓮「うん。そういえば顔を合わせるのは初めてだっけ。あ、柚、この人は――」
柚「だれ? あっ分かった! 加蓮サンの彼氏サン!」
P「ぶっ!!」
加蓮「……。……さすが柚、よく分かってるね。こっち、私の彼氏のPさん♪」
柚「やっぱりっ」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:27:13.50 ID:oyrpMvNz0
P「アホか! 違うわ!」
柚「えー?」
P「あのな、加蓮、前から言ってるがそういう冗談はやめろ!」
加蓮「だって今なら別に彼氏彼女でも問題ないでしょ?」
P「いずれ問題になるかもしれないだろ……っていうか今でも問題になる!」
加蓮「ちぇ」
柚「?? 違うの?」
加蓮「上司」
柚「じょうし?」
加蓮「そ。ほら、前に仕事を回してもらったって言ったでしょ? それ、この人から回してもらったの。この人、私の上司」
P「あー、コイツの上司のPだ」
柚「そっか。はじめまして! 喜多見柚ですっ」
加蓮「お、私が教えた挨拶。しっかりできてるね」
柚「えー?」
P「あのな、加蓮、前から言ってるがそういう冗談はやめろ!」
加蓮「だって今なら別に彼氏彼女でも問題ないでしょ?」
P「いずれ問題になるかもしれないだろ……っていうか今でも問題になる!」
加蓮「ちぇ」
柚「?? 違うの?」
加蓮「上司」
柚「じょうし?」
加蓮「そ。ほら、前に仕事を回してもらったって言ったでしょ? それ、この人から回してもらったの。この人、私の上司」
P「あー、コイツの上司のPだ」
柚「そっか。はじめまして! 喜多見柚ですっ」
加蓮「お、私が教えた挨拶。しっかりできてるね」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:27:43.76 ID:oyrpMvNz0
柚「へへっ♪ 笑顔が大切なんだよね!」
加蓮「そうそう」
P「こちらこそ初めまして。Pです。……ったく、相変わらず加蓮は加蓮だな」
柚「えと、P……サン? もプロデューサーサンなの?」
P「ん? そうだよ、加蓮と同じだ」
柚「そうなんだっ。アタシ、プロデューサーサンってみんな加蓮サンみたいな人がやってるのかなって思ってたとこなんだっ」
加蓮「私みたいな?」
柚「えとー、アタシと同い年くらいの人っ」
P「はは、いやいや。加蓮が特殊なんだよ。普通は大人がやるもんだ」
柚「やっぱり?」
加蓮「私は代理でーす」
加蓮「そうそう」
P「こちらこそ初めまして。Pです。……ったく、相変わらず加蓮は加蓮だな」
柚「えと、P……サン? もプロデューサーサンなの?」
P「ん? そうだよ、加蓮と同じだ」
柚「そうなんだっ。アタシ、プロデューサーサンってみんな加蓮サンみたいな人がやってるのかなって思ってたとこなんだっ」
加蓮「私みたいな?」
柚「えとー、アタシと同い年くらいの人っ」
P「はは、いやいや。加蓮が特殊なんだよ。普通は大人がやるもんだ」
柚「やっぱり?」
加蓮「私は代理でーす」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:28:14.02 ID:oyrpMvNz0
柚「プロデューサーサンって難しいんだね。よく分かんなくなってきちゃった」
P「ほら、俺じゃ女子中学生とか女子高生のことがわかりにくいからな。こういうのは現役アドバイザーがいてこそだ」
加蓮「Pさん鈍感で女心が分かってないもんね」
柚「じゃあアタシも教えてあげる!」
P「ありがとう。頼りにしているぞ」
P「にしても聞いていたより元気そうな子だな」
加蓮「でしょ? あ、それでPさん。この辺のオファーなんて柚に合いそうなんだけど契約文面の読み方が分かんなくて……。これそのまま流していいヤツ?」
P「あー、後で見とくからどのメールかだけ教えてくれ」
加蓮「はーい。Pさんのアドレスに送っとくね」カチカチ
加蓮「Pさんこれから会議?」
P「ああ。上司からイヤミを並び立てられる素晴らしい時間だ」
加蓮「そ、そう……頑張ってね……」
P「ほら、俺じゃ女子中学生とか女子高生のことがわかりにくいからな。こういうのは現役アドバイザーがいてこそだ」
加蓮「Pさん鈍感で女心が分かってないもんね」
柚「じゃあアタシも教えてあげる!」
P「ありがとう。頼りにしているぞ」
P「にしても聞いていたより元気そうな子だな」
加蓮「でしょ? あ、それでPさん。この辺のオファーなんて柚に合いそうなんだけど契約文面の読み方が分かんなくて……。これそのまま流していいヤツ?」
P「あー、後で見とくからどのメールかだけ教えてくれ」
加蓮「はーい。Pさんのアドレスに送っとくね」カチカチ
加蓮「Pさんこれから会議?」
P「ああ。上司からイヤミを並び立てられる素晴らしい時間だ」
加蓮「そ、そう……頑張ってね……」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:28:43.51 ID:oyrpMvNz0
P「ま、イヤミを言われるだけで加蓮をプロデューサーにできるならな。必要経費として十分すぎだ」
加蓮「…………」
柚「どゆこと?」
P「はっはっは。んじゃ行ってくるか」スクッ
柚「???」
加蓮「行ってらっしゃい……。さて、私はやれることやらなきゃ」
柚「えーっ。バトミントンやろうよバトミントンーっ」クイクイ
加蓮「やらないってば」
P「あ、柚ちゃん。加蓮は体力がガタガタだから、そういうのは少しだけ控えてやってくれ」
柚「そなの?」
加蓮「ま、ちょっとね」
加蓮「…………」
柚「どゆこと?」
P「はっはっは。んじゃ行ってくるか」スクッ
柚「???」
加蓮「行ってらっしゃい……。さて、私はやれることやらなきゃ」
柚「えーっ。バトミントンやろうよバトミントンーっ」クイクイ
加蓮「やらないってば」
P「あ、柚ちゃん。加蓮は体力がガタガタだから、そういうのは少しだけ控えてやってくれ」
柚「そなの?」
加蓮「ま、ちょっとね」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:29:13.97 ID:oyrpMvNz0
柚「分かった! じゃあ室内で遊べることやろっ。……今は持ってないからまた明日ね!」
加蓮「いや、だから私は仕事――」
P「遊んでやったらどうだ? 柚ちゃんも退屈なのは嫌だろう」
柚「さっすが分かってるっ。柚は退屈なの嫌だぞーっ」
加蓮「はいはい……もうっ。Pさん、行くならさっさと行ってきてよ」
P「おっとそうだった。じゃな」バタン
柚「何がいい? トランプ? ゲーム? そういえばアタシ今はまってるゲームあるんだっ」
加蓮「カバンに入れて持ってくるの? 先生に見つかっても知らないよ」
柚「だいじょーぶ! 逃げ足は早い方だからっ」
加蓮「逃げてばっかりってことかい」
加蓮「いや、だから私は仕事――」
P「遊んでやったらどうだ? 柚ちゃんも退屈なのは嫌だろう」
柚「さっすが分かってるっ。柚は退屈なの嫌だぞーっ」
加蓮「はいはい……もうっ。Pさん、行くならさっさと行ってきてよ」
P「おっとそうだった。じゃな」バタン
柚「何がいい? トランプ? ゲーム? そういえばアタシ今はまってるゲームあるんだっ」
加蓮「カバンに入れて持ってくるの? 先生に見つかっても知らないよ」
柚「だいじょーぶ! 逃げ足は早い方だからっ」
加蓮「逃げてばっかりってことかい」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:29:44.00 ID:oyrpMvNz0
――少し経ってから――
加蓮「と……そろそろレッスンルームが空く時間だね。柚、行くよ」
柚「えーもう? 加蓮サン加蓮サン、あんまりツノ生やさないでね? こんな感じに!」ニョキッ
加蓮「柚がツノを生やさせるのが悪い」
柚「アタシのせい!? う、うう~、だってまだぜんぜん上手くできないもん……」
P「あんまり厳しくしすぎるなよー」(←会議から戻ってきた)
加蓮「私には私のやり方があるの。ほら、ぐずぐず言ってないでさっさと行くよ」
柚「はぁーい……」
加蓮「……終わったらお菓子でも買ってあげるから」
柚「ホント!? じゃあじゃあ、チョコスティックがいい! それなら頑張れるかもっ」
加蓮「ふふっ。覚えとくね」
柚「うんっ」
<スタスタ 今日は演技力レッスンだね
<スタスタ 演技はまだニガテー
P「……はは、いい感じじゃないか」
加蓮「と……そろそろレッスンルームが空く時間だね。柚、行くよ」
柚「えーもう? 加蓮サン加蓮サン、あんまりツノ生やさないでね? こんな感じに!」ニョキッ
加蓮「柚がツノを生やさせるのが悪い」
柚「アタシのせい!? う、うう~、だってまだぜんぜん上手くできないもん……」
P「あんまり厳しくしすぎるなよー」(←会議から戻ってきた)
加蓮「私には私のやり方があるの。ほら、ぐずぐず言ってないでさっさと行くよ」
柚「はぁーい……」
加蓮「……終わったらお菓子でも買ってあげるから」
柚「ホント!? じゃあじゃあ、チョコスティックがいい! それなら頑張れるかもっ」
加蓮「ふふっ。覚えとくね」
柚「うんっ」
<スタスタ 今日は演技力レッスンだね
<スタスタ 演技はまだニガテー
P「……はは、いい感じじゃないか」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:30:13.50 ID:oyrpMvNz0
――レッスンルーム――
柚「ど、どお? アタシの演技っ。って言ってもやったことないからぜんぜんだけどっ」
加蓮「ん~~~」
柚「やっぱり、だめ……? あのっ、そのっ、えっと…………」
加蓮「え? あ、ごめんごめん、ダメとかじゃなくて……いやダメはダメなんだけど……」
柚「ダメなんじゃん!?」
加蓮「……うーん。分かった。柚、ちょっと台本を貸して」
柚「え? うん」スッ
加蓮「えーいっ」ポイ
柚「ええっ!? アタシまだセリフ覚えてないよ!? っていうか覚えろって言われてないし!」
加蓮「さて柚。今から私がお題を出します。それに沿って柚が思う演技をしてみて」
柚「お、お題?」
柚「ど、どお? アタシの演技っ。って言ってもやったことないからぜんぜんだけどっ」
加蓮「ん~~~」
柚「やっぱり、だめ……? あのっ、そのっ、えっと…………」
加蓮「え? あ、ごめんごめん、ダメとかじゃなくて……いやダメはダメなんだけど……」
柚「ダメなんじゃん!?」
加蓮「……うーん。分かった。柚、ちょっと台本を貸して」
柚「え? うん」スッ
加蓮「えーいっ」ポイ
柚「ええっ!? アタシまだセリフ覚えてないよ!? っていうか覚えろって言われてないし!」
加蓮「さて柚。今から私がお題を出します。それに沿って柚が思う演技をしてみて」
柚「お、お題?」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:30:43.45 ID:oyrpMvNz0
加蓮「はいお題。『欲しかったお菓子をプレゼントしてもらえた』」
柚「お菓子っ!? えとっ……欲しかったお菓子……」
加蓮「なんでもいいよ。チョコスティックだっけ? それでもいいし」
柚「……『チョコスティック!? やったーっ、アタシこれ食べたかったんだ!』」
加蓮「よし。お題、『目の前でそのお菓子を食べられました』」
柚「『こらーっ、それアタシのお菓子! 返せーっ』」ガックガック
加蓮「ちょっ揺らすな揺れ揺れ」オロロロロ
柚「はっ! ご、ごめんなさい加蓮サンっホントに食べられちゃった気がして!」
加蓮「ふー、ふー……ごほんっ。お題『お菓子の賞味期限が1ヶ月くらい過ぎてました』」
柚「『…………ううっ』」
加蓮「…………」
柚「お菓子っ!? えとっ……欲しかったお菓子……」
加蓮「なんでもいいよ。チョコスティックだっけ? それでもいいし」
柚「……『チョコスティック!? やったーっ、アタシこれ食べたかったんだ!』」
加蓮「よし。お題、『目の前でそのお菓子を食べられました』」
柚「『こらーっ、それアタシのお菓子! 返せーっ』」ガックガック
加蓮「ちょっ揺らすな揺れ揺れ」オロロロロ
柚「はっ! ご、ごめんなさい加蓮サンっホントに食べられちゃった気がして!」
加蓮「ふー、ふー……ごほんっ。お題『お菓子の賞味期限が1ヶ月くらい過ぎてました』」
柚「『…………ううっ』」
加蓮「…………」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:31:13.57 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ドンマイ。代わりに明日、私がそのお菓子を2つ買ってあげるね」
柚「ホント!? やりっ。絶対だよ、絶対にだよ! あっ2つも買ってくれるんだ! じゃあじゃあ、加蓮サンとはんぶんこっ」
加蓮「え、私も?」
柚「うん。それで一緒に食べるんだ。へへっ♪」
加蓮「私はいいよ。どっちも柚が食べなって」
柚「遠慮するなんて加蓮サンらしくないぞーっ」
加蓮「…………」フフッ
加蓮「はい、しゅーりょー」パンパン
柚「へ? なにが?」
加蓮「何がって、これレッスンだよ? ここレッスンルームで今は演技力レッスン中。忘れたの?」
柚「あっ」
加蓮「うん。柚。今から言うことをよーく覚えて、そして何回も繰り返しなさい」
柚「ごくっ……!」
柚「ホント!? やりっ。絶対だよ、絶対にだよ! あっ2つも買ってくれるんだ! じゃあじゃあ、加蓮サンとはんぶんこっ」
加蓮「え、私も?」
柚「うん。それで一緒に食べるんだ。へへっ♪」
加蓮「私はいいよ。どっちも柚が食べなって」
柚「遠慮するなんて加蓮サンらしくないぞーっ」
加蓮「…………」フフッ
加蓮「はい、しゅーりょー」パンパン
柚「へ? なにが?」
加蓮「何がって、これレッスンだよ? ここレッスンルームで今は演技力レッスン中。忘れたの?」
柚「あっ」
加蓮「うん。柚。今から言うことをよーく覚えて、そして何回も繰り返しなさい」
柚「ごくっ……!」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:31:43.41 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚」
加蓮「――いつでもどんな時でも、柚のやりたいようにやりなさい」
柚「アタシの、やりたいように……ってそれ前も聞いたよ?」
加蓮「大切だから何回も言うの。台本があるならその中でやりたいことを見つけなさい。歌詞があったら歌いたいように歌いなさい。ちょっとくらいならアドリブを入れてもいい」
加蓮「そしてそれを覚えるの。もちろん、最低限の指示は聞かなきゃいけないけど……」
加蓮「ほら、例えばさ、こうやったら面白くなりそうとかああやったら楽しくなりそうとか、そういうの思いついたらどんどんやっていくの」
加蓮「……うん、そんな感じ」
柚「うんっ。えと、アタシはアタシのやりたいようにやるっ」
加蓮「そうそう」
柚「アタシはアイドルがやりたいっ」
加蓮「うんうん」
加蓮「――いつでもどんな時でも、柚のやりたいようにやりなさい」
柚「アタシの、やりたいように……ってそれ前も聞いたよ?」
加蓮「大切だから何回も言うの。台本があるならその中でやりたいことを見つけなさい。歌詞があったら歌いたいように歌いなさい。ちょっとくらいならアドリブを入れてもいい」
加蓮「そしてそれを覚えるの。もちろん、最低限の指示は聞かなきゃいけないけど……」
加蓮「ほら、例えばさ、こうやったら面白くなりそうとかああやったら楽しくなりそうとか、そういうの思いついたらどんどんやっていくの」
加蓮「……うん、そんな感じ」
柚「うんっ。えと、アタシはアタシのやりたいようにやるっ」
加蓮「そうそう」
柚「アタシはアイドルがやりたいっ」
加蓮「うんうん」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:32:13.55 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあ――ええと、もっとレッスン! 加蓮サンっもっとレッスンして!」
加蓮「ん」
柚「さっきの台本、もっかいやってみたいなっ。アタシもっとやってみたいことがあるんだ。えっと、怒るシーンとかこう、がーっ、って感じでツノを生やして」
柚「あれっそれじゃアタシ加蓮サンだ!」
加蓮「……ねえ柚。どうして怒るシーンをやったら私になるの?」
柚「だって怒った加蓮サンっていっつも鬼みたいでギャー! ごめんなさいその顔やめてっ夢に出る! ってか出た! 一昨日に出た! 起きてドタドタしてたらお母さんに笑われちゃったんだよ!? だからやめて加蓮サン~~~!」
加蓮「ん」
柚「さっきの台本、もっかいやってみたいなっ。アタシもっとやってみたいことがあるんだ。えっと、怒るシーンとかこう、がーっ、って感じでツノを生やして」
柚「あれっそれじゃアタシ加蓮サンだ!」
加蓮「……ねえ柚。どうして怒るシーンをやったら私になるの?」
柚「だって怒った加蓮サンっていっつも鬼みたいでギャー! ごめんなさいその顔やめてっ夢に出る! ってか出た! 一昨日に出た! 起きてドタドタしてたらお母さんに笑われちゃったんだよ!? だからやめて加蓮サン~~~!」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:32:43.41 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「ただいま」
P「おう。柚ちゃんは?」
加蓮「先に帰るって」
P「そうか」
P「…………どうだ? プロデューサーになった気分は」
加蓮「ん……まだよく分かんないよ」
P「ま、最初はそんなもんだ」
加蓮「ただ、なんかいいなって思った」
P「おっ」
加蓮「柚が……楽しそうにしてるのが、なんかいいなって思ったの」
加蓮「最初に見た時、すごくつまらなさそうにしてたから……思わず声をかけちゃったけど」
加蓮「アイドルやりたい、アイドルが面白いって言ってくれた時、なんかちょっと嬉しかったんだ。声をかけてよかったな、って思えて」
加蓮「プロデューサーって……こういう気分なんだね」
P「…………」
加蓮「ただいま」
P「おう。柚ちゃんは?」
加蓮「先に帰るって」
P「そうか」
P「…………どうだ? プロデューサーになった気分は」
加蓮「ん……まだよく分かんないよ」
P「ま、最初はそんなもんだ」
加蓮「ただ、なんかいいなって思った」
P「おっ」
加蓮「柚が……楽しそうにしてるのが、なんかいいなって思ったの」
加蓮「最初に見た時、すごくつまらなさそうにしてたから……思わず声をかけちゃったけど」
加蓮「アイドルやりたい、アイドルが面白いって言ってくれた時、なんかちょっと嬉しかったんだ。声をかけてよかったな、って思えて」
加蓮「プロデューサーって……こういう気分なんだね」
P「…………」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:33:13.80 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あ、でも私がプロデューサーやってていいのかな? って今更だよね。ほら、今はまだただの代理っていうか手伝いだし大したことしてないけどさ。これからも続けてたら、Pさんに迷惑かけたりしない?」
加蓮「Pさんだけじゃなくて、プロダクションにも」
P「そうだなー……加蓮」
加蓮「うん」
P「これ。俺からのプレゼントだ」スッ
加蓮「……これ……名刺? これならもう持ってるよ? プレゼントって――」
P「肩書のところをよく見てみろよ」
名刺『CGプロダクション プロデューサー 北条加蓮』
加蓮「あ、"代理"がない……」
加蓮「Pさんだけじゃなくて、プロダクションにも」
P「そうだなー……加蓮」
加蓮「うん」
P「これ。俺からのプレゼントだ」スッ
加蓮「……これ……名刺? これならもう持ってるよ? プレゼントって――」
P「肩書のところをよく見てみろよ」
名刺『CGプロダクション プロデューサー 北条加蓮』
加蓮「あ、"代理"がない……」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:33:43.56 ID:oyrpMvNz0
P「さっきの会議の時にな。加蓮がプロデューサーをやることについて少し話し合ったんだ」
加蓮「……え!? あれ私のことだったの!?」
P「ああ。いやー上からすげえあれこれ言われたよ。お前何考えてんの? 馬鹿なの? ってずっと言われたぞ」
P「各種契約やら何やらは俺が上司となって通すことにするし、若い子のセルフプロデュースがあるなら若い子のプロデューサーがいてもいいだろうって突っぱね続けてみたんだ」
加蓮「確かに、そういう人たまにいるけど……」
P「最後には上の面々も諦めてなー。一部は面白そうだとかきっと話題になるとか言ってるし。ってことで加蓮、晴れて代理は卒業。今日からは俺と同じプロデューサーだ」
加蓮「…………」マジマジ
P「加蓮。俺がサポートするから、やれるところまでやってみろ。大丈夫。加蓮に迷惑をかけられるのなんて昔から慣れっこだからな」
加蓮「…………Pさん……」
加蓮「……え!? あれ私のことだったの!?」
P「ああ。いやー上からすげえあれこれ言われたよ。お前何考えてんの? 馬鹿なの? ってずっと言われたぞ」
P「各種契約やら何やらは俺が上司となって通すことにするし、若い子のセルフプロデュースがあるなら若い子のプロデューサーがいてもいいだろうって突っぱね続けてみたんだ」
加蓮「確かに、そういう人たまにいるけど……」
P「最後には上の面々も諦めてなー。一部は面白そうだとかきっと話題になるとか言ってるし。ってことで加蓮、晴れて代理は卒業。今日からは俺と同じプロデューサーだ」
加蓮「…………」マジマジ
P「加蓮。俺がサポートするから、やれるところまでやってみろ。大丈夫。加蓮に迷惑をかけられるのなんて昔から慣れっこだからな」
加蓮「…………Pさん……」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:34:13.41 ID:oyrpMvNz0
P「それに俺は柚ちゃんを担当するつもりないぞ?」
加蓮「え?」
P「そりゃ加蓮の代わりに送迎とかはしてもいいし、加蓮ができないっていうなら引き継ぐけど……」
P「俺の担当は昔も今も1人しかいないんだ。できれば、柚ちゃんは加蓮に担当してほしいって思ってる」
加蓮「…………何か言われないの? プロデューサーなのに担当アイドルがいない状態って」
P「え? イヤミ言われまくったけど? いいご身分ですねーとかさぞかし楽してるんでしょうねーとか」
加蓮「やっぱり……」
P「ま、そんなの知ったことじゃねえよ。俺は、加蓮がやりたいようにできればそれでいい」
P「だから……おう、そういうことだ。あ、必要なことはどんどん教えていくからな」
加蓮「…………うん。やってみる」
P「おーし。さて、俺らも帰りますか。送ってくぞ?」
加蓮「うんっ」
加蓮「え?」
P「そりゃ加蓮の代わりに送迎とかはしてもいいし、加蓮ができないっていうなら引き継ぐけど……」
P「俺の担当は昔も今も1人しかいないんだ。できれば、柚ちゃんは加蓮に担当してほしいって思ってる」
加蓮「…………何か言われないの? プロデューサーなのに担当アイドルがいない状態って」
P「え? イヤミ言われまくったけど? いいご身分ですねーとかさぞかし楽してるんでしょうねーとか」
加蓮「やっぱり……」
P「ま、そんなの知ったことじゃねえよ。俺は、加蓮がやりたいようにできればそれでいい」
P「だから……おう、そういうことだ。あ、必要なことはどんどん教えていくからな」
加蓮「…………うん。やってみる」
P「おーし。さて、俺らも帰りますか。送ってくぞ?」
加蓮「うんっ」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:34:43.52 ID:oyrpMvNz0
P「あ、ごめん、さっきの名刺なんだけどさ。やっぱ改めて作りなおしてから渡すわ」
加蓮「どうして?」
P「いやほら、プロデューサーの前に『喜多見柚専属担当』って書いた方がそれっぽくならね?」
加蓮「……あははっ、そうだね!」
加蓮「どうして?」
P「いやほら、プロデューサーの前に『喜多見柚専属担当』って書いた方がそれっぽくならね?」
加蓮「……あははっ、そうだね!」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:35:13.57 ID:oyrpMvNz0
――2月 病院の出口――
<ガーッ
加蓮「…………わ、涼し……♪」
<ブーッ、ブーッ
加蓮「……ん?」ガサゴソ
加蓮「…………」ハァ
<ポチ
加蓮「もしもーし? お母さん? はいはい、病院の帰り道。今からプロダクションに行くとこ……用がないなら切るよ?」
加蓮「うん。そう。手伝いっていうか代理っていうか。言っとくけど、やめろって言われてもやめないからね――」
加蓮「……はいはい。分かってるならいーよ」
加蓮「え? ……分かってまーす。そっちはやってないし誘われてもやらない。そういう約束だったでしょ?」
加蓮「はいはい。じゃあね」ポチ
加蓮「…………はー」
加蓮「にしても…………」チラ
<ガーッ
加蓮「…………わ、涼し……♪」
<ブーッ、ブーッ
加蓮「……ん?」ガサゴソ
加蓮「…………」ハァ
<ポチ
加蓮「もしもーし? お母さん? はいはい、病院の帰り道。今からプロダクションに行くとこ……用がないなら切るよ?」
加蓮「うん。そう。手伝いっていうか代理っていうか。言っとくけど、やめろって言われてもやめないからね――」
加蓮「……はいはい。分かってるならいーよ」
加蓮「え? ……分かってまーす。そっちはやってないし誘われてもやらない。そういう約束だったでしょ?」
加蓮「はいはい。じゃあね」ポチ
加蓮「…………はー」
加蓮「にしても…………」チラ
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:35:43.54 ID:oyrpMvNz0
――回想 病院の診察室――
『覚えておきたまえ。キミは生きていることが不思議なくらいなんだよ』
『……知ってる? それは失礼したかな』
『動くなと言っても言うことなんて聞いてくれないだろう? 動かなければどうにかなる物でもないからね』
『繰り返すが、決して無理はしないように。走ったら死ぬと思いなさい。いいね』
――回想終了――
加蓮「どうせ不思議な状態なら、もうちょっと……、……はー」
加蓮「さて、事務所事務所っと」ハヤアルキ
<赤信号
加蓮「おっと」
加蓮「…………」ジー
加蓮「…………ハァ」
『覚えておきたまえ。キミは生きていることが不思議なくらいなんだよ』
『……知ってる? それは失礼したかな』
『動くなと言っても言うことなんて聞いてくれないだろう? 動かなければどうにかなる物でもないからね』
『繰り返すが、決して無理はしないように。走ったら死ぬと思いなさい。いいね』
――回想終了――
加蓮「どうせ不思議な状態なら、もうちょっと……、……はー」
加蓮「さて、事務所事務所っと」ハヤアルキ
<赤信号
加蓮「おっと」
加蓮「…………」ジー
加蓮「…………ハァ」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:36:13.54 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「こんにちはー……わっ、雛壇がある!」
P「ああ加蓮。どうだ、立派なモンだろう。倉庫の方にしまってあったから発掘してきたんだ」
加蓮「へーこんなのあったんだ。すごい……」
柚「あっこんにちは加蓮サン! これ、ひなあられ! 加蓮サンも一緒に食べよっ」
加蓮「柚。こんにちは。ひなあられかー。……え、っていうかどっちも早くない? まだ2月になったばっかりだよ?」
P「おいおい加蓮。時代を先取りするのはプロデューサーの義務だぞ? 加蓮もプロデューサーならそこんところはきっちりしようぜ」
加蓮「そういう問題?」
柚「そういう問題!」
加蓮「そうなんだ……」
柚「分かんないけどっ」
加蓮「こんにちはー……わっ、雛壇がある!」
P「ああ加蓮。どうだ、立派なモンだろう。倉庫の方にしまってあったから発掘してきたんだ」
加蓮「へーこんなのあったんだ。すごい……」
柚「あっこんにちは加蓮サン! これ、ひなあられ! 加蓮サンも一緒に食べよっ」
加蓮「柚。こんにちは。ひなあられかー。……え、っていうかどっちも早くない? まだ2月になったばっかりだよ?」
P「おいおい加蓮。時代を先取りするのはプロデューサーの義務だぞ? 加蓮もプロデューサーならそこんところはきっちりしようぜ」
加蓮「そういう問題?」
柚「そういう問題!」
加蓮「そうなんだ……」
柚「分かんないけどっ」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:36:43.58 ID:oyrpMvNz0
柚「まま、とりあえず。加蓮サン、あーん!」スッ
加蓮「あ、うん」アーン
加蓮「…………」モグモグ
柚「加蓮サンもひなあられ食べた! これで加蓮サンもサボり仲間だねっ」ニパッ
加蓮「やっぱサボってたんかいっ」スパーン
柚「きゃっ」
柚「えーだってーPサンがやるって言うんだもんー。力仕事は任せろー、って言ってくれた!」
P「おう、任せろ!」
柚「アタシはひなあられを食べる係! ひなあられうまーっ」パクパク
加蓮「…………」ジトー
柚「あ、なくなっちゃった。おかわりあるかな? アタシ探してくるっ」ビュー
加蓮「…………」
加蓮「…………お疲れ、Pさん」スタスタ
加蓮「あ、うん」アーン
加蓮「…………」モグモグ
柚「加蓮サンもひなあられ食べた! これで加蓮サンもサボり仲間だねっ」ニパッ
加蓮「やっぱサボってたんかいっ」スパーン
柚「きゃっ」
柚「えーだってーPサンがやるって言うんだもんー。力仕事は任せろー、って言ってくれた!」
P「おう、任せろ!」
柚「アタシはひなあられを食べる係! ひなあられうまーっ」パクパク
加蓮「…………」ジトー
柚「あ、なくなっちゃった。おかわりあるかな? アタシ探してくるっ」ビュー
加蓮「…………」
加蓮「…………お疲れ、Pさん」スタスタ
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:37:13.42 ID:oyrpMvNz0
P「なんだ加蓮。手伝ってくれるのか?」
加蓮「いやまあ……男の人が1人で雛壇を飾ってるのってさ……」
加蓮「正直、ちょっとイタい」
P「そ、そうか。いや、でもいいんだぞ? 俺1人でやるぞ? 人形って意外と重たくてな、変にデカイから体力だってけっこう食うし――」
加蓮「…………」ガサゴソ
P「だよなー」
P「あ、加蓮、その人形はここだ。五人囃子は左から――」
加蓮「詳しいんだね……」
P「プロデューサーの義務だからな」
加蓮「何が?」
加蓮「いやまあ……男の人が1人で雛壇を飾ってるのってさ……」
加蓮「正直、ちょっとイタい」
P「そ、そうか。いや、でもいいんだぞ? 俺1人でやるぞ? 人形って意外と重たくてな、変にデカイから体力だってけっこう食うし――」
加蓮「…………」ガサゴソ
P「だよなー」
P「あ、加蓮、その人形はここだ。五人囃子は左から――」
加蓮「詳しいんだね……」
P「プロデューサーの義務だからな」
加蓮「何が?」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:37:43.69 ID:oyrpMvNz0
――飾り付け中――
加蓮「あのさ」
P「んー?」カザリカザリ
加蓮「病院、行ってきた。定期検診」
P「…………」ピタッ
P「……ん、そうか。どうだった?」
加蓮「どうも何もいつも通りだよ。無理な運動はするなってだけ。ご安心ください、極めて健康です」オドケワライ
P「そっか」
加蓮「ん」ハイ
P「…………」オウ
加蓮「…………あと、なんで生きてんのかって言われた。……ごめん間違えた。生きてるのが不思議だって言われた」
P「…………」
加蓮「あのさ」
P「んー?」カザリカザリ
加蓮「病院、行ってきた。定期検診」
P「…………」ピタッ
P「……ん、そうか。どうだった?」
加蓮「どうも何もいつも通りだよ。無理な運動はするなってだけ。ご安心ください、極めて健康です」オドケワライ
P「そっか」
加蓮「ん」ハイ
P「…………」オウ
加蓮「…………あと、なんで生きてんのかって言われた。……ごめん間違えた。生きてるのが不思議だって言われた」
P「…………」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:38:13.84 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………ごめんね」
P「何がだよ」
加蓮「何って、私のこと――」
P「はは、いいって。何度も聞いたからな。それにほら、今の加蓮はプロデューサーだろ?」ガシガシ
加蓮「あ、ちょ、頭撫でるなっ」
P「柚ちゃん、いい子だな。さっきずっと加蓮の話を聞かされっぱなしだったぞ」
加蓮「ひなあられを食べながら?」
P「ひなあられを食いながら」
加蓮「そっか」
P「ああ」
P「いつもいろいろ考えてて、いろんなこと教えてくれて」
P「アイドルがどんどん楽しくなっていく、ってさ」
加蓮「ふうん……」
P「何がだよ」
加蓮「何って、私のこと――」
P「はは、いいって。何度も聞いたからな。それにほら、今の加蓮はプロデューサーだろ?」ガシガシ
加蓮「あ、ちょ、頭撫でるなっ」
P「柚ちゃん、いい子だな。さっきずっと加蓮の話を聞かされっぱなしだったぞ」
加蓮「ひなあられを食べながら?」
P「ひなあられを食いながら」
加蓮「そっか」
P「ああ」
P「いつもいろいろ考えてて、いろんなこと教えてくれて」
P「アイドルがどんどん楽しくなっていく、ってさ」
加蓮「ふうん……」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:38:43.38 ID:oyrpMvNz0
P「っと、もうちょい首は上向きにしないと暗いな……こっちは左右の置き位置のバランスが……」
加蓮「……もしかしてPさん、飾り付けるのハマっちゃった?」
P「俺もプロデューサーだからな」ドヤ
加蓮「そ、そう……」
P「今日も残業確定だけど、上には雛壇を飾っていたら仕事が遅くなりましたって正直に言うつもりだ」
加蓮「……また嫌味とか言われちゃうよ?」
P「ウケ狙いの一点賭け、失敗したら酒の席のネタ行きだ」
加蓮「……大人ってすごいんだね」
P「大人はなんでも笑い飛ばせるんだよ。だから加蓮。あんま考えすぎんなよ。笑い飛ばせるところは笑い飛ばそう」
加蓮「……ん」
P「おっと、それよりも飾り付けを進めなければ……加蓮もそのうち病みつきになるぞ? ほらほら、一緒に飾ろう!」
加蓮「重たいから1人でやるって言ったのにー」
加蓮「……もしかしてPさん、飾り付けるのハマっちゃった?」
P「俺もプロデューサーだからな」ドヤ
加蓮「そ、そう……」
P「今日も残業確定だけど、上には雛壇を飾っていたら仕事が遅くなりましたって正直に言うつもりだ」
加蓮「……また嫌味とか言われちゃうよ?」
P「ウケ狙いの一点賭け、失敗したら酒の席のネタ行きだ」
加蓮「……大人ってすごいんだね」
P「大人はなんでも笑い飛ばせるんだよ。だから加蓮。あんま考えすぎんなよ。笑い飛ばせるところは笑い飛ばそう」
加蓮「……ん」
P「おっと、それよりも飾り付けを進めなければ……加蓮もそのうち病みつきになるぞ? ほらほら、一緒に飾ろう!」
加蓮「重たいから1人でやるって言ったのにー」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:39:13.43 ID:oyrpMvNz0
<ドタドタ
柚「ひなあられあったよーっ。加蓮サンも一緒に……あれぇ!? 加蓮サンまでそっちいっちゃった」
柚「だったらアタシも手伝おっと」
加蓮「…………」ジー
柚「……? なに?」
加蓮「…………」チラ
P「おいおい胴体がちょっと汚れてるじゃないか。こういうのってどう掃除するんだっけか――」
加蓮「……邪魔しちゃ悪いから、一緒にひなあられ食べて見てよっか」
柚「! そうしよそうしよ! へへっ、これで加蓮サンもサボり仲――じゃないや、ひなあられ仲間!」グッ
加蓮「むぐ」
加蓮「…………」ポリポリ
柚「ひなあられあったよーっ。加蓮サンも一緒に……あれぇ!? 加蓮サンまでそっちいっちゃった」
柚「だったらアタシも手伝おっと」
加蓮「…………」ジー
柚「……? なに?」
加蓮「…………」チラ
P「おいおい胴体がちょっと汚れてるじゃないか。こういうのってどう掃除するんだっけか――」
加蓮「……邪魔しちゃ悪いから、一緒にひなあられ食べて見てよっか」
柚「! そうしよそうしよ! へへっ、これで加蓮サンもサボり仲――じゃないや、ひなあられ仲間!」グッ
加蓮「むぐ」
加蓮「…………」ポリポリ
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:39:43.45 ID:oyrpMvNz0
柚「あと甘酒もあるよ! あっち行こっ加蓮サン!」
加蓮「はーい。Pさん、ごめんけどお願いね」
P「こっちは髪の部分が少し湿気て……ん? なんだ加蓮」
加蓮「なんでもないでーす」
加蓮「はーい。Pさん、ごめんけどお願いね」
P「こっちは髪の部分が少し湿気て……ん? なんだ加蓮」
加蓮「なんでもないでーす」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:40:14.07 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:40:43.72 ID:oyrpMvNz0
――営業先――
「へー、Pさんとこもセルフプロデュース始めたの。最近流行ってるよね~若い子がそういうのって。トラブったとかよく聞くけど大丈夫なの?」
「……え? 違う? プロデューサーとして? あ、ああそうなんだ。へー」
「ううん……いいのかなぁ……。あ、持ち帰ってちゃんと検討するんだ。はあ。それならまあ……」
「で? 誰の営業? あ、資料あるのね。ふうん、喜多見柚ちゃんか」
「うーん。今はちょっと任せられるのはないかなぁ。うん、済まないね」
――営業先――
「は? プロデューサー? いや君どう見ても子供……名刺? いや、あのね、ここは学生が勉強しに来るところじゃなくてさ?」
――営業先――
「いやまあ話くらいは聞きますが……それならそれで、上司の方と一緒にいらしたらどうでしょうか?」
「任されている? はあ、そうですか……」
「へー、Pさんとこもセルフプロデュース始めたの。最近流行ってるよね~若い子がそういうのって。トラブったとかよく聞くけど大丈夫なの?」
「……え? 違う? プロデューサーとして? あ、ああそうなんだ。へー」
「ううん……いいのかなぁ……。あ、持ち帰ってちゃんと検討するんだ。はあ。それならまあ……」
「で? 誰の営業? あ、資料あるのね。ふうん、喜多見柚ちゃんか」
「うーん。今はちょっと任せられるのはないかなぁ。うん、済まないね」
――営業先――
「は? プロデューサー? いや君どう見ても子供……名刺? いや、あのね、ここは学生が勉強しに来るところじゃなくてさ?」
――営業先――
「いやまあ話くらいは聞きますが……それならそれで、上司の方と一緒にいらしたらどうでしょうか?」
「任されている? はあ、そうですか……」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:41:13.47 ID:oyrpMvNz0
――営業先との電話――
『うちはお断りだ! 流行だの若者の社会進出だの馬鹿馬鹿しい。下手な契約で裁判沙汰にでもなったら責任取れるのか? お?』
『プロデューサー? だったらなおさらだ!』
――営業先――
「プロデューサー。へー、面白い。是非とも話を聞こうじゃないか。……え? 意外? この業界は流行が命だからね。流行を見つけたらまず乗れ! これ常識でしょ」
「それでそれでどんな子を? ふうん、喜多見柚ちゃん。資料と、ああLIVE映像もあるのね」
「これは……去年にやってたイルミネーションイベントか。僕も見に行ったなー。パッとしなかった印象だけど」
「ふんふん……ふん……、あー、ごめんね。駄目だ。うちで回せる仕事はないね」
「なんていうか、インパクトがないんだよねー。アイドルなんていくらでもいる訳だし? この子はちょっとフツーすぎるよ。生き残るのキツイんじゃないかなぁ」
「おっと、ごめんごめん」
『うちはお断りだ! 流行だの若者の社会進出だの馬鹿馬鹿しい。下手な契約で裁判沙汰にでもなったら責任取れるのか? お?』
『プロデューサー? だったらなおさらだ!』
――営業先――
「プロデューサー。へー、面白い。是非とも話を聞こうじゃないか。……え? 意外? この業界は流行が命だからね。流行を見つけたらまず乗れ! これ常識でしょ」
「それでそれでどんな子を? ふうん、喜多見柚ちゃん。資料と、ああLIVE映像もあるのね」
「これは……去年にやってたイルミネーションイベントか。僕も見に行ったなー。パッとしなかった印象だけど」
「ふんふん……ふん……、あー、ごめんね。駄目だ。うちで回せる仕事はないね」
「なんていうか、インパクトがないんだよねー。アイドルなんていくらでもいる訳だし? この子はちょっとフツーすぎるよ。生き残るのキツイんじゃないかなぁ」
「おっと、ごめんごめん」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:41:43.37 ID:oyrpMvNz0
――ファミレス――
加蓮「ぅあー」ツップセ
加蓮「疲れたぁ……」
加蓮「はー…………」
加蓮「まだお昼なのに……歩きまわったからかな……」
加蓮「…………」
加蓮「……なーにやってんだ、私……」
加蓮「はは。ホント、何やってんだろ……」
加蓮「…………はぁ」
<ブーッブーッ
加蓮「…………」ガサゴソ
加蓮「……もしもーし? Pさん?」
加蓮「ぅあー」ツップセ
加蓮「疲れたぁ……」
加蓮「はー…………」
加蓮「まだお昼なのに……歩きまわったからかな……」
加蓮「…………」
加蓮「……なーにやってんだ、私……」
加蓮「はは。ホント、何やってんだろ……」
加蓮「…………はぁ」
<ブーッブーッ
加蓮「…………」ガサゴソ
加蓮「……もしもーし? Pさん?」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:42:13.52 ID:oyrpMvNz0
P『加蓮。今は帰りか? ちゃんと休み休みやってるか? 車いるか?』
加蓮「初っ端からそれ? ホント過保護だよねPさん……」
P『加蓮だからな。それより車は、』
加蓮「うっさい。1人で帰るから放っといて」
P『だがな――』
加蓮「放っといて」
P『……そうか』
加蓮「…………あ」
加蓮「ごめん……、ちょっとイライラしてた」
P『いや……ってことは営業は』
加蓮「さっぱり。既存のとこはさすがに話を聞いてくれたけど任せられる仕事がないんだってさ。新規は……論外。上司と一緒に来いって言われたり学生が勉強しに来るところじゃないって言われたり」
P『やっぱりキツイか……。若い子のセルフプロデュースが増え気味って聞いたからいけると思ったんだがなぁ』
加蓮「初っ端からそれ? ホント過保護だよねPさん……」
P『加蓮だからな。それより車は、』
加蓮「うっさい。1人で帰るから放っといて」
P『だがな――』
加蓮「放っといて」
P『……そうか』
加蓮「…………あ」
加蓮「ごめん……、ちょっとイライラしてた」
P『いや……ってことは営業は』
加蓮「さっぱり。既存のとこはさすがに話を聞いてくれたけど任せられる仕事がないんだってさ。新規は……論外。上司と一緒に来いって言われたり学生が勉強しに来るところじゃないって言われたり」
P『やっぱりキツイか……。若い子のセルフプロデュースが増え気味って聞いたからいけると思ったんだがなぁ』
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:42:43.47 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……一箇所だけ、面白そうだから聞いてくれたって場所があったんだけどさ」
P『お、どうだった?』
加蓮「…………」
P『……加蓮?』
加蓮「……とにかく総空振りです。無駄に疲れただけでした」
P『あ、ああ。資料とか映像とか渡せた?』
加蓮「一応ね。渡して、駄目って言われたとこもあったけど」
P『厳しいな』
加蓮「うん。……あーもうあのヘラヘラした顔思い出したらまたムカついてきた! ……もうっ」
P『ははっ』
加蓮「笑うなぁ」
P『悪い』
P『お、どうだった?』
加蓮「…………」
P『……加蓮?』
加蓮「……とにかく総空振りです。無駄に疲れただけでした」
P『あ、ああ。資料とか映像とか渡せた?』
加蓮「一応ね。渡して、駄目って言われたとこもあったけど」
P『厳しいな』
加蓮「うん。……あーもうあのヘラヘラした顔思い出したらまたムカついてきた! ……もうっ」
P『ははっ』
加蓮「笑うなぁ」
P『悪い』
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:43:13.53 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………ふふっ」
P『……お前だって笑ってんじゃねえか』
加蓮「べっつにー。叫んだらちょっとスッキリしちゃったかも」
P『お前って単純なのか複雑なのかよー分からんな……』
加蓮「あ、ひどーい。女の子に向かってそういう扱いはよくないぞー?」
P『今は誰も担当してねえし、怒る女の子がいねえし』
加蓮「私が怒る」
P『はいはい』
加蓮「はー。……ホント、何やってんだろー私って感じ」
P『ん?』
加蓮「いや、あのさ……クタクタになってイライラさせられて、何やってんだろうねーって……」
加蓮「……あはは、ごめん。ちょっと疲れちゃってるかも……あ、身体がじゃないよ? Pさんだって愚痴を言いたくなる時くらい……」
加蓮「…………ごめん」
P『……お前だって笑ってんじゃねえか』
加蓮「べっつにー。叫んだらちょっとスッキリしちゃったかも」
P『お前って単純なのか複雑なのかよー分からんな……』
加蓮「あ、ひどーい。女の子に向かってそういう扱いはよくないぞー?」
P『今は誰も担当してねえし、怒る女の子がいねえし』
加蓮「私が怒る」
P『はいはい』
加蓮「はー。……ホント、何やってんだろー私って感じ」
P『ん?』
加蓮「いや、あのさ……クタクタになってイライラさせられて、何やってんだろうねーって……」
加蓮「……あはは、ごめん。ちょっと疲れちゃってるかも……あ、身体がじゃないよ? Pさんだって愚痴を言いたくなる時くらい……」
加蓮「…………ごめん」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:43:43.48 ID:oyrpMvNz0
P『…………』
P『……なあ加蓮。交代するか? 前みたいに、俺が営業で仕事を探してきて加蓮が割り振る、それでもいいじゃないか』
加蓮「…………」
P『プロデューサーの仕事は一面的じゃない。1人が全部をやる必要なんてないんだ。前も言ったけど、アイドルのケアをすることだって大切な仕事だし、その方が加蓮には楽だろう』
P『楽してばっかって言われるかもしれねえけど、キツイのを回避できるなら回避するに越したことはないだろ?』
加蓮「…………」
P『……いつでも言ってくれよ』
加蓮「うん……ううん、今はいい。もうちょっと頑張ってみる」オキアガル
P『分かった』
P『……なあ加蓮。交代するか? 前みたいに、俺が営業で仕事を探してきて加蓮が割り振る、それでもいいじゃないか』
加蓮「…………」
P『プロデューサーの仕事は一面的じゃない。1人が全部をやる必要なんてないんだ。前も言ったけど、アイドルのケアをすることだって大切な仕事だし、その方が加蓮には楽だろう』
P『楽してばっかって言われるかもしれねえけど、キツイのを回避できるなら回避するに越したことはないだろ?』
加蓮「…………」
P『……いつでも言ってくれよ』
加蓮「うん……ううん、今はいい。もうちょっと頑張ってみる」オキアガル
P『分かった』
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:44:13.47 ID:oyrpMvNz0
P『資料は渡せたんだよな? それなら進展してるじゃないか。先週は1つも渡せないで終わったんだろ?』
加蓮「やなこと思い出させないでよ」
P『そうしたらまた笑い飛ばしていこう』
加蓮「そーだね……よしっと。今から帰るね。何かお菓子とかいる?」
P『残念だが』
加蓮「?」
P『さっき来た柚ちゃんが大量に持ち込んで、冷蔵庫がパンクしかけてる』
加蓮「あ……あははっ、まったく柚は……。あ、グレープ味のプリンがあったらとっといてね。それ柚が私に買ってきたのなんだからっ」
P『お、それは美味いから食えってフリか?』
加蓮「やなこと思い出させないでよ」
P『そうしたらまた笑い飛ばしていこう』
加蓮「そーだね……よしっと。今から帰るね。何かお菓子とかいる?」
P『残念だが』
加蓮「?」
P『さっき来た柚ちゃんが大量に持ち込んで、冷蔵庫がパンクしかけてる』
加蓮「あ……あははっ、まったく柚は……。あ、グレープ味のプリンがあったらとっといてね。それ柚が私に買ってきたのなんだからっ」
P『お、それは美味いから食えってフリか?』
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:44:43.37 ID:oyrpMvNz0
加蓮「違うっ! ちょ、食べてたらホント許さないからねPさん!」
P『はいはい。気をつけて帰ってこいよ~』ガチャ
加蓮「…………」ツーツー
加蓮「…………」
加蓮「…………」ミアゲル
加蓮「はー……ホント、何やってんだろ、私……」ツップセ
P『はいはい。気をつけて帰ってこいよ~』ガチャ
加蓮「…………」ツーツー
加蓮「…………」
加蓮「…………」ミアゲル
加蓮「はー……ホント、何やってんだろ、私……」ツップセ
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:45:13.57 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「ただいまー……」
柚「お帰り加蓮サンっ」
加蓮「柚」
柚「そしてアタシもお疲れ!」
加蓮「どゆこと?」
柚「さっきレッスン終わったばっかりなんだ」
加蓮「そっか。じゃあ、柚も私もお疲れ様」
柚「おそろいだ!」
加蓮「そだね、お揃い」
加蓮「どう? トレーナーさんとのレッスンも慣れてきた?」
柚「うんっ。優しく教えてくれたから大丈夫だった! それにアタシ、ダンスに光る物があるって褒められたよ。加蓮サンが教えてくれたお陰だねっ」
加蓮「そっか」
加蓮「ただいまー……」
柚「お帰り加蓮サンっ」
加蓮「柚」
柚「そしてアタシもお疲れ!」
加蓮「どゆこと?」
柚「さっきレッスン終わったばっかりなんだ」
加蓮「そっか。じゃあ、柚も私もお疲れ様」
柚「おそろいだ!」
加蓮「そだね、お揃い」
加蓮「どう? トレーナーさんとのレッスンも慣れてきた?」
柚「うんっ。優しく教えてくれたから大丈夫だった! それにアタシ、ダンスに光る物があるって褒められたよ。加蓮サンが教えてくれたお陰だねっ」
加蓮「そっか」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:45:43.50 ID:oyrpMvNz0
柚「それ以外はまだまだだーって言われちゃったけど、これから頑張るんだ。トレーナーサンも、一緒に頑張っていきましょうってさ!」
柚「……?? どしたの? なんかこう、眉のとこがぐにーってなってるよ?」グニー
加蓮「あはは、ごめんごめん。ちょっと疲れちゃって」
加蓮(……何の皮肉だ。よりによって褒められた部分がそれ――)
P「疲れてるだと!?」シュバ
柚「わ!?」
P「やはりか! 電話した時からそうだとは思っていたが……ほら、ソファに横になってしっかり休め! ミルクココア入れてくるからそれを飲んで身体をしっかりと!」グイッ
加蓮「ああもうホントに過保――あっ、ちょ、」
P「ほら座る! 横になる!」バッ
加蓮「きゃっ」
P「よし、次はミルクココアだ!」シュタッ
柚「……?? どしたの? なんかこう、眉のとこがぐにーってなってるよ?」グニー
加蓮「あはは、ごめんごめん。ちょっと疲れちゃって」
加蓮(……何の皮肉だ。よりによって褒められた部分がそれ――)
P「疲れてるだと!?」シュバ
柚「わ!?」
P「やはりか! 電話した時からそうだとは思っていたが……ほら、ソファに横になってしっかり休め! ミルクココア入れてくるからそれを飲んで身体をしっかりと!」グイッ
加蓮「ああもうホントに過保――あっ、ちょ、」
P「ほら座る! 横になる!」バッ
加蓮「きゃっ」
P「よし、次はミルクココアだ!」シュタッ
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:46:13.62 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
柚「…………」ポカーン
加蓮「…………」
柚「…………お、お姫様?」
加蓮「じゃああっちはウザい執事」
加蓮「ホント、Pさんってば……」
柚「でも加蓮サンちょっと嬉しそう?」
加蓮「ああん!?」
柚「ギャー! ツノ、ツノ引っ込めてー!」
柚「…………」ポカーン
加蓮「…………」
柚「…………お、お姫様?」
加蓮「じゃああっちはウザい執事」
加蓮「ホント、Pさんってば……」
柚「でも加蓮サンちょっと嬉しそう?」
加蓮「ああん!?」
柚「ギャー! ツノ、ツノ引っ込めてー!」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:46:44.01 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………おいし」(ミルクココア飲んでる)
柚「アタシの分までありがとっ」ゴクゴク
P「いやいや。それより加蓮が動かないかそこで見張っててくれ、柚ちゃん」
柚「あいあいさー!」ビシッ
加蓮「もう。たかが歩いただけなのに……Pさんだって歩くと疲れるでしょ? 同じだよ、もう……」
P「そうは言ってもな」
加蓮「はいはい。それより柚。どう? 次のプチLIVE、上手くできそう?」
柚「んー……まだ、歌詞がたまに飛んじゃう」
加蓮「そっか」
柚「歌うだけならできるけど、踊りながら歌うのは難しいね」
加蓮「そう? クリスマスの時は上手くやってたじゃん」
柚「あれは……そのー、やらないと! って思ってたからっ」
加蓮「そっか」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:47:13.91 ID:oyrpMvNz0
柚「でもアタシ頑張るね! 加蓮サンだって頑張ってるんだから、アタシも頑張らなきゃ!」
加蓮「…………」
柚「うーん。加蓮サン加蓮サン。どうやったらアタシ上手くできるかな? 他のアイドルみたいに、こう、ビシって」
加蓮「柚」ポス
柚「ふみゅ」
加蓮「私が言ったこと思い出す。はい復唱」
柚「えとっ……あ、やりたいように、楽しく!」
加蓮「そうそう。上手くやるより、楽しくやろうっ」
柚「あいあいさー!」
柚「楽しくかー。どうやったら楽しくなるだろ。うーん……」ウーン
柚「そうだ!」(立ち上がる)
加蓮「?」
加蓮「…………」
柚「うーん。加蓮サン加蓮サン。どうやったらアタシ上手くできるかな? 他のアイドルみたいに、こう、ビシって」
加蓮「柚」ポス
柚「ふみゅ」
加蓮「私が言ったこと思い出す。はい復唱」
柚「えとっ……あ、やりたいように、楽しく!」
加蓮「そうそう。上手くやるより、楽しくやろうっ」
柚「あいあいさー!」
柚「楽しくかー。どうやったら楽しくなるだろ。うーん……」ウーン
柚「そうだ!」(立ち上がる)
加蓮「?」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:47:43.56 ID:oyrpMvNz0
柚「あのね。ここんところ」タンタン
柚「こんなふうにっ」サッ
柚「えいっ」ギュイギュイ
柚「……って感じに回ってみたい! そしたらきっと楽しいと思うんだっ」
加蓮「…………」
加蓮「ごめん、ここんとこってそこどこ?」
柚「あれっ伝わってない!? 間奏のとこだよっ。ほら、たーたたたたんったたんってとこ!」
加蓮「ああ、間奏ね。そこならいいんじゃない? 歌詞が飛ぶこともないだろうし」
柚「やたっ。あ、それからそれから、最後のサビの前でも回ってみたい!」
柚「こんな風にっ」ギュイギュイ
柚「わっ」ツルッ
柚「ぎゃふん」ズテ
加蓮「…………ぷっ……くくっ……!」
柚「こんなふうにっ」サッ
柚「えいっ」ギュイギュイ
柚「……って感じに回ってみたい! そしたらきっと楽しいと思うんだっ」
加蓮「…………」
加蓮「ごめん、ここんとこってそこどこ?」
柚「あれっ伝わってない!? 間奏のとこだよっ。ほら、たーたたたたんったたんってとこ!」
加蓮「ああ、間奏ね。そこならいいんじゃない? 歌詞が飛ぶこともないだろうし」
柚「やたっ。あ、それからそれから、最後のサビの前でも回ってみたい!」
柚「こんな風にっ」ギュイギュイ
柚「わっ」ツルッ
柚「ぎゃふん」ズテ
加蓮「…………ぷっ……くくっ……!」
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:48:14.00 ID:oyrpMvNz0
柚「あー! 加蓮サン笑った! 笑うなー!」ポカポカ
加蓮「ごめんごめん、ごめんってば。ぷくくっ……い、いいんじゃない? その方が楽しそ……くくっ……」
柚「加蓮サンひどいっ。もう、もう!」
加蓮「あー、ごほん、ごほん……くくっ……ほら、まずは回っても転ばないように…………ぷぷっ……」
柚「まだ笑う!?」
加蓮「いや、こけた瞬間の柚の顔を思い出すと……あはははっ…………」プルプル
柚「もーっ、そんなに笑う加蓮サン大っ嫌い!」
加蓮「ごめん、ごめんってば。ほら、柚。途中で買ってきたチョコバーあげるからっ」スッ
柚「あ、アタシはお菓子で釣られる女の子じゃないもんっ。それもう卒業した!」
加蓮「そう? じゃあ私が食べ――」
柚「…………」ウズウズ
加蓮「ごめんごめん、ごめんってば。ぷくくっ……い、いいんじゃない? その方が楽しそ……くくっ……」
柚「加蓮サンひどいっ。もう、もう!」
加蓮「あー、ごほん、ごほん……くくっ……ほら、まずは回っても転ばないように…………ぷぷっ……」
柚「まだ笑う!?」
加蓮「いや、こけた瞬間の柚の顔を思い出すと……あはははっ…………」プルプル
柚「もーっ、そんなに笑う加蓮サン大っ嫌い!」
加蓮「ごめん、ごめんってば。ほら、柚。途中で買ってきたチョコバーあげるからっ」スッ
柚「あ、アタシはお菓子で釣られる女の子じゃないもんっ。それもう卒業した!」
加蓮「そう? じゃあ私が食べ――」
柚「…………」ウズウズ
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:48:43.58 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
柚「…………」ユズユズ
加蓮「……あーん」
柚「あむっ♪ うまーっ!」
加蓮「…………くくっ」
柚「あー! また笑うー!」
加蓮「あははっ」
柚「…………」ユズユズ
加蓮「……あーん」
柚「あむっ♪ うまーっ!」
加蓮「…………くくっ」
柚「あー! また笑うー!」
加蓮「あははっ」
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:49:13.48 ID:oyrpMvNz0
P「あれ? 加蓮、結局お菓子を買って来たのか」
加蓮「柚用のでーす。Pさんにはありませーん」
P「え」
加蓮「はい、あーん」
柚「あむっ。ん~~♪」
P「え、待って、俺の分は?」
加蓮「ない」
P「何で!?」
加蓮「何でも」
P「!?」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:49:43.53 ID:oyrpMvNz0
――撮影スタジオ――
「はーい、もっと笑って笑って! 楽しそうに!」
柚「こ、こうっ」
「うーんまだ堅いね。作り笑顔じゃなくて自然な感じで!」
柚「にぱっ」
「そうそう……うーん少し違うなぁ。もっとこう、アイドルっぽく!」
柚「はいっ。に、にぱっ」
「じゃあ少し動いてみようか。まずは――」
「はーい、もっと笑って笑って! 楽しそうに!」
柚「こ、こうっ」
「うーんまだ堅いね。作り笑顔じゃなくて自然な感じで!」
柚「にぱっ」
「そうそう……うーん少し違うなぁ。もっとこう、アイドルっぽく!」
柚「はいっ。に、にぱっ」
「じゃあ少し動いてみようか。まずは――」
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:50:13.81 ID:oyrpMvNz0
柚「ふーっ」
加蓮「お疲れ、柚」
柚「加蓮サンっ。……あはは、なかなか上手くできなくや」
加蓮「ん……」
柚「アタシ、やっぱりアイドルっぽくないよね。カメラマンサンからも言われちゃった」
加蓮「それでいい……って言っても難しっか」
柚「前にやった時も上手くいかなくて、すっごい時間かかったし……難しいねっ」
加蓮「……そだね。でもカメラさん、いいねって言うこともあったでしょ?」
柚「そだけど……」
加蓮「後で見本もらえるから一緒に選ぼうよ。可愛く撮られてる柚を」
柚「いっしょに?」
加蓮「一緒に」
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:50:44.85 ID:oyrpMvNz0
柚「ぅー、変な顔で映ってたらヤダな……あ、あんまり見ないでね?」
加蓮「え? やだ」
柚「えーっ!?」
加蓮「あははっ。ほら、それも記念だって♪」
柚「うぅ。じ、じゃああんまり見られないところに置いといてよ?」
加蓮「しょうがないなぁ。じゃあ誰も見ないとこにしまっとくから」
加蓮「……ほら、柚。休憩終わりだよ。もうちょっと頑張ってみよ? 見ててあげるから」
柚「はーい……」ショボン
加蓮「……柚」
柚「?」クルッ
加蓮「失敗しても大丈夫。ここには、柚の失敗を笑う人なんていないから。だから思いっきり――」
柚「……加蓮サン、こん前、思いっきり笑ってた」
加蓮「え?」
加蓮「え? やだ」
柚「えーっ!?」
加蓮「あははっ。ほら、それも記念だって♪」
柚「うぅ。じ、じゃああんまり見られないところに置いといてよ?」
加蓮「しょうがないなぁ。じゃあ誰も見ないとこにしまっとくから」
加蓮「……ほら、柚。休憩終わりだよ。もうちょっと頑張ってみよ? 見ててあげるから」
柚「はーい……」ショボン
加蓮「……柚」
柚「?」クルッ
加蓮「失敗しても大丈夫。ここには、柚の失敗を笑う人なんていないから。だから思いっきり――」
柚「……加蓮サン、こん前、思いっきり笑ってた」
加蓮「え?」
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:51:13.69 ID:oyrpMvNz0
柚「転んだ時に」
加蓮「あ。……え、もしかして気にしてた……?」
柚「…………」ウツムキ
加蓮「分かった。ごめんね。もう笑わないから」
加蓮「柚が失敗しても、絶対に笑わない。冗談でも笑わない。……ね?」ポンポン
柚「……うん」
加蓮「ほら、顔を上げて。楽しいアイドルの時間だよ」
柚「楽しい、アイドルの時間……」
加蓮「うん。写真を撮られること、笑顔を撮られることも楽しんでいこうよ!」
柚「……楽しんで、いいの?」
加蓮「楽しんじゃいけないことなんて1つもないんだよ。ほらほら、行った行った!」ズイ
柚「わっ。押さないでー!」
加蓮「あ。……え、もしかして気にしてた……?」
柚「…………」ウツムキ
加蓮「分かった。ごめんね。もう笑わないから」
加蓮「柚が失敗しても、絶対に笑わない。冗談でも笑わない。……ね?」ポンポン
柚「……うん」
加蓮「ほら、顔を上げて。楽しいアイドルの時間だよ」
柚「楽しい、アイドルの時間……」
加蓮「うん。写真を撮られること、笑顔を撮られることも楽しんでいこうよ!」
柚「……楽しんで、いいの?」
加蓮「楽しんじゃいけないことなんて1つもないんだよ。ほらほら、行った行った!」ズイ
柚「わっ。押さないでー!」
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:51:43.60 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
柚「決めた! アタシこの写真がいい!」
加蓮「えー、こっちの方がよくない?」
柚「でもそっち、ふにゃってなっててカッコ悪いっ」
加蓮「それが柚らしくて可愛いんじゃん。あ、この子は堅苦しくないな、って分かってくれるよ」
柚「えー! アタシもっとビシっとしたいな!」
加蓮「うーん……」
柚「むー……でも加蓮サンがそう言うなら、そっちでもいいよ」
加蓮「え? ……あー、でもこの写真、ちょっとかっこ悪いかも?」
柚「どっち!? どっちなの加蓮サン!?」
加蓮「ほら、柚に言われてみればって感じでさ。そっちの写真にしちゃおっか?」
柚「……でもアタシも、加蓮サンに言われてみればそっちのふにゃってした顔もいいかもっ」
加蓮「えー、柚こそどっちよ」
柚「決めた! アタシこの写真がいい!」
加蓮「えー、こっちの方がよくない?」
柚「でもそっち、ふにゃってなっててカッコ悪いっ」
加蓮「それが柚らしくて可愛いんじゃん。あ、この子は堅苦しくないな、って分かってくれるよ」
柚「えー! アタシもっとビシっとしたいな!」
加蓮「うーん……」
柚「むー……でも加蓮サンがそう言うなら、そっちでもいいよ」
加蓮「え? ……あー、でもこの写真、ちょっとかっこ悪いかも?」
柚「どっち!? どっちなの加蓮サン!?」
加蓮「ほら、柚に言われてみればって感じでさ。そっちの写真にしちゃおっか?」
柚「……でもアタシも、加蓮サンに言われてみればそっちのふにゃってした顔もいいかもっ」
加蓮「えー、柚こそどっちよ」
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:52:13.46 ID:oyrpMvNz0
柚「…………」
加蓮「柚?」
柚「……これハズい! なんでアタシ自分の顔をこんなにじーって見てんの!? やめてーっ、なんかすっごいハズい!」
加蓮「え、そう?」
柚「ハズいよ! 加蓮サンだって自分の写真とか見てたらハズいでしょ!?」
加蓮「いや、全然……?」
柚「アタシはハズいの!」
加蓮「そ、そう。でもそれは慣れなきゃ。自分がどんな顔をしてるかなんて、こうでもしないと分からないんだよ?」
加蓮「ほら、ステージとかでさ。キリッとしているつもりでいたら実はふにゃってしてました、なんてダサいでしょ?」
柚「それは……そうだ!」
加蓮「柚?」
柚「……これハズい! なんでアタシ自分の顔をこんなにじーって見てんの!? やめてーっ、なんかすっごいハズい!」
加蓮「え、そう?」
柚「ハズいよ! 加蓮サンだって自分の写真とか見てたらハズいでしょ!?」
加蓮「いや、全然……?」
柚「アタシはハズいの!」
加蓮「そ、そう。でもそれは慣れなきゃ。自分がどんな顔をしてるかなんて、こうでもしないと分からないんだよ?」
加蓮「ほら、ステージとかでさ。キリッとしているつもりでいたら実はふにゃってしてました、なんてダサいでしょ?」
柚「それは……そうだ!」
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:52:43.50 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあアタシ頑張ってみる。ハズくならなくなるようにっ。……むー、むむー」ジー
柚「……やっぱムリー! 加蓮サンが決めていいよっ。ふにゃっとしててもキリッとしててもいいから!」
柚「そんで、ステージでアタシがキリってできてるかも加蓮サンが見て~!」
加蓮「…………。えー、私1人じゃ決めきれないなー。柚が手伝ってくれたら嬉しいんだけどなー」
柚「えーっ! じ、じゃあもうちょっとだけ頑張るっ」
柚「むむー…………」ジー
柚「……やっぱムリ!」
加蓮「ふふっ」
柚「……やっぱムリー! 加蓮サンが決めていいよっ。ふにゃっとしててもキリッとしててもいいから!」
柚「そんで、ステージでアタシがキリってできてるかも加蓮サンが見て~!」
加蓮「…………。えー、私1人じゃ決めきれないなー。柚が手伝ってくれたら嬉しいんだけどなー」
柚「えーっ! じ、じゃあもうちょっとだけ頑張るっ」
柚「むむー…………」ジー
柚「……やっぱムリ!」
加蓮「ふふっ」
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:53:13.59 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:53:44.34 ID:oyrpMvNz0
――営業先――
「うーん……面白そうだし可愛い子だとは思うんだけどねー……うーん……」
「本人は今日いないの? あーそっか学校か。いやいや君もなんじゃ……休ませてもらって? ふうん、まるでアイドルみたいだね……え? どうしたの、急に恐い顔して」
――営業先――
「うん、ちょうどセルフプロデュース枠ってことで1人くらい出してみたかったんだよね。え? あれ、君じゃなくて違う子の仕事?」
「ちょっと拝見……いやー、この子にか。何かあるかなぁ、任せられる案件……」
「っていうか君の方がアイドル向いてるんじゃない?」
――営業先――
「君が例の。言っとくけどうちはあんまり変なことやりたくないから。挑戦とか新境地とか。そういうことやるから痛い目に遭うんだ」
「話だけでも? お断りです」
――営業先――
「そうかー、時代は変わりつつあるんだねぇ。君みたいな若い子がプロデューサーを」
「ま、若いからって贔屓はしないよ。とりあえず資料から見ようか」
「ふむ。ふむ。……LIVE映像も? どれ」
「……うーん、どうだろう。ちょっとパンチが弱いかな。素材はいいからよそなら何か任せられる物があるんじゃないかねぇ」
「うーん……面白そうだし可愛い子だとは思うんだけどねー……うーん……」
「本人は今日いないの? あーそっか学校か。いやいや君もなんじゃ……休ませてもらって? ふうん、まるでアイドルみたいだね……え? どうしたの、急に恐い顔して」
――営業先――
「うん、ちょうどセルフプロデュース枠ってことで1人くらい出してみたかったんだよね。え? あれ、君じゃなくて違う子の仕事?」
「ちょっと拝見……いやー、この子にか。何かあるかなぁ、任せられる案件……」
「っていうか君の方がアイドル向いてるんじゃない?」
――営業先――
「君が例の。言っとくけどうちはあんまり変なことやりたくないから。挑戦とか新境地とか。そういうことやるから痛い目に遭うんだ」
「話だけでも? お断りです」
――営業先――
「そうかー、時代は変わりつつあるんだねぇ。君みたいな若い子がプロデューサーを」
「ま、若いからって贔屓はしないよ。とりあえず資料から見ようか」
「ふむ。ふむ。……LIVE映像も? どれ」
「……うーん、どうだろう。ちょっとパンチが弱いかな。素材はいいからよそなら何か任せられる物があるんじゃないかねぇ」
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:54:13.68 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「ただいま!」バタン!
柚「!」ビクッ
P「お、おう、お帰り。今日はまた荒れてるな……」
加蓮「…………」ドサッ
柚「あ、あの加蓮サン――」
加蓮「何」ギロ
柚「っ」
P「おいおい……」
柚「え、えっとね。今日の、レッスンのこと――」
加蓮「レッスン――」
加蓮「…………」
加蓮「……ちょっと後にしてもらっていい? 私、あちこち歩きまわってちょっと疲れてるの。少し静かにさせてよ」
柚「う、うん。ごめんね……」
P「おい――」
加蓮「ただいま!」バタン!
柚「!」ビクッ
P「お、おう、お帰り。今日はまた荒れてるな……」
加蓮「…………」ドサッ
柚「あ、あの加蓮サン――」
加蓮「何」ギロ
柚「っ」
P「おいおい……」
柚「え、えっとね。今日の、レッスンのこと――」
加蓮「レッスン――」
加蓮「…………」
加蓮「……ちょっと後にしてもらっていい? 私、あちこち歩きまわってちょっと疲れてるの。少し静かにさせてよ」
柚「う、うん。ごめんね……」
P「おい――」
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:54:43.37 ID:oyrpMvNz0
加蓮「別に……。アンタはいつでも元気でいいよね……羨ましいよ。私なんてちょっと歩いただけでクタクタに――」
P「おい加蓮!」
加蓮「っ!」ハッ
柚「ご、ごめんなさいっ! あの……えと……あ、アタシちょっとコンビニ行ってくるっ!」タタッ
<バタン
P「おい、おい加蓮……」
加蓮「……………………っ」(ソファに座る)
加蓮「……………………なにやってんだ私…………っ……!!」ギリ
P「おい加蓮!」
加蓮「っ!」ハッ
柚「ご、ごめんなさいっ! あの……えと……あ、アタシちょっとコンビニ行ってくるっ!」タタッ
<バタン
P「おい、おい加蓮……」
加蓮「……………………っ」(ソファに座る)
加蓮「……………………なにやってんだ私…………っ……!!」ギリ
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:55:13.50 ID:oyrpMvNz0
P「…………」
加蓮「…………」
P「…………」
加蓮「……何やってんだ、私…………」
P「…………」
加蓮「うぁー……………………」アタマカカエ
加蓮「…………」
P「…………」
加蓮「……何やってんだ、私…………」
P「…………」
加蓮「うぁー……………………」アタマカカエ
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:55:43.50 ID:oyrpMvNz0
――10分後――
柚「た、ただいま~……」
加蓮「柚……」
柚「か……加蓮サン! あのね、その……コンビニでポテト買って来たよ! 加蓮サンが好きだって言ってたヤツ!」
柚「一緒に食べよ! …………いい?」
加蓮「…………」
加蓮「…………えっと……その、さっきは」グゥ
P「お」
柚「あ!」
加蓮「!」
加蓮「いや、違っ……今の私じゃなくてっ、ゆ、柚でしょ!」
柚「た、ただいま~……」
加蓮「柚……」
柚「か……加蓮サン! あのね、その……コンビニでポテト買って来たよ! 加蓮サンが好きだって言ってたヤツ!」
柚「一緒に食べよ! …………いい?」
加蓮「…………」
加蓮「…………えっと……その、さっきは」グゥ
P「お」
柚「あ!」
加蓮「!」
加蓮「いや、違っ……今の私じゃなくてっ、ゆ、柚でしょ!」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:56:13.54 ID:oyrpMvNz0
柚「アタシ違うよー? 買ってきたチョコパン途中で食べちゃったもん。帰ったら食べよって思ったんだけど我慢できなくてっ」
P「そーいえばそろそろ腹が空く頃だなー小腹が空いてきたなーお腹が鳴るのもしょうがないなー」
柚「もちろんPサンの分もあるよ!」
P「お、マジかー、柚ちゃんは優しいなぁ」
柚「でっしょーでっしょー?」
加蓮「…………」
加蓮「…………あ、あのさ、柚。私もその……ポテト、いい?」
柚「うんっ。はい、どうぞ」スッ
加蓮「ありがと」モグモグ
柚「ポテトー、ポテトー♪ アタシもポテトー♪ あ、それからこれ、大福4つ! へへっ、敢えて4つにしたんだ。残り1つを賭けて、アタシと加蓮サンとPサンでバトルだ!」
柚「何にする? じゃんけん? あっち向いてホイ?」
P「そーいえばそろそろ腹が空く頃だなー小腹が空いてきたなーお腹が鳴るのもしょうがないなー」
柚「もちろんPサンの分もあるよ!」
P「お、マジかー、柚ちゃんは優しいなぁ」
柚「でっしょーでっしょー?」
加蓮「…………」
加蓮「…………あ、あのさ、柚。私もその……ポテト、いい?」
柚「うんっ。はい、どうぞ」スッ
加蓮「ありがと」モグモグ
柚「ポテトー、ポテトー♪ アタシもポテトー♪ あ、それからこれ、大福4つ! へへっ、敢えて4つにしたんだ。残り1つを賭けて、アタシと加蓮サンとPサンでバトルだ!」
柚「何にする? じゃんけん? あっち向いてホイ?」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:56:43.77 ID:oyrpMvNz0
P「おっ、いいな。ちょうど甘いところが欲しいと思ってたところなんだ、俺も負けないぞ?」ウデマクリ
柚「強敵の予感! 加蓮サン加蓮サン、一緒に協力して倒そ!」
柚「その後は柚と加蓮サンのバトルだ! へへっ、ライバルと協力なんて少年漫画っぽい? でもちゃんと最後には決着つけるんだよねっ」
加蓮「…………、……あははっ。しょうがないなぁ。Pさん、ごめんね? 柚からお願いされちゃったからっ」
P「おのれー加蓮ー。あの日の誓いはどこへ行ったんだー」
加蓮「えー、なにそれー?」
柚「あっそうだ、アタシ手を洗ってくる!」タタッ
加蓮「行ってらっしゃーい」
加蓮「…………」
P「…………」
柚「強敵の予感! 加蓮サン加蓮サン、一緒に協力して倒そ!」
柚「その後は柚と加蓮サンのバトルだ! へへっ、ライバルと協力なんて少年漫画っぽい? でもちゃんと最後には決着つけるんだよねっ」
加蓮「…………、……あははっ。しょうがないなぁ。Pさん、ごめんね? 柚からお願いされちゃったからっ」
P「おのれー加蓮ー。あの日の誓いはどこへ行ったんだー」
加蓮「えー、なにそれー?」
柚「あっそうだ、アタシ手を洗ってくる!」タタッ
加蓮「行ってらっしゃーい」
加蓮「…………」
P「…………」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:57:13.83 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………ち、ちゃんと謝るよ」
P「いや俺まだ何も言ってない」
加蓮「目が言ってる!」
P「マジか」
柚「ただいまー! さーおやつタイム! ねね、バトルなんだけどアタシ面白いルール考えたんだ! あのね――」
加蓮「あ、その前に柚。その……」
柚「?」
加蓮「さっきはごめんね? ちょっとイライラしちゃってて……その……、……ごめんっ!」ガバ
柚「えー? なんのこと? アタシは5分前のことをすぐ忘れるんだ。楽しいことはぜんぶ覚えてるケドっ」
加蓮「……、……柚……」
P「いや俺まだ何も言ってない」
加蓮「目が言ってる!」
P「マジか」
柚「ただいまー! さーおやつタイム! ねね、バトルなんだけどアタシ面白いルール考えたんだ! あのね――」
加蓮「あ、その前に柚。その……」
柚「?」
加蓮「さっきはごめんね? ちょっとイライラしちゃってて……その……、……ごめんっ!」ガバ
柚「えー? なんのこと? アタシは5分前のことをすぐ忘れるんだ。楽しいことはぜんぶ覚えてるケドっ」
加蓮「……、……柚……」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:57:43.54 ID:oyrpMvNz0
柚「コンビニに行く前のことなんてぜんぶ忘れちゃった。だから安心して加蓮サン!」
加蓮「……うん。ええと……それじゃあ……」
柚「ん?」ニパニパ
加蓮「……あ、アンタの脳みそは空っぽか~っ」グリグリ
柚「わーっ、やめてーっ。ぐしゃぐしゃになるー」
加蓮「ぐしゃぐしゃになれーっ」
柚「きゃーっ! Pサン助けて!」
P「おお、このポテト旨えな……」
柚「あれーっ!?」
加蓮「わしわしわしわし……ふうっ。ふふっ。ありがとね、柚」
柚「どうしたしまして! あっ、でもさ、イライラしちゃうのはしょうがないと思うな! アタシもそーいうことあるもん」
加蓮「あるの?」
P「あるのか?」
柚「ないかも!」
加蓮「……うん。ええと……それじゃあ……」
柚「ん?」ニパニパ
加蓮「……あ、アンタの脳みそは空っぽか~っ」グリグリ
柚「わーっ、やめてーっ。ぐしゃぐしゃになるー」
加蓮「ぐしゃぐしゃになれーっ」
柚「きゃーっ! Pサン助けて!」
P「おお、このポテト旨えな……」
柚「あれーっ!?」
加蓮「わしわしわしわし……ふうっ。ふふっ。ありがとね、柚」
柚「どうしたしまして! あっ、でもさ、イライラしちゃうのはしょうがないと思うな! アタシもそーいうことあるもん」
加蓮「あるの?」
P「あるのか?」
柚「ないかも!」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:58:13.47 ID:oyrpMvNz0
柚「それでも、アタシじゃなくても友達がそういうことなったりするから! 加蓮サンもだいじょーぶ」
柚「ちょっぴり怖かったけど……大丈夫!」
柚「ささ、加蓮サンも嫌なことは忘れてポテトもいっこど~ぞ。Pサンも絶賛だよっ。はい、あーんっ♪」
加蓮「むぐっ」モグモグ
P「…………ははっ」
加蓮「む、女の子が食べてるところに笑うなんて失礼だよ」
柚「笑うな~!」
P「おいおい、柚ちゃんまでか」
柚「あ、やっぱ今のナシっ。笑っていこう! えーと、あはは! 加蓮サン変な顔――ギャー痛い痛い痛い! ぐ、ぐりぐりしないで、ぐりぐりしーなーいーでー!」
加蓮「誰が変な顔だ。ん? 誰が変な顔だ?」オラオラオラオラ
柚「ごーめーんーなーさーいー!」イーターイー
P「……たははっ」
柚「ちょっぴり怖かったけど……大丈夫!」
柚「ささ、加蓮サンも嫌なことは忘れてポテトもいっこど~ぞ。Pサンも絶賛だよっ。はい、あーんっ♪」
加蓮「むぐっ」モグモグ
P「…………ははっ」
加蓮「む、女の子が食べてるところに笑うなんて失礼だよ」
柚「笑うな~!」
P「おいおい、柚ちゃんまでか」
柚「あ、やっぱ今のナシっ。笑っていこう! えーと、あはは! 加蓮サン変な顔――ギャー痛い痛い痛い! ぐ、ぐりぐりしないで、ぐりぐりしーなーいーでー!」
加蓮「誰が変な顔だ。ん? 誰が変な顔だ?」オラオラオラオラ
柚「ごーめーんーなーさーいー!」イーターイー
P「……たははっ」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:58:43.46 ID:oyrpMvNz0
――しばらくして――
柚「ぐわー、Pサン大人げないぞー」
加蓮「大人げないぞー」
P「はっはっは、またいつでもかかってくるがいい」フハハハハ
柚「まさかあそこで、じゃんけんに負けたからってピコピコハンマーをさっとガードしてくるとはっ」
加蓮「柚がびっくりしてる間にボウルをひったくってガードだもんね。あの動きはガチだったよ」
柚「そんなに大福食べたかったのー? アタシもっと買ってくればよかった?」
P「こういうのは限定品だからこそだよ。もし柚ちゃんが10個も20個も買ってきてたら、こんなにマジにはならなかったさ」ドヤッ
加蓮「いい笑顔で言うけど大福かっさらっていった後だよあれ。子供みたいにマジになった後なんだよあれ」
柚「でも全力バトル面白かった! またやろうねっ」
柚「ぐわー、Pサン大人げないぞー」
加蓮「大人げないぞー」
P「はっはっは、またいつでもかかってくるがいい」フハハハハ
柚「まさかあそこで、じゃんけんに負けたからってピコピコハンマーをさっとガードしてくるとはっ」
加蓮「柚がびっくりしてる間にボウルをひったくってガードだもんね。あの動きはガチだったよ」
柚「そんなに大福食べたかったのー? アタシもっと買ってくればよかった?」
P「こういうのは限定品だからこそだよ。もし柚ちゃんが10個も20個も買ってきてたら、こんなにマジにはならなかったさ」ドヤッ
加蓮「いい笑顔で言うけど大福かっさらっていった後だよあれ。子供みたいにマジになった後なんだよあれ」
柚「でも全力バトル面白かった! またやろうねっ」
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:59:13.48 ID:oyrpMvNz0
P「はーっはっはっは、いつでもかかっておいでなさい」
加蓮「ボスっぽさが増したね……」
柚「ふはははは~とか言いそう!」
P「ふはははは。では負けた2人の為の健闘をたたえ、我はお茶でも淹れてこよう」スクッ
柚「アフターフォローまで万全だっ」
加蓮「親切なボスだねー」
加蓮「ボスっぽさが増したね……」
柚「ふはははは~とか言いそう!」
P「ふはははは。では負けた2人の為の健闘をたたえ、我はお茶でも淹れてこよう」スクッ
柚「アフターフォローまで万全だっ」
加蓮「親切なボスだねー」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 14:59:43.62 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……あ、そういえばさ柚。私が帰ってきた時、レッスンのことって言ってたよね」
柚「うーん……そうだっけ? ……あ、そうだった!」
加蓮「聞かせてもらってもいい?」
柚「いいよー。あのね……」
柚「えっと…………」
柚「…………」
加蓮「ん? どったの?」
柚「あのね。アタシ……このままでいいのかなー、とかっ、その、ちょっぴりだけっ、思っちゃった……感じ?」
加蓮「ん……?」
P「ただいま。お茶を――ん?」
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:01:13.41 ID:oyrpMvNz0
加蓮「詳しく聞かせてよ。気になっちゃうでしょ?」
柚「……うん。今日、レッスンの時にさ……トレーナーサンから、もっとアイドルらしく! って言われちゃったの」
加蓮「…………」
P「…………」
柚「アタシ、昔からよくフツーって言われるの。アイドルらしくって言われても……よく、分かんなくて」
柚「でも今のままじゃ駄目だってことは分かったから……アタシ、このままでいいのかなって思っちゃった」
柚「あっ、あのね! 加蓮サンの言葉はちゃんと覚えてるよ。やりたいように、だよね。……でもさ……」
柚「アタシ、なかなか上手くできなくて……それにトレーナーサン言ってたんだ。他のみんなは大きなLIVEとかやってるって。テレビに出たり、ラジオに出たり、それにCD出すって人もいるって言ってたんだ」
柚「アタシが上手くいかなかったら、加蓮サンもガッカリすると思うし……」
柚「このままでいいのかな、アタシ」
加蓮「…………」
柚「……うん。今日、レッスンの時にさ……トレーナーサンから、もっとアイドルらしく! って言われちゃったの」
加蓮「…………」
P「…………」
柚「アタシ、昔からよくフツーって言われるの。アイドルらしくって言われても……よく、分かんなくて」
柚「でも今のままじゃ駄目だってことは分かったから……アタシ、このままでいいのかなって思っちゃった」
柚「あっ、あのね! 加蓮サンの言葉はちゃんと覚えてるよ。やりたいように、だよね。……でもさ……」
柚「アタシ、なかなか上手くできなくて……それにトレーナーサン言ってたんだ。他のみんなは大きなLIVEとかやってるって。テレビに出たり、ラジオに出たり、それにCD出すって人もいるって言ってたんだ」
柚「アタシが上手くいかなかったら、加蓮サンもガッカリすると思うし……」
柚「このままでいいのかな、アタシ」
加蓮「…………」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:01:43.65 ID:oyrpMvNz0
柚「…………」
P「…………」
加蓮「…………柚」
柚「うん……」
加蓮「1つ、謝らないといけないことがあるの」
柚「なに?」
加蓮「ううん、2つかな……。まず1つ目。大きな仕事をもってこれないのはごめん。私のせいだ」
柚「かっ、加蓮サンのせいじゃないよっ。アタシが上手くできないから――」
加蓮「ううん。私のせいだよ。柚の魅力を伝えきれてない。柚なら任せられるってほどのことができていない」
P「加蓮……」
P「…………」
加蓮「…………柚」
柚「うん……」
加蓮「1つ、謝らないといけないことがあるの」
柚「なに?」
加蓮「ううん、2つかな……。まず1つ目。大きな仕事をもってこれないのはごめん。私のせいだ」
柚「かっ、加蓮サンのせいじゃないよっ。アタシが上手くできないから――」
加蓮「ううん。私のせいだよ。柚の魅力を伝えきれてない。柚なら任せられるってほどのことができていない」
P「加蓮……」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:02:13.53 ID:oyrpMvNz0
加蓮「だけど……だけど、っていうのも変だけど、だからって柚がアイドルらしくないってことは絶対にない」
加蓮「トレーナーさんからもよく、楽しそうにやってますって報告受けるもん。LIVEの日が私も楽しみです! って言われたこともあったんだ」
柚「トレーナーサンが……」
加蓮「柚のそういうところ……トレーナーさんでも楽しませられるのは、じゅうぶんアイドルだよ」
加蓮「それとね、もう1つ」
加蓮「私、柚にやりたいようにやれっていっつも言うけどさ……あれ、半分くらい私のワガママなんだ」
柚「ワガママ?」
加蓮「うん。ええっとさ……どう説明しよっかな……私ね、ちっちゃい頃から周りの人にずっと言われてたの。あれをやるなこれをやるな、って。今でも言われてる」
柚「そうなの?」
加蓮「トレーナーさんからもよく、楽しそうにやってますって報告受けるもん。LIVEの日が私も楽しみです! って言われたこともあったんだ」
柚「トレーナーサンが……」
加蓮「柚のそういうところ……トレーナーさんでも楽しませられるのは、じゅうぶんアイドルだよ」
加蓮「それとね、もう1つ」
加蓮「私、柚にやりたいようにやれっていっつも言うけどさ……あれ、半分くらい私のワガママなんだ」
柚「ワガママ?」
加蓮「うん。ええっとさ……どう説明しよっかな……私ね、ちっちゃい頃から周りの人にずっと言われてたの。あれをやるなこれをやるな、って。今でも言われてる」
柚「そうなの?」
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:02:43.37 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん。だからさ……だからこそ、柚にはやりたいようにやってほしいの」
加蓮「あの日、最初に柚を見た時にね。柚を見てさ、やりたいことがないって顔してるって思った。つまんなさそうだなって思って、つい声をかけちゃって」
加蓮「その後に柚が、アイドルをやりたい、アイドルが楽しいって言ってくれたから……それなら遠慮はしてほしくないっていうかさ。周りに合わせるとか、アイドルってこんな感じだからそういう風にやらないとって思ってほしくないっていうか」
加蓮「柚のやりたいことを見つけて、やってほしいなって……ずっと思ってて」
加蓮「それを、私の代わり……なんて押し付けがましいことをしてたんだ。私の代わりにやってほしい、って」
加蓮「ごめんね、柚」
柚「…………」
加蓮「あの日、最初に柚を見た時にね。柚を見てさ、やりたいことがないって顔してるって思った。つまんなさそうだなって思って、つい声をかけちゃって」
加蓮「その後に柚が、アイドルをやりたい、アイドルが楽しいって言ってくれたから……それなら遠慮はしてほしくないっていうかさ。周りに合わせるとか、アイドルってこんな感じだからそういう風にやらないとって思ってほしくないっていうか」
加蓮「柚のやりたいことを見つけて、やってほしいなって……ずっと思ってて」
加蓮「それを、私の代わり……なんて押し付けがましいことをしてたんだ。私の代わりにやってほしい、って」
加蓮「ごめんね、柚」
柚「…………」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:03:13.45 ID:oyrpMvNz0
加蓮「でも信じて。柚はやりたいようにやっていい。いつかきっと成功する――ううん、成功させてみせる。それがプロデューサーの役割だもん」
加蓮「結果が出ないのは辛いよね。それは私も分かってる。でも柚、その、これも私のワガママだけど……もうちょっとだけ、頑張ってほしいんだ」
加蓮「私も頑張るから。柚の笑顔を魅せられるステージ、絶対に用意するから」
加蓮「だから――」
柚「…………」
柚「……へへっ」
加蓮「…………柚」
柚「だいじょーぶ。あの時、加蓮サン、柚を見つけてくれたよね。他にもいっぱい女の子はいたのに、柚を見つけてくれた」
柚「女の子なんて星の数ほどいるでしょ? でもアタシの事、人込みの中で見つけ出してくれたのは……加蓮サンだけなんだよっ!」
柚「だから……信じてあげるっ」
加蓮「…………」
柚「ねっ♪」
加蓮「結果が出ないのは辛いよね。それは私も分かってる。でも柚、その、これも私のワガママだけど……もうちょっとだけ、頑張ってほしいんだ」
加蓮「私も頑張るから。柚の笑顔を魅せられるステージ、絶対に用意するから」
加蓮「だから――」
柚「…………」
柚「……へへっ」
加蓮「…………柚」
柚「だいじょーぶ。あの時、加蓮サン、柚を見つけてくれたよね。他にもいっぱい女の子はいたのに、柚を見つけてくれた」
柚「女の子なんて星の数ほどいるでしょ? でもアタシの事、人込みの中で見つけ出してくれたのは……加蓮サンだけなんだよっ!」
柚「だから……信じてあげるっ」
加蓮「…………」
柚「ねっ♪」
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:03:43.39 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………、なにおう。偉そうにっ」グシャグシャ
柚「あぷっ。あ、アタシはアイドル様だぞーっ」
加蓮「このーっ」グシャグシャ
柚「あぷぷっ。今はまだ頼りないかもしれないけど、でもアイドル様だーっ。丁重に扱えーっ」
加蓮「なら私はプロデューサー様だーっ」グシャグシャ
柚「あぷぷぷっ……や、やめてー! ボサボサになるーっ」
加蓮「ふうっ」
柚「へへっ♪」
柚「加蓮サンよく言うよね。やりたいことを見つけなさいって。どういうことやりたいかなーって探すの、最近楽しくなってきたんだっ」
柚「そんで、それをやって二倍楽しい! 楽しいことばっかりなんだよ。加蓮サンが教えてくれたことなんだから!」
柚「えと……さっきのは、その、さっきの加蓮サンと同じ! ちょびっと弱気になっちゃってただけ、ですっ」
柚「あぷっ。あ、アタシはアイドル様だぞーっ」
加蓮「このーっ」グシャグシャ
柚「あぷぷっ。今はまだ頼りないかもしれないけど、でもアイドル様だーっ。丁重に扱えーっ」
加蓮「なら私はプロデューサー様だーっ」グシャグシャ
柚「あぷぷぷっ……や、やめてー! ボサボサになるーっ」
加蓮「ふうっ」
柚「へへっ♪」
柚「加蓮サンよく言うよね。やりたいことを見つけなさいって。どういうことやりたいかなーって探すの、最近楽しくなってきたんだっ」
柚「そんで、それをやって二倍楽しい! 楽しいことばっかりなんだよ。加蓮サンが教えてくれたことなんだから!」
柚「えと……さっきのは、その、さっきの加蓮サンと同じ! ちょびっと弱気になっちゃってただけ、ですっ」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:04:13.33 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん……うん、そっか」
加蓮「あ、そうだ。Pさん、今の話聞いてた?」
P「ん? ああ」
加蓮「前に電話で言ってくれたじゃん。キツイなら交代してもいいって。あれ、やっぱりナシ!」
加蓮「柚のプロデュース、やっぱり私にやらせてよ!」
柚「!」
加蓮「私にやらせてよ。プロデューサーをじゃなくて、柚のプロデュースを!」
加蓮「どんな理由でも、最初にやるって言ったのは私なんだし……前にPさんに交代するかって聞かれた時、一瞬だけ迷っちゃったけどさ」
加蓮「失敗したから辞めるなんてカッコ悪いもん。それに、柚が信じるって言ってくれたから」グイ
柚「わっ」
加蓮「あ、そうだ。Pさん、今の話聞いてた?」
P「ん? ああ」
加蓮「前に電話で言ってくれたじゃん。キツイなら交代してもいいって。あれ、やっぱりナシ!」
加蓮「柚のプロデュース、やっぱり私にやらせてよ!」
柚「!」
加蓮「私にやらせてよ。プロデューサーをじゃなくて、柚のプロデュースを!」
加蓮「どんな理由でも、最初にやるって言ったのは私なんだし……前にPさんに交代するかって聞かれた時、一瞬だけ迷っちゃったけどさ」
加蓮「失敗したから辞めるなんてカッコ悪いもん。それに、柚が信じるって言ってくれたから」グイ
柚「わっ」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:04:43.62 ID:oyrpMvNz0
加蓮「私がグチグチしててもしょうがないよね。柚にはやりたいように思う存分やってほしいし……」
加蓮「だから、私にやらせて。……上手くいかなくても、もう泣き言なんて言わない。さっきみたいなことも絶対にしないから……」
加蓮「……お願いしますっ」
P「加蓮…………」
P「ま、加蓮ならそう言うだろうと思ってたよ」
加蓮「……ふふっ。ありがと、Pさん」
P「いやでも泣き言は別にいいんじゃないか? 人間、愚痴りたくなる時くらいあるさ」
柚「そーそー。アタシだってグチりたくなる時が…………あるっけ?」
P「それもなさそうに見える」
加蓮「あ、私もそう見えるー」
加蓮「だから、私にやらせて。……上手くいかなくても、もう泣き言なんて言わない。さっきみたいなことも絶対にしないから……」
加蓮「……お願いしますっ」
P「加蓮…………」
P「ま、加蓮ならそう言うだろうと思ってたよ」
加蓮「……ふふっ。ありがと、Pさん」
P「いやでも泣き言は別にいいんじゃないか? 人間、愚痴りたくなる時くらいあるさ」
柚「そーそー。アタシだってグチりたくなる時が…………あるっけ?」
P「それもなさそうに見える」
加蓮「あ、私もそう見えるー」
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:05:13.35 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあこれもアタシの友達! 友達がね、よくグチるから大丈夫! 加蓮サンももっとグチっていこう!」
加蓮「ううん、そういう訳にはいかないよ……。柚も怖がらせちゃったし」
柚「だだだ誰がビビリだ! アタシそんなんじゃないし、ないしっ。……ただそのー、ちょっと、びっくりしたかな?」
加蓮「……んー……でも、ごめんね。びっくりさせちゃって」
柚「今日の加蓮サンは謝ってばっかりだねっ」
加蓮「え? ……そういえばそうかも」
柚「でもそんな日もあるよ!」
P「誰だって、調子悪い時くらいあるよな」
柚「きっとこう、加蓮サンは今日の占いビリだったんだ! 明日はいいことあるよっ」
加蓮「……あははっ、だといいね」
加蓮「ううん、そういう訳にはいかないよ……。柚も怖がらせちゃったし」
柚「だだだ誰がビビリだ! アタシそんなんじゃないし、ないしっ。……ただそのー、ちょっと、びっくりしたかな?」
加蓮「……んー……でも、ごめんね。びっくりさせちゃって」
柚「今日の加蓮サンは謝ってばっかりだねっ」
加蓮「え? ……そういえばそうかも」
柚「でもそんな日もあるよ!」
P「誰だって、調子悪い時くらいあるよな」
柚「きっとこう、加蓮サンは今日の占いビリだったんだ! 明日はいいことあるよっ」
加蓮「……あははっ、だといいね」
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:05:43.42 ID:oyrpMvNz0
柚「終わったことはぜんぶ忘れちゃおう。ほらほら、アタシの大福の残り半分! はいっ」
加蓮「ありがと。じゃあ、私も半分にして……はい、柚にあげる」
柚「やったっ、加蓮サン優し――あれ? これ変わってなくない?」
加蓮「ふふっ、そうかもね」
柚「あれー?」
加蓮「はー。…………柚」
柚「うんっ」
加蓮「……お互い、迷わないでやっていこっか。私も、そうするから」
柚「……? 加蓮サンも迷子サンだったの?」
加蓮「ん、まあ、ちょっとね――」
柚「だったらお揃いだっ♪ ……あれ? アタシと加蓮サンってよくお揃いになるよね。もしかしてお似合い? お似合い? きゃーっ、照れちゃうなーっ」バシバシ
加蓮「こら、痛い痛いっ」
加蓮「ありがと。じゃあ、私も半分にして……はい、柚にあげる」
柚「やったっ、加蓮サン優し――あれ? これ変わってなくない?」
加蓮「ふふっ、そうかもね」
柚「あれー?」
加蓮「はー。…………柚」
柚「うんっ」
加蓮「……お互い、迷わないでやっていこっか。私も、そうするから」
柚「……? 加蓮サンも迷子サンだったの?」
加蓮「ん、まあ、ちょっとね――」
柚「だったらお揃いだっ♪ ……あれ? アタシと加蓮サンってよくお揃いになるよね。もしかしてお似合い? お似合い? きゃーっ、照れちゃうなーっ」バシバシ
加蓮「こら、痛い痛いっ」
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:06:13.46 ID:oyrpMvNz0
P「さてと。俺もやりますか!」
柚「おお、加蓮サンにつられてPサンまで燃えてる!」
加蓮「燃えちゃってるね」
P「部下には負けとれん。さー今日も打ち合わせだ、上からイヤミを言われる時間だ、ふははははー」
加蓮「悪役も大変なんだね……」
柚「ボスなのに?」
加蓮「ボスなのに」
P「ほらあれだ、きっとゲームの中ボスとかってこういう気持ちだろうなー。下からはそっぽを向かれ上からはこきつかわれ」トオイメ
柚「加蓮サンはもっとPサンに優しくしてあげるべきだー」
加蓮「え、私が悪いの?」
柚「さー?」
加蓮「…………」
P「今日も大切な部下を守る為にイヤミを言われ続けるぞー、やるぞー、俺ー」トオイメ
加蓮「お、お願いします……?」
柚「おお、加蓮サンにつられてPサンまで燃えてる!」
加蓮「燃えちゃってるね」
P「部下には負けとれん。さー今日も打ち合わせだ、上からイヤミを言われる時間だ、ふははははー」
加蓮「悪役も大変なんだね……」
柚「ボスなのに?」
加蓮「ボスなのに」
P「ほらあれだ、きっとゲームの中ボスとかってこういう気持ちだろうなー。下からはそっぽを向かれ上からはこきつかわれ」トオイメ
柚「加蓮サンはもっとPサンに優しくしてあげるべきだー」
加蓮「え、私が悪いの?」
柚「さー?」
加蓮「…………」
P「今日も大切な部下を守る為にイヤミを言われ続けるぞー、やるぞー、俺ー」トオイメ
加蓮「お、お願いします……?」
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:06:43.49 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:07:13.71 ID:oyrpMvNz0
――営業先――
「なるほど、喜多見柚ちゃんか……。ああ、LIVE映像は見させてもらったよ。前に送ってもらったヤツ」
「そうだね、この辺の仕事なんかはどうだろう。あんまり大きい物とは言えないけど、似合うんじゃないかな? 場を盛り上げるのとか得意そうだし」
「うん、検討してくれていいよ。良い返事を期待しようか」
――営業先――
「ああ、君が噂の。一度会って話を聞いてみたかったんだよねー、どういうつもりなのかって」
「いや君どう見ても学生でしょ? そりゃー学生が社長で会社経営とか学生アイドルがセルフプロデュースとかさ、よく言うけどさ? 実際何考えてんの?」
「子供は子供の、大人は大人の領域。普通に考えてそうだろう?」
「……ほら、そうやってすぐに嫌な顔をする。これだから子供は――」
――営業先――
「え、プロデューサーなの君? ち、ちょっと確認させてもらっていいかな」
「……あー、電話させてもらったけど本当にプロデューサーなんだね。はー、僕もいろんな人と仕事してきたけどこんなのは初めてだね……どうしたらいいんだろうこれ?」
「そんなことよりアイドルを見てくれ? ああそっか、プロデューサーだもんね」
「うーん……パッとしないなぁ。それより君がやってみないかい? 10代のプロデューサーが! とか話題に――駄目? そうか。残念」
「なるほど、喜多見柚ちゃんか……。ああ、LIVE映像は見させてもらったよ。前に送ってもらったヤツ」
「そうだね、この辺の仕事なんかはどうだろう。あんまり大きい物とは言えないけど、似合うんじゃないかな? 場を盛り上げるのとか得意そうだし」
「うん、検討してくれていいよ。良い返事を期待しようか」
――営業先――
「ああ、君が噂の。一度会って話を聞いてみたかったんだよねー、どういうつもりなのかって」
「いや君どう見ても学生でしょ? そりゃー学生が社長で会社経営とか学生アイドルがセルフプロデュースとかさ、よく言うけどさ? 実際何考えてんの?」
「子供は子供の、大人は大人の領域。普通に考えてそうだろう?」
「……ほら、そうやってすぐに嫌な顔をする。これだから子供は――」
――営業先――
「え、プロデューサーなの君? ち、ちょっと確認させてもらっていいかな」
「……あー、電話させてもらったけど本当にプロデューサーなんだね。はー、僕もいろんな人と仕事してきたけどこんなのは初めてだね……どうしたらいいんだろうこれ?」
「そんなことよりアイドルを見てくれ? ああそっか、プロデューサーだもんね」
「うーん……パッとしないなぁ。それより君がやってみないかい? 10代のプロデューサーが! とか話題に――駄目? そうか。残念」
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:07:43.37 ID:oyrpMvNz0
――営業先――
「君が噂のプロデューサーですね。アポが来た時にはついに来たかとつい身構えましたよ……おっと私事で失礼」
「喜多見柚ちゃんですね。なるほど、パッションあふれる女の子……あー、申し訳ありませんがうちではちょっと難しいですね。うち今、そういうのやっていないんですよ」
「こう、身近なアイドルがありふれているからこそ昔ならではのアイドルっぽいアイドルをって風潮になっていまして。ちょっとこの子にはキツイのではないかと……」
「いえいえ。……そう悲しい顔をされないでください。今日は貴重なお話ありがとうございました。また別の企画が立ち上がったらこちらから連絡させていただきますね」
――営業先――
「……え? インターンシップ? あ、違うのか」
「見たとこ高校生……くらいだよね。はー、最近の高校生は何考えてるのかさっぱりでねー」
「ちょっと聞いてくれるかい。この前なんて娘がね――」
「君が噂のプロデューサーですね。アポが来た時にはついに来たかとつい身構えましたよ……おっと私事で失礼」
「喜多見柚ちゃんですね。なるほど、パッションあふれる女の子……あー、申し訳ありませんがうちではちょっと難しいですね。うち今、そういうのやっていないんですよ」
「こう、身近なアイドルがありふれているからこそ昔ならではのアイドルっぽいアイドルをって風潮になっていまして。ちょっとこの子にはキツイのではないかと……」
「いえいえ。……そう悲しい顔をされないでください。今日は貴重なお話ありがとうございました。また別の企画が立ち上がったらこちらから連絡させていただきますね」
――営業先――
「……え? インターンシップ? あ、違うのか」
「見たとこ高校生……くらいだよね。はー、最近の高校生は何考えてるのかさっぱりでねー」
「ちょっと聞いてくれるかい。この前なんて娘がね――」
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:08:13.42 ID:oyrpMvNz0
――数時間後 車内――
加蓮「つかれた」バタン
P「お疲れ。やっぱり車で迎えに行って正解だったな。できれば最初から車を出したかったんだが……」
加蓮「Pさん会議だったんでしょ? しょーがないよ……」ベチョ
柚「加蓮サン、ちょっと前からずっとこうだったよ。移動してる時にアタシが話しかけても反応薄かったしー、つまんなかったっ」
加蓮「つまらなくて悪かったねぇ」ベチョ
P「帰ったら存分に休め。あ、何なら今からどっか休めるとこ入るか? その方がいいな、そうしよう」
加蓮「…………休めるところに入るか? なんてPさんえっちいんだー」
P「は? …………はぁ!?」
柚「???」
P「いやお前っ、俺はそういうつもりじゃ……最初にその発想するお前の方がえ、え、そうだろうが!」
加蓮「あははっ、顔真っ赤ー」
P「ああもう、とっとと帰るぞ!」
加蓮「つかれた」バタン
P「お疲れ。やっぱり車で迎えに行って正解だったな。できれば最初から車を出したかったんだが……」
加蓮「Pさん会議だったんでしょ? しょーがないよ……」ベチョ
柚「加蓮サン、ちょっと前からずっとこうだったよ。移動してる時にアタシが話しかけても反応薄かったしー、つまんなかったっ」
加蓮「つまらなくて悪かったねぇ」ベチョ
P「帰ったら存分に休め。あ、何なら今からどっか休めるとこ入るか? その方がいいな、そうしよう」
加蓮「…………休めるところに入るか? なんてPさんえっちいんだー」
P「は? …………はぁ!?」
柚「???」
P「いやお前っ、俺はそういうつもりじゃ……最初にその発想するお前の方がえ、え、そうだろうが!」
加蓮「あははっ、顔真っ赤ー」
P「ああもう、とっとと帰るぞ!」
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:08:43.47 ID:oyrpMvNz0
加蓮「Pさんってこういうのに免疫ない系だっけ」
P「さーて、安全運転安全運転! あ、そうだ加蓮。営業はどうだ。上司として聞いておかなきゃな。"上司"としてな」
加蓮「流したな。うーん……やっぱ柚と一緒の方が反応はいい感じだよ」
柚「そなの?」
加蓮「うん。いつもはこう……もっと厳しいかも」
P「せっかくの土日だもんな」
加蓮「でもそれ以上に、学生2人が遊びに来たみたいな対応されることがあってウザかった」
P「あー……」
柚「最近の高校生って何考えてんのか分かんないー、みたいな話を聞かされちゃったよね」
加蓮「そーそー。なんか娘が反抗期で訳分からなくて、とかなんとか」
柚「そのせいでアイドルからもちょっと避けられちゃってるんだって!」
加蓮「いろいろ話してたら最後には、参考にさせていただきますってすごい礼儀正しくなってさー」
柚「終わった後に、あれっアイドルの話は!? ってなっちゃってっ」
加蓮「2人揃って頭を抱えたんだっけ」
P「ぷはっ……ははっ、お、面白いことやってるんだな、2人とも」
加蓮「笑い話じゃなーいー」パタパタ
柚「そーだそーだっ」パタパタ
P「さーて、安全運転安全運転! あ、そうだ加蓮。営業はどうだ。上司として聞いておかなきゃな。"上司"としてな」
加蓮「流したな。うーん……やっぱ柚と一緒の方が反応はいい感じだよ」
柚「そなの?」
加蓮「うん。いつもはこう……もっと厳しいかも」
P「せっかくの土日だもんな」
加蓮「でもそれ以上に、学生2人が遊びに来たみたいな対応されることがあってウザかった」
P「あー……」
柚「最近の高校生って何考えてんのか分かんないー、みたいな話を聞かされちゃったよね」
加蓮「そーそー。なんか娘が反抗期で訳分からなくて、とかなんとか」
柚「そのせいでアイドルからもちょっと避けられちゃってるんだって!」
加蓮「いろいろ話してたら最後には、参考にさせていただきますってすごい礼儀正しくなってさー」
柚「終わった後に、あれっアイドルの話は!? ってなっちゃってっ」
加蓮「2人揃って頭を抱えたんだっけ」
P「ぷはっ……ははっ、お、面白いことやってるんだな、2人とも」
加蓮「笑い話じゃなーいー」パタパタ
柚「そーだそーだっ」パタパタ
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:09:13.48 ID:oyrpMvNz0
P「はいはい、悪かったよ。おっと赤信号」ブレーキ
P「ま、その……なんだ。いつかはいい結果が出るさ。気長にやっていこう」
加蓮「大丈夫。私は柚のプロデューサーだもんね」
柚「そしてアタシが加蓮サンのアイドル!」
加蓮「やるって決めたんだからやるよ。もう泣き言も弱音もいらないよ。そういうの、好きじゃないもん」
P「加蓮……」
加蓮「それに、そんなことしてたら頑張ってる柚にも失礼だもん」
柚「えー? 柚は別にいいのに。加蓮サンはもっと柔らかくなっていいと思うな!」
加蓮「柔らかく?」
柚「まろやかに!」
加蓮「まろやかに」
柚「そんでもってー、コクがある!」
加蓮「コクがあるんだ」
柚「最後に牛乳を入れよう!」
加蓮「シチューかっ」ズビシ
柚「あたっ」
P「ま、その……なんだ。いつかはいい結果が出るさ。気長にやっていこう」
加蓮「大丈夫。私は柚のプロデューサーだもんね」
柚「そしてアタシが加蓮サンのアイドル!」
加蓮「やるって決めたんだからやるよ。もう泣き言も弱音もいらないよ。そういうの、好きじゃないもん」
P「加蓮……」
加蓮「それに、そんなことしてたら頑張ってる柚にも失礼だもん」
柚「えー? 柚は別にいいのに。加蓮サンはもっと柔らかくなっていいと思うな!」
加蓮「柔らかく?」
柚「まろやかに!」
加蓮「まろやかに」
柚「そんでもってー、コクがある!」
加蓮「コクがあるんだ」
柚「最後に牛乳を入れよう!」
加蓮「シチューかっ」ズビシ
柚「あたっ」
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:09:43.51 ID:oyrpMvNz0
P「おいしそうだな」
加蓮「女の子においしそうって言うなんてPさんえっ」
P「すぐそっちに持ってくお前の方だろそれは! 中学生の男子か!」
加蓮「社会人の女子でーす。高校生兼社会人」
柚「加蓮サンってカレーって言うよりシチューって感じだよね。Pサンもそう思わない?」
P「お、おう?」
加蓮「じゃあカレーらしい人ってどういう人なの?」
柚「うーん。Pサンみたいな人?」
P「俺か」
加蓮「Pさんがカレーかぁ。……あ、でもなんとなく分かるかも」
柚「でしょでしょ?」
加蓮「女の子においしそうって言うなんてPさんえっ」
P「すぐそっちに持ってくお前の方だろそれは! 中学生の男子か!」
加蓮「社会人の女子でーす。高校生兼社会人」
柚「加蓮サンってカレーって言うよりシチューって感じだよね。Pサンもそう思わない?」
P「お、おう?」
加蓮「じゃあカレーらしい人ってどういう人なの?」
柚「うーん。Pサンみたいな人?」
P「俺か」
加蓮「Pさんがカレーかぁ。……あ、でもなんとなく分かるかも」
柚「でしょでしょ?」
110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:10:13.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「でも一応だけ聞いとこ。Pさんのどの辺がカレーだと思う?」
柚「うーん。どこだろ。顔の形……とか?」
加蓮「分かった。真面目に考えない方がいいってことだね」
柚「そゆこと!」
加蓮「自分で言うんかい……」
P「カレーはみんな大好きだからな」
加蓮「でもPさんは上の人達からアレな感じだよね、今」
P「カレーはな、パッと見たら美味しそうだって期待されるからさ。変なカレーは変な料理よりヘイト稼ぐんだ、余計に」
加蓮「えーと……つまり期待された後にガッカリされたってこと?」
P「まあ最初から期待されてるかも怪しいもんだが」
加蓮「…………うーん」
柚「うーん。どこだろ。顔の形……とか?」
加蓮「分かった。真面目に考えない方がいいってことだね」
柚「そゆこと!」
加蓮「自分で言うんかい……」
P「カレーはみんな大好きだからな」
加蓮「でもPさんは上の人達からアレな感じだよね、今」
P「カレーはな、パッと見たら美味しそうだって期待されるからさ。変なカレーは変な料理よりヘイト稼ぐんだ、余計に」
加蓮「えーと……つまり期待された後にガッカリされたってこと?」
P「まあ最初から期待されてるかも怪しいもんだが」
加蓮「…………うーん」
111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:10:43.52 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン加蓮サン。真面目に考え過ぎたら疲れちゃうよ? たまにはお休みして、アイスクリームみたいになろう!」
加蓮「アイス?」
柚「アイス!」
加蓮「なんでアイス」
柚「アイスって美味しいじゃん! さすがに今食べるのはちょっと早いけどっ」
加蓮「…………Pさん助けて。担当アイドルについていけない」
P「それは全国数百万人のプロデューサーが皆等しく抱える課題だ。頑張れ」
加蓮「マジ? 大変なんだね、プロデューサーって……」
P「そして上司が何を言ってるのか分からないのも全国数億人のサラリーマンが等しく抱える課題だ」
加蓮「ホントに大変だー」
P「さて、青信号っと」アクセル
……。
…………。
加蓮「アイス?」
柚「アイス!」
加蓮「なんでアイス」
柚「アイスって美味しいじゃん! さすがに今食べるのはちょっと早いけどっ」
加蓮「…………Pさん助けて。担当アイドルについていけない」
P「それは全国数百万人のプロデューサーが皆等しく抱える課題だ。頑張れ」
加蓮「マジ? 大変なんだね、プロデューサーって……」
P「そして上司が何を言ってるのか分からないのも全国数億人のサラリーマンが等しく抱える課題だ」
加蓮「ホントに大変だー」
P「さて、青信号っと」アクセル
……。
…………。
112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:11:13.43 ID:oyrpMvNz0
P「よし、柚ちゃん到着だ」
柚「もう着いちゃったかー。じゃあ、お疲れ様! 加蓮サン、Pサン!」
加蓮「お疲れ様」
柚「また明日ねっ」バイバーイ
P「おーう」
ブロロロロ...
加蓮「さて、私たちは事務所に戻らなきゃ」
P「……あのさ加蓮、」
加蓮「いいから。プロデューサーとして最低限のことくらいはやるよ。営業が終わったら書類整理、あと必要ならメールや電話で連絡。きっちりPさんにも報告しなきゃ」
P「……はいはい、仰せのままに」
柚「もう着いちゃったかー。じゃあ、お疲れ様! 加蓮サン、Pサン!」
加蓮「お疲れ様」
柚「また明日ねっ」バイバーイ
P「おーう」
ブロロロロ...
加蓮「さて、私たちは事務所に戻らなきゃ」
P「……あのさ加蓮、」
加蓮「いいから。プロデューサーとして最低限のことくらいはやるよ。営業が終わったら書類整理、あと必要ならメールや電話で連絡。きっちりPさんにも報告しなきゃ」
P「……はいはい、仰せのままに」
113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:11:43.35 ID:oyrpMvNz0
ブロロロロ...
P「そういえば加蓮。お前が営業に回ってること、ちょっと有名になっているみたいだぞ?」
加蓮「そなの?」
P「別件で打ち合わせに行った時とか、そういえばお宅って若い子が営業やってません? とか割と聞かれるんだ」
加蓮「そういえば、噂のとか例のとかって言われたっけ」
P「うちの事務所にも電話が来てるらしい」
P「面白そうだからうちも話してみたいっていうのと、あとはまあ……どうしてもさ。あんな子供が営業してるなんてどういうことだ! みたいなのもあるって」
加蓮「……やっぱそう見られちゃうよね」
P「しょうがないさ」
加蓮「もしかしてその電話のことって、上の人から聞いたの? Pさんの上司の人から」
P「おう。はは、この前とかまたイヤミを言われたぞ? お陰でうちのプロダクションがイロモノみたいに見られてるって」
加蓮「……ごめん」
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:12:13.57 ID:oyrpMvNz0
P「まあ待て、続きを聞け。そこで俺はこう言ってやったんだ。何を言っているんですか、うちの事務所系列は社長を筆頭に最初からイロモノづくしじゃないですか、っていうか狙ってる面あるでしょ? って」
加蓮「確かに、個性派揃いだもんね」
P「そしたらみんなして黙りこんでさ。そして数時間後、俺の元に大量のタスクが振り込まれてきた」
加蓮「え、大丈夫なのそれ?」
P「事務職舐めんなよ? それにこれもチャンスだ。1日じゃ無理だと思われてるのを1日で片付けてドヤ顔するってドラマとかでよくあるシチュだろ? 俺、ああいうの憧れててさ」
加蓮「あははっ、ちょっと分かるかも」
P「まあ3日かかったけど」
加蓮「かっこわるーい」
P「しかし上司は1週間はかかるだろうと予測していたんだとさ。結果オーライだな」
加蓮「よかったね、Pさん」
P「悔しまみれのイヤミが耳に心地よかったぞ」
加蓮「性格わるーい」
加蓮「確かに、個性派揃いだもんね」
P「そしたらみんなして黙りこんでさ。そして数時間後、俺の元に大量のタスクが振り込まれてきた」
加蓮「え、大丈夫なのそれ?」
P「事務職舐めんなよ? それにこれもチャンスだ。1日じゃ無理だと思われてるのを1日で片付けてドヤ顔するってドラマとかでよくあるシチュだろ? 俺、ああいうの憧れててさ」
加蓮「あははっ、ちょっと分かるかも」
P「まあ3日かかったけど」
加蓮「かっこわるーい」
P「しかし上司は1週間はかかるだろうと予測していたんだとさ。結果オーライだな」
加蓮「よかったね、Pさん」
P「悔しまみれのイヤミが耳に心地よかったぞ」
加蓮「性格わるーい」
115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:12:43.45 ID:oyrpMvNz0
P「はっはっは。それにな――」
加蓮「それに?」
P「…………まあその、なんだ。この前さ、柚ちゃんのプロデューサーは自分がやるって加蓮が言った時にさ」
P「なんていうかな。ああ、俺の知ってる加蓮だ、って思ってさ」
加蓮「…………」
P「やりたいことを見つけたら、無理でも無茶でも突き通す。多少何かあろうとすぐに起き上がる。簡単には諦めたりしない。そういうのが、俺の惚れ――知ってる加蓮だ」
P「どんなことになっても、加蓮が俺の知る加蓮でホッとした」
P「それに、そういうのを見たら、俺だって頑張らないとってなってさ。1週間分の書類を3日で片付けるなんて余裕も余裕だってもんだ」
加蓮「そっか……」
加蓮「…………」
加蓮「それに?」
P「…………まあその、なんだ。この前さ、柚ちゃんのプロデューサーは自分がやるって加蓮が言った時にさ」
P「なんていうかな。ああ、俺の知ってる加蓮だ、って思ってさ」
加蓮「…………」
P「やりたいことを見つけたら、無理でも無茶でも突き通す。多少何かあろうとすぐに起き上がる。簡単には諦めたりしない。そういうのが、俺の惚れ――知ってる加蓮だ」
P「どんなことになっても、加蓮が俺の知る加蓮でホッとした」
P「それに、そういうのを見たら、俺だって頑張らないとってなってさ。1週間分の書類を3日で片付けるなんて余裕も余裕だってもんだ」
加蓮「そっか……」
加蓮「…………」
116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:13:13.21 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……ん? さっき、『俺の惚れた』って言った?」
P「げっ」
加蓮「惚れたって言った!? ねえねえ、言ったでしょ!」グイグイ
P「き、聞き流せよそういうのは!」
加蓮「ふっふーん。そっかぁ、やっぱりPさんは私のことが好きなんだねー。ふふっ。ねえ、やっぱりどこかで休憩――」
P「せん!」
P「これはその、いわゆるアレだ、人として惚れたってヤツだ! 男とか女じゃなくて!」
加蓮「ちぇ。意地なんて張らなくていいのに」
P「世界中の誰よりもお前にだけは言われたくないわ! ……くそっ真面目な話をしてたらすぐこうだ! なんでだよ、前の加蓮はもっとこう、真面目ムード一色って感じだったろ!」
加蓮「そっかなー。柚に影響されたかも?」
P「げっ」
加蓮「惚れたって言った!? ねえねえ、言ったでしょ!」グイグイ
P「き、聞き流せよそういうのは!」
加蓮「ふっふーん。そっかぁ、やっぱりPさんは私のことが好きなんだねー。ふふっ。ねえ、やっぱりどこかで休憩――」
P「せん!」
P「これはその、いわゆるアレだ、人として惚れたってヤツだ! 男とか女じゃなくて!」
加蓮「ちぇ。意地なんて張らなくていいのに」
P「世界中の誰よりもお前にだけは言われたくないわ! ……くそっ真面目な話をしてたらすぐこうだ! なんでだよ、前の加蓮はもっとこう、真面目ムード一色って感じだったろ!」
加蓮「そっかなー。柚に影響されたかも?」
117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:13:43.52 ID:oyrpMvNz0
P「柚ちゃんか。恐いなぁあの子は。話してたら俺まで学生に戻った気分になりやがる」
加蓮「柚と話してるPさんって、なんか子供っぽくなるよね」
P「やっぱそうなってる? ……まあいいや。ともあれ、あんま迷惑とか考えなくていいんだぞ? 加蓮が成功するまでの必要経費だって思えばいいさ」
加蓮「……うん」
P「あ、でも無理はするなよ。疲れたらすぐに連絡しろ……いや、そう言っても加蓮はしないよな。じゃあ俺が連絡した時は素直に疲れたと言え……で素直になったら苦労しねえか。ううむ……」
加蓮「何1人でブツブツ言ってるの? それにPさん、やっぱり心配性すぎだってば」
P「誰かが見てないとお前、ブレーキぶっ壊して突っ走り続けるだろ」
加蓮「それは……そうかもしれないけど」
P「だろ? ううむ……やっぱり外回り系の営業は俺が――」
加蓮「やだ。私がやる」
P「だよなぁ……」
加蓮「柚と話してるPさんって、なんか子供っぽくなるよね」
P「やっぱそうなってる? ……まあいいや。ともあれ、あんま迷惑とか考えなくていいんだぞ? 加蓮が成功するまでの必要経費だって思えばいいさ」
加蓮「……うん」
P「あ、でも無理はするなよ。疲れたらすぐに連絡しろ……いや、そう言っても加蓮はしないよな。じゃあ俺が連絡した時は素直に疲れたと言え……で素直になったら苦労しねえか。ううむ……」
加蓮「何1人でブツブツ言ってるの? それにPさん、やっぱり心配性すぎだってば」
P「誰かが見てないとお前、ブレーキぶっ壊して突っ走り続けるだろ」
加蓮「それは……そうかもしれないけど」
P「だろ? ううむ……やっぱり外回り系の営業は俺が――」
加蓮「やだ。私がやる」
P「だよなぁ……」
118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:14:13.95 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
P「…………分かったよ。でも心配くらいはさせてくれよ?」
加蓮「うん」
ブロロロロ...
P「…………分かったよ。でも心配くらいはさせてくれよ?」
加蓮「うん」
ブロロロロ...
119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:14:43.54 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:15:13.38 ID:oyrpMvNz0
――営業先――
「へぇ、プロデューサーなんだ君。セルフプロデュースってヤツ? え? 違う?」
「喜多見柚ちゃんか……あー知ってる知ってる。前にデパートのイベントに出てた子でしょ」
「意外? いやいや、こういう業界は足こそ最大の武器って言うだろう? 言ってるの僕だけだけど」
「それに気になってたんだよね。あ、楽しそうにやってる、って。へえ、君んところのアイドルだったんだ」
「資料があるの? ちょっと見せてよ……ふむふむ、なるほど。へえ、いい顔してるね。この子はきっと大物になるよ――大物にしてみせる? ほお」
「あ、LIVE映像もあるんだ。今見ていいかい?」
「……へえ…………」
「うん。そうだね……これは……うーむ……」
「レッスンの映像まであるの? ちょっと拝見。……ふむ……」
「よし、分かった。良ければ今度、このLIVEの枠が空いてるからさ、柚ちゃん? に出てもらえないかな」
「へぇ、プロデューサーなんだ君。セルフプロデュースってヤツ? え? 違う?」
「喜多見柚ちゃんか……あー知ってる知ってる。前にデパートのイベントに出てた子でしょ」
「意外? いやいや、こういう業界は足こそ最大の武器って言うだろう? 言ってるの僕だけだけど」
「それに気になってたんだよね。あ、楽しそうにやってる、って。へえ、君んところのアイドルだったんだ」
「資料があるの? ちょっと見せてよ……ふむふむ、なるほど。へえ、いい顔してるね。この子はきっと大物になるよ――大物にしてみせる? ほお」
「あ、LIVE映像もあるんだ。今見ていいかい?」
「……へえ…………」
「うん。そうだね……これは……うーむ……」
「レッスンの映像まであるの? ちょっと拝見。……ふむ……」
「よし、分かった。良ければ今度、このLIVEの枠が空いてるからさ、柚ちゃん? に出てもらえないかな」
121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:15:43.74 ID:oyrpMvNz0
「あれ、意外そうな顔してるね。上手くいくとは思わなかった? あはは、確かにこの業界、頭が堅いの多いよね。分かる分かる」
「でもこれからは新しい時代だ。若い子のアイドルデビューも増えてるんだから、若い子のプロデューサーデビューがあって当然」
「うん? もちろん持ち帰っていいよ。契約は大人を介した方がトラブルも少ないからね」
「え? 仕事の範囲と契約料……まだ試算だけどこれくらいを考えているかな。費用負担はこれくらいで……」
「……なるほど。持ち帰る前にいくつか聞きたい訳。もちろん話せる範囲で話そう。これで信じてくれるかな?」
「いやいや、謝らなくていいとも。こんな業界だから疑い深くなるのは当然だろう」
「それに君はアイドルを大切にしているみたいだね。見ていて分かるよ。変な契約でアイドルを傷つける話はよくあるからねえ」
「もういいかい? ……じゃあ、そっちで詰めてからまたってことで。こっちとしては快い返事を期待してるけどね。次は……3日後とかどうかな。オッケー? よし、じゃあそのPさんって上司と一緒に。ああ、もちろん柚ちゃんともだね」
「でもこれからは新しい時代だ。若い子のアイドルデビューも増えてるんだから、若い子のプロデューサーデビューがあって当然」
「うん? もちろん持ち帰っていいよ。契約は大人を介した方がトラブルも少ないからね」
「え? 仕事の範囲と契約料……まだ試算だけどこれくらいを考えているかな。費用負担はこれくらいで……」
「……なるほど。持ち帰る前にいくつか聞きたい訳。もちろん話せる範囲で話そう。これで信じてくれるかな?」
「いやいや、謝らなくていいとも。こんな業界だから疑い深くなるのは当然だろう」
「それに君はアイドルを大切にしているみたいだね。見ていて分かるよ。変な契約でアイドルを傷つける話はよくあるからねえ」
「もういいかい? ……じゃあ、そっちで詰めてからまたってことで。こっちとしては快い返事を期待してるけどね。次は……3日後とかどうかな。オッケー? よし、じゃあそのPさんって上司と一緒に。ああ、もちろん柚ちゃんともだね」
122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:16:13.35 ID:oyrpMvNz0
「いやいやこっちこそ。そんなに頭を下げられると恐縮しちゃうなー」
「あ、そうだ。1つだけ質問いいかな?」
「君、もしかして前にさ、」
「あ、そうだ。1つだけ質問いいかな?」
「君、もしかして前にさ、」
123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:16:43.65 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「ただいま! 柚、柚いる!?」
P「うおっ。なんだ加蓮。いつになくハイテンションだな」
加蓮「柚は!?」
P「柚ちゃんならその辺に……あれ、いないな。トイレにでも行ったか」
加蓮「うーっ、こんな時に限って!」
P「おいおい何があったんだ?」
加蓮「それが実は――」
<ガチャ
柚「あ、加蓮サン! おかえり――」
加蓮「柚ーっ!」ダキッ
柚「わぷっ!? な、なになに!? 加蓮サンどしたの!?」
加蓮「ただいま! 柚、柚いる!?」
P「うおっ。なんだ加蓮。いつになくハイテンションだな」
加蓮「柚は!?」
P「柚ちゃんならその辺に……あれ、いないな。トイレにでも行ったか」
加蓮「うーっ、こんな時に限って!」
P「おいおい何があったんだ?」
加蓮「それが実は――」
<ガチャ
柚「あ、加蓮サン! おかえり――」
加蓮「柚ーっ!」ダキッ
柚「わぷっ!? な、なになに!? 加蓮サンどしたの!?」
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:17:14.21 ID:oyrpMvNz0
加蓮「見て、見て見て! これ、柚の仕事! LIVE! 取ってきた!」
柚「LIVE――お、アタシこのイベント知ってる! 毎年4回やってるヤツだよねっ。って……え? アタシに、このLIVE……?」
加蓮「うんっ。ほら、ローカルだけじゃなくて全国放送のテレビも来るし記者だっていっぱい!」
P「お、おいちょっと見せろっ。……これ、え、この仕事、加蓮お前……!?」
柚「アタシが出られるの!?」
加蓮「うん。うんっ。柚の映像を見せたら是非って。3日後にPさんと柚を連れて来いって。すごい良い反応だった! 面白そうだって言ってくれた!」
P「そっか……そっか! よかったな加蓮! 柚ちゃんも!」
柚「アタシ……うんっ! あの、えと、れ、レッスンだっ。今からいっぱいレッスンっ」
加蓮「うん! 行こ、柚!」
P「あ、おいちょっと詳しく――」
<バタン
<ね、ね、何歌お! この前のがいいかな、それともこっちがいいかなっ
<全部やっちゃおうよ! 何曲か歌えるLIVEだし!
<じゃあ練習しなきゃ! 全部!
P「……はは」ヒロイアゲ
柚「LIVE――お、アタシこのイベント知ってる! 毎年4回やってるヤツだよねっ。って……え? アタシに、このLIVE……?」
加蓮「うんっ。ほら、ローカルだけじゃなくて全国放送のテレビも来るし記者だっていっぱい!」
P「お、おいちょっと見せろっ。……これ、え、この仕事、加蓮お前……!?」
柚「アタシが出られるの!?」
加蓮「うん。うんっ。柚の映像を見せたら是非って。3日後にPさんと柚を連れて来いって。すごい良い反応だった! 面白そうだって言ってくれた!」
P「そっか……そっか! よかったな加蓮! 柚ちゃんも!」
柚「アタシ……うんっ! あの、えと、れ、レッスンだっ。今からいっぱいレッスンっ」
加蓮「うん! 行こ、柚!」
P「あ、おいちょっと詳しく――」
<バタン
<ね、ね、何歌お! この前のがいいかな、それともこっちがいいかなっ
<全部やっちゃおうよ! 何曲か歌えるLIVEだし!
<じゃあ練習しなきゃ! 全部!
P「……はは」ヒロイアゲ
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:17:43.79 ID:oyrpMvNz0
P「まったく、仮にも上司なんだぞ俺は? まったく」
P「それに書類を投げっぱなしにするなよ……ん?」
P「この担当者、確か前に――」
P「それに書類を投げっぱなしにするなよ……ん?」
P「この担当者、確か前に――」
126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:18:13.42 ID:oyrpMvNz0
――レッスンスタジオ――
柚「~~♪ ~~~♪」クルッ
柚「とや~~~っ」ギュイギュイ
柚「えいっ」シュタッ
柚「~~~~~~♪」
……。
…………。
柚「はいっ」ビシッ
トレーナー「そこまで! 喜多見さん、すごく良くなってるじゃないですか!」
柚「へへっ、そう?」
トレ「今度、大きなLIVEがあるんですよね。よーし、ではもうワンステップを目指しましょうか! 今の喜多見さんならできますよ、絶対に!」
柚「やってみるっ。お願いします、トレーナーさん!」
……。
…………。
柚「~~♪ ~~~♪」クルッ
柚「とや~~~っ」ギュイギュイ
柚「えいっ」シュタッ
柚「~~~~~~♪」
……。
…………。
柚「はいっ」ビシッ
トレーナー「そこまで! 喜多見さん、すごく良くなってるじゃないですか!」
柚「へへっ、そう?」
トレ「今度、大きなLIVEがあるんですよね。よーし、ではもうワンステップを目指しましょうか! 今の喜多見さんならできますよ、絶対に!」
柚「やってみるっ。お願いします、トレーナーさん!」
……。
…………。
127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:18:43.56 ID:oyrpMvNz0
トレ「ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー! もっと笑顔で!」
柚「うんっ。~~~~♪ ~~~~~♪」
トレ「動きが疎かになってますよ! もっと大きく動いて!」
柚「~~~~、~~~~~」グイグイ
トレ「今度は歌が雑になってます! しっかり集中してください!」
柚「はいっ! ~~~~♪ ~~~~~♪」グイグイ
トレ「そうそうその調子! そこでターンっ」
トレ「そこまで!」
柚「はっ、はっ……へへっ……アイドルってこんな感じなんだ。アタシ、今すごくそれが分かってるっ。いい感じかも!」
トレ「はい、とってもいいですよ!」
柚「でもアタシ……もっとやりたいようにやるっ。加蓮サン――プロデューサーサンとそう約束してるんだっ。えと、いいのかな、もっとやっても」
トレ「ふふ、前にプロデューサーさんが言っていましたよ。喜多見さんは自由にやっている方が魅力的だって。私も、そう思います」
トレ「……新しい振り付け、考えてみますか?」
柚「やるやる!」
柚「うんっ。~~~~♪ ~~~~~♪」
トレ「動きが疎かになってますよ! もっと大きく動いて!」
柚「~~~~、~~~~~」グイグイ
トレ「今度は歌が雑になってます! しっかり集中してください!」
柚「はいっ! ~~~~♪ ~~~~~♪」グイグイ
トレ「そうそうその調子! そこでターンっ」
トレ「そこまで!」
柚「はっ、はっ……へへっ……アイドルってこんな感じなんだ。アタシ、今すごくそれが分かってるっ。いい感じかも!」
トレ「はい、とってもいいですよ!」
柚「でもアタシ……もっとやりたいようにやるっ。加蓮サン――プロデューサーサンとそう約束してるんだっ。えと、いいのかな、もっとやっても」
トレ「ふふ、前にプロデューサーさんが言っていましたよ。喜多見さんは自由にやっている方が魅力的だって。私も、そう思います」
トレ「……新しい振り付け、考えてみますか?」
柚「やるやる!」
128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:19:13.41 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
柚「~~~♪ ~~~♪! ~~~~~♪」グイグイ
トレ「ワン、ツー、スリー! もっと大きく見せてもいいですよ! もっと楽しそうに!」
柚「はいっ! ~~~~~~♪」
加蓮「…………」
トレ「そこまで! ……どうですか、北条さん。いえ、プロデューサーさん」
加蓮「…………柚」
柚「は、はいっ」ビクッ
加蓮「いい顔してるじゃん。それでこそ柚だよ……それでこそ、柚だよ!」グッ
柚「……へへっ♪ だって加蓮サン、アタシを信じてくれるんだもん。アタシも、もっと頑張らなくちゃ!」
柚「トレーナーサン、もっかい!」
トレ「大丈夫ですか? そろそろ休憩――」
柚「いいのっ。加蓮サンの前でいいとこ見せなきゃっ」
…………。
柚「~~~♪ ~~~♪! ~~~~~♪」グイグイ
トレ「ワン、ツー、スリー! もっと大きく見せてもいいですよ! もっと楽しそうに!」
柚「はいっ! ~~~~~~♪」
加蓮「…………」
トレ「そこまで! ……どうですか、北条さん。いえ、プロデューサーさん」
加蓮「…………柚」
柚「は、はいっ」ビクッ
加蓮「いい顔してるじゃん。それでこそ柚だよ……それでこそ、柚だよ!」グッ
柚「……へへっ♪ だって加蓮サン、アタシを信じてくれるんだもん。アタシも、もっと頑張らなくちゃ!」
柚「トレーナーサン、もっかい!」
トレ「大丈夫ですか? そろそろ休憩――」
柚「いいのっ。加蓮サンの前でいいとこ見せなきゃっ」
129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:19:43.68 ID:oyrpMvNz0
加蓮「こーら。私の前じゃなくて、ファンの前でいいとこ見せるんでしょ?」
柚「そだった! じゃあ今は加蓮サンがアタシのファンだ!」
加蓮「ふふっ、じゃあコール入れてあげるね」
柚「ホント!? もっともっとやる気出ちゃうっ」
トレ「やりすぎて転倒しないようにしてくださいね? じゃ、頭からもう1度――」
……。
柚「ぎゃうっ」ズテッ
トレ「あ……」
柚「あ、アハハ……調子乗っちゃった?」
トレ「あー……もっと調子に乗ってる方がそこにいらっしゃいますから」
加蓮「ぜー、ぜー……ぜ、全力出しすぎたぁ……」ゼェハァ
柚「そだった! じゃあ今は加蓮サンがアタシのファンだ!」
加蓮「ふふっ、じゃあコール入れてあげるね」
柚「ホント!? もっともっとやる気出ちゃうっ」
トレ「やりすぎて転倒しないようにしてくださいね? じゃ、頭からもう1度――」
……。
柚「ぎゃうっ」ズテッ
トレ「あ……」
柚「あ、アハハ……調子乗っちゃった?」
トレ「あー……もっと調子に乗ってる方がそこにいらっしゃいますから」
加蓮「ぜー、ぜー……ぜ、全力出しすぎたぁ……」ゼェハァ
130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:20:13.48 ID:oyrpMvNz0
柚「あ、アハハ。でも加蓮サンの声、ちゃんと聞こえてたよ。だからやる気になりすぎちゃったっ」
加蓮「……大丈夫。バランス、取っていこう。転ばないギリギリのところまでテンション上げていこう。きっとみんな、そんな柚を望んでるから」
柚「はーいっ。やってみる!」
トレ「ふふ。いいアドバイスするんですね」
加蓮「……これでもプロデューサーですから、ゲホッ! あ、こら柚、まだ曲かかってないんだから踊り出すなっ」
……。
…………。
トレ「――そこまで! もう完璧ですね。これなら明日のLIVEも問題ないでしょう!」
柚「はぁ、はぁ、や、やったっ」
加蓮「……大丈夫。バランス、取っていこう。転ばないギリギリのところまでテンション上げていこう。きっとみんな、そんな柚を望んでるから」
柚「はーいっ。やってみる!」
トレ「ふふ。いいアドバイスするんですね」
加蓮「……これでもプロデューサーですから、ゲホッ! あ、こら柚、まだ曲かかってないんだから踊り出すなっ」
……。
…………。
トレ「――そこまで! もう完璧ですね。これなら明日のLIVEも問題ないでしょう!」
柚「はぁ、はぁ、や、やったっ」
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:20:43.37 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん。ダンスもオッケー、ボーカルも問題なし。衣装もこの前に合わせてみたからいい――――――……あ!」
柚「へ?」
加蓮「ヤバ……ッ! MCパート! 何喋るか考えてない!」
柚「え、えむしー?」
加蓮「ほら、曲と曲の間になんか喋るヤツ! 今まで柚って1曲だけのLIVEばっかだったから最初と最後だけでよかったけど今回は……!」
加蓮「どうしよ……今から台本作る? 柚に覚えさせる? 間に合うかな……とにかく簡単に、いやでもそれじゃファンを増やせるか……」
トレ「大丈夫だと思いますよ、プロデューサーさん」
加蓮「……へ?」
トレ「喜多見さん、アドリブにすごく強いですから。気がつけば新しい振付が増えてて、でもしっかりダンスは構成できてて。って、それくらいプロデューサーさんなら知っているのでは?」
加蓮「柚…………」
柚「?」
柚「へ?」
加蓮「ヤバ……ッ! MCパート! 何喋るか考えてない!」
柚「え、えむしー?」
加蓮「ほら、曲と曲の間になんか喋るヤツ! 今まで柚って1曲だけのLIVEばっかだったから最初と最後だけでよかったけど今回は……!」
加蓮「どうしよ……今から台本作る? 柚に覚えさせる? 間に合うかな……とにかく簡単に、いやでもそれじゃファンを増やせるか……」
トレ「大丈夫だと思いますよ、プロデューサーさん」
加蓮「……へ?」
トレ「喜多見さん、アドリブにすごく強いですから。気がつけば新しい振付が増えてて、でもしっかりダンスは構成できてて。って、それくらいプロデューサーさんなら知っているのでは?」
加蓮「柚…………」
柚「?」
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:21:13.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……そか。そうだね。堅苦しく考えすぎてもダメか」
トレ「でも最低限、喋ることくらいは決めておきましょう。はい、今日のレッスンはここまで! 喜多見さん、あとは体をしっかり休めておいてくださいね」
柚「はーいっ」
トレ「まだお昼ですし、これからでも間に合いますよ。プロデューサーさん」
加蓮「……オッケ。柚、シャワー浴びて事務所に戻ろう。ミーティングだ」
柚「うんっ。先に行ってて。アタシもすぐ行くから!」
……。
…………。
トレ「でも最低限、喋ることくらいは決めておきましょう。はい、今日のレッスンはここまで! 喜多見さん、あとは体をしっかり休めておいてくださいね」
柚「はーいっ」
トレ「まだお昼ですし、これからでも間に合いますよ。プロデューサーさん」
加蓮「……オッケ。柚、シャワー浴びて事務所に戻ろう。ミーティングだ」
柚「うんっ。先に行ってて。アタシもすぐ行くから!」
……。
…………。
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:21:43.51 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
加蓮「――ってこと。MCパートについては分かった?」
柚「うんっと……何か喋ればいいんだよね?」
加蓮「そ。今日はありがとー、とか、次はこの歌、とか。最低限はその辺り。あとは……最近にあったこととか、LIVEで伝えたいこととかそういうの」
加蓮「ファンが聞いてて楽しいって思うためにやるの。何かある? 喋るネタ」
柚「うーん…………」
柚「伝えたいこと……?」
加蓮「ん?」
柚「うーん…………」
柚「加蓮サンの話とか?」
加蓮「それは――……ちょっとマズイかも。もっと他のない?」
加蓮「――ってこと。MCパートについては分かった?」
柚「うんっと……何か喋ればいいんだよね?」
加蓮「そ。今日はありがとー、とか、次はこの歌、とか。最低限はその辺り。あとは……最近にあったこととか、LIVEで伝えたいこととかそういうの」
加蓮「ファンが聞いてて楽しいって思うためにやるの。何かある? 喋るネタ」
柚「うーん…………」
柚「伝えたいこと……?」
加蓮「ん?」
柚「うーん…………」
柚「加蓮サンの話とか?」
加蓮「それは――……ちょっとマズイかも。もっと他のない?」
134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:22:13.82 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあ、レッスンのこととか? あっ、学校のこととか!」
加蓮「そうそうそんな感じ」
柚「お菓子が美味しかった話っ」
加蓮「それは……LIVEとしてどうなんだろ? でも他にないならそれでいっか……」
柚「うーん……伝えたいことなんて、ぜんぜん思いつかないよ……」
加蓮「…………」
加蓮(簡単に見つかる方が珍しいのか……)
加蓮「大丈夫、柚。じっくり考えていこう。まだ明日まで時間はあるんだから」
柚「うんっ」
……。
…………。
加蓮「そうそうそんな感じ」
柚「お菓子が美味しかった話っ」
加蓮「それは……LIVEとしてどうなんだろ? でも他にないならそれでいっか……」
柚「うーん……伝えたいことなんて、ぜんぜん思いつかないよ……」
加蓮「…………」
加蓮(簡単に見つかる方が珍しいのか……)
加蓮「大丈夫、柚。じっくり考えていこう。まだ明日まで時間はあるんだから」
柚「うんっ」
……。
…………。
135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:22:43.92 ID:oyrpMvNz0
柚「――――」
加蓮「――――」
柚「――!」
加蓮「――――!!」
……。
…………。
加蓮「――――」
柚「――!」
加蓮「――――!!」
……。
…………。
136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:23:13.54 ID:oyrpMvNz0
――夜――
柚『って感じでどお?』
加蓮「あのねぇ、もう事務所で結論出したでしょ! っていうか早く寝なさいよ!」
柚『だって寝る前に思いついたからっ。で、どうかなどうかな。楽しいって思ってもらえる?』
加蓮「ああもう……! もらえると思うけど、アンタそれ覚えられるの?」
柚『だいじょーぶ。いざとなったらアドリブで喋るっ』
加蓮「不安極まりないこと言うのやめて!」
柚『えーっ。アタシを信じてくれないんだー。加蓮サンのケチー』
加蓮「ケチってそういう……ああもういい、もういいからそれでいいから早く寝なさい。明日のために体力温存しなさいよ」
柚『はーいっ。……あー! また思いついた。ねえねえ、こういうのは――』
加蓮「いいから早く寝ろ!!」
柚『って感じでどお?』
加蓮「あのねぇ、もう事務所で結論出したでしょ! っていうか早く寝なさいよ!」
柚『だって寝る前に思いついたからっ。で、どうかなどうかな。楽しいって思ってもらえる?』
加蓮「ああもう……! もらえると思うけど、アンタそれ覚えられるの?」
柚『だいじょーぶ。いざとなったらアドリブで喋るっ』
加蓮「不安極まりないこと言うのやめて!」
柚『えーっ。アタシを信じてくれないんだー。加蓮サンのケチー』
加蓮「ケチってそういう……ああもういい、もういいからそれでいいから早く寝なさい。明日のために体力温存しなさいよ」
柚『はーいっ。……あー! また思いついた。ねえねえ、こういうのは――』
加蓮「いいから早く寝ろ!!」
137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:23:44.01 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:24:13.41 ID:oyrpMvNz0
――LIVE当日――
舞台袖から見たらどうだ? というPさんの提案を一蹴して、私たちは客席側から柚を見ていた。
歌声と声援が吸い込まれるような青空の下、柚が踊る。跳びはねる。叫ぶように歌う。情熱的なアップテンポの歌を我が物として。
客を、いい意味で疲れさせるステージだった。
『君と僕の時が♪ 連なって流れてく♪』
柚に与えられたのは3曲。うち、今が2曲目。事前から告知はしていたけれど、今回のLIVEで初披露となった新曲だ。
出だしはファンからのコールがズレにズレ、柚も少しやり辛そうだった。
でも。
Bメロ辺りで気づいたファンが多かった。相当に単調な歌だ。コールを入れやすい。現にLIVE慣れしているようなファンは1番でこちらの想定通りに声を上げてくれた。
その上で柚が間奏で、「コールお願いーっ!!」って叫ぶものだから。
舞台袖から見たらどうだ? というPさんの提案を一蹴して、私たちは客席側から柚を見ていた。
歌声と声援が吸い込まれるような青空の下、柚が踊る。跳びはねる。叫ぶように歌う。情熱的なアップテンポの歌を我が物として。
客を、いい意味で疲れさせるステージだった。
『君と僕の時が♪ 連なって流れてく♪』
柚に与えられたのは3曲。うち、今が2曲目。事前から告知はしていたけれど、今回のLIVEで初披露となった新曲だ。
出だしはファンからのコールがズレにズレ、柚も少しやり辛そうだった。
でも。
Bメロ辺りで気づいたファンが多かった。相当に単調な歌だ。コールを入れやすい。現にLIVE慣れしているようなファンは1番でこちらの想定通りに声を上げてくれた。
その上で柚が間奏で、「コールお願いーっ!!」って叫ぶものだから。
139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:24:43.77 ID:oyrpMvNz0
『遥か永久の時が♪ 繋がっていく♪』
2番になるともう定番の1曲と言わんばかりの盛り上がりを見せていた。それを察知した柚が歌いながらもくるくる回り出す。柚風に言うならばぎゅいぎゅいと回り出す。
サビに入った途端に思いっきりジャンプしたら、客席も同じ動きを見せてくれた。
笑顔の上に喜色が塗りたくられる。声がさらに、弾んでいく。
『笑ってよ、ねえ♪ キラリ煌めいて♪』
「……どうだ? 加蓮」
ふと。
ぽつりと呟く声が、聞こえた。
「…………」
「っと、すまん」
「ううん。ねえ、Pさん。……なんだかさ。こうやって見るのって、いいね」
「だろ?」
2番になるともう定番の1曲と言わんばかりの盛り上がりを見せていた。それを察知した柚が歌いながらもくるくる回り出す。柚風に言うならばぎゅいぎゅいと回り出す。
サビに入った途端に思いっきりジャンプしたら、客席も同じ動きを見せてくれた。
笑顔の上に喜色が塗りたくられる。声がさらに、弾んでいく。
『笑ってよ、ねえ♪ キラリ煌めいて♪』
「……どうだ? 加蓮」
ふと。
ぽつりと呟く声が、聞こえた。
「…………」
「っと、すまん」
「ううん。ねえ、Pさん。……なんだかさ。こうやって見るのって、いいね」
「だろ?」
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:25:13.44 ID:oyrpMvNz0
『君が笑ってくれれば♪ 僕もまた前を向ける♪』
「……柚、ちゃんとアイドルになれたんだね」
「おいおい、何をいまさら」
「これ、私が取ってきた仕事なんだよね」
「そうだな。加蓮が取ってきた仕事だ」
「柚のこと……ちゃんと、アイドルにできたんだよね、私」
「ああ。お前の力だ」
「……そっか」
『こんなにも、ほら♪ 空は綺麗なんだから――♪』
ラストのサビ前の間奏でも柚は見ている側に不安をもたらすほど派手なダンスを披露し、サビに入っても勢いは衰えず。
何重ものヒートアップを上乗せして、空気を轟かせたまま2曲目を終えた。
肩で息をしつつも、いぇーい! と笑顔を振りまく。
拍手と歓声が鳴り止むタイミングを見計らって、柚はマイクを掴んだ。そして。
「……柚、ちゃんとアイドルになれたんだね」
「おいおい、何をいまさら」
「これ、私が取ってきた仕事なんだよね」
「そうだな。加蓮が取ってきた仕事だ」
「柚のこと……ちゃんと、アイドルにできたんだよね、私」
「ああ。お前の力だ」
「……そっか」
『こんなにも、ほら♪ 空は綺麗なんだから――♪』
ラストのサビ前の間奏でも柚は見ている側に不安をもたらすほど派手なダンスを披露し、サビに入っても勢いは衰えず。
何重ものヒートアップを上乗せして、空気を轟かせたまま2曲目を終えた。
肩で息をしつつも、いぇーい! と笑顔を振りまく。
拍手と歓声が鳴り止むタイミングを見計らって、柚はマイクを掴んだ。そして。
141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:25:43.75 ID:oyrpMvNz0
「みんなーっ! はじめましてーっ!!」
――MCパート。
ここだけが不安だった。結局、日付が変わる頃までグダグダとやっていた場所。
手の内に汗が浮かぶ。ぎゅっと握っても心臓の高鳴りは抑えられない。
大丈夫、大丈夫……言い聞かせた上から不安が覆いかぶさる。
そんな私へ。
柚が、にこっ、と笑った。
いつもの無邪気で可愛らしい笑みとは少し違った。少し違う……女の子らしさよりも、女性らしさの強い笑顔。
<はじめてじゃないぞー!
と叫ぶファンがいた。柚が、そっちの方を向く。
「へへっ、ありがとー! じゃあ、やっほー! 柚だよー!!」
やっほー!! と色々な人の声が重なる。定番の挨拶が決まった瞬間だった。
――MCパート。
ここだけが不安だった。結局、日付が変わる頃までグダグダとやっていた場所。
手の内に汗が浮かぶ。ぎゅっと握っても心臓の高鳴りは抑えられない。
大丈夫、大丈夫……言い聞かせた上から不安が覆いかぶさる。
そんな私へ。
柚が、にこっ、と笑った。
いつもの無邪気で可愛らしい笑みとは少し違った。少し違う……女の子らしさよりも、女性らしさの強い笑顔。
<はじめてじゃないぞー!
と叫ぶファンがいた。柚が、そっちの方を向く。
「へへっ、ありがとー! じゃあ、やっほー! 柚だよー!!」
やっほー!! と色々な人の声が重なる。定番の挨拶が決まった瞬間だった。
142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:26:13.48 ID:oyrpMvNz0
「2曲続けてやってみましたっ。どうかな、えと、楽しめたかなっ。
アタシ――えとっ、難しいことはよく分かんないけど、1つだけ、こう、言ってみたいことがあってっ。
その……アタシ、まだまだだけど。ダンスも歌も、ちょっぴりへたっぴだけど。
でも、楽しんでほしいな! ここにいる人、みんなっ! 楽しいって言ってほしい!
……ううんっ。
楽しんでいけーっ!! 3曲目、行っくぞー!!」
<わああああああああああああ――っ!!
…………。
「あははっ……」
「加蓮?」
「ううん。変なの。そっか。そうだよね。そうだったね……」
最初から、そうだったね。
伝えたいことがないなんて、そんなこと――
アタシ――えとっ、難しいことはよく分かんないけど、1つだけ、こう、言ってみたいことがあってっ。
その……アタシ、まだまだだけど。ダンスも歌も、ちょっぴりへたっぴだけど。
でも、楽しんでほしいな! ここにいる人、みんなっ! 楽しいって言ってほしい!
……ううんっ。
楽しんでいけーっ!! 3曲目、行っくぞー!!」
<わああああああああああああ――っ!!
…………。
「あははっ……」
「加蓮?」
「ううん。変なの。そっか。そうだよね。そうだったね……」
最初から、そうだったね。
伝えたいことがないなんて、そんなこと――
143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:26:43.48 ID:oyrpMvNz0
イントロが流れ出す。勢いよりも明るさ重視の、みんなで歌うと盛り上がりそうな歌。柚が、これまで何度も歌ってきた歌。
キターッ! と叫んでいるファンがいる。柚が大きく手を振っている。
でも、柚の口から聞こえ出した歌声は――これまで聞いたものと、ぜんぜん違っていた。
芯が強くて、まっすぐ前を向いていて。もう柚から目を離せないような力強さと、自然に笑顔になれる楽しさ。
喜多見柚というアイドルを、全身で象徴するような歌だった。
……。
…………。
キターッ! と叫んでいるファンがいる。柚が大きく手を振っている。
でも、柚の口から聞こえ出した歌声は――これまで聞いたものと、ぜんぜん違っていた。
芯が強くて、まっすぐ前を向いていて。もう柚から目を離せないような力強さと、自然に笑顔になれる楽しさ。
喜多見柚というアイドルを、全身で象徴するような歌だった。
……。
…………。
144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:27:13.79 ID:oyrpMvNz0
――LIVE終了後・楽屋――
柚「はぁ、はぁ……あっ、加蓮サンにPサンも! ねえねえ見ててくれた!? アタシのLIVE、見ててくれた!?」
加蓮「お疲れ様、柚……見てたよ。もうずっと。いっぱいにね」
P「そうそう。加蓮なんか3曲目の途中で泣きそうになっててな――」
加蓮「あ、ちょ、それは言わないのっ」
柚「そっか。……ふふっ!」
柚「あのね、加蓮サン。Pサン」
柚「アタシ――楽しかった! すっごく楽しかった! えと、今までで一番っ! これがアイドルなんだよね。へへっ!」
加蓮「……うんっ。これが、アイドルなんだよ」
柚「へへっ♪」
加蓮「……ふふっ♪」
柚「はぁ、はぁ……あっ、加蓮サンにPサンも! ねえねえ見ててくれた!? アタシのLIVE、見ててくれた!?」
加蓮「お疲れ様、柚……見てたよ。もうずっと。いっぱいにね」
P「そうそう。加蓮なんか3曲目の途中で泣きそうになっててな――」
加蓮「あ、ちょ、それは言わないのっ」
柚「そっか。……ふふっ!」
柚「あのね、加蓮サン。Pサン」
柚「アタシ――楽しかった! すっごく楽しかった! えと、今までで一番っ! これがアイドルなんだよね。へへっ!」
加蓮「……うんっ。これが、アイドルなんだよ」
柚「へへっ♪」
加蓮「……ふふっ♪」
145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:27:43.55 ID:oyrpMvNz0
――少し時間が経過して――
P「じゃ、俺は車を回してくる。柚ちゃん、加蓮。帰り支度が終わったらまた電話してくれ」
加蓮「はーいっ」
柚「あいあいさー!」
加蓮「……舞台は終わった。挨拶周りも済んだ。はぁ~~~……やっと終わったぁ~~~」ドサッ
柚「えー、加蓮サンもうお疲れ? ねね、打ち上げパーティーやろうよ! 事務所で、加蓮サンとPサンと3人でっ」
加蓮「うぇー……もうヤダ。くたびれたよ。私、横になってていい?」
柚「じゃあアタシがいっぱい話すから、加蓮サンは聞いててっ」
加蓮「それなら、まあ……」
柚「でもたまには話してね。加蓮サンの話も聞いてみたいな♪」
加蓮「はぁーい」
P「じゃ、俺は車を回してくる。柚ちゃん、加蓮。帰り支度が終わったらまた電話してくれ」
加蓮「はーいっ」
柚「あいあいさー!」
加蓮「……舞台は終わった。挨拶周りも済んだ。はぁ~~~……やっと終わったぁ~~~」ドサッ
柚「えー、加蓮サンもうお疲れ? ねね、打ち上げパーティーやろうよ! 事務所で、加蓮サンとPサンと3人でっ」
加蓮「うぇー……もうヤダ。くたびれたよ。私、横になってていい?」
柚「じゃあアタシがいっぱい話すから、加蓮サンは聞いててっ」
加蓮「それなら、まあ……」
柚「でもたまには話してね。加蓮サンの話も聞いてみたいな♪」
加蓮「はぁーい」
146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:28:13.37 ID:oyrpMvNz0
柚「あっ、それと次のミーティングもやっちゃおうっ」
加蓮「打ち上げなのに?」
柚「挨拶してた時、いろんな人が次も次もって言ってくれたから! 休んでる暇なんてないっ」
加蓮「ホントね。挨拶回りの時もみんな凄いって言ってたよね……営業とはぜんぜん反応が違っててさ……私まで嬉しくなっちゃった」
柚「アタシも! もしかしてアタシ、明日から学校行けないくらい忙しくなったり? それってすごく有名アイドルって感じ! 学校で話題になったりしちゃうかもっ。えへえへ」
加蓮「浮かれちゃって、もー」グシグシ
柚「わぷっ。……えへへぇ」
加蓮「ふふっ。……どう? これからも私と一緒に、アイドル続けてくれる?」
柚「え? あったりまえだよ! どしたの急にー。加蓮サン、センチメンタルな気分?」
加蓮「あはは。色々あるの、色々」
加蓮「打ち上げなのに?」
柚「挨拶してた時、いろんな人が次も次もって言ってくれたから! 休んでる暇なんてないっ」
加蓮「ホントね。挨拶回りの時もみんな凄いって言ってたよね……営業とはぜんぜん反応が違っててさ……私まで嬉しくなっちゃった」
柚「アタシも! もしかしてアタシ、明日から学校行けないくらい忙しくなったり? それってすごく有名アイドルって感じ! 学校で話題になったりしちゃうかもっ。えへえへ」
加蓮「浮かれちゃって、もー」グシグシ
柚「わぷっ。……えへへぇ」
加蓮「ふふっ。……どう? これからも私と一緒に、アイドル続けてくれる?」
柚「え? あったりまえだよ! どしたの急にー。加蓮サン、センチメンタルな気分?」
加蓮「あはは。色々あるの、色々」
147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:28:43.46 ID:oyrpMvNz0
柚「そっかー。しょうがないなー。加蓮サンがお願いするなら、やってあげてもいいよっ」
加蓮「生意気なーっ!」グシャグシャ
柚「わーっ」
加蓮「このっこのっ」
柚「わぷぷーっ」
加蓮「生意気なーっ!」グシャグシャ
柚「わーっ」
加蓮「このっこのっ」
柚「わぷぷーっ」
148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:29:13.38 ID:oyrpMvNz0
柚「……ねえ、加蓮サン」
加蓮「んー? 髪はセットし直したし汗も大丈夫でしょ? そろそろPさん呼んでいい?」
柚「あ、あの、その前にいっこだけ」
加蓮「ん?」
柚「あのね、加蓮サン。その……アリガト!」
加蓮「……どしたの急に」
柚「たはは。あのね。そのー、今までアリガト! なんて、あはは、ちょっぴり気が早いけどっ」
柚「アタシ、今まで面白いこと探して、いろんなことやってみて……一緒にやってくれる人、いなかった訳じゃないけど、すぐに呆れてどっか行っちゃってたんだ」
柚「またお前か、付き合ってられない、って顔されちゃって」
柚「でも加蓮サンはずっとアタシに一緒にいてくれた」
柚「飽きっぽくて、ふつーで、ぜんぜんアイドルらしくなくて……ワガママばっかのアタシと一緒にいてくれた」
149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:29:44.17 ID:oyrpMvNz0
柚「だから、ありがとう」
柚「あの冬の日に出会えて――運命みたいだ、って思って」
柚「それから、こうして桜の季節も一緒に過ごせて……嬉しいなっ……」
柚「……加蓮サンも……そう思ってくれるといいな……」グスッ
加蓮「…………」
柚「…………」グスグス
加蓮「……はい」(ハンカチを渡す)
柚「うんっ……」フキフキ
加蓮「柚」
加蓮「私の方こそ、ありがとう。あの時……柚、上手くいかないって苦しんでたのに、私こそワガママ言ってたのに、信じてくれて」
加蓮「こんな素敵な姿を見せてくれて、ありがとう」
加蓮「私……プロデューサーになってよかった。柚のプロデューサーで、よかった!」
柚「……へ、へへっ♪」
加蓮「……あははっ♪」
柚「あの冬の日に出会えて――運命みたいだ、って思って」
柚「それから、こうして桜の季節も一緒に過ごせて……嬉しいなっ……」
柚「……加蓮サンも……そう思ってくれるといいな……」グスッ
加蓮「…………」
柚「…………」グスグス
加蓮「……はい」(ハンカチを渡す)
柚「うんっ……」フキフキ
加蓮「柚」
加蓮「私の方こそ、ありがとう。あの時……柚、上手くいかないって苦しんでたのに、私こそワガママ言ってたのに、信じてくれて」
加蓮「こんな素敵な姿を見せてくれて、ありがとう」
加蓮「私……プロデューサーになってよかった。柚のプロデューサーで、よかった!」
柚「……へ、へへっ♪」
加蓮「……あははっ♪」
150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:30:13.41 ID:oyrpMvNz0
柚「も、もー、もー。加蓮サンってば、てれ、照れちゃうっ」
加蓮「柚の方こそ、も、もう。もらい泣きしそうになったじゃない……っ」グスッ
柚「あ! 加蓮サンちょっと泣いてる? 泣いてる!」
加蓮「泣いてないし! 柚こそ、鼻水出てる!」
柚「えっウソ!? ……ホントだ! だ、だってその、その、……も、もーっ。Pサン呼ぶなら早く呼んで! あっ待って今はダメ! アタシが泣き止んでから!」
柚「そんで帰ったらみんなでパーティーだっ。……よし! もう呼んでも大丈夫だよっ」
加蓮「そうだね、帰ったらパーティー、やろっか!」
加蓮「あ、もしもしPさん? うん、もういいよ。大丈夫。え? あはは、ちょっと秘密の話。気になる? 気になる? ……そっかー、残念。車、お願いね」ポチ
加蓮「じゃ、帰ろっか、柚」
柚「あいあいさー!」
加蓮「柚の方こそ、も、もう。もらい泣きしそうになったじゃない……っ」グスッ
柚「あ! 加蓮サンちょっと泣いてる? 泣いてる!」
加蓮「泣いてないし! 柚こそ、鼻水出てる!」
柚「えっウソ!? ……ホントだ! だ、だってその、その、……も、もーっ。Pサン呼ぶなら早く呼んで! あっ待って今はダメ! アタシが泣き止んでから!」
柚「そんで帰ったらみんなでパーティーだっ。……よし! もう呼んでも大丈夫だよっ」
加蓮「そうだね、帰ったらパーティー、やろっか!」
加蓮「あ、もしもしPさん? うん、もういいよ。大丈夫。え? あはは、ちょっと秘密の話。気になる? 気になる? ……そっかー、残念。車、お願いね」ポチ
加蓮「じゃ、帰ろっか、柚」
柚「あいあいさー!」
151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:30:43.49 ID:oyrpMvNz0
<次はアタシ、セクシーな衣装が着てみたいっ
<えー? 柚がぁ? ……ぷっ
<あー鼻で笑ったなぁ! 加蓮サンだってどきどきさせてやるっ
<ふふっ、それは楽しみだね
<えー? 柚がぁ? ……ぷっ
<あー鼻で笑ったなぁ! 加蓮サンだってどきどきさせてやるっ
<ふふっ、それは楽しみだね
152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:31:13.39 ID:oyrpMvNz0
――10月 フェス会場――
加蓮「はい、じゃあ……お願いします」
<スタスタ
加蓮「ふうっ……」
加蓮「…………」チラ
<裕美ちゃん裕美ちゃん。トリック・オア・トリート!
<ええっ!? それ、何回目……!?
<お菓子もうないんだね! じゃあ柚がイタズラしちゃうっ
<あ、あの柚ちゃん? どうしてじりじり寄ってくる……のかな? ……真奈美さん、助けて!
<こらこら柚。まだLIVEまで時間があるんだ。落ち着いて待っていなさい
<えーだってヒマー
加蓮(雛祭りのLIVEから、半年と少しが経った)
加蓮「はい、じゃあ……お願いします」
<スタスタ
加蓮「ふうっ……」
加蓮「…………」チラ
<裕美ちゃん裕美ちゃん。トリック・オア・トリート!
<ええっ!? それ、何回目……!?
<お菓子もうないんだね! じゃあ柚がイタズラしちゃうっ
<あ、あの柚ちゃん? どうしてじりじり寄ってくる……のかな? ……真奈美さん、助けて!
<こらこら柚。まだLIVEまで時間があるんだ。落ち着いて待っていなさい
<えーだってヒマー
加蓮(雛祭りのLIVEから、半年と少しが経った)
153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:31:43.50 ID:oyrpMvNz0
加蓮(今日はドリームLIVEフェスティバル。「夢の共演」をモチーフとしたこのLIVEでは、色々な事務所から色々なアイドルが集まってユニットを組む)
加蓮(柚も抜擢された。ハロウィンシーズンということで、ユニット名「ハロウィンヴァンパイア」。14歳の子と25歳の人と組んでLIVEをする)
加蓮(ユニット、か……)
加蓮(…………)
加蓮(…………ここからは、私の知らない世界だ)
加蓮(柚も抜擢された。ハロウィンシーズンということで、ユニット名「ハロウィンヴァンパイア」。14歳の子と25歳の人と組んでLIVEをする)
加蓮(ユニット、か……)
加蓮(…………)
加蓮(…………ここからは、私の知らない世界だ)
154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:32:13.48 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン加蓮サンっ」
加蓮「お、柚。他の2人とはいいの?」
柚「んっとね、退屈だから遊んでたらスタッフサンにこれ渡されちゃった! プロデューサーサンに渡してほしいんだって。ねね、開けてみようよ。ひょっとしたらアタシ宛て!?」
加蓮「柚に渡して私に回すってことはきっとそうだろうね。でも気が早いなぁ」
柚「お仕事やってる時に別のお仕事が来たりするよね。アタシもう慣れちゃったっ」
加蓮「あはは……うん、これは後で見ておくね」
柚「えー? 今開けないの?」
加蓮「帰ってじっくり見たいもん」
155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:32:43.35 ID:oyrpMvNz0
加蓮「どう? 1人じゃないLIVEは。歌えそう?」
柚「オッケーオッケー。アタシに任せなさいっ。裕美チャンも真奈美サンも、一緒だったら楽しいって言ってくれる!」
加蓮「よかった。……ん?」
加蓮(その2人が、少し離れたところからこっちを見ていた。柚もそれに気づいたらしく――)
柚「あっ2人とも! こっちこっちー! えとねっ、アタシのプロデューサーサン。加蓮サンっ」
加蓮(柚が大きく手を振ると、2人は互いに目を合わせ、少し躊躇ってからこっちに歩いてきた)
柚「オッケーオッケー。アタシに任せなさいっ。裕美チャンも真奈美サンも、一緒だったら楽しいって言ってくれる!」
加蓮「よかった。……ん?」
加蓮(その2人が、少し離れたところからこっちを見ていた。柚もそれに気づいたらしく――)
柚「あっ2人とも! こっちこっちー! えとねっ、アタシのプロデューサーサン。加蓮サンっ」
加蓮(柚が大きく手を振ると、2人は互いに目を合わせ、少し躊躇ってからこっちに歩いてきた)
156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:33:13.37 ID:oyrpMvNz0
関裕美「あっ……こんにちは。あの、柚ちゃんの、プロデューサーさん……ですよね?」
木場真奈美「柚の話を聞いてまだ半信半疑だったが、本当に柚と同い年の子がプロデューサーをやっているのだな。ああ、私は木場真奈美だ。短い間だけどよろしく頼むよ」
加蓮「私は北条加蓮。柚のプロデューサーだよ。こちらこそ、よろしくお願いします」
裕美「関裕美です。……あ、これは睨んでるんじゃなくてもともと……」
柚「でも裕美チャン笑うとカワイイんだよ! ねっ真奈美サン!」
真奈美「ああ。笑えば誰もが魅力的に思うだろう」
裕美「そうかな……?」
真奈美「自信を持つと良いさ」
柚「そーそー! アタシなんて笑ってても転ぶ時には転ぶんだしっ」
真奈美「こらこら、柚。それは胸を張って言うことではないぞ?」
柚「ごめんなさーいっ」
加蓮「…………」クスッ
157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:33:43.32 ID:oyrpMvNz0
加蓮(柚への心配はほとんどなかった。誰にでも仲良くなれる子だから……ただ、僅かに。ほんの僅かだけ)
加蓮(少しだけ――ずるい、って気持ちが……)
柚「おっと、加蓮サン置いてけぼりになってる! えと、えと、加蓮サンだって笑うと可愛いよ!」
加蓮「え?」
柚「でも怒るとツノが生える!」
裕美「……つの? が生えるの?」
柚「ツノが生えるのっ」
加蓮「…………」ピキピキ
真奈美「はは……確かに私から見ても、プロデューサーというよりはアイドルに向いていると見えるね」
加蓮「冗談。私は柚のプロデューサーです。こっちこそよろしくね。柚のこと、お願い」
真奈美「任されたよ」
加蓮(少しだけ――ずるい、って気持ちが……)
柚「おっと、加蓮サン置いてけぼりになってる! えと、えと、加蓮サンだって笑うと可愛いよ!」
加蓮「え?」
柚「でも怒るとツノが生える!」
裕美「……つの? が生えるの?」
柚「ツノが生えるのっ」
加蓮「…………」ピキピキ
真奈美「はは……確かに私から見ても、プロデューサーというよりはアイドルに向いていると見えるね」
加蓮「冗談。私は柚のプロデューサーです。こっちこそよろしくね。柚のこと、お願い」
真奈美「任されたよ」
158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:34:13.46 ID:oyrpMvNz0
加蓮「裕美ちゃんも。柚、やかましくてうっさいかもしれないけど、いい子だから許してあげてね」
柚「ちょ、加蓮サン言い方ひどくない!?」
裕美「あ、それは分かってます……から……でも、柚ちゃん元気だし、笑顔がとてもステキだなって」
柚「えー裕美チャンだって可愛いのにー」
真奈美「おっと、そろそろ私たちのリハーサルの時間みたいだな。それではプロデューサー君。積もる話はまた後でしようか」
真奈美「フッ、LIVE中の柚のことは任せたまえ。裕美だっていることだ。大丈夫だろう」
裕美「えっ!? わ、私……!?」
柚「えーっアタシの方がお姉サン!」
加蓮「はいはい、柚。裕美ちゃんのことも困らせないようにね」
柚「はーいっ」
柚「ちょ、加蓮サン言い方ひどくない!?」
裕美「あ、それは分かってます……から……でも、柚ちゃん元気だし、笑顔がとてもステキだなって」
柚「えー裕美チャンだって可愛いのにー」
真奈美「おっと、そろそろ私たちのリハーサルの時間みたいだな。それではプロデューサー君。積もる話はまた後でしようか」
真奈美「フッ、LIVE中の柚のことは任せたまえ。裕美だっていることだ。大丈夫だろう」
裕美「えっ!? わ、私……!?」
柚「えーっアタシの方がお姉サン!」
加蓮「はいはい、柚。裕美ちゃんのことも困らせないようにね」
柚「はーいっ」
159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:34:43.51 ID:oyrpMvNz0
加蓮「リハ、私もちゃんと見とくから」
柚「うんっ。加蓮サンに見てもらってたら大丈夫だっ」
加蓮「ふふっ。それと、柚。ユニットでのLIVEでもソロと同じ――」
柚「アタシはアタシのやりたいように! うまくやるんじゃなくて楽しくやろう! ……でしょ?」
加蓮「分かってんじゃん♪」
柚「へへっ、毎回やってたから加蓮サンの言うこと読めちゃった!」
加蓮「ふふっ。じゃ、行ってらっしゃい、柚」
柚「行ってきまーすっ!」
(拳を軽くぶつけあう)
<スタスタスタ
柚「うんっ。加蓮サンに見てもらってたら大丈夫だっ」
加蓮「ふふっ。それと、柚。ユニットでのLIVEでもソロと同じ――」
柚「アタシはアタシのやりたいように! うまくやるんじゃなくて楽しくやろう! ……でしょ?」
加蓮「分かってんじゃん♪」
柚「へへっ、毎回やってたから加蓮サンの言うこと読めちゃった!」
加蓮「ふふっ。じゃ、行ってらっしゃい、柚」
柚「行ってきまーすっ!」
(拳を軽くぶつけあう)
<スタスタスタ
160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:35:13.43 ID:oyrpMvNz0
真奈美「なるほど。見かけによらず……は失礼かな。柚があれだけ気に入る理由もなんとなく分かるよ。フッ、プロデューサーよりアイドルに向いていると言った自分が恥ずかしいな」
裕美「柚ちゃんのプロデューサーさん、すごく柚ちゃんを大切にしてるんだね。私にも分かるよ……!」
柚「そ、そっかなー。加蓮サンってば心配性なんだからっ♪ あ、でも加蓮サンは心配されるの嫌がるんだ。よく過保護だって怒ってるっ」
真奈美「ほうほう」
裕美「過保護……って、柚ちゃんに?」
柚「ううんっ。えとね、Pサンっていう加蓮サンの上司サンがいて――」
裕美「柚ちゃんのプロデューサーさん、すごく柚ちゃんを大切にしてるんだね。私にも分かるよ……!」
柚「そ、そっかなー。加蓮サンってば心配性なんだからっ♪ あ、でも加蓮サンは心配されるの嫌がるんだ。よく過保護だって怒ってるっ」
真奈美「ほうほう」
裕美「過保護……って、柚ちゃんに?」
柚「ううんっ。えとね、Pサンっていう加蓮サンの上司サンがいて――」
161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:35:43.79 ID:oyrpMvNz0
それから3人のリハーサルは無事終了し、LIVEも大盛況のまま終了した。
今日の予定が終了しても柚はずっと喋っていた。帰ろうと促してももうちょっとと繰り返すばっかり。
まあ、急ぎの用事もないし、改めてミーティングとして話し合うこともない。向こうの迷惑にならない程度に、とことん付き合ってあげようと思っていた。
思っていたけど――
柚「えーっ。まだ喋り足りないっ。もうちょっとだけ! ね、いいでしょ?」
加蓮「あのね……それ何回目? 向こうの2人にだって用事があるんだし、っていうか元気だなアンタ」
柚「加蓮サンとは違うのー!」
加蓮「うっわームカつく。ほら、明後日のLIVEだってあるんでしょ? 身体はしっかり休めなきゃ」
加蓮「っていうか明後日にまた話せばいいじゃない……」
柚「今日しか話せないことは今日しか話せないの! ……加蓮サンのケチ!」
加蓮「はいはい、屁理屈こねてないで帰りながら今日の反省会でもやるよ。Pさんだってずっと車で待ってくれてるんだし」
柚「むー」
今日の予定が終了しても柚はずっと喋っていた。帰ろうと促してももうちょっとと繰り返すばっかり。
まあ、急ぎの用事もないし、改めてミーティングとして話し合うこともない。向こうの迷惑にならない程度に、とことん付き合ってあげようと思っていた。
思っていたけど――
柚「えーっ。まだ喋り足りないっ。もうちょっとだけ! ね、いいでしょ?」
加蓮「あのね……それ何回目? 向こうの2人にだって用事があるんだし、っていうか元気だなアンタ」
柚「加蓮サンとは違うのー!」
加蓮「うっわームカつく。ほら、明後日のLIVEだってあるんでしょ? 身体はしっかり休めなきゃ」
加蓮「っていうか明後日にまた話せばいいじゃない……」
柚「今日しか話せないことは今日しか話せないの! ……加蓮サンのケチ!」
加蓮「はいはい、屁理屈こねてないで帰りながら今日の反省会でもやるよ。Pさんだってずっと車で待ってくれてるんだし」
柚「むー」
162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:36:13.68 ID:oyrpMvNz0
加蓮「さて、それじゃ今日は――」
「……加蓮……!?」
加蓮「――――――――っ!」
柚「?」
「……やっぱり! 加蓮だろ!? なあ! アタシのこと覚えてるか? ……って忘れるわけないよな! はは!」
加蓮「…………」
柚「だれ?」
「久しぶりだな~! 元気そうじゃないか! って、ここにいるってことは……もしかして、病気が治ったのか!?」
加蓮「…………!!」
柚「……病気?」
「……加蓮……!?」
加蓮「――――――――っ!」
柚「?」
「……やっぱり! 加蓮だろ!? なあ! アタシのこと覚えてるか? ……って忘れるわけないよな! はは!」
加蓮「…………」
柚「だれ?」
「久しぶりだな~! 元気そうじゃないか! って、ここにいるってことは……もしかして、病気が治ったのか!?」
加蓮「…………!!」
柚「……病気?」
163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:36:43.29 ID:oyrpMvNz0
「そうなんだろ! ……おい、なんとか言えよ~加蓮。つれないじゃんか。アイドルに復帰したなら復帰したって言えよな~!」
「それともアタシをびっくりさせようとしてたのか? 昔からそういうとこあるよな~加蓮は。まったく、ずっこいなぁ!」
柚「…………加蓮サン? えと、あの、」
加蓮「柚、行くよ。Pさん待たせてる」
柚「えっ、でも」
加蓮「いいから」
「え……ちょ、おい、加蓮! なんで何も言わねえんだよ! まさかホントにアタシのこと……! 嘘だろ!?」
「アタシも凛もずっと待ってたんだぞ、加蓮が戻ってくるの! そうしたら今度こそ一緒にステージに上がろうって――」
「おい、あの時の約束、忘れたのかよ! っていうか何か言ってくれよ!」
柚「あの、」
加蓮「いいからさっさと行くよ! 次の仕事だってあるんだから!」
柚「でも……う、うんっ。待って加蓮サンっ」
「……何か、言ってよ……!」
……。
…………。
「それともアタシをびっくりさせようとしてたのか? 昔からそういうとこあるよな~加蓮は。まったく、ずっこいなぁ!」
柚「…………加蓮サン? えと、あの、」
加蓮「柚、行くよ。Pさん待たせてる」
柚「えっ、でも」
加蓮「いいから」
「え……ちょ、おい、加蓮! なんで何も言わねえんだよ! まさかホントにアタシのこと……! 嘘だろ!?」
「アタシも凛もずっと待ってたんだぞ、加蓮が戻ってくるの! そうしたら今度こそ一緒にステージに上がろうって――」
「おい、あの時の約束、忘れたのかよ! っていうか何か言ってくれよ!」
柚「あの、」
加蓮「いいからさっさと行くよ! 次の仕事だってあるんだから!」
柚「でも……う、うんっ。待って加蓮サンっ」
「……何か、言ってよ……!」
……。
…………。
164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:37:13.52 ID:oyrpMvNz0
――翌日 事務所――
加蓮「…………」カタカタ
P「……加蓮? お前どうしたんだよ。ちょっと前からずっと……柚ちゃん怖がってるぞ?」
加蓮「……はいPさん。これ柚に回ってきた仕事の概要。そのまま受けても大丈夫?」
P「え? あ、ああ。ちょっと待ってろ、こっちで確認を――確認するからお前、その間に」
加蓮「さて、次はっと……」
P「…………」
柚「…………加蓮サン」
加蓮「何?」
柚「あ、ううんっ。えと、その、ち、ちょっと息抜きとかどうかな~って……なんでもないですっ」
加蓮「そ」カタカタ
柚「ぅう…………」
P「…………」
加蓮「…………」カタカタ
P「……加蓮? お前どうしたんだよ。ちょっと前からずっと……柚ちゃん怖がってるぞ?」
加蓮「……はいPさん。これ柚に回ってきた仕事の概要。そのまま受けても大丈夫?」
P「え? あ、ああ。ちょっと待ってろ、こっちで確認を――確認するからお前、その間に」
加蓮「さて、次はっと……」
P「…………」
柚「…………加蓮サン」
加蓮「何?」
柚「あ、ううんっ。えと、その、ち、ちょっと息抜きとかどうかな~って……なんでもないですっ」
加蓮「そ」カタカタ
柚「ぅう…………」
P「…………」
165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:37:43.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「おしまい。いい時間だね。ちょっと早いけど柚、レッスンスタジオ行こう」
柚「う、うん。……あの、加蓮サン。この前、加蓮サンを知ってたっぽい人――」
加蓮「さっさと行くよ。ほら、明日もまた出番があるんでしょ? おかしなとこがないか、1回通すだけだから」
柚「うん…………」
P「…………」
<ガチャ
P「加蓮を知ってたっぽい人? ……まさか」
柚「う、うん。……あの、加蓮サン。この前、加蓮サンを知ってたっぽい人――」
加蓮「さっさと行くよ。ほら、明日もまた出番があるんでしょ? おかしなとこがないか、1回通すだけだから」
柚「うん…………」
P「…………」
<ガチャ
P「加蓮を知ってたっぽい人? ……まさか」
166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:38:13.47 ID:oyrpMvNz0
――柚のレッスン終了後 事務所――
加蓮「…………」カタカタ
柚「…………」
P「…………」カタカタ
P(……静かすぎて気まずい。加蓮と柚ちゃんがいて、これほど静かだった時はない。なんとかしたいとは思うが……)
P(気になるのは、柚ちゃんの言っていた「加蓮を知っていた人」)
P(加蓮がこうなったのはドリームLIVEフェスティバルの後からだ。ドリフェス……となると、やっぱり)
P「加蓮」
加蓮「何?」
P「いや――」
加蓮「…………」カタカタ
柚「…………」
P「…………」カタカタ
P(……静かすぎて気まずい。加蓮と柚ちゃんがいて、これほど静かだった時はない。なんとかしたいとは思うが……)
P(気になるのは、柚ちゃんの言っていた「加蓮を知っていた人」)
P(加蓮がこうなったのはドリームLIVEフェスティバルの後からだ。ドリフェス……となると、やっぱり)
P「加蓮」
加蓮「何?」
P「いや――」
167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:38:43.45 ID:oyrpMvNz0
P(――"出会ったばかりの頃"の加蓮よりも、酷い。"元担当"の俺でもこんな加蓮は見たことがない)
P(思わず怯んでしまった。……それじゃ駄目だろうと理性が叱責するも、続く言葉が思いつかない)
P(結局――)
P「お前、何があったのか知らんが……ずっとこのままやるつもりか? ……それでいいとは加蓮も思ってはいないだろ」
加蓮「…………」
P「あのな――」
P「…………」
P「…………」カタカタ
加蓮「…………」カタカタ
柚「…………」
柚「あ、あの。今日アタシもう帰るね。えと、加蓮サン、また明日っ」
<バタン
加蓮「…………」
P「…………」
P(思わず怯んでしまった。……それじゃ駄目だろうと理性が叱責するも、続く言葉が思いつかない)
P(結局――)
P「お前、何があったのか知らんが……ずっとこのままやるつもりか? ……それでいいとは加蓮も思ってはいないだろ」
加蓮「…………」
P「あのな――」
P「…………」
P「…………」カタカタ
加蓮「…………」カタカタ
柚「…………」
柚「あ、あの。今日アタシもう帰るね。えと、加蓮サン、また明日っ」
<バタン
加蓮「…………」
P「…………」
168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:39:13.39 ID:oyrpMvNz0
――翌日 フェス会場――
柚「裕美チャン、真奈美サン。アタシちょっと探してる人いるんだ。ごめんっ、本番までには絶対戻ってくるからっ」タタッ
<タタタッ
柚「えとっ…………」キョロキョロ
柚「ええとっ…………」スタスタ
柚「……あ! いた! あの! そこの……だ、誰だっけ? そ、そこの人!」
「ん? アタシ……?」
柚「そうそう! あのっ……か、加蓮サンのこと知ってるんだよね! そのことアタシに教えて!」
「! そういえば、加蓮と一緒にいた……」
柚「裕美チャン、真奈美サン。アタシちょっと探してる人いるんだ。ごめんっ、本番までには絶対戻ってくるからっ」タタッ
<タタタッ
柚「えとっ…………」キョロキョロ
柚「ええとっ…………」スタスタ
柚「……あ! いた! あの! そこの……だ、誰だっけ? そ、そこの人!」
「ん? アタシ……?」
柚「そうそう! あのっ……か、加蓮サンのこと知ってるんだよね! そのことアタシに教えて!」
「! そういえば、加蓮と一緒にいた……」
169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:39:43.55 ID:oyrpMvNz0
柚「喜多見柚! はじめましてっ! ……じゃなかった。いやはじめましてだケド! そうじゃなくて! えとっ……」
「……???」
「あー、アタシは奈緒」
神谷奈緒「神谷奈緒だよ」
「……???」
「あー、アタシは奈緒」
神谷奈緒「神谷奈緒だよ」
170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:40:13.52 ID:oyrpMvNz0
――即席のカフェコーナー――
奈緒「はー、ほんとアイドルってすごいよな。会場の中にカフェ作ってそこでもアイドルだってさ。はは、もしかしたらスタッフの中に混じってたりしたりな?」
柚「そうかもっ。加蓮サンもあっちこっちでいろんな人と話してるみたい。アタシのお仕事のこととか」
奈緒「そっかー……」
柚「…………」ズズ
奈緒「…………」ズズ
奈緒「なあ。えっと、柚ちゃん、だっけ……?」
柚「うん」
奈緒「加蓮は……アイツは本当に……プロデューサーを、やってるのか?」
柚「……うん。アタシのプロデューサーサンだよ」
奈緒「はー、ほんとアイドルってすごいよな。会場の中にカフェ作ってそこでもアイドルだってさ。はは、もしかしたらスタッフの中に混じってたりしたりな?」
柚「そうかもっ。加蓮サンもあっちこっちでいろんな人と話してるみたい。アタシのお仕事のこととか」
奈緒「そっかー……」
柚「…………」ズズ
奈緒「…………」ズズ
奈緒「なあ。えっと、柚ちゃん、だっけ……?」
柚「うん」
奈緒「加蓮は……アイツは本当に……プロデューサーを、やってるのか?」
柚「……うん。アタシのプロデューサーサンだよ」
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:40:43.38 ID:oyrpMvNz0
奈緒「そっかぁ……噂には聞いてたんだけどマジだったかぁ……。凛が聞いたら何を言うかなぁ……」
柚「…………」
奈緒「あ、ゴメン。……凛っていうのはアタシとユニット組んでるアイドルのことで……加蓮も、本当ならそこにいた筈なんだ」
奈緒「アタシと凛と、加蓮のユニット。色々あって、今はアタシと凛は別の部署にいるんだけどな」
柚「……あの。奈緒、サン」
奈緒「ん?」
柚「加蓮サンって……プロデューサーじゃなくて、アイドルだったの……?」
奈緒「……元、な。元アイドル。アタシ達がユニットを組んで、さあLIVEだってなった直前に倒れちゃって――」
柚「…………」
奈緒「あ、ゴメン。……凛っていうのはアタシとユニット組んでるアイドルのことで……加蓮も、本当ならそこにいた筈なんだ」
奈緒「アタシと凛と、加蓮のユニット。色々あって、今はアタシと凛は別の部署にいるんだけどな」
柚「……あの。奈緒、サン」
奈緒「ん?」
柚「加蓮サンって……プロデューサーじゃなくて、アイドルだったの……?」
奈緒「……元、な。元アイドル。アタシ達がユニットを組んで、さあLIVEだってなった直前に倒れちゃって――」
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:41:14.06 ID:oyrpMvNz0
――フェス会場・別の場所――
加蓮「え? 探してる人がいる?」
裕美「う、うん。そういってどこかに行っちゃったけど……プロデューサーさんのことじゃなかったんだね」
真奈美「少し急いでいるようだったな」
加蓮「そう……」
加蓮(探していた、って…………)
加蓮「……教えてくれてありがとう。ちょっと探してみる。ごめん、うちの柚が迷惑かけて」
真奈美「フッ、なんてことはないさ。こっちで見つかったら連絡をした方がいいかな?」
加蓮「うん、是非お願いっ」
<テクテク
裕美「……私たちも、探した方がいいのかな?」
真奈美「そうだな。邪魔にならない程度に探してみようか」
加蓮「え? 探してる人がいる?」
裕美「う、うん。そういってどこかに行っちゃったけど……プロデューサーさんのことじゃなかったんだね」
真奈美「少し急いでいるようだったな」
加蓮「そう……」
加蓮(探していた、って…………)
加蓮「……教えてくれてありがとう。ちょっと探してみる。ごめん、うちの柚が迷惑かけて」
真奈美「フッ、なんてことはないさ。こっちで見つかったら連絡をした方がいいかな?」
加蓮「うん、是非お願いっ」
<テクテク
裕美「……私たちも、探した方がいいのかな?」
真奈美「そうだな。邪魔にならない程度に探してみようか」
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:41:43.20 ID:oyrpMvNz0
<スタスタ
<スタスタ
加蓮「ああもう、あの子いったいどこに――」ハヤアルキ
<あ、いた!
加蓮「ん?」
「北条さんですよね? あの、喜多見さんとこのプロデューサーっていう……本当に女子高生くらいの年齢なんですね……」
加蓮「……?」
「ああ失礼。私、◯◯という雑誌の者でして――」
174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:42:13.66 ID:oyrpMvNz0
――フェス会場・即席のカフェコーナー――
柚「加蓮サンが、アイドル……? 倒れちゃった……!?」
奈緒「加蓮さ、もともと病気かなんかで体が弱いんだ。入院したこともあるって言ってたかなぁ……」
柚「病気!? 入院!?」
奈緒「いつもアタシや凛が心配しててさ、アイツは大丈夫だって言うんだけど、ある時に思いっきりぶっ倒れたことがあって……」
奈緒「それから、医者だったか親だったかにしばらくアイドルはやるなって言われたらしいんだ」
奈緒「でも加蓮はアイドルをやりたがってて……今は無理だけど、体が回復したらって許可されてた」
奈緒「アタシも凛も、きっといつか戻ってきてくれるって……2人でユニット組んで、アイドルをやりながら加蓮を待ってた」
奈緒「アタシ達は育成枠ってことで別の部署に移されたけど、いつか加蓮もこっちに来るだろうって」
奈緒「加蓮もいろんな人から、これからが楽しみなアイドルだって言われてたからさ」
奈緒「……はは、それがまさか、プロデューサーになって帰ってくるなんて」
柚「加蓮サンが、アイドル……? 倒れちゃった……!?」
奈緒「加蓮さ、もともと病気かなんかで体が弱いんだ。入院したこともあるって言ってたかなぁ……」
柚「病気!? 入院!?」
奈緒「いつもアタシや凛が心配しててさ、アイツは大丈夫だって言うんだけど、ある時に思いっきりぶっ倒れたことがあって……」
奈緒「それから、医者だったか親だったかにしばらくアイドルはやるなって言われたらしいんだ」
奈緒「でも加蓮はアイドルをやりたがってて……今は無理だけど、体が回復したらって許可されてた」
奈緒「アタシも凛も、きっといつか戻ってきてくれるって……2人でユニット組んで、アイドルをやりながら加蓮を待ってた」
奈緒「アタシ達は育成枠ってことで別の部署に移されたけど、いつか加蓮もこっちに来るだろうって」
奈緒「加蓮もいろんな人から、これからが楽しみなアイドルだって言われてたからさ」
奈緒「……はは、それがまさか、プロデューサーになって帰ってくるなんて」
175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:42:43.60 ID:oyrpMvNz0
奈緒「加蓮にはよくびっくりさせられてたけど、こればっかりは過去最大のびっくりだよ……はは、あん時のアタシ、間抜けだったろうなぁ」
柚「…………」
奈緒「…………あ、あはは……そゆこと」
柚「加蓮サンが、アイドル……なのに、アタシのプロデューサーサン……?」
奈緒「うん――」
加蓮「ハァ、ハァ、み、見つけた……!」
奈緒「!」柚「!」
加蓮「はーっ、はーっ…………」チラ
奈緒「加蓮……」
柚「…………」
奈緒「…………あ、あはは……そゆこと」
柚「加蓮サンが、アイドル……なのに、アタシのプロデューサーサン……?」
奈緒「うん――」
加蓮「ハァ、ハァ、み、見つけた……!」
奈緒「!」柚「!」
加蓮「はーっ、はーっ…………」チラ
奈緒「加蓮……」
176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:43:13.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………久しぶり、奈緒」
奈緒「!」
加蓮「びっくりした? 私がここにいて」
奈緒「…………そりゃ、びっくりもするよ……なあ、加蓮、どういうことなんだよ。プロデューサーやってるって、どういう……!」
柚「……ねえ加蓮サン。前にアイドルやってたって、ホント?」
加蓮「……うん。どっちも、本当だよ」
柚「病気で倒れたって、ホント?」
加蓮「うん」
柚「…………」
加蓮「……あんまり話したい話じゃないし、わざわざ言うことでもじゃないでしょ? それに……今の私は柚のプロデューサーだよ。例え元アイドルでも関係なく、今の私はプロデューサー」
加蓮「ちゃんと仕事を取ってきて、レッスン見て、事務仕事だってやってるでしょ?」
奈緒「!」
加蓮「びっくりした? 私がここにいて」
奈緒「…………そりゃ、びっくりもするよ……なあ、加蓮、どういうことなんだよ。プロデューサーやってるって、どういう……!」
柚「……ねえ加蓮サン。前にアイドルやってたって、ホント?」
加蓮「……うん。どっちも、本当だよ」
柚「病気で倒れたって、ホント?」
加蓮「うん」
柚「…………」
加蓮「……あんまり話したい話じゃないし、わざわざ言うことでもじゃないでしょ? それに……今の私は柚のプロデューサーだよ。例え元アイドルでも関係なく、今の私はプロデューサー」
加蓮「ちゃんと仕事を取ってきて、レッスン見て、事務仕事だってやってるでしょ?」
177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:43:43.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「例え元アイドルでも、私は――」
加蓮「…………」
加蓮「…………ごめん。そういうことじゃないよね……そういうことじゃ……」
柚「…………加蓮サン……」
加蓮「……隠しててごめん。……元アイドルだってのも、奈緒とユニット組んでたってのも、ぜんぶ本当のことだよ」
柚「…………」
奈緒「なあ加蓮。その、体の方はどうなってるんだ? 今もアイドルはまだ――」
加蓮「うん。無理だよ。まだアイドルはできない」
加蓮「定期検診の度に医者とお母さん、ついでにPさんから止められてる。プロデューサーやってる時も、走るのは厳禁」
加蓮「だから今だって、ずっと早歩きで柚を探してたんだ……それでもご覧の有様だけどね」アセダク
奈緒「…………」
加蓮「…………」
加蓮「…………ごめん。そういうことじゃないよね……そういうことじゃ……」
柚「…………加蓮サン……」
加蓮「……隠しててごめん。……元アイドルだってのも、奈緒とユニット組んでたってのも、ぜんぶ本当のことだよ」
柚「…………」
奈緒「なあ加蓮。その、体の方はどうなってるんだ? 今もアイドルはまだ――」
加蓮「うん。無理だよ。まだアイドルはできない」
加蓮「定期検診の度に医者とお母さん、ついでにPさんから止められてる。プロデューサーやってる時も、走るのは厳禁」
加蓮「だから今だって、ずっと早歩きで柚を探してたんだ……それでもご覧の有様だけどね」アセダク
奈緒「…………」
178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:44:13.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ちょっとでも疲れを感じたら休め。さんざん言われてるよ。その辺の条件があって、プロデューサーとしての行動は認められてるけど」
奈緒「そっか……。やっぱりまだ、無理なんだな」
加蓮「奈緒。まだ私のこと待ってるの?」
加蓮「……私のことなんて待たなくていいのに」
奈緒「!」
加蓮「もしアイドルに復帰できてもただのポンコツだよ? もうレッスンなんてずっとやってないし。それに、どーせまた倒れるだろうし」
加蓮「将来が楽しみなんてもう昔のこと。変に期待されるのも辛いし……だからさ、」
奈緒「そんなの関係ないよ!」
加蓮「っ」
奈緒「……そんなの、何度だって凛と話したよ。もしかしたら加蓮のことを忘れた方がいいかもしれないって思ったことだってあった!」
奈緒「でもさ、やっぱ違うんだよ! アタシ達3人でトライアドプリムスなんだよ! 育成枠とか期待のアイドルとか関係なくさ!」
奈緒「そっか……。やっぱりまだ、無理なんだな」
加蓮「奈緒。まだ私のこと待ってるの?」
加蓮「……私のことなんて待たなくていいのに」
奈緒「!」
加蓮「もしアイドルに復帰できてもただのポンコツだよ? もうレッスンなんてずっとやってないし。それに、どーせまた倒れるだろうし」
加蓮「将来が楽しみなんてもう昔のこと。変に期待されるのも辛いし……だからさ、」
奈緒「そんなの関係ないよ!」
加蓮「っ」
奈緒「……そんなの、何度だって凛と話したよ。もしかしたら加蓮のことを忘れた方がいいかもしれないって思ったことだってあった!」
奈緒「でもさ、やっぱ違うんだよ! アタシ達3人でトライアドプリムスなんだよ! 育成枠とか期待のアイドルとか関係なくさ!」
179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:44:43.85 ID:oyrpMvNz0
奈緒「今……今さ、アタシと凛、トライアドプリムスを名乗ってないんだ。それは加蓮が戻ってきてから名乗ろうって決めてるんだ! だからっ――」
加蓮「……ふふっ。相変わらず頭に血が昇ったらツンの欠片も見せなくなるね、奈緒」
奈緒「! からかうなよっ。アタシも凛も、加蓮のこと本当に……本当に待ち続けて……っ!」
加蓮「…………」
柚「……ねえ、加蓮サン」
加蓮「何?」
柚「……ううん、分かんない。アタシ、どう思えばいいのか分かんないや……。加蓮サンがアイドルやってたって聞いてびっくりしたけど、どう思えばいいのかぜんぜん分かんない……」
加蓮「…………柚」
加蓮「……上手くやるよりも」
柚「やりたいようにやろうっ! ……だよ、ね?」
加蓮「……ふふっ。相変わらず頭に血が昇ったらツンの欠片も見せなくなるね、奈緒」
奈緒「! からかうなよっ。アタシも凛も、加蓮のこと本当に……本当に待ち続けて……っ!」
加蓮「…………」
柚「……ねえ、加蓮サン」
加蓮「何?」
柚「……ううん、分かんない。アタシ、どう思えばいいのか分かんないや……。加蓮サンがアイドルやってたって聞いてびっくりしたけど、どう思えばいいのかぜんぜん分かんない……」
加蓮「…………柚」
加蓮「……上手くやるよりも」
柚「やりたいようにやろうっ! ……だよ、ね?」
180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:45:13.76 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん。……今まで隠しててごめん。許せとか言わないけど……ぜんぶ、後付になるけど」
加蓮「いつか説明はしようって思ってたし、柚から聞かれたら話そうって……でもあの時は、奈緒を見た時は……その、心の準備ができてなかったのと……あと……」
加蓮「……奈緒が、アイドルの衣装を着てたの見て……なんか、頭の中が切れちゃった」
柚「え?」
奈緒「アタシの、衣装?」
加蓮「…………ねえ、柚。奈緒も……。私の話、聞いてくれる?」
柚「…………」ミアワセ 奈緒「…………」ミアワセ
加蓮「…………」ウツムキ
柚「うん、聞く。ごっちゃごっちゃで訳分かんないし!」
奈緒「アタシも……加蓮が何を思ってプロデューサーやってるのか、聞きたい」
加蓮「……うん。分かった。話すね」
加蓮「いつか説明はしようって思ってたし、柚から聞かれたら話そうって……でもあの時は、奈緒を見た時は……その、心の準備ができてなかったのと……あと……」
加蓮「……奈緒が、アイドルの衣装を着てたの見て……なんか、頭の中が切れちゃった」
柚「え?」
奈緒「アタシの、衣装?」
加蓮「…………ねえ、柚。奈緒も……。私の話、聞いてくれる?」
柚「…………」ミアワセ 奈緒「…………」ミアワセ
加蓮「…………」ウツムキ
柚「うん、聞く。ごっちゃごっちゃで訳分かんないし!」
奈緒「アタシも……加蓮が何を思ってプロデューサーやってるのか、聞きたい」
加蓮「……うん。分かった。話すね」
181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:45:43.60 ID:oyrpMvNz0
加蓮「私ね……小さい頃からよく入院してたんだ。体力がなくて、ちょっと走るだけでガタガタで」
加蓮「小さい時、なんにもない世界で……テレビだけが外の世界を見せてくれた。そしてそこで、私はキラキラ輝くアイドルを見たんだ」
加蓮「私もなりたい」
加蓮「無理かもしれないけど、無茶かもしれないけど、私もアイドルになりたい」
加蓮「みんなに反対されたけど、ある時、Pさんに拾われたんだ。柚の雛祭りLIVEと同じくらいのステージにも立った」
加蓮「ずっと秘めてた夢が叶ったんだ。身体もずっと問題なくて。奈緒の言う通り、周りから期待されてたけど……私の身体は、そんな楽観的な物じゃなかったみたい」
加蓮「爆発した」
加蓮「結構な間、入院することになって。Pさんと両親、あと医者から、アイドルを続けることは無理だと言われた。やるな、じゃなくて、無理だって」
加蓮「でも、夢を諦めたくなかった。何にもない世界で見つけた、たった一筋の光だったもん」
加蓮「だから倒れた時、アイドルは無理だって言われた後も、必死に食い下がって」
182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:46:13.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「そしたら医者が、身体が前みたいに回復したら認めてもいいって。アイドルをやることを。それでもいろんな配慮は必要だって言ってたけどね」
加蓮「家でじっとしてればよかったんだけど……休んでたら回復するもんじゃない、そもそも回復するかどうかも分からない、って言われてた」
加蓮「つまり、歩いてても立ち止まってても、回復する時にはするし、しない時にはしないって」
加蓮「それならさ。アイドルができない間も、アイドルに触れていたかった。夢を失いたくないし、何かしている気になれる」
加蓮「……気になれるだけだって分かってても、何もしないで療養するなんて耐えられなかった」
加蓮「Pさんにお願いした。何か手伝うことはないかって。アイドルはできないけど、アイドルに関わる何かはできないかって」
加蓮「Pさんは私に、プロデューサーの手伝いをすればいいって提案したんだ」
加蓮「家でじっとしてればよかったんだけど……休んでたら回復するもんじゃない、そもそも回復するかどうかも分からない、って言われてた」
加蓮「つまり、歩いてても立ち止まってても、回復する時にはするし、しない時にはしないって」
加蓮「それならさ。アイドルができない間も、アイドルに触れていたかった。夢を失いたくないし、何かしている気になれる」
加蓮「……気になれるだけだって分かってても、何もしないで療養するなんて耐えられなかった」
加蓮「Pさんにお願いした。何か手伝うことはないかって。アイドルはできないけど、アイドルに関わる何かはできないかって」
加蓮「Pさんは私に、プロデューサーの手伝いをすればいいって提案したんだ」
183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:46:43.43 ID:oyrpMvNz0
加蓮「メチャクチャ無理したっぽい。上の人たちと揉めてるのも何回も見た。でもやがて、私はプロデューサー代理って立場になれた」
加蓮「それからすぐだよ。柚のことを見つけて、スカウトしたのは」
加蓮「…………」
加蓮「…………以上。加蓮ちゃんの秘密のお話でした」
加蓮「それからすぐだよ。柚のことを見つけて、スカウトしたのは」
加蓮「…………」
加蓮「…………以上。加蓮ちゃんの秘密のお話でした」
184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:47:13.67 ID:oyrpMvNz0
柚「…………」
奈緒「…………」
加蓮「…………」
柚「……あの、さ。ってことは加蓮サン、もし体がよくなったら……アタシのプロデューサーサンやめて、アイドルに戻るんだ」
加蓮「…………それがさ……最初は、そうするつもり満々だったんだ」
柚「…………」
加蓮「さっきも言ったけど、復帰するまでアイドルに離れているのが嫌で、だからPさんの手伝いを始めたっていうのが最初だし」
加蓮「それだけだったんだけど、でも……いつ頃からかな。ほら、柚の雛祭りLIVEよりも前、なかなか大きな仕事を持ってこれなかった頃にさ」
加蓮「営業が何度も上手くいかなくて、結局はPさんに頼ってばっかりで。なんで私ってこんなことやってるんだろーってイライラしてたんだけど……柚を見たら、やらなきゃ、って燃えたんだ」
柚「アタシを……?」
185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:47:43.43 ID:oyrpMvNz0
加蓮「だって柚、あんなに楽しそうにやってるもん。じゃあ私もやらないと、って」
加蓮「Pさんに、柚のプロデュースは私がやるんだ、って言ったら、もういろいろと吹っ切れちゃって……すうって消えたんだ。なんだか、いろんな物が消えちゃって」
加蓮「うん、そんな感じ」
奈緒「え……? ま、待てよ加蓮!」
加蓮「ん?」
奈緒「じゃあ、もしかして……まさか……もうアイドルに戻るつもりは――!?」
加蓮「…………」
加蓮「…………ごめん、奈緒」
奈緒「……っ!!」
加蓮「Pさんに、柚のプロデュースは私がやるんだ、って言ったら、もういろいろと吹っ切れちゃって……すうって消えたんだ。なんだか、いろんな物が消えちゃって」
加蓮「うん、そんな感じ」
奈緒「え……? ま、待てよ加蓮!」
加蓮「ん?」
奈緒「じゃあ、もしかして……まさか……もうアイドルに戻るつもりは――!?」
加蓮「…………」
加蓮「…………ごめん、奈緒」
奈緒「……っ!!」
186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:48:13.89 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あのね。さっき、柚を探してる間に雑誌の人に捕まってたの。私のインタビューをやりたいって何度も何度も言ってきて」
柚「加蓮サンの?」
加蓮「そ。私の。最初はもうアイドルじゃないんだしって断ったんだけどさ。そうじゃなくて、プロデューサーとしての私にインタビューがしたいって言うんだ」
加蓮「前に、営業先の人からプロデューサーじゃなくてアイドルだって思われたことが何回もあった。セルフプロデュース? って聞かれたこととかもね」
加蓮「でも、たまにいるんだ。私をプロデューサーだって見てくれる人が」
加蓮「柚の雛祭りLIVEの時もそう」
『君、もしかして前にさ、アイドルやってなかった? 北条加蓮って聞き覚えがあるんだよね。1度だけ大きめのLIVEに出たのを見たことがあったような……』
『あ、やっぱりそうなの? そっかー。うん? でも今の君はプロデューサーなんでしょ。じゃあうちはLIVE開催者として君の話を聞くよ』
『……今は秘密にしておいてくれ? 分かった分かった。何かワケアリなんだね。じゃあ今のことは聞かなかったことにしよう』
加蓮「雑誌の人もそう。そりゃいいネタにはなると思うよ? ただの話題作りの為かもしれない」
加蓮「でも……何だったとしても、柚のプロデューサーだって見られたことがすっごく嬉しかった」
柚「加蓮サンの?」
加蓮「そ。私の。最初はもうアイドルじゃないんだしって断ったんだけどさ。そうじゃなくて、プロデューサーとしての私にインタビューがしたいって言うんだ」
加蓮「前に、営業先の人からプロデューサーじゃなくてアイドルだって思われたことが何回もあった。セルフプロデュース? って聞かれたこととかもね」
加蓮「でも、たまにいるんだ。私をプロデューサーだって見てくれる人が」
加蓮「柚の雛祭りLIVEの時もそう」
『君、もしかして前にさ、アイドルやってなかった? 北条加蓮って聞き覚えがあるんだよね。1度だけ大きめのLIVEに出たのを見たことがあったような……』
『あ、やっぱりそうなの? そっかー。うん? でも今の君はプロデューサーなんでしょ。じゃあうちはLIVE開催者として君の話を聞くよ』
『……今は秘密にしておいてくれ? 分かった分かった。何かワケアリなんだね。じゃあ今のことは聞かなかったことにしよう』
加蓮「雑誌の人もそう。そりゃいいネタにはなると思うよ? ただの話題作りの為かもしれない」
加蓮「でも……何だったとしても、柚のプロデューサーだって見られたことがすっごく嬉しかった」
187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:48:43.68 ID:oyrpMvNz0
加蓮「もし今、身体が完全回復して……柚や奈緒、凛みたいに歌って踊れるようになっても……」
加蓮「私は、アイドルに戻るつもりはない」
奈緒「!!」
加蓮「……だから、奈緒。だから……私のことは、もう待たないで」
奈緒「…………!!」
奈緒「く……うっ…………」
柚「加蓮サン……奈緒サン……」
加蓮「…………」
奈緒「そ、っか……は、はっ……あ、のさ。加蓮の噂、そのっ、プロデューサーやってるって噂を聞いた時、凛と話したんだ」
奈緒「加蓮って……もしかしたらもう、アイドルに復帰するつもりないんじゃないか、って……」
奈緒「でも、アタシも凛も、加蓮のアイドルへの情熱、知ってたからさ……ないよなー、って笑ってたんだ。ただのデマだよなー、って」
奈緒「なのに……マジかよ……! なあっ…………!」
加蓮「……ごめんなさい」
加蓮「私は、アイドルに戻るつもりはない」
奈緒「!!」
加蓮「……だから、奈緒。だから……私のことは、もう待たないで」
奈緒「…………!!」
奈緒「く……うっ…………」
柚「加蓮サン……奈緒サン……」
加蓮「…………」
奈緒「そ、っか……は、はっ……あ、のさ。加蓮の噂、そのっ、プロデューサーやってるって噂を聞いた時、凛と話したんだ」
奈緒「加蓮って……もしかしたらもう、アイドルに復帰するつもりないんじゃないか、って……」
奈緒「でも、アタシも凛も、加蓮のアイドルへの情熱、知ってたからさ……ないよなー、って笑ってたんだ。ただのデマだよなー、って」
奈緒「なのに……マジかよ……! なあっ…………!」
加蓮「……ごめんなさい」
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:49:13.45 ID:oyrpMvNz0
奈緒「そっか…………そっかぁ………………」
奈緒「うぁ……あぁぁぁ…………!」
加蓮「…………」メヲフセル
柚「加蓮サン……」
加蓮「…………柚。戻ろ。裕美ちゃんと真奈美さんが探してたよ。それに、そろそろLIVEの時間だ」
柚「でも、」
加蓮「じゃあ――」ガタッ
奈緒「……待ってよ!」ガシ
加蓮「奈緒…………?」
奈緒「駄目だよ。やっぱりこんなの納得いかない!」
奈緒「うぁ……あぁぁぁ…………!」
加蓮「…………」メヲフセル
柚「加蓮サン……」
加蓮「…………柚。戻ろ。裕美ちゃんと真奈美さんが探してたよ。それに、そろそろLIVEの時間だ」
柚「でも、」
加蓮「じゃあ――」ガタッ
奈緒「……待ってよ!」ガシ
加蓮「奈緒…………?」
奈緒「駄目だよ。やっぱりこんなの納得いかない!」
189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:49:43.69 ID:oyrpMvNz0
奈緒「なあ。ウソなんだろ? ……ウソなんだよね? なんでそんな体でアイドルやってんだってケンカした時に言ったことアタシ覚えてんだぞ! でもなりたいってずっと突っぱねてたこと……凛と大ゲンカした加蓮のこと覚えてんだ!」
奈緒「もうアイドルになんて……ウソ、なんだよな。そうだよな。加蓮って前からそうだ。ウソとか冗談とかよく言って、アタシをからかって……でも……でも、ついちゃいけないウソってあると思うんだよ!」
奈緒「いや……そっか。病気がなかなか治らないからそういうこと言ってるだけなんだよな! 大丈夫だぞ! アタシも凛も、ずっとずっと待ってるから! その……待ってるから……」
加蓮「…………」
奈緒「なあ……っ……!」
加蓮「…………奈緒。嘘でも、強がりでもない。ぜんぶ、私の本心だ」
奈緒「……っ…………!!」
加蓮「…………」
奈緒「じゃあ……なら……ならあの時のこと! 一緒に頑張って凛に追いつこうって決めた時のこと! 忘れたとは言わせねえぞ! 忘れたなんて……っ」
加蓮「奈緒」
加蓮「……私が嘘ついてないって、それは奈緒が一番よく――」
加蓮「…………」
奈緒「くうっ……………………」
奈緒「もうアイドルになんて……ウソ、なんだよな。そうだよな。加蓮って前からそうだ。ウソとか冗談とかよく言って、アタシをからかって……でも……でも、ついちゃいけないウソってあると思うんだよ!」
奈緒「いや……そっか。病気がなかなか治らないからそういうこと言ってるだけなんだよな! 大丈夫だぞ! アタシも凛も、ずっとずっと待ってるから! その……待ってるから……」
加蓮「…………」
奈緒「なあ……っ……!」
加蓮「…………奈緒。嘘でも、強がりでもない。ぜんぶ、私の本心だ」
奈緒「……っ…………!!」
加蓮「…………」
奈緒「じゃあ……なら……ならあの時のこと! 一緒に頑張って凛に追いつこうって決めた時のこと! 忘れたとは言わせねえぞ! 忘れたなんて……っ」
加蓮「奈緒」
加蓮「……私が嘘ついてないって、それは奈緒が一番よく――」
加蓮「…………」
奈緒「くうっ……………………」
190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:50:13.65 ID:oyrpMvNz0
柚「――加蓮サン!」
加蓮「柚……?}
柚「アタシ……加蓮サンのことまだまだよく分かってないっ。奈緒サンみたいに知ってないよ。でも、でもさ!」
柚「あの……も、もしさ。もし加蓮サンの、病気? が治ったら、アイドル、やったらいいんじゃないかなっ」
加蓮「…………言ったでしょ? 私はプロデューサーで――」
柚「その時は、ほらっ。プロデューサーでアイドルっ。加蓮サンならどっちもできるよ!」
加蓮「あのね。馬鹿言わないの。私に頼ってばっかりの癖に」
柚「うぐっ。そ、そこはアタシが頑張ってですな、そのですな……」
加蓮「どっちにしても、今は柚のプロデュースをさせてよ。私、それが一番やりたいことなんだから」
加蓮「言ったよね。柚にやりたいようにやれって言う理由の1つに、昔からやるなってばっかり言われてたからって」
柚「! それ、もしかして入院してたから?」
加蓮「柚……?}
柚「アタシ……加蓮サンのことまだまだよく分かってないっ。奈緒サンみたいに知ってないよ。でも、でもさ!」
柚「あの……も、もしさ。もし加蓮サンの、病気? が治ったら、アイドル、やったらいいんじゃないかなっ」
加蓮「…………言ったでしょ? 私はプロデューサーで――」
柚「その時は、ほらっ。プロデューサーでアイドルっ。加蓮サンならどっちもできるよ!」
加蓮「あのね。馬鹿言わないの。私に頼ってばっかりの癖に」
柚「うぐっ。そ、そこはアタシが頑張ってですな、そのですな……」
加蓮「どっちにしても、今は柚のプロデュースをさせてよ。私、それが一番やりたいことなんだから」
加蓮「言ったよね。柚にやりたいようにやれって言う理由の1つに、昔からやるなってばっかり言われてたからって」
柚「! それ、もしかして入院してたから?」
191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:50:43.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん。今は……できるんだよ。できないことはあるんだけど、できることもある。やりたいこともある……やりたいことが、できるの」
加蓮「強がりでもウソでもなくてさ。本当に今、柚のプロデュースを一番やりたいの」
奈緒「…………っ」
柚「じゃあ、じゃあさっ。病気が治ったら、アタシと一緒にアイドルやろうよっ。あっ、もちろん奈緒サンと……えと、凛サン? だっけ? とも!」
加蓮「あのさ、柚……私の話を――」
柚「そしたらほらっ、一緒にプロデューサーもできるよっ。あの、その時はアタシが加蓮サンのプロデューサーもしてあげるっ」
柚「アタシはアイドルでプロデューサー、加蓮サンもプロデューサーでアイドル!」
柚「苦手なことだっていっぱい勉強するよ! 今までアイドルでできたんだから、プロデューサーだってできるハズっ」
加蓮「…………」
加蓮「強がりでもウソでもなくてさ。本当に今、柚のプロデュースを一番やりたいの」
奈緒「…………っ」
柚「じゃあ、じゃあさっ。病気が治ったら、アタシと一緒にアイドルやろうよっ。あっ、もちろん奈緒サンと……えと、凛サン? だっけ? とも!」
加蓮「あのさ、柚……私の話を――」
柚「そしたらほらっ、一緒にプロデューサーもできるよっ。あの、その時はアタシが加蓮サンのプロデューサーもしてあげるっ」
柚「アタシはアイドルでプロデューサー、加蓮サンもプロデューサーでアイドル!」
柚「苦手なことだっていっぱい勉強するよ! 今までアイドルでできたんだから、プロデューサーだってできるハズっ」
加蓮「…………」
192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:51:13.55 ID:oyrpMvNz0
奈緒「加蓮……加蓮が何って言っても、アタシは信じてる。加蓮がアイドルを辞めたいなんて本気で思ってないってこと!」
奈緒「倒れた時だって、必死にアイドルやりたいって言ったんだろ!?」
奈緒「アタシは信じてる。加蓮の想いの強さを!」
加蓮「…………」
加蓮「…………」チラ
奈緒「っ…………!」
加蓮「…………」チラ
柚「加蓮サン……」
加蓮「…………」
奈緒「倒れた時だって、必死にアイドルやりたいって言ったんだろ!?」
奈緒「アタシは信じてる。加蓮の想いの強さを!」
加蓮「…………」
加蓮「…………」チラ
奈緒「っ…………!」
加蓮「…………」チラ
柚「加蓮サン……」
加蓮「…………」
193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:51:43.96 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……くくっ…………くくくくっ…………!」
奈緒「え?」柚「へ?」
加蓮「あははっ!! おっかし……! 奈緒、想いの強さを信じてるって……ぷぷっ」
奈緒「なあっ! アタシこれでも真剣なんだぞ!?」
加蓮「ふふっ。奈緒のそーいうとこ変わってないね。アタシは信じてる……だって。ふふっ! まるでお芝居みたい……」
奈緒「だ、だからアタシは真剣に……!」
加蓮「分かってる。それが奈緒だもんね。……ちょっぴり羨ましいかも」
加蓮「柚も。苦手なことだったら勉強する? アンタ、テストの度に私に泣きついてギリギリ赤点回避してるでしょ。笑わせないでよ」
柚「それとこれとは別だもん。加蓮サンのことならもっと頑張れるっ」
加蓮「はーっ。……もう。馬鹿」
奈緒「え?」柚「へ?」
加蓮「あははっ!! おっかし……! 奈緒、想いの強さを信じてるって……ぷぷっ」
奈緒「なあっ! アタシこれでも真剣なんだぞ!?」
加蓮「ふふっ。奈緒のそーいうとこ変わってないね。アタシは信じてる……だって。ふふっ! まるでお芝居みたい……」
奈緒「だ、だからアタシは真剣に……!」
加蓮「分かってる。それが奈緒だもんね。……ちょっぴり羨ましいかも」
加蓮「柚も。苦手なことだったら勉強する? アンタ、テストの度に私に泣きついてギリギリ赤点回避してるでしょ。笑わせないでよ」
柚「それとこれとは別だもん。加蓮サンのことならもっと頑張れるっ」
加蓮「はーっ。……もう。馬鹿」
194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:52:14.52 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……はいはい。じゃあ病気が治って、あと柚のプロデュースが一段落ついたらね。もうどんだけ先の話になるか分かんないけど――」
奈緒「ホントかっ!? ホントなんだな! ウソでした~とか冗談でした~とは言わせねえぞっ!」ガシ
加蓮「わっ。ちょ! ……嘘じゃないってば。でもホントに何年かかるか分からない話だよ? もしかしたらアイドルって言えない年齢になって――」
奈緒「それでも! ……アタシも、それに凛もきっと! ずっと加蓮のこと待ってるから!」
奈緒「約束だからな!」
加蓮「…………」
柚「じゃあアタシからも約束っ。いつか一緒にアイドルやろっ。そしたら……今も楽しいけど、そしたらもっと楽しいよ!」
加蓮「…………もー」
加蓮「じゃあ、約束ね」
奈緒「約束だ!」
柚「約束っ」
加蓮「もう…………」
奈緒「ホントかっ!? ホントなんだな! ウソでした~とか冗談でした~とは言わせねえぞっ!」ガシ
加蓮「わっ。ちょ! ……嘘じゃないってば。でもホントに何年かかるか分からない話だよ? もしかしたらアイドルって言えない年齢になって――」
奈緒「それでも! ……アタシも、それに凛もきっと! ずっと加蓮のこと待ってるから!」
奈緒「約束だからな!」
加蓮「…………」
柚「じゃあアタシからも約束っ。いつか一緒にアイドルやろっ。そしたら……今も楽しいけど、そしたらもっと楽しいよ!」
加蓮「…………もー」
加蓮「じゃあ、約束ね」
奈緒「約束だ!」
柚「約束っ」
加蓮「もう…………」
195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:52:43.52 ID:oyrpMvNz0
――フェス会場――
柚「ただいまーっ。お待たせ!」
真奈美「柚。ちょうど20分前だな。あと10秒したら連絡を入れようと裕美と話し合ってきたところだぞ」
裕美「柚ちゃん、おかえりなさい。探してた人……見つかった?」
柚「うんっ。それに……へへっ♪」
真奈美「……?」裕美「……?」
加蓮「…………」ベチッ
柚「あたっ! なんではたいたの~」
加蓮「裕美ちゃん、真奈美さん、ごめん。うちの柚が迷惑かけて。ちょっと遅くなっちゃった」
真奈美「いや、それは構わないが……ん? プロデューサー君。ええと、加蓮だったか。加蓮。何かあったのかな?」
加蓮「え?」
真奈美「心なしかいい顔をしているような――」
柚「ナイショ!」
柚「ただいまーっ。お待たせ!」
真奈美「柚。ちょうど20分前だな。あと10秒したら連絡を入れようと裕美と話し合ってきたところだぞ」
裕美「柚ちゃん、おかえりなさい。探してた人……見つかった?」
柚「うんっ。それに……へへっ♪」
真奈美「……?」裕美「……?」
加蓮「…………」ベチッ
柚「あたっ! なんではたいたの~」
加蓮「裕美ちゃん、真奈美さん、ごめん。うちの柚が迷惑かけて。ちょっと遅くなっちゃった」
真奈美「いや、それは構わないが……ん? プロデューサー君。ええと、加蓮だったか。加蓮。何かあったのかな?」
加蓮「え?」
真奈美「心なしかいい顔をしているような――」
柚「ナイショ!」
196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:53:13.47 ID:oyrpMvNz0
真奈美「フッ、それなら詮索はやめておこう。さ、柚、裕美。LIVEの時間だ。行こうか」
裕美「えっ……そんな言い方されたら、私、気になるんだけど……!?」
柚「へっへー。行こ行こっ。加蓮サン、行ってきます! 今日もアタシをしっかり見ててね!」
加蓮「はーい。……でも裕美ちゃんにかぶりつくのはやめなさいよ?」
裕美「!!」
柚「ふっふっふー、どうしよっかなー?」
裕美「…………!!??」サーッ
真奈美「こら柚。裕美が青い顔をしているぞ」
柚「じゃあやめとく!」
<スタスタ...
加蓮「ふうっ」
裕美「えっ……そんな言い方されたら、私、気になるんだけど……!?」
柚「へっへー。行こ行こっ。加蓮サン、行ってきます! 今日もアタシをしっかり見ててね!」
加蓮「はーい。……でも裕美ちゃんにかぶりつくのはやめなさいよ?」
裕美「!!」
柚「ふっふっふー、どうしよっかなー?」
裕美「…………!!??」サーッ
真奈美「こら柚。裕美が青い顔をしているぞ」
柚「じゃあやめとく!」
<スタスタ...
加蓮「ふうっ」
197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:53:43.49 ID:oyrpMvNz0
奈緒「……なんていうか、ホントにプロデューサーなんだな、加蓮」
加蓮「わっ!? び、びっくりしたぁ……」
加蓮「うん。見ての通り。プロデューサーだよ。れっきとしたプロデューサー」
奈緒「そっかぁ……」
加蓮「……何?」
奈緒「いや、違うんだ。さっきは、加蓮がプロデューサーなんてって思ったけど……」チラ
<じゃあ真奈美サンにがぶーってしちゃおう!
<フフ、本気で私にイタズラする気かい?
<…………ひ、裕美ちゃん、いっけー
<えええっ!?
奈緒「加蓮がプロデューサーにこだわるのも、ちょっと分かる気がしてさ」
加蓮「……たはは。でしょー?」
加蓮「わっ!? び、びっくりしたぁ……」
加蓮「うん。見ての通り。プロデューサーだよ。れっきとしたプロデューサー」
奈緒「そっかぁ……」
加蓮「……何?」
奈緒「いや、違うんだ。さっきは、加蓮がプロデューサーなんてって思ったけど……」チラ
<じゃあ真奈美サンにがぶーってしちゃおう!
<フフ、本気で私にイタズラする気かい?
<…………ひ、裕美ちゃん、いっけー
<えええっ!?
奈緒「加蓮がプロデューサーにこだわるのも、ちょっと分かる気がしてさ」
加蓮「……たはは。でしょー?」
198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:54:14.38 ID:oyrpMvNz0
奈緒「まっ、アタシは加蓮がアイドルに復帰するのを待ち続けるけどな!」
加蓮「えー。無駄になっても知らないよ?」
奈緒「でも、よく考えたら加蓮ってこういう時にウソをついたことないって思ってさ。へへっ!」
加蓮「なにそれ。まったく」
加蓮「えー。無駄になっても知らないよ?」
奈緒「でも、よく考えたら加蓮ってこういう時にウソをついたことないって思ってさ。へへっ!」
加蓮「なにそれ。まったく」
199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:54:44.35 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
加蓮「もしもし。Pさん」
加蓮「うん。奈緒に会った。……それから私のこと、ぜんぶ柚に話した」
加蓮「うん。うん。……うん。あ、ごめんねPさん。ここんところイライラしちゃってて。迷惑、かけたよね……?」
加蓮「慣れっこ、って……もう。Pさんって相変わらず優しいんだね……ちょっとくらい責めてもいいのに……」
加蓮「あ、それでね。柚と奈緒と約束したんだ。回復したらアイドルに戻って、一緒にやろうって」
加蓮「……はいはい。分かってるよ。今すぐなんて言わないよ……それに、まだまだ柚のプロデューサーは続けるよ。それも変わんない」
加蓮「うん。……うん。あ、柚のLIVEの時間だ。え? Pさんも見に来る? ふふっ、それならえっと、今いる場所は――」
…………。
加蓮「もしもし。Pさん」
加蓮「うん。奈緒に会った。……それから私のこと、ぜんぶ柚に話した」
加蓮「うん。うん。……うん。あ、ごめんねPさん。ここんところイライラしちゃってて。迷惑、かけたよね……?」
加蓮「慣れっこ、って……もう。Pさんって相変わらず優しいんだね……ちょっとくらい責めてもいいのに……」
加蓮「あ、それでね。柚と奈緒と約束したんだ。回復したらアイドルに戻って、一緒にやろうって」
加蓮「……はいはい。分かってるよ。今すぐなんて言わないよ……それに、まだまだ柚のプロデューサーは続けるよ。それも変わんない」
加蓮「うん。……うん。あ、柚のLIVEの時間だ。え? Pさんも見に来る? ふふっ、それならえっと、今いる場所は――」
200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:55:13.45 ID:oyrpMvNz0
――数日後 喫茶店――
「いやあ、最初に聞いた時は驚いたよ。まさかこんな子がプロデューサー!? って」
加蓮「よく言われます、それ」
「でもほら、◯◯んところの……柚ちゃんがLIVEしたところがさ、うちに情報をくれて。それで君に取材してみたかったんだよね~。あそこの企画担当、実は僕の兄なんだ」
加蓮「それでノリが似ているんですね」
「そうかい? でもデスクがそんなの放っとけってうるさくて。で、最近はさ。セルフプロデュース? って言うの? そういうの増えてきたじゃん? だからここらで1つ、加蓮ちゃんの記事を作ろう! ってなってさ」
加蓮「そうだったんですか」
「ま、セルフプロデュースって言っても契約なんかは大人を介しているみたいだけどね。加蓮ちゃんもそうなんだろう?」
加蓮「ええ」
「いやあ、最初に聞いた時は驚いたよ。まさかこんな子がプロデューサー!? って」
加蓮「よく言われます、それ」
「でもほら、◯◯んところの……柚ちゃんがLIVEしたところがさ、うちに情報をくれて。それで君に取材してみたかったんだよね~。あそこの企画担当、実は僕の兄なんだ」
加蓮「それでノリが似ているんですね」
「そうかい? でもデスクがそんなの放っとけってうるさくて。で、最近はさ。セルフプロデュース? って言うの? そういうの増えてきたじゃん? だからここらで1つ、加蓮ちゃんの記事を作ろう! ってなってさ」
加蓮「そうだったんですか」
「ま、セルフプロデュースって言っても契約なんかは大人を介しているみたいだけどね。加蓮ちゃんもそうなんだろう?」
加蓮「ええ」
201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:55:43.97 ID:oyrpMvNz0
「だよねー。正直、業界の大多数からも子どもにそういうことさせるのはどうかって言ってるし……あ、でもね、実はこれ、ここだけの話なんだけどさ……」
「ほら、最近、いろんな年齢制限を下げようって動きがあるでしょ? お酒とか、選挙権とか。あれって若い子のセルフプロデュースの風潮ができつつある芸能界と関係があるとかないとか……」
加蓮「そうなんですか?」
「あくまでその筋から聞いた噂だよ。ほら、そういう世界の人たちって何かとそれっぽい理由を求めてるからね。世論とか体裁とか……」
「おっと、今は加蓮ちゃんへのインタビューだったね。っていうかさー加蓮ちゃん。もっと柔らかくしていいよ? プロデューサーってことで堅くなってるのかもしれないけど」
加蓮「…………」
「ああ、僕らはね、そう、セルフプロデュース推進派っていうのかな。若者にはどんどん活躍してほしいって思ってるんだ」
「ほら、最近、いろんな年齢制限を下げようって動きがあるでしょ? お酒とか、選挙権とか。あれって若い子のセルフプロデュースの風潮ができつつある芸能界と関係があるとかないとか……」
加蓮「そうなんですか?」
「あくまでその筋から聞いた噂だよ。ほら、そういう世界の人たちって何かとそれっぽい理由を求めてるからね。世論とか体裁とか……」
「おっと、今は加蓮ちゃんへのインタビューだったね。っていうかさー加蓮ちゃん。もっと柔らかくしていいよ? プロデューサーってことで堅くなってるのかもしれないけど」
加蓮「…………」
「ああ、僕らはね、そう、セルフプロデュース推進派っていうのかな。若者にはどんどん活躍してほしいって思ってるんだ」
202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:56:13.38 ID:oyrpMvNz0
「ここで若くて有能プロデューサーからガツン! と言ってほしいなんて思ってたりもね」
「だからこう、ありのまま喋ってほしいっていうか。あ、もちろん言える範囲で大丈夫だからね。何もアイドルのことを根掘り葉掘りって訳じゃないから。今時そーいうのは流行んないんだよね。スキャンダルとかでっち上げたら叩かれるのこっちだしさー」
加蓮「……じゃあ、いつものモードで。ふふっ」ヨイショ
「お、座り直して気合入れてるねー。じゃあさっそく質問行くから、軽~い気持ちで答えてね! まずは――」
「だからこう、ありのまま喋ってほしいっていうか。あ、もちろん言える範囲で大丈夫だからね。何もアイドルのことを根掘り葉掘りって訳じゃないから。今時そーいうのは流行んないんだよね。スキャンダルとかでっち上げたら叩かれるのこっちだしさー」
加蓮「……じゃあ、いつものモードで。ふふっ」ヨイショ
「お、座り直して気合入れてるねー。じゃあさっそく質問行くから、軽~い気持ちで答えてね! まずは――」
203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:56:43.44 ID:oyrpMvNz0
――1週間後 事務所――
『「若いからって門前払いした人たち、みんな見返してやる!」女子高生プロデューサーは語る――』
加蓮「…………」プルプル
柚「加蓮サン、すっごくプロっぽくてっカッコイイ! プロのプロデューサーだっ」
P「へー、よくできてるじゃないか。『正直アイドルにならないかって誘いはあります。でも今はプロデューサー一筋ですから!』とか、ははっ、加蓮が力強く言ってる顔が目に浮かぶな」
柚「『情熱を持ってやれば、必ず聞いてくれる人はいます。今の世の中こそそれが一番大事だって、身を持って知らしめたいですね』だって! これも加蓮サン言いそう!」
P「『私だって、担当アイドルを愛してますから』かー。俺も聞いてみたかったなぁ」
柚「え、それって……あ、あはは、アタシちょっと照れちゃうかもっ」クネクネ
加蓮「…………」プルプル
柚「? どったの加蓮サン?」
加蓮「あ……あんのクソ記者アアアアアアアアアアアァァァ!!!」ヒュッ!
<バシッ!
柚「わっ」
『「若いからって門前払いした人たち、みんな見返してやる!」女子高生プロデューサーは語る――』
加蓮「…………」プルプル
柚「加蓮サン、すっごくプロっぽくてっカッコイイ! プロのプロデューサーだっ」
P「へー、よくできてるじゃないか。『正直アイドルにならないかって誘いはあります。でも今はプロデューサー一筋ですから!』とか、ははっ、加蓮が力強く言ってる顔が目に浮かぶな」
柚「『情熱を持ってやれば、必ず聞いてくれる人はいます。今の世の中こそそれが一番大事だって、身を持って知らしめたいですね』だって! これも加蓮サン言いそう!」
P「『私だって、担当アイドルを愛してますから』かー。俺も聞いてみたかったなぁ」
柚「え、それって……あ、あはは、アタシちょっと照れちゃうかもっ」クネクネ
加蓮「…………」プルプル
柚「? どったの加蓮サン?」
加蓮「あ……あんのクソ記者アアアアアアアアアアアァァァ!!!」ヒュッ!
<バシッ!
柚「わっ」
204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:57:13.74 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ゲホッ……私ここまで言ってない! そりゃ門前払いした営業先が私の話を聞いてくれると嬉しいくらいは言ったかもしれないけどさぁ! これじゃまるでケンカ売ってるみたいじゃん!!」
P「いや、芸能雑誌ってだいたいこんなもんだろ……」
柚「みんな大げさに書くの好きだよねっ」
加蓮「あと誰が情熱を持ってやれば、よ! そんなこと言ってないしゲホッ!」
P「その辺はほら、加蓮の普段の態度っていうかな」
柚「加蓮サン見てたらアタシまで気合入っちゃうっ」
加蓮「くっそぉ、大げさにするのとか流行らないって言ってたのあっち……あああああ騙されたああああああああ~~~!」
P「お、おう。加蓮が人に騙されるのって珍しいな」
加蓮「うううううう~~~~~!!」
柚「加蓮サン加蓮サンっ。どーどー。ほらっレモン飴あるよ! これ食べてリラックス~、リラックス~」
加蓮「むぐっ」
加蓮「……………………」バリボリバリボリ
P「いや、芸能雑誌ってだいたいこんなもんだろ……」
柚「みんな大げさに書くの好きだよねっ」
加蓮「あと誰が情熱を持ってやれば、よ! そんなこと言ってないしゲホッ!」
P「その辺はほら、加蓮の普段の態度っていうかな」
柚「加蓮サン見てたらアタシまで気合入っちゃうっ」
加蓮「くっそぉ、大げさにするのとか流行らないって言ってたのあっち……あああああ騙されたああああああああ~~~!」
P「お、おう。加蓮が人に騙されるのって珍しいな」
加蓮「うううううう~~~~~!!」
柚「加蓮サン加蓮サンっ。どーどー。ほらっレモン飴あるよ! これ食べてリラックス~、リラックス~」
加蓮「むぐっ」
加蓮「……………………」バリボリバリボリ
205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:57:43.57 ID:oyrpMvNz0
柚「噛むんじゃなくて舐めろーっ」
P「すげえ顔してんな……」
加蓮「見んなっ!」
P「おう」サッ
加蓮「ガリッ! ……ちっくしょー、油断したぁ……明日からどんな顔で学校通えばいいのよ……」ギリリ
P「ドンマイ。もうそっち向いていいか?」
加蓮「…………どーぞ」
柚「じゃー次はアタシがすごいこと言ってくる! そしたら加蓮サンの仲間!」
加蓮「やめろ」ガシ
柚「きゃっ」
P「すげえ顔してんな……」
加蓮「見んなっ!」
P「おう」サッ
加蓮「ガリッ! ……ちっくしょー、油断したぁ……明日からどんな顔で学校通えばいいのよ……」ギリリ
P「ドンマイ。もうそっち向いていいか?」
加蓮「…………どーぞ」
柚「じゃー次はアタシがすごいこと言ってくる! そしたら加蓮サンの仲間!」
加蓮「やめろ」ガシ
柚「きゃっ」
206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:58:13.27 ID:oyrpMvNz0
加蓮「そうしたらもうホントに面倒になるんだから。あのね、大きめのLIVE1回だけやって退場したような泡沫アイドルでさえ物好きが病院まで追っかけてくるんだからね」
P「おーい、勢いで言うのはいいが自分で自分を泡沫とか言うなよ~。俺まで悲しくなるぞ~」
加蓮「柚はその辺、ちょっとナメすぎ。私やPさんに迷惑かけたくないでしょ?」
柚「う、うん」
P「ま、この件はこれでいいじゃないか。芸能界なんてこんなもんだし、言わせたい連中には言わせとけばいいんだ。そっから逆転するのとか加蓮の好みだろ?」
加蓮「ま、ね……ハァ……」
柚「えとっ、疲れた時には甘い物! 加蓮サンにはこっちのマシュマロをあげるっ」
加蓮「むぐ」
加蓮「…………ハァ」
P「おーい、勢いで言うのはいいが自分で自分を泡沫とか言うなよ~。俺まで悲しくなるぞ~」
加蓮「柚はその辺、ちょっとナメすぎ。私やPさんに迷惑かけたくないでしょ?」
柚「う、うん」
P「ま、この件はこれでいいじゃないか。芸能界なんてこんなもんだし、言わせたい連中には言わせとけばいいんだ。そっから逆転するのとか加蓮の好みだろ?」
加蓮「ま、ね……ハァ……」
柚「えとっ、疲れた時には甘い物! 加蓮サンにはこっちのマシュマロをあげるっ」
加蓮「むぐ」
加蓮「…………ハァ」
207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:58:43.50 ID:oyrpMvNz0
柚「おかわりどぞっ♪」
加蓮「むぐ」
加蓮「…………あ、これ甘くて美味し……♪」
柚「でしょでしょ!」
加蓮「はー……、よいしょ、っと」ザッシヒロイ
加蓮「……あ。うん……今のはちょっと忘れて」
P「おう、忘れた忘れた」ニヤニヤ
加蓮「忘れたって顔してない!」
柚「アタシは頑張って覚えとくねっ」
加蓮「柚まで! 嫌なことは5分で忘れるんじゃなかったの!?」
加蓮「むぐ」
加蓮「…………あ、これ甘くて美味し……♪」
柚「でしょでしょ!」
加蓮「はー……、よいしょ、っと」ザッシヒロイ
加蓮「……あ。うん……今のはちょっと忘れて」
P「おう、忘れた忘れた」ニヤニヤ
加蓮「忘れたって顔してない!」
柚「アタシは頑張って覚えとくねっ」
加蓮「柚まで! 嫌なことは5分で忘れるんじゃなかったの!?」
208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:59:13.46 ID:oyrpMvNz0
柚「やなことじゃないもーん。ささ、アタシはレッスンに行かなきゃっ」
P「さて、仕事仕事。部下には負けてられないぞー」
加蓮「ちょ、柚、Pさん。話はまだ――あー、もー!」スタッ
加蓮「…………」パラパラ
加蓮「もー…………」
P「さて、仕事仕事。部下には負けてられないぞー」
加蓮「ちょ、柚、Pさん。話はまだ――あー、もー!」スタッ
加蓮「…………」パラパラ
加蓮「もー…………」
209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 15:59:43.54 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:00:13.43 ID:oyrpMvNz0
加蓮(それから、少しの月日が流れた)
加蓮(裕美ちゃんや真奈美さんとは、連絡先を交換したらしいけれど……それ以降、一緒に遊びに行っただとか仕事の話があったということはなく)
加蓮(柚はまた、ソロの仕事を繰り返し続けていた)
――11月 学校帰り――
加蓮「ふぁ……。ねむい……さむい……」ゴシゴシ
加蓮「えっと……帰ったら着替えて、◯◯事務所のとこで打ち合わせして、柚の報告を聞いて……」テチョウパラパラ
加蓮「明日はどうやっても休まないといけないなー、学校……」
加蓮「…………」クルッ
加蓮(振り返る。微かに見える校舎に、思うことは何もない)
加蓮(柚が忙しくなってから、自分が学生という気がしなくなってきた。昼に抜けたり、逆に昼から登校することもザラにあるし)
加蓮(Pさんの協力もあって、学校や親には説明しているけれど……変な感じ)
加蓮「あはは……前見て歩こ」
加蓮(裕美ちゃんや真奈美さんとは、連絡先を交換したらしいけれど……それ以降、一緒に遊びに行っただとか仕事の話があったということはなく)
加蓮(柚はまた、ソロの仕事を繰り返し続けていた)
――11月 学校帰り――
加蓮「ふぁ……。ねむい……さむい……」ゴシゴシ
加蓮「えっと……帰ったら着替えて、◯◯事務所のとこで打ち合わせして、柚の報告を聞いて……」テチョウパラパラ
加蓮「明日はどうやっても休まないといけないなー、学校……」
加蓮「…………」クルッ
加蓮(振り返る。微かに見える校舎に、思うことは何もない)
加蓮(柚が忙しくなってから、自分が学生という気がしなくなってきた。昼に抜けたり、逆に昼から登校することもザラにあるし)
加蓮(Pさんの協力もあって、学校や親には説明しているけれど……変な感じ)
加蓮「あはは……前見て歩こ」
211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:00:43.60 ID:oyrpMvNz0
加蓮「えっと、確か今日の柚のレッスンスケジュールは……」パラパラ
加蓮「……ん?」
<ごんっ
加蓮「あ……ったぁ……!」
加蓮「! ……うぁー」キョロキョロ
<チラッ
<クスクス
加蓮「…………///」ハヤアルキ
加蓮「ふう……おのれ電柱め……ああもう、ホントに前見て歩かなきゃ……」
加蓮「…………」テクテク
加蓮「……次の振り付けの進行がちょっと遅れてるんだっけ。私も時間を作って見てあげないとなー。他には……」パラパラ
柚「あ、加蓮サン!」
加蓮「お?」パタン
柚「やっぱり加蓮サンだ。やっほー!」タタッ
加蓮「……ん?」
<ごんっ
加蓮「あ……ったぁ……!」
加蓮「! ……うぁー」キョロキョロ
<チラッ
<クスクス
加蓮「…………///」ハヤアルキ
加蓮「ふう……おのれ電柱め……ああもう、ホントに前見て歩かなきゃ……」
加蓮「…………」テクテク
加蓮「……次の振り付けの進行がちょっと遅れてるんだっけ。私も時間を作って見てあげないとなー。他には……」パラパラ
柚「あ、加蓮サン!」
加蓮「お?」パタン
柚「やっぱり加蓮サンだ。やっほー!」タタッ
212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:01:13.55 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚。学校帰り?」
柚「うんっ。加蓮サンもだよね。もしかしてー、アタシのこと迎えに来てくれたりっ?」
加蓮「…………さて、柚の次のレッスンはマストレさんに……」
柚「無視!? ってマストレサンはやめてーっ。あの人すごく恐いから! 加蓮サンが鬼ならマストレサンは閻魔大王だっ」
加蓮「誰が鬼だ」ムギュ
柚「ごめんなふぁい」
加蓮「……柚って、いつもこの道を通って事務所に行ってんの?」
柚「そだよー。あっちの方! 電車使った方が早いんだけどこの時間はいっつも混んじゃうから、アタシ歩いてるんだ。歩いてもそんなにかかんないしっ」
加蓮「す、すごいね……」
柚「今日はホームルームが早く終わったから、混む前に電車に乗れたんだ。あ、加蓮サンは?」
加蓮「私はこっち」スイ
柚「そうなんだ。じゃあ加蓮サンもいつもここ通ってるの?」
加蓮「うん。会わなかったのが不思議なくらいだね」
柚「うんっ。加蓮サンもだよね。もしかしてー、アタシのこと迎えに来てくれたりっ?」
加蓮「…………さて、柚の次のレッスンはマストレさんに……」
柚「無視!? ってマストレサンはやめてーっ。あの人すごく恐いから! 加蓮サンが鬼ならマストレサンは閻魔大王だっ」
加蓮「誰が鬼だ」ムギュ
柚「ごめんなふぁい」
加蓮「……柚って、いつもこの道を通って事務所に行ってんの?」
柚「そだよー。あっちの方! 電車使った方が早いんだけどこの時間はいっつも混んじゃうから、アタシ歩いてるんだ。歩いてもそんなにかかんないしっ」
加蓮「す、すごいね……」
柚「今日はホームルームが早く終わったから、混む前に電車に乗れたんだ。あ、加蓮サンは?」
加蓮「私はこっち」スイ
柚「そうなんだ。じゃあ加蓮サンもいつもここ通ってるの?」
加蓮「うん。会わなかったのが不思議なくらいだね」
213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:01:43.70 ID:oyrpMvNz0
柚「ね、ね。それじゃ一緒に行こうよ! 今日もレッスンだよねっ。アタシ楽しみ! ……ま、マストレサン以外なら」
加蓮「そんなに嫌かー」
加蓮「私、マストレさんのレッスンって受けたことないんだよね。ベテトレさんまで」
柚「そうなんだっ。じゃあ、アタシが加蓮サンの分まで代わりに……代わりに……や、やっぱりやだっ」
加蓮「そんなに?」
柚「うー……加蓮サンがどうしてもって言うなら、やるけどさぁ……」
加蓮「はいはい、分かった。じゃあ、どうしてもって時だけにしとくから」
柚「やたっ」
加蓮「それよりどうなの? 次の曲の振り付け。遅れてるって報告を聞いてるけど?」
柚「うぐ。そ、それは、そのー……あ、あのね。テンション上がるとついミスっちゃうっていうかー、でもテンションあげないとトレーナーサンに面白くないって言われるし、ええと……」
加蓮「よし、マストレさんの指導だね」パラパラ
柚「もうちょっと! もうちょっとだけ時間ください!」
加蓮「そんなに嫌かー」
加蓮「私、マストレさんのレッスンって受けたことないんだよね。ベテトレさんまで」
柚「そうなんだっ。じゃあ、アタシが加蓮サンの分まで代わりに……代わりに……や、やっぱりやだっ」
加蓮「そんなに?」
柚「うー……加蓮サンがどうしてもって言うなら、やるけどさぁ……」
加蓮「はいはい、分かった。じゃあ、どうしてもって時だけにしとくから」
柚「やたっ」
加蓮「それよりどうなの? 次の曲の振り付け。遅れてるって報告を聞いてるけど?」
柚「うぐ。そ、それは、そのー……あ、あのね。テンション上がるとついミスっちゃうっていうかー、でもテンションあげないとトレーナーサンに面白くないって言われるし、ええと……」
加蓮「よし、マストレさんの指導だね」パラパラ
柚「もうちょっと! もうちょっとだけ時間ください!」
214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:02:13.52 ID:oyrpMvNz0
加蓮「はーい。今日はちょっと無理だけど、明日……うん、明日あたり私も見てあげよっか。営業に出る前の10分だけになるけど」
柚「ホント!? それならできるかも! やっぱりアタシ、加蓮サンに見てもらってる時が一番イイ感じな気がする!」
加蓮「そっか」
柚「そーそー♪」ニヘニヘ
加蓮「…………」
柚「ン? どしたの、加蓮サン」
加蓮「ううん、なんでも」
柚「?? そういえば加蓮サン制服だね!」ツンツン
加蓮「……? そりゃ学校帰りだし……今さら?」ツツカレ
柚「加蓮サンの制服って運が良くないと見られないし。加蓮サンが事務所に来て着替えるまでの間だけ。だから加蓮サンの制服を見れた日は、柚のラッキーデーなんだ♪」
柚「事務所でもずっと制服でいいんだよ? そしたら毎日がラッキーデーだ♪」
加蓮「んー、いや、制服で事務仕事ってホント落ち着かないし、営業に出る時なんかはスーツじゃないと。ごめんね?」
柚「むー。……でもいいや。今、こうやって制服の加蓮サンと歩いてるもんねっ」
柚「ホント!? それならできるかも! やっぱりアタシ、加蓮サンに見てもらってる時が一番イイ感じな気がする!」
加蓮「そっか」
柚「そーそー♪」ニヘニヘ
加蓮「…………」
柚「ン? どしたの、加蓮サン」
加蓮「ううん、なんでも」
柚「?? そういえば加蓮サン制服だね!」ツンツン
加蓮「……? そりゃ学校帰りだし……今さら?」ツツカレ
柚「加蓮サンの制服って運が良くないと見られないし。加蓮サンが事務所に来て着替えるまでの間だけ。だから加蓮サンの制服を見れた日は、柚のラッキーデーなんだ♪」
柚「事務所でもずっと制服でいいんだよ? そしたら毎日がラッキーデーだ♪」
加蓮「んー、いや、制服で事務仕事ってホント落ち着かないし、営業に出る時なんかはスーツじゃないと。ごめんね?」
柚「むー。……でもいいや。今、こうやって制服の加蓮サンと歩いてるもんねっ」
215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:02:43.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「それって何か違うの?」
柚「違う違う、ぜんぜん違うよ! いつもは加蓮サン、プロデューサーって感じだもん。でも今は同じ高校生って感じ!」
柚「クラスメイトとかー、部活仲間とか! そんな気がするっ」
柚「それがすっごくいいんだ。なんでか分かんないけど、すごくいい!」
柚「あっでもプロデューサーサンの加蓮サンもすごくいいよ!」
加蓮「ありがとっ。アタシも、なんだかこうしてると柚と一緒に学校の廊下を歩いてる気分になれるよ」
柚「でしょでしょ!」
加蓮「ただ歩いてるだけなのに、不思議だねー」
柚「うんうんっ」
柚「そうだ! 今度さ、アタシの学校の参観日に来ない? 加蓮サンならきっと大丈夫っ」
加蓮「私が行くのー?」
柚「違う違う、ぜんぜん違うよ! いつもは加蓮サン、プロデューサーって感じだもん。でも今は同じ高校生って感じ!」
柚「クラスメイトとかー、部活仲間とか! そんな気がするっ」
柚「それがすっごくいいんだ。なんでか分かんないけど、すごくいい!」
柚「あっでもプロデューサーサンの加蓮サンもすごくいいよ!」
加蓮「ありがとっ。アタシも、なんだかこうしてると柚と一緒に学校の廊下を歩いてる気分になれるよ」
柚「でしょでしょ!」
加蓮「ただ歩いてるだけなのに、不思議だねー」
柚「うんうんっ」
柚「そうだ! 今度さ、アタシの学校の参観日に来ない? 加蓮サンならきっと大丈夫っ」
加蓮「私が行くのー?」
216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:03:13.47 ID:oyrpMvNz0
柚「あ、でも加蓮サンが学校に来たらパニックになっちゃうかも。加蓮サン有名人だしー、こん前テレビにも出てた!」
加蓮「ああ、あれね……。今が旬のプロデューサーに聞く! って。私はいいから柚を特集してって何度言っても聞いてくれないのよね……」
柚「アタシの友達も見たって。会いたいって言ってたよ! ……はっ。もしやアタシのライバルは加蓮サン!?」
加蓮「アタシが?」
柚「ぐ、ぐぬぬ~っ。アタシの方がいっぱい注目されてるもんね! ……たぶん!」
柚「ねねっ、今度、アタシの学校に遊びに来てよ! バド部のみんなも紹介するからっ」テケテケ
柚「だめ?」
加蓮「も~…………時間があったらね……」
柚「やったっ。連絡しとこっ」
加蓮「ああ、あれね……。今が旬のプロデューサーに聞く! って。私はいいから柚を特集してって何度言っても聞いてくれないのよね……」
柚「アタシの友達も見たって。会いたいって言ってたよ! ……はっ。もしやアタシのライバルは加蓮サン!?」
加蓮「アタシが?」
柚「ぐ、ぐぬぬ~っ。アタシの方がいっぱい注目されてるもんね! ……たぶん!」
柚「ねねっ、今度、アタシの学校に遊びに来てよ! バド部のみんなも紹介するからっ」テケテケ
柚「だめ?」
加蓮「も~…………時間があったらね……」
柚「やったっ。連絡しとこっ」
217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:03:43.43 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」ガシ(腕を掴む)
柚「あ、あれ?」
加蓮「あのね……柚もだし、私も忙しいの。だから今連絡されてもすぐには――」
柚「…………」ウルウル
加蓮「……………もぉ………」ガシガシ(頭を掻く)
加蓮「……近い内に時間を取ってあげるから。今すぐっていうのはホントに難しいの。お願い、分かってよ」
柚「……あいあいさー! じゃあアタシ、楽しみにしとくっ」
加蓮「うん。あ……見えて来たよ、プロダクション」
柚「えー、もう?」
加蓮「残念そうだね」
柚「だって、加蓮サンと歩く時間が終わっちゃっうもん。ちょっぴり残念っ」
加蓮「…………」
柚「あ、あれ?」
加蓮「あのね……柚もだし、私も忙しいの。だから今連絡されてもすぐには――」
柚「…………」ウルウル
加蓮「……………もぉ………」ガシガシ(頭を掻く)
加蓮「……近い内に時間を取ってあげるから。今すぐっていうのはホントに難しいの。お願い、分かってよ」
柚「……あいあいさー! じゃあアタシ、楽しみにしとくっ」
加蓮「うん。あ……見えて来たよ、プロダクション」
柚「えー、もう?」
加蓮「残念そうだね」
柚「だって、加蓮サンと歩く時間が終わっちゃっうもん。ちょっぴり残念っ」
加蓮「…………」
218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:04:13.98 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……私、基本的にあの時間にあそこを歩いてるから。一緒に歩きたかったら時間を合わせなさい」
柚「! ホント!? いいの!? じゃあアタシっホームルーム終わったらすぐ行く! そんで加蓮サンを待ち伏せするんだっ」
柚「こう、わっ! ってびっくりさせて~、それからそれから……へへっ♪」
加蓮「…………」フウ
柚「! ホント!? いいの!? じゃあアタシっホームルーム終わったらすぐ行く! そんで加蓮サンを待ち伏せするんだっ」
柚「こう、わっ! ってびっくりさせて~、それからそれから……へへっ♪」
加蓮「…………」フウ
219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:04:44.00 ID:oyrpMvNz0
加蓮(にへへにへへと笑い出す挙動不審少女を引っ張りながら、事務所へと入る)
加蓮(スーツに着替えたら、もう学生気分は終わり。ここからの私はプロデューサーだ)
加蓮「じゃ、行ってきます」
柚「行ってらっしゃーい! アタシもレッスン行ってくるねっ」
P「2人とも気をつけるんだぞ。……さて、俺もっと」
……でも、ちょっとだけ。
明日の学校帰りの道が、楽しみになったかもしれない。
加蓮(スーツに着替えたら、もう学生気分は終わり。ここからの私はプロデューサーだ)
加蓮「じゃ、行ってきます」
柚「行ってらっしゃーい! アタシもレッスン行ってくるねっ」
P「2人とも気をつけるんだぞ。……さて、俺もっと」
……でも、ちょっとだけ。
明日の学校帰りの道が、楽しみになったかもしれない。
220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:05:13.48 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:05:43.77 ID:oyrpMvNz0
加蓮(柚はいろんなお仕事をしている)
加蓮(本当にいろんなお仕事をしている)
加蓮(誰とでも仲良くなれる人懐っこさと、ちょっと失敗したくらいじゃ引っ込まない笑顔は、どこへ行っても重宝された)
加蓮(たまにレッスンを見に行けば、やっぱりまだ失敗することは多くて目が離せなくなる。でも、同時に大丈夫だと思える信頼もあった)
加蓮(……ただ、1つだけ。どうしても、気になることがあった)
加蓮(これは、私が事務仕事に没頭していて、柚はオフだけど事務所に遊びに来ていた日の出来事)
――12月 事務所――
柚「…………」ジー
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「あ、Pさん、メール……こっちのじゃないみたい。そっちで見てもらえる?」
P「おーう。ああ、これ俺のだわ……っと、そういえば加蓮。前に出してきた企画書のチェック終わったぞ」
加蓮(本当にいろんなお仕事をしている)
加蓮(誰とでも仲良くなれる人懐っこさと、ちょっと失敗したくらいじゃ引っ込まない笑顔は、どこへ行っても重宝された)
加蓮(たまにレッスンを見に行けば、やっぱりまだ失敗することは多くて目が離せなくなる。でも、同時に大丈夫だと思える信頼もあった)
加蓮(……ただ、1つだけ。どうしても、気になることがあった)
加蓮(これは、私が事務仕事に没頭していて、柚はオフだけど事務所に遊びに来ていた日の出来事)
――12月 事務所――
柚「…………」ジー
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「あ、Pさん、メール……こっちのじゃないみたい。そっちで見てもらえる?」
P「おーう。ああ、これ俺のだわ……っと、そういえば加蓮。前に出してきた企画書のチェック終わったぞ」
222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:06:14.59 ID:oyrpMvNz0
加蓮「どうだった? 行けそう?」
P「要確認。大筋はいいけど細かいとこが変になってる」
加蓮「げ、マジ……? 何度も見たのに」
柚「…………」ジー
P「最初はそんなもんさ。修正したらまた見ておくから」
加蓮「もう最初じゃないよ。……難しいなぁ。勉強だけでどうにかなる物じゃないね、これ」
P「実践あるのみだな」
柚「…………」ジー
加蓮「あ、Pさんからの宿題も提出しといたけど、変なとこなかった?」
P「ん、そっちは返信済み……いけね、未送信BOXに入れたまんまだったわ」カチカチ
P「そっちはだいたい問題なかったぞ。もう事務仕事は任せても大丈夫そうだな」
P「要確認。大筋はいいけど細かいとこが変になってる」
加蓮「げ、マジ……? 何度も見たのに」
柚「…………」ジー
P「最初はそんなもんさ。修正したらまた見ておくから」
加蓮「もう最初じゃないよ。……難しいなぁ。勉強だけでどうにかなる物じゃないね、これ」
P「実践あるのみだな」
柚「…………」ジー
加蓮「あ、Pさんからの宿題も提出しといたけど、変なとこなかった?」
P「ん、そっちは返信済み……いけね、未送信BOXに入れたまんまだったわ」カチカチ
P「そっちはだいたい問題なかったぞ。もう事務仕事は任せても大丈夫そうだな」
223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:06:43.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「そっか。よかった。でもチェックだけはしてよ? 変な契約とかしたら柚にも迷惑かけるんだし」
P「もちろん。忙しい時でも、それは加蓮を優先するよ」
加蓮「ありがと。……っていうかPさん、相変わらず事務とか営業の仕事しかしないんだね。担当アイドルつけたりしないんだ」
P「俺にとっては今でも加蓮が唯一無二の担当さ」ドヤ
加蓮「私はプロデューサーでーす」
加蓮「Pさんがいつ女の子をスカウトしてくるかなーって、実はちょっぴり楽しみにしてるんだけど」
P「はは。実は加蓮の上司ってのがちょっと楽しくて。今の俺はこれが性に合っているっていうか」
P「上からはいいから誰か担当をつけろってうるさいんだがな」ハハ
加蓮「……言っとくけど柚は渡さないよ?」
P「まだ何も言ってねえ」
P「加蓮はどうなんだ? もしアイドルに……待て、今のはナシだ。大人しくしてろ。いいか、大人しくしてろよ! 余計なこと考えるんじゃないぞ!? 今は自分の身体のことを優先してから――」
加蓮「こっちこそまだ何も言ってないよ」
P「もちろん。忙しい時でも、それは加蓮を優先するよ」
加蓮「ありがと。……っていうかPさん、相変わらず事務とか営業の仕事しかしないんだね。担当アイドルつけたりしないんだ」
P「俺にとっては今でも加蓮が唯一無二の担当さ」ドヤ
加蓮「私はプロデューサーでーす」
加蓮「Pさんがいつ女の子をスカウトしてくるかなーって、実はちょっぴり楽しみにしてるんだけど」
P「はは。実は加蓮の上司ってのがちょっと楽しくて。今の俺はこれが性に合っているっていうか」
P「上からはいいから誰か担当をつけろってうるさいんだがな」ハハ
加蓮「……言っとくけど柚は渡さないよ?」
P「まだ何も言ってねえ」
P「加蓮はどうなんだ? もしアイドルに……待て、今のはナシだ。大人しくしてろ。いいか、大人しくしてろよ! 余計なこと考えるんじゃないぞ!? 今は自分の身体のことを優先してから――」
加蓮「こっちこそまだ何も言ってないよ」
224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:07:13.48 ID:oyrpMvNz0
P「ああやっぱり加蓮にはここで大人してもらった方がいいか、次の外回りは、」
加蓮「無茶しない範囲で許してくれたのPさんでしょ……。それに今は柚のプロデュースをしたいんだって。アイドルに復帰しようなんて――」
奈緒『それでも! ……アタシも、それに凛もきっと! ずっと加蓮のこと待ってる! 約束だからな!』
柚『じゃあアタシからも約束っ。いつか一緒にアイドルやろっ。そしたら……今も楽しいけど、そしたらもっと楽しいよ!』
加蓮「……復帰するのは……病気がもしも治って、それから柚のプロデュースが終わってから! そんなのずっと先のことだよ……今すぐ復帰したいなんて思ってないから!」
P「はっ。そ、そうか。そうだったな」
加蓮「うん。……でも、いろいろとごめんね?」
P「じゃあ俺はもうしばらく加蓮の上司を続けるかな」
加蓮「お願いします、Pさん」
P「おうよ」
加蓮「無茶しない範囲で許してくれたのPさんでしょ……。それに今は柚のプロデュースをしたいんだって。アイドルに復帰しようなんて――」
奈緒『それでも! ……アタシも、それに凛もきっと! ずっと加蓮のこと待ってる! 約束だからな!』
柚『じゃあアタシからも約束っ。いつか一緒にアイドルやろっ。そしたら……今も楽しいけど、そしたらもっと楽しいよ!』
加蓮「……復帰するのは……病気がもしも治って、それから柚のプロデュースが終わってから! そんなのずっと先のことだよ……今すぐ復帰したいなんて思ってないから!」
P「はっ。そ、そうか。そうだったな」
加蓮「うん。……でも、いろいろとごめんね?」
P「じゃあ俺はもうしばらく加蓮の上司を続けるかな」
加蓮「お願いします、Pさん」
P「おうよ」
225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:07:43.57 ID:oyrpMvNz0
加蓮「でも私に気なんて遣わなくていいんだよ? 私のことなんて放っといて、誰か担当してあげたら?」
P「気なんて遣ってねえよ。加蓮っぽく言うなら、今は加蓮の上司をしていたいんだ」
P「ぶっちゃけ俺は、加蓮は今のままいてほしいと思う。前より安心して見ていられるからな」
加蓮「そっか」
P「あ、でも、もしも……ってことがあったら相談してくれよ? いやできればあってほしくないんだが……でもなぁ……」
加蓮「はーいっ。なんたって上司だもんね。報連相は会社の基本!」
P「いやそうじゃなくてだな……まあ、いっか」
柚「…………」ジー
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「……? 柚? どしたの? ドーナツじーって見て。いらないなら私もらうよ?」
柚「うーん……あんまりいらないカモ。加蓮サン、あげる」
加蓮「ありがとー」ヨイショ
P「気なんて遣ってねえよ。加蓮っぽく言うなら、今は加蓮の上司をしていたいんだ」
P「ぶっちゃけ俺は、加蓮は今のままいてほしいと思う。前より安心して見ていられるからな」
加蓮「そっか」
P「あ、でも、もしも……ってことがあったら相談してくれよ? いやできればあってほしくないんだが……でもなぁ……」
加蓮「はーいっ。なんたって上司だもんね。報連相は会社の基本!」
P「いやそうじゃなくてだな……まあ、いっか」
柚「…………」ジー
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「……? 柚? どしたの? ドーナツじーって見て。いらないなら私もらうよ?」
柚「うーん……あんまりいらないカモ。加蓮サン、あげる」
加蓮「ありがとー」ヨイショ
226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:08:13.45 ID:oyrpMvNz0
加蓮「よっと」スワル
加蓮「あむあむ……あっまぁ……」
柚「じゃーアタシがコーヒー淹れてあげるっ」
加蓮「あはは、ごめん。さっき飲んじゃったから」
柚「えー」
加蓮「珍しいね、柚がお菓子に食いつかないなんて。なんか先週までずっとドーナツばっかり買ってきてたのに。飽きた?」
柚「飽きたっていうか……最近、連絡してないなーって」
加蓮「連絡?」
柚「法子チャンと拓海サン」
加蓮「えーっと……あー、前のドリフェスで一緒になった2人だよね」
柚「フェス終わったら遊びに行こーって言ってたんだけどさ。なんだか、いいやってなっちゃって」
加蓮「柚は飽きっぽいもんね。あ、ドーナツごちそうさま」
柚「…………」
加蓮「あむあむ……あっまぁ……」
柚「じゃーアタシがコーヒー淹れてあげるっ」
加蓮「あはは、ごめん。さっき飲んじゃったから」
柚「えー」
加蓮「珍しいね、柚がお菓子に食いつかないなんて。なんか先週までずっとドーナツばっかり買ってきてたのに。飽きた?」
柚「飽きたっていうか……最近、連絡してないなーって」
加蓮「連絡?」
柚「法子チャンと拓海サン」
加蓮「えーっと……あー、前のドリフェスで一緒になった2人だよね」
柚「フェス終わったら遊びに行こーって言ってたんだけどさ。なんだか、いいやってなっちゃって」
加蓮「柚は飽きっぽいもんね。あ、ドーナツごちそうさま」
柚「…………」
227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:08:43.57 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あ、そうだ柚。次のドリフェスにも出てほしいってオファーあったけど、どうする?」
柚「……出たいっ」
加蓮「オッケー。ユニットは……別、でいいんだよね?」
柚「うん」
加蓮「じゃあ向こうに任せちゃおう。誰と当たるか今から楽しみだね」
柚「……うん」
P「最近はドリフェスとかツアーイベントとかで作った即席ユニットが流行りだすってこと増えだしたよなぁ……」カタカタ
加蓮「ちょ、Pさん――」
柚「アタシもそうした方がいい? そうした方が加蓮サン安心できる……?」
加蓮「…………」ギロ
P「……すまん」
柚「……出たいっ」
加蓮「オッケー。ユニットは……別、でいいんだよね?」
柚「うん」
加蓮「じゃあ向こうに任せちゃおう。誰と当たるか今から楽しみだね」
柚「……うん」
P「最近はドリフェスとかツアーイベントとかで作った即席ユニットが流行りだすってこと増えだしたよなぁ……」カタカタ
加蓮「ちょ、Pさん――」
柚「アタシもそうした方がいい? そうした方が加蓮サン安心できる……?」
加蓮「…………」ギロ
P「……すまん」
228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:09:13.36 ID:oyrpMvNz0
加蓮(……柚について、気になっていることが1つ)
加蓮(柚が入ったユニットは、どうも長続きしない)
加蓮(初めて参加したドリフェスの時の、裕美ちゃんと真奈美さんもそうだった。もうぜんぜん連絡を取っていないらしい)
加蓮「……大丈夫。柚のやりたいようにやろう。ほら、合わない相手だっているじゃん。無理矢理に合わせようとしても柚が疲れちゃうだけだよ」
柚「そっかなー……でも、アタシ」
加蓮「私のことなら気にしないで。ソロのお仕事だって即席ユニットのお仕事だって、選べるくらいにはなってるんだから」
柚「そなの?」
加蓮「うんうん。いろんな人が柚に、企画とか番組とかLIVEとかに参加してほしいって言ってるの」
加蓮「柚がやりたくないって思ったら、やらなくても大丈夫なんだよ」
柚「……そっか」
229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:09:43.36 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あ、でも柚のやりたいことがあったら言ってね。そっちに営業かけてみるから」
柚「はーい」
加蓮「…………」
加蓮(柚の成長は早い。柚自身も、柚への評価のことも)
加蓮(もっとステップアップを目指すなら、そろそろ固定的なユニットが欲しいのは間違いない。……って、まあこれはPさんに教えてもらったことなんだけど)
加蓮(私も……柚にできることを増やす、活躍の幅を広める、どっちの意味でもユニットは欲しいと思う)
加蓮(でも、本人がこれだもん。……様子見、かな)
加蓮「さて、と。Pさん。今できる書類はだいたい片付いたよ。そっちにメールも送ってるし……送らないといけないのはこっちにまとめてるから」
P「うーっす。事務仕事も早くなったなー。俺のもやってくれよー加蓮」
加蓮「ごめん、柚のことで手一杯だから」
P「マジかー」
柚「はーい」
加蓮「…………」
加蓮(柚の成長は早い。柚自身も、柚への評価のことも)
加蓮(もっとステップアップを目指すなら、そろそろ固定的なユニットが欲しいのは間違いない。……って、まあこれはPさんに教えてもらったことなんだけど)
加蓮(私も……柚にできることを増やす、活躍の幅を広める、どっちの意味でもユニットは欲しいと思う)
加蓮(でも、本人がこれだもん。……様子見、かな)
加蓮「さて、と。Pさん。今できる書類はだいたい片付いたよ。そっちにメールも送ってるし……送らないといけないのはこっちにまとめてるから」
P「うーっす。事務仕事も早くなったなー。俺のもやってくれよー加蓮」
加蓮「ごめん、柚のことで手一杯だから」
P「マジかー」
230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:10:13.50 ID:oyrpMvNz0
加蓮「だいたい私が残業するとか残って手伝うって言ったらすごい勢いで家に帰れって言うじゃん」
P「そりゃそうだろ。お前、夜になったらしんどそうになってるし、外に出た日には昼でへばってるじゃねえか」
加蓮「でしょ? さーて、次はっと――」
柚「ねね、加蓮サン加蓮サン。今忙しい?」
加蓮「え? ううん、一段落したとこ」
柚「じゃあさ、アタシと遊ぼっ。バトミントン……は加蓮サンできないんだっけ。うーん……ちょっとだけでも、駄目?」
加蓮「……ごめん、運動全般はホントに駄目なの」
柚「そういえばアタシ加蓮サンが走ってるとこ見たことないっ。いっつも早歩きだよね」
加蓮「そーゆーこと」
P「そりゃそうだろ。お前、夜になったらしんどそうになってるし、外に出た日には昼でへばってるじゃねえか」
加蓮「でしょ? さーて、次はっと――」
柚「ねね、加蓮サン加蓮サン。今忙しい?」
加蓮「え? ううん、一段落したとこ」
柚「じゃあさ、アタシと遊ぼっ。バトミントン……は加蓮サンできないんだっけ。うーん……ちょっとだけでも、駄目?」
加蓮「……ごめん、運動全般はホントに駄目なの」
柚「そういえばアタシ加蓮サンが走ってるとこ見たことないっ。いっつも早歩きだよね」
加蓮「そーゆーこと」
231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:10:43.30 ID:oyrpMvNz0
柚「……それでもいいやっ。ちょっと遊ぼーよ! ねね、いいでしょ。ねーっ」グイグイ
加蓮「わ、もうっ……ごめんPさん。ちょっと行ってくるね」
P「お、おう。くれぐれも無理な――」
加蓮「分かってるってば」
柚「ささっ、行こ行こ! アタシ加蓮サンと一緒にできる遊び思いついたんだ!」
加蓮「分かったから、分かったから引っ張らないでよっ」
<バタン!
<スタスタ...
P「さーて、今日も俺は残業ですよーっと」
加蓮「わ、もうっ……ごめんPさん。ちょっと行ってくるね」
P「お、おう。くれぐれも無理な――」
加蓮「分かってるってば」
柚「ささっ、行こ行こ! アタシ加蓮サンと一緒にできる遊び思いついたんだ!」
加蓮「分かったから、分かったから引っ張らないでよっ」
<バタン!
<スタスタ...
P「さーて、今日も俺は残業ですよーっと」
232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:11:13.64 ID:oyrpMvNz0
――近所の公園――
柚「いくぞぉ、柚スマーッシュ!」ポコン
加蓮「よっ」キャッチ
柚「加蓮サンうまいっ」テテッ
加蓮「はい」つシャトル
柚「アリガト! よっと」テテッ
柚「第二弾~、柚アターック!」ポコン
加蓮「わ」トリソコネ
柚「加蓮サン、ヘタクソだぞーっ」テテッ
加蓮「ごめんごめん」つシャトル
柚「次こそ柚のショット、しっかり受け止めてよね、加蓮サン!」
柚「いくぞぉ、柚スマーッシュ!」ポコン
加蓮「よっ」キャッチ
柚「加蓮サンうまいっ」テテッ
加蓮「はい」つシャトル
柚「アリガト! よっと」テテッ
柚「第二弾~、柚アターック!」ポコン
加蓮「わ」トリソコネ
柚「加蓮サン、ヘタクソだぞーっ」テテッ
加蓮「ごめんごめん」つシャトル
柚「次こそ柚のショット、しっかり受け止めてよね、加蓮サン!」
233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:11:43.38 ID:oyrpMvNz0
柚「えいやっ」ポコッ
加蓮「お」キャッチ
柚「やたっ」テテッ
加蓮「いいとこ打つじゃん」つシャトル
柚「練習の成果だねっ!」テテッ
柚「じゃー次はー! ひねりも入れて、とりゃー!」ポコン
加蓮「よっと」キャッチ
柚「へへっ」テテッ
加蓮「…………」つシャトル
柚「いっくぞぉ!」テテッ
加蓮「…………」
加蓮「お」キャッチ
柚「やたっ」テテッ
加蓮「いいとこ打つじゃん」つシャトル
柚「練習の成果だねっ!」テテッ
柚「じゃー次はー! ひねりも入れて、とりゃー!」ポコン
加蓮「よっと」キャッチ
柚「へへっ」テテッ
加蓮「…………」つシャトル
柚「いっくぞぉ!」テテッ
加蓮「…………」
234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:12:13.49 ID:oyrpMvNz0
何をしているかというと。
1.柚が私の立っている場所にゆるめのショットを打ちます(気合の入れた声を出していますがショットは緩いです)
2.私がそれを取ります(たまに取りこぼします)
3.柚がこっちまで駆けてきます
4.私がシャトルを渡します
5.受け取った柚が元の場所に戻ります
(1に戻ります)
…………まるで自分で骨を投げて自分で取りに行く犬だ。や、確かに柚ってどこか犬っぽいけどね。
柚「えいやっ」スカッ
柚「あ、あれっ」
柚「もっかい! とりゃー」ポコッ
加蓮「ん」キャッチ
柚「さっすが加蓮サン!」テテッ
加蓮「…………」ジー
1.柚が私の立っている場所にゆるめのショットを打ちます(気合の入れた声を出していますがショットは緩いです)
2.私がそれを取ります(たまに取りこぼします)
3.柚がこっちまで駆けてきます
4.私がシャトルを渡します
5.受け取った柚が元の場所に戻ります
(1に戻ります)
…………まるで自分で骨を投げて自分で取りに行く犬だ。や、確かに柚ってどこか犬っぽいけどね。
柚「えいやっ」スカッ
柚「あ、あれっ」
柚「もっかい! とりゃー」ポコッ
加蓮「ん」キャッチ
柚「さっすが加蓮サン!」テテッ
加蓮「…………」ジー
235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:12:43.67 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あ、柚。そこでストップ」
柚「え?」
加蓮「……せーのっ」フリカブリ
加蓮(キャッチしたシャトルを投げてみた)
加蓮(5歩の距離が空いていた柚の少し前に、ぽてっ、と落ちた)
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………実はアタシ、箸より重たい物を持ったことがないんです」
柚「えーっ!? いつも書類とか持ってるじゃん!」
柚「え?」
加蓮「……せーのっ」フリカブリ
加蓮(キャッチしたシャトルを投げてみた)
加蓮(5歩の距離が空いていた柚の少し前に、ぽてっ、と落ちた)
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………実はアタシ、箸より重たい物を持ったことがないんです」
柚「えーっ!? いつも書類とか持ってるじゃん!」
236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:13:13.38 ID:oyrpMvNz0
柚「よいしょ」ヒロイ
加蓮「あっはは……今ちょっと泣きそう」
加蓮「あっはっはー……」
柚「じゃあアタシが頭を撫でてあげるっ」
加蓮「え、ちょっといいってば」
柚「いいからいいから。加蓮サン加蓮サン、元気になれ~」ナデナデ
加蓮「わ、もう……アタシは子供かっ」
柚「そんなんじゃ、アイドルとしてやっていけないぞ~?」
加蓮「…………」
柚「加蓮サンは、病気を治して、そんでアタシとアイドルやるんでしょ? 失敗しただけで泣いてたら笑われちゃうっ。それでも頑張らなきゃっ。その時には、アタシがついててあげるから」
加蓮「…………柚……」
加蓮「あっはは……今ちょっと泣きそう」
加蓮「あっはっはー……」
柚「じゃあアタシが頭を撫でてあげるっ」
加蓮「え、ちょっといいってば」
柚「いいからいいから。加蓮サン加蓮サン、元気になれ~」ナデナデ
加蓮「わ、もう……アタシは子供かっ」
柚「そんなんじゃ、アイドルとしてやっていけないぞ~?」
加蓮「…………」
柚「加蓮サンは、病気を治して、そんでアタシとアイドルやるんでしょ? 失敗しただけで泣いてたら笑われちゃうっ。それでも頑張らなきゃっ。その時には、アタシがついててあげるから」
加蓮「…………柚……」
237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:13:43.50 ID:oyrpMvNz0
柚「もし治ったらって加蓮サン言ったけど、そーじゃなくてさっ」
柚「治そうよ! 病気! 頑張って治して、一緒にステージに立と!」
加蓮「あはは……無茶言うなぁ。できたら苦労しないよ」
柚「できるよ! アタシも手伝うもんっ。アタシと加蓮サンなら何だってできる♪ でしょ?」
柚「アタシがアイドルできたんだから、加蓮サンが病気を治すのだってできるハズ!」
柚「それに、奇跡を待ってるだけなんて加蓮サンらしくないよ。加蓮サンだったらきっとこう言うよね」
柚「奇跡は起こすもの!」
柚「ってさ!」
加蓮「…………」
柚「でさ、病気が治った時……じゃなかった、治した時に体力がからっぽだったら、加蓮サン困っちゃうっ」
柚「だから、今のうちに元気になって体力をつけるのだ~」
柚「治そうよ! 病気! 頑張って治して、一緒にステージに立と!」
加蓮「あはは……無茶言うなぁ。できたら苦労しないよ」
柚「できるよ! アタシも手伝うもんっ。アタシと加蓮サンなら何だってできる♪ でしょ?」
柚「アタシがアイドルできたんだから、加蓮サンが病気を治すのだってできるハズ!」
柚「それに、奇跡を待ってるだけなんて加蓮サンらしくないよ。加蓮サンだったらきっとこう言うよね」
柚「奇跡は起こすもの!」
柚「ってさ!」
加蓮「…………」
柚「でさ、病気が治った時……じゃなかった、治した時に体力がからっぽだったら、加蓮サン困っちゃうっ」
柚「だから、今のうちに元気になって体力をつけるのだ~」
238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:14:13.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……そうだね。体力がないままじゃ、柚にも迷惑かけるもんね」
柚「何がいいかな。キャッチボールとか? ちょっと男の子っぽいっかっ」
柚「あっそうだ、アタシあれやってみたいな! こう、えいやーって投げるヤツ! LIVEでやりたい!」
加蓮「へ?」
柚「何投げよー。ブーケ……は花嫁サンだよね。きゃっ、結婚なんて柚には早いよ!」
加蓮「……いや、アンタさっきまで私の体力の話してたのに、今度は柚のLIVEの話?」
柚「シャトル投げちゃおっかな。ほら、柚のサインをつけたりして!」
柚「プレミアになったりして~? くふふくふふ、そういうのいいっ、すごくいいよっ」
加蓮「ふふっ。いいかもね」
柚「じゃーサインを書く練習だ! 加蓮サン帰ろっ。こう、しゅしゅしゅ~って綺麗に書くのやってみたくてっ」
加蓮「ここに来たばっかりなのに?」
柚「もっとやりたいことを見つけちゃったから! ねっ」
柚「何がいいかな。キャッチボールとか? ちょっと男の子っぽいっかっ」
柚「あっそうだ、アタシあれやってみたいな! こう、えいやーって投げるヤツ! LIVEでやりたい!」
加蓮「へ?」
柚「何投げよー。ブーケ……は花嫁サンだよね。きゃっ、結婚なんて柚には早いよ!」
加蓮「……いや、アンタさっきまで私の体力の話してたのに、今度は柚のLIVEの話?」
柚「シャトル投げちゃおっかな。ほら、柚のサインをつけたりして!」
柚「プレミアになったりして~? くふふくふふ、そういうのいいっ、すごくいいよっ」
加蓮「ふふっ。いいかもね」
柚「じゃーサインを書く練習だ! 加蓮サン帰ろっ。こう、しゅしゅしゅ~って綺麗に書くのやってみたくてっ」
加蓮「ここに来たばっかりなのに?」
柚「もっとやりたいことを見つけちゃったから! ねっ」
239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:14:43.44 ID:oyrpMvNz0
柚「あ、でも加蓮サンは走っちゃ駄目だからゆっくり歩かなきゃ」
柚「……走れないと、アイドルなれないよ?」
加蓮「あれ、話戻すんだ。回復したら走れるようになるから……」
柚「じゃーやっぱり病気を治すのが先だね!」
加蓮「そうだね。なんか柚と一緒にいると、どんな無理なことでもできそうな気がしてくるから恐いよ……」
柚「こわくないこわくないっ」
柚「加蓮サンとの約束、アタシは忘れてないからね! アタシの隣には加蓮サンがいるんだっ。今はアイドルとプロデューサーサンだけだけど、アイドルとアイドルとしても隣にいてほしいな♪」
加蓮「…………そっか」
柚「うんっ」
加蓮「そっか」
柚「うんうんっ」
柚「……走れないと、アイドルなれないよ?」
加蓮「あれ、話戻すんだ。回復したら走れるようになるから……」
柚「じゃーやっぱり病気を治すのが先だね!」
加蓮「そうだね。なんか柚と一緒にいると、どんな無理なことでもできそうな気がしてくるから恐いよ……」
柚「こわくないこわくないっ」
柚「加蓮サンとの約束、アタシは忘れてないからね! アタシの隣には加蓮サンがいるんだっ。今はアイドルとプロデューサーサンだけだけど、アイドルとアイドルとしても隣にいてほしいな♪」
加蓮「…………そっか」
柚「うんっ」
加蓮「そっか」
柚「うんうんっ」
240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:15:13.46 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:15:43.56 ID:oyrpMvNz0
加蓮(それからまた、月日が流れる)
加蓮(「バラエティに面白みが足りないと感じたら喜多見柚にオファーをかけろ」。柚にはそんな評判がついてまわるようになった)
加蓮(単に笑わせるだけじゃない。意表を突いてくることがとても多い)
加蓮(特に、細かい動きが台本で指定されていないシーンでは多くの人が柚に驚かされる。私も含めて)
加蓮(これは、そんなことがよく感じられる一幕)
――1月 イタリアンチャレンジクッキング・撮影現場――
<……カット! では少し休憩でー!
柚「はいはーいっ」テケテケ
柚「加蓮サン加蓮サンっ」
加蓮「お疲れ、柚。……真っ先に私のとこに来て大丈夫なの? 他のみんなは……」
柚「だいじょーぶだいじょーぶ! 今んとこ順調!」
加蓮(「バラエティに面白みが足りないと感じたら喜多見柚にオファーをかけろ」。柚にはそんな評判がついてまわるようになった)
加蓮(単に笑わせるだけじゃない。意表を突いてくることがとても多い)
加蓮(特に、細かい動きが台本で指定されていないシーンでは多くの人が柚に驚かされる。私も含めて)
加蓮(これは、そんなことがよく感じられる一幕)
――1月 イタリアンチャレンジクッキング・撮影現場――
<……カット! では少し休憩でー!
柚「はいはーいっ」テケテケ
柚「加蓮サン加蓮サンっ」
加蓮「お疲れ、柚。……真っ先に私のとこに来て大丈夫なの? 他のみんなは……」
柚「だいじょーぶだいじょーぶ! 今んとこ順調!」
242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:16:13.26 ID:oyrpMvNz0
柚「あとはー、面白いコメントができるか! へへっ、審査員役って大変だ!」
加蓮「とか言ってすっごく楽しそうだねっ」
柚「バレた? でも他の役もおもしろそうだよねっ。つぎはどの役がイイかなー。やっぱMC? 狙うならMCっきゃないよね!」
柚「ねね、「喜多見柚のチャレンジクッキング」とかどお? いろんなゲストを呼んでいろんな料理を食べさせてもらうんだっ」
加蓮「ふふっ、それも面白そう。今度また考えてみよっか」
加蓮(今回は、色々なアイドルが集まって料理を披露するクッキング番組)
加蓮(練習の段階からカメラが入っていた。その間、審査員役の柚には出番はなかった筈だけど)
加蓮(そこはさすが柚。あっという間に初対面のアイドル達と仲良くなって、あの手この手で盛り上げていた)
加蓮(今日はいよいよ、料理のお披露目、それから柚が審査員役として活躍する、収録最終日)
加蓮「とか言ってすっごく楽しそうだねっ」
柚「バレた? でも他の役もおもしろそうだよねっ。つぎはどの役がイイかなー。やっぱMC? 狙うならMCっきゃないよね!」
柚「ねね、「喜多見柚のチャレンジクッキング」とかどお? いろんなゲストを呼んでいろんな料理を食べさせてもらうんだっ」
加蓮「ふふっ、それも面白そう。今度また考えてみよっか」
加蓮(今回は、色々なアイドルが集まって料理を披露するクッキング番組)
加蓮(練習の段階からカメラが入っていた。その間、審査員役の柚には出番はなかった筈だけど)
加蓮(そこはさすが柚。あっという間に初対面のアイドル達と仲良くなって、あの手この手で盛り上げていた)
加蓮(今日はいよいよ、料理のお披露目、それから柚が審査員役として活躍する、収録最終日)
243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:16:43.56 ID:oyrpMvNz0
柚「やたっ。……あ、でもそのー、アタシはチャレンジクッキングっていうより達人クッキングとかの方がいいカモ……」
加蓮「そのこころは?」
柚「……えとっ」
柚「…………あのね」
柚「………………甘くない飴とか、ある? 加蓮サンがよく舐めてるやつっ」ヒソヒソ
加蓮「…………」ピト
柚「熱なんてないよ!? そうじゃなくて、その、えっとぉ……」チラ
柚「……(小声)ありすチャンのイチゴづくしでそろそろ胸焼けしちゃいそう」
加蓮「ああ、うん……あれはね、うん……。頑張れ柚……」
加蓮「飴、あったかなー……」ガサゴソ
加蓮「はい。ハッカ味の飴でいい?」
柚「ハッカ?」
加蓮「ハッカ」
244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:17:13.67 ID:oyrpMvNz0
柚「そっかー、ハッカかー」
加蓮「……?」
柚「ハッカって言えばアタシ今……あっ、これナイショのお話だった! なんでもないっなんでもないっ」
加蓮「……?? ええと、ここはなんでもないって言われたら余計に気になるから吐けって言えばいいの?」
柚「だめーっ。ほ、ホントにナイショなの! 特に加蓮サンにはナイショだって言われててっ」
加蓮「言われてて?」
柚「あっ」
加蓮「ってことは大元はPさんあたりか」
柚「だ、だめっ、ホントだめっ。ね、ね! その、あっ、いつか教えてあげるからっ」
柚「ほらっ、加蓮サンだって前は柚に秘密にしてたんだから、その、アイドルのこととかっ。だから、ね! これでおあいこってことでっ」
加蓮「それ言われると弱いなぁ……。変なことじゃないんだよね?」
柚「それはもちろんっ」
加蓮「……?」
柚「ハッカって言えばアタシ今……あっ、これナイショのお話だった! なんでもないっなんでもないっ」
加蓮「……?? ええと、ここはなんでもないって言われたら余計に気になるから吐けって言えばいいの?」
柚「だめーっ。ほ、ホントにナイショなの! 特に加蓮サンにはナイショだって言われててっ」
加蓮「言われてて?」
柚「あっ」
加蓮「ってことは大元はPさんあたりか」
柚「だ、だめっ、ホントだめっ。ね、ね! その、あっ、いつか教えてあげるからっ」
柚「ほらっ、加蓮サンだって前は柚に秘密にしてたんだから、その、アイドルのこととかっ。だから、ね! これでおあいこってことでっ」
加蓮「それ言われると弱いなぁ……。変なことじゃないんだよね?」
柚「それはもちろんっ」
245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:17:43.53 ID:oyrpMvNz0
加蓮「じゃあ、いつか教えてくれるのを楽しみにしとくね」
柚「うん、うんっ」
加蓮「変なの。……はい、飴。あ、だいぶキツイ味だけど大丈夫? でもこれしかなくて」
柚「だいじょーぶ。ありがとね加蓮サン。えいっ」パク
柚「……~~~~~~~!!!??」ジタバタ
加蓮「あー」
柚「ケホッ……へ、へいきっ。また加蓮サンとお揃いが1つ増えたっ」
加蓮「お揃いが好きだよね、柚」
柚「こーしたら一心同体って感じがして! えへへっ」
加蓮「……じゃあ今度は柚の好きな飴を教えてよ。それを食べたら、またお揃いでしょ?」
柚「やたっ。今度持ってくるねっ。でも今はお仕事のお話だ♪」
柚「えと、どお? こんな感じでいい?」
柚「うん、うんっ」
加蓮「変なの。……はい、飴。あ、だいぶキツイ味だけど大丈夫? でもこれしかなくて」
柚「だいじょーぶ。ありがとね加蓮サン。えいっ」パク
柚「……~~~~~~~!!!??」ジタバタ
加蓮「あー」
柚「ケホッ……へ、へいきっ。また加蓮サンとお揃いが1つ増えたっ」
加蓮「お揃いが好きだよね、柚」
柚「こーしたら一心同体って感じがして! えへへっ」
加蓮「……じゃあ今度は柚の好きな飴を教えてよ。それを食べたら、またお揃いでしょ?」
柚「やたっ。今度持ってくるねっ。でも今はお仕事のお話だ♪」
柚「えと、どお? こんな感じでいい?」
246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:18:13.58 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚」
柚「はいっ」
加蓮「柚がやりたいようにやってる限り、駄目なんて絶対言わないってば」
柚「そっかー」
加蓮「うん。だいたい遠慮なんてしてたら他の共演者に注目持ってかれるよ? 地味だって思われちゃうよ?」
柚「それはヤダ! じゃあ、後半からはもっとアタシの本気だっ」
加蓮「うんうん」
柚「後半はいよいよみんなの料理のお披露目だ♪ 前半は練習ばっかで、アタシ味見役とかアドバイス役とかばっかで退屈だったから、楽しみ!」
加蓮「柚の本領発揮だね」
柚「でもアタシはあまあまじゃないからねっ。ビシっと行っちゃうよ! ビシっと!」
加蓮「…………ぷっ」
柚「はいっ」
加蓮「柚がやりたいようにやってる限り、駄目なんて絶対言わないってば」
柚「そっかー」
加蓮「うん。だいたい遠慮なんてしてたら他の共演者に注目持ってかれるよ? 地味だって思われちゃうよ?」
柚「それはヤダ! じゃあ、後半からはもっとアタシの本気だっ」
加蓮「うんうん」
柚「後半はいよいよみんなの料理のお披露目だ♪ 前半は練習ばっかで、アタシ味見役とかアドバイス役とかばっかで退屈だったから、楽しみ!」
加蓮「柚の本領発揮だね」
柚「でもアタシはあまあまじゃないからねっ。ビシっと行っちゃうよ! ビシっと!」
加蓮「…………ぷっ」
247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:18:43.44 ID:oyrpMvNz0
柚「あー! 笑ったな! 加蓮サンアタシのこと笑った!」
加蓮「いや、柚がびしっとって……ぷぷっ……ぷぷぷっ…………」
柚「まだ笑う! こうなったら目にもの見せてやるっ。しっかりアタシを見といてね! 今日の柚はひと味違うよ!」
加蓮「いや、柚がびしっとって……ぷぷっ……ぷぷぷっ…………」
柚「まだ笑う! こうなったら目にもの見せてやるっ。しっかりアタシを見といてね! 今日の柚はひと味違うよ!」
248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:19:13.55 ID:oyrpMvNz0
――撮影中――
「さあ、ここで審査員役の柚さんが一口! これまたインパクトの凄まじい料理ですが、どのようなコメントが飛び出てくるんでしょうか!!」
ついちごパスタ
柚「…………」パク
橘ありす「…………」ドキドキ
柚「……ありすチャン」
ありす「!」
柚「実は最初から思ってたんだ。イタリアンにイチゴを持ってくるってどーゆーことなのって」
ありす「…………」ウツムキ
柚「エト……これでいいって思ってたの? 変だって思わなかったの?」
ありす「…………」プルプル
「さあ、ここで審査員役の柚さんが一口! これまたインパクトの凄まじい料理ですが、どのようなコメントが飛び出てくるんでしょうか!!」
ついちごパスタ
柚「…………」パク
橘ありす「…………」ドキドキ
柚「……ありすチャン」
ありす「!」
柚「実は最初から思ってたんだ。イタリアンにイチゴを持ってくるってどーゆーことなのって」
ありす「…………」ウツムキ
柚「エト……これでいいって思ってたの? 変だって思わなかったの?」
ありす「…………」プルプル
249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:19:43.59 ID:oyrpMvNz0
<ザワザワ
<ザワザワ
<え、これまずいんじゃ……?
<カメラどうする? 一旦止めるか?
柚「…………」パク
ありす「あの…………柚さん。私は――」
柚「そういえばありすチャン、橘サンって呼んでって何度も言ってたよね。じゃあ――橘サン」
ありす「!」ビクッ
柚「…………」パク
柚「――合格っ! これ、すっごく面白い! 食べたことない味がする!」
ありす「!!」
<ザワザワ
<ザワザワ
柚「へへっ♪ えとねっ、琴歌サンの綺麗で美味しい料理もゆっきーのパワフル料理もいいけどっ、こーいうのもアリだと思う!」
250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:20:13.43 ID:oyrpMvNz0
柚「だから合格っ! ありすチャ……橘サンには、イチゴ特別賞を進呈だっ♪」
ありす「柚さん……! あ、あのっ……」ナミダヌグイ
ありす「私のこと……ありす、でいいです……その、もっと感想、聞かせてください!」
柚「いーよっ! あ、そうだありすチャンも一緒に食べよう! 琴歌サンもゆっきーも! そうだ、今からはみんなで食べるコーナーっ! 料理をした後は、こうやって盛り上がらないとね!」
ありす「……はい!」
ありす「柚さん……! あ、あのっ……」ナミダヌグイ
ありす「私のこと……ありす、でいいです……その、もっと感想、聞かせてください!」
柚「いーよっ! あ、そうだありすチャンも一緒に食べよう! 琴歌サンもゆっきーも! そうだ、今からはみんなで食べるコーナーっ! 料理をした後は、こうやって盛り上がらないとね!」
ありす「……はい!」
251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:20:43.40 ID:oyrpMvNz0
――帰り道――
加蓮「おい」
柚「な、なにカナ~?」
加蓮「さっきの。最後の。何」
柚「え、ええっとぉ……えとね、あれは加蓮サンのマネ!」
加蓮「はあ!?」
柚「びしってやってやろー! って思ったら、加蓮サンの顔が出てきて、そんでマネしてみた!」
柚「あっ、違うよ。思いつかないから加蓮サンのマネしたんじゃなくて、アタシが加蓮サンのマネをしてみたいって思ったんだ!」
柚「ちゃーんと、やりたいようにやったよ、アタシ!」
加蓮「私の……真似? あのできそこないのツンデレみたいなのが……?」
柚「加蓮サンって厳しくてあまあまだよね、柚に。アタシそーゆーとこ好きだよ! なんかいろんな味があってお得って感じ!」
柚「あ、でも最近の加蓮サンはまろやかになったかも。ホントにシチューになったみたい!」
加蓮「…………」
加蓮「おい」
柚「な、なにカナ~?」
加蓮「さっきの。最後の。何」
柚「え、ええっとぉ……えとね、あれは加蓮サンのマネ!」
加蓮「はあ!?」
柚「びしってやってやろー! って思ったら、加蓮サンの顔が出てきて、そんでマネしてみた!」
柚「あっ、違うよ。思いつかないから加蓮サンのマネしたんじゃなくて、アタシが加蓮サンのマネをしてみたいって思ったんだ!」
柚「ちゃーんと、やりたいようにやったよ、アタシ!」
加蓮「私の……真似? あのできそこないのツンデレみたいなのが……?」
柚「加蓮サンって厳しくてあまあまだよね、柚に。アタシそーゆーとこ好きだよ! なんかいろんな味があってお得って感じ!」
柚「あ、でも最近の加蓮サンはまろやかになったかも。ホントにシチューになったみたい!」
加蓮「…………」
252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:22:13.50 ID:oyrpMvNz0
加蓮「で、その結果があのできそこないのツンデレって訳?」
柚「できそこないって言うな~。ありすチャンだって喜んでくれたし、あの後スタッフサンも美味しそうにみんなの料理食べてたし!」
柚「番組盛り上がったからいいでしょ~?」スリスリ
加蓮「じゃれついてくんなっ」グイ
柚「きゃうっ」
加蓮「……ま、いっか。柚の言う通り、盛り上がったのはホントなんだし……」
加蓮「あ、そうだ。私の側にいたディレクターさんがびっくりしてたよ。ああいうこともできるのかって褒めてた」
加蓮「それまで練習の時とか他の料理の時とか、柚が褒めっぱなしだったからだろうね」
柚「でしょー! でしょー!」
加蓮「ふふっ。文句ばっか言っても始まらないよね。じゃあ、さすが柚ってことで終わりにしよっかっ」
柚「やったー!」
加蓮「ふふっ」
柚「できそこないって言うな~。ありすチャンだって喜んでくれたし、あの後スタッフサンも美味しそうにみんなの料理食べてたし!」
柚「番組盛り上がったからいいでしょ~?」スリスリ
加蓮「じゃれついてくんなっ」グイ
柚「きゃうっ」
加蓮「……ま、いっか。柚の言う通り、盛り上がったのはホントなんだし……」
加蓮「あ、そうだ。私の側にいたディレクターさんがびっくりしてたよ。ああいうこともできるのかって褒めてた」
加蓮「それまで練習の時とか他の料理の時とか、柚が褒めっぱなしだったからだろうね」
柚「でしょー! でしょー!」
加蓮「ふふっ。文句ばっか言っても始まらないよね。じゃあ、さすが柚ってことで終わりにしよっかっ」
柚「やったー!」
加蓮「ふふっ」
253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:22:45.61 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………で、さ」
ありす「…………♪」ギュー
加蓮「反対側になんかひっついてきてんだけどこれどうすんの?」
柚「あ、あははっ。なんだかありすチャンに懐かれちゃった。これで柚もお姉サン?」
加蓮「なんかこのままうちの事務所についてくる勢いなんだけど……。あ、えっと、ありすちゃんだっけ。そっちの事務所には――」
ありす「橘、です。橘と呼んでください」キリッ
加蓮「え、あ、うん。ごめん。じゃあ橘さん……。いやあの、事務所――」
ありす「プロデューサーさんとはもうお話しました。今日の収録のこととか……アイドルのこととか、学校のお話とか」
ありす「詳しいことは、今日は疲れているだろうからまた明日って。気遣わなくてもいいのに……」
ありす「それに、柚さんともっとお話したいって言ったら、笑って許してくれて」
ありす「だから……今日は、いいかなって」ギュ
柚「へへっ♪ そゆことー」
加蓮「そ、そう」
ありす「…………♪」ギュー
加蓮「反対側になんかひっついてきてんだけどこれどうすんの?」
柚「あ、あははっ。なんだかありすチャンに懐かれちゃった。これで柚もお姉サン?」
加蓮「なんかこのままうちの事務所についてくる勢いなんだけど……。あ、えっと、ありすちゃんだっけ。そっちの事務所には――」
ありす「橘、です。橘と呼んでください」キリッ
加蓮「え、あ、うん。ごめん。じゃあ橘さん……。いやあの、事務所――」
ありす「プロデューサーさんとはもうお話しました。今日の収録のこととか……アイドルのこととか、学校のお話とか」
ありす「詳しいことは、今日は疲れているだろうからまた明日って。気遣わなくてもいいのに……」
ありす「それに、柚さんともっとお話したいって言ったら、笑って許してくれて」
ありす「だから……今日は、いいかなって」ギュ
柚「へへっ♪ そゆことー」
加蓮「そ、そう」
254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:23:13.92 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃーこのまま打ち上げだー! 番組終わったし、みんなで打ち上げしよう! おーい、琴歌サンもゆっきーも一緒に行こーっ」
<そうですわね。P様もご一緒しませんか?
<お、いいねいいねー! ひと仕事終わった後のアレ、いっちゃおっか!
柚「加蓮サン加蓮サン、会場どこにする? あっちの事務所にしちゃおっか。ドンチャン騒いじゃおーっ!」
加蓮「……うん。そうだね。騒いじゃおっか」
柚「あっ、もしかして加蓮サンお疲れっ? 無理しない方がいいのカナ……」
加蓮「ふふっ。まだ大丈夫だよ。たまには、こういうのもいいでしょっ」
柚「だよねだよね! ささ、レッツゴー!」タタッ
ありす「あ、待ってください柚さん!」タタッ
<打ち上げそっちの事務所でいいー?
<あたし達の事務所? いいよー!
<楽しくなりそうですわ。晩ご飯はどうしましょうか?
<Pさんに連絡しておかなきゃ……、……Pさんも、誘ったら来てくれるかな……?
加蓮「…………」
<そうですわね。P様もご一緒しませんか?
<お、いいねいいねー! ひと仕事終わった後のアレ、いっちゃおっか!
柚「加蓮サン加蓮サン、会場どこにする? あっちの事務所にしちゃおっか。ドンチャン騒いじゃおーっ!」
加蓮「……うん。そうだね。騒いじゃおっか」
柚「あっ、もしかして加蓮サンお疲れっ? 無理しない方がいいのカナ……」
加蓮「ふふっ。まだ大丈夫だよ。たまには、こういうのもいいでしょっ」
柚「だよねだよね! ささ、レッツゴー!」タタッ
ありす「あ、待ってください柚さん!」タタッ
<打ち上げそっちの事務所でいいー?
<あたし達の事務所? いいよー!
<楽しくなりそうですわ。晩ご飯はどうしましょうか?
<Pさんに連絡しておかなきゃ……、……Pさんも、誘ったら来てくれるかな……?
加蓮「…………」
255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:23:43.69 ID:oyrpMvNz0
加蓮(……楽しそうにしていても、時が経てばまた疎遠になるのかもしれない)
加蓮(それとも、今度こそここが柚の居場所になるのだろうか)
加蓮(少しだけ胸につっかえる物を感じつつも、私も早歩きでみんなの中に混ざることにした)
加蓮(それとも、今度こそここが柚の居場所になるのだろうか)
加蓮(少しだけ胸につっかえる物を感じつつも、私も早歩きでみんなの中に混ざることにした)
256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:24:13.44 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:24:43.74 ID:oyrpMvNz0
――3月 にぎやかな喫茶店――
加蓮「…………」ズズ
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」パラパラ
加蓮「…………」チラ
<カランコロン
<いらっしゃいませー
<あの、待ち合わせをしていて……ええと……
<あっ、見つかりました。ありがとうございます
加蓮「…………」
<テクテク
「北条さん、ですよね。待たせてしまいすみません」
加蓮「ううん。こっちの方が早く来すぎただけだし……」
<ご注文は?
加蓮「えっと……何飲む?」
「では、コーヒーで」ペコリ
<かしこまりましたー
加蓮「…………」ズズ
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」パラパラ
加蓮「…………」チラ
<カランコロン
<いらっしゃいませー
<あの、待ち合わせをしていて……ええと……
<あっ、見つかりました。ありがとうございます
加蓮「…………」
<テクテク
「北条さん、ですよね。待たせてしまいすみません」
加蓮「ううん。こっちの方が早く来すぎただけだし……」
<ご注文は?
加蓮「えっと……何飲む?」
「では、コーヒーで」ペコリ
<かしこまりましたー
258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:25:13.66 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………コーヒー、よく飲むんだ」
「はい。あっ……改めて、初めまして」
綾瀬穂乃香「綾瀬穂乃香。アイドルです」
加蓮「北条加蓮。プロデューサーです」
穂乃香「…………」
加蓮「…………」
加蓮(か、堅苦しい…………)
加蓮(春の始まりの頃、柚にまた新しいユニットの提案が持ちかけられた)
加蓮(別の部署で既に設立されているユニットに柚が追加加入するという、ちょっと珍しいパターン)
加蓮(と言っても、Pさん曰くたまにあることらしいけど)
加蓮「そっちのプロデューサーさんは? 打ち合わせだって聞いてきたんだけど……」
穂乃香「フリルドP(以下「フリP」)さん、いえプロデューサーさんは今日どうしても多忙で……できるところまで話を聞いてくるようにと言われました」
加蓮「あれ、そうなんだ……」
「はい。あっ……改めて、初めまして」
綾瀬穂乃香「綾瀬穂乃香。アイドルです」
加蓮「北条加蓮。プロデューサーです」
穂乃香「…………」
加蓮「…………」
加蓮(か、堅苦しい…………)
加蓮(春の始まりの頃、柚にまた新しいユニットの提案が持ちかけられた)
加蓮(別の部署で既に設立されているユニットに柚が追加加入するという、ちょっと珍しいパターン)
加蓮(と言っても、Pさん曰くたまにあることらしいけど)
加蓮「そっちのプロデューサーさんは? 打ち合わせだって聞いてきたんだけど……」
穂乃香「フリルドP(以下「フリP」)さん、いえプロデューサーさんは今日どうしても多忙で……できるところまで話を聞いてくるようにと言われました」
加蓮「あれ、そうなんだ……」
259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:25:43.55 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「大丈夫です。こう見えても、セルフプロデュースの心得は持っています」
加蓮「え? そうなの?」
穂乃香「はい。まだまだ半人前ですが……少しでも頼りにされたくて」
加蓮「へー……じゃああなた相手でいいかな。えっと……穂乃香……さん?」
穂乃香「はい。穂乃香です」
加蓮「…………」
穂乃香「…………?」
加蓮「…………」
穂乃香「…………私は穂乃香ですが……」キョトン
加蓮「い、いや、ええと……」
<コーヒー、お待ちしました
穂乃香「ありがとうございます。いただきます」パン
穂乃香「……♪」ズズ
加蓮(…………やり辛い……!)
加蓮「え? そうなの?」
穂乃香「はい。まだまだ半人前ですが……少しでも頼りにされたくて」
加蓮「へー……じゃああなた相手でいいかな。えっと……穂乃香……さん?」
穂乃香「はい。穂乃香です」
加蓮「…………」
穂乃香「…………?」
加蓮「…………」
穂乃香「…………私は穂乃香ですが……」キョトン
加蓮「い、いや、ええと……」
<コーヒー、お待ちしました
穂乃香「ありがとうございます。いただきます」パン
穂乃香「……♪」ズズ
加蓮(…………やり辛い……!)
260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:26:13.52 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「ふう……」コトン
穂乃香「私、こういった打ち合わせの前には、いつもコーヒーを飲むようにしているんです。そうすると少し、大人になれる気がして……」
加蓮「へ、へー。私も今度、試してみよっかな」
穂乃香「頭の切り替えは大事です。では、打ち合わせを始めましょう。今日はフリルドスクエアのことですよね」
加蓮「うん。うちの柚が入るってことになるけど……もう会ってるんだったっけ?」
穂乃香「最近はよく一緒に遊ぶようになりました。私、いつも柚ちゃんから色々なことを学ばせてもらってます。ユニットのことは、私にとってもとてもいい機会です」
穂乃香「だからよろしくお願いします、プロデューサーさん」ペコリ
加蓮「よ、よろしくお願いします……」
穂乃香「私、こういった打ち合わせの前には、いつもコーヒーを飲むようにしているんです。そうすると少し、大人になれる気がして……」
加蓮「へ、へー。私も今度、試してみよっかな」
穂乃香「頭の切り替えは大事です。では、打ち合わせを始めましょう。今日はフリルドスクエアのことですよね」
加蓮「うん。うちの柚が入るってことになるけど……もう会ってるんだったっけ?」
穂乃香「最近はよく一緒に遊ぶようになりました。私、いつも柚ちゃんから色々なことを学ばせてもらってます。ユニットのことは、私にとってもとてもいい機会です」
穂乃香「だからよろしくお願いします、プロデューサーさん」ペコリ
加蓮「よ、よろしくお願いします……」
261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:26:43.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
穂乃香「…………?」
加蓮「…………」
穂乃香「…………それとも、加蓮さん、と呼んだ方が?」
加蓮「え……あ、ああ、ううん、どっちでもいいよ。って私の方が年下なんだし、そんな畏まらなくてもいいし……」
穂乃香「それなら……加蓮ちゃん、で」
加蓮「うん、それで。……あはは、でもなんかこそばゆいね……」
穂乃香「加蓮さ……加蓮ちゃんの方が年下なんですね。私、てっきり……柚ちゃんの話を聞いていた時も、噂を聞いた時も、もっと大人の方なのかと」
加蓮「え、噂?」
穂乃香「はい。色々なスタッフさんから、とてもしっかりした方だと聞いています。私も……噂を聞く度に見習わなければと思うのですが、なかなか難しいですね」
穂乃香「あ、失礼しました。話が逸れてしまって……では、打ち合わせをやりましょう」
加蓮「う、うん」
穂乃香「…………?」
加蓮「…………」
穂乃香「…………それとも、加蓮さん、と呼んだ方が?」
加蓮「え……あ、ああ、ううん、どっちでもいいよ。って私の方が年下なんだし、そんな畏まらなくてもいいし……」
穂乃香「それなら……加蓮ちゃん、で」
加蓮「うん、それで。……あはは、でもなんかこそばゆいね……」
穂乃香「加蓮さ……加蓮ちゃんの方が年下なんですね。私、てっきり……柚ちゃんの話を聞いていた時も、噂を聞いた時も、もっと大人の方なのかと」
加蓮「え、噂?」
穂乃香「はい。色々なスタッフさんから、とてもしっかりした方だと聞いています。私も……噂を聞く度に見習わなければと思うのですが、なかなか難しいですね」
穂乃香「あ、失礼しました。話が逸れてしまって……では、打ち合わせをやりましょう」
加蓮「う、うん」
262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:27:13.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「と言ってもとりあえず今日は顔見せくらいで、あーっと、次のLIVEの話くらいはしておきたいんだけど……いい、……です、か?」
穂乃香「はい。よろしくお願いしますね……あっ、そんなに堅苦しくならなくても……」
加蓮(私より数倍堅苦しい人が何を言う……!)
穂乃香「加蓮ちゃんのことは、柚ちゃんからよく聞いていますから……」
加蓮「そういえばあの子、私のことなんて言ってた?」
穂乃香「面白いプロデューサーさんだって……ふふっ、いつも一緒にいて楽しいって言っていました」
穂乃香「だから、今日は会うのが楽しみで。できれば、柚ちゃんに接するみたいにしてくれた方が……」
穂乃香「是非お願いします。せっかくですから、楽しんでやりましょう!」
加蓮「…………そ、そだねー……んっと……じゃ、まあ、頑張ってやってみる……」
加蓮(ちょっと意外だった。楽しんでやる、なんて言葉が出てくるのが)
穂乃香「はい。よろしくお願いしますね……あっ、そんなに堅苦しくならなくても……」
加蓮(私より数倍堅苦しい人が何を言う……!)
穂乃香「加蓮ちゃんのことは、柚ちゃんからよく聞いていますから……」
加蓮「そういえばあの子、私のことなんて言ってた?」
穂乃香「面白いプロデューサーさんだって……ふふっ、いつも一緒にいて楽しいって言っていました」
穂乃香「だから、今日は会うのが楽しみで。できれば、柚ちゃんに接するみたいにしてくれた方が……」
穂乃香「是非お願いします。せっかくですから、楽しんでやりましょう!」
加蓮「…………そ、そだねー……んっと……じゃ、まあ、頑張ってやってみる……」
加蓮(ちょっと意外だった。楽しんでやる、なんて言葉が出てくるのが)
263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:27:43.58 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「ふふ。それで、LIVEのお話です。私と忍ちゃんのユニットに、柚ちゃんが加わるんですよね……今からすっごく楽しみです!」
加蓮「うん。えーと、次のイベントの時。柚のユニットデビューってことで主役にさせてもらってるけど……」
加蓮「そっちがどういうLIVEにするつもりかをまずは聞きたいかな」
穂乃香「そうですね。せっかく柚ちゃんが加わるのですから、今までよりもっと楽しく……楽しいことを伝えられる舞台……にしたいですね」
加蓮「ああ、柚が好きそーなことだ」
穂乃香「やっぱり……。柚ちゃん、いつも場を楽しませようとしてくれてて。でも一番楽しそうなのも柚ちゃんなんです」
加蓮「分かる分かる。バラエティ分野なんかもう仕事が向こうから来る状態でさっ」
穂乃香「テレビでよく見ます。とても参考になるので、つい録画して何度も見返しちゃって」
加蓮「さ、参考に? え、あの、ちょっと失礼だけど柚と穂乃香さんじゃタイプが真逆じゃないかな……?」
穂乃香「いえ。場を盛り上げる方法は、柚ちゃんが私の先生です」
加蓮「先生!?」
加蓮「うん。えーと、次のイベントの時。柚のユニットデビューってことで主役にさせてもらってるけど……」
加蓮「そっちがどういうLIVEにするつもりかをまずは聞きたいかな」
穂乃香「そうですね。せっかく柚ちゃんが加わるのですから、今までよりもっと楽しく……楽しいことを伝えられる舞台……にしたいですね」
加蓮「ああ、柚が好きそーなことだ」
穂乃香「やっぱり……。柚ちゃん、いつも場を楽しませようとしてくれてて。でも一番楽しそうなのも柚ちゃんなんです」
加蓮「分かる分かる。バラエティ分野なんかもう仕事が向こうから来る状態でさっ」
穂乃香「テレビでよく見ます。とても参考になるので、つい録画して何度も見返しちゃって」
加蓮「さ、参考に? え、あの、ちょっと失礼だけど柚と穂乃香さんじゃタイプが真逆じゃないかな……?」
穂乃香「いえ。場を盛り上げる方法は、柚ちゃんが私の先生です」
加蓮「先生!?」
264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:28:13.78 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「私、よく現場で真面目過ぎるって言われるんです。フリPさ……プロデューサーさんからも、もっと楽しんでいいって」
穂乃香「もっとアイドルらしく、楽しさを伝えられればって。だから柚ちゃんは、私にとって先生……」
加蓮「そ、そう……」
穂乃香「あ……すみません。ちょっとしゃべりすぎちゃいましたね。今日は、あくまで打ち合わせ……」
加蓮「そ、そだね。じゃあ仕切り直しで……って言っても、これ柚をそのまま放り込んでもいいっぽいね」
穂乃香「そんな。柚ちゃんはネコじゃないんですから」
加蓮「……へ?」
穂乃香「放り込む、なんて」
加蓮「あ……あは、あはは。物の例えよ物の例え。ホントに放り投げる訳ないじゃん」
穂乃香「そうだったんですか? よかった」ホッ
加蓮「……………………」コメカミオサエ
穂乃香「もっとアイドルらしく、楽しさを伝えられればって。だから柚ちゃんは、私にとって先生……」
加蓮「そ、そう……」
穂乃香「あ……すみません。ちょっとしゃべりすぎちゃいましたね。今日は、あくまで打ち合わせ……」
加蓮「そ、そだね。じゃあ仕切り直しで……って言っても、これ柚をそのまま放り込んでもいいっぽいね」
穂乃香「そんな。柚ちゃんはネコじゃないんですから」
加蓮「……へ?」
穂乃香「放り込む、なんて」
加蓮「あ……あは、あはは。物の例えよ物の例え。ホントに放り投げる訳ないじゃん」
穂乃香「そうだったんですか? よかった」ホッ
加蓮「……………………」コメカミオサエ
265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:28:44.21 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……じゃあ……柚にはいつも通りにって伝えとくね……」
穂乃香「はい。私の方こそ、ついていけるように精進しなければ……」
穂乃香「よければ本番までに、レッスンの機会を頂けませんか? まだまだ、柚ちゃんに学べることはいっぱいある筈です」
加蓮「う、うん。うちの柚にもいい刺激になると思うよ……」
加蓮「じゃあスケジュールの調節を……あ、そっか、次の収録日が未定なんだった……ごめん穂乃香さん。連絡先もらっていい? こっちちょっとスケジュールがつまっちゃって、いいとこ見つけたら連絡するから」
穂乃香「はい」スッ
加蓮「ん……」
加蓮「よしっと。んー……他に打ち合わせできることは」
加蓮(手帳をパラパラとめくる。……どれもこれも、柚を連れて来て話した方が良さそうなことばかりだ。ちょっと後悔)
穂乃香「はい。私の方こそ、ついていけるように精進しなければ……」
穂乃香「よければ本番までに、レッスンの機会を頂けませんか? まだまだ、柚ちゃんに学べることはいっぱいある筈です」
加蓮「う、うん。うちの柚にもいい刺激になると思うよ……」
加蓮「じゃあスケジュールの調節を……あ、そっか、次の収録日が未定なんだった……ごめん穂乃香さん。連絡先もらっていい? こっちちょっとスケジュールがつまっちゃって、いいとこ見つけたら連絡するから」
穂乃香「はい」スッ
加蓮「ん……」
加蓮「よしっと。んー……他に打ち合わせできることは」
加蓮(手帳をパラパラとめくる。……どれもこれも、柚を連れて来て話した方が良さそうなことばかりだ。ちょっと後悔)
266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:29:13.46 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ステージ衣装……はまだ用意できていないんだっけ。舞台構成……はそっちに任せるって決めてるし、レッスンスタジオの確保はスケジュールが上がってからか」
加蓮「どれも事務所でやった方がよさそうな話だなぁ……。あとは……」
穂乃香「…………」クスッ
加蓮「……? どうかした?」
穂乃香「あ、いえ、ごめんなさい」
加蓮「……?」
穂乃香「ただ……セルフプロデュースをやっていると、どうしても色々な人を見ることになりますから……あなたとなら、良い仕事ができそうだな、と思いまして」
加蓮「そ、そう? ありがと……」
穂乃香「今日は親睦だけで、と考えていた私が少しだけ恥ずかしい……。もっと用意するべきでした」
加蓮「いやぁ……今日もその、事務所を出る前にPさん……えっと、私の上司からね? 準備しすぎだって笑われちゃって」アハハ
加蓮「どれも事務所でやった方がよさそうな話だなぁ……。あとは……」
穂乃香「…………」クスッ
加蓮「……? どうかした?」
穂乃香「あ、いえ、ごめんなさい」
加蓮「……?」
穂乃香「ただ……セルフプロデュースをやっていると、どうしても色々な人を見ることになりますから……あなたとなら、良い仕事ができそうだな、と思いまして」
加蓮「そ、そう? ありがと……」
穂乃香「今日は親睦だけで、と考えていた私が少しだけ恥ずかしい……。もっと用意するべきでした」
加蓮「いやぁ……今日もその、事務所を出る前にPさん……えっと、私の上司からね? 準備しすぎだって笑われちゃって」アハハ
267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:29:43.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「顔合わせなんだからもっと気軽にでいいだろーっ、なんて言われちゃってさっ」
穂乃香「ふふっ。ではせっかくですから、もう少し打ち合わせをしましょう。Pさ……プロデューサーさんから舞台の構成は任されているんです。あとは、柚ちゃんの動きを合わせれば……」
加蓮「だいたいの下地ができる、か。立ち位置が分かってればレッスンもやりやすいね」
加蓮「じゃあちょっと、考えてる構成って教えてくれる?」
穂乃香「はい。まだ合わせていないのであくまで仮定ですが……まず入りは――」
加蓮「ふんふん――」
穂乃香「ふふっ。ではせっかくですから、もう少し打ち合わせをしましょう。Pさ……プロデューサーさんから舞台の構成は任されているんです。あとは、柚ちゃんの動きを合わせれば……」
加蓮「だいたいの下地ができる、か。立ち位置が分かってればレッスンもやりやすいね」
加蓮「じゃあちょっと、考えてる構成って教えてくれる?」
穂乃香「はい。まだ合わせていないのであくまで仮定ですが……まず入りは――」
加蓮「ふんふん――」
268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:30:13.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮(穂乃香さんから想定していた構成を聞いた。もうそのまま通してもいいくらいに練りこまれていて、正直びっくりした)
穂乃香「やっぱり……加蓮ちゃんとなら良い仕事ができそうです!」
穂乃香「……あっ、すみません。その、つい感心してしまって……」
加蓮「ううん、こっちこそ。まだ柚とレッスンもやってないんでしょ? なのに柚が入った時の想定がこんなにできてるなんて」
穂乃香「あくまで想像ですから……やってみたら、上手くできなくなるかも」
加蓮「できると思うけどなー」
加蓮「…………」
加蓮「ね、ちょっと聞いてもいい?」
穂乃香「……? はい」
加蓮「セルフプロデュース、してるんだよね。それってどんな感じ? やっぱり……大変?」
穂乃香「どうなんでしょうか……あんまり大変だとは。自分で自分を表現する為に、必要なことだと思っています」
加蓮「自分で自分を?」
穂乃香「やっぱり……加蓮ちゃんとなら良い仕事ができそうです!」
穂乃香「……あっ、すみません。その、つい感心してしまって……」
加蓮「ううん、こっちこそ。まだ柚とレッスンもやってないんでしょ? なのに柚が入った時の想定がこんなにできてるなんて」
穂乃香「あくまで想像ですから……やってみたら、上手くできなくなるかも」
加蓮「できると思うけどなー」
加蓮「…………」
加蓮「ね、ちょっと聞いてもいい?」
穂乃香「……? はい」
加蓮「セルフプロデュース、してるんだよね。それってどんな感じ? やっぱり……大変?」
穂乃香「どうなんでしょうか……あんまり大変だとは。自分で自分を表現する為に、必要なことだと思っています」
加蓮「自分で自分を?」
269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:30:43.51 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「もちろん、プロデューサーさんに委ねるのも悪くはありません。プロデューサーさんからは、いっぱいのものを受け取りました」
穂乃香「私みたいな者がアイドルをやれているのは、すべてプロデューサーさんのお陰です」
穂乃香「だからこそ、そんなプロデューサーさんの役に立たなければ……そう、思って」
穂乃香「それにアイドルとして、自力でどこまで表現できるか試してみたいんです」
穂乃香「セルフプロデュースは、その為にやっているんです」
加蓮「なるほど……」
穂乃香「行けるところまで行く為のことや、やらなければならないことをやる為のことを、大変だと思うことはあまりありません」
穂乃香「……でも、周りからはよく、もっと肩の力を抜けって言われてしまいますが」
加蓮「それは分かるなぁ」
穂乃香「私みたいな者がアイドルをやれているのは、すべてプロデューサーさんのお陰です」
穂乃香「だからこそ、そんなプロデューサーさんの役に立たなければ……そう、思って」
穂乃香「それにアイドルとして、自力でどこまで表現できるか試してみたいんです」
穂乃香「セルフプロデュースは、その為にやっているんです」
加蓮「なるほど……」
穂乃香「行けるところまで行く為のことや、やらなければならないことをやる為のことを、大変だと思うことはあまりありません」
穂乃香「……でも、周りからはよく、もっと肩の力を抜けって言われてしまいますが」
加蓮「それは分かるなぁ」
270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:31:13.56 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「加蓮ちゃんもそう思いますか? 実は、柚ちゃんからもよく言われるんです。……ごほんっ」
加蓮「?」
穂乃香「『もっとやわらか~く行こうっ、穂乃香チャン!』……どうですか? 似ていましたかっ?」ワクワク
加蓮「…………穂乃香さん」
加蓮「モノマネは、真顔でする物じゃないと思う…………」
穂乃香「そうですか……私も、まだまだですね」クスッ
加蓮「……………………い、言い方は、似てた……よ……?」ヒクヒク
穂乃香「よかった」フフッ
穂乃香「セルフプロデュースのことなら教えられる範囲で教えます。もしかして柚ちゃんに……?」
加蓮「あー……あ、あはは、ちょっと違って。その、アイドル視点とプロデュース視点で考えたら何か見えてくるかなーって、あははっ、そんな感じ!」
穂乃香「なるほど……。加蓮ちゃんも勉強家なんですね」
加蓮「やめてよっ。努力するのとかそんなに好きじゃないし……」
加蓮「?」
穂乃香「『もっとやわらか~く行こうっ、穂乃香チャン!』……どうですか? 似ていましたかっ?」ワクワク
加蓮「…………穂乃香さん」
加蓮「モノマネは、真顔でする物じゃないと思う…………」
穂乃香「そうですか……私も、まだまだですね」クスッ
加蓮「……………………い、言い方は、似てた……よ……?」ヒクヒク
穂乃香「よかった」フフッ
穂乃香「セルフプロデュースのことなら教えられる範囲で教えます。もしかして柚ちゃんに……?」
加蓮「あー……あ、あはは、ちょっと違って。その、アイドル視点とプロデュース視点で考えたら何か見えてくるかなーって、あははっ、そんな感じ!」
穂乃香「なるほど……。加蓮ちゃんも勉強家なんですね」
加蓮「やめてよっ。努力するのとかそんなに好きじゃないし……」
271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:31:43.92 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「よろしければまた、こうしてお話しませんか? 私、あなたから色々と学びたいから……ご迷惑でなければ」
加蓮「それはぜんぜんいーけど。じゃあ、また次の打ち合わせの時にでも」
穂乃香「はい。あっ、もうこんな時間……。30分後にレッスンがあるんです。今日は、失礼します」
加蓮「あー、ごめんね長々と。また柚も合わせて話しあおっか」
穂乃香「はい、また是非」スクッ
穂乃香「それでは、今日は失礼します」スクッフカブカ
<950円になります
<はい
<ありがとうございました~
<ありがとうございました。ごちそうさまです
加蓮「……不思議な人」ズズ
加蓮「げ。紅茶、冷えてる」
加蓮「それはぜんぜんいーけど。じゃあ、また次の打ち合わせの時にでも」
穂乃香「はい。あっ、もうこんな時間……。30分後にレッスンがあるんです。今日は、失礼します」
加蓮「あー、ごめんね長々と。また柚も合わせて話しあおっか」
穂乃香「はい、また是非」スクッ
穂乃香「それでは、今日は失礼します」スクッフカブカ
<950円になります
<はい
<ありがとうございました~
<ありがとうございました。ごちそうさまです
加蓮「……不思議な人」ズズ
加蓮「げ。紅茶、冷えてる」
272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:32:13.58 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
加蓮「…………あれ、もしかして私の分まで会計してくれた……?」
加蓮「…………」ズズ
加蓮「…………あれ、もしかして私の分まで会計してくれた……?」
加蓮「…………」ズズ
273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:32:43.46 ID:oyrpMvNz0
――数日後 事務所――
柚「加蓮サン加蓮サンっ」
加蓮「なにー? 今ちょっと書類整理で忙しいんだけど」
柚「それ昨日も一昨日も言ってた! しかも加蓮サン、学校帰りに待ち伏せしてても現れないし!」
加蓮「昨日と一昨日は休んでたの。仕事が多すぎてちょっと」
柚「そなんだ。ちぇーっ。土曜日と日曜日は加蓮サン、スーツしか着てないから見ててつまんないっ。スーツの加蓮サンもいい感じだけどね♪」
加蓮「ごめんね……っていうか柚、大人しくしときなさいよ。今日は穂乃香さん達が来るんでしょ? 座って待ってなさい」
柚「やだ! つまんないもんっ」
加蓮「堂々と言うかぁ」
柚「あ、それでさ!」
柚「へへっ。じゃーん! 見て見て。アタシのデフォルメぬいぐるみ! 可愛いでしょー可愛いでしょー」
加蓮「……それ、どしたの?」チラ
柚「加蓮サン加蓮サンっ」
加蓮「なにー? 今ちょっと書類整理で忙しいんだけど」
柚「それ昨日も一昨日も言ってた! しかも加蓮サン、学校帰りに待ち伏せしてても現れないし!」
加蓮「昨日と一昨日は休んでたの。仕事が多すぎてちょっと」
柚「そなんだ。ちぇーっ。土曜日と日曜日は加蓮サン、スーツしか着てないから見ててつまんないっ。スーツの加蓮サンもいい感じだけどね♪」
加蓮「ごめんね……っていうか柚、大人しくしときなさいよ。今日は穂乃香さん達が来るんでしょ? 座って待ってなさい」
柚「やだ! つまんないもんっ」
加蓮「堂々と言うかぁ」
柚「あ、それでさ!」
柚「へへっ。じゃーん! 見て見て。アタシのデフォルメぬいぐるみ! 可愛いでしょー可愛いでしょー」
加蓮「……それ、どしたの?」チラ
274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:33:13.50 ID:oyrpMvNz0
柚「えとねー、穂乃香チャンと忍チャンが作ってくれた! 手編みなんだって、これ!」
加蓮「手編み? すごいね……わっ、細かいところまで作りこまれてる。ホントにすごいな……」
柚「すごいよねー。アタシこんなの作れないよ。編み物だって5分で飽きちゃったっ」
柚「忍チャンってすごい集中力なんだよ。あっ忍チャンっていうのは一緒のユニットの真面目サン! もうすっごく真面目サン! 穂乃香チャンとどっちが真面目サンだろ?」
柚「そういえば加蓮サン、穂乃香チャンと会ったんだよねっ。アタシもついていきたかったー」
加蓮「私も連れて行けば良かったって思ってたとこ。間が悪かったね」
柚「おそろい!」
加蓮「はいはい、お揃いお揃い」クス
柚「穂乃香チャンも加蓮サンも真面目だからお似合いだね。あっでも穂乃香チャンは渡さないぞー」
柚「そして加蓮サンは穂乃香チャンに渡さない!」
加蓮「つまりアンタが独り占めしたいと」
加蓮「手編み? すごいね……わっ、細かいところまで作りこまれてる。ホントにすごいな……」
柚「すごいよねー。アタシこんなの作れないよ。編み物だって5分で飽きちゃったっ」
柚「忍チャンってすごい集中力なんだよ。あっ忍チャンっていうのは一緒のユニットの真面目サン! もうすっごく真面目サン! 穂乃香チャンとどっちが真面目サンだろ?」
柚「そういえば加蓮サン、穂乃香チャンと会ったんだよねっ。アタシもついていきたかったー」
加蓮「私も連れて行けば良かったって思ってたとこ。間が悪かったね」
柚「おそろい!」
加蓮「はいはい、お揃いお揃い」クス
柚「穂乃香チャンも加蓮サンも真面目だからお似合いだね。あっでも穂乃香チャンは渡さないぞー」
柚「そして加蓮サンは穂乃香チャンに渡さない!」
加蓮「つまりアンタが独り占めしたいと」
275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:33:43.32 ID:oyrpMvNz0
柚「へへっ♪ 今日は一緒にレッスンだけど、明日いつものカフェで編み物の続きやるんだ。アタシは見学っ」
柚「大丈夫! レッスンには遅れないから。遅刻したらトレーナーサンに怒鳴られちゃうっ」
柚「明日は何のお土産もってこっかなー。マンガにしよっかな。穂乃香チャンあんまり読んだことないって言うから貸してあげるんだ♪」
柚「今日はウカツだったなー。来て思い出したんだ。あ! 今日は穂乃香チャン達が来る日だ! って。今度からここにもマンガ置いてこっかなー。加蓮サン、いい?」
加蓮「…………」
柚「むむ。加蓮サン、聞いてる?」
加蓮「うん、聞いてるよ。マンガは……ま、程々に置くなら――」
柚「仕事しながらは聞いてるって言わないんだー! こっち来てちょっと休憩しようよっ。アタシが来てから加蓮サンずっとパソコンの前に座ってるよ?」
加蓮「ん……あとちょっとやったら休憩……」ブワン
加蓮「……っ」メヲオサエル
柚「大丈夫! レッスンには遅れないから。遅刻したらトレーナーサンに怒鳴られちゃうっ」
柚「明日は何のお土産もってこっかなー。マンガにしよっかな。穂乃香チャンあんまり読んだことないって言うから貸してあげるんだ♪」
柚「今日はウカツだったなー。来て思い出したんだ。あ! 今日は穂乃香チャン達が来る日だ! って。今度からここにもマンガ置いてこっかなー。加蓮サン、いい?」
加蓮「…………」
柚「むむ。加蓮サン、聞いてる?」
加蓮「うん、聞いてるよ。マンガは……ま、程々に置くなら――」
柚「仕事しながらは聞いてるって言わないんだー! こっち来てちょっと休憩しようよっ。アタシが来てから加蓮サンずっとパソコンの前に座ってるよ?」
加蓮「ん……あとちょっとやったら休憩……」ブワン
加蓮「……っ」メヲオサエル
276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:34:13.52 ID:oyrpMvNz0
柚「目がお疲れみたいですな。目薬いる? ささっ、こっちこっち!」グイグイ
加蓮「わ、もう……引っ張らないで」
柚「加蓮サンはソファに座るー」
加蓮「もうっ……」スワリ
柚「そして柚がー……えーいっ!」ダイブ!
加蓮「ぐぇ」
柚「すごい声した! 今のどうやったの? くえっ……なんか違うっ」
加蓮「ひ、人を潰しておいて言うことはそれだけか……?」ヒクヒク
柚「あははっ、ごめんなさい加蓮サン♪」
柚「それでどこまで話したっけ? えっと、そうそう、その時に忍チャンがアタシになんでだーって突っ込んで!」
加蓮「いや、どの時よ。漫画を貸すって話じゃなかったの?」
柚「そだっけ? 加蓮サン何かオススメある? そんでー、穂乃香チャンと一緒に読む!」
加蓮「わ、もう……引っ張らないで」
柚「加蓮サンはソファに座るー」
加蓮「もうっ……」スワリ
柚「そして柚がー……えーいっ!」ダイブ!
加蓮「ぐぇ」
柚「すごい声した! 今のどうやったの? くえっ……なんか違うっ」
加蓮「ひ、人を潰しておいて言うことはそれだけか……?」ヒクヒク
柚「あははっ、ごめんなさい加蓮サン♪」
柚「それでどこまで話したっけ? えっと、そうそう、その時に忍チャンがアタシになんでだーって突っ込んで!」
加蓮「いや、どの時よ。漫画を貸すって話じゃなかったの?」
柚「そだっけ? 加蓮サン何かオススメある? そんでー、穂乃香チャンと一緒に読む!」
277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:34:43.44 ID:oyrpMvNz0
加蓮「忍ちゃん、って子とは?」
柚「もちろん一緒だよ! みんなで読書会っ。ちょっと頭よさそうに見える? 柚、インテリ系?」
加蓮「漫画なのに」
柚「漫画でも読書! 今度、加蓮サンとも一緒に読みたいな♪」
加蓮「漫画かー……暇な時にはよく読んでたなぁ」
柚「こう、ごろごろしながら読むの楽しいよねっ」ゴロゴロ
加蓮「だねっ」
柚「アタシがテーブルにぐてってなってるの見て、忍チャンが呆れて言うんだ。カッコ悪いって! ひどくない?」
加蓮「え、また何の話?」
柚「編み物してる時っ。飽きて、こう、ぐでーってなったらね」グデー
柚「忍チャンがカッコ悪いって言って、アタシがこう、なにおう! って言って!」クワッ
柚「もちろん一緒だよ! みんなで読書会っ。ちょっと頭よさそうに見える? 柚、インテリ系?」
加蓮「漫画なのに」
柚「漫画でも読書! 今度、加蓮サンとも一緒に読みたいな♪」
加蓮「漫画かー……暇な時にはよく読んでたなぁ」
柚「こう、ごろごろしながら読むの楽しいよねっ」ゴロゴロ
加蓮「だねっ」
柚「アタシがテーブルにぐてってなってるの見て、忍チャンが呆れて言うんだ。カッコ悪いって! ひどくない?」
加蓮「え、また何の話?」
柚「編み物してる時っ。飽きて、こう、ぐでーってなったらね」グデー
柚「忍チャンがカッコ悪いって言って、アタシがこう、なにおう! って言って!」クワッ
278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:35:13.52 ID:oyrpMvNz0
柚「そっからそっから、穂乃香チャンがあわあわしてるんだけど何も言ってこないんだ♪ 慌ててる穂乃香チャン、ちょっと可愛かった!」
加蓮「可愛い……?」
柚「可愛い子だよ~。あと、キラキラってしてる!」
加蓮「そうなんだ」
柚「あとねあとね!」
柚「……あっ。アタシ、ちょっと喋り過ぎ? これじゃ加蓮サンの休憩にならないね」
加蓮「え? ……ううん。柚の話、聞いてるの楽しいよ」
柚「ホント!?」
加蓮「私が話さなくて済む、つまり楽ができる」
柚「ただの横着だー!?」
加蓮「なんてねっ。でも柚、珍しいね。友達の話をガンガン振ってくるのって」
柚「そ、そお? うっとーしくない?」
加蓮「うん。仕事させろ♪」
加蓮「可愛い……?」
柚「可愛い子だよ~。あと、キラキラってしてる!」
加蓮「そうなんだ」
柚「あとねあとね!」
柚「……あっ。アタシ、ちょっと喋り過ぎ? これじゃ加蓮サンの休憩にならないね」
加蓮「え? ……ううん。柚の話、聞いてるの楽しいよ」
柚「ホント!?」
加蓮「私が話さなくて済む、つまり楽ができる」
柚「ただの横着だー!?」
加蓮「なんてねっ。でも柚、珍しいね。友達の話をガンガン振ってくるのって」
柚「そ、そお? うっとーしくない?」
加蓮「うん。仕事させろ♪」
279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:35:43.64 ID:oyrpMvNz0
柚「それは駄目っ。加蓮サンはここで回復するまで柚の話を聞くのだー」
柚「あれっ、ってことは回復したらアタシの話を聞いてくれなくなるのカナ?」
柚「……ずっと休憩してていいと思うな!」
加蓮「あはは、それじゃ仕事にならないでしょ?」
柚「アイドルの話を聞くのもプロデューサーのお仕事ーっ」
加蓮「そだね。……ね、柚」
柚「ン?」
加蓮「ううん。楽しそうだね」
柚「楽しいよ! アタシはいっつも楽しんでる♪ でも、忍チャンと穂乃香チャンといる時は、なんだか今までよりもっと楽しいんだ。へへっ、もしかして運命の相手かな?」
加蓮「…………そっか。運命の相手、見つかってよかったね」ズキ
柚「? 加蓮サン?」
加蓮「あ、ううん……」
柚「あれっ、ってことは回復したらアタシの話を聞いてくれなくなるのカナ?」
柚「……ずっと休憩してていいと思うな!」
加蓮「あはは、それじゃ仕事にならないでしょ?」
柚「アイドルの話を聞くのもプロデューサーのお仕事ーっ」
加蓮「そだね。……ね、柚」
柚「ン?」
加蓮「ううん。楽しそうだね」
柚「楽しいよ! アタシはいっつも楽しんでる♪ でも、忍チャンと穂乃香チャンといる時は、なんだか今までよりもっと楽しいんだ。へへっ、もしかして運命の相手かな?」
加蓮「…………そっか。運命の相手、見つかってよかったね」ズキ
柚「? 加蓮サン?」
加蓮「あ、ううん……」
280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:36:13.57 ID:oyrpMvNz0
柚「……だいじょーぶだいじょーぶ! アタシにとっては加蓮サンも運命の相手だっ♪」
柚「アタシの小指にはね、いっぱいの赤い糸が伸びてるの。加蓮サンに繋がってたり、忍チャンに繋がってたり、穂乃香チャンに繋がってたりっ」
柚「加蓮サンっ、指出して?」
加蓮「ん、こう?」ヒトサシユビ
柚「違う違う。小指!」
加蓮「はい」コユビ
柚「アタシの指と、ぴっぴっ。これで加蓮サンの小指にも、赤い糸っ♪」
加蓮「…………」ジー
加蓮「……ふふっ」
柚「今度、2人にもやろーっと!」
柚「アタシの小指にはね、いっぱいの赤い糸が伸びてるの。加蓮サンに繋がってたり、忍チャンに繋がってたり、穂乃香チャンに繋がってたりっ」
柚「加蓮サンっ、指出して?」
加蓮「ん、こう?」ヒトサシユビ
柚「違う違う。小指!」
加蓮「はい」コユビ
柚「アタシの指と、ぴっぴっ。これで加蓮サンの小指にも、赤い糸っ♪」
加蓮「…………」ジー
加蓮「……ふふっ」
柚「今度、2人にもやろーっと!」
281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:36:43.40 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」(小指をさする)
加蓮(ちょっとだけ……寂しかったのかも)
加蓮(穂乃香さんと会った時、なんとなく、このユニットは長く続きそうな気がした。柚の話を聞いて、それを確信した)
加蓮(ユニットの話を楽しそうにする、なんて、私には絶対にできないことだから。羨ましくて、ちょっと寂しかった。遠くなった気がした)
加蓮(でも…………ふふっ♪)サスリ
加蓮「っと、そろそろ穂乃香さん達が来る時間かな? 一応、レッスンスタジオの確認だけ――」
柚「あ……」
柚「ねえ、加蓮サン。ちょこっとだけ、いい?」
加蓮「うん。どうしたの?」
柚「え、えとねっ。……笑っちゃ駄目だよ! 絶対、笑っちゃ駄目!」
加蓮「……? いいけど……」
加蓮(ちょっとだけ……寂しかったのかも)
加蓮(穂乃香さんと会った時、なんとなく、このユニットは長く続きそうな気がした。柚の話を聞いて、それを確信した)
加蓮(ユニットの話を楽しそうにする、なんて、私には絶対にできないことだから。羨ましくて、ちょっと寂しかった。遠くなった気がした)
加蓮(でも…………ふふっ♪)サスリ
加蓮「っと、そろそろ穂乃香さん達が来る時間かな? 一応、レッスンスタジオの確認だけ――」
柚「あ……」
柚「ねえ、加蓮サン。ちょこっとだけ、いい?」
加蓮「うん。どうしたの?」
柚「え、えとねっ。……笑っちゃ駄目だよ! 絶対、笑っちゃ駄目!」
加蓮「……? いいけど……」
282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:37:13.57 ID:oyrpMvNz0
柚「こう言わないと加蓮サン、いっつもアタシのこと笑ってばっかだもん!」
加蓮「そ、そんなに笑ってた? ……じゃあ、絶対に笑わないから……何? 言ってみてよ」
柚「そ、その……えとね。ちょこっとだけ……ちょこっとだけ……」
柚「ちょこっとだけ……その、なでてっ。アタシのこと!」
柚「それからその、『柚はいつも頑張ってる』って言って!」
加蓮「…………そんなこと?」
柚「大切なのー!」
柚「加蓮サンにそう言ってもらえたら……アタシ、今日のレッスンきっと頑張れるから!」
加蓮「…………」
柚「ん!」ズイ
加蓮「…………」
加蓮「そ、そんなに笑ってた? ……じゃあ、絶対に笑わないから……何? 言ってみてよ」
柚「そ、その……えとね。ちょこっとだけ……ちょこっとだけ……」
柚「ちょこっとだけ……その、なでてっ。アタシのこと!」
柚「それからその、『柚はいつも頑張ってる』って言って!」
加蓮「…………そんなこと?」
柚「大切なのー!」
柚「加蓮サンにそう言ってもらえたら……アタシ、今日のレッスンきっと頑張れるから!」
加蓮「…………」
柚「ん!」ズイ
加蓮「…………」
283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:37:43.60 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……これで、いいの?」ナデナデ
柚「えへぇ……あ、あとその、ほら、さ、さっきのっ」
加蓮「そうだったね。柚。……柚はいつも、頑張ってるよ」
柚「えへへぇ……ほんと? アタシ、頑張れてる?」
加蓮「ほんとほんと。柚はいっつも頑張ってる」ナデナデ
柚「へへっ♪」
加蓮「いつも頑張ってくれてありがとね、柚。……次のオフの日に、ちょっと遊びに行こっか」
柚「! ホント!?」
加蓮「うん。そうだ。そういえば柚の友達に会うって約束、まだ果たしてないんだっけ」
柚「いいの!? やったっ」
柚「アタシのクラスでも加蓮サンの話題いっぱい出てるんだ。きっとみんな喜ぶよっ」
柚「そだっ。どうせなら学校でLIVEとかやっちゃおう! そうしたらみんな見てく――」
加蓮「ごめん、柚。もしやるなら、柚1人だけでね」
柚「えへぇ……あ、あとその、ほら、さ、さっきのっ」
加蓮「そうだったね。柚。……柚はいつも、頑張ってるよ」
柚「えへへぇ……ほんと? アタシ、頑張れてる?」
加蓮「ほんとほんと。柚はいっつも頑張ってる」ナデナデ
柚「へへっ♪」
加蓮「いつも頑張ってくれてありがとね、柚。……次のオフの日に、ちょっと遊びに行こっか」
柚「! ホント!?」
加蓮「うん。そうだ。そういえば柚の友達に会うって約束、まだ果たしてないんだっけ」
柚「いいの!? やったっ」
柚「アタシのクラスでも加蓮サンの話題いっぱい出てるんだ。きっとみんな喜ぶよっ」
柚「そだっ。どうせなら学校でLIVEとかやっちゃおう! そうしたらみんな見てく――」
加蓮「ごめん、柚。もしやるなら、柚1人だけでね」
284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:38:13.60 ID:oyrpMvNz0
柚「……そっか。ごめん、アタシちょっと浮かれすぎてたカモ」
加蓮「何言ってんの。それくらいが柚でしょ? ブレーキとして私がいるんだから、安心して浮かれるだけ浮かれなさい」
柚「加蓮サン、アタシのブレーキ?」
加蓮「誰かさんがアクセル全開だからさ。アタシがブレーキにならないと、そのままどっか行っちゃうでしょー?」
柚「カモ。あーっ! 加蓮サン手が止まってる! もっと柚を撫でるのだ~」
加蓮「はいはい」ナデナデ
柚「えへへぇ。それからもうひとつのもっ」
加蓮「ん。柚は頑張ってるね。偉い偉い……」ナデナデ
柚「えへへへ……」
<ピンポーン
柚「!!!」バッ
加蓮「何言ってんの。それくらいが柚でしょ? ブレーキとして私がいるんだから、安心して浮かれるだけ浮かれなさい」
柚「加蓮サン、アタシのブレーキ?」
加蓮「誰かさんがアクセル全開だからさ。アタシがブレーキにならないと、そのままどっか行っちゃうでしょー?」
柚「カモ。あーっ! 加蓮サン手が止まってる! もっと柚を撫でるのだ~」
加蓮「はいはい」ナデナデ
柚「えへへぇ。それからもうひとつのもっ」
加蓮「ん。柚は頑張ってるね。偉い偉い……」ナデナデ
柚「えへへへ……」
<ピンポーン
柚「!!!」バッ
285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:38:44.22 ID:oyrpMvNz0
加蓮「へ?」ナデ...
柚「きっと穂乃香チャンと忍チャンだ。は、離れなきゃっ!」シュタ!
加蓮「……?」スカッ
柚「あれ?」ソファニチャクチ
柚「ぎゃーっ!」ズザー
加蓮「あ、ちょ、ソファ巻き込んで――」
柚「うぎゃ!」ガン!
加蓮「あーあー、オフィスデスクに腕ぶつけちゃってる……」
加蓮「…………」チラッ
柚「あぷっ、あ、あれっ? 起き上がれない!? 加蓮サン助けてー!」
<今すごい音したよ!?
<ど、どうしましょう……。もしかして、何か事故が
<開けた方がいいのかな!?
加蓮「…………。はーい、空いてまーす」
柚「ギャー!! ちょ、タンマ!」
柚「きっと穂乃香チャンと忍チャンだ。は、離れなきゃっ!」シュタ!
加蓮「……?」スカッ
柚「あれ?」ソファニチャクチ
柚「ぎゃーっ!」ズザー
加蓮「あ、ちょ、ソファ巻き込んで――」
柚「うぎゃ!」ガン!
加蓮「あーあー、オフィスデスクに腕ぶつけちゃってる……」
加蓮「…………」チラッ
柚「あぷっ、あ、あれっ? 起き上がれない!? 加蓮サン助けてー!」
<今すごい音したよ!?
<ど、どうしましょう……。もしかして、何か事故が
<開けた方がいいのかな!?
加蓮「…………。はーい、空いてまーす」
柚「ギャー!! ちょ、タンマ!」
286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:39:13.52 ID:oyrpMvNz0
<ガチャ
穂乃香「お、お邪魔します…………柚ちゃん?」
「お邪魔しま……何これ!? って、うわぁ、柚ちゃんまた何してるの……」
加蓮「いらっしゃい、穂乃香さんと……、……もしかして忍さん?」
工藤忍「あっ、初めまして! アタシ工藤忍です……いやいやいやそれより! あの、後ろの柚ちゃん、いったい……」
加蓮「うん……まあ、事故……?」
穂乃香「柚ちゃん、大丈夫?」
柚「たーすーけーてー! 穂乃香チャン忍チャンへるぷ! へるぷ!」
忍「……柚ちゃん。パンツ丸出しで思いっきりひっくり返ってるのは、さすがにどうかと思う……」
柚「冷静な解説だめーっ!! ひ、引っ張りあげて! ついでに片付けも手伝って!」
忍「図々しいなアンタ!? ……もうっ。穂乃香ちゃん、そっち持って。せーので引き上げるよ。せーのっ」
穂乃香「えいっ」
穂乃香「お、お邪魔します…………柚ちゃん?」
「お邪魔しま……何これ!? って、うわぁ、柚ちゃんまた何してるの……」
加蓮「いらっしゃい、穂乃香さんと……、……もしかして忍さん?」
工藤忍「あっ、初めまして! アタシ工藤忍です……いやいやいやそれより! あの、後ろの柚ちゃん、いったい……」
加蓮「うん……まあ、事故……?」
穂乃香「柚ちゃん、大丈夫?」
柚「たーすーけーてー! 穂乃香チャン忍チャンへるぷ! へるぷ!」
忍「……柚ちゃん。パンツ丸出しで思いっきりひっくり返ってるのは、さすがにどうかと思う……」
柚「冷静な解説だめーっ!! ひ、引っ張りあげて! ついでに片付けも手伝って!」
忍「図々しいなアンタ!? ……もうっ。穂乃香ちゃん、そっち持って。せーので引き上げるよ。せーのっ」
穂乃香「えいっ」
287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:39:43.63 ID:oyrpMvNz0
柚「ぷはーっ。助かったー。アリガト! 2人が来てくれなかったらアタシあのままだったかも!」
穂乃香「その時はきっと、加蓮ちゃんが助けてくれるよ」
柚「ついさっき見捨てられたんだけどー!?」
加蓮「あと5分くらいしたら助けるつもりでしたー」
柚「すごい嘘っぽい! あと、すぐに助けてくれればいいじゃんっ」
加蓮「緊急の電話が入る予感がしたの」
柚「嘘つけーっ」
忍「…………」パチクリ
穂乃香「あ……柚ちゃん、大丈夫? ああ、すりむいちゃってる。私、バンドエード持ってるから貼ってあげるね」ガサゴソ
柚「だいじょーぶ! ほっとけば治るっ♪」
穂乃香「あっ……もうっ」
穂乃香「その時はきっと、加蓮ちゃんが助けてくれるよ」
柚「ついさっき見捨てられたんだけどー!?」
加蓮「あと5分くらいしたら助けるつもりでしたー」
柚「すごい嘘っぽい! あと、すぐに助けてくれればいいじゃんっ」
加蓮「緊急の電話が入る予感がしたの」
柚「嘘つけーっ」
忍「…………」パチクリ
穂乃香「あ……柚ちゃん、大丈夫? ああ、すりむいちゃってる。私、バンドエード持ってるから貼ってあげるね」ガサゴソ
柚「だいじょーぶ! ほっとけば治るっ♪」
穂乃香「あっ……もうっ」
288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:40:13.66 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「こんにちは、加蓮ちゃん。未熟者ですが、本日はよろしくお願いします」フカブカ
加蓮「あ、いや、こちらこそ……柚が迷惑をかけます。というか、かけました」フカブカ
忍「うん。かけてたね、さっき」
柚「加蓮サンも忍チャンもひどいっ!」
加蓮「柚の日頃の行いを知ってるとねー……」
忍「そうそう。何かあったらたいてい柚ちゃんの仕業だよね」
加蓮「おお、分かってる」
忍「意気投合できそう?」
柚「そんなっ。それじゃまるでフリルドスクエアの失敗役=柚って風になっちゃう!」
穂乃香「あの……そんなことないから、ね?」
柚「ううっ、穂乃香チャ――」
柚「!」サッ
加蓮「……?」
穂乃香「……??」
加蓮「あ、いや、こちらこそ……柚が迷惑をかけます。というか、かけました」フカブカ
忍「うん。かけてたね、さっき」
柚「加蓮サンも忍チャンもひどいっ!」
加蓮「柚の日頃の行いを知ってるとねー……」
忍「そうそう。何かあったらたいてい柚ちゃんの仕業だよね」
加蓮「おお、分かってる」
忍「意気投合できそう?」
柚「そんなっ。それじゃまるでフリルドスクエアの失敗役=柚って風になっちゃう!」
穂乃香「あの……そんなことないから、ね?」
柚「ううっ、穂乃香チャ――」
柚「!」サッ
加蓮「……?」
穂乃香「……??」
289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:40:43.69 ID:oyrpMvNz0
加蓮(なんか今……柚が穂乃香さんに抱きつこうとして、自分からさっとかわした?)
加蓮「……レッスンまでにはまだ早いけど準備しよっか。更衣室は私が案内するよ。その間に柚。ここ片付けておいてね」
柚「アタシ1人で!?」
加蓮「うん。柚1人で。もしも、案内が終わるまでに片付いてなかったら……」ゴゴゴ
柚「ギャー! ツノ、ツノ! それ久々に見た! 久々だけど見たくなかった! 引っ込めて!」
加蓮「ふうっ。じゃ案内するね、穂乃香さんに……えーと、忍さん」
穂乃香「はい。お願いします、加蓮ちゃん」
加蓮(そのまま部屋から出ようとした――その直前)
加蓮「……レッスンまでにはまだ早いけど準備しよっか。更衣室は私が案内するよ。その間に柚。ここ片付けておいてね」
柚「アタシ1人で!?」
加蓮「うん。柚1人で。もしも、案内が終わるまでに片付いてなかったら……」ゴゴゴ
柚「ギャー! ツノ、ツノ! それ久々に見た! 久々だけど見たくなかった! 引っ込めて!」
加蓮「ふうっ。じゃ案内するね、穂乃香さんに……えーと、忍さん」
穂乃香「はい。お願いします、加蓮ちゃん」
加蓮(そのまま部屋から出ようとした――その直前)
290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:41:43.63 ID:oyrpMvNz0
柚「あ!」
加蓮(柚がささっと私の側に駆け寄って、耳元へと口を持って行って)
柚「(小声)さっきのこと、穂乃香チャンと忍チャンにはナイショにしてて!」
加蓮「(小声)さっきのこと?」
柚「(小声)加蓮サンに甘えてたこと! ね! 甘える柚なんてヘンでしょ?」
加蓮「(小声)そう? よく分かんないけど……分かった。秘密にしておけばいいんだね」
柚「(小声)ありがと! アタシ、あれでまた頑張れるからっ」
穂乃香「……?」
忍「???」
加蓮(柚がささっと私の側に駆け寄って、耳元へと口を持って行って)
柚「(小声)さっきのこと、穂乃香チャンと忍チャンにはナイショにしてて!」
加蓮「(小声)さっきのこと?」
柚「(小声)加蓮サンに甘えてたこと! ね! 甘える柚なんてヘンでしょ?」
加蓮「(小声)そう? よく分かんないけど……分かった。秘密にしておけばいいんだね」
柚「(小声)ありがと! アタシ、あれでまた頑張れるからっ」
穂乃香「……?」
忍「???」
291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:42:15.02 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ううん、ごめん、なんでもない。そうだ、2人ともレッスン着は持ってきてる? こっちでも予備はあるから――」スタスタ
<大丈夫です。2着、持ってきています
<え、2着?
<前にドリンクをやってしまったことがあって
<なるほど
加蓮(ちなみに戻ってきた時、当然の如く片付けが終わっていないどころか冷蔵庫からお菓子を持ってきて頬張り私達の分まで用意してくれていたので、ご要望通りツノを生やしておいた)
加蓮(ギャー! と何度目になるか分からない悲鳴を聞くのは……正直、ちょっぴり楽しかった)
<大丈夫です。2着、持ってきています
<え、2着?
<前にドリンクをやってしまったことがあって
<なるほど
加蓮(ちなみに戻ってきた時、当然の如く片付けが終わっていないどころか冷蔵庫からお菓子を持ってきて頬張り私達の分まで用意してくれていたので、ご要望通りツノを生やしておいた)
加蓮(ギャー! と何度目になるか分からない悲鳴を聞くのは……正直、ちょっぴり楽しかった)
292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:42:43.74 ID:oyrpMvNz0
――1時間後――
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「…………」チラッ
加蓮「ん、いい時間かな……。ちょっと様子見てこよっと」スクッ
加蓮「ん~~~!」ノビ
<トゥルルル
加蓮「!」ガチャ
加蓮「はい、こちらCGプロダクション第四アイドル部署――はい、はい……そうですか! 分かりました。では打ち合わせの日時を――」
加蓮「はい。はい、◯日の午後ですね。分かりました。楽しみにお待ちしております――はい、では失礼します」ガチャ
加蓮「……さて、見に行かないとっ」
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「…………」チラッ
加蓮「ん、いい時間かな……。ちょっと様子見てこよっと」スクッ
加蓮「ん~~~!」ノビ
<トゥルルル
加蓮「!」ガチャ
加蓮「はい、こちらCGプロダクション第四アイドル部署――はい、はい……そうですか! 分かりました。では打ち合わせの日時を――」
加蓮「はい。はい、◯日の午後ですね。分かりました。楽しみにお待ちしております――はい、では失礼します」ガチャ
加蓮「……さて、見に行かないとっ」
293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:43:13.41 ID:oyrpMvNz0
――レッスンスタジオ――
忍「…………」(黙々とダンスレッスンをこなしている)
柚「う、う~~~~ん」
穂乃香「だからね。この時に右足を……もうちょっと前に出すの。それから、左足はこの位置で……」
加蓮「お疲れ、柚。穂乃香さんに忍さんも」
柚「あ、加蓮サンだ!」スクッ
穂乃香「お疲れ様です」
加蓮「トレーナーさんは?」
穂乃香「先ほど、休憩するようにと指示されてからその間に資料を取ってくると。今は、柚ちゃんにレッスンのことを教えているところです」
柚「穂乃香チャンの説明、分かりやすいけど分かりにくい!」
加蓮「どっちだ。えーっと、穂乃香さん。見ての通り柚はその……頭より身体で覚えるタイプだから、もしよかったら手本を見せてあげて」
加蓮「って今は休憩中だっけ」
忍「…………」(黙々とダンスレッスンをこなしている)
柚「う、う~~~~ん」
穂乃香「だからね。この時に右足を……もうちょっと前に出すの。それから、左足はこの位置で……」
加蓮「お疲れ、柚。穂乃香さんに忍さんも」
柚「あ、加蓮サンだ!」スクッ
穂乃香「お疲れ様です」
加蓮「トレーナーさんは?」
穂乃香「先ほど、休憩するようにと指示されてからその間に資料を取ってくると。今は、柚ちゃんにレッスンのことを教えているところです」
柚「穂乃香チャンの説明、分かりやすいけど分かりにくい!」
加蓮「どっちだ。えーっと、穂乃香さん。見ての通り柚はその……頭より身体で覚えるタイプだから、もしよかったら手本を見せてあげて」
加蓮「って今は休憩中だっけ」
294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:43:44.06 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「はい。休める時には休む。それも、レッスンの基本です」
加蓮「うん。…………1人、黙々とやってるのがいるけど」チラ
<えっと、こっちの動きはこうで…………
柚「忍チャンはあれでいいの!」
穂乃香「忍ちゃん、とにかく頑張り屋さんなんです。あまり邪魔はしたくありません」
加蓮「なるほどー……」
柚「それより加蓮サンどしたの? さては~、柚がいなくて寂しかったんだ!」
加蓮「いやー仕事を邪魔する子がいなくてすっごく捗ったよ。今日いっぱいかかりそうだった書類整理がもう終わっちゃった」
柚「柚いらない子!?」
穂乃香「そんなことないわよ……ね? 加蓮ちゃん」
加蓮「うんうん、いる子いる子」
加蓮「うん。…………1人、黙々とやってるのがいるけど」チラ
<えっと、こっちの動きはこうで…………
柚「忍チャンはあれでいいの!」
穂乃香「忍ちゃん、とにかく頑張り屋さんなんです。あまり邪魔はしたくありません」
加蓮「なるほどー……」
柚「それより加蓮サンどしたの? さては~、柚がいなくて寂しかったんだ!」
加蓮「いやー仕事を邪魔する子がいなくてすっごく捗ったよ。今日いっぱいかかりそうだった書類整理がもう終わっちゃった」
柚「柚いらない子!?」
穂乃香「そんなことないわよ……ね? 加蓮ちゃん」
加蓮「うんうん、いる子いる子」
295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:44:13.54 ID:oyrpMvNz0
柚「えへへぇ……はっ! そ、そーだねっ! 加蓮サンはアタシがいないと駄目だよねっ♪」
加蓮「へ? まあ、うん」
柚「加蓮サンが来たってことはー、差し入れを期待してもいいのカナ? アタシ喉が乾いちゃったなーちらっちらっ」
加蓮「そう言うと思って。はい、スポドリ」スッ
柚「やたーっ。しかもこれアタシの好きな味! さすが加蓮サン、分かってるじゃん♪」
加蓮「ふふっ。穂乃香さんもよかったら。アタシと柚のオススメなんだっ」
穂乃香「ありがとうございます」ウケトリ
加蓮「あっちの子には、また後で渡しといて」スッ
柚「忍チャーン! そろそろ休もうっ。じゃないと忍チャンへの差し入れアタシが飲んじゃうぞー!」
<もうちょっとだけー!
加蓮「へ? まあ、うん」
柚「加蓮サンが来たってことはー、差し入れを期待してもいいのカナ? アタシ喉が乾いちゃったなーちらっちらっ」
加蓮「そう言うと思って。はい、スポドリ」スッ
柚「やたーっ。しかもこれアタシの好きな味! さすが加蓮サン、分かってるじゃん♪」
加蓮「ふふっ。穂乃香さんもよかったら。アタシと柚のオススメなんだっ」
穂乃香「ありがとうございます」ウケトリ
加蓮「あっちの子には、また後で渡しといて」スッ
柚「忍チャーン! そろそろ休もうっ。じゃないと忍チャンへの差し入れアタシが飲んじゃうぞー!」
<もうちょっとだけー!
296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:44:43.62 ID:oyrpMvNz0
柚「駄目だこりゃ」
加蓮「ホント、すごい子なんだね……」
穂乃香「忍ちゃん、いつもこうだから。ふふ。柚ちゃん、私達ももうちょっと頑張ってみる?」
柚「アタシは休憩っ」ゴクゴク
穂乃香「じゃあ、私も」ゴクゴク
加蓮「あはは……あ、柚。休んでるところにごめん。ちょこっとだけいい?」チョイチョイ
柚「ン? なーに、加蓮サンっ」スタスタ
穂乃香「……?」
加蓮「ホント、すごい子なんだね……」
穂乃香「忍ちゃん、いつもこうだから。ふふ。柚ちゃん、私達ももうちょっと頑張ってみる?」
柚「アタシは休憩っ」ゴクゴク
穂乃香「じゃあ、私も」ゴクゴク
加蓮「あはは……あ、柚。休んでるところにごめん。ちょこっとだけいい?」チョイチョイ
柚「ン? なーに、加蓮サンっ」スタスタ
穂乃香「……?」
297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:45:13.40 ID:oyrpMvNz0
加蓮「実はね。さっきYテレビさんから電話が来て、今度立ち上げる番組に柚が欲しいって言ってきたんだ」
柚「! ホント!? Yテレビってあのバラエティがスゴイとこだよね! ねね、どんなお仕事!?」
加蓮「グルメレポだって。ほら、前のイタリアンクッキングを見てくれてたみたい。柚をレギュラーに欲しいってさ」
柚「やったっ。アタシやってみたい。いい? 加蓮サンっ」
加蓮「スケジュールの調節はあるけど、じゃあ受ける方向でいいんだね」
柚「うんうんっ」
加蓮「分かった。打ち合わせはこっちで進めておくから、柚はレッスンを……ね? お願いします、私のアイドルさん♪」
柚「し、しょーがないなー。加蓮サンに頼まれたらやるっきゃないよね!」
<穂乃香チャン、さっきのもっかい教えてーっ
<はい。ええと、じゃあまずはさっきの続きから……
加蓮「レッスン、少し見ていこっかな?」
298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:45:43.80 ID:oyrpMvNz0
――数日後・事務所(夜)――
柚「ただいまーっ! 加蓮サンいる!?」
加蓮「いるわよー」グデー
柚「……お疲れ?」
加蓮「この時間になるとそろそろね……はぁ。もうへとへと……」グデー
柚「そっかっ」
加蓮「ん……っと、ごめんごめん。なあに、どうしたの? 何か報告があるんでしょ?」オキアガル
柚「あ、そのままでいいよっ」
加蓮「私がヤだよ。いいからほら、教えてっ」
柚「うん。あのね、今日の収録の時にこれをプロデューサーに渡してって頼まれた!」スッ
加蓮「ふむ」
柚「ただいまーっ! 加蓮サンいる!?」
加蓮「いるわよー」グデー
柚「……お疲れ?」
加蓮「この時間になるとそろそろね……はぁ。もうへとへと……」グデー
柚「そっかっ」
加蓮「ん……っと、ごめんごめん。なあに、どうしたの? 何か報告があるんでしょ?」オキアガル
柚「あ、そのままでいいよっ」
加蓮「私がヤだよ。いいからほら、教えてっ」
柚「うん。あのね、今日の収録の時にこれをプロデューサーに渡してって頼まれた!」スッ
加蓮「ふむ」
299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:46:13.53 ID:oyrpMvNz0
柚「あとね、もしよかったら番組に出てもらえないかって言われちゃった♪」
加蓮「あー、私もついていった方がよかったね。ごめんね、どうしても外せない打ち合わせがあって」
柚「加蓮サン最近付き合い悪いぞー」
加蓮「あははっ。それ、貸して?」
柚「はいっ」スッ
加蓮「ふんふん……うーん…………これちょっとスケジュール的には辛いなぁ……」
柚「そなの?」
加蓮「今は穂乃香さんや忍さんとの方に集中したいし……それにこれ、企画内容が曖昧だし、まだ当たりつけてオファーかけてるって感じかな……断ってもトゲは立たないか」
加蓮「ごめん柚。これ、断っといていい?」
柚「加蓮サンがそう言うならいいよっ」
加蓮「あー、私もついていった方がよかったね。ごめんね、どうしても外せない打ち合わせがあって」
柚「加蓮サン最近付き合い悪いぞー」
加蓮「あははっ。それ、貸して?」
柚「はいっ」スッ
加蓮「ふんふん……うーん…………これちょっとスケジュール的には辛いなぁ……」
柚「そなの?」
加蓮「今は穂乃香さんや忍さんとの方に集中したいし……それにこれ、企画内容が曖昧だし、まだ当たりつけてオファーかけてるって感じかな……断ってもトゲは立たないか」
加蓮「ごめん柚。これ、断っといていい?」
柚「加蓮サンがそう言うならいいよっ」
300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:46:44.01 ID:oyrpMvNz0
加蓮「じゃあ電話しとかなきゃ。あ、そうだ。これ渡してくれたのどんな人だった?」
柚「チョビ髭でさわやか笑顔の人だった!」
加蓮「…………うーん、覚えがないってことはホントに完全新規か」
<かれーん! 車、準備できたぞー!
加蓮「すぐ行くー! これありがとね柚。私はもう帰らなきゃ……柚も乗せてもらう? Pさんの車」
柚「乗る乗る!」
加蓮「そっか。じゃあ一緒に……」スクッ
加蓮「あ」フラッ
柚「わわっ」ダキッ
柚「チョビ髭でさわやか笑顔の人だった!」
加蓮「…………うーん、覚えがないってことはホントに完全新規か」
<かれーん! 車、準備できたぞー!
加蓮「すぐ行くー! これありがとね柚。私はもう帰らなきゃ……柚も乗せてもらう? Pさんの車」
柚「乗る乗る!」
加蓮「そっか。じゃあ一緒に……」スクッ
加蓮「あ」フラッ
柚「わわっ」ダキッ
301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:47:13.64 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン、ホントにヘトヘトだ! アタシが肩を貸してあげるねっ」
加蓮「ありがとー……やり過ぎもよくないね、ふふっ」
柚「ゆるーく頑張ろう!」
加蓮「ゆるーく、かー」
柚「ゆるーく!」
加蓮「ゆるーく」
加蓮「ありがとー……やり過ぎもよくないね、ふふっ」
柚「ゆるーく頑張ろう!」
加蓮「ゆるーく、かー」
柚「ゆるーく!」
加蓮「ゆるーく」
302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:47:43.95 ID:oyrpMvNz0
――そのまた数日後・事務所(昼)――
柚「ただいまー」
加蓮「お帰りなさい、柚。ラジオの収録はどうだった?」
柚「バッチリ! ちゃんとLIVEの告知もしてきたよっ」
加蓮「よし。これで当日は満員だね」
柚「うんうん! あ、それで加蓮サン。えーと、はいこれっ」スッ
加蓮「封筒? もしかして、また何かオファー来ちゃった?」
柚「来ちゃった。あ、あのね。それその……」
加蓮「ん?」トリダシ
柚「あのね……あ、ううんっ。……アタシ、あんまり受けたくないかも……あっ、か、加蓮サンがやれって言うなら柚頑張っちゃうけどね!」
加蓮「あれ、珍しいね。柚がそんなこと言うなんて……」パラパラ
加蓮「って、うわ、K事務所の撮影かぁ。あれだよね。前に受けたけど酷かった奴」
柚「ただいまー」
加蓮「お帰りなさい、柚。ラジオの収録はどうだった?」
柚「バッチリ! ちゃんとLIVEの告知もしてきたよっ」
加蓮「よし。これで当日は満員だね」
柚「うんうん! あ、それで加蓮サン。えーと、はいこれっ」スッ
加蓮「封筒? もしかして、また何かオファー来ちゃった?」
柚「来ちゃった。あ、あのね。それその……」
加蓮「ん?」トリダシ
柚「あのね……あ、ううんっ。……アタシ、あんまり受けたくないかも……あっ、か、加蓮サンがやれって言うなら柚頑張っちゃうけどね!」
加蓮「あれ、珍しいね。柚がそんなこと言うなんて……」パラパラ
加蓮「って、うわ、K事務所の撮影かぁ。あれだよね。前に受けたけど酷かった奴」
303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:48:13.42 ID:oyrpMvNz0
柚「そうそう! セクハラする人がいるって噂も聞いたことある! アタシはされなかったけどっ」
加蓮「それアタシも知ってる。よし、このオファーは断ろう。大丈夫。柚が嫌がらせをされたりしないように上手くやってみせるから」
柚「ホント? 加蓮サンがそういうなら安心だね!」
加蓮「あと、受けたくない仕事があったら私には素直に言ってね? 無理矢理やれって言ったりしないから……」
柚「うーん……加蓮サンなら言わなくても分かるかも、なんて♪」
加蓮「無理」
柚「きっぱり言われたー! むむっ、まだまだアタシの片想いのようですな」
柚「片想いって言えばアタシ最近、いろんな人からオファー受けるっ。人気アイドルになったって実感できるよ!」
加蓮「前からでしょー?」
柚「へへっ♪」
加蓮「それアタシも知ってる。よし、このオファーは断ろう。大丈夫。柚が嫌がらせをされたりしないように上手くやってみせるから」
柚「ホント? 加蓮サンがそういうなら安心だね!」
加蓮「あと、受けたくない仕事があったら私には素直に言ってね? 無理矢理やれって言ったりしないから……」
柚「うーん……加蓮サンなら言わなくても分かるかも、なんて♪」
加蓮「無理」
柚「きっぱり言われたー! むむっ、まだまだアタシの片想いのようですな」
柚「片想いって言えばアタシ最近、いろんな人からオファー受けるっ。人気アイドルになったって実感できるよ!」
加蓮「前からでしょー?」
柚「へへっ♪」
304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:48:43.85 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ホント増えたよね。セルフプロデュースを始めてる子が多いのと関係してるのかな……」
柚「それって穂乃香チャンみたいな?」
加蓮「うん。ちょっと前からまた増えたみたい。若い子が自分で仕事を取って、とか」
柚「でもその分、変なオファーもあるケド。柚はお笑い芸人じゃないぞーっ」
加蓮「あと契約関係でトラブルも増えてるって聞くし。私も、ちゃんとしっかり確認しないと……」フラ
加蓮「んっ……」
柚「加蓮サン、お疲れ?」
加蓮「お疲れお疲れ。やらなきゃいけないことがホント多くて。柚ー、ちょっとは手加減してよー」ダラー
柚「アタシのせい!? そうだっ、Pサンに任せてみるのはどうかな。そしたら加蓮サンも楽できる!」
加蓮「ヤダよ。柚のプロデュースは私がやるんだし、それにただでさえ無理させてんだから」
柚「えーっ」
柚「それって穂乃香チャンみたいな?」
加蓮「うん。ちょっと前からまた増えたみたい。若い子が自分で仕事を取って、とか」
柚「でもその分、変なオファーもあるケド。柚はお笑い芸人じゃないぞーっ」
加蓮「あと契約関係でトラブルも増えてるって聞くし。私も、ちゃんとしっかり確認しないと……」フラ
加蓮「んっ……」
柚「加蓮サン、お疲れ?」
加蓮「お疲れお疲れ。やらなきゃいけないことがホント多くて。柚ー、ちょっとは手加減してよー」ダラー
柚「アタシのせい!? そうだっ、Pサンに任せてみるのはどうかな。そしたら加蓮サンも楽できる!」
加蓮「ヤダよ。柚のプロデュースは私がやるんだし、それにただでさえ無理させてんだから」
柚「えーっ」
305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:49:13.59 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ちょっと休憩しよっと。っていうか、お笑い芸人って……何そのオファー? そんなのあったっけ?」
柚「さー。アタシにもよく分かんない。前にあったよ? いつだっけ。忘れたっ」
加蓮「あははっ、何それ。柚が分かんないならアタシにも分かんないよっ」
柚「よしっ、じゃあ忘れよう♪」
加蓮「忘れよう忘れよう!」
加蓮「でも、そういう話があったらちゃんと報告してね? 例えその場でナシになったりしても」
柚「はいっ」
加蓮「真面目にだよ?」
柚「分かってるっ」
加蓮「ならよし。……でもホント、向こうから持ちかけられるの増えてきたよね。柚は今後どんな仕事がやりたいー?」
柚「うーん、LIVEとかグルメ番組とかグラビアとかラジオとかバラエティとか、あっそれと前に穂乃香チャンが地元のオススメ紹介してたヤツ! ああいうのもどんとこいだっ」
加蓮「……それもグルメ番組じゃない?」
柚「あっそっか!」
柚「さー。アタシにもよく分かんない。前にあったよ? いつだっけ。忘れたっ」
加蓮「あははっ、何それ。柚が分かんないならアタシにも分かんないよっ」
柚「よしっ、じゃあ忘れよう♪」
加蓮「忘れよう忘れよう!」
加蓮「でも、そういう話があったらちゃんと報告してね? 例えその場でナシになったりしても」
柚「はいっ」
加蓮「真面目にだよ?」
柚「分かってるっ」
加蓮「ならよし。……でもホント、向こうから持ちかけられるの増えてきたよね。柚は今後どんな仕事がやりたいー?」
柚「うーん、LIVEとかグルメ番組とかグラビアとかラジオとかバラエティとか、あっそれと前に穂乃香チャンが地元のオススメ紹介してたヤツ! ああいうのもどんとこいだっ」
加蓮「……それもグルメ番組じゃない?」
柚「あっそっか!」
306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:49:44.55 ID:oyrpMvNz0
加蓮「やりたいことがいっぱいあるんだね、柚」
柚「だって楽しいもん!」
加蓮「そっか……」
柚「次はどんなお仕事がやりたいカナ~? あっ、その前にレッスンしなきゃっ。穂乃香チャンも地元から戻ってきたし、また合同レッスンだ♪」
加蓮「…………ふふっ」
加蓮(……なんだか……できた、って感じがする)
加蓮(何かが、できた。……何がだろう?)
加蓮(ただ、何かができたような気がして、少し嬉しかった)
加蓮「その前に宿題をやっておきなさいよ? トレーナーさんから出された宿題」
柚「ギャーそうだったー! あ、あのね、アタシまだ上手くできないとこがあって……加蓮サンっ教えて! 穂乃香チャン達とレッスンする前に!」
柚「だって楽しいもん!」
加蓮「そっか……」
柚「次はどんなお仕事がやりたいカナ~? あっ、その前にレッスンしなきゃっ。穂乃香チャンも地元から戻ってきたし、また合同レッスンだ♪」
加蓮「…………ふふっ」
加蓮(……なんだか……できた、って感じがする)
加蓮(何かが、できた。……何がだろう?)
加蓮(ただ、何かができたような気がして、少し嬉しかった)
加蓮「その前に宿題をやっておきなさいよ? トレーナーさんから出された宿題」
柚「ギャーそうだったー! あ、あのね、アタシまだ上手くできないとこがあって……加蓮サンっ教えて! 穂乃香チャン達とレッスンする前に!」
307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:50:13.59 ID:oyrpMvNz0
加蓮「じゃあ、このオファーを断る電話を入れて、それからメールを送ったらね」
柚「10分以内! じゃないとアタシ、飽きて逃げちゃうぞっ」
加蓮「じゃあロープでぐるぐる巻きにしとこっかな。どこにあったっけ……?」ガサゴソ
柚「ホンキで探してる!? やめてーっ! アタシどうせなら人質じゃなくて犯人役の方やりたい! ふっふっふ、お主もワルよのぅ~」
加蓮「犯人役か、それ……?」
柚「10分以内! じゃないとアタシ、飽きて逃げちゃうぞっ」
加蓮「じゃあロープでぐるぐる巻きにしとこっかな。どこにあったっけ……?」ガサゴソ
柚「ホンキで探してる!? やめてーっ! アタシどうせなら人質じゃなくて犯人役の方やりたい! ふっふっふ、お主もワルよのぅ~」
加蓮「犯人役か、それ……?」
308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:50:43.71 ID:oyrpMvNz0
――LIVE前日・LIVE会場――
柚「アタシの調子良好っ。リハーサルもバッチリ! あとは本番を迎えるだけだね!」
加蓮「お疲れ、柚。明日も安心して見られそうだね」
柚「で、でしょー! なんたって忍チャンと穂乃香チャンもいるからね! これはもう成功するっきゃないっ。瞬き禁止だっ」
加蓮「……柚は?」
柚「へ?」
加蓮「ううん。なんでも」
柚「変な加蓮サン。あっ穂乃香チャンだ! おーいっ、穂乃香チャーン!」
<テテテッ
加蓮「自分がいるって言わないあたり、やっぱ緊張してんのかな……?」
柚「アタシの調子良好っ。リハーサルもバッチリ! あとは本番を迎えるだけだね!」
加蓮「お疲れ、柚。明日も安心して見られそうだね」
柚「で、でしょー! なんたって忍チャンと穂乃香チャンもいるからね! これはもう成功するっきゃないっ。瞬き禁止だっ」
加蓮「……柚は?」
柚「へ?」
加蓮「ううん。なんでも」
柚「変な加蓮サン。あっ穂乃香チャンだ! おーいっ、穂乃香チャーン!」
<テテテッ
加蓮「自分がいるって言わないあたり、やっぱ緊張してんのかな……?」
309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:51:13.57 ID:oyrpMvNz0
<テテテッ
<そんなに急がなくても……待って、転んじゃうから
柚「あとは忍チャンだ! どこにいるかな~」キョロキョロ
穂乃香「ほっ……」(転ばずに済んだ)
穂乃香「忍ちゃんならさっき、Pさんと話していたよ? 何か、聞いていたみたい……」
柚「そっか。それは邪魔しちゃいけないなー、ウンウン」
穂乃香「お邪魔……?」
柚「そりゃーもう、ほらほら!」
穂乃香「……?? ……あ、加蓮ちゃん。お疲れ様です」ペコッ
加蓮「穂乃香さんこそ、お疲れ様です」ペコッ
柚「あははっ、2人とも堅いな~。もっとゆる~くやってこうよ!」
加蓮「穂乃香さん相手だとついね……」
<そんなに急がなくても……待って、転んじゃうから
柚「あとは忍チャンだ! どこにいるかな~」キョロキョロ
穂乃香「ほっ……」(転ばずに済んだ)
穂乃香「忍ちゃんならさっき、Pさんと話していたよ? 何か、聞いていたみたい……」
柚「そっか。それは邪魔しちゃいけないなー、ウンウン」
穂乃香「お邪魔……?」
柚「そりゃーもう、ほらほら!」
穂乃香「……?? ……あ、加蓮ちゃん。お疲れ様です」ペコッ
加蓮「穂乃香さんこそ、お疲れ様です」ペコッ
柚「あははっ、2人とも堅いな~。もっとゆる~くやってこうよ!」
加蓮「穂乃香さん相手だとついね……」
310: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:51:44.23 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「ふふ。頑張るね、柚ちゃん。……それで加蓮ちゃん。舞台構成はどうでしょうか。もう少し、工夫できる所があるとは思いますが……」
加蓮「あれでまだ不満足なんだね。すごいなぁ……柚も見習いなさいよ?」
柚「あーあーきこえなーい」
穂乃香「後は、本番を残すのみです。レッスンの成果を、ちゃんと出せるようにしなければ」
柚「穂乃香チャン堅い堅い! ミスってもいいから楽しむ! それくらいでやろっ♪」
穂乃香「柚ちゃん……。そうね。せっかくのLIVEだから、しっかり楽しまなきゃ……!」
柚「そーそー! 楽しければOK! それが柚ルール!」
穂乃香「ふふ。柚ちゃんの前向きさが、ちょっと羨ましい」
加蓮「そうそう。柚はちょっと考えなさすぎだけど、穂乃香さんも考え過ぎたら逆にミスるかもしれないし。気軽に考えてもいいんじゃないの?」
柚「か、考えなさすぎ!?」
加蓮「あれでまだ不満足なんだね。すごいなぁ……柚も見習いなさいよ?」
柚「あーあーきこえなーい」
穂乃香「後は、本番を残すのみです。レッスンの成果を、ちゃんと出せるようにしなければ」
柚「穂乃香チャン堅い堅い! ミスってもいいから楽しむ! それくらいでやろっ♪」
穂乃香「柚ちゃん……。そうね。せっかくのLIVEだから、しっかり楽しまなきゃ……!」
柚「そーそー! 楽しければOK! それが柚ルール!」
穂乃香「ふふ。柚ちゃんの前向きさが、ちょっと羨ましい」
加蓮「そうそう。柚はちょっと考えなさすぎだけど、穂乃香さんも考え過ぎたら逆にミスるかもしれないし。気軽に考えてもいいんじゃないの?」
柚「か、考えなさすぎ!?」
311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:52:13.92 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「そう、ですね。それなら、加蓮ちゃんくらいがちょうどいいのかな……?」
柚「アタシアタシ! アタシくらいでいいと思う!」
穂乃香「難しいですね……」
加蓮「さて、リハーサルのことでちょっと確認しときたいんだけど、穂乃香さんのプロデューサーさんって今日来てるよね。どこにいるかは」
柚「あっ、アタシ探してくる! 忍チャンと一緒にいるんだよね。じゃあ簡単だ!」タタッ
加蓮「あ、ちょ」
<忍チャーン! いたら返事しなさーい!
加蓮「もう……」
「今日の柚ちゃんも、元気いっぱいですね」
加蓮「うん、いつもこうなんだ。もー大変で大変で」アハハ
加蓮「あ、そうだ。演出のことなら穂乃香さんに聞いても大丈夫かな。LIVEの構成と演出を考えたの、穂乃香さんなんだよね?」
穂乃香「Pさんと相談して決めたことですが……」
加蓮「それならえっと、ここの演出についてなんだけど――」
穂乃香「そこは、こういう表現で――」
柚「アタシアタシ! アタシくらいでいいと思う!」
穂乃香「難しいですね……」
加蓮「さて、リハーサルのことでちょっと確認しときたいんだけど、穂乃香さんのプロデューサーさんって今日来てるよね。どこにいるかは」
柚「あっ、アタシ探してくる! 忍チャンと一緒にいるんだよね。じゃあ簡単だ!」タタッ
加蓮「あ、ちょ」
<忍チャーン! いたら返事しなさーい!
加蓮「もう……」
「今日の柚ちゃんも、元気いっぱいですね」
加蓮「うん、いつもこうなんだ。もー大変で大変で」アハハ
加蓮「あ、そうだ。演出のことなら穂乃香さんに聞いても大丈夫かな。LIVEの構成と演出を考えたの、穂乃香さんなんだよね?」
穂乃香「Pさんと相談して決めたことですが……」
加蓮「それならえっと、ここの演出についてなんだけど――」
穂乃香「そこは、こういう表現で――」
312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:52:43.50 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「そう、ですね。それなら、加蓮ちゃんくらいがちょうどいいのかな……?」
柚「アタシアタシ! アタシくらいでいいと思う!」
穂乃香「難しいですね……」
加蓮「さて、リハーサルのことでちょっと確認しときたいんだけど、穂乃香さんのプロデューサーさんって今日来てるよね。どこにいるかは」
柚「あっ、アタシ探してくる! 忍チャンと一緒にいるんだよね。じゃあ簡単だ!」タタッ
加蓮「あ、ちょ」
<忍チャーン! いたら返事しなさーい!
加蓮「もう……」
穂乃香「今日の柚ちゃんも、元気いっぱいですね」
加蓮「うん、いつもこうなんだ。もー大変で大変で」アハハ
加蓮「あ、そうだ。演出のことなら穂乃香さんに聞いても大丈夫かな。LIVEの構成と演出を考えたの、穂乃香さんなんだよね?」
穂乃香「Pさんと相談して決めたことですが……」
加蓮「それならえっと、ここの演出についてなんだけど――」
穂乃香「そこは、こういう表現で――」
柚「アタシアタシ! アタシくらいでいいと思う!」
穂乃香「難しいですね……」
加蓮「さて、リハーサルのことでちょっと確認しときたいんだけど、穂乃香さんのプロデューサーさんって今日来てるよね。どこにいるかは」
柚「あっ、アタシ探してくる! 忍チャンと一緒にいるんだよね。じゃあ簡単だ!」タタッ
加蓮「あ、ちょ」
<忍チャーン! いたら返事しなさーい!
加蓮「もう……」
穂乃香「今日の柚ちゃんも、元気いっぱいですね」
加蓮「うん、いつもこうなんだ。もー大変で大変で」アハハ
加蓮「あ、そうだ。演出のことなら穂乃香さんに聞いても大丈夫かな。LIVEの構成と演出を考えたの、穂乃香さんなんだよね?」
穂乃香「Pさんと相談して決めたことですが……」
加蓮「それならえっと、ここの演出についてなんだけど――」
穂乃香「そこは、こういう表現で――」
313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:53:13.66 ID:oyrpMvNz0
――10分後――
加蓮「……うんっ、大丈夫そうかな。でもホント、さすが穂乃香さんだね。やっぱり凄いなぁ……」
穂乃香「表現者として、精一杯やったつもりです。でも加蓮ちゃんの話を聞くと、まだまだだって思い知らされますね」
加蓮「謙遜しすぎだってば。ほら、柚が言ってたでしょ? もっと楽に考えようって」
穂乃香「はい。実は、リハーサルの前にも同じように――こほんっ」
穂乃香「『リハーサルから楽しんでいこっ♪ せっかくみんなでやるんだしさ!』、って」ニコッ
加蓮「……………………」
穂乃香「一応、真似をしてみたつもりですが……どうでしょうか。前よりも自然な表情でできていましたか? 実は、あれから練習してみたんです」
加蓮「練習してどうすんの、それ……?」
穂乃香「例えば、いつかモノマネとして使えたり?」
加蓮「そ、そう……」
加蓮「……うんっ、大丈夫そうかな。でもホント、さすが穂乃香さんだね。やっぱり凄いなぁ……」
穂乃香「表現者として、精一杯やったつもりです。でも加蓮ちゃんの話を聞くと、まだまだだって思い知らされますね」
加蓮「謙遜しすぎだってば。ほら、柚が言ってたでしょ? もっと楽に考えようって」
穂乃香「はい。実は、リハーサルの前にも同じように――こほんっ」
穂乃香「『リハーサルから楽しんでいこっ♪ せっかくみんなでやるんだしさ!』、って」ニコッ
加蓮「……………………」
穂乃香「一応、真似をしてみたつもりですが……どうでしょうか。前よりも自然な表情でできていましたか? 実は、あれから練習してみたんです」
加蓮「練習してどうすんの、それ……?」
穂乃香「例えば、いつかモノマネとして使えたり?」
加蓮「そ、そう……」
314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:53:43.68 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「どうでした? 少しは自然になっていたでしょうか」
加蓮「まあ…………もうちょっと頑張ろう」ポン
穂乃香「そうですか……」シュン
加蓮「あの……いや、あのさ。キャラ付けとかなら、いや私が言うのもアレだけどさ。もっと別の道を探した方がいいと思うよ……?」
加蓮「ほら、一緒にいる忍さんとか。少なくとも柚よりは向いてるっていうか、似合っているんじゃないかな」
穂乃香「いえ、そういう訳では。できないことがあったら、ちょっと意地になってしまうんです。途中でやめるんじゃなくて、最後までやり遂げたい! って……」
加蓮「あ、それ分かるっ」
穂乃香「バレエでもアイドルでも、表現の幅を広げるに越したことはありません。できることは、どんどん増やしていかなきゃ」
加蓮「バレエ? もしかしてアイドルになる前にやってたとか?」
穂乃香「はい。いくつか賞を取る程度には……」
加蓮「まあ…………もうちょっと頑張ろう」ポン
穂乃香「そうですか……」シュン
加蓮「あの……いや、あのさ。キャラ付けとかなら、いや私が言うのもアレだけどさ。もっと別の道を探した方がいいと思うよ……?」
加蓮「ほら、一緒にいる忍さんとか。少なくとも柚よりは向いてるっていうか、似合っているんじゃないかな」
穂乃香「いえ、そういう訳では。できないことがあったら、ちょっと意地になってしまうんです。途中でやめるんじゃなくて、最後までやり遂げたい! って……」
加蓮「あ、それ分かるっ」
穂乃香「バレエでもアイドルでも、表現の幅を広げるに越したことはありません。できることは、どんどん増やしていかなきゃ」
加蓮「バレエ? もしかしてアイドルになる前にやってたとか?」
穂乃香「はい。いくつか賞を取る程度には……」
315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:54:13.91 ID:oyrpMvNz0
加蓮「すごいじゃん。なんか厳しい世界だって聞いたことあるけど」
穂乃香「はい。バレエの頃は、如何にして上を目指すかという熾烈な世界ばかりで」
穂乃香「それも嫌いではありませんが……でも私、今、アイドルをやっていて楽しいんです」
穂乃香「礼式に捕らわれることなく、自由にできる。自分で表現を考えられる。そういうことが……すごく、楽しくて」
加蓮「確かにこの世界って自由だよね。ほら、私みたいなのがプロデューサーになれたりさっ」
穂乃香「それに――」チラ
<しーのーぶーチャーン! 隠れても無駄だー、出てきなさーい! アタシから逃げられると思うな――おわっと!
<ご、ごめんなさいスタッフサン! え? 大丈夫? ……よかったっ
加蓮「柚……」
穂乃香「はい。バレエの頃は、如何にして上を目指すかという熾烈な世界ばかりで」
穂乃香「それも嫌いではありませんが……でも私、今、アイドルをやっていて楽しいんです」
穂乃香「礼式に捕らわれることなく、自由にできる。自分で表現を考えられる。そういうことが……すごく、楽しくて」
加蓮「確かにこの世界って自由だよね。ほら、私みたいなのがプロデューサーになれたりさっ」
穂乃香「それに――」チラ
<しーのーぶーチャーン! 隠れても無駄だー、出てきなさーい! アタシから逃げられると思うな――おわっと!
<ご、ごめんなさいスタッフサン! え? 大丈夫? ……よかったっ
加蓮「柚……」
316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:55:13.54 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「はい。柚ちゃんと一緒にやっていると、今までの自分は閉塞的すぎたのかもしれないと思ってしまいます」
加蓮「あれが開放的すぎるんだって~」
穂乃香「……この業界にはまだまだ、私の知らないことがたくさんあるんですよね。そして、私だからこそできることだってある」
穂乃香「そう思うと、もっともっと色々なことを……!」
穂乃香「……あ……少し、熱くなってしまいました。でもそれだけ、柚ちゃんとやるアイドルは大切な時間なんです」
穂乃香「それに、私も……柚ちゃんに教えられることがあればいいな、って」
加蓮「きっといっぱいあるよ。柚は柚の、穂乃香さんは穂乃香さんの世界があるんだから」
<忍チャンどこー!? さては帰っちゃったかっ。あっそこのスタッフサン、忍チャン見なかった? 見てないっかー。おーい、忍チャーン!
加蓮「…………ああもう、あの子はホントに……!」アタマカカエ
穂乃香「今日も、柚ちゃんは楽しそう。自由で、まるで空を駆けまわる鳥みたい……」
加蓮「鳥かー……そうなのかも。ほっとくといっつもああなんだ。暴走して、やたら飽きっぽくて。レッスンもちゃんと見とかないといけないし」
穂乃香「ふふ、大変そうですね」
加蓮「あれが開放的すぎるんだって~」
穂乃香「……この業界にはまだまだ、私の知らないことがたくさんあるんですよね。そして、私だからこそできることだってある」
穂乃香「そう思うと、もっともっと色々なことを……!」
穂乃香「……あ……少し、熱くなってしまいました。でもそれだけ、柚ちゃんとやるアイドルは大切な時間なんです」
穂乃香「それに、私も……柚ちゃんに教えられることがあればいいな、って」
加蓮「きっといっぱいあるよ。柚は柚の、穂乃香さんは穂乃香さんの世界があるんだから」
<忍チャンどこー!? さては帰っちゃったかっ。あっそこのスタッフサン、忍チャン見なかった? 見てないっかー。おーい、忍チャーン!
加蓮「…………ああもう、あの子はホントに……!」アタマカカエ
穂乃香「今日も、柚ちゃんは楽しそう。自由で、まるで空を駆けまわる鳥みたい……」
加蓮「鳥かー……そうなのかも。ほっとくといっつもああなんだ。暴走して、やたら飽きっぽくて。レッスンもちゃんと見とかないといけないし」
穂乃香「ふふ、大変そうですね」
317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:55:44.03 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ほんっとに大変だよ。でもいつも楽しそうで、笑顔を振りまいてて……そんな柚が好きなんだけどね」
穂乃香「見ているだけで笑顔になっちゃう。不思議で、そしてすごい子ですね」
加蓮「うん。どこまでも突っ走って欲しいな。それを手伝う為に私がいる……なんて」
加蓮「ユニットを組んでも長続きしないしすぐ飽きちゃうし。……でも、なんだか今回は……」
加蓮「……ねえ穂乃香さん。ユニットにいる時だけでいいからさ……穂乃香さんにも、あの子のこと見てあげてほしいな」
穂乃香「私が、ですか……?」
加蓮「飛び回る鳥だって、どこか休む場所があればいいと思うし……ほ、ほらっ、私1人じゃ大変だし? 穂乃香さんにも手伝ってもらえると助かるかなー、なんてっ」
加蓮「それに、穂乃香さんってお姉さんって感じがするし……その、よ、余裕があったら、ね? いやホント柚についていくのってすごい大変だと思うし、だからちょっとだけ、そう、ちょっとだけでいいから!」
穂乃香「加蓮ちゃんのご期待に添えるかは……。でも、私でよろしければ、その役目、引き受けさせていただきますね」
穂乃香「見ているだけで笑顔になっちゃう。不思議で、そしてすごい子ですね」
加蓮「うん。どこまでも突っ走って欲しいな。それを手伝う為に私がいる……なんて」
加蓮「ユニットを組んでも長続きしないしすぐ飽きちゃうし。……でも、なんだか今回は……」
加蓮「……ねえ穂乃香さん。ユニットにいる時だけでいいからさ……穂乃香さんにも、あの子のこと見てあげてほしいな」
穂乃香「私が、ですか……?」
加蓮「飛び回る鳥だって、どこか休む場所があればいいと思うし……ほ、ほらっ、私1人じゃ大変だし? 穂乃香さんにも手伝ってもらえると助かるかなー、なんてっ」
加蓮「それに、穂乃香さんってお姉さんって感じがするし……その、よ、余裕があったら、ね? いやホント柚についていくのってすごい大変だと思うし、だからちょっとだけ、そう、ちょっとだけでいいから!」
穂乃香「加蓮ちゃんのご期待に添えるかは……。でも、私でよろしければ、その役目、引き受けさせていただきますね」
318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:56:13.71 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「ユニットでも、私が一番の年上だから。私が、しっかりしなければ……」
加蓮「……あははっ」
穂乃香「私、昔から、友達と歩く時は一番後ろになるんです。なんとなく、それが私のベストポジションかな、って」
加蓮「ん?」
穂乃香「柚ちゃんは……目を離すと、すぐどこかに行っちゃいそう。頑張って追いかけなきゃいけないから、大変です」
穂乃香「でも、柚ちゃんをこれほど大切にされている方から頼まれたら……ふふ。大変なんて言ってられないですね!」
穂乃香「加蓮ちゃんが柚ちゃんのことを本当に大切にしていることは、見ていてよく分かりますから!」
加蓮「そ、そっかなー。柚がかまってかまって言うからこうなったってだけだよ。うん、きっとそう。それだけそれだけ」
穂乃香「そうですか。……ふふっ」
加蓮「……あははっ」
穂乃香「私、昔から、友達と歩く時は一番後ろになるんです。なんとなく、それが私のベストポジションかな、って」
加蓮「ん?」
穂乃香「柚ちゃんは……目を離すと、すぐどこかに行っちゃいそう。頑張って追いかけなきゃいけないから、大変です」
穂乃香「でも、柚ちゃんをこれほど大切にされている方から頼まれたら……ふふ。大変なんて言ってられないですね!」
穂乃香「加蓮ちゃんが柚ちゃんのことを本当に大切にしていることは、見ていてよく分かりますから!」
加蓮「そ、そっかなー。柚がかまってかまって言うからこうなったってだけだよ。うん、きっとそう。それだけそれだけ」
穂乃香「そうですか。……ふふっ」
319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:56:43.94 ID:oyrpMvNz0
<あっいた忍チャン! えっとねー、えっと……とりあえず加蓮サンのとこ! 穂乃香チャンもいるんだよ! 行こ行こ!
加蓮「さてっと。正直、リハーサルで気になったことがあるんだよね。ちゃんと明日までに直してもらわなくちゃ」
穂乃香「名プロデューサーの本領発揮、ですね」
加蓮「そんなんじゃないって。でも……柚にとってそうなれてるなら、すごく嬉しいけどっ♪」
加蓮「さてっと。正直、リハーサルで気になったことがあるんだよね。ちゃんと明日までに直してもらわなくちゃ」
穂乃香「名プロデューサーの本領発揮、ですね」
加蓮「そんなんじゃないって。でも……柚にとってそうなれてるなら、すごく嬉しいけどっ♪」
320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:57:13.64 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:57:43.60 ID:oyrpMvNz0
――LIVE当日・LIVE会場――
『数字を並べて行くよりも♪ まずは一緒にやってみましょ♪』
良い意味で、柚+αのLIVEだった。
柚はセンター。アップテンポの歌を完全に自分の物にして舞台を作り上げる。ライトオレンジに照らされいっぱいの笑顔を振りまく姿からは、昔の、音が外れてたりリズムについていけていなかったり、そんな駆け出しアイドルだった頃を全く感じさせない。
両脇には忍さんと穂乃香さん。そして数名のバックダンサーがついている。
彼女らも決して目立っていない訳ではない。穂乃香さんの手によって、舞台に上がる者、皆が注目されるような構成になっている。
それでもこの舞台は、"柚のもの"だった。
いつかの雛祭りの時とは違う。演目の一部に柚が含まれるんじゃなくて、完全に柚メインの大舞台。
柚の為に作られた舞台。
『数字を並べて行くよりも♪ まずは一緒にやってみましょ♪』
良い意味で、柚+αのLIVEだった。
柚はセンター。アップテンポの歌を完全に自分の物にして舞台を作り上げる。ライトオレンジに照らされいっぱいの笑顔を振りまく姿からは、昔の、音が外れてたりリズムについていけていなかったり、そんな駆け出しアイドルだった頃を全く感じさせない。
両脇には忍さんと穂乃香さん。そして数名のバックダンサーがついている。
彼女らも決して目立っていない訳ではない。穂乃香さんの手によって、舞台に上がる者、皆が注目されるような構成になっている。
それでもこの舞台は、"柚のもの"だった。
いつかの雛祭りの時とは違う。演目の一部に柚が含まれるんじゃなくて、完全に柚メインの大舞台。
柚の為に作られた舞台。
322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:58:13.70 ID:oyrpMvNz0
『ほら大きな声を出して♪ 君の声を聞かせてよ♪』
客席の方では、LIVE慣れした人たちが野太いコールを合わせ、他の人達は揃って柚を注目していた。
目を見開いている人がいる。口をぽかんと開けている人がいる。心からの笑顔を浮かべている人がいる。
柚を初めて見た人も、テレビ越しにだけ見ていた人も、何度目かになる人も。
揃って、喜多見柚というアイドルに魅了されていた。
『頑張れない時は一緒にやろう♪ ほらワン、ツー、スリーっ♪』
スリー♪ と共に柚が大きく飛び跳ねた。私の隣にいた子供が、すりー! と同じようにジャンプする。
私――は。
今ほど、自分の身体がポンコツであることを呪ったことはない。
一緒に跳べれば、よかったのに。
どの場所でもいい。ファンとしてでも、プロデューサーとしてでも……アイドルとしてでも。
柚と一緒に跳躍できたらどんなに楽しいだろう。
客席の方では、LIVE慣れした人たちが野太いコールを合わせ、他の人達は揃って柚を注目していた。
目を見開いている人がいる。口をぽかんと開けている人がいる。心からの笑顔を浮かべている人がいる。
柚を初めて見た人も、テレビ越しにだけ見ていた人も、何度目かになる人も。
揃って、喜多見柚というアイドルに魅了されていた。
『頑張れない時は一緒にやろう♪ ほらワン、ツー、スリーっ♪』
スリー♪ と共に柚が大きく飛び跳ねた。私の隣にいた子供が、すりー! と同じようにジャンプする。
私――は。
今ほど、自分の身体がポンコツであることを呪ったことはない。
一緒に跳べれば、よかったのに。
どの場所でもいい。ファンとしてでも、プロデューサーとしてでも……アイドルとしてでも。
柚と一緒に跳躍できたらどんなに楽しいだろう。
323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:58:43.78 ID:oyrpMvNz0
『上手にできなくても大丈夫♪ それがあなたの想いだから♪』
サビが終わる。主役が「いえ~い!」と大きく手を振る。向かって左側、ダンスを始めようとした忍さんが一瞬だけぎょっとした顔をしていた。例によってアドリブなのだろう。
穂乃香さんも少し驚いて、でもすぐに笑顔になった。忍さんを導くように一瞬だけ視線を動かす。お姉さん役と言っていた通りだ。
そして2人のダンスが始まる。柚は"ぴょんっ"と引っ込み、敢えて簡単な振り付けだけに留め残り2人を際立たせていた。
でも柚が次第にウズウズし始めて、間奏の後半からいきなり前に飛び出てきた。
やはり忍さんが「何やってんの!?」と言いたげに目をひん剥いていたけれどそれ如きで止まる柚ではない。ぎゅいぎゅいと、ぎゅいぎゅいと踊り出す。
ぎゅいぎゅいって何だろうと自問自答したくなったけれどそれ以外に言葉が思いつかないのだ。
ぎゅいぎゅいって踊ってるのだ。
あと回ってる。なんかよく分からないくらいに回ってる。5回転6回転7回転……8回転でびしっ! とポーズ。
目を回している様子が全くない。
サビが終わる。主役が「いえ~い!」と大きく手を振る。向かって左側、ダンスを始めようとした忍さんが一瞬だけぎょっとした顔をしていた。例によってアドリブなのだろう。
穂乃香さんも少し驚いて、でもすぐに笑顔になった。忍さんを導くように一瞬だけ視線を動かす。お姉さん役と言っていた通りだ。
そして2人のダンスが始まる。柚は"ぴょんっ"と引っ込み、敢えて簡単な振り付けだけに留め残り2人を際立たせていた。
でも柚が次第にウズウズし始めて、間奏の後半からいきなり前に飛び出てきた。
やはり忍さんが「何やってんの!?」と言いたげに目をひん剥いていたけれどそれ如きで止まる柚ではない。ぎゅいぎゅいと、ぎゅいぎゅいと踊り出す。
ぎゅいぎゅいって何だろうと自問自答したくなったけれどそれ以外に言葉が思いつかないのだ。
ぎゅいぎゅいって踊ってるのだ。
あと回ってる。なんかよく分からないくらいに回ってる。5回転6回転7回転……8回転でびしっ! とポーズ。
目を回している様子が全くない。
324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:59:13.76 ID:oyrpMvNz0
『ほら私がいてあげる、例え落ち込んじゃった時でも♪』
即興まみれのダンスで客席をさらに沸かせた柚が、やや肩を上下させつつもマイクを掴む。
ノリとテンポと勢いが目立つ演目だが、このパートだけは別だ。最後の盛り上がりの前の、静まり返る場所。
柚はこの日の為に、この部分の練習を喉を殺す勢いで繰り返していた。
その為か――さっきまで十人十色にはしゃいでいた観客が、しん、と静まり返り、そして大半をポカンとさせていた。
良い意味で、だ。
『だからいつでも大丈夫……君を魅せつけてあげて♪』
自由自在で変幻自在。自分の歌も演出も、完全に自分の物にしている。
そんな姿を見ていると……なんだろう。
なんだか、ゴールを迎えたような気分になれる。
即興まみれのダンスで客席をさらに沸かせた柚が、やや肩を上下させつつもマイクを掴む。
ノリとテンポと勢いが目立つ演目だが、このパートだけは別だ。最後の盛り上がりの前の、静まり返る場所。
柚はこの日の為に、この部分の練習を喉を殺す勢いで繰り返していた。
その為か――さっきまで十人十色にはしゃいでいた観客が、しん、と静まり返り、そして大半をポカンとさせていた。
良い意味で、だ。
『だからいつでも大丈夫……君を魅せつけてあげて♪』
自由自在で変幻自在。自分の歌も演出も、完全に自分の物にしている。
そんな姿を見ていると……なんだろう。
なんだか、ゴールを迎えたような気分になれる。
325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 16:59:43.41 ID:oyrpMvNz0
『ほら私が聞いてあげる、どんな音より歌よりも♪』
カラフルな舞台にセピア色が混じった。在りし日の記憶が蘇った。そうしてこの景色が、一番昔の思い出と重なる。
小さい頃に病院のベッドの上で見た夢が、ここにあった。
いつか立ちたいと思った場所。
立っているのは私じゃない。でも柚を通して、私は目指していた場所にたどり着いていた。
そうだ。
何かができたって思ったのは、きっとこのことだ。
思い描いていたのとは、少し形が違うけれど。
やりたかったことができたんだ。
行きたかったところに行けたんだ。
『ずっとどこまでも響く♪ それが君のメロディ♪』
舞台は再びアップテンポに。観客が熱気を取り戻し、最後には明らかにLIVEに不慣れっぽい人もまるで怒鳴り合うようにコールを入れていた。
曲が終わると揃って「ワアアアアアアアア――!!!」と歓声をあげた。舞台上の柚が、ちょっとびっくりする程の勢いで。
カラフルな舞台にセピア色が混じった。在りし日の記憶が蘇った。そうしてこの景色が、一番昔の思い出と重なる。
小さい頃に病院のベッドの上で見た夢が、ここにあった。
いつか立ちたいと思った場所。
立っているのは私じゃない。でも柚を通して、私は目指していた場所にたどり着いていた。
そうだ。
何かができたって思ったのは、きっとこのことだ。
思い描いていたのとは、少し形が違うけれど。
やりたかったことができたんだ。
行きたかったところに行けたんだ。
『ずっとどこまでも響く♪ それが君のメロディ♪』
舞台は再びアップテンポに。観客が熱気を取り戻し、最後には明らかにLIVEに不慣れっぽい人もまるで怒鳴り合うようにコールを入れていた。
曲が終わると揃って「ワアアアアアアアア――!!!」と歓声をあげた。舞台上の柚が、ちょっとびっくりする程の勢いで。
326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:00:13.57 ID:oyrpMvNz0
「わ、わっわっわっ…………み、んなっありがと~~~~~!!! いえ~~~~~い!!!!」
無数の歓声、いくつもの色のライト、そしてやりきったという想い。
すべてに応えるように、柚が大きく手を振る。
そう。これは私があの時に夢見た、煌めきのステージ。
私達の、たどり着いた場所。
いろいろなことがあった。
アイドルができなくなって、泣いた日とか。
アイドルらしくない自分に悩み続けた日とか。
プロデューサーとして壁にぶつかって、イライラした日とか。
すぐに冷めてしまって自分の居場所を見つけられないで、焦ってしまった日とか。
全部を乗り越えて、私は――私と柚は、今、やり遂げ
無数の歓声、いくつもの色のライト、そしてやりきったという想い。
すべてに応えるように、柚が大きく手を振る。
そう。これは私があの時に夢見た、煌めきのステージ。
私達の、たどり着いた場所。
いろいろなことがあった。
アイドルができなくなって、泣いた日とか。
アイドルらしくない自分に悩み続けた日とか。
プロデューサーとして壁にぶつかって、イライラした日とか。
すぐに冷めてしまって自分の居場所を見つけられないで、焦ってしまった日とか。
全部を乗り越えて、私は――私と柚は、今、やり遂げ
327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:00:43.57 ID:oyrpMvNz0
――"どくんっ"
「……………………え…………?」
「ん、どうした加蓮?」
いつの間にかPさんが右隣にいて……いや、それよりも。
今、何か……心が、大きな音を立てたような……?
「……………………え…………?」
「ん、どうした加蓮?」
いつの間にかPさんが右隣にいて……いや、それよりも。
今、何か……心が、大きな音を立てたような……?
328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:01:13.62 ID:oyrpMvNz0
「――ごほんっ! ここで、柚のサプライズコーナーっ!!」
…………え?
「えっとねっ。実は今日のLIVE、もう1曲やるんだ」
………………サプライズ? ……もう1曲?
「ふっふっふー。プログラムには書いてないの! だから柚サプライズっ」
私の頭の上で踊る疑問符、それから客席のどよめきをよそに、柚が話を進めていく。
サプライズ……? もう1曲って、どういうことだ。
ふと穂乃香さんがこちらをちらりと見た。ごめんなさい、と言いたげに苦笑いをしていた。
それに忍さん……いや、忍さんだけじゃなくバックダンサーの人たちも落ち着いている。
ってことは、最初から仕組んでいたってことか。
何でも喋りたがる柚がサプライズを仕組んで今の今まで秘匿にしていた。それほどの内容ってことなのか。
…………え?
「えっとねっ。実は今日のLIVE、もう1曲やるんだ」
………………サプライズ? ……もう1曲?
「ふっふっふー。プログラムには書いてないの! だから柚サプライズっ」
私の頭の上で踊る疑問符、それから客席のどよめきをよそに、柚が話を進めていく。
サプライズ……? もう1曲って、どういうことだ。
ふと穂乃香さんがこちらをちらりと見た。ごめんなさい、と言いたげに苦笑いをしていた。
それに忍さん……いや、忍さんだけじゃなくバックダンサーの人たちも落ち着いている。
ってことは、最初から仕組んでいたってことか。
何でも喋りたがる柚がサプライズを仕組んで今の今まで秘匿にしていた。それほどの内容ってことなのか。
329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:01:43.77 ID:oyrpMvNz0
「えっと……」
観客が、サプライズってなにー? なんだー? と興味を示す。
柚は再びマイクを手に取った。少し……緊張しているというか恥ずかしがっているというか、モジモジとしている。なんだか告白をする前の女の子のように見えた。
「あ……あのねっ」
ピタリ、と客席のざわめきが止まる。
「アタシ……いろんな人に助けてもらって、ここにいるんだ。忍チャンとかー、穂乃香チャンとかー、バックダンサーのみんなとか。あとファンのみんなにプロデューサーサンにー、へへっ、数えきれないくらいに!」
指折り数えて柚が笑う。いったい、何の話――
観客が、サプライズってなにー? なんだー? と興味を示す。
柚は再びマイクを手に取った。少し……緊張しているというか恥ずかしがっているというか、モジモジとしている。なんだか告白をする前の女の子のように見えた。
「あ……あのねっ」
ピタリ、と客席のざわめきが止まる。
「アタシ……いろんな人に助けてもらって、ここにいるんだ。忍チャンとかー、穂乃香チャンとかー、バックダンサーのみんなとか。あとファンのみんなにプロデューサーサンにー、へへっ、数えきれないくらいに!」
指折り数えて柚が笑う。いったい、何の話――
330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:02:13.62 ID:oyrpMvNz0
「だから、そんな人達へのお礼ってことで! いつもと違う柚を見せたげるっ。あと1曲だけ聞いてって! さっきのとはぜんぜん違う歌だけど、アタシ、頑張って歌うから! だから……えっと、聞いてっ?」
お願いーっ、と付け加えた言葉に、数テンポの遅れを見せ、まずはLIVE慣れしているであろう野太い声達が「いいよー!」と揃って叫ぶ。周りの人たちも、同意するように拍手で続いた。
あはっ、と柚が笑った。僅かな不安がすっと消え、マイクから数歩下がる。
それが合図となり忍さんと穂乃香さん、それにバックダンサーの人たちが動き出した。
5秒。
次の――プログラムにない歌が始まるまでに要した時間。
お願いーっ、と付け加えた言葉に、数テンポの遅れを見せ、まずはLIVE慣れしているであろう野太い声達が「いいよー!」と揃って叫ぶ。周りの人たちも、同意するように拍手で続いた。
あはっ、と柚が笑った。僅かな不安がすっと消え、マイクから数歩下がる。
それが合図となり忍さんと穂乃香さん、それにバックダンサーの人たちが動き出した。
5秒。
次の――プログラムにない歌が始まるまでに要した時間。
331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:02:44.05 ID:oyrpMvNz0
何を歌うのか、私にも全く知らされていない。事前にレッスンを重ねてきた歌はすべて歌いきった。じゃあ、何をやるのだろう――
疑問混じりの期待と、それから不安。ぐちゃぐちゃになって、始まるまで瞬きができなかった。
そして――
そして、どこかで聞いたことのあるメロディが流れ始めた。
『薄荷-ハッカ-』
疑問混じりの期待と、それから不安。ぐちゃぐちゃになって、始まるまで瞬きができなかった。
そして――
そして、どこかで聞いたことのあるメロディが流れ始めた。
『薄荷-ハッカ-』
332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:03:13.51 ID:oyrpMvNz0
――~~~~♪ ~~~~~♪
最初、どこで聞いたのか思い出せなかった。
ただ、すごく懐かしい感じだけがした。
――背中だけじゃもう足りなくて 追い越してみた きみと最初の日
歌い出しから少しして、記憶が舞い戻る――頭の中に、まだ私がアイドルだった頃の日々が回想映像のように流れていく。
レッスン。LIVE。叱られた時。褒められた時。衣装。舞台。歌。
そして、今の身体ではアイドルは無理だと言われた日。
そうだ。完全に思い出した。次のメロディも次の歌詞も完璧に言い当てられる。
この歌……本当なら私が歌う筈だった……。
333: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:03:43.88 ID:oyrpMvNz0
――あの時の靴も言葉も 大事にしまってあるよ
初めて自分の歌をもらえて、すごく嬉しかった。加蓮にぴったりの歌だぞ! と嬉しげに言うPさんと、子供みたいにはしゃいでたんだっけ。
何度も何度も、夜遅くまで練習したんだ。体力のコントロールなんて忘れて、身体の異変にも気付かなくて。
――だってね 勇気のカケラ きみが描く未来へ連れ出してほしい
どうしても歌いたかった。アイドルとして歌いたかった。
だからあの時、周りの大人みんながアイドルは無理だって言った時……どれだけ困らせたことか。
泣きじゃくって、叫んで、罵声を浴びせて。1日中、ずっと暴れていた。
どうしても、どうしても歌いたかった。夢見たステージに立ちたかった。
初めて自分の歌をもらえて、すごく嬉しかった。加蓮にぴったりの歌だぞ! と嬉しげに言うPさんと、子供みたいにはしゃいでたんだっけ。
何度も何度も、夜遅くまで練習したんだ。体力のコントロールなんて忘れて、身体の異変にも気付かなくて。
――だってね 勇気のカケラ きみが描く未来へ連れ出してほしい
どうしても歌いたかった。アイドルとして歌いたかった。
だからあの時、周りの大人みんながアイドルは無理だって言った時……どれだけ困らせたことか。
泣きじゃくって、叫んで、罵声を浴びせて。1日中、ずっと暴れていた。
どうしても、どうしても歌いたかった。夢見たステージに立ちたかった。
334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:04:15.16 ID:oyrpMvNz0
――神様がくれた 時間は零れる あとどれくらいかな
「この歌な、最初に歌いたいって言ったの、柚ちゃんだったんだ」
「……柚が?」
「ああ。いつだったか……加蓮の歌を歌いたい、そうしたら加蓮も思い出せるだろうから……って」
「思い出すって……」
「アイドルの楽しさだよ。柚ちゃんに聞いた。今の加蓮は柚ちゃんのプロデューサーでいたいんだ、って」
「…………」
「そうなんだろうな。無理を言ってる訳じゃないってのは俺も柚ちゃんも知ってるよ。でもな」
「この歌な、最初に歌いたいって言ったの、柚ちゃんだったんだ」
「……柚が?」
「ああ。いつだったか……加蓮の歌を歌いたい、そうしたら加蓮も思い出せるだろうから……って」
「思い出すって……」
「アイドルの楽しさだよ。柚ちゃんに聞いた。今の加蓮は柚ちゃんのプロデューサーでいたいんだ、って」
「…………」
「そうなんだろうな。無理を言ってる訳じゃないってのは俺も柚ちゃんも知ってるよ。でもな」
335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:04:43.83 ID:oyrpMvNz0
――でもゆっくりでいいんだ きみの声が響く
「それでも思い出して欲しいってさ。思い出して、またアイドルをやって欲しいって……柚ちゃん、言ってたぞ」
「…………」
「加蓮も巻き込んでのサプライズってしたのも、たぶんそういうのがあるんだと思う……」
――そんな距離が今はやさしいの 泣いちゃってもいい?
「なあ加蓮。俺は加蓮に無理をしてほしくない。けど……それ以上に、加蓮のやりたいことをやってほしいんだ」
「私の、やりたいこと……」
「それでも思い出して欲しいってさ。思い出して、またアイドルをやって欲しいって……柚ちゃん、言ってたぞ」
「…………」
「加蓮も巻き込んでのサプライズってしたのも、たぶんそういうのがあるんだと思う……」
――そんな距離が今はやさしいの 泣いちゃってもいい?
「なあ加蓮。俺は加蓮に無理をしてほしくない。けど……それ以上に、加蓮のやりたいことをやってほしいんだ」
「私の、やりたいこと……」
336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:05:13.50 ID:oyrpMvNz0
「加蓮だってよく言うだろ? やりたいようにやれって。前は……悪かった。やるなってばっかり言って、すまなかった」
「…………」
「今は――少しでも思い出したら……俺も、それから柚ちゃんも。加蓮が言い出すのを待ってるからな。……はは、無理強いなんて遠慮するなよ? 16歳をプロデューサー代理にすることよりはよっぽど簡単だよ」
「……Pさん……柚…………」
「…………」
「今は――少しでも思い出したら……俺も、それから柚ちゃんも。加蓮が言い出すのを待ってるからな。……はは、無理強いなんて遠慮するなよ? 16歳をプロデューサー代理にすることよりはよっぽど簡単だよ」
「……Pさん……柚…………」
337: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:05:43.71 ID:oyrpMvNz0
柚が、歌っている。つい10分前まで弾ける笑顔だった少女が、柔らかな笑顔で奏でるバラード。まるでキャラじゃないけれど、でも、先ほどとは違う意味で完成された舞台だった。
客席はうっとりと見惚れていた。
泣いている人もいた。
……サプライズも、そうだけど。柚のこんな姿なんて一度も見たことがない。
「ねえ、Pさん。……柚、この歌を歌うまで、どんくらい練習した?」
「さあなぁ。トレーナーさんから聞いただけだけど相当の練習をしたらしい。かなり困らされたって苦笑いで言ってたっけなぁ」
「…………」
客席はうっとりと見惚れていた。
泣いている人もいた。
……サプライズも、そうだけど。柚のこんな姿なんて一度も見たことがない。
「ねえ、Pさん。……柚、この歌を歌うまで、どんくらい練習した?」
「さあなぁ。トレーナーさんから聞いただけだけど相当の練習をしたらしい。かなり困らされたって苦笑いで言ってたっけなぁ」
「…………」
338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:06:13.63 ID:oyrpMvNz0
「あ、俺はトレーナーさんに依頼出して報告を聞いてただけだぞ。柚ちゃんの担当は加蓮だからな。やり過ぎるとお前、絶対にむくれるだろ」
「…………」
得意なことはどこまでも得意で誰よりも早く身に付ける代わり、苦手なことがあったらすぐに音を上げる。
楽しそうなことにはなんにだって興味を示すけれど、興味のないことにはすぐに飽きてしまう。
「…………」
得意なことはどこまでも得意で誰よりも早く身に付ける代わり、苦手なことがあったらすぐに音を上げる。
楽しそうなことにはなんにだって興味を示すけれど、興味のないことにはすぐに飽きてしまう。
339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:06:43.83 ID:oyrpMvNz0
柚はそんな子だし、欠点を指摘して疲れさせるのも嫌だったから、今までずっと柚に向いた仕事を選んできていた。
そんな柚が。
明らかに得意分野とは異なる私の歌を、これほどまでに完璧に仕上げるまで。
どれくらいの――
…………前言を、撤回しよう。
ここはゴールなんかじゃない。
やり遂げてなんていない。
そんな柚が。
明らかに得意分野とは異なる私の歌を、これほどまでに完璧に仕上げるまで。
どれくらいの――
…………前言を、撤回しよう。
ここはゴールなんかじゃない。
やり遂げてなんていない。
340: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:07:13.59 ID:oyrpMvNz0
まだまだこれからだ。この世界には、アイドルの世界には私の知らないことがいっぱいある。狭い世界の話だけで終わらせようなんて馬鹿げているにも程がある。
それに……私は約束したんだ。
病気を治して、一緒にアイドルをやろうって。
一筋だけ流れた涙を、強引に拭った。2番を歌い出した柚に、大きく首を縦に振る。
何も終わっていないんだ。約束を叶えよう。行けるところまで行こう。
終わった気になって満足するのは早い。まだまだこれから、
それに……私は約束したんだ。
病気を治して、一緒にアイドルをやろうって。
一筋だけ流れた涙を、強引に拭った。2番を歌い出した柚に、大きく首を縦に振る。
何も終わっていないんだ。約束を叶えよう。行けるところまで行こう。
終わった気になって満足するのは早い。まだまだこれから、
341: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:07:43.81 ID:oyrpMvNz0
"どくんっ"
「っ…………」
また、心が、大きな音を…………。
「っ…………」
また、心が、大きな音を…………。
342: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:08:13.71 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
343: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:08:43.75 ID:oyrpMvNz0
――4月 事務所――
柚「あずきチャンとのLIVE♪ すっごい楽しみだなっ」
桃井あずき「えへへっ、あずきも同じ! 名前は何にしよう。う~ん、仲良し大作戦?」
柚「えー、あずきチャンそれ単純すぎっ。せっかくだからこう、もっと派手な名前にっ」
あずき「じゃあ、みんなで仲良し大作戦! は、あずきと柚ちゃんしかいないから、みんなじゃないよね。う~ん。ふたりは仲良し大作戦とか!」
柚「おっいいねそれ!」
あずき「みんなでおそろいステージ大作戦は、また次までのお楽しみね!」
柚「お楽しみ大作戦だっ♪」
あずき「あっ柚ちゃん、それあずきのセリフ~」
<ワイワイ
<ワイワイ
<スタッ
柚「あずきチャンとのLIVE♪ すっごい楽しみだなっ」
桃井あずき「えへへっ、あずきも同じ! 名前は何にしよう。う~ん、仲良し大作戦?」
柚「えー、あずきチャンそれ単純すぎっ。せっかくだからこう、もっと派手な名前にっ」
あずき「じゃあ、みんなで仲良し大作戦! は、あずきと柚ちゃんしかいないから、みんなじゃないよね。う~ん。ふたりは仲良し大作戦とか!」
柚「おっいいねそれ!」
あずき「みんなでおそろいステージ大作戦は、また次までのお楽しみね!」
柚「お楽しみ大作戦だっ♪」
あずき「あっ柚ちゃん、それあずきのセリフ~」
<ワイワイ
<ワイワイ
<スタッ
344: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:09:13.38 ID:oyrpMvNz0
加蓮「盛り上がってるところにごめん。柚、そろそろ仕事の時間だよ。現場入りしなきゃ」
柚「えーもうそんな時間? 加蓮サン加蓮サン、あと5分っ」
加蓮「そう言って50分くらい寝てるんでしょ~?」
柚「それはお布団の時間だーっ」
あずき「あははっ♪」
加蓮「先に言ったの柚でしょ! はいはい、さっさと支度!」
柚「はーいっ」パタパタ
加蓮「もうっ……。ごめんねあずきちゃん。せっかく来てもらったのに慌ただしくて」
あずき「いえいえっ♪ ホントに柚ちゃんから聞いた通りの人なんですね!」
加蓮「それ穂乃香さんにも言われたよー」
あずき「プロデューサーさん、えっと、加蓮さん? も一緒にっ、えーっと……だ、大作戦にすることが思いつかない!?」
加蓮「…………大作戦?」
柚「えーもうそんな時間? 加蓮サン加蓮サン、あと5分っ」
加蓮「そう言って50分くらい寝てるんでしょ~?」
柚「それはお布団の時間だーっ」
あずき「あははっ♪」
加蓮「先に言ったの柚でしょ! はいはい、さっさと支度!」
柚「はーいっ」パタパタ
加蓮「もうっ……。ごめんねあずきちゃん。せっかく来てもらったのに慌ただしくて」
あずき「いえいえっ♪ ホントに柚ちゃんから聞いた通りの人なんですね!」
加蓮「それ穂乃香さんにも言われたよー」
あずき「プロデューサーさん、えっと、加蓮さん? も一緒にっ、えーっと……だ、大作戦にすることが思いつかない!?」
加蓮「…………大作戦?」
345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:09:43.68 ID:oyrpMvNz0
<タタッ
柚「ただいま! 準備オッケー、台本バッチリ! 加蓮サン、行こ!」
加蓮「早っ。じゃあ私たちは」
あずき「あっ、じゃあそこのバス停まで一緒に! ……思いついた! ちょっとだけ一緒に歩きましょう大作戦! いい?」
柚「もちろんっ。いいよね、加蓮サン!」
加蓮「ふふっ、どーぞ」
あずき「やったっ!」
柚「ただいま! 準備オッケー、台本バッチリ! 加蓮サン、行こ!」
加蓮「早っ。じゃあ私たちは」
あずき「あっ、じゃあそこのバス停まで一緒に! ……思いついた! ちょっとだけ一緒に歩きましょう大作戦! いい?」
柚「もちろんっ。いいよね、加蓮サン!」
加蓮「ふふっ、どーぞ」
あずき「やったっ!」
346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:10:13.53 ID:oyrpMvNz0
――外――
あずき「じゃあ私はここで! 柚ちゃん、加蓮さん、撮影頑張ってね! あずきも応援しています♪」
柚「あずきチャンの応援があれば百人力だっ」
加蓮「おー珍しい、柚がちゃんと言葉を使ってる」
柚「なにそれ!? アタシがバカだって言いたいのー!?」
加蓮「え? うん」
柚「真顔で言うの禁止! ここ、こー見えてもアタシ赤点取ったことないんだからね!」
加蓮「それ私が教えてるからでしょ」
加蓮「……そういえば学業とアイドルの両立の話とか、プロデューサーならやるべきだったっけ……すっかり失念してた。じゃあ明日にでも」
あずき「じゃあ私はここで! 柚ちゃん、加蓮さん、撮影頑張ってね! あずきも応援しています♪」
柚「あずきチャンの応援があれば百人力だっ」
加蓮「おー珍しい、柚がちゃんと言葉を使ってる」
柚「なにそれ!? アタシがバカだって言いたいのー!?」
加蓮「え? うん」
柚「真顔で言うの禁止! ここ、こー見えてもアタシ赤点取ったことないんだからね!」
加蓮「それ私が教えてるからでしょ」
加蓮「……そういえば学業とアイドルの両立の話とか、プロデューサーならやるべきだったっけ……すっかり失念してた。じゃあ明日にでも」
347: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:10:43.83 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン加蓮サン。……秘密にしといた方がいいことってあると思うな?」
加蓮「つまり見せられない成績表だと」
柚「個人情報ナントカ法!」
加蓮「うん、今度はいつもの柚だ」
柚「どういう意味ー!?」
あずき「あのぉ~……2人とも、仲良し大作戦なのはいいけど時間はいいの?」
柚「そうだった! もーっ、加蓮サンが余計なこと言うから!」
加蓮「はいはい私が悪かった悪かった。じゃあまたね、あずきちゃん」
柚「まったねー!」
あずき「ばいばーい!」
<テクテク
<テクテク
加蓮「つまり見せられない成績表だと」
柚「個人情報ナントカ法!」
加蓮「うん、今度はいつもの柚だ」
柚「どういう意味ー!?」
あずき「あのぉ~……2人とも、仲良し大作戦なのはいいけど時間はいいの?」
柚「そうだった! もーっ、加蓮サンが余計なこと言うから!」
加蓮「はいはい私が悪かった悪かった。じゃあまたね、あずきちゃん」
柚「まったねー!」
あずき「ばいばーい!」
<テクテク
<テクテク
348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:11:13.49 ID:oyrpMvNz0
柚「~~~~♪」
加蓮「…………」
柚「あれっ?」
加蓮「……? どしたの? 忘れ物?」
柚「ううんっ、そうじゃなくて。加蓮サンとこーして歩くの、なんだかすごく久々カモ?」
加蓮「そうだっけ」
柚「そういえば加蓮サン、ここんとこアタシの現場に来てくれてない!」
加蓮「……最近は柚だけでも大丈夫だって思えるようになったからね」
柚「そ、そお? じゃあ今日はなんでついてきてくれたの? あっ、柚的には大歓迎! むしろずっと着いてきてほしいな。その方が楽しいに決まってるしっ」
加蓮「今日はまあ……ちょっと気まぐれみたいなものだよ、うん」
柚「加蓮サンってそういうタイプだっけ?」
加蓮「…………」
柚「あれっ?」
加蓮「……? どしたの? 忘れ物?」
柚「ううんっ、そうじゃなくて。加蓮サンとこーして歩くの、なんだかすごく久々カモ?」
加蓮「そうだっけ」
柚「そういえば加蓮サン、ここんとこアタシの現場に来てくれてない!」
加蓮「……最近は柚だけでも大丈夫だって思えるようになったからね」
柚「そ、そお? じゃあ今日はなんでついてきてくれたの? あっ、柚的には大歓迎! むしろずっと着いてきてほしいな。その方が楽しいに決まってるしっ」
加蓮「今日はまあ……ちょっと気まぐれみたいなものだよ、うん」
柚「加蓮サンってそういうタイプだっけ?」
349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:11:43.76 ID:oyrpMvNz0
柚「あっ加蓮サン! あそこのスイーツショップ新作を発表だって!」
柚「現場に入る前に甘いものくれたらアタシもっと頑張れるけどなー、加蓮サンに任されても大丈夫なくらい頑張れるけどなーちらっちらっ」
柚「あ、あれ? そうなったら次からずっとアタシ1人? ……どうしよ加蓮サン!」
加蓮「柚ってたまにすごい方向に話題持ってくよね……残念ながら柚があずきちゃんと喋ってる時間が長すぎたので寄る暇はありません」
柚「えーっ!? ……って加蓮サン、今ウソついた! アタシ知ってるもん。今ならまだ10分くらい余裕があるしっ、それに今日の監督サン、他のアイドルの子が遅れて来てても笑って許してたっ」
加蓮「柚。ああいうのは、顔は笑ってるけど目が笑ってないタイプなんだよ。油断しちゃダメ」
柚「それは分かるけど、でも……」
加蓮「……はいはい。すぐに買えるのがあったらね」
柚「やったー! 加蓮サンやっぱり優しいっ」
柚「現場に入る前に甘いものくれたらアタシもっと頑張れるけどなー、加蓮サンに任されても大丈夫なくらい頑張れるけどなーちらっちらっ」
柚「あ、あれ? そうなったら次からずっとアタシ1人? ……どうしよ加蓮サン!」
加蓮「柚ってたまにすごい方向に話題持ってくよね……残念ながら柚があずきちゃんと喋ってる時間が長すぎたので寄る暇はありません」
柚「えーっ!? ……って加蓮サン、今ウソついた! アタシ知ってるもん。今ならまだ10分くらい余裕があるしっ、それに今日の監督サン、他のアイドルの子が遅れて来てても笑って許してたっ」
加蓮「柚。ああいうのは、顔は笑ってるけど目が笑ってないタイプなんだよ。油断しちゃダメ」
柚「それは分かるけど、でも……」
加蓮「……はいはい。すぐに買えるのがあったらね」
柚「やったー! 加蓮サンやっぱり優しいっ」
350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:12:13.35 ID:oyrpMvNz0
――スイーツショップ・外――
<どれにしよー。時間がないのに悩んじゃうなー
加蓮「…………」
――ずきっ
加蓮「んっ…………」メヲオサエ
加蓮(……今日は事務仕事、そんなにしてないのに。目がやたら疲れてる)
加蓮(それにちょっと歩いただけなのに、座り込みたくなるくらいに……)
加蓮(体調、少し崩してるかな。気をつけよ……)
柚「ただいまーっ! まだ時間大丈夫だよね!?」
加蓮「おかえり。大丈夫大丈夫。シュークリームにしたんだ」
柚「これなら歩きながらでも食べられる♪ はい加蓮サンっ!」ズイ
加蓮「……私の分も?」
<どれにしよー。時間がないのに悩んじゃうなー
加蓮「…………」
――ずきっ
加蓮「んっ…………」メヲオサエ
加蓮(……今日は事務仕事、そんなにしてないのに。目がやたら疲れてる)
加蓮(それにちょっと歩いただけなのに、座り込みたくなるくらいに……)
加蓮(体調、少し崩してるかな。気をつけよ……)
柚「ただいまーっ! まだ時間大丈夫だよね!?」
加蓮「おかえり。大丈夫大丈夫。シュークリームにしたんだ」
柚「これなら歩きながらでも食べられる♪ はい加蓮サンっ!」ズイ
加蓮「……私の分も?」
351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:12:43.98 ID:oyrpMvNz0
柚「あったりまえじゃん! 2人で一緒に食べよう大作戦! あっあずきチャンっぽく言っちゃった」モグモグ
加蓮「じゃあ、いただきます……」モグ
加蓮「……………………!?」
加蓮「うぷっ……」
柚「うまーっ♪ ねね、加蓮サン。帰りにもここ寄ろう! 帰りの時はショートケーキ買って、事務所に持って帰ってみんなでパーティー――」
柚「……加蓮サン? どしたの?」
加蓮「う、ううん……」ゴクン
加蓮(なに、これ……? 甘いのは確かに苦手だけど、でも、こんな吐き気がするほどじゃ――)
加蓮「あはは……ちょっと一気に入れすぎちゃったかも……」
柚「なにそれ? 加蓮サン、ドジだ! そんなことしてもシュークリームは逃げないよ?」モグモグ
柚「……あーっ! さては先に急いで食べて、アタシの分まで横取りする気かーっ」
加蓮「そこまでがめつくないよ……」
加蓮「じゃあ、いただきます……」モグ
加蓮「……………………!?」
加蓮「うぷっ……」
柚「うまーっ♪ ねね、加蓮サン。帰りにもここ寄ろう! 帰りの時はショートケーキ買って、事務所に持って帰ってみんなでパーティー――」
柚「……加蓮サン? どしたの?」
加蓮「う、ううん……」ゴクン
加蓮(なに、これ……? 甘いのは確かに苦手だけど、でも、こんな吐き気がするほどじゃ――)
加蓮「あはは……ちょっと一気に入れすぎちゃったかも……」
柚「なにそれ? 加蓮サン、ドジだ! そんなことしてもシュークリームは逃げないよ?」モグモグ
柚「……あーっ! さては先に急いで食べて、アタシの分まで横取りする気かーっ」
加蓮「そこまでがめつくないよ……」
352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:13:13.49 ID:oyrpMvNz0
柚「そっかっ。そうだったカモ。加蓮サン、いっつも差し入れとかアタシに食べなさいって言ってる」
加蓮(……………………)
柚「ね、加蓮サン。あのね――」
柚「そのー、加蓮サンももっとワガママ言っていいかもー、なんてっ」
加蓮「……柚?」
柚「や、その、ほら。アタシいっつも加蓮サンにワガママ言ってるじゃん。今もほら、スイーツショップ寄ろうって……」
柚「アタシだけがワガママ言ってるのってなんかヤダ! 加蓮サンもその……ほら、もっとアタシに言ってみて! きっと叶えてみせるからっ!」
加蓮「……あはは。じゃあ、もっと真面目にレッスンやってほしいなー?」
柚「うぐ」
加蓮「トレーナーさんから、成果はいいんだけど気分屋すぎて困るって報告を受けてるんだけどな?」
柚「そ、それはその、……アタシにできる範囲で!」
加蓮(……………………)
柚「ね、加蓮サン。あのね――」
柚「そのー、加蓮サンももっとワガママ言っていいかもー、なんてっ」
加蓮「……柚?」
柚「や、その、ほら。アタシいっつも加蓮サンにワガママ言ってるじゃん。今もほら、スイーツショップ寄ろうって……」
柚「アタシだけがワガママ言ってるのってなんかヤダ! 加蓮サンもその……ほら、もっとアタシに言ってみて! きっと叶えてみせるからっ!」
加蓮「……あはは。じゃあ、もっと真面目にレッスンやってほしいなー?」
柚「うぐ」
加蓮「トレーナーさんから、成果はいいんだけど気分屋すぎて困るって報告を受けてるんだけどな?」
柚「そ、それはその、……アタシにできる範囲で!」
353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:13:44.19 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ふふっ。大丈夫。アタシだって柚には無理させてるし、アイドルとして頑張ってくれるだけで十分だよ」
柚「そっかっ。じゃあアタシ頑張るね! あ、でも何かあったら言ってね。もっと頑張ってみるから! ……できる範囲でっ」
加蓮「思いついたらねー」
柚「そっかっ。じゃあアタシ頑張るね! あ、でも何かあったら言ってね。もっと頑張ってみるから! ……できる範囲でっ」
加蓮「思いついたらねー」
354: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:14:13.62 ID:oyrpMvNz0
――現場――
柚「じゃあ行ってきますっ! アタシの活躍、その目に焼き付けておきなさーい! なんちゃってっ♪」
<タタッ
加蓮「行ってらっしゃい……」フリフリ
加蓮「…………」
加蓮「…………」ハァ
加蓮(……手頃なパイプ椅子を引き寄せて座る。どっと疲れが湧き出てくる)
加蓮(気怠い。1日の終わりにこうなることは多いけれど、今はまだ午後2時――)
加蓮(…………)
<あ、プロデューサーさん。少しいいですか?
柚「じゃあ行ってきますっ! アタシの活躍、その目に焼き付けておきなさーい! なんちゃってっ♪」
<タタッ
加蓮「行ってらっしゃい……」フリフリ
加蓮「…………」
加蓮「…………」ハァ
加蓮(……手頃なパイプ椅子を引き寄せて座る。どっと疲れが湧き出てくる)
加蓮(気怠い。1日の終わりにこうなることは多いけれど、今はまだ午後2時――)
加蓮(…………)
<あ、プロデューサーさん。少しいいですか?
355: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:14:43.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮(ん…………)
加蓮「はい……何ですか?」スクッ
<番組のここの部分と……あと次回収録についてですが――
加蓮(……………………)
加蓮「はい……何ですか?」スクッ
<番組のここの部分と……あと次回収録についてですが――
加蓮(……………………)
356: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:15:13.55 ID:oyrpMvNz0
――事務所(日曜日)――
柚「おっはよーっ♪ へへっ、来ちゃった。加蓮サン遊ぼ!」
加蓮「あ、柚……遊ぼって、見ての通り私は仕事中なんだけど?」
柚「加蓮サン仕事しすぎ! ほらほら、3時はおやつの時間♪ たまには息抜きも必要だぞーっ」グイグイ
加蓮「そんなこと言っても……」
P「そうだな。加蓮、たまには休んだらどうだ? お前ここんところずっと出勤してきてるだろ」
加蓮「……プロデューサーってそういうもんじゃないの?」
P「アホぬかせ。俺だって週一で休んでるよ」
加蓮「それはPさんが事務仕事しかしてないからでしょ……っていうか、担当いなくて事務仕事だけでも週一しか休んでないんだ。Pさんこそもっと休んだら?」
P「今のお前には言われたかねーよっ」
柚「おっはよーっ♪ へへっ、来ちゃった。加蓮サン遊ぼ!」
加蓮「あ、柚……遊ぼって、見ての通り私は仕事中なんだけど?」
柚「加蓮サン仕事しすぎ! ほらほら、3時はおやつの時間♪ たまには息抜きも必要だぞーっ」グイグイ
加蓮「そんなこと言っても……」
P「そうだな。加蓮、たまには休んだらどうだ? お前ここんところずっと出勤してきてるだろ」
加蓮「……プロデューサーってそういうもんじゃないの?」
P「アホぬかせ。俺だって週一で休んでるよ」
加蓮「それはPさんが事務仕事しかしてないからでしょ……っていうか、担当いなくて事務仕事だけでも週一しか休んでないんだ。Pさんこそもっと休んだら?」
P「今のお前には言われたかねーよっ」
357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:15:44.64 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあ、加蓮サンもPサンもお休みってことで! アタシが今決めたっ。3人で遊びに行こ!」
加蓮「うーん……ごめんね柚。どうしても今日締め切りの書類があるんだ。それは片付けないと――」ズキッ
加蓮(……痛っ……目が、やっぱり変……)
P「加蓮? ……おい加蓮!?」
加蓮「な、何よPさん。大げさだな……」
P「やっぱお前、疲れてんだろ。書類ならこっちで巻き取って出しとくから今日は休め」
柚「そーだそーだ!」
加蓮「……もう……。私の分までやったら、Pさん今日は徹夜確定だよ?」
P「俺のことは気にするなー、いいから先に行けー」
柚「あっそれマンガで見た!」
P「男なら一度は言ってみたいセリフ、不動の第一位だな」
加蓮「うーん……ごめんね柚。どうしても今日締め切りの書類があるんだ。それは片付けないと――」ズキッ
加蓮(……痛っ……目が、やっぱり変……)
P「加蓮? ……おい加蓮!?」
加蓮「な、何よPさん。大げさだな……」
P「やっぱお前、疲れてんだろ。書類ならこっちで巻き取って出しとくから今日は休め」
柚「そーだそーだ!」
加蓮「……もう……。私の分までやったら、Pさん今日は徹夜確定だよ?」
P「俺のことは気にするなー、いいから先に行けー」
柚「あっそれマンガで見た!」
P「男なら一度は言ってみたいセリフ、不動の第一位だな」
358: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:16:13.38 ID:oyrpMvNz0
加蓮「でもそれ、言った側に死亡フラグが立ってるよ?」
P「知らないのか加蓮。プロデューサーは不死身なんだ」
加蓮「じゃあ私も不死身じゃん」
P「不死鳥だって飛び回った後は巣に戻って寝るだろ。そういう時間が必要なんだよ」
柚「見たことあるの?」
P「ない」
加蓮「はいはい……もう。じゃあPさん。……ごめんけど、これ、お願いね」ドサッ
P「おう! ……加蓮の為に無理するのも久々だな。今日はドリンク漬けでやるか!」
柚「おっ、Pサンがやる気モードだ! 前のPサンって加蓮サンのプロデューサーサンなんだっけ?」
P「そうだったよ。思い出すなぁ、最初の頃の加蓮はもう取り付く島もないくらい――」
加蓮「待ってPさん、その話は禁止! ……柚の前では特に!」
P「知らないのか加蓮。プロデューサーは不死身なんだ」
加蓮「じゃあ私も不死身じゃん」
P「不死鳥だって飛び回った後は巣に戻って寝るだろ。そういう時間が必要なんだよ」
柚「見たことあるの?」
P「ない」
加蓮「はいはい……もう。じゃあPさん。……ごめんけど、これ、お願いね」ドサッ
P「おう! ……加蓮の為に無理するのも久々だな。今日はドリンク漬けでやるか!」
柚「おっ、Pサンがやる気モードだ! 前のPサンって加蓮サンのプロデューサーサンなんだっけ?」
P「そうだったよ。思い出すなぁ、最初の頃の加蓮はもう取り付く島もないくらい――」
加蓮「待ってPさん、その話は禁止! ……柚の前では特に!」
359: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:16:43.64 ID:oyrpMvNz0
柚「昔の加蓮サン!? なにそれ聞きたい!」
P「初めてのレッスンの時などは、」
加蓮「柚、行くよ! 事務所じゃ休むに休めないでしょ、どこでもいいから早く!」
柚「ぎゃー加蓮サンに連れ去られるーっ。Pサン、後で教えてねっ♪」
加蓮「教えたら1週間くらい徹夜させるからねPさん!」
P「おーう行ってこーい」
<バタン!
P「初めてのレッスンの時などは、」
加蓮「柚、行くよ! 事務所じゃ休むに休めないでしょ、どこでもいいから早く!」
柚「ぎゃー加蓮サンに連れ去られるーっ。Pサン、後で教えてねっ♪」
加蓮「教えたら1週間くらい徹夜させるからねPさん!」
P「おーう行ってこーい」
<バタン!
360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:17:13.34 ID:oyrpMvNz0
――喜多見柚の家――
加蓮「外に遊びに行くんじゃなかったの?」
柚「それでもいいんだけどー、加蓮サンお疲れみたいだったから! 今日はいっしょに、ゴロゴロしよー」ゴロゴロ
加蓮「…………ん」ヨコニナル
柚「そーいえば加蓮サン、アタシの家に来たの初めてだっけ。どうどう? アイドルの家って感じする?」
加蓮「アイドルの家、って感じはないかなぁ……柚の家って感じだ」
柚「そっかっ」
加蓮「……あのブサイクなぬいぐるみ、何? あんなの持ってた?」
<ピニャ
柚「あー、あははー、あれはえっと、ぴ、ぴにゃ……なんだっけ? ……ぴにゃ!」
加蓮「鳴き声?」
加蓮「外に遊びに行くんじゃなかったの?」
柚「それでもいいんだけどー、加蓮サンお疲れみたいだったから! 今日はいっしょに、ゴロゴロしよー」ゴロゴロ
加蓮「…………ん」ヨコニナル
柚「そーいえば加蓮サン、アタシの家に来たの初めてだっけ。どうどう? アイドルの家って感じする?」
加蓮「アイドルの家、って感じはないかなぁ……柚の家って感じだ」
柚「そっかっ」
加蓮「……あのブサイクなぬいぐるみ、何? あんなの持ってた?」
<ピニャ
柚「あー、あははー、あれはえっと、ぴ、ぴにゃ……なんだっけ? ……ぴにゃ!」
加蓮「鳴き声?」
361: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:17:43.80 ID:oyrpMvNz0
柚「そおじゃなくてー。あ、思い出したっぴにゃこら太だ! そういう名前のキャラクターなの。穂乃香チャンが大好きなんだ!」
加蓮「え、穂乃香さんが……?」
柚「うん、穂乃香チャンが」
加蓮「そうなんだ。穂乃香さんが、ねぇ。ちょっと意外」
柚「穂乃香チャン、ぴにゃのことになるとすごいんだよ! 前に見た時はベンチに座って、こう、これくらいのサイズのぬいぐるみをさ」コレクライ
柚「ぎゅーって抱きしめて、なんかナデナデしてたもん」
柚「そういう趣味あるんだー、って思って話しかけたら、なんか語りだして」
柚「あそこで忍チャンが来なかったらどうなっていたことか」ヤレヤレ
加蓮「あはは……ホントに意外な趣味……」
柚「忍チャンがね、またかって顔してたっ。なんか忍チャンと穂乃香チャンのプロデューサーサンと顔が似てるんだって。ぴにゃのブサイク顔」
柚「じゃーブサイクだ! って言ったら今度は忍チャンも穂乃香チャンも怒り出すし。もー訳分かんないよね」
加蓮「え、穂乃香さんが……?」
柚「うん、穂乃香チャンが」
加蓮「そうなんだ。穂乃香さんが、ねぇ。ちょっと意外」
柚「穂乃香チャン、ぴにゃのことになるとすごいんだよ! 前に見た時はベンチに座って、こう、これくらいのサイズのぬいぐるみをさ」コレクライ
柚「ぎゅーって抱きしめて、なんかナデナデしてたもん」
柚「そういう趣味あるんだー、って思って話しかけたら、なんか語りだして」
柚「あそこで忍チャンが来なかったらどうなっていたことか」ヤレヤレ
加蓮「あはは……ホントに意外な趣味……」
柚「忍チャンがね、またかって顔してたっ。なんか忍チャンと穂乃香チャンのプロデューサーサンと顔が似てるんだって。ぴにゃのブサイク顔」
柚「じゃーブサイクだ! って言ったら今度は忍チャンも穂乃香チャンも怒り出すし。もー訳分かんないよね」
362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:18:13.49 ID:oyrpMvNz0
柚「そんでそんで、ちょっと前にゲーセン行ったらぴにゃのぬいぐるみの前で穂乃香チャンが動かなくなって。しょーがないから取ってあげたら、みんなの分ですって言われて渡されちゃって!」
柚「でもこう、こういう風にぎゅって持ってたら落ち着くような――はっ! あ、アタシ穂乃香チャンに洗脳されちゃってる!?」
柚「…………って加蓮サン? おーい、加蓮サン。聞いてるー?」フリフリ
加蓮「ん……聞いてる、聞いてる……」メヲコスリコスリ
柚「……加蓮サン眠たいの? しょーがない、柚のお布団を貸してあげる。じっくり眠れるよ! アタシもよく遅刻しちゃいそうになってお母さんにどやされちゃうんだ」
柚「はい、加蓮サン!」ファサッ
加蓮「ありがと、柚……、…………」zzz
柚「もう寝ちゃった。そっかー、加蓮サンはそんなにお疲れだったかー」
柚「…………」
柚「でもこう、こういう風にぎゅって持ってたら落ち着くような――はっ! あ、アタシ穂乃香チャンに洗脳されちゃってる!?」
柚「…………って加蓮サン? おーい、加蓮サン。聞いてるー?」フリフリ
加蓮「ん……聞いてる、聞いてる……」メヲコスリコスリ
柚「……加蓮サン眠たいの? しょーがない、柚のお布団を貸してあげる。じっくり眠れるよ! アタシもよく遅刻しちゃいそうになってお母さんにどやされちゃうんだ」
柚「はい、加蓮サン!」ファサッ
加蓮「ありがと、柚……、…………」zzz
柚「もう寝ちゃった。そっかー、加蓮サンはそんなにお疲れだったかー」
柚「…………」
363: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:18:43.45 ID:oyrpMvNz0
柚「…………」ツンツン
加蓮「ぅん…………?」プニプニ
柚「はっ。ついやっちゃってた! もー、加蓮サンが無防備だからいけないんだぞっ」
加蓮「…………くぅ…………」zzz
柚「…………」
柚「……アタシもお昼寝しよーっと」
柚「くぅ」zzz
加蓮「ぅん…………?」プニプニ
柚「はっ。ついやっちゃってた! もー、加蓮サンが無防備だからいけないんだぞっ」
加蓮「…………くぅ…………」zzz
柚「…………」
柚「……アタシもお昼寝しよーっと」
柚「くぅ」zzz
364: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:19:13.44 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
加蓮「…………ううん……?」ガサゴソ
加蓮「…………?」ボー
加蓮「ここ、どこ…………?」
加蓮「…………」キョロキョロ
加蓮「…………」テサグリ
加蓮「ん?」
柚「ぐおー、ぐおー……」zzz
加蓮「柚……?」
加蓮「…………あ、そっか……柚の家、だっけ……」
加蓮「寝ちゃってたか、私……ええと、スマホ、スマホ……」ガサゴソ
<22:19
加蓮「!?」ガバッ
365: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:19:43.97 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ちょ――柚、起きて! 柚! もう夜!」
柚「んー、加蓮サン、うっさい……」
加蓮「もう10時なんだけど!?」
柚「じゅーじ? …………10時!?」ガバッ
柚「アタシの晩ご飯は!?」
加蓮「起きて最初に言うとこそれ!?」
加蓮「やっば……ごめん柚、私寝すぎてた!」
柚「加蓮サンったらアタシのお布団に入るなりすぐに寝ちゃってたよー」フワァ...
柚「あっそうだ、加蓮サンも晩ご飯一緒に……って、アタシの晩ご飯ー!」ドタドタ
<ご飯まだあるー!?
柚「んー、加蓮サン、うっさい……」
加蓮「もう10時なんだけど!?」
柚「じゅーじ? …………10時!?」ガバッ
柚「アタシの晩ご飯は!?」
加蓮「起きて最初に言うとこそれ!?」
加蓮「やっば……ごめん柚、私寝すぎてた!」
柚「加蓮サンったらアタシのお布団に入るなりすぐに寝ちゃってたよー」フワァ...
柚「あっそうだ、加蓮サンも晩ご飯一緒に……って、アタシの晩ご飯ー!」ドタドタ
<ご飯まだあるー!?
366: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:20:13.58 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ちょ――柚、起きて! 柚! もう夜!」
柚「んー、加蓮サン、うっさい……」
加蓮「もう10時なんだけど!?」
柚「じゅーじ? …………10時!?」ガバッ
柚「アタシの晩ご飯は!?」
加蓮「起きて最初に言うとこそれ!?」
加蓮「やっば……ごめん柚、私寝すぎてた!」
柚「加蓮サンったらアタシのお布団に入るなりすぐに寝ちゃってたよー」フワァ...
柚「あっそうだ、加蓮サンも晩ご飯一緒に……って、アタシの晩ご飯ー!」ドタドタ
<ご飯まだあるー!?
柚「んー、加蓮サン、うっさい……」
加蓮「もう10時なんだけど!?」
柚「じゅーじ? …………10時!?」ガバッ
柚「アタシの晩ご飯は!?」
加蓮「起きて最初に言うとこそれ!?」
加蓮「やっば……ごめん柚、私寝すぎてた!」
柚「加蓮サンったらアタシのお布団に入るなりすぐに寝ちゃってたよー」フワァ...
柚「あっそうだ、加蓮サンも晩ご飯一緒に……って、アタシの晩ご飯ー!」ドタドタ
<ご飯まだあるー!?
367: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:20:44.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚――……もうっ」ハァ
加蓮「…………」
加蓮(……なんだ、これ……!?)
加蓮(柚の家に来たのは……確か、事務所を出たのがだいたい2時だから……30分も歩いてないし……)
加蓮(短くても7時間も寝てたの、私……!?)
加蓮(しかも恐ろしいのが――)
柚「加蓮サン、晩ご飯あるって! それとお母さんが加蓮サンも一緒にって言ってたっ♪ さーさー、晩ご飯の時間ですよー」グイグイ
加蓮「柚……」ズルズル
柚「加蓮サン、自分で歩きなさーい!」
加蓮「……ん…………」
加蓮(これだけ寝て……まだ眠いし、まだ疲れてる……)
加蓮「…………」
加蓮(……なんだ、これ……!?)
加蓮(柚の家に来たのは……確か、事務所を出たのがだいたい2時だから……30分も歩いてないし……)
加蓮(短くても7時間も寝てたの、私……!?)
加蓮(しかも恐ろしいのが――)
柚「加蓮サン、晩ご飯あるって! それとお母さんが加蓮サンも一緒にって言ってたっ♪ さーさー、晩ご飯の時間ですよー」グイグイ
加蓮「柚……」ズルズル
柚「加蓮サン、自分で歩きなさーい!」
加蓮「……ん…………」
加蓮(これだけ寝て……まだ眠いし、まだ疲れてる……)
368: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:21:13.52 ID:oyrpMvNz0
――翌日・街中(月曜日)――
柚「今日も加蓮サンと一緒だっ。前はアタシに任せるって言ってたのにどしたの?」
柚「ははーん、さては加蓮サンも寂しくなっちゃったんだね! アタシがいっつもいないから!」
加蓮「…………ま、ちょっとね」
柚「でもなんだか変なカンジ! 学校休んで、こーして加蓮サンと歩いてるのって。前のアタシじゃ絶対なかったからっ」
加蓮「あはは……」
加蓮「学校か。ここんとこもう全然通ってないなぁ……ずっと忙しかったもん」
柚「そういえば加蓮サンの制服ずっと見てない! う~~~~~ん」
加蓮「……何に悩んでんの?」
柚「え? アハハ、えっとね。加蓮サンの制服も見てみたいけど、スーツ着てアタシと一緒にアイドルやってる加蓮サンもいい感じだから」
柚「捨てがたいな~、迷っちゃうな~、って。ちょっとゼイタクな悩みだっ」
加蓮「ふふっ。一緒にアイドル、か……」
柚「今日も加蓮サンと一緒だっ。前はアタシに任せるって言ってたのにどしたの?」
柚「ははーん、さては加蓮サンも寂しくなっちゃったんだね! アタシがいっつもいないから!」
加蓮「…………ま、ちょっとね」
柚「でもなんだか変なカンジ! 学校休んで、こーして加蓮サンと歩いてるのって。前のアタシじゃ絶対なかったからっ」
加蓮「あはは……」
加蓮「学校か。ここんとこもう全然通ってないなぁ……ずっと忙しかったもん」
柚「そういえば加蓮サンの制服ずっと見てない! う~~~~~ん」
加蓮「……何に悩んでんの?」
柚「え? アハハ、えっとね。加蓮サンの制服も見てみたいけど、スーツ着てアタシと一緒にアイドルやってる加蓮サンもいい感じだから」
柚「捨てがたいな~、迷っちゃうな~、って。ちょっとゼイタクな悩みだっ」
加蓮「ふふっ。一緒にアイドル、か……」
369: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:21:43.51 ID:oyrpMvNz0
柚「あっ、そっか。今はアイドルとプロデューサーサンだね! でもいつかは、一緒にアイドル♪」
加蓮「そうだね。そんな日が来るといいね……」
<テクテク
<テクテク
柚「もうちょっとしたらこの撮影も終わっちゃうね。アタシけっこう好きだったんだけどなー。監督サンいい人だし、いろんなスタッフサンいて面白かったし」
柚「終わっちゃうの、ちょっとだけ寂しいな」
柚「……なーんてっ。悩むなんてアタシらしくないっ。だよね、加蓮サン!」
加蓮「…………」
柚「加蓮サン?」
加蓮「え? あ、あはは、そうだね。柚らしくないね」
柚「…………?」
加蓮「そうだね。そんな日が来るといいね……」
<テクテク
<テクテク
柚「もうちょっとしたらこの撮影も終わっちゃうね。アタシけっこう好きだったんだけどなー。監督サンいい人だし、いろんなスタッフサンいて面白かったし」
柚「終わっちゃうの、ちょっとだけ寂しいな」
柚「……なーんてっ。悩むなんてアタシらしくないっ。だよね、加蓮サン!」
加蓮「…………」
柚「加蓮サン?」
加蓮「え? あ、あはは、そうだね。柚らしくないね」
柚「…………?」
370: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:22:13.54 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚はこう、次だー、やるぞー! みたいに構えてなきゃっ」
柚「そーそー。ってことで加蓮プロデューサーサン、次の仕事も楽しみにしてるよっ♪」
加蓮「困ったなー、プレッシャーだなー。アタシ実はそーいうの弱くてさー」
柚「…………」キョトン
加蓮「コラ、何言ってんのって顔すんなっ。私だって緊張する時には緊張するんだから」
柚「そっかなー」
加蓮「大丈夫。柚の仕事はずっと、私が取ってきてあげるから……」
柚「うんうんっ。加蓮サンとならどこまでもいけるね! って、どこまでいけるんだろ? うーん……トップアイドル?」
柚「トップアイドル目指しちゃう? 加蓮サンとならそれも悪くないかなー? どおどお? アタシ、トップアイドルになれる?」
柚「あ、でも加蓮サンがアイドルになったら加蓮サンもライバルになっちゃう。もしかしたら忍チャン達もライバル……?」
柚「そーそー。ってことで加蓮プロデューサーサン、次の仕事も楽しみにしてるよっ♪」
加蓮「困ったなー、プレッシャーだなー。アタシ実はそーいうの弱くてさー」
柚「…………」キョトン
加蓮「コラ、何言ってんのって顔すんなっ。私だって緊張する時には緊張するんだから」
柚「そっかなー」
加蓮「大丈夫。柚の仕事はずっと、私が取ってきてあげるから……」
柚「うんうんっ。加蓮サンとならどこまでもいけるね! って、どこまでいけるんだろ? うーん……トップアイドル?」
柚「トップアイドル目指しちゃう? 加蓮サンとならそれも悪くないかなー? どおどお? アタシ、トップアイドルになれる?」
柚「あ、でも加蓮サンがアイドルになったら加蓮サンもライバルになっちゃう。もしかしたら忍チャン達もライバル……?」
371: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:22:43.67 ID:oyrpMvNz0
柚「……や、やっぱトップアイドルはもうちょっとだけお預けっ。い、いい? やっぱ、だめ?」
加蓮「……どっちでもいいよ。柚の、やりたいようにやろう。ずっと前からそう言ってるでしょ?」
柚「そうだった! じゃあ今は、もーちょっとフリルドスクエアで楽しく♪ それと、加蓮サンとも楽しくっ」
加蓮「うん。ゆる~くやっていくんでしょ?」
柚「ゆる~く。そうそう、ゆる~く」
<テクテク
<テクテク
柚「あっ、赤信号」
加蓮「…………」ボー、テクテク
加蓮「……どっちでもいいよ。柚の、やりたいようにやろう。ずっと前からそう言ってるでしょ?」
柚「そうだった! じゃあ今は、もーちょっとフリルドスクエアで楽しく♪ それと、加蓮サンとも楽しくっ」
加蓮「うん。ゆる~くやっていくんでしょ?」
柚「ゆる~く。そうそう、ゆる~く」
<テクテク
<テクテク
柚「あっ、赤信号」
加蓮「…………」ボー、テクテク
372: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:23:13.34 ID:oyrpMvNz0
柚「…………って加蓮サン!? あ、赤信号だよ! 車に轢かれちゃうよ!?」グイ
加蓮「え? ……わっ!?」
<ププーッ
加蓮「びっくりしたぁ……! ごめんごめん。ちょっとぼんやりしちゃってた……ありがとね、柚」
柚「ううん。加蓮サン、だいじょぶ? ……も、もしかして昨日のアタシのいびきがうるさくてあんまり寝られなかったとか!?」
加蓮「大丈夫だってば……。いびきはうるさかったけど」
柚「ギャー! ごごごごめんっ。うー、恥ずかしいっ」
加蓮「うるさすぎて鼻と口を塞いでやろうかって思ったよ」
柚「それだと柚死んじゃうよ!?」
加蓮「大丈夫大丈夫。柚なら大丈夫」
柚「どゆこと!?」
……。
…………。
加蓮「え? ……わっ!?」
<ププーッ
加蓮「びっくりしたぁ……! ごめんごめん。ちょっとぼんやりしちゃってた……ありがとね、柚」
柚「ううん。加蓮サン、だいじょぶ? ……も、もしかして昨日のアタシのいびきがうるさくてあんまり寝られなかったとか!?」
加蓮「大丈夫だってば……。いびきはうるさかったけど」
柚「ギャー! ごごごごめんっ。うー、恥ずかしいっ」
加蓮「うるさすぎて鼻と口を塞いでやろうかって思ったよ」
柚「それだと柚死んじゃうよ!?」
加蓮「大丈夫大丈夫。柚なら大丈夫」
柚「どゆこと!?」
……。
…………。
373: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:23:43.57 ID:oyrpMvNz0
柚「青信号だっ。そろそろ現場に着いちゃうし、ここでアイドルモード! ささ、今日も楽しんでいこっ。ファンのみんなとー、スタッフサンと、あと加蓮サンも!」
加蓮「うん……今日も期待してるね、柚」
柚「あいあいさー!」タタッ
加蓮「あ、こら、ちょっと待ちなさ――」テクテク
――ずきっ
加蓮(っ……!)
柚「加蓮サンおそーい!」
加蓮「走れないんだから、ちょ、待ってよっ……」テクテク
加蓮「うん……今日も期待してるね、柚」
柚「あいあいさー!」タタッ
加蓮「あ、こら、ちょっと待ちなさ――」テクテク
――ずきっ
加蓮(っ……!)
柚「加蓮サンおそーい!」
加蓮「走れないんだから、ちょ、待ってよっ……」テクテク
374: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:24:13.63 ID:oyrpMvNz0
――翌日・事務所(火曜日)――
柚「ただいまーっ!」
加蓮「ただいま、戻りました……」フゥ
P「おかえり、加蓮、柚ちゃん。撮影はどうだ?」
柚「お昼からずっとだったから疲れちゃったけど、でも結果はバッチリ! だよね、加蓮サンっ」
加蓮「柚が4回くらいカット食らってたね。セリフ飛んだのと噛んだのと転んだのと、あとは――」
柚「わーっ! な、なんで覚えてるのっ。アタシの恥ずかしいことばっかり~!」
加蓮「プロデューサーだもん、覚えてて当然……」ズキ
加蓮「……っ……」
P「……加蓮?」
柚「ただいまーっ!」
加蓮「ただいま、戻りました……」フゥ
P「おかえり、加蓮、柚ちゃん。撮影はどうだ?」
柚「お昼からずっとだったから疲れちゃったけど、でも結果はバッチリ! だよね、加蓮サンっ」
加蓮「柚が4回くらいカット食らってたね。セリフ飛んだのと噛んだのと転んだのと、あとは――」
柚「わーっ! な、なんで覚えてるのっ。アタシの恥ずかしいことばっかり~!」
加蓮「プロデューサーだもん、覚えてて当然……」ズキ
加蓮「……っ……」
P「……加蓮?」
375: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:24:43.75 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あ、あはは。ちょっと疲れちゃった……。でも、報告書を作らなきゃ……」
P「加蓮」
加蓮「柚の活躍、たくさん書かなきゃね。もっと仕事がいっぱい来るように――」
P「加蓮!」柚「加蓮サンっ!」
加蓮「!」ビクッ
加蓮「……な、なに?」
P「加蓮。報告書は明日でいい。もう夕方だし、今日は帰って休め」
柚「そーそーっ。あ、そうだ、またアタシの家でお泊り会やる? お母さんももっと加蓮サンと話してみたいって言ってたし、そうだ、今日はシチュー作るって言ってた!」
柚「いきなり加蓮サンが来てもきっとだいじょーぶ! だからほらっ、行こ? ねぼすけ加蓮サンはアタシが起こしてあげるから!」
加蓮「あはは、いいってば……でもそっか、シチューかぁ」
柚「おっ、気になっちゃう感じ?」
P「加蓮」
加蓮「柚の活躍、たくさん書かなきゃね。もっと仕事がいっぱい来るように――」
P「加蓮!」柚「加蓮サンっ!」
加蓮「!」ビクッ
加蓮「……な、なに?」
P「加蓮。報告書は明日でいい。もう夕方だし、今日は帰って休め」
柚「そーそーっ。あ、そうだ、またアタシの家でお泊り会やる? お母さんももっと加蓮サンと話してみたいって言ってたし、そうだ、今日はシチュー作るって言ってた!」
柚「いきなり加蓮サンが来てもきっとだいじょーぶ! だからほらっ、行こ? ねぼすけ加蓮サンはアタシが起こしてあげるから!」
加蓮「あはは、いいってば……でもそっか、シチューかぁ」
柚「おっ、気になっちゃう感じ?」
376: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:25:13.31 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あはは、ちょっとだけっ? 前に柚の家でもらった晩ご飯、すごく美味しかったからさ~」
柚「じゃあまた一緒に食べよう! 大丈夫大丈夫。加蓮サンが意外とくいしんぼだってことは知ってるから♪」
P「あ、それ俺も知ってる」ハイ
加蓮「……柚のお菓子好きには負けるよ、もう超大負けだよ」
柚「じゃあ加蓮サン頑張ってもっとくいしんぼになろう♪ ほら、加蓮サン、負けるの大っ嫌いって言ってたしっ」
加蓮「やー、実力差がありすぎてやる気にもならないなぁ」
P「その方がむしろ燃えるタイプだろ何言ってんだお前」
加蓮「Pさんうっさい」
P「はっはっは」
柚「Pサンも一緒に来る? あ、でもいきなり男の人が来たりしたらお母さんに誤解されちゃうかもっ。でもみんなで晩ご飯も食べたいしー、うーん」
加蓮「それ以前に男の人を家に連れ込んだら一発でスキャンダルでしょ」
柚「じゃあまた一緒に食べよう! 大丈夫大丈夫。加蓮サンが意外とくいしんぼだってことは知ってるから♪」
P「あ、それ俺も知ってる」ハイ
加蓮「……柚のお菓子好きには負けるよ、もう超大負けだよ」
柚「じゃあ加蓮サン頑張ってもっとくいしんぼになろう♪ ほら、加蓮サン、負けるの大っ嫌いって言ってたしっ」
加蓮「やー、実力差がありすぎてやる気にもならないなぁ」
P「その方がむしろ燃えるタイプだろ何言ってんだお前」
加蓮「Pさんうっさい」
P「はっはっは」
柚「Pサンも一緒に来る? あ、でもいきなり男の人が来たりしたらお母さんに誤解されちゃうかもっ。でもみんなで晩ご飯も食べたいしー、うーん」
加蓮「それ以前に男の人を家に連れ込んだら一発でスキャンダルでしょ」
377: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:25:44.09 ID:oyrpMvNz0
P「ちょっと疲れてるから迎えに来てーってしょっちゅう言ってたお前が言うと変な感じがするな」
加蓮「昔の話は禁止だってばー! ホントに徹夜させるよ!?」
P「おっとつい」コウサンノポーズ
柚「スキャンダルは困っちゃうなー。じゃあ今日は加蓮サンだけ! Pサンの分はー、事務所に持ってくるってことで! そんでみんなでお昼ごはんだ。いいっ?」
P「はは、ありがとうな柚ちゃん」
加蓮「でもアンタ、明日と明後日は夕方からのレッスンだけだから学校に行くんじゃ……」
柚「そーだった! 金曜日……は撮影だ。じゃあ土曜日! えとっ、お昼からの撮影だったハズ! だよね加蓮サンっ」
加蓮「そーだね。その日のお昼ごはんなら大丈夫なんじゃない?」
P「おし。じゃあ俺も久々に手料理を振る舞うか!」
加蓮「Pさんって料理できたの?」
P「おう。チャーハンだけだが」
加蓮「ふーん。男の人って感じだ…………」
加蓮「昔の話は禁止だってばー! ホントに徹夜させるよ!?」
P「おっとつい」コウサンノポーズ
柚「スキャンダルは困っちゃうなー。じゃあ今日は加蓮サンだけ! Pサンの分はー、事務所に持ってくるってことで! そんでみんなでお昼ごはんだ。いいっ?」
P「はは、ありがとうな柚ちゃん」
加蓮「でもアンタ、明日と明後日は夕方からのレッスンだけだから学校に行くんじゃ……」
柚「そーだった! 金曜日……は撮影だ。じゃあ土曜日! えとっ、お昼からの撮影だったハズ! だよね加蓮サンっ」
加蓮「そーだね。その日のお昼ごはんなら大丈夫なんじゃない?」
P「おし。じゃあ俺も久々に手料理を振る舞うか!」
加蓮「Pさんって料理できたの?」
P「おう。チャーハンだけだが」
加蓮「ふーん。男の人って感じだ…………」
378: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:26:13.84 ID:oyrpMvNz0
――ずきっ
加蓮(っ…………)コメカミオサエ
柚「で、どうなったんだっけ? えっと……そうそう、加蓮サンを喜多見家にご招待♪ 急がないと日が暮れるぞー?」グイグイ
加蓮「もう……。ごめんねPさん。報告書、明日出すから……」ヒキズラレ
P「おーう」
加蓮(っ…………)コメカミオサエ
柚「で、どうなったんだっけ? えっと……そうそう、加蓮サンを喜多見家にご招待♪ 急がないと日が暮れるぞー?」グイグイ
加蓮「もう……。ごめんねPさん。報告書、明日出すから……」ヒキズラレ
P「おーう」
379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:26:44.51 ID:oyrpMvNz0
――翌日・事務所(水曜日)――
加蓮「…………」カタカタ
P「…………」カタカタ
加蓮「…………よしっと。Pさん、報告書できたよ。はい」
P「おう、すぐに見とく――っておい加蓮。これ、日付が昨日になってるぞ」
加蓮「げ……」
P「ああ、ぜんぶチェックしてからでいいよ。別のミスもあったら一気に修正した方が楽だろ?」
加蓮「そだね。チェックお願い、Pさん」
P「おーう。少しは休憩しろよー?」
加蓮「分かってまーす」
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「…………」メールチェック
――ずきずきっ
加蓮(っ…………)
加蓮「…………」カタカタ
P「…………」カタカタ
加蓮「…………よしっと。Pさん、報告書できたよ。はい」
P「おう、すぐに見とく――っておい加蓮。これ、日付が昨日になってるぞ」
加蓮「げ……」
P「ああ、ぜんぶチェックしてからでいいよ。別のミスもあったら一気に修正した方が楽だろ?」
加蓮「そだね。チェックお願い、Pさん」
P「おーう。少しは休憩しろよー?」
加蓮「分かってまーす」
加蓮「…………」カタカタ
加蓮「…………」メールチェック
――ずきずきっ
加蓮(っ…………)
380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:27:13.64 ID:oyrpMvNz0
加蓮(……大丈夫、大丈夫……ずっと柚のプロデューサーをやってきたんだ。いつか一緒にアイドルやるって約束してるんだ)
加蓮(大丈夫――大丈夫……)
加蓮(柚だって上向きの絶好調なんだ。焦ることなんて、何もない――)
――ずきずきっ
加蓮(大丈夫……っ……! 頭が痛いのだって、ただの風邪で……)
――どくんっ
加蓮(心臓がうるさいのだって、ちょっと調子崩してるからで……!)
加蓮(今日こそ……寝たら治るんだ……。家に帰って寝たらまた、いつもの私になっていて)
加蓮(走ることはできないけど、夜になったらもうヘトヘトだけど、でもそんな私と上手く付き合っていくんだ)
加蓮(今すぐアイドルには戻れないかもしれない。でも、プロデューサーならできる)
加蓮(柚の面倒を見ながら、ちょっとずつ回復して、そしていつか――)
――どくんっ
加蓮(大丈夫――大丈夫……)
加蓮(柚だって上向きの絶好調なんだ。焦ることなんて、何もない――)
――ずきずきっ
加蓮(大丈夫……っ……! 頭が痛いのだって、ただの風邪で……)
――どくんっ
加蓮(心臓がうるさいのだって、ちょっと調子崩してるからで……!)
加蓮(今日こそ……寝たら治るんだ……。家に帰って寝たらまた、いつもの私になっていて)
加蓮(走ることはできないけど、夜になったらもうヘトヘトだけど、でもそんな私と上手く付き合っていくんだ)
加蓮(今すぐアイドルには戻れないかもしれない。でも、プロデューサーならできる)
加蓮(柚の面倒を見ながら、ちょっとずつ回復して、そしていつか――)
――どくんっ
381: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:27:43.77 ID:oyrpMvNz0
<ガチャ
柚「こんにちはーっ! あっ加蓮サン! 時間大丈夫だよね!? へへっ、ちょっと友達に捕まっちゃってた。まだレッスンの時間じゃないよね?」
加蓮「柚……ふふっ。大丈夫、まだ、10分前――」
柚「って加蓮サンどしたの!? 汗びっしょり!」
P「!」
加蓮「あはは……どうしてだろ。ほら、最近ちょっと暑くなってきたし……そのせいかもね……」
P「本当だ……! お前どうしたんだこの汗、普通じゃないぞ!?」
加蓮「Pさん……あんまりジロジロ見ちゃダメだよ。こら、そんな近くから見んなっ」
P「…………なあ加蓮。お前、最近ちゃんと病院に行ってるか? 検診を受けてるか?」
加蓮「そんな暇どこにあるの。私は平気だし、柚を見てなきゃ……今日だって、レッスン見てないとこの子すぐにサボるんだよ。面白くなーい、とか言って」
柚「や、やだなぁ加蓮サン、最近はそんなにサボってないもんっ」
柚「こんにちはーっ! あっ加蓮サン! 時間大丈夫だよね!? へへっ、ちょっと友達に捕まっちゃってた。まだレッスンの時間じゃないよね?」
加蓮「柚……ふふっ。大丈夫、まだ、10分前――」
柚「って加蓮サンどしたの!? 汗びっしょり!」
P「!」
加蓮「あはは……どうしてだろ。ほら、最近ちょっと暑くなってきたし……そのせいかもね……」
P「本当だ……! お前どうしたんだこの汗、普通じゃないぞ!?」
加蓮「Pさん……あんまりジロジロ見ちゃダメだよ。こら、そんな近くから見んなっ」
P「…………なあ加蓮。お前、最近ちゃんと病院に行ってるか? 検診を受けてるか?」
加蓮「そんな暇どこにあるの。私は平気だし、柚を見てなきゃ……今日だって、レッスン見てないとこの子すぐにサボるんだよ。面白くなーい、とか言って」
柚「や、やだなぁ加蓮サン、最近はそんなにサボってないもんっ」
382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:28:13.48 ID:oyrpMvNz0
加蓮「とにかく私は大丈夫だから。柚も。時間も大丈夫だから、ほら、ゆっくり準備して行くよ。トレーナーさんが待ってるから早く行かなきゃ……」
柚「う、うんっ。着替えてくるね!」タタッ
<バタンッ
P「お、おい加蓮? 言ってることがメチャクチャだぞ!? ちょっと休め、柚ちゃんなら俺が見とくから――ああそうか、暑いんだったな。クーラー、はまだつけるなって言われてるし、くそ、部長あたりにでも連絡をして特別にこの部屋だけ――」
加蓮「いいってば……。私をプロデューサーにした時、メチャクチャ無理を言ったんでしょ? いいって」
加蓮「とにかく私は大丈夫だから。……ね?」
P「…………だがな……」
柚「う、うんっ。着替えてくるね!」タタッ
<バタンッ
P「お、おい加蓮? 言ってることがメチャクチャだぞ!? ちょっと休め、柚ちゃんなら俺が見とくから――ああそうか、暑いんだったな。クーラー、はまだつけるなって言われてるし、くそ、部長あたりにでも連絡をして特別にこの部屋だけ――」
加蓮「いいってば……。私をプロデューサーにした時、メチャクチャ無理を言ったんでしょ? いいって」
加蓮「とにかく私は大丈夫だから。……ね?」
P「…………だがな……」
383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:28:43.36 ID:oyrpMvNz0
<バタンッ
柚「準備オッケー! 加蓮サンは……えっと、大丈夫、なの……?」
加蓮「大丈夫。さ、行くよ柚。今日こそサボらせないんだからね」グイグイ
柚「わ、わっ、こける、こけちゃうっ。待って加蓮サン!」ヒッパラレ
<バタンッ
P「加蓮…………」
柚「準備オッケー! 加蓮サンは……えっと、大丈夫、なの……?」
加蓮「大丈夫。さ、行くよ柚。今日こそサボらせないんだからね」グイグイ
柚「わ、わっ、こける、こけちゃうっ。待って加蓮サン!」ヒッパラレ
<バタンッ
P「加蓮…………」
384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:29:13.39 ID:oyrpMvNz0
加蓮(そう、大丈夫。昨日も今日も明日もちゃんと続いていく。ちょっと体調を崩してるだけだ。すぐに治る)
加蓮(何も、焦ることなんてないんだ――)
加蓮(何も――)
加蓮(何も…………)
加蓮(…………)
その時間は、本当に続くの?
385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:29:43.47 ID:oyrpMvNz0
――レッスンスタジオ――
加蓮「あれ、トレーナーさんまだ来ていないね」
柚「早く来すぎちゃったかも? じゃーアタシストレッチやっとこーっと」グイッグイッ
加蓮「…………」
加蓮(…………)
加蓮「…………ねえ、柚」
柚「んー?」
加蓮「その……トレーナーさんが来るまででいいからさ、ちょっとだけ……」
加蓮「ちょっとだけ、振り付けの確認だけでいいからさ」
加蓮「その……私も一緒にやってみていい?」
柚「加蓮サンも?」
加蓮「あれ、トレーナーさんまだ来ていないね」
柚「早く来すぎちゃったかも? じゃーアタシストレッチやっとこーっと」グイッグイッ
加蓮「…………」
加蓮(…………)
加蓮「…………ねえ、柚」
柚「んー?」
加蓮「その……トレーナーさんが来るまででいいからさ、ちょっとだけ……」
加蓮「ちょっとだけ、振り付けの確認だけでいいからさ」
加蓮「その……私も一緒にやってみていい?」
柚「加蓮サンも?」
386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:30:13.42 ID:oyrpMvNz0
柚「…………」エーット
柚「!」
柚「ってことは、加蓮サンもアイドルやるの!?」
加蓮「ほら――約束、したからさ。約束は叶えなきゃ」
加蓮「柚みたいなぎゅいぎゅいしたダンスは今すぐできなくても、ちょっとずつなら……やらなきゃ…………」
柚「やったーっ!! やろやろ! 今日から加蓮サンもアイドルだ! きっと奈緒サンも喜ぶよ! あと、凛サン? って人も!」
加蓮「うん……奈緒とも約束したもんね。凛にだって、いつか病気を治して戻ってくるって言ってるし――」
柚「アタシもアタシも!」
加蓮「もちろん。柚と一緒にアイドルやるって、それも約束」
柚「!」
柚「ってことは、加蓮サンもアイドルやるの!?」
加蓮「ほら――約束、したからさ。約束は叶えなきゃ」
加蓮「柚みたいなぎゅいぎゅいしたダンスは今すぐできなくても、ちょっとずつなら……やらなきゃ…………」
柚「やったーっ!! やろやろ! 今日から加蓮サンもアイドルだ! きっと奈緒サンも喜ぶよ! あと、凛サン? って人も!」
加蓮「うん……奈緒とも約束したもんね。凛にだって、いつか病気を治して戻ってくるって言ってるし――」
柚「アタシもアタシも!」
加蓮「もちろん。柚と一緒にアイドルやるって、それも約束」
387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:30:43.94 ID:oyrpMvNz0
加蓮「よいしょ、っと。えっと、ステップってこんな感じだっけ?」タッタッ
柚「そうじゃないよー。こう、びしっ、びしって感じ!」ビシッビシッ
加蓮「ん……あはは、久しぶりだから難しい、」
――どくんっ
加蓮「ね………………」ドサッ
柚「……………………え………………?」
柚「そうじゃないよー。こう、びしっ、びしって感じ!」ビシッビシッ
加蓮「ん……あはは、久しぶりだから難しい、」
――どくんっ
加蓮「ね………………」ドサッ
柚「……………………え………………?」
388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:31:13.74 ID:oyrpMvNz0
――大丈夫。
昨日も今日も明日も明後日も1週間後も1ヶ月後も1年後も、ずっと続いていくんだから。
何も、焦ることなんてないんだ。
何も――
だから。
やれる間にやれることを、なんて、考えなくてもよかったのに。
柚「…………加蓮、さん? 加蓮さん!? どしたの、加蓮さん!? ねえっ!!」
それとも、私は、本当は、
389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:31:44.05 ID:oyrpMvNz0
――病院――
……。
…………。
………………。
加蓮「…………ん……」
加蓮「…………」キョロキョロ
加蓮(白い天井。無機質な部屋。清潔すぎる臭い)
加蓮「げぇ…………」
加蓮(……病院の一室だ。昔、私がお世話になっていた場所)
加蓮(担当の医師が、この部屋はいつでも私用に空けている、とか言っていたが……あれは冗談じゃなかったのか)
加蓮(冗談じゃない)
……。
…………。
………………。
加蓮「…………ん……」
加蓮「…………」キョロキョロ
加蓮(白い天井。無機質な部屋。清潔すぎる臭い)
加蓮「げぇ…………」
加蓮(……病院の一室だ。昔、私がお世話になっていた場所)
加蓮(担当の医師が、この部屋はいつでも私用に空けている、とか言っていたが……あれは冗談じゃなかったのか)
加蓮(冗談じゃない)
390: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:32:13.73 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ん…………」チラ
加蓮「4時…………」
加蓮「……よいしょ、っと……」
――どくんっ!
加蓮(っ…………)
加蓮「テレビを点けて、っと……」
<金曜日、夕方のニュースを――
加蓮「金曜日?」
加蓮「4時…………」
加蓮「……よいしょ、っと……」
――どくんっ!
加蓮(っ…………)
加蓮「テレビを点けて、っと……」
<金曜日、夕方のニュースを――
加蓮「金曜日?」
391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:32:44.24 ID:oyrpMvNz0
加蓮(確か、柚の家にお邪魔したのが日曜日。撮影についていって、その次の日に……月、火、水……)
加蓮「2日も経ってる!? 待って、撮影、あとレッスンっ。柚――!」
――どくんっ!
加蓮「うるさいッ!!」
……。
…………。
………………。
加蓮「2日も経ってる!? 待って、撮影、あとレッスンっ。柚――!」
――どくんっ!
加蓮「うるさいッ!!」
……。
…………。
………………。
392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:33:13.48 ID:oyrpMvNz0
<コンコン
「北条さーん、そろそろ起きて――え?」
「…………え?」
「北条さーん、そろそろ起きて――え?」
「…………え?」
393: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:33:44.15 ID:oyrpMvNz0
――事務所への道――
加蓮(病院なんかに閉じ込められててたまるか。今の私はプロデューサーだ。あんな何もできないところにいる暇なんてない)テクテク
加蓮(身体はガタガタだけど、大丈夫。今までだってこういうことはあった)テクテク
加蓮(アイドルをやってた時だって――あの日が来るまでは、ちゃんとこの身体と付き合ってきた。すぐにバテるけど、すぐにできないことにぶつかるけど、でもちゃんとアイドルをやっていた)テクテク
加蓮(プロデューサーになってからだって……確かにすぐ疲れることに変わりはなかったけど、でも今までやれてきたんだ)ハァ、ハァ...
加蓮(大丈夫。事務所に戻って、それから、いつも通りにプロデューサーを続けよう)テクテク
加蓮(焦ることなんてない。時間なんていくらでもあるんだ。倒れた時は――ありえない想像につい焦っちゃっただけだ)ハァ、ハァ...
加蓮(歩いて、歩いて、そしていつか、柚の隣に――)テクテク
加蓮(病院なんかに閉じ込められててたまるか。今の私はプロデューサーだ。あんな何もできないところにいる暇なんてない)テクテク
加蓮(身体はガタガタだけど、大丈夫。今までだってこういうことはあった)テクテク
加蓮(アイドルをやってた時だって――あの日が来るまでは、ちゃんとこの身体と付き合ってきた。すぐにバテるけど、すぐにできないことにぶつかるけど、でもちゃんとアイドルをやっていた)テクテク
加蓮(プロデューサーになってからだって……確かにすぐ疲れることに変わりはなかったけど、でも今までやれてきたんだ)ハァ、ハァ...
加蓮(大丈夫。事務所に戻って、それから、いつも通りにプロデューサーを続けよう)テクテク
加蓮(焦ることなんてない。時間なんていくらでもあるんだ。倒れた時は――ありえない想像につい焦っちゃっただけだ)ハァ、ハァ...
加蓮(歩いて、歩いて、そしていつか、柚の隣に――)テクテク
394: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:34:13.65 ID:oyrpMvNz0
――事務所――
<ガチャ
P「……! か……れん? おい加蓮!? お前、病院に――っていうかおい、加蓮……!?」
加蓮「こんにちはっ、Pさん。ふふっ、ごめんね。ちょっと疲れが溜まっ」
――どくんっ!
加蓮「ちゃっ、って…………」フラッ
P「加れ――」
――ばたん
<ガチャ
P「……! か……れん? おい加蓮!? お前、病院に――っていうかおい、加蓮……!?」
加蓮「こんにちはっ、Pさん。ふふっ、ごめんね。ちょっと疲れが溜まっ」
――どくんっ!
加蓮「ちゃっ、って…………」フラッ
P「加れ――」
――ばたん
395: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:34:43.67 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
396: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:35:13.42 ID:oyrpMvNz0
――病院――
「目が覚めたかな?」
……。
…………。
加蓮「ん…………」メヲアケル
加蓮「…………病院……」
「そう。病院だ。いつものキミの部屋」
「久しぶりだね加蓮ちゃん。検診、またサボっていたじゃないか。お母さんとお父さんに叱られちゃうよ?」
「またいつかみたいに病院で怒鳴り合うなんてこと、やってほしくはないんだけどねぇ……」
加蓮「…………」ボー
加蓮「ああ……そういえば最近、やってもらってなかった、っけ……」
加蓮「…………」
「目が覚めたかな?」
……。
…………。
加蓮「ん…………」メヲアケル
加蓮「…………病院……」
「そう。病院だ。いつものキミの部屋」
「久しぶりだね加蓮ちゃん。検診、またサボっていたじゃないか。お母さんとお父さんに叱られちゃうよ?」
「またいつかみたいに病院で怒鳴り合うなんてこと、やってほしくはないんだけどねぇ……」
加蓮「…………」ボー
加蓮「ああ……そういえば最近、やってもらってなかった、っけ……」
加蓮「…………」
397: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:35:43.62 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ねえ……今日、何月何日?」
「キミが運ばれて来て3日後だ」
加蓮「……!」ガバッ
「ストップ」
「主治医として、今のキミを行動させる訳にはいかない」
加蓮「…………」ギロ
「…………」ヤレヤレ
「前に言っただろう? キミは生きているのが不思議な方だと」
「まどろっこしいのは嫌いだったね。じゃあ結論から言おう」
「今日は絶対安静。何があってもそこから動くな。下手に動いたら極太の点滴針で縫い止める」
加蓮「仮にも、医者の言うことか…………」
「キミが運ばれて来て3日後だ」
加蓮「……!」ガバッ
「ストップ」
「主治医として、今のキミを行動させる訳にはいかない」
加蓮「…………」ギロ
「…………」ヤレヤレ
「前に言っただろう? キミは生きているのが不思議な方だと」
「まどろっこしいのは嫌いだったね。じゃあ結論から言おう」
「今日は絶対安静。何があってもそこから動くな。下手に動いたら極太の点滴針で縫い止める」
加蓮「仮にも、医者の言うことか…………」
398: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:36:13.64 ID:oyrpMvNz0
「キミが今どういう立場にあるかは……プロデューサーさんとやらから聞いたけれど、2度と動けない身体にはなりたくないだろう」
「明日以降は……、…………さて、主治医としては安静にしていろと言いたくなるけど……」
「お陰で子供の隠れ場所に詳しくなってしまった身としては、どうしたものか」
「動くな、と言っても、どうせどうにかして逃げ出すだろ、キミ」
加蓮「…………」ギロ
「分かった分かった。何も言わない。激しい運動だけは厳禁だ。それ以外は――繰り返すが、キミは生きているのが不思議な方なんだ」
「それを肝に銘じていれば、私からは何も言わないでおこうかな」
加蓮「…………」
「……キミが倒れている間に2人のお客さんが来た。昔、キミが大げんかしていたプロデューサーさんとやらと、キミくらいの歳の女の子だ」
「2人ともひどくキミを心配していた。女の子の方は泣くのをずっと堪えていたみたいだね」
「明日以降は……、…………さて、主治医としては安静にしていろと言いたくなるけど……」
「お陰で子供の隠れ場所に詳しくなってしまった身としては、どうしたものか」
「動くな、と言っても、どうせどうにかして逃げ出すだろ、キミ」
加蓮「…………」ギロ
「分かった分かった。何も言わない。激しい運動だけは厳禁だ。それ以外は――繰り返すが、キミは生きているのが不思議な方なんだ」
「それを肝に銘じていれば、私からは何も言わないでおこうかな」
加蓮「…………」
「……キミが倒れている間に2人のお客さんが来た。昔、キミが大げんかしていたプロデューサーさんとやらと、キミくらいの歳の女の子だ」
「2人ともひどくキミを心配していた。女の子の方は泣くのをずっと堪えていたみたいだね」
399: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:36:43.79 ID:oyrpMvNz0
「いいかい。キミがどんな行動を取ろうと――主治医としてはともあれ、私個人としては何も言わない。キミが動きたがる気持ちも分かる」
「ただ、覚えておくといい」
「どんな形であれ、人は人と関わりを持つと、自分が自分だけの物じゃなくなる」
「キミが傷つくと、それ以上に傷つく人がいる」
「キミはキミだけの物じゃない」
「何をするべきか、考えるようにね」
「……それとも、もっと直接話法で言った方がいいかい? 慣れたこととはいえ、できれば私はそれを言いたくない。まして幼稚園に入るよりも前の縁のキミには」
加蓮「いい」
「そうか。じゃあ、私は他の患者のところに行ってくるから……少し考えなさい」
「主治医としては絶対安静としか言いようがないけれど――」
「ただ、覚えておくといい」
「どんな形であれ、人は人と関わりを持つと、自分が自分だけの物じゃなくなる」
「キミが傷つくと、それ以上に傷つく人がいる」
「キミはキミだけの物じゃない」
「何をするべきか、考えるようにね」
「……それとも、もっと直接話法で言った方がいいかい? 慣れたこととはいえ、できれば私はそれを言いたくない。まして幼稚園に入るよりも前の縁のキミには」
加蓮「いい」
「そうか。じゃあ、私は他の患者のところに行ってくるから……少し考えなさい」
「主治医としては絶対安静としか言いようがないけれど――」
400: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:37:13.51 ID:oyrpMvNz0
「…………では、また後で」
<ガチャ
加蓮「…………」
加蓮「………………ずっと、続いてきたんだ」
加蓮「昨日も今日も明日も、続いていくんだ……」
加蓮「ずっと、ずっと…………」
加蓮「だから――」
加蓮「泣くことなんて、ないんだっ…………!」
<ガチャ
加蓮「…………」
加蓮「………………ずっと、続いてきたんだ」
加蓮「昨日も今日も明日も、続いていくんだ……」
加蓮「ずっと、ずっと…………」
加蓮「だから――」
加蓮「泣くことなんて、ないんだっ…………!」
402: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:37:45.03 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(火曜日)――
<ドタドタドタ
<ここは病院ですよ!
<ガチャ
P「加蓮!」柚「加蓮サン!」
加蓮「……Pさん、柚…………」ムク
P「ああ、いい、そのままでいいぞ加蓮、横になっていろ!」
加蓮「そうはいかないよ……2人の顔、ちゃんと見たいもん」
加蓮「ふふっ。何を急いでるんだか。さっき看護師さんに叱られたでしょ。……私が、死んじゃったとでも思ってたの?」
P「お前……お前なああぁ…………!!」
柚「アタシ達ものすごく心配したんだよ! しかも加蓮サンっ病院から逃げて事務所に来たってPサン言ってたしその後にここに来ても合わせられないからって言うし!」
P「なんであんなことしたんだよ! お前……病院から逃げ出すとか! 倒れたならせめて大人しくしとけよ……!」
加蓮「……ごめんなさい」
<ドタドタドタ
<ここは病院ですよ!
<ガチャ
P「加蓮!」柚「加蓮サン!」
加蓮「……Pさん、柚…………」ムク
P「ああ、いい、そのままでいいぞ加蓮、横になっていろ!」
加蓮「そうはいかないよ……2人の顔、ちゃんと見たいもん」
加蓮「ふふっ。何を急いでるんだか。さっき看護師さんに叱られたでしょ。……私が、死んじゃったとでも思ってたの?」
P「お前……お前なああぁ…………!!」
柚「アタシ達ものすごく心配したんだよ! しかも加蓮サンっ病院から逃げて事務所に来たってPサン言ってたしその後にここに来ても合わせられないからって言うし!」
P「なんであんなことしたんだよ! お前……病院から逃げ出すとか! 倒れたならせめて大人しくしとけよ……!」
加蓮「……ごめんなさい」
403: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:38:13.55 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚のことを思い出したら、いてもたってもいられなくなって」
柚「そんなのアタシぜんぜん嬉しくないっ!!」
加蓮「…………」
柚「ホントだよ! 加蓮サンっ……約束なんてもっと後でいいよ! 後でいいんだから……!」
加蓮「……そうだよね……時間なんて、いくらでもあるのに。ちょっと私、焦っちゃったな」
加蓮「ほら、柚がどんどん遠くに行っちゃうみたいで」
柚「アタシずっと加蓮サンのとこにいるから! 今日も、ほら! 着替え持ってきた! アタシここに泊まるからね!」
加蓮「あのね、そんなこと――」
P「それが加蓮、残念ながら主治医が了承済みだ」
加蓮「……マジ?」
P「あの人すげえな。柚ちゃんががっくがっく揺さぶっても微動だにせず了解してくれたからな」
柚「オトナの女の人って感じだったね。とにかく加蓮サン、アタシずっとここにいるからね!」
柚「そんなのアタシぜんぜん嬉しくないっ!!」
加蓮「…………」
柚「ホントだよ! 加蓮サンっ……約束なんてもっと後でいいよ! 後でいいんだから……!」
加蓮「……そうだよね……時間なんて、いくらでもあるのに。ちょっと私、焦っちゃったな」
加蓮「ほら、柚がどんどん遠くに行っちゃうみたいで」
柚「アタシずっと加蓮サンのとこにいるから! 今日も、ほら! 着替え持ってきた! アタシここに泊まるからね!」
加蓮「あのね、そんなこと――」
P「それが加蓮、残念ながら主治医が了承済みだ」
加蓮「……マジ?」
P「あの人すげえな。柚ちゃんががっくがっく揺さぶっても微動だにせず了解してくれたからな」
柚「オトナの女の人って感じだったね。とにかく加蓮サン、アタシずっとここにいるからね!」
404: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:38:43.97 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……ふざけんな。アンタはアイドルでしょ」
柚「加蓮サンの友達だもん!」
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………今日だけだよ。まだ撮影の途中でしょ? 明日からは、現場に行きなさい」
柚「でも――」
加蓮「柚。アイドルが向かないといけないのは、どっちの方?」
柚「……………………わかった」
加蓮「ん。よろしい」
柚「加蓮サンの友達だもん!」
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………今日だけだよ。まだ撮影の途中でしょ? 明日からは、現場に行きなさい」
柚「でも――」
加蓮「柚。アイドルが向かないといけないのは、どっちの方?」
柚「……………………わかった」
加蓮「ん。よろしい」
405: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:39:13.68 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……その、こういうこと、よくあるんだ、私。最近は安定してたけどな……」
加蓮「昔、小さい頃なんてホントに入退院を繰り返してたの。そういえば話してないんだったっけ」
加蓮「心配させてごめんね、柚」
柚「ホントだよ! 加蓮サンが倒れた時とかもうホント、どしたらいいのか分かんなかったもんっ……」
柚「ねえ加蓮サン……加蓮さん。大丈夫、なんだよね? 死んじゃったりしないよね? いなくなったりしないよね……?」
加蓮「……もし、私が死んだら」
柚「――っ」ブルブル
加蓮「……そっか。じゃあ、死ぬ気で生きなきゃ。死ぬ気で生きて、柚をプロデュースしなきゃ」
P「加蓮。主治医からは何か聞いているか?」
加蓮「何か、って?」
P「……いや、いい。全快するまでゆっくり休んでろ。その間のことは俺がやるから」
加蓮「昔、小さい頃なんてホントに入退院を繰り返してたの。そういえば話してないんだったっけ」
加蓮「心配させてごめんね、柚」
柚「ホントだよ! 加蓮サンが倒れた時とかもうホント、どしたらいいのか分かんなかったもんっ……」
柚「ねえ加蓮サン……加蓮さん。大丈夫、なんだよね? 死んじゃったりしないよね? いなくなったりしないよね……?」
加蓮「……もし、私が死んだら」
柚「――っ」ブルブル
加蓮「……そっか。じゃあ、死ぬ気で生きなきゃ。死ぬ気で生きて、柚をプロデュースしなきゃ」
P「加蓮。主治医からは何か聞いているか?」
加蓮「何か、って?」
P「……いや、いい。全快するまでゆっくり休んでろ。その間のことは俺がやるから」
406: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:39:44.20 ID:oyrpMvNz0
P「加蓮がいない間は臨時で柚ちゃんにつくけど、それくらいは許してくれよ」
柚「えとっ……う、うん、分かった。お願いします、Pサン!」
加蓮「残念だねPさん。柚はPさんよりも私の方が好きみたいだ」
P「これは一本取られたなぁ」ハハハ
柚「え、えーっ、そんなことないよ? もー照れちゃうなっ」
加蓮「ふふっ」
P「ははっ」
柚「……へへっ♪」
柚「えとっ……う、うん、分かった。お願いします、Pサン!」
加蓮「残念だねPさん。柚はPさんよりも私の方が好きみたいだ」
P「これは一本取られたなぁ」ハハハ
柚「え、えーっ、そんなことないよ? もー照れちゃうなっ」
加蓮「ふふっ」
P「ははっ」
柚「……へへっ♪」
407: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:40:13.54 ID:oyrpMvNz0
P「じゃあ俺は事務所に戻るけど、何かあったらすぐ連絡してくれよ柚ちゃん。飛んで行くから」
柚「あいあいさー!」
加蓮「ちょっと。そこは私に言うところじゃないの?」
P「お前、何かあっても連絡してこねえだろ……」
加蓮「うっわ信頼ないなぁ」
柚「だいじょーぶ、アタシがちゃんと見張っとくから!」
P「頼む。本当は俺もついていてやりたいんだが……加蓮の分の仕事もあるしな。明日も来るからな、加蓮!」
加蓮「むしろ私から事務所に行ってやるっ」
柚「こらーっ! 加蓮サンは絶対安静! 治るまで寝てろーっ」グイ
加蓮「むぅ…………」
P「俺のことは気にするなって。じゃあな」
<ガチャ
408: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:40:43.35 ID:oyrpMvNz0
加蓮「はぁ…………」
柚「…………」
加蓮「…………柚?」
柚「…………」ギュ
柚「ホントに……大丈夫なんだよね? 加蓮サン」
柚「いなくなったり、しないよね?」
加蓮「……当たり前でしょ。まだまだ、アンタ1人じゃ不安なんだし……それに約束――」
柚「そんなの後でいいよ!」
柚「後でいい、から…………!」
加蓮「……柚が、そう言うなら」
柚「うん……」
柚「…………」
加蓮「…………柚?」
柚「…………」ギュ
柚「ホントに……大丈夫なんだよね? 加蓮サン」
柚「いなくなったり、しないよね?」
加蓮「……当たり前でしょ。まだまだ、アンタ1人じゃ不安なんだし……それに約束――」
柚「そんなの後でいいよ!」
柚「後でいい、から…………!」
加蓮「……柚が、そう言うなら」
柚「うん……」
409: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:41:13.52 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
柚「…………」
加蓮「…………」
柚「…………」
柚「…………」
加蓮「…………」
柚「…………」
410: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:41:43.33 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(水曜日)――
加蓮「…………」(ぼーっと窓の外を見る)
加蓮「…………」
加蓮「…………」
<コンコン
加蓮「どうぞー」
<ガチャ
柚「加蓮サン、いる~?」ソロー
加蓮「柚?」
柚「いた! 加蓮サン、やっほ、ぅ…………」
柚「…………」
加蓮「……? どうしたの? ん~~~今さ、ヒマでヒマでしょうがないから窓の外を見てたんだ。雲が流れてるな~、って」
加蓮「だから柚が来てくれて助かったよ。ふふっ、退屈なんて――」
柚「…………」
加蓮「…………」(ぼーっと窓の外を見る)
加蓮「…………」
加蓮「…………」
<コンコン
加蓮「どうぞー」
<ガチャ
柚「加蓮サン、いる~?」ソロー
加蓮「柚?」
柚「いた! 加蓮サン、やっほ、ぅ…………」
柚「…………」
加蓮「……? どうしたの? ん~~~今さ、ヒマでヒマでしょうがないから窓の外を見てたんだ。雲が流れてるな~、って」
加蓮「だから柚が来てくれて助かったよ。ふふっ、退屈なんて――」
柚「…………」
411: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:42:13.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………柚? どうしたの?」
柚「う、ううんっ。あのねっ、今日もいろんなことがあって、加蓮サンといっぱい話したいって思ってたんだけど……」
柚「加蓮サン見たら、なんか……」
柚「…………加蓮サンが……どっかに、消えちゃいそうで…………」
加蓮「……柚……」
柚「そ、そーだ! これお土産! 学校の帰りに買ってきたの。アップルパイ! コンビニに売ってたんだっ」
柚「そんでー、こっちがアタシの分! あむっ」パクー
柚「……うまー♪ あっでも前に忍チャンと一緒に行ったお店の方が美味しかったカモ?」
加蓮「…………」ジー
柚「それ、加蓮サンにあげる。一緒に食べよっ」
加蓮「ん……じゃあ、少しだけ」
柚「う、ううんっ。あのねっ、今日もいろんなことがあって、加蓮サンといっぱい話したいって思ってたんだけど……」
柚「加蓮サン見たら、なんか……」
柚「…………加蓮サンが……どっかに、消えちゃいそうで…………」
加蓮「……柚……」
柚「そ、そーだ! これお土産! 学校の帰りに買ってきたの。アップルパイ! コンビニに売ってたんだっ」
柚「そんでー、こっちがアタシの分! あむっ」パクー
柚「……うまー♪ あっでも前に忍チャンと一緒に行ったお店の方が美味しかったカモ?」
加蓮「…………」ジー
柚「それ、加蓮サンにあげる。一緒に食べよっ」
加蓮「ん……じゃあ、少しだけ」
412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:42:43.51 ID:oyrpMvNz0
柚「へへっ」ガサゴソ
柚「はい、加蓮サン。あーんっ♪」
加蓮「あーん……」モグモグ
加蓮(……よかった。前みたいな吐き気はない)
加蓮「って、自分で食べれるよ。子供じゃないんだし……ってシーツにボロボロこぼれてるし! 後で怒られちゃう!」ガサゴソ
柚「もいっこ、あーん♪」
加蓮「あー……」モグモグ
加蓮「いやだから自分で食べられるってば!」
柚「まあまあ。加蓮サンがお仕事してる時もこうやって食べさせてあげるよ?」
加蓮「やめろ! Pさんに大笑いされるし!」
柚「あははっ」
柚「はい、加蓮サン。あーんっ♪」
加蓮「あーん……」モグモグ
加蓮(……よかった。前みたいな吐き気はない)
加蓮「って、自分で食べれるよ。子供じゃないんだし……ってシーツにボロボロこぼれてるし! 後で怒られちゃう!」ガサゴソ
柚「もいっこ、あーん♪」
加蓮「あー……」モグモグ
加蓮「いやだから自分で食べられるってば!」
柚「まあまあ。加蓮サンがお仕事してる時もこうやって食べさせてあげるよ?」
加蓮「やめろ! Pさんに大笑いされるし!」
柚「あははっ」
413: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:43:13.57 ID:oyrpMvNz0
柚「ね、加蓮サン。ちょっと外に出ようよ!」
加蓮「外?」
柚「そそ。ずっとここにいたら息がつまっちゃうよ。アタシとお散歩! それくらいならいいでしょ?」
加蓮「まあ、中庭を歩くくらいなら……歩ける、かなぁ……」
柚「……そんなに、ひどいの?」
加蓮「ひどいっていうか、体力が空っぽなんだ。歩けなくはない……うん、大丈夫だけどね。ちょっとだけなら――」
柚「あ、そーだ! じゃあアタシ"アレ"借りてくる! ちょっと待ってて加蓮サン!」タタッ
<バタン!
<タタタッ
<ここは病院ですよ!
<ごめんなさーい!
加蓮「…………"アレ"って?」
加蓮「外?」
柚「そそ。ずっとここにいたら息がつまっちゃうよ。アタシとお散歩! それくらいならいいでしょ?」
加蓮「まあ、中庭を歩くくらいなら……歩ける、かなぁ……」
柚「……そんなに、ひどいの?」
加蓮「ひどいっていうか、体力が空っぽなんだ。歩けなくはない……うん、大丈夫だけどね。ちょっとだけなら――」
柚「あ、そーだ! じゃあアタシ"アレ"借りてくる! ちょっと待ってて加蓮サン!」タタッ
<バタン!
<タタタッ
<ここは病院ですよ!
<ごめんなさーい!
加蓮「…………"アレ"って?」
414: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:43:43.45 ID:oyrpMvNz0
――病院の中庭――
加蓮「そっか、アレって車椅子のことだったんだ」(車椅子に乗ってる)
柚「うんうん♪ ドラマとかでよく見るじゃんこーいうの。アタシやってみたかったんだ」(車椅子を押してる)
柚「でもアタシ乗る方がよかったかも。加蓮サン加蓮サン、交代しない? ちょっとだけ!」
加蓮「何の為にこれ借りてきたのよ……」
柚「えーと、加蓮サンが歩くと疲れちゃうから? ……あ、そっか!」
加蓮「ふふっ」
加蓮「…………でもこれ、落ち着かないなぁ」
柚「そーなの?」
加蓮「自分の足で歩いてたもん。ずっと。昔から入院退院してばっかだったけど、車椅子ってことはほとんどなくて……」
加蓮「それに、これさ。柚と喋ってても柚が見えないから、すごく変な感じ」
柚「じゃあ加蓮サンが寂しくないように柚がガンガン喋っちゃうね!」
加蓮「そっか、アレって車椅子のことだったんだ」(車椅子に乗ってる)
柚「うんうん♪ ドラマとかでよく見るじゃんこーいうの。アタシやってみたかったんだ」(車椅子を押してる)
柚「でもアタシ乗る方がよかったかも。加蓮サン加蓮サン、交代しない? ちょっとだけ!」
加蓮「何の為にこれ借りてきたのよ……」
柚「えーと、加蓮サンが歩くと疲れちゃうから? ……あ、そっか!」
加蓮「ふふっ」
加蓮「…………でもこれ、落ち着かないなぁ」
柚「そーなの?」
加蓮「自分の足で歩いてたもん。ずっと。昔から入院退院してばっかだったけど、車椅子ってことはほとんどなくて……」
加蓮「それに、これさ。柚と喋ってても柚が見えないから、すごく変な感じ」
柚「じゃあ加蓮サンが寂しくないように柚がガンガン喋っちゃうね!」
415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:44:14.06 ID:oyrpMvNz0
加蓮「別に寂しい訳じゃ……あ、でも柚の話は聞いてみたいな。どう? 上手くやれてる?」
柚「うんっ! 加蓮サンがいつ戻ってもいいようにしてる! 撮影は順調だしレッスンも! それからね、またフリルドスクエアでのLIVEが決まったんだ!」
加蓮「へえ……後でPさんにスケジュール確認しとこ」
柚「しあさってに穂乃香チャンとこに行くんだ。次のLIVEはあずきチャンが主役! フリルドスクエアの新人サンだもんねっ。あっ、ってことはアタシ先輩!?」
柚「あずきチャンにしっかり教えなきゃっ。ふっふっふ~、芸能界は厳しいとこなんだぞ~?」
加蓮「いや、あずきちゃんだって前からアイドルやってたんでしょ……」
柚「例えば~、ツノを生やすプロデューサーサンがいたり~」
加蓮「おい、それ誰のことだ」ゴゴゴゴゴ
柚「うんっ! 加蓮サンがいつ戻ってもいいようにしてる! 撮影は順調だしレッスンも! それからね、またフリルドスクエアでのLIVEが決まったんだ!」
加蓮「へえ……後でPさんにスケジュール確認しとこ」
柚「しあさってに穂乃香チャンとこに行くんだ。次のLIVEはあずきチャンが主役! フリルドスクエアの新人サンだもんねっ。あっ、ってことはアタシ先輩!?」
柚「あずきチャンにしっかり教えなきゃっ。ふっふっふ~、芸能界は厳しいとこなんだぞ~?」
加蓮「いや、あずきちゃんだって前からアイドルやってたんでしょ……」
柚「例えば~、ツノを生やすプロデューサーサンがいたり~」
加蓮「おい、それ誰のことだ」ゴゴゴゴゴ
416: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:44:43.48 ID:oyrpMvNz0
柚「ギャー! い、いい今の加蓮サンのことです! 顔見えないけどなんかごごごごごってのが出てる! なんか出てる!」
加蓮「はー……」
柚「しあさってのレッスン、楽しみだなー。また加蓮サンに教えてあげるね!」
加蓮「…………」
柚「ちょっと休憩!」ピタッ
柚「へへっ」テテッ
柚「やほっ加蓮サン! 10分ぶり!」ニパッ
加蓮「……やっほ、柚。やっぱり柚の顔を見てる方が落ち着くね」
柚「そう~? じゃあ柚、癒し系? 癒やされちゃう?」
加蓮「癒されちゃう癒やされちゃう」
柚「そっかー」
加蓮「はー……」
柚「しあさってのレッスン、楽しみだなー。また加蓮サンに教えてあげるね!」
加蓮「…………」
柚「ちょっと休憩!」ピタッ
柚「へへっ」テテッ
柚「やほっ加蓮サン! 10分ぶり!」ニパッ
加蓮「……やっほ、柚。やっぱり柚の顔を見てる方が落ち着くね」
柚「そう~? じゃあ柚、癒し系? 癒やされちゃう?」
加蓮「癒されちゃう癒やされちゃう」
柚「そっかー」
417: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:45:13.28 ID:oyrpMvNz0
加蓮「一家に一台、癒し系柚」
柚「アタシは1人しかいないよー。だから、加蓮サン専用だね!」
加蓮「えー、私はこんなやかましいのは家に置きたくないなー」
柚「あれー!? アタシいらない子!?」
加蓮「家に置いといたらアタシのお菓子とかぜんぶ食べられそうだし」
柚「半分こ半分こ! ねっ。半分こしよ!」
加蓮「それならいっか」
柚「えっと……アタシ、いる子……だよね?」
加蓮「いる子いる子。早く退院して、また柚のプロデュースをしたいな」
柚「……うんっ。アタシも! 加蓮サンとこーして喋って、そしたらすごいやる気が出るんだ。やっぱり、加蓮サンがいないとね!」
加蓮「そう? もう1人でもやっていけるんじゃないの~? 私がいなくてもアイドルうまくやれてるみたいだし?」
柚「アタシは1人しかいないよー。だから、加蓮サン専用だね!」
加蓮「えー、私はこんなやかましいのは家に置きたくないなー」
柚「あれー!? アタシいらない子!?」
加蓮「家に置いといたらアタシのお菓子とかぜんぶ食べられそうだし」
柚「半分こ半分こ! ねっ。半分こしよ!」
加蓮「それならいっか」
柚「えっと……アタシ、いる子……だよね?」
加蓮「いる子いる子。早く退院して、また柚のプロデュースをしたいな」
柚「……うんっ。アタシも! 加蓮サンとこーして喋って、そしたらすごいやる気が出るんだ。やっぱり、加蓮サンがいないとね!」
加蓮「そう? もう1人でもやっていけるんじゃないの~? 私がいなくてもアイドルうまくやれてるみたいだし?」
418: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:45:43.44 ID:oyrpMvNz0
柚「ムリっ。アタシがアイドルやれてるのは加蓮サンがいるからだよ。アタシ1人じゃなんにもできないよ」
加蓮「できるできる。もうベテランアイドルじゃん」
柚「ベテランなんて照れちゃうなー、ってそうじゃなくてー! それにアタシ1人だったら、絶対、やる気が続かないっ。3日で逃げちゃうもんアタシ。そーいう時に怒ってくれる人がいなきゃ!」
柚「あ、でも柚のことはもっと甘やかしてほしいな。柚は甘えられたい系!」
加蓮「じゃあ、柚。ほら」クイクイ
柚「うんっ」
加蓮「うぅ、手が届かない…………」プルプル
柚「じゃあ、もっと!」グイ
加蓮「あ、届いた……よーしよーし」ナデナデ
柚「えへへぇ」
加蓮「できるできる。もうベテランアイドルじゃん」
柚「ベテランなんて照れちゃうなー、ってそうじゃなくてー! それにアタシ1人だったら、絶対、やる気が続かないっ。3日で逃げちゃうもんアタシ。そーいう時に怒ってくれる人がいなきゃ!」
柚「あ、でも柚のことはもっと甘やかしてほしいな。柚は甘えられたい系!」
加蓮「じゃあ、柚。ほら」クイクイ
柚「うんっ」
加蓮「うぅ、手が届かない…………」プルプル
柚「じゃあ、もっと!」グイ
加蓮「あ、届いた……よーしよーし」ナデナデ
柚「えへへぇ」
419: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:46:13.72 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚はいつも頑張ってるね……いつも、ありがとね。すぐに回復して事務所に戻るから……ちょっとの間だけ、ごめんね?」
柚「許す!」
加蓮「許されちゃったかっ」ナデナデ
加蓮「…………」ナデナデ
加蓮「……もしも…………」
柚「?」
加蓮「なんでもない」ナデナデ
柚「えへへぇ…………はっ!」バッ
柚「…………」キョロキョロ
加蓮「ん? ああ、大丈夫大丈夫。誰もこっちのことなんて気にしてないし……」
加蓮「相変わらず周りの目が気になるんだね」
柚「許す!」
加蓮「許されちゃったかっ」ナデナデ
加蓮「…………」ナデナデ
加蓮「……もしも…………」
柚「?」
加蓮「なんでもない」ナデナデ
柚「えへへぇ…………はっ!」バッ
柚「…………」キョロキョロ
加蓮「ん? ああ、大丈夫大丈夫。誰もこっちのことなんて気にしてないし……」
加蓮「相変わらず周りの目が気になるんだね」
420: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:46:43.44 ID:oyrpMvNz0
柚「う、うんっ。加蓮サンだから甘えられるの! 他の人に見られるなんてムリっ」
加蓮「そっか……」
加蓮「……じゃ、続きは病室でやろっか。あそこなら誰もいないから、見られることもないよ」
柚「加蓮サン、グッドアイディア! じゃー戻ろっ!」グイグイ
加蓮「うん……」
加蓮「そっか……」
加蓮「……じゃ、続きは病室でやろっか。あそこなら誰もいないから、見られることもないよ」
柚「加蓮サン、グッドアイディア! じゃー戻ろっ!」グイグイ
加蓮「うん……」
421: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:47:13.75 ID:oyrpMvNz0
からころからころ……
柚「加蓮サンを運ぶのちょっと楽しいかも。ねね、退院してからも車椅子、使わない?」
加蓮「えー? やっぱり自分で歩きたいよ……それならさ、どうしても疲れて動けない時にはお願いしちゃおっかな」
柚「オッケー! いつでも言ってね。柚タクシー、24時間いつでも加蓮サンの為に待ってます!」
加蓮「ふふっ、なにそれ……」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:47:43.49 ID:oyrpMvNz0
――病室・夜――
加蓮「ん…………」ネガエリ
加蓮(……寝られない……)
加蓮(眠たいけど、なんだか、寝られない……)
加蓮「よいしょ、っと……」オキアガル
加蓮「トイレ…………」テクテク
加蓮「ん…………」ネガエリ
加蓮(……寝られない……)
加蓮(眠たいけど、なんだか、寝られない……)
加蓮「よいしょ、っと……」オキアガル
加蓮「トイレ…………」テクテク
423: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:48:13.71 ID:oyrpMvNz0
<バタン
加蓮「…………」
加蓮「…………」ベッドニモグル
加蓮「…………」ガサゴソ
<00:13
加蓮「…………静かにすれば、いいかな……」ポチ
<トゥルルル,トゥル ガチャ
P『もしもし!? 加蓮!? どうした!?』
加蓮「……あはっ。慌てすぎだよ、Pさん。別に何もないよ」
P『そ……そうか。よかった……』
加蓮「な、なんかごめん。ちょっとその……眠れなくて。なんとなく電話してみただけなんだ。やっぱり、迷惑だった?」
P『いや。ちょうど酒を飲んでてさ、誰かと話したくなったところだったんだ。ナイスタイミングだぞ、加蓮』
加蓮「…………」
加蓮「…………」ベッドニモグル
加蓮「…………」ガサゴソ
<00:13
加蓮「…………静かにすれば、いいかな……」ポチ
<トゥルルル,トゥル ガチャ
P『もしもし!? 加蓮!? どうした!?』
加蓮「……あはっ。慌てすぎだよ、Pさん。別に何もないよ」
P『そ……そうか。よかった……』
加蓮「な、なんかごめん。ちょっとその……眠れなくて。なんとなく電話してみただけなんだ。やっぱり、迷惑だった?」
P『いや。ちょうど酒を飲んでてさ、誰かと話したくなったところだったんだ。ナイスタイミングだぞ、加蓮』
424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:48:43.77 ID:oyrpMvNz0
加蓮「お酒かー。あと数年したら私も飲めるんだっけ……なんだか現実味がないなー」
P『なんだったら退院してからちょびっと飲んでみるか? はは、大丈夫。俺なんか高校の頃から隠れて飲んでたからな、ははは』
加蓮「…………酔ってる?」
P『ちょっとなー』
加蓮「そ、そう」アハハ
P『んでー? どうしたんだよ。早く寝ないと調子崩すぞ?』
加蓮「酔っててもそれなの……? ごめん、ホントになんでもないの。ちょっと電話してみただけ」
P『ハァ? そんな訳あるかー』
加蓮「はい?」
P『お前がなんでもないって言って、なんでもなかったことなんてないぞー? 俺は加蓮の担当で上司だからな、知ってんだぞー? はは』
加蓮「…………」
P『なんだったら退院してからちょびっと飲んでみるか? はは、大丈夫。俺なんか高校の頃から隠れて飲んでたからな、ははは』
加蓮「…………酔ってる?」
P『ちょっとなー』
加蓮「そ、そう」アハハ
P『んでー? どうしたんだよ。早く寝ないと調子崩すぞ?』
加蓮「酔っててもそれなの……? ごめん、ホントになんでもないの。ちょっと電話してみただけ」
P『ハァ? そんな訳あるかー』
加蓮「はい?」
P『お前がなんでもないって言って、なんでもなかったことなんてないぞー? 俺は加蓮の担当で上司だからな、知ってんだぞー? はは』
加蓮「…………」
425: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:49:13.60 ID:oyrpMvNz0
P『お前は昔っからそんなんだからなぁ。歳不相当っつーか、諦観主義っつーか。いや、少し違うかー』
P『まあいいや。ほら、どうせてっぺん越えてんだ、話せ話せ。ゲロって楽になっちまえ』
P『それとも今からそっち行くかー? 上司と部下、たまには交流を深めてみるか! はは』
加蓮「そんなことしなくていいよ。もう病院だって閉まってるだろうし……それにPさん飲んでるんでしょ? 飲酒運転になっちゃうよ?」
P『おお、危ないところだった。さんきゅーな加蓮』グビグビ
加蓮「ど、どういたしまして……」
加蓮「…………」
P『…………』グビグビ
P『まあいいや。ほら、どうせてっぺん越えてんだ、話せ話せ。ゲロって楽になっちまえ』
P『それとも今からそっち行くかー? 上司と部下、たまには交流を深めてみるか! はは』
加蓮「そんなことしなくていいよ。もう病院だって閉まってるだろうし……それにPさん飲んでるんでしょ? 飲酒運転になっちゃうよ?」
P『おお、危ないところだった。さんきゅーな加蓮』グビグビ
加蓮「ど、どういたしまして……」
加蓮「…………」
P『…………』グビグビ
426: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:49:43.53 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……ねえ、Pさん」
P『ぁ?』
加蓮「自分は、自分だけの物じゃない――って言葉、どう思う?」
P『自分は自分だけじゃない? プロデューサーのことか?」
加蓮「Pさんのこと……?」
P『俺じゃなくて、プロデューサー。だってプロデューサーがいないとアイドルは輝けないだろ?』
加蓮「……そうだね」
P『だから俺だってなぁ、こうやって酒を飲んでストレスを発散してんだぞ? これも加蓮の為――って加蓮はアイドルじゃなかったな、今は』
加蓮「…………」
P『なー……いつアイドルに復帰すんだよ、加蓮。待ってんだぞー?』
加蓮「え…………?」
P『ぁ?』
加蓮「自分は、自分だけの物じゃない――って言葉、どう思う?」
P『自分は自分だけじゃない? プロデューサーのことか?」
加蓮「Pさんのこと……?」
P『俺じゃなくて、プロデューサー。だってプロデューサーがいないとアイドルは輝けないだろ?』
加蓮「……そうだね」
P『だから俺だってなぁ、こうやって酒を飲んでストレスを発散してんだぞ? これも加蓮の為――って加蓮はアイドルじゃなかったな、今は』
加蓮「…………」
P『なー……いつアイドルに復帰すんだよ、加蓮。待ってんだぞー?』
加蓮「え…………?」
427: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:50:13.53 ID:oyrpMvNz0
P『復帰見込みがないなら新しく担当つけろーって上がうっさいけどさー、俺の担当は加蓮しかいねえんだっての。余計なお世話だー』グビグビ
加蓮「ちょ……待ってPさん。アイドルに復帰するの待ってるって、それ……でも私の上司の方が楽しいって、アイドルに戻らない方が安心できるって、前に……」
P『はぁ? あんなもん建前に決まってんだろ。そうでも言わないとお前、自分のせいでーとか言い出すし』
P『アイドルが続けられなくなったあの時、お前何回謝ったんだよ。あんな加蓮はもう見たくねえんだよー』グビグビ
加蓮「…………そ、か」
P『ぷはっ。あー、でも部下が加蓮ってのはやっぱ捨てがたいなぁ』
加蓮「はい?」
P『加蓮に頼られるのってけっこう好きなんだよなー、おう、もっと頼ってくれよ。俺は上司だぞー』
加蓮「う、うん」
加蓮「ちょ……待ってPさん。アイドルに復帰するの待ってるって、それ……でも私の上司の方が楽しいって、アイドルに戻らない方が安心できるって、前に……」
P『はぁ? あんなもん建前に決まってんだろ。そうでも言わないとお前、自分のせいでーとか言い出すし』
P『アイドルが続けられなくなったあの時、お前何回謝ったんだよ。あんな加蓮はもう見たくねえんだよー』グビグビ
加蓮「…………そ、か」
P『ぷはっ。あー、でも部下が加蓮ってのはやっぱ捨てがたいなぁ』
加蓮「はい?」
P『加蓮に頼られるのってけっこう好きなんだよなー、おう、もっと頼ってくれよ。俺は上司だぞー』
加蓮「う、うん」
428: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:50:43.59 ID:oyrpMvNz0
P『つまり加蓮は加蓮のやりたいようにやってくれってこった。よく柚ちゃんにも言ってるだろ? あれとおんなじだよ』
P『いや、でもアイドルの加蓮をまたプロデュースしたく……しかし加蓮とプロデューサーやるってのもなかなか……アイドルの加蓮……プロデューサーの加蓮……』
加蓮「……な、なんかごめんね?」
P『あー! 違う! 違う! それが一番聞きたくねえんだっての! いいかぁ加蓮。謝るな! 謝ってもいいことなんて何もないぞ!』
加蓮「あ、うん、ごめ――じゃなくて……えっと、わ、分かったっ」
P『おーう』
加蓮「……プロデューサーがいないと、か」
加蓮「柚も、そうなのかな」
P『柚ちゃん? あったりまえだろ。お前な、最近の柚ちゃんすげえぞ? 移動時間とかぜんぶ加蓮の話。加蓮の豆知識大会とかあったら俺もう優勝できるぜー? はは』
加蓮「…………」
P『いや、でもアイドルの加蓮をまたプロデュースしたく……しかし加蓮とプロデューサーやるってのもなかなか……アイドルの加蓮……プロデューサーの加蓮……』
加蓮「……な、なんかごめんね?」
P『あー! 違う! 違う! それが一番聞きたくねえんだっての! いいかぁ加蓮。謝るな! 謝ってもいいことなんて何もないぞ!』
加蓮「あ、うん、ごめ――じゃなくて……えっと、わ、分かったっ」
P『おーう』
加蓮「……プロデューサーがいないと、か」
加蓮「柚も、そうなのかな」
P『柚ちゃん? あったりまえだろ。お前な、最近の柚ちゃんすげえぞ? 移動時間とかぜんぶ加蓮の話。加蓮の豆知識大会とかあったら俺もう優勝できるぜー? はは』
加蓮「…………」
429: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:51:13.50 ID:oyrpMvNz0
P『でも柚ちゃんってすげえなー。最近は、ほら、いろんなとこから声かけられてるし。でもダメな物はダメってきっぱり言ってるし』
P『そのうち1人でアイドルできるかもしれないなー……って、おおっと。加蓮がいらないとかじゃないぞ、断じてない』
P『やっぱプロデューサーがいてのアイドルだよな。うん。プロデューサーがいてこそのアイドル』
加蓮「…………それじゃ、駄目なの」
P『あ?』
加蓮「ねえPさん。もしかしたら、私――」
加蓮「…………ううん、なんでもない。そうだよね。アイドルには、プロデューサーがいないとね」
加蓮「私にとってのPさんもそうだった。Pさんがいたから、私は」
P『ストーップ。ストップだ加蓮。お前な、いい年した野郎が酒を入れた時の涙腺の弱さを知らんだろ。泣くぞ? みっともなく泣いちゃうぞ?』
加蓮「じゃあやめとこっか」
P『そのうち1人でアイドルできるかもしれないなー……って、おおっと。加蓮がいらないとかじゃないぞ、断じてない』
P『やっぱプロデューサーがいてのアイドルだよな。うん。プロデューサーがいてこそのアイドル』
加蓮「…………それじゃ、駄目なの」
P『あ?』
加蓮「ねえPさん。もしかしたら、私――」
加蓮「…………ううん、なんでもない。そうだよね。アイドルには、プロデューサーがいないとね」
加蓮「私にとってのPさんもそうだった。Pさんがいたから、私は」
P『ストーップ。ストップだ加蓮。お前な、いい年した野郎が酒を入れた時の涙腺の弱さを知らんだろ。泣くぞ? みっともなく泣いちゃうぞ?』
加蓮「じゃあやめとこっか」
430: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:51:43.50 ID:oyrpMvNz0
P『あ、でも加蓮に泣かされるのも悪くはねえなぁ……』
加蓮「さっきからそんなのばっかりだね……。シラフになって恥ずかしくなるのはPさんだよ? 私、ずっとからかっちゃうよ?」
P『じゃナシだな!』
加蓮「ふふっ」
加蓮「じゃあね、Pさん。こんな時間に電話しちゃってごめんね……」
P『おーう? 知らんがどんどんかけてこーい……グビグビ……』
P『あー……今のうちに言っちまうか』
P『アイドルの加蓮も好きだけど、プロデューサーの加蓮も好きだぞー。あいしてるぞー』
加蓮「……あははっ、なにそれ? そんな言われ方しても女の子はときめきませーん」
P『マジかー、それは残念だなグビグビ』
加蓮「さっきからそんなのばっかりだね……。シラフになって恥ずかしくなるのはPさんだよ? 私、ずっとからかっちゃうよ?」
P『じゃナシだな!』
加蓮「ふふっ」
加蓮「じゃあね、Pさん。こんな時間に電話しちゃってごめんね……」
P『おーう? 知らんがどんどんかけてこーい……グビグビ……』
P『あー……今のうちに言っちまうか』
P『アイドルの加蓮も好きだけど、プロデューサーの加蓮も好きだぞー。あいしてるぞー』
加蓮「……あははっ、なにそれ? そんな言われ方しても女の子はときめきませーん」
P『マジかー、それは残念だなグビグビ』
431: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:52:13.42 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ふふっ。……あんまり飲み過ぎちゃ駄目だよ?」プツッ
加蓮「…………」ポイッ
加蓮「…………」
加蓮「そっか……アイドルに戻って欲しいって思ってたんだ、Pさん……」
加蓮「でも……」
加蓮(――でも。今の私はプロデューサーだ)
加蓮(目の前のことだけを見て生きていっちゃ駄目なんだ。突発的な情熱だけで動いちゃいけない)
加蓮(いろんな可能性と、いろんな"もしも"を考えていかなきゃいけない)
加蓮(もしも急なオファーが入ったら。もしも急に柚が出られなくなったら。もしもダブルブッキングしていたら)
加蓮(もしも私が、)
加蓮「…………」ポイッ
加蓮「…………」
加蓮「そっか……アイドルに戻って欲しいって思ってたんだ、Pさん……」
加蓮「でも……」
加蓮(――でも。今の私はプロデューサーだ)
加蓮(目の前のことだけを見て生きていっちゃ駄目なんだ。突発的な情熱だけで動いちゃいけない)
加蓮(いろんな可能性と、いろんな"もしも"を考えていかなきゃいけない)
加蓮(もしも急なオファーが入ったら。もしも急に柚が出られなくなったら。もしもダブルブッキングしていたら)
加蓮(もしも私が、)
432: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:52:43.43 ID:oyrpMvNz0
――どくんっ!
加蓮「っ…………!」
加蓮(……逃げるな、私……!)ギリッ
加蓮(目を逸らすな)
加蓮(気付いていることから、目を逸らすな……!)
433: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:53:13.44 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(木曜日)――
柚「でね、進級したから休み明けテストがあるんだ! どうしよ、アタシぜんぜん勉強してない!?」
加蓮「どうせアンタいっつも勉強してないでしょ。私に泣きつくのこれで何回目よ……」
柚「助けて~加蓮サン先生!」
加蓮「はいはい。学校かー……進級してから1度も行ってないや。って、入院してるんだから当たり前だけどね」
柚「じゃあ加蓮サンが学校に行ったらみんなびっくりするかもね!」
加蓮「あははっ。しかもプロデューサーだからね。退院しても毎日学校に行ける訳じゃないし……」
柚「レアキャラ?」
加蓮「レアキャラになっちゃうか」
柚「加蓮サンを見たらいいことがある、とか言われちゃったり?」
柚「でね、進級したから休み明けテストがあるんだ! どうしよ、アタシぜんぜん勉強してない!?」
加蓮「どうせアンタいっつも勉強してないでしょ。私に泣きつくのこれで何回目よ……」
柚「助けて~加蓮サン先生!」
加蓮「はいはい。学校かー……進級してから1度も行ってないや。って、入院してるんだから当たり前だけどね」
柚「じゃあ加蓮サンが学校に行ったらみんなびっくりするかもね!」
加蓮「あははっ。しかもプロデューサーだからね。退院しても毎日学校に行ける訳じゃないし……」
柚「レアキャラ?」
加蓮「レアキャラになっちゃうか」
柚「加蓮サンを見たらいいことがある、とか言われちゃったり?」
434: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:53:43.58 ID:oyrpMvNz0
柚「じゃあ、そんな加蓮サンを毎日見てる柚って……もしかして超ラッキーガール!?」
加蓮「アイスを食べたら当たりが引けるくらいのラッキーガール(笑)」
柚「スケールちっちゃいよ! しかもアイスなんて食べたら風邪引いちゃう!」
柚「っと、アタシ今日は撮影なんだ! ふっふっふー、加蓮サンもアタシがいなくて寂しいと思うけど、」
加蓮「じゃあさっさと行って挨拶回りでもしてきなさい」
柚「あれー!?」
加蓮「ふふっ。私は大丈夫だから。新しい仕事をもぎとれるくらい、しっかり笑顔でね」
柚「うんっ。じゃ、行ってくる!」
加蓮「アイスを食べたら当たりが引けるくらいのラッキーガール(笑)」
柚「スケールちっちゃいよ! しかもアイスなんて食べたら風邪引いちゃう!」
柚「っと、アタシ今日は撮影なんだ! ふっふっふー、加蓮サンもアタシがいなくて寂しいと思うけど、」
加蓮「じゃあさっさと行って挨拶回りでもしてきなさい」
柚「あれー!?」
加蓮「ふふっ。私は大丈夫だから。新しい仕事をもぎとれるくらい、しっかり笑顔でね」
柚「うんっ。じゃ、行ってくる!」
435: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:54:14.42 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(金曜日)――
柚「撮影の時にね、今日はプロデューサーサンは? っていっぱい聞かれちゃった」
加蓮「そっか……」
柚「最近はPサンがついてきてくれることが多いんだけどー、今日は打ち合わせだって」
柚「Pサンがいる時はね、加蓮サンは? ってよく聞かれるの。Pサンが悔しそうにしてたっ」
加蓮「ふふっ」
加蓮「……ごめんね。ついていければいいんだけどね」
柚「ううん! えと、持ち帰って検討します、ってちゃんと言ったよ。こう言えばいいんだよね?」
加蓮「うんうん。……もっと言えば、即座に突っぱねていいような話もあるんだけど……そこまでは難しいよね。大丈夫大丈夫。私とPさんで上手く処理しとくから」
柚「撮影の時にね、今日はプロデューサーサンは? っていっぱい聞かれちゃった」
加蓮「そっか……」
柚「最近はPサンがついてきてくれることが多いんだけどー、今日は打ち合わせだって」
柚「Pサンがいる時はね、加蓮サンは? ってよく聞かれるの。Pサンが悔しそうにしてたっ」
加蓮「ふふっ」
加蓮「……ごめんね。ついていければいいんだけどね」
柚「ううん! えと、持ち帰って検討します、ってちゃんと言ったよ。こう言えばいいんだよね?」
加蓮「うんうん。……もっと言えば、即座に突っぱねていいような話もあるんだけど……そこまでは難しいよね。大丈夫大丈夫。私とPさんで上手く処理しとくから」
436: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:55:43.55 ID:oyrpMvNz0
柚「そっか。あ、それなら加蓮サン。もっと教えてよ! えっと、断っちゃえっていうのはどういう話の時?」
加蓮「説明が難しいんだよねー……。なに? セルフプロデュースでもやりたいの? 穂乃香さんみたいに」
柚「違う違う! だってほらっ、そしたら加蓮サンちょっとでも楽になるかなって。それに加蓮サン、電話の後によくイライラしてるから……あんまりそういう加蓮サン、見たくないし 」
柚「ちゃんと断れてたら、そういうのも減るんでしょ?」
加蓮「……柚」
加蓮「うん、そうだね。またいつか教えるよ」
柚「うんっ」
加蓮「って、教えなくても私がついていければいいんだけどなぁ……」
加蓮「説明が難しいんだよねー……。なに? セルフプロデュースでもやりたいの? 穂乃香さんみたいに」
柚「違う違う! だってほらっ、そしたら加蓮サンちょっとでも楽になるかなって。それに加蓮サン、電話の後によくイライラしてるから……あんまりそういう加蓮サン、見たくないし 」
柚「ちゃんと断れてたら、そういうのも減るんでしょ?」
加蓮「……柚」
加蓮「うん、そうだね。またいつか教えるよ」
柚「うんっ」
加蓮「って、教えなくても私がついていければいいんだけどなぁ……」
437: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:56:13.60 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン、今日はちょっと辛そう……。大丈夫?」
加蓮「へーきへーき。柚だって風邪引くことくらいあるでしょ? あれと同じ――」
柚「アタシ風邪引いたことないんだ♪」
加蓮「ああ、馬鹿は風邪を――」
柚「お母さんと同じこと言うなーっ!」ポカポカ
加蓮「いたいたい、ごめんごめんっ」
加蓮「へーきへーき。柚だって風邪引くことくらいあるでしょ? あれと同じ――」
柚「アタシ風邪引いたことないんだ♪」
加蓮「ああ、馬鹿は風邪を――」
柚「お母さんと同じこと言うなーっ!」ポカポカ
加蓮「いたいたい、ごめんごめんっ」
438: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:56:43.57 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(土曜日)――
加蓮「…………」ジー
柚『今からみんなでレッスンっ。頑張ってきます!』
加蓮「頑張ってね、っと……」
柚『あいあいさー!』
加蓮「…………」ポイッ
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
加蓮「…………」ジー
柚『今からみんなでレッスンっ。頑張ってきます!』
加蓮「頑張ってね、っと……」
柚『あいあいさー!』
加蓮「…………」ポイッ
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
439: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:57:13.38 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(日曜日)――
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
加蓮「…………」ボー
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
440: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:57:43.51 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(月曜日)――
加蓮「休み過ぎだからクビを言いにきたとか?」
P「違ぇよ……。心配になって来ただけだ。どうだ、加蓮。身体の具合は」
加蓮「一昨日ちょっと崩したけど大丈夫。あ、そうだPさん。急だけど明後日に退院することになったんだ」
P「お、そうか! 柚ちゃんも喜ぶぞっ」
加蓮「うん……」
P「……加蓮?」
加蓮「ううん。っていうかさ、別にいつでも退院できたんだよね。医者はどうせ止めても無駄なんだろうって呆れてたし……もー、私を何だと思ってるんだか」
P「日頃の行いって奴だな」
加蓮「あ、Pさんまでそういうこと言うんだ! ひどーい!」
加蓮「休み過ぎだからクビを言いにきたとか?」
P「違ぇよ……。心配になって来ただけだ。どうだ、加蓮。身体の具合は」
加蓮「一昨日ちょっと崩したけど大丈夫。あ、そうだPさん。急だけど明後日に退院することになったんだ」
P「お、そうか! 柚ちゃんも喜ぶぞっ」
加蓮「うん……」
P「……加蓮?」
加蓮「ううん。っていうかさ、別にいつでも退院できたんだよね。医者はどうせ止めても無駄なんだろうって呆れてたし……もー、私を何だと思ってるんだか」
P「日頃の行いって奴だな」
加蓮「あ、Pさんまでそういうこと言うんだ! ひどーい!」
441: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:58:13.09 ID:oyrpMvNz0
P「はいはいひどいひどい。明後日ってことは水曜日だな。分かった、じゃあその日は加蓮の退院記念パーティーをしよう」
加蓮「いらないよー」
P「とかいってニヤニヤしてんだろお前……」ポスッ
P「うおっ枕を投げてくんな!」
加蓮「Pさんデリカシーなさすぎー」
P「はいはい俺が悪かった。ほら、枕」
加蓮「ん」
加蓮「…………」
P「…………身体の方は、大丈夫なんだよな?」
加蓮「ん? ふふっ、もちろん。至って健康です。明後日の退院も、医者からさっさと出て行けって言われたみたいなものだからね」
P「おおう」
加蓮「いらないよー」
P「とかいってニヤニヤしてんだろお前……」ポスッ
P「うおっ枕を投げてくんな!」
加蓮「Pさんデリカシーなさすぎー」
P「はいはい俺が悪かった。ほら、枕」
加蓮「ん」
加蓮「…………」
P「…………身体の方は、大丈夫なんだよな?」
加蓮「ん? ふふっ、もちろん。至って健康です。明後日の退院も、医者からさっさと出て行けって言われたみたいなものだからね」
P「おおう」
442: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:58:44.11 ID:oyrpMvNz0
加蓮「お前がいると昔の迷惑ばっかりかけられた頃を思い出して業務に集中できんからさっさと出て行けだってさ。ひどいと思わない? 患者に向かって言うこと?」
P「日頃の行いって奴――」
加蓮「それはもういいっ」
P「なんたって放っとくといつ脱走するか分からんような奴だからな」
加蓮「…………そ、それは反省してます」
加蓮「とにかくっ、水曜日からまたお世話になります! その……ごめんね、1週間も」
P「いやいや。加蓮の代理ってことで柚ちゃんについていってたが、久々にアイドルを担当している気分になったよ」
加蓮「そっか」
P「ま、出先で何度、あれ? って顔をされたがな」
加蓮「それ柚も言ってたっけ」
P「日頃の行いって奴――」
加蓮「それはもういいっ」
P「なんたって放っとくといつ脱走するか分からんような奴だからな」
加蓮「…………そ、それは反省してます」
加蓮「とにかくっ、水曜日からまたお世話になります! その……ごめんね、1週間も」
P「いやいや。加蓮の代理ってことで柚ちゃんについていってたが、久々にアイドルを担当している気分になったよ」
加蓮「そっか」
P「ま、出先で何度、あれ? って顔をされたがな」
加蓮「それ柚も言ってたっけ」
443: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:59:13.52 ID:oyrpMvNz0
P「加蓮じゃなくて俺が行っててさ。明らかに不満そうな人とかもいたぞ? 女子高生プロデューサーが来るハズだったのにむさいおっさんがいるもんな、しょうがないな」
加蓮「なにそれー。Pさんそういう歳じゃないでしょ?」
P「はは。別に気にしてないさ。ただそう言われた日の夜には酒を飲むって決めてるだけで」
加蓮「気にしてるじゃん」
P「なあ加蓮。俺、まだ加齢臭とかしないよな? ちょっと匂ってみてくれ」
加蓮「えーと、それは新手のセクハラか何か?」
P「おっとすまん」
P「ま、ともあれ、柚ちゃんのプロデューサーは加蓮じゃないとってことだな」
加蓮「…………やっぱり、そうだよね」
P「ああ。っと、悪い、そろそろ帰る。次の打ち合わせがあるもんで……もう少しゆっくりできればいいんだけどなぁ」
加蓮「ううん。ありがとねPさん。……ごめんね、私のせいで」
加蓮「なにそれー。Pさんそういう歳じゃないでしょ?」
P「はは。別に気にしてないさ。ただそう言われた日の夜には酒を飲むって決めてるだけで」
加蓮「気にしてるじゃん」
P「なあ加蓮。俺、まだ加齢臭とかしないよな? ちょっと匂ってみてくれ」
加蓮「えーと、それは新手のセクハラか何か?」
P「おっとすまん」
P「ま、ともあれ、柚ちゃんのプロデューサーは加蓮じゃないとってことだな」
加蓮「…………やっぱり、そうだよね」
P「ああ。っと、悪い、そろそろ帰る。次の打ち合わせがあるもんで……もう少しゆっくりできればいいんだけどなぁ」
加蓮「ううん。ありがとねPさん。……ごめんね、私のせいで」
444: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 17:59:43.42 ID:oyrpMvNz0
P「謝るなって言っただろ? 謝っても何もいいことなんてないさ。じゃな」
<ガララ
加蓮「Pさん…………」
加蓮「…………あれ? ってことはPさん、あの時の電話、覚えてたんだ。酔っ払ってたのに」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
<ガララ
加蓮「Pさん…………」
加蓮「…………あれ? ってことはPさん、あの時の電話、覚えてたんだ。酔っ払ってたのに」
加蓮「…………」
加蓮(……………………)
445: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:00:13.42 ID:oyrpMvNz0
――翌日 病院・加蓮の個室(火曜日)――
<コンコン
加蓮「はーい」
<ガラッ
穂乃香「こんにちは」フカブカ
加蓮「え……あれ? 穂乃香さん?」
穂乃香「お加減はいかがですか?」
加蓮「う、うん。もう元気も元気。実は明日、退院することになってんだ」
穂乃香「そうですか……よかった」
穂乃香「あ、これお土産です。駅前のお店の、抹茶ケーキです」
加蓮「わ、これ結構する奴じゃん。ありがとー……っていうかいいのに、気なんて遣わなくても」
穂乃香「普段からお世話になっていますから、そのお礼も込めて」
穂乃香「柚ちゃんから聞きましたが……お見舞いが遅れてしまいごめんなさい」ペコリ
加蓮「い、いやいや、だから気遣わなくたっていいって……」
穂乃香「いえ……」
<コンコン
加蓮「はーい」
<ガラッ
穂乃香「こんにちは」フカブカ
加蓮「え……あれ? 穂乃香さん?」
穂乃香「お加減はいかがですか?」
加蓮「う、うん。もう元気も元気。実は明日、退院することになってんだ」
穂乃香「そうですか……よかった」
穂乃香「あ、これお土産です。駅前のお店の、抹茶ケーキです」
加蓮「わ、これ結構する奴じゃん。ありがとー……っていうかいいのに、気なんて遣わなくても」
穂乃香「普段からお世話になっていますから、そのお礼も込めて」
穂乃香「柚ちゃんから聞きましたが……お見舞いが遅れてしまいごめんなさい」ペコリ
加蓮「い、いやいや、だから気遣わなくたっていいって……」
穂乃香「いえ……」
446: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:00:43.41 ID:oyrpMvNz0
加蓮「…………」
穂乃香「…………」
加蓮「……あー、えと、柚、どうしてる? 確か……えーっと……」ユビオリカゾエ
加蓮「そう、金曜日だ。一緒にレッスンしたんだっけ」
穂乃香「はい。あの時は私も色々なことを学ばせてもらって――…………」
加蓮「…………?」
穂乃香「…………」ウーン
加蓮「え、なに……? また柚がやらかしたとか? それとも、なんかトラブった……?」
穂乃香「…………」ウーン
加蓮「ち、ちょっと……そういえばあれから柚と話してないし…………」
穂乃香「…………やっぱり難しいですね」
加蓮「な……何が……?」
穂乃香「…………」
加蓮「……あー、えと、柚、どうしてる? 確か……えーっと……」ユビオリカゾエ
加蓮「そう、金曜日だ。一緒にレッスンしたんだっけ」
穂乃香「はい。あの時は私も色々なことを学ばせてもらって――…………」
加蓮「…………?」
穂乃香「…………」ウーン
加蓮「え、なに……? また柚がやらかしたとか? それとも、なんかトラブった……?」
穂乃香「…………」ウーン
加蓮「ち、ちょっと……そういえばあれから柚と話してないし…………」
穂乃香「…………やっぱり難しいですね」
加蓮「な……何が……?」
447: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:01:14.03 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「いえ。柚ちゃんのマネをして、何か面白いことを言いたかったのですが……やっぱり、私には思いつきませんでした」
加蓮「……………………は?」
穂乃香「もっと、柚ちゃんから学ばなきゃ……」
加蓮「……………………穂乃香さん…………紛らわしいことしないで……」アタマカカエ
穂乃香「え?」
加蓮「……………………」
加蓮「で……その、柚、どうしてる? ……穂乃香さんの言葉でいいから……」
穂乃香「そうですね。私が会ったのは土曜日と日曜日のレッスンの時だけですが、いつも通り元気で楽しそうでした」
穂乃香「レッスンの……特にダンスが上手くいかなくて険悪な雰囲気になりかけた時に、柚ちゃんが笑ってもっと気軽にやろうって言ってくれて」
穂乃香「それでみんなも笑顔に……。やっぱりすごいですね、柚ちゃん」
加蓮「そっか……」
加蓮「……………………は?」
穂乃香「もっと、柚ちゃんから学ばなきゃ……」
加蓮「……………………穂乃香さん…………紛らわしいことしないで……」アタマカカエ
穂乃香「え?」
加蓮「……………………」
加蓮「で……その、柚、どうしてる? ……穂乃香さんの言葉でいいから……」
穂乃香「そうですね。私が会ったのは土曜日と日曜日のレッスンの時だけですが、いつも通り元気で楽しそうでした」
穂乃香「レッスンの……特にダンスが上手くいかなくて険悪な雰囲気になりかけた時に、柚ちゃんが笑ってもっと気軽にやろうって言ってくれて」
穂乃香「それでみんなも笑顔に……。やっぱりすごいですね、柚ちゃん」
加蓮「そっか……」
448: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:01:43.57 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「ああいう時は、年上の私がまとめないといけないのに。ふふ。いつも、柚ちゃんに助けてもらってばっかり」
加蓮「それはほら、適材適所ってヤツとか……。逆に柚が凹んでる時は穂乃香さんが助けてあげてよ」
穂乃香「はい、そうしますね。……でも、実はレッスンの時にもそういうことがありました。その時は、あずきちゃんが柚ちゃんを励ましていました」
加蓮「あらま」
穂乃香「私、やっぱりまとめきれていないのでしょうか……何か言おうとしても、考えがまとめきれず、悩んでいる間に他の子が励ましちゃって」
穂乃香「まとめ役として、向いていないのかも」
穂乃香「……あ、ごめんなさい、このようなお話をしてしまって」
加蓮「ううん。柚もあずきちゃんも勢い重視って感じだしね。なかなか難しいよっ」
穂乃香「…………」
加蓮「それはほら、適材適所ってヤツとか……。逆に柚が凹んでる時は穂乃香さんが助けてあげてよ」
穂乃香「はい、そうしますね。……でも、実はレッスンの時にもそういうことがありました。その時は、あずきちゃんが柚ちゃんを励ましていました」
加蓮「あらま」
穂乃香「私、やっぱりまとめきれていないのでしょうか……何か言おうとしても、考えがまとめきれず、悩んでいる間に他の子が励ましちゃって」
穂乃香「まとめ役として、向いていないのかも」
穂乃香「……あ、ごめんなさい、このようなお話をしてしまって」
加蓮「ううん。柚もあずきちゃんも勢い重視って感じだしね。なかなか難しいよっ」
穂乃香「…………」
449: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:02:13.58 ID:oyrpMvNz0
加蓮「柚が元気そうにしてるならいいや。あはは、私的にはちょっぴり寂しいかも?」
穂乃香「あ、でも、柚ちゃん……ときどき、心配そうにスマートフォンを取り出して、電話をしようとしてて」
穂乃香「でも、すぐにしまっちゃうんです。あれは、もしかしたら加蓮ちゃんにかけようとしていたのかもしれません」
加蓮「…………」
穂乃香「明日、退院されるんですよね。柚ちゃんもきっと喜びます」
加蓮「うん……そうだね。ありがと、穂乃香さん。穂乃香さんにもごめんね? 打ち合わせとかできなくて」
穂乃香「いえ。実は、加蓮ちゃんが入院している間、加蓮ちゃんの上司の方と会いました」
加蓮「Pさんか」
穂乃香「打ち合わせの為に……柚ちゃんも一緒でした。でもすぐに、加蓮ちゃんのお話で盛り上がってしまって」
加蓮「えー……私の話?」
穂乃香「ふふ」
加蓮「あはは、照れるな~」
穂乃香「あ、でも、柚ちゃん……ときどき、心配そうにスマートフォンを取り出して、電話をしようとしてて」
穂乃香「でも、すぐにしまっちゃうんです。あれは、もしかしたら加蓮ちゃんにかけようとしていたのかもしれません」
加蓮「…………」
穂乃香「明日、退院されるんですよね。柚ちゃんもきっと喜びます」
加蓮「うん……そうだね。ありがと、穂乃香さん。穂乃香さんにもごめんね? 打ち合わせとかできなくて」
穂乃香「いえ。実は、加蓮ちゃんが入院している間、加蓮ちゃんの上司の方と会いました」
加蓮「Pさんか」
穂乃香「打ち合わせの為に……柚ちゃんも一緒でした。でもすぐに、加蓮ちゃんのお話で盛り上がってしまって」
加蓮「えー……私の話?」
穂乃香「ふふ」
加蓮「あはは、照れるな~」
450: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:02:43.47 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「あ」
加蓮「?」
穂乃香「今の加蓮ちゃん、少しだけ柚ちゃんっぽかったかも……?」
加蓮「へ? そ、そう?」
穂乃香「言い方というか、雰囲気というか……そういうものが少し、似ていた気がします」
穂乃香「そういえば加蓮ちゃん、私の1つ下なんですよね」
穂乃香「…………♪」
加蓮「う、うん??」
穂乃香「いえ。……あ、そういえば、加蓮ちゃんに謝らないといけないことが……」
穂乃香「前に加蓮ちゃんから、柚ちゃんのことをお願いされましたが、私、まだ上手くできているとは言えません」
穂乃香「頼りにしてもらったのに……ごめんなさい」フカブカ
加蓮「?」
穂乃香「今の加蓮ちゃん、少しだけ柚ちゃんっぽかったかも……?」
加蓮「へ? そ、そう?」
穂乃香「言い方というか、雰囲気というか……そういうものが少し、似ていた気がします」
穂乃香「そういえば加蓮ちゃん、私の1つ下なんですよね」
穂乃香「…………♪」
加蓮「う、うん??」
穂乃香「いえ。……あ、そういえば、加蓮ちゃんに謝らないといけないことが……」
穂乃香「前に加蓮ちゃんから、柚ちゃんのことをお願いされましたが、私、まだ上手くできているとは言えません」
穂乃香「頼りにしてもらったのに……ごめんなさい」フカブカ
451: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:03:13.53 ID:oyrpMvNz0
加蓮「え……い、いやいやっ、あれはちょっとお願いしただけっていうか!」
穂乃香「いいえ。加蓮ちゃんのせっかくのお願いなのだから」
加蓮「そんなに深刻に考えないでよ! そんな、その……」
穂乃香「でも、あの時と今と少し違うんです、私」
加蓮「……へ?」
穂乃香「あの時は、柚ちゃんの大切なプロデューサーさんからお願いされたことだから、何が何でもやらないとって思っていました」
穂乃香「少し、必死になっていたのかもしれません。柚ちゃんが悩んでいた時も、無意識のうちに頭の中でプレッシャーがかかっていて」
穂乃香「今は……そうじゃないんです」
穂乃香「加蓮ちゃんを見て、加蓮ちゃんからお願いされだからやらないといけないのではなく、私がやりたいって思っていて」
穂乃香「だから今は、逆に私からお願いさせてください。柚ちゃんのこと、私が見てあげてもいいでしょうか……?」
加蓮「…………あはっ」
穂乃香「いいえ。加蓮ちゃんのせっかくのお願いなのだから」
加蓮「そんなに深刻に考えないでよ! そんな、その……」
穂乃香「でも、あの時と今と少し違うんです、私」
加蓮「……へ?」
穂乃香「あの時は、柚ちゃんの大切なプロデューサーさんからお願いされたことだから、何が何でもやらないとって思っていました」
穂乃香「少し、必死になっていたのかもしれません。柚ちゃんが悩んでいた時も、無意識のうちに頭の中でプレッシャーがかかっていて」
穂乃香「今は……そうじゃないんです」
穂乃香「加蓮ちゃんを見て、加蓮ちゃんからお願いされだからやらないといけないのではなく、私がやりたいって思っていて」
穂乃香「だから今は、逆に私からお願いさせてください。柚ちゃんのこと、私が見てあげてもいいでしょうか……?」
加蓮「…………あはっ」
452: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:03:43.18 ID:oyrpMvNz0
加蓮「やっぱ穂乃香さんって堅苦しいっ。そんなさ、それこそ契約じゃないんだから……畏まってお願いしなくてもいいよ!」
加蓮「でもその方が穂乃香さんらしいのかな……? じゃあ、柚のこと、よろしくお願いしますっ」
穂乃香「はい!」
加蓮「あ、でも柚は私の――」
穂乃香「…………私の?」
加蓮「…………」
加蓮「ううん、なんでもない」
加蓮(柚は私のものだから渡さないよ? って、冗談で言おうとしたけれど……でも)
加蓮(もしも、を考えなきゃいけない、なんて頭をよぎって――)
加蓮「私の……そ、そう、私の大切なアイドルだからね!」
加蓮「でもその方が穂乃香さんらしいのかな……? じゃあ、柚のこと、よろしくお願いしますっ」
穂乃香「はい!」
加蓮「あ、でも柚は私の――」
穂乃香「…………私の?」
加蓮「…………」
加蓮「ううん、なんでもない」
加蓮(柚は私のものだから渡さないよ? って、冗談で言おうとしたけれど……でも)
加蓮(もしも、を考えなきゃいけない、なんて頭をよぎって――)
加蓮「私の……そ、そう、私の大切なアイドルだからね!」
453: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:04:13.86 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「や、やめてください加蓮ちゃん。プレッシャーになっちゃう……!」
加蓮「あ、ごめん。えーと、その……あはは」
穂乃香「……?」
加蓮「それよりさ、ほら、またフリルドスクエアでLIVEするんでしょ? あずきちゃんが入ったってことでいろいろと変わってさ」
加蓮「せっかくだから打ち合わせしようよ! ほら、プロデューサーとセルフプロデュースアイドル同士ってことで!」
穂乃香「実は、私もそのつもりで……。でも加蓮ちゃんのお体に障るといけないって思って、少し悩んだんです」
加蓮「いやいや、ロケハンとかリハとかじゃないんだから大丈夫だって。じゃあ例によって舞台構成のことを聞きたいんだけど」
穂乃香「はい。今回は、あずきちゃんがメインということで――」
加蓮「あ、ごめん。えーと、その……あはは」
穂乃香「……?」
加蓮「それよりさ、ほら、またフリルドスクエアでLIVEするんでしょ? あずきちゃんが入ったってことでいろいろと変わってさ」
加蓮「せっかくだから打ち合わせしようよ! ほら、プロデューサーとセルフプロデュースアイドル同士ってことで!」
穂乃香「実は、私もそのつもりで……。でも加蓮ちゃんのお体に障るといけないって思って、少し悩んだんです」
加蓮「いやいや、ロケハンとかリハとかじゃないんだから大丈夫だって。じゃあ例によって舞台構成のことを聞きたいんだけど」
穂乃香「はい。今回は、あずきちゃんがメインということで――」
454: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:04:43.63 ID:oyrpMvNz0
……。
…………。
……。
…………。
…………。
……。
…………。
455: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:05:13.43 ID:oyrpMvNz0
加蓮(水曜日に退院して、元通りの生活が戻ってきた)
加蓮(また、毎日が続いていく)
――5月 事務所――
柚「じゃあレッスン行ってくるね!」
加蓮「うん。行ってらっしゃい」
<バタン
加蓮「さーて、柚が戻ってくるまでやることやらなきゃ」
P「…………」カタカタ
加蓮「……なんか忙しそうだねPさん」
P「この時期はなー。かきいれ時だしな」
加蓮「それ年から年中じゃない?」
P「そうとも言う」
加蓮(また、毎日が続いていく)
――5月 事務所――
柚「じゃあレッスン行ってくるね!」
加蓮「うん。行ってらっしゃい」
<バタン
加蓮「さーて、柚が戻ってくるまでやることやらなきゃ」
P「…………」カタカタ
加蓮「……なんか忙しそうだねPさん」
P「この時期はなー。かきいれ時だしな」
加蓮「それ年から年中じゃない?」
P「そうとも言う」
456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:05:43.36 ID:oyrpMvNz0
加蓮「Pさんさ、いつ自分の担当アイドル持つの? 私の担当じゃなくなってもうだいぶ経ってるでしょ」
加蓮「その……私のことなんて気にしなくていいからさ。あっ、ほら、Pさんがいつ新しい女の子を連れてくるのかなーって実はちょっぴり楽しみにしてるんだよ、私」
P「うーむ。正直そろそろ上司の顔が直視できなくなってきた」
加蓮「もうっ」
P「あいつら恐いんだぞー。ねちっこく言うんだぞー。やあキミ、今日も事務仕事に励んでいるかい? はっはっはいいご身分だねぇ……とかさ」
加蓮「恐っ」
P「実際いい身分なんだけどな。こんな情熱的な部下を持てて俺は幸せだ」
加蓮「…………もー」
P「はは」
加蓮「その……私のことなんて気にしなくていいからさ。あっ、ほら、Pさんがいつ新しい女の子を連れてくるのかなーって実はちょっぴり楽しみにしてるんだよ、私」
P「うーむ。正直そろそろ上司の顔が直視できなくなってきた」
加蓮「もうっ」
P「あいつら恐いんだぞー。ねちっこく言うんだぞー。やあキミ、今日も事務仕事に励んでいるかい? はっはっはいいご身分だねぇ……とかさ」
加蓮「恐っ」
P「実際いい身分なんだけどな。こんな情熱的な部下を持てて俺は幸せだ」
加蓮「…………もー」
P「はは」
457: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:06:13.49 ID:oyrpMvNz0
――数日後 事務所――
柚「それでね、もうちょっとキリッとした顔で! って言われちゃった」
加蓮「ふんふん」
柚「トレーナーサンにも相談してみたんだ。演技力レッスン頑張ってみたんだけど、すぐにふにゃってなっちゃう」モグモグ
柚「ってことで加蓮サン! なんかいい方法ないっ?」モグモグ
柚「ほら、このおまんじゅうあげるから教えて!」スッ
加蓮「ありがとー」モグモグ
加蓮「キリッとした顔かぁ……」
柚「うーん、口の中がパサパサする。牛乳あるかなー」タタッ
<あったー!
柚「冷蔵庫にあったけどもらっていいのかな? まーいいやっ。はいっ、加蓮サンの分も!」
加蓮「ありがと。真剣な顔、真剣な顔かぁ」
柚「それでね、もうちょっとキリッとした顔で! って言われちゃった」
加蓮「ふんふん」
柚「トレーナーサンにも相談してみたんだ。演技力レッスン頑張ってみたんだけど、すぐにふにゃってなっちゃう」モグモグ
柚「ってことで加蓮サン! なんかいい方法ないっ?」モグモグ
柚「ほら、このおまんじゅうあげるから教えて!」スッ
加蓮「ありがとー」モグモグ
加蓮「キリッとした顔かぁ……」
柚「うーん、口の中がパサパサする。牛乳あるかなー」タタッ
<あったー!
柚「冷蔵庫にあったけどもらっていいのかな? まーいいやっ。はいっ、加蓮サンの分も!」
加蓮「ありがと。真剣な顔、真剣な顔かぁ」
458: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:06:43.55 ID:oyrpMvNz0
柚「友達からもよく言われるんだよねー。柚は何やっても楽しそうだって。アタシだって真剣な時は真剣なんだいっ」
柚「友達って言えばさ、前に雑誌を楽しそーに読んでたの。なにかなって覗きこんだら加蓮サンの記事だった!」
柚「それよりアタシのインタビューを見ろー! って言ったら、なんかフツーだって言われたんだけど! ねえどう思う!?」
柚「アタシ、フツー!? 個性ない!? 加蓮サンより目立たない?」
加蓮「…………」
柚「って、なんとか言ってー!」
加蓮「……大丈夫、アンタは個性の塊だから」
柚「そっか? ……そうだっけ?」
柚「でもその後、友達と一緒に加蓮サンの記事を読んだんだけどね♪ 写真も内容もいっつもカッコよくて、さすが加蓮サンだっ」
柚「カッコいいアイドル、アタシもなってみたいなっ♪」
柚「友達って言えばさ、前に雑誌を楽しそーに読んでたの。なにかなって覗きこんだら加蓮サンの記事だった!」
柚「それよりアタシのインタビューを見ろー! って言ったら、なんかフツーだって言われたんだけど! ねえどう思う!?」
柚「アタシ、フツー!? 個性ない!? 加蓮サンより目立たない?」
加蓮「…………」
柚「って、なんとか言ってー!」
加蓮「……大丈夫、アンタは個性の塊だから」
柚「そっか? ……そうだっけ?」
柚「でもその後、友達と一緒に加蓮サンの記事を読んだんだけどね♪ 写真も内容もいっつもカッコよくて、さすが加蓮サンだっ」
柚「カッコいいアイドル、アタシもなってみたいなっ♪」
459: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:07:13.48 ID:oyrpMvNz0
柚「って忍チャンに言ったら『似合わない』ってバッサリ言われちゃったケド」
柚「でもね、穂乃香チャンは『そのままの柚ちゃんでいい』って言ってくれたの。悩むなー悩むなー。忍チャンを見返すか、穂乃香チャンに褒められるアタシでいるか」
柚「でもやっぱりアイドルだったら、新しいコト、やってみたいよね! ねーねー加蓮サン、次はアタシがイケメン役のドラマなんてどうかな!? それでそれで、可愛い女の子からキャーキャー言われるようなヤツ!」
柚「柚、イメージチェンジ!」
加蓮「…………柚」
柚「ンー?」
加蓮「…………」ポン
加蓮「諦めなさい」マガオ
柚「何を!? え、イケメンは駄目!? それとも目立つこと!? 忍チャンを見返すこと!? どれ~!?」
加蓮「アンタ最初に何の話題を出したか覚えてる?」
柚「…………なんだっけ?」
加蓮「キリッとした顔がって話」
柚「でもね、穂乃香チャンは『そのままの柚ちゃんでいい』って言ってくれたの。悩むなー悩むなー。忍チャンを見返すか、穂乃香チャンに褒められるアタシでいるか」
柚「でもやっぱりアイドルだったら、新しいコト、やってみたいよね! ねーねー加蓮サン、次はアタシがイケメン役のドラマなんてどうかな!? それでそれで、可愛い女の子からキャーキャー言われるようなヤツ!」
柚「柚、イメージチェンジ!」
加蓮「…………柚」
柚「ンー?」
加蓮「…………」ポン
加蓮「諦めなさい」マガオ
柚「何を!? え、イケメンは駄目!? それとも目立つこと!? 忍チャンを見返すこと!? どれ~!?」
加蓮「アンタ最初に何の話題を出したか覚えてる?」
柚「…………なんだっけ?」
加蓮「キリッとした顔がって話」
460: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:07:43.86 ID:oyrpMvNz0
柚「そだっけ。あ、そうだった!」
柚「……諦めろってどゆこと!?」
加蓮「いや、まあ……あー、頭痛い……」
柚「えっ、えっ、加蓮サンもしかして疲れちゃって」
加蓮「アンタのせいでしょーが!?」
柚「きゃーっ!」
加蓮「……とりあえず、そのコロコロと話題変えたりするのは良い意味でいい加減だと思うけど……キリッとしたい時は1つのことに集中しなさい」
柚「1つのことに集中……集中……むんっ。こんな顔?」
加蓮「うん、それくらいでいいよ……」
柚「あいあいさー!」
柚「……諦めろってどゆこと!?」
加蓮「いや、まあ……あー、頭痛い……」
柚「えっ、えっ、加蓮サンもしかして疲れちゃって」
加蓮「アンタのせいでしょーが!?」
柚「きゃーっ!」
加蓮「……とりあえず、そのコロコロと話題変えたりするのは良い意味でいい加減だと思うけど……キリッとしたい時は1つのことに集中しなさい」
柚「1つのことに集中……集中……むんっ。こんな顔?」
加蓮「うん、それくらいでいいよ……」
柚「あいあいさー!」
461: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:08:13.54 ID:oyrpMvNz0
――数日後 事務所――
加蓮「…………」カタカタ
P「…………」カタカタ
<メールガキテルヨ
加蓮「ん?」
加蓮「あ、仕事のリスト。Pさん、柚の分も営業してくれてたんだ」
P「いや、こっちは営業分じゃなくて向こうからオファーがあったヤツだな。最近は別の打ち合わせに行った時によく柚ちゃんに仕事を任せたいって頼まれてさ」
加蓮「うん……うん。ありがと、Pさん。その、ごめ――」
P「体力なくて営業行ける回数が減ったことなら気にしてないから謝らなくていいぞ。そんな身体でちょろちょろされる方が気になるわ」
加蓮「…………うん」
P「勝手に判断する訳にもいかないし、ぜんぶ保留にしといた。それがそのリストだから、あとは加蓮で判断してくれ」
加蓮「あははっ、Pさん柚と同じだ」
P「ん?」
加蓮「…………」カタカタ
P「…………」カタカタ
<メールガキテルヨ
加蓮「ん?」
加蓮「あ、仕事のリスト。Pさん、柚の分も営業してくれてたんだ」
P「いや、こっちは営業分じゃなくて向こうからオファーがあったヤツだな。最近は別の打ち合わせに行った時によく柚ちゃんに仕事を任せたいって頼まれてさ」
加蓮「うん……うん。ありがと、Pさん。その、ごめ――」
P「体力なくて営業行ける回数が減ったことなら気にしてないから謝らなくていいぞ。そんな身体でちょろちょろされる方が気になるわ」
加蓮「…………うん」
P「勝手に判断する訳にもいかないし、ぜんぶ保留にしといた。それがそのリストだから、あとは加蓮で判断してくれ」
加蓮「あははっ、Pさん柚と同じだ」
P「ん?」
462: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:08:43.69 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ううん。柚も、1人で行った現場で何かオファーとかされたらぜんぶ保留にしてる、っていうかさせてるの」
加蓮「柚にも教えてあげられるといいんだけどね。アイドル1人で来たなら丸め込めるだろうって思ってる奴とかいそうだし下手に受けたらロクなことになりそうにないから、とりあえず全部持ち帰ってもらってるんだ」
加蓮「そういえば断り方とか選び方とか教えないといけないんだっけ……」
P「へー。それじゃそのうち、自分でどの仕事を取ったらいいか判断できたりするんじゃないか?」
加蓮「そしたら私はお役目御免だね。今度こそクビだ」
P「はは。お前、せめて嬉しそうな顔か悲しそうな顔くらいしろよ。どっちなんだよ」
加蓮「さー。どっちなんだろうね。私にも分かんないよ」
加蓮「……それにしても、こうしてると最初の頃を思い出すなー」
P「最初の頃?」
加蓮「柚にも教えてあげられるといいんだけどね。アイドル1人で来たなら丸め込めるだろうって思ってる奴とかいそうだし下手に受けたらロクなことになりそうにないから、とりあえず全部持ち帰ってもらってるんだ」
加蓮「そういえば断り方とか選び方とか教えないといけないんだっけ……」
P「へー。それじゃそのうち、自分でどの仕事を取ったらいいか判断できたりするんじゃないか?」
加蓮「そしたら私はお役目御免だね。今度こそクビだ」
P「はは。お前、せめて嬉しそうな顔か悲しそうな顔くらいしろよ。どっちなんだよ」
加蓮「さー。どっちなんだろうね。私にも分かんないよ」
加蓮「……それにしても、こうしてると最初の頃を思い出すなー」
P「最初の頃?」
463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:09:13.38 ID:oyrpMvNz0
加蓮「うん。ほら、私がプロデューサー代理ってことでPさんの手伝いを始めた頃。あの時も柚の仕事をさ、Pさんから回してもらってたじゃん」
P「そうだったな……懐かしいなぁ。あの時はただの手伝いって感じだったのに、今やすっかり名プロデューサーだな!」
加蓮「そんなことないって」
加蓮「…………ちょっとだけ……あの頃に戻りたいかも――」
加蓮「ううんっ、そうじゃないよね。今の私が、そんなこと考えちゃ駄目だよね」
P「加蓮?」
加蓮「なんでもないでーす。はいこれ、Pさん、リスト送り返しといたから断りの電話お願いっ。私はもうちょっと選別してくから」
P「は? もう切り分けたのか?」
加蓮「絶対受けちゃマズイ奴だけね。評判よくない場所が混ざってたよ。アイドルにセクハラするだの契約がメチャクチャだの変な噂ばっかりのとこ」
P「マジ?」
P「そうだったな……懐かしいなぁ。あの時はただの手伝いって感じだったのに、今やすっかり名プロデューサーだな!」
加蓮「そんなことないって」
加蓮「…………ちょっとだけ……あの頃に戻りたいかも――」
加蓮「ううんっ、そうじゃないよね。今の私が、そんなこと考えちゃ駄目だよね」
P「加蓮?」
加蓮「なんでもないでーす。はいこれ、Pさん、リスト送り返しといたから断りの電話お願いっ。私はもうちょっと選別してくから」
P「は? もう切り分けたのか?」
加蓮「絶対受けちゃマズイ奴だけね。評判よくない場所が混ざってたよ。アイドルにセクハラするだの契約がメチャクチャだの変な噂ばっかりのとこ」
P「マジ?」
464: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:09:43.49 ID:oyrpMvNz0
加蓮「あれ~Pさん知らないのー? ふふっ、もしかして私、Pさん超えちゃった?」
P「んな訳あるかっ」
加蓮「分かってるって。そこまで生意気は言わないよ……Pさん、私みたいな子も育ててくれた名プロデューサーだもん。アイドルの私も、プロデューサーの私も」
P「……プロデューサーの加蓮については何もしてないよ。成長したのは加蓮の力だ」
加蓮「そっかなー……あ、じゃあアイドルの私を育ててくれた自覚はあるんだっ♪」
P「そりゃ……まあ、少しは」
加蓮「ふふっ。……うん。そうだね……もう。ホント、私の身体ってばなんでこんな――」
P「…………」テヲトメル
P「んな訳あるかっ」
加蓮「分かってるって。そこまで生意気は言わないよ……Pさん、私みたいな子も育ててくれた名プロデューサーだもん。アイドルの私も、プロデューサーの私も」
P「……プロデューサーの加蓮については何もしてないよ。成長したのは加蓮の力だ」
加蓮「そっかなー……あ、じゃあアイドルの私を育ててくれた自覚はあるんだっ♪」
P「そりゃ……まあ、少しは」
加蓮「ふふっ。……うん。そうだね……もう。ホント、私の身体ってばなんでこんな――」
P「…………」テヲトメル
465: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:10:13.36 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……ごめんねPさん。大丈夫大丈夫。病気を治して、そのうちアイドルに戻るんだから……そうしないと奈緒に怒られるし、柚とも約束したんだし……」
加蓮「…………」
P「……ああ、そうだな」
加蓮「うん…………」
加蓮「……………………」
P「…………加蓮?」
加蓮「あ、あははっ、なに? ほらほら電話早くしてよ。私はリストのチェックしなきゃっ」ウデマワシ
P「……………………」
加蓮「…………」
P「……ああ、そうだな」
加蓮「うん…………」
加蓮「……………………」
P「…………加蓮?」
加蓮「あ、あははっ、なに? ほらほら電話早くしてよ。私はリストのチェックしなきゃっ」ウデマワシ
P「……………………」
466: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:10:43.55 ID:oyrpMvNz0
――数日後 喫茶店――
加蓮「…………」ボー
穂乃香「衣装は、別の案もあって……これだと構成のコンセプトから違っているから、ベースの決定は早めにとPさ、プロデューサーさんが――」
穂乃香「…………加蓮ちゃん?」
加蓮「あっ……ええと、衣装だよね。現行のままでいいと思うけど……あ、でもこっちもいい――」クラッ
加蓮「……ん……」コスリコスリ
穂乃香「……打ち合わせ、少し休憩にしましょうか?」
加蓮「大丈夫……。大丈夫だから続けてよ。話は、聞いてるから――」
穂乃香「そうですか? …………あっ」スマフォトリダシ
穂乃香「ごめんなさい。少し、失礼します」ポチ
加蓮「どーぞ……」
穂乃香「……」ペコッ
加蓮「…………」ボー
穂乃香「衣装は、別の案もあって……これだと構成のコンセプトから違っているから、ベースの決定は早めにとPさ、プロデューサーさんが――」
穂乃香「…………加蓮ちゃん?」
加蓮「あっ……ええと、衣装だよね。現行のままでいいと思うけど……あ、でもこっちもいい――」クラッ
加蓮「……ん……」コスリコスリ
穂乃香「……打ち合わせ、少し休憩にしましょうか?」
加蓮「大丈夫……。大丈夫だから続けてよ。話は、聞いてるから――」
穂乃香「そうですか? …………あっ」スマフォトリダシ
穂乃香「ごめんなさい。少し、失礼します」ポチ
加蓮「どーぞ……」
穂乃香「……」ペコッ
467: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:11:13.45 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「もしもし? 柚ちゃん? 今は、加蓮ちゃんと打ち合わせをしていて……そうなの? 分かった、手早くするね。ありがとう」ピッ
穂乃香「失礼しました」スワリ
加蓮「今の、柚……? 何かあったって?」
穂乃香「……今日、事務所から出る時の加蓮ちゃんが疲れているみたいだから、打ち合わせなら早く終わってあげて、って」
加蓮「わざわざ連絡まで……。……ごめん。ホントに大丈夫、だから……」クラッ
加蓮「はぁ……プロデューサー失格だ……。ごめんなさい」
穂乃香「いえ。急ぎの打ち合わせでもないので、また後日にしましょう」
加蓮「ホントごめん……」
穂乃香「いいえ。それより大事を取ってください。柚ちゃんも、とても心配そうにしていましたから」
穂乃香「事務所まで送っていきます……いえ、そういえば、加蓮ちゃんの上司の方と連作先を交換しているので、車を出して頂いた方が早いですね。少し、電話してみます」ピッ
加蓮「…………」ボー
穂乃香「失礼しました」スワリ
加蓮「今の、柚……? 何かあったって?」
穂乃香「……今日、事務所から出る時の加蓮ちゃんが疲れているみたいだから、打ち合わせなら早く終わってあげて、って」
加蓮「わざわざ連絡まで……。……ごめん。ホントに大丈夫、だから……」クラッ
加蓮「はぁ……プロデューサー失格だ……。ごめんなさい」
穂乃香「いえ。急ぎの打ち合わせでもないので、また後日にしましょう」
加蓮「ホントごめん……」
穂乃香「いいえ。それより大事を取ってください。柚ちゃんも、とても心配そうにしていましたから」
穂乃香「事務所まで送っていきます……いえ、そういえば、加蓮ちゃんの上司の方と連作先を交換しているので、車を出して頂いた方が早いですね。少し、電話してみます」ピッ
加蓮「…………」ボー
468: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:11:43.44 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「もしもし、綾瀬です。はい、加蓮ちゃんのことで――」
<キキーッ
<ガチャ!
<いらしゃお客様!?
加蓮「ちょ、Pさん来るの早すぎ……って事務所のすぐ側だから当たり前か……」
<キキーッ
<ガチャ!
<いらしゃお客様!?
加蓮「ちょ、Pさん来るの早すぎ……って事務所のすぐ側だから当たり前か……」
469: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:12:13.64 ID:oyrpMvNz0
――数日後 事務所――
柚「こんにちはーっ!」
P「柚ちゃん」
柚「やほっ、Pサン。それに加蓮サン……あれっ、加蓮サン寝ちゃってる」
加蓮「すー……すー……」zzz
P「疲れてるようだったからな。ソファで休めって促したら、すぐに横になってしまったんだ」
P「だから柚ちゃん、すまないけど、ちょっとだけ静かにしてくれ」
柚「うんっ。そっかー、加蓮サンはお疲れですかー……なんかここんとこ加蓮サンずっとお疲れじゃない?」
P「だよなぁ……今日も、3時くらいにはもうキツそうにしてた」
柚「おやつの時間だっ」
P「そうそう。ちょうど出先で買ってきたお菓子でもどうかって誘った頃だったな」
柚「お菓子! まだある!?」
P「テーブルの上に置いてるから、よかったら柚ちゃんも食べてくれ」
柚「やたっ! お菓子っ、お菓子っ♪」
柚「こんにちはーっ!」
P「柚ちゃん」
柚「やほっ、Pサン。それに加蓮サン……あれっ、加蓮サン寝ちゃってる」
加蓮「すー……すー……」zzz
P「疲れてるようだったからな。ソファで休めって促したら、すぐに横になってしまったんだ」
P「だから柚ちゃん、すまないけど、ちょっとだけ静かにしてくれ」
柚「うんっ。そっかー、加蓮サンはお疲れですかー……なんかここんとこ加蓮サンずっとお疲れじゃない?」
P「だよなぁ……今日も、3時くらいにはもうキツそうにしてた」
柚「おやつの時間だっ」
P「そうそう。ちょうど出先で買ってきたお菓子でもどうかって誘った頃だったな」
柚「お菓子! まだある!?」
P「テーブルの上に置いてるから、よかったら柚ちゃんも食べてくれ」
柚「やたっ! お菓子っ、お菓子っ♪」
470: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:12:43.45 ID:oyrpMvNz0
加蓮「ん、ん…………」ムクリ
柚「あ、加蓮サン!」
加蓮「柚……? あれ、もしかして私、寝ちゃってた……?」
P「ぐっすりとな。朝からずっと事務仕事で疲れが溜まってたんだろう」
加蓮「そっか……ごめんねPさん。すぐやるから……」
P「だから謝るなって。謝ってもいいことなんてないぞ?」
柚「おっPサンいいこと言う! はい、加蓮サン。柚と一緒にお菓子食べよ♪」アーン
加蓮「うん…………」パクッ
加蓮「今日は、柚、レッスンだっけ……?」
柚「うんっ。加蓮サンにも来てほしいなーって思ったけどお疲れならしょうがない! アタシ1人で行ってくるねっ」
加蓮「ごめんね……」
柚「あ、加蓮サン!」
加蓮「柚……? あれ、もしかして私、寝ちゃってた……?」
P「ぐっすりとな。朝からずっと事務仕事で疲れが溜まってたんだろう」
加蓮「そっか……ごめんねPさん。すぐやるから……」
P「だから謝るなって。謝ってもいいことなんてないぞ?」
柚「おっPサンいいこと言う! はい、加蓮サン。柚と一緒にお菓子食べよ♪」アーン
加蓮「うん…………」パクッ
加蓮「今日は、柚、レッスンだっけ……?」
柚「うんっ。加蓮サンにも来てほしいなーって思ったけどお疲れならしょうがない! アタシ1人で行ってくるねっ」
加蓮「ごめんね……」
471: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:13:13.48 ID:oyrpMvNz0
柚「加蓮サン加蓮サン。謝ってもいいことなんてない! だよっ」
加蓮「それ、Pさんのセリフじゃん……ふふっ……」
P「コーヒーでも淹れようか。……いや、疲れてるならもう帰るか? 車なら出すぞ?」
加蓮「ううん、大丈夫。よいしょ……」
加蓮「もうちょっとだけ、やることやってから……Pさんにも柚にも迷惑はかけたくないもん……」
P「だから別に迷惑なんて思ってないんだがな。体力が戻るまで休んでてもいいんだぞ? それくらいの余裕は持ってるつもりだし」
加蓮「いいよ、どうせ休んでても治んないもん。っていうか家にいた方が落ち着かないし……柚が心配になっちゃったり」
柚「アタシ? アタシは平気だよっ。大丈夫大丈夫!」
加蓮「Pさんだって……やるだけやって放り投げるなんて、そんなのできないよ」
P「相変わらず責任感が強いんだな、加蓮は」
加蓮「それ、Pさんのセリフじゃん……ふふっ……」
P「コーヒーでも淹れようか。……いや、疲れてるならもう帰るか? 車なら出すぞ?」
加蓮「ううん、大丈夫。よいしょ……」
加蓮「もうちょっとだけ、やることやってから……Pさんにも柚にも迷惑はかけたくないもん……」
P「だから別に迷惑なんて思ってないんだがな。体力が戻るまで休んでてもいいんだぞ? それくらいの余裕は持ってるつもりだし」
加蓮「いいよ、どうせ休んでても治んないもん。っていうか家にいた方が落ち着かないし……柚が心配になっちゃったり」
柚「アタシ? アタシは平気だよっ。大丈夫大丈夫!」
加蓮「Pさんだって……やるだけやって放り投げるなんて、そんなのできないよ」
P「相変わらず責任感が強いんだな、加蓮は」
472: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:13:43.71 ID:oyrpMvNz0
加蓮「当然のことでしょ? 私だってプロデューサーなんだから……ちょっと、顔だけ洗ってくるね」ポテポテ
<バタン
P「…………」
柚「…………」
P「はー……どうしたもんかなぁ……」
柚「大丈夫かな、加蓮サン……」
P「…………」
柚「……でも心配ばっかしてたら加蓮サン嫌がるんだ。そんなことより自分の心配しろー、って」
柚「だからアタシは、加蓮サンが大丈夫って言うなら、なんにも言わないっ」
柚「気にしすぎたら、レッスンも上手くいかなくなっちゃうし……そしたら加蓮サン、余計に心配しちゃうもん」
P「そうだな。加蓮のことは俺が見ておくから、柚ちゃんはアイドルに専念してくれ。その方がきっと加蓮も喜ぶよ」
柚「あいあいさー!」
<バタン
P「…………」
柚「…………」
P「はー……どうしたもんかなぁ……」
柚「大丈夫かな、加蓮サン……」
P「…………」
柚「……でも心配ばっかしてたら加蓮サン嫌がるんだ。そんなことより自分の心配しろー、って」
柚「だからアタシは、加蓮サンが大丈夫って言うなら、なんにも言わないっ」
柚「気にしすぎたら、レッスンも上手くいかなくなっちゃうし……そしたら加蓮サン、余計に心配しちゃうもん」
P「そうだな。加蓮のことは俺が見ておくから、柚ちゃんはアイドルに専念してくれ。その方がきっと加蓮も喜ぶよ」
柚「あいあいさー!」
473: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:14:13.52 ID:oyrpMvNz0
<ガチャ
加蓮「よしっ、起きた起きた! ほら柚、レッスンでしょ? やる気がないなら私が引きずっていっちゃおうかな~?」
柚「い、今から行くとこですっ。加蓮サンもう大丈夫? 元気?」
加蓮「平気平気。ちょっと眠たくなっただけで……ねえPさん。私、何分くらい寝てた?」
P「ええと……1時間ちょいくらいだな」
加蓮「そっか……よしっ、じゃあその分を取り戻さなきゃ!」
P「お前、そーやって気合入れたらまた後でキツイことになるぞ?」
加蓮「大丈夫大丈夫。ちゃんと加減してるから! さて、柚? そろそろレッスンの時間じゃないのかな?」
柚「そーだった! じゃあ行ってくるね加蓮サン!」
加蓮「ふふっ、行ってらっしゃい」
<バタン!
加蓮「よしっ、起きた起きた! ほら柚、レッスンでしょ? やる気がないなら私が引きずっていっちゃおうかな~?」
柚「い、今から行くとこですっ。加蓮サンもう大丈夫? 元気?」
加蓮「平気平気。ちょっと眠たくなっただけで……ねえPさん。私、何分くらい寝てた?」
P「ええと……1時間ちょいくらいだな」
加蓮「そっか……よしっ、じゃあその分を取り戻さなきゃ!」
P「お前、そーやって気合入れたらまた後でキツイことになるぞ?」
加蓮「大丈夫大丈夫。ちゃんと加減してるから! さて、柚? そろそろレッスンの時間じゃないのかな?」
柚「そーだった! じゃあ行ってくるね加蓮サン!」
加蓮「ふふっ、行ってらっしゃい」
<バタン!
474: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:14:43.47 ID:oyrpMvNz0
加蓮「さて、私も書類の整理と明日の打ち合わせ用の資料……ってあれ? ……ねえPさん、もしかして私の仕事――」
P「おう」
加蓮「…………そんなことするからPさんまた徹夜とかになるんだよ」
P「部下の為に徹夜する俺、マジ理想の上司」キリッ
加蓮「…………私が手伝うって言っても聞いてくれない癖に」ジトー
P「はっはっは」
P「おう」
加蓮「…………そんなことするからPさんまた徹夜とかになるんだよ」
P「部下の為に徹夜する俺、マジ理想の上司」キリッ
加蓮「…………私が手伝うって言っても聞いてくれない癖に」ジトー
P「はっはっは」
475: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:15:13.46 ID:oyrpMvNz0
――6月 事務所――
加蓮「よし、っと……わ、もうこんな時間だ。ごめんPさん、私ちょっと出かけてくる」ヨイショ
P「え? ちょっと待てお前どこに行く気だ今日は車がいるって言って――」ガタ
加蓮「近所の喫茶店に行くだけ! 穂乃香さんとの打ち合わせ。大丈夫だってば……」
P「そ、そうか。ついていきたいが書類が――いやこんなのは後だ、俺も一緒に」
加蓮「ごめんPさん。打ち合わせっていってもほとんど友達とおしゃべりするだけみたいなものだから、1人で行かせてよ」
P「…………」
加蓮「よし、っと……わ、もうこんな時間だ。ごめんPさん、私ちょっと出かけてくる」ヨイショ
P「え? ちょっと待てお前どこに行く気だ今日は車がいるって言って――」ガタ
加蓮「近所の喫茶店に行くだけ! 穂乃香さんとの打ち合わせ。大丈夫だってば……」
P「そ、そうか。ついていきたいが書類が――いやこんなのは後だ、俺も一緒に」
加蓮「ごめんPさん。打ち合わせっていってもほとんど友達とおしゃべりするだけみたいなものだから、1人で行かせてよ」
P「…………」
476: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:15:43.56 ID:oyrpMvNz0
P「……いいか加蓮、ちょっとでも体調がおかしくなったらすぐに連絡するんだ。じゃなきゃ後で怒るぞ」
加蓮「分かってまーす。じゃ、行ってくるね」
P「おう。気をつけろよ~!」
加蓮「Pさんしつこいー!」
加蓮「分かってまーす。じゃ、行ってくるね」
P「おう。気をつけろよ~!」
加蓮「Pさんしつこいー!」
477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:16:13.61 ID:oyrpMvNz0
――にぎやかな喫茶店――
加蓮「いたいた。お待たせ、穂乃香さん」
穂乃香「加蓮ちゃん。お久しぶりです」ペコッ
加蓮「あははっ、お久しぶり。わざわざこっちに来てもらってごめんね?」
穂乃香「いいえ。……加蓮ちゃん、まだ車椅子を使っているんですね」
加蓮「歩けるんだけどね、歩くと体力がガリガリ減って。まるでゲームの毒を受けてるみたいだよ」
穂乃香「……??」
加蓮「つ、通じないか……それよりほら、打ち合わせしよっ。あ、注文した方がいいのかな。すみませーん、コーヒー1つ、お願いします」
穂乃香「あ、私もコーヒーを」
加蓮「仕事の前に飲むと大人っぽくなれるんだっけ」
穂乃香「はい。頭が切り替えられます。実はさっきまで、柚ちゃんと通信アプリでやり取りをしていて……だから尚更です」
加蓮「柚と、かぁ……」
加蓮「いたいた。お待たせ、穂乃香さん」
穂乃香「加蓮ちゃん。お久しぶりです」ペコッ
加蓮「あははっ、お久しぶり。わざわざこっちに来てもらってごめんね?」
穂乃香「いいえ。……加蓮ちゃん、まだ車椅子を使っているんですね」
加蓮「歩けるんだけどね、歩くと体力がガリガリ減って。まるでゲームの毒を受けてるみたいだよ」
穂乃香「……??」
加蓮「つ、通じないか……それよりほら、打ち合わせしよっ。あ、注文した方がいいのかな。すみませーん、コーヒー1つ、お願いします」
穂乃香「あ、私もコーヒーを」
加蓮「仕事の前に飲むと大人っぽくなれるんだっけ」
穂乃香「はい。頭が切り替えられます。実はさっきまで、柚ちゃんと通信アプリでやり取りをしていて……だから尚更です」
加蓮「柚と、かぁ……」
478: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:16:43.48 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「今日も、この後に遊びに行く約束をしてて」
加蓮「じゃあパパっと済ませなきゃね」
加蓮「…………」
穂乃香「……? 加蓮ちゃん?」
加蓮「あ、ううん。柚、か…………」
穂乃香「……ふふ。柚ちゃんのお話を聞きたそうな顔」
加蓮「わ、分かる?」
穂乃香「現場やレッスンについてきてくれなくなったって言っていましたよ。任されてるんだ、って張り切っていました」
穂乃香「でも、ときどき寂しそうにしていて……」
加蓮「……やっぱりそっかぁ。あ、コーヒーだ。はい穂乃香さん」
穂乃香「いただきます。…………ふう」ゴクゴク
加蓮「…………」ズズ
加蓮「じゃあパパっと済ませなきゃね」
加蓮「…………」
穂乃香「……? 加蓮ちゃん?」
加蓮「あ、ううん。柚、か…………」
穂乃香「……ふふ。柚ちゃんのお話を聞きたそうな顔」
加蓮「わ、分かる?」
穂乃香「現場やレッスンについてきてくれなくなったって言っていましたよ。任されてるんだ、って張り切っていました」
穂乃香「でも、ときどき寂しそうにしていて……」
加蓮「……やっぱりそっかぁ。あ、コーヒーだ。はい穂乃香さん」
穂乃香「いただきます。…………ふう」ゴクゴク
加蓮「…………」ズズ
479: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:17:13.59 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「まだ……お体、よくないんですか?」
加蓮「私は大丈夫なんだけどさ。Pさん、私の上司がさ。うるさいんだ。そんな身体で行くくらいなら自分が! って」
加蓮「どうしても私が出ないといけない外での打ち合わせはぜんぶPさんが同伴。なんだか新人みたいだねってPさんに言ったら笑われちゃった」
加蓮「今日もさ、書類がなかったら絶対ついてきてたよ」
穂乃香「ふふっ」
加蓮「っと、打ち合わせしよっか。今日はフリルドスクエアのCMの件なんだけど――」
穂乃香「それでしたら、まずはスケジュールから――」
加蓮「私は大丈夫なんだけどさ。Pさん、私の上司がさ。うるさいんだ。そんな身体で行くくらいなら自分が! って」
加蓮「どうしても私が出ないといけない外での打ち合わせはぜんぶPさんが同伴。なんだか新人みたいだねってPさんに言ったら笑われちゃった」
加蓮「今日もさ、書類がなかったら絶対ついてきてたよ」
穂乃香「ふふっ」
加蓮「っと、打ち合わせしよっか。今日はフリルドスクエアのCMの件なんだけど――」
穂乃香「それでしたら、まずはスケジュールから――」
480: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:17:43.28 ID:oyrpMvNz0
――20分後――
穂乃香「――といったところで、大丈夫ですね」
加蓮「うん、大丈夫大丈夫! スケジュール確認もレッスンの予定も作れたし、予算の問題もオッケー。あと何かあったっけ?」
穂乃香「…………」ウーン
穂乃香「いえ、今は大丈夫です。加蓮ちゃんは……」
加蓮「私もオッケー。じゃ打ち合わせはこれで終わりっ。お疲れ様でした~」
穂乃香「はい、お疲れ様でした」ペコリ
穂乃香「今回も……加蓮ちゃんや柚ちゃんからは、多くのことが学べそうです……」
加蓮「ん? ……なんだか勉強会みたいだね、こういうのって」
穂乃香「はい。もちろんお仕事だから真剣にやりますが、それ以上に私にとっては学ばせていただく場です」
穂乃香「もっともっと、アイドルとして上を――」
穂乃香「いえ。それよりはまず、楽しむことからですね。せっかく柚ちゃんとのお仕事ですし」
加蓮「へぇ…………」
穂乃香「――といったところで、大丈夫ですね」
加蓮「うん、大丈夫大丈夫! スケジュール確認もレッスンの予定も作れたし、予算の問題もオッケー。あと何かあったっけ?」
穂乃香「…………」ウーン
穂乃香「いえ、今は大丈夫です。加蓮ちゃんは……」
加蓮「私もオッケー。じゃ打ち合わせはこれで終わりっ。お疲れ様でした~」
穂乃香「はい、お疲れ様でした」ペコリ
穂乃香「今回も……加蓮ちゃんや柚ちゃんからは、多くのことが学べそうです……」
加蓮「ん? ……なんだか勉強会みたいだね、こういうのって」
穂乃香「はい。もちろんお仕事だから真剣にやりますが、それ以上に私にとっては学ばせていただく場です」
穂乃香「もっともっと、アイドルとして上を――」
穂乃香「いえ。それよりはまず、楽しむことからですね。せっかく柚ちゃんとのお仕事ですし」
加蓮「へぇ…………」
481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:18:13.69 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「次のお仕事は、私が引っ張るくらいで……。でも、柚ちゃんやあずきちゃんの勢いに、ついていけるかな……?」
穂乃香「ううん。大切なのは、できるかじゃなくてやりたいかですよね。加蓮ちゃんからも任されてしまっていますし」
加蓮「…………ん……穂乃香さん、なんか変わった?」
穂乃香「え?」
加蓮「いや……なんだろ。なんか、柔らかくなったような……」
穂乃香「そうですか? ……でも、もしかしたらそうなのかもと自分でも思うことがあります」
穂乃香「前の私は、1人でやることばかり考えていて……セルフプロデュースをやり始めて、なおさらそうなって」
穂乃香「でも、フリルドスクエアでは、みんなでやりたいって。私1人だけが目立つのではなく、みんなで力を合わせて……なんて」
穂乃香「昔の私では、考えられなかったことかもしれません。でも……柚ちゃんやあずきちゃんが、みんなで一緒にってよく言うから」
穂乃香「ふふっ。あの2人につられているのかも。きっと、忍ちゃんもそうだと思います」
加蓮「そっか。柚とあずきちゃんにか……」
穂乃香「ううん。大切なのは、できるかじゃなくてやりたいかですよね。加蓮ちゃんからも任されてしまっていますし」
加蓮「…………ん……穂乃香さん、なんか変わった?」
穂乃香「え?」
加蓮「いや……なんだろ。なんか、柔らかくなったような……」
穂乃香「そうですか? ……でも、もしかしたらそうなのかもと自分でも思うことがあります」
穂乃香「前の私は、1人でやることばかり考えていて……セルフプロデュースをやり始めて、なおさらそうなって」
穂乃香「でも、フリルドスクエアでは、みんなでやりたいって。私1人だけが目立つのではなく、みんなで力を合わせて……なんて」
穂乃香「昔の私では、考えられなかったことかもしれません。でも……柚ちゃんやあずきちゃんが、みんなで一緒にってよく言うから」
穂乃香「ふふっ。あの2人につられているのかも。きっと、忍ちゃんもそうだと思います」
加蓮「そっか。柚とあずきちゃんにか……」
482: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:18:43.56 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「この前のLIVEの帰り道の時もそうでした。先頭にあずきちゃんと柚ちゃんがいて、後ろから忍ちゃんがついていっているんです」
穂乃香「忍ちゃんは2人と一緒に、楽しそうだったり、たまに冷めてしまっていたり。でもいつも、笑ってる」
穂乃香「私が一番後ろから見ていて。そんな私にも、柚ちゃんが話を振ってくれます。楽しかった? って、何度も何度も聞いてきて……」
穂乃香「次も一緒にやろうね! って言ってもらえるのが、すごく嬉しくて」
穂乃香「笑って返すと、柚ちゃんもすごく満足したように笑うんです。私、あの笑顔が大好きで……♪」
加蓮「…………」
穂乃香「それと前に、柚ちゃんとあずきちゃんが……私が後ろにいてくれるからいろんなことができる、って、揃って言ってくれました」
穂乃香「私、3人についていけているか不安で……いえ、今もまだ少し不安というか、頑張らないとって思っています」
穂乃香「でも、柚ちゃん達の言葉を聞いた時……笑顔を見た時、つい、笑ってしまいました」
加蓮「…………」
穂乃香「忍ちゃんは2人と一緒に、楽しそうだったり、たまに冷めてしまっていたり。でもいつも、笑ってる」
穂乃香「私が一番後ろから見ていて。そんな私にも、柚ちゃんが話を振ってくれます。楽しかった? って、何度も何度も聞いてきて……」
穂乃香「次も一緒にやろうね! って言ってもらえるのが、すごく嬉しくて」
穂乃香「笑って返すと、柚ちゃんもすごく満足したように笑うんです。私、あの笑顔が大好きで……♪」
加蓮「…………」
穂乃香「それと前に、柚ちゃんとあずきちゃんが……私が後ろにいてくれるからいろんなことができる、って、揃って言ってくれました」
穂乃香「私、3人についていけているか不安で……いえ、今もまだ少し不安というか、頑張らないとって思っています」
穂乃香「でも、柚ちゃん達の言葉を聞いた時……笑顔を見た時、つい、笑ってしまいました」
加蓮「…………」
483: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:19:15.20 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「……どうでしょう。柚ちゃんを見守ってほしいと加蓮ちゃんに頼まれて……私なりに、できることをやって来ましたけれど」
穂乃香「最近では、どうにかついていけるようになっている筈です。……なっている筈、うん」
穂乃香「でもやっぱり、加蓮ちゃんには敵いそうもないですね……なんて。ふふ、勝負ではありませんが」
加蓮「……あ……ははっ。すごい想像できるなぁ。穂乃香さんって、話すのが上手、なんだね……っ……」
穂乃香「ありがとうござ――え? 加蓮ちゃん……?」
加蓮「あは、ははっ……」ヒクッ
加蓮「おかしいよね。聞いてて面白くて胸が温かくなって……柚がちゃんとやれてるってことが、すごい嬉しいってだけなのにさ……」ヒクッ
加蓮「なんかさっきから――」
穂乃香「最近では、どうにかついていけるようになっている筈です。……なっている筈、うん」
穂乃香「でもやっぱり、加蓮ちゃんには敵いそうもないですね……なんて。ふふ、勝負ではありませんが」
加蓮「……あ……ははっ。すごい想像できるなぁ。穂乃香さんって、話すのが上手、なんだね……っ……」
穂乃香「ありがとうござ――え? 加蓮ちゃん……?」
加蓮「あは、ははっ……」ヒクッ
加蓮「おかしいよね。聞いてて面白くて胸が温かくなって……柚がちゃんとやれてるってことが、すごい嬉しいってだけなのにさ……」ヒクッ
加蓮「なんかさっきから――」
484: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:19:43.44 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「…………」パチクリ
穂乃香「えっと…………」
穂乃香「…………よしよし……」ナデナデ
加蓮「え……?」
穂乃香「あ。……ご、ごめんなさい」ヒッコミ
穂乃香「その、柚ちゃんが落ち込んでいる時や失敗してしまった時にも、よくこうしてあげているから……つい」
加蓮「ううんっ。…………え? 柚、に……?」
穂乃香「はい。最初は恥ずかしがったりするんですけれど、そういう時はよく、あずきちゃんや忍ちゃんが盛り上げてくれますから」
穂乃香「楽しいムードでいっぱいになって、そうしたらそのうち、暗いムードが吹き飛んでいて……」
穂乃香「また、私達で頑張るんです。もちろん、柚ちゃん以外の誰かが落ち込んじゃった時には、柚ちゃんが」
穂乃香「えっと…………」
穂乃香「…………よしよし……」ナデナデ
加蓮「え……?」
穂乃香「あ。……ご、ごめんなさい」ヒッコミ
穂乃香「その、柚ちゃんが落ち込んでいる時や失敗してしまった時にも、よくこうしてあげているから……つい」
加蓮「ううんっ。…………え? 柚、に……?」
穂乃香「はい。最初は恥ずかしがったりするんですけれど、そういう時はよく、あずきちゃんや忍ちゃんが盛り上げてくれますから」
穂乃香「楽しいムードでいっぱいになって、そうしたらそのうち、暗いムードが吹き飛んでいて……」
穂乃香「また、私達で頑張るんです。もちろん、柚ちゃん以外の誰かが落ち込んじゃった時には、柚ちゃんが」
485: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:20:13.88 ID:oyrpMvNz0
加蓮「……………………!」
柚『さっきのこと、穂乃香チャンと忍チャンにはナイショにしてて!』
加蓮『さっきのこと?』
柚『加蓮サンに甘えてたこと! ね! 甘える柚なんてヘンでしょ?』
加蓮『相変わらず周りの目が気になるんだね』
柚『う、うんっ。加蓮サンだから甘えられるの! 他の人に見られるなんてムリっ』
加蓮「そ、っか……あはは……そっか……!」
穂乃香「加蓮ちゃん……?」
加蓮「ううん。柚ってば、もうすっかり、フリルドスクエアの子だね」
加蓮「……あーあっ、なんだか妬けちゃうな。最近は柚も1人で現場に行くことが多くなって……しょーがないんだけどね。でも、柚を取られちゃった気分だ」
加蓮「もしかしてこれがアレなのかな。子供を嫁に出す親の気持ち? ふふっ、保護者だって言ってくれたもんね、穂乃香さん」
柚『さっきのこと、穂乃香チャンと忍チャンにはナイショにしてて!』
加蓮『さっきのこと?』
柚『加蓮サンに甘えてたこと! ね! 甘える柚なんてヘンでしょ?』
加蓮『相変わらず周りの目が気になるんだね』
柚『う、うんっ。加蓮サンだから甘えられるの! 他の人に見られるなんてムリっ』
加蓮「そ、っか……あはは……そっか……!」
穂乃香「加蓮ちゃん……?」
加蓮「ううん。柚ってば、もうすっかり、フリルドスクエアの子だね」
加蓮「……あーあっ、なんだか妬けちゃうな。最近は柚も1人で現場に行くことが多くなって……しょーがないんだけどね。でも、柚を取られちゃった気分だ」
加蓮「もしかしてこれがアレなのかな。子供を嫁に出す親の気持ち? ふふっ、保護者だって言ってくれたもんね、穂乃香さん」
486: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/29(日) 18:20:43.54 ID:oyrpMvNz0
穂乃香「でも、加蓮ちゃん。柚ちゃんはよく、加蓮ちゃんのお話をするんですよ。いつも楽しい、って言ったり、加蓮ちゃんはすごい、って言ったり」
加蓮「そ、っかぁ……」
穂乃香「加蓮ちゃんが入院していた時なんて……ずっと不安そうに。私や忍ちゃん、あずきちゃんがどれほど「大丈夫」って言ってあげても、ずっと震えて
加蓮「そ、っかぁ……」
穂乃香「加蓮ちゃんが入院していた時なんて……ずっと不安そうに。私や忍ちゃん、あずきちゃんがどれほど「大丈夫」って言ってあげても、ずっと震えて