真姫「私だけの」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 23:07:11.66 ID:xdghOMg4O
更新遅め
百合要素あり
にこまき
以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。
百合要素あり
にこまき
以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 23:22:27.23 ID:xdghOMg4O
――――――
真姫「それで、花陽は最近どうなの?」
花陽「うん。順調だよ」
久しぶりに会った友人、小泉花陽はそう言って笑った。
花陽「農業は奥が深いよっ!」
真姫「……そ、そう」
高校の時から食べ物、おもにお米に対して並々ならぬ情熱はあったけど、さらにパワーアップしてるみたい。
その気迫に少し気圧される。
……まぁ。
高校を卒業してからもう2年が経っていて。
それでも変わらず、今まで親交が続いてるんだからいい友達を持ったと思う。
友達、といえば。
真姫「凛は? どうなのよ?」
もう一人の同級生、星空凛のことを聞いてみる。
確か、体育大に行ったんだったわよね?
花陽「うーん……」
私の質問に首を傾げる花陽。
困ったような表情をしていた。
真姫「え、あんまりよくないの?」
花陽「ううん。陸上でいい成績は残してるみたい」
凛は高校時代に陸上はやっていなかったけれど、持ち前の運動能力とスクールアイドルで培った体力で体育大に入った。
……あぁ、そうだった。
ふと花陽の困ったような表情を見て、思い出した。
真姫「もしかして、座学の方?」
花陽「う、うん……。単位落としそうって泣いてたよ」
真姫「はぁ……まったく」
そういえば、大学に入るときのちょっとした試験の時も、花陽に泣きついてたわね。
なんて、1年前のことを思い出す。
悪い意味で変わらないわね、あの子。
真姫「それで、花陽は最近どうなの?」
花陽「うん。順調だよ」
久しぶりに会った友人、小泉花陽はそう言って笑った。
花陽「農業は奥が深いよっ!」
真姫「……そ、そう」
高校の時から食べ物、おもにお米に対して並々ならぬ情熱はあったけど、さらにパワーアップしてるみたい。
その気迫に少し気圧される。
……まぁ。
高校を卒業してからもう2年が経っていて。
それでも変わらず、今まで親交が続いてるんだからいい友達を持ったと思う。
友達、といえば。
真姫「凛は? どうなのよ?」
もう一人の同級生、星空凛のことを聞いてみる。
確か、体育大に行ったんだったわよね?
花陽「うーん……」
私の質問に首を傾げる花陽。
困ったような表情をしていた。
真姫「え、あんまりよくないの?」
花陽「ううん。陸上でいい成績は残してるみたい」
凛は高校時代に陸上はやっていなかったけれど、持ち前の運動能力とスクールアイドルで培った体力で体育大に入った。
……あぁ、そうだった。
ふと花陽の困ったような表情を見て、思い出した。
真姫「もしかして、座学の方?」
花陽「う、うん……。単位落としそうって泣いてたよ」
真姫「はぁ……まったく」
そういえば、大学に入るときのちょっとした試験の時も、花陽に泣きついてたわね。
なんて、1年前のことを思い出す。
悪い意味で変わらないわね、あの子。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 23:34:35.18 ID:xdghOMg4O
花陽「えっと、真姫ちゃんはどう?」
真姫「私?」
うん。
やっぱりお医者さんになるにはたくさん勉強しなきゃなんだよね?
そう言って、花陽は首を傾げた。
真姫「まぁ、大変と言えば大変ね」
覚えることは多いし。
周りは無駄にプライド高い人ばっかりだし。
もっと謙虚になりなさいよね。
ため息をついて、花陽にそんなことを愚痴る。
すると、
花陽「ふふふっ」
真姫「な、なんで笑うのよっ」
なぜか笑われてしまった。
花陽「もっと謙虚に、なんて、真姫ちゃんの口から聞くとは思わなかったから」
真姫「も、もうっ! からかわないでっ」
花陽「えへへっ」
そんな皮肉を、花陽に言われた。
むっとする、ちょっとだけ。
昔の私だったらもっとむきになってたでしょうね。
けど、花陽がこんな風に皮肉を言うようになるくらい月日が経ったんだもの。
私だって、これくらい笑い飛ばせるようになってるのよ?
それに、そんなこと気軽に言ってくれる人なんて大学にはいないから、ちょっと嬉しいのもあるし。
真姫「ふふっ」
花陽「ん? どうかした?」
真姫「なんでもないわ」
久しぶりの皮肉に嬉しくなった。
なんて、口が割けても言わない。
変に思われちゃうもの。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/11(土) 23:47:10.58 ID:xdghOMg4O
花陽「なにか追加で頼もうか?」
真姫「……私はいいわ」
花陽「そっか……。私は頼もうかな」
そういえば、ここ喫茶店だったわね。
目の前でメニューとにらめっこする花陽を見て、ふと思い出した。
ぶつぶつとなにかを呟いてる花陽。
どうやらカロリーを気にしてるみたい。
と、そこで
「あ、あのっ!」
真姫「ん?」
誰かに声をかけられた。
こんなところで、いったい誰?
そう思って、声の主を確認する。
そこには、
「す、すみませんっ! わ、わたし、音ノ木坂のものなんですけどっ!」
私たちの母校、音ノ木坂学院の制服に身を包んだ女の子が経っていた。
真姫「えぇと……」
大人しそうな眼鏡をかけた女の子。
こういうタイプは私より花陽の方が応対得意なんじゃないかしら。
そう思って、チラリと花陽を横目で確認すると、まだカロリー計算と戦ってる様子で。
……はぁ。
しょうがないわね。
そんなことを心のなかで呟いて、笑顔を作った。
真姫「なにかしら?」
「あの、西木野っ、ま、まきしゃんですよねっ!」
噛んだわね。
そう思いながらも、指摘はせず頷く。
「わたし、えっと……そのっ」
真姫「落ち着いて? 深呼吸でもしてみなさい」
「あっ、は、はいっ!」
その子は私の言う通り、深呼吸をした。
ふふっ、なんだか昔の花陽を見てるみたい。
微笑ましい気持ちになる。
と、どうやら落ち着いたようで、彼女は言葉を続けた。
「わ、わたし! μ's の大ファンなんですっ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 00:03:57.94 ID:RCefNQcCO
μ's
それは、私や花陽、凛が高校一年生の時に参加していたスクールアイドルグループの名前だ。
今から考えると、四年前のこと。
だけど、今でも鮮明に思い出せる輝かしい思い出。
μ's は9人で走り抜けた青春そのものっていってもいいかもしれない。
……なんて、ちょっと寒かったかしら。
「あ、あの?」
真姫「……あぁ、ごめんなさい」
考え事をしてたのよ。
そう言ってから、言葉を続ける。
真姫「それで……」
「あ、えっと……」
真姫「……あぁ、私たちのファンだったわね」
「はいっ!」
私の言葉に、元気よく返事をする彼女。
4年も前のことなのに、こうしてファンでいてくれる人がいるっていうのは……。
ま、悪くはないわね。
「あ、あの、それでですね……」
真姫「?」
「さ、サインを!」
「み、みなさんのサインをくださいっ!」
もじもじとしながらも、期待に満ちた表情でそんな言葉を口にした女の子。
真姫「私はいいけど……」
そう言って、メニューから顔をあげた子に目配せをした。
花陽「はいっ! 喜んで!」
真姫「だ、そうよ?」
「あ、ありがとうございますっ!」
勢いよく頭を下げる女の子。
そんなところも、昔の花陽そっくりで。
真姫「ふふっ」
花陽「? 真姫ちゃん?」
真姫「なんでもない」
つい笑ってしまった。
――――――
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 00:38:42.93 ID:RCefNQcCO
――――――
真姫「本当に私たちだけでいいの?」
書き終わったサインを渡しながら、私は女の子にそう言った。
みなさんの、とは言ったものの、ここにいるのは私と花陽だけ。
だから、9人全員のとはいかなかった。
だけど、彼女は
「はい! お二人のサインだけでもものすごぉぉぉぉく! 価値がありますからっ!」
ホクホクとした顔でそう言った。
花陽「えへへっ♪ そう言われると照れちゃうね」
真姫「そ、そうね」
二人してそんなことを言う。
ちょっと顔も熱い気がするわ。
と、花陽と照れていると。
女の子は、それに! と言って言葉を続けた。
「みなさん、お忙しいですもんね!」
「穂乃果さんは和菓子関係の専門学校で、海未さんは日舞の家元を継ぐため日夜稽古に励んでいると聞いてます」
「それに――」
彼女の口から出てくる出てくる。
μ's メンバーの進路やら何やらが。
それを語る彼女の表情はどこか得意気で。
本当に私たちの大ファンなのね、なんて思ったりした。
真姫「本当に私たちだけでいいの?」
書き終わったサインを渡しながら、私は女の子にそう言った。
みなさんの、とは言ったものの、ここにいるのは私と花陽だけ。
だから、9人全員のとはいかなかった。
だけど、彼女は
「はい! お二人のサインだけでもものすごぉぉぉぉく! 価値がありますからっ!」
ホクホクとした顔でそう言った。
花陽「えへへっ♪ そう言われると照れちゃうね」
真姫「そ、そうね」
二人してそんなことを言う。
ちょっと顔も熱い気がするわ。
と、花陽と照れていると。
女の子は、それに! と言って言葉を続けた。
「みなさん、お忙しいですもんね!」
「穂乃果さんは和菓子関係の専門学校で、海未さんは日舞の家元を継ぐため日夜稽古に励んでいると聞いてます」
「それに――」
彼女の口から出てくる出てくる。
μ's メンバーの進路やら何やらが。
それを語る彼女の表情はどこか得意気で。
本当に私たちの大ファンなのね、なんて思ったりした。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 00:39:44.33 ID:RCefNQcCO
真姫「ふふっ」
花陽「えへへっ」
そんな様子を見て、花陽と微笑む。
と、その時だった。
「あっ」
不意に彼女の口が止まった。
疑問に思って、彼女の方をみると、私たちの後ろを見ているみたい。
その視線を追ってみると――
花陽「あっ」
その光景に、花陽が先に声をあげた。
視線の先にあったのはテレビ。
そこに映っていたのは、私と花陽がよく見知った顔で……。
『にっこにっこにー♪』
『あなたのハートににこにこにー♪』
『笑顔届ける矢澤にこにこっ♪』
真姫「……にこちゃん」
ポツリとその名前を呟く。
私たちと同じμ's のメンバーで。
人気アイドルの矢澤にこの名前を。
――――――
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 00:53:26.00 ID:RCefNQcCO
――――――
真姫「じゃ、またね、花陽」
帰り道。
花陽にそう別れを告げた。
……のだけど。
花陽「う、うん……」
なんだか、花陽は浮かない顔で。
ただ寂しいだけでしょ?
そう思った私は、
真姫「またすぐ会えるわよ」
そんな風に言った。
今生の別れじゃあるまいし、って。
花陽「…………」
それでも、花陽の表情は晴れない。
真姫「花陽?」
花陽「…………」
真姫「? 花陽ってば!」
花陽「…………」
肩を軽くゆする。
けど、反応はなくて。
それから少しだけ沈黙が流れた。
そして――
花陽「……ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「……なに?」
花陽「にこちゃんの噂、知ってる?」
神妙な面持ちで、花陽はそう言った。
にこちゃんの噂?
それって……?
言わなくても私が言いたいことを理解したようで、花陽は口を開く。
花陽「……えっと、その……」
けれど、目を泳がせながら、花陽は言い淀んだ。
真姫「花陽、教えて?」
花陽「う、うん」
そう言って促すと、花陽はひとつ息を飲んで、俯いたままこう言った。
真姫「じゃ、またね、花陽」
帰り道。
花陽にそう別れを告げた。
……のだけど。
花陽「う、うん……」
なんだか、花陽は浮かない顔で。
ただ寂しいだけでしょ?
そう思った私は、
真姫「またすぐ会えるわよ」
そんな風に言った。
今生の別れじゃあるまいし、って。
花陽「…………」
それでも、花陽の表情は晴れない。
真姫「花陽?」
花陽「…………」
真姫「? 花陽ってば!」
花陽「…………」
肩を軽くゆする。
けど、反応はなくて。
それから少しだけ沈黙が流れた。
そして――
花陽「……ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「……なに?」
花陽「にこちゃんの噂、知ってる?」
神妙な面持ちで、花陽はそう言った。
にこちゃんの噂?
それって……?
言わなくても私が言いたいことを理解したようで、花陽は口を開く。
花陽「……えっと、その……」
けれど、目を泳がせながら、花陽は言い淀んだ。
真姫「花陽、教えて?」
花陽「う、うん」
そう言って促すと、花陽はひとつ息を飲んで、俯いたままこう言った。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 00:53:51.45 ID:RCefNQcCO
――――――
花陽「あのね」
花陽「にこちゃん、いじめられてるみたいなの……」
――――――
花陽「あのね」
花陽「にこちゃん、いじめられてるみたいなの……」
――――――
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 09:10:52.38 ID:RCefNQcCO
――――――
矢澤にこ
その名前を聞いて、世間が思い浮かべるのは、たぶん今のにこちゃん、人気アイドルのにこちゃんの姿だろう。
2年前からテレビでよく見かけるようになった彼女は、今では歌番組やバラエティー、その他色々な方面から引っ張りだこ。
始めは、普通のアイドル路線で行こうとしてたみたい。
だけど、徐々に仕事はアイドルらしいものだけではなく、中には芸人がやるような仕事をしているのもよく見るようになって……。
それでも、見ている人が笑顔になるような、彼女の一生懸命な姿に世間はどんどん魅了されていった。
その結果が――
矢澤にこ
その名前を聞いて、世間が思い浮かべるのは、たぶん今のにこちゃん、人気アイドルのにこちゃんの姿だろう。
2年前からテレビでよく見かけるようになった彼女は、今では歌番組やバラエティー、その他色々な方面から引っ張りだこ。
始めは、普通のアイドル路線で行こうとしてたみたい。
だけど、徐々に仕事はアイドルらしいものだけではなく、中には芸人がやるような仕事をしているのもよく見るようになって……。
それでも、見ている人が笑顔になるような、彼女の一生懸命な姿に世間はどんどん魅了されていった。
その結果が――
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 09:20:21.46 ID:RCefNQcCO
――真姫の部屋
『にっこにっこにー♪』
真姫「あ、またにこちゃん出てる」
帰ってきてテレビをつけると、そこにはにこちゃんの姿があった。
番組表を見れば、それが人気バラエティーなのがあまりテレビを見ない私でもわかった。
確か、ゲストとレギュラーメンバーがゲームで対戦する、みたいな感じだったかしら?
その前説なのか、いつもの営業スマイルで、例のやつをやっている。
まぁ、その営業スマイルもゲームに熱中するあまり崩れるんでしょうけど。
真姫「……ふふっ」
ちょ、こんなの出来るわけないでしょ!
なんて言いながらも、本気になるにこちゃんの姿が容易に想像できるわ。
真姫「…………」
『いじめられてるみたいなの』
真姫「…………」
ふと、昼間の花陽の言葉を思い出した。
いじめられてる、ね。
画面のなかで生き生きとしているにこちゃんを見たら、そんなこと到底信じられない。
『にっこにっこにー♪』
真姫「あ、またにこちゃん出てる」
帰ってきてテレビをつけると、そこにはにこちゃんの姿があった。
番組表を見れば、それが人気バラエティーなのがあまりテレビを見ない私でもわかった。
確か、ゲストとレギュラーメンバーがゲームで対戦する、みたいな感じだったかしら?
その前説なのか、いつもの営業スマイルで、例のやつをやっている。
まぁ、その営業スマイルもゲームに熱中するあまり崩れるんでしょうけど。
真姫「……ふふっ」
ちょ、こんなの出来るわけないでしょ!
なんて言いながらも、本気になるにこちゃんの姿が容易に想像できるわ。
真姫「…………」
『いじめられてるみたいなの』
真姫「…………」
ふと、昼間の花陽の言葉を思い出した。
いじめられてる、ね。
画面のなかで生き生きとしているにこちゃんを見たら、そんなこと到底信じられない。
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 09:26:18.07 ID:RCefNQcCO
―― 回想 ――
真姫「いじめられてる?」
花陽「う、うん」
真姫「……一体だれに?」
花陽「事務所の先輩、だって。なんだか悪質な嫌がらせを受けてるとか……」
真姫「…………」
花陽「…………」
真姫「……イミワカンナイ」
花陽「は、花陽も信じたくはない……けど」
真姫「けど?」
花陽「アイドルの世界ってそういうことも少なくない、から……」
真姫「…………」
花陽「真姫ちゃん……」
真姫「きっと、ガセ情報よ。そもそも何処からの情報なの?」
花陽「あ、えっと……インターネットだけど……」
真姫「……ネットの情報なんてガセ情報の方が多いくらいよ? ガセよ、ガセに決まってるわっ」
花陽「う、うん……そうだと、いいんだけど……」
真姫「…………」
―― 回想終了 ――
真姫「いじめられてる?」
花陽「う、うん」
真姫「……一体だれに?」
花陽「事務所の先輩、だって。なんだか悪質な嫌がらせを受けてるとか……」
真姫「…………」
花陽「…………」
真姫「……イミワカンナイ」
花陽「は、花陽も信じたくはない……けど」
真姫「けど?」
花陽「アイドルの世界ってそういうことも少なくない、から……」
真姫「…………」
花陽「真姫ちゃん……」
真姫「きっと、ガセ情報よ。そもそも何処からの情報なの?」
花陽「あ、えっと……インターネットだけど……」
真姫「……ネットの情報なんてガセ情報の方が多いくらいよ? ガセよ、ガセに決まってるわっ」
花陽「う、うん……そうだと、いいんだけど……」
真姫「…………」
―― 回想終了 ――
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 09:32:19.76 ID:RCefNQcCO
真姫「……馬鹿馬鹿しい」
ボソリとそう吐き捨てる。
きっとなにかの間違いよ。
あんなに一生懸命なにこちゃんに嫌がらせをするとか……。
真姫「イミワカンナイ」
少なくとも私には理解できない。
そんなことする人がいるなんて……。
真姫「早く寝ましょ」
思考を切り替えるように、そう呟く。
明日は1限からだし。
お風呂に入って早めに寝ないと。
私はお風呂に入るために、着替えを準備して。
さて、行きましょうか。
…………。
真姫「テレビは……このままでいいわよね」
私はテレビをつけたまま、部屋を出たのだった。
――――――
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 10:03:37.74 ID:RCefNQcCO
――――――
午後の講義が休講になり、急に時間ができた。
このまま家に帰るのもありだけど……。
真姫「……なんだか癪よね」
せっかくなのだから、外でなにか食べてから帰りましょうか。
けれど、高校時代ならまだしも、大学生になって一人でというのもなんだか味気ない。
真姫「誰かいないかしら」
そう言いながら、スマホのアプリを開き、連絡先をボーッと眺める。
大学の友達は……なしね。
たぶん午後も講義ある子がほとんどだし。
となると……。
『○○付近で暇な人いる?』
グループに向けて、そんなメッセージを飛ばした。
『すみません。今日は稽古の方が……』
『今、ことりはパリにいるよぉ』
『パリから行けたらいいのにぃ( ;8; )』
『ウチも講義入ってるんよ(泣)』
『ごめんなさい。私も講義が入っているから行けないわ……』
『凛、いくにゃー( >ω<)/』
『穂乃果も行きたい!』
『凛ちゃん、単位大丈夫なの?』
『(´・ω・`)』
『穂乃果? 今日は午後まで学校があると聞きましたが?』
『な、何でそれを!?』
真姫「…………やっぱり忙しそうね、皆」
メッセージを見ながら、呟いた。
ひとつため息をついて、歩き出す。
ま、仕方ないわよね。
今日は大人しく家に帰りましょ。
そんな風に、諦めかけた時だった。
―― prprprpr ――
真姫「えっ? 電話?」
デフォルトのままの着信音が鳴った。
相手は――
真姫「え、にこちゃん?」
――――――
午後の講義が休講になり、急に時間ができた。
このまま家に帰るのもありだけど……。
真姫「……なんだか癪よね」
せっかくなのだから、外でなにか食べてから帰りましょうか。
けれど、高校時代ならまだしも、大学生になって一人でというのもなんだか味気ない。
真姫「誰かいないかしら」
そう言いながら、スマホのアプリを開き、連絡先をボーッと眺める。
大学の友達は……なしね。
たぶん午後も講義ある子がほとんどだし。
となると……。
『○○付近で暇な人いる?』
グループに向けて、そんなメッセージを飛ばした。
『すみません。今日は稽古の方が……』
『今、ことりはパリにいるよぉ』
『パリから行けたらいいのにぃ( ;8; )』
『ウチも講義入ってるんよ(泣)』
『ごめんなさい。私も講義が入っているから行けないわ……』
『凛、いくにゃー( >ω<)/』
『穂乃果も行きたい!』
『凛ちゃん、単位大丈夫なの?』
『(´・ω・`)』
『穂乃果? 今日は午後まで学校があると聞きましたが?』
『な、何でそれを!?』
真姫「…………やっぱり忙しそうね、皆」
メッセージを見ながら、呟いた。
ひとつため息をついて、歩き出す。
ま、仕方ないわよね。
今日は大人しく家に帰りましょ。
そんな風に、諦めかけた時だった。
―― prprprpr ――
真姫「えっ? 電話?」
デフォルトのままの着信音が鳴った。
相手は――
真姫「え、にこちゃん?」
――――――
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 13:36:11.18 ID:hNDK6FU6O
――――――
電話を貰ってから10分後。
待ち合わせ場所に、彼女がやって来た。
髪を下ろし、大きな眼鏡をかけた姿。
昔のツインテールともテレビで見る縛る位置が下がったツインテールとも違う。
だけど、私にはそれがちゃんと彼女だと分かった。
真姫「……あっ」
彼女の姿を認め、私はその名前を呼ぶ。
真姫「にこちゃ――」
にこ「ストップぅぅ!!」
真姫「っ!?」
と、同時にそれを遮られる。
び、ビックリしたわねっ……。
真姫「急に大声出さないでっ」
にこ「その言葉、そっくりそのまま返してあげるわ」
にこにこと笑うにこちゃん。
いや、目が笑ってなかったわね。
にこ「こんなところで、にこの名前を呼んだら、ちょっとしたパニックになるわよ?」
それでもいいの?
そう言って、ジト目で私を見てくる。
昔なら、あり得ないわとか、自意識過剰ねとか言えたんだけど。
今はにこちゃんの言っていることがないとは言えない。
真姫「ご、ごめん……」
だから、素直に謝った。
浅慮だったわ、って。
そうしたら、にこちゃんは、
にこ「や、やけに素直ね……」
なんて言って、ちょっとビックリしていた。
真姫「なによ?」
にこ「えっと、本物の真姫ちゃんよね?」
真姫「あ、当たり前でしょっ!」
にこ「う、うん。ごめん」
今度はにこちゃんが謝る。
って、なによこれ……。
調子狂うわ。
真姫「とにかく、行きましょ」
にこ「……そうね」
なんだか微妙な空気のまま、私たちは並んで歩き出した。
――――――
電話を貰ってから10分後。
待ち合わせ場所に、彼女がやって来た。
髪を下ろし、大きな眼鏡をかけた姿。
昔のツインテールともテレビで見る縛る位置が下がったツインテールとも違う。
だけど、私にはそれがちゃんと彼女だと分かった。
真姫「……あっ」
彼女の姿を認め、私はその名前を呼ぶ。
真姫「にこちゃ――」
にこ「ストップぅぅ!!」
真姫「っ!?」
と、同時にそれを遮られる。
び、ビックリしたわねっ……。
真姫「急に大声出さないでっ」
にこ「その言葉、そっくりそのまま返してあげるわ」
にこにこと笑うにこちゃん。
いや、目が笑ってなかったわね。
にこ「こんなところで、にこの名前を呼んだら、ちょっとしたパニックになるわよ?」
それでもいいの?
そう言って、ジト目で私を見てくる。
昔なら、あり得ないわとか、自意識過剰ねとか言えたんだけど。
今はにこちゃんの言っていることがないとは言えない。
真姫「ご、ごめん……」
だから、素直に謝った。
浅慮だったわ、って。
そうしたら、にこちゃんは、
にこ「や、やけに素直ね……」
なんて言って、ちょっとビックリしていた。
真姫「なによ?」
にこ「えっと、本物の真姫ちゃんよね?」
真姫「あ、当たり前でしょっ!」
にこ「う、うん。ごめん」
今度はにこちゃんが謝る。
って、なによこれ……。
調子狂うわ。
真姫「とにかく、行きましょ」
にこ「……そうね」
なんだか微妙な空気のまま、私たちは並んで歩き出した。
――――――
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 13:47:20.06 ID:hNDK6FU6O
――――――
にこ「だ、だいじょぶかしら」
昨日、花陽と来た喫茶店。
そこににこちゃんと入った。
なんだけど、にこちゃんは挙動不審。
キョロキョロと周りを警戒するみたいに見渡している。
真姫「大丈夫よ。木を隠すなら森の中って言うでしょ?」
にこ「……ま、いいわ」
私の言葉で覚悟が決まったのか、にこちゃんはやっと腰を落ち着けた。
なに頼む?
そう聞くと、
にこ「あんまり、カロリー高くないもの」
にこちゃんはそう答えた。
カロリー高くないものって……。
真姫「アバウトね」
にこ「仕方ないでしょ? 体型維持するためにカロリー計算は必須なのよ」
真姫「…………」
体型維持、ね。
まぁ、確かに見事に維持されてるわ。
高校の頃と変わらないくらい。
にこ「……どこ見てんのよ?」
真姫「べつに?」
にこ「ぐぬぬ……」
真姫「……にこちゃんこそどこ見てるのよ」
にこ「……別に?」
そう言って、プイッとそっぽを向くにこちゃん。
相変わらずコンプレックスみたいね。
にこ「だ、だいじょぶかしら」
昨日、花陽と来た喫茶店。
そこににこちゃんと入った。
なんだけど、にこちゃんは挙動不審。
キョロキョロと周りを警戒するみたいに見渡している。
真姫「大丈夫よ。木を隠すなら森の中って言うでしょ?」
にこ「……ま、いいわ」
私の言葉で覚悟が決まったのか、にこちゃんはやっと腰を落ち着けた。
なに頼む?
そう聞くと、
にこ「あんまり、カロリー高くないもの」
にこちゃんはそう答えた。
カロリー高くないものって……。
真姫「アバウトね」
にこ「仕方ないでしょ? 体型維持するためにカロリー計算は必須なのよ」
真姫「…………」
体型維持、ね。
まぁ、確かに見事に維持されてるわ。
高校の頃と変わらないくらい。
にこ「……どこ見てんのよ?」
真姫「べつに?」
にこ「ぐぬぬ……」
真姫「……にこちゃんこそどこ見てるのよ」
にこ「……別に?」
そう言って、プイッとそっぽを向くにこちゃん。
相変わらずコンプレックスみたいね。
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 14:02:26.08 ID:hNDK6FU6O
とりあえず、悔しがるにこちゃんは放っておいて、注文をしましょう。
真姫「すみません。ナポリタンのセットひとつ」
にこ「って! まだにこ、決めてないんだけど!?」
真姫「……あと、クラブサンドひとつ」
にこ「勝手に……はぁ、いいわ」
諦めたみたいで、にこちゃんはため息を吐いて落ち着いた。
改めて、テーブルごしににこちゃんと向かい合う。
……んだけど。
真姫「…………」
にこ「…………」
真姫「…………」
にこ「…………」
会話が弾まない。
高校の時はどうしてたっけ?
あの時は……そうだ。
にこちゃんが私によくちょっかい出してきたのよね。
だから、その事を思い出して、
真姫「……なにか話しなさいよ」
にこ「……あんたこそ」
そんな風に言うんだけど、どうにもぎこちない。
……まぁ。
当然と言えば当然、なのかしら?
だって、にこちゃんと会うの――
真姫「2年ぶり、よね」
にこ「えぇ」
2年ぶり。
私が高校を卒業して。
そして、にこちゃんがアイドルとして売れ始めた頃から、私たちは全く顔を合わせてなかったのだ。
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 14:15:04.83 ID:hNDK6FU6O
真姫「……穂乃果たちも寂しがってたわよ?」
にこ「……うん、ごめん」
私の言葉に、少し俯いて答えるにこちゃん。
ここ2年間は、連絡こそあったものの、μ's メンバーで集まるときに、にこちゃんは一度も顔を見せなかった。
忙しかったのは、分かるけど……。
真姫「ことりもその時はちゃんと来てたのに……」
にこ「……ごめん」
高校卒業後、改めて海外へ留学したことり。
そのことりですら、ちゃんと予定を合わせてくれて顔を出してたのに……。
なんて、口から出てくるのはにこちゃんを責めるような言葉ばかり。
真姫「…………」
にこ「…………」
あぁ、こういうところは私も全然成長してない。
そんな風に考えて、少し自己嫌悪に陥る。
にこ「ねぇ、真姫ちゃん?」
と、そこでふとにこちゃんが私の名前を呼んだ。
なによ?
ぶっきらぼうにそう返事をする。
にこちゃんはそれに怒るでもなく、こう聞いてきた。
にこ「穂乃果たち『も』……って言ってたけど」
にこ「もしかして、真姫ちゃんも寂しがってくれたの?」
真姫「……っ」
にこちゃんの質問。
それは的を射たもので、つまり、図星だった。
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 14:25:01.87 ID:hNDK6FU6O
だけど、
真姫「……べつに?」
私の口は、にこちゃんの質問を否定した。
言っておくけど、照れ隠しじゃないわよ。
隠しているのは照れじゃない。
隠しているのは、自分の本当の気持ち。
高校時代に抱いてしまっていたにこちゃんへの気持ち。
にこ「……そ」
真姫「うん」
私の答えを聞いたにこちゃんは、短くそれだけを言った。
その一言からはなにも読み取れない。
怒ってるのか。
悲しんでいるのか。
なにも分からない。
程なくして、注文していたナポリタンセットとクラブサンドが運ばれてきた。
私とにこちゃんはそれを食べた。
その間、二人に会話はなくて。
だから、当然、私も聞くことができなくて。
昨日、花陽から聞いた例の噂。
あれが真実なのかどうか、本当は聞くはずだったのにね。
それから、私とにこちゃんは店を出た。
別れ際に、
にこ「今日は……ありがと」
にこちゃんはそう言って笑った。
その笑顔は、私の好きなそれじゃあなかった。
――――――
真姫「……べつに?」
私の口は、にこちゃんの質問を否定した。
言っておくけど、照れ隠しじゃないわよ。
隠しているのは照れじゃない。
隠しているのは、自分の本当の気持ち。
高校時代に抱いてしまっていたにこちゃんへの気持ち。
にこ「……そ」
真姫「うん」
私の答えを聞いたにこちゃんは、短くそれだけを言った。
その一言からはなにも読み取れない。
怒ってるのか。
悲しんでいるのか。
なにも分からない。
程なくして、注文していたナポリタンセットとクラブサンドが運ばれてきた。
私とにこちゃんはそれを食べた。
その間、二人に会話はなくて。
だから、当然、私も聞くことができなくて。
昨日、花陽から聞いた例の噂。
あれが真実なのかどうか、本当は聞くはずだったのにね。
それから、私とにこちゃんは店を出た。
別れ際に、
にこ「今日は……ありがと」
にこちゃんはそう言って笑った。
その笑顔は、私の好きなそれじゃあなかった。
――――――
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 14:40:27.82 ID:hNDK6FU6O
――――――
真姫「私、にこちゃんのことが好きっ」
真姫「だから、付き合ってください」
懐かしい。
2年前の、私の卒業式の時の記憶だ。
卒業式に来てくれたにこちゃんを屋上に呼び出して、私は告白をした。
こうなったきっかけ?
生意気な後輩が世話焼きの先輩にシンパシーを感じちゃって。
その気持ちが抑えられなくなった。
それだけの話よ。
……そう。
それだけを考えて、私は告白した。
にこちゃんがどうしようもなく好きだって。
返事はもちろん――
にこ「……ごめん」
当たり前よね。
にこちゃんはアイドルで、これからが大事な時期だったんだもん。
そんな時期に、恋人が、しかも同性の恋人がなんて。
普通に考えれば分かったはずなのに。
にこ「真姫ちゃんのことは嫌いじゃない」
真姫「じゃあっ!」
にこ「けど、にこにはやりたいことがあるの」
にこ「そのためには……恋人は作れない」
真姫「…………」
その時のにこちゃんの顔はよく覚えてる。
今にも泣きそうな顔で俯いてた。
そして、何回もごめん、ごめんって。
真姫「謝らないで」
にこ「ごめんっ」
真姫「謝らないでったらっ!!」
にこ「…………ごめんね、真姫ちゃん」
ヒステリックにそう叫んで、私はにこちゃんを睨んだ。
それでもやっぱりにこちゃんは謝り続けていて。
やっぱりそのせいよね。
この2年間、にこちゃんが私たちに会わなかったのって。
それを蒸し返すなんてね。
本当に私って、成長してない。
――――――
真姫「私、にこちゃんのことが好きっ」
真姫「だから、付き合ってください」
懐かしい。
2年前の、私の卒業式の時の記憶だ。
卒業式に来てくれたにこちゃんを屋上に呼び出して、私は告白をした。
こうなったきっかけ?
生意気な後輩が世話焼きの先輩にシンパシーを感じちゃって。
その気持ちが抑えられなくなった。
それだけの話よ。
……そう。
それだけを考えて、私は告白した。
にこちゃんがどうしようもなく好きだって。
返事はもちろん――
にこ「……ごめん」
当たり前よね。
にこちゃんはアイドルで、これからが大事な時期だったんだもん。
そんな時期に、恋人が、しかも同性の恋人がなんて。
普通に考えれば分かったはずなのに。
にこ「真姫ちゃんのことは嫌いじゃない」
真姫「じゃあっ!」
にこ「けど、にこにはやりたいことがあるの」
にこ「そのためには……恋人は作れない」
真姫「…………」
その時のにこちゃんの顔はよく覚えてる。
今にも泣きそうな顔で俯いてた。
そして、何回もごめん、ごめんって。
真姫「謝らないで」
にこ「ごめんっ」
真姫「謝らないでったらっ!!」
にこ「…………ごめんね、真姫ちゃん」
ヒステリックにそう叫んで、私はにこちゃんを睨んだ。
それでもやっぱりにこちゃんは謝り続けていて。
やっぱりそのせいよね。
この2年間、にこちゃんが私たちに会わなかったのって。
それを蒸し返すなんてね。
本当に私って、成長してない。
――――――
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 15:07:42.57 ID:hNDK6FU6O
――――――
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 15:17:06.24 ID:hNDK6FU6O
――――――
真姫「……痛っ」
朝起きて最初に感じたのは頭の痛み。
それに、異常なまでの気だるさ。
原因は分かってる。
昨日、夜に強いお酒を飲んだから。
二十歳になっているとはいえ、普段はあんまり飲まない。
それなのに、いきなり強いお酒を飲んだら、そりゃ残りもするわよね。
その上――
真姫「嫌なこと思い出しちゃったわ……」
ポツリと呟く。
心地の悪い夢だった。
昔のこととはいえ、今だってにこちゃんをすっぱり諦め切れたって訳じゃない。
往生際悪いことこの上ないけれど……。
だから、また独り言。
真姫「夢の中でくらい、告白受け入れてくれてもいいじゃない」
にこちゃんのバカ。
逆恨みも甚だしい。
そう心のなかでは分かってるんだけど。
真姫「…………はぁ」
真姫「大学、いきたくない」
布団にまた潜り込む。
今日はもういいや。
――――――
真姫「……痛っ」
朝起きて最初に感じたのは頭の痛み。
それに、異常なまでの気だるさ。
原因は分かってる。
昨日、夜に強いお酒を飲んだから。
二十歳になっているとはいえ、普段はあんまり飲まない。
それなのに、いきなり強いお酒を飲んだら、そりゃ残りもするわよね。
その上――
真姫「嫌なこと思い出しちゃったわ……」
ポツリと呟く。
心地の悪い夢だった。
昔のこととはいえ、今だってにこちゃんをすっぱり諦め切れたって訳じゃない。
往生際悪いことこの上ないけれど……。
だから、また独り言。
真姫「夢の中でくらい、告白受け入れてくれてもいいじゃない」
にこちゃんのバカ。
逆恨みも甚だしい。
そう心のなかでは分かってるんだけど。
真姫「…………はぁ」
真姫「大学、いきたくない」
布団にまた潜り込む。
今日はもういいや。
――――――
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 15:38:29.09 ID:hNDK6FU6O
――――――
―― ピーンポーン ――
真姫「んっ……んん?」
呼び鈴の音が聞こえて、ふと意識が覚醒する。
あれ?
私、いつのまにか寝ちゃってた?
ベッドから這うように出る。
頭の痛みは少しだけマシになっていた。
真姫「和木さん?」
お手伝いさんの名前を呼ぶ。
けれど、それに答える声はなかった。
どうやらどこかに出ているみたい。
真姫「しょうがないわね……」
見られても大丈夫な格好に着替える。
そして、部屋を出て、玄関の方へ。
真姫「はい、どちら様ですか」
ドアごしにそう尋ねる。
すると、
「真姫ちゃーん」
その向こう側からは、私の名前を呼ぶ声がした。
その声には聞き覚えがある。
「こんにちは!」
真姫「……随分と急に来たわね」
「えへへ、ごめんなさい」
ホンワカした声で謝る彼女。
その声を聞きながら、私は扉を開けた。
真姫「入っていいわよ」
「うん、お邪魔します。真姫ちゃん」
真姫「いらっしゃい、まこちゃん」
そこにいたのは、私の中学時代の数少ない友人。
尾崎まこちゃんだった。
まこ「来ちゃった」
――――――
―― ピーンポーン ――
真姫「んっ……んん?」
呼び鈴の音が聞こえて、ふと意識が覚醒する。
あれ?
私、いつのまにか寝ちゃってた?
ベッドから這うように出る。
頭の痛みは少しだけマシになっていた。
真姫「和木さん?」
お手伝いさんの名前を呼ぶ。
けれど、それに答える声はなかった。
どうやらどこかに出ているみたい。
真姫「しょうがないわね……」
見られても大丈夫な格好に着替える。
そして、部屋を出て、玄関の方へ。
真姫「はい、どちら様ですか」
ドアごしにそう尋ねる。
すると、
「真姫ちゃーん」
その向こう側からは、私の名前を呼ぶ声がした。
その声には聞き覚えがある。
「こんにちは!」
真姫「……随分と急に来たわね」
「えへへ、ごめんなさい」
ホンワカした声で謝る彼女。
その声を聞きながら、私は扉を開けた。
真姫「入っていいわよ」
「うん、お邪魔します。真姫ちゃん」
真姫「いらっしゃい、まこちゃん」
そこにいたのは、私の中学時代の数少ない友人。
尾崎まこちゃんだった。
まこ「来ちゃった」
――――――
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 16:00:34.54 ID:hNDK6FU6O
――――――
まこ「えー、大学休んじゃったの?」
真姫「まぁ、ちょっとね」
首を傾げるまこちゃんにそう答える。
ずる休みだなんて、口が割けても言えない。
だから、そうやってぼやかしたんだけど……。
まこ「もしかして……ずる休み?」
真姫「うっ」
まこちゃんの指摘に顔を歪める。
こういうところ、まこちゃんは鋭い。
抜けているように見えて、本質を捉えてる。
中学生の頃からそれは変わってない。
まこ「珍しいね? 真面目な真姫ちゃんがずる休みなんて」
真姫「…………」
なにかあった?
そう言って、まこちゃんは私の顔を覗き込んでくる。
うぅぅ。
顔を背けても、まこちゃんはそれを追うように私を見続けてきて。
真姫「……はぁ、分かったわよ」
まこ「? なにが?」
真姫「…………昨日あったこと、聞いてくれる?」
まこ「うん♪」
ホンワカ笑顔を浮かべて頷くまこちゃん。
私はそんなまこちゃんに、昨日のことを話し始めた。
まこ「えー、大学休んじゃったの?」
真姫「まぁ、ちょっとね」
首を傾げるまこちゃんにそう答える。
ずる休みだなんて、口が割けても言えない。
だから、そうやってぼやかしたんだけど……。
まこ「もしかして……ずる休み?」
真姫「うっ」
まこちゃんの指摘に顔を歪める。
こういうところ、まこちゃんは鋭い。
抜けているように見えて、本質を捉えてる。
中学生の頃からそれは変わってない。
まこ「珍しいね? 真面目な真姫ちゃんがずる休みなんて」
真姫「…………」
なにかあった?
そう言って、まこちゃんは私の顔を覗き込んでくる。
うぅぅ。
顔を背けても、まこちゃんはそれを追うように私を見続けてきて。
真姫「……はぁ、分かったわよ」
まこ「? なにが?」
真姫「…………昨日あったこと、聞いてくれる?」
まこ「うん♪」
ホンワカ笑顔を浮かべて頷くまこちゃん。
私はそんなまこちゃんに、昨日のことを話し始めた。
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 16:11:05.59 ID:hNDK6FU6O
にこちゃんに会ったこと。
卒業式の日の夢を見たこと。
そして、にこちゃんの噂のことも。
前からにこちゃんのことは、まこちゃんに話していた。
だから、まこちゃんは私の話をうんうんと聞いてくれる。
話し終わって。
私はそのまま黙りこんだ。
真姫「…………」
まこ「そっかぁ」
まこちゃんは優しげな眼差しを、私に向けたまま。
うん、と。
ひとつ頷いてからこう言った。
まこ「真姫ちゃんは、まだにこさんのことが好きなんだね」
真姫「うっ」
ずばり言うまこちゃん。
それが図星だから、私はなにも言い返せない。
まこ「だから、心配で心配でしょうがないんでしょ?」
真姫「…………そんなこと」
まこ「だけど、自分はふられちゃったから、踏み込めないんだよね?」
真姫「…………うっ」
ホンワカ声でそう言われた。
やっぱりまこちゃんには隠し事が出来ない。
瞬間的な鋭さで言えば、きっと希以上ね。
そんなことを頭の片隅で考えながら、
真姫「…………うん」
私は素直に頷いていた。
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 16:25:26.85 ID:hNDK6FU6O
それを見たまこちゃんは、
まこ「それじゃあ、直接言ってみたらどう?」
そんなことを言った。
真姫「はい?」
その言葉の意味が分からなくて、聞き返す。
まこちゃんはそんな私の反応を予想してたみたいで、すぐに補足してくれた。
まこ「にこさんに、心配なのって言っちゃえばいいんだよ」
真姫「そ、そんなこと言えるわけないじゃない!」
まこ「……なんで?」
なんでって……。
私にはそんなこと言える資格はないもの。
ふられちゃったし、今更……。
小さな声で私はそう呟いた。
それに彼女は、
まこ「恋人じゃなくても、友達だもん」
まこ「心配なのは当然じゃないの?」
そんな風に答えた。
もし噂が本当だとしたら、余計に言わなきゃ!
後悔しちゃうよ?
まこちゃんの言葉。
それに私は揺れる。
そして、まこちゃんはさらに言葉を続けた。
まこ「素直になるんだよね?」
それは、いつかの私が独白のように、まこちゃんへの手紙に書いたことで。
そして、まこちゃんと高校が離ればなれになる時に思ったことでもあった。
――――――
まこ「それじゃあ、直接言ってみたらどう?」
そんなことを言った。
真姫「はい?」
その言葉の意味が分からなくて、聞き返す。
まこちゃんはそんな私の反応を予想してたみたいで、すぐに補足してくれた。
まこ「にこさんに、心配なのって言っちゃえばいいんだよ」
真姫「そ、そんなこと言えるわけないじゃない!」
まこ「……なんで?」
なんでって……。
私にはそんなこと言える資格はないもの。
ふられちゃったし、今更……。
小さな声で私はそう呟いた。
それに彼女は、
まこ「恋人じゃなくても、友達だもん」
まこ「心配なのは当然じゃないの?」
そんな風に答えた。
もし噂が本当だとしたら、余計に言わなきゃ!
後悔しちゃうよ?
まこちゃんの言葉。
それに私は揺れる。
そして、まこちゃんはさらに言葉を続けた。
まこ「素直になるんだよね?」
それは、いつかの私が独白のように、まこちゃんへの手紙に書いたことで。
そして、まこちゃんと高校が離ればなれになる時に思ったことでもあった。
――――――
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 20:46:27.41 ID:VlH9uIPWO
――――――
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 21:24:36.62 ID:VlH9uIPWO
――――――
にこ「……また、なのね」
ポツリと呟く。
にこの目の前には、いつもにこが練習着として使っているジャージがあった。
……所々、ボロボロに切り刻まれてるけど。
にこ「はぁ、また直さなきゃ」
もちろん買ってもいいんだけど。
毎回毎回やられてたんじゃ、お金がもたない。
まぁ、どうせ練習で着るだけだから。
そんな風に言い聞かせて、騙し騙しやっている。
にこ「まるで、童話の継母みたい」
毒づいてみる。
にこ「ふふんっ! 宇宙ナンバーワンアイドル、にこにーの人気に嫉妬しちゃうのはしょうがないわよねっ」
鼻を鳴らして、そんなことを言う。
にこ「…………うん」
……うん。
まだ大丈夫。
まだこういうことを言える元気はあるわ。
にこ「……また、なのね」
ポツリと呟く。
にこの目の前には、いつもにこが練習着として使っているジャージがあった。
……所々、ボロボロに切り刻まれてるけど。
にこ「はぁ、また直さなきゃ」
もちろん買ってもいいんだけど。
毎回毎回やられてたんじゃ、お金がもたない。
まぁ、どうせ練習で着るだけだから。
そんな風に言い聞かせて、騙し騙しやっている。
にこ「まるで、童話の継母みたい」
毒づいてみる。
にこ「ふふんっ! 宇宙ナンバーワンアイドル、にこにーの人気に嫉妬しちゃうのはしょうがないわよねっ」
鼻を鳴らして、そんなことを言う。
にこ「…………うん」
……うん。
まだ大丈夫。
まだこういうことを言える元気はあるわ。
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 21:36:32.25 ID:VlH9uIPWO
更衣室に移動して一応、そのジャージに袖を通してみる。
それから鏡の前で確認。
にこ「これは……」
いつもよりもひどい。
一体、今日はなにが気に食わなかったのかしら。
この間のミニライブ?
それとも、先輩と一緒に出たバラエティーの番組でなにかした?
にこ「…………」
とにかく、よ。
練習だけでとは言ったけど、にこ以外に人がいない訳ではない。
人がいる前でこれを着るのは……。
にこ「さすがに、無理よね」
一応、予備のものは持ってきてはいる。
今日はそれでどうにかするしかないわね。
ボロボロになったそのジャージを脱ぎ、しまった。
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 21:59:10.04 ID:VlH9uIPWO
それから黙々と練習の準備をする。
その間も、詰めなきゃいけないところを頭の中で反芻する。
この間のミニライブは成功ではあった。
だけど、所々でミスがあったし、会場の空気ももっと盛り上げることができたはず。
歌番組の中でも、動きのキレが甘かった。
にこ「まだ、まだよ……」
そんな言葉が口をついて出た。
もっと練習をしないといけない。
もっと、もっと上手くなって、誰にも受け入れられるような存在になるの。
そうすれば、きっとこんなことも……。
にこ「っ、うっ……」
ダメっ……。
余計なことは考えるなっ!
今は立ち止まってる暇なんて。
落ち込んでる暇なんて――。
にこ「……っ、ないのよっ」
そうよっ。
前を向け!
立ち止まるなっ!
ここでうずくまってちゃ、皆に顔向け出来ない。
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 22:07:08.10 ID:VlH9uIPWO
「にこちゃーん!」
「あぁ! 鬱陶しい! 離れなさい、穂乃果!」
「穂乃果! ほら、にこが困っているでしょう?」
「そうだよ、ほのかちゃん」
「うひひ、じゃあ、ウチも穂乃果ちゃんに便乗して……」
「や、止めなさい! 希ぃ!」
うん……。
夢を叶えるって、皆に言って。
背中を押してもらったんだもの。
「にこ、本気なのね?」
「当たり前でしょ! にこは宇宙に名を轟かす存在になるのよ!」
「にこちゃん、ちょっと寒くないかにゃ?」
「なんですってぇぇ!?」
「に、にこちゃんっ、落ち着いてぇぇ」
にこ「……ふふっ、よく考えたら背中押されてないかもしれないわね」
うん、そう。
むしろ、背中を引っ張られてた。
引っ張られて、にこが夢を叶える邪魔をされてた。
だって、皆といるのが楽しくて。
それに――
「私、にこちゃんのことが好きっ」
あんなこと言って、にこの心を揺らして。
だから、にこは決意したのよ。
にこが夢をちゃんと叶えるまで、みんなとは会わないって。
迷いが生まれちゃうから。
皆と一緒にいたいって思っちゃうから。
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/12(日) 22:17:23.71 ID:VlH9uIPWO
なのに、なんで
にこ「真姫ちゃんと会っちゃったんだろう」
ただの気まぐれ。
そんな風に言えたなら、どんなにいいことか。
にこ「…………」
なんで、なんて分かりきってるわよね。
きっとにこはまだ諦めきれてない。
自分の夢のために、あの子の思いを無碍にしたのに。
――――――
「ねぇ、にこちゃん」
「なによ?」
「……べつに、なんでもないけど」
「ふふっ、なによそれ」
「……手、握って」
「……ん、仕方ないわね」
「………………ありがと」
――――――
そんな空想をしてしまえるほどには。
やっぱりまだ――
にこ「真姫ちゃんが好きだから」
――――――
にこ「真姫ちゃんと会っちゃったんだろう」
ただの気まぐれ。
そんな風に言えたなら、どんなにいいことか。
にこ「…………」
なんで、なんて分かりきってるわよね。
きっとにこはまだ諦めきれてない。
自分の夢のために、あの子の思いを無碍にしたのに。
――――――
「ねぇ、にこちゃん」
「なによ?」
「……べつに、なんでもないけど」
「ふふっ、なによそれ」
「……手、握って」
「……ん、仕方ないわね」
「………………ありがと」
――――――
そんな空想をしてしまえるほどには。
やっぱりまだ――
にこ「真姫ちゃんが好きだから」
――――――
129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 21:17:41.65 ID:Z2iKg4r7O
――――――
130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 21:29:26.84 ID:Z2iKg4r7O
――――――
真姫「恋人じょなくても友達、ね」
ベッドの上に横になり、まこちゃんの言葉を思い出して呟いた。
ま、その通りではあるわよね。
恋人になれなかったから友達をやめるほど私たちの繋がりは薄っぺらいものじゃない。
廃校を阻止するために、ラブライブに出るために一緒に頑張った仲間だもの。
そんな友達を心配することは決して変じゃないはず。
真姫「……そうは思うんだけど」
踏ん切りがつかない。
やっぱり怖い。
にこちゃんに心配だと伝えたとして。
それすら、心配することすら拒絶されてしまったら?
それを考えたら――
真姫「臆病者……」
そんな言葉が口をついて出た。
誰への言葉?
もちろん、自分への言葉。
そんな自分をいまいち好きになれない。
真姫「…………はぁ」
携帯をいじる。
それだけ。
別になにかメッセージを送るわけでも、電話をするわけでもない。
私はそのまま、携帯を軽く放り投げて布団をかぶる。
真姫「おやすみ」
今日は、少しはマシな夢を見たいものね。
――――――
真姫「恋人じょなくても友達、ね」
ベッドの上に横になり、まこちゃんの言葉を思い出して呟いた。
ま、その通りではあるわよね。
恋人になれなかったから友達をやめるほど私たちの繋がりは薄っぺらいものじゃない。
廃校を阻止するために、ラブライブに出るために一緒に頑張った仲間だもの。
そんな友達を心配することは決して変じゃないはず。
真姫「……そうは思うんだけど」
踏ん切りがつかない。
やっぱり怖い。
にこちゃんに心配だと伝えたとして。
それすら、心配することすら拒絶されてしまったら?
それを考えたら――
真姫「臆病者……」
そんな言葉が口をついて出た。
誰への言葉?
もちろん、自分への言葉。
そんな自分をいまいち好きになれない。
真姫「…………はぁ」
携帯をいじる。
それだけ。
別になにかメッセージを送るわけでも、電話をするわけでもない。
私はそのまま、携帯を軽く放り投げて布団をかぶる。
真姫「おやすみ」
今日は、少しはマシな夢を見たいものね。
――――――
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 21:41:19.09 ID:Z2iKg4r7O
――――――
―― prprprpr ――
真姫「…………んっ」
まだ覚醒しきってない脳に、無機質な音が響く。
アラーム、じゃないわよね?
3コールで止まない、ということは……。
真姫「っ、電話?」
枕元の時計を見ると、午前6時。
休日の、しかも、こんな朝早くに誰よ?
そう思いながら、携帯の画面を見る。
そこには
真姫「…………凛?」
『星空凛』
その名前が表示されていた。
―― prprprpr ――
真姫「…………んっ」
まだ覚醒しきってない脳に、無機質な音が響く。
アラーム、じゃないわよね?
3コールで止まない、ということは……。
真姫「っ、電話?」
枕元の時計を見ると、午前6時。
休日の、しかも、こんな朝早くに誰よ?
そう思いながら、携帯の画面を見る。
そこには
真姫「…………凛?」
『星空凛』
その名前が表示されていた。
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 21:50:48.45 ID:Z2iKg4r7O
真姫「…………もしもし?」
『おぉ! 起きてたんだね!』
電話に出ると、その向こうから驚いたような声が聞こえてきた。
うん。
確かに凛の声ね。
真姫「起きてたっていうか、起こされたのよ……」
『?』
真姫「凛に!」
『あー……ゴメンね?』
朝早くに起こされて少しだけ不機嫌なのがわかったのか、凛は謝った。
それで、こんな早くにどうかしたの?
話を進める。
こんな時間に電話してきたんだから、予定あるんでしょうね。
そう思って聞いたのだけど……。
『えーっと……』
真姫「…………」
『…………』
真姫「用事は?」
『……えっと?』
電話の向こうで、凛が首をかしげているのが分かる。
って!
真姫「もしかして、用事もなくかけたわけ?」
『ち、ちがうにゃ!』
えっと、その……。
そんな風に言葉を探す凛。
はぁ、しょうがないわね。
別に今は朝も寒くないことだし……。
真姫「今から会う?」
凛「うんっ!」
――――――
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 21:58:12.27 ID:Z2iKg4r7O
――――――
凛「お待たせ、真姫ちゃん♪」
凛と私の家のちょうど中間で待ち合わせ。
そこに先に着いたのは私で、少しだけ遅れて凛がやって来た。
真姫「別に大丈夫よ」
朝たたき起こされたことを除いてね。
そんな風に毒を吐くと、凛は苦笑した。
それにしても?
真姫「……なんで、ジャージ?」
凛「あ、この後、少し走ってこようかなって!」
真姫「……休みの日なのに大変ね」
凛「そうでもないにゃ! 好きでしてることだし」
にこっと笑い、凛はそう言う。
μ's の朝練に文句を言ってた頃の凛とは別人みたいね。
真姫「ま、いいわ。 少し歩く?」
凛「うん」
凛「お待たせ、真姫ちゃん♪」
凛と私の家のちょうど中間で待ち合わせ。
そこに先に着いたのは私で、少しだけ遅れて凛がやって来た。
真姫「別に大丈夫よ」
朝たたき起こされたことを除いてね。
そんな風に毒を吐くと、凛は苦笑した。
それにしても?
真姫「……なんで、ジャージ?」
凛「あ、この後、少し走ってこようかなって!」
真姫「……休みの日なのに大変ね」
凛「そうでもないにゃ! 好きでしてることだし」
にこっと笑い、凛はそう言う。
μ's の朝練に文句を言ってた頃の凛とは別人みたいね。
真姫「ま、いいわ。 少し歩く?」
凛「うん」
135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/14(火) 22:18:19.54 ID:Z2iKg4r7O
二人並んで歩く。
閑静な住宅街を。
まだ開いてない電気街を。
もう緑だけになった桜の並木道の側を。
景色を眺めながら、歩く。
真姫「…………」
凛「…………」
会話はない。
けど、不思議なことに気まずくはない。
…………。
にこちゃんの時とは大違いね。
なんて、こんなときでもにこちゃんのことを考えてしまう自分に気づく。
凛「……真姫ちゃん?」
真姫「えっ? あっ……」
大丈夫?
なにか考え事?
凛は私の顔を覗き込みながら、聞いてきた。
ふと私の顔を覗き込んだ拍子に、少しだけ長くなった凛の髪が揺れる。
真姫「……髪、伸ばしてるの?」
ふと気になって、そんな疑問を口にした。
脈絡もなにもない質問。
だけど、凛は嫌な顔ひとつせずに、むしろにこりと笑って頷いた。
そして、
凛「凛も大人になったからね」
そう言って、凛はふと遠くを見つめた。
私もそれに倣って、そちらを見る。
真姫「あっ」
いつの間にか結構歩いていたみたい。
私たちの視線の先には、音ノ木坂へ続く階段があって……。
凛「行こっか、真姫ちゃん」
真姫「……えぇ」
私と凛は、音ノ木坂への階段をゆっくりと登り始めた。
――――――
閑静な住宅街を。
まだ開いてない電気街を。
もう緑だけになった桜の並木道の側を。
景色を眺めながら、歩く。
真姫「…………」
凛「…………」
会話はない。
けど、不思議なことに気まずくはない。
…………。
にこちゃんの時とは大違いね。
なんて、こんなときでもにこちゃんのことを考えてしまう自分に気づく。
凛「……真姫ちゃん?」
真姫「えっ? あっ……」
大丈夫?
なにか考え事?
凛は私の顔を覗き込みながら、聞いてきた。
ふと私の顔を覗き込んだ拍子に、少しだけ長くなった凛の髪が揺れる。
真姫「……髪、伸ばしてるの?」
ふと気になって、そんな疑問を口にした。
脈絡もなにもない質問。
だけど、凛は嫌な顔ひとつせずに、むしろにこりと笑って頷いた。
そして、
凛「凛も大人になったからね」
そう言って、凛はふと遠くを見つめた。
私もそれに倣って、そちらを見る。
真姫「あっ」
いつの間にか結構歩いていたみたい。
私たちの視線の先には、音ノ木坂へ続く階段があって……。
凛「行こっか、真姫ちゃん」
真姫「……えぇ」
私と凛は、音ノ木坂への階段をゆっくりと登り始めた。
――――――
147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 19:47:21.69 ID:i/Zb23fNO
――――――
階段を登った先。
そこには、私たちの母校、音ノ木坂学院があった。
4年前に卒業したときと変わらない校舎。
それは、いつぞやに廃校問題が挙がった学校とは思えないくらい、堂々としている。
真姫「久しぶりに来たわね」
ポツリとそう呟いた。
卒業してそれっきりだったから、当然かしら。
そう言うと、凛はそうなの? って首をかしげる。
真姫「別に、ここに来る用事なんてないでしょ?」
卒業したのは、μ's のメンバーでは私たちが最後な訳だし、メンバーに会うなら他の場所でも十分だし。
凛「凛はたまに来てるよ?」
凛は校舎を見上げながら、そう言った。
もしかして、後輩の面倒見るため?
私たちが3年の頃のアイドル研究部を思い浮かべながら、そう聞く。
まぁ、後輩はいた訳だし、その可能性が高いでしょ?
でも、凛はそれには首を振って、
凛「用事はないよ? でも、たまに見たくなるんだ」
そんな風に呟いた。
階段を登った先。
そこには、私たちの母校、音ノ木坂学院があった。
4年前に卒業したときと変わらない校舎。
それは、いつぞやに廃校問題が挙がった学校とは思えないくらい、堂々としている。
真姫「久しぶりに来たわね」
ポツリとそう呟いた。
卒業してそれっきりだったから、当然かしら。
そう言うと、凛はそうなの? って首をかしげる。
真姫「別に、ここに来る用事なんてないでしょ?」
卒業したのは、μ's のメンバーでは私たちが最後な訳だし、メンバーに会うなら他の場所でも十分だし。
凛「凛はたまに来てるよ?」
凛は校舎を見上げながら、そう言った。
もしかして、後輩の面倒見るため?
私たちが3年の頃のアイドル研究部を思い浮かべながら、そう聞く。
まぁ、後輩はいた訳だし、その可能性が高いでしょ?
でも、凛はそれには首を振って、
凛「用事はないよ? でも、たまに見たくなるんだ」
そんな風に呟いた。
149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 20:07:41.99 ID:i/Zb23fNO
真姫「見たくなるって……」
凛の呟きを受けて、私は校舎を見上げた。
代わり映えのしない、私たちがいた頃と変わらない姿。
真姫「代わり映えしないものを見て、楽しいわけ?」
凛「うん。やっぱり安心するにゃ」
私の問いかけに凛はそう答えた。
まぁ、そうね。
変わらないことは確かに安心できるし楽よ。
留まっていればいいんだもの。
真姫「…………」
でも、それじゃ前には進めない。
前に進むためには、変わらなきゃいけない。
……時には、想いを忘れないといけないことも、きっとある。
真姫「…………」
凛「……真姫ちゃん」
心に秘めたその思いが顔に出ていたのかもしれない。
私の表情を見た凛はこう言った。
凛「無理に変わらなくてもいいと思うよ?」
150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 20:20:47.70 ID:i/Zb23fNO
凛「確かに、色んなことがあって、変わらなきゃいけないこともあるよ」
凛「凛たちは大人にならなきゃいけないんだし」
そこでふと遠い目をする凛。
そういえば凛はたまにこういう目をするようになったわよね。
いつからだったかは覚えていないけど。
凛「けどね? 変わらなくてもいいものって、あると思うよ?」
遠い目をしながら。
凛はそんなことを言った。
変わらなくてもいいもの?
例えば?
凛「凛たちの関係とか」
凛「この学校の風景とか」
凛「あとは、凛の魚嫌いとかかにゃ?」
最後は笑って、凛は私の問いにそう答えた。
真姫「……それは変わらなきゃでしょ?」
凛「いいの! 別に食べなくても死なないから!」
むきになったみたいに、私の方を向いた凛は言う。
……なるほど。
こんな凛の明るさも、確かに変わらなくてもいいもの、なのかも。
そんなことを思った。
そして、凛はふと真面目な顔になって――
凛「だからね、真姫ちゃん」
凛「真姫ちゃんの……にこちゃんへの気持ちも変わらなくていいんだよ」
まるで、私の心を見透かしたみたいに。
私の目をじっと見て、そう言った。
――――――
151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 20:28:35.71 ID:i/Zb23fNO
――――――
凛「ただいまぁ!」
花陽「り、凛ちゃん、気が早いよ……」
まだ同棲してるわけじゃないんだから。
そう言って、苦笑いをしながら、かよちんが玄関まで出迎えに来てくれる。
それを見て、凛は、
凛「かーよちんっ♪」
花陽「ぴゃ、ぴゃぁぁ!?」
思いっきり抱き付いた。
可愛い悲鳴をあげるかよちん。
凛「えへへぇ♪」
花陽「く、くすぐったいよぉ、凛ちゃん」
そう言いながらも、離れようとはしないかよちん。
頭撫でてくれてるし。
やっぱりかよちん、可愛いにゃぁぁ。
凛「ただいまぁ!」
花陽「り、凛ちゃん、気が早いよ……」
まだ同棲してるわけじゃないんだから。
そう言って、苦笑いをしながら、かよちんが玄関まで出迎えに来てくれる。
それを見て、凛は、
凛「かーよちんっ♪」
花陽「ぴゃ、ぴゃぁぁ!?」
思いっきり抱き付いた。
可愛い悲鳴をあげるかよちん。
凛「えへへぇ♪」
花陽「く、くすぐったいよぉ、凛ちゃん」
そう言いながらも、離れようとはしないかよちん。
頭撫でてくれてるし。
やっぱりかよちん、可愛いにゃぁぁ。
152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 20:44:41.04 ID:i/Zb23fNO
しばらくして、かよちんを満喫した凛は、今日のことを話すことにした。
朝、真姫ちゃんと会ったこと。
それから、音ノ木坂に行ったこと。
そのあと、真姫ちゃんを連れ回して遊んだことも。
花陽「朝早くから出掛けて、どこに行っちゃったのかと思ったよぉ」
凛「ごめんね、かよちん」
朝出ていく時に、かよちんになにも言わなかったことを謝る。
出かけてくるねってメールはしたんだけど、やっぱり心配かけちゃったし。
でもね!
凛「にこちゃんのこと、かよちんから聞いたらいてもたってもいられなくて!」
かよちんの肩を掴んで、そう言う。
だって、かよちんからにこちゃんの話を聞いて。
それから、真姫ちゃんがそれを心配そうに聞いてたってことも聞いて。
なんだかもどかしくなって。
たぶん要領の得ない話だったとおもう。
だけど、それを聞いたかよちんは、
花陽「うん、凛ちゃんの気持ち、よくわかるな」
にこりと微笑んで、そう言った。
花陽「真姫ちゃんがにこちゃんのこと好きなのは花陽も知ってる」
花陽「卒業式の後の落ち込み方を見てたら、断られたってことも」
うん。
それは凛も知ってるよ。
あのときの真姫ちゃん、凛も見てられなかったし。
うん。
でも、だからこそ!
花陽「……うん。だから、真姫ちゃんの背中を押してあげたかったんだよね」
いつか凛の背中を、かよちんの背中を。
真姫ちゃんが押してくれたときみたいに。
だって、
花陽「きっと、にこちゃんのことを助けてあげられるのは――」
花陽「――にこちゃんを一番想ってる真姫ちゃんだもん!」
――――――
朝、真姫ちゃんと会ったこと。
それから、音ノ木坂に行ったこと。
そのあと、真姫ちゃんを連れ回して遊んだことも。
花陽「朝早くから出掛けて、どこに行っちゃったのかと思ったよぉ」
凛「ごめんね、かよちん」
朝出ていく時に、かよちんになにも言わなかったことを謝る。
出かけてくるねってメールはしたんだけど、やっぱり心配かけちゃったし。
でもね!
凛「にこちゃんのこと、かよちんから聞いたらいてもたってもいられなくて!」
かよちんの肩を掴んで、そう言う。
だって、かよちんからにこちゃんの話を聞いて。
それから、真姫ちゃんがそれを心配そうに聞いてたってことも聞いて。
なんだかもどかしくなって。
たぶん要領の得ない話だったとおもう。
だけど、それを聞いたかよちんは、
花陽「うん、凛ちゃんの気持ち、よくわかるな」
にこりと微笑んで、そう言った。
花陽「真姫ちゃんがにこちゃんのこと好きなのは花陽も知ってる」
花陽「卒業式の後の落ち込み方を見てたら、断られたってことも」
うん。
それは凛も知ってるよ。
あのときの真姫ちゃん、凛も見てられなかったし。
うん。
でも、だからこそ!
花陽「……うん。だから、真姫ちゃんの背中を押してあげたかったんだよね」
いつか凛の背中を、かよちんの背中を。
真姫ちゃんが押してくれたときみたいに。
だって、
花陽「きっと、にこちゃんのことを助けてあげられるのは――」
花陽「――にこちゃんを一番想ってる真姫ちゃんだもん!」
――――――
153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/16(木) 20:46:10.00 ID:i/Zb23fNO
――――――
163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 18:54:40.11 ID:VouUcVWhO
――――――
にこの楽屋に彼女が来たのはついさっきのことだった。
別に共演する訳でもないのに。
彼女はいつも神出鬼没で、いつの間にかにこの目の前に現れる。
「こんにちは、にこさん」
にこ「……はぁ、また来たのね」
ひとつため息を吐いてそう言うと、彼女は、
「えぇ、また来たわ♪」
ウィンクを返してきた。
あの頃から月日は流れたとはいえ、その仕草はやはり多くのファンを魅了していたそれで。
敵わない。
1度は超えた壁だとはいえ、そんなことを思ってしまう。
そんな劣等感を拭うため、にこは彼女の名前を呼ぶ。
にこ「……あんたも懲りないわね、ツバサ」
ツバサ「そうじゃないと、この仕事は出来ないわよ」
この仕事。
そう言った彼女はにこの同業者。
つまり、
ツバサ「アイドルは打たれ強くないと、ね?」
いつものように。
ツバサはそんな台詞を口にした。
にこの楽屋に彼女が来たのはついさっきのことだった。
別に共演する訳でもないのに。
彼女はいつも神出鬼没で、いつの間にかにこの目の前に現れる。
「こんにちは、にこさん」
にこ「……はぁ、また来たのね」
ひとつため息を吐いてそう言うと、彼女は、
「えぇ、また来たわ♪」
ウィンクを返してきた。
あの頃から月日は流れたとはいえ、その仕草はやはり多くのファンを魅了していたそれで。
敵わない。
1度は超えた壁だとはいえ、そんなことを思ってしまう。
そんな劣等感を拭うため、にこは彼女の名前を呼ぶ。
にこ「……あんたも懲りないわね、ツバサ」
ツバサ「そうじゃないと、この仕事は出来ないわよ」
この仕事。
そう言った彼女はにこの同業者。
つまり、
ツバサ「アイドルは打たれ強くないと、ね?」
いつものように。
ツバサはそんな台詞を口にした。
164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 19:06:03.30 ID:VouUcVWhO
ツバサとは、にこがアイドルとして事務所に入ったときからの付き合いだ。
最初はやっぱり恐縮してたけど、今となっては呼び捨てにする程度にはなった。
事務所も違うし、オファーの来る仕事の系統も違う。
なのに、今まで付き合いが続いてるのは、いつもツバサの方から付きまとってくるから。
にこ「それで? 今日は?」
何の用?
そう尋ねると、ツバサは、うーんと少し溜めをつけてもったいぶる。
さっさと言いなさいよ……。
にこの心の訴えが通じたのか、ツバサはやっとのことでこう言った。
ツバサ「例の件♪」
例の件。
…………あぁ。
それを聞いて、納得する。
ツバサが言ってるのは、きっと少し前からツバサに持ちかけられていることでしょうね。
にこ「…………」
悪い話じゃない、とは思う。
ツバサのカリスマ性、それににこが乗るとなれば話題性もきっと出るだろうし。
アイドルだって、息が長くないのはにこだって分かってる。
けど、
にこ「お断りよ」
にこはそう答えた。
それは話を持ちかけられていた時からずっと変わらない答え。
165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 19:16:48.85 ID:VouUcVWhO
毎回同じ答えを返してるとはいえ、にこはその続きを言わないではいられない。
にこ「私は、アイドルよ」
にこ「ずっと、憧れてきたアイドルになったの」
にこ「みんなを笑顔にできるアイドルに」
人を笑顔にできる才能がある。
昔、パパにそう言われて。
それに仕事で忙しいママが、にこのそれで笑ってくれて。
きっと、にこは誰かを笑顔に、幸せに出来るんだって思ったから。
そんな幼稚な理由だったけど、にこにはそれがすごく大きなことだった。
だから、
にこ「だから、私はアイドルを止めるつもりはないわ!」
ツバサの目を見て。
にこはきっぱりとそう言った。
166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 19:43:30.02 ID:VouUcVWhO
ツバサ「……そ。残念ね」
少しだけ微笑んで、ツバサはそう答えた。
ま、それもいつものことなんだけど。
でも、それからはいつもと違う展開。
ふとツバサは真面目な顔になり、
ツバサ「でも、大丈夫なのかしら?」
そう言った。
にこ「……なにがよ?」
ツバサの言葉に、にこは眉をひそめる。
大丈夫って?
にこの疑問に答えるように、ツバサは言う。
ツバサ「あなた、先輩さんによく思われてないみたいね」
にこ「っ!?」
167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 19:45:51.00 ID:VouUcVWhO
そして、ツバサは、にこが受けた歓迎の数々を、指折り数えながら挙げていく。
練習着をカッターで切られた。
本番で足をかけられた。
靴のなかに画鋲なんかは日常茶飯事で。
靴を燃やされたこともあった。
ツバサが挙げていくそれを聞きながら、にこのなかでその最悪な思い出がフラッシュバックする。
にこ「っ……だ、黙りなさいよっ」
ツバサ「…………」
また、声をあげる。
と同時に、ツバサが静かになった。
だけど、ツバサが沈黙したのは、にこの声に従ったわけじゃあ、きっとない。
たぶん、自分が今から告げることを考えているんだと思う。
ツバサ「……ねぇ、にこさん」
ほら、やっぱり。
そして、ツバサはにこの目を見て、話し始める。
ツバサ「アイドルは打たれ強くないとって、言ったわよね?」
にこ「……えぇ」
ツバサの言葉に静かに頷く。
それを見たツバサは、残酷なほど魅力的な笑みを浮かべて言った。
ツバサ「じゃあ、やっぱり……」
ツバサ「貴女はアイドルに向いてないわ」
ツバサ「だって、貴女はこんなにも弱いじゃない」
――――――
ツバサを楽屋から追い出して。
それからのことは話したくない。
話してしまったら、ツバサの言ってることを証明してしまうことになるから。
――――――
169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 22:06:57.07 ID:VouUcVWhO
――――――
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 22:56:57.86 ID:VouUcVWhO
――――――
『……もしもし』
真姫「……にこちゃん?」
電話帳からその相手を選んで、通話ボタンを押した。
にこちゃんが電話に出たのは、それから10コール以上してから。
それ以外に誰がいるのよ。
いつもよりも低いテンションで、にこちゃんはそんな風に答えた。
真姫「……えっと」
様子の変なにこちゃんの声を聞いて、急に言葉が出てこなくなる。
話すことはちゃんと考えてたはずなのに……。
って、これは言い訳かしら。
真姫「…………」
『…………』
沈黙が流れる。
なにか話さなきゃ。
そう思うけど、やっぱり言葉が出てこなくて……。
「素直になるんだよね?」
「真姫ちゃんの……にこちゃんへの気持ちも変わらなくていいんだよ」
だからってわけじゃないけど、二人のことを思い出す。
あの二人にせっかく背中を押してもらったのよ。
ここで、ちゃんと聞かなきゃ……。
二人に顔向けできるようにって、私はやっとのことで口を開いた。
真姫「ねぇ、にこちゃん」
『……なによ?』
真姫「噂のこと、聞いたんだけど……」
『…………そう』
静かに、電話の向こうでにこちゃんはそれだけを呟いた。
真姫「否定、しないのね」
『――事実だから』
真姫「えっ?」
『事実だから否定のしようがないわよ』
『……もしもし』
真姫「……にこちゃん?」
電話帳からその相手を選んで、通話ボタンを押した。
にこちゃんが電話に出たのは、それから10コール以上してから。
それ以外に誰がいるのよ。
いつもよりも低いテンションで、にこちゃんはそんな風に答えた。
真姫「……えっと」
様子の変なにこちゃんの声を聞いて、急に言葉が出てこなくなる。
話すことはちゃんと考えてたはずなのに……。
って、これは言い訳かしら。
真姫「…………」
『…………』
沈黙が流れる。
なにか話さなきゃ。
そう思うけど、やっぱり言葉が出てこなくて……。
「素直になるんだよね?」
「真姫ちゃんの……にこちゃんへの気持ちも変わらなくていいんだよ」
だからってわけじゃないけど、二人のことを思い出す。
あの二人にせっかく背中を押してもらったのよ。
ここで、ちゃんと聞かなきゃ……。
二人に顔向けできるようにって、私はやっとのことで口を開いた。
真姫「ねぇ、にこちゃん」
『……なによ?』
真姫「噂のこと、聞いたんだけど……」
『…………そう』
静かに、電話の向こうでにこちゃんはそれだけを呟いた。
真姫「否定、しないのね」
『――事実だから』
真姫「えっ?」
『事実だから否定のしようがないわよ』
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 23:10:38.38 ID:VouUcVWhO
あまりにも薄い反応。
だから、ちょっとだけ反応が遅れた。
だけど、
真姫「っ!! それ、本当なのっ!?」
にこちゃんの言葉を理解した私は声を荒げた。
そんな私にもにこちゃんは変わらず平坦な声で答えを返してくる。
『本当よ』
『気に食わないんでしょうね。にこが売れることが』
『まぁ、今は我慢するしかないでしょ。 いざこざ起こしたなんて知られたらクビだものね』
そういうにこちゃんは、どこか他人事みたいに話していた。
あの頃の、μ's でキラキラ輝いていたにこちゃんと同一人物とは思えない。
そう思った。
それくらい今のにこちゃんには温度が感じられなかった。
だから、私は言ってしまったの。
にこちゃんの気持ちも考えずに……。
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 23:15:17.81 ID:VouUcVWhO
――――――
真姫「そんなの、にこちゃんらしくないっ!」
真姫「にこちゃんはもっと偉そうで、自分勝手でっ!」
真姫「でも、だから! キラキラって輝いていたのっ!」
真姫「そんなにこちゃんだから、好きになったのっ!!」
――――――
真姫「そんなの、にこちゃんらしくないっ!」
真姫「にこちゃんはもっと偉そうで、自分勝手でっ!」
真姫「でも、だから! キラキラって輝いていたのっ!」
真姫「そんなにこちゃんだから、好きになったのっ!!」
――――――
174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/17(金) 23:43:27.44 ID:VouUcVWhO
捲し立てるように、私はそう言った。
あの頃と変わらない、変わることができなかった素直な私の気持ちを、にこちゃんにぶつけた。
『…………』
真姫「っ……だからっ!」
だから。
その後の言葉が続かない。
そんなにこちゃんは見たくない。
見てられない。
もし、これからにこちゃんのキラキラが消えていってしまうのなら。
そんな風になっちゃうなら――。
アイドルをやめて。
そう言おうとしたのに、私の口は言うことを聞いてくれなくて、固まってしまう。
そんなことを言う資格が私にあるの?
迷いはまだ私の中でぐるぐると渦巻いている。
それが私の言葉を邪魔している。
真姫「…………だ、だからっ」
迷ったまま、私は無理矢理言葉を紡ぐ。
けれど、それは、
『……やめて、よ』
にこちゃんの声に遮られてしまった。
その声はとても小さなもので。
『お願いだから……やめてよっ』
『にこは、ただみんなを笑顔にしたいだけなの……』
『ずっと叶えたかった夢なのよっ』
『アイドルをやって、みんなを笑顔にして、幸せにっ――』
私はそれ以上なにも言うことができなかった。
それから、電話の向こうから聞こえてくるのは彼女の泣く声だけだったから。
あぁ、やっぱり。
私にはその資格がないのね。
恋人じゃなくても、友達だとしても。
『真姫ちゃんには、関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
電話を切る間際。
にこちゃんが言ったその温度のない言葉に何も言い返せなかった私には。
にこちゃんの夢を邪魔する資格なんて、ない。
――――――
あの頃と変わらない、変わることができなかった素直な私の気持ちを、にこちゃんにぶつけた。
『…………』
真姫「っ……だからっ!」
だから。
その後の言葉が続かない。
そんなにこちゃんは見たくない。
見てられない。
もし、これからにこちゃんのキラキラが消えていってしまうのなら。
そんな風になっちゃうなら――。
アイドルをやめて。
そう言おうとしたのに、私の口は言うことを聞いてくれなくて、固まってしまう。
そんなことを言う資格が私にあるの?
迷いはまだ私の中でぐるぐると渦巻いている。
それが私の言葉を邪魔している。
真姫「…………だ、だからっ」
迷ったまま、私は無理矢理言葉を紡ぐ。
けれど、それは、
『……やめて、よ』
にこちゃんの声に遮られてしまった。
その声はとても小さなもので。
『お願いだから……やめてよっ』
『にこは、ただみんなを笑顔にしたいだけなの……』
『ずっと叶えたかった夢なのよっ』
『アイドルをやって、みんなを笑顔にして、幸せにっ――』
私はそれ以上なにも言うことができなかった。
それから、電話の向こうから聞こえてくるのは彼女の泣く声だけだったから。
あぁ、やっぱり。
私にはその資格がないのね。
恋人じゃなくても、友達だとしても。
『真姫ちゃんには、関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
電話を切る間際。
にこちゃんが言ったその温度のない言葉に何も言い返せなかった私には。
にこちゃんの夢を邪魔する資格なんて、ない。
――――――
181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 19:42:03.28 ID:zRQPpM15O
――――――
182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 19:52:43.73 ID:zRQPpM15O
――――――
『真姫ちゃんには、関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
真姫「はぁぁぁぁ……」
講義を終えた私は、にこちゃんに言われたことを思い出して、深いため息を吐いた。
もう3日も前のことなのに、私はそれを引きずっていた。
そのせいで、講義にも身が入らなくて。
真姫「……帰ったら、復習しとかないと」
そう呟く。
高校の頃とは違って、内容も複雑で専門的なことが多くなった。
だから、口にしたように復習しておかないときっと追い付けなくなる。
だけど――
真姫「…………どこか寄っていきましょ」
私の足は、家とは違う方向へ向かう。
正直こんな状態じゃ、復習したって頭には入らない。
なら、いっそ……ってわけ。
そう思い立った私は、携帯を取り出す。
それから、
真姫「…………」
『今日暇な人いるー?』
朝、グループ宛に届いたメッセージに、
『今からならいいけど』
そんな風に言葉を返した。
――――――
『真姫ちゃんには、関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
真姫「はぁぁぁぁ……」
講義を終えた私は、にこちゃんに言われたことを思い出して、深いため息を吐いた。
もう3日も前のことなのに、私はそれを引きずっていた。
そのせいで、講義にも身が入らなくて。
真姫「……帰ったら、復習しとかないと」
そう呟く。
高校の頃とは違って、内容も複雑で専門的なことが多くなった。
だから、口にしたように復習しておかないときっと追い付けなくなる。
だけど――
真姫「…………どこか寄っていきましょ」
私の足は、家とは違う方向へ向かう。
正直こんな状態じゃ、復習したって頭には入らない。
なら、いっそ……ってわけ。
そう思い立った私は、携帯を取り出す。
それから、
真姫「…………」
『今日暇な人いるー?』
朝、グループ宛に届いたメッセージに、
『今からならいいけど』
そんな風に言葉を返した。
――――――
183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 20:27:28.92 ID:zRQPpM15O
――――――
希「お待たせ」
手をヒラヒラと振って現れた希。
お待たせとは言っても、待ち合わせの時間の10分前。
こういうところは律儀よね、なんて思ってみる。
真姫「悪いわね、急に連絡して」
希「えぇよ。ウチは1日中暇やったから♪」
急に会うことになったことに謝ると、希は笑った。
希「真姫ちゃんも暇だったん?」
真姫「……ま、そんなところよ」
希の質問にそんな風に返す。
嘘はいってない。
暇といえば暇だったし。
復習はしないといけないけれど。
でも、今の状態じゃあ……。
真姫「…………はぁ」
希「真姫ちゃん?」
真姫「あっ……ごめん」
せっかく久々に会ったのに、ため息なんてひどいなぁ。
なんて、冗談めかして言う希。
真姫「わ、悪かったわよ」
希「ふふっ、ええよええよ♪」
流石に、さっきのはないわよね。
そう思って謝ると、希は昔と変わらない柔和な表情で微笑んだ。
希「お待たせ」
手をヒラヒラと振って現れた希。
お待たせとは言っても、待ち合わせの時間の10分前。
こういうところは律儀よね、なんて思ってみる。
真姫「悪いわね、急に連絡して」
希「えぇよ。ウチは1日中暇やったから♪」
急に会うことになったことに謝ると、希は笑った。
希「真姫ちゃんも暇だったん?」
真姫「……ま、そんなところよ」
希の質問にそんな風に返す。
嘘はいってない。
暇といえば暇だったし。
復習はしないといけないけれど。
でも、今の状態じゃあ……。
真姫「…………はぁ」
希「真姫ちゃん?」
真姫「あっ……ごめん」
せっかく久々に会ったのに、ため息なんてひどいなぁ。
なんて、冗談めかして言う希。
真姫「わ、悪かったわよ」
希「ふふっ、ええよええよ♪」
流石に、さっきのはないわよね。
そう思って謝ると、希は昔と変わらない柔和な表情で微笑んだ。
184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 20:28:49.31 ID:zRQPpM15O
無理に変わらなくてもいい、ね。
確かに、変わらない希の雰囲気は心地がよくて。
ふと凛の言葉が、案外的を射てるものだとまた実感してしまう。
……でも。
真姫「…………それだけじゃ駄目」
希「? 真姫ちゃん?」
真姫「…………それだけじゃ」
私の思いは、うん。
変わらない。
変わらず、にこちゃんのことが――。
だけど、変わらないままじゃ、私にはどうすることもできない。
だって、このままじゃ私はにこちゃんにとって、ただの後輩だから。
仲間で友達で。
ただ、それだけ。
それだけの私の言葉じゃあ、にこちゃんには響かない。
また拒絶されるだけ。
じゃあ、一体、
真姫「……どうしたら……」
希「…………」
真姫「…………」
希「………………真姫ちゃん」
真姫「……あっ、な、なに?」
いけない。
また考え込んじゃってた。
これ以上、せっかく会えた希に失礼なことをしないようにしないと。
そう思って、頭を振る。
余計なことを頭から追い出して、ちゃんと希の言葉に集中する。
けど、希はなにも言わず。
その代わりに、
―― ギュッ ――
真姫「っ!?」
不意に手を握ってきて
希「行こ?」
真姫「ちょ、待っ――」
希は慌てる私に構わず、走り出したのだった。
――――――
185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 20:37:18.32 ID:zRQPpM15O
――――――
希に手を引かれて。
私たちは神田明神までやって来ていた。
のだけど、
真姫「ぜぇ……ぜぇ……」
大学に入ってから運動らしい運動をしていなかった私に、この全力階段ダッシュはきついものがあった。
すっかり息があがってる。
ふと隣を見ると、
希「……ふ、ふぅ……さすがに」
希も肩で息をしていた。
って!
真姫「なんで、ダッシュしたのよっ!」
希「いやぁ、その方がいいかなって?」
私の抗議の声に、悪びれる様子もなく希はそう答えた。
いいって、なにがよ!
口を開くのも辛くなって、目でそれを訴える。
けれど、希はどこ吹く風で。
そのまま息を整えながら、社務所の方にひとり向かっていった。
真姫「……どこ、行くのよ……」
私を連れてきておいて。
自由気ままな希の行動に、若干呆れながら文句を口にした。
希に手を引かれて。
私たちは神田明神までやって来ていた。
のだけど、
真姫「ぜぇ……ぜぇ……」
大学に入ってから運動らしい運動をしていなかった私に、この全力階段ダッシュはきついものがあった。
すっかり息があがってる。
ふと隣を見ると、
希「……ふ、ふぅ……さすがに」
希も肩で息をしていた。
って!
真姫「なんで、ダッシュしたのよっ!」
希「いやぁ、その方がいいかなって?」
私の抗議の声に、悪びれる様子もなく希はそう答えた。
いいって、なにがよ!
口を開くのも辛くなって、目でそれを訴える。
けれど、希はどこ吹く風で。
そのまま息を整えながら、社務所の方にひとり向かっていった。
真姫「……どこ、行くのよ……」
私を連れてきておいて。
自由気ままな希の行動に、若干呆れながら文句を口にした。
186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 20:45:48.44 ID:zRQPpM15O
少しして。
希「おまたせ、真姫ちゃん」
希が戻ってきた。
もうすっかりいつもの落ち着いた希で、さっきまで全力階段ダッシュをしていたとは思えない。
真姫「なにしに行ったのよ?」
こちらは息を整えながら聞く。
すると、
希「これを取りに行ってたんよ」
私の質問に、希は手に持っていたものを私の方に差し出した。
これって……。
真姫「……おみくじ?」
希「そうやね♪」
笑顔で頷く希。
……なんで、おみくじ?
まぁ、持ってきたってことは引けってことなんでしょうけど……。
真姫「……私、こういうの信じないって言ったことあるわよね?」
希「あれ? そうやったっけ?」
首を捻る希。
……わざとらしい。
真姫「私、神様とか信じてないし」
希「サンタさんは信じてたのに?」
真姫「う、うるさいわねっ!」
あの頃の私は純粋だったのよ!
なんて、自己弁護をする。
そんな真っ赤になる私を見て、希はニシシと笑った。
希「おまたせ、真姫ちゃん」
希が戻ってきた。
もうすっかりいつもの落ち着いた希で、さっきまで全力階段ダッシュをしていたとは思えない。
真姫「なにしに行ったのよ?」
こちらは息を整えながら聞く。
すると、
希「これを取りに行ってたんよ」
私の質問に、希は手に持っていたものを私の方に差し出した。
これって……。
真姫「……おみくじ?」
希「そうやね♪」
笑顔で頷く希。
……なんで、おみくじ?
まぁ、持ってきたってことは引けってことなんでしょうけど……。
真姫「……私、こういうの信じないって言ったことあるわよね?」
希「あれ? そうやったっけ?」
首を捻る希。
……わざとらしい。
真姫「私、神様とか信じてないし」
希「サンタさんは信じてたのに?」
真姫「う、うるさいわねっ!」
あの頃の私は純粋だったのよ!
なんて、自己弁護をする。
そんな真っ赤になる私を見て、希はニシシと笑った。
187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 21:02:17.64 ID:zRQPpM15O
希「とにかく!」
物は試しやから♪
そう言って、希はそのおみくじをまた差し出してくる。
真姫「…………」
希「な?」
真姫「……はぁ」
仕方ない。
こうなった希は言うだけ無駄だったわね。
どうせ引くだけだし。
そう思った私は、
真姫「ほら、貸しなさいよっ」
希「ふふふっ」
なげやりにそう言った。
にやけながら、それを差し出す希にはなんか引っ掛かるけど。
ふんっ、いいわっ!
大吉でも引いて、希の鼻を明かしてあげるわ。
そう思って、希から強引に奪い取り、おみくじを乱暴に引いた。
『大凶』
真姫「…………」
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 22:09:35.86 ID:zRQPpM15O
希「その表情を見るに、あんまりいい結果とは言えんかったみたいやね」
真姫「うっ」
希「とにかく、詳しく見てみるといいんやない? 末吉でも凶でも案外いいこと書いてあるときもあるんよ?」
真姫「……そうね」
大凶だけど、とは言わない。
とにかく希の言う通り、中身を詳しく見てみることにする。
いいこと書いてあるかもしれないしね。
特に、対人というか待ち人の欄を――。
『思い叶わず』
真姫「うるさいわよっ!」
思いっきり吠えてしまった。
ついでに、おみくじを投げ捨てる。
希「あらあら、よくなかったん?」
真姫「……えぇ、最悪よ」
ついに、神様にも思いが伝わらないと言われたんですもの。
まぁ、神様なんて信じていないけど。
希「どれどれ?」
そう言って、不貞腐れてる私が捨てたおみくじを拾い上げる希。
なにやら頷きながらそれを読んでいる。
真姫「よくないでしょ?」
希「そうやねぇ……まさか大凶を引くとは思わんかったわ」
希は笑う。
私にとってはわらいごとじゃないんだけど?
そう言って睨むと、希はごめんごめんって謝ってくる。
それじゃあ。
希はふと表情を引き締めて、こう言った。
希「もう一回引いてみる?」
189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 22:22:15.33 ID:zRQPpM15O
真姫「……は?」
予想外の提案に、思わず聞き返した。
すると、希はまた
希「だから、もう一回引いてみたらいいんやない?」
そんなことを提案してきた。
大凶を引いたからもう一回って……。
それおみくじの意味あるの?
そんな私の質問。
だって、そうでしょ?
そんなことをしていいなら、みんな大吉を引くまでやるに決まってるじゃない?
希「結局は心の持ちようなんよ」
真姫「心の持ちよう?」
希「そ」
希の答えはそんなもので。
それから希は続ける。
希「おみくじはあくまでもおみくじ」
希「それは別に、決まった運命とかじゃない」
希「だから、悪い運勢だからっていって、落ち込む必要はないし、むしろ今がどん底だと思えばいい」
希「そうしたら、あとは上がるだけ、やろ?」
まぁ、希の言うことも尤もね。
おみくじはあくまでもおみくじ。
ただの運試しみたいなものだし。
その通り。
そう言って、希は私の言葉に同意した。
だけど、
希「でもな?」
希「やっぱり不思議なもので、おみくじの結果っていうのはなるべくしてなるものでもある」
そんなことも言った。
真姫「……どういうこと?」
そう尋ねると、希は私をじっと見つめてそれに答えた。
希「真姫ちゃん」
希「マイナスのことを考えながらじゃ、大吉を引き寄せることなんて無理なんよ?」
190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 22:37:13.55 ID:zRQPpM15O
真姫「…………」
希は、私が悩んでいることを知っている。
ま、あれだけ盛大にため息吐いていたら、悟られるわよね。
まして、聡い希のことだし。
真姫「じゃあ、どうしたらいい結果を引き寄せられるのよ?」
だから、私は尋ねた。
どうしたらいいのって。
その質問に、希は、
希「さぁ?」
思いっきり肩をすくめた。
真姫「って、そこまで言っといて無責任ね」
希「ウチだって、そんなことは知らないからね。大吉なんて、普通に引けるもんやし?」
真姫「嫌味にしか聞こえないわ」
希「ふふふっ」
ひとつ微笑んでから。
希はこう言った。
希「でも、それを聞くってことは……」
希「『大凶』な結果を受け入れたくないんやろ?」
希「それなら、抗えばいいんやない?」
真姫「…………」
『大凶』な結果にしたいように抗う。
それは、
真姫「廃校を阻止するために戦ったあの頃みたいに?」
希「ふふっ」
希は答えない。
ただ微笑むだけ。
191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 23:03:09.21 ID:zRQPpM15O
抗う、ね。
あの頃はどうしてたかしら?
アイドルで学校を救う。
そう言い出したのは穂乃果だった。
私はそれに乗っかっただけ。
今思えば、よくそんな無謀なことに乗っかろうと思ったわよね。
…………。
いえ、違う。
そういえば、私は廃校がどうとかっていうのはあんまり考えてなかった気がする。
私が考えてたのは、そう。
音楽がしたい。
自分が好きな音楽を思う存分やりたかった。
ただそれだけ。
けれど、μ's に加入した後も、私はどこか冷めた気持ちで、すぐに終わるものだって考えてた。
でも、そんなことはなくて。
私は音楽が大好きなまま、高校3年間を駆け抜けた。
うん。
それはきっと――
『あんたは、私にないものをたくさん持ってる』
『正直、羨ましくてしょうがないわ』
『なのにっ!』
『なんでも持ってるあんたが!』
『なんでそんなに簡単に諦めるのよっ!』
『好きなものを簡単に諦めるんじゃないわよっ!』
あの人のおかげ。
あの人が私に本気でぶつかってくれなかったら、私は中途半端なまま終わっていたと思う。
あるがままの自分をさらけ出してまで、私に気持ちを伝えてくれたから。
簡単に諦めるなって、怒ってくれたから。
私は自分の『好き』を大切にできたの。
あの頃はどうしてたかしら?
アイドルで学校を救う。
そう言い出したのは穂乃果だった。
私はそれに乗っかっただけ。
今思えば、よくそんな無謀なことに乗っかろうと思ったわよね。
…………。
いえ、違う。
そういえば、私は廃校がどうとかっていうのはあんまり考えてなかった気がする。
私が考えてたのは、そう。
音楽がしたい。
自分が好きな音楽を思う存分やりたかった。
ただそれだけ。
けれど、μ's に加入した後も、私はどこか冷めた気持ちで、すぐに終わるものだって考えてた。
でも、そんなことはなくて。
私は音楽が大好きなまま、高校3年間を駆け抜けた。
うん。
それはきっと――
『あんたは、私にないものをたくさん持ってる』
『正直、羨ましくてしょうがないわ』
『なのにっ!』
『なんでも持ってるあんたが!』
『なんでそんなに簡単に諦めるのよっ!』
『好きなものを簡単に諦めるんじゃないわよっ!』
あの人のおかげ。
あの人が私に本気でぶつかってくれなかったら、私は中途半端なまま終わっていたと思う。
あるがままの自分をさらけ出してまで、私に気持ちを伝えてくれたから。
簡単に諦めるなって、怒ってくれたから。
私は自分の『好き』を大切にできたの。
192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/20(月) 23:05:25.73 ID:zRQPpM15O
真姫「…………」
そんな人の夢を。
『好き』を邪魔してまで……。
私は自分を貫ける?
迷惑で自分勝手な想いを、あの人にぶつけられる?
私の『好き』を守るために。
真姫「…………希」
希「ん? なに?」
真姫「それ、もう一回引かせてもらえる?」
希「……ふふっ、ええよ♪」
その覚悟が、私にはある?
答えは――。
真姫「……………………」
『――――』
――――――
193: >>190 を訂正 2015/04/20(月) 23:07:33.11 ID:zRQPpM15O
真姫「…………」
希は、私が悩んでいることを知っている。
ま、あれだけ盛大にため息吐いていたら、悟られるわよね。
まして、聡い希のことだし。
真姫「じゃあ、どうしたらいい結果を引き寄せられるのよ?」
だから、私は尋ねた。
どうしたらいいのって。
その質問に、希は、
希「さぁ?」
思いっきり肩をすくめた。
真姫「って、そこまで言っといて無責任ね」
希「ウチだって、そんなことは知らないからね。大吉なんて、普通に引けるもんやし?」
真姫「嫌味にしか聞こえないわ」
希「ふふふっ」
ひとつ微笑んでから。
希はこう言った。
希「でも、それを聞くってことは……」
希「『大凶』な結果を受け入れたくないんやろ?」
希「それなら、抗えばいいんやない?」
真姫「…………」
『大凶』な結果にしないように抗う。
それは、
真姫「廃校を阻止するために戦ったあの頃みたいに?」
希「ふふっ」
希は答えない。
ただ微笑むだけ。
201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 19:00:34.56 ID:IR8szYFoO
――――――
203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 19:21:35.93 ID:IR8szYFoO
――――――
『今、どこ?』
にこ宛にそんなメッセージが届いたのは、今朝のこと。
相手は……。
にこ「なに考えてんのよ……」
楽屋でポツリと呟く。
引いてくれないことへの怒りと困惑。
それがにこの心のなかを占めている。
もちろん、返事はしなかった。
『関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
電話ごしに言ったあの言葉。
あんなこと言っておいて、今更なんて返せばいいってのよ。
そんなことを考えて、
にこ「…………はぁ」
ため息が出た。
そして、にこはおもむろに1枚の写真を取り出した。
にこ「この頃は、楽しかったわね」
写真に写り込んだみんなのことを思い、呟く。
4年前とはいえ、昔は昔。
昔を懐かしむとか、年寄りくさい。
それにわざわざデータ以外の形で持ち歩いてるとか……。
にこ「ほんと、にこらしくない」
『今、どこ?』
にこ宛にそんなメッセージが届いたのは、今朝のこと。
相手は……。
にこ「なに考えてんのよ……」
楽屋でポツリと呟く。
引いてくれないことへの怒りと困惑。
それがにこの心のなかを占めている。
もちろん、返事はしなかった。
『関係ないでしょ』
『にこの夢を邪魔しないで』
電話ごしに言ったあの言葉。
あんなこと言っておいて、今更なんて返せばいいってのよ。
そんなことを考えて、
にこ「…………はぁ」
ため息が出た。
そして、にこはおもむろに1枚の写真を取り出した。
にこ「この頃は、楽しかったわね」
写真に写り込んだみんなのことを思い、呟く。
4年前とはいえ、昔は昔。
昔を懐かしむとか、年寄りくさい。
それにわざわざデータ以外の形で持ち歩いてるとか……。
にこ「ほんと、にこらしくない」
204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 19:36:02.50 ID:IR8szYFoO
しばらく、そんならしくもない感傷に浸る。
にこ「…………」
そして、そこに写る彼女の顔を指で撫でようとした時だった。
―― prprprpr ――
にこ「…………電話?」
突然に、にこの携帯が鳴る。
デフォルトのままの着信音。
そんな風に設定してる相手は一人しかいない。
彼女とお揃いにしたくて、そのままにしておいたその音は誰からかかってきたのかをにこに知らせてくる。
にこ「…………」
―― prprprpr ――
にこ「…………」
―― prprprpr ――
出るわけ、ない。
着信の画面をただ黙って見つめる。
数十秒が経って。
そして、
―― prp
唐突にコールが終わる。
切れちゃったわね。
…………。
切れ『ちゃった?』
なによ、それ?
にこ、もしかして――
にこ「残念がってる?」
205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 19:40:51.08 ID:IR8szYFoO
そんなわけない。
そう思う。
だけど、電話があのままずっと鳴り続けてたら。
収録が始まるまでずっと鳴り続けていたら。
私はそれをどうしていたのかしら?
放置しておく?
それとも、取ってしまうの?
にこ「…………」
にこ「…………とるわけない、わよ」
考えるまでもない。
仕事を投げ出すようなことを、にこがするはずないでしょ?
そんなのアイドルって仕事に対して失礼よ。
にこ「……うん、とるわけ」
にこ「………………」
……もし。
もしもの話よ?
もし、にこに仕事を投げ出させたいなら。
にこ「…………」
にこ「…………強引に」
にこ「強引に、にこをここから連れ出しなさいよ」
よくあるじゃない?
囚われのお姫様を助け出す王子様。
ま、強引にってなると、助け出すって言うよりも、誘拐に近いかも。
さながら、クリスティーヌを誘拐するファントムみたいに。
そんな風に連れ出されたなら、
にこ「万に一つくらいは、可能性あるわよ……」
誰が聞いているでもないのに、そんなことを口にする。
ま、あのヘタレにそんなことできないでしょうけど。
それに、あの子はにこの今の場所知らないんだし。
にこ「ふふっ、ありえないわ」
なんて、自分で言って笑っちゃうわね。
そう、思ったその時、
―― コンコン ――
ノックの音が聞こえた。
――――――
そう思う。
だけど、電話があのままずっと鳴り続けてたら。
収録が始まるまでずっと鳴り続けていたら。
私はそれをどうしていたのかしら?
放置しておく?
それとも、取ってしまうの?
にこ「…………」
にこ「…………とるわけない、わよ」
考えるまでもない。
仕事を投げ出すようなことを、にこがするはずないでしょ?
そんなのアイドルって仕事に対して失礼よ。
にこ「……うん、とるわけ」
にこ「………………」
……もし。
もしもの話よ?
もし、にこに仕事を投げ出させたいなら。
にこ「…………」
にこ「…………強引に」
にこ「強引に、にこをここから連れ出しなさいよ」
よくあるじゃない?
囚われのお姫様を助け出す王子様。
ま、強引にってなると、助け出すって言うよりも、誘拐に近いかも。
さながら、クリスティーヌを誘拐するファントムみたいに。
そんな風に連れ出されたなら、
にこ「万に一つくらいは、可能性あるわよ……」
誰が聞いているでもないのに、そんなことを口にする。
ま、あのヘタレにそんなことできないでしょうけど。
それに、あの子はにこの今の場所知らないんだし。
にこ「ふふっ、ありえないわ」
なんて、自分で言って笑っちゃうわね。
そう、思ったその時、
―― コンコン ――
ノックの音が聞こえた。
――――――
206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 20:39:44.10 ID:IR8szYFoO
――――――
207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 20:53:44.49 ID:IR8szYFoO
――――――
真姫「あぁ! もうっ! なんで返事ないのよ!」
朝に送ったメッセージに既読がついてるにも関わらず、返事がないことに苛立って声をあげた。
同時に携帯をベッドの上に放り投げる。
真姫「はぁぁ」
思わずため息が出る。
まぁ、あんなこと言われたんだもの。
普通は返ってくるはずもない。
仕方のないことなんだけどね。
けど、
真姫「…………少しくらい」
少しくらい、連絡くれてもいいじゃない。
そんな淡い希望も私はまだ抱いていて。
だから、その期待を頭を振って、外に追い出す。
真姫「待ってるだけじゃ……ダメよ」
自分に言い聞かせるように、そう呟き、ベッドの上に放った携帯をまた手にした。
そのまま、電話帳を開いて、電話をかける。
相手は……
『真姫ちゃん?』
真姫「もしもし! 花陽?」
相手は、花陽。
もし今、にこちゃんが番組の収録をしているならば、アイドルが好きな花陽がその情報を掴んでるんじゃないかって思ったから。
『急にどうしたの?』
真姫「実は……にこちゃんのことで聞きたいことがあるの!」
『!』
私の言葉で、電話の向こうの空気が変わった気がした。
たぶん察してくれたんだと思う。
花陽は、
『花陽で力になれるなら』
静かに、だけど、力強くそれだけを言った。
真姫「……ありがと」
――――――
真姫「あぁ! もうっ! なんで返事ないのよ!」
朝に送ったメッセージに既読がついてるにも関わらず、返事がないことに苛立って声をあげた。
同時に携帯をベッドの上に放り投げる。
真姫「はぁぁ」
思わずため息が出る。
まぁ、あんなこと言われたんだもの。
普通は返ってくるはずもない。
仕方のないことなんだけどね。
けど、
真姫「…………少しくらい」
少しくらい、連絡くれてもいいじゃない。
そんな淡い希望も私はまだ抱いていて。
だから、その期待を頭を振って、外に追い出す。
真姫「待ってるだけじゃ……ダメよ」
自分に言い聞かせるように、そう呟き、ベッドの上に放った携帯をまた手にした。
そのまま、電話帳を開いて、電話をかける。
相手は……
『真姫ちゃん?』
真姫「もしもし! 花陽?」
相手は、花陽。
もし今、にこちゃんが番組の収録をしているならば、アイドルが好きな花陽がその情報を掴んでるんじゃないかって思ったから。
『急にどうしたの?』
真姫「実は……にこちゃんのことで聞きたいことがあるの!」
『!』
私の言葉で、電話の向こうの空気が変わった気がした。
たぶん察してくれたんだと思う。
花陽は、
『花陽で力になれるなら』
静かに、だけど、力強くそれだけを言った。
真姫「……ありがと」
――――――
209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 21:27:48.15 ID:IR8szYFoO
――――――
花陽によると。
にこちゃんは1週間後に放送される番組の収録をしているらしい。
そのなかでも、収録スタジオの候補として有力なのは3ヶ所。
その3ヶ所のどこかに、にこちゃんはいる。
もちろん確定ではないけど。
それでも手がかりには違いない。
そして、今は……。
――――――
真姫「なんでっ、はぁっ! こんなに、遠いのよっ!」
3つのスタジオの中の1つ。
そこの最寄り駅のバス停から走っている最中ってわけ。
運動不足が祟って、息は切れるし、足も痛いけど。
真姫「携帯の電源くらいっ! はぁ、はぁっ……入れときなさいよっ」
そもそも電話が通じれば、ダッシュなんてしなくてすんだのにっ!
息切れしていても、そんな風に毒づく。
さっきからにこちゃんに電話はしてるんだけど、電源を切ってるみたいで通じない。
だから、とりあえず一番近いスタジオに向かうことにしたんだ。
え?
ダッシュじゃなくてもいいんじゃないかって?
……ま、そうだけど。
けど、私の決心が鈍らないうちに、ね。
にこちゃん曰く、私はヘタレらしいから。
土壇場で引く癖がついてるって。
真姫「ふ、ふふっ……見てなさい、よっ」
真姫「目にもの見せてやるわっ」
にこちゃんの呆気に取られた顔を想像して、ラストスパート。
私はやっとのことで、たどり着いた目の前のスタジオの中に駆け込んだ。
と、同時に、ある人物の姿が私の目に飛び込んできた。
それは私が求めていた人ではなく、
真姫「あ、あなたはっ」
「あら? こんにちは、真姫さん」
「そんなに慌ててどうしたのかしら?」
にこちゃんと同じ、現役のアイドル。
元A-RISEのリーダー。
ツバサ「もしかして、私の応援かしら?」
綺羅ツバサ。
彼女は昔と変わらないいたずらっ子のような微笑みでそう聞いてきた。
花陽によると。
にこちゃんは1週間後に放送される番組の収録をしているらしい。
そのなかでも、収録スタジオの候補として有力なのは3ヶ所。
その3ヶ所のどこかに、にこちゃんはいる。
もちろん確定ではないけど。
それでも手がかりには違いない。
そして、今は……。
――――――
真姫「なんでっ、はぁっ! こんなに、遠いのよっ!」
3つのスタジオの中の1つ。
そこの最寄り駅のバス停から走っている最中ってわけ。
運動不足が祟って、息は切れるし、足も痛いけど。
真姫「携帯の電源くらいっ! はぁ、はぁっ……入れときなさいよっ」
そもそも電話が通じれば、ダッシュなんてしなくてすんだのにっ!
息切れしていても、そんな風に毒づく。
さっきからにこちゃんに電話はしてるんだけど、電源を切ってるみたいで通じない。
だから、とりあえず一番近いスタジオに向かうことにしたんだ。
え?
ダッシュじゃなくてもいいんじゃないかって?
……ま、そうだけど。
けど、私の決心が鈍らないうちに、ね。
にこちゃん曰く、私はヘタレらしいから。
土壇場で引く癖がついてるって。
真姫「ふ、ふふっ……見てなさい、よっ」
真姫「目にもの見せてやるわっ」
にこちゃんの呆気に取られた顔を想像して、ラストスパート。
私はやっとのことで、たどり着いた目の前のスタジオの中に駆け込んだ。
と、同時に、ある人物の姿が私の目に飛び込んできた。
それは私が求めていた人ではなく、
真姫「あ、あなたはっ」
「あら? こんにちは、真姫さん」
「そんなに慌ててどうしたのかしら?」
にこちゃんと同じ、現役のアイドル。
元A-RISEのリーダー。
ツバサ「もしかして、私の応援かしら?」
綺羅ツバサ。
彼女は昔と変わらないいたずらっ子のような微笑みでそう聞いてきた。
210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 21:51:49.02 ID:IR8szYFoO
真姫「なにっ、それ……意味っ……はぁはぁ……わかんないっ」
息を整えながら、そう返す。
私の様子が可笑しかったのか、彼女はクスクスと笑った後、水を差し出してきた。
ツバサ「飲みかけだけど、いる?」
いらないわよ。
せっかくの好意ではあるけれど、遠慮と拒否の意を込めて断った。
すると、彼女は、
ツバサ「やっぱり?」
そう言って、また、笑った。
まるでその答えを予想していたみたいで、少しむっとする。
真姫「……っ、からかっているんですか?」
半目で睨むようにしながら、そう聞いた。
けれど、彼女は違う違うと笑う。
今度は少しだけ困ったように。
それから、こう言った。
ツバサ「やっぱり真姫さんが『彼女』のことを想っているのは、本当だったのね」
真姫「……」
211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/22(水) 21:53:15.91 ID:IR8szYFoO
ズバリ、だった。
ここで言う『彼女』が誰を意味しているのかくらいは、行間やらから読み取れる。
ただ彼女の本心は読み取れないけれど。
……でも、
真姫「えぇ。私は『彼女』が好きよ」
ツバサ「…………」
ここは答えなきゃいけない。
ちゃんと胸をはって。
あのときからずっと変わらない気持ち。
変わらなくていいんだって気付かせてくれた想い。
それをはっきりと口にする。
どんなに『彼女』に迷惑だと思われても、好きなものは好き。
その好きなものを守るためなら――
真姫「…………」
ツバサ「…………」
真姫「…………」
ツバサ「………………はぁ」
しばらくの沈黙の後、彼女はため息を吐いた。
それがなにを意味するかは分からない。
けれど、彼女はおもむろにメモ翌用紙とペンを何処からか取り出して……。
ツバサ「はい、ここよ」
真姫「……えっ?」
真意は分からないまま、1枚のメモ翌用紙を手渡される。
そこには、あるスタジオの名前と住所が書かれていた。
ツバサ「愛しの彼女のいる場所よ」
真姫「あっ」
ツバサ「会いに行きたいって、顔に書いてあるもの」
そこでまた、ふふっ、と笑う。
行ってきたらいいわ。
きっと待ってるわよ。
快活なその笑顔を受けて、私は――
真姫「……行ってきます」
――頷いた。
――――――
ここで言う『彼女』が誰を意味しているのかくらいは、行間やらから読み取れる。
ただ彼女の本心は読み取れないけれど。
……でも、
真姫「えぇ。私は『彼女』が好きよ」
ツバサ「…………」
ここは答えなきゃいけない。
ちゃんと胸をはって。
あのときからずっと変わらない気持ち。
変わらなくていいんだって気付かせてくれた想い。
それをはっきりと口にする。
どんなに『彼女』に迷惑だと思われても、好きなものは好き。
その好きなものを守るためなら――
真姫「…………」
ツバサ「…………」
真姫「…………」
ツバサ「………………はぁ」
しばらくの沈黙の後、彼女はため息を吐いた。
それがなにを意味するかは分からない。
けれど、彼女はおもむろにメモ翌用紙とペンを何処からか取り出して……。
ツバサ「はい、ここよ」
真姫「……えっ?」
真意は分からないまま、1枚のメモ翌用紙を手渡される。
そこには、あるスタジオの名前と住所が書かれていた。
ツバサ「愛しの彼女のいる場所よ」
真姫「あっ」
ツバサ「会いに行きたいって、顔に書いてあるもの」
そこでまた、ふふっ、と笑う。
行ってきたらいいわ。
きっと待ってるわよ。
快活なその笑顔を受けて、私は――
真姫「……行ってきます」
――頷いた。
――――――
220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:38:23.93 ID:5SyG8O7NO
――――――
ノックの音。
それから、ゆっくり楽屋の扉が開いた。
にこ「…………あ」
そこにいたのは、にこが期待していた人物じゃなかった。
むしろ逆。
会いたくない人物。
「こんにちは、にこさん」
にこ「……先輩」
にこにこと愛想のよく笑う女の人。
彼女は今日の番組で共演する予定の事務所の先輩アイドルだった。
先輩「あら? 浮かない顔ね? もしかして、体調でも悪いのかしら?」
にこ「い、いえ……そんなことはないです」
先輩「それならいいのだけど。お互い健康には気をつけましょうね」
にこ「はい……お気遣いありがとうございます」
上辺だけの会話を交わす。
早く話を切り上げるために。
先輩「あ、そうそう。ねぇ、にこさん?」
にこ「なんでしょうか?」
本当は、この人とは関わりたくない。
だって、
先輩「今日のダンス『も』期待してるわよ?」
にこ「っ!?」
この人がにこへの嫌がらせの主犯だから。
先輩「いつも、にこさんのドジっ娘ぶりには癒されてもらってるわ」
先輩「本番中に転んじゃったり?」
先輩「それって緊張してる私たちを和ませるためにやっているんでしょう?」
先輩「先輩思いのいい後輩ね」
にこ「………………」
彼女の言葉にじっと耐える。
ノックの音。
それから、ゆっくり楽屋の扉が開いた。
にこ「…………あ」
そこにいたのは、にこが期待していた人物じゃなかった。
むしろ逆。
会いたくない人物。
「こんにちは、にこさん」
にこ「……先輩」
にこにこと愛想のよく笑う女の人。
彼女は今日の番組で共演する予定の事務所の先輩アイドルだった。
先輩「あら? 浮かない顔ね? もしかして、体調でも悪いのかしら?」
にこ「い、いえ……そんなことはないです」
先輩「それならいいのだけど。お互い健康には気をつけましょうね」
にこ「はい……お気遣いありがとうございます」
上辺だけの会話を交わす。
早く話を切り上げるために。
先輩「あ、そうそう。ねぇ、にこさん?」
にこ「なんでしょうか?」
本当は、この人とは関わりたくない。
だって、
先輩「今日のダンス『も』期待してるわよ?」
にこ「っ!?」
この人がにこへの嫌がらせの主犯だから。
先輩「いつも、にこさんのドジっ娘ぶりには癒されてもらってるわ」
先輩「本番中に転んじゃったり?」
先輩「それって緊張してる私たちを和ませるためにやっているんでしょう?」
先輩「先輩思いのいい後輩ね」
にこ「………………」
彼女の言葉にじっと耐える。
221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:46:15.91 ID:5SyG8O7NO
我慢よ、我慢。
こんなの適当にあしらっておけばいいの。
そう思って、ただ下を向いている。
すると、
先輩「……あら? なにかしら?」
彼女が、にこの机の上に手を伸ばしてきた。
って!
にこ「それはっ!」
彼女より先にそれを取ろうとして、
先輩「……ダメかしら?」
にこ「っ…………いえ」
にこは手を引いた。
そして、それ――μ's の写真を手に取る先輩。
先輩「……これって、学生の頃の写真?」
にこ「……はい」
静かに頷く。
本当は今すぐにでもその手から奪い返してやりたい。
だけど、そんなことをしたら、たぶん今よりも嫌がらせが酷くなる。
なら、ここは我慢。
……我慢しないと。
にこ「…………」
先輩「ふぅん」
じろじろと、品定めでもするみたいに、先輩は写真を見る。
そして、一言、こう呟いた。
先輩「にこさん、これじゃダメよ?」
にこ「…………え?」
こんなの適当にあしらっておけばいいの。
そう思って、ただ下を向いている。
すると、
先輩「……あら? なにかしら?」
彼女が、にこの机の上に手を伸ばしてきた。
って!
にこ「それはっ!」
彼女より先にそれを取ろうとして、
先輩「……ダメかしら?」
にこ「っ…………いえ」
にこは手を引いた。
そして、それ――μ's の写真を手に取る先輩。
先輩「……これって、学生の頃の写真?」
にこ「……はい」
静かに頷く。
本当は今すぐにでもその手から奪い返してやりたい。
だけど、そんなことをしたら、たぶん今よりも嫌がらせが酷くなる。
なら、ここは我慢。
……我慢しないと。
にこ「…………」
先輩「ふぅん」
じろじろと、品定めでもするみたいに、先輩は写真を見る。
そして、一言、こう呟いた。
先輩「にこさん、これじゃダメよ?」
にこ「…………え?」
222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:58:13.31 ID:5SyG8O7NO
ダメよ?
なにがダメだって?
彼女の言ってる意味が分からず、しばらく黙っていると、彼女は続けた。
先輩「あなた、トップアイドルを目指してるんでしょう?」
にこ「……はい」
先輩「なら、過去のことなんて全部捨てて未来を見ないとね?」
にこ「えっ……」
先輩「見たところ、学生の頃の写真みたいだけれど」
先輩「いつまでも思い出に浸っていたんじゃあ、上にはいけないわよ?」
そんな風に。
捲し立てるように、彼女は言った。
にこにこと残酷な笑みを浮かべながら。
そして、彼女はまた、言葉を続ける。
先輩「だからね、にこさん?」
先輩「わたしが、この写真破り捨ててあげるわね?」
なにがダメだって?
彼女の言ってる意味が分からず、しばらく黙っていると、彼女は続けた。
先輩「あなた、トップアイドルを目指してるんでしょう?」
にこ「……はい」
先輩「なら、過去のことなんて全部捨てて未来を見ないとね?」
にこ「えっ……」
先輩「見たところ、学生の頃の写真みたいだけれど」
先輩「いつまでも思い出に浸っていたんじゃあ、上にはいけないわよ?」
そんな風に。
捲し立てるように、彼女は言った。
にこにこと残酷な笑みを浮かべながら。
そして、彼女はまた、言葉を続ける。
先輩「だからね、にこさん?」
先輩「わたしが、この写真破り捨ててあげるわね?」
223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:09:04.54 ID:5SyG8O7NO
その言葉を理解するのに、数秒かかった。
遅れて理解した瞬間に、
にこ「なっ!? やめなさいよっ!」
そんな言葉が口を突いて出た。
普通の人間ならそんなことは絶対しないでしょうね。
人の思い出を破り捨てるなんてこと。
でも、彼女ならやりかねない。
にこに散々嫌がらせをしてきた彼女ならば。
だから、にこは素が出るのも構わずに、
にこ「それを破ってみなさいっ! そしたら、あんたのこと絶対許さないわよっ!」
思いっきりそう言ってやった。
アイドル失格な口調と、目付きだったと思う。
けれど、そうしないとあれを守れないと思ったから。
だけど、にこはバカだった。
相手はにこのことをよく思っていない人間で、そんな相手ににこの凄みなんて通用しない。
先輩「先輩に対して、その言葉遣い?」
にこ「っ! うるさいっ! いいから、それを渡しなさい」
先輩「…………」
そう言っても、やっぱり写真を渡すつもりもないみたいで、彼女は黙ったまま。
なら、力ずくで!
そう考えて、それに手を伸ばす。
にこ「かえしなさいっ!」
けど、
―― スカッ ――
にこ「っ!?」
避けられて、にこはそのままバランスを崩して前のめりに倒れてしまった。
そんなにこに、後ろから声がかかる。
先輩「フフッ、アイドルがそんなことしちゃダメじゃない」
先輩「そんな後輩には、目の前でこれを破ってあげないと、みたいね?」
にこ「やめっ!?」
やめなさい、って。
言葉を言い終え前に、にこの写真に力が加えられていくのが分かった。
あぁ、もうダメなのね。
そんな風に諦めてしまいかけた時だった。
遅れて理解した瞬間に、
にこ「なっ!? やめなさいよっ!」
そんな言葉が口を突いて出た。
普通の人間ならそんなことは絶対しないでしょうね。
人の思い出を破り捨てるなんてこと。
でも、彼女ならやりかねない。
にこに散々嫌がらせをしてきた彼女ならば。
だから、にこは素が出るのも構わずに、
にこ「それを破ってみなさいっ! そしたら、あんたのこと絶対許さないわよっ!」
思いっきりそう言ってやった。
アイドル失格な口調と、目付きだったと思う。
けれど、そうしないとあれを守れないと思ったから。
だけど、にこはバカだった。
相手はにこのことをよく思っていない人間で、そんな相手ににこの凄みなんて通用しない。
先輩「先輩に対して、その言葉遣い?」
にこ「っ! うるさいっ! いいから、それを渡しなさい」
先輩「…………」
そう言っても、やっぱり写真を渡すつもりもないみたいで、彼女は黙ったまま。
なら、力ずくで!
そう考えて、それに手を伸ばす。
にこ「かえしなさいっ!」
けど、
―― スカッ ――
にこ「っ!?」
避けられて、にこはそのままバランスを崩して前のめりに倒れてしまった。
そんなにこに、後ろから声がかかる。
先輩「フフッ、アイドルがそんなことしちゃダメじゃない」
先輩「そんな後輩には、目の前でこれを破ってあげないと、みたいね?」
にこ「やめっ!?」
やめなさい、って。
言葉を言い終え前に、にこの写真に力が加えられていくのが分かった。
あぁ、もうダメなのね。
そんな風に諦めてしまいかけた時だった。
224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:09:46.47 ID:5SyG8O7NO
――――――
「にこちゃんっ!!」
――――――
「にこちゃんっ!!」
――――――
225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:16:49.12 ID:5SyG8O7NO
バン、っと。
すごい音をたてて、楽屋の扉が開いた。
先輩「っ!? な、なにっ!?」
―― ヒラッ ――
その音と、声に先輩は写真を落としたのがわかって。
にこはそれを飛び付くみたいに拾う。
先輩「あっ……チッ」
にこ「っ」
…………よかった。
破れてない。
それだけを確認して、にこはすぐに、にこの写真を助けてくれた、その声の主を見る。
先輩「あなた……一体?」
不快感が隠そうともしない先輩。
その質問に、にこの視線の先の彼女は堂々とこう言った。
すごい音をたてて、楽屋の扉が開いた。
先輩「っ!? な、なにっ!?」
―― ヒラッ ――
その音と、声に先輩は写真を落としたのがわかって。
にこはそれを飛び付くみたいに拾う。
先輩「あっ……チッ」
にこ「っ」
…………よかった。
破れてない。
それだけを確認して、にこはすぐに、にこの写真を助けてくれた、その声の主を見る。
先輩「あなた……一体?」
不快感が隠そうともしない先輩。
その質問に、にこの視線の先の彼女は堂々とこう言った。
226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:17:58.11 ID:5SyG8O7NO
――――――
真姫「私は、西木野真姫」
真姫「にこちゃんを奪いに来たわっ!!」
――――――
真姫「私は、西木野真姫」
真姫「にこちゃんを奪いに来たわっ!!」
――――――
227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:28:28.99 ID:5SyG8O7NO
にこ「真姫ちゃん……」
ぽつりと彼女の名前を呟く。
真姫「にこちゃん」
それに答えるように、真姫ちゃんもにこの名前を呼んでくれる。
それだけで、今まで絶望してた心が暖かくなっていく。
先輩「…………」
真姫「で? あなたは一体誰なのよ?」
ふと、先輩を見た真姫ちゃんは鋭い目で先輩を睨んだ。
そんな真姫ちゃんは今まで見たことがないくらいにすごい迫力で。
けれど、それで引くほど先輩は弱くはない。
先輩「この子の先輩よ?」
先輩「いつもこの子を可愛がってあげてるの」
にこ「…………」
にこにこと嫌らしい笑みを浮かべてそう答えた。
可愛がってあげてる?
嫌がらせをして、が抜けてるわよ。
そう思いながらも、 口には出来ないにこ。
それをいいことに、
先輩「いまだって、相談に乗ってあげてたの」
先輩「にこさんの」
いけしゃあしゃあとそんなことを言ってのけた。
あぁ、やっぱり腐ってもこの人は先輩だ。
こんなあからさまな嘘も、演技力で覆い隠してる。
にこ「…………」
ちょろい真姫ちゃんのことだ。
きっと騙される。
そう思ったにこの思考は、
真姫「にこちゃんの名前を口にしないでっ!!」
そんな真姫ちゃんの声に掻き消された。
228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:35:42.90 ID:5SyG8O7NO
先輩「っ!?」
真姫ちゃんの怒気をはらんだ言葉に、先輩はたじろいだ。
それを見て、真姫ちゃんはにこの方に近づいてくる。
真姫「…………」
にこ「……真姫ちゃん?」
―― ギュッ ――
そして、そのまま抱きしめられた。
って、えっ!?
にこ「ま、まきちゃんっ!?」
真姫「…………」
そのまま撫でられる。
って、ちょっ!?
な、な、ななにしてんのよっ!?
急なことに狼狽えるにこ。
少しして、真姫ちゃんはにこを解放してくれて。
真姫「ほら、これで拭きなさいよ」
にこ「えっ?」
差し出されたのはハンカチ。
それを受け取った。
真姫「目」
真姫ちゃんに言われたそんな一言で、やっと気づいた。
わたし、泣いてたのね。
229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:39:31.35 ID:5SyG8O7NO
涙を拭いたにこに、真姫ちゃんは、
真姫「ちょっと待っててね、にこちゃん」
にこりと笑った。
その笑顔は、今まで見たどんな笑顔よりも安心できるものだった。
真姫ちゃんの笑顔を見ていたら。
なんだか、言葉が出なくて。
にこ「……うん」
大人しく頷いたのだった。
――――――
真姫「ちょっと待っててね、にこちゃん」
にこりと笑った。
その笑顔は、今まで見たどんな笑顔よりも安心できるものだった。
真姫ちゃんの笑顔を見ていたら。
なんだか、言葉が出なくて。
にこ「……うん」
大人しく頷いたのだった。
――――――
230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:49:54.22 ID:5SyG8O7NO
――――――
さて。
にこちゃんも少し安心したみたいだし。
そう思って、私は向き直った。
にこちゃんをその人から守るように、間に立つ。
先輩「……もういいのかしら?」
その人はにこりと笑う。
なんだかその顔は気に入らない。
にこちゃんとは大違いで、嫌な笑顔。
真姫「よくはないわよ」
うん。
よくない。
まだにこちゃんに何も伝えてないから。
だから、
真姫「早く出ていってくれないかしら?」
目の前の人にそう言う。
先輩「っ! ……あなた、口が悪いわね」
真姫「そうね。元々こうなのよ」
先輩「そう。それは可哀想な子ね」
真姫「…………」
可哀想なのはどっちよ。
そう思いながらも、言葉にはしない。
今はそんなことどうでもいいし。
私がここに来た理由。
それは、
真姫「もうにこちゃんには手を出さないで」
にこちゃんを守るため。
きっと今、にこちゃんが苦しんでる元凶は、この目の前の人だ。
だから、彼女の目をじっと見て、そう告げた。
さて。
にこちゃんも少し安心したみたいだし。
そう思って、私は向き直った。
にこちゃんをその人から守るように、間に立つ。
先輩「……もういいのかしら?」
その人はにこりと笑う。
なんだかその顔は気に入らない。
にこちゃんとは大違いで、嫌な笑顔。
真姫「よくはないわよ」
うん。
よくない。
まだにこちゃんに何も伝えてないから。
だから、
真姫「早く出ていってくれないかしら?」
目の前の人にそう言う。
先輩「っ! ……あなた、口が悪いわね」
真姫「そうね。元々こうなのよ」
先輩「そう。それは可哀想な子ね」
真姫「…………」
可哀想なのはどっちよ。
そう思いながらも、言葉にはしない。
今はそんなことどうでもいいし。
私がここに来た理由。
それは、
真姫「もうにこちゃんには手を出さないで」
にこちゃんを守るため。
きっと今、にこちゃんが苦しんでる元凶は、この目の前の人だ。
だから、彼女の目をじっと見て、そう告げた。
231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:01:09.16 ID:5SyG8O7NO
真姫「私は、にこちゃんが泣いてるのを見たくないの」
真姫「にこちゃんは笑ってるのが一番かわいいから」
真姫「でも、今はにこちゃんは笑ってないわ。それはきっとあなたのせいよ」
真姫「だから、にこちゃんに手を出さないで」
真姫「……ううん。金輪際、にこちゃんに近づかないで」
そう告げる。
それが素直になった私の思い。
笑っているにこちゃんを見ていたい。
可愛いにこちゃんを見ていたい。
幸せそうなにこちゃんを見ていたい。
そのためには。
それを守るためなら。
真姫「にこちゃんを泣かせるものはなんであっても許さないわ」
私はなんだってする。
楽屋に強硬突入するし。
にこちゃんの先輩にだって喧嘩を売ってやるわ。
持てる手段すべてを使って。
出来ることはすべて。
先輩「…………あなた、一体なんなのよ」
理解できないような表情で、私を見て、そう聞いてきた。
私?
私は、ただの――
真姫「にこちゃんの婚約者よっ!」
――――――
232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:02:01.73 ID:5SyG8O7NO
――――――
233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:13:10.79 ID:5SyG8O7NO
――――――
にこ「婚約者って……つくならもっとマシな嘘をつきなさいよ」
真姫「……別にそれで追い返せたんだからいいじゃない」
呆れ顔のにこちゃんにそう返すと、まぁそうだけど、と一応同意してくれた。
にこ「でも……」
真姫「うん」
にこ「…………助かったわ。ありがと」
プイッと顔を背けながら、にこちゃんはお礼を言った。
その顔はよく見るまでもなく、真っ赤になっていて。
真姫「ふふっ」
思わず笑ってしまう。
なに、笑ってんのよっ!
なんて、にこちゃんに怒られちゃったけれど。
まぁ、真っ赤な顔じゃ怖くもなんともないわね。
真姫「…………」
にこ「…………」
それから、しばらく私とにこちゃんは静かになる。
つかずはなれず。
触れているような触れていないような距離を保ったまま、その時を待った。
そして、
にこ「ねぇ……真姫ちゃん」
真姫「……なに? にこちゃん」
にこ「なにしに来たの?」
にこちゃんの質問。
なにしに、ね。
真姫「…………ふぅ」
少しだけ息を吐く。
息を吐いて、覚悟を決める。
……よし。
意を決して、私は口を開いた。
真姫「にこちゃんの夢を邪魔しに来たわ」
にこ「婚約者って……つくならもっとマシな嘘をつきなさいよ」
真姫「……別にそれで追い返せたんだからいいじゃない」
呆れ顔のにこちゃんにそう返すと、まぁそうだけど、と一応同意してくれた。
にこ「でも……」
真姫「うん」
にこ「…………助かったわ。ありがと」
プイッと顔を背けながら、にこちゃんはお礼を言った。
その顔はよく見るまでもなく、真っ赤になっていて。
真姫「ふふっ」
思わず笑ってしまう。
なに、笑ってんのよっ!
なんて、にこちゃんに怒られちゃったけれど。
まぁ、真っ赤な顔じゃ怖くもなんともないわね。
真姫「…………」
にこ「…………」
それから、しばらく私とにこちゃんは静かになる。
つかずはなれず。
触れているような触れていないような距離を保ったまま、その時を待った。
そして、
にこ「ねぇ……真姫ちゃん」
真姫「……なに? にこちゃん」
にこ「なにしに来たの?」
にこちゃんの質問。
なにしに、ね。
真姫「…………ふぅ」
少しだけ息を吐く。
息を吐いて、覚悟を決める。
……よし。
意を決して、私は口を開いた。
真姫「にこちゃんの夢を邪魔しに来たわ」
234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:24:57.28 ID:5SyG8O7NO
にこ「……うん」
私の言葉ににこちゃんはうなずいて。
にこ「でも、にこはアイドルを諦めたくない」
そう言った。
知ってる。
そんなの、私の卒業式の日に思い知ってるわよ。
そのせいで、私はフラれたんだから。
にこ「にこが諦め悪いの知ってるでしょ?」
真姫「えぇ、知ってるわ」
にこ「にこはファンを笑顔にし続けたいのよ」
真姫「……知ってる」
うん。
それも、よく知ってる。
だから、私はこう言ってやるの。
真姫「ねぇ、にこちゃん」
にこ「うん」
真姫「私はにこちゃんのファンよ? たぶん、にこちゃんのことが世界で一番大好きなファンよ」
にこ「…………知ってるわ」
そうよね。
だって、にこちゃんに告白したのはたぶん、後にも先にも私一人だから。
235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:30:43.72 ID:5SyG8O7NO
だからね、にこちゃん。
真姫「にこちゃん」
真姫「あなたは私だけのアイドルになりなさいっ!」
真姫「私もにこちゃんだけのファンになるからっ!」
真姫「だから、私のそばにいてっ!!」
真姫「そうしてくれないなら、私、ずっと泣き続けるわよっ!!」
それが私の辿り着いた結論。
暴論とも言われかねないものだけど。
それでも、にこちゃんは、
にこ「……ふふっ、自分勝手よね、真姫ちゃんって」
そんな風に笑ってくれた。
お互い様でしょ?
私のそんな言葉にも、笑って頷いてくれて。
それから、にこちゃんは私に笑いかけてくれて、こう言った。
にこ「一人だけのためのアイドルね」
にこ「……悪くないわ」
そう言ったにこちゃんの目の端は、少しだけ何かで輝いていて。
それに負けないくらい、にこちゃんの笑顔もキラキラと輝いていていた。
私の大好きな笑顔。
にこちゃんの、笑顔。
――――――
236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:31:10.44 ID:5SyG8O7NO
――――――
237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:44:16.00 ID:5SyG8O7NO
――――――
先輩「なんなのよっ、あいつ!」
先輩「矢澤にこっ!!」
先輩「どうしてやろうかしら……」
先輩「……そうよっ、あることないことネットで――」
ツバサ「お久しぶりです、先輩」
先輩「っ!? あなた、ツバサ!?」
ツバサ「はい。いつぶりでしょうね。えぇと、先輩がA-RISEを止めてからだから……」
先輩「だ、黙りなさいよっ」
ツバサ「あ、すみません。止めさせられたでしたね?」
先輩「うっ!?」
ツバサ「トップアイドルは過去に固執するようじゃなんておっしゃっていたので、つい笑ってしまいました」
先輩「黙れっ!!」
ツバサ「………………」
先輩「っ!? な、なんで……」
ツバサ「先輩?」
先輩「な、なにかしら?」
ツバサ「……矢澤にこにはもう手を出さないでくださいね?」
ツバサ「もし、またなにかするようでしたら、先輩の過去のことを週刊誌にリークさせてもらいます」
先輩「っ!? な、なんでそこまで矢澤にこに拘るのよっ! ツバサには関係ないでしょうっ!?」
ツバサ「彼女は――」
ツバサ「――私のビジネスパートナーに相応しい娘なので♪」
――――――
先輩「なんなのよっ、あいつ!」
先輩「矢澤にこっ!!」
先輩「どうしてやろうかしら……」
先輩「……そうよっ、あることないことネットで――」
ツバサ「お久しぶりです、先輩」
先輩「っ!? あなた、ツバサ!?」
ツバサ「はい。いつぶりでしょうね。えぇと、先輩がA-RISEを止めてからだから……」
先輩「だ、黙りなさいよっ」
ツバサ「あ、すみません。止めさせられたでしたね?」
先輩「うっ!?」
ツバサ「トップアイドルは過去に固執するようじゃなんておっしゃっていたので、つい笑ってしまいました」
先輩「黙れっ!!」
ツバサ「………………」
先輩「っ!? な、なんで……」
ツバサ「先輩?」
先輩「な、なにかしら?」
ツバサ「……矢澤にこにはもう手を出さないでくださいね?」
ツバサ「もし、またなにかするようでしたら、先輩の過去のことを週刊誌にリークさせてもらいます」
先輩「っ!? な、なんでそこまで矢澤にこに拘るのよっ! ツバサには関係ないでしょうっ!?」
ツバサ「彼女は――」
ツバサ「――私のビジネスパートナーに相応しい娘なので♪」
――――――
238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:45:02.18 ID:5SyG8O7NO
――――――
239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:59:08.33 ID:5SyG8O7NO
――――――
『大凶』
あの日、2回目に出たのはそんな結果。
どうやら神様は私にいい結果を引かせたくないみたい。
けれど、どう?
神様なんてものがいるとしたら。
にこ「ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「なに? にこちゃん?」
にこ「……なんでもない」
真姫「そ」
今の私たちを見て、きっと驚くんでしょうね。
待ち人来ず、なんて。
そんなことはなかったわよ?
あ、でも。
私が迎えに行ったわけだから、待ってはないけど。
ということは、あのおみくじの結果とは関係ない?
…………まぁ、いいわ。
希と、あとついでに神様に悪いけど。
占いとかおみくじとか不確定なものは今はどうだっていい。
今は――
―― ギュッ ――
真姫「あったかい、わね」
にこ「……そうね」
繋いだ手のあたたかさ。
それが、私たちの関係の証明。
私だけのアイドル、にこちゃん。
にこちゃんだけのファン、私。
それはきっとこれからも続いていく。
―――――― fin ――――――
『大凶』
あの日、2回目に出たのはそんな結果。
どうやら神様は私にいい結果を引かせたくないみたい。
けれど、どう?
神様なんてものがいるとしたら。
にこ「ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「なに? にこちゃん?」
にこ「……なんでもない」
真姫「そ」
今の私たちを見て、きっと驚くんでしょうね。
待ち人来ず、なんて。
そんなことはなかったわよ?
あ、でも。
私が迎えに行ったわけだから、待ってはないけど。
ということは、あのおみくじの結果とは関係ない?
…………まぁ、いいわ。
希と、あとついでに神様に悪いけど。
占いとかおみくじとか不確定なものは今はどうだっていい。
今は――
―― ギュッ ――
真姫「あったかい、わね」
にこ「……そうね」
繋いだ手のあたたかさ。
それが、私たちの関係の証明。
私だけのアイドル、にこちゃん。
にこちゃんだけのファン、私。
それはきっとこれからも続いていく。
―――――― fin ――――――
240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:01:25.23 ID:kV6ZNVGco
乙
241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:02:38.77 ID:+g9yKOFbo
乙、すげぇ良かった
242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:06:28.26 ID:vfs3ph/tO
以上で
『真姫「私だけの」』完結になります。
レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
前作というかアフター。
最後の方に今回の話のアフターが少しだけあります。
【ラブライブ】凛「10年後に行けるお香?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416603707/
以下過去作です
【ラブライブ】花陽「凛ちゃんと一夜の間違い?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426733320/
よろしければどうぞ。
次はシリアスじゃないものを書く予定です。
またお付き合いいただけると嬉しいです。
では、また。
『真姫「私だけの」』完結になります。
レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
前作というかアフター。
最後の方に今回の話のアフターが少しだけあります。
【ラブライブ】凛「10年後に行けるお香?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416603707/
以下過去作です
【ラブライブ】花陽「凛ちゃんと一夜の間違い?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426733320/
よろしければどうぞ。
次はシリアスじゃないものを書く予定です。
またお付き合いいただけると嬉しいです。
では、また。
244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:43:16.22 ID:8jsgZeuS0
乙です。
過去作2つとも読んでました。次回のも楽しみにしてます。
過去作2つとも読んでました。次回のも楽しみにしてます。
245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:12:30.83 ID:XFZ6U7Sw0
乙!ありがとうございます!
247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:39:12.01 ID:yQ2+iTrNo
最高のにこまき
また書いてください
また書いてください
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428761231/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (0)
まゆ「泰葉ちゃんを励ましに行きます」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:23:09.51 ID:BLfGsOq40
まゆ「総選挙の結果、発表されましたね」
まゆ「まゆは29位でした。智絵里ちゃんは?」
智絵里「えっと、11位」
まゆ「すごいです、拍手ですよぉ」パチパチ
智絵里「えへへ……」テレテレ
まゆ「まあ多少の変動は仕方ないでしょうね。選挙時期のお仕事が大きく関わるのはいつものことですから」
まゆ「アニメもありましたが……以外に影響ってないんですねぇ」
智絵里「でも、みくちゃんは頑張ったね」
まゆ「ではみくちゃんにも拍手です」パチパチ
智絵里「今いないけど……おめでとう」パチパチ
まゆ「まゆは29位でした。智絵里ちゃんは?」
智絵里「えっと、11位」
まゆ「すごいです、拍手ですよぉ」パチパチ
智絵里「えへへ……」テレテレ
まゆ「まあ多少の変動は仕方ないでしょうね。選挙時期のお仕事が大きく関わるのはいつものことですから」
まゆ「アニメもありましたが……以外に影響ってないんですねぇ」
智絵里「でも、みくちゃんは頑張ったね」
まゆ「ではみくちゃんにも拍手です」パチパチ
智絵里「今いないけど……おめでとう」パチパチ
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:27:03.16 ID:BLfGsOq40
まゆ「……しかし泰葉ちゃんが」
智絵里「……」ピク
まゆ「泰葉ちゃんかわいいのに」
智絵里「残念……だったね」
まゆ「そんなワケで、今から泰葉ちゃんを励ましに行きましょう。えい、えい?」
智絵里「お、おー……?」
まゆ「友情と団結パワーの見せ時ですよぉ」
智絵里「……」ピク
まゆ「泰葉ちゃんかわいいのに」
智絵里「残念……だったね」
まゆ「そんなワケで、今から泰葉ちゃんを励ましに行きましょう。えい、えい?」
智絵里「お、おー……?」
まゆ「友情と団結パワーの見せ時ですよぉ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:29:48.19 ID:BLfGsOq40
泰葉「……」ペラッ
泰葉「……」
まゆ「だーれだ?」
泰葉「……まゆさん?」
まゆ「正解です」
泰葉「テンション高いね」
まゆ「今日のまゆは明るいんですよぉ」
泰葉「ふふっ、何か良い事あった?」
まゆ「いえ、これで泰葉ちゃんにもめいっぱい明るくなってもらおうと」
泰葉「……?」
泰葉「……」
まゆ「だーれだ?」
泰葉「……まゆさん?」
まゆ「正解です」
泰葉「テンション高いね」
まゆ「今日のまゆは明るいんですよぉ」
泰葉「ふふっ、何か良い事あった?」
まゆ「いえ、これで泰葉ちゃんにもめいっぱい明るくなってもらおうと」
泰葉「……?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:33:11.14 ID:BLfGsOq40
まゆ「総選挙、お疲れ様でした」
泰葉「? お疲れ様でした」
まゆ「泰葉ちゃんも、これからまだまだですよ」
智絵里「頑張っていこうね」
泰葉「そっか。二人とも、これまでの成績より……」
まゆ「いえ、そうではなく」
泰葉「? お疲れ様でした」
まゆ「泰葉ちゃんも、これからまだまだですよ」
智絵里「頑張っていこうね」
泰葉「そっか。二人とも、これまでの成績より……」
まゆ「いえ、そうではなく」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:35:30.23 ID:BLfGsOq40
泰葉「?」
まゆ「まゆ達は発表圏内ですから、いいんですよぉ」
智絵里「その……泰葉ちゃん、また……」
泰葉「……」
泰葉「ああ、そういうこと」
まゆ「泰葉ちゃん、とっても悔しいだろうなって」
泰葉「うーん……悔しくないって言ったら、ウソにはなるかもしれないけど……」
智絵里「……けど?」
まゆ「まゆ達は発表圏内ですから、いいんですよぉ」
智絵里「その……泰葉ちゃん、また……」
泰葉「……」
泰葉「ああ、そういうこと」
まゆ「泰葉ちゃん、とっても悔しいだろうなって」
泰葉「うーん……悔しくないって言ったら、ウソにはなるかもしれないけど……」
智絵里「……けど?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:40:26.99 ID:BLfGsOq40
泰葉「ふふっ……自分でも驚いてるの」
泰葉「人の成功を喜ぶ気持ちが結構あるんだ。昔とは変わったみたい」
泰葉「ほら、周子さんにはお世話になったから。それもあってね?」
まゆ「泰葉ちゃん……」ジーン
智絵里「……驚いちゃった。すごいなぁ」
泰葉「変わったのはきっと皆のおかげ。皆、大切な仲間だもの」
まゆ「まゆは……まゆは……!」ウルウル
泰葉「それにPさんにもいっぱい励ましてもらったし」
まゆ「事情が変わった」
泰葉「人の成功を喜ぶ気持ちが結構あるんだ。昔とは変わったみたい」
泰葉「ほら、周子さんにはお世話になったから。それもあってね?」
まゆ「泰葉ちゃん……」ジーン
智絵里「……驚いちゃった。すごいなぁ」
泰葉「変わったのはきっと皆のおかげ。皆、大切な仲間だもの」
まゆ「まゆは……まゆは……!」ウルウル
泰葉「それにPさんにもいっぱい励ましてもらったし」
まゆ「事情が変わった」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:44:28.48 ID:BLfGsOq40
BGM:サンライズ
https://www.youtube.com/watch?v=FJ4emOWalaI
まゆ「今何て言いましたぁ?」
泰葉「Pさんがね、いっぱい励ましてくれたの」
泰葉「なでてもらったり……ふふっ、子供みたいに」
まゆ「ちょーっと見逃せませんねぇ」
智絵里「あ、あの……」オロオロ
泰葉「大丈夫っていうのに、全然聞いてくれなくてね?」ニヨニヨ
まゆ「ふぐうぅ……」グギギ
https://www.youtube.com/watch?v=FJ4emOWalaI
まゆ「今何て言いましたぁ?」
泰葉「Pさんがね、いっぱい励ましてくれたの」
泰葉「なでてもらったり……ふふっ、子供みたいに」
まゆ「ちょーっと見逃せませんねぇ」
智絵里「あ、あの……」オロオロ
泰葉「大丈夫っていうのに、全然聞いてくれなくてね?」ニヨニヨ
まゆ「ふぐうぅ……」グギギ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:51:00.15 ID:BLfGsOq40
まゆ「ま、まゆだって大幅に下がったんですよぉ!?」
泰葉「183人中の29位。やっぱりまゆさんは凄いね」
まゆ「ふぐぅ……13も下がったのに……!」
泰葉「私、何位だったのかな?」
まゆ「ふぐうぅ」
泰葉「それにCDは順位とは関係なく出せることだってあるし。あまり気にしないようにしてるの」
まゆ「ふぐううぅぅ」
泰葉「Pさんの手、大きかったな……」
まゆ「ふぐうううぅぅ……」グギギ
智絵里(どうしよう……とてもじゃないけど割って入れない……)オロオロ
泰葉「183人中の29位。やっぱりまゆさんは凄いね」
まゆ「ふぐぅ……13も下がったのに……!」
泰葉「私、何位だったのかな?」
まゆ「ふぐうぅ」
泰葉「それにCDは順位とは関係なく出せることだってあるし。あまり気にしないようにしてるの」
まゆ「ふぐううぅぅ」
泰葉「Pさんの手、大きかったな……」
まゆ「ふぐうううぅぅ……」グギギ
智絵里(どうしよう……とてもじゃないけど割って入れない……)オロオロ
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:56:21.38 ID:BLfGsOq40
まゆ「Pさんに励ましてもらいに行きます!」
泰葉「そうそう、Pさんまゆちゃんのこと褒めてたよ?」
まゆ「え……?」ピタリ
泰葉「残念だったと思うかもしれないが、それでもやっぱり安定してるなって」
まゆ「そ、そう言ったんですかぁ……?」ニヨニヨ
泰葉「それに対してごめんな泰葉って、俺頑張るからなって。髪がくしゃくしゃになっちゃった。ふふっ」
まゆ「ふぐううぅぅ」グギギ
泰葉「そうそう、Pさんまゆちゃんのこと褒めてたよ?」
まゆ「え……?」ピタリ
泰葉「残念だったと思うかもしれないが、それでもやっぱり安定してるなって」
まゆ「そ、そう言ったんですかぁ……?」ニヨニヨ
泰葉「それに対してごめんな泰葉って、俺頑張るからなって。髪がくしゃくしゃになっちゃった。ふふっ」
まゆ「ふぐううぅぅ」グギギ
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:01:31.76 ID:BLfGsOq40
まゆ「もう怒りましたよぉ……! 調子に乗るんじゃあありません、まゆだって落ちたんだから励ましてもらうんです……!」プルプル
泰葉「Cuの皆って順位安定してるよね。ずっと」
まゆ「ふぐぅ」
智絵里(わっ、追い討ち……)
泰葉「凄いね、まゆさんはいつも上位の方にいるもんね」
泰葉「私も上がったのかな? 実はPさん、嬉しそうだったかも。でも、分からないか」
まゆ「ぐぎぎ……」
泰葉「Cuの皆って順位安定してるよね。ずっと」
まゆ「ふぐぅ」
智絵里(わっ、追い討ち……)
泰葉「凄いね、まゆさんはいつも上位の方にいるもんね」
泰葉「私も上がったのかな? 実はPさん、嬉しそうだったかも。でも、分からないか」
まゆ「ぐぎぎ……」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:05:08.09 ID:BLfGsOq40
まゆ「もう今度こそ本気で怒りましたよぉ!」ウガー
泰葉「(ちょっとやりすぎたかな……?)――なんて。Pさんもまゆさんのこと心配してたみたいだし……」
まゆ「もう泰葉ちゃんなんかプンプンです!」プンプン
まゆ「プンプン!! プンプンプンプン!!!」プンプン
泰葉「分かったから普通に喋ろう?」
智絵里「ま、まゆちゃん……」オロオロ
泰葉「(ちょっとやりすぎたかな……?)――なんて。Pさんもまゆさんのこと心配してたみたいだし……」
まゆ「もう泰葉ちゃんなんかプンプンです!」プンプン
まゆ「プンプン!! プンプンプンプン!!!」プンプン
泰葉「分かったから普通に喋ろう?」
智絵里「ま、まゆちゃん……」オロオロ
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:09:42.47 ID:BLfGsOq40
まゆ「はぁ……はぁ……少し取り乱しましたぁ」
泰葉「ごめんね? 言い過ぎたね?」
まゆ「怒りのあまりもう一度ハイライト消してやろうかと思いましたよぉ……」
泰葉「えっこわい」
泰葉「あの……なんだかんだ私も結構悔しかったから、つい」
まゆ「もういいんです。本気で怒ったらスッキリしました」
智絵里(本気で怒るとああなんだ……)
泰葉(本気で怒るとああなんだ……)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:12:45.64 ID:BLfGsOq40
泰葉「ね、一緒にPさんのところ行こう? きっと誰が行ってもめいっぱいなでてくれるから」
まゆ「まゆは1回多くなでてもらいます」
泰葉「なら私は5回多くなるかな」
まゆ「まゆが10回多くなでてもらうんです」
泰葉「じゃあ私は20回」
智絵里「あの……もう喧嘩は……」オロオロ
完
まゆ「まゆは1回多くなでてもらいます」
泰葉「なら私は5回多くなるかな」
まゆ「まゆが10回多くなでてもらうんです」
泰葉「じゃあ私は20回」
智絵里「あの……もう喧嘩は……」オロオロ
完
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:15:18.30 ID:BLfGsOq40
おしまい
ただまゆがぷんすかするのを書きたかっただけ。他意はない
アニメでゴロゴロ声が付くせいか、実際総選挙があまり気にならなくなりました
順位関係なく声が付くのは今に始まったことではありませんが
ただまゆがぷんすかするのを書きたかっただけ。他意はない
アニメでゴロゴロ声が付くせいか、実際総選挙があまり気にならなくなりました
順位関係なく声が付くのは今に始まったことではありませんが
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 03:05:24.90 ID:R4MxZAorO
おつ
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 11:46:46.87 ID:H5Kix/X60
乙激オコ
まゆ「事情が変わった」のセリフとBGMが合わさって腹筋崩壊
まゆ「事情が変わった」のセリフとBGMが合わさって腹筋崩壊
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429975379/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
ハルカ「目を覚ましてよ!サトシ!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/21(火) 21:28:29.64 ID:YaN3MmZV0
サトハルのSSです。
今回、サトシに悲劇が起きます。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/21(火) 21:33:03.46 ID:PtVAkRMS0
タケシ「落ち着け!ハルカ。サトシは死なない!」
マサト「そうだよお姉ちゃん!サトシを信じようよ!」
ハルカ「え…っぐ、だって、私のせいでサトシが…」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/21(火) 21:50:06.96 ID:PtVAkRMS0
時は数時間前に遡る。
サトシ「いや~、山道も結構疲れるな。」
ピカチュウ「ピカ…」
タケシ「でも、この辺に宿があるはずだぞ。」
マサト「おね〜ちゃ〜ん。早く〜!」
ハルカ「ハァハァ、待ってよみんな〜。ハァハァ」
サトシ「大丈夫か?ハルカ。」
ハルカ「もうギブ…」
サトシ「しょうがないな〜。ほら!」
そう言うとサトシは、ハルカに手を差し伸べた。
ハルカ「え///」
サトシ「ほら早く!」
ハルカ「う、うん///」
ハルカは恥ずかしながらもサトシの手を取り、サトシに引っ張られながら歩いた。
ハルカ(サトシってこうゆうの普通にしてくるのよね…/// 何だろう、この胸騒ぎ…)
ハルカの顔は少し赤かった。そしてサトシ達は目的地の宿に着いた。
サトシ「ふぅ〜、やっと着いた〜。」
ピカチュウ「ピカピ!」
ハルカ「ハァハァ、もう疲れた…」
サトシ「お疲れ!ハルカ。」
ハルカ「う、うん///」(何だろうこの気持ち…サトシの声を聞くだけでドキドキするっていうか…)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/21(火) 21:56:37.79 ID:PtVAkRMS0
サトシ達は部屋に入り、少し休んだ。
マサト「ねぇ、まだ時間あるし、この辺散歩しない?」
サトシ「それ良いな!ハルカ、タケシ、行こうぜ!」
ハルカ「私も行きたいかも♪」
タケシ「俺はちょっとやることがあるから遠慮しとくよ。」
サトシ「そうか。ピカチュウは?」
ピカチュウ「ピ〜カ…」
サトシ「そうか。タケシ、ピカチュウ頼んだぜ!」
タケシ「あぁ!」
サトシ「じゃあ三人で行くか!」
「「オー!」」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 16:53:36.04 ID:HdcjnYgF0
サトシ「う~ん。森の中って結構涼しいな。」
マサト「きっと、アレがあるからだよ!」
サトシ達が見つけたのは、森の中を流れる川に、高さ5㍍程の滝があった。
サトシ「水しぶきがここまで来て気持ちいいな!」
マサト「うん…」
ハルカ「ねぇ、もう少し近くに行きましょうよ!」
その時だった。
ハルカ「きゃあ!!」
ハルカが足を滑らした。
サトシ「ハルカ!!」パシ
サトシはハルカの手を掴み、引き戻した。ハルカは助かったが、それと同時に引き戻した勢いでサトシが落ちる。
ハルカ・マサト「「サトシ!!」」
川が流れているせいか、大きな石がいっぱいあった。そして、鈍い音が聞こえる。二人は下を見ると、血だらけのサトシがそこにいた。ハルカは恐怖で腰が抜けて、その場に崩れる。
ハルカ「う……そ……サトシ………うわあああああ!!!」
マサト「お姉ちゃん落ち着いて!今タケシ呼んでくるからその場にいて!!」
マサトは急いでタケシのいる宿に向かった。
ハルカ「サトシイイイイイ!!うわああああああん!!!!」
ハルカは泣くことしか出来なかった。自分のせいでサトシが死んだかしれない。もうサトシの声が聞けないかもしれない。そんなのヤダ…
マサト「きっと、アレがあるからだよ!」
サトシ達が見つけたのは、森の中を流れる川に、高さ5㍍程の滝があった。
サトシ「水しぶきがここまで来て気持ちいいな!」
マサト「うん…」
ハルカ「ねぇ、もう少し近くに行きましょうよ!」
その時だった。
ハルカ「きゃあ!!」
ハルカが足を滑らした。
サトシ「ハルカ!!」パシ
サトシはハルカの手を掴み、引き戻した。ハルカは助かったが、それと同時に引き戻した勢いでサトシが落ちる。
ハルカ・マサト「「サトシ!!」」
川が流れているせいか、大きな石がいっぱいあった。そして、鈍い音が聞こえる。二人は下を見ると、血だらけのサトシがそこにいた。ハルカは恐怖で腰が抜けて、その場に崩れる。
ハルカ「う……そ……サトシ………うわあああああ!!!」
マサト「お姉ちゃん落ち着いて!今タケシ呼んでくるからその場にいて!!」
マサトは急いでタケシのいる宿に向かった。
ハルカ「サトシイイイイイ!!うわああああああん!!!!」
ハルカは泣くことしか出来なかった。自分のせいでサトシが死んだかしれない。もうサトシの声が聞けないかもしれない。そんなのヤダ…
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 18:49:14.57 ID:aavwst6j0
数分後、タケシと宿主が来て、サトシは救急車に運ばれた。救急車の中にはハルカ、マサト、タケシ、ピカチュウが乗っていた。それで、今に至る。
ハルカ「どうしよう…私のせいでサトシが…」
タケシ「落ち着けハルカ。まだそう決まったわけじゃない。サトシを信じろ。」
ハルカ「え……っぐ……サトシ…」
ピカチュウ「ピカピ…」
ハルカ「どうしよう…私のせいでサトシが…」
タケシ「落ち着けハルカ。まだそう決まったわけじゃない。サトシを信じろ。」
ハルカ「え……っぐ……サトシ…」
ピカチュウ「ピカピ…」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 18:53:14.59 ID:aavwst6j0
サトシ達は隣町の病院に着くと、すぐに集中治療室に運ばれた。
タケシ「とりあえず、俺はオーキド博士に電話する。マサト達はそこで待っててくれ。」
ハルカ「サトシ…やだよ…」
マサト「お姉ちゃん…」
私のこの気持ちは何だろう。サトシがいなくなると考えるだけで胸が苦しい。もっとサトシと旅がしたい。サトシと一緒にいたい。そばにいたい。話がしたい。声が聞きたい。何でこんなに苦しいの…
タケシ「何とか連絡は取れた。早くて今日の夜に着く。何れも明日には…」
ハルカ「サトシ…死んじゃいや…」
タケシ「ハルカ、大丈夫だ。サトシなら大丈夫。必ず助かるよ。」
タケシはそっとハルカを抱きしめた。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:14:49.04 ID:aavwst6j0
P.M10:00 オーキド博士とシゲル、ハナコ(サトシの母)、ケンジが病院に着いた。
オーキド博士「サトシは?」
タケシ「まだ手術中です…」
オーキド博士「そうか…」
ハルカ「ごめんなさい…私のせいで…」
ハナコ「ううん、ハルカちゃんのせいじゃないわ。事故よこれは。」
ハルカ「でも…私が落ちさえしなければ…」
ハナコ「大丈夫!サトシを信じて?」
シゲル(サトシ…)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:27:13.77 ID:UAskE4Ve0
P.M10:42 集中治療室から先生が出てくる。
オーキド博士「あの、サトシは…」
先生「一応、手術は成功しました。」
オーキド博士「そうですか。」
タケシ達はホッとする。
先生「ですが…」
「「「?」」」
先生「脳への衝撃が非常に強い。目が覚めても記憶が無くなるか、最悪の場合…死ぬかもしれません…」
ハルカ「え…」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:30:25.70 ID:aavwst6j0
ハルカはそれを聞いた時、目の前が真っ暗になった。"死ぬ"医者の口から出てきて欲しくない言葉だった。せめて記憶が無くなるまでにして欲しかった。ハルカの口からとんでもない事を発した。
ハルカ「……ぬ。」
マサト「え?」
ハルカ「サトシが死んだら……私も……」
タケシ「ハルカ!!」
タケシは怒鳴った。ハルカが何を言おうとしてるのかすぐに分かった。決して言ってはいけない事だった。
タケシ「馬鹿なことを考えるな!そんなことして、サトシが喜ぶと思ってんのか?!」
ハルカ「私のせいで…サトシが…」
パーン
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:36:20.16 ID:HdcjnYgF0
ハルカはシゲルに頬をぶたれた。
ケンジ「おいシゲル!」
シゲル「……にしろ。」
ハルカ「え…」
シゲル「いい加減にしろ!!誰のおかげでお前の命が救われたと思ってんだ!その救ってもらった命を無駄にすんのかよ!!」
オーキド博士「おいシゲル、ここは病院じゃぞ。」
ハルカ「…たに、貴方に私の何が分かるのよ!!」
ハルカは走ってその場からいなくなったら。しばらく沈黙が続いた。
ピカチュウ「ピカピ…」
みんなは、近くのポケモンセンターで泊まることになった。ハルカ以外は…
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:46:06.67 ID:UAskE4Ve0
その日、ハルカはずっとサトシの病室の前に座っていた。ピカチュウと一緒に…
ハルカ「ピカチュウ、ごめんね…私なせいでサトシが…」
ピカチュウ「ピカピ!ピカピカ…ピカチュ!」
ハルカ「ありがとね。ピカチュウ、私ね、もっとサトシと旅がしたいの。」
ピカチュウ「ピカ…」
ハルカ「もっと話がしたい、一緒にいたい。そう思ってるの…でも、サトシが私の前からいなくなるって考えただけで…え……っぐ…胸が…うっぐ……苦しいの……」
ピカチュウ「チャー…」
ハルカは泣きながら、ピカチュウを抱きしめた。
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 19:59:13.70 ID:aavwst6j0
ハナコ「ハルカちゃん。」
ハルカ「ハナコさん…」
ハナコ「隣…良い?」
ハルカ「……はい。」
ハナコ「ありがと。」
しばらくして、ハナコが口を開いた。
ハナコ「ハルカちゃん、さっき何でシゲル君がぶったかわかる?」
ハルカ「い、いえ…」
ハナコ「サトシとシゲル君が幼馴染って事は知ってるわよね?」
ハルカ「はい…」
ハナコ「サトシとシゲル君は凄く仲が良かった。サトシはシゲル君の気持ちが分かってたし、シゲル君もサトシの事を理解していた。そして今回も、ハルカちゃんを助けたサトシの気持ちも。」
ハルカ「私を助けた、サトシの気持ち…?」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 20:10:13.12 ID:HdcjnYgF0
ハナコ「ホウエンに来て、サトシとシゲル君は頻繁に連絡をするようになった。その内容はねハルカちゃん、貴方自身なの。」
ハルカ「私…自身…?」
ハナコ「サトシはね、ハルカちゃんの事が好きだったの。シゲル君言ってたわ。」
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シゲル『サトシは彼女の事で凄く悩んでいた。いつ気持ちを伝えればいいのか分からない。そもそも伝えていいのか。サトシは真剣に悩んでいた。そんな大好きなハルカをサトシが助けたのに無駄にするなんて…サトシが……可哀想だ…。サトシはそんなの望んでいない。サトシの為にも彼女には生きて欲しいんだ。』
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17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:41:53.74 ID:n5ILT6/k0
ハルカ「だからシゲルは…」
ハナコ「ハルカちゃんだって、サトシの事好きなんでしょ?」
ハルカ「え?///」
ハナコ「違うの?」
ハルカ「…よく分からないんです。ただ、サトシといると楽しいし、一緒にいても全く飽きません。でも…そのサトシがいなくなると思うと、苦しいんです…」
ハナコ「ハルカちゃん、それが恋よ。」
ハルカ「恋?」
ハナコ「ハルカちゃんだって、サトシの事好きなんでしょ?」
ハルカ「え?///」
ハナコ「違うの?」
ハルカ「…よく分からないんです。ただ、サトシといると楽しいし、一緒にいても全く飽きません。でも…そのサトシがいなくなると思うと、苦しいんです…」
ハナコ「ハルカちゃん、それが恋よ。」
ハルカ「恋?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:43:08.79 ID:iEAeELqF0
ハナコ「えぇ。貴方は気付いていない内に、サトシの事が好きになっていたのよ。」
ハルカ「そうか。だから…」
ハナコ「だったら、尚更サトシを信じなきゃ駄目じゃない。貴方が悲しんでいると、サトシも悲しむわよ?」
ハルカ「……はい。有難うございます……グス」
ハルカはハナコに言われて自分の気持ちが理解できた。そして、私の為に命に危険を犯してまで助けてくれたサトシが嬉しかった。そう思うと、また涙が出たきた。
ハルカ「そうか。だから…」
ハナコ「だったら、尚更サトシを信じなきゃ駄目じゃない。貴方が悲しんでいると、サトシも悲しむわよ?」
ハルカ「……はい。有難うございます……グス」
ハルカはハナコに言われて自分の気持ちが理解できた。そして、私の為に命に危険を犯してまで助けてくれたサトシが嬉しかった。そう思うと、また涙が出たきた。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:44:29.37 ID:iEAeELqF0
次の日、タケシ達が病院に来た。オーキド博士は仕事関係でカントーに帰った。
タケシ「ハルカ、やっぱりここにいたか。」
ハルカ「みんな、ごめんね。私、間違ってた。」
タケシ「もう良いんだ。」
ハルカ「シゲル、あんな事言ってごめん。」
シゲル「いや、僕もぶってすまなかった。もう痛くないかい?」
ハルカ「うん大丈夫。それに…」
シゲル「今はそれ以上言わなくて良い。言うなら本人に良いな。」
ハルカ「…うん。」
ケンジ「ハルカ、疲れただろ?僕達が見ているから、休んできな。」
ハルカ「ありがとう。そうする。」
ハルカは病室を後にした。
タケシ「ハルカ、やっぱりここにいたか。」
ハルカ「みんな、ごめんね。私、間違ってた。」
タケシ「もう良いんだ。」
ハルカ「シゲル、あんな事言ってごめん。」
シゲル「いや、僕もぶってすまなかった。もう痛くないかい?」
ハルカ「うん大丈夫。それに…」
シゲル「今はそれ以上言わなくて良い。言うなら本人に良いな。」
ハルカ「…うん。」
ケンジ「ハルカ、疲れただろ?僕達が見ているから、休んできな。」
ハルカ「ありがとう。そうする。」
ハルカは病室を後にした。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:45:29.72 ID:cIWCPZal0
サトシが入院して一週間。サトシはまだ目を覚まさない。
タケシ「あれから一週間か…」
マサト「サトシ、大丈夫かな…」
ハルカ「大丈夫よ。心拍数も安定しているみたいだし、サトシを信じましょ。」
マサト「お姉ちゃん…」
タケシ「ハルカ…」
ハルカ「サトシが元気になったら、また旅しましょ!」
タケシ「…そうだな!」
シゲル(一番辛い思いをしているハルカが一番前向きになっているんだ。サトシ、彼女の為にも頑張れ!)
ピカチュウ「ピカピ…」
時間は八時を過ぎ、ハルカ達はポケモンセンターに戻って行った。
タケシ「あれから一週間か…」
マサト「サトシ、大丈夫かな…」
ハルカ「大丈夫よ。心拍数も安定しているみたいだし、サトシを信じましょ。」
マサト「お姉ちゃん…」
タケシ「ハルカ…」
ハルカ「サトシが元気になったら、また旅しましょ!」
タケシ「…そうだな!」
シゲル(一番辛い思いをしているハルカが一番前向きになっているんだ。サトシ、彼女の為にも頑張れ!)
ピカチュウ「ピカピ…」
時間は八時を過ぎ、ハルカ達はポケモンセンターに戻って行った。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:46:37.13 ID:cIWCPZal0
みんなが寝付いた時、ハルカは一人バルコニーにいた。
ハルカ(風が…気持ちいい…)
一人で風にあたっていると、タケシがやって来た。
タケシ「ハルカ、まだ起きていたのか。」
ハルカ「うん…少し風にあたりたくて。」
タケシ「そっか…」
タケシがハルカの隣に行くと、ハルカに話しかけた。
タケシ「サトシが目を覚ましたら、ちゃんと気持ちを伝えないとな。」
ハルカ「え?」
タケシ「お前の態度を見ていれば分かる。どれだけサトシが好きなのか。」
ハルカ「うん、そのつもりよ。だから…サトシを信じてる。」
タケシ「その言葉が聞けて安心した。さぁ、もう寝よう。」
ハルカ「うん」
ハルカ(風が…気持ちいい…)
一人で風にあたっていると、タケシがやって来た。
タケシ「ハルカ、まだ起きていたのか。」
ハルカ「うん…少し風にあたりたくて。」
タケシ「そっか…」
タケシがハルカの隣に行くと、ハルカに話しかけた。
タケシ「サトシが目を覚ましたら、ちゃんと気持ちを伝えないとな。」
ハルカ「え?」
タケシ「お前の態度を見ていれば分かる。どれだけサトシが好きなのか。」
ハルカ「うん、そのつもりよ。だから…サトシを信じてる。」
タケシ「その言葉が聞けて安心した。さぁ、もう寝よう。」
ハルカ「うん」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:47:40.26 ID:cIWCPZal0
?「…ルカ、ハルカ。」
ハルカ「この声、サトシ?」
ハルカの目の前にサトシが立っていた。
ハルカ「良かった!目を覚ましたのね!」
ハルカが抱きつこうとした時、サトシの身体をすり抜けた。
ハルカ「え…」
サトシ「ハルカ…今までありがとう。ハルカとの旅、楽しかった。」
ハルカ「何言ってるの…?サトシ…」
少しずつサトシの身体が薄れていく。
サトシ「ハルカ、お別れだ…」
ハルカ「嘘……嘘!!」
サトシ「トップコーディネーター、絶対なれよ…」
そう言うとサトシの身体が消えた。
ハルカ「この声、サトシ?」
ハルカの目の前にサトシが立っていた。
ハルカ「良かった!目を覚ましたのね!」
ハルカが抱きつこうとした時、サトシの身体をすり抜けた。
ハルカ「え…」
サトシ「ハルカ…今までありがとう。ハルカとの旅、楽しかった。」
ハルカ「何言ってるの…?サトシ…」
少しずつサトシの身体が薄れていく。
サトシ「ハルカ、お別れだ…」
ハルカ「嘘……嘘!!」
サトシ「トップコーディネーター、絶対なれよ…」
そう言うとサトシの身体が消えた。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:49:16.92 ID:cIWCPZal0
ハルカ「やだ…行かないで!サトシ!!」ガバッ
そう言ってハルカは目を覚ました。体中汗をかいていた。周りには誰もいない。時計を見ると十時を指していた。みんな病院に行ったのだろう。
ハルカ「ゆ……め……?」
ハルカがホッとした瞬間、タケシが思いっきりドアを開けた。
タケシ「ハルカ!サトシが!!」
ハルカ「え…」
サトシが入院して一ヶ月。それは悪夢の始まりに過ぎなかった
そう言ってハルカは目を覚ました。体中汗をかいていた。周りには誰もいない。時計を見ると十時を指していた。みんな病院に行ったのだろう。
ハルカ「ゆ……め……?」
ハルカがホッとした瞬間、タケシが思いっきりドアを開けた。
タケシ「ハルカ!サトシが!!」
ハルカ「え…」
サトシが入院して一ヶ月。それは悪夢の始まりに過ぎなかった
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:50:11.41 ID:iEAeELqF0
ハルカが急いで病院に行く。サトシの病室に着くと、みんなサトシの周りに行き、声をかけていた。サトシの心拍数が低下してきている。容体が急変したのだ。
マサト「サトシ!頑張れ!!」
シゲル「目を覚ませ!こんな所で負けんな!!」
ケンジ「サトシ!頼む目を覚ませ!!」
ピカチュウ「ピカピ!!ピカチュ!!」ウル
ハナコ「サトシ…」
ハルカ「う……そ…」
マサト「サトシ!頑張れ!!」
シゲル「目を覚ませ!こんな所で負けんな!!」
ケンジ「サトシ!頼む目を覚ませ!!」
ピカチュウ「ピカピ!!ピカチュ!!」ウル
ハナコ「サトシ…」
ハルカ「う……そ…」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:51:25.35 ID:n5ILT6/k0
ハルカは思い出す。まさかあの夢は本当にお別れを言いに……嘘でしょ…?
ハルカ「サトシイイイイイ!!目を覚まして!お願い!!!!」
ハルカは目に涙を浮かべながら、サトシの手を取った。だが、サトシの心拍数はどんどん減っていく。
ハルカ「サトシイイ!そんなのやだよ!!あんなお別れやだよ!!!」
マサト(お姉ちゃん…)
ハルカ「まだサトシと一緒にいたい!話がしたい!気持ちを伝えたい!!なのに…私を置いてかないでよおおおお!!!」
ハルカは泣き叫ぶ。まだ自分にはやる事がある、サトシに言いたい事がある。だからお願い……死なないで……!
ハルカ「サトシイイイイイ!!目を覚まして!お願い!!!!」
ハルカは目に涙を浮かべながら、サトシの手を取った。だが、サトシの心拍数はどんどん減っていく。
ハルカ「サトシイイ!そんなのやだよ!!あんなお別れやだよ!!!」
マサト(お姉ちゃん…)
ハルカ「まだサトシと一緒にいたい!話がしたい!気持ちを伝えたい!!なのに…私を置いてかないでよおおおお!!!」
ハルカは泣き叫ぶ。まだ自分にはやる事がある、サトシに言いたい事がある。だからお願い……死なないで……!
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 22:52:24.56 ID:iEAeELqF0
みんなが落ち着くと、先生が話を始める。
先生「皆さん聞いて下さい。恐らく、このまま行けばサトシ君は今夜がやまかと…」
ハルカ「嫌だあああ!そんなの嫌あああ!!」
タケシ「落ち着けハルカ!」
タケシがハルカを抑える。
先生「ですが、助かる方法が一つだけあります。ですがこれは危険な方法です。それでも…良いですか?」
この方法は成功率30%の危険な処置だ。一つミスすると、死に至る。だが、サトシを助けるにはそれしか無かった。
ハルカ「……お願いします。サトシを…救って下さい。」
ハナコ「私からも、お願いします。」
「「「お願いします!」」」
ピカチュウ「ピカピ!」
先生「分かりました。では、処置の内容をご説明します。」
先生「皆さん聞いて下さい。恐らく、このまま行けばサトシ君は今夜がやまかと…」
ハルカ「嫌だあああ!そんなの嫌あああ!!」
タケシ「落ち着けハルカ!」
タケシがハルカを抑える。
先生「ですが、助かる方法が一つだけあります。ですがこれは危険な方法です。それでも…良いですか?」
この方法は成功率30%の危険な処置だ。一つミスすると、死に至る。だが、サトシを助けるにはそれしか無かった。
ハルカ「……お願いします。サトシを…救って下さい。」
ハナコ「私からも、お願いします。」
「「「お願いします!」」」
ピカチュウ「ピカピ!」
先生「分かりました。では、処置の内容をご説明します。」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 14:57:54.29 ID:66ATsl8W0
サトシを助ける為のオペが、今始まる。
マサト「お姉ちゃん、頑張って!」
タケシ「あんまり無理すんなよ。」
シゲル「今度は君が救う番だ!」
ハナコ「ハルカちゃん、私からもお願い。サトシを…救ってあげて…」
ハルカ「みんな…うん!任せて!」
ピカチュウ「ピカ…」
ハルカ「ピカチュウ、大丈夫。サトシは必ず助ける!」
ピカチュウ「チャー…」
ハルカはオペ室に入って行った。
マサト「お姉ちゃん、頑張って!」
タケシ「あんまり無理すんなよ。」
シゲル「今度は君が救う番だ!」
ハナコ「ハルカちゃん、私からもお願い。サトシを…救ってあげて…」
ハルカ「みんな…うん!任せて!」
ピカチュウ「ピカ…」
ハルカ「ピカチュウ、大丈夫。サトシは必ず助ける!」
ピカチュウ「チャー…」
ハルカはオペ室に入って行った。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 15:00:11.19 ID:M3nqF7Qc0
ハルカ(サトシ…)
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先生『サトシ君は今、血液が足りません。そこで、誰かの血を分けて欲しいのです。出来れば、お母さんにやってもらいたいんですけど…』
ハナコ『はぁ。』
ハルカ『先生。サトシは何型ですか?』
先生『サトシ君はA型です。』
ハルカ『私、やります!』
ハナコ『え?』
ハルカ『サトシに助けてもらって、今私は生きている。なら、今度は私が助ける!!』
ハナコ『ハルカちゃん…』
ハルカ『私もA型です。私にやらせて下さい!』
ハナコ『…わかったわ。お願い。』
ハルカ『はい!』
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ハルカ(私が…助けてあげる!)
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 15:01:29.74 ID:M3nqF7Qc0
マサト「お姉ちゃん、大丈夫かな…」
タケシ「このオペは、ハルカの命にも影響するからな。」
マサト「もし、お姉ちゃんに何かあったら…僕…」
タケシ「安心しろ、マサト。ハルカなら大丈夫だ。」
シゲル「でも、本当に危険だよな。もし、サトシの心臓が止まったら、輸血しながら電気ショックって…」
ケンジ「しかも、サトシは頭だ。電気ショックを受ければ傷口が開くことも…」
ハナコ「みんな、そのへんにしましょう。今は二人を信じるのよ。」
タケシ(サトシ……生きろ)
タケシ「このオペは、ハルカの命にも影響するからな。」
マサト「もし、お姉ちゃんに何かあったら…僕…」
タケシ「安心しろ、マサト。ハルカなら大丈夫だ。」
シゲル「でも、本当に危険だよな。もし、サトシの心臓が止まったら、輸血しながら電気ショックって…」
ケンジ「しかも、サトシは頭だ。電気ショックを受ければ傷口が開くことも…」
ハナコ「みんな、そのへんにしましょう。今は二人を信じるのよ。」
タケシ(サトシ……生きろ)
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 15:02:52.96 ID:M3nqF7Qc0
(あれ……ここはどこだろう……)
(ここで何やってるんだろう……)
(確か、森の中でハルカを助けて…)
サトシ(そうか…俺……死んだのか………)
サトシ(死ぬなら、みんなにお別れ言って死にたかったな…)
サトシ(ハルカともう少し一緒にいたかったな……)
(ここで何やってるんだろう……)
(確か、森の中でハルカを助けて…)
サトシ(そうか…俺……死んだのか………)
サトシ(死ぬなら、みんなにお別れ言って死にたかったな…)
サトシ(ハルカともう少し一緒にいたかったな……)
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 16:48:28.55 ID:M3nqF7Qc0
オペ室のサトシは、右目から一粒の涙が垂れた。
ハルカ「サト…シ?」
その時だった。
ピーーーーーーーーーーーー
ハルカ「う…そ…」
オペ室に流れた高音は、外にいたタケシ達にも聞こえた。
タケシ「嘘…だろ…?」
ピカチュウ「ピ…カ…」
ハナコ「サトシ…サトシイイイイイ!!!」
シゲル「ハナコさん落ち着いて下さい!まだ電気ショックが残っています!」
ケンジ「ハルカ…頑張れ…」
オペ室の中では
先生「早く電気ショックの用意だ!」
ハルカ「サトシ!頑張って!お願い!」
ハルカの左手は、サトシの右手をギュッと握りしめた。
そして、サトシの電気ショックが行われた。
ハルカ「サト…シ?」
その時だった。
ピーーーーーーーーーーーー
ハルカ「う…そ…」
オペ室に流れた高音は、外にいたタケシ達にも聞こえた。
タケシ「嘘…だろ…?」
ピカチュウ「ピ…カ…」
ハナコ「サトシ…サトシイイイイイ!!!」
シゲル「ハナコさん落ち着いて下さい!まだ電気ショックが残っています!」
ケンジ「ハルカ…頑張れ…」
オペ室の中では
先生「早く電気ショックの用意だ!」
ハルカ「サトシ!頑張って!お願い!」
ハルカの左手は、サトシの右手をギュッと握りしめた。
そして、サトシの電気ショックが行われた。
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 16:50:54.10 ID:YDRMUYT00
サトシ(はぁ、結局ポケモンマスターにはなれなかったな…)
サトシ(でも、ハルカが助かったならそれで良いや。)
サトシ(これからどうしよう…)
「サトシ。」
サトシ(あれ?この声…)
サトシ「ハルカ?」
ハルカ「サトシ、迎えに来たよ。」
サトシの目の前に現れたのは、ハルカ、マサト、タケシ、ピカチュウだった。
ハルカ「サトシ、旅はまだ終わってないでしょ?」
タケシ「一緒に行こう!」
マサト「サトシ!」
ピカチュウ「ピカピ!」
サトシ「あぁ、一緒に行こう!」
サトシ(でも、ハルカが助かったならそれで良いや。)
サトシ(これからどうしよう…)
「サトシ。」
サトシ(あれ?この声…)
サトシ「ハルカ?」
ハルカ「サトシ、迎えに来たよ。」
サトシの目の前に現れたのは、ハルカ、マサト、タケシ、ピカチュウだった。
ハルカ「サトシ、旅はまだ終わってないでしょ?」
タケシ「一緒に行こう!」
マサト「サトシ!」
ピカチュウ「ピカピ!」
サトシ「あぁ、一緒に行こう!」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 17:34:13.22 ID:66ATsl8W0
看護婦「先生!ハルカさんの心拍数も低下しています!!このままだとハルカさんも…」
先生「落ち着け!二人共救うんだ!!」
ハルカも危険な状態だった。
先生「落ち着け!二人共救うんだ!!」
ハルカも危険な状態だった。
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 17:36:58.20 ID:66ATsl8W0
(ここ…どこ…?)
(あれ…?オペ室にいたはずなのに…)
ハルカ(夢…?)
ハルカは周りを見渡すと、誰かが歩いているのが見えた。その中に、肩に小さい生き物が乗っていた少年がいた。
ハルカ「サト…シ?」
その少年は、紛れもない、サトシの姿だった。
(あれ…?オペ室にいたはずなのに…)
ハルカ(夢…?)
ハルカは周りを見渡すと、誰かが歩いているのが見えた。その中に、肩に小さい生き物が乗っていた少年がいた。
ハルカ「サト…シ?」
その少年は、紛れもない、サトシの姿だった。
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 17:39:54.90 ID:M3nqF7Qc0
ここから、最初に出てきたハルカをハルカA、今出てきたのをハルカBにします。
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 17:42:34.60 ID:M3nqF7Qc0
サトシ「……え?」
ハルカB「サトシ!……え?」
二人は目を疑った。なぜ、ハルカが二人いるのだろうかと。
サトシ「ハルカが…二人?」
ハルカA・B「「私が……二人?」」
ハルカA「サトシ、アレは偽物よ!早く行きましょ!」
ハルカB「待ってサトシ!私が本物よ!!」
サトシ「何がどうなってんだ?」
ハルカA「あの人が死神よ!信じて!」
サトシ「死…神?」
ハルカB「サトシ!……え?」
二人は目を疑った。なぜ、ハルカが二人いるのだろうかと。
サトシ「ハルカが…二人?」
ハルカA・B「「私が……二人?」」
ハルカA「サトシ、アレは偽物よ!早く行きましょ!」
ハルカB「待ってサトシ!私が本物よ!!」
サトシ「何がどうなってんだ?」
ハルカA「あの人が死神よ!信じて!」
サトシ「死…神?」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 17:44:45.00 ID:YDRMUYT00
ハルカA「えぇ。貴方を連れてって、元の世界に戻れなくするつもりよ!」
ハルカB「何言ってんのよ!あなたの方が偽物かも!って言うか死神って何よ!!」
サトシ「俺も、死神って初めて聞いたぞ?何で知ってんだ?」
ハルカA「そっ、それは…」
サトシ「お前…まさか…」
ハルカA「フッフッフ。バレちゃしょうがないわね。私が死神よ!」
ハルカAの姿が変わり、タケシ達の姿が消えた。
ハルカB「何言ってんのよ!あなたの方が偽物かも!って言うか死神って何よ!!」
サトシ「俺も、死神って初めて聞いたぞ?何で知ってんだ?」
ハルカA「そっ、それは…」
サトシ「お前…まさか…」
ハルカA「フッフッフ。バレちゃしょうがないわね。私が死神よ!」
ハルカAの姿が変わり、タケシ達の姿が消えた。
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:37:39.36 ID:M3nqF7Qc0
サトシ「死神!」
死神「サァサトシ、ハヤクイクゾ…」
ハルカ「サトシ!早くこっちに!」
ハルカは手を差し伸べる。
死神「マテ…イカセナイゾ…」
サトシ「くそっ、ハルカ!」
サトシはハルカの手を取った。
ハルカ「行こう!サトシ。」
死神「マテ…」
サトシとハルカはひたすら走り続ける。だが
ハルカ「ハァハァ、え?嘘でしょ?」
ハルカ達が走った先に道は無かった。下を見ても何も見えない。だが、誰かの声が聞こえる。
死神「サァサトシ、ハヤクイクゾ…」
ハルカ「サトシ!早くこっちに!」
ハルカは手を差し伸べる。
死神「マテ…イカセナイゾ…」
サトシ「くそっ、ハルカ!」
サトシはハルカの手を取った。
ハルカ「行こう!サトシ。」
死神「マテ…」
サトシとハルカはひたすら走り続ける。だが
ハルカ「ハァハァ、え?嘘でしょ?」
ハルカ達が走った先に道は無かった。下を見ても何も見えない。だが、誰かの声が聞こえる。
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:42:58.08 ID:66ATsl8W0
『ハルカ!サトシ!気をしっかり持て!』
『お姉ちゃん!』
『ピカピ!ピカ…ピカチュ!』
ハルカ「この声…タケシ?」
サトシ「マサトとピカチュウも聞こえる!飛び込むぞハルカ!」
ハルカ「無茶言わないで!」
サトシ「助かるにはこの方法しかない!」
死神「フッフッフ…ヤット追イ付イタゾ…」
背後には死神がいた。
ハルカ「もう…行くしかないわね…」
サトシ「飛び降りるぞ!」
死神「マッ、マテー!」
サトシとハルカは落ちていった。サトシはハルカを不安にさせないよう、抱き締めた。ハルカもまた、恐怖心で抱き着いた。
『お姉ちゃん!』
『ピカピ!ピカ…ピカチュ!』
ハルカ「この声…タケシ?」
サトシ「マサトとピカチュウも聞こえる!飛び込むぞハルカ!」
ハルカ「無茶言わないで!」
サトシ「助かるにはこの方法しかない!」
死神「フッフッフ…ヤット追イ付イタゾ…」
背後には死神がいた。
ハルカ「もう…行くしかないわね…」
サトシ「飛び降りるぞ!」
死神「マッ、マテー!」
サトシとハルカは落ちていった。サトシはハルカを不安にさせないよう、抱き締めた。ハルカもまた、恐怖心で抱き着いた。
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:47:20.59 ID:66ATsl8W0
オペ室にはタケシ達も入っていた。今もまだ、サトシの電気ショックは続き、ハルカの心拍数も低下している。
タケシ「サトシ!ハルカ!頑張れ!」
マサト「お姉ちゃん!!」
ハナコ「サトシ!お願い目を覚まして!!」
シゲル「…くそっ!」
ケンジ「サトシ…」
そして……
タケシ「サトシ!ハルカ!頑張れ!」
マサト「お姉ちゃん!!」
ハナコ「サトシ!お願い目を覚まして!!」
シゲル「…くそっ!」
ケンジ「サトシ…」
そして……
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:50:10.02 ID:66ATsl8W0
……あれ?ここは………
タケシ・マサト「ハルカ(お姉ちゃん)!」
ハルカ「タケシ…マサト…」
タケシ「やっと目を覚ましたんだな。お疲れ様!」
オペが終わって3日後だった。
ハルカ「私…生きてる?」
タケシ「もちろん!生きてるよ。」
ハルカ「そっか…あれ?サトシは?」
タケシ「それが…」
ハルカ「嘘…」
ハルカはいきなり病室を出て、サトシの病室に行った。
タケシ・マサト「ハルカ(お姉ちゃん)!」
ハルカ「タケシ…マサト…」
タケシ「やっと目を覚ましたんだな。お疲れ様!」
オペが終わって3日後だった。
ハルカ「私…生きてる?」
タケシ「もちろん!生きてるよ。」
ハルカ「そっか…あれ?サトシは?」
タケシ「それが…」
ハルカ「嘘…」
ハルカはいきなり病室を出て、サトシの病室に行った。
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:53:47.80 ID:M3nqF7Qc0
ハルカ「サトシ!」ドン
そこにはハナコ、シゲル、ケンジ、そして…
サトシ「よう!ハルカ。」
元気なサトシが目の前にいた。
ハルカ「サ…ト…シ…サトシイイ!」ガバッ
サトシ「いてっ!」
ハルカは泣きながらサトシに抱き着いた。
ケンジ「おいハルカ。サトシはまだ…」
シゲル「いや、このままにしておこう。」
ハルカ「うええええん…サトシイイ…」
全員がハルカを見守るしか無かった
そこにはハナコ、シゲル、ケンジ、そして…
サトシ「よう!ハルカ。」
元気なサトシが目の前にいた。
ハルカ「サ…ト…シ…サトシイイ!」ガバッ
サトシ「いてっ!」
ハルカは泣きながらサトシに抱き着いた。
ケンジ「おいハルカ。サトシはまだ…」
シゲル「いや、このままにしておこう。」
ハルカ「うええええん…サトシイイ…」
全員がハルカを見守るしか無かった
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:21:52.61 ID:DCsA0XYS0
タケシ「それにしても、凄かったよ。」
サトシ・ハルカ「「え?」」
----------------------------
-------------
------
タケシ『もう…駄目か…』
その時
ピーーーーーーーッピッピッピッピッ
タケシ『…え?』
マサト『サトシの心臓が…動い…た?』
看護婦『先生!ハルカさんの心拍数も安定しています!』
先生『そっか…ふぅ。皆さん、成功しました!』
『『『や…やったーーー!!!』』』
タケシ『サトシ!よく頑張ったな!!』
マサト『お姉ちゃん…グスッ…よがっだあああ』
ハナコ『ハルカちゃん、ありがとう!先生、ありがとうございました!』
先生『いえいえ。これも、サトシ君とハルカさんが頑張ってくれたおかげです。』
シゲル『二人を救ってくれて、有難うございます。』
先生『恐らく、ここ数日は目を覚まさないでしょう。ですが、もう大丈夫なので安心さてください。』
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---------------------------
サトシ・ハルカ「「え?」」
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タケシ『もう…駄目か…』
その時
ピーーーーーーーッピッピッピッピッ
タケシ『…え?』
マサト『サトシの心臓が…動い…た?』
看護婦『先生!ハルカさんの心拍数も安定しています!』
先生『そっか…ふぅ。皆さん、成功しました!』
『『『や…やったーーー!!!』』』
タケシ『サトシ!よく頑張ったな!!』
マサト『お姉ちゃん…グスッ…よがっだあああ』
ハナコ『ハルカちゃん、ありがとう!先生、ありがとうございました!』
先生『いえいえ。これも、サトシ君とハルカさんが頑張ってくれたおかげです。』
シゲル『二人を救ってくれて、有難うございます。』
先生『恐らく、ここ数日は目を覚まさないでしょう。ですが、もう大丈夫なので安心さてください。』
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45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:23:48.83 ID:sZNQyn5o0
サトシ「そんな事が…」
タケシ「二人共、よく頑張ったな!」
ハナコ「ハルカちゃん、ありがとう!」
ハルカ「いえ、私は別に…」
ケンジ「とりあえず、二人は絶対安静だ!ハルカは多少動いてもいいけど、サトシはダメだぞ!!」
サトシ「あぁ、分かってるよ。」
シゲル「じぁあ、僕達は外に出るよ。サアァァァトシ君、後は頑張りたまえw」
サトシ「おいシゲル///」
ハルカ「いきなり二人きりにしないで欲しいかも///」
シゲル「アディオス!」
タケシ達は病室を出ていった。
タケシ「二人共、よく頑張ったな!」
ハナコ「ハルカちゃん、ありがとう!」
ハルカ「いえ、私は別に…」
ケンジ「とりあえず、二人は絶対安静だ!ハルカは多少動いてもいいけど、サトシはダメだぞ!!」
サトシ「あぁ、分かってるよ。」
シゲル「じぁあ、僕達は外に出るよ。サアァァァトシ君、後は頑張りたまえw」
サトシ「おいシゲル///」
ハルカ「いきなり二人きりにしないで欲しいかも///」
シゲル「アディオス!」
タケシ達は病室を出ていった。
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:25:05.57 ID:Yo/GHsnt0
病室に残されたサトシとハルカ。二人共何を話したらいいか分からなかった。
ハルカ(伝えなきゃ…サトシに…)
サトシ(今しかないよな…)
サトシ・ハルカ「「あの!!」」
二人の声が重なってしまった。二人共顔を赤らめ、目を背ける。
サトシ「ハ、ハルカから良いよ///」
ハルカ「い、いや、サトシから///」
サトシ「俺大したことじゃないし…」
ハルカ「私も…」
また沈黙が続いた。しばらくして、ハルカが口を開いた。
ハルカ(伝えなきゃ…サトシに…)
サトシ(今しかないよな…)
サトシ・ハルカ「「あの!!」」
二人の声が重なってしまった。二人共顔を赤らめ、目を背ける。
サトシ「ハ、ハルカから良いよ///」
ハルカ「い、いや、サトシから///」
サトシ「俺大したことじゃないし…」
ハルカ「私も…」
また沈黙が続いた。しばらくして、ハルカが口を開いた。
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:27:40.39 ID:sZNQyn5o0
ハルカ「サトシ、ありがとう。落ちそうな私を助けてくれて。そして、危険な目に合わせてごめんなさい…」
ハルカは俯く。サトシに悪い事をして、合わせる顔が無かった。
サトシ「何言ってんだよ!ハルカ。お礼を言うのはこっちだぜ!」
ハルカ「え?」
サトシ「夢の中でさ、ハルカに助けてもらった。死神に連れて行かれそうな所をハルカが来て手を引っ張ってくれた。もし、あの時ハルカが来てくれなかったら本当に死んでた。だから、ありがとう。ハルカ…」
サトシの顔は優しい笑顔だった。ハルカは驚いた。危険な目に合わせた自分に"ありがとう"って言ってくれた。そして何より、自分と同じ夢を見ていた。
ハルカは俯く。サトシに悪い事をして、合わせる顔が無かった。
サトシ「何言ってんだよ!ハルカ。お礼を言うのはこっちだぜ!」
ハルカ「え?」
サトシ「夢の中でさ、ハルカに助けてもらった。死神に連れて行かれそうな所をハルカが来て手を引っ張ってくれた。もし、あの時ハルカが来てくれなかったら本当に死んでた。だから、ありがとう。ハルカ…」
サトシの顔は優しい笑顔だった。ハルカは驚いた。危険な目に合わせた自分に"ありがとう"って言ってくれた。そして何より、自分と同じ夢を見ていた。
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:28:57.73 ID:DCsA0XYS0
ハルカ「私もね、サトシ。夢の中でサトシに二回会った。」
サトシ「え…」
ハルカ「一回目はサトシが私にお別れを言いに来たの。その後にサトシの容体が急変して怖かった。」
サトシ「ハルカ…」
ハルカ「二回目はね、サトシと同じ夢を見たの。」
サトシ「同じ…夢?」
ハルカ「サトシが死神に連れて行かれそうになって、私と一緒に逃げて、最後は二人で飛び降りた。目を覚ましたら病室にいたわ。」
サトシ「じゃあ、同じ場所にいたのか…?」
ハルカ「多分ね。」
「「フフフ、フハハハハハハ!」」
偶然起きた出来事が可笑しくて、二人は笑いあった。
サトシ「え…」
ハルカ「一回目はサトシが私にお別れを言いに来たの。その後にサトシの容体が急変して怖かった。」
サトシ「ハルカ…」
ハルカ「二回目はね、サトシと同じ夢を見たの。」
サトシ「同じ…夢?」
ハルカ「サトシが死神に連れて行かれそうになって、私と一緒に逃げて、最後は二人で飛び降りた。目を覚ましたら病室にいたわ。」
サトシ「じゃあ、同じ場所にいたのか…?」
ハルカ「多分ね。」
「「フフフ、フハハハハハハ!」」
偶然起きた出来事が可笑しくて、二人は笑いあった。
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:30:46.42 ID:Yo/GHsnt0
ハルカ(やっぱり、サトシといると楽しい。好きだな…サトシの事…)
サトシ(ハルカといると嬉しい。やっぱり伝えないとな…)
そして、サトシが思い切って口にした。
サトシ「ハルカ!」
ハルカ「ん?」
サトシ「俺…ずっと前から…ハルカのこと…んっ///」
気付けば、ハルカの唇とサトシの唇が重なり合っていた。
ハルカ「…それ以上言わなくて良いよ。私も、同じ気持ちだから///」
サトシ「ハルカ…」
ハルカ「サトシ…」
二人は見つめあい、唇を重ね合わせる。さっきよりも、長く…
サトシ(ハルカといると嬉しい。やっぱり伝えないとな…)
そして、サトシが思い切って口にした。
サトシ「ハルカ!」
ハルカ「ん?」
サトシ「俺…ずっと前から…ハルカのこと…んっ///」
気付けば、ハルカの唇とサトシの唇が重なり合っていた。
ハルカ「…それ以上言わなくて良いよ。私も、同じ気持ちだから///」
サトシ「ハルカ…」
ハルカ「サトシ…」
二人は見つめあい、唇を重ね合わせる。さっきよりも、長く…
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:31:59.42 ID:sZNQyn5o0
お互いの気持ちが一つになる時、そこに幸せが生まれる。もし、今回の事故が起きていなかったら、サトシは気持ちを伝えられずに、ハルカは自分の気持ちに気付いていないかもしれない。
サトシは後遺症として、生涯車椅子生活だが、二人は無事退院し、交際を始める。後に結婚し、サトシとハルカの間に新たな"幸せ"が生まれ、暖かい家庭を築いていった。
fin
サトシは後遺症として、生涯車椅子生活だが、二人は無事退院し、交際を始める。後に結婚し、サトシとハルカの間に新たな"幸せ"が生まれ、暖かい家庭を築いていった。
fin
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:07:34.04 ID:0Kz9vaFHo
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429619309/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ ポケモン | Comments (0)
アリス「カレン…そこは恥ずかしいよ…」
1: 名無しさん@おーぷん 2015/04/15(水)19:23:27 ID:1tx
みたいなの書いてくださいお願いします
4: ◆nS79qODQhk 2015/04/16(木)17:49:40 ID:yCI
カレン「アリスー!日本文化のことをもっと知るためにお城を見に行きたいデース!」
アリス「お城かぁ…確かに私も行きたいかもー。それならシノも誘って…」
カレン「ノンノン!シノには秘密デース!」
アリス「え?」
カレン「シノに秘密で日本文化に詳しくなるデース!シノを驚かせたいデース!」
アリス「確かに急に詳しくなったら、シノびっくりしちゃうかも!!」
カレン「そうデース!だから二人きりでいきまショウ!二人きりの秘密デスよ?」
アリス「うん!わかった!」
アリス「お城かぁ…確かに私も行きたいかもー。それならシノも誘って…」
カレン「ノンノン!シノには秘密デース!」
アリス「え?」
カレン「シノに秘密で日本文化に詳しくなるデース!シノを驚かせたいデース!」
アリス「確かに急に詳しくなったら、シノびっくりしちゃうかも!!」
カレン「そうデース!だから二人きりでいきまショウ!二人きりの秘密デスよ?」
アリス「うん!わかった!」
5: ◆nS79qODQhk 2015/04/16(木)18:12:08 ID:yCI
翌日
アリス「カレンー行く準備…って何その荷物のりょうーー!?」
カレン「oh,いろいろ持ってこうと思ったらリュックには入りきらなかったデース!」
アリス「たかがお城見に行くだけじゃないのー!?」
カレン「大丈夫デース!ホテルも予約しておきマシタ!」
アリス「え、ええ!?お泊まりなの!?何も持ってきてないよー!」
カレン「大丈夫デース!着替え貸してあげるデース!」
アリス「カレンー行く準備…って何その荷物のりょうーー!?」
カレン「oh,いろいろ持ってこうと思ったらリュックには入りきらなかったデース!」
アリス「たかがお城見に行くだけじゃないのー!?」
カレン「大丈夫デース!ホテルも予約しておきマシタ!」
アリス「え、ええ!?お泊まりなの!?何も持ってきてないよー!」
カレン「大丈夫デース!着替え貸してあげるデース!」
6: ◆nS79qODQhk 2015/04/16(木)18:35:39 ID:yCI
カレン「じゃあさっそく出発デース!電車に乗るデース!」
アリス「うう…なんか不安だな…やっぱりシノがいないと…」
カレン「いまなんか言ったデースか?」
アリス「べ、別に何も…」
カレン「駅弁でも買っていくデース!」
アリス「うう…なんか不安だな…やっぱりシノがいないと…」
カレン「いまなんか言ったデースか?」
アリス「べ、別に何も…」
カレン「駅弁でも買っていくデース!」
7: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)17:26:14 ID:QvD
カレン「もぐもぐ…日本のエキベンおいしいデース!」
アリス「確かにおいしいねー」
カレン「アリス、あーんデス!」
アリス「えーでもこんなところじゃ恥ずかしいよー」
カレン「いいから!口を開けるデース!」
アリス「あーん…」モグモグ
カレン「おいしいデースか?」
アリス「う、うん…」
アリス「確かにおいしいねー」
カレン「アリス、あーんデス!」
アリス「えーでもこんなところじゃ恥ずかしいよー」
カレン「いいから!口を開けるデース!」
アリス「あーん…」モグモグ
カレン「おいしいデースか?」
アリス「う、うん…」
8: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)17:32:24 ID:QvD
アリス「…それでねーシノがー…」
カレン「そんなんデスか!アリスは本当にシノのことが好きデスね!」
アリス「えへへ…」
カレン「アリス…急にいなくなった時はびっくりしたんデスよ…」
アリス「カレン…?」
カレン「あ、そろそろ着くデース!」
カレン「そんなんデスか!アリスは本当にシノのことが好きデスね!」
アリス「えへへ…」
カレン「アリス…急にいなくなった時はびっくりしたんデスよ…」
アリス「カレン…?」
カレン「あ、そろそろ着くデース!」
9: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)17:54:51 ID:QvD
カレン「オーー!!ここがお城デスか!」
アリス「おっきいねぇ…」
カレン「アリス、写真撮るデース!」
アリス「うん!」
カレン「せーの!」
アリカレ『はいチーズ!』パシャ
アリス「おっきいねぇ…」
カレン「アリス、写真撮るデース!」
アリス「うん!」
カレン「せーの!」
アリカレ『はいチーズ!』パシャ
10: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)18:00:10 ID:QvD
カレン「よく撮れてるデース!」
アリス「おーほんとだー!」
カレン「昔はよくこうやって二人で写真撮ってたの覚えてマスか?」
アリス「なつかしーそんなこともあったねー」
カレン「私写真ってとっても大好きデース!こうってみんなとの思い出がずっと残る気がして…」
アリス「うん!私も大好き!」
カレン「だからアリス、これからもこうやって二人で思い出を写真に残すデース!」
アリス「うん!」
アリス「おーほんとだー!」
カレン「昔はよくこうやって二人で写真撮ってたの覚えてマスか?」
アリス「なつかしーそんなこともあったねー」
カレン「私写真ってとっても大好きデース!こうってみんなとの思い出がずっと残る気がして…」
アリス「うん!私も大好き!」
カレン「だからアリス、これからもこうやって二人で思い出を写真に残すデース!」
アリス「うん!」
11: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)18:11:03 ID:QvD
そしてそれからアリスとお城のいろんなところを見たデース!
昔からあるお城はやっぱり日本って感じがあって素敵デース!
そして楽しかった時はあっという間に過ぎ…
アリス「もうこんな時間だねー」
カレン「こんなこともあろうかとホテルを予約してあるデース!」
アリス「知ってるよ…」
カレン「ここデース!」
昔からあるお城はやっぱり日本って感じがあって素敵デース!
そして楽しかった時はあっという間に過ぎ…
アリス「もうこんな時間だねー」
カレン「こんなこともあろうかとホテルを予約してあるデース!」
アリス「知ってるよ…」
カレン「ここデース!」
13: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:06:11 ID:QvD
アリス「おおー!そこそこいい感じのホテル」
カレン「アリス、今夜は二人きりデスよ?」
アリス「意味深な言い方しないでよ…さぁ入ろ入ろ」
カレン「むー!もうちょっと喜んでもいいんじゃないデスかー?」
アリス「いや、こんなに立派なホテル予約してくれて感謝は…してるよ!」
カレン「アリスーーーー!!!」
カレン「アリス、今夜は二人きりデスよ?」
アリス「意味深な言い方しないでよ…さぁ入ろ入ろ」
カレン「むー!もうちょっと喜んでもいいんじゃないデスかー?」
アリス「いや、こんなに立派なホテル予約してくれて感謝は…してるよ!」
カレン「アリスーーーー!!!」
14: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:09:11 ID:QvD
カレン「アリスー!ぎゅー!デース!」
アリス「もーどうしたのー?」
カレン「アリス!一緒にお風呂入るデース!」
アリス「えっ…でも恥ずかしいよ…//」
カレン「昔はよく一緒に入ってたじゃないデスか!いーからいーから!」
アリス「あーれー」
アリス「もーどうしたのー?」
カレン「アリス!一緒にお風呂入るデース!」
アリス「えっ…でも恥ずかしいよ…//」
カレン「昔はよく一緒に入ってたじゃないデスか!いーからいーから!」
アリス「あーれー」
15: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:13:00 ID:QvD
カレン「お背中流しマスよー!」
アリス「カレン…そこは恥ずかしいよー…」
カレン「ほーれこちょこちょー」
アリス「あははははははっやめてよー!」
カレン「アリスの背中も大きくなりマシタねー!」
アリス「えーそう?」
アリス「カレン…そこは恥ずかしいよー…」
カレン「ほーれこちょこちょー」
アリス「あははははははっやめてよー!」
カレン「アリスの背中も大きくなりマシタねー!」
アリス「えーそう?」
16: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:15:07 ID:QvD
アリス「私なんて全然小さくてなかなかシノより大きくなれないよー!」
カレン「いいえ。アリスは大きくなりましたよ」
カレン「昔はあんなに小さかったのに…」
カレン「あの頃は昔よく二人で遊んでマシタよね…」
カレン「でも今は私よりシノなんですよね…」
アリス「……カレン?」
カレン「いいえ。アリスは大きくなりましたよ」
カレン「昔はあんなに小さかったのに…」
カレン「あの頃は昔よく二人で遊んでマシタよね…」
カレン「でも今は私よりシノなんですよね…」
アリス「……カレン?」
17: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:19:11 ID:QvD
カレン「私アリスが急にいなくなって寂しかったデス…アリスを追いかけて日本まできたデース…でも…」
カレン「そこには…シノとラブラブしてる…アリスがいました…」ポロポロ
カレン「私…おかしいデスよね…シノのことも大好きなのに…焼き餅を焼いてしまう…」
アリス「カレン…」
カレン「今回のもそうデス…シノを驚かせたいなんて建前だけ…ほんとはアリスと二人きりになりたかっただけなんデース…私…おかしいデスよね…」ポロポロ
アリス「ううん…私もカレンのこと昔からだーいすき…だからもう泣かないで」ギュ
カレン「アリス…」
カレン「そこには…シノとラブラブしてる…アリスがいました…」ポロポロ
カレン「私…おかしいデスよね…シノのことも大好きなのに…焼き餅を焼いてしまう…」
アリス「カレン…」
カレン「今回のもそうデス…シノを驚かせたいなんて建前だけ…ほんとはアリスと二人きりになりたかっただけなんデース…私…おかしいデスよね…」ポロポロ
アリス「ううん…私もカレンのこと昔からだーいすき…だからもう泣かないで」ギュ
カレン「アリス…」
18: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:23:16 ID:QvD
カレン「私間違ってマシた…」
アリス「ううん…私こそ。今日はまた昔みたいに遊べて楽しかったよ。そしてまたこれからも昔のように遊んで…いっぱい写真撮ろっ!」
カレン「アリスーーーー!だいすきデーーーース!!」
アリス「ふふっ!私もだよ!カレン!」
~fin~
アリス「ううん…私こそ。今日はまた昔みたいに遊べて楽しかったよ。そしてまたこれからも昔のように遊んで…いっぱい写真撮ろっ!」
カレン「アリスーーーー!だいすきデーーーース!!」
アリス「ふふっ!私もだよ!カレン!」
~fin~
19: ◆nS79qODQhk 2015/04/17(金)19:29:02 ID:QvD
…ってなんでいつの間にか俺が書いたんだよ…
掲載元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1429093407/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
地味子「高校デビューしよう」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:55:21.997 ID:OywN/iWMM.net
中学時代はオタクグループにすら馴染めず、3年間一人ぼっちで過ごした地味子。
このままではいけないと、高校入学を機に生まれ変わることを決意する。
地味子「見た目から入るか、中身を根本的に変えるか……。そうだ! >>5とかどうだろう」
このままではいけないと、高校入学を機に生まれ変わることを決意する。
地味子「見た目から入るか、中身を根本的に変えるか……。そうだ! >>5とかどうだろう」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:56:22.639 ID:V+FVEPy80.net
不登校
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:59:23.750 ID:OywN/iWMM.net
地味子「そもそも学校に行かなければ、ヘンに頭を悩まさずに済むんだ!」
新学期が始まって2週間とちょっと。
地味子は一度も通学せず、8畳の自室でただ暇をつぶすだけの生活を続けていた。
母親「地味子! いるんでしょう!? 開けなさい!」ドンドンッ!
地味子「うわぁ……。お母さん、また来たよ……」
母親「高校くらい出ておかないで将来どうするの!? そんなことなら今すぐにでも家を追い出しますからね!」
地味子「>>13」
新学期が始まって2週間とちょっと。
地味子は一度も通学せず、8畳の自室でただ暇をつぶすだけの生活を続けていた。
母親「地味子! いるんでしょう!? 開けなさい!」ドンドンッ!
地味子「うわぁ……。お母さん、また来たよ……」
母親「高校くらい出ておかないで将来どうするの!? そんなことなら今すぐにでも家を追い出しますからね!」
地味子「>>13」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:00:31.948 ID:BAbrJC0z0.net
もういいや、死のう
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:03:33.131 ID:OywN/iWMM.net
地味子は分かっていた。
こんな毎日がいつまでも続くはずもないこと。
そして、自分がまわりからどんな目で見られているかも。
地味子「分かったよ、お母さん。私、もう家を出て行く」
母親「そうやって心配してもらおうって魂胆なんでしょう。出て行くならさっさと出て行きなさい」
地味子「……ごめんね」
母親に、学校での人間関係について、何度か相談したことがあった。
そのたびに「甘えるな」と叱責され、地味子はいつしか母親を頼ることをやめた。
地味子「……もう死のう。こんな世界に、なんの未練もない」
地味子は部屋着のまま家を飛び出し、>>21へと向かった。
こんな毎日がいつまでも続くはずもないこと。
そして、自分がまわりからどんな目で見られているかも。
地味子「分かったよ、お母さん。私、もう家を出て行く」
母親「そうやって心配してもらおうって魂胆なんでしょう。出て行くならさっさと出て行きなさい」
地味子「……ごめんね」
母親に、学校での人間関係について、何度か相談したことがあった。
そのたびに「甘えるな」と叱責され、地味子はいつしか母親を頼ることをやめた。
地味子「……もう死のう。こんな世界に、なんの未練もない」
地味子は部屋着のまま家を飛び出し、>>21へと向かった。
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:04:55.617 ID:BAbrJC0z0.net
いや死ねよ
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:10:11.325 ID:OywN/iWMM.net
死ぬのは怖かったが、この世界で生き続けることの方が、
地味子にとっては途方もない苦行のように思えてしまっていた。
地味子「……さようなら。そして、ありがとう。お母さんにお義父さん。……あと、お義兄ちゃん」
死の訪れは一瞬だった。
意識があったのは、駅のホームから足が離れて、電車にぶつかるまでのほんのわずかの間だけ。
地味子「もし次があるのなら、もっと人間らしく生きたいなぁ……」
湧きおこる悲鳴と怒号の中、地味子はバラバラの肉塊と化した。
地味子にとっては途方もない苦行のように思えてしまっていた。
地味子「……さようなら。そして、ありがとう。お母さんにお義父さん。……あと、お義兄ちゃん」
死の訪れは一瞬だった。
意識があったのは、駅のホームから足が離れて、電車にぶつかるまでのほんのわずかの間だけ。
地味子「もし次があるのなら、もっと人間らしく生きたいなぁ……」
湧きおこる悲鳴と怒号の中、地味子はバラバラの肉塊と化した。
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:15:07.033 ID:OywN/iWMM.net
地味子(あれ……)
パチリと目を開ける。
見覚えのない白い天井が目に入った。
変態科学者「やぁやぁ。お目覚めかい」
地味子「……ここは」
地味子は様子を窺うために頭を回そうとしたが、ベッド(まぁそれすらも定かではないが)に固定されているのか、
まったく身体の自由が利かなかった。
変態科学者「君の肉片からDNAを採取して、そこからクローンとして生まれ変わらせたのさ。
記憶もサービスでつけておいてあげたよ」
地味子「……私は死にたかったの」
変態科学者「古い君は死んださ。今いる君は過去の君じゃない」
地味子「何も変わってないじゃない。いったいなんのためにこんなことしたのよ」
変態科学者「>>34」
パチリと目を開ける。
見覚えのない白い天井が目に入った。
変態科学者「やぁやぁ。お目覚めかい」
地味子「……ここは」
地味子は様子を窺うために頭を回そうとしたが、ベッド(まぁそれすらも定かではないが)に固定されているのか、
まったく身体の自由が利かなかった。
変態科学者「君の肉片からDNAを採取して、そこからクローンとして生まれ変わらせたのさ。
記憶もサービスでつけておいてあげたよ」
地味子「……私は死にたかったの」
変態科学者「古い君は死んださ。今いる君は過去の君じゃない」
地味子「何も変わってないじゃない。いったいなんのためにこんなことしたのよ」
変態科学者「>>34」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:16:45.730 ID:jxrxbQmUM.net
お嫁さん
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:19:45.544 ID:OywN/iWMM.net
地味子「……はぁ?」
変態科学者「聞こえなかったかい? 僕のお嫁さんにするために、君を復活させたんだ」
完全に、馬鹿にされている。
地味子は、わざとらしくため息を吐いた。
地味子「何言ってるのよ。こんな根暗女捕まえて、”お嫁さん”ですって?
随分遠回りな嫌がらせをするのね」
変態科学者「……本気で言ってる?」
地味子「……? ええ……?」
変態科学者「自分で気付いていないわけはないだろう? 君のその美貌に」
地味子「……?」
変態科学者「聞こえなかったかい? 僕のお嫁さんにするために、君を復活させたんだ」
完全に、馬鹿にされている。
地味子は、わざとらしくため息を吐いた。
地味子「何言ってるのよ。こんな根暗女捕まえて、”お嫁さん”ですって?
随分遠回りな嫌がらせをするのね」
変態科学者「……本気で言ってる?」
地味子「……? ええ……?」
変態科学者「自分で気付いていないわけはないだろう? 君のその美貌に」
地味子「……?」
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:23:19.200 ID:OywN/iWMM.net
変態科学者「オタクグループですら馴染めないのは君が美しすぎるからさ。
人はね、美しいものに惹かれる反面、完璧な物には引いてしまう物なんだよ」
地味子「……はぁ」
変態科学者「それは、時に人に恐怖すら与える」
地味子「待って」
変態科学者「……なんだい?」
地味子「なんで私の中学時代を知っているの?」
変態科学者「簡単な話さ。君の中学の理科の先生だったからだよ」
地味子「……ああ、そう。中学生のころの私を見て、
お嫁さんにせんがために日夜研究に没頭してるただの変態なわけね、あなたは」
変態科学者「そうだよ」
人はね、美しいものに惹かれる反面、完璧な物には引いてしまう物なんだよ」
地味子「……はぁ」
変態科学者「それは、時に人に恐怖すら与える」
地味子「待って」
変態科学者「……なんだい?」
地味子「なんで私の中学時代を知っているの?」
変態科学者「簡単な話さ。君の中学の理科の先生だったからだよ」
地味子「……ああ、そう。中学生のころの私を見て、
お嫁さんにせんがために日夜研究に没頭してるただの変態なわけね、あなたは」
変態科学者「そうだよ」
46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:25:10.317 ID:OywN/iWMM.net
地味子「……じゃあ、この拘束を解いて」
変態科学者「嫌だよ。そんなことをしたら君は逃げるだろう?」
地味子「……あなたのお嫁さんがお願いしてるのに?」
変態科学者「うん」
地味子「……死ねよ。変態野郎」ボソッ
変態科学者「……」
地味子「で、これからどうするつもり? 私をここに縛り上げたまま、何をしようって言うの?」
変態科学者「>>50」
変態科学者「嫌だよ。そんなことをしたら君は逃げるだろう?」
地味子「……あなたのお嫁さんがお願いしてるのに?」
変態科学者「うん」
地味子「……死ねよ。変態野郎」ボソッ
変態科学者「……」
地味子「で、これからどうするつもり? 私をここに縛り上げたまま、何をしようって言うの?」
変態科学者「>>50」
50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:28:06.745 ID:CVJ6pDD90.net
結婚式に決まってるだろ
54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:32:20.245 ID:OywN/iWMM.net
地味子「……このまま?」
変態科学者「まさか! そんな病衣じゃなくて、ちゃんとウエディングドレスを着せるさ!」
地味子「服装の話じゃないわよ。縛り上げたままやる気?」
変態科学者「うん!」
地味子「……そう。いいお返事ね」
変態科学者「じゃあ移動するからね」
科学者はそう言って、地味子の寝ているベッドに手をかけた。
ベッドは騒音とひどい振動を伴って、地味子の頭の向いている方へと移動していく。
地味子「……乗り心地は最悪ね」
科学者「まぁまぁそう言わないで。式は>>58で挙げるから」
変態科学者「まさか! そんな病衣じゃなくて、ちゃんとウエディングドレスを着せるさ!」
地味子「服装の話じゃないわよ。縛り上げたままやる気?」
変態科学者「うん!」
地味子「……そう。いいお返事ね」
変態科学者「じゃあ移動するからね」
科学者はそう言って、地味子の寝ているベッドに手をかけた。
ベッドは騒音とひどい振動を伴って、地味子の頭の向いている方へと移動していく。
地味子「……乗り心地は最悪ね」
科学者「まぁまぁそう言わないで。式は>>58で挙げるから」
58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:35:35.461 ID:CVJ6pDD90.net
高級ホテルの最上階
60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:41:52.251 ID:OywN/iWMM.net
金の装飾がされた真っ赤な絨毯の上に、純白のクロスをかけられたテーブルが整然と並べられていて、
そのわきにある細長い台の上には、和洋中の豪華な料理が盛られた大皿がいくつも乗せられていた。
変態科学者「どうだい? ステキだろう」
高い天井に吊り下げられた、ダイヤのようなシャンデリアに照らされながら科学者は言う。
地味子「……そうね。こんな状況ですらなければね」
だだっ広い会場にいるのは、タキシード姿の科学者と、
ウエディングドレスを着せられてベッドにくくられた地味子の二人だけだった。
そのわきにある細長い台の上には、和洋中の豪華な料理が盛られた大皿がいくつも乗せられていた。
変態科学者「どうだい? ステキだろう」
高い天井に吊り下げられた、ダイヤのようなシャンデリアに照らされながら科学者は言う。
地味子「……そうね。こんな状況ですらなければね」
だだっ広い会場にいるのは、タキシード姿の科学者と、
ウエディングドレスを着せられてベッドにくくられた地味子の二人だけだった。
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:44:25.119 ID:OywN/iWMM.net
変態科学者「あーあー……。ゴホン」
わざとらしく咳払いをし、科学者は地味子の横に立った。
変態科学者「科学者と地味子はー、病める時も健やかなる時もー」
地味子「それもあなたがやるのね」
変態科学者「しょうがないだろう? 人が誰もいないんだから」
地味子「……」
変態科学者「変わらない愛を、誓いますか? 誓います!」
地味子「>>66」
わざとらしく咳払いをし、科学者は地味子の横に立った。
変態科学者「科学者と地味子はー、病める時も健やかなる時もー」
地味子「それもあなたがやるのね」
変態科学者「しょうがないだろう? 人が誰もいないんだから」
地味子「……」
変態科学者「変わらない愛を、誓いますか? 誓います!」
地味子「>>66」
66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:46:56.311 ID:CVJ6pDD90.net
どうしようかしらね
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:50:11.937 ID:OywN/iWMM.net
変態科学者「……何それ」
地味子「私はね、一度死んでいるのよ」
変態科学者「だから?」
地味子「私のことを愛しているなら、少しは考えてよ。
死んでまで別離したかったこの世界に再び呼び戻されて、
良く知らない男といきなり結婚しなきゃいけない状況に追い込まれてるのよ?
はいそうですか、で結婚なんてできないわ」
変態科学者「そこはさしたる問題じゃないさ。
大事なのは、君が僕を愛するかどうかだ」
地味子「……はっきり言って、よく分からないわ」
変態科学者「嫌いだ、とは言わないんだね」
地味子「私はね、一度死んでいるのよ」
変態科学者「だから?」
地味子「私のことを愛しているなら、少しは考えてよ。
死んでまで別離したかったこの世界に再び呼び戻されて、
良く知らない男といきなり結婚しなきゃいけない状況に追い込まれてるのよ?
はいそうですか、で結婚なんてできないわ」
変態科学者「そこはさしたる問題じゃないさ。
大事なのは、君が僕を愛するかどうかだ」
地味子「……はっきり言って、よく分からないわ」
変態科学者「嫌いだ、とは言わないんだね」
68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:53:08.355 ID:OywN/iWMM.net
地味子「別にあなたのことは嫌いじゃないし。……むしろ」
変態科学者「好きだ、って!?」
地味子「そこまでは言わないけど、でもひとりぼっちだった私を見ていてくれたのは確かだし、
正直なところ、それはうれしかったわ」
変態科学者「やったぜ」
地味子「でも、結婚はできないかも」
変態科学者「……だから、なぜ?」
地味子「私にそんな資格ないもの。人に愛されるとか……、ましてや人を愛するなんて」
変態科学者「人に感情を向けるのに資格なんて全然必要ない! 僕なら」
地味子「ごめんなさい」
変態科学者「好きだ、って!?」
地味子「そこまでは言わないけど、でもひとりぼっちだった私を見ていてくれたのは確かだし、
正直なところ、それはうれしかったわ」
変態科学者「やったぜ」
地味子「でも、結婚はできないかも」
変態科学者「……だから、なぜ?」
地味子「私にそんな資格ないもの。人に愛されるとか……、ましてや人を愛するなんて」
変態科学者「人に感情を向けるのに資格なんて全然必要ない! 僕なら」
地味子「ごめんなさい」
70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:55:35.775 ID:OywN/iWMM.net
変態科学者「……そう」
地味子「分かってくれてありがと。じゃあ、ここから解放して」
変態科学者「……」
地味子「ずっと死にたかったけど、誰かから愛されてるってのは分かった。
私、もう少し生きてみることにするわ」
変態科学者「……」
地味子「家に帰って家族に謝らなくちゃ。早くここから」
変態科学者「やなこった!」
地味子「え」
変態科学者「とんだ思い違いだよ! 君はもっと賢い人間だと思ってた!」
地味子「……ごめんなさい」
変態科学者「当てが外れた! 結婚してくれないなら……、君は>>74」
地味子「分かってくれてありがと。じゃあ、ここから解放して」
変態科学者「……」
地味子「ずっと死にたかったけど、誰かから愛されてるってのは分かった。
私、もう少し生きてみることにするわ」
変態科学者「……」
地味子「家に帰って家族に謝らなくちゃ。早くここから」
変態科学者「やなこった!」
地味子「え」
変態科学者「とんだ思い違いだよ! 君はもっと賢い人間だと思ってた!」
地味子「……ごめんなさい」
変態科学者「当てが外れた! 結婚してくれないなら……、君は>>74」
74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:58:09.453 ID:CVJ6pDD90.net
高校デビュー出来ない!
76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:01:07.714 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「そんな……!」
変態科学者「まぁた地味な生活が待っているよ、君にはね」
地味子「……」
変態科学者「それでもいいのかい!?
僕と結婚したら、旦那はできるし、話し合い手に困らないし、体育の授業で一人ストレッチをすることもない!
そんなバラ色の高校生活が」
地味子「いいよ」
変態科学者「えっ」
地味子「……それでもいいよ。私、今までの日常を守りたいの」
変態科学者「まぁた地味な生活が待っているよ、君にはね」
地味子「……」
変態科学者「それでもいいのかい!?
僕と結婚したら、旦那はできるし、話し合い手に困らないし、体育の授業で一人ストレッチをすることもない!
そんなバラ色の高校生活が」
地味子「いいよ」
変態科学者「えっ」
地味子「……それでもいいよ。私、今までの日常を守りたいの」
77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:03:59.492 ID:nfP3rU9gM.net
地味子は一人、トボトボと歩いていた。
憂鬱な気持ちが、その足取りを重くさせる。
地味子「お母さん、怒ってるかなぁ」
呟き、ため息を吐く。
この曲がり角を過ぎれば、自宅の門が遠くに見えるはずだ。
地味子「……あれ」
傾いた日に照らされて、見覚えのあるシルエットがそこに浮かんでいた。
憂鬱な気持ちが、その足取りを重くさせる。
地味子「お母さん、怒ってるかなぁ」
呟き、ため息を吐く。
この曲がり角を過ぎれば、自宅の門が遠くに見えるはずだ。
地味子「……あれ」
傾いた日に照らされて、見覚えのあるシルエットがそこに浮かんでいた。
78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:06:50.743 ID:nfP3rU9gM.net
母親「もう! あんたはどこ行ってたのよ!」
地味子の姿を認めた母親が、サンダルで駆けてきた。
いつもおしゃれをしているのに、なぜかちぐはぐな格好をしている。
よく見ると、サンダルも左右が違うものだった。
母親「いっつも心配かけて! お母さん……、あんたが死んじゃったのかと……」
地味子「……痛い。痛いよ、お母さん」
地味子を強く抱きしめて、母親は子供のように泣きじゃくっていた。
地味子の姿を認めた母親が、サンダルで駆けてきた。
いつもおしゃれをしているのに、なぜかちぐはぐな格好をしている。
よく見ると、サンダルも左右が違うものだった。
母親「いっつも心配かけて! お母さん……、あんたが死んじゃったのかと……」
地味子「……痛い。痛いよ、お母さん」
地味子を強く抱きしめて、母親は子供のように泣きじゃくっていた。
82: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:09:34.141 ID:nfP3rU9gM.net
翌日。
地味子が、鏡の前で様々なポーズを取っていた。
地味子「ヘン……、じゃないかな」
新学期が始まってからおよそ1月、初めて袖を通す制服だった。
母親「あら、似合ってるじゃないの」
地味子「お母さん」
母親「お弁当、作っておいたからね」
地味子「……うん、ありがと」
地味子が、鏡の前で様々なポーズを取っていた。
地味子「ヘン……、じゃないかな」
新学期が始まってからおよそ1月、初めて袖を通す制服だった。
母親「あら、似合ってるじゃないの」
地味子「お母さん」
母親「お弁当、作っておいたからね」
地味子「……うん、ありがと」
84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:13:10.130 ID:nfP3rU9gM.net
ガラガラガラ。
教室の扉は、うるさいくらいの音を立てて開いた。
地味子「……」
教室中の目が、地味子に注目している。
それも当然だ。入学してから、初めて見る顔なのだから。
地味子「……怖い」
地味子は中学時代を思い出していた。
話しかけても苦笑いで返され、時には無視までもされたつらい日々。
地味子「……っ」
地味子は震える身体を必死に動かして、前もって先生に聞いておいた自分の席へと向かう。
教室の扉は、うるさいくらいの音を立てて開いた。
地味子「……」
教室中の目が、地味子に注目している。
それも当然だ。入学してから、初めて見る顔なのだから。
地味子「……怖い」
地味子は中学時代を思い出していた。
話しかけても苦笑いで返され、時には無視までもされたつらい日々。
地味子「……っ」
地味子は震える身体を必死に動かして、前もって先生に聞いておいた自分の席へと向かう。
86: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:17:07.256 ID:nfP3rU9gM.net
「あの……、地味子、さん?」
バッグを机の横にかけ、席に座った途端、突然の声が地味子を襲った。
身体をビクリと跳ねさせながらも、なんとか上目づかいに声の主を視界におさめる。
「地味子さんだよね。私、このクラスの委員長なんだけど」
地味子「う、うん」
委員長「わぁ、良かった。1月も来ないから、どうしたのかって心配していたのよ」
地味子「そうなんだ……。あ、ありがと」
委員長「それで、ちょっと話があるんだけど」
心臓の鼓動が早くなるのを、地味子は自覚していた。
全身に、玉のような汗が噴き出る。
地味子「な、なぁに?」
委員長「>>90」
バッグを机の横にかけ、席に座った途端、突然の声が地味子を襲った。
身体をビクリと跳ねさせながらも、なんとか上目づかいに声の主を視界におさめる。
「地味子さんだよね。私、このクラスの委員長なんだけど」
地味子「う、うん」
委員長「わぁ、良かった。1月も来ないから、どうしたのかって心配していたのよ」
地味子「そうなんだ……。あ、ありがと」
委員長「それで、ちょっと話があるんだけど」
心臓の鼓動が早くなるのを、地味子は自覚していた。
全身に、玉のような汗が噴き出る。
地味子「な、なぁに?」
委員長「>>90」
90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:24:11.475 ID:x9hUMLZn0.net
あなたこのクラスの性欲処理係に決まったから今日からよろしくね
97: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:27:54.692 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「性欲処理係……?」
地味子はずっと休んでいたので知らなかった。
この学校には、治安維持のためという大義名分の元、
自由にセックスをしていいという生徒、通称”性欲処理係”というシステムが存在するのだ。
地味子「それって……、なぁに?」
地味子が首を傾げると、クラス中に静かな笑い声が漏れた。
その瞬間、苛烈なトラウマが蘇り、地味子は身体を硬直させる。
委員長「じゃあ、伝えたからね。それじゃあ」
それから、地味子の地獄の日々が始まった。
地味子はずっと休んでいたので知らなかった。
この学校には、治安維持のためという大義名分の元、
自由にセックスをしていいという生徒、通称”性欲処理係”というシステムが存在するのだ。
地味子「それって……、なぁに?」
地味子が首を傾げると、クラス中に静かな笑い声が漏れた。
その瞬間、苛烈なトラウマが蘇り、地味子は身体を硬直させる。
委員長「じゃあ、伝えたからね。それじゃあ」
それから、地味子の地獄の日々が始まった。
101: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:31:58.286 ID:nfP3rU9gM.net
「いたぞ! 捕まえろ!」
背後で、歓声が響く。
地味子は必死に走り続けていた。
新品だった制服は数日でズタズタになり、
何度パンツを変えても、股間から血がにじむようになった。
「オラァ! 逃げてんじゃねぇぞ! この”公認ダッチワイフ”がよぉ!」
地味子「いやあああああああああああっ!!!!!! 放してえええええええっ!!!!!」
一人に捕まると、どこからともなく現れたたくさんの男子生徒に代わる代わる犯された。
その人数は一日数十人にも及び、地味子の身体はとうに限界を迎えていた。
地味子「いやだよぉ……。お母さぁん……。誰か……、誰か助けてぇ……」
背後で、歓声が響く。
地味子は必死に走り続けていた。
新品だった制服は数日でズタズタになり、
何度パンツを変えても、股間から血がにじむようになった。
「オラァ! 逃げてんじゃねぇぞ! この”公認ダッチワイフ”がよぉ!」
地味子「いやあああああああああああっ!!!!!! 放してえええええええっ!!!!!」
一人に捕まると、どこからともなく現れたたくさんの男子生徒に代わる代わる犯された。
その人数は一日数十人にも及び、地味子の身体はとうに限界を迎えていた。
地味子「いやだよぉ……。お母さぁん……。誰か……、誰か助けてぇ……」
107: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:35:20.033 ID:nfP3rU9gM.net
母親「また……、なの……」
家に帰ると、決まって涙を目に浮かべた母親が出迎えるようになった。
地味子は精液と血にまみれた身体で、必死に笑顔を作る。
地味子「違うんだよ、お母さん。これは私が望んだことなの。
学校のみんなの役になってるし、すごいやりがいがある仕事なんだよ」
母親「……でも」
この2週間ほどですっかりやつれてしまった母親を、地味子が抱きしめた。
地味子「中学時代の自分が嫌で……、私は変わらなくちゃって思ったの!
私ね、今、すごく充実してる!」
母親のために、涙をこらえて地味子は明るい声を出す。
地味子「だからね、お母さんは心配なんてしなくていいんだよ!」
家に帰ると、決まって涙を目に浮かべた母親が出迎えるようになった。
地味子は精液と血にまみれた身体で、必死に笑顔を作る。
地味子「違うんだよ、お母さん。これは私が望んだことなの。
学校のみんなの役になってるし、すごいやりがいがある仕事なんだよ」
母親「……でも」
この2週間ほどですっかりやつれてしまった母親を、地味子が抱きしめた。
地味子「中学時代の自分が嫌で……、私は変わらなくちゃって思ったの!
私ね、今、すごく充実してる!」
母親のために、涙をこらえて地味子は明るい声を出す。
地味子「だからね、お母さんは心配なんてしなくていいんだよ!」
111: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:39:39.172 ID:nfP3rU9gM.net
学校へ来ると、また地獄が待っている。
「いちいち制服なんて着てくるんじゃねぇよ! 脱がすのが面倒くせぇ!」
「俺は制服着てるほうがいいけどな。下着の方が邪魔だよ」
好き勝手なことを言われながら、地味子は穴という穴を犯され続けた。
「”中に出してくださいご主人様”って言えって言っただろ!? なんでできねえんだよ!」
暴力もたびたび振るわれた。
そのたびに「顔は止めて」と懇願するのが日常だった。
顔に傷を作っては、また母親に心配をかけることになる。
「一回で満足するかよ。オラ。ちゃんとてめぇで腰振れ」
「いちいち制服なんて着てくるんじゃねぇよ! 脱がすのが面倒くせぇ!」
「俺は制服着てるほうがいいけどな。下着の方が邪魔だよ」
好き勝手なことを言われながら、地味子は穴という穴を犯され続けた。
「”中に出してくださいご主人様”って言えって言っただろ!? なんでできねえんだよ!」
暴力もたびたび振るわれた。
そのたびに「顔は止めて」と懇願するのが日常だった。
顔に傷を作っては、また母親に心配をかけることになる。
「一回で満足するかよ。オラ。ちゃんとてめぇで腰振れ」
113: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:44:09.700 ID:nfP3rU9gM.net
「妊娠なんてしてんじゃねぇよ! こんな簡単なこともわかんねぇのか!」
ある日、検査で妊娠してることが分かった。
誰の子なんて分かりはしない。
ただ、地味子を性のはけ口としている男子生徒たちは怒り狂っていた。
「俺が堕ろしてやるよ。……オラァ!」
何度も腹部を殴られた。蹴られた。
何度も吐血し、何度も下血した。
地味子が下半身から血の塊を吹き出すと、ようやく男子生徒たちは満足して、
鮮血にまみれる穴に狂ったように陰茎を出し入れしていた。
地味子「……生きるって、難しいんだなぁ」
数時間後、一人取り残された地味子は、
おそらく赤子だったであろう血の塊を指で掬い、呟いた。
ある日、検査で妊娠してることが分かった。
誰の子なんて分かりはしない。
ただ、地味子を性のはけ口としている男子生徒たちは怒り狂っていた。
「俺が堕ろしてやるよ。……オラァ!」
何度も腹部を殴られた。蹴られた。
何度も吐血し、何度も下血した。
地味子が下半身から血の塊を吹き出すと、ようやく男子生徒たちは満足して、
鮮血にまみれる穴に狂ったように陰茎を出し入れしていた。
地味子「……生きるって、難しいんだなぁ」
数時間後、一人取り残された地味子は、
おそらく赤子だったであろう血の塊を指で掬い、呟いた。
117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:47:32.460 ID:nfP3rU9gM.net
一人必死に戦っていた地味子も、ついには身体を壊し、長期の入院をすることになった。
医者の診断によると、一生子供が生めない身体になったそうだ。
母親「嘘よ……。嘘よ……ッ! いやあああああああああああッ!!!!!!!」
母親は発狂し、精神を病んでふさぎ込んでしまった。
地味子は自身の身体よりも、母親のことが不憫でならなかった。
地味子「ごめんなさい……。ごめんなさい、お母さん……」
まともに生きることすらできない自身を恥じ、ベッドの上で何度もうわごとように謝罪を繰り返した。
そんな折、近くにいるのにあまり顔を合せなかった人物が、
地味子の見舞いに現れた。
医者の診断によると、一生子供が生めない身体になったそうだ。
母親「嘘よ……。嘘よ……ッ! いやあああああああああああッ!!!!!!!」
母親は発狂し、精神を病んでふさぎ込んでしまった。
地味子は自身の身体よりも、母親のことが不憫でならなかった。
地味子「ごめんなさい……。ごめんなさい、お母さん……」
まともに生きることすらできない自身を恥じ、ベッドの上で何度もうわごとように謝罪を繰り返した。
そんな折、近くにいるのにあまり顔を合せなかった人物が、
地味子の見舞いに現れた。
122: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:50:28.704 ID:nfP3rU9gM.net
「調子はどう? ……って、こんな聞き方も、おかしいと思うけど」
地味子「お義兄ちゃん……」
無職で、何年も自室に引きこもっていた義兄の登場に、地味子は戸惑いを隠せなかった。
部屋から出ることすら月に一度ほどしかなかったというのに。
義兄「お前が、心配でな。少し無理して」
言いかけて、義兄はハッとした顔を浮かべ、口を閉ざした。
義兄「……いや、無理はしてない。お前に、会いたくて」
そんな取り繕うような言葉も、地味子はうれしく感じていた。
地味子「お義兄ちゃん……」
無職で、何年も自室に引きこもっていた義兄の登場に、地味子は戸惑いを隠せなかった。
部屋から出ることすら月に一度ほどしかなかったというのに。
義兄「お前が、心配でな。少し無理して」
言いかけて、義兄はハッとした顔を浮かべ、口を閉ざした。
義兄「……いや、無理はしてない。お前に、会いたくて」
そんな取り繕うような言葉も、地味子はうれしく感じていた。
128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:54:17.084 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「私は平気だけど、お母さんが」
義兄「あの人は平気だよ。親父がいるから」
親父……、義兄にとっての血のつながった父親で、地味子にとっては義理の父だ。
義兄「お前には……、地味子には俺しかいないから……」
そう言って、義兄は地味子にキスをした。
地味子の脳裏に、たくさんの生徒に犯された記憶が一瞬フラッシュバックしパニックを起こしかけた。
が、地味子は大好きな義兄のことを思い、そのまま成り行きに身を任せることにした。
義兄「……大丈夫。お前は俺が、必ず守る」
唇を放すと、義兄は鋭い眼光でそう告げた。
義兄「あの人は平気だよ。親父がいるから」
親父……、義兄にとっての血のつながった父親で、地味子にとっては義理の父だ。
義兄「お前には……、地味子には俺しかいないから……」
そう言って、義兄は地味子にキスをした。
地味子の脳裏に、たくさんの生徒に犯された記憶が一瞬フラッシュバックしパニックを起こしかけた。
が、地味子は大好きな義兄のことを思い、そのまま成り行きに身を任せることにした。
義兄「……大丈夫。お前は俺が、必ず守る」
唇を放すと、義兄は鋭い眼光でそう告げた。
132: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:57:44.164 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「守る、って……」
義兄は突然踵を返すと、地味子に背を向けた。
地味子「お義兄ちゃん……っ!」
その背中に声をかけるが、何も聞こえてないかのように、義兄は病室を出て行ってしまう。
地味子「……お義兄ちゃん」
後ろ手に扉を閉めながら、義兄は地味子の声を聞いていた。
そして、怒りに握った拳を震わせる。
義兄「……俺の妹に。地味子に。……絶対に許すわけにはいかん」
妹に地獄を味わわせた者たちに天の裁きを。
家族に向けた愛情は暴走し、義兄は>>136
義兄は突然踵を返すと、地味子に背を向けた。
地味子「お義兄ちゃん……っ!」
その背中に声をかけるが、何も聞こえてないかのように、義兄は病室を出て行ってしまう。
地味子「……お義兄ちゃん」
後ろ手に扉を閉めながら、義兄は地味子の声を聞いていた。
そして、怒りに握った拳を震わせる。
義兄「……俺の妹に。地味子に。……絶対に許すわけにはいかん」
妹に地獄を味わわせた者たちに天の裁きを。
家族に向けた愛情は暴走し、義兄は>>136
136: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:59:37.909 ID:MYqGP/xjd.net
科学者の元へ向かった
141: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:04:15.560 ID:nfP3rU9gM.net
変態科学者「……誰かと思ったら、君か。今さら何の用だい」
自身の背丈の3倍はあろうかという、液体に満たされた筒状のガラスから目を離さずに、
変態科学者はそう告げた。
義兄「殺したい奴がいる」
変態科学者「そう。僕もいるよ」
そして、ゆっくりとした動作で振り返る。
変態科学者「君を100回ほど殺したいね。僕の研究を横取りして理想の妹まで手に入れて。
これ以上この世に何を望むって言うんだい」
自身の背丈の3倍はあろうかという、液体に満たされた筒状のガラスから目を離さずに、
変態科学者はそう告げた。
義兄「殺したい奴がいる」
変態科学者「そう。僕もいるよ」
そして、ゆっくりとした動作で振り返る。
変態科学者「君を100回ほど殺したいね。僕の研究を横取りして理想の妹まで手に入れて。
これ以上この世に何を望むって言うんだい」
144: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:07:33.295 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「その妹が、苦しんでるんだ」
変態科学者「……何?」
義兄「聞きたいか? 俺は、言いたくないが」
変態科学者「君がそう言うんなら、そうなんだろうな。下手な駆け引きを打つほど馬鹿でもないし、賢くもない。
君は昔からそうだったね」
義兄「そうか。それなら話は早い。殺したいというのは」
変態科学者「ぜひ、聞かせてくれよ。僕のフィアンセを苦しめたものについてさ」
義兄「……」
変態科学者「復讐には相応の怒りが必要だろう? 簡単に殺してやったんじゃ、むしろ相手に失礼ってもんさ」
変態科学者「……何?」
義兄「聞きたいか? 俺は、言いたくないが」
変態科学者「君がそう言うんなら、そうなんだろうな。下手な駆け引きを打つほど馬鹿でもないし、賢くもない。
君は昔からそうだったね」
義兄「そうか。それなら話は早い。殺したいというのは」
変態科学者「ぜひ、聞かせてくれよ。僕のフィアンセを苦しめたものについてさ」
義兄「……」
変態科学者「復讐には相応の怒りが必要だろう? 簡単に殺してやったんじゃ、むしろ相手に失礼ってもんさ」
150: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:14:15.631 ID:nfP3rU9gM.net
義兄は、学校での地味子の扱いについてかいつまんで話した。
科学者はと言えば、ニタニタと厭らしい笑みを浮かべ、義兄の言葉に真剣に耳を傾けていた。
義兄「……って、ことだ」
変態科学者「なるほどね! 実に素晴らしい!」
両手を広げ叫び、勢い込んで立ち上がる。
椅子代わりにしていた一升瓶のケースが、軽い音を立てて地面に転がった。
変態科学者「笑いが止まらないよ! だって」
手元のパソコンを右手だけを使い、ものすごいスピードで操作すると、
背後にあるガラス製の筒の中から液体が排出されていく。
変態科学者「僕のペットで彼らがすり潰されるところを想像したら。楽しくて楽しくて」
3分の1ほど液体が残っている状態のガラス筒が、けたたましい音で内側から破壊されると、
地味子を苦しめた原因を屠らんとする意思をもった>>154が中から現れた。
科学者はと言えば、ニタニタと厭らしい笑みを浮かべ、義兄の言葉に真剣に耳を傾けていた。
義兄「……って、ことだ」
変態科学者「なるほどね! 実に素晴らしい!」
両手を広げ叫び、勢い込んで立ち上がる。
椅子代わりにしていた一升瓶のケースが、軽い音を立てて地面に転がった。
変態科学者「笑いが止まらないよ! だって」
手元のパソコンを右手だけを使い、ものすごいスピードで操作すると、
背後にあるガラス製の筒の中から液体が排出されていく。
変態科学者「僕のペットで彼らがすり潰されるところを想像したら。楽しくて楽しくて」
3分の1ほど液体が残っている状態のガラス筒が、けたたましい音で内側から破壊されると、
地味子を苦しめた原因を屠らんとする意思をもった>>154が中から現れた。
154: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:18:36.900 ID:x9hUMLZn0.net
エネマグラとオナホール
157: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:24:09.047 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……」
義兄は、何を言うべきか思案していた。
無意味なことをするような人間ではないし、かといって意味のある行動を起こすでもない。
科学者へ向け疑念の目を向け、義兄は思考の渦に巻き込まれていた。
変態科学者「今更話すでもない! 君は”矛盾”という言葉を知っているだろう!」
饒舌なときの科学者は、上機嫌か、はたまたひどく不機嫌な時だ。
今回は、それらが心の中でないまぜになっているのだろう。
義兄は黙ったまま、科学者の次の言葉を待った。
変態科学者「ここに、挿入したら絶対に絶頂を迎えさせるエネマグラと、
挿入したら絶対に絶頂を迎えるオナホールがあります」
右手にエネマグラ、左手にオナホールを持ち、愉悦に顔を歪めた科学者は演説を始める。
変態科学者「さて、問題です」
義兄の喉がゴクリと鳴った。
変態科学者「このエネマグラを挿入され、オナホールに挿入させられた人間は、はたしてどうなるでしょうか」
義兄は、何を言うべきか思案していた。
無意味なことをするような人間ではないし、かといって意味のある行動を起こすでもない。
科学者へ向け疑念の目を向け、義兄は思考の渦に巻き込まれていた。
変態科学者「今更話すでもない! 君は”矛盾”という言葉を知っているだろう!」
饒舌なときの科学者は、上機嫌か、はたまたひどく不機嫌な時だ。
今回は、それらが心の中でないまぜになっているのだろう。
義兄は黙ったまま、科学者の次の言葉を待った。
変態科学者「ここに、挿入したら絶対に絶頂を迎えさせるエネマグラと、
挿入したら絶対に絶頂を迎えるオナホールがあります」
右手にエネマグラ、左手にオナホールを持ち、愉悦に顔を歪めた科学者は演説を始める。
変態科学者「さて、問題です」
義兄の喉がゴクリと鳴った。
変態科学者「このエネマグラを挿入され、オナホールに挿入させられた人間は、はたしてどうなるでしょうか」
159: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:27:38.209 ID:nfP3rU9gM.net
変態科学者「きっひっひっひ! ここが獲物の巣窟ですかぁ」
地味子が通う、もとい、”通っていた”学校の校門前に、科学者と義兄は立っていた。
義兄「……これで、うまくいくのか」
変態科学者「愚問! 黙ってついてきたまえ」
「なんだ! お前らは!」
二人が校門をくぐったとき、突如声が響いた。
ジャージ姿の、見るからに体育教師だといわんばかりの男が不恰好にこちらへ向けて駆けてくる。
変態科学者「きししっ! ……じゃあ、君にお手本を見せておくとしよう」
地味子が通う、もとい、”通っていた”学校の校門前に、科学者と義兄は立っていた。
義兄「……これで、うまくいくのか」
変態科学者「愚問! 黙ってついてきたまえ」
「なんだ! お前らは!」
二人が校門をくぐったとき、突如声が響いた。
ジャージ姿の、見るからに体育教師だといわんばかりの男が不恰好にこちらへ向けて駆けてくる。
変態科学者「きししっ! ……じゃあ、君にお手本を見せておくとしよう」
162: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:32:07.543 ID:nfP3rU9gM.net
「ああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」
晴天の空へ向け、絶頂を迎えた絶叫が吸い込まれていく。
校庭に植えられていた木々から小鳥が羽ばたき、木の葉を揺らした。
変態科学者「絶頂×絶頂。イコール……」
大仰に両腕を広げ、天を仰ぐ。
変態科学者「超・絶・頂☆ 生半可な覚悟じゃとても耐えられなィ……」
深い笑みを浮かべ、身をかがめると、体育教師の下腹部から”両刀”を引き抜いた。
再び、絶叫が地を這う。
変態科学者「通常、死というものは快楽。ゆえに、快楽を伴う死は苦痛。きっひっひっひ!」
晴天の空へ向け、絶頂を迎えた絶叫が吸い込まれていく。
校庭に植えられていた木々から小鳥が羽ばたき、木の葉を揺らした。
変態科学者「絶頂×絶頂。イコール……」
大仰に両腕を広げ、天を仰ぐ。
変態科学者「超・絶・頂☆ 生半可な覚悟じゃとても耐えられなィ……」
深い笑みを浮かべ、身をかがめると、体育教師の下腹部から”両刀”を引き抜いた。
再び、絶叫が地を這う。
変態科学者「通常、死というものは快楽。ゆえに、快楽を伴う死は苦痛。きっひっひっひ!」
163: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:34:57.925 ID:nfP3rU9gM.net
「なんだ!? お前らは!」
変態教師「やぁ。ご機嫌よう」
校門をくぐってから約17分。
苦痛に顔を歪め、床を転がった死体は9体。
義兄「おい。無関係な人間をやりすぎじゃあ」
変態教師「笑止。この学園の人間は全て死をもって償うべき。身をもって焼かれ、死ね」
その横で、悲鳴と共にまたひとつ死体が増えた。
変態教師「焼死。こんなくだらんシステムごと、僕が焼き払ってあげるョ」
変態教師「やぁ。ご機嫌よう」
校門をくぐってから約17分。
苦痛に顔を歪め、床を転がった死体は9体。
義兄「おい。無関係な人間をやりすぎじゃあ」
変態教師「笑止。この学園の人間は全て死をもって償うべき。身をもって焼かれ、死ね」
その横で、悲鳴と共にまたひとつ死体が増えた。
変態教師「焼死。こんなくだらんシステムごと、僕が焼き払ってあげるョ」
166: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:39:14.588 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「俺はそうは思わん。実際手を下した人間を殺せば」
変態科学者「じゃあ、”やってもいい”という空気を作ったのは誰だ」
逃げ惑う悲鳴と、足音。
それらが響く中、二人が静かに睨みあっていた。
変態科学者「場に流されて悪事に手を染める。弱い人間は罪だけれど」
義兄「しかし……」
変態科学者「潮流を作るやつはいったいなんなんだろう。
”私は悪くありませんよ”と、醜い腹をさらけ出して嗤っているのか」
義兄「……」
変態科学者「じゃあ、”やってもいい”という空気を作ったのは誰だ」
逃げ惑う悲鳴と、足音。
それらが響く中、二人が静かに睨みあっていた。
変態科学者「場に流されて悪事に手を染める。弱い人間は罪だけれど」
義兄「しかし……」
変態科学者「潮流を作るやつはいったいなんなんだろう。
”私は悪くありませんよ”と、醜い腹をさらけ出して嗤っているのか」
義兄「……」
167: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:42:11.198 ID:nfP3rU9gM.net
変態科学者「まぁ、君の言うことも一理ある。裁く相手は任せよう」
そう言って、くるりとターンすると、悲鳴を上げる生徒の群れに向かって変態科学者は疾走する。
変態科学者「許せないのは、本能に任せて欲望を満たした男子生徒。……それと」
「きゃあっ!?」
一人の生徒の肩を掴み、強引に廊下に引きずり倒した。
変態科学者「こいつ、だったかな」
その足元で、地味子を”性欲処理係”へと堕とした張本人、
クラス委員賞が怯えた顔で震えていた。
そう言って、くるりとターンすると、悲鳴を上げる生徒の群れに向かって変態科学者は疾走する。
変態科学者「許せないのは、本能に任せて欲望を満たした男子生徒。……それと」
「きゃあっ!?」
一人の生徒の肩を掴み、強引に廊下に引きずり倒した。
変態科学者「こいつ、だったかな」
その足元で、地味子を”性欲処理係”へと堕とした張本人、
クラス委員賞が怯えた顔で震えていた。
170: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:46:07.876 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……ああ。確かにこいつだ」
妹のスマートフォンを盗み見て、委員長の顔を把握している義兄は頷いた。
委員長「な、なんなのよあんた達……。こんなことしてただで済むと」
何かを言いかけた委員長の頭を、科学者が思い切り殴りつけた。
後頭部が廊下にめり込み、真っ赤な鮮血が薄汚れた白いタイルを流れる。
変態科学者「ただで済まないのはそっちの方だョ」
床に横たわっている委員長の髪の毛を引っ掴み、強引に上体を起き上がらせた。
変態科学者「オナホールは君には使えなさそうだから」
無表情でつまらなさそうにそう吐き捨てたかと思うと、突如その顔を不気味に歪めた。
変態科学者「特別だ。君は>>174」
妹のスマートフォンを盗み見て、委員長の顔を把握している義兄は頷いた。
委員長「な、なんなのよあんた達……。こんなことしてただで済むと」
何かを言いかけた委員長の頭を、科学者が思い切り殴りつけた。
後頭部が廊下にめり込み、真っ赤な鮮血が薄汚れた白いタイルを流れる。
変態科学者「ただで済まないのはそっちの方だョ」
床に横たわっている委員長の髪の毛を引っ掴み、強引に上体を起き上がらせた。
変態科学者「オナホールは君には使えなさそうだから」
無表情でつまらなさそうにそう吐き捨てたかと思うと、突如その顔を不気味に歪めた。
変態科学者「特別だ。君は>>174」
174: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:48:31.415 ID:HjcHxsO20.net
きゅうり
178: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:53:51.683 ID:nfP3rU9gM.net
変態科学者「ハンバーガーにピクルスを最初に入れた人は天才だと思うね。
だって、あんなものがバンズやハンバーグに合うわけがないんだ」
委員長「やめ……っ! やめてぇ……っ!」
必死に抵抗する委員長の下腹部に、科学者はきゅうりを無理矢理挿入していく。
変態科学者「でもさ、実際食べてみると、あれがないと満足できない身体になる。
不思議だろう? だから、やってみいとわからないってことは、世の中にたくさんあるんだよ」
委員長「痛い……っ! 痛いいいいいい……っ!!!」
固く閉じた委員長の瞼から、大粒の涙が幾筋もこぼれる。
科学者は、その様子を薄ら笑みを浮かべて眺めていた。
変態科学者「そっちじゃなくて下を濡らさないと。1本だと普通。2本だと変態。3本入れたら英雄ってね」
下腹部から何本もきゅうりを生やした委員長が、
悲痛な叫びをあげながら、激痛に身を悶えさせていた。
だって、あんなものがバンズやハンバーグに合うわけがないんだ」
委員長「やめ……っ! やめてぇ……っ!」
必死に抵抗する委員長の下腹部に、科学者はきゅうりを無理矢理挿入していく。
変態科学者「でもさ、実際食べてみると、あれがないと満足できない身体になる。
不思議だろう? だから、やってみいとわからないってことは、世の中にたくさんあるんだよ」
委員長「痛い……っ! 痛いいいいいい……っ!!!」
固く閉じた委員長の瞼から、大粒の涙が幾筋もこぼれる。
科学者は、その様子を薄ら笑みを浮かべて眺めていた。
変態科学者「そっちじゃなくて下を濡らさないと。1本だと普通。2本だと変態。3本入れたら英雄ってね」
下腹部から何本もきゅうりを生やした委員長が、
悲痛な叫びをあげながら、激痛に身を悶えさせていた。
179: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:57:41.368 ID:nfP3rU9gM.net
変態科学者「膣腔に7本、肛門に3本。まさかこんなにユルマンのビッチだったなんて」
泣き叫び、吐しゃ物にまみれた委員長が、身体を痙攣させながら廊下に横たわっている。
変態科学者「じゃあ、ここからは力学の問題だ」
足を振り上げた科学者を、義兄が咎めた。
義兄「おい。もういい加減に」
それを思い切り両手で振り払い、科学者は笑みを浮かべる。
変態科学者「運動力学と構造力学だ。きゅうりは横からの刺激に対して、どう破壊されるか」
不気味に歪めた顔で、科学者は振り上げた足を、思い切り委員長の下腹部に向けて叩き下ろした。
泣き叫び、吐しゃ物にまみれた委員長が、身体を痙攣させながら廊下に横たわっている。
変態科学者「じゃあ、ここからは力学の問題だ」
足を振り上げた科学者を、義兄が咎めた。
義兄「おい。もういい加減に」
それを思い切り両手で振り払い、科学者は笑みを浮かべる。
変態科学者「運動力学と構造力学だ。きゅうりは横からの刺激に対して、どう破壊されるか」
不気味に歪めた顔で、科学者は振り上げた足を、思い切り委員長の下腹部に向けて叩き下ろした。
184: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:03:58.564 ID:nfP3rU9gM.net
下腹部から大量の血を吹き出し、委員長は嘔吐した。
この日、三度目の嘔吐だった。
変態科学者「きひひっ。激しく破壊された繊維は、粘膜に容易く突き刺さりました、っと」
義兄「……っ」
異常な行動だった。
しかし、理念ははっきりとしている。
地味子に行ったことに対する怒りと、嗜虐心。
純粋な本能に突き動かされるまま、科学者は破壊の限りを尽くす。
変態科学者「たとえ柔らかいものでも……、きゅうりとかね、そういったものでも、一定の速度を超えると鉄鋼よりも固くなる」
もう一度委員長の下腹部へと足を叩き落とし、潰滅のメロディを響かせると、科学者は高らかに笑った。
変態科学者「僕の計算だと、君は出血性ショックで、あと37分後に死に至る。ちゃあんと凝血まで考慮してるから、ほぼ間違いないよ」
この日、三度目の嘔吐だった。
変態科学者「きひひっ。激しく破壊された繊維は、粘膜に容易く突き刺さりました、っと」
義兄「……っ」
異常な行動だった。
しかし、理念ははっきりとしている。
地味子に行ったことに対する怒りと、嗜虐心。
純粋な本能に突き動かされるまま、科学者は破壊の限りを尽くす。
変態科学者「たとえ柔らかいものでも……、きゅうりとかね、そういったものでも、一定の速度を超えると鉄鋼よりも固くなる」
もう一度委員長の下腹部へと足を叩き落とし、潰滅のメロディを響かせると、科学者は高らかに笑った。
変態科学者「僕の計算だと、君は出血性ショックで、あと37分後に死に至る。ちゃあんと凝血まで考慮してるから、ほぼ間違いないよ」
186: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:09:53.470 ID:nfP3rU9gM.net
全校生徒712名、教員数76名、出入り業者29名。
計817名のうち、実に約半数に及ぶ394名が、その日のうちに殺害された。
変態科学者「これで僕たちは未曽有の大犯罪者だ。昔を思い出すねェ」
義兄「……」
変態科学者「まぁあっちの方がひどかったかな。タワーマンション低層階消滅事件。君が引きこもることになったあれも」
義兄「黙れ」
変態科学者「……ごめんごめん。別に怒らせる気は無かったんだけど」
義兄「……復讐は終わっただろ。もう帰れ」
変態科学者「冷たいねェ。久々に会った友人だっていうのにさ」
義兄「……100回殺したいとか言ってなかったか?」
変態科学者「そうだっけ?」
計817名のうち、実に約半数に及ぶ394名が、その日のうちに殺害された。
変態科学者「これで僕たちは未曽有の大犯罪者だ。昔を思い出すねェ」
義兄「……」
変態科学者「まぁあっちの方がひどかったかな。タワーマンション低層階消滅事件。君が引きこもることになったあれも」
義兄「黙れ」
変態科学者「……ごめんごめん。別に怒らせる気は無かったんだけど」
義兄「……復讐は終わっただろ。もう帰れ」
変態科学者「冷たいねェ。久々に会った友人だっていうのにさ」
義兄「……100回殺したいとか言ってなかったか?」
変態科学者「そうだっけ?」
187: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:13:25.093 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……どうだ? 調子は」
地味子「お兄ちゃん!」
扉の脇で待ち構えていた地味子が、病室に入って来たばかりの義兄に抱き付いた。
義兄「おいおい。そんなに動いて、大丈夫なのか」
地味子「うんっ! 窓から外眺めててね、お義兄ちゃんが来るのが見えたら、途端に元気になっちゃった!」
はしゃぐ地味子を軽く抱きしめながら、義兄はひどく真剣な顔をしていた。
地味子「むしろ入院してて良かったよ。だって、私の通ってた学校の人が、”全員死んじゃった”んだから」
地味子「お兄ちゃん!」
扉の脇で待ち構えていた地味子が、病室に入って来たばかりの義兄に抱き付いた。
義兄「おいおい。そんなに動いて、大丈夫なのか」
地味子「うんっ! 窓から外眺めててね、お義兄ちゃんが来るのが見えたら、途端に元気になっちゃった!」
はしゃぐ地味子を軽く抱きしめながら、義兄はひどく真剣な顔をしていた。
地味子「むしろ入院してて良かったよ。だって、私の通ってた学校の人が、”全員死んじゃった”んだから」
191: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:17:37.235 ID:nfP3rU9gM.net
地味子の明るい声が響く病室。
それ以外には、時折相槌を打つ義兄の声と、壁掛け時計の音だけが聞こえる程度だった。
地味子「だからね、高校デビューとか考えるのが無駄だって思ったの」
義兄「……」
口数の少なかった妹が、なぜか饒舌にしゃべっている。
通常ならば違和感を覚えるような出来事にも、義兄はなんの驚きも見せずにいた。
地味子「人ってのはね、相応にしか生きられないのよ。その人なりの幸せを見つけないといけないの」
一瞬静まり返った病室で、時計の短針がカチリと音を立てた。
それ以外には、時折相槌を打つ義兄の声と、壁掛け時計の音だけが聞こえる程度だった。
地味子「だからね、高校デビューとか考えるのが無駄だって思ったの」
義兄「……」
口数の少なかった妹が、なぜか饒舌にしゃべっている。
通常ならば違和感を覚えるような出来事にも、義兄はなんの驚きも見せずにいた。
地味子「人ってのはね、相応にしか生きられないのよ。その人なりの幸せを見つけないといけないの」
一瞬静まり返った病室で、時計の短針がカチリと音を立てた。
193: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:21:02.878 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「また、来るよ」
地味子「……うん。寂しいけど、私頑張るよ」
振り返れば迷いが生じてしまう。
そう思い、義兄は背中から響く妹の声に軽く手を上げただけで、病室を後にした。
義兄「……」
『人ってのはね、相応にしか生きられないのよ』
妹の言葉が、頭の中で何度も反響する。
帰り道、義兄は立ち止まり、自身の手をじっと見つめた。
義兄「……」
この手に、何人の血が染みついているだろう。
地味子「……うん。寂しいけど、私頑張るよ」
振り返れば迷いが生じてしまう。
そう思い、義兄は背中から響く妹の声に軽く手を上げただけで、病室を後にした。
義兄「……」
『人ってのはね、相応にしか生きられないのよ』
妹の言葉が、頭の中で何度も反響する。
帰り道、義兄は立ち止まり、自身の手をじっと見つめた。
義兄「……」
この手に、何人の血が染みついているだろう。
194: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:24:25.330 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……人を、殺し過ぎた」
あえて、後悔を口に出す。
義兄「俺は……、人を殺し過ぎたんだ」
叫び出したい衝動を抑え、足早に歩き出した。
義兄「過去に……。今回だけでも……」
見た風景など何も覚えていない。
家の玄関を荒々しく開けると、自室の扉を開け、けたたましい音をさせて思い切り閉じた。
そして不器用に鍵をかける。
義兄「……もう、外には出ない」
あえて、後悔を口に出す。
義兄「俺は……、人を殺し過ぎたんだ」
叫び出したい衝動を抑え、足早に歩き出した。
義兄「過去に……。今回だけでも……」
見た風景など何も覚えていない。
家の玄関を荒々しく開けると、自室の扉を開け、けたたましい音をさせて思い切り閉じた。
そして不器用に鍵をかける。
義兄「……もう、外には出ない」
195: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:26:24.507 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「あ、お母さん!」
ベッドに横になっていた地味子は、上体を起こす。
母親は笑顔で、それを手で制した。
母親「まだ身体がつらいでしょう。無理しなくてもいいのよ」
地味子「ううん。平気だよ。……最近見ないけど」
――お義兄ちゃんは。
母親「なぁに?」
地味子「ううん! 何でもない!」
言いかけた言葉を飲み込み、地味子は笑顔を浮かべた。
ベッドに横になっていた地味子は、上体を起こす。
母親は笑顔で、それを手で制した。
母親「まだ身体がつらいでしょう。無理しなくてもいいのよ」
地味子「ううん。平気だよ。……最近見ないけど」
――お義兄ちゃんは。
母親「なぁに?」
地味子「ううん! 何でもない!」
言いかけた言葉を飲み込み、地味子は笑顔を浮かべた。
197: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:30:49.670 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……」
暗い部屋で一人、震えていた。
タワーマンション低層階消滅事件。
70階建てのマンションを全壊させ、死者1000人を超す、世界を震撼させた大事件の張本人が。
義兄「あんなこと……、するつもりじゃなかった……」
空間転移の実験中、たまたま起きてしまった悲しい”事故”だった。
しかし、自責の念から義兄は引きこもり、全てを捨てた。
暗い部屋で一人、震えていた。
タワーマンション低層階消滅事件。
70階建てのマンションを全壊させ、死者1000人を超す、世界を震撼させた大事件の張本人が。
義兄「あんなこと……、するつもりじゃなかった……」
空間転移の実験中、たまたま起きてしまった悲しい”事故”だった。
しかし、自責の念から義兄は引きこもり、全てを捨てた。
198: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:32:42.057 ID:nfP3rU9gM.net
義兄「……怖い」
今回も、同じことをやってしまった。
妹を苦しめられたという怒りに任せ、学校の敷地ひとつを消滅させた。
義兄「ダメだ……。終わりだ……、俺は……」
部屋に鍵をかけ、心も閉ざした。
暗い部屋で、一人震えることしかできない。
義兄「……」
――お義兄ちゃん。
声が、聞こえたような気がした。
――お義兄ちゃん!
外から、自分を呼ぶ声が。
今回も、同じことをやってしまった。
妹を苦しめられたという怒りに任せ、学校の敷地ひとつを消滅させた。
義兄「ダメだ……。終わりだ……、俺は……」
部屋に鍵をかけ、心も閉ざした。
暗い部屋で、一人震えることしかできない。
義兄「……」
――お義兄ちゃん。
声が、聞こえたような気がした。
――お義兄ちゃん!
外から、自分を呼ぶ声が。
199: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:34:17.946 ID:nfP3rU9gM.net
母親「え……」
最初に気付いたのは母親だった。
視線に気づき、地味子も顔を上げる。
地味子「お義兄ちゃんっ!」
義兄「……やぁ。調子は、どうだい」
地味子「うんっ! お義兄ちゃんが来てくれたから元気だよ!」
母親「……ふふっ。良かったわね」
最初に気付いたのは母親だった。
視線に気づき、地味子も顔を上げる。
地味子「お義兄ちゃんっ!」
義兄「……やぁ。調子は、どうだい」
地味子「うんっ! お義兄ちゃんが来てくれたから元気だよ!」
母親「……ふふっ。良かったわね」
201: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:35:58.258 ID:nfP3rU9gM.net
地味子「お義兄ちゃん、ありがとね」
義兄「……? 何が」
地味子「全部。私を救ってくれて、ありがとう」
義兄「……っ」
義兄の双眸から、熱い涙がこぼれた。
それは頬を伝い、病室の無機質なタイル張りの床へと落ちる。
地味子「えっ……。お義兄ちゃん……?」
義兄「こっちの方だよ……。礼を言うのは……」
義兄「……? 何が」
地味子「全部。私を救ってくれて、ありがとう」
義兄「……っ」
義兄の双眸から、熱い涙がこぼれた。
それは頬を伝い、病室の無機質なタイル張りの床へと落ちる。
地味子「えっ……。お義兄ちゃん……?」
義兄「こっちの方だよ……。礼を言うのは……」
202: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:39:35.338 ID:nfP3rU9gM.net
母親「……」
義兄「地味子……、ありがとう……。俺を救ってくれて……」
ベッドに座っている地味子を、義兄が抱きしめた。
地味子「えっ……。ちょっと……、お母さんもいるのに……」
地味子は母親をちらりと見てから、顔を真っ赤にして視線を下へと投げた。
母親「……兄妹なんだから照れることも無いでしょ」
微笑みを浮かべる母親と、どうしていいか分からない妹と、それを抱きしめながら涙を流す義兄。
暖かい日差しが差す中、病室には時計の時を刻む音だけが響いていた。
義兄「地味子……、ありがとう……。俺を救ってくれて……」
ベッドに座っている地味子を、義兄が抱きしめた。
地味子「えっ……。ちょっと……、お母さんもいるのに……」
地味子は母親をちらりと見てから、顔を真っ赤にして視線を下へと投げた。
母親「……兄妹なんだから照れることも無いでしょ」
微笑みを浮かべる母親と、どうしていいか分からない妹と、それを抱きしめながら涙を流す義兄。
暖かい日差しが差す中、病室には時計の時を刻む音だけが響いていた。
203: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:43:59.842 ID:nfP3rU9gM.net
そのころ。
怪しい研究室に、高笑いが響いていた。
変態科学者「成功だ! フィアンセを妹にする実験……!」
様々な液体の入った試験管を振る、裸電球に照らされた歪な笑みが浮かぶ。
変態科学者「惜しむらくは、この国では妹と結婚することが許されていないこと……」
怒りに震える手で握りしめた試験管が、パリンと音を立てて割れた。
変態科学者「つまり、次の敵は法……。この国というわけだ!」
椅子代わりの一升瓶のケースが倒れる。
変態科学者「国盗りだ! 僕は、この国を手中に収める!」
変態の野望は、果てしなく、でかい。
終わり
怪しい研究室に、高笑いが響いていた。
変態科学者「成功だ! フィアンセを妹にする実験……!」
様々な液体の入った試験管を振る、裸電球に照らされた歪な笑みが浮かぶ。
変態科学者「惜しむらくは、この国では妹と結婚することが許されていないこと……」
怒りに震える手で握りしめた試験管が、パリンと音を立てて割れた。
変態科学者「つまり、次の敵は法……。この国というわけだ!」
椅子代わりの一升瓶のケースが倒れる。
変態科学者「国盗りだ! 僕は、この国を手中に収める!」
変態の野望は、果てしなく、でかい。
終わり
207: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:47:26.633 ID:nfP3rU9gM.net
読んでくれた方、レスくれた方、ありがとうございました。
学園コメディを書く予定が若干横道に逸れてしまいましたが、概ね満足です。
また今度リベンジしたいと思います。
学園コメディを書く予定が若干横道に逸れてしまいましたが、概ね満足です。
また今度リベンジしたいと思います。
208: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:47:34.772 ID:JpGoLSP/0.net
楽しかった
おつ
おつ
210: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:56:43.964 ID:7FXThyyB0.net
なんかわろた
212: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/26(日) 03:28:15.493 ID:5/VZuKZXd.net
おもしろかったです
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1429970121/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
爽「幼馴染理解度勝負だ!」 誓子「望むところよ!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:23:39.13 ID:KcucBzeu0
爽「はあ……」
誓子「なに黄昏れてるの?」
爽「いや、新学期始まってしまったな、と思って」
誓子「そうね、本格的に受験勉強しなきゃね」
爽「え、チカ部活出ないの?」
誓子「出るわよ、毎日は行けないと思うけど。二人とも引退しちゃったら三麻しかできないもんね」
爽「そうだよな、うん。まだまだあいつらには私らがいてやらなきゃな」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:26:41.00 ID:KcucBzeu0
誓子「でもなるかったら、私が受験勉強に専念できるようにって、
“私が部を支えます”なんて言うのよ」
爽「へー」
誓子「気が弱いくせに私のこととなると途端に強くなるんだから。昔からそう。
私を喜ばせるのが上手いのね。ほんと最高の幼馴染よ」
爽「成香らしいな。そういえば揺杏がさ、全国大会終わってからちょくちょく牌譜のこととか、
戦術論とか聞いてくるんだよね」
誓子「あら」
爽「きっと私がこれまで担ってきた部分を引き継ごうとしてるんだろうな。口にはしないけど。
憎まれ口叩きながら私についてこようと頑張っちゃう、そういうヤツなんだよな」
誓子「えらいじゃない」
爽「幼馴染世界選手権があったら優勝は間違いないね、うん」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:28:19.21 ID:KcucBzeu0
誓子「……そうかな、揺杏もいい子だけど、なるかには敵わないんじゃないかな」
爽「ん~、成香の健気なところは認めるけどさ、幼馴染としてはあと一歩ってところだろ」
誓子「はあ? 聞き捨てならないんだけど。風邪ひいたとき一週間毎日お見舞いに来てくれたことある?
つきっきりでおかゆ食べさせたり、体拭いたりしてくれたことある?」
爽「なんだそれぐらい。揺杏なんかな、学校サボってまでポカリとか買ってきてくれたぞ。
しかもそのまま一緒の部屋で寝たんだぞ。
自分に風邪移してでも私に元気になってもらおうってことだろ。どうだよこの愛され具合」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:30:50.61 ID:KcucBzeu0
誓子「なるかなんか一緒にケーキ食べにいったりすると、
私が好きなもののときだけちょっと分けてくれるんだから。何も言わなくても通じてるの」
爽「そんなの基本中の基本だろ。揺杏だって寮でちょっと食べ足りないときおかず分けてくれるよ」
誓子「そんなの誰だってできるじゃない。幼馴染ならその上をいかないと」
爽「揺杏のさりげない気遣いがわからないのか?」
誓子「なるかの優しさにはどうあがいても勝てないわよ」
爽「そもそも小学校からで幼馴染って言うのか? やっぱ学校行く前からじゃないと弱いんじゃない?」
誓子「10年超えてるんだから、1年も2年も関係ないでしょ。年数しか自慢できないの?」
爽「……」
誓子「……」
爽「クイズやるぞ」
誓子「クイズ?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:32:56.50 ID:KcucBzeu0
爽「私らのことどれだけわかってるかのクイズだ。今日の部活の後に。その結果で雌雄を決する、どうだ?」
誓子「いいわよ、それならどっちが幼馴染として大事にされてるか、よりはっきりするでしょ」
爽「このこと直前まで知らせるなよ。あくまでもいつもどおり自然体で答えさせるんだ」
誓子「わかってる。爽こそ答え教えたり小細工しないでよ」
爽「必要ないね、そんなもの」
誓子「どうだか」
爽「幼馴染理解度勝負だ!」
誓子「望むところよ!」
―――――――――――――
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:35:09.61 ID:KcucBzeu0
揺杏「うっし、今日も打ったな~」
成香「夏休みの練習は夕方で切り上げてたから、この時間までやるの久々でしたね」
爽「さてと……」
誓子「揺杏、なるか、このあとなにか用事ある?」
揺杏「いや~別になにも」
なるか「私も大丈夫です」
爽「よし、じゃあテーブルの方に座ってくれ」
誓子「はい、これ取って。一人一枚」
揺杏「……ホワイトボード?」
成香「全国大会でいましたよね、いつもこれ持ってる人」
揺杏「あーいたいた、宮守のウィッシュアートね」
成香「まだあったんですねこれ」
揺杏「麻雀やり出す前はゲームで時々使ってたね、懐かしいな」
成香「でも、なにに使うんですか?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:37:05.72 ID:KcucBzeu0
爽「それではこれより“第一回・幼馴染のことこんなにわかっちゃってるんだよ選手権”を始めます!」
誓子「わ~~~!」
由暉子「わ~~~」
揺杏「……は?」
成香「え、え?」
爽「成香と揺杏は解答者だから、気楽に答えてくれな」
誓子「別に間違えても罰ゲームとかはないからね」
揺杏「なんでいきなり?」
爽「これはな、どっちが真の幼馴染かを決める戦いなんだ」
誓子「私となるかの幼馴染としての結束に並ぶ者はいない、そう言ったんだけど」
爽「それは間違いだ、私と揺杏には敵わないってことを証明してやろうとね」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:38:43.28 ID:KcucBzeu0
誓子「そういうわけでユキ、あとはよろしくね」
由暉子「はい」
揺杏「え、ユキも一枚噛んでんの!?」
爽「二人が来るまでちょっとだけ時間あったからな、段取り説明しといた」
由暉子「それではここからは私、真屋由暉子が“コンダクター”を務めさせていただきます」
成香「コンダクターってなんですか?」
揺杏「指揮者……司会者ってことかな」
由暉子「これから私が問題を出すので、皆さんはその解答を各自のホワイトボードに書き込んでください。
全員が書き終わったらペアごとに解答を見ていきます」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:40:37.52 ID:KcucBzeu0
揺杏「ペア?」
由暉子「はい。例えば“一番好きな役満は?”という問題だったら、
爽先輩と誓子先輩は自分の好きな役を書きます。そして、揺杏先輩は爽先輩、
成香先輩は誓子先輩がなにを書いたかを当ててください」
揺杏「あー、それで“理解”ね」
由暉子「答えが一致していれば幼馴染のことをちゃんとわかってたということで、1ポイント入ります」
成香「難しそうです……」
誓子「問題はユキとある程度打ち合わせしたから、そんなに曖昧な答えになるようなものはないよ」
爽「幼馴染なら当然解ってるようなことばかりだから、1問でも間違えた方が一気に不利になるだろうな」
由暉子「なお、合図したり手元を見たりするのを防止するために、ペアは対面に座ってもらいます。
また、答えを書いてる間は全員後ろを向いて、私が合図したら前を向いてください」
揺杏「念入りだねー」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:42:47.66 ID:KcucBzeu0
由暉子「と、ここまで大丈夫ですか? ……では早速1問目いきましょう。後ろを向いてください。
どれにしようかな……第1問“嫌いな食べ物は?”」
爽「あー、まずはジャブってとこだな」
誓子「サービス問題ね」
揺杏(……全然わかんねーぞ。ほら、成香もペン止まってる。まあてきとーに書いとこう)
由暉子「みなさん書けたようですね、前を向いてください。では、なるちかペアからいきましょう」
揺杏「なるちか?」
由暉子「え、誓子先輩がこう呼べって……」
誓子「ペア戦だからね。まとめて呼ぶと、より幼馴染感が出るじゃない」
成香「はあ……」
揺杏(成香ですらちょっと引いてるね)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:44:59.41 ID:KcucBzeu0
由暉子「では同時に解答を出してください。なるちかペア、オープン!」
誓子『納豆』
成香『ジンギスカンキャラメル』
誓子「ちょっと! なるか!」
成香「ええ~、ちかちゃん好き嫌いないから、とりあえずと思って書いたんですけど……。
昔から納豆食べてましたよね?」
誓子「高校入ってからなんか苦手になったのよ……言ったじゃない」
爽「あっれ~? いきなり不正解? こんな初歩の初歩でつまづくなんて、幼馴染としてどうなの~?」
誓子「……ちょっと緊張してるのね、なるか。
大丈夫よ、ちゃんと考えれば私のことなんでもわかるでしょ?」
成香「あの……がんばります……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:47:12.45 ID:KcucBzeu0
由暉子「今度はさわゆあペアいきましょう」
揺杏「さわゆあ……」
爽「うん、良い響きだな」
由暉子「解答オープン!」
爽『グリーンピース』
揺杏『ゴーヤ』
爽「おい!」
揺杏「あら? あはは。でも緑ってところは合ってたね。惜しいじゃん」
爽「惜しくねーよ! いっつも食堂で残してんの見てるだろ!」
揺杏「そうだっけ? 人の皿まで見ないしなあ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:48:28.36 ID:KcucBzeu0
誓子「あら? いつも寮で一緒に食べてて間違えちゃうなんて、
そんなに大事にされてないってことかな?」
爽「……深読みしすぎちゃったみたいだな。いいんだぞ揺杏、シンプルに考えれば」
由暉子「1問目は両ペアともポイントならずですね。では次にいきましょう。
第2問“今一番行きたい国は?”」
爽「あ、これならド直球だな」
誓子「サービス問題ね」
爽「揺杏、わかってるな、あれだぞあれ」
揺杏「え~? どれだよ~」
由暉子「そこまで! シンキングタイム中の発言はローズと見なします」
誓子「ナイスよユキ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:50:14.23 ID:KcucBzeu0
由暉子「では今度はさわゆあペアからいきましょう」
揺杏(さっきよりは絞れたな。爽の性格からしてインドあたりも考えられたけど、直球でいくならこれだ)
由暉子「解答オープン!」
爽『アフリカ』
揺杏『アメリカ』
爽「ちょ、なにやってんの!」
揺杏「はは、一文字違いじゃん。惜しい惜しい」
爽「惜しくねーよもぉ~」
揺杏「よくアメリカンドリームだって言ってたじゃん。そもそもアフリカって国じゃなくて大陸だよね」
由暉子「はい。なのでアフリカ大陸のどこかの国なら正解と見なしたのですが」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:51:56.78 ID:KcucBzeu0
誓子「あーあ、これじゃ勝負にならなそうね。ユキ、いきましょ」
由暉子「あ、はい。ではなるちかペア、オープン!」
誓子『ロシア』
成香『イギリス』
誓子「……」
成香「ああ……外れです」
誓子「なるか」
成香「だってちかちゃん、ウィンブルドン見に行きたいって言ってたから……」
誓子「それはそうだけど、一番ではないってわかるでしょ~」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:53:40.84 ID:KcucBzeu0
揺杏「ねえ、ちょっと難しくない?」
爽「わかるよ普通。揺杏はフランスだろ。ミラノも良いけどやっぱパリだって言ってたしな」
揺杏「……ビンゴ」
誓子「なるかはイタリアでしょ。礼拝堂目当てなら正確にはバチカンかもしれないけど」
成香「正解です!」
爽「幼馴染なら日頃の会話でそのぐらいわかるもんだろ?」
誓子「そうよね。よく思い出して」
爽「次だ次! 揺杏、真面目にやれよ!」
揺杏「はあ……」
誓子「なるか、しっかりね!」
成香「はあ……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:55:31.57 ID:KcucBzeu0
由暉子「いきますよ、第3問“好きな色は?”」
揺杏(なんか面倒なことになってきたねー。爽はガキっぽいしチカセンは負けず嫌いだし、
当てないとどんどん機嫌悪くなってくな。でもこいつ色なんてどーでもいいってスタンスだろーに)
成香(うう……ちかちゃん怖いです……)
揺杏(考えろ……。自分の名字気に入ってるから、獅子のたてがみで金……?
ガメツイから金目のものって意味でもこれかな。いや、これ幼馴染勝負だろ。
珍しく私の髪褒めてくれたことあったな……これでいくか)
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:57:01.03 ID:KcucBzeu0
由暉子「なるちかペア、オープン!」
誓子『赤』
成香『白』
誓子「……」
成香「ひっ……! だって、ちかちゃん私服も白多いし、タイツも白だし……」
誓子「白も好きだけどね。自分に似合わないから着てないだけで、一番は赤なの。
言わなかったかなあ……」
成香「ひいっ!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 22:58:47.53 ID:KcucBzeu0
爽「こりゃ勝負あったかなー」
由暉子「続いてさわゆあペア、オープン!」
爽『金』
揺杏『青』
爽「……ふう~~」
揺杏「そっちかー。いや、最初はそっちにしてたんだよ、マジで」
爽「そりゃ青も好きだよ? 好きだけどさあ……」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:03:17.84 ID:KcucBzeu0
揺杏(このままじゃやばい、マジやばい。アイコンタクト、いっくかー。
おいユキ、なんとかしてくれ。この先輩方不機嫌オーラ強くなってきたぞ)
由暉子(幼馴染なんですから、ちゃんと当ててください)
揺杏(わかんねーってあんなの! このままじゃ共倒れだよ、頼むよ)
由暉子(仕方ないですね。なら、先輩たちが来る前に答えを聞いてあった問題を使って……)
由暉子「それでは第4問“一番好きなスポーツ”……あっ、間違えました。
“一番好きな漫画は?”」
爽「おいおい、それ言っちゃったら答え言ってるようなもんだろー」
誓子「まあまあ、ユキだって間違えることあるわよ。気にしないで」
由暉子「はい、すみません」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:04:42.65 ID:KcucBzeu0
揺杏(ファインプレー! 漫画だと範囲広すぎるけどスポーツ漫画なら相当絞れる)
由暉子「さわゆあペア、オープン!」
爽『ピンポン』
揺杏『スラムダンク』
爽「……おい」
揺杏「だって! 爽ん家にあるスポーツ漫画スラダンだけじゃん!
いっつも“ドリブルこそチビの生きる道”って熱く語ってくるじゃん!」
爽「そりゃスラダンも好きだけどさあ……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:06:36.62 ID:KcucBzeu0
由暉子「今度はなるちかペアいきましょう」
成香(ちかちゃんは漫画ほとんど読まないはず。スポーツものなら今は、
“黒子のバスケ”か“弱虫ペダル”でしょうけど、全然知らなかった。
そうなると、往年の名作系である可能性が大です!)
由暉子「解答オープン!」
誓子『タッチ』
成香『アタックNo.1』
誓子「うん、まあ……私あんまり漫画知らないしね……」
成香「ご、ごめんなさい……!」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:08:43.81 ID:KcucBzeu0
揺杏(なんとかならないのかユキ! 成香はもう瀕死だ!)
由暉子(こうなったら最後の手段です。確か……)
由暉子「では第5問“言われてみたいプロポーズのセリフは?”」
爽「おぉ、最高難度の問題来たか」
誓子「これはちょっと難しいかな」
爽「でもこれわかったら相当幼馴染ポイント高いよな」
誓子「そうね、これ正解したらもう優勝でいいわね」
揺杏(知らねーよ! あんたらそんな話無縁じゃん! おいユキ……ん)
由暉子(解答を書くのに後ろを向く隙をついて答えのメモを渡す。完全犯罪ですね)
成香(ユキちゃん……すてきです!)
揺杏(助かったよ、あとはメモが見えないように隠しながら書き写すだけ)
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:10:04.03 ID:KcucBzeu0
由暉子「それでは運命の螺旋を巡る解答タイムといきましょう。
決着がつくかもしれません、一斉に……オープン・ザ・デスティニー!」
誓子『君がいないと人生の80%の時間が楽しめない』
成香『おまえ独り身だったらうちにいつでも嫁ぎにきていい……っていうか今から来い』
爽『おまえ独り身だったらうちにいつでも嫁ぎにきていい……っていうか今から来い!』
揺杏『君がいないと人生の80%の時間が楽しめない』
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:11:40.52 ID:KcucBzeu0
由暉子(あ、あれ? おかしいな……)
揺杏(逆じゃねーか!)
成香(ひぅっ! ごめんなさい! ごめんなさい!)
誓子「……どういうこと? どうもなるかの本来の力が出せてないと思ったら、脅してたでしょ」
爽「そんなことしてないよ。そっちこそ揺杏に裏取引でもしたのか?
揺杏が私じゃなくてチカのおかしな嗜好を思い浮かべるなんてありえないもんな」
誓子「はあ? おかしいのはあなたでしょ。そんなセリフ当てられるのなんて私ぐらいよ」
爽「こっちだってチカの望むセリフぐらい聞く前からわかってたよ。それにロシア行きたいってのも、
北海道より雪すごいとこ見たいってくだらない理由だろ? すぐわかったよ」
誓子「アフリカってどうせ獅子原にちなんで本場のライオン見に行くってところでしょ。お見通しなのよ」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:13:18.58 ID:KcucBzeu0
爽「おまえなあ、タッチだって1年のとき私がキャッチボール誘ってからだろ、好きになったの。
すぐ影響されるんだよなー底が浅いっていうかさ」
誓子「それを言ったらピンポンはどうなのよ。
私と卓球勝負にのめり込んでた時期あったよね。その影響でしょ?」
爽「ちっ……修学旅行の朝、代わりに納豆食べてやった恩を忘れたか?」
誓子「カレーのときグリーンピース食べてあげたでしょ」
爽「……」
誓子「……」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:14:58.13 ID:KcucBzeu0
爽「いいか、私にとっちゃチカの単純な思考を見抜くぐらい朝飯前なんだよ。
ジブリならトトロ、絵画ならフェルメール、プログレならイエスだろ」
誓子「そう言う爽はナウシカ、ダリ、フロイドでしょ」
爽「ぐっ……高校入ってすぐのころ観に行った“花とアリス”がベストムービーのくせに!
あんなんで感動してグズグズ泣いて袖引いてくるから一緒にいて恥ずかしかったっつーの」
誓子「なっ……! うちに泊まりに来るたびに“時をかける少女”観て、
タイムリープジャンプしてたの誰だっけ。恥ずかしい人だよね~」
爽「この……」
誓子「うぅ~~」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:16:10.93 ID:KcucBzeu0
揺杏「……幼馴染選手権優勝は、さわちかペア~」
成香「わ~~」
由暉子「わ~~」
揺杏「……帰ろっか」
成香「そうですね、こうなるとしばらくやってますし」
揺杏「ユキもつき合わせて悪かったね」
由暉子「おもしろかったですよ」
揺杏「行こう。帰りになんか奢るよ」
由暉子「いえ、そんな」
揺杏「不始末をフォローするのも幼馴染の役目さ。な、成香」
成香「はい。ちかちゃん時々ああなっちゃうから、幼馴染としてお詫びします」
由暉子「ならお言葉に甘えて」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:18:36.64 ID:KcucBzeu0
由暉子「あ、そういえばお二人が部室に来る前に少し昔のこと聞いたんですけど、
なんだかんだとても大事に思ってるんですね」
揺杏「え~、どんなこと言ってた?」
由暉子「えっと、風邪をひいたときに学校サボってまでお見舞いに来て、
一緒に寝て自分に移してくれたとか」
揺杏「……美談になってて心が痛い」
由暉子「違うんですか?」
揺杏「中学のとき学校でちょっとトラブったからばっくれて、
帰りづらいから時間つぶししようと爽のとこ行ってさ、
漫画読んでたらそのままコタツで寝ちゃったんだよね」
成香「風邪ひくわけですね」
由暉子「他にも、好きなケーキだと何も言わなくても分けてくれるとか」
成香「それは、ちかちゃんすぐ顔にでちゃうんです。
見ないようにしてるつもりで凝視してるからいたたまれなくて……」
揺杏「それでも分けるのがえらいよなー。私なんか嫌いなおかず押しつけてばっかりだわ」
由暉子「……知らぬが仏、ですね」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:20:07.82 ID:KcucBzeu0
爽「絶対私の方がチカのこと知りつくしてる!」
誓子「私の方が爽のこと何でも知ってるから!」
爽「こうなったらなぁ」
誓子「なによ」
爽「幼馴染理解度勝負だ!」
誓子「望むところよ!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/04(土) 23:26:20.53 ID:KcucBzeu0
東場終わり。
なるちかとさわゆあの皮をかぶった無意識さわちか。
温かい目で見守る後輩たち。
有珠山の人間関係パターンの多さは妄想が捗る。
南場「新部長決め編」は作成中。
ありがとうございました。
なるちかとさわゆあの皮をかぶった無意識さわちか。
温かい目で見守る後輩たち。
有珠山の人間関係パターンの多さは妄想が捗る。
南場「新部長決め編」は作成中。
ありがとうございました。
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 18:57:49.08 ID:6kl0QuAa0
爽「世界の中心で愛を叫んだ幼馴染」
誓子「吾輩は幼馴染である」
爽「限りなく透明に近い幼馴染」
誓子「幼馴染よ こんにちは」
爽「くっ……まいりました」
誓子「吾輩は幼馴染である」
爽「限りなく透明に近い幼馴染」
誓子「幼馴染よ こんにちは」
爽「くっ……まいりました」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 18:59:30.31 ID:6kl0QuAa0
爽「小説じゃチカには勝てないな。じゃあ次、世界はそれを幼馴染と呼ぶんだぜ」
誓子「曲名か……フライ・ミー・トゥー・ザ・幼馴染」
爽「この素晴らしき幼馴染(ホワット・ア・ワンダフル・幼馴染)」
誓子「わわっ……。愛のままにわがままに 僕は幼馴染だけを傷つけない」
爽「やるね。クリムゾン・キングの幼馴染」
誓子「なにそれ、意味通じないからだめ」
爽「なら、ポセイドンの幼馴染」
誓子「それもだめでしょ。幼馴染のめざめ、のほうがまだマシ」
爽「判定厳しいなー。あ、これどうだ。吹けよ風、呼べよ幼馴染」
誓子「うっ……オール・ユー・ニード・イズ・幼馴染」
爽「ホワイル・マイ・幼馴染・ジェントリー・ウィープス」
誓子「ああ! なんて甘美な響きなの……負けたわ」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:01:28.33 ID:6kl0QuAa0
誓子「振り返れば幼馴染がいる」
爽「げえっ! 降参!」
爽「最終兵器幼馴染」
誓子「ひゃあ! やられた!」
爽「やっぱり手ごわいなーチカは」
誓子「わけわかんないゲームで勝ってもうれしくない……」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:03:24.66 ID:6kl0QuAa0
爽「麻雀じゃ負けないからな。あ、今日も出るでしょ?」
誓子「うん。来週は部長会議で出られない日あるし、今のうちに出とく」
爽「そっか……あ!」
誓子「え?」
爽「部長引き継いでないじゃん!」
誓子「……あ! そっか、もう代替わりだもんね。私が部長会議出ちゃだめだよね」
爽「やっべー、今日中に決めちゃおう」
誓子「え、私たちで決めるの? あの子たちじゃなくて?」
爽「そりゃそうだろ」
誓子「私たちのときは二人で話して決めたじゃない」
爽「あれは先輩らが部活来てなくて、好きに決めろって言われたからだよ。
普通は顧問なり先輩なりが任命するんだよ。変なところで抜けてるんだよなーチカは」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:06:32.13 ID:6kl0QuAa0
誓子「先生は形だけの顧問だから勝手にしろって言ってたよね……また二人で決めるのかあ」
爽「昼休み中に決めて、部活のときに引き継ぎだな。でも決めるのあのときより難易度高いぞ~」
誓子「うん、そうね。揺杏かなるかだもんね……」
爽「二人とも頼りねー! 部長似合わねー!」
誓子「うーん、正直そうよね。なるかなんて気弱だし、あがり症だからなあ……。
末っ子気質だし、会議とかまとめ役ってどう考えても力不足よ。
まったく、いつまでも甘えんぼなんだから」
爽「揺杏だってあのいいかげんな調子じゃなー。ヘラヘラして威厳はないし、教師ウケも良くない。
昔からメリハリがないんだよなー。形だけでも真剣味が出せればなあ……」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:09:44.08 ID:6kl0QuAa0
誓子「はあ、困ったわね」
爽「実力でいったらユキで即決なんだけどな。もう1年生部長にしちゃうか」
誓子「あはは、それもいいかもね」
爽「なんて、そうは言ってもユキに全部背負わせるわけにもいかないんだよな」
誓子「うん、ちょっとは上級生の威厳を見せてもらわないとね」
爽「まあ、なんだかんだ言っても部長はあいつだろうな」
誓子「そうね、あの子で決まりかな」
爽「揺杏だな」
誓子「なるかよね」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:11:24.19 ID:6kl0QuAa0
爽「……え?」
誓子「……はい?」
爽「ちょっと待って、揺杏だよね」
誓子「なに言ってんの、なるかでしょ」
爽「はあ? 揺杏なら要領良いから、やろうと思えば部長としての振る舞いなんてすぐ身につけられるから」
誓子「一朝一夕にどうにかなるものじゃないの。なるかなら本質的に優しいし、部員に安心感与えるわ」
爽「優しいだけじゃだめでしょー。会議なんかじゃ押しも必要なんだから、
私仕込みの交渉術が冴え渡るだろうな」
誓子「そういう駆け引きもあって損はないけど、他の部だって同じ学校の仲間なんだから、
結局は人間性がモノを言うのよ」
爽「揺杏は友達多いし、コミュニケーションって意味でもそこはばっちりだよ」
誓子「相手にするのは同級生だけじゃないから。上級生とか先生にも信用もらえなきゃ務まらないの」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:13:09.75 ID:6kl0QuAa0
爽「そんなのは立場が人をつくるよ。揺杏だ」
誓子「なるかよ」
爽「……」
誓子「……」
爽「面接するぞ」
誓子「面接?」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:14:41.75 ID:6kl0QuAa0
爽「部長選考面接だ。私らで一人ずつ面接する。今日の部活の後に。その結果で決める、どうだ?」
誓子「いいわよ、それならどっちが部長にふさわしいか、はっきりするでしょ」
爽「面接のこと直前まで知らせるなよ。あくまでも本人のありのままの姿で答えさせるんだ」
誓子「わかってる。爽こそ模範解答教えたり小細工しないでよ」
爽「必要ないね、そんなもの」
誓子「どうだか」
爽「勝ち目ないからって圧迫面接するなよ?」
誓子「そっちこそ!」
―――――――――――――
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:17:26.67 ID:6kl0QuAa0
揺杏「うっし、今日も打ったな~」
成香「いつもよりは30分早いですけどね」
爽「さてと……」
誓子「揺杏、なるか、このあとなにか用事ある?」
揺杏「いや~別になにも」
成香「私も大丈夫です」
由暉子「いつもより早く部活切り上げて、また何か催し物ですか?」
爽「ごめんな、今日はユキは特に役目ないんだ。帰ってもいいよ」
誓子「近頃物騒だから、できれば待っててほしいな。終わったら一緒に帰ろ」
由暉子「はい、それはありがたいですけど……」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:20:05.17 ID:6kl0QuAa0
揺杏「んで、何があるの?」
爽「揺杏は悪いんだけどちょっと席外してくんない?
10分ぐらいしたら呼ぶから、クラスかどっかで時間潰しててよ」
揺杏「はあ? 別にいいけど何やるかだけ教えてよ」
誓子「今はまだだめなの。公平性が保てなくなっちゃうから、後でね」
成香「なんだか怖いです……」
揺杏「……わかったよ。んじゃ終わったら電話して」
爽「はいよ」
由暉子「……行っちゃいましたね。ちょっと怒ってませんでしたか?」
爽「大丈夫だって、そんなヤワじゃないよ。それにこれは必要な措置なんだよ」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:23:02.93 ID:6kl0QuAa0
誓子「よし、じゃあなるか、テーブルの方に座って」
成香「はい。またちかちゃんが対面ですか?」
爽「いや、今日は私ら二人とも対面だ」
誓子「ユキもすることなかったら後ろで見ててもいいからね」
由暉子「あ、じゃあそうします」
爽「ただ、できるだけ口を挟まないでくれるか。ここは私ら3年が責任を持って成し遂げるからな」
誓子「うん。よし、準備いいかな。それではこれから、部長選考面接を始めます」
成香「……はい?」
爽「私らこれからも部活は出るけど、もう2年生中心でやってかないとな」
誓子「そう。そういうわけでなるかか揺杏に部長職を引き継ぐために、
二人に面接して部長を決めようと思うの」
爽「来週の部長会議にも早速出てもらうことになる。
今日、どちらがそれにふさわしいかカタをつけるんだよ」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:26:39.31 ID:6kl0QuAa0
誓子「ではなるかさん、あなたは部長になったらどんな部にしたいですか?」
成香「え、えっと……その」
爽「あれあれ~? 部のことに責任持ってればいつでもすぐ答えられるよね~?
部長はやりたくないってことかな~?」
成香「あぅ……」
誓子「なるか、大丈夫よ。落ち着いて。部を支えたいって言ってたでしょう?」
成香「それはそうなんですけど、部長なら揺杏ちゃんの方が向いてるというか……」
爽「あら~これはもう面接するまでもないかな~? 意欲がないなら無理してやることないしね~」
誓子「部長になれば私の二代目になるわけだから、契りを結んだ姉妹も同然よ。
その重み、なるかならわかるでしょう?」
成香「は、はい。けど私」
誓子「なるか」
成香「ひいっ……!」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:29:12.86 ID:6kl0QuAa0
誓子「やりたいわね?」
成香「はい! やらせていただきたいですぅ!」
誓子「そうよね、なるかならそう言うと思ったわ」
爽「桧森さん、誘導尋問じゃないですかねえ?」
誓子「獅子原さんこそ高圧的すぎませんか?」
爽「……」
誓子「……」
由暉子(なるほど、お互い自分の幼馴染を部長に祭り上げたい。しかし本人は消極的。
揺杏先輩も面倒くさがるでしょうし。となればいかに相手の幼馴染を叩き、
自分の幼馴染を持ち上げるか。これは言わば幼馴染代理戦争……っ!)
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:31:40.16 ID:6kl0QuAa0
爽「じゃあさっきの質問に答えてよ」
成香「はい。私が部長になったら、みんなが楽しく過ごせるアットホームな今の環境を守りたいです。
その上でえっと、真剣にやるときは厳しさも持って、メリハリのある部にしたいです」
誓子「うん、素晴らしいわね。部員を第一に考えた、立場のある者にふさわしい目線だわ」
爽「んーどうかな、ありきたりで具体性がないよね。
そこらへんは今だって充分実現してるんだしさあ、ちょっと保守的じゃない?」
誓子「……まあ、今のは一番大切な基本理念だものね。
それでは、今の部に足りないものがあるとしたら何だと思いますか?」
成香「え、足りないものですか……うーん、全国大会で準決勝まで行ったチームとして考えると、
実力の偏りは否めません。特に私なんですけど。
これからは、より強さを求める貪欲さが必要になるかもしれません……」
誓子「なるほど。部を、ひいては学校の名を背負った責任ある考えね。
何より謙虚に自己の弱さと向き合う精神力。これぞ“弱さは強さ”!」
爽「だからさあ、強くなろうって気概は立派だけど、そのためのプランが見えないわけよ。
実力で劣ってて、部員を引っ張れるモノがあんのかって」
由暉子(おそらく爽先輩は具体的なことを提示されれば“目先のことに囚われて大局が見えていない”
とでも言うでしょう。さすが難癖つけたら有珠山一、雷怨キングの異名を持つ獅子原爽!)
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:33:40.63 ID:6kl0QuAa0
誓子「それじゃあ全国大会に出場した感想を聞こうかな」
成香「はい。やっぱり立ち回りでは全然太刀打ちできなかったんですけど、
各校のエースの人と直接対局できてとても良い経験になりました。
爽先輩の分析を聞いてからだったから、より強豪校の戦略を体感できた気がします」
誓子「そうね、なるかも揺杏も大変な役回りだったと思うけどよくやってくれたわ。
その経験は新入部員にも説得力として映るはずよ」
爽「……まあ、そうだな。全国のことに関しては、収支だけが糧じゃないんだし、
自信持っていいんじゃないの」
由暉子(これは誓子先輩のファインプレー! 正直成香先輩も揺杏先輩も実績では五十歩百歩。
しかし経験となればエースポジションの成香先輩に軍配が上がる。
ここで叩いてしまうと後で倍返しをくらうから、さすがの爽先輩も攻め込めない)
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:35:43.13 ID:6kl0QuAa0
誓子「全国で対戦した人の中で一番印象に残ったのは誰ですか?」
成香「やっぱり辻垣内さんです。全国3位はダテじゃなかったです。
すごい迫力で、私なんかいいように使われちゃいましたけど、
後で牌譜を見て実感として残りました。あの時は怖かったけど、2回も打てて本当に得した気分です。
誓子「うんうん、そうよねぇ。あのクラスとそんなに打てたのって全国でも指折りよね。
部長にとって大事な経験で言ったら、なるかは全国トップレベルってことよ」
爽「まあな。良い経験したな」
誓子「え、いいの? それだけでいいの? 次の質問いっちゃうよ。ホントにいいの?」
爽「うっさいな。早くいけばいいじゃん」
由暉子(ここぞとばかりにたたみかけた! これは否定できないし、
揺杏先輩の対戦相手にあそこまでの猛者はいなかった。ポイントの稼ぎどころですね。
誓子先輩は優しい顔して意外と負けず嫌いで、時に人を無邪気に煽って火をつけるんですよね。
一部ではそれを桧森ならぬ火盛マジックと呼んでいるとか)
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:37:39.92 ID:6kl0QuAa0
誓子「麻雀を始めてもうすぐ1年になるわね。部活を通してどんなことが身についたと思いますか?」
成香「むずかしいです……恥ずかしいんですけど、一番は仲間のありがたみというか、
チームのとしての意識が感じられるようになったことだと思います」
誓子「へー……」
成香「少しでも後のみんなのためにって考えたり、逆にみんなが後ろに控えてるから落ち着けたり、
今までの練習とか作戦会議とかも全部が後押ししてくれる気がしてました」
爽「おお……」
成香「私も実力不足の面は雑用でもなんでもして補って、
いろんな面で後輩のみんなを安心させたり支えたりできるようになりたいです!」
由暉子(決まった……成香先輩、輝いてますよ)
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:40:20.69 ID:6kl0QuAa0
誓子「立派になったわね……もう資格充分じゃない?」
爽「……いーや、部長が雑用で支えるなんてなあ、なめられて逆に結束弱くなるんだよ」
誓子「そんなことないわよ。どこかの県では個人戦1位のキャプテンが雑用でもトップらしいわ」
爽「部内ではそれでよくても、他の部に足下見られるんだよ。威厳がないってな」
誓子「そんなの大した影響ないわよ」
爽「吹奏楽部に部室狙われてるの知ってるだろ? 毅然と断れるのか?」
誓子「できるわ。成香だってやるときはやるんだから」
爽「じゃあ見せてもらおうか。私が吹奏楽部部長役やるから、成香はちゃんと断ってみせるんだぞ」
成香「え? あ、はい……」
由暉子(うーん、泥臭く沼に引きずり込む手腕、尊敬します)
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:44:05.11 ID:6kl0QuAa0
爽「えー、次の議題なんですけどぉ、麻雀部って実質三人じゃないですかぁ。
それであの部室はもったいないっていうかぁ。ウチらパート練でいろんな教室借りても足りないんで、
半分使わせてほしいんですけどー」
由暉子(なぜチャラいキャラに。これはウザい……吹奏楽部の人が見たら怒りますね。
これを相手に冷静に論じるのは至難の業)
成香「でも、私たちも落ち着いて練習できる環境が必要ですし、
全国大会にも出場したので来年は部員が増えるはずです!」
爽「校庭からソフト部の声とか聞こえんじゃーん。楽器も変わんなくね?
それに今は三人でしょ? じゃあ増えるまではいいってことだよね?」
成香「うう……窓越しの掛け声と至近距離の楽器じゃ全然違います。
それに、まだ先輩たちもいるから五人です」
爽「三人も五人も変わんないっしょー。むしろ理科準備室とかに雀卓持ってけばいいんじゃね?
んでウチらがここ全部使うってのは? そっちの方がスペース効率的に使えね?」
成香「えっと……」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:45:53.49 ID:6kl0QuAa0
誓子「獅子原部長、雀卓は精密機械なので薬品類の蔓延する環境は危険です」
爽「はあ? なんなのアンタ」
誓子「生徒会長の桧森です。雀卓は高価なものですから、丁寧に扱っていただきたい」
由暉子(進化するロールプレイ。まざりたい……)
成香「そ、そうです。あの雀卓はユキちゃんのお家からいただいたものですから、
長く使う義務があるんです。それにダメにしちゃったら保護者の印象を悪くします!)
誓子「昨今の保護者事情からして、それは得策ではありませんね」
爽「う……わかったよ。でも部室の半分ならいいっしょ?
雀卓一つ分のスペースあれば活動できんだからさー」
成香「それは違います! 物理的には雀卓一つのスペースでも、精神的にはその何倍も広がるんです。
爽先輩ほどのエース中のエースだと部室一杯に影響を及ぼしますから、
雀圧慣れしてない吹奏楽部員の体調まで責任持てないんです!」
由暉子(なんですか雀圧って……)
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:47:18.96 ID:6kl0QuAa0
爽「ん、まあそれを言われちゃあしょーがねーかな。そっか、私ぐらい強いとそうだよな、ふふ……」
由暉子(成香先輩の天然持ち上げがカウンターでヒットしましたね。
褒められ慣れてない爽先輩の満更でもない緩んだ顔……カワイイです)
誓子「さすがね。見事吹奏楽部の魔の手を退けたわ。完全に部長の器ね」
爽「……いや、待てよ。チカの援護がなければ丸め込まれてたんじゃないの? 手助けはズルいだろ」
誓子「実際の会議でも他の出席者が意見出すことあるんだから、何もおかしなことないと思うけど」
爽「あーはいはい。そうですか、わかったよ」
誓子「そろそろ時間かな。じゃあ最後に、部員一人一人への思いの丈をどうぞ」
成香「えっ……えっ! だって、目の前でそんな、恥ずかしいです……」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:51:34.03 ID:6kl0QuAa0
爽「なに言ってるんだよ。リーダーたるもの、出し惜しみしてると信頼を得られないぞ」
誓子「そうよ。特に後輩っていう立場からしたら、大事に思ってるのはわかりきってても
やっぱり不安になるから、時にははっきり言葉にしてほしいものよ」
由暉子(私は別に……というか自分のことですよね。人をダシに使って……。
もしかして部長面接は口実で、これを聞くのがメインだったり……)
成香「わかりました……。えっと、じゃあまずユキちゃんは、頑張り屋さんで素直でかわいくて、
麻雀も強くて、私の方が後輩みたいで情けない限りなんですけど、偉ぶらないし、
初心者の私にも優しく教えてくれますし、もう最高の後輩、というよりお友達だと思ってます」
由暉子「いえ、そんな……恐縮です」
誓子「あら~よかったわね~ユキ」
爽「おや~? なにニヤニヤしてるのかな~クールなユキちゃんは」
由暉子(これはっ……予想外のうれしさっ……!)
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:55:17.76 ID:6kl0QuAa0
成香「爽さんは最初は怖かったんですけど、いつも気にかけてくれて、すっごく頼りになります。
行動力があって、なんていうか世界を広げてくれたっていうか……。
とにかく、こんなに充実した学校生活になったのは爽さんのおかげだと思ってます」
爽「おお……照れるね」
誓子「さすがなるか、ちゃんとわかってるわね」
成香「それで、ちかちゃんなんですけど……。優しくて頼りになって理想のお姉さんっていう感じで、
小学生のときからずっと一緒にいるから、本当のお姉ちゃんみたいに思ってました」
誓子「……」
成香「そばにいるのが当たり前で、もう離れるのが考えられないんですけど、半年後には卒業しちゃうから、
ちかちゃんがいなくても大丈夫って安心してもらえるように、頑張ります!」
爽「んん~、最初に会ったときチカの後ろに隠れてたのを思うと、強くなったな~」
誓子「なるか~~! 私も妹だと思ってるからぁ~~! 離れたりしないからぁ~~!」
爽「留年する気かよ」
由暉子(大丈夫じゃないのは誓子先輩の方ですよね)
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 19:57:52.22 ID:6kl0QuAa0
誓子「もう安心して部長任せられるわ……」
爽「揺杏の方も面接してからだぞ」
成香「あ、揺杏ちゃんもですよね。揺杏ちゃんは、その……ちょっと特別なんです」
誓子「ん?」
成香「部で唯一の同い年っていうのもあるんですけど、私にとって憧れの人なんです」
爽「え、あれが?」
成香「はい。人付き合いが上手くて友達多いですし、いろいろなことを器用にこなしますし、
背は高くて美人さんですし、何から何まで私とは正反対で……」
由暉子(言われてみればそうですね)
成香「それなのに、すごく仲良くしてくれるんですよ。
1年生のとき私、クラスの友達とケンカしちゃってちょっと孤立したことがあって」
誓子「なにそれ、聞いてない!」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:00:58.20 ID:6kl0QuAa0
成香「心配させちゃうと思って言えなかったんです。そんなに深刻なものでもなかったですし。
その時期に揺杏ちゃんがなにかと私のクラスに来てくれて、まわりの子ともお喋りしたりして、
そのうち自然とまたクラスに溶け込めるようになって……」
爽「ふむふむ」
成香「その頃には揺杏ちゃん、もうほとんどクラスに来なくなってて、気づいたんです。
私が孤立してるの知って助けてくれたんだって。でもお礼言ってもはぐらかされるんですよ」
爽「あー、からかってうやむやにしそうだな、あいつなら」
成香「だからほんとに感謝してるんです。それで、憧れてるんです。
私もあんなふうに、さりげなく人を助けられるようになれたらなあって」
由暉子(もう人助けしてますけどね、成香先輩を見てると癒やされるから)
成香「2年生で同じクラスになってから一緒にいることが多くなって、
やっぱり気配り上手だなあって、ますます尊敬するようになりました。
よくからかわれちゃいますけど、全然イヤな感じしないんですよね」
誓子「……そう。ずいぶん揺杏のこと、その、好き、なのね……」
成香「はい!」
―――――――――――――
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:07:43.08 ID:6kl0QuAa0
爽「では、部長選考面接を始めます」
揺杏「やっぱそういうことかー」
誓子「あれ、その気だったの?」
揺杏「いやいや、どう考えても向いてないっしょ。成香とじっくり話してたんでしょ? 成香でいいじゃん」
誓子「あら~本人が辞退するっていうならしょうがないんじゃないかな」
爽「……揺杏、それでいいのか」
揺杏「うん。めんどいし」
由暉子(さすが揺杏先輩、言いにくいことをばっさりと)
誓子「ほら、無理にやらせることは」
爽「おまえの部への思いはそんなもんか!」
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:09:30.74 ID:6kl0QuAa0
揺杏「ちょ、なんだよいきなり」
爽「部長っていうのはな、決めるものじゃなくて決まるものなんだ。
これから部を支えていく者たちが、部への思いや部員への思いをさらけ出して、
みんなで最善の答えを見つけるものなんだ」
由暉子(断言します。これは100%演技です)
爽「成香だって本心では無理だと思いつつも、正々堂々揺杏とぶつかりたい、
最初から人任せでは揺杏に失礼だ、その思いでたどたどしくも最後まで受けたんだよ」
揺杏「えーっと……」
爽「そんな成香の思いを踏みにじるのか? 何より私はおまえに、
私らで作り上げた新生麻雀部を受け継いで、守ってほしいんだよ……」
揺杏「……」
由暉子(断言します。揺杏先輩は9割方演技だろうと見抜いてます)
揺杏「わかったよ。やってやろうじゃんか」
由暉子(でも、なんだかんだお人好しなので乗っかっちゃいます。
それにできれば逃げたいけど、自分が適任と判断されたならやるしかないと思ってますね)
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:12:34.56 ID:6kl0QuAa0
誓子「……まあ、なるかもちゃんと競った上で選ばれた方がすっきりするかもしれないわね。
いいでしょう、面接を続けましょう。
でもね揺杏、仮にも大事な面接でその言葉遣いはどうなのかしら?」
揺杏「え、いや」
誓子「いくら幼馴染といっても、場面によって使い分けられないと部長職は務まらないと思うけどな。
なるかならその点は常日頃から問題ないけどね」
爽「……うん、まあくだけた話し方は下級生に安心感を与えるけど、今は少し形式的にいくか。
揺杏だっていつもは親しみを出してるだけで、その気になればちゃんと敬語使えるもんな」
揺杏「うん、あ、はい。大丈夫デス」
誓子「本当に大丈夫? ふふ……」
由暉子(いきなり来ましたね。揺杏先輩は成香先輩よりも頭の回転が速く、弁も立つ。
そこで最初から不利な土俵に引きずり込むとは、ダテに爽先輩と長年張り合ってませんね)
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:15:23.42 ID:6kl0QuAa0
爽「さて、じゃあ揺杏くん、麻雀部は楽しいかい?」
揺杏「そりゃ楽しいですよ。元々麻雀好きだし、なんか思いがけなく良いところまでいっちゃうし、
面子は少数精鋭で最高だし、現状文句なしじゃないですかねー。下手の横好きですけどねー」
爽「うんうん。之れを知る者は之れを好む者に如かず。之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず。
何より楽しめることが大事だよな。リーダーが楽しんでると部の雰囲気も良くなるというものだ」
由暉子(爽先輩の切り返しもみごと。ポジティブな気持ちの面から小出しすれば、
つつかれる隙もなく後への流れを作れる)
誓子「そうね、まったくもって同感だわ。楽しむとふざけるの違いさえわかってればね」
由暉子(おおーっと、全面肯定しながらチクリと皮肉を入れる高等技術!)
爽「揺杏はよく私のおふざけにつきあってくれるよな。空気が読めるというか、状況判断が上手いというか。
こういうユーモアがあると部の人間関係も円滑になるってもんだよなあ」
誓子「どうかしら。全国出たってことは、来年はそれなりに腕に自信のある子が集まるかもしれないのよ。
なるかみたいな優しげな雰囲気ならいいけど、軽いノリはむしろ拒否反応が出るんじゃない?」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:18:42.97 ID:6kl0QuAa0
爽「そこは神のみぞ知る、だな。じゃあ今後の麻雀部の目標は?」
揺杏「んー……全国大会出場! ホントは今年と同じベスト8以上って言いたいけど、
正直二人の抜ける穴は大きいからね、コツコツチーム仕上げていきたいですね」
爽「そうか、私らの思いをつないでくれるんだな。現実的でちょうどいいところじゃないか。
やっぱり志のあるリーダーがチームに与える影響は軽視できないね」
由暉子(ここは爽先輩に技術点をあげたいですね。ノリの軽さを批判されたところで、
ちゃんと高みを見てることを示す。すると軽さもそのための技術に映ります)
誓子「立派だわ揺杏、ちゃんと考えてるのね。
大好きな衣装作りを我慢するのは大変だろうけど、練習頑張ってね」
揺杏「え、いや練習は頑張りますけど……」
誓子「立派な目標掲げた部長が試合では後輩頼みってわけにはいかないもんね。
私も時間あるときは特訓つきあうわ」
揺杏「……」
由暉子(麻雀部は私のアイドル化計画が根底にあるので、衣装作りは本来なら正当な行為。
でも部長として目標を掲げたからには、それも犠牲にせざるを得ない。
部長職への嫌悪感を作り出す反則スレスレの一手! 誓子先輩、未だ底が知れません)
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:21:49.92 ID:6kl0QuAa0
爽「いやあ、そこまで断ち切ることはないでしょ。ユキもいくらか有名になったけど、
もっともっと露出していかなきゃ。初心は忘れないでほしいな」
誓子「衣装ならもうあるでしょ」
爽「毎回同じってわけにはいかないからな。常に話題を振りまかないとさ」
誓子「でも上に行かないと注目されないでしょう? 全国大会でこれまでの衣装着るのと、
地方大会で新しい衣装着るのではどっちがメディア効果あるか明白よね」
由暉子(この怒濤の攻め口、私は認識を誤っていましたね。
爽先輩は攻撃型で誓子先輩は守備型だと思ってたけど、誓子先輩も超攻撃型でした。
チャンピオンの連続和了りのような、恐るべきたたみかけです)
揺杏「でもなー、ライフワークだからやめらんないかな。ホントに必要になれば他の時間削りますよ。
早風呂するとか早弁して昼休み使うとか」
爽「そこまで部に懸けるんだな、えらいぞ。全国で新しい衣装がベストだもんな。
妥協しないで自分を追い込むストイックな精神を部長自ら体現すれば、部員もついてくるに違いない」
誓子「そこまでの覚悟があるなら何も言わないわ。ホントにできるんならね」
由暉子(あの揺杏先輩がここまで考えてるとは、人は予想を超えてくる……。
しかし誓子先輩は、まさかのドラ切りで親を流されたようなショックにも動じませんね)
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:24:26.37 ID:6kl0QuAa0
爽「では、部長を務めるにあたって、最も大切だと思うことは?」
揺杏「えー、難しいな……責任感……決断力、違うな……あ、驕らない心かな」
誓子「ふうん……」
揺杏「結局一人ができることなんて限られてるんだから、いかに部員と協力し合えるか。
立場持ったからって権力的にならないで、謙虚に務められるかってところですかねー」
誓子「なんだか頼りなく感じられるけど」
爽「そんなことないっしょ。そういう姿勢は部員にとって信頼の証として映るよ」
由暉子(お二人とも成香先輩のときとはまったく逆のこと言ってますね。
これぞ幼馴染ダブルスタンダード。脱帽です)
揺杏「そうそう、良いお手本を間近で見てきたしね」
誓子「……まあいいわ、次いきましょ」
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:27:18.25 ID:6kl0QuAa0
爽「それじゃあね、新入部員がなかなか勝てなくてむくれてたらどうする?」
揺杏「えー、そんなのその子の性格によって違うじゃないすか」
爽「そこまで細かく考えなくていいよ、直感で」
揺杏「そうだなー、とりあえず爽が前に言ってた、1万局打ったら8千局近くは和了れないって話するか」
爽「お、いいねいいね」
揺杏「あとは勝ち負けだけじゃなくて、当たり牌止めたとか安手で流せたとか、
そういう楽しみ方を伝えるかな」
爽「いやーちゃんと先輩の教えを受け継いでくれてるね。これは新年度も期待できるぞ。なあチカ」
誓子「……言うは易し、行うは難し。
それをヘラヘラ冗談めかして言うんじゃなくて、ちゃんと伝えられるの?」
爽「おまえなー、揺杏だっていつもいつもそんな調子じゃないの知ってるだろ」
誓子「どうかしら、ユキにだっていつもおふざけしてばっかりじゃない」
爽「それはチカが一部しか見てないからだよ」
誓子「じゃあやって見せてよ。私が新入部員役やるから、モチベーションを取り戻させるのよ」
揺杏「ええ!? 自分より上手い先輩相手じゃやりづらいんですけど……」
由暉子(うーん、敵もさるもの。泥仕合と化してますね)
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:30:00.82 ID:6kl0QuAa0
誓子「またラスかよ、つまんねー。麻雀なんて運ゲーじゃないっすか。クソゲーっすよ」
由暉子(だからなんでキャラ変えてくるんですか。優等生が不良ぶってるみたいでカワイイですけど)
揺杏「うん、まあそーだね、運の要素も大きいよね。
でもその運をどれだけ活用できるかは技術として身につくもんだよ」
誓子「そんなん言ったって、天和和了られたらどうしようもねーじゃねーっすか」
揺杏「あはは……どうあがいてもムダなときはあるよ。それでも、いつかはチャンスがやってくる。
四人で打ってれば、平均すればだいたい4回に1回チャンスが来る。
逆に言えば4回のうち3回はじっと耐える時間帯なんだ」
誓子「やっぱクソゲーじゃないすか」
揺杏「そう? 例えば釣りなんかだと、釣れなくてあーだこーだ試行錯誤してるときもワクワクしない?
今度こそ釣れるかもって」
誓子「入れ食い状態の方が楽しいっすよ」
由暉子(これは一発はたいた方がむしろ部長としての適切な振る舞いなのでは……)
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:34:43.69 ID:6kl0QuAa0
爽「それは違うな」
誓子「なによアンタ」
爽「久々に顔を出してみれば、ヤンチャな子が入ったね。OGの獅子原だよ」
由暉子(やっぱり入ってくるんですね。私もまざりたい……)
爽「キミは毎回天和を和了れたとして、それで楽しいか?」
誓子「そりゃ楽しいっすよ。毎回みんなハコらせて、最高じゃないっすか」
爽「最初はそうかもしれない。でもいつしかそれは、
自分の技術がまったく関係ない退屈な作業になるんだよ」
揺杏「そうそう。麻雀は運ゲーで、競技として欠陥って言う人がいるけど、
選択の余地がない方がもっと欠陥だよね」
爽「セオリーどおりにいくのか外してみるのか、押すか引くか。
ひとつひとつの選択に一喜一憂する、それが麻雀の醍醐味なんだよな」
揺杏「うん、良い方にも悪い方にも思ったとおりにいかないのがおもしろいんだよね。
ほら、東パツの桧森さんの倍ツモ、あれこそ麻雀って感じだったよ」
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:37:37.25 ID:6kl0QuAa0
誓子「ああ、あれは気持ち良かったわ……」
由暉子(あ、インハイの会心の和了りに浸ってますね)
爽「よし、これで練習再開。いいね揺杏、すでに部長の貫禄だよ」
誓子「……はっ! いやいや、都合良く爽がいるのおかしいでしょ」
爽「私がいなくても、実際は成香もユキもいるんだから助け船出すだろ。
ほら、さっきも言ってたろ、部長っていっても驕らずみんなと協力していくもんだって」
誓子「うーん、まあいいわ、わかりました」
爽「よーし、それじゃ最後に部員一人一人への思いの丈を吐き出してもらおうかな」
揺杏「え……全員?」
誓子「そうよ。四人しかいないじゃない」
揺杏「本人の目の前で?」
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:40:00.75 ID:6kl0QuAa0
爽「あのな、ストレートに思いをぶちまけられるぐらいじゃないと部長は務まらないぞ」
誓子「揺杏ってぱっと見だとちょっと怖い雰囲気あるから、私たちはともかく、
年下の子に安心感持ってもらうには素直に言えなきゃ」
由暉子(待ってましたよこの時を)
揺杏「はあ……わかりましたよ。出血大サービスね。まずはユキ! ユキはねー、いい子だよね。
ただおりこうさんってわけじゃなくて、思ったことちゃんと言うし、でも先輩を立ててくれるし。
くだらない冗談にも対応してくれるしさ、もうね、妹に欲しいぐらいだよね」
由暉子「そんな……私なんか……」
爽「うわ~この緩みきった顔」
誓子「お姉ちゃんって呼んでもいいのよ?」
由暉子(揺杏お姉ちゃん……ゆあ姉の方がいいかな……)
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:42:52.16 ID:6kl0QuAa0
揺杏「そんでもって誓子先輩は一目置いてるんだよね、実は。人当たりが良いけど締めるとこは締めるし。
けど先輩風みたいなのは感じなくて、優しく話聞いてくれるし。
包容力があるっていうか、一緒にいると安心感があるんだよね」
誓子「ふふ……揺杏にそう言ってもらえるとうれしいな」
爽「後輩には甘いからなーチカは。私には厳しいのに」
揺杏「それでまあ、爽か……。正直つきあい長すぎて今さらって感じするけど、
かけがえのない相棒だと思ってるよ、私は」
爽「おお……」
揺杏「どんだけ一緒にいても飽きないし、こんなに気が合うヤツこれからも出てこないと思う。
いくつになっても当たり前につながりがある気がしてるよ。というかそうあってほしい」
誓子「よかったじゃない爽。見捨てられずに済みそうよ」
爽「ふ、ふふふ、当たり前だろ。私の高尚な思考回路について来られるのなんて
おまえぐらいのもんなんだから、勝手に離れるんじゃないぞ」
由暉子(うわー強気な物言いのわりにこの照れ顔。見てられませんね)
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:44:29.77 ID:6kl0QuAa0
揺杏「最後に成香ね。んー、成香っておもしろいよね」
誓子「おもしろい?」
揺杏「いや、今までまわりにいたことないタイプだから新鮮だったんだよなー」
爽「新鮮ねえ」
揺杏「ほら、あいつほんと裏表がないっていうか、なんでも素直に受け止めるじゃない。
そんで気持ちのまんまに行動するし、思ったまんま言葉にするし」
誓子「うん、そうね」
揺杏「それがあまりに自然で……私さ、あいつのことなんていうか、崇拝してるとこあるんだよね」
爽「え、なんだそれ」
揺杏「元を辿ると1年のときからなんだ。これ成香には内緒にしてよ。
最初はあんまり良く思ってなかったんだよ」
誓子「……」
由暉子(おっと、これは誓子先輩は冷静でいられるのでしょうか)
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:47:44.06 ID:6kl0QuAa0
揺杏「1年のときあいつがちょっと困ってるようなことがあってさ。私にはなにも言わなかったけどね。
それをちょっと手助けしてやったら急激に懐かれて面食らったよ」
爽「あ、もしかしてクラスで孤立してたってやつ?」
揺杏「聞いたんだ。そうそれ。助けたのなんてほんの気まぐれだったからさ、始めは正直チョロいなーとか、
懐いてくるのウザいなーとか、トロくてハブられるのもわかるなーとか思ってたよ」
誓子「……ふーん」
揺杏「でもあいつといるとさ、あまりに打算が感じられないからだんだん凄いヤツなんじゃないかと
思えてきて。あんな純真さ私にはないから、今じゃマジで尊敬してるよ」
爽「なるほどなー」
揺杏「決定的だったのはね、それからちょっとして私が3年生にからまれたことあってさ。
なんか知らないけど生意気だって廊下でインネンつけてきたんだよ」
由暉子(なんだかそういう場面が似合う気がしてしまいました)
揺杏「そしたら成香がすっ飛んできて“揺杏ちゃんはいい人なんです~”ってかばうわけよ、涙目で。
そいつらが白けて去ってく間の成香の祈るようなポーズが神々しく見えたね」
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:49:23.65 ID:6kl0QuAa0
誓子「そんなことがあったんだ……」
爽「いや知らなかったな、成香のことそんな風に思ってたなんて。いつもからかってるくせに」
揺杏「まあね。いくらからかっても怒らない成香を見て、
やっぱこいつ神の使いなんじゃないのって再確認してるんだよ、なんつって」
爽「……それってさ、好きな子にはちょっかい出しちゃうってやつ、だったりして」
揺杏「あは、そーかもね」
誓子「え、なに、好きなの、なるかのこと」
揺杏「そりゃ好きですよー」
―――――――――――――
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:52:01.38 ID:6kl0QuAa0
揺杏「成香~、鞄持ってきたよ~」
由暉子「2年生の教室って少し緊張します」
成香「あ、揺杏ちゃんも終わったんですね。どっちが部長か決まったんですか?」
揺杏「まだだよ。それがさ、首脳会議があるから先帰ってろって。
やけに神妙な様子だったから、思わず鞄引っ掴んで部室出てきたよ」
成香「そんなに深刻なことなんでしょうか……そういえば私のときも面接終わったとき、
ちかちゃんがちょっと元気なかったような気がします」
揺杏「ふーん、なんだろね。ユキなんかわかる~?」
由暉子「……たぶん、ですけど」
揺杏「え、なに、教えてよ」
由暉子「おそらく爽先輩と誓子先輩は、お二人が相思相愛の仲だと思ってます」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:57:31.91 ID:6kl0QuAa0
成香「…………はい?」
揺杏「……なにいってんの?」
由暉子「成香先輩、聞かれましたよね、揺杏先輩のこと好きなのかって。それで“はい”って」
成香「だってそれ、お友達としてですよね」
由暉子「はい。もちろんそうです。揺杏先輩は成香先輩のこと好きって言ってましたね」
揺杏「面接の最後で言ったね。でもあれどう考えても友達としてってニュアンスだろー」
由暉子「はい。どう考えてもそうです。ところが、幼馴染フィルターがかかってしまったんです。
今あのお二人は大事な妹の姉離れ、いえ、
言うなれば一人娘の結婚式前夜のお父さんの心境なのです」
揺杏「……」
成香「……」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 20:59:54.15 ID:6kl0QuAa0
揺杏「それがマジだったら、相変わらずバカだね~二人とも」
成香「心配してくれるのはうれしいけど、ちょっと行きすぎちゃうんですよね」
揺杏「様子見に行くか。暴走しそうだったら誤解を解かなきゃな」
成香「でも今言っても聞く耳持たないんじゃないですか、今までのパターンからすると」
由暉子「とりあえずこっそり部室に戻って廊下で聞き耳立てましょう」
揺杏「楽しんでるだろ」
成香「……どうですか?」
揺杏「予想的中」
由暉子「お通夜状態ですね」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:02:32.57 ID:6kl0QuAa0
誓子「……だって10年よ、10年。10年も一番近くで見守ってきたのに……」
爽「私だってそうだよ。はあ……あいつに限って、ってのがそもそも間違いだったんだよなぁ」
誓子「いや、なにか勘違いしてるだけかも。だって今までそんな素振りあった!?」
爽「あいつらも隠し事ぐらいするだろ、いつまでも子どもじゃないんだよ」
誓子「このまま指をくわえて見てろっていうの?」
爽「あいつらのためを思うなら、受け入れて応援してやるべきなんじゃないのか?」
誓子「……やっぱり爽は強いわ。私はだめね、いざとなると取り乱しちゃって」
爽「そんなことないさ、私だって強がってるだけだよ」
誓子「やっぱりさ、私より爽が部長やるべきだったよね」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:04:49.66 ID:6kl0QuAa0
爽「また言ってんのか。何度目だよ」
誓子「だって爽の方が決断力あるし頭も良いし、リーダーシップあるし……」
爽「そういう力を発揮できたのも、チカが矢面に立ってくれてたからだろ」
誓子「確かに会議なんかは私が出てたけど、事前に根回ししてくれてたじゃない。知ってるんだから」
爽「だからさ、そういうのも代表者がチカだからこそ効果あるんだよ。私じゃ敵ばっかり作ってたよ」
誓子「爽っていう強力な後ろ盾がいてくれたから自信持って前に出られたの。
あなたなしじゃ私なんかなにもできなかったわよ」
爽「それはこっちのセリフだよ。私の思いつきをチカが受け止めてくれてたから、
安心してやりたいことやれてたんだ。感謝してるんだよ」
誓子「感謝してもされる覚えはないんだけどなあ。でも、ありがと」
爽「……久々にチェスでもやろうか」
誓子「いいわね。たまには1年生のときみたいに二人で……」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:07:11.09 ID:6kl0QuAa0
揺杏「……帰ろっか」
成香「そうですね、なんか良い雰囲気ですし」
揺杏「いっつもそうだよなー。私らに構って暴走して、最後は二人でわかり合ってんの」
成香「まわりが見えなくなっちゃうんですよね」
由暉子「いいじゃないですか、それだけ大事にされてるってことです。
……そういえば結局部長は決まりませんでしたね」
揺杏「そうだね……ユキはどっちがいい?」
由暉子「え、そんな、私にそんな権限は」
揺杏「だってさ、あの二人は私らに一票ずつ入れてるわけだろ。
んで私らはお互い相手の方がいいと思ってる。そうなるとあとはユキの一票だ」
成香「あの調子だといつまでも決まらないから、こっちで決めて承諾をもらう方がいいかもしれませんね」
揺杏「考えてみれば一番影響受けるのは部員のユキなんだから、意見は尊重するべきだよな」
成香「別に決定権ってわけじゃなくて、あくまでも参考に、ならどうですか?」
由暉子「それならまあ。でも、正直言ってどちらでも大きな変わりはありません」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:10:51.90 ID:6kl0QuAa0
揺杏「あら手厳しい」
由暉子「いえ、悪い意味じゃないです。どちらかが部長になれば、
もう一方はそのサポートに回るわけですよね」
成香「そうなりますね」
由暉子「私はお二人についていきますから、部長がどちらでも変わりはないんです。
今日、思いを聞けてうれしかったですし……」
揺杏「そう? そう言ってくれるとありがたいけど」
由暉子「……人数少なくても副部長はいるんですか?」
成香「はい。部には必ずいなきゃいけないはずです」
揺杏「今は一応爽が副部長なんだよね。もしものときは部長の代理になるんだって」
由暉子「それなら、それぞれ幼馴染から職を引き継いではどうでしょう。一意見ですけど……」
成香「そうなると私が部長ですか……うん、ちかちゃんとも約束しましたし、
私でよければがんばりたいです!」
揺杏「もしそれで決まっても、任せっきりにしないで私もいろいろ働くからさ。よろしくね」
由暉子(やっぱりみなさんに出会えてよかった……私も先輩たちのためにがんばらないと……!)
―――――――――――――
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:12:17.95 ID:6kl0QuAa0
由暉子「成香先輩、生徒会が探してましたよ、会議始まってるって」
成香「部長会議怖いです……」
揺杏「腹くくって早く行きなよ。吹奏楽部の圧力に負けんなよー」
由暉子「麻雀部の顔なんですから、しっかりしてください」
成香「うう……行ってきます」
揺杏「あっはっは、部室取られないといいけど」
由暉子「……」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:16:18.70 ID:6kl0QuAa0
由暉子「先輩、この前お願いした牌譜、どうなりましたか?」
揺杏「ん~、なんだっけそれ」
由暉子「県予選のときの、先輩が持ってるって」
揺杏「あ、やっべ! ごめんごめん、持ってくるの忘れてた。
いや毎日思い出してはいたんだよマジで。寮から取ってくるから。すぐ戻るよ」
由暉子「……」
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:18:35.72 ID:6kl0QuAa0
爽「おっすー。あれ、ユキだけ? どうだー新生麻雀部は」
誓子「なるか、なんだかんだ頼りになるでしょ。ああやって責任あるポジションに就くと見違えるのよ」
爽「揺杏もやるときゃやるヤツだからな、後輩の頼みは無碍にはしないはずだよ。どんどん頼れ」
由暉子「……そうですね。先輩方は幼馴染のことをなんでも知ってるんですよね」
爽「え? まあね」
誓子「なるかのことなら知らないことはないわ」
由暉子「幼馴染理解度勝負しましょう。○×で答えてください」
爽「お、やるか」
誓子「どうしたの、いいけど」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:20:31.80 ID:6kl0QuAa0
由暉子「第1問、幼馴染は最高だ」
爽「あはは、○」
由暉子「第2問、幼馴染は一日にして成らず」
誓子「○ね」
由暉子「第3問、幼馴染は盲目」
爽「え……○?」
由暉子「第4問、ノー幼馴染ノーライフ」
誓子「……」
由暉子「第5問、はじめに幼馴染があった」
爽「やべえ、ユキが壊れた」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:22:35.54 ID:6kl0QuAa0
由暉子「善人なほもつて往生をとぐ、いはんや幼馴染をや」
誓子「ユキー、帰ってきてー」
由暉子「天は幼馴染の上に人を造らず。すべての道は幼馴染に通ず」
爽「……」
由暉子「隣の幼馴染は青い」
誓子「……」
由暉子「すっぱい幼馴染」
誓子「ユキ、もしかして……」
爽「第6問、私も幼馴染がほしかった」
由暉子「……まる」
おしまい
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 21:41:17.57 ID:UcQMcPn5o
乙
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:53:42.73 ID:NZbWUSbko
乙です
もう全員で付き合っちゃえばいいんじゃないかな
もう全員で付き合っちゃえばいいんじゃないかな
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 05:04:43.46 ID:bN8Ym+rzO
クッソおもしろかったおつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428153818/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ 咲-Saki- | Comments (0)
佐藤心「どこからでもどうぞ!どうぞっつってんだろ☆」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 02:13:19.14 ID:fn89apzAO
はぁと様は最後にすると言ったな
あれは嘘だ
本編は起きてから
R18かもしれない
あれは嘘だ
本編は起きてから
R18かもしれない
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:00:43.40 ID:fn89apzAO
あれはいつだったかしら
机の下にいる子達と話をしてから
…ほんの出来心で、そこに潜り込んで
はぁと、うとうとしちゃって…目が覚めたら
…明らかにアレな声が聞こえた
はぴはぴできゅんきゅん☆
じゃねえよ!いい加減にしろ♪
…はっ、殺気を出したら気づかれちゃうわね☆
声の主は諸星のきらりと、あの子の担当プロデューサーだった
…ここ、事務所だぞ☆
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:11:52.70 ID:fn89apzAO
きらりちゃんはちょっと背が高くてかわいい女の子で
その担当は2メートルを超える大男
…普段からは考えられないような
甘い声を絞り出す乙女、…って感じ?
仲はいいとは思ってたけど
まさかここまでだったとは
はぁとびっくり☆
…あの子も、やっぱり、女…なんだなあ
はぁとはアイドルだから
一応、遠慮してたつもりだったけど
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:20:10.95 ID:fn89apzAO
とても長い時間に思えた
嬌声と、物音が止んでから…数分か、数十分か
高まる鼓動を抑えてから
慎重に…部屋を出た
…ハズだった
…心ちゃーん☆
ありえない、何かの間違いではないのか?
はぁと、いつもは見えない星が見える気がするぞ☆
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:30:01.89 ID:fn89apzAO
…ふー☆
はぁとは元々プロデューサーを悪く思ってたわけじゃないし☆
ううん、メロメロ☆と言っても過言じゃない
アイドルと、プロデューサーの
あんなシーンに出くわしてしまったら
意識は、してしまう
…そうだ、ウジウジするのは…はぁとらしくないぞ♪
しゅがーはぁとアタック・はりけーんスペシャル☆
やるよ☆
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:39:18.59 ID:fn89apzAO
アルコールの勢いを借りてもいいのだけど
お互いはっきり覚えてなければ、意味はない
仕事が一段落した彼の背後から…
腕を回し、抱きしめて、囁く
…はぁと、今夜はずっとプロデューサーと一緒にいたいな♪
はぁと大胆☆
…当ててんだよ☆
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:47:44.20 ID:fn89apzAO
流石に、すぐには応じてはくれない…が
はぁと、制圧前進☆
事務所なんて♪気にしない♪
彼の顔に両手を添えて
視線を交えた後
ゆっくりと…しっかりと
唇を…重ねた
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 12:59:03.69 ID:fn89apzAO
あの人は、拒まない
舌を絡め…歯をなぞり、唾液を混ぜ合わせて
まるで、何度も愛し合った事があるかのように
求め合う
彼の手を、はぁとの胸に引き寄せて
先端に指先を触れさせる
ほら☆つけてないんだぞ?
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:14:14.26 ID:fn89apzAO
…はぁとの体が、ふわりと浮いた
これって、いわゆるお姫様抱っこかな☆
お持ち帰りされちゃ~う♪
悪ふざけしてみるが、体の疼きは止まらない
軽々と…仮眠室のベッドへ運ばれて
仰向けで…足を開かされる
下は…はいてたけど、ヤバい☆
恥ずかしいものは恥ずかしい
冷静になる暇もなく
すぐさま下着を引き抜かれ…
まだ、はぁとのはぁとを見せてないのに、そっちからかよ☆
はぁとの疼きを…暴かれる
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:22:12.64 ID:fn89apzAO
わかったわよ、どこからでもどうぞ!
…どうぞっつってんだろ☆
両手でシーツをギュッと掴む
外気に晒されたまま無防備な下半身に
彼の指が触れていく
一つ一つの刺激が、【私】の女を見られる事が
嬉しくて…吐息が漏れる
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:23:58.75 ID:fn89apzAO
ところではぁと様、経験あり・なし
どっちがいい?(表現出来るとは言ってない
どっちがいい?(表現出来るとは言ってない
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:38:37.58 ID:fn89apzAO
…撮らないでよ!撮るな☆
顔映ってないから…じゃねえよ☆
指で広げられたそこを、なす術なく記録される
いや…抵抗しようと思えば出来るけど
恥ずかしさすら…気持ち良かった
とってもスウィーティー♪という表現すら最早生ぬるい
ところで胸…触んないの?
はぁとの投げた問いは
自分から触らせた胸より
こっちの方が反応が楽しい、と返された
こいつぅ☆覚えてろよ☆
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:48:53.20 ID:fn89apzAO
☆取りとバスケ両方やれというのか
よかろう、祈るがいい
よかろう、祈るがいい
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 13:57:52.71 ID:fn89apzAO
は、はぁとは…初めてなんだから、優しく…してよね?
言わせないでよ☆恥ずかしいだろ☆
プロデューサーを受け止めるにはまだ狭いであろう
はぁとの、秘密の場所
いっ…あっ…ああああっ!
痛い…ハンパないっ…!
ちょっと、甘く見過ぎてた
だけど…悪くない、かも?
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 14:08:40.98 ID:fn89apzAO
気をつかってくれているのか
プロデューサーはアレを激しく抜き差しせず
はぁとを抱きしめて…
奥を緩くつつくだけ
だけど…甘い痺れが、心地よい
なるほど☆
きらりさんも溺れるわけね…
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 14:16:27.83 ID:fn89apzAO
もっと…はぁとって呼んで!呼べ☆
再び重なる唇
愛し、愛される幸せに浸りながら
強がりも交えて…精一杯、彼に甘える
出すなら、中でいいよ?離さないけど☆
出来たら責任取ってね♪
…そもそもゴム付けてない、ってオチ?
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 14:26:21.95 ID:fn89apzAO
気持ちいいけど、イキ切れない
そんな状態が見抜かれたのか、彼の手が胸へ移ってきた
公称はぼんっきゅっぼんっとしてるけど
…まあ、そこそこはあるつもり
はぁとの膨らみが、彼の手に追従するように…形を変える
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:04:53.85 ID:fn89apzAO
やっぱ、なんだかんだプロデューサーは優しいわ☆
はぁとの事を良く見てる…
もっと愛して?愛せよ☆
他の女に目を奪われたら…何が起きても知らないよ?
爆発とか☆
…っ…あっ…は…っ
静かに押し寄せる波に飲まれて…
はぁとは…違う世界を見た気がした
両目を閉じて、ありったけの力で
彼に…抱きついた
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:11:35.07 ID:fn89apzAO
…中に、出した?
それとも、はぁとだけイっちゃった?
満足できなかったら、ゴメンね?
次はハードにアタックしても大丈夫☆
2人で、もっとスウィーティーになっちゃおう?
…ありがとう
これからも、しゅがーはぁとを…よろしく☆
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:22:35.58 ID:fn89apzAO
はぁと達が繋がった後のシーツには
わずかに血が刻まれていた
流石にどこぞの誰かのように
混乱することはなかったけど…
とりあえずシーツ交換しなきゃね☆バレるぞぉ☆
と、笑いながらキスをする
もう…当たり前のように
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:24:42.19 ID:fn89apzAO
…大丈夫ですかこのプロダクション
きらりさんやはぁとだけでなく
愛梨ちゃんもそういうことしてたとは
はぁと達はパッション部門ってカテゴリに分けられてるわけだけど
他の部門はどうなっているのやら☆
お前部門違うだろ!色々混ざってるよね!って子もいるけど…
まあいっか☆外にバレなきゃノーカン☆
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:43:44.92 ID:fn89apzAO
はぁとは、完全に彼の望むように変えられた
心は当然、シュガシュガスウィート☆
経験の浅かった体も…少しずつ慣れ始めてからは
欲望をこれでもかとぶつけられ
まさにジャストフィット☆という感じ
写メは毎回のように撮られている
これ初めての時のでしょ♪はぁとに見せるな☆
他人もダメ♪見せたら執念で地獄まで連れてくぞ☆
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 15:57:15.94 ID:fn89apzAO
今日は、プロデューサーの寝込みに迫った
はぁとのあそこだけ見えるように服をずらし…
彼の顔の前に、近づけて
指をねじ込み…自らを慰める
目覚めぬ彼を見ながら、声を抑え…体に熱を蓄えて
愛液を、浴びせる
深い眠りなのか、寝たフリをしているのか
…起きてるんでしょ?起きろ☆
寝ていなければわかる程度の小さな声で…挑発を続ける
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 16:13:57.71 ID:fn89apzAO
あんっ…あっ……っっ、い…あっ…!
プロデューサーを感じていると…やっぱすぐイケるのかな?
…まだ目立った反応がない
まさか死んでないよね☆
意を決して…物理的はぁとアタック…
彼の愛撫をイメージして、スウィーティーにとろけたそこを
唇に押し当てる
それだけで…まだ舐められていないのに
体から力が抜けるようだった
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 16:28:14.33 ID:fn89apzAO
程なくして、別の感触が襲ってくる
いつから起きてたの?
それに答える事なく…プロデューサーの舌がはぁとの中を探り始めた
あ…はっ…答えてよっ…、きゃんっ…あ、答え…られない、かっ…♪
唇は塞いでいるから、当然だよね
刺激に乗じ…自分の乳首を強く引っ張って
歓喜の喘ぎを…彼に伝える
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 16:52:30.88 ID:fn89apzAO
…はっ、このままじゃまた一方的にハメられちゃう☆
今日のはぁとは…いつもと違うの♪
物理的はぁとアタック・サイドしゅがー☆
はぁとの胸で、プロデューサーのアレを挟み込む
…思ったより難しいわ☆
時折先端を舐めて…プロデューサーの表情を確かめる
好きなんでしょ?こういうの☆
効果は…あるようね
出していいよ?出せ☆
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 17:22:20.55 ID:fn89apzAO
口の中に取り込み、吸い上げて
何度もはぁとを白く染めた…流れ込む液体を、味わう
味は…ノーコメント☆
飲めなくはないよ?
何なら…口移しとか☆
遠慮する…と微笑む彼から一旦離れて
甘いジュースを取り、一口…飲み込む
そしてもう一口含んでから…
唾液ごと、彼の唇へ流し込んだ
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 17:34:47.66 ID:fn89apzAO
やっぱダメね☆
プロデューサーの熱を体に受け入れたら
どんなにやる気を出していても
私は彼の物になる
いっ…く、うぅうっ……!
まずは後ろから…胸を好き放題にされながら、一度
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 17:43:12.43 ID:fn89apzAO
やっ…だっ、はぁと、飛んじゃうっ…飛んじゃうってばぁ…!
正面で一度
深く繋がる形で一度
他は…どんな姿勢だっけ?
プロデューサー、本当にスタミナあるよね
それに付き合うはぁとも大概か☆
交わりが終わった後
かき混ぜられた2人の液体を
指で掬い…垂らす光景を眺めるのが
何だか楽しかった
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 20:08:34.65 ID:fn89apzAO
プロデューサー
はぁとの事…離さないでよ?
年が年なんで☆
ほら、もっとぎゅー♪ってしてよ、ぎゅーって♪
…ね?
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 20:20:55.99 ID:fn89apzAO
おしまい
次は誰だ、友紀か!智絵里か!
智絵里に強化チョップされる人生も悪くないかな
次は誰だ、友紀か!智絵里か!
智絵里に強化チョップされる人生も悪くないかな
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 20:40:34.78 ID:ZXl4KQYPo
はぁと最高だぜ……ありがとう……
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429981999/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
【モバマス】「綾瀬穂乃香。趣味、特技、どちらもバレエです」
1: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 15:45:44.80 ID:WEzLO5jE0
モバPは新人プロデューサーの設定です
多分フリスクは出ません。ほぼ穂乃香しか出ないと思います
アイドルになる前の話を書こうと思います
多分フリスクは出ません。ほぼ穂乃香しか出ないと思います
アイドルになる前の話を書こうと思います
2: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 15:46:39.86 ID:WEzLO5jE0
最初は小さな舞台だった
初めての舞台で、初めての賞状
今でも家に大切に保管してある
少し気恥ずかしくて、すごく嬉しかった
あの日からバレエは私の全てだった
あれから10年以上経った今日もレッスン場に向かい
穂乃香「よろしくお願いします」
代わり映えの無い練習をこなし
穂乃香「お疲れ様でした」
いつものように別れを告げる
自宅に帰り、母の作った料理を食べて、お風呂に入り
明日に疲れを残さぬようストレッチをして、寝る
バレエに限界を感じる。はっきり言ってスランプだ
私には何かが足りない。何かが足りないのは分かっているのに
今日もそれが何か分からないまま終わる
それはこのまま練習を重ねていけば分かるようになるのだろうか
少し疑問に思ったけれども、すぐに考えるのを止めた
今までも、そしてこれからもバレエを続けるのに無駄な疑問だから
積み重ねていけばきっと分かるようになるはずだと、不安な気持ちを押し殺した
初めての舞台で、初めての賞状
今でも家に大切に保管してある
少し気恥ずかしくて、すごく嬉しかった
あの日からバレエは私の全てだった
あれから10年以上経った今日もレッスン場に向かい
穂乃香「よろしくお願いします」
代わり映えの無い練習をこなし
穂乃香「お疲れ様でした」
いつものように別れを告げる
自宅に帰り、母の作った料理を食べて、お風呂に入り
明日に疲れを残さぬようストレッチをして、寝る
バレエに限界を感じる。はっきり言ってスランプだ
私には何かが足りない。何かが足りないのは分かっているのに
今日もそれが何か分からないまま終わる
それはこのまま練習を重ねていけば分かるようになるのだろうか
少し疑問に思ったけれども、すぐに考えるのを止めた
今までも、そしてこれからもバレエを続けるのに無駄な疑問だから
積み重ねていけばきっと分かるようになるはずだと、不安な気持ちを押し殺した
3: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 15:49:02.31 ID:WEzLO5jE0
-数日後-
いつもならレッスンをしている時間に私は駅前に来ていた
参考書の購入のためとは言えレッスンを休むのは、少し新鮮な気分だった
ここを右に曲がって、寂れた広場を抜ければ本屋はすぐ、のはずだった
いつもほとんど人のいない寂れた広場のはずが、少し違った
見慣れない簡易ステージがあり、そこに人が集まっていた
ステージの上に同い年くらいの女の子が立っていることに気づいた
ちょうど始まるようだ。曲が流れる。聞いたことは無い
いつもの私なら見向きもしないだろうが、スランプで疲れていたせいかもしれない
ジャンルは違えど、舞台の上の作品だ。何か得られるものがあるかもしれない
なんて言い訳を考えながら、足を止めて見ていく事にした
出だしから見て人並みと分かる、どう贔屓目に見ても私の方が上手く踊れるはずだ
それなのに、それなのに体が震えた。目が離せなかった。
そこには私の探していたものがあったと思った。ようやく、見つけた
いつもならレッスンをしている時間に私は駅前に来ていた
参考書の購入のためとは言えレッスンを休むのは、少し新鮮な気分だった
ここを右に曲がって、寂れた広場を抜ければ本屋はすぐ、のはずだった
いつもほとんど人のいない寂れた広場のはずが、少し違った
見慣れない簡易ステージがあり、そこに人が集まっていた
ステージの上に同い年くらいの女の子が立っていることに気づいた
ちょうど始まるようだ。曲が流れる。聞いたことは無い
いつもの私なら見向きもしないだろうが、スランプで疲れていたせいかもしれない
ジャンルは違えど、舞台の上の作品だ。何か得られるものがあるかもしれない
なんて言い訳を考えながら、足を止めて見ていく事にした
出だしから見て人並みと分かる、どう贔屓目に見ても私の方が上手く踊れるはずだ
それなのに、それなのに体が震えた。目が離せなかった。
そこには私の探していたものがあったと思った。ようやく、見つけた
4: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 15:50:41.50 ID:WEzLO5jE0
あれからの記憶が曖昧だ。帰宅した私の手元には参考書と、DVDがある
CDもあったような気がするけど、ダンス映像も収録されているDVDを買っていた
参考書を袋に入ったまま机の上に置き、DVDレコーダーを起動させる
いつもはバレエのダンスが再生されるテレビには先ほどのアイドルが映っている
広場で聞いた曲と同じ曲だ。何度も再生した。何度も、何度も、覚えてしまうくらいに
それなのに探しものは分からなかった。ならばと思い、踊ってみた。
コンクールの課題曲よりずっと簡単だったため、すぐに覚えられた。
しかし映像よりどれだけ上手く踊っても、もしかしたらと思い歌いながら踊っても分からなかった
何度見返してみても、真似しても、結局あの時見つかったと思った探し物は見つけられなかった
今日はバレエの練習が無かったから、少し早めの夕飯だった
母は妙にニコニコしながら、私に話しかけてきた
穂乃香母「今日は何か歌っていたけど、良い事でもあった?」
何度も何度も歌っていれば聞かれるのも当たり前だ。
穂乃香「ちょっと、気になる曲があって・・・ごめんなさい」
隣家とは距離があるので、近所迷惑とまではいかないけれど、母には聞こえていたはずだ
穂乃香母「大丈夫。最近ずっと思いつめてた気がしたから、気分転換になったかしら?」
なんとなく気づかれていたのは分かっていた。黙って見守ってくれてた母の優しさにも
「それに穂乃香がバレエ以外の事に興味を持つなんて、嬉しいくらいよ」
バレエのためにやってみただけ、とは何故か言えなかった
「熱心に歌ってたみたいだし、お母さんに聞かせてほしいわ。ダメかしら?」
「ダンスならいいけど、さすがに恥ずかしいから・・・」
「じゃあダンスを見せてね。さっきの歌、踊りもあったのでしょう?」
いいと言った手前断れなかった。結局歌いながら踊ることになったけれども、悪い気はしなかった
そしてなんとなくうっすらとではあるが、バレエのスランプの原因が分かるような気がした
この一曲だけではあるが、アイドルの踊りの練習も続けていった
CDもあったような気がするけど、ダンス映像も収録されているDVDを買っていた
参考書を袋に入ったまま机の上に置き、DVDレコーダーを起動させる
いつもはバレエのダンスが再生されるテレビには先ほどのアイドルが映っている
広場で聞いた曲と同じ曲だ。何度も再生した。何度も、何度も、覚えてしまうくらいに
それなのに探しものは分からなかった。ならばと思い、踊ってみた。
コンクールの課題曲よりずっと簡単だったため、すぐに覚えられた。
しかし映像よりどれだけ上手く踊っても、もしかしたらと思い歌いながら踊っても分からなかった
何度見返してみても、真似しても、結局あの時見つかったと思った探し物は見つけられなかった
今日はバレエの練習が無かったから、少し早めの夕飯だった
母は妙にニコニコしながら、私に話しかけてきた
穂乃香母「今日は何か歌っていたけど、良い事でもあった?」
何度も何度も歌っていれば聞かれるのも当たり前だ。
穂乃香「ちょっと、気になる曲があって・・・ごめんなさい」
隣家とは距離があるので、近所迷惑とまではいかないけれど、母には聞こえていたはずだ
穂乃香母「大丈夫。最近ずっと思いつめてた気がしたから、気分転換になったかしら?」
なんとなく気づかれていたのは分かっていた。黙って見守ってくれてた母の優しさにも
「それに穂乃香がバレエ以外の事に興味を持つなんて、嬉しいくらいよ」
バレエのためにやってみただけ、とは何故か言えなかった
「熱心に歌ってたみたいだし、お母さんに聞かせてほしいわ。ダメかしら?」
「ダンスならいいけど、さすがに恥ずかしいから・・・」
「じゃあダンスを見せてね。さっきの歌、踊りもあったのでしょう?」
いいと言った手前断れなかった。結局歌いながら踊ることになったけれども、悪い気はしなかった
そしてなんとなくうっすらとではあるが、バレエのスランプの原因が分かるような気がした
この一曲だけではあるが、アイドルの踊りの練習も続けていった
5: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 15:53:21.78 ID:WEzLO5jE0
-数日後-
今日は文化祭の日だ。さすがに今日はバレエの練習は休みだ
自分はクラスの展示会の受付当番だったが、さっき時間が来たのでクラスメイトと交代した
特に見たいものはないので、時間をつぶすために各部屋の展示会を見ていくことにした
校内を歩いていると、何かを探しているようすの同級生と目が合った。こちらに向かってくる
同級生「穂乃香さん!お願いがあるの!」
どうかしましたか?と言おうと思った瞬間だった。いきなり何事かと思った。
穂乃香「え?えっと、どうしました?」
同級生「アイドル研究会を助けて欲しいの!」
穂乃香「え?えっと?」
今日の催し物でアイドル研究会がコピーライブを行う予定だったが、
リーダーが先ほどリハーサルで怪我をしたらしい。急遽調整をしたものの時間が余る
そこでバレリーナの私に時間をつないでほしいとのことだった。
同級生「歌わなくていいから、バレエを少し踊って欲しいの」
同級生「クラシック曲は何曲か部室にあるし、一曲だけでもいいからお願い!」
穂乃香「えっと・・・」
困った。いきなり言われても踊ることは出来なくもないが、今回は無理なのだ
学校用意した特設のステージは小さく、バレエを踊るには動きも制限される
バレエ・・・なら・・・?
穂乃香「あの、アイドルの曲はどんな曲がありますか?」
同級生「大体はあるよ。もしかして踊れるのがあるの?」
穂乃香「・・・えっと、曲名は・・・」
今日は文化祭の日だ。さすがに今日はバレエの練習は休みだ
自分はクラスの展示会の受付当番だったが、さっき時間が来たのでクラスメイトと交代した
特に見たいものはないので、時間をつぶすために各部屋の展示会を見ていくことにした
校内を歩いていると、何かを探しているようすの同級生と目が合った。こちらに向かってくる
同級生「穂乃香さん!お願いがあるの!」
どうかしましたか?と言おうと思った瞬間だった。いきなり何事かと思った。
穂乃香「え?えっと、どうしました?」
同級生「アイドル研究会を助けて欲しいの!」
穂乃香「え?えっと?」
今日の催し物でアイドル研究会がコピーライブを行う予定だったが、
リーダーが先ほどリハーサルで怪我をしたらしい。急遽調整をしたものの時間が余る
そこでバレリーナの私に時間をつないでほしいとのことだった。
同級生「歌わなくていいから、バレエを少し踊って欲しいの」
同級生「クラシック曲は何曲か部室にあるし、一曲だけでもいいからお願い!」
穂乃香「えっと・・・」
困った。いきなり言われても踊ることは出来なくもないが、今回は無理なのだ
学校用意した特設のステージは小さく、バレエを踊るには動きも制限される
バレエ・・・なら・・・?
穂乃香「あの、アイドルの曲はどんな曲がありますか?」
同級生「大体はあるよ。もしかして踊れるのがあるの?」
穂乃香「・・・えっと、曲名は・・・」
6: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:01:35.60 ID:WEzLO5jE0
曲は問題なくあるそうだ。後は曲に合わせて踊るだけ、のはずだった
同級生「あるにはあるけど、オフボーカルしかない」
どうしてそうピンポイントで無いのだろうか
同級生「会長がオフボーカルを好む人だから曲によってそれしかなくて。歌は覚えてる?歌える?」
穂乃香「歌えるとかそういう問題ではなくて、後ろで代わりに誰か歌ってもらえれば・・・」
同級生「大丈夫!歌も上手いって聞いてるから、大丈夫!」
何が大丈夫なのだろうか。最初歌わなくていいと言っていたはずなのに・・・問題しかない
部室にあった適当な衣装を着せられて、マイクをつけられ、ステージの上に立たされた
了承をした記憶が無いが、押し切られていた。仕方ない、今は課題に集中しよう。
同級生「次はアイドル研究会が誇る隠し玉、綾瀬穂乃香のライブを見てください!どうぞ!」
私は部員でもなんでもないと言いたかったが、曲が始まってしまい集中せざるを得なかった
最近家で何度も踊り、歌った歌だ。難なく歌い踊りきった
ただ、踊っている時に違和感を感じていた。同じ踊ることなのにバレエと何かが違う
何かではない、分かっている。バレエで感じたスランプを感じなかったことだ
バレエのダンスより簡単な踊りだから?歌を歌っているから?
そうであれば家で練習をしている時にも違和感を感じているはずだ。
結局悩みのタネが複雑になっただけで、スランプは解消されることは無かった
同級生「あるにはあるけど、オフボーカルしかない」
どうしてそうピンポイントで無いのだろうか
同級生「会長がオフボーカルを好む人だから曲によってそれしかなくて。歌は覚えてる?歌える?」
穂乃香「歌えるとかそういう問題ではなくて、後ろで代わりに誰か歌ってもらえれば・・・」
同級生「大丈夫!歌も上手いって聞いてるから、大丈夫!」
何が大丈夫なのだろうか。最初歌わなくていいと言っていたはずなのに・・・問題しかない
部室にあった適当な衣装を着せられて、マイクをつけられ、ステージの上に立たされた
了承をした記憶が無いが、押し切られていた。仕方ない、今は課題に集中しよう。
同級生「次はアイドル研究会が誇る隠し玉、綾瀬穂乃香のライブを見てください!どうぞ!」
私は部員でもなんでもないと言いたかったが、曲が始まってしまい集中せざるを得なかった
最近家で何度も踊り、歌った歌だ。難なく歌い踊りきった
ただ、踊っている時に違和感を感じていた。同じ踊ることなのにバレエと何かが違う
何かではない、分かっている。バレエで感じたスランプを感じなかったことだ
バレエのダンスより簡単な踊りだから?歌を歌っているから?
そうであれば家で練習をしている時にも違和感を感じているはずだ。
結局悩みのタネが複雑になっただけで、スランプは解消されることは無かった
7: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:06:11.43 ID:WEzLO5jE0
挨拶もそこそこに着替えの置いてある研究会の部室に向かって歩いていると
???「あの、すみません、よろしいですか!?」
後ろから聞こえた大きな声に振り向くと男性がこちらに向かってきているのが見えた
???「私、モバPといいます。単刀直入に言います。アイドルやりませんか?」
立ち止まっていると、私の目の前で止まり、男性はいきなり名刺を差し出してきた。
勢いで受け取ってしまった名刺にはシンデレラガールズプロのモバPと書いてあった。
穂乃香「あ、あの・・・」
答えに窮しているとモバPさんは何か察したのか謝罪をしてきた。
モバP「あ、引き止めてすみません。もし興味があれば名刺の電話番号に連絡をください」
質問でも何でもあれば受けますので、と言って一礼すると去っていった
なんというか・・・台風のような人だと思った
友人にそれとなく聞いてみると最近名前が売れ出したアイドルが所属しているらしい
出来たばかりではあるものの、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍をしている、とのことだった
アイドルに興味は無い。いや、バレエ以外には興味が無い
でも文化祭で踊った時に分かりかけた、私のバレエに足りないものが分かるかもしれない
ただただバレエの飛躍のためにアイドルを利用することに決めた
穂乃香「もしもし、モバPさんですか?綾瀬穂乃香です。はい、そのことなのですが・・・」
???「あの、すみません、よろしいですか!?」
後ろから聞こえた大きな声に振り向くと男性がこちらに向かってきているのが見えた
???「私、モバPといいます。単刀直入に言います。アイドルやりませんか?」
立ち止まっていると、私の目の前で止まり、男性はいきなり名刺を差し出してきた。
勢いで受け取ってしまった名刺にはシンデレラガールズプロのモバPと書いてあった。
穂乃香「あ、あの・・・」
答えに窮しているとモバPさんは何か察したのか謝罪をしてきた。
モバP「あ、引き止めてすみません。もし興味があれば名刺の電話番号に連絡をください」
質問でも何でもあれば受けますので、と言って一礼すると去っていった
なんというか・・・台風のような人だと思った
友人にそれとなく聞いてみると最近名前が売れ出したアイドルが所属しているらしい
出来たばかりではあるものの、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍をしている、とのことだった
アイドルに興味は無い。いや、バレエ以外には興味が無い
でも文化祭で踊った時に分かりかけた、私のバレエに足りないものが分かるかもしれない
ただただバレエの飛躍のためにアイドルを利用することに決めた
穂乃香「もしもし、モバPさんですか?綾瀬穂乃香です。はい、そのことなのですが・・・」
8: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:07:33.29 ID:WEzLO5jE0
土曜日に駅前の喫茶店でお話しすることになった。初対面は時間も無かったので、
今回しっかり見る機会となったが、細身の長身で顔はどちらかと言えば可愛い人だと思った
モバP「先日の勧誘はいきなりですみませんでした。聞きたいことがあればなんでも」
穂乃香「いえ、特に質問はありません」
「綾瀬穂乃香。趣味、特技、どちらもバレエです。
これまでいくつも賞を取ってきましたが、自分の表現力に限界を感じています…。
自分自身に満足したいんです。ご指導お願いします!」
私はアイドルになった
今回しっかり見る機会となったが、細身の長身で顔はどちらかと言えば可愛い人だと思った
モバP「先日の勧誘はいきなりですみませんでした。聞きたいことがあればなんでも」
穂乃香「いえ、特に質問はありません」
「綾瀬穂乃香。趣味、特技、どちらもバレエです。
これまでいくつも賞を取ってきましたが、自分の表現力に限界を感じています…。
自分自身に満足したいんです。ご指導お願いします!」
私はアイドルになった
9: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:15:14.13 ID:WEzLO5jE0
もう少し続き書きます。
アイドルになって少ししてからくらいの話です。
視点はモバPに変更しました。
-事務所-
モバP「綾瀬さんの他にダンス能力を活かせる仕事は・・・」
バレエ経験者と言うこともあって、バックダンサーのエキストラなど踊る仕事が多い
ダンスについては非常に真面目で頭も良く、覚えもいいと評判もいい
しかしメインキャストの仕事はなく、人気どころか知名度が無いと言える状態だ
ちひろ「お疲れ様です。お茶どうぞ。先ほどから悩んでいる様子でしたが、どうしました?」
モバP「ありがとうございます。綾瀬さんなんですけど才能もある。度胸もある。場慣れもしている」
ちひろ「そうですね。バックダンサーとは言え、いきなり大勢の前に出たのにしっかりこなしましたからね」
モバP「はい。それなのに大きな仕事が持ってこれない、自分の営業能力のなさに頭を抱えていました」
ちひろ「そうだったんですか。そういえば先ほどもダンスがと呟いていましたが、一回試してみては?」
モバP「試すとは・・・例えば大きなバレエコンクールとかですか?」
ちひろ「逆ですよ。まったくバレエと無関係の仕事をです。前から思っていたのですが」
ちひろ「モバPさんがバレエに拘り過ぎなんじゃないですか?」
そのたった一言で本当に目が覚めたような気がした。
そういえば綾瀬さんは言っていた。アイドルになって表現力を高めたいと
ダンスやバレエに関係の無い仕事の方が良い影響を与えるかもしれない
モバP「ああ、どうしてそんな簡単な事を。ありがとうございます。目が覚めました」
ちひろ「そうですか。良いアドバイスが出来たみたいですね。よかったです」
モバP「ええ、ありがとうございます。心配させてすみませんでした」
ちひろ「いえいえ♪では、頑張ってくださいね」
先輩のCuPさんとPaPさんのおかげで仕事はすぐに見つかった
モバP「綾瀬さん、ちょうどいいところに」
穂乃香「モバPさん、どうしましたか?」
モバP「ああ、仕事の話なんだけど、5日後の13時から」
穂乃香「はい。時間が無いですが、頑張ります。ところで今回はどんな曲なんでしょうか?」
モバP「あー・・・今回はダンス関係じゃないんだ。とある料理番組の収録なんだ」
穂乃香「あ・・そうですか。いえ、アイドルですからそういうのもありますよね」
モバP「料理もバレエの表現力のヒントになる、かも・・・もしかしたら・・・多分・・・」
穂乃香「そうですね。確かに、試してみる価値はありますね。料理、頑張ります」
モバP「ところで綾瀬さんはチョコって作ったことはある?」
穂乃香「ありません。恥ずかしい話ですが、レッスンばかりで授業以外でお菓子を作ったことがありません」
モバP「大丈夫。話しを聞く限り、包丁とか使わないから怪我の心配はないし、結構簡単だから・・・多分」
穂乃香「練習とかしておいたほうがいいでしょうか?」
モバP「いや、いいよ。むしろ慣れてないほうがハプニングで良い絵が取れたりするから」
とは言え、綾瀬さんがそういう失敗しそうにはないだろうが
アイドルになって少ししてからくらいの話です。
視点はモバPに変更しました。
-事務所-
モバP「綾瀬さんの他にダンス能力を活かせる仕事は・・・」
バレエ経験者と言うこともあって、バックダンサーのエキストラなど踊る仕事が多い
ダンスについては非常に真面目で頭も良く、覚えもいいと評判もいい
しかしメインキャストの仕事はなく、人気どころか知名度が無いと言える状態だ
ちひろ「お疲れ様です。お茶どうぞ。先ほどから悩んでいる様子でしたが、どうしました?」
モバP「ありがとうございます。綾瀬さんなんですけど才能もある。度胸もある。場慣れもしている」
ちひろ「そうですね。バックダンサーとは言え、いきなり大勢の前に出たのにしっかりこなしましたからね」
モバP「はい。それなのに大きな仕事が持ってこれない、自分の営業能力のなさに頭を抱えていました」
ちひろ「そうだったんですか。そういえば先ほどもダンスがと呟いていましたが、一回試してみては?」
モバP「試すとは・・・例えば大きなバレエコンクールとかですか?」
ちひろ「逆ですよ。まったくバレエと無関係の仕事をです。前から思っていたのですが」
ちひろ「モバPさんがバレエに拘り過ぎなんじゃないですか?」
そのたった一言で本当に目が覚めたような気がした。
そういえば綾瀬さんは言っていた。アイドルになって表現力を高めたいと
ダンスやバレエに関係の無い仕事の方が良い影響を与えるかもしれない
モバP「ああ、どうしてそんな簡単な事を。ありがとうございます。目が覚めました」
ちひろ「そうですか。良いアドバイスが出来たみたいですね。よかったです」
モバP「ええ、ありがとうございます。心配させてすみませんでした」
ちひろ「いえいえ♪では、頑張ってくださいね」
先輩のCuPさんとPaPさんのおかげで仕事はすぐに見つかった
モバP「綾瀬さん、ちょうどいいところに」
穂乃香「モバPさん、どうしましたか?」
モバP「ああ、仕事の話なんだけど、5日後の13時から」
穂乃香「はい。時間が無いですが、頑張ります。ところで今回はどんな曲なんでしょうか?」
モバP「あー・・・今回はダンス関係じゃないんだ。とある料理番組の収録なんだ」
穂乃香「あ・・そうですか。いえ、アイドルですからそういうのもありますよね」
モバP「料理もバレエの表現力のヒントになる、かも・・・もしかしたら・・・多分・・・」
穂乃香「そうですね。確かに、試してみる価値はありますね。料理、頑張ります」
モバP「ところで綾瀬さんはチョコって作ったことはある?」
穂乃香「ありません。恥ずかしい話ですが、レッスンばかりで授業以外でお菓子を作ったことがありません」
モバP「大丈夫。話しを聞く限り、包丁とか使わないから怪我の心配はないし、結構簡単だから・・・多分」
穂乃香「練習とかしておいたほうがいいでしょうか?」
モバP「いや、いいよ。むしろ慣れてないほうがハプニングで良い絵が取れたりするから」
とは言え、綾瀬さんがそういう失敗しそうにはないだろうが
10: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:17:03.23 ID:WEzLO5jE0
-キッチンスタジオ収録-
『第二回チャレンジクッキング!!』
司会者「それではさっそく自己紹介をお願いします。それでは、まゆちゃんから!」
まゆ「佐久間まゆです。料理は得意ですけど手加減はしませんよ♪」
司会者「趣味は料理とあって余裕の表情だぁ!」
司会者「前回の琴歌ちゃんと同じプロダクションからの出場ですし、期待できそうです」
審査員A「うん、琴歌ちゃんも美味かったし、期待してます」
まゆ「はぁい♪頑張りますね」
司会者「では、今回急遽審査員になったCuPさんからも一言お願いします」
CuP「え?本当に今日言われたんですけど、いいんですかね?審査員なんて」
司会者「はい、今回も346プロのアイドルと伝えたら審査員が『前回で懲りた』と」
CuP「あー・・・友紀ちゃんとありすちゃんの料理すごかったですもんね・・・うん・・」
CuP「まぁ、担当アイドルのまゆには特に厳しくいくと思いますが、それでも一番でしょうね」
司会者「おーっと!これはCuPさん強気の発言!料理の腕前は知り尽くしているのか!?」
CuP「ええ、趣味で作りすぎたからって毎日お弁当を貰ってます。本当に美味しいですよ」
観客席(BOO!BOO!)
司会者「ままゆファンからのブーイングの嵐!!後で楽屋に戻ったら覚悟してくださいね!」
CuP「ちょ・・・」
司会者「問答無用!!さて、次は友紀ちゃんのところから人気高騰中の未央ちゃんだー!」
未央「はーい!未央ちゃんだよ!今日はまっかせなさーい!」
司会者「今日も元気いっぱいだねぇ。そこまで言うには自信があると?」
未央「いや、全然」
司会者「って、おい!大丈夫かぁ!?友紀ちゃんもあれだったけど、今回もあの惨劇になってしまうのか!」
未央「だーいじょうぶ!ちゃんと食べれるものを作るから・・・・多分!」
司会者「すっごく不安なんですけど、ゲスト審査員のPaPさんどうでs、うお、まぶしっ!」
PaP「誰がハg」
司会者「PaPさん静かに!さて、『あの』ありすちゃんと同じプロダクションの新人、綾瀬穂乃香ちゃんだ」
穂乃香「はい、料理は得意と言うわけではないですがレシピ通りに失敗しないよう頑張ります」
審査員A「レシピ・・・通り・・・?」
司会者「更にありすちゃんと同じレシピ通り発言だー!これはある意味期待できるぞ!!」
審査員A「すみません、ちょっと調子が」
司会者「あ、CuPさんを押さえつけててください」
CuP「え?あ、はい。Aさん落ち着いてください。多分大丈夫ですよ。多分」
審査員A「何で多分を2回言ったの・・・?」
司会者「さぁ!バレンタインという事でお題は『チョコレート』!早速調理スタートだ!」
『第二回チャレンジクッキング!!』
司会者「それではさっそく自己紹介をお願いします。それでは、まゆちゃんから!」
まゆ「佐久間まゆです。料理は得意ですけど手加減はしませんよ♪」
司会者「趣味は料理とあって余裕の表情だぁ!」
司会者「前回の琴歌ちゃんと同じプロダクションからの出場ですし、期待できそうです」
審査員A「うん、琴歌ちゃんも美味かったし、期待してます」
まゆ「はぁい♪頑張りますね」
司会者「では、今回急遽審査員になったCuPさんからも一言お願いします」
CuP「え?本当に今日言われたんですけど、いいんですかね?審査員なんて」
司会者「はい、今回も346プロのアイドルと伝えたら審査員が『前回で懲りた』と」
CuP「あー・・・友紀ちゃんとありすちゃんの料理すごかったですもんね・・・うん・・」
CuP「まぁ、担当アイドルのまゆには特に厳しくいくと思いますが、それでも一番でしょうね」
司会者「おーっと!これはCuPさん強気の発言!料理の腕前は知り尽くしているのか!?」
CuP「ええ、趣味で作りすぎたからって毎日お弁当を貰ってます。本当に美味しいですよ」
観客席(BOO!BOO!)
司会者「ままゆファンからのブーイングの嵐!!後で楽屋に戻ったら覚悟してくださいね!」
CuP「ちょ・・・」
司会者「問答無用!!さて、次は友紀ちゃんのところから人気高騰中の未央ちゃんだー!」
未央「はーい!未央ちゃんだよ!今日はまっかせなさーい!」
司会者「今日も元気いっぱいだねぇ。そこまで言うには自信があると?」
未央「いや、全然」
司会者「って、おい!大丈夫かぁ!?友紀ちゃんもあれだったけど、今回もあの惨劇になってしまうのか!」
未央「だーいじょうぶ!ちゃんと食べれるものを作るから・・・・多分!」
司会者「すっごく不安なんですけど、ゲスト審査員のPaPさんどうでs、うお、まぶしっ!」
PaP「誰がハg」
司会者「PaPさん静かに!さて、『あの』ありすちゃんと同じプロダクションの新人、綾瀬穂乃香ちゃんだ」
穂乃香「はい、料理は得意と言うわけではないですがレシピ通りに失敗しないよう頑張ります」
審査員A「レシピ・・・通り・・・?」
司会者「更にありすちゃんと同じレシピ通り発言だー!これはある意味期待できるぞ!!」
審査員A「すみません、ちょっと調子が」
司会者「あ、CuPさんを押さえつけててください」
CuP「え?あ、はい。Aさん落ち着いてください。多分大丈夫ですよ。多分」
審査員A「何で多分を2回言ったの・・・?」
司会者「さぁ!バレンタインという事でお題は『チョコレート』!早速調理スタートだ!」
11: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:24:07.95 ID:WEzLO5jE0
大きな番組が貰えて喜んでいたが、今更この番組は失敗のような気がしてきた
人目を引き付けるのが上手い本田さんと、料理がプロレベルの佐久間さんとの共演となると
会話を盛り上げる話術も料理も多分人並みな綾瀬さんでは華が無さ過ぎるか・・・厳しいな
司会者「ああっと!穂乃香ちゃん大丈夫かぁあああ!?」
叫ぶ司会者、ざわつく観客席。何事だ!?綾瀬さんの手元の映像がアップになる
いったいどうしたというのだろうか・・・あ、めちゃくちゃこぼれてる
レシピしか見ていない綾瀬さんは、計量カップのミルクをボールに入れている、つもりなのだろう
司会者「カップからミルクが大量にこぼれているぞ!大丈夫か!?」
騒ぐ司会者、ざわつく会場。今回もあれなのかと肩を落とす審査員A。そして
司会者「穂乃香ちゃん!?穂乃香ちゃーん!まったく気づいていない穂乃香ちゃん!大丈夫かぁ!?」
あれだけ名前を叫ばれても気づかない綾瀬さん。ひたすら零れるミルク。シュールである
あの量だと床もびしょびしょだろう。大丈夫かと思っていたら
穂乃香「きゃあ!」
レシピに夢中の綾瀬さんは足元の注意も怠ったようで、ミルクに滑ってこけたようだ
そして指を引っ掛けられたチョコの材料が色々入ったボールも一緒に消えていた。
穂乃香「す、すみません」
料理台に隠れてしまっているから見えないがマイクから謝罪が聞こえてきた。
ゆっくり立ち上がる綾瀬さん、そしてざわつく会場が一瞬沈黙に包まれ・・・爆笑の渦に包まれた
司会者「頭からチョコやらミルクやらをかぶったせいで全身ひどいことになってるぞー!」
ボールが落ちたのに金属音がしないと思ったらそういうことか
CuPプロの長富さんだったら、まるで出前のソバ屋さんが出来る匠の技だと言ってそうだ
近くにいた本田さんが駆け寄る。佐久間さんは布巾など片付けに必要そうなものを集めていた。
未央「だ、大丈夫!?」
穂乃香「すみません。チョコまみれになってしまいましたが、怪我とかは大丈夫です」
チョコまみれではあるが、確かに怪我はなさそうだった
未央「うん、大丈夫そうだね。怪我はないみたいでよかった~って、そうだ!」
未央「カメラさん!こっちこっち!穂乃香ちゃん映ってる?おっけー」
未央「甘くて美味しい穂乃香チョコ、完成です!みんな穂乃香を食・べ・て」
真っ赤になる綾瀬さん、したり顔の本田さん。そこに布巾やら何やらを持った佐久間さんが来た
まゆ「はいはい、未央ちゃんはそこまで。穂乃香ちゃんは早く着替えてきたほうがいいわよぉ」
未央「あはは、ごめん。奇跡的に美味しい場面だから思わず。さぁ着替えよっか」
本田さんの言うとおり奇跡的においしい、良いアクシデントだった。あれは起用されない訳が無い
失敗でも注目を集めれば成功だ。あの程度では大してマイナスイメージはつかないだろう
少し抜けてる子だと思われただろうが、得たものと比べれば比較に出来ないほど小さいことだ
とは言え、本人は失敗したことを悔やんでいたので慰めておいた
人目を引き付けるのが上手い本田さんと、料理がプロレベルの佐久間さんとの共演となると
会話を盛り上げる話術も料理も多分人並みな綾瀬さんでは華が無さ過ぎるか・・・厳しいな
司会者「ああっと!穂乃香ちゃん大丈夫かぁあああ!?」
叫ぶ司会者、ざわつく観客席。何事だ!?綾瀬さんの手元の映像がアップになる
いったいどうしたというのだろうか・・・あ、めちゃくちゃこぼれてる
レシピしか見ていない綾瀬さんは、計量カップのミルクをボールに入れている、つもりなのだろう
司会者「カップからミルクが大量にこぼれているぞ!大丈夫か!?」
騒ぐ司会者、ざわつく会場。今回もあれなのかと肩を落とす審査員A。そして
司会者「穂乃香ちゃん!?穂乃香ちゃーん!まったく気づいていない穂乃香ちゃん!大丈夫かぁ!?」
あれだけ名前を叫ばれても気づかない綾瀬さん。ひたすら零れるミルク。シュールである
あの量だと床もびしょびしょだろう。大丈夫かと思っていたら
穂乃香「きゃあ!」
レシピに夢中の綾瀬さんは足元の注意も怠ったようで、ミルクに滑ってこけたようだ
そして指を引っ掛けられたチョコの材料が色々入ったボールも一緒に消えていた。
穂乃香「す、すみません」
料理台に隠れてしまっているから見えないがマイクから謝罪が聞こえてきた。
ゆっくり立ち上がる綾瀬さん、そしてざわつく会場が一瞬沈黙に包まれ・・・爆笑の渦に包まれた
司会者「頭からチョコやらミルクやらをかぶったせいで全身ひどいことになってるぞー!」
ボールが落ちたのに金属音がしないと思ったらそういうことか
CuPプロの長富さんだったら、まるで出前のソバ屋さんが出来る匠の技だと言ってそうだ
近くにいた本田さんが駆け寄る。佐久間さんは布巾など片付けに必要そうなものを集めていた。
未央「だ、大丈夫!?」
穂乃香「すみません。チョコまみれになってしまいましたが、怪我とかは大丈夫です」
チョコまみれではあるが、確かに怪我はなさそうだった
未央「うん、大丈夫そうだね。怪我はないみたいでよかった~って、そうだ!」
未央「カメラさん!こっちこっち!穂乃香ちゃん映ってる?おっけー」
未央「甘くて美味しい穂乃香チョコ、完成です!みんな穂乃香を食・べ・て」
真っ赤になる綾瀬さん、したり顔の本田さん。そこに布巾やら何やらを持った佐久間さんが来た
まゆ「はいはい、未央ちゃんはそこまで。穂乃香ちゃんは早く着替えてきたほうがいいわよぉ」
未央「あはは、ごめん。奇跡的に美味しい場面だから思わず。さぁ着替えよっか」
本田さんの言うとおり奇跡的においしい、良いアクシデントだった。あれは起用されない訳が無い
失敗でも注目を集めれば成功だ。あの程度では大してマイナスイメージはつかないだろう
少し抜けてる子だと思われただろうが、得たものと比べれば比較に出来ないほど小さいことだ
とは言え、本人は失敗したことを悔やんでいたので慰めておいた
12: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:28:39.08 ID:WEzLO5jE0
とまぁ、先の料理番組で綾瀬さ・・穂乃香の知名度が一気に上がった
言い忘れていた。パートナーなのだから、名前で呼んで欲しいと言われたが、少し慣れない・・
さて、あれだけの失敗しても萎縮せず、しっかり話すことが出来る娘だと評価されたようで、
とある番組の内の一つの企画として「穂乃香チャレンジ」と言う企画に抜擢された
穂乃香が色々な体験取り組むという単純な企画であるが、無邪気に真面目に取り組む姿は好評だ
バレエばかりであまり世間を知らない箱入り娘っぽさも人気の理由だ
頻度も放送時間も最初は短かったが、視聴率とファンの増加に比例して頻度と放送時間が増えていった
しかしこの番組で個人的な大誤算が発生した。
原因は穂乃香がゲームセンターの企画でとった「ぴにゃこら太」だ
穂乃香のセンスを疑われたが一躍有名になり、CMの仕事も貰えたりしたからそれはいい
問題は穂乃香が「モバPさんに似ている」と発言したせいで、僕に一瞬カメラを向けたことだ
・・・たった一瞬だったのに、僕の問合わせや再登場の要望が殺到したらしい
試しにコンビチャレンジを企画を行ったところ、異常と言えるほど反響を呼んだため
それ以降全てコンビチャレンジに企画に変わってしまった
大体僕がひどい失敗をして場を盛り上げ、穂乃香は僕の失敗を苦笑しつつ1~2回で成功させる
ブサイクで不器用なプロデューサーと才色兼備のアイドルとして名を広めていった
まぁ、穂乃香も楽しそうだし、番組も盛り上がるし・・・別にいいか
言い忘れていた。パートナーなのだから、名前で呼んで欲しいと言われたが、少し慣れない・・
さて、あれだけの失敗しても萎縮せず、しっかり話すことが出来る娘だと評価されたようで、
とある番組の内の一つの企画として「穂乃香チャレンジ」と言う企画に抜擢された
穂乃香が色々な体験取り組むという単純な企画であるが、無邪気に真面目に取り組む姿は好評だ
バレエばかりであまり世間を知らない箱入り娘っぽさも人気の理由だ
頻度も放送時間も最初は短かったが、視聴率とファンの増加に比例して頻度と放送時間が増えていった
しかしこの番組で個人的な大誤算が発生した。
原因は穂乃香がゲームセンターの企画でとった「ぴにゃこら太」だ
穂乃香のセンスを疑われたが一躍有名になり、CMの仕事も貰えたりしたからそれはいい
問題は穂乃香が「モバPさんに似ている」と発言したせいで、僕に一瞬カメラを向けたことだ
・・・たった一瞬だったのに、僕の問合わせや再登場の要望が殺到したらしい
試しにコンビチャレンジを企画を行ったところ、異常と言えるほど反響を呼んだため
それ以降全てコンビチャレンジに企画に変わってしまった
大体僕がひどい失敗をして場を盛り上げ、穂乃香は僕の失敗を苦笑しつつ1~2回で成功させる
ブサイクで不器用なプロデューサーと才色兼備のアイドルとして名を広めていった
まぁ、穂乃香も楽しそうだし、番組も盛り上がるし・・・別にいいか
13: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:34:27.23 ID:WEzLO5jE0
そんな中、思いもしないところから仕事の話が来た
バレエ協会から大きなコンクールの前座をやってほしいとのことだ
元バレリーナの穂乃香のおかげでバレエに興味を持った人やバレエ教室に通う人が増えたそうだ
そこで感謝の意味も込めてコンビチャレンジに起用してほしいと要望だった
バレエの広報の一環として、と言う下心は丸見えだったが断る理由はない
シンデレラのパドドゥと言うダンスが希望らしい。専門用語で難易度も分からないが、穂乃香なら大丈夫だろう
-事務所-
穂乃香「おはようございます」
モバP「来たばかりですまない。今大丈夫か?」
穂乃香「はい、問題ありませんが・・・」
モバP「穂乃香に朗報だ。バレエ協会から仕事の依頼が来た。勿論、バレエの企画だ」
穂乃香「え?でも・・・」
モバP「穂乃香はアイドルの道を選んでくれた。それでも昔の自分と向き合う良い機会だとも思うんだ」
穂乃香「・・・はい。その企画、受けたいと思います」
モバP「3ヶ月前では流石にコンクールの枠には入れられないから、特別に作った前座に出演となるらしい」
穂乃香「3ヶ月後・・・まさかあのコンクール!?」
モバP「バレエ経験者なら誰もが知ってるもの、らしい。多分穂乃香の想像通りだと思う」
穂乃香「どのような形であれ、あの会場でなんて夢みたいです。頑張ります」
穂乃香「ところでテーマはもう決まっているのでしょうか?」
モバP「えっと、シンデレラの一部のシーンでパドドゥと言っていたけど、どのシーンか分かる?」
穂乃香「パ・ド・ドゥ!?」
モバP「まさかそこまで驚くってことは、もしかしてとても難易度が高いところなのか?」
穂乃香「いえ、難易度はそれほどでは。もしかしてこれ、チャレンジの企画ですか?」
モバP「そうだけど流石に今回はサポートに回るよ。穂乃香は思う存分やってくれてかまわない」
穂乃香「いえ、違うんです。パ・ド・ドゥと言うのは一言で言えば男女二人で踊ることなので」
モバP「ああ、なるほど。だからコンビチャレンジなのか・・・・・・・ん?」
穂乃香「はい、よろしくお願いします」
モバP「・・・・・えええええええ!?」
バレエ協会から大きなコンクールの前座をやってほしいとのことだ
元バレリーナの穂乃香のおかげでバレエに興味を持った人やバレエ教室に通う人が増えたそうだ
そこで感謝の意味も込めてコンビチャレンジに起用してほしいと要望だった
バレエの広報の一環として、と言う下心は丸見えだったが断る理由はない
シンデレラのパドドゥと言うダンスが希望らしい。専門用語で難易度も分からないが、穂乃香なら大丈夫だろう
-事務所-
穂乃香「おはようございます」
モバP「来たばかりですまない。今大丈夫か?」
穂乃香「はい、問題ありませんが・・・」
モバP「穂乃香に朗報だ。バレエ協会から仕事の依頼が来た。勿論、バレエの企画だ」
穂乃香「え?でも・・・」
モバP「穂乃香はアイドルの道を選んでくれた。それでも昔の自分と向き合う良い機会だとも思うんだ」
穂乃香「・・・はい。その企画、受けたいと思います」
モバP「3ヶ月前では流石にコンクールの枠には入れられないから、特別に作った前座に出演となるらしい」
穂乃香「3ヶ月後・・・まさかあのコンクール!?」
モバP「バレエ経験者なら誰もが知ってるもの、らしい。多分穂乃香の想像通りだと思う」
穂乃香「どのような形であれ、あの会場でなんて夢みたいです。頑張ります」
穂乃香「ところでテーマはもう決まっているのでしょうか?」
モバP「えっと、シンデレラの一部のシーンでパドドゥと言っていたけど、どのシーンか分かる?」
穂乃香「パ・ド・ドゥ!?」
モバP「まさかそこまで驚くってことは、もしかしてとても難易度が高いところなのか?」
穂乃香「いえ、難易度はそれほどでは。もしかしてこれ、チャレンジの企画ですか?」
モバP「そうだけど流石に今回はサポートに回るよ。穂乃香は思う存分やってくれてかまわない」
穂乃香「いえ、違うんです。パ・ド・ドゥと言うのは一言で言えば男女二人で踊ることなので」
モバP「ああ、なるほど。だからコンビチャレンジなのか・・・・・・・ん?」
穂乃香「はい、よろしくお願いします」
モバP「・・・・・えええええええ!?」
14: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:37:49.28 ID:WEzLO5jE0
~4ヵ月後の番組収録~
司会者「さぁ今日はなんとコンビチャレンジスペシャルだ!今回のチャレンジはどうでしたか?」
穂乃香「今回で節目の30回とのことですが、本当に色々経験させていただいて感謝してます」
モバP「いやぁ、色々きつかったり痛かったりで中々つらいものがありましたが、楽しかったです。多分」
司会者「今回は準備期間に3ヶ月とのとでしたが、やはり一番辛かったですか?」
穂乃香「確かに辛い企画でしたが、今までで一番楽しかったです。良い思い出にもなりました」
モバP「さっきも言いましたが、過去一番きつかったですね。痛かったのは第6回のあれでしょうけど」
司会者「不死身と言われる由縁の元となったあれは流石に超えないと思いますけど」
司会者「さて、今回のを見る前に節目と言うこともありまして、チャレンジ名(迷)場面集を用意しました」
司会者「まずは穂乃香ちゃんの名場面集と言うか名言集から。穂乃香ちゃんの名言と言えば・・・こちらです!」
中央の巨大モニター『バレエに通じるものがありますね』
穂乃香「!?」
司会者「もう何も言うことは無いでしょう!バレエに通じるをノンストップでどうぞ!」
司会者「さぁ今日はなんとコンビチャレンジスペシャルだ!今回のチャレンジはどうでしたか?」
穂乃香「今回で節目の30回とのことですが、本当に色々経験させていただいて感謝してます」
モバP「いやぁ、色々きつかったり痛かったりで中々つらいものがありましたが、楽しかったです。多分」
司会者「今回は準備期間に3ヶ月とのとでしたが、やはり一番辛かったですか?」
穂乃香「確かに辛い企画でしたが、今までで一番楽しかったです。良い思い出にもなりました」
モバP「さっきも言いましたが、過去一番きつかったですね。痛かったのは第6回のあれでしょうけど」
司会者「不死身と言われる由縁の元となったあれは流石に超えないと思いますけど」
司会者「さて、今回のを見る前に節目と言うこともありまして、チャレンジ名(迷)場面集を用意しました」
司会者「まずは穂乃香ちゃんの名場面集と言うか名言集から。穂乃香ちゃんの名言と言えば・・・こちらです!」
中央の巨大モニター『バレエに通じるものがありますね』
穂乃香「!?」
司会者「もう何も言うことは無いでしょう!バレエに通じるをノンストップでどうぞ!」
15: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:40:23.47 ID:WEzLO5jE0
--VTR開始-----------------------------------------
- 第1回 ~陶芸チャレンジ~【講師 藤原肇】-
藤原肇(以下:肇)「はい、そうやって焦らずゆっくりと」
穂乃香「はい」
~中略~
肇「さすが穂乃香さん。初めてとは思えない出来ですね」
穂乃香「いえ、先生の教え方が良かったからです。しかし陶芸は」
穂乃香『自分の思い描いた形を作っていくということが、バレエに通じるものがありますね』
- 第2回 ~水彩画で写生チャレンジ~【講師 成宮由愛】-
成宮由愛(以下:由愛)「描き方にも色々ありますが…最初は…目の前の風景をそのまま写すように…」
穂乃香「はい、成宮さん。初心者にはどのような風景がオススメでしょうか?」
由愛「えっと…難しさを考えずに、自分が気に入ったものがいいです…その方が…楽しい…です…」
穂乃香「なるほど。参考にします」
~中略~
由愛「穂乃香さんは…本当に初めてなんですか?…すごい…です…」
穂乃香「授業で絵を描くことはありましたが、本格的なのは初めてです。しかし水彩画の写生と言うものは」
穂乃香『目に見える風景を自分の手で描いていく、バレエに通じるものがありますね』
- 第3回 ~弓道チャレンジ~【講師 水野翠】-
水野翠(以下:翠)「今日はよろしくお願いします」
穂乃香「よろしくお願いします」
翠「まず弓道と言うのは心身の鍛錬を(中略)と言うことで基本姿勢からいきましょう」
穂乃香「はい」
~中略~
翠「流石ですね。元々素質はあるような気がしていましたが、ここまでとは」
穂乃香「ありがとうございます。まだ未熟ではありますが」
翠「いえ、一日でこの距離の的に当てれるようになるのは、全国を探してもそういないでしょう」
穂乃香「ありがとうございます。」
穂乃香『弓道は心技ともに精練された鍛錬を要する、バレエに通じるものがありますね』
- 第1回 ~陶芸チャレンジ~【講師 藤原肇】-
藤原肇(以下:肇)「はい、そうやって焦らずゆっくりと」
穂乃香「はい」
~中略~
肇「さすが穂乃香さん。初めてとは思えない出来ですね」
穂乃香「いえ、先生の教え方が良かったからです。しかし陶芸は」
穂乃香『自分の思い描いた形を作っていくということが、バレエに通じるものがありますね』
- 第2回 ~水彩画で写生チャレンジ~【講師 成宮由愛】-
成宮由愛(以下:由愛)「描き方にも色々ありますが…最初は…目の前の風景をそのまま写すように…」
穂乃香「はい、成宮さん。初心者にはどのような風景がオススメでしょうか?」
由愛「えっと…難しさを考えずに、自分が気に入ったものがいいです…その方が…楽しい…です…」
穂乃香「なるほど。参考にします」
~中略~
由愛「穂乃香さんは…本当に初めてなんですか?…すごい…です…」
穂乃香「授業で絵を描くことはありましたが、本格的なのは初めてです。しかし水彩画の写生と言うものは」
穂乃香『目に見える風景を自分の手で描いていく、バレエに通じるものがありますね』
- 第3回 ~弓道チャレンジ~【講師 水野翠】-
水野翠(以下:翠)「今日はよろしくお願いします」
穂乃香「よろしくお願いします」
翠「まず弓道と言うのは心身の鍛錬を(中略)と言うことで基本姿勢からいきましょう」
穂乃香「はい」
~中略~
翠「流石ですね。元々素質はあるような気がしていましたが、ここまでとは」
穂乃香「ありがとうございます。まだ未熟ではありますが」
翠「いえ、一日でこの距離の的に当てれるようになるのは、全国を探してもそういないでしょう」
穂乃香「ありがとうございます。」
穂乃香『弓道は心技ともに精練された鍛錬を要する、バレエに通じるものがありますね』
16: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:41:44.18 ID:WEzLO5jE0
- 第4回 ~アクセサリー作りチャレンジ~【講師 関裕美】-
穂乃香『人によって色や形が合うものをイメージする、バレエに通じるものがありますね』
- 第5回 ~ゲームセンターチャレンジ~【講師 工藤忍】-
穂乃香『欲しいものは自分の力で勝ち取る、バレエに通じるものがありますね』
- 第6回 ~乗馬チャレンジチャレンジ~【講師 浜川愛結奈】-
穂乃香『馬と気持ちを通じさせ、力を合わせて目標を達成する、バレエに通じるものがありますね』
- 第7回 ~編み物チャレンジ~【講師 佐久間まゆ】-
穂乃香『一つの物事に集中して一歩一歩編み上げる、バレエに通じるものがありますね』
~中略~
- 第29回 ~ジグソーパズルチャレンジ~【講師 日下部若葉】-
穂乃香『全体画を想像して一つ一つのピースを繋げて完成させる、バレエに通じるものがありますね』
--VTR終了-----------------------------------------
穂乃香『人によって色や形が合うものをイメージする、バレエに通じるものがありますね』
- 第5回 ~ゲームセンターチャレンジ~【講師 工藤忍】-
穂乃香『欲しいものは自分の力で勝ち取る、バレエに通じるものがありますね』
- 第6回 ~乗馬チャレンジチャレンジ~【講師 浜川愛結奈】-
穂乃香『馬と気持ちを通じさせ、力を合わせて目標を達成する、バレエに通じるものがありますね』
- 第7回 ~編み物チャレンジ~【講師 佐久間まゆ】-
穂乃香『一つの物事に集中して一歩一歩編み上げる、バレエに通じるものがありますね』
~中略~
- 第29回 ~ジグソーパズルチャレンジ~【講師 日下部若葉】-
穂乃香『全体画を想像して一つ一つのピースを繋げて完成させる、バレエに通じるものがありますね』
--VTR終了-----------------------------------------
17: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:44:02.80 ID:WEzLO5jE0
司会者「29回のチャレンジ全てバレエに通じているとのことですが、この時の経験は活かせてましたか?」
穂乃香「あの、私こんなに言いましたっけ?・・・言いましたよね。なんとなく記憶にあります」
司会者(「バレエに通じる何かってありましたかね?」って言わせてた日もあるんだけど、気づいてないのか)
司会者「さて、実はここからモバPさんの名場面集になるんですが、最初は何チャレンジだったか覚えてます?」
モバP「忘れるわけがありませんよ。先ほども一瞬出ましたが第6回の浜川さんが講師の乗馬ですよね」
司会者「はい。モバPさんが初回にして有名になるきっかけの回です。理由は分かりますか?」
モバP「自分で言うのもなんですが、派手な失敗をしていたのが面白かったのかと」
司会者「それはそれで評判なんですが、実は人気の出た理由はそこじゃないんですよ。こちらをどうぞ」
穂乃香「あの、私こんなに言いましたっけ?・・・言いましたよね。なんとなく記憶にあります」
司会者(「バレエに通じる何かってありましたかね?」って言わせてた日もあるんだけど、気づいてないのか)
司会者「さて、実はここからモバPさんの名場面集になるんですが、最初は何チャレンジだったか覚えてます?」
モバP「忘れるわけがありませんよ。先ほども一瞬出ましたが第6回の浜川さんが講師の乗馬ですよね」
司会者「はい。モバPさんが初回にして有名になるきっかけの回です。理由は分かりますか?」
モバP「自分で言うのもなんですが、派手な失敗をしていたのが面白かったのかと」
司会者「それはそれで評判なんですが、実は人気の出た理由はそこじゃないんですよ。こちらをどうぞ」
18: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:46:10.69 ID:WEzLO5jE0
--VTR開始-----------------------------------
- 第6回 ~乗馬チャレンジ~【講師 浜川愛結奈】-
浜川愛結奈(以下:愛結奈)「乗馬は大怪我につながるケースもあるから気をつけてね」
穂乃香「はい!」
モバP「何で僕も・・・」
愛結奈「まぁまぁ、良い経験だと思って。しかし一躍人気だね、ぴにゃデューサー!」
モバP「その呼び方は勘弁してください」
愛結奈「結構いいと思うんだけどね。さっそく乗り方から教えるね」
~しばらくして~
モバP「痛たたたた・・・」
愛結奈「落ちてばかりだけど、大丈夫?何度も派手に落ちた割には全然怪我してないね」
モバP「頑丈さが自慢なので。ところで穂乃香は?」
愛結奈「相変わらず難なくこなしちゃう子だからね。ほら、まったく危なげなく乗ってるでしょう?」
モバP「本当だ。今回も問題なく終わりそうだな」
愛結奈「そういうあなたは全然乗れてないけど、大丈夫なの?」
モバP「不器用ですから諦めます。穂乃香がメインで僕はおまけですから。番組的にも問題ありません」
愛結奈「なるほどねー」
モバP「さ、そろそろいい時間だ。おーい!穂乃香ー!こっちこっち」
穂乃香「はーい!」
穂乃香「ふぅ、楽しかったですね。モバPさんはどうでしたか?」
モバP「見てたとは思うけど落馬だらけで散々だったよ」
愛結奈「毎回言われてるけど、穂乃香ちゃんは本当に何をやっても初心者とは思えない出来だよね」
穂乃香「そんなことないですよ。ありがとうございます」
- 第6回 ~乗馬チャレンジ~【講師 浜川愛結奈】-
浜川愛結奈(以下:愛結奈)「乗馬は大怪我につながるケースもあるから気をつけてね」
穂乃香「はい!」
モバP「何で僕も・・・」
愛結奈「まぁまぁ、良い経験だと思って。しかし一躍人気だね、ぴにゃデューサー!」
モバP「その呼び方は勘弁してください」
愛結奈「結構いいと思うんだけどね。さっそく乗り方から教えるね」
~しばらくして~
モバP「痛たたたた・・・」
愛結奈「落ちてばかりだけど、大丈夫?何度も派手に落ちた割には全然怪我してないね」
モバP「頑丈さが自慢なので。ところで穂乃香は?」
愛結奈「相変わらず難なくこなしちゃう子だからね。ほら、まったく危なげなく乗ってるでしょう?」
モバP「本当だ。今回も問題なく終わりそうだな」
愛結奈「そういうあなたは全然乗れてないけど、大丈夫なの?」
モバP「不器用ですから諦めます。穂乃香がメインで僕はおまけですから。番組的にも問題ありません」
愛結奈「なるほどねー」
モバP「さ、そろそろいい時間だ。おーい!穂乃香ー!こっちこっち」
穂乃香「はーい!」
穂乃香「ふぅ、楽しかったですね。モバPさんはどうでしたか?」
モバP「見てたとは思うけど落馬だらけで散々だったよ」
愛結奈「毎回言われてるけど、穂乃香ちゃんは本当に何をやっても初心者とは思えない出来だよね」
穂乃香「そんなことないですよ。ありがとうございます」
19: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:47:07.43 ID:WEzLO5jE0
モバP「さて、乗馬体験は終わろうか。浜川さん、ありがとうございました」
穂乃香「ありがとうございました」
愛結奈「はぁい!ワタシも楽しかったし、ありがとうね」
モバP「さて、帰ろうかって・・なんだ!?」
字幕『いきなり騒がしくなった方を見ると、三人に向かってくる興奮状態の馬が!』
モバP「穂乃香!逃げっ・・・!」
穂乃香「っ!?」
字幕『急な出来事に体が固まってしまう穂乃香。逃げるのは無理だと判断したモバPは次の瞬間!』
モバP「くそっ!うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
字幕『なんと雄たけびをあげ、馬に向かって走り出した!』
モバP「させるかぁあああああ!」
ナレ『走る馬と正面衝突。激しくも鈍い音が響く。しかしモバPはそのまま馬をつかんだ!』
モバP「止まれぇ!ぐっ!」
ナレ『なんとモバPの気合が通じたのか馬を止めてしまったのだ』
モバP「・・・う・・穂乃香・・穂乃香!?大丈夫か?」
穂乃香「私は大丈夫ですが、ってモバPさん血が!」
モバP「こんなの大丈夫だよ。穂乃香が怪我しなくて本当によかった」
穂乃香「でもたくさん血が!」
モバP「大丈夫だから。とりあえずロビーに行こう。そこで応急処置もしてもらうから」
愛結奈「・・・ワタシも戻ろう」
--VTR終了-----------------------------------
穂乃香「ありがとうございました」
愛結奈「はぁい!ワタシも楽しかったし、ありがとうね」
モバP「さて、帰ろうかって・・なんだ!?」
字幕『いきなり騒がしくなった方を見ると、三人に向かってくる興奮状態の馬が!』
モバP「穂乃香!逃げっ・・・!」
穂乃香「っ!?」
字幕『急な出来事に体が固まってしまう穂乃香。逃げるのは無理だと判断したモバPは次の瞬間!』
モバP「くそっ!うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
字幕『なんと雄たけびをあげ、馬に向かって走り出した!』
モバP「させるかぁあああああ!」
ナレ『走る馬と正面衝突。激しくも鈍い音が響く。しかしモバPはそのまま馬をつかんだ!』
モバP「止まれぇ!ぐっ!」
ナレ『なんとモバPの気合が通じたのか馬を止めてしまったのだ』
モバP「・・・う・・穂乃香・・穂乃香!?大丈夫か?」
穂乃香「私は大丈夫ですが、ってモバPさん血が!」
モバP「こんなの大丈夫だよ。穂乃香が怪我しなくて本当によかった」
穂乃香「でもたくさん血が!」
モバP「大丈夫だから。とりあえずロビーに行こう。そこで応急処置もしてもらうから」
愛結奈「・・・ワタシも戻ろう」
--VTR終了-----------------------------------
20: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:53:06.71 ID:WEzLO5jE0
司会者「失敗シーンも反響はあったんですけど、やはり最後の馬を止めるシーンが非常に注目を集めました。
『明らかに重症なんだけど?』『あれは普通に会話できる状態じゃない』『不死身か?』と言った驚きの声の他に
『体を張って馬を止める必死さが凄い』『かっこいい』などモバPさんに感心する意見も。
また『あの二人はどういう関係なのか?アイドルとそのプロデューサーだって?』と二人の関係も注目されました」
モバP「不死身って言われてますけど、あの後すぐに運ばれたんですよ。骨も何本か折れてました」
穂乃香「そうなんです。あの日の閉めの挨拶はいつも傍にいてくれるモバPさんがいなくて少し不安でした」
司会者「普通にしてたけど折れてたんですか、あれ。それとお二人の関係って正直なところどうなんですか?」
穂乃香「え?モバPさんがプロデューサーで私はアイドルですよ?」
モバP「ええ、僕も穂乃香をバレリーナではなくアイドルだと思ってますよ」
司会者「あ、はい」
穂乃香・モバP「?」
司会者「ああ、いや、何でもないです。しかし本当に不器用ですね。ワザとじゃないんですか?」
モバP「真剣なんですが、自分でもひどいと思います。一回くらい一発成功させたいですね」
司会者「一応失敗シーンをまとめたものを準備したんですが、見送ることになりました」
モバP「理由は見ているこっちが体中痛くなると不評で、お茶の間に流せないとカットされました」
司会者「編み物チャレンジは棒針が体に刺さってましたからね。どうやったら、ぐさーっと刺さるんですかねぇ」
『明らかに重症なんだけど?』『あれは普通に会話できる状態じゃない』『不死身か?』と言った驚きの声の他に
『体を張って馬を止める必死さが凄い』『かっこいい』などモバPさんに感心する意見も。
また『あの二人はどういう関係なのか?アイドルとそのプロデューサーだって?』と二人の関係も注目されました」
モバP「不死身って言われてますけど、あの後すぐに運ばれたんですよ。骨も何本か折れてました」
穂乃香「そうなんです。あの日の閉めの挨拶はいつも傍にいてくれるモバPさんがいなくて少し不安でした」
司会者「普通にしてたけど折れてたんですか、あれ。それとお二人の関係って正直なところどうなんですか?」
穂乃香「え?モバPさんがプロデューサーで私はアイドルですよ?」
モバP「ええ、僕も穂乃香をバレリーナではなくアイドルだと思ってますよ」
司会者「あ、はい」
穂乃香・モバP「?」
司会者「ああ、いや、何でもないです。しかし本当に不器用ですね。ワザとじゃないんですか?」
モバP「真剣なんですが、自分でもひどいと思います。一回くらい一発成功させたいですね」
司会者「一応失敗シーンをまとめたものを準備したんですが、見送ることになりました」
モバP「理由は見ているこっちが体中痛くなると不評で、お茶の間に流せないとカットされました」
司会者「編み物チャレンジは棒針が体に刺さってましたからね。どうやったら、ぐさーっと刺さるんですかねぇ」
21: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 16:57:47.42 ID:WEzLO5jE0
司会者「さぁ今日のメインはここからだ!第30回チャレンジ企画はこれだ!」
中央モニター『第30回 ~バレエチャレンジ~【講師 綾瀬穂乃香】』
穂乃香「今回の講師は私なんですね」
司会者「トレーナーさんが『穂乃香くんに教えたことはほとんどなかった』と」
司会者「また『モバPくんに教えていたのは穂乃香くんだ。今回の講師は穂乃香くんだろう』と言伝だったので」
司会者「では、さっそくいきましょうか。第30回は、バレエチャレンジ!」
--VTR開始-----------------------------------
- 第30回 ~バレエチャレンジ~【講師 綾瀬穂乃香】-
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「どうしたんですか?」
モバP「本当に好きなんだな、バレエ。声も顔も凄く嬉しそうだ」
穂乃香「ええ、色々考えましたが本気でバレエが出来ると聞いてやはり嬉しいです」
モバP「しかし自分が」
穂乃香「悩んでも仕方ないですよ。さぁ早くレッスン場に行きましょう♪」
モバP「お、おい。手を引っ張らないでも大丈夫だって。行く、行くから」
~中略~
トレーナー「ふむ、一時はどうなるかと思ったけどこれなら間に合いそうだな」
モバP「足の豆が全部つぶれて血だらけになるくらい頑張りましたからね」
トレーナー「すまないな。本来なら基礎からゆっくり教えていくものなんだが、時間が時間なのでな」
モバP「分かってます。僕はいいですけど、穂乃香に失敗させるわけにはいきませんから」
トレーナー「噂どおり、穂乃香くんを大事にしているんだな」
モバP「ええ、当たり前じゃないですか」
~さらに中略~
-本番20分前のとある控え室-
ちひろ「お二人はどうですか?」
トレーナー「あれだけ練習したんだ。まぁ・・・失敗はしないだろうな」
ちひろ「失敗はしない、と言いますと?」
トレーナー「結局モバPくんの技術は一般人に毛が生えた程度しか身につけられなかった」
ちひろ「ふむふむ」
トレーナー「自分を支えたりするパートナーが未熟だったら、君は全てを委ねられるかい?」
ちひろ「あ・・・」
トレーナー「リハーサルもそうだったが、穂乃香くんは縮こまってしまっていた」
トレーナー「まぁ、無難に収めてくれることで良しとしよう」
中央モニター『第30回 ~バレエチャレンジ~【講師 綾瀬穂乃香】』
穂乃香「今回の講師は私なんですね」
司会者「トレーナーさんが『穂乃香くんに教えたことはほとんどなかった』と」
司会者「また『モバPくんに教えていたのは穂乃香くんだ。今回の講師は穂乃香くんだろう』と言伝だったので」
司会者「では、さっそくいきましょうか。第30回は、バレエチャレンジ!」
--VTR開始-----------------------------------
- 第30回 ~バレエチャレンジ~【講師 綾瀬穂乃香】-
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「どうしたんですか?」
モバP「本当に好きなんだな、バレエ。声も顔も凄く嬉しそうだ」
穂乃香「ええ、色々考えましたが本気でバレエが出来ると聞いてやはり嬉しいです」
モバP「しかし自分が」
穂乃香「悩んでも仕方ないですよ。さぁ早くレッスン場に行きましょう♪」
モバP「お、おい。手を引っ張らないでも大丈夫だって。行く、行くから」
~中略~
トレーナー「ふむ、一時はどうなるかと思ったけどこれなら間に合いそうだな」
モバP「足の豆が全部つぶれて血だらけになるくらい頑張りましたからね」
トレーナー「すまないな。本来なら基礎からゆっくり教えていくものなんだが、時間が時間なのでな」
モバP「分かってます。僕はいいですけど、穂乃香に失敗させるわけにはいきませんから」
トレーナー「噂どおり、穂乃香くんを大事にしているんだな」
モバP「ええ、当たり前じゃないですか」
~さらに中略~
-本番20分前のとある控え室-
ちひろ「お二人はどうですか?」
トレーナー「あれだけ練習したんだ。まぁ・・・失敗はしないだろうな」
ちひろ「失敗はしない、と言いますと?」
トレーナー「結局モバPくんの技術は一般人に毛が生えた程度しか身につけられなかった」
ちひろ「ふむふむ」
トレーナー「自分を支えたりするパートナーが未熟だったら、君は全てを委ねられるかい?」
ちひろ「あ・・・」
トレーナー「リハーサルもそうだったが、穂乃香くんは縮こまってしまっていた」
トレーナー「まぁ、無難に収めてくれることで良しとしよう」
22: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:03:34.23 ID:WEzLO5jE0
モバP「よし、練習どおりやれば大丈夫だ」
穂乃香「はい」
モバP「少し顔色が・・・っ!」
穂乃香「・・少しだけ不安です。今までこんなことなかったのに・・・モバPさん?」
モバP「穂乃香、今更だけど今までごめん。でも、今は僕を信じてほしい」
穂乃香「え?モバPさん?・・・・・・・・・・はいっ!」
『綾瀬さん、モバPさん、スタンバイお願いします!』
モバP「行こう」
穂乃香「行きましょう!」
ちひろ「すごい・・・あれが失敗しない程度の出来、なんですか?」
トレーナー「いや、驚いた。あのリハーサルでこの演技。短時間で何があったんだ?あの二人は」
ちひろ「流石ですね。きっとモバPさんがシンデレラに魔法をかけたんですよ」
トレーナー「シンデレラに魔法か。ふっ、そうなるとモバPくんは魔法使いのはずだが?」
ちひろ「それこそ無粋と言うものですよ♪」
インタビュア「お疲れ様です。お二人とも大成功だったと思いましたが、今のお気持ちは?」
穂乃香「夢の舞台で最高のパフォーマンスを見せることが出来たと思います。とても楽しかったです」
モバP「人生で最初で最後の最高のバレエが出来たと思います。ありがとうございます」
インタビュア「練習よりもずっと良い演技だったと思います。綾瀬さん秘策はなんだったんですか?」
穂乃香「秘策はありません。バレエに秘策は、ありえません。だからこそ自分でも驚いています」
インタビュア「モバPさんはどうですか?」
モバP「恥を話すことになるんですけど。直前に穂乃香が鏡に目を向けた時、僕も鏡を見たんです」
モバP「その時、慣れてるはずの穂乃香がなんでこんなに不安なのか分かりました」
モバP「顔色が悪く、震えてる僕が見えました。これがパートナーじゃどんなベテランだって不安になる」
モバP「何をしてるんだって思いました。体の震えを止め、笑顔を穂乃香に見せて安心させなきゃと思いました」
インタビュア「なるほど、そして信じて欲しいと。綾瀬さんは気づいていましたか?」
穂乃香「いえ、そんな・・・でも、モバPさんが言うなら無意識のうちに頭の中で考えていたのかもしれません」
インタビュア「モバPさんは綾瀬さん自身でも気づかなかったことがよく分かりましたね。どうしてですか?」
モバP「理由ですか?そうですね、(プロデューサーの)僕が一番穂乃香のことを分かってるからだと思います」
インタビュア「いつものことですが・・・お熱いセリフありがとうございます」
--VTR終了-----------------------------------
穂乃香「はい」
モバP「少し顔色が・・・っ!」
穂乃香「・・少しだけ不安です。今までこんなことなかったのに・・・モバPさん?」
モバP「穂乃香、今更だけど今までごめん。でも、今は僕を信じてほしい」
穂乃香「え?モバPさん?・・・・・・・・・・はいっ!」
『綾瀬さん、モバPさん、スタンバイお願いします!』
モバP「行こう」
穂乃香「行きましょう!」
ちひろ「すごい・・・あれが失敗しない程度の出来、なんですか?」
トレーナー「いや、驚いた。あのリハーサルでこの演技。短時間で何があったんだ?あの二人は」
ちひろ「流石ですね。きっとモバPさんがシンデレラに魔法をかけたんですよ」
トレーナー「シンデレラに魔法か。ふっ、そうなるとモバPくんは魔法使いのはずだが?」
ちひろ「それこそ無粋と言うものですよ♪」
インタビュア「お疲れ様です。お二人とも大成功だったと思いましたが、今のお気持ちは?」
穂乃香「夢の舞台で最高のパフォーマンスを見せることが出来たと思います。とても楽しかったです」
モバP「人生で最初で最後の最高のバレエが出来たと思います。ありがとうございます」
インタビュア「練習よりもずっと良い演技だったと思います。綾瀬さん秘策はなんだったんですか?」
穂乃香「秘策はありません。バレエに秘策は、ありえません。だからこそ自分でも驚いています」
インタビュア「モバPさんはどうですか?」
モバP「恥を話すことになるんですけど。直前に穂乃香が鏡に目を向けた時、僕も鏡を見たんです」
モバP「その時、慣れてるはずの穂乃香がなんでこんなに不安なのか分かりました」
モバP「顔色が悪く、震えてる僕が見えました。これがパートナーじゃどんなベテランだって不安になる」
モバP「何をしてるんだって思いました。体の震えを止め、笑顔を穂乃香に見せて安心させなきゃと思いました」
インタビュア「なるほど、そして信じて欲しいと。綾瀬さんは気づいていましたか?」
穂乃香「いえ、そんな・・・でも、モバPさんが言うなら無意識のうちに頭の中で考えていたのかもしれません」
インタビュア「モバPさんは綾瀬さん自身でも気づかなかったことがよく分かりましたね。どうしてですか?」
モバP「理由ですか?そうですね、(プロデューサーの)僕が一番穂乃香のことを分かってるからだと思います」
インタビュア「いつものことですが・・・お熱いセリフありがとうございます」
--VTR終了-----------------------------------
23: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:06:16.88 ID:WEzLO5jE0
司会者「いやぁ、今回も見せ付けてくれますね。と言うか、今回一発成功じゃないんですか?」
モバP「今回は穂乃香のおかげですから。僕だけの力だけで一発成功したいと思ってます」
司会者「なるほど。ところで穂乃香さん、VTR最後のモバPさんのコメントには何か思うことありましたか?」
穂乃香「流石だと思いました。誰より私のことを分かってくれる人がプロデューサーでよかったです」
司会者「ああ、うん。二人とも流石ですね」
この放送を見た視聴者がバレエに興味を持ち、更にバレエを学ぶ人が増えたと協会に感謝された
そしてバレエの企画が増え、僕も穂乃香と一緒に踊ることが多くなった。
仕事が増えて嬉しいけれど、体は毎回悲鳴を上げることとなった
モバP「今回は穂乃香のおかげですから。僕だけの力だけで一発成功したいと思ってます」
司会者「なるほど。ところで穂乃香さん、VTR最後のモバPさんのコメントには何か思うことありましたか?」
穂乃香「流石だと思いました。誰より私のことを分かってくれる人がプロデューサーでよかったです」
司会者「ああ、うん。二人とも流石ですね」
この放送を見た視聴者がバレエに興味を持ち、更にバレエを学ぶ人が増えたと協会に感謝された
そしてバレエの企画が増え、僕も穂乃香と一緒に踊ることが多くなった。
仕事が増えて嬉しいけれど、体は毎回悲鳴を上げることとなった
24: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:08:31.23 ID:WEzLO5jE0
あれから2年、更に69回のチャレンジが行われたがついに僕は一度もミスなしでの達成は出来なかった
今日が記念すべき第100回目の収録となったわけだが
穂乃香「きょ、今日は最後までは問題なくできたじゃないですか!」
モバP「もうあれは失敗だよ。100回目だからきっちり決めたかったんだけどなぁ。最後の最後で」
今回の講師は上田鈴帆と市原仁奈の二人で、着ぐるみ裁縫をチャレンジしたわけだが、
少し小さかったようで、自分で着て会場に出た瞬間、着ぐるみが弾け飛んだ
着ぐるみを着るために服を脱いでいたため、下着姿を会場に晒してしまったのだ
良い体してますね!良い画が取れました!って言ってたからカットはしてくれないんだろうなぁ・・・
穂乃香「ぴにゃこら太の着ぐるみも可愛かったんですけどね」
モバP「ああ、うん・・・残念だったね」
まぁ、穂乃香の希望によりぴにゃこら太の着ぐるみだったし、着れていたとしても結構惨事だったりもする
穂乃香「ところで今日はどうしましょうか?」
モバP「今日は直帰と伝えているし、直接店に行こうと思う。大丈夫かな?」
穂乃香「大丈夫です。でも100回目の記念とは言え、ドレスが必要な店なんて緊張しますね」
モバP「ちひろさんの紹介なんだけど、僕も少し緊張してるんだよね」
今日は収録後の食事を約束していた。ちょっとどころか結構良いお店だ
いわゆる雰囲気の良いお店をちひろさんに紹介してもらったのだ
そして100回目の記念は建前だ。ポケットには小さな箱を忍ばせている
今日が記念すべき第100回目の収録となったわけだが
穂乃香「きょ、今日は最後までは問題なくできたじゃないですか!」
モバP「もうあれは失敗だよ。100回目だからきっちり決めたかったんだけどなぁ。最後の最後で」
今回の講師は上田鈴帆と市原仁奈の二人で、着ぐるみ裁縫をチャレンジしたわけだが、
少し小さかったようで、自分で着て会場に出た瞬間、着ぐるみが弾け飛んだ
着ぐるみを着るために服を脱いでいたため、下着姿を会場に晒してしまったのだ
良い体してますね!良い画が取れました!って言ってたからカットはしてくれないんだろうなぁ・・・
穂乃香「ぴにゃこら太の着ぐるみも可愛かったんですけどね」
モバP「ああ、うん・・・残念だったね」
まぁ、穂乃香の希望によりぴにゃこら太の着ぐるみだったし、着れていたとしても結構惨事だったりもする
穂乃香「ところで今日はどうしましょうか?」
モバP「今日は直帰と伝えているし、直接店に行こうと思う。大丈夫かな?」
穂乃香「大丈夫です。でも100回目の記念とは言え、ドレスが必要な店なんて緊張しますね」
モバP「ちひろさんの紹介なんだけど、僕も少し緊張してるんだよね」
今日は収録後の食事を約束していた。ちょっとどころか結構良いお店だ
いわゆる雰囲気の良いお店をちひろさんに紹介してもらったのだ
そして100回目の記念は建前だ。ポケットには小さな箱を忍ばせている
25: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:10:27.49 ID:WEzLO5jE0
ウェイター「お待ちしておりました、モバP様ですね。どうぞこちらに」
案内された部屋はいくつもテーブルが置けるほどの広さなのに、窓際に一つのテーブルと2つの椅子しかなかった
よく知らないがこれはまさかVIPルームなどと呼ばれる部屋なのでは?
モバP「すみません、あの、案内間違えていませんか?」
ウェイター「いえ、千川様のご紹介ですから。大変ご贔屓にしていただいておりますので」
あの人はどれだけ凄い人なんだ・・・今日はちひろさんの御好意に甘えることにしよう
穂乃香「こんなに素晴らしい場所を用意していただいてありがとうございます」
モバP「うん、正直僕も驚いている。明日ちひろさんにお礼を言っておくよ」
穂乃香「そうですね、私からも・・・夜景も綺麗ですね。こんなところで食事が出来るなんて夢みたいです」
いつも一緒に食事をするときもあまり多くは話さないけど、今日はいつも以上に言葉が少ないような気がする
穂乃香「ワインも美味しいですね」
モバP「そうだね、うん」
嘘だ。味なんて何も分からない。いつも通り穂乃香が目の前にいるだけなのに
穂乃香「・・・今日はどうしたんですか?様子が少しおかしいように感じます」
モバP「え!?ああ、うん。こんなところで食事をしているから緊張しちゃって・・・」
穂乃香「?」
話してる途中で言葉をつまらせた僕を穂乃香が怪訝そうな顔で見てくる。何を言っているんだ、僕は
モバP「違うんだ。そうじゃないんだ。穂乃香、聞いてほしい」
穂乃香「・・・はい」
案内された部屋はいくつもテーブルが置けるほどの広さなのに、窓際に一つのテーブルと2つの椅子しかなかった
よく知らないがこれはまさかVIPルームなどと呼ばれる部屋なのでは?
モバP「すみません、あの、案内間違えていませんか?」
ウェイター「いえ、千川様のご紹介ですから。大変ご贔屓にしていただいておりますので」
あの人はどれだけ凄い人なんだ・・・今日はちひろさんの御好意に甘えることにしよう
穂乃香「こんなに素晴らしい場所を用意していただいてありがとうございます」
モバP「うん、正直僕も驚いている。明日ちひろさんにお礼を言っておくよ」
穂乃香「そうですね、私からも・・・夜景も綺麗ですね。こんなところで食事が出来るなんて夢みたいです」
いつも一緒に食事をするときもあまり多くは話さないけど、今日はいつも以上に言葉が少ないような気がする
穂乃香「ワインも美味しいですね」
モバP「そうだね、うん」
嘘だ。味なんて何も分からない。いつも通り穂乃香が目の前にいるだけなのに
穂乃香「・・・今日はどうしたんですか?様子が少しおかしいように感じます」
モバP「え!?ああ、うん。こんなところで食事をしているから緊張しちゃって・・・」
穂乃香「?」
話してる途中で言葉をつまらせた僕を穂乃香が怪訝そうな顔で見てくる。何を言っているんだ、僕は
モバP「違うんだ。そうじゃないんだ。穂乃香、聞いてほしい」
穂乃香「・・・はい」
26: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:12:44.89 ID:WEzLO5jE0
僕が真剣な顔をしているからだろう。真剣な顔で見つめ返してきた
ちひろさんのアドバイスの通り、一言でいいんだ。僕の口よ、一言くらい言えるだろ!
モバP「・・・穂乃香、結婚してくれ!」
ちひろさんのアドバイスの通り、一言でいいんだ。僕の口よ、一言くらい言えるだろ!
モバP「・・・穂乃香、結婚してくれ!」
27: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:14:02.53 ID:WEzLO5jE0
穂乃香「はい。不束者でありますが、よろしくお願いします」
沈黙になるだろう空気をどうしようか考えていたら、即答だった。
モバP「いや、え?いいんですか?綾瀬さん?」
穂乃香「どうしたんですか。そんな昔みたいに他人行儀にならないでください」
モバP「OK貰えるとは思わなくて。僕が言うのもなんだけど、内容が内容だからもう少し考えても・・・」
穂乃香は視線をこちらから外す。そして夜景の更に向こう側を見つめながら言った
穂乃香「モバPさんに出会ってから三年間のあいだ、色々魔法をかけてもらいました」
穂乃香「今も鮮明に思い出せます。二年前のコンサート。夢だった舞台で夢のような演技が出来ました」
あの頃を思い出しているのだろうか。僕にだって色々な意味で忘れられないコンサートだった
穂乃香「今日は夢のような食事が出来ました。モバPさんには他にもたくさん、色々、本当に夢を叶えてもらえました」
穂乃香「モバPさんはいつも私の夢を叶えてくれます。今もまた一つ私の想いを叶えてくれました」
穂乃香「今日はもしかしたらプロポーズしてくれるのかも、なんて思ってました」
穂乃香の視線がこちらに戻ってくる。少し困ってるような、それでも嬉しいような泣きそうなような、そんな顔で
モバP「はは、僕はそんなに分かりやすいかな。ってそうだ・・・ちょっと渡すタイミング遅れちゃったけど、これ」
穂乃香「これは・・・」
モバP「受け取ってくれるかな?」
穂乃香「勿論です。ありがとうございます」
モバP「よかった。喜んでくれて」
沈黙になるだろう空気をどうしようか考えていたら、即答だった。
モバP「いや、え?いいんですか?綾瀬さん?」
穂乃香「どうしたんですか。そんな昔みたいに他人行儀にならないでください」
モバP「OK貰えるとは思わなくて。僕が言うのもなんだけど、内容が内容だからもう少し考えても・・・」
穂乃香は視線をこちらから外す。そして夜景の更に向こう側を見つめながら言った
穂乃香「モバPさんに出会ってから三年間のあいだ、色々魔法をかけてもらいました」
穂乃香「今も鮮明に思い出せます。二年前のコンサート。夢だった舞台で夢のような演技が出来ました」
あの頃を思い出しているのだろうか。僕にだって色々な意味で忘れられないコンサートだった
穂乃香「今日は夢のような食事が出来ました。モバPさんには他にもたくさん、色々、本当に夢を叶えてもらえました」
穂乃香「モバPさんはいつも私の夢を叶えてくれます。今もまた一つ私の想いを叶えてくれました」
穂乃香「今日はもしかしたらプロポーズしてくれるのかも、なんて思ってました」
穂乃香の視線がこちらに戻ってくる。少し困ってるような、それでも嬉しいような泣きそうなような、そんな顔で
モバP「はは、僕はそんなに分かりやすいかな。ってそうだ・・・ちょっと渡すタイミング遅れちゃったけど、これ」
穂乃香「これは・・・」
モバP「受け取ってくれるかな?」
穂乃香「勿論です。ありがとうございます」
モバP「よかった。喜んでくれて」
28: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:14:54.39 ID:WEzLO5jE0
ウェイター「すみません」
モバP「あ、飲み物はまだ大丈夫ですよ?」
少し空気を読んで欲しい気もしたが、心遣いによる行動だと自分を納得させる
ウェイター「いえ、千川様からモバP様に言伝を預かっていたので・・・こちらをどうぞ」
モバP「ちひろさんからメモ?・・・・・・・・・・・・・やられた・・・」
穂乃香「どうしました?え?私も読んでいいんですか?・・・・・・・・・あ・・・・」
モバP「あ、飲み物はまだ大丈夫ですよ?」
少し空気を読んで欲しい気もしたが、心遣いによる行動だと自分を納得させる
ウェイター「いえ、千川様からモバP様に言伝を預かっていたので・・・こちらをどうぞ」
モバP「ちひろさんからメモ?・・・・・・・・・・・・・やられた・・・」
穂乃香「どうしました?え?私も読んでいいんですか?・・・・・・・・・あ・・・・」
29: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:15:39.67 ID:WEzLO5jE0
メモ『モバP特別企画 第1回 プロポーズチャレンジ【講師:千川ちひろ】』
30: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:17:15.81 ID:WEzLO5jE0
頭を抱えていると、ちひろさんと先ほどのチャレンジ企画の撮影者の方々がぞろぞろ出てきた
ちひろ「いやー♪どきまぎさせられましたよ。どうでしたか?チャレンジ初の一発成功でしたけど♪」
そうだった。こういう人だ。お店もプレゼントも、相談する人を間違えていた。今更になって後悔する。
モバP「・・・・本当に最高の気分ですね」
ちひろ「お店の紹介依頼を受けた時に、準備しておきました。指輪を買ってるところも撮影しておきました♪」
モバP「・・・優秀なアシスタントで本当に助かりますね」
ちひろ「さぁ、せっかくの指輪のプレゼントなんですから、渡すだけじゃなくてちゃんとつけてあげましょうよ♪」
穂乃香「あ・・・」
顔を赤らめながら両手で抱えた小箱をテーブルに置いた。穂乃香もやってほしいと思ったのだろう
ちひろ「ゆっくりですよ。番組的にも、おほん・・・穂乃香ちゃんのためにも余韻が残るように♪」
~以下ダイジェスト~
ちひろ「指輪もぴったりですね。モバPさんセンスいいですねぇ♪二人で指輪が見えるようにしてこっち向いてください♪」
ちひろ「せっかくですし、キスとかどうですか?せっかくですし♪初めて?知ってますよ♪いい記念になりますね♪」
ちひろ「企画からのケーキプレゼントです♪食べさせあいをお願いしますね♪まずはモバPさんから♪」
ちひろ「さすがにこれ以上幸せなお二人を邪魔するのは気が引けるので、撤収しますね♪」
ちひろ「いやー♪どきまぎさせられましたよ。どうでしたか?チャレンジ初の一発成功でしたけど♪」
そうだった。こういう人だ。お店もプレゼントも、相談する人を間違えていた。今更になって後悔する。
モバP「・・・・本当に最高の気分ですね」
ちひろ「お店の紹介依頼を受けた時に、準備しておきました。指輪を買ってるところも撮影しておきました♪」
モバP「・・・優秀なアシスタントで本当に助かりますね」
ちひろ「さぁ、せっかくの指輪のプレゼントなんですから、渡すだけじゃなくてちゃんとつけてあげましょうよ♪」
穂乃香「あ・・・」
顔を赤らめながら両手で抱えた小箱をテーブルに置いた。穂乃香もやってほしいと思ったのだろう
ちひろ「ゆっくりですよ。番組的にも、おほん・・・穂乃香ちゃんのためにも余韻が残るように♪」
~以下ダイジェスト~
ちひろ「指輪もぴったりですね。モバPさんセンスいいですねぇ♪二人で指輪が見えるようにしてこっち向いてください♪」
ちひろ「せっかくですし、キスとかどうですか?せっかくですし♪初めて?知ってますよ♪いい記念になりますね♪」
ちひろ「企画からのケーキプレゼントです♪食べさせあいをお願いしますね♪まずはモバPさんから♪」
ちひろ「さすがにこれ以上幸せなお二人を邪魔するのは気が引けるので、撤収しますね♪」
31: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:18:23.09 ID:WEzLO5jE0
ちひろさんは考えうる限りの邪魔をし尽くした後、満足した顔でお供と一緒にぞろぞろと部屋から出て行った
ちひろさんのお供「『あー、いい画が撮れた』『どっきりした上であんな無茶なお願い普通出来ないわ』『流石ちひろさん』
『しかしいきなり結婚してくれは流石にないよな・・・』『いいんだよ』『無粋ってやつだ』『ちひろさんの予想通りだもんな』
『あれはちひろさんが仕向けたらしいぞ。まずプロポーズだって』『え?それ信じたの?』『見ての通り信じたんだろ』
『俺も嫁さん欲しいなぁ』『バレ(エ)婚パーティーが最近流行らしいぞ』『参加条件の足が180度上げれるってのが無理だ』」
ウェイター「心身ともにお疲れのお客様にオススメのワインが入っているのですが、いかがいたしましょう?」
モバP「・・・・貰おうかな」
ちひろさんのお供「『あー、いい画が撮れた』『どっきりした上であんな無茶なお願い普通出来ないわ』『流石ちひろさん』
『しかしいきなり結婚してくれは流石にないよな・・・』『いいんだよ』『無粋ってやつだ』『ちひろさんの予想通りだもんな』
『あれはちひろさんが仕向けたらしいぞ。まずプロポーズだって』『え?それ信じたの?』『見ての通り信じたんだろ』
『俺も嫁さん欲しいなぁ』『バレ(エ)婚パーティーが最近流行らしいぞ』『参加条件の足が180度上げれるってのが無理だ』」
ウェイター「心身ともにお疲れのお客様にオススメのワインが入っているのですが、いかがいたしましょう?」
モバP「・・・・貰おうかな」
32: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:19:32.79 ID:WEzLO5jE0
僕のプロポーズは全国放送されることになった。
ちひろさんは番組内で当時のことを「二人は周りが積極的に行かないと駄目なタイプだと思ったので♪」と語っていたが
絶対に嘘だ・・・でも、あながち間違っていないから心の片隅で少しだけ感謝しておく
元々ファンの間では今更かと驚かれた程度で、仕事に影響は無かった
一応アイドルはよろしくないとして、穂乃香はタレントに転向した。
モバP「すまない、僕のせいで・・・」
穂乃香「ふふっ、確かにシンデレラガールにはなれなくなりましたね」
アイドルを辞めたのだ。もう目指すことが出来なくなってしまった
モバP「うっ」
穂乃香「冗談です。それにシンデレラになれなかったのはモバPさんのせいじゃありません」
モバP「でも僕が」
穂乃香「もし私がお城で王子様に見初められても私は断っていましたから。シンデレラにはなりません」
穂乃香「私にたくさんの魔法をかけてくれた魔法使いさんが好きになってしまいましたから」
モバP「穂乃香・・・」
穂乃香「さぁ、今日の映画の撮影ですよ。たくさん踊るみたいですから、頑張りましょう」
モバP「何で僕が主役に抜擢されてしまったのか。ダンスも上達したとは言え・・・」
穂乃香「私はモバPさんと踊るの好きですよ。だからこれからもずっと、一緒に」
モバP「・・・穂乃香姫、これからもずっと僕と一緒に踊っていただけませんか?」
穂乃香「はい!」
ちひろさんは番組内で当時のことを「二人は周りが積極的に行かないと駄目なタイプだと思ったので♪」と語っていたが
絶対に嘘だ・・・でも、あながち間違っていないから心の片隅で少しだけ感謝しておく
元々ファンの間では今更かと驚かれた程度で、仕事に影響は無かった
一応アイドルはよろしくないとして、穂乃香はタレントに転向した。
モバP「すまない、僕のせいで・・・」
穂乃香「ふふっ、確かにシンデレラガールにはなれなくなりましたね」
アイドルを辞めたのだ。もう目指すことが出来なくなってしまった
モバP「うっ」
穂乃香「冗談です。それにシンデレラになれなかったのはモバPさんのせいじゃありません」
モバP「でも僕が」
穂乃香「もし私がお城で王子様に見初められても私は断っていましたから。シンデレラにはなりません」
穂乃香「私にたくさんの魔法をかけてくれた魔法使いさんが好きになってしまいましたから」
モバP「穂乃香・・・」
穂乃香「さぁ、今日の映画の撮影ですよ。たくさん踊るみたいですから、頑張りましょう」
モバP「何で僕が主役に抜擢されてしまったのか。ダンスも上達したとは言え・・・」
穂乃香「私はモバPさんと踊るの好きですよ。だからこれからもずっと、一緒に」
モバP「・・・穂乃香姫、これからもずっと僕と一緒に踊っていただけませんか?」
穂乃香「はい!」
33: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:29:27.85 ID:WEzLO5jE0
>>12と>>13の間くらいの追記
穂乃香視点です。
バレエのために始めたアイドルだったけど、楽しいし、充実している。やってよかったと思う
スランプの原因はすでに分かっていた。正確に、間違えないように踊ることばかりを考えていたせいだ
まるで機械のように踊る姿は、誰の心を打つことも出来なかっただろう・・・今なら・・・?
手入れをしてあるトゥシューズが目に入る。前に履いたのは、すでに4日前だ
少し前までは自主トレとは言え、ほぼ毎日バレエの練習はしっかり出来ていたのに
アイドルかバレエか、選ぶ時なのかもしれない
そして私の出した答えは・・・
穂乃香視点です。
バレエのために始めたアイドルだったけど、楽しいし、充実している。やってよかったと思う
スランプの原因はすでに分かっていた。正確に、間違えないように踊ることばかりを考えていたせいだ
まるで機械のように踊る姿は、誰の心を打つことも出来なかっただろう・・・今なら・・・?
手入れをしてあるトゥシューズが目に入る。前に履いたのは、すでに4日前だ
少し前までは自主トレとは言え、ほぼ毎日バレエの練習はしっかり出来ていたのに
アイドルかバレエか、選ぶ時なのかもしれない
そして私の出した答えは・・・
34: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:29:57.63 ID:WEzLO5jE0
今までありがとうトゥシューズ。私の気持ちがブレないようにさよならするね
ゴミ箱にトゥシューズを持ってきた。捨てよう・・・捨てなきゃ・・・忘れなきゃ・・・
トゥシューズを持つ手が震える。少し力を抜くだけでゴミ箱に落ちるはずのそれは手から離れなかった
結局私はトゥシューズを抱えて、たからものを捨てられそうな子供みたいに泣いてしまった。
ゴミ箱にトゥシューズを持ってきた。捨てよう・・・捨てなきゃ・・・忘れなきゃ・・・
トゥシューズを持つ手が震える。少し力を抜くだけでゴミ箱に落ちるはずのそれは手から離れなかった
結局私はトゥシューズを抱えて、たからものを捨てられそうな子供みたいに泣いてしまった。
35: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:30:30.76 ID:WEzLO5jE0
穂乃香「おはようございます」
モバP「穂乃香おはよ・・・う・・?」
穂乃香「どうしました?」
モバP「あ、ああ、ちょっと元気ないかなって思ってね。大丈夫?今日はゆっくり休んでも」
穂乃香「大丈夫です。少し疲れてますが、これが終わったらゆっくり休みますから」
モバP「ああ、うん、分かった。ちょっと待って、ちょっと準備してくる」
穂乃香「・・・あの、モバPさん、話しをしたいことがあるのですが」
モバP「うん、じゃあ打ち合わせでその話しもしようか」
穂乃香「私はアイドルを続けます」
モバP「・・・穂乃香?」
穂乃香「バレエはやめます。これからはアイドルの頂点を目指して頑張っていきます」
モバP「・・・えっと?」
穂乃香「これからもプロデュースをお願いします。モバPさん」
モバP「それはいいけど・・・まずは泣き止んで欲しいかな」
もうダメだった。モバPさんに気持ちを伝えて、モバPさんの顔を見たら涙があふれ出てしまった
泣き顔を隠せて、安心できる場所がそこにあったから。モバPさんの胸でまた泣いてしまった
モバP「穂乃香おはよ・・・う・・?」
穂乃香「どうしました?」
モバP「あ、ああ、ちょっと元気ないかなって思ってね。大丈夫?今日はゆっくり休んでも」
穂乃香「大丈夫です。少し疲れてますが、これが終わったらゆっくり休みますから」
モバP「ああ、うん、分かった。ちょっと待って、ちょっと準備してくる」
穂乃香「・・・あの、モバPさん、話しをしたいことがあるのですが」
モバP「うん、じゃあ打ち合わせでその話しもしようか」
穂乃香「私はアイドルを続けます」
モバP「・・・穂乃香?」
穂乃香「バレエはやめます。これからはアイドルの頂点を目指して頑張っていきます」
モバP「・・・えっと?」
穂乃香「これからもプロデュースをお願いします。モバPさん」
モバP「それはいいけど・・・まずは泣き止んで欲しいかな」
もうダメだった。モバPさんに気持ちを伝えて、モバPさんの顔を見たら涙があふれ出てしまった
泣き顔を隠せて、安心できる場所がそこにあったから。モバPさんの胸でまた泣いてしまった
36: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:31:14.01 ID:WEzLO5jE0
気づいたら仮眠室だった。モバPさんの胸で泣いて、撫でられていたら寝てしまったようだ
違和感のある自分の右手の方を見ると手を握ったままのモバPさんが寝ていた
ずっと握っていてくれたんだろう。嬉しいような恥ずかしいような、手に力が入ってしまったようだ
モバPさんが目を覚ます。寝ていたことを恥じたのか少し慌てて、それでも私に気をかけてくれた
モバP「おはよう。気分は落ち着いた?」
穂乃香「はい、ありがとうございます。取り乱してすみませんでした」
モバP「よかった。ところで」
穂乃香「さっきのは言ったとおりです。これからはアイドル一筋で」
モバP「穂乃香」
穂乃香「・・・はい」
モバP「いきなりどうしたんだ?相談してくれてもいいだろ?」
穂乃香「アイドルとバレエのどちらかを選ぶ時期だと思い、昨日悩みました」
モバP「それで、アイドルを選んだと」
穂乃香「はい。だからバレエと決別するためにも、トゥシューズを捨てようと思ったんです」
モバP「そうか、なるほど。穂乃香らしいな。でも嬉しいよ、アイドル続けてくれるんだ」
モバP「確かに忙しくなったけど、出来なくなるわけじゃない。バレエも続ければいい」
穂乃香「・・・でも中途半端は良くないです」
モバP「中途半端にはならない。そんなこと、しないだろ?穂乃香は良くも悪くも真面目だから」
モバP「悪い真面目は選ばなきゃと思ったこと。良い真面目はどんなことでも妥協しないこと」
モバP「二兎追って、二兎とも得ればいいじゃないか。少なくとも片方を諦めるには今はまだ少し若い」
穂乃香「それほど歳が離れていないと思うんですけど・・・でも、ありがとうございます。」
モバP「よし、大丈夫そうだな。もう少し休んだら帰るといい。打ち合わせはまた明日に。じゃあ」
穂乃香「はい、あ、あの、もう少し・・・もう少し手を握っててくれませんか」
手を解いて立ち上がろうとしたモバPさんは、何も言わずに座りなおして手を握り返してくれた
仕事が残っているだろう事は分かっていたが、今はモバPさんの優しさに甘えさせてもらうことにした
疲れていたせいかすぐに眠ってしまった。起きた時にはモバPさんはいなかったけれど心は暖かいままだった
違和感のある自分の右手の方を見ると手を握ったままのモバPさんが寝ていた
ずっと握っていてくれたんだろう。嬉しいような恥ずかしいような、手に力が入ってしまったようだ
モバPさんが目を覚ます。寝ていたことを恥じたのか少し慌てて、それでも私に気をかけてくれた
モバP「おはよう。気分は落ち着いた?」
穂乃香「はい、ありがとうございます。取り乱してすみませんでした」
モバP「よかった。ところで」
穂乃香「さっきのは言ったとおりです。これからはアイドル一筋で」
モバP「穂乃香」
穂乃香「・・・はい」
モバP「いきなりどうしたんだ?相談してくれてもいいだろ?」
穂乃香「アイドルとバレエのどちらかを選ぶ時期だと思い、昨日悩みました」
モバP「それで、アイドルを選んだと」
穂乃香「はい。だからバレエと決別するためにも、トゥシューズを捨てようと思ったんです」
モバP「そうか、なるほど。穂乃香らしいな。でも嬉しいよ、アイドル続けてくれるんだ」
モバP「確かに忙しくなったけど、出来なくなるわけじゃない。バレエも続ければいい」
穂乃香「・・・でも中途半端は良くないです」
モバP「中途半端にはならない。そんなこと、しないだろ?穂乃香は良くも悪くも真面目だから」
モバP「悪い真面目は選ばなきゃと思ったこと。良い真面目はどんなことでも妥協しないこと」
モバP「二兎追って、二兎とも得ればいいじゃないか。少なくとも片方を諦めるには今はまだ少し若い」
穂乃香「それほど歳が離れていないと思うんですけど・・・でも、ありがとうございます。」
モバP「よし、大丈夫そうだな。もう少し休んだら帰るといい。打ち合わせはまた明日に。じゃあ」
穂乃香「はい、あ、あの、もう少し・・・もう少し手を握っててくれませんか」
手を解いて立ち上がろうとしたモバPさんは、何も言わずに座りなおして手を握り返してくれた
仕事が残っているだろう事は分かっていたが、今はモバPさんの優しさに甘えさせてもらうことにした
疲れていたせいかすぐに眠ってしまった。起きた時にはモバPさんはいなかったけれど心は暖かいままだった
37: 24の前その1 ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:36:30.71 ID:WEzLO5jE0
>>24のちょっと前くらいの話
入れようか迷ったのですが、入れなかったので最後に
~~~回想~~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「ちひろさん、ちょっとご相談が」
ちひろ「どうしました?穂乃香ではなくて私にですか?」
モバP「穂乃香には相談できないというか、そんな感じなのですが」
ちひろ「そうでしたか。私で答えられればいいんですけど、どうしました?」
モバP「あの、そうですね。気になる女性と食事に招待するようなお店って詳しくないですか?」
ちひろ「そうですね。・・・すぐには無理なんですけど、少し時間をいただければ」
モバP「今月20日のお昼の収録をした後になるんですけど」
ちひろ「多分大丈夫だと思います。二人での予約でよろしいですね?」
モバP「はい。僕はそういうのに疎いので、よろしくお願いします」
ちひろ「せっかくですから、気になる女性に思いの丈を伝えてみてはいかがですか?」
モバP「そ、そうですかね?」
ちひろ「そうですよ♪良いお店用意しますし、チャンスですって」
モバP「なるほど。そうですね、頑張ってみたいと思います」
ちひろ「モバPさんは最近の流行の告白の仕方とか大丈夫ですか?」
モバP「流行とかあるんですか?そのまま気持ちを伝えようかと」
ちひろ「ダメですよ。流行の方が女性も喜ぶと思いますよ」
モバP「でも勉強不足で・・・」
ちひろ「簡単ですよ。流行はまずはプロポーズすることなんです」
モバP「うぇええ!?あの、付き合ってもいないんですよ?」
入れようか迷ったのですが、入れなかったので最後に
~~~回想~~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「ちひろさん、ちょっとご相談が」
ちひろ「どうしました?穂乃香ではなくて私にですか?」
モバP「穂乃香には相談できないというか、そんな感じなのですが」
ちひろ「そうでしたか。私で答えられればいいんですけど、どうしました?」
モバP「あの、そうですね。気になる女性と食事に招待するようなお店って詳しくないですか?」
ちひろ「そうですね。・・・すぐには無理なんですけど、少し時間をいただければ」
モバP「今月20日のお昼の収録をした後になるんですけど」
ちひろ「多分大丈夫だと思います。二人での予約でよろしいですね?」
モバP「はい。僕はそういうのに疎いので、よろしくお願いします」
ちひろ「せっかくですから、気になる女性に思いの丈を伝えてみてはいかがですか?」
モバP「そ、そうですかね?」
ちひろ「そうですよ♪良いお店用意しますし、チャンスですって」
モバP「なるほど。そうですね、頑張ってみたいと思います」
ちひろ「モバPさんは最近の流行の告白の仕方とか大丈夫ですか?」
モバP「流行とかあるんですか?そのまま気持ちを伝えようかと」
ちひろ「ダメですよ。流行の方が女性も喜ぶと思いますよ」
モバP「でも勉強不足で・・・」
ちひろ「簡単ですよ。流行はまずはプロポーズすることなんです」
モバP「うぇええ!?あの、付き合ってもいないんですよ?」
38: 24の前その2 ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:37:19.23 ID:WEzLO5jE0
ちひろ「考えが浅いですよ!例えばこのエナドリ、10本1000円ですが買いませんか?」
モバP「う~ん、10本1000円ですか」
ちひろ「そんなモバPさんには1本おまけをつけて11本1000円でお売りします!」
モバP「買います!・・・はっ!?」
ちひろ「お買い上げありがとうございます♪と言うことなんです」
ちひろ「女性もいきなりプロポーズでは断りますが、その後付き合って欲しいと言われたら?」
モバP「付き合うならいいかな。と思うわけですね!流石です!!参考にします」
モバP「う~ん、10本1000円ですか」
ちひろ「そんなモバPさんには1本おまけをつけて11本1000円でお売りします!」
モバP「買います!・・・はっ!?」
ちひろ「お買い上げありがとうございます♪と言うことなんです」
ちひろ「女性もいきなりプロポーズでは断りますが、その後付き合って欲しいと言われたら?」
モバP「付き合うならいいかな。と思うわけですね!流石です!!参考にします」
40: 24の前その3 ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/01(日) 17:37:58.43 ID:WEzLO5jE0
ちひろ「その時指輪を渡すと、更に好印象ですよ!指輪はここのお店がオススメです。」
モバP「何から何までありがとうございます・・・あ、指輪のサイズが・・・」
ちひろ「そういえば穂乃香ちゃんの薬指は5号らしいですよ?参考にしてみてください」
モバP「何から何までありがとうございます」
ちひろ「そうそう、指輪のお店は12日の14時くらいにシークレット割引があるとか?」
モバP「ちょうど休暇日ですね。穂乃香に申し訳ないけど、一人で買い物行ってみます」
ちひろ「え?予定あったんですか?」
モバP「感じの良い喫茶店があったので、午後に穂乃香と一緒に行く予定だったんですよ」
ちひろ「ああー、間違えました。確か10時にやってるの思いだしました」
モバP「それなら良かった。最近喫茶店で話しをするの好きになったみたいで」
ちひろ「それはまた珍しいような。ああ、加奈ちゃんが講師だったあれですかね?」
モバP「そうなんですよ。結構気分転換になるみたいで」
ちひろ「(穂乃香ちゃん積極的ですねぇ)そうでしたか。では12日の10時です」
モバP「ありがとうございます。そろそろ穂乃香が来るので、戻りますね」
ちひろ「はい♪」
Prrrrr・・・・
ちひろ「もしもし、チャレンジ企画の監督さんですか?あの二人の面白いネタあるんですけど」
ちひろ「はい、12日の10時にそこで買い物を。割引すると言ってあるので、口裏を・・・」
ちひろ「お店は紹介すると言ってあるので、撮影しやすい個室の・・・え、そこのお店取れます?」
ちひろ「いいお店ですねぇ♪千川ちひろの紹介と言う設定でお願いします。はい・・・はい、では」
ちひろ「お二人とも羨ましいですね・・・邪魔者が入らなければ、ですけど♪」
モバP「何から何までありがとうございます・・・あ、指輪のサイズが・・・」
ちひろ「そういえば穂乃香ちゃんの薬指は5号らしいですよ?参考にしてみてください」
モバP「何から何までありがとうございます」
ちひろ「そうそう、指輪のお店は12日の14時くらいにシークレット割引があるとか?」
モバP「ちょうど休暇日ですね。穂乃香に申し訳ないけど、一人で買い物行ってみます」
ちひろ「え?予定あったんですか?」
モバP「感じの良い喫茶店があったので、午後に穂乃香と一緒に行く予定だったんですよ」
ちひろ「ああー、間違えました。確か10時にやってるの思いだしました」
モバP「それなら良かった。最近喫茶店で話しをするの好きになったみたいで」
ちひろ「それはまた珍しいような。ああ、加奈ちゃんが講師だったあれですかね?」
モバP「そうなんですよ。結構気分転換になるみたいで」
ちひろ「(穂乃香ちゃん積極的ですねぇ)そうでしたか。では12日の10時です」
モバP「ありがとうございます。そろそろ穂乃香が来るので、戻りますね」
ちひろ「はい♪」
Prrrrr・・・・
ちひろ「もしもし、チャレンジ企画の監督さんですか?あの二人の面白いネタあるんですけど」
ちひろ「はい、12日の10時にそこで買い物を。割引すると言ってあるので、口裏を・・・」
ちひろ「お店は紹介すると言ってあるので、撮影しやすい個室の・・・え、そこのお店取れます?」
ちひろ「いいお店ですねぇ♪千川ちひろの紹介と言う設定でお願いします。はい・・・はい、では」
ちひろ「お二人とも羨ましいですね・・・邪魔者が入らなければ、ですけど♪」
45: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:41:06.66 ID:PwNvEUhF0
- 第70回 ~おしゃべりチャレンジ~【講師 今井加奈】-
加奈「今日のチャレンジはおしゃべりですよ!」
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「あの・・・」
加奈「どうしましたか?お二人ともそんな顔して」
モバP「あの、おしゃべりってチャレンジするものじゃないと思うんですが?」
穂乃香「ただ話すだけですよね?おしゃべりって」
加奈「そうですね、お話するおしゃべりですよ?」
モバP(いや、おしゃべりと言っても何か理由があるはずだ・・・そうか!)
モバP「なるほど、僕達がコミュニケーションがしっかり取れてるか確認の企画ってことなのか」
穂乃香「確かに。仕事上の表面だけの付き合いではないと言うことを証明するチャレンジですね!」
ディレクター(以下:ディレ)(二人のおしゃべりを見てみたいと視聴者の要望があっただけなんだけど・・・)
加奈「・・・・はい!そんな感じです!」
ディレ(あ、特に考えてなかったな。良い感じで勘違いしてくれて助かった)
と言うわけでチャレンジ開始!(※ 加奈ちゃんとディレは別室で二人を見てます)
加奈「今日のチャレンジはおしゃべりですよ!」
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「あの・・・」
加奈「どうしましたか?お二人ともそんな顔して」
モバP「あの、おしゃべりってチャレンジするものじゃないと思うんですが?」
穂乃香「ただ話すだけですよね?おしゃべりって」
加奈「そうですね、お話するおしゃべりですよ?」
モバP(いや、おしゃべりと言っても何か理由があるはずだ・・・そうか!)
モバP「なるほど、僕達がコミュニケーションがしっかり取れてるか確認の企画ってことなのか」
穂乃香「確かに。仕事上の表面だけの付き合いではないと言うことを証明するチャレンジですね!」
ディレクター(以下:ディレ)(二人のおしゃべりを見てみたいと視聴者の要望があっただけなんだけど・・・)
加奈「・・・・はい!そんな感じです!」
ディレ(あ、特に考えてなかったな。良い感じで勘違いしてくれて助かった)
と言うわけでチャレンジ開始!(※ 加奈ちゃんとディレは別室で二人を見てます)
46: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:49:15.80 ID:PwNvEUhF0
モバP「うーん、目標は何でもいいから2時間おしゃべりをすること、か」
穂乃香「喫茶店内なら何注文してもいいとのことですね」
モバP「とりあえず注文しようか」
穂乃香「はい。あ、すみません注文よろしいですか?」
モバP「えっと、コーヒーとカフェオレを一つずつ」
加奈『あれ?二人とも事前に決めてたんですかね?』
ディレ『多分違う。一瞬アイコンタクトしてたから、多分それだと思う』
加奈『え?』
モバP「さて、どう足掻いても二時間ここにいなきゃ駄目な訳だし」
穂乃香「そうですね。まずはスケジュール確認しましょうか」
モバP「そうだな、あと今後の方針も考えようか。まず明後日のレッスンなんだけど・・・・」
加奈『何か打ち合わせが始まったんですけど?』
ディレ『・・・仕事の話は禁止って言ってないからセーフ』
穂乃香「喫茶店内なら何注文してもいいとのことですね」
モバP「とりあえず注文しようか」
穂乃香「はい。あ、すみません注文よろしいですか?」
モバP「えっと、コーヒーとカフェオレを一つずつ」
加奈『あれ?二人とも事前に決めてたんですかね?』
ディレ『多分違う。一瞬アイコンタクトしてたから、多分それだと思う』
加奈『え?』
モバP「さて、どう足掻いても二時間ここにいなきゃ駄目な訳だし」
穂乃香「そうですね。まずはスケジュール確認しましょうか」
モバP「そうだな、あと今後の方針も考えようか。まず明後日のレッスンなんだけど・・・・」
加奈『何か打ち合わせが始まったんですけど?』
ディレ『・・・仕事の話は禁止って言ってないからセーフ』
47: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:50:25.18 ID:PwNvEUhF0
~20分後~
モバP「一通り終わったけど、どうしようか?うーん、後90分くらいか」
穂乃香「まだまだ時間ありますね。どんな話をしましょうか」
モバP「そうだなぁ。うーん・・・天気の話とか?」
穂乃香「晴れてますね」
モバP「そうだね」
穂乃香・モバP「・・・・」
加奈『おしゃべり終わっちゃいましたね』
ディレ『うん。今のおしゃべりですらなかったけどね』
モバP「話題、話題・・・こうやって考えてみるとおしゃべりって難しいな。穂乃香は何かないかな?」
穂乃香「そうですねぇ・・・・・・あっ♪」
モバP「すごい僕のこと見てるけど、何かついてる?」
穂乃香「いえ、あまりお互いがどう思っているのか話をしたことは無かったような気がしたので」
モバP「なるほど。確かに人から見た自分を知るのは良い発見があるかもしれないな」
穂乃香「そうですね。まずはどうしましょうか?」
モバP「うーん、漠然と考えると難しいね。一つずつ見ていこうか。まずは顔から、かな?」
穂乃香「なるほど・・・まずは顔ですね」
加奈『お互いすごく顔が近づいているんですけど』
ディレ『これこそ放送出来な・・くないな。いつもこんな感じだった』
モバP「一通り終わったけど、どうしようか?うーん、後90分くらいか」
穂乃香「まだまだ時間ありますね。どんな話をしましょうか」
モバP「そうだなぁ。うーん・・・天気の話とか?」
穂乃香「晴れてますね」
モバP「そうだね」
穂乃香・モバP「・・・・」
加奈『おしゃべり終わっちゃいましたね』
ディレ『うん。今のおしゃべりですらなかったけどね』
モバP「話題、話題・・・こうやって考えてみるとおしゃべりって難しいな。穂乃香は何かないかな?」
穂乃香「そうですねぇ・・・・・・あっ♪」
モバP「すごい僕のこと見てるけど、何かついてる?」
穂乃香「いえ、あまりお互いがどう思っているのか話をしたことは無かったような気がしたので」
モバP「なるほど。確かに人から見た自分を知るのは良い発見があるかもしれないな」
穂乃香「そうですね。まずはどうしましょうか?」
モバP「うーん、漠然と考えると難しいね。一つずつ見ていこうか。まずは顔から、かな?」
穂乃香「なるほど・・・まずは顔ですね」
加奈『お互いすごく顔が近づいているんですけど』
ディレ『これこそ放送出来な・・くないな。いつもこんな感じだった』
48: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:52:53.44 ID:PwNvEUhF0
モバP「うん、まずは僕から。やっぱり穂乃香の顔は綺麗だ。文句のつけようがない」
モバP「まずは目。穂乃香の真面目さが垣間見える力強さ、それでも純粋な優しさを感じる」
モバP「眉もそう。穂乃香の控えめな性格を表現しつつも、秘かにそれでも存在感は忘れていない」
モバP「髪も申し分ない。穂乃香は少しクセがあることを気にしているけど、正直に言うと僕は好きだ」
モバP「最近手入れのアドバイスを貰っているらしいけど、十分可愛いと思う。いや今の方がいい」
モバP「後は口かな。穂乃香は感情が一番出るのが口だと思う。穂乃香の口を見ているだけで楽しい」
モバP「特に真面目な時の口元は、美しさと可愛さを兼ね揃えた一級品と言っても過言ではない」
モバP「それらを全て具有する穂乃香をプロデュースできる僕は本当に幸せ者だと思う」
モバP「勿論顔だけじゃない。顔だけでも素晴らしいってことで、他にも」
穂乃香「あの、その・・・」
モバP「ああ、すまない。そうだね、まずは顔からって話しだったね」
穂乃香「いえ、それもそうですけど・・・」
ディレ『くっ、長時間のぴにゃタイムか。慣れてても厳しいな・・・』
加奈『』
ディレ『加奈ちゃん?加奈ちゃんっ!?・・・素人には濃すぎたか』
ぴにゃタイムとは:ぴにゃこら太のように不思議な空気を出している時間
一説によると新婚も裸足で逃げ出すほどの甘い時間だが本人達は無意識である。
先日発売されたぴにゃタイム総編集を見た独身が救急搬送された噂は有名な話だ
モバP「まずは目。穂乃香の真面目さが垣間見える力強さ、それでも純粋な優しさを感じる」
モバP「眉もそう。穂乃香の控えめな性格を表現しつつも、秘かにそれでも存在感は忘れていない」
モバP「髪も申し分ない。穂乃香は少しクセがあることを気にしているけど、正直に言うと僕は好きだ」
モバP「最近手入れのアドバイスを貰っているらしいけど、十分可愛いと思う。いや今の方がいい」
モバP「後は口かな。穂乃香は感情が一番出るのが口だと思う。穂乃香の口を見ているだけで楽しい」
モバP「特に真面目な時の口元は、美しさと可愛さを兼ね揃えた一級品と言っても過言ではない」
モバP「それらを全て具有する穂乃香をプロデュースできる僕は本当に幸せ者だと思う」
モバP「勿論顔だけじゃない。顔だけでも素晴らしいってことで、他にも」
穂乃香「あの、その・・・」
モバP「ああ、すまない。そうだね、まずは顔からって話しだったね」
穂乃香「いえ、それもそうですけど・・・」
ディレ『くっ、長時間のぴにゃタイムか。慣れてても厳しいな・・・』
加奈『』
ディレ『加奈ちゃん?加奈ちゃんっ!?・・・素人には濃すぎたか』
ぴにゃタイムとは:ぴにゃこら太のように不思議な空気を出している時間
一説によると新婚も裸足で逃げ出すほどの甘い時間だが本人達は無意識である。
先日発売されたぴにゃタイム総編集を見た独身が救急搬送された噂は有名な話だ
49: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:54:03.77 ID:PwNvEUhF0
穂乃香「もう、それを言うならモバPさんだって・・・」
ディレ『まずい!これは隙のないぴにゃタイム波状攻撃が来るぞ!!一旦逃げるぞ!!』
加奈『』
ディレ『加奈ちゃん・・・骨は拾いに戻ってくるよ』
ディレ『まずい!これは隙のないぴにゃタイム波状攻撃が来るぞ!!一旦逃げるぞ!!』
加奈『』
ディレ『加奈ちゃん・・・骨は拾いに戻ってくるよ』
50: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:56:35.68 ID:PwNvEUhF0
~ダイジェスト①~
モバP「やっぱり穂乃香の髪は綺麗だな」
穂乃香「そうですかね?・・・あの、触ってみます?」
モバP「いやそんな。女性の髪を触るなんて悪いからいいよ」
穂乃香「大丈夫です。むしろ触って欲しいって」
モバP「え?」
穂乃香「いえ!違うんです!・・・そう!見るだけじゃなくて髪を触った感想も聞きたくて」
モバP「なるほど、それも一理あるような気がするかもしれない。ちょっと失礼させてもらおう」
穂乃香「は、はい。どうぞ」
モバP「うん、やっぱり見た目通りしっとりしていて・・・穂乃香?」
穂乃香「き、気にしないでください。モバPさんに頭を撫でられてるので」
モバP「やっぱりあまり良い気分ではないよね。ありがとう、もう十分触ったから」
穂乃香「違います!まだお願いします。・・・モバPさんの手で撫でられるの、気持ち良いですから」
モバP「そうかな?僕の手なんてガサガサして気持ち悪くないかな?」
穂乃香「そんなことないです。大きくて硬くて、少し荒れてるかもしれませんけど」
穂乃香「それは私のために頑張ってくれた証拠でもありますし、すごく気持ちいいです」
モバP「それならもう少し」
穂乃香「はい・・・・・・・んっ♪」
モバP「やっぱり穂乃香の髪は綺麗だな」
穂乃香「そうですかね?・・・あの、触ってみます?」
モバP「いやそんな。女性の髪を触るなんて悪いからいいよ」
穂乃香「大丈夫です。むしろ触って欲しいって」
モバP「え?」
穂乃香「いえ!違うんです!・・・そう!見るだけじゃなくて髪を触った感想も聞きたくて」
モバP「なるほど、それも一理あるような気がするかもしれない。ちょっと失礼させてもらおう」
穂乃香「は、はい。どうぞ」
モバP「うん、やっぱり見た目通りしっとりしていて・・・穂乃香?」
穂乃香「き、気にしないでください。モバPさんに頭を撫でられてるので」
モバP「やっぱりあまり良い気分ではないよね。ありがとう、もう十分触ったから」
穂乃香「違います!まだお願いします。・・・モバPさんの手で撫でられるの、気持ち良いですから」
モバP「そうかな?僕の手なんてガサガサして気持ち悪くないかな?」
穂乃香「そんなことないです。大きくて硬くて、少し荒れてるかもしれませんけど」
穂乃香「それは私のために頑張ってくれた証拠でもありますし、すごく気持ちいいです」
モバP「それならもう少し」
穂乃香「はい・・・・・・・んっ♪」
51: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:57:19.24 ID:PwNvEUhF0
~ダイジェスト②~
穂乃香「服の上からじゃ分かりづらいですけど、厚くて硬いですね」
モバP「結構自信あったんだけど、そう言われるとやっぱり嬉しいな」
穂乃香「本当にガッチガチですね・・・胸」
モバP「うん。木場さんの筋トレチャレンジの後もそれなりに頑張ってたからね」
穂乃香「そうだったんですか?それでしたら誘ってくれてもよかったのに」
モバP「穂乃香はほぼ毎日レッスンしているしね。変に筋肉をついちゃうのもあれだからね」
穂乃香「そうですか。でも体を鍛えるなんてどうしてですか?楽しいからですか?」
モバP「それもあるけど、チャレンジは結構体力使うのも多いしね。鍛えて損はないと思って」
穂乃香「なるほど。確かに腕も多分昔よりは大分太くなってるみたいですね」
モバP「あー、そこはちょっとくすぐったいかな?」
穂乃香「あ、すみません。ちょっと夢中になっちゃいました」
穂乃香「服の上からじゃ分かりづらいですけど、厚くて硬いですね」
モバP「結構自信あったんだけど、そう言われるとやっぱり嬉しいな」
穂乃香「本当にガッチガチですね・・・胸」
モバP「うん。木場さんの筋トレチャレンジの後もそれなりに頑張ってたからね」
穂乃香「そうだったんですか?それでしたら誘ってくれてもよかったのに」
モバP「穂乃香はほぼ毎日レッスンしているしね。変に筋肉をついちゃうのもあれだからね」
穂乃香「そうですか。でも体を鍛えるなんてどうしてですか?楽しいからですか?」
モバP「それもあるけど、チャレンジは結構体力使うのも多いしね。鍛えて損はないと思って」
穂乃香「なるほど。確かに腕も多分昔よりは大分太くなってるみたいですね」
モバP「あー、そこはちょっとくすぐったいかな?」
穂乃香「あ、すみません。ちょっと夢中になっちゃいました」
52: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:59:14.92 ID:PwNvEUhF0
PiPiPiPi・・・・
モバP「あれ?もう二時間か。結構早いな」
穂乃香「そうですね。まだ話し足りない気がします」
モバP「そうだなぁ。確かに物足りないような気がするね。ところで時間だよね?」
穂乃香「そうなんですけど、誰も来ませんね?・・・・と思ったら来ましたね」
モバP「あれ!?加奈ちゃんが担がれてるように見えるんだけど、大丈夫かな?」
穂乃香「本当ですね・・・体調が優れないのでしょうか」
モバP「体調不良なのに来てくれてたのか。悪いことをしたな」
ディレ「少し待たせたね。じゃあ今回のチャレンジの総評について、まずはモバPさんから」
モバP「いや、なんか普通にスルーしてますけど、後ろの加奈ちゃんですよね?」
ディレ「気にしない気にしない、大丈夫だから。じゃあちゃっちゃと総評いこうか」
モバP「大丈夫って・・・まぁ、加奈さんも早く休ませたいですし、いきますか」
モバP「今回のチャレンジは久しぶりにゆっくり出来ました。大体翌日筋肉痛になるのばかりだったので」
モバP「それと最近仕事で休みが取れてないと思ったので、調整したいと思います」
モバP「穂乃香も仕事ばかりでは疲れてしまうと思うので・・・ってこれ総評じゃないですね」
ディレ「いや、いいんじゃないですかね。むしろいつも通りです!じゃあ次は穂乃香ちゃん」
モバP「うっ、いつもこんな感じですかねぇ・・・」
穂乃香「はい。モバPさんも仰っていましたがのんびりできました」
穂乃香「でもモバPさんと仕事している時間も好きなので、特に休みを作ろうとしなくても大丈夫ですよ」
穂乃香「それでももし二人で休みが重なった時は、またこんなお店でおしゃべりしたいと思いました」
ディレ「うーん、いつも通りの締まりの無いちょっとピンク色の空気で閉めましょうか」
加奈「う・・・うう・・・」
ディレ「あれ?加奈ちゃん起きた?もう収録終わっちゃうよ?最後一言くらい言っておきましょうよ」
モバP「あれ?もう二時間か。結構早いな」
穂乃香「そうですね。まだ話し足りない気がします」
モバP「そうだなぁ。確かに物足りないような気がするね。ところで時間だよね?」
穂乃香「そうなんですけど、誰も来ませんね?・・・・と思ったら来ましたね」
モバP「あれ!?加奈ちゃんが担がれてるように見えるんだけど、大丈夫かな?」
穂乃香「本当ですね・・・体調が優れないのでしょうか」
モバP「体調不良なのに来てくれてたのか。悪いことをしたな」
ディレ「少し待たせたね。じゃあ今回のチャレンジの総評について、まずはモバPさんから」
モバP「いや、なんか普通にスルーしてますけど、後ろの加奈ちゃんですよね?」
ディレ「気にしない気にしない、大丈夫だから。じゃあちゃっちゃと総評いこうか」
モバP「大丈夫って・・・まぁ、加奈さんも早く休ませたいですし、いきますか」
モバP「今回のチャレンジは久しぶりにゆっくり出来ました。大体翌日筋肉痛になるのばかりだったので」
モバP「それと最近仕事で休みが取れてないと思ったので、調整したいと思います」
モバP「穂乃香も仕事ばかりでは疲れてしまうと思うので・・・ってこれ総評じゃないですね」
ディレ「いや、いいんじゃないですかね。むしろいつも通りです!じゃあ次は穂乃香ちゃん」
モバP「うっ、いつもこんな感じですかねぇ・・・」
穂乃香「はい。モバPさんも仰っていましたがのんびりできました」
穂乃香「でもモバPさんと仕事している時間も好きなので、特に休みを作ろうとしなくても大丈夫ですよ」
穂乃香「それでももし二人で休みが重なった時は、またこんなお店でおしゃべりしたいと思いました」
ディレ「うーん、いつも通りの締まりの無いちょっとピンク色の空気で閉めましょうか」
加奈「う・・・うう・・・」
ディレ「あれ?加奈ちゃん起きた?もう収録終わっちゃうよ?最後一言くらい言っておきましょうよ」
53: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/09(月) 22:59:46.39 ID:PwNvEUhF0
加奈「あ・・・あああ・・・心がぴにゃぴにゃするんじゃ~・・・・がくっ」
55: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/29(日) 23:53:23.64 ID:dyT6qQO10
- 第71回 ~長電話チャレンジ~【講師 島村卯月】-
卯月「今日の長電話頑張りましょうね!」
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「あの・・・」
卯月「どうしましたか?お二人ともそんな顔して。って何かデジャブが」
モバP「あの、長電話ってチャレンジするものじゃないと思うんですが?」
穂乃香「ただ電話で話すだけですよね?長電話って」
卯月「そうですね、電話でお話しすることですね」
モバP(いや、前回に引き続き何か理由があるはずだ・・・そうか!)
モバP「なるほど、前回は一挙一動全てが見れたから相手の状態が見えてたけど」
穂乃香「確かに。声だけでもお互い意思疎通が出来る二人だと言うことを証明するチャレンジですね!」
卯月「・・・はい!頑張りましょう!」
ディレ(想定通りなんかよく分からない間に納得してくれた)
卯月「今日の長電話頑張りましょうね!」
モバP「はぁ・・・」
穂乃香「あの・・・」
卯月「どうしましたか?お二人ともそんな顔して。って何かデジャブが」
モバP「あの、長電話ってチャレンジするものじゃないと思うんですが?」
穂乃香「ただ電話で話すだけですよね?長電話って」
卯月「そうですね、電話でお話しすることですね」
モバP(いや、前回に引き続き何か理由があるはずだ・・・そうか!)
モバP「なるほど、前回は一挙一動全てが見れたから相手の状態が見えてたけど」
穂乃香「確かに。声だけでもお互い意思疎通が出来る二人だと言うことを証明するチャレンジですね!」
卯月「・・・はい!頑張りましょう!」
ディレ(想定通りなんかよく分からない間に納得してくれた)
56: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/29(日) 23:55:33.96 ID:dyT6qQO10
ディレ「お二人にはこちらの部屋にそれぞれ入ってください」
ディレ「置いてある電話の短縮ボタンを押すと、お互い繋がるようになっています」
卯月「予定では二時間なので、頑張ってくださいね!」
穂乃香・モバP「はい!」
~それぞれの個室にて~
モバP「部屋に入ったはいいものの、どちらがかけるか決めてなかった」
穂乃香「私からかければいいのでしょうか?」
穂乃香・モバP「「とりあえずかけますか」」短縮ボタンポチッ
穂乃香・モバP「「・・・あれ?話し中?」」
卯月『電話壊れてるんですかね?どちらも話し中じゃないんですけど?』
ディレ『うん、壊れては無い。でもお互い同時にボタン押した場合だけは話し中になっちゃうかな』
卯月『・・・7回くらいやってますけど?』
ディレ『コントか!あの二人だとこれで終わる可能性があるから穂乃香ちゃんに電話待つように指示を』
卯月『なんというか息ぴったりですね♪』
ディレ「置いてある電話の短縮ボタンを押すと、お互い繋がるようになっています」
卯月「予定では二時間なので、頑張ってくださいね!」
穂乃香・モバP「はい!」
~それぞれの個室にて~
モバP「部屋に入ったはいいものの、どちらがかけるか決めてなかった」
穂乃香「私からかければいいのでしょうか?」
穂乃香・モバP「「とりあえずかけますか」」短縮ボタンポチッ
穂乃香・モバP「「・・・あれ?話し中?」」
卯月『電話壊れてるんですかね?どちらも話し中じゃないんですけど?』
ディレ『うん、壊れては無い。でもお互い同時にボタン押した場合だけは話し中になっちゃうかな』
卯月『・・・7回くらいやってますけど?』
ディレ『コントか!あの二人だとこれで終わる可能性があるから穂乃香ちゃんに電話待つように指示を』
卯月『なんというか息ぴったりですね♪』
57: ◆rNOpCybd0W3E 2015/03/29(日) 23:58:56.54 ID:dyT6qQO10
モバP「お、ようやく繋がった。もしもし、穂乃香かな?」
穂乃香「はい、穂乃香です。ようやく繋がりましたね」
モバP「どうしたんだろうね?機械の故障かな?」
穂乃香「いえ、同時に発信をしてたみたいで、そのせいだったらしいです。待つように言われました」
モバP「そうだったのか。まぁ問題なくてよかった」
穂乃香「そうですね」
モバP「しかし、うーん・・・なるほど」
穂乃香「どうかしましたか?」
モバP「いや、こうやって声だけに集中することが今までなかったけど穂乃香は声もいいね」
穂乃香「そ、そうでしょうか?」
モバP「うん。人の好みにもよるだろうけど、僕は好きだよ」
穂乃香「あ・・ありがとうございます」
モバP「今まであまり視野に入れてなかったけど、歌の仕事もいいかもしれないな」
ディレ『出ぴにゃ(タイム)じゃねーか!一分も経ってないぞ!』
穂乃香「はい、穂乃香です。ようやく繋がりましたね」
モバP「どうしたんだろうね?機械の故障かな?」
穂乃香「いえ、同時に発信をしてたみたいで、そのせいだったらしいです。待つように言われました」
モバP「そうだったのか。まぁ問題なくてよかった」
穂乃香「そうですね」
モバP「しかし、うーん・・・なるほど」
穂乃香「どうかしましたか?」
モバP「いや、こうやって声だけに集中することが今までなかったけど穂乃香は声もいいね」
穂乃香「そ、そうでしょうか?」
モバP「うん。人の好みにもよるだろうけど、僕は好きだよ」
穂乃香「あ・・ありがとうございます」
モバP「今まであまり視野に入れてなかったけど、歌の仕事もいいかもしれないな」
ディレ『出ぴにゃ(タイム)じゃねーか!一分も経ってないぞ!』
60: ◆rNOpCybd0W3E 2015/04/25(土) 21:44:18.57 ID:arnZy6Fd0
- 番外編 授賞式-
モバP「あー・・・今日も疲れたなぁ」
穂乃香「でも以前に比べてとても上達していますよ。バレエの道は日々の修練ですから」
モバP「そうなんだろうけど、練習では穂乃香に迷惑かけてばかりだし、やっぱり不安だ」
穂乃香「初めてのときも最高な演技出来ましたから。大丈夫ですよ」
有名な映画監督からオファーが来たので即承諾した結果がこれだ
監督が初めて手がけるミュージカル映画の主役で穂乃香は喜んだが、僕はうな垂れていた。
出演者リストにパートナー役として僕の名前が当たり前のように載っていたためだ。
モバP「あー・・・今日も疲れたなぁ」
穂乃香「でも以前に比べてとても上達していますよ。バレエの道は日々の修練ですから」
モバP「そうなんだろうけど、練習では穂乃香に迷惑かけてばかりだし、やっぱり不安だ」
穂乃香「初めてのときも最高な演技出来ましたから。大丈夫ですよ」
有名な映画監督からオファーが来たので即承諾した結果がこれだ
監督が初めて手がけるミュージカル映画の主役で穂乃香は喜んだが、僕はうな垂れていた。
出演者リストにパートナー役として僕の名前が当たり前のように載っていたためだ。
61: ◆rNOpCybd0W3E 2015/04/25(土) 21:46:08.26 ID:arnZy6Fd0
出演者リストを見て慌てた僕は直談判しようとしたのだが・・・
「君達のあの時の演技にティンときて、ミュージカルに挑戦しようと思ったんだ。
ずっと感動が忘れられなくてね。私に力を貸してくれないだろうか?」
と監督に言われたら、代役の提案をするのも
あの時の演技とはチャレンジ30回のパ・ド・ドゥのことだ
また穂乃香は穂乃香で「モバPさん、また一緒に最高の舞台にしましょうね!」
と僕がパートナーであることを微塵も不安に思っていないどころか喜んでくれていた
結局僕には断る道など無かったのだ
「君達のあの時の演技にティンときて、ミュージカルに挑戦しようと思ったんだ。
ずっと感動が忘れられなくてね。私に力を貸してくれないだろうか?」
と監督に言われたら、代役の提案をするのも
あの時の演技とはチャレンジ30回のパ・ド・ドゥのことだ
また穂乃香は穂乃香で「モバPさん、また一緒に最高の舞台にしましょうね!」
と僕がパートナーであることを微塵も不安に思っていないどころか喜んでくれていた
結局僕には断る道など無かったのだ
62: ◆rNOpCybd0W3E 2015/04/25(土) 21:59:09.50 ID:arnZy6Fd0
モバP「まぁ、なんだかんだで僕も穂乃香の迷惑にならないくらいには成長できたかなぁなんて?」
穂乃香「技術もそうですが、私が求める動きに何も言わずに動いてくれるのはモバPさんだけです」
モバP「それなら穂乃香のパートナーとして認めてもらえそうかな?」
穂乃香「そんなっ!認めるどころか、最高のパートナーだと思ってます」
長年仕事もレッスンもずっと一緒にやってきておかげだと思う
穂乃香の一挙一動が穂乃香の欲しているものが分かるようになったのだと思う
僕が付き添えないロケなどは穂乃香の元気とキレと、そして視聴率が悪いとジンクスがあるくらいだ
しっかり者の穂乃香に助けられる事もあり、お互い良いパートナーだと思っているつもりだ
そしてその映画で息のあったコンビとして注目され、僕らは一つの賞を受賞することが出来たのだ
穂乃香「技術もそうですが、私が求める動きに何も言わずに動いてくれるのはモバPさんだけです」
モバP「それなら穂乃香のパートナーとして認めてもらえそうかな?」
穂乃香「そんなっ!認めるどころか、最高のパートナーだと思ってます」
長年仕事もレッスンもずっと一緒にやってきておかげだと思う
穂乃香の一挙一動が穂乃香の欲しているものが分かるようになったのだと思う
僕が付き添えないロケなどは穂乃香の元気とキレと、そして視聴率が悪いとジンクスがあるくらいだ
しっかり者の穂乃香に助けられる事もあり、お互い良いパートナーだと思っているつもりだ
そしてその映画で息のあったコンビとして注目され、僕らは一つの賞を受賞することが出来たのだ
63: ◆rNOpCybd0W3E 2015/04/25(土) 22:03:51.25 ID:arnZy6Fd0
記者「モバPさん、穂乃香さん、『パートナー・オブ・ザ・イヤー』受賞おめでとうございます!」
記者「今回の受賞について、お二人から一言ずついただけないでしょうか?」
モバP「えーと、その、喜んでいいものなのか少し悩みますが、嬉しいです。ありがとうございます」
穂乃香「良い連携が取れてる二人だとの評価を貰えたのですね。少し気恥ずかしい気がします」
この反応、穂乃香は多分この賞について知らないんだろう。だから受賞の知らせを純粋に喜んでたのか
記者「では次の質問伝。今回の受賞は前代未聞と言われていますがどう思いましたか?」
モバP「嬉しいですが心中複雑です。歴代の受賞者を考えると対象者は夫婦のみと思っていたので」
穂乃香「え?なるほど。だから前代未聞なのですね。」
穂乃香「夫婦のように意思の疎通が出来てると思われていることは何と言うか晴れがましいですね」
モバP「でも、結婚どころか付き合ってもいないのに・・・ちょっと違和感があるかな」
記者「そうですか。では今後そのような関係になるということは考えられますか?」
モバP「ないでしょうね。アイドルとプロデューサーですから」
穂乃香「ないでしょうね。プロデューサーとアイドルですから」
記者「息ぴったりでお似合いだと思うのですが」
穂乃香「私が言うのもあれですが、そう思います。ずっと一緒に(仕事をして)いたいと思ってます」
モバP「そうですね。一緒に(仕事をして)いて楽しいですし、やる気も出ますから」
穂乃香・モバP「お互い(仕事の)『パートナー』としてこれからも頑張りたいと思います」
記者「・・・最後に、一応確認なんですが、お二人とも結婚の予定などはありますか?」
モバP「彼女がいないので予定は無いです。いい人がいれば結婚したいと思ってます」
穂乃香「相手もいないことに加えて立場上難しいですが、いい人がいれば結婚したいと思っています」
記者「(もうお前ら結婚しろよ・・・)ありがとうございました」
記者「今回の受賞について、お二人から一言ずついただけないでしょうか?」
モバP「えーと、その、喜んでいいものなのか少し悩みますが、嬉しいです。ありがとうございます」
穂乃香「良い連携が取れてる二人だとの評価を貰えたのですね。少し気恥ずかしい気がします」
この反応、穂乃香は多分この賞について知らないんだろう。だから受賞の知らせを純粋に喜んでたのか
記者「では次の質問伝。今回の受賞は前代未聞と言われていますがどう思いましたか?」
モバP「嬉しいですが心中複雑です。歴代の受賞者を考えると対象者は夫婦のみと思っていたので」
穂乃香「え?なるほど。だから前代未聞なのですね。」
穂乃香「夫婦のように意思の疎通が出来てると思われていることは何と言うか晴れがましいですね」
モバP「でも、結婚どころか付き合ってもいないのに・・・ちょっと違和感があるかな」
記者「そうですか。では今後そのような関係になるということは考えられますか?」
モバP「ないでしょうね。アイドルとプロデューサーですから」
穂乃香「ないでしょうね。プロデューサーとアイドルですから」
記者「息ぴったりでお似合いだと思うのですが」
穂乃香「私が言うのもあれですが、そう思います。ずっと一緒に(仕事をして)いたいと思ってます」
モバP「そうですね。一緒に(仕事をして)いて楽しいですし、やる気も出ますから」
穂乃香・モバP「お互い(仕事の)『パートナー』としてこれからも頑張りたいと思います」
記者「・・・最後に、一応確認なんですが、お二人とも結婚の予定などはありますか?」
モバP「彼女がいないので予定は無いです。いい人がいれば結婚したいと思ってます」
穂乃香「相手もいないことに加えて立場上難しいですが、いい人がいれば結婚したいと思っています」
記者「(もうお前ら結婚しろよ・・・)ありがとうございました」
64: ◆rNOpCybd0W3E 2015/04/25(土) 22:11:11.05 ID:arnZy6Fd0
だらだら続けて書くのもあれなので、HTML依頼をしてきます。
字の文が入ったり入らなかったり書き方変えたりで読みにくかったと思いますが、
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
字の文が入ったり入らなかったり書き方変えたりで読みにくかったと思いますが、
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:04:23.78 ID:cafJB2p9o
おっつおっつ。もう結婚しろよ
htmlか、寂しくなるな。個人的には読みやすかったよ
次も期待してる
htmlか、寂しくなるな。個人的には読みやすかったよ
次も期待してる
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 00:14:12.33 ID:PVAd/TyD0
乙
良質だった
良質だった
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 10:56:41.87 ID:yeNMUxMro
乙
面白かった
面白かった
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425192344/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
真姫「誕生日でもゲートオープン、界放!」【ラブライブ!×バトスピ】
1: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:37:20.79 ID:vm/cKsHV0
真姫さん、誕生日おめでとうございます!
・ラブライブ!×バトルスピリッツのSSです
・今回は誕生日祝いとしての特別編です
・時間帯は本編内の5話目と6話目の間ぐらいです
・誕生日祝いなのに名前が出てないのもあれなんでこちらでは名前を表記していきます
・専門用語が出て来ますが、その辺は本編での確認をお願いします
穂乃果「ゲートオープン、界放!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1406/14063/1406314794.html
ことり「ゲートオープン!」 海未「界放!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1407/14074/1407409748.html
真姫「ゲートオープン」 花陽「開放!」【ラブライブ!×バトスピ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420894702/
こちらが本編で、今回のは特別編でございます
2: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:41:43.09 ID:vm/cKsHV0
音乃木坂 屋上だよ!
真姫「むむむ……」
ガチャ
凛「お、真姫ちゃーん!」タタタ
花陽「真姫ちゃん、ここにいたんだね」
真姫「凛、花陽、どうしたの?」
凛「一緒にお昼食べに来たんだよ!」
真姫「ああ、なるほどね……」
花陽「真姫ちゃんはここで何してたの?」
真姫「新しいデッキ構築よ」
凛「デッキ構築?」
真姫「ええ、今度は紫を入れようか、黄を入れようか迷ってるのよ」
3: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:43:12.93 ID:vm/cKsHV0
凛「真姫ちゃんまたデッキ変えるのー!?」ガーン
花陽「もう赤、緑、白はやったもんね」
凛「既に他の3色はやってたの!?」
真姫「まあね」
凛「そういえば、なんで真姫ちゃんはそんなに色を変えてるの?」
花陽「確かに……ちょっと不思議かも」
真姫「不思議?」
花陽「うん、だって真姫ちゃんは、凛ちゃんみたいに直感でデッキを作るタイプじゃないでしょ?」
真姫「ええ」
真姫(直感で作ってたのね……)
花陽「だからわざわざ自分のデッキを作り直してまで、他の色との相性を見るのは変だなぁって思って……」
凛「そうだよねぇ、真姫ちゃんなら青と相性がいい色ぐらい分かってそうだもん!」
真姫「まあ、そうだから構築で悩んでるんだけど……」
花陽「赤、緑、白と来て紫も分かるんだけど、黄は難しくないかなぁ」
凛「凛もあんまり青のカードはいれた事無いなぁ」
真姫「やってみないと分からないわ」
真姫「意外と入れてみたら強かったって事もあるじゃない?」
凛「真姫ちゃんがそういうとは意外だにゃ……」
4: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:43:40.51 ID:vm/cKsHV0
真姫「例えばこれね……聖鎧獣アメミード」
凛「青のブレイヴだね……あ!」
花陽「黄の軽減持ちだ!」
真姫「そうよ、今はこのカードをベースに考えているわ」
真姫「このカードはアタックステップ時に合体先を最大レベルに扱える……」
真姫「ライバルにコノハガニンが居るのが厄介ね……」
花陽「手段が目的になってるよって言った方が良いのかな?」ヒソヒソ
凛「本人はやる気満々だし、言わない方が良いと思うよ」ヒソヒソ
真姫「しかし!!」
花陽「!?」
凛「!?」
真姫「コノハガニンは1つ上のものとして扱うのみ……」
真姫「これはつまり、合体先のレベルが1だった場合、レベルを3に扱えないという事!」
真姫「対してアメミードは、例えコアが1つだったとしてもレベル3として扱う事が可能!!!!」
真姫「これはつまりサイゴード・ゴレムにコア1つだったとしても、15枚破棄が約束されるという事……ふふふ、完璧ね」
花陽(今日の真姫ちゃんはテンションが高いなぁ)
5: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:44:10.08 ID:vm/cKsHV0
真姫「デッキ破棄の性質上、アタック制限のカードと相性がよさそうね……」
凛「それとライフ回復効果も良いかもしれないにゃー!」
真姫「なるほど、確かにバトルを延長させる事の出来るライフ回復効果はいいかもしれないわ」
花陽「それなら……にこ先輩に聞いてみればいいんじゃないかな?」
凛「!?」
真姫「!?」
花陽「にこ先輩も黄属性メインの人だし、いい案を貰えるかも……」
凛「流石かよちん! 完璧だよ!」
真姫「……凛、あなたも黄属性メインよ?」
凛「凛は教えるの苦手だからパスだよ」
真姫(確かに……凛は考えるより感じるタイプって感じはするわね)
真姫「……それじゃあ、3年生の教室に行ってみましょうか」
6: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:44:57.76 ID:vm/cKsHV0
廊下だよ!
真姫「……そういえば」
花陽「私達……」
凛「ここ来るの初めてだったよ……」
花陽「あたり前だけど3年生ばっかりだね……」
凛「にこ先輩……ホントにここにいるのかなぁ?」
副会長「3人共、どうしたん?」
真姫「! 副会長!?」
生徒会長「希、どうかしたの? って、あなた達は……」
凛「げっ!? 生徒会長さん!?」
花陽「り、凛ちゃん!!」
生徒会長「……こっちは3年生の教室だけど、何か用?」
花陽「えっと……にこ先輩を探しに来たんですけど……」
副会長「にこっち?」
凛「はい! にこ先輩と一緒にデッキ作成したくて!」
真姫「どこにいるか知りませんか?」
絵里「……」
副会長「えっと、にこっちなら 生徒会長「アイドル研究部の部室に行ってみなさい」
副会長「!」
凛「部室……?」
生徒会長「……行ってみればわかるわよ」
生徒会長「こちらは用事が出来たから、失礼するわ」スタスタ
副会長「あ! えりち!?」
副会長「3人共、またね」タッタッタッ
真姫「……」
花陽「……」
凛「……」
真姫「えと、それじゃあ行ってみる?」
花陽「うん……」
凛「うん……」
7: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:45:45.98 ID:vm/cKsHV0
アイドル研究部部室だよ!
ガチャ
凛「失礼しまー……あ!」
にこ「ん?」
真姫「本当にいたわ……」
にこ「珍しいわね、こんな時間に来るなんて……」
にこ「というか、よくここにいるってわかったわね」
にこ「どうせ希に聞いたんでしょうけど」
花陽「いえ、生徒会長がここに行ってみろって……」
にこ「生徒会長が? ここを?」
にこ「どういう風の吹き回しかしら……まさか!?」
凛「まさか!?」
にこ「このにこの魅力に生徒会長g真姫「ところでここに来た要件なんだけど……」
にこ「無視するんじゃないわよ!!」
凛「これを見て!」つ聖鎧獣アメミード
にこ「ん、青のブレイヴね……それがどうかしたの?」
真姫「今度は青と黄でデッキを考えてて、私のサイゴード・ゴレムとそれをメインに据えて作っていこうと思ってるの」
花陽「それで、この2枚をうまく使えるカードは無いかなって皆で考えたんだけど出てこなくって……」
にこ「で、私の所まで来たって訳ね」
にこ「確かに、今の2年生組じゃ構ってられなそうだし、ここ来るわよね」
凛「穂乃果先輩達は何かしてるんですか?」
にこ「外、見て見なさい」
凛「え?」
穂乃果「いっけー!! マグナァーム!!」ダッ
海未「GO! バック・ブレーダー!!」ダッ
8: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:52:58.24 ID:vm/cKsHV0
真姫「…………何よあれ」
にこ「足腰の鍛錬らしいわよ」
マグナムダイナマイトー!
ソンナ!? ダレカ、ヤツトノタイムサヲ…
オチツケ! ウミーD!
凛「……というか、いつの間にコース作ってたんだろう」
にこ「なんか3人組のお友達が作ってくれたらしいわ」
花陽(最初のライブの時とかで手伝ってくれてた人達かなぁ)
花陽「そういえば、ことり先輩はどうしたんですか?」
にこ「審判やってるわ」
花陽(あ、ことり先輩……あそこがゴールラインなのかな)
凛(……凛もちょっと走りたいかも)
にこ「ま、あれはともかくとしてデッキの話に戻りましょうか」クルッ
にこ「その内終わるでしょ」フゥ
真姫「そうね」
にこ「一応言っておくけど」
真姫「?」
にこ「青も黄も、どちらも使用出来るコアが多い色ではないわ」
にこ「どっちも使おうとすると、デッキが回らなくなっちゃうかもしれないけど……それでもやるの?」
真姫「もちろんよ」
真姫「あくまで私は青のデッキ破壊をメインにするから、添えるような感じなると思うけど」
にこ「ふうん、なるほどね……ちょっと待ってなさい」
9: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:53:31.48 ID:vm/cKsHV0
にこ「確かこっちのダンボールだったわね……」
凛「うわ、黄のカードばっかり……」
にこ「そりゃそうでしょ、このダンボールは黄属性のものだしね」
花陽「黄属性……? じゃあ他にある5つのダンボールは……」
にこ「他の属性の物になるわね」
真姫「え? そこにあるダンボールって全部カードだったの?」
にこ「そうだけど……これぐらい普通じゃないの?」
真姫「カードの枚数……千はゆうに超えてると思うんだけど……」
にこ「……まあ、手に入れられる機会が昔はあったからね」
凛「じゃあ緑のカードを見て見ようっと……あれ?」
花陽「どうしたの、凛ちゃん?」
凛「知らない効果がある……とりがーかうんたー?」
10: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:55:49.08 ID:vm/cKsHV0
にこ「ああ……確かにアルティメットを使わないあんた達には無縁のカードよね」
花陽「どんな効果なんですか?」
にこ「ざっと言えばアルティメット対策のカード効果よ」
にこ「アルティメットトリガーのヒットした時の効果の解決前に発動出来るのが特徴ね」
にこ「その効果でアルティメットを除去出来たり、効果を無効、ガードしたりする効果が多いわ」
真姫「へぇ……アルティメットも楽じゃないのね」
にこ「……まあ、アルティメットなんて早々会える物じゃないから無視して構わないわよ」
凛「この学校に、にこ先輩以外にも持ってる人はいるのかな?」
にこ「……」
にこ「……それはわからないわね」
にこ「私みたいに隠してるっていう人もいるかもしれないしね」
花陽「そういうものなのでしょうか?」
にこ「別に見せびらかす物でもないしね……あ、あったわ」
にこ「はい」つ遥かなる月世界
真姫「遥かなる月世界……初めて見るネクサスね」
にこ「アルティメットが関連してるカードだし、数は多くない筈よ」
凛「ふーん……同じバトスピなのに量に差があるんだね」
にこ「購入しようにも、アルティメットが無いと入れないお店にしか売ってないもの……しょうがないわ」
花陽「そんなお店が……」
にこ「そのくせアルティメット自体の入手法は不明……どうなってるのかしらね?」
11: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:56:31.61 ID:vm/cKsHV0
真姫「にこ先輩はどうやって手に入れたんですか?」
にこ「…………親からもらったのよ」
にこ「……いずれあんた達も手に入れられる日が来るかもね」
にこ「それはともかくとして、さっきのネクサスよ」
真姫「え、これ?」
にこ「そうよ、効果を見て見なさい」
真姫「ん、自分のバーストをセットしている間、このネクサスに黄のシンボル1つを追加……なるほどね」
凛「??」
花陽「なるほど! 真姫ちゃんのデッキはバーストメインだから、シンボルを追加する効果が使いやすいんだね!」
にこ「そうよ、ネクサスの扱いに長ける青ならそれは邪魔になりにくいでしょ?」
真姫「確かに……このカードなら邪魔になる事も少ないかも……」
にこ「これはあくまでアメミードの召喚を行いやすくする為のものでしかないから、強襲とかも欲しいわね」
にこ「あとは……聖命などのライフ追加効果のカードが良いかもしれないわ」
凛「はいはーい!」
にこ「はいどうぞ、星空さん」
凛「アタック制限効果もいいと思うんですけどどうですか!」
12: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:57:15.81 ID:vm/cKsHV0
にこ「いい質問よ、凛」
にこ「結論から言えばどちらでもいいわね」
にこ「凛の提案の場合は時間も稼げるけど、良くも悪くも受け身になってしまうわ」
にこ「相手のフィールドにもよるけど、時間を稼いで破棄する回数を増やせるのはありよ」
にこ「聖命の場合、ライフ追加による間接的なコアブーストが魅力ね」
にこ「スピリットではなくてブレイヴで聖命付与できると粉砕の旨味が増すから、入れるならスピリットよりブレイヴの方がおすすめよ!」
にこ「どちらも悪い効果でもないし、迷ったら両方入れてみてもいいんじゃない?」
花陽「両方共?」
にこ「どっちにしたって調整するんだし、だったらどっちも使い心地を確認出来る様にしちゃった方が良いでしょ」
真姫「最初にどっちも使おうとしたらデッキが回らなくなるって言ってたのはどなただったかしら?」
にこ「最終的な話よ、最終的にはどちらかに絞った方が良いと思うわ」
にこ「案外うまく回るかもしれないわよ」
真姫「……なるほどね、どうせ失敗してもいいのならそっちも悪くないかもね」
凛「真姫ちゃん珍しいね、いつもの真姫ちゃんならそういう効率が悪そうなのは嫌いそうなのに……」
真姫「そうだけど……私はあまり黄属性を知らないから、いっぺんに試した方がいいと思ったのよ」
真姫「私の場合、触ってみる方が重要だし、片方に絞った所為で引けませんでした、なんてなったらそれこそ時間の無駄って思わない?」
花陽「それはそうだけど……」
真姫「それに、もし事故を起こしてしまったとしても、それはそのカードがかみ合わなかったって結果が残るわ」
真姫「そしたら使いやすい感じのした方に絞れるんだし、悪い考えでも無いかもしれないわよ?」
凛「なんだか屁理屈っぽいにゃー」
真姫「うるさいわよ……まあ青と黄の比率も考えつつ組んでみるわ」
13: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:58:36.86 ID:vm/cKsHV0
にこ「シンボルを稼げるネクサスが無くても何とかなる様に、高コストのカードはあまり入れない方が良いわね」
花陽「あっ、じゃあこれどうかな!」
花陽「このブレイヴなら聖命を付与させられるし、スピリット状態ならシンボルが付くよ!」
凛「凛のおすすめはこのマジックだよ!」
凛「このマジックは軽減シンボルが少ないのが難点だけど、そのデッキならうまく使えそうだもん!」
真姫「なるほど……このカード達は面白そうね」
にこ「私からはこのスピリットよ!」
にこ「先攻1ターン目でも出せて、相手のアタックステップを妨害出来る比較的使いやすいスピリットよ!」
真姫「聖命付与のブレイヴに回復マジック、そしてアタック制限スピリット……」
真姫「意外と揃えられるものね」
にこ「あたり前よ! 黄属性は結構器用なんだから!」ドン!
凛「どうだ! 参ったかー!!」ドドン!
真姫「……防御系のカードはどうしようかしら」
花陽「黄属性のマジックを使ってみてもいいじゃないかなぁ」
にこ「無視!?」ガーン
凛「無視!?」ガーン
14: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/19(日) 00:59:11.54 ID:vm/cKsHV0
にこ「あ、だったらこのカードとかいいんじゃない?」
凛「そのカードなら聖命とは相性が少し悪いけど、低コストだから使いやすいしバースト効果でスピリットも回収出来るよ!」
真姫「なるほど……チャンプブロックもしやすくなりそうね」
凛「チャンプブロック……?」
にこ「BPが負けていることを承知でブロックしに行く事よ」
真姫「うん……大体形が見えて来たかも!」
花陽「ならもうちょっとだね!」
真姫「ええ……最高のデッキを完成させてみせるわ!」
凛(一応テスト版みたいなのを作ってる感じじゃなかったっけ?)
パワーブースター! オン!
ソンナァ!?
にこ(あの子達はいつまでやってるのかしら……?)
・
・
・
17: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/21(火) 00:48:16.34 ID:vVzF6Ngv0
ちょこっと続き投下
>>16
ありがとうございます
少なくともアニメ本編で言う一期では使う気はないですね
一期の構成ではアルティメットまでだったので
よくて誕生日SSですかね
>>16
ありがとうございます
少なくともアニメ本編で言う一期では使う気はないですね
一期の構成ではアルティメットまでだったので
よくて誕生日SSですかね
18: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/21(火) 00:49:30.17 ID:vVzF6Ngv0
真姫「……出来たわ」プルプル
花陽「つ、ついに……」プルプル
凛「完璧な……」プルプル
にこ「デッキが……」プルプル
4人「「「「出来たーっ!!」」」」
真姫「皆でデッキを作るっていうのは初めてだったけど、いいものが出来る物ね」
花陽「自分じゃ気付かない所も気付いてもらえるから、バランスのいいデッキが作りやすくなるんだよ」
凛「もっと凛を頼ってくれてもいいにゃ!」
にこ「この宇宙No.1アイドルのにこも頼ってもいいのよ?」
真姫「はいはい」
にこ「それじゃあ次は試運転の相手探しね」
凛「え? 凛達じゃ駄目なの?」
にこ「私達でもいいけど、デッキの中身を全部知っちゃってるからこっちが動きやすくなっちゃうのよ」
にこ「動きなんかを確認したいだけならそれでもいいけど、本番を意識するならお互いのデッキを知らない方が効果があるわ」
花陽「じゃあ穂乃果先輩や海未先輩達ならいいのかなぁ」
にこ「そうね、それも考えて2年生組みは放置してた訳」
凛「それなら今呼んでみるよ!」ガラッ
バスターターン!
コトリ!?
コトリチャン!?
真姫「…………」
花陽「…………」
凛「…………」
にこ「…………」
真姫(ことり先輩もレースに参戦してる!?)
花陽(ことり先輩もレースに参戦してる!?)
凛(ことり先輩もレースに参戦してる!?)
にこ(ことりもレースに参戦してる!?)
19: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/21(火) 00:49:56.10 ID:vVzF6Ngv0
にこ「なんであんな事になってるのよ……」
凛「今からでも呼んでみようよ! おーい!!」ブンブン
花陽「……反応ないね」
真姫「無駄よ、あの3人の目を見なさい」
ことり「……」
海未「……」
穂乃果「……」
真姫「あの3人は最早ゴールしか見えてないわ」
にこ「……その内終わるでしょ」
にこ「もうお昼休みも終わりだし、今回は解散して放課後にしましょ」
にこ「放課後になったら流石にあの子達も終わってるでしょ」
花陽「そ、そうだよね」
凛「それじゃあまた後でね!」
20: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/21(火) 00:50:25.52 ID:vVzF6Ngv0
アイドル研究部部室だよ!
にこ「で……放課後になった訳だけど」
にこ「なんで2年生組みはいないのよ!!」
真姫「おまけに凛もいないんだけど……」ハァ
花陽「凛ちゃん達なら外に……」
にこ「外ぉ!? ちょっとあんた達……」ガラッ
マックスブレイカー! イックニャー!
リン!?
リンチャン!?
リンチャン!?
にこ「なんっっっで凛もレースに参加してるのよぉぉぉぉおおおお!!!」
花陽「お昼の見てた時から走りたくなっちゃったみたいで……」
にこ「あの子達は……まああっちは無理そうだし、デッキの試運転の相手は私か花陽のどっちかで行いましょうか」
副会長「それはウチに任しとき!」
花陽「!?」
真姫「!?」
21: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/21(火) 00:50:55.43 ID:vVzF6Ngv0
にこ「そうね……希の方がお互いデッキも知らないしいいバトルが……え?」
にこ「……希?」
副会長「にこっちが随分嬉しそうに部室に向かうものだから、気になっちゃって見に来たんよ」
真姫「へぇ……」ニヤニヤ
花陽「ふふふ」ニコニコ
にこ「な、何言ってるのよ希!! 第一、生徒会の仕事はどうしたのよ!!」アタフタ
副会長「ああ、お昼休みの時になんでかよくわからないけど、えりちが生徒会室に向かってな」
副会長「急に今の内に仕事を片付けておくわ、っていうもんやからお昼休みに大体片付けちゃったんよ」
副会長「で、放課後暇になっちゃったから、面白そうなにこっちを見に来たって訳」
にこ「……で、真姫の試運転の相手をあんたがやると?」
副会長「うん♪」
にこ「私は別にいいけど……真姫は大丈夫?」
真姫「相手にとって不足無しね」ターゲット!
真姫「ついでに神社でされた事の恨みも晴らさせてもらうわ!」つデッキ====>副会長
花陽(何されたんだろう……?)
にこ(間違いなくわしわしされたんでしょうね……)
副会長「いいの? もし負けたら、あの時よりもアグレッシブなのいっちゃうけど?」
真姫「!?」ビクッ
花陽(神社、アグレッシブ……ううん、わからないなぁ)
にこ(アグレッシブ……わしわしMAXの事かしら?)
真姫「くっ……上等よ! 勝てばいいんでしょ勝てば!!」
にこ(あちゃー)
副会長「ふっふっふ……二言は無さそうやね」
副会長「それじゃあ始めようか!」
副会長「ゲートオープン、界放!!」
真姫「ゲートオープン、界放!!」
27: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 22:58:58.07 ID:wy7HyLl+0
音乃木式バトルフィールドだよ!
花陽「あ、あの……」
にこ「ん、どうしたの?」
花陽「にこ先輩は、真姫ちゃんが何されたのか知ってるんですか?」
にこ「んー……直接見てた訳ないじゃないから、何となく予想出来るってとこね」
花陽「うーん、何されたんだろう?」
にこ「知らない方が良いわよ」
花陽「???」
28: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:00:14.68 ID:wy7HyLl+0
・ターン01
真姫「先攻は?」
副会長「真姫ちゃんからでもええよ」
真姫「そう、なら遠慮なく」
真姫「スタートステップ」
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「メインステップ」
真姫「宝の番人ズラトロックをレベル1で御指名よ」
H5→4、R4→0
ズラトロック1
副会長「真姫ちゃん黄属性も使うんやね」
副会長「激流の真姫って言ったら結構有名だったんだけど……青属性は?」
真姫「そのうち分かるわよ」
真姫「ターンエンド」
・ターン02
副会長「ほな、スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R4→5
副会長「ドローステップ」
H4→5
副会長「メインステップ」
副会長「まずはシキツルをレベル1で召喚するよ」
H5→4、R5→1
シキツル1
副会長「シキツルレベル1、2の召喚時効果で1枚ドローするね」
H4→5
副会長「宝の番人ズラトロックの効果でコスト3、4のスピリットはアタック出来ないんよね?」
真姫「ええ、そうよ」
副会長「それじゃあターンエンドかな」
真姫 副会長
D35 D34
L5 L5
H4 H5
R0 R1
Tコア3 Tコア3
Tカード0 Tカード0
フィールド フィールド
バースト× バースト×
ズラトロック1 シキツル1
29: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:01:29.22 ID:wy7HyLl+0
・ターン03
花陽「そういえば、副会長は紫メインのデッキでしたね」
にこ「? それがどうかしたの?」
花陽「あ、いや……私も紫メインの紫緑なので……」
にこ「ふうん、じゃあ似た者同士として希の方も見ておくといいかもね」
花陽「はい!」
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R0→1
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「!」
真姫「リフレッシュステップ」
R1→4
真姫「メインステップ」
真姫「ネクサス、遥かなる月世界をレベル1で配置!」
H4→3、R4→1
副会長「!」
真姫「さらに……バーストセットよ!」
H3→2
真姫「遥かなる月世界レべル1、2の効果により、バーストがセットされている間、このネクサスに黄のシンボルを1つ追加するわ」
真姫「これでターンエンド」
真姫 副会長
D34 D34
L5 L5
H2 H5
R1 R1
Tコア3 Tコア3
Tカード0 Tカード0
フィールド フィールド
バースト× バースト×
ズラトロック1 シキツル1
月世界0
30: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:02:39.47 ID:wy7HyLl+0
・ターン04
副会長「スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R1→2
副会長「ドローステップ」
H5→6
副会長「リフレッシュステップ」
R2→5
副会長「メインステップ」
副会長(むむむ……アタックしようにもズラトロックが厳しくてアタック出来ない……)
副会長(そうだ、それなら急かしてみようかな……)
副会長「ヤン・オーガをレベル1で召喚するよ」
H6→5、R5→0
オーガ2
真姫「!」
副会長「ふふふ、もたもたしてるとコアに差が付いちゃうよ?」
副会長「ウチはこれでターンエンド!」
真姫 副会長
D34 D33
L5 L5
H2 H5
R1 R0
Tコア3 Tコア3
Tカード0 Tカード0
フィールド フィールド
バースト○ バースト×
ズラトロック1 シキツル1
オーガ2
月世界0
31: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:03:36.54 ID:wy7HyLl+0
・ターン05
にこ「希の奴……真姫を焦らせに来たわね」
花陽「?」
にこ「希のヤン・オーガは放っておいたらレベルを上げられて、処理のしづらいカードになるわ」
にこ「真姫が攻める気が無いと踏んで、あえてヤン・オーガをレベルの低い状態で出したって訳ね」
花陽「……なんで焦らしに来たんだろう?」
にこ「希の方も動けなくなってるから困ってるって所でしょう」
にこ「ま、その内嫌でも動く時が来るだろうし、じっくり見てましょうか」
32: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:04:13.91 ID:wy7HyLl+0
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R1→2
真姫「ドローステップ」
H2→3
真姫「リフレッシュステップ」
R2→5
真姫「メインステップ」
真姫(ヤン・オーガ……放ってはおけないけど、今はどうしようもないわね)
真姫(けど、あの状態を見るにあっちもすぐに攻めてくるという事は無い筈……)
真姫(どちらにせよ今は試運転なんだし、メインのプレイングを行う方を優先かしら)
真姫「ヒノキ・ゴレムをレベル2で御指名!」
H3→2、R5→1
ヒノキ2
真姫「ヒノキ・ゴレムのレベル2、3の効果発揮!」
真姫「私のネクサス全てを青のネクサスとしても扱えるわ!」
副会長「!?」
真姫「青のシンボルが増えた事により、ストロングドローを発動!」
H2→1R1→0
真姫「デッキから3枚ドローして、その後手札から2枚破棄するわ」
H1→4
真姫「……この2枚を破棄よ」
H4→2
真姫「これでターンエンドよ」
真姫 副会長
D30 D33
L5 L5
H2 H5
R0 R0
Tコア3 Tコア3
Tカード3 Tカード0
フィールド フィールド
バースト○ バースト×
ズラトロック1 シキツル1
ヒノキ2 オーガ2
月世界0
33: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:05:15.59 ID:wy7HyLl+0
・ターン06
副会長「スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R0→1
副会長「ドローステップ」
H5→6
副会長「リフレッシュステップ」
R1→4
副会長「メインステップ」
副会長(青と黄……この色で使えるカードなんてあったっけ?)
副会長(覚えてないなぁ……もうちょっと様子見やね)
副会長「まずはヤン・オーガをレベル3にアップするよ」
R4→2
オーガ2→4
副会長「さらにデッドリィバランスをメインから発動!」
H6→5、R2→0
真姫「!?」
副会長「お互い、それぞれスピリット1体を選んで破壊するよ」
副会長「ウチはヤン・オーガを破壊対象にするね」
真姫「っ……!! こっちは宝の番人ズラトロックを破壊対象にするわ」
34: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:05:56.17 ID:wy7HyLl+0
副会長「ここでヤン・オーガのレベル1、2、3のこのスピリットの破壊事項発揮!!」
副会長「ボイドからこのスピリットと同じレベルの数だけ、コアをリザーブに置く!」
副会長「ヤン・オーガのレベルは3……よってボイドからコアを3つリザーブへ!」
R0→3
副会長「これでスピリットはトラッシュ行きやね」
R3→7
真姫「厄介なカードはやっぱり破壊して来るわよね」
副会長「!?」
真姫「相手による私のスピリット破壊時にバースト発動! 双光気弾!!」
副会長「双光気弾!?」
真姫「バースト効果により、デッキから2枚ドローするわ!」
H2→4
副会長「むむ……してやられたなぁ」
真姫「副会長もコアブーストしたでしょ? お互い様よ」
副会長(攻めてくるならそろそろかなぁ)
副会長「まずはバーストをセット」
H5→4
副会長「水銀海に浮かぶ工場島をレベル1で配置するよ」
H4→3、R7→3
工場島0
副会長「そしてシキツルをレベル2にしてターン終了!」
R3→0
シキツル1→4
真姫 副会長
D28 D32
L5 L5
H4 H3
R1 R0
Tコア3 Tコア6
Tカード5 Tカード2
フィールド フィールド
バースト× バースト○
ヒノキ2 シキツル4
月世界0 工場島0
35: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:07:12.66 ID:wy7HyLl+0
・ターン07
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R1→2
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「!」
真姫「リフレッシュステップ」
R2→5
真姫「メインステップ」
真姫(聖鎧獣アメミード……来てくれたけど、まだ出す訳には行かないわね)
真姫(副会長のキースピリット、滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ……下手にブレイヴを見せる訳には行かないわ)
真姫「ライオット・ゴレムをレベル2で御指名よ!」
H5→4、R5→2
ライオット2
真姫「さらに、崩壊する戦線をレベル1で配置!」
H4→3、R2→0
戦線0
副会長「おおっ! 激流の真姫ちゃん本領発揮やね!」
真姫「デッショー!! ……はっ!!」
花陽(真姫ちゃん……)
にこ(真姫……)
真姫「いけないいけない……集中しないと」
真姫(こっちがデッキ破壊メインというのはばれてるっぽいし、無闇にアタックは仕掛けたくないわね……)
真姫(あのバーストは恐らくライフ減少時のカード……マーク・オブ・ゾロとかでも厄介ね)
真姫(アタックする時はコアを多めにおいてからにしましょう)
真姫「これでターンエンド」
副会長「あれ? 粉砕は?」
真姫「お預けよ」
真姫 副会長
D27 D32
L5 L5
H3 H3
R0 R0
Tコア3 Tコア6
Tカード5 Tカード2
フィールド フィールド
バースト× バースト○
ヒノキ2 シキツル4
ライオット2
工場島0
月世界0
戦線0
36: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:08:40.06 ID:wy7HyLl+0
・ターン08
副会長「スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R0→1
副会長「ドローステップ」
H3→4
副会長「リフレッシュステップ」
R1→7
副会長「メインステップ」
副会長(随分警戒されてる……バーストも、下手したらデッキのコンセプトもばれてるかも)
副会長(ダークヴルム・ノヴァはともかく、不死もばれてるんかなぁ)
副会長(コアの差はあるし、ここはさらにアタック抑制させてよさそうやね)
副会長「……シキツルのコア1つをリザーブへ」
R7→8
シキツル4→3
副会長「骸獣侯ボーン・クスローをレベル3で召喚!」
R8→0
クスロー4
真姫「不死持ちスピリット!?」
副会長(不死はばれてなかった……真姫ちゃんもっと攻撃出来なくなったんと違うかなぁ)
副会長「骸獣侯ボーン・クスローのレベル1、2、3の召喚時効果発揮!」
副会長「相手のフィールド上のコア1つをリザーブへ!」
副会長「真姫ちゃんのヒノキ・ゴレムのコア1つをリザーブに送る!」
真姫「ネクサスの色替えを防ぎに来たって訳ね」
ヒノキ2→1
副会長「それだけじゃあないよ、白シンボルがある事によって、骸獣侯ボーン・クスローの連鎖発揮!」
真姫「連鎖!?」
37: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:09:09.68 ID:wy7HyLl+0
副会長「相手のスピリット1体を手札に戻すよ!」
副会長「ライオット・ゴレムを手札に!」」
真姫「くっ!!」
H3→4、R1→3
副会長「バトル! まずはシキツルからアタック!」
真姫「ライフで受けるわ!」パリーン
L5→4、R3→4
副会長(次で真姫ちゃんのライフは残り3……バーストもない以上、今のうちに攻めておこうかな)
副会長「続けて骸獣侯ボーン・クスローでアタック!」
真姫「それもライフよ!」パリーン
L4→3、R4→5
副会長「ふふ、ウチはこれでターンエンド」
真姫 副会長
D27 D31
L3 L5
H4 H3
R5 R0
Tコア3 Tコア4
Tカード5 Tカード2
フィールド フィールド
バースト× バースト○
ヒノキ1 シキツル3
クスロー4
月世界0
戦線0 工場島0
38: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:11:55.76 ID:wy7HyLl+0
・ターン09
にこ「骸獣侯ボーン・クスローを手札からなんて……間接的にアタック抑制を行うって所かしら」
花陽「【不死】をもつスピリットがいると分かれば攻撃しづらいですもんね」
にこ「そうね……」
にこ(そろそろ決まるかしら……)
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R5→6
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫(来た……!)
真姫「リフレッシュステップ」
R6→9
真姫「メインステップ」
真姫「まずはバーストセットよ」
H5→4
副会長「!」
真姫「これにより遥かなる月世界に黄のシンボルが1つ追加される!」
真姫「さらにヒノキ・ゴレムをレベル2へ!」
R9→8
ヒノキ1→2
真姫「ヒノキ・ゴレムレベル2、3の効果で私のネクサス全てを青のネクサスとして扱える!」
真姫「これで軽減に使える青シンボルは4つ……」
真姫「行くわよ……来なさい、神造巨兵オリハルコン・ゴレム!!」
H4→3、R8→1
オリハルコン4
39: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:15:45.09 ID:wy7HyLl+0
>>35でミス
崩壊する戦線→士気高き大本営
・ターン07
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R1→2
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「!」
真姫「リフレッシュステップ」
R2→5
真姫「メインステップ」
真姫(聖鎧獣アメミード……来てくれたけど、まだ出す訳には行かないわね)
真姫(副会長のキースピリット、滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ……下手にブレイヴを見せる訳には行かないわ)
真姫「ライオット・ゴレムをレベル2で御指名よ!」
H5→4、R5→2
ライオット2
真姫「さらに、士気高き大本営をレベル1で配置!」
H4→3、R2→1
戦線0
副会長「おおっ! 激流の真姫ちゃん本領発揮やね!」
真姫「デッショー!! ……はっ!!」
花陽(真姫ちゃん……)
にこ(真姫……)
真姫「いけないいけない……集中しないと」
真姫(こっちがデッキ破壊メインというのはばれてるっぽいし、無闇にアタックは仕掛けたくないわね……)
真姫(あのバーストは恐らくライフ減少時のカード……マーク・オブ・ゾロとかでも厄介ね)
真姫(士気高き大本営はブロック時でも粉砕を発揮出来るカード……)
真姫(アタックする時はコアを多めにおいてからにしましょう)
真姫「これでターンエンド」
副会長「あれ? 粉砕は?」
真姫「お預けよ」
真姫 副会長
D27 D32
L5 L5
H3 H3
R0 R0
Tコア3 Tコア6
Tカード5 Tカード2
フィールド フィールド
バースト× バースト○
ヒノキ2 シキツル4
ライオット2
工場島0
月世界0
大本営0
崩壊する戦線→士気高き大本営
・ターン07
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R1→2
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「!」
真姫「リフレッシュステップ」
R2→5
真姫「メインステップ」
真姫(聖鎧獣アメミード……来てくれたけど、まだ出す訳には行かないわね)
真姫(副会長のキースピリット、滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ……下手にブレイヴを見せる訳には行かないわ)
真姫「ライオット・ゴレムをレベル2で御指名よ!」
H5→4、R5→2
ライオット2
真姫「さらに、士気高き大本営をレベル1で配置!」
H4→3、R2→1
戦線0
副会長「おおっ! 激流の真姫ちゃん本領発揮やね!」
真姫「デッショー!! ……はっ!!」
花陽(真姫ちゃん……)
にこ(真姫……)
真姫「いけないいけない……集中しないと」
真姫(こっちがデッキ破壊メインというのはばれてるっぽいし、無闇にアタックは仕掛けたくないわね……)
真姫(あのバーストは恐らくライフ減少時のカード……マーク・オブ・ゾロとかでも厄介ね)
真姫(士気高き大本営はブロック時でも粉砕を発揮出来るカード……)
真姫(アタックする時はコアを多めにおいてからにしましょう)
真姫「これでターンエンド」
副会長「あれ? 粉砕は?」
真姫「お預けよ」
真姫 副会長
D27 D32
L5 L5
H3 H3
R0 R0
Tコア3 Tコア6
Tカード5 Tカード2
フィールド フィールド
バースト× バースト○
ヒノキ2 シキツル4
ライオット2
工場島0
月世界0
大本営0
40: >>38から ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:19:17.02 ID:wy7HyLl+0
副会長「神造巨兵オリハルコン・ゴレム……!!」
真姫「ヒノキ・ゴレムにコアを1つ乗せておくわ」
R1→0
ヒノキ2→3
真姫「さて、お待ちかねのアタックステップよ!!」
真姫「もてなしなさい! オリハルコン・ゴレム!」
真姫「この瞬間、神造巨兵オリハルコン・ゴレムの【粉砕】発揮!!」
真姫「このスピリットのレベルと同じ枚数分、相手のデッキからカードを破棄する!」
真姫「さらに神造巨兵オリハルコン・ゴレムレベル1、2、3のアタック時効果発揮!」
真姫「このスピリットの【粉砕】で破棄する枚数を、私のフィールドの青のシンボル1つに付き1枚増やす……」
花陽「真姫ちゃんの青のシンボルはヒノキ・ゴレムの効果で青のネクサスとなっている遥かなる月世界を含めて5つ……」
にこ「合計5枚追加ね」
真姫「つまり、合計8枚あなたのデッキからお愛想願うわ!!」
副会長「一気に8枚とは……」
D31→23
副会長(レムナントが……ちょっと今日は休んでてな?)
真姫「まだまだもてなすわよ!」
真姫「神造巨兵オリハルコン・ゴレムレベル2、3のアタック時効果、【強襲:2】発揮!!」
副会長「強襲!?」
真姫「その通りよ!」
真姫「このスピリットは1ターンに2度まで、私のフィールドのネクサスを1つ疲労させる事で回復出来る!」
真姫「遥かなる月世界を疲労させ、神造巨兵オリハルコン・ゴレムを回復させる!」
真姫「さあ、このアタックはどうする?」
副会長「……もちろん、決まってるやん?」
真姫「まあライフで受けるのg 副会長「ボーン・クスローでブロック!」
真姫「!?」
41: >>38から ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:20:06.13 ID:wy7HyLl+0
花陽「そんな!? いったいなんで……」
副会長「フラッシュタイミング! マインドコントロール!」
H3→2
真姫「マインドコントロール!?」
にこ「!」
副会長「このフラッシュ効果により、このターンの間、ウチのスピリット1体のBPを+2000するよ」
真姫(前のターンで使えば、私のライオット・ゴレム、ヒノキ・ゴレムは除去できたはずなのに……)
真姫(私に【不死】のスピリットを見せる事で先に動かされたって訳ね……)
副会長「不足コストはシキツルから確保!」
シキツル3→2
真姫「神造巨兵オリハルコン・ゴレムのBPは10000……」
R0→4
副会長「骸獣侯ボーン・クスローのBPは合計10000……相討ちやね」
R0→4
真姫「オリハルコン・ゴレム……」
真姫(オリハルコン・ゴレムがいない以上、士気高き大本営がうまく機能してくれなくなったわね……)
真姫「……ターンエンドよ」
真姫 副会長
D26 D23
L3 L5
H4 H2
R4 R4
Tコア3 Tコア5
Tカード6 Tカード12
フィールド フィールド
バースト○ バースト○
ヒノキ3 シキツル2
月世界0 工場島0
大本営0
42: >>38から ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:22:48.10 ID:wy7HyLl+0
・ターン10
副会長「スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R4→5
副会長「ドローステップ」
H2→3
副会長「リフレッシュステップ」
R5→10
副会長「メインステップ」
副会長(あのバースト……デッキ破棄を行って来た所を見るに防御マジックかな?)
副会長(なんにせよ、早めに使わせた方がよさそうかな……)
副会長「まずはソードールをレベル1で召喚」
H3→2、R10→9
副会長「続いてジャコウ・キャットをレベル1で召喚!」
H2→1、R9→7
キャット1
真姫「!」
副会長「ジャコウ・キャットレベル1、2の召喚時効果発揮!」
副会長「相手のスピリット1体を手札に戻すよ!」
副会長「ヒノキ・ゴレムを手札に!」
真姫「くっ……!」
4→5、R4→7
43: >>38から ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:23:30.76 ID:wy7HyLl+0
副会長「さらに、ジャコウ・キャットの連鎖発揮!」
副会長「連鎖によって1枚ドローさせてもらうね」
H1→2
真姫「けど、この時を待っていたわ!」
真姫「相手のスピリット・ブレイヴの召喚時効果発揮後にバースト発動!」
真姫「鉄の覇王! サイゴード・ゴレム!!!」
副会長「あちゃー……」
花陽「ようやくキースピリットの登場です!!」
にこ「希のデッキ枚数は残り21……まぁまぁのタイミングね」
真姫「このバースト効果で発動のトリガーとなったスピリットのコストの数だけデッキからカードを破棄させる!」
真姫「さらに! 破棄したカードの中にバースト効果を持つカードがあれば、このカードをノーコストで召喚出来るわ!」
副会長「むむ、ソードール、血塗られた魔具、妖華吸血爪、闇の聖剣……」
花陽「妖華吸血想爪はバーストのマジック……」
真姫「破棄したカードの中にバーストカード有り!!」
真姫「当デッキNo.1スピリット、鉄の覇王サイゴード・ゴレム!! レベル2で任せたわよ!」
R7→0
サイゴード7
副会長「おお……近くで見ると迫力あるなぁ」
真姫「ふふ、デッショー! なんてったってこの私のキースピリットなんだから!」
にこ「……あの子、さっきから妙にテンション高くない?」ヒソヒソ
花陽「どうもここに来ると正確変わっちゃうみたいで……」ヒソヒソ
44: >>38から ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:24:10.30 ID:wy7HyLl+0
副会長「なら、うちも……主役の登場やね」
真姫「!」
副会長「出でよ、破壊の神! 滅神星竜ダークヴルム・ノヴァ、レベル3で召喚!」
H2→1、R7→0
Dノヴァ5
副会長「不足コストはシキツル、ソードールから確保!」
シキツル2→1
ソードール1→0
真姫「滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ……厄介ね」
副会長「よーし! アタックステップ!」
副会長「行け! シキツル!」
花陽「シキツルからって事は……」
にこ「ボーン・クスローを見せてるから、ブロックさせづらくしてるのでしょうね」
にこ「連鎖の手札に戻す効果は、今の真姫に相当響くはずよ」
真姫「まだよ!」
真姫「フラッシュタイミング! シンフォニックバースト!!」
H4→3
真姫「不足コストはサイゴード・ゴレムからよ!」
サイゴード7→5
真姫「このアタックが終了した時、私のライフが2以下の場合、このアタックステップを終了させる!」
真姫「そして、このアタックはライフで受けるわ!」パリーン!
L3→2、R0→1
副会長「今のライフは2……アタックステップ終了やね」
副会長「ウチはこれでターンエンド」
真姫 副会長
D26 D18
L2 L5
H4 H1
R1 R0
Tコア5 Tコア5
Tカード7 Tカード16
フィールド フィールド
バースト× バースト○
サイゴード5 シキツル1
ジャコウ1
月世界0 Dノヴァ5
大本営0
工場島0
45: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:25:36.62 ID:wy7HyLl+0
・ターン11
真姫「スタートステップ」
真姫「コアステップ」
R1→2
真姫「ドローステップ」
H4→5
真姫「リフレッシュステップ」
R2→7
真姫「メインステップ」
真姫「ライオット・ゴレムをレベル3で御指名よ!」
H5→4、R7→2
ライオット4
副会長「ん? サイゴード・ゴレムのレベルはあげないの?」
副会長「それじゃあウチのデッキ破棄の枚数が13枚になっちゃうけど?」
真姫「心配ご無用、私にはあなたの大好きなこのカードがあるわ」つカード
副会長「大好きな……?」
真姫「まずはバーストをセット!」
H4→3
真姫「これで遥かなる月世界に黄のシンボルを1つ追加したわ」
真姫「そして……聖鎧獣アメミードをサイゴード・ゴレムに直接合体させて召喚!」
H3→2、R2→1
サイゴード+5
花陽「ダークヴルム・ノヴァを前にして合体……!?」
にこ「いえ、この場合ならやっても構わないと思うわ」
花陽「え?」
にこ「大粉砕が影響を与えるのはデッキだけではないって事よ」
46: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:26:19.05 ID:wy7HyLl+0
真姫「さらにリザーブのコアを1つ、合体スピリットのコア1つを、ライオットに乗せておくわ!」
R1→0、サイゴード+5→4
ライオット4→6
真姫「お待ちかねのアタックステップ!」
真姫「この瞬間、合体状態の星鎧獣アメミードのアタックステップ時効果発揮!」
真姫「この合体しているスピリットを最高レベルとして扱う!」
真姫「これで鉄の覇王サイゴード・ゴレムのレベルは3になったわ!」
真姫「合体スピリット! あの副会長をもてなしなさい!!」
真姫「この鉄の覇王サイゴード・ゴレムのアタック時、【大粉砕】発揮!!」
真姫「このスピリットのレベル×5枚分、相手のデッキからカードを破棄する!」
真姫「今の鉄の覇王サイゴード・ゴレムのレベルは3……よって15枚お愛想願うわよ!」
副会長「15……一気に持ってくなぁ」
D18→3
真姫「これで終わりじゃないわ……あなたの破棄したカードの中に絶甲氷盾があるのを私は見逃さないわよ!!!」
副会長「!?」
真姫「【大粉砕】の効果でバーストの効果を持つカードを破棄した時、相手のスピリット1体を破壊出来る!」
真姫「滅神星龍ダークヴルム・ノヴァには御退場願うわ!」
副会長「ダークヴルム・ノヴァ!?」
47: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:27:03.30 ID:wy7HyLl+0
副会長「ふふふ……」
真姫「?? 何がおかしいのよ?」
副会長「ダークヴルム・ノヴァを破壊しておけば【不死】は発揮しないと思った?」ニッコリ
真姫「!?」
副会長「滅神星龍ダークヴルム・ノヴァが破壊された事により、トラッシュに存在する虚皇帝ネザード・バァラルの【不死】発揮!」
副会長「トラッシュにあるこのカードは、系統:夜族を持つスピリットが破壊された時に召喚する事が出来る!」
副会長「不足コストは全て滅神星龍ダークヴルム・ノヴァから確保!」
Dノヴァ5→0
副会長「そして虚皇帝ネザード・バァラルをレベル1でトラッシュから召喚!」
ネザード1
副会長「不足コストをトリガーとなったダークヴルム・ノヴァから全て取り外しちゃうとスピリットの破壊時効果とかは使えなくなるんやけど、このスピリットにはないから安心やね」
真姫「まさか虚皇帝ネザード・バァラルまでいるなんて……それじゃあ合体スピリットのもてなしはそのスピリットが受けるの?」
副会長「いや、ライフで受けるよ」パリリーン
L5→3、R0→2
副会長「さて、ライフが減少した事によりバースト発動! 絶甲氷盾や!」
真姫「!」
花陽「絶甲氷盾!? そんな……!?」
にこ「いえ、恐らくそれはあの子も計算の内よ」
副会長「バースト効果により、ボイドからコア1つをライフへ!」
L3→4
副会長「不足コストはジャコウ・キャットから確保しつつ、フラッシュ効果発揮!」
R2→0
ジャコウ1→0
副会長「このバトルが終了した時、このアタックステップを終了する!」
真姫「……ターンエンドよ」
真姫 副会長
D25 D3
L2 L3
H2 H1
R0 R0
Tコア2 Tコア12
Tカード7 Tカード33
フィールド フィールド
バースト○ バースト×
サイゴード+4 シキツル1
ライオット6 ネザード1
月世界0 工場島0
大本営0
48: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:27:35.49 ID:wy7HyLl+0
・ターン12
副会長「スタートステップ」
副会長「コアステップ」
R0→1
副会長「ドローステップ」
H1→2
副会長「リフレッシュステップ」
R1→13
副会長「メインステップ」
副会長「……」
にこ「へぇ、希相手に意外とやるわね」
花陽「……あの」
にこ「ん? 何?」
花陽「副会長はなんでジャコウ・キャットから不足コストを確保したのでしょうか?」
にこ「?」
花陽「シキツルよりもコアとBP効率が良いですし、シキツルから取った方が……」
にこ「……何言ってんのよ、もっとジャコウ・キャットにはない良い物をシキツルが持ってるじゃない」
花陽「え? ええ??」
49: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:28:32.32 ID:wy7HyLl+0
真姫(士気高き大本営の効果でライオット・ゴレムがブロックした瞬間、この私の勝利が決まるわ)
真姫(さらにバーストは絶甲氷盾……スピリットを展開されたとしても凌ぎ切れる)
真姫(例えコアシュートで全てのコアを外されたとしても、手札にはツンドック・ゴレム……そのまま召喚して私の勝ちよ!)
真姫(イケる……完p副会長「まだ勝ちを確信するには早いやん?」
真姫「!?!?」
副会長「まずは魔羯邪神シュタイン・ボルグをレベル1で召喚!」
H2→1、R13→9
ボルグ1
副会長「魔羯邪神シュタイン・ボルグレベル1、2、3の召喚時効果!」
副会長「ウチのフィールドの系統:光導、星魂を持つスピリット1体に付き、トラッシュの村木佐野カード1枚を手札に戻せる」
副会長「戻っておいで、滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ!」
H1→2
真姫「……」
副会長「つぎにデッドリィヘクスを発動するよ」
H2→1、R9→7
副会長「ウチのスピリットを1体破壊する事で、真姫ちゃんは自分のスピリット1体を破壊するよ」
副会長「ウチはシキツルを破壊するよ」
副会長「真姫ちゃんはどうする?」
真姫「破壊するのはライオット・ゴレムよ」
50: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:30:14.65 ID:wy7HyLl+0
副会長「ええの? そのスピリットは唯一のブロッカーやけど?」
真姫「構わないわ、この瞬間、ライオット・ゴレムレベル2、3のこのスピリットの破壊時効果発揮よ!!」
副会長「!」
真姫「このスピリットが破壊される場合、私のネクサスを1つ疲労させる事で、回復状態でフィールドに残る!」
副会長「じゃあ、トラッシュに行くのはシキツルだけやね」
R7→8
真姫「副会長の狙いは【不死】での召喚による骸獣侯ボーン・クスローかしら?」
副会長「違うよ、デッドリィヘクスの連鎖発揮!」
真姫「っ! 連鎖があったのね……!」
副会長「贅沢に2個もね」
真姫「!?」
副会長「今は白シンボルしかないから安心してな?」
51: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:30:49.93 ID:wy7HyLl+0
副会長「白シンボルによる連鎖の効果は相手スピリット1体を手札に戻す効果!」
副会長「フィールドに残ったライオット・ゴレムには手札に戻ってもらうよ!」
真姫「くっ……!」
H2→3、R0→6
真姫(でも、このままアタックされれば、バーストの絶甲氷盾がある……)
真姫(ライフは2……ダブルシンボルでも来ない限り……)
真姫(ダブルシンボル…………?)
真姫「まさか……!!?」
副会長「さて、厄介なスピリットもいなくなった事やし……主役の再登場やん!」
副会長「再び出でよ、破壊の神!! 滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ! レベル2で召喚!」
H1→0、R8→0
Dノヴァ4
真姫「また現れたわね……ダークヴルム・ノヴァ!!」
副会長「ホントはキースピリット同士のバトルと行きたいんやけど、シンフォニックバーストあたりが怖いんよ」
真姫(やはり読まれてる……!!)
副会長「だから今回は我慢してな、ダークヴルム・ノヴァ?」
Dノヴァ「ギャオオオオ!!」
副会長「うんうん、ダブルシンボルは頼りにしてるんよ!」
花陽(スピリットと喋れるんだ……今度私も試してみよう)
にこ(仲良いわね……私も今度やってみようかしら)
副会長「じゃあトドメやん! 行け! ダークヴルム・ノヴァ!!」
真姫(まさかダークヴルム・ノヴァがもう一度召喚されるなんて……)
真姫「……ライフで受けるわ!!」パリリーン
L2→0、R6→8
副会長 WIN!
52: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:31:30.42 ID:wy7HyLl+0
アイドル研究部部室だよ!
真姫「2人共、ごめんなさい……負けてしまったわ」
花陽「そんな事無いよ! 相性的に不利だったのに、あそこまで追い詰めたんだもん!」
にこ「そうよ、いいバトルだったわ」
副会長「せやね、ウチもデッキギリギリまで追い詰められたんは、この学校来てから初めての事やったし」
真姫「そう? あの副会長がそういうなら、少しは自信持っていいのかしら」
副会長「全然もってええよ、にこっちもそう思うやろ?」
にこ「まあ、初めて黄属性を使うにしては良かったわよ」
にこ「幸運にもアタック抑制がうまく機能してくれたし」
にこ「何戦かやれば、コアシュートなんかで調子崩されそうだったからもうちょっと調整が必要ね」
真姫「確かに……コアシュートが来たら目も当てられないわ」
真姫「実際マインド・コントロールをメインで使われていたら危なかったし……」
副会長「ホントはサイゴード・ゴレムの召喚された後に使えたらよかったんやけど、オリハルコン・ゴレムのせいで使わざるを得なかったんよ」
副会長「あ、そうだっt穂乃果「お待たせー!!」ガチャ
53: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:32:26.44 ID:wy7HyLl+0
穂乃果「あれ? 副会長さん?」
副会長「あ、穂乃果ちゃん、お邪魔してるよ」
海未「まさか私が3位とは……おや?」
ことり「そういう事もあるよ……あ、副会長さん?」←1位
凛「海未先輩コーナー意識し過ぎだにゃー」←2位
副会長「新生アイドル研究部の皆さんのお出ましやなぁ」
凛「あ!?!?」
穂乃果「どうしたの? 凛ちゃん?」
凛「真姫ちゃんのデッキ調整があったんだった……」
海未「ほう、真姫がまた新たなデッキを?」
ことり「今度はどんなデッキなの?」
真姫「青と黄の混合デッキよ」
海未「なるほど……もう調整を始めているんですか?」
真姫「ええ、今さっき副会長とバトルをしてた所よ」
穂乃果「どっちが勝ったの?」
真姫「………………副会長よ」ボソッ
海未(ああ、悔しかったんですね……)
54: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:33:11.87 ID:wy7HyLl+0
海未「にしても、いつの間に新たなデッキなど作成していたのですか?」
にこ「誰かさん達がレースを行っていた昼休みからよ」
穂乃果「海未ちゃん……」
海未「あなたもですよ」
ことり「ああ、あの時に作ってたんだね」
真姫「あれをみて走りたくなるとは予想外だったけど……」
凛「えへへ」
真姫「褒めてないわよ」
花陽「ホントは先輩方に相手をしてもらおうかなって思ってたんですけど……」
海未「そうでしたか、すみません……」
にこ「そのタイミングで希が来たって訳ね」
副会長「えっへん!」
にこ「ちょっとしか褒めてないわよ」
ことり(ちょっとは褒めてるんだ……)
にこ(どちらかと言えば生徒会長のファインプレーだったけど)
55: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:34:00.20 ID:wy7HyLl+0
真姫「ま、デッキの調整はこのくらいにしてそろそろダンスの練習の方を行いましょ」
花陽「先輩も来て、真姫ちゃんのバトルもちょうど終わったもんね」
穂乃果「えー! 私も真姫ちゃんのデッキ見たかったのにー!!」
海未「私も見たいですが、レースをしていた私達が悪いのですし、行きますよ!」
ことり「それに副会長のバトル自体、あんまり見れる物じゃないもんね」
副会長「ところで真姫ちゃん」
真姫「な、なななな何?」ビクッ
海未「?」
海未(なぜでしょう? 異様なまでに真姫が怯えてますね)
副会長「ウチがバトルで勝った時の事、覚えてるよね?」
真姫「…………」ダラダラ
真姫(落ち着くのよ私! 何かいい策を……)
57: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:34:45.47 ID:wy7HyLl+0
穂乃果「真姫ちゃん、どうしたの?」
真姫「! そうだ!」
穂乃果「??」
真姫「穂乃果先輩!」
穂乃果「は、はい!」
真姫「昔、バトルした時の権利、使わせてもらいます!」
穂乃果「!?!?!?」
海未(μ's結成前にバトルした時の事でしょうか……?)
真姫「副会長のアグレッシブなあれを私の代わりに受けてください!」
にこ(仮にも先輩に受けさせるとは……)
穂乃果「なんだかよくわからないけど、分かったよ!」
にこ(あーあ……)
ことり「にこ先輩」ヒソヒソ
にこ「何? アグレッシブなあれの話?」ヒソヒソ
ことり「はい……何の話なんですか?」ヒソヒソ
にこ「……見てれば分かるわ」ヒソヒソ
58: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:35:14.20 ID:wy7HyLl+0
穂乃果「よーし、副会長! ドンと来てください!」
副会長「むふふ……その慎ましやかなモノ、じっくり堪能させてもらうよ?」スタスタ
穂乃果「あれ? なんでわざわざ私の後ろに……」
副会長「」ワシッ
穂乃果「!?!?」ビクッ
副会長「わしわしMAXやぁぁぁああああ!!」ワシワシワシワシ
穂乃果「いやぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
海未「」
ことり「あわわ……///」カァァ
花陽「うわぁ……///」カァァ
にこ「あれが希の必殺技、わしわしMAXよ」
イヤァァァアアアア!!
にこ「にこも昔、よくやられてたものよ……」トオイメ
凛「あれ? 揉まれると大きくなるんじゃ……」ジーッ
にこ「それ以上言ってはいけないわよ」
59: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:35:57.31 ID:wy7HyLl+0
穂乃果「」
副会長「ふー、中々のモノで御座いました」ニッコリ
真姫(穂乃果先輩……今までで一番頼りに見える瞬間ね)
副会長「真姫ちゃんも負けっぱなしが嫌やったら、いつでも調整受けて立つからね」
真姫「」カチン
副会長「ほなー」ガチャ
真姫「……」
真姫(次は絶ッッッッ対勝ってやるんだから……!!)ゴゴゴゴ
にこ(……この子、耐性無さ過ぎない?)
60: ◆LOcdYVQIyguM 2015/04/22(水) 23:39:19.06 ID:wy7HyLl+0
完とか書いてないですが、これにて完結っす
途中でカードをミスったままにしてたのが心残りです
バトル的には結構マシに出来たかなって思ってます
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/23(木) 02:12:35.71 ID:orjlES4l0
乙やん
今回は破壊処理と【不死】をちゃんと把握しているようで安心しました。
にしてもボーン・バードよりシキツル優先するとは、アロンダイザーくさい
今回は破壊処理と【不死】をちゃんと把握しているようで安心しました。
にしてもボーン・バードよりシキツル優先するとは、アロンダイザーくさい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429371440/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ ラブライブ | Comments (0)
いろは「先輩って結構鈍いですよね」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:17:28.36 ID:kaDNlbxu0
いろは「せんぱぁ~い!」
いろは「朝から1人で登校ですか?」
いろは「寂しいですねーっ!」
いろは「ねぇ? 悲しくならないですか?」
いろは「良かったら私と一緒に行きませんか?」
いろは「いやいやぁ~、そんな格好つけて遠慮することはないんですよぉ~?」
いろは「本当に」
いろは「ね?」
いろは「朝から1人で登校ですか?」
いろは「寂しいですねーっ!」
いろは「ねぇ? 悲しくならないですか?」
いろは「良かったら私と一緒に行きませんか?」
いろは「いやいやぁ~、そんな格好つけて遠慮することはないんですよぉ~?」
いろは「本当に」
いろは「ね?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:20:24.74 ID:kaDNlbxu0
いろは「あれぇ? 先輩、ちょっと顔がニヤけてません?」
いろは「やっぱり私と登校できて嬉しいんじゃないんですかぁ~?」
いろは「気持ち悪ぅ~い!」
いろは「え? 嬉しくない?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・・」
いろは「・・・ふーん」
いろは「そう」
いろは「やっぱり私と登校できて嬉しいんじゃないんですかぁ~?」
いろは「気持ち悪ぅ~い!」
いろは「え? 嬉しくない?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・・」
いろは「・・・ふーん」
いろは「そう」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:24:01.95 ID:kaDNlbxu0
いろは「傷ついちゃったなぁ~」
いろは「傷ついちゃったなぁ~」
いろは「悲しいです、先輩」
いろは「そんなに私をいじめていると」
いろは「生徒会の権限で」
いろは「奉仕部潰しますよ?」
いろは「傷ついちゃったなぁ~」
いろは「悲しいです、先輩」
いろは「そんなに私をいじめていると」
いろは「生徒会の権限で」
いろは「奉仕部潰しますよ?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:26:08.32 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・あははははは!」
いろは「冗談ですよ、冗談!」
いろは「そんな怖い顔しないで下さいよぉ~!」
いろは「大丈夫ですよ、安心して下さい」
いろは「私はそんなことしませんから」
いろは「ね?」
いろは「・・・・・・」
いろは「冗談ですよ、冗談!」
いろは「そんな怖い顔しないで下さいよぉ~!」
いろは「大丈夫ですよ、安心して下さい」
いろは「私はそんなことしませんから」
いろは「ね?」
いろは「・・・・・・」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:29:45.77 ID:kaDNlbxu0
いろは「あれ? 先輩どうしてこんなところにいるんですか?」
いろは「あ、お弁当・・・」
いろは「もしかして、いつもここで1人で食べているんですか?」
いろは「うっわぁ~! 可哀想ぉ~!」
いろは「え? 普段は教室で食べている?」
いろは「じゃあ今日はどうしてここで?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・そうですか、気分ですか」
いろは「へぇ~・・・」
いろは「あ、お弁当・・・」
いろは「もしかして、いつもここで1人で食べているんですか?」
いろは「うっわぁ~! 可哀想ぉ~!」
いろは「え? 普段は教室で食べている?」
いろは「じゃあ今日はどうしてここで?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・そうですか、気分ですか」
いろは「へぇ~・・・」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:31:19.80 ID:kaDNlbxu0
いろは「」ジー
いろは「」ジー
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・・」
いろは「へへへへへへ・・・・・・」ニタァ
いろは「」ジー
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・・」
いろは「へへへへへへ・・・・・・」ニタァ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:33:35.65 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・いえ、何でもないですよ」
いろは「そう、何でも・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・ねぇ」
いろは「そのお弁当、美味しいですか?」
いろは「・・・そうですか」
いろは「美味しいですか」
いろは「・・・・・・」
いろは「」ニヤ
いろは「そう、何でも・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・ねぇ」
いろは「そのお弁当、美味しいですか?」
いろは「・・・そうですか」
いろは「美味しいですか」
いろは「・・・・・・」
いろは「」ニヤ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:35:39.55 ID:kaDNlbxu0
いろは「良かったですねぇ」
いろは「妹さんが作っているんですか?」
いろは「ふーん」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ」
いろは「私そろそろ行かなくちゃ」
いろは「先輩はそのまま寂しく食べていて下さい」
いろは「あはは! 冗談ですよ!」
いろは「じゃあ」
いろは「妹さんが作っているんですか?」
いろは「ふーん」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ」
いろは「私そろそろ行かなくちゃ」
いろは「先輩はそのまま寂しく食べていて下さい」
いろは「あはは! 冗談ですよ!」
いろは「じゃあ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:38:43.15 ID:kaDNlbxu0
いろは「失礼しまーす」ガラガラ
いろは「あれ? 雪ノ下先輩」
いろは「お1人だけですか?」
いろは「へぇー、結衣先輩もいないんですか」
いろは「先輩はどこですか?」
いろは「え? 何の用?」
いろは「決まっているじゃないですかぁ~」
いろは「生徒会のお仕事の」
いろは「手伝いをしてもらうんですよ」
いろは「あれ? 雪ノ下先輩」
いろは「お1人だけですか?」
いろは「へぇー、結衣先輩もいないんですか」
いろは「先輩はどこですか?」
いろは「え? 何の用?」
いろは「決まっているじゃないですかぁ~」
いろは「生徒会のお仕事の」
いろは「手伝いをしてもらうんですよ」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:40:37.98 ID:kaDNlbxu0
いろは「え? そんな暇はない?」
いろは「うっそぉ~、どう見たって暇そうじゃないですかぁ~」
いろは「そうでしょ?」
いろは「ちょこっとだけで良いんですよ」
いろは「ね?」
いろは「・・・・・・」
いろは「うっそぉ~、どう見たって暇そうじゃないですかぁ~」
いろは「そうでしょ?」
いろは「ちょこっとだけで良いんですよ」
いろは「ね?」
いろは「・・・・・・」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:45:22.44 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・へぇ~」
いろは「今日はヤケに突っかかってきますね」
いろは「私、そういうの嫌いなんですよねぇー」
いろは「面白くないです」
いろは「ねぇ? 雪ノ下先輩?」
いろは「表情や態度、声のトーンは立派ですけど」
いろは「膝がガクガクしていますよ?」
いろは「へへ・・・へへへへへへへ・・・・・・」
いろは「今日はヤケに突っかかってきますね」
いろは「私、そういうの嫌いなんですよねぇー」
いろは「面白くないです」
いろは「ねぇ? 雪ノ下先輩?」
いろは「表情や態度、声のトーンは立派ですけど」
いろは「膝がガクガクしていますよ?」
いろは「へへ・・・へへへへへへへ・・・・・・」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:53:25.18 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・なーんだ、もう終わりですか」
いろは「いや、良いんですよ?」
いろは「雪ノ下先輩は、そうやっていつもいつも」
いろは「怯えているのがお似合いです」
いろは「えへへ! だって、雪ノ下先輩が悪いんですよ?」
いろは「私の先輩に酷いことを言うから」
いろは「自分が他人にしたことというのは、必ず自分に返ってくるんですよ?」
いろは「それも、悪いことはなおさら」
いろは「ね?」
いろは「・・・なーんだ、もう終わりですか」
いろは「いや、良いんですよ?」
いろは「雪ノ下先輩は、そうやっていつもいつも」
いろは「怯えているのがお似合いです」
いろは「えへへ! だって、雪ノ下先輩が悪いんですよ?」
いろは「私の先輩に酷いことを言うから」
いろは「自分が他人にしたことというのは、必ず自分に返ってくるんですよ?」
いろは「それも、悪いことはなおさら」
いろは「ね?」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 21:58:14.54 ID:kaDNlbxu0
いろは「あ、こんなことしている場合じゃなかった」
いろは「先輩を探しに行かないと」
いろは「じゃあ、雪ノ下先輩?」
いろは「もし先輩がここに来たら、私が探していたと伝えておいて下さい」
いろは「じゃあ」
いろは「失礼しましたぁ~」
いろは「」ニヤニヤ
いろは「先輩を探しに行かないと」
いろは「じゃあ、雪ノ下先輩?」
いろは「もし先輩がここに来たら、私が探していたと伝えておいて下さい」
いろは「じゃあ」
いろは「失礼しましたぁ~」
いろは「」ニヤニヤ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:04:37.00 ID:kaDNlbxu0
いろは「」テクテク
いろは「・・・あ」
いろは「先輩・・・」
葉山「やはり、俺は君のことを到底理解できそうにない」
八幡「・・・そうかよ」
戸部「しゃす! しゃす!」クネクネ
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ」
いろは「先輩・・・」
葉山「やはり、俺は君のことを到底理解できそうにない」
八幡「・・・そうかよ」
戸部「しゃす! しゃす!」クネクネ
いろは「・・・・・・」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:07:13.71 ID:kaDNlbxu0
いろは「先輩」
いろは「探しましたよ」
いろは「部活に行く前に、ちょっと生徒会の手伝いして下さいよぉ~」
いろは「どうせ暇なんだしぃ~? 良いじゃないですかぁ~」
いろは「ね?」
いろは「へへへへへ・・・・・・」
いろは「探しましたよ」
いろは「部活に行く前に、ちょっと生徒会の手伝いして下さいよぉ~」
いろは「どうせ暇なんだしぃ~? 良いじゃないですかぁ~」
いろは「ね?」
いろは「へへへへへ・・・・・・」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:09:14.49 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・先輩って」
いろは「やっぱり敵が多いんですね」
いろは「さっき、葉山先輩と戸部先輩から」
いろは「何を言われていたんですか?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・お前には関係ない、ですか」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・先輩って」
いろは「やっぱり敵が多いんですね」
いろは「さっき、葉山先輩と戸部先輩から」
いろは「何を言われていたんですか?」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・お前には関係ない、ですか」
いろは「・・・・・・」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:13:40.54 ID:kaDNlbxu0
いろは「別に隠さなくても良いんですよ?」
いろは「大方、また因縁でもつけられたんでしょう」
いろは「先輩はいつだって自分のことを隠したがります」
いろは「自分を犠牲にして、嫌われて、物事を解消する・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「私はそんなの嫌です」
いろは「すごく悲しいです」
いろは「大方、また因縁でもつけられたんでしょう」
いろは「先輩はいつだって自分のことを隠したがります」
いろは「自分を犠牲にして、嫌われて、物事を解消する・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「私はそんなの嫌です」
いろは「すごく悲しいです」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:16:20.64 ID:kaDNlbxu0
いろは「ねぇ、先輩」
いろは「例えこの先、みんな先輩のことを嫌って」
いろは「無視したり、嫌がらせをされたり、嫌なことを言われたりしても」
いろは「私はずっと先輩の味方ですからね?」
いろは「どうしても耐えられないことがあったら」
いろは「迷わず私に相談して下さい」
いろは「・・・・・・」
いろは「私にできることは限られていますけど」
いろは「精一杯、頑張りますから」
いろは「ね?」
いろは「例えこの先、みんな先輩のことを嫌って」
いろは「無視したり、嫌がらせをされたり、嫌なことを言われたりしても」
いろは「私はずっと先輩の味方ですからね?」
いろは「どうしても耐えられないことがあったら」
いろは「迷わず私に相談して下さい」
いろは「・・・・・・」
いろは「私にできることは限られていますけど」
いろは「精一杯、頑張りますから」
いろは「ね?」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:19:36.30 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・えへへ!」
いろは「なんか唐突にすいません、こんな話しちゃって」
いろは「合わないですよね、こんな暗い話」
いろは「先輩にも」
いろは「私にも」
いろは「だって私達、いつも楽しいじゃないですか」
いろは「・・・えぇ~っ!?」
いろは「そんなこと言わないで下さいよぉ~!」
いろは「先輩は相変わらずですね!」
いろは「・・・・・・」
いろは「なんか唐突にすいません、こんな話しちゃって」
いろは「合わないですよね、こんな暗い話」
いろは「先輩にも」
いろは「私にも」
いろは「だって私達、いつも楽しいじゃないですか」
いろは「・・・えぇ~っ!?」
いろは「そんなこと言わないで下さいよぉ~!」
いろは「先輩は相変わらずですね!」
いろは「・・・・・・」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:23:22.82 ID:kaDNlbxu0
いろは「それにしても、葉山先輩も戸部先輩も酷いですよねぇ~」
いろは「葉山先輩は先輩に対して壁に体を打ち付けたり」
いろは「自分から依頼した癖に微妙な感情を持ったり」
いろは「先輩にやたらケチをつけてきたり」
いろは「戸部先輩は先輩をバカにするノリの寒いネタを」
いろは「空気も読まずに連発するし」
いろは「みんな、酷いですね」
いろは「・・・・・・」
いろは「葉山先輩は先輩に対して壁に体を打ち付けたり」
いろは「自分から依頼した癖に微妙な感情を持ったり」
いろは「先輩にやたらケチをつけてきたり」
いろは「戸部先輩は先輩をバカにするノリの寒いネタを」
いろは「空気も読まずに連発するし」
いろは「みんな、酷いですね」
いろは「・・・・・・」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:26:47.16 ID:kaDNlbxu0
いろは「酷いなぁ~」
いろは「酷いなぁ~」
いろは「どうしてそんな酷いことができるんでしょうね」
いろは「先輩は決して間違ってなんかいません」
いろは「間違っているのは、みんなの方です」
いろは「だから先輩、もう悩まないで下さい」
いろは「私に頼って下さい」
いろは「先輩の悩み事も、全部解決してあげます」
いろは「どんなときも先輩を守ってあげます」
いろは「へへ・・・」
いろは「酷いなぁ~」
いろは「どうしてそんな酷いことができるんでしょうね」
いろは「先輩は決して間違ってなんかいません」
いろは「間違っているのは、みんなの方です」
いろは「だから先輩、もう悩まないで下さい」
いろは「私に頼って下さい」
いろは「先輩の悩み事も、全部解決してあげます」
いろは「どんなときも先輩を守ってあげます」
いろは「へへ・・・」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:30:34.33 ID:kaDNlbxu0
いろは「みんな許せないですねぇ~」
いろは「これからどんなに酷い目に遭っても」
いろは「今まで自分がしてきたことですからねぇ~」
いろは「文句は言えないですよねぇ~」
いろは「えへへへへへ!」
いろは「楽しいなぁ・・・楽しいなぁ・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ」
いろは「そうだ」
いろは「先輩?」
いろは「もし私を裏切ったら」
いろは「一生私無しでは生きていけない体にしてあげますから」
いろは「ね?」
いろは「えへ・・・えへへへへへ・・・・・・」
いろは「これからどんなに酷い目に遭っても」
いろは「今まで自分がしてきたことですからねぇ~」
いろは「文句は言えないですよねぇ~」
いろは「えへへへへへ!」
いろは「楽しいなぁ・・・楽しいなぁ・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ」
いろは「そうだ」
いろは「先輩?」
いろは「もし私を裏切ったら」
いろは「一生私無しでは生きていけない体にしてあげますから」
いろは「ね?」
いろは「えへ・・・えへへへへへ・・・・・・」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:31:21.09 ID:kaDNlbxu0
いろはすのハイライト吸ってきます
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:40:06.83 ID:kaDNlbxu0
『一色宅 自室』
いろは「えへへ・・・先輩・・・」
いろは「私の先輩」
いろは「私だけの先輩」
いろは「ずっと」
いろは「ずっと一緒ですからね?」
いろは「えへへへへ・・・・・・」
写真『』
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33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:47:37.95 ID:kaDNlbxu0
『ららぽーと』
いろは「」テクテク
いろは「あ」
いろは「せんぱぁ~i」
いろは「・・・・・・」
由比ヶ浜「えへへ! ヒッキー、これどうかな?」
八幡「まぁ、良いんじゃねぇの?」
由比ヶ浜「えへへへ! そっか!」
いろは「・・・・・・」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:51:04.12 ID:kaDNlbxu0
いろは「先輩! こんにちは!」
いろは「結衣先輩もこんにちは!」
いろは「お2人だけでお出かけですか?」
いろは「まさかデートとか!」
いろは「え? 私ですか?」
いろは「私はですねぇ~」
いろは「いつも先輩の後をついていますから」
いろは「結衣先輩もこんにちは!」
いろは「お2人だけでお出かけですか?」
いろは「まさかデートとか!」
いろは「え? 私ですか?」
いろは「私はですねぇ~」
いろは「いつも先輩の後をついていますから」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:52:54.75 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・ぷっ」
いろは「あっはははは! 冗談ですってば!」
いろは「私が好き好んでそんなことするわけないじゃないですかぁ!」
いろは「ね?」
いろは「・・・ぷっ」
いろは「あっはははは! 冗談ですってば!」
いろは「私が好き好んでそんなことするわけないじゃないですかぁ!」
いろは「ね?」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:55:19.71 ID:kaDNlbxu0
いろは「今日は雪ノ下先輩はいらっしゃらないんですね」
いろは「・・・ふーん」
いろは「へぇー」
いろは「結衣先輩の買い物に付き合った」
いろは「ただそれだけ、ですか」
いろは「・・・・・・」
いろは「ねぇ」
いろは「結衣先輩」
いろは「・・・ふーん」
いろは「へぇー」
いろは「結衣先輩の買い物に付き合った」
いろは「ただそれだけ、ですか」
いろは「・・・・・・」
いろは「ねぇ」
いろは「結衣先輩」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:57:18.03 ID:kaDNlbxu0
いろは「結衣先輩にとって」
いろは「先輩はどんな存在なんですか?」
いろは「同じ部活仲間? 友達?」
いろは「・・・へぇー」
いろは「そのはっきりしない返答」
いろは「友達ですらないってことですか」
いろは「へぇー」
いろは「先輩はどんな存在なんですか?」
いろは「同じ部活仲間? 友達?」
いろは「・・・へぇー」
いろは「そのはっきりしない返答」
いろは「友達ですらないってことですか」
いろは「へぇー」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 22:59:24.50 ID:kaDNlbxu0
いろは「可哀想な先輩」
いろは「何の感情も持たれずにここに来て」
いろは「結衣先輩の買い物に付き合わされているんですね」
いろは「あーあ、私ならもっと」
いろは「先輩を楽しませてあげられるのに」
いろは「・・・・・・」
いろは「何の感情も持たれずにここに来て」
いろは「結衣先輩の買い物に付き合わされているんですね」
いろは「あーあ、私ならもっと」
いろは「先輩を楽しませてあげられるのに」
いろは「・・・・・・」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:03:22.84 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・まぁ、先輩が良いって言うなら良いんですけど」
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ! 買い物の邪魔してすいません!」
いろは「私も用があるのでこの辺で!」
いろは「」タッタッ
いろは「」ピタ
いろは「・・・・・・」
いろは「」クル
いろは「そうそう、結衣先輩」
いろは「結衣先輩が優柔不断で」
いろは「いつも中途半端なのはわかっていますけど」
いろは「曖昧な感情をぶつけて、先輩を困らせたりしたら」
いろは「絶対に許しませんから」ニヤ
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・あ! 買い物の邪魔してすいません!」
いろは「私も用があるのでこの辺で!」
いろは「」タッタッ
いろは「」ピタ
いろは「・・・・・・」
いろは「」クル
いろは「そうそう、結衣先輩」
いろは「結衣先輩が優柔不断で」
いろは「いつも中途半端なのはわかっていますけど」
いろは「曖昧な感情をぶつけて、先輩を困らせたりしたら」
いろは「絶対に許しませんから」ニヤ
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:09:13.38 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「先輩・・・」
いろは「んっ・・・」ゴソゴソ
いろは「せ、先輩・・・」
いろは「先輩・・・先輩・・・!」
いろは「あぁ・・・んっ・・・!」モゾモゾ
いろは「・・・・・・」
いろは「先輩・・・」
いろは「んっ・・・」ゴソゴソ
いろは「せ、先輩・・・」
いろは「先輩・・・先輩・・・!」
いろは「あぁ・・・んっ・・・!」モゾモゾ
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:16:40.89 ID:kaDNlbxu0
『生徒会室』
いろは「先輩、今日も手伝ってもらってすいません」
いろは「今日は私1人だけなんですよぉ~」
いろは「そう」
いろは「1人だけ」
いろは「・・・・・・」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:18:16.96 ID:kaDNlbxu0
いろは「そういえば先輩」
いろは「先輩って」
いろは「三浦先輩のパンツ」
いろは「見たことあるんですよね」
いろは「ねぇ」
いろは「そうでしょう?」
いろは「 ね ぇ ? 」
いろは「先輩って」
いろは「三浦先輩のパンツ」
いろは「見たことあるんですよね」
いろは「ねぇ」
いろは「そうでしょう?」
いろは「 ね ぇ ? 」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:21:24.48 ID:kaDNlbxu0
いろは「・・・・・・」
いろは「・・・まぁ」
いろは「あれは事故で偶然見てしまいましたからね」
いろは「えっ? なんで知っているんだって?」
いろは「えへへ・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「私」
いろは「先輩のことなら」
いろは「何でも知っているんですよ?」
いろは「だから」
いろは「先輩がどこで何をしていたかも」
いろは「先輩が嘘をついているときも」
いろは「全部知っていますから」
いろは「うふ・・・えへへへへ・・・・・・」
いろは「・・・まぁ」
いろは「あれは事故で偶然見てしまいましたからね」
いろは「えっ? なんで知っているんだって?」
いろは「えへへ・・・」
いろは「・・・・・・」
いろは「私」
いろは「先輩のことなら」
いろは「何でも知っているんですよ?」
いろは「だから」
いろは「先輩がどこで何をしていたかも」
いろは「先輩が嘘をついているときも」
いろは「全部知っていますから」
いろは「うふ・・・えへへへへ・・・・・・」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:23:26.31 ID:kaDNlbxu0
いろは「ねぇ、どうでしたか?」
いろは「女の子のパンツを見た感想は?」
いろは「その濁った瞳で凝視しながら」
いろは「気持ち悪いことでも考えていたんじゃないですか?」
いろは「ねぇ、どうだったんですか?」
いろは「女の子のパンツを見た感想は?」
いろは「その濁った瞳で凝視しながら」
いろは「気持ち悪いことでも考えていたんじゃないですか?」
いろは「ねぇ、どうだったんですか?」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:25:47.35 ID:kaDNlbxu0
いろは「先輩・・・」ギュ
いろは「あんなハプニング紛いのことで見ても」
いろは「満足しないんじゃないんですか?」
いろは「先輩だって人間ですから」
いろは「もっと、見てみたいと思いませんか?」
いろは「ふふ・・・」
いろは「あんなハプニング紛いのことで見ても」
いろは「満足しないんじゃないんですか?」
いろは「先輩だって人間ですから」
いろは「もっと、見てみたいと思いませんか?」
いろは「ふふ・・・」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/25(土) 23:30:59.78 ID:kaDNlbxu0
いろは「私ならいくらでも見せてあげますよ?」
いろは「先輩の気が済むまで」
いろは「だって、先輩は私のもので」
いろは「私は先輩のものじゃないですか」
いろは「遠慮することはないんですよ?」
いろは「へへへへへへ・・・・・・」
いろは「ほら、先輩・・・」シュルシュル
いろは「私と一緒に気持ち良くなりましょう?」ニタァ
『Bad End : 後輩という名の悪魔』
いろは「先輩の気が済むまで」
いろは「だって、先輩は私のもので」
いろは「私は先輩のものじゃないですか」
いろは「遠慮することはないんですよ?」
いろは「へへへへへへ・・・・・・」
いろは「ほら、先輩・・・」シュルシュル
いろは「私と一緒に気持ち良くなりましょう?」ニタァ
『Bad End : 後輩という名の悪魔』
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/26(日) 01:49:31.44 ID:5qx3fxqNo
あーしさんノーパンかよ…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429964238/
Entry ⇒ 2015.04.30 | Category ⇒ やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 | Comments (0)
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