【幸腹グラフィティ】リョウ「椎名さんダメです……きりんとの約束が……」
1: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:32:02.81 ID:nOmGiTx6O
椎名「大丈夫だよ、少しならお互い黙ってたらバレることはないよ」
リョウ「で、でもきりんを裏切ることになっちゃいます……」
椎名「じゃあ、どうしてここまで一緒に入ってきたの?」
リョウ「し、椎名さんが手を引いたから……」
椎名「町子さん、大して抵抗しなかったよね?」
椎名「ここまで来たらこうなるって分かってたはずだよね?」
リョウ「……」
椎名「期待、してるんでしょ?」
リョウ「で、でもきりんを裏切ることになっちゃいます……」
椎名「じゃあ、どうしてここまで一緒に入ってきたの?」
リョウ「し、椎名さんが手を引いたから……」
椎名「町子さん、大して抵抗しなかったよね?」
椎名「ここまで来たらこうなるって分かってたはずだよね?」
リョウ「……」
椎名「期待、してるんでしょ?」
2: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:35:21.54 ID:nOmGiTx6O
リョウ「うぅ……」
椎名「ほら、もう諦めよう町子さん?」
椎名「お金は全部私が出すし、町子さんは安心していいよ」
リョウ「しい……な、さん……」
椎名「ふふ……体は正直だね町子さん?」
リョウ「ち、違います……」
椎名「ほら、もう諦めよう町子さん?」
椎名「お金は全部私が出すし、町子さんは安心していいよ」
リョウ「しい……な、さん……」
椎名「ふふ……体は正直だね町子さん?」
リョウ「ち、違います……」
3: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:39:57.95 ID:nOmGiTx6O
椎名「ほら、欲しいんでしょ?」
リョウ「あ……」
椎名「どうしたの?そんなにもの欲しそうな顔をして」
リョウ「ズルいです椎名さん……」
椎名「欲しい?」
リョウ「……」
椎名「ほら、町子さん早く、早く決めて」
リョウ「ほ、欲しい……欲しいです」
椎名「ふふっ、よく言えました」
リョウ「あ……」
椎名「どうしたの?そんなにもの欲しそうな顔をして」
リョウ「ズルいです椎名さん……」
椎名「欲しい?」
リョウ「……」
椎名「ほら、町子さん早く、早く決めて」
リョウ「ほ、欲しい……欲しいです」
椎名「ふふっ、よく言えました」
4: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:45:44.75 ID:nOmGiTx6O
リョウ「ん……っはぁ……甘い……」
椎名「どう?町子さん」
リョウ「とっても濃厚で、おいしいです!」
椎名「でしょ?いつか町子さんと来たいと思ってチェックしておいたんだ、ここ」
リョウ「私も気になってたんですけど……高そうで入れなくて」
椎名「ふふっ、大丈夫、今日は全部私がおごるから」
椎名「町子さんは好きなだけケーキ食べていいよ」
椎名「どう?町子さん」
リョウ「とっても濃厚で、おいしいです!」
椎名「でしょ?いつか町子さんと来たいと思ってチェックしておいたんだ、ここ」
リョウ「私も気になってたんですけど……高そうで入れなくて」
椎名「ふふっ、大丈夫、今日は全部私がおごるから」
椎名「町子さんは好きなだけケーキ食べていいよ」
5: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:50:02.22 ID:nOmGiTx6O
リョウ「そんな、悪いですよ」
椎名「町子さんはそんなこと気にしないでいいから、ほら、も一口あーん」
リョウ「んぐっ……あっ……ぶりゅーべりーの味がひましゅ……」
椎名「おいしい?」
リョウ「はい!とってもおいしいです!いつかきりんと一緒に……」
ガシャン
リョウ「!?」
椎名「今は森野さんの話禁止」ニコッ
椎名「今ここにいるのは私と町子さんだけでしょ?」
リョウ「そ、そうでしたねごめんなさい……」
椎名「はい、も一口どうぞ」
リョウ「ん……」
椎名「町子さんはそんなこと気にしないでいいから、ほら、も一口あーん」
リョウ「んぐっ……あっ……ぶりゅーべりーの味がひましゅ……」
椎名「おいしい?」
リョウ「はい!とってもおいしいです!いつかきりんと一緒に……」
ガシャン
リョウ「!?」
椎名「今は森野さんの話禁止」ニコッ
椎名「今ここにいるのは私と町子さんだけでしょ?」
リョウ「そ、そうでしたねごめんなさい……」
椎名「はい、も一口どうぞ」
リョウ「ん……」
6: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 06:55:01.64 ID:nOmGiTx6O
リョウ「あの……さっきからどんどんケーキが運ばれてきてるんですが……」
椎名「うん、2人でここのケーキ全制覇しようよ」
リョウ「お金は……」
椎名「町子さんは気にしないでいいってば、はいあーん」
リョウ「あんっ、レモンタルトしゅっぱいでしゅ……」
椎名「うん、2人でここのケーキ全制覇しようよ」
リョウ「お金は……」
椎名「町子さんは気にしないでいいってば、はいあーん」
リョウ「あんっ、レモンタルトしゅっぱいでしゅ……」
10: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 12:12:38.34 ID:KVrRQyPaO
椎名「……さすがに食べ過ぎちゃったね……」
リョウ「うぅっ、そうですね……しばらく甘いものは控えます……」
椎名「ねぇ、町子さん」
リョウ「なんですか?」
椎名「今日は無理やり誘っちゃってごめん」
リョウ「いいんですよ、椎名さんとたくさんお話できて、おいしいケーキもたくさん食べられてとても楽しかったです」
椎名「町子さん……」
リョウ「うぅっ、そうですね……しばらく甘いものは控えます……」
椎名「ねぇ、町子さん」
リョウ「なんですか?」
椎名「今日は無理やり誘っちゃってごめん」
リョウ「いいんですよ、椎名さんとたくさんお話できて、おいしいケーキもたくさん食べられてとても楽しかったです」
椎名「町子さん……」
11: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 12:15:53.65 ID:KVrRQyPaO
店員「会計○万円になります」
リョウ「ええっ!?」
椎名「カードでお願いします」
リョウ「い、いいんですかこんなに……!」
椎名「うん、大丈夫だよ」
リョウ「で、でもさすがにこの値段は……何かお返しを……」
椎名「お返しなんていらないよ町子さん」
椎名「カップル割で半額だしね」
リョウ「え?」
椎名「ううん、何でもない」
リョウ「ええっ!?」
椎名「カードでお願いします」
リョウ「い、いいんですかこんなに……!」
椎名「うん、大丈夫だよ」
リョウ「で、でもさすがにこの値段は……何かお返しを……」
椎名「お返しなんていらないよ町子さん」
椎名「カップル割で半額だしね」
リョウ「え?」
椎名「ううん、何でもない」
12: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 12:21:50.65 ID:KVrRQyPaO
リョウ「本当に今日はありがとうございました」
椎名「こちらこそ、ありがとう町子さん」
椎名「また2人で行こうn」
リョウ「今度はきりんも一緒にいきたいですね」
椎名「……うん、そうだね」
椎名「じゃあ、私こっちだから」
リョウ「はい、また予備校で」
椎名「うん、またね、町子さん」
椎名「こちらこそ、ありがとう町子さん」
椎名「また2人で行こうn」
リョウ「今度はきりんも一緒にいきたいですね」
椎名「……うん、そうだね」
椎名「じゃあ、私こっちだから」
リョウ「はい、また予備校で」
椎名「うん、またね、町子さん」
13: ◆3p8Bc6BB6E 2015/02/02(月) 12:33:49.51 ID:KVrRQyPaO
椎名「今日は町子さんといい雰囲気になったと思ったんだけどなぁ……」
椎名「『きりんも一緒に』かぁ……」
椎名「……ちぇっ」
~~~~~~~
リョウ「きりんは今何してるでしょうか?」スッ
リョウ「ああ!きりんからのメールが200件も!」
きりん『今電車乗ったよ!』
きりん『なんで返事ないの?』
きりん『まさか椎名とケーキとか食べたりしてないよね?』
きりん『何してるのリョウ?』
きりん『返事ください』
きりん『やっぱりケーキなんでしょ?』
きりん『返事して』
きりん『パンケーキ?』
きりん『クレープ?』
きりん『リョウがいないと寂しいよ』
リョウ「きりんを寂しがらせるなんて私はなんてことを!」
リョウ「ごめんなさいきりん~!!」
終わり
椎名「『きりんも一緒に』かぁ……」
椎名「……ちぇっ」
~~~~~~~
リョウ「きりんは今何してるでしょうか?」スッ
リョウ「ああ!きりんからのメールが200件も!」
きりん『今電車乗ったよ!』
きりん『なんで返事ないの?』
きりん『まさか椎名とケーキとか食べたりしてないよね?』
きりん『何してるのリョウ?』
きりん『返事ください』
きりん『やっぱりケーキなんでしょ?』
きりん『返事して』
きりん『パンケーキ?』
きりん『クレープ?』
きりん『リョウがいないと寂しいよ』
リョウ「きりんを寂しがらせるなんて私はなんてことを!」
リョウ「ごめんなさいきりん~!!」
終わり
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/02(月) 12:36:25.88 ID:1MPrIOvdO
乙
なんでだろう。女の子しか出てこないのに幸腹は百合目線で見てなかった
なんでだろう。女の子しか出てこないのに幸腹は百合目線で見てなかった
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/02(月) 13:10:10.51 ID:VGBmDy4z0
こいつらガチで食欲>性欲なんだよなぁ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/02(月) 22:47:19.90 ID:aS366U4Fo
お変わりマダー?(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422826322/
Entry ⇒ 2015.11.03 | Category ⇒ 幸腹グラフィティ | Comments (1)
【幸腹グラフィティ】リョウ「きりん!美術館に行きましょう!」
1: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:35:54.40 ID:NFcI5jcp0
『幸腹グラフィティ』のリョウときりんが百合百合しく絵画うんちくを語りながら美術館めぐりするssです。
美術知識は結構適当なのでご容赦を・・
美術知識は結構適当なのでご容赦を・・
2: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:38:49.51 ID:NFcI5jcp0
きりん「え…?なんでいきなり?」
リョウ「きりん、ごはんばっかり食べていて忘れているかもしれませんが、私たちは美術学校の生徒ですよ?」
きりん「あー…そういえばそんな設定あったねぇ…」
リョウ「設定とか言わない!」
きりん「そんなことよりさ、今日のお昼ごはんなに?」
リョウ「そんなことじゃないです!今日はこれから美術館に行くんです!」
きりん「えー、美術館よりリョウのごはん食べたいよー!」
リョウ「そ、そう言ってくれるのは嬉しいですが……///」
リョウ「きりん、ごはんばっかり食べていて忘れているかもしれませんが、私たちは美術学校の生徒ですよ?」
きりん「あー…そういえばそんな設定あったねぇ…」
リョウ「設定とか言わない!」
きりん「そんなことよりさ、今日のお昼ごはんなに?」
リョウ「そんなことじゃないです!今日はこれから美術館に行くんです!」
きりん「えー、美術館よりリョウのごはん食べたいよー!」
リョウ「そ、そう言ってくれるのは嬉しいですが……///」
3: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:39:49.64 ID:NFcI5jcp0
リョウ「今日は美術館に行くんです!」
きりん「やだー!リョウのごはんーー!!」
リョウ「もう。わがまま言わないでください。美術館に行くなら、とっておきのスーパースペシャルなおべんとう、お作りしますよ?」
きりん「え!?スペシャルなおべんとう!?」キラキラ
リョウ「はい♪」
きりん「じゃあ行く!」
リョウ「いい子いい子。でしたら、準備してくださいね」ヨシヨシ
4: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:41:17.52 ID:NFcI5jcp0
美術館
リョウ「着きました!」
きりん「んーと…『印象派の画家たち~光の世界~』だって。光の世界ってなんだろ?」
リョウ「1800年代後半のフランスを中心に流行した印象派は、光の刹那の輝きを絵画に切り取ることにこだわりを持っていたらしいですよ」
きりん「へー。詳しいね」
リョウ「もう。きりんも美術学校の生徒なんですから、勉強しなきゃですよ?」
きりん「えへへー」
リョウ「それはそうと、きりんと私の刹那の輝きも大切にしたいですね」
きりん「ん??うん。そうだね…?」
リョウ「着きました!」
きりん「んーと…『印象派の画家たち~光の世界~』だって。光の世界ってなんだろ?」
リョウ「1800年代後半のフランスを中心に流行した印象派は、光の刹那の輝きを絵画に切り取ることにこだわりを持っていたらしいですよ」
きりん「へー。詳しいね」
リョウ「もう。きりんも美術学校の生徒なんですから、勉強しなきゃですよ?」
きりん「えへへー」
リョウ「それはそうと、きりんと私の刹那の輝きも大切にしたいですね」
きりん「ん??うん。そうだね…?」
5: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:42:23.07 ID:NFcI5jcp0
きりん「うっわ。この絵なんかえっちだよ///」
リョウ「これは、マネの『オランピア』ですね。ちなみに、ここに描かれている裸の女性は娼婦ですよ」
きりん「しょうゆ…?」
リョウ「娼婦です。要は、お金をもらって男の人とえっちなことをする人です」
きりん「え!?え!?そんなの描いていいの!?」///
リョウ(恥ずかしがるきりん…アリですね)
リョウ「この作品が発表された当時は大炎上でしたよ。裸の娼婦なんて下品なモノを描くなんてけしからんってね。それに、この絵の右下の方を良く見てください」
6: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:43:36.64 ID:NFcI5jcp0
きりん「右下…あ!黒猫さんだ!」
リョウ(猫にさん付け…///)
リョウ「ええ。この当時、黒猫は魔女の象徴とされていました。こんなものを神聖な絵画に描くなんて、タブー中のタブーだったのです」
きりん「へ、へー。でも、どうしてそんな絵を描いたんだろ」
リョウ「恐らく…マネは何か新しいことがしたかったのでしょう」
きりん「新しいこと…」
リョウ「ええ。伝統や古いしきたりなんかを壊したかったんだと思います」
きりん「ふーん……」
7: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:44:26.55 ID:NFcI5jcp0
きりん「あー、キレイな絵!黒服のお母さんと、可愛い姉妹ちゃんだよ!」
リョウ「これはルノワールの『シャルパンティエ夫人と子供たち』ですね」
きりん「へー、なんだか、柔らかいタッチだね」
リョウ「ええ。ルノワールはこの絵のように柔らかいタッチで黒服の婦人画を数多く残しています」
きりん「そうなんだー。フリフリの服着た姉妹ちゃんも可愛いよね」
リョウ「これは姉妹ではありませんよ?」
きりん「え?」
8: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:45:23.74 ID:NFcI5jcp0
リョウ「この当時、五歳くらいまでの男の子には女の子の恰好をさせるのが普通だったんですよ。だから、この絵の片方の子は、恐らく男の娘ではないだろうかと言われています」
きりん「え…男の娘…」
リョウ「ええ。きりんが毎週土曜の朝に見ているアニメにも出ているでしょ?」
きりん「そ、そうだけど…そんな変態的なことしてるのなんて、日本だけかと思ってたよ…」
リョウ「男の娘は決して変態ではありませんよ!あと、もっと言うと、百合も変態ではありません!」
きりん「ゆ、百合!?」
リョウ「女の子同士の恋愛です!」
きりん「え、えっと」
リョウ「きりんは、百合、好きですよね?」ゴゴゴゴ
9: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:46:11.81 ID:NFcI5jcp0
きりん「き、嫌いじゃないよ…」アワアワ
リョウ(よしっ!)
リョウ「そうですか。いろいろな価値観を受け入れられないと絵画は楽しめませんからね」
きりん「う、うん」
リョウ「さ、次、行きましょう!」
10: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:47:06.93 ID:NFcI5jcp0
きりん「わぁ、キレイな風景画だねぇ。ヨーロッパの街並みかな?」
リョウ「ええ。これは、ピサロの『パリのテアトル・フランセ広場、雨』ですね」
きりん「やっぱり雨なんだ。なんか水っぽいなーって思ったよ」
リョウ「ええ。少しぼわっとしているこの絵は、雨の影響もありますが、それよりもピサロが歳のために目がほとんど見えなくなっていたことが原因だと言われています」
きりん「え!?見えないのに書いてたの!?」
11: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:48:17.69 ID:NFcI5jcp0
リョウ「ええ。ピサロは若いときには全く評価されず、それでも描き続けました。そして、晩年にやっと少しずつ評価され始めるも、今度は目がやられて外に出ることすら難しくなります」
きりん「ついてないね…」
リョウ「それでも彼は描きつづけました。なぜだかわかりますか?」
きりん「…なんでだろ?」
リョウ「絵が大好きだからです」
きりん「大好きだから…か。私もそれは分かる気がするな」
リョウ「そうなんですか?」
きりん「うん!だって私、大好きなリョウのためなら、どんなことだって出来るから!」
リョウ「/////」プシュー
きりん「リョウ?リョウ?だいじょうぶ?」
12: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:48:44.49 ID:NFcI5jcp0
リョウ「ご、ごめんなさい…嬉しくてちょっと頭の回線がショートしていました///」
きりん「もう!リョウったら!」
リョウ「そ、それでは、次に行きましょうか///」
13: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:49:32.29 ID:NFcI5jcp0
リョウ「これはマネの弟と結婚した女性画家、モリゾが描いた実の娘ジュリーの絵ですね」
きりん「へー。可愛いね」
リョウ「ええ。でもモリゾは、ジュリーのことを不細工だ、こんななら男の子に生まれれば良かったと言うのですよ」
きりん「なにそれっ!酷いよ!」プンスカ
リョウ(頬をふくらませるきりん…///)
リョウ「そうですね。私だったら例え自分の子供がどれだけ不細工でも、そんな事は言いません」
きりん「そうだね」
リョウ「まぁ、きりんと私の子供が不細工なワケはないので、あまり心配いりませんね///」
きりん「うん…うん?」
14: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:50:25.82 ID:NFcI5jcp0
きりん「あ!バレリーナさんだ!」
リョウ「これはドガの『舞台訓練』ですね」
リョウ「ドガはこのようによくバレリーナの絵を描いています」
きりん「へー」
リョウ「ですが、それらは全部のぞきで描いてるんですよ」
きりん「え…覗き見?」
リョウ「ええ。彼はお金持ちだったので、バレリーナたちを覗き見る権利をお金で買ったのです。中には入浴シーンや、下の毛を処理している最中の絵もあります」
きりん「う、うわぁ…絵描きの人って変態さんが多いのかな…」
リョウ(言えない…私もきりんの入浴や生着替え、歯磨きからトイレまで除いているなんて…)
15: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:51:31.35 ID:NFcI5jcp0
きりん「これ知ってるー!モネの『睡蓮』だ!」
リョウ「ええ。モネの『睡蓮』は本当に有名ですよね。恐らく、ゴッホの『ひまわり』にも引けを取らないかと」
きりん「ん…あれ?モネの別の絵もかざってあるけど、隣のルノワールの絵と構図が全く一緒だよ??」
リョウ「ええ。これはモネのものもルノワールのものもタイトルは一緒で『ラ・グルヌイエール』といいます。まったく一緒の絵に見えるのは、二人で隣に座って絵を描いていたからです」
きりん「へー!モネとルノワールは仲良しさんだったの?」
リョウ「ええ。二人は、グレール画塾というところで知り合い、生涯の親友になります。ちなみに、その画塾で一緒だったシスレーという画家も彼らの親友です」
きりん「へー。なんだか私達みたいだね!」
リョウ「え?」
16: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:52:16.77 ID:NFcI5jcp0
きりん「ルノワールが私で、リョウがモネ。そして、シスレーが椎名!」
リョウ「あ!確かに。言われてみると似てる気がしますね!」
きりん「へへー///」
リョウ「でも…モネとルノワールはそれぞれ別の人と結婚してしまいます…そこだけが違いますね」
きりん「ん…?男の人同士だよ??」
リョウ「はい…それが問題でも?」
きりん「問題だらけだよ!」
リョウ「問題…?あ!この当時はまだiPS細胞がなかったからですか!それには気が付きませんでした…」
きりん「あいぴーえす…?私、ときどきリョウの言ってることが分からないよ…」
17: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:53:33.91 ID:NFcI5jcp0
リョウ「そろそろ印象派展も終わりに近づいてきました」
きりん「最後の絵は…ゴッホだ!」
リョウ「そうですね。これは『星月夜』です」
きりん「なんだか…吸い込まれそうでちょっと怖い絵だねぇ」
リョウ「ええ。これを描いた当時、ゴッホの精神は異常な状態にありました。ゴッホは嫌なことがあった時、星空を見上げ、それに宗教的な救いを求めたと言われます。そして、この絵を描いた二年後、ゴッホは拳銃で自殺してしまいます」
きりん「…どうしてこの人はそんなにつらかったの?」
リョウ「もともと彼は気難しく、傷付きやすい性格でした。恐らく、そんな彼にトドメを刺したのは同居人のゴーギャンでしょう」
きりん「ゴーギャン…隣に絵が飾ってあるね」
リョウ「『ひまわりを描くゴッホ』ですね。同居中に、ゴーギャンがゴッホをモデルに描いた絵です」
きりん「どうしてゴッホはゴーギャンと同居していたの?」
リョウ「ゴッホは芸術家たちが共同生活をする家を持つことをずっと夢に見ていたのです。そして、その家が完成した時の住人第一号がゴーギャンだったのです」
きりん「ゴーギャンはどうしてゴッホと?」
リョウ「それはゴッホの弟、テオからの仕送りが目当てだったと言われています。その当時、ゴーギャンは無一文でした。だから、ゴッホと共同生活することで、寝る場所を手に入れ、明日のご飯を手に入れたのです」
きりん「なんか…そういうのイヤだね」
18: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:54:32.50 ID:NFcI5jcp0
リョウ「同居当時、二人は本当に素晴らしい師弟関係にありました。けれど、奔放すぎるゴーギャンと几帳面すぎるゴッホはたびたび衝突します。そのストレスに耐えかねて、ゴッホは遂に自らの耳を切り落としてしまいます」
きりん「うわぁ…」
リョウ「耳を切ったゴッホを見たゴーギャンは、ゴッホとこれ以上一緒にいるのは不可能だと悟り、出て行ってしまいます」
きりん「ひどい…」
リョウ「…ええ」
きりん「なんか…」
リョウ「はい?」
きりん「…なんでもないよ」
リョウ「…?」
19: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:55:11.99 ID:NFcI5jcp0
リョウ「今日は勉強になりましたね~」
きりん「…」
リョウ「きりんはどの絵が好きでしたか?」
きりん「…」
リョウ「きりん??」
きりん「私って、リョウにとってゴーギャンみたいかな」
リョウ「へ?」
20: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:55:59.38 ID:NFcI5jcp0
きりん「私、リョウの家に半分居候させてもらってるのに、手伝いもせず、毎日ごはんばっかり食べて…」
きりん「今日もリョウが美術館に行きたいって言うのに、ごはん食べたいばっかり言って、またリョウを困らせて…」
きりん「こんな私って――」
リョウ「きりん」ダキッ
きりん「わふっ」
21: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:56:44.95 ID:NFcI5jcp0
リョウ「きりんも言ってたじゃないですか。私たちはゴッホとゴーギャンじゃなくて、モネとルノワールですよ」
きりん「で、でも…」
リョウ「そうだ!これから一緒に公園でおべんとうを食べましょう」
きりん「え?」
リョウ「そしたらきっとわかりますよ」ニコリ
22: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:57:27.59 ID:NFcI5jcp0
リョウ「じゃーん。スペシャルおべんとうです!」ドヤァ
きりん「うわぁ。美味しそう…」
リョウ「実はこのおべんとう、全てきりんがお家から持ってきてくれた食材で作ったのですよ」
きりん「え…全部?」
リョウ「ええ。家まで結構あるのに、きりんはいつもたくさんのお野菜や、お肉や、お米を持ってきてくれますよね」
きりん「…うん」
23: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:58:15.82 ID:NFcI5jcp0
リョウ「知ってますか?モネもルノワールも全く売れない新人のころ、特にモネは彼の浪費癖も手伝って、かなり貧乏でした」
きりん「そうなんだ」
リョウ「ええ。そして、食べるものがない。餓死寸前!ってところまで追い詰められたことが幾度となくあったそうです」
きりん「…」
リョウ「そんなとき、決まっていつもルノワールは自分の実家に戻り、家にあるありったけのパンを自分の洋服のポケットに詰め込めるだけ詰め込んでモネの家へ走ったそうです」
きりん「へー…」
リョウ「とてもステキな友人関係だと思いませんか?」
きりん「…うん」
24: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 16:59:36.42 ID:NFcI5jcp0
リョウ「私も、おばあちゃんが亡くなってから一人で食べるごはんは美味しくなくて、心はきっと餓死寸前でした」
リョウ「でも、そんな時きりんが来てくれた。たくさんの食材もですが、それよりも、大切な人と一緒に食べるごはんの美味しさを思い出させてくれました」
リョウ「だから、私にとってきりんは、言葉では言い表せないくらいの大切な親友です」
きりん「リョウ…!」
リョウ「だから、これからも、ずっと、ずっと一緒にいてくださいね」
きりん「うん…うん!」
リョウ「ふふ。では…」
きりん・リョウ「いただきます!」
終り
25: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 17:00:07.94 ID:NFcI5jcp0
ありがとうございました
幸腹グラフィティ百合ss増えろ~
幸腹グラフィティ百合ss増えろ~
27: ◆WOCvdCGjcQ 2015/01/09(金) 17:04:57.86 ID:NFcI5jcp0
桜トリックの方が濃いです。
こちらは雰囲気的に匂わせる程度なので。
こちらは雰囲気的に匂わせる程度なので。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/09(金) 21:17:32.89 ID:e+WXsLU7o
乙!
アニメしか見てないけどとりあえず問題はなかった
回が進んだらもっと増えるかなあ
アニメしか見てないけどとりあえず問題はなかった
回が進んだらもっと増えるかなあ
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/09(金) 22:32:02.87 ID:6RYeZWsAO
仕事が早い!
乙!
乙!
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 00:15:45.81 ID:2sY9lVXgo
おつおつ
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/13(火) 16:34:16.86 ID:RgT9ju3AO
原作未読だけどアニメ楽しみ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420788944/
Entry ⇒ 2015.08.01 | Category ⇒ 幸腹グラフィティ | Comments (0)
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