うまる「彼氏ができた」
うまる「ってお兄ちゃんに言う(①)」
うまる「お兄ちゃん、慌てる(②)」
うまる「お兄ちゃん、うまるの心が離れていくのをおそれてうまるの言うことを何でも聞く(③)」
うまる「ぬふふふ……この3ステップでもってお兄ちゃんはうまるの思い通り」
うまる「いやぁ、我ながら完璧な作戦だよ。最近ますます厳しくなってきてるからね」
うまる「ここいらでちょっと妹恋しさを取り戻して、もっと甘やかしてもらわないと」
うまる「さーて、お兄ちゃん早く帰って来ないかな~♪」ワクワク
会社の昼休み
ぼんば「はぁー…」
タイヘイ「どうした? なんか今日朝からずっとテンション低いけど」
ぼんば「タイヘイ~~聞いてくれよぉ~!!」ガバッ
タイヘイ「うわっ! 急に大声出すなよ」
ぼんば「すまん、けど俺もう気になって気になって仕事が手に付かねぇんだ」
タイヘイ「何かあったのか?」
ぼんば「実は……我が妹のことなんだが」
タイヘイ「きりえちゃん?」
タイヘイ「…は? 彼氏?」
ぼんば「ああ。あのきりえにもついに出来ちまったんだ」
タイヘイ「はぁ」
タイヘイ(きりえちゃん本人からそういうことをぼんばに言うとは思えないな)
タイヘイ「それ、きりえちゃんが話したのか?」
ぼんば「いいや?」
タイヘイ「ならデート現場でも目撃したのか?」
ぼんば「んにゃ違う」
タイヘイ(んん? じゃあなんでだ?)
タイヘイ「まさか、直接家に連れてきて紹介されたとか」
ぼんば「んなことされたらその場でその男をちぎっちまうだろうが!」
タイヘイ「ちぎるってなんだよ…」
ぼんば「まぁ、かもしれねぇって話なんだがな」
タイヘイ「なんだそりゃ」
ぼんば「だってよ、最近きりえのやつ何の連絡もなく帰りが遅くなることが急に増えたし」
タイヘイ「えっ、そうなのか?」
ぼんば「どこ行ってたのか聞いても、慌てた感じで俺には関係ないって言うし」
タイヘイ「それは確かに…」
タイヘイ(ん? 待てよ?)
タイヘイ(それってもしや、うまると遊びにうちに来てるやつじゃないか?)
ぼんば「それに俺に隠してせっせと何か書いてたりすんだよ。文通だぜあれは」
タイヘイ「古風だな今時」
タイヘイ(うーん、たぶん絵本だろうな)
タイヘイ(確証は無いけど、ぼんばの勘違いかもしれないってことだけ伝えてやるか)
ぼんば「ってな感じでさぁ。タイヘイも怪しいと思うだろ?」
タイヘイ「ぼんば、たぶん違うぞ」
ぼんば「え? 違う?」
タイヘイ「ああ。だってそれは…」
タイヘイ(あ、でも隠してるってことは、うまると遊んでることもきりえちゃんとしては知られたくないことなのか?)
ぼんば「なんだよ勿体ぶるなよ」
タイヘイ「あー、その、なんとなくな」
ぼんば「えぇー…なんとなくってお前…」ガクッ
タイヘイ「だいたい、彼氏とかそんなのまだ早いだろ」
ぼんば「そうは言ってもタイヘイよ、華の女子高生だぞ?」
タイヘイ「いや女子高生だけど。それが?」
ぼんば「だーかーら、そういう浮いた話の一つや二つあって普通だっつの。きりえもお前の妹もな」
タイヘイ「そ、そんなもんなのか? 今の時代は」
ぼんば「今も昔も変わんねぇよー。つーかまだ時代語るほど俺ら老けちゃいねぇだろうよ」
タイヘイ「高校の頃は勉強ばっかりだったからなぁ」
ぼんば「わっはっは! ま、確かに俺らにゃ縁のない話だったな! 俺もお前も、それに叶もーー」
叶「ア・フ・ロ くーん?」ヌルゥ
ぼんば「おわぁっ!?」
叶「なーんのお話をしているのかしら?」ヌルポ
ぼんば「えっ? あーいやいや、なんでもないっすよ課長! なぁタイヘイ?」
タイヘイ(……高校生なら浮いた話があるのが普通、か)
ぼんば「あれ? タイヘイ? 聞いてる?」
タイヘイ(もしかして、うまるもそうだったりするんだろうか?)
ぼんば「ちょっタイヘイ!? お前まさか無関係決め込む気か!?」
叶「なんの話かって聞いてるのよ? ア・フ・ロ?」
ぼんば「いやほんと課長には関係ないっつーか彼氏彼女とかの話なんで、へへっ、もはや無縁っつーか……あっ」
叶「……」
ぼんば「ちょっ、今の無」ガッ
タイヘイ(外向けのうまるは男子の目に留まるだろうからな。告白なんかもされてておかしくはない)
タイヘイ(うまるからそんな話は聞いたことないけど、別に俺に教える義務もないわけだし)
タイヘイ「なぁぼんば、もしきりえちゃんに…」
タイヘイ「あれ? ぼんばのやつどこ行ったんだ?」
自宅
うまる「……」ゴロゴロ
うまる(お兄ちゃん、今日はちょっと遅いなぁ)
うまる(それとも長く感じるだけ? 緊張してるのかな…)
うまる(いやいや! きっと作戦は成功するからゲームもおやつも好き放題、楽しみで待ち遠しいだけだね!)
ガチャン
うまる(きたっ!)
タイヘイ「ただいまー」
うまる「お、おかえり! お仕事おつかれさま!」
タイヘイ「遅くなってごめんな。スーパーでタイムセールやるっていうから少し待ってたんだ」
うまる「そうなんだ」
タイヘイ「腹減っただろ? すぐ晩ごはん作るからな」
うまる「あ、うん」
タイヘイ「今日は冷凍のごはんを炒飯にして、それから…」ガサ
うまる「あ、あのさお兄ちゃん」
タイヘイ「じゃーん!」
うまる「へ?」
タイヘイ「見ろうまる、タイムセールで獲得した道産牛! なにやら発注の手違いがあったとかで特別にいつもの4割引でさ」
うまる「へ、へえー」
タイヘイ「これを使って今日は……」
タイヘイ「あれ? うまる?」
うまる「え、なに?」
タイヘイ「いや、あんま喜んでないなと思って。牛だぞ? 牛祭りだぞ?」
うまる「あ、ああ! 牛祭りね! いやいやサイコーだよ牛祭り! さすがお兄ちゃんだね!」
タイヘイ「…?」
ジュー…
うまる(まずいなあ、完全にタイミング逃しちゃったよ)
タイヘイ「よし! できたぞーうまる」
うまる「はーい」
タイヘイ「いただきます」
うまる「いただきまーす」
パクッ
タイヘイ「!」
うまる「!!」
タイヘイ・うまる「「うまあぁぁぁ……!」」ジュワァ…
うまる「なにこれお兄ちゃん!? すんごいおいしいんだけど!」
タイヘイ「弾力というかもはや肉が口の中で溶けてくな。やっぱ素材が良いと違うもんだ」
うまる「チャーハンがうす味でご飯が進むね! おかわり!」
タイヘイ「はいはい」
うまる「ぷはー、食べすぎて食後のポテイトも入りそうにないよ」
タイヘイ「はは。なら部屋の片付けでもして運動したらどうだ?」ジャー
うまる「んーーーそだねーー前向きに考えとくよ」
タイヘイ「絶対やる気ないだろ…」
うまる(ふう。あとはスタミナ残ってるゲーム消化して、来期アニメの更新情報見て寝るだけ…)
うまる「ってちがあああああう!!」ヌワッ
タイヘイ「!?」
うまる(作戦だよ作戦! 牛のおいしさで危うく忘れるところだったよまったく)
タイヘイ「うまる? どうした…?」
うまる「えっ!? あー、いやー、そのー」
タイヘイ「…?」
タイヘイ(やっぱり今日のうまるは変だな。食べてる時は気のせいかと思ったけど)
タイヘイ(変といえば、今日のぼんばの話で……まさかな)
うまる「え、えーっとね」
うまる(美妹モードで言ったほうが効果高いよね! ようし!)
うまるーん
うまる「実は、お兄ちゃんに大事なカミングアウトがあるの」モジ
タイヘイ(っ! 今までにない雰囲気…これは…)
タイヘイ「な、なんだ?」
うまる「あのね、私………彼氏ができたんだけど」
タイヘイ「…………」
タイヘイ(まじかあああああああっ!!?)
タイヘイ(うわああ……嘘だろ、どんだけタイムリーなんだ)ズーン
うまる「……」チラ
うまる(固まってる! これはけっこう効き目アリかな?)
うまる「…お兄ちゃん?」
タイヘイ「あ、ああ。悪い。あまりのショックで放心してた」
うまる「イェッス!」グッ
タイヘイ「え?」
うまる「えっ!? な、なんでもないよ! あはは!」
タイヘイ「はあ」
シュルシュルシュル
うまる(よしよしつかみはバッチリだね。あとは『うまる~行かないでくれぇ~』状態にさせるのみ!)
うまる(ぬっはっは! お兄ちゃんも案外チョロいね!)
うまる「それよりほら、どう?」ドヤァ
タイヘイ「どう っていうと?」
うまる「やだなぁーお兄ちゃん、愛する妹に彼氏ができたんだよ? 何か言うことない?」
タイヘイ「えっ!?」
タイヘイ「いや、あまりに突然すぎて…ちょっとだけ考えさせてくれ」
うまる(うひょー、これは予想以上に戸惑ってると見たね。ソフトどころか念願のVRその他もろもろゲットできちゃうかも!?)
タイヘイ(でもなんだろう、タイムリーなだけに心の準備は少し出来てたというか、考えるだけの余裕はあるな)
うまる(まずは手始めにポテイトとコーラを各段ボール10箱ってとこかな?)
タイヘイ「うまる」
うまる「はいはい、なにかなお兄ちゃん?」
タイヘイ「その……どんなやつなんだ?」
うまる「へ?」
タイヘイ「彼氏だよ。同じ高校か?」
うまる「えっ!? えー、あー…」
うまる(なんにも考えてなかったぁー! だよね、ふつう聞くよね)
タイヘイ「あれ? 違うのか?」
うまる「お、おおお兄ちゃんには関係ないんじゃないかな?」
タイヘイ「関係ないって…うまるが言い出したんだろ」
うまる「そうじゃなくてー、彼氏がどんな人とかの前にほら、まず言うべきことがさ!」
タイヘイ「えっ? ……あ、そうだな」
うまる(ほっ、そうだよお兄ちゃん。まず妹を引き止めるところから)
タイヘイ「おめでとう、うまる」
うまる「ちがあああああああう!!」ズサー
タイヘイ「えぇ!?」
うまる「いや、違くはないか……ありがとお兄ちゃん」
タイヘイ「お、おう」
うまる「で? それから?」
タイヘイ「ん? ああ、だからその彼氏がどんなやつか…」
うまる「ええぇぇーー」ズーン
タイヘイ「なんだよ!」
うまる「いや、だって、ねぇ?」
タイヘイ「はあ…?」
うまる(ぬぬぬぬ、こうなったら路線変更)
うまる(とりあえず彼氏像はテキトーに造って乗り切って、それから妹を失う不安をあおる戦略でいくよ!)
うまる「お兄ちゃんー、うまるの彼氏がそんなに気になるの?」
タイヘイ「そりゃ気になるだろ」
タイヘイ(でも話した途端あんまり突っ込まれるってのも嫌だよな)
タイヘイ「…せめて同じ高校かどうかだけ教えてくれないか?」
うまる「え? そこそんな重要?」
タイヘイ「うまる外見は良いからさ、街で声かけられた可能性もあると思って」
うまる「外見は って失礼な… そーだねー、まあ同じ学年…かな?」
タイヘイ「そうか! ならよかった!」
うまる「えっ!?」
タイヘイ「いやぁ見知らぬ大人とかだったらどうしようかと思ったけど……そうか同じ高校か、それ聞いて少し安心し」
うまる「あああああちょっと待って! やっぱり知らない人! 全然知らない人だった!」
タイヘイ「はあっ!?」
うまる(あっぶなー! 安心なんかされちゃ引き止めてもらえなくなっちゃうじゃん!)
タイヘイ「お、おいうまる? どういうことだ、全然知らない人って!」
うまる「えっ? そのままの意味だよ?」
タイヘイ「いやでもさっき同じ学年って言ってただろ」
うまる「そ、それはー…」
うまる「年齢の話だよ。相手も同じ学年ってだけで、高校は同じじゃないんだよね」
タイヘイ「……そういうことか」
うまる(これはあれだね、できる限り危険な彼氏にしていったほうがよさそうだよ)
タイヘイ「え? じゃあどこの高校なんだ?」
うまる「えーっと、どこだったかなぁ…忘れちゃった」
タイヘイ「忘れたってお前な…それ本当に高校生か? 実は危ない組織の人とかなんじゃ…」
うまる「そう! 危ない感じの人!」
タイヘイ「ええええ!?」
タイヘイ「あ、危ない感じなのか!?」
うまる「そーだね…あれは日頃から何人もヤッちゃってる感じだとうまるの直感がそう言っているよ」←キル的な意味で
タイヘイ「ヤッちゃってる!? 何人も!?」←レイプ的な意味で
うまる「まあでもたぶん大丈夫だよ」
タイヘイ「いやいやいや! 大丈夫じゃないだろそれ!」
うまる(おっ、食いついてきたねお兄ちゃん!)
タイヘイ「うまるは!? うまるはまだやられてないんだろうな!?」
うまる「? まだって、やられてないからここにいるんだけど」
タイヘイ「そうかよかった…」
タイヘイ「いや、でもうまる、そんな人と付き合ってるのか?」
うまる「まーね」
タイヘイ「さすがにそれは…」
タイヘイ「……考え直してくれないか?」
うまる(キターーーーーーーーーー(。A。)ーーーーーーーーーー!!!!)
うまる(見事なフィーッシュ! そのセリフを待っていたんだよ!!)
うまる「ええー、そう言われてもなぁー」
タイヘイ「話聞いただけだけど、いくらなんでもそういう人はマズイと思うんだよ」
うまる「けどもう付き合っちゃってるし、今さら別れるなんて言ったらどうなると思う?」
タイヘイ(た、たしかに。ヤバい人達なら勝手に別れてさようならとはいかないかも知れない)
うまる(ふっふっふ。そろそろいいかな?)
うまる「まあでもアレかな。もしお兄ちゃんがうまるのーー」
タイヘイ「うまる」
うまる「ん?」
タイヘイ「同じ高校じゃないってことは相手の名前と連絡先は分かるんだよな?」
うまる「? ま、まあ分かるけど…」
タイヘイ「よし。ちょっとそれ出す準備しててくれ」スッ
うまる「へっ? お兄ちゃん何を」
タイヘイ「もしもし警察ですか!? ちょっとうちの家族が反社会組織らしき人と接触を…」
うまる「うわああああああああ待ってお兄ちゃん待って待って!!!」
うまる「はあっ、はあっ……やめてよほんと」
タイヘイ「すまん……焦りからちょっと我を忘れかけた」
うまる(うう、こりゃ危険な人作戦はナシだね)
タイヘイ「で、本当にそういう人じゃないんだな?」
うまる「うん、盛りすぎたよ。実際はちょっとワルいってくらい」
うまる(どうしようかな、他にお兄ちゃんが引き止めてくれそうな彼氏…)
タイヘイ「ちょいワルか……なんだかイメージが一気におっさん化したな」
うまる「おっさんじゃないよ。同じ学年だもん」
うまる(そうだ! お兄ちゃんよりめちゃくちゃハイスペックな人ってことにしたらどうだろう?)
うまる(うまるがゾッコンってことにして、そしたらお兄ちゃんが嫉妬して…)
うまる(うわこれ閃いちゃったよ! さすがうまるは天才だね!)
うまる「あーでも、ある意味おっさんみたいかもね。その人学生とは思えないくらいお金持ってるし」
タイヘイ「え? そうなのか?」
うまる「うまるの欲しいもの何でも買ってくれて、好きなところに連れてってくれるんだよ」
タイヘイ「へぇ。例えば?」
うまる(外向きのうまるっぽくしたほうがリアルだよね)
うまる「スイーツのおいしいレストランに連れてってくれてー」
うまる「あと服とか、アクセサリーも。なんだっけ、クロエーとかそういう高級なやつ」
タイヘイ「……そんなのウチに無いぞ?」
うまる「あっ」
うまる「そ、それはほら、帰りに回収されちゃうから! 袖を通すのは一度でいいとか言って毎回新しいの買ってくれるんだよ」
タイヘイ「嘘だろ!?」
うまる「車も執事が運転してて、ドライブし放題でー」
タイヘイ「そりゃすごいな…」
タイヘイ(おぼっちゃんなのか? ちょいワルのボンボン……ううむ、想像がつかない)
うまる「ね? すごいでしょ?」
タイヘイ「ああ…なんというか、そんな人本当にいるんだな」
うまる「うまるも驚いたよ。で、それから?」
タイヘイ「ん?」
うまる(ぬっ、まだ足りないのかな…)
うまる「もちろんお金持ちなのはポイント高いんだけど、それだけじゃなくて」
うまる「見た目はワルなのにすっごい優しくて、気遣ってくれて」
うまる「武道とか学問とかもいろいろがんばってて頼りになるし」
タイヘイ「へ、へぇー」
うまる「えーっと、それから…」
うまる「とにかく、とにかくね」
うまる「ほんっとに素敵な人なんだよ!」
タイヘイ「…!」
タイヘイ(そうか、うまるは……)
うまる(ふうー。ここまで言えばさすがのお兄ちゃんも嫉妬に狂うこと必至だよね)
うまる(さあお兄ちゃん、今こそ『俺のほうがー!!』ってムキになるところだよ! カモンカモン!)
タイヘイ「……」
うまる「あれ?」
うまる(お兄ちゃん…?)
タイヘイ「うまるはさ」
うまる「!」
うまる「うん、なになに?」
タイヘイ「その人のことどう思ってるんだ?」
うまる「え? だから、今めっちゃ言ったじゃん」
タイヘイ「いや、そういうことじゃなくて」
タイヘイ「その人のこと……好きなのか?」
うまる「……へ?」
うまる「な、なにお兄ちゃん? いきなり」
タイヘイ「いきなりじゃないだろ、彼氏なんだし」
うまる「うっ… そうだけど」
うまる(好きかなんて聞かれてもなぁ~。そんなことよりお兄ちゃんに妬いてもらわないと困るんだけど)
うまる(でもゾッコンアピールしないと説得力ないし。しかたないや)
うまる「んー……そりゃもちろん、好きだよ」
タイヘイ「どのくらい?」
うまる「ええっ? ど、どのくらいー?」
うまる「分かんないけど……大好き…かな、とりあえず」
タイヘイ「はは、なんだよとりあえずって」
うまる(なんか恥ずかしいんだけど…!!)カァー
タイヘイ「……ぷっ」
うまる「ん? どしたのお兄ちゃん、笑いこらえて」
タイヘイ「いや……くくっ…うまる、お前顔真っ赤だぞ」
うまる「なあーーっ!?」
うまる「お、お兄ちゃん!? こーいうの羞恥プレイって言うの知ってる!?」
タイヘイ「悪い悪い、そんなつもりじゃなかったんだ」
うまる「もう、妹じゃなかったら下手すりゃタイーホだよまったく!」
タイヘイ「まあでもこれで分かったよ」
うまる「ん? なにが?」
タイヘイ「うまるの彼氏のことだよ」
タイヘイ「なんていうかさ、俺が心配するようなことじゃなかったんだなって」
うまる「……」
うまる「え」
うまる「えぇーーー!?!?」
うまる「ど、どどどーいうこと!? 心配ないって!?」
タイヘイ「いや、今の話聞いてさ」
うまる「いやいやいや、え? それだけ?」
タイヘイ「それだけってなんだ?」
うまる「お兄ちゃん他に何か感じないの? くやしいー!! とか」
タイヘイ「悔しい…?」
うまる「そんな男ダメだー!! とか」
タイヘイ「なんで? 素敵な人なんだろ?」
うまる「ぬああもう! そうじゃなくて!」
タイヘイ「な、なに怒ってんだよ」
うまる(こりゃマズいよ! なんとかしてお兄ちゃんに引き止めさせないと)
うまる「いいお兄ちゃん、うまるに彼氏ができたんだよ? それがどーいうことかよく考えてみなよ」
タイヘイ「はあ」
うまる「むうう…」
うまる「手塩にかけて育ててきた最愛の妹がだよ?」
うまる「どこの馬の骨とも知らない男にあっさり取られるだなんて、これいかに!」
タイヘイ(自分で言うのかよってツッコミが2回必要だな…)
うまる「ほらほら、悔しさなり寂しさなり怒りなり込みあげてくるものがあるでしょ!?」
タイヘイ「あー、あー…?」
うまる(もおおお何してんのお兄ちゃん、カオナシみたいな声出してる場合じゃないってのに!)
タイヘイ「うまる、ひょっとしてお前……俺に嫉妬してほしいのか?」
うまる「……!!」パァァ
うまる「そう! その通り! やっと気づいてくれたねお兄ちゃん」
タイヘイ「そ、そうか」
タイヘイ(え? うまるのやつやけにあっさり認めたけど、ほんとにそう思ってるのか…?)
うまる「あんなにべったりだった妹がとうとう兄離れ。静寂が寂しさに変わりー、やかましく感じていた宴の声も今や恋しく」
タイヘイ(なんか始まった)
うまる「ああ行かないでくれ我が妹よー、これからはポテイトもコーラも食べ飲み放題、ゲームもマンガも好きなだけ買ってあげるからぁー!」
タイヘイ(えぇー…なんでそうなる)
うまる「もーしょうがないなぁお兄ちゃん、そこまで言うなら考え直してあげなくもないかな?」
タイヘイ(そんなので考え直しちゃうのか)
うまる「……しめしめ、これで再びうまるの天下。ちょっと彼氏がいるって言っただけでこの待遇、まったくお兄ちゃんはチョロインだね!」
タイヘイ「……」
うまる「……はっ!!」
うまる(しまった、調子に乗って余計なところまで…)
タイヘイ「なあうまる……今のはなんだ?」ピキピキ
うまる(んぎゃあああああああ!!)
うまる「お、鬼、お兄ちゃん? 今のはあれだよ? 放送事故的な…」
タイヘイ「つまり事実なんだな?」
うまる「うそうそうそだから! あわよくばそうなればいいなっていうただの願望だから!」
タイヘイ「……」
うまる(やばいやばい、いったん欲は捨てて身を守る方向にシフトしなくちゃ!)
タイヘイ「はあ… それで結局、彼氏がいるってのもウソなのか?」
うまる(ぐっ、そこを否定しては今回の作戦は失敗も同然)
うまる「彼氏は……いるよ」
タイヘイ(目を合わせない……怪しいな)
うまる(考えなきゃ、ここからどうすれば逆転サヨナラお兄ちゃんサイーフオープンできるかを!)
タイヘイ「なら嫉妬がどうのってのは?」
うまる「ん、それもウソじゃないよ」
うまる(本当に求めてるのはその先なんだけど)
タイヘイ「……」
タイヘイ(ただしそれが目的じゃない って顔してるな。やっぱりおねだりがしたいだけなんじゃないか?)
うまる(そうだ! 彼氏にプレゼントしたいけどお金が無いって言えば…)
うまる(ってさすがにそれはダメだよね。バレたときも怖いし)
タイヘイ(でもまあ……)
うまる(うーむ)
タイヘイ「……」フッ
タイヘイ「うまる」
うまる「ん?」
タイヘイ「お前が何企んでるかはこの際置いておくとして、今までの話の通りだと思って話すけど」
うまる(ぎくっ! ……あー、こりゃもう潮時かなぁ)
タイヘイ「まず、うまるに彼氏ができたっていうのは驚きだ。今までそんなこと考えたこともなかった」
タイヘイ「けどうまるだって華の女子高生。そういう話の一つや二つあって当たり前なんだ」
うまる「え? そなの?」
タイヘイ「…っていうのはぼんばの受け売りだけどな」
うまる「あーなるほどね。なんかお兄ちゃんっぽくないと思ったよ」
タイヘイ「それから俺が彼氏に嫉妬するかってやつだけど、正直まだ分からない」
うまる「ええー? 分からないの?」
タイヘイ「急な話だし、そもそもうまるの話の男が現実離れしすぎてて俺と比較するって発想が持てない」
うまる(ぐへぇ、お兄ちゃんを超えるハイスペックを意識して盛りすぎたのがアダになったよ…)
タイヘイ「ただまあ、悔しいとかダメだとかはともかく」
タイヘイ「もしもうまるが俺のもとから離れてそいつについて行くってなったら、ものすごく寂しくなる……とは思う」
うまる「…えっ」
タイヘイ「……こういうのは重いからあんまり言いたくないんだけど」
タイヘイ「どんだけグータラでわがままで、世話するのに骨が折れたとしても、うまるはたった一人の妹でさ」
タイヘイ「あまり兄らしいことはしてやれなかったけど、それでもうまるはずっと俺のもとに居てくれただろ」
うまる「そりゃ、家族だし」
タイヘイ「家族でもだよ」
うまる「…?」
タイヘイ「俺が仕事や家事をどうにかこなしていけるのは、うまるがいるからなんだ」
うまる「うまるがいるから…?」
タイヘイ「ああ」
うまる「うまる、料理もお掃除も洗濯もニガテなんだけど?」
タイヘイ「ま、まあそれはそうなんだけど」
タイヘイ「少しだけ暗い話から入ると」
タイヘイ「社会っていうのは、時に愉快で、時に不条理なもので。波はあれど、長い目で見て平均するとだいたい良いことと悪いことが同じくらいになるんだよ」
うまる「ふぅん…」
タイヘイ「でも同じくらいだからいつもバランスが取れるかっていうと、そうじゃない」
タイヘイ「それはたぶん、悪いことのほうが少しだけ深く心に刻まれるようにできてるからだ」
タイヘイ「どうしてこんな思いをしてまで会社を回すのかなって、世の中のために自分がここまで苦しまなくてもいいだろって、たまに自棄になりそうなこともある」
うまる(うわあ、やっぱ大変なんだ)
タイヘイ「で、そうやって疲れて帰ってきた瞬間に、やれお菓子くれだのゲームやろうだの、うまるからの追い討ちがかかるわけだ」
うまる「うげっ! だ、だってー…」
タイヘイ「でもその前に、うまるがいつも言ってくれるだろ」
うまる「うん?」
タイヘイ「『お兄ちゃんおかえり!』」
タイヘイ「『お仕事おつかれさま!』」
うまる「……」
タイヘイ「…ってさ」
うまる「お兄ちゃん……」
うまる「うまるの声真似ヘタだね…」
タイヘイ「それは後にしような…」
タイヘイ「それを言ってもらえたときに感じるんだよ。いま俺が踏ん張るのは会社とか世の中のためなんかじゃない」
タイヘイ「うまるのため。うまるが一人前に成長していくため。そのためなんだって」
タイヘイ「そうやって過ごしてきたもんだから、俺のほうがうまるを拠り所にしちゃってるんだ」
うまる「……」
タイヘイ「つまりさ」
タイヘイ「うまるがいなくなると、心にぽっかり穴が開くみたいになるだろ?」
タイヘイ「それがたぶん寂しいってことなんだろうなって思ってる」
うまる「…そっか」
うまる「ならお兄ちゃんはさ」
タイヘイ「ん?」
うまる「引き止めないの? うまるのこと」
タイヘイ「うーん、引き止めない…と今は思ってる」
うまる「ええー? さっきの感動的な話は? お涙ちょうだい的な語りはどこいったのさ」
タイヘイ「別にそんなつもりじゃ…」
タイヘイ「そりゃまあ、引き止めたくないって言ったら嘘になる。ただそれは俺の勝手な都合でするべきことじゃないと思うんだよ」
うまる「ううーん、そっかぁー」
タイヘイ「うまるこそなんで浮かない顔なんだ? 付き合いを止められるほうが嫌じゃないか?」
うまる「んー…」
うまる「だって、なんか自己犠牲っぽいんだもん。お兄ちゃんだけガマンして損しちゃってるじゃん」
タイヘイ「え?」
うまる「そーいうのはイヤだな。いかにも嫉妬ー!って感じならニヤケちゃうけど」
うまる「今のお兄ちゃんみたいに、本当の気持ちを押し殺して仕方なくーみたいなのだとちょっとね」
タイヘイ(うまる…)
タイヘイ「うまるはそう言うけど、何もガマンしてばかりじゃないんだぞ」
うまる「ん?そーなの?」
タイヘイ「兄離れっていうのはただ寂しいだけじゃない。一種の自立だと思ってる」
タイヘイ「俺が頑張るのはうまるが一人前に成長していくためって言っただろ? 自立することは成長することでもある。それに他人に好意を持つことだって心の成長だしさ」
うまる「……」
タイヘイ「だから、うまるが誰かを好きになってその人のもとへ行くって言うなら、俺はそれが嬉しい。誇らしいんだ」
うまる「…お兄ちゃんはほんとにそれでいいの?」
タイヘイ「いいさ」
うまる「急にうまるがいなくなっても?」
タイヘイ「まあ。あ、でも出来れば急にじゃなくてあらかじめ言っといてくれると助かるかな…」
うまる「ふーん… たとえ相手がどんな人でも?」
タイヘイ「そうだなぁ。警察を呼ばなきゃいけないような事態になるのはごめんだぞ」
うまる「そんなの分かってるよ」
タイヘイ「はは」
タイヘイ「まあ相手に関しては心配してないよ。してないというか、さっき気づいたんだけど」
うまる「さっき?」
タイヘイ「彼氏についていろいろ聞いてたときだよ」
タイヘイ「うまる大絶賛だっただろ? なんでも叶えてくれるーとか、優しくて素敵な人だーとか」
うまる「あ、ああー」
うまる(無駄にハイスペックにしちゃった彼氏かぁ。そりゃ将来安泰だもん、お兄ちゃんも安心するよね)
タイヘイ「けどそういうことは実はなんでもいいんだよ」
うまる「えっ?」
タイヘイ「うまるが一生懸命その人の良いところを話してる時に分かったんだ」
タイヘイ「大事なのは、うまるがその人を選んだってこと」
タイヘイ「それ以外無い。うまるが選んだんだから、それでいいんだって」
うまる「うまるが…選んだから?」
タイヘイ「そう。うまるは俺の妹。それも自慢の妹だから」
タイヘイ「その妹が選んだ人だぞ? 俺が自信を持てないわけがないだろ」
うまる「……!」
タイヘイ「そのことに気がついた。何も心配することはない。だからどんな人でもいいんだ」
うまる「お兄ちゃん…」
うまる(うまるのことを信じてるから……)
うまる(そっか。そうなんだね)
タイヘイ「っと、話しすぎたな」
タイヘイ(うまるがしんみりしてしまった。気分を変えなくちゃな)
タイヘイ「うまる、コーヒーでも飲むか?」
うまる「うんー? うんー…」
タイヘイ「え、コーヒーだぞ? いいのか?」
うまる「んー、えっ? コーヒー? そんなの飲めないよ」
タイヘイ「冗談だよ。ミルクティーでいいよな。ケーキ買ってあるんだ」
うまる「えっ、ケーキ!? 食べたい! なんで!?」
タイヘイ「お腹いっぱいじゃなかったのか?」
うまる「やだなぁ~ケーキは別腹だよお兄ちゃん。なんか手伝う!?」
タイヘイ「いいよ。大人しく座ってろ」
タイヘイ(ぼんばの話を聞いてどうにも落ち着かず買ってしまったケーキなんけど……なんというか皮肉だなぁ)
うまる「ぬっはっはー、ケーキ! ケーキ!」カチャカチャ
タイヘイ(ま、いいか)
パク
うまる「んんんーーーうまああぁぁ…!!」
タイヘイ「うまいな。クリームの質といいスポンジのほのかな酸味といい」
うまる「だねー。お肉もそうだけど、お兄ちゃんなんかいいことあったの?」
タイヘイ「えっ!? あ、いやー…」
うまる「おっ?」
うまる「どうしたのお兄ちゃん、自慢の妹に隠しごとー?」ニヤニヤ
タイヘイ「それいま言うなよ…」
タイヘイ「あ、そうだ。うまるに彼氏ができた祝いってことでどうだ?」
うまる「ごっふ!! ごっふごふごふっ!!」
タイヘイ「だ、大丈夫かうまる?」
うまる(うはぁ、早くもそういう設定だったの忘れかけてたよ)ズビビ
タイヘイ「大丈夫か?」
うまる「だ、大丈夫~、100人乗れるよ」
うまる(どうしようかなぁ。もう彼氏ができたってことじゃお兄ちゃんに甘やかしてもらえそうにないし)
うまる(それに今うまるが一番ほしいのは……)
タイヘイ「まあでもさ、いつかは会わせてくれよ?」
うまる「ん?」
タイヘイ「うまるの彼氏だよ。やっぱり気にはなるし」
うまる「……」
タイヘイ「あ、でももちろん信用してるってのは本当だからな! すぐじゃなくていいんだ」
うまる「いいよ。今からでも」
タイヘイ「そうか、よかった」
タイヘイ「……今から?」
うまる「うん。今から会わせてあげるよ」
タイヘイ「えっ!? ちょ、ちょっと待て! ウチに来るのか!?」
うまる「今呼び出すからちょっと待ってて」
タイヘイ「ま、待てうまる、やっぱり心の準備が……」
カタカタ ッターーン
翌日の会社
タイヘイ「……ってことだったんだよ…」
ぼんば「わっはっはっは! まじかよそれ!」
タイヘイ「……」
ぼんば「乙女ゲーの彼氏ってお前……わっはっはっは腹いてえー!!」
タイヘイ「笑いすぎだ! あまりに脱力しすぎてほとんど寝れなかったんだぞ」
ぼんば「そりゃ同情するけどよぉ」
ぼんば「冷静に考えてみろよタイヘイ。どうやったらタヌキチがリアルな街でそんなちょいワル金持ちと恋に落ちる状況になるんだっての」
タイヘイ「後からそう思ったよ! なるほどゲームなら納得だって……ああくそ」
ぼんば「でもあれだ、ある意味勉強になったんじゃねーの」
タイヘイ「まあ…確かにな」
ぼんば「もしも妹に彼氏ができたら自分はどうすべきか。そんな時の心情を身をもって知れたわけだよ、俺もお前も」
タイヘイ「そういやぼんばのほうはどうなんだ?」
ぼんば「ん? ああきりえな! いやー思い切って昨日聞いてみたんだよ、彼氏できたのかって」
タイヘイ「きりえちゃんはなんて?」
ぼんば「『友達も少ないのに彼氏なんかいるわけないだろバカ兄貴!』だとよ。まあそうだよなー、いやぁ安心した」
タイヘイ(それ喜ぶ以外にあるだろ、心配してあげることが)
ぼんば「にしてもタイヘイ、ゲームて……ぶははははは!!」
タイヘイ「うるせーよ! いつまで笑ってんだ!」
ぼんば「だってよぉケッサクすぎんだろ! こりゃ次の飲み会でーっぷううーーー!!」
タイヘイ(こいつ…)ブー ブー
タイヘイ「なんだ? うまるから連絡?」
ぼんば「ひー、まじ腹いてぇ、リアルじゃなくてゲームの彼氏に焦るタイヘイ……」
タイヘイ「……」
タイヘイ「『お兄ちゃん大変! きりえちゃんが』」
ぼんば「ん? きりえ?」
タイヘイ「『彼氏いるのが兄にバレそうって真剣に相談されたんだけど、どうすればいいかな?』」
ぼんば「……」
ぼんば「ファッ?」
ぼんば爆発オチおわり
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484809741/
Entry ⇒ 2017.01.24 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
タイヘイ「たぬき汁」
タイヘイさんの部屋。
タイヘイ「うまる……駄目だ…ピクリともしない…………」
タイヘイ(急に跳び付かれたもんだから、反射的にいなしたらそのまま壁に後頭部をぶつけて、そのまま動かなくなってしまった……)
タイヘイ(俺はこれまでに無い程にテンパりながらも、顔や胸に耳を当ててみたが、呼吸も心臓の鼓動も全く感じられなかった……)
タイヘイ(そう…俺は――――――)
タイヘイ(うまるを…妹を殺めて終ったのだ―――――――――――)
ピンポーン。
タイヘイ(チャイム!?)ぎくっ
タイヘイ(そうだ…そう言えば今日は海老名ちゃんがウチに遊びに来るんだった。確か秋田の郷土料理を作ってくれるとかで、今朝…学校に行く前にうまると玄関で口約束してたな……)
タイヘイ(どうする……うまるは出掛けたと言って帰って貰うか?)
タイヘイ(いや……そう言っても彼女は部屋で待つって言うだろう。無理に返したら、結局後で苦しくなるだけだ)
タイヘイ(なら居留守を使うか?そうすればどうにか――――――)
タイヘイ(いや…やめよう。俺がうまるを死なせてしまったのは事実だ。俺は罪を償わなくてはならない…だが情けないが、自分で通報する勇気がない)
タイヘイ(だったら…………)
タイヘイ(海老名ちゃんには悪いけど、逃げ場を無くして彼女に通報してもらうしかない……)
ピンポーン。
がちゃ…
菜々「あっお兄さん。御留守なんじゃないかと思っちゃいましたけど、出てくれてよかったです」
タイヘイ「ゴメンね。今ちょっと立て込んでて……」
菜々「そうなんですか……もしかしてうまるちゃんも?」
タイヘイ「そうだ…と言えばそうなるかな……」
菜々「じゃあ…今日は帰った方が――――――」
タイヘイ「いや。帰らないでくれ」
菜々「えっ!?//////」どきっ
タイヘイ「君に……海老名ちゃんに大事な話が有るんだ……」
菜々「!?」
菜々(大事な話って……もしかしてこ…告白――――――/////////)
菜々(そんな訳ないよね……うまるちゃんがいる限り、そう言う事にお兄さんが関心を示す事なんてないって事は判ってるから……)
――――――
タイヘイ「…………【コレ】を見てくれないか?」
菜々「はい…ん?」
菜々「この丸っこい狸みたいなのは……何ですか?」
タイヘイ「コレはうまるだよ」
菜々「ええっ!?これがうまるちゃん!?動かないですけど…もしかして寝てるんですか?」
タイヘイ「いや……そういう訳ではないんだ……」
菜々「え?どういう事ですか?」
タイヘイ「それは―――――――」
菜々「そ…そんな…………うまるちゃんが――――――」
タイヘイ「事故とは言え…俺がうまるを殺めてしまったのは事実だ……海老名ちゃん、君には本当に申し訳ないと思うが、今から警察に通報してくれないか?」
菜々「お兄さん……」
菜々(このままじゃお兄さんは……それにうまるちゃんがお兄さんと二人の時はそんなだったなんて……お兄さん可哀想…………)
菜々(だったら―――――――――)ぐっ
タイヘイ「ん?どうしたの?…………やっぱり海老名ちゃんにこんな事を頼むのがおかしかったんだ。やはりここは俺自身で―――――――」
菜々「ちょっと待って下さい!」
タイヘイ「え?」
菜々「もっ元はと言えばうまるちゃんが、お兄さんに我儘を言おうとしてこうなったんですよね?」
タイヘイ「いや…それは――――」
菜々「これは明らかに事故なのに、こんな事で…うまるちゃんの所為で、お兄さんが捕まってしまうなんて、お兄さんが不憫すぎます!」
タイヘイ「え…海老名ちゃん?」
菜々「それにお兄さんが捕まってしまったら……私は…私は――――――」
タイヘイ「海老名ちゃん……」
菜々「こうなったら私もお手伝いします。二人でこの危機を乗り越えましょう――――――」
タイヘイ「危機を乗り越えるって……どうやって?」
菜々「それは私に任せて下さい。ただし―――――」
タイヘイ「ただし?」
菜々「これは私一人でも出来る思いますが、お兄さんにも相応の覚悟で、処理のお手伝いをお願いします」
タイヘイ「いやっ覚悟とか以前に俺はやっぱり―――――」
菜々「では、このまま妹を殺した殺人犯として捕まりますか?それとも私と一緒にこの危機を乗り越えますか?」
タイヘイ「…………海老名ちゃん…ボクは君がこんな事を言う娘だとは思わなかったよ」
菜々「私……本当にいざという時は、自分でも信じられない位、お腹を括っちゃうんです。それで……お兄さんはどうするんですか?」
タイヘイ「…………………………分った。君の言う通りにしよう。いやお願いします。どうか俺を助けて下さい」ぺこり
菜々「お兄さん……私…お兄さんのそう言うトコロ好きです―――――あっ////////」かぁぁ
タイヘイ「どうしたの海老名ちゃん?」
菜々「いっいえ…何でも……////////とっとにかく私たちは今から二人っきりの―――――」
菜々「共犯者です」
タイヘイ「…………………」コク…
タイヘイ「それでどうするんだい?」
菜々「まず。うまるちゃんを私の部屋に運びます。後は――――――」
――――――――
タイヘイ「―――――分った。でも大丈夫かい?いくら小型化した状態だからって……」
菜々「これでも実家では畑仕事とか手伝ったりしてましたから、コレくらいは大丈夫です。それに……」
ばっ
菜々「このおっきな食材用の大袋があれば、今のうまるちゃんなら全身、余す処なく詰め込めますから」
タイヘイ「はは…海老名ちゃん本当に頼もしいな」
菜々「おっお兄さんの為ですから/////////」
タイヘイ「ありがとう。こんな俺なんかの為に。じゃあ海老名ちゃんお願いするよ」
菜々「はい!!任せ下さい!」ふんすっ
そう言うと海老名ちゃんは、うまるをそれまで入っていた食材と袋に入れ替え、周りに誰もしないか慎重に確認して、自室に戻っていく。
彼女が部屋を出て、再び一人になった途端、様々な思いが俺に去来する。
本当にこれで良かったのか?幾ら彼女から言ってきた事とは言え、彼女を巻き込んで良かったのか?それ以前に最愛の妹であるうまるを事故とは言え殺めてしまった事―――――。
その後悔と罪悪感が俺に強く重く圧し掛かる。
と…同時に事の発端を作った、うまるの我儘さや身勝手さ、俺に対する極度の依存心に怒りにも似た感情がふつふつと芽生えてくる。
アイツハ俺ニナラ、ナニをシテイイトデモ思ッテイタノカ?
コイツがもっとしっかりしていれば、我儘な干物妹なんかじゃなかったら、こんな事にならずに済んだのに―――――。
可愛さ余って憎さ百倍。
とは正にこの事だろうか?。
そう思った途端。それまでダムに堰き止めていたモノが一気に溢れ出すかの様に、うまるに対する憎しみにも似た感情が、溢れ出さんばかりのどす黒い塗料になって、アイツに抱いていた愛情の想いをみるみる黒く塗り潰していく。
この時の俺には、もう妹に対する懺悔の気持ちや罪の意識みたいなのは殆どなくなっていた。
そう言えば学生の時、誰かが言ってたな。
俺は……
鬼のタイヘイだと――――――
そう。俺はこの時、兄貴から兄鬼になったのだ。
そして俺は明け方頃、警察に妹が家におかず、行方不明だと通報した。
俺は警察に家に帰った時は既にどこかに出掛けていた様だと話し、携帯を持って行かなかった様だから、連絡しようがなかったし、もしかしたら近くに出掛けるつもりだったのかも知れない。と説明する。
警察もこの日は俺を事情聴取だけをして一先ず帰っていく。
その後日。事件は進展を見せず、一応…という事で簡単に俺の部屋や押入れをチェックしたが、うまる自身は勿論、血痕等、何の手掛かりも見付からなかったので、取りあえずこのアパートにはいないと判断して帰っていく。
因みにこの日までに俺が自家用車を持っていない事、レンタカーなどを利用してない事を既に調べ上げていて、この他にうまるの学校での評判、俺とうまるの兄妹仲も調べられ、更に押収した携帯からも特に事件に関するもの、俺の動機らしい動機も確認できなかったとして、俺は取り敢えず捜査線上から外されたらしい。
うまるの友人である海老名ちゃんにも一応、事情聴取があった様だが、他の学校の知り合いと同様、うまるの評判や最近の様子を幾つか聴かれただけで終わったらしいので、おそらく彼女は最初から捜査線上から外されていたのだと思われる。
俺はこの時、あの日、うまるが海老名ちゃんとの約束を口頭でしていた事に感謝する。
警察の事情聴取を受けたのち俺は海老名ちゃんの部屋に視線を向ける。
彼女はどうやって、うまるを【処理】したのだろうか?
俺はその答えを、そのほんの少し先に知る事になる。
――――――
事件の日の夜。
海老名さんの部屋。
菜々「さて……まずは、二重に重ねた布団圧縮袋に入れたうまるちゃんをシンクに置いて………」
菜々「ふー。うまるちゃんがこのサイズでよかったべな……もし普段のサイズだったらとても入りきらねぇかんなー……ってウッカリ秋田弁で喋っちゃった。気を付けないと……」
菜々「取り敢えず…服とフードを脱がして…………」
ぬぎぬぎ…
菜々「よし。うまく脱がせた」ふー
菜々「とにかく…そうしたらこの包丁で血抜きを――――――」
うまる「―――――――――!!」ぱちっ
うまる「………………うまる…どうして…………確かお兄ちゃんに飛びついて―――――って…あれっ海老名ちゃん?お兄ちゃんは……ん?あれ?なんかビニールの中に――――――」
菜々「…………………………………………………………………………………………」すっ
うまる「え!?なにっ?海老名ちゃんナンか怖い―――――」
菜々「――――うまるちゃんゴメンね?アナタがいると邪魔なの。だから―――――」グッ
うまる「むぐっ!?」
うまる(くっ口を塞がれた!?)
菜々「うまるちゃん――――」ぐっ
キラッ
うまる「むぐぅー!!?」ぎょっ
うまる(包丁!?)
菜々「今度こそ【本当に】サヨナラ―――――」
ザクッ!!
うまる「―――――――――――――――――!!!!!」
グリッ!!
ブシューーーーーーーーーーー!!!!!
うまる「――――――あ―――――え…海老名ちゃ…どうし―――――お兄ちゃん…たす――――――け――――」
菜々「……………………」
くいっ
グリュッ!!
うまる「――――――――――あぎゅ!―――――――」
ピク…ビクンッ・・・・…・・……・・ ・・ ・ ………
うまる――――――――――――――――――――」
ガクン…
菜々「…………………うん」コク…
菜々「ふーいきなり起きた時は流石にびっくりしたけど……これで完全に死んでくれたよね?うまるちゃん」
うまる「―――――――――」
菜々「よし。これで…邪魔妹(じゃまいも)がいなくなって、今度こそお兄さんと―――――」
菜々「本当の共犯者(つれあい)になれるべな――――/////////」えへへへへへ……
菜々「さっ…そうと決まったら、早く捌いて仕込みをしないと――――」よしっ
―――――
そして数日後。
俺は海老名ちゃんに食事の誘いを受け、彼女の部屋を訪問する。
海老名さんの部屋。
菜々「あっお兄さん来てくれたんですね。もう支度出来てますから、そこに座っていてください」
タイヘイ「ん?ああ…分ったよ」
すとん
タイヘイ(鍋…か。それにしても随分と肉が多いな。まぁ海老名ちゃんならコレくらいどうって事もないだろうけど)
テーブルの上には鍋が置いてあり、ぐつぐつと音を立てていた。
あまり見た事のない感じの鍋だったが、味噌ベースのつゆと肉と野菜の煮える匂いが俺の鼻腔を心地よく刺激する。
タイヘイ「美味しそうだね」
菜々「私もこの鍋は初めてだから…美味しいといいんですけど……」
タイヘイ「そうなんだ」
菜々「ええ。あっそろそろ煮えてきたみたいですから、食べましょうか?お兄さん」
タイヘイ「ああ。それじゃあ―――――」
タイヘイ・菜々「「いただきます」」
菜々「…………」じー
タイヘイ「………………」
もぐもぐもぐ…
菜々「どうですかお兄さん?美味しいですか?」
タイヘイ「うん。美味しい。海老名ちゃんも俺の貌なんか見てないで、早く食べなよ」
菜々「はい。ではいただきますね」すっ
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……
菜々「ホントだ!思ったより。うんめぇな~」ほっこり
タイヘイ「うん。この肉、ほんのり甘みと脂があって本当に美味しいよ。海老名ちゃん、この鍋なんていう鍋なんだい?」
菜々「この鍋ですか…この鍋は――――――」
菜々「たぬき汁」
菜々「――――っていうんですよ」
タイヘイ「たぬき汁」
タイヘイ「―――――か……」
タイヘイ(たぬき汁って事は狸の肉なんだな………ん?たぬき―――――)はっ
タイヘイ「え…海老名ちゃん……もしかして…たぬきの肉ってまさか―――――」
菜々「………………言ったじゃないですか?」
菜々「お兄さんにも相応の覚悟で処理のお手伝いをしてもらうって――――――」ニヤァ…
タイヘイ「!!」
菜々「それとも……いくら私がやるっていっても、お兄さんはソレを全部……私にさせる心算だったんですか?」じ…
タイヘイ「……いや…そんな事はないよ。今のところ、どうにか逃げ切れそうなのも海老名ちゃんのお蔭だし、すごく感謝してる。勿論、俺に出来る事が有るなら何でもする心算だよ」
タイヘイ「それに―――――」
タイヘイ「この鍋とっても美味しいしね」
タイヘイ(何故だろう……?たぬきの肉の正体が分かっても、全くと言ってもいい程に…嫌悪感や拒否感みたいなモノは不思議と感じないな……)
菜々「そうなんですよね。私も流石に【たぬき】のお肉は初めてなんですけど、思ったより美味しくてびっくりしました」
タイヘイ「あいつはお菓子や甘い飲み物が好きだったから。肉がほんのり甘くて、脂も乗ってるのは判るんだけど、あいつ野菜とかあんまり食べないから、もう少し臭みがあるかと思ったけど、そんなに感じなかったな……」
菜々「しっかり下拵えしましたから。ホンモノの狸のお肉もかなり臭みがあるみたいので、調理法を調べて同じ様にやってみたんです」
タイヘイ「そうだったんだ。流石、海老名ちゃんはよく気が付くし、本当に料理上手だね」にこ
菜々「!!えへへ…ありがとうございます///////しかも料理が上手なお兄さんにそう言って貰えるだなんて、より一層嬉しいです//////////」てれっ
――――
タイヘイ「美味しかった。ご馳走様」
菜々「お粗末様です」
タイヘイ「それにしてもよく食べたな……あんなにあったのに、いつの間にか全部なくなっちゃうし」
菜々「ご…ごめんなさい……私…人よりちょっとだけたくさん食べちゃうから//////////」
タイヘイ「はは…」
タイヘイ(ちょっと…ではないと思うけど)
菜々「………………うう…」しゅん
タイヘイ「いいよいいよ。俺、たくさん食べる娘、嫌いじゃないし。むしろ見ていて気持ちがいいくらいだから」
菜々「!!お兄さん……」きゅん
タイヘイ「…………でも…こんなに美味しいと、一度…本物のたぬき汁も食べてみたい気がするな」
奈々「それでしたら、今度実家に頼んで送って貰いましょうか?」
タイヘイ「えっ!?用意出来るの?}
菜々「多分…ですけど、大丈夫だと思います」
タイヘイ「本当にいいの?」
菜々「はい。私もそう言えば食べた事ないですし、食べてみたくなっちゃいました」
タイヘイ「じゃあお願いしてもいいかな?海老名ちゃん」
菜々「はい。今度、聞いてみます」にこ
―――――
タイヘイ「それで…【たぬき】の処理は…どこまで?」
菜々「はい。もう大体終わってます。基本的に判ら無くする様に処理してゴミの日にちょっとづつ出しているんですけど、それでも後は骨くらいです。取り敢えず全部簡単に焼き終えて、あとは細かくして捨てるだけなんですけど、判らないなる位に細かくするのって、結構大変で……」
タイヘイ「そういう事なら、どうして言ってくれないんだ?言ってくれれば俺がやるのに」
菜々「ホントですか!?じゃあ後でお願いしてもいいですか?」
タイヘイ「モチロンだよ。本来なら俺が全部やらないといけない事なのに……海老名ちゃん。改めて俺に出来る事があれば何でも言ってくれ」
菜々「お兄さん……」
タイヘイ「キミには本当に感謝してる。過ちを犯したのは全て俺なのに…海老名ちゃんはそんな俺の為に…………」
菜々「………………当り前です」
タイヘイ「えっ?」
菜々「私…お兄さんの為なら何でも出来ちゃいますから」
タイヘイ「何でも…って。どうして……俺の為なんかにこんな事まで?」
菜々「それは!…それは…………私…私―――――//////////」ドキドキ…
菜々「私――――お兄さんの事が好きだから!!/////////」かぁぁぁぁぁ
タイヘイ「え?俺の事を…海老名ちゃんが?」きょとん
菜々「―――――…――――――……………………………………/////////」こく…
タイヘイ「そうだったのか……だから―――――」
菜々「…………あの時…お兄さんが…好きなヒトが遠くに行ってしまって…もう逢えなくなっちゃう…何とかしなきゃっ…て思ったら、今までの自分とは違う自分が出てきて……その為なら何でも出来ちゃう気がして…………」
タイヘイ「海老名ちゃん……そこまで俺の事を…………」
菜々「私――――お兄さんと一緒に居られるなら【何でも】やりますから」
タイヘイ「俺は……海老名ちゃんみたいな一途で可愛い女の子にそこまで想われて、本当に嬉しいよ」
菜々「お兄さん……お兄さんはこんな私でも受け入れてくれますか?」
タイヘイ「うん。俺にはもう海老名ちゃんしかいないよ」
菜々「!!お兄さんっ!!」
ばっ
ぎゅっ
タイヘイ「海老名ちゃん……」
菜々「お兄さん…これからはお兄さんの事をタイヘイさんって呼んでいいですか?」
タイヘイ「うん」
菜々「あと…これからは私の事を菜々…って呼んでくれますか?////////」
タイヘイ「ああ。分ったよ。菜々ちゃん」にこ
菜々「!!タイヘイさんっ」
タイヘイ「菜々ちゃん」
ぎゅっ…
菜々「私嬉しい……タイヘイさんと両想いに慣れて……本当に嬉しいです」
タイヘイ「俺もだよ菜々ちゃん」
菜々「タイヘイさん……」
タイヘイ「菜々ちゃん……」
――――――
――――
菜々「もう…こ…これからは私たちは……こ…こっ…こい……恋人同士で…いいんですよね?」ドキドキ…
タイヘイ「…………ああ」
菜々「どうしたんですか?もしかしてうまるちゃんが、妹さんがいなくなったのを実感して、寂しくなったとか?」
タイヘイ「そういう訳では……」
菜々「大丈夫ですよ。これからは私がアナタの恋人であり、妹になりますから。もう寂しい想いなんて、私が絶対にさせませんから」
タイヘイ「菜々ちゃん……」
菜々「…………もう何があっても離しませんからね?タイヘイお兄ちゃん」にこ
菜々(それに…もう逃げたくなったとしても逃げられませんからね。私とアナタは絶対にヒトには言えない秘密を共有しているのですから……)
菜々(そう……私たちはお互いに、もう決して離れられない関係になったのですから……)フフフ…
菜々(デモ――――――――)
菜々(ホントハ…ケッカテキニ【ゼンブワタシガヤッタ】―――――)
菜々(――――ナンテコトハ、ケッシテ…イエマセンケドネ)ニコォ…
―――――
あれから。
事件は特に何の進展もなく、手掛かりも見付からず捜査は暗礁に乗り上げる。
そしてうまるは―――――
よくある行方不明者に認定された様だ。
そんな中、俺は再び海老名…菜々ちゃんの部屋に招き入れられる。
どうやら、頼んでいたモノがやっと届いたらしい。
ぐつぐつぐつ……
菜々「出来ましたよ。これが本物のたぬき汁です。でもあれから随分と時間が掛かってしまってごめんなさい。どうもこの時期の狸が一番おいしい。という事でしたので……タイヘイさんには、いつでも一番おいしいモノを食べて貰いたくて……」
タイヘイ「いいよ菜々ちゃん。むしろその心遣いがホントに嬉しいよ。いつもありがとう菜々ちゃん」にこ
菜々「!!タイヘイさん……そう言って貰えて、本当に嬉しいです」じわ…
にこ
ぐつぐつぐつ…
タイヘイ「出来たみたいだね……じゃあ早速いただこうか」
菜々「はい。では――――」
タイヘイ・菜々「「いただきます」」
タイヘイ「……………」
もぐもぐもぐ
菜々「……………」
もぐもぐもぐ
タイヘイ・菜々「「…………………うーん」」
タイヘイ・菜々「「……………………」」こくり×2
タイヘイ・菜々「「あっちの方が旨かったな(べな)…………」」
はいおーしまい。
という事でこれを読んでも別に涼しくはなりませんが
取り敢えず終わらせる事が出来て良かったです
あとしっかりハッピーエンドで終わる事が出来た事も
良かったと思います
それでは。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471742087/
Entry ⇒ 2016.08.24 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
シルヴィ「ご主人様が服屋の店員さんとデートしてる……」
シルヴィ「今日は往診…ですか? 分かりました。じゃあ私はお留守番していますね」
シルヴィ「……あ、ちょっと待ってて下さい」トテトテ
シルヴィ「……お待たせしました。寒くなってきましたからね。風邪ひかないようにマフラー巻かせてください」マキマキ
シルヴィ「え? わざわざありがとう? ……ご主人様の健康が第一ですから」
シルヴィ「できました。………最後に屈んでもらえますか」
シルヴィ「…………」チュッ
シルヴィ「……行ってらっしゃいませ。ご主人様///」
ーー
ヒュー
ガタガタ
シルヴィ「凄い風……ご主人様、大丈夫かな」
シルヴィ「そうだ。何かあったかいもの……スープでも作って待ってよう。寒い中帰って来るだろうから……それに」
《ご主人様。暖かいスープを作ってみました。食べてみてください》
《暖かいですか? ふふ…良かったです》
《え…シルヴィの方が暖かい? あっ…だ、ダメですスープが冷めてしまいます…あんっ・》
シルヴィ「………///」
シルヴィ「つ、作らなきゃ…」
シルヴィ「……あ、材料が足りない」ガサゴソ
シルヴィ「買いにいかなきゃ。まだお店やってるかな…」
ーー
ーー
シルヴィ「ふぅ……買えてよかった」
シルヴィ「暗くなってきた…ご主人様もそろそろ帰ってくるかな。急いで作らないと…」
シルヴィ「ん……あれはご主人様だ! お仕事の帰りかな……….?!」
先生「ーーーー」
不気味な店員「ーーーー」
シルヴィ「ご主人様と………服屋の店員さんが一緒に歩いてる……どうして……?」
シルヴィ「…………」
ーーーー
ーーーー
シルヴィ「………」
シルヴィ「……ご主人様…まだかな…」ソワソワ
シルヴィ(なんだかすごくモヤモヤする……ご主人様は服屋の店員さんと何を…もしかして)
シルヴィ(い、いやご主人様が外で何をしようと奴隷である私には関係が……ない……)
シルヴィ「…………」
シルヴィ「……ご主人様……」
ガチャッ
シルヴィ「あ、ご主人様! お帰りなさいませ!」ギュッ
シルヴィ「…………!」
シルヴィ(香水の匂い……私の知らない…)
シルヴィ「………」
シルヴィ「…あ。す、すいません。何でもないです」
シルヴィ「何か美味しいそうな香りがする? ふふ、実は暖かいスープを作ったんですよ。一緒に食べましょう」
シルヴィ「…………」
ーー数日後
シルヴィ「ご主人様、今日も往診ですか? 気を付けて行ってきて下さい」
シルヴィ「ん……あの」
シルヴィ「………」チュッ
シルヴィ「……行ってらっしゃいませ///」
ガチャ、バタン
シルヴィ「…………」
シルヴィ「…………」ガサゴソ
シルヴィ「…………」
ガチャ、バタン
ーー街
シルヴィ「………」キョロキョロ
シルヴィ(ごめんなさい…ご主人様)
シルヴィ(ご主人様を疑って後をつけるなんて最低です…)
シルヴィ(でも不安で不安で…仕方がないんです……ごめんなさい)
シルヴィ「あ、ご主人様だ…」コソコソ
ーーーー
ーーーー
シルヴィ「……くしゅんっ」
シルヴィ「寒い……」
シルヴィ(ご主人様は普通に往診しに回っているだけみたい。……私の考え過ぎかな……)
シルヴィ(そろそろ戻ろ………?!)
先生「ーーーー」
不気味な店員「ーーーー」
シルヴィ(あ……また…服屋の店員さんと…)
シルヴィ(二人で何処に行くのかな)コソコソ
シルヴィ(…お店に入ってった…あのお店は…)
シルヴィ(確か高いネックレスとか指輪を売っているお店だ……)
シルヴィ(買って……あげるのかな……)
シルヴィ「………」ギリッ
シルヴィ(………何だろう……凄く…嫌な…気持ち)
シルヴィ(これ以上……辛くて見てられない……帰ろう…)
シルヴィ「…………」
シルヴィ(そうだよね……ご主人様もこんな貧相で……傷だらけの女より、もっと良い人と一緒にいたいよね……)
シルヴィ(服屋の店員さん…ちょっと不思議な人だけど…美人だし……胸も大きいし……私なんかと比べもにならないくらい…良い女だよね)
シルヴィ(ご主人様が望むなら…私は応援しなきゃ。だってご主人様の幸せが…私の幸せ……)
シルヴィ(そう……それが…私の幸せの筈……)
シルヴィ(……うっ……うっ)グスッ
シルヴィ「い、嫌……」
シルヴィ「い、いやだよ………ご主人様が……私を見てくれなくなるなんて…そんなの耐えられないよ……」ポロポロ
シルヴィ「このままだと……ご主人様を取られちゃう……もし、そうなったら私はもう……」ポロポロ
シルヴィ「…………」
シルヴィ「ご主人様に……もっと見てもらえるようにしなくちゃ……」
シルヴィ「ご主人様は……渡さない…」
ーーーー
シルヴィ「………」
シルヴィ(私に出来る事は多くない………)
シルヴィ(そうだ……料理をもっと上手くなろう)
シルヴィ(今までは簡単な朝食だけだったけど……今度はご主人様が満足できるお菓子とか作れるようになろう…)
シルヴィ(………)
シルヴィ「待っていて下さい……ご主人様…」
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
シルヴィ「……どうですか、ご主人様?」
シルヴィ「おいしい? ほ、本当ですか?!」
シルヴィ「よ、良かったです…ご主人様のお口に合うか心配で…」
シルヴィ「え……別にそんな苦労なんか…ご主人様言ってくれたらいつでも作りますから…」
シルヴィ「あ……ふぁ……あ、ありがとうございます。喜んでもらえて私は幸せです///」ナデナデ
シルヴィ(ご主人様が喜んでくれてる……よし、この調子で頑張ろう)
シルヴィ「………」
シルヴィ「あ、いえ。もちろんご一緒させていただきます!」
ーーーー
ーー服屋
不気味な店員「あらあら、いらっしゃいませ。ご自由に見ていってくださいな」
シルヴィ「………」
シルヴィ(店員さんってやっぱり美人だな……ミステリアスだし、胸も大きいし……)
シルヴィ「………」ツルペタ
シルヴィ(はぁ……)
不気味な店員「……? お嬢さん? 私の顔に何かついてる?」
シルヴィ「あ、いえ。な、何でもないです…」
ーーーー
不気味な店員「お客様、お帰りですか。いつもありがとうございますわ」
不気味な店員「あ、良かったらこれ。お嬢さんと食べて下さいまし」
シルヴィ「?」
不気味な店員「いえいえ…何時も買っていただいてるほんのお礼ですわ。では、ありがとうございました」
シルヴィ(なんだろう……何か甘い匂いがする?)
ーーーー
ーーーー
シルヴィ「ご主人様、開けてみますね」
シルヴィ「……わぁ。お菓子ですね。凄く美味しそう…」
シルヴィ(手作りみたい……あの人が作ったのかな…)
シルヴィ「お茶にしますか? 分かりました。では、淹れてきますね」
シルヴィ「お待たせしました。じゃあ、いただきます……」パクッ
シルヴィ「……!」
シルヴィ(お、美味しい……)
シルヴィ(本当に……美味しい。私の何か比較にならないくらいくらいに……)モグモグ
シルヴィ(……これと比べたら…私のなんか……)
シルヴィ(これには……勝て…ない……)
ーーーー
ーーーー
シルヴィ「往診ですか?」
シルヴィ「…………」
シルヴィ「あ……す、すいません。気を付けて…行ってらっしゃいませ」
ガチャッバタン
シルヴィ「………」
シルヴィ(私が、あの人に勝るものが見つからない…。料理も勝てないだろうし……夜伽も…ご主人様が本当に満足できているのか分からなくなってしまった……)
シルヴィ(だって傷だらけで貧相な体よりも……あの店員さんの方が良いに決まってる……)
シルヴィ(なのに……今はあの人を思い浮かべるだけで…憎くてたまらない……私から…ご主人様を取らないでっ………)ギリッ
シルヴィ「……痛っ」
シルヴィ(あ……血が……)
シルヴィ「……っう……うう」グスッ
シルヴィ(頭の中が…ごちゃごちゃして……もうどうすれば良いか…分からないよ…)ポロポロ
ーーーー
シルヴィ「…………ん」
シルヴィ(あ……いけない。寝ちゃったみたい…)
シルヴィ(ご主人様はまだいない……)
シルヴィ(もう知らないふりをするのは無理…….帰って来たら、聞いてみよう……)
シルヴィ(それで……本当だったら…私は……)
ガチャッ
シルヴィ「……! ご主人様。お帰りなさいませ」
シルヴィ「…………」
ーーーー
シルヴィ「………」
シルヴィ(中々言い出せないな……)
シルヴィ「…? ご主人様、どうしました……え、大事な話がある?」
シルヴィ「……はい、分かりました」
シルヴィ(大事な話……そっか、ついにご主人様の方から…)
シルヴィ(しょうがないよね……所詮私は奴隷だもの。拾ってもらえただけで十分な筈だよ…)
シルヴィ(ご主人様の幸せが……私の幸せ……だから私は精一杯笑顔で……)グスッ
シルヴィ(笑顔でいなくちゃいけないのに……)ポロポロ
シルヴィ「え…な、なんでも……ありまぜん…ちょっと目にゴミが……」ポロポロ
シルヴィ「…………え。これを私に? これは…箱? 開けて見てくれ?」
シルヴィ「は、はい………分かりました」
シルヴィ「これは…………わぁ……綺麗なペンダント」
シルヴィ「これを……私に? え、え………ど、どうして……」
シルヴィ「今日は私がここに来た日? あ………お、覚えていて下さったんですか……」
シルヴィ「1番大事な人だから当たり前? ………1番大事な……」
シルヴィ「………」ポロポロ
シルヴィ「あ、すいません……その、嬉しくて……1番大事な……私が…」ポロポロ
シルヴィ(……でも、ご主人様は服屋の店員さんと)
シルヴィ「……あ、あのご主人様。ご主人様は服屋の店員さんと――」
ーーーー
ーーーー
シルヴィ「あの人にはプレゼントの相談に乗ってもらってた?」
シルヴィ「こういうのは初めてだから……何を選べば良いか分からなかった? そ、そうですか……」
シルヴィ(そ、そういう事だったの……よかった…勘違いだったのね……)ホッ
シルヴィ「え? な、何でもありませんよ。勘違い? し、してませんよ///」
シルヴィ「も、もう。あまりからかわないで下さい……///」
シルヴィ「………」
シルヴィ「……! ご主人様、明日はお休みですよね」
シルヴィ「実は……まだ、不安でこのままだと、また勘違いしてしまうかもしれません……」
シルヴィ「ですから……」シュルッ
シルヴィ「勘違いしないでいいように……今夜、たっぷり教えてください」パサッ
シルヴィ「目が怖い? そんな事ありませんよ。気のせいです」
シルヴィ「ふふ……ではお願いしますね」
シルヴィ「大好きです……ご主人様」
〜完〜
まあ絞り取られるオチだよね(歓喜)
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447681520/
Entry ⇒ 2016.08.10 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
タイヘイ「うまる……」うMル「あ、アれ? ワTしってダれDっケ?」
タイヘイ「おーい、うまる。そろそろ行くぞー!」
うまる「うーん……ちょっと待ってぇ…」グデーン
うまる「うー、眠い…」グデーン
タイヘイ「こ、こら。寝るなうまる!」
うまる「あと五分…」
タイヘイ「今日は晩御飯ピーマン炒めにするぞっ!」
埋「さっ、早く行こうよお兄ちゃん」ウマルーン
タイヘイ「早っ。相変わらず凄いな…」
埋「甘いねお兄ちゃん。最近の女の子は二つの顔を持ってるんだよ!」
タイヘイ「じゃあ、弁当にピーマン入れても平気だな」
埋「それは駄目だよ!」
タイヘイ「そこは変わらないのかよ…」
埋「………」ウツラウツラ
埋(うーん…眠い…)
埋(ついつい新作のゲームを明け方までやりこんでしまった。まったく….…うまるにこんな思いをさせるなんて罪なゲームだよっ)
埋(う……ここ、あったかくて我慢でき……)スヤスヤ
ーーーー
ーー
きりえ「う、うまるさん……あれ、ど、どうしたんだろう?」
きりえ「うまるさ……」
うまる「………」スヤスヤ
きりえ「え?! し、師匠?!」
埋「へ?! な、何?!」ビクッ
埋「きりえちゃん…」
埋(い、いま師匠って言ってたよね……ど、どうしよう。寝顔でばれちゃったかな…)
きりえ「あ、あの…」
埋「な、何……」
きりえ「や、やっぱり寝顔は妹のこまるさんとそっくりですね!」
埋「え?」
きりえ「い、いや何というか…愛くるしい姿がそっくり……って、な、な、な、何でもないです!忘れて下さい!」
埋「あはは…ありがと、きりえちゃん」
埋(よ、良かった…ばれなかったみたいだね)
ーー放課後ーー
埋(ふぅ…今日も疲れたなぁ。JKも楽じゃないよう)
埋(……だけど危なかったな。これじゃあおちおち居眠りもできないなぁ)
埋(学校に個室お昼寝ルームがあったらいいのにな。ついでにドリンクバー、漫画を完備してたら最高だね!)
埋(………)
埋(….…きりえちゃんに、本当の事を話した方がいいのかな)
埋(夏の時は言いそびれちゃったけど、このままなあなあにするのは良くないよね…)
埋(でも……本当の事を話したらきりえちゃんはどういう反応をするんだろう…)
ーーまるちゃん
埋(きりえちゃんはうまるを………)
ーーうまるちゃん!
埋「ひゃ!」ビクッ
海老名「ふぇ!」ビクッ
海老名「ご、ごめんね。驚かせちゃって…」
埋「ううん…私がぼーっとしていただけだから。あれ、きりえちゃんとシルフィンさんは?」
海老名「きりえちゃんは部活で、シルフィンさんは何か約束があるみたいで先に帰っちゃった」
埋「そっか。じゃあ帰ろっか、海老名ちゃん」
海老名「う、うん」
埋(シルフィンさん、早いなぁ。うまるも帰ったら早く着替えて行かなくちゃ)
ーーーー
ーー
海老名「――だったんだって」
埋「あはは、それ私も思ったよ」フアァ
埋(うーん、やっぱりちょっと眠いなぁ)
海老名「うまるちゃん、眠いの?」
埋「う、うん…ちょっと夜までゲ――」
埋(…っあ)
海老名「?」
埋「よ、夜遅くまで勉強してたんだ。ほら、今度テストがあるからね」
埋「そんな事ないよ。あ、そうだ。今度一緒に勉強会しようよ。きりえちゃんとシルフィンさんも呼んでさ」
海老名「あ、いいね。私凄い助かるよ…」
埋(危ない危ない……やっぱ眠いと気が抜けちゃうな)
埋(…….…)
埋(….海老名ちゃんは家での私を見たらどう思うんだろう…)
ーーーー
ーーゲームセンター
UMR「うーん…」キョロキョロ
UMR「あ、いた。お待たせTSFさん!」
シルフィン「UMRさん! お待ちしておりましたわ!」シュバクルン
シルフィン「UMRさん、今なら新筐体が空いていますわ!」
UMR「ほんと?!」
シルフィン「ええ! 今日はたっぷりやり込みますわよ!」
ーー帰り道
UMR「ふー、楽しかったね」
TSF「はい! やっぱりUMRさん相手だと楽しいですわ!」
UMR「あ、ありがとう。私も…TSFさん相手だと…その、より楽しいかな///」
TSF「そ、そうですか….あ、ありがとうございますわ///」
UMR「う、うん。…….あ、そうだ。TSFさんは今度の大会でるの?」
TSF「もちろんでますわよっ!今度は優勝目指して頑張りますわー!」
UMR「ふふっ。私も負けないよ」
TSF「優勝……優勝といえば、この前わたくしの学校の埋さんも優勝しましたの!」
UMR「へっ?! 埋さんが優勝?!」
TSF「はい!成績最優秀賞をとって表彰されましたのよっ」
UMR「へ、へぇ…す、凄いね埋さん」
UMR(ゆ、優勝とは違うんじゃないかな…)
UMR「…! そ、そうなんだ」
TSF「昔は、埋さんとはライバルでしたけど…今は仲間ですわ。だから嬉しいんですの」
UMR「…」
TSF「勝って仲間になるんじゃなく一緒に楽しんで仲間になるんだ――これを教えてくれたUMRさんのおかげですわ!」
UMR「いや…そんな…」
TSF「そしてその力が未来へ繋がるドリームなんですわよね!」
UMR「て、TSFさん。それは言ってないような気がするな」
TSF「そ、そうでしたっけ……とにかくUMRさんには感謝してますわ」
UMR「う、うん」
TSF「埋さんにも、是非UMRさんを紹介したいのですけど…なかなか機会が合いませんわ…」
UMR「ん…ま、まあその内ね…」
UMR「………」
UMR(埋とUMRか……これもいつかはシルフィンさんに話さなきゃね……)
――その筈だった。
ーーーー数週間後・ゲームセンター
TSF「やったー! 勝ちましたわ!」
UMR「ぬわー! 逆転された…TSFさん、腕を上げたね…」
TSF「ふふっ、特訓の成果ですわ! 本番、UMRさんを驚かす為に秘密特訓をしていましたの!」
UMR「それ言ったら秘密じゃなくなっちゃうんじゃ…」
TSF「あ……そ、そうでしたわ…」
UMR「あはは……もう一回やる?」
TSF「ええ。もちろ――」
ガシャーン!
UMR「えっ?!」
TSF「きゃ! な、何!?」
オイテメエフザケンナゴラア!
アアン?ヤンノカ?!
UMR「…け、ケンカだ」
「お、おい。止めろ!」
「警察呼べ!」
UMR「…う、うわ。たいへんな事に…」
TSF「………」ブルブル
TSF「あ……あ、ああ…」ブルブル
UMR(か、顔が真っ青……こ、ここから出なくちゃ…)
UMR「TSFさん!立てる?!」
TSF「は……はい……」
UMR「よし、私に掴まって!」
ーーーー
ーー公園
UMR「よ、よし…ここで休もう」
TSF「う……うう…」ブルブル
UMR「も、もう大丈夫だよ!TSFさん!」
TSF「…うっ……うっ…」グスッグスッ
UMR(だ、駄目だ。震えが止まらない……どうしよう。お、お兄ちゃん…….)
UMR(……あ。そうだ。うまるが泣いた時、お兄ちゃんは)
UMR「TSFさん!」ギュッ
TSF「あっ……」
UMR「大丈夫…大丈夫だから…」
TSF「は……い…」
ーー
UMR「はい、お茶」
TSF「あ、ありがとうございます…」コクコク
UMR(良かった…落ち着いたみたいだね…)
TSF「….…ごめんなさい。UMRさん。迷惑をかけてしまって…」
TSF「わ、私怖かったんですの…あんな大きな声で……血も飛んで…」
UMR「うん…私も怖かったよ…」
UMR(まさか今のゲームセンターであんな大喧嘩が起こるなんて、うまるも思わなかったよ…)
TSF「ゲームセンターは皆が楽しい場所だと考えてましたわ…なのに…あんな事が起こるなんて…私、怖くて悲しくて…体震えて……動けなかったですわ……」グスッ
UMR(TSFさん…)
UMR「TSFさん。あんな人達はほんの一部のプレイヤーだよ。殆どの人はちゃんとした人達だから大丈夫だよ!」
TSF「え…」
UMR「ゲームセンターは楽しい場所だからね!TSFさんは間違ってないよ!」
TSF「UMRさん……」
TSF「………」
TSF「……U、UMRさん!」
UMR「ん?」
TSF「また……行きましょう」
UMR「うん!もちろん!」ニコッ
ーー学校ーー
海老名「今日さ。皆でこのケーキバイキング行かない?」
埋「あ、いいね」
シルフィン「わたくしも行きますわ!」
きりえ「こ、この前みたいに取り過ぎないで下さいよ…」
シルフィン「今度は全部食べますわ!」
埋「あはは…」
埋(良かった……シルフィンさん、心配だったけど大丈夫みたいだね)
「ねえねえ知ってる?この前近くのゲームセンターでさ」
「あ、知ってる。警察が来たんだよねー怖いよね…」
埋(あ…)
「んー、ほら、近くにゲームセンターあるじゃん。あそこで暴力沙汰があったんだって…」
きりえ「あ…今朝そういえばニュースでやってた」
「物騒だね…気をつけてね埋ちゃん」
「何言ってんだよ。埋さんがゲームセンターみたいな物騒な場所に行くわけないだろ」
「あ、そっか。危ないから、ああいう所には近づかない方が良いよ」
埋(うっ……)
埋「そ、そうだね。私は行かないかな――」
シルフィン「!」
シルフィン「あ、あの!」ガタッ
「ん?」
「ど、どうしたの?シルフィンさん?」
シルフィン「あ………いえ。何でもありませんわ…」
海老名「?」
埋(あ……わ、私。ごめん……シルフィンさん……)
ーーーーゲームセンター
UMR「あ、いた。TSFさん!」
TSF「………」
UMR「………?TSFさん?」
TSF「あ…。ご、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしてましたわ。さあ、今日も負けませんわよ!」
UMR「う、うん…」
ーーーー
ーー
UMR「ふー、疲れたね…」
TSF「………」
UMR「…TSFさん?」
TSF「…あ。は、はい。ちょっと今日は調子が悪かったですわ!」
UMR「うん……」
TSF「………」
TSF「……ごめんさい…UMRさん。今日は…少しだけ悲しい事がありまして……」
UMR「うん…」
UMR「そうだね…私も見たよ」
TSF「それで…今日。クラスの皆さんがゲームセンターを…危ない場所と言ってましたの…」
UMR「そ、それは」
TSF「分かってますわ。ゲームセンターは楽しい場所…この前のは例外だって」
TSF「でも……その……う、埋さんも……い、行かないって言ってましたの…」グスッ
TSF「そ、それを聞いたら……胸が…苦しくなって……で、でも何も言えなくて…」グスッグスッ
UMR「………」
UMR(……最低だ……私………)
今はうまるでいる時だけが、私の安らぎだった。
ーー
きりえ「………」カキカキ
うまる「………」
きりえ「…よしっ。出来ました!」
うまる「どれどれ…うわっ、す、凄いねきりえちゃん。もうプロ並みだよ!」
きりえ「い、いえいえ。プロだなんてそんな。これでは師匠の愛くるしさを十分の一も表現出来ていません!」
うまる「そうかな…」
うまる(ク、クリエイターだね。きりえちゃん…)
きりえ「………」
うまる「……? どうしたの、きりえちゃん?」
きりえ「し、師匠…あの、相談したい事があるんですけど」
うまる「ん?」
きりえ「師匠のお姉さん……埋さんの事で…」
きりえ「埋さん…最近ちょっと元気がないんです……師匠、何か理由とかって分かりますか?」
うまる「う、うん。お姉ちゃん元気ないよね…で、でもこまるも分からないんだ…」
きりえ「そ、そうですか……。やっぱり家でも元気ないんですね…。学校じゃ聞いても平気だよ、としか言ってくれないんです…」
うまる「……」
うまる「……お姉ちゃんの事を心配してくれて、ありがとうきりえちゃん」
きりえ「い、いえ!ただ、私は…その…埋さんに笑っていて欲しくて…」ゴニョゴニョ
うまる(きりえちゃん……)
うまる(私は……)
ーー
うまる「………」ピコピコ
タイヘイ「おーい、うまる。そろそろ風呂入れよー」
うまる「んー」
タイヘイ「………」
タイヘイ「…うまる」
うまる「ん?」
タイヘイ「お前、何かあったのか?」
うまる「へ?! ど、どうしたの突然?!」
タイヘイ「いや、なんか最近変だなって。別に何もないんならいいんだけど…」
うまる「………」
うまる「…….お兄ちゃん」
タイヘイ「うん?」
タイヘイ「二つの顔?」
タイヘイ「……!」
うまる「も、もしさ……それが原因で友達に傷付けられたら…お兄ちゃんは……うっ……どうする?」グスッ
タイヘイ「……うまる」
うまる「さ、最低な友達だよね……気持ち悪いと思う……うっ……うっ……よね……」グスッグスッ
タイヘイ「………」ギュッ
うまる「え……」
タイヘイ「大丈夫だよ。うまるはうまる……どっちも本当のうまるだろ。気持ち悪くなんかないさ」
うまる「………」
タイヘイ「傷付けたなら、謝れば良い。それだけだよ……だから、大丈夫だ。うまる…」ギュッ
うまる「………」
うまる「………うん」
ーー
タイヘイ「….….…」zzz
うまる「….….…」
うまる(ありがとう、お兄ちゃん…)
うまる(そうだよね…傷付けてたら謝るしかないよね。もう…逃げちゃ駄目だ…)
うまる(シルフィンさんに…本当の事を話そう)
ーーーー
ーー翌日・放課後
埋「………」ポチポチ
《TSFさんへ。話したいことがあります。何時ものゲームセンターで待ってます》
埋「………」
埋「………送信っと」ピッ
埋「….…マスクは要らないね」
埋(本当の事を話して……謝ろう、シルフィンさんに。嫌われちゃうかもしれないけど…嘘をつき続ける事はもうできない)
埋(怖いけど……やらなくちゃいけないんだ)
ーー
シルフィン「………」テクテク
シルフィン(UMRさん…お話だなんて、急にどうしたのでしょう…)
シルフィン(もしかして、埋さんの相談の事で心配をかけ過ぎてしまいましたのでしょうか?)
シルフィン(………)
シルフィン(埋さん……)
ア、アブナイ!クルマガ!
シルフィン「え?」
――キキッー! ドンッ!
ーーーーーーーー
ーーーー
埋「………」テクテク
埋(もう直ぐ、待ち合わせの場所だ。やっぱり…緊張するな…)
ガヤガヤ
埋(ん、なんだろう? 人が集まってる?)
ウワッ、チガ…
オ、オイ、キュウキュウシャハマダカ
埋(事故かな………)
埋「え…………」
シルフィン「」
埋「シル……フィン……さん……?」
雑踏が雨音のようだった。私は地面に広がるシルフィンの血をジッと眺めていた。体が動かない。救急車が来て、シルフィンを運んで行って、それで、それで、それで……
ーー
みんなが泣いていた。集中治療室の前でアレックスは見たことも無い顔をしていた。シルフィンさんは命に別条はない。でも意識が戻らないらしい。頭を強く打ち過ぎたそうだ。
どうしてこんな事に、と誰かが呟く。うまるはその答えを知っている。けれどもうまるは答える事が出来なかった。
ーーーー
ーー
うまる「…………」
タイヘイ「うまる……ご飯、食べないのか…」
うまる「うん…いい…」
タイヘイ「……うまる」
うまる「ごめん……もう寝るね…」
うまる(………)
うまる(お兄ちゃんは優しくしてくれるけど、私にそんな資格はない)
うまる(優しくされるたびに、苦しくなる)
ーー
??「ねぇ……シルフィンさんがこんな目にあったのは誰のせい?」
うまる「え、誰……」
??「私はうまるだよ」
うまる「違うよ!私がうまるだよ!」
埋「ふーん、じゃあ私は埋でいいよ。シルフィンさんをあんな目に合わせた埋でね」
うまる「?! やめて! うまるはそんなつもりじゃ…」
埋「何いってんの? 私が問題を先延ばしにしていた結果じゃない。目を背けないでよ」
UMR「あ、それとも…私のせいかな?」
うまる「違う! うまるは、うまるは……」
UMR「私もうまるだよ。TSFの友達UMR」
埋「私もうまる。シルフィンさんをあんな目に合わせた土間埋」
うまる「違う! 違う! 違う! もう、やめて!」
埋「違う? 私はうまるじゃないの?」
UMR「私も違うの? ねえ教えてよ」
うまる「うっ…うっ……」ブルブル
うMル「ジゃあ私ハ誰?」ギョロ
うまる「ひ……う、うわああああああああああああああああ!?」
ーーーー
うまる「ああああああああ?!」
タイヘイ「お、おい! しっかりしろうまる!」
うまる「はぁっ! はぁっ……お、お兄ちゃん……」
うまる(ゆ、夢……)
タイヘイ「大丈夫…大丈夫だから….うまる…」ギュッ
うまる「あ………」
うまる(お兄ちゃん…泣いてる…)
うまる「ごめん…ちょっと…怖い夢見てて…」
タイヘイ「……」ギュッ
うまる「う、う……うっ、う……うあ……うっ……」ギュッ
ーー翌朝
タイヘイ「うまる…大丈夫か。今日は学校休んでも良いんだぞ…」
うまる「大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて…」
うまる「じゃあ行ってきます――」
ウマ……ル…ーン
あレ?なん@d't8bj
DまumあルーuM)/230(
えへ、へaTxD05かふg@ブ
A@230
■ ■ a@Win.degあは「」
G
■の えへへ
うまる「………へ?」
うまる「あ、あれ……お兄ちゃん?」キョロキョロ
うまる「……え。な、何で…空がオレンジ色なの……じ、時間は……17時?!」
うまる「え、さ、さっき家を出ようとして……あれ? あれ?」
うまる「バックの中には……お、お弁当は食べてある…手紙も……今日もらったやつだ…」
うまる「私…学校行ったの? でも、記憶には……」
うまる「な、なんなの……分からない。うまる、わかんないよ…」
ーー
タイヘイ「うまる、今日ちょっとお買い物に行かないか?」
うまる「お買い物…?」
うまる「………」
うまる(大丈夫…だよね…)
うまる「うん、行くよ」
うまる「………」ゴソゴソ
うまる(この服……お出かけする時の、UMRの時の服……)
うまる(着ても大丈夫かな……)ゴソゴソ
うまる「あ――」
う
@ る
ま
んd't
ひひ
ーdpj
????^ ^〜?さ
タイヘイ「ただいまー。ふぅ……疲れたなぁ」
うまる「あ………?」
うまる(ま、また…夕方になってる……)
うまる(うまるはお兄ちゃんとお出かけにもう行ったんだ……覚えてないのに行ったんだ…)ブルブル
タイヘイ「………どうした、うまる?」
うまる(うまるが……うまるじゃなくなってく…)ブルブル
だってうまるは埋じゃないでしょ?
うまる「ひっ……」ブルブル
タイヘイ「お、おい!うまる!」
UMRでもないんでしょ?
うまる「違う、うまるは埋でUMRで……!」
その通り。お前は外面の良い埋でシルフィンさんをあんな目に合わせたUMRで埋でうまる。
うまる「あ、ああああああ……」
タイヘイ「うまる!しっかりしろ!」
うまる「あああああああああ…」
ウマルーン
埋「お、お兄ちゃん…?」
ウマルーン
UMR「わ、私………」
ヌヒョ
うまる「私は………」
ウマルーン
ウマルーン
ヌヒョ
ウマルーン
ヌヒョ
ウマルーン
ウマルーン
ウマルーン
ヌヒョ
ウマルーン
タイヘイ「う、うまる……?」
うMル「あ、アれ? ワTしってダれDっケ?」
ーーーー
ーー病院
海老名「…………」テクテク
きりえ「…………あ」テクテク
海老名「きりえちゃん………うまるちゃんの所に?」
きりえ「……」コク
海老名「そっか……私、さっき行って来たんだ。今、起きてるよ。私はこれからシルフィンさんの所に行ってくるね…」
きりえ「うん……」テクテク
きりえ「………」
《403・土間埋》
きりえ「うまるさん…失礼します」コンコン
うMル「………」ボー
きりえ「うまる…さん」
うMル「………」
きりえ「………」
きりえ「私、この前水泳の大会で優勝したんですよ」
うMル「………」
きりえ「…見てください。賞状です…」ゴソゴソ
きりえ「学校でも、表彰されて……ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったです…」
うMル「…………」
きりえ「でも…私が一番見て欲しかったのは…うまるさんです」
うMル「………」
きりえ「うまるさんに見て……欲しい…です……」
きりえ「だから……うまるさん………早く元気に……」グスッ
きりえ「うっ……うっ……」グスッグスッ
きりえ「お兄さん…こ、今晩は」
タイヘイ「ありがとうね…何時も来てくれて」
きりえ「い、いえ…」
タイヘイ「うまる、きりえちゃんが来てるよ」
うMル「………」
タイヘイ「あ、花が新しく…」
きりえ「私の前に海老名さんが来たみたいです」
タイヘイ「そっか……うまるは幸せ者だね」
きりえ「お兄さん…」
タイヘイ「……ごめんね、きりえちゃん。うまるは少し疲れてるだけだから…もう少しだけ時間が必要…なんだ」
きりえ「はい……」
ーー
きりえ「お先に失礼します」ガチャ
きりえ「………」
うまるさんは病気になってしまった。強いストレスが原因の精神病だ。別々の顔。簡単に言うと無理をして性格を時々に変えていたらしい。そして私は知った。……うまるさんに妹なんていないことが分かった。師匠――こまるさんはうまるさんだったのだ。
最初はものの弾みだったのかもしれない。でもそれが言い出せないままズルズル続いてしまったのだろうか。…それとも私が無意識に師匠ある事を強いていたのかもしれない。それが、うまるさんのストレスになっていたとしたら私は大変な事をしてしまった。……私のせいでうまるさんは何処かに行ってしまったのかもしれない。
きりえ「うまる…さん。帰ってきてください…」
きりえ「うっ…うっ…」ポロポロ
ーー病室
海老名「………」
シルフィン「ーーーー」
海老名「シルフィンさん……うまるちゃん、まだ起きないよ…」
海老名「クラスの皆も、きりえちゃんもシルフィンさんとうまるちゃんがいないのを寂しがってるよ…」
海老名「………」
海老名「私ね…シルフィンさんがテニスの時、ペアに誘ってくれたの凄い嬉しかったんだ」
海老名「私、鈍臭いからさ……シルフィンさんが誘ってくれたの本当に嬉しかったんだ…」
海老名「………」
海老名「私、寂しいよ。また…四人で遊びに行こうよ…」ポロポロ
海老名「シルフィン……さん」ポロポロ
シルフィン「ーーーー」
シルフィン「……海老……名さん…?」
海老名「……シ……シルフィンさん…」
海老名「シルフィン…さん…!」ギュッ
シルフィン「海老名さん……わたくし……は、いったい…?」
海老名「よかった……本当によかったよお……」グスッグスッ
きりえ「………」グスッ
シルフィン「海老名さん、きりえさん……」
シルフィン(思い出しましたわ……UMRさんとの待ち合わせに行こうとしたら…車が…)
シルフィン(あら、そういえば……うまるさんは?)キョロキョロ
シルフィン「あの…埋さんはいらしてないんですか?」
海老名「え?!」
きりえ「……!」
シルフィン「ど、どうなさいましたの?」
きりえ「うまるさんは……」
ーーーー
ーー
シルフィン「そ、そんな……」
海老名「……」
きりえ「……」
シルフィン「埋さんが……」
シルフィン「………」
シルフィン「う、埋さんの所に行きますわ!」
海老名「え?!」
ーー
シルフィン「埋さん!」
うMル「………」
シルフィン「…う、埋さん?」
海老名「………シルフィンさん。無理だよ……」
きりえ「………」
シルフィン「そ、そんな事ありませんわ!」
シルフィン「埋さん! 私は戻ってきました! だから! 埋さんも! 戻ってきて下さい!!」
何だか。懐かしい声が聞こえる。私がずっと聞きたかった声だ。光が……眩しい。私は…私は――
うMル「………」
埋「シル……フィン…さん?」
シルフィン「う、埋さん?! 私が分かりますの?!」
海老名「埋ちゃん!」
埋「きりえちゃん……海老名ちゃん………」
埋「私は………」
埋(そうだ……私は……私が分からなくなって………)
埋「シルフィンさん……も、もう大丈夫な…の?」
シルフィン「ええ! 大丈夫ですわ!」
埋「そっか…よかった……本当に良かった……」
――何が良かっただ。
埋「え?!」
――思い出せ。お前が何をしたのかを。お前には皆といる資格があるのか?皆を騙し続け、傷付けてしまった埋にそんな資格があるのか?
埋「あ……あ、あああ…」ブルブル
シルフィン「う、埋さん?!」
シルフィン「え…な、何を言ってますの?」
埋「だ、だって埋は!! 皆の事騙してたんだよ!」
シルフィン「騙してた?」
きりえ「あ………」
埋「ほ、本当は私に妹なんていないっ。家ではだらしなくてっ! ………UMRは………私なんだよ…」
シルフィン「UMRさん……が埋さん?」
埋「ずっと、皆を騙してたんだ……シルフィンさんが怪我したのも埋のせいだよ……埋がもっと早く正直に話してれば…こんな事には……」
シルフィン「………」
きりえ「………」
海老名「………」
埋「私なんかに……皆と友達でいられる資格はないんだよ……」
埋「え…」
シルフィン「埋さんは馬鹿ですわ!」
埋「…し、シルフィンさん」
シルフィン「どんな性格であろうと埋さんは埋さんですわ! そ、そんな事で友達じゃなくなったりするわけありませんっ!」グスッグスッ
きりえ「そうですよ…埋さんは埋さんです……そんな資格が無いなんて悲しい事を言わないで下さい……」グスッ
海老名「そうだよう……うまるちゃんはうまるちゃんだよ…」グスッグスッ
埋「みんな………」
埋「うっ……う、うわああああん……ごべんねっ……みんな……」
ーーーー
ーー数週間後
シルフィン「埋さん!負けませんわよっ!」
埋「む、やるね。シルフィンさん!」
海老名「ふえぇ……また死んじゃったよう…」
きりえ「ち、ちょっとコントローラー逆…」
埋「あはは……」
埋「………」
埋(また…四人で遊べるようになって本当に良かった……)
埋(もう何も隠さなくて良い。皆はうまるを受け入れてくれた)
埋(本当にありがとう…)
埋「ふー、そろそろ休憩しようか。ポテイトとコーラ持ってくるね!」
埋(大好きだよ……みんな!)
ーー完ーー
うまる二期はよ
チープかもしれないけどよかったぜ
乙
ちょっと怖かった
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444320902/
Entry ⇒ 2016.07.28 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
菜々「お、お兄さん!今日は私がお夕飯の食材を用意しますっ!」
夕飯の食材なら俺が買ってくるけど……」
うまる「そうだよ海老名ちゃん。お兄ちゃん無趣味だから家事以外に
お金使わないんだから」
タイヘイ「お前は黙ってろ、うまる」
菜々「いえっ!あのっ、買ってくるってわけじゃなくて……。
その……良い食材が採れる場所を知ってるっていうか……」モジモジ
うまる「それって、山菜とかを採ってくるっていうこと?」
タイヘイ「川の土手とかならヨモギやタンポポの葉っぱが採れると
思うけど、それ以外に良い食材なんて採れるのかな……?」
うまる「まぁまぁお兄ちゃん!せっかく海老名ちゃんがこう言ってくれてるんだから
お言葉に甘えようよ!」
タイヘイ「う~ん……そうだな、せっかくだし。
じゃあ海老名ちゃん、お願いできる?」
菜々「は、はいっ!たくさんの美味しい食材を持って帰ってきますっ!」
・「干物妹!!うまるちゃん」のSSです。
・別の作品が登場することがあります、名前は伏せますが
ご了承下さい。
・作者はタイヘイハーレム主義です。
ボンバだのアレックスだのの害悪に対しては厳しい立場をとっているので
ご了承下さい。
俺で良ければ一緒に……」
菜々「ふぇっ!!?あ、あの……お言葉は嬉しいですけど……その……あの……」ワワワワワ
うまる「お兄ちゃん、海老名ちゃんが取り乱してるって。
大丈夫だよ、私も一緒について行くから」
菜々「う、うまるちゃん……」キラキラ
タイヘイ「うまるが?海老名ちゃん一人より不安だな……」
うまる「それどういう意味っ!?」
シルフィン「その心配は無用ですわっ、うまるさんのお兄さま!」シュバッ
切絵「そうです、お兄さん。私たちも一緒に行きますのでお兄さんは
ゆっくりして待っていてください」スッ……
うまる「あれっ?きりえちゃん、シルフィンさん。いつからそこに?」
シルフィン「うまるさんと遊ぼうと思って今しがた着いたところですわ~~!」
切絵「扉が開いていたので、入らせていただきました」
タイヘイ「……鍵は閉めてたと思うんだけどな。まあ、4人なら大丈夫かな。
皆、気を付けていってきてね。あと、うまる」
うまる「?何、お兄ちゃん?」
タイヘイ「食材入れる鞄が必要だろ?これ、俺が作ったトートバッグ。
あとタッパーも何個か持って行けよ」
うまる「もう、お兄ちゃん。どれだけ期待してるの?
まあ持って行ってあげる。お兄ちゃん、楽しみにしててねっ!」(^_-)-☆
シルフィン「それで、海老名さん。どこまで行かれるんですの?」
切絵「さっきまで街中を歩いていたはずなのに、気づいたら知らない森の中なのですが…」
菜々「大丈夫です、もうすぐ最初の目的地に到着しますから」
うまる「そういえば……どこからともなく潮の香りがしてきたね」クンクン
菜々「多分そろそろだと……あっ、出たようまるちゃん!
私がいつも食材を手に入れている船だよっ!」
切絵「海、ですね……。うまるさんのアパートから歩き出して
二十分も経ってないはずですが……」
シルフィン「すごいですわっ!あの船の先端、ヒツジさんの顔がついてますわよ~っ!」
切絵「珍しい形の船ですね……。でも海老名さん。あの船からいつも食材を
手に入れているのですか?」
菜々「うん、いつも人がいないし、きっと廃棄された船なんだと思うんだ。
でも厨房みたいなところがあって、いつも新鮮な食材が入ってるの。
不思議だよね~」
うまる「で、でも海老名ちゃん。あの船についてる旗の印って、どうみても……」
シルフィン「ドクロマーク……海賊船ですわね。
麦わら帽子を被ったドクロマークなんて初めて見ましたけど」
菜々「危険なことは今まで一度もなかったし、大丈夫だよ~。
さっ、時間が勿体ないし、早く食材を回収しちゃおう?」スタスタ
切絵「……うまるさん、いいのでしょうか?
あの船、停泊してからそう時間は経ってなさそうですし、
おそらく乗組員がいるんじゃないかと…」
うまる「う~ん、でも海老名ちゃんが何回も食材を手に入れて
何事もなかったって言ってるから大丈夫だと思うよ。
ここは海老名ちゃんを信じてみよっ!」
シルフィン「そうですわっ!うまるさんのお兄様も
待っておられますわよ!」シュバッ
切絵「…!……そうですね、行きましょう」
切絵「乗組員は全員出払っているのでしょうか?人の気配がありませんね」
菜々「えっと……この美味しそうな食材の匂いは……あっ!
この冷凍庫からだっ!」ガラッ
エレファントホンマグロ「」ガラガラッ
シルフィン「何ですの、このお魚!お鼻が長いですわっ!
まるでゾウさんですわねっ!」
切絵「見たこともない魚ですね…でも」
うまる「うんっ!とっても美味しそうな匂い!
お兄ちゃんならきっと美味しく料理してくれるよっ!」
菜々「だねっ!じゃあさっそく持って帰って……」
海賊「ちょっと待ちなてめぇ!!」ドンッ!!
切絵「っ!?」
シルフィン「えっ!?誰ですのっ!?」
菜々「あっ、いつもこの船に現れて私の食材調達を邪魔しようとする人だよ」
うまる「乗組員の人じゃないの?」
切絵「でも、乗組員にしては普通の服を着ていますね」
シルフィン「ではこの船に雇われたコックということでは」
菜々「でもこの人、タバコ吸ってるよ。タバコを吸うと口や鼻の粘膜が
鈍感になって味覚や嗅覚を損なうから、タバコを吸うなら
料理人になっちゃ駄目だって東西新聞の人が言ってたよ」
うまる「じゃあ、私たちと同じようにこの船から食材を調達しようと
侵入してきた人ってこと?」
切絵「その可能性が高いと思います」
最初は女だって油断したが、何回も俺たちが出てる間に侵入して
貯蔵していた食材を盗みやがって!!
しかもそのエレファントホンマグロはナミさんに食べてもらおうと
大事にとっておいた秘蔵の食材だぞっ!!
もう女だからって容赦はしねぇ……覚悟しな盗人!!」ダッ!!
うまる「なっ、何かあの人滅茶苦茶怒ってない!?
シルフィンさん、あの人が言ってること、わかる!?」
シルフィン「駄目ですわ、私も知らない言語みたいですわね」
切絵「こっちに向かってきます、きっと食材を先に取られたから
逆切れしたんですね。海老名さん、どうするんですか?」
菜々「あっ、大丈夫。私だけで対処できるから…皆は少し、離れててね」スッ
海賊「今までの俺だと思うんじゃねぇ!!アンタには何度ものされてきたが、
こっちも色々な戦いを潜り抜けてきたんだ!!
アンタでもこの蹴りは防げないぜっ!!」ビュワアアアアアア!!
海賊「『粗砕(コンカッセ)!!!』」ズドンッ!!!
菜々「無駄だべな~」パシッ
海賊「なっ………空島編で初使用するはずの技を大盤振る舞いしたってのに……!?」
菜々「秋田の人間にはそんなもん効かねぇ。じゃあこっちから行くべ~」オロロロロ……
菜々「数え貫手っ!!!」グワッ!!!
菜々「四っ!三っ!二っ!」ズドドドドドドッ
菜々「一っ!!!」ズンッ!!
海賊「がはっ……嘘……だろ………!?」グラッ……
海賊「」ドンッ
うまる「流石海老名ちゃん、強いね~~!」
シルフィン「あら?殺してませんのね?」
菜々「うん、私たちの目的はあくまで食材だから……。
いくらいきなり襲い掛かってきたからって殺しちゃうのは、ちょっと…」
切絵「……海老名さん、優しいですね。
まあとりあえずこの魚を持って帰りましょう。
でも結構大きいですね…持てない事は全然ありませんが、どうしましょう?」
うまる「あっ!じゃあこのトートバックに入れればいいよ!
お兄ちゃんが暇な時間で作ったバッグで、中は四次元空間になってて
どんなに物を入れても大丈夫なんだ!
しかも取り出したいものもピンポイントで取り出せる優れもの!」
菜々「すご~~い!流石お兄さんだね、うまるちゃん!」
切絵「ええ、流石……ですね///」
うまる「……ぬへへ♪」
シルフィン「じゃあまずはお魚を調達できましたわね。
次はどんな食材を探すんですの?」
菜々「えっと……次はお肉、かな。
色々なお肉が捕れる場所知ってるから、行こっ、皆!」
うまる「おぉ、海老名ちゃん張り切ってるねぇ!
じゃあ食材探しの旅Part2だよっ!」
ヒロインズ「「「「おぉ~~~~~!!!」」」」
海賊B「ちょっと見せて!……大丈夫、軽く気絶させられただけみたい」
海賊C「でもよぉ、サンジを気絶させられるって相当な実力者じゃないと
無理だぜ?一体だれが……」
海賊D「んなもん決まってる。このエロガッパが油断するっていったら、
敵が女だった時だけだろ」
海賊B「…そうみたいね。冷凍庫の中身が空になってるから、
サンジくんが何度も遭遇したっていう女の子の食料泥棒が
また来たってことみたいね」
海賊C「か~~~~~っ!!サンジの奴、『次盗みに来やがったら女性だからって
容赦しねぇ!』とか息巻いておきながらまた加減したってことかよ!?」
海賊D「こいつの事だ、どうせ本気ぶったって気絶させようとするのが関の山だ。
相手も相当な実力者だと分かっていながら……。
阿保としか言いようがねぇ」
海賊B「サンジくんらしいけどね……」
船長「それよりまた俺の食う飯が盗まれた!
もう許せねぇ!!!
ゴムゴムゴムゴムゴムゴムゴム…………!!!」オロロロロロ……
海賊B「………こっちも相変わらずだけどね」ハァ
菜々「でも分からない?色んな獣がそこかしこに潜んでるの。
芳醇なお肉の香りもするから、もう少しだよ!」ガサガサ
シルフィン「確かに色んな獣の気配がしますわね。
そんなに危険な感じはしませんが」ガサガサ
うまる「……あっ、ひらけた場所に出たよ!」ガサッ
カモネギ「……キャモ?」
切絵「…すごいですね、鴨が葱を背負っていますよ」
菜々「あっ!さっそく美味しいお肉見つけたようまるちゃん!
あのカモさんのお肉はとてもさっぱりヘルシーで水炊きに
ぴったりなんだ!持ってるネギも普通のネギより栄養価が高くて
シャキシャキしてるんだよ!」キラキラ
うまる「へぇ~そうなんだ。じゃあ今回は私が一肌脱いじゃおうかな?」パキポキ
カモネギ「キャ、キャモ……」ビクビク
うまる「そんなにビクついても無駄だよっ!それっ!」ブンッ
カモネギ「カッ!!」ドンッ!
カモネギ「」ドサッ
うまる「ぬへへ……捕獲完了!」
切絵「さすがうまるさん!華麗にノッキングしましたね!」
菜々「ただ単に[ピーーー]よりも鮮度が保てるもんね。やっぱりうまるちゃんは
上手だね。私にはそんな繊細な技術ないもの」
うまる「そんなことないって。海老名ちゃんもちょっと練習すれば
これくらいの技術すぐに身につくって!」
シルフィン「うまるさんばかりに良い格好はさせておけませんわ!
次は私が行きますわよ!え~っと……食べられそうな獣は…あっ!」
ブーピック「ブガッ?」
シルフィン「美味しそうな豚肉発見ですわ!
さっそく仕留めますわよ~~~!」シュバッ!
シルフィン「必殺!シルフィンスピンキックですわぁ~~~~~!!」ズドッ!
ブーピック「ブガッ!!」ズンッ!!
ブーピック「」ドサッ
シルフィン「一丁上がりですわぁ~~~~~!」シュバシュバ
あと足りないのは牛肉でしょうか」
菜々「あ、それなら近くに良い場所がありますから、そこに行きましょう」
うまる「良い場所ってどこなの、海老名ちゃん?」
菜々「えへへ……前回ここに来たとき美味しそうなお馬さんがいたから
こっそり後をつけたの。住処を見つけられたら仔馬さんの柔らかい
お肉が食べられるかなって」
切絵「それで、その馬の住処は見つかったんですか?」
菜々「ううん、結局住処は見つからなかったんだけど…。
でももっと素敵な場所を見つけられたの!
ほら、ここだよ。気配を消して、そっと茂みから覗いてみて…」コソッ
シルフィン「わぁ……すごく綺麗な湖ですわね……」
切絵「おぉ……たくさんの見たことない獣がいますね。
あっ、あそこにいるのは……」
ケンタロス「ブロロロロ………」ゴクゴク
ミルタンク「ンモォ~~~~」ゴクゴク
うまる「すご~~~い!闘牛と乳牛が仲良く水飲んでるよ!」
菜々「ねっ?ここってあの獣たちの水飲み場みたいなの。
あそこにいる二頭もこの辺りを住処にしてる獣たちなの。
どっちも食べた事あるけど美味しいんだよ?」
シルフィン「そうなんですのっ!?絶対に食べてみたいですわっ!」キラキラ
うまる「うんっ、私も!じゃああの二頭に気付かれないようにそぉっと
近づいて強襲しようよ。
私と海老名ちゃんがまずあの二頭の目の前に姿を晒して、
逃げようとしたらきりえちゃんとシルフィンさんが
背後から逃げ道を塞ぐの」
切絵「了解です、うまるさん」
シルフィン「了解ですわぁ~~~~~!」
菜々「じゃあ、行動開始しよっ。うまるちゃん!」
うまる「うんっ、こそこそ作戦、開始だねっ!」
ヒロインズ「」キャッキャッ
ケンタロス「」
ミルタンク「」
シルフィン「回収ですわぁ~~~~~!」ゴソゴソ
うまる「これで牛肉もバッチリだね!主要な肉は一通り揃ったから、
次は野菜を探しに行く?」
菜々「うぅん、まだだようまるちゃん。まだ主菜(メイン)のお肉を
手に入れてないよ」
うまる「え?メインのお肉って?」
菜々「うん、実は何回か前ここに来た時に翼の生えた大きな牛さんを見つけたの!
丁度この時間に水を飲みに来ることも調査済みなんだよ!
ただ、その牛さんはとても素早く逃げちゃうし、他の獲物を持ちながらじゃ
仕留められなかったの」
切絵「なるほど、今回は私たちと一緒だから捕えることも可能と
踏んだわけですね」
菜々「そうなの!とても丸々太ってたから、きっとお肉の方も
円熟して美味しいと思うんだぁ」
シルフィン「それは楽しみですわね……あら?何かが高速で湖の淵に降り立ちましたわ」
カイリュー「マルスケェ………」ゴクゴク
菜々「あっ!あれだようまるちゃん!
大きな羽の生えた牛さん!」
うまる「う、うん……確かに大きくて羽が生えてるけど、
あれってどう見ても……」
切絵「竜……ですよね」
シルフィン「私竜さんなんて初めて見ましたわぁ~~~~!」キラキラ
うまる「そりゃ大多数は初めてなんじゃないかな。
私もゲーム以外で実物見るのは初めてだし」
切絵「しかし、確かにここからでもはっきりと感じる熟成した肉の香り。
先ほどまで手に入れた肉とはまた一段、上を行く旨みを感じますね」
菜々「ねっ!とっても美味しそうでしょ?」
うまる「うん、でも……さっき仕留めた獲物より遥かに強そう。
一人で飛び掛かっても致命傷を与える前に空に逃げられそう…」
シルフィン「大丈夫ですわうまるさん!海老名さんお一人の時は
難しかったと思いますが……」
切絵「ええ、今回は私たちもいるんです。
息つく間もなく4人で波状攻撃を仕掛ければ、
逃げられる前に捕えることができると思います」
菜々「えへへ……やっぱり、友達と一緒っていいよね、うまるちゃん」
うまる「……私も、そう思ってたよ海老名ちゃん。
じゃあ皆、気配を消して、後ろからそっと近づいて、
一気に襲い掛かろう!」
ヒロインズ「「「「お~~~~~」」」」コゴエ
ガサッ…………
カイリュー「……マルスケ?」クルッ
ヒロインズ「「「「」」」」ニタァ…………
カイリュー「マァルスケェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
ここはポケモン捕獲禁止区域で………あら?」
某レンジャー「いない……ポケモンたちも見当たらない……。
ここはポケモンたちの水飲み場で、常になにがしかの
ポケモンはいるはずなのに……」
某レンジャー「逃げられた?でも車の音も聞こえなかったし……。
確かにポケモンたちの悲鳴を聞いてすぐに駆けつけたはずだから
逃げる時間だって……。とりあえずジュンサ―さんに
連絡して山狩りをしてみましょう……」ピポパ
シルフィン「…で、今度はお舟の上ですのね」
うまる「すごいよね、あの竜を回収した後森を抜けるために歩いてた
はずなのに……」
切絵「森を抜けた先は、大海原を突き進む船の上。海賊船でないだけ
有難いですが……。それに抜けてきた森はいつの間にか消えているし」
菜々「えへへ、これもいつもの事だよ。きっとまだ見ぬ食材さんたちが
私たちを導いてくれているんだと思うな」
うまる「あはは、海老名ちゃんロマンチックだね」
シルフィン「にしても、不思議なお舟ですわね。
乗組員の方は誰もいないのに舵がひとりでに動いて
進んでいるだなんて…」
切絵「まるであらかじめ向かう場所が決まっているようですね……」
菜々「あ、うん。そうだよきりえちゃん。この船にも私、何回も乗ってるけど
いつも同じ『島』に着くの」
シルフィン「島……もしかして、無人島ですのっ!?」キラキラ
うまる「シルフィンさん、急にキラキラし始めたね」
シルフィン「はいっ!お母様が所有している孤島には何度も
旅行に訪れたことがあるのですが、危険がないように
きちんと開発されていて、スタッフの方が島に住んで
いるので無人島という感じが全くしなかったので、
本物の無人島に憧れていたんですわぁ~~!」シュバシュバ
菜々「こ、個人で所有している孤島って……」
切絵「流石に私たちとはスケールが違いますね……」
うまる「あはは………って、あれ?何か島みたいなのが見えてきたよ?」
菜々「あっ!着いたみたい、今回の目的の島!あそこでいっぱいお野菜が
採れるんだよ!」
そびえているというか……」
うまる「そうだね……海老名ちゃん。あの島は危険な事とかはないの?」
菜々「うん、あの火山もいつも噴火するけど危ないことは全くないから」
シルフィン「私でもツッコミどころが満載だと分かりますわね。
そうこう言ってるうちにそろそろ到着しそうですが、
錨を下ろさなくてよろしいんですの?」
菜々「あ、そうだった。うまるちゃん、そこに鉤付きのロープがあるから、
それを取って?」
うまる「え?えっと……あ、これだね。でも海老名ちゃん。
錨は下ろさないの?」ジャラ
菜々「うん、必要ないの。うまるちゃん。そのロープを投げて、
島に引っかけて。それから力いっぱい引っ張って?」
切絵「えっ、えっ?え、海老名さん。一体何を……。
そんなことしても、島に接舷できるわけが……」
うまる「……きりえちゃん。ここは海老名ちゃんを信じてみよう。
海老名ちゃんがいい加減なこと言うわけないんだし」
切絵「うまるさん………」
シルフィン「お船がひとりでに止まりましたわ。
ここからは自分たちで何とかしろということですわね」
うまる「じゃあ勢いをつけて………」ビューンビューンヒュンヒュンヒュンヒュウゥゥゥゥゥゥゥ……
うまる「えいっ!」ブンッ!
ザクンッ!
菜々「うん、島に突き刺さった!そのまま力いっぱい引っ張って、
うまるちゃん!」
うまる「や、やってみる!えいっ………って、あれ?軽いっ!?」
グイッ…グイッ…グイッ…バフッ!!
切絵「な、何ですか今のは……?島と船がぶつかったと思ったら
地面の色が、変わって……!?」
シルフィン「変わったというか……。今まで茶色でしたのに表面の部分が
パフッってはじけて、黄色の地面が出てきましたわ」
うまる「どういうこと、なの?」
菜々「えへへ……これもいつもの事だよ。さ、降りよ!
降りたら分かるから!」ヒョイ
シルフィン「そうですわね、百聞は一見に如かずですわっ!」シュバッ
切絵「危険はないようですから…行ってみますか」バッ
うまる「皆度胸あるなぁ……。じゃあ、私も……それっ!」バッ
モフッ
うまる「う、うわわっ!?何この地面!?モフモフしてて、それでいて
ぬめぬめしてて……」
シルフィン「それになんだか嗅いだことのあるようなホクホクと
美味しそうな匂いがしますわぁ~~」
切絵「ちょ、ちょっと確認を……」ゴソッ……
切絵「こ、この手触り……それにこの味は……」モグモグ…
うまる「もしかしてこれ、茹でたてのジャガイモっ!?」
菜々「えへへっ、当たりだよっ!」
シルフィン「すごいですわっ!!この島の地面全部が茹でたてのジャガイモで
できてますわぁ~~~!」
切絵「しかもこの味……その辺の店で売っているジャガイモなんて目じゃ
ないくらいに美味しい…!」
うまる「み、皆!タッパーを十個ずつ持って!
詰められるだけ詰め込むよっ!」
菜々「うまるちゃん、それは後でもできるよ。
それより地響きがしてきた……そろそろ始まるよ!」ゴゴゴゴゴ……
シルフィン「この地響き……地震ではなさそうですわね……」ゴゴゴゴゴ……
うまる「そ、そうだね……というか、あんまり考えたくないんだけど……」ゴゴゴゴゴ……
切絵「し、島の中央にそびえている火山が、膨らんだり縮んだり、して……」
ドカーーーーーーーーンッ!!!!
うまる・切絵・シルフィン「ふ、噴火した(しましたわぁ)~~~!!って、あれっ!!???」」」
うまる「す、すごい!溶岩が出てくるんじゃなくて……」
切絵「火山口から次々と、野菜が……!!」
シルフィン「噴き出してきましたわぁ~~~~!!」
菜々「ほらっ!噴火が続いてる間は無限に出てくるから、回収しよっ!!」
うまる「う、うんっ!それっ……すごいっ!こんなにつやつやしてずっしりした
大根はじめて見たよっ!」
シルフィン「トマトに玉ねぎにジャガイモに……選り取り見取りですわぁ~~~~~!!」シュバシュバ
切絵「うっ!な、何て身の詰まったキャベツ……!何て鮮やかな色のニンジン…!
どれもこれも香しい香り……無農薬の野菜ですね!」ガシッガシッ
うまる「取り放題だねっ!!」カイシュウチュウ
菜々「ホラホラホラホラ…………」カイシュウチュウ
切絵「いいよっ、来いよっ!!」カイシュウチュウ
シルフィン「4人に勝てるわけないだろっ!ですわぁ~~~~~!!」カイシュウチュウ
火山「………………………」ゴゴゴゴゴ……
火山「」プスンッ
シルフィン「あら?止まってしまいましたわ」
菜々「きっと私たちが全て取ってしまうからしょんぼりしちゃったんだね」
火山「」ションボリ
切絵「悲しいなぁ……」
うまる「止まっちゃったのはしょうがないよ。これだけ採れば
1年以上は野菜に困らないし、取りあえずトートバッグにしまってと…」ゴソゴソ
切絵「ではそろそろ地面のジャガイモを回収しましょうか。生のジャガイモは
大量に確保しましたけど」
菜々「あ、まだだよ。まだまだ!ほら、ジャガイモの前に海を見てよっ!」
うまる「へ?海って……えぇ!!?」
切絵「か、海水が全て………」
シルフィン「すごいですわっ!!辺り一面、ミンチ肉の海ですわぁ~~~~~!!」
菜々「すごいでしょ?この島に上陸して一定時間経つと、見渡す限りの海が
全部最高級の合挽ミンチに変わるんだよっ!」
切絵「確かに……この濃厚な肉の香り……臭みなんて一切ない。
純粋な、肉の旨みだけが充満してる……!」
うまる「み、皆!タッパーを一人20個ずつ持って!
地面のジャガイモとミンチ肉、詰められるだけ回収していくよっ!!」
ヒロインズ「「「おーーーーーーーーーーーっ!!!!!」」」
菜々「うん、これだけあればお兄さんも喜んでくれると思うんだぁ」ニコニコ
シルフィン「そうですわね。お魚、お肉(牛・豚・鳥・ミンチ)、そしてお野菜。
どれも持ちきれないほどゲットできましたから、そろそろ切り上げて
撤収しても良いと思いますわ」
うまる「だよね…でも、海老名ちゃん。私たちどこに向かってるの?
島の奥に進んでるけど……」
菜々「いつもこの奥に進めば、大きな野菜でできた建物があってそこに入れば
家の近くに戻れるんだけど……あっ!あった!」
シルフィン「す、すごいですわっ!お野菜でできた建築物なんて初めて見ましたわ!」
切絵「恐らく海老名さん以外は初めてかと。しかし、このつり橋を渡らないと
いけないんですか…」
うまる「す、すごく深い谷だね……」ゴクッ
菜々「大丈夫だよ。私何回も渡ってるけど、一度も落ちたことないもん」
切絵「一度でも落ちていたら、今頃海老名さんはここにはいないと思いますが」
シルフィン「まぁまぁ!この橋見た目はしっかりしてるみたいですし、問題
ないと思いますわっ!」
うまる「そうだね、木でできてはいるけど腐ってもいないし。
じゃあここでまごついててもしょうがないから、さっさと渡っちゃおっ!」
切絵「そ、そうですね。ではさっそく……」
ヒロインズ「「「「」」」」ゾロゾロ……
ギシギシ………メリッ!!!
うまる「ね、ねぇ海老名ちゃん。何か今、聞こえちゃいけない音が聞こえた気が
するんだけど……」
シルフィン「そ、そうですわね。心なしかバランスがおかしくなってるというか……」
バキッ!!!
切絵「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
菜々「お、落ちるぅ~~~~~!!?どうしてぇ~~~~~~~!!??」
うまる「き、きっと今までは海老名ちゃん一人で渡ってたからうぁああああああ!!??」
シルフィン「こ、こんな所で終わりたくないですわぁーーーー!!」
ヒロインズ「「「「きゃんっ!!!!」」」」
うまる「い、痛た………」
シルフィン「う、上手く投げ出されたましたわね。尻もちはつきましたが、
大した怪我はなさそうですわ……」
切絵「そ、それにしてもここは……どこかの洞窟のようですが……。
海老名さん。ここは、一体………?」
菜々「ご、ごめんなさい。分からないの……今まであのつり橋を渡るだけだったから…」
切絵「あっ、べ、別に責めているわけではなくて……!」アタフタ
うまる「大丈夫だよ、海老名ちゃん。確かに深い谷だったけど、
私たちなら10分もあれば登って建物側に行けるから」
菜々「う、うまるちゃん……ごめんねぇ」グスッ
シルフィン「海老名さん、泣かないでくださいな!見てくださいまし、
洞窟の奥に大きな宝箱がありましたわっ!!」ドンッ
切絵「た、宝箱ですか?それはまた……怪我の功名というやつですか」
菜々「鍵はかかってないみたい、だね……」
うまる「じゃあ開けてみる?変な罠もなさそうだし、危険なオーラも
放っていないし」
シルフィン「さぁ、海老名さん!開けてくださいまし!」
菜々「えぇ!?い、いいの……?」
切絵「ええ、そもそも今回は海老名さんが連れてきてくださった旅
なんですから」
うまる「ほら、海老名ちゃん」
菜々「み、皆……有難う。じゃあ、開けるね……えいっ!」
パカッ
菜々「うわぁ…………」
シルフィン「た、宝箱の中に……」
うまる「揚げたてのコロッケが大量に入ってるよ!美味しそーーー!!!」
切絵「この匂いから……うん、毒物の類は何も入っていないですし、
腐ってもいないです。すぐに食べられますよ」
シルフィン「じゃあ、一人1個ずつ食べながら帰りません!?
残りはトートバッグに入れておけば良いのですし!」
うまる「あっ、シルフィンさんナイスアイディア!!
ほら、海老名ちゃん。食べようよ!!」
菜々「う、うん。じゃあ……はむっ」サクッ
ヒロインズ「「「「美味しいぃ~~~~~~~~~~~♪」」」」
少年A「あ、あれ!?宝箱の中のコロッケまでなくなってるよ!!」
ロボット「そ、そんなぁ~~!じゃあ今日の夕飯はキャベツだけナリか!?」
少年B「い、いや……確かキャベツは忘れる予定だってみよちゃん言ってたから、
今日の夕飯は抜きってことに……」
ロボット「う、嘘ナリよ。そんなこと……」ガクガク
少年C「おいトンガリ!!島のジャガイモも掘り散らかされてるし、
火山に仕込んであった野菜は根こそぎなくなってるし、
一体どうなってるってんだよっ!!」
少年B「ぼ、僕に聞かれたってわかんないよ!だいたい僕だって皆と
一緒にこの島に来たばっかりじゃないか!?」
少年C「お前この期に及んで言い訳しようってのか!?
良い覚悟じゃねぇか……歯ぁ食いしばれよ!!」
少年A「止めなよブタゴリラ!!あ~あ……でもこれじゃあ新OPが
撮れないよ。最終回までの最後のOP撮影なのに……」
ロボット「じゃあスイミン不足を流し続けるナリか?」
少年A「そんなことしたら大バッシングがくるよ。
とりあえず奇天烈大百科に何か発明が載ってないか見てみるよ」
しかもどれも最高級品じゃないか」
うまる「えへへ……海老名ちゃんが案内してくれたお蔭だよ。
もちろん私も頑張ったけどね」
タイヘイ「そっか……ありがとう、海老名ちゃん。お蔭で美味しい
夕飯を作れそうだよ」ニコニコ
菜々「お、お兄さん……」ドキドキ
タイヘイ「きりえちゃんもシルフィンさんも、有難う。
皆の頑張りに応えて、美味しい料理をこしらえるから
ぜひ食べて行ってよ」ニコニコ
切絵「あ……は、はい。御馳走になります」ドキッ……
シルフィン「ご相伴あずからせていただきますわぁ~~~!」ワクワク
タイヘイ「じゃあまず何から始めようかな。この魚は焼き物でもいいし、
カルパッチョ風にしてみるのも悪くないかもな…」
切絵「あ、お兄さん。海老名さんが是非手伝いたいと言っています」
菜々「ふぇっ!!?き、きりえちゃん!?」
タイヘイ「え?いいの、悪いなぁ。じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」ニコニコ
菜々「あ……は、はい」ポッ
シルフィン「じゃあ私も手伝いますわぁ~~!きりえさん、うまるさん!
皆でお夕飯を作りましょう!」
切絵「えっ。そ、それでは意味が……」
うまる「いいじゃん!その方が楽しいって!お兄ちゃん、私も頑張っちゃうからね!」
タイヘイ「あはは。じゃあ、皆で作ろうか。きりえちゃんも、よろしくね」ニコ
切絵「うっ………は、はい」マッカッカ
うまる「お兄ちゃん。私も頑張るってば!」
タイヘイ「うまるは皿洗いだけ宜しく」
うまる「ひっどぉ~~~~~い!」
キャッキャッ アハハハハ…… ウフフフ………
ボンバ「………………………」トボトボ
時系列
1.妹の切絵がなかなか帰ってこないので心配してタイヘイの家まで
やってくる。妹なら大体ここに入り浸っていると推測したから。
2.タイヘイの家にうっすら明かりがついている。しかしおかしい。
カーテンが閉められた窓から何人かの人が激しく動きあうシルエットが
浮かび上がっている。
3.こっそり階段を上がって入り口の扉に耳を当ててみる。
するとそこから親友と4人のよく知った女の子の喘ぎ声のような、苦しげな
声が聞こえてくるではないか。
4.その声の中に最愛の妹のものも聞き取り、ボンバは全てを理解する。
5.押し入ることもできず、スゴスゴと自宅に戻ることにする ←今ここ
ボンバ「…………………………………………」ピタッ
ボンバ「お……おぱ……………………………」カクカク
ボンバ「おぱぱうぼうえらいるえがおうごあうふぁおあばばばばヴぁば
のうぇひぐぃうぇいはぁっはっはっやあっやっやっちょぶいぅぎうぐうぐうぐ
ちゃえようれいぐれほははははりょうれぐくげぅべげげえげちょんけいけぐ
あががががっぐげげげげげげげげげげひひひひひひぃいいいいいいいいいいい
がぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
!!!!!!???????????????????」ゴロゴロ7
時系列
6.発狂 ←New!
ボンバ「あぱ?」ピタッ
アレックス「ほらげげえぶいぇのあいえがほいえんごあいえほいじゃえ
あぇおあげおえぜのありがぃるわげっりええりあのえげわぷあ
ぱえあえああえあいえあふぇれぃれおくぁえいうげあごええぃ
ぴいえんべぜつびあじじぇふへえいほどだあいえぎぎきださい
ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ
ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ
ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ
ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぉぉぉ!!
!!!!!!!!!!???????????」グルグルゴロゴロ
時系列
1.妹のシルフィンが遅い。いつもなら遅くなるなら連絡の一つも
入れるはずなのに。
2.嫌な予感がしたのでタイヘイの家に向かって走りだす。
家を出る前に友達と遊ぶと言っていたので恐らくそこにいると
頭脳明晰なアレックスは判断した。
3.タイヘイの家までもう少しというところで、発狂したボンバを目撃する。
頭脳明晰なアレックスはその現場を目撃しただけで、全てを理解する。
4.最愛の妹が自分の先輩に寝取られたという事実に耐え切れなくなった
アレックスは自我が崩壊。発狂する ←今ここ
ボンバ「……あぽ……」
アレックス「……ほーん……」
時系列
5.傷ついた二人は傷を舐めあうように幸せなキスをして終了 ←NEW!
タイヘイ「皆で食材を調理して食べたその夜、僕は実の妹を含む皆と
関係を持ってしまった。
どうやらきりえちゃんが気を利かせて入れた媚薬が分量を
大きく超えていたらしい」
タイヘイ「5人で行為をしていると何故か叶とヒカリちゃんも現れて
結局朝まで7人で過ごした」
タイヘイ「翌日会社に行ってみると、ボンバとアレックスくんが行方不明だと
言われ、愕然とした」
タイヘイ「きりえちゃんとシルフィンさんが落ち込んでいるのを見かねて、
今のアパートから大きな貸家に移り住み、
海老名ちゃん、叶、ヒカリちゃんを含む7人で生活を始めた」
タイヘイ「いつしかうまるを含む6人全員が妊娠しているのが発覚し
きりえちゃんもシルフィンさんも元気を取り戻した矢先、
1通の手紙が届いた」
タイヘイ「そこにはタキシード姿のアレックス君と花嫁姿のボンバの写真が
印刷されていて、『結婚しました』と簡素な文字で書かれていた」
タイヘイ「僕はその手紙を皆にばれない様に焼却した。
きりえちゃんやシルフィンさんがそれを見たら卒倒しただろうから」
タイヘイ「今僕は6人の愛する妻と沢山の子どもに囲まれて幸せに暮らしている。
ボンバとアレックスくんのその後は聞かない。
あの二人は消えてしまった」
タイヘイ「あの二人の身に何があったのかは知らない。
でも今は、この幸せを享受しようと思う」
タイヘイ「うまるも三人目を妊娠しているし、海老名ちゃんはまた双子を身ごもった。
きりえちゃんとシルフィンさんも二人目がお腹の中で順調に育っている。
叶とヒカリちゃんは四人目が欲しいとねだってくる。困ったものだ、あはは」
タイヘイ「ボンバ、アレックスくん。いつか幸せになった俺たちの姿を見に来てほしい。
そうしてきりえちゃんとシルフィンさんの心の枷を少しでも
和らげてあげてほしいと、僕は今でもそう願っているんだ」
完結までに多少時間がかかってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
一応「干物妹!!うまるちゃん」以外の原作名は伏せました。
台詞内の単語で察していただきたいと思います。
感想お待ちしています。
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460787633/
Entry ⇒ 2016.07.07 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
タイヘイ「もしもし?うまる?今仕事中なんだけど」
タイヘイ「海老名ちゃん!?どうしたの!とりあえず落ち着いて!」
海老名「私のせいでぇぇぇぇぇ私がぁぁぁぁ!!嫌だ嫌だぁぁa
切絵「お、お兄さん替わりました!」
タイヘイ「きりえちゃん!?いったいどうしたの?」
切絵「う、うまるさんが…先ほど信号無視の車に、く…車には撥ねられて」
切絵「え、海老名さんを庇って車に…あ…そ、それで!」
切絵「いま集中治療室に、運ばれてt
ガタン!
モシモシ?オニイサン!?
タイヘイ「…うまるが……うまるが、事故?」
ぼんば「ひでぇ夢だな、しっかしまぁ!夢で良かったな本当に」
タイヘイ「正夢になったらと思うとなかなか仕事に集中出来なくてなぁ…。」
ぼんば「そんなこと滅多にねぇってwww大丈夫だいじょ」
ピロリロリロ ン ピロリロリロン
海老名「お兄さん!!お兄さん私です…うまるちゃんが、うまるちゃんがぁぁ!嫌だぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁぁうまるちゃんがぁぁぁぁぁ!!」
タイヘイ「海老名ちゃん!?どうしたの!とりあえず落ち着いて!」
海老名「私のせいでぇぇぇぇぇ私がぁぁぁぁ!!嫌だ嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
タイヘイ「うわぁぁぁぁぁ!!!!」ガバッ
ハァ…ハァ…
タイヘイ「ま、また夢?なのか」
タイヘイ「疲れてるのか俺は…ハァ、元気出せ俺」
タイヘイ「うまるー!そろそろ起きろよー」
タイヘイ「さて、お弁当と朝飯作るかな」
タイヘイ「俺はゴミ捨てあるから先に出るぞー!ちゃんと鍵閉めて行けよー!」ガチャン
タイヘイ「海老名ちゃん、ごめんね~いつも…もうすぐ降りてくるから それじゃ」
タイヘイ「あ、今日残業デーなの言い忘れてた!…後でうまるにメールしとくか」
タイヘイ「ふー!疲れたー!ぼんばお前もう少し早めにスイッチ入れろよな…」
タイヘイ「もうこんな時間か、うまるちゃんと晩飯食べたかなぁ。」
タイヘイ「帰りに何か買って帰るか…」
タイヘイ「ふわぁぁ……すげぇ眠い………。」
タイヘイ「ン…」
うまる「お兄ちゃん!今回のテストも満点フルコンプだったよー!」
うまる「まぁうまるはお兄ちゃんお墨付きのやれば出来る子だから当然だけどね!フフフ」
うまる「あ!明日ね、明日はね…うまるの17歳の…誕生日なんだけど。」
うまる「サプライズは要らないから、、お兄ちゃん…起きてぇ。起きてよぉ」ポロポロ
私を庇ってとか 海老名ちゃんを庇ってではなく車は真っ直ぐ、お兄ちゃんに向かっていき轢いて行った
すぐに救急車を呼び治療室に担ぎこまれが、お兄ちゃんは意識を失ったままだった
タイヘイ「って夢を見たんだ!!まだ死にたくねぇー!」
うまる「うぅ、お兄ちゃん朝からうるさい!」
終わり
そういうので
掲載元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1441837409/
Entry ⇒ 2016.04.13 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
うまる「んっ?なんだろこのうすい本?」
うまる「え……?」
うまる「……」ペラペラ
うまる「…」バサッ
『妹色に染まる』
うまる「…」ペラ
『お、お兄ちゃんのおっきい…ゴツゴツしてる』
『お兄ちゃんの』
『お兄ちゃん』
うまる「」←妹
うまる「!?」ビクッ
タイヘイ「んっ?何見てんだうまる?」
うまる「な、なんでもない…なんでもないよ」
うまる「お、お兄ちゃん///」カァァ
タイヘイ「?」
うまる「…」チラッ
うまる(お兄ちゃんが…お兄ちゃんがまさかあんな本…あれ妹物だったよね?)
うまる(つ、つまりお兄ちゃんは私のことを)
タイヘイ「おい、うまる」カタトン
うまる「うひゃぁ!!!!?」ビクッ
タイヘイ「ど、どうしたうまる?」
うまる「にゃんでもない!」
タイヘイ「ハハッ!なんか、海老名ちゃんみたいなしゃべり方だな」
うまる「そんなことにゃい!」
タイヘイ「ほら」ハハッ
うまる「むー…///」
うまる「う、うん……お、おいしい」
タイヘイ「……どうしたんだ?悩み事か?」
うまる「うん…まぁね」
タイヘイ「言えないことか?」
うまる「うん」
うまる(お兄ちゃんのことだから)
タイヘイ「そっか…」
うまる「~♪」
タイヘイ『うまるー』
うまる「ん?お兄ちゃん?」
タイヘイ『服置いとくぞー』
うまる「んー…」
うまる「ん?」
うまる(お兄ちゃんの影がまだ見える…)
タイヘイ影『』スッ
うまる(!!!!!??)
うまる(わ、わ、わ、わたしのパ、パンツを手に取った!?)
タイヘイ(んー…このパンツの猫可愛いなぁ…俺もこの猫のデザインのトランクス欲しいなぁー)
タイヘイ(どこの、会社が作ってるんだ?)パンツヲカオニチカヅケル
うまる(えええええええ!!?パンツを!パンツを顔に!顔に近づけているゥ!)
うまる(や、やっぱりお兄ちゃんは…私のことを…)ドキドキ
うまる(な、なんて言ってる場合じゃない!)
うまる「お兄ちゃん!」ガラッ
タイヘイ「うま……うえええええええええ!?!?」
うまる「え?どうした……」
すっぽんぽん
うまる「」
タイヘイ『う、うまるー!?』
うまる「はぁ……はぁ…/////」
うまる「お兄ちゃん……///」
タイヘイ『な、なんだ…?』
うまる「…///」ハァハァ
うまる「や、やっぱりあとで話すよ…///」ハァハァ
タイヘイ『わ、わかった…じゃあ、リビングで待っとくよ…』
うまる「うん…///」ハァハァ
タッタッタッ!
うまる「…///」ハァハァ
うまる「お兄ちゃん…」
タイヘイ「…見てしまった…まぁ、妹だから大丈夫だと思うけど…」
タイヘイ「そう言えばうまるの様子が変だったな…なんか」パサッ
タイヘイ「ん?なんかベットから落ちたぞ?」
『妹色に染まる』
タイヘイ「これは…ボンバの本」
タイヘイ「…まさか!」
うまる「好き…大好き…あの本を見たあとでも…」
うまる「お兄ちゃんは…私のこと」
うまる「すきなのかな?」
タイヘイ『うまる!』ドンッ
うまる「お兄ちゃん…?」
タイヘイ『お前もしかしてこの本見たのか!』
うまる「うん…でも、大丈夫だよ…好きだからお兄ちゃんのこと」
タイヘイ『これはボンバの本なんだ!』
うまる「……」
うまる「…」
うまる「えっ?」
タイヘイ「そうだ」
うまる「うまるは勘違いしたの?」
タイヘイ「そうだ」
うまる「じゃあ、さっきパンツに顔を近づけていたのは?」
タイヘイ「それは、パンツの猫のデザインが可愛いかったから何処の会社か見ていただけだよ」
うまる「……」
タイヘイ「うまる?」スッ
うまる「お兄ちゃんのバァアアアアアアアカァァァァ!!!!!」
タイヘイ「うおっ!?」
ドタン!
うまる「うぅぅ…」胸に顔をうずめる
タイヘイ「うまる…」ナデナデ
うまる「お兄ちゃん…私ね?お兄ちゃんが私のことそういう目で見てるかと思っていたの」
タイヘイ「そ、そうか」
タイヘイ(まぁ、これを見たらそう思うのも不思議じゃないな)
うまる「でも…嫌じゃなかった」
タイヘイ「えっ?」
うまる「むしろ…嬉しかった///」
うまる「だからさ…」顔を上げて
タイヘイ「ん?」
うまる「もう少しだけ私に勘違いさせて…?」////
タイヘイ「……」
タイヘイ「はぁ…わかった」
タイヘイ「好きなだけ甘えろ」ナデナデ
うまる「うん…」タイヘイの手を握る
うまる「だけどね…」
タイヘイ「大好きの裏返しなんだろ?」
うまる「うん…大好きだよお兄ちゃん」チュッ
タイヘイ「ん?ちゃんと常識分かってるのか」
うまる「口にしてほしかった?」クスクス
タイヘイ「言わすなバカ」
うまる「ぬへへ♪」
タイヘイ「うん…良いけど」
うまる「じゃあさ恋人になってよ」
タイヘイ「……」
うまる「只さ…条件があるの」
うまる「私が干物の格好の時は兄妹で美妹の時は恋人ごっこしてほしい」
タイヘイ「自分で干物とか美妹とか言うなよ…」
うまる「聞かせて……後生うまるだからさ」
タイヘイ「わかったよ…」
うまる「良かった…断られなくて」ギュッ
タイヘイ「………」ナデナデ
うまる「眠いや…このまま寝ようか…タイヘイくん」
タイヘイ「お、おう…」
タイヘイ(タイヘイくんか…なんか良いな)
うまる「んん…お兄ちゃん…」
タイヘイ「おはよう」クマー
うまる「あれ?クマできてるよ?」
タイヘイ「とりあえず退いてくれ…朝飯作れない…」
うまる「うん♪」
タイヘイ「よし」ナデナデ
うまる「ぬへへ♪」
タイヘイ「朝飯何が良い?」
うまる「目玉!」
タイヘイ「怖いわ!」
タイヘイ「静かに食べろ!」
うまる(干物)「やっぱりこの格好が楽だねー」
タイヘイ「そうか」パクパク
うまる(干物)「まぁ、だけどお兄ちゃんの恋人になれるなら…そのダルさもないけどねー」
タイヘイ「そ、そうか…///」
ピンポーン
タイヘイ「おっ、海老名ちゃんだぞ」
うまる「学校だるいー」ダラー
タイヘイ「早くしろ!」
海老名「また、あったねー♪」
猫「にゃー♪」
うまる「おはよう海老名ちゃん♪」
海老名「あ。おはよううまるちゃん♪」
タイヘイ「おはよう海老名ちゃん」
海老名「お、おひゃようございましゅっ///!!!」プシュウウ
タイヘイ「?」
うまる「お兄ちゃんいってらしゃい」
海老名「いってらしゃいおにいひゃん!!」
タイヘイ「あぁ、二人ともいってらしゃい」スタスタ
うまる「うん!行ってきます」スタス タ
海老名「お兄さん凄いねいっつも夜まで頑張ってるもんね」
うまる「うん!……あっ!」
海老名「どうしたの?うまるちゃん?」
うまる「ちょっと先に行っててお兄ちゃんに昨日のことで話があるからさ…」
海老名「あ……うん!」
タイヘイ「ん?うまる何のようだ?」
うまる「ぬへへ♪」
うまる「いってらしゃい!」
うまる「タイヘイくん♪」
タイヘイ「えっ……?」
うまる「それだけじゃあ!」スタスタ
タイヘイ「え。……あぁ」
タイヘイ「行ってくるよ…うまる」
海老名「良いけど…何話してたの?」
うまる「んー?」
うまる「私達だけ秘密だよ」
私の愛は自己満足で十分だった。
恋人ごっこでも嬉しいんだよ。
嬉しすぎるんだよ…お兄ちゃん♪
ぼんば「おっ!タイヘイ!」
タイヘイ「それがさ…」
ぼんば「なぁに!?おれのアレがバレただぁ!?」
タイヘイ「ご、ごめん…」
ぼんば「まぁ、預かってくれって頼んだのは俺だけどよ…。」
ぼんば「だ、大丈夫だったか?」
タイヘイ「うん。」
アレックス「何の話ですか?」
タイヘイ「アレックスくん」
ぼんば「実はな…」
アレックス「そ、そんなことが…」
タイヘイ「うん。それは、本当に良かった」
ぼんば「俺は、なりたいけどなー」
タイヘイ(実の妹と恋人ごっこすることになったけどな…)
きりえ「うまるさん」
うまる「ん?何?」ニコニコ
海老名「なんかとっても機嫌が良いね?」
シルフィン「なにか、良いことあったですの~?」
うまる「ぬへへ♪」
うまる(はやく……はやく会いたいなぁ…)
うまる「お兄ちゃん…」
海老名「うまるちゃん?」
きりえ「お兄さんがどうかしたんですか?」
うまる「ふぇ?な、なんでもないよ!」
シルフィン「まるで恋する乙女の声でしたの!」
<うまるさんに男!殺してやる!
<誰だ!誰なんだ!
きりえ「誰ですか?」
うまる「目!目が怖いよ!」
海老名「ひょえええ///」プシュウウ
うまる「海老名ちゃん!?」
シルフィン「?」
うまる「はぁ…どうしよ…」
かなえ「ねぇ…どういうこと?タイヘイなんで?なんでそんな本なんか持ってるの?」
タイヘイ「むー!むー!(誤解だ!それは、ぼんばのだ!)」
かなえ「こうなったら…ヤルしかないわ…」
タイヘイ「むーーーーー!(キャアアアアアア!)」
ぼんば「タイヘイちょっとこれ手伝って……ギャアアアアアアアアア!!!」
かなえ「キャアアアアアア!?!?」
タイヘイ「むーーーーー!」
タイヘイ「つ、つかれた……」
タイヘイ「なんとか叶の拘束から逃げられた…ぼんば良くやった…」
タイヘイ「さて、ご飯作らないとな…」
ガチャ
タイヘイ「ただいまー」
うまる「お帰りなさい!ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・も~?」
バタン!
『ごめんなさい!もうしないからぁ!』
タイヘイ「本当か?」
『うん!だから開けて~!』
タイヘイ「ただいま」
ギュッ!
うまる「お帰りなさい!タイヘイくん!」ヌヘヘ
タイヘイ「てか、ご飯作ったのか?」
うまる「うん…だって恋人でしょ?」
タイヘイ「よくやったぞ?偉い」ナデナデ
うまる「ぬへへ♪」スリスリ
タイヘイ「じゃあ、ご飯食べるか」
うまる「うん!」
うまる「ヌヘヘ♪頑張ったもんね♪」
タイヘイ「本当によくやったぞ!」
うまる「そのさ…お風呂わいてるんだけど…」
タイヘイ「お風呂も!?」
うまる「う、うん……それでさ」
うまる「一緒にお風呂入って……」
タイヘイ「ダメ。」
ーお風呂ー
うまる「ふーん♪ふーん♪気持ちいい?」シャカシャカ
タイヘイ「うん…気持ちいいよ」
タイヘイ(勝手に入ってきやがって……)
タイヘイ「へぇ~…どんなふうに?」
うまる「タイヘイくんとの恋人関係のことがばれそうになった」
タイヘイ「危ないどころの話じゃない!」
タイヘイ「あ。それと俺も危ない目にあった」
うまる「なになに?聞かせて!」
タイヘイ「童貞を奪われそうになった」
うまる「私のお兄ちゃんに手をだすなんて!誰なの!正義の鉄斎を喰らわしてやる!」
タイヘイ「おちつけ」ナデナデ
うまる「む……これは、ズルいよ」
タイヘイ「あぁ、そうだな」ハハッ
うまる「ん?バスタオルが嫌なら全裸でも……」
タイヘイ「バスタオルまいてくれてありがとうございます」
タイヘイ「ふぉ~」ゾゾ
うまる「ぬひょー」ゾゾ
タイヘイ「きもちいい~」
うまる「きもひぃ~」
タイヘイ「なぁ~…」ヌヘー
うまる「なにぃ~」ヌヘー
タイヘイ「俺の膝からどけ~」ヌヘー
うまる「断る~」ヌヘー
ー脱衣場ー
タイヘイ「のぼせた…」
うまる(干物)「お風呂は、ある意味危険だね…」
タイヘイ「おいおい…ちゃんと髪拭けよ」タオルデワシャワシャ
うまる(干物)「ヌヘヘ♪髪を頼んだぞお兄ちゃん」
タイヘイ「自分でやれ!」タオルデワシャワシャ→ドライヤーデカワカシテ→クシデトトノエル
うまる(干物)(って言いながら何だかんだでやってくれるお兄ちゃんが大好きだ♪)
タイヘイ「ふぅ…寝るにはまだ時間があるな…」スタスタ
うまる「タイヘイくん~」
タイヘイ「ん?干物モードじゃないのか?」
うまる「うん。そうだここに座って」
タイヘイ「ん?お前の真後ろに?なんで?」
うまる「良いから♪良いから♪」
タイヘイ「よいしょっと」ストッ
うまる「よいしょっと!」ポスン
タイヘイの膝に座るうまる(美妹)
タイヘイ「こういうことか…」
うまる「こういうことでした♪」
うまる「俺の妹がこんなに可愛いわけがないとこの中に一人妹がいる!と妹だけど愛さえあれば関係ないよね!…」
タイヘイ「全部、妹物じゃねぇか!」
うまる「妹ssも王道だね!」
タイヘイ「俺のパソコンで見るなよ!誤解されるわ!」
うまる「大丈夫だよ…だってタイヘイくんには『私』という恋人がいるもんね♪」ヌヘー
タイヘイ「…このやろ///」
タイヘイ「俺は、『太陽に吠えろ』派だな」
うまる「おじさん」
タイヘイ「ばか。刑事ドラマの金字塔だぞ!」
タイヘイ(たぶん…)
うまる「ふーん…じゃあ、俺の妹がこんなに可愛いわけがない!も妹アニメの金字塔だね!」
タイヘイ「金字塔いっぱいだな」
うまる「うまるは『ワンパンマン』派だよ!」
タイヘイ「アンパンマンも大体バイキンマンを一撃でしとめてるじゃないか!」
うまる「アンパンマンもワンパンマンもどっちもワンパンだね」
タイヘイ「でも、アンパンマン自分の顔あげてるぞ」
うまる「じゃあ、ワンパンマンも顔をちぎってあげれば良いのにね?」
タイヘイ「グロアニメ化するな」
うまる「R-15(グロ注意)だね」
うまる「ねぇ、タイヘイくん明日さ土曜日だよね?どっか出掛けない?」
タイヘイ「良いぞ。何処に行く?」
うまる「ネズミーランド!」
タイヘイ「遊園地か…人多くないか?」
うまる「合法的にお兄ちゃんと手をつなげる!そしてからめられる!(人が多くても遊具で遊べるんだし気にしないよ!)」
タイヘイ「それが、目的か…そして、呼び方お兄ちゃんに戻ってるぞ」
タイヘイ「Zzz 」
うまる「タイヘイくん…」ゴソゴソ
タイヘイ「んん…?うまるどうした?」
うまる「腕枕してよタイヘイくん」
タイヘイ「ん…おやすみ」スッ
うまる「ん…おやすみ」
うまる「大好きだよ…お兄ちゃん」チュッ
うまる「おにいひゃん…おはよ」ゴシゴシ
タイヘイ「髪ボサボサだぞ…」
うまる「とかしてー」
タイヘイ「んー…」クシデトトノエル
うまる「顔あらってくるね」ペタペタ
タイヘイ「俺も…ふぁ」スタスタ
タイヘイ「よし!」カチャ
うまる「どの服で行こうかな…」
タイヘイ「お前が着ていく服で迷うなんて珍しいな」
うまる「タイヘイくんと行くんだもん…迷うよ」ニコッ
タイヘイ「…可愛い!可愛いぞ!うまる!」ギュッ
うまる「お、お兄ちゃん///」
うまる(お兄ちゃんに、可愛いって言ってもらうと凄く嬉しいな…)
タイヘイ「?どうしたうまる?」
うまる「うぅん…なんでもないよ!それより、もうちょっと強く…」
タイヘイ「ん…」
うまる「ヌヘヘ///♪」ニヘー
タイヘイ「…静かに行くか」
うまる「海老名ちゃんに見つかったらヤバイよね」
タイヘイ「まぁ、ばれるわけないけどな!」ハハッ
うまる「当たり前だよ!そんな漫画みたいなことあるわけーー」
ガチャ
海老名「あっ。おはようございますうまるちゃん、お兄さん」
タイヘイ「」
うまる(フラグだったかー…)
タイヘイ「きょ、今日はいい天気だね!」
海老名「?そうですね?」
タイヘイ「じゃ、じゃあ、俺達はこれで…」イソイソ
うまる「う、うん!じゃあね海老名ちゃん!」イソイソ
海老名「?…うん、じゃあねぇ」バイバイ
海老名「昨日そういえばうまるちゃんお兄さんの名前呼んでたな…」
海老名「ま、まさかね……」
タイヘイ「そうだな。」
うまる「お兄ちゃん!私の隣ね!絶対だよ!」
タイヘイ「なんだその、修学旅行の時みたいなテンションは…」
うまる「ふふーん♪お兄ちゃん…これは、修学旅行じゃないよ…男と女のお出掛け…つまり!」
うまる「デートだよ!」
うまる「む…ってていうことは…///」
うまる「お兄ちゃんは、最初からうまると恋人関係だったんだね…///」ヌヘヘ
タイヘイ(そいう考え方もあるのか…)
うまる「ん?バスが来たね?」
タイヘイ「本当だな。あれ?」
うまる「ん?どうしたの乗らないの?」
タイヘイ「いや…なんでもない」スタスタ
うまる「変なお兄ちゃん…」
シルフィン「あー!うまるさん!」
うまる「…では、なかった。」
アレックス「いえ、妹の付き合いで少し遠いところに…」
タイヘイ「そうなんだ…大変だね」
アレックス「いえ、いえ…リアルな妹も良いものですよ?タイヘイ先輩もどうです?」
タイヘイ「ははっ…」
うまる「どうしたの?何処かに行くの?」
シルフィン「はい!実は、兄と動物園にいくんですわぁ♪」
うまる「そ、そうなんだ…嬉しそうだね…」
シルフィン「当然ですわ!大好きな方と大好きな所に行く…最高ですわぁ♪」
うまる「!……その気持ち今なら分かるよ!」
シルフィン「おお!同士ですわ!」
うまる(大好きだからお兄ちゃんでも関係ないのだ!)
シルフィン「お、お兄様!」
うまる「あれ、アレックスさん?」
タイヘイ「うまるのお友達…シルフィンさんだっけ?」
シルフィン「ひ、ひさしぶりですわね!うまるさんのお兄さん」
タイヘイ「うん。久しぶりだね」
アレックス「どうせなら4人で座りませんか?」
タイヘイ「それは、いいな。」ウンウン
うまる「私も賛成だよ!」
シルフィン「い、異論はないですわ!」
うまる(お兄さんがいると別人みたいだなー…。)
タイヘイ うまる シルフィン アレックス の順
タイヘイ「なんかミラクルだな…」
うまる「うん!まさか、シルフィンさんご兄妹と会うとはね」
シルフィン「それなら、こっちもびっくりですわ!」
アレックス「ですね…まさか、タイヘイ先輩ご兄妹と会えるとはラッキーですね」
タイヘイ「俺たちは座敷わらしかなんかと勘違いしてない?」
アレックス「そんなことは…」
シルフィン「ないですわ!」
タイヘイ(いきぴったりだな…)
うまる(私達兄妹ってどんな噂になってんだろ?仲が良すぎるとかかな?)
シルフィン「じゃあお先にですわー!」
アレックス「また、会社でタイヘイ先輩」
タイヘイ「うん。楽しんできてね?」
アレックス「では…」
カシュー(ドアが閉まる音)
うまる「おっ。」ガラガラ
シルフィン「また、学校でー!ですわ!」
うまる「うん!またね!」
ガラガラ
タイヘイ「いい友達をもったな…うまる」
うまる「うん!」
タイヘイ「ネズミーランド着いたな。」
うまる「すごい人混みだね!お…タイヘイくん!」
タイヘイ「その、タイヘイくんやっぱりいいよ…。いつも通りでいいよ。」
うまる「む…わかったよお兄ちゃん!これでいい?」
タイヘイ「うん。なんかしっくりくる」
うまる「ひと…多いいねお兄ちゃん…」
タイヘイ「はぐれたらヤバイな」
うまる「じゃあ、手を繋ごう!」ギュッ
タイヘイ「あぁ。そうだな!」ギュッ
うまる(お兄ちゃんの手…かわいい)
うまる「そうだね…」シュン
うまる(お兄ちゃんとコーヒーカップの奴で遊びたかったなぁ…)
タイヘイ「ん?あの、ジェットコースターあいてるな…あれに、のるか」
うまる「あ。あれ…」
うまる(海老名ちゃん達と乗ったジェットコースターだ…)
タイヘイ「少し小さいが…俺達が乗るぶんにはいいだろ?」
うまる「二人乗りだから隣で座れるね?お兄ちゃん♪」
タイヘイ「何が言いたいんだうまる…」ジトー
うまる「ヌヘヘ♪なんでもないよ〰♪」
うまる「ぬへへ♪」
タイヘイ「ずいぶん機嫌がいいな?」
うまる「お兄ちゃんは、嬉しくないの?うまるとジェットコースターに乗れて?」
タイヘイ「まぁ、嬉しいんだが…」チラッ
小学生「「「お兄ちゃんとお姉ちゃんラブラブだぁー!」」」
先生「こ、こら!すいませんね…」
うまる「いえ、いえ!もっと言わせてあげてーーー「痛い!」」ビシッ
タイヘイ「少しはだまれ…まったく」
タイヘイ「それでもだ」
うまる「じゃあ、超ラブラブって言いたいんだね?お兄ちゃん!」
小学生「「「超ラブラブ!!!」」」
先生「こら!黙りなさい!」
先生「まぁ、ラブラブではあるわ!そして、爆発しろ!」
先生「まぁ、ラブラブではあるわ。そして爆発しろ!」×
先生(まぁ、兄妹なのに…ラブラブすぎるのは良くないと私は思う)◯
うまる「うわぁー…」ドキドキ
ガタンガタン
タイヘイ「う、うお…」ドキドキ
ガタンガタン
小学生「「「…ドキドキする!」」」
先生「わざわざ口にださなくていいわよ?」
うまる「うわああああああ!!!」
タイヘイ「ギャアアアアアア!!」
小学生「「「きゃ♪きゃ♪」」」
先生「」ガクン
ガタン!
うまる「うわああああああ!お、お、お、おにいちゃあああん!!」ギュッ!
タイヘイ「ギャアアアアアア!!」
小学生「「「だきついたー!」」」
先生「」ガクンガクンガクンガクンガクン
タイヘイ「そ、そうだな…」
うまる「あれー?もしかして…吐きそうなの?」
タイヘイ「ああ…」
うまる「やっと吐いてくれるんだね!シスコンとは、私のことですと!」
タイヘイ「そっちの吐くじゃないんだが…」
タイヘイ「わ、わかった」
うまる「いっぱい回してお兄ちゃんを吐かせるんだ!」ニコッ
タイヘイ「胃のもの全部出したいと思ったのは今日が初めてだ」
ぐるぐる
うまる「まわれー!舞われは転べ!」
タイヘイ「舞われ違いだ!このやろう!」
タイヘイ「世界が回る」
うまる「その年になって厨二は…」
タイヘイ「違うは!」
タイヘイ「そうか!」
うまる「嬉しそうだね?お兄ちゃん?」
タイヘイ「次は、絶叫系じゃないからな」
うまる「?これの、次は、あのジェットコースターだよ?」
タイヘイ「できるなら心臓をここに置いていきたい」
うまる「」ガタガタ
タイヘイ「あれ?怖いもの平気じゃなかったのか?」
うまる「ち、違うよ!?お兄ちゃんとは、恋人同士だからここは、恋人らしい行動をとらなきゃなぁって思って!」
タイヘイ「そうか」スタスタ
うまる「うわああああああん!置いていかないで!お兄ちゃん!」ビエーン
タイヘイ「おーよしよし」ナデナデ
うまる「おにいひゃん…ごめんなひゃいぃ…///」グスッ
タイヘイ「うん、うん…分かれば良いんだ分かれば…」
うまる「間違ってお兄ちゃんのズボンさげちゃって…」
タイヘイ「あぁ…誤魔化すのに大変苦労したよ。このやろう」
うまる「あ…夕方だ」
タイヘイ「そろそろ帰らないとな」
うまる「ねぇ、最後にさアレ…」
タイヘイ「ん?観覧車か?」
うまる「最後にさ…乗ろうか」
タイヘイ「そうだな。乗るか」
うまる(私さ…覚悟きめたんだ…)
うまる(お兄ちゃん…恋人ごっこ…)
やめよっか…って
言うんだ。
うまる「お兄ちゃん」
タイヘイ「おう…」
ストン
従業員「では!」
うまる「…綺麗だね…」
タイヘイ「そうだな。さすがだよ」
うまる「…お兄ちゃん…私さ」
タイヘイ「なんだ?」
うまる「…私」
うまる「本当の意味での恋人になりたい」
うまる「恋人ごっこは、いやだ…」ウツムキ
タイヘイ「うまる…」
うまる「…いやだよ」ポロポロ
うまる「恋人のごっこなんて…満足できないよ!」ポロポロ
タイヘイ「ダメだ。」
うまる「ッ!」ポロポロ
タイヘイ「兄妹は、どうあっても…本当の恋人にはなれない」
タイヘイ「なりきれない」
タイヘイ「そうだ…俺はお前のお兄ちゃんだ。」
うまる「わたしと…」
タイヘイ「兄は妹にそんな感情を抱いてはいけない。本当に好きだろうと押し殺さないといけない。」
うまる「わたしは…」
タイヘイ「うまる…この、わがままだけは…聞けないんだ。分かってくれ…」
タイヘイ「…」
うまる「家事も…洗濯も…全部…任していいから…」ポロポロ
タイヘイ「…」
うまる「お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い」ポロポロ
壊れている…私は、どんどん…
壊れていく…心が
壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…壊れた…
そんな、壊れた心を取り戻したのは…お兄ちゃんの
目の前にお兄ちゃんの顔がある。
どんどん近づいて…
チュッ
私とお兄ちゃんの唇は重なった。
タイヘイ「…」
うまる「ぷはっ///!」タラー
タイヘイ「…」タラー
うまる「お、おにいひゃん…///」ハァハァ
チュッ
うまる「ッ///!!」
うまる「ぷはっ!///」
タイヘイ「…うまる…」
うまる「お、お兄ちゃん!たんま!たんみゃ!///」
タイヘイ「あ…ご、ごめん…」
うまる「む、無意識だったの…///」ハァハァ
タイヘイ「ん…まぁ、しちゃったわけだしな…」
タイヘイ「責任とらしてもらうよ」
うまる「そ、それって!」
タイヘイ「俺で良ければよろしく頼む///」
うまる「ヌヘヘ♪お兄ちゃんって不器用だね!///」
タイヘイ「な、なんのことだ…///」
うまる「なんでもなーい♪」ヌヘヘ
タイヘイ「まったく…///」フンッ
従業員「ありがとうございました!」
タイヘイ「また、来たいな」
うまる「うん!今度は、恋人ごっこじゃなくて本当の恋人同士でね!」
タイヘイ「そうだな…」ナデナデ
うまる「お兄ちゃん…お兄ちゃんさうまるのこと好き?」
タイヘイ「いいや…好きじゃない」
うまる「えー!」ガーン
タイヘイ「愛してるよ。」
うまる「ッ///」ドキッ
うまる「く、くさいよ!お兄ちゃん!///」
タイヘイ「えっ!昨日俺風呂はいったんだけど!」
うまる「むー!そっちじゃない!」
タイヘイ「?」
タイヘイ「なんだ?」
うまる「ありがとう」
タイヘイ「……あぁ」
うまる「うまるも…うまるも愛してるよ。お兄ちゃん///」
タイヘイ「ありがとう…」
私とお兄ちゃんは本当の恋人になった。世間がどんな反応をするか分からないけど…お兄ちゃんとなら大丈夫です。
あの、薄い本が私達をこうさした。あの、薄い本にはすごい感謝をするよ!
ぼんば「」
切絵「このやろ!なんで、妹ものの本なんかもってんだこらぁ!」ビシビシ
ありがとう!薄い本!
本当にオワレ
薄い本からのスタートでしたがその、薄い本がどういう内容かはご想像にお任せします…
※薄い本のタイトル『妹色に染まる』
これは大体想像がつくやつだ。セリフ一部教えてるし。
とりあえずありがとうございました!
では!
もう少し周りを巻き込んでシリアスが読みたかったがまあいいや。
面白かったよお疲れ
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1447843641/
Entry ⇒ 2016.03.21 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
【幸腹グラフィティ】きりん「『今週から椎名の家に泊まります』っと送信!」ピロリン
椎名「うん、きっと町子さんも寂しがって一緒に泊まるって言うはず」
きりん「そしたら椎名の家の新鮮食材でご飯作ってもらえるんだよね!?」
椎名「そういうこと」
椎名(これであわよくば町子さんが毎週うちに泊まりに来てくれるようになるかも知れない……)
きりん「どうかした?」
椎名「ううん、なんでもないよ」
きりん「早く椎名の新鮮食材使ったリョウのご飯食べたいな~」ワクワク
リョウ「あっ!きりんからのメールです!1秒でも早く返信しないと!」
リョウ「『今週から椎名の家に泊まります』……!?」
リョウ「そ、そんな……きりんに……きりんに嫌われてしまいました!」
リョウ「私の何が、何がいけなかったんでしょうか……」ガクッ
リョウ「きりんどうしてどうしてどうしてどうして」ブツブツ
椎名「それは早くない?」
きりん「1分超えたらすっごい量の謝罪文が送られてくるんだよ」
椎名「さすが町子さん」
きりん「でももう5分くらい過ぎちゃってる」
椎名「んー、まぁ町子さんも忙しいときはあると思うし」
きりん「そうだよね、たまたま忙しいだけかも」
椎名「もう少し待ってみようよ」
きりん「お腹空いたな~」
リョウ「きりん、お腹空いたでしょう?」
リョウ「たくさん作ったからたくさん食べていいんですようふふ」
リョウ「じゃあ、いただきます」
きりん「リョウがこんなに返信しないなんておかしいよ何かあったのかも」
椎名「私もちょっと気になってきた」
椎名「町子さんの家に行ってみようか」
きりん「うん、そうしよう!」
リョウ「うふふ良かった……きりんのために作ってますから」
リョウ「おかわりしますか?」
リョウ「はい、たくさんいれてきますね」
椎名「まぁまぁ森野さん、町子さんが1人の時何してるか気にならない?」
きりん「プハァッ……確かに気になるけど」
椎名「覗いてみようよ」
きりん「それ何か楽しそう!」
椎名「でしょ?で、いい覗き場所知らない?」
きりん「うーん、あ、あのへんとかいいかも!」
椎名「じゃあ行ってみようか」コソコソ
きりん「うん!」ワクワク
椎名「本当だ、ん?何で食器2つあるんだろう?」
きりん「もしかして怒ってるのかな?」
椎名「いや、それはなさそうだけど……」
きりん「何してるんだろう?写真立てに向かってスプーンでご飯あげてる」
椎名「町子さんっておままごとの趣味でもあるのかな、それはそれでかわいらしくて好きだけど町子さんと結婚したい」
きりん「何か言った?」
椎名「ううん、なんでもないよ」
椎名「部屋中に写真があるね」
きりん「あれは寝顔!?お、お風呂入ってるときの写真もある!?」
椎名(私のは無いのか……)チェッ
きりん「リョウが写真の私とご飯食べてる!?」
きりん「写真の私うらやましい!」
椎名「なぜそうなる」
リョウ「うふふ……」
ガタン
リョウ「?」
リョウ「何の音でしょう?こっちでしょうか?」
椎名「こっちへ来てるね気づかれちゃったみたい」
椎名「て言うかすごい目をしているね、お母さんが露子さんに無理矢理襲われた時と同じ目をしてる」
きりん「目に光りが無くてなんか怖いよ」
ガラガラ
きりん「の、覗いちゃってごめんなさいリョウ……」
椎名「つい好奇心で……」
リョウ「……」
リョウ「きりん~会いたかったですきりん~!!!」ギュウウウ
きりん「わわわっ、り、リョウ!」
椎名「!」
リョウ「きりんきりんきりんきりんきりんきりん」スリスリ
きりん「く、くすぐったいよリョウ///」
椎名(いいなぁ……)
リョウ「あ、はい……」グスン
椎名「なにがあったの?」
リョウ「きりんに嫌われたと思って……」
きりん「私がリョウのこと嫌うわけないじゃん!」
リョウ「きりん~」ギュウウウ
きりん「窒息するぅうぅモガモガ」
椎名「まぁ、そういうこと」
リョウ「きりんが私のこと嫌いになって椎名さんのところに行ったと思ってしまいました……」
きりん「だから、そんなわけなじゃn…」
リョウ「きりん~」ギュウウウ
きりん「ムグーッフガフガ」ジタバタ
椎名「そんなことないよ」
椎名「町子さんなら歓迎だし毎日泊まってくれてもいいし、いっそのこと同棲したいくらいだよ。町子さんを嫁にもらう準備はできてるからね」
リョウ「え?」
椎名「ううん、なんでもないよ」
リョウ「肉だんごとアジのたたきです」
リョウ「良かったら食べませんか?たくさん作ってあるので」
きりん「食べるー!」
椎名「……」
リョウ「椎名さんもどうぞ」
椎名「ありがとう町子さん」
椎名「ごちそうさま、おいしかったよ町子さん」
リョウ「ふふ、おいしく食べてもらえてよかったです」
椎名「これからどうする?」
きりん「椎名の家に行こうよ!探検したい!」
リョウ「えぇ……探検ですか」
椎名「じゃあ腹ごなしも兼ねて行こうか」
きりん「やったー!」
きりん「わーい!」
リョウ「こら、きりん、走っちゃダメですよ」
椎名「露子さん、ここ、開けてくれる?」
露子『かしこまりました』
ギィィ
椎名「ただいま」
リョウ「お邪魔します」
きりん「お、お邪魔します」ペコリ
椎名母「いらっしゃ~い」
椎名「お母さん、今日この2人泊めてもいい?」
椎名母「もちろんよ~!お客様用のお布団用意しておくわね!」
露子「用意しておきます」
リョウ「ありがとうございます」
椎名母「どうしたの?」
椎名「へ、部屋は1つでいいから、一緒にね、寝る……」ボソ
椎名母「うふふ、分かったわ!」
椎名母「~♪」
露子「どうかなさったのですか?」
椎名母「娘がお友達と一緒に寝たいんですって!かわいいわ~!」
露子「左様でございますね」
リョウ「確かにそうですね」
椎名「そんなに大きくは無いよ」
きりん「お風呂!お風呂は大浴場なの!?」キラキラ
椎名「まあ、3人くらいなら」
きりん「入ろう!みんなで!」
リョウ「恥ずかしいですよ~」
椎名(町子さんと……お風呂!)
椎名「案内するよ」
きりん「わーい!」
露子「はい、お聞きしました」
椎名母「娘の友達の発達具合を見るチャンスよ!」
露子「かしこまりました」
椎名「私も家族以外とお風呂入るの初めて」
リョウ「そうですね……あ、きりんすっぽんぽんに……///」
椎名(町子さんやわらかそう……)
露子(お嬢様……成長しましたね……)ジーッ
リョウ「きりん、走っちゃ危ないですよ」
きりん「私、リョウの背中洗う!」
リョウ「自分で洗いますよ~」
きりん「だーめ!」
リョウ「もう、分かりました」
リョウ「あ、私、椎名さんの背中洗ってもいいですか?」
椎名「え?私の?」
リョウ「はい!」
椎名「じゃ、じゃあお願いしようかな」
椎名(まさか町子さんに背中を流してもらえるなんて……///)
リョウ「気持ちいいですよきりん、椎名さん気持ちいいですか?」
椎名「うん、とっても気持ちいいよ町子さん」
きりん「椎名は次、私の背中洗ってね!」
椎名「分かったよ森野さん」
椎名(町子さんの背中触りたかったなぁ……でも町子さんに洗ってもらえてるからいいか)
露子(ああ、お嬢様、私が洗っているときとはまた違うお顔をされて……悔しい、でも美しい……)ジーッ
椎名母「あぁ見せて~!娘のお友達はどんな体してるのかしら!」
露子「……」
椎名母「あれ……?」パラパラ
椎名母「娘しか撮ってないじゃない!?」
露子「申し訳ありません……お嬢様がかわいすぎてつい……」
椎名母「まぁこれはこれで……」
椎名母「って許しませんよ!今夜はお仕置きしますからね!」
露子(途中から立場が逆転してしまうお仕置きですか)
椎名母「何か?今日は負けないわ!」
露子「……かしこまりました」
リョウ「ですね」ホカホカ
椎名「ふぅ……」ホカホカ
椎名(町子さんの体……絶対に忘れない)
リョウ「本当ですね」
椎名「露子さんがやってるんだ」
きりん「やっぱり露子さんってハイパーお手伝いさんなんだね!」
椎名「ハイパーお手伝いさん……?」
リョウ「……眠くなってきました」
椎名「あ、そうだ、お泊まりといえば」
リョウ「…はい?」
きりん「ん?」
椎名「怖い話でもしようか」
きりん「あ、私、眠くなってきたかも」
椎名「うちって敷地内に墓があるでしょ?」
椎名「だから結構色んな話があって……」
きりん「いやぁぁぁ」ガシッ
リョウ「ダメですぅぅぅ」ガシッ
椎名「!」
椎名(両サイドから町子さんと森野さんに抱きつかれた!)
リョウ「椎名さん……」ギュゥゥ
ムニュ
椎名「……///」
椎名(幸せだ……)
他の部屋
椎名母「んっ、あっ、いやぁぁぁ!!!」
露子「奥様、私にお仕置きはしないのですか?」ズブッ
椎名母「そ、そんなことされたらっお仕置きできなっ!ぁあぁああっ!!」
椎名母「らめぇぇぇぇ!!」ビクンビクン
きりん「ひぃぃ!女の叫び声がするぅ!!」
リョウ「怖すぎます!」
椎名「えっと……これは別っていうか」
リョウ「なんなんですかぁ?」ウルウル
椎名(あ、かわいい)
椎名「寝たらおさまるから」ナデナデ
リョウ「椎名さん……」
きりん「椎名ぁ私もぉ」
椎名(かわいい)ナデナデ
きりん「お邪魔しました!」ペコリ
リョウ「お邪魔しました」
椎名母「また来てね2人とも!」
椎名「途中まで送っていくよ」
露子「いってらっしゃいませ、お嬢様」
椎名「うん、いつでも歓迎だよ」
リョウ「わ、私も」
椎名「もちろん」
リョウ「ありがとうございます!」
きりん「やったね!」
きりん「じゃあ私帰るけど2人でケーキとか食べに行っちゃダメだからね!?」
リョウ「それ、毎週言わなくても」
きりん「だって心配だもん!」
椎名「大丈夫だよ森野さん」
きりん「むぅ、気になる」
きりん「って時間だ、行かなきゃ」
リョウ「また来週ですきりーん!」
椎名「じゃあまた」
きりん「じゃあねー!!」タタタ
椎名「町子さん」
リョウ「なんですか椎名さん?」
椎名「今夜、町子さんの家に泊まってもいい?」
終
勢いで書いてたのでめちゃくちゃかも……
ともあれ、乙乙
良かった
やたら家広いのにな
もうわざととしか…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423552823/
Entry ⇒ 2015.12.19 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (1)
【干物妹】うまる「うまるの憂鬱な土曜日」
正直勢い。ゆっくり進行。
バリバリバリバリ
むしゃむしゃむしゃむしゃ
ごきゅっごきゅっごきゅっごきゅっ
うまる(干物妹ver.)「っぷはーっ!! 金曜日の学校上がりのコーラは最高だね!!」
タイヘイ「……」
うまる「あ、お兄ちゃんこの前買ったポテイト食べ終わっちゃった。新しいの買ってきてねー」ムシャムシャ
タイヘイ「……」
タイヘイ(俺の妹が干物妹なのは知っている)
タイヘイ(知っている、がこの現状は改善できる気がしない……)
うまる「あーまた失敗したー!! このゲームQTE多すぎるよー!」プンプン
タイヘイ「……なあ、うまる」
うまる「なにー? 今忙しいのー」ガチャガチャ
タイヘイ(がっつりゲームしてるじゃねえか……)
うまる「あっ! もうお兄ちゃんが喋るから突進攻撃回避できなかった! どうしてくれるの!?」\You are Dead/
タイヘイ「……」
うまる「仕方ないなー。うまるはもうカンカンだよ! 罰としてうまると一緒にゲームしたら――」
タイヘイ「うまるっ!!」
うまる「ふえっ!?」ビクッ
うまる「えぇ~~~!!」グダー
タイヘイ(すでに面倒くさそうな顔してる……)
うまる(お兄ちゃんこれ本気で言ってるなぁ……。でもいいか、明日お兄ちゃんにお願いして一緒に手伝ってもらえば済むよね)
タイヘイ(明日俺と一緒にやれば済むよねって思ってるなこれは)
タイヘイ(すぐにゲームに戻ってるし)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タイヘイ(とはいえ)
タイヘイ(明日も俺が家にいると、絶対うまるは頼ってくるだろうな。それじゃあうまるのためにならないし、出かけておくか……)
タイヘイ(でも別に明日用事はないし、出かける理由が……ん?)ガサッ
タイヘイ(思い出した。そういえば今日叶が――)
叶『タ、タイヘイお疲れ。特に深い理由はないんだけどたまたま映画のチケット二枚あってさ。これタイヘイにあげる。あ、ううん別に気にしなくていいし、2枚ともあげるから誰か誘って観に行きなよ。ほ、ほら別に私が男性の方から誘ってくれるシチュエーションが好きだから渡すわけじゃないからね。ちなみに都合は何時でも合わせるから。気にしなくてもいいけど』
タイヘイ(……って言ってたっけ。暇だしこれ観に行こうかな。叶……は急に言っても仕事忙しいだろうし、他の人誘うか)
タイヘイ(結構恋愛ものっぽいし、ぼんばとか誘ってもなぁ……)
タイヘイ「……あ、そうだ」
ピンポ-ン
海老名「は、はーい」
ガチャ
タイヘイ「あ、土間です。ごめんね急に」ニコッ
海老名「う、うまるちゃんのおに、お兄さん……! こ、こんばんはっ!!」プシュウ…
タイヘイ「こんばんはー。今大丈夫?」
海老名「いいい、いつでも大丈夫ですっ!!」
タイヘイ「ありがとう。あの、海老名ちゃん、映画とか好き?」
海老名「ふえっ!? は、ひゃい! 好きです……」
海老名「えっ、えええっ!? あ、あのっ! 私でいいんですか、うまるちゃんと行けば……」
タイヘイ「いや、うまるは……」
タイヘイ(まぁ片付けの特訓っていうことは黙っておこう)
タイヘイ「うまるはちょっと別の用事があるらしくてさ。……でも急に言われても困るよね。ごめん、やっぱ別の人にーー」
タイヘイ「本当? ありがとう。じゃあ明日9時くらいに出ようか」
海老名「はい……はいぃ……」ブシュウウゥ…
タイヘイ「……だ、大丈夫? なんか顔すごい赤いけど……」
海老名「大丈夫ですっ! そ、それじゃあお兄さん、おやすみなさい!」バタン!!
タイヘイ「……大丈夫、かな」
タイヘイ(海老名ちゃんにはうまるがお世話になってるし、明日は何か美味しいものも食べさせてあげよう……)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
海老名部屋
ゴロゴロゴロゴロ
海老名(うまるちゃんのおに、おにいひゃんが映画に誘ってくれた)
海老名(こ、これってデート……だよね? す、すごい嬉しいよぉ……!)
ゴロゴロゴロゴロ
海老名(それに映画も最近有名な恋愛の……!)
海老名(は、恥ずかしくて死んじゃうかも……)
ゴロゴロゴロゴロ
海老名(明日何着ればいいんだろう……)
海老名(が、頑張ってお兄さんにか、可愛いって言ってもらえるように……)
海老名(うぁあああん!)
ゴロゴロモフモフ…
次の日
うまる「え~~~!? お兄ちゃん今日出かけるの!?」
タイヘイ「あ、ああ、まあ……」
タイヘイ(海老名ちゃんと行くって言ったら絶対ついてくるから言わないでおこう)
うまる「むーっ……」プク-
タイヘイ「うまるは家で掃除と洗濯」
うまる「お兄ちゃんってば分かってないなー。うまるが一人で掃除と洗濯できるわけないじゃん」ドヤァ
タイヘイ「なんで誇ってるんだ……!」
タイヘイ「ダメだ」
うまる「むむ……」
\うまる~ん/シュババッ!
うまる(美妹ver.)「お兄ちゃん……ダメ、かな……? 私、一緒じゃないとさびーー」ウルウル
タイヘイ「じゃあちゃんと戸締りしろよー」バタン
うまる(干もry)「……」
うまる「いいもん……うまるはうまるでうまるん日和楽しむし!」ニョンパス-
うまる「そうと決まればさっそくおニューコーラを……ん?」ガサッ
うまる「あれ、なんだろこれ……」ペロッ
うまる「こっこれは……映画のチケット!? しかも最近有名な泣ける恋愛ものっ!」
うまる「もしかしてお兄ちゃん……」
脳内うまるA「これ多分お兄ちゃんが誰かに貰ったやつだよね」
脳内うまるB「んー、でもお兄ちゃん1人で観に行ったりしないよねー」
脳内うまるC「……あ、あの、もしかして今日出かける理由って……」
脳内うまるD「親しい女の子とデートをしているんだよ!!」
脳内うまる一同「「「な、なんだってー!!」」」
脳内うまるD「これは調べないとだねぇ」
脳内うまるC「でも、そうしたら掃除が……」
脳内うまるA「そんなの後でもお兄ちゃん許してくれるよ!。支度して追いかけるよ!」
うまる「……よしっ!」
映画館前
タイヘイ「あれっ」ガサガサ
海老名「? ど、どうしましたか?」
タイヘイ「あ、ううん、なんでもないよ」
タイヘイ(しまったな、映画のチケット自分の分家に置いてきた。うまるに見つからなければいいんだけど……)
海老名「……あ、あのっ、お兄さんはこういう映画よく観ますか?」
タイヘイ「うーん、そもそもあんまり映画観に行ったりできてないかな……」
タイヘイ(うまるのことで忙しいから)
海老名「でもっ、あの……か、彼女さんと観に行ったりとか……」
タイヘイ「い、いやいや全然だよ」
タイヘイ(うまるのことで忙しいから)
タイヘイ「(また顔真っ赤になってるけど暑いのかな)そしたら入る前に飲み物買っていこうか。海老名ちゃんは何がいい?」
海老名「だ、大丈夫ですっ! 自分で買うのでその――」
タイヘイ「まあまあ、遠慮しないで。ほら、あれなんか美味しそうだよ」
海老名「……じゃあ、お言葉に甘えて――」
ガサガサ
ヒョコッ
うまる(ver.UMR)(お兄ちゃん発見! この近くの映画館はここしかないからね)
うまる(とりあえず変装もしたし、離れていれば正体はバレないよね。……それにしても、まさかとは思ったけど本当に誰かと一緒にいる……)
うまる(まさか本当に……恋人なのかな。ふーんへー、お兄ちゃんの彼女ねー)
うまる「って、えぇええええ!!」バッ!
タイヘイ「ん?」
うまる(あっ、やばっ立ち上がっちゃった!)ガサッ
海老名「? お兄さん?」
タイヘイ「あ、ううん、何でもないよ。じゃあ入ろうか」
海老名「はいっ」
スタスタ…
うまる(もしかしてお兄ちゃんの彼女って……海老名ちゃん?)
うまる(う、ううんまだ決まったわけじゃない!)
脳内安西うまる(諦めたら、そこで試合終了ですよ……?)
うまる(そう、こうなったら一日かけて調べてやる! とりあえず私もこのチケットで潜入しようっと……)
映画館内
タイヘイ「結構いい席が取れたね」
海老名「そそ、そうですね……」
海老名(あんまり気にしてなかったけど、席が近くて恥ずかしいよ……!)
海老名(お兄さんの腕に触れちゃいそうで……)ブシュウ
タイヘイ(映画館の座席って本当にフカフカだな。眠くなりそう)ギッ
ごきゅごきゅむしゃむしゃ
タイヘイ(……ていうか、後ろの人すごい勢いで何か飲み食いしてるな。……まるで、うまるだ……)
\真後ろの席/
むしゃむしゃむしゃむしゃ
うまる(やっぱり海老名ちゃんだ……! なんでお兄ちゃんとデ、デートしてるのかは分からないけど)
うまる(むー……それよりこのポップコーンすごい美味しい)ムシャムシャ
うまる(でもこれ恋愛ものだし、デートじゃないと観に来たりしないよね)
うまる(んー……それよりこのコーラフロートすごい美味しい)ゴキュゴキュ
~~~~~~~~~~~~~~
上映30分後
海老名(わー、すごいヒロインの子優しー。でも突然現れた男の人がぐいぐい押してきてばっかで嫌な感じです……)
うまる(あー、こういうパターンか。突然地味な子がドS系男に翻弄されるやつだ。王道になりつつあるし、実際こういう子っていないからちょっとなー……)モグモグ
海老名(えっ、彼ってそんな家庭事情持ってるんだ……妹と弟おんぶとだっこしながらお家掃除してる……)
うまる(……ふーん、学校と家でそんなにギャップあるんだ。あんま人のこと言えないけど……。必死に家事してるの、どことなくお兄ちゃんに似てるなぁ)ゴクゴク
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上映1時間半後
海老名(ああっ! ヒロインが新宿の怖いお兄さんに騙されてポケットティッシュ脅し持たされてる!! 助けてあげてよぅ……!!)
うまる(おっ、流れ変わった! でも彼は今弟たちの運動会でビデオ撮ってるから助けを呼ぶ電話に気づいてない!! まずいよこれ、早く気付け!!)ムシャゴク!
タイヘイ「(うん、面白かったなー)海老名ちゃん、どうだっ……って」
海老名「……」プルプル
タイヘイ「え、海老名ちゃん……?」
海老名「……」プルプル
海老名「ふぇえええん! すっごく感動しました……!」ウルウル
タイヘイ「へ?」
海老名「あんなに怖かった彼が最後までヒロインを助けてあげてて……本当はかっこいいし優しかったですぅ……!!」グスグス
タイヘイ(感動してたのか、よかった……)
うまる(……これ神映画だ……前半からは予想がつかない彼のイクメンぷり……うまるをここまで感動させるなんて……)グスグス
うまる(っと、感動してる場合じゃない。二人を追わないと)ダッ
ショッピングモール
タイヘイ「映画面白かったね」
海老名「はいっ、はらはらドキドキしました!」
海老名(お兄さんとの距離が近かったからその分余計に……)
タイヘイ「そうだねー。俺も恋愛ものって思って躊躇してたけど、結構面白いんだね。……さてと、次はどこ行こうかな……」
タイヘイ(時間的にうまるはまだ掃除を1/4しか終わらせてないだろうし)
ぐううううっ……
海老名「あっ、あ、あの、これは決してお腹の音とかじゃなくてそのっ……」
海老名(ハズカシイハズカシイハズカシイハズカシイ)アタフタアタフタ
タイヘイ「……それじゃあ、ちょっと早いけどご飯食べようか」ニコッ
海老名「は、はいっ!!」
ナニタベタイ?
エ、エットエット、オイシイモノガイイデス!
ウンマアタシカニ…
うまる(……別に、そんなの気にしてないと思うけどさ)
うまる「そんなにお腹減ってないけど、私も着いていこう……」トコトコ
???「あら? もしかしてあの姿は……」キュピーン
うまる「はっ!」
シュバッ!(マスク装着まで0.2秒)
うまる「てぃ、T・S・Fさん。来てたんだ(あっぶなぁああああ)」
うまる(普通に買えばいいんじゃ……)
シルフィン「あの、もしかして何か用事がございまして?」
うまる「う、ううん。そんなことは無いよ」
シルフィン「そうですの? それでは、私もご一緒していいですか?」
うまる「うん、いいよ」
シルフィン「うれしいですわ! そうと決まれば遊びに行きましょう!!」ガシッ
うまる「えっ、手掴んでどこに……って、えぇええ引っ張らないでぇえええ!!」
ズルズル……
レストラン
タイヘイ「まだ混んでなくてよかった。早めに来たのは正解だったね」
海老名「そそ、そうですね……。あ、メニューここにあります……」
海老名(まだお昼ちょっと前なのにお腹空いちゃって恥ずかしい……。あんまり食べ過ぎてもはしたないし、簡単なものにしておこうかな……)ペラ
海老名(……あれ、すごいこだわってて美味しそう。デザートもたくさんあるし、あっ、この『シェフの気まぐれ地中海風たらこパスタセット』食べたいなぁ!)
海老名(って、ダメダメ! 簡単なものにするって決めたんだから、この『ナポリピッツァ ハーフ&ハーフサイズ』とかにしとかなきゃ……でもこれも美味しそうだし……)グルグル
海老名「へっ!? は、はい決まってますっ!!」
タイヘイ「じゃあ注文しちゃうね。すみませーん。えーっと、この――」
海老名(ちゃんと決まってないのに返事しちゃった! えっとえっと、軽いものでこれ……でもお腹減ってるし……!)キュルル…
タイヘイ「海老名ちゃんは?」
海老名「わっ、私はこの……」
海老名「『シェフの気まぐれ地中海風たらこパスタセット』お願いします!!」
カシコマリマシタ-
海老名(……食欲に、負けちゃった……)ナミダメー
シルフィン「U・M・Rさんはお腹が空いてらしたのね! 早く言ってくだされば良かったのに!」シュップン!
うまる「うん、ちょっとね……」チラッチラッ
うまる(二人の会話がよく聞こえない場所に座っちゃったなぁ……。こっちからじゃ海老名ちゃんの顔しか見えないや)
シルフィン「どれも美味しそうですの! U・M・Rさんは何にしますの?」
シルフィン「わかりましたわ。じゃあ私もそれにしますの。ぴんぽ~ん! 店員さーん!!」
うまる「はやっ! ていうかぴんぽんは口で言わないでここのボタン押せばいいんだよ!? それより一緒のものでいいの!?」アセアセ
シルフィン「いいですわよ?」シュキュゥ?
うまる「いや……たくさん種類あるよ? デザートもこだわってるみたいだし」
シルフィン「確かに美味しそうですけど……」
シルフィン「好きな人の好きな食べ物は私も食べてみたいですわ!」ニパーッ
うまる「!!」
うまる(さ、さらっとそういうこと言われると恥ずかしくなるんだけど……)タジタジ
うまる「じゃ、じゃあこの抹茶パフェにしようよ」
シルフィン「お、お抹茶パフェ!? とっても美味しそうですの! でも、U・M・Rさんはこっちのパフェが食べたいんじゃないですの?」
うまる「ううん、こっちが食べたいな」ニコッ
シルフィン「……わかりましたわ! 店員さん、このお抹茶パフェを二つくださいませ!!」
うまる(元気だなぁシルフィンさん)
海老名(私はいつも気にしていることがあります)
海老名(それは、美味しいものを食べたときに出てしまう方言です……)
海老名(無意識に出てしまうのですごく恥ずかしいです……。でも、今日はお兄さんの前です!)
海老名(……方言が出てるところはいつも見られちゃってるけど……きょ、今日こそは『とっても美味しいです!』って言うんです!!)グッ
タイヘイ(うまるの奴ちゃんと掃除してるかな……。ゲーム三昧だったら今日の夕飯はピーマンとナスの炒め物だな)
海老名「は、はい。お米は実家から送ってくれるので、おかずだけ。簡単ですけど……」
タイヘイ「えらいなぁ。何作ろうか困ったりしない?」
海老名「そ、そうですね、そういう時はいつもお母さんに教えてもらった料理にしてます」
タイヘイ(……ほんとにしっかりしてるんだなぁ……なんでうまるは一緒にいて見習わないんだ……)
海老名(こんなにお兄さんとお話しするの初めて……。嬉しいなぁ)エヘヘ
タイヘイ「あ、来た来た」
海老名(こ、この時が来ました。ほかほかのきのこの香りとバジルソースの香りが溶けていて美味しそうです)
海老名(お兄さんが食べ始めるのを見てから、フォークでそっとすくいあげて頂きます。方言は絶対に言わないです!!)
パクッ
海老名「!」
海老名「うんめなぁ~~~~~!」キラキラ
タイヘイ「うん、美味しいね」
海老名「んっ!」コクコク
海老名(……方言が出たことに気づいたのは、お皿を平らげたあとでした……)
うまる(……楽しそうに会話してる。どんな会話だろ)
うまる(お兄ちゃんってうまる以外の女の子と会話弾ませられるの~?)ニシシ
うまる(……でも、弾んでる、みたいだね……)
オマタセシマシター
シルフィン「来ましたわー! 結構大きいですのね!」ピキューン
うまる「ん、ほんとだ、量あるね」
うまる「私も。いただきまーす」
パクッ
うまる&シルフィン「「!!」」
うまる(うまっしゃぁああああ!!)キラキラ
シルフィン「美味しいですわ!!!!」キラキラ
うまる「一層目に載せられた抹茶ムースとバニラアイスの組み合わせが濃厚かつスッキリして口の中で溶けてく!」
シルフィン「さらに周りのあずきの淡白な甘みが黒蜜ソースで引き立てられてますわ!!」
うまる&シルフィン「「まさにお口の舞妓さん(ですわ)!!」」
シルフィン「ん~~! とっても美味ですわ! U・M・Rさんは良いお店を知ってるんですのね!!」モグモグ
うまる「う、うん……(うまるも初めて来たよ)」モグモグ
シルフィン「んむぅ?」チラッ
客A「美味しいねこのパフェ! ね、それ一口ちょうだいよ」
客B「うん、いいよ。はい、あーん」スッ
客A「え~? 一人で食べられるよ!」
客B「いいからいいから、ほら、あーん」
客A「んっ、美味しい!」キャッキャ
シルフィン「……!」キュピーン!
うまる「ん?」
シルフィン「はい、あーんですの!」スッ
うまる「ぶっ!!」
うまる「い、いいよいいよ……」
シルフィン「美味しいですから、一口差し上げますの!」ニコニコ
うまる「だ、大丈夫だよ。こっちも同じ味だからさ」
うまる(あ……少ししょんぼりしてる)
うまる「……ねぇ」
シルフィン「? どうしまし――」
パクッ
シルフィン「!!」
うまる「うん、美味しい」ニコッ
シルフィン「あ、あ……」シュカアアッ
シルフィン「そうですわね! 美味しいですわ!!」パアアッ
シルフィン「とっても美味しかったですわ! もっと遊びたいのですがお兄様からおつかいを頼まれたので行かなきゃですわ! また遊びましょうね!!」ブンブン
うまる「うん、じゃーね」
タタタタ…
うまる「……シルフィンさん、楽しそうだったな」
うまる「……また遊ぶ予定立てておこう」
うまる「うーん、どこ行っちゃったかなー。うまるたちが出るちょっと前に行っちゃったし……」
うまる「でもお兄ちゃんのことだから、女の子と一緒だとしても公園とかに行きそうだなー。そっち行ってみようかな」
うまる「……女の子と二人っきりでも」
…デ…サ…
ソ、ソ…デスネ…
うまる「あっ、やっぱり二人とも発見! ずいぶん遠くにいるけどあのてっぺんとげとげの髪型は見つけやすいねー」
うまる「しかしお兄ちゃんは分かりやすいね。行動まで読めちゃうんだからー。そんなんじゃFPSはやっていけないよ?」
うまる「多分海老名ちゃんを誘ったのも、誰かからチケットもらって、相手がいなかったからだろうね。デートとか、お兄ちゃんが海老名ちゃんのために買ったとかそういうんじゃないねこりゃ」
うまる「……なんでうまるを誘ってくれなかったかは別として。まぁいいや、外用うまるになって二人の前に出ておどかしちゃお」イヒヒ
…ダイ…
うまる「……あれ、なんか急に立ち止まった。どうしたんだろ、お兄ちゃんが少しかがんで……」
ギュッ
うまる「……え?」
うまる(……遠くてはっきり見えないけど、海老名ちゃんが顔を上げてお兄ちゃんと……キス……してるみたい……)
うまる(海老名ちゃんもお兄ちゃんの袖掴んで……あれ……そうなんだ)
うまる(お兄ちゃんと海老名ちゃん、本当に付き合って……)
うまる「……帰ろ」
夕方 アパート前
海老名「あのっ、今日は本当にありがとうございましたっ!」ペコッ
タイヘイ「ううん、こっちこそ無理に誘ってごめんね。楽しかったよ」
海老名「それじゃあ、お、おやすみなさい!」
タイヘイ「うん、おやすみ」
タンタン…
海老名「……あ、あのっ!!」
海老名「あっ、その、えっと……」カアアッ
海老名(また……私と……で、デー……)
海老名「ま、また……私と……」
『海老名ちゃん!』ニコッ
海老名「! ……いえ、なんでもありません。おやしゅみなさいっ!!」タタタ…バタン
タイヘイ「(……噛んでた)いいのかな……」
『あーっ、お兄ちゃんやっと帰ってきた! お腹減ったよ!!』
タイヘイ(まぁ、こんなところだろうな……)ガチャガチャ
タイヘイ「ただいまー」ガチャッ
タイヘイ「……うっ!!」
うまる(美妹ver.)「あっ、お帰りお兄ちゃん!」
タイヘイ「(なんで家にいるのに外用なんだ……)た、ただいま」
うまる「疲れたでしょ? 荷物持ってあげる!」
タイヘイ「あ、うん……」チラッ
タイヘイ(掃除は……してる)
ファサァ
タイヘイ(洗濯も……してる)
タイヘイ「うまる、これ全部ちゃんとやったのか?」
うまる「うん! きちんとしたよ?」
タイヘイ「……」ダッ
うまる「えっ、お兄ちゃん!?」
ガラッ‼︎
ピッカーー!
うまる「あっ、お風呂場もお掃除しといたよー」
タイヘイ「……うまる」
うまる「お兄ちゃん?」
タイヘイ「やればできるじゃないか! 偉いぞ!!」
うまる「え、えへへ。そうかな……?」
タイヘイ「よし、じゃあ今日の夕飯はジャンボハンバーグにするぞ!」
うまる「ほんと? ありがとうお兄ちゃん!」
タイヘイ「それじゃあ早速作る……ん?」ヒラッ
タイヘイ「なんだこれ……レシート?」
うまる「!」ギクッ
うまる「!!」ギクギクッ
タイヘイ「ってことはまさか、うまる! お前もしかしてついてきてたな!!」
うまる「……」
タイヘイ「なんでこっそり後なんかつけたんだ? ……まぁ言わなかったのも悪いけど、そういう問題じゃないよな」
うまる「……」
タイヘイ「黙ってちゃ何にもわからないぞ」
うまる「……う……」
タイヘイ「ちょ!?」
うまる「うわあぁああああああん!! お兄ちゃんのばかぁああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ
タイヘイ「う、うまる?」
うまる「うぁあああああんへぶっ!!」ガンッ!
タイヘイ(壁に思いっきりぶつかった……)
タイヘイ「うまる、毛布かぶって隠れてないで――」
うまる「お兄ちゃん、海老名ちゃんとデートしてた」
タイヘイ「はぁ!? いや、あれはデートじゃなくて職場の人がくれたチケットで」
うまる「……キスも、してた」
タイヘイ「!?」
うまる「うがーーーーーっ!!うまく説明できないしモヤモヤするーっ!!」ゴロンゴロン
タイヘイ(うまる……)
うまる「……やだよぉ……何が嫌なのかわからないけど、すごく嫌だよぉ……」ゴロゴロ
タイヘイ「……」
タイヘイ「……うまる、よく聞いてくれ。俺は海老名ちゃんと付き合ってないし、そもそも誤解してる」
うまる「……何を?」
タイヘイ「あれは――」
公園前
海老名「……うまるちゃんって、すごいですよね」
タイヘイ「? どうして?」
海老名「だって、成績優秀で、スポーツだって音楽だってなんだってできてて……」
タイヘイ(家うまるを知ってるから全くそうは思えないんだけど……)
海老名「だから、うまるちゃんは私が持ってないものをたくさん持ってるから、時々うらやましくなっちゃって……」
タイヘイ「……」
海老名「へ?」
タイヘイ「うまるは何でもできるように見えるけど、本当はそうじゃなくて、周りの人に支えてもらってるからできるんだと思うよ」
タイヘイ「だから、うまるの周りの人はうまるが持っていないものを持ってると思う。……うまく説明できないけど、うまるは完璧じゃないよ。周りの人の力のおかげ」
海老名「……お兄さん」
海老名「はっ、はい! よろしくお願いします!!」バッ
海老名「痛っ! 目に髪の毛が……」
タイヘイ「だ、大丈夫? ハンカチで拭うね」
海老名「あ、ありがとうございます……うう……」プシュウ…
タイヘイ「……だから、そのときかがんだからそう見えたんだろ。バランス悪いから袖に掴まってただけ」
うまる「……な、なぁああああああ!! じゃ、じゃあお兄ちゃんは海老名ちゃんと……?」
タイヘイ「付き合ってないよ」
うまる「……う、うまるはそんな勘違いのために……」プルプル
タイヘイ「まぁ、俺もきちんと説明しないまま海老名ちゃんと映画に行ったことは悪かった。うまる、ごめんな」ペコッ
タイヘイ「うまる……?」
うまる「うわぁああああん!!」ドン!
タイヘイ「ぐはあっ!!(ダイブ!?)」
うまる「うあぁああああん! お兄ちゃんも海老名ちゃんもとられなくて良かったぁああ!!」ガシガシガシ
タイヘイ「痛い痛い痛い」
うまる「うわぁあああああん!!!!」
うまる「くぅ……すぅ……」スヤァ
タイヘイ「……泣いてたと思ったら、すぐ寝ちゃってるし」
『お兄ちゃんも海老名ちゃんもとられなくて良かったぁあ』
タイヘイ(……うまるは俺と海老名ちゃんがうまるから離れていくと思ってたのか……)
タイヘイ「……離れないよ。今度は二人でどっか行こうな。今回は俺が悪かったよ」
タイヘイ(俺の妹が干物妹なのは知っている。知っている、がまだまだ知らないこともある)
うまる「うへへ……おにいひゃん……ポテイト……」
タイヘイ「夢の中でも食べてるのか……ま、いっか」
タイヘイ(それでもうまるは、大切な)
タイヘイ「朝になったら、用意しとくよ」
タイヘイ(干物妹だ)
最後駆け足気味ですまぬ。原作準拠だったのでアニメ派には分からない部分もあったかもしれないです。
うまるちゃんかわいい(真理)
面白かったよ
おつおつ
大変良かった
そして静かに泣いてる人がもう一人…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437678819/
Entry ⇒ 2015.11.11 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
うまる(干物妹モード)「安価で行動するよ!」
誰から隠れるのか:>>10
うまる「そうだ、動物園に行こう!」
――――――――――――――――――動物園
UMR(わざわざ動物園まで行ってゴリラから隠れるなんておかしいような気もするけど…、まあいいか)
UMR(うーん、ゴリラはどこに居るんだろう…、飼育員さんに聞いてみよう)
UMR「あっ、すみません…ゴリラってどこに居ますか?」
飼育員A「はい?ゴリラでしたらあちらを右に曲がってずっと真っ直ぐ行けばゴリラです!」
UMR「ありがとうございます。」
飼育員B「よろしかったらエサやりをしてみませんか?」
UMR「は、はあ…」
―――――――――――ゴリラ前
UMR(ゴリラ…、うん…隠れるって言ったって…)
ゴリラ「ウッホッホーイwwwwwwww」
UMR(あっそうだ…、飼育員さんにもらったバナナで…えいっ)サッ
ゴリラ「ウッホ?wwwwウッホwwwwウッヒョwwwwwwウッホッホーイwwwwウホッホッホwwwww」
UMR(こんな岩陰に隠れて私は一体何やってるんだろう……)
UMR「まあいいや、次は>>15をしよう」
UMR(忙しいうまるは外に出る時も携帯ゲーム機を持ち込む!)
UMR(さーて育成でも…あっ、すれちがい通信するんだっけ…)
UMR(うーん、なかなかすれ違わないなー…)
―――5分後
UMR(あっ)ピコンピコンッ
ゲーム画面:TSF さんと すれ違いました !
UMR(TSF…?はっ、まさかシルフィンさんが近くに…?)
ゲーム画面:TSF さんと すれちがい通信 で 通信プレイ を しますか ?
UMR(どうしよう…)
TSF「UMRさーん!」
UMR「あっ、TSFさん」
TSF「こんなところですれ違うなんて嬉しいですわ!」
UMR「あはは、そうだね!」
TSF「これは何かの縁ですわ、早速通信プレイをしましょう?」
UMR(うまるこのゲームの通信プレイあんまり好きじゃないんだけどなー……)
二人「アハハキャハハウフフ」
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――
UMR「シルフィンさんと通信プレイできたし、よかったかな!」
UMR「じゃあ次は>>23でもしよう」
ガチャ
うまる(干物妹モード)「ん?お兄ちゃんおかえりー、はよごはん作ってー」ポチポチ
タイヘイ「………なあ、うまる。大事な話があるんだ」
うまる「んー?ちょっと今忙しいから後でねー」ポチポチポチ
タイヘイ(……FPSしてるだけじゃないか)
タイヘイ「はぁ…、転勤が決まった。ドイツに引っ越すぞ」
うまる「ふーん………、って…うぇえええええええええ!?!!?!??!??」
タイヘイ「うおぉおっ!?」
うまる「な、なんで!?お兄ちゃん…急にドイツなんて!?」
タイヘイ「いや、転勤なんだから仕方ないだろ…」
うまる「仕方ないったって…どうしてドイツなのさ!?もっと…大阪とか北海道とか沖縄とか!」
タイヘイ「まあ、とにかく明日から引っ越しの準備だ。ほら、こんなに散らかってるんだ、片づけておけよ」
うまる「……ええ………?」
タイヘイ「うまる、そろそろ起きろ!10時だぞ?」
うまる「ん、うーん…?あと5分……」
タイヘイ「そんなこと言ってる場合か!引っ越しの準備はどうするんだ?」
うまる「…んー…………ハッ!そうだった!!」
タイヘイ「はぁ…、分かったら準備するんだ」
うまる「今日はモンスターファンタジーの発売日だった!」
タイヘイ「っ!いい加減にしろ!」
うまる「えー、いいじゃーん…お兄ちゃん買ってよー!」
タイヘイ「ダメだ!」
うまる「むぅー…、日本の形としてドイツに持っていくの!」
タイヘイ「何が形だ!……準備終わったらな」
うまる「ありがとう、お兄ちゃん!!」パァーッ
タイヘイ「さあ、準備準備」
うまる「うん、お兄ちゃん!」ササーッ
うまる「これでやっとモンスターファンタジーが買えるね!」
タイヘイ「それしか頭にないのかお前は…。そういえばうまる、海老名ちゃんや切絵ちゃんに挨拶はしたのか?」
うまる「はっ!忘れてた………」
タイヘイ「はぁ…全く……、待っててやるから行ってこいよ」
うまる「うん!」タターッ
海老名「は、はーい?」
うまる(美妹モード)「あ、おはよう海老名ちゃん!」
海老名「あ、うまるちゃん!」
うまる「ごめんね、ちょっと伝えに来たんだけど…」
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――
海老名「ド、ドイツ!?」
うまる「うん…そうなんだ、急に転勤が決まっちゃったらしくて」
海老名「そ、そんな…」
うまる「もう明日には出発するんだ、ごめんね急に。」
海老名「う、ううん!全然良いよ!」
海老名(あ、あれ?ぜ、全然良いよって…あっ……!私、なんか変なこと言っちゃったっ……?)
うまる(海老名ちゃん困ってる…、やっぱり私もっと早く言っておけばよかったかな……?)
海老名(そ、それにしても……お兄さん、急に転勤だなんて…、もう会えないのかな……?)
うまる「じゃあ、また明日ね!」
海老名「う、うん…」
バタン
海老名(うまるちゃんもお兄さんも、優しくしてくれて……私は何もできなかったなぁ…)
海老名「はぁ………」
切絵「あ、あ、あ、は、はう…っ、はい?」
うまる「おはよう切絵ちゃん!」
切絵「あ、う、うう、うまるさん…」
うまる「ごめんね、ちょっと伝えに来たんだ」
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――
切絵「て、転勤…?」
うまる「そうなんだ、お兄ちゃんの転勤が急に決まって……」
切絵(も、もううまるさんも…師匠も…?)
うまる「もう明日には出発するんだ……」
切絵(もう会えない………?)
うまる「ホントに急でごめんね…」
切絵「はっ…、い、い、いえ!全然!!」
うまる「それじゃあ、また明日ね!」
切絵「は、はいっ…!」
バタン
切絵(……うまるさんも師匠も居なくなったら………)
切絵「私は………」
タイヘイ「お、ちゃんと伝えてきたか?」
うまる「う、うん……」
タイヘイ「そうか……じゃあ、買いに行くか!」
うまる「お、お兄ちゃん!」
タイヘイ「ん?」
うまる「あの…、もうモンスターファンタジーは買わなくていいよっ!……」
タイヘイ「えっ?」
うまる「モンスターファンタジーよりもっと大切な人達が居たから……」
タイヘイ「…………フフッ、そうだな…」
……………い…………うまる…………
………起きろ……
タイヘイ「起きろ、うまる!」
うまる「ハッ………!」
タイヘイ「そろそろだ、服着替えとけよ」
うまる「あ……うん……」
タイヘイ(なんかうまる…、元気なさそうだな……)
うまる「お兄ちゃん、行こっか……」
タイヘイ「ああ……」
ガチャッ
タイヘイ(……この部屋ともお別れか)
―――――――――――――――――――回想
「お兄ちゃん見て!」「ん?……」
「お兄ちゃんポテイト!」「はいはいっ…」
「お兄ちゃんゲームしよ!」「ああ…」
「お兄ちゃん!」「お兄ちゃん!」
―――――――――――――――――――――
バタンッ……
海老名「う、うまるちゃん!」
うまる「海老名ちゃん!?」
切絵「う、う、うう、うまるさん!!」
うまる「切絵ちゃんまで……」
海老名「これ、プレゼント!」
うまる「え?」
海老名「作ってみたチョコレートとあきたこまち……!」
うまる「ありがとう!」
切絵「え、え、えと、ええと、こ、これク、クク、クッキーです!!」
うまる「切絵ちゃんもありがとう!」
うまる「っ!?……、な、なに?海老名ちゃん……」
海老名「わ、私…、お兄さんやうまるちゃんに優しくされて……、私は何もしてあげてなかった……」
うまる「あ………」
海老名「引っ越しって聞いて……私どうしたらいいか分からなくて………それで……」
うまる「……」ギュッ
海老名「あ………///」
切絵(!!?!!!?!?!?!?)
うまる「違うよ、海老名ちゃん!」
海老名「え?………///」
うまる「何もできなかったって言ってたけど……、私はずっとずっと海老名ちゃんに支えられてきたんだよ」
海老名「………///」
うまる「みんなは何でもできるって言うけど……、みんなに支えられて今の私があるんだと思う……」
海老名「………///」
うまる「だから私は、海老名ちゃんに言うよ」
海老名「………?///」
うまる「……ありがとうっ!」ニコッ
海老名「は…はわわ………///」
タイヘイ「そうだよ、海老名ちゃん」
海老名「お兄さん………」
タイヘイ「もちろん、切絵ちゃんにもね」
切絵「へ………」
うまる「切絵ちゃんも……、ありがとうっ!///」ギュッ
切絵「ふぇ、ふぁっ!?」
切絵(あ、あ?私…、今うまるさんにハグされてる……?)
切絵(なにこの状況………し、死にそう………いっ、いや……)
切絵(も、もう死んでもいいかもしれない……)
切絵「」ドサッ
うまる「き、切絵ちゃん!?」
切絵「あ……あっ…………あ………っりがとう……ございました……」
うまる「う、うん………フフッ、ありがとう!切絵ちゃん、海老名ちゃんっ!」
???「うまるさーんっっっ!!!」ダダダダーッ
シルフィン「ハーッ…ハーッ…ハーッ………聞いて来ましたわよっ!」
うまる「わざわざ来てくれたんだ…、ありがとう!」
シルフィン「うまるさんっ!転校しても………あなたは私のライバルですわーっ!!」
うまる「……ふふ!」
シルフィン「……フフッ………、でもうまるさんの他にもう一人ライバル…いえ、仲間が居るんです!」
うまる「え?」
シルフィン「U・M・Rさんですわよーっ!!!」
うまる「あ……………そ、そうなんだっ!!…あはは………」
シルフィン「でも、一番のライバルはあなたです!うまるさんっ!!」
うまる「………ありがとう、シルフィンさん!」
うまる「うん、お兄ちゃん」
タイヘイ「じゃあね、みんな!」
うまる「みんな……、“またね”っ!」
三人「あ………」
タイヘイ(……………またね…か………ふふっ……)
切絵(また会えるのだろうか………)
海老名「…会えると思うよっ!」ニコッ
切絵「あ…………///」
シルフィン「…グスッ………さあ、行きますわよーっ!みなさん!」
海老名「…グスッ……グスン……ヒッグ……うん……!」
切絵「……グスンッ……ヒッグ…エッグ…グス……」
タイヘイ「ん…、なんか言ったか?」
うまる「ううん!……」タタターッ
―――――そして、私とお兄ちゃんはドイツへと旅立っていった。
いつも、みんなの事を思い出すけど……、
うまるは……支えてくれたみんなの事が大好きなのです……。
ただ………一つだけ心残りがあります…。
うまる「やっぱりモンスターファンタジー買えばよかったあぁっ!!!!!」
タイヘイ「いい加減にしろ――――っ!!!!」
おしまい
しかもご丁寧にEDまでwwww
掲載元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1443185534/
Entry ⇒ 2015.11.06 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
うまる「SSのあとがきって必要?」
うまる「あ、おかえりお兄ちゃん! ちょっとこれ見てよ!」
タイヘイ「あー! うまるお前、パソコン触るときは箸でスナック菓子食えっていつも言ってんだろ!」
うまる「そんなことはどうでもいいんだよ! 早くこれ見てよお兄ちゃん!」
タイヘイ「そんなことってなんだ、そんなことって!
お前が触った後にパソコンやると、キーボードがヌルヌルしててイライラするんだよ!」ドンッ!
うまる「ヒィッ!?」
うまる「……うまるの方こそごめんね。お兄ちゃん」ションボリ
タイヘイ「い、いやいや。いいよ別に。で、どうしたんだ」
うまる「あ! そうなんだよ! これ見てよこれ!」
タイヘイ「ん? なんだこれ」
うまる「私が毎日巡回してるお気に入りのまとめサイトだよ」
タイヘイ「いや、それは分かるんだが……。なんだ、このセリフの羅列みたいなの」
タイヘイ「SS?」
うまる「そうだよ! SSだよ!」
タイヘイ「スクリーンショットのことか?」
うまる「ぶふっ! 何ありがちなつまんないこと言ってんの!
そんなことじゃまとめサイトに転載してもらえないよ!」
タイヘイ「……」
うまる「そっかー。お兄ちゃんSSも知らないのかー」
うまる「えー! 今さらSSの説明しなくちゃいけないなんてー!」
タイヘイ「……」
うまる「もー! お兄ちゃん時代の波に乗れてないよー!
完全に時代遅れの老害だよー!」
タイヘイ「……」
うまる「SS知らないとかー! 信じられないよー!」
タイヘイ「うるさいなッ! 知らないよそんなことはッ!!!」ドンッ!
うまる「ヌヘェッ!?」
うまる「ご、ごめんなさい」
タイヘイ「まったく……。で、なんなんだ。そのSSとか言うのは」
うまる「ほとんどセリフだけのお話のことだよ、お兄ちゃん。
たまに地の文書いてる低能がいるけど、私はあれをSSとは認めてないからね」
タイヘイ「ふぅん。じゃあSSってショートストーリーの略なのかな」
うまる「ストップ! 何の略語かって話は荒れるんだから! やめてよお兄ちゃん!」
タイヘイ「そ、そうなのか。……すまん」
タイヘイ「あ、謝ってるんだからもういいだろ……」
うまる「良くないよ! 自分がどれだけ荒れる話題振ったから分かってる!?」
タイヘイ「ここには俺とお前しかいないし……。別にいいじゃないか……」
うまる「どこで誰が聞いてるか分からないんだから!
海老名ちゃんももしかしたらまとめサイトの住人かも知れないんだよ!?」
タイヘイ「……悪かったよ」
タイヘイ「……」
うまる「うまる怒ってるんだからね! 分かってる!?」
タイヘイ「分かってる。分かってるよ」
うまる「いちいち話の腰折ってさぁ。全然話が進まないよ」
タイヘイ「……」
うまる「全くもって嫌になっちゃうよ。……ねえ! 聞いてるの! お兄ちゃん!」
タイヘイ「んなデカい声出さなくても聞いてるよ! うるさいなッ!」ドンッ!
うまる「ヒョエエッ!」
うまる「ご、ごめんなさい。お兄ちゃん」
タイヘイ「何の話がしたいのか簡潔に話せ。分かったな」
うまる「ちょっと……。なんか怖いよ、お兄ちゃん……」
タイヘイ「で、SSがどうしたんだ」
うまる「あ、そうそう。これなんだけど。ちょっと読んでもらえる?
そんなに長いものじゃないから」
タイヘイ「ふむ。どれどれ」
タイヘイ「これって素人が書いたの?」
うまる「うん。多分ね」
タイヘイ「へぇ。伏線の張り方から話運び、キャラクターに至るまでよく考えられてるな。
とても素人の作品とは思えないよ」
うまる「でしょ!? これは久々のヒットだったなぁ」
タイヘイ「で、これがなんなんだ?」
うまる「ここからが本題だよ! 心して聞いてね、お兄ちゃん!」
うまる「問題はSSが終わったあとなんだよ。ここ見てよ、お兄ちゃん」
タイヘイ「ん?」
うまる「これだよ、これ! 終わった後にあとがきがあるじゃん!」
タイヘイ「ああ……? 『読んでくれてありがとうございました』……?」
うまる「そこから始まる超長文のあとがき! こんなのはSSスレに必要ないんだよ!」
タイヘイ「いや……。それは個人の自由でいいんじゃないか?
こんなに素晴らしい作品なんだし、少しくらい補足とか挨拶してくれても」
内容が素晴らしいからこそ、あとがきがあるのが残念なの!」
タイヘイ「そういうもんなのか?」
うまる「そうだよ! せっかく作品の世界に没頭してたのに、
作者のあとがきがあるせいで一気に現実に引き戻されちゃうんだよ!
私はもう少し余韻に浸っていたかったの!」
タイヘイ「それなら完結したところでブラウザ閉じればいいだろ」
うまる「かー。これだから素人さんは困るねぇ」
タイヘイ「……」
そこを見逃しちゃったらと思うと、マウスホイールをクリクリする指が止まらないんだよ!」
タイヘイ「あー。二部構成とかあるのか。本格的だな」
うまる「それだけじゃないよ。こういうSSってのは作者のレス以外に、
読んでる人のレスも含めて楽しむモノなんだよ!
だから完結したからってブラウザバックするのは、
てんで分かってない素人さんだけが行う愚行なの!
分かる!? お兄ちゃん!」
タイヘイ「……ああ」
関連スレのリンクが貼ってあることもあるんだから!」
タイヘイ「へぇ。随分親切なんだな」
うまる「そうだよ! まとめサイト管理人さんは偉大なの!」
タイヘイ「ふぅん」
うまる「はぁ。お兄ちゃんがこんなにずぶの素人さんだとは……。
うまる、妹として恥ずかしいよ。もっとちゃんとしてよお兄ちゃん」
タイヘイ「……」
タイヘイ「……はい」
うまる「素人さんと話してたら喉乾いちゃったよ。コーラ飲も」グビグビ
タイヘイ「ペットボトルから直接飲むなよ。みっともないぞ」
うまる「ぷはーっ! ……みっともないのはお兄ちゃんの方でしょ。
SSも知らない、まとめサイト管理人さんの努力も知らない。
毎日何考えて生きてるの?」
タイヘイ「……」
うまる「まったく」グビグビ
タイヘイ「だから直接飲むなって言ってんだろ! うまるッ!!!」ドンッ!
うまる「ボベエエエーーーーーッ!!!」
うまる「ヒィ……!」
タイヘイ「ベットベトじゃねぇか! 何考えてんだお前!」ドンッ!
うまる「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ガタガタ
タイヘイ「ちっ……」
うまる「……」
タイヘイ「なぁ!!!」ドンッ!
うまる「ヒエッ……!?」
うまる「ご、ごめんなさいお兄ちゃん」
タイヘイ「大体お前は何か人に感動を与えるようなことができるのか!?」
うまる「え……?」
タイヘイ「あとがきだとかなんとか言ってるけど、
これ書いた人は無償で人を楽しませてくれてるんだぞ。
お前に同じことができるのか?」
うまる「ええと……」
タイヘイ「出来るのかッ!?」ドンッ!
うまる「ヒィィィイイイッ!?」
与えられるもん貪ってるだけで、お前は何もできないんじゃないか!」
うまる「うう……」
タイヘイ「現実世界に引き戻された、だ? お前のその姿のどこが現実だ」
うまる「……」
タイヘイ「現実見ろよ、うまる」
うまる「……」
タイヘイ「なぁ、聞いてんのか?」
タイヘイ「ああ?」
うまる「ごめんなさい……。うわああああああああああんっ!!!
お兄ちゃんごめんなさいぃぃいいっ!!!!!!!」ポロポロ
タイヘイ「お、おい。うまる」
うまる「わああああああああああああんっ!!!!!!!
うわあああああああああああんっ!!!!!!!!!」
タイヘイ「何も泣くことないだろ……」
タイヘイ「わ、分かればいいんだよ。お兄ちゃんも強く言いすぎた。ごめんな」
うまる「うまる……、書けないもん……。SSとか……」
タイヘイ「いいってば、別に。書けないなら書けないでも」
うまる「でも……文句ばっかり言ってた……」
タイヘイ「そうだな」
うまる「駄々こねる子供と一緒だった……。恥ずかしい……」
タイヘイ「うまるお前普段から駄々こねてるだろ。そこを反省しろよ」
タイヘイ「いや文句は言っていいぞ」
うまる「えっ」
タイヘイ「糞つまらんやつには糞つまらんって言っていい。
けど、あとがきがどうとか現実世界に引き戻されるとか訳の分からない理論並べて批判するのはやめろ」
うまる「ええ……」
タイヘイ「お前はプロの批評家じゃないんだからな。
ただ、面白いかどうかの判断くらいはつくだろ」
うまる「う、うん」
うまる「……うん。分かったよ、お兄ちゃん」
タイヘイ「変に気取ったこと言うからうざいと思われるんだ。
例えばキャラがぶれてるとか、ここが矛盾してるとか。
そんな細かいこと考えるならプロが書いた物読んだ方がいいぞ」
うまる「そうだね」
タイヘイ「二次創作に対してキャラが違うとかな。そんなものは脳内補正でなんとかしろ」
うまる「うん! うまる、そうする!」
うまる「できた!」
タイヘイ「ん。どうしたんだ、うまる」
うまる「へっへーん。お兄ちゃん、うまるはついにやったよ」
タイヘイ「なんだ。随分ごきげんだな」
うまる「SS好きが高じてね、うまるもSSを書いてみたんだよ!」
タイヘイ「へー。ちょっと見せてみろよ」
うまる「ええー。どうしよっかなー」
うまる「えー。せっかく書いたんだしタダじゃなぁ」
タイヘイ「じゃあ明日仕事帰りにポテトチップスとコーラ買って来てやるから」
うまる「ポテトチップスじゃなくてポテイトチップスだよ、お兄ちゃーん」
タイヘイ「ポテイトチップスな。分かったから、ほら」
うまる「それだけじゃあなぁ。他にも」
タイヘイ「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと見せろ!」ドンッ!
うまる「ウッヘェ!?」
うまる「……」ドキドキ
タイヘイ「これで終わりか」カチッ
うまる「ど、どうだった……? お兄ちゃん」ドキドキ
タイヘイ「ん。普通につまらん」
うまる「え」
タイヘイ「最初から低空飛行で山場もないし、オチも無い。
話として成り立ってないな。
なんだか内容の薄い萌えアニメをさらに薄めて上澄みだけすくったようなSSだった」
うまる「……」
結局、うまるはこれで何を伝えたかったの?」
うまる「えっと……」
タイヘイ「内容が薄すぎて、逆に読んでて苦痛とすら思わなかったな。
なんだか文字の羅列をずっと眺めてるようで、悟りの境地に辿り着きそうだった」
うまる「……」
タイヘイ「なんつーか主人公が何をしたいのか理解できないんだよ。
血の通ってない人形と言うかさ。かといって他のキャラにも魅力が無いし」
うまる「……」
世界設定とか読まされても、こっちは「で?」としか思わないよ。
そういうのは作品内でやってもらわないと」
うまる「お、お兄ちゃん!」
タイヘイ「何?」
うまる「言ってることとやってることが違うよ! なんでそんな批判するの!
面白いかどうかだけ言えばいいって言ってたじゃん!」
タイヘイ「ああ。だから内容は糞つまらなかったよ」
うまる「……」
うまる「怒ってる……。うまるは怒ってるよ、お兄ちゃん!
なんでそんなにひどいこと言うの!
だったらお兄ちゃんが書けばいいじゃん!」
タイヘイ「俺は書かないよ。別に書きたくないし」
うまる「じゃあ文句なんて言わないで!
お兄ちゃんが言ったことでしょ!?」
タイヘイ「おいおい。SS批判するにはSS書かなきゃいけないなんて一言も言ってないぞ。
むしろ、批判されるのが嫌ならお前が書かなきゃいい話だろ。
絶賛しか受け入れられないってんなら書くのやめなよ」
うまる「ええ……」
うまる「だって……、うまるだって……、まとめサイトに載りたかったんだもん……」
タイヘイ「載るわけないだろこんなの」
うまる「……」
タイヘイ「お前が管理人だったとして、こんなもの転載するか?」
うまる「……」
タイヘイ「なぁ。すると思うか?」
うまる「……」
うまる「うう……っ」グスッ
タイヘイ「うーん……。そうだなぁ」カチカチ
うまる「……?」
タイヘイ「ここはこうした方がいいんじゃないか? タイトルもこう変えた方が多分目につきやすいぞ」
うまる「お兄ちゃん……!」
タイヘイ「よし。じゃあ今日はこれの手直しするか。仕事も休みだから」
うまる「……うん!」
こうして、タイヘイの手によって直されたうまるのSSは、見事まとめサイトに転載されましたとさ。
良かったね! うまるちゃん!
終わり
ROMってた方が多かったのかな……? もう少しレスがつくと嬉しかったような(モニョモニョ
ここまで長い作品は初めてだったので、書いている間はずっと不安でいっぱいでした。
それでも最後まで書き切れたのは、ひとえに応援してくれた皆さんのおかげだと思います!
なにぶん不慣れなもので、叱責の言葉もたくさんいただいてしまいましたが……。
これを糧にして次の作品に生かしたい所存でございます!
ちなみにキャラクターが違うのは作者のちょっとした遊び心です。
そこを指摘されるたびに内心ニンマリとしておりました。
というか実際顔がニヤけていたかも……(気持ち悪いとか言われてもキニシナイ!
では、最後になりましたが、同じ言葉を繰り返させていただきます。
応援してくれたみなさん! ありがとうございました!
また会える日を楽しみにしています!
では、また近いうちに!(早ければ今晩にでも……
カタカタカタ(((;゚;Д;゚;)))カタカタカタ
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1440653026/
Entry ⇒ 2015.10.25 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
タイヘイ「叶…?」かなう「戻れなくなっちゃった…」
ーー
ぼんば「ふー、やっと帰れる……もう残ってんの俺達だけじゃねえか。全くうちの会社は人使いが荒いんだよな…。タイヘイ、飲みに行こうぜ!」
タイヘイ「うーん…」
タイヘイ(うまるは友達の家に泊まりで居ないし…久しぶりに行くか)
タイヘイ「うん、いいよ」
ぼんば「お、そうこなくっちゃな! じゃあ今日は…………って、ぬあー!?」
タイヘイ「ど、どうしたの?ぼんば」
ぼんば「無い…」
タイヘイ「無い?」
ぼんば「金がない……。そういやパチンコですっちまったんだ」
タイヘイ「何やってんだよ…。じゃあ貸す…」
ぼんば「いや、駄目だ!そもそも今月はピンチだからな…金は余り使いたくない」
タイヘイ「じゃあ、どうすんだよ」
ぼんば「…これはアレしかないな」
タイヘイ「アレ?」
タイヘイ「あー、成る程」
ぼんば「ビールを買う金ぐらいはあるからな。後はタイヘイの家でつまみを作って…」
タイヘイ「お、おい。俺の家でやるのか?」
ぼんば「おうっ!」
タイヘイ「おうっ、て…」
タイヘイ(んー、まあ今日はうまるも居ないしいいか…)
タイヘイ「しょうがないな…いいよ」
ぼんば「よしっ、決まり!じゃあささっと…」
叶「あらっ、タイヘイ。お疲れ様」ヌルゥ
ぼんば「げっ…叶…」
タイヘイ「あ、叶。叶も上がり?」
ぼんぼ「おーい、俺もいんだけど」
叶「あら、居たの?気づかなかったわ。さっさと帰りなさいよ。ア・フ・ロ」
ぼんぼ「こ、こいつ…」グヌヌ
タイヘイ「あはは…。あ、そうだ。今からうちでぼんばと宅飲みするんだけどさ、叶もどう?」
叶「へ?!」
ぼんぼ「お、おい。タイヘイ」
タイヘイ「久しぶりに三人でさ。どう…かな?」
叶「え、えーと…そうね…」
叶(た、タイヘイの家?! ど、ど、ど、どうしよう)
叶「ええ、そうよ。…悪いわねタイヘイ。こんな遅くまで働かせちゃって…」
ぼんば「おーい、俺もいんだけど」
叶「あら、居たの?気づかなかったわ。さっさと帰りなさいよ。ア・フ・ロ」
ぼんば「こ、こいつ…」グヌヌ
タイヘイ「あはは…。あ、そうだ。今からうちでぼんばと宅飲みするんだけどさ、叶もどう?」
叶「へ?!」
ぼんば「お、おい。タイヘイ」
タイヘイ「久しぶりに三人でさ。どう…かな?」
叶「え、えーと…そうね…」
叶(た、タイヘイの家?! ど、ど、ど、どうしよう)
ぼんば「…無理して来なくていいぞー」
叶「は?! い、行くわよ!あんたこそ来なくていいのよ!」
ぼんば「あんだと?!」
タイヘイ「あはは…じゃあ、行こうか」
叶「そ、そうね!行きましょっ」
ぼんば「あーあ、うるさいのがついてきちまったよ…」ボソッ
叶「何ですって!?」ゲシッ
ぼんば「痛っ?!ヒールで蹴るな、ヒールで!」
prrrr
ぼんば「……ん、電話?はい、もしもし…え?!母さんが風邪?……うん。うん、分かった」
タイヘイ「どうしたの?」
ぼんば「あー、ちょっと母親が風邪みたいで……誘っといてアレだが今、家に人いないから今日は帰るわ。スマン…今日は二人で飲んでくれ」
叶「え?!」
タイヘイ「いや、しょうがないよ」
叶「そ、そうね…」
ぼんば「悪いな、二人とも。じゃ、またな!」タタッ
叶「…………」
タイヘイ「どうする?宅飲みじゃなくてどっか店に行く?」
叶「へ?! あ……わ、私も今お金…ないから……た、宅飲みが良いかな」
タイヘイ「そっか。じゃあ行く?」
叶「う、うん……」
ーーーー
ーー
タイヘイ「ただいま」ガチャッ
叶「お、お邪魔します…」
叶(ここがタイヘイの家…)
叶(当たり前だけどタイヘイの匂いがするわ)クンクン
叶( って…何考えてんのよ私は…)
タイヘイ「いま飲み物出すね」
叶「ふぇ?!わ、分かりました!」ビクッ
タイヘイ「け、敬語?」
叶「な、何でもないわ…」
タイヘイ「?」
叶(そういえば今日は居ないみたいね?)キョロキョロ
叶(ん、何かしらこれ?)ヒョイッ
つ《うまるが家でかぶってるアレ》
叶(たぬきの被り物かしら? けっこう可愛いわね)
叶(…………)キョロキョロ
叶(ち、ちょっとだけ…)カブリ
叶「え――――――」
ヌヒョッ
タイヘイ「お待たせ……?! か、叶?!」
かなう「た、タイヘイ。ど、どうなってるの…?」
タイヘイ「せ、説明のしようが…」
かなう「か、鏡ない?」
タイヘイ「洗面台に…」
かなう「分かったわ……」トコトコ
かなう「…………あ」
かなう「………くっ……」セノビ
かなう「た、タイヘイ」
タイヘイ「どうしたの……あ」
かなう「鏡まで届かないわ…」
タイヘイ「あー、何か台を持ってくるからちょっと待って」
かなう「あ…」
タイヘイ「ん?」
タイヘイ「?」
かなう「抱っこ……して」
タイヘイ「へ?!」
かなう「ほ、ほら!その方が手っ取り早いでしょっ。ねっ!」
タイヘイ「う、うん…でもいいの?」
かなう「ほら、早くっ」
タイヘイ「分かったよ……。し、失礼します」ヒョイッ
かなう「あ///」
かなう(タイヘイに…抱っこされてる…///)
かなう「うわ…な、なによこの姿」
かなう(何て言うか…何なのかしら…)
タイヘイ「んー…」
タイヘイ(まるでうまるみたいだな…)
かなう「……///」
かなう(さ、流石に姿は違えどタイヘイに抱っこされてる姿を見るの恥ずかしいわね///)
かなう「タイヘイ。そろそろ下ろして…」
タイヘイ(フードのせいなのかな…)ムムム
かなう「た、タイヘイ?あの、そろそろ…」
タイヘイ(何がどうなってんだろうか…この感触はうまるのそれとの同じだけど…)ギュッ
かなう「ひゃ?!た、タイヘイ!?」
タイヘイ(うーむ…)ムムム
かなう「た、タイヘイ!」
タイヘイ「え?あ……」
かなう「…お願いだから…下ろして///」
ーー
タイヘイ「ごめん…叶。ちょっと考え事してて…」
かなう「も、もう……別にいいわよ。抱き上げてってお願いしたのは私だし」
かなう(それに…ちょっと嬉しかった///)
かなう「それより、よくわからないけど早くこの姿から戻らなくちゃ…何か方法は無い?」
タイヘイ「そうだね…。まずフードを脱いでみたらどうかな?」
かなう「あ、そうね。これが原因だから脱いだら元に…」ヌギッ
かなう「………」
タイヘイ「………」
かなう「…駄目みたいね」
タイヘイ「うん…」
タイヘイ「うーん…」
かなう「…………」ムズムズ
かなう(な、何かしら…なんかフードを被ってないと落ち着かないわ)
かなう「た、タイヘイ…」
タイヘイ「うん?」
かなう「フード…被ってていい?」
タイヘイ「え?別にいいけど……はい」
かなう「ありがと……」カブリ
かなう「ふぅ……」ヌルゥ…
かなう(なんか…落ち着くわ…)
タイヘイ「………」ジー
かなう(た、タイヘイが見てる?!)
タイヘイ(しかし見れば見るほど、うまるみたいだ…)
かなう(この格好が気に入ったのかしら…そんなに見られたら恥ずかしいわ///)
かなう「原因は何かしらね……」グウゥ
かなう「あ///ご、ごめん」
タイヘイ「…とりあえずご飯にしようか」
かなう「そ、そうね」
ーーーー
ーー
タイヘイ「こんなもんで良いか…買い物行ってなかったからあんまり作れなかったけど…」
かなう「………」
タイヘイ「叶…?」
かなう(ど、何処がこんなもんよ…逆立ちしても私には作れないわ…)
かなう「タイヘイ…いつもご飯作ってるの?」
タイヘイ「うん」
かなう(…こ、これは女として料理の腕を磨かないとダメだわ。夫より料理ができないなんて…今後の課題ね…)ヌゴゴゴ
タイヘイ「?」
かなう「お、おいしい…」
タイヘイ「そう?よかった…あんまり凝ったのは作れなかったけど……お酒は…飲む?」
かなう「じゃあ少しいただこうかしら…」
タイヘイ「じゃあ…改めてお疲れ様」カンパーイ
かなう「ええ。お疲れ様」カンパーイ
かなう「ごくごく……ぷはー、やっぱり仕事終わりの一杯はいいわね」
タイヘイ「………」
タイヘイ(何かうまるが酒を飲んでるみたいで、妙な感じだ…)ジー
かなう「……?!」
かなう(タイヘイが見てる…ちょっとはしたなかったかしら///)
タイヘイ「ん、ご飯粒ついてるよ」ヒョイッ
かなう「ひゃっ!た、タイヘイ?!」
タイヘイ「あ。ご、ごめん…」
タイヘイ(つい、うまるにやる感覚でやってしまった。失礼だったな…)
かなう「も、もうびっくりしたわよ」
かなう(これは恋人同士でやるやつよね///)
タイヘイ「うん、ありがとう。お粗末様でした」
かなう「…………」
かなう「……?」
かなう(な、何かしら。何か物足りないわ。体が何かを欲していると言うか……?! あ、あれは…)ガタッ
タイヘイ「ん?どうしたの?」
かなう「え?!あ…そ、その………それ…」
タイヘイ「コーラとポテイト?……食べたいの?」
かなう「……う、うん……」
タイヘイ(うまるの買い置きだけど、別にいいか)
タイヘイ「だけど珍しいね。叶、あんまりこういうの食べない感じじゃなかったっけ?」
かなう「うん…だけどなんか無性に今、食べたいのよ…」
タイヘイ(うまるみたいだな)
かなう「いただきます…」パリッ
かなう「?!」
かなう「……」パリッパリッ
かなう「こ、コーラ…」ゴクゴク
かなう「?!」シュワアアア
かなう(こ、これは…)
タイヘイ「ど、どうしたの?」
かなう「う」
タイヘイ「う?」
かなう「美味い……!!」ヌルハアアアア…
タイヘイ「へ?!」
かなう「し、幸せだわぁ……」グデーン
タイヘイ「か、叶?!」
かなう「………はっ! わ、私は何を///」
ーー
かなう「さっきのは忘れて……///」
タイヘイ「う、うん……」
タイヘイ「あ。もうこんな時間」
かなう「結局戻れなかったわね…明日どうしよう………」
タイヘイ「今日は泊まっていく?」
かなう「え?!」
タイヘイ「あ、その姿で帰れるのは難しいんじゃないかなって」
かなう「あ……ああそうね。そういう意味よね…。うん、ありがとう。泊まらしてもらうわ…」
タイヘイ「?」
かなう(で、でもタイヘイと一つ屋根の下で夜を過ごすのには変わりないわね///)
タイヘイ「じゃあ、先にシャワーいいよ」
かなう「へ?!だ、ダメよタイヘイそんな事…」
タイヘイ「え?あ、後が良いの?」
かなう「あ……な、何でもないわ…」
タイヘイ「?」
ーー
タイヘイ「じゃあ、寝ようか」
かなう「ほんとにベッド使っていいの?」
タイヘイ「うん。いつも、俺は布団だし」
かなう「そう…」
かなう(い、一緒にベッドで寝ましょ……なんて流石に言えないわ)
タイヘイ「電気消すよ」パチッ
かなう「あ、うん…」
タイヘイ「…….…」
かなう「…………」
かなう(……真っ暗。ここ、タイヘイの家なのよね。不思議な感じだわ)
かなう(だ、だけど成り行きとはいえ、タイヘイの隣で寝る日が来るなんて……ドキドキだわ///)
かなう(……も、もしタイヘイが望むなら私は…)
タイヘイ「……叶」
かなう「…?!な、何かしら…」
かなう(ま、まさか…)
タイヘイ「なんだか……学生時代を思い出すね」
かなう「へ?」
かなう「……………」
タイヘイ「……叶?どうしたの?」
かなう「何でもないわよ…」
かなう(そりゃそうよね……)
かなう(でも、そんな所を含めて私は……ふふっ。まあタイヘイらしいわよね)
かなう「ふふっ……」
タイヘイ「叶?」
かなう「何でもないわ。それより、あの泊まった夜ね。ぼんばの奴が――」
ーーーー
ーー
かなう「――それでね。その時あいつが…」
タイヘイ「あはは…そうなんだ」
かなう(ああ…幸せだわ。タイヘイと居ると……安心する…)
かなう(この姿でも、タイヘイとなら…平気ね)
かなう(きっとタイヘイと居ると安心できるから、この姿になったのかな…)
かなう(そう……だわ……きっと……そう)
かなう(あれ……なんだか…眠く……)
タイヘイ「叶?」
かなう「………」zzz
タイヘイ「寝ちゃったのか……俺も寝るかな…」
ーー
チュンチュン
叶「ん……うう…朝……」
叶「……はっ。こ、ここは…」
タイヘイ「……」zzz
叶「た、タイヘイ?!な、何で……」
叶「……そうだわ…昨日泊まったんだった……あれ。体が……」
叶「鏡………あ。も、戻ってる。良かった………」
叶「ふぅ……なんだったのかしらね」
タイヘイ「………」zzz
叶「ふふっ。まあいいわ」
叶「…….…」
叶「………」キョロキョロ
叶「………」チュッ
タイヘイ「う……んん……」zzz
叶「………///」
叶「…………べ、別に深い意味はないわ!泊めてくれたお礼よっ」
叶「…………」
叶「ありがと。タイヘイ」
ーー完ーー
うまる二期はよはよ
さっさと焼いてしまわないと。
やっぱり叶課長はかわいい!
続きが読みたいなあ(チラッ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444923441/
Entry ⇒ 2015.10.19 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
叶「タイヘイが知らない女の子とデートしてる……」
叶「……………」zzz
ピピピッピピピッ
叶「………….」カッ
叶「……………朝…」ムクリ
叶「……………」
叶「……今日、何日だっけ」
叶「……………」
叶「…………あっ。さ、再来週の木曜日は……」
叶「…………」
叶「……タイヘイ。……覚えていてくれてるかな……」
ぼんば「ぬわー、腹減った腹減った〜メシだメシ。午前からキツ過ぎなんだよ……」
タイヘイ「半分寝てた気がするけどな…」
ぼんば「午後からはブーストかけるから安心しろよ! 埋め合わせでタイヘイの分まで片付けてやる勢いで働くぜ!」
叶「ふーん、それだけじゃ足りないんじゃない? 埋め合わせとして、終電まで残業してもらおうかしら」ヌルゥ
ぼんば「げっ……叶………課長」
タイヘイ「あれ、昼休みに会うなんて珍しいですね」
叶「え?! そ、そうかしら」ヌルッ
ぼんば「今日は運が悪いな…」ボソッ
叶「……」バコッ
ぼんば「痛っ!書類の角で殴るな、角で!」
タイヘイ「はは……」
叶「えーと………ねぇタイヘイ。再来週って、何か予定ある?」
タイヘイ「再来週ですか? 何曜日です?」
叶「えっと、水曜とか木曜とか金曜かな…」
タイヘイ「うーん…特に用事はないですけど…」
タイヘイ「はい」
叶「そ、そう。分かったわ……ありがとう……」
タイヘイ「??」
叶「それじゃあ、また。午後も頑張ってねタイヘイ」ヌバシュッ
タイヘイ「あ、はい…」
ぼんば「……あいつ何しに来たんだ?」
タイヘイ「……さあ?」
叶「タイヘイ…特に予定は無しと……」
叶(予定が無いのは良かったけど……タイヘイ覚えてなさそうね…)
叶(ま、まあ良いわ。それなら私が誘えば良いんだから…)
叶(さりげなく…自然に誘えばきっといけるわよね…)ヌルフフフ
叶(今年の誕生日こそ、タイヘイと過ごすのよ!)ヌルッ!
叶「ねぇ、タイヘイ」
タイヘイ「はい?」
叶「えーと、今度の「いやー、待たしたな。ちょっと腹の調子が」」
ぼんば「うわっ、叶。何でこんな所に…」
叶「…………」
ーー翌翌日ーー
叶「た、タイヘイ。いる?」
タイヘイ「あ、叶課長。どうかしましたか?」
叶「えっと…「あ、叶さん!」」
アレックス「ここまで来るなんてどうかしたんですか?」
叶「あ、い、いや……」
タイヘイ「….…?」
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー休日ーー
叶「はぁ……….」ヌル……ゥ
叶「何だかんだ誘えなかったわ」
叶「………」
叶「で、電話で直接言おうかしら……」
叶「………」
叶「……ダメ。は、恥ずかしい///」
叶「はぁ……気分転換に、服でも買いに行こうかな…」
ーー駅前ーー
叶「んー、中々良いのが買えたわね」
叶「…………」
叶(これでタイヘイとのデートに着ていく服はバッチリね!)
叶(た、タイヘイとデート……)
ーーーー
ーーーー
「その服、凄く似合うね」
叶「ほ、ほんと?」
「当たり前だよ。叶が着て似合わない服なんてあるわけないよ」
叶「も、もう…タイヘイったら///」
ーーーー
ーーーー
叶「……….///」
叶「はっ….….…」ヌルッ
叶(私ったら、何考えてるのかしら///)
叶「…ん? あ、あれは…!」
タイヘイ「……………」
叶(た、タイヘイ?!)
叶(ひ、一人でなにをしてるのかしら……)
叶 (…….….…)
叶(し、私服姿のタイヘイ………いい///)ヌルフゥ
叶(って、見惚れてる場合じゃなわ! ち、チャンスよ! 誘わなきゃ――――――――?!)
タイヘイ「……! ーーーー」
??「ーーーー、ーーーー!」
??「ーーーー…」ペコペコ
タイヘイ「ーーーー」
叶「……………」
叶(お……お、お、お、女の子?!)
叶(た、た、た、タイヘイが休日に女の子と待ち合わせ?!)
叶(ど、どういうことなのよ?!)
叶(タイヘイの彼女?!)ヌガーン
叶(い、いや。まだ分からないわ…ただの友達かもしれない…)
タイヘイ「ーーーー」テクテク
??「ーーーー」テクテク
叶(あ。い、行っちゃう)
叶(…………)
叶(……これは帰れないわ)ヌゴゴゴ
叶(真相を確かめなきゃ……)
叶(べ、別にこれは上司として部下が気になるだけよ)
ーーーー
ーー
タイヘイ「ーーーー」テクテク
??「ーーーー」テクテク
叶(…………)コソコソ
叶(ここはさっき私が来たショッピングモールね…)
叶(……それにしても)
??「ーーーー…」ボイーン
叶(お、大きいわ……)
叶(それに比べて…私は)ヌルーン
叶(まあ、中の下がいいところね……)
叶(やっぱりタイヘイも大きい方が好きなのかしら……)ヌズーン…
ーーーー
ーー
タイヘイ「ーーーー」
??「ーーーー」
叶(ん…あそこは100均?)
叶(デートで100均はあまり聞かない気がするわね……)
叶(何を見ているのかしら…)
叶(はっ……ま、まさか……)
ーーーー
ーーーー
タイヘイ「ごめんな100均の食器なんて……新婚だから節約させちゃって」
「ううん。私はタイヘイがいれば幸せよ」
タイヘイ「ありがとう…優しいね。ーーーーは」ギュッ
「あ……た、タイヘイ///」
ーーーー
ーーーー
叶(し、食器を選び合うなんて二人はもう、そういう仲だったの?!)ヌガーン
叶(……………)
叶(…い、いや。決めつけるにはまだ早いわ)
叶(第一、流石にタイヘイが同棲なんかしてたらアレックスから伝わる筈だわ…)
??「ーーーー」
叶(次は服屋に入ったわ………って、あそこは)
叶(私がさっき買い物してた服屋だ……)
叶(服でも買ってあげるのかしら………私もタイヘイの買ってくれた服着たいな……)
タイヘイ「ーーーー」
??「ーーーー」
叶(…なんか、さっきまで一人でいた店にタイヘイが別の女の子とデートしてるなんて、凄くモヤモヤする……)
叶(それにしても……タイヘイ、楽しそう)
叶(もし、私とデートしたら…あんな顔してくれるのかしら…)
叶(あれは…マフラー。一枚だけ…)
ーーーー
ーーーー
タイヘイ「ほら、寒くなってきたからマフラー着けなよ」
「え、でもタイヘイは……」
タイヘイ「僕はいいんだ。ーーーーが暖まってくれれば」
「……えいっ!」
タイヘイ「あ……」
「ほら…こ、こうやって二人で巻けばもっと暖かいでしょ///」
ーーーー
ーーーー
叶(ああああああああ?!)ヌガー
叶(お、お、お、落ち着くのよ私……まだ決まったわけじゃないわ!)
叶(で、でもあのマフラー……多分あの娘に買ってあげたのよね)
叶「はぁ………………」ヌルゥ…
タイヘイ「ーーーー」
??「ーーーー!」
叶(あ、ファミレスに入るわ…)
叶(なんか、あの娘凄く嬉しそうね)
叶(私も少し小腹が空いたから、何か食べようかしら…)
ーーーー
ーー
ゴユックリドウゾー
叶(何だかファミレスに入ると学生時代を思い出すわね)
叶(タイヘイとの帰り道にね///)
叶(まあ、ぼんばの奴もいたんだけど………)
叶(んー、何にしようかしら………ん?! これは……)
《スーパージャンボパフェ》
叶(そ、そういえばこのファミレスのジャンボパフェをカップルで食べると結ばれるって何かの雑誌に書いてあったわね……)
ーーーー
ーーーー
「ほら、タイヘイ。あーん」
タイヘイ「な、なんか恥ずかしいな」
「こ、これを食べたカップルは…
む、結ばれるらしいわよ///」
タイヘイ「……そんな事心配しなくても、ーーーーと俺は結ばれるよ」
「た、タイヘイ…///」
ーーーー
ーーーー
叶(…………///)
叶(い、いつか必ずタイヘイと食べに来よう///)
スーパージャンボパフェオマタセシマシター
??「ーーーー….!」
タイヘイ「ーーーー」
叶(…………………………)
叶(ぬああああああああああ?!)ヌガガガーン
叶(じ、じ、ジャンボパフェ頼んでるじゃないいい?!)
叶(う、嘘でしょ……そんな……まさか………)
叶(だ、駄目。食べさせ合う所なんか直視したらショックで気絶しちゃうわ……出ましょう…)ガタッ
叶(はぁぁぁ……)トボトボ
店員「お会計はーー円です」
叶(夢であってほしいわ…)
店員「あ、あのお会計……」
叶(……何か涙出てきた)グスッ
店員「あ、あの……」
叶「な、何よう……一人でファミレスがそんなに変かしら!」グスッグスッ
店員「い、いや…お会計を……」
ーーーー
ーー
ーー誕生日当日・会社ーー
叶「はあぁ………」ヌルゥ…
叶(結局、誘えなかったわ……)
叶(まぁあんな可愛いくて巨乳な彼女がいたら、誘っても無駄よね……)
叶(今年も一人か…)
叶「はあぁぁ……」
ぼんば「うわっ、叶。何だそんなしけた顔して……」
叶「…………」
叶「……あれ、タイヘイは?」
ぼんば「タイヘイ? あれ、聞いて無かったのか。タイヘイは今日は有給で休みだぞ」
叶「え?! き、聞いてないわよ!! 何で、何でなの?!」グラグラ
ぼんば「ゆっ、揺するなって! 理由は俺も知らねえよ!」
叶「………そう」
叶「悪かったわ……じゃあ」トボトボ
ぼんば「な、何なんだ??」
ーー
オツカレサマデース
叶「ええ、お疲れ様」
叶(私もそろそろ帰ろうかしら…)
叶(…………)
叶(タイヘイは休みか……….)
叶(あの彼女と出かけたりでもしてるのかしら……)
叶(何れにせよ私の誕生日なんか覚えてなさそうね)
叶(はぁ…………帰って一人でお酒でも飲もう…)
ーーーー
ーー
ビュウウゥゥ
叶「うぅ……寒い……」
叶(木枯らしが身に沁みるわね)ブルブル
叶(……….カップルは寄り添って歩いて暖かそう…)
叶(…………)ジワッ
叶(あれっ……な、涙が……)ポロポロ
叶「……っ……うっ…」
叶(寂しくなんて……ないわ…)
叶「……うっ……くっ……」ポロポロ
叶「うああ……うっ…」ポロポロ
「叶っ!」
叶「……え?」
叶「あれっ……だ、ダイベイ………何で……ごごに?」グスッグスッ
タイヘイ「それは……って、どうしたんだよその顔?! ほら、ハンカチ…」
叶「う…….あ、ありがとう…」
タイヘイ「何かあったの?」
叶「ううん…何でもないの。それより…ど、どうしたの突然。き、今日は…デートじゃ…….」
タイヘイ「は? で、デート? な、何言ってんだよ。今日はうま……妹の進路相談の日だったんだ。ちょっと急に知らされたから仕方なく有給を取ったんだよ」
叶「ほ、ほんとに……」
タイヘイ「うん」
叶「そっか…」ホッ
タイヘイ「?」
叶「え……こ、これは?」
タイヘイ「誕生日おめでとう、叶」
叶「……?! 誕生……日」
タイヘイ「本当は今日の昼休みにでも渡そうかと思ったけど、休みになっちゃったからさ」
叶「開けても……いい?」
タイヘイ「うん」
叶「….…………! あ、マフラー……」
叶(これは……あの時の…)
タイヘイ「い、一応妹や妹の友達に相談したから…変な奴じゃないと思うけど………嫌だったら……ごめん」
叶(……じゃあ、あの娘は妹さんの友達だったのかしら…)
叶「ね、ねぇタイヘイ」
タイヘイ「?」
叶「彼女って……いる?」
タイヘイ「は?! な、なんだよ突然」
叶「いるの?」
タイヘイ「……いないよ。あ、もしかしてぼんばから何か聞いたの?あれ、ぼんばの勘違いだよ………全く」
タイヘイ「う、うん?」
叶(それより……タイヘイ、私の誕生日覚えていてくれたんだ)
叶(わざわざ……届けに来てくれたんだ……タイヘイ……)ジワッ
叶「うっ……うっ」グスッ
タイヘイ「ち、ちょっとどうしたんだよ叶?! どっか辛いのか?」
叶「ち、違うのよ……嬉しいのよ……….」グスッ
タイヘイ「そっか……」
タイヘイ「そうだ……叶。これから久しぶりにご飯食べに行かないか。昔はよく三人で行ったけど最近行って無いしさ」
叶「…….! うん、いいわよ!」
タイヘイ「ぼんばは、もう帰っちゃったかな?」
叶「あ、あいつは今日用事あるらしいわよ!だから、2人で行きましょう。2人で!」
タイヘイ「そ、そっか…….…じゃあ、行こうか」
ビュウゥゥゥ
タイヘイ「ううっ、しかし寒くなってきたな…」
叶「…………….!」
叶「….………」
叶「…….えいっ!」
タイヘイ「うわっ。か、叶?」
叶「こ、こうやって二人でマフラー巻けば暖かいでしょ!」マキマキ
タイヘイ「で、でも…」
叶「いいから行くわよ。タイヘイ!」
タイヘイ「わ、わかったから引っ張るなって………」
叶「えへへ…….」
木枯らしの吹く道も、2人で歩けば寒くなんてない。
叶(ふふっ……大好きよ。タイヘイ)
ーー完ーー
うまる「あー、ポテイト+コーラは最高だよ…」ダラダラ
うまる「ポテイトはいいね。ポテイトは心を満たしてくれる。人間の生み出した文化の極みだよぅ…」パクパクボリボリ
タイヘイ「んー………」
うまる「ん?どうしたのお兄ちゃん」
タイヘイ「なぁ、うまる。今の時期って、誕生日に何貰ったら嬉しい?」
うまる「え、誕生日? うまるは今、ファイナルクエスト8スペシャルエディションがほしい!」
タイヘイ「…….ありがとう。とても参考になったよ」
うまる「むー、なんかディスられてる感じだなー」ブーブー
タイヘイ(うーん。あ、そうだ。海老名ちゃんに相談するか……)
タイヘイ「………ん?なんだこのプリント?」
タイヘイ「……あ! う、うまる! これ進路相談のプリントじゃないか!」
うまる「あ….…渡すの忘れてた。ごめんね、お兄ちゃん」テヘッ
タイヘイ「休み入れなきゃいけないんだから早く渡してくれって言ったろ…………今日はピーマン炒めな」
うまる「ええー! そんなご無体な…」
タイヘイ「…………」
海老名「あ、あの……お兄さん…」
タイヘイ「あ、おはよう。海老名ちゃん」
海老名「は、はい。お、お、おはようございます」
タイヘイ「ごめんね。今日はわざわざ付き合わせちゃって…」
海老名「い、いえ。私もちょうど買い物に行こうと思ってましたから…」
タイヘイ「じゃあ、行こうか」
海老名「は、はい…」
海老名(今日はお兄さんの会社の人に渡すプレゼント選びのお供だけど…….これってデートみたいだよぅ……)
海老名(お兄さんと2人っきり…緊張するなぁ…)シュー
ーーショッピングモールーー
タイヘイ「海老名ちゃんも寄りたいお店があったら言ってね」
海老名「は、はい………あっ……こ、ここに寄っても良いですか?」
タイヘイ「ん……おっ、100均か!いいよ!」
ーーーー
ーー
タイヘイ「お、新しいコーナーがふえてる!」ワクワク
タイヘイ「あ、こっちも!」ワクワク
海老名(お兄さん、なんかワクワクしてる)
タイヘイ「海老名ちゃんは何を買うの?」
海老名「えっ?わ、私は食器を割っちゃったので….代わりを」
タイヘイ「そっか。最近は100均でもバリエーションが凄いからね。前にうまると来たけど、うまるも驚いてたよ」
海老名「そ、そうなんですか」
タイヘイ「あ、これとかどう。うまるも可愛いって言ってたやつだよ」
海老名「あ…か、可愛いですね」
タイヘイ「それとも、これとか…」
海老名(お、お兄さんの顔が近い……)
海老名(そ、それにこうやって一緒に食器をえ、選んでると……新婚さんみたい……)シュー
タイヘイ「今日はありがとうね。海老名ちゃん」
海老名「い、いえ。私なんか全然参考になったかどうか…それなのにお昼もご馳走になっちゃって……」
タイヘイ「いやいや…助かったよ」
海老名「そ、そうですか……」グウゥゥゥ
海老名「あ…….///」
タイヘイ「あはは…….デザートも食
べていいよ」
海老名「で、でも…」
タイヘイ「いいよ。いつもうまるがお世話になってるし」
海老名「そ、そうですか….…じゃあ……………あっ!」
海老名(こ、このパフェは……)
海老名(で、でもお兄さん一緒に食べてくれるかな…)
海老名(せ、せっかくのチャンス。がんばれ、私!)
タイヘイ「ん…いいよ」
海老名「ほ、本当ですか?」
タイヘイ「うん。じゃあ注文するね」
スイマセーン
海老名(や、やった。やったよ私!)
ーーーー
ーー
オマタセシマシター
タイヘイ「うわっ。でかいパフェだなー」
海老名「………」ドキドキ
タイヘイ「じゃあ……」
海老名「………」ドキドキ
タイヘイ「食べなよ。海老名ちゃん」
海老名「えっ」
タイヘイ「うーん、うまるもそうだけど甘いのは別腹なんだね…」
海老名「お、お兄さん…このパフェ…」
タイヘイ「ん?どうかしたの….?」
海老名(あっ………お、お兄さん、このパフェの事……知らない)
海老名(有名だから知ってるとおもったよぅ……。は、早とちりしちゃった……)ズーン
タイヘイ「?」
海老名「あ、な、何でもないです。い、頂きます!」
海老名(で、でもいつかはお兄さんと食べさせ合う仲に……)パクッ
海老名「ん……んめな〜」
タイヘイ「あはは……」
ーー完ーー
叶課長かわいい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441733925/
Entry ⇒ 2015.09.13 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
うまる「デッドオアアライブだよお兄ちゃん!」
『―――続いてのニュースです。近頃、謎の猟奇事件が各地で相次いでおり、被害は20件を―――』
タイヘイ「物騒だな……この辺りはないみたいだけど……」
うまる(干物妹)「そこっ、そこだっ」カチカチカチ
タイヘイ「はぁ、こいつは……。おい、うまる」
うまる(干物妹)「んぁ? お兄ちゃんなに?」
タイヘイ「最近物騒だから、これ持っとけ」スッ
うまる(干物妹)「なにこれ? 防犯ブザー?」
タイヘイ「ああ。もし、危ない奴に遭遇したらすぐに鳴らすんだぞ」
うまる(干物妹)「あーはいはい、わかったわかった」ポイッ
タイヘイ「(こいつ……)」ピキピキ
タイヘイ「……バッグの中に入れとくからな」
うまる(干物妹)「はいはーい」
『続いてのニュースです。中南米で発生しているウイルスが、日本にも―――』
タイヘイ「(マスクも入れておこう……)」
翌日
海老名「おはよううまるちゃん」
うまる(美妹)「おはよう、海老名ちゃん」キラキラ
タイヘイ「海老名ちゃん、おはよう」
海老名「はわわっ、お、お兄さんっ。おはようございます……!」アタフタ
うまる(美妹)「それじゃ、行こっか」ニコッ
海老名「う、うん!」
タイヘイ「あ、うまる。最近風邪が流行ってるみたいだから、バックにマスクも入れといたからな。学校に着いたらつけるんだぞ」
うまる(美妹)「うん、わかった」
タイヘイ「2人とも気をつけてね、行ってらっしゃい」
うまる(美妹)「はーい」
海老名「い、行ってきます。お兄さんっ」ペコ
タイヘイ「……」フリフリ
タイヘイ「よし、俺も行くか」
タイヘイ「今日もいい天気だなぁ」ノビー
ゴホゴホゴホッ
オマエ セキヒドイナー
タイヘイ「マスクマスクっと」
タイヘイ「この時期に風邪を引いたら、ぼんば達に迷惑かけちゃうからな」
「おはよう、うまるちゃん!」「うまるちゃんおはよー!」
うまる(美妹)「おはよう」キラキラ
海老名「(みんなうまるちゃん見てる……。うまるちゃんは人気者だなぁ)」
うまる(美妹)「海老名ちゃん。はい、これ」
海老名「マスク……?」
うまる(美妹)「うん。海老名ちゃんに1枚あげる」
海老名「いいの?」
うまる(美妹)「もちろん。健康が一番だからね」ニコッ
海老名「うまるちゃん……!」ジーン
シルフィン「おはようございます、うまるさん!」シュバーンッ
うまる(美妹)「おはよう、シルフィンさん」
シルフィン「うまるさん。今日の小テスト、わたくしと勝負しましょう!」
うまる(干物妹)「(げっ! 今日小テストあったのか……)」
うまる(美妹)「う、うん。わかった」
シルフィン「それでこそ、わたくしのライバル! ときにうまるさん、どうしてマスクなんかしてますの?」
うまる(美妹)「予防だよ、予防。シルフィンさんにも1枚あげるね」
シルフィン「いいんですの? ありがとうございます! 早速着けさせて頂きますわ!」
うまる(美妹)「あはは……」
シルフィン「では、御機嫌よう、うまるさん! 海老崎さん!」シュバッ
海老名「え、海老名ですぅ!」
うまる(干物妹)「(うーん、参ったなぁ……。全く勉強してないよ)」
切絵「……」ゴゴゴゴゴゴゴ
うまる(美妹)「あ、切絵ちゃん。おはよう」
切絵「お、おおおはようございます!」
海老名「おはよう、切絵ちゃん」
切絵「……むぅ」ジー
海老名「……」ニコニコ
切絵「……」ゴゴゴゴゴゴゴ
海老名「(な、なんでぇ!?)」
うまる(美妹)「き、切絵ちゃん! これ!」
切絵「まっ、マスク? 私に……?」
うまる(美妹)「よ、よかったら使って。最近風邪流行ってるでしょ、予防のために、ね?」
切絵「は、はい! ありがとうございます……!」ギュッ
うまる(美妹)「マスクが潰れっ……」
切絵「はっ! す、すみませんすみません!」ペコペコ
海老名「(どうしたら仲良くなれるのかなぁ……)」クスン
『―――現在、運転見合わせ中―――』
タイヘイ「(この路線って滅多に電車止まらないはずなんだけど……)」
タイヘイ「(一応、会社に連絡を―――)」ピッピ
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
タイヘイ「!?」ビクッ
「誰か! 誰かぁ!!」
タイヘイ「な、なんだ!?」
タッタッタッタ
駅員「な、なにしてるんだ! 早く離れろ、このっ!」
「ア゙アアアァァ!!」ギチッ
駅員「……え?」ドサッ
「…………きゃああああああああああああああああああああああああああああ」「な、なんだあれは!?」「は、早く逃げろおおおおおおおおおおおおおおおお」
タイヘイ「(俺の目の前で、非現実なことが起こった)」
タイヘイ「お、おい、嘘だろ……。これって、まるで………」
先生「で、あるからして〜」
うまる(美妹)「……」カキカキ
うまる(干物妹)「(はぁ、小テストどうしよう……。もう次の授業だし……)」
ザワザワザワ…
うまる(干物妹)「(……ん? やけに廊下が騒がしいような)」
ガラッ
先生「何かあったのですか?」
教師「せ、生徒の1人が急に倒れてしまって!」
教師「なんだと!? その生徒を早く保健室に! 俺も手伝います!」
「は、はい!」
うまる(干物妹)「(ふわあぁぁ……眠い、非常に眠い。寝不足だぁ……)」
生徒「ア゙ア゙ァ…」
教師「! 先生、生徒の意識が……!」
生徒「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!」ギチッ
教師「……? あ、れ……?」ドサッ
「……きゃああああああ」
先生「お、おい、生徒! お前、一体なにを……!?」
生徒「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!」ギチッ
先生「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああ」
うまる(干物妹)「(……え? え、え!?)」
海老名「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「な、なんだあれ!?」「い、いいから早く逃げっ」「そこどけよ!」
うまる(美妹)「(きょ、教室内が大パニックに! って実況してる場合じゃない!)」
うまる(美妹)「え、海老名ちゃん! 私たちも早く……!」
海老名「あ…あああ……」
うまる(美妹)「海老名ちゃんっ!!」
海老名「!? う、うまるちゃんっ」
うまる(美妹)「早く! 急いで!」ギュッ
海老名「う、うん……!」
タイヘイ「はぁ…はぁ……!」タッタッタッ
タイヘイ「(一体どうなってるんだ!? これは!?)」
タイヘイ「(駅を出ても、何処も彼処もこの有様だ!)」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!」
タイヘイ「うわっ!? このっ!」ブンッ
「ア゙ア゙ァ゙ッ」ドサッ
タイヘイ「はぁはぁ……! バックがうまいこと武器に……!」
タイヘイ「今のうちに!」タッ
タイヘイ「……はぁ、はぁ……! 無事、家に……!」
タイヘイ「早く、家の中に……!」ガチャ
バタン カチャッ
タイヘイ「はぁはぁ……一体、なにが……! ……一旦、落ち着くんだ俺。状況を整理しよう」
タイヘイ「人を襲ってたあれは……間違いなく、ゾンビだ……!」
うまる(美妹)「……」
海老名「……」
うまる(美妹)「(あの後、教室を出た私たちは、2階の家庭科室に逃げ込んだ)」
うまる(美妹)「(私は今、何が起こっているのかを瞬時に把握し、一番安全な策を選んでここに来た)」
うまる(美妹)「(まず、先生を襲ったのは……ゾンビで間違いないだろう)」
うまる(美妹)「(では、何故私が家庭科室に逃げ込んだのかというと、外の方が危険だと思ったからだ。ここで起こっているのだから、外でもこのおかしな状況になっていると、私は仮説を立てた)」
うまる(美妹)「(外に出て、囲まれでもしたらアウトだ。だったら、まだゾンビの少ない学校に立てこもるのが一番。それに、家庭科室は鍵を掛けることができる。これで、少し安全に)」
ウワアアアアアアアアアアアアアア
海老名「」ビクッ
うまる(美妹)「(……教室の外から、悲鳴が……)」
うまる(美妹)「え、海老名ちゃん。今のうちにバリケードを」
海老名「えっ」
うまる(美妹)「ドア一枚だけじゃ、すぐに鍵を壊されて入られちゃうかもしれない。机でバリケードを作ろう」
海老名「う、うんっ」
海老名「こ、こんな感じで大丈夫かな……」
うまる(美妹)「たぶん」
うまる(美妹)「(教室にあった30個の机を、トビラの前に全て配置した。静かに素早く行動できてよかった。これで安全性が増した)」
うまる(美妹)「(でも、ゾンビはリミッターがハズレ、力がとんでもないことになっている。人間は、本来60パーセント程の力しか出せないのだが、ゾンビは100パーセント以上の力が出せる)」
うまる(美妹)「(王勢で来られたら、ここもすぐに崩壊して……)」
うまる(美妹)「(この先、どうしたら……ここから脱出すべきか、助けを待つべきか)」
うまる(美妹)「(……お兄ちゃん)」キュッ
海老名「……うまるちゃん?」
うまる(美妹)「! どうしたの、海老名ちゃん?」
海老名「……うまるちゃん今、不安な顔してた」
うまる(美妹)「え?」
海老名「ごめんね……私、足手まといだよね……」
うまる(美妹)「ううん! そんなことないよ! 海老名ちゃんはとっても頼りに―――」
ガタガタガタッ
うまる海老名「!」ビクッ
海老名「い、今ロッカーが……!」
うまる(美妹)「……」ソロリソロリ
うまる(美妹)「……海老名ちゃん、下がってて」
海老名「う、うまるちゃんっ、危険だよ!」
うまる(美妹)「(……もし、ロッカーの中にいるのがゾンビだったら……。バリケードがあるし、逃げることはできない)」
うまる(美妹)「(でも、ここで解決しとかないと海老名ちゃんが不安のままだ。だったら……)」
うまる(美妹)「(……どうにでもなれ!!)」ガチャッ!
「……はっ!ヒュンッ
うまる(美妹)「くっ……! き、切絵ちゃん!?」
切絵「う、うううううまるさん!? ど、どうしてここに!?」
うまる(美妹)「切絵ちゃん、しーっ! 外に聞こえちゃう!」コソコソ
切絵「す、すみません!」コソコソ
うまる(美妹)「切絵ちゃん、どうしてここに……」
切絵「そ、その……私はあの後、すぐ逃げ出して、とっさにロッカーの中に」
うまる(美妹)「な、なるほど。それで、今まで無事で……」
切絵「う、うまるさん達はどうしてここに……」
うまる(美妹)「それは―――」
切絵「……さ、さすがうまるさん! 頭がよく切れて……!」キラキラ
うまる(美妹)「あはは……」
うまる(干物妹)「(ゾンビゲーやり込んどいてよかった、少し役に立ったよ。……それにしても)」
うまる(美妹)「切絵ちゃんが無事でよかった」ギュッ
切絵「う、うううまるるさんっ……!?」ドキドキ
タイヘイ「……」カチカチカチッ
タイヘイ「(ゾンビについて詳しく調べ、まとめてみた)」
タイヘイ「(1.特徴――基本的に動作は遅く、思考能力も低下している。だが、力は桁違いに上がっており、掴まれでもしたらアウトだ。振りほどくことは不可能に近い。
2.弱点――頭部を破壊するか、頭と胴体を離せば行動は停止する。……想像するとグロい。
3.ゾンビに噛まれたら感染し、死亡する。その後、ゾンビとして蘇る。
)」
タイヘイ「(他に何か……)」
タイヘイ「(……そういえば、うまるが言ってたな)」
うまる(干物妹)『お兄ちゃん、ゾンビって目が見えてないんだって。匂いと音を頼りに行動してるらしいよ)』
タイヘイ「(ゾンビは目が見えておらず、匂いと音を頼りに行動している……と)」メモメモ
タイヘイ「―――! うまるっ!?」ガタッ
タイヘイ「(しまった!? 自分のことばかりに気を回してて! うまると海老名ちゃんは!?)」
タイヘイ「(学校の方は無事なのか!?)」
うまる(美妹)「……ねぇ、海老名ちゃん、切絵ちゃん」
海老名「なあに? うまるちゃん」
切絵「? なんでしょうか?」
うまる(美妹)「この先……2人はどうしたい?」
海老名「えっ……?」
うまる(美妹)「このまま立て篭るか、それとも学校を脱出するか」
切絵「……私は、脱出したいと思っています。ここにいれば安全かもしれません。ですが、食料がありません。このままですと、私たちはいずれ餓死してしまうかと……」
うまる(美妹)「私も切絵ちゃんに賛成かな。……立て篭もったはいいけど、食料がないからね。そこのところ、全然考えてなかったよ……」ハァ
海老名「わ、私も脱出の方に賛成ですっ」
うまる(美妹)「3人とも、同じ意見だね……よし、それじゃあ脱出! といきたいところだけど……」
ア゙ア゙アァァ…
うまる(美妹)「廊下にはゾンビがいるし、外に出ることも出来ない。それに、ここは2階だし、飛び降りることも出来ないし……」
切絵「……むー」
うまる(美妹)「(ここから脱出できて、尚且つ安全に1階まで行ける方法……)」
うまる(美妹)「(うーん……この部屋に何かないかなぁ。バリケードに使った机に、椅子。それに箒、塵取り、カーテン。……! 思いついた! いい方法が!)」
うまる(干物妹)「海老名ちゃん、切絵ちゃん。いい方法思いついちゃった」
切絵「んっ……! こんな感じでいいでしょうか?」ギュッギュッ
うまる(美妹)「……強く結べてる。うん、ありがとう」
うまる(美妹)「海老名ちゃん、そっち側引っ張ってね。せーのっ!」ギューッ
海老名「んーっ……!」ギューッ
うまる(美妹)「……ふぅ、これでよしっと。切絵ちゃーん」
切絵「はいっ。……下は安全みたいです。ゾンビも2体ほどしかいません。距離は50mほど遠くです」
うまる(美妹)「(なんで少ししかいないんだろう? 学校の中に集まって来てるのかな。それなら今のうちに……)」
うまる(美妹)「それじゃあ、下ろすよ。海老名ちゃん」スーーーッ
海老名「う、うん……」スーーーッ
切絵「それにしても、うまるさんはやっぱり凄いです! まさか、こんな方法を思いつくとは!」
うまる(美妹)「あはは。たまたまだよ、たまたま」
切絵「カーテンを繋ぎ合わせ、ロープを作るなんて! これなら、安全に下に行けますね!」
うまる(美妹)「うん、そうだね。……最初、誰から降りる?」
切絵「……私が行きます」
海老名「き、切絵ちゃんが?」
切絵「はい。一応、周りの安全確認をしたいので。見た限りでは、2体ほどしかいませんが、どこかに潜んでるかもしれませんし」
うまる(美妹)「……わかった。最初、切絵ちゃんにお願いするね」
切絵「お任せて下さい!」
うまる(美妹)「……もし、あいつら(ゾンビ)がいたら、一目散に逃げるんだよ」
切絵「……」
切絵「(私は、うまるさんや……海老名さんを置いて逃げたりしません、絶対に)」
うまる(美妹)「切絵ちゃん。ゆっくり、ゆっくり……」
切絵「はいっ……」グググッ
切絵「……」ググググググッ ペタン
切絵「降りましたーっ」
うまる(美妹)「よし、次は……」
ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァッ!!
うまる海老名「!?」
ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァッ!!
ガチャガチャガチャ!!
うまる(美妹)「(う、嘘!? どうして私たちの場所が……!?)」
海老名「う、うまるちゃんっ!」
うまる(美妹)「海老名ちゃん! 先行って!」
海老名「え! で、でも!」
うまる(美妹)「早く!」
切絵「う、うまるさん! そこで一体なにが……!?」
うまる(美妹)「海老名ちゃんっ!!」
海老名「!! ……うまるちゃん、約束だよ。絶対に……来てね」
うまる(美妹)「……うん、約束
」ニコッ
海老名「……」ググググググッ ペタン
海老名「うまるちゃん!!」
うまる(美妹)「―――後は私だけ。早く行かな―――」
バキッ!
うまる(美妹)「え―――」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙!!」
うまる(美妹)「(ぞ、ゾンビ達がなだれ込んできて―――!?)」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙!!」
海老名切絵「うまるちゃん(さん)っ!!」
うまる「(は、早く飛べ! 私! ゆっくり降りてる時間なんてない!)」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙!!」
うまる(美妹)「(あ、あれ? どうして!? 足が震えて、動かない!?)」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙!!」
うまる(美妹)「(な、なんで……!? 今まで、ちゃんと……!)」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙――!!」
うまる(美妹)「ひっ!」
うまる(美妹)「(……私、こんなところで死んじゃうの……?)」ポロ
切絵「うまるさんっ! 早く!」
海老名「うまるちゃんっ!!」
うまる(美妹)「(い、嫌だよ……助けて、助けてよ……。助けて)」ポロポロ
うまる「―――お兄ちゃん!」ポロポロ
「うまるッ!!」
うまる「お……お兄ちゃ……!」ポロポロ
タイヘイ「来い! うまるッ!! 俺が絶対、抱きとめてやる!!」
うまる「……お、お兄ちゃん――――!!」タッ
タイヘイ「うまるッ――――!!」
タイヘイ「な、なんとか間に合ったな……いててっ」
うまる「……ちゃんと、抱きとめてくれるって言ったじゃん」グスッ
タイヘイ「ちゃんと、抱きとめてただろ。……尻餅ついちゃったけど」
うまる「……怖かった、怖かったよぉ……」グスッ
タイヘイ「……そうか」ナデナデ
うまる「……」ギュッ
「ア゙ア゙アァァ…」
タイヘイ「! うまる、立てるか? 近くまで奴らが来てる」
うまる「うん……」
タイヘイ「海老名ちゃんも切絵ちゃんも、無事でよかったよ」
海老名「へっ? ひゃ、ひゃい!」
切絵「し、心配おかけしみゃっ」
切絵「(し、舌噛んだ!)」ブンブン
タイヘイ「とりあえず、俺の部屋に行こう。そこでこの先のことを考えよう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タイヘイ「(学校の方は無事なのか!?)」
『きゃーっ!』
タイヘイ「っ! 悲鳴!?」
『ついてこないでくださいまし―――!』
タイヘイ「(お、女の子が!? ……! あの制服は、うまると同じ!? ……同じ? 色が違うけど……)」
タイヘイ「(で、でも、この辺の高校にも影響が出てるってことだ!)」
タイヘイ「(くそっ、早くうまると海老名ちゃんを助けに……!)」
タイヘイ「(……! 道路にいたゾンビ達がいない! 今なら!)」
タイヘイ「(うまる! 待ってろよ! 今行くからな!)」
タイヘイ「(俺はお前の兄貴だ! 絶対に守ってやる……!)」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タイヘイ「……近くにあいつらはいない。今のうちに」
ガチャ
海老名「う、うまるちゃんっ」
うまる(美妹)「……もう、大丈夫だよ。ありがとう、海老名ちゃん。お兄ちゃんも、ありがとう」
タイヘイ「……」ポリポリ
バタン カチャッ
切絵「……この辺りって、あんまりいませんね」
タイヘイ「たぶん、駅前に集まってるんだと思う。ゾンビ……あいつらは、匂いと音を頼りに行動してるらしい」
うまる(美妹)「駅前は人がたくいるからね、そっちに引きよせられてるんじゃないかな」
海老名「そ、そうなんだ」
タイヘイ「匂い、か……」スタッ
うまる(美妹)「お、お兄ちゃん?」
タイヘイ「……まだたくさん残ってるな」ガサゴソ
切絵「一体なにを……?」
タイヘイ「ちょっとね……っと」スタスタ
海老名「……えっ!?」
うまる(美妹)「お、お兄ちゃん! どこに行くの!?」
タイヘイ「少し、外に」
うまる(美妹)「外!? ど、どうして……!?」
タイヘイ「これを蒔いてくる」
切絵「せ、洗剤……ですか?」
タイヘイ「あいつらは音と匂いを辿って、人を見つけるんだ。音は消せるけど、匂いは消せない。それなら、匂いの強い物を囮にするんだ」
切絵「な、なるほど。洗剤の方が、人の匂いより断然強いから、そちらにあいつらが集まると……」
切絵「(うまるさんのお兄さんも、相当頭が切れて……)」
タイヘイ「うん。この方が安全度が増すからね」
うまる(美妹)「で、でもっ!」
タイヘイ「安心しろ、すぐに戻ってくるから」ポンポン
うまる(美妹)「……すぐに、戻ってきてよ」
タイヘイ「ああ……。俺が出た後、ちゃんと鍵閉めろよ」ガチャ
うまる(美妹)「……うん」
バタン
タイヘイ「(……どこに蒔くか考えてなかった。家の近くだと逆にあいつらを呼びよせちゃうし、最低でも、100mくらいは……)」
タイヘイ「(……まず、左の方から行くか)」
タイヘイ「(……いないな、あいつら。やっぱり駅の方に……)」
タイヘイ「(……結構離れたな。だいたい200mくらいか? この辺に)」キュッキュッ
ボタボタボタ…
タイヘイ「(半分は残しておこう。残り半分はもう一箇所、違うところに蒔いておきたい)」
ア゙ア゙アァァ…
タイヘイ「!?」
タイヘイ「(も、もう嗅ぎつけたのか!? 想像以上に効果があるな、早く離れないと……)」
タイヘイ「(家に向かって、右の方に来た。こちらにもあいつらはいない)」
タイヘイ「(道中1体いたが、うまくやり過ごすことができた)」
タイヘイ「(……この辺でいいか。これを蒔いたら、とっとと家に……)」チラッ
タイヘイ「……あれは」
切絵「そっそういえばうまるさん!」
うまる(美妹)「なあに?」
切絵「こまる師匠は無事なのでしょうか!?」
うまる(美妹)「げほっげほっ!」
海老名「う、うまるちゃん!?」
うまる(干物妹)「(し、しまったー!? 忘れてたー!)」
切絵「う、うまるさんっ。大丈夫ですか……!?」サスサス
うまる(美妹)「う、うん。もう平気だよ」
うまる(美妹)「(…………潮時、かな。これ以上、2人を騙すのは……)」
うまる(美妹)「……海老名ちゃん、切絵ちゃん。2人に話したいことがあるの」
タイヘイ「……あれは、コンビニか?」
タイヘイ「(……今現在、俺を含め4人の生存者がいる。でも、うちにはほとんど食料が残っていない)」
タイヘイ「(……取っておくか。こんな事態だし、万引きとかにはならないだろう……それに、俺と同じことを考えてる奴が少なからずいるはず)」
タイヘイ「(食料は大切だ。持てる分だけ持っていこう。他に使えそうな物も)」
タイヘイ「(店内に人影なし……よし)」
ウィーン
タイヘイ「(……こう見渡すと、コンビニって色々あるんだな)」
タイヘイ「(まずは食料、なるべく日持ちする物。いつ電気が止まるかわからない)」
タイヘイ「(インスタント食品に、カップ麺……カップご飯? 今はこんな物もあるのか)」
タイヘイ「(水も必要だな、容器だけ持っていこう。家でも水は手に入る)」
タイヘイ「(……カセットガスコンロ。家にあるし、ガスボンベを3本ほど……)」
タイヘイ「(あとは……懐中電灯、電池、ロウソク、軍手、体拭き。……下着も必要だよな。特に女性は……これも持ってこう)」
タイヘイ「……こんなもんか」
タイヘイ「(この辺にしとこう。そろそろ日が暮れる、夜に動くのは危険だ)」
タイヘイ「ぐっ……!」
タイヘイ「(お、思ったより重い。でも、この程度なら……)」
……ガタッ
タイヘイ「!?」
タイヘイ「(と、トイレの方から音が! あ、あいつらか……!?)」
タイヘイ「(……鍵がしまってる。もしかして生存者か!? ……いや、噛まれた後逃げ込んで、すでにゾンビ化した奴かも……)」
タイヘイ「(……一応、確認だけ。いざとなったら、全力で逃げればいい)」
タイヘイ「……」コンコン
ビクッ!
タイヘイ「……俺の言葉が通じてるなら、2回ほどノックをお願いします」
タイヘイ「……」
……コン…コン
タイヘイ「! ……安心してください、俺は感染者じゃない。あなたを襲ったりしません」
『……』
タイヘイ「……もう5時か。俺は用が済んだので、そろそろここを離れます」
『……! ま、待ってください……!』
タイヘイ「……」
『わたくしも……わたくしも一緒に連れて行ってください……!』
タイヘイ「……」
タイヘイ「(……正直、俺は迷っている。トイレの中の人を連れて行くか、置いてくか)」
タイヘイ「(この人と俺は赤の他人だ。うちに連れ帰ったら5人になる。そうすると、食料の減りが早くなる)」
タイヘイ「(……だけど、俺は……)」
タイヘイ「……わかった」
『ほ、本当ですか……!』
タイヘイ「噛まれたり、感染してたりしないか?」
『は、はい……!』
タイヘイ「……ゆっくり、出てこい」
……キィ
タイヘイ「き、君はあの時の……!」
切絵「……あれからもう1時間。遅いですね」
うまる「すぐ帰ってくるって言ったのに……! お兄ちゃんのばか」
海老名「も、もしかしてっ。お兄さんになにかあったんじゃ……!」アワワ
切絵「……それはないと思います。あの人は頭がとても切れる。それに用心深い。危険が迫ったら、すぐに退くと思います」
うまる「……切絵ちゃんってお兄ちゃんのこと、すごく信頼してるんだね」
切絵「え!? あ、いやこれは!」アセアセ
うまる「……そうだね。お兄ちゃんのことだもん、きっと大丈夫だよ」
海老名「う、うんっ」
コンコン
うまる「! 帰ってきた!」
ガチャ
うまる「お兄ちゃん! おかえりなさい……!」
タイヘイ「ただいま。うまる、ちょっと肩を貸してくれ」
うまる「え?」
タイヘイ「つ、疲れた……」
シルフィン「……」スースー
うまる「……し、シルフィンさん!?」
タイヘイ「う、うまるの知り合いか?」
うまる「う、うん。学校の友達だよ。って、どうしてシルフィンさんがお兄ちゃんと!」
タイヘイ「話は後だ。早く寝かせないと」
うまる「! もしかして怪我を……!」
タイヘイ「大丈夫、気を失ってるだけだよ」
うまる「よ、よかったぁ……」ホッ
タイヘイ「(……無事、家に帰ってこれてよかった。彼女が倒れた時は驚いた。たぶん、安心して気が抜けてしまったのだろう)」
タイヘイ「(彼女とバックを運ぶのは流石に疲れた。あの時、あいつらに遭遇してたら……)」
タイヘイ「(彼女を寝かせた後、うまる達に詳しく説明した。200mほど離れた場所に洗剤をまいたこと。コンビニでうまるの友達を見つけたこと)」
タイヘイ「(その後、電話が使えるか確かめてみたが、繋がることはなかった)」
タイヘイ「(海老名ちゃんは家族と連絡がとれなくて不安な顔をしていた。切絵ちゃんは携帯をじっと見つめ、何かを考えてるみたいだった)」
タイヘイ「(あれこれしている間に夜になり、食事を済ませた。その後は今後の事について話し合いをしたかったが、みんな疲労しきっていたため、話し合いは明日に)」
タイヘイ「(無理もない、今日1日で非現実な出来事に巻込まれたのだから。俺も体が重い)」
タイヘイ「ふわあぁぁ……眠い」チラッ
タイヘイ「(23時59分……やっと、今日が終わる……寝たい。けど、俺たちが寝てる間に何が起きるかわからない。せめて、俺だけは起きてないと……)」
タイヘイ「……」ボーッ
タイヘイ「……」
タイヘイ「……」Zzz
タイヘイ「……」ムクッ
タイヘイ「……」ボーッ
AM 5:26
タイヘイ「…………」
タイヘイ「(し、しまった! 俺、寝て……!)」キョロキョロ
切絵「……おはようございます」
タイヘイ「! 切絵ちゃん、もう起きてたのか……」
切絵「はい」
タイヘイ「(目のクマが……も、もしかして)」
タイヘイ「切絵ちゃん、ごめん……! 俺の代わりに……!」
切絵「い、いえ。眠れなかっただけなので……」
タイヘイ「……ありがとう。切絵ちゃん、後は俺が代わりにやるよ」
切絵「す、すみません。お言葉に甘えさせていただきます」ゴロン
タイヘイ「(……眠れなかったんじゃない、俺たちのためにずっと起きてて……今は、しっかり睡眠をとって)」
うまる「ぐへへ……」スピー
タイヘイ「……ったく、少しくらい危機感もてよな」ナデナデ
タイヘイ「(昨日、うまるは海老名ちゃんと切絵ちゃんに、本来の自分について話したらしい)」
タイヘイ「(あと、切絵ちゃんにはこまるとうまるは同一人物であることを)」
タイヘイ「(最初は戸惑ってたみたいだけど、2人は『うまるちゃん(さん)は、うまるちゃん(さん)だから』と本当のうまるを受け入れてくれた)」
タイヘイ「(……いい友達をもったな、うまるは)」
タイヘイ「(ぼんば、叶、アレックスくん……)」
シルフィン「……ん、ここは」
タイヘイ「あ、おはよう。よく眠れた?」
シルフィン「! あ、あなたはっ……!」
タイヘイ「どこか痛かったり、調子悪かったりしない?」
シルフィン「は、はい……あの」
タイヘイ「ん?」
シルフィン「……昨日は、助けて頂きありがとうございました」ペコッ
タイヘイ「あ、うん」
タイヘイ「(……そうか。この子にとって俺は一応、命の恩人ってことになるのか)」
タイヘイ「(でも次、この子のように助けを求めてきた人がいたら、俺はどうするんだろうか。同じように助けるのか? それとも……見捨てるのか?)」
タイヘイ「(生存者が一箇所に固まると、危険になりやすい。あいつらも集まりやすくなるし、食料も限られている)」
タイヘイ「(そもそも、どうして俺はこの子を助けたんだ? うまるの友達だからか? いや、うまるの友達と知ったのは助けた後だし)」
うまる「……あれ、お兄ちゃん?」ムクッ
タイヘイ「! うまる……」
タイヘイ「(……考えるのはやめよう)」
シルフィン「う、うまるさん!?」
うまる「あ、シルフィンさん。おはよう」
シルフィン「おはようございます……じゃなく! どうしてうまるさんがここに……!?」
うまる「……」チラッ
タイヘイ「……」コクッ
うまる「―――それは、ここが私の家だからだよ」
うまる「……それで、ここに立て篭ってるの」
シルフィン「……そう、だったんですの……と、いうことはそちらの殿方は」
うまる「うん。私のお兄ちゃんだよ」
シルフィン「お兄ちゃん……お兄さま!?」ガタッ
うまる「し、シルフィンさん!?」
シルフィン「お兄さま……わたくしのお兄さまは!!」
タイヘイ「し、シルフィンちゃん? 大きい声を出しちゃ……!」
ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙…
タイヘイうまるシルフィン「!?」ビクッ
カン、カン、カン…
タイヘイ「(!? おい、嘘だろ……階段を登ってきてる……!? どうしてこんなところにいるんだ!?)」タラリ
タイヘイ「(気づかれたか!? くそっ、俺の不注意だ!)」
タイヘイ「……!」シーッ
うまるシルフィン「……!」コクコク
ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙…
タイヘイ「……」
ドン、ドンッ
タイヘイ「!」
タイヘイ「(な、何をしてるんだ!?)」ドクンドクン
カン、カン…
タイヘイ「(……い、行ったか?)」
バンバンバンッ!!
タイヘイ「!?」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!」バンバンバンッ!!
タイヘイ「(ま、まずい! 気づかれて……!)」
うまる「お、お兄ちゃんどうするの!? 早く逃げないと!?」
タイヘイ「(こ、このままだといずれ押し入られる……! 早くここから脱出しないと……!)」
タイヘイ「(ここは2階……俺ならともかく、うまる達が2階から飛び降りるのは危険すぎる!)」
海老名「……え、え!? な、なにかあったんですか!?」
バンバンバンッ!!
海老名「ひっ!」
うまる「き、きりえちゃん! 起きて!」ユサユサユサ
切絵「……う、うまるさん? ああ、朝からうまるさんに起こしてもらえるなんて、これはきっと夢ですね……」
うまる「夢じゃないよきりえちゃん!?」ユサユサユサ
切絵「……はっ! お、おはようございますうまるさん!」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァァァ!!」バンバンバンッ!!
切絵「! ……お兄さん」チラッ
シルフィン「(……わたくしのせいで、こんなことに……!)」
タイヘイ「……みんな、逃げる準備をしてくれ」
うまる「えっ!」
海老名「こ、ここから出るんですかっ! 外は危険ですよ!?」
タイヘイ「……このままだといずれ、ドアは破られる」
海老名「そ、そんな……」
バンバンバンッ!!
タイヘイ「……それに加え、この音だ。近くにいるやつらがどんどん集まってくる。そんなことになったら、完全に逃げ場はなくなる……だったら、数が少ない今のうちに……!」
切絵「……持てる物は出来るだけ持ちました」
タイヘイ「ありがとう、きりえちゃん。……みんな、準備はできた?」
海老名「……」
切絵「で、ですが、どうやってここから……」
うまる「……カーテン1枚じゃ、人を支えることはできないし、ここにある紐じゃ降りられない……どうしたら」
タイヘイ「……一つ、方法を思いついた」
切絵「ほ、本当ですか!?」
タイヘイ「ああ……けど、少し危険になるかもしれない」
うまる「……」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙!!」バンバンバンッ!!
タイヘイ「……時間がない、手短に伝える」
作戦
・まず、タイヘイ以外の4人は窓から隣の部屋(202号室)に侵入し、ドアの前で待機
・その後、タイヘイが自分の部屋(201号室)のドアを解錠。解錠によりゾンビが201号室に侵入、タイヘイは急いで隣の部屋(202号室)に逃げ込む
・この間に4人は202号室から脱出、タイヘイも追って脱出
タイヘイ「この方法で行こうと思う」
切絵「いいと思います。でも、お兄さんが危険に……」
タイヘイ「大丈夫だよ、5秒あれば隣に移れるし。それと、問題点が幾つか」
問題点
・隣の部屋の窓が開いているか
・隣の部屋にゾンビがいる可能性がある
タイヘイ「まあ問題点って言っても2つだけ、俺が確認してくるよ」
うまる「へ、平気……だよね」
タイヘイ「もし、あいつらがいたら……まあ、隣から気配を感じないからたぶんいないと思う」
タイヘイ「それじゃあ、よっと……」ガラッ
タイヘイ「(もう音が鳴り響いて3分は過ぎる……今のところはいない、見える範囲内は)」
タイヘイ「(隣の踏場まで約1m、これくらいなら女の子でも飛べるな)」
タイヘイ「(鍵は……開いてる。よし、1つはクリア。で、中は……)」ガラガラ
タイヘイ「……いない、な」
タイヘイ「(2つ目もクリア、これなら)」
タイヘイ「うまるー、荷物を―――」
ガンガンガン!!
タイヘイ「(……思ったより響いてるな。早くしないと)」
タイヘイ「ゆっくり、ゆっくり」
海老名「は、はいっ」
タイヘイ「距離は1mほどだから、怖がらないで」
海老名「(い、1mってこんなあるの……!?)」
海老名「……えいっ」スタッ
海老名「きゃっ」バタッ
タイヘイ「だ、大丈夫海老名ちゃん?」
海老名「だ、大丈夫です!」
タイヘイ「次はうま……!? くっ、まずい……!」
うまる「お、お兄ちゃん?」
ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙…
タイヘイ「急げ! あいつらが来た!)」
うまる「えっ!? う、嘘でしょ……!?」
タイヘイ「(数は……10を超えてる……!?)」
うまる「飛んだよ、お兄ちゃん!」
タイヘイ「シルフィンちゃん、次は君だ! なるべく急いでくれ!」
シルフィン「は、はい」スタッ
タイヘイ「きりえちゃん」
切絵「……気をつけてください」
タイヘイ「うん、任せて。10秒後始める!」
切絵「わ、わかりました!」
切絵「10、9、8」
うまる「(お兄ちゃん……)」キュッ
海老名「……6、5」
シルフィン「……」
タイヘイ「3、2、1―――」
ガチャ
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙!!」ガシャッ!!
タイヘイ「……!」
タイヘイ「(いけっ、みんな――――!)」
切絵「出て下さい!」
うまる「うん!」ガチャ
カンカンカン
切絵「早くここから離れま……」
ゾロゾロ…
「ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙… 」
「ヴァ゙アァァ…」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…」
切絵「――――」
海老名「……ど、どうして」
うまる「か、囲まれてる!? は、早すぎるよ!」
シルフィン「終わり、ですわ。こんな、こんなことって……。ここで、死ぬんですわ」ヘタッ
「ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙!!」ガシッ
うまる「し、シルフィンさん!」
シルフィン「……さようなら、お兄さま」
『シルフィン!!』
シルフィン「……へ?」
タイヘイ「くっ、そ!」ブンッ
シルフィン「お、お兄さま……?」
タイヘイ「はあはあ……! 素人が木刀使っても、倒せないか……!」
うまる「お兄ちゃん!」
タイヘイ「下がってろ!」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙!!」
タイヘイ「!」ブンッ
「ア゙ア゙ア゙」ドサッ
タイヘイ「(! 隙間が!)」
タイヘイ「今だ、走れ!!」
切絵「こ、ここまでくればなんとか……」ハアハア
海老名「こ、怖かったぁ……」ハアハア
シルフィン「……」ハアハア
うまる「た、助かった……」
うまる「あ、れ……?」
海老名「ど、どうしたのうまるちゃん?」
うまる「お兄ちゃんは……?」
切絵「……え?」
うまる「……お兄ちゃんは、どこ?」
切絵「! まさか――――!」
カン、カン、カン
タイヘイ「無事に、うまる達が逃げれてよかった……」
ガチャ バタン
タイヘイ「……」ドサッ
タイヘイ「まさか、部屋にいたはずのゾンビが降りてきてたとはな……気にしてなかった……」
タイヘイ「……終わり、か……傷口が痛い……」
タイヘイ「……血が……止…まらない」
タイヘイ「……視界が…暗……」
タイヘイ「………―――」
うまる『お兄ちゃん、コンビニで買ってきて』
うまる『もうお兄ちゃんとか知らない!!』
うまる『お兄ちゃん勉強教えてー!!』
うまる『うまるふっか―――つ!!』
うまる『たまにはこんな休日もいいねお兄ちゃん』
うまる『ただいま―――お兄ちゃん!』
タイヘイ「うまる……」ポロポロ
タイヘイ「……」
タイヘイ「ここは……俺の部屋」
タイヘイ「……!!」
タイヘイ「なんで、生きて……」
タイヘイ「……まだ、痛むけど。動けそうだな」スクッ
タイヘイ「……ど、ドアが拉てる」
タイヘイ「結局、ゾンビは入ってこれなかったのか……それとも、別のものを追っていったか……」
タイヘイ「……俺はあの時、噛まれたのに、どうして意識が……」
タイヘイ「……! あれからもう5日も経ってるのか!?」
タイヘイ「あ……!」
シーン…
タイヘイ「……静かだな」
タイヘイ「……噛まれてから4日は過ぎてる。俺だけ感染の進行が遅いのか? いや、そんなバカな」
タイヘイ「……もしかして、俺の体はゾンビにならない……ゾンビウイルスの抗体があるのかもしれない……!」
タイヘイ「いや、そんな上手い話があるはずがない……そもそも、抗体なんて」
タイヘイ「……」
タイヘイ「海老名ちゃん、きりえちゃん、シルフィンちゃん」
タイヘイ「叶、ぼんば、アレックスくん……」
タイヘイ「……うまる」
タイヘイ「俺が、この事態を止めることができるのか?」
タイヘイ「……まずは、うまるたちを探さないと」
タイヘイ「うまるたちきっと生きてる……うまるたちと合流できたら、避難所に行って、俺に抗体があるか調べてもらおう」
タイヘイ「避難所があればいいけど」
ガチャ
タイヘイ「ここには、当分帰ってこれなそうだ」
タイヘイ「行ってきます」
乙
シルフィンが終始疫病神ムーブww
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438965601/
Entry ⇒ 2015.09.12 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)
うまる「今日は一日中2chするぞーーー!!」 タイヘイ「ん?うまるなにしてるんだ?」
たいへい「…え?2ch!?!!?」
うまる「おにいちゃん驚き過ぎだよー 高校生にもなったんだから2chやってるのなんて普通だってー」
たいへい「お、おう…ところでなんていう板を見てるんだ?」(頼むからVIPとなんJ…この2つだけは見てないことを願う…!!!!!!)
うまる(ん?…板?…まとめのタイトルかな?)「えっと…ハム速とVIPPERな俺と暇人\(^o^)/速報とニュー速とはちまとあじゃじゃしたーとキニ速とIT速報ととやらおんと俺的ゲーム速h」
タイヘイ「フホォ゙ーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwww」
うまる「!!?!?ど、どうしたのおにいちゃん!!?」
タイヘイ「い、いやなんでもないなんでもない」(だめだwwww笑いをこらえろw……)
うまる「ふーん…… あはははwwこの人のコメントが面白いwwwwこの人にコメント返ししよっと」
タイヘイ「は!?wwクッソワロタwwwアホダコイツwwwww」(2chのレスにコメント欄で>>4みたいな感じで返信してやがるwwwアホすぎww)
うまる「あー!今お兄ちゃん!!くそワロタって言ったでしょ!?!?言ったよね!!それ意味わかって使ってるの?!」
タイへイ「へ?あっ!い…いやぁわからない…かな?」(やば…つい声に出してたか…)
うまる「え!?お兄ちゃん知らないで使ってたの!?!?そういうの臭いからやめたほうがいいよ?wwww」
タイヘイ「」
タイヘイ「へ、へぇ…」(ッチ…いい気に乗りやがって…あっ…そうだ) ニヤリ
タイヘイ「おいうまる」
うまる「なに?おにいちゃん」
タイヘイ「お前の友達やクラスの子たちも2chはやってるのか?」
うまる「うーん…どうだろ…なんで?」
タイヘイ「いやなんとなく…もし良かったら聞いてきてくれないか?俺の会社でいま学生の2ch閲覧率っていうのを調べてるんだよ」
うまる「うーん…めんどくさいけどまあいいよ…その代わり……こんど一緒にゲーム付き合ってね?」
タイヘイ「おう…分かった」
タイヘイ「じゃあよろしくたのむな 行ってきます」
うまる「わかったよお兄ちゃん いってらっしゃい」
海老名「い、いいいいいいってらっしゃいいい!」///////////////
二人っきり
うまる「あっそうだ ねぇ海老名ちゃん」
海老名「なあに?うまるちゃん」
うまる「海老名ちゃんってにちゃんねるって知ってる?」
海老名「ングッ!? し、知らないよぉ…?」(う、うまるちゃんの口からにちゃんねるって言葉がでるなんて…)
うまる「そうだよねぇ ありがと海老名ちゃん」(まあ流石に海老名ちゃんじゃ知らないのも無理はないか…)
海老名「…と、ところでにちゃんねるってなに?」
うまる「えーと…インターネット上のコミュニケーションサイト…かな?」(…っていうか……これって私が2ch知ってるってことバレちゃってない?けど……なんか無知の人にこういう話するのなんか気持ちい…///)
海老名「へ、へぇ……どういう感じのサイトなの?」
うまる「うーんとねぇ ゲームの情報とか新しいニュースの情報とか誰かと面白いことに付いて話しあったり嫌いなアニメのネガキャンしたr」
海老名「は?」
うまる「へ?」(へ?)
うまる「え?けどもう学校が…」
海老名「いいからこっち…」 グイィィィ
うまる「痛っ…」(え、海老名ちゃん…なんだか怖い…)
うまる(あのままずっと海老名ちゃんに引きづられてアパートまで帰って来ちゃった…うぅ~…手首が痛い…ひりひりする……)
海老名「…ねぇ…うまるちゃん」
うまる「ひゃ、ひゃい!!」
海老名「あなたの言うにちゃんねるを今ここで出してみて……」 ノートPCスッ
うまる「う、うん…」 カチッ カチッ カタカタ google 俺的ゲーム速報 検索
海老名「!?…ww……ハァ…ねぇ…うまるちゃん……」
うまる「…な、なに?……」(え、海老名ちゃんの顔…怖くて直視できない……)
海老名「それがにちゃんねるだって言いたいの?」
うまる「う、うん…そうだよ?…で、でも海老名ちゃんには少し過激だからみないほうg」
海老名「…クッwwwwwwwww」
うまる「え」
海老名「ふふ……ふひひひひひひ…ふひゃひゃひゃひゃwwwwwwあはははははははははははははははははははは!!!!!!」
うまる「う、うわあああああああああああああああああああああああああ!?!!?!?なんだぁぁぁl!?!?!?」ガタガタガタガタ…… ←家うまるに一瞬戻る
うまる「ひぃぃぃぃぃぃ!??!?!?!?く…クソワロタって言うなあああああああああ!!いやああああああ!!海老名ちゃん怖いよぉ!!!!!!」 ガタガタガタガタッ
海老名「はっ!? ご、ごめんなさいいいいいうまるちゃん!!!!」(け、けど怯えてるうまるちゃん可愛いよぉぉ////////////////////)
うまる(や、やばい…泣きそう…それに吐きそう……助けて…お兄ちゃん……)
海老名「で…離し戻すけどそれ2chじゃないよ?」
うまる「な、なに言ってるの海老名ちゃん…さっきまとめブログ?って言ってたけどそれって一体……」
海老名「つまりね?…まとめブログ=本物の2chをまとめてそれらを見てたのがうまるちゃんみたいなまとめ民…つまり養分=うまるちゃん…まとめの管理人に収入が行くようにし他人のネタで金儲けするセコい連中…それがまとめブログ」
うまる「う…うそ……じゃ、じゃあ本物の2chっていうのは?…」
海老名(ふひwきたきたww)「…本物の2ch…それはこれ……」 ノートPC カチッ jane style ニュー速VIP
スレタイ一覧
うまるちゃん神アニメだった レス数 650 勢い 45000
VIPでモンスト レス数 970 勢い 18000
JKだけど質問ある? レス数 145 勢い 13000
コンマ999二人でたらPS4壊す レス数 192 勢い 9100
モンハンクソゲすぎワロタw レス数 32 勢い 4500
安価でなんでも行動する レス数 20 勢い 2330
炭酸水うますぎワロッタwwwレス数 1 勢い 240
以下ゴミスレだらけ
うまる(な、なにこれ……すごくつまんなそう…これならまとめブログのほうが…)
海老名「で?感想は?」
うまる「え…えーと…ま、まとめブログよりすごいね!なんていうか…その……凄いよ!」アセアセ
海老名「……ふーん…なにがどうすごいの?」
うまる「!?え、えーとそ、それは…………その……うぅっ………アウゥ……う…」
海老名「……………」ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うまる「…う…うぅぅっ…うぬわぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!」
海老名(!?!?)
お兄ちゃん助けて!!海老名ちゃんがいじめてくるぅ!!まとめとか2ちゃんとかどうだっていい!このままならもうまとめ民でもいい!だからもうこんなことはやめて!!」
海老名「っち…うるさいなぁ……お仕置きが必要だね……ふひひw……」 グイッ
うまる「へ?」
ドガバギドゴッドガッボコッドガバギッ ←胸ぐら掴んだ後背負投げして馬乗りになって顔面ボコボコに殴った後腹パンしたあと四股切断
うまる「い、痛だいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいアガガガガガガガガガガガガガガいぎいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!だdsだsふぁsんふぃあえにえrんびbにおねおいbん:pんぼぴなんぎぎぎぎ!!!」
海老名「ふふ…私ね?……うまるちゃんを攻めてるうちに気づいちゃったんだ……私…ドSだったみたい…ふふ…ペロ…」
うまる「ひっぃぃ!?私の目舐めないで!」 ガタガタガタ
海老名「はむ…レロ……ふふ…震えちゃって可愛い……」
うまる(こ…この娘…ほんとに海老名ちゃんなの?)
海老名「…あっそうだ! よいしょっと…ちょっと待っててね…」
うまる「えっ…」
海老名「じゃーんwwwwうまるちゃん…これなーんだ…」ニヤリ
うまる「う…そ……それって…」
海老名「そう…超極太ペニパンでーすwなんと擬似射精機能つき!ボタンを押すと精液が出る仕組みになってるの!税込みで19000円だったんだよ?」
うまる「そ、その精液ってだ、だれのなの?ていうかな、なんでそんなもの持ってるの!?」
海老名「質問が多いなぁ…まず精液はお兄さんのだよ……あと持ってる理由?それはねぇ…じつは私もともとうまるちゃんのこと最初っから狙ってたの…」
うまる「んな!?」
海老名「けどキリエちゃんとシルフィンちゃんが邪魔でなかなかうまるちゃんを束縛拉致監禁レイプできなかったの…けどもうこれなら…ふひw」
うまる「い…いやだ!来ないで!!!嫌だ嫌だいやだああああああああああ!!」
海老名「うまるちゃんの処女いただきま~すww」
うまる「ヒィィィっl!?!?海老名ちゃんとお兄ちゃんとエッチきもちいいいいよぉぉぉぉぉお/////////////////////」
海老名「はいうまるちゃーん ぴーすしてね」
うまる「…あはは……」泣き苦笑い
海老名「えーとっまずうpロダにうpしてURLコピって…と」
ニュー速VIP
スレタイ 超絶かわいいJKレイプしたったwww
本文
海老名「…よし…ねぇうまるちゃんこれ見て…皆の反応面白いね…もっといっぱいエッチして写真撮ろうね…ふひw」
うまる「」
1 以下、名無しVIPお送り [] 8/13 ID kirie0
うおおおお!!!!ぽて腹ロングJK激シコなんだがいかんのか?
2 以下、名無しVIPお送り [] 8/13 ID siruhulina
ひ…酷い…腕と足と眼球が……しかもJKなのに孕んでるなんて…
3 以下、名無しVIPお送り [] 8/13 ID taiheid
俺の妹と似ててワロタwww
4 以下、名無しVIPお送り [] 8/13 ID krie0
もっとうpしろ無能カス死ね
終わり
最初のノリを維持してほしかった
以下、うまる達のみんなへのメッセジをどぞ
うまる「みんな、見てくれてありがとう!ちょっとハードな内容過ぎたかな?本編みて気を取り直してね♪」
海老名「ぅぅう…///////SSの私かなり酷いです…見てくれたみんなも怖がらないでくださいね?」
キリエ「ぬおおおお!!!私のうまるさんになにしてくれとんじゃぼけがあああああ ハッ!?す…すいません…」
しゅばふぃん「わたくしの出番が少なすぎないかしら!?」
タイヘイ「俺は仕事中は2chなんてやらないからなー!」
では、
うまる、海老名、キリエ、しゅばふぃん、タイヘイ、俺「皆さんありがとうございました!」
終
うまる、海老名、キリエ、しゅばふぃん、タイヘイ、「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
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: : : : : / イru:::::ハ∨ rJ::::)ハ |: :| ノ------ { わけわかんないよ!お兄ちゃん!
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/ : : : : /::| (//) /^ー――ヘ } |: :| ノ∩:::::::::::::ノ
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掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1439398818/
Entry ⇒ 2015.09.03 | Category ⇒ 干物妹!うまるちゃん | Comments (0)