【ゴッドイーター2】リヴィ「クリスマス……?」【レイジバースト】
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:08:53.70 ID:vb/OGWJi0
クリスマスの名前だけ借りた適当なお話
・GE2RB本編の後日談
・リヴィ×ロミオ、女主人公(隊長)×ギルバート
・1作目から約半年越しの伏線?回収
・女隊長の口調と性格は一応女ボイス9(あがり症気味な優等生キャラ)イメージで
・雑
1作目
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433252873/
読んでも読まなくてもいい2作目
アリサ「リーダー!リーダー!!」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433429399/
別の世界のお話
シエル「隊長……」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434380781/
隊長「リーダー……?」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435936195/
・GE2RB本編の後日談
・リヴィ×ロミオ、女主人公(隊長)×ギルバート
・1作目から約半年越しの伏線?回収
・女隊長の口調と性格は一応女ボイス9(あがり症気味な優等生キャラ)イメージで
・雑
1作目
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433252873/
読んでも読まなくてもいい2作目
アリサ「リーダー!リーダー!!」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433429399/
別の世界のお話
シエル「隊長……」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434380781/
隊長「リーダー……?」【ゴッドイーター2】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435936195/
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:10:20.69 ID:vb/OGWJi0
―極東支部アナグラ ラウンジ
ナナ「そう、クリスマス♪……あれ、リヴィちゃん、知らなかった?」
リヴィ「いや、マグノリア=コンパスでの恒例行事だったし、馴染みはあるんだが」
「もうそんな時期なのか、と思ってな……」
ロミオ「ま、確かに今じゃ1年中、夏なのか冬なのかわかんないしなー」
シエル「……」
ギル「それで、クリスマスがどうしたんだ」
ナナ「ほら、聖域が出来てからも色々忙しかったでしょ?」
「だから今までの労いと、リヴィちゃんの歓迎も兼ねて、ラウンジでパーティーするんだって!」
リヴィ「私の?」
ナナ「うん!リヴィちゃんがブラッドに入ってからも、そのまま流しちゃってたからねー」
「シエルちゃんと一緒にサカキ博士から聞いた話だから、間違いないよー!」
ギル「要するに、前にここでやってもらった歓迎会みたいなもんか」
ナナ「そうそう、そんな感じ!……ギルは隊長と二人でいてもいいんじゃなーい?」ニヤニヤ
ギル「……いや、問題ない」
ロミオ「うん?そういや隊長は?」
シエル「……」
ナナ「……あーそっか、隊長は――」
3: 書き忘れてた、一部キャラ崩壊注意 2015/12/25(金) 04:13:22.82 ID:vb/OGWJi0
―――
――
ナナ『――本部からの招集命令?』
隊長『うん。多分、そう悪い話しじゃないとは思うんだけど……』
シエル『そ、それで、いつ発つんですか?』
隊長『明日の朝には。……それだけならいいんだけど、今回は本部の実家からも呼び出されてて』
シエル『そう、ですか……』
ナナ『あー……そういえば隊長、お父さんとそんなに仲良くないんだっけ』
隊長『前よりかはいくらかマシになったけどね……ごめん、できるだけ早く帰ってくるから』
ナナ『だいじょーぶ!隊長が空けた分は私達がしっかり埋めとくから!』
『ね、シエルちゃん?』
シエル『……ええ、副隊長として、立派に隊長代理を務めてみせます』
隊長『ありがとう、二人とも』
シエル『ところで隊長、その服装は?』
隊長『これ?部屋の整理中に引っ張り出したのを見てたら、何か懐かしくなっちゃって……』
シエル『確かに、螺旋の樹が出現して以降は、あまり見ませんでしたね』
ナナ『紫のスポーツウェアに迷彩パンツ……隊長になった後、初めて制服以外に着たやつだよね』
――
ナナ『――本部からの招集命令?』
隊長『うん。多分、そう悪い話しじゃないとは思うんだけど……』
シエル『そ、それで、いつ発つんですか?』
隊長『明日の朝には。……それだけならいいんだけど、今回は本部の実家からも呼び出されてて』
シエル『そう、ですか……』
ナナ『あー……そういえば隊長、お父さんとそんなに仲良くないんだっけ』
隊長『前よりかはいくらかマシになったけどね……ごめん、できるだけ早く帰ってくるから』
ナナ『だいじょーぶ!隊長が空けた分は私達がしっかり埋めとくから!』
『ね、シエルちゃん?』
シエル『……ええ、副隊長として、立派に隊長代理を務めてみせます』
隊長『ありがとう、二人とも』
シエル『ところで隊長、その服装は?』
隊長『これ?部屋の整理中に引っ張り出したのを見てたら、何か懐かしくなっちゃって……』
シエル『確かに、螺旋の樹が出現して以降は、あまり見ませんでしたね』
ナナ『紫のスポーツウェアに迷彩パンツ……隊長になった後、初めて制服以外に着たやつだよね』
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:17:35.70 ID:vb/OGWJi0
隊長『ただ、もう去年の服だからちょっとキツくて……その、胸とか』///
シエル『』ガタッ
ナナ『……へぇー、隊長も意外とやることやってるんだねぇ』ニヤニヤ
隊長『そ、そういうのじゃないから!』///
シエル『(何という手の早さですも……!)』ギリギリギリ
『(しかしながら、この窮屈そうな胸元が眼福なのもまた事実……ここは勝負に出るしかありません!)』
ナナ『(シエルちゃん、また変な事考えてそうだなー……)』ジー
シエル『上着はともかく、アンダーシャツの生地が押し上げられてしまっていますね……』
『体型の問題は全くありませんが、下腹部の露出度が上がっています』
隊長『っ!』バッ
『そ、そう?……まだいけるかなと思ったんだけど、やっぱり着替えてこようかなぁ……』グイグイ
シエル『あーそんなに裾を引っ張ると胸元がー』パシャッ
隊長『え……あっ!?』グイッ
シエル『』パシャッ
隊長『もう……からかわないでよ、シエル』
シエル『ふふふ』
『(谷間の強調から、慌ててシャツを引っ張り上げた一瞬にのみ現われる臍……完璧ですも……!)』
ナナ『(あのタブレット、撮影機能もあったんだー)』
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:19:45.70 ID:vb/OGWJi0
―――
――
ナナ「というわけで、今は出張中なんだよねー」
「一応連絡も入れてみたけど、間に合うかわからないって」
ロミオ「なぁ、後半のくだりいる?」
ギル「……」
リヴィ「(これ以上ないというくらい渋い顔になっているな……)」
ナナ「まぁ、そんな元気なシエルちゃんも隊長が出払って――」
シエル「……たいちょう……」ズーン
ナナ「――こんな風になっちゃってるってこと」
ロミオ「どうりで一言も喋んないなと思ったよ……」
ナナ「ちなみに、今シエルちゃんが眺めてるのがその時の写真ね」
ギル「やめさせろ」
リヴィ「重症だな……仕事に支障はないのか?」
ナナ「それは大丈夫!オンオフの切り替えはちゃんとしてるから!」
「結構前に私と行った出張任務でもね、毎晩隊長に会いたいよーって泣いてて……」
シエル「……微妙な嘘をつかないでください……」
「でも大丈夫なのは本当です……隊長の代わりにみなさんを預かる以上、業務はしっかりこなしますから……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:21:58.22 ID:vb/OGWJi0
ロミオ「そ、そっか……ということは隊長が間に合わなきゃ、今回はギルも独り身ってことだな」
ギル「お前と同じだ、よかったな……そもそも全員が全員、スケジュールを合わせられるわけでもないだろ」
「緊急任務でパーティーを潰されても、文句は言えねぇぞ」
ロミオ「まぁそうだけど一言余計だよ!本部で他の男に隊長取られても知らねーからな!」
シエル「それは私が許しませんも」バンッ
ロミオ「ひぃっ!?」
リヴィ「落ち着けシエル、冗談だ」
ロミオ「そ、そう、冗談冗談……それになぁ、俺だって今回は事前にナナから話聞いて、綿密な計画を立ててるんだよ!」
「……だ、だから、その……リヴィ、ク、クリスマス当日になったら――」
ギル「……そろそろ時間だな、行くぞロミオ」ガタッ
ロミオ「――おい!?今俺話してたじゃん!待てよ!」ガタッ
リヴィ「……」
ナナ「……」
シエル「……」
ナナ「また手当たり次第に女の子に話しかけにでも行くのかと思ってたけど……意外だね」
リヴィ「よくはわからなかったが……私にとっても都合のいい話かもしれないな」
ナナ「えっ?」
シエル「……たいちょう……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:24:46.12 ID:vb/OGWJi0
―極東 鎮魂の廃寺
ギル「――お疲れさん。さっきは悪かったな」
ロミオ「お疲れ。何がだよ?」
ギル「ラウンジを出る前、リヴィに何か言いかけてただろ……俺は全く聞いちゃいなかったが」
ロミオ「俺の宣言すら聞いてなかったのかよ……俺がビビってたせいもあるし、そこまで気にしてないよ」
ギル「何を怖がってたんだ?」
ロミオ「怖いっつーかなんつーか……俺さ、あんまりリヴィと喋れてないんだよ」
「だから、この機会に克服してみようと思って」
ギル「ラウンジにいた時は普通に見えたがな」
ロミオ「ああいう場で相槌打つぐらいならいいんだけど、面と向かっては話しにくい、みたいな?」
ちょっと話すだけでも、昔の仲良かったリヴィと変わらないはずなんだけど、何でだろうな」
ギル「さあな。強いて言うなら――」
ジュリウス「変わったのは、ロミオの方なのかもしれないな」
ギル「……聞いてたのか」
ジュリウス「話し込むなら、全員が入れる話題にしてほしいものだな」
「それで、何か思い当たるところはあるのか?」
ロミオ「うーん……変わったって言っていいのかわかんないけど、リヴィを見てると、何かこう……」
「ユノさんやシプレとはまた違った感じでドギマギしちまうんだよな」
ギル「……なら、もうほとんど決まってるようなもんじゃねぇか」
ジュリウス「そうだな」
ロミオ「へ?」
ギル「なぁジュリウス、19……いや、もうここに来て1年は経ってるか……20歳ってこんなもんか?」ザッザッ
ジュリウス「俺もそういった経験はないから何とも言えんが、些か幼いように感じるな」ザッザッ
ロミオ「何の話だよ!?ジュリウスも早速俺を置いて行ってるじゃんかー!」ダッ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:27:01.43 ID:vb/OGWJi0
―――
――
『――やっぱり、行かない』
『えー、何でだよ?クリスマス会は一緒に行くって、約束したじゃんか』
『君は友達が多いんだから、彼らと一緒に行けば……』
『そんなもん全部断ったよ!君と行かなきゃ意味ないだろ』
『……怖いんだ』
『……』
『見捨てられて、私より優秀な子がずっと先生の傍にいて、私は消えることも出来ずにここにいて……』
『それでもまた会いに行くなんて、私にはできない』
『……だから、俺が一緒に行くんだよ』
『そりゃあ、自分の事で最後に頑張らなきゃいけないのは自分自身だけどさ、途中までは誰が手伝ったっていいだろ?』
『これだって立派に、俺が出来る事だと思うんだよな』
『でも……』
『俺はまだちょっとしか君の事を知らないけど……』
『それでも君があいつに負けないぐらい強くて、笑顔で先生の目の前にいられるって事だけはよくわかる!』
『だから行こうよ!……ぶっちゃけ先生に会えなくても、お菓子とジュースを楽しめばいいんだしさ』
『……ふふっ、あんなに熱く語っていたのに、最後で台無しじゃないか』
『……ありがとう、頑張ってみるから……少しだけ、手伝ってくれないか』
『任せとけ!ほら!』スッ
『……うん』ギュッ
『それじゃ遅れた分、全速力で行くぞー!』ダッ
『うわっ!?、きゅ、急に引っ張らないでくれ――』
―――
――
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:29:19.97 ID:vb/OGWJi0
―極東 贖罪の街
「―――」
「…ヴィちゃーん」
「…リヴィさん」
ナナ「おーい!リヴィちゃーん?」
リヴィ「――はっ……!」
シエル「大丈夫ですか?」
リヴィ「……すまない、少し昔を思い出していてな」
ナナ「昔って言うと、マグノリアス=コンパスのこと?」
リヴィ「ああ」
ナナ「ふーん……ここで戦う前にボーっとしちゃうような考え事って、どうにも嫌な予感がしちゃうなぁ」
シエル「……そう、ですね」
ナナ「ねぇリヴィちゃん?何か思い詰めてることない?私達を置いてアラガミに突っ込んで行ったりしないよね?」
リヴィ「よくわからないが、よほどのことがない限りは……」
「……ともかく、すまない。ここで生き残らない事には、クリスマスもお目にかかれないな」
ナナ「そうだねー!せっかく準備してきたんだから、ちゃんと御馳走いただかないと!」
シエル「あまり贅沢は出来ませんから、一人あたりの食事量は普段とそこまで変わらないと思いますけどね……」
「……二人とも、そして私も、油断のないように――」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:31:04.28 ID:vb/OGWJi0
―――
――
クリスマスパーティー当日……
―ラウンジ
コウタ「――まだまだ先は長いけど、ひとまず色々ひっくるめてお疲れさん!」
「いつもより何となーく特別な気分で、今夜は思いっきり楽しもうぜー!!」
ワーッ!!
ギル「結構集まったみたいだな」
ジュリウス「今回ばかりは、アラガミも空気を読んだようだな」フッ
シエル「むしろ、ここぞという時にやって来なければいいのですが……」
ロミオ「そん時はそん時で出撃すればいいじゃん!今は楽しまないとさ!」
ナナ「おー!ほら、リヴィちゃんも今回の主役なんだから、元気出さないとー!」
リヴィ「お、おー……」
――
クリスマスパーティー当日……
―ラウンジ
コウタ「――まだまだ先は長いけど、ひとまず色々ひっくるめてお疲れさん!」
「いつもより何となーく特別な気分で、今夜は思いっきり楽しもうぜー!!」
ワーッ!!
ギル「結構集まったみたいだな」
ジュリウス「今回ばかりは、アラガミも空気を読んだようだな」フッ
シエル「むしろ、ここぞという時にやって来なければいいのですが……」
ロミオ「そん時はそん時で出撃すればいいじゃん!今は楽しまないとさ!」
ナナ「おー!ほら、リヴィちゃんも今回の主役なんだから、元気出さないとー!」
リヴィ「お、おー……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:32:30.98 ID:vb/OGWJi0
ワイワイガヤガヤ
ロミオ「ふぅ……ハルさん、今回のはちょっと迷走してたような……おっ」
リヴィ「やぁ」
ロミオ「よ、よう……主役が抜けだしてきてよかったのか?」
リヴィ「中々大変だったが、先に呼びつけてきたのは君だろう?それに、こちらも話があってな」
ロミオ「話?」
リヴィ「ここでは流石に切り出しにくいな……出ようか」
―――
――
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:34:32.92 ID:vb/OGWJi0
ロミオ「……」
リヴィ「……」
ロミオ「(……いやいやいや、余計に切り出しにくいんだけど!?)」
「(あっ、横顔かわいい……じゃなくて、何とかこの沈黙を……)」
リヴィ「……ロミオ」
ロミオ「!?お、おう」
リヴィ「これでも結構緊張しているんだ……二人きりで話すなんて、もう何年振りかもわからない」
ロミオ「そ、そっか……ごめん、何か変に身構えちゃって」
リヴィ「いいさ。平然とされていたら、それこそ傷ついていたかもしれないな」
ロミオ「何だよそれ」
リヴィ「ふふ……なぁ、覚えているか?君と初めて行った、クリスマス会の事」
ロミオ「ああ、マグノリア=コンパスの?あの時はリヴィを説得するのに苦労したっけなぁ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:38:19.01 ID:vb/OGWJi0
リヴィ「当時の私は、君のおかげで少しは立ち直れたが……」
「私を見捨てたラケル博士や、そのお気に入りだったジュリウスの存在が未だに怖かった」
「だから、施設の皆が集まるクリスマス会にさえ行きたくなくて……」
ロミオ「そこを俺が強引に引っ張って、リヴィも参加させたんだよな……」
「結局ラケル先生は俺達なんて目もくれずにジュリウスにべったりだったみたいだし、」
「そもそも人がいっぱいで見つけられなかったしで、空回りしてるなぁ、俺」
リヴィ「でも、眩しかった」
ロミオ「え?」
リヴィ「無根拠に私を認めて、でも、私自身が頑張る機会を与えてくれようとして、それに応えるまで待ち続けてくれた」
「その姿勢が眩しかったから、私も自分に出来る事をやって、君の力になりたいと思ったんだ」
ロミオ「そ、そうかぁ?ガキの頃の話だけど、そこまで言われると何か恥ずかしいな」
リヴィ「……その時だけの話なら、わざわざこんな話はしないさ」
ロミオ「!」
リヴィ「君は今だって、変わらない」
「日常でも、戦いの中でも、君はロミオのままでいてくれた」
ロミオ「(……そっか、何となくわかった気がする)」
リヴィ「……君が一度死んでしまうまで、どんなことがあったかは知らない」
「だけど、こうして会えたことが嬉しくて、一度ゆっくり話をしたいと思っていたんだ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:43:01.83 ID:vb/OGWJi0
ロミオ「なるほどな……それなら、俺からもいいか?」
リヴィ「当然だ。こうやって話すためにここに来たんだからな」
ロミオ「サンキュ。じゃあ……」
「……お前さ、しばらく見ないうちに、綺麗になったよな」
リヴィ「」
リヴィ「」
ロミオ「……あれ?聞こえてない?」
リヴィ「……聞こえている、聞こえているが……」
「……きゅ、急に何を言い出すんだ君は……」///
ロミオ「いや、リヴィと再会してから、会うたびに妙に緊張してて」
「その理由もわからなかったから、今日までまともに話せなかったんだけど……つまりは、そういうことなんだよ」
リヴィ「何となく避けられている気はしたが……面と向かって言われると流石に恥ずかしいな」
ロミオ「……俺さ、リヴィと会わなくなってから、段々自分を見失っていってた」
「焦って仲間に当たり散らしたり、終いには逃げ出したり……」
「お前に偉そうなこと言ってた割には、情けないよな」
リヴィ「……」
ロミオ「それでも、ブラッドやじいちゃん達のおかげで自分を取り戻すことが出来て、今の俺がここにいる」
「リヴィは俺を眩しいって言ってくれたけど、俺はむしろ、お前の方こそかっこいいと思ってるんだ」
リヴィ「私が……?」
ロミオ「俺はあんなだったのに、リヴィは死神だなんて言われながら、ずっと折れずに、俺との約束を守り続けてくれた」
「今もこうやって、俺の事話してくれて、ブレなくて……そんな所がかっこよくて、綺麗なんだよ」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:45:28.78 ID:vb/OGWJi0
リヴィ「……情報管理局の人達には本当に世話になった。君と同じで、私だって一人ではここまでこれなかったさ」
「それを踏まえた上で言うが……今の私は、君の力になれているだろうか」
ロミオ「当たり前だろ!そもそもリヴィがいなきゃ、俺はここにいないしな」
リヴィ「そうか……なら、私の目標は私自身の手で果たせていたんだな」
「……これで、心置きなく伝えられる」
ロミオ「うん?まだ何かあるのか?」
リヴィ「ロミオ、君が好きだ」
ロミオ「」
ロミオ「」
リヴィ「……聞こえなかったか?ロミオ、君が――」
ロミオ「聞こえてる!聞こえてるけど何さらっと告白してんだよ!」///
リヴィ「さっきの仕返し、というわけではないが……」
「自分で為したと言えるだけの力を身につけて、いつか君に再会できたら、この想いを伝えると決めていたんだ」
「……君を取り巻く状況が特殊すぎて、伝える機会を先延ばしにしてしまっていたが」
ロミオ「ってことは、もしかしてあの頃から……?」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:47:24.61 ID:vb/OGWJi0
リヴィ「そうだ……き、君と約束した時から……」///
「……そろそろ、へ、返事をくれないか?……そろそろ、保ちそうに、ないんだ……」グスッ
ロミオ「……わかった。……リヴィ、俺もお前が好きだ」
「こうやってリヴィと再会して、また知らない部分を見つけて、もっとお前を知りたくなった」
「だから……お願いします!」
リヴィ「……こちら、こそ……!!」
―――
――
リヴィ「――さて、そろそろ戻るか」キリッ
ロミオ「立ち直り早っ!数分も経ってないぞ!?」
リヴィ「私は別に構わないが、変に怪しまれたら君が困るだろう?」
「……だから、ほら」スッ
ロミオ「……俺だって、構わないけど?」ギュッ
リヴィ「そうか、それならこのまま……見せつけてやるか」ニッ
ロミオ「おっしゃ!それじゃ手始めに、ナナでも悔しがらせてやるかー!」ダッ
リヴィ「うわっ!?だ、だから、急に引っ張らないでくれ――」
終わり
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:49:54.23 ID:vb/OGWJi0
おまけ
クリスマスパーティー後……
―ラウンジ
ギル「……」ゴクッ
「……」カラン
「ねぇ」
ギル「……」
「……隣、いいかな」
ギル「……いいぜ、特等席だ」
「ずっと空けといたんだが、待ちくたびれちまった」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」ギッ
「……ずっと一人で?」
ギル「少し前には色々いたが、今じゃこの通りだ」
「……せっかくかっこいいんだから、誰か口説いちゃえばよかったのに」
ギル「ガラじゃない」
「……それに、女は一人で十分なんでな」
「……そっか」
ギル「……そっちこそ、向こうで誰か引っかけてこなかったのか」
「……残念ながら、私も心に決めた人がいるから」
ギル「……そうかよ」
「……」
ギル「……」
「……ふふっ」
ギル「フッ……」
「……ただいま、ギル」
ギル「……おかえり、―――」
終わり
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 04:55:08.13 ID:vb/OGWJi0
お疲れ様でした
PXZ2の変な声のナナちゃんにも慣れてきた今日この頃、クリスマスにかこつけたSSを投下したいだけの人生だった
中の人ネタでGERの12子ちゃん僕っ娘かわいいおまけやろうと思ったけど、本編以上にアレだったのでやめました
PXZ2の変な声のナナちゃんにも慣れてきた今日この頃、クリスマスにかこつけたSSを投下したいだけの人生だった
中の人ネタでGERの12子ちゃん僕っ娘かわいいおまけやろうと思ったけど、本編以上にアレだったのでやめました
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/25(金) 08:06:03.30 ID:EwxwCoa/O
乙ー
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450984133/
Entry ⇒ 2016.09.05 | Category ⇒ ゴッドイーター | Comments (0)
雨宮ツバキ「……新型二人、救助されたか。しかし」(ゴッドイーター)
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:03:45.19 ID:UYVXQ3zP0
ツバキ「アリサ・イリーニチナ・アミエーラがダンスレッスンを休んだ。知っているな」
リンドウ「え? ダン……あー、休隊してるっていう話ですよね」
ツバキ「原因はこれだ」スッ
【ディアウス・ピターの資料】
リンドウ「こいつは……」
ツバキ「やつのせいで新型配備に、いや、君の隊にすら影響が出たよ」
リンドウ「もう一人の新型も神機がオシャカですからね……折れるなんて見たことも聞いたことまねぇ……直るといいんだが」
ツバキ「ゴッドイーター一人一人の生存を大切にする。その結果がこれか」
リンドウ「……逃げろ、隠れろ。そう教えてはいるんですけどね……」
ツバキ「……」
リンドウ「姉上?」
ツバキ「姉上と呼ぶな」
ツバキ「常務と呼べ」
リンドウ「誰だアンタ」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:05:12.29 ID:UYVXQ3zP0
ツバキ「切り捨てろ」
リンドウ「は?」
リンドウ「や、ちょっと待って下さい。切り捨てろ……って、あの新型二人のことですか。それは」
ツバキ「ゴッドイーターを星に例える者がいるが」
リンドウ「いねぇよ」
ツバキ「星の光は永遠でないと知るべきだな。雲に隠れた星に価値などない」
リンドウ「……」
ツバキ「見えなければ、ただの闇だ」
リンドウ「……それは違いますよ。姉上」
ツバキ「なに?」
リンドウ「見えなくても、星はそこにあります。そして……」
リンドウ「隠れながら、敵が隙を見せるのを待っている。一瞬でも油断を見せればそこへ喰らいついてやろうと、牙を磨き、目を光らせてる」
ツバキ「一人は神機が折れ、一人は戦意喪失。それでもか?」
リンドウ「……死んじゃいませんよ」
ツバキ「……」
リンドウ「神機も、……あいつらの心も」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:06:25.64 ID:UYVXQ3zP0
リンドウ「生きてさえいりゃあ、また戦うことができる」
ツバキ「……」
リンドウ「信じてやって下さい。姉上。俺らの、優秀な後輩たちを」
ツバキ「姉上と呼ぶな」
ツバキ「天海ヤツバキと呼べ」
リンドウ「誰だ!!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:07:12.75 ID:UYVXQ3zP0
リンドウ「姉上、なんか変ですよ。疲れてるんじゃないんですか?」
ツバキ「そんなことはない。だって……」
ツバキ「私は、天海ヤツバキだから!」
リンドウ「いやなんすかそれ。それなら俺は天海ヤリンドウですか?」
ツバキ「違う。お前は、天海やーりぃ!ンドウだ」
リンドウ「」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:09:14.18 ID:UYVXQ3zP0
リンドウ「別のキャラまで混ざってんじゃねーか!! どんがらリボンでいけばいいのか乙女チック暴力でいけばいいのか分かんねーよ!!」
ツバキ「乙女チック暴力でいけ」
リンドウ「アッマミッヤ、リ~ン! どう?」
ツバキ「今日からお前とは姉弟でもなんでもない」
リンドウ「姉上が振ったんじゃないすかぁあああああああ!!!!!」
ツバキ「なら、煙草の代わりにアメを咥え、『働きたくなーい』というニート系ゴッドイーターに」
リンドウ「なんでやねん!!」ビシッ
ツバキ・リンドウ「「どーも、ありがとうございましたー」」
タッタッタッタッタ……
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 15:11:21.00 ID:UYVXQ3zP0
コウタ「……」
レンカ「……」
サクヤ「……なんなの、これ……なんなのなの」
アリサ「……ドン引きです」
ソーマ「チッ……」
サカキ博士「うーむ……ピターとの交戦で大きな心理的ショックを受けた第一部隊の心を、笑いで癒そう作戦…………失敗か」
シックザール支部長「お前クビな」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:49:21.80 ID:UYVXQ3zP0
コウタ「ま、まぁ、笑顔は大事だよな! 笑うカドには、って言うし!」
サクヤ「え、えぇ……それは、そうね」
コウタ「そうっすよ! ほらみんな! 笑顔! スマイルスマイル!」
ソーマ「……」
アリサ「……はぁ」
レンカ「……」
コウタ(なんだよこの空気……おいレンカ助けてくれよ。この状況を覆してくれよ)
レンカ「……サクヤさんは、俺の笑顔が……若い頃のリンドウに似てる……って」
コウタ「ちょ、な、なにそれ、マジすかサクヤさん」
サクヤ「えっと、まぁ私の主観だけど……」
レンカ「けど!!!」ダンッ
コウタ「」ビクッ
レンカ「笑顔なんて…………笑うなんて誰にでもできるじゃないかぁあああああ!! うぁああああああああん! あぁああん!!」ビェエエエ
コウタ「」
ヤクサ「」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:50:15.93 ID:UYVXQ3zP0
レンカ「うぅっあはぁあああん! 笑うなんてぇえ笑顔なんて誰でもおんなじおんなじや思ってぇえええええ!! アラガミの被害はぁあ極東のみならずぅう! 全世界の問題じゃないれすかぁ! 俺はぁあアラガミを倒す為にゴッドイーターにぃいふぅっはぁああんなっ、はぁあん! なったんだぁああ!! この世界をぉうぅ変゛え゛た゛い゛!! 」
アリサ「…………ドン引きです」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:51:11.82 ID:UYVXQ3zP0
レンカ「笑うなんて……うぅ、誰にでも」
ソーマ「あ?」
レンカ「すんませんでした」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:52:19.23 ID:UYVXQ3zP0
レンカ「いや、あの……真面目な話すると、」
レンカ「リンドウもサクヤさんも、すごく強くて……本当にすごい……だから、俺も追いつけるように、もっともっと頑張って……でも……」
レンカ「ゴッドイーターになるの……ちょっぴり早かったのかな、って……製作も追いついてないのか特番ばっか挟むし」
レンカ「空木レンカ! 頑張ります! 他のアニメよりはちょっと遅れちゃうかもしれないけど……いつかきっと、すごいゴッドイーターに……」
アリサ「ごまかさないで下さい!!」
レンカ「……」
アリサ「特番のこと。エクストラのことどう思ってるんですか。まだ空木さんの答えを聞いていません」
レンカ「あ、い、いや……大丈夫だから……もっと頑張るから……」
アリサ「全然ダイジョーブじゃないじゃないですか。来週の番組表に、(終)ってついてるんですけど。まだ次回9話なんですけど」
レンカ「……デレマスも特番入るし……」
アリサ「そっちはちゃんと最終話の予定まで決まってます」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:52:52.59 ID:UYVXQ3zP0
レンカ「本当に、頑張ろうって思っただけで……」
レンカ「CGとか作画とか音楽とか……色々……」
レンカ「このままだったらどうしよう……もし、このまま時間が来ちゃったら……」
レンカ「怖い…………もしゴッドイーターが打ち切りにでもなったら……どうしよう……怖い……」
アリサ「空木さんも先生にお薬もらいますか? 私ちょうど恐怖を消してくれるように頼んでるところなんです」
レンカ「頼む」
コウタ「ダメーーーー!! それは!! ダメ!!!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:53:57.45 ID:UYVXQ3zP0
サクヤ「……そんなこと、言わないでよ」
レンカ「サクヤさん……」
サクヤ「私だって怖い……けど、あなたが必死で戦う姿を見たから、私も」
コウタ「俺だって、レンカのおかげで助かったんだぜ! 地下の誘導すごかったじゃん!」
ソーマ「……サカキのおっさんに早く作画上げるように言っとけ」
カノン「ねぇ私! 今回誤射してませんよ!! ねぇ!! ほめてください!!」
サクヤ「待ってるから……」
サクヤ「クロスプレイパックのオフショットで、リンドウのあーんなとこやこーんなとこを心ゆくまで撮影できるのを」
コウタ「そっち!!?」ガビーン
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:55:10.19 ID:UYVXQ3zP0
ソーマ「……そもそもなぜ俺達が写真なんて撮られなきゃならないんだ。そういうのはアイドルに任せとけばいいだろう……」
サクヤ「と、言いつつ、シオちゃんをバッチリローアングルから撮影しまくるんでしょ?」
ソーマ「ばばばかやろう俺は単純なたた探究心と知的好奇心でだな」
アリサ「どん引きです……」
レンカ「……オフショット……俺はいないのか」
サクヤ「あぁ、GERのセーブデータを読み込めば、プレイヤーキャラも一緒に撮影できるみたいよ。レンカ君仕様のキャラメイクもできるから、安心して」
レンカ「そうか……良かった……」
コウタ「あぁ……そうだよ! ゲームの新作……というかリメイクだけど、けど捕食アクションとかすげーし! ビジュアルもキレーになってるし! ストーリーだって演出だって色々足されてるハズじゃん!!」
アリサ「……アニメで足りないぶんを、ゲームで補完しろ、と? でもそれって、結局言い訳ですよね」
コウタ「う……でも、それでも…………楽しみじゃん!! 8話すげーワクワクしたじゃん!! アラガミ発生の瞬間とか! エイジスに潜入するリンドウさんとか!! アリサが裸で怯えるシーンとか!!」
アリサ「ドン引きです」
コウタ「だからこのワクワクを、ゲームの新作にぶつけようぜ!! きっと……」
レンカ「あぁ…………きっと」
レンカ「この状況を、覆してやる……!」
レンカ「俺はそのために…………ゴッドイーターになったんだ!!!」
完。
空木レンカ君の次回作にご期待下さい!
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 18:01:50.86 ID:UYVXQ3zP0
ここまで読んで下さった方は、本当に有難うございます。
では、また。
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 19:25:05.85 ID:cJcWFD35o
乙です
レンカがでるSS初めて見たわ
レンカがでるSS初めて見たわ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 19:45:25.75 ID:nDi1PpiAO
ネタ盛りだくさん過ぎてワロタ
アニメもこんだけはっちゃけて謝るなら許す。だがシオが出ないなら絶許
乙
アニメもこんだけはっちゃけて謝るなら許す。だがシオが出ないなら絶許
乙
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 01:31:59.27 ID:U/ep82nDO
乙。おかげで笑顔になりました
レンカ君、好きなタイプの主人公だったんだが…笑顔で覆せそうにないっすね…
レンカ君、好きなタイプの主人公だったんだが…笑顔で覆せそうにないっすね…
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 03:56:30.72 ID:YgptbFEko
乙
アニメは……本当に早かったんじゃないですかね。一クールくらい
アニメは……本当に早かったんじゃないですかね。一クールくらい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442815424/
Entry ⇒ 2016.07.07 | Category ⇒ ゴッドイーター | Comments (0)
アリサ「リーダー!リーダー!!」【ゴッドイーター2】
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:50:09.31 ID:lWQSPdbW0
・GE2RB本編の後日談
・女隊長(主人公)のいる極東支部に男リーダー(無印~GEB主人公)が帰ってくるお話
・アリサがヒロインだけど多分出番は少ない
・主人公ズの口調と性格は一応女隊長が女ボイス9(あがり症気味な優等生キャラ)、
男リーダーが男ボイス9(GEB版、渋声な敬語キャラ)のイメージで
前作
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433252873/
・女隊長(主人公)のいる極東支部に男リーダー(無印~GEB主人公)が帰ってくるお話
・アリサがヒロインだけど多分出番は少ない
・主人公ズの口調と性格は一応女隊長が女ボイス9(あがり症気味な優等生キャラ)、
男リーダーが男ボイス9(GEB版、渋声な敬語キャラ)のイメージで
前作
ギルバート「なぁ隊長……」【ゴッドイーター2】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433252873/
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:52:27.46 ID:lWQSPdbW0
――フェンリル極東支部アナグラ 支部長室
サカキ「やぁブラッド隊長、いきなり呼び出してすまないね」
隊長「はあ……」
リンドウ「よっ、隊長さん」
隊長「あれ、リンドウさんもですか?」
リンドウ「一応、クレイドルに関わる一件でもあるんでな」
隊長「"赤い雨"に"キュウビ"、"聖域"の件もとりあえず一段落して……最近は特に大きな騒動も起きてないし……」ウーン
「……やっぱり、以前のアラガミの活発化は何かの兆候とか……」ブツブツ
サカキ「いや、今のところはそれも問題ないよ。君達に来てもらったのは、むしろ脅威が間近にない今だからこそ、なんだ」
隊長「……?」
サカキ「リンドウ君にはよくわかる話だと思うけど、フェンリルにも人手の少ない支部があってね」
「幸い、極東のような激戦区は現状ほとんどないけど、当然危険がないわけでもない」
リンドウ「そこらへんサポートするのも、クレイドルの仕事の一つですからねぇ」
「……といっても最近はここでの騒動続きで、俺達を含めて結構な人数が身動き取れなくなっちまいましたけど」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:56:19.93 ID:lWQSPdbW0
サカキ「その騒動の多くが終末捕喰に絡んでいたこともあって、尚更そういった支部は戦力不足を不安視するようになる……」
「元々戦力が充足するまでという条件で、任期が不確定だったというのもあるんだけど、」
「騒動が重なってしまったことで、ずっとこちらに帰ってこれなかったクレイドルの神機使いがいるんだ」
リンドウ「そんでもって、直近の"聖域"の件は本部情報局がガッツリ絡んできたおかげで、その決着も今まで以上に明瞭に」
「そして大々的に発表されることになった。目の上のタンコブの終末捕喰はしばらくの間脅威じゃなくなったし、」
「補充した現地の神機使いの指導もひとまず一段落したってことで、そいつはようやく任を解かれたわけだ 」
「……博士、こんなもんで大体合ってますよね?」
サカキ「十分だよリンドウ君。……それで話は長くなってしまったけど、要はここに神機使いが一人帰ってくる」
「ブラッド隊長、君には防衛班の時と同じく、彼のブラッドアーツ習得を優先してもらうよ」
隊長「ああ、何かと思えばそういう……今度は平和な内に、ってことなんですね」
「……仕方のないことなんだけど、慣れないなぁこういうの」ボソッ
サカキ「大丈夫、今まで通り、君なりにやってくれて構わないよ。彼なら君と相性もよさそうだしね」
「……それに、これから嫌でも慣れていくことになるかもしれないしね……」キラーン
隊長「えっ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:03:37.89 ID:SBWUMkrB0
――アナグラ ラウンジ
ナナ「――それで、隊長は色んなとこから引っ張りだこってこと?」
隊長「うん……なんでも、"聖域"の件で血の力やブラッドアーツのことも広まっちゃったらしくて」ハァ
「ブラッドアーツの教導を要請する支部も出てきたみたい。現状、効率的な促成ができるのは"喚起"の血の力を持つ私だけだし」
「ブラッドのものを基にした新たな偏食因子の開発・量産も企画されているようだから、まだ確定したわけじゃないんだけどね」
シエル「それで試験的な措置として、イタリア支部とドイツ支部から極東支部に縁のある神機使いが一人ずつ派遣される……と」
「……その後の状況によっては、隊長自ら各支部を渡り歩く可能性もある、ということですね」ギリッ…
リヴィ「まぁ……それも先の話なんだろう?目下の課題は、今日来るらしい神機使いのことじゃないか?」
隊長「そうだね……博士曰く凄腕の神機使いで、私と相性がいいらしいけど、どんな人なんだろう」
ナナ「あっちがもったいないから、って歓迎の準備も断わっちゃったんだっけ?今日の何時帰ってくるのかわからないし――」
ウィーン
「久々のラウンジですね……私がいた時に比べて、随分賑やかになったようで」
リヴィ「!」
シエル「クレイドルの制服……」
ナナ「……噂をすれば、ってやつ?」
隊長「すぅー……はぁー……よしっ」スタスタスタ
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:06:18.80 ID:SBWUMkrB0
「さて……とりあえず目新しそうなところから来てみたものの……おや」
隊長「えっと……どうも、初めまして。私はフェンリル極致化技術開発局及び極東支部所属特殊部隊ブラッド隊長、―――です」
「これはどうも。あなたが件の……私はフェンリル極東支部独立支援部隊クレイドル所属――」
「リーダー!!」ガタッ
「!?」ビクッ
アリサ「リーダー!リーダーですよね!?」ダッ
「ア、アリサ……久しぶりですね」
アリサ「久しぶりですね、じゃありませんよ!何で帰って来るって連絡くれなかったんですか!?」
「リ、リンドウさんとサカキ博士にはちゃんと連絡を入れてましたから」
アリサ「リーダー!!確かに他の支部への派兵自体は珍しいことでもありませんけど」
「これだけの期間を空けるなら私にも連絡ぐらいよこしてください!……その分だと、コウタにも伝えてませんね?」ジトッ
「す、すみません……あと、アリサ?前にも言いましたが私はもうリーダーでは――」
アリサ「な に か 言 い ま し た か ?」
「……いえ、何も」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:11:02.26 ID:SBWUMkrB0
ナナ「ひゃー……あんなキツい物言いのアリサさん、初めて見たかも」
リヴィ「隊長も一瞬で蚊帳の外だな……」
シエル「アリサさん……心なしか、少し嬉しそうにも見えますね」
アリサ「まったく!……でも、無事に帰ってきてくれてよかった」
リーダー「……アリサ」
アリサ「リーダー……」
「……!」ハッ
アリサ「と、とにかく!」///
「積もる話やクレイドル隊員として伝えたいこともあるので、30分……いや1時間……2時間後に私の部屋に来てください」
「ではまた!」ツカツカツカ
/
ハヤクショルイテイシュツシテヘヤカタヅケテ…2ジカンデマニアウカナァ…アトノスケジュールモ…
\
リーダー「……」
隊長「……」
「……クレイドルのリーダーさんですね、よろしくお願いします」フフッ
リーダー「違っ!?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:15:17.49 ID:SBWUMkrB0
――アナグラ ロビー
―――
――
―
「やぁ、よく帰ってきてくれたねリーダー君。早速だけど、また働いてもらうよ」
「ようリーダー、長い間お疲れさん。どうだ、早速今夜ビールでも……あぁ、そういやまだ飲めないんだったな」ハハッ
「ただ今帰投しましたー……っておぉ!?お前帰ってきてたのかよ!……そりゃビビったけどさー、ちゃんと教えてくれよなぁ」
「まぁ、今回は許してあげます……でも次は!絶対!少なくとも私には連絡入れてくださいね、リーダー?」
「ようダチ公……帰還早々、アリサに絡まれたらしいな。……ま、自業自得だ」フッ
「おぉ、リーダーさんか。随分久しぶりだなぁ……ははっ、お前三年前から全然変わらないよな」
「リーダーか……お前さんのあちらでの活躍ぶりは聞いているよ、改めてよろしく」
「あらリーダーさん……フフ、帰ってきた途端痴話喧嘩だなんて大変ね……」
「久しぶりだなぁ"英雄"さんよ!俺だって強くなってんだ、もう負けねぇかんな!」
「あぁ……お前、帰ってきてたのか。……ちょうどいい、横のそいつも合わせて、今が稼ぎ時だな」ニヤ
「あ、リーダーさん!お帰りなさい!ちょうど皆さんに手作りのお菓子配ってたんです、リーダーさんもお一ついかがですか?」
「お帰り、リーダー!……君、あっちでまた無茶なことしてないよね……よかった、出ていく前に釘刺しといた甲斐があったよ」
「お帰りなさいリーダーさん!改めて精一杯、サポートさせていただきますね!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:16:50.47 ID:SBWUMkrB0
―――
――
―
リーダー「……(すっかり名前で呼ばれなくなってる……)」ズーン
隊長「(無表情なのに凄く落ち込んでるのがわかる……)」
「(……待って、確か私も……)」
―――
――
―
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:20:00.12 ID:SBWUMkrB0
「隊長、聖域はいいぞ」
「隊長!さっきリーダーさんにおでんパン一つあげたら、何とその場で平らげちゃった!きっとすごくいい人だよー!」
「なぁ隊長……その、だな……後で俺の部屋まで来てくれないか……?」
「隊長……最近はギルと二人でいることが多くなりましたが、私との約束は忘れていませんよね……?」
「なぁなぁ、聞いてくれよ隊長!この前話したユノとシプレのコラボの噂なんだけどさ……」
「隊長……頬に小さな擦り傷があるな、この絆創膏を使ってくれ。あと……おまけに余ったゆで卵もやろう」
「よう隊長さん!最近は教えることも少なくなって、少し寂しくなっちまったな!」ハッハッハ
「隊長、土いじりはいいぞ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:21:57.14 ID:SBWUMkrB0
「先輩先輩!今日の任務も絶好調だったね!やっぱり、私のおかげかなー?」ニマニマ
「やぁ隊長殿、ちょうど紅茶が出来上がったところなんだ。ここで君に振る舞わずして何とするっ!!」バッ
「よう隊長さん……お、今日のお前さんの格好……また俺を聖なる探索へと導いてくれそうだな!」
「隊長、たまにはあなたのおすすめする映画も見てみたいですね」フフッ
「あ、隊長さん!この前は相談に乗ってくだすって、どうもありがとうございました!」
「隊長さん……神機には精神体が宿ってるかもしれないって噂、ご存知ですか?」ニタァ
「隊長、農業はいいぞ」
―――
――
―
隊長「(……私もだった)」ガクッ
リーダー「……」ズーン
シュン「お?あいつら、何うな垂れてんだ?」
カレル「知るか……どうせ下らないことだろ。……おい、さっさとしろよ」ハァ
シュン「あ!待てよ!抜け駆けは許さねーからな!」ダッ
ジーナ「フフ……焦るとまた、美味しいところを持っていかれるわよ」
シュン「うるせー!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:25:15.27 ID:SBWUMkrB0
隊長「(思えば副隊長に任命された時からこんな調子だし、ジュリウスやシエルはそうでもないのに)」
「(私はいつの間にかこれで定着してるんだよね……)」
「(……でも今なら、二人きりの時はギルが名前で呼んでくれて……)」
リーダー「……」ズーン
隊長「……えへへ」///
ロミオ「あ、一人立ち直った」
シエル「きっと100年寄り添える友達の事を考えて……!」モッモッ
ナナ「……さすがにそれは都合よすぎるんじゃないかなー」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:26:56.19 ID:SBWUMkrB0
リーダー「さて、気を取り直して任務に向かいましょうか」キリッ
隊長「あの、大丈夫なんですかリーダーさん?」
リーダー「労わる気があるならその呼び方を……いえ、もう気にしませんし構いません」
隊長「は、はあ……」
リーダー「今度こそ切り替えましょうか……今回の任務はあなたと私の初共同任務です」
「お互いの力量を知る必要もありますから、気張らず、自然体で臨みましょう」
隊長「……はい!」
リーダー「……いい返事です」ニコッ
「それでは、いきますよ!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:31:20.80 ID:SBWUMkrB0
――極東 嘆きの平原
―ザザッ
ヒバリ『――任務完了です。早い!帰投準備の完了まで、もう少しかかります』
リーダー「身体を徐々にクールダウンさせてください……なんて、言うまでもなかったようですね」
隊長「(強い……!ブラッドアーツを使えない分、ロングブレードの基本動作を最適化出来てる)」
「(それにタワーシールド装備とは思えない身のこなし……参考になるなぁ)」
リーダー「お見事です隊長さん。あれがブラッドアーツ……一突きで大型アラガミを怯ませる威力とは」
「それに見たことのない軌道を描くバレット……是非あやかりたいものですね」
隊長「必殺技……とまではいきませんけどね」フフッ
「バレットの方はブラッドバレットと呼ばれるもので、血の力がバレットの構造に影響を与えた、」
「いわばブラッドアーツの銃身版のようなものですね」
リーダー「ほう……それはブラッドアーツ同様、私にも扱えるようになるのでしょうか?」
隊長「はい。ブラッドアーツと違って、ちょっとした調整は必要になりますけど、ブラッドアーツよりは発現しやすいみたいです」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/05(金) 00:35:38.78 ID:SBWUMkrB0
リーダー「それはそれは……ブラッドと名のつくものは奥が深いですねぇ」
「……話は変わりますが、やはり極東はいい……戦いの上であっても、理屈でない落ち着きを与えてくれます」
「こればかりは、ホームの強みですね」
「それに……タツミさんではないですが、ヒバリさんのオペレートもよく馴染みます。いい声ですねぇ……」
―ザザッ
ヒバリ『もう、からかわないでくださいよ』フフッ
―ザザッ
タツミ『そうだぜーリーダーさん。俺のヒバリちゃんにあんまちょっかいかけんなよ?』
ヒバリ『……ブラッド隊長、リーダーさん、帰投準備が整いました。気をつけてお帰りください』
タツミ『ありゃ、無視ですか……』
リーダー「そうそう、こういうのがいいんですよ」ハハッ
「……では、帰りましょうか」
隊長「はい」フフッ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:35:13.69 ID:dtZfi5bS0
――アナグラ ラウンジ
「――あ、いたいた!」
リーダー「?」
「久しぶりだね、リーダーさん!私、あの時の宣言通り……神機使いになったよ!」
リーダー「……あぁ!あなたはエリックさんの妹の……!」
「♪」フンス
リーダー「裕福そうな少女さん!」
エリナ「ちーがーいーまーすー!エリナ!エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ!!」
リーダー「冗談ですよ」ハハッ
エリナ「もう、そういうとぼけたところも全然変わってないんだから……」ハァ
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:37:07.19 ID:dtZfi5bS0
ウィーン
隊長「お待たせしました。以降は明日の朝まで……あれ、エリナ?」
エリナ「せーんぱい♪お帰りなさい!今戻ってきたところ?」
隊長「うん、リーダーさんと一緒にね。私が経過報告の手続きしてる間、ラウンジで待ってもらってたの」
リーダー「先輩?」
エリナ「そう、先輩!」ガシッ
隊長「きゃっ!?」
エリナ「今はこの人に師事して、色々教えてもらってるの」ギュー
「目標はもちろん、お兄ちゃんのような華麗なるゴッドイーター!」
「もっともっと経験を積んで、いつかは先輩もあなたも越えてみせるんだから、覚悟しててよね!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:39:06.13 ID:dtZfi5bS0
リーダー「ほう……」
隊長「ちょ、ちょっとエリナ、くっつかないで……!」///
エリナ「はーい……先輩、任務中はすっごく強いのに、こういうのにはほんと弱いよね」パッ
隊長「もう……すいません、リーダーさん」
リーダー「構いませんよ、目の保養になりましたし」ハハハ
隊長「……」ジトッ
リーダー「冗談です」キリッ
隊長「(低い声や口調から最初はブレンダンさんみたいなタイプかと思ってたけど)」
「(何か所々軽いなぁ、この人……)」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:41:57.33 ID:dtZfi5bS0
「話は聞かせてもらったぞ、エリナ!」
エリナ「げ、エミール……」
エミール「……む、これはお初にお目にかかるよリーダー殿。僕はエミール、エミール・フォン=シュトラスブルク」
「栄えある極東支部第一部隊所属……つまり、貴殿と同じ騎士道精神を宿せし者!」
「……"極東に―――あり"……その勇名は聞き及んでいるよ……ああ、貴殿こそまさしく騎士の鑑!――」
リーダー「……あの、この方は?」ヒソヒソ
隊長「見たままの人物だと思ってください……」ハァ
「でも、ちょっとズレてるだけで根は真っ当な人ですから」ヒソヒソ
エリナ「エミールうるさい!リーダーさんに迷惑でしょ!そもそも、私に用があって来たんじゃないの?」
エミール「――の野望を打ち砕き……おお、そうだった」ハッ
「もうすぐ次の任務に関するブリーフィングが始まるから急ぐようにと、コウタ隊長殿から言伝を頼まれて来たのだよ」
「だがその前に!君は兄のようなゴッドイーターになることが目標だと言ったな!」
「我が盟友、エリック・デア=フォーゲルヴァイデの妹は我が妹も同然!つまり、僕を兄として目標に邁進すれば」
「君の騎士道は曇りなき光明を指し示し、群がる闇を打ち払うだろう!」
「さぁ妹よ!まずは手始めに、この兄の胸に飛び込んで来い!!」バッ
エリナ「はぁ?何よそれ、相変わらずわけわかんないこと言っちゃってさ!」
「何度も何度も言ってるけど、アンタをお兄ちゃんだと思ったことなんていちっっどもないんだからね!」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:43:55.73 ID:dtZfi5bS0
エミール「……ぐぬぅっ……何故だ、何故こうも僕の想いは通じない……っ!!」ガクッ
「こんなことでは誓いを立てた盟友に……申し訳が立たないではないか……っ!!」ドンッ
エリナ「……あーもー!そういうのがいらないって言ってんの!お兄ちゃんはお兄ちゃん!エミールはエミール!」
「代わりなんていないし、いらないの!!……それにさ」
「ア、アンタの事……一応、大事な仲間だとは思ってるから」ボソッ
エミール「……エ、エリナ」ジーン
エリナ「……ほら、急ぐんでしょ?さっさと立ってよ」
「――じゃあ先輩、リーダーさん、お疲れ様でした!あと、ずっとこっちで喋っててごめんなさい!」ダッ
エミール「……っ!」ダッ
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:46:35.80 ID:dtZfi5bS0
/
エリナァァァァァァ!!
ウワッ!?キュウニオオゴエダサナイデヨ!
ボクヲ、イヤエミールヲユルシテクレェェェェェ!!!
ワカッタカラ!ワカッタカラボリュームサゲテッテ!
\
リーダー「私達の背中を見ていたあの子が、よくあそこまでの成長を……」
「きっとあなたのおかげでしょうね、先輩」
隊長「……確かに戦い方は教えましたけど、変わろうとしたのはエリナ自身ですよ」
「それに、先輩と言っても神機使いとしての経歴にほとんど差はありませんから」フフッ
リーダー「……そういうことにしておきましょうか」ニコッ
「では、私も先約があるので一先ず部屋に戻らせていただきます」
隊長「はい、今日はお疲れ様でした。……あ、明日はブラッドのスケジュールがこういう風になってて……」カクカクシカジカ
リーダー「……ふむ、翌朝この時間にですね。了解しました、お疲れ様です」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:49:34.71 ID:dtZfi5bS0
その日の夜……
――アナグラ リーダーの部屋
コウタ「よっ、お待たせ」
リーダー「ようこそ。むしろ予定より早いぐらいですよ」
コウタ「いやー、今日のブリーフィングはいつもうるさい二人が珍しく静かでさ」
「口喧嘩の一つもしないから、思った以上にスムーズに終わったよ」
リーダー「やっぱり、部隊でもあの調子なんですね」ハハッ
コウタ「えっ、もうあいつらに会ってたのか?悪いね、色々騒がしくてさ」
リーダー「いえいえ。アレはアレでかつてのコウタとアリサを思い出して懐かしくなりましたよ」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:53:17.94 ID:dtZfi5bS0
コウタ「いやいや……自分で言うのも何だけど、全っ然違うだろそれ……」ハァ
「……リンドウさんやお前から第一部隊隊長の座を引き継いでさ、最初はバリバリやってやるぜ!って気概だったんだけど」
「新しく入ってきたあいつらがすぐ喧嘩するわ、協調性ないわで、言うこと聞かないのなんのって!」
「新人の指導をしてきた経験もそこそこあったから、余計に自信が揺らいじゃってさ」
「俺、向いてないんじゃないかってヘコんじゃいそうになる時期もあった」
リーダー「……」
コウタ「それで、一度ガツンと言ってやろうかとも思ったんだけど、強引に押さえつけるのも違う気がしてね」
「アクの強いあいつらだからこそ、むしろ個性を尊重してやるのが俺なりのやり方だって考えたんだ」
「エリナには"優しすぎ"って怒られちまったけどな」ハハッ
コウタ「……まぁ、実際最近はちょっとずつ打ち解けてきてるみたいだし、少なくとも任務中の指示は聞いてくれるから、」
「間違ってないとは思うんだよ。あいつら筋はいいから、きっかけ掴んだ後の伸びしろも凄いんだぜ!」
「そんで何より……当然俺だけの力じゃないんだけど、家族や極東の皆を……親友の居場所を、守れてる」
リーダー「……ありがとうございます」
コウタ「……あー、終わり!お前がいない間の話終わり!今度はそっちの土産話も聞かせてもらうからな!」
「聞かれてもないのについベラベラ語っちまうとこ、やっぱ似てるよなぁ……」ボソッ
リーダー「?はい……そうですね、まずは――」
―――
――
―
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:56:37.03 ID:dtZfi5bS0
コウタ「――そんでさ、家の隣の隣のオヤジが飛び出してきて……うっわ、もうこんな時間かよ……」
リーダー「喋ってるとあっという間ですね」
コウタ「ここから寝たってもうしょうがないよなー……よし、例のアレ、やるか」ニヤリ
リーダー「……やりますか」ニヤリ
コウタ「うっし!そうと決まれば俺の部屋に……」
リーダー「……その必要はありませんよ、コウタ。あなたが喜ぶだろうと、コレを仕入れてきました……私の趣味も兼ねてね」スッ
コウタ「おっ?おぉっ!?こいつは……!!」
「極東のデータベースには存在せず、欧米地域にのみ流通しているという、"バガラリー アフター"……!!」
「しかも放映されずお蔵入りになってた極東ローカライズ版まで収録されてやがる!……おい、これをどこで?」ヒソヒソ
リーダー「先ほども話した、向こうのよろず屋で少し……ね。いやぁ、苦労しましたよ」ドヤッ
コウタ「……ヒャッホウ!!お前はやっぱ最っ高の親友だぜぇ!!早速上映会だぁ!!」
リーダー「えぇ!」ワクワク
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 01:58:01.17 ID:dtZfi5bS0
――アナグラ ソーマの部屋
/
~~~♪
シビレルゼーッ!!
ガガーリンジュニア…コンナバメンデカツヤクスルトハ…
\
ソーマ「……うるせぇ」イラッ
翌朝……
――アナグラ ロビー
隊長「えっと……お疲れ様、です?」
リーダー「……面目ない」フラァ
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 02:00:09.51 ID:dtZfi5bS0
数日後……
極東 愚者の空母
リーダー「――せいっ!」ジャキッ
「はぁっ!」ズバァッ
「……っ」ジャコッ
「撃ちますよ」バンッ
セクメト「グォォォッ…」グラッ
隊長「ここまで溜めた分っ!」ゴォォッ
セクメト「グォォォォォッ!?……グォォォ……」バタッ
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 02:02:27.82 ID:dtZfi5bS0
―ザザッ
テルオミ『任務完了!……思ったんですけど、私いらないんじゃないですかね』
リーダー「ふぅ……アップグレードした神機にもだいぶ慣れてきましたね」
隊長「お疲れ様です!……オラクルリザーブもゼロスタンスもない神機なんて、私からすると考えられないなぁ」
リーダー「前の仕様でずっと戦い続けていたので、何となくこだわりがあって……でも、もうそんなことも言ってられませんしね」
「ブラッドアーツ習得の再現性を高めるためにも、神機の状態をできるだけ現行のものに近づけなくては」
―ザザッ
テルオミ『起動した旧式第二世代神機の肢体を拝めないのは残念ですけどねぇ。極東じゃ維持してたのはあなただけでしたし』
『まぁ、整備したリッカさんは"これでもっと長生きさせられるね!"って喜んでましたけど……』フゥ
隊長「テルのはまた別のこだわりだね……」ハァ
「……リーダーさん?」
リーダー「……」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 02:06:17.93 ID:dtZfi5bS0
隊長「(あの方角……エイジス島か)」
リーダー「……!」ハッ
「あぁ、すみません……隊長さん、"アーク計画"についてご存知ですか?」
隊長「……コウタさんとソーマさんから、一部始終を」
リーダー「なるほど……では、私からも少しだけ」
「……計画の首謀者であり、ソーマの父でもあったシックザール前支部長は、いずれ起こる終末捕喰をあえて早め、」
「一握りの有能な人間のみを月に避難させようとする凶行に出ました」
「結果、計画は私達当時の第一部隊とサカキ博士、そして……人型のアラガミ、シオの存在によって阻止されましたが、」
「……シックザールは、最初から月での自分の席を用意していなかったのです」
隊長「……」
リーダー「彼は、自分の行いを歪んだものであり、許されないことだと自覚していながら、それでも計画を押し進めようとした……」
「全ては人類の存続のために……私自身、シックザールの行いは今でも正しいとは思いませんが」
「彼の想いには最大限、敬意を払っているつもりです」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 02:08:40.00 ID:dtZfi5bS0
リーダー「そして、だからこそ……彼の計画に終止符を打ち、後手の先を見出した中の一人だからこそ」
「私はアラガミから人々を守り、出来る限り生き抜こうと考えています」
「……結局長くなってしまいましたが、これが私の戦う理由、ですかね」
隊長「……あなたが強い理由……少しわかった気がします」
リーダー「いやぁ、私などまだまだですよ。決心はしても、ついこうやって考えを巡らせてしまう」ハハハ
―ザザッ
テルオミ『……おや、話も終わったみたいですね。では、本日もお疲れ様でした!』
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:12:03.26 ID:dtZfi5bS0
――アナグララボラトリ サカキの研究室
ウィーン
リーダー「お邪魔しますよ」
ソーマ「お前か……頼んでいた素材は採取できたか?」
リーダー「えぇ、この通り。……しかし、あなたもすっかり博士らしくなりましたねぇ」
ソーマ「お前もか……よしてくれ、ガラじゃない」ハァ
「まぁ、これでアラガミ防壁の強化にも……俺の研究にも、役立つはずだ」
リーダー「……月、ですか」
ソーマ「……最初はどうやってアイツを月から引き剥がしてここに戻すか……なんて考えたこともあったが」
「ジュリウスの例や"聖域"の状況に、そもそもアイツの意志の問題もあるんでな」
「特に"聖域"なんざ、アイツにとっちゃ住みにくいなんてもんじゃねぇ……」フッ
リーダー「もしや月にでも住み込むつもりなんですか……?」
「……まぁ、どちらにしても一度行ってみないと始まらない、ということですね」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:13:54.59 ID:dtZfi5bS0
ソーマ「そうだな……まず金とリソースの問題が第一だが、こればかりは個人のワガママで占領するわけにもいかないだろう」
「別に"人類の存続"がかかった計画でもないんでな……何年かかってでもかき集めて、実現してみせるさ」
リーダー「それだけに注力せず、極東の技術力や戦力にも貢献できているのは流石ですね……」
「もし実現出来たら、私達も誘ってくださいよ?」
ソーマ「お前がそれまで神機使いを続けられていたらな……?」ピピッ
「……おい、リンドウが呼んでるぞ……ったく、直接連絡すればいいものを……」カタカタ
リーダー「了解。この時間帯ですし、また徹夜ですかねぇ……」ハァ
ソーマ「……コウタとバカ騒ぎしてたことを言ってるんなら、同情はしねぇぞ」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:16:56.06 ID:dtZfi5bS0
――アナグラ ラウンジ
ウィーン
リーダー「……どうも」
リンドウ「ようリーダー、復帰二日目からこっち、全然会えてなかったが、元気でやってるか?」カラン
リーダー「サテライト候補地見回りの護衛に任務書類の作成、ブラッドアーツの習得……」
「復帰当初は少々苦労しましたが、何とかいつも通りですね」
リンドウ「おう、そりゃよかった。お前は相変わらず手のかからない優等生だねぇ、なんてな」ハハッ
「それでな……あれだ、最近よく一緒に任務に出てると思うが、ブラッドの隊長さんはどう思う?」
リーダー「隊長さん……ですか?」
「そうですね……普段の自信なさげな物腰とは裏腹に、冷静な判断のできる方だと思います」
「それでいて温かさも持ち合わせていて、つい自分の身の上を話してしまうような……なんだか気恥ずかしいですね」
リンドウ「そうそう、それに無茶する危うさも人を惹きつける力もあるよな」ハハッ
「……考えれば考えるほど、やっぱ似てるよなぁお前ら」
リーダー「コウタにも言われた気がしますが、そこまで似ていますかね?」
「魅力的な方だとは思いますが……」
リンドウ「まぁーたお前はそういうことを……アリサに抓られても知らねぇぞ?」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:19:20.27 ID:dtZfi5bS0
リーダー「別に彼女をそういう対象だと思って言っているわけじゃありませんよ……」ハァ
リンドウ「えー、後はだな……そうだ、サクヤのやつ、最近は教官職の勉強を始めたみたいでな」
リーダー「ほう」
リンドウ「まぁ、子育てはしっかりやってくれてる、本人はいつにも増して溌剌としてる、ときたもんだから」
「俺から特に言うこともないんだが」
リーダー「……待つだけだと、辛いものがあるでしょうしね」
リンドウ「……どうした?」
リーダー「いえ、私も遠征先で断片的な情報を頼りにしながら、仲間を信じて自分の仕事を全うすることしかできませんでしたから」
「今になって待つ側の気持ちがわかるようになったなぁと思いまして」
リンドウ「うーむ……まぁ、信じて待ってたのはお前だけじゃないみたいだけどなぁ」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:22:32.55 ID:dtZfi5bS0
リーダー「……」
リンドウ「……えーとな、次は――」
リーダー「リンドウさん」
リンドウ「お、おう、何だ?」
リーダー「先ほどから変に口を濁したり話題を探したり……何を言い淀んでいるんですか?」
リンドウ「……あー、やっぱこういう話はダメだわ」
「……最近、アリサのやつ、ボーっとしてることが多くてな」
「初日以降碌に会ってないんだろうが、せっかく帰ってきたんだ。今度こそアリサのこと、ちゃんと見てやれよ?」
「ただでさえあいつ、誰に似たのか知らんが、一人で色々抱え込むようになっちまったからな」
リーダー「……!」
リンドウ「……その反応だと、鈍いお前でもようやく思い当ることができたみたいだな」スクッ
「いつも自分は二の次に置いて戦ってきたお前だ……そろそろ、自分の事を考えてみてもいいんじゃないか?」
「……俺から言いたいことは以上だ、またな」
ウィーン
リーダー「……アリサ」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:25:01.22 ID:dtZfi5bS0
翌日……
――アナグラ ロビー
「――さん」
アリサ「(……リーダー)」
「(あの日、部屋に呼んでも結局取りとめのない話しかできなかったし)」
「――リサさん!」
アリサ「(やっぱり、素直になれてないなぁ、私……)」ハァ
「(こっちが素直になれば、きっとリーダーの方も――)」
隊長「アリサさん!!」
アリサ「!?」ビクッ
「隊長さん……?」
隊長「あの……参加メンバー、全員集まりましたよ」
アリサ「あ……はい、そうですね」ハッ
「これより、第一サテライト候補地の最終点検及び、その護衛任務のブリーフィングを開始します――」
「――リーダー、隊長さん、ブレンダンさん、そして私の四名は彼らの護衛を担当します」
リーダー「……了解」
隊長「了解!」
ブレンダン「了解だ。守る戦いなら任せてくれ」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:27:43.89 ID:dtZfi5bS0
アリサ「――では、参加メンバーは45分になったら出撃ゲート前に集合してください。解散!」
隊長「……アリサさん、任務に出ても大丈夫なんですか?」
アリサ「え?え、えぇ、大丈夫です!」
「確かにここの所、考え過ぎて上の空になってしまうことはありましたけど、戦闘中はちゃんと切り替えますから!」
隊長「本当に……?」ジーッ
アリサ「う……ほ、本当ですってば!」
ブレンダン「そういえば教官先生、アリサの世話役だったな」
リーダー「そうか、彼女がアリサのサポートを……」
「(しかし、今のアリサの問題は私が何とかしなくては……)」
「アリサ――」
「アリサさん!ここのポイントなんですけど――」
アリサ「あぁ、そこはですね――」
リーダー「……」グッ
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:30:35.51 ID:dtZfi5bS0
――極東外部居住区外 サテライト候補地
―ザザッ
フラン『――アラガミ、ダウンです!……!?そんな、また……!』
ブレンダン「ぐぁっ!」ザンッ
「……キリがないな……ここは俺と教官先生に任せてくれ!二人は職員の避難を!」
リーダー「了解しました!……さぁ、こちらへ!」ダッ
隊長「当たってっ!」ドスゥッ
コンゴウ堕天「グウゥゥッ……」ズ…ン
隊長「(群生地でもないのにこの中型アラガミの数……これだけ呼び出した上で、従えられるのは……!)」
アリサ「くっ……!」ダッ
「(せっかく入念に調査を重ねて、あと一歩のところまできたのに、これじゃあ――)」ギリッ
シユウ「グオオオオオッ!!」ゴォッ
アリサ「――っ!」
リーダー「アリサ!!」ズバァッ
シユウ「グォォォッ……」ヨロッ
アリサ「リーダー……」
リーダー「悔やむのは後でお願いします!……避難を完了させた後は、私達も援護に向かいますよ!」ザクッ
アリサ「……はい!」ジャキッ
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:32:53.07 ID:dtZfi5bS0
―――
――
―
アリサ「こちらアリサ、職員達の安全は確保しました!これよりそちらの援護に向かいます!」ピッ
――ザザッ
ブレンダン『了解だ、助かる!』ブォン
フラン『想定外のアラガミ反応を確認!これは……感応種!』
『三十秒後に作戦エリアに侵入します!』
隊長『侵入ポイントはそちらの方が近いです、気を付けて!』
リーダー「……了解しました」ピッ
アリサ「リーダー……ブラッドアーツは」
リーダー「……いいえ」
「しかし、確証はありませんが、あと一歩のように感じられ……っ!」ズシッ
――ザザッ
フラン『感応種!作戦エリアに侵入しました!マルドゥークです!』
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:35:48.44 ID:dtZfi5bS0
マルドゥーク「……ゥオオオォォォン!!」キィィン
リーダー「ぐっ……(神機が重い……これが偏食場パルスの影響……!)」ズシッ
「……ですがこの程度……っ!ちょうどいい、ハンデです!」ジャキッ
アリサ「リーダー!?無理はしないで!私の援護に回ってください!」
―――
――
―
――ザザッ
フラン『マルドゥークの発する偏食場パルスにアラガミが引き寄せられています!』
ブレンダン「くっ……これ以上食い止めるのは……!」ズバァッ
隊長「……いや、これだけ減らせばもう十分です」
「ブレンダンさん、少し手伝ってください」ガキッ
ブレンダン「!……ブラッドレイジか!」
隊長「……誓約を履行します!」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:39:18.74 ID:dtZfi5bS0
―――
――
―
アリサ「きゃあっ!?……ぐっ」ズシャア
マルドゥーク「グルルルル……」ジリッ
リーダー「アリサァ!!……っ!!」ダッ
「(――極東に復帰してから再会した仲間達……つまり、隊長さんと触れ合うことで新たな力を得た者にあって、私になかったもの……)」
「(それは戦う意義、背負うもの、弱さといった、自分自身と向き合うこと……そして――)」
リーダー「……ぉおおおおおお――」バッ
マルドゥーク「グゥゥゥゥ……」グワッ
アリサ「うっ……リーダー……!」ハッ
「……受け取ってください!!」バシュゥッ
「(――私を想ってくれている、大切な者への想い!!)」バシュウッ
リーダー「――おおおおおおっ!!」キィィン
「はああああああっ!!」ズバァッ
マルドゥーク「ッ!?グオオォォッ……!!」ブシャァァァ
リーダー「……」ズザァァッ
「……何とか、間に合いましたね……!」
―――
――
―
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:42:38.23 ID:dtZfi5bS0
―ザザッ
フラン『討伐対象は完全に沈黙しました!……心配しました……!……す、少しだけ』
隊長『リーダーさん!アリサさん!大丈夫ですか!?』
リーダー「大丈夫です。手強い個体でしたが……神機さえ動けば、何ということもありません」ニヤリ
隊長『あの土壇場でブラッドアーツを!?……もう何も言えないですよ』
ブレンダン『相変わらずの無茶だな、リーダー』
アリサ「ほんとですよ……私も危なかったけど、いきなり飛び出してきて……」ハァ
リーダー「いえ、今度は確信がありましたから。自分の力と……あなたへの想いについての確信がね」
アリサ「……え?」
―ザザッ
隊長『……あ、あの!それじゃあ通信切りますね!』ブツッ
ブレンダン『……ゆっくり歩いてそちらに向かうとするよ』ブツッ
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:44:45.48 ID:dtZfi5bS0
アリサ「リーダー……今なんて……?」
リーダー「そのままの意味ですよ。……ここを発つ時、あなたは私に、私の"帰る場所でありたい"と言ってくれました」
「その言葉を遠征先で反芻する内に……私の自惚れでなければ、あなたに想われていることに、今更気づいたんです」
「ですが……いざ帰る時になると緊張してしまって、連絡もよこさずに来てしまいました」ハハッ
アリサ「……」
リーダー「その後も機会は何度かあったのに、気持ちの整理がつかなくて……先日リンドウさんに説教されて、やっと決心がつきました」
「……この場で言うのも何ですが、周りが折角お膳立てしてくれたので、ね」
「アリサ、私の"帰る場所"でいてくれて、ありがとうございます……今はこれが精一杯ですが、そのうち――」
ガバッ
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:47:54.10 ID:dtZfi5bS0
アリサ「……」ギュッ
リーダー「……!」
アリサ「……ほんとにっ……今更過ぎますよ……バカっ……!」
「信じられないほど鈍感で、無神経で、そのくせやきもきさせるのは上手で」
「でも……一人だった私に本当の居場所をくれた、そんなあなたを……想わずにはいられないんです」グスッ
「……これからも、ずっと……!!」
リーダー「……本当に、ありがとう」ギュッ
隊長「……合流、しちゃいましたね」フフッ
ブレンダン「あぁ、もう少しだったな」フッ
―ザザッ
フラン『……避難した職員達の移送、先に始めちゃいましょうか』フフッ
終ノ一撃
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:53:17.68 ID:mfLtxN7k0
俺のパンツが結合崩壊
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:53:55.38 ID:m+qM5DYvo
いい話ですね><
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/06(土) 23:54:02.09 ID:dtZfi5bS0
お疲れ様でした
アリサのキャラエピ見て仕事詰めの状況に弱音吐くアリサ書きてぇ!と思って書き始めたのに何だこの説明台詞の嵐はぁ!?
しかも全然弱音吐いてねぇ!でも何となくまとまったからいいか!という気持ちです
GEシリーズのSSもっと増えてください
アリサのキャラエピ見て仕事詰めの状況に弱音吐くアリサ書きてぇ!と思って書き始めたのに何だこの説明台詞の嵐はぁ!?
しかも全然弱音吐いてねぇ!でも何となくまとまったからいいか!という気持ちです
GEシリーズのSSもっと増えてください
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/07(日) 00:07:34.36 ID:Ym7MlVOZ0
アニメ化さたら増えるかもしれないけど、主人公が不安
まぁでも主人公はソーマなんですけどね
まぁでも主人公はソーマなんですけどね
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/06/07(日) 00:12:35.62 ID:lO07ZQVZO
バーストで本気だすから…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433429399/
Entry ⇒ 2016.04.22 | Category ⇒ ゴッドイーター | Comments (0)
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