夏凜「届いたわ友奈!東郷があんたに凄く依存する装置よ!」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 17:09:15.15 ID:CAnZRXekK.net
友奈「ありがとう夏凜ちゃん!」チュッ
夏凜「く、くれぐれも悪用するんじゃないわよ///」
誰か続きを頼む
夏凜「く、くれぐれも悪用するんじゃないわよ///」
誰か続きを頼む
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 17:14:08.48 ID:11hAzZQDK.net
友奈「ちょっとwwww夏凛ちゃん それ私じゃなくてポストだよwww」
夏凛「友奈聞いてる?」
友奈「夏凛ちゃん私はこっちだよwwwあっ……そうか……」
夏凛「友奈聞いてる?」
友奈「夏凛ちゃん私はこっちだよwwwあっ……そうか……」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 17:44:42.06 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「使い方はこう、対象に先っちょを向けて」
友奈「ほう!」
夏凜「ボタンを押すだけ…わかった?」
友奈「ほうほう!」
夏凜「なんでも霊的なアレが勇者の適性を持つ者にアレして…どうにかなるらしいわ。詳しくは知らないけど」
友奈「へ~大赦のぎじゅつってすごいね~」
友奈「ほう!」
夏凜「ボタンを押すだけ…わかった?」
友奈「ほうほう!」
夏凜「なんでも霊的なアレが勇者の適性を持つ者にアレして…どうにかなるらしいわ。詳しくは知らないけど」
友奈「へ~大赦のぎじゅつってすごいね~」
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 17:52:21.25 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「でもなんでこんなのが?」
夏凜「もとは言うことを聞かない勇者をコントロールして、操り人形にするためのものだったとかで…」
友奈「うへぇ」
夏凜「流石にイカんでしょってことでお蔵入りになったものを、兄がこっそり引っ張り出してきてくれたのよ」
友奈「そうなんだ~…うーん、ちょっと怖くなってきたなあ」
夏凜「今さら何よ…解除ボタンはこっち。後遺症はないらしいから安心して」
友奈「そ、そうなんだ…」
友奈「なんかあれだね…大赦の人が言うとなんとなく逆に不安に感じるね…」
夏凜「た、確かに…」
夏凜「もとは言うことを聞かない勇者をコントロールして、操り人形にするためのものだったとかで…」
友奈「うへぇ」
夏凜「流石にイカんでしょってことでお蔵入りになったものを、兄がこっそり引っ張り出してきてくれたのよ」
友奈「そうなんだ~…うーん、ちょっと怖くなってきたなあ」
夏凜「今さら何よ…解除ボタンはこっち。後遺症はないらしいから安心して」
友奈「そ、そうなんだ…」
友奈「なんかあれだね…大赦の人が言うとなんとなく逆に不安に感じるね…」
夏凜「た、確かに…」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 17:59:24.80 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「いきなり東郷さんに使うのもなぁ…うーん…」
夏凜「まあこれに関しちゃ嘘ついて大赦が得することもないし…大丈夫よきっと」
友奈「ちょっと貸して?」
夏凜「ほい、落とさないでよ」
友奈「えへへ~」
夏凜「…なんでこっちに向けるの?」
友奈「ごめんね夏凜ちゃん」
夏凜「なんで謝るの?ねえ友奈?友奈?」
友奈「先っちょをむけてスイッチを…こう!」ピピピピッ!!
夏凜「友奈!やめっ…友奈ぁああばばばばばば――ッ!!!」ビリビリビリビリ!!
夏凜「まあこれに関しちゃ嘘ついて大赦が得することもないし…大丈夫よきっと」
友奈「ちょっと貸して?」
夏凜「ほい、落とさないでよ」
友奈「えへへ~」
夏凜「…なんでこっちに向けるの?」
友奈「ごめんね夏凜ちゃん」
夏凜「なんで謝るの?ねえ友奈?友奈?」
友奈「先っちょをむけてスイッチを…こう!」ピピピピッ!!
夏凜「友奈!やめっ…友奈ぁああばばばばばば――ッ!!!」ビリビリビリビリ!!
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:05:55.53 ID:jSb7XNyy0.net
シュウウウウゥウ…
夏凜「……」
友奈「おお…お…思ったよりすごい派手だ~…」
友奈「煙がすごい…わー、夏凜ちゃん未来から来たターミネーターみたいだよ~」
友奈「…じゃない!夏凜ちゃん!夏凜ちゃん!?大丈夫!?」ササッ
夏凜「……」
友奈「夏凜ちゃん!!夏凜ちゃーーん!!」ユッサユユッサ
夏凜「……のに…」
友奈「夏凜ちゃん!」
夏凜「……」
友奈「おお…お…思ったよりすごい派手だ~…」
友奈「煙がすごい…わー、夏凜ちゃん未来から来たターミネーターみたいだよ~」
友奈「…じゃない!夏凜ちゃん!夏凜ちゃん!?大丈夫!?」ササッ
夏凜「……」
友奈「夏凜ちゃん!!夏凜ちゃーーん!!」ユッサユユッサ
夏凜「……のに…」
友奈「夏凜ちゃん!」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:11:39.16 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「どこか痛いとこない!?かりんちゃ…」
夏凜「信じてたのに…」
友奈「…夏凜ちゃん?」
夏凜「信じてたのに…裏切られた…っ…」!ポロッ
友奈(泣いっ…!)サーッ
友奈「ご、ごめん夏凜ちゃん!本当にごめん!こんなにスゴイだなんて私思ってもなくて…!」
夏凜「…前座なのね」
友奈「えっ?」
夏凜「…やっぱりぃ…っぐず…私…わたしぃ…」ポロポロ
夏凜「しょせん…東郷の…!うう…前座でしかないんだぁ…うわぁああん…!」ポロポロ
友奈「えっ、え」
夏凜「信じてたのに…」
友奈「…夏凜ちゃん?」
夏凜「信じてたのに…裏切られた…っ…」!ポロッ
友奈(泣いっ…!)サーッ
友奈「ご、ごめん夏凜ちゃん!本当にごめん!こんなにスゴイだなんて私思ってもなくて…!」
夏凜「…前座なのね」
友奈「えっ?」
夏凜「…やっぱりぃ…っぐず…私…わたしぃ…」ポロポロ
夏凜「しょせん…東郷の…!うう…前座でしかないんだぁ…うわぁああん…!」ポロポロ
友奈「えっ、え」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:22:28.53 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「なによ…なによぅ…東郷東郷って…うう…」ポロポロ
友奈「夏凜ちゃん?」
夏凜「友奈はいつも東郷ばっかり…ひっく、今回こそはって思ったのに…がんばって…頑張ってもってきたのに!」ポロポロ
夏凜「…けっきょく…!やっぱり東郷じゃない!もうイヤだぁ…ううああん…!」ポロポロ
友奈「夏凜ちゃん落ち着いて?」
夏凜「構いなさいよ、一緒に居てよ…!東郷だけじゃなくて私も見てよっ…!友奈!!」ガシッ
友奈「ぎゅむっ!」ギュウウゥ
夏凜「友奈ぁ…友奈…私の友奈…はむ」カプッ
友奈「タップ!!!タップだよ夏凜ちゃん!!!」バンバン
夏凜「はむ…ゆうふぁ…はむ…」カプカプ
友奈「かか夏凜ちゃんぐるじいい!あと耳たぶ噛むのやめへェエ!!」バシバシ
友奈「夏凜ちゃん?」
夏凜「友奈はいつも東郷ばっかり…ひっく、今回こそはって思ったのに…がんばって…頑張ってもってきたのに!」ポロポロ
夏凜「…けっきょく…!やっぱり東郷じゃない!もうイヤだぁ…ううああん…!」ポロポロ
友奈「夏凜ちゃん落ち着いて?」
夏凜「構いなさいよ、一緒に居てよ…!東郷だけじゃなくて私も見てよっ…!友奈!!」ガシッ
友奈「ぎゅむっ!」ギュウウゥ
夏凜「友奈ぁ…友奈…私の友奈…はむ」カプッ
友奈「タップ!!!タップだよ夏凜ちゃん!!!」バンバン
夏凜「はむ…ゆうふぁ…はむ…」カプカプ
友奈「かか夏凜ちゃんぐるじいい!あと耳たぶ噛むのやめへェエ!!」バシバシ
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:29:58.02 ID:jSb7XNyy0.net
…
夏凜「友奈…友奈ぁ…」モソモソ
友奈「よーしよしよし夏凜ちゃんよしよし」ナデナデナデ
夏凜「んぅ…」モソッ
友奈(落ち着いてきた…かな?)
友奈「うふふ、頭撫でられるの好きなんだね~、夏凜ちゃんって」ナデナデ
夏凜「ん、好きなの…きもち…」
友奈「そっか~ふふ…かわいいね~、うふふふ」ナデナデ
夏凜「///…ゆ、友奈ぁ、友奈…すきぃ…」モゾモゾ
友奈「うわー嬉しいよ~!私も大好きだよ夏凜ちゃん!」ナデナデ
夏凜「ふぁあああぁ…//」トロン
夏凜「友奈…友奈ぁ…」モソモソ
友奈「よーしよしよし夏凜ちゃんよしよし」ナデナデナデ
夏凜「んぅ…」モソッ
友奈(落ち着いてきた…かな?)
友奈「うふふ、頭撫でられるの好きなんだね~、夏凜ちゃんって」ナデナデ
夏凜「ん、好きなの…きもち…」
友奈「そっか~ふふ…かわいいね~、うふふふ」ナデナデ
夏凜「///…ゆ、友奈ぁ、友奈…すきぃ…」モゾモゾ
友奈「うわー嬉しいよ~!私も大好きだよ夏凜ちゃん!」ナデナデ
夏凜「ふぁあああぁ…//」トロン
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:41:19.58 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「ゆうな…ずっと一緒に居て…」スリスリ
友奈「すごいんだね~」ナデナデ
友奈(すごい!スゴイ効き目だよ…!)
友奈(ちょっと効果が強過ぎる気もするけど、相手はあの東郷さんだ!むしろ丁度いいくらいかも?ふふ)
友奈(ほんとに大丈夫だよね?これ…ボタン押したらちゃんと戻るって言ってたけど)
友奈「すごいんだね~」ナデナデ
友奈(すごい!スゴイ効き目だよ…!)
友奈(ちょっと効果が強過ぎる気もするけど、相手はあの東郷さんだ!むしろ丁度いいくらいかも?ふふ)
友奈(ほんとに大丈夫だよね?これ…ボタン押したらちゃんと戻るって言ってたけど)
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:45:28.60 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「…」
夏凜「ゆうな…ゆうな…ゆうな…」スリスリ
友奈「えいっ」ピピピピピピッ!
夏凜「ゆうな…ゆう…」スリ
夏凜「ゆ…」
夏凜「…」
友奈「夏凜、ちゃん?」ドキドキ
夏凜「ゆ、ゆ」ブルブル
友奈「湯?」
夏凜「ゆぅああああぁぁあああぁあキエエエエエエ!!」ド――ン!!
友奈「ぶええええ!!」ッズシャアアアア!!
夏凜「ゆうな…ゆうな…ゆうな…」スリスリ
友奈「えいっ」ピピピピピピッ!
夏凜「ゆうな…ゆう…」スリ
夏凜「ゆ…」
夏凜「…」
友奈「夏凜、ちゃん?」ドキドキ
夏凜「ゆ、ゆ」ブルブル
友奈「湯?」
夏凜「ゆぅああああぁぁあああぁあキエエエエエエ!!」ド――ン!!
友奈「ぶええええ!!」ッズシャアアアア!!
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:50:16.38 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「ゆ、ゆ、結城友奈…!よくも…よくも…!」ブルブル
友奈「いづづ…」サスサス
夏凜「よくも!!よくも騙したアアアアア!!騙してくれたわねええええ!!」ブンッ
友奈「うわぁ!」サッ スカッ!
夏凜「ひゃぁあ!?」コロリン
友奈「危ないよ夏凜ちゃん!どうしたの!?」
夏凜「わたしに…わたしに使うなんてぇ…一言も言ってなかったじゃない…!くううっ…!!」ワナワナ
友奈「あ~…ごめんね夏凜ちゃん?つい出来ごころ、というか…てへ」
夏凜「……」ワナワナ
友奈「あ、でもちゃんともとに戻ったみたいだね?良かったよかっ――」
夏凜「出来ごころで済ますなあああ!」ブーン!
友奈「ひえっ!」スカッ
友奈「いづづ…」サスサス
夏凜「よくも!!よくも騙したアアアアア!!騙してくれたわねええええ!!」ブンッ
友奈「うわぁ!」サッ スカッ!
夏凜「ひゃぁあ!?」コロリン
友奈「危ないよ夏凜ちゃん!どうしたの!?」
夏凜「わたしに…わたしに使うなんてぇ…一言も言ってなかったじゃない…!くううっ…!!」ワナワナ
友奈「あ~…ごめんね夏凜ちゃん?つい出来ごころ、というか…てへ」
夏凜「……」ワナワナ
友奈「あ、でもちゃんともとに戻ったみたいだね?良かったよかっ――」
夏凜「出来ごころで済ますなあああ!」ブーン!
友奈「ひえっ!」スカッ
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 18:57:24.23 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「あ、あんな姿友奈に見られてぇ…うう、明日からどんな顔してあんたに会えば…えぐ」ポロポロ
友奈「えー?どうって別に普通で…というか今本人の」
夏凜「出来るかバカ友奈!!もう!!」
友奈「えぇー?」
夏凜「ううぅ…」ポロポロ
夏凜「あぁぁぁあぁ最悪…最悪だわ…なによあの機械いっそ記憶も奪ってよう…もうお嫁にいけないぃ…うう…」ポロポロ
友奈「あ、えっと…えっと…」オロッ
友奈「こ…根性だよ夏凜ちゃん!」ガシッ!
夏凜「キエエエエエエエ!!」ブンッ!
友奈「うひえええ!!」サッ スカッ!
友奈「えー?どうって別に普通で…というか今本人の」
夏凜「出来るかバカ友奈!!もう!!」
友奈「えぇー?」
夏凜「ううぅ…」ポロポロ
夏凜「あぁぁぁあぁ最悪…最悪だわ…なによあの機械いっそ記憶も奪ってよう…もうお嫁にいけないぃ…うう…」ポロポロ
友奈「あ、えっと…えっと…」オロッ
友奈「こ…根性だよ夏凜ちゃん!」ガシッ!
夏凜「キエエエエエエエ!!」ブンッ!
友奈「うひえええ!!」サッ スカッ!
63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 20:18:16.04 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「ひゃああうっ」コロリン
友奈「なんかさっきから転がってばっかだね」
夏凜「う…うるさいうるさい!腰が抜けて立てないのよ!」
友奈「へぇ~そうなんだ!」
友奈「そっかぁ…」
クルッ!スタスタ
夏凜「ちょ…友奈?」
ガララッ!
夏凜「ちょっと…ちょっと!あんたどこ行くつもり!?」
友奈「なんかさっきから転がってばっかだね」
夏凜「う…うるさいうるさい!腰が抜けて立てないのよ!」
友奈「へぇ~そうなんだ!」
友奈「そっかぁ…」
クルッ!スタスタ
夏凜「ちょ…友奈?」
ガララッ!
夏凜「ちょっと…ちょっと!あんたどこ行くつもり!?」
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 20:25:01.64 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「…さっきまでのことは本当にごめん、夏凜ちゃん」
夏凜「…友奈」
友奈「今はちょっと夏凜ちゃん冷静じゃないみたいだから、ね?埋め合わせは次に会った時に絶対するから」
夏凜「友奈?」
友奈「うどんでいいよね?」
夏凜「友奈…あんたまさか…」
友奈「…私、やらなきゃいけないことがあるから」
夏凜「友奈ぁ!!」
友奈「引き留めないで夏凜ちゃん!」
夏凜「留めるわ!!あんたこの状態のあたしを放っぽって行っちゃう気なの!?」
友奈「もうすぐ風先輩たちが来る時間だから大丈夫だよ、なんとかなる!」
夏凜「お――い!!」
夏凜「…友奈」
友奈「今はちょっと夏凜ちゃん冷静じゃないみたいだから、ね?埋め合わせは次に会った時に絶対するから」
夏凜「友奈?」
友奈「うどんでいいよね?」
夏凜「友奈…あんたまさか…」
友奈「…私、やらなきゃいけないことがあるから」
夏凜「友奈ぁ!!」
友奈「引き留めないで夏凜ちゃん!」
夏凜「留めるわ!!あんたこの状態のあたしを放っぽって行っちゃう気なの!?」
友奈「もうすぐ風先輩たちが来る時間だから大丈夫だよ、なんとかなる!」
夏凜「お――い!!」
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 20:37:49.29 ID:jSb7XNyy0.net
夏凜「あんたこれ誰のせいだと思ってるのよ!?ちゃんと最後まで面倒見なさいよ!」
友奈「後ろは振り向かない」スタスタ
夏凜「1人にするなっ!すっ…するな…」
夏凜「しないで…!しないで下さい!戻ってきてぇ!もうぶったりしないから!!友奈ぁ!!」
友奈「辛いこともあるけど、歩みを止めちゃいけない!なるべく諦めず、一歩ずつ前へ!」スタスタ
夏凜「待って!!せめて!せめて椅子か何かに置いていってってば!!」
友奈「だって私、勇者だから!」
ガラピシャン!!
夏凜「ゆっ…」
夏凜「…」
シーン…
夏凜「ううぐぐ…ち…畜生…ぐれてやる…!ぐれてやるもん…ううう…!」ポロポロ
友奈「後ろは振り向かない」スタスタ
夏凜「1人にするなっ!すっ…するな…」
夏凜「しないで…!しないで下さい!戻ってきてぇ!もうぶったりしないから!!友奈ぁ!!」
友奈「辛いこともあるけど、歩みを止めちゃいけない!なるべく諦めず、一歩ずつ前へ!」スタスタ
夏凜「待って!!せめて!せめて椅子か何かに置いていってってば!!」
友奈「だって私、勇者だから!」
ガラピシャン!!
夏凜「ゆっ…」
夏凜「…」
シーン…
夏凜「ううぐぐ…ち…畜生…ぐれてやる…!ぐれてやるもん…ううう…!」ポロポロ
73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 20:47:56.78 ID:jSb7XNyy0.net
タタタタタ!!
友奈「待ってて東郷さん!」
「コラ――ッ!!廊下を走っちゃイカン!!」
友奈「ひえっ!ご、ごめんなさいごめんなさ…ってアレ?」
風「危ないじゃろうがー!…てね?へへ、似てた?」
友奈「…風先輩?樹ちゃんも」ドキドキ
樹「お姉ちゃんてば…いきなり怒鳴るからびっくりしたよ…」
友奈「ほ、ほんとですよ、もー!」ドキドキ
友奈「待ってて東郷さん!」
「コラ――ッ!!廊下を走っちゃイカン!!」
友奈「ひえっ!ご、ごめんなさいごめんなさ…ってアレ?」
風「危ないじゃろうがー!…てね?へへ、似てた?」
友奈「…風先輩?樹ちゃんも」ドキドキ
樹「お姉ちゃんてば…いきなり怒鳴るからびっくりしたよ…」
友奈「ほ、ほんとですよ、もー!」ドキドキ
75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 20:53:41.68 ID:jSb7XNyy0.net
風「すまんすまん…でもそんな急いでどうしたの?」
友奈「え…あ~…東郷さん迎えに行かなきゃって、つい焦っちゃって」
風「東郷?そういえば補習受けてるんだっけ」
友奈「そうなんです。脚が良くなったから、体育の履修義務があるとかなんとかで」
風「げ、体育の頑固オヤジとマンツーマンか…」
友奈「東郷さん疲れてるだろうから、迎えに行こうって思ってたのつい忘れちゃってて」
風「…そうかそうか、良し許す!でも早歩きくらいにしとかないとほんとにどやされても知らないわよー?」
友奈「えへへ…ごめんなさい!じゃ私行きますから!」
スタタタ…
風「全く健気ねえ…よし、私たちは先に部室行ってますか」
樹「うん!」
友奈「え…あ~…東郷さん迎えに行かなきゃって、つい焦っちゃって」
風「東郷?そういえば補習受けてるんだっけ」
友奈「そうなんです。脚が良くなったから、体育の履修義務があるとかなんとかで」
風「げ、体育の頑固オヤジとマンツーマンか…」
友奈「東郷さん疲れてるだろうから、迎えに行こうって思ってたのつい忘れちゃってて」
風「…そうかそうか、良し許す!でも早歩きくらいにしとかないとほんとにどやされても知らないわよー?」
友奈「えへへ…ごめんなさい!じゃ私行きますから!」
スタタタ…
風「全く健気ねえ…よし、私たちは先に部室行ってますか」
樹「うん!」
79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:05:09.97 ID:jSb7XNyy0.net
スルスル…パサッ
東郷「はあ…」ヌギヌギ
ガララッ!!
友奈「東郷さーん!!」
東郷「ひっ!?ゆ、友奈ちゃん!?」
友奈「あっごめんね、御着換え中だったかー」
東郷「びっくりしたわ…誰も来ないと思ってたから」
友奈「えへへー、面目ない」
東郷「…あれ?そういえば友奈ちゃんどうしてこんなところに?忘れ物?」
友奈「えっと…大したことじゃないんだけどね?…敬っ!」ビシ
東郷「!?」
友奈「――不肖結城友奈!東郷さんのお迎えにあがりました!」
東郷「はあ…」ヌギヌギ
ガララッ!!
友奈「東郷さーん!!」
東郷「ひっ!?ゆ、友奈ちゃん!?」
友奈「あっごめんね、御着換え中だったかー」
東郷「びっくりしたわ…誰も来ないと思ってたから」
友奈「えへへー、面目ない」
東郷「…あれ?そういえば友奈ちゃんどうしてこんなところに?忘れ物?」
友奈「えっと…大したことじゃないんだけどね?…敬っ!」ビシ
東郷「!?」
友奈「――不肖結城友奈!東郷さんのお迎えにあがりました!」
83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:11:30.87 ID:jSb7XNyy0.net
…
プシュッ!
東郷「んっ…」コクコク
東郷「ぷぁ…ありがとう友奈ちゃん、お茶まで持ってきてくれて。助かったわ」
友奈「水筒を教室に忘れたー!なんて、結構東郷さんもおっちょこちょいだね~」
東郷「ふふ…そうね。友奈ちゃんと一緒だわ」
友奈「そ、そうかなー?あはは…」
東郷「…」
友奈「…」
ミーンミンミンミンミン…
カキーン…
ファイッ オー! ファイッ! オー!…
プシュッ!
東郷「んっ…」コクコク
東郷「ぷぁ…ありがとう友奈ちゃん、お茶まで持ってきてくれて。助かったわ」
友奈「水筒を教室に忘れたー!なんて、結構東郷さんもおっちょこちょいだね~」
東郷「ふふ…そうね。友奈ちゃんと一緒だわ」
友奈「そ、そうかなー?あはは…」
東郷「…」
友奈「…」
ミーンミンミンミンミン…
カキーン…
ファイッ オー! ファイッ! オー!…
85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:17:54.18 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「…脚」
東郷「ん?」
友奈「治ってよかった。本当に」
東郷「…うん、友奈ちゃんも」
友奈「でも、もう東郷さんのお世話が出来ないって考えると、ちょっと寂しい感じもするんだ」
友奈「…特にお着換えとか」チラリ
東郷「も、もう…!」
友奈「なんちゃって、えへへ」
東郷「ん?」
友奈「治ってよかった。本当に」
東郷「…うん、友奈ちゃんも」
友奈「でも、もう東郷さんのお世話が出来ないって考えると、ちょっと寂しい感じもするんだ」
友奈「…特にお着換えとか」チラリ
東郷「も、もう…!」
友奈「なんちゃって、えへへ」
89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:25:18.79 ID:jSb7XNyy0.net
ミーンミンミンミン…
東郷「…いつまでも、友奈ちゃんに頼ってるわけにもいかないから」
友奈「…東郷さん」
東郷「体育の補習をお願いしたのも、実は私からなの。足腰を早く鍛えて、友奈ちゃん達の隣を歩くためにって」
友奈「…」
東郷「守られるだけじゃなくて、守る私になるために。勇者の力なんてなくたって、ね?」
友奈「…そっか」
カンッ
東郷「お茶、ありがとう友奈ちゃん」
東郷「次からは大丈夫だから。いつも迎えに来てもらってたら悪いもの」
友奈「…」
東郷「こう見えても私、1人の時はずっと車椅子を手で動かしてたから、スタミナはあるの!」ムンッ
友奈「は、は…」
東郷「…いつまでも、友奈ちゃんに頼ってるわけにもいかないから」
友奈「…東郷さん」
東郷「体育の補習をお願いしたのも、実は私からなの。足腰を早く鍛えて、友奈ちゃん達の隣を歩くためにって」
友奈「…」
東郷「守られるだけじゃなくて、守る私になるために。勇者の力なんてなくたって、ね?」
友奈「…そっか」
カンッ
東郷「お茶、ありがとう友奈ちゃん」
東郷「次からは大丈夫だから。いつも迎えに来てもらってたら悪いもの」
友奈「…」
東郷「こう見えても私、1人の時はずっと車椅子を手で動かしてたから、スタミナはあるの!」ムンッ
友奈「は、は…」
91: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:34:23.25 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「…東郷さん、ちょっとそのまま座っててくれる?」スック
東郷「?」
スタスタ ポサッ
東郷「ゆ、友奈ちゃん?」
友奈「…ここ、この位置だよ。東郷さんは私の前で、二人とも同じ方を向いてて…車椅子を押すのは私」
東郷「…」
友奈「東郷さんが元気になるのは嬉しいよ?でも私バカだから、ちょっと混乱しちゃってさー」
友奈「そうそう。東郷さんって私より背が高かったんだね~!」
東郷「ふふ、意外だった?」
友奈「えへへー、かなり!」
東郷「?」
スタスタ ポサッ
東郷「ゆ、友奈ちゃん?」
友奈「…ここ、この位置だよ。東郷さんは私の前で、二人とも同じ方を向いてて…車椅子を押すのは私」
東郷「…」
友奈「東郷さんが元気になるのは嬉しいよ?でも私バカだから、ちょっと混乱しちゃってさー」
友奈「そうそう。東郷さんって私より背が高かったんだね~!」
東郷「ふふ、意外だった?」
友奈「えへへー、かなり!」
92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:34:52.83 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「…そんな東郷さんだから、すぐに私なんか追い抜かして、先に行っちゃって、すぐに見えなくなっちゃうんだろうって」
友奈「すごく怖くなった」
東郷「…友奈ちゃん?そんなことは…」
友奈「だからさ」
友奈「ごめんね?東郷さん」
ピピピピピピッ!!
友奈「すごく怖くなった」
東郷「…友奈ちゃん?そんなことは…」
友奈「だからさ」
友奈「ごめんね?東郷さん」
ピピピピピピッ!!
96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:38:51.72 ID:jSb7XNyy0.net
ミーンミンミンミン…
ファイッ オー! ファイッ! オー!…
東郷「…」
友奈「…」ゴクリ
東郷「…」
友奈「…東郷さん?」
東郷「…――ふぁいっ!?」
友奈「ぎょっ!?」ビクッ
東郷「…はっ!?あ…ゆ、友奈ちゃん?」
友奈「ど、どうしたの?急に…」ドキドキ
東郷「ん…?あれ…何かしら…突然ぼんやりして…ごめんなさい、何の話だったっけ」
友奈(…あれ?)
ファイッ オー! ファイッ! オー!…
東郷「…」
友奈「…」ゴクリ
東郷「…」
友奈「…東郷さん?」
東郷「…――ふぁいっ!?」
友奈「ぎょっ!?」ビクッ
東郷「…はっ!?あ…ゆ、友奈ちゃん?」
友奈「ど、どうしたの?急に…」ドキドキ
東郷「ん…?あれ…何かしら…突然ぼんやりして…ごめんなさい、何の話だったっけ」
友奈(…あれ?)
99: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 21:50:22.54 ID:jSb7XNyy0.net
友奈「東郷さん…何ともないの?」
東郷「立ちくらみかしら…やっぱり久しぶりの運動だったから…」
友奈「あのー?」
東郷「ごめんね友奈ちゃん、ちょっと先に部室に行っててくれる?」
東郷「もうちょっと休んだら私も行くから」
友奈「え…で、でも東郷さん…」
東郷「大丈夫、心配しないで…お行きなさい!さあさあ!」ガシッ
友奈「!? わっ…ちょ!と、東郷さん!?」グイグイ
グイグイ… ポイッ!
友奈「わっとと…!」フラッ
バタンッ
友奈「! 東郷さん、待っ…ええー!そんなぁ!開けてよー!」ドンドン
オーイ!トウゴウサーン…!
東郷「……」
東郷「立ちくらみかしら…やっぱり久しぶりの運動だったから…」
友奈「あのー?」
東郷「ごめんね友奈ちゃん、ちょっと先に部室に行っててくれる?」
東郷「もうちょっと休んだら私も行くから」
友奈「え…で、でも東郷さん…」
東郷「大丈夫、心配しないで…お行きなさい!さあさあ!」ガシッ
友奈「!? わっ…ちょ!と、東郷さん!?」グイグイ
グイグイ… ポイッ!
友奈「わっとと…!」フラッ
バタンッ
友奈「! 東郷さん、待っ…ええー!そんなぁ!開けてよー!」ドンドン
オーイ!トウゴウサーン…!
東郷「……」
104: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 22:09:24.88 ID:jSb7XNyy0.net
…
友奈「……」フラフラ
友奈(し…失敗した?失敗した失敗した失敗した失敗した…)
友奈「なんで…ちゃんと煙も出てたし、機械の動く音もしたし」
友奈「夏凜ちゃんの時はうまくいったのに…なんで…何で何で…」
友奈「こ、こんなのってないよ…あんまりだ…」
トボトボ
風「居たッ!!友奈――!!」ドドドド
友奈「…あ、風先輩」
風「あれ?東郷居ないじゃない?…じゃなくって!どういうことよ友奈!?部室に行ってみれば夏凜が…夏凛が!!」ガシッ
友奈「夏凜ちゃん…?」
風「あんたの名前と何か…呪詛?みたいなのを延々と繰り返す壊れたスピーカーみたいになってて…」
友奈「それはひどい」
風「とりあえず途切れ途切れにあんたがなんかしたってことだけ聞きとれて…ともかく来なさい!」
友奈「……」フラフラ
友奈(し…失敗した?失敗した失敗した失敗した失敗した…)
友奈「なんで…ちゃんと煙も出てたし、機械の動く音もしたし」
友奈「夏凜ちゃんの時はうまくいったのに…なんで…何で何で…」
友奈「こ、こんなのってないよ…あんまりだ…」
トボトボ
風「居たッ!!友奈――!!」ドドドド
友奈「…あ、風先輩」
風「あれ?東郷居ないじゃない?…じゃなくって!どういうことよ友奈!?部室に行ってみれば夏凜が…夏凛が!!」ガシッ
友奈「夏凜ちゃん…?」
風「あんたの名前と何か…呪詛?みたいなのを延々と繰り返す壊れたスピーカーみたいになってて…」
友奈「それはひどい」
風「とりあえず途切れ途切れにあんたがなんかしたってことだけ聞きとれて…ともかく来なさい!」
112: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 22:31:42.32 ID:jSb7XNyy0.net
そこからのことはよく覚えていません。
聞きかじったところによると、部室では…椅子に座って焦点の不確かな目で何事かをブツブツ呟く私を、夏凜ちゃんが体育ずわりで黙ってじーっと睨め上げていたとか。
その光景に樹ちゃんが大泣きして、風先輩はオロオロして、結局東郷さんは部室に来なかったとか。
なお、現在ではその日のことは勇者部一同結託し、なかったことにしています。
危惧された夏凜ちゃんとの関係も、特に変わることはありませんでした。機械の返品を求められたことも有りません。
ただあれからというもの、ふとした瞬間に夏凜ちゃんと目が合うことが多くなった気がします。
チラチラとこちらを伺う夏凜ちゃんですが、目が合った瞬間ぷいっと顔をそむけてしまいます。
真っ赤に染まった頬が正直いじらしいです。すごい!
東郷さんの一件に関しては…当時「機械の故障」ということで私の中では落着しており、失意の底にあった私は、それ以上鑑みることをしませんでした。
思えば…私はあの時、『依存』という言葉の意味について、もう少し考えてみるべきだったのです。
聞きかじったところによると、部室では…椅子に座って焦点の不確かな目で何事かをブツブツ呟く私を、夏凜ちゃんが体育ずわりで黙ってじーっと睨め上げていたとか。
その光景に樹ちゃんが大泣きして、風先輩はオロオロして、結局東郷さんは部室に来なかったとか。
なお、現在ではその日のことは勇者部一同結託し、なかったことにしています。
危惧された夏凜ちゃんとの関係も、特に変わることはありませんでした。機械の返品を求められたことも有りません。
ただあれからというもの、ふとした瞬間に夏凜ちゃんと目が合うことが多くなった気がします。
チラチラとこちらを伺う夏凜ちゃんですが、目が合った瞬間ぷいっと顔をそむけてしまいます。
真っ赤に染まった頬が正直いじらしいです。すごい!
東郷さんの一件に関しては…当時「機械の故障」ということで私の中では落着しており、失意の底にあった私は、それ以上鑑みることをしませんでした。
思えば…私はあの時、『依存』という言葉の意味について、もう少し考えてみるべきだったのです。
114: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 22:38:04.49 ID:jSb7XNyy0.net
少し考えれば分かることですが、霊的な機構によって働き、ほぼ軍事レベルの精度で設計されたあの機械が一回使っただけで故障するなど、そうそう起こることではなかったのです。
依存にはいろいろな形があります。
東郷さんにとっての『依存』とは一体何なのか。私はまず真っ先に親友の精神のカタチについて、隅々まで考えを巡らせるべきだったのです。
愚かな私は…そのとき地獄の釜底がほんの少し顔を見せたことにすら気付かず、考えることをやめてしまったのです―――
依存にはいろいろな形があります。
東郷さんにとっての『依存』とは一体何なのか。私はまず真っ先に親友の精神のカタチについて、隅々まで考えを巡らせるべきだったのです。
愚かな私は…そのとき地獄の釜底がほんの少し顔を見せたことにすら気付かず、考えることをやめてしまったのです―――
125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:10:15.75 ID:jSb7XNyy0.net
キーンコーンカーン…
カパッ
東郷「はい、友奈ちゃん。今日の分のぼた餅よ」
友奈「わーい!東郷さん大好き!」
キャッキャ
夏凜「…最近毎日食べてない?流石に太るわよ…?」
樹「あはは…」
風「世話焼き夫婦っぷりがいよいよ板に付いてきたわね…とうごーう!私の分は?」
東郷「風先輩達の分はこっちです」
コトリ
風「…え?なんかちっちゃくない?」
東郷「そんなことないですよ」
カパッ
東郷「はい、友奈ちゃん。今日の分のぼた餅よ」
友奈「わーい!東郷さん大好き!」
キャッキャ
夏凜「…最近毎日食べてない?流石に太るわよ…?」
樹「あはは…」
風「世話焼き夫婦っぷりがいよいよ板に付いてきたわね…とうごーう!私の分は?」
東郷「風先輩達の分はこっちです」
コトリ
風「…え?なんかちっちゃくない?」
東郷「そんなことないですよ」
130: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:19:10.55 ID:jSb7XNyy0.net
風「愛情分ってことかー?世知辛いわー…トホホ…」
樹「でもこのサイズなら太らないからいいかも?はむ、はむ…」モグモグ
夏凜「………」じっ…
東郷「友奈ちゃんはい、あーん♪」
友奈「あーん…むぐ…んんおいひい!」モグモグ
東郷「うふふ」
夏凜「…ほんとに『毎日』になったわね…もぐもぐ」
風「どったの夏凜?じ-っと見つめて…まさか羨ましいとかー?ぐふふ」
夏凜「なんっ…!違うわよ!なんでそうなるのよバカバカしい!」
風「ムキニになるとこがあやしー!」
夏凜「小学生みたいなこと言ってんじゃないのよ!」
ギャーギャー
樹「ごちそうさまでした!」
樹「でもこのサイズなら太らないからいいかも?はむ、はむ…」モグモグ
夏凜「………」じっ…
東郷「友奈ちゃんはい、あーん♪」
友奈「あーん…むぐ…んんおいひい!」モグモグ
東郷「うふふ」
夏凜「…ほんとに『毎日』になったわね…もぐもぐ」
風「どったの夏凜?じ-っと見つめて…まさか羨ましいとかー?ぐふふ」
夏凜「なんっ…!違うわよ!なんでそうなるのよバカバカしい!」
風「ムキニになるとこがあやしー!」
夏凜「小学生みたいなこと言ってんじゃないのよ!」
ギャーギャー
樹「ごちそうさまでした!」
136: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:33:00.99 ID:jSb7XNyy0.net
風「じゃあねー」
樹「さよなら!」
友奈「ふたりとも気をつけてねー!」
東郷「また明日ね、友奈ちゃん」フリフリ
夏凜「……」
テクテク
東郷「私ひとりで家について来てほしいなんて、珍しいですね?夏凛さん」
夏凜「それは友奈払いの理由というか…まあ、ちょっと聞きたいことがあるだけだから。家に付く前に終わるわよ」
東郷「…そうですか」
東郷「なら丁度良かった、かな?私も夏凛さんに少し言いたいことがあったから…」
夏凜「へー?東郷が私に?それこそ珍しいわね…」
テクテク
樹「さよなら!」
友奈「ふたりとも気をつけてねー!」
東郷「また明日ね、友奈ちゃん」フリフリ
夏凜「……」
テクテク
東郷「私ひとりで家について来てほしいなんて、珍しいですね?夏凛さん」
夏凜「それは友奈払いの理由というか…まあ、ちょっと聞きたいことがあるだけだから。家に付く前に終わるわよ」
東郷「…そうですか」
東郷「なら丁度良かった、かな?私も夏凛さんに少し言いたいことがあったから…」
夏凜「へー?東郷が私に?それこそ珍しいわね…」
テクテク
178: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 02:12:19.80 ID:hUhp76aE0.net
テクテク
夏凜「東郷、あんた…最近友奈に何かされなかった?」
東郷「最近?ちょっと漠然とし過ぎてて…どういうことかしら?」
夏凜「んー、えっと…何て言ったらいいか…」
夏凜「突然ビリっときたら…こう、世界の何もかもが友奈色になっていたというか…」
東郷「…」
夏凜(い、いやこれじゃとんでもない変態みたいだわ…もっとこう…あるでしょ私!)ブンブン
東郷「…ないわ」
夏凜「…い、いや!何を言ってるのか分からないと思うけど私も何を…え?」
東郷「言いたいことは分かったから。でも、『最近』では心当たりはないわね…そういうことは」
夏凜「そ、そう…」
夏凜(伝わったのか…)
夏凜「東郷、あんた…最近友奈に何かされなかった?」
東郷「最近?ちょっと漠然とし過ぎてて…どういうことかしら?」
夏凜「んー、えっと…何て言ったらいいか…」
夏凜「突然ビリっときたら…こう、世界の何もかもが友奈色になっていたというか…」
東郷「…」
夏凜(い、いやこれじゃとんでもない変態みたいだわ…もっとこう…あるでしょ私!)ブンブン
東郷「…ないわ」
夏凜「…い、いや!何を言ってるのか分からないと思うけど私も何を…え?」
東郷「言いたいことは分かったから。でも、『最近』では心当たりはないわね…そういうことは」
夏凜「そ、そう…」
夏凜(伝わったのか…)
183: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 02:17:46.24 ID:hUhp76aE0.net
テクテク
東郷「他には?それだけ?」
夏凜「えっ!?あ…ああ、うん…」
夏凜「ん…悪かったわね、急に変なことで呼び出して」
東郷「いえ、それはいいんだけれど…何故?」
夏凜「…」
夏凜『///…ゆ、友奈ぁ、友奈…すきぃ…』
夏凜「―――邪ッ!!」ドゴム!!
東郷「えっ…夏凜ちゃん?」
夏凜「私の!中から!出ていけええ!!」ドゴムドゴムダダドムゥ!!
東郷「夏凜ちゃん?血が出てるわ…頭大丈夫?夏凜ちゃん?」
東郷「他には?それだけ?」
夏凜「えっ!?あ…ああ、うん…」
夏凜「ん…悪かったわね、急に変なことで呼び出して」
東郷「いえ、それはいいんだけれど…何故?」
夏凜「…」
夏凜『///…ゆ、友奈ぁ、友奈…すきぃ…』
夏凜「―――邪ッ!!」ドゴム!!
東郷「えっ…夏凜ちゃん?」
夏凜「私の!中から!出ていけええ!!」ドゴムドゴムダダドムゥ!!
東郷「夏凜ちゃん?血が出てるわ…頭大丈夫?夏凜ちゃん?」
185: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 02:21:03.72 ID:hUhp76aE0.net
フキフキ
夏凜「見苦しいところを見せたわね…ハンカチ、洗って返すから」フキッ…
東郷「い、いえ…差し上げるわ」
夏凜「ふう…そういえば答えてなかったわね。さっきの問い」
東郷「?」
夏凜「呼びだした訳よ。『なぜ』って言ってたでしょ…自分で」
東郷「ああ」
夏凜「ちょっと、あんたの様子が…その、前と変わって見えたから」
東郷「…」
夏凜「見苦しいところを見せたわね…ハンカチ、洗って返すから」フキッ…
東郷「い、いえ…差し上げるわ」
夏凜「ふう…そういえば答えてなかったわね。さっきの問い」
東郷「?」
夏凜「呼びだした訳よ。『なぜ』って言ってたでしょ…自分で」
東郷「ああ」
夏凜「ちょっと、あんたの様子が…その、前と変わって見えたから」
東郷「…」
191: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 02:35:30.53 ID:hUhp76aE0.net
夏凜「ちょっと前までの東郷はこう…前向きでおーぷんだった。体育のあれとか」
東郷「…」
夏凜「身体だけじゃなくて、社会的にも友奈に近づこうって心意気があった。風と一緒にニヤニヤしながら見守ってたの、あんたは気づいてないでしょうけど」
夏凜「…それが、さ…ここ数日の東郷には無くなってる気がして…」
東郷「…というと?」
夏凜「友奈にべったりじゃない?最近。なんというかたぶん…悪い意味で」
東郷「……悪い意味……」
夏凜「うん。視野狭窄というか…視界の全部が友奈になっちゃって、他の事が目に入らなくなってる感じ…」
東郷「……」
夏凜「…ごめん。変なこと言った。あんただって何となくでこんなこと言われたくないでしょうけど、でも…」
東郷「…違うわ、夏凜ちゃん」
夏凜「え?」
東郷「…」
夏凜「身体だけじゃなくて、社会的にも友奈に近づこうって心意気があった。風と一緒にニヤニヤしながら見守ってたの、あんたは気づいてないでしょうけど」
夏凜「…それが、さ…ここ数日の東郷には無くなってる気がして…」
東郷「…というと?」
夏凜「友奈にべったりじゃない?最近。なんというかたぶん…悪い意味で」
東郷「……悪い意味……」
夏凜「うん。視野狭窄というか…視界の全部が友奈になっちゃって、他の事が目に入らなくなってる感じ…」
東郷「……」
夏凜「…ごめん。変なこと言った。あんただって何となくでこんなこと言われたくないでしょうけど、でも…」
東郷「…違うわ、夏凜ちゃん」
夏凜「え?」
196: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 02:46:57.29 ID:hUhp76aE0.net
東郷「悪い意味?とんでもないわ…これは進歩。いや、進化といってもいい」
夏凜「うん?」
東郷「視野狭窄?有り得ないわ。むしろ逆……これは覚醒よ」
夏凜「…」
東郷「一番大事に思ってて、何よりも尊くて、まあそれは前からなんだけど、今にして思えば全然足りなかったの」
東郷「愚かで済ますには重すぎる。気付かずに過ごした時間の無駄なこと!絶対不変の価値観!真実!!それに気付いたのはあの時、あの瞬間だった…!!」
東郷「済みきった視界から見える本当の世界は…なんて…なんて素晴らしいのかしら…!!」ブルブル
夏凜「とう、ごう…?」
東郷「っふっくく…うふ、あはははは……・!!うふふふふ…!」ブルブル
夏凜「―――!」ゾワッ…
夏凜「うん?」
東郷「視野狭窄?有り得ないわ。むしろ逆……これは覚醒よ」
夏凜「…」
東郷「一番大事に思ってて、何よりも尊くて、まあそれは前からなんだけど、今にして思えば全然足りなかったの」
東郷「愚かで済ますには重すぎる。気付かずに過ごした時間の無駄なこと!絶対不変の価値観!真実!!それに気付いたのはあの時、あの瞬間だった…!!」
東郷「済みきった視界から見える本当の世界は…なんて…なんて素晴らしいのかしら…!!」ブルブル
夏凜「とう、ごう…?」
東郷「っふっくく…うふ、あはははは……・!!うふふふふ…!」ブルブル
夏凜「―――!」ゾワッ…
204: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 03:01:08.70 ID:hUhp76aE0.net
東郷「友奈ちゃん!友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん…!!ああっ…!そう!!友奈ちゃんなのよ!!全てはぁ!!」
東郷「友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃんあはっ!あははははははははははっ!!」ケラケラ
夏凜「―――」
夏凜(何言っ…笑っ…目の前…の…東郷?いや…違う…『誰』?…いや…違う…)クラッ…
東郷「あはっ!!はぁ!!くふっ!夏凜ちゃん!ねえ!?あなたもそう思うでしょ!?ねえッ!!あは!!そうでなきゃ…っふふふ、狂ってるもの!!きゃははははは!!」ゲラゲラ
夏凜(これは…一体…)クラクラ
夏凜(……『何』……?)クラクラ
東郷「ねえ」
ガ シ ッ
夏凜「――っひ――」
東郷「そう思うでしょ?夏凜ちゃん」
東郷「友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃん友奈ちゃんあはっ!あははははははははははっ!!」ケラケラ
夏凜「―――」
夏凜(何言っ…笑っ…目の前…の…東郷?いや…違う…『誰』?…いや…違う…)クラッ…
東郷「あはっ!!はぁ!!くふっ!夏凜ちゃん!ねえ!?あなたもそう思うでしょ!?ねえッ!!あは!!そうでなきゃ…っふふふ、狂ってるもの!!きゃははははは!!」ゲラゲラ
夏凜(これは…一体…)クラクラ
夏凜(……『何』……?)クラクラ
東郷「ねえ」
ガ シ ッ
夏凜「――っひ――」
東郷「そう思うでしょ?夏凜ちゃん」
212: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 03:17:26.28 ID:hUhp76aE0.net
東郷 『そう、そういえば私の言いたいことがまだだったね』
東郷 『夏凜ちゃん、夏凜ちゃんは友奈ちゃんに近過ぎる。夏凜ちゃんの最近の目線、友奈ちゃんに行ってること、知ってるわ。あなたは気づいてないでしょうけど』
ギュウウゥ…ッ!
東郷 『これだけは覚えておいて』
東郷 『全て友奈ちゃんは私のもので、全て私は友奈ちゃんのもの』
東郷 『友奈ちゃんに余計なことを吹き込んだり、良からぬ事をしでかした時には――――』
東郷 『 殺 す か ら 』
東郷 『夏凜ちゃん、夏凜ちゃんは友奈ちゃんに近過ぎる。夏凜ちゃんの最近の目線、友奈ちゃんに行ってること、知ってるわ。あなたは気づいてないでしょうけど』
ギュウウゥ…ッ!
東郷 『これだけは覚えておいて』
東郷 『全て友奈ちゃんは私のもので、全て私は友奈ちゃんのもの』
東郷 『友奈ちゃんに余計なことを吹き込んだり、良からぬ事をしでかした時には――――』
東郷 『 殺 す か ら 』
215: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 03:22:34.46 ID:hUhp76aE0.net
夏凜「――――ッあ!!あああぁぁあああぁあぁぁああぁぁ!!!」ガバッ!!
夏凜「はあっ!!はあっ!!は…!あ、あれ…!はっ…」
夏凜「はあ…何ここ…?べ、ベンチ…?公園の…?」ダラリ
夏凜「は…はあああぁ…あ…」ダラダラ
夏凜「ゆ、夢…?何時の間に寝てたのかしら…なんちゅう悪夢を…」スッ
パサッ
夏凜「…」
夏凜「血…血のついた…はんかち…」ブルッ
夏凜「…は…はあ…!はあっ!はっ!!」ガバッ
スルリ
夏凜「あ、痣が…」
ヘナッ…
夏凜「東郷に…東郷に…握られたとこだ……」ペタン
夏凜「はあっ!!はあっ!!は…!あ、あれ…!はっ…」
夏凜「はあ…何ここ…?べ、ベンチ…?公園の…?」ダラリ
夏凜「は…はあああぁ…あ…」ダラダラ
夏凜「ゆ、夢…?何時の間に寝てたのかしら…なんちゅう悪夢を…」スッ
パサッ
夏凜「…」
夏凜「血…血のついた…はんかち…」ブルッ
夏凜「…は…はあ…!はあっ!はっ!!」ガバッ
スルリ
夏凜「あ、痣が…」
ヘナッ…
夏凜「東郷に…東郷に…握られたとこだ……」ペタン
268: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:52:22.77 ID:hUhp76aE0.net
タタタタ ガチャ! …バタン!
夏凜「はあ!はあ!…うえっ…!はあ…」ドタドタ ドサッ
夏凜「つ…伝えなきゃ!友奈に!今の東郷は普通じゃない!」
夏凜「そうよ!す、スマホッ!」ゴソゴソ
東郷 『友奈ちゃんに余計なことを吹き込んだり――――』
夏凜「……!」ピタリ
夏凜「じょ…冗談じゃない!友奈が危ないって時に保身なんて…!」ブンブン
夏凜「SNSは東郷にも見られる……!電話なら!」
prrrr…
夏凜「はあ!はあ!…うえっ…!はあ…」ドタドタ ドサッ
夏凜「つ…伝えなきゃ!友奈に!今の東郷は普通じゃない!」
夏凜「そうよ!す、スマホッ!」ゴソゴソ
東郷 『友奈ちゃんに余計なことを吹き込んだり――――』
夏凜「……!」ピタリ
夏凜「じょ…冗談じゃない!友奈が危ないって時に保身なんて…!」ブンブン
夏凜「SNSは東郷にも見られる……!電話なら!」
prrrr…
271: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:59:57.67 ID:hUhp76aE0.net
ガチャ!
「……はい」
夏凜「! もしもし友奈!?」
「…」
夏凜「急にごめん、でも急ぎなの!何も言わずに質問に答えて頂戴!」
夏凜「あんた私にア…アレをした日に!あの後あの機械を東郷に―――」
「私が?私がどうかしたのかしら」
夏凜「使っ…え?」
「…」
夏凜「その声…東、郷」
「…ええ」
夏凜「な、なんで…」ブルッ
「何でって…私と友奈ちゃんのお家は隣なのよ?」
夏凜「あ…」
「晩御飯くらい一緒する仲でも…別におかしくはないでしょう?くすくす…」
「……はい」
夏凜「! もしもし友奈!?」
「…」
夏凜「急にごめん、でも急ぎなの!何も言わずに質問に答えて頂戴!」
夏凜「あんた私にア…アレをした日に!あの後あの機械を東郷に―――」
「私が?私がどうかしたのかしら」
夏凜「使っ…え?」
「…」
夏凜「その声…東、郷」
「…ええ」
夏凜「な、なんで…」ブルッ
「何でって…私と友奈ちゃんのお家は隣なのよ?」
夏凜「あ…」
「晩御飯くらい一緒する仲でも…別におかしくはないでしょう?くすくす…」
276: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 11:16:20.51 ID:hUhp76aE0.net
「…夏凜ちゃん」
夏凜「う、うう…!」
「あなた…さっき私が言ったことを―――」
夏凜「ひ…ぃっ!わあああっ!」ポイッ!
ガンッ コッ プツッ… ツー ツー…
東郷「……」スッ
ガチャ
友奈「ふう~」
東郷「あ、おかえり友奈ちゃん」
友奈「いや~東郷さんちのおトイレはいつ見ても綺麗だね!私感動しちゃうよ!」
東郷「そういうことは報告しなくてもいいのよ?」
夏凜「う、うう…!」
「あなた…さっき私が言ったことを―――」
夏凜「ひ…ぃっ!わあああっ!」ポイッ!
ガンッ コッ プツッ… ツー ツー…
東郷「……」スッ
ガチャ
友奈「ふう~」
東郷「あ、おかえり友奈ちゃん」
友奈「いや~東郷さんちのおトイレはいつ見ても綺麗だね!私感動しちゃうよ!」
東郷「そういうことは報告しなくてもいいのよ?」
277: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 11:20:21.39 ID:hUhp76aE0.net
友奈「あれ?電話?東郷さん代わりに出てくれたの?」
東郷「ええ…夏凜ちゃんから。でも風先輩と間違えたって」
友奈「そっかー夏凜ちゃんデジタル弱いもんね…ありうる!」
東郷「ええ、ほんとに…」
東郷「おつむまで弱いようね」ボソ
友奈「え?何?」
東郷「…さ、こっちに座って?御飯のあとは…御勉強の時間です!」ポンポン
友奈「う…うひゃー、お手柔らかに…」
東郷「ふふ…」
東郷「ええ…夏凜ちゃんから。でも風先輩と間違えたって」
友奈「そっかー夏凜ちゃんデジタル弱いもんね…ありうる!」
東郷「ええ、ほんとに…」
東郷「おつむまで弱いようね」ボソ
友奈「え?何?」
東郷「…さ、こっちに座って?御飯のあとは…御勉強の時間です!」ポンポン
友奈「う…うひゃー、お手柔らかに…」
東郷「ふふ…」
288: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 12:25:55.56 ID:hUhp76aE0.net
夏凜「……」ぼふっ!
夏凜(落ちついて…冷静に!冷静になるのよ三好夏凜…!)ギュッ
夏凜(東郷がえらいことになってるのは多分あの碌でもない装置のせい…)
夏凜(なら話は簡単よ…どこか東郷の目が届かないタイミングで友奈にぜんぶ話して、すぐに解除ボタンをおさせればいい。それだけ)
、
夏凜(電話はダメ…しかし焦ることはないわ…ぜんぜんない… 学校、そう学校よ!待てば必ず機会は訪れるはず!)
夏凜(問題は…やっぱり東郷に見つかったとき…)
夏凜(今の東郷をいつもの東郷と思ってはいけない…!『やる』と言ったら『やる』目だった…!あれは…)ブルッ
夏凜(おそらく電話の一件でただでさえ私はマークされているだろうし…もし失敗して、東郷にターンが回れば…)
夏凜「……」
夏凜(い、いや!ダメよ三好夏凜!何よ悪い想像ばっかり私らしくもない!勇気と根性さえあれば大抵なんとかなる!)ブンブン
夏凜「勇者部!!みよしかりーん!!ファイト――ッ!!」ガバッ!
夏凜(落ちついて…冷静に!冷静になるのよ三好夏凜…!)ギュッ
夏凜(東郷がえらいことになってるのは多分あの碌でもない装置のせい…)
夏凜(なら話は簡単よ…どこか東郷の目が届かないタイミングで友奈にぜんぶ話して、すぐに解除ボタンをおさせればいい。それだけ)
、
夏凜(電話はダメ…しかし焦ることはないわ…ぜんぜんない… 学校、そう学校よ!待てば必ず機会は訪れるはず!)
夏凜(問題は…やっぱり東郷に見つかったとき…)
夏凜(今の東郷をいつもの東郷と思ってはいけない…!『やる』と言ったら『やる』目だった…!あれは…)ブルッ
夏凜(おそらく電話の一件でただでさえ私はマークされているだろうし…もし失敗して、東郷にターンが回れば…)
夏凜「……」
夏凜(い、いや!ダメよ三好夏凜!何よ悪い想像ばっかり私らしくもない!勇気と根性さえあれば大抵なんとかなる!)ブンブン
夏凜「勇者部!!みよしかりーん!!ファイト――ッ!!」ガバッ!
294: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 12:37:00.04 ID:hUhp76aE0.net
キーンコーンカーン…
きりーつ、礼!神樹様に…拝!
夏凜「…」チラリ
友奈「…」
夏凜「…」チラ
東郷「…」
夏凜(今のとこ何も変わったところは…ない…わよね?)
夏凜「…」ギュッ
夏凜(守って見せる…友奈も東郷も…!今度こそ、私の手で!)
きりーつ、礼!神樹様に…拝!
夏凜「…」チラリ
友奈「…」
夏凜「…」チラ
東郷「…」
夏凜(今のとこ何も変わったところは…ない…わよね?)
夏凜「…」ギュッ
夏凜(守って見せる…友奈も東郷も…!今度こそ、私の手で!)
296: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 12:43:56.12 ID:hUhp76aE0.net
先生「――…よしさん…三好さん?」
夏凜「!? あっ…はいっ!?」ビシッ
先生「着席の号令、聞こえませんでしたか?」
夏凜「えっ…あれ…あ!ご、ごめんなさいっ!」ドサッ
ハハハ… クスクス…
夏凜「く、くう…っ//」
先生「まったくもう。ボーってしてないで?ほら、次は家庭科だから移動ですよ!」
友奈(夏凜ちゃんぼーっとしてたな…なんだろ?)ポケ~
夏凜「ぐ、ぐくく…!」キッ
友奈「えっ…何で私睨むの!?」
東郷(…)
夏凜「!? あっ…はいっ!?」ビシッ
先生「着席の号令、聞こえませんでしたか?」
夏凜「えっ…あれ…あ!ご、ごめんなさいっ!」ドサッ
ハハハ… クスクス…
夏凜「く、くう…っ//」
先生「まったくもう。ボーってしてないで?ほら、次は家庭科だから移動ですよ!」
友奈(夏凜ちゃんぼーっとしてたな…なんだろ?)ポケ~
夏凜「ぐ、ぐくく…!」キッ
友奈「えっ…何で私睨むの!?」
東郷(…)
302: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 13:08:39.99 ID:hUhp76aE0.net
カチャカチャ… トン ハハハ…
友奈「料理実習です!」ジャンッ!
夏凜「東郷はともかく…友奈!」
友奈「はいっ!」シャキッ
夏凜「こうして3人同じ班になった以上、一番の不安因子はあんたよ!くれぐれも足を引っ張らないでよね!」
友奈「いえす、サー!夏凜ちゃん!」ビシ
友奈「あれ?でも夏凜ちゃんもあんまり料理上手じゃ……」
夏凜「シャラップ!!」
友奈「あひ!!」
東郷「あらあら…まあまあ」ニコニコ
夏凜(…ひとまず何時も通りにふるまって、東郷の警戒を解く)
夏凜(私は何も見なかった!怖いのでもう口出しなんてしません…という感じを演出しつつ、ただ待つ!これが今私が打てる最善手!)
先生「この実習では包丁など刃物を使います。取り扱いには気をつけるようにー!」
ハーイ!
友奈「料理実習です!」ジャンッ!
夏凜「東郷はともかく…友奈!」
友奈「はいっ!」シャキッ
夏凜「こうして3人同じ班になった以上、一番の不安因子はあんたよ!くれぐれも足を引っ張らないでよね!」
友奈「いえす、サー!夏凜ちゃん!」ビシ
友奈「あれ?でも夏凜ちゃんもあんまり料理上手じゃ……」
夏凜「シャラップ!!」
友奈「あひ!!」
東郷「あらあら…まあまあ」ニコニコ
夏凜(…ひとまず何時も通りにふるまって、東郷の警戒を解く)
夏凜(私は何も見なかった!怖いのでもう口出しなんてしません…という感じを演出しつつ、ただ待つ!これが今私が打てる最善手!)
先生「この実習では包丁など刃物を使います。取り扱いには気をつけるようにー!」
ハーイ!
347: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:22:54.11 ID:hUhp76aE0.net
カチャ カチャ コトン ワイワイ…
トントントン…
夏凜「……」チラチラ
友奈「うー、ジャガイモなかなか剥けないよ~!」ガッチョン ガッチョン…
東郷「友奈ちゃん、ピーラーの構え方はそうじゃないわ。貸してみて?」
友奈「そうなの?はい」
東郷「こうして…こう!」シュウッ
友奈「ほう!」
東郷「こうこう!!」ヂュワッ!
友奈「ほうほう!」
トントントントン…
夏凜(平和ね…そして予想通り東郷は友奈にべったりだわ)
夏凜(まあまだ初日よ…そう簡単にチャンスなんて巡ってくるはずがない…ここは辛抱の時よ、私!)
トントントン…
夏凜「……」チラチラ
友奈「うー、ジャガイモなかなか剥けないよ~!」ガッチョン ガッチョン…
東郷「友奈ちゃん、ピーラーの構え方はそうじゃないわ。貸してみて?」
友奈「そうなの?はい」
東郷「こうして…こう!」シュウッ
友奈「ほう!」
東郷「こうこう!!」ヂュワッ!
友奈「ほうほう!」
トントントントン…
夏凜(平和ね…そして予想通り東郷は友奈にべったりだわ)
夏凜(まあまだ初日よ…そう簡単にチャンスなんて巡ってくるはずがない…ここは辛抱の時よ、私!)
350: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:29:32.45 ID:hUhp76aE0.net
トントントンドッ!!
夏凜「あ痛づっ!!」カタン!
ジワリ…
友奈「夏凜ちゃん?」
夏凜「くっ…不覚だわ、指切っちゃった…」ポタ…
東郷「大丈夫?」カタリ
友奈「あちゃー血がでてるよ~…保健室いこう?」
夏凜「大げさね。平気よこのくらい…ちゅぅ」
東郷「でも、一応消毒くらいはした方がいいわ」
友奈「そうだね…あ!2回の手洗い場に消毒液がある筈だから、そこで!」
夏凜「んな配置までよく知ってるわねあんた…ちゅぅちゅぅ」
友奈「えへへー、勇者ですから!…あ、夏凜ちゃん舐めちゃダメだよそれ逆効果だよ!」むんず
夏凜「え…そうなの?」
夏凜「あ痛づっ!!」カタン!
ジワリ…
友奈「夏凜ちゃん?」
夏凜「くっ…不覚だわ、指切っちゃった…」ポタ…
東郷「大丈夫?」カタリ
友奈「あちゃー血がでてるよ~…保健室いこう?」
夏凜「大げさね。平気よこのくらい…ちゅぅ」
東郷「でも、一応消毒くらいはした方がいいわ」
友奈「そうだね…あ!2回の手洗い場に消毒液がある筈だから、そこで!」
夏凜「んな配置までよく知ってるわねあんた…ちゅぅちゅぅ」
友奈「えへへー、勇者ですから!…あ、夏凜ちゃん舐めちゃダメだよそれ逆効果だよ!」むんず
夏凜「え…そうなの?」
355: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:34:42.86 ID:hUhp76aE0.net
東郷「2階ね。夏凜ちゃんは場所が分かってないみたいだし、友奈ちゃん連れて行ってあげて?」
友奈「がってん!東郷さんはお鍋の火を見ててね!」
東郷「はーい」
夏凜「ちょ、ちょっと…それくらいひとりで…」
友奈「じゃあ…すいませーん!先生!夏凜ちゃんがケガしちゃったんで外で消毒してきまーす!」
ザワッ…
夏凜「ぎゃああああああなんでいちいち叫ぶのよ小ッ恥ずかしいいぃ!」ぺしっ!
友奈「あいてっ!?」
東郷「ふんふ~ん♪」トントントン…
友奈「がってん!東郷さんはお鍋の火を見ててね!」
東郷「はーい」
夏凜「ちょ、ちょっと…それくらいひとりで…」
友奈「じゃあ…すいませーん!先生!夏凜ちゃんがケガしちゃったんで外で消毒してきまーす!」
ザワッ…
夏凜「ぎゃああああああなんでいちいち叫ぶのよ小ッ恥ずかしいいぃ!」ぺしっ!
友奈「あいてっ!?」
東郷「ふんふ~ん♪」トントントン…
357: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:39:59.85 ID:hUhp76aE0.net
ジャ――――…
友奈「…だからね、口の中なんてどんなばい菌が居るかわかったもんじゃないんだから!」
夏凜「うるさいわね!も、もうわかったわよ!」
夏凜(くっ…今日は厄日だわ…!)
夏凜(それもこれももとは東郷の…!)
夏凜(東郷…あれ?)
夏凜「…」
友奈「十分洗えた?じゃこっちの消毒液…」
夏凜「…ふたりっきり?これってチャンスじゃない?」ボソ
友奈「ぁえ?」
夏凜「…ゆ、友奈!」ガシッ!!
友奈「ふぁっ!?か、夏凜ちゃん!?」ギョッ
友奈「…だからね、口の中なんてどんなばい菌が居るかわかったもんじゃないんだから!」
夏凜「うるさいわね!も、もうわかったわよ!」
夏凜(くっ…今日は厄日だわ…!)
夏凜(それもこれももとは東郷の…!)
夏凜(東郷…あれ?)
夏凜「…」
友奈「十分洗えた?じゃこっちの消毒液…」
夏凜「…ふたりっきり?これってチャンスじゃない?」ボソ
友奈「ぁえ?」
夏凜「…ゆ、友奈!」ガシッ!!
友奈「ふぁっ!?か、夏凜ちゃん!?」ギョッ
358: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:46:56.94 ID:hUhp76aE0.net
夏凜「わ、私!あんたに言っておかなきゃならないことが!!」グググ
友奈「なに!?なになんなの夏凜ちゃん!?」
夏凜「いきなりで困惑するかもだけど答えて頂戴!大事なことだから!落ち着いて聞いて!」グググ
友奈「落ち着いて!落ち着いて夏凜ちゃん!!」ペシペシ
夏凜「あんた前のあのこと覚えてる!?例の装置を私に使った日!」
友奈「覚えてる!覚えてるから!愛の告白はもうちょっとムードを保ってやってほしいな夏凜ちゃん!!」ペシペシ
夏凜「あんたあの時一番の目標は東郷だって言ってたわね!?」
友奈「言いました!ごめん!!ごめんよ怨んでるよね夏凜ちゃあああぁ!!」ペシペシペシ
友奈「なに!?なになんなの夏凜ちゃん!?」
夏凜「いきなりで困惑するかもだけど答えて頂戴!大事なことだから!落ち着いて聞いて!」グググ
友奈「落ち着いて!落ち着いて夏凜ちゃん!!」ペシペシ
夏凜「あんた前のあのこと覚えてる!?例の装置を私に使った日!」
友奈「覚えてる!覚えてるから!愛の告白はもうちょっとムードを保ってやってほしいな夏凜ちゃん!!」ペシペシ
夏凜「あんたあの時一番の目標は東郷だって言ってたわね!?」
友奈「言いました!ごめん!!ごめんよ怨んでるよね夏凜ちゃあああぁ!!」ペシペシペシ
363: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 15:54:18.94 ID:hUhp76aE0.net
コツ… コツ…
夏凜「『使った』のよね!?あの装置を!!あの後に!」
友奈「う、うん?えっとぉ…?」ペシ…
コツ… コツコツ…
夏凜「そうじゃなきゃおかしい…おかしいもん…!あんな東郷…」ブルブル
友奈「とうごうさん?え?夏凜ちゃん…?」
夏凜「…友奈!!友奈ぁ…!あの時からなの!理由はそれしかない!それしか考えられない…!」ガシッ… ズルリ
友奈「わっと…!?」フラッ
夏凜「東郷がおかしくなったのは、絶対あの―――!!」
コツッ… コツンッ
夏凜「『使った』のよね!?あの装置を!!あの後に!」
友奈「う、うん?えっとぉ…?」ペシ…
コツ… コツコツ…
夏凜「そうじゃなきゃおかしい…おかしいもん…!あんな東郷…」ブルブル
友奈「とうごうさん?え?夏凜ちゃん…?」
夏凜「…友奈!!友奈ぁ…!あの時からなの!理由はそれしかない!それしか考えられない…!」ガシッ… ズルリ
友奈「わっと…!?」フラッ
夏凜「東郷がおかしくなったのは、絶対あの―――!!」
コツッ… コツンッ
391: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:28:25.53 ID:a0U7580r0.net
カツ――ンッ…
「私が」
夏凜「あの、あ――――――…あ、あぁ……」
友奈「あれ?あれはもしや…」
「何だっていうのかしら?」
夏凜「と、と、と…!!とう、っと、と…!!」ガタガタ
東郷「その話…私も聞きたいな、夏凜ちゃん……」ニコッ…
友奈「わー、東郷さん!」
夏凜「とう…ごうぅ………!!」ヘナヘナ
ヒュウウウウゥ…… ゴオオオオオォ…
「私が」
夏凜「あの、あ――――――…あ、あぁ……」
友奈「あれ?あれはもしや…」
「何だっていうのかしら?」
夏凜「と、と、と…!!とう、っと、と…!!」ガタガタ
東郷「その話…私も聞きたいな、夏凜ちゃん……」ニコッ…
友奈「わー、東郷さん!」
夏凜「とう…ごうぅ………!!」ヘナヘナ
ヒュウウウウゥ…… ゴオオオオオォ…
397: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:36:37.97 ID:a0U7580r0.net
友奈「東郷さんも来ちゃったんだ!助かっ…じゃない、お鍋は見てなくて大丈夫なの?」
東郷「ええ平気よ…他の班の子に見てて貰ってるから」
夏凜「なんっ…なん…!なんで、東郷…あんた…っ!!」ガタガタ
東郷「…友奈ちゃんの事を先生が呼んでたから、呼びに来たの。夏凜ちゃんは任せて、先に戻ってて?」
友奈「わー、わざわざ伝えに来てくれたんだ。ごめんね?」
東郷「いいの。…それに私自身も…」
東郷「…『ばい菌』が……気になったって言うのも…あったから…ね…?」スッ
ジッ…
夏凜「っ、ひ…!」ガタガタ
友奈「そっかぁ…ふふ、なるほど!やっぱり東郷さんは優しいや!」
東郷「もう、照れるわ」
東郷「ええ平気よ…他の班の子に見てて貰ってるから」
夏凜「なんっ…なん…!なんで、東郷…あんた…っ!!」ガタガタ
東郷「…友奈ちゃんの事を先生が呼んでたから、呼びに来たの。夏凜ちゃんは任せて、先に戻ってて?」
友奈「わー、わざわざ伝えに来てくれたんだ。ごめんね?」
東郷「いいの。…それに私自身も…」
東郷「…『ばい菌』が……気になったって言うのも…あったから…ね…?」スッ
ジッ…
夏凜「っ、ひ…!」ガタガタ
友奈「そっかぁ…ふふ、なるほど!やっぱり東郷さんは優しいや!」
東郷「もう、照れるわ」
400: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:40:20.24 ID:a0U7580r0.net
友奈「そういうことなら…夏凜ちゃんのことは宜しくね!まだ消毒終わってませんので!」
東郷「ええ。あと…ちょっと夏凜ちゃんの様子がおかしいから、やっぱり保健室に連れてくわね」
夏凜「………!」ガタガタ
友奈「え?あ…ほんとだ…なんか震えてない?大丈夫?」
夏凜「ゆ、ゆう、ゆうなぁ…!ひ、ひとりに…しな…!」ガタガタ
友奈「気付かなかったよ、ごめんね…でもいきなりどうしたんだろ?心配だよ…」
東郷「私が責任持って連れて行くから。さ、友奈ちゃんは行った行った!」
友奈「う、うん…夏凜ちゃん!無理して戻ってこなくてもいいからね?またあとで保健室に迎えに行くから!」
タタッ
夏凜「…あ…っ!」ガタガタ
スタタタタタ…
夏凜「あ…あぁぁ…」ブルブル
東郷「さてと」
東郷「ええ。あと…ちょっと夏凜ちゃんの様子がおかしいから、やっぱり保健室に連れてくわね」
夏凜「………!」ガタガタ
友奈「え?あ…ほんとだ…なんか震えてない?大丈夫?」
夏凜「ゆ、ゆう、ゆうなぁ…!ひ、ひとりに…しな…!」ガタガタ
友奈「気付かなかったよ、ごめんね…でもいきなりどうしたんだろ?心配だよ…」
東郷「私が責任持って連れて行くから。さ、友奈ちゃんは行った行った!」
友奈「う、うん…夏凜ちゃん!無理して戻ってこなくてもいいからね?またあとで保健室に迎えに行くから!」
タタッ
夏凜「…あ…っ!」ガタガタ
スタタタタタ…
夏凜「あ…あぁぁ…」ブルブル
東郷「さてと」
408: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:46:04.40 ID:a0U7580r0.net
ガッ!!
夏凜「ひぐっ…!」
ドンッ! メキメキ…
夏凜「が、ぁ…あぐ…!」
東郷「騒がないで、振り向くな。無理に身をよじると腕が折れるわよ」グググ
夏凜「う、うう…」
東郷「どうにも動きが不自然だから、餌を撒いてみたら…案の定ね。あんな分かりやすい罠に…」
東郷「にぼし女は脳ミソのサイズまで小魚並かしら?…嗚呼ッ!おぞましい!!」
ミキミキ…!
夏凜「ひぐっ…!」
ドンッ! メキメキ…
夏凜「が、ぁ…あぐ…!」
東郷「騒がないで、振り向くな。無理に身をよじると腕が折れるわよ」グググ
夏凜「う、うう…」
東郷「どうにも動きが不自然だから、餌を撒いてみたら…案の定ね。あんな分かりやすい罠に…」
東郷「にぼし女は脳ミソのサイズまで小魚並かしら?…嗚呼ッ!おぞましい!!」
ミキミキ…!
417: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:50:38.96 ID:a0U7580r0.net
夏凜「う、ああっ…!あ!!と、東郷…!」
東郷「友奈ちゃんに…何を吹き込もうとしたッ!!」
ガシッ!
夏凜「痛っ…!髪…い、嫌!離しっ…」
東郷「―――言えッ!!」ブンッ!
ガンッ!!
夏凜「あぐっ!」
東郷「言えッ!!言えッ!!言えぇ!!」ブンッ!ブン!
ガンッ!ガンッ!
夏凜「やめ…がっ!!やめへ…ああぁぐっ!!」
東郷「私の!!友奈ちゃんを!どうする気だッ!!この腐れにぼし…がぁッ!!」ブンッ!
ガーンッ!!
夏凜「ぎゅぅっ!…うぐ、っく…ぅ…うぅ…」ポロポロ
東郷「友奈ちゃんに…何を吹き込もうとしたッ!!」
ガシッ!
夏凜「痛っ…!髪…い、嫌!離しっ…」
東郷「―――言えッ!!」ブンッ!
ガンッ!!
夏凜「あぐっ!」
東郷「言えッ!!言えッ!!言えぇ!!」ブンッ!ブン!
ガンッ!ガンッ!
夏凜「やめ…がっ!!やめへ…ああぁぐっ!!」
東郷「私の!!友奈ちゃんを!どうする気だッ!!この腐れにぼし…がぁッ!!」ブンッ!
ガーンッ!!
夏凜「ぎゅぅっ!…うぐ、っく…ぅ…うぅ…」ポロポロ
422: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:53:02.71 ID:a0U7580r0.net
東郷「はぁっ!!はぁ!はっ…はぁ…ふーっ…」
夏凜「ひっぐ…っう…ぁう…」ポロポロ
夏凜「…う…!」ポロポロ
夏凜「と、東郷…!うう…っ!」ギュッ
夏凜(ダメ…だめだ…!ここで押し負けたら…友奈は…東郷は…!勇者部は…!)
ググッ…!
夏凜「…東郷…き、聞きなざい…!」
東郷「…」
夏凜「あ”…あんたは…おかしくなってるの!う…自分で分からない…?っふ…普通の東郷なら…絶対こんなこと…しないッ!」
夏凜「ひっぐ…っう…ぁう…」ポロポロ
夏凜「…う…!」ポロポロ
夏凜「と、東郷…!うう…っ!」ギュッ
夏凜(ダメ…だめだ…!ここで押し負けたら…友奈は…東郷は…!勇者部は…!)
ググッ…!
夏凜「…東郷…き、聞きなざい…!」
東郷「…」
夏凜「あ”…あんたは…おかしくなってるの!う…自分で分からない…?っふ…普通の東郷なら…絶対こんなこと…しないッ!」
429: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 19:58:13.38 ID:a0U7580r0.net
夏凜「ほんの少し!ほんのちょっとで良いから友奈に話をさせて…そしたら全部、元通りに…!」
東郷「…噛み合わないわね。阿呆に何を言っても無駄か」
夏凜「東郷!とうごうッ!!お願いだから…冷静に話を…!!」
東郷「まあいいわ」スッ
キラッ
夏凜「ぁえ?」
東郷「もとを断てば関係ないものね」
グッ
東郷「…噛み合わないわね。阿呆に何を言っても無駄か」
夏凜「東郷!とうごうッ!!お願いだから…冷静に話を…!!」
東郷「まあいいわ」スッ
キラッ
夏凜「ぁえ?」
東郷「もとを断てば関係ないものね」
グッ
435: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:03:04.21 ID:a0U7580r0.net
プスッ
夏凜「あっ」
東郷「…ねえ、分かる?あなたの背中に、今何が刺さってるか」
夏凜「は…はぁっ!はぁ!」サーッ…
夏凜「―――う!うぁッ! とうごっ」
東郷「…嫌ね、まだ先っちょだけよ?」
東郷「そんなに慌てないで…」
ズブ…
夏凜「あ!っひ!ぁぁあぁああッ…!!」ビクビクッ
東郷「大きい声を出すなって…言わなかったかし…らっ」
クリッ
夏凜「!! い”っ…痛い!東郷やめてお願いだからぁ!やめてぇ!!」ガクガク
夏凜「あっ」
東郷「…ねえ、分かる?あなたの背中に、今何が刺さってるか」
夏凜「は…はぁっ!はぁ!」サーッ…
夏凜「―――う!うぁッ! とうごっ」
東郷「…嫌ね、まだ先っちょだけよ?」
東郷「そんなに慌てないで…」
ズブ…
夏凜「あ!っひ!ぁぁあぁああッ…!!」ビクビクッ
東郷「大きい声を出すなって…言わなかったかし…らっ」
クリッ
夏凜「!! い”っ…痛い!東郷やめてお願いだからぁ!やめてぇ!!」ガクガク
444: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:13:47.94 ID:a0U7580r0.net
夏凜「やめて!やめてやめて止めてっ!!とうごう!これ以上はっ!しゃっ!洒落にっ!なっ、てない…からっ!!ああ…!」ガタガタ
東郷「洒落や冗談でこんなことをすると?私が?」
東郷「物狂いじゃあるまいし…あは」
夏凜「………う、うううぅ、ひゅ…!」ガクガク
東郷「くすっ…怖がり過ぎよ…そんなに痛がるほどかしら?まだ何センチも入ってないわ」
夏凜「ぁ、ぁあ」ガタガタ
東郷「…まだ唾でも付けておけば完治する程度の傷…でも」スッ
ツ…
夏凜「―――ひ」ゾクゾク
東郷「この下は、丁度腎臓…」
東郷「私がこのまま…ほんの少し…体重をかけてあげれば…」
ツツ――…
夏凜「あ、あああああぁぁぁ…、ぁ…!」ゾクゾクゾク
東郷「洒落や冗談でこんなことをすると?私が?」
東郷「物狂いじゃあるまいし…あは」
夏凜「………う、うううぅ、ひゅ…!」ガクガク
東郷「くすっ…怖がり過ぎよ…そんなに痛がるほどかしら?まだ何センチも入ってないわ」
夏凜「ぁ、ぁあ」ガタガタ
東郷「…まだ唾でも付けておけば完治する程度の傷…でも」スッ
ツ…
夏凜「―――ひ」ゾクゾク
東郷「この下は、丁度腎臓…」
東郷「私がこのまま…ほんの少し…体重をかけてあげれば…」
ツツ――…
夏凜「あ、あああああぁぁぁ…、ぁ…!」ゾクゾクゾク
453: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:30:47.73 ID:a0U7580r0.net
スッ
東郷「…なーんてね」
夏凜「へっ…あっ!?」グイッ!
ドンッ!
夏凜「あぐぅっ!」ドサッ!
東郷「…帰してあげる。良く考えたら、夏凜ちゃんは未遂だもの」
東郷「『それ』はやりすぎだわ…ごめんね?くすくす…」
夏凜「あ、へ…あ…あぁぁ…」ガクガク
夏凜「ぁぁ…ぁ…」ヘニャ
チョロッ…
夏凜「!? あっ、やっ…ああ…!」
東郷「…なーんてね」
夏凜「へっ…あっ!?」グイッ!
ドンッ!
夏凜「あぐぅっ!」ドサッ!
東郷「…帰してあげる。良く考えたら、夏凜ちゃんは未遂だもの」
東郷「『それ』はやりすぎだわ…ごめんね?くすくす…」
夏凜「あ、へ…あ…あぁぁ…」ガクガク
夏凜「ぁぁ…ぁ…」ヘニャ
チョロッ…
夏凜「!? あっ、やっ…ああ…!」
456: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:32:03.10 ID:a0U7580r0.net
…
…ピチャリ
東郷「…呆れた」
東郷「もういいわ、もういい。色々萎えちゃった」
東郷「さっさと保健室にでも何でも行ってしまいなさい。まさか”それ”で授業に戻るわけにもいかないでしょう?」
夏凜「うっ、うぐ…」ポロ
夏凜「うう…!ううぅぅ…ううう」ポロポロ
…ピチャリ
東郷「…呆れた」
東郷「もういいわ、もういい。色々萎えちゃった」
東郷「さっさと保健室にでも何でも行ってしまいなさい。まさか”それ”で授業に戻るわけにもいかないでしょう?」
夏凜「うっ、うぐ…」ポロ
夏凜「うう…!ううぅぅ…ううう」ポロポロ
460: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:33:25.00 ID:a0U7580r0.net
東郷「さっさと居なくなって…私の気が変わらないうちに!」
ドン!
夏凜「ひぐっ!」ビクッ
夏凜「ぅ、ぁあ…うわぁああ…うわーん…」ポロポロ
ズルッ
夏凜「うわあぁぁーん…ひっぐ、うええぇぇ…」ポロポロ
ズッ ズッ… ズルッ…
うわーん、っぐ…ぅぅぅ…
ズッ…
…
東郷「…」
ドン!
夏凜「ひぐっ!」ビクッ
夏凜「ぅ、ぁあ…うわぁああ…うわーん…」ポロポロ
ズルッ
夏凜「うわあぁぁーん…ひっぐ、うええぇぇ…」ポロポロ
ズッ ズッ… ズルッ…
うわーん、っぐ…ぅぅぅ…
ズッ…
…
東郷「…」
467: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 20:47:32.61 ID:a0U7580r0.net
…
東郷「…行ったわね」
クルッ! カツッ カツッ…
東郷「…」
東郷(保健室に行った?いえ、違うわね…『三好夏凛』が『あの恰好』で大人の眼の着く場所に行くはずがない)
東郷(汚れたスカート、額に傷、服をめくれば背中には刺傷。そんなものが大人の眼に触れればどうなるか)
東郷(事情を正直に話せば…すなわち私の凶行が明らかになれば、勇者部が…友奈ちゃんが今までどおりの日常を送ることは不可能になる)
東郷(夏凜ちゃんの言葉から察するに、彼女は私が狂気か何かに取りつかれていると考えているのでしょう)
東郷(であるならば尚のこと、『東郷美森』の人生を破滅させるような行動は彼女にとって禁忌!都合のいいことに…!)
東郷(今、現実的に彼女が取る行動は…教室で着替えて…傷を隠しながら…家に帰って震えて眠る。そんなところでしょう)
東郷「…行ったわね」
クルッ! カツッ カツッ…
東郷「…」
東郷(保健室に行った?いえ、違うわね…『三好夏凛』が『あの恰好』で大人の眼の着く場所に行くはずがない)
東郷(汚れたスカート、額に傷、服をめくれば背中には刺傷。そんなものが大人の眼に触れればどうなるか)
東郷(事情を正直に話せば…すなわち私の凶行が明らかになれば、勇者部が…友奈ちゃんが今までどおりの日常を送ることは不可能になる)
東郷(夏凜ちゃんの言葉から察するに、彼女は私が狂気か何かに取りつかれていると考えているのでしょう)
東郷(であるならば尚のこと、『東郷美森』の人生を破滅させるような行動は彼女にとって禁忌!都合のいいことに…!)
東郷(今、現実的に彼女が取る行動は…教室で着替えて…傷を隠しながら…家に帰って震えて眠る。そんなところでしょう)
476: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 21:04:51.48 ID:a0U7580r0.net
ピタリ
東郷「…」
東郷(でも、困ったわ…夏凜ちゃん、生かしておいたらやっぱり友奈ちゃんにイヤナコトを吹き込むに違いないわ)
東郷(私だって友奈ちゃんを何時でも監視できるわけじゃない…夏凜ちゃん愚直なところがあるから、諦めずに…いずれ成功するかもしれない)
東郷「…」
東郷(…どうしよう…どうしよう…勇者部…夏凜ちゃん…)
東郷(夏凜ちゃん、夏凜ちゃ……友奈ちゃん…)
ドクン
東郷(…友奈ちゃん?)
東郷(…そうだ!仕方ないわね!友奈ちゃんの為だもの!)
東郷(死んでもらいましょう!そう!残念だけど仕方がないわ!友奈ちゃんきっと悲しむだろうけど、私と一緒ならきっと乗り越えられるはず!)
東郷(殺さなきゃ!いざという時の為に考えていたあのプラン!実行に移す必要がある…!)
東郷(友奈ちゃんを『保護』できて、夏凜ちゃんをバレずに抹殺できて、風先輩たちにも悟られないあの作戦を!!)
東郷「…」
東郷(でも、困ったわ…夏凜ちゃん、生かしておいたらやっぱり友奈ちゃんにイヤナコトを吹き込むに違いないわ)
東郷(私だって友奈ちゃんを何時でも監視できるわけじゃない…夏凜ちゃん愚直なところがあるから、諦めずに…いずれ成功するかもしれない)
東郷「…」
東郷(…どうしよう…どうしよう…勇者部…夏凜ちゃん…)
東郷(夏凜ちゃん、夏凜ちゃ……友奈ちゃん…)
ドクン
東郷(…友奈ちゃん?)
東郷(…そうだ!仕方ないわね!友奈ちゃんの為だもの!)
東郷(死んでもらいましょう!そう!残念だけど仕方がないわ!友奈ちゃんきっと悲しむだろうけど、私と一緒ならきっと乗り越えられるはず!)
東郷(殺さなきゃ!いざという時の為に考えていたあのプラン!実行に移す必要がある…!)
東郷(友奈ちゃんを『保護』できて、夏凜ちゃんをバレずに抹殺できて、風先輩たちにも悟られないあの作戦を!!)
482: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 21:08:23.28 ID:a0U7580r0.net
東郷「そうとなれば急いで…!」ポロポロ
東郷「あ、あれ?」ポロポロ
東郷「おかしいわね…涙?何時の間に」ポロポロ
東郷「変なの…熱に悲しいことがあったわけでもないのに」グシッ
東郷「さて、と…友奈ちゃんにはどう説明しようかな?先生が呼んでたって嘘の事」
東郷「夏凜ちゃんのことは…誤魔化す必要もないか。どうせあの調子じゃ誰にも何も言えない」
東郷「~♪」トトト
…
東郷「あ、あれ?」ポロポロ
東郷「おかしいわね…涙?何時の間に」ポロポロ
東郷「変なの…熱に悲しいことがあったわけでもないのに」グシッ
東郷「さて、と…友奈ちゃんにはどう説明しようかな?先生が呼んでたって嘘の事」
東郷「夏凜ちゃんのことは…誤魔化す必要もないか。どうせあの調子じゃ誰にも何も言えない」
東郷「~♪」トトト
…
579: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/29(月) 00:18:34.89 ID:bO6LxpgL0.net
皆さんこんにちは。結城友奈です!
突然ですが、夏凜ちゃんが最近おかしいです。
家庭科の実習があったあの日、夏凜ちゃんが家庭科室に戻ってくることはありませんでした。
東郷さん曰く「急に寒気がして、熱っぽかったので帰った」とのこと。保健室に寄らずに直帰したのを送っていたので、東郷さんも遅れたそうです。
お見まいに行こうと思ったのですが、「うつしたら悪いので来るなと言っていた」…ということをこれまた東郷さんから聞いたので、泣く泣く断念したのでした。くすん
三日後、熱がひいたらしい夏凜ちゃんが学校にやってきたときには、そのおでこには大きな絆創膏が張られていました。
びっくりしてどうしたのか聞くと、ぴしゃりと一言「転んだ」と呟くと、それ以上特に教えてくれませんでした。
風邪のせいでふらふらして打ったのでしょうか。心配です。
それからしばらく夏凜ちゃんは元気がありませんでした。
病み上がりでしんどいのかな、と陰ながら心配していましたが、ここの所はもとの調子を取り戻してくれています。
…ただその時期と一致して、夏凜ちゃんの様子…正しくは、「夏凜ちゃんが東郷さんと居る時の様子」がおかしくなったのです。
突然ですが、夏凜ちゃんが最近おかしいです。
家庭科の実習があったあの日、夏凜ちゃんが家庭科室に戻ってくることはありませんでした。
東郷さん曰く「急に寒気がして、熱っぽかったので帰った」とのこと。保健室に寄らずに直帰したのを送っていたので、東郷さんも遅れたそうです。
お見まいに行こうと思ったのですが、「うつしたら悪いので来るなと言っていた」…ということをこれまた東郷さんから聞いたので、泣く泣く断念したのでした。くすん
三日後、熱がひいたらしい夏凜ちゃんが学校にやってきたときには、そのおでこには大きな絆創膏が張られていました。
びっくりしてどうしたのか聞くと、ぴしゃりと一言「転んだ」と呟くと、それ以上特に教えてくれませんでした。
風邪のせいでふらふらして打ったのでしょうか。心配です。
それからしばらく夏凜ちゃんは元気がありませんでした。
病み上がりでしんどいのかな、と陰ながら心配していましたが、ここの所はもとの調子を取り戻してくれています。
…ただその時期と一致して、夏凜ちゃんの様子…正しくは、「夏凜ちゃんが東郷さんと居る時の様子」がおかしくなったのです。
580: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/29(月) 00:19:37.32 ID:bO6LxpgL0.net
まず目を合わそうとしません。
東郷さんはニコニコいつもの優しい笑顔で夏凜ちゃんを見ているのですが、夏凜ちゃんの方はというと…喋ることはふつうに喋るのですが、ほとんど目を合わせないんです。
前はこんなことはありませんでした。はてなです。
次に、東郷さんと二人きりになるのを嫌がっているように感じるのです。
私がおトイレなんかで二人を残してどこかに行こうとすると、夏凜ちゃんも必ず着いてきます。
3つ目。そういう時は必ず、人が変わったようにビクビクおどおどして、キョロキョロと周囲を確認しながらもごもごと口を開きかけて…つぐむ。ということを繰り返すのです。
察するに東郷さんと口喧嘩でもして、一方的にぶちのめされたのかな?と思うのです。東郷さん怒ったら怖いし、口達者だし。
事情が分かれば取り持ってあげたいのですが、がつがつ入りこんでいくのも気がひけます。
友人として、こういう時はどうすればいいのか。静かに見守って時が解決してくれるのを待つのが得策なんでしょうか?…わかりません。今度お父さんに聞いてみよう。
そう言えば、東郷さんは東郷さんで、私を家に誘って勉強会とか武道の稽古とか(私が指導役です!えへん!)をすることが多くなりました。
しかしその一方で、せっかく誘ってくれたのに途中でふいと抜け出して、しばらくしてまた戻ってくるというのをよくやるのです。
どうしたの?と聞いても、「秘密よ」としか答えは返ってきません。ミステリーです。
東郷さんはニコニコいつもの優しい笑顔で夏凜ちゃんを見ているのですが、夏凜ちゃんの方はというと…喋ることはふつうに喋るのですが、ほとんど目を合わせないんです。
前はこんなことはありませんでした。はてなです。
次に、東郷さんと二人きりになるのを嫌がっているように感じるのです。
私がおトイレなんかで二人を残してどこかに行こうとすると、夏凜ちゃんも必ず着いてきます。
3つ目。そういう時は必ず、人が変わったようにビクビクおどおどして、キョロキョロと周囲を確認しながらもごもごと口を開きかけて…つぐむ。ということを繰り返すのです。
察するに東郷さんと口喧嘩でもして、一方的にぶちのめされたのかな?と思うのです。東郷さん怒ったら怖いし、口達者だし。
事情が分かれば取り持ってあげたいのですが、がつがつ入りこんでいくのも気がひけます。
友人として、こういう時はどうすればいいのか。静かに見守って時が解決してくれるのを待つのが得策なんでしょうか?…わかりません。今度お父さんに聞いてみよう。
そう言えば、東郷さんは東郷さんで、私を家に誘って勉強会とか武道の稽古とか(私が指導役です!えへん!)をすることが多くなりました。
しかしその一方で、せっかく誘ってくれたのに途中でふいと抜け出して、しばらくしてまた戻ってくるというのをよくやるのです。
どうしたの?と聞いても、「秘密よ」としか答えは返ってきません。ミステリーです。
682: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:00:55.37 ID:inrIluUEr.net
1じゃないしスレタイと関係無いが東にぼで書くわ
私は気づいてしまった、夏凜ちゃんの可愛さに
「夏凜さん」
「なによ話って?」
「あなたは友奈のことどう思ってますか?」
「どうって、とっても大切なマブダチよ」
「そう・・・ですか」
「で、それがどうかしたの?」
「いえ、じゃあ私のことは?」
「そうねえ、大切な友奈の大切な友達ってとこかしら、それ以上でも以下でもないわ」
「そう・・・ですか」
「で?」
「あ、いえ、実は私・・・夏凜さんのことが好きで」
「は?あんたは友奈が好きなんじゃないの」
私は気づいてしまった、夏凜ちゃんの可愛さに
「夏凜さん」
「なによ話って?」
「あなたは友奈のことどう思ってますか?」
「どうって、とっても大切なマブダチよ」
「そう・・・ですか」
「で、それがどうかしたの?」
「いえ、じゃあ私のことは?」
「そうねえ、大切な友奈の大切な友達ってとこかしら、それ以上でも以下でもないわ」
「そう・・・ですか」
「で?」
「あ、いえ、実は私・・・夏凜さんのことが好きで」
「は?あんたは友奈が好きなんじゃないの」
683: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:02:54.04 ID:inrIluUEr.net
「いや、それは友達としてで、恋愛感情的な好きは夏凜さんなんです!」
「馬鹿言ってんじゃないわよ、私にそっちの趣味は無いし友奈が悲しむでしょう!」
「そんな!友奈にもそのこと話しました!そしたら応援するって」
「え...友奈が応援するって言ったの?」
「はい」
「そうかぁ...」
夏凜ちゃん、なんか悲しそう
「あの・・・」
「なによ?」
「夏凜さんってもしかして友奈のこと好きなんですか?」
「ばっ!んなわけないでしょうが!友奈と百合百合したいなんて思ってないわ!」
あービンゴだよ
「馬鹿言ってんじゃないわよ、私にそっちの趣味は無いし友奈が悲しむでしょう!」
「そんな!友奈にもそのこと話しました!そしたら応援するって」
「え...友奈が応援するって言ったの?」
「はい」
「そうかぁ...」
夏凜ちゃん、なんか悲しそう
「あの・・・」
「なによ?」
「夏凜さんってもしかして友奈のこと好きなんですか?」
「ばっ!んなわけないでしょうが!友奈と百合百合したいなんて思ってないわ!」
あービンゴだよ
684: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:04:23.17 ID:inrIluUEr.net
「うふふ、実は友奈って私に惚れてるんですよ」
「は?」
「だから私の命令ならなんでも聞くんですよ」
「つまり、なんだよ!?」
「交換条件ですよ、友奈をあなたの物になるよう命令しますからあなたは私の物になって下さい」
「・・・その話、本当だな?」
「勇者に二言はございません」
場面変わり
「東郷さ~ん」
「わっ、急に抱きついてこないで」
「だって東郷さん可愛いんだも~ん」
「ねえ、友奈ちゃん」
「なあにぃ、東郷さん」
「は?」
「だから私の命令ならなんでも聞くんですよ」
「つまり、なんだよ!?」
「交換条件ですよ、友奈をあなたの物になるよう命令しますからあなたは私の物になって下さい」
「・・・その話、本当だな?」
「勇者に二言はございません」
場面変わり
「東郷さ~ん」
「わっ、急に抱きついてこないで」
「だって東郷さん可愛いんだも~ん」
「ねえ、友奈ちゃん」
「なあにぃ、東郷さん」
685: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:05:54.25 ID:inrIluUEr.net
「あなた、夏凜ちゃんの物になる気はない?」
「え?なにそれ?」
「実は、私は夏凜ちゃんが好きなの」
「え?そうなの?え??だってあの時あたしが一番好きって言ったじゃない!」
「落ち着いて友奈、友奈のこともちゃんと好きだから」
「東郷さん」
「でもね、夏凜ちゃんは友奈のことが好きみたいなのよ」
「三角関係じゃん」
「だのよ、だからこのままだと勇者部の人間関係が滅茶苦茶になるわ、だからあなたが夏凜ちゃんの物になって、夏凜ちゃんが私の物になれば丸く収まる」
「でも・・・私」
「わかって友奈ちゃん!勇者部の危機なのよ、それにあなたとの関係も別に今まで通りだから!」
「・・・わかった!あたし勇者部のために夏凜ちゃんの物になるわ!」
「話は聞かせて貰ったわ」
「え?なにそれ?」
「実は、私は夏凜ちゃんが好きなの」
「え?そうなの?え??だってあの時あたしが一番好きって言ったじゃない!」
「落ち着いて友奈、友奈のこともちゃんと好きだから」
「東郷さん」
「でもね、夏凜ちゃんは友奈のことが好きみたいなのよ」
「三角関係じゃん」
「だのよ、だからこのままだと勇者部の人間関係が滅茶苦茶になるわ、だからあなたが夏凜ちゃんの物になって、夏凜ちゃんが私の物になれば丸く収まる」
「でも・・・私」
「わかって友奈ちゃん!勇者部の危機なのよ、それにあなたとの関係も別に今まで通りだから!」
「・・・わかった!あたし勇者部のために夏凜ちゃんの物になるわ!」
「話は聞かせて貰ったわ」
686: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:06:59.29 ID:inrIluUEr.net
「風先輩!?」
「あなたたち、それでいいと思ってるの?」
「風先輩、あなたには関係無いでしょう」
「関係あるわ、だってあたしは友奈のことが好きなんだもん!!」
「えっ?冗談ですよね」
「冗談なんかじゃない!あたし、最初に友奈見た時から友奈のこと一目惚れしちゃってもう好きで好きでたまらなかったの」
「はあ」
「だけど、友奈は東郷に惚の字だし、あたしの割り込む余地なんかないって思ってた」
「先輩」
「でも、あんたたちの話聞いてて私も割り込む余地があるんじゃないかって」
「風先輩、ごめんなさい!先輩が割り込む余地は無いです」
「なんでよ?」
「あなたたち、それでいいと思ってるの?」
「風先輩、あなたには関係無いでしょう」
「関係あるわ、だってあたしは友奈のことが好きなんだもん!!」
「えっ?冗談ですよね」
「冗談なんかじゃない!あたし、最初に友奈見た時から友奈のこと一目惚れしちゃってもう好きで好きでたまらなかったの」
「はあ」
「だけど、友奈は東郷に惚の字だし、あたしの割り込む余地なんかないって思ってた」
「先輩」
「でも、あんたたちの話聞いてて私も割り込む余地があるんじゃないかって」
「風先輩、ごめんなさい!先輩が割り込む余地は無いです」
「なんでよ?」
687: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:07:56.62 ID:inrIluUEr.net
「メリット無いですし」
「じゃああなた達のこと大赦にばらすわよ!」
「先輩はそんなことしませんよね」
「ううっ、わかったわ好きにしなさい、ただしくれぐれも自分が勇者であることを忘れないでね」
「はい!」
風先輩って友奈が好きなんだ、これは何かに利用出来そうね
場面変わり
「というわけなの夏凜ちゃん」
「お、おう」
「もうあたしは夏凜ちゃんのものだよ!」
「う、うん」
「どうしたの?なんでも好きなことしていいんだよ?」
「じゃああなた達のこと大赦にばらすわよ!」
「先輩はそんなことしませんよね」
「ううっ、わかったわ好きにしなさい、ただしくれぐれも自分が勇者であることを忘れないでね」
「はい!」
風先輩って友奈が好きなんだ、これは何かに利用出来そうね
場面変わり
「というわけなの夏凜ちゃん」
「お、おう」
「もうあたしは夏凜ちゃんのものだよ!」
「う、うん」
「どうしたの?なんでも好きなことしていいんだよ?」
688: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:09:04.03 ID:inrIluUEr.net
そういいあたしは夏凜ちゃんに抱きつく
「違うんだよ」
「え?」
「そういうんじゃねえんだよぉぉ!!」
振りほどき走り去る夏凜ちゃん
夏凜ちゃんどうしたんだろう?
場面変わり
「東郷」
「夏凜さん」
「やはりあの話は無しだ」
「違うんだよ」
「え?」
「そういうんじゃねえんだよぉぉ!!」
振りほどき走り去る夏凜ちゃん
夏凜ちゃんどうしたんだろう?
場面変わり
「東郷」
「夏凜さん」
「やはりあの話は無しだ」
689: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (オッペケ) 2014/12/29(月) 08:10:42.31 ID:inrIluUEr.net
「え?まさか友奈が止めてって言ったんですか?」
「ちげーよ、なんか、友奈に幻滅しちゃったってか」
「どういうことです?」
「なんか思ってたのと違うってか、その、誰かの物になるってのがそもそも違うと思うんだ」
「ど・・・どういうことですか?それでは私は夏凜さんとイチャイチャ出来ないと言うことなんですか」
東郷はうろたえ、今にも泣きそうだ
「わ、私はただ純粋に夏凜さんに愛してほしい、ただそれだけです。友奈を利用して夏凜さんを傷つけてすみませんでした」
「東郷」
「お願いします!私を愛して下さい」
「ごめんな、それは出来ないんだ」
「そう・・・ですか」
「気づいてしまったんだ、自分が一番好きなのは風先輩だって」
え?これは・・・チャンスなの?風先輩に友奈をあてがい、風先輩に命令すれば夏凜ちゃんを私のものに出切る?
いえ、やりかたを間違えればまた今回みたいに・・・
でもこんなチャンス二度とこないかも、考えるのよ
あったわ、たった1つの冴えたやり方が
「ちげーよ、なんか、友奈に幻滅しちゃったってか」
「どういうことです?」
「なんか思ってたのと違うってか、その、誰かの物になるってのがそもそも違うと思うんだ」
「ど・・・どういうことですか?それでは私は夏凜さんとイチャイチャ出来ないと言うことなんですか」
東郷はうろたえ、今にも泣きそうだ
「わ、私はただ純粋に夏凜さんに愛してほしい、ただそれだけです。友奈を利用して夏凜さんを傷つけてすみませんでした」
「東郷」
「お願いします!私を愛して下さい」
「ごめんな、それは出来ないんだ」
「そう・・・ですか」
「気づいてしまったんだ、自分が一番好きなのは風先輩だって」
え?これは・・・チャンスなの?風先輩に友奈をあてがい、風先輩に命令すれば夏凜ちゃんを私のものに出切る?
いえ、やりかたを間違えればまた今回みたいに・・・
でもこんなチャンス二度とこないかも、考えるのよ
あったわ、たった1つの冴えたやり方が
701: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:18:13.56 ID:bO6LxpgL0.net
…
風「また捨て犬!?今月これで3件目よ!?」
樹「荒んだ世の中だねお姉ちゃん…」モグモグ
友奈「クラスに飼いたいって子が何人かいたから、私当たってみますね!」
東郷「…」ニコニコ
夏凜「…」
夏凜(あれからだいたい一ヶ月…東郷に変わった様子はない。悪い意味で)
夏凜(風も違和感を覚えてきてる。…樹は何も勘づいてないみたいだけど)
夏凜(最悪なのは、慣れてしまうこと…!あんな…異常な東郷を、そのままずっと放っておくわけにはいかない!)
夏凜(兄貴を通じて大赦には当たってみた。でも分かったのは装置が一点物の試作品で…技術開発者も不明ということだけ。大赦へ直接メールしても、音沙汰はなし)
夏凜(解除ボタン以外の解決方法は今のところない…)
夏凜(発動と違って解除するのに本人に向ける必要はない。ただボタンを押すだけでいい…なんのこっちゃない。指先一つで解決する)
夏凜(友奈にひとこと、伝えさえすれば…)
夏凜「…」ギュ
風「また捨て犬!?今月これで3件目よ!?」
樹「荒んだ世の中だねお姉ちゃん…」モグモグ
友奈「クラスに飼いたいって子が何人かいたから、私当たってみますね!」
東郷「…」ニコニコ
夏凜「…」
夏凜(あれからだいたい一ヶ月…東郷に変わった様子はない。悪い意味で)
夏凜(風も違和感を覚えてきてる。…樹は何も勘づいてないみたいだけど)
夏凜(最悪なのは、慣れてしまうこと…!あんな…異常な東郷を、そのままずっと放っておくわけにはいかない!)
夏凜(兄貴を通じて大赦には当たってみた。でも分かったのは装置が一点物の試作品で…技術開発者も不明ということだけ。大赦へ直接メールしても、音沙汰はなし)
夏凜(解除ボタン以外の解決方法は今のところない…)
夏凜(発動と違って解除するのに本人に向ける必要はない。ただボタンを押すだけでいい…なんのこっちゃない。指先一つで解決する)
夏凜(友奈にひとこと、伝えさえすれば…)
夏凜「…」ギュ
704: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:27:45.88 ID:bO6LxpgL0.net
―――… 私がこのまま…ほんの少し…体重を …―――
夏凜「…」ブルッ
バーテックスなんか比ではない。狂乱した風のそれとも違う。発するのは同じ『殺意』でも、性質は全く異質なものだ。
無機質さや衝動的な情動からは程遠い、あの生々しい…
夏凜「…っふ、…!」ガチガチ
明らかに人気のないところに来ても、そこに有り得ない視線を感じるのだ。
身体が、舌が、思考回路が、凍りついたように動かなくなる。
夏凜「…」ガチガチ
東郷「友奈ちゃん、あーん」
友奈「はむっ!」
神様。どうか、私が立ち直るその時まで、どうか…何事も起こりませんように―――
夏凜「…」ブルッ
バーテックスなんか比ではない。狂乱した風のそれとも違う。発するのは同じ『殺意』でも、性質は全く異質なものだ。
無機質さや衝動的な情動からは程遠い、あの生々しい…
夏凜「…っふ、…!」ガチガチ
明らかに人気のないところに来ても、そこに有り得ない視線を感じるのだ。
身体が、舌が、思考回路が、凍りついたように動かなくなる。
夏凜「…」ガチガチ
東郷「友奈ちゃん、あーん」
友奈「はむっ!」
神様。どうか、私が立ち直るその時まで、どうか…何事も起こりませんように―――
706: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:36:41.81 ID:bO6LxpgL0.net
友奈「おーいすぃ―――!!」」バタバタ
東郷「…」ニコニコ
私の『愛情』をたっぷり詰め込んだぼた餅を頬張る友奈ちゃんを見て、私の心が満たされていく。
でも足りないの。
それに外は危ない。夏凜ちゃんの眼にも光が戻り始めている。
世界を変える必要なんてなかったのね。私たちが変わればいいだけだもの。
準備は整った。友奈ちゃんちゅっ。
東郷「…」ニコニコ
私の『愛情』をたっぷり詰め込んだぼた餅を頬張る友奈ちゃんを見て、私の心が満たされていく。
でも足りないの。
それに外は危ない。夏凜ちゃんの眼にも光が戻り始めている。
世界を変える必要なんてなかったのね。私たちが変わればいいだけだもの。
準備は整った。友奈ちゃんちゅっ。
710: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:41:58.79 ID:bO6LxpgL0.net
…
カー… カァー…
東郷「これよ」
友奈「わぁ~すっごい土蔵だぁ~…近くで見るとまた違うねー」
東郷「ふふ、早い早い。見せたいものはこの中よ」
友奈「楽しみだなぁ!せっかくだし、暗くなる前に早くみちゃおうよ!」
東郷「ええ…」
ギイイィ…
カー… カァー…
東郷「これよ」
友奈「わぁ~すっごい土蔵だぁ~…近くで見るとまた違うねー」
東郷「ふふ、早い早い。見せたいものはこの中よ」
友奈「楽しみだなぁ!せっかくだし、暗くなる前に早くみちゃおうよ!」
東郷「ええ…」
ギイイィ…
713: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:50:34.64 ID:bO6LxpgL0.net
バターン…
友奈「うわっ!暗いよ東郷さん!」
東郷「電気つけるわね」パチッ
ヴーン…
友奈「あ、電気は通ってるんだ…ひえぇ、モノでいっぱいだぁ~」
東郷「全部家が建ち替わる前からあるらしいわ。前の土地の所有者のものか…もしかしてもっと前の時代の蔵かも」
友奈「はぇ~すっごいんだねー!」
スタ スタ
友奈「見た目の割に埃とかは溜まってないんだね」
東郷「ええ、それはまあ…掃除したから」
友奈「へえー?言ってくれた手伝ったのに~」
東郷「…くす、ありがとう友奈ちゃん」
友奈「うわっ!暗いよ東郷さん!」
東郷「電気つけるわね」パチッ
ヴーン…
友奈「あ、電気は通ってるんだ…ひえぇ、モノでいっぱいだぁ~」
東郷「全部家が建ち替わる前からあるらしいわ。前の土地の所有者のものか…もしかしてもっと前の時代の蔵かも」
友奈「はぇ~すっごいんだねー!」
スタ スタ
友奈「見た目の割に埃とかは溜まってないんだね」
東郷「ええ、それはまあ…掃除したから」
友奈「へえー?言ってくれた手伝ったのに~」
東郷「…くす、ありがとう友奈ちゃん」
715: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 10:54:58.41 ID:bO6LxpgL0.net
ガララ… カコン
東郷「ほらこれ」
友奈「何これー!地面に蓋!」
東郷「地下室よ。私が見つけたの。父も母も蔵には興味がなかったみたいで…知ってるのは私だけ」
友奈「おっ!ピーンときた!今からここを探検ってわけだね!」
東郷「……」ニコニコ
友奈「うぉぉぉ勇者っぽいぞー!一番!結城友奈いっきまーす!」ダッ!
東郷「どうぞどうぞ」
ギシッ ギッ
友奈「…階段急過ぎて駆け降りれないね」
東郷「そうね、危ないわ。ケガしたら大変だもの…」
東郷「ほらこれ」
友奈「何これー!地面に蓋!」
東郷「地下室よ。私が見つけたの。父も母も蔵には興味がなかったみたいで…知ってるのは私だけ」
友奈「おっ!ピーンときた!今からここを探検ってわけだね!」
東郷「……」ニコニコ
友奈「うぉぉぉ勇者っぽいぞー!一番!結城友奈いっきまーす!」ダッ!
東郷「どうぞどうぞ」
ギシッ ギッ
友奈「…階段急過ぎて駆け降りれないね」
東郷「そうね、危ないわ。ケガしたら大変だもの…」
719: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 11:07:25.27 ID:bO6LxpgL0.net
ザッ…
友奈「よっと!一番乗り!」タン!
友奈「あれ、思ったより広…い…」
ヴーン…
友奈「電気暗くてよく見えないけど…これ…」
東郷「…」タン
友奈「…座敷牢?」
東郷「……」スタスタ
友奈「すごい錆びの匂い…ほんとに何時から有ったんだろう、これ…」サワサワ
東郷「…ちょっと退いて?友奈ちゃん」スッ
友奈「うん?」
東郷「…」 カチャカチャ… カキン
友奈「…って東郷さん?なんで扉開けて…というか鍵持ってたの!?」
友奈「よっと!一番乗り!」タン!
友奈「あれ、思ったより広…い…」
ヴーン…
友奈「電気暗くてよく見えないけど…これ…」
東郷「…」タン
友奈「…座敷牢?」
東郷「……」スタスタ
友奈「すごい錆びの匂い…ほんとに何時から有ったんだろう、これ…」サワサワ
東郷「…ちょっと退いて?友奈ちゃん」スッ
友奈「うん?」
東郷「…」 カチャカチャ… カキン
友奈「…って東郷さん?なんで扉開けて…というか鍵持ってたの!?」
722: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 11:18:03.44 ID:bO6LxpgL0.net
東郷「…」スタスタ
友奈「わわっ!ダメだよ入っちゃ危ないよ!罠とかあるかも!!…ってそれはないか」
東郷「平気よ。ほら、友奈ちゃんも」
友奈「う、うう…」スイッ
… ピチョン…
友奈「ひ、ひええ…格子を超えたら雰囲気が違うね…ね、東郷さん…」ヒヤッ
友奈「うぇ~、なんか怖いよ…」
友奈「わわっ!ダメだよ入っちゃ危ないよ!罠とかあるかも!!…ってそれはないか」
東郷「平気よ。ほら、友奈ちゃんも」
友奈「う、うう…」スイッ
… ピチョン…
友奈「ひ、ひええ…格子を超えたら雰囲気が違うね…ね、東郷さん…」ヒヤッ
友奈「うぇ~、なんか怖いよ…」
725: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 11:28:29.84 ID:bO6LxpgL0.net
東郷「友奈ちゃんちょっと」チョイチョイ
友奈「なにー東郷さん?」トトト
東郷「これに手を置いてみて?」ニコニコ
友奈「なにこれ?…鎖が付いて、鉄の…えーと」
東郷「いいからいいから」ニコニコ
ガシッ
友奈「あう」
…カチャン
友奈「はえ?」
友奈「なにー東郷さん?」トトト
東郷「これに手を置いてみて?」ニコニコ
友奈「なにこれ?…鎖が付いて、鉄の…えーと」
東郷「いいからいいから」ニコニコ
ガシッ
友奈「あう」
…カチャン
友奈「はえ?」
729: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 11:30:44.46 ID:bO6LxpgL0.net
東郷「さ、反対の手も」クイッ
カチャン
友奈「うん?ん?」
東郷「でーきた♪」
ジャラジャラ…
カチャン
友奈「うん?ん?」
東郷「でーきた♪」
ジャラジャラ…
735: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 11:37:30.88 ID:bO6LxpgL0.net
友奈「おっ…お?…ふん!」グイッ!
ジャラララ… ガキン!
友奈「あ、あはは…すごーい手錠で繋がれちゃった~、あはは」
東郷「…」ニコニコ
友奈「なんか本物の罪人になっちゃったみたいだよー、なーんて、はは…」
東郷「…」ニコニコ
ピチョン…
友奈「…東郷さん」
東郷「…」ニコニコ
友奈「えーっと、そろそろ解いて欲しいかなーって…」
東郷「ダメです」
友奈「えっ」
東郷「友奈ちゃんはここに磔り付けます」
友奈「えっ」
ジャラララ… ガキン!
友奈「あ、あはは…すごーい手錠で繋がれちゃった~、あはは」
東郷「…」ニコニコ
友奈「なんか本物の罪人になっちゃったみたいだよー、なーんて、はは…」
東郷「…」ニコニコ
ピチョン…
友奈「…東郷さん」
東郷「…」ニコニコ
友奈「えーっと、そろそろ解いて欲しいかなーって…」
東郷「ダメです」
友奈「えっ」
東郷「友奈ちゃんはここに磔り付けます」
友奈「えっ」
754: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 12:14:36.50 ID:bO6LxpgLNIKU.net
東郷「今日から友奈ちゃんはここで暮らすのよ?お世話は全部、私に任せて」
友奈「え、東郷さん…え?」
東郷「お食事もちゃんと持ってきてあげる。お昼は私も学校があるから…食べさせてあげられないけど…朝晩の2食、栄養はきちんと考えて作るわ」
友奈「ちょっと」
東郷「着替えも、湯あみも…髪をすくのもストレッチも勉強も、全部私がやる」
友奈「え、東郷さん…え?」
東郷「お食事もちゃんと持ってきてあげる。お昼は私も学校があるから…食べさせてあげられないけど…朝晩の2食、栄養はきちんと考えて作るわ」
友奈「ちょっと」
東郷「着替えも、湯あみも…髪をすくのもストレッチも勉強も、全部私がやる」
755: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 12:16:33.01 ID:bO6LxpgLNIKU.net
友奈「は…」
東郷「そう…これからじっくり、友奈ちゃんの全部を…私に染めてあげる」
ニコニコ
友奈「…!」ブルッ
東郷「下の方は…うーん、こればっかりは仕方がないよね?…大丈夫、すぐに私が掃除してあげるから」ニコニコ
友奈「…と、東郷さん…その顔…やめてよ…東郷さんらしく、ないよ…」
東郷「誰にも邪魔はさせない。ずっと側に居て、どこにも行かないで…私と友奈ちゃんが同じ色に…ああ、素敵な色に染まったら…」フルッ
東郷「…っふ、ふうぅ…っくくく…!その時は…ふふ…!」ブルルッ
友奈「―――」ゾッ…
東郷「そう…これからじっくり、友奈ちゃんの全部を…私に染めてあげる」
ニコニコ
友奈「…!」ブルッ
東郷「下の方は…うーん、こればっかりは仕方がないよね?…大丈夫、すぐに私が掃除してあげるから」ニコニコ
友奈「…と、東郷さん…その顔…やめてよ…東郷さんらしく、ないよ…」
東郷「誰にも邪魔はさせない。ずっと側に居て、どこにも行かないで…私と友奈ちゃんが同じ色に…ああ、素敵な色に染まったら…」フルッ
東郷「…っふ、ふうぅ…っくくく…!その時は…ふふ…!」ブルルッ
友奈「―――」ゾッ…
757: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 12:18:28.33 ID:bO6LxpgLNIKU.net
友奈「…東郷さんっ!もう変な冗談はやめて!こんなの……!」
東郷「…その時は」スッ…
ピトッ
友奈「―――ひっ」
東郷「…一緒に、『素敵なところ』に…イキましょう?」
東郷「…その時は」スッ…
ピトッ
友奈「―――ひっ」
東郷「…一緒に、『素敵なところ』に…イキましょう?」
758: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 12:21:01.74 ID:bO6LxpgLNIKU.net
その瞬間、私の脳に湧きあがったものは恐怖ではなく、ただ一つの「疑問」だけでした。
生存本能とか…そういう生き物として優先されるべき諸々を押しのけて、なぜそんなものが前に出たのか。理由を考える暇はありませんでした。
東郷「…ん」スイッ
チュゥ…
友奈「!? ~~~~~!、!?」
ヂュ… チュ… レロ… ニチャッ…
生存本能とか…そういう生き物として優先されるべき諸々を押しのけて、なぜそんなものが前に出たのか。理由を考える暇はありませんでした。
東郷「…ん」スイッ
チュゥ…
友奈「!? ~~~~~!、!?」
ヂュ… チュ… レロ… ニチャッ…
759: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 12:21:28.09 ID:bO6LxpgLNIKU.net
目の前に居るコレは。東郷さんの顔で笑って、東郷さんの声で喋って、東郷さんの匂いを燻らせるこのヒトは…
ドンッ! バンッ! バタン!!
友奈「ん”!!んんんん”…ん…!!」ポロポロ
東郷「む…んっ…んぅ…っ!」
チュ… ヂチュ… ペチャッ…
一体、誰だ?
…ピチャン
ドンッ! バンッ! バタン!!
友奈「ん”!!んんんん”…ん…!!」ポロポロ
東郷「む…んっ…んぅ…っ!」
チュ… ヂチュ… ペチャッ…
一体、誰だ?
…ピチャン
882: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:53:48.04 ID:/lh9Q0h20.net
友奈が消えて2週間になった。
現在、勇者部としての活動は行っていない。放課後の全ての時間は友奈の捜索に使われている。
市街地は駆けずり回るように探しつくした。今日は県西の山道まで足を伸ばし、探索だ。
はっきり言って普通に考えると居るわけもない。だいぶ前に勇者部でピクニックに来たことがあるから…訪れたのはただそれだけの理由による。
…要するに、私たちはそこまで切羽詰まっていた。
現在、勇者部としての活動は行っていない。放課後の全ての時間は友奈の捜索に使われている。
市街地は駆けずり回るように探しつくした。今日は県西の山道まで足を伸ばし、探索だ。
はっきり言って普通に考えると居るわけもない。だいぶ前に勇者部でピクニックに来たことがあるから…訪れたのはただそれだけの理由による。
…要するに、私たちはそこまで切羽詰まっていた。
889: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:03:49.26 ID:/lh9Q0h20.net
ザッ… ザ…
風「っはー!…途中までバスだったとは言え…山道ってのは案外疲れるわね~」
樹「…うん」
夏凜「…」
ザッ ザクッ…
風「…人間って不思議よね」
夏凜「…」
風「数でいったらほんの5人のうちの1人よ? たったそれだけの人間の…居場所が分かんなくなるだけで…」
風「…部室…あんなに静かになるなんて…」
樹「…お姉ちゃん」ギュ
風「樹?」
樹「友奈さん、ほんとに…無事なのかな…」
風「っはー!…途中までバスだったとは言え…山道ってのは案外疲れるわね~」
樹「…うん」
夏凜「…」
ザッ ザクッ…
風「…人間って不思議よね」
夏凜「…」
風「数でいったらほんの5人のうちの1人よ? たったそれだけの人間の…居場所が分かんなくなるだけで…」
風「…部室…あんなに静かになるなんて…」
樹「…お姉ちゃん」ギュ
風「樹?」
樹「友奈さん、ほんとに…無事なのかな…」
890: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:05:07.17 ID:/lh9Q0h20.net
風「…樹」
樹「警察の人も、大赦の人まで…皆一生懸命探してくれてるって言ってたよ」
風「…」
樹「それなのに…これっぽっちも…てがかりも、何も見つからないなんて…」フルッ
風「やめなさい」
樹「もしかして…もしかしたら…!友奈さんは、もうっ…!」フルフル
風「――言うなっ!」
樹「…」ビクッ!
夏凜「…」
友奈の意識が無かった頃とはまた違う。
原因も何も分からない。「風や樹には」心当たりもない。勇者システムの一切と関連がないということは、逆に現実的な不安に繋がった。
戻りつつあった日常に、突如としてぽっかり空いた不気味な穴は、あるいはあのとき以上の混乱を勇者部にもたらしていた…
樹「警察の人も、大赦の人まで…皆一生懸命探してくれてるって言ってたよ」
風「…」
樹「それなのに…これっぽっちも…てがかりも、何も見つからないなんて…」フルッ
風「やめなさい」
樹「もしかして…もしかしたら…!友奈さんは、もうっ…!」フルフル
風「――言うなっ!」
樹「…」ビクッ!
夏凜「…」
友奈の意識が無かった頃とはまた違う。
原因も何も分からない。「風や樹には」心当たりもない。勇者システムの一切と関連がないということは、逆に現実的な不安に繋がった。
戻りつつあった日常に、突如としてぽっかり空いた不気味な穴は、あるいはあのとき以上の混乱を勇者部にもたらしていた…
892: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:07:28.12 ID:/lh9Q0h20.net
風「あっ…ご、ごめん、怒鳴ったりして…」
樹「ううん、私こそ…」
ナデッ
樹「…ん」
風「大丈夫…!うん、大丈夫よ!」ナデナデ
風「あの時だってそうだったじゃない?ずっとこのままかも…って不安にさせといてさ、結局何もなかったみたいに急に起きたじゃん、友奈のやつ」ナデナデ
樹「…うん」
風「…勇者部五箇条。友奈自身が言ってたでしょう?為せばたいてい何とかなる…って」
樹「うん」
風「こんな…理由も、意味もわかんないまま…居なくなっちゃうような奴じゃない…絶対に」
風「だから…信じて待とう?」
樹「…お姉ちゃん」
夏凜「…」
樹「ううん、私こそ…」
ナデッ
樹「…ん」
風「大丈夫…!うん、大丈夫よ!」ナデナデ
風「あの時だってそうだったじゃない?ずっとこのままかも…って不安にさせといてさ、結局何もなかったみたいに急に起きたじゃん、友奈のやつ」ナデナデ
樹「…うん」
風「…勇者部五箇条。友奈自身が言ってたでしょう?為せばたいてい何とかなる…って」
樹「うん」
風「こんな…理由も、意味もわかんないまま…居なくなっちゃうような奴じゃない…絶対に」
風「だから…信じて待とう?」
樹「…お姉ちゃん」
夏凜「…」
895: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:11:33.85 ID:/lh9Q0h20.net
夏凜「…」
東郷は居ない。調べたいことがあるから、と最近は早々に家に帰ってしまう。
風もそれを無理に引きとめることはなかった。
夏凜「…っ!」ブル
東郷が関わっていないわけがない。
身体の震えはまだ収まらない…でも、きっともう行ける。友奈の居ない2週間を以て漸く、どうにもならないレベルから回復した。
東郷は居ない。調べたいことがあるから、と最近は早々に家に帰ってしまう。
風もそれを無理に引きとめることはなかった。
夏凜「…っ!」ブル
東郷が関わっていないわけがない。
身体の震えはまだ収まらない…でも、きっともう行ける。友奈の居ない2週間を以て漸く、どうにもならないレベルから回復した。
896: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:12:39.19 ID:/lh9Q0h20.net
夏凜「…風」
風「ん?何さ夏凜」
風達まで危険に曝す訳にはいかない。…真実を追えるのは私だけだ。
夏凜「これからは、私も別行動をとらせてもらうわ。…その、探す範囲は広い方がいいでしょうし」
風「…夏凜、それは…」
風「…」
風「分かったわ、好きにしなさい」
夏凜「ありがとう。じゃ、早速だけど今日はこれで失礼するわ」クルッ
ザッ タタタタ…
風「は?…ちょ!?夏凜!?」
風「ん?何さ夏凜」
風達まで危険に曝す訳にはいかない。…真実を追えるのは私だけだ。
夏凜「これからは、私も別行動をとらせてもらうわ。…その、探す範囲は広い方がいいでしょうし」
風「…夏凜、それは…」
風「…」
風「分かったわ、好きにしなさい」
夏凜「ありがとう。じゃ、早速だけど今日はこれで失礼するわ」クルッ
ザッ タタタタ…
風「は?…ちょ!?夏凜!?」
899: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:18:02.82 ID:/lh9Q0h20.net
ヒュー…
風「早いわね、もう見えなくなっちゃった」
樹「…」
風(ほんとーに分かりやすい…思いつめた顔って感じね…)
風「…どいつもこいつも、『悩んだら相談』って条文だけ無視し放題なんだから。困った困った」
樹「…」
…ポロッ
風「…あらら」
スッ
風「…ぎゅー!ほれ、可愛い顔が台無しだぞー妹よ」ギュウ
樹「……お姉ちゃん…っ…!」ポロポロ
風「大丈夫。このまま勇者部をバラバラになんて…絶対させないんだから」
樹「う、うえーん…うう…!」ポロポロ
風「…」
風「早いわね、もう見えなくなっちゃった」
樹「…」
風(ほんとーに分かりやすい…思いつめた顔って感じね…)
風「…どいつもこいつも、『悩んだら相談』って条文だけ無視し放題なんだから。困った困った」
樹「…」
…ポロッ
風「…あらら」
スッ
風「…ぎゅー!ほれ、可愛い顔が台無しだぞー妹よ」ギュウ
樹「……お姉ちゃん…っ…!」ポロポロ
風「大丈夫。このまま勇者部をバラバラになんて…絶対させないんだから」
樹「う、うえーん…うう…!」ポロポロ
風「…」
900: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:18:39.21 ID:/lh9Q0h20.net
ガッ! ガササッ!
夏凜「よっ、ほっ…!」ヨジヨジ
ガサッ
夏凜「よい…っと!うわっ!」フラッ ガシ!
バササッ…
夏凜「とと、危ない危ない…流石に木の上は安定しないわね…」
夏凜(この距離なら大丈夫でしょう…中は見えないけど、東郷邸の様子は見渡せる)
夏凜「よっ、ほっ…!」ヨジヨジ
ガサッ
夏凜「よい…っと!うわっ!」フラッ ガシ!
バササッ…
夏凜「とと、危ない危ない…流石に木の上は安定しないわね…」
夏凜(この距離なら大丈夫でしょう…中は見えないけど、東郷邸の様子は見渡せる)
902: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:19:04.93 ID:/lh9Q0h20.net
夏凜「双眼鏡はっと…あったわ」ゴソゴソ
夏凜「…」カチャ
夏凜(学校での動きは同じクラスだから把握できる。何かあるとすれば…当然だけど、放課後から翌日の登校までの間)
夏凜(暗視機能付きで夜もバッチリよ!家の中が分からない以上完全ではないけど…闇に紛れた外出なんかは把握できる)
夏凜(にぼしは常備!これさえあれば徹夜なんてなんのその)ゴソゴソ
夏凜「さあ、根比べよ東郷…!」ポリッ!
夏凜「…」カチャ
夏凜(学校での動きは同じクラスだから把握できる。何かあるとすれば…当然だけど、放課後から翌日の登校までの間)
夏凜(暗視機能付きで夜もバッチリよ!家の中が分からない以上完全ではないけど…闇に紛れた外出なんかは把握できる)
夏凜(にぼしは常備!これさえあれば徹夜なんてなんのその)ゴソゴソ
夏凜「さあ、根比べよ東郷…!」ポリッ!
904: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:26:14.54 ID:/lh9Q0h20.net
ガチャン …バタン
東郷「…」
手製の晩御飯が乗った盆を持って外に出ると、ヒリつくような視線を感じた。
東郷「やっと来てくれたのね、夏凜ちゃん」
丁度右前方に気配。監視が行われるならここだろう…といくつか当たりは付けていたが、こうも上手くいってくれるとは。
間違いなく川越しの小山の木立からだ。今目を合わすわけにはいかない。焦らずとも後で3番のカメラを確認すれば、あのにぼし女が映っている筈だ。
東郷「…」
手製の晩御飯が乗った盆を持って外に出ると、ヒリつくような視線を感じた。
東郷「やっと来てくれたのね、夏凜ちゃん」
丁度右前方に気配。監視が行われるならここだろう…といくつか当たりは付けていたが、こうも上手くいってくれるとは。
間違いなく川越しの小山の木立からだ。今目を合わすわけにはいかない。焦らずとも後で3番のカメラを確認すれば、あのにぼし女が映っている筈だ。
905: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:27:00.15 ID:/lh9Q0h20.net
東郷「…~♪ …おっと」
スキップしそうになるのを堪えて歩く。十数秒歩いて、土蔵に辿り着く。
ギイイィ…
東郷「…」
…バタン
東郷「…くふっ」
わざとらしく勿体つけて、見せつけるように土蔵に入ると、後ろ手に重い扉を閉めて、小さく顔をほころばせた。
嬉しくない筈がない。これで一番の懸案事項が排除されるのだから。
スキップしそうになるのを堪えて歩く。十数秒歩いて、土蔵に辿り着く。
ギイイィ…
東郷「…」
…バタン
東郷「…くふっ」
わざとらしく勿体つけて、見せつけるように土蔵に入ると、後ろ手に重い扉を閉めて、小さく顔をほころばせた。
嬉しくない筈がない。これで一番の懸案事項が排除されるのだから。
914: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:41:03.96 ID:/lh9Q0h20.net
年末で忙しくて遅いのごめんね
反応あったから嬉しくて細々と書いちゃったけど30朝から31まで居なくなるのん
今晩終わらなかったら年越して立て直すのよすまんこ 暇だったら見てね
反応あったから嬉しくて細々と書いちゃったけど30朝から31まで居なくなるのん
今晩終わらなかったら年越して立て直すのよすまんこ 暇だったら見てね
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1419667755/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ 結城友奈は勇者である | Comments (0)
ルルーシュ「さ、作戦中に便意が・・・くっ!」
1 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:10:08
ルルーシュ「くくく、今回の作戦も順調だ。このままエリア51を日本に・・・・。」
ルルーシュ「そしてナナリーの住みやすい国を・・・を・・・はぅっ!!」
b3『ゼロ、次の指示を!』
ルルーシュ「う、右翼から・・・展開して・・・・壁の方向へ撃ちまくれ・・・・はぁはぁ」
b3『大丈夫か?ゼロ。苦しそうだが。』
ルルーシュ「気にするな!作戦の遂行を第一に考えぇ・・・・ろぉっ!」
ルルーシュ「そしてナナリーの住みやすい国を・・・を・・・はぅっ!!」
b3『ゼロ、次の指示を!』
ルルーシュ「う、右翼から・・・展開して・・・・壁の方向へ撃ちまくれ・・・・はぁはぁ」
b3『大丈夫か?ゼロ。苦しそうだが。』
ルルーシュ「気にするな!作戦の遂行を第一に考えぇ・・・・ろぉっ!」
2 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:14:22
b3『わ、わかった・・・』プツッ
ルルーシュ「くそ、作戦中に便意などと・・・そこの倉庫で済ませるしかないのか。」
ルルーシュ「仕方無い、ナイトメアから降りるか・・・・」
ルルーシュ「はぁはぁ・・・・ふ、服を脱がねば・・・・・しかし仮面は取ってはいけないな。」
ぬぎぬぎ
ルルーシュ「これではまるで変態だな・・・・しかし、便意が・・・・っ!」
ルルーシュ「くそ、作戦中に便意などと・・・そこの倉庫で済ませるしかないのか。」
ルルーシュ「仕方無い、ナイトメアから降りるか・・・・」
ルルーシュ「はぁはぁ・・・・ふ、服を脱がねば・・・・・しかし仮面は取ってはいけないな。」
ぬぎぬぎ
ルルーシュ「これではまるで変態だな・・・・しかし、便意が・・・・っ!」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:18:01
ルルーシュ「で、出るっ・・・・くぅっ!!」ぶりぶりぶりぶり・・・・
d4『ゼロ、次の指示を!』
ルルーシュ『ひゃ、100m後退しつつ前方に・・・・撃ちまくれぇっ!!」ぶりぶりぶりいいいいいいい
ルルーシュ「はぁ・・・はぁ・・・・・・」ぶりっ・・・ぶりっ・・・・
ルルーシュ「まだ多少の異物感があるな・・・・」
兵士「ん・・・・なぜナイトフレームがこんなところに・・・・・!!貴様、そこで何をしている!!」
ルルーシュ「み、見つかってしまった!?」
兵士「き、貴様・・・その仮面、ゼロか!」
d4『ゼロ、次の指示を!』
ルルーシュ『ひゃ、100m後退しつつ前方に・・・・撃ちまくれぇっ!!」ぶりぶりぶりいいいいいいい
ルルーシュ「はぁ・・・はぁ・・・・・・」ぶりっ・・・ぶりっ・・・・
ルルーシュ「まだ多少の異物感があるな・・・・」
兵士「ん・・・・なぜナイトフレームがこんなところに・・・・・!!貴様、そこで何をしている!!」
ルルーシュ「み、見つかってしまった!?」
兵士「き、貴様・・・その仮面、ゼロか!」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:20:08
兵士「し、しかし全裸で仮面だけとは・・・・・それにこの匂い・・・・・。」
ルルーシュ「ふっ、いかにも!私の名はゼロっ!!」
ルルーシュ「貴様には・・・・トイレットペーパーを持ってきてもらおうか!!」
カッ!
兵士「わかった。少し待っていろ・・・・。」
ルルーシュ「くくく・・・・しかし全裸で待つのは寒いな。」
ルルーシュ「ふっ、いかにも!私の名はゼロっ!!」
ルルーシュ「貴様には・・・・トイレットペーパーを持ってきてもらおうか!!」
カッ!
兵士「わかった。少し待っていろ・・・・。」
ルルーシュ「くくく・・・・しかし全裸で待つのは寒いな。」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:25:07
カレン『ゼロ、次の指示を!』
ルルーシュ「カレンは、b3の援護をしつつ左翼より敵周りこみ奇襲をかけろ。」
ルルーシュ「b3、b4、カレンの奇襲が始まり次第カレンの援護に転じろ。」
ツカツカツカ
兵士「すまないがトイレットペーパーがなかった。」
兵士「代わりと言ってはなんだが、クッキングペーパーを拾ってきた。」
ルルーシュ「十分だ。ご苦労。」ガチャッ ドムンッ
兵士「ぐはぁ・・・・・」
ルルーシュ「早く拭かねば・・・・」ふきふき
ルルーシュ「カレンは、b3の援護をしつつ左翼より敵周りこみ奇襲をかけろ。」
ルルーシュ「b3、b4、カレンの奇襲が始まり次第カレンの援護に転じろ。」
ツカツカツカ
兵士「すまないがトイレットペーパーがなかった。」
兵士「代わりと言ってはなんだが、クッキングペーパーを拾ってきた。」
ルルーシュ「十分だ。ご苦労。」ガチャッ ドムンッ
兵士「ぐはぁ・・・・・」
ルルーシュ「早く拭かねば・・・・」ふきふき
7 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:30:01
ルルーシュ「よし、作戦も終盤か。そろそろ戻るとしよう。」ぱさっ
ルルーシュ「全機、帰投しろ!集合地点は34-dだ。」
『了解』
ルルーシュ「今日も何事もなく・・・・何かはあったが、問題は無いな。」ちらっ
ぷぅ~ん
カレン「ゼロ、体調が悪かったみたいだったけど・・・。」
ルルーシュ「気にするな。ちょっとしたアクシデントだ。」
カレン「そ、そう・・・・・ならいいんだけど・・・・・・。」
ルルーシュ「全機、帰投しろ!集合地点は34-dだ。」
『了解』
ルルーシュ「今日も何事もなく・・・・何かはあったが、問題は無いな。」ちらっ
ぷぅ~ん
カレン「ゼロ、体調が悪かったみたいだったけど・・・。」
ルルーシュ「気にするな。ちょっとしたアクシデントだ。」
カレン「そ、そう・・・・・ならいいんだけど・・・・・・。」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:34:50
ルルーシュ「はぁはぁ・・・最近便意がすごい・・・・なぜだ!」
c.c.「ルルーシュ、それはギアスの影響だ。」
ルルーシュ「な、なに!?聞いていないぞ!!」
c.c.「そんなことを私の口から言えると思うか?」
c.c.「仮にも可憐な乙女だぞ?」ピザ パクパク
ルルーシュ「不老不死の魔女が、よくもそんな口をたたけ・・・たた・・・・・・トイレに行く。」
c.c.「ギアスを使えば使うほど、便意が近くなる。」
c.c.「諸刃の剣だ、そしてなによりもぉ・・・・」
ルルーシュ「は、話は後にしろ、ここで漏らさせたいのか!」たったったったった
c.c.「相変わらずからかい甲斐のある奴だ。」
c.c.「ルルーシュ、それはギアスの影響だ。」
ルルーシュ「な、なに!?聞いていないぞ!!」
c.c.「そんなことを私の口から言えると思うか?」
c.c.「仮にも可憐な乙女だぞ?」ピザ パクパク
ルルーシュ「不老不死の魔女が、よくもそんな口をたたけ・・・たた・・・・・・トイレに行く。」
c.c.「ギアスを使えば使うほど、便意が近くなる。」
c.c.「諸刃の剣だ、そしてなによりもぉ・・・・」
ルルーシュ「は、話は後にしろ、ここで漏らさせたいのか!」たったったったった
c.c.「相変わらずからかい甲斐のある奴だ。」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:46:30
カレン「ルルーシュ!どうしたの?トイレに閉じ篭って・・・・!」ドンドン
カレン「(もしかして、何か悩み事をひとりで抱え込んで・・・・)」
ざばーん パシュッ
ルルーシュ「なんでもない。気にするな。それより、誰かの目がある。ゼロと呼べ。」
カレン「それならいいんだけど・・・・・(ルルーシュ、何かひとりで抱え込んでる」
ルルーシュ「それよりも、次の作戦だが・・・・」
ルルーシュ「くそっ!ナイトフレームにトイレットペーパーと携帯トイレを持ち込むとは・・・・。」
ルルーシュ「常に全裸での戦闘・・・・なぜか癖になりそうだ・・・・・。」
カレン「(もしかして、何か悩み事をひとりで抱え込んで・・・・)」
ざばーん パシュッ
ルルーシュ「なんでもない。気にするな。それより、誰かの目がある。ゼロと呼べ。」
カレン「それならいいんだけど・・・・・(ルルーシュ、何かひとりで抱え込んでる」
ルルーシュ「それよりも、次の作戦だが・・・・」
ルルーシュ「くそっ!ナイトフレームにトイレットペーパーと携帯トイレを持ち込むとは・・・・。」
ルルーシュ「常に全裸での戦闘・・・・なぜか癖になりそうだ・・・・・。」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:49:13
カレン「ねぇ、ルルーシュ・・・・・」
ルルーシュ「どうした、カレン。」
カレン「最近、悩み事とかひとりで抱え込んで無い?」チラチラ
ルルーシュ「そ、そんなことは無い。お前が気にするようなことでもない。」
カレン「そ、そう・・・・・(やっぱり・・・)」
ルルーシュ「作戦中に携帯トイレが全滅・・・・またナイトフレームから降りて・・・」
ルルーシュ「あそこの倉庫にするか。」
ルルーシュ「・・・・慣れてきたな。」ぶりぶり
カレン「ねぇ、ルルーシュ・・・・!?」
ルルーシュ「み、見るな!カレン、見るんじゃない!!」
ルルーシュ「どうした、カレン。」
カレン「最近、悩み事とかひとりで抱え込んで無い?」チラチラ
ルルーシュ「そ、そんなことは無い。お前が気にするようなことでもない。」
カレン「そ、そう・・・・・(やっぱり・・・)」
ルルーシュ「作戦中に携帯トイレが全滅・・・・またナイトフレームから降りて・・・」
ルルーシュ「あそこの倉庫にするか。」
ルルーシュ「・・・・慣れてきたな。」ぶりぶり
カレン「ねぇ、ルルーシュ・・・・!?」
ルルーシュ「み、見るな!カレン、見るんじゃない!!」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:53:17
カレン「ご、ごめんなさい・・・・」くるっ
ルルーシュ「・・・・・・(と、止らない・・・倉庫のためか音も響く」ぶりぶりぶりぶりぃ!
カレン「・・・・・・///」
ルルーシュ「ただのトイレだ。気にするな。」ふきふき
カレン「そ、そうよね・・・人間だものね・・・・・。」
カレン「わ、私も分かるわ!そういうのって作戦にも影響が出るし・・・・///」ちらちら
ルルーシュ「よし、作戦を続行するぞ。」ぱさっ
カレン「わかったわ・・・・(す、すごい匂い。興奮しちゃう・・・)」うずうず
ルルーシュ「・・・・・・(と、止らない・・・倉庫のためか音も響く」ぶりぶりぶりぶりぃ!
カレン「・・・・・・///」
ルルーシュ「ただのトイレだ。気にするな。」ふきふき
カレン「そ、そうよね・・・人間だものね・・・・・。」
カレン「わ、私も分かるわ!そういうのって作戦にも影響が出るし・・・・///」ちらちら
ルルーシュ「よし、作戦を続行するぞ。」ぱさっ
カレン「わかったわ・・・・(す、すごい匂い。興奮しちゃう・・・)」うずうず
12 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:55:44
カレン「ル、ルルーシュは最近体調が悪いの?」
ルルーシュ「いや、そういうわけじゃないが。ただ・・・便意がすごいだけだ。」
カレン「・・・・・・(スカトロ好きって言ったら嫌われるかしら)」
カレン「・・・・・・(それともこれってルルーシュからのアピール?)」
ルルーシュ「どうした、カレン。作戦を続行するぞ。」
カレン「わ、わかったわ!(確かめないと・・・スカトロマニアの血が騒ぐわ!)」
ルルーシュ「いや、そういうわけじゃないが。ただ・・・便意がすごいだけだ。」
カレン「・・・・・・(スカトロ好きって言ったら嫌われるかしら)」
カレン「・・・・・・(それともこれってルルーシュからのアピール?)」
ルルーシュ「どうした、カレン。作戦を続行するぞ。」
カレン「わ、わかったわ!(確かめないと・・・スカトロマニアの血が騒ぐわ!)」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 13:59:41
c,c,「・・・・大体の事情はわかった。」
カレン「ルルーシュは・・・ゼロはスカトロマニアなの?教えて!」
c.c.「そうだ・・・・・(これはおもしろい展開になってきたな」
カレン「や、やっぱりそうだったのね・・・・野外であんなに・・・・・。」
カレン「野外で出す為だけに日頃溜め込んでるのね・・・・・・///」
c.c.「まぁ、そういう節もあるが、何よりも誰かに見て欲しいんだろう。」
c.c.「いつも仮面をつけているからな。自己表現の場が欲しいという欲求だ。」
カレン「や、やっぱり・・・・ルルーシュのためなら私・・・がんばるわ!」
c.c.「しかし奴は相当奥手だからな、猛烈にアタックしないと・・・・」
カレン「私だってやれるときはやれるわ!!」
カレン「ルルーシュは・・・ゼロはスカトロマニアなの?教えて!」
c.c.「そうだ・・・・・(これはおもしろい展開になってきたな」
カレン「や、やっぱりそうだったのね・・・・野外であんなに・・・・・。」
カレン「野外で出す為だけに日頃溜め込んでるのね・・・・・・///」
c.c.「まぁ、そういう節もあるが、何よりも誰かに見て欲しいんだろう。」
c.c.「いつも仮面をつけているからな。自己表現の場が欲しいという欲求だ。」
カレン「や、やっぱり・・・・ルルーシュのためなら私・・・がんばるわ!」
c.c.「しかし奴は相当奥手だからな、猛烈にアタックしないと・・・・」
カレン「私だってやれるときはやれるわ!!」
14 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 14:02:53
カレン「ね、ねぇルルーシュ・・・・・・」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「私、最近トイレが近いの、どうしてかな・・・・・///」
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「(ま、まさかカレン・・・もギアスを手に入れたのか!?)」
カレン「そ、それでね・・・・ちょっと話があるから、屋上に来てくれない?」
ルルーシュ「・・・・・あぁ、わかった。聞きたいこともあるしな。」
カレン「!?」
カレン「(や、やっぱりc.c.の言う通りだったんだわ・・・・・!)」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「私、最近トイレが近いの、どうしてかな・・・・・///」
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「(ま、まさかカレン・・・もギアスを手に入れたのか!?)」
カレン「そ、それでね・・・・ちょっと話があるから、屋上に来てくれない?」
ルルーシュ「・・・・・あぁ、わかった。聞きたいこともあるしな。」
カレン「!?」
カレン「(や、やっぱりc.c.の言う通りだったんだわ・・・・・!)」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 14:08:14
カレン「その・・・・ルルーシュは・・・・・み、見られるのが好きなの?」
カレン「それとも見るのが好きなの?・・・・・///」
ルルーシュ「(見る!? ギアスを使うということか!?)」
ルルーシュ「(これは脅迫だ、どう答える。答え方によってはカレンが俺にギアスを・・・)」
ルルーシュ「(ここはひとまず様子を見るしかないな・・・・)」
ルルーシュ「どちらかというと、見るほうが好きかな・・・・(ギアス的にはな)」
カレン「そ、そうなんだ・・・・(わ、私のを見たいってことなのね・・・・///)」
カレン「わ、分かったわ・・・・トイレに、行きましょう?」
ルルーシュ「(み、密室!? 返答にミスがあったのか!?ギアスを使われる前に殺すか・・・・)」
カレン「それとも見るのが好きなの?・・・・・///」
ルルーシュ「(見る!? ギアスを使うということか!?)」
ルルーシュ「(これは脅迫だ、どう答える。答え方によってはカレンが俺にギアスを・・・)」
ルルーシュ「(ここはひとまず様子を見るしかないな・・・・)」
ルルーシュ「どちらかというと、見るほうが好きかな・・・・(ギアス的にはな)」
カレン「そ、そうなんだ・・・・(わ、私のを見たいってことなのね・・・・///)」
カレン「わ、分かったわ・・・・トイレに、行きましょう?」
ルルーシュ「(み、密室!? 返答にミスがあったのか!?ギアスを使われる前に殺すか・・・・)」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 14:12:46
ルルーシュ「(女子トイレの個室でふたりきり・・・・どうする・・・・・もうカレンにギアスは使えない)」
ルルーシュ「(ならば殺すしか・・・・)」
カレン「あ、あのね・・・・ルルーシュ、私を見ててね?」
ルルーシュ「あっ、あぁ・・・って、え?」
カレン「は、恥かしいけど・・・・見ててね・・・・・はぁはぁ」するする
ルルーシュ「ちょ、ちょっとまてカレン!俺にそんな趣味はない!!」
カレン「(やっぱり奥手なのね。どんどん行かなきゃ!)」
カレン「ダメ!ルルーシュに見て欲しいの!お願いだから・・・・ね?」
ルルーシュ「(い、一体どうすればいいんだ・・・・これはギアスに関係しているのか?どういうことだ?)」
ルルーシュ「(ならば殺すしか・・・・)」
カレン「あ、あのね・・・・ルルーシュ、私を見ててね?」
ルルーシュ「あっ、あぁ・・・って、え?」
カレン「は、恥かしいけど・・・・見ててね・・・・・はぁはぁ」するする
ルルーシュ「ちょ、ちょっとまてカレン!俺にそんな趣味はない!!」
カレン「(やっぱり奥手なのね。どんどん行かなきゃ!)」
カレン「ダメ!ルルーシュに見て欲しいの!お願いだから・・・・ね?」
ルルーシュ「(い、一体どうすればいいんだ・・・・これはギアスに関係しているのか?どういうことだ?)」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 14:16:14
カレン「はぁ・・・・はぁ・・・・・んふっ!」じょぼじょぼじょぼじょぼ・・・
カレン「で、出るよルルーシュ・・・・みててね・・・・んはぁっ!」ぶりぶりぶりぶり
ルルーシュ「(どうすればいい!?ギアスで俺を脅迫してこんなことを・・・・)」
ルルーシュ「(だが・・・・・悪い気がしないのはなぜだ?)」
カレン「ま、まだ出るぅ・・・・んっ!」ぶりゅりゅりゅりゅりゅ・・・・
ルルーシュ「なぁ、カレン・・・・・」
カレン「な、なぁに?」
ルルーシュ「なぜこんなことをするんだ?」
カレン「ル、ルルーシュに悦んで欲しくて・・・・・」
カレン「で、出るよルルーシュ・・・・みててね・・・・んはぁっ!」ぶりぶりぶりぶり
ルルーシュ「(どうすればいい!?ギアスで俺を脅迫してこんなことを・・・・)」
ルルーシュ「(だが・・・・・悪い気がしないのはなぜだ?)」
カレン「ま、まだ出るぅ・・・・んっ!」ぶりゅりゅりゅりゅりゅ・・・・
ルルーシュ「なぁ、カレン・・・・・」
カレン「な、なぁに?」
ルルーシュ「なぜこんなことをするんだ?」
カレン「ル、ルルーシュに悦んで欲しくて・・・・・」
18 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 14:20:02
カレン「それにルルーシュ、どうしてココ、こんなになってるの?」
ルルーシュ「そ、それは・・・・カレンが全裸でそんなことするからだろ・・・・・」
カレン「じゃあ、ここで色々しちゃおうよ・・・・///」
ルルーシュ「ここはまずいって・・・・場所を移そう・・・・・・。」
ナイトメアフレーム内部
カレン「ここなら誰にも邪魔されないよね・・・・はぁはぁ・・・・・」
ルルーシュ「そうだな・・・。ただ体位が限られるが・・・・・。」
ルルーシュ「(とりあえず機嫌を取って情報を聞き出すか。)」
ルルーシュ「そ、それは・・・・カレンが全裸でそんなことするからだろ・・・・・」
カレン「じゃあ、ここで色々しちゃおうよ・・・・///」
ルルーシュ「ここはまずいって・・・・場所を移そう・・・・・・。」
ナイトメアフレーム内部
カレン「ここなら誰にも邪魔されないよね・・・・はぁはぁ・・・・・」
ルルーシュ「そうだな・・・。ただ体位が限られるが・・・・・。」
ルルーシュ「(とりあえず機嫌を取って情報を聞き出すか。)」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:26:20
カレン「はぁはぁ・・・・ルルーシュ、早くぅ・・・・」
カレン「あぁっ!アナル・・・・なめちゃ汚いぃ・・・くぅっ!」
ルルーシュ「何を言ってるんだ・・・・ぺろぺろ・・・・すごいことになってるぞ?」
ルルーシュ「匂いも・・・・それにこっちも、もうびちょびちょだぞ・・・・・はむ、れろれろ」
カレン「あっあっ!だ、ダメよ汚い・・・んぅふぅ・・・はぁはぁ・・・・あっあっ!」
ルルーシュ「クリトリスがやっぱり弱点なのか?」チュパチュパ
カレン「やっ!やめっ!あっ!吸っちゃ!だめぇっ!あっ・・・ん」
カレン「あぁっ!アナル・・・・なめちゃ汚いぃ・・・くぅっ!」
ルルーシュ「何を言ってるんだ・・・・ぺろぺろ・・・・すごいことになってるぞ?」
ルルーシュ「匂いも・・・・それにこっちも、もうびちょびちょだぞ・・・・・はむ、れろれろ」
カレン「あっあっ!だ、ダメよ汚い・・・んぅふぅ・・・はぁはぁ・・・・あっあっ!」
ルルーシュ「クリトリスがやっぱり弱点なのか?」チュパチュパ
カレン「やっ!やめっ!あっ!吸っちゃ!だめぇっ!あっ・・・ん」
23 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:27:20
ルルーシュ「よいしょっと。さて、マンコに何本入るか・・・」
カレン「な、何が?(ドキドキ」
ルルーシュ「まずは、1本・・・・いや、2本いくか。」
カレン「えっ?あぅっ!」
ルルーシュ「すんなり入ったなぁ、びちょびちょだぞ?指2本も入るなんて相当だなぁ」
カレン「言わないでぇルルーシュぅ・・・・・そ、その・・・・・・優しくして?ね?」
ルルーシュ「あぁ、少し狭いからな?頭とかぶつけないようにしないと。」
カレン「ありがと・・・うぅ・・・・はぁ・・・・あふぅ・・・」クネクネ
ルルーシュ「カレン、腰くねらせてどうしたんだ?」
カレン「き、気持ちよくて・・・・勝手に・・・・・・あぁ・・・ん・・・・」クネクネ
カレン「な、何が?(ドキドキ」
ルルーシュ「まずは、1本・・・・いや、2本いくか。」
カレン「えっ?あぅっ!」
ルルーシュ「すんなり入ったなぁ、びちょびちょだぞ?指2本も入るなんて相当だなぁ」
カレン「言わないでぇルルーシュぅ・・・・・そ、その・・・・・・優しくして?ね?」
ルルーシュ「あぁ、少し狭いからな?頭とかぶつけないようにしないと。」
カレン「ありがと・・・うぅ・・・・はぁ・・・・あふぅ・・・」クネクネ
ルルーシュ「カレン、腰くねらせてどうしたんだ?」
カレン「き、気持ちよくて・・・・勝手に・・・・・・あぁ・・・ん・・・・」クネクネ
24 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:28:13
ルルーシュ「それじゃあ、腰が動かないくらい激しくすればいいのか?」グチョグチョグチョグチョ
カレン「んあっ!いきなりぃいそんなにぃぃいいい!!んあっああっ!!」
カレン「ダメ!ルルーシュ・・・んあぁっ・・・・ダメだよぉぉお・・・・・そこダメぇ・・・・・」
ルルーシュ「そろそろ、3本入れようか」
カレン「えっ、無理だよ!3本はぁ、って!言う・・・・前にぃ・・・・・・く、くるしぃよぉ・・・・・」
ルルーシュ「確かに3本はキツイなぁ。そんなにしがみ付くほど苦しいのか。」
カレン「う、うん・・・・お願い、2本が良い・・・・・あぅ・・・・・いきなり・・・・・抜かないで・・・・・はぁはぁ」
ルルーシュ「あぁ、やっぱり1本にしよう。」
カレン「えっ、やだよ!2本がいい!2本でマンコぐちょぐちょにかき回して!お願い!!」
ルルーシュ「でもなぁ、1本しか無いんだよ。僕のは。ごめんなぁ」
カレン「んああぁあ!!チンポ入れるなら、先に言ってぇ・・・・!あぅっ!んああっ!!」グッチョグッチョ
カレン「癖に・・・・なりそう・・・・・んはぁ、気持ち良いよぉルルーシュ・・・・あぁっんっ!!」グッチョグッチョ
カレン「んあっ!いきなりぃいそんなにぃぃいいい!!んあっああっ!!」
カレン「ダメ!ルルーシュ・・・んあぁっ・・・・ダメだよぉぉお・・・・・そこダメぇ・・・・・」
ルルーシュ「そろそろ、3本入れようか」
カレン「えっ、無理だよ!3本はぁ、って!言う・・・・前にぃ・・・・・・く、くるしぃよぉ・・・・・」
ルルーシュ「確かに3本はキツイなぁ。そんなにしがみ付くほど苦しいのか。」
カレン「う、うん・・・・お願い、2本が良い・・・・・あぅ・・・・・いきなり・・・・・抜かないで・・・・・はぁはぁ」
ルルーシュ「あぁ、やっぱり1本にしよう。」
カレン「えっ、やだよ!2本がいい!2本でマンコぐちょぐちょにかき回して!お願い!!」
ルルーシュ「でもなぁ、1本しか無いんだよ。僕のは。ごめんなぁ」
カレン「んああぁあ!!チンポ入れるなら、先に言ってぇ・・・・!あぅっ!んああっ!!」グッチョグッチョ
カレン「癖に・・・・なりそう・・・・・んはぁ、気持ち良いよぉルルーシュ・・・・あぁっんっ!!」グッチョグッチョ
25 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:28:49
ルルーシュ「悦んでもらえてるようで、嬉しいよ。」グッチョグッチョ
カレン「ルルーシュは?ルルーシュは気持ち良い?私のマンコ気持ちいい?」
ルルーシュ「あぁ、すごく気持ちいいよ。なぁ、カレン。腹筋に力入れてみてくれ。」
カレン「こ、こう?」ギュウウ
ルルーシュ「くっ・・・・これはすごい締め付けだな・・・・・」
カレン「ルルーシュが気持ちよくなってくれるなら、私がんばるわ」
ルルーシュ「じゃあ、僕もがんばるよ」
カレン「ルルーシュは?ルルーシュは気持ち良い?私のマンコ気持ちいい?」
ルルーシュ「あぁ、すごく気持ちいいよ。なぁ、カレン。腹筋に力入れてみてくれ。」
カレン「こ、こう?」ギュウウ
ルルーシュ「くっ・・・・これはすごい締め付けだな・・・・・」
カレン「ルルーシュが気持ちよくなってくれるなら、私がんばるわ」
ルルーシュ「じゃあ、僕もがんばるよ」
26 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:29:12
カレン「は、激しいよぉ・・・はっはっ・・・・んぅはぁうぅ・・・・い・・・・・いぃ・・・・・気持ちいぃよぉ」グッチョグッチョ
カレン「んあぁぁ!はぅっ!はぅっ!もっとぉ、もっとマンコ突いてぇ・・・・めちゃくちゃにしてぇ」グッチョグッチョ
カレン「わ、わたしぃ・・イっちゃうぅ・・・イっちゃうよぉ・・・・イっちゃう・・・・・・」グッチョグッチョ
ルルーシュ「イっていいぞ。もっと激しくしてやるから。」
カレン「はげし・・・すぎる・・・・よ・・・・・イクゥ・・・・イっちゃうぅううう!ン――――!!」ビクビクッ
ルルーシュ「・・・・・イクときのカレンのマンコ、すごく気持ちよかったぞ」
カレン「はぁはぁ・・・・ルルーシュ・・・・・・」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「ルルーシュはイってないわよね?」
カレン「んあぁぁ!はぅっ!はぅっ!もっとぉ、もっとマンコ突いてぇ・・・・めちゃくちゃにしてぇ」グッチョグッチョ
カレン「わ、わたしぃ・・イっちゃうぅ・・・イっちゃうよぉ・・・・イっちゃう・・・・・・」グッチョグッチョ
ルルーシュ「イっていいぞ。もっと激しくしてやるから。」
カレン「はげし・・・すぎる・・・・よ・・・・・イクゥ・・・・イっちゃうぅううう!ン――――!!」ビクビクッ
ルルーシュ「・・・・・イクときのカレンのマンコ、すごく気持ちよかったぞ」
カレン「はぁはぁ・・・・ルルーシュ・・・・・・」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「ルルーシュはイってないわよね?」
27 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 18:30:39
ルルーシュ「あぁ、そうだな(カレン、特に害は無さそうだな・・・楽しませてもらうか。)」
カレン「いいよ?今夜はルルーシュの好きなだけエッチなことしてくれて・・・・明日は学校も休みだし・・・・・。」
ルルーシュ「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな?」
カレン「うん・・・・膣に出して、ね?・・・・あん♪」
ちゅっ
おわり
カレン「いいよ?今夜はルルーシュの好きなだけエッチなことしてくれて・・・・明日は学校も休みだし・・・・・。」
ルルーシュ「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな?」
カレン「うん・・・・膣に出して、ね?・・・・あん♪」
ちゅっ
おわり
28 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/14(土) 19:56:21
きてたー乙
後ろの穴が先だなんて……
後ろの穴が先だなんて……
29 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/01/16(月) 12:43:38
すごい展開になっててワロタwww
乙
乙
掲載元:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1326514208/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ コードギアス | Comments (0)
キョン「休日の午後?」ハルヒ「休日の午後!」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/28(日) 22:48:59.96 ID:o5jdpb4T0.net
とある休日、不思議探索は休みと団長様からお達しがあり、久々に惰眠を貪ることができるなどと俺は考えていた。
もはやお約束と言われても仕方がないのだが、ハルヒによってその快適な睡眠は妨げられることとなる。
いや、薄々はわかってはいたのだ。ここのところ何かと忙しく、ハルヒと二人っきりになる時間がほとんど無かった。
それをハルヒがどう思っていたのかは、今日の行動を待たずとも明白であったわけだ。
実際、俺としてもハルヒと一緒に過ごせないのは残念に思っていたわけで、本日の訪問は素直に嬉しく思う。
しかし、一つだけ納得いかないのは、快適な惰眠を妨げられたことだ。
もはやお約束と言われても仕方がないのだが、ハルヒによってその快適な睡眠は妨げられることとなる。
いや、薄々はわかってはいたのだ。ここのところ何かと忙しく、ハルヒと二人っきりになる時間がほとんど無かった。
それをハルヒがどう思っていたのかは、今日の行動を待たずとも明白であったわけだ。
実際、俺としてもハルヒと一緒に過ごせないのは残念に思っていたわけで、本日の訪問は素直に嬉しく思う。
しかし、一つだけ納得いかないのは、快適な惰眠を妨げられたことだ。
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 22:51:41.46 ID:o5jdpb4T0.net
「ちょっと、せっかく可愛い彼女が遊びに来てやってるのに、その言い草は何よ?」
「自分で可愛いとか言うな」
現在午後一時過ぎ、昼食を食べ終え、俺の部屋でのんびりとゲームなんぞをやっている。
ちなみにではあるが、両親、妹ともに外出しており、昼食はハルヒの作ってくれた炒飯だった。
美味かったとだけでも言っておこうか。
「それはそうと、キョン弱すぎ。これじゃあ対戦してる意味が無いじゃない。COMのほうがよっぽど強いわよ?」
「そりゃ、こんな状態で普段の実力を出せと言われても無理ってもんだ」
「自分で可愛いとか言うな」
現在午後一時過ぎ、昼食を食べ終え、俺の部屋でのんびりとゲームなんぞをやっている。
ちなみにではあるが、両親、妹ともに外出しており、昼食はハルヒの作ってくれた炒飯だった。
美味かったとだけでも言っておこうか。
「それはそうと、キョン弱すぎ。これじゃあ対戦してる意味が無いじゃない。COMのほうがよっぽど強いわよ?」
「そりゃ、こんな状態で普段の実力を出せと言われても無理ってもんだ」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 22:53:24.31 ID:o5jdpb4T0.net
再びちなみにではあるが、現在ハルヒは俺を椅子に見立ててそこに座っている。
ハルヒのせいで画面は見えづらい上に、その、いろいろとあれなわけで、集中なんてできやしない。
「なぁ、ハルヒ。重いからのいてくれ――「却下」
即答。いや、最後まで喋らせてくれなかった。
「嫌よ、そんなの。絶対に嫌」
「おいおい、何でそんなにこだわるんだよ?」
「だって――」
――寂しかったんだから。
ハルヒのせいで画面は見えづらい上に、その、いろいろとあれなわけで、集中なんてできやしない。
「なぁ、ハルヒ。重いからのいてくれ――「却下」
即答。いや、最後まで喋らせてくれなかった。
「嫌よ、そんなの。絶対に嫌」
「おいおい、何でそんなにこだわるんだよ?」
「だって――」
――寂しかったんだから。
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 22:56:02.28 ID:o5jdpb4T0.net
なんて、かぼそい声で言われた日には、俺はハルヒのお願いを無下にすることなんて出来るはずもなく、ただただハルヒのわがままを甘受するだけである。
「そ、それに、キョンだってあたしと引っ付いてないと寂しいんでしょ?仕方なくよ、仕方なく」
「……そういうことにしといてやるよ」
「う、うるさい!バカキョン!」
駄々っ子のように足をバタバタするハルヒ。ストレートな感情表現をしてくる一方で、こういった子供みたいなところもある。
付き合う以前からそういう傾向はあったのだが、ここ最近それが顕著になってきているような気がする。
「ねぇ、キョン。ぎゅってして」
「はいよ」
言われるがままに後ろからハルヒに手を回し抱き締める。
ハルヒは何食わぬ顔でガチャガチャとコントローラをいじっていると思いきや、ほんのりと頬を朱に染まっているのに俺は気が付いた。
「そ、それに、キョンだってあたしと引っ付いてないと寂しいんでしょ?仕方なくよ、仕方なく」
「……そういうことにしといてやるよ」
「う、うるさい!バカキョン!」
駄々っ子のように足をバタバタするハルヒ。ストレートな感情表現をしてくる一方で、こういった子供みたいなところもある。
付き合う以前からそういう傾向はあったのだが、ここ最近それが顕著になってきているような気がする。
「ねぇ、キョン。ぎゅってして」
「はいよ」
言われるがままに後ろからハルヒに手を回し抱き締める。
ハルヒは何食わぬ顔でガチャガチャとコントローラをいじっていると思いきや、ほんのりと頬を朱に染まっているのに俺は気が付いた。
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 22:59:29.63 ID:o5jdpb4T0.net
「もっとぎゅってしなさいよ」
「はいはい」
さらに力を込める。そして、いい匂いのするハルヒの首筋に顔を埋めた。
匂いが強くなるとともに安らかな気持ちになる。
「……変態」
「それは酷いぞ。ハルヒだってよく俺にこうやるじゃないか」
「し、してないわよ!」
「どうだか、ね」
付き合い始めてから、ハルヒは随分と甘えるようになった。
それまでツンツンしていた反動と言えばいいのだろうか、ことあるごとに俺に引っ付いてくるようになった。
俺個人としては、それを非常に嬉しく思っている。
周囲からバカップルだの桃色職人だのと言われたりするが、それ以上にハルヒと一緒に居ることに幸せを感じている。
それに、甘えてくる時のハルヒは可愛い。
それだけで十分ではないだろうか。
「はいはい」
さらに力を込める。そして、いい匂いのするハルヒの首筋に顔を埋めた。
匂いが強くなるとともに安らかな気持ちになる。
「……変態」
「それは酷いぞ。ハルヒだってよく俺にこうやるじゃないか」
「し、してないわよ!」
「どうだか、ね」
付き合い始めてから、ハルヒは随分と甘えるようになった。
それまでツンツンしていた反動と言えばいいのだろうか、ことあるごとに俺に引っ付いてくるようになった。
俺個人としては、それを非常に嬉しく思っている。
周囲からバカップルだの桃色職人だのと言われたりするが、それ以上にハルヒと一緒に居ることに幸せを感じている。
それに、甘えてくる時のハルヒは可愛い。
それだけで十分ではないだろうか。
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:01:16.94 ID:o5jdpb4T0.net
「……ねぇ、キョン。キスしてほしかったりする?」
「いや、別に」
「……そ、そう」
「なんだ、残念そうだな」
「ざ、残念なのはキョンのほうでしょ!?せっかくこのあたしがキョンがしてほしかったらキスしてあげようかと思ってたのに、
せっかくのチャンスを潰したんだからね。もう頼んでもしてあげないんだから」
「そうか。じゃあ、もうキスは無しだな」
「えっ……?」
半身を捻ってこっちに向いたハルヒの瞳が、俺の返答が予想外だったのか動揺にゆれていた。
「いや、別に」
「……そ、そう」
「なんだ、残念そうだな」
「ざ、残念なのはキョンのほうでしょ!?せっかくこのあたしがキョンがしてほしかったらキスしてあげようかと思ってたのに、
せっかくのチャンスを潰したんだからね。もう頼んでもしてあげないんだから」
「そうか。じゃあ、もうキスは無しだな」
「えっ……?」
半身を捻ってこっちに向いたハルヒの瞳が、俺の返答が予想外だったのか動揺にゆれていた。
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:04:32.30 ID:o5jdpb4T0.net
「ほんとに……?ほんとのほんとにあたしとキスしないの?」
「頼んでもハルヒはしてくれないしさせてくれないんだろ?」
「そ、それは……」
ハルヒが口籠もる。
ハルヒの性格なら、言ったことをいまさら取り消すなんてできやしないのはわかっている。
不安そうにこちらをじっと見つめるハルヒ。
そんな表情がたまらなく可愛い。
「や、やっぱりさっきの――むぐっ」
ハルヒがすべて言い終わる前にその唇を奪い去った。触れるだけのキス。ハルヒが驚いたまま表情で固まっている。
「頼んでもしてくれないから奪ってみた」
我ながら恥ずかしいセリフだと思う。そもそも俺はこんなキャラではないしな。
「ば、ば、バカキョン!な、な、なんてことしてくれんのよ!」
顔を真っ赤にしたハルヒが怒鳴る。
「頼んでもハルヒはしてくれないしさせてくれないんだろ?」
「そ、それは……」
ハルヒが口籠もる。
ハルヒの性格なら、言ったことをいまさら取り消すなんてできやしないのはわかっている。
不安そうにこちらをじっと見つめるハルヒ。
そんな表情がたまらなく可愛い。
「や、やっぱりさっきの――むぐっ」
ハルヒがすべて言い終わる前にその唇を奪い去った。触れるだけのキス。ハルヒが驚いたまま表情で固まっている。
「頼んでもしてくれないから奪ってみた」
我ながら恥ずかしいセリフだと思う。そもそも俺はこんなキャラではないしな。
「ば、ば、バカキョン!な、な、なんてことしてくれんのよ!」
顔を真っ赤にしたハルヒが怒鳴る。
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:07:50.58 ID:o5jdpb4T0.net
「い、いきなりなんて卑怯よ!」
「じゃあ、もうしないさ」
「…………」
押し黙るハルヒ。数瞬迷った挙げ句――
「た、たまにはいいわよ。嫌いってわけじゃないんだから」
――と、蚊の鳴くような声でそう言った。
「可愛いぞ、ハルヒ」
「恥ずかしいこと言うな!」
プイッと明後日の方向へ顔を向けるハルヒを、俺は再び強く抱き締めるのであった。
「じゃあ、もうしないさ」
「…………」
押し黙るハルヒ。数瞬迷った挙げ句――
「た、たまにはいいわよ。嫌いってわけじゃないんだから」
――と、蚊の鳴くような声でそう言った。
「可愛いぞ、ハルヒ」
「恥ずかしいこと言うな!」
プイッと明後日の方向へ顔を向けるハルヒを、俺は再び強く抱き締めるのであった。
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:09:24.75 ID:o5jdpb4T0.net
終わり
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:13:04.17 ID:o5jdpb4T0.net
「キョンくんあたしもオレンジジュースちょうだい!」
日曜日の昼下がりのことである。
ちょうどコップにオレンジジュースを注いでいるところに妹がやってきた。
部屋着ではなく私服を着ていることから、この後どこかに出掛けるようだ。
「ミヨちゃんの家に行ってくるから、シャミの面倒見ててねー」
オレンジジュースを勢いよく飲み干し、そう言い残して妹は家を出て行った。
相も変わらず元気なこって。
週末の元気は毎週土曜日に使い果たしてしまう俺には、日曜日というものは安息日であり、
その午後ともなれば最も心安らぐ一時であると言っても過言ではない。
日曜日の昼下がりのことである。
ちょうどコップにオレンジジュースを注いでいるところに妹がやってきた。
部屋着ではなく私服を着ていることから、この後どこかに出掛けるようだ。
「ミヨちゃんの家に行ってくるから、シャミの面倒見ててねー」
オレンジジュースを勢いよく飲み干し、そう言い残して妹は家を出て行った。
相も変わらず元気なこって。
週末の元気は毎週土曜日に使い果たしてしまう俺には、日曜日というものは安息日であり、
その午後ともなれば最も心安らぐ一時であると言っても過言ではない。
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:14:22.19 ID:o5jdpb4T0.net
「君は可愛いにゃー」
コップを持って部屋に戻ってくると、中から声がする。
いつぞやみたいにシャミセンが話し出したのかと思われるが、あの時以来シャミセンがしゃべっているのをみたことはない。
つまりは、だ。シャミセン以外の誰かがシャミセンに向かって話しかけているということだ。
……こんなこと誰でも気付くだろうに、俺は一体全体誰に向かって説明しているんだろうね。
「それにしても随分とご機嫌だな」
ベッドにシャミセンと一緒に寝そべっている佐々木に声をかける。
「それはもう。僕はこう見えて猫派だから」
こう見えるもなんも初耳だ。
コップを持って部屋に戻ってくると、中から声がする。
いつぞやみたいにシャミセンが話し出したのかと思われるが、あの時以来シャミセンがしゃべっているのをみたことはない。
つまりは、だ。シャミセン以外の誰かがシャミセンに向かって話しかけているということだ。
……こんなこと誰でも気付くだろうに、俺は一体全体誰に向かって説明しているんだろうね。
「それにしても随分とご機嫌だな」
ベッドにシャミセンと一緒に寝そべっている佐々木に声をかける。
「それはもう。僕はこう見えて猫派だから」
こう見えるもなんも初耳だ。
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:17:36.54 ID:o5jdpb4T0.net
「そうだったかい?まぁ、キョンとペットについて語り合ったことはなかったかもしれないね。いい機会だ、僕が猫派ということを覚えておいてくれ」
「へいへい」
気のない返事を返し、コップをテーブルの上に置く。
佐々木はシャミセンを抱いてベットに座り直し、俺はベットに持たれるよう、その横に座り込む。
その際、シャミセンと目があったが、それ程嫌がっているわけではなさそうである。
まぁ、普段から妹の相手をしているだけがあって、構われるのは慣れている。
ましてや、妹ほど雑に扱われるわけでないから尚更であろう。
「それはそうと。佐々木でも『にゃー』なんて言うんだな」
先日、偶然にも1年ぶりの再会を果たした俺達ではあるが、中学時代に佐々木がそんな可愛らしい言葉を使っているのには、ついぞお目にかかったことはない。
「おや、キョンは何か勘違いしてないか?猫と話すときは語尾ににゃーをつけるのが礼儀ってものじゃないか」
さも当然に言い放つ佐々木。猫派ではそれが当たり前なのであろうか。
俺個人としては犬も猫もどちらか一方に傾注することはないので、そういうことは聞いたことがなかった。
「へいへい」
気のない返事を返し、コップをテーブルの上に置く。
佐々木はシャミセンを抱いてベットに座り直し、俺はベットに持たれるよう、その横に座り込む。
その際、シャミセンと目があったが、それ程嫌がっているわけではなさそうである。
まぁ、普段から妹の相手をしているだけがあって、構われるのは慣れている。
ましてや、妹ほど雑に扱われるわけでないから尚更であろう。
「それはそうと。佐々木でも『にゃー』なんて言うんだな」
先日、偶然にも1年ぶりの再会を果たした俺達ではあるが、中学時代に佐々木がそんな可愛らしい言葉を使っているのには、ついぞお目にかかったことはない。
「おや、キョンは何か勘違いしてないか?猫と話すときは語尾ににゃーをつけるのが礼儀ってものじゃないか」
さも当然に言い放つ佐々木。猫派ではそれが当たり前なのであろうか。
俺個人としては犬も猫もどちらか一方に傾注することはないので、そういうことは聞いたことがなかった。
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:19:56.96 ID:o5jdpb4T0.net
「冗談だよ、キョン」
佐々木が楽しそうにくつくつと咽を鳴らす。そこでようやく俺はからかわられていることに気が付いた。
やれやれ。
「キョンのそういうところは相変わらずだね」
「佐々木のそういうところも相変わらずだな」
1年ぶりの再会ではあるが、昨日もあったような感覚。再会するまでの時間など関係ない。俺と佐々木はそんな関係である。
佐々木に撫でられ、シャミセンがごろごろと咽を鳴らす。佐々木も笑う際に咽を鳴らす。妙な共通点がある。いや、ほんとどうでもいい。
「猫はいいよね。こうやって膝の上に乗っているだけで、こんなにも癒やしてくれるんだから」
「そうか?うちの妹の膝の上に乗せられた時は大抵面倒臭そうな顔してるぞ」
シャミセンからしてみれば随分な迷惑である。その点佐々木の膝の上ならリラックスできて気持ちいいのではないだろうか。
佐々木が楽しそうにくつくつと咽を鳴らす。そこでようやく俺はからかわられていることに気が付いた。
やれやれ。
「キョンのそういうところは相変わらずだね」
「佐々木のそういうところも相変わらずだな」
1年ぶりの再会ではあるが、昨日もあったような感覚。再会するまでの時間など関係ない。俺と佐々木はそんな関係である。
佐々木に撫でられ、シャミセンがごろごろと咽を鳴らす。佐々木も笑う際に咽を鳴らす。妙な共通点がある。いや、ほんとどうでもいい。
「猫はいいよね。こうやって膝の上に乗っているだけで、こんなにも癒やしてくれるんだから」
「そうか?うちの妹の膝の上に乗せられた時は大抵面倒臭そうな顔してるぞ」
シャミセンからしてみれば随分な迷惑である。その点佐々木の膝の上ならリラックスできて気持ちいいのではないだろうか。
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:20:31.65 ID:o5jdpb4T0.net
「キョンも試してみるかい?」
「……遠慮しておく」
「まぁ、そう言わずに」
やたら楽しそうな佐々木。というか、その有無を言わせない。そういのははた迷惑な団長さんだけで十分である。
「ほら、そこに座るんだ」
指示されるがままベットに腰掛ける。そして、俺の膝の上にぽふっと佐々木が頭を乗せる。そして、シャミセンは佐々木のほっそりとしたお腹の上に鎮座している。
「いや、ちょっと待て。お前が猫のほうかよ」
「おや?逆のほうが良かったかい?」
再び咽を鳴らす。もはや、何も言うまい。
「ほら、キョン。僕を撫でるんだにゃー」
クールなキャラははるか一万光年さきにでも行ってしまったのか。軽く嘆息し、しょうがないので佐々木の顎から喉を撫でてやる。
佐々木は気持ちいいのか、猫がそうするようにすっと目を細めた。どう表現していいのかわからんが、今ならなんとなく猫派の気持ちがわかるような気がする。
「にゃー」
そんなわけで、俺の安らかな日曜日の午後は佐々木を膝に乗せ、撫で続けることで過ぎていくのであった。
そして、それを帰ってきた妹に発見され、赤っ恥をかいたことを追記しておく。
「……遠慮しておく」
「まぁ、そう言わずに」
やたら楽しそうな佐々木。というか、その有無を言わせない。そういのははた迷惑な団長さんだけで十分である。
「ほら、そこに座るんだ」
指示されるがままベットに腰掛ける。そして、俺の膝の上にぽふっと佐々木が頭を乗せる。そして、シャミセンは佐々木のほっそりとしたお腹の上に鎮座している。
「いや、ちょっと待て。お前が猫のほうかよ」
「おや?逆のほうが良かったかい?」
再び咽を鳴らす。もはや、何も言うまい。
「ほら、キョン。僕を撫でるんだにゃー」
クールなキャラははるか一万光年さきにでも行ってしまったのか。軽く嘆息し、しょうがないので佐々木の顎から喉を撫でてやる。
佐々木は気持ちいいのか、猫がそうするようにすっと目を細めた。どう表現していいのかわからんが、今ならなんとなく猫派の気持ちがわかるような気がする。
「にゃー」
そんなわけで、俺の安らかな日曜日の午後は佐々木を膝に乗せ、撫で続けることで過ぎていくのであった。
そして、それを帰ってきた妹に発見され、赤っ恥をかいたことを追記しておく。
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします (ワッチョイ) 2014/12/28(日) 23:22:23.20 ID:o5jdpb4T0.net
終わり
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1419774539/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ 涼宮ハルヒの憂鬱 | Comments (0)
美少女サンタ「プレゼントを届けにきました!!」百合っ子「マジで!?」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:33:52.03 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
美少女サンタ「はい!!欲しいものを言ってください!!何でもあげますよ!!」
百合っ子「>>5がほしい」
百合っ子「>>5がほしい」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:34:28.99 ID:bgpPvWq8XMAS.net
ちんぽ
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:35:58.64 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
美少女サンタ「はい!お安いご用です!!」
美少女サンタ「えいっ!!」ポンッ
百合っ子「おお!チンポだ!」
美少女サンタ「ところでチンポなんか何に使うんですか?」
百合っ子「>>15」
美少女サンタ「えいっ!!」ポンッ
百合っ子「おお!チンポだ!」
美少女サンタ「ところでチンポなんか何に使うんですか?」
百合っ子「>>15」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:37:01.84 ID:YMKsLZMRXMAS.net
ソテーにしようかな、クリスマスディナー!
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:38:47.24 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
美少女サンタ「ええ!?せっかく着けたのに!?」
百合っ子「私の料理食べさせてあげる」
数分後
美少女サンタ「おいしい...」
百合っ子「えっへん」
美少女サンタ「お礼になんでもあげます!」
百合っ子「>>20くれ」
百合っ子「私の料理食べさせてあげる」
数分後
美少女サンタ「おいしい...」
百合っ子「えっへん」
美少女サンタ「お礼になんでもあげます!」
百合っ子「>>20くれ」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:39:55.82 ID:X83pmsm6XMAS.net
フックショット
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:42:46.98 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
美少女サンタ「また変なものですね...何に使うんです?」
百合っ子「ちょっと言えないかな~」
美少女サンタ「ええ!?そんな風に言われたら気になるじゃないですか!!」
美少女サンタ「お願いします!!なんでもするので教えてください!!」
百合っ子「じゃあ>>30をしてもらおうかな」
百合っ子「ちょっと言えないかな~」
美少女サンタ「ええ!?そんな風に言われたら気になるじゃないですか!!」
美少女サンタ「お願いします!!なんでもするので教えてください!!」
百合っ子「じゃあ>>30をしてもらおうかな」
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:45:54.55 ID:m39DPaEiXMAS.net
クンニ
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:49:11.70 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
美少女サンタ「ふえっ!?くくくくクンニって...///」
百合っ子「分かるよね?出来る?」
美少女サンタ「その...私...そういう経験ないので...///」
百合っ子「大丈夫...私が教えてあげるから...ねっ?」
美少女サンタ「はい...///」
子供が3人できた
完
百合っ子「分かるよね?出来る?」
美少女サンタ「その...私...そういう経験ないので...///」
百合っ子「大丈夫...私が教えてあげるから...ねっ?」
美少女サンタ「はい...///」
子供が3人できた
完
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:56:51.64 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
美少女サンタ「欲しいものを言ってください!!」
百合っ子「>>35」
百合っ子「>>35」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 20:57:28.14 ID:YMKsLZMRXMAS.net
子供
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:00:28.33 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「子供が欲しい」
美少女サンタ「こ、子供!?それは予想外でした……」
美少女サンタ「ちなみに、子供ならなんでもいいんですか?それとも誰かとの子供ですか……?」
百合っ子「>>37」
美少女サンタ「こ、子供!?それは予想外でした……」
美少女サンタ「ちなみに、子供ならなんでもいいんですか?それとも誰かとの子供ですか……?」
百合っ子「>>37」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:01:10.78 ID:Aj9SoCPrXMAS.net
トナカイ
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:05:56.45 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
美少女サンタ「あなたとトナカイの子供……」
美少女サンタ「そうですよね、トナカイの子は授かれないから、サンタさんにお願いするしかないですもんね……」
美少女サンタ「頑張って出してみます!」
美少女サンタ「んん~っ……、これだっ!!」ポンッ
半トナカイ人「……」
美少女サンタ「うげっ……。ど、どうぞ……」
美少女サンタ「もう欲しいものはありませんか……?」
百合っ子「>>40」
美少女サンタ「そうですよね、トナカイの子は授かれないから、サンタさんにお願いするしかないですもんね……」
美少女サンタ「頑張って出してみます!」
美少女サンタ「んん~っ……、これだっ!!」ポンッ
半トナカイ人「……」
美少女サンタ「うげっ……。ど、どうぞ……」
美少女サンタ「もう欲しいものはありませんか……?」
百合っ子「>>40」
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:06:53.85 ID:YMKsLZMRXMAS.net
あなた
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:08:40.97 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「あなたが欲しい」ぎゅっ
美少女サンタ「んっ……!え、えっ?」
百合っ子「……」ぎゅぅ
美少女サンタ「ちょ、ちょっと、百合っ子さん……?」
百合っ子「>>42」
美少女サンタ「んっ……!え、えっ?」
百合っ子「……」ぎゅぅ
美少女サンタ「ちょ、ちょっと、百合っ子さん……?」
百合っ子「>>42」
43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:09:41.81 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
↓のレスで
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:09:45.39 ID:V/CtJi/GXMAS.net
>>42
おいおい
おいおい
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:10:33.33 ID:V/CtJi/GXMAS.net
下
46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:11:15.46 ID:CN16e2vIXMAS.net
くんかくんか
48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:13:52.58 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「くんかくんか……」スーハー
美少女サンタ「んっ……な、何を」
百合っ子「すごくいい匂い……」
美少女サンタ「っ……」カァァァ
美少女サンタ「ゆ、百合っ子さん……」
百合っ子「サンタちゃん……」
半トナカイ人「おい、シカトしてんじゃねーぞ」
百合っ子「↓」
美少女サンタ「んっ……な、何を」
百合っ子「すごくいい匂い……」
美少女サンタ「っ……」カァァァ
美少女サンタ「ゆ、百合っ子さん……」
百合っ子「サンタちゃん……」
半トナカイ人「おい、シカトしてんじゃねーぞ」
百合っ子「↓」
49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:15:30.47 ID:xnRYuGTsXMAS.net
しね
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:20:15.76 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「死ね」
半トナカイ人「うぅっ……」
半トナカイ人は去っていった
美少女サンタ「ちょっと可哀想なことしちゃったかも知れませんね……」
美少女サンタ(さっき抱きつかれたことは忘れたふりをしよう……)
美少女サンタ「もう欲しいものとかないですか?」
百合っ子「↓」
半トナカイ人「うぅっ……」
半トナカイ人は去っていった
美少女サンタ「ちょっと可哀想なことしちゃったかも知れませんね……」
美少女サンタ(さっき抱きつかれたことは忘れたふりをしよう……)
美少女サンタ「もう欲しいものとかないですか?」
百合っ子「↓」
54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:21:11.40 ID:V/CtJi/GXMAS.net
あなたにパンツ
57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:25:20.84 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「あなたが穿くパンツ」
美少女サンタ「っ!?なな、何を言うんですかっ。ちゃんと今も穿いて……」スースー
美少女サンタ「!?(この感覚は……)」
百合っ子「ごめん……さっきのときに盗っちゃった。癖になってるの」
美少女サンタ「な、何してるんですかっ!返してくださいっ……!」カァァァ
百合っ子(>>59をしよう)
美少女サンタ「っ!?なな、何を言うんですかっ。ちゃんと今も穿いて……」スースー
美少女サンタ「!?(この感覚は……)」
百合っ子「ごめん……さっきのときに盗っちゃった。癖になってるの」
美少女サンタ「な、何してるんですかっ!返してくださいっ……!」カァァァ
百合っ子(>>59をしよう)
59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:26:07.47 ID:F7A9Jl15XMAS.net
夜這い
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:30:10.50 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子「しょうがないから返してあげる」
美少女サンタ「は、はやくっ」
百合っ子「そのかわり……今日うちに泊まっていかない?」
美少女サンタ「え、ええっ?」
美少女サンタ(私の担当してる区域はここで最後ですけど……)
百合っ子「外は寒いし、ゆっくりしていってよ」
美少女サンタ「い、いいんですか?」
百合っ子「うん!お風呂わかしてあげるね」
美少女サンタ「は、はやくっ」
百合っ子「そのかわり……今日うちに泊まっていかない?」
美少女サンタ「え、ええっ?」
美少女サンタ(私の担当してる区域はここで最後ですけど……)
百合っ子「外は寒いし、ゆっくりしていってよ」
美少女サンタ「い、いいんですか?」
百合っ子「うん!お風呂わかしてあげるね」
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:32:43.95 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
百合っ子(お風呂に入ってあったまったサンタちゃん、すぐに寝ちゃった)
百合っ子(幸せそうな顔してる)
美少女サンタ「すぅ、すぅ……」
百合っ子「……」ムズムズ
百合っ子(サンタちゃん……)モゾモゾ ぎゅっ
美少女サンタ「んっ……」
百合っ子(抱きしめても起きない……なら>>64)
百合っ子(幸せそうな顔してる)
美少女サンタ「すぅ、すぅ……」
百合っ子「……」ムズムズ
百合っ子(サンタちゃん……)モゾモゾ ぎゅっ
美少女サンタ「んっ……」
百合っ子(抱きしめても起きない……なら>>64)
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:35:59.32 ID:+/6l/FuzXMAS.net
糞
65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:40:14.27 ID:Bg2d2zqVXMAS.net
ぶりっ
完
完
66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:43:06.49 ID:9J6vFRT7XMAS.net
/. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / ̄7l l ― / / ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| \/ ― / \/ | ―――
/ i || i` - -、` i ノノ 'i /ヽ | ヽ | | / _/ / 丿
'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / ̄7l l ― / / ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| \/ ― / \/ | ―――
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'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/25(木) 21:54:10.77 ID:ey1PGdbsXMAS.net
映画化決定だな乙
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1419507232/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ オリジナル | Comments (0)
凛「美嘉には彼氏が本当にいなかったよ」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:45:05.22 ID:f/dPt1xY0
【モバマスSS】です
注意点
・最近コミックアンソロ読んでて思いついたネタ
・でも美嘉凛、つまり百合かも
・美嘉お姉ちゃんは男性経験豊富、これ大事
・エロはない、はず
・SS書くのに慣れてない
以上が許容出来る方は楽しんでいただければ、駄目でしたら閉じて頂いて
よろしくお願いします
注意点
・最近コミックアンソロ読んでて思いついたネタ
・でも美嘉凛、つまり百合かも
・美嘉お姉ちゃんは男性経験豊富、これ大事
・エロはない、はず
・SS書くのに慣れてない
以上が許容出来る方は楽しんでいただければ、駄目でしたら閉じて頂いて
よろしくお願いします
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:45:48.64 ID:f/dPt1xY0
――とあるファーストフード店――
未央「私最近気になってることがあるんだ」
凛「気になってること?」
未央「そ、ズバリ『美嘉ねーには本当に彼氏がいなかったのか!』」
卯月「え? でも美嘉ちゃん前にラジオで彼氏いたことないって……」
加蓮「言ってたね」ポテトモグ
未央「けど考えてみてよ。カリスマギャルって言われちゃうほどのあのかっこよさ!」
奈緒「まぁかっこいいと思うけどさ」
未央「それに加えてあのナイスバディな姿! バスト80って絶対詐欺でしょ!」
卯月「モデルもやってたから、ある程度は少なめの申告だって聞きましたけど」
未央「少なめにしたって限度があるよ! まあ他にも色々言いたいことはあるけどつまり!」ビシッ
未央「これで彼氏いなかったって一体なんの冗談なのさ! ってこと」
未央「私最近気になってることがあるんだ」
凛「気になってること?」
未央「そ、ズバリ『美嘉ねーには本当に彼氏がいなかったのか!』」
卯月「え? でも美嘉ちゃん前にラジオで彼氏いたことないって……」
加蓮「言ってたね」ポテトモグ
未央「けど考えてみてよ。カリスマギャルって言われちゃうほどのあのかっこよさ!」
奈緒「まぁかっこいいと思うけどさ」
未央「それに加えてあのナイスバディな姿! バスト80って絶対詐欺でしょ!」
卯月「モデルもやってたから、ある程度は少なめの申告だって聞きましたけど」
未央「少なめにしたって限度があるよ! まあ他にも色々言いたいことはあるけどつまり!」ビシッ
未央「これで彼氏いなかったって一体なんの冗談なのさ! ってこと」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:46:43.96 ID:f/dPt1xY0
凛「でも実際美嘉本人がいなかったって言ってるんだしそれでいいんじゃない?」
奈緒「そうそう、なによりあたしらアイドルだから恋愛なんてご法度なんだし、いないほうがいいじゃん」
加蓮「へぇ、それってつまり奈緒には付き合いたい男性なんていないってことなんだ」
奈緒「い、いやそれは、いないわけではないというか……ってあたしのことはいいんだよ!」
加蓮「残念弄れなかった。それはともかく未央は美嘉に彼氏いるかいないかがそんなに気になるの?」ハンバーガーモグ
未央「気になるっていうか、だってすごくない?」
卯月「すごいですか?」
未央「世間のほとんどの人があんなにかっこいい美嘉ねぇを彼氏を作ったこともない純情で乙女って思ってる」
凛「たしかに言われてみれば……この中だとそういう印象持たれてるのは卯月と奈緒だもんね」
卯月「そ、そうかな?」テレッ
奈緒「あ、あたしもかよ!?」
未央「そう、そこだよしぶりん! つまり美嘉ねーは特定の印象を与えるのが上手いって可能性がある」
未央「そしてもしそれを演技や技術的な物でやってるとしたら、美嘉ねーからその技術を学びさえすれば!」
未央「プロデューサーが私達をもっと素敵な乙女として見てくれるようになるかもしれないんだー!」
奈緒「そうそう、なによりあたしらアイドルだから恋愛なんてご法度なんだし、いないほうがいいじゃん」
加蓮「へぇ、それってつまり奈緒には付き合いたい男性なんていないってことなんだ」
奈緒「い、いやそれは、いないわけではないというか……ってあたしのことはいいんだよ!」
加蓮「残念弄れなかった。それはともかく未央は美嘉に彼氏いるかいないかがそんなに気になるの?」ハンバーガーモグ
未央「気になるっていうか、だってすごくない?」
卯月「すごいですか?」
未央「世間のほとんどの人があんなにかっこいい美嘉ねぇを彼氏を作ったこともない純情で乙女って思ってる」
凛「たしかに言われてみれば……この中だとそういう印象持たれてるのは卯月と奈緒だもんね」
卯月「そ、そうかな?」テレッ
奈緒「あ、あたしもかよ!?」
未央「そう、そこだよしぶりん! つまり美嘉ねーは特定の印象を与えるのが上手いって可能性がある」
未央「そしてもしそれを演技や技術的な物でやってるとしたら、美嘉ねーからその技術を学びさえすれば!」
未央「プロデューサーが私達をもっと素敵な乙女として見てくれるようになるかもしれないんだー!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:48:02.04 ID:f/dPt1xY0
凛「なっ」
加蓮「あ、やっぱりそうなるんだ」モグモグ
奈緒「ど、どうしてそこでプロデューサーが出てくるんだよ!?」
卯月「……もしかして未央ちゃん、この前のワンちゃんの真似してたの見られたのまだ気にしてる?」
奈緒「え、なにそれ」
卯月「ええっと、少し前にね、プロデューサーにキュンとして欲しい未央ちゃんが」
凛「あ、あの犬の姿で」
未央「わーストップストップ! お願いだからそれはもう思い出させないで!」
加蓮「面白そうだから私聞きたいなー?」
未央「本当にお願い……これ以上知ってる人増えたら私もう」グスッ
奈緒「加蓮、あんまり追求してやんな」
加蓮「むぅ……仕方ないか」ゴクゴク
加蓮「あ、やっぱりそうなるんだ」モグモグ
奈緒「ど、どうしてそこでプロデューサーが出てくるんだよ!?」
卯月「……もしかして未央ちゃん、この前のワンちゃんの真似してたの見られたのまだ気にしてる?」
奈緒「え、なにそれ」
卯月「ええっと、少し前にね、プロデューサーにキュンとして欲しい未央ちゃんが」
凛「あ、あの犬の姿で」
未央「わーストップストップ! お願いだからそれはもう思い出させないで!」
加蓮「面白そうだから私聞きたいなー?」
未央「本当にお願い……これ以上知ってる人増えたら私もう」グスッ
奈緒「加蓮、あんまり追求してやんな」
加蓮「むぅ……仕方ないか」ゴクゴク
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:49:13.03 ID:f/dPt1xY0
卯月「ええっと、それで結局話を戻してまとめると……」
凛「プロデューサーに乙女に見られたい未央は、美嘉にそのための技術を教えてもらいたい」
凛「でも美嘉のあの乙女っぷりが本心なのか演技なのかどうか分からないから困ってて」
凛「それを確かめるために美嘉に彼氏が本当にいなかったかどうかが知りたい……って所かな?」
未央「うん、しぶりん分かりやすくまとめてくれてありがとう」
加蓮「なるほどねー。でもだったら美嘉に今すぐ聞けばいい気もするけど?」
卯月「そうすると美嘉ちゃん普通には答えてくれない気がします」
奈緒「あー、そんな気がする。そもそももう彼氏いなかったって公の場で言ってるわけだしなぁ」
加蓮「これでやっぱり彼氏いましたってのは大問題だから、同じことを言われるだけかもね」
未央「ふっふっふ、もちろんその辺りもこの私はちゃんと考えてるとも!」
凛「へぇ、どうするの?」
凛「プロデューサーに乙女に見られたい未央は、美嘉にそのための技術を教えてもらいたい」
凛「でも美嘉のあの乙女っぷりが本心なのか演技なのかどうか分からないから困ってて」
凛「それを確かめるために美嘉に彼氏が本当にいなかったかどうかが知りたい……って所かな?」
未央「うん、しぶりん分かりやすくまとめてくれてありがとう」
加蓮「なるほどねー。でもだったら美嘉に今すぐ聞けばいい気もするけど?」
卯月「そうすると美嘉ちゃん普通には答えてくれない気がします」
奈緒「あー、そんな気がする。そもそももう彼氏いなかったって公の場で言ってるわけだしなぁ」
加蓮「これでやっぱり彼氏いましたってのは大問題だから、同じことを言われるだけかもね」
未央「ふっふっふ、もちろんその辺りもこの私はちゃんと考えてるとも!」
凛「へぇ、どうするの?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:50:40.37 ID:f/dPt1xY0
未央「しぶりん、お願い! 今度美嘉ねーに聞いてきて!」
凛「……ごめん、なんて?」
未央「だからー、美嘉ねーに彼氏いたかどうかをしぶりんに聞いてきてほしいの」
凛「ま、待って。なんで私が」
未央「ほらだって、最近しぶりん美嘉ねーとすごい仲良さそうじゃん」
卯月「ラジオだと私がいない時は二人で頑張ってたりしますもんね」
加蓮「アニバーサリーのパーティーだと二人だけ遅れて合流したし」
奈緒「なんていうか二人は最高のライバル同士って感じもするな」
凛「私と美嘉ってそんな風に見られてたんだ……」
未央「あとは、しぶりんと美嘉ねーって並んでるとすごいかっこいい絵になるもん」
未央「だからやっぱりここはしぶりんが美嘉ねーに聞きにいくのが適任じゃん?」
凛「その理屈はおかしいと思う」
凛「……ごめん、なんて?」
未央「だからー、美嘉ねーに彼氏いたかどうかをしぶりんに聞いてきてほしいの」
凛「ま、待って。なんで私が」
未央「ほらだって、最近しぶりん美嘉ねーとすごい仲良さそうじゃん」
卯月「ラジオだと私がいない時は二人で頑張ってたりしますもんね」
加蓮「アニバーサリーのパーティーだと二人だけ遅れて合流したし」
奈緒「なんていうか二人は最高のライバル同士って感じもするな」
凛「私と美嘉ってそんな風に見られてたんだ……」
未央「あとは、しぶりんと美嘉ねーって並んでるとすごいかっこいい絵になるもん」
未央「だからやっぱりここはしぶりんが美嘉ねーに聞きにいくのが適任じゃん?」
凛「その理屈はおかしいと思う」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:52:35.67 ID:f/dPt1xY0
未央「お願いだよしぶり~ん、美嘉ねーに聞いてきてよぉ」
未央「これで美嘉ねーに彼氏がいた場合、すごい乙女に見せれる技術を学べるかもしれないんだよ?」
未央「そうしたらプロデューサーにもっと可愛いしぶりんを見せてメロメロに!」
未央「なんていうのも夢じゃないかもしれないんだよー?」
凛「プロデューサーを……もっと……メロメロ……?」
――凛の脳内――
凛(プロデューサー、今の私ってどう見えるのかな?)
モバP(最高だよ凛! 今まで見てきた女の子で凛以上に素敵な乙女はいないよ!)
モバP(こんなにも愛おしい気持ちになれる相手が今までいたか? いいや!)
モバP(凛、お願いだ! 君を一生守るから、結婚してほしい! 今すぐに!)
凛(そ、そんなプロデューサー、結婚なんて、私まだ……)
モバP(年齢がどうした! 凛、君が欲しいんだぁー!)
凛(プロデューサー……私も、私も――)
未央「これで美嘉ねーに彼氏がいた場合、すごい乙女に見せれる技術を学べるかもしれないんだよ?」
未央「そうしたらプロデューサーにもっと可愛いしぶりんを見せてメロメロに!」
未央「なんていうのも夢じゃないかもしれないんだよー?」
凛「プロデューサーを……もっと……メロメロ……?」
――凛の脳内――
凛(プロデューサー、今の私ってどう見えるのかな?)
モバP(最高だよ凛! 今まで見てきた女の子で凛以上に素敵な乙女はいないよ!)
モバP(こんなにも愛おしい気持ちになれる相手が今までいたか? いいや!)
モバP(凛、お願いだ! 君を一生守るから、結婚してほしい! 今すぐに!)
凛(そ、そんなプロデューサー、結婚なんて、私まだ……)
モバP(年齢がどうした! 凛、君が欲しいんだぁー!)
凛(プロデューサー……私も、私も――)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:54:09.75 ID:f/dPt1xY0
――再びファーストフード店――
加蓮「りーん、戻っておいでー」モグモグ
凛「はっ」
奈緒「本当にプロデューサーさんのことになると変わるな凛は」
卯月「それだけプロデューサーさんが好きなんですよ」
凛「そ、そういう訳じゃ……うぅ」
未央「えっと、とにかく! しぶりん、引き受けてくれるってことでいいよね?」
凛「ま、まぁ、美嘉に彼氏がいたかどうか本当のことを聞くだけだしいいよ、やってみる」
未央「やったー! ありがとうしぶりん、吉報をお待ちしておりますぞー!」
凛「うまくいくかは分からないけどね」
加蓮「それで、方法はなにか考えてあるの?」
凛「細かい所はこれから考えるけど、今度私と美嘉が同時にお休みの日があるんだ」
凛「その日に美嘉をショッピングに誘って、あとはなんとかやってみる」
凛「二人っきりなら美嘉も本音を言ってくれると信じるしかないけど」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:55:43.02 ID:f/dPt1xY0
奈緒「今をときめく人気アイドルが休日に二人っきりでショッピングか、お忍びデートみたいだな」
卯月「デートですかぁ、なんだかこれだと凛ちゃんが美嘉ちゃんの彼氏さんって感じですね」
加蓮「彼女の昔の男について調べ回る今の男って、入院中に見た昼ドラみたい」ゴチソウサマデシタ
未央「昼ドラみたいって、そんな、美嘉ねーとしぶりんドロドロの関係になっちゃうの!?」ワクワク
凛「……私やっぱり美嘉に聞くのやめていいかな?」
未央「ごめんなさい調子にのりすぎました」
凛「よろしい。まぁ、美嘉から聞けたらまたここで皆に報告するから待っててよ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:57:16.79 ID:f/dPt1xY0
――休日 池袋――
凛(さて、今日なんとか美嘉をショッピングに誘えたわけだけど)
ガヤガヤ アノコカワイクネ ガヤガヤ
ザワ ヒトリカナコエカケヨウカナ ザワザワ
凛(待ち合わせ場所に15分前に来るのはちょっと早すぎたかな)
凛(よく考えるとこういう風に休日に誰かと二人っきりで過ごすのもスゴイ久しぶりなわけだし)
凛(未央の頼み事が出来なくても、美嘉と休日楽しく過ごせるならそれも悪くないか)フフッ
――お忍びデートみたいだな
凛(って、なに思い出してるの! もう、奈緒があんな変なこというから!)
凛(たしかに美嘉は年上として頼れることが多いしかっこいいとは思うけど、だからそういうのとは)
ガヤガヤ ソロソロコエカケテミヨウゼ ガヤガヤ
凛(でも美嘉早く来てくれないかな、そろそろ男の人何人かこっち来てるし……)
凛(正体がバレた訳じゃないだろうけど、どうしよう美嘉に――)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 01:58:58.60 ID:f/dPt1xY0
美嘉「――ゴメン待った!?」ハァハァ
凛「美嘉!! ありがとう来てくれ……」
美嘉「わー! そんな大きい声で名前言っちゃ」
ガヤガヤ ミカッテイワナカッッタカアノコ ガヤガヤ
ザワザワ イッタナ テイウカアノクロカミノコマサカ ザワザワ
美嘉「うわーまずい……凛、ここは一旦逃げよ★」グイッ
凛「えっ、きゃ!」
ザワザワ ヤッパアレホンモノジャネ ザワザワ
ガヤガヤ シブヤリントジョウガサキミカキテルノ!? ガヤガヤ
凛「ご、ごめん美嘉私油断して」タタタッ
美嘉「しょーがないしょーがない★ 凛もこうやって遊ぶの久しぶりなんでしょ?」タタタッ
凛「う、うん」タタタッ
美嘉「とにかく騒ぎが大きくなる前にどっかに隠れないとね、とりあえずカラオケでいい?」タタタッ
凛「み、美嘉がいいならどこでも」
美嘉「よしじゃあこっちに!」ダッ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:00:46.74 ID:f/dPt1xY0
――カラオケ店――
美嘉「はぁー疲れた★ まさかいきなり走ることになるなんて思わなかったな」
凛「本当にごめん、あんなに大きな声で名前言うなんて自分でも思わなかったから……」
美嘉「過ぎたことを悔やんでもしょうがないって★ それにアタシも凛を待たせちゃったのが悪いんだし」
凛「約束の時間から考えたら美嘉も遅くないって。私がただ早すぎただけで……」
美嘉「んー、それはアタシと今日遊ぶのが待ち遠しかったってことかなー?」
凛「えっ!? そ、そういう訳じゃなくて誘ったのが私だから、美嘉を待たせて迷惑かけたくなくて」
凛「結局こんな形で迷惑かけちゃったけど……」
美嘉「いいっていいって、前に莉嘉が渋谷で目立っちゃった時のに比べたらこれぐらい全然だって」
美嘉「それよりなにか頼もっか★ 走って喉乾いちゃったからねー、凛はなにがいい?」
凛「じゃ、じゃあ……オレンジジュース」
美嘉「オレンジジュースね。あとはアタシが適当に選んでも?」
凛「大丈夫」
美嘉「よし、じゃあ注文するね★」カタッ
美嘉「えーと飲み物が――」ピッピッ
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:02:22.73 ID:f/dPt1xY0
凛(ああもうなんでこんな……全部予定狂って美嘉に迷惑かけちゃうなんて)
凛(なんであんなに大きい声で美嘉の名前呼んじゃったんだろう、美嘉のことを考えてたせい?)
凛(私思ってる以上の今回のこと意識してる? ただ未央の頼み事を引き受けただけなのに)
凛(それともやっぱり奈緒が変なこと言ったから…………そういうことにしとこうかな)
美嘉「よし、注文終わったからなにか歌おっか★ ……凛?」
凛「え、あ、何!?」
美嘉「大丈夫? 疲れてるんだったら休んでもいいんだけど」
凛「つ、疲れてない、全然! むしろ元気だから」
美嘉「ならいいんだけど……。そういえば凛のほうから遊びに誘ってくれたなんて珍しいよね」
凛「そうだっけ」
美嘉「そうだよー★ だから最初は別人かなって思っちゃった」
凛「あ、酷い」
美嘉「ごめんごめん、でもなかなかないことだから嬉しかったんだ」
凛「……私って本当に遊びに誘ってない?」
美嘉「まぁ凛ってどっちかっていうと誘われたら遊ぶって印象だからねー★」
美嘉「それともアタシだけ凛に誘われることがなかったのかなって」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:04:07.48 ID:f/dPt1xY0
凛「そ、そんなことないってば。でも確かに自分から誰かと遊びに行くって少ないかも」
美嘉「凛の周りってそういう所で積極的な子多いから余計にそうなっちゃうのかな?」
凛「美嘉もその一人だと思うけど」
美嘉「確かに! あははっ★」
シツレイシマースチュウモンノシナオモチシマシター
美嘉「お、来た! それじゃあ受け取ってと」
凛「あ、私並べるから」
美嘉「ありがと★」
ゴチュウモンノシナイジョウデショウカシツレイシマース
美嘉「さてと、乾杯する?」
凛「そうだね、乾杯」カチン
美嘉「うん乾杯★ なんだか最近素直な凛をいっぱい見てる気がするなー」
凛「美嘉には割とそうなれるのかな」ゴクッ
美嘉「嬉しいこと言ってくれるねー♪ ……で、素直な凛は今日アタシになにを聞きたいのかな★」
凛「むぐっ!?」ゴホッゴホッ
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:06:03.10 ID:f/dPt1xY0
美嘉「ごめん、驚かせちゃった?」
凛「ゴホッ……ぐっ、な、なんでそう思うの?」
美嘉「滅多に自分から遊びに誘わない凛が未央達やプロデューサーじゃなくてアタシを誘った」
美嘉「この時点で結構怪しいのに待ち合わせ場所についてみたら難しい顔した凛がいて」
美嘉「さっき注文してる時もどこか上の空だったし? これで何もないと考えるのはねー」
凛「うぅ……」
美嘉「莉嘉みたいに妹がいるとね、お姉ちゃんとしてよく見る力がついちゃうみたいでさ」
美嘉「で、正直な所はどうなの凛? もしアタシの勘違いならそれで終わりってことにするよ★」
凛(……ダメだ、これは完全に見破られてる。正直に話すしかないや)
凛(仕方ないけど、今回のこと引き受けるんじゃなかった……はぁ)
凛「勘違いじゃない。美嘉に大事な質問があるから今日は誘ったんだ」
美嘉「……そっか★ でも凛がこんな方法でアタシに聞くような大事な話ってあったっけ?」ゴクッ
凛「うん……あの、美嘉ってさ、本当に彼氏いなかったの?」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:07:30.58 ID:f/dPt1xY0
美嘉「…………そんなこと?」ゴクン
凛「そ、そんなことって、結構大事な話じゃ」
美嘉「だってもうアタシに彼氏いなかったことはラジオで一緒にいた凛なら知ってるじゃん★」
美嘉「だからアタシはてっきり凛が『プロデューサーと付き合うにはどうしたらいい?』とか」
美嘉「『好きな人にプレゼントしたいものがあるんだけど何がいいかな』みたいな」
美嘉「そういった感じの話を期待してたんだけどなー」
凛「ご、ごめん、でもラジオの時はアイドルとしてああ言わないといけないこともあるし」
凛「美嘉みたいにかっこよくて綺麗な人に彼氏がいなかったのがどうしても信じられないから」
凛「そ、それに私は美嘉に彼氏がいたとしても気にしないというか、参考にしたいというか」
凛(って、ま、待った、落ち着かないと! 今の私なにか変なこと言いかねない!)
美嘉「ふーん♪」
凛「ひゃ!?」
凛(美嘉いつの間に目の前に!?)
美嘉「つまり凛は、アタシの言葉が信じられないんだ?」
凛「そ、そういうわけじゃな――」
美嘉「凛」ガシッ
凛「あう」
凛(掴まれて、ち、近い……)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:08:59.26 ID:f/dPt1xY0
美嘉「私の顔よーく見て♪ それから教えて? それを誰から聞くように言われたかさ★」
凛「い、言ってる意味が」
美嘉「普段の凛から考えたらどーにも質問が腑に落ちないんだよねー♪」
美嘉「だからこれは誰かに頼まれた質問なんじゃないかなーって★ 違う? ねぇ凛、答えて♪」
凛(バレてる? ううん、違う気がする。でも未央からの頼み事だって答えたほうがいいの?)
凛(でも――)
――先日 ファーストフード店 解散時――
未央「そうだしぶりん。ちょっとだけお願いがあるんだけどいいかな?」
凛「まだあるの? まぁ、いいけど」
未央「ありがと! お願いっていうのは、もし美嘉ねーに私の質問だってことがバレかけても」
未央「どうにか誤魔化してほしいんだ!」
凛「なんで?」
未央「なんていうかこれはしぶりんが茶化せない真面目な雰囲気で質問する以外ない気がしてさ」
未央「未央ちゃんからの質問でしたー! なんてもう美嘉ねー絶対本当のこと言ってくれないよ」
未央「だからお願いしぶりん、バレそうになったら頑張ってねー!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:12:11.46 ID:f/dPt1xY0
――再びカラオケ店――
凛「……」
美嘉「りーんー、そろそろ答えてよー★」
凛「……美嘉、私がこんな質問するのっておかしい?」
美嘉「うん♪」
凛「っ……でも、信じて。これは私が、美嘉が彼氏いたかどうかすごく気になって質問してるだけ」
凛「本当にそれだけだから、お願い……!」
美嘉「それだけかー……」グイッ
凛(……美嘉の綺麗な瞳の中に私が見える、まずい、本当にこれ以上はもう――)
美嘉「分かった、ごめんね♪ 凛の言葉信じるよ」パッ
凛「あ、ありがとう美嘉」
凛(美嘉の顔が離れちゃった……あれ? なんで残念がってるの私)
美嘉「はぁ~……しょーがない、こんなに真面目に聞かれたんじゃちゃんと答えないと駄目だよね」
美嘉「でも凛、一つだけ約束して」
凛「何?」
凛(って、美嘉にここでの話は誰にも言わないでなんて言われたらどうするか考えてなかった!)
凛(もしこの約束がそれだとしたら未央達になんて……)
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:14:00.28 ID:f/dPt1xY0
美嘉「約束は、今からアタシが話すことを聞いてもアタシを軽蔑しないで欲しいってこと★」
凛「……それだけ?」
美嘉「うんこれだけ。もしかしてアタシの話したこと誰にも言わないで的な約束だと思った?」
凛「そ、そんなわけ」
美嘉「その辺りは凛に全部お任せ♪ もし他の人が知ったとしても、凛が話したのならいいや★」
凛(そう言われるとすごい話しづらい……)
美嘉「それで、なんだっけ? アタシに彼氏が本当にいなかったかどうかだっけ」
凛「そ、そう。美嘉に彼氏って」
美嘉「……彼氏はいたことないよ★」
凛「そっか、やっぱりいたことは――……彼氏『は』?」
美嘉「そ、彼氏は。でも男の人とお付き合いをしてなかったわけじゃないよ♪」
凛「ま、待ってよ! だって恋人になったりする以外で男性と付き合うことなんて」
美嘉「凛ってさ、服に気を使う?」
凛「そ、そりゃもちろん」
美嘉「だよね。アタシさ、今でこそカリスマギャルなんて言われるくらいになれたけど」
美嘉「まだプロデューサーにも出会うずっと前、モデルを始めた頃って大変だったんだ」
凛(そういえば美嘉ってモデルもやってたんだっけ……)
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:15:29.41 ID:f/dPt1xY0
美嘉「雑誌に写るモデルってのはすごく華やかで、キラキラしてて素敵だよね」
美嘉「でもその雑誌に安定して載せて貰えるまでにかかるお金ってすごかったんだ」
美嘉「衣装代に交通費、自分を綺麗に保つならそれに化粧品や小道具も」
美嘉「とてもじゃないけど学生がお小遣いだけで払えるわけないよね★」
凛(まさか……)
美嘉「さすが凛、その顔気付いたね♪ そ、だからアタシは男の人と――」
凛「いい、やめて、言わないで。ごめん、私、酷いこと」
美嘉「いいよ、もう昔のことだし。それにアタシは割と気に入ってたんだよ?」
美嘉「良いお客さんだとお金すごいくれるし、こっちも気持ちよくなれたんだよね★」
美嘉「おかげで真面目に学校通ってモデルも続けられたし、それにね――」
凛「もういいって!」ドンッ
美嘉「……分かった♪ それで、凛はアタシのこの答えで満足かな?」
凛「なんで……? 美嘉なら、もっと上手くやれる方法があったはずなのに」
美嘉「うーんどうだろ♪ 結局の所、その時のアタシはこの方法が一番だと思ってたし」
美嘉「それに結構な人数経験したおかげで身についたこともあるんだよ★」
美嘉「アタシへの印象を、どういう仕草でどういう言葉を言えば操れるか、とか♪」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:18:17.44 ID:f/dPt1xY0
凛「……!? じゃ、じゃあまさか今皆が美嘉に抱いてる印象って……!」
美嘉「それは質問から外れるから答えられないな★」
凛「そんな……美嘉……じゃあまさかプロデューサーも……」
美嘉「あ、それは安心して♪ プロデューサーとちひろさんには効かなかったから」
凛「……ということはその二人は知ってるってこと、美嘉のその、昔してたこと」
美嘉「そりゃプロデューサーとちひろさんはね。あの二人が事務所の要だし★」
美嘉「それに、アタシのこと全部知った上でプロデューサーは誘ってくれたんだ」
美嘉「トップアイドルを目指そうって。だから今アタシはここにいるの」
凛「そう、だったんだ……」
美嘉「ま、最初はアタシの元お客さんにバレたりして大変だった時もあるんだけど」
美嘉「ちひろさんが気付いたらそういうの全部処理してくれて今はもうないし」
美嘉「アタシは初心で純情に見せたほうが人気出るって指示出したのもちひろさんだから」
美嘉「あの人にも感謝してるんだ★ ……ドリンク売りつけるのだけはやめて欲しいけど」
凛「……ドリンク売らないちひろさんって想像出来ないね」
美嘉「本当にね♪ ところで凛、アタシの話はこれで全部だけど、感想は?」
凛「……言いたくないこと聞いて本当にごめん。でも、一つだけ追加で聞いてもいい?」
美嘉「うん、いいよ?」
凛「プロデューサーに対して美嘉はどう思ってるの?」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:20:43.78 ID:f/dPt1xY0
美嘉「えーそれ聞くー? まぁ、この世界で一番感謝してる人で頼りにしてる人で」
美嘉「……いちばん好きな人かな……ってヤバ、これ口にするとすごい恥ずかしい!」
凛「じゃあやっぱりプロデューサーといる時の美嘉が一番素ってこと?」
美嘉「そうなるかな♪ ホントの恋なんてプロデューサーに会うまで分からなかったけど」
美嘉「……自分の感情が制御出来ないあのときめきは、アタシすごい好き★」ニコッ
凛(うわ……このタイミングでその笑顔卑怯だって……)
凛「……美嘉、ありがとう。こんな質問に答えてくれて」
美嘉「いいよ、凛が大真面目に聞いてきたなら答えないとね★」
凛「それで、この後どうしよう。本当は色々考えてたんだけどもう全部飛んじゃって」
美嘉「……じゃあさ、アタシが嘘ついてないか確かめてみる?」
凛「何言ってるの。さっきの話、私には嘘だなんて……」
美嘉「口ではなんとだって言えるって♪ 今までの話も凛をからかってただけかもねー★」
凛「いくらなんでもそれは信じない。それに私に美嘉の話が嘘かどうか確かめるなんて」
美嘉「少なくともアタシが男の人としたことあるかどうかを調べる方法は一つあるかな」
凛「え、なにそ――」
美嘉「ほらぎゅー」ダキッ
凛「きゃ!?」ギュー
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:22:36.64 ID:f/dPt1xY0
美嘉「ま、凛が嫌ならすぐやめるけど、アタシだけ恥ずかしい思いしたのって不公平だから」
美嘉「アタシの体確かめるついでに、凛もちょっとだけ恥ずかしい思いしてみよ★」
凛「待って!? ここカラオケなのにそんなこと出来るわけ!」
美嘉「実を言うとアタシ男の人以外ともしたことあったりして★」グイッ
凛「あっ……」
凛(また美嘉の目に私が見えるくらい顔が近い……)
美嘉「そしてここはその時教えてもらったカラオケだったりして★ ねぇ凛」
凛(だ、大丈夫、耐えられる。これさえ我慢したらあとは普通に――)
美嘉「……ありがと、軽蔑しないでくれて。嬉しかった」ニコッ
凛「…………美嘉、それ、ズルいってば……んっ――――」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:25:26.54 ID:f/dPt1xY0
――後日 ファーストフード店――
未央「さぁ待ちに待った日がやってまいりました! その前に、しぶりん! ごめん!」
凛「なんでいきなり謝ってるの」
加蓮「池袋で美嘉と凛がいたのがバレて大騒ぎになったって聞いたんだ」
奈緒「それでそのことプロデューサーさんとちひろさんにすごい怒られたんだろ?」
凛「あー……そういえばそんなこともあったような」
未央「お、覚えてないの!? すごい長い時間怒られてたっぽいのに」
卯月「未央ちゃん自分のせいだーってすごい悩んでたのに……」
凛(休日からずっと美嘉のこと考えてたからその辺り全然記憶にないって言えない)
未央「お、おっほん。ともかくしぶりんが気にしてないなら問題なし!」
奈緒(いや結構あると思うぞ)
未央「それでしぶりん、結局美嘉ねーに質問は出来たの?」
凛「まぁ、出来たといえば出来た、かな」
加蓮「へぇー流石は凛」
未央「それでは答えてもらいます! しぶりん、美嘉ねーは本当に彼氏が?」
凛「彼氏が……」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:27:09.32 ID:f/dPt1xY0
――凛が話したのならいいや★
――ありがと、軽蔑しないでくれて
凛(……美嘉……――)
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:30:12.65 ID:f/dPt1xY0
――回想 休日 池袋――
凛「まさか……外でたらもう夜なんて思わなかった」
美嘉「ずーっと延長してたもんね♪ あ、凛、体大丈夫?」
凛「なんていうかまだフワフワしてるけど大丈夫」
美嘉「そっか★ でも明日の事務所怖いなー、騒ぎ起こしちゃったし」
凛「騒ぎ……?」フラフラ
美嘉「あ、うん、凛はもう帰ろうか、一人で大丈夫?」
凛「……さすがに心配しすぎだよ美嘉。美嘉こそ電車逃すと大変だよ?」
美嘉「それもそうだ♪ じゃあ凛、今日は本当に良かった」
凛「私も。……ねぇ美嘉、もし今日のこと私が誰かに話したら」
美嘉「あははっ★ そうなった時はそうなった時かなー? でも」
凛「でも?」
美嘉「……ううん、なんでもない。それじゃ、凛、おやすみ」
凛「うん、おやすみ――」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:31:45.36 ID:f/dPt1xY0
――再びファーストフード店――
凛(あの時美嘉がなんて言おうとしたのか、私はまだ聞けてない)
凛(少なくともそれを聞くまでは美嘉にいてもらわないと困る)
凛(皆のことは信じてるけど、それでもやっぱり万が一があったら怖いから)
凛(だから……――)
凛「美嘉には彼氏が本当にいなかったよ」
(終)
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:37:29.08 ID:f/dPt1xY0
美嘉お姉ちゃんと凛ちゃんの組み合わせはそろそろ公式でユニット欲しいです
短いですが読んでくださった方ありがとうございました
短いですが読んでくださった方ありがとうございました
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/24(水) 02:38:39.70 ID:+omAxq+Lo
乙乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419353095/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ モバマス | Comments (0)
P「アイドルマスター殺人事件」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:01:16.20 ID:2oBm9X1w0
俺がドアを開けると、「彼女」は窓を開けてそこに腰掛けていた
P「やっぱり、お前が犯人だったのか」
※アイマスキャラによるミステリSSですが、作品を知らなくても解けるようになっています
途中で犯人やトリックを読み切られてしまっても、そ知らぬ顔で投稿していきます
矛盾や無理のある展開、論理の穴等がありましたら容赦なく指摘してください
解答編に入る前のレスで予告するので、推理したい方は注意してください
P「やっぱり、お前が犯人だったのか」
※アイマスキャラによるミステリSSですが、作品を知らなくても解けるようになっています
途中で犯人やトリックを読み切られてしまっても、そ知らぬ顔で投稿していきます
矛盾や無理のある展開、論理の穴等がありましたら容赦なく指摘してください
解答編に入る前のレスで予告するので、推理したい方は注意してください
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:04:02.19 ID:2oBm9X1w0
やよい「プロデューサー、ごめんなさい…」
P「良いよ、暇だったから」
俺はやよい御用達の激安スーパーへ向かっていた
相当な量を買い込むというので、俺が車を出して手伝うことになったのだ
伊織「そうよ、暇人は有効活用しなきゃ」
春香「プロデューサーさん、ラジオかけても良いですか?」
P「ああ」
そしてなぜか伊織と春香も同乗していた
俺と同様、彼女たちも暇人なのだ
P「良いよ、暇だったから」
俺はやよい御用達の激安スーパーへ向かっていた
相当な量を買い込むというので、俺が車を出して手伝うことになったのだ
伊織「そうよ、暇人は有効活用しなきゃ」
春香「プロデューサーさん、ラジオかけても良いですか?」
P「ああ」
そしてなぜか伊織と春香も同乗していた
俺と同様、彼女たちも暇人なのだ
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:06:44.75 ID:2oBm9X1w0
P「今日は何を買うんだ?」
やよい「えっと、お米とお味噌と牛乳と…」
P「重いものは今日買っておいたほうがいい」
やよい「えへへ、そうしますー」
その店はまさに「町の台所」という雰囲気だ
時間が早いため、まだ客は少ない
俺と春香が並んでカートを使い、やよいは吟味した商品をそれに入れていく
伊織は日本有数の富豪のお嬢様なのだが、意外と落ち着いた様子だった
やよい「えっと、お米とお味噌と牛乳と…」
P「重いものは今日買っておいたほうがいい」
やよい「えへへ、そうしますー」
その店はまさに「町の台所」という雰囲気だ
時間が早いため、まだ客は少ない
俺と春香が並んでカートを使い、やよいは吟味した商品をそれに入れていく
伊織は日本有数の富豪のお嬢様なのだが、意外と落ち着いた様子だった
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:08:23.16 ID:2oBm9X1w0
やよい「なんだかプロデューサーと春香さん、新婚さんみたいですね!」
春香「えっ、や、やだやよいったら、もういきなり何言うのよー!もう!」
P「春香、ちゃんと前見ろ」
春香「え?あ、うわぁー!」
春香の押しているカートが缶詰の山を崩した
俺達は手伝ってくれる店員さんに謝りながらそれを元に戻した
春香「うう、ごめんなさい…」
P「謝るのは俺にじゃなくて、お店の人にだな」
春香「ごめんなさい、お店の皆さん!」
会計を済ませた後で、春香は売り場の方へお辞儀をしてそういった
春香「えっ、や、やだやよいったら、もういきなり何言うのよー!もう!」
P「春香、ちゃんと前見ろ」
春香「え?あ、うわぁー!」
春香の押しているカートが缶詰の山を崩した
俺達は手伝ってくれる店員さんに謝りながらそれを元に戻した
春香「うう、ごめんなさい…」
P「謝るのは俺にじゃなくて、お店の人にだな」
春香「ごめんなさい、お店の皆さん!」
会計を済ませた後で、春香は売り場の方へお辞儀をしてそういった
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:10:43.98 ID:2oBm9X1w0
伊織「ねえプロデューサー、あれ何?」
伊織は出口付近にある福引場を示した
『3000円のお買い物につき1回、南の島の大チャンス!』と、看板に書いてある
やよい「わあー!あんなのがあるなんて珍しいですー!」
伊織「やよいは知ってるの?」
やよい「うん、伊織ちゃんはやったことないの?」
伊織「ええ、初めて見たわ」
P「あれは福引だよ、あの器械を回して出てきた色に応じた景品がもらえるんだ」
P「ちょうど三回分出来るから、一人一回回してくるといい」
春香「よーし、ここは一つ汚名返上ですよ!汚名返上!」
春香「南の島…、は無理にしても三等のお買い物券1万円分くらいなら…!」
そう言いながら春香は勢い良くそれを回した
しかし、回転の強さと当選確率にはなんら関係がないだろう
やがて一つの玉が出てきた
春香「白ですっ!」
P「ティッシュだ」
春香「あう…」
伊織は出口付近にある福引場を示した
『3000円のお買い物につき1回、南の島の大チャンス!』と、看板に書いてある
やよい「わあー!あんなのがあるなんて珍しいですー!」
伊織「やよいは知ってるの?」
やよい「うん、伊織ちゃんはやったことないの?」
伊織「ええ、初めて見たわ」
P「あれは福引だよ、あの器械を回して出てきた色に応じた景品がもらえるんだ」
P「ちょうど三回分出来るから、一人一回回してくるといい」
春香「よーし、ここは一つ汚名返上ですよ!汚名返上!」
春香「南の島…、は無理にしても三等のお買い物券1万円分くらいなら…!」
そう言いながら春香は勢い良くそれを回した
しかし、回転の強さと当選確率にはなんら関係がないだろう
やがて一つの玉が出てきた
春香「白ですっ!」
P「ティッシュだ」
春香「あう…」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:12:08.32 ID:2oBm9X1w0
伊織「ま、この伊織ちゃんなら一等間違い無しね!」
やよい「が、頑張って伊織ちゃん!」
伊織「ええ、任せておいて」
伊織「はあっ!」
またも派手な音を立てて器械は回る
繰り返すが、力を入れても意味はない
そしてまた玉が出てくる
伊織「緑よっ!」
P「石鹸だ」
伊織「はあ…」
やよい「が、頑張って伊織ちゃん!」
伊織「ええ、任せておいて」
伊織「はあっ!」
またも派手な音を立てて器械は回る
繰り返すが、力を入れても意味はない
そしてまた玉が出てくる
伊織「緑よっ!」
P「石鹸だ」
伊織「はあ…」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:14:31.24 ID:2oBm9X1w0
伊織「ま、どうせこんなもんよ…」
春香「うん、そうだね…」
春香「やよい、良かったらこれあげるよ…」
伊織「私のもあげるわ…」
やよい「わっ、良いんですかー!?助かりますー!」
やよいは受け取ったポケットティッシュと石鹸を大事そうに鞄にしまった
春香「うん、そうだね…」
春香「やよい、良かったらこれあげるよ…」
伊織「私のもあげるわ…」
やよい「わっ、良いんですかー!?助かりますー!」
やよいは受け取ったポケットティッシュと石鹸を大事そうに鞄にしまった
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:16:05.69 ID:2oBm9X1w0
P「やよい、ラストチャンスだ」
やよい「はい!頑張りますー!」
やよい「うーん、出来れば五等のお醤油1リットルが欲しいなあ…」
やよいはゆっくりと器械を回した
真剣な表情でその動作を続け、ぽとりと玉が落ちてきた
やよい「出ました、赤です!」
やよい「えっと…、あ、お醤油は紫でした、残念です」
春香「やよい、赤って…」
伊織「嘘でしょ?」
P「…信じられないな」
やよい「え?」
次の瞬間、鐘の音がスーパー中に鳴り響いた
やよい「はい!頑張りますー!」
やよい「うーん、出来れば五等のお醤油1リットルが欲しいなあ…」
やよいはゆっくりと器械を回した
真剣な表情でその動作を続け、ぽとりと玉が落ちてきた
やよい「出ました、赤です!」
やよい「えっと…、あ、お醤油は紫でした、残念です」
春香「やよい、赤って…」
伊織「嘘でしょ?」
P「…信じられないな」
やよい「え?」
次の瞬間、鐘の音がスーパー中に鳴り響いた
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:18:22.12 ID:2oBm9X1w0
【初日・9時】
響「ほら見てみろ律子!海がキレイだぞ!」
律子「分かったから、あんまりさわいじゃだめよ」
響「自分、今すぐにでもあそこに飛び込みたいぞー!」
やよい「伊織ちゃん、私、飛行機乗るのなんて初めてだよ!」
伊織「あら、そうなの」
やよい「伊織ちゃんは乗ったことある?」
伊織「当たり前じゃない、自家用のも2台あるわよ」
やよい「じかよう?」
春香「千早ちゃん…、飛行機とか大丈夫な人?」
千早「ええ…、春香はダメなの?」
春香「うん、ちょっと、大丈夫だって分かってはいるんだけど…」
春香「うう、こんなときでも寝られる美希が羨ましいよ…」
美希「かー…」
響「ほら見てみろ律子!海がキレイだぞ!」
律子「分かったから、あんまりさわいじゃだめよ」
響「自分、今すぐにでもあそこに飛び込みたいぞー!」
やよい「伊織ちゃん、私、飛行機乗るのなんて初めてだよ!」
伊織「あら、そうなの」
やよい「伊織ちゃんは乗ったことある?」
伊織「当たり前じゃない、自家用のも2台あるわよ」
やよい「じかよう?」
春香「千早ちゃん…、飛行機とか大丈夫な人?」
千早「ええ…、春香はダメなの?」
春香「うん、ちょっと、大丈夫だって分かってはいるんだけど…」
春香「うう、こんなときでも寝られる美希が羨ましいよ…」
美希「かー…」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:20:26.30 ID:2oBm9X1w0
やよいが当てたのは8人分の南の島ご招待券だった
2泊3日の期間中は島ごと完全に貸切で、俺達以外には誰もいないらしい
当人のやよいを含めて、スケジュールが空いているアイドルが6人
それに引率の俺と律子が入り、運良くぴったりと枠が埋まった
千早「美希、着いたわよ」
美希「うーん…」
千早「美希」
美希「…あれ千早さん、もう着いたの?」
千早「これから船に乗るのよ」
美希「うん、分かったの…」
美希「…………うん…」
千早「そう言いながら寝ないで」
美希「はいなの…」
2泊3日の期間中は島ごと完全に貸切で、俺達以外には誰もいないらしい
当人のやよいを含めて、スケジュールが空いているアイドルが6人
それに引率の俺と律子が入り、運良くぴったりと枠が埋まった
千早「美希、着いたわよ」
美希「うーん…」
千早「美希」
美希「…あれ千早さん、もう着いたの?」
千早「これから船に乗るのよ」
美希「うん、分かったの…」
美希「…………うん…」
千早「そう言いながら寝ないで」
美希「はいなの…」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:22:42.18 ID:2oBm9X1w0
春香「あの、プロデューサーさん!」
P「ん?」
春香「ここ、泳げますよね?」
旅行のパンフレットを持って春香が尋ねてきた
事前に参加者全員に配られており、宿泊先の写真などが細部まで載っている
P「数時間だけだろうな」
春香「え、何でですか?」
P「もうすぐ天気が崩れるらしい」
飛行機を降りた後、俺たちは船で島まで移動した
今日の夜から明日にかけて天候が大幅に崩れるので、それまで船の行き来は無いらしい
P「ん?」
春香「ここ、泳げますよね?」
旅行のパンフレットを持って春香が尋ねてきた
事前に参加者全員に配られており、宿泊先の写真などが細部まで載っている
P「数時間だけだろうな」
春香「え、何でですか?」
P「もうすぐ天気が崩れるらしい」
飛行機を降りた後、俺たちは船で島まで移動した
今日の夜から明日にかけて天候が大幅に崩れるので、それまで船の行き来は無いらしい
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:24:30.55 ID:2oBm9X1w0
伊織「うぅ、気持ち悪い…」
春香「地面が揺れてる…」
やよい「二人とも、大丈夫ですか?」
伊織「大丈夫じゃないわ…」
春香「帰りが今から憂鬱だよ…」
船での移動中、伊織と春香が船酔いしてしまった
やよいが両手で二人の背中をさすっている
律子「この後はみんなで泳ぐ予定だったんだけど…」
伊織「ごめん、ちょっと無理…」
春香「私もです…」
律子「そのようね、二人とも部屋で休んでなさい」
春香「地面が揺れてる…」
やよい「二人とも、大丈夫ですか?」
伊織「大丈夫じゃないわ…」
春香「帰りが今から憂鬱だよ…」
船での移動中、伊織と春香が船酔いしてしまった
やよいが両手で二人の背中をさすっている
律子「この後はみんなで泳ぐ予定だったんだけど…」
伊織「ごめん、ちょっと無理…」
春香「私もです…」
律子「そのようね、二人とも部屋で休んでなさい」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:27:30.72 ID:2oBm9X1w0
【初日・13時・屋敷】
春香「やっと着いた…」
伊織「そうね…」
小さな島なので、数分で俺たちは宿泊予定の屋敷に到着した
その外観は思っていたより古めかしく、木造で、不気味な雰囲気を漂わせていた
しかし実際は自然エネルギーを電力に変換し、建物全体の電気を工面しているハイテク建築だという
また防音・空調機能も備わっており、普段は多くの観光客が快適な時間を満喫しているらしい
そして何より特徴的なのは、入り口の反対側のすぐ近くに海があるということだった
俺は預かっていた鍵を使い扉を開けた
内装にはますます所有者の趣味が感じられ、
意図的に古く作られたアトラクションのようでもあった
響「うわー、なんか出そうなとこだぞ」
千早「本当…」
やよい「うう、怖いですー…」
個人的には好きな雰囲気だったのだが、
アイドル達からの評判は芳しくないようだ
春香「やっと着いた…」
伊織「そうね…」
小さな島なので、数分で俺たちは宿泊予定の屋敷に到着した
その外観は思っていたより古めかしく、木造で、不気味な雰囲気を漂わせていた
しかし実際は自然エネルギーを電力に変換し、建物全体の電気を工面しているハイテク建築だという
また防音・空調機能も備わっており、普段は多くの観光客が快適な時間を満喫しているらしい
そして何より特徴的なのは、入り口の反対側のすぐ近くに海があるということだった
俺は預かっていた鍵を使い扉を開けた
内装にはますます所有者の趣味が感じられ、
意図的に古く作られたアトラクションのようでもあった
響「うわー、なんか出そうなとこだぞ」
千早「本当…」
やよい「うう、怖いですー…」
個人的には好きな雰囲気だったのだが、
アイドル達からの評判は芳しくないようだ
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:30:06.50 ID:2oBm9X1w0
P「それじゃ、部屋の鍵をわたすぞ」
部屋割りはあらかじめ参加者全員で以下のように決めておいた
2F 響 伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 階段
出来れば男女でフロアを分けたかったのだが、
部屋が足りないので春香が俺の隣の部屋を使うことになっている
俺の部屋は響の部屋の、
春香の部屋は伊織の部屋のそれぞれ真下だ
やよい・千早・美希の部屋にまたがった階下には食堂と浴室がある
階段は美希の部屋の正面にあり、俺や響の部屋からは遠い位置にある
ロビーは入ってすぐの位置にあり、一階の様子が一望できる
壁にかかってある斧を、響が興味深そうに眺めていた
P「それと、部屋を出るときは鍵を閉めておくこと」
P「失くすとまずいから、鍵はロビーに置き場所があるからそこに掛けておくように」
P「一応マスターキーはあるけど、気をつけてな」
部屋割りはあらかじめ参加者全員で以下のように決めておいた
2F 響 伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 階段
出来れば男女でフロアを分けたかったのだが、
部屋が足りないので春香が俺の隣の部屋を使うことになっている
俺の部屋は響の部屋の、
春香の部屋は伊織の部屋のそれぞれ真下だ
やよい・千早・美希の部屋にまたがった階下には食堂と浴室がある
階段は美希の部屋の正面にあり、俺や響の部屋からは遠い位置にある
ロビーは入ってすぐの位置にあり、一階の様子が一望できる
壁にかかってある斧を、響が興味深そうに眺めていた
P「それと、部屋を出るときは鍵を閉めておくこと」
P「失くすとまずいから、鍵はロビーに置き場所があるからそこに掛けておくように」
P「一応マスターキーはあるけど、気をつけてな」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:32:13.12 ID:2oBm9X1w0
律子「じゃあみんな、各自部屋で水着に着替えてロビーに集合してね」
美希「ねえ、ハニーは行かないの?」
P「ああ、春香たちと留守番だ」
美希「ふーん、せっかくキワドイ水着持ってきたのになー」
P「じゃあ、なおさら一緒に行くわけにいかないな」
美希「むー、つまんないの」
律子「バカな事言ってないで、ほら着替えてきなさい」
美希「はーい、なの」
美希「ねえ、ハニーは行かないの?」
P「ああ、春香たちと留守番だ」
美希「ふーん、せっかくキワドイ水着持ってきたのになー」
P「じゃあ、なおさら一緒に行くわけにいかないな」
美希「むー、つまんないの」
律子「バカな事言ってないで、ほら着替えてきなさい」
美希「はーい、なの」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:34:30.01 ID:2oBm9X1w0
【初日・14時】
荷解きを終えて、俺は部屋を見渡していた
広さはかなりあり、家具はどれも高級そうだ
おそらくどの部屋も同じ形、おなじ物の配置だろう
そして一つの部屋に一つの洋式トイレ
浴槽はないがシャワールームもある
ドアの横には内線専用の電話機が設置されている
見た目は建物の雰囲気に合わせ古臭かったが、
本体部分の液晶に繋いでいる部屋の番号が出るようになっていた
つまり、どの部屋から電話が来たか事前に分かるのだ
俺は入って正面の大きな出窓を、ロックを外し外側に開いた
改めて眺めると、本当にすぐそこに海がある
建物と海の間に陸地はなく、長いさおがあれば部屋の中から釣りが出来るほどの距離だった
P「(しかしこれは…、部屋の窓は開けないように注意しとかなくちゃな)」
身を乗り出して落ちてしまったら、そのまま海へドボンだ
そう考えていたときに、誰かが部屋のドアをノックする音が聞こえた
荷解きを終えて、俺は部屋を見渡していた
広さはかなりあり、家具はどれも高級そうだ
おそらくどの部屋も同じ形、おなじ物の配置だろう
そして一つの部屋に一つの洋式トイレ
浴槽はないがシャワールームもある
ドアの横には内線専用の電話機が設置されている
見た目は建物の雰囲気に合わせ古臭かったが、
本体部分の液晶に繋いでいる部屋の番号が出るようになっていた
つまり、どの部屋から電話が来たか事前に分かるのだ
俺は入って正面の大きな出窓を、ロックを外し外側に開いた
改めて眺めると、本当にすぐそこに海がある
建物と海の間に陸地はなく、長いさおがあれば部屋の中から釣りが出来るほどの距離だった
P「(しかしこれは…、部屋の窓は開けないように注意しとかなくちゃな)」
身を乗り出して落ちてしまったら、そのまま海へドボンだ
そう考えていたときに、誰かが部屋のドアをノックする音が聞こえた
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:36:10.58 ID:2oBm9X1w0
美希「ハニー、この水着どう?」
ドアを開けると、そこには確かにキワドイ水着を着た美希がいた
P「ああ、似合ってるよ」
響「プロデューサー、自分はどうだ?」
やよい「あのー、私学校ので恥ずかしいんですけど…」
千早「くっ」
P「うん、みんなよく似合ってる」
律子「ほらみんな、晴れてるうちにさっさと行くわよ!」
P「律子もな」
律子「はい?」
P「似合ってる」
律子「もう、何バカなこと言ってるんですか」
律子はそう言って、美希たちを外に引っ張っていった
ドアを開けると、そこには確かにキワドイ水着を着た美希がいた
P「ああ、似合ってるよ」
響「プロデューサー、自分はどうだ?」
やよい「あのー、私学校ので恥ずかしいんですけど…」
千早「くっ」
P「うん、みんなよく似合ってる」
律子「ほらみんな、晴れてるうちにさっさと行くわよ!」
P「律子もな」
律子「はい?」
P「似合ってる」
律子「もう、何バカなこと言ってるんですか」
律子はそう言って、美希たちを外に引っ張っていった
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:38:25.33 ID:2oBm9X1w0
俺は春香と伊織の見舞いに行くことにした
声が通りづらいので、俺は少しだけドアを開けて声をかけた
P「春香、具合はどうだ?」
春香「プロデューサーさんですか…?」
P「ああ」
春香「はい、さっきよりは大分マシになりました」
P「そうか、でも無理するなよ」
春香「はい、ありがとうございます」
声が通りづらいので、俺は少しだけドアを開けて声をかけた
P「春香、具合はどうだ?」
春香「プロデューサーさんですか…?」
P「ああ」
春香「はい、さっきよりは大分マシになりました」
P「そうか、でも無理するなよ」
春香「はい、ありがとうございます」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:40:17.83 ID:2oBm9X1w0
P「伊織、具合はどうだ?」
伊織「…プロデューサー?」
P「ああ」
伊織「…悪いけど、話すのもしんどいのよ…」
P「分かった、俺は部屋にいるから何かあったら携帯かそこの電話を使って1番に連絡してくれ」
伊織「…ありがと」
1番というのは俺の部屋番号だ
玄関の位置から正面に見て、下の階の左から数えている
よって、俺の部屋が1番で春香が2番
一階に個室は2つしかないから響が3番、最後が律子の部屋の8番になっている
俺は自分の部屋に戻り、仕事の資料に目を通していた
伊織「…プロデューサー?」
P「ああ」
伊織「…悪いけど、話すのもしんどいのよ…」
P「分かった、俺は部屋にいるから何かあったら携帯かそこの電話を使って1番に連絡してくれ」
伊織「…ありがと」
1番というのは俺の部屋番号だ
玄関の位置から正面に見て、下の階の左から数えている
よって、俺の部屋が1番で春香が2番
一階に個室は2つしかないから響が3番、最後が律子の部屋の8番になっている
俺は自分の部屋に戻り、仕事の資料に目を通していた
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:43:02.18 ID:2oBm9X1w0
【初日・17時】
3時間ほど経ってから、律子たちがペンションに戻ってきた
律子「戻りましたー」
美希「ねえハニー、すっごく楽しかったの!」
響「うん、最高だったぞ!」
P「ああ、よかったな」
律子「まだ降ってませんけど、時間の問題ですね」
P「今日はもう外に出れないな」
上空は濃い雨雲で満たされている
早めに切り上げてきたのは賢明だろう
3時間ほど経ってから、律子たちがペンションに戻ってきた
律子「戻りましたー」
美希「ねえハニー、すっごく楽しかったの!」
響「うん、最高だったぞ!」
P「ああ、よかったな」
律子「まだ降ってませんけど、時間の問題ですね」
P「今日はもう外に出れないな」
上空は濃い雨雲で満たされている
早めに切り上げてきたのは賢明だろう
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:45:57.32 ID:2oBm9X1w0
響「あれ?おかしいぞ」
P「どうした?」
響「あ、プロデューサー、自分の部屋の鍵がないんだ」
P「ここに掛けておいたのか?」
響「うん、そうしたはずなんだけど…」
響の部屋番号「3」のフックには、何もかかっていなかった
最初に見たときには、俺が預かっていた玄関以外の鍵が全てかかっていたはずだ
P「どうした?」
響「あ、プロデューサー、自分の部屋の鍵がないんだ」
P「ここに掛けておいたのか?」
響「うん、そうしたはずなんだけど…」
響の部屋番号「3」のフックには、何もかかっていなかった
最初に見たときには、俺が預かっていた玄関以外の鍵が全てかかっていたはずだ
38: 登場人物はこれで全員です 投稿日:2012/07/15(日) 21:48:22.07 ID:2oBm9X1w0
P「もしかしたら閉め忘れて部屋にあるんじゃないか?」
響「…ちょっと確かめてくるぞ」
そう言って響は2階の自分の部屋まで確かめに行った
階段から遠いせいか、少し時間が経ってから戻ってきた
響「やっぱり鍵がかかってた、自分、ちゃんと閉めたはずだからな」
P「そうか…、まあずっとその格好でいるわけにもいかないな」
響は水着姿で体中を濡らしている
P「マスターキーを貸すから、それを使ってくれ」
P「風邪をひかないように早くシャワーを浴びて着替えてこい」
俺は「M」のフックにかけてあるマスターキーを響に渡した
響「ごめんな、プロデューサー」
P「失くさないようにな」
響「うん!」
響「…ちょっと確かめてくるぞ」
そう言って響は2階の自分の部屋まで確かめに行った
階段から遠いせいか、少し時間が経ってから戻ってきた
響「やっぱり鍵がかかってた、自分、ちゃんと閉めたはずだからな」
P「そうか…、まあずっとその格好でいるわけにもいかないな」
響は水着姿で体中を濡らしている
P「マスターキーを貸すから、それを使ってくれ」
P「風邪をひかないように早くシャワーを浴びて着替えてこい」
俺は「M」のフックにかけてあるマスターキーを響に渡した
響「ごめんな、プロデューサー」
P「失くさないようにな」
響「うん!」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:50:51.89 ID:2oBm9X1w0
【初日・17時30分】
俺は窓を開け放して海を眺めていた
嵐の前の静けさがこの場所を支配している
突然部屋の電話が鳴った
黒電話のような、けたたましい音だ
俺は窓から離れ、ドアの横の電話を取りにいった
表示されているのは「3」、響の部屋からだ
P「もしもし」
返事は無かった
P「響?」
返事はなく、10秒ほど無音の時間があってから、がちゃんという音を残して通話は切れた
P「(…いたずら電話か?)」
俺はすぐにその電話を使い響の部屋にコールした
しかし30秒ほど待っていても響は出ない
俺は部屋を出て響の部屋まで向かった
階段が反対側にあるので、俺の部屋と響の部屋は最も遠い組み合わせだ
俺は窓を開け放して海を眺めていた
嵐の前の静けさがこの場所を支配している
突然部屋の電話が鳴った
黒電話のような、けたたましい音だ
俺は窓から離れ、ドアの横の電話を取りにいった
表示されているのは「3」、響の部屋からだ
P「もしもし」
返事は無かった
P「響?」
返事はなく、10秒ほど無音の時間があってから、がちゃんという音を残して通話は切れた
P「(…いたずら電話か?)」
俺はすぐにその電話を使い響の部屋にコールした
しかし30秒ほど待っていても響は出ない
俺は部屋を出て響の部屋まで向かった
階段が反対側にあるので、俺の部屋と響の部屋は最も遠い組み合わせだ
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:53:25.60 ID:2oBm9X1w0
ロビーに出ると、美希と千早が私服に着替えて談笑していた
美希「あ、ハニー!この服どうかな?」
P「ああ、似合ってるよ」
千早「何かあったんですか?」
千早がそう言った
おそらく、俺の奇妙な表情を見て言ったのだろう
P「響の部屋から電話があったんだ」
美希「電話って、あの部屋についてるやつ?」
P「ああ」
美希「むー、響もハニーのこと狙ってるのかなあ」
千早「でも、なぜわざわざ部屋の電話を使ったのでしょう」
千早「何にしろ携帯で連絡したほうが確実だと思うのだけれど…」
P「確かにそうだな」
美希「きっと、そのほうがロマンチックだからじゃないかな」
P「電話の種類にロマンの違いなんかないよ」
美希「もう、ハニーはなーんもわかってないの!」
美希「あ、ハニー!この服どうかな?」
P「ああ、似合ってるよ」
千早「何かあったんですか?」
千早がそう言った
おそらく、俺の奇妙な表情を見て言ったのだろう
P「響の部屋から電話があったんだ」
美希「電話って、あの部屋についてるやつ?」
P「ああ」
美希「むー、響もハニーのこと狙ってるのかなあ」
千早「でも、なぜわざわざ部屋の電話を使ったのでしょう」
千早「何にしろ携帯で連絡したほうが確実だと思うのだけれど…」
P「確かにそうだな」
美希「きっと、そのほうがロマンチックだからじゃないかな」
P「電話の種類にロマンの違いなんかないよ」
美希「もう、ハニーはなーんもわかってないの!」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:55:05.15 ID:2oBm9X1w0
俺は二階へ上がり、響の部屋のドアをノックした
P「響」
返事は無い
P「響!いないのか!?」
返事は無い
P「響!開けるぞ!」
返事は無い
俺はドアノブを回した
しかし、鍵がかかっている
俺は響の携帯に電話を掛けた
すると部屋の中から着信音が聞こえてきた
中で熟睡しているのだろうか…?
しかしついさっきの電話は確かにこの部屋からだ
P「響」
返事は無い
P「響!いないのか!?」
返事は無い
P「響!開けるぞ!」
返事は無い
俺はドアノブを回した
しかし、鍵がかかっている
俺は響の携帯に電話を掛けた
すると部屋の中から着信音が聞こえてきた
中で熟睡しているのだろうか…?
しかしついさっきの電話は確かにこの部屋からだ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:57:50.69 ID:2oBm9X1w0
>>41
ずれてますね、こんな感じで
分かりにくかったら地の文を参考にしてください
2F 響 .伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 ..階段
ずれてますね、こんな感じで
分かりにくかったら地の文を参考にしてください
2F 響 .伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 ..階段
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 21:59:25.28 ID:2oBm9X1w0
俺は他の場所を探すことにした
伊織ももう回復しているだろう
俺は隣の伊織の部屋のドアをノックした
P「伊織、起きてるか!?」
この建物の部屋は外の音が聞こえづらいので、大きな声を出さなければいけない
伊織「ええ…」
伊織はドアを開けた
伊織「…どうしたの?」
P「響がいないんだ」
伊織「響が?」
P「ああ、知らないか?」
伊織「知らないわ、ぐっすり寝てたところを今起こされたんだもの」
P「そうか、悪かったな」
P「ついでに、窓の外を見せてくれないか?」
俺は伊織の部屋の窓から身を乗り出し、隣を覗き込んだ
中の様子はまでは分からないが、響の部屋の窓が閉まっていることは確認した
伊織ももう回復しているだろう
俺は隣の伊織の部屋のドアをノックした
P「伊織、起きてるか!?」
この建物の部屋は外の音が聞こえづらいので、大きな声を出さなければいけない
伊織「ええ…」
伊織はドアを開けた
伊織「…どうしたの?」
P「響がいないんだ」
伊織「響が?」
P「ああ、知らないか?」
伊織「知らないわ、ぐっすり寝てたところを今起こされたんだもの」
P「そうか、悪かったな」
P「ついでに、窓の外を見せてくれないか?」
俺は伊織の部屋の窓から身を乗り出し、隣を覗き込んだ
中の様子はまでは分からないが、響の部屋の窓が閉まっていることは確認した
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:01:21.70 ID:2oBm9X1w0
俺は伊織に礼を言ってから部屋を後にした
次はその隣のやよいの部屋だ
P「やよい」
返事は無い
P「やよい!いないのか!?」
返事は無い
P「やよい!入るぞ!」
しかし鍵がかかっている
俺は一抹の不安を抱きながらやよいの携帯に電話をかけた
次はその隣のやよいの部屋だ
P「やよい」
返事は無い
P「やよい!いないのか!?」
返事は無い
P「やよい!入るぞ!」
しかし鍵がかかっている
俺は一抹の不安を抱きながらやよいの携帯に電話をかけた
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:03:03.29 ID:2oBm9X1w0
やよい『はい、もしもし』
俺は安堵した
P「やよい、今どこにいる?」
やよい『えっと、春香さんのお部屋にお邪魔してます』
P「そうか、今から部屋に行っても良いか春香に聞いてくれるか?」
やよい『え?わ、わかりました』
春香の部屋は一階の俺の隣だ
俺は階段を下りながら返事を待った
やよいが春香にその旨を伝え、了承する声がわずかに聞こえた
やよい『構わないそうですー』
P「ありがとう、もう部屋の前にいるからドアを開けてくれるか?」
間もなく、やよいと春香が揃ってドアから顔を出した
俺は安堵した
P「やよい、今どこにいる?」
やよい『えっと、春香さんのお部屋にお邪魔してます』
P「そうか、今から部屋に行っても良いか春香に聞いてくれるか?」
やよい『え?わ、わかりました』
春香の部屋は一階の俺の隣だ
俺は階段を下りながら返事を待った
やよいが春香にその旨を伝え、了承する声がわずかに聞こえた
やよい『構わないそうですー』
P「ありがとう、もう部屋の前にいるからドアを開けてくれるか?」
間もなく、やよいと春香が揃ってドアから顔を出した
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:05:30.39 ID:2oBm9X1w0
春香「どうしたんですか?プロデューサーさん」
P「響を知らないか?」
春香「いえ、知りませんけど…」
P「やよいは?」
やよい「いえ、私も戻ってシャワーを浴びてからずっと春香さんといましたから…」
3人の間に沈黙が降りた
P「…じゃあ他も当たってみるよ」
春香「はい、お願いします…」
やよい「春香さん、晩ご飯いっしょにつくりましょう!」
春香「あ、そうだね!」
やよい「はい、頑張りましょう!」
結局、誰一人響の行方を知るものは誰もいない
俺と律子で建物のあらゆる場所を探したが一向に見つからなかった
窓の外では、雷を合図に凄まじい雨が降り始めた
P「響を知らないか?」
春香「いえ、知りませんけど…」
P「やよいは?」
やよい「いえ、私も戻ってシャワーを浴びてからずっと春香さんといましたから…」
3人の間に沈黙が降りた
P「…じゃあ他も当たってみるよ」
春香「はい、お願いします…」
やよい「春香さん、晩ご飯いっしょにつくりましょう!」
春香「あ、そうだね!」
やよい「はい、頑張りましょう!」
結局、誰一人響の行方を知るものは誰もいない
俺と律子で建物のあらゆる場所を探したが一向に見つからなかった
窓の外では、雷を合図に凄まじい雨が降り始めた
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:07:53.69 ID:2oBm9X1w0
P「…ドアを壊して中を確認しよう」
律子「…それしかありませんね」
俺はロビーに飾ってあった斧を持ってきて、響の部屋のドアに思い切り叩き付けた
もし眠っているのなら、この音で起きないはずはない
扉に穴が開き、そこから内側に手を入れて鍵を開け中に入った
窓は閉まっていて内側からロックされている
トイレやシャワールーム、ベッドの下やクローゼットの中まで確認したが響の姿はなかった
さっきまで響が着ていた水着が脱衣所に残されている
確かに響はこの部屋に戻ってきたのだ
マスターキーは響に渡したきりで、戻されてはいない
窓から他の場所へ移動するのは例え晴れていて響の部屋の窓が開いていても難しい
移動するための取っ掛かりがないのだ
いずれにしても窓のロックは外側からは出来ないので、彼女の部屋は紛れもない密室だった
律子「…それしかありませんね」
俺はロビーに飾ってあった斧を持ってきて、響の部屋のドアに思い切り叩き付けた
もし眠っているのなら、この音で起きないはずはない
扉に穴が開き、そこから内側に手を入れて鍵を開け中に入った
窓は閉まっていて内側からロックされている
トイレやシャワールーム、ベッドの下やクローゼットの中まで確認したが響の姿はなかった
さっきまで響が着ていた水着が脱衣所に残されている
確かに響はこの部屋に戻ってきたのだ
マスターキーは響に渡したきりで、戻されてはいない
窓から他の場所へ移動するのは例え晴れていて響の部屋の窓が開いていても難しい
移動するための取っ掛かりがないのだ
いずれにしても窓のロックは外側からは出来ないので、彼女の部屋は紛れもない密室だった
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:09:55.70 ID:2oBm9X1w0
【初日・19時】
律子「…やっぱり、今日と明日は来るのが難しいそうです…」
P「…そうだろうな」
あれから再びペンションの中を探し回ったが、やはり響はどこにもいなかった
警察に連絡はしたものの、この天気では船が出せないという
律子「まさか、窓から落ちたんじゃ…」
P「いや、窓は閉まっていたんだ」
律子「そうですか…」
美希「響、まだ見つからないの?」
P「ああ…」
美希が俺たちに尋ねた
いつになく暗い顔だ
P「みんなはどうしてる?」
美希「向こうでゴハン作ってるよ」
美希の言う通り、4人がキッチンで料理に励んでいる
俺達以外には誰もいないので、食事の準備も自分達でしなければならない
食材や調理器具は揃っているから、船が来なくても飢えることはないだろう
律子「…やっぱり、今日と明日は来るのが難しいそうです…」
P「…そうだろうな」
あれから再びペンションの中を探し回ったが、やはり響はどこにもいなかった
警察に連絡はしたものの、この天気では船が出せないという
律子「まさか、窓から落ちたんじゃ…」
P「いや、窓は閉まっていたんだ」
律子「そうですか…」
美希「響、まだ見つからないの?」
P「ああ…」
美希が俺たちに尋ねた
いつになく暗い顔だ
P「みんなはどうしてる?」
美希「向こうでゴハン作ってるよ」
美希の言う通り、4人がキッチンで料理に励んでいる
俺達以外には誰もいないので、食事の準備も自分達でしなければならない
食材や調理器具は揃っているから、船が来なくても飢えることはないだろう
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:12:45.17 ID:2oBm9X1w0
春香「響ちゃん、まだ見つからないんですか…?」
P「ああ…」
一段落を終えたみんなが心配そうな顔で佇んでいる
千早「警察に届けたほうがいいのでは…」
P「連絡はしたんだが、天候が悪くてまだ来れないんだ」
千早「そうですか…」
伊織「全く、なにやってんのかしらね」
やよい「響さん、どこいっちゃったんでしょう…」
皆が心配そうに話す
伊織はもうすっかり体調が戻ったようだ
P「ああ…」
一段落を終えたみんなが心配そうな顔で佇んでいる
千早「警察に届けたほうがいいのでは…」
P「連絡はしたんだが、天候が悪くてまだ来れないんだ」
千早「そうですか…」
伊織「全く、なにやってんのかしらね」
やよい「響さん、どこいっちゃったんでしょう…」
皆が心配そうに話す
伊織はもうすっかり体調が戻ったようだ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:15:29.35 ID:2oBm9X1w0
伊織「もう先に食べちゃいましょうよ」
伊織「響が出てきたら残り物でも勝手に食べればいいわ」
美希「ふーん」
伊織「な、何よ」
美希「でこちゃん、優しいの」
伊織「そ、そんなんじゃないわよ!」
P「…そうだな」
律子「はい、じゃあみんな席につきなさい!」
律子の号令で、響以外の全員が食卓についた
伊織「響が出てきたら残り物でも勝手に食べればいいわ」
美希「ふーん」
伊織「な、何よ」
美希「でこちゃん、優しいの」
伊織「そ、そんなんじゃないわよ!」
P「…そうだな」
律子「はい、じゃあみんな席につきなさい!」
律子の号令で、響以外の全員が食卓についた
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:18:26.71 ID:2oBm9X1w0
P「みんな、ちょっと聞いてくれ」
食事を終えてから、俺は話を始めた
P「響がどこにいるのかはまだ分からない」
P「屋敷の外に出て帰れなくなってしまっているのかもしれない」
P「もしかしたら、もしかしたらだが」
P「外部の人間が何かしら絡んでいるのかもしれない」
P「だから、今夜は各自で鍵を自分の部屋の中に持ち込んできちんと戸締りをしてくれ」
P「もちろんそんなことは無いと思うが、念のためにだ」
P「余計な心配をせずに、ぐっすりと眠るためにだ」
P「響が無事に戻ってくることを信じて、元気に過ごそう」
我ながら、楽天的なことを言ってしまったと思う
しかし、彼女達を不安にさせても仕方が無いのだ
料理の出来は良かったが、ほとんどが残り物になってしまった
食事を終えてから、俺は話を始めた
P「響がどこにいるのかはまだ分からない」
P「屋敷の外に出て帰れなくなってしまっているのかもしれない」
P「もしかしたら、もしかしたらだが」
P「外部の人間が何かしら絡んでいるのかもしれない」
P「だから、今夜は各自で鍵を自分の部屋の中に持ち込んできちんと戸締りをしてくれ」
P「もちろんそんなことは無いと思うが、念のためにだ」
P「余計な心配をせずに、ぐっすりと眠るためにだ」
P「響が無事に戻ってくることを信じて、元気に過ごそう」
我ながら、楽天的なことを言ってしまったと思う
しかし、彼女達を不安にさせても仕方が無いのだ
料理の出来は良かったが、ほとんどが残り物になってしまった
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:22:22.46 ID:2oBm9X1w0
【初日・22時】
律子「プロデューサー、いますか?」
律子が俺の部屋をノックして言った
俺はドアを開けた
P「ああ、どうした?」
律子「お風呂、みんな済みましたから」
P「そうか、ありがとう」
律子「いえ」
P「…なあ律子」
律子「なんですか?」
P「俺が響がいないことに気づく前に、響の部屋から電話があったんだ」
律子はにわかに表情を変えた
律子「プロデューサー、いますか?」
律子が俺の部屋をノックして言った
俺はドアを開けた
P「ああ、どうした?」
律子「お風呂、みんな済みましたから」
P「そうか、ありがとう」
律子「いえ」
P「…なあ律子」
律子「なんですか?」
P「俺が響がいないことに気づく前に、響の部屋から電話があったんだ」
律子はにわかに表情を変えた
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:26:01.26 ID:2oBm9X1w0
律子「ひ、響はなんて言ってたんですか?」
P「いや、何も言わなかった」
P「何度か声をかけたんだが、10秒くらい経ってから切れたんだ」
律子「それは、なんででしょうか…」
P「分からない、確かに受話器を置く音が聞こえたから故障では無いと思う」
律子「その時には響はまだ部屋にいたってことでしょうか」
P「そうかもしれない、しかしそのあとすぐに部屋に電話をしたが出なかったんだ」
P「そしてそれから響の部屋を確認しに行ったが、ドアが閉まっていた」
律子「…」
P「もちろん、何らかの理由で部屋に閉じこもっていたとも考えられるが…」
しかしそれもおそらくないだろう
あの時は俺たちが屋敷中を歩き回っていたから、
響が部屋からこっそり出てきたとしたら間違いなく誰かが気づいたはずだ
つまり、俺が響の部屋についたときにはあの中にはすでに誰もいなかったのだ
P「いや、何も言わなかった」
P「何度か声をかけたんだが、10秒くらい経ってから切れたんだ」
律子「それは、なんででしょうか…」
P「分からない、確かに受話器を置く音が聞こえたから故障では無いと思う」
律子「その時には響はまだ部屋にいたってことでしょうか」
P「そうかもしれない、しかしそのあとすぐに部屋に電話をしたが出なかったんだ」
P「そしてそれから響の部屋を確認しに行ったが、ドアが閉まっていた」
律子「…」
P「もちろん、何らかの理由で部屋に閉じこもっていたとも考えられるが…」
しかしそれもおそらくないだろう
あの時は俺たちが屋敷中を歩き回っていたから、
響が部屋からこっそり出てきたとしたら間違いなく誰かが気づいたはずだ
つまり、俺が響の部屋についたときにはあの中にはすでに誰もいなかったのだ
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:28:20.67 ID:2oBm9X1w0
律子はこの事について深く悩んでいるようだった
責任感の強い人間だから、なんとかしなければと思っているのだろう
そして旅の疲れも相まって、心身ともにだいぶ参っているようだった
律子「あの、プロデューサー…、みんなの巡回頼めますか」
P「ああ、構わないよ」
律子「…すみませんプロデューサー、お願いします」
P「今日はもう休んだほうがいい」
律子「ええ、そうします…」
律子は覚束ない足取りで階段を上っていった
責任感の強い人間だから、なんとかしなければと思っているのだろう
そして旅の疲れも相まって、心身ともにだいぶ参っているようだった
律子「あの、プロデューサー…、みんなの巡回頼めますか」
P「ああ、構わないよ」
律子「…すみませんプロデューサー、お願いします」
P「今日はもう休んだほうがいい」
律子「ええ、そうします…」
律子は覚束ない足取りで階段を上っていった
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:30:18.05 ID:2oBm9X1w0
俺は風呂に入る前に各自の部屋を回った
春香と美希はまだ起きていたが、言われたとおりに部屋に鍵を閉めていた
美希「ハニー、おやすみなさいなの」
P「ああ、おやすみ」
美希「ねえ、夜中ハニーの部屋に行ってもいい?」
P「ダメだ」
春香「プロデューサーさん、おやすみなさい!」
P「ああ、おやすみ」
春香「あ、あの!夜中お部屋に行ってもいいですか!?」
P「ダメだ」
千早の部屋をノックしたときには返事がなかった
すこし不安だったか、鍵がかかっているのを確認して声をかけるのはやめておいた
千早のことだから、もう眠っているのだろう
春香と美希はまだ起きていたが、言われたとおりに部屋に鍵を閉めていた
美希「ハニー、おやすみなさいなの」
P「ああ、おやすみ」
美希「ねえ、夜中ハニーの部屋に行ってもいい?」
P「ダメだ」
春香「プロデューサーさん、おやすみなさい!」
P「ああ、おやすみ」
春香「あ、あの!夜中お部屋に行ってもいいですか!?」
P「ダメだ」
千早の部屋をノックしたときには返事がなかった
すこし不安だったか、鍵がかかっているのを確認して声をかけるのはやめておいた
千早のことだから、もう眠っているのだろう
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:32:26.96 ID:2oBm9X1w0
俺はやよいの部屋をノックした
P「やよい、起きてるか?」
返事は無かったが、思い当たって隣の伊織の部屋をあたった
伊織「やよい?いるわよ」
やよい「あ、プロデューサー…」
P「今日は伊織の部屋で寝るのか?」
やよい「はい、良いですか…?」
P「もちろんだよ、修学旅行じゃないんだから」
やよい「あ、ありがとうございますっ!」
伊織「良かったわね、やよい」
やよい「うんっ!」
P「伊織、やよいをよろしくな」
伊織「ええ、任せなさい!」
P「やよい、起きてるか?」
返事は無かったが、思い当たって隣の伊織の部屋をあたった
伊織「やよい?いるわよ」
やよい「あ、プロデューサー…」
P「今日は伊織の部屋で寝るのか?」
やよい「はい、良いですか…?」
P「もちろんだよ、修学旅行じゃないんだから」
やよい「あ、ありがとうございますっ!」
伊織「良かったわね、やよい」
やよい「うんっ!」
P「伊織、やよいをよろしくな」
伊織「ええ、任せなさい!」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:34:59.94 ID:2oBm9X1w0
風呂は一つしかないので、必然的に男の俺の順番は最後になる
しかし、響だけはまだこの風呂に入っていないだろう
…それにしても一体あの電話は…
確かに「3」の、響の部屋からだった…
響は俺に何かを言おうとしたのだろうか…
それとも…
…
そして…響は消えた…
…ドアも窓も閉まっていた…
…密室だ…
しかし………
………………
どうして…………
…………………………
……………………………………………
しかし、響だけはまだこの風呂に入っていないだろう
…それにしても一体あの電話は…
確かに「3」の、響の部屋からだった…
響は俺に何かを言おうとしたのだろうか…
それとも…
…
そして…響は消えた…
…ドアも窓も閉まっていた…
…密室だ…
しかし………
………………
どうして…………
…………………………
……………………………………………
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:37:21.45 ID:2oBm9X1w0
【二日目・1時】
俺はいつの間にか眠ってしまっていた
今が何時なのか分からない
湯船から上がり、脱衣所の時計で時刻を確認した
・・・まさか3時間近くも眠ってしまったなんて…
自分でも思っていた以上に疲れていたのかもしれない
俺は手早く服を着て、ロビーに出た
どこの部屋も電気は落とされているようだ
俺は響の部屋に向かい、ドアを開けた
以前と変わらない光景が、俺の僅かな希望を砕いた
…もう睡眠は充分だ
俺は懐中電灯とビニール傘を持って外に出た
俺はいつの間にか眠ってしまっていた
今が何時なのか分からない
湯船から上がり、脱衣所の時計で時刻を確認した
・・・まさか3時間近くも眠ってしまったなんて…
自分でも思っていた以上に疲れていたのかもしれない
俺は手早く服を着て、ロビーに出た
どこの部屋も電気は落とされているようだ
俺は響の部屋に向かい、ドアを開けた
以前と変わらない光景が、俺の僅かな希望を砕いた
…もう睡眠は充分だ
俺は懐中電灯とビニール傘を持って外に出た
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:39:37.55 ID:2oBm9X1w0
外は信じられないくらいの豪雨だった
そしてこのペンション以外に建物らしい建物のないこの島の夜はまさに真っ暗闇だ
響にしろ、俺達の知らない誰かにしろ、この状況で外で無事に過ごせるとは思えない
しかし、何もせずにはいられなかった
俺は屋敷の明かりを見失わないように、風で飛ばされないように、歩いた
P「ひびきーっ!!」
P「ひびきーっ!!聞こえてるかー!!」
P「ひびきーっ!!どこにいるんだー!!!」
俺の声は、空しく雨音にかき消されていくだけだった
そしてこのペンション以外に建物らしい建物のないこの島の夜はまさに真っ暗闇だ
響にしろ、俺達の知らない誰かにしろ、この状況で外で無事に過ごせるとは思えない
しかし、何もせずにはいられなかった
俺は屋敷の明かりを見失わないように、風で飛ばされないように、歩いた
P「ひびきーっ!!」
P「ひびきーっ!!聞こえてるかー!!」
P「ひびきーっ!!どこにいるんだー!!!」
俺の声は、空しく雨音にかき消されていくだけだった
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:45:18.02 ID:2oBm9X1w0
【二日目・4時】
結局、夜中中の捜索が実を結ぶことは無かった
俺はペンションに戻り鍵を閉め、
玄関の鍵を「E」(entranceのことだろう)のフックに戻した
その時、俺はあることに気が付いた
響が失くしたと言っていた、3の鍵がかけてあるのだ
ここを出る数時間前にはなかったはずだ
誰が、なぜこんな時間に…?
他の個室の鍵は全てかかっていない
みんな、俺の忠告を聞いてくれたのだ
響の部屋の鍵はいつの間にか戻ってきている
そして、「M」の鍵は響と共に姿を消している…
ずぶ濡れになった俺はもう一度風呂に入った
一応、また響の部屋を覗いたのものの結果は変わらない
みんなに朝食を作ろうかとも思ったが、冷蔵庫の中は昨晩の残り物で一杯だった
P「(…ひと眠りするか)」
俺は毛布を部屋から持ってきて、ロビーのソファに横になった
ここならば、早起きした誰かが起こしてくれるだろう…
結局、夜中中の捜索が実を結ぶことは無かった
俺はペンションに戻り鍵を閉め、
玄関の鍵を「E」(entranceのことだろう)のフックに戻した
その時、俺はあることに気が付いた
響が失くしたと言っていた、3の鍵がかけてあるのだ
ここを出る数時間前にはなかったはずだ
誰が、なぜこんな時間に…?
他の個室の鍵は全てかかっていない
みんな、俺の忠告を聞いてくれたのだ
響の部屋の鍵はいつの間にか戻ってきている
そして、「M」の鍵は響と共に姿を消している…
ずぶ濡れになった俺はもう一度風呂に入った
一応、また響の部屋を覗いたのものの結果は変わらない
みんなに朝食を作ろうかとも思ったが、冷蔵庫の中は昨晩の残り物で一杯だった
P「(…ひと眠りするか)」
俺は毛布を部屋から持ってきて、ロビーのソファに横になった
ここならば、早起きした誰かが起こしてくれるだろう…
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:47:42.43 ID:2oBm9X1w0
【二日目・6時】
やよい「プロデューサー、起きてください」
P「…ん」
やよい「プロデューサーっ」
P「…ああ、やよいか、おはよう」
やよい「おはようございます!どうしてこんな所で寝てるんですか?」
P「…ちょっとな、今何時だ?」
やよい「えっと、6時ですよ」
P「伊織は?」
やよい「まだ寝てます」
P「…やよいは早起きなんだな」
俺はやよいの頭を撫でた
やよい「えへへーっ」
どうやら一番の早起きはやよいらしい
俺たちは二人で顔を洗いに行った
やよい「プロデューサー、起きてください」
P「…ん」
やよい「プロデューサーっ」
P「…ああ、やよいか、おはよう」
やよい「おはようございます!どうしてこんな所で寝てるんですか?」
P「…ちょっとな、今何時だ?」
やよい「えっと、6時ですよ」
P「伊織は?」
やよい「まだ寝てます」
P「…やよいは早起きなんだな」
俺はやよいの頭を撫でた
やよい「えへへーっ」
どうやら一番の早起きはやよいらしい
俺たちは二人で顔を洗いに行った
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:49:16.60 ID:2oBm9X1w0
やよい「響さん、まだ見つからないんですか…?」
P「ああ…」
やよい「そうですか…」
P「優しいな、やよいは」
やよい「そんな、心配になるのは当たり前です」
P「ま、そのうち見つかるさ」
やよい「はい、そうですね…」
この時にも響の部屋を確認したが、結果は同じだった
P「ああ…」
やよい「そうですか…」
P「優しいな、やよいは」
やよい「そんな、心配になるのは当たり前です」
P「ま、そのうち見つかるさ」
やよい「はい、そうですね…」
この時にも響の部屋を確認したが、結果は同じだった
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:51:43.14 ID:2oBm9X1w0
【二日目・8時】
朝食の前に俺はまた外に響を探しに行ったが、成果は無かった
雨はまだ強く降っているが、ほんの少しだけ和らいできている
予報だと、今日の午後には船が出せるまでに回復するらしい
千早・春香・伊織の三人は俺が戻ってきたときには部屋から出てきていた
昨日は就寝時間が早かったせいか、思っていたよりもみんな早起きだ
伊織「もう8時だけど、律子と美希はまだ寝てるの?」
千早「美希はともかく、律子が寝坊してるのは意外ね」
P「あいつ、相当疲れてたからな」
伊織「もう先にご飯食べちゃいましょうよ、おなか減ったわ」
P「そうだな」
俺たちは食堂で昨日の残り物をレンジで暖めて食べた
食後、やよいが淹れてくれたコーヒーがとても美味しかった
朝食の前に俺はまた外に響を探しに行ったが、成果は無かった
雨はまだ強く降っているが、ほんの少しだけ和らいできている
予報だと、今日の午後には船が出せるまでに回復するらしい
千早・春香・伊織の三人は俺が戻ってきたときには部屋から出てきていた
昨日は就寝時間が早かったせいか、思っていたよりもみんな早起きだ
伊織「もう8時だけど、律子と美希はまだ寝てるの?」
千早「美希はともかく、律子が寝坊してるのは意外ね」
P「あいつ、相当疲れてたからな」
伊織「もう先にご飯食べちゃいましょうよ、おなか減ったわ」
P「そうだな」
俺たちは食堂で昨日の残り物をレンジで暖めて食べた
食後、やよいが淹れてくれたコーヒーがとても美味しかった
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:53:29.80 ID:2oBm9X1w0
【二日目・10時】
春香「プロデューサーさん、…どうでしたか?」
P「いや、ダメだったよ」
やはりいくら外を探しても響は見つからない
みんなも探しに行きたがっていたが、危険なので反対した
美希「ふわあ、おはようなのー」
ちょうど、美希が起きて二階から降りてきた
伊織「もう昼よ」
美希「…響は?」
P「まだ見つかっていない」
美希「ふーん…、みんな何やってるの?」
千早「大富豪よ」
美希「誰?大富豪」
やよい「えへへ、私です」
美希「大貧民は?」
伊織「わ、私だけど…」
春香「プロデューサーさん、…どうでしたか?」
P「いや、ダメだったよ」
やはりいくら外を探しても響は見つからない
みんなも探しに行きたがっていたが、危険なので反対した
美希「ふわあ、おはようなのー」
ちょうど、美希が起きて二階から降りてきた
伊織「もう昼よ」
美希「…響は?」
P「まだ見つかっていない」
美希「ふーん…、みんな何やってるの?」
千早「大富豪よ」
美希「誰?大富豪」
やよい「えへへ、私です」
美希「大貧民は?」
伊織「わ、私だけど…」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 22:57:14.65 ID:2oBm9X1w0
美希「あれ、律子…さんはまだ寝てるの?」
P「そういえば…、ちょっと寝すぎてるな」
昨晩、あいつと話したのは22時頃だ
すぐにでも眠ってしまいそうな様子だったから、12時間近く寝ていることになる
酒を呑んでいたわけでもないし、いくらなんでも寝すぎている
春香「それじゃあ、私が起こしてきますよ」
P「ああ、頼む」
そういって春香は階段を上がり、律子の部屋へ向かった
しかし、すこししてから一階に戻ってきた
春香「だめです、返事がありませんでした」
P「鍵は開いていたか?」
春香「いえ、閉まってます」
今度は俺と春香で律子の部屋の前まで来た
強くドアをノックし声をかけるがやはり返事は無い
P「そういえば…、ちょっと寝すぎてるな」
昨晩、あいつと話したのは22時頃だ
すぐにでも眠ってしまいそうな様子だったから、12時間近く寝ていることになる
酒を呑んでいたわけでもないし、いくらなんでも寝すぎている
春香「それじゃあ、私が起こしてきますよ」
P「ああ、頼む」
そういって春香は階段を上がり、律子の部屋へ向かった
しかし、すこししてから一階に戻ってきた
春香「だめです、返事がありませんでした」
P「鍵は開いていたか?」
春香「いえ、閉まってます」
今度は俺と春香で律子の部屋の前まで来た
強くドアをノックし声をかけるがやはり返事は無い
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:00:01.16 ID:2oBm9X1w0
まさか…
嫌な想像がした
P「律子ー!いないのかー!?」
ロビーには律子の部屋の8の鍵は無い
そのうえマスターキーも無いのだから、律子は中にいるということだ
俺は再びドアを破る決心をした
中でぐっすり眠っていたのなら、それでいい
今夜は俺の部屋を明け渡して、俺はその辺で寝ればいい
俺は今一度ロビーから斧を持ってきた
二回目だからか、作業はあっさりと完了した
俺は響の部屋と同じ手順でドアを開ける
P「律子っ!」
春香「ひっ」
部屋の中央のベッドで律子は寝ていた
布団を真っ赤に染め、胸に包丁をつき立てられている状態で
嫌な想像がした
P「律子ー!いないのかー!?」
ロビーには律子の部屋の8の鍵は無い
そのうえマスターキーも無いのだから、律子は中にいるということだ
俺は再びドアを破る決心をした
中でぐっすり眠っていたのなら、それでいい
今夜は俺の部屋を明け渡して、俺はその辺で寝ればいい
俺は今一度ロビーから斧を持ってきた
二回目だからか、作業はあっさりと完了した
俺は響の部屋と同じ手順でドアを開ける
P「律子っ!」
春香「ひっ」
部屋の中央のベッドで律子は寝ていた
布団を真っ赤に染め、胸に包丁をつき立てられている状態で
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:02:09.65 ID:2oBm9X1w0
【二日目・11時】
P「春香、大丈夫か」
春香「…はい…」
大丈夫なわけがないだろう
軽薄な言葉をかけた自身にそう思った
俺は春香をその場所からロビーまで連れ出してから、一人で再び律子の部屋に戻った
そしてそれが律子の遺体であることを確認し、その事を下にいた4人に伝えた
やよいは大声で泣き喚き、伊織は目に涙を溜めてスカートの裾を握り締めていた
千早と美希は素直にその事実を受け入れたが、ショックを受けているのは明らかだった
そして死体を直視してしまった春香は、数分前にようやく泣き止んだ
俺は改めて警察に連絡しこの旨を伝えた
天候が回復するまであと数時間待っていて欲しい
凶悪犯がその島に潜んでいる可能性が高い
慎重に行動し、なんとかこれ以上犠牲者を出さないようにしてくれ
要約すれば彼らはこのような事を言っていた
まず何よりも優先すべきは、安否の分からない響を含め
残りの全員が無事にこの島を脱出することだ
P「春香、大丈夫か」
春香「…はい…」
大丈夫なわけがないだろう
軽薄な言葉をかけた自身にそう思った
俺は春香をその場所からロビーまで連れ出してから、一人で再び律子の部屋に戻った
そしてそれが律子の遺体であることを確認し、その事を下にいた4人に伝えた
やよいは大声で泣き喚き、伊織は目に涙を溜めてスカートの裾を握り締めていた
千早と美希は素直にその事実を受け入れたが、ショックを受けているのは明らかだった
そして死体を直視してしまった春香は、数分前にようやく泣き止んだ
俺は改めて警察に連絡しこの旨を伝えた
天候が回復するまであと数時間待っていて欲しい
凶悪犯がその島に潜んでいる可能性が高い
慎重に行動し、なんとかこれ以上犠牲者を出さないようにしてくれ
要約すれば彼らはこのような事を言っていた
まず何よりも優先すべきは、安否の分からない響を含め
残りの全員が無事にこの島を脱出することだ
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:05:44.95 ID:2oBm9X1w0
…しかし、どうしても疑問は残る
俺はタバコを吸おうとした
だが、ロビーに置いてあったタバコとライターがなくなっている
不幸は続くものだ
俺はため息をつき、諦めてほかの事を考えた
一体、律子は誰に殺されたのだ
俺が律子の部屋に入った時、7の鍵は部屋の机の上に置いてあった
おそらく、俺の言うとおりに部屋の中に持っていったのだろう
それに窓は閉まってロックされていたし
そもそもあの窓から出て移動するのは不可能だ
足場は無く、数メートル下に海が広がっている
おまけにこの天気だ…
ようするに、これは密室殺人だった
あの部屋に入るにはさっきのように扉を壊すしかない
…マスターキーを使わない限りは
凶器は包丁だった
しかし、飛行機を利用した俺たちは当然そんなものは持ち込んでいない
俺が律子と最後に会ったのは昨日の22時頃
死体を確認した今日の10時までは12時間もある
但し、8時過ぎに朝食を食べ終わってからは誰かしらがロビーにいた
そのため、犯行があったのは22時から8時ということになる
俺はタバコを吸おうとした
だが、ロビーに置いてあったタバコとライターがなくなっている
不幸は続くものだ
俺はため息をつき、諦めてほかの事を考えた
一体、律子は誰に殺されたのだ
俺が律子の部屋に入った時、7の鍵は部屋の机の上に置いてあった
おそらく、俺の言うとおりに部屋の中に持っていったのだろう
それに窓は閉まってロックされていたし
そもそもあの窓から出て移動するのは不可能だ
足場は無く、数メートル下に海が広がっている
おまけにこの天気だ…
ようするに、これは密室殺人だった
あの部屋に入るにはさっきのように扉を壊すしかない
…マスターキーを使わない限りは
凶器は包丁だった
しかし、飛行機を利用した俺たちは当然そんなものは持ち込んでいない
俺が律子と最後に会ったのは昨日の22時頃
死体を確認した今日の10時までは12時間もある
但し、8時過ぎに朝食を食べ終わってからは誰かしらがロビーにいた
そのため、犯行があったのは22時から8時ということになる
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:08:30.99 ID:2oBm9X1w0
P「美希」
美希「…なあに?」
P「昨晩、何か声は聞こえなかったか?」
美希「ううん…」
P「そうか…」
律子の部屋は端にあるので、
何か聞こえたとしたら隣の美希だけだったが手がかりは無いようだ
そもそもこの建物は部屋の外の物音はほとんど聞こえないようになっている
雨音も強かったし仕方が無いだろう
美希「…なあに?」
P「昨晩、何か声は聞こえなかったか?」
美希「ううん…」
P「そうか…」
律子の部屋は端にあるので、
何か聞こえたとしたら隣の美希だけだったが手がかりは無いようだ
そもそもこの建物は部屋の外の物音はほとんど聞こえないようになっている
雨音も強かったし仕方が無いだろう
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:11:02.46 ID:2oBm9X1w0
千早「あの、プロデューサー」
P「ん?」
千早「犯人は、合鍵を持っているんでしょうか?」
P「…そうかもしれない」
千早「マスターキーはプロデューサーが持っているんですか?」
俺は迷ったが、正直に言った
P「響に渡した」
その瞬間、空気が凍った
誰もが次の言葉を出すのを躊躇した
それを言ってしまえば、大切なものが崩れてしまうと分かっていたのだ
P「ん?」
千早「犯人は、合鍵を持っているんでしょうか?」
P「…そうかもしれない」
千早「マスターキーはプロデューサーが持っているんですか?」
俺は迷ったが、正直に言った
P「響に渡した」
その瞬間、空気が凍った
誰もが次の言葉を出すのを躊躇した
それを言ってしまえば、大切なものが崩れてしまうと分かっていたのだ
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:13:52.84 ID:2oBm9X1w0
俺は響の部屋の鍵のことを思い出し、
だれか3番の鍵を元の場所に戻していないかをみんなに聞いた
しかし、誰もそのことは知らないという
一体あの鍵は今日の夜中に誰が元に戻したのだ…
P「あるいは」
P「あるいは、他に鍵を開ける手段を持った犯人がこの島に潜んでいるのかもしれない」
P「いずれにしても、これからは誰も一人にならないように行動しよう」
俺は、その場を支配していた空気を払うようにそう言った
だれか3番の鍵を元の場所に戻していないかをみんなに聞いた
しかし、誰もそのことは知らないという
一体あの鍵は今日の夜中に誰が元に戻したのだ…
P「あるいは」
P「あるいは、他に鍵を開ける手段を持った犯人がこの島に潜んでいるのかもしれない」
P「いずれにしても、これからは誰も一人にならないように行動しよう」
俺は、その場を支配していた空気を払うようにそう言った
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:18:08.03 ID:2oBm9X1w0
俺は律子の遺体の様子を改めて確認することにした
包丁は布団の上から胸の辺りに突き刺さっている
おそらく声を潰すためだろう、喉にも深い傷があった
刺さっている包丁を抜いてやろうとも思ったが、
状況を保つためにそのままにしておいた
それにしても、凶器の包丁の出所は…
包丁は布団の上から胸の辺りに突き刺さっている
おそらく声を潰すためだろう、喉にも深い傷があった
刺さっている包丁を抜いてやろうとも思ったが、
状況を保つためにそのままにしておいた
それにしても、凶器の包丁の出所は…
100: >>96 ご指摘ありがとう、8の鍵のことです 投稿日:2012/07/15(日) 23:20:13.15 ID:2oBm9X1w0
やよい「えっと…、確か2本だけだったと思います」
P「最初に見たときからか?」
やよい「はい、数が変わったら気づくと思います…」
春香「うん、ちょっと少ないなと思ったから印象に残ってます」
P「最後に確認したのはいつだ?」
春香「今日はお料理してませんから…、昨日の夜ですね」
P「つまり、昨日の夜には確かにここに2本の包丁があったはずだな?」
千早「ええ、私もそうだったと思います」
伊織「まさか、そのうちの一本で律子が…」
P「…それを確認しよう」
俺を含む全員がつばを飲む
俺は包丁の入っている棚を開けた
種類の違う2本の包丁が丁寧に置かれていた
P「最初に見たときからか?」
やよい「はい、数が変わったら気づくと思います…」
春香「うん、ちょっと少ないなと思ったから印象に残ってます」
P「最後に確認したのはいつだ?」
春香「今日はお料理してませんから…、昨日の夜ですね」
P「つまり、昨日の夜には確かにここに2本の包丁があったはずだな?」
千早「ええ、私もそうだったと思います」
伊織「まさか、そのうちの一本で律子が…」
P「…それを確認しよう」
俺を含む全員がつばを飲む
俺は包丁の入っている棚を開けた
種類の違う2本の包丁が丁寧に置かれていた
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:22:53.96 ID:2oBm9X1w0
千早「あの、プロデューサー…」
P「ん?」
千早「やはり、私達以外に誰かがこの建物に潜んでいるんじゃないでしょうか」
千早「包丁はここに来て最初に見たときと変わらずにありました」
千早「だから律子の殺害に使われた凶器は犯人のものだと思います」
千早「私達は誰も刃物を持ち込んだりはしていませんし…」
P「…そうだな」
しかし、俺の頭の中では犯人の名前はなかば確定していた
もちろん、千早の言うような俺達の知らない誰かではない
P「ん?」
千早「やはり、私達以外に誰かがこの建物に潜んでいるんじゃないでしょうか」
千早「包丁はここに来て最初に見たときと変わらずにありました」
千早「だから律子の殺害に使われた凶器は犯人のものだと思います」
千早「私達は誰も刃物を持ち込んだりはしていませんし…」
P「…そうだな」
しかし、俺の頭の中では犯人の名前はなかば確定していた
もちろん、千早の言うような俺達の知らない誰かではない
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:25:38.30 ID:2oBm9X1w0
【二日目・13時】
春香・やよい・伊織・千早の4人が昼食を作りに食堂に向かった
しかし誰にも食欲などないことは明白だ
ロビーには俺と美希が残った
美希「ねえ、ハニー」
P「ん?」
美希「タバコ、吸わないの?」
P「失くしたんだ」
美希「ふーん」
美希「それで、何か分かった?」
P「…この屋敷に、例えば地下室なんかがあってそこに犯人が潜んでいるということも考えられる」
美希「うーん、それはないんじゃないかな」
P「まあ、そうだな…」
2日間、俺たちはこの建物をうんざりするほどに調べた
設計面を考えてもそれはあり得ないということは分かっている
春香・やよい・伊織・千早の4人が昼食を作りに食堂に向かった
しかし誰にも食欲などないことは明白だ
ロビーには俺と美希が残った
美希「ねえ、ハニー」
P「ん?」
美希「タバコ、吸わないの?」
P「失くしたんだ」
美希「ふーん」
美希「それで、何か分かった?」
P「…この屋敷に、例えば地下室なんかがあってそこに犯人が潜んでいるということも考えられる」
美希「うーん、それはないんじゃないかな」
P「まあ、そうだな…」
2日間、俺たちはこの建物をうんざりするほどに調べた
設計面を考えてもそれはあり得ないということは分かっている
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:29:54.19 ID:2oBm9X1w0
P「それか…」
P「みんなが俺に、サスペンスドラマを演じてくれているか、だな」
美希「アハハッ、それだったら美希も嬉しいな」
P「クライマックスで、主人公は屋敷の一室で犯人と対峙するんだ」
美希「うん!」
P「やがて建物は炎に包まれる、そこでようやく警察が到着」
美希「うんうん!」
P「最後は船から崩れる建物を眺めながらエンディングだ」
もしこの通りなら、どんなに嬉しいだろう
しかし、律子の死体は紛れもなく本物だ
同時に、この事件は間違いなく殺人事件だ
もうあの時には戻れない
P「みんなが俺に、サスペンスドラマを演じてくれているか、だな」
美希「アハハッ、それだったら美希も嬉しいな」
P「クライマックスで、主人公は屋敷の一室で犯人と対峙するんだ」
美希「うん!」
P「やがて建物は炎に包まれる、そこでようやく警察が到着」
美希「うんうん!」
P「最後は船から崩れる建物を眺めながらエンディングだ」
もしこの通りなら、どんなに嬉しいだろう
しかし、律子の死体は紛れもなく本物だ
同時に、この事件は間違いなく殺人事件だ
もうあの時には戻れない
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:32:23.77 ID:2oBm9X1w0
俺は昨日からの出来事を時系列順に簡単にまとめた
13時 屋敷に到着
14時 春香と伊織はダウン、他は全員がビーチへ
17時 ビーチ組が帰宅 響にマスターキーを渡す
17時30分 響の部屋から謎の電話 響が部屋にいないことに気づく
19時 夕食
22時 最後の律子との会話、風呂で寝過ごす
1時 外に響を探しに行ったが収穫なし
4時 屋敷に戻る ロビーで仮眠
6時 やよいに起こされる 再び捜索するも収穫なし
8時 千早・春香・伊織がほぼ同時に起床 再び捜索するも収穫なし
10時 美希が起床 律子の死亡を確認
11時 包丁の数を確認 最初に見たときと数は変わらず
13時 屋敷に到着
14時 春香と伊織はダウン、他は全員がビーチへ
17時 ビーチ組が帰宅 響にマスターキーを渡す
17時30分 響の部屋から謎の電話 響が部屋にいないことに気づく
19時 夕食
22時 最後の律子との会話、風呂で寝過ごす
1時 外に響を探しに行ったが収穫なし
4時 屋敷に戻る ロビーで仮眠
6時 やよいに起こされる 再び捜索するも収穫なし
8時 千早・春香・伊織がほぼ同時に起床 再び捜索するも収穫なし
10時 美希が起床 律子の死亡を確認
11時 包丁の数を確認 最初に見たときと数は変わらず
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:35:40.46 ID:2oBm9X1w0
…やはり彼女が犯人なのだろうか
共犯や外部犯なら可能性は他にもある
しかしそうでなければ、彼女以外には不可能だ
出来ればそうであってはほしくない
だがその可能性が最も高い
彼女が次の行動を起こす気がないとしても、いずれ警察が証拠を見つけるだろう
しかし、これ以上の殺人を続けないという保証は無い
俺には彼女の考えていることが全く理解できないのだ
今俺が最優先すべきことは犯人を捕まえることではない
これ以上の被害者を出さないことだ
共犯や外部犯なら可能性は他にもある
しかしそうでなければ、彼女以外には不可能だ
出来ればそうであってはほしくない
だがその可能性が最も高い
彼女が次の行動を起こす気がないとしても、いずれ警察が証拠を見つけるだろう
しかし、これ以上の殺人を続けないという保証は無い
俺には彼女の考えていることが全く理解できないのだ
今俺が最優先すべきことは犯人を捕まえることではない
これ以上の被害者を出さないことだ
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:38:33.77 ID:2oBm9X1w0
【二日目・14時】
P「みんな、聞いてくれ」
昼食を終えてから、俺は言った
P「もう少ししたら、警察がこの島に俺達を迎えに来てくれる」
P「もしかしたら、殺人犯はまだこの建物に潜んでいるのかもしれない」
みんなは不安そうな顔をしているが、むしろこれは楽観的な考えだった
俺たちの知らない誰かが秘密の地下室にでもいてくれたほうがずっといい
P「そして、何らかのドアを開ける手段を持っていると思われる」
P「だから警察が来るまではここでみんなで一緒にいよう」
P「極力、誰も一人にならないようにするんだ」
それからの時間は静かに過ぎていった
みんなは律子のことについて話している
そう、律子はすでに死んでしまったのだ
そして…
P「みんな、聞いてくれ」
昼食を終えてから、俺は言った
P「もう少ししたら、警察がこの島に俺達を迎えに来てくれる」
P「もしかしたら、殺人犯はまだこの建物に潜んでいるのかもしれない」
みんなは不安そうな顔をしているが、むしろこれは楽観的な考えだった
俺たちの知らない誰かが秘密の地下室にでもいてくれたほうがずっといい
P「そして、何らかのドアを開ける手段を持っていると思われる」
P「だから警察が来るまではここでみんなで一緒にいよう」
P「極力、誰も一人にならないようにするんだ」
それからの時間は静かに過ぎていった
みんなは律子のことについて話している
そう、律子はすでに死んでしまったのだ
そして…
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:43:26.38 ID:2oBm9X1w0
【二日目・16時・ロビー】
俺の携帯電話が鳴った、警察からだ
あと一時間ほどでこの島に到着するらしい
やよい「ううー、長かったです…」
伊織「ええ、そうね…」
P「悪いが、島を出てもすぐには帰れないぞ」
千早「それは仕方ありませんね」
春香「えっ、何でですか?」
P「一人が死んで一人の行方が分からないんだ、俺達に聞きたいことはたくさんあるだろう」
P「船でこの島を出た後、本島の警察署でたっぷりと事情聴取があるらしい」
春香「ああ、なるほどぉ…」
美希「めんどくさいの…」
俺は俺の考えを正直に話すべきだろうか
いや、どちらにしろ警察が捜査をすれば確実に犯人は特定される
彼女はそれが分かっているのだろうか?
もしそうなら、なぜわざわざこんなことをしたのだろうか
自分の人生を棒に振ってまで、彼女は何を得ようとしたのだろうか
俺の携帯電話が鳴った、警察からだ
あと一時間ほどでこの島に到着するらしい
やよい「ううー、長かったです…」
伊織「ええ、そうね…」
P「悪いが、島を出てもすぐには帰れないぞ」
千早「それは仕方ありませんね」
春香「えっ、何でですか?」
P「一人が死んで一人の行方が分からないんだ、俺達に聞きたいことはたくさんあるだろう」
P「船でこの島を出た後、本島の警察署でたっぷりと事情聴取があるらしい」
春香「ああ、なるほどぉ…」
美希「めんどくさいの…」
俺は俺の考えを正直に話すべきだろうか
いや、どちらにしろ警察が捜査をすれば確実に犯人は特定される
彼女はそれが分かっているのだろうか?
もしそうなら、なぜわざわざこんなことをしたのだろうか
自分の人生を棒に振ってまで、彼女は何を得ようとしたのだろうか
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:46:30.61 ID:2oBm9X1w0
美希「ねえハニー、荷物取ってきていい?」
P「…俺も付いていくぞ?」
美希「あー、ハニーのエッチ!」
P「そうじゃない」
美希「わかってるよ、ありがとハニー」
…おそらく、一人ずつ行かせても安全だろう
しかし、そうさせることはこの中の誰かが犯人だと言うようなものだ
P「みんなも、悪いけど順番に俺を部屋に連れて行って荷造りしてくれ」
P「残ったみんなはロビーで絶対にはぐれないように」
伊織「私は最後でいいわ」
春香「えっと、じゃあ私は…」
P「まあ、順番は適当に決めておいてくれ」
俺はこうして全員分の帰り仕度に同行した
その中で『彼女』と二人きりにもなったが、俺は何も言わず、彼女も何も言わなかった
結局、彼女は俺や他の誰かには罪を告白せず、逮捕されるのを待つのだろう
そう思っていた
P「…俺も付いていくぞ?」
美希「あー、ハニーのエッチ!」
P「そうじゃない」
美希「わかってるよ、ありがとハニー」
…おそらく、一人ずつ行かせても安全だろう
しかし、そうさせることはこの中の誰かが犯人だと言うようなものだ
P「みんなも、悪いけど順番に俺を部屋に連れて行って荷造りしてくれ」
P「残ったみんなはロビーで絶対にはぐれないように」
伊織「私は最後でいいわ」
春香「えっと、じゃあ私は…」
P「まあ、順番は適当に決めておいてくれ」
俺はこうして全員分の帰り仕度に同行した
その中で『彼女』と二人きりにもなったが、俺は何も言わず、彼女も何も言わなかった
結局、彼女は俺や他の誰かには罪を告白せず、逮捕されるのを待つのだろう
そう思っていた
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:50:20.83 ID:2oBm9X1w0
空はもう晴れていた
P「みんな、忘れ物はないな?」
俺達は最後に律子の顔を見た
最初に死体を見たときと変わらず、眠っているままの姿だった
俺は最後の確認で、彼女の白い手を確認した
やはり、自殺ではない
もはや、犯人は「彼女」しかあり得ないだろう
P「みんな、忘れ物はないな?」
俺達は最後に律子の顔を見た
最初に死体を見たときと変わらず、眠っているままの姿だった
俺は最後の確認で、彼女の白い手を確認した
やはり、自殺ではない
もはや、犯人は「彼女」しかあり得ないだろう
129: 次から解答編です 投稿日:2012/07/15(日) 23:53:31.50 ID:2oBm9X1w0
もうこの屋敷ともお別れだ
後は彼女達を無事に帰し、事件は警察に任せよう
そう考えていた時に俺は気づいた
「彼女」の姿が見当たらないのだ
他のみんなもすぐにそのことに気づき、不安な表情をしている
俺は全員その場でじっとしているように言い、屋敷に戻った
そして彼女の部屋へ向かい、ドアをノックした
中からはいつも通りの声で返事が返ってくる
鍵穴には、昨日俺が響に渡したマスターキーがわざとらしくささっていた
もう、隠す気はないのだろう
俺がドアを開けると、「彼女」は窓を開けてそこに腰掛けていた
後は彼女達を無事に帰し、事件は警察に任せよう
そう考えていた時に俺は気づいた
「彼女」の姿が見当たらないのだ
他のみんなもすぐにそのことに気づき、不安な表情をしている
俺は全員その場でじっとしているように言い、屋敷に戻った
そして彼女の部屋へ向かい、ドアをノックした
中からはいつも通りの声で返事が返ってくる
鍵穴には、昨日俺が響に渡したマスターキーがわざとらしくささっていた
もう、隠す気はないのだろう
俺がドアを開けると、「彼女」は窓を開けてそこに腰掛けていた
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/15(日) 23:57:58.52 ID:2oBm9X1w0
P「やっぱり、お前が犯人だったのか」
伊織「ええ、そうよ」
伊織「ええ、そうよ」
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:00:01.29 ID:xjTjd7Rw0
俺は妙な臭いに気がついた
部屋にガソリンがまかれているのだ
P「こんなの、どこにあったんだ」
伊織「食堂に置いてあったのよ、ちょっと重かったけど」
そういいながら彼女は手に持ったジッポライターに火をつけた
P「やめろ!」
伊織「来ないで!」
足が止まる
伊織「動いたらすぐに火をつけるわよ」
P「…わかった」
P「…死ぬつもりなのか?」
伊織「ええ」
P「俺達を巻き込んでか」
伊織「アンタはともかく、みんなは玄関に近いから大丈夫よ」
部屋にガソリンがまかれているのだ
P「こんなの、どこにあったんだ」
伊織「食堂に置いてあったのよ、ちょっと重かったけど」
そういいながら彼女は手に持ったジッポライターに火をつけた
P「やめろ!」
伊織「来ないで!」
足が止まる
伊織「動いたらすぐに火をつけるわよ」
P「…わかった」
P「…死ぬつもりなのか?」
伊織「ええ」
P「俺達を巻き込んでか」
伊織「アンタはともかく、みんなは玄関に近いから大丈夫よ」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:02:53.26 ID:xjTjd7Rw0
俺は彼女との距離を測っていた
必要以上に広いその部屋では、不意をついてライターを奪うのは難しい
それに下手に接触すればライターが落ちて火が広がるだろう
P「伊織、どうしてこんな事をしたんだ?」
伊織「よく聞いてくれたわね」
伊織「いい?このお話は最初から最後まで、私の思い通りになったわ」
伊織「これは、私の用意した最後の舞台なのよ」
必要以上に広いその部屋では、不意をついてライターを奪うのは難しい
それに下手に接触すればライターが落ちて火が広がるだろう
P「伊織、どうしてこんな事をしたんだ?」
伊織「よく聞いてくれたわね」
伊織「いい?このお話は最初から最後まで、私の思い通りになったわ」
伊織「これは、私の用意した最後の舞台なのよ」
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:06:06.07 ID:xjTjd7Rw0
P「…あの福引から、全てお前が仕組んでいたんだな」
伊織「そうよ、お父様に頼んだの」
伊織「でも場所を用意してもらっただけで、脚本も主演もこの伊織ちゃんよ」
伊織「それは自分でしなくちゃ意味がないものね」
伊織「もちろん、私がこんな事をするためだなんてお父様は夢にも思わなかったでしょうけどね」
P「しかし、なぜわざわざそんな事をしてまで…」
伊織「この二日間のおかげでね、私は何の心残りもなく死ねるのよ」
伊織「そのためなら、それくらいの労力は全然惜しくないわ」
P「死ぬ?」
伊織「ええ、今日この場所で私は死ぬわ」
伊織「それでようやく私の物語はハッピーエンドになるのよ」
伊織「そうよ、お父様に頼んだの」
伊織「でも場所を用意してもらっただけで、脚本も主演もこの伊織ちゃんよ」
伊織「それは自分でしなくちゃ意味がないものね」
伊織「もちろん、私がこんな事をするためだなんてお父様は夢にも思わなかったでしょうけどね」
P「しかし、なぜわざわざそんな事をしてまで…」
伊織「この二日間のおかげでね、私は何の心残りもなく死ねるのよ」
伊織「そのためなら、それくらいの労力は全然惜しくないわ」
P「死ぬ?」
伊織「ええ、今日この場所で私は死ぬわ」
伊織「それでようやく私の物語はハッピーエンドになるのよ」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:08:53.19 ID:xjTjd7Rw0
P「意味が分からないな、サスペンスドラマの真似事がしたかったのか?」
伊織「そんなところね、でも単なるドラマじゃだめなのよ」
伊織「実際に、恐怖や悲しみで満たされた空気が必要だったの」
伊織「私以外の全員はとても恐ろしかったでしょうね」
伊織「この島、もしかしたらこの屋敷の中に殺人犯がいるのかもしれない」
伊織「しかも、それが同じ事務所の仲間かもしれない」
伊織「みんながそう考えたはずなんだから」
P「…だから響の死体は残さなかったのか」
伊織「ええ、私の脚本だと容疑者役と被害者役が一人ずつ必要だったのよ」
伊織「そんなところね、でも単なるドラマじゃだめなのよ」
伊織「実際に、恐怖や悲しみで満たされた空気が必要だったの」
伊織「私以外の全員はとても恐ろしかったでしょうね」
伊織「この島、もしかしたらこの屋敷の中に殺人犯がいるのかもしれない」
伊織「しかも、それが同じ事務所の仲間かもしれない」
伊織「みんながそう考えたはずなんだから」
P「…だから響の死体は残さなかったのか」
伊織「ええ、私の脚本だと容疑者役と被害者役が一人ずつ必要だったのよ」
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:12:39.62 ID:xjTjd7Rw0
P「なぜそれが響と律子だったんだ」
伊織「響にした理由はないわ、ただ部屋が隣でやりやすかっただけ」
伊織「被害者役は律子かアンタにしようと思ってたわ」
伊織「頼りになる人間が死ぬのはこの上ない恐怖だものね」
伊織「アンタの部屋も覗いたけれど、いなかったから律子にしたの、それだけよ」
P「みんなに何か恨みがあったのか?」
伊織「そんなんじゃないわ」
伊織「ただ、その空気を味わいたかっただけ」
伊織「それが、私の人生の最後の目的だったのよ」
P「そうか…」
俺には彼女の価値観に納得することは出来なかった
しかしこの話を聞いて、俺は事件の真相を悟った
しかし今更気づいても、もう何の意味もない
伊織「響にした理由はないわ、ただ部屋が隣でやりやすかっただけ」
伊織「被害者役は律子かアンタにしようと思ってたわ」
伊織「頼りになる人間が死ぬのはこの上ない恐怖だものね」
伊織「アンタの部屋も覗いたけれど、いなかったから律子にしたの、それだけよ」
P「みんなに何か恨みがあったのか?」
伊織「そんなんじゃないわ」
伊織「ただ、その空気を味わいたかっただけ」
伊織「それが、私の人生の最後の目的だったのよ」
P「そうか…」
俺には彼女の価値観に納得することは出来なかった
しかしこの話を聞いて、俺は事件の真相を悟った
しかし今更気づいても、もう何の意味もない
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:17:32.63 ID:xjTjd7Rw0
伊織「ねえ、何で私が犯人だって分かったの?」
P「消去法だ」
伊織「消去法?」
P「ああ、お前以外には不可能なんだ」
伊織「へえ…、それじゃあアンタの推理を聞かせてほしいわ」
俺はタバコが吸いたくなったが、この状況ではそれはまずい
そもそも愛用のライターは伊織が持っているのだ
P「ライターを帰してくれないか?」
伊織「これ?」
そういって彼女はポケットから出した俺のタバコに火をつけた
案の定、苦い顔をしてすぐにそれを海へ捨てた
伊織「うわあ…、よくこんなものを吸えるわね」
P「大人になれば美味くなる」
伊織「ならないわ」
伊織「さ、早く話しなさい」
俺はひとまず観念した
P「消去法だ」
伊織「消去法?」
P「ああ、お前以外には不可能なんだ」
伊織「へえ…、それじゃあアンタの推理を聞かせてほしいわ」
俺はタバコが吸いたくなったが、この状況ではそれはまずい
そもそも愛用のライターは伊織が持っているのだ
P「ライターを帰してくれないか?」
伊織「これ?」
そういって彼女はポケットから出した俺のタバコに火をつけた
案の定、苦い顔をしてすぐにそれを海へ捨てた
伊織「うわあ…、よくこんなものを吸えるわね」
P「大人になれば美味くなる」
伊織「ならないわ」
伊織「さ、早く話しなさい」
俺はひとまず観念した
147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:20:02.10 ID:xjTjd7Rw0
P「お前はまず、船酔いを装ってビーチにはいかずに屋敷に残った」
P「この時に三つのものを回収するためにだ」
P「一つは響の部屋の鍵、一つはこのガソリン」
伊織「まあ、ガソリンがあるのは予想してなかったんだけどね」
伊織「せっかくだから少しだけもらうことにしたのよ」
P「最後の一つは、俺か律子を殺すための包丁だ」
P「みんなが最初にキッチンで料理をしたときの包丁の数は今と変わらない」
P「つまり、それ以前に犯人は包丁を手に入れていたということだ」
P「タイミングとしてはここしかない」
P「ビーチから戻ってきた連中には、包丁を持ち出すのは極めて難しい」
P「不可能ではないが、あの時間は人が多く猶予が少ないからかなり見つかるリスクが高い」
P「つまり、特に疑わしいのは伊織と春香の二人になる」
P「だから包丁の数を確認して俺は確信を深めたよ」
P「その時点でお前が犯人だろうと予想していたからな」
P「この時に三つのものを回収するためにだ」
P「一つは響の部屋の鍵、一つはこのガソリン」
伊織「まあ、ガソリンがあるのは予想してなかったんだけどね」
伊織「せっかくだから少しだけもらうことにしたのよ」
P「最後の一つは、俺か律子を殺すための包丁だ」
P「みんなが最初にキッチンで料理をしたときの包丁の数は今と変わらない」
P「つまり、それ以前に犯人は包丁を手に入れていたということだ」
P「タイミングとしてはここしかない」
P「ビーチから戻ってきた連中には、包丁を持ち出すのは極めて難しい」
P「不可能ではないが、あの時間は人が多く猶予が少ないからかなり見つかるリスクが高い」
P「つまり、特に疑わしいのは伊織と春香の二人になる」
P「だから包丁の数を確認して俺は確信を深めたよ」
P「その時点でお前が犯人だろうと予想していたからな」
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:23:18.00 ID:xjTjd7Rw0
P「この時、屋敷にはお前以外には俺と春香しかいなかった」
P「しかも二人とも部屋に閉じこもっていたから、誰にも見られずに事を済ますのは容易だっただろう」
P「お前は回収した包丁とガソリンを自分の部屋に隠し、響が戻ってくるのを待った」
P「鍵を使って忍び込んだ、響の部屋の中で」
P「しかも二人とも部屋に閉じこもっていたから、誰にも見られずに事を済ますのは容易だっただろう」
P「お前は回収した包丁とガソリンを自分の部屋に隠し、響が戻ってくるのを待った」
P「鍵を使って忍び込んだ、響の部屋の中で」
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:27:35.43 ID:xjTjd7Rw0
P「隠れ場所はおそらくクローゼットの中だ」
P「響は海から帰ってきたところだから、シャワールームとトイレはすぐに見つかる可能性がある」
P「あえて埃まみれになる意味もないから、クローゼットの中が妥当だ」
P「この時に響の部屋の鍵はお前が持っていて内側から鍵をかけていたから、響は部屋に入れなかった」
P「やむなく俺は響にマスターキーを渡した」
P「わざわざ響の部屋の鍵を取った理由は、このためだろう」
P「お前にとって、この事は二つの重要な意味を持つ」
P「一つは、響がマスターキーを持っていると俺達に認識させるということ」
P「そうすることで、『容疑者役』の響がマスターキーを持っているという恐怖をみんなに植え付けた」
P「もう一つは、響からマスターキーを奪ってこの屋敷を自由に動けるようになるということ」
P「これで、『被害者役』をつくるのは極めて容易になる」
P「響は海から帰ってきたところだから、シャワールームとトイレはすぐに見つかる可能性がある」
P「あえて埃まみれになる意味もないから、クローゼットの中が妥当だ」
P「この時に響の部屋の鍵はお前が持っていて内側から鍵をかけていたから、響は部屋に入れなかった」
P「やむなく俺は響にマスターキーを渡した」
P「わざわざ響の部屋の鍵を取った理由は、このためだろう」
P「お前にとって、この事は二つの重要な意味を持つ」
P「一つは、響がマスターキーを持っていると俺達に認識させるということ」
P「そうすることで、『容疑者役』の響がマスターキーを持っているという恐怖をみんなに植え付けた」
P「もう一つは、響からマスターキーを奪ってこの屋敷を自由に動けるようになるということ」
P「これで、『被害者役』をつくるのは極めて容易になる」
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:30:19.11 ID:xjTjd7Rw0
P「お前は響が部屋に戻ってきてシャワーを浴びている最中にクローゼットから出た」
P「そして『容疑者役』をつくりあげるために響が出てくるのを待ち構えたんだ」
P「この時に使ったのはさっき言った包丁ではないはずだ」
P「響の血が部屋に残っていては『容疑者役』は務まらないからな」
P「おそらく、紐か何かで首を絞めて殺したんだろう」
P「お前の計画では、響の死体がそこにあってはならない」
P「響を殺すことではなく、その姿を消すことが目的だからだ」
P「そこでこの屋敷は、まさにそれにうってつけの建物だ」
P「部屋の窓から落とせば、あっという間に死体は海の中だからな」
P「お前は窓から響の遺体を海へ捨てようと窓を開けた」
P「しかし、ここで一つの懸念が生じたんだ、そうだろう?」
伊織「ええ」
P「そして『容疑者役』をつくりあげるために響が出てくるのを待ち構えたんだ」
P「この時に使ったのはさっき言った包丁ではないはずだ」
P「響の血が部屋に残っていては『容疑者役』は務まらないからな」
P「おそらく、紐か何かで首を絞めて殺したんだろう」
P「お前の計画では、響の死体がそこにあってはならない」
P「響を殺すことではなく、その姿を消すことが目的だからだ」
P「そこでこの屋敷は、まさにそれにうってつけの建物だ」
P「部屋の窓から落とせば、あっという間に死体は海の中だからな」
P「お前は窓から響の遺体を海へ捨てようと窓を開けた」
P「しかし、ここで一つの懸念が生じたんだ、そうだろう?」
伊織「ええ」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:32:55.89 ID:xjTjd7Rw0
P「今になってようやく分かったよ、あの電話の意図が」
P「お前が響を外へ捨てようと窓を開けた時、真下の俺の部屋の窓も開いているのに気づいたはずだ」
P「中で俺がどうしているかまでは分からなかっただろう」
P「しかし、落下する響の姿や海へ落ちる音、窓が開いているとこれらに気づかれてしまう可能性があった」
P「そこでお前は俺の気をそらす方法を思いついた」
P「それがあの無言電話だ」
P「お前は響を窓から落とす直前の状態にしておいて、内線を使い俺の部屋へ電話をかけた」
P「窓と電話は反対の位置にあるし、コール音はかなり大きい」
P「当然、俺の注意は窓の外から電話へと移った」
P「実際のところ、もし電話がなければ俺は響の落下に気づいたと思う」
P「しかし俺はまんまと罠にかかり、その隙にお前は響を海へ落とした」
P「お前が響を外へ捨てようと窓を開けた時、真下の俺の部屋の窓も開いているのに気づいたはずだ」
P「中で俺がどうしているかまでは分からなかっただろう」
P「しかし、落下する響の姿や海へ落ちる音、窓が開いているとこれらに気づかれてしまう可能性があった」
P「そこでお前は俺の気をそらす方法を思いついた」
P「それがあの無言電話だ」
P「お前は響を窓から落とす直前の状態にしておいて、内線を使い俺の部屋へ電話をかけた」
P「窓と電話は反対の位置にあるし、コール音はかなり大きい」
P「当然、俺の注意は窓の外から電話へと移った」
P「実際のところ、もし電話がなければ俺は響の落下に気づいたと思う」
P「しかし俺はまんまと罠にかかり、その隙にお前は響を海へ落とした」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:48:58.92 ID:xjTjd7Rw0
P「電話の役目は終わり、お前は何も言わずに受話器を元に戻した」
P「ここで、お前は少しだけ焦ったのかもしれない」
P「無言電話を受けた俺が、いつ響の部屋にやってくるかわからないからだ」
P「と言っても、俺に見つかってしまう可能性はほとんどなかった」
P「まず、俺の部屋は一階だから移動するのに時間がかかる」
P「しかも俺は折り返しの電話をしたり、途中で美希と千早と話をしたりしていた」
P「対してお前は窓にロックをしてマスターキーを持って鍵を閉めてから隣の部屋へ戻るだけ」
P「俺は階段を上がった時点で二人の部屋が見えるが、それでもどちらが早いかは明白だ」
P「俺は響の部屋に向かい、返事がなく鍵もかかっていることを確認した」
P「そして話を聞こうと俺がこの部屋を訪れたときには、お前はとっくに部屋に戻っていた」
P「ここで、お前は少しだけ焦ったのかもしれない」
P「無言電話を受けた俺が、いつ響の部屋にやってくるかわからないからだ」
P「と言っても、俺に見つかってしまう可能性はほとんどなかった」
P「まず、俺の部屋は一階だから移動するのに時間がかかる」
P「しかも俺は折り返しの電話をしたり、途中で美希と千早と話をしたりしていた」
P「対してお前は窓にロックをしてマスターキーを持って鍵を閉めてから隣の部屋へ戻るだけ」
P「俺は階段を上がった時点で二人の部屋が見えるが、それでもどちらが早いかは明白だ」
P「俺は響の部屋に向かい、返事がなく鍵もかかっていることを確認した」
P「そして話を聞こうと俺がこの部屋を訪れたときには、お前はとっくに部屋に戻っていた」
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:53:22.70 ID:xjTjd7Rw0
P「しかし、俺が美希と千早に会ったことはお前の想定外だろう」
P「あの時一階のロビーにいた二人は容疑者から外れるからだ」
P「俺はその後やよいに連絡したところ、やよいは一階の春香の部屋にずっといたという」
P「実際、春香の部屋にはやよいと春香がいた」
P「春香とやよいの共犯だったとしても、響の部屋から春香の部屋に行くのは時間がかかりすぎる」
P「部屋に戻る前に間違いなく俺とすれ違ってしまう」
P「よって、春香とやよいにも響は殺せない」
P「つまり、よく考えればこの時点で犯人は伊織、お前か律子に絞られるんだ」
P「そして律子が殺された時点で、自動的に犯人は特定される」
P「律子の状態はどうみても自殺ではなかったからな」
P「あの時一階のロビーにいた二人は容疑者から外れるからだ」
P「俺はその後やよいに連絡したところ、やよいは一階の春香の部屋にずっといたという」
P「実際、春香の部屋にはやよいと春香がいた」
P「春香とやよいの共犯だったとしても、響の部屋から春香の部屋に行くのは時間がかかりすぎる」
P「部屋に戻る前に間違いなく俺とすれ違ってしまう」
P「よって、春香とやよいにも響は殺せない」
P「つまり、よく考えればこの時点で犯人は伊織、お前か律子に絞られるんだ」
P「そして律子が殺された時点で、自動的に犯人は特定される」
P「律子の状態はどうみても自殺ではなかったからな」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 00:58:38.25 ID:xjTjd7Rw0
P「あとはごく単純だ」
P「夜中、同じ部屋で寝ているやよいを起こさないようにお前は部屋を出た」
P「俺はその時、外へ響を探しに行っていたから当然部屋にはいない」
P「そして標的を変え、律子の部屋にマスターキーを使って侵入した」
P「あとは用意してあった包丁で殺害、鍵を閉めて自分の部屋へ戻るだけだ」
P「最初に盗んでおいた響の部屋の鍵を元の場所に戻したのもこの時だ」
P「響がまだこの屋敷にいるのかもしれないという恐怖を煽るためだろう」
P「その後は他のみんなに紛れ、何者かに怯える少女を演じ続けた」
P「そして今に至る…」
伊織「へえ、さすがね」
伊織は不敵に笑っていた
その手にはまだ火のついたライターが握られている
P「夜中、同じ部屋で寝ているやよいを起こさないようにお前は部屋を出た」
P「俺はその時、外へ響を探しに行っていたから当然部屋にはいない」
P「そして標的を変え、律子の部屋にマスターキーを使って侵入した」
P「あとは用意してあった包丁で殺害、鍵を閉めて自分の部屋へ戻るだけだ」
P「最初に盗んでおいた響の部屋の鍵を元の場所に戻したのもこの時だ」
P「響がまだこの屋敷にいるのかもしれないという恐怖を煽るためだろう」
P「その後は他のみんなに紛れ、何者かに怯える少女を演じ続けた」
P「そして今に至る…」
伊織「へえ、さすがね」
伊織は不敵に笑っていた
その手にはまだ火のついたライターが握られている
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:04:09.64 ID:xjTjd7Rw0
P「しかし、この計画は完璧とはいえないな」
P「少なくとも、100パーセント成功するものでは決してない」
P「例えば、俺がずっとロビーにいたとしたら鍵の回収はできなかったはずだ」
伊織「ええ、そうね」
P「もしそんなことがあったらどうするつもりだったんだ?」
伊織「そんなの、いくらでもやり方があるわ」
伊織「響にそうしたように、紐で首を絞めるとかね」
伊織「要するに、誰かがいなくなって誰かが死ねばそれでよかったのよ」
伊織「ま、成功の見込みがなければ今回は無理にやるつもりはなかったわ」
P「今回は…、か」
P「しかし、成功といえる今回の件でも警察は確実に犯人を特定する」
P「お前の年齢を考えても、重罪は免れない」
伊織は満ち足りた表情で俺に言った
伊織「そんなのどうでもいいのよ、私は今日これから死ぬんだから」
伊織「大成功の人生のまま、幸せに死ねるんだから」
P「少なくとも、100パーセント成功するものでは決してない」
P「例えば、俺がずっとロビーにいたとしたら鍵の回収はできなかったはずだ」
伊織「ええ、そうね」
P「もしそんなことがあったらどうするつもりだったんだ?」
伊織「そんなの、いくらでもやり方があるわ」
伊織「響にそうしたように、紐で首を絞めるとかね」
伊織「要するに、誰かがいなくなって誰かが死ねばそれでよかったのよ」
伊織「ま、成功の見込みがなければ今回は無理にやるつもりはなかったわ」
P「今回は…、か」
P「しかし、成功といえる今回の件でも警察は確実に犯人を特定する」
P「お前の年齢を考えても、重罪は免れない」
伊織は満ち足りた表情で俺に言った
伊織「そんなのどうでもいいのよ、私は今日これから死ぬんだから」
伊織「大成功の人生のまま、幸せに死ねるんだから」
170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:10:15.18 ID:xjTjd7Rw0
P「伊織、俺にはお前の人生はこの上なく恵まれているように思えたよ」
P「経済的な面だけじゃない」
P「やよいをはじめ、お前にはかけがえのない仲間がいた」
P「そして響と律子も当然その中にいたはずだ」
P「その仲間達と過ごすお前の姿は本当に幸せそうに見えた」
P「誰もがうらやむ境遇を、お前はあっさりと捨ててしまうのか?」
伊織「他の人がどう思うかなんて知らないわ」
伊織「私の幸せは、私が決めるの」
伊織「確かに、これまでの人生も私の大切な思い出よ」
伊織「けれど、本当の幸せのためには、この二日間が絶対に必要だった」
伊織「これだけは、やり残してはいけなかったの」
伊織「そして今日、私の人生は最高のハッピーエンドを迎えるのよ」
伊織「二人の気の毒な犠牲の上にね」
P「経済的な面だけじゃない」
P「やよいをはじめ、お前にはかけがえのない仲間がいた」
P「そして響と律子も当然その中にいたはずだ」
P「その仲間達と過ごすお前の姿は本当に幸せそうに見えた」
P「誰もがうらやむ境遇を、お前はあっさりと捨ててしまうのか?」
伊織「他の人がどう思うかなんて知らないわ」
伊織「私の幸せは、私が決めるの」
伊織「確かに、これまでの人生も私の大切な思い出よ」
伊織「けれど、本当の幸せのためには、この二日間が絶対に必要だった」
伊織「これだけは、やり残してはいけなかったの」
伊織「そして今日、私の人生は最高のハッピーエンドを迎えるのよ」
伊織「二人の気の毒な犠牲の上にね」
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:13:39.59 ID:xjTjd7Rw0
伊織にはこれからも生きて罪を償って欲しい
そして命のありがたみを自分自身で感じ取って欲しい
しかし、そんな月並みな考えを彼女は持ち得ない
罪だとか命の価値だとか、そういう話ではないのだ
伊織にとって大事なものは、伊織にしか分からない
俺は彼女に何を言うべきだろう
伊織「ねえ、最後に頼みを聞いてくれない?」
P「ずいぶんと自分勝手だな」
伊織「にひひっ!私はいつもそうだったでしょ?」
P「分かったよ、出来ることならな」
伊織「やよいに、お別れが言いたいわ」
俺は少し考えた
これはチャンスかもしれない
そして命のありがたみを自分自身で感じ取って欲しい
しかし、そんな月並みな考えを彼女は持ち得ない
罪だとか命の価値だとか、そういう話ではないのだ
伊織にとって大事なものは、伊織にしか分からない
俺は彼女に何を言うべきだろう
伊織「ねえ、最後に頼みを聞いてくれない?」
P「ずいぶんと自分勝手だな」
伊織「にひひっ!私はいつもそうだったでしょ?」
P「分かったよ、出来ることならな」
伊織「やよいに、お別れが言いたいわ」
俺は少し考えた
これはチャンスかもしれない
176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:19:29.90 ID:xjTjd7Rw0
P「いいだろう、その代わりライターの火を消してくれ」
P「やよいまで巻き込むつもりはないだろう?」
伊織「…いいわ、でも壁に背中をつけて動かないで」
伊織「おかしな動きを見せたらすぐに火をつけるわ」
P「分かった」
俺はやよいの携帯電話に連絡した
他の3人は少し屋敷から離れるように
そしてやよいは一人で伊織の部屋まで来るように、と
伊織はライターの火を消した
油断をつけば、取り押さえることが出来る距離だ
P「やよいまで巻き込むつもりはないだろう?」
伊織「…いいわ、でも壁に背中をつけて動かないで」
伊織「おかしな動きを見せたらすぐに火をつけるわ」
P「分かった」
俺はやよいの携帯電話に連絡した
他の3人は少し屋敷から離れるように
そしてやよいは一人で伊織の部屋まで来るように、と
伊織はライターの火を消した
油断をつけば、取り押さえることが出来る距離だ
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:23:48.57 ID:xjTjd7Rw0
P「もうすぐ来るよ」
伊織「ええ、ありがと」
P「伊織、お前にとってやよいは特別な人間なんだな」
伊織「そうね、やよいだけは殺さないと決めてたわ」
P「例え殺されなくても、やよいは今回とても傷ついたはずだ」
伊織「それは悪かったと思うわ、でもね」
伊織「それよりも、私の目的の方が大切だったのよ」
伊織「…きっと、アンタにはわからないでしょうね」
俺は正直に言った
P「ああ、さっぱりわからないよ」
伊織「ええ、ありがと」
P「伊織、お前にとってやよいは特別な人間なんだな」
伊織「そうね、やよいだけは殺さないと決めてたわ」
P「例え殺されなくても、やよいは今回とても傷ついたはずだ」
伊織「それは悪かったと思うわ、でもね」
伊織「それよりも、私の目的の方が大切だったのよ」
伊織「…きっと、アンタにはわからないでしょうね」
俺は正直に言った
P「ああ、さっぱりわからないよ」
180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:31:19.20 ID:xjTjd7Rw0
やよい「あの、どうしたんですか?」
やよいが部屋に入ってきた
P「やよい、ドアを閉めないで俺のそばにいろ」
やよい「え?はい…、どうしたんですか?二人とも」
やよいは状況が飲み込めずにいた
彼女が真相を知ったらどんなに悲しむだろう
伊織「プロデューサー、やよいを抱っこしなさい」
その言葉を聞いて、背中に冷や汗が流れた
…まずい
彼女の手はいつでも火をつける準備が出来ている
やよいが部屋に入ってきた
P「やよい、ドアを閉めないで俺のそばにいろ」
やよい「え?はい…、どうしたんですか?二人とも」
やよいは状況が飲み込めずにいた
彼女が真相を知ったらどんなに悲しむだろう
伊織「プロデューサー、やよいを抱っこしなさい」
その言葉を聞いて、背中に冷や汗が流れた
…まずい
彼女の手はいつでも火をつける準備が出来ている
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:33:43.11 ID:xjTjd7Rw0
P「…ああ」
俺はやよいをお姫様だっこした
やよい「え?え?プロデューサー?」
この体勢では…
伊織「やよい」
やよい「伊織ちゃん…?」
伊織「やよい、今までありがとう!」
やよい「え?」
伊織はライターに火をつけ、それを床のガソリンに放った
俺はやよいをすぐに床におろし、伊織の方へ飛び込んだ
俺はやよいをお姫様だっこした
やよい「え?え?プロデューサー?」
この体勢では…
伊織「やよい」
やよい「伊織ちゃん…?」
伊織「やよい、今までありがとう!」
やよい「え?」
伊織はライターに火をつけ、それを床のガソリンに放った
俺はやよいをすぐに床におろし、伊織の方へ飛び込んだ
184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:35:54.93 ID:xjTjd7Rw0
やよい「伊織ちゃん!プロデューサー!」
P「やよい!早く逃げろ!」
やよい「だ、だめです!伊織ちゃんとプロデューサーが…!」
火の壁を越え、俺は伊織のすぐ近くまでたどり着いた
P「伊織!」
彼女は窓に腰掛け、俺に優しい声でその言葉をささやいた
俺は手を伸ばして彼女の体を引き寄せようとした
しかし、彼女は静かに体重を窓の外に預け、海へ落ちた
P「伊織!」
ぼちゃん、という音がした
頭の中では伊織の最後の言葉がまだ響いている
P「やよい!早く逃げろ!」
やよい「だ、だめです!伊織ちゃんとプロデューサーが…!」
火の壁を越え、俺は伊織のすぐ近くまでたどり着いた
P「伊織!」
彼女は窓に腰掛け、俺に優しい声でその言葉をささやいた
俺は手を伸ばして彼女の体を引き寄せようとした
しかし、彼女は静かに体重を窓の外に預け、海へ落ちた
P「伊織!」
ぼちゃん、という音がした
頭の中では伊織の最後の言葉がまだ響いている
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:38:00.09 ID:xjTjd7Rw0
P「やよい!」
やよい「プロデューサー!伊織ちゃんは…!」
俺はやよいを抱え、全速力で走った
もう炎は廊下まで広がっている
やよい「伊織ちゃん!プロデューサー、伊織ちゃんは!?」
P「ダメだ…」
やよい「そんな、伊織ちゃん…、伊織ちゃーん…!」
やよいの悲痛な叫びが、屋敷にこだました
やよい「プロデューサー!伊織ちゃんは…!」
俺はやよいを抱え、全速力で走った
もう炎は廊下まで広がっている
やよい「伊織ちゃん!プロデューサー、伊織ちゃんは!?」
P「ダメだ…」
やよい「そんな、伊織ちゃん…、伊織ちゃーん…!」
やよいの悲痛な叫びが、屋敷にこだました
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:43:23.17 ID:xjTjd7Rw0
春香「二人とも、どうしたんですか!?何があったんですか!?」
外で春香たちが俺たちを待っていた
春香「急に炎が上がって…、伊織はどうしたんですか!?」
P「…伊織は死んだよ」
春香「そ、そんな…」
P「…詳しいことはあとで話す」
すでに警察が島に上陸している
しかし、彼らがすべきことはもうほとんどないだろう
俺は一人の死体が屋敷の中に、二人の死体が海の中にあることを警察に伝えた
俺は船が出る前に全員にこの事件のあらましを簡単に伝えた
美希はなんとなく気づいていたようだが、三人はショックを受け泣いていた
外で春香たちが俺たちを待っていた
春香「急に炎が上がって…、伊織はどうしたんですか!?」
P「…伊織は死んだよ」
春香「そ、そんな…」
P「…詳しいことはあとで話す」
すでに警察が島に上陸している
しかし、彼らがすべきことはもうほとんどないだろう
俺は一人の死体が屋敷の中に、二人の死体が海の中にあることを警察に伝えた
俺は船が出る前に全員にこの事件のあらましを簡単に伝えた
美希はなんとなく気づいていたようだが、三人はショックを受け泣いていた
191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:46:35.23 ID:xjTjd7Rw0
やがて船は、この忌まわしい島から本島へ向かって動き始めた
俺は炎を上げて崩れ落ちる屋敷を眺めていた
やよい「プロデューサー…」
やよいが、べそをかきながら外へ出てきた
P「やよい、まだ休んでいたほうがいいぞ」
やよい「いえ、いいんです…」
彼女もまた屋敷を眺めている
泣きはらした眼は炎を映し、いっそう赤くなっていた
俺は炎を上げて崩れ落ちる屋敷を眺めていた
やよい「プロデューサー…」
やよいが、べそをかきながら外へ出てきた
P「やよい、まだ休んでいたほうがいいぞ」
やよい「いえ、いいんです…」
彼女もまた屋敷を眺めている
泣きはらした眼は炎を映し、いっそう赤くなっていた
193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:48:50.23 ID:xjTjd7Rw0
やよい「伊織ちゃんはどうしてあんな…」
P「…伊織にとって、何よりも大切だったのは自分の目的だったんだ」
P「それは歪んだ形の目的だが、彼女はそれに自分の人生をかけて成功させた」
P「その結果が、これだ」
やよい「…よく、分かりません」
P「ああ、俺にも分からない」
P「でもな、伊織にとってその次に大切だったものがある」
やよい「何ですか…?」
P「お前だよ、やよい」
やよい「私…?」
P「ああ」
P「…伊織にとって、何よりも大切だったのは自分の目的だったんだ」
P「それは歪んだ形の目的だが、彼女はそれに自分の人生をかけて成功させた」
P「その結果が、これだ」
やよい「…よく、分かりません」
P「ああ、俺にも分からない」
P「でもな、伊織にとってその次に大切だったものがある」
やよい「何ですか…?」
P「お前だよ、やよい」
やよい「私…?」
P「ああ」
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:52:01.94 ID:xjTjd7Rw0
P「最後の最後、炎に包まれながら伊織は俺にこう言ったんだ」
P「『やよいをよろしくね』ってね」
おわり
P「『やよいをよろしくね』ってね」
おわり
195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:52:17.52 ID:RbqNPbgo0
乙
196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:52:59.15 ID:KYyKqiyL0
おつんこりん
199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/07/16(月) 01:54:03.21 ID:xjTjd7Rw0
以上です
投下のペースが不規則で申し訳ないです
何か質問とか感想とかダメ出しとかあれば書いてってください
投下のペースが不規則で申し訳ないです
何か質問とか感想とかダメ出しとかあれば書いてってください
掲載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342353676/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ アイドルマスター | Comments (0)
舞園「短編四つ、です」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/25(木) 23:34:03.13 ID:XNp7kjr80
・以前投稿した『苗木「彼女との再会」』以降の話で、小説形式の短編四作構成です。一・三作目が苗木君視点で、二・四作目が舞園さん視点になってます
・意図した訳じゃないですが、舞園さん視点の方は短めです
・他のキャラクターも出したかったんですが、長さの都合上、結局台詞はまた苗木君と舞園さんのみになりました
・変わらず平和な世界観で、基本的に原作の設定を使用していますが、勝手に変更したり追加したりしています
・前作同様キャラの性格や口調、文章自体におかしな所が見受けられるかもしれません
・意図した訳じゃないですが、舞園さん視点の方は短めです
・他のキャラクターも出したかったんですが、長さの都合上、結局台詞はまた苗木君と舞園さんのみになりました
・変わらず平和な世界観で、基本的に原作の設定を使用していますが、勝手に変更したり追加したりしています
・前作同様キャラの性格や口調、文章自体におかしな所が見受けられるかもしれません
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 00:01:23.49 ID:vJkI38W1o
■-ビデオメッセージ
『第七十八期生の苗木誠君、お荷物が届いています。お時間のある時に、寄宿舎の事務局までお伺い下さい』
希望ヶ峰学園に入学してから数日後の事。三時限目が終わった後の休み時間に、そんなアナウンスが校舎全体に響き渡った。
だけどその荷物とやらに僕はまるで心当たりがなくて、実際に受け取るまではどんな物なのか分からなかった。
それで、授業が終わって放課後に受け取りに行った訳だけど――その荷物の正体は、一枚のDVDだった。
(ビデオメッセージ、かあ)
そう、正確にはビデオメッセージ。差出元は僕の実家で、何でもこの中には家族から僕への応援メッセージが収録されているらしい。
添え付けられていたメモ翌用紙に、母さんの字でそんな事が書かれてあったんだ。送るなら送ると言ってくれればいいのにと思ったけど、それは一応サプライズの為なんだとか。
まあ、特にびっくりはしなかったんだけど……でも、僕の為にこんな物を作ってくれたのは、やっぱり嬉しかったり。
そんな訳で、僕はこのビデオメッセージを今から――じゃなくて。少し遅れて、夜に観る事に『なった』。
「うふふ、楽しみです。帰ってくる間、ずっとわくわくしてたんですよ」
「はは、家族の皆も喜んでくれるよ」
部屋までの道を、お仕事から帰ってきた舞園さんと一緒に歩く。わくわくしてたというのは本当のようで、弾ませている声音が何よりの証拠だ。
夜に観る事になった――それは、舞園さんに合わせたのが理由になる。
と言うのも、荷物が家族からのビデオメッセージだった事を伝えたら、『もしよかったら、私にも観せてもらえませんか?』……と、そうお願いされたんだ。
舞園さんは妹のこまるはもちろんの事、どうやら父さんと母さんについても、運動会の時に毎年遠目に見ていたらしい。
映像とは言え姿がはっきりと見られるし、声だって聞く事が出来る……だから、是非とも観てみたいんだとか。断る理由なんてないし、僕はもちろんそのお願いを引き受けた。
ただ、舞園さんはお仕事があるから寄宿舎に帰ってくるのは夜になる。どうせなら一緒に楽しみたいし、それなら先に観ておくなんて事はせず、舞園さんが帰ってきてからにしよう……そう思ったんだ。
僕がその旨を伝えると、舞園さんは電話越しにとても喜んでくれていた。
「苗木君のお部屋に入るの、数日振りですよね。それだけでもすごく楽しみです」
「あ、ありがとう。あ、部屋はちゃんと綺麗にしてるから」
「ふふ、分かってますって」
舞園さんが遊びにくるという事もあって、実家にいた頃よりも部屋は綺麗にしておくように心がけている。
汚れた部屋を見られる訳にはいかないし、何より、そんな場所に舞園さんを上がらせる訳にはいかないし……。
今日だって夕食を食べ終わった後、丁寧に掃除したんだ。汚いと思われる事は、多分ない……と思う。
それから幾らか会話を弾ませながら、僕達は部屋の前に辿り着いた。鍵を開けて舞園さんを中に招き入れる。
「お邪魔しますっ」
挨拶を済ませて、浮き浮きとした様子で部屋の奥へ進んでいく舞園さん。そんな後ろ姿に癒されながら、僕もその後をついていった。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 00:36:25.10 ID:vJkI38W1o
「わあ……やっぱり荷物も片付いて数日経つと、初めて入った時よりも、『苗木君のお部屋』って感じがしますね」
「そ、そうかな? あんまり変わってない気もするけど……」
服はクローゼットの中に収納して、教科書や勉強道具は両袖机の上に整理して、娯楽物は棚に並べて置いて……と、変わったのはそれくらいだ。
置物の一つもなければ壁に何かを飾っている訳でもなく、こうして部屋の中を見回してみると、少々物足りなさが拭えない。
だけど入学してからまだ数日とは言え、僕はここで生活を送っている。ぱっと見じゃその形跡はあまり見受けられないけど、そういった点を踏まえれば、確かにここは立派な『僕の部屋』だ。
「何だか、数日前よりもずっと感慨深いです。ここが、苗木君のお部屋……」
……ただ、その生活を送ってる僕の部屋に舞園さんがいるんだと思うと、どきどきしない筈がなくて。僕の方も数日前よりもずっと、二人きりである事を強く意識していた。
「あ、苗木君。棚の方を少し見せてもらってもいいですか?」
「え、棚? うん、構わないけど……」
そう返事をすると、舞園さんは嬉しそうにとてとてと棚の前まで歩み寄っていく。何か気になるのかな……?
不思議に思う僕をよそに、舞園さんはその場にゆっくりと屈み込んだ。次に一つのスペースに視線を向けると、優しい眼差しで見つめ始める。
「……えへへ」
そして、緩みきった表情をその顔一杯に浮かべた。そのたまらなく幸せそうな姿に、僕は思わず見惚れてしまう。
……ここからじゃ死角になってて分からないけど、顔の向きから察するに、舞園さんが見ているのは自分達のCDなんじゃないかな。
それが棚に並べられているのを見て、つい嬉しくなった……きっとそうなんだと思う。
単に友達の棚に並べられているのが嬉しいのか、僕の棚だからこそ嬉しいのか、そこまでは分からないけど……どちらにせよ、こんなに喜んでもらえると僕としてもすごく嬉しい。
と、そうやって少しの間眺めていると、舞園さんははっと我に返った様子を見せて、慌てて僕の方を向いた。
「ご、ごめんなさい。並べてある自分達のCDを見たら、つい浮かれちゃって……」
「う、ううん。喜んでもらえて何よりだよ」
「そう、ですか? でも、みっともない所を見られちゃいましたね」
頬を真っ赤に染めながら、照れ臭そうに笑みをこぼす。そんな事は全然ない。僕にとっては、これ以上ないってくらいに眼福だった。それこそ、ずっと見ていたいくらいに……。
「あ、これがお家から届いたDVDですか?」
「うん」
舞園さんがハイテーブルの上にあるDVDケースに気づき、両手でそっと手に取る。一緒についていたメモ翌用紙に目を通すと、ふっと優しく微笑んだ。
「この中に、苗木君のご家族の皆さんが映っているんですよね。何だかそわそわしてきちゃいました」
「はは、それじゃあ早速観よっか。えっと……」
どこに座って観ようかと、僕は一度部屋を見渡す。テレビ自体はベッドの近くに置かれてるから、ベッドに座るのが妥当なんだけど……実際、僕だってそうしてるし。
ただ、僕は何度かこのベッドを利用してる訳で。そんな所に座らせちゃってもいいのか、少し悩んでしまう……。
でも、他に座ると言ったら椅子しかないんだよな。テレビの前に並べればいいんだけど、何かそうやって観るのはどこか不自然と言うか、ぎこちなく感じると言うか。
そうなると、やっぱり――
「……よかったら、ベッドに座って観る?」
「いいんですか?」
「も、もちろん。僕は別に……」
「ふふっ、それじゃあお言葉に甘えて」
そう言って、舞園さんは僕の意見をすんなりと受け入れた。……どうやら、別に気にする必要もなかったみたいだ。
(と言っても、今度は別の理由で気にしちゃう訳で……)
自分の利用してるベッドに、舞園さんが座るんだから。何か僕、どきどきしっ放しだな……無理もないんだけどさ。でも、なるべく意識しすぎないようにしよう……。
僕は心の中で一度深呼吸をして、舞園さんからDVDケースを受け取ると、中身をレコーダーに挿入した。
リモコンを手に取り、テレビの電源を点けてチャンネルをビデオに切り替えて。それから少し距離を空けて、舞園さんの隣に腰を下ろす。
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 01:23:45.23 ID:vJkI38W1o
「いよいよですねっ」
舞園さんは今か今かと待ちきれない様子で、そんな無邪気な所がすごく可愛い。横目に窺ってほっこりとしながら、僕はリモコンの再生ボタンを押した。
ディスクの読み込み音が鳴り始め、少しの間暗いままの画面が続き――やがて、パッと映像が映し出される。
『やっほー! お兄ちゃん、見てるー?』
そんな快活な声と共に出だしを飾ったのは、妹のこまるだった。ビデオカメラの目の前に立っているんだろう、画面をほとんど顔で埋め尽くしながら元気よく両手を振っている。
初っ端からやけにテンション高いな……まあ、あいつらしいけど。
「わあ……! こまるちゃん、久し振りー」
半分呆れる僕の隣で、舞園さんはこまると同じように両手を振る。久し振りとあってかとても嬉しそうだ。
少しして画面のこまるが横に逸れ、ソファーに座って微笑む父さんと母さんの姿が映る。どうやらこのビデオメッセージは、リビングの団欒スペースで録ったみたいだ。
「ここ、苗木君のお家のリビングですか?」
「うん。ソファーの後ろに窓があるけど、その向こうが庭になってるよ」
「へえ……」
興味津々の眼差しを画面に注ぐ舞園さん。こまるが空いていた父さんの右隣に座ると、父さんが一度咳払いをしてから口を開いた。
『これが届くのは入学してから数日後になるだろうが、どうだ誠? 元気にやってるか?』
『誠くーん』
母さんが柔らかい笑顔でひらひらと手を振り、こまるもそれに続いて再び両手を振る。つられて僕も小さく振り返した。
『せっかく自慢の息子が新しい門出を迎えたんだ、昨日の母さんのご馳走以外にも何かしてやりたくてな。皆で話し合って、こうしてビデオメッセージを贈る事にした訳だ』
『ささやかな物だけど、喜んでくれると嬉しいわ。ちなみに、提案したのはこまるちゃんなのよ』
『いえーい!』
こまるが今度は両手でピースを作ってはしゃぐ。それを見て、舞園さんはくすくすと微笑ましそうに笑った。
『それじゃあ、早速一人ずつメッセージを伝えていこうかしら。まずはお父さんからね』
『ああ』
父さんが頷き、僅かに腰を浮かせて一度座り直す。それから穏やかな表情はそのままに、ゆっくりと話し始めた。
『さっきも言ったが、元気にやってるか、誠? たった数日で聞くのも何だが、今日駅で見送った時のお前の背中が、少し小さく見えたもんでな。やけに早くここを発ったが、もしかすると学園には一番乗りだったんじゃないか?』
「はは……」
正にその通りだったり……。五十分も早く到着した事を母さん達に伝えたら、思いっきり笑われちゃったからな。にしても『今日駅で』って事は、このビデオメッセージは入学当日に録ったのか。
『俺は希望ヶ峰学園の全景は写真でしか見た事がないが、写真で見てもあんなに感心するんだ。本物を前にしたら、さぞ圧倒されるんだろうな。校舎を見上げて溜め息を漏らすお前の姿が目に浮かぶよ』
それも正解。ただあの時は感動しすぎて、確か三回は漏らしたと思う。校舎内を見学中にだって何度も。ついでに、曲がり角で転んだ後も落胆の意味で……。
まあ、転んだお陰で舞園さんが駆け寄ってきてくれたから、すぐに気分は一転したけど。
『数日だけじゃまだ授業も一通り経験してないだろうが、何とかついていけそうか? 入学前は期待しつつ、何かと不安そうにしていたからな。もっとも、お前なら何だかんだで大丈夫だと思ってるが。とは言え普通の高校とは違うんだ、他にも色々大変な事があるだろう……でも、精一杯頑張れよ。皆で応援してるぞ』
物柔らかな励ましの言葉が、心の奥までしみ込んでいく。入学前にも色々言葉はかけてもらったけど、こうしてビデオメッセージという形で改めて聞くと、やっぱり感じ入るものがあった。
『……ま、無理はしないようにな。精一杯頑張れとは言ったが、何も根詰める必要はないんだ。お前が頑張れる範囲で頑張ればいい。もし何か困った事があったり声が聞きたくなったら、その時はいつでも連絡してこい。離れていても、俺達は家族なんだからな』
「……うん。ありがとう、父さん」
映像の中で微笑む父さんに、心を込めてお礼の言葉を返す。実を言うと、さっきまで少しだけホームシックを感じてたんだけど……でも、温かい言葉をもらって元気が湧いてきた。
全部観終わったら、観た事の報告も兼ねてまた電話しようかな。入学当日は母さんとこまるとしか話せなかったから、父さんの声も直接聞きたい。
「素敵なお父さんですね。正に苗木君のお父さん、って感じです」
「そ、そうかな?」
「はいっ」
舞園さんにそう言ってもらえて、息子の僕としても鼻が高い。ただ、暗に自分も誉められてるようで少し照れ臭いかも……。
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:10:44.71 ID:vJkI38W1o
と、どうやら次は母さんの番みたいだ。父さんと席を替えて真ん中に座ると、嬉しそうな声音で話していく。
『改めて、誠君が希望ヶ峰学園に選ばれて、本当に嬉しいわ。まだ入学して間もないけど……どう? クラスにはちゃんと馴染めそう? お友達はもう出来た? 自分以外は皆すごい才能を持った人達ばかりだから、どうしても気後れしそうだって言ってたけど、あんまり気にしないようにね。誠君だって、立派な希望ヶ峰学園の一員なんだもの』
それらについて何も心配がいらないのは、電話で伝えたから今の母さんはもう知っている。クラスには何とか馴染めそうだし、一番最初に舞園さんと友達になれた。
あんなに感じてた気後れだって、舞園さんが取り除いてくれたんだ。ちらりと隣を見ると舞園さんと目が合って、僕達はお互いににっこりと笑い合った。
『今までは色々不運に見舞われてたけど、希望ヶ峰学園ではどうなのかしら? せっかくの『超高校級の幸運』なんだし、いい事がたくさん起きてくれるといいわね。幸運らしさが欲しいって一緒にした昨日のジャンケン勝負も、功を奏すといいんだけど』
「ちょっ、か、母さんっ……!」
ジャンケン勝負をしたとか、舞園さんもいるのにそんな事まで言わなくても……! いや、舞園さんと一緒に観るなんて想定してる訳がないんだから、仕方がないんだけどさ……。
隣で聞こえる微かな笑い声に、たちまち頬に熱が篭もっていく。恥ずかしい……。
『場所が場所だから気に病む必要はないかもしれないけど、ご飯はしっかり食べるのよ? 『腹が減っては戦が出来ぬ』って言うし、朝昼晩、きっちり欠かさないようにね。ふふ……ひょっとして、今日の晩ご飯は大好きなカレーライスかしら? 当たってた?』
ご名答だよ、母さん……。入学当日の電話で晩に何を食べたのか尋ねてきて、『あ、予想通りね!』なんて喜んでたけど……この時にはもう予想してたのか。
……舞園さんに考えてる事を当てられたりといい、やっぱり僕って分かりやすい奴なのかな……?
『病気にも気をつけてね。誠君は風邪を引きやすい体質なんだから、特に手洗いやうがいはしっかりする事。ゴールデンウィークはともかく、夏休みには一度帰ってきてくれると嬉しいわ。声だけなら電話でも聞けるけど、やっぱり会って直接聞きたいし……それに、元気そうな顔だってちゃんと見たいから。……それじゃ、頑張ってね』
最後にその一言を加えて、母さんはまたひらひらと手を振った。母親らしい、何より母さんらしいメッセージだった。そう言えば、駅で見送ってくれた時も少し寂しそうにしてたな。
家族の顔を見たいのは僕だって同じだし、母さんの希望通り夏休みには一度帰省しよう。また一家四人で食卓を囲んで、他愛のない話で盛り上がったりしたい。
「お母さんも、雰囲気通りの優しい人ですね。苗木君をよく想ってくれているのが、私にもしっかりと伝わりました」
「は、はは…」
それにしても……こうして家族との触れ合いを傍目に見られるのって、父さんとよりも母さんとの方が不思議と照れ臭く感じるな。女の子が相手だと更に……舞園さんが相手だと、特に。
さて、トリを飾るのはこまるで、母さんと席を替えて何やらわくわくとしている。
まあ、こうやって録りながら誰かに向けて話すのなんて、初めての事だしな。こまるの性格上、わくわくするのは当然と言えば当然か。
『えーっと、まずは入学おめでとう、お兄ちゃん! 今日から新しい生活が始まった訳だけど……初めての寄宿舎生活はどうかな? 家ほど自由には寛げないだろうし、洗濯なんかも自分でやらなきゃいけないんだよね。色々大変だと思うけど……うん、まあ何とかなるよね!』
ガクッ、と思わず身体が前のめりになる。何とかなるよねって……そこは普通、『頑張って』って言う所なんじゃないか? 相変わらず、何か少しズレてる奴だ……。
『正直言うと、何だかんだでお兄ちゃんがいなくなると寂しいかな。今までいるのが当たり前だったから、何か違和感があるって言うか。別に話は電話でも出来るから問題ないけど、漫画の貸し借りなんかはもう無理なんだよね。たまにお兄ちゃんの分のおやつをこっそり一口奪うとか、そういった事も出来ないって考えると、物足りない感じがするよ』
「お前、そんな事してたのか……」
僕がそう言うと、舞園さんがあははと小さく笑った。おやつをこっそり奪ってたとか、全然気がつかなかったんだけど……。
バレンタインに貰った義理チョコを勝手に食べた事なんかもあったし、全く困った奴だ。でも、こいつもこいつなりに寂しさは感じているんだな。
『でも、友達は自分のお兄ちゃんが一人暮らしするようになっても、別に寂しくなんてなかったって言ってたね。その所為か、私がブラコンなだけって言われちゃって……あ、わ、私別に、ブラコンなんかじゃないからね!? って、ちょっと! お父さんもお母さんも笑わないでったらー!』
恥ずかしそうに父さんの身体をぽかぽかと叩いたり、母さんの肩を掴んで揺らすこまる。
『ここ編集してカットしてよね!』なんて言ってるけど、そのまま残ってる辺り残念ながら聞いてもらえなかったみたいだ。まあ、こういった所は何となくこまるらしい。
『全くもう……。連絡だけど、ちゃんと楽しくやってるのかどうか気になるし、なるべくこまめにしてよね。こっちも変わった事とかあったら色々伝えたいしさ。お兄ちゃんがいい意味ですごい事をやらかしたとか、そんな友達に自慢出来るような事があると嬉しいかな。それじゃ、楽しい学園生活を!』
何故か手を振る訳じゃなく、ピースを向けてそう締め括った。何か、最後の最後でとんでもない期待をされてしまった。いい意味ですごい事をやらかすとか、僕には間違いなく縁のない話だろうに……。
……舞園さんと友達になった事なら、それに該当するかな? 伝えた時、電話越しに馬鹿デカい声で驚いてたし。
ただ、舞園さんとの出来事をこまめに連絡しろって言われたのは、正直あんまり気が進まない……。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:12:10.09 ID:vJkI38W1o
『あ、そうだ。一つ言い忘れてた事があった』
「ん?」
と、全部伝え終わったと思いきや、まだ何か言いたい事があったみたいだ。でも、他にこまるが言いそうな事って何かあるっけ。
帰省する時はお土産を買ってきてとか、大方そんな事じゃ――
『お兄ちゃん、さやかちゃんにまた会えるのが嬉しいからって、あんまりデレデレしすぎないようにねー?』
「んなっ……!?」
なんて気楽に構えていると、予想外の発言に意表を突かれる。な、何を言って……!
『昨日も写真を見たり曲を聴いたり、テレビに映ってたさやかちゃんを楽しそうに眺めたり、いつにも増して嬉しそうだったもんね。まあ、気持ちはものすごく分かるけどさ。でも、いざ対面するって時に失礼のないようにねー』
『今度こそおしまいっ!』と元気よく言い放ち、こまるは満足そうに笑みを浮かべた。
余計な事を言った所為で、頬がどうしようもなく熱い。舞園さんの方を窺い辛い……。それでも何とかちらりと隣を見遣ると、舞園さんは少し顔を伏せていた。
……その頬は照れ臭さか恥ずかしさか、色濃く赤に染まっていた。
『俺達からのメッセージは以上だな。短くてすまないが、少しでも励みになれたならこっちとしても嬉しいぞ。こうして録った甲斐もあったという物だ。さて、それじゃあ最後にまた一言……頑張れよ、誠』
『しっかりね、誠君』
『ファイトー、お兄ちゃーん!』
手を振りながら三者三様に応援の言葉を口にし、やがて画面が暗くなり映像が終わった。暫くの間賑やかだった部屋の中が、途端にしんと静かになる。
「ふふ、終わりましたね」
「……うん」
まださっきの羞恥心が消えてなくて、僕は舞園さんの方を見ずに頷いた。立ち上がってDVDレコーダーの前まで歩いていき、DVDを片づけてまたベッドにちょこんと座る。
「ど、どうだった?」
恥ずかしいからと言って黙ってる訳にもいかず、そっと隣を向きながら尋ねる。舞園さんは既に僕の方を見ていて、視線が交わるとその顔に微笑みを浮かべた。
「苗木君のご家族の皆さんがどんな人達なのか分かって、とっても嬉しかったです。お父さんもお母さんもこまるちゃんも、苗木君の事を大切に想ってくれているんですね。家族愛って言うんでしょうか、見ていて心の中がぽかぽかと温まりました」
「そ、そっか。喜んでもらえてよかったよ」
「こまるちゃんの元気な所、変わっていませんでしたね。苗木君との仲の良さも改めて窺えて、すごく微笑ましかったですよ」
「意外な事実が発覚したりしたけどね……」
こっそりおやつを奪ってたとか、長い間一緒にいても知らない事ってあるもんなんだな。知る事が出来てよかったのかと言われたら、今一反応に困るような内容だけど……。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:14:02.87 ID:vJkI38W1o
「うふふ……そうですね。私もです」
そう言うと、舞園さんはじーっと僕の顔を見つめ始める。そのいきなりの行動に、僕の心臓はたまらずどきどきと脈を打ち始めた。
「ど、どうしたの?」
「いえ、私と会えるのをすごく楽しみにしてくれてたみたいで、それが嬉しくて。……その、私の前ではデレデレ、してくれているんですか?」
「え!? そ、それは……!」
と、途轍もなく答え辛い。してると言われたらしてるんだろうけど、本人の前で実際にそうだと口にするのはどうも……。
まさかそんな風に聞かれるだなんて、流石に思いもしなかった。舞園さん、気になるのかな……?
お互いに見つめ合う形で、僕は答えるかどうか逡巡する。だけど少しの間そうしていると、やがて舞園さんは見つめていた視線をふっと緩めた。
「ふふ、ごめんなさい。困らせるような事を聞いちゃいましたね」
「い、いや……」
「もう既に充分すぎるくらい嬉しいのに、欲張るのはよくないですよね。苗木君について、色々と新しい事を知られたんですから。苗木君、風邪を引き易い体質だったんですか?」
「うん、まあ……年に二、三回は絶対引いちゃうんだ。気をつけてても不思議と……。その度に母さんに看病してもらってたよ」
「なるほど……。もしかしたら、中学の時に苗木君を見かけなかった日の内、何日かは風邪で休んでいた時と重なってたんでしょうか」
「はは、そうかもね」
その分舞園さんを生で見られなかったから、それが何より残念だった。まあ、その代わり治った翌日は、普段よりも多く眺めてたけど。
……それにしても、デレデレについて答えずに済んで助かった。でも舞園さんは気になってたみたいだから、やっぱり答えてあげた方がよかったのかも……。
「あ、そう言えばお母さん、ジャンケン勝負をしたって言ってましたよね? 確か、幸運らしさが欲しいって……あれって、苗木君から言い出した事なんですか?」
「う、うん。何かと不運に悩まされてたし、せっかく超高校級の幸運に選ばれたんだから、少しでも幸運らしさが欲しくて……」
「うふふ、そうですか。苗木君、可愛い事をしていたんですね」
「そ、そうかな……」
何だか自分の事を可愛いって言われたような気がして、どうにも照れ臭い。そうして熱を帯びた頬をぽりぽりと掻いていると、舞園さんが不意に『あ、そうだ!』と小さく両手を叩いた。
「あの、苗木君。よかったら私ともジャンケンしてみませんか?」
「え? うん、別に構わないけど……」
「ありがとう御座います。それじゃ、早速っ」
僕は頷き、舞園さんの手の前にグーを作った自分の手を持っていく。たかがジャンケンだけど、楽しそうにしてる姿がまた可愛い。
「行きますよー? 最初はグー、ジャンケン――」
――ぽんっ。その声と共に同時に出された手は、それぞれグーとパーを作っていた。僕がグーで、舞園さんがパー……つまり、僕の負けだ。
「はは、負けちゃった」
「私の勝ちですねっ。苗木君はきっとグーを出すと思っていました」
「よ、読まれちゃってたんだ……。その、エスパーだから?」
「はい! ……なんて、冗談です。ただの勘ですよ」
そう言って、舞園さんはおどけるようにくすくすと笑った。その可愛い笑みに、僕も自ずと笑顔を浮かべる。
この何気ない一時をこれからいっぱい過ごせるんだと思うと、浮き浮きとせずにはいられない。舞園さんの可愛い所を、もっとたくさん見ていくんだ。
それから別れるまでの間も話を弾ませて、僕は舞園さんとの時間を楽しんだ。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:15:07.55 ID:vJkI38W1o
■-お風呂上がり
「ふう……」
温かいお風呂から上がり、きっちりとお肌のケアやヘアドライをした後、丁寧にブラッシングをして。
ようやくお手入れを済ませた私は、雑談を交わしている先輩方に挨拶をして、お先に女子用の大浴場を後にしました。バストートを手に、すたすたと大広間に出ます。
お風呂から上がってそれなりに経ったとは言え、身体はまだぽかぽかしてて温かいです。お風呂は本当にいいものですね。
全然使わないのはもったいないと思って、一度だけ部屋のシャワーで済ませちゃった事があるんですけど……でも、やっぱりお湯に浸かった方が断然気持ちいいです。
身体の汚れや疲れと共に、気分もさっぱりして。お風呂に入り終えた後のこの一時は、一日が終わった事をしみじみと感じます。
(さて……)
さっぱりしたのはいいとして、これからタオルや着替えた衣類を洗濯しなくちゃいけません。一日おきにする人もいるみたいですけど、私は毎日する事にしています。
やっぱり臭いが気になるので……。体育があった日の体操服なんかは、特に。そんな訳で、女子用のランドリーまで行かないと。
……でも、その前に。何だか少し喉が渇いてるので、何か飲み物を買っていく事にしました。ランドリーとは別の方向、近くに設置されてある自動販売機に向かって歩き始めます。
今日は何にしましょう? この前は桃のジュースにしましたし、今日はスポーツドリンクとか? それとも……。
(あっ)
なんて何を買うか頭の中で考えていると、視線の先にある自動販売機の前に、ある人が立っていました。
こちらに背を向けてるので顔は見えませんけど、その特徴的な髪……頭頂部のアンテナを見れば、すぐに誰だか分かります。途端に気分が弾んだ私は、元気よくその人の名前を呼びました。
「苗木くーん!」
「あ、舞園さん!」
その人――苗木君は私の声に振り向くと、ぱぁっと嬉しそうな表情を浮かべてくれて。それだけで私も嬉しくなって、手を小さく振ってからたたたっと彼の元に駆け寄りました。
「お仕事お疲れ様。帰ってたんだね」
「うん!」
『お帰り』や『お疲れ様』と言った、苗木君からの労いの言葉。それは寄宿舎に帰った際の楽しみの一つで、私の気分を更に弾ませてくれます。
「丁度今さっき、大浴場から出た所なんですよ。ひょっとして苗木君もですか?」
「うん。それで喉が渇いたから、ランドリーに行く前に何か買おうかなって……もしかして舞園さんも?」
「はい、そうですよ。今日は時間が重なりましたね。あの、よかったら一緒に飲みながら、少しお話でもしていきませんか?」
「も、もちろん。僕もそのつもりだったし……」
「そうなんですか? 嬉しい」
苗木君も同じ事を考えてくれてたみたいで、頬が緩んじゃって仕方ありません。本当は洗濯を待ちながら飲もうと思っていたんですけど、急遽予定を変更です。
何て言ったって、苗木君と一緒にお話が出来るんですからね。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:16:49.36 ID:vJkI38W1o
「舞園さんは何飲むか、もう決まってる?」
「ううん、悩んでてまだ決まってなくて。苗木君は?」
「僕は牛乳だね。お風呂上がりはこれが一番美味しく感じるから……まあ、好きだからってのもあるけど」
苗木君はそう言いながら、既にお金を入れていた自動販売機のボタンを押して、取り出し口から紙パックの牛乳を取り出します。
確かに、お風呂上がりの牛乳ってより美味しく感じられますもんね。
「んー……それなら、私も牛乳にしようかな」
という訳で、私も苗木君に続いて紙パックの牛乳を購入しました。もっとも、選んだ一番の理由は『苗木君と同じ物がいい』からなんですけど。
「一緒ですね。うふふ」
「う、うん」
心なしか苗木君も嬉しそうで、またついつい浮かれてしまいます。そうして買い終わった私達は、側にある雑談スペースのベンチソファーに一緒に腰掛けました。
「かんぱーいっ」
「はは、牛乳で?」
何となくそんな事を言いたくなって、紙パック同士をこつんと合わせます。まあ、そもそも乾杯するのも変なんですけどね。
そんなやり取りにお互いに微笑み合ってから、ストローを刺して一緒に牛乳を飲み始めました。
「美味しいですねっ」
「うん。今は冷たい奴の方が美味しいけど、冬になるとホットにして飲みたくなるよね」
「分かります! あ、ホットと言えば、沸かす為の牛乳用の小鍋があるじゃないですか。あれってミルクパンって言うらしいんですけど、苗木君、知ってました?」
「え、あれそんな名前があったの? 僕、今初めて知ったよ」
「かく言う私も、去年お父さんに教えてもらって初めて知ったんですけどね。ミルクパンって、小学校の給食でたまに出てましたよね」
「あ、出てた出てた。他にも黒糖パンとかレーズンパンとか、色々あったよね。はは、懐かしいな」
隣で笑顔を浮かべる苗木君に、私も笑顔で返しました。こんな取りとめのない話でも、苗木君と一緒だととても楽しく感じられます。
話したい事がどんどん頭の中に浮かんできて、色々話したくなっちゃうんですよね。
(と、それにしても――)
見かけた時から気になってた事があって、私は苗木君をじっと見つめ始めます。すると照れちゃってるんでしょう、苗木君の頬がはっきりと赤らんできました。
「ま、舞園さん? 急にどうしたの?」
「ふふっ……お風呂上がりの苗木君、やっぱりいいなーって」
潤ってつるつるしている肌に、しっとりと艶の出た茶色の髪。元より少し上気していた頬は、今は誰が見てもすぐに分かるくらい、真っ赤に染まっています。
パジャマは入学当日の夜に見た時と同じ、無地の紺色の物。私が今着ているのもあの日と同じパジャマで、そんな小さな偶然も何だか嬉しく感じたり。
お風呂上がりの苗木君はついこの間も見たんですけど、やっぱり見入っちゃいます。もし今携帯を持ってたら、絶対写真を撮ったのにな……。
明日からお風呂に行く時は、トートの中に携帯を入れておくといいかもしれませんね。
「あ、ここの髪の毛、まだ少し濡れてますね。ちゃんと乾かさないと傷んじゃいますよ?」
「う、うん。気をつけるよ」
手を伸ばして指先で髪を摘むと、苗木君は視線を横に逸らしつつ答えます。うふふ、本当に恥ずかしがり屋さんなんですから。
まあ、そんな所がいいんですけど……いえ、そんな所『も』でしょうか。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:17:59.32 ID:vJkI38W1o
……でも、こうしてお風呂上がりの苗木君を見ていると、何だか自分の事が気になってきました。髪が跳ねちゃってたりとか、乾かし残しがあったりしないでしょうか……?
お手入れの最後にちゃんと鏡でチェックをしたので、大丈夫だとは思うんですけど……もし変に見えていたら、やっぱり恥ずかしいです。
とは言え確認しようにも、ここで手鏡を出すのは気が引けますし……。大体、苗木君にはもう見られちゃってる訳で。
それならと、思い切って苗木君に聞いてみる事にしました。
「あの、苗木君。今の私の姿、どこか変な所があったりします……?」
「え? へ、変な所?」
「その、髪が跳ねてるとか、乾かし残しがあったりとか……。よかったら教えて下さい」
「えっと……別に、変な所なんてないよ? それに、お風呂上がりの舞園さん、僕もいいと思うな……」
また恥ずかしそうに、だけどはっきり私と目を合わせながら、苗木君はそう言ってくれました。後半は声が段々小さくなってましたけど、それでも私にはちゃんと伝わりました。
「ありがとう御座います、苗木君っ」
いっぱい気持ちを込めて、苗木君にお礼を。でもまさか、一緒に褒めてもらえるなんて思っていませんでした。苗木君に褒めてもらうのは、他の人に褒めてもらうよりも更に嬉しいです。
『可愛い』と言ってもらえた時なんかは、思わず心が舞い上がっちゃったりなんて……。また言ってもらえるといいな。
そうやって期待を募らせながら、牛乳をまた一口。苗木君と一緒に飲む牛乳は、不思議と一層美味しく感じられます。
「そうそう。今日のお昼休み、セレスさんに紅茶の淹れ方を詳しく教えてもらったんですよ」
「紅茶の……ああ、舞園さん、茶葉から作ってみたいって言ってたもんね」
「鉄分の含まれないポットを使うとか、茶葉を入れたポットにはお湯を勢いよく注ぐとか、蒸らす時はとにかく温度を下げない工夫をするとか、色々ばっちりメモしました! 明日、実演してもらう事にもなったんですよ。と言っても、実演してくれるのは山田君なんですけどね」
「はは、自分がする訳じゃないってのがセレスさんらしいね……」
ふふ、確かにそうかもしれませんね。でも、あの二人は何だかんだでいいコンビだと思います。
私は紅茶の中でもレモンティーが一番好きなんですけど、今まではインスタントの物しか作った事がありませんでした。
先日苗木君が初めて部屋に遊びにきてくれた時も、それを振る舞ったんですけど……でもその際に、苗木君のお母さんもレモンティーが好きで、たまに茶葉から作ってるという話を聞いたんです。
そしたら私も本格的に作ってみたくなって、それでセレスさんに教えを乞ったという訳ですね。
「言っていた通り、美味しく淹れられるようになったら、苗木君にも振る舞いますね」
「うん! 期待してるよ」
こうして苗木君も楽しみにしてくれていますし、早く上達したいです。美味しいって言ってもらえるよう、頑張らないと!
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:21:06.89 ID:vJkI38W1o
「そう言えば、クラスの皆ってどんな飲み物が好きなのかな?」
「んー……霧切さんと十神君は、間違いなくコーヒーじゃないですか? 朝も毎日飲んでるみたいですし」
「まあ、あの二人は確かにコーヒーだろうね。僕はあまり口に合わないから、やっぱりカフェオレの方がいいな……」
「私もです。ブラックは何度か一口だけ飲んだ事がありますけど、その度に苦すぎて無理ってなっちゃうんですよね」
「僕も僕も。いつか飲める日がきたりするのかなあ……」
どこか遠い目でそんな事を呟く苗木君。ひょっとして、コーヒーを飲めるようになりたいと思ってたりして。でも、飲めない方が何となく苗木君らしいかも。
それにしても、霧切さんと十神君……二人って、どちらもクールな性格ですよね。……クールで知的な人は、コーヒーを好む法則があるとか?
明日にでも霧切さんに聞いて確かめてみようと思います。
「他に間違いないと言ったら、セレスさんのロイヤルミルクティーだよね。後は山田君のコーラとか」
「ふふっ、二人共本当に好きですよね。霧切さん達みたいに、毎日飲んでいそうです」
「僕も牛乳好きだけど、毎日は飲まないかな。お腹壊しちゃうと辛いし……」
「まあ、飲み過ぎは禁物ですね。ちなみに、ミルクティーやロイヤルミルクティーの作り方も教わったんですよ。いつか一緒に飲みましょう?」
「う、うん」
一緒に飲める物が増えれば増えるだけ、その分楽しさも増しますもんね。苗木君が喜んでくれる顔を早く見たいです。
……ところで、噂によると山田君のお部屋の冷蔵庫には、コラコーラが常備されているみたいなんですけど……実際どうなんでしょう?
何でも油芋と合わせて飲んでるみたいで、これ以上太っちゃわないか心配です。ダイエットを勧めてみましょうか?
「朝日奈さんと大神さんの二人は、やっぱりプロテインになるんでしょうか?」
「う、うーん……プロテイン自体は飲み物じゃないけど、間違ってはない……のかな? あれって基本的に不味いけど、牛乳で飲んだらイケるって、昨日朝日奈さんが言ってたね。僕、試しに少し飲ませてもらったよ」
「そうなんですか? お味、どうでした?」
「……全然美味しくなかった」
「あはは、朝日奈さん達は味に慣れてるんでしょうね」
実は、私も少し味に興味があったんですけど……でも、やっぱり飲むのはやめておこうと思いました。ただ、苗木君にちょっぴり罪悪感を感じたり。
そう言えば、朝日奈さんも大神さんもミルクティーは飲めるんですよね。ちゃんと淹れられるようになったら、遊びにきてくれた時に二人にも振る舞ってみようかな。
朝日奈さんがドーナツを持ってきたら、一緒にティータイムを楽しみたいです。
「残りの皆は……どうなんだろ? 桑田君はよく炭酸ジュースを飲んでるけど……」
「戦刃さんは一昨日ココアを飲んでいましたね。レーションの物よりも美味しい、って言ってました」
それからも暫くの間、私は苗木君と話に花を咲かせました。
自分の事、苗木君の事、クラスの皆の事、その他の事……たくさんお話をすればする程、その分苗木君との距離が縮まっていくのが、確かに感じられて。
この調子で、もっともっと縮めていきたいですね。お互いに大の仲良しだと言い合えるくらい、仲を深めていきたいです。
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:23:23.40 ID:vJkI38W1o
「っと、結構話し込んじゃいましたね。そろそろランドリーに行かないと……」
「あ、それもそうだね」
牛乳を口元まで運び、残っていた最後の一口を飲み干しました。楽しい事は時間が経つのが早いって、本当だなとしみじみと思います。
「ゴミ、僕が捨ててこようか?」
「ありがとう御座います。それじゃあお願いしてもいいですか?」
「うん」
こんな言葉を自然と言えるのが、苗木君なんですよね。中学の時から変わってない事に改めて喜びを感じながら、私は牛乳の紙パックを苗木君に差し出しました。
それを受け取ろうと、苗木君が手を伸ばしてきて――
「あっ」
――すると、その手の指が私の指にちょんっと触れて。苗木君は反射的にそんな声を出し、再び頬を赤く染めて紙パックを受け取ります。
「ご、ごめん」
「もう、苗木君ったら。別に謝る必要なんてないじゃないですか」
「そ、そうなんだけど、何となく……あはは」
誤魔化すように笑って、回収ボックスまで歩いていく苗木君。恥ずかしがり屋さんだからか、苗木君の方からスキンシップを取ってくる事はほとんどありません。
この前、肩にあった糸くずを取ってくれた時くらいでしょうか。だから、今のは二回目になるんですね。
と言っても、今のはスキンシップとは言えませんけど……でも、それでも嬉しい事に変わりはないです。
程なくしてゴミを捨て終わった苗木君が、私の側まで戻ってきました。頬を見るに、恥ずかしさはまだ抜けていないみたいですね。
「そ、それじゃあ僕、ランドリーに行くね。すごく楽しかったよ」
「私も苗木君とのお話、とっても楽しかったです。また時間が重なった時は、今日みたいにお話してくれますか?」
「う、うん。じゃあ、もしかしたらまた会うかもしれないけど……お休み、舞園さん」
「はい! お休みなさい、苗木君っ」
小さく手を振ると苗木君も振り返してくれて、そうして私達はその場で別れました。
けど、少し歩いてから振り向いてみると、苗木君も振り向いてくれていて。
立ち止まったまままた手を振り合い、今度こそ雑談スペースを後にしました。
苗木君が触れてくれた指にそっと手を添えると、伝わってくる特別な温もり。その温もりを確かに感じながら、私は気分上々の足取りでランドリーまで歩いていきました。
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 23:53:26.51 ID:vJkI38W1o
■-舞園さんの部屋
特に問題もなく平穏に迎えた、希望ヶ峰学園に入学して初めての週末。その日の夜、僕は自分の部屋で舞園さんの帰りを楽しみに待っていた。
『お仕事が終わったので、今から帰りますね。寄宿舎に着くのが待ち遠しいです』
ベッドの上に寝転がりながら、携帯の画面に表示されているメールの本文を見つめる。数十分前に届いた物で、差出人はもちろん舞園さんだ。
僕が舞園さんの帰りを楽しみに待っている理由――それは、今夜初めて舞園さんの部屋を訪れるからだ。
『是非遊びにきて下さいね!』『当然じゃないですか、大歓迎ですよ?』……舞園さんは入学当日にそう言ってくれてたし、近い内に訪れようと思っていた。
だから今朝一緒に朝食を食べている時に、今日遊びに行ってもいいかと話を持ちかけたんだけど……そしたら、舞園さんは喜んで承諾してくれた。
そんな訳で、僕は朝から気分を浮き立たせながら、休日の一時を過ごしていた。
(でも、やっぱり緊張するな……)
入学当日にも思った事だけど、それは今も依然として変わらない。この約一週間を一緒に過ごして、少しは気楽に接せられるようになったけど、部屋を訪れるとなると話は別だ。
緊張する余り、声が裏返ったりしないか不安になってる自分がいる……。ただ、それでも楽しみな気持ちの方が大きい。
『きっと~♪ Shooting Love Shooting Heart~♪』
と、期待に頬を緩ませた所で、側に置いていた携帯から舞園さん達の曲が流れ始める。
舞園さんからの電話やメールにはそれぞれ着うたを設定してるんだけど、どうやら新しいメールが届いたみたいだ。寄宿舎に着いたんだろうか……僕はわくわくしながらメールを開く。
『苗木君、お部屋の前に誰か立っていますよ?』
(え?)
すると、本文にはそのような事が書かれていた。部屋の前に立ってるって、来客かな……? 僕はすぐさま起き上がり、ベッドから下りて部屋の入口に向かう。
『誰か』と言ってる辺り、舞園さんの知らない人みたいだけど……でも、一体誰だろう? 用があるならインターホンを押せばいいのに……。
まさか、壊れてるなんて事はないだろうし。用はあるけど、何かしらの理由で呼ぶのを躊躇ってるとか……?
そんな風に頭の中であれこれと思索しながら、入口の前に立ちドアの鍵を解く。それからゆっくりとドアを開くと、そこにいたのは――
「ただいま、苗木君っ」
舞園さん、だった。見る度に心を癒してくれる明るい笑顔が、僕を快く出迎えてくれた。
「あ、あれ……?」
けど、癒されるのも忘れて僕は首を傾げる。部屋の前に誰か立っていたんじゃ……? そうやって不思議に思っていると、そんな僕に応えるように舞園さんが口を開いた。
「部屋の前に立ってる『誰か』って言うのは、私の事ですよ。ついさっきちょっぴり悪戯心が芽生えて、苗木君をからかってみようと思ったんです」
「あ……な、何だ。そうだったんだ」
合点がいき、頭の中のもやもやが解消される。舞園さんは意外とお茶目な所があって、時折僕をからかってきたりする。
再会した時のあの悲しんだ振りを含め、これまで何度かからかわれたんだけど……どうやら、今回も見事に引っ掛かったみたいだ。
「もう、舞園さんったら」
「ふふっ、ごめんなさい」
そう言って、ペロリと舌を出しながら悪戯に微笑む。最初はこんなお茶目な子だなんて思わなかったけど、そんな所もすごく可愛いんだよな。何だかんだで舞園さんらしいと言うか。
ちなみにからかわれると言っても、嫌なんて気持ちは微塵もない。寧ろ逆に嬉しいくらいだ。だって……それだけ、舞園さんが僕に構ってくれてるって事だから。
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 00:06:16.95 ID:bqYhxm61o
「あ、そうだ。お帰り、舞園さん」
「はい! 改めてただいま、苗木君っ」
『ただいま』『お帰り』と言うこの挨拶も、寄宿舎生活だからこそ出来るやり取りだ。そんな風に親しく言葉を交わせる喜びを、じーんと深く実感する。
「朝から随分待たせちゃいましたね。それじゃあ早速、私の部屋に行きますか?」
「う、うん! あ、ちょっと待ってて」
一旦部屋の中に戻り、収納棚の上に置いていたルームキーを手に取る。
それから廊下に出て自分の部屋の鍵を閉めると、一緒に隣の舞園さんの部屋の前にきた。
「そう言えば舞園さん、部屋にはもう誰か招いた?」
「ううん、苗木君が初めてのお客さんですよ?」
「そ、そっか。何か嬉しいな」
「うふふ、私もです。……さ、どうぞ。ゆっくり寛いでいって下さいね」
なんて会話をしている内に、舞園さんが鍵を解いて部屋のドアを開く。視線の先……入口の向こうには、舞園さんの部屋の中の一部が映し出されていた。
「う、うん。お邪魔します」
「はいっ。お邪魔されて下さい」
嬉しそうに声を弾ませる舞園さんの視線を受けながら、ゆっくりと室内に足を踏み入れる。
続いて舞園さんも入り、ぱたんとドアを閉める音を背に、どきどきしながら部屋の奥まで歩いていった。
(……ここが、舞園さんの部屋……)
自分の部屋とはまるで違う雰囲気に、ついつい視線があちこちと動く。同じ部屋でも、使う人が違うとここまで変わるんだ……。
――念願叶って遂に入った舞園さんの部屋は、可愛くて清潔感のあるとても舞園さんらしい部屋だった。
ハイテーブルの上にはお洒落で可愛いテーブルクロスが敷かれていて、二脚の椅子にはそれぞれ淡い色の丸いクッションが乗せられている。
収納棚にはたくさんの本や雑誌がバランスよく並べられていて、上にはクロスを挟んで置かれた数々の可愛らしいぬいぐるみ。
作業机の上には教科書などがブックスタンドできっちり整理されてあり、可愛いペンスタンドやメモ帳、卓上カレンダーなどによって程よい具合に彩られていて。
他にもテレビ台には小さな猫やウサギの置物が飾られてあったり、壁にはこれまた可愛いコルクボードが掛けられていたり……と、普通すぎる僕の部屋とは違い、個性溢れる立派な女の子の部屋に仕立てられていた。
何より僕の部屋と決定的に違うのが、室内に漂うこの甘い香りだ。芳香剤を置いてる訳でもないのにこんな香りがするなんて、流石は舞園さんと言うか……。
まだ入ったばかりにも関わらず、僕は既にこの上ない幸福感に包まれていた。
「その……どうですか? 苗木君から見て、ごちゃごちゃしてたりしませんか?」
「そ、そんな事ないよ! 舞園さんらしい部屋で、すごくいいと思う」
尋ねられて咄嗟に口から出たのは、小さな子供が言うような余りにも簡素な感想。だけど舞園さんは『よかった。ありがとう御座いますっ』と、心底嬉しそうに笑ってくれた。
(それにしても、感動だな……)
舞園さんの部屋の中で、舞園さんと二人っきり。全国の男子の誰もが一度は夢見た……そう言っても過言じゃないくらいの、正しく夢のような状況。それを今僕が、僕だけが体験しているんだ……。
どうしようもなく嬉しくて、ついつい目の前の舞園さんを見つめる。すると舞園さんは可愛らしく小首を傾げた。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 00:25:14.79 ID:bqYhxm61o
「どうしたんですか? 苗木君」
「あ、ううん。その、舞園さんの私服、何度見ても似合ってるなって……」
そう、私服。お仕事があったとは言え今日は休日な訳で、今の舞園さんは私服姿なんだ。
上には軽く網目模様の入った白いドルマンニットTシャツを着ていて、下には薄桜色の可愛らしいレーススカート。
今日は少し冷えるからと脚には茶色のニーソックスを履いていて、そんな清楚な雰囲気を醸し出している淡い春服姿は、舞園さんには正にぴったりだ。
……と、こうして説明すると僕がファッションに詳しいと思われそうだけど、そんな事は全然ない。単に朝お披露目してもらった時に、舞園さんに教えてもらっただけだ。
これからたくさん私服姿を見ていく事になる訳だし、どうせなら色々知っておいた方がいいかと思って……。
「ふふっ、ありがとう御座います。苗木君の私服も、何度見てもとっても似合ってますよ」
「あ、ありがとう」
僕の方は白い柄物のTシャツに藍鼠色のパーカー、それにベージュのチノパンという普通な服装だけど、舞園さんは気に入ってくれたみたいだった。
朝に初めて見てもらった際、『私は好きですよ、その組み合わせ』って言われた時は、何だかすごくどきどきしたな……。
「そう言えば舞園さん、今朝は出てくるのが少し遅かったよね。やっぱり舞園さんみたいにお洒落だと、組み合わせを選ぶのに手間取っちゃう時が……って、こういう事聞くのはよくないかな……」
「あはは、別に大丈夫ですって。そうですね……たまにですけど、悩んじゃう時はやっぱりありますよ。今日は少し特別な日だったので、特に……」
「特別な日……?」
「あ、いえ……その、少しって言った通り、そこまで大した事じゃないですから」
「……? そ、そっか」
舞園さんは目を横に逸らし、はぐらかすようにそう言った。その頬は少し赤らんでいるようにも……。
少し特別な日、か。そう言われると気になって仕方がないけど……言いたくはないみたいだし、やっぱり詮索はしない方がいいよな。
「っと、こうして遊びにきてくれたんですし、お飲み物を用意しないとですね。苗木君、お好きな方の椅子にどうぞ?」
「あ、うん」
手前の椅子には水色のクッションが、もう片方の椅子にはピンク色のクッションが。舞園さんにはやっぱりピンクが似合うし、僕は手前に座ろうかな。
そんな理由で手前にある椅子を軽く引き、僕はそっとクッションの上に腰を下ろした。……クッションが沈む感触が、舞園さんの私物に触れているという事実を鮮明に意識させる。
その意識を逸らすように舞園さんの方を見てみると、収納棚の右側にある扉を開き、その中からティーカップを取り出している所だった。恐らく舞園さんが持ち込んだ物だろう。
「それ、舞園さんのマイカップ?」
「はい! 結構長い間使ってて、お気に入りなんですよ」
そう言うと、側まで寄ってきてそのティーカップを間近で見せてくれる。内側だけ白くなっている朝顔型の赤色のカップに、同じ赤のソーサー。舞園さんらしい可愛いティーカップだ。
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 22:46:59.37 ID:bqYhxm61o
「これからもいっぱいお世話になると思います。ただ、苗木君の分は調理室の備品を使う事になっちゃいますけど……」
「はは、別にいいよ。僕はマイカップは持ってなかったんだし」
ただ、舞園さんがマイカップを使ってる中、僕だけ備品なのは何か気になる。
今日以降も遊びにくる事になるだろうし、それにまた僕の部屋に遊びにきてくれる際には、僕も何か飲み物を用意したいし――
「せっかくだから、僕もマイカップを買っておこうかな……」
「そうですね。その方が私としても嬉しいです」
「へ? ……って、あ! 舞園さん、また僕の考えてる事を……!」
「いえ、苗木君、今口に出してましたよ?」
「え、ほ、本当? 恥ずかしいな……」
「うふふ……マイカップ、買ったら是非見せて下さいね。楽しみにしています」
「う、うん」
いの一番に舞園さんに見せる事にしよう。そうと決まれば、明日にでも買ってこようかな……。
「ところで苗木君って、レモンティーは飲めますか? 苦手なようならカフェオレなんかもありますけど……」
「ううん、レモンティーで大丈夫だよ。……ん?」
答えた直後、僕はある点に気づいて小首を傾げる。飲み物を用意するって事は、近くにある調理室に出向く訳だよな。そうなると……。
「どうしました?」
「あ、えっと……あのさ、調理室、僕もついていった方がいいかな……?」
「え、私だけでも大丈夫ですよ? そうじゃなくても、苗木君はお客さんなんですから」
「で、でも……舞園さんの部屋に僕一人が残るのは、やっぱり駄目なんじゃ……」
……そう。舞園さんが飲み物を用意してる間、僕だけがこの部屋に残る事になる。幾らもう友達だとはいえ、それは流石にマズいんじゃないかと思ったんだ。
別に変な事を考えてる訳じゃないんだけど、それでも……。
けど、それはどうやら余計な心配だったみたいで。返ってきた舞園さんの表情は、安心感を与えてくれる穏やかな笑顔だった。
「……ふふっ、別に駄目なんかじゃないですよ。だって私、苗木君の事はとっても信頼してますから。だから気にしないで下さい」
「そ、そう……?」
「そうですよ。どうぞゆっくり寛いでて下さい」
「わ、分かった。じゃあ、そうさせてもらうね」
「はいっ」
また笑顔を浮かべて頷き、舞園さんはまた扉付きの棚の前に戻っていく。そこから今度は二つのティーバッグを取り出し、マイカップの中に入れた。
「それじゃあ、レモンティーを作ってきますね。少ししたら戻ってくるので」
「う、うん」
そうしてそのカップを片手に、僕に手を振りながら自分の部屋を後にした。甘い香りが満ちる部屋の中、一人残った僕の頭の中で、舞園さんのさっきの言葉が反芻される。
『だって私、苗木君の事はとっても信頼してますから』
「……へへ」
友達になってまだ日は全然浅いのに、そこまで信頼してくれてるなんてすごく嬉しい。たまらず有頂天になりながら、僕は舞園さんが戻ってくるのをのんびりと待つ事にした。
とは言え、そのままじっと同じ姿勢でいる訳でもなく。椅子に座ったまま、改めて部屋の中を見回してみる。
(ここで、舞園さんが生活を送ってるんだよな……)
身だしなみを整えたり、のんびり一人の時間を過ごしたり……全国の男子の心を惹きつけ全国の女子を憧れさせる、そんな舞園さんの私生活。
それを思うと、僕の視線は自ずとある一点に向けられた。
「…………」
真後ろの少し離れた所にある、薄いピンク色のシーツのベッド。舞園さんの私物の白いハート型のクッションが、女の子のベッドだと言う事をより実感させる。
ベッドメイキングが綺麗に施されていて、そんな所からも舞園さんの几帳面な性格が窺えた。
……初めて部屋の中を見回した際、僕はこのベッドはなるべく見ないようにしていた。少し見つめるだけでもどきどきして、意識せずにはいられなかっただろうから……。
でも、やっぱりどうしても気になってしまう。あの舞園さんがここで毎日、気持ちよさそうに眠っているんだと思うと――。
(……いや、駄目だ駄目だ)
せっかく、あんなに信頼してもらえてるって言うのに。ちゃんと大人しく待っていよう……僕は視線をベッドから外し、前へと向き直った。
「……でもまあ、寝顔を想像するくらいならいいよな」
舞園さんの顔を思い浮かべ、そこからぽわぽわと想像を膨らませる。一度でいいから、実際に寝顔を見てみたいな……。
けど、ただでさえ誰よりも仲良くさせてもらってるんだ。それなのにそこまで求めるのは、やっぱり欲張りかなと思ったり。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 22:48:08.63 ID:bqYhxm61o
「お待たせしましたっ」
それから数分後、舞園さんが浮き浮きとした様子で戻ってくる。ハイテーブルに置かれたトレーには、湯気を立てる舞園さんのマイカップと備品のカップ、それとシュガーポットが乗せられていた。
「はい、苗木君」
「ありがとう、舞園さん」
ソーサーに乗せられた自分の分のカップを、そっと両手で受け取る。舞園さんはマイカップとシュガーポットをテーブルに置くと、自分の席にゆっくりと腰を下ろした。
「お砂糖、先にどうぞ?」
「うん」
トングで角砂糖を一つ掴み、紅茶の中に入れてポットを舞園さんに手渡す。舞園さんも同じように一つだけ入れて、ポットを元の位置に戻した。
「砂糖、舞園さんも一個なんだね」
「いつもより疲れている時なんかは、欲張って二個入れちゃうんですけどね。糖分の摂りすぎにならないよう、気をつけないといけませんけど……。朝日奈さんが美味しそうにドーナツを食べてるのを見ると、ついつい私も食べたくなっちゃいます」
「はは、分かる分かる」
まあ、朝日奈さんも別に太らない体質って訳でもないらしいけど……。つい先日、『太らないか心配だよ~』って言ってたもんな。
と言っても水泳は消費カロリーがすごいみたいだし、ドーナツを食べた日はその分多く泳いでるらしいから、きっと大丈夫だと思う。
「っと、せっかく淹れてもらったのに冷ましちゃったら悪いよね。それじゃ、いただくよ」
「はい! と言っても、インスタントですけどね」
それでも、舞園さんが僕の為に淹れてくれた物なんだ。それだけで格別と言ってもいい。
湧き上がる嬉しさを身に沁みながら、僕は舞園さんと同時に最初の一口を口に入れた。レモンティー独特の香りと甘い味が口の中に広がっていく。
「うん、美味しいね。身体がぽかぽか温まるよ」
「そうですね。朝も言った通り今日は少し寒かったですし、温かい飲み物がとても美味しく感じます」
僕としても、舞園さんが淹れてくれた分更に美味しく感じられる。一口、また一口と念入りに味わうように飲んでいった。
……と、ふと顔を上げると、舞園さんが僕をじっと見ている事に気づく。
「ど、どうかした? その、僕の紅茶の飲み方が間違ってたとか……」
「あ、別にそういう訳じゃないですよ。こうして苗木君と一緒にお茶が出来ているのが嬉しくて、それでつい……」
「あ……そ、そっか。もちろん、僕だって嬉しいよ。こうして舞園さんの部屋で一緒に時間を過ごせるなんて、すごく幸せだし……」
「わあ……本当ですか? ありがとう御座います! でも、幸せだなんて何か照れちゃいますね……」
舞園さんは照れ臭そうに、赤くなった頬を隠すように両手を添える。そう言われると、何だか僕もものすごく照れ臭くなってきた……。
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:15:28.42 ID:bqYhxm61o
「あ、そうだ。レモンティーと言えば苗木君、中学の頃、私がペットボトルのレモンティーのCMに出ていたのは知ってます?」
「もちろん! レモンティーが好きだって言ったらすぐにオファーが来て、喜んで引き受けたんだよね?」
「はい! CM発表会のインタビュー、観てくれていたんですか?」
「うん。ちなみに僕がレモンティーを飲むようになったの、そのCMを見てからなんだ」
「そうなんですか? 嬉しい……。苗木君もあのレモンティー、買ってくれていたんですね」
「発売して暫くは週一で飲んでたよ。頻度こそ減っちゃったけど、根黒六中を卒業してからも……」
テレビの映像や雑誌の写真越しに、離れ離れになってしまった舞園さんの姿を目に映しながら。一度でいいから言葉を交わしたかったなって、そう思いながら……。
「そうだったんですね……。それなら同じ日の同じ時間……ひょっとすると、同じタイミングで飲んでいた時もあったんでしょうか?」
「そうかもね。ううん、そうだったらいいな……」
「うふふ、私もです。でも、それも今は『かも』じゃなくて、その上私の部屋で出来ているんですよね。本当に嬉しいです」
舞園さんは笑顔でそう言って、マイカップを口許まで持っていく……するとどうしてか、窺うように僕を見る。……もしかして、同じタイミングで飲んで欲しいのかな?
それならと僕もカップを口許まで運び、また同時にレモンティーを飲む。どうやら正解だったみたいで、舞園さんは照れ臭そうに再び微笑んでくれた。
「そう言えば、舞園さんのお父さんもレモンティーは飲むの?」
「いえ、お父さんは残念ながら紅茶は駄目なんですよ。あの甘さがどうも口に合わないって、もっぱらコーヒーでした」
「そっか。まあ、紅茶が合わない人って結構多いもんね」
「苗木君のご家族はどうなんですか?」
「ウチは皆大丈夫だよ。特に母さんは好きで、たまに茶葉から作ったりもしてたかな。節約家だから、基本的にはインスタントだったけどね」
「茶葉からですか……いいですね! 私はまだ茶葉から作った事はないんですけど、機会があれば覚えてみたいです。そしたら、苗木君にも振る舞いますね」
「あ、ありがとう。楽しみにしてるよ」
舞園さんが淹れてくれたってだけで、インスタントでも充分嬉しいのに……茶葉から作ってくれるなんて感動だ。
その日が今から待ち遠しい。一滴一滴、しっかりと味わって飲まないとな……。
「ところで苗木君、今日は何をして過ごしていたんですか?」
「今日? えっと、舞園さんを見送った後はまず課題を済ませたよ。その後ゲームをして……昼からは大和田君達に誘われて、体育館でバスケで遊んだね。それでその後は……部屋で舞園さん達の曲を聴いてた、かな」
「あ、今日も聴いてくれたんですね! ちなみに今日はどの曲を?」
「どのって言うか……その、全曲だね」
「え、全曲ですか!?」
「う、うん。いつの間にか聴き耽っちゃってて……」
最初は全曲も聴くつもりはなかったんだけど、部屋に遊びに行けると舞園さんの事を考えてたら、気づけば全部聴いていた。
まあ、一度に全曲聴く事自体は、今まで何度もした事があるけど……でも、入学してからは今日が初めてだ。
舞園さんと仲良くなれてて、更に部屋の事で浮かれてた分、今までよりも幸せな気分に浸る事が出来たな……。
「全曲って事は、随分長い時間聴いてくれてたんですね……私、すっごく嬉しいです! ありがとう、苗木君っ」
舞園さんは今日一番の笑顔を浮かべて、ぎゅっと僕の両手を握る。
その肌触りは相変わらずすべすべとしていて、舞園さんの部屋の中という事も相俟って、普段握られる時よりも一段と嬉しく感じられた。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:48:47.19 ID:bqYhxm61o
「舞園さんの方は、今日のお仕事はどんな内容だったの?」
「今日は雑誌に掲載する写真の撮影や、出演する音楽番組の収録、それからレコーディングに向けて新曲を何度も通しましたね。苗木君が部屋に遊びにくるとわくわくしていたからか、今日は絶好調でした!」
「そ、そうだったんだ。何か嬉しいな……」
「うふふ……他には、次の曲の歌詞を考えたりしていましたね。作詞は初めてなので楽しい反面、私の考えた歌詞を聴いてもらうんだと思うと、やっぱり少し恥ずかしくなっちゃいます」
頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑む姿に、たまらず頬が緩みきる。今月に出る新曲の作詞は今まで通りプロの人に委託してたけど、その次の新曲は舞園さんが作詞を担当する事になったんだ。
去年もソロ曲を出したりしてたけど、作詞を担当するのは舞園さん自身も言ってる通り、今回が初めてだ。
当然ファンの間でも話題で、今月発売の新曲と合わせて、僕を含めたくさんの人達が発売を待ち焦がれている。
「でも、すっごく楽しみだよ。僕、予約が始まったらその当日にするから!」
「ありがとう御座います。苗木君にもいい曲だって褒めてもらえるよう、頑張っちゃいますね」
「うん!」
ちなみに言うまでもなく、今月発売の新曲も既に予約済みだ。発売日は授業が終わって舞園さんを見送ったら、すぐに予約したショッピングセンターの店に行かないとな。
買ったら早速何度も聴いて、舞園さんが帰ってきてから直接感想を言おう……。
(ん?)
と、そんな風に心底楽しみにしていると、また舞園さんが僕をじっと見つめていた。だけど心なしか、さっきまでとは少し雰囲気が違っているように感じられて……。
「……あの、苗木君」
それは確かなようで、舞園さんは溜めながらそっと僕の名前を呼んだ。僕は少し戸惑いながらも、さっきまでのように至って普通に返事をする。
「何? 舞園さん」
「実はですね、私……苗木君に関して、以前から気になってる事があるんですよ」
「気になってる、事……?」
「はい。それで、その事について今から聞きたいんですけど……いいですか?」
「うん、僕は全然構わないけど……」
気になってる事って言うのが何なのかは分からないけど、舞園さんがそれだけ僕に興味を示してくれてるんだ。それなら喜んで応じたい。
……でも、どうしたんだろう? こんな改まっちゃって……。わざわざ確認を取らなくても、いつもみたいに積極的に聞いてくればいいのに。そんなに遠慮してしまうような内容なのかな……?
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:59:53.20 ID:bqYhxm61o
「ありがとう御座います。それで、聞きたい事なんですけどね……」
「う、うん」
どんな事を聞かれるのかと、少し緊張しながら次の言葉を待つ。そして、舞園さんが口にした内容は――
「……苗木君って、彼女はいるんですか?」
――そんな、あまりにも予想外な物だった。
「え、ええっ!? か、かかっ、彼女っ!?」
僕は激しく動揺し、思わず素っ頓狂な声を上げた。するとその反応をどう捉えたのか、舞園さんはその顔に不安そうな表情を浮かべる。
「あれ、焦ってます? つまり、いるって事ですか……?」
「い、いや……いないよ! 僕に彼女なんて……! 部屋に女の子を上げたのだって、舞園さんが初めてだったぐらいなんだから……」
「それはそうですけど……でも、部屋にはまだ上げた事がない、ってだけかもしれませんでしたし……」
「い、いないって。彼女なんてそんな、全然だよ」
夕闇高校に入学した際、母さんが『高校生になったんだし、誠君にも彼女が出来たりしてね?』なんて言ってきたのを思い出す。
こまるも同調してくるもんだから、あの時は相手をするのにやたら疲れたんだよな……。僕に彼女なんて、縁がないにも程がある言葉だったのに。
「そう……なんですね。ひょっとしているのかも、って思っちゃってました」
「はは……。でも、びっくりしたよ。まさかそんな事を聞かれるなんて……」
「ふふっ、私だって女子高生ですからね。恋バナにだって当然興味はありますし、苗木君と一度してみたかったんです」
「ま、まあ、そうだよね」
全国に名を馳せる大人気トップアイドルとは言え、舞園さんだって一人の女子高生なんだもんな。グループの皆とも、日頃そう言う話だってしてるんだろうか……。
「……ちなみに、好きな人は?」
「そ、それもいないよ。夕闇高校にいた間も、そう言う浮いた話はからっきしで……」
「んー……そう、ですか」
まあ、バレンタインにチョコなら貰ったけど……あれはクラスの男子皆に配られた義理だからな。だから浮いたも何もないし、大体そのチョコもこまるが勝手に食べちゃったから……。
恋愛に関しては、僕は外側で他の人達を眺めてた……ただ、それだけだった。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 00:21:45.79 ID:77prZBOJo
「……苗木君は、聞いてくれないんですか?」
「へ? 聞く……って、何を?」
「何を、じゃなくってですね……私に彼氏がいないか、ですよ」
「…………」
しょ、正直、聞きたいけど聞きたくないって言うか……。『そこまで仲の良い男友達がいなかった』って言ってて、そうじゃなくても僕とこんなに仲良くしてるんだ。
それなのに彼氏がいるとは思えないし、入学当日のいないと言う推測は当たってると思うけど……それでも、事実を確かめるとなると何だか躊躇われる。
もし、これでいるって言われたらどうしよう……。僕、ものすごく落ち込みそうだ。
……けどまあ、舞園さんは聞いて欲しいみたいだし。断る訳にはいかないか。
「ま、舞園さん、仲の良い男友達とかも、いなかったって言ってたし……やっぱり、今はいないんじゃ……?」
内心どきどきしながら、僕はゆっくりと途切れ途切れに尋ねる。すると少しの間を置いて……舞園さんは笑顔で返事をした。
「ピンポーン、正解です! なんて、喜んでいい事なのかは分かりませんけどね」
「あ、あはは……」
少なくとも僕は喜んで……と言うか安心した。そうした所で何かが変わるって訳でもないけど、やっぱり妙に安心感を覚えた。
(……それなら、好きな人はどうなんだろう?)
彼氏がいないとはっきり分かったら、さっきまであった躊躇いはどこかへと消えて、関心の方がその大きさを増してきた。気になって仕方がない……。
「じゃ、じゃあさ、好きな人は……?」
流れが消えない内に、思い切ってそろりと尋ねてみる。その僕の問いに対して、舞園さんは――。
「……うふふ、どうでしょうね? 気になる人なら……いますけど……」
「!」
恋をしている女の子の表情……そう、言えばいいんだろうか。そんな表情を浮かべながら、途中で視線を逸らし、照れ臭そうにそう答えた。
――けど、最後まで言い終わる直前。その一瞬に、舞園さんはちらりとまた僕の方を見た。身間違いなんかじゃなく、確かに……。
それは特に意図があった訳じゃなく、単に視線を動かしただけに過ぎなかったのか。それとも――。
「なんて! ふふ……何か、恥ずかしくなってきました。自分から言い出しておいて何ですけど、話題を変えちゃってもいいですか?」
「う、うん」
それから舞園さんが別の話題を持ちかけ、僕達はその後も楽しく会話を交わした。高まっていた鼓動はやがて収まり、辺りに漂っていた独特の雰囲気はすっかりどこかへと消えていた。
『気になる人ならいる』……それについて、詳しく聞く事は出来なかったけど。ひょっとしたら、いつものように冗談だったのかもしれないけど。
それでも、舞園さんの事をまた少し知れた気がする。
ティーカップを持ち、少し温くなったレモンティーを口に含む。どうやら舞園さんもそうしてたみたいで、顔を上げた視線の先で、どこまでも温かい笑顔を浮かべていた。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:18:17.67 ID:77prZBOJo
■-寝顔
とある日の、お昼ご飯も食べ終わった昼休み。職員室での用事を済ませて教室に戻ると、苗木君が自分の席でお昼寝をしていました。
「……すぅ……」
最初は机に突っ伏してるだけかなって思ったんですけど、側まで寄ってみると目を瞑っているのが分かりました。
それに耳を澄ませると、微かにすぅすぅと寝息も聞こえます。その寝息に合わせるように、身体も小さく上下に動いていて……。
どう見ても、これはお昼寝中で間違いないと思います。朝日奈さんの大きな話し声でも起きる気配がない辺り、どうやら結構ぐっすりみたいですね。
……と、いう訳で。またとない機会なので、私は隣の自分の席に座って、苗木君の寝顔を眺める事にしました。
「失礼しますっ」
小声で囁いてから音を立てないように椅子を引き、少し苗木君の方に寄せてから腰を下ろします。
別にそうしなくても普通に眺められる距離なんですけど、どうせ眺めるなら、やっぱり近い方がいいですもんね。
伏せている苗木君のお顔の向きに合わせて、私も若干首を傾けてみました。
(わあ……)
初めてお目にかかる、苗木君の無防備な寝顔。すやすやと気持ちよさそうに眠っていて……それは普段見せてくれる様々な表情以上に、無垢に満ちたものでした。
私は胸を少しどきどきとさせながら、目に焼きつけるようにじーっと眺めます。
「……可愛い」
そうしていると、ついついそんな言葉が口から漏れちゃいました。元々童顔なのもあってか、苗木君の寝顔はまるで小さな子供みたいです。
……あ、決して馬鹿にしている訳じゃないですよ? 寧ろ褒めているんですから。こんなに可愛い寝顔を見せつけられちゃったら、じーっと眺めたくなっても仕方がないと思います。
……でも苗木君、どうしていきなり寝ちゃってるんでしょう? 私達はお昼ご飯を一緒に食べて、その後職員室の前で別れたんですけど……それも大体十分ほど前の事。
今日見ていた限りだと、眠そうな様子だってちっとも見受けられませんでした。んー……もしかして、窓から差し込んでる日の光に当たってたら、眠気に誘われちゃったんじゃないでしょうか?
五月に入ってるとは言えまだ暑くはなく、ぽかぽかしてて気持ちがいいですし。うん、その可能性は充分あると思います。どうせなら、うとうとしてる苗木君も見たかったなあ……。
「んぅ……」
「!」
と、その姿を勝手に想像しようとした所で、苗木君が僅かに身動ぎをしました。とは言え起きる様子はなく、引き続き寝息を立てながら気持ちよさそうに眠ります。
うふふ、とっても微笑ましいですね。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:20:14.34 ID:77prZBOJo
(……そうだ)
苗木君の寝顔を眺めていると、ふとささやかな悪戯心が芽生えました。早速実行しようと、私は右手の人差し指を伸ばして、苗木君のお顔へゆっくりと近づけていきます。
「えいっ」
そして、頬をつんっと優しくつついてみました。柔らかい弾力を感じつつ様子を窺ってみても、苗木君が起きる気配はありません。
私は調子に乗って何回も、連続で押したり長く押したりしながら、頬をつついて遊びます。
苗木君にはよくスキンシップを取ってはいるんですけど、頬はほとんど触った事がありません。
相手の肩を叩いて、顔を回してきた所に人差し指で頬を押す――多分、以前にその悪戯をしたきり以来だと思います。
ちなみに、苗木君は見事に引っ掛かってくれました。その時見せてくれた、少し照れ臭そうな表情も可愛かったです。
そんな事を思い返しながら、最後に何度かぷにぷにと頬を押し、私は右手を引っ込めました。本当はもっと触っていたかったんですけど、それで起こしちゃったら悪いですもんね。
なので、引き続き寝顔を眺める事にします。
(苗木君、起きた時どんな反応するかな)
恥ずかしがり屋さんなので、私が寝顔を眺めていたって分かったら、やっぱりお顔を真っ赤にさせるんでしょうか。
とても苗木君らしくて、その姿が頭の中で容易に想像出来ました。実際の反応が是非とも気になる所ですね。
と言っても、寝顔を見られて恥ずかしいのは別に普通だと思います。私だって、あの時苗木君に見られていたと分かったら、やっぱり顔が熱くなっちゃいましたし……。
まあ、間近で見られていたからというのもあるんですけど。あの時の事を鮮明に思い出してみると、また頬がほんのりと上気してきたような気がします。
苗木君程じゃないですけど、何だかんだで私も結構恥ずかしがり屋なのかもしれません。
もしそうなら、苗木君と一緒ですね……なんて。そんな事でさえどこか嬉しさを覚えながら、苗木君の顔を見つめ続けます。
こういった事が当たり前に出来ているのは、幸せな事なんですよね。そう……とても幸せな事。
(――苗木、君)
心からそう実感しながら、心の中で呼びかけるようにその名前を呟きます。入学して一ヶ月以上が過ぎ、私達の仲は入学当日に比べて確かに深まりました。
『一緒にいるのが当たり前になった』と言うには、流石にまだ早いかもしれませんけど……苗木君と過ごすこの生活に、私はとても喜びを感じています。
……こうして希望ヶ峰学園に入学したからこそ、私は苗木君と再会する事が出来ました。
根黒六中を卒業して離れ離れになってからは、卒業アルバムの写真と記憶の中の思い出……それだけが、私にとっての苗木君の全てでした。
夕闇高校に進学した人達を羨ましく思っていました。根黒高校の教室の中、窓から外を眺めながら、苗木君の事を考えたりもしていました。
もしかしたら、街中で見かける事があるかもしれない……そう期待もしていたんですけど、結局叶わなくて。
けど、それでも、苗木君の事を忘れた日なんて一日たりともありませんでした。例え言葉を交わしていなくても、遠目に見ていただけでも。
培った三年間分の思い出は、私にとってかけがえのない物でしたから……。
(……って、しんみりするのはよくないですよね)
こうして素敵な再会を果たして、友達にだってなれたんですし。今過ごしているこの時間は、あの時よりもかけがえのない物なんですから。
過去の寂しさは心の奥底にしまって、側に一緒にいるこの喜びを、新しい思い出にしていかないと。よーしっ!
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:21:27.51 ID:77prZBOJo
「ん……?」
と、私が改めて決意したのと同時に、苗木君がさっきみたいに僅かに身動ぎをしました。
でもそれだけで、またすやすやと眠り続ける……と思いきや、閉じられていた瞼がゆっくりと開いていきます。ふふっ、どうやらお目覚めみたいですね。
「あれ……僕……」
「おはよう御座います、苗木君っ」
「……え?」
私が声をかけると、苗木君はこちらにお顔を向けて何度もぱちぱちと瞬きをしました。何だか呆気に取られている様子です。
「…………」
「苗木君?」
「あ、いや…………その、舞園さん?」
「はい、何ですか?」
「え、えっと、もしかして……僕が寝てる所、見てたとか?」
「はい! それはもう、バッチリと!」
嘘をつく必要なんてないので、堂々と正直に答えます。すると苗木君は徐々にお顔を赤くしていき、今度はその顔を隠すように机に突っ伏してしまいました。
「あ、あぁぁ……」
頭を左右にぐりぐりと振りながら、そんなくぐもった声を漏らします。……思った通りの反応でした。やっぱり苗木君は恥ずかしがり屋さんですね。
赤くなった耳を見てると、何だかからかいたくなってきちゃいましたけど……それは流石にやりすぎな気がするので、抑えておく事にします。
「苗木君、お顔を上げて下さいよー」
「す、すぐには無理かも……」
「んー……じゃあ、そのまま少し向いてくれるだけでもいいですから。やっぱりお顔を見て話したいですし」
「う、うん……」
そう言いながら、苗木君は隠していたお顔をゆっくりとこちらに向けてくれます。
私が言った通り本当に少しだけですけど、こんな風に苗木君と向き合うのは初めてで、これはこれで何だかいいなって思いました。
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:22:47.31 ID:77prZBOJo
「寝顔を眺めている時に気になったんですけど、苗木君、どうして寝ちゃってたんですか? 今日は全然眠たそうじゃありませんでしたよね?」
「えっと……何というか、日の光に当たってたらぽかぽかして気持ちよくて、段々眠くなっちゃって……」
「あ、やっぱりそうだったんですね。推理が当たりました」
何だかちょっぴり嬉しいです。でも本職の探偵さんである霧切さんだったら、この程度は一瞬で分かっちゃうんでしょうね。
「ま、舞園さんは僕が寝てる所、どれくらい見てたの?」
「んー……そこまで長くないですよ? 精々、五分ちょっとくらいだと思います」
「そ、そんなに……」
「えー、たった五分じゃないですか。苗木君が私の寝顔を見ていた時間に比べたら、ほんのちょっとですよ?」
「それは、そうだけど……」
苗木君はまた恥ずかしそうに、ごにょごにょと消え入るような声で呟きます。出来たらもっと眺めていたかったな、なんて欲張っちゃったり。
「ぼ、僕寝言とか言ってなかったよね? 多分、夢は見てないと思うし……」
「眺める前の事は流石に分かりませんけど、少なくとも、私が眺めてる間は言ってませんでしたね。……あ」
「え? な、何? やっぱり言ってたの……?」
「ふふっ、そうじゃないですよ。ただ、苗木君の寝顔、写真に撮っておけばよかったなーって」
私は時々ですけど、苗木君の写真を撮っています。ご飯を食べている所やぼーっとしている所、考え事をしている所や笑っている所など、色々と。
寝顔を撮っていたら、また一枚苗木君の写真が増えたのに……。眺めるのに夢中になる余り、せっかくのチャンスをみすみす見逃してしまいました。
「か、勘弁して……」
「いいじゃないですかっ。まあ、次からは気をつけて下さいね? 苗木君が寝ているのを見かけたら、すぐに撮っちゃいますから」
「も、もう……舞園さんったら」
そんな苗木君の反応がまた可愛くて、ついついくすくすと笑みがこぼれます。寝顔は是非とも写真に収めておきたいので、出来たらまた寝て欲しいなって。
口には出さす心の中でそうお願いした所で、苗木君がゆっくりとお顔を上げてくれました。まだ恥ずかしさが残っているのか、頬はほんのりと赤らんでいます。
「あ、そうそう。写真は撮らなかったんですけど、頬をつついてはいましたよ」
「……頬を?」
「はい。あんまりしすぎると起きちゃうかもしれなかったので、少しですけどね。嫌でした?」
「う、ううん。そんな事は全然ないけど……」
「よかった。それなら、起きてる時にしても構いませんか?」
「ま、まあ」
「うふふ、ありがとう御座いますっ」
私はお礼を言いながら、早速苗木君の柔らかい頬をつんつんと押します。照れ臭そうに視線を逸らす姿に、思わず母性本能を擽られて。
こういったスキンシップも、もっともっと取っていきたいですね。もっともっと、苗木君と触れ合いたいです。
そんな私と苗木君の、ほわほわとしたささやかな一時でした。
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:29:48.92 ID:77prZBOJo
前作以上に起伏のない内容でしたが、こんな感じです
最初に言い忘れた点を補足すると、時系列は『ビデオメッセージ』→『舞園さんの部屋』→『お風呂上がり』→『寝顔』になっています
もし続きを書くとしたら、『お風呂上がり』と『寝顔』の間の話で中編くらいの長さになる……かなあ
最初に言い忘れた点を補足すると、時系列は『ビデオメッセージ』→『舞園さんの部屋』→『お風呂上がり』→『寝顔』になっています
もし続きを書くとしたら、『お風呂上がり』と『寝顔』の間の話で中編くらいの長さになる……かなあ
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 10:35:20.93 ID:PxpX53Zoo
乙
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/28(日) 21:50:02.38 ID:7HjwFm/6o
乙
面白かった 次にも期待
面白かった 次にも期待
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419518033/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ ダンガンロンパ | Comments (0)
女騎士「オークのオークション」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:16:21 ID:qcuGPZZA
実況『さぁ、今年もやってまいりました! オークのオークション!』
実況『全国のオーク愛好家が集まるこの一大イベント!』
実況『今年もこの私が実況を務めさせていただきます! どうぞよろしく!』
実況『さらに本日は特別ゲストとして……』
実況『オーク評論家の女騎士さんをお招きしております!』
実況『女騎士さん、本日はよろしくお願いします』
女騎士『よろしく』
実況『全国のオーク愛好家が集まるこの一大イベント!』
実況『今年もこの私が実況を務めさせていただきます! どうぞよろしく!』
実況『さらに本日は特別ゲストとして……』
実況『オーク評論家の女騎士さんをお招きしております!』
実況『女騎士さん、本日はよろしくお願いします』
女騎士『よろしく』
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:27:22 ID:qcuGPZZA
実況『さっそくですが、今年はオークの当たり年と聞いておりますが?』
女騎士『うむ、そのとおりだ』
女騎士『例年になくハイレベルなオークが競りに出されることだろう』
女騎士『となると、当然落札価格も例年より高額になることが予想される』
女騎士『参加者は自身の予算と相談し、無理をすることがないようにして欲しいものだ』
実況『なるほど~、ありがとうございます!』
実況『それではいよいよオークション開始です!』
実況『今年はいったいどんなオークが競りに出され、誰に落とされるのでしょうか!?』
女騎士『うむ、そのとおりだ』
女騎士『例年になくハイレベルなオークが競りに出されることだろう』
女騎士『となると、当然落札価格も例年より高額になることが予想される』
女騎士『参加者は自身の予算と相談し、無理をすることがないようにして欲しいものだ』
実況『なるほど~、ありがとうございます!』
実況『それではいよいよオークション開始です!』
実況『今年はいったいどんなオークが競りに出され、誰に落とされるのでしょうか!?』
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:30:08 ID:qcuGPZZA
競売人「まず最初のオークは──」
競売人「健康的な生活を送ってきたという“痩せオーク”です!」
オォォ……!
痩せオーク「体脂肪率は10%を切っています」スラッ
実況『いかがでしょう、女騎士さん』
女騎士『オークの利点といえる肉付きのよさをあえて捨てたオークだな』
女騎士『頼もしさはないが、守ってやりたくなるようなか弱さがポイントといえよう』
実況『なるほどぉ~!』
競売人「健康的な生活を送ってきたという“痩せオーク”です!」
オォォ……!
痩せオーク「体脂肪率は10%を切っています」スラッ
実況『いかがでしょう、女騎士さん』
女騎士『オークの利点といえる肉付きのよさをあえて捨てたオークだな』
女騎士『頼もしさはないが、守ってやりたくなるようなか弱さがポイントといえよう』
実況『なるほどぉ~!』
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:33:03 ID:qcuGPZZA
競売人「では50万からスタート!」カンッ
女僧侶「60万!」
女戦士「70万!」
女魔法使い「100万!」
女剣士「120万!」
女賢者「200万!」
実況『順調に価格が上がっていきます!』
女僧侶「60万!」
女戦士「70万!」
女魔法使い「100万!」
女剣士「120万!」
女賢者「200万!」
実況『順調に価格が上がっていきます!』
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:38:08 ID:qcuGPZZA
女盗賊「250万!」
女商人「270万!」
女オーク「280万!」
女戦士「300万!」
競売人「300万が出た! さぁ、だれかいませんか!?」
競売人「決まった! 300万Gで落札です!」カンッ
女戦士「やった!」
実況『いきなり300万とは! いやぁ~、驚きですね!』
女騎士『うむ、やはり今年は例年に比べてハイレベルだ』
女騎士『痩せオークとあの筋肉質の女戦士はお似合いだ。どうか幸せになって欲しい』
実況『そうですねぇ~!』
女商人「270万!」
女オーク「280万!」
女戦士「300万!」
競売人「300万が出た! さぁ、だれかいませんか!?」
競売人「決まった! 300万Gで落札です!」カンッ
女戦士「やった!」
実況『いきなり300万とは! いやぁ~、驚きですね!』
女騎士『うむ、やはり今年は例年に比べてハイレベルだ』
女騎士『痩せオークとあの筋肉質の女戦士はお似合いだ。どうか幸せになって欲しい』
実況『そうですねぇ~!』
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:41:03 ID:qcuGPZZA
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女戦士「ありがとう」
インタビュアー「痩せオークとはどのような生活をしていきたいですか?」
女戦士「アタシの鍛え抜いたこの肉体で」
女戦士「痩せオークのアバラの浮いた体をやさしく抱き締めてやりたいと思ってるよ」
痩せオーク「えへへ……」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女戦士「ありがとう」
インタビュアー「痩せオークとはどのような生活をしていきたいですか?」
女戦士「アタシの鍛え抜いたこの肉体で」
女戦士「痩せオークのアバラの浮いた体をやさしく抱き締めてやりたいと思ってるよ」
痩せオーク「えへへ……」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:45:05 ID:qcuGPZZA
競売人「続いてのオークは──」
競売人「年齢まだ10歳の、“ショタオーク”です!」
オォォ……!
ショタオーク「こ、こんにちは!」ペコッ…
実況『この子はどうですかねぇ~、女騎士さん』
女騎士『オークとしてはまだまだ未熟で、発展途上ではあるが』
女騎士『成長する姿を愛でることができる、という利点はそれらに勝るであろうな』
実況『なるほどぉ~!』
競売人「年齢まだ10歳の、“ショタオーク”です!」
オォォ……!
ショタオーク「こ、こんにちは!」ペコッ…
実況『この子はどうですかねぇ~、女騎士さん』
女騎士『オークとしてはまだまだ未熟で、発展途上ではあるが』
女騎士『成長する姿を愛でることができる、という利点はそれらに勝るであろうな』
実況『なるほどぉ~!』
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:48:09 ID:qcuGPZZA
競売人「では50万からスタート!」カンッ
女盗賊「100万!」
女魔法使い「110万!」
女商人「150万!」
女オーク「180万!」
女賢者「200万!」
実況『さぁ、順調に価格が上がっていきますが……?』
女盗賊「100万!」
女魔法使い「110万!」
女商人「150万!」
女オーク「180万!」
女賢者「200万!」
実況『さぁ、順調に価格が上がっていきますが……?』
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:52:15 ID:qcuGPZZA
女僧侶「210万!」
女スライム「220万!」
女盗賊「300万!」
女武闘家「310万!」
女旅人「320万!」
女盗賊「450万!」
競売人「さぁ、どなたかいらっしゃいますか!? ──落札です!」カンッ
女盗賊「っしゃ!」グッ
実況『いやぁ~女騎士さん、一気に決めにきましたねぇ~!』
女騎士『自身の本気を見せつけることで、他の参加者の戦意を削ぐ……』
女騎士『これも一つのテクニックといえるな』
実況『そういうことですかぁ~!』
女スライム「220万!」
女盗賊「300万!」
女武闘家「310万!」
女旅人「320万!」
女盗賊「450万!」
競売人「さぁ、どなたかいらっしゃいますか!? ──落札です!」カンッ
女盗賊「っしゃ!」グッ
実況『いやぁ~女騎士さん、一気に決めにきましたねぇ~!』
女騎士『自身の本気を見せつけることで、他の参加者の戦意を削ぐ……』
女騎士『これも一つのテクニックといえるな』
実況『そういうことですかぁ~!』
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/29(水) 23:55:34 ID:qcuGPZZA
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女盗賊「へへへ、どうも」
インタビュアー「この子はまだずいぶん幼いですが……?」
女盗賊「まぁね~、だけど将来性を買ってみたよ」
女盗賊「お姉さんが可愛がってあげるからね~、ボ、ウ、ヤ」チュッ
ショタオーク「は、はい……!」ドキドキ…
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女盗賊「へへへ、どうも」
インタビュアー「この子はまだずいぶん幼いですが……?」
女盗賊「まぁね~、だけど将来性を買ってみたよ」
女盗賊「お姉さんが可愛がってあげるからね~、ボ、ウ、ヤ」チュッ
ショタオーク「は、はい……!」ドキドキ…
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:00:43 ID:VPtMaxcg
競売人「続いてのオークは──」
競売人「魔物刑務所から出所したばかりの“凶悪オーク”です!」
オォォ……!
凶悪オーク「ぐへへへへ……女どもがウヨウヨしていやがる!」ジュルリ…
実況『見るからに修羅場をくぐってそうなオークですねぇ~! いかがでしょう?』
女騎士『顔を見るだけで、彼奴の攻撃的な性質がピリピリと伝わってくる』
女騎士『虐待されることに快感を覚える者であれば、たまらんだろうな』
実況『なるほどぉ~!』
競売人「魔物刑務所から出所したばかりの“凶悪オーク”です!」
オォォ……!
凶悪オーク「ぐへへへへ……女どもがウヨウヨしていやがる!」ジュルリ…
実況『見るからに修羅場をくぐってそうなオークですねぇ~! いかがでしょう?』
女騎士『顔を見るだけで、彼奴の攻撃的な性質がピリピリと伝わってくる』
女騎士『虐待されることに快感を覚える者であれば、たまらんだろうな』
実況『なるほどぉ~!』
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:03:19 ID:VPtMaxcg
競売人「では50万からスタート!」カンッ
女剣士「70万!」
女僧侶「90万!」
女賢者「120万!」
女武闘家「170万!」
女魔法使い「230万!」
実況『熾烈な入札合戦が繰り広げられております!』
女剣士「70万!」
女僧侶「90万!」
女賢者「120万!」
女武闘家「170万!」
女魔法使い「230万!」
実況『熾烈な入札合戦が繰り広げられております!』
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:06:48 ID:VPtMaxcg
女兵士「240万!」
女魔物使い「300万!」
女僧侶「400万!」
女賢者「500万!」
女僧侶「530万!」
女賢者「600万!」
競売人「600万! さぁ、他にいらっしゃいますか!? ──落札です!」カンッ
女賢者「やりましたわ!」
実況『このオークションにおける歴代最高額が更新されました!』
女騎士『あの落札者の表情……一切悔いはないといった表情だな。実にいい』
女魔物使い「300万!」
女僧侶「400万!」
女賢者「500万!」
女僧侶「530万!」
女賢者「600万!」
競売人「600万! さぁ、他にいらっしゃいますか!? ──落札です!」カンッ
女賢者「やりましたわ!」
実況『このオークションにおける歴代最高額が更新されました!』
女騎士『あの落札者の表情……一切悔いはないといった表情だな。実にいい』
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:10:21 ID:VPtMaxcg
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女賢者「ありがとうございます」
インタビュアー「しかし、かなり凶悪なオークですが、本当に大丈夫ですか?」
女賢者「大丈夫、というよりむしろ大好物ですわ!」
女賢者「これから先のことを考えるだけで、わたくし……」ポッ…
凶悪オーク「ぐへへへ……たっぷりと調教してやるぜ!」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女賢者「ありがとうございます」
インタビュアー「しかし、かなり凶悪なオークですが、本当に大丈夫ですか?」
女賢者「大丈夫、というよりむしろ大好物ですわ!」
女賢者「これから先のことを考えるだけで、わたくし……」ポッ…
凶悪オーク「ぐへへへ……たっぷりと調教してやるぜ!」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:14:38 ID:VPtMaxcg
競売人「さて、続きましては──」
競売人「触手に寄生され、共生関係となった“触手オーク”です!」
オォォ……!
触手オーク「いやぁ~、こんなんなっちゃいました」ウネウネウゾウゾ
実況『この業界ではオークと双璧を成す触手が、オークと奇跡の合体!』
実況『これはかつてない高額落札が期待できそうです!』
女騎士『いや……どうかな』
実況『……と、おっしゃいますと?』
女騎士『説明するより、実際に見る方が早いだろう』
競売人「触手に寄生され、共生関係となった“触手オーク”です!」
オォォ……!
触手オーク「いやぁ~、こんなんなっちゃいました」ウネウネウゾウゾ
実況『この業界ではオークと双璧を成す触手が、オークと奇跡の合体!』
実況『これはかつてない高額落札が期待できそうです!』
女騎士『いや……どうかな』
実況『……と、おっしゃいますと?』
女騎士『説明するより、実際に見る方が早いだろう』
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:17:08 ID:VPtMaxcg
競売人「では50万からスタート!」カンッ
女僧侶「60万!」
女スライム「70万!」
女オーク「80万!」
女旅人「90万!」
女剣士「100万!」
実況『おや……? 意外と上がり幅が少ないようですが……?』
女僧侶「60万!」
女スライム「70万!」
女オーク「80万!」
女旅人「90万!」
女剣士「100万!」
実況『おや……? 意外と上がり幅が少ないようですが……?』
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:21:53 ID:VPtMaxcg
女魔法使い「120万!」
競売人「120万が出ました! どなたかいらっしゃいますか!?」
競売人「はいっ、120万で落札です!」カンッ
女魔法使い「ふぅ」
実況『これは……?』
実況『思ったより伸びませんでしたが、どういうことなんでしょうか?』
女騎士『たとえば、料理でおいしいもの同士を混ぜ合わせたとしても』
女騎士『必ずしもよりおいしくなるとは限らんだろう?』
実況『た、たしかに……』
女騎士『オーク道もそういうものなのだ』
女騎士『人気者同士のオークと触手が一緒になったとしても』
女騎士『それが必ずしもいいことだとは限らない、ということだな』
実況『なるほどぉ~! オーク道、実に奥が深い!』
競売人「120万が出ました! どなたかいらっしゃいますか!?」
競売人「はいっ、120万で落札です!」カンッ
女魔法使い「ふぅ」
実況『これは……?』
実況『思ったより伸びませんでしたが、どういうことなんでしょうか?』
女騎士『たとえば、料理でおいしいもの同士を混ぜ合わせたとしても』
女騎士『必ずしもよりおいしくなるとは限らんだろう?』
実況『た、たしかに……』
女騎士『オーク道もそういうものなのだ』
女騎士『人気者同士のオークと触手が一緒になったとしても』
女騎士『それが必ずしもいいことだとは限らない、ということだな』
実況『なるほどぉ~! オーク道、実に奥が深い!』
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:25:07 ID:VPtMaxcg
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女魔法使い「ありがと」
インタビュアー「落札されたのは、ずいぶんと特殊なオークですが……?」
女魔法使い「そうね。だけどこのままじゃやっぱり魅力半減だから」
女魔法使い「なんとかオークと触手を分離させる魔法を開発してみせるわ」
触手オーク「もし分離できたら、女魔法使いさんをたっぷり楽しませます」ウゾウゾ
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女魔法使い「ありがと」
インタビュアー「落札されたのは、ずいぶんと特殊なオークですが……?」
女魔法使い「そうね。だけどこのままじゃやっぱり魅力半減だから」
女魔法使い「なんとかオークと触手を分離させる魔法を開発してみせるわ」
触手オーク「もし分離できたら、女魔法使いさんをたっぷり楽しませます」ウゾウゾ
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:28:28 ID:VPtMaxcg
競売人「続いてのオークは──」
競売人「世にも珍しい黒いオーク、“ブラックオーク”です!」
オォォ……!
ブラックオーク「ブヒヒ……」キリッ
実況『いやぁ~、ツヤのある黒い肌が美しいですねぇ!』
実況『魔物であるにもかかわらず、どことなく高貴な印象すら受けます!』
女騎士『うむ、オークの持つ野性味に“黒”という色がみごとに調和している』
女騎士『黒とは格式の高さをあらわす色でもあるからな』
実況『なるほどぉ~!』
競売人「世にも珍しい黒いオーク、“ブラックオーク”です!」
オォォ……!
ブラックオーク「ブヒヒ……」キリッ
実況『いやぁ~、ツヤのある黒い肌が美しいですねぇ!』
実況『魔物であるにもかかわらず、どことなく高貴な印象すら受けます!』
女騎士『うむ、オークの持つ野性味に“黒”という色がみごとに調和している』
女騎士『黒とは格式の高さをあらわす色でもあるからな』
実況『なるほどぉ~!』
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:31:07 ID:VPtMaxcg
競売人「では100万からスタート!」カンッ
女剣士「150万!」
女魔物使い「200万!」
女オーク「270万!」
女武闘家「350万!」
女兵士「400万!」
実況『今までとは上がり方がまるでちがいます! 早くも400万を突破!』
女剣士「150万!」
女魔物使い「200万!」
女オーク「270万!」
女武闘家「350万!」
女兵士「400万!」
実況『今までとは上がり方がまるでちがいます! 早くも400万を突破!』
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:35:12 ID:VPtMaxcg
女スライム「500万!」
女兵士「550万!」
女僧侶「700万!」
女ゴブリン「800万!」
女商人「850万!」
女僧侶「900万!」
女商人「1000万!」
競売人「1000万出ました! さぁ、どなたかいらっしゃいますか!?」
女僧侶「……1050万!」
実況『1000万を突破ァ! さすがブラックオークといったところでありましょう!』
女兵士「550万!」
女僧侶「700万!」
女ゴブリン「800万!」
女商人「850万!」
女僧侶「900万!」
女商人「1000万!」
競売人「1000万出ました! さぁ、どなたかいらっしゃいますか!?」
女僧侶「……1050万!」
実況『1000万を突破ァ! さすがブラックオークといったところでありましょう!』
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:40:06 ID:VPtMaxcg
女商人「1100万!」
女僧侶「1200万!」
女商人「1300万!」
女僧侶「1500万!」
競売人「1500万が出た! さぁ、いらっしゃいますか!?」
競売人「はいっ、1500万Gで落札!」カンッ
女僧侶「やりました……!」ホッ…
実況『なんとぉ~! ブラックオーク、1500万Gで落札!』
女騎士『なかなか見応えのある戦いだったな』
女僧侶「1200万!」
女商人「1300万!」
女僧侶「1500万!」
競売人「1500万が出た! さぁ、いらっしゃいますか!?」
競売人「はいっ、1500万Gで落札!」カンッ
女僧侶「やりました……!」ホッ…
実況『なんとぉ~! ブラックオーク、1500万Gで落札!』
女騎士『なかなか見応えのある戦いだったな』
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:43:05 ID:VPtMaxcg
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女僧侶「どうもありがとうございます」
インタビュアー「非常に高額での落札でしたが……」
女僧侶「この日の為に貯蓄してまいりましたので……」
女僧侶「まさかブラックオークが出されるとは思ってなかったので、嬉しいです」
ブラックオーク「1500万G分、せいぜい精進するさ。ブヒヒ……」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
インタビュアー「このたびは落札、おめでとうございます!」
女僧侶「どうもありがとうございます」
インタビュアー「非常に高額での落札でしたが……」
女僧侶「この日の為に貯蓄してまいりましたので……」
女僧侶「まさかブラックオークが出されるとは思ってなかったので、嬉しいです」
ブラックオーク「1500万G分、せいぜい精進するさ。ブヒヒ……」
インタビュアー「ありがとうございました! どうぞお幸せに!」
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:46:12 ID:VPtMaxcg
実況『いやぁ~、まさか1000万を超えるオークが出てくるとは!』
実況『驚きですねぇ~、女騎士さん』
女騎士『今年のオークのハイレベルさがうかがえるな』
実況『それにしても、なぜ今年はこれほどの当たり年となったのでしょうか?』
女騎士『一つは……魔物の生活水準が向上し、オークの質もまた向上したのだろう』
女騎士『そしてもう一つは……オーク自身も自分の役割──“使命”のようなものを』
女騎士『なんとなく分かってきたからではないのだろうか』
女騎士『心の成長は、体をも成長させるからな』
実況『なるほどぉ~! 外的要因と内的要因があるわけですね!』
女騎士『そういうことだな』
実況『驚きですねぇ~、女騎士さん』
女騎士『今年のオークのハイレベルさがうかがえるな』
実況『それにしても、なぜ今年はこれほどの当たり年となったのでしょうか?』
女騎士『一つは……魔物の生活水準が向上し、オークの質もまた向上したのだろう』
女騎士『そしてもう一つは……オーク自身も自分の役割──“使命”のようなものを』
女騎士『なんとなく分かってきたからではないのだろうか』
女騎士『心の成長は、体をも成長させるからな』
実況『なるほどぉ~! 外的要因と内的要因があるわけですね!』
女騎士『そういうことだな』
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:50:48 ID:VPtMaxcg
その後もオークションは続き──
競売人「デブオーク、480万Gで落札です!」カンッ
競売人「はいっ! 足長オーク、700万Gで落札となります!」カンッ
競売人「ここまで! 1080万Gにてニヒルオーク、落札!」カンッ
競売人「370万Gにて、おしゃべりオーク落札です!」カンッ
実況『良質なオークたちが、次々に高額で落札されていきます!』
実況『そしていよいよ、最後のオークの登場です!』
競売人「デブオーク、480万Gで落札です!」カンッ
競売人「はいっ! 足長オーク、700万Gで落札となります!」カンッ
競売人「ここまで! 1080万Gにてニヒルオーク、落札!」カンッ
競売人「370万Gにて、おしゃべりオーク落札です!」カンッ
実況『良質なオークたちが、次々に高額で落札されていきます!』
実況『そしていよいよ、最後のオークの登場です!』
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 00:57:48 ID:VPtMaxcg
競売人「最後のオークは──」
競売人「なんの変哲もないオーク、ずばり“オーク”です!」
オォォ……!
オーク「よろしく」ブヒッ
実況『最後の最後に出てきたのは、意外にも特徴といえる特徴がなにもないオーク!』
実況『まさにシンプルイズベスト、ということなんでしょうか? 女騎士さん?』
実況『ん……?』
実況『あれ……女騎士さん!?』キョロキョロ
競売人「なんの変哲もないオーク、ずばり“オーク”です!」
オォォ……!
オーク「よろしく」ブヒッ
実況『最後の最後に出てきたのは、意外にも特徴といえる特徴がなにもないオーク!』
実況『まさにシンプルイズベスト、ということなんでしょうか? 女騎士さん?』
実況『ん……?』
実況『あれ……女騎士さん!?』キョロキョロ
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 01:00:25 ID:VPtMaxcg
競売人「では100万からスタート!」カンッ
女剣士「120万!」
女スライム「140万!」
女旅人「170万!」
女魔物使い「220万!」
女忍者「250万!」
女騎士「10億」
女剣士「270万! ──え!?」
女剣士「120万!」
女スライム「140万!」
女旅人「170万!」
女魔物使い「220万!」
女忍者「250万!」
女騎士「10億」
女剣士「270万! ──え!?」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 01:05:19 ID:VPtMaxcg
競売人「じゅう……え!? じゅう……おく……?」
競売人「あのそちらの方、もう一度おっしゃっていただけるでしょうか?」
女騎士「10億だ」
シ~ン……
競売人「あのそちらの方、もう一度おっしゃっていただけるでしょうか?」
女騎士「10億だ」
シ~ン……
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 01:09:38 ID:VPtMaxcg
競売人「他に……いるわけ、ないですよね……」
競売人「ということで……最後のオーク、10億Gで決定です!」カンッ
女騎士「フッ……」
実況『あ、あれ? いつの間にあんなところに……!』
実況『なんと、最後のオークは女騎士さんが落札してしまいました!』
実況『し、しかも10億Gという超高額落札!』
実況『おそらく今後、この記録が破られることはないんじゃないでしょうか……!?』
実況『と、とにかく、落札者インタビューに移ります!』
競売人「ということで……最後のオーク、10億Gで決定です!」カンッ
女騎士「フッ……」
実況『あ、あれ? いつの間にあんなところに……!』
実況『なんと、最後のオークは女騎士さんが落札してしまいました!』
実況『し、しかも10億Gという超高額落札!』
実況『おそらく今後、この記録が破られることはないんじゃないでしょうか……!?』
実況『と、とにかく、落札者インタビューに移ります!』
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 01:18:25 ID:VPtMaxcg
~ 落札者インタビュー ~
インタビュアー「えぇ~と……このたびは落札……お、おめでとうございます」
女騎士「かたじけない」
女騎士「代償として、一文無しになってしまったがな」
オーク「ぐふふ……没落した騎士をなぶるってのも悪くねえなぁ?」グイッ
女騎士「くっ、殺せ!」
オーク「といいつつ、心ん中じゃ期待しちまってんじゃねぇかぁ~?」ニヤニヤ…
女騎士「だれが貴様などに屈するものか!」
実況『うわっと! この二人、とても放送できないことを今にもやりそうなので』
実況『ここで放送を打ち切らせていただきます!』
実況『それでは全国のオークファンの皆さま、さようなら~!』
─ おわり ─
インタビュアー「えぇ~と……このたびは落札……お、おめでとうございます」
女騎士「かたじけない」
女騎士「代償として、一文無しになってしまったがな」
オーク「ぐふふ……没落した騎士をなぶるってのも悪くねえなぁ?」グイッ
女騎士「くっ、殺せ!」
オーク「といいつつ、心ん中じゃ期待しちまってんじゃねぇかぁ~?」ニヤニヤ…
女騎士「だれが貴様などに屈するものか!」
実況『うわっと! この二人、とても放送できないことを今にもやりそうなので』
実況『ここで放送を打ち切らせていただきます!』
実況『それでは全国のオークファンの皆さま、さようなら~!』
─ おわり ─
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 02:00:45 ID:yBwB.i8g
乙
来年も期待
来年も期待
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 07:42:05 ID:JSZOXcNk
流石女騎士さんや
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/10/30(木) 16:09:05 ID:/yX8BQZg
乙
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1414592181/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ 魔王・勇者 | Comments (0)
える「福部さんとお付き合いする事になりました」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:22:37.58 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…え? 悪い、うまく聞き取れなかった」
える「ですから、私と福部さんがお付き合いする事になったんです!」
奉太郎「…は? どういうことだ」
里志「言葉通りの意味だよ奉太郎。僕と千反田さんが恋人同士になったんだ」
奉太郎「…いやいやいや、待て待て。お前、伊原と付き合ってたんじゃないのか」
里志「あー…いや、摩耶花とは少し前に別れたんだ」
奉太郎「聞いてないぞ」
里志「言ってないからね」
奉太郎 (いや言えよ)
える「ですから、私と福部さんがお付き合いする事になったんです!」
奉太郎「…は? どういうことだ」
里志「言葉通りの意味だよ奉太郎。僕と千反田さんが恋人同士になったんだ」
奉太郎「…いやいやいや、待て待て。お前、伊原と付き合ってたんじゃないのか」
里志「あー…いや、摩耶花とは少し前に別れたんだ」
奉太郎「聞いてないぞ」
里志「言ってないからね」
奉太郎 (いや言えよ)
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:24:01.52 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「あー…なんというか…おめでとう」
える「はいっ、ありがとうございます!」
奉太郎「まあ里志はこう見えて優しいから…心配するような事はないだろうな」
里志「奉太郎が僕の事を褒めるなんて、こりゃ何か悪い事が起きそうだ」
奉太郎「うるさいな、俺だって人を褒めたりもする」
える「……」
奉太郎「…どうした?千反田」
える「…えっ! いや、なんでもありません! 少し考え事を…」
奉太郎「さいで」
える「はいっ、ありがとうございます!」
奉太郎「まあ里志はこう見えて優しいから…心配するような事はないだろうな」
里志「奉太郎が僕の事を褒めるなんて、こりゃ何か悪い事が起きそうだ」
奉太郎「うるさいな、俺だって人を褒めたりもする」
える「……」
奉太郎「…どうした?千反田」
える「…えっ! いや、なんでもありません! 少し考え事を…」
奉太郎「さいで」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:25:31.16 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「……奉太郎、ちょっと」
奉太郎「ん? …ああ、すまん。俺がいると邪魔だな。今日の所は帰るよ」
里志「ごめん、奉太郎」
奉太郎「いいさ、俺も今日は帰りたかったしな」
える「…すみません、折木さん」
奉太郎「お前が謝る事じゃない…じゃあな」
里志「じゃあね奉太郎!また明日」
える「さようなら!折木さん!」
奉太郎「……ああ」
奉太郎「ん? …ああ、すまん。俺がいると邪魔だな。今日の所は帰るよ」
里志「ごめん、奉太郎」
奉太郎「いいさ、俺も今日は帰りたかったしな」
える「…すみません、折木さん」
奉太郎「お前が謝る事じゃない…じゃあな」
里志「じゃあね奉太郎!また明日」
える「さようなら!折木さん!」
奉太郎「……ああ」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:27:09.46 ID:p2ZWVNQs0.net
バタン
里志「…行ったね」
える「……ええ」
里志「辛いかい?」
える「……はい、正直」
里志「我慢しなくちゃ。これも奉太郎に振り向いてもらう為に必要な事なんだ」
える「……そう、ですね」
える 「(折木さん…)」
里志「…行ったね」
える「……ええ」
里志「辛いかい?」
える「……はい、正直」
里志「我慢しなくちゃ。これも奉太郎に振り向いてもらう為に必要な事なんだ」
える「……そう、ですね」
える 「(折木さん…)」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:28:27.27 ID:p2ZWVNQs0.net
1時間前
ガチャッ
里志「あれ、千反田さんだけかい?」
える「こんにちは、摩耶花さんは図書委員の仕事だそうです。」
里志「奉太郎は掃除当番で遅くなるって言ってたよ」
える「……そうですか」
里志 「(…なんか元気が無いな)」
ガチャッ
里志「あれ、千反田さんだけかい?」
える「こんにちは、摩耶花さんは図書委員の仕事だそうです。」
里志「奉太郎は掃除当番で遅くなるって言ってたよ」
える「……そうですか」
里志 「(…なんか元気が無いな)」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:29:14.89 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「千反田さん、なんか悩みでもあった?」
える「……えっ?な、何もないですよ?」
里志「嘘だね。千反田さん、いつもより目に見えて元気がないもの」
える「…わかりますか?」
里志「うん、わかる」
える「そうですか…」
里志「……奉太郎の事かい?」
える「っ!」
里志「やっぱりね」
える「……はい」
える「……えっ?な、何もないですよ?」
里志「嘘だね。千反田さん、いつもより目に見えて元気がないもの」
える「…わかりますか?」
里志「うん、わかる」
える「そうですか…」
里志「……奉太郎の事かい?」
える「っ!」
里志「やっぱりね」
える「……はい」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:29:59.34 ID:p2ZWVNQs0.net
里志 「…何があったか、話してみる気はない?」
える「…里志さんにですか? でも、ご迷惑じゃ…」
里志「迷惑なわけないじゃないか。それに、僕なら奉太郎の事も色々わかるしね」
える「でも…やっぱり恥ずかしいです」
里志「大丈夫、誰にも言いふらしたりしないよ。それに、部長が困ってるなら助けるのが部員さ」
える「……ありがとうございます。じゃあ…聞いてもらえますか」
里志 「うん、どうぞ」
える「…里志さんにですか? でも、ご迷惑じゃ…」
里志「迷惑なわけないじゃないか。それに、僕なら奉太郎の事も色々わかるしね」
える「でも…やっぱり恥ずかしいです」
里志「大丈夫、誰にも言いふらしたりしないよ。それに、部長が困ってるなら助けるのが部員さ」
える「……ありがとうございます。じゃあ…聞いてもらえますか」
里志 「うん、どうぞ」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:30:46.04 ID:p2ZWVNQs0.net
える「…私、実は折木さんの事が」
里志「好きなんだね?」
える「えっ!?」
里志「やっぱりそうだ」
える「う……は、はいっ」
える「あ、あの…どうしてわかったんですか?」
里志「普段の千反田さん見てたらそりゃわかるよ。もうバレバレなくらい」
える「……恥ずかしいです」
里志「ははっ、ごめんごめん」
里志「さっ、続きを」
える「…はい」
里志「好きなんだね?」
える「えっ!?」
里志「やっぱりそうだ」
える「う……は、はいっ」
える「あ、あの…どうしてわかったんですか?」
里志「普段の千反田さん見てたらそりゃわかるよ。もうバレバレなくらい」
える「……恥ずかしいです」
里志「ははっ、ごめんごめん」
里志「さっ、続きを」
える「…はい」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:31:28.43 ID:p2ZWVNQs0.net
える「私、折木さんには何度も助けていただきました」
える「氷菓の事はもちろん、私が持ち出してきた悩みも解決していただいて…」
える「それで、いつからか…」
里志「好きになっちゃったんだね」
える「…はい」
里志「そっか」
える「最近は、夢にも折木さんが出てくるようになったんです
える「私と折木さんが…け、結婚して、毎日を穏やかに過ごす…」
える「……そんな、夢です」
里志「……」
える「氷菓の事はもちろん、私が持ち出してきた悩みも解決していただいて…」
える「それで、いつからか…」
里志「好きになっちゃったんだね」
える「…はい」
里志「そっか」
える「最近は、夢にも折木さんが出てくるようになったんです
える「私と折木さんが…け、結婚して、毎日を穏やかに過ごす…」
える「……そんな、夢です」
里志「……」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:32:06.37 ID:p2ZWVNQs0.net
える「ですが…」
里志「?」
える「折木さんが私の事をどう思ってるか、不安なんです」
える「自分で言うのもなんですが、第三者から見れば私は折木さんに毎回謎を持っていくだけのうっとおしい女だと思います」
える「……折木さんにもそういう風に見られてるかもしれないと」
える「そう思うと…不安でたまりません…」
里志「…そんな事はないと思うな」
里志「?」
える「折木さんが私の事をどう思ってるか、不安なんです」
える「自分で言うのもなんですが、第三者から見れば私は折木さんに毎回謎を持っていくだけのうっとおしい女だと思います」
える「……折木さんにもそういう風に見られてるかもしれないと」
える「そう思うと…不安でたまりません…」
里志「…そんな事はないと思うな」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:32:44.42 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「奉太郎は決して千反田さんをうっとおしいなんて感じていないと思うよ」
える「…そうでしょうか」
里志「うん。むしろ、奉太郎の方も千反田さんの事が気になってると思う」
える「そんな…」
える「でも…もしそうだとしたら」
える「嬉しいです……」
里志「そうだとしたら、じゃなくて、そうなんだよ。これは断言していい」
える「…ふふっ、ありがとうございます」
える「…そうでしょうか」
里志「うん。むしろ、奉太郎の方も千反田さんの事が気になってると思う」
える「そんな…」
える「でも…もしそうだとしたら」
える「嬉しいです……」
里志「そうだとしたら、じゃなくて、そうなんだよ。これは断言していい」
える「…ふふっ、ありがとうございます」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:33:45.86 ID:p2ZWVNQs0.net
里志 「(…正直、ここまで悩んでる千反田さんは僕は初めて見た)」
里志「(普段なら、ここで奉太郎が千反田さんを助けてあげるのだろう)」
里志「(だけど、こればっかりは奉太郎に頼れない…)」
里志「(…僕がなんとかしてあげなくちゃな。僕が)」
里志「(僕だって奉太郎のようにできる。悩んでる人を助けてあげる事ができる!)」
里志「(今回は、僕が千反田さんを助けてあげよう!)」
里志「(……奉太郎じゃなく、僕の手で)」
里志「(普段なら、ここで奉太郎が千反田さんを助けてあげるのだろう)」
里志「(だけど、こればっかりは奉太郎に頼れない…)」
里志「(…僕がなんとかしてあげなくちゃな。僕が)」
里志「(僕だって奉太郎のようにできる。悩んでる人を助けてあげる事ができる!)」
里志「(今回は、僕が千反田さんを助けてあげよう!)」
里志「(……奉太郎じゃなく、僕の手で)」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:34:52.52 ID:p2ZWVNQs0.net
える「でも…怖いんです」
える「もし私が折木さんに想いを告げて、それで断られたりなんかしたら…」
える「私、きっと立ち直れません」
える「それに、そんな事になったら折木さんとの関係はきっと気まずくなります」
える「私には、それが耐えられない…」
える「私は、折木さんの本心が知りたいんです。私の事を、どう思っているのか…」
里志「……」
える「もし私が折木さんに想いを告げて、それで断られたりなんかしたら…」
える「私、きっと立ち直れません」
える「それに、そんな事になったら折木さんとの関係はきっと気まずくなります」
える「私には、それが耐えられない…」
える「私は、折木さんの本心が知りたいんです。私の事を、どう思っているのか…」
里志「……」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:35:30.60 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「…千反田さん」
える「はい?」
里志「そんなに奉太郎の本心が知りたいかい」
える「…そうですね。少し怖いですが…知りたくないと言えば嘘になります」
里志「そっか…」
里志「なら、良い方法がある」
里志「千反田さん、僕と付き合おう」
える「はい?」
里志「そんなに奉太郎の本心が知りたいかい」
える「…そうですね。少し怖いですが…知りたくないと言えば嘘になります」
里志「そっか…」
里志「なら、良い方法がある」
里志「千反田さん、僕と付き合おう」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:36:19.05 ID:p2ZWVNQs0.net
現在
える「…本当にこれでよかったのでしょうか」
里志「大丈夫。奉太郎が千反田さんの事を想っているなら、意地でも僕から千反田さんを取り返しにくるはずだ」
える「そう、ですよね…でも、こんな騙すような事…」
里志「…千反田さん、そんなに僕の事を信用できないかい?」
える「い、いえっ!決してそんな事は」
里志「なら後はじっと待つべきだ。奉太郎はきっと来る」
里志「奉太郎が千反田さんの事を好きなのは間違いないんだ。必ずいい方向へ転ぶ」
える「………はい」
える「…本当にこれでよかったのでしょうか」
里志「大丈夫。奉太郎が千反田さんの事を想っているなら、意地でも僕から千反田さんを取り返しにくるはずだ」
える「そう、ですよね…でも、こんな騙すような事…」
里志「…千反田さん、そんなに僕の事を信用できないかい?」
える「い、いえっ!決してそんな事は」
里志「なら後はじっと待つべきだ。奉太郎はきっと来る」
里志「奉太郎が千反田さんの事を好きなのは間違いないんだ。必ずいい方向へ転ぶ」
える「………はい」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:39:43.96 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「さて、今日はもう帰ろう。摩耶花は遅くなるらしいから先に帰ってていいって言ってたしね」
える「そうですね…帰りましょうか」
里志「さーて、奉太郎と千反田さんがくっつくまであと何日かなー?」
える「も、もうっ!からかわないでくださいっ!」
バタン
この時、2人には大事な事が見えていなかった。
福部里志は才能ある奉太郎に対する嫉妬、それによる少なからずの優越感。
千反田えるは自分の本心を話した事による羞恥と折木の内面を知る事が出来るかもしれないという高揚感。
それが2人を盲目にしていた。
える「そうですね…帰りましょうか」
里志「さーて、奉太郎と千反田さんがくっつくまであと何日かなー?」
える「も、もうっ!からかわないでくださいっ!」
バタン
この時、2人には大事な事が見えていなかった。
福部里志は才能ある奉太郎に対する嫉妬、それによる少なからずの優越感。
千反田えるは自分の本心を話した事による羞恥と折木の内面を知る事が出来るかもしれないという高揚感。
それが2人を盲目にしていた。
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:41:34.55 ID:p2ZWVNQs0.net
川原
奉太郎「(…そうか、里志と千反田が…)」
奉太郎「(確かに、よくよく考えればお似合いの2人だったのかもしれないな)」
奉太郎「(千反田は明るく、とても優しい性格をしている。それに社交的だ)」
奉太郎「(あの探究心の塊がなければ、欠点はないと言ってもいい)」
奉太郎「(そんな千反田に、里志はうってつけの恋人だろう)」
奉太郎「(……こんな俺が、千反田に釣り合う訳がなかった)」
奉太郎「……よくよく考えたら、当たり前か」ツーッ
奉太郎「…いかん、なんで涙が…」
???「……折木君?」
奉太郎「っ!」
奉太郎「(…そうか、里志と千反田が…)」
奉太郎「(確かに、よくよく考えればお似合いの2人だったのかもしれないな)」
奉太郎「(千反田は明るく、とても優しい性格をしている。それに社交的だ)」
奉太郎「(あの探究心の塊がなければ、欠点はないと言ってもいい)」
奉太郎「(そんな千反田に、里志はうってつけの恋人だろう)」
奉太郎「(……こんな俺が、千反田に釣り合う訳がなかった)」
奉太郎「……よくよく考えたら、当たり前か」ツーッ
奉太郎「…いかん、なんで涙が…」
???「……折木君?」
奉太郎「っ!」
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:42:56.57 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……入須先輩…」
入須「どうしたんだ?何やら、泣いていたようだったが」
奉太郎「…なんでもありませんよ。急いでいますので、これで」
ガシッ
入須「まあ待ちたまえ。そんな顔で歩いていたら不審がられるぞ」
奉太郎「…離してください」
入須「…何か悩みがあるのだろう?」
奉太郎「悩みなんてありません。仮にあったとしても、あなたに話すような事はない」
入須「…傷つくじゃないか」
入須「どうしたんだ?何やら、泣いていたようだったが」
奉太郎「…なんでもありませんよ。急いでいますので、これで」
ガシッ
入須「まあ待ちたまえ。そんな顔で歩いていたら不審がられるぞ」
奉太郎「…離してください」
入須「…何か悩みがあるのだろう?」
奉太郎「悩みなんてありません。仮にあったとしても、あなたに話すような事はない」
入須「…傷つくじゃないか」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:44:15.53 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「折木君、君は随分混乱しているように見える」
奉太郎「だからそんな事はないと…!」
入須「折木君!」
奉太郎「っ!…」
入須「…話すんだ。私は君に恩がある。君が悩んでいるというのなら、私はそれを聞いて、一緒に悩んであげたい」
奉太郎「……」
入須「今までずっと1人で考えて疲れたろう?こういう時こそ、誰かに頼るべきなんじゃないのか?」
奉太郎「……わかりました、入須先輩」
奉太郎「聞いて、いただけますか」
奉太郎「だからそんな事はないと…!」
入須「折木君!」
奉太郎「っ!…」
入須「…話すんだ。私は君に恩がある。君が悩んでいるというのなら、私はそれを聞いて、一緒に悩んであげたい」
奉太郎「……」
入須「今までずっと1人で考えて疲れたろう?こういう時こそ、誰かに頼るべきなんじゃないのか?」
奉太郎「……わかりました、入須先輩」
奉太郎「聞いて、いただけますか」
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:45:31.40 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「…なるほど、えるが…」
奉太郎「正直…これでよかったんじゃないかと思っています。仮に俺と千反田が結ばれたとしても、長くは続かなかったんじゃないか、千反田を退屈させてしまうんじゃないかと…」
奉太郎「里志はああ見えて良い奴です。きっとあいつなら、千反田を幸せにしてあげられる…」
入須「……」
奉太郎「これで、よかったんですよ」
入須「……折木君」
入須「胸、貸してやる。存分に泣け」
奉太郎「……すみません」
奉太郎「正直…これでよかったんじゃないかと思っています。仮に俺と千反田が結ばれたとしても、長くは続かなかったんじゃないか、千反田を退屈させてしまうんじゃないかと…」
奉太郎「里志はああ見えて良い奴です。きっとあいつなら、千反田を幸せにしてあげられる…」
入須「……」
奉太郎「これで、よかったんですよ」
入須「……折木君」
入須「胸、貸してやる。存分に泣け」
奉太郎「……すみません」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:46:35.55 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……」
入須「もう平気か」
奉太郎「…はい、もう大丈夫です」
奉太郎「こんなに泣いたのは人生で初めてかもしれません」
入須「すっきりしただろう?」
奉太郎「はい、吹っ切れました」
入須「ふふっ、そうか」
入須「じゃあ次は私の我儘を聞いてもらうとするか。折木君、茶店に行くぞ」
奉太郎「……これは映画の件の対価だった筈では?」
入須「それはそれ、これはこれだ」
奉太郎「…さいですか」
入須「もう平気か」
奉太郎「…はい、もう大丈夫です」
奉太郎「こんなに泣いたのは人生で初めてかもしれません」
入須「すっきりしただろう?」
奉太郎「はい、吹っ切れました」
入須「ふふっ、そうか」
入須「じゃあ次は私の我儘を聞いてもらうとするか。折木君、茶店に行くぞ」
奉太郎「……これは映画の件の対価だった筈では?」
入須「それはそれ、これはこれだ」
奉太郎「…さいですか」
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:47:32.74 ID:p2ZWVNQs0.net
茶店
入須「どうだ?抹茶もなかなかだろう?」
奉太郎「…そうですね。たまに飲むなら悪くないです」
奉太郎「コーヒーとまた違った苦味が、今は心地良い…」
入須「……」
入須「…折木君」
奉太郎「なんでしょう?」
入須「あの、君は…まだ、えるの事が好きなのか?」
奉太郎「……」
奉太郎「(……俺は、千反田の事を……)」
奉太郎「(千反田、か…)」
奉太郎「……」
入須「どうだ?抹茶もなかなかだろう?」
奉太郎「…そうですね。たまに飲むなら悪くないです」
奉太郎「コーヒーとまた違った苦味が、今は心地良い…」
入須「……」
入須「…折木君」
奉太郎「なんでしょう?」
入須「あの、君は…まだ、えるの事が好きなのか?」
奉太郎「……」
奉太郎「(……俺は、千反田の事を……)」
奉太郎「(千反田、か…)」
奉太郎「……」
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:49:05.21 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……いえ」
入須「!」
奉太郎「さっきも言ったでしょう。もう吹っ切れました」
奉太郎「これからもきっと俺と千反田は関わり合う事になるでしょう。しかしそれは古典部として、そして友人としてです」
奉太郎「きっとこの先俺と千反田が恋人として結ばれる事は決してない。千反田は里志に任せます」
奉太郎「里志なら、きっと千反田を幸せにしてくれる」
奉太郎「そう思っています」
入須「……そうか」
入須「!」
奉太郎「さっきも言ったでしょう。もう吹っ切れました」
奉太郎「これからもきっと俺と千反田は関わり合う事になるでしょう。しかしそれは古典部として、そして友人としてです」
奉太郎「きっとこの先俺と千反田が恋人として結ばれる事は決してない。千反田は里志に任せます」
奉太郎「里志なら、きっと千反田を幸せにしてくれる」
奉太郎「そう思っています」
入須「……そうか」
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:49:49.75 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「……折木君。少し私の話を聞いてくれないか」
奉太郎「…さっきは俺の話を聞いてもらいましたし、聞きますよ。俺でよければ」
入須「……ありがとう」
入須「折木君。まずは映画の件の事、もう一度謝らせてほしい」
入須「あの時は、君を利用すら事しか考えてなかった」
入須「映画の成功の為、クラスの為に、君のプライドを犠牲にしたと言っても過言ではない」
入須「本当にすまなかった」
奉太郎「…さっきは俺の話を聞いてもらいましたし、聞きますよ。俺でよければ」
入須「……ありがとう」
入須「折木君。まずは映画の件の事、もう一度謝らせてほしい」
入須「あの時は、君を利用すら事しか考えてなかった」
入須「映画の成功の為、クラスの為に、君のプライドを犠牲にしたと言っても過言ではない」
入須「本当にすまなかった」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:50:32.87 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…いいですよ」
奉太郎「それに、あの件があったから俺も少なからず成長できた部分がありました」
奉太郎「入須先輩が気に病む事ではありません」
入須「…そう言ってくれると助かる」
入須「君は本当に優しいな。本当に、優しすぎるくらいに…」
奉太郎「……そんな事ありませんよ」
奉太郎「それに、あの件があったから俺も少なからず成長できた部分がありました」
奉太郎「入須先輩が気に病む事ではありません」
入須「…そう言ってくれると助かる」
入須「君は本当に優しいな。本当に、優しすぎるくらいに…」
奉太郎「……そんな事ありませんよ」
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:52:05.23 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「……えーと、うん。それで、あの、ここからが、ほ、本題なのだが…」
奉太郎「?」
入須「…あの映画の時から気にはなっていた」
入須「こんな気持ち、今まで抱いた事がないからわからなかった」
入須「寝ても覚めてもこの気持ちが消える事はなかった」
入須「毎日、学校で見かける度に、胸が高鳴った。張り裂けそうだった」
入須「なんでだろうな?折木君」
入須「君の姿を見かける度に、そうなってしまうようになったんだ…」
奉太郎「(…これって)」
奉太郎「(まままままままさか)」
奉太郎「?」
入須「…あの映画の時から気にはなっていた」
入須「こんな気持ち、今まで抱いた事がないからわからなかった」
入須「寝ても覚めてもこの気持ちが消える事はなかった」
入須「毎日、学校で見かける度に、胸が高鳴った。張り裂けそうだった」
入須「なんでだろうな?折木君」
入須「君の姿を見かける度に、そうなってしまうようになったんだ…」
奉太郎「(…これって)」
奉太郎「(まままままままさか)」
43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:52:42.41 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「最近、ようやくわかった」
入須「君の事が好きだ。好きなんだって…」
奉太郎「…入須先輩…」
入須「君の事が好きだ。好きなんだって…」
奉太郎「…入須先輩…」
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:53:24.60 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「……返事はしなくていい」
入須「ただ、聞いてもらいたかっただけだ」
入須「話せる機会に言っておかないと、苦しくて苦しくて堪らないのでな」
奉太郎「…入須先輩」
入須「それに、失恋した直後の人間に返事を貰おうとする程、私は愚かじゃないさ」
入須「さて!私はそろそろお暇させてもらおう」
入須「会計は私がしておくから、君はもう少しゆっくりして…」
奉太郎「入須先輩っ!」
入須「っ!」
入須「ただ、聞いてもらいたかっただけだ」
入須「話せる機会に言っておかないと、苦しくて苦しくて堪らないのでな」
奉太郎「…入須先輩」
入須「それに、失恋した直後の人間に返事を貰おうとする程、私は愚かじゃないさ」
入須「さて!私はそろそろお暇させてもらおう」
入須「会計は私がしておくから、君はもう少しゆっくりして…」
奉太郎「入須先輩っ!」
入須「っ!」
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:54:08.22 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…正直驚きました」
奉太郎「あの入須先輩が俺の事をそんな風に思っていたなんて、と」
奉太郎「同時に、ほんと失恋した直後の人間になんて事いうんだこの人常識ねーなとも」
入須「おいそこまで言うことないだろ」
奉太郎「…入須先輩」
入須「…なんだ」
奉太郎「…俺は、今にも泣きそうな女性をそのまま帰すなんて事できませんよ」
奉太郎「話、聞いてください」
奉太郎「あの入須先輩が俺の事をそんな風に思っていたなんて、と」
奉太郎「同時に、ほんと失恋した直後の人間になんて事いうんだこの人常識ねーなとも」
入須「おいそこまで言うことないだろ」
奉太郎「…入須先輩」
入須「…なんだ」
奉太郎「…俺は、今にも泣きそうな女性をそのまま帰すなんて事できませんよ」
奉太郎「話、聞いてください」
46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:54:46.21 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「さっき俺が泣いていた時に、先輩は躊躇わず胸を貸してくれました」
奉太郎「くだらない俺の失恋話も黙って聞いてくれました」
奉太郎「正直、先輩が助けてくれなかったら俺は立ち直る事ができなかった」
奉太郎「俺は、先輩に救われたんです」
奉太郎「(……何言ってんだ俺は…こんなの、全然省エネじゃない)」
奉太郎「(でも、口が止まらない…)」
奉太郎「くだらない俺の失恋話も黙って聞いてくれました」
奉太郎「正直、先輩が助けてくれなかったら俺は立ち直る事ができなかった」
奉太郎「俺は、先輩に救われたんです」
奉太郎「(……何言ってんだ俺は…こんなの、全然省エネじゃない)」
奉太郎「(でも、口が止まらない…)」
48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:55:34.86 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…先輩」
奉太郎「実は俺もさっきから胸が張り裂けそうなんです」
奉太郎「ドキドキして…怖いくらいに」
入須「うん…うん」
奉太郎「ついさっきまで違う女が好きだったくせに何言ってんだと思われそうですが…言わせてください」
奉太郎「俺と…付き合ってくれませんか」
入須「………はい……」
奉太郎「実は俺もさっきから胸が張り裂けそうなんです」
奉太郎「ドキドキして…怖いくらいに」
入須「うん…うん」
奉太郎「ついさっきまで違う女が好きだったくせに何言ってんだと思われそうですが…言わせてください」
奉太郎「俺と…付き合ってくれませんか」
入須「………はい……」
50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:56:43.95 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「…今日はありがとう」
奉太郎「礼を言うのはこちらの方です」
入須「ふふっ、うん…」
入須「しかし、まさか君と恋人同士になるとは思ってもいなかった」
入須「……素直に嬉しいよ」
奉太郎「…俺もですよ」
入須「これからは、どんどん私に付き合って貰うからな?覚悟しておきたまえ」
奉太郎「うっ…善処します」
入須「それでいい」
入須「では、な。また明日、奉太郎」
奉太郎「はい、冬実さん。また明日」
奉太郎「礼を言うのはこちらの方です」
入須「ふふっ、うん…」
入須「しかし、まさか君と恋人同士になるとは思ってもいなかった」
入須「……素直に嬉しいよ」
奉太郎「…俺もですよ」
入須「これからは、どんどん私に付き合って貰うからな?覚悟しておきたまえ」
奉太郎「うっ…善処します」
入須「それでいい」
入須「では、な。また明日、奉太郎」
奉太郎「はい、冬実さん。また明日」
51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:57:32.42 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……ふぅ」
奉太郎「こりゃ、完全に省エネ生活も終わりだな…」
奉太郎「まぁ…けど、悪くないな」
???「あれ?折木じゃん」
奉太郎「……伊原か」
摩耶花「どしたの、こんな所で」
奉太郎「ああいや、帰り道だ」
摩耶花「ふーん、随分遅いのね。ふくちゃんは一緒じゃないの?」
奉太郎「(…ん?)いや、あいつらは先に帰ったんだ」
摩耶花「へー、ふくちゃん達より遅いなんて珍しい」
奉太郎「俺だってたまには遅く帰りたい時だってあるんだよ」
摩耶花「ふふっ、なにそれ」
奉太郎「(……何かおかしい)」
奉太郎「こりゃ、完全に省エネ生活も終わりだな…」
奉太郎「まぁ…けど、悪くないな」
???「あれ?折木じゃん」
奉太郎「……伊原か」
摩耶花「どしたの、こんな所で」
奉太郎「ああいや、帰り道だ」
摩耶花「ふーん、随分遅いのね。ふくちゃんは一緒じゃないの?」
奉太郎「(…ん?)いや、あいつらは先に帰ったんだ」
摩耶花「へー、ふくちゃん達より遅いなんて珍しい」
奉太郎「俺だってたまには遅く帰りたい時だってあるんだよ」
摩耶花「ふふっ、なにそれ」
奉太郎「(……何かおかしい)」
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:58:36.31 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「(里志は少し前に伊原と別れたと言っていた)」
奉太郎「(別れてからこんなにも早く、里志の話題を平然と出せるものなのか?)」
奉太郎「(俺の時は冬実さんがいてくれたから、切り替えるのも早かった)」
奉太郎「(こいつにも相談できる相手がいたって考えればそれまでだが…)」
奉太郎「(…何か引っかかる)」
奉太郎「(……仕方ない、面倒だが聞いてみるか)」
奉太郎「(別れてからこんなにも早く、里志の話題を平然と出せるものなのか?)」
奉太郎「(俺の時は冬実さんがいてくれたから、切り替えるのも早かった)」
奉太郎「(こいつにも相談できる相手がいたって考えればそれまでだが…)」
奉太郎「(…何か引っかかる)」
奉太郎「(……仕方ない、面倒だが聞いてみるか)」
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 10:59:25.25 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…なあ、伊原」
摩耶花「何よ?」
奉太郎「お前、里志と別れたんだよな?」
摩耶花「…はぁぁー!?何言ってんの!?そんな訳ないでしょ!」
奉太郎「えっ!?」
摩耶花「バカ折木!言っていい事と悪い事があるわよ!そんなに私達に別れて欲しいわけ!?」
奉太郎「え…いや、でも…」
摩耶花「何よ!?」
奉太郎「あの…里志が…言ってたんだ。伊原とは別れたって…」
伊原「……えっ?」
摩耶花「何よ?」
奉太郎「お前、里志と別れたんだよな?」
摩耶花「…はぁぁー!?何言ってんの!?そんな訳ないでしょ!」
奉太郎「えっ!?」
摩耶花「バカ折木!言っていい事と悪い事があるわよ!そんなに私達に別れて欲しいわけ!?」
奉太郎「え…いや、でも…」
摩耶花「何よ!?」
奉太郎「あの…里志が…言ってたんだ。伊原とは別れたって…」
伊原「……えっ?」
55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:00:21.68 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「…それ、どういう事よ」
奉太郎「俺に聞くな。里志に聞け」
摩耶花「ふくちゃんがそんな事言うわけないでしょ!?」
奉太郎「本当だ。俺が里志自身から聞いたんだ。それに…」
奉太郎「あいつ…今は…千反田と付き合ってるって…」
摩耶花「………嘘」
奉太郎「俺に聞くな。里志に聞け」
摩耶花「ふくちゃんがそんな事言うわけないでしょ!?」
奉太郎「本当だ。俺が里志自身から聞いたんだ。それに…」
奉太郎「あいつ…今は…千反田と付き合ってるって…」
摩耶花「………嘘」
56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:01:40.93 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「…それ、本当に本当なの?」
奉太郎「…ああ、本当に本当だ」
摩耶花「………私、別れたつもりなんかない」
摩耶花「別れ話なんて聞いてないっ!」ダッ
奉太郎「お、おい、待て伊原!」
奉太郎「…行っちまった」
奉太郎「(おい…本当にどういう事だ里志…)」
奉太郎「…ああ、本当に本当だ」
摩耶花「………私、別れたつもりなんかない」
摩耶花「別れ話なんて聞いてないっ!」ダッ
奉太郎「お、おい、待て伊原!」
奉太郎「…行っちまった」
奉太郎「(おい…本当にどういう事だ里志…)」
59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:03:48.84 ID:p2ZWVNQs0.net
プルルルル…
里志「…もしもし、摩耶花?」
摩耶花「…ふくちゃん、どーいうこと?」
里志「ん?何の事だい?」
摩耶花「…あの公園に来て。話したい事があるから」
里志「話したい事?なら電話で話せば…」
ガチャッ ツーツーツー
里志「…なんだ一体?」
里志「…もしもし、摩耶花?」
摩耶花「…ふくちゃん、どーいうこと?」
里志「ん?何の事だい?」
摩耶花「…あの公園に来て。話したい事があるから」
里志「話したい事?なら電話で話せば…」
ガチャッ ツーツーツー
里志「…なんだ一体?」
60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:04:32.36 ID:p2ZWVNQs0.net
公園
摩耶花「…来たわね」
里志「どーしたんだよ摩耶花?随分と急だね」
摩耶花「…折木から聞いたわ。全部一から説明して貰うから」
里志「…そうか、奉太郎に会ったんだ」
里志「わかったよ、ちゃんと説明する。摩耶花にもきっとわかって貰えると思うから安心して」
摩耶花「…早く話して」
里志「急かさない急かさない。実はね…」
摩耶花「…来たわね」
里志「どーしたんだよ摩耶花?随分と急だね」
摩耶花「…折木から聞いたわ。全部一から説明して貰うから」
里志「…そうか、奉太郎に会ったんだ」
里志「わかったよ、ちゃんと説明する。摩耶花にもきっとわかって貰えると思うから安心して」
摩耶花「…早く話して」
里志「急かさない急かさない。実はね…」
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:06:10.06 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「…という訳で、奉太郎の嫉妬心を煽って千反田さんに目を向けて貰おうと思ってね、一芝居打ったのさ」
摩耶花「……」
里志「どう?完璧じゃない?この作戦」
里志「いやー、これで2人も早くくっついて貰えると助かるよ」
里志「これで一件落着!これで古典部もより良い方向へ…」
バシィィン!!
里志「……え?」
摩耶花「……」フルフル
摩耶花「……」
里志「どう?完璧じゃない?この作戦」
里志「いやー、これで2人も早くくっついて貰えると助かるよ」
里志「これで一件落着!これで古典部もより良い方向へ…」
バシィィン!!
里志「……え?」
摩耶花「……」フルフル
63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:06:59.20 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「…どうしたんだよ摩耶花。いきなり叩くなんて、らしくないよ」
摩耶花「…ふくちゃんさぁ、自分がどれだけ酷い事したか、自覚ある?」
里志「酷い事って…何が酷いって言うんだよ」
摩耶花「確かにその作戦、折木を嫉妬させるにはこれ以上ないってくらい完璧な作戦だと思うよ」
里志「だろう?だから…」
摩耶花「でもね…
さいってーの作戦」
里志「……え」
摩耶花「…ふくちゃんさぁ、自分がどれだけ酷い事したか、自覚ある?」
里志「酷い事って…何が酷いって言うんだよ」
摩耶花「確かにその作戦、折木を嫉妬させるにはこれ以上ないってくらい完璧な作戦だと思うよ」
里志「だろう?だから…」
摩耶花「でもね…
さいってーの作戦」
里志「……え」
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:10:20.74 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「わからないの?ちーちゃんとふくちゃんが付き合ってるって折木から聞いた時、私がどれほど傷ついたかわかる?」
里志「…それは…後で摩耶花にも言おうと思って…」
摩耶花「なんで私に一言でも相談してくれなかったの!?確かに私は今日図書委員の仕事で忙しかったけど、やるならやるで私に相談してから後日にまた他の作戦を練ってからやるとか、いくらでもできたでしょ!?」
里志「それは…その…」
摩耶花「それに、私の事は正直どうでもいいの…私なんかより、ちーちゃんが一番傷ついたよ、きっと」
摩耶花「ちーちゃんは折木が好き。それなのに他の男と付き合ったって他の誰でもない折木に報告するのがどれだけ辛いことかわからないの!?」
里志「……!!」
里志「…それは…後で摩耶花にも言おうと思って…」
摩耶花「なんで私に一言でも相談してくれなかったの!?確かに私は今日図書委員の仕事で忙しかったけど、やるならやるで私に相談してから後日にまた他の作戦を練ってからやるとか、いくらでもできたでしょ!?」
里志「それは…その…」
摩耶花「それに、私の事は正直どうでもいいの…私なんかより、ちーちゃんが一番傷ついたよ、きっと」
摩耶花「ちーちゃんは折木が好き。それなのに他の男と付き合ったって他の誰でもない折木に報告するのがどれだけ辛いことかわからないの!?」
里志「……!!」
70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:12:05.48 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「…ふくちゃんさ、いつも言ってるよね」
摩耶花「データベースは結論を出せないって」
里志「……っ!」
摩耶花「…ほんと、その通りだね」
ダッ
里志「摩耶花っ!まや…か…」
里志「……」
里志「………僕は…」
里志「…間違って、いたのか…?」
摩耶花「データベースは結論を出せないって」
里志「……っ!」
摩耶花「…ほんと、その通りだね」
ダッ
里志「摩耶花っ!まや…か…」
里志「……」
里志「………僕は…」
里志「…間違って、いたのか…?」
72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:14:12.67 ID:p2ZWVNQs0.net
千反田家
える「………」
える「大丈夫です…よね…?」
える「うまく……いきますよね……?」
える「折木さん……」
える「私、気になり…ます…」
プルルルル…
える「…取らないと」トテトテ
える「…もしもし、千反田です」
える「…摩耶花さん…?」
える「………」
える「大丈夫です…よね…?」
える「うまく……いきますよね……?」
える「折木さん……」
える「私、気になり…ます…」
プルルルル…
える「…取らないと」トテトテ
える「…もしもし、千反田です」
える「…摩耶花さん…?」
74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:17:05.11 ID:p2ZWVNQs0.net
次の日
古典部部室
里志「……」
える「……」
摩耶花「……折木、遅いわね…」
える「…折木さん…」
里志「…奉太郎、昨日は早く寝たみたいで、電話にも出なかったよ」
摩耶花「…ちーちゃん、いい?ふくちゃんも」
摩耶花「昨日電話で言った通り、ちゃんと言うの。全部嘘でしたって。ああ見えても折木は優しいから」
摩耶花「きっと、許してくれる」
える「…はい…」
里志「…わかったよ」
ガラッ
える・里志・摩耶花「っ!」
古典部部室
里志「……」
える「……」
摩耶花「……折木、遅いわね…」
える「…折木さん…」
里志「…奉太郎、昨日は早く寝たみたいで、電話にも出なかったよ」
摩耶花「…ちーちゃん、いい?ふくちゃんも」
摩耶花「昨日電話で言った通り、ちゃんと言うの。全部嘘でしたって。ああ見えても折木は優しいから」
摩耶花「きっと、許してくれる」
える「…はい…」
里志「…わかったよ」
ガラッ
える・里志・摩耶花「っ!」
75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:17:58.46 ID:p2ZWVNQs0.net
折木「悪いな、遅くなった」
える「折木さんっ!」
里志「奉太郎っ!あ、あの、昨日は…」
折木「おわっ!なんだよ、2人していきなり」
える「折木さん!あの…あの…!」
入須「どうした?奉太郎?」
える「…え…入須…さん…? 奉…太郎…って…?」
える「折木さんっ!」
里志「奉太郎っ!あ、あの、昨日は…」
折木「おわっ!なんだよ、2人していきなり」
える「折木さん!あの…あの…!」
入須「どうした?奉太郎?」
える「…え…入須…さん…? 奉…太郎…って…?」
77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:19:17.41 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「いえ冬実さん、いきなりこの2人が…」
入須「なんだえるか。それと…福部里志君、だったか?」
里志「あっ、はい…お久しぶりです…」
摩耶花「そんな事より…今、冬実さんって…」
奉太郎「ああ、そういえば言っておかないとな」
奉太郎「昨日、冬実さんと付き合う事になったんだ」
える「………えっ」
入須「なんだえるか。それと…福部里志君、だったか?」
里志「あっ、はい…お久しぶりです…」
摩耶花「そんな事より…今、冬実さんって…」
奉太郎「ああ、そういえば言っておかないとな」
奉太郎「昨日、冬実さんと付き合う事になったんだ」
える「………えっ」
80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:20:22.03 ID:p2ZWVNQs0.net
里志「……どういう、事だい?奉太郎」
奉太郎「いや、あまり聞かれたくない話なんだが…言ってもいいですか?」
入須「私は構わないよ」
奉太郎「ありがとうございます。…実は、昨日のお前らの報告を聞いてからな…恥ずかしながら、川原で泣いていた訳だ。そこで、入須先輩に助けられたんだ」
奉太郎「それで…好きになってしまった。それだけだ」
える「………」
奉太郎「いや、あまり聞かれたくない話なんだが…言ってもいいですか?」
入須「私は構わないよ」
奉太郎「ありがとうございます。…実は、昨日のお前らの報告を聞いてからな…恥ずかしながら、川原で泣いていた訳だ。そこで、入須先輩に助けられたんだ」
奉太郎「それで…好きになってしまった。それだけだ」
える「………」
81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:22:38.94 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「…そういうわけだ、あまり詳しく話すのも恥ずかしいからな。これで勘弁してくれ」
奉太郎「ああ、古典部には今まで通りちゃんと出るさ。サボるような事はしない」
奉太郎「…今日はちょっと用事があるから顔を出すだけになってしまうが」
入須「…奉太郎、そろそろ」
奉太郎「あ、はい。今行きます」
摩耶花「…ねえ、折木」
奉太郎「ん、なんだ。そういえばお前里志とは仲直りしたのか?何やら空気が悪いが…」
摩耶花「あんた…ちーちゃんの事はどうしたの?なんで入須先輩と付き合ってるの?」
奉太郎「…何を言ってるんだ。千反田は里志と…」
摩耶花「違うのっ!!」
奉太郎「ああ、古典部には今まで通りちゃんと出るさ。サボるような事はしない」
奉太郎「…今日はちょっと用事があるから顔を出すだけになってしまうが」
入須「…奉太郎、そろそろ」
奉太郎「あ、はい。今行きます」
摩耶花「…ねえ、折木」
奉太郎「ん、なんだ。そういえばお前里志とは仲直りしたのか?何やら空気が悪いが…」
摩耶花「あんた…ちーちゃんの事はどうしたの?なんで入須先輩と付き合ってるの?」
奉太郎「…何を言ってるんだ。千反田は里志と…」
摩耶花「違うのっ!!」
83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:24:07.83 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「ちーちゃんとふくちゃんはね…あんたに…ちーちゃんに振り向いて欲しいと…あんたを、騙していたのよ」
奉太郎「……は?」
摩耶花「ふくちゃんは、あんたの嫉妬心を煽って、ちーちゃんに振り向かせる為に…」
摩耶花「ちーちゃんも、本当は嫌だった筈なのに、それに協力した…」
摩耶花「全部、あんたとちーちゃんの為にやった事なのよ!」
摩耶花「…それなのに…どうして…入須先輩と付き合っちゃってるのよ…」
奉太郎「…なっ…!」
入須「さっきから聞いてれば随分とくだらないな」
摩耶花「っ!入須…先輩」
奉太郎「……は?」
摩耶花「ふくちゃんは、あんたの嫉妬心を煽って、ちーちゃんに振り向かせる為に…」
摩耶花「ちーちゃんも、本当は嫌だった筈なのに、それに協力した…」
摩耶花「全部、あんたとちーちゃんの為にやった事なのよ!」
摩耶花「…それなのに…どうして…入須先輩と付き合っちゃってるのよ…」
奉太郎「…なっ…!」
入須「さっきから聞いてれば随分とくだらないな」
摩耶花「っ!入須…先輩」
84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:24:50.83 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「その作戦、福部君が考えたんだったな?」
里志「…そうですが…」
入須「…私は君を軽蔑する」
里志「…そう思われても仕方ないと思っています。実際、千反田さんと摩耶花を傷つけた」
入須「それだけではない」
入須「一番傷ついたのは…他ならぬ、奉太郎だろう」
える・里志・摩耶花「…!」
奉太郎「……俺は別に、そんな」
入須「君は少し黙っていたまえ」
奉太郎「はい」
里志「…そうですが…」
入須「…私は君を軽蔑する」
里志「…そう思われても仕方ないと思っています。実際、千反田さんと摩耶花を傷つけた」
入須「それだけではない」
入須「一番傷ついたのは…他ならぬ、奉太郎だろう」
える・里志・摩耶花「…!」
奉太郎「……俺は別に、そんな」
入須「君は少し黙っていたまえ」
奉太郎「はい」
90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:28:13.80 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「伊原さんは福部君と話し合ったのだろう、まだ傷は浅いように見える」
入須「えるも今回は加担した側だからな、同情の余地はないと言っていい」
入須「第三者から見ても明らかだ。何も知らず、衝撃的な事実を突きつけられた奉太郎が一番傷ついたのは明白だ」
入須「君達はそれがわからなかったのか?少し考えれば簡単にわかる事だろうに」
入須「それとも、古典部の皆は何も考える事をしない無能の集まりという事か?」
える・里志・摩耶花「………」
奉太郎「冬実さん!言い過ぎです!」
入須「君は少し黙っていたまえ」
奉太郎「はい」
入須「えるも今回は加担した側だからな、同情の余地はないと言っていい」
入須「第三者から見ても明らかだ。何も知らず、衝撃的な事実を突きつけられた奉太郎が一番傷ついたのは明白だ」
入須「君達はそれがわからなかったのか?少し考えれば簡単にわかる事だろうに」
入須「それとも、古典部の皆は何も考える事をしない無能の集まりという事か?」
える・里志・摩耶花「………」
奉太郎「冬実さん!言い過ぎです!」
入須「君は少し黙っていたまえ」
奉太郎「はい」
95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:30:18.92 ID:p2ZWVNQs0.net
入須「……まあ、しかしだ。奉太郎が傷ついた事件の真相はこうして明かされた訳だ」
入須「……君はどうする?"折木君"」
奉太郎「! ……どう、とは?」
入須「えると里志君は付き合っていない事が判明した。つまり、君はえると恋人関係になる事を選択する事もできる」
入須「…君が選びたまえ、折木君。私と付き合うか、えるに想いを告げるか」
奉太郎「あなたは、それでいいんですか」
入須「…今の私は、えるのお零れを貰ったような感覚だ。そんな気持ちで君を手に入れても、何も嬉しくはない」
入須「…さあ、選んでくれ…」
える「……折木さん、折木さん…」
里志「奉太郎…」
摩耶花「……」
奉太郎「(……答えは、当然決まってる。悩むまでもない)」
入須「……君はどうする?"折木君"」
奉太郎「! ……どう、とは?」
入須「えると里志君は付き合っていない事が判明した。つまり、君はえると恋人関係になる事を選択する事もできる」
入須「…君が選びたまえ、折木君。私と付き合うか、えるに想いを告げるか」
奉太郎「あなたは、それでいいんですか」
入須「…今の私は、えるのお零れを貰ったような感覚だ。そんな気持ちで君を手に入れても、何も嬉しくはない」
入須「…さあ、選んでくれ…」
える「……折木さん、折木さん…」
里志「奉太郎…」
摩耶花「……」
奉太郎「(……答えは、当然決まってる。悩むまでもない)」
103: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:34:17.84 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「冬実さん」
える「っ!」
入須「…!」
奉太郎「今日は、買い物に行くんですよね?早く行かないと暗くなってしまいます、行きましょう」
入須「……! おれ、き、君……」
入須「…いや…"奉太郎"。ありがとう…行こうか」
奉太郎「はい。あ、すみませんが、先に行っててくれませんか」
入須「……わかった。昇降口で待っているよ」
入須「…待ってるから、早く来い」
奉太郎「ええ…すぐ、行きます」
奉太郎「……さて」
奉太郎「千反田」
える「……折木さん、折木さん…」グスッ
える「っ!」
入須「…!」
奉太郎「今日は、買い物に行くんですよね?早く行かないと暗くなってしまいます、行きましょう」
入須「……! おれ、き、君……」
入須「…いや…"奉太郎"。ありがとう…行こうか」
奉太郎「はい。あ、すみませんが、先に行っててくれませんか」
入須「……わかった。昇降口で待っているよ」
入須「…待ってるから、早く来い」
奉太郎「ええ…すぐ、行きます」
奉太郎「……さて」
奉太郎「千反田」
える「……折木さん、折木さん…」グスッ
108: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:35:50.26 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「俺はお前の事が好きだった」
える「…はい…」
奉太郎「…いつからだったかな…お前の持ってくる謎。最初はめんどうで、ただただだるかった」
奉太郎「いつしか、俺はそれが楽しみになっていた。今度はどんな謎が来るのか、期待していた事もある」
奉太郎「謎を解くたび、お前が嬉しそうに笑ってくれるから…」
える「っ!……はい…!」
える「嬉しかったですっ!折木さんに謎を解いてもらうのがっ!」
える「私に笑顔をくれる折木さんが…大好きですっ!」
える「だからっ!また謎を解いてくださいっ!折木さんっ!私に笑顔をくださいっ!私と…一緒に…!」
える「…はい…」
奉太郎「…いつからだったかな…お前の持ってくる謎。最初はめんどうで、ただただだるかった」
奉太郎「いつしか、俺はそれが楽しみになっていた。今度はどんな謎が来るのか、期待していた事もある」
奉太郎「謎を解くたび、お前が嬉しそうに笑ってくれるから…」
える「っ!……はい…!」
える「嬉しかったですっ!折木さんに謎を解いてもらうのがっ!」
える「私に笑顔をくれる折木さんが…大好きですっ!」
える「だからっ!また謎を解いてくださいっ!折木さんっ!私に笑顔をくださいっ!私と…一緒に…!」
113: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:37:30.25 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……すまない」
える「……グズッ…おれ、ぎ、さん…」
奉太郎「俺は、冬実さんの所に行くよ」
奉太郎「…俺を救ってくれた、かけがえのない人だからな…」
える「………グズッ………」
奉太郎「まあ、なんだ。謎は今でも大歓迎だ。絶対解けるって自信はないが……極力、がんばるよ」
える「…………!」
奉太郎「……じゃあな。さよなら、千反田」
える「……折木さん……」
える「……グズッ…おれ、ぎ、さん…」
奉太郎「俺は、冬実さんの所に行くよ」
奉太郎「…俺を救ってくれた、かけがえのない人だからな…」
える「………グズッ………」
奉太郎「まあ、なんだ。謎は今でも大歓迎だ。絶対解けるって自信はないが……極力、がんばるよ」
える「…………!」
奉太郎「……じゃあな。さよなら、千反田」
える「……折木さん……」
116: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:38:44.58 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「……行っちゃったね…」
里志「……僕は…」
摩耶花「…ふくちゃんは、頑張ったよ。ちょっとやり方を間違えちゃっただけ」
摩耶花「結果的に折木は自分自身の手で、入須先輩を選んだ。ふくちゃんが全部悪いわけじゃない」
摩耶花「反省して、ちーちゃんに謝ろう。これからだよ」
里志「……摩耶花……あ」
里志「…千反田さん…あの…」
える「……ふふっ…折木さん…」
摩耶花「……?ちーちゃん?」
里志「……僕は…」
摩耶花「…ふくちゃんは、頑張ったよ。ちょっとやり方を間違えちゃっただけ」
摩耶花「結果的に折木は自分自身の手で、入須先輩を選んだ。ふくちゃんが全部悪いわけじゃない」
摩耶花「反省して、ちーちゃんに謝ろう。これからだよ」
里志「……摩耶花……あ」
里志「…千反田さん…あの…」
える「……ふふっ…折木さん…」
摩耶花「……?ちーちゃん?」
123: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:40:42.42 ID:p2ZWVNQs0.net
える「……そうですよね、折木さんは優しいから……」
える「私がまた謎を持っていけば……」
える「また、解いてもらえる……一緒に……解いてもらえる……」
える「……いっぱい…謎を持っていけば……一生……解いてもらえる…」
える「折木さん……私、気になります………」
える「気になります気になります気になります気になります………」
える「ふふっ………折木さん……待ってて、くださいね……」タタッ
摩耶花「ちょっ、ちーちゃん!?」
里志「千反田さん!?」
える「私がまた謎を持っていけば……」
える「また、解いてもらえる……一緒に……解いてもらえる……」
える「……いっぱい…謎を持っていけば……一生……解いてもらえる…」
える「折木さん……私、気になります………」
える「気になります気になります気になります気になります………」
える「ふふっ………折木さん……待ってて、くださいね……」タタッ
摩耶花「ちょっ、ちーちゃん!?」
里志「千反田さん!?」
128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:42:20.77 ID:p2ZWVNQs0.net
摩耶花「ちょっと、ふくちゃん!?追いかけるよ!」タタッ
ガシッ
摩耶花「っ!?ふくちゃん!?離して!」
里志「……摩耶花」
里志「奉太郎が千反田さんを振ったのは、僕の責任だ。今ならはっきりわかる…」
摩耶花「だから…!全部ふくちゃんのせいじゃないって…!」
里志「行かせてあげないと……千反田さんと奉太郎を…くっつけてあげるのは…僕の役目なんだ…」
摩耶花「ふ、く、ちゃん…?」
里志「そういえば、今回の件で摩耶花も随分傷つけちゃったね…」
里志「埋め合わせ…するよ、今から…」
摩耶花「ちょっと!?そんな場合じゃ………あっ……」
ガシッ
摩耶花「っ!?ふくちゃん!?離して!」
里志「……摩耶花」
里志「奉太郎が千反田さんを振ったのは、僕の責任だ。今ならはっきりわかる…」
摩耶花「だから…!全部ふくちゃんのせいじゃないって…!」
里志「行かせてあげないと……千反田さんと奉太郎を…くっつけてあげるのは…僕の役目なんだ…」
摩耶花「ふ、く、ちゃん…?」
里志「そういえば、今回の件で摩耶花も随分傷つけちゃったね…」
里志「埋め合わせ…するよ、今から…」
摩耶花「ちょっと!?そんな場合じゃ………あっ……」
131: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:43:37.24 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「(……冬実さんとの買い物、楽しかったな…)」
奉太郎「(省エネ生活を捨てた事、今は後悔していない)」
奉太郎「(これからは、どんな悩みに直面しても、冬実さんが一緒に考えてくれる。手を取って歩いてくれる)」
奉太郎「(……こういうのも、悪くないな)」
奉太郎「(…おっと、ぼーっとしてたな。そろそろ家か…ん?)
奉太郎「(……家の前に、誰かいる)」
奉太郎「(誰だ?)」
奉太郎「(省エネ生活を捨てた事、今は後悔していない)」
奉太郎「(これからは、どんな悩みに直面しても、冬実さんが一緒に考えてくれる。手を取って歩いてくれる)」
奉太郎「(……こういうのも、悪くないな)」
奉太郎「(…おっと、ぼーっとしてたな。そろそろ家か…ん?)
奉太郎「(……家の前に、誰かいる)」
奉太郎「(誰だ?)」
139: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:50:37.83 ID:p2ZWVNQs0.net
奉太郎「……千反田」
える「うふふっ、待っていました。折木さん」
奉太郎「どうして、ここに…」
える「謎を持ってきたんです。一緒に解きましょう?」
奉太郎「謎…?」
える「私、いろんな事が気になるんです。1人じゃとても考えきれない程に…」
える「折木さん、私、1人じゃ何も考えられないんです。だから、あなたが必要なんです」
える「私。気になります。気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります。なにもかもが気になります」
奉太郎「っ!?」
える「世の中の全部が気になります。そして、折木さん」
奉太郎「……ち、千反田…?」
える「あなたの事が、私、一番気になります」ニコッ
終わり
える「うふふっ、待っていました。折木さん」
奉太郎「どうして、ここに…」
える「謎を持ってきたんです。一緒に解きましょう?」
奉太郎「謎…?」
える「私、いろんな事が気になるんです。1人じゃとても考えきれない程に…」
える「折木さん、私、1人じゃ何も考えられないんです。だから、あなたが必要なんです」
える「私。気になります。気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります気になります。なにもかもが気になります」
奉太郎「っ!?」
える「世の中の全部が気になります。そして、折木さん」
奉太郎「……ち、千反田…?」
える「あなたの事が、私、一番気になります」ニコッ
終わり
140: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:51:19.32 ID:b+eA92I0a.net
乙
144: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:52:06.99 ID:FdlDP+Cd0.net
惜しかったな
乙。
乙。
145: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:52:43.45 ID:M3euTd6kM.net
久々氷菓みたよ
乙
乙
146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:52:54.98 ID:ZA84iGHe0.net
うんまあ 暇つぶしには良かったよ 乙
149: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 11:56:00.08 ID:p2ZWVNQs0.net
あかん半分寝ぼけて書いたから所々雑だ
おやふみ
おやふみ
157: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/23(火) 12:04:37.42 ID:p2ZWVNQs0.net
>>156
ねぼけてたんです
ごめんなちゃん
ねぼけてたんです
ごめんなちゃん
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1419297757/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ 氷菓 | Comments (0)
【艦これ】木曾「スキンシップをしてこない提督」
1: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/24(水) 22:06:07.54 ID:827yVE930
※艦隊これくしょんのSSです(初投稿)
※ごくたまに安価あり
※荒らし、批判等は極力避けてほしい
※R-18要素はあるかもしれない
※口調崩壊、キャラ崩壊もしてるかも
※誤字脱字があったり、駄文だったり
以上のことを踏まえて、それでもOKな人はどうぞ↓
暖かい目で見てくれるとうれしいです
※ごくたまに安価あり
※荒らし、批判等は極力避けてほしい
※R-18要素はあるかもしれない
※口調崩壊、キャラ崩壊もしてるかも
※誤字脱字があったり、駄文だったり
以上のことを踏まえて、それでもOKな人はどうぞ↓
暖かい目で見てくれるとうれしいです
3: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/24(水) 22:19:14.18 ID:827yVE930
注意:鎮守府の構造は独自解釈ですので。
とある鎮守府のある日の朝。
軽巡洋艦寮のある一室の、窓にかけられたカーテンの隙間から朝日の光が差し込む。
??「んん…朝か…。」
その部屋の艦娘は、ベッドの上で目を覚ました。
彼女の名前は木曾。球磨型軽巡洋艦五番艦である。
木曾「さって、今日も一日頑張るか!」
木曾は手早く寝間着から制服に着替え、右目にトレードマークの眼帯をつけ、
頭に白いベレー帽を被った。そして、隣の布団でまだ寝ている相部屋の少女に声をかけた。
木曾「おい起きろ、まるゆ。朝の点呼に遅刻するぞ。」
とある鎮守府のある日の朝。
軽巡洋艦寮のある一室の、窓にかけられたカーテンの隙間から朝日の光が差し込む。
??「んん…朝か…。」
その部屋の艦娘は、ベッドの上で目を覚ました。
彼女の名前は木曾。球磨型軽巡洋艦五番艦である。
木曾「さって、今日も一日頑張るか!」
木曾は手早く寝間着から制服に着替え、右目にトレードマークの眼帯をつけ、
頭に白いベレー帽を被った。そして、隣の布団でまだ寝ている相部屋の少女に声をかけた。
木曾「おい起きろ、まるゆ。朝の点呼に遅刻するぞ。」
5: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/24(水) 22:29:58.28 ID:827yVE930
まるゆ、と呼ばれた少女は眠そうに体を起こした。
まるゆ「…う~ん、木曾さんは早起きですね…」
まるゆは最近陸軍から派遣されてきた潜水艦であり、この鎮守府に着任した日に自分の潜航能力を披露したが、
木曾から見れば"泳げない奴がおぼれているようにしか見えない"と不安に思い、まるゆの教育や海軍のノウハウを
教えるために一人部屋だった自分の部屋へ住まわせたのだ。
木曾「まぁ、俺は秘書艦だし、あのまま放っておいたらずっと寝ていそうだったから早めに起こしといたぜ。
それに、陸軍とは勝手が違うから海軍に早く慣れてもらいたくてね。」
まるゆ「は~い…」
まるゆ「…う~ん、木曾さんは早起きですね…」
まるゆは最近陸軍から派遣されてきた潜水艦であり、この鎮守府に着任した日に自分の潜航能力を披露したが、
木曾から見れば"泳げない奴がおぼれているようにしか見えない"と不安に思い、まるゆの教育や海軍のノウハウを
教えるために一人部屋だった自分の部屋へ住まわせたのだ。
木曾「まぁ、俺は秘書艦だし、あのまま放っておいたらずっと寝ていそうだったから早めに起こしといたぜ。
それに、陸軍とは勝手が違うから海軍に早く慣れてもらいたくてね。」
まるゆ「は~い…」
6: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/24(水) 22:38:08.79 ID:827yVE930
まるゆは布団からもそもそと出てきて、のんびりと寝間着から提督使用の白いスクール水着に着替えた。
木曾(恥じらいはねぇのかな…?俺には真似できないね。)
木曾はまるゆの白スク水姿を見て思った。
この鎮守府にも他に潜水艦娘がいる。しかし、その潜水艦娘全員の制服は提督指定の紺のスクール水着である。
その制服を見るたびに、木曾は彼女たちに羞恥心というものはあるのかと毎回思っている。
木曾(っと、そんなことを考えている場合じゃなかった。)
この鎮守府では、秘書艦は朝6時の点呼の前、朝5時半に提督の執務室に来るように言われている。
そして今は、木曾が秘書艦だった。今は5時20分。
木曾「じゃ、俺は執務室に行くから。お前は点呼に遅れるなよ?」
木曾(恥じらいはねぇのかな…?俺には真似できないね。)
木曾はまるゆの白スク水姿を見て思った。
この鎮守府にも他に潜水艦娘がいる。しかし、その潜水艦娘全員の制服は提督指定の紺のスクール水着である。
その制服を見るたびに、木曾は彼女たちに羞恥心というものはあるのかと毎回思っている。
木曾(っと、そんなことを考えている場合じゃなかった。)
この鎮守府では、秘書艦は朝6時の点呼の前、朝5時半に提督の執務室に来るように言われている。
そして今は、木曾が秘書艦だった。今は5時20分。
木曾「じゃ、俺は執務室に行くから。お前は点呼に遅れるなよ?」
7: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/24(水) 22:44:27.84 ID:827yVE930
木曾は早足に部屋を出て、提督の執務室へと向かった。
後ろからは、まだ眠そうなまるゆの「は~い…」という気の抜けた返事が聞こえた。
他の艦娘の部屋からも、早起きな艦娘達の声が聞こえてくる。
もうすぐ、この鎮守府の一日が始まる。
ここまでは、どこにでもありそうな鎮守府の朝のやりとり。
しかしこの鎮守府には、少し変わった提督がいるのである。
後ろからは、まだ眠そうなまるゆの「は~い…」という気の抜けた返事が聞こえた。
他の艦娘の部屋からも、早起きな艦娘達の声が聞こえてくる。
もうすぐ、この鎮守府の一日が始まる。
ここまでは、どこにでもありそうな鎮守府の朝のやりとり。
しかしこの鎮守府には、少し変わった提督がいるのである。
14: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 09:36:01.00 ID:mOzfTiee0
木曾は、提督の執務室の前に着いた。時間は5時25分。そしてノックを2回する。
??「どぞー。」
中から気の抜けた男の声が聞こえた。
木曾「失礼する。」
そう言って木曾は執務室に入った。
ドアの正面には執務机と椅子がある。そして、その椅子には20代前半の男が座っていた。
彼がこの鎮守府の提督であり、唯一の男である。本当の名前は、誰も知らない。
提督「おはよう、木曾。今日も一日、秘書艦を頼む。」
木曾「おう、頼まれたぜ。」
??「どぞー。」
中から気の抜けた男の声が聞こえた。
木曾「失礼する。」
そう言って木曾は執務室に入った。
ドアの正面には執務机と椅子がある。そして、その椅子には20代前半の男が座っていた。
彼がこの鎮守府の提督であり、唯一の男である。本当の名前は、誰も知らない。
提督「おはよう、木曾。今日も一日、秘書艦を頼む。」
木曾「おう、頼まれたぜ。」
15: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 09:42:53.09 ID:mOzfTiee0
早速2人は、今日の予定の確認を済ます。
提督「あ~、今日第八鎮守府の提督と演習か…。あそこの艦隊強いんだよな…」
この鎮守府では、週に2~3回の頻度でほかの鎮守府の艦隊と演習を行う。そして、この提督は他の鎮守府の
艦隊と何度も演習をしたことがあるが、その中でも第八鎮守府の艦隊に勝ったことは一度もなかった。
木曾「あそこの艦隊の強さは俺もよく分かっている。今回こそ勝てるように、艦隊を再編成したほうがいいぜ」
提督「そうだな。でも、お前は外さないぞ。お前の強さは、俺が一番よく分かってる」
木曾「言ってくれるぜ」
そして、演習の話はそこまでにして、他の予定を確認していく。そんなことをしているうちに、時刻は5時50分
になっていた。
提督「あ~、今日第八鎮守府の提督と演習か…。あそこの艦隊強いんだよな…」
この鎮守府では、週に2~3回の頻度でほかの鎮守府の艦隊と演習を行う。そして、この提督は他の鎮守府の
艦隊と何度も演習をしたことがあるが、その中でも第八鎮守府の艦隊に勝ったことは一度もなかった。
木曾「あそこの艦隊の強さは俺もよく分かっている。今回こそ勝てるように、艦隊を再編成したほうがいいぜ」
提督「そうだな。でも、お前は外さないぞ。お前の強さは、俺が一番よく分かってる」
木曾「言ってくれるぜ」
そして、演習の話はそこまでにして、他の予定を確認していく。そんなことをしているうちに、時刻は5時50分
になっていた。
16: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 09:57:41.89 ID:mOzfTiee0
提督「そろそろ、運動場へ朝礼に行くか」
木曾「おう」
そういって2人は、執務室を出た。
鎮守府の朝礼は、鎮守府本館のそばの運動場で行われる。そこの朝礼台の前に、各寮ごとに艦娘が二列に並んで
待機していた。皆はまだ眠そうな表情をしていた。特に、軽巡洋艦寮の川内などは立ったまま寝ていた。
朝礼の前に、各艦娘寮の代表が提督のところへ欠員等の報告をしてくる。
駆逐艦娘寮代表の吹雪、軽巡洋艦寮代表の天龍が報告をしていく。ここまでは夜間遠征以外での欠員はいなかった。
秘書艦の木曾は、欠員の報告を記録していく。しかし、重巡洋艦娘寮代表の妙高が残念そうな表情で言った。
妙高「重巡洋艦娘寮代表妙高より報告。最上が発熱のために朝礼には参加できずとのこと。他の欠員は無しです。」
提督「ありゃ。後でお見舞いに行こうかな。」
提督は心配そうな表情で言った。
その後、戦艦娘寮代表の長門、潜水艦娘寮代表の伊168、特別艦娘寮代表の明石が報告をした。
木曾は、潜水艦娘寮報告の時、まるゆがちゃんと並んでいるのを見て、少し表情が緩んだ。
(まるゆは一応潜水艦なので、潜水艦娘達の後ろに並んでいるということで)
木曾「おう」
そういって2人は、執務室を出た。
鎮守府の朝礼は、鎮守府本館のそばの運動場で行われる。そこの朝礼台の前に、各寮ごとに艦娘が二列に並んで
待機していた。皆はまだ眠そうな表情をしていた。特に、軽巡洋艦寮の川内などは立ったまま寝ていた。
朝礼の前に、各艦娘寮の代表が提督のところへ欠員等の報告をしてくる。
駆逐艦娘寮代表の吹雪、軽巡洋艦寮代表の天龍が報告をしていく。ここまでは夜間遠征以外での欠員はいなかった。
秘書艦の木曾は、欠員の報告を記録していく。しかし、重巡洋艦娘寮代表の妙高が残念そうな表情で言った。
妙高「重巡洋艦娘寮代表妙高より報告。最上が発熱のために朝礼には参加できずとのこと。他の欠員は無しです。」
提督「ありゃ。後でお見舞いに行こうかな。」
提督は心配そうな表情で言った。
その後、戦艦娘寮代表の長門、潜水艦娘寮代表の伊168、特別艦娘寮代表の明石が報告をした。
木曾は、潜水艦娘寮報告の時、まるゆがちゃんと並んでいるのを見て、少し表情が緩んだ。
(まるゆは一応潜水艦なので、潜水艦娘達の後ろに並んでいるということで)
17: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 10:13:23.76 ID:mOzfTiee0
全艦娘寮の報告を聞いた後、提督は朝礼台に上った。
木曾「気を付けぇーッ!」
秘書艦の木曾が号令をかける。全員が姿勢を正した。
木曾「敬礼!」
全員がビシッと海軍式の敬礼をする。だが、まだ海軍になれていないあきつ丸は陸軍式の敬礼をしようとして、
海軍式の敬礼に直した。
提督「楽にしてくれ」
提督がそう言うと、全員が休めの姿勢となった。
提督「皆おはよう。今日は一人発熱で休みということで少し残念だが、それ以外は全員揃っているということで、
皆元気そうでなによりだ。今日も一日、皆頑張ってくれ。以上!」
まるで小学校の朝礼のように薄い挨拶だが、これがこの提督の特徴だった。小難しいことが少し嫌いで、儀礼的な
事も少し苦手だった。そして、そんな提督を皆は信頼していた。無論、木曾もだ。
提督が朝礼台から下りると、木曾がラジオをセッティングした。
木曾「体操の隊形に開け!」
艦娘全員が他と間隔を空けた。そして、放送を流し、ラジオ体操を始めた。
木曾「気を付けぇーッ!」
秘書艦の木曾が号令をかける。全員が姿勢を正した。
木曾「敬礼!」
全員がビシッと海軍式の敬礼をする。だが、まだ海軍になれていないあきつ丸は陸軍式の敬礼をしようとして、
海軍式の敬礼に直した。
提督「楽にしてくれ」
提督がそう言うと、全員が休めの姿勢となった。
提督「皆おはよう。今日は一人発熱で休みということで少し残念だが、それ以外は全員揃っているということで、
皆元気そうでなによりだ。今日も一日、皆頑張ってくれ。以上!」
まるで小学校の朝礼のように薄い挨拶だが、これがこの提督の特徴だった。小難しいことが少し嫌いで、儀礼的な
事も少し苦手だった。そして、そんな提督を皆は信頼していた。無論、木曾もだ。
提督が朝礼台から下りると、木曾がラジオをセッティングした。
木曾「体操の隊形に開け!」
艦娘全員が他と間隔を空けた。そして、放送を流し、ラジオ体操を始めた。
18: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 10:28:36.83 ID:mOzfTiee0
ラジオ体操が終わると、朝礼が終わる。そして、全員が食堂へ向かい、朝食を摂るのだ。
ちなみに提督は、自分の執務室で食べる。提督曰く、「自分がいると皆遠慮しちゃうだろ?だから、俺はいいのさ」
とのことだった。そのことに木曾は、少しモヤモヤしていた。
木曾(あいつと一緒に飯を食べたかったな…って、何を考えてるんだか)
まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」
一緒に朝食を食べていたまるゆに聞かれ、木曾は慌てて答えた。
木曾「い、いや。なんでもない」
木曾は、そんな風に提督と一緒にいたいという感情が前から何度も湧いていた。そして、木曾はその感情がどういう
ものなのかわからないフリをしていた。
木曾(わかってる。気づいてる。俺はアイツが…好きなんだ。)
それは、提督の傍で秘書艦をし始めてから感じ始めていた。提督の傍にいればいるほど、提督という男の良さを知り、
同時にこの男の傍にいつまでもいたいという気持ちが湧いてきたのだ。
木曾(だけど、俺なんかが…無理だろうな)
ちなみに提督は、自分の執務室で食べる。提督曰く、「自分がいると皆遠慮しちゃうだろ?だから、俺はいいのさ」
とのことだった。そのことに木曾は、少しモヤモヤしていた。
木曾(あいつと一緒に飯を食べたかったな…って、何を考えてるんだか)
まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」
一緒に朝食を食べていたまるゆに聞かれ、木曾は慌てて答えた。
木曾「い、いや。なんでもない」
木曾は、そんな風に提督と一緒にいたいという感情が前から何度も湧いていた。そして、木曾はその感情がどういう
ものなのかわからないフリをしていた。
木曾(わかってる。気づいてる。俺はアイツが…好きなんだ。)
それは、提督の傍で秘書艦をし始めてから感じ始めていた。提督の傍にいればいるほど、提督という男の良さを知り、
同時にこの男の傍にいつまでもいたいという気持ちが湧いてきたのだ。
木曾(だけど、俺なんかが…無理だろうな)
19: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 10:43:26.79 ID:mOzfTiee0
木曾は、自分の性格や容姿を考えて思った。およそ女の子のようではない話し方、物々しい右目の眼帯、
男勝りな性格。どれをとってもあの提督の好みとは思えない。
木曾(だから、告白なんてしてもフラれるだろうな…)
木曾はそう思っていた。いや、そもそも「あの」提督のことだから、おそらく恋愛感情などというものは
ないだろうと確信していた。
そう、ここの提督は、他の鎮守府の提督と違い、艦娘にセクハラを一切してこないのだ。
肉食系女子の金剛や陸奥、愛宕が誘惑してきても提督は一切動じず、冷静に対応してくる。
木曾(あいつ、まさかあの年で枯れてるのか?っつーか、そんなことより俺が提督のことを好きっていう感情を
他の奴らにばれないようにしないと。そんなことになったら俺もう部屋から出られない…)
特に姉妹艦の球磨や多摩、北上や大井にばれてしまったら絶対バカにされる。さらに青葉にバレて青葉タイムスの
記事にされたら恥ずかしさで死んでしまうだろう。
木曾(そんなことになったら、そんなことになったら…)
木曾が一人うんうん唸っていると、まるゆが心配そうに尋ねた。
男勝りな性格。どれをとってもあの提督の好みとは思えない。
木曾(だから、告白なんてしてもフラれるだろうな…)
木曾はそう思っていた。いや、そもそも「あの」提督のことだから、おそらく恋愛感情などというものは
ないだろうと確信していた。
そう、ここの提督は、他の鎮守府の提督と違い、艦娘にセクハラを一切してこないのだ。
肉食系女子の金剛や陸奥、愛宕が誘惑してきても提督は一切動じず、冷静に対応してくる。
木曾(あいつ、まさかあの年で枯れてるのか?っつーか、そんなことより俺が提督のことを好きっていう感情を
他の奴らにばれないようにしないと。そんなことになったら俺もう部屋から出られない…)
特に姉妹艦の球磨や多摩、北上や大井にばれてしまったら絶対バカにされる。さらに青葉にバレて青葉タイムスの
記事にされたら恥ずかしさで死んでしまうだろう。
木曾(そんなことになったら、そんなことになったら…)
木曾が一人うんうん唸っていると、まるゆが心配そうに尋ねた。
20: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 10:58:57.84 ID:mOzfTiee0
まるゆ「木曾さん、本当に大丈夫ですか?ご飯もあまり食べていないみたいだし…」
木曾のお椀や皿にはまだご飯が多く残っていた。
木曾「あ、いや、なんでもない」
そう言ってご飯を食べ始め、ふと時計を見た。時刻は7時50分。
木曾「ヤベッ!」
秘書艦は、8時に執務室で準備をするように言われている。どうやら考えすぎて時間が経つのを
忘れてしまったようだ。
木曾は急いでご飯を掻き込み、ごちそうさま!と急いで言って食器を返し、食堂を出て全速力で執務室へ向かった。
木曾(ま、優しいアイツのことだから多少遅れても許してくれるだろうな…?)
木曾は少し顔を赤らめて執務室へ向かった。
木曾(これからあいつの傍にいられるから…少し嬉しいね///)
ちなみに、この時の木曾とすれ違った鳳翔さんは後にこう語った。
鳳翔「あんなに乙女な顔をしていた木曾さんは初めて見ましたね。まるで恋する乙女のような…」
木曾のお椀や皿にはまだご飯が多く残っていた。
木曾「あ、いや、なんでもない」
そう言ってご飯を食べ始め、ふと時計を見た。時刻は7時50分。
木曾「ヤベッ!」
秘書艦は、8時に執務室で準備をするように言われている。どうやら考えすぎて時間が経つのを
忘れてしまったようだ。
木曾は急いでご飯を掻き込み、ごちそうさま!と急いで言って食器を返し、食堂を出て全速力で執務室へ向かった。
木曾(ま、優しいアイツのことだから多少遅れても許してくれるだろうな…?)
木曾は少し顔を赤らめて執務室へ向かった。
木曾(これからあいつの傍にいられるから…少し嬉しいね///)
ちなみに、この時の木曾とすれ違った鳳翔さんは後にこう語った。
鳳翔「あんなに乙女な顔をしていた木曾さんは初めて見ましたね。まるで恋する乙女のような…」
21: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 11:12:04.52 ID:mOzfTiee0
8時5分に、木曾は執務室に駆け込んだ。
木曾「すまねぇ!少し遅れた!」
提督は既に執務机で書類の整理をしていた。
提督「珍しいな、木曾が遅れるなんて。何かあったのか?」
木曾には提督のことを考えていたなんて死んでも言えない。
木曾「いや、ちょとな…」
提督「ふ~ん、ま、いいか」
提督は詳しく聞いてこなかった。
木曾「と、そんなことより、この後9時に夜間遠征組が返ってくるぜ。」
提督「おお、じゃ出迎えに行かないとな。だがその前に、8時半に夜間当直組の報告があるからな」
8時半までは、2人は黙々と書類整理をしていた。そして8時半になると執務室のドアがノックされた。
提督「どぞー」
鈴谷「失礼しまーす」
執務室に昨日の夜間当直組の鈴谷、足柄、長良、龍田が入ってきた。
ちなみに、姉妹艦にしないのは艦娘同士で仲良くなってもらおうという提督の計らい故だった。
(それでも仲良くなれない艦娘はいるが)
木曾「すまねぇ!少し遅れた!」
提督は既に執務机で書類の整理をしていた。
提督「珍しいな、木曾が遅れるなんて。何かあったのか?」
木曾には提督のことを考えていたなんて死んでも言えない。
木曾「いや、ちょとな…」
提督「ふ~ん、ま、いいか」
提督は詳しく聞いてこなかった。
木曾「と、そんなことより、この後9時に夜間遠征組が返ってくるぜ。」
提督「おお、じゃ出迎えに行かないとな。だがその前に、8時半に夜間当直組の報告があるからな」
8時半までは、2人は黙々と書類整理をしていた。そして8時半になると執務室のドアがノックされた。
提督「どぞー」
鈴谷「失礼しまーす」
執務室に昨日の夜間当直組の鈴谷、足柄、長良、龍田が入ってきた。
ちなみに、姉妹艦にしないのは艦娘同士で仲良くなってもらおうという提督の計らい故だった。
(それでも仲良くなれない艦娘はいるが)
22: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 11:19:58.06 ID:mOzfTiee0
鈴谷「昨夜の夜間当直の報告!異常、不審者の目撃等は無し!」
足柄「ただ、軽巡洋艦寮の川内が『夜戦!夜戦!』とうるさいという不満が…」
提督「…あとで説教するか。ま、ご苦労さん。今日の出撃等は免除でいいから」
そして、報告は終わり、夜間当直組は出ていった。その報告のあっけなさに木曾は不安になり、提督に聞いた。
木曾「あんな薄い感じでいいのか?」
提督「あれぐらいでいいんだ。あまり厳しくすると、艦娘達のストレスになり兼ねんからな」
それから再び2人で書類仕事を黙々と再開する。
木曾(この静かな雰囲気もいいもんだな…)
そして9時前になると、提督は立ち上がった。
提督「それじゃ、遠征組の出迎えに行きますか」
木曾「ああ」
そして2人は執務室を出た。
足柄「ただ、軽巡洋艦寮の川内が『夜戦!夜戦!』とうるさいという不満が…」
提督「…あとで説教するか。ま、ご苦労さん。今日の出撃等は免除でいいから」
そして、報告は終わり、夜間当直組は出ていった。その報告のあっけなさに木曾は不安になり、提督に聞いた。
木曾「あんな薄い感じでいいのか?」
提督「あれぐらいでいいんだ。あまり厳しくすると、艦娘達のストレスになり兼ねんからな」
それから再び2人で書類仕事を黙々と再開する。
木曾(この静かな雰囲気もいいもんだな…)
そして9時前になると、提督は立ち上がった。
提督「それじゃ、遠征組の出迎えに行きますか」
木曾「ああ」
そして2人は執務室を出た。
23: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 11:31:24.18 ID:mOzfTiee0
提督と木曾が波止場に着くと、水平線の向こう側に黒い人影がいくつも見えた。
提督「おーい!」
提督が声を上げ手を振ると、黒い人影も手を振り返してきた。そして遠征組が波止場にやってきた。
遠征組の旗艦、祥鳳が報告をした。
祥鳳「報告します!祥鳳、瑞鳳、暁、響、雷、電。以上六名は夜間遠征より帰還しました!」
提督「ご苦労様。それで、結果はどうだった?」
すると暁が一歩前に出た。
暁「大成功よ!資材がたくさん取れたわ!」
響「ついでに家具コインもいくつか見つかったよ」
提督「お、やった!」
提督は駆逐艦娘達と一緒にはしゃいでいる。木曾はそれを見て、唇が少し緩んだ。
木曾(まったく、ガキみたいにはしゃいで…まぁそういうところも…って俺はぁぁぁ!!)
木曾が頭をガシガシ掻いているのを見て、提督は聞いた。
提督「どうした、頭が痛いのか?」
木曾「うるせぇ、今ちょっと話しかけんな!///」
提督「…まぁ、無理すんな」
提督「おーい!」
提督が声を上げ手を振ると、黒い人影も手を振り返してきた。そして遠征組が波止場にやってきた。
遠征組の旗艦、祥鳳が報告をした。
祥鳳「報告します!祥鳳、瑞鳳、暁、響、雷、電。以上六名は夜間遠征より帰還しました!」
提督「ご苦労様。それで、結果はどうだった?」
すると暁が一歩前に出た。
暁「大成功よ!資材がたくさん取れたわ!」
響「ついでに家具コインもいくつか見つかったよ」
提督「お、やった!」
提督は駆逐艦娘達と一緒にはしゃいでいる。木曾はそれを見て、唇が少し緩んだ。
木曾(まったく、ガキみたいにはしゃいで…まぁそういうところも…って俺はぁぁぁ!!)
木曾が頭をガシガシ掻いているのを見て、提督は聞いた。
提督「どうした、頭が痛いのか?」
木曾「うるせぇ、今ちょっと話しかけんな!///」
提督「…まぁ、無理すんな」
24: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 11:42:35.92 ID:mOzfTiee0
すると、暁が少しもじもじして言った。
暁「それでね提督、私たちは遠征で大成功したからレディーとしてご褒美が欲しいのよ。」
提督(レディーはご褒美など欲しがらないと思うが)
暁「それで、できれば…その…頭を撫でてほしいな、と思って…」
暁以外の全員が、ちっともレディーっぽくないと思った。しかし、木曾はここで考えた。
木曾(こいつ、本当に頭を撫でるのか?)
他の提督ならすぐに暁だけでなく他の皆の頭を撫でるだろうが、ここの提督はそうはいかなかった。
提督「…そんなことよりも、もっと実用性のあるものにしよう。」
そして提督はポケットから財布を取り出し、中から数枚の紙を差し出した。
提督「ほら、間宮の無料券だ。これで、美味しいものを食べてこい。ほら、お前らにも」
そう言って提督は全員に無料券を渡した。皆嬉しそうに受け取っていたが、暁だけがなぜかしょんぼりしていた。
だが提督は気づかない。
暁「…ありがとう、お礼はちゃんと言えるし」
木曾(やっぱりやってこないか)
木曾はある程度こうなることを予測していた。この鎮守府には、提督からセクハラを受けた、ということを言った
娘は一人もいない。頭を撫でられたこともないのだという。せいぜい艦娘と接するのは、新しい艦娘が着任した時に
握手を交わすくらいだった。
暁「それでね提督、私たちは遠征で大成功したからレディーとしてご褒美が欲しいのよ。」
提督(レディーはご褒美など欲しがらないと思うが)
暁「それで、できれば…その…頭を撫でてほしいな、と思って…」
暁以外の全員が、ちっともレディーっぽくないと思った。しかし、木曾はここで考えた。
木曾(こいつ、本当に頭を撫でるのか?)
他の提督ならすぐに暁だけでなく他の皆の頭を撫でるだろうが、ここの提督はそうはいかなかった。
提督「…そんなことよりも、もっと実用性のあるものにしよう。」
そして提督はポケットから財布を取り出し、中から数枚の紙を差し出した。
提督「ほら、間宮の無料券だ。これで、美味しいものを食べてこい。ほら、お前らにも」
そう言って提督は全員に無料券を渡した。皆嬉しそうに受け取っていたが、暁だけがなぜかしょんぼりしていた。
だが提督は気づかない。
暁「…ありがとう、お礼はちゃんと言えるし」
木曾(やっぱりやってこないか)
木曾はある程度こうなることを予測していた。この鎮守府には、提督からセクハラを受けた、ということを言った
娘は一人もいない。頭を撫でられたこともないのだという。せいぜい艦娘と接するのは、新しい艦娘が着任した時に
握手を交わすくらいだった。
25: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 11:49:04.47 ID:mOzfTiee0
すると、提督が木曾に聞いた。
提督「そういや、朝食の時、食堂に最上はいたか?」
木曾「へ?いや、いなかったと思うぞ」
提督「そうか…やっぱ熱で朝食は食えなかったか…。じゃ、粥でも作ってお見舞いに行くか。」
提督はそう言って、本館の厨房へと向かった。
提督は基本艦娘のことを第一に考えている。前に他の艦娘が病気になった時も提督はお見舞いをしていた。
ちなみに木曾は、一度も病気になったことがなかったので提督のお見舞いを受けたことはない。
木曾(いいなぁ、見舞い…)
なんとか口に出すのを抑えて、頭を左右に振り、木曾は提督の後を着いていった。
提督「そういや、朝食の時、食堂に最上はいたか?」
木曾「へ?いや、いなかったと思うぞ」
提督「そうか…やっぱ熱で朝食は食えなかったか…。じゃ、粥でも作ってお見舞いに行くか。」
提督はそう言って、本館の厨房へと向かった。
提督は基本艦娘のことを第一に考えている。前に他の艦娘が病気になった時も提督はお見舞いをしていた。
ちなみに木曾は、一度も病気になったことがなかったので提督のお見舞いを受けたことはない。
木曾(いいなぁ、見舞い…)
なんとか口に出すのを抑えて、頭を左右に振り、木曾は提督の後を着いていった。
32: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 22:12:14.76 ID:mOzfTiee0
木曾と提督は厨房で手早くお粥を作ると、慎重にお粥を持ちながら重巡洋艦寮の最上と三隈の部屋へと向かった。
部屋の前に着くと、提督はドアをノックした。
最上『…はい』
ドアの向こうからは辛そうな最上の声が聞こえた。
提督「提督と木曾だ。見舞いに来たぞ。入っていいか?」
最上『…いいけど、そっちこそ風邪をひかないようにね?』
木曾「おう、安心しろ。提督は健康優良児だし、言っちゃあ何だが俺は結構丈夫なほうだぜ」
提督「勝手に人を健康優良児扱いすんな。俺だってインフルエンザにかかったことあるんだぞ」
そう言って2人は部屋に入った。部屋の中はやけに暖かい。そして部屋にいたのは、布団で寝ていた最上だけで
三隈はいなかった。
提督「三隈は?」
最上「食堂で金剛型の皆とお茶会だって。こほっ」
最上は布団の上で小さく咳き込んだ。
部屋の前に着くと、提督はドアをノックした。
最上『…はい』
ドアの向こうからは辛そうな最上の声が聞こえた。
提督「提督と木曾だ。見舞いに来たぞ。入っていいか?」
最上『…いいけど、そっちこそ風邪をひかないようにね?』
木曾「おう、安心しろ。提督は健康優良児だし、言っちゃあ何だが俺は結構丈夫なほうだぜ」
提督「勝手に人を健康優良児扱いすんな。俺だってインフルエンザにかかったことあるんだぞ」
そう言って2人は部屋に入った。部屋の中はやけに暖かい。そして部屋にいたのは、布団で寝ていた最上だけで
三隈はいなかった。
提督「三隈は?」
最上「食堂で金剛型の皆とお茶会だって。こほっ」
最上は布団の上で小さく咳き込んだ。
33: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 22:25:01.97 ID:mOzfTiee0
提督「大丈夫か?朝飯食べに来てなかったみたいだから、お粥作ってきたぞ。食えるようなら食べるか?」
最上「ホント?嬉しい、ありがと!」
最上の目が突然キラキラと輝いた。それを見ていた木曾が、なんだかモヤッとした気分になった。
木曾(嫉妬か…この俺が…)
そんな雰囲気の木曾に気づいてか気づかずか、最上はこんな提案をしてきた。
最上「あのさ、提督…。ボク、提督に食べさせてもらいたいなーって…」
提督「え?」
木曾「!」
木曾は驚いた表情で提督と最上を交互に見た。というか、よくよく最上を見ていると、風邪をひいているせいか
何だか妙に色っぽい。
木曾(普通の男なら、最上にあーんをしてあげるついでに襲っちまうのだろうが…コイツはどうするか…)
木曾の心配などまったく考えず提督は最上にお粥を食べさせ始めた。
提督「しょうがないな…ほれ、あーん」
最上「あーん♪」
最上「ホント?嬉しい、ありがと!」
最上の目が突然キラキラと輝いた。それを見ていた木曾が、なんだかモヤッとした気分になった。
木曾(嫉妬か…この俺が…)
そんな雰囲気の木曾に気づいてか気づかずか、最上はこんな提案をしてきた。
最上「あのさ、提督…。ボク、提督に食べさせてもらいたいなーって…」
提督「え?」
木曾「!」
木曾は驚いた表情で提督と最上を交互に見た。というか、よくよく最上を見ていると、風邪をひいているせいか
何だか妙に色っぽい。
木曾(普通の男なら、最上にあーんをしてあげるついでに襲っちまうのだろうが…コイツはどうするか…)
木曾の心配などまったく考えず提督は最上にお粥を食べさせ始めた。
提督「しょうがないな…ほれ、あーん」
最上「あーん♪」
34: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 22:36:31.58 ID:mOzfTiee0
最上にあーんをしている提督を、木曾は横目に見た。そして、驚いた。
木曾(何…だと…?)
提督の目からは、下心が一切感じられない。むしろ優しい目をしている。
木曾は、日々の戦闘からか物をよく見る目を持っている。そこから人の感情を読み取ることも少しはできる。
その純粋な瞳を見て、木曾は不気味な感覚を得た。
木曾(こいつ…本当に下心がないのか…?この年で…?)
そんな木曾など構わず、最上は調子づいてか提督に更なる要求をする。
最上「ついでにさ、ボク汗かいちゃって、少しぬるぬるして気持ち悪いんだ。
よかったら提督、拭いてくれないかな…?」
提督「木曾、頼む」
即答した。
木曾(なにぃ!?あの誘惑を即拒否するだと…?)
木曾は提督のわからなさについていけなくなる。木曾はさらなる謎の沼におぼれていく。
提督「木曾、聞いているのか?」
木曾「へっ!?あ、ああ」
そう言うと提督は部屋を出た。木曾は最上からもらったタオルで、最上の体を拭いてあげた。
ちなみに最上は、木曾に体を拭いてもらっている間、少し涙目だった。
木曾(何…だと…?)
提督の目からは、下心が一切感じられない。むしろ優しい目をしている。
木曾は、日々の戦闘からか物をよく見る目を持っている。そこから人の感情を読み取ることも少しはできる。
その純粋な瞳を見て、木曾は不気味な感覚を得た。
木曾(こいつ…本当に下心がないのか…?この年で…?)
そんな木曾など構わず、最上は調子づいてか提督に更なる要求をする。
最上「ついでにさ、ボク汗かいちゃって、少しぬるぬるして気持ち悪いんだ。
よかったら提督、拭いてくれないかな…?」
提督「木曾、頼む」
即答した。
木曾(なにぃ!?あの誘惑を即拒否するだと…?)
木曾は提督のわからなさについていけなくなる。木曾はさらなる謎の沼におぼれていく。
提督「木曾、聞いているのか?」
木曾「へっ!?あ、ああ」
そう言うと提督は部屋を出た。木曾は最上からもらったタオルで、最上の体を拭いてあげた。
ちなみに最上は、木曾に体を拭いてもらっている間、少し涙目だった。
36: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 22:48:42.28 ID:mOzfTiee0
昼食を食べた後、木曾と提督は執務室で書類仕事を黙々とこなしていく。そして気づけば、第八鎮守府と
演習をする時刻が近づいていた。
提督「お、もうすぐ時間だな。木曾、準備してくれ」
木曾「わかった。じゃ、俺は一回部屋へ戻るぜ」
この後の演習の編成は、昼食の時に発表されていた。そして、演習艦隊の旗艦は木曾だった。
木曾は部屋に行く道すがら、少し疑問に思っていた。
木曾(提督の奴、演習にするとなんで俺を旗艦にするんだ?)
木曾は自分の部屋に着くと、壁に掛けてあった黒いマントを羽織り、剣を手に取った。秘書艦の仕事をしている
時は、邪魔になるのでマントを外していた。
そして、演習用集合場所につくと、他の演習参加艦娘たちが集合していた。
提督「それじゃ、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹、演習頑張ってこい。相手を叩きのめしてやれ!」
皆「ハイ!」
皆が演習場へ向けて出発し、最後に集合場所を出ようとする木曾の肩を提督がポンと叩いた。
提督「頑張れ、あともう少しだから。」
木曾「?…何だかわからないが、がんばってくるぜ」
そう言って木曾は演習場へ向けて出発した。
演習をする時刻が近づいていた。
提督「お、もうすぐ時間だな。木曾、準備してくれ」
木曾「わかった。じゃ、俺は一回部屋へ戻るぜ」
この後の演習の編成は、昼食の時に発表されていた。そして、演習艦隊の旗艦は木曾だった。
木曾は部屋に行く道すがら、少し疑問に思っていた。
木曾(提督の奴、演習にするとなんで俺を旗艦にするんだ?)
木曾は自分の部屋に着くと、壁に掛けてあった黒いマントを羽織り、剣を手に取った。秘書艦の仕事をしている
時は、邪魔になるのでマントを外していた。
そして、演習用集合場所につくと、他の演習参加艦娘たちが集合していた。
提督「それじゃ、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹、演習頑張ってこい。相手を叩きのめしてやれ!」
皆「ハイ!」
皆が演習場へ向けて出発し、最後に集合場所を出ようとする木曾の肩を提督がポンと叩いた。
提督「頑張れ、あともう少しだから。」
木曾「?…何だかわからないが、がんばってくるぜ」
そう言って木曾は演習場へ向けて出発した。
37: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 22:58:40.85 ID:mOzfTiee0
演習場は、鎮守府から北に1キロ離れた場所に、半径2キロにわたって広がっている。
両鎮守府の提督は、鎮守府の視聴覚室で演習の様子を観るのだ。演習の様子は、廃棄される予定だった水上偵察機を
明石が改造し、カメラを搭載できるようにしたもので撮影され、視聴覚室のスクリーンに生中継される。
提督が視聴覚室に来ると、既に審査員の艦娘3人と第八鎮守府の提督が来ていた。階級は元帥。この鎮守府の提督
よりも階級が3つ上である。
第八鎮守府提督(以下、元帥)「やあ、提督」
提督「お久しぶりです。元帥殿」
提督は自分の鎮守府の艦娘に対してはフランクだが、このように自分より立場が上な人に対しては敬語を使える人間
である。
提督「今回こそは、あなたの艦隊を撃破して見せますよ」
元帥「それは楽しみだね。ま、期待しているよ」
実際のところ、提督の頭では、元帥の艦隊に勝つことは二の次だった。それよりも重要なことがある。
提督(この演習を終えれば、アレができるようになる。そして…)
その提督の思考は、審査艦娘の一人、霧島の声によって途切れた。
両鎮守府の提督は、鎮守府の視聴覚室で演習の様子を観るのだ。演習の様子は、廃棄される予定だった水上偵察機を
明石が改造し、カメラを搭載できるようにしたもので撮影され、視聴覚室のスクリーンに生中継される。
提督が視聴覚室に来ると、既に審査員の艦娘3人と第八鎮守府の提督が来ていた。階級は元帥。この鎮守府の提督
よりも階級が3つ上である。
第八鎮守府提督(以下、元帥)「やあ、提督」
提督「お久しぶりです。元帥殿」
提督は自分の鎮守府の艦娘に対してはフランクだが、このように自分より立場が上な人に対しては敬語を使える人間
である。
提督「今回こそは、あなたの艦隊を撃破して見せますよ」
元帥「それは楽しみだね。ま、期待しているよ」
実際のところ、提督の頭では、元帥の艦隊に勝つことは二の次だった。それよりも重要なことがある。
提督(この演習を終えれば、アレができるようになる。そして…)
その提督の思考は、審査艦娘の一人、霧島の声によって途切れた。
38: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 23:08:44.26 ID:mOzfTiee0
霧島「お二方、席についてください」
提督「あ、ああ」
元帥「おっと、失礼」
提督と元帥が席に着くと、霧島が言った。
霧島「これより、第六鎮守府と第八鎮守府の模擬戦闘演習を行います。
第六鎮守府の艦隊は、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹の6名。
第八鎮守府の艦隊は、大和、大鳳、長門、陸奥、青葉、赤城の6名。
審査係は私霧島と、鳥海、大淀が担当します。」
提督(資材に余裕があるからって、ガチ勢過ぎるだろ…。青葉を編入したのは俺への気遣いのつもりか…?
こっちには戦艦をホイホイ動かせるような資材はないんだぞ…クソ羨ましすぎる…)
そんな恨みがましい視線を元帥に向けると、気づいた元帥がドヤ顔を向けてきた。
提督(まあ、いい。強ければ強いほどこちらに得がある)
※説明し忘れましたが、木曾がいる鎮守府は第六鎮守府(名目上)です。
提督「あ、ああ」
元帥「おっと、失礼」
提督と元帥が席に着くと、霧島が言った。
霧島「これより、第六鎮守府と第八鎮守府の模擬戦闘演習を行います。
第六鎮守府の艦隊は、木曾、扶桑、加賀、妙高、夕立、飛鷹の6名。
第八鎮守府の艦隊は、大和、大鳳、長門、陸奥、青葉、赤城の6名。
審査係は私霧島と、鳥海、大淀が担当します。」
提督(資材に余裕があるからって、ガチ勢過ぎるだろ…。青葉を編入したのは俺への気遣いのつもりか…?
こっちには戦艦をホイホイ動かせるような資材はないんだぞ…クソ羨ましすぎる…)
そんな恨みがましい視線を元帥に向けると、気づいた元帥がドヤ顔を向けてきた。
提督(まあ、いい。強ければ強いほどこちらに得がある)
※説明し忘れましたが、木曾がいる鎮守府は第六鎮守府(名目上)です。
40: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/25(木) 23:13:57.26 ID:mOzfTiee0
霧島「両陣営、準備してください」
霧島がマイクに向かって言うと、演習場の両陣営の艦娘が身構えた。撮影用の水上偵察機にスピーカーが設置されて
いて、それが鎮守府のマイクと繋がっているのだ。
提督(皆、頑張れ…!)
提督は手を組んだ。元帥は余裕の表情を浮かべている。
元帥(それでは、お手並み拝見といこうか)
霧島「では、演習開始!」
その瞬間、画面の中で両陣営の艦娘が激突した。
霧島がマイクに向かって言うと、演習場の両陣営の艦娘が身構えた。撮影用の水上偵察機にスピーカーが設置されて
いて、それが鎮守府のマイクと繋がっているのだ。
提督(皆、頑張れ…!)
提督は手を組んだ。元帥は余裕の表情を浮かべている。
元帥(それでは、お手並み拝見といこうか)
霧島「では、演習開始!」
その瞬間、画面の中で両陣営の艦娘が激突した。
48: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:00:42.46 ID:kKmkJfJq0
演習開始から数時間後…。
霧島「制限時間になりました。これにて模擬戦闘演習を終了します。」
霧島がマイクに向かって言うと、画面の中で戦っていた両陣営も動きを止めた。その後、霧島、鳥海、大淀が
少し話し合った。各陣営の損傷状態を確認し、どちらの勝利かを決めているのだ。
元帥「前より少し強くなったんじゃないか?」
元帥は勝利を確信しているからか、提督に話しかける。
提督「そうでしょうかね?しかし、元帥殿もまだ衰えていないようですね」
元帥「当たり前だ。私の指揮能力をなめるなよ」
この二人の会話はまたも霧島の声によって途切れた。
霧島「演習の結果を発表します。お二方、そして両陣営もお静かに」
霧島がそう言うと、提督と元帥、そして演習場で励まし合っていた両陣営の艦娘も静かになった。
霧島「制限時間になりました。これにて模擬戦闘演習を終了します。」
霧島がマイクに向かって言うと、画面の中で戦っていた両陣営も動きを止めた。その後、霧島、鳥海、大淀が
少し話し合った。各陣営の損傷状態を確認し、どちらの勝利かを決めているのだ。
元帥「前より少し強くなったんじゃないか?」
元帥は勝利を確信しているからか、提督に話しかける。
提督「そうでしょうかね?しかし、元帥殿もまだ衰えていないようですね」
元帥「当たり前だ。私の指揮能力をなめるなよ」
この二人の会話はまたも霧島の声によって途切れた。
霧島「演習の結果を発表します。お二方、そして両陣営もお静かに」
霧島がそう言うと、提督と元帥、そして演習場で励まし合っていた両陣営の艦娘も静かになった。
49: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:12:44.37 ID:kKmkJfJq0
霧島「第六鎮守府の演習艦隊は、轟沈判定1、大破3、中破2。
第八鎮守府の演習艦隊は、大破2、中破3、小破1。
第六鎮守府の演習艦隊旗艦は中破、第八鎮守府の演習艦隊の旗艦も中破。
しかし、第六鎮守府の演習艦隊の方が被害損傷は多いので、
今回の演習は、第八鎮守府の勝利とします。勝利判定はBです。」
提督は、「はぁ…」と小さな溜め息をついた。元帥はやはり表情が柔らかかったが、こう呟いた。
元帥「まさか…大和が大破するとはな…」
提督はそんな元帥の言葉など無視して元帥に言った。
提督「元帥殿、本日は演習に付き合っていただきありがとうございます。この後、夜に食事会があるので、
よろしければそちらの艦隊の皆さんもご一緒にご出席してください。」
元帥「そうか、じゃぁ参加させてもらおうかな。ついでで悪いんだが、少し寝かせてくれないか?
朝が少し早かったもんでね」
提督「では、奥の仮眠室を使ってください」
そう言うと、元帥は席を立ち、手を振って「また後で」と言いながら視聴覚室を出た。
提督「霧島、鳥海、大淀、ご苦労さん。演習場の皆に、帰還し次第シャワーを浴びるように言っといてくれ。
第八鎮守府の演習艦隊の皆にもだ。」
霧島「はい、わかりました」
第八鎮守府の演習艦隊は、大破2、中破3、小破1。
第六鎮守府の演習艦隊旗艦は中破、第八鎮守府の演習艦隊の旗艦も中破。
しかし、第六鎮守府の演習艦隊の方が被害損傷は多いので、
今回の演習は、第八鎮守府の勝利とします。勝利判定はBです。」
提督は、「はぁ…」と小さな溜め息をついた。元帥はやはり表情が柔らかかったが、こう呟いた。
元帥「まさか…大和が大破するとはな…」
提督はそんな元帥の言葉など無視して元帥に言った。
提督「元帥殿、本日は演習に付き合っていただきありがとうございます。この後、夜に食事会があるので、
よろしければそちらの艦隊の皆さんもご一緒にご出席してください。」
元帥「そうか、じゃぁ参加させてもらおうかな。ついでで悪いんだが、少し寝かせてくれないか?
朝が少し早かったもんでね」
提督「では、奥の仮眠室を使ってください」
そう言うと、元帥は席を立ち、手を振って「また後で」と言いながら視聴覚室を出た。
提督「霧島、鳥海、大淀、ご苦労さん。演習場の皆に、帰還し次第シャワーを浴びるように言っといてくれ。
第八鎮守府の演習艦隊の皆にもだ。」
霧島「はい、わかりました」
50: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:18:12.87 ID:kKmkJfJq0
霧島はマイクに向かって、さっき提督からの伝言を伝えた。その時、提督の業務用タブレットPCから
メールの着信音が聞こえた。提督はそのメールを確認すると目を見開いた。
提督「やっとか…」
提督は、先に執務室に帰ることを審査係の3人に伝え、視聴覚室を出た。そして、執務室に着くと、目的のモノが
置いてあった。提督は、今夜話をつけることを決めた。
メールの着信音が聞こえた。提督はそのメールを確認すると目を見開いた。
提督「やっとか…」
提督は、先に執務室に帰ることを審査係の3人に伝え、視聴覚室を出た。そして、執務室に着くと、目的のモノが
置いてあった。提督は、今夜話をつけることを決めた。
51: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:33:56.86 ID:kKmkJfJq0
第六鎮守府と第八鎮守府の演習艦隊は鎮守府に戻ると、すぐにシャワールームへ向かった。
演習では実弾を使わずペイント弾を使うので、洗えば簡単に落ちる。シャワールームの脱衣場で、轟沈判定を受けた
夕立は木曾に泣きついていた。
夕立「ふぇぇぇぇん、木曾さぁぁぁぁん!私、轟沈判定をうけたっぽい~!」
木曾「まぁ、大和の46センチ3連装を喰らえばな…。だが、旗艦の俺が長門からの一撃を喰らわなければ…」
だが、今回木曾は自分が前の演習より少し強くなったように感じた。
木曾(俺の一撃が、大和を大破させただと…?やっぱり、アイツに励ましてもらったからかな…?)
そんなことを考えながら制服を脱いで洗濯用の籠に置き、シャワールームに入っていった。
シャワールームはブースごとに仕切りで分けられている。
木曾がシャワーを浴びていると、隣のブースに陸奥が入ってきてシャワーを浴び始めた。
陸奥「はぁ~、極楽極楽~♪」
木曾(陸奥なんてスタイルいいし、あっちの提督からセクハラなんて受けてるんだろうな…)
演習では実弾を使わずペイント弾を使うので、洗えば簡単に落ちる。シャワールームの脱衣場で、轟沈判定を受けた
夕立は木曾に泣きついていた。
夕立「ふぇぇぇぇん、木曾さぁぁぁぁん!私、轟沈判定をうけたっぽい~!」
木曾「まぁ、大和の46センチ3連装を喰らえばな…。だが、旗艦の俺が長門からの一撃を喰らわなければ…」
だが、今回木曾は自分が前の演習より少し強くなったように感じた。
木曾(俺の一撃が、大和を大破させただと…?やっぱり、アイツに励ましてもらったからかな…?)
そんなことを考えながら制服を脱いで洗濯用の籠に置き、シャワールームに入っていった。
シャワールームはブースごとに仕切りで分けられている。
木曾がシャワーを浴びていると、隣のブースに陸奥が入ってきてシャワーを浴び始めた。
陸奥「はぁ~、極楽極楽~♪」
木曾(陸奥なんてスタイルいいし、あっちの提督からセクハラなんて受けてるんだろうな…)
52: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:40:36.98 ID:kKmkJfJq0
たまりかねて、木曾は陸奥に聞いてみた。
木曾「陸奥さん、ちょっといいか?」
陸奥「何かしら?」
木曾「陸奥さんってさ…その、お前のとこの提督からさ、えっと、せ…セクハラとか受けたことあるか…?」
陸奥「へ?」
陸奥は拍子抜けした声を上げた。木曾がそんなことを聞いてくるとは思わなかったのだろう。
しかし質問の内容が面白かったので、答えてあげることにした。
陸奥「そうねぇ~、週に2、3回の頻度でされるわねぇ~。主にお腹触られたり胸揉まれたり」
木曾「そんなことをそんなにされるのか!?」
すると、木曾の声に驚いたのか、大和が声をかけてきた。
大和「ど、どうかなさったのですか!?」
木曾「陸奥さん、ちょっといいか?」
陸奥「何かしら?」
木曾「陸奥さんってさ…その、お前のとこの提督からさ、えっと、せ…セクハラとか受けたことあるか…?」
陸奥「へ?」
陸奥は拍子抜けした声を上げた。木曾がそんなことを聞いてくるとは思わなかったのだろう。
しかし質問の内容が面白かったので、答えてあげることにした。
陸奥「そうねぇ~、週に2、3回の頻度でされるわねぇ~。主にお腹触られたり胸揉まれたり」
木曾「そんなことをそんなにされるのか!?」
すると、木曾の声に驚いたのか、大和が声をかけてきた。
大和「ど、どうかなさったのですか!?」
54: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 10:49:38.03 ID:kKmkJfJq0
木曾「あ、い、いや―」
陸奥「木曾ちゃんがね、私が元帥からセクハラされたことある?って聞いてきてね、答えてあげたらねぇ、
ウブな木曾ちゃんが声を上げてね~」
木曾「おい、バカ!///」
陸奥が調子に乗って説明してしまうと、木曾が恥ずかしそうに声を上げ、大和は顔を赤らめた。
大和「は、はぁ…まぁ、木曾さんも女の子ですから、そういうことに興味があるのはわかりますが…。
ちなみに、私も恥ずかしながらセクハラを受けたことがあります…」
木曾「恥ずかしいなら自分から説明すんな!」
そんなこんなであーだこーだ言い合っている3人を見ていた夕立は、
夕立「何々ー?なんの話してるのー?」
扶桑「あなたは聞かなくてもいいのよ?」
扶桑に耳をふさがれていた。
陸奥「木曾ちゃんがね、私が元帥からセクハラされたことある?って聞いてきてね、答えてあげたらねぇ、
ウブな木曾ちゃんが声を上げてね~」
木曾「おい、バカ!///」
陸奥が調子に乗って説明してしまうと、木曾が恥ずかしそうに声を上げ、大和は顔を赤らめた。
大和「は、はぁ…まぁ、木曾さんも女の子ですから、そういうことに興味があるのはわかりますが…。
ちなみに、私も恥ずかしながらセクハラを受けたことがあります…」
木曾「恥ずかしいなら自分から説明すんな!」
そんなこんなであーだこーだ言い合っている3人を見ていた夕立は、
夕立「何々ー?なんの話してるのー?」
扶桑「あなたは聞かなくてもいいのよ?」
扶桑に耳をふさがれていた。
55: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:00:03.12 ID:kKmkJfJq0
大和「それより―」
大和がそんな言い合いの中で真剣な表情になると、木曾は口をつぐんだ。
大和「演習の時、私を大破させた手管は見事でした。私を大破に追い込むとは、あなたもよほどの鍛錬を積んでいる
のでしょうね。」
木曾「あ、ああ。どうも」
大和「またいつか、お手合わせ願いたいですね。今度は負けませんよ?」
木曾「ああ、俺もまたいつか戦いたいぜ」
そう挨拶を交わすと、大和はシャワールームを出た。木曾は少し考えた。なぜ、自分のような軽巡洋艦が
大和のような超弩級戦艦を大破できたのか。
木曾(やっぱり試合前にアイツに励ましてもらったからか…)
陸奥「木曾ちゃ~ん、ピンクトークはもういいの~?」
木曾「もういいわ!」
大和がそんな言い合いの中で真剣な表情になると、木曾は口をつぐんだ。
大和「演習の時、私を大破させた手管は見事でした。私を大破に追い込むとは、あなたもよほどの鍛錬を積んでいる
のでしょうね。」
木曾「あ、ああ。どうも」
大和「またいつか、お手合わせ願いたいですね。今度は負けませんよ?」
木曾「ああ、俺もまたいつか戦いたいぜ」
そう挨拶を交わすと、大和はシャワールームを出た。木曾は少し考えた。なぜ、自分のような軽巡洋艦が
大和のような超弩級戦艦を大破できたのか。
木曾(やっぱり試合前にアイツに励ましてもらったからか…)
陸奥「木曾ちゃ~ん、ピンクトークはもういいの~?」
木曾「もういいわ!」
56: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:09:36.15 ID:kKmkJfJq0
陸奥の一言で、木曾は思い出した。
木曾(向こうの提督は、艦娘達にセクハラをしているみたいだけど、こっちの提督がセクハラをしたという話は
ここに着任してこの方一度も聞いたことがない…つまり…)
木曾は、二つの最悪の結論を考え出した。
木曾(提督は、とっくに枯れたのか男色だったのか…)
木曾は、泣きそうになった。
木曾(俺の好きだった提督は…)
妙高「木曾さん?大丈夫ですか?」
さっきまで騒いでいたのに全く喋らず動かない木曾を見て、妙高が不安に思ったのだろう。
陸奥「木曾ちゃん?」
木曾「…いや、なんでもない」
そう言うと、木曾はシャワールームを重い足取りで出ていった。
木曾(向こうの提督は、艦娘達にセクハラをしているみたいだけど、こっちの提督がセクハラをしたという話は
ここに着任してこの方一度も聞いたことがない…つまり…)
木曾は、二つの最悪の結論を考え出した。
木曾(提督は、とっくに枯れたのか男色だったのか…)
木曾は、泣きそうになった。
木曾(俺の好きだった提督は…)
妙高「木曾さん?大丈夫ですか?」
さっきまで騒いでいたのに全く喋らず動かない木曾を見て、妙高が不安に思ったのだろう。
陸奥「木曾ちゃん?」
木曾「…いや、なんでもない」
そう言うと、木曾はシャワールームを重い足取りで出ていった。
57: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:18:55.99 ID:kKmkJfJq0
妙高は頬に右手を当て心配そうに声を上げた。
妙高「木曾さん、どうしたのかしら…。演習ではあんなに活躍したのに…」
陸奥は、顎にに手をやって少し考えて、閃いた。
陸奥「あ、そういうことか」
妙高「どうなさったのですか?」
陸奥は、自分の推論を妙高に耳打ちした。
妙高「…なるほど、木曾さんも乙女なんですね…。はぁ、若いっていいですね」
陸奥「何言ってるんですか、妙高さんもまだ若いですよ?」
妙高「ありがとうございます。ですが、うちの三女はもう―」
陸奥「それ以上言ってはいけません」
重巡洋艦寮の一室で、妙高型三番艦の足柄がクシャミをした。
足柄「クシュッ!」
足柄の部屋に遊びに来ていた那智と、足柄と同室の羽黒が心配した。
那智「何だ風邪か?」
羽黒「気を付けてくださいね…?最上さんも風邪をこじらせてしまったようですし…」
足柄「いえ、違うわ。これはおそらく私に出会いを求めている男が私の噂話をしているのよ!」
2人「…………。」
妹(姉)の超ポジティブな思考回路に、2人の艦娘は呆れるしかなかった。
妙高「木曾さん、どうしたのかしら…。演習ではあんなに活躍したのに…」
陸奥は、顎にに手をやって少し考えて、閃いた。
陸奥「あ、そういうことか」
妙高「どうなさったのですか?」
陸奥は、自分の推論を妙高に耳打ちした。
妙高「…なるほど、木曾さんも乙女なんですね…。はぁ、若いっていいですね」
陸奥「何言ってるんですか、妙高さんもまだ若いですよ?」
妙高「ありがとうございます。ですが、うちの三女はもう―」
陸奥「それ以上言ってはいけません」
重巡洋艦寮の一室で、妙高型三番艦の足柄がクシャミをした。
足柄「クシュッ!」
足柄の部屋に遊びに来ていた那智と、足柄と同室の羽黒が心配した。
那智「何だ風邪か?」
羽黒「気を付けてくださいね…?最上さんも風邪をこじらせてしまったようですし…」
足柄「いえ、違うわ。これはおそらく私に出会いを求めている男が私の噂話をしているのよ!」
2人「…………。」
妹(姉)の超ポジティブな思考回路に、2人の艦娘は呆れるしかなかった。
58: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:30:00.11 ID:kKmkJfJq0
そして夜の食事会は、皆が話せるように立食形式だった。第六鎮守府の皆や、第八鎮守府の演習艦隊がわいわいと
食事を楽しんでいたが、木曾は部屋の隅にいて何も食べていなかった。シャワールームで出した結論から、ショックを
受けていたのだ。他の艦娘達が心配そうに声をかけても、木曾は「別に…」と答えるだけであった。親しいまるゆや、
同型艦の球磨や多摩にもこんな態度をとるので、まるゆは涙目、球磨と多摩は魚料理をやけ食いである。
一方、提督は元帥と酒を飲みながら今日の演習について語り合っていた。戦術が甘いだの、あの時の機転は見事だった
だのと話し合っていると、話の内容は木曾のことになっていた。
元帥「しかし、今回のお前さんのところの木曾の活躍はすごかったよ。大和を大破させるとは、さすがに
度肝を抜かれたよ。」
提督「いや、それは俺も驚きましたよ。普段は、戦艦相手でも中破が精いっぱいだったというのですから」
元帥「演習前に木曾に何かしたんじゃないのか?」
提督は少し考えた。提督の記憶にあるのは、木曾の肩をたたいて「頑張れ」と言ったことしか覚えてない。
提督「いや、特には?」
元帥「そうか。だが、その木曾は何だかしょぼくれているようだぞ?」
食事を楽しんでいたが、木曾は部屋の隅にいて何も食べていなかった。シャワールームで出した結論から、ショックを
受けていたのだ。他の艦娘達が心配そうに声をかけても、木曾は「別に…」と答えるだけであった。親しいまるゆや、
同型艦の球磨や多摩にもこんな態度をとるので、まるゆは涙目、球磨と多摩は魚料理をやけ食いである。
一方、提督は元帥と酒を飲みながら今日の演習について語り合っていた。戦術が甘いだの、あの時の機転は見事だった
だのと話し合っていると、話の内容は木曾のことになっていた。
元帥「しかし、今回のお前さんのところの木曾の活躍はすごかったよ。大和を大破させるとは、さすがに
度肝を抜かれたよ。」
提督「いや、それは俺も驚きましたよ。普段は、戦艦相手でも中破が精いっぱいだったというのですから」
元帥「演習前に木曾に何かしたんじゃないのか?」
提督は少し考えた。提督の記憶にあるのは、木曾の肩をたたいて「頑張れ」と言ったことしか覚えてない。
提督「いや、特には?」
元帥「そうか。だが、その木曾は何だかしょぼくれているようだぞ?」
59: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:36:42.09 ID:kKmkJfJq0
元帥に言われて、提督が木曾の方を見てみると、言った通り木曾の周りにはどんよりしたオーラが。
提督(今のうちに言っておくか…)
そう考えた提督は、少し席を外させてもらうと木曾の方へと歩いて行った。そして、木曾がびっくりした表情を
浮かべると、提督は少し小声で言った。
提督「木曾、夜の点呼の後21:00に執務室に来てくれ。大事な話があるんだ」
木曾「…大事な話だと?」
木曾は面食らったが、自分も提督に真意を聞きたいと思っていたところだったので、こう言った。
木曾「わかった。俺もお前に話があるところだったんだ」
提督「?わかった」
そう言うと提督は元帥のところへと戻っていく道すがら考えていた。
提督(まさかあいつ、俺がなんで木曾に肩入れしているのか、その理由に気づいちまったのか…?)
木曾は、少し何か食べようと考え、フライドポテトなどのサイドメニューを食べながら考えていた。
木曾(大事な話って何だ?…ま、まさか、俺はホモだったなんて言うつもりなのか?そうなったら俺がアイツを好き
だっていうこの感情も全部無駄だってことに…)
2人は勘違いを抱えながら食事会を過ごした。
提督(今のうちに言っておくか…)
そう考えた提督は、少し席を外させてもらうと木曾の方へと歩いて行った。そして、木曾がびっくりした表情を
浮かべると、提督は少し小声で言った。
提督「木曾、夜の点呼の後21:00に執務室に来てくれ。大事な話があるんだ」
木曾「…大事な話だと?」
木曾は面食らったが、自分も提督に真意を聞きたいと思っていたところだったので、こう言った。
木曾「わかった。俺もお前に話があるところだったんだ」
提督「?わかった」
そう言うと提督は元帥のところへと戻っていく道すがら考えていた。
提督(まさかあいつ、俺がなんで木曾に肩入れしているのか、その理由に気づいちまったのか…?)
木曾は、少し何か食べようと考え、フライドポテトなどのサイドメニューを食べながら考えていた。
木曾(大事な話って何だ?…ま、まさか、俺はホモだったなんて言うつもりなのか?そうなったら俺がアイツを好き
だっていうこの感情も全部無駄だってことに…)
2人は勘違いを抱えながら食事会を過ごした。
60: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 11:37:15.23 ID:kKmkJfJq0
いったん切ります。
61: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 15:49:13.81 ID:kKmkJfJq0
再開します。突然切ってしまいすみません
62: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 16:02:54.81 ID:kKmkJfJq0
20時に食事会が終わると、第八鎮守府のメンバーは帰って行った。次に、20時15分に夜間遠征の千歳、千代田、
吹雪、白雪、初雪、深雪が遠征任務に出発した。そして、20時半に夜の点呼を行い、艦娘達は各自風呂に入って
後は21時に就寝となる。
秘書艦の仕事も20時半で終了となる。しかし、木曾は21時に執務室に呼び出されていたので、それまでに木曾は
風呂を済ませておき、制服に着替えて執務室に行こうとする。が、そこでまるゆに声をかけられた。
まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」
木曾「あ、ああ。少し提督に呼ばれてな。多分戻るのは9時過ぎだから先に寝てていいぞ」
まるゆ「?はい、わかりました」
まるゆは深く尋ねずに部屋へと戻っていった。それを見送ると、木曾は執務室へと歩みを進めた。
木曾(どうしよう…俺に話って何だ…?)
そんな風に悶々と考えていると、気が付けば執務室の前にいた。
吹雪、白雪、初雪、深雪が遠征任務に出発した。そして、20時半に夜の点呼を行い、艦娘達は各自風呂に入って
後は21時に就寝となる。
秘書艦の仕事も20時半で終了となる。しかし、木曾は21時に執務室に呼び出されていたので、それまでに木曾は
風呂を済ませておき、制服に着替えて執務室に行こうとする。が、そこでまるゆに声をかけられた。
まるゆ「木曾さん、どうしたんですか?」
木曾「あ、ああ。少し提督に呼ばれてな。多分戻るのは9時過ぎだから先に寝てていいぞ」
まるゆ「?はい、わかりました」
まるゆは深く尋ねずに部屋へと戻っていった。それを見送ると、木曾は執務室へと歩みを進めた。
木曾(どうしよう…俺に話って何だ…?)
そんな風に悶々と考えていると、気が付けば執務室の前にいた。
63: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 16:15:47.96 ID:kKmkJfJq0
木曾は深呼吸をし、ノックをする。
提督「どぞー」
いつも通りの返事が聞こえてくる。しかし、今となっては木曾の不安を煽ることしかない。ちなみに、木曾の知る由
もないが、提督もこれからとても重要なことを伝えるので彼もすごい緊張している。
木曾「し、失礼する」
木曾がガチガチになって部屋に入ってきた。
提督「…どうした、お前?」
木曾「な、なんでもにゃい!」
思わず噛んでしまったが、提督も木曾も気づかない。それほど2人は緊張していた。
提督「そ、そうか。まぁ、まだ少し書類が残っているからそこに座っててくれ」
木曾「あ、だったら手伝うぜ」
提督「おお、すまないな」
すると提督は書類を半分木曾に渡し、少しの間2人で書類仕事を片付ける。
そして、21時15分。2人は仕事を終えた。
提督「どぞー」
いつも通りの返事が聞こえてくる。しかし、今となっては木曾の不安を煽ることしかない。ちなみに、木曾の知る由
もないが、提督もこれからとても重要なことを伝えるので彼もすごい緊張している。
木曾「し、失礼する」
木曾がガチガチになって部屋に入ってきた。
提督「…どうした、お前?」
木曾「な、なんでもにゃい!」
思わず噛んでしまったが、提督も木曾も気づかない。それほど2人は緊張していた。
提督「そ、そうか。まぁ、まだ少し書類が残っているからそこに座っててくれ」
木曾「あ、だったら手伝うぜ」
提督「おお、すまないな」
すると提督は書類を半分木曾に渡し、少しの間2人で書類仕事を片付ける。
そして、21時15分。2人は仕事を終えた。
64: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 16:36:23.29 ID:kKmkJfJq0
木曾「終わったぜ」
そう言って自分の分の書類を提督に渡す。すると、丁度提督もすべての書類を片付けたようだった。
提督「ありがとな」
そんな言葉を爽やかな笑顔で言われた。その笑顔に、木曾はドキッとした。
木曾(うぅ…だけど提督は…)
提督「さて、じゃあ早速話をしようと思うんだが…」
木曾「!」
木曾は運命の宣告をされたような感覚になった。しかし、木曾はいまさら後戻りできない。だが、提督も重要な
話をするため、入室禁止の札を執務室のドアにかけた。
木曾(うわぁやべぇもう後戻りできねぇやっぱここで真意を聞くしかないのか!?)
しかし、いざ聞くとなると、質問の内容が酷すぎるということに気づく。だがもう遅い。
木曾(やべぇこんなこと聞いて嫌われたらどうしよう!そしたら俺…沈むしかない…)
そう言って自分の分の書類を提督に渡す。すると、丁度提督もすべての書類を片付けたようだった。
提督「ありがとな」
そんな言葉を爽やかな笑顔で言われた。その笑顔に、木曾はドキッとした。
木曾(うぅ…だけど提督は…)
提督「さて、じゃあ早速話をしようと思うんだが…」
木曾「!」
木曾は運命の宣告をされたような感覚になった。しかし、木曾はいまさら後戻りできない。だが、提督も重要な
話をするため、入室禁止の札を執務室のドアにかけた。
木曾(うわぁやべぇもう後戻りできねぇやっぱここで真意を聞くしかないのか!?)
しかし、いざ聞くとなると、質問の内容が酷すぎるということに気づく。だがもう遅い。
木曾(やべぇこんなこと聞いて嫌われたらどうしよう!そしたら俺…沈むしかない…)
65: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 16:43:43.98 ID:kKmkJfJq0
提督は、木曾のうろたえっぷりを見て、先に木曾の話を聞いた方が木曾のためにもなるし、自分がリラックス
することもできるという結論に達した。
提督「…先に木曾の話を聞こう。かけてくれ」
そういうと、木曾に応接用のソファに座るように勧めた。
木曾「あ、ああ!」
(ええい、ままよ!)
そう言って、木曾はソファにどすん、と座った。提督が向かい側にゆっくりと座るのを見て、木曾は切り出した。
木曾「先に言っとく、何を言っても笑うなよ?」
提督「あ、ああ」
木曾「それと、引くなよ!?」
提督「わ、わかったよ」
木曾「あ、それと―」
提督「もうさっさと話せよ!」
木曾「よし、言うぞ…?」
木曾は全ての覚悟を決めて、こう言った。
することもできるという結論に達した。
提督「…先に木曾の話を聞こう。かけてくれ」
そういうと、木曾に応接用のソファに座るように勧めた。
木曾「あ、ああ!」
(ええい、ままよ!)
そう言って、木曾はソファにどすん、と座った。提督が向かい側にゆっくりと座るのを見て、木曾は切り出した。
木曾「先に言っとく、何を言っても笑うなよ?」
提督「あ、ああ」
木曾「それと、引くなよ!?」
提督「わ、わかったよ」
木曾「あ、それと―」
提督「もうさっさと話せよ!」
木曾「よし、言うぞ…?」
木曾は全ての覚悟を決めて、こう言った。
66: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 16:55:16.36 ID:kKmkJfJq0
木曾「………提督ってさ、ホモなの?」
提督「…はぁぁぁぁぁ!!?」
提督は大声を上げた。そんなことを木曾に聞かれるとは思わなかった。
提督「んなわけねぇだろ!!」
木曾「何!違うのか!?」
提督「違ぇよ!俺の行動のどこにそんな要素があるんだよ!?」
木曾「だって提督、他の提督と違って俺たち艦娘にセクハラとかエロい事とかしてこねぇじゃねぇか!」
提督「!」
提督はその一言で凍り付いた。
木曾「他の鎮守府の奴らと演習する度にその鎮守府の艦娘にセクハラされたことあるかって聞いたら、皆
されたことあるって言うし!前に聞いた愛宕に俺らの提督はしたことないって言ったら、『それは
あり得ないわねぇ』って言ってきたから!俺もう提督がホモなのかと思ってたよ!」
67: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 17:07:36.37 ID:kKmkJfJq0
木曾は声を荒げて語ると、提督がすごいヘコんでいるのに気付いた。
木曾「あ、すまねぇ…言い過ぎた」
提督「…そうか、まだ言ってなかったかな。俺がなんでお前たちにセクハラとかをしないのか」
木曾「え、理由があるのか?ホモとか枯れているとかそういう理由が」
提督「どっちでもねぇよ」
木曾「…よかったら、聞かせてくれねぇか?」
提督「木曾にならいいか…」
そう言って提督は一呼吸置き、ソファに深く座りなおした。
提督「お前たち艦娘は日々、深海棲艦たちと戦っているよな。それはもうはぐれ部隊の雑魚連中から、海域中枢部の
ボスまで。そして数々の戦闘で負傷し、終いには轟沈する奴らまでいる。俺は轟沈させた奴はいないが」
木曾は黙って提督の話を真剣な表情で聞いている。さっきのホモだ何だという話は完全に忘れたようだ。
提督「だけど、俺はどうだ?」
木曾「?」
木曾「あ、すまねぇ…言い過ぎた」
提督「…そうか、まだ言ってなかったかな。俺がなんでお前たちにセクハラとかをしないのか」
木曾「え、理由があるのか?ホモとか枯れているとかそういう理由が」
提督「どっちでもねぇよ」
木曾「…よかったら、聞かせてくれねぇか?」
提督「木曾にならいいか…」
そう言って提督は一呼吸置き、ソファに深く座りなおした。
提督「お前たち艦娘は日々、深海棲艦たちと戦っているよな。それはもうはぐれ部隊の雑魚連中から、海域中枢部の
ボスまで。そして数々の戦闘で負傷し、終いには轟沈する奴らまでいる。俺は轟沈させた奴はいないが」
木曾は黙って提督の話を真剣な表情で聞いている。さっきのホモだ何だという話は完全に忘れたようだ。
提督「だけど、俺はどうだ?」
木曾「?」
68: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 17:30:44.45 ID:kKmkJfJq0
提督「お前たちのトップである『提督』は安全な鎮守府の執務室で、ただお前たちに命令を下すだけ。
お前たちの痛みなんて知らず、自分は無傷だ。できることと言えば、執務室でお前らの成功を祈るか、
帰ってきたお前たちにご褒美をあげたり褒めてやるくらいだ。朝に帰ってきた遠征部隊みたいにな。」
木曾「……」
提督「だから、多くの戦闘で負傷したり疲労して、およそ女の子らしい生活を送れないお前たちに、疲れも痛み
も何も感じない俺みたいな『提督』がセクハラをするって言うのは少しおかしくないか?」
木曾「…そんな」
提督「おこがましいんだよ。俺みたいな安全地帯にいる奴が、戦いの中で傷ついたお前がさらに気づくようなことを
するなんてのはな。だから、俺はお前たちにセクハラなんていうことはしない」
木曾「お前…そんなことを…」
提督「もちろん、世の中の全ての提督がセクハラばっかりしている野郎じゃないんだろう。
でも、これだけは言える。お前らの『提督』はそんなことはしない。お前たちの痛み・苦しみをちゃんと
理解しているつもりだ。感情的な面でな」
提督は木曾をチラッと見た。すると、木曾は小刻みに震えていた。
提督(俺たち『提督』の実態を知って、怒りに震えているのか…。じゃ、こいつの話は無しだな…)
そう言って提督は、手元の書類と『小さな箱』をチラッと見た。
すると、木曾が震える声で呟いた。
お前たちの痛みなんて知らず、自分は無傷だ。できることと言えば、執務室でお前らの成功を祈るか、
帰ってきたお前たちにご褒美をあげたり褒めてやるくらいだ。朝に帰ってきた遠征部隊みたいにな。」
木曾「……」
提督「だから、多くの戦闘で負傷したり疲労して、およそ女の子らしい生活を送れないお前たちに、疲れも痛み
も何も感じない俺みたいな『提督』がセクハラをするって言うのは少しおかしくないか?」
木曾「…そんな」
提督「おこがましいんだよ。俺みたいな安全地帯にいる奴が、戦いの中で傷ついたお前がさらに気づくようなことを
するなんてのはな。だから、俺はお前たちにセクハラなんていうことはしない」
木曾「お前…そんなことを…」
提督「もちろん、世の中の全ての提督がセクハラばっかりしている野郎じゃないんだろう。
でも、これだけは言える。お前らの『提督』はそんなことはしない。お前たちの痛み・苦しみをちゃんと
理解しているつもりだ。感情的な面でな」
提督は木曾をチラッと見た。すると、木曾は小刻みに震えていた。
提督(俺たち『提督』の実態を知って、怒りに震えているのか…。じゃ、こいつの話は無しだな…)
そう言って提督は、手元の書類と『小さな箱』をチラッと見た。
すると、木曾が震える声で呟いた。
69: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 17:42:31.38 ID:kKmkJfJq0
木曾「…理解している『つもり』だと…?」
提督は眉をひそめた。どうしてそんなところに疑問を思っているのか。すると、木曾は叫んだ。
木曾「ふざっけんな!お前が俺たちの痛みを実感してんだってことは知ってるんだよ!!」
提督「木曾…?」
木曾は立ち上がり、提督の腕を掴んだ。
提督「おい、何するんだ!」
木曾は提督の声を無視して、右手の手袋を脱がした。
そして曝け出されたのは、包帯でグルグルに巻かれた右手だった。包帯からは血が滲み出ている。
提督「どうしてこれを知ってるんだ?」
木曾「前に俺らが港湾棲姫にボロ負けして帰ってきて、ここで報告した後、部屋から何かをドン、ドンって音が
聞こえてきて、覗いてみたらお前が机を思いっきり何度も叩いてるのが見えて…」
提督は眉をひそめた。どうしてそんなところに疑問を思っているのか。すると、木曾は叫んだ。
木曾「ふざっけんな!お前が俺たちの痛みを実感してんだってことは知ってるんだよ!!」
提督「木曾…?」
木曾は立ち上がり、提督の腕を掴んだ。
提督「おい、何するんだ!」
木曾は提督の声を無視して、右手の手袋を脱がした。
そして曝け出されたのは、包帯でグルグルに巻かれた右手だった。包帯からは血が滲み出ている。
提督「どうしてこれを知ってるんだ?」
木曾「前に俺らが港湾棲姫にボロ負けして帰ってきて、ここで報告した後、部屋から何かをドン、ドンって音が
聞こえてきて、覗いてみたらお前が机を思いっきり何度も叩いてるのが見えて…」
70: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 18:00:00.02 ID:kKmkJfJq0
提督の机には凹みがある。木曾が港湾棲姫戦前に、この傷のことを聞いたら花瓶を落としたと提督は言っていた。
また、執務室の本棚には傷がついていた。木曾がそのことを聞くと、提督は転んで頭をぶつけたと説明していた。
そして、提督の頭には包帯が巻いてあった。
木曾「お前が、俺たちが負傷して帰ってくる度に、自分の体を傷つけて俺たちと同じ痛みを感じようとしていることに
気づいたのはその港湾棲姫戦の時からだ。その後も、お前は自分の手にペンを突き刺したり、ナイフで自分の足
を傷つけていたよな?」
提督「見られていたのか…」
木曾「だから、俺らと同じ痛みを味わおうとしているんだから、それだけで俺たちは十分だよ。お前が、俺たちのこと
を理解しようとしているってだけで、俺たちは嬉しいよ。」
提督「……」
木曾「だから、俺はお前だけが安全地帯にいるなんて思わない。お前だけが楽をしているなんて思わない。そして、
お前のことを恨んでもないし、怒ってもいない」
また、執務室の本棚には傷がついていた。木曾がそのことを聞くと、提督は転んで頭をぶつけたと説明していた。
そして、提督の頭には包帯が巻いてあった。
木曾「お前が、俺たちが負傷して帰ってくる度に、自分の体を傷つけて俺たちと同じ痛みを感じようとしていることに
気づいたのはその港湾棲姫戦の時からだ。その後も、お前は自分の手にペンを突き刺したり、ナイフで自分の足
を傷つけていたよな?」
提督「見られていたのか…」
木曾「だから、俺らと同じ痛みを味わおうとしているんだから、それだけで俺たちは十分だよ。お前が、俺たちのこと
を理解しようとしているってだけで、俺たちは嬉しいよ。」
提督「……」
木曾「だから、俺はお前だけが安全地帯にいるなんて思わない。お前だけが楽をしているなんて思わない。そして、
お前のことを恨んでもないし、怒ってもいない」
71: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 18:13:03.64 ID:kKmkJfJq0
そう言って、木曾は提督を抱きしめた。
木曾「…お前はもう十分俺たちの痛み・苦しみを理解しているよ。そして、ありがとう…。俺たちのことを
理解しようとしてくれて…」
提督「……そうか、俺はお前たちのことを理解できたのか…?」
そう呟いた提督の声は震えていた。木曾が顔を上げると、提督は涙目だった。
木曾「…泣きたいなら、泣いてもいいぜ。今ここには俺とお前しかない。俺の胸で泣いてもいいよ」
そう言うと、提督は木曾の胸に顔を押し付けて泣き始めた。
提督「う、うぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
提督は子供のように声を上げて泣きじゃくった。そんな提督を、木曾はさらに優しく抱きしめた。
木曾(本当に、ありがとう…)
木曾「…お前はもう十分俺たちの痛み・苦しみを理解しているよ。そして、ありがとう…。俺たちのことを
理解しようとしてくれて…」
提督「……そうか、俺はお前たちのことを理解できたのか…?」
そう呟いた提督の声は震えていた。木曾が顔を上げると、提督は涙目だった。
木曾「…泣きたいなら、泣いてもいいぜ。今ここには俺とお前しかない。俺の胸で泣いてもいいよ」
そう言うと、提督は木曾の胸に顔を押し付けて泣き始めた。
提督「う、うぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
提督は子供のように声を上げて泣きじゃくった。そんな提督を、木曾はさらに優しく抱きしめた。
木曾(本当に、ありがとう…)
72: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 18:32:02.30 ID:kKmkJfJq0
ひとしきり泣いた後、提督は木曾の胸から顔を離した。提督の顔は涙と鼻水で濡れていて、眼は赤く充血している。
木曾は、提督の顔を拭いてあげた。
木曾「まさかお前があそこまで泣くとはな」
提督「…そうだな。あんなに泣いたのはガキの時にお袋に殴られた時以来だな」
そんな冗談を言うと、木曾はクスッと笑った。すると提督は、思い出したように木曾に聞いた。
提督「そういえばお前、演習した相手の艦娘達に『セクハラされたことがあるか』を聞きまわっていたんだよな?」
木曾「ああ。それがどうした?」
提督「…ぶっちゃけ、お前多分その聞かれた艦娘から見れば相当変な奴に見られたんじゃないか?」
木曾「……あ」
提督「…まさか、考えたことがなかったのか?」
木曾「~~~~~~~~~!!///」
提督「おい待てやめろ!なぜ俺を殴る!!」
木曾「うるせぇ!とりあえず殴られろ!///」
そんな感じで半ば八つ当たりで木曾に十数発殴られた。
木曾は、提督の顔を拭いてあげた。
木曾「まさかお前があそこまで泣くとはな」
提督「…そうだな。あんなに泣いたのはガキの時にお袋に殴られた時以来だな」
そんな冗談を言うと、木曾はクスッと笑った。すると提督は、思い出したように木曾に聞いた。
提督「そういえばお前、演習した相手の艦娘達に『セクハラされたことがあるか』を聞きまわっていたんだよな?」
木曾「ああ。それがどうした?」
提督「…ぶっちゃけ、お前多分その聞かれた艦娘から見れば相当変な奴に見られたんじゃないか?」
木曾「……あ」
提督「…まさか、考えたことがなかったのか?」
木曾「~~~~~~~~~!!///」
提督「おい待てやめろ!なぜ俺を殴る!!」
木曾「うるせぇ!とりあえず殴られろ!///」
そんな感じで半ば八つ当たりで木曾に十数発殴られた。
73: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 18:50:34.12 ID:kKmkJfJq0
一通り殴った後、木曾は提督に聞いた。
木曾「そういえばお前も、俺に話があるんじゃないのか?」
提督「…ぐふっ、そ、そうだった…」
そう言うと、提督は手元に置いてあった書類とタブレットPCを取り出した。書類には"最重要案件"と書いてある。
そして提督はタブレットPCの画面を木曾に見せた。
提督「これは、うちの艦隊全員のリストだ。個人の性能、装備品が載っている。そしてこれは、錬度の高い順に
並んでいる。」
一番上に載っているのは、レベル99の木曾だった。
提督「今日の演習で、お前の錬度(レベル)は上限の99になった。これ以上はいくら戦闘をしようが演習をしようが
お前の錬度は上がらない」
木曾(まさか…)
木曾は、提督は錬度が上がらなくなった自分を解体処分するのではないかと危惧した。しかし、提督もそんな残酷な
ことをしようとは微塵も思っていない。
提督「だが、例外もある」
木曾「?」
提督「ケッコンカッコカリというシステムがある。それは、錬度が上限99となった艦娘に指輪を渡すことで、艦娘の性能
の制限を開放することだ」
木曾「結婚…(仮)…?まさか、お前…」
木曾「そういえばお前も、俺に話があるんじゃないのか?」
提督「…ぐふっ、そ、そうだった…」
そう言うと、提督は手元に置いてあった書類とタブレットPCを取り出した。書類には"最重要案件"と書いてある。
そして提督はタブレットPCの画面を木曾に見せた。
提督「これは、うちの艦隊全員のリストだ。個人の性能、装備品が載っている。そしてこれは、錬度の高い順に
並んでいる。」
一番上に載っているのは、レベル99の木曾だった。
提督「今日の演習で、お前の錬度(レベル)は上限の99になった。これ以上はいくら戦闘をしようが演習をしようが
お前の錬度は上がらない」
木曾(まさか…)
木曾は、提督は錬度が上がらなくなった自分を解体処分するのではないかと危惧した。しかし、提督もそんな残酷な
ことをしようとは微塵も思っていない。
提督「だが、例外もある」
木曾「?」
提督「ケッコンカッコカリというシステムがある。それは、錬度が上限99となった艦娘に指輪を渡すことで、艦娘の性能
の制限を開放することだ」
木曾「結婚…(仮)…?まさか、お前…」
74: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 18:59:45.77 ID:kKmkJfJq0
そして、提督はそばに置いてあった小さい箱を開け、中の指輪を木曾に見せながら言った。
提督「木曾、カッコカリだが…俺と結婚してくれないか?」
木曾は、提督が何を言っているのか一瞬わからなかった。
木曾「へ、え、お前、何言ってんだ…?」
提督「もう一度言う。カッコカリだが、俺と結婚してくれないか?」
さっきと同じことを言われ、木曾は、自分の奥から熱いものが込み上げてくるのがわかった。
木曾「なんで、俺なんかに…」
提督「ぶっちゃけ言えば、俺、初めて会った時からお前のことが好きだったんだ。いわゆる一目ぼれってヤツだな…」
木曾「一目ぼれ…?俺のどこに…?」
提督「どこって言われると難しいんだが…その、勇ましさとか、強気な感じとかが…言わせんなはずかしい///」
木曾「そ、そっか…へへへ…」
自分でもわからない笑いが口から出てきた。そこで木曾はこう返した。
提督「木曾、カッコカリだが…俺と結婚してくれないか?」
木曾は、提督が何を言っているのか一瞬わからなかった。
木曾「へ、え、お前、何言ってんだ…?」
提督「もう一度言う。カッコカリだが、俺と結婚してくれないか?」
さっきと同じことを言われ、木曾は、自分の奥から熱いものが込み上げてくるのがわかった。
木曾「なんで、俺なんかに…」
提督「ぶっちゃけ言えば、俺、初めて会った時からお前のことが好きだったんだ。いわゆる一目ぼれってヤツだな…」
木曾「一目ぼれ…?俺のどこに…?」
提督「どこって言われると難しいんだが…その、勇ましさとか、強気な感じとかが…言わせんなはずかしい///」
木曾「そ、そっか…へへへ…」
自分でもわからない笑いが口から出てきた。そこで木曾はこう返した。
75: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 19:08:34.61 ID:kKmkJfJq0
木曾「実は、さ、俺もお前のことが好きだったんだよ」
提督「…は?」
木曾「さっき言ったように、お前は俺たち艦娘の痛みを理解しようとしてくれた。そしてお前は、誰よりも優しい男
だっていうのは、お前の秘書艦としてお前の傍にいて気づいた。俺は、お前のそういうところが好きなんだ。」
提督「そんな、まさか…」
木曾「ああ、そのまさかだ。今日はっきりした。俺たちは、長い間両想いだったんだよ」
提督「…へっ」
そう息を吐くと、提督は鼻の下を指でこすった。
提督「そうか、俺たちは互いに両想い、ね」
木曾「ああ。いいね、こういうの」
2人の口から笑みがこぼれた。
提督「っていうことは、その、返事は…」
木曾は、当たり前のように満面の笑みで言った。
76: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 19:15:34.97 ID:kKmkJfJq0
木曾「おう、お前のプロポーズ、受け取るぜ!」
その言葉を聞いて、提督はまた泣きそうになった。そして俯きながら言った。
提督「そっか、ありがとうな。本当にありがとうな…!こんな俺でもよろしく頼む…!」
木曾「こちらこそ。というか、男がそう何度も泣くなよ。ほら、顔を上げろ」
提督はそう言われて顔を上げる。すると、両頬に木曾の手が添えられ…
木曾「んっ…」
提督「!」
2人は口づけを交わした。
数秒の間、唇を合わせた後、木曾はやっと唇を離した。そして、若干顔を赤らめて聞いた。
木曾「…どうだった?」
提督「…どうといわれても…な」
木曾「そっか…。ちなみに、キスをしたことは…?」
提督「あるわけねぇだろ…。お前が初めてだよ」
木曾「そっか…。お前の初めてがもらえてよかったぜ」
77: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 19:18:17.00 ID:kKmkJfJq0
そして木曾は挑むように言った。
木曾「なぁ…結婚したらその夜は…わかるよな?」
提督「……いいのか?」
木曾「…お前にされるなら」
そういうと2人は、執務室の隣にある提督の私室へと向かった。
木曾「なぁ…結婚したらその夜は…わかるよな?」
提督「……いいのか?」
木曾「…お前にされるなら」
そういうと2人は、執務室の隣にある提督の私室へと向かった。
78: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 19:20:17.51 ID:kKmkJfJq0
ここで一回切ります。再開予定時刻は21時過ぎの予定です。
ここで、このスレで唯一(かもしれない)の安価を取ります。
提督と木曾の夜戦、ゴーorカット?
↓3までで多数決
ここで、このスレで唯一(かもしれない)の安価を取ります。
提督と木曾の夜戦、ゴーorカット?
↓3までで多数決
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/26(金) 20:00:21.70 ID:VvUtkS3Co
ゴーしかないやろ
84: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 21:28:35.90 ID:kKmkJfJq0
提督の私室は少し殺風景だった。部屋の隅には本棚、中央に小さいテーブル、壁際にベッド。それだけである。
提督「木曾、本当にいいんだな?」
木曾「ああ、お前になら、本望だよ」
提督は、「そうか」と呟くともう一度木曾と唇を交わした。
木曾「ん…っ」
提督は、木曾の口の中に舌を入れた。ディープ・キスというヤツだ。
木曾「ん…?何が…っ!」
木曾の体が少しだけ震えた。そして少しの間だけディープキスをした後、唇を離した。2人の口から唾液が糸を引く。
木曾は少し顔が赤くなっていた。
木曾「ハァ…ハァ…何をした?」
提督「ちょっと、大人なキスを」
そして提督は木曾の眼帯を外そうとした。
木曾「ま、待て!せめて電気を消してから―」
提督「断る」
木曾の懇願を却下して、提督は木曾の眼帯を静かに外した。
提督「木曾、本当にいいんだな?」
木曾「ああ、お前になら、本望だよ」
提督は、「そうか」と呟くともう一度木曾と唇を交わした。
木曾「ん…っ」
提督は、木曾の口の中に舌を入れた。ディープ・キスというヤツだ。
木曾「ん…?何が…っ!」
木曾の体が少しだけ震えた。そして少しの間だけディープキスをした後、唇を離した。2人の口から唾液が糸を引く。
木曾は少し顔が赤くなっていた。
木曾「ハァ…ハァ…何をした?」
提督「ちょっと、大人なキスを」
そして提督は木曾の眼帯を外そうとした。
木曾「ま、待て!せめて電気を消してから―」
提督「断る」
木曾の懇願を却下して、提督は木曾の眼帯を静かに外した。
85: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 21:37:22.94 ID:kKmkJfJq0
提督「へぇ…」
木曾「ジロジロ見るなよ…オッドアイなんて、気持ち悪いだろ…?」
木曾の左目はモスグリーンだが、今曝け出された木曾の右目はレモンイエローだった。
提督「何言ってるんだ。すごい綺麗だぞ…」
木曾「そんな、綺麗なんて…そんなこと―」
また愚痴りそうになった木曾の口をキスで塞ぐ。
木曾「んぐっ…ん…」
少しの間キスをした後、提督は木曾のセーラー服を脱がしにかかる。
木曾「ま、待って、やっぱり電気を消して…」
提督「はいはいばんざーいしてー」
木曾は提督に言われるがまま手を上げてしまう。すると、セーラー服の上着が脱がされた。
木曾「ジロジロ見るなよ…オッドアイなんて、気持ち悪いだろ…?」
木曾の左目はモスグリーンだが、今曝け出された木曾の右目はレモンイエローだった。
提督「何言ってるんだ。すごい綺麗だぞ…」
木曾「そんな、綺麗なんて…そんなこと―」
また愚痴りそうになった木曾の口をキスで塞ぐ。
木曾「んぐっ…ん…」
少しの間キスをした後、提督は木曾のセーラー服を脱がしにかかる。
木曾「ま、待って、やっぱり電気を消して…」
提督「はいはいばんざーいしてー」
木曾は提督に言われるがまま手を上げてしまう。すると、セーラー服の上着が脱がされた。
86: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 21:49:51.29 ID:kKmkJfJq0
提督「驚いたな、普通に女の子っぽい下着だ」
木曾がつけていたブラジャーは、スポーツブラかと思いきや、普通の水色のブラだった。
木曾「…意外か…?」
提督「ああ、お前のことだからスポーツブラとか、もしくはノーブラとか―」
木曾「フンッ!」
木曾は提督のおでこに頭突きをした。
提督「お…お…痛ぇ…」
木曾「…脱がすんなら…早くしてくれないか…?恥ずかしいんだ」
提督「じゃ、お望み通りに」
そう言うと、提督は木曾の背中に手を回し、ブラのホックを外した。提督が手を離すと、ブラが床に落ちた。
ブラに隠されていたのは少し控えめだが形のいい胸があった。そして、二つの胸の中心には既に硬くなっていた
ピンク色の乳首が。
木曾「ハァ…ハァ…」
木曾は、少し声を荒げていた。自分の好きな人に見られているだけで、興奮してしまうのだ。
木曾がつけていたブラジャーは、スポーツブラかと思いきや、普通の水色のブラだった。
木曾「…意外か…?」
提督「ああ、お前のことだからスポーツブラとか、もしくはノーブラとか―」
木曾「フンッ!」
木曾は提督のおでこに頭突きをした。
提督「お…お…痛ぇ…」
木曾「…脱がすんなら…早くしてくれないか…?恥ずかしいんだ」
提督「じゃ、お望み通りに」
そう言うと、提督は木曾の背中に手を回し、ブラのホックを外した。提督が手を離すと、ブラが床に落ちた。
ブラに隠されていたのは少し控えめだが形のいい胸があった。そして、二つの胸の中心には既に硬くなっていた
ピンク色の乳首が。
木曾「ハァ…ハァ…」
木曾は、少し声を荒げていた。自分の好きな人に見られているだけで、興奮してしまうのだ。
87: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:00:31.31 ID:kKmkJfJq0
提督「もう勃起してる…まさか、キスだけで感じちゃった?」
木曾「……」
提督のそんな質問に、木曾は目をそらした。そんな反応を見て、提督は木曾の乳首をペロッと舐めた。
木曾「っ…!」
提督は右の乳首を指で弄りながら、左の乳首を舐めたり吸ったりする。
木曾「あ、んあっ、や、まてっ…」
木曾が、喘ぎ声を我慢しているのに艶めかしい声が漏れているのを聞くと、提督の興奮も増す。
提督(そろそろ、こっちも…)
そう言って提督は木曾のスカートに手をかけた。一応木曾に確認を取る。
提督「いいか?」
木曾「…ああ。」
木曾の返事を聞いて、提督は木曾のスカートとパンツを脱がした。
木曾「……」
提督のそんな質問に、木曾は目をそらした。そんな反応を見て、提督は木曾の乳首をペロッと舐めた。
木曾「っ…!」
提督は右の乳首を指で弄りながら、左の乳首を舐めたり吸ったりする。
木曾「あ、んあっ、や、まてっ…」
木曾が、喘ぎ声を我慢しているのに艶めかしい声が漏れているのを聞くと、提督の興奮も増す。
提督(そろそろ、こっちも…)
そう言って提督は木曾のスカートに手をかけた。一応木曾に確認を取る。
提督「いいか?」
木曾「…ああ。」
木曾の返事を聞いて、提督は木曾のスカートとパンツを脱がした。
88: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:18:18.18 ID:kKmkJfJq0
木曾「うぅ…」
木曾の膣からは、少しだけ蜜が流れていて、毛は生えていなかった。木曾は顔を横へ向けた。
提督は、木曾の膣に顔を近づけた。少し息を吐く。
木曾「う、ん…息、吐くな…っ!」
そして提督は舌で膣を一舐めした。
木曾「ああ、んん!」
木曾がブルリ、と震えた。その反応が可愛くて、愛おしい。そう感じると提督は木曾の膣内に舌を入れる。
提督「ペロッ、ジュルルッ、ジュズズッ、クチュチュッ」
木曾「や、やめっ、そんなに、ひっ、舐めるな、っ!あン…っ」
提督は、普段強気な木曾がこんな色っぽい喘ぎ声を出すせいで興奮が止まらない。そんな興奮が提督を掻き立てる。
そしてそれにつれて、提督の舌の動きも早くなる。
提督「ジュルルルッ、ンチュッ、チュゥゥゥゥッ、ジュブブッ!」
木曾「やめ、待って、ひあっ、もう、んんっ、イクぅ…ッ!」
木曾の膣からは、少しだけ蜜が流れていて、毛は生えていなかった。木曾は顔を横へ向けた。
提督は、木曾の膣に顔を近づけた。少し息を吐く。
木曾「う、ん…息、吐くな…っ!」
そして提督は舌で膣を一舐めした。
木曾「ああ、んん!」
木曾がブルリ、と震えた。その反応が可愛くて、愛おしい。そう感じると提督は木曾の膣内に舌を入れる。
提督「ペロッ、ジュルルッ、ジュズズッ、クチュチュッ」
木曾「や、やめっ、そんなに、ひっ、舐めるな、っ!あン…っ」
提督は、普段強気な木曾がこんな色っぽい喘ぎ声を出すせいで興奮が止まらない。そんな興奮が提督を掻き立てる。
そしてそれにつれて、提督の舌の動きも早くなる。
提督「ジュルルルッ、ンチュッ、チュゥゥゥゥッ、ジュブブッ!」
木曾「やめ、待って、ひあっ、もう、んんっ、イクぅ…ッ!」
89: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:25:39.40 ID:kKmkJfJq0
最後に提督が、クリトリスを甘噛みする。
木曾「もう、ダメ…っ!」
そして、木曾はついに―
木曾「んあああああああああああっ!」
絶頂に達した。それと同時に、膣口から潮が噴き出た。
木曾「あ…あう…」
木曾はブルブルと震えながら提督に寄り掛かった。
提督「木曾、すげーエロかったよ…」
すると、木曾は涙目で提督にこう言った。
木曾「はぁ、お前も、っ、気持ちよくさせてやる…!」
そう言って木曾は提督の股間に手を置いた。
木曾「もう、ダメ…っ!」
そして、木曾はついに―
木曾「んあああああああああああっ!」
絶頂に達した。それと同時に、膣口から潮が噴き出た。
木曾「あ…あう…」
木曾はブルブルと震えながら提督に寄り掛かった。
提督「木曾、すげーエロかったよ…」
すると、木曾は涙目で提督にこう言った。
木曾「はぁ、お前も、っ、気持ちよくさせてやる…!」
そう言って木曾は提督の股間に手を置いた。
90: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:39:36.05 ID:kKmkJfJq0
木曾「!」
木曾の手には、提督のモノが硬くなっているのが衣服越しにわかった。
木曾「……っ!」
木曾は意を決して、提督のベルトを外し、ズボンとパンツを脱がした。
すると、提督の男根が木曾の目の前に突き出された。
木曾(これが…提督の…)
そして、木曾は提督の男根に手を添えて上下に動かし始めた。
提督「……っく!」
提督が身じろぎをした。木曾は、自分のおかげで提督が気持ちよくなっていると思うと、少し嬉しかった。
そう思うと、木曾は上下に動かす速度を速める。今度は動かしている最中に手首を少し捻ったり、親指で亀頭を
撫でたりする。
提督「木曾、待って、速っ、くぉっ!」
すると、提督の男根がプルプルと震え始めた。もうすぐ射精が近いのだ。木曾はそれに気づくと、手を動かすのを
やめた。
提督「ハァ、ハァ…木曾…?」
提督の問いを無視して、木曾は男根を口に含んだ。
木曾の手には、提督のモノが硬くなっているのが衣服越しにわかった。
木曾「……っ!」
木曾は意を決して、提督のベルトを外し、ズボンとパンツを脱がした。
すると、提督の男根が木曾の目の前に突き出された。
木曾(これが…提督の…)
そして、木曾は提督の男根に手を添えて上下に動かし始めた。
提督「……っく!」
提督が身じろぎをした。木曾は、自分のおかげで提督が気持ちよくなっていると思うと、少し嬉しかった。
そう思うと、木曾は上下に動かす速度を速める。今度は動かしている最中に手首を少し捻ったり、親指で亀頭を
撫でたりする。
提督「木曾、待って、速っ、くぉっ!」
すると、提督の男根がプルプルと震え始めた。もうすぐ射精が近いのだ。木曾はそれに気づくと、手を動かすのを
やめた。
提督「ハァ、ハァ…木曾…?」
提督の問いを無視して、木曾は男根を口に含んだ。
91: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:47:44.73 ID:kKmkJfJq0
提督「うぉぉっ!?」
木曾「ん、んぶっ、んんっ」
(苦い、イカ臭い、でも、なんでか幸せ…)
木曾は、口を動かしつつ下で男根を舐めまわした。すると、提督が木曾の頭を掴んだ。
木曾「んぶっ!?」
提督「ごめん…無理、出っ!」
その瞬間、木曾の口の中で、男根から濃い精液が発射された。
木曾「んんんんんっ!!」
喉の奥に、提督の精液が流れ込んでくる。木曾はそれを何とか飲み込もうとしている。
木曾「ん、ん、ん…」
精液を出し切ると木曾の口から男根を抜き出した。
提督「わ、悪い、すぐにティッシュを―」
木曾「ごくっ」
提督「へ?」
木曾「ん、んぶっ、んんっ」
(苦い、イカ臭い、でも、なんでか幸せ…)
木曾は、口を動かしつつ下で男根を舐めまわした。すると、提督が木曾の頭を掴んだ。
木曾「んぶっ!?」
提督「ごめん…無理、出っ!」
その瞬間、木曾の口の中で、男根から濃い精液が発射された。
木曾「んんんんんっ!!」
喉の奥に、提督の精液が流れ込んでくる。木曾はそれを何とか飲み込もうとしている。
木曾「ん、ん、ん…」
精液を出し切ると木曾の口から男根を抜き出した。
提督「わ、悪い、すぐにティッシュを―」
木曾「ごくっ」
提督「へ?」
92: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 22:53:54.77 ID:kKmkJfJq0
木曾は精液を全て飲み込んだ。
木曾「ぷはぁ…っ、ゲホッ、ゲホッ」
提督「おい、バカ、辛いなら飲まなくても…」
すると木曾は、少し微笑んで言った。
木曾「苦かった…だけど、提督を感じられてよかったよ…」
その言葉を聞くと、提督の男根がさらに硬さを取り戻した。
木曾「…まだやれそうだな。じゃ、そろそろ…」
提督「…ああ」
そして2人はベッドに寝転がった。木曾がベッドの端に寝転がり、提督がその上に覆いかぶさるような体形になる。
提督「本当にいいんだな?引き返すなら今のうちだぞ」
木曾「いつまで言ってんだ。こっちもそろそろ限界なんだ。お前もだろ?」
提督「ちなみに俺は初めてだが」
木曾「こっちもだ」
そう言い合うと、2人は笑い、そして提督が自分の男根を木曾の膣口にあてがう。
木曾「ぷはぁ…っ、ゲホッ、ゲホッ」
提督「おい、バカ、辛いなら飲まなくても…」
すると木曾は、少し微笑んで言った。
木曾「苦かった…だけど、提督を感じられてよかったよ…」
その言葉を聞くと、提督の男根がさらに硬さを取り戻した。
木曾「…まだやれそうだな。じゃ、そろそろ…」
提督「…ああ」
そして2人はベッドに寝転がった。木曾がベッドの端に寝転がり、提督がその上に覆いかぶさるような体形になる。
提督「本当にいいんだな?引き返すなら今のうちだぞ」
木曾「いつまで言ってんだ。こっちもそろそろ限界なんだ。お前もだろ?」
提督「ちなみに俺は初めてだが」
木曾「こっちもだ」
そう言い合うと、2人は笑い、そして提督が自分の男根を木曾の膣口にあてがう。
93: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 23:00:16.39 ID:kKmkJfJq0
提督「少し痛いぞ…」
提督はそう言うと、自分の男根を木曾のナカに押し入れていく。
木曾「んんっ…」
すると、提督は亀頭が何かにあたる感覚を得た。木曾の、純潔の証の処女膜だった。
提督「我慢しろよっ!」
そして、力を入れて膜を突き破った。
木曾「ぐ、ぎあああああああああああああああ!!」
木曾が苦痛の叫び声を上げた。そして、膣口からは少量の鮮血が流れ出てきた。
提督「だ、大丈夫か?俺がやっといてなんだけど…」
木曾「ああ、スゲー痛い…敵の攻撃を受けた時よりもずっと…」
提督「少し、動かないでおくから、楽になったら言ってくれ…」
そして挿入した状態で待つこと数分。木曾が少し掠れた声で言った。
木曾「提督、もう動いてもいいぜ…?」
提督「いいのか?」
木曾「ああ、痛みもだいぶ引いてきた…」
提督「そうか…じゃあ、最初はゆっくりいくぞ…」
提督はそう言うと、自分の男根を木曾のナカに押し入れていく。
木曾「んんっ…」
すると、提督は亀頭が何かにあたる感覚を得た。木曾の、純潔の証の処女膜だった。
提督「我慢しろよっ!」
そして、力を入れて膜を突き破った。
木曾「ぐ、ぎあああああああああああああああ!!」
木曾が苦痛の叫び声を上げた。そして、膣口からは少量の鮮血が流れ出てきた。
提督「だ、大丈夫か?俺がやっといてなんだけど…」
木曾「ああ、スゲー痛い…敵の攻撃を受けた時よりもずっと…」
提督「少し、動かないでおくから、楽になったら言ってくれ…」
そして挿入した状態で待つこと数分。木曾が少し掠れた声で言った。
木曾「提督、もう動いてもいいぜ…?」
提督「いいのか?」
木曾「ああ、痛みもだいぶ引いてきた…」
提督「そうか…じゃあ、最初はゆっくりいくぞ…」
94: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 23:07:22.18 ID:kKmkJfJq0
そう言うと提督は、低速のピストン運動を始めた。
木曾「ん、あっ、あっ、うっ、んっ」
木曾も少しずつ感じ始めた。その反応を見ると、提督は少しずつピストン運動を速めた。
木曾「んあっ、あっ、いっ、これっ、気持ちいっ、くっ、ひゃっ…!」
提督「これっ、俺もっ、気持ちいいっ…!」
提督も、自分の男根が木曾の膣圧で気持ちよくなっているのがわかる。そして、膣内を陰茎がこすれて気もちいのか
木曾も蕩けた表情を浮かべている。その表情を見て、提督は木曾に熱い口づけをした。
提督「んんんっ!」
木曾「んぶっ!」
提督はこれ以上早くできないくらい腰の動きを速めた。
木曾「提督っ、あんっ、ひんっ、くっ、うぁっ…!」
提督「ああっ、くっ、腰止まんねっ…!」
木曾「ん、あっ、あっ、うっ、んっ」
木曾も少しずつ感じ始めた。その反応を見ると、提督は少しずつピストン運動を速めた。
木曾「んあっ、あっ、いっ、これっ、気持ちいっ、くっ、ひゃっ…!」
提督「これっ、俺もっ、気持ちいいっ…!」
提督も、自分の男根が木曾の膣圧で気持ちよくなっているのがわかる。そして、膣内を陰茎がこすれて気もちいのか
木曾も蕩けた表情を浮かべている。その表情を見て、提督は木曾に熱い口づけをした。
提督「んんんっ!」
木曾「んぶっ!」
提督はこれ以上早くできないくらい腰の動きを速めた。
木曾「提督っ、あんっ、ひんっ、くっ、うぁっ…!」
提督「ああっ、くっ、腰止まんねっ…!」
95: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/26(金) 23:15:14.38 ID:kKmkJfJq0
すると、木曾の膣がピクピクと震え始めた。そろそろ絶頂が近いのだ。そして、提督も同時に限界が近かった。
提督「木曾っ、そろそろっ…!」
木曾「ああっ、俺もっ、だぁっ…!一緒に…イコうっ!」
そして、木曾は足を提督の腰に回した。
提督「おいっ、くぅっ!」
木曾「大丈夫、だっ、俺たち艦娘はっ、艦娘をやめない限りっ、妊娠しないっ!」
提督「そうかっ、じゃぁっ、中に出すぞっ!」
木曾「ああっ、中にっ、全部出してっ、くれぇ!」
そして―
木曾「うああああああああああああああっ!」
木曾が絶頂に到達した。それと同時に、膣内の男根も膣圧で締め付けられる。
提督「く、おっ…!」
そして提督も達し、木曾の膣内にあらん限りの精液を注ぎ込んだ。
提督「ハァッ、ハァッ…!」
木曾「ああ…中に…提督のが…いっぱい、出てる…」
射精が止まると、提督は男根を膣から抜いた。すると、膣口から精液が溢れてきた。
木曾「はぁ、初めてだったが、気持ちよかったよ…ありがとう…」
木曾は満面の笑みを提督に向けた。そして提督の首に手を回し、もう一度熱いキスをした。
提督「木曾っ、そろそろっ…!」
木曾「ああっ、俺もっ、だぁっ…!一緒に…イコうっ!」
そして、木曾は足を提督の腰に回した。
提督「おいっ、くぅっ!」
木曾「大丈夫、だっ、俺たち艦娘はっ、艦娘をやめない限りっ、妊娠しないっ!」
提督「そうかっ、じゃぁっ、中に出すぞっ!」
木曾「ああっ、中にっ、全部出してっ、くれぇ!」
そして―
木曾「うああああああああああああああっ!」
木曾が絶頂に到達した。それと同時に、膣内の男根も膣圧で締め付けられる。
提督「く、おっ…!」
そして提督も達し、木曾の膣内にあらん限りの精液を注ぎ込んだ。
提督「ハァッ、ハァッ…!」
木曾「ああ…中に…提督のが…いっぱい、出てる…」
射精が止まると、提督は男根を膣から抜いた。すると、膣口から精液が溢れてきた。
木曾「はぁ、初めてだったが、気持ちよかったよ…ありがとう…」
木曾は満面の笑みを提督に向けた。そして提督の首に手を回し、もう一度熱いキスをした。
100: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 20:49:24.05 ID:C7qnZGWk0
初体験を終えた二人は、提督のベッドで裸で寄り添い合って寝ていた。さすがに少し寒かったので掛け布団を
かけていたが。そこで木曾が、提督に聞いた。
木曾「一つ聞きたいんだけどさ、もしかして演習の時いつも俺を旗艦にしてたのって、錬度を早くあげるためか?」
提督「ん?ああ、艦隊の旗艦は自分の部隊のメンバーを指揮することがあるから、もらえる経験値が従属艦がもらえる
基本経験値より少し高いんだ。それに演習で強い奴と対戦すれば、もらえる経験値もグーンと上がるからな」
木曾「…その強い奴と戦う度に、俺たちは負傷しちまうんだが…?」
提督「う…す、すまん」
提督が両手を合わせた。だが、木曾はそんな提督を責めはせず、優しく抱きしめた。
木曾「いいんだ。それだけ、俺に惚れ込んでたってことだろ?なら素直に嬉しいよ、ありがとう。」
提督「…ああ、そうだ、忘れてた」
何かを思い出したかのように、提督はベッドから起き上がり、そばのテーブルに置いてあった小さな箱を掴んだ。
提督「木曾、左手を出せ」
木曾「?」
木曾は言われるがままに提督に左手を差し出す。すると、提督は箱から取り出した指輪を木曾の左手薬指に優しく
はめた。
提督「木曾、これからもよろしく頼む」
木曾は自分の薬指にはめられた指輪を少し見つめて、少し涙目な笑顔で答えた。
かけていたが。そこで木曾が、提督に聞いた。
木曾「一つ聞きたいんだけどさ、もしかして演習の時いつも俺を旗艦にしてたのって、錬度を早くあげるためか?」
提督「ん?ああ、艦隊の旗艦は自分の部隊のメンバーを指揮することがあるから、もらえる経験値が従属艦がもらえる
基本経験値より少し高いんだ。それに演習で強い奴と対戦すれば、もらえる経験値もグーンと上がるからな」
木曾「…その強い奴と戦う度に、俺たちは負傷しちまうんだが…?」
提督「う…す、すまん」
提督が両手を合わせた。だが、木曾はそんな提督を責めはせず、優しく抱きしめた。
木曾「いいんだ。それだけ、俺に惚れ込んでたってことだろ?なら素直に嬉しいよ、ありがとう。」
提督「…ああ、そうだ、忘れてた」
何かを思い出したかのように、提督はベッドから起き上がり、そばのテーブルに置いてあった小さな箱を掴んだ。
提督「木曾、左手を出せ」
木曾「?」
木曾は言われるがままに提督に左手を差し出す。すると、提督は箱から取り出した指輪を木曾の左手薬指に優しく
はめた。
提督「木曾、これからもよろしく頼む」
木曾は自分の薬指にはめられた指輪を少し見つめて、少し涙目な笑顔で答えた。
101: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 21:02:02.28 ID:C7qnZGWk0
木曾「ああ、こちらこそ、よろしく頼むぜ!」
そう言って2人はもう一度、抱き合った。
翌朝、提督と木曾が起きると、朝5時50分。2人は急いで服を着ると、運動場へ駆け出した。既に全ての艦娘は
集合し整列している。ほとんどの艦娘が、2人が遅れたことに対してすごく疑問に思っていた。そして、昨夜のことが
思い出されたのか、木曾は朝礼の最中終始もじもじしていたし、提督の朝の言葉はすごくぎこちなかった。
朝礼が終わった後、食堂の朝食で木曾の向かいの席に着いたまるゆはこう切り出した。
まるゆ「木曾さん!昨日の夜はどこ行ってたんですか!朝になっても布団にいなかったのですっごく心配しましたよ!
朝は遅刻してきた上にもじもじしていたし、本当にどうしたんですか!?」
木曾「あ、ああすまねぇ。提督との用事が長引いてな…」
まるゆ「…ふえ?夜に…提督と…用事…もじもじ…?」
まるゆは、木曾の言ったことを吟味し、そこから予想できる昨夜木曾の身に起きたことを想像した。そして、まるゆは
顔をボンッと赤くすると机に突っ伏してしまった。
まるゆ「ふえぇぇぇぇぇ…木曾さんが、提督と…///」
木曾はまるゆが何を想像したのかが理解できたが、間違えてはいないので否定できない。するとそこに、木曾と同じ
球磨型軽巡洋艦の一番艦であり長女、球磨が通りかかった。
そう言って2人はもう一度、抱き合った。
翌朝、提督と木曾が起きると、朝5時50分。2人は急いで服を着ると、運動場へ駆け出した。既に全ての艦娘は
集合し整列している。ほとんどの艦娘が、2人が遅れたことに対してすごく疑問に思っていた。そして、昨夜のことが
思い出されたのか、木曾は朝礼の最中終始もじもじしていたし、提督の朝の言葉はすごくぎこちなかった。
朝礼が終わった後、食堂の朝食で木曾の向かいの席に着いたまるゆはこう切り出した。
まるゆ「木曾さん!昨日の夜はどこ行ってたんですか!朝になっても布団にいなかったのですっごく心配しましたよ!
朝は遅刻してきた上にもじもじしていたし、本当にどうしたんですか!?」
木曾「あ、ああすまねぇ。提督との用事が長引いてな…」
まるゆ「…ふえ?夜に…提督と…用事…もじもじ…?」
まるゆは、木曾の言ったことを吟味し、そこから予想できる昨夜木曾の身に起きたことを想像した。そして、まるゆは
顔をボンッと赤くすると机に突っ伏してしまった。
まるゆ「ふえぇぇぇぇぇ…木曾さんが、提督と…///」
木曾はまるゆが何を想像したのかが理解できたが、間違えてはいないので否定できない。するとそこに、木曾と同じ
球磨型軽巡洋艦の一番艦であり長女、球磨が通りかかった。
102: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 21:15:32.88 ID:C7qnZGWk0
球磨「クマ?まるゆ、どうしたクマ?」
まるゆ「木曾さんが…木曾さんが…///」
球磨「木曾がどうしたクマ?…ハッ、まさか木曾!お前まるゆをイジメたのかクマ!?」
木曾「ないない!それは絶対ない!」
木曾は高速で両手を左右に振り、球磨の言ったことを全否定する。すると、球磨はあるものに視線が吸い寄せられた。
それは、今も高速で振られている木曾の左手の薬指。なんだか銀色に光るモノが。球磨=クマ=熊の名前の故か、球磨の
視力は伊達ではなかった。そして球磨は木曾に掴みかかる。
球磨「木曾、その左手薬指のモノはなんだクマ!?まさか、それってケッコンカッコカリ指輪クマ!?ということは、
まさか提督と結婚したのかクマ…!?」
球磨の大声に、食堂がしーんと静まり返った。そして、艦娘達のひそひそ話が聞こえてくる。
綾波「木曾さんが、提督と…?」
敷波「うそでしょ…ケッコンカッコカリって…?」
間宮「あらあら…」
鳳翔「それは、まぁ…」
木曾は周りからの視線に耐えきれず、そして今さらごまかすこともできないと思い、小声で言った。
まるゆ「木曾さんが…木曾さんが…///」
球磨「木曾がどうしたクマ?…ハッ、まさか木曾!お前まるゆをイジメたのかクマ!?」
木曾「ないない!それは絶対ない!」
木曾は高速で両手を左右に振り、球磨の言ったことを全否定する。すると、球磨はあるものに視線が吸い寄せられた。
それは、今も高速で振られている木曾の左手の薬指。なんだか銀色に光るモノが。球磨=クマ=熊の名前の故か、球磨の
視力は伊達ではなかった。そして球磨は木曾に掴みかかる。
球磨「木曾、その左手薬指のモノはなんだクマ!?まさか、それってケッコンカッコカリ指輪クマ!?ということは、
まさか提督と結婚したのかクマ…!?」
球磨の大声に、食堂がしーんと静まり返った。そして、艦娘達のひそひそ話が聞こえてくる。
綾波「木曾さんが、提督と…?」
敷波「うそでしょ…ケッコンカッコカリって…?」
間宮「あらあら…」
鳳翔「それは、まぁ…」
木曾は周りからの視線に耐えきれず、そして今さらごまかすこともできないと思い、小声で言った。
103: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 21:24:29.62 ID:C7qnZGWk0
木曾「……ああ、そうだよ。俺は、提督とケッコンしたよ…///」
全員「……………」
木曾は小声で言ったつもりだが、静かな食堂にはその声がよく響きわたった。その告白は全員に聞こえた。
食堂に訪れる静寂。そして、その静けさはある艦娘の奇声によって打ち破られる。
金剛「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
そう叫ぶと金剛は机に額を何度も打ち付けたり、床を転がりまわった。
比叡「お姉様、落ち着いて!」
榛名「気を確かにしてください!」
ちなみに今霧島は、昨日の演習結果の集計を提督に渡していたのでこの食堂にはいない。それはともかく、他の艦娘
達もざわざわと騒ぎ始めた。
長門「ほう、やるな提督め」
陸奥「あら、あらあら…」
足柄「なんてこと…この世には夢も希望もないのかしら…」
天龍「あんなやつに…先を越されるなんて…!」
最上「」
三隈「ひぃ!?最上が息をしてませんわ!!だれか、だれか、衛生兵ーっ!!」
104: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 21:35:01.92 ID:C7qnZGWk0
そんな喧騒の中、金剛はオリンピック選手もびっくりの動きでテーブルを飛び越え、木曾の前に着地する。
金剛「Hey,木曾!テートクとケッコンしたって本当デスカ!?Lieとかじゃないんデスカ!?Lieなんでショ?ねぇ、
答えてヨ!?」
木曾「そうだよ、本当だよ…嘘なんかじゃねぇよ…///」
金剛「Shit!なんでこんな小娘なんかに…ハッ!木曾、今朝はテートクと遅れて運動場に来ましたが、もしかして昨夜、
その、テートクと…や、夜戦しちゃったのデスカ…?」
その金剛の言葉に、再び食堂が静まり返る。そして、すべての艦娘が木曾に殺到した。他の艦娘は一斉に木曾に問い
詰めた。
北上「そうだ!それが一番気になる!」
扶桑「どうなのかしら、木曾さん?正直に答えて…?」
山城「姉様、眼が光っていませんよ…?」
天龍「どうなんだコノヤロー!」
暁「ほ、本当に…提督と、し、しちゃったの…?///」
那智「返答次第では許さんぞ貴様!」
一部の艦娘からは殺意が滲み出ていた。すべての艦娘から問い詰められている中で、木曾は昨夜の提督との夜戦を思い
出すと―
金剛「Hey,木曾!テートクとケッコンしたって本当デスカ!?Lieとかじゃないんデスカ!?Lieなんでショ?ねぇ、
答えてヨ!?」
木曾「そうだよ、本当だよ…嘘なんかじゃねぇよ…///」
金剛「Shit!なんでこんな小娘なんかに…ハッ!木曾、今朝はテートクと遅れて運動場に来ましたが、もしかして昨夜、
その、テートクと…や、夜戦しちゃったのデスカ…?」
その金剛の言葉に、再び食堂が静まり返る。そして、すべての艦娘が木曾に殺到した。他の艦娘は一斉に木曾に問い
詰めた。
北上「そうだ!それが一番気になる!」
扶桑「どうなのかしら、木曾さん?正直に答えて…?」
山城「姉様、眼が光っていませんよ…?」
天龍「どうなんだコノヤロー!」
暁「ほ、本当に…提督と、し、しちゃったの…?///」
那智「返答次第では許さんぞ貴様!」
一部の艦娘からは殺意が滲み出ていた。すべての艦娘から問い詰められている中で、木曾は昨夜の提督との夜戦を思い
出すと―
105: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 21:51:53.72 ID:C7qnZGWk0
木曾「…………………///」
顔を真っ赤にして俯いてしまった。その反応を見た鈴谷が少し焦りながら聞いた。
鈴谷「えっと、もしかして…マジなの…?」
木曾はこくりと頷いた。その反応で食堂はさらに騒乱の場と化した。
鈴谷「ウソダドンドコドーン!!」
天龍「なん…だと…?」
加賀「頭に来ました!」
陸奥「うわあああああああああああああん!長門姉ぇ!長門姉ぇ!提督がぁぁぁぁああああ!!」
長門「落ち着け陸奥!そうかお前も提督のことを…これはひどい」
那智「おい木曾、演習場に来い。お前の記憶がなくなるまで徹底的にボコらせてもらう」
足柄「いいわね姉さん。私も乗ったわ。この生意気な小娘をここで始末して…」
金剛「こんの[ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー]!!」
比叡「お姉様、それはさすがに言ってはいけません!」
球磨「そうか、木曾は、お姉ちゃんたちより先に女になってしまったのかクマ…!嬉しいような、悲しいような…」
北上「いいねぇ、痺れるねぇ」
間宮「今晩は、お赤飯かしら?」
鳳翔「少し、悲しいですね…」
106: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:11:45.58 ID:C7qnZGWk0
もはや、食堂は戦場と化していた。狂戦士と化した提督LOVE勢が木曾をボコボコにしようと襲い掛かってくる。
木曾が食堂を縦横無尽に逃げ回り、狂戦士たちがその後を追う。そんな争いを、数十分ほど続けていたその時だった。
??『マイクチェックの時間だゴラァ!!!』キィィィィィィィン
その一声とハウリングで食堂は静まり返った。というか、ほとんどの艦娘がさっきの声と同時に聞こえたハウリングの
せいで耳を塞ぎ、床に転がっている。木曾が入口を見てみると、拡声器をもって仁王立ちをしている霧島が。そして、
霧島が言った。
霧島「なぜあなたたちは、木曾のケッコンを祝福せずにそんな醜い嫉妬をぶつけようとするのですか!これは、我々艦娘
としても誇らしいことなんですよ!我々がやるべきことは、その嫉妬を木曾にぶつけるよりも、木曾を祝福するこ
とじゃないのですか!?」
その言葉で、全員がしょぼんとしてしまった。そんな中、さっきまで部屋の隅でしゃがんでいたまるゆが木曾に話しかけ
た。
まるゆ「え、と、木曾さん。おめでとうございます!」
木曾「お、おう。ありがとな」
まるゆの祝福の言葉を皮切りに、他の艦娘達も木曾に祝福の言葉を送った。
球磨「木曾、おめでとうだクマ。これからも提督と仲良くやっていくクマ」
多摩「そうだにゃ。可愛い妹の旅立ちをお姉ちゃんたちは喜んで見送るにゃ」
木曾「お、おう」
普段のんびりしている2人からそんなことを言われると、木曾も少し照れくさかった。今度は、第六駆逐隊が木曾の
もとにやってきた。
暁「おめでとう木曾。レディーとして祝福の言葉を贈るわ」
響「Поздравляю(パズドゥラリャーユ:おめでとう)、木曾」
雷「木曾さん、おめでと!でもこれからも、私を頼ってね」
電「おめでとうなのです。でも、その、初日から夜戦て…結構大胆なのですね///」
木曾「あ、ああ。今思えばそうだったな…///」
木曾が食堂を縦横無尽に逃げ回り、狂戦士たちがその後を追う。そんな争いを、数十分ほど続けていたその時だった。
??『マイクチェックの時間だゴラァ!!!』キィィィィィィィン
その一声とハウリングで食堂は静まり返った。というか、ほとんどの艦娘がさっきの声と同時に聞こえたハウリングの
せいで耳を塞ぎ、床に転がっている。木曾が入口を見てみると、拡声器をもって仁王立ちをしている霧島が。そして、
霧島が言った。
霧島「なぜあなたたちは、木曾のケッコンを祝福せずにそんな醜い嫉妬をぶつけようとするのですか!これは、我々艦娘
としても誇らしいことなんですよ!我々がやるべきことは、その嫉妬を木曾にぶつけるよりも、木曾を祝福するこ
とじゃないのですか!?」
その言葉で、全員がしょぼんとしてしまった。そんな中、さっきまで部屋の隅でしゃがんでいたまるゆが木曾に話しかけ
た。
まるゆ「え、と、木曾さん。おめでとうございます!」
木曾「お、おう。ありがとな」
まるゆの祝福の言葉を皮切りに、他の艦娘達も木曾に祝福の言葉を送った。
球磨「木曾、おめでとうだクマ。これからも提督と仲良くやっていくクマ」
多摩「そうだにゃ。可愛い妹の旅立ちをお姉ちゃんたちは喜んで見送るにゃ」
木曾「お、おう」
普段のんびりしている2人からそんなことを言われると、木曾も少し照れくさかった。今度は、第六駆逐隊が木曾の
もとにやってきた。
暁「おめでとう木曾。レディーとして祝福の言葉を贈るわ」
響「Поздравляю(パズドゥラリャーユ:おめでとう)、木曾」
雷「木曾さん、おめでと!でもこれからも、私を頼ってね」
電「おめでとうなのです。でも、その、初日から夜戦て…結構大胆なのですね///」
木曾「あ、ああ。今思えばそうだったな…///」
107: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:21:10.19 ID:C7qnZGWk0
今度は霧島がやってきた。ちなみに今金剛は、比叡、榛名に抑えつけられている。
霧島「木曾さん、おめでとうございます。金剛型を代表して、お礼を申し上げます」
木曾「ああ、ありがとな。でも、なんで拡声器なんて持っていたんだ?ていうか、なんで俺が提督とケッコンしたって
知ってるんだ?」
霧島「執務室で昨日の演習の集計を提督に報告した後、食堂に行こうとしたらなぜか騒がしかったのでこれは何かあると
思い、自室から拡声器を持ってきたのです。ちなみにあなたたちがケッコンしたということに気づいたのは今朝の
朝礼の時ですね。木曾さんは頑なに左手を皆に見られないようにしてましたし、2人ともぎこちなかったので、
もしやと思って提督に聞いたら教えてくれました」
木曾「アイツ、教えやがったのか…」
霧島「教えてくれた時の提督、顔がすごく赤くなってました。昨日はお楽しみだったようで?」
そう意地悪気に言うと、霧島は金剛のもとへと小走りに向かった。
木曾「くっ…///」
すると今度は、伊401がやってきた。
伊401(以下シオイ)「えっと、大丈夫ですか?」
木曾「あ、ああ!」
シオイ「えと、おめでとうございます!それでちょっと聞きたいんですが、プロポーズは木曾さんから?」
木曾「い、いや、提督からだ」
シオイ「へぇ~、提督さんもやるときはやるんですね~。あ、じゃあ提督に言っておいてください!もし木曾さんを
泣かせたら、我々潜水艦があなたをオリョール海に沈めてやるって!」
木曾「本当にやりかねないから黙っとくわ」
霧島「木曾さん、おめでとうございます。金剛型を代表して、お礼を申し上げます」
木曾「ああ、ありがとな。でも、なんで拡声器なんて持っていたんだ?ていうか、なんで俺が提督とケッコンしたって
知ってるんだ?」
霧島「執務室で昨日の演習の集計を提督に報告した後、食堂に行こうとしたらなぜか騒がしかったのでこれは何かあると
思い、自室から拡声器を持ってきたのです。ちなみにあなたたちがケッコンしたということに気づいたのは今朝の
朝礼の時ですね。木曾さんは頑なに左手を皆に見られないようにしてましたし、2人ともぎこちなかったので、
もしやと思って提督に聞いたら教えてくれました」
木曾「アイツ、教えやがったのか…」
霧島「教えてくれた時の提督、顔がすごく赤くなってました。昨日はお楽しみだったようで?」
そう意地悪気に言うと、霧島は金剛のもとへと小走りに向かった。
木曾「くっ…///」
すると今度は、伊401がやってきた。
伊401(以下シオイ)「えっと、大丈夫ですか?」
木曾「あ、ああ!」
シオイ「えと、おめでとうございます!それでちょっと聞きたいんですが、プロポーズは木曾さんから?」
木曾「い、いや、提督からだ」
シオイ「へぇ~、提督さんもやるときはやるんですね~。あ、じゃあ提督に言っておいてください!もし木曾さんを
泣かせたら、我々潜水艦があなたをオリョール海に沈めてやるって!」
木曾「本当にやりかねないから黙っとくわ」
108: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:32:43.28 ID:C7qnZGWk0
そんなこんなで木曾は皆から賞賛と祝福の言葉をもらった(ちなみに青葉は木曾がケッコン宣言をした直後、衣笠に
首チョップをされて気絶していた)。そして、しばしそんな明るい雰囲気が流れ、朝食の時間が20分遅れて終了した。
食事が終わると艦娘が皆食堂を出る。皆それぞれが遠征や出撃に向けて準備を始める。最後に出たのは木曾だった。
食堂を出る時も祝福の言葉をもらい、なぜか鳳翔からは安産お守りをもらってしまった。
木曾「なんで安産お守りなんて持っていたんだ?」
すると、木曾は食堂のすぐそばの壁に提督が寄りかかっているのに気付いた。
木曾「どうした?」
提督「いや、少しお前を秘書艦から外そうと思って」
木曾「え…」
提督「勘違いすんなよ?少しお祝いってことで2、3日休暇を与えるってだけだ」
木曾「な、なんだ…」
提督「なんだ?俺がもうお前に飽きて別の奴に乗り換えるとでも思ったか?」
その言葉を聞き、木曾は少し考えてこう言った。
木曾「…もしそうなったら、お前を沖ノ島海域に沈めてやる」
提督「やめてマジで。せめて鎮守府海域のどこかにして」
木曾「そこかよ…冗談だよ。お前が浮気するような奴には思えねぇしな」
提督「そりゃどうも。ちなみにお前が休暇の間の秘書艦は球磨な」
木曾「それは俺へのあてつけか…?」
首チョップをされて気絶していた)。そして、しばしそんな明るい雰囲気が流れ、朝食の時間が20分遅れて終了した。
食事が終わると艦娘が皆食堂を出る。皆それぞれが遠征や出撃に向けて準備を始める。最後に出たのは木曾だった。
食堂を出る時も祝福の言葉をもらい、なぜか鳳翔からは安産お守りをもらってしまった。
木曾「なんで安産お守りなんて持っていたんだ?」
すると、木曾は食堂のすぐそばの壁に提督が寄りかかっているのに気付いた。
木曾「どうした?」
提督「いや、少しお前を秘書艦から外そうと思って」
木曾「え…」
提督「勘違いすんなよ?少しお祝いってことで2、3日休暇を与えるってだけだ」
木曾「な、なんだ…」
提督「なんだ?俺がもうお前に飽きて別の奴に乗り換えるとでも思ったか?」
その言葉を聞き、木曾は少し考えてこう言った。
木曾「…もしそうなったら、お前を沖ノ島海域に沈めてやる」
提督「やめてマジで。せめて鎮守府海域のどこかにして」
木曾「そこかよ…冗談だよ。お前が浮気するような奴には思えねぇしな」
提督「そりゃどうも。ちなみにお前が休暇の間の秘書艦は球磨な」
木曾「それは俺へのあてつけか…?」
109: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:43:46.74 ID:C7qnZGWk0
そんな軽口を言い合っていると、提督が持っていたタブレットPCにメッセージが届いたことを知らせる音が鳴った。
それに気づき、メッセージの内容を見た提督は苦笑した。
提督「マジかよ…」
木曾「どうした?」
提督は木曾に向き合って、言った。
提督「南西諸島防衛線の近くを航行していたタンカーが深海棲艦に襲われた。それも、相当強い。おそらく戦艦ル級とか
軽空母ヌ級とかそこらだろうな」
木曾「前に倒した奴らの残党か?」
提督「そこでだ、木曾。さっきお前に休暇をやると言ったところで、お前にこいつらを討伐する第一艦隊の旗艦をやって
もらいたい。一応拒否することもできるが?」
木曾「人使いの荒いことで。…けど、俺の錬度は上限が消えたんだろ?なら、俺は戦う。お前のために戦いたいよ」
提督「…そうか」
そして、提督はポケットからスマホを取り出し、鎮守府のスピーカーにつなげた。
提督「南西諸島防衛線付近に深海棲艦が出現。これより呼ぶ者は艤装を装備し、波止場へ集合せよ。
木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴。なお、次に呼ぶ6名は、艤装を装備し、待機室にて待機せよ。
神通、加賀、陸奥、伊勢、暁、瑞鶴。他の者は、これ以降の命令を待て」
それに気づき、メッセージの内容を見た提督は苦笑した。
提督「マジかよ…」
木曾「どうした?」
提督は木曾に向き合って、言った。
提督「南西諸島防衛線の近くを航行していたタンカーが深海棲艦に襲われた。それも、相当強い。おそらく戦艦ル級とか
軽空母ヌ級とかそこらだろうな」
木曾「前に倒した奴らの残党か?」
提督「そこでだ、木曾。さっきお前に休暇をやると言ったところで、お前にこいつらを討伐する第一艦隊の旗艦をやって
もらいたい。一応拒否することもできるが?」
木曾「人使いの荒いことで。…けど、俺の錬度は上限が消えたんだろ?なら、俺は戦う。お前のために戦いたいよ」
提督「…そうか」
そして、提督はポケットからスマホを取り出し、鎮守府のスピーカーにつなげた。
提督「南西諸島防衛線付近に深海棲艦が出現。これより呼ぶ者は艤装を装備し、波止場へ集合せよ。
木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴。なお、次に呼ぶ6名は、艤装を装備し、待機室にて待機せよ。
神通、加賀、陸奥、伊勢、暁、瑞鶴。他の者は、これ以降の命令を待て」
110: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:48:02.72 ID:C7qnZGWk0
提督の命令を聞いた後、木曾は聞いた。
木曾「資材がカツカツなんじゃなかったのか?」
提督「俺とお前のケッコン祝いだ。この程度の出費なんて、軽いよ」
木曾「…じゃ俺は、部屋に戻って―」
提督「ほれ」
そう言うと、提督は持っていた木曾のマントと刀を木曾に向かって放り投げた。木曾はそれをキャッチしたが、すぐに
ジト目で提督を見つめた。
木曾「なんで俺のマントと刀を持ってるんだ?」
提督「いや、なんとなく必要になるかなー?と思って」
木曾「まったく…相変わらず訳が分からねぇな」
そう言って木曾はマントを羽織り、刀を提げて、艤装が置いてある武器庫へ向かった。
木曾「資材がカツカツなんじゃなかったのか?」
提督「俺とお前のケッコン祝いだ。この程度の出費なんて、軽いよ」
木曾「…じゃ俺は、部屋に戻って―」
提督「ほれ」
そう言うと、提督は持っていた木曾のマントと刀を木曾に向かって放り投げた。木曾はそれをキャッチしたが、すぐに
ジト目で提督を見つめた。
木曾「なんで俺のマントと刀を持ってるんだ?」
提督「いや、なんとなく必要になるかなー?と思って」
木曾「まったく…相変わらず訳が分からねぇな」
そう言って木曾はマントを羽織り、刀を提げて、艤装が置いてある武器庫へ向かった。
111: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 22:57:03.38 ID:C7qnZGWk0
木曾は武器庫で艤装を装備し、波止場へ向かうと、既に他の艦娘達は集合していた。
そして、出撃する6人は横一列で提督と向かい合う。木曾が一歩前に出た。こんな時の提督からは、ふざけた表情が
消えている。
木曾「ではこれより、木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴、以上6名は、南西海域防衛線に出現した深海棲艦の討伐に
向かう」
提督「了解。敵はおそらく残党だが、戦艦や軽空母の姿も確認されている。皆油断するな」
木曾「わかった。それと―」
木曾はさらに前に一歩踏み出すと、ほんのわずかな間だけ提督と唇を合わせた。
提督「ん…なっ…お前…こんな時に…///」
木曾「…ヘッ」
そんな様子に、他の5人はうろたえたり、顔を真っ赤にしたりした。
赤城「あらまぁ…」
長門「ほう、やるな。木曾よ」
山城「皆がいる前で…なんて破廉恥な…」
吹雪「あわわわわ…」
翔鶴「木曾さんたら…大胆…///」
そして、出撃する6人は横一列で提督と向かい合う。木曾が一歩前に出た。こんな時の提督からは、ふざけた表情が
消えている。
木曾「ではこれより、木曾、赤城、長門、山城、吹雪、翔鶴、以上6名は、南西海域防衛線に出現した深海棲艦の討伐に
向かう」
提督「了解。敵はおそらく残党だが、戦艦や軽空母の姿も確認されている。皆油断するな」
木曾「わかった。それと―」
木曾はさらに前に一歩踏み出すと、ほんのわずかな間だけ提督と唇を合わせた。
提督「ん…なっ…お前…こんな時に…///」
木曾「…ヘッ」
そんな様子に、他の5人はうろたえたり、顔を真っ赤にしたりした。
赤城「あらまぁ…」
長門「ほう、やるな。木曾よ」
山城「皆がいる前で…なんて破廉恥な…」
吹雪「あわわわわ…」
翔鶴「木曾さんたら…大胆…///」
112: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 23:10:36.43 ID:C7qnZGWk0
恥ずかしいからか、提督はヤケクソ気味に言った。
提督「ええい!全員出撃!全員生きて帰ってこい!轟沈は許さんぞ!」
そう言うと、木曾以外の5人はやれやれといった表情で波止場から伸びているスロープを降りて海へと足をつけた。
木曾は顔を赤くし、俯きながら皆の後に続いた。皆が戦闘海域へ向けて移動し始めると波止場から提督が叫んだ。
提督「木曾ー!」
木曾はその声に振り替える。それを見た提督はもう一度叫んだ。
提督「愛してるぞー!!」
木曾は、このタイミングでそんなことを言われるとは思わなかった。だが、木曾は嬉しかった。そして、その左目から
は涙が流れていた。だが、木曾は右手でその涙を拭い、満面の笑顔でこう返した。
提督「ええい!全員出撃!全員生きて帰ってこい!轟沈は許さんぞ!」
そう言うと、木曾以外の5人はやれやれといった表情で波止場から伸びているスロープを降りて海へと足をつけた。
木曾は顔を赤くし、俯きながら皆の後に続いた。皆が戦闘海域へ向けて移動し始めると波止場から提督が叫んだ。
提督「木曾ー!」
木曾はその声に振り替える。それを見た提督はもう一度叫んだ。
提督「愛してるぞー!!」
木曾は、このタイミングでそんなことを言われるとは思わなかった。だが、木曾は嬉しかった。そして、その左目から
は涙が流れていた。だが、木曾は右手でその涙を拭い、満面の笑顔でこう返した。
113: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 23:11:17.24 ID:C7qnZGWk0
木曾「おう!俺もお前のことを『ずっと』愛してるぜ!!」
END
114: ◆aKZmxL4TCc 2014/12/27(土) 23:18:51.65 ID:C7qnZGWk0
はい、ということでこの話は終了となります。なんというか、短いような長いような。そんな感じでした。
初めてのSSでしたが、皆さんいかがでしたでしょうか?皆さんが楽しめたのでしたら幸いです。
さて、一応次の話の構想もできております。そこでこのスレ最後の安価ですが、
神通、青葉、陸奥、間宮
上記うちの誰か一人が主人公で次の話を書こうと思います。主人公の決め方はこの↓5までの多数決です。
ちなみにシチュエーションはこちらで決めてしまってます。それに関してはすみません。
また、次の話なんていらないと思った人は何も書かなくて結構です。
この木曾編に最後まで付き合っていただき、ありがとうございました。
また会うことができればその日まで。
初めてのSSでしたが、皆さんいかがでしたでしょうか?皆さんが楽しめたのでしたら幸いです。
さて、一応次の話の構想もできております。そこでこのスレ最後の安価ですが、
神通、青葉、陸奥、間宮
上記うちの誰か一人が主人公で次の話を書こうと思います。主人公の決め方はこの↓5までの多数決です。
ちなみにシチュエーションはこちらで決めてしまってます。それに関してはすみません。
また、次の話なんていらないと思った人は何も書かなくて結構です。
この木曾編に最後まで付き合っていただき、ありがとうございました。
また会うことができればその日まで。
115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/27(土) 23:19:51.39 ID:sp2jAQ1rO
面白かったよ乙
この四人なら青葉だな
この四人なら青葉だな
123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 18:04:54.14 ID:aFSNL3/4o
乙です
最後の敵出現で轟沈別れオチかと思ったがそんなことなくて良かったです
最後の敵出現で轟沈別れオチかと思ったがそんなことなくて良かったです
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:50:23.87 ID:gDxBlzJto
いい話だった
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:51:28.10 ID:gDxBlzJto
ラジオ体操なんかやったらパンツ乱舞だよな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419426357/
Entry ⇒ 2014.12.31 | Category ⇒ 艦隊これくしょん | Comments (1)
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