緑輝「久美子ちゃん、Shadowverseって知ってますか?」
緑輝「ゲームアプリです!今部内でも流行ってるんですよ!」
久美子「ゲームかぁ、あんまりやらないなぁ」
緑輝「私も普段はやらないんですけど、葉月ちゃんに教えてもらったらハマっちゃって//」
久美子「葉月ちゃんもやってるんだ」
緑輝「はい!ですから久美子ちゃんもどうかなって?」
久美子「麗奈」
麗奈「何?」
久美子「シャドウバース、って知ってる?」
麗奈「知ってるも何も毎日やってるわよ」
久美子「え、麗奈もやってるの!?」
麗奈「うん、滝先生がハマってるらしくて」
久美子「あの滝先生が……」
久美子(かわいい……)
久美子(でもそんなに面白いのか……)
麗奈「久美子もやってみるといいよ、色々教えてあげるから」
麗奈「それに、久美子が始めてくれたら私達の共通点も増えるし///」
久美子「麗奈///」
久美子「えー、今日水曜日のダウンタウンやらないじゃん」
久美子母「野球のCSだからでしょ。お母さん日ハムに買ってほしいわ」
久美子「それ日本ハムの商品安くなるからでしょ……」
久美子母「いいじゃない、久美子だってソーセージ好きでしょ?」
久美子「まーそーだけど。私部屋戻るね」
久美子母「明日も朝練でしょ?早く寝なさいよ」
久美子「麗奈にイタ電するか……」
久美子「あ、そうだ緑ちゃんが言ってたゲームが」ポチポチ
シャドバ「国民的カードゲーム」
久美子「絶対そんなに流行ってないでしょ……」
久美子「まあでも麗奈もやってるし」ポチポチインストール
シャドバ「結構待ってね^^」
久美子(やっぱやめようかな)
久美子「最初にリーダーを選ぶ、と」
久美子「よくわかんないしエルフってのにしようか、……!」
アリサ「」ペターン
久美子(いやいや私、ゲームの中でも胸の小さいキャラを使うのか?)
久美子(ゲームの中くらい胸が大きくたっていいじゃないか!)
久美子「やっぱりこのウィッチにしようか、……!」
イザベル「」バインバイーーン
久美子「」
久美子「私はロイヤルだな」ポチッ
久美子「色々デッキいじってみたけどどれが強いかよく分からないんだよなぁ」
久美子「おまかせデッキが一番いいのかなぁ」
久美子「うーんまぁいいか、明日麗奈におまかせしちゃお」
久美子「どうでもいいけどストーリーはあってないようなものって考えでいいのかな」
久美子「そういえば今って何時……」
時計「1:45」
久美子「」
麗奈「おはよう」
久美子「……はよぅ」
麗奈「どうしたの?」
久美子「昨日シャドウバースやってて気づいたら2時前になってて」
麗奈「やりすぎよ、そんなに面白かった?」
久美子「うーん、そういうんじゃないんだけど8章の敵が倒せないのが悔しくて」
久美子「あ、『私は悔しい、めちゃくちゃ悔し』くて」
麗奈「ねえ今馬鹿にした?」
久美子「まだどのカードが強いかも分からないからさー、ねぇ麗奈デッキ組んでよ?」
麗奈「今の流れでどうして組んでもらえると思ったの?」
久美子「ロイヤル」
麗奈「ああ、ロイヤルはいいリーダーよね」
久美子「そうなの?私適当に選んだんだけど」
麗奈「特に『剣豪』のカードはとてもいいと思う」
久美子「ふーん、でもあれ銀だよね?」
麗奈「久美子、カードはレアリティが良ければいいって物じゃないのよ」
麗奈「銅のカードだって無くちゃデッキを組むことすら出来ないわ」
麗奈「金が一番いいのなんてコンクールだけなんだから」ドヤァ
久美子(…………、そもそもあのゲーム金の上があるし)
久美子「あ、そういえば麗奈はリーダー何使ってるの?」
麗奈「私はウィッチよ」
久美子(……チッ)
久美子「」zzz
緑輝「久美子ちゃん起きてください、もうお昼休みの時間ですよ」ツンツン
久美子「…………ん、おはよう……」
葉月「どうしたの久美子、1限からずっと寝てたけど」
緑輝「美智恵先生の授業が無くて良かったですね」
久美子「ん~昨日シャドウバースで夜更かししちゃってさ」
葉月「え!?久美子も始めたの!?やった、みんな仲間じゃん!」
久美子「でもまだ始めたばっかだからよくわからなくて」
緑輝「リーダーは何を選んだんです?」
久美子「ロイヤルだよ」
緑輝「まあ!ロイヤルは入門にはとってもいいんですよ!」
緑輝「久美子ちゃんはまずはアグロロイヤルを組むといいと思います」
緑輝「大抵はコストの低いカードから出して相手に直接攻撃すればいいだけなので葉月ちゃんでも簡単に勝てます!」
葉月「ん?」
緑輝「それに久美子ちゃんはまだ始めたばかりでカードもあまり揃ってないと思います」
緑輝「でもこのアグロロイヤルなら銀と銅のカードだけで組むことが出来るんです!これは素晴らしいことなんです!」
久美子「ふむふむ」
緑輝「ちょっとスマホ貸してください」ポチポチ
緑輝「例えばこんな感じですね」つhttp://i.imgur.com/Gdb1rfW.jpg
久美子「でもほんとにこの弱そうなカードだけで勝てるの?」
緑輝「もちろんです!さっきも言ったようにこれは速攻型ですから小型カードこそ鍵なんです。使ってみたら分かりますよ」
久美子「わかった。しばらくやってみる」
緑輝「久美子ちゃんが慣れてきたら対戦もしましょうね」
葉月「あたしもするー!」
緑輝「とりあえずランクマッチをやってみるといいと思いますよ。ミッションクリア報酬でパックが引けますから」
久美子「よーしこれで今日中にD3にはなるぞ!」
久美子(それですぐ麗奈に追いついてやる……)クククッ
久美子「」ココデシンデココデシンデココデシンデイタダキマス
久美子「」ソンナソンナソンナ
久美子「」ドウシマドウシマドウシマショウ
久美子「よっし、これでA0になったぞー!」
久美子「C帯まではアグロだったけどそこから御旗ロイヤルに変えたらほぼストレート昇格だったなー。もしかして私って才能あるのか?」
久美子「麗奈もAだって言ってたしこれで一緒だ。A3だけど。いやでも成長率で言ったら私のが上かも?」
久美子「とにかく明日自慢してやろう」クククッ
久美子「おはよう麗奈」ニコニコ
麗奈「おはよう……、どうしたのそんなにニヤニヤして」
久美子「ふふーん、いいからこれ見て。ジャーン!」つスマホ
麗奈「……久美子もうA0になったの?」
久美子「そうだよ!もう連勝に次ぐ連勝であっという間のAランカーですよ。才能を感じずにはいられないね」
久美子「それに、早く麗奈と一緒になりたくて頑張ったんだ///」
麗奈「あ、私昨日AA0になったから」
久美子「」
麗奈「ちなみにA0からAA0までに必要なBPは13000だから」
麗奈「それからAから連勝ボーナスもないからね」
久美子「」
麗奈「?」
久美子「麗奈は私と一緒のランクにいたくないの?」
麗奈「そういうわけじゃない」
麗奈「私は……マスターになる」
久美子「!?」
麗奈「私はマスターになって特別になる」
久美子「マスターなんて……麗奈まだAA0なんだよ?ここからどれだけかかるか……」
久美子「いくら超越ウィッチでも……」
麗奈「違う」
麗奈「私は、土ウィッチでマスターになる」
久美子「!?!?」
久美子「そんな……無理だよ……土ウィッチなんて新弾でもレミラミくらいしか強化されなかったネタデッキ……」
久美子「あとはパメラなんてネタカードくらいしかないのに……」
麗奈「それでも土ウィッチを使う。それくらいじゃないと特別にはなれない」
久美子「特別……」
麗奈「それに私にはあのカードがついてる」
久美子「あのカード……?」
麗奈「このルシフェルと土ウィッチで私はマスターになる」
麗奈「そのためにトランペットの教室も辞めた」
麗奈「私はシャドウバースの世界で特別になる!」
久美子「麗奈……」
麗奈「久美子、私を応援してくれる……?」
久美子「わかった。私は麗奈を応援する」
~~~放課後部室~~~
滝「トランペットのソロパートはやはり中世古さんでいきましょう」
香織「はい!」
くみれい「」
おわり
掲載元:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1478111319/
Entry ⇒ 2016.12.20 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
黄前久美子「臭い……。臭くて死にそう!!」
滝「府大会の課題曲が決まりました――課題曲は『暴れん坊将軍 殺陣のテーマ(大会アレンジVer)』です」
一同「――ッ!?」ザワッ
小笠原「そんな……!! 殺陣のテーマを『おなら』で演奏しろとッ!?」
滝「あなたたちは全国に行くと決めた。やれると思います。私は本気です」
田中「JOIN ASSッ!!」ブッ!
滝「はい。そこで……今日から皆さんにちょっと殺し合いをして貰います」
久美子「――くっさ」
※何もかも大崩壊につき注意
中川「そもそも、おならで演奏できるリズムじゃないでしょ」
葉月「殺し合い(特訓)って、一体何が始まるんだろう……」
サファイア「第三次大――」
田中「JOIN ASSッ!!」プゥ~
長瀬「そうですね。低音圧パートも頑張りましょう……!」
後藤「オデ、イモ、クイタイ」
滝「お待たせしました――それでは、低音圧パートの皆さんには、このメニューをしていただきます」
一同「――ッ!!」
久美子(体操服に着替えて、一体何をするつもりなんだろう)
――
滝「吹屁楽(すいへーがく)、とりわけ低音圧パートに重要なのは何だと思いますか?」
田中「JOIN ASS」ブボボ
滝「そうですね、さすが田中さんです――おならにも音圧があります」
滝「ユー屁ニアム、チュー屁など、低音圧のおならに必要なのは『音圧』、それから『持続性と音響』、そして『ビブラー屁やスタッカー屁』です」
滝「なので、皆さんの特訓メニューその一は……。これから、この風船をおならで膨らませて下さい」
一同「……ッ!?」
滝「そして、風船が割れるまでこのメニューを続けていただきます」
滝「では、さっそく始めましょうか」ブリュッ!
クソデカリボン「香織先輩ッ♪ そういえば殺陣のテーマの最初にソロパートあるみたいですね! 楽しみですっ」
中世古「まだ私がやると決まったわけじゃないわ」チラッ
麗奈「……」ブリッ
滝「お待たせしました――トラン屁ット、高音圧パートの皆さんのメニューを発表します」
滝「しかしその前に、体操服に着替えて下さい」
――
滝「始める前に、高音圧には何が大切だと思いますか?」
中世古「クリアな高音、それから持続性、音響……などでしょうか?」
滝「その通り(児玉清)。高い音のおならをどれだけ長く響かせられるか――それが重要です」
滝「しかし、クリアな高音のおならを出すには強さも必要です」
麗奈「強さ……?」
滝「はい。ですから……皆さんにはその『強さ』を身につけて欲しいのですが」
滝「音の強さというのは、なにも力を入れれば出るものじゃありません」
滝「体は楽器。体が硬くなると高音はかえって出しづらくなるのです」
滝「そこで――みなさんにはすかしっ屁でこのティッシュを30秒間空中に浮かせていただきます」
一同「――ッ!?」
滝「それでは、さっそく始めましょうか」ブッチブリリリ!!
麗奈「――ッ!?」
デカリボン「え?」
中世古「そ、そんな……//」
滝「私は本気です」ブッ
中世古「こう、ですか……//」
滝「さすが中世古さんです。しかし――あれれ~? おかしいぞぉ? どうしてまんぐり返しを知ってるんだろうねぇ~?(コ○ン)」
中世古「えっと……//」
デカリ(殺す……!)
滝「それでは、皆さんも彼女のような体勢になって下さい」
麗奈「はい。こうですか?」
滝「はい、素晴らしいまんぐり返しです。見事なくぱぁですね(ジャージで見えないのが残念です)」
滝「それでは、いいですか――このように、皆さんのおしりにティッシュを乗せていきますから」
滝「スタートの合図と同時にすかしっ屁で30秒間空中に浮かせてください。落としてはダメですよ」
滝「それでも落としてしまった者には……。私がラーメン○月でくすねてきた、この激辛壺ニラ茶碗一杯をかきこんでいただきます」
滝「ニラは口臭だけでなく、おならの臭いも素晴らしくしてくれますからね」
滝「それでは、準備はいいですね――」
葉月「破ァッ!!」ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!! パァン!!
葉月「やった……!! やっと割れたよ……!!」
久美子「さすが元テニス部。ケツの締まりがいいから音圧もいいね」
サファイア「ルビーッッッッ!!!!」パァン!!
中川「割れたから休んでくるわ……」グッタリ
久美子「あすか先輩は――」
長瀬「あすか先輩はさすがですね」
田中「JOIN ASS」
長瀬「こんなのできて当たり前(意訳)――ですか? いやぁ、チュー屁吹きとして耳が痛いです」
久美子(あれで何言ってるのか分かるんだ……)
後藤「オデ、イモクイタイ……。イモ、クレ……」
滝「おっと――どうやら皆さんできたようですね」
滝「では、さっそくですが……。次のメニューへ行きましょう」
田中「J.A.」
滝「はい。次は――弓道場へ行きましょうか」
一同「――ッ!?」
――
滝「弓道場をお借りして……。あの的の真ん中に水風船を吊るしておきました」
久美子「水風船……?」
滝「はい」
長瀬「でも、なんか違和感が……」
滝「そうです。あれは水を入れたコンドームです」
中川「――ッ!?」
サファイア「コン……コマンド―!!」デエエエエエン!!
滝「ですが――あれれ~? おかしいぞぉ? どうしてコンドームって分かったんだろうねぇ?」
長瀬「そ、それは……//」
後藤「リコ、メッチャ、メイキ……!!」
田中「KISS MY ASS」
滝「さて、あのコンドー……あの水風船をおならで割っていただきます」
一同「――ッ!!」
滝「ベースとなる音の圧は身に付きました。しかし、それだけではまだ足りません」
滝「本当の音圧というのは、拡声器のように拡散するものではなく、一本糞がどこまでも続いていくイメージです」
滝「つまり――小腸、大腸から発生したおならがアヌスから出てくる際、その音が拡散してしまってはいけないのです」
滝「身につけた圧力が拡散されては台無しです」
滝「そこで、皆さんにはおならの凝縮力を身につけて頂きます」
滝「おならを凝縮させて、弾丸のように飛ばし、あの水風船を割るのです……!!」
滝「それでは、さっそく始めて下さい」
滝「おならが切れた人は、ここにある安納芋で補給して頂いて結構です。農家の皆さんに感謝して頂いて下さい。ちなみに、鹿児島県産のブランド品です」
デカリ「うぅ……。汗がヤバいし舌がヒリヒリするぅ……」
麗奈「クッサ(先輩、大丈夫ですか?)」
デリ「はぁ!?」
中世古「殺生石(栃木県那須郡にある)みたいな硫黄の臭いで死にそうだわ(優子ちゃん大丈夫?)」
デリー「City of India」
麗奈(遂に壊れた……)
滝「皆さん、休憩はすみまし――クッサ!! おお、これはいい臭いですねえ」
ニューデリー「ナマステ」
滝「それでは、休憩が済んだところで……。次のメニューに行きましょう」
一同「……」
滝「私についてきて下さい――」
――
麗奈「こ、ここは……?」
滝「唐突ですが――皆さん、動物と触れ合う機会はありますか?」
吉川「猫とか、犬とかなら……」
滝「なるほど。まさに社会の犬に相応しいですね」
吉川「……ッ」
麗奈「――ッ」プ
吉川「屁で笑うな」
中世古「それで、何故私たちは公園に……?」
滝「この公園には様々な野生動物がいます。鳩、野良猫、カラス、雀、その他野鳥……そしてリストラサラリーマンなど」
滝「野生動物は人間が忘れてしまった野生の本能を持っています」
麗奈「野生の、ENERGY……?」ウルトラソウッ!
吉川「まずいでしょ……!!(ジャ○ラック的に)」
滝「野生のエナジーではなく、野生の本能です」
中世古「私はやっぱり、海猿のエンディング曲、『OCEAN』が好きですね」
吉川「まずいですよっ!!」
滝「ちなみに私は『永遠の翼』です。戦争映画の主題歌にもなりました」
吉川「まずいでry」
滝「さて、話を戻しましょう――皆さん、目の前に何が見えますか?」
麗奈「仕事をサボったサラリーマン、NEET(霊長類ヒト科)、✟いずれお迎えされる者たち✟(老人)……」
吉川(デカリボン)「鳩、野良猫、カラス、雀……」
中世古「ニシローランドゴリラ、タスマニアデビル、オポッサム……」
滝「そしてスカンクなど――単刀直入に言います。皆さんのおならでこの公園の野生動物を駆逐してください」
一同「――ッ!?」
滝「無理というのは、嘘吐きの言葉なんです(ワ○ミ)」
滝「何も『動物を殺せ』ということではありません」
滝「野生の本能、その一つに……高い危険察知能力、というものがあります」
滝「半ば飼い慣らされた豚もいますが……。まだその本能を完全に失ってはいないでしょう」
滝「危険察知、それはどういった器官で感知していると思いますか?」
麗奈「やっぽり、耳でしょうか?」
滝「ええ。他には?」
中世古「匂い?」
滝「それもありますね」
吉川「後は目、かな?」
滝「はい。おおむねそれらのものが該当するでしょう」
滝「では、もし皆さんのおならで野生動物が逃げた――となれば、そこにはどんな意味があるでしょう」
一同「――!!」
滝「はい、もうお気づきですね。高音圧パートに必要な要素が身に付いた、ということです」
滝「高音圧に必要なクリアな高音、どこまでも響き渡る音……。この広い公園にいる動物たちをそれで撃退してください」
滝「撃退……。ここから逃がして下さい」
滝「植物さえも枯れ始めたらプロレベルですが……なにもそこまでは要求しません」
滝「動物を逃がすだけでいいのです。簡単でしょう?」
滝「おならが切れた人には、ここに福地ホワイトを揚げたニンニクフライがあります。スムーズに食べられるようにビール缶も用意しました。農家の皆さんに感謝して頂いて下さい。ちなみに産地は青森県南部町福地地区、正真正銘の高級ブランドニンニクです」
滝「では、この公園に動物がいなくなったら教えて下さい――私は瞬間移動で学校へ戻り他のパートを見てきます」シュンッ!!
厳しい日々を乗り越え、たくましくなった部員たち。
その顔には、数々の死線を潜り抜けた古参兵のような貫禄があった。
コンドームは割れ、教室には臭気が充満し、学校にはクレームが押し寄せ――狐狸が棲む。盗人が棲む。とうとうしまいには、引取り手のない死人を、この学校へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そして公園の野生動物は一匹残らず宇治川へ流れたという(改編版・宇治市今昔物語より抜粋)。
――
滝「皆さん、よくここまでついてきてくれました」
滝「演奏のレベルも順調に上がってきています」
滝「特訓は以上です」
一同「……」ホッ
滝「では、突然ですが……。府大会へ向けてもう一つの試練を与えます」
一同「――ッ!?」
滝「You know,皆さん全員が大会で演奏できるわけじゃありません――もちろん私としては全員に演奏していただきたいですが」
滝「競争社会ひいては資本主義社会の厳しいところです。これ、テストに出ます」
滝「悲しいけどこれ、戦争なのよね」
滝「そこで、お察しの通り……演奏メンバーを決めるオーディションを行います」
一同「――ッ!!」
滝「それと並行して、皆さんにはこれもお配りします……」
小笠原「これは、何でしょうか……?」
滝「暴れん坊将軍のDVDです」
滝「本番まで、隙あらばDVD鑑賞をして下さい」
滝「そして、オーディションの翌日までに『悪代官が徳田新之助、上様に反抗する際のパターン』を分かる範囲でまとめて、自分なりの感想を書いたレポートとして提出してください。文字数は問いません。小学生並みの感想でも結構です」
滝「作品とその背景を知ることで、演奏の表現力にも繋がりますから」
滝「特訓の直後で厳しい課題を与えるようですが……。しかし、これについてこれれば皆さんはきっと全国への切符を手に入れることができるでしょう」
滝「ちなみに――悪代官のところに上様が登場するシーンでトランペットのソロが流れます」
滝「ご存知の通り、課題曲の出だしはそのソロパートから始まります」
滝「よってオーディションでは、トラン屁ットの方々にソロパートも含めて演奏して頂きます」
滝「ソロパートは当日の出来栄えによって選出します」
麗奈「……!!」
中世古「……」
滝「オーディションの評価基準については――これは大会規定に準ずる内容にします」
滝「つまり表現力、ミスの有無、音質、音のまとまり、臭い……それらをまとめた総合点」
滝「審査員は私と、それから松本先生です」
松本「お前らは蛆虫以下だ。ママのマ○コについた精○カスから生まれたのがお前らだ。せいぜい蛆虫になれるように頑張れよ」
滝「というわけで――オーディションを楽しみにしています。DVD鑑賞も忘れずに」
滝「それでは終わりっ! 閉廷! 以上! みんな解散!」
葉月「もぅ……。オーディションとか絶対無理だよー」
久美子「いや、葉月ちゃんは(おならが)臭いし、運動部で鍛えたケツの音圧もあるから……。分からないよ?」
葉月「でもさー、あの先輩方にはかなわんよ」
サファイア「あ、そうだ(唐突)。おい葉月ちゃん、今夜のお祭りどうするんですかぁ?」
久美子「お前さ葉月ちゃんさ、秀一とデ、デートするとか言ってたよね?」
サファイア「そうだよ(便乗)」
葉月「い、いや……。そんなこと……」
サファイア「頑張って下さいよ!!」
葉月「う、うん……!!」
久美子「……」
――
久美子「あー、何でこんなこと、しなくちゃいけないんだよ……」
麗奈「久美子、遅い」
久美子「ごめんね、待った?」
麗奈「あんたは私の彼女か」
久美子「そうだよ」
麗奈「――え?」
久美子「え?」
麗奈「私のMy sweet lover(Native)が誰か、知ってるよね?」
久美子「滝先生でしょ?」
麗奈「そうだよ」
久美子「でも、私麗奈のこと愛してるし」
麗奈「あら^~――じゃなくて、さっさと行くよ」
久美子「へぇー」
麗奈「何もかも捨てて、18きっぷでも買ってどっかにぶらりと行けたらいいな……って」
久美子「おやおや麗奈さん、今日はどちらへお出かけですかぁ~?」
麗奈「途中下車の旅じゃないよ」
久美子「どっかにぶらりと行けたらいいなぁ――空も自由に飛べたらいいな」
麗奈「はい、タケコプター」
久美子「あんあんあん」
麗奈「とっても大好き」
久美子「○~らえ~もん~」
麗奈「……」
久美子「……」
麗奈「空、空も飛べるはずだよ」
久美子「きみとで~あ~あったき~せ~きが~ こ~の~むねにあふれてる~」
麗奈「きっとい~まは~」
久美子「じゆ~うに~」
麗奈「空も――」
久美子「くどい」
麗奈「(´・ω・`)」
久美子「――ははっ」
麗奈「久美子って、性格悪いでしょ」
久美子「イグザクトリー」プゥ~
麗奈「くさっ――着いたよ」
久美子「ココア……? ここは?」
麗奈「私の、秘密の場所」
久美子「厨二かな」
麗奈「ここなら街全体の景色も、それに花火も全部見えるから」
久美子「麗奈……」
麗奈「久美子……」
久美子「エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
麗奈「うるさい」
久美子「(´・ω・`)」
久美子「いつの間に呼び捨てにしてさ、いけると思ったのに――アニメのタイミングより早く(メタ)」
麗奈「綺麗でしょ? 景色」
久美子「うん」
麗奈「……」
久美子「何してるの?」
麗奈「……」
ぷぅ~ぷぷ~ ぷぷ~ぷぷ~ ぷ~ぷ~ぷ~ぷぷ~♪
久美子「――くさっ。急に放屁しないでよ」
久美子「これ……。殺陣前のソロパート……?」
※参考 https://www.youtube.com/watch?v=mu33mK3CfEc
久美子(臭いし、綺麗なおなら)
久美子「……」
麗奈「……」
久美子「これがしたかったの?」
麗奈「うん……。私さ、他人と違うことがしたかったの」
久美子「違うこと?」
麗奈「うん、久美子なら分かってくれると思って」
久美子「……」
麗奈「私、興味ない臭いの人と仲良くなりたいなんて思わない。誰かと同じ臭いで満足するなんて馬鹿げてる。当たり前に出来上がっている『屁はこんな臭い』って概念をぶち壊したいの」
麗奈「全部は難しいけど――分かるでしょ? そういう、意味不明な気持ち」
久美子(なにいってだこいつ)
久美子「……」プスゥ~
麗奈「動揺してない? その放屁」
久美子「分かるかも、麗奈のき――」
麗奈「……」ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!
久美子「クッサッ!!!!!!!!!!!??????????」
麗奈「ごめん。特訓の一環で食物繊維毎日5kgは食べてるから」
久美子「象か何か?」ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!
麗奈「クッッサッッ!!!!!!!!!!??????????」
久美子「ごめん。私も特訓の一環でガーリックステーキ1kg五人前合計5kgを昨日食べたから」
麗奈「虎か何か?」
久美子「……」
麗奈「……」
久美子「オーディション、私も頑張る。だから頑張って」ブボッ ブリュリュ!
麗奈「私も頑張るから――頑張って」ブッチチチブリブリブリュリュ!
――こうして、次の屁が出るのです。
秀一の口臭があまりにも臭かったためである。みんな、オーラルケアはしっかりね!
そして、時は加速する――月日は流れ、オーディションはあっという間に終わった。
府大会、その演奏メンバーが遂に発表される。
久美子は無事に演奏メンバーに選ばれたが、彼女の先輩である中川夏紀(とってもかわいい)は落選してしまった。
――
久美子(こ ん な と こ――マ○ドナルドに呼び出して何をするつもりなんだろう。テキサスバーガーうまいよね)ステマ
久美子(もしかして……告白ッ!?)
久美子(確かに先輩ってかわいいし、私のこと気にかけてくれてるし、脚が綺麗だしポニテかわいいし。あら^~)
久美子(もしや――)
中川「黄前ちゃん、どうしたの?」
久美子「ひゃいっ!?」
中川「ごめんね、こんなとこに呼び出して」
久美子「モスが良かったです」
中川「(´・ω・`)」
久美子(あ^~先輩かわいいよ先輩。あ^~すっごい、あああああっすうううううううう……!! エロ同人出て欲しいけどな~俺もな~)
中川「あーあ。オーディション落ちちゃった……」
久美子「――ッ!!」ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!! ブシュ、ブリュリュ、ビチョビチョプシャアアアアアアアアアアアアアア
中川「ははっ、やっぱ気にしてたんじゃん」
久美子「そ、そんなこと……。先輩は私より臭いですしうまいし綺麗だし脚が綺麗だしポニテかわいいし気だるげな視線とかちょっと素直じゃないとことか全て全てがかわいいですし!!」
中川「え……//」
中川「私は駄目だったよ――滝先生に全て見られてた(盗撮)」
中川「音圧、音質、表現力、それらはいいものを持っているって。でも……臭さが圧倒的に足りないって。臭いじゃなくて匂いだって。いい匂い過ぎてリアル感が全然ないんだってさ」
久美子「屁までいい匂いとか、結婚してくれ」
中川「え……//」
中川「つまり、黄前ちゃんはちゃんと実力で選ばれたってことだよ――ありがとね、黄前ちゃんのおかげで臭くなれた気がするよ。だからそのことは気にしないで」
久美子「先輩……」
中川「黄前ちゃん、楽譜ある?」
久美子「あ、はい――これですか?」
中川「貸して――」プゥ~、フワァ~
久美子「凄い、マリンブルーの香り……。楽譜に染みてる……」
中川「久美子ちゃん、頑張ってね――なんて」
久美子「先輩……。先輩はいい人……じゃなくて、とてもかわいいです……」
中川「お世辞を言っても何も出ないよ? おならは出るけど」フワァ~
久美子「せんぱい……」ジュンジュワ~
中川「ははっ、泣くなって!」
一方その頃――影で悪事を働く者がいたっ!!
吉川(ニューデリー)「はい。滝先生と高坂さんのお父さんは顔なじみ♂って聞きました。オーディションも贔屓したのかもしれません」
そう。トラン屁ットのソロパートは彼女が愛する中世古香織ではなく、麗奈に選ばれたのだっ!!
校長「それで、私から滝先生へ抗議して欲しい……そういうわけですね?」
吉川「はい……」
校長「確かに、私の命令には彼も逆らえないでしょう――分かりました。ヤッてみましょう」
吉川「本当ですか……!?」
校長「しかし――それには条件があります」
吉川「条件……?」
校長「分かっていますね? 誠意ってやつです」
校長「――服を脱ぎなさい」
吉川「え……」
校長「当たり前でしょう。それ相応の見返りってものがあります。社会とはそういうものです」
校長「さあ、早く服を脱ぎなさい」
吉川「……」
吉川「はい……」シュルッ
吉川(香織先輩の為なら、エンヤコラ――)ヨイトマケ
吉川(さようなら、私のヴァージン)
校長「……」ゴクリ
???「そ こ ま で で す」スッ
校長「誰だッ!?」
吉川「――ッ!?」
滝「私の顔を、見忘れましたか?」
校長「その顔は――」
校長の脳裏に、職員室でパンツを被り全裸オ○ニーに興じる滝昇の姿が投影されるッ!!(おかずは老女もの)
校長「まさか――上様ッ!?(驚愕の真実)」
滝「成 敗 ッ ! ! ♂ 」
校長「アーッ♂」
これにて、一件落着!!
――
滝「では、私に考えがあります」
翌日、音楽室にて。
滝「後日、本番を想定した全体練習を音楽ホールで行います」
滝「そこで、トラン屁ットのソロパート……その再オーディションもやりましょう」
一同「――ッ!?」ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!????
麗奈「久美子は、もし私が負けたら……嫌?」
久美子「……」
久美子「嫌――嫌だよ!!」
久美子「麗奈は特別(な臭い)になるんでしょ!? 麗奈は他の人とは違う! 人に流されちゃ駄目だよ! そんなの馬鹿げてるでしょ!?」
麗奈「でも、私が勝ったらPublic Enemy(Native)になる」
久美子「いいよ、来いよ――その時は私もPublic Enemyになるから! 香織先輩より麗奈の方が臭いって、みんなの前で言ってから自爆してやる!!(ジハード)」
麗奈「――ホントに?」
久美子「May be……」
麗奈「やっぱり久美子はBitchだね――裏切らない?」
久美子「もしも裏切ったら、ヴァージンをあげる♀」
麗奈「ほんとにヤるよ?♀」
久美子(あ、裏切ろう)プシャアアアア……
久美子「麗奈ならしかねないもん。それが分かった上で言ってる……。だってこれは、愛の告白だから♀」ジョロロロロロロロロロロロ……
麗奈「大丈夫……。最初から負ける気なんてないから」
――
小笠原「ほんとは、あすかに来て欲しかったんダルルォン!? 呼んでくるよ」
中世古「いいの……。どうせあすかは『JOIN ASS』しか言わないし。何言ってるか分からないから……」
小笠原(えぇ……。香織もやっぱり分からないんだ……)
小笠原「でも(それなら)――なんであすかにこだわるの?」
中世古「よく分からないけど……。なんか、見透かされているような気がするんだよね(赤外線)。私の全部を……」
中世古「だから、あすかを驚かせたい。あすかから『JOIN ASS』以外の言葉を出させてみたいの」
――
滝「それでは、まずは中世古さんからお願いします」
中世古「はい――」
そして、再オーディションが始まった。
滝「はい。それでは次は高坂さんの番です」
麗奈「はい、お願いします」プリッ
久美子「……」
麗奈「……」
ぷぅ~ぷぷぅ~ ぷぷぅ~ぷぷぅ~ぷ~ぷ~ぷ~ぷぷ~ プゥ~ヒョロロロロロロロロ!!(独自のアレンジっ屁)♪
一同「……」ヴォ~スゲェ~
久美子「……」
久美子「クッッッッッッッッッッサッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!??????????」
久美子「に、逃げろォオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッ」
一同「くせぇええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」
一同「非常口!! 非常口!! EXIT!!!! 死ぬっ!!!!」ダッ!!
会場「シーン」会場が喋った!?
中世古「万歳ッ!!」スドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」
ビッグリボン吉川「せんぱああああああああああああああああああああああああああいっ!?」
滝「FUCK!! FUCK YEAH!! 臭すぎますっ!! これは臭い――この世すべてのバッドスメルッ!!」
滝「中世古さん――ソロパートはあなたが吹きますか?」
中世古「……」
中世古「安西先生……。バスケがしたいです(先生違い)」
滝「諦めたらそこで試合終了だよ」
こうして中世古香織はNBAプレーヤーを目指す為にバスケット部へ転向した(大嘘)。
滝「それでは――ソロパートは高坂さんに決定しました」
滝「圧倒的臭さです」
こうして、ソロパートは麗奈に決まった!!
選ばれなかったLoserはそれを補助することとなった。
そんな日々の中で――
久美子「……」
帰り道、橋の上。
久美子「臭くなりたい……」
彼女はとあるパート(忙しく上がり下がりする16連発の放屁)の演奏から除外されてしまったのだ。
それは「本番でもそのパートから外された」ということを意味する。
当初は「できます」と言って練習に励んだ彼女であったが、滝の納得がいくレベルにまでは達していなかった。皆に迷惑をかける――そのような判断に至り、彼女はそのパートから外された。
久美子「臭く、もっと臭くなりたい……」
久美子「臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい臭くなりたい!!」
一般通行爺「うるせえ!!」
久美子「……」
久美子「臭く、なりたい……」
一般通行秀一「――俺だって臭くなりてえ!!」
久美子「――ッ!?」
久美子「わ、私の方が臭くなりたい!!」
秀一「俺の方が臭くなりてえ!!」
久美子「私の方がもっと臭くなりたい!!」
秀一「俺の方がもっともっと臭くなりたい!!」
俺「うるせえ!!」
久美子「私が――」
秀一「俺が――」
久美子「私がやるよっ!!」
秀一「いやいや、俺がやるっ!!」
久美子「私が――」
秀一「俺が――」
一般人「どうぞどうぞ!!」
秀一「どうぞどうぞじゃねぇよ!!」
久美子「いきなさいって!!」ドンッ!
秀一「あああああああああああああああああ!!!!」ブッチブリリリブリュリュリュリュリュリュ!!
こうして秀一は宇治川へ飛び込み、その後大阪湾で発見された。
久美子(帰宅後)「あっ、そうだ――学校にスマホ忘れた」テヘペロ
久美子「あの、先生――」
滝「あああああああああああああっすっごいいいいいいいいいいのおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」シコシコシコシコシコシコ
久美子「せんせ――」
滝「あっ――」ドピュ
久美子「先生、学校にスマホ忘れました(パンツ被って全裸でオ○ニーしてる。あそこにはこんにゃくが装着されている……)」
滝「そうですか(賢者)。まさか学校でエ○動画見るために使ってるんじゃないでしょうね?」キリッ
久美子「先生じゃあるまいし、そんなことしません」
滝「はい、これですね?」
久美子「何で先生が持ってるんですか?」
滝「お世話になりました――ところで、私はあなたの『できます』という言葉、忘れていませんよ?」
久美子「――!!」
久美子「はいっ!!」
補欠「皆さんにお守りのボラギノールです!!」
選抜メンバー「ありがとナス!!」
そして、府大会当日を迎えた。
松本「気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ!! オォイッ!!」
滝「皆さんの放屁、見せつけてきなさい」
一同「締まっていこぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」ブッッッッッッッッッッッッチ!!!!
ウグイス嬢「続きまして――バッターは、北宇治高校。北宇治高校です」
観客「レッツゴージャイアンツー♪」
北宇治ナインがグラウンドに立った。そして――監督の滝がマウンドへ上がる。
滝「……」スッ
その手には――
滝(やべ、指揮棒じゃなくて……)
TENGAが。
滝(間違えた)
滝(ま、いっか――)スッ
自由曲の「へーコキましたね」が終わり、遂に課題曲を演奏する……。
麗奈「……」
ぷぅ~ぷぷぷぅ~ ぷぷぅ~ ぷぷぅ~ ぷ~ぷ~ぷ~ぷぷぅ~ぷるるるるるるるらりるれろぷぅ~♪
ぷぅ~ ぷぅ~ ぷぷぷぷぅ~ぷぅ~ ぷぅ~ぷぅ~ぷ~ぷぷ~ぷぽぽぽぽぽぽ♪
ぷぅ~ぷぅぴ~ ひょろ~ろろ~ ぷ~ぷぷぷぷ~ぷぷ~……♪
滝「……」スッ
一同「……」スッ
滝「……」
滝「――成敗!!」
一同「――!!」
ぷ~ぷ~ぷ~ ぷぷぷぷぷぷぷ~ぷ~ぷ~(ぶりゅりゅ!)♪
ぶ~ぶぶ~ ぶぶ~ぶぶ~ ぶ~ぶ~ぶ~ぶぶ~(ぶ~ぶ~ぶっ!)♪
ぶ~ぶぶ~ぶぶ~ぶぶ~ぶ~ぶぶぶ~ぶぶ~(ぶぅーぶぅーぶぅッ!)♪
ぶぶっ ぶぶっ ぶぶぅ~(ぶりりりりりりっ!)♪
ぶぶっ ぶぶっ ぶぶぅ~(ぶりりりりりりっ!)♪
ぶぶっぶ~ ぶぶっぶ~ ぶぅ~ぶぅ~ ぶ~ぶぶ~
ぶぅ~ぶぶ~ぶぶ~ぶぶぅ~ぶ~ぶ~ぶ~ぶぶぅ~(ぶぅ~ぶぅ~ぶっ!)♪
ぶ~ぶぶぅ~ ぶぶ~ぶぶ~ ぶ~ぶぶぶぶ~ぶぶ~(ぷぅ~ん)♪
ぷりゅりゅりゅりゅ ぶりゅりゅりゅりゅ ぷりゅりゅりゅりゅ~ ぷぷぷぷぷぷっぷぅ~♪
ぶりゅりゅりゅりゅ ぷりゅりゅりゅりゅ ぶりゅりゅりゅりゅ~ ぷぅぷぅぷぅぷぅぷぷぷぷぷぷぷぷっ!!♪
ぷぅ~ぷぅ~ぷぅ~ ぷぷぷぷぷぷぷ~ぷ~ぷ~(ぶりゅりゅ!)♪
ぷぅ~ぷぷぅ~ ぷぷぅぷぷぅ~ ぷぅぷぅぷぅ~ ぷぷ~(ぶ~ぶ~ぶっ!)♪
ぷぅ~ぷぷぅ~ ぷぷぅぷぷぅ~ ぷ~ぷぷぷぅ~ぷぷぅ~(ぶ~ぶ~ぶっ!)♪
ぶぶっ ぶぶっ ぶぶぅ~(ぶりりりりりりっ!)♪
ぶぶっ ぶぶっ ぷぷぅ~(ぷりりりりりりっ!)♪
ぷぷっぷぅ~ ぶぶっぶぅ~ ぷぅ~ぷぅ~ぶぅ~ぶぶぅ~
ぷぅ~ぷぷぅ~ ぷぷぅ~ぷぷぅ~ ぶぅぶぅぶぅ~ぶぶぅ~(成敗ッ!!)♪
ぷぅ~ぷぷぅ~ ぷぷぅ~ぷぷぅ~ ぶぅ~ぶぶぶぶぅ~ぶぶぅ~……♪
滝「……」スッ
一同「……」スッ
観客「……」
観客「……」
観客「……」
滝「観客が――既に死んでいるッ!?」
ウグイス嬢「サンキューナス!! かえっていいよ」
一同「……」ゴクリ
浜田「金賞は、北宇治高校の皆さんですっ!!」
久美子「やった!! ダメ金じゃない……!! 正真正銘の金(玉)だよっ!! 関西大会に出場できるっ!!」
麗奈「久美子ッ!! やった!!」
久美子「麗奈ッ!!」
ドゥンッ!!
田中「AndaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaEaaaaaaaaaaaaaI Will Always Love Youuuuuuuuuuuuuuuuuuuuwaaaaaaaaaaaaaaaa~♪」
こうして北宇治高校は金賞を受賞し、関西大会への出場権を見事に勝ち取った。
――
滝「皆さん本当に、本当におめでとうございます――ですが、目標は全国です。全国へ向けて今日からまた頑張りましょう(正論)」
ダンプ松本「お前ら、よくやった。ようやく蛆虫になれたな。次はハエだ」
モブ「そうだ(唐突)、写真撮ろうよ先生ッ!!」
滝「赤外線でお願いします(懇願)」
一般通過写真家「はぁ~い、もっと寄って下さ~いっ」
一般通過写真家「いちたすいちはぁ~!?」
一同「屁ぇ~♪」ブリュリュリュリュリュリュブッチチチブリリリリリリリリリリリ!! ジョロロロロロロロロロロロロッ!! プシャアアアアアアアアアアアアアアッ!! ドッピュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
――こうして、次の屁が出るのです。
終
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477334800/
Entry ⇒ 2016.10.29 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
久美子「優子先輩なんて嫌いだ!」晴香「えっ!?」優子「いやいやいや……」
晴香「いったいどうしたの? 久美子ちゃん」
久美子「……晴香先輩には分からないんです。私のこの悲しみが」
晴香「そんな……ねえ、話してみてくれない?
久美子「……優子先輩は、私と同じだと思っていたのに……! 同類だと思っていたのに……!」
晴香「えっ?」
久美子「この人、結構大きかったんです!!」
晴香「……なにが?」
久美子「胸がっ!」
晴香「…………」
優子「ね? 私、悪くないじゃないですよね?」
晴香「あ、あはは……」
前作は ↓
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475844964/
>>1 の好きなカップリングが好きなように会話してるだけの妄想SSです
晴香「へ~……」ジロジロ
優子「ちょ、ちょっと晴香先輩? さすがにそこまで見られると……」
晴香「あ、ごめん。ちょっと気になっちゃって……」
優子「そういえば、晴香先輩はプール来てなかったんですね」
晴香「そうなの……香織に誘われたんだけど、田舎に帰らなきゃいけなくて……」
優子「そう! 香織先輩ですよっ! ホントマジエンジェルでしたよっ!」
晴香「そ、そう……」
優子「あ~……なんで写真に撮らなかったんだろ~……」
晴香「それは香織も嫌がると思うけど……」
優子「でもでも! 私の眼球に焼け付けたので、こうやって目を閉じればあのときの香織先輩が……!」
晴香「あ、あはは……」
優子「それを言うなら久美子もでしょ」
優子「いきなり私のこと嫌いとか言うから……」
久美子「あ、間違えました」
優子「ん?」
久美子「優子先輩、晴香先輩がドン引きしてますよ」
優子「ん? それ言い直す必要あったこと?」
晴香「そ、そんな……別に引いてなんか……」
久美子「先輩、私達には正直にいきいましょう」
晴香「……正直、ちょっと引きました」
優子「晴香先輩っ!?」
久美子「ほら~」
晴香「あと久美子ちゃんの必死さにも」
久美子「えっ?」
優子「ぷ~……」クスクス
晴香「ん? どうしたの、久美子ちゃん」
久美子「そうだ……そうだった……」ユラッ…
優子「ん? なによ、急に立ち上がって」
久美子「あの時……そうだ、そうだった……」
優子「だから何よ……」
久美子「優子先輩……実はあの時プールにいたの、優子先輩じゃなかったでしょっ!」
優子「……………………は?」
晴香「どうして急にそう思ったの?」
久美子「だってあの時! 私が優子先輩だと勘違いしていた人には……あるものがありませんでした!」
優子「胸ならあったでしょ?」
久美子「あったって言っても思ってたよりはってだけで決して一般的に大きいって訳じゃないですからね」
優子「アンタホントなんなの?」
久美子「それは……リボンですよ」
優子「アンタ一回はっ倒すわよ?」
久美子「だって! 優子先輩と言えばリボン! リボンと言えば優子先輩ですよっ!」
久美子「リボンを装備していない優子先輩は優子先輩じゃない!」
久美子「いやむしろ! 今この場で髪を解いてしまうと優子先輩は急に消えるまである!」
晴香「哲学だね」
優子「なにがです?」
優子「っていうかいい加減リボンネタは止めない……?」
優子「これそろそろ飽きられるやつだって」
晴香「私は飽きてないけどな~……」
優子「ちょっと晴香先輩っ!?」
優子「ブールにリボンなんてしていく奴おかしいでしょっ!」
久美子「優子先輩ならそれぐらいするはず」
優子「久美子~? アンタホント私の事バカにし過ぎよ~?」
久美子「だって! そうでもないとあの大きさは説明できない!」
優子「いや説明できるから! アレが私の本来の姿だから!」
久美子「じゃあ今すぐこの場で脱いで下さいよ!」
優子「出来るかぁっ!」
優子「あのね~……だったら久美子だって今この場で服脱いでって言われて脱げるの?」
久美子「そんな、優子先輩じゃあるまいし」
優子「私だって!」
優子「出来ないって!」
優子「話を!」
優子「今!」
優子「してるのっ!」
晴香「まあまあ」
優子「いやいやいや、晴香先輩もある種同罪ですからね?」
晴香「そ、それは冗談だから……なんというかこう、流れに乗る的なアレだから」
優子「ホントですか~?」
優子「……まあ良いですけど」
久美子「でもこれは真剣に聞きたいんですけど、香織先輩も本当に優子先輩って気付いてました?」
優子「え? どゆこと?」
久美子「え、何この子急に誰? ってあの時思われてなかったかってことです」
優子「いや大丈夫だから! エンジェル香織先輩に限ってそんなことあり得ないからっ!」
久美子「でもリボン取った優子先輩を優子先輩と認識できるかどうか……」
優子「いやできるから!」
久美子「どこで?」
優子「顔で!」
久美子「…………」
晴香「…………」
優子「……ちょっとちゃんと反応してよ……恥ずかしくなるじゃない……」///
久美子「あ、ああ、すいません。ちょっと夏紀先輩みたいに綺麗に拾えなくて……」
優子「もうばかぁ……そういうこと言うなぁ……」
晴香(可愛い……)
久美子「可愛い」
晴香「そうだね……」
優子「いやちょっと……!」
優子「それじゃあまるでずっとからかってたみたいじゃないの……!」
久美子「正直腹いせ九割でした」
優子「この後輩はぁ……!」
久美子「まあ、香織先輩が優子先輩のこと分からない訳ないですもんね」
優子「ふんっ……分かってるじゃない」
久美子「リボンが無くて胸があっても、声を聞いたら優子先輩って分かりますし」
優子「いやそれ結局他の要素で分かってもらえてないってことになるからねっ!?」
終わり
タイトル:
優子「あ! もうすぐ香織先輩の誕生日だ!」久美子「裸リボ――」晴香「ダメ! 久美子ちゃんダメ!」
久美子「た、確かに……!」
優子「いやしませんよ?」
晴香「ダメ! 優子ちゃんダメ!」
優子「え、えぇっ? なんでそんな必死なんですか……?」
晴香「そういうやらしいこと、先輩が言わせませんっ」
優子「えぇ……今日の晴香先輩ちょっと面倒くさい」
晴香「め、めんどうっ!?」
久美子「ちょっと優子先輩! 酷いですよ!」
晴香「久美子ちゃん……!」
久美子「そういうのを正直に言っちゃうなんて!」
晴香「…………」
久美子「…………あ」
晴香「久美子ちゃ~ん……?」
久美子「正直すいませんとしか言えません……」
晴香「……もういいよっ。ふ~んだっ」
久美子「ああ~……晴香先輩の機嫌を損ねてしまった可愛い……」
優子「アンタは相変わらず一言多いわね~……」
優子「……ん? 今何か聞こえたような……」
久美子「裸リボン先輩にまで言われるとは思いませんでした」
優子「勝手に人を変質者にしないでくれる?」
晴香「ふ~んだ……鬱陶しい私にそういう風に言われるのイヤなんでしょ?」
晴香「だから何も言わなかったんだよ~」
優子「ああ、面倒臭さに拍車がかかってる」
久美子「それなのに可愛いですね」
優子「それな」
晴香「…………」///
久美子「あ、照れた」
晴香「も、もう止めて!」
晴香「それにほら、今は優子ちゃんの話!」
晴香「私のことは放って置いてくれて良いからっ!」
久美子「さっきの話を逆に考えましょう」
優子「逆?」
久美子「優子先輩が香織先輩にリボンを送るんです」
優子「きゃっ、もしかして香織先輩が私のリボンを……!」
優子「……どこにどう結べば良いの……?」
久美子「……家の軒先とか」
優子「ちょっとおい黄前」
晴香「なんだかハエ取り紙みたいだね」
優子「え、晴香先輩……?」
晴香「…………」
久美子「えぇ~? あの拗ねてる五歳児みたいな感じ、良くないですか?」ボソボソ
優子「……アンタにはもう頼まない」
久美子「あれ?」
優子「さすが久美子、分かってるわね」
久美子「ですので、それを渡す衣装が裸リボ――」
晴香「ダメ! 久美子ちゃんダメ! エッチなのはいけないと思います!」
久美子「あれ?」
晴香「……?」
晴香「……あ……!」
久美子「このつい言ってしまう感じ、さすが晴香先輩」
優子「それは何か違う気が……」
久美子「そもそもそういうの、バレンタインとかによくするって言うじゃないですか」
晴香「そんなのフィクションだけだよ! 全身にチョコレート塗って火傷まみれで私を食べて下さいなんてっ!」
久美子「いや普通に考えてある程度は冷やしてるかと……」
晴香「あ、そっか。だよねっ」
久美子「もう、そんなことも知らんかったんですか~? 晴香先輩ったら~」
晴香「も、もう! からかわないでよ、久美子ちゃん」
優子「っていうかさっきから私ほっぽってイチャついてますけど、本当にやりませんからね?」
優子「んな訳ないっての」
晴香「じゃあやっぱり、ここは逆に考えてみるべきだと思うの」
優子「晴香先輩、それやっぱりの使い方おかしいです」
久美子「逆っていうのはどういうことです? 晴香先輩」
晴香「香織に裸リボ――」
久美子「晴香先輩ダメです! それ以上はダメ!」
久美子「言葉だけで優子先輩が気絶します!」
優子「しないわよっ!」
優子「この合宿中はリボン以外も結構見せてたよね?」
久美子「……ツインテ?」
晴香「……おでこ?」
久美子「目がハート」
晴香「マジエンジェル」
優子「いやごめん。なんかそういう羅列だけはホント勘弁して下さい」
優子「あれ? そういう話だったっけ?」
久美子「だって優子先輩の渡すものなんですよね?」
久美子「インパクトが無いと」
優子「え、酷くない?」
久美子「裸リボンより酷いものですよね……」
優子「違うわよ!」
晴香「……自分の写真集?」
優子「私が香織先輩のをもらえるなら泣いて喜びますけど、そこ逆にしても喜んでくれないですよね……?」
優子「……って、ん? 裸リボンより酷いのが私の写真……?」
久美子「……じゃあ一体何を……」
優子「待って待って。二人の中にいる私のセンスの無さがハンパないんだけど」
久美子「いやだって、急に香織先輩の誕生日の話するから……」
優子「それで、何か考えてくれたってこと?」
久美子「まあ――」
優子「……まったく……余計なお世話よ」
久美子「――優子先輩で面白く話せればそれで良いと思って……」
優子「黄前そろそろいい加減にしろよ」
終わり
タイトル:
優子「アンタ、私の事嫌い?」久美子「いえ、大好きです」
優子「はぁ?」
久美子「え?」
優子「…………」
久美子「…………」
優子「……はぁ……まあ良いわ」
久美子「あれ? スルーですか?」
優子「スルーよ。スルーするに決まってるでしょ」
優子「夏紀と話してる時に隠れて聞いて、その後逃げたからよ」
久美子「……それだけで?」
優子「それだけでよ」
優子「あとはま、話のキッカケね」
久美子「……なんのです?」
優子「希美とか、みぞれのことよ」
久美子「…………」
優子「ぶっちゃけて聞くわ」
優子「あんた、どこまで知ってるの?」
久美子「……えっと……」
久美子「…………」
優子「……はぁ……アンタ、なに飲むの?」
久美子「え?」
優子「自販機の前で話し込むなんて、虫のすることでしょ。場所移動しましょ」
久美子「え、えぇと……」
優子「奢ってあげるって言ってるの」
久美子「じゃあ……オロ○ミンCを」
優子「遠慮なく高いのいくわね……」
久美子「嘘です。オレンジジュースを」
優子「はいはい」
久美子「はぁ……」
優子「それなのに、真面目な話しようとしたら、ちょっと距離置かない?」
久美子「それは……」
優子「もしかして、府大会のことひきずってる?」
久美子「…………」
優子「……ま、そりゃそうよね」
優子「偶然晴香先輩と一緒に会って、そのまま仲良くなっただけだもの」
優子「そこのわだかまりはそのままだし」
久美子「…………」
優子「言っとくけど!」ズイッ
優子「私、今でもソロは香織先輩が吹くべきだと思ってるから」
久美子「は、はぁ……」
優子「……ま、今はその話じゃないんだけど」
優子「ほら、場所移動するわよ」
優子「そもそも、こんな所でする話でも無いんだし」
優子「結局好き嫌いじゃなく、コンクールに出る以上は金が良いっていう事なんじゃない?」
久美子「…………」
優子「げっ、もうこんな時間じゃん。さっさと寝ないと肌に悪いわ」
久美子「優子先輩」
優子「ん? なによ」
久美子「私、もっと優子先輩のこと好きになりました」
優子「はぁ? 何よ気持ち悪い」
優子「それに、私に惚れたって何も出ないわよ」
久美子「あ、その辺は大丈夫なので」
優子「……そういうとこ、ホント久美子っぽい」
久美子「なんですかそれ? そんなこと言われたこと無いんですけど」
優子「じゃあ私が初めて久美子の良いところ見つけたってことね」
久美子「一言余計なのが良いとこなんですか?」
優子「一言余計なのを許容できる私からしてみれば、良いとこなのよ」
久美子「それって……自画自賛……?」
優子「かもしれないけど、そうじゃない」
優子「高坂さんがアンタと仲良いのだって、きっとそういう理由でしょ?」
久美子「麗奈は……まあ、正直に言われたほうが良いって考えかもしれませんけど……」
優子「私もそれ。ま、久美子限定だろうけどね」
優子「……なによ?」
久美子「いえね……いつも私の冗談にあえて乗ってくれてるんだなぁ、と思いまして」
優子「そんなことないわよ」
優子「いつも冗談だって気付かないで会話してるっての」
久美子「そんなこと……だって、今こんなに真面目な話をしてくれてますし……」
優子「眠いせいよ」
久美子「じゃあ……これからも、優子先輩をイジっても良いと?」
優子「そろそろリボンいじりは飽き飽きしてきたけどね」
久美子「あはは……」
優子「……それに、後輩とこんなに楽しく会話できるの、結構嬉しいんだから」
久美子「えっ?」
優子「なぁんでもない」
久美子「…………」
久美子「はい」
優子「おやすみ、久美子」
久美子「おやすみなさい、優子先輩」
久美子「…………」
久美子「…………あの!」
優子「ん?」
久美子「いつも本当に、ありがとうございます!」
久美子「それでは!」
タッタッタッタ……
優子「……全く……廊下を走るなっての……」
優子「……でもま」
優子「悪い気はしないかな」
終わり
タイトル:
麗奈「…………」ボ~… ←死んだ魚の目 夏紀「どうしたんですか、あれ?」香織「さあ……?」
香織「というか、私の声が届いてないみたいなの」
夏紀「何かよほど落ち込むことがあったんですね……」
香織「ん~……黄前さんと喧嘩したとか?」
夏紀「いえ、そんな感じはしませんでしたけど……」
麗奈「…………」ボ~…
夏紀「……ご飯すら満足に食べれてないんじゃないですか? あれ」
香織「そうなんだよね~……大丈夫かな」
夏紀「ちょっと、私が聞いてみます」
香織「そう? お願いね」
麗奈「…………」ボ~…
夏紀「高坂ちゃんってば」
麗奈「……………………あ」
麗奈「夏紀先輩、どうされました?」
夏紀「どうしたも何も、なんかあった?」
夏紀「随分ボーッとしてるけど」
麗奈「いえ……大丈夫です」
夏紀「大丈夫じゃないでしょ」
夏紀「さっきからご飯、全然進んでないよ」
麗奈「あ……」
夏紀「食べ終わってる子もいるのに、どうしたの?」
麗奈「いえ、ホントに……」
夏紀「なに? 私には話せない?」
麗奈「その……まあ、はい……」
夏紀「……そっか」
麗奈「香織先輩……」
香織「心配なんだ、高坂さんのこと」
麗奈「それは……ソロパートでちゃんと吹けるかわからないから、ですか?」
香織「?」キョトン
香織「……ふふっ、まあ、それもあるかな」
香織「でもそれ以上に、大切な後輩がなんか落ち込んでたら、先輩としては気になるかな」
香織「同じパートだから余計に、かもね」
麗奈「……優子先輩が香織先輩を慕っている理由、なんとなく分かりました」
香織「そんな……私は普通のことしてるだけだよ」
麗奈「それと夏紀先輩」
夏紀「ん?」
麗奈「さっきは、すいませんでした」
夏紀「ああ、良いよ良いよ」
夏紀「人に話せないことなんて、沢山あるしね」
麗奈「……夏紀先輩も、後輩に慕われませんか?」
夏紀「そんなことないって」
麗奈「……あ」
夏紀「ん?」
麗奈「同級生には慕われてますよね」
夏紀「え?」
麗奈「優子先輩とか、今の問題とか」
夏紀「あ~……もしかして、それに気を遣って言えないって言った?」
麗奈「そんなつもりは……」
麗奈「ただ本当、普通に話せないことなだけで……」
麗奈「話せる部分だけ、ですか」
香織「ええ」
麗奈「そうですね……無いですね」
香織「無いの?」
麗奈「はい」
香織「全く?」
麗奈「全く」
夏紀「じゃあ……何に悩んでるかぐらいは」
夏紀「例えば、部活のこととか、人間関係とか、そんな感じで」
麗奈「その中だと……人間関係、です」
麗奈「いえ、それは無いので、大丈夫です」
香織「じゃあ――」
夏紀「あ」
香織「えっ?」
夏紀「もしかして……好きな人でも出来た?」
麗奈「…………」
夏紀「うそっ」
香織「へぇ~……」
麗奈「な、なんですか……っ」
夏紀「いやいや、なんにも無いよ」
香織「高坂さんが……そっかそっか」
麗奈「…………」
夏紀「まあでも、高坂ちゃんだって普通の女の子だもんね」
夏紀「それが普通だよね」
夏紀「てっきり黄前ちゃん絡みかと思ってたけど」
麗奈「それを言い出したら、夏紀先輩だって何かあったら優子先輩とだと思いますけど」
夏紀「あたし達のどこが?」
麗奈「香織先輩はどう思います?」
香織「ん~……まあ、夏紀ちゃんも優子ちゃんも、仲良しだよね」
夏紀「それは絶対に違うと言いたい……!」
麗奈「はい……」
香織「……何があったの?」
麗奈「その……女の子と仲良く話してる所を見て……」
夏紀「なるほど……で?」
麗奈「……それだけです……」
夏紀「…………え?」
香織「それって……」
麗奈「…………」///
香織「あのね、高坂さん」
麗奈「はい」
香織「まず、その好きな人に直接聞いてみれば?」
麗奈「話を……」
香織「理想としては、本当に好きかどうか聞くことだけど……難しかったら、話をしてみるだけでも、ね」
香織「もしかしたら、ただ部活の話ししてただけで、勘違いかもしれないし」
夏紀(その前に、話してるのを見ただけでそうなってる嫉妬深さについて話したほうが良いような……)
香織「うん、頑張ってね、高坂さん」
麗奈「誰かと付き合ったことあるんですか?」
香織「え!? な、無いけど……」
香織「どうしたの? 急に」
麗奈「それなのにそんな適切なアドバイス……もしかして香織先輩、あすか先輩に同じようなこと――」
香織「高坂さん?」
麗奈「あ、はい」
香織「頑張って、ね?」ニコッ
麗奈「……あ、はい」
終わり
久美子「そういえば、優子先輩ってどれぐらいで胸が大きくなりました?」
優子「中学から」
久美子「は?」
優子「中学から」
久美子「…………」
優子「…………」
久美子「……嘘だ……」
優子「そんな膝ついてショック受けなくても……」
本当に終わり。
ネタ切れた。
またネタが溜まったらスレ立てします。
ありがとうございました。
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Entry ⇒ 2016.10.27 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
夏紀「は~……」麗奈「お疲れですね」香織「どうしたの?」
香織「そうだね~……本人が納得しないと意味がない、ってやつだね」
夏紀「……二人共、あの時のこともうそんな風に話せるようになったんですね」
麗奈「香織先輩じゃなければ、こうはなってないですよ」
香織「や、止めてよ、麗奈ちゃん。私はただ、本当に巧い人がやるべきだって思っただけだよ」
夏紀「そうやって納得できる方法が見つかれば問題無いんだけどね~……」
夏紀「……まあ、高坂ちゃんならそう言うと思ってたけどね……」
麗奈「思ってたんですか」
夏紀「なんとなくね」
夏紀「っていうか黄前ちゃんから聞いてる感じと、香織先輩に突っかかった感じからして、誰だってそうだろうって思うよ」
麗奈「思いますか……」
香織「まあ私は、あすかさえ納得してくれたら戻ってきて欲しいとは思うけどね」
夏紀「あすか先輩のこと好きですもんね~、香織先輩は」
香織「そ、そういうのじゃなくて……!」
香織「なんとなくだけどね」
麗奈「……それって、部長が部長に適してないってことですか?」
香織「違う違う! 適材適所ってやつ」
夏紀「まあでも、香織先輩の言ってることは納得なんですけどね……」
香織「戻ってきて欲しいな」
麗奈「でも、香織先輩からは手を貸さないんですね」
香織「貸しても良いけど……それじゃあ、意味ないから」
夏紀「それ、希美も言ってました。最初は一人で行く気でしたし」
夏紀「ホント、私が気を利かせないといけなくて……」
麗奈「大変ですね」
夏紀「思ってる?」
麗奈「別に」
夏紀「だと思った」
麗奈「でも……」
夏紀「ん?」
麗奈「優しいな、とは思います」
夏紀「…………」
夏紀「じゃ、そろそろ希美の所に戻るわ」
麗奈「えっ、久美子が……」
夏紀「残念だけど、教えてあげないよ」
麗奈「……やっぱり、意地悪ですね」
夏紀「言われると思った」
香織「それじゃあ夏紀ちゃん、頑張ってきてね」
夏紀「ありがとうございます。パート練の時に邪魔してしまって」
優子「本当よ!」
夏紀「あ、リボンは良いから」
優子「その呼び方って絶対黄前のせいよねっ!?」
夏紀「いやいや、そんなそんな」
優子「まったく……」
優子「私は……みぞれ次第よ」
麗奈「…………」
優子「なに?」
麗奈「いえ……優子先輩って、意外に優しいですよね」
優子「意外ってなにっ!?」
香織「あはは……」
麗奈「香織先輩の時だけ、周りが見えなくなるだけだったんですね」
優子「ちょっ……! そ、そんなことは……!」
麗奈「それとも、夏紀先輩の時ですか?」
優子「それこそなんでよっ!」
麗奈「さっき私が夏紀先輩に近付いた時、こっち見ましたよね?」
優子「はぁっ!? んな訳ないじゃん! だいたい――」
香織「はいはい。それじゃそろそろ、本当に練習に戻ろっか」
麗奈「そうですね」
優子「――うっ……は、はいっ! 分かりました! 香織先輩♪」
麗奈「さすがですね、優子先輩」
終わり
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Entry ⇒ 2016.10.15 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
優子「久美子、太った?」晴香「っ!」バッ! 久美子「あ゛?」
優子「なってないわよ!」
久美子「そうですか? 本体太くなったかと思ったんですけど」
優子「誰がリボンが本体よ!」
久美子「首、重くないですか?」
優子「あんたホント最近失礼さが極まってきてるわよね……」
晴香「…………」ジ~…
久美子「ちょっと、なんですか晴香先輩まだ」
晴香「あ、いや……ごめん」
久美子「本当、私太ってませんから!」
一話のネタバレめいたものがちょっとあります。
原作未読者のあり得ない組み合わせが大好きな人のSSです。
無理なら…ごめん
ただの妄想の垂れ流しなので、見逃して欲しいです。
優子「浴衣~? アンタまさか、花火大会の時わざわざ浴衣着ていったの?」
久美子「だって麗奈が着ていくって言うし……」
晴香「二人で花火大会行ったんだ」
久美子「はい。晴香先輩は?」
晴香「私はまあ、普通に香織と……」
久美子「あれ? 優子先輩、中世古先輩誘わなかったんですか?」
優子「誘えないわよ……」
久美子「麗奈が意気地の無い男はダメだって言ってましたよ」
優子「私女だけどっ!?」
久美子「えっ……」
優子「その素の驚きはどういう意味かねぇ~、久美子ちゃ~ん……」
優子「刺すかっ!!」
晴香「じゃあ優子ちゃんは誰と行ったの?」
優子「普通に、同じパートの友恵と行きました」
久美子「浴衣着なかったんですか?」
優子「学校帰りに行ったから制服のままよ」
久美子「鎧塚先輩は?」
優子「あんた……こんな時にぶっこんでくるわね」
久美子「いやむしろ、ここだ! って感じ出しませんでした?」
優子「出してないわよ……」
久美子「あ~……確かに苦手そうなイメージはありますよね」
久美子「まあお祭りの日はそもそも体調悪そうでしたし」
優子「なんでそれを知ってるのに聞いたっ!?」
久美子「元気になったかどうか知りたくて……すいません」
優子「だったら普通に聞きなさいよ……まったく」
晴香「鎧塚さん、大丈夫なの?」
優子「本人は、寝たら治るとは言ってましたよ。現に今日だって来てたじゃないですか」
晴香「う~ん……もし無茶して来てるんなら帰らせた方が良いかと思ったんだけど……」
久美子「あ」
優子「ん? なによ」
久美子「これ、去年のこと話す流れだ」
優子「アンタまた思ったこと口に出てるわよ……」
久美子「あっ!」
久美子「うっ……」
優子「なに? もしかして気でも遣ったの……?」
久美子「……まさか、晴香先輩にバレるとは思いませんでした……」
晴香「私、そこまでボーッとしてるように思われてる?」
優子「…………」
久美子「…………」
晴香「お願いなんか言って!?」
久美子「という感じでして……はい」
優子「それは……こっちとしてもありがたいけど……」
久美子「なんて言うんでしょうか……お二人と話してる時ぐらい、そういうの抜きにしたいな、って」
優子「久美子……」
晴香「久美子ちゃん……」
久美子「って、後輩のくせに、生意気ですよね」
優子「……まったくよ。そういう気遣い、アンタらしくないんだから」
晴香「確かに。久美子ちゃんは思ったことそのまま言う方が、久美子ちゃんらしいよ」
久美子「ちょ、ちょっともう……晴香先輩にまでそう言われるなんて、思いませんでした」
優子「いや、久美子と話したことある人のほとんどがそう思ってるから」
晴香「うんうん」
優子「いやいや、アレはどっちかっていうと高坂さんの方だから」
久美子「麗奈と一緒に練習してる時だって、苗字で呼ぶし……」
優子「あの時はほら、香織先輩が隣に居たから……」
久美子「そっか……私は、周りに人がいるだけで態度を変えられちゃうんですね……」
優子「その全然ショック受けてないのに受けてる演技、止めない……?」
久美子「そんな! 酷いです、優子先輩!」
優子「あ~……晴香先輩、パスします」
晴香「ここでっ!?」
優子「その慈愛に満ちた部長魂で、久美子のこの天の岩戸を開いて下さい!」
晴香「えぇ~? っていうか天の岩戸は違うような……」
久美子「え~んえ~ん」
晴香「っていうかそもそもなんか、演技が幼稚園児のソレになってない……?」
優子「なってません! さぁ!」
晴香「う、う~ん……」
久美子「あ、それは困ります優子先輩ごめんなさい」
晴香「はやいっ!」
久美子「い、いえいえ! 違います!」
久美子「ただ、みどりちゃんや葉月ちゃんの前で、急に部長が抱きついてきたら、なんかそのあと色々と聞き出されそうで……」
晴香「部長……今まで晴香先輩って呼んでくれてたのに……」
優子「久美子……あんた……」
久美子「え、えぇっ!?」
晴香「……ううん、良いの。私が、勝手に仲良くなったって、勘違いしてただけだから」
久美子「ご、ごめんなさい晴香先輩! そ、そのこれは、なんというか流れというか、そういうなんというか、この世にある理のようなものでして……」
晴香「……ぷっ」
久美子「へ?」
優子「久美子……あんた必死すぎ……!」プクク…
久美子「…………あ!」
晴香「ごめんね、まさかこんなに上手くいくなんて思わなくて」
久美子「もう……本当に焦りましたよ」
優子「にしても久美子って、焦った時って本当言い訳下手よね。それこそみぞれに指摘された時もおんなじ感じだったし」
久美子「あれはだって、麗奈が優子先輩にちょっと突っかかったような言い方するから……」
優子「ま、アレが私と麗奈の距離感ってことで」
久美子「……そういえば麗奈、気付いたら優子先輩のこと“優子先輩”って呼んでましたね」
優子「まあ、まだ微妙な距離感はあるけど……それがみぞれにはバレちゃったみたい」
晴香「鎧塚さんはスゴイね~」
優子「今度はなに?」
久美子「晴香先輩もしかして、太ったんですか?」
晴香「えぇっ!? なんで急に私っ!?」
久美子「いやだって、さっき私のことを太ってないのに太ったって優子先輩が聞いてきた時、咄嗟にお腹隠してたので……」
優子「いや太ったのは久美子でしょ?」
久美子「先輩、リボン小さくなりました?」
優子「そう何度もリボンいじってくるなんて……久美子もまだまだね~」
久美子「あ、顔が大きくなったのか」
優子「おいこら黄前」
晴香「あ、れ、練習! パート練の音が聞こえる! じゃあ二人共、そろそろ練習に戻――」
優子「れるとでも?」
晴香「ですよね~……」
久美子「とりあえず、太ったか太ってないかだけ」
晴香「え、えぇ~……?」
久美子「お願いします!」
晴香「い、いや~……そ、その……ちょっと、体重が増えた、かも……?」
久美子「…………優子先輩」
優子「…………なに?」
久美子「分かります? この可愛さ」
優子「分かる。照れてるところとかもう最高」
晴香「も、もう! 二人共!」
優子「ん? 何よ久美子。さすがに戻らないと……」
久美子「もしかして晴香先輩……胸が大きくなりました?」
晴香「え?」
優子「は?」
久美子「いやなんか……前屈みになった時、夏服だとそう見えて……」
優子「あんた……女の子のどこ見てるのよ」サッ
久美子「あ、優子先輩は大丈夫です」
優子「殴る!」
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「…………?」
久美子「さて、優子先輩」
優子「そうね、久美子。戻りましょうか」
晴香「えっ、えぇっ!?」
久美子「あ~あ……晴香先輩は私達とは別の次元に足を伸ばすんですね……」
優子「あ~あ……やだやだ。やっぱり母性ってそういう所に出るんですね……」
晴香「ちょ、ちょっと二人共! セクハラだよっ!」
久美子「わ~、じゃあ急いで戻らないとですね、優子先輩」
優子「そうだね~、久美子~」
久美子「まさか仕返しのための言葉がこんなことになるとはね~」
優子「そうだね~」
晴香「ひ、酷い棒読み……ちょ、ちょっと二人共~!」
晴香「私だって、大きくなりたくてなった訳じゃないんだから~!」
終わり
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Entry ⇒ 2016.10.14 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
久美子「チューバくんのぬいぐるみ!」優子「取る気?」晴香「取れるの?」
優子「取れない」
晴香「大きいから難しいと思うなぁ……」
久美子「でも欲しい欲しい欲しい!」
優子「はぁ~……ま、じゃあ頑張ってね」
久美子「頑張ります!」
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「…………」
優子「……うん」
晴香「どんまい、久美子ちゃん」
久美子「くっそ~~~~~……!」
久美子「ユーフォのキャラもできたんですけど、まだキーホルダーでしか見たこと無いんですよ……」
優子「それでチューバで代用ってこと?」
久美子「まあ……そういうことです」
晴香「そっか……そのシリーズ、ユーフォできたんだ……バリサクちゃんはいつ出るんだろうなぁ……」
優子「サックスじゃダメなんですか?」
晴香「まあ、久美子ちゃんと一緒でそっちで代用してるけど……」
久美子「やっぱ自分の楽器が良いですよね~……」
晴香「やっぱりそうだよね~……」
優子「ふ~ん……あ、ペットはあるんですか?」
久美子「無いとお思いでか、この人は」
優子「ふっふっふ……しゃあないね~、久美子は」
久美子「あ、優子先輩は絶対無理だからやらなくていいですよ」
優子「決めつけんな!」
優子「500円で三プレイでしょ? 余裕余裕」
優子「それだけあれば取れるっての」
久美子「晴香先輩、これが“ふり”ってやつですよ」
優子「違うわっ!」
優子「この機械壊れてんじゃないのっ!?」
久美子「やっぱり」
晴香(優子ちゃんには悪いけど、正直そんな気はしてた)
優子「やっぱりって言うな!」
???「あの~……」
優子「はひっ!?」
店員「よろしければ、商品の方ズラしましょうか?」
優子「あ、あはい! よろしくおねがいします!」
店員「では――」
優子「というわけで、店員さんのおかげで取りやすくなった訳だけど……久美子、私に言うことは?」
久美子「やっぱり取れませんでしたよね」
優子「じゃなくて! お礼でしょ! お礼!」
優子「私のおかげでこうしてチューバくんが取れやすくなったんだからねっ」
優子「私の! 2000円の! おかげでっ!」
久美子「次、晴香先輩いきます?」
優子「おい聞けよ!」
久美子「そうなんですか? なんだか意外です」
晴香「え、そうかな?」
久美子「ゲームセンター来てドラムマ○アばっかやってるイメージがありました」
晴香「久美子ちゃんの中での私ってどんなの……?」
久美子「冗談ですって。ポッ○ンですよね」
晴香「ゲームの話じゃなくてね」
優子「Q○A?」
久美子「それですね」
晴香「いや、こういう所自体来たこと無いからね?」
晴香「ドラムのゲームだよね……? だってあれは目立つし」
優子「ってことは、来たことはあるんですか?」
晴香「ううん。ドラムを知ってるだけで、他のは……」
晴香「ぽっぷ……? とか、きゅーえむえー……? とかはちょっと……」
久美子「う~ん……優子先輩は来たことあるんですよね?」
優子「まあ、友達と遊びには来るし」
晴香「あ、でも、プリクラ撮りにだったら来たことあるっ」
久美子「あ~……なるほど」
優子「じゃあ、深淵は覗いてないってことですね」
晴香「し、深淵……?」
久美子「格闘ゲームのエリアとか、見てるだけで怖いですもんね……」
優子「音もスゴイしね……アレは面白半分で行くべき所じゃないわ……」
久美子「それを言い出したら、音楽ゲームのところも大概ですけどね」
久美子「っと……とりあえず、晴香先輩がやらないなら、私やっちゃいますね」
優子「うん。ちゃっちゃっと取っちゃいなさいよ」
晴香「じゃあ――」
久美子「中に入りましょうか、優子先輩」
優子「そうね」
晴香「――ってえぇっ!?」
優子「せっかくなんですから、ほら」
晴香「な、なんでそんな勧めるの……?」
久美子「ゲームセンターほとんど初めての晴香先輩に色々とさせて楽しもうって魂胆ですよ」
晴香「こんな時まで正直な久美子ちゃんは素晴らしいと思うけど、私あんまり気が進まないなぁ~……」
晴香「奥に行けば行くほど煩くなってきたし」
優子「そこは否定しませんけど……でも晴香先輩。聞いたことありませんか?」
晴香「なにが?」
優子「はい、久美子」
久美子「え、わたしっ!?」
優子「いつものお洒落な感じをお願い」
久美子「いつもって……そんなことした覚えありませんけど……」
晴香「久美子ちゃん……」
優子「ふぅ~! 久美子かっけぇ!」
久美子「優子先輩が言わせたくせにっ!」
優子「いやいや、純粋に褒めてるって。ホントホント」
久美子「絶対ウソだ……」
優子「よっし!」
久美子「よっし!」
優子(これで可愛い晴香先輩見放題!)
久美子「これで可愛い晴香先輩見放題!」
晴香「いやちょっと久美子ちゃん?」
久美子「はっ……! い、いやいや! これは優子先輩も思ってることですって!」
晴香「……そうなの?」
優子「私は、香織先輩一筋だから、そんなことありませんよ……?」
久美子(それもそれで失礼な気もするけど……)
晴香「わざとらしい……もしかして、慌てる私が見たいとか、そういうのが狙いだった?」
優子「いやいや、そんなそんな」
久美子「いやいや、そんなそんな」
晴香「む~……」ジト~…
久美子「そ、それよりもほら、まずはこれでもどうです?」
晴香「なにこれ? 太鼓?」
久美子「はい。こう、リズムに合わせて周りを叩いたり、真ん中を叩いたり、連打したり……そんな感じです」
晴香「へえ~……あ、これがさっき言ってた音楽ゲーム?」
優子「まあ、そんなところですね」
久美子「二人プレイ出来るので、優子先輩と一緒にどうですか?」
晴香「あ、うん。じゃあ……」
優子「なんだかんだ言って、私これ結構好きなのよね~」
久美子「へ~……私はやったこと無いからな~……」
優子「じゃあ晴香先輩。とりあえずまずは、簡単な曲からしてみましょうか」
晴香「あ~……面白かった!」
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「……あれ? 二人共、どうしたの?」
久美子「あ、いえ……別に……」
久美子(なんだろ……最後の方、ストレスを発散するかのように強く叩いてたのは……)
優子「さすが晴香先輩、巧いなぁ、と思っただけです」
優子(それなのにちゃんと叩けてるし……本当に初めて……?)
久美子(晴香先輩って自分のこと過小評価し過ぎだと思うな……)
優子(あすか先輩や香織先輩が凄すぎるだけで、この人も絶対スゴイ人だもんね……)
久美子(……でも確かにあの部をほぼ一人でまとめてるのはストレス溜まるよなぁ~……)
優子(……でもあの部をほぼ一人でまとめてるのは確かにストレス溜まるよなぁ~……)
晴香「あ、そうだ。何か吹くやつで、こういうの無い?」
久美子「吹くやつ、ですか……?」
晴香「バリサクみたいなのがあれば良いんだけど……」
久美子「確かにあったら面白そうですけど……でも口をつけるのってやっぱり衛生面がありますからね~……」
晴香「そっか~……みんなもマウスピース持つようになったら流行るかな……?」
久美子「いやそれは……どうでしょ」
優子「あ、じゃあギターのゲームとかどうです?」
晴香「え、どれどれ?」
優子「これですよ。ドラムとセッション出来るんです」
晴香「へぇ~……」
優子「じゃあ次は久美子がやってみてね」
久美子「えぇっ!? 私これもやったことないな~……」
優子「まあまあ。麗奈と来た時の練習だと思って」
久美子「麗奈がギターやる姿も想像できませんけど……」
優子「なによ」
久美子「もしかして優子先輩、いつか香織先輩と来た時のためにって思って太鼓やってたんですか……?」
優子「な、なんでよっ。普通に友達と来た時にやるでしょ?」
久美子「いやだって、そんな急に麗奈の名前すんなり出すのって」
晴香「あ、確かに」
優子「も、もう! 晴香先輩まで! ホント、そういうのじゃないですから!」
優子「ただその……いつか、そういう日が来たら良いなぁ……って考えたことはありますけど……」
久美子「……誘えないのに?」
優子「うっさい!」
優子「ほら、ぬいぐるみ持っててあげるから、さっさとやりなさい!」
久美子「は~い」
晴香「照れてるね」ヒソヒソ…
久美子「図星突かれましたから」ヒソヒソ…
優子「ほら二人共! コソコソ話ししてないで、さっさと曲決める!」
晴香「う~ん……遊んだ遊んだ」
久美子「遊びましたね~……」
優子「だね~……って、あ!」
久美子「どうしました? 優子先輩。本体ならちゃんと頭にありますよ?」
優子「じゃなくて! ほら! プリクラ!」
晴香「プリクラ?」
久美子「ってああ!」
晴香「ん?」
久美子「晴香先輩、戻りましょう!」
晴香「戻ろうって……もうだいぶ歩いたけど……」
優子「でもでも! この三人でプリクラ撮ったことなんて無いじゃないですか!」
晴香「あ~……まあ、そう……かも」
久美子「だから! 戻って、撮りましょう!」
久美子「えっ!?」
優子「どうしてですかっ!?」
晴香「だってほら……そうした方が、また二人と遊べるじゃない? だから」
久美子「…………」
優子「…………」
晴香「……って、あれ……?」
久美子「ああ、もう……晴香先輩には敵わないな~……」
優子「ホントよね~……」
晴香「え、えっ?」
久美子「そんな嬉しいこと言われたら、納得するしか無いってことですよ」
優子「また今度、暇が出来たら次こそは撮りましょうね」
晴香「……うん、そうだね」
終わり
優子「また来る時は、久美子のあの下手なドラムがちゃんと出来るようになってたら良いけどね~」
来る「え~? でもあの足で踏むのすごい難しいんですけど」
来る「そういうなら優子先輩がやってみたら良かったじゃないですか」
優子「アレは出来る気がしない」
久美子「だったらバカにしないで下さいよ……」
晴香「あはは……」
久美子「でも案外、晴香先輩ならあっさりと出来ちゃいそうですけどね」
晴香「えぇ~? そんなことないって。あすかこそ上手くやりそう」
久美子「あの人と比べること自体間違えてる気がしますけど……」
優子「香織先輩は……」
晴香「やってたらやってたでカッコイイだろうけどね」
優子「あのおしとやかな先輩が堂々とドラムを叩く……あぁ! なんて素敵な光景!」
久美子「それなら麗奈がやってもスゴイことになりそうだけど……」
優子「それは……結構シュールな映像になるんじゃ……?」
麗奈「久美子、任せて。私がキレイにドラム叩いてみせるから」
麗奈「ほら、足はこのタイミングで、こう踏むの」
麗奈「スティックを持つ時はこう。それで叩くと同時にもう一回叩けるようになるから」
~~~~~~~
久美子「……いやいや、結構カッコ良く無いですか?」
優子「惚気か……」
優子(でも……夏紀だったら……)
~~~~~~
夏紀「全く……こんなことも出来ないの? 貸してみて」
夏紀「ダッサ。こんなのも出来ないの?」
夏紀「ほら、こうだからこう。分かる?」
夏紀「大丈夫だって。いくらでも教えてあげるから。ゆっくりやってこ」
~~~~~~
優子(……うん、悪くない……)
久美子「夏紀先輩のこと、考えてたでしょ」
優子「えぇっ!? な、なんでアイツのことなんて考えないといけないのよ!」
晴香「まあ、分かりやすいよね」
優子「晴香先輩までっ!?」
今度こそ終わり
全て投下出来ました。
ありがとうございました。
また妄想が形になったらスレ立てます。
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Entry ⇒ 2016.10.14 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!ユーフォニアム】なかよし短編集
いくつかやる予定
優子「メェリィィ~!クリスマァ~スッ!」パーンパーン
夏紀「・・・」
優子「・・・」
夏紀「・・・(紙テープを払いのける)」クシャッ
優子「・・・ねっ!そんな感じで・・・盛り上がろう!よ?」
夏紀「・・・帰っていい?」
優子「だ、ダメダメ!絶対ダメ!」
夏紀「いきなり家に呼ばれて何かと思えば・・・大体なんであたししか呼ばないの?友達いないの?」
優子「いるわよっ!いる・・・けど・・・」
夏紀「けど?」
優子「クリスマァース!」パーン
夏紀「うわっ危なっ!それこっち向けるな!」
優子「みんなもう予定入ってるって・・・!いいわね・・・彼氏とか家族とか・・・クリスマス!」パーンパーン
優子「せっかくのイブに暇してる可哀想なヤツはあんたくらいしか居なかったのよ!」
夏紀「っていうか・・・家族は?」
優子「なんかワケわかんない気を回されて・・・『デートしてくる。明日の昼頃帰るから友達とか呼んでもいいぞ!』って書き置きが・・・」
夏紀「へー・・・いいご両親・・・かな?」
優子「良かないわよ!当日に言われたもんだからこのザマよ!料理とかパーティーグッズとかまで用意されてるし・・・」
夏紀「あー・・・それでクラッカーとか・・・」
優子「ほら!キャンドルとかシャンパンもあるわよ!」
夏紀「そうなんだ、帰る」
優子「な、何でよっ!」
夏紀「いや、逆になんでイブに優子と二人っきりで過ごさなきゃなんないのさ?罰ゲーム?」
優子「ちょっ、待ち、待ちなさいよ!」
優子「あんたが帰ると、私は一人でパーティーグッズに囲まれたまま、チンしたローストチキンをもそもそ寂しく食べることになるのよ!?」
夏紀「あー、そりゃ素晴らしいクリスマスだ、どうぞお幸せに」クルッ
優子「待て」ガシッ
夏紀「あ?」
優子「待ってくださいお願い一人にしないで」
優子「料理多くて食べきれないの・・・せめてそれだけでも食べてって・・・」
夏紀「・・・しょうがないな」ハァ
チーン
優子「お母さんの料理を温めるだけのフルコースよー」
夏紀「おー、美味しそう、いただきまーす」
夏紀「む、どれもうまい。料理上手なんだなー」モグモグ
優子「そう?私はいつも食べてるからわかんないけど・・・」モグモグ
夏紀「二人ならちょうど食べきれそうな量だね」
優子「そうね・・・明日の朝一人で残り物は、さすがにアレだし・・・」
夏紀「・・・優子って結構寂しがり屋?」ニヤニヤ
優子「そっ・・・!んなことないけど・・・お祭りで除け者にされるのは、なんかイヤ!」
夏紀「除け者、ねぇ・・・ん?このシチュー・・・」
優子「!」
優子「いやそれは・・・私が作ったの」
夏紀「え?」
優子「いや、なんだか全部言う通りにするのも癪だから、一品加えてみようかなーって思って・・・」
夏紀「・・・」モグ…
優子「あ、味見もしたんだけどねー・・・やっぱ慣れてないことはするもんじゃないわね!食べなくていいわよ!」
夏紀「・・・べつにあたしは、嫌いじゃない・・・こういう味」ガツガツ
優子「夏紀・・・」
夏紀「ごちそうさまでした」トンッ
優子「あ・・・あの実はまだ鍋に残ってて、おかわりも・・・あるわよ?」
夏紀「いや、いらない」キッパリ
優子「あ、そう・・・」
夏紀「・・・」
優子「・・・」
優子「・・・」チラ
夏紀「いらない」
優子「・・・」
夏紀「・・・さてと」
優子「」ピクッ
夏紀「お腹いっぱいごちそうになったところで、そろそろ・・・」
優子「・・・ダメ」ガシッ
夏紀「はぁ?」
優子「今夏紀に帰られたら私、この微妙に広い家でサンタも来ない一人ぼっちのクリスマスを過ごすことになるのよ!」ユサユサ
夏紀「いやあたしが居てもサンタは・・・お、お、お、揺するなー!」ユラユラ
優子「やだ!私の部屋以外真っ暗なんて!暖房効いてるのが、一人きりの私の部屋だけなんて!やだ、よぉ・・・」グスッ
夏紀「はっ?なに涙目になってんの・・・あーもー面倒だなぁ・・・」
優子「さみしい・・・」ショボーン
優子「!」パァ
優子「じゃあ泊まっていきなさいよっ!」
夏紀「はー、めんどうだしそうするかー」
夏紀(本当にめんどくさいヤツだ)
優子「やった!一人クリスマス回避!」グッ
優子「本当はせんぱいがよかったけど・・・チッ、まぁこいつでもギリ良しとするかー」
夏紀「おい、まさか嘘泣き・・・」
夏紀「帰ろ」クルッ
優子「あーさっき泊まるって言った!言質取ったから!破ったら泣く!夏紀に酷いことされたってラインで広める!」
夏紀「あーもー何がなんでもか!」
夏紀「わかったよ・・・泊まりゃいいんでしょ泊まりゃ・・・親に電話しなきゃ」
優子「さっすが話がわかる!じゃ、布団とか準備するわね~」パタパタ
夏紀「はぁ・・・史上最低のクリスマスだ」
このあと滅茶苦茶親に誤解された
おわり
時期は一年生入学の前です
ガヤガヤ
優子「練習終わった~、帰ろ帰ろ~っと」
夏紀「うわ、独り言でかっ・・・うっとおしいなー」ケッ
優子「・・・お先に失礼っ!」グイ
夏紀「ちょっ!・・・あんた今足踏んだでしょ!」
優子「踏んでませんー!夏紀の足が私の足の下に入り込んできただけですー!」ベー
夏紀「なっ・・・!あたし動いてないっつーの!」
優子「じゃあ、踏まれるような位置に足出しとくほうが悪いんじゃないの~?」ケラケラ
夏紀「こ、この女・・・!」
香織「こらこら、今のは流石に優子ちゃんが悪いよ?ちゃんと謝って?」
優子「香織せんぱい・・・!」
夏紀「だそうですよ~?優子ちゃ~ん?」
優子「その呼び方やめなさいよ!キモイ!」イラッ
夏紀「ほらほら謝って?優子ちゃん?」ニヤニヤ
優子「ぐっ・・・!ぐぬぬ・・・!」
優子「ど、ドーモスイマセンデシター」ボーヨミ
夏紀「気持ちがこもってない!謝罪の気持ちが足りない!」
優子「べっつにぃー?こころを込めて謝りましたけどー?」
夏紀「ウザッ」
夏紀「コイツがウザいからです」
優子「コイツが生意気だからです」
香織「うーん・・・」
優子「だってだって聞いてくださいよせんぱいー!コイツとこの前ファミレス行った時に・・・!」
優子『二度手間だから夏紀の分のドリンクも取ってきたわよ・・・ほら』
夏紀『えー・・・ウーロン茶ぁ?つまんないなー。ジュースがいいー』
優子『と、取ってきてあげたんだから少しは感謝しなさいよ!?』
夏紀『えー?あたし別に頼んでないしー・・・自分で取ってくるから、ウーロン茶は両方優子が飲んでー』タタタ
優子『あっちょっ・・・!お礼もナシ!?』
優子「って!生意気じゃないですか!?」
優子「折角気を回して万人受けするチョイスにしてあげたのに・・・!」
夏紀「だってジュースの気分だったんだもん」フン
優子「そのくせ自分は三種類ぐらい適当なジュース混ぜたやつ持ってくるんですよ!?しかも二人分!」
優子「何で私まで飲む羽目に・・・酷いですよね!小学生かっ!って思いますよね!?」
香織「飲んだんだ・・・っていうか二人でファミレスとか行くんだ・・・」
香織「えーと・・・中川さん・・・くれぐれもお店の迷惑にはならないようにね・・・?」
優子「やーい、怒られた!」
夏紀「うっさい!それなら優子だって、この間・・・!」
『きのこソースのハンバーグステーキ、お待たせしましたー』
夏紀『はい、こっちですー、どうも』
夏紀『~♪』
優子「あっ!それ期間限定の・・・食べてみたかったのよねー」
優子「ね、一口だけ・・・」
夏紀「絶対にヤダ」パクッ
優子「む、むうぅ・・・!スキありっ!」ヒョイパク
夏紀「ちょっ何・・・!?し、信じらんない!」
優子「ふむふむ、まあまあね・・・あ、ポテトについてたパセリあげるから、許して?」
夏紀「許すか!」ヒョイパク
優子「あー!私の海老ドリアー!」
夏紀『はい、これでチャラ!』モグモグ
優子『ずるいー!夏紀の一口の方が大きかったー! 』
夏紀『そっちが先に手出したんだからこれで相子!』
優子『もう一口食べさせろー!』
ギャーギャー
夏紀「ということが・・・」
香織(既に迷惑かけてるじゃない・・・)
優子「うっ・・・確かにあの時は私が・・・でも後で謝ったじゃない・・・」
夏紀「食い物の恨みは恐ろしいんだよ」
香織「そうだね、親しき仲にも礼儀あり、よね」
夏紀「そうそう・・・」
「「って!別に親しくないです!」」
香織「あら、息ぴったり」
優子「マネすんじゃないわよ!」
夏紀「そっちこそ!」
優子「よくもせんぱいの前で恥かかせてくれたわね・・・!こっちも暴露してやる!」
優子「あれは映画を見に行った時・・・!」
夏紀「ちょっと!それは話さないって・・・!」
優子「あんたも赤っ恥かくといいわ!」フン
優子(・・・なんかイマイチね、この映画)
優子(・・・)チラ
夏紀『サクサクサク』
優子(うわっ!すごい勢いでポップコーン食べてる!スクリーン見てもいないし!)
優子(ロコツな奴ね・・・)
優子(面白いから見てるふりしてよっと)
夏紀『・・・』ウトウト
優子(食べ終わったみたいね)
夏紀『・・・くー』コテン
優子(寄りかかってきた。重い)
夏紀『かー・・・』グテー
優子『ぷくっ・・・くく・・・!』
優子(口半開きで、面白いカオ・・・!)クスクス
優子(写真撮っちゃおっと!)カシャー
優子「ほんっとバカみたいで・・・!あ、写真見ますか?」
香織「あの、映画館では携帯の電源を・・・」
夏紀「ちょっと!それ消したって言わなかった!?」
優子「誰が消すか!ウソよウソ!はー何度見ても笑えるわー!」
夏紀「このっ!け、せー・・・!」グググ
優子「い、や、よー・・・!」グググ
香織(帰りたい)
優子「ふん!私に言われて困る事なんて・・・」
夏紀「そ、そうそう、こいつ!この年になって抱き枕が無いと眠れないんですよ!」
優子「ちょっ!?それは本当にダメ・・・!せんぱいっ!コイツの言うこと全部デタラメですよっ!」
夏紀「あれは今年の合宿・・・」
優子「やめろっつってんでしょー!」
夏紀『・・・じゃー電気消すよー』
ハーイ オヤスミ
夏紀『よっこいしょ・・・っと』ファサ
優子『よっ』ヒョコ
夏紀『よっ、じゃねーよ自分の布団に戻れ』バサッ
優子『もがっ!ちょ!ギブ!ギブ!」ペチペチ
夏紀『何の用?』
優子『いや・・・私、抱き枕無いと寝れなくて・・・』モジモジ
夏紀『そうなんだ、戻れ』
優子『いや!だから、私の抱き枕にしてやるって言ってるのよ!ありがたく思え!』
夏紀『他の友達に頼め、ってか友達いないの?』ゲシッ
優子『こ、こんなのまともな友達に頼めるわけないでしょ!そんなこともわかんないの!?』
夏紀『なんでさっきから上から目線なんだよ・・・あーもう眠いから勝手にしろ』コテン
優子『よしっ、それでいいっ』ギュッ
優子『・・・』
夏紀『吐息が首筋に当たってキモいから、息止めてくんない?朝まで』
優子『死んじゃうんだけどそれ』
夏紀『あたしは別にかまわない』
優子『薄情者め』
夏紀『友達じゃないし』
優子『・・・ま、そーね』
夏紀『・・・おやすみ』
優子『・・・うん』
夏紀「って!超子供っぽいですよね!」ケラケラ
優子「うわバカだ!マジで言いやがったこいつ!くたばれー!」ポカポカ
香織(抱き枕うんぬんより衝撃的な話があったんだけど・・・)
夏紀「くたばるのはそっち!」ポカポカ
香織「・・・そっか」
香織(仲の良さなんて定規で量れるものじゃなくて、形は人それぞれ)
香織(本音をぶつけ合っても一緒にいられる関係なんて、少し羨ましく思っちゃうな)
香織「いいなぁ、親友同士って」
「「親友なんかじゃないですからっ!」」
おわり
希美「優子に彼氏が出来たらしいんだが」
夏紀「・・・は?」
希美「優子にかれ」
夏紀「いや聞こえなかったわけじゃなくて。何言ってんの?」
希美「うむ。うちのお母さんが優子のお母さんから聞いたらしい」
夏紀「あり得ないんですけど、あいつに彼氏とか」
希美「いやいや、電話で彼氏と話してるとこ聞いたとか、何度かデートも行ってるみたいとか・・・」
夏紀「アリエンナインデスケド、ハハッ」
夏紀「というか優子のどこが良いわけ!?あいつに良いところなんて無いよ!」
希美「うーん・・・見た目、とか・・・?」
夏紀「・・・まぁ、かろうじて・・・」
希美「あと、その人の前では猫被ってるとか!優子得意そうじゃん、なんとなく」
夏紀「あー・・・それは確かに・・・」
夏紀「って、それだとあいつが詐欺師みたいなんだけど!」
希美「んー、当人同士が幸せなら良いんじゃない?もしかしたら全部わかった上で好き、ってことも・・・」
夏紀「ないないない!それは絶対に無いから!」
夏紀「大体、別に変わった様子なんて・・・」
希美「えー?でも恋は傍目にわからないって言うし・・・」
夏紀「ない!断じて無い!」
希美「え・・・ちょ、何怒ってんの?」
夏紀「怒ってない!これは・・・そう!あいつに先越されてイラついてるだけだから!」
希美「おーコワ・・・あ、真偽のほど、本人に聞いといて~」バーイ
夏紀「誰が聞くかっ!」
夏紀(とは言ったものの・・・少し気になるな・・・)
夏紀(いやいや、別にどんな奴と・・・とかじゃなくて!どうせ何かの勘違いだから、そうに決まってる!)
優子「すみません、今日予定があって・・・部活早退してもいいですか?」
滝「予定があるなら仕方ありませんが・・・次回からはなるべく事前に教えてください」
優子「はっ!はい・・・スミマセン、お疲れ様でした」テテテ
夏紀「お?どうしたの?サボり?」ニヤニヤ
優子「うっさいわね・・・!今日はあんたに構ってる時間は無いの!大事な約束なんだから・・・」
夏紀「約束?誰と!?」
優子「だ、誰だって良いでしょ!あんたには関係無いわ!じゃあねっ!」
バタン
夏紀「・・・」
葉月「いや、デートで練習休むってどうなの・・・」
みどり「部活的にはアウトかも知れませんが、みどりは応援します!だって恋する乙女のパワーは・・・!」
夏紀「そこっ!私語うるさいっ!」ギロッ
みどり「ひいっ!ご、ごめんなさい・・・」ビクッ
葉月「うわー、なんか荒れてるなー、先輩・・・」ヒソヒソ
みどり「それだけ練習に熱が入ってる、ってことですよ葉月ちゃん!」ヒソヒソ
葉月(何か違う気がするんだけど・・・)
夏紀(やば、何後輩にきつく当たってんだあたし・・・)
夏紀(あー!あいつのせいで何か調子狂う・・・!)イライライラ
久美子(あの日・・・かな?)
夏紀「・・・」ギロッ
久美子「ひいぃっ!すみません!」
久美子(声に出してないのにー!)
夏紀(ダメだ、なんか怖がられてる・・・)
夏紀(忘れないと・・・!忘れろ、忘れろ・・・!)ゴゴゴ
久美子(怒りのオーラがー!)ヒー
夏紀(結局昨日は練習にも身が入らなかった・・・)
夏紀(もう!このもやもや、はっきりさせてやる・・・!)
夏紀「優子!ちょっと!」
優子「ひゃっ!?な、なによ、びっくり・・・するじゃない・・・もうっ!」カァ
夏紀「?」
夏紀「あの、聞きたいことあるんだけど」
希美「ちょっと待ったぁー!」
夏紀「希美?」
希美「ちょっと夏紀借りてくね!じゃっ!」
優子「あ・・・えっ?」
希美「あのっ!ごめん!昨日のアレ、早とちり!」
夏紀「・・・はい?」
希美「うむ・・・昨日優子本人に尋ねたらしいんだよ。そしたら・・・」
優子『はぁ!?かっ、彼氏とかありえないから!アイツはただの女ともっ、知り合いよ!』
希美「って」
夏紀「・・・つまり?」
希美「友達と電話してるのに、あんま仲良さそうだから彼氏と勘違いした!相手の名前で男の子かと思ったみたい!以上!」
夏紀「な、なんだぁ~・・・」ヘタッ
夏紀「じゃ、なくて・・・やっぱりそんなことだろうと思ってたよ!」
希美「あはは・・・安心した?」
夏紀「別に・・・あいつが誰とどうしたとか、全く興味ないから!」
希美「ふふっ、昨日と言ってること違わない?」
夏紀「違わない!」
優子「ちょっと夏紀~?何か話あるなら早くしてくんない?」
夏紀「別に無いよっ」ベー
優子「なっ!わざわざ聞いてあげたのにその態度何っ!」
夏紀「あはは!そんなだからいつまで経っても恋人が出来ないんだよっ!」
優子「なっ!よ、余計なお世話よっ!用無いなら練習に戻れ!しっしっ!」ガー
夏紀「それこそ余計なお世話ですー!」
夏紀(にしても・・・)
夏紀(優子と仲の良い友達で男に間違われる名前って・・・誰だろう?)
おわり
ご覧頂きありがとうございました
ユーフォ劇場版&二期決定をついこないだ知ったので。今から二年組の出番に期待です
甘甘もいいけどツンツンで無自覚で犬猿なところがなかよし川の魅力だと思うのです
怪談というかホラーネタは思いついたけど膨らみませんでした。意外とリボン先輩はそういうの平気で夏紀先輩がめっちゃビビリながら強がるイメージが浮かびました。なんとなく
ニヤニヤした
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450956631/
Entry ⇒ 2016.08.28 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!ユーフォニアム】夏紀「犬猿の・・・仲良し?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434107438/
↑前作
百合です。
平気な方、むしろ大好物な方はお楽しみください。
葉月「こんちわー」タタタ
みどり「失礼しますー」トットッ
梨子「あ、こんにちは。今日三年生はちょっと遅れるみたいだよ」
久美子「そうなんですか。あ、夏紀先輩も、こんにちは」
夏紀「あー・・・」グテー
夏紀「よー・・・」ヒラヒラ
夏紀「・・・」ムスーッ
久美子「どうしたんだろう、夏紀先輩・・・なんか機嫌悪いみたい」ヒソヒソ
葉月「んー・・・せっかく吉川先輩と付き合ってるって情報ゲットしたのに・・・」ヒソヒソ
久美子「なんか聞きづらいよねぇ・・・」ヒソヒソ
葉月「だねー。みどり、今日は残念だけど・・・ってあれ!?」イナイ
みどり「夏紀先輩って!吉川先輩と付き合ってるんですかっ!?」キラキラ
久美子(うわあああぁぁっ!)ビクビク
夏紀「・・・んー・・・?ああ、まぁ・・・?」グタ
みどり「ひゅー!!ラブラブ!?ラブラブなんですかっ!?」キラキラ
夏紀「・・・べつに」ムスッ
みどり「またまたぁ~!!恥ずかしがらなくたって良いですよぅ~!!」キラキラ
梨子「うわぁ・・・」
葉月「ヤバイ!久美子!みどりを止めないと!」ヒソヒソ
久美子「うん・・・なんか絶望的に噛み合ってないね」ボーゼン
葉月「何冷静に見てんの!?そーじゃなくてー!!」ウワー
ダダッ
葉月「夏紀センパイ!吉川先輩と何かあったんですか!?」ゼェハァ
夏紀「あ・・・うん、まあね・・・」ハァ
みどり「葉月ちゃん!今いい所なんです!!」キラキラ
葉月(ちょっと黙っててー!)ヒー
葉月「えぇっと・・・何か悩みがあるなら話すと楽になるかもしれませんよ!?」
夏紀「ん・・・そうかな・・・」
葉月「絶対そうですって!何でも聞きますから!」クワッ
夏紀「ん・・・そう・・・?じゃあ・・・」モゴモゴ
麗奈「・・・」
麗奈(何でよりによってこの人と二人きり・・・)
優子「・・・」ソワソワ
麗奈「・・・」
優子「・・・」チラッ
麗奈「・・・」
優子「・・・」チラッ チラッ
麗奈(物凄く話しかけて欲しそうにしている・・・)
麗奈(しょうがない)ハァ
麗奈「吉川先輩、どうかしたんですか?」
優子「!・・・ちょ、ちょっと悩んでてね・・・」
麗奈「どんな悩みですか?聞きますよ」
優子「き、聞いてくれる・・・?高坂ぁ・・・」ウルウル
麗奈「はい」
麗奈(めんどっ)
優子「そ、その、ね・・・昨日夏紀と喧嘩しちゃって・・・」シュン
麗奈「二年の中川先輩ですか」
優子「うん・・・えっと・・・」
優子『流石に昼ごはんの分の食材は買ってなかったわー』ムム
夏紀『んー・・・じゃあ、近くにマクドあるから行こうよー』グテー
優子『・・・近いから選んだわね?』ジロ
夏紀『いいじゃんいいじゃんおーねーがーいー』ネーネー
優子『まあいいけど・・・じゃあ私が買ってきてあげるわよ』
夏紀『えっ!いいの?』ヤッター
優子『泊まらせてもらってるし、別にそれくらい良いわ』
夏紀『じゃあお言葉に甘えて・・・あたしはー・・・』
夏紀『ダブルチーズバーガーとマックシェイクね!』ビシッ
優子『はいはーい。いってきまーす』ガチャ
優子「思えばこれがすべての元凶だったのよ・・・」ズーン
麗奈「えっ、あの、ちょっとどこからつっこんで良いのか・・・」アゼン
優子「私は、注文どおりに二人の分を買って帰ったわ・・・」
麗奈(なんですか・・・これ)
夏紀『待ってましたー!』
優子『はい、ダブチと、シェイクで・・・良かったわよね?』
夏紀『うんうん!ありが・・・あれ』
優子『どうかした?』
夏紀『このシェイク・・・』ジー
優子『バニラだけど、どうかした?』
夏紀『えーっ、シェイクといえばチョコでしょー』エー
優子『えっ、シェイクといえばバニラでしょ!?』
夏紀『チョコ!』
優子『バニラ!』
夏紀『チョコ!!』
優子『バニラ!!』
『『むむむ・・・』』
優子『大体チョコって甘ったるすぎるのよね~、きつすぎて一本飲みきれないわよー!』フンッ
夏紀『なっ、それを言うならバニラなんか、何の特徴も無くて飲みきる前に飽きちゃうよ!』ガー
優子『特徴が無いとはなによ!』ウー!
夏紀『きつすぎるとはなにさ!』ウー!
『『むぐぐぐ・・・!!』』
優子『ふんだ!せっかく買ってきてあげたのに!もー帰るっ!』プンプン
夏紀『ふんっ!勝手にすれば!?』ツーン
優子『・・・本当に、帰る、わよ?』チラ
夏紀『か、勝手に・・・してよ!』プイッ
優子『あーそーですかっ!もうっ!さよならっ!』
ガチャ バタン
麗奈「えー・・・と、色々言いたいんですけど、まず先輩たちはどういうご関係なんですか?」
優子「恋人・・・同士よ、今のところ」ハァ
麗奈「」ガタッ
優子「ううぅ・・・振り返ってみると私が物凄く悪いぃ・・・」
優子「ちゃんと何味か聞いていれば・・・別に好きな味だからって意地張らなければ・・・」ブツブツ
優子「どうでも良いものって妙に意地張っちゃうのよね・・・」シュン
麗奈「いえいえ、どっちにも非はありますよ!」
麗奈「身近なものほど愛着があるのは当然だと思いますし!」
優子(なんか急に食いついてきたわ・・・)
麗奈「でも?」
優子「私が帰るって言ったとき、夏紀なら絶対引き止めてくれると思ったんだけどなあ・・・」グス
優子「引き止めて一言『ごめん』って言ってくれれば私も素直に謝れたのに・・・」
優子「わたし・・・実はそんなに夏紀に好かれてないのかなぁ・・・?」グスン
麗奈「・・・そんなことありませんよ!中川先輩だってきっと仲直りしたいって思ってるはずです!」
優子「そう・・・かなあ・・・」
麗奈「何なら吉川先輩のほうから謝れば良いんじゃないですか?」
優子「む、無理無理!あんだけひどいこと言っちゃって、今更許してなんて・・・」グスッ
麗奈「・・・流石に部外者ですから、あまり勝手なことは言えないですけど・・・」
麗奈「中川先輩は、そんなに心の狭い人じゃないと思いますよ?」ニコ
優子「ん・・・そうかも・・・ありがと、少し楽になったよ、もうちょっと考えてみる」ゴシゴシ
麗奈「頑張ってください」グッ
優子「あと、わたし、あんたのこと、誤解してたかも・・・」
麗奈「ええ、私もです」キマシ
麗奈「また何かあったら、聞きますよ。仲間ですから」ニコ
優子「うん、ありがと・・・」ニコ
麗奈(羨ましい・・・)
久美子「何だ、そんなくだらない事・・・はっ!」ヤバ
葉月「ちょっ久美子!」
夏紀「ううん、いいんだよ・・・本当にくだらない意地の張り合いだったんだから」ハァ
夏紀「買ってきてもらっておいてケチ付けるとか・・・ちゃんと言わなかったあたしが悪いのに・・・」
夏紀「怒るのも当然だよね・・・」ズーン
久美子「そうですね・・・っとお!」
葉月「・・・」
夏紀「やっぱその前あんなことがあったから、何でも許してくれるって思っちゃったのかなあ・・・」ボソッ
みどり「あんなこと?」
夏紀「い、いやいやっ!なんでもない!ソレは忘れて!」カァ
久美子「それは・・・確かに」
葉月「ちょっと短気かなって気はしますね」
みどり「うーんと・・・引き止めてもらいたかったんじゃないですか?」
夏紀「・・・え・・・?」
みどり「そっけない態度を見せれば、夏紀先輩が折れてくれると思ったのでは?」
夏紀「あっ・・・!そういえば帰り際、やけにこっちを見てくると思ったら・・・」ハッ
みどり「本当に帰りたいほど嫌なら、振り向かずさっさと帰ってしまうと思いますよ?」
夏紀「そ、そっか・・・あたし、ムキになってて全然気がついてなかった・・・」ハァ
みどり「そうですよ!きっと吉川先輩も引くに引けなくなって帰ったんですよ!」ウンウン
夏紀「はは、なんだ、じゃあ全部あたしが悪かったんじゃん・・・」ハハハ・・・
みどり「夏紀先輩が謝れば、吉川先輩も許してくれると思いますよ?」
夏紀「あんなことして・・・今更許してくれるのかな・・・」
みどり「・・・吉川先輩も、待ってると思いますよ?」テンシオーラ
葉月「すごい・・・みどりの癒しオーラ・・・」
久美子「うん・・・闇雲に人の恋愛に首つっこむだけじゃなかったんだ・・・」ボソッ
葉月「・・・」
葉月「うん・・・それみどりに聞こえる時には言わないでね?」
夏紀「ありがとう・・・川島さん、お陰でどうすべきか、わかったよ」ニコ
みどり「そんな・・・みどりでよければ、いつでもどうぞ!」ニコ
夏紀(とは言ったものの・・・)
夏紀(いきなり『ごめんなさい』って言うのもなんだかおかしいかな・・・)
夏紀(何かきっかけがないと、うまく言い出せないかも・・・)
夏紀(・・・何か考えよう)
夏紀(あっという間に練習終了の時間になってしまった)
夏紀(何も思いつかなかったので、とりあえず駅で待ち伏せることにした)
夏紀(下駄箱でも良かったけど・・・駅までの間を持たせる自信が、持てなかった)
優子「・・・」テクテク
夏紀(・・・来た!)
夏紀(同じ電車に乗ろう・・・)コソコソ
プシュー
ドア シマリマース
優子「はぁ・・・」
夏紀「・・・隣、いい?」スッ
優子「きゃあっ!?・・・あ、い、いいけど」ビク
ストン
夏紀「・・・」
夏紀(まだ怒ってるよね・・・)
優子「・・・」
優子(まだ・・・怒ってるのかしら・・・)
夏紀「・・・ねぇ」
優子「・・・な、何よ?」
夏紀「・・・今から・・・家、行っても良い?」
優子「へ?」
夏紀「・・・」
優子「・・・いいわよ」
夏紀「・・・」コク
優子(これは・・・『来る』と解釈して良いのよね・・・)チラ
ガチャ
優子「・・・ただいまー」
優子(結局あれから一言もしゃべらなかった・・・)ハァ
夏紀「・・・お邪魔します」
優子母「あら、お友達?」
優子「うん」
夏紀「同級生の中川夏紀です」ペコリ
優子母「あらあら、うちの子が友達連れてくるなんて珍しいわね~、ゆっくりしてって!」
夏紀「ありがとうございます」ペコ
優子母「悪いけどちょっと買い物に出なきゃならないから、優子、留守番お願いね」
優子「はーい」
優子母「それじゃ、狭い家ですがくつろいでってね」
ガチャバタン
優子「・・・」
夏紀「・・・」
優子「・・・部屋、こっち・・・」トットッ
夏紀「あ、うん・・・」トトト
夏紀「・・・」ソワソワ
夏紀(全然しゃべらない・・・やっぱ怒ってるんだ・・・)
優子「・・・」
夏紀「・・・あ、あの」
優子「ちょっと買い物行って来る!」スクッ
夏紀「あー・・・えっ?」
優子「五分ぐらいで戻るから!ちょっと待ってて!」ガチャ
バタン
夏紀「えー・・・」
夏紀(・・・時間作ってくれたのかな)
夏紀(今のうちに何て言うか、考えておこう・・・)
夏紀(帰ってきた・・・)ササッ
優子「おまたせっ」ガサッ
夏紀「・・・!それ・・・」
優子「うん・・・。飲もう?」
夏紀(ここでシェイク・・・?怒ってるのかな・・・それとも許してくれるってこと・・・?)モンモン
優子「はい」ヒョイ
夏紀「ん・・・これ、バニラ?」
優子「そうよ。私はチョコ」
夏紀「・・・?」チュー
優子「・・・」チュー
夏紀「・・・??」チュー
優子「・・・おいしいわね」
夏紀「!」
夏紀「!」
優子「・・・その、ま、まあまあ。そんな、悪くは無いってことよ」プイッ
夏紀「う、うん・・・」ドギマギ
優子「だ、だから、悪かったわ・・・その、あんなこと言って」カァ
夏紀「うん・・・あたしも悪かった・・・ごめんね、カッとなっちゃって」ペコ
優子「そ、そんな・・・私も悪かったんだから、お互い様よっ・・・」プイ
夏紀「いや。ほんと、ごめん。あの時、気づいてあげられなくて」シュン
優子「ん、さ、さあ、なんのことかしらっ?」カァァ
夏紀「ふふ。優しいね」ニコ
優子「さ、さっぱりわからないわっ」チュー
夏紀「・・・ほんとだ。バニラも美味しい」チュー
優子「でしょう?」フフン
夏紀「でも・・・やっぱりあたしは・・・」グイッ
優子「んんっ!?」ビクッ
チュー
優子「んんん~~~!?!?!?!?」ビクッ
優子(し、舌・・・!?)カァァ
夏紀「ぷはっ・・・」ハァハァ
優子「んは、はぁ・・・はぁ・・・」ハァハァ
夏紀「こっちの味のほうが・・・好きかな」ペロリ
優子「っ!・・・味って、どっちの意味よ・・・」カァァ
夏紀「ふふっ、さあね?」ニヤ
優子「もうぅ・・・」カァァァ
夏紀「・・・好きだよ。優子」ニコ
優子「っ!・・・うん、私も!夏紀!」ギュッ
夏紀「さて。仲直りも完了したところで」ヨイショ
優子「ん?もう帰るの?」
夏紀「これについて、話そうかっ」ニコ
ドサッ
優子「うあっ・・・!?な、なな、なぜそれを・・・?」ガクガク
夏紀「そんなのどうでもいいじゃん」ニコニコ
優子「あ、あんたっ・・・!部屋中探したわねっ・・・!」プルプル
夏紀「ふーん・・・『せんぱいアルバム』ねぇ・・・」ペラペラ
夏紀「すごいねぇ・・・千枚近く写真あるんじゃない・・・?」ペラペラペラ
優子「うう、あぁ、そ、それは・・・」タジタジ
優子「その、なんというか、せんぱいへの、尊敬の表れと言うか・・・」タジタジ
夏紀「ふんふん・・・つまり、純粋な尊敬の気持ちで、よこしまな気持ちは一切無いと?」ニコ
優子「うん!そう!そう!そうなの!」コクコクコク
夏紀「そうだよねーびっくりしたよ」アハハ
優子「ううううん!いいのよ!かかっ、勘違いは誰にでもあるわっ!」アセアセ
パサッ
優子「」
夏紀「題名すら書いてないアルバムだから、何なのかちょっと気になっちゃってさ」ニコ
優子「・・・み、みた・・・?」カタカタ
夏紀「すごいねぇ・・・中瀬古先輩の下着姿、着替え、パンチラ、下着透け・・・明らかに同意を得て撮ってない写真ばっかだね」ニコ
夏紀「かなり不自然なアングルの写真とか」クス
夏紀「学校以外の背景の写真もあるねー」
夏紀「物凄い努力が伺えるよ?」ニコ
優子「」
優子「も、もうやめて・・・」
夏紀「ううん、いいんだよ?あたしは優子が何をしようと」
夏紀「でもさ、こういうのはよくないよね?」ニコ
優子「あ、あぅぅ・・・」
夏紀「だからさ、こっちのアルバム、今すぐシュレッダーにかけて?今すぐ!あたしの目の前で!」ニコォォォォ
優子「ひぃっ!そんなぁ・・・」ガクガク
優子(一度も笑顔を絶やさない・・・怖いよぉ)
優子(でも目は全く笑ってないぃ・・・)ガクガク
夏紀「いいんだよ?あたしは特に何も思ってないんだよ?でもさぁ・・・『コレ』は無いよねぇ・・・?」ゴゴゴゴ
優子「はっ!はいぃ・・・でもぉ・・・」グスン
夏紀「まさか・・・あたしの『お願い』より、写真のほうが・・・先輩のほうが、大事・・・?」ゴゴゴゴ
優子「いっ!いやいやっ!滅相もないっ!」ヒィィ
優子「やります!やらせてください!」
夏紀「本当は燃やしてほしいけど・・・ここじゃ無理だよね」ボソッ
優子「えっ・・・今なんて」ビク
夏紀「なんでもないよ」ニコッ
優子(ううぅ・・・努力の結晶がぁ・・・)グスン
優子(確かに夏紀のことを一番に愛してるけどぉ・・・)
優子(せんぱいは私の中の永遠のアイドルなんです!)
優子(ごめんなさいせんぱいー!)エーン
夏紀「・・・」
夏紀「ねぇ・・・」ガシッ
優子「な、何!?」ビクッ
優子(あ・・・顔近い・・・)カァ
夏紀「中瀬古先輩のこと、まだ・・・好きなの?」
優子「えっ?い、いや、先輩のことは、すき、というか尊敬というか・・・」アセアセ
夏紀「好きなの?」ググ
優子「い、いやその・・・はい!別にラブじゃないです!ライクです!」ヒィ
夏紀「・・・そっか」
優子(今度は一転して無表情・・・これはこれで怖いわよぉ・・・)ヒィィ
夏紀「・・・あのさ」
優子「うんっ」ビク
夏紀「別に先輩とつるむのをやめて、とは言わない・・・でも・・・」
優子「でも?」
夏紀「手ぇ繋いだりとか、抱きついたりとかは・・・やめてほしい」
優子「えぇーーーっ!?」ガーン
夏紀「・・・」ジッ
優子「う・・・どうして?」タジ
夏紀「・・・なんか・・・そういうの見てると・・・我慢できなくなりそうで・・・」
夏紀「もちろん、ただのスキンシップだって分かってはいるけど」
夏紀「イライラして・・・むかむかして・・・そこはあたしの場所だ!って飛びつきたくなるの・・・」
優子「・・・」
夏紀「・・・ごめん、こんな・・・うざいよね、あたし」ハァ
夏紀「・・・!」
優子「夏紀が、そうしてほしいって、言うなら!」
優子(・・・正直ちょっとつらいけど)ウグ
夏紀「・・・優しいね、優子は」
優子「ううん、私も、嬉しかったから」
夏紀「なにが・・・?」
優子「ふふ・・・夏紀がやきもちやいてくれたことっ」ニコッ
夏紀「あ・・・っ、そ、そういうんじゃないからっ!」カァ
優子「・・・♪」ニコニコ
夏紀「うぅぅ・・・」プシュー
優子「夏紀ってけっこう、独占欲強めよねー」
夏紀「そ、それは・・・ちょっと、そうかもしんないけど・・・」ギク
優子(自覚はあったんだ・・・)
優子「大丈夫、私の恋人は夏紀だけよ。だから・・・」クイッ
優子「ちゃんと証明してあげる」スッ・・・
夏紀「ん・・・」スッ
「「!!?」」
ビクゥ ガツン
夏紀「いっつー・・・!」ウググ
優子母「ただいまー・・・ってどうしたの?」
優子「ちょ、ちょっ・・・お母さん!ノックぐらいしてよっ!」ゼェハァ
優子母「ちゃんとしたわよー。返事がないからどうしたのかと思ったのよ?」ハァ
優子(やばっ・・・全然気づかなかった)
優子母「えーと・・・夏紀?ちゃん?大丈夫!?血が出てない!?」
夏紀「ふぁいひょふれふ」ツー
優子「唇切れてる!」キャー
夏紀「ふぁ、だいじょうぶ・・・」ウグ
優子母「えーと・・・絆創膏・・・は貼れないかしら!?」
夏紀「ほ、ほんとに・・・だいじょぶです・・・もう血は止まりましたから・・・」
優子母「そ、そう・・・?じゃあ、何か必要なものがあったら、遠慮なく言ってね・・・?」
ガチャ バタン
夏紀「危なかったね」
優子「ごめん、歯が当たっちゃったわよね?ホントに大丈夫?」
夏紀「正直言うと結構痛い・・・」ウグ
優子「ごめんなさい・・・」
夏紀「いいの。ただの事故だよ」
優子「私に何か出来ることないかしら・・・?」オロオロ
夏紀「・・・じゃあ、なめて、傷口」クイ
優子「えっ」ドンビキ
夏紀「あ、いや、やっぱ嘘。というかじょうだ・・・んっ!?」ピクッ
優子「ちゅ・・・ぺろ・・・」チュー
優子(・・・鉄の味・・・)ゾク
夏紀「んん・・・」ビクッ
優子「ふぅ、これで・・・いい?」カァ
夏紀「優子・・・」カァ
夏紀「・・・めっちゃ痛い」グスン
優子「そりゃそうよ・・・」ハァ
久美子「・・・うー・・・暑い・・・」アセダク
葉月「しょうがない!風通しの悪い校舎よりは中庭でお昼食べるほうが良いでしょ!」
みどり「そうですよー。急がないと日陰を誰かに取られちゃうかもですよ?」
久美子「ううー・・・急ぎたくなーい・・・」
葉月「あっ人いる・・・けどまだ空いてるよ!いそげー!」ダダッ
久美子「元気だなぁ・・・って、うわっ」ゲッ
優子「げっ、とは何よ」ジロ
夏紀「おっ、黄前ちゃんたちもここでお昼?」
久美子「え、えーと・・・」
久美子「葉月ちゃん・・・他の場所探さない・・・?」ヒソヒソ
葉月「うーん・・・あ、もう手遅れだ」ヒソヒソ
みどり「はい!みどりたちよくここでお昼食べるんですよー!」キラキラ
夏紀「そうなんだー」
優子「ふーん」ムス
葉月「もうみどり座っちゃったし、しょうがないね」ヒソ
久美子「うわぁ・・・」ヒソ
夏紀「んーまぁ、ホントにくだらないことだったしねー」アハハ
葉月「言い忘れてましたけど、あたしもチョコ派ですよ!」
夏紀「マジで!?いやー、同士って案外近くにいるもんだねー」
葉月「あの濃厚な甘さがいいですよねー!」
夏紀「そうそう!それに・・・」
ワイワイ
久美子「・・・」
優子「・・・」ムスッ
久美子(話題に入っていけない)
優子「・・・ちょっと黄前さん」ヒソヒソ
久美子「はっはい!」
優子「少しは空気読みなさいよ・・・」ヒソ
久美子「す、すみません・・・」ヒソヒソ
優子「まぁあなたに空気読めって言うのは酷かもしれないけど・・・」ボソ
久美子「えっ」ガーン
優子(このまま引き下がれるもんですか・・・!)
優子「はい夏紀、あーん」ヒョイ
夏紀「んっ・・・!?ありはほ」モグモグ
葉月「おぉ・・・!?」
みどり「きゃー!」キマシ
優子「どう?おいしい?」
夏紀「んー・・・おいしい、けど・・・」モグ・・・?
優子「ん?」
夏紀「ずいぶん甘いね、この卵焼き」ウーン
優子「えっ、卵焼きは甘いのが一番でしょ?」
夏紀「んー・・・しょっぱくないと卵焼きって感じが・・・」
優子「甘くない卵焼きなんて卵焼きじゃないわよ」フン
優子「それじゃあ出し巻き卵じゃない!」グヌヌ
夏紀「我が家の卵焼きはそーなのっ!」グヌヌ
ギャーギャー
葉月「あ、あわわ・・・」オロオロ
久美子「まるで新婚さんの喧嘩みたいだねー」モグモグ
みどり「そ、そんなこと言ってないで止めないと・・・」アワワ
久美子「いやー、他人が入ると余計こじれるから放っといたほうが良いよ」モグモグ
葉月「何でそんな冷静なの久美子!?」
久美子「いやーだってー・・・私が入ってもどーせ余計なこと言っちゃうんでしょー?・・・」ハハ・・・
みどり「こっちはこっちで大変ですー!」
葉月「あ、収まってる・・・?」ヒソヒソ
優子「まあでも・・・夏紀がどーしてもって言うなら、甘くないほうも作ってみるけど・・・?」チラ
夏紀「ん・・・いや・・・やっぱり、優子の作ったのなら、甘くても美味しい・・・かも・・・」テレ
久美子「収まり方まで新婚夫婦みたい」モグモグ
みどり「すばらしい愛です!」キラキラ
優子「ううん、またひとつ夏紀のこと、知れてよかったわ」ニコ
夏紀「ありがと・・・優子・・・」クイ
優子「んっ・・・」チュ
葉月「!?!?!?」カァァァ
久美子「ぶふぉっ!?」ゴッホゴッホ
みどり「きゃあーーー!!!」キマシタワー!
優子「あっ・・・うぁっ!?」カァァ
夏紀「しまっ・・・つい・・・忘れてた・・・」カァァ
久美子「えっ、ええええっと、私達何も見てませんでしたから!」ケホケホ
葉月「う、うわぁ・・・」カァァ
みどり「ご馳走様でした!」キラキラ
夏紀「あ、えっと、今のは・・・その・・・」アタフタ
葉月「あ、え、えっと、おしあわせにっ!?」ピュー
みどり「ぜひごゆっくりどうぞ!」ピュー
夏紀「あ、あうぅ・・・」カァァ
優子「い、言いふらさないでくれるかしら・・・?」カァァ
夏紀「うっかり口走りそうなのが約一名・・・」ガックリ
優子「そーね・・・」ハァ
優子「それなら、もう、いっそ・・・」
夏紀「いっそ・・・?」チラ
優子「開き直っちゃいましょ!」チュッ
夏紀「わぷっ・・・!あ、あたしだって!」チュッ
チュッ チュッ
夏紀(誰が広めちゃったのか・・・・追求するのはやめておこう)
夏紀(そんなこんなで今は優子に膝枕をしている)
優子「んー・・・」ゴロ
夏紀(意外と疲れるね。足もだけど背中とかも)フー
優子「んんー・・・」スリ
夏紀(辛いけど、それ以上にリターンがあるので満足!)フフ
梨子「えーっと・・・なんで優子が低音パートにいるの?」
優子「いいじゃん。休憩時間だし」クルッ
夏紀「っ」ビク
夏紀(髪がこすれて変な声出そうになった・・・)ドキ
優子「夏紀があんま動きたくないってゆーんだもん」ケロッ
梨子(唯でさえ暑苦しいのに・・・)ハァ
久美子「なんか先輩たち開き直ったね・・・」
葉月「半分くらい久美子も加担してると思うけど・・・」
久美子「えっ」
葉月「ああもうっかり広められちゃあねぇ・・・」フッ
葉月「しかし目のやり場に困るなあ」カァ
みどり「みどりはかまいませんよ!眼福ですっ!」キラキラ
麗奈「私も良いと思うわ」
久美子「麗奈!?いつの間に!?なんでここに!?」
麗奈「ええ、ああいう恋愛もすばらしいと思うわ」キリッ
久美子「私の話聞いてる!?」
麗奈「最近はああいう女の子同士の恋愛も普通なのよ、久美子」キリッ
久美子「えぇ・・・そうかなぁ」
麗奈「そうよ・・・だから・・・ねっ?」グッ
久美子「一体何が『・・・ねっ?』なの!?」
葉月「久美子も大変だねー」アハハ
みどり「こっちもキテマスワー・・・」キラキラ
葉月「みどり・・・ホント見境ないね・・・」ウワァ
みどり「あっせんぱい」
あすか「うんうん・・・なんか青春って感じするけど・・・」
あすか「もう休憩終わってるから!!練習に戻れー!」ガー
夏紀「やばっ」ビクッ
優子「ひぃっ」ビクッ
麗奈「」サササッ
夏紀「・・・また、あとでね」ミミウチ
優子「・・・うんっ!」コクリ
夏紀「よし。今日は早く片付いた」
夏紀「優子を迎えにいこう」スタスタ
「―――?」
「―――!」
夏紀「・・・?」
夏紀(練習部屋から声がする・・・)
夏紀(この声・・・優子と・・・高坂?)キキミミ
夏紀(何話してるんだろう?)コソッ
麗奈「・・・好きです。付き合ってください」
優子「れ、麗奈・・・?」
夏紀「!?」ガタッ
夏紀(どういう状況!?ていうかいつの間に名前呼び!?)
優子「ちょっと・・・?私たち女同士だよ・・・?」
麗奈「そんなの関係ない・・・好きだから」ギュッ
夏紀「」
麗奈「・・・」
優子「ちょ・・・ちょっと高坂・・・やめ・・・あうっ!?」ビク
麗奈「結構かわいい声出しますね先輩」
夏紀「・・・」
夏紀「・・・よいしょ」ユラァ
ガラッ
麗奈「・・・?・・・っ!」ビクッ
優子「・・・あっ」ギクッ
夏紀「・・・迎えに来たよー」ニコォ
夏紀「・・・何してたの?」クビカシゲ
夏紀「高坂に聞いてるんだ」ジロ
麗奈「えっと、その・・・」
夏紀「えっ?よく聞こえないよ?」ズイッ
麗奈「ひぃっ!・・・その、練習に付き合ってもらったんです・・・」
夏紀「練習?」
麗奈「は、はい・・・告白の・・・」
夏紀「へぇ・・・じゃあ最後は何したの?」
麗奈「さ、最後・・・?」ハテ
夏紀「誤魔化さないほうが良いと思うよ」ニコ
麗奈「あ、あの・・・耳に息吹きかけたら・・・その、かわ・・・お、面白かったので・・・つい」
夏紀「・・・へぇー、悪ノリしたと」
優子「なんか前に冗談めかして告白したらスルーされたらしくて・・・」
優子「かわいそうだし借りもあったから手伝ったのよ!」
夏紀「ふーん・・・まあいいか」
麗奈「!」
夏紀「でも・・・次は無いよ?」ジロリ
麗奈「はっはい!」
夏紀「ていうかそんなこと先輩に頼むって・・・友達いないの?」
麗奈「うぐっ」
優子(絶対許してないわね・・・)
麗奈「そ、それはなんか群れるのが嫌というかゴニョゴニョ・・・」ボソボソ
夏紀「じゃあ告白がんばってね」バイバイ
麗奈「はい・・・失礼します」ペコッ
麗奈(ぼっちじゃないもん・・・)グス
優子「あ、あはは・・・え、えっと」
夏紀「・・・どっち?」
優子「へ?」
夏紀「耳。いじられたの」
優子「え?・・・えっと、左・・・だけど」
夏紀「んっ」グイッ
優子(えっ?えっ?)
夏紀「はむ」パクッ
優子「~~~っ!?」ビクゥ
夏紀「はむはむ」
優子「ひゃっ!?う・・・うんっ!?」
夏紀(うわがき・・・!)ペロペロ
優子「ちょっ!?・・・んうっ!・・・なつきぃ・・・?」ビク
夏紀「ふぅ・・・」パッ
優子「はぁ・・・はぁ・・・何なのよ一体・・・?」
夏紀「耳が弱いことくらい、あたしも知ってるからっ」ボソッ
優子「はい?」
夏紀「さ、帰ろっ」ヒョイ
優子「う、うん・・・?」トトト
みどり「あ、先輩方!お疲れ様です~!」
夏紀「お疲れ~。あれ?黄前ちゃんは?」キョロ
葉月「なんか高坂さんと話があるみたいで」
優子(行動力あるわねあの子・・・)
夏紀「ふーん」
みどり「きっと愛の告白に違いありませんよ!」キラキラ
葉月「それはちょっと・・・って言い切れないなぁ~。高坂麗奈は」ウーン
優子(良い勘してるわね)
みどり「成立したらまた百合ップルが増えますよ!」キマシタワー
優子「ちょっ・・・その言い方なんか恥ずかしいわね・・・」テレ
みどり「ラブラブですぅ~イチャイチャですぅ~」キラキラ
夏紀「うぅ・・・」カァ
優子「そ、そういうあんたたちとかどうなのよっ」アタフタ
葉月「えっ!?」カァ
みどり「ま、またまたぁ~・・・みどりたちは普通の親友ですよっ!」ギュウギュウ
葉月「わぷっ・・・くるしい~」バタバタ
優子「なーんだ、つまんないのー」チェッ
夏紀「そー言わないの」
みどり(ただの・・・)
葉月「ん?どうかしたみどり?」
みどり「いっいえ、なんでもないですよ?」ニコッ
みどり(ただの友達・・・です・・・よね?)
夏紀「・・・」グテー
優子「・・・」ピトッ
麗奈「・・・」ギュッ
久美子「あつい」
みどり「本当に熱々ですね~」
葉月「これが日常の風景になりそうだねー」アツイ
あすか「もういっそお二人さんもトゥギャザーしちゃえばー?」ハハハ
梨子「え・・・?あ、う、いや・・・それは」モジ
後藤「・・・」カァ
あすか「あはははは!やっぱこっちからかう方が楽しーなあ!」ケラケラ
葉月「もー先輩ったら・・・」
久美子「あついからはなして」グイッ
麗奈「あーれー」
みどり(高坂さんあんなキャラでしたっけ・・・?)
優子「なによぅ」チェッ
夏紀「かわりに黄前ちゃんを」グイッ
久美子「わわっ」ストン
優子「いいもん。じゃあ私高坂のとこ行くもんっ」テテテッ
夏紀「・・・しかしよくオーケーしたね黄前ちゃん」
久美子「えっと実は・・・迫力に押されて、なし崩し気味に・・・」ヒソ
夏紀「あはは、やっぱ黄前ちゃんらしいや」
久美子「はは・・・これで良かったんでしょうか・・・」
夏紀「んーと・・・でもあたしが告白したら断ってたよね?」
久美子「はい!?・・・ええ、まあ、はい」
夏紀「でも高坂の時は断らなかった。・・・それで良いんじゃない?」
久美子「・・・そういうものですか?」
夏紀「そういうものですよ」フフ
久美子「不安です」
夏紀「はっきり言うねぇ。高坂にもそんな風に正直な気持ちを言ってあげれば良いんじゃない?」
久美子「・・・そうですね、頑張ります!」
夏紀(結構乗り気じゃないの)
夏紀「なんでもないよー」ケロッ
久美子「れ、麗奈・・・きょっ、今日、帰りお茶してかないっ!?」
夏紀(声が上ずってる・・・緊張してるねぇ)ニヤニヤ
麗奈「え、えぇ・・・いいけど」テレ
優子「・・・なんかちょっと前の私たちみたいね」ヒソ
夏紀「前って言ってもつい最近だけどね」ヒソ
優子「あの頃は無茶したわねー、毎日デートとか」トオイメ
夏紀(ほんとだよ)
夏紀「・・・あたしは今のほうが楽しいかな」トオイメ
優子「ふふ・・・私も最近そう思う!」ギュッ
夏紀「良かった」ギュッ
優子「えへへ・・・」
夏紀「ところで」
夏紀「高坂とは何もしてないよね?」ジッ
優子(またこれなのーー!?)ヒー
おわり
ご覧頂きありがとうございました。
ちなみに>>1の好きなキャラは夏紀先輩です
ぼーっとしているようで周りのことをちゃんと考えててすごく良い人
あとけっこう独占欲強そうなイメージが・・・ありません?(偏見)
以下ちょいグダ番外編です
ドンドンパフパフ
優子「この企画は、どこからか現れたこのくじ引き箱でテーマを決め、それについて私が体をはって調べます!」
優子「今回、第二回のテーマはこれっ!」ゴソゴソ・・・パパーン
優子「・・・夏紀に、『嫌い』って言ったら・・・って何これ!?」
優子「冗談でも夏紀を傷つけるようなのは出来ないわ!没!次!」ビリビリ
優子「とおっ!」パパーン
優子「二股かけてるフリをして・・・ってだから!」ガーッ
優子「私の生命に危険が及ぶようなものも没よ!」ビリビリポイッ
優子「あーもう、全くロクなテーマ考えないわねこの>>1は!」
優子「NTRとか修羅場とかヤンデレが好き(百合専)とか、嗜好が異常すぎるのよ!」
優子「こうなったら!」
優子「↓2さん!夏紀に関する良い感じのテーマ、ちょうだい!」
優子「1はもう寝るから書くのは明日以降よ!」
夏紀の弱点調査
優子「とおっ」パパーン
優子「夏紀の弱点調査・・・これよ!こーいうのを待ってたのよ!」
優子「ふふふ・・・なんかいつもいじられてばっかりな気がするから、この機会に逆襲よ!」
――夏紀の家――
夏紀「あー・・・」グテー
優子(油断してる隙に・・・後ろから近づいて・・・)ソロソロ
優子(首筋をさわる!)ピトッ
夏紀「っ!?」ビク
優子「・・・」サワサワ
夏紀「・・・なんだー・・・優子か、びっくりしたー」ホッ
優子(・・・効いてない?)
優子(私の触り方が良くないのかしら?)コショコショ
夏紀「・・・んん?どういう趣向なのこれ?」ケロッ
優子(あれあれあれ~?)
夏紀「・・・おかえしっ」コショ
優子「ひゃぁぅんっ!?」ビクッ
夏紀「ん・・・首筋も弱いの?」サワサワ
優子「んひゃっ・・・あっ、ちょっと・・・やめ、んっ!」ビクビク
優子(な・・・なんでこうなっちゃうのぉ!?)
優子「そ、そうなんだ・・・」ロング
夏紀「刺激の少ないところほど敏感になりやすいって」
優子「詳しいわね」ヘー
夏紀「調べたから」
優子(何で?・・・ってなんか怖いから聞きたくない)
優子(足の裏をくすぐってみる!)
優子(さっきの理論で行けば足の裏が一番敏感なはず!)カシコイ
優子(それでは・・・)ワキワキ
優子(ん・・・?待って・・・?)
優子「・・・」
優子「・・・」モンモン
優子「・・・ぺろっ」
夏紀「うわっ!?」ビクゥ
優子「ぐはっ!」ゲシィ
夏紀「な・・・何してんの!?」
優子「いくらなんでも乙女に顔面キックは無いわよぉ・・・」シクシク
夏紀「あ・・・ご、ごめん」
夏紀「でもいきなり足なんか舐められたらびっくりするって!」
優子「そ・・・そりゃそうよね・・・非常識だったわ、ごめんなさい」ペコ
夏紀「もう・・・」
夏紀「・・・舐めたいなら言ってね?」
優子「えっ」
夏紀「・・・」チラ チラ
優子(やっぱり物凄い警戒されてるわ・・・)
優子(でもっ)
優子「強行突破っ!」グイッ
夏紀「わぁっ」ドサ
優子「こちょこちょこちょ」
夏紀「うひゃあ!?あはっ、あははははは!」バタバタ
優子(!?)
夏紀「あははははっ!ひぃ!や、やめてーー!」ジタバタ
優子「おおぉ・・・」コショコショ
夏紀「はひっ・・・はぁはぁ・・・死ぬ!死んっ、じゃうっ、からぁ!」ゼーゼー
優子「大丈夫大丈夫」コチョコチョ
優子(うーん・・・?なんか期待してたのと違うような)
夏紀「あひぃ・・・もっ・・・ゆるし・・・うりゃぁっ!」グイッ
優子「あ、抜けられた」スルッ
夏紀「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・もぅ・・・」グッタリ
夏紀「やめ・・・って・・・いった・・・のにぃ・・・」ハァハァ
優子(あ・・・でもやっぱこれもいいかも・・・)ゾク
夏紀「ふはぁ・・・うぁ・・・」グタ
優子(弱ってる隙に追い討ちを・・・)ニヤリ
優子(ぐったりして無防備なせなかに・・・)
優子「えいっ」ツーッ
夏紀「うひゃぁん!?」ビク
優子「!」
優子(これこれ!こーゆー反応を待ってたのよ!)キャー
優子「えいえいえいっ!」コショコショ ツー
夏紀「うあ、ひゃ、んんっ!」ビクビク
優子(第二回、なつき調査結果!)
優子(夏紀の弱点は・・・)
優子「って、きゃあ!」グラァ
夏紀「ふふふ・・・やたらちょっかい出してくると思ったら・・・こうして欲しかったの?」ハァハァ
優子「えっ、あれ、や、ちが・・・」ジタバタ
優子(なんだかんだ結局主導権握られてるー!)
夏紀「ふふ、背中が良い?首筋が良い?」サワサワ
優子「・・・首筋でお願いします」ゾク
優子(そんな毎日が悪くないなと思う私のなつき度は・・・?)
おまけおわり
実りのある夏になると良いですね!
それっぽいのは・・・のんのんくらい?
百合情報常に募集中ですー
もう一個のほうもそのうち(あいまい)更新します(たぶん)
では依頼出してきますー
来期だとプリヤがあるな
あときらら系が多いからそっちにも期待大
いやいや、この夏はプリヤを忘れちゃいかんよ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435580546/
Entry ⇒ 2015.07.04 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!ユーフォニアム】夏紀「初めての」優子「お泊り会!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433761457/
一応↑の続きです
百合です
まったり進行です
以上OK!な方はお楽しみください。
オツカレサマデシター
ザワザワ・・・
カエリアイスタベイコー
ワタシモー
夏紀「・・・つかれた」グデ
久美子「お疲れ様です先輩・・・やっぱ夏場の練習って疲れますよね」ハァ
夏紀「ほんとほんと・・・せめてもーちょっとカラッとしてればなあ」ジメ
モブ「なつきー、駅前でアイス食べてかない?」
夏紀「あー・・・あたしちょっと用事あるからパス」パス
モブ「そっか、じゃあまた来週ー」バイバイ
夏紀「おう」バイバイ
久美子「言われてみれば確かに・・・」
あすか「恋人でもできたかッ!?」バーン
夏紀「ちょっ、な、何でそういうことになるんですか!?」
夏紀(この人が食いつくとめんどくさい!)ゲッ
あすか「おんやぁ・・・その慌てぶり、アヤシイねぇ・・・」ニヤリ
夏紀「い、いやその」アセ
みどり「恋!?恋の話してます!?」ガタッ
夏紀(更に面倒なのが来た!)ウワー
みどり「なんですか、もぅ~!!?はやく言ってくださいよぅ~!、お相手は部内ですか!?部外ですか!?」キラキラ
夏紀「い、いやそれは、ちょっと・・・」アセアセ
みんな「!?」
あすか「おぉ~?隅に置けないねぇ~?なっちゃんも!」ニヤニヤ
みどり「やや、やっぱりいるんですね!?お、お相手はどんな――」ギラギラ
久美子「男・・・?女・・・?」ボソッ
夏紀「」ブフッ
葉月「ちょっ久美子!声に出てる!」ギャー
夏紀「」
みんな「ジーッ」キタイノマナザシ
夏紀「・・・えーと・・・、あ、あっ、あの人です!」ビシッ
後藤「?」
みどり「え、えええぇーーーっ!?ご、後藤先輩、ふ、二股!?」ガガーン
葉月「み、見損ないましたよっ!後藤先輩!」シャーッ!
後藤「え、ちょっと、何の話だ?」タジ
みどり「ひどいです!梨子先輩と付き合ってるのに夏紀先輩とも付き合うなんて!」
後藤「い、いや、全く身に覚えが」
梨子「本当・・・?卓也くん・・・?」ユラ
あすか「いいぞー!やれやれー!」ワーイ
後藤「本当にやめてください、先輩・・・」ヒヤアセ
久美子「・・・夏紀先輩、もういませんけど」
みどり「えっ・・・?あっ!やられました!」ガーン
葉月「後藤先輩はフェイクかー!夏紀先輩ったら凝ったまねを・・・!」グヌヌ
久美子(いや気づくでしょ普通。私はその言葉をそっと胸にしまいこんだのです)
あすか「どうした?後藤!」
後藤「・・・先輩たちはともかく、梨子にまで疑われるなんて・・・」ズーン
あすか「あら」
梨子「・・・冗談、よ。ちょっと乗ってみただけ!」クス
後藤「・・・ホントか?」
梨子「もちろんよ!私が卓也君のこと信じてないわけないじゃない!」
後藤「梨子・・・!」キラキラ
梨子「卓也君・・・!」キラキラ
あすか「あーあついあつい、早く帰ろーっと」アホラシ
久美子「ですね」ハァ
葉月「おつかれさまでしたー。・・・ほらみどりも帰るよ」グイ
みどり「あ、あっ、あともうちょっとだけぇ・・・」ズルズル
夏紀(何とか逃げ切れた・・・ゴメン後藤)スマン
夏紀(・・・といってもずっとこんな感じで逃げるわけにはいかないしなぁ)ハァ
夏紀(何か策を考えないと・・・)
「遅い!なにやってたのよ!」ガー
夏紀「ごめんごめん、ちょっとみんなに絡まれちゃってさ」
優子「はぁ?なによ絡まれたって。低音パートはみんな和気あいあいなんじゃなかったの?」ジロ
夏紀「いやそれが、恋愛話となるとみんな食いついてきてね・・・」ヤレヤレ
優子「れんあい・・・そ、そうっ!」テレ
夏紀「恋人がいるってバレちゃった」テヘ
優子「・・・まあいいんじゃない?私もとっくにバレちゃってるし」
夏紀「えっ」
優子「えっ」
優子「い、言ってなかったかしら・・・?」アセ
夏紀「初耳だよ・・・まあいいけど」ホッ
優子「じ、じゃあもしかして・・・あなたの名前までバレてることも言ってない・・・?」アセアセ
夏紀「」
優子「あちゃー・・・」
夏紀「」
優子「その、恋人いるってばれた次の日に、なぜか名前までバレてて、思いっきり反応しちゃって、それで・・・」アセアセ
夏紀「」
優子「あのー、えっとー、・・・ごめんなさい」ペコ
夏紀「・・・まぁ、たぶん、遅かれ早かれこうなってたと思うよ、あたしたちは」ウン
夏紀「まぁ、そういうのも優子のかわいいところだと思うよ」
優子「っ・・・!真顔でそういうことゆうなぁ・・・!」カァァ
夏紀「はいはい」スッ
優子「!」
夏紀「手・・・繋ぎたいんでしょ?」フリフリ
優子「・・・ばか」ギュッ
夏紀(・・・最寄り駅までの間にこんなことしてたら、そりゃーバレるよなー・・・)ハハハ・・・
トコトコトコ・・・
ガタンゴトン
夏紀「・・・うーん」
優子「どうしたの?」
夏紀「いや、ここまで一緒の電車に乗るのって、なんか変な感じだなー、って」
優子「まぁ・・・初めてよね」テレ
夏紀「いつもならとっくに乗り替えしてるよね」
優子「そうねー・・・って何の話よっ」ビシッ
夏紀「いや、まだ優子がウチまで来るっていう実感わかなくてさー」
優子「今日は意地でも泊まるわよ。ママに泊まりだからご飯いらないって言っちゃったし」
夏紀「・・・へー、『ママ』・・・ねぇ」ニヤリ
優子「・・・あっ!」カァ
優子「・・・お、おかーさん、おかーさんにっ!」アワワ
夏紀「いいんだよー、『ママ』でいいんだよー」ヨシヨシ
優子「う、うっさい!なでるなぁっ!」カァァ
優子(あ・・・もっと撫でてほしかったのに・・・)シュン
夏紀「・・・まーいーや。ちゃんと着替えとか持ってきた?」
優子「も、もちろんよっ」ポンポン
夏紀「おっけー。着替えさえあれば何とかなるよねー」
優子(わざと忘れるのもありだったかも・・・なんて)モンモン
ガタンゴトン・・・プシュー
夏紀「さ、降りるよ」
優子「え、ええ(これから明日まで一緒なんだから、妄想は控えないと!)」
夏紀「ついたよー」ココ
優子「ここが夏紀の家・・・なんていうか・・・」ゴク・・・
夏紀「・・・」ゴク
優子「普通ね」
夏紀「どんなのを想像してたの・・・」
優子「なんていうか、もっと夏紀っぽい感じかなって・・・」
夏紀「なんじゃそりゃ・・・さ、あがってー」ガチャ
優子「お、お邪魔します・・・」オズオズ
夏紀「あははー、親いないんだからもっと気楽にしていいんだってー」
優子(そういうことじゃないんだけど・・・)
夏紀「ふーあつい!はやくクーラー付けよう」ヌギヌギ タタッ
優子「あっこら!靴はちゃんと揃えなさい!」ガー
夏紀「えー、かたいなー・・・お母さんみたい」
優子「だ、誰がお母さんよっ!」シャー
夏紀「・・・はい、ちゃんと揃えた!部屋行こう」タタタ
夏紀「だから何を想像してたの・・・」
優子(・・・でもなんとなく夏紀の匂いがする気がする)スンスン
優子(・・・って私今、なんか変態っぽい!?)ガーン
夏紀「ほい、ここだよー」ガチャ
優子「おおー・・・」
優子「なんか意外と女の子っぽい部屋ね・・・」キョロキョロ
夏紀「どーいう意味よ・・・っと、まずはエアコン!」ピッ
エアコン「ゴォォォォォォ」
夏紀「すずしい・・・」ヒエー
優子「エアコンの設定は弱めにしないと風邪引くわよ・・・」ヒエー
夏紀「・・・やっぱお母さんぽい・・・」
夏紀「えー」
優子「のどかわいたのどかわいたー!」バタバタ
夏紀「駄々っ子か!・・・もう、お茶入れてくるよ」ヤレヤレ
優子「やったー!」ワーイ
夏紀「ふう、やれやれ・・・」スック
優子(ふふ・・・)ニヤリ
夏紀「!?」ゾクッ
夏紀「・・・やっぱ一緒に優子も来てよ」
優子「え、えっなんで?」ギク
夏紀「・・・なんかやろうとしてる顔だから」ジロ
優子「うぅっ・・・」タジ
優子(このスキにいろいろ調べようと思ったのに・・・)
夏紀「・・・どうせ部屋調べるつもりだったんでしょ」ジロー
優子「え、あう、いや・・・い、いいわ!一緒に行ってあげる!」アセアセ
夏紀「まったく・・・」ガチャ
夏紀「よっと・・・」
コポポ・・・
夏紀「優子、も麦茶でいいよね」コト
優子「いいわよー」ジー
夏紀「と、いっても麦茶しかないんだけどね」ハハ
優子「そのようね」ジー
夏紀「・・・」コポポ・・・
優子「・・・」ジー
夏紀「・・・ねぇ、それ面白いの?」
優子「すごく面白いわ」ジー
夏紀(なんか他の家にはないすごいものが入ってるとか・・・?)ウーン
優子「ねぇ・・・今日の晩御飯どうするつもり?」
夏紀「え・・・どうって・・・さぁ?」
優子「さぁ?・・・って!冷蔵庫の中にほとんど食材無いわよ!?」
夏紀「えー、じゃあカップめんとかでいいんじゃない?」テキトー
優子「えぇー・・・それはちょっと・・・」ウーン
優子(せっかくいっしょの食事なのに!)
夏紀「あ。そういえばお母さんが食費を置いてったような・・・あった、二千円」テッテレー
夏紀「これでコンビニでお弁当でも・・・」
優子「ダメよそんなの!せっかくなんだから・・・」
夏紀「せっかくなんだから?」
優子「うーん・・・、そうだ!一緒に買い物に行きましょう!」
夏紀「えぇっ、コンビニじゃなくてスーパーとかに?」ウェ
優子「そうよ!大丈夫!私がちゃんと料理するわ!」エッヘン
夏紀「すごい、料理できるんだ」ヘー
優子「もちろんよ。女子高生としてはこのくらい当然よ!」フフン
夏紀「うぐっ」グサ
優子「さ、そうと決まれば準備して出発よ!」ビシッ
夏紀(結局出かけることになるのか・・・)ヤレヤレ
テクテク
夏紀「あ・・・、ここの角曲がって、まっすぐ」
優子「ふーん・・・こんな近くにスーパーがあるなんて、便利ねー」
夏紀「そうかもー・・・」ウーン
夏紀(ここ数年あたしは来てないけど)
優子「・・・ねぇ、今晩、何か食べたいものとかある?」テレ
夏紀「!?・・・うーんと、そうだなー・・・」カァ
夏紀(なんか夫婦みたいな会話になってる・・・どうしよ)アセアセ
優子「・・・食べたいもの、ない?」チラ
夏紀(うっ・・・これじゃ優子をがっかりさせちゃう・・・ここは)グッ
夏紀「・・・優子の、一番得意な料理が食べたい」ニコ
優子「なっ・・・!?・・・わ、わかったわ」カァァ
夏紀(自分で言っててめっちゃ恥ずかしかったぁ・・・)カー
優子「あっ、夏紀、嫌いな食べ物とか、アレルギーとか、無い?」カァ
夏紀「・・・いや、特に無いよ」ウン
優子「そ、そう、良かったわ」フゥ
夏紀「あ、ここ!」ピタッ
優子「え、あぁ、はい!」ピタッ
イラッシャイマセー
夏紀(すずしい・・・)ヒヤー
優子「よっと・・・まずは野菜から・・・」カートガラガラ
夏紀「・・・」チラ
優子「品揃えはどんなもんかしら・・・」ガラガラ
夏紀「・・・」ウズ
優子「値段も普通ね・・・」ガラガラ
夏紀「・・・」ウズウズ
優子「じゃあ・・・まずは人参と玉ねぎと・・・」ポイポイ
優子「・・・ってどうしたの?」チラ
夏紀「い、いやそのー・・・カート、あたしが押してあげようか?」ソワ
優子「・・・いいけど、他の人の迷惑にならないようにね」ハイ
夏紀「な、なっ、なんで、そんな子ども扱いっ」カァ
優子「だって、なんかやろうとしてる顔だったから♪」クス
夏紀「うぅ・・・自重するよ・・・」グヌゥ
夏紀(カートの中を見ても・・・よくわかんないや)
優子「あと調味料は・・・残ってたから大丈夫ね」スタスタ
夏紀(んっ!?なんか歩くのはやいな・・・)ガラガラ
優子「えーと後必要なのは卵と・・・」スタスタスタ
夏紀(はやっ!はやいっ!)ガラガラ
優子「あっ!卵あっちね!」タタタッ
夏紀「・・・」オイテケボリ
夏紀(今なら許される・・・ハズ!)
夏紀「とおっ!」ガラガラシャーッ
夏紀「はやい!」ワーイ
ガツーン!!
優子「!!?」クルッ
夏紀「うぐ・・・」ヘタリ
優子「ちょっ!?ちょっと!?大丈夫!?」オタオタ
夏紀「ごめ・・・だいじょう、ぶ・・・」アセダク
優子「な、何!?何があったの!?」オロオロ
夏紀「ちょっと・・・カートがぶつかって・・・取っ手が鳩尾に・・・」グタ
夏紀「も、もう・・・大丈夫だから・・・」ハァハァ
優子「あったり前よ!バカじゃないの!?」ガー!
優子「どうせ調子に乗って思いっきりカート押したんでしょ!!」シャー
夏紀「う、うぐ・・・」ズボシ
優子「それで思ったよりスピードが出て、制御できなくなって棚にぶつかった・・・って子供かっ!」ガウー
夏紀「うぅ・・・ごめんなさい」ペコリ
優子「これに懲りたら二度としないようにね!!人にぶつからなくて良かったわよまったく・・・」ブツブツ
夏紀「ところで・・・なんで見てなかったのにそんなに詳しくわかったの?」オズ・・・
優子「あー・・・そ、それはー・・・」タジ
優子(小さいころに同じことして事故ったなんて言えない・・・)カァ
優子「と、とにかく!ここの床は滑りやすいから気をつけるのよっ!」
夏紀「はーい・・・」ハンセイ
アリガトウゴザイマシター
優子「よしっ!これで買い物完了!っと」グッ
夏紀「もう夕方近くでも暑いね・・・」フー
夏紀「・・・あっ、荷物、半分持つよ」ヒョイ
優子「あ、ありがとう・・・」
夏紀「いいっていいって」
優子(明らかに夏紀が半分より多く持ってるじゃない・・・)チラ
優子(こうやってさり気なく優しくされると・・・なんか意識しちゃう)ドキドキ
夏紀「あ、月」
優子「えっ?どこどこ?」キョロ
夏紀「ほらあそこ」ビシッ
優子「ん・・・ほんとだ・・・」
優子「昼間に月を見るなんて・・・久しぶりね」
優子「小学生ぐらいのときはよく見てた気がするけれど・・・」
夏紀「そう?あたしは今でもけっこーよく見るけどなー」
優子(私は受験とか部活とかで、空を見る余裕なんて無くなってたのかな)
優子(少し夏紀が羨ましいわ・・・)ハァ
夏紀「?」キョトン
優子(でも)
優子「さっ!早く帰るわよ!」トトッ
夏紀「う、うん」タタッ
優子(今の私は、世界一幸せ者よっ!)
夏紀「・・・本当に、手伝わなくていいの?」オズオズ
優子「大丈夫よ。料理は家でよくしてるから慣れてるし」フフ
優子「というか正直手伝ってもらうほうが危険だわ」ハァ
夏紀「う・・・そっか。じゃああたしは他のことを済ませておくね・・・」シュン
優子(ごめん夏紀・・・でもさっきの包丁捌きではこっちが集中できないのよ・・・)トントントン・・・
優子(さすがに流血沙汰は起こしたくないわ・・・)トントントン・・・
優子「ごはん出来たら、呼ぶから!」
夏紀「はーい・・・」トボトボ
優子(よし・・・後は腕によりをかけて作るだけ!)
優子「がんばるぞっ」フンッ
優子「お、おまたせ・・・しました・・・」コト
夏紀「!・・・オムライス・・・!」
優子「・・・嫌い、だった?」チラ
夏紀「ううん、そんなことない。むしろ、大好きだよ」ニコ
優子「よ、よかったぁ・・・」ホッ
夏紀「で、では、いただきます」カチャ
優子「め、召し上がれ・・・」ドキドキ
夏紀「・・・」パク
優子「・・・」ドキドキ
夏紀「・・・す、」
優子「す・・・?」ドキ
夏紀「すごいおいしい・・・」パク
優子「!」パァ
夏紀「ちょっとびっくりするぐらい美味しいよ、これ・・・」パクパク
夏紀「ふふ、優子も一緒に食べよう?」パク
優子「う、うん、そうね・・・!」パク
優子(うん、ちゃんと美味しくできてる・・・)パク
優子(・・・ちゃんと夏紀のほうも同じ味よね?)
優子(いや、違うはず無いけど、なんか気になるというか・・・)
優子(・・・!)ハッ
優子(それって・・・めんどくさい女だと思われちゃうかな・・・?でも!)グッ
優子「ねっ、ねぇ・・・」モジ
夏紀「?」パクパク
優子「そ、そっちのもちゃんと出来てるか確かめたいの!だから・・・味見して良い?」モジ
夏紀「?・・・別にいいけど?」
夏紀「!?」
優子「あーんして・・・よ」アーン
夏紀「う、うん・・・」カァ
夏紀「はい、あーん」カァァ
優子「はむっ」カァァ
夏紀「・・・」カァァ
優子「う、うん、ちゃんと同じ味だわ」ドキドキ
夏紀「・・・あたしも」
優子「え?」
夏紀「あたしも、そっちの味・・・気になる」ジィ
優子「っ!・・・はい、あーん」カァ
夏紀「あーん」パクッ
優子「・・・おいしい?」
夏紀「とってもおいしい」ニコ
優子「・・・!」カァァ
ゴチソウサマー
夏紀「ほんとに美味しかったよ。また食べたい」
夏紀(まさかあれから最後まで食べさせあいっことは・・・腕が疲れた)プルプル
夏紀(・・・良い思い出だけどね)クス
優子「お粗末さまでしたっ!」
夏紀「ひとつ気になったんだけどさ」
優子「何かしら?」
夏紀「なんか優子の性格からして・・・ケチャップで何か書いてくれるかなーと思ったんだけど」
優子「うっ」ギクリ
夏紀「あはは、さすがに子供っぽいかな?」
優子「いやその・・・書こうとして失敗しちゃったのよ」アハハ
夏紀「そーだったんだー、だからケチャップが全面に塗ってあったのかー」ナルホド
優子(ホントは書いた後に恥ずかしすぎて塗りつぶしちゃったんだけど・・・)
夏紀「で、なんて書こうとしてたの?」
優子「」プシュー
夏紀「!?」ギョッ
優子「え・・・えと・・・ハートマークよ・・・」キョドキョド
夏紀(う、嘘ついてる・・・)
夏紀(本当に何書こうとしてたわけ!?)ドキドキ
優子「う・・・、さ、さあ!お風呂入っちゃいましょ!」カァ
夏紀(いきなり!?)ギョッ
夏紀「お風呂・・・」ドキドキ
優子「・・・!」ドキドキ
夏紀「・・・」ドキドキ
優子「・・・」ドキドキ
夏紀「え、えーと、優子、先、いいよ!お客様だし!」アセアセ
優子「そ、そう?じゃあ、お先に失礼するわね!」アセアセ
夏紀「うん、ど、どうぞ遠慮せず!」アセ
優子「じゃあ、着替えとって来るわね!」アセ
トトト・・・
夏紀「・・・」フゥ
((一緒に入りたいって、言えなかった・・・))
―――
優子「あがったわよー、次どうぞー」ガチャ
夏紀「! は、はーい!」ガサッ タタッ
タタタタタ・・・
優子「・・・行ったわね」チラ
優子「・・・ここに、今なんか隠して・・・」ガサゴソ
優子「たわよ・・・ねっ!」ガサッ
優子「・・・?これは・・・小説?」パラッ
優子「どんな小説なのかしら・・・」パラララッ
優子「っ!?・・・これって・・・」
優子(百合もの・・・しかも同級生もの・・・)カァァ
優子(まだカバーも新しい・・・最近買ったのかしら?)ペラペラ
優子「・・・」ペラ
優子「・・・」カァァ
優子「・・・」ペラ
優子「・・・」ドキドキ
優子「・・・」ペラ
優子「はぁ、もうやめよう・・・」パタン
優子(つい登場人物を差し替えて読んじゃうよ・・・)ドキドキ
優子「元の場所に戻してっと・・・」
優子(ベッドの下も漁ろうかと思ってたけど、やめとこ・・・)
優子「とおっ」ピョン
優子「あぅーっ」ボフン
優子(・・・ベッド、やっぱり夏紀の匂い・・・)スンスン
優子(すごい・・・)クンクン
優子(!)
優子(夏紀の枕・・・)ジーッ
優子「い、いやそれはダメだって!」ブンブン
優子「・・・」ジーッ
優子(夏紀が戻ってくる気配、ナシ・・・)
優子「ちょっとだけ・・・ちょっとだけなら・・・いいよね・・・?」ゴソ・・・
優子(・・・人の枕に頭うずめて、匂いかいで・・・)スー
優子(言い逃れできないわね・・・これは)ハー
優子(ん・・・でもすごく、いい・・・あたまがボーっとするぅ・・・)クンカクンカ
優子(ずっとこーしてたいかも・・・)ポー
タタタタタ
優子「!!!」
バッ ドタッ シュタッ
ガチャ
夏紀「おまたせー・・・って何してたの?」
優子「んなっ、なっ、何もしてないわよっ!?」ゼェハァ
優子(しまった・・・!)
優子「えーと、夕涼み、的な?お風呂上がって、ぼーっとするのが、私のポリシー?みたいな?」シドロモドロ
夏紀「ふ、ふーん(なんか突っ込まないほうがいいのかな・・・)」アセ
夏紀「さて、何しようか?」
優子「寝るには・・・まだ早い時間よねぇ」
夏紀「ゲームでもやる?」ホイ
優子「ゲームねぇ・・・って古っ!スーパーファミコンじゃない!」エー
夏紀「あたしあんまゲームやんないから・・・」ヨクワカラナイ
優子「にしてもこれは・・・しかもソフトが海腹川背?とぷよぷよ通の2本って・・・」ナニコレ
夏紀「いやーどこで手に入れたのやら・・・」
優子「・・・じゃあぷよぷよでもやりましょうか」フゥ
夏紀「おっけー」オーン!
ファイヤー
アイスストーム
バヨエーン
バタンキュー
夏紀「・・・」シンケン
優子(間が持たない・・・)
バタンキュー
優子「やっぱやめにしましょう」プチン
夏紀「えっ」
優子「せっかくお泊りなんだしごろごろしながらおしゃべりでもしない?」
夏紀「うん、いいよー」チョットザンネン
優子「んー・・・」ゴロゴロ
夏紀「・・・」ゴロ
優子「一週間の疲れが飛んでいくようね・・・」ゴロゴロ
夏紀「・・・なんか優子ってネコっぽいよね」ボソッ
優子「」ブフーッ
夏紀「!?」ギョッ
優子「いいい、いきなり何口走ってるのよ!?」マッカ
夏紀「え、えええ!?何かまずかった!?」ガーン
優子「ね、ネコっぽいってどういうことよ!?何考えてんの!?」ブシュー
優子「へ?猫?にゃぁ?・・・な、なんだぁ~・・・」ドキドキ
夏紀「それ以外にどんな猫が!?」
優子「あーーあーー!なんでもない!私の勘違い!」カァァ
夏紀「なんでよー教えてくれたっていいじゃんー」ブーブー
優子「あーーあーー!もう寝ても良い時間よ!ほら寝ましょ!」アワワ
夏紀「えーまだ早
優子「いいから!寝ましょうよもう!明日もあるし!」ネムネム!
夏紀「・・・それはいいとしても、優子、どこで寝るの?」
優子「えっ・・・?あっ、そっか・・・」ハッ
夏紀「お客さん用の布団があるから、それでよければ。もし嫌ならあたしのベッドでもいいけど」
優子「ベッ・・・?」カァッ
優子(あの夏紀の香りいっぱいの場所で、夏紀と二人っきり・・・!?)モンモン
優子「わ、悪いけれど、私、ベッドじゃないと眠れなくて!」ドキドキ
夏紀「そっかー。じゃああたしが布団で寝るね」バサッ
夏紀「はい?」
優子(何で?)ガ
優子(そこはそうじゃないでしょ!?)ガガ
優子「そこは・・・『いっしょに寝る?』って聞くところでしょぉぉお!?」ドカーン
夏紀「えぇっ!?」カァ
優子(あ・・・や、やっちゃったぁ・・・声に出てた・・・!?)プシュー
夏紀「い、いやでも、あたしは良いけど、嫌でしょ?せまいし、あついし」オタオタ
優子「い・・・嫌なわけ、ない、っ、でしょ」カァァ
夏紀「ほんと、に?ほんとにいいの?」ジッ
優子「・・・」コクッコクッ
夏紀「ん、じゃぁ、とう」ベッドヘボフッ
夏紀「・・・おいで」ポンポン
優子「・・・!」ドキ
優子(うう・・・こういうところでホントにドキドキさせてくるのよね・・・)カァァ
優子「お・・・お邪魔します」モソ
優子(せまい・・・だけど、それがいいわ・・・)ギュ
夏紀「電気・・・消すね?」
優子「おねがい・・・」モソ
カチ
フッ
夏紀(・・・あったかい)
優子(・・・顔が近いわよ・・・)カァ
夏紀(あっ、目が合った・・・)ドキドキ
優子(・・・)ドキドキ
夏紀(そらせない・・・)ドキドキ
優子「・・・」ドキ
夏紀「・・・」モンモン
夏紀「おやすみのキス・・・しても、いい?」ズイ
優子「うん・・・して」ウワメ
夏紀「はぁ・・・んっ・・・!」チュ チュ
優子「んっ・・・ぷはぁ・・ん」チュ
優子「ん・・・わかん、ない・・・けど・・・」パチン
夏紀(まぶた閉じた・・・寝るつもり、かな?)
優子「そろそろ寝たい・・・かも」ウツラ
夏紀「・・・」ジー
優子「・・・」ウツラウツラ
夏紀「・・・おきてる?」
優子「ふふ、さすがにまだ起きてるわよ・・・」トロン
夏紀「・・・そっか」ジー
下3までの安価で多いほう書きます
1:夏紀「寝顔・・・すごくかわいい・・・」スヤァ
2:夏紀「寝顔・・・すごくかわいい・・・」ムラ
優子「スー・・・スー・・・」
夏紀「・・・」ムラムラ
優子「」スヤスヤ
夏紀(ハッ・・・!だ、ダメダメ・・・あたしいったい何考えて・・・!?)ハァハァ
優子「」グー
夏紀(まだ、付き合い始めて二週間も経たないし・・・)ハァハァ
優子「」スー
夏紀(だいたい、もう寝てるかもしれないし・・・)ハァハァ
優子「」クー
夏紀(そもそも、一方的になんてよくない!)ハァハァ
優子「」ムニャ
夏紀(もっともらしい理屈を付けるとよけいにムラムラしてくる・・・!)ムラムラ
優子「んー・・・」ゴロン
夏紀(きゃっ・・・!?寝返り・・・?ってちょ、ちょっ!ほっぺに、胸があたるぅ・・・!?)ムグゥ!?
優子「んー・・・」ムニャ
夏紀(う、うぁ・・・何でこんな寝相悪・・・ってうぅ!?やわらかぁ!!)スリスリ
優子「んん・・・?」ムニャムニャ
夏紀「・・・」ギラリ
夏紀(ちょっとだけ、ほんの、ちょっと・・・)ハァハァ
夏紀(嫌がられたら・・・すぐにやめる・・・から!)テマワシガシッ
夏紀(服の上から・・・ちょっとだけ・・・!)スッ
優子「ん・・・」ムニャ
優子「んっ・・・」ムニャ?
夏紀(さきっぽ・・・このへん・・かなぁ・・・?)ハァハァ
ツンツン
優子「んっ・・・?」ピク
夏紀(声でた・・・?・・・ちゃんとあってる?)ハァハァ
スリスリスリ
優子「んんっ・・・!?」ビクッ
夏紀(・・・もっと・・・もっとききたい・・・甘い声)ハァハァ
クリクリクリ
優子「んひゃぁっ・・・!?あっ!?」ビクビクッ
夏紀「ハァハァハァ」クニクニ
夏紀(もっと・・・もっと・・・)ハァハァ
夏紀「あ・・・おき、た」ハァハァ
優子「こ、こんなこと、されれば、だれだって・・・」ハァハァ
優子(・・・本当は、ハァハァうるさくて眠れなかっただけだけど・・・いろんな意味で)ドキドキ
夏紀「・・・ねぇ、キス・・・しても、いい?」ハァハァ
優子「・・・!」
夏紀(もちろん、さっきと違って・・・『キス』がしたいのか・・・)チラ
優子(聞いてるわけじゃ、ない、わよね。これは・・・)チラ
夏紀「・・・」ドキドキ
優子「・・・す、すきに・・・」
夏紀「!」
優子「好きに、しなさいよ・・・ここまでやって、おいて・・・」クテ
優子「・・・え?」
夏紀「もし嫌なんだったら、あたしにはできないよ。好きだから」ジッ
優子「っ!!・・・わ、わかったわよ・・・!」カァァ
優子「え、えいっ!」グイ
チュッ
優子「こ・・・これでいいでしょ」カァァ
夏紀「・・・」カァァ
優子「な、なによ・・・」ドキ
夏紀「初めてだね。優子からキスしてくれたの」テレ
優子「っ・・・い、いいでしょそんな、恥ずかしいこと・・・わざわざ・・・」カァァ
夏紀「多分これから、もっと恥ずかしいことになると・・・ハァ、ハァ、思うよ?」ニヤ
優子「っ・・・!」プイ
夏紀「ふふっ・・・」クイ
優子「んっ・・・!?」チュー
夏紀「ぷはっ、はぁ、へへ、もう一回しちゃった」ハァハァ
優子「も、もう・・・!」マッカ
夏紀「」プチッ
夏紀「約束はでき・・・ないっ!」ガバッ
優子「きゃあっ!?」ドサ
優子(え、う・・・馬乗り!?)エッ
夏紀「ハァハァ・・・服、脱がすね・・・」シュルシュル
優子「え、ええ・・・」メソラシ
優子(な、なんかいつになく積極的・・・いざとなると豹変するタイプ・・・?)ドキドキ
夏紀「・・・あたしを見てよ」パクッ
優子「やんっ!?そ、そんないきなり・・・さき・・・」ビクッ
夏紀「二人っきりなんだから、あたしだけを見て」チロチロ
優子「ひゃ、ぁ、う、ぅんっ!?」ビクビクッ
夏紀「ハァハァ・・・今は、あたしだけのモノ・・・だから・・・」チュッ
優子「あんっ・・・ちょ、ちょっと!?」ハァハァ
優子「ひゃんっ・・・!こ、こんなの、だれかにみられたら・・・!」ピクン
夏紀「そのほうが優子に・・・悪い虫が、よって、こないよっ」ペロペロ
優子「ひゃ、あんっ、ハァ、やぁ、んんっ!」ビクッ
夏紀「あぁ・・・かわいい・・・もっと聞かせて・・・」チュウチュウ
優子「うにゃ、ぁ、んっ、い、いい、よぉ・・・」トローン
夏紀(『いい』って、どっちかなぁ・・・)コロコロ
優子「きゃぅっ!?、だ、めぇ、きもち、いい・・・」ビクッビクッ
夏紀(なんか・・・自分でもおかしくなってるってわかる・・・)フーッフーッ
夏紀(でもとまらない・・・)ペロペロ
夏紀「すごくそそる・・・」ハァハァ
優子「あ、やっ、ダメ、うぁ、んっ、んぅぅぅう!!」ビクッビクッ・・・クタ
優子「ぅ!?、うる、さい・・・っ」プシュー
夏紀(ヤバ、声に出てた・・・)ヒヤアセ
夏紀「むね、敏感、なの?」
優子「びっ・・・!?し、ら、ないっ!」プイッ
夏紀(怒らせちゃった・・・でもむくれ顔もかわいい・・・)ハァハァ
優子「ハァ・・・ハァ・・・」グッタリ
夏紀「こえ、我慢しなくていいのに」ジー
優子「や・・・はず、かしい」カァァ
夏紀(もっと聞きたい・・・もっとなかせたい)ムラムラ
優子「ひゃあ・・・っ!?」ビクン
優子「そ・・・そっちも?」クテ
夏紀「うん・・・いや・・・じゃないよね」ハァハァ
優子「ううう・・・」カァァ
夏紀「では・・・」スッ
優子「ちょっ!?な・・・なめるの?その・・・きたない、わよ?」マッカ
夏紀「優子は汚くない」ギラギラ
優子「あう・・・そうじゃなく、て・・・その・・・」ワタワタ
夏紀「・・・?」
優子「きょう、は、夏紀の、かおがみえないと、やっ」ウー
夏紀「あ・・・う、うん、わかった、じゃあ、ゆびで」カァー
優子「・・・」コク
夏紀「じゃあ、さわる・・・よ?」ゴソ
優子「あっ・・・!」クチュ
夏紀「・・・かわいい・・・」クチュックチュッ
優子「・・・!うあっ、あっ、やっ」ビクッ
夏紀(・・・くりくり・・・)クチュクチュ
優子「う、うぁー・・・」トローン
夏紀(・・・こりこり・・・)クチュクチュ
優子「ひゃん!あっ、んっ、んんっ!」ビクッビクッ
夏紀(・・・ぐりぐり・・・)クチュクチュ
優子「んっ・・・ふぁ、んうう・・・」ピクッ
夏紀(これヤバい・・・クセになりそう)ゾクゾク
優子「・・・もっと」
夏紀「もっと?」
優子「もっと・・・つよくぅ・・・」モジ
夏紀「・・・!」ドクン
優子「ちょっと・・・らんぼうにしても、いいから・・・っ」ウワメ
夏紀「」プッチーン
チュンチュン・・・
夏紀「んー・・・」スヤ
チューバくん「ピピピピピピピピピピピピピピピピピ!!!」
チューバくん「アサダヨ!アサダヨ!アサダヨ!」
夏紀「う、うわっ!?」ガバッ
夏紀「あ、あれ・・・?あさ・・・」キョロ
夏紀「う・・・?」アレ
夏紀(たしか昨晩・・・優子と、そ、その、して・・・)カァァ
夏紀(なんか途中までしか記憶が無い・・・)アレレ
夏紀「・・・って!」キョロキョロ
夏紀「ゆ、優子!?どこ!?」キョロキョロ
夏紀「いない・・・」
夏紀「ま、まさか、あたし、なんかやらかした・・・?」サーッ・・・
夏紀「よ、よく考えてみれば最初無理やりにしちゃったし・・・」ギク
夏紀「帰って・・・ない、よね・・・!?」ダッ
ダダダッ
ダダッ
夏紀「優子!」シュタッ
優子「あ、起きたのね、おはよう」ニコ
夏紀「・・・!よかったぁ」ヘナ
優子「どうしたのよ」
夏紀「いや・・・昨日のことで、怒らせちゃったのかと、おも・・・」ハッ
夏紀(よく考えたら朝っぱらからなんて話題を・・・!?)カァ
優子「あ、ああ、ああ!きき、きのう、ね!」カァ
夏紀「そ、そう!きのうの!」アセアセ
夏紀「あたし、途中までしか覚えてないんだけど・・・」オズ
優子「・・・あ、なんだぁ、その話ねぇー、ふふ」クスクス
夏紀「な、なに!?」
優子「夏紀はね、途中で鼻血出して倒れちゃったのよー」アハハ
優子「もういきなり頭ががくって落ちて、わたしの体に血が広がって・・・」ウンウン
夏紀「あちゃー」
優子「ホントに大パニックだったのよ?いきなり倒れて流血だもの!パジャマも血まみれに・・・」マッタク!
夏紀「ごめんなさい」ゲザァ
優子「それでなんとか介抱して掃除したら、もう寝てるんだもの」ジロー
夏紀「ほんとごめんなさい」ゲザゲザァ
優子「まったく・・・大変だったのよ・・・?」
優子「・・・生殺しだったし」ボソ
夏紀「んっ?なに?」
優子「ま、まぁ、寝顔でスッキリできたからよしとしてあげるわ!」フンッ
夏紀「寝顔見られちゃったかー」ハハハ
夏紀(スッキリってなにさ・・・!?)
夏紀「・・・ところで、早起きして何してたの?」
優子「あぁ、朝ごはん作ってたのよ」カチャカチャ
夏紀「・・・そういえばいいにおいする・・・!」スンスン
優子「ふふふ、昨日一緒に材料買っておいたのよ!」エッヘン
夏紀「すごい・・・できる奥さんみたい・・・」スゲー
優子「はい、今朝はトーストとハムエッグとサラダですよ。あ・な・た♪」キャピ
夏紀「」
優子「ちょ・・・ちょっと何か言いなさいよぉ・・・」カァァ
夏紀「・・・いい」
夏紀「すごくいい!」グッ
優子「そ、そう・・・?照れるわ」テレ
夏紀「・・・また今度、やってほしいな」クス
優子「・・・!さ、冷めないうちに食べるわよっ!ホラホラッ!」カァ
夏紀「ふふふ」ニヤッ
優子「よっと」カチャカチャ
夏紀「モグモグ・・・おいしい!」テーレッテレー
優子「そ、そう、お口に合ってよかったわ」テレ
夏紀「・・・毎日でもいいぐらい」チラ
優子「」ゴッホゴホ
夏紀「あ、大丈夫?」
優子「あんたが、変な冗談、ゴホッ、言うからでしょ・・・」カァァ
夏紀「あながち冗談でもないんだけど」ジー
優子「」ゴッホゴホ
夏紀「・・・まぁ毎日は無理だから、毎週とか・・・どうかな?」モジモジ
優子「うう・・・そ、それくらいなら・・・まぁ・・・本当に出来ちゃうけど・・・?」カァ
夏紀「おまえさえ、いいなら・・・」ダンナオーラ
優子「・・・!あなた・・・!」ズキューン
((って何やってんだろ、あたし(私)たち・・・)パクパク
夏紀(そんなこんなで、優子が私の家に毎週末、遊びに来てくれることになった)
夏紀(今回のお泊りで、二人の距離はぐっと縮まった・・・はず。いろんな意味で)
夏紀(もっと一気に距離を縮めたいけど・・・それだとあたしが色々持たないらしいことがわかった)ハァ
夏紀(予備知識として、色々詰め込みすぎたかな・・・?なんか考え方がおかしくなってきてる気がする)カァァ
夏紀(でも。だったら少しづつ、あたしたちのテンポで、進んでいけばいい・・・)
夏紀(そうだよね。――あたしの、優子)
おわり
たった今ニコ動で10話見てきました。
二人とも出番多くて(言動はともかく)いい回でしたね!
ちょっとこの二人の短編かこれの続きを明日にでも書こうかと思ってるので、スレは一応残しておきます
それでは ノシ
ドンドンパフパフ
優子「この企画は、どこからか現れたこのくじ引き箱でテーマを決め、それについて私が体をはって調べます!」
優子「今回、第一回のテーマはこれっ!」ゴソゴソ・・・パパーン
優子「・・・夏紀は、どれくらいのことで怒るのか!」ドーン
優子「ふむふむ・・・たしかに夏紀が怒ったのって見たこと無いわね」
優子「まぁ、夏紀はやさしいからぁ・・・」テレテレ
優子「私が何しても、怒らないとは思うけどぉ・・・?」テレテレ
優子「よし!とにかく実行よ!」フンッ
優子(さて、手始めに・・・)
夏紀「」ダルーン
優子(うそをつく!)キラーン
優子「あっ!高坂が中庭でダンスしてる!」ビシッ
夏紀「えっマジ!?」ガバッ
優子(・・・かかった!)ヨシ
夏紀「・・・いないじゃん」キョロキョロ
優子「えへへ~、うそでーす!」テヘペロ
夏紀「・・・まぁ、いいもの見れたしいいや」ヨッコラセ
優子(何で満足げ!?)エー
店員「ショートケーキ2つ、お待たせしました~」コト
夏紀「・・・」ゴクリ
優子(お次はショートケーキ・・・そのイチゴをいただくっ!)キラーン
夏紀「いただきまーす」
優子(これはさすがに怒るはず・・・)ジー
夏紀「はむ・・・おいしい・・・」モグモグ
優子「今だ!とうっ!」ヒョイパク
夏紀「あっ」
優子「ふふん」トクイゲ
優子(さあ、怒られる準備はできてるわ・・・来いっ!)カマエ
夏紀「あー、イチゴ好きなんだ」ニコ
優子「えっ」
優子(こ、これでも全く怒らないなんて・・・!?)
優子「えっ、じゃあなんでショートケーキにしたのよ!?」
夏紀「ここ、カップルで同じもの頼むと一割引だから。カップル割っていうやつ?」パク
優子「ゴホッ!?」ゲホォ
夏紀「うわっちょ・・・」
優子「そう、いうのは、先に言いなさいよ・・・!」ケホ
夏紀「いや、あたしが同じの頼めばいいだけだし」
優子「そーじゃないっ!そういうことなら私も夏紀にあわせたのに・・・」モジモジ
夏紀「いーっていーって」
優子「よくない!・・・夏紀にも食べたいもの食べてほしいもん!」ムンッ
夏紀「・・・じゃぁ、次こういうときはあたしに合わせて。それでいい?」
優子「どんとこいよっ!」ドン
夏紀(優子と同じものが食べたいってのも本音なんだけどね・・・)クス
夏紀(・・・はっ!!しかし同じメニューだと食べさせっこが出来ない・・・!?)ガーン
夏紀(む、むずかしい・・・)ムムム
優子(あれ?何か忘れてるような・・・?)ハテ
優子(むぅ・・・ちょっといらっとくる悪戯・・・)テクテク
夏紀「・・・」トコトコ
優子(そうだ!ちょっと前にはやった『アレ』を!)ピーン
優子「ねぇねぇ、夏紀~」トントン
優子(肩をたたきながら、人差し指を立てる・・・!)
優子(地味にイラっと来るのよねこれ)フフフ
クルッ
夏紀「ん?な・・・わぷっ」チュ
優子「きゃぁ!?」ビクッ
優子(ゆ、ゆびさきが口の中に・・・!)
夏紀「なっ、なにするのっ」カァァ
優子「ご、ごめん・・・いたずら、失敗した・・・」カァァ
夏紀「ん・・・そ、そう・・・」プイ
優子(・・・あとでこっそり舐めよう)
優子(むむむ・・・今までの手はことごとく失敗・・・)グヌゥ
優子(なんかここまで来たら意地でも怒らせてみたい!)ウー
優子(でも傷付けるようなことは絶対したくない・・・だから!)ニヤッ
夏紀「ただいまー」ガチャ
優子(学校帰り・・・家で私服に着替える前に、スカートめくってやる・・・!)ゴゴゴ
優子「おじゃましまーす」スタスタ
夏紀「例によって誰もいないけどねー」アハハ
優子(ふふ・・・笑ってられるのも今のうちよ・・・)ワキワキ
夏紀「じゃあ、あたしお茶もってくから先部屋いっててー」クルリ
優子(スキだらけよ・・・!ここだ!)エイッ
バサァ
優子「・・・白!」ポツ
優子(ふふ・・・カンペキっ)
夏紀「・・・人のスカートをめくるってことはさ」ボソ
優子「・・・?(キタ!?)」
夏紀「やり返されても・・・いいってコトだよねっ!?」ガバッ
優子「きゃあっ!?そ、そんな・・・」ドサッ
夏紀「ふふふ・・・じっくりめくってあげる・・・」ハァハァ
優子(な・・・なんか変なスイッチ入れちゃった!?)ガガーン
優子(うう・・・どうしよう・・・いや、どうしようも・・・ない、かも)クテ
優子(私が先に手を出したし、しょうがない・・・そう!しょうがないわ・・・!)ドキドキ
夏紀「ふふ、あたしの下着は、高くつくよ・・・?」ハァハァ
優子「あ、あぅぅぅぅ・・・」ドキドキ
優子(・・・結局夏紀は、ちょっとやそっとでは怒らないってわかったわ)テクテク
夏紀「・・・考え事?」トコトコ
優子(いつも怒らず、いつもクール・・・そんな結論も、ありかしら?)テクテク
夏紀「・・・あれ?聞いてる?」トコトコ
優子(一回目からグダグダだけど、それも愛の証、みたいな・・・っ!?)グラ
夏紀「優子っ!?」ガシッ
優子「きゃっ!?」グラ
優子(ぼ、ぼーっとしてて階段、気づかなかった・・・!?)バクンバクン
優子「あ、あぶなかった・・・あ、ありが」
夏紀「バカッ!危ないでしょっ!?」キッ
夏紀「今はあたしがそばにいたからよかったけど・・・誰もいなかったら落ちてたよ!」ジロッ
優子「う・・・ごめんな、さい・・・」シュン
優子(本気で・・・怒ってる・・・)アッ
夏紀「もう、歩きながら考え事は禁止ね!わかった!?」キッ
優子「は、はい・・・気をつけます」コク
優子「あっあとっ、助けてくれてありがとう・・・!」キラキラ
夏紀「・・・そりゃ、怪我されたら・・・あたしが一番困るから・・・」プイ
優子「!」カァ
優子(夏紀は、私が危険なことをすると、すごく怒ることがわかりました。)
優子「・・・」カァァ
おまけおわり
またネタがたまったらスレ立てます。
ユーフォSSじゃないかもしれませんが・・・まあでも百合です
百合です。ゆ
では依頼してきますー
砂吐きそう…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434107438/
Entry ⇒ 2015.06.21 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!】久美子ちゃんと夏紀先輩の後日談的な妄想SS【ユーフォニアム】
久美子「はい……ありがとうございます」
久美子「ごめんなさい。お恥ずかしいところを見せてしまって……」
夏紀「いや、それは別に良いんだけど」
夏紀「それよりも、そんなに泣くほどのことした? 私」
久美子「あ……いえ、その……実は、中学時代に色々あって……」
夏紀「ふ~ん……良かったら聞かせてもらっても良い?」
久美子「そんな面白い話しじゃないですよ?」
夏紀「黄前ちゃんの話しだったら、面白くないなんてことはないよ」
久美子「……ありがとうございます」
久美子「でも本当、聞いてても何も楽しくないっていうか……」
夏紀「……そんなに、話したくないこと?」
久美子「別に、そういう訳じゃ……」
夏紀「……嫌味でも言われた?」
久美子「まあ、そんな感じです」
久美子「認めないとか、なんでアンタが……とか」
夏紀「そう……だから黄前ちゃん、私の呼び出しに乗り気じゃなかったんだ」
久美子「え、いや、そんな……」
夏紀「バレてないと思った? あんなのバレバレ」
夏紀「黄前ちゃん、嘘つけないでしょ」
久美子「いや、まぁ……」
夏紀「ま、そこが黄前ちゃんの良いところだと私は思うけどね」
久美子「え?」
夏紀「だってそうでしょ? 自分の実力不足を棚に上げて、猛練習した人を否定して」
夏紀「黄前ちゃんに才能があろうとなかろうと、努力したのは確かなのに、そんなこと言うなんて、本当に情けない」
久美子「あ……」
夏紀「自分だけが努力してるなんて考えてる人の典型だよ。そんなの」
夏紀「だからさ、黄前ちゃん」
夏紀「そんな人のこと、気にしないで」
久美子「……はい」
久美子「……はい……!」
夏紀「ああもう、また泣く」
久美子「だって……だって……嬉しくて……!」
久美子「本当、ごめんなさい……!」
夏紀「…………」
久美子「えっ」
ギュッ
久美子「あ……」
夏紀「よしよし。いい子いい子」ナデナデ
久美子「う……うぅ……」
夏紀「よく今まで我慢してきたね」
夏紀「えらいえらい」
久美子「う……うう……!」
夏紀「沢山、泣いたら良いから」
夏紀「久美子ちゃんは今まで、ずっとそう責められたことを抱えて、頑張ってきたんだもの」
夏紀「今ぐらい、甘えなよ」
久美子「う、うぅ……!」ギュッ
久美子「私……私……!」
夏紀「うん。うん。大丈夫だから」
夏紀「安心していいんだよ」
夏紀「……落ち着いた?」
久美子「はい……あの、また、ありがとうございます」
夏紀「これぐらい、どうってことないよ」スッ
久美子「あ……」
夏紀「ん?」
久美子「あ、いえ……あの、もうちょっとだけ、抱き付いていたかったなぁ、って」
夏紀「……黄前ちゃんってさ、お姉さんとかお兄さんとか、いる?」
久美子「え? あ、はい。姉が一人」
夏紀「やっぱり……」
久美子「え?」
夏紀「黄前ちゃん、妹オーラ出過ぎ」
久美子「えっ?」
夏紀「ついつい甘やかしてあげたくなっちゃうってこと」
夏紀「卑怯だよ、そういうの」
久美子「そんなつもりは……」
夏紀「……ま、それも黄前ちゃんの良いところ、か」
久美子「あ、あの! 夏紀先輩っ」
夏紀「ん?」
久美子「……もう、下の名前では、呼んでくれないんですか?」
夏紀「えっ?」
久美子「あれ……ちょっと、嬉しかったんです……」
久美子「抱きしめて、とは言いませんから、せめて……その……」
夏紀「……はぁ……」
夏紀「ホント、そういうところ可愛いよね、久美子ちゃんは」
久美子「あ……」
久美子「はい?」
夏紀「ごめん。やっぱ、ちょっと恥ずかしい、これ」///
久美子「そうなんですか?」
夏紀「うん。なんか、ちょっとだけ」
夏紀「意識しちゃったせいかな。なんか……うん」
久美子「はぁ……」
夏紀「……まあ、皆の前では絶対に呼べないけど……二人きりの時たまになら、呼ぶから」
久美子「…………はは」
夏紀「……なに?」
久美子「いえ、なんかそういうの、隠れて付き合ってるみたいで、なんかやらしいな、って思いまして」
夏紀「……黄前ちゃんって、ちょっと変態混じってるよね」
久美子「えぇっ!? そうですか!?」
夏紀「うん。なんかちょっと、やらしい」
久美子「それを言うならあすか先輩でしょう」
夏紀「あすか先輩は……やらしいというより、エロい」
久美子「……どう違うんですか、それ」
夏紀「黄前ちゃんのは、なんかオーラとして溢れてる」
夏紀「隠しきれてない感じがする」
久美子「ちょっとそんな、止めて下さいよ」
夏紀「むっつり感があるよね」
久美子「無いですってそんなのっ」
夏紀「でも、本当に友達に言われたことない? 加藤ちゃんとか、川島ちゃんとか」
久美子「もちろんな――」
――変態っ……――
久美子「――あ」
夏紀「あったんだ」
夏紀「やっぱ、気付く人は気付くんだね」ガタ
夏紀「じゃ、いい時間だし、そろそろお店出よっか」
久美子「あ、はい」
久美子「今日は本当、その……ありがとうございました」
夏紀「シェイク奢っただけで、大袈裟だよ」
久美子「違いますよ」
久美子「今日はちょっと、心が軽くなりました……」
夏紀「……そっか」
久美子「私、夏紀先輩のこと、結構好きです」
夏紀「あれ? 結構なんだ」
久美子「本当は大好きですけど、照れくさいので」
夏紀「……全部言ってるよ、黄前ちゃん」
久美子「えへへ、わざとです」
夏紀「……久美子ちゃんさ」
久美子「はい?」
夏紀「性格悪いって言われない?」
久美子「えぇっ!?」
終わり
ありがとうございました。
夏紀先輩マジエンジェル
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434024200/
Entry ⇒ 2015.06.16 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (1)
【響け!ユーフォニアム】二人の県祭り
八話の県祭り中の妄想SS。
実際の地形とSS中の表現で異なるところがあるかもしれません。そこは妄想ということで。
書き溜めあり。
百合っぽいので苦手な方はご遠慮ください。
優子「ど、う、し、て!あんたと二人で回らないといけないのよ!」
夏紀「そりゃこっちの台詞だって・・・」
優子「うぅー!かおり先輩と来たかったー!」
夏紀「振られたんだからしょうがないじゃん」ニヤ
優子「うっさい!」ガー
夏紀(知り合い数人とテキトーに祭りを楽しもうと思っていたのだが、みんな塾だとかデートだとかで忙しいらしく、私たち二人だけになってしまった)
夏紀(よりによってなぜこのリボンなんだろう。まあ一人で回るよりはマシかなぁ)ハァ
優子「あーーーかーおーりーせーんーぱーいー」ギャー
夏紀「・・・そうでもないかも」
優子「何か言った!?」ギロ
夏紀「なんでもない(こいつめんどくさい・・・)」
優子「まっ!いいわ。愚痴っても変わんないし。さ、回るわよ」ケロッ
夏紀(マイペースだなあ)
パーン パーン
優子「あ!射的!私得意なのよ!」
夏紀「そーなんだ」
優子「む・・・信じてないわね・・・おじさん!一回!」500エン
おじさん「あいよー」
優子「見てなさいよ・・・とおっ!」パン
スカッ
オシイネー
夏紀「・・・」
スカッ
オジョーチャン ヨク ネラッテー
優子「・・・」
夏紀「これは結構な腕前で」フフフ
優子「ち、違うのこれは!その、なんというか・・・ぶらんく?そう!ブランク!」
夏紀「・・・」
優子「も、もう一度・・・!」パン
スカッ
アトイッカイダヨー
夏紀「・・・」
優子「・・・なによ。笑いなさいよ」
優子「えっ?」
夏紀「右手は、こう」ギュッ
優子「えっ?えっ?」
夏紀「左手が、こうで・・・」グイッ
優子「っ!?!?」カァァ
夏紀「狙いやすいように、銃に顔を近づけて構える・・・」
優子(な、なんか後ろから抱きつかれてるみたい!?)
優子(うぅー、なんか背中にやわらかいのが当たってるぅ・・・)ドキドキ
夏紀「景品の真ん中よりやや下らへんを狙うほうが・・・って聞いてる?」
優子「あっ!?ひゃい!きいてます!?」
夏紀「・・・ならいいけど。ほら、撃ってみて」
優子「は、はいっ!」パーン
ドサッ
ネエチャンヤルネー
優子「あ、落ちた!すごい!」ワー
夏紀「ほら、私の言うとおりにしたら、出来たでしょ?」フフン
優子「うん・・・あり、がとぅ」ボソッ
夏紀「え・・・?どういたしまして・・・?」
夏紀(てっきり『これが実力よ!』とか開き直ってくるかと思ったけど・・・調子狂うなぁ)ウーン
夏紀「で、何とったの?」
優子「え?えーと・・・『チューバくん目覚まし』だって!」テレレレーン
夏紀「だって、って・・・欲しいからやったんじゃなかったの?」
優子「べつにー?射的がやりたかっただけ!」ニカー
夏紀(・・・謎なやつだ)
優子「うー、おなかすいたー」グー
夏紀「あたしも。そういえばまだ何も食べてないや」グー
優子「あ!りんご飴だ!食べたい!」ピュー
夏紀「あたしはいいや。あんまり好きじゃないから・・・ってもう買いに行ってるし」ハエー
夏紀「・・・戻ってくる前に隠れたらどうなるかな」
夏紀(・・・リアクションが想像つかないけど、面白そう)
優子「おまたせー!」ダダダ
夏紀「はやっ!」オモシロミニカケル・・・
優子「ふふ・・・お祭りならではの味よね、りんご飴!」
優子「えっ?どういうこと?」
夏紀「小さいころ、思いっきりかじりついて乳歯が抜けたり、飴のかけらで口の中切ったりした」
優子「ふ、ふふっ、ばかじゃないの?」クスクス
夏紀「えっ!?なに?そのくらいみんな普通にやるでしょ!?」
優子「や、ら、ないわよっ、ふふっ」クスクス
夏紀「そ、そうだったんだ・・・」ガーン
優子「あんたってちょっと抜けてるところあるわよね・・・」
優子「いーい?りんご飴はね、まずこうやって周りの飴をなめて、薄くするの」ペロペロ
夏紀「へー」
優子「それから、りんごにかじり付くのよ」ペロペロ
優子「いきなり飴ににかじり付くような人がいるなんて思わなかったわよ」ペロペロ
夏紀「うぐっ、言ってくれるなぁ」グヌヌ
優子「あー甘くておいしー!」ペロペロ
夏紀「・・・」ジー
優子「この外側の飴って、何味って言えばいいのかしら?」ペロペロ
夏紀「・・・」ジー
優子「この飴とりんごを一緒に食べるのもまた・・・!」シャク
夏紀「・・・一口ちょうだい」ゴクリ
優子「え?さっき好きじゃないって」
夏紀「見てたら食べたくなったの。ほら、射的教えてあげたでしょ。そのお礼に」プリーズ
優子「え、ええぇ!?」
優子(一口・・・この状態でひとくちって・・・ことは・・・)カァァ
優子(それって・・・間接キス・・・?)カァァァ
夏紀「隙あり!もーらいっ」シャクッ
優子「あ、ああぁぁあっ!?」ガガーン
夏紀「え、うそ、ごめん、そんなに食べたかった!?」
優子「い、いやそうじゃなくてっ、その・・・かんせつ・・・」ゴニョゴニョ
夏紀「? 関節?ひじでも痛いの?」
優子「ち、ちがっ、なんでもない!」シャクッシャクッ
夏紀「おー食べるのはやーい」
優子「シャクシャクシャク」カァァ
夏紀(いや、まさか、『間接』キスって言おうとしたわけじゃ・・・ない、よね?)ドキ
夏紀「あ、たこ焼き屋」グー
優子「そういえばまだあんたほとんど食べてないわよね」
夏紀「おいしそう」ダッシュ
優子「私はどちらかといえばお好み焼きのほうが・・・ってもういない!?」ガーン
優子「まったく・・・食べ物屋台にダッシュなんて・・・女子高生なのにはしたないわねぇ」ヤレヤレ
優子(なんかあいつだけ人ごみの中でも目立ってる気がする)ジー
夏紀「おまたへー」モグモグ
優子「食べるのはやっ!?あと口に物入れてしゃべらない!」コラー!
夏紀「はいはい」
優子「はいは一回よっ!」ガー!
夏紀「はい」パクパク
夏紀(こいつ意外とちゃんと躾けられてる・・・)
夏紀「・・・」モグモグ
優子「・・・」トテトテ チラ
夏紀「・・・」パクモグモグ
優子「・・・」チラ チラ
夏紀「・・・♪」モグモグ
優子(・・・歩くたびにポニテがゆれて面白い)ジー
夏紀「・・・」モグモグ
優子(なんか前から冷めてて大人びてるなーって思ってたけど)ジー
優子(こうしてたこ焼きほおばってると子供みたいね)クス
夏紀「・・・?」モグモグ
優子(・・・まつげ長い・・・笑ってる顔、けっこーかわいい・・・)ジー
夏紀「・・・食べたいの?」
優子(・・・ってわたし、何考えてんだろ・・・)ポケー
優子「はい!?あー・・・ん!?」パクッ
夏紀「まったく、特別だぞー」ヤレヤレ
優子(んんっ!?なんでわたし『あーん』されてるの!?)カァァ
優子(いや、ここはとりあえず・・・)
優子「あ、ありがとね」カァ
夏紀「う、うん(素直・・・)」ドギマギ
夏紀(・・・あーなんか調子狂うなぁ)モンモン
優子(とりあえずなんか話題を・・・あ!)
優子「あ!あれ!あれって、後藤と長瀬じゃない?」
夏紀「あ、ほんとだ!ちょっと、声かけ・・・」
梨子「はい、あーん♪」
梨子「どう?おいしい?」
後藤「あ、ああ・・・おい、しい」テレ
梨子「ふふ、もうひとつ、どーぞ♪」
夏紀「・・・るのは、やめとこうか」カァァ
優子「そ、そうね・・・」カァァ
夏紀(よ、余計気まずくなっちゃった・・・)
優子「・・・」モジモジ
夏紀(う、うぅ・・・なんなんだこの空気)
優子「・・・」ソワソワ
夏紀(今度こそ何か・・・あ!あいつ!)
夏紀「なんだよー、塾で来れないって言ってたじゃん」
モブ「ふっふっふっ、授業の合間を利用しての、超綱渡り的なお祭りの楽しみ方!というわけで10分くらいしかいられないから!」
優子「そこまでしてお祭りに来たいの?」
モブ「もっちろん!お祭りのときにしか出来ないこと、たくさんあるもん!」
優子「塾行ってると大変ねぇ」
モブ「まあねぇ・・・あーっ!射的だ!射的やりたーい!お祭りといえば射的!」ワーイ
優子「えーっ、もう私さっきやったんだけどー」
夏紀「いーじゃん、今度はあたしがやるよ」
優子「えっ、いや、じゃあ私もやる!」
モブ「よしっ決まり!おっちゃん!三人分の銃よろしくぅ!」
アイヨー
夏紀「今度は、あたしのサポートは無しで大丈夫だよね?」
優子「もっ、もちろんよ!もうコツはつかんだわ!」
優子(うぅ・・・別に残念だなんて、思ってないんだから!)シュン
夏紀「よーし、いけっ!」パン パン
ビシビシッ
コロン
夏紀「やったっ!もういっちょ!」パン パン
ポテン
モブ「うわっ上手い!意外な特技だねー」パチパチ
夏紀「どーよ」エヘン
優子(負けてられない・・・ここは!)
優子「とおっ!」 パンパン
スカッ
優子「うぐぅ・・・まだまだ!」
優子(真ん中より、下・・・!)パンパン
夏紀「おっ・・・」
ビシッ
ポトッ
優子「やったっ!」グッ
夏紀「おめでとー」パチパチ
夏紀「あー、それはたぶん構え方かどっかおかしいんだよ。ちょっと見せて・・・」ス・・・
優子「だ、ダメーーーっ!!」ガー!!
夏紀「え、えっ?」アゼン
モブ「やっぱ私の構え方・・・だめ?」シュン
優子「えっ?・・・ああうん、駄目よ!」ダメ
優子「まず左手をこうして・・・」ギュッ
モブ「ふむふむ・・・」
夏紀「・・・あ、あれ?」ポツン
夏紀「結局、最後に一発だけ当てて塾に戻ってったね」
優子「私の教え方がよかったのかしら」フンス
夏紀「落とせなかったけどね」クス
優子「それは・・・まあ、本人満足そうだったし良いじゃない」
夏紀「ふふっ、そーだね・・・ところで、私が構え方教えようとしたとき、止めたじゃん?」
優子「」ギクッ
夏紀「あれ、なんで?」
優子「えー、いや、それは、なんというか・・・」モジモジ
夏紀「私の教え方、なんか問題あったかな・・・」
優子(・・・なんかよくわかんないけど、こいつが、他の人にも教えるのが嫌だった、っていうか・・・)モンモン
優子(あーなんだろ!わかんない!わかんない、けど・・・たぶん、こいつのせい・・・)カァァ
夏紀「!?(なんか顔赤い・・・怒ってる?聞いちゃまずかった?)」
優子「・・・」モジモジ
夏紀(ここは・・・!)キョロキョロ
夏紀「くじ引きだ!くじ引きでもやろうかな!」
夏紀(何だこのキャラ・・・)
優子「くじ引き・・・?」
夏紀「ほら、あそこ!」
優子「!!」リボンピーン
夏紀(何か景品で欲しいものでもあったかな?)
優子「そ、そうねっ!せっかくお祭りに来たんだし、一回ぐらい、くじ引きするのが普通よねっ!」アセアセ
夏紀(欲しいものがあったのか・・・)ワカリヤスイ
夏紀「んじゃー一回運試しっと」チャリン
優子「わ、私も、わたしも!」チャリン
優子「ふんぬぬぬ・・・」ゴゴゴ
夏紀(すごい気迫を感じる・・・わたしはテキトーでいいや)ソレッ
ピリッ
夏紀「28番・・・(これって良いの?悪いの?)」
優子「せいやぁーっ!これっ!」ビシッ
ピリッ
優子「411・・・番」ガックシ
おっちゃん「リボンのお嬢ちゃんは・・・残念!そこのお菓子から好きなの3つもってっていいよー」
優子「うーん・・・」ザンネン
おっちゃん「ポニーテールのお姉さんは・・・おめでとう!クマのぬいぐるみでぇーっす!」カランカラン
優子「!!!」ガクゼン
夏紀(あっ・・・もしかしてこれ・・・)ヒヤアセ
おっちゃん「もう一回やってくかい?」
優子「いいです・・・」ガックシ
夏紀(まさかこいつが欲しがってたのって、これ!?)
優子「・・・」ショボーン
夏紀(沈黙が痛い)
優子「・・・」ジー
夏紀(そして視線が痛い)
優子「はぁ・・・」ズーン
夏紀「そ、そー気を落とさないで!その分何か良いことあるよ!たぶん」
優子「うぅ・・・何でわたしがお嬢ちゃんでこいつはお姉さんなのよぉ・・・」ブツブツ
夏紀(・・・なんかぼやき始めた!)ウワ
優子「同い年だし・・・身長もそんなに変わんないのに・・・」ブツブツ
夏紀(別にこのぬいぐるみをあげるのは構わないんだけど・・・)
優子「そういえば・・・最初の射的の店でもお嬢ちゃんて・・・」
夏紀(こいつの性格からしてぬいぐるみなんて素直に受け取らないよなぁ・・・)
優子「ううぅ・・・なに?リボンは子供でポニテは大人なの?・・・」ブツブツブツ・・・
夏紀(やばい!何とか早く手を打たないと・・・!)
優子「どうせわたしなんか・・・先輩にもフられて・・・」ブツブツブツブツ・・・
夏紀「(もう考えてる時間が無い!)あの、さ!今日はありがとう!」
夏紀「だから、一緒に回ってくれて、ありがとう。あん・・・優子がいなかったら、きっと退屈だったよ」
優子「・・・!?」ドキッ
夏紀「だから、その・・・あたしが今日楽しめたのは、優子のおかげであって、つまり、その・・・」ワタワタ
優子「・・・」ドキドキ
夏紀「ありがとう!そのお礼に!これ、あげる!」バッ
優子「ふえっ!?これ・・・さっきのぬいぐるみ・・・いいの?」
夏紀「もちろん!あたしあんまこういうの興味ないし・・・」アハハ・・・
優子「・・・あり、がとう。大事に、する」ギュッ
夏紀(・・・あれ!?素直・・・なんか今日、こいつ、変、だ・・・?)タジタジ
優子「えへへ、すごく、うれしい」ニコ
夏紀「!」ドキッ
夏紀(う、ぅ?なにこれ・・・)ドキドキ
夏紀「そ、そっかー、よかったー、アハハ」ドキドキ
夏紀「・・・」ドキドキ
優子「・・・あ、あの・・・」
夏紀「ん、な、なに・・・?」
優子「え、えーと・・・あっ、いつの間にか、祭りの通りから離れてるわね!」
夏紀「あっ!・・・本当だ・・・」
夏紀「いつの間にこんな神社の隅っこに・・・」
優子「・・・まわり、だれも、いないね」モジ
夏紀「!?・・・そ、そうだね・・・」タジ
優子「・・・」ドキドキ
夏紀「・・・」ドキドキ
優子(な、何か・・・)ドキ
夏紀(この空気を変える・・・)ドキ
優子(きっかけが・・・)ドキ
(欲しい・・・!)
♪~~♪~~
「!!」
優子「・・・この音!トランペットと・・・!」
夏紀「ユーフォニアム・・・?」
優子「・・・いい音」
夏紀「なんて曲だっけ・・・これ・・・」
優子「たしか・・・『愛を見つけた場所』」
夏紀「これ・・・吹いてるの二人だけ、だよね・・・」
優子「うん・・・でもすごく息ぴったりで、きれいなハーモニーね」
夏紀「本当に。ただ上手なだけじゃなくて、なんていうか、心がこもってる」
優子「そうね・・・お互いをちゃんとわかってる、って感じがするわ」
夏紀「ふふ、思わぬ、素敵なプレゼント、だね」ニコッ
優子「!!」ドッ
優子(胸が・・・くるしい・・・でも)ドキドキ
優子(今なら・・・今なら、言える気がする!)バクバク
夏紀「!・・・何?」
優子「ちょっとまって・・・」スーーハーー
夏紀「・・・?」ドキドキ
優子「わ、わたし、夏紀のことが、・・・すき」
夏紀「!?・・・えっ?隙・・・好き?・・・って、えぇ!?」
優子「・・・」コク
夏紀「す、好きって、どういう、好き?」タジ
優子「もちろん、恋愛的な意味!愛してる!そばにいたい!かまってほしい!」
優子「・・・独り占めに、したい」ボソッ
夏紀「っ、そんな、急に、言われて、も」タジ
優子「それで、どう、なのっ?嫌?それとも、良い?」ズイ
夏紀「だ、だから、急に、言われても、わかんない、って」タジタジ
優子「もう言っちゃった以上、後には引けない、の。わたし、は!」ズイズイ
夏紀「う、わ、ぁ!?」ドサッ
夏紀「へ、へいき・・・」ハァ
優子(後ずさりしすぎて尻餅ついたのね・・・)ハァハァ
優子(なんか・・・これじゃ私が押し倒したみたいじゃない・・・)ハァハァ
夏紀「・・・ゆーこ?」
優子(もう・・・いくしかない・・・!先輩みたいに、答えを貰えないまま、ズルズル食い下がるなんて嫌・・・!)グッ
優子「夏紀・・・」グイッ
夏紀「きゃっ!?・・・な、なに?」
優子「今からわたしがキスするから、嫌だったら抵抗して」ギュ
夏紀「えっ!?」
優子「抵抗しないなら、良いって解釈、するから」ググ
夏紀「いや、そんな、無茶苦茶だよっ・・・」
優子「嫌だったら引っぱたいてもいいわ。私・・・本気だから!」ハァ・・・ハァ・・・
夏紀「う、うぅ・・・?(どうしよ・・・本当に顔がちかづいてくる・・・!)」
夏紀(どう・・・しよう?どうすればいいの・・・?)
優子「・・・」スー
夏紀(いや・・・違う)
夏紀(あたしは・・・『どうしたい』の?)
優子「・・・」スー
夏紀(中学では帰宅部、高校で吹部に入ったのも楽そうだったから・・・)
夏紀(今は真面目に吹奏楽に取り組んでるけど、それは周りの人のおかげで・・・)
夏紀(結局あたしは、なにも選んでない。いや、選ぶのが怖かったんだ)
優子「・・・」フゥ…フゥ…
夏紀(自分を曝け出すのが。それを否定されるのが。だから何事にも無関心を装った。中立であろうとした)
夏紀(でもそれは間違ってた。自分の意思で踏み出さなきゃ、何も始まらない)
夏紀(自分の意思で。そう。目の前の・・・彼女のように)
優子「・・・イヤならイヤだって言いなさいよぉ!!!」
優子「何よ!そんな難しい顔して!嫌がれば私が傷つくとでも思ったの!?」
優子「そんな、むり、して・・・あわせてあげるの、なんて・・・やさしく、ない・・・」ポロポロ
夏紀「あ・・・っ」
優子「すき・・・なん、グスッ、だから、むりやり、ズッ、なんて、きすできるわけ、ないじゃない!」グスグス
夏紀「・・・優子」グイッ
優子「なに、よぉ、なぐさめ、なんて、よけ、ぃ・・・!?」グッ
チュッ
優子「え・・・?なん、で・・・?どうして・・・」ポロポロ
夏紀「ごめん・・・考えるのに時間、かけすぎた・・・」
優子「こ・・・!この、バカ!ばかぁ!どんだけ、つらかったと、おもってっ・・・」ポロポロ
夏紀「ご、ごめん、ゆるして、ごめんって、ちょ、いたいっ」ポカポカ
優子「・・・もう、いっかい」グスン
夏紀「えっ?」
優子「いきなりだったから、もういっかい、してくれたら、ゆるしてあげる」グス
夏紀(うぅ、キスするのってかなり恥ずかしいんだけど・・・)カァ
夏紀(その顔は、反則だよ・・・)スッ
優子「ん・・・」スッ
チュッ チュッ
夏紀「・・・いくら、恋人になったからってさぁ・・・」
優子「え?」
夏紀「毎日デートは、無いと思うんだけど・・・」バテ
優子「いいじゃない!楽しいし、まさに恋人って感じ!」キラキラ
夏紀「もっと家でゆっくりしてたいよぉ・・・」グテ
優子「夏紀はインドア過ぎ!もっと外に出る習慣付けないと!」ハキハキ
夏紀「確かに楽しいけど、きつい・・・」ハァ
優子「あ、ほら、もうすぐつくわよ!大阪!ちょうど来たかったのー!」
夏紀(休みの日まで一日中これだよ・・・)
夏紀(まあ、これもあたしが選択した結果だし、気に入ってはいるんだけど・・・)
夏紀「来週の土日はあたしの家にしようよ、午前中練習あるし」ダルーン
優子「えーどっか出かけたーい」ブーブー
夏紀「土日は親いないから、泊まりで来ても、いい、けど?」フフ
優子「なっ・・・!?な、に、考えてんの?変態!」カァァ
夏紀「え?あたしは『泊まり』としか言ってないけど?何想像したの?ねえ?」ニヤニヤ
優子「あっ・・!う、ぅうるさいわね!ど、どうしてもって言うなら泊まってあげないこともないわよっ!」カァァァ
夏紀「ふふ、ありがと。じゃあお礼に、そのときして欲しいことがあったら、なんでもしてあげるよ」
優子「えっ・・!?なんでも・・・?あ、あう、あぅぅ!?」プシュー
夏紀(あれ、ちょっとからかい過ぎちゃったかな?)
オオサカー オオサカー
優子「あっ!おおお降りないと!とにかく降りるわよっ!」ギュッ
夏紀「えっ!?わぁっ!」タタッ
夏紀(彼女についていくのは苦労が絶えなそうだけど)
夏紀(彼女となら、その苦労も一緒に楽しめるって気になる)
夏紀(優子。あんたが、あたしの――『愛を見つけた場所』)
おわり
ご覧頂いた方、ありがとうございました。
響け!はくみれいももちろん素晴らしいですが、他の準レギュラー達もキャラが立っていて、(百合的な)妄想の余地があるのが素晴らしいと思います。
しかしリボンさんのほうは特に、今までの出番が少ないため、キャラがブレがち・・・というか材料不足感が否めませんでした。
原作を2巻まで買ってきて読みはじめたので、読み終えたらまた響けSSを書きたい!
あとこないだヤマハに買い物に行ったら原作単行本が売っていてびっくりしました。ヤマハすごい
では依頼出してきますー
乙です
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433761457/
Entry ⇒ 2015.06.14 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!】黄前ちゃんと高坂ちゃん以外で妄想SS【ユーフォニアム】
口調変&キャラ改変はお約束。無理なら回れ右
関西弁を文字で読むのは無理だから原作未読
でも北宇治吹部だよりは読んだ。面白かった
それでもアニメ設定
以上まで注意点
次から投下
緑輝「葉月ちゃん、葉月ちゃん」
葉月「ん? どうしたの、みどり」
葉月「確か名前呼ばれた子は残ってって言われてたよね」
緑輝「はい。でもその前に、葉月ちゃんに伝えておきたいことがあって」
葉月「ん? なに?」
緑輝「実は私……見ちゃったんです」
葉月「見た? なにを?」
緑輝「久美子ちゃんが、高坂さんとちゅーしてるとこ……です」
葉月「…………は?」
緑輝「見間違いじゃありません! オーディションの朝練の後、楽器片付けに行ったら見ちゃったんです!」
緑輝「こう、高坂さんが久美子ちゃんのほっぺた挟んで、それで久美子ちゃんも高坂さんに同じことしてて……」
葉月「……それだけで?」
緑輝「そりゃ、確かに高坂さんの背中越しですから、ちゃんとした瞬間を見たわけではないんですけど……」
緑輝「でも、顔の距離もとても近かったですし、もししてないにしても何かあったはずです! 間違いありません!」
葉月「……っていうか、それをなんで今このタイミングで私に言うの?」
緑輝「……本当は、葉月ちゃんに言うつもりはありませんでした」
葉月「いやでも、それを聞いて私はどうしたら……」
緑輝「それは……みどりにも分かりません」
葉月「おい」
緑輝「でも、何故か教えておくべきだと思ったんです」
緑輝「こういう時のみどりの勘って、意外に当たるんです!」
葉月「……そっか」
葉月「ま、じゃあ後で久美子に聞いてみよっか」
葉月「違うにしても、何かあるのは間違いないんだよね? だったら聞いてみようよ」
葉月「私も、気になるしさ」
緑輝「はいっ!」
葉月「んじゃ私、先に低音パートの教室行ってるね」
葉月「あ、夏紀先輩」
夏紀「ん……加藤ちゃん。お疲れ」
葉月「その……お疲れ様です」
夏紀「残念だったね、オーディション」
夏紀「加藤ちゃん、最近頑張ってたし、いけると思ったんだけどな」
葉月「いえ、そんな……私なんて、初めて間もないですし」
葉月「それに、落ちたことも遅れて気付いたぐらいですから」
葉月「それだけ思い入れがないんなら、仕方ないというか……」
夏紀「それでも、頑張ってたじゃん」
葉月「でもっ、それを言ったら、夏紀先輩の方が頑張ってました」
夏紀「私は……そうでもないよ」
夏紀「なんせ去年、サボってばっかだったからね」
葉月「先輩……」
夏紀「さあ……どうだろ」
夏紀「なんだろうね……やっぱり、去年のことがあるからかな」
夏紀「私の名前が呼ばれなくて、黄前ちゃんの名前が呼ばれた時……」
夏紀「ああ、やっぱりな、って思っちゃった」
葉月「……吹部、辞めないですよね?」
夏紀「え?」
葉月「なんだか夏紀先輩、初めの頃に戻ったみたいで……」
葉月「このまま、辞めちゃいそうで……」
葉月「だから! その……辞めないで欲しい、っていうか……」
夏紀「辞めないよ、私は」
夏紀「この低音パートなんて、特に」
夏紀「だから、低音パート皆で、一緒に吹きたかった」
夏紀「それが、私の実力不足で出来なくて……ちょっと、悲しいだけ」
葉月「夏紀先輩……」
夏紀「だから、来年」
葉月「えっ?」
夏紀「来年まで加藤ちゃんも一緒に頑張って、来年こそ一緒に吹きたい」
夏紀「だから、私は辞めない」
葉月「……そうですね」
葉月「私も来年こそ、夏紀先輩と一緒に吹きたいです」
夏紀「うん」
葉月「それは、ちょっと残念かもです」
夏紀「いいのよ、あすか先輩は」
葉月「え?」
夏紀「あの人には、OG席で聞いてもらえば良いんだから」
夏紀「今日ここで落ちた私達の成長ぶりをさ」
葉月「あ……はいっ。そうですね」
夏紀「じゃないと、すっげぇ怒ってくるよ。あの人」
夏紀「すごい冷めた目で『真面目に練習してこなかったからこうなったんだよ』って言ってくるよ」
葉月「うわ~……それはちょっと勘弁願いたいですね」
葉月「下手なお化け屋敷より怖いです」
夏紀「だよね。だから来年こそ、合格しよ?」
葉月「はい。来年こそ、ですね」
葉月「あ、はい。なんか久美子が高坂さんとキスしてるところを見たって」
夏紀「えっ!? 高坂さん、って、あのソロパートに選ばれてた子!?」
葉月「はい」
夏紀「それ……本当なの?」
葉月「いや~……たぶんみどりの見間違いだとは思うんですけどね~……」
夏紀「その、高坂って子と黄前ちゃんは、仲良いの?」
葉月「この前の県祭りは一緒に行ったみたいですけど」
葉月「あ、後同じ中学だったって」
葉月「あれ? でも確か最初はなんか久美子が気まずそうだったような……」
夏紀「なんで?」
葉月「なんか、中学の時に一言余計なことを言っちゃったみたいで……」
夏紀「あ~……黄前ちゃん、そういうのよくあるもんね」
葉月「つい口から出ちゃうみたいなんです」
葉月「まあそこが久美子の良いところだと思うんですけど」
夏紀「そう? 私たまに、余計なこと言ってるな、って思うことあるけど」
葉月「長い間一緒にいると、それに味を感じるようになるんです」
葉月「あ……そう言えばそうでしたね」
葉月「みどりの一件でつい忘れてましたけど……」
夏紀「……ってことは、案外的外れではないんじゃない?」
葉月「え、えぇ~?」
夏紀「お祭りで高坂ってこと何かあったから、調子が良くなった」
夏紀「で、その何かってのが……」
葉月「……ま、まさか……」ゴクリ
夏紀「そう……その、まさか……」
夏紀「つまり、付き合うように――」
あすか「たっだいま~!」
葉月・夏紀「「っ!!」」ビクッ!
あすか「なになに? 何か内緒話かな~?」
葉月「い、いや~……別に」
久美子「あ」
夏紀(あ)
夏紀「ちょっと、黄前ちゃんのこと話してて」
久美子「え?」
夏紀「黄前ちゃん、オーディションの日に誰かと愛を育んでいたらしくて」
久美子「えぇっ!?」
葉月「みどりが楽器片付けに行った時、高坂さんとキスしてるところ見たって」
久美子「き、キスっ!?」
あすか「おっ」
卓也・梨子「「えっ」」
久美子「あの時はその、励ましてもらっただけって言うか……」
あすか「励ましてもらうために、熱いベーゼを交わしたってのかい?」
久美子「だ、だからそれが間違いなんですって!」
久美子「ちょっとほっぺた挟まれただけで……!」
卓也「黄前……そうか……お前、そうだったのか」
久美子「ちょっと後藤先輩!?」
梨子「久美子ちゃん、愛の形は人それぞれだもんね」
久美子「梨子先輩ちょっとそういうの止めて下さい!」
夏紀(黄前ちゃんが何か謝りそうだったから誤魔化しに使っちゃったけど……今日はこれで良いかな)
夏紀(そういうのはまた、今度で)
夏紀「で、黄前ちゃん、実際はどうなの?」
久美子「だから夏紀先輩! さっきから言ってる通りですね――」
終わり
まあしないだろうけど
きっと夏紀先輩なら久美子のトラウマも何とかしてくれる
~~~オーディション結果発表から翌日~~~
校門前
「「あ」」
優子「……おはよ」
夏紀「おはよう」
優子「…………」
夏紀「…………」
優子「……あ、あんた、オーディション落ちたんだってねっ」
夏紀「うん」
優子「ふんっ、やっぱり去年サボってたのがダメだったのよ! これからはもっと真面目にやることね」
夏紀「そうだね」
優子「…………で、でも……ほら、あれよ」
夏紀「うん?」
夏紀「…………」
優子「な、なによその表情はっ」
夏紀「いや……まさか優子がそうやって励ましてくれるなんて思わなくて」
優子「は、はぁ!? 別に励ましたつもりはないんですけどっ!」
優子「ちょっと落ちて情けな~くなってるアンタをバカにしただけ!」
夏紀「どこがよ……全く」
夏紀「優子は合格、おめでとう」
夏紀「私の分まで頑張ってきて」
優子「あ、あんたこそいつもと違いすぎるわよ!」
優子「もっとこう……あるでしょ!?」
夏紀「なにが?」
優子「いつもの夏紀らしさがよっ!」
夏紀「何が忙しいのよ。まさか嫌がらせ?」
優子「そ、そんなことはしないわよ……」
優子「でもなんか、香織先輩に何かしてあげられることないかなとか、考えちゃったりとか……ともかく忙しいの!」
優子「じゃ、そういうわけで、合格した私は忙しいから!」
優子「落ちたアンタとは違うんだから!」
優子「もっと練習しておきなさいよ!」タッタッタッ…
夏紀「……ありがとう、優子」
夏紀「それと本当に、おめでとう」
終わり
そう言って出て行って、それでも私の苛立ちは消えなかった。
当然だ。
私は、私自身が何に苛立っているのか、分かっていない。
それがまた、私を苛立たせるのだ。
でも、それで怒っている訳ではない。
調子が良くないことなんてママある。
それが恋愛事だからといっておかしいなんて言うつもりはない。
むしろ普通だということも理解している。
だからこそ私は、それらを遠ざけ、そういったことで調子が狂わないようにしている。
それを相手に望むだなんて、そんな驕ったことを言うつもりもない。
それなのに……それらをこうして分かっているのに、私の心はこうして荒れている。
それが自分でも分からない。
パートでまとまれないのならもっと練習する。
まとまれない理由が練習不足でないのなら、個人練に切り替える。
今回の判断も何も間違えてはいない。
上と下が何か揉めている時だって、私はずっと真ん中に立って、ずっとそうしてきた。
それなのに、どうしてこんなにも私は……。
……やってしまったと、後悔しているのだろう。
香織の音かとも思ったが……違う。
香織では、こんな音は出せない。
こんな、先を見据えて、遠くの目標に向けて吹く、力強い音なんて……。
あすか「…………」
つい最近、どこかで聞いたような音の混じり。
気になってつい、そちらへと足を向けてしまっていた。
私では分からない領域での音の差しかない。
でももし、香織とこちらの音のどちらかしか取れないと言うのなら……。
あすか「……高坂ちゃん」
発信源は、やはりというかどういうべきか。
黒い髪を風に靡かせた、期待の一年生だった。
確認のための呟きすらも聞こえたのか。練習の手を止め反応してくれる。
あすか「ああ、ごめん。邪魔するつもりはなかったの」
麗奈「何か、楽器のことで用事が?」
あすか「ううん。そういうのでもないの。ただ良い音が聞こえたから足を運んだだけ」
麗奈「……そうですか」
少し間を取ってから、楽譜へと向き直る。もしかしたら照れてくれたのかもしれない。
やっぱり、心を惹きつける。
漠然とした目指す先を、必死に見据えようと明け暮れる、その音の旋律は。
ただそれでも、技術的には私の方が上だろう。
まあ、別楽器で比べること自体間違えているけれど。
でも……それなのに、惹きつけるのだ。
彼女の音は。
あすか「……あ」
ふと、分かった。
その音の中に、我が部の後輩に感じた成長と、同じものがあるということを。
オーディションのための課題範囲と、ソロパートの練習を終えるまでしっかりと聞いてから、私はようやく声をかけた。
あすか「なんで、トランペット吹いてるの?」
麗奈「吹きたいからです」
楽譜を捲る手を止めて、真っ直ぐにこちらを見据えるその瞳。
麗奈「先輩がユーフォを吹いてるのも、同じですよね?」
あすか「うん。私も同じ」
あすか「でもね、なにか違うの」
勝手なことを言う私に嫌な顔一つせず、彼女は少しだけ顎に手を当て考えてから、ある質問をぶつけてきた。
麗奈「なら先輩は、誰と吹くために練習しているんですか?」
答えようと吸って、言葉を乗せて吐こうとしたその息が、詰まってしまったから。
紡ごうとした言葉は、脳裏に浮かんだ香織と晴香の名前。
でも……その寸前で。
彼女たちと吹くために私はユーフォをやっている訳ではない、という言葉が過ぎってしまったのだ。
麗奈「なら、私と同じですね」
さっきと同じやり取り。
でも、ここからが違った。
麗奈「私も自分のために、その人と吹きたいからやってます」
あすか「え?」
麗奈「どうしても一緒に吹きたい人がいるんです。その人と少しでも長く、繋がっていたい。だから、吹いています」
あすか「ちょ、ちょっと待って。それのどこが私と一緒なの?」
麗奈「? その人と一緒に吹くのが自分のためになるから、自分のために練習してる、って言ったんですよね?」
あすか「違う違う。私の場合は、本当に誰もいないの。だから自分の為って言っただけ」
というか、自分のため、と聞いて、そういう意味に取るほうが難しいように思う。
あすか「そういうことかな~」
麗奈「それは……」
あすか「なに? 自分勝手?」
麗奈「いえ……羨ましいな、と」
あすか「え?」
麗奈「だって、そうして自分のためだけに練習をしていてもついて来てくれる人がいると、信頼している、ってことですよね」
あすか「…………」
麗奈「私はまだ、そういう風になれませんから……」
私は、私のためだけに音楽をやってきた。
そこに周りがついて来なくても良いと思っていた。
でも……この子に問いかけられたその時、脳裏を過ぎった二人。
香織と晴香の二人。
この二人なら、私が私のために頑張っていてもついてきてくれると、自分でも気付かぬ内に信じきっていたのだ。
低音パートの皆は、きっとこんな私について来てくれない。
ついて来られない。
だから、ついて来てほしいから、一緒に、必死に練習したい。
それなのに、それを止められたから……。
皆で一緒に吹きたいのに、会場で音を奏でたいのに……それに届かないかもしれないのに、届かせようとする努力に水を差されたから。
焦って、しまって……。
だからこんなにも、私は……。
その答えを抱いた瞬間、ストンと、何かが落ちる音が聞こえた。
そうだ。
それほどまでに私は、あの低音パートの皆のことが、好きだったのだ。
あすか「……訂正。高坂ちゃん」
麗奈「はい?」
黙って指の動きのおさらいをしていた彼女に、私は感謝の意が伝わるように、自然と浮かんだ満面の笑みを向けた。
あすか「私、今は低音パートの皆と一緒に吹きたいから、練習してるのっ」
もしかしたら、気付かぬ内に私の音の中にも、黄前ちゃんや高坂ちゃんみたいな音が混じっていたのかもしれない。
……確認したい! 今すぐにでもっ!
あすか「だからアデュー! 私も練習に戻ることにするよ! ありがとう! 高坂ちゃんっ!」
麗奈「?」
首を傾げるだけの彼女に手を降って、私はユーフォを担いで譜面台を手に持って、いつもの練習場所へと駆け出した。
その心は苛立ちの原因を知ったからか。
高坂ちゃんのトランペットの音のように、遠くまで透き通っていた。
終わり
実際のあすか先輩はこういうのじゃないのは分かってるんだけど…こうだったら良いなぁ、という願望
いやでももしこんなだったらあすか先輩の魅力が半分以上減少している気もするなぁ…
原作読めば全て解決というのは無しの方向で
以上
ありがとうございました
まとめ依頼出してきます
あすか先輩と麗奈の絡みは新鮮
良かったよ乙
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Entry ⇒ 2015.06.06 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!】久美子と麗奈の仲良し妄想SS【ユーフォニアム
口調変&キャラ改変はお約束。無理なら回れ右
関西弁を文字で読むのは無理だから原作未読
でも最近北宇治吹部だよりは読んだ。面白かった
それでもアニメ設定
以上まで注意点
次から投下
麗奈「久美子」
久美子「へ~……」
麗奈「…………」
久美子「…………」
麗奈「……で、滝先生?」
久美子「へぇっ!?」
麗奈「分っかりやすいなぁ、麗奈は」
久美子「麗奈」
麗奈「塚本でしょ」
久美子「…………」
麗奈「……どうしたの?」
久美子「いや、今日一緒に帰ろうって言ったのは、そのことなんだけど」
麗奈「なに? 告白するの?」
久美子「しないよ」
久美子「というか、別に秀一のことなんて好きじゃないし」
麗奈「嘘」
久美子「嘘じゃないよ」
麗奈「分からない?」
久美子「……ねえ、やっぱり麗奈はさ、滝先生のこと考えると胸がドキドキするの?」
麗奈「べ、別に滝先生のことは……」
久美子「あ~……じゃあ、好きな人のことを考えたらドキドキする?」
麗奈「私は、久美子のことを考えたらドキドキする」
久美子「いやだから――」
麗奈「ドキドキするの」
久美子「…………」
麗奈「…………」
久美子「……そっか」
麗奈「うん」
麗奈「うん」
久美子「でもね、秀一のことを考えても、別にドキドキはしないの」
麗奈「そうなんだ」
久美子「でも……でもね」
久美子「秀一が葉月ちゃんと付き合わないって知った時」
久美子「……ちょっと、安心したんだ」
麗奈「……そっか」
久美子「……うん」
麗奈「分かんない」
久美子「だよねぇ」
麗奈「分かんないけど」
麗奈「でも、近くにいて欲しいから」
麗奈「どこか遠くに行くかもって思った時」
麗奈「ちょっと、怖くなったんじゃない?」
久美子「…………」
麗奈「私も、久美子が近くにいると、安心する」
麗奈「久美子は?」
久美子「……そうかも」
久美子「私も、麗奈が近くにいると、安心する」
久美子「そして、たぶん…………」
麗奈「…………」
麗奈「違うよ」
久美子「え?」
麗奈「私のは愛」
麗奈「言ったでしょ」
麗奈「愛の告白、って」
久美子「……そっか」
久美子「そうだったね」
麗奈「うん」
久美子「えっ? じゃあ私、秀一のこと愛してるってこと?」
麗奈「愛着はあるんじゃない?」
麗奈「幼馴染なんでしょ?」
久美子「愛着……ん?」
久美子「それってなんかおかしくない?」
麗奈「おかしくないよ」
久美子「そう?」
麗奈「そう」
久美子「ねえ麗奈。麗奈の好きな人って誰?」
麗奈「久美子」
久美子「へ~……」
麗奈「…………」
久美子「…………」
久美子「……で、滝先生?」
麗奈「へぇっ!?」
久美子「分っかりやすいなぁ、麗奈は」
麗奈「うん」
久美子「そっか」
麗奈「久美子は?」
久美子「私は……」
久美子「…………」
久美子「……どうだろ」
麗奈「なにそれ」クスッ
麗奈「酷いな~」
久美子「私は性格悪いらしいからね」
久美子「自覚?」
麗奈「キッカケがあったら、きっと変わっていくよ」
麗奈「だからそれまでは、私と一緒にいて」
久美子「……いいの?」
麗奈「いいよ」
麗奈「でもね、一つだけ忠告」
久美子「ん?」
麗奈「いつまでも、今のままじゃないから」
久美子「えっ……?」
麗奈「私と久美子は、これから高校生の間だけしか、ずっと一緒にいられない」
麗奈「それからはきっと、たぶん、イヤだけど、別の道を歩むことになる」
麗奈「だから、それだけしか、このままじゃいられない」
久美子「それは……」
麗奈「何十年も一緒にいたからって」
麗奈「それが続くわけじゃない」
麗奈「大人になっていったら、邪魔なものばかり引っ付いてくる」
麗奈「だから……続くわけじゃないの」
久美子「麗奈……」
麗奈「でも、だからって、焦らないで」
麗奈「そういうキッカケなんて、男が渡してあげるものなんだから」
麗奈「女がいく時は、想いが溢れて零れ落ちた時だけ」
麗奈「でも、零れ落ちたものを相手に伝えられないぐらいには、ならないで」
麗奈「私が言いたいのは、これだけ」
久美子「……うん。分かった」
久美子「ありがとう、麗奈」
麗奈「いいよ」
麗奈「だって久美子のこと、好きだから」
久美子「……ははっ」
久美子「私、愛されてるな~」
麗奈「当然だよ」
麗奈「塚本には簡単に、久美子は渡さないんだから」
久美子「も~、だから秀一はそんなんじゃ無いってば」
久美子「ありがとう、麗奈」
久美子「おかげで元気出た」
麗奈「そう」
麗奈「それは良かった」
久美子「……私、やっぱり麗奈のこと好きだな」
麗奈「聞いたよ、それ」
久美子「ふふっ。だったね」
久美子「なぁんか……もっと早く、友達になりたかったな……」
久美子「だったら、高校の間だけなんて短い時間じゃなかったのに……」
麗奈「久美子」スッ
久美子「えっ」
ギュッ
麗奈「短くても大丈夫」
麗奈「これからいっぱい、沢山、一緒にいよ」
久美子「…………」
久美子「……うん」
久美子「ありがとう、麗奈」
麗奈「聞いたよ、それも」
久美子「そっか」
久美子「そう、だったね……」
久美子「でも……うん」
久美子「それでも、ありがとう」
麗奈「ふふっ、おかしな久美子」
麗奈「でも、うん」
麗奈「どういたしまして」
終わり
滝野「ちょっとサンフェスの衣装合わせするだけだろ?」
滝野「このままだと男子だけでグラウンドの準備が終わっちまうっての」
瀧川「しかもそれで女子の衣装が見れないんすもんね~……割に合わないっす」
塚本「そういうなよ」
後藤「そうだぞ。滝野、お前も口だけじゃなく手と足を動かせ」
滝野「はいはい。分かってるっての」
滝野「でもよ、せめて一目ぐらい見せてくれてもバチは当たんないと思わね?」
瀧川「そうっすよね」
滝野「なあお前ら」
滝野「誰の衣装が一番見たい?」
塚本「あ~……あのトランペットの」
滝野「そう!」
瀧川「分かります先輩! 中世古先輩、メチャクチャ美人っすもんねっ!」
滝野「だろ? しかも彼女になったら尽くしてくれるタイプとみた」
滝野「お弁当作ってきたの、一緒に食べよ?」
滝野「的な」
瀧川「うわ~! たまんないっすね!」
塚本(気持ち悪いモノマネまでして……バカだこの先輩)
滝野「ん? 何だそのバカにしたような目は?」
塚本「いや、バカにはしてませんよ」
塚本「ただ中世古先輩ってほら……なんか、皆に慕われてるじゃないですか」
塚本「ほらあの、リボンの人とか……」
滝野「あ~、吉川な」
塚本「そうです」
塚本「ああいう人からアイドルみたいな扱いされた女の人って、なんか怖くないですか?」
瀧川「怖い?」
滝野「なにを?」
塚本「初めてじゃないのに初めて、って平気で言いそうな感じが」
滝野「か~! お前どれだけ自分に自信無いんだよ!」
滝野「んなもん、例えそうだったとしても信じてやるのが男の甲斐性ってもんだろ!」
滝野「そんな前の男と比べられるかもみたいな不安、情けないったらありゃしない!」
塚本「確かに……みみっちいことって言われたらそれまでですけど……」
瀧川「っていうか俺はそれ、部長の方がそれっぽいと思うんすけど」
滝野「小笠原先輩?」
瀧川「そうっす」
滝野「いや~……俺はあの人、なんか情緒不安定になりやすそうに見えるな~」
瀧川「それって女全員じゃないっすか?」
滝野「そうじゃないやつもいるって」
滝野「田中先輩とかそうじゃねぇか?」
滝野「あのグラマラスボディで迫られてみ?」
滝野「たまんねぇよ。なあ塚本」
塚本「いや、俺田中先輩も怖いと思ってるんで……」
滝野「じゃあお前誰なら怖くねぇんだよ!」
塚本「もし滝野先輩そうならないんなら相当図々しいですよ」
滝野「あ? それどういう意味だおい」
瀧川「いやでも塚本の言う通りっすよ滝野先輩」
瀧川「その三人なら誰に告白しても間違いなく二年生女子に総叩きに遭いますよ」
滝野「なんで叩かれること前提なんだよ」
滝野「それに俺、同級生に叩かれたって平気だね」
塚本「じゃあ吉川先輩に命狙われても大丈夫ですか?」
滝野「え? 中世古先輩狙うってそんな危険?」
瀧川「いやどう考えてもそれぐらいの覚悟がないとダメっすよ」
塚本「あの人なら素行調査と称してダメなところネチネチと見つけてきますよ」
後藤「お前ら。本人がいないからってさすがにそれは吉川に失礼だろ」
塚本・瀧川「「す、すいませんっ!!」」
後藤「ま、確かにそんな気がしないでもないがな……」
瀧川「二年の先輩たちも皆キレイだと思うんっすけど」
滝野「んな後藤みたいな真似出来るかよ」
後藤「おい」
塚本「えっ!? 後藤先輩って付き合ってたんですか!?」
瀧川「相手って誰っすか!?」
後藤「黙秘権を行使する」
滝野「同じ低音パートの長瀬だよ」
後藤「おいこら滝野。何簡単に言ってんだっ」
滝野「別にいいだろ? こいつらだって言いふらしはしないだろ。なあ?」
塚本「は、はいっ」
瀧川「もちろんっす」
後藤「……は~……ま、もう喋った後だと仕方ないか」
後藤「お前ら、本当に言うなよ」
瀧川「でもなんで秘密なんっすか?」
後藤「……恥ずかしいからだ」
滝野「そう。んでもって隠れ巨乳」
後藤「お前人の彼女を……!」
滝野「わりぃわりぃ。もう言わねぇよ」
瀧川「人の彼女って分かっても、サンフェスの衣装見てみたいっすね」
塚本「…………ん?」
瀧川「ん? 最初っからそういう話じゃなかったか?」
塚本「あ、ああ……そうだったな。すっかり忘れてた」
滝野「なんか、どっかから付き合いたいって話になってたな」
滝野「で、瀧川。お前は誰の衣装が見たいんだ?」
瀧川「俺っすか? ん~……でもうちの部なら全員見たいっすかね~」
滝野「てめぇそれは見境なさすぎだろ」
瀧川「そう言われても……あっ、あの、よく吉川先輩と一緒にいる人」
後藤「長瀬……じゃないとしたら、中川か」
瀧川「たぶんそうっす」
滝野「いや、俺吉川と中川をそんな目で見たことねぇから……」
塚本「俺は……低音パートの二年生、って印象しか」
後藤「中川は最近やる気出してるからな」
後藤「そういう意味では、お前の好みには合うのかもな」
瀧川「って言っても、やっぱり外見だけの判断なら田中先輩っすかね」
滝野「あ~……おっぱいね」
瀧川「おっぱいっす」
瀧川「えっ? 誰っすか?」
滝野「ほらあの……トランペットのやたら上手いヤツ」
塚本「ああ……高坂」
滝野「お? 塚本も知ってるのか?」
塚本「っていうか、同じ中学でしたし」
後藤「そうなのか?」
塚本「はい。久美子と俺と高坂とで。ま、この学校に来たのは偶然ですけど」
瀧川「おいちょっと塚本紹介しろよっ!」
塚本「嫌だよ」
塚本「だって俺高坂も苦手だし」
滝野「だからお前は誰なら大丈夫なんだよっ!」
瀧川「いやでも滝野先輩、それしたら塚本的にはそいつが可愛くない、って言ってるようなもんになりません?」
瀧川「んっ……ん~……さすがに、それは可哀想か……」
瀧川「……ん? そういえばお前、もう一人同じ中学のヤツいたんだよな?」
塚本「あ、はい。黄前です」
滝野「あ~……あの子」
塚本「……なんすか、その反応」
滝野「いや」
滝野「っていうか低音パートのことよく知らないし」
滝野「その子どんな子なんだ? 後藤」
後藤「そうだな……ユーフォ、上手いぞ」
滝野「それ以外で」
後藤「それ以外か……なんだかんだで、立ち回りが上手い、かな」
後藤「あの中川にやる気を出させるキッカケを作ったのはソイツだ」
滝野「へ~……」
後藤「知らん」
滝野「見たこと無いのか?」
後藤「んな訳あるか」
後藤「どうせ今の質問、可愛いかどうかだろ?」
滝野「おう」
後藤「それには答えたくない」
後藤「どうしても知りたいなら、それはお前が見て判断しろ」
後藤「ほら、こんな無駄話をしている間にも女子が来てる」
後藤「嫌でも見れるぞ」
滝野「お~……で、どの子どの子?」
後藤「よく見てれば低音パートで固まるからすぐに分かるだろ」
後藤「それよりも、女にモテたいならここで頑張って男らしいとこ見せといた方が良いんじゃないか?」
瀧川「おっ、そうっすね」
瀧川「ここで女子を手伝ったりしたら良いかもっ」
滝野「よしっ。行くぞ瀧川、塚本!」
瀧川「はいっ」
塚本「いや、俺これやってないといけないんで」
滝野「ちっ、ノリの悪い」
後藤「ま、あんな下心丸見えだと、誰の好感度も上がらんだろうがな」
塚本「ははは……」
後藤「……塚本」
塚本「はい?」
後藤「俺は、低音パートは皆可愛いと思ってる」
塚本「は?」
後藤「ただ滝野のことだ。黄前のことも加藤のことも川島のことも」
後藤「皆胸が小さいって言うだろう」
塚本「はぁ……」
後藤「あとは、なんかおばさん臭い髪型だとか、声が大きいだとか、付き合ったら犯罪者になる気がするとか」
後藤「そんな失礼なことを言うだろう」
後藤「でもな……それを聞いても、苛立たないでやってくれ」
塚本「……分かりました」
後藤「ちょっと、ノリやすいだけなんだ」
後藤「許してくれ」
塚本「いえ、そんな」
塚本「っていうか、後藤先輩が謝ることじゃないですよ」
後藤「それでもま、友達、だからな」
塚本「……なるほど」
ちなみに滝野先輩は、後藤先輩が言った通り感想を言っていた。
本当に読まれやすい人である。
終わり
ありがとうございました。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433063690/
Entry ⇒ 2015.06.05 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!】久美子と麗奈のお祭後妄想SS【ユーフォニアム】
口調変&キャラ改変はお約束。無理なら回れ右
関西弁を文字で読むのは無理だから原作未読
なのでアニメ設定
以上まで注意点
次から投下
秀一「そういえば久美子、お前お祭りの時はどうしてたんだ?」
久美子「どうしてたって?」
秀一「高坂と一緒に回ったんだろ?」
久美子「あ~……」
秀一「中学の時の仲直りとか出来てたんだな、お前ら」
久美子「なんで?」
秀一「いや、そうじゃなかったら一緒にお祭りなんて行かねえだろ」
久美子「まあ厳密にはお祭りにも行ってないんだけどね」
秀一「えっ?」
久美子「どうしてたって……っていうかなんで秀一にそんなこと言わないといけないの?」
秀一「いや、まあ、なんとなく……気になるし」
久美子「そんな気にしなくて良いよ」
秀一「いいから答えろよ」
久美子「ウルサイなぁ……秀一には関係ないことだし、あんまり言いたくないことなの」
久美子「その辺察してよ」
秀一「察して、ってお前……」
久美子「本当、なんにも無かったから」
秀一「…………」
秀一「なあ、高坂。ちょっと話があるんだけど……」
麗奈「なに?」
秀一「いや、その……県祭りの時ってさ、久美子――黄前と、何してたのかなって」
麗奈「…………」
秀一「いや、答えづらかったら良いんだけど……」
麗奈「……別に」
麗奈「久美子とは、ずっと一緒にいただけ」
秀一「そ、そっか……」
秀一(……ん?)
麗奈「一緒に歩いて、沢山話をした」
麗奈「それだけ」
秀一「あ、あー……うん。ありがとう」
麗奈「もういい?」
秀一「あっ、いや、それよりもさ、高坂って、久美子のこと、名前で呼んでたっけ?」
麗奈「……呼ぶようになっただけ」
秀一「あ、あー……そう」
秀一「ん?」
麗奈「もっとちゃんと久美子のこと捕まえとかないと、ダメだよ」
麗奈「あの子の性格が悪いの、知ってるでしょ」
秀一「えっ」
麗奈「じゃあ」
秀一「え、ちょっ、おい……!」
秀一「……なんなんだ、一体?」
秀一(久美子と高坂は一緒に県祭りに行った)
秀一(その時二人は仲良くなって、高坂は久美子のことを名前で呼ぶようになった)
秀一「…………」
秀一(普通に考えればこう、だよな……)
秀一(でも、この仲良くなる、のに何かキッカケがあったはずだ)
秀一(ただ普通に話をしただけで仲良くなるとは思えない)
秀一(だってあの高坂だぞ? 誰かと仲良くなるって意識が人一倍欠けてる)
秀一(まして久美子は高坂に苦手意識を持っていた)
秀一(いや、でも県祭りに誘えるぐらいには気まずさも解消されてたってことだし……)
葉月「おっす塚本」
秀一「ん? おう、加藤か」
葉月「何悩んでんの?」
秀一「いや……」
葉月「なになに? 久美子のこと?」
秀一「久美子……といえば、そうなのか?」
葉月「? どういうこと?」
秀一「あのさ、加藤」
秀一「最近、久美子と高坂って特に仲良かったりするか?」
葉月「でもそれって、塚本の方が分かるんじゃないの?」
葉月「私は途中の駅で降りるから分かんないし、その後二人になれる機会だってあるじゃん」
秀一「いや、そうなんだけど……」
秀一「久美子、俺には話そうとしないし……なんか聞くなって言われるし」
葉月「そもそもさ、高坂さんと久美子が仲良くなったら何かマズイの?」
秀一「そりゃ、別に何もマズくはねぇけど……ちょっと、気になるっていうか……」
葉月「……はぁ~……しゃあないなぁ」
葉月「仲を取り持つって言ったのは私だしね」
葉月「良いよ。久美子に聞いてきてあげる」
秀一「頼む」
秀一「なんか、こんなこと頼める立場じゃないってのも分かってるんだが……」
葉月「いいからいいから。ま、任せなさい」
葉月「ねえ久美子、県祭り高坂さんと回ったんだよね?」
久美子「え?」
緑輝「そうだったんですか?」
久美子「いや……っていうかなんで葉月ちゃんがそんなことを?」
葉月「だって塚本呼び出す時そう言ってる現場に私いたし」
葉月(その時は呼び出すことに一杯一杯でそんなこと意識もしてなかったけど)
久美子「あ~……そういえばそうだったね」
葉月「で、どうなの?」
久美子「どう、って言われても……お祭りは一緒に回らなかったというか……」
緑輝「え? じゃあ葉月ちゃんのために嘘ついたってことですか?」
久美子「まあ、その時はね」
久美子「でも結果的に一緒にはいたんだけど」
葉月「あれ? でもお祭りは一緒に回れなかったんだよね?」
久美子「お祭りは、ね」
緑輝「じゃあ、一緒にはいたってことですか?」
久美子「ま、そういうこと」
久美子「仲直り出来た、っていうか、元々喧嘩もしてなかったっていうか……私が一人勝手に苦手意識持ってたっていうか……」
葉月「でも、解決はしたんだ?」
久美子「うん。まあ」
葉月(なぁんだ。じゃあそれで仲良くなっただけじゃん)
葉月(元々同じ中学だし、塚本も気にしすぎだな~)
緑輝「でも、お祭りにはいなかったんですよね? どこに行ってたんですか?」
久美子「あ~……山?」
葉月・緑輝「「山っ!?」」
葉月「なんでお祭りの日にそんなことしてんの!?」
緑輝「それって山登りしたってことですかっ!?」
久美子「あ~……二人一緒にそう問い詰められると困るって言うか……」
久美子「まあ、人とは違うことがしたかったから、かな?」
葉月「人とは」
緑輝「違うこと?」
あすか「こら~! 一年!」
あすか「いつまでもくっちゃべって無いで、さっさと練習に入るっ!」
三人「「「は、はいっ」」」
葉月(人とは違うことがしたくて山に登った……?)
葉月(ん~……分からん)
葉月(みどりなら分かるかな?)
緑輝(久美子ちゃんと高坂さんが二人で夜の山登り……)
緑輝(これは……これは間違いありません!)
緑輝(禁断のラブロマンスですっ……!)
葉月(なんか目が輝いてるし、分かってるのかな?)
葉月(……でもなんだろう。なんか、間違えてる気はする)
久美子「それじゃあ、ごめん。今日はちょっと先帰るね」
緑輝「え? さっきのお話の続きは?」
久美子「ごめん。ちょっと麗奈と帰る約束してて」
葉月・緑輝「「麗奈っ!?」」
久美子「あ……ん、まあ、ともかく、そういうことで。ごめんねっ」
葉月「あ、うん……」
緑輝「また明日ですっ。久美子ちゃん」
久美子「うんっ。また明日」
葉月「…………」
緑輝「…………」
葉月「みどり、どういうことだと思う?」
緑輝「どう、とは?」
葉月「高坂さんのこと下の名前で呼びましたよ」
緑輝「そうですね」
葉月「高坂さんもさっさといなくなったし、本当に二人で帰るのかな」
緑輝「たぶん。おそらく。いえ、絶対にそうですね」
葉月「……どれ?」
葉月「で、どう思う?」
葉月「二人、県祭りに行かずに何してたと思う?」
緑輝「そうですね……マンガで読んだことで良ければ、分かることがあります」
葉月「ん?」
緑輝「久美子ちゃんと高坂さんはきっと……付き合ってますっ!!!」
葉月「えっ!?」
ドヨ…!
葉月「あ、みどりちゃん声が大きい……!」
緑輝「あ、ごめんなさい……!」
あすか「なになに? 久美子ちゃんとトランペットの子がどうしたって?」
夏紀「なに? 黄前が誰と付き合ってるって?」
優子「ちょ、ちょっとその話詳しく聞かせなさいよっ」
晴香「ほらみんな、ダメだよ。そういうのに口挟んじゃ」
香織「そう言って、晴香も気になってるじゃない」
晴香「そ、それは……!」
緑輝「何か大事になってしまいました……!」
葉月「みどり、ここは一旦逃げよう!」
緑輝「そですねっ!」
あすか「逃すと思っているのかい? 加トちゃん、サファイアちゃん」
葉月「あすか先輩!?」
あすか「なるほどなるほど。個人練の前に話してたのはそういうことだったのか」
葉月「いや、あの、それは……!」
あすか「いいからいいから」
あすか「で、どういうこと?」
優子「高坂と」
夏紀「黄前が」
夏紀・優子「「付き合ってるって本当?」」
葉月「あの、あのあのあの……!」
葉月「みどりっ!?」
緑輝「ここは事情を話しましょう」
葉月「でも……」
緑輝「大丈夫です。葉月ちゃんと塚本くんのこととか、久美子ちゃんがどうして高坂さんを苦手としてたのかは話しませんから」ボソボソ
葉月「ん~……じゃあ話しても大丈夫なのかな」ボソボソ
葉月(塚本は……)チラ
塚本「」
葉月(あ、魂抜けてる。……じゃあ大丈夫か)
あすか「ちょっと~。どうしたのサファイアちゃん」
緑輝「みどりですっ!」
緑輝「じゃあ、皆さんにもお話します」
緑輝「あの、それで手遅れかもしれませんが……出来れば、他の人には言わないでくださいね」
夏紀(いやもうこれだけ聞き耳立てられてたら意味ないと思うんだけど……)
晴香「う~ん……でもそれで付き合ってるって決めつけるのはちょっと無理があるような……」
優子「そうですか? 苦手だった子とお祭りで急に仲良くなってそのまま……かもしれませんよ」
香織「でも、ただ仲直りしただけかもしれないよ?」
優子「ですよねっ。香織先輩」
夏紀「どっちなのよアンタは……」
あすか「でもそうなると、じゃあ今日一緒に帰った理由は?」
夏紀「仲直りして積もる話が出来た、とかですかね?」
あすか「それこそ昨日の段階で全部話してるんじゃない?」
夏紀「確かに……」
あすか「っていうか、そもそも山登りってなに?」
晴香「それを言われると……」
あすか「それ自体久美子ちゃんの嘘かもしれないし」
香織「でも嘘で山登りなんて出てくるかな?」
あすか「じゃあ、山登りは本当だとして、それで結局どうして山登りして仲直り出来るの?」
晴香「う~ん……苦難を共にしたから、かな?」
葉月(先輩たちがノリノリで会話に入れない……)
優子「さすが香織先輩ですっ」
夏紀「…………」ハァ…
あすか「そっから仲直りの流れ? おかしくない?」
あすか「そもそも、ある程度仲直りしてないと山登りなんてしなくない?」
あすか「っていうか、そもそもなんで喧嘩みたいな関係になってたんだっけ?」
葉月(まずい……! みどりがボカして話した部分にやっぱり引っかかられた……!)
緑輝「あ、そういえば、人とは違うことがしたかったから、って行ってました」
葉月(みどりナイスッ!)
あすか「人とは違うこと? 二人で楽器担いで山頂に登って吹きに行ってたとか?」
晴香「そんな、あすかじゃあるまいし」
あすか「さすがのわたしでも夜の山に登って吹きには行かないって」
あすか「ユーフォ担いで山登りとか、無理無理」
あすか「でも、だからこそ、人とは違うことでしょ?」
久美子「へくちっ」
麗奈「どうしたの?」
久美子「いや、なんだろ……急に鼻がムズムズして……」
麗奈「大丈夫? 風邪?」
久美子「大丈夫……だと思う」
麗奈「お風呂あがり薄着でいるんじゃないの?」
久美子「そんな麗奈じゃあるまいし」
麗奈「……変態」
久美子「先に振ってきたのは麗奈の方だよ」
久美子「それで先に照れるなんて卑怯」
久美子「それも可愛いく。その上エロいし」
久美子「麗奈の方が卑怯の極みだね~」
麗奈「……やっぱり久美子、性格悪い」
久美子「麗奈に剥がされてる間だけだよ」
ガラッ
ピクッ
久美子「……?」
久美子「ねえ、葉月ちゃん、みどりちゃん」
葉月「ん、んっ!?」
緑輝(葉月ちゃん怪し過ぎますっ!)
緑輝「はい?」
久美子「なんか今日、音楽室の空気おかしくない?」
緑輝「あ~……そうですか?」
葉月「そ、そんなことないんじゃないかな~?」
久美子「ん~……私の気のせい?」
緑輝「だと、思いますよ。はい」
久美子「そっか。なら良いんだけど」
緑輝「はいっ」
久美子「……で、葉月ちゃんは何を隠してるの?」
葉月「か、かかか、隠し事なんて何も無いよっ!?」
久美子「いやあるの丸わかりじゃん、それ」
久美子「ん?」
緑輝「あの、怒らないでくださいねっ」
久美子「えっ?」
緑輝「実は昨日、久美子ちゃんに聞こうと思ってたこと、今日高坂さんに聞きに行ったんです」
久美子「なんで?」
緑輝「それは……あすか先輩がそうした方が良いって」
緑輝「しかもそれで、誰かが――たぶんあすか先輩が聞き耳立ててたみたいで……気付いたら、先輩方に伝わってて……」
久美子「え、いや、ちょっと待って。なんかよく分かんないんだけど」
久美子「そもそも、なんであすか先輩?」
緑輝「……その辺も、色々とありまして」
緑輝「ともかく、その時に高坂さんが言ったのが――」
久美子「…………っ!」
久美子「麗奈ちゃん……!」ガシッ
麗奈「どうしたの? 久美子。音楽室に入るなり腕を掴んで」
麗奈「ほら、机の運び出しをやらないと」
久美子「その前にさ~……山登ってお話して演奏しただけの話がさ~」
久美子「どうして麗奈が私に愛の告白をしたって話になってるのか教えてくれないかな~?」
麗奈「え? でも私、あの時もちゃんとそう言ったでしょ?」
久美子「言ったけど! 言ったけどもっ!」
久美子「アレ告白でもなんでもなくただの悪口だったじゃん!」
麗奈「酷い久美子……私の告白をそんな……!」ウル
久美子「おーいそれはちょっと酷すぎるんじゃないかな」
ザワザワ…
久美子「ほらもう音楽室ザワつき始めちゃったよどういうこと?」
麗奈「久美子の性格が悪いのが悪い」
久美子「ちょっとどういう理屈なのか説明してくれないそれ?」
麗奈「ほら、やっぱりつい仕返ししたくなるでしょ?」
久美子「やっぱりって何。そんなはた迷惑な感情抑えこんでよ」
麗奈「あと久美子は私のだって皆に言いたくて」
キャー!
久美子「おいこら麗奈話をややこしくするな」
久美子「言ったけどもさぁ!」
麗奈「じゃあ久美子を独占したい気持ちも、分かってくれる?」
久美子「そりゃ……! そりゃ私も、麗奈を独り占めしたい時はあるけど……」
ザワザワザワ……!
久美子「ってああ! 今の無しにして!」
あすか「それは無理だよ、久美子ちゃん」
久美子「ひっ!? ってあすか先輩!?」
夏紀「全部聞かせてもらったよ」
久美子「夏紀先輩までっ!?」
優子「高坂……私、アンタのこと勘違いしてた!」
優子「応援、するからねっ!」
麗奈「ありがとうございます、吉川先輩」
あすか「いや~……こういうめでたいニュースがあると、皆のモチベーションが上がるから良いなぁっていつも思うんだ~」
あすか「これで吹部公認だ! やったねっ。黄前ちゃん!」
久美子「いえ、本当そういうの結構です」
麗奈「そういう冷めてるところも素敵だなあ」
久美子「だから麗奈話をややこしくしないでって」
久美子「部長っ!?」
久美子「いやちょっとまだ私の誤解が……!」
晴香「大丈夫だって、黄前さん」
久美子「へ……?」
晴香「吹奏楽部みんな、二人のこと応援してるからっ!」
久美子「何も大丈夫じゃない!」
久美子「ソレは何も大丈夫じゃないよっ!」
香織「葵がいてくれたら、きっと喜んでくれただろうな……」
晴香「あ、ちゃんと報告しないとね」
久美子「止めてっ!」
久美子「は~……今日はもう散々だったよ……」
麗奈「どうせ皆ふざけてるだけだって」
久美子「そうかなぁ? そんな気しないんだけど」
久美子(特に吉川先輩なんて結構ガチっぽかったし)
麗奈「ま、これで塚本に久美子を取られずには済む、かな」
久美子「え?」
麗奈「ん?」
久美子「……まさか、そのためだけにこんなこと……?」
麗奈「さあ。どうかな」
久美子「悪魔だ……悪魔がここにいる」
久美子「なに?」
麗奈「その……怒らないの?」
久美子「怒らないよ」
久美子「だって言ったでしょ。独り占めしたい気持ち、分かるって」
麗奈「……っ」
久美子「だから、良いの」
久美子「どうせ私のことなんて、皆すぐに話題に上らなくなるし」
麗奈「……ごめん、久美子」
久美子「だから良いって」
麗奈「そうじゃなくて」
久美子「ん?」
麗奈「私、塚本に嫉妬してた」
久美子「え?」
麗奈「なんだか、心の中がモヤモヤするの」
麗奈「だからつい、こんなことしちゃった」
久美子「秀一にそんな警戒する価値無いのに……」
麗奈「久美子にとってはそうでも、私にとってはそうじゃないの」
久美子「え~……?」
麗奈「不安なの」
麗奈「久美子が、私のところから離れるのが」
麗奈「やっと出来た友達が、私にとって離れたくない人が、離れていくのが」
久美子「じゃあ……」
ギュッ
久美子「これで良い?」
麗奈「え?」
久美子「こうして手が繋がってる限り、私は麗奈の側から離れないよ」
久美子「は、恥ずかしいから……人前では出来ないけど……」
麗奈「…………」
久美子「……えと、ダメ……?」
麗奈「…………」クスッ
麗奈「本当、久美子って性格悪い」
終わり
なんか違う
から
もう一本
久美子「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
麗奈「そうだね」
久美子「いっぱい吹いたね~」
麗奈「うん」
久美子「さて、と……よいしょっ」
麗奈「あ、帰りは私から……」
久美子「良いよ。高坂さ――」
麗奈「麗奈」
久美子「あ……れ、麗奈」
麗奈「うん」
麗奈「で?」
久美子「え?」
麗奈「なんで私からじゃないの?」
麗奈「そういうとこキッチリしないと気がすまないって、私言ったよね?」
久美子「言ったけど、そんな足痛めてる麗奈に無理はさせられないし」
麗奈「痛いのも嫌いじゃないって言ったけど?」
久美子「でも、痛がってる麗奈を見るのが、私はイヤだから」
麗奈「……っ」
麗奈「待って。明かり、点けるから」
久美子「これ、滑り落ちたら大惨事だね」
麗奈「そうならないように注意しないと」
久美子「じゃあ……はい」
麗奈「? なに?」
久美子「手」
麗奈「て?」
久美子「繋いで降りよ」
麗奈「……いや、その方が危ないし」
久美子「大丈夫。ゆっくりだから」
久美子「それに、下り坂のほうが足の痛み酷くなるだろうし」
久美子「いい場所に連れてきてもらったし、そのお礼にさ」
久美子「手伝わせてよ、麗奈」
久美子「今日はありがとね、麗奈」
麗奈「なにが?」
久美子「色々なこと、教えてくれて」
麗奈「…………」
久美子「私、ずっと麗奈のこと苦手だったけど」
久美子「今日、色々聞けて、良かった」
麗奈「……そう」
久美子「今度さ、どっか行こっか」
麗奈「えっ」
久美子「ちゃんとしたスケールの方、やろ?」
久美子「麗奈となら、きっと楽しいから」
麗奈「……急に積極的だね」
麗奈「どうしたの? 久美子」
久美子「ん~……どうしたんだろうね」
久美子「ただ、皆と違うことしてるのとか、頂上で演奏した余韻とか、この真っ暗な景色とか、手から伝わってくる麗奈の熱さとか……」
久美子「そういうので、心がフワついてるのかも」
久美子「麗奈なら、分かるでしょ?」
麗奈「……分かるかも」
久美子「それと同じだよ」
麗奈「そっか……」
久美子「うん」
麗奈「…………」
久美子「…………」
麗奈「……私の手、そんなに熱い?」
久美子「うん。汗とかいっぱいで、気持ち悪い」
久美子「でも、私も同じ」
久美子「そういうのが、なんか混じってる気がして……気持ち悪いのに、気持ちいい」
麗奈「……変態」
久美子「麗奈には負けるよ」
久美子「あ、でも」
麗奈「なに?」
久美子「きっと今キスを迫られたら、私断れないかも」
麗奈「……っ」
麗奈「やっぱり、久美子って変態」///
終わり
これじゃああの8話をただただ穢してる。
またいつかチャンスをくれ。
さっさと依頼出してきます。
8話はほんとすごかった……
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432820049/
Entry ⇒ 2015.06.02 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
【響け!】横前さんと高坂さんが仲良くなる妄想SS【ユーフォニアム】
口調変&キャラ改変はお約束。無理なら回れ右
関西弁を文字で読むのは無理だから原作未読
なのでアニメ設定
以上まで注意点
次から投下
久美子「…………えっ?」
緑輝「…………」
久美子「……いや、付き合ってない、けど……」
葉月「本当!?」
久美子「え、うん」
葉月「じゃ、じゃあ、お弁当とか作って行っても、大丈夫かなっ?」
久美子「う、うん……良いんじゃないかな」
葉月「よっし!」
緑輝「良かったですね! 葉月ちゃん!」
久美子「う、う~ん……ちょっと良い?」
葉月「なに?」
久美子「え、もしかして、秀一のこと……?」
葉月「えと、実は……うん」
久美子「えっ、なんで?」
葉月「え?」
葉月「え、もしかして久美子も、塚本くんのこと……?」
久美子「いや、それはない」
久美子「じゃなくて、幼馴染だからさ」
久美子「なんで好きになったのか分かんなくて」
葉月「なんでって……う~ん……最初は普通にカッコイイと思ったから、かな?」
久美子「え~~~~~~~~~~……?」
葉月「えっ、嘘。かっこ良くない?」
緑輝「みどりはよく分かりませんけど、たぶんカッコイイんじゃないですかね?」
葉月「だよね?」
久美子「いやみどりちゃん分かんないって言ってるし。なんか答えフワフワしてるし」
久美子「そ、そう……」
葉月「じゃあ、ちょっとお弁当一緒に食べないか誘ってきてみる!」
久美子「え、早くない?」
葉月「早くない!」
葉月「まず最初は一緒にお昼ご飯食べて、そこから食べてる物の話にするでしょ?」
葉月「で、その後に『私が作ってきてあげようか?』」
葉月「これで完璧」
久美子「はぁ」
葉月「私は久美子とは違うんだから!」
久美子「は?」
葉月「高坂さんとまだギクシャクしたままの久美子とは違うってこと!」
葉月「よ~し! それじゃっ!」
葉月「コレを期に一緒に食べられなくなっても許してねっ!」
緑輝「はいっ! 頑張ってください!」
緑輝「あ、はい。気になる人がいる、って感じで」
久美子「なんで私には言わなかったんだろ……」
緑輝「そりゃ言えませんよ。だってもしかしたら付き合ってるかもしれない相手ですよ?」
緑輝「好きになった、なんて相談できないですよ」
久美子「そんなもんかな~……」
緑輝「そですね~……楽器の運搬手伝ってもらった時に見せた男らしさとか」
緑輝「こけそうになったのを助けてもらったとか」
緑輝「オーディション頑張れって応援されたとか」
緑輝「あとたまに一緒になった時の話し声とか」
緑輝「そんなことを言ってましたね」
久美子「葉月ちゃん男の趣味悪いな~……理解に苦しむよ」
緑輝「それ、葉月ちゃん本人に言っちゃダメですよ」
久美子「え? そういうもん?」
緑輝「そういうものです。好きな男の人のことは、やっぱり悪く言われたくないはずですから」
久美子「そういうもんか~……」
緑輝「どうせだったら、好物とか教えてあげてください」
久美子「そうだね~。秀一が良いって気持ちは理解できないけど」
久美子「葉月ちゃんを応援したいのは確かだしね」
久美子「うん。じゃあ明日から一緒に食べるであろう秀一の好きなおかずぐらい教えてあげようかな」
一週間後
~~~~~~
葉月「はい……」
久美子「えっ? 今日も?」
葉月「うん、今日も……」
緑輝「みどり、そろそろお弁当の量減らそうかな~……」
久美子「そうだねぇ。いい加減、増えた一人分を三人で食べ合うことも想定しないと、体重が増える一方だよ」
久美子「まさか初日に失敗して、やっぱいきなり作っていった方がビックリすると思って、って言ってからこんなに経つとはねぇ」
緑輝「あ、今の葉月ちゃんっぽいです」
久美子「あ、本当? 似てた?」
緑輝「はい。似てました」
葉月「だって! だってしょうがないじゃん!」
葉月「なんか見てるだけでドキドキするしさっ!」
葉月「こんなこと今まで無かったから余計にテンパるしさ!」
葉月「私だって、こんなに手こずるとは思わなかったんだよ!」
久美子「そうだよ。やっぱり好きな人を前にすると緊張するもんだもん。仕方ないよ」
葉月「……本当? 二人共、怒ってない?」
緑輝「怒ってませんよ」
葉月「呆れてない?」
緑輝「呆れてませんよ」
久美子「まあ、私と違うところは結局見れてないままだけどね」
緑輝「こら久美子ちゃんっ」
久美子「あ、声に出てた?」
緑輝「出てましたっ」
葉月「くやしいぃぃいいいい!!」
葉月「いや、それじゃあダメ」
葉月「だって久美子も高坂さんと仲直りしようとしてた時、結局私達に頼らなかったもん」
葉月「だから私も、背中を押してもらうだけで良い」
緑輝「葉月ちゃん……!」
久美子「カッコイイなぁ」
葉月「まあそれに、まだ久美子と同じ立ち位置だし」
久美子「は?」
葉月「だってそうでしょ? 久美子もまだちゃんと高坂さんと仲直りできてないし」
久美子「そ、そんなことないしっ。ここ何回か話してるしっ」
葉月「どんな話してるの?」
久美子「どんな、って……電車で一緒になったら、こう、世間話をチョロっと」
葉月「どう思う? みどり」
緑輝「たぶん、久美子ちゃんはオドオドビクビクしてると思います」
葉月「だよねぇ」
久美子「ちょっと決め付きは良くないよ」
葉月「じゃあ違うの?」
久美子「…………」
葉月「それ業務連絡みたいなもんじゃん」
久美子「ぐっ……」
葉月「ほら、私と変わんないよ」
久美子「違うよ……だって高坂さん秀一と違って可愛いから緊張するんだもん」
葉月「ちょっと、塚本くんだってカッコイイんですけどっ!」
久美子「いやそれは無いわー」
葉月「なんだとー!」
緑輝「まあまあ二人共、落ち着いてください」
久美子「そうだね。みどりちゃんに言われたら」
葉月「落ち着かざるを得ない」
久美子「なに? 告るの?」
葉月「毎日ずっとそのつもりだよ!」
葉月「じゃなくて、久美子も高坂さんと仲直りしようとするのを再開しなよ」
久美子「なに……?」
葉月「で、どっちが先に成就するか、しょ~ぶ!」
久美子「え~? いや、今あたし十分高坂さんと仲良いって」
葉月「どう思う? みどり」
緑輝「たぶんまだギクシャクしてますね」
久美子「そ、そんなことないよっ」
葉月「じゃあちょっと明日から高坂さん交えて四人でお昼ご飯食べよう」
久美子「ごめんなさい。まだ十二分に仲良くないです」
葉月「素直でよろしい」
久美子「う~ん……」
緑輝「そうして勝負って土俵じゃないと葉月ちゃんがいつまで経っても勇気でないみたいですから」
久美子「じゃあ仕方ないなぁ」
葉月「えへへ……ごめんね、久美子」
久美子「ううん。あたしも、いい加減高坂さんと仲良くなりたいし」
葉月「具体的には?」
久美子「えっ? て、手が繋げるぐらい……とか?」
葉月「からの?」
久美子「からのっ!?」
久美子「えっと……あっ、ハグが出来るぐらい」
葉月「もう一声っ!」
久美子「一声っ!?」
久美子「じゃ、じゃあ……一緒に演奏できるぐらいっ!」
緑輝「トランペットとユーフォですかぁ」
葉月「さらにさらに?」
久美子「……ああもう! ならば、ここに呼んで『あ~ん』が出来るぐらいまでだぁ!」
葉月「よっ、久美子男前っ!」
緑輝「それでこそ久美子ちゃんですっ!」
久美子「くそぅ……コレ絶対乗せられたやつだよ」
久美子「はぁ~あ……」
久美子(どうしよっかな~……どうやって誘おうかなぁ)
久美子(っていうか誘えたらとっくに誘ってるんだよなぁ)
久美子(それにそう都合よく高坂さんと会える訳が)チラッ
麗奈「…………」
久美子(いたよ)
久美子(また隣の車両……)
久美子(……これはもう、運命的なあれかな)
久美子「……よしっ」
麗奈「えっ、あ、なに?」
久美子「そ、そのね……?」
麗奈「…………」
久美子「え、えと……」
麗奈「とりあえず、隣に座ったら?」
久美子「えっ、あ、うん。ありがとう」
麗奈「…………」
久美子「…………」
麗奈「……それで?」
久美子「えっ?」
麗奈「何か用事でもあったんじゃないの?」
久美子「あ、うん…………」
麗奈「…………」
久美子「……あのさ! お昼ご飯って、いつもどうしてるの?」
久美子「あ、答えたくなかったら、別にいいんだけど……」
麗奈「……いつも、お弁当か購買かってこと?」
久美子「あ、違っ、そうじゃなくて……!」
麗奈「……?」
久美子(ああもう小首傾げるとか可愛いなぁ!)
久美子「えと、そのね、いつも誰かと食べてるのかなぁ、って」
麗奈「いつも……」
久美子「そのさ、もし良かったらなんだけど、一緒に食べない?」
麗奈「えっ?」
久美子「あ、もちろん二人きりじゃないよ!?」
久美子「私と二人きりなんて、気まずいだけだもんね、うんっ」
久美子「ほらあの、低音パートの、葉月ちゃんとみどりちゃん……加藤ちゃんと川島ちゃんと一緒に、さ」
麗奈「……どうして?」
久美子「えっ……?」
麗奈「あ、違うの。別にイヤとかじゃなくて……」
麗奈「その、加藤さんと川島さんとは、そんなに話したこともないから……」
麗奈「私と一緒に食べても、気まずいだけかなって思って」
久美子「そ、そんなことないよっ」
久美子「二人共、とてもいい子だし」
麗奈「でも……」
久美子「あ、だったら、その」
久美子「まずは、あたしと二人きりでとか……だったら、良い?」
葉月「よしっ! じゃあ今日こそ行ってくるよ!」
緑輝「いってらっしゃい。葉月ちゃん」
久美子「あたしも、ちょっと行ってくるね」
緑輝「え? 久美子ちゃんもですか?」
久美子「うん。昨日、帰り道高坂さんを誘ってね」
久美子「まずは二人なら良いって言われて」
緑輝「わぁ~! おめでとうございますっ!」
久美子「ありがとう、って、言っても良いのかな」
葉月「くそ~……やっぱり久美子の方が一歩先にリードしたか」
葉月「でも今日でその差を埋めてやるんだからっ」
緑輝「頑張ってください、葉月ちゃんっ」
緑輝「あ、でもそうなると、今日はみどり一人ですね……」
久美子「大丈夫だよ、みどりちゃん」
緑輝「え?」
久美子「どうせ今日も葉月ちゃんは帰ってくるから」
葉月「おいこら」
久美子(ここで……良いんだよね?)
久美子(っていうか、共通で知ってる場所がここしかないからって……)
久美子(こんな裏庭の誰もいないところで食べる羽目になるなんて……)
久美子(そもそもここだと高坂さんに呼び出されて殺されるかもと考えたりその後変なこと言ったりちゃったことを思い出しちゃうんだけど……)
麗奈「お待たせ」
久美子「えっ、あ、う、ううん! 全然! 全然待ってないよ、高坂さん」
麗奈「そう?」
久美子「で、でもその、どこで食べるのかなぁ、って」
麗奈「シートを持ってきたから、その辺で食べましょう」
久美子「準備良いね」
麗奈「場所を提案したのは私だから」
久美子「あ、ううん。ありがとう」
久美子(しまった~。また声に出てた~!)
麗奈「…………」モグモグ
久美子(き、気まずい……!)
久美子(いやでも、誘ったのはあたしだし……!)
久美子(ここはあたしから……!)
久美子「あ、あのねっ!」
麗奈「うん?」
久美子「今日、授業中にあったことなんだけど」
麗奈「うん」
久美子「葉月ちゃんがね――」
麗奈「…………」
久美子「で、みどりちゃんが――」
麗奈「……うん」
久美子(なんか……)
久美子「……ごめん。つまんないよね?」
麗奈「え? う、ううん。そんなことないよ」
久美子「そ、そう……?」
麗奈「うん」
久美子(その割に何か、つまんなそう……に見えたんだけど)
久美子(やっぱり、授業中の話なんてされても仕方ないよね。別クラスだし)
久美子(じゃあえと……共通の……何か共通の~……!)
久美子「そ、そういえば、ここに呼び出された時、私高坂さんに殺されるかと思ったな~。あはは~」
久美子(ってよりにもよってそれかぁ! 私っ!)
麗奈「えっ?」
久美子「あ、あはは~……ホント、何考えてんだって話だよね」
麗奈「…………」クスッ
久美子(あ、笑った)
麗奈「おかしい、黄前さん」
麗奈「私、そんなに怖かった?」
久美子「そ、そうじゃないんだよっ? ほら、この辺のこの、人気の無い空気感って言うかさ」
久美子「そういうのがね」
麗奈「失礼なこと?」
久美子「あの、ほら、滝先生のこと、とか」
久美子(中学の時のはまだ言えない、かな……)
麗奈「あれは、私が言い過ぎた」
麗奈「だから謝りたくて、ここに呼んだの」
久美子「そ、それは分かってるけど」
久美子「でも、なんかこう、結構怒ってたように見えたし……」
久美子「たぶん、滝先生のこと好きだから、バカにされて怒ったのかなぁ、って」
麗奈「す、好きっ!?」
久美子「えっ、違うの?」
麗奈「ち、ちがっ! そ、そういうのじゃなくて!」
麗奈「その、尊敬、というか、そういうので……!」
麗奈「決して、その、恋愛感情とか、そういうのじゃな、なくて!」
久美子「あ、これ照れ隠しの方だ」
麗奈「だ、だから違うのっ!」
久美子(やっちゃった。また声に出ちゃった)
久美子「ううぇっ!? あ、あたしっ!?」
麗奈「こ、ここで、トランペットで元気出たって言われて!」
麗奈「それがとても、嬉しくて……!」
麗奈「なんかそれから、意識するようになって!」
麗奈「いや、もちろんその前から気にはなってたんだけどっ!」
麗奈「でもそれでより一層……!」
久美子「…………」///
麗奈「……あ! あ、あの、その……」///
麗奈「えと……あの……うん、そういう、こと、だから……」///
久美子「あ、えっ、うん……あの、あ、ありがとう……?」///
麗奈「その……ど、どういたしまして……?」///
久美子「そ、それじゃあ、高坂さん」
麗奈「は、はいっ!?」
久美子(声が裏返る高坂さん可愛い)
久美子「あの……明日は、四人で食べない?」
麗奈「えっ?」
久美子「その、ね……あたしの友達とも、その、友達になって欲しいな、って……」
麗奈「う、うん……黄前さんがそう言うのなら」
麗奈「明日は、そっちの教室に行ってみようかな」
葉月「負けた~~~~!!」
麗奈「っ!!」
久美子「あ~……気にしないで」
緑輝「いらっしゃいです、高坂さん」
麗奈「あの……」
緑輝「川島みどりです。みどりって呼んでください」
麗奈「みどり、さん……?」
緑輝「はいっ」
麗奈「あれ? 田中先輩は確か、緑輝(サファイア)ちゃんって呼んでたような……」
緑輝「あぅ……」
久美子「まあ、それも気にしないで」
緑輝「みどりはみどりですので。どうぞみどりと呼んでくださいっ」
久美子「そういうことで」
麗奈「はぁ」
麗奈「葉月、さん」
葉月「やだな~。同級生なんだからさん付けもしなくて良いよ~」
麗奈「じゃあ、葉月」
葉月「うん。私も麗奈って呼ぶから、これでお互い様だね」
麗奈「うん。これからよろしく、葉月」
久美子(……あれ?)
緑輝「じゃあ、わたしのこともみどりって呼び捨てにして下さい」
緑輝「その代わり、わたしも麗奈ちゃんって呼びますから」
麗奈「うん。よろしく、みどり」
久美子(なんか二人共、あたしより仲良くなってない……?)
麗奈「そ、そう……?」
久美子(ああ~……あの名前呼びが出来る流れがどこかに行っちゃう~……)
葉月「うんっ。サンフェスの時とか特に。皆の緊張を一気にほぐしちゃってさ」
葉月「実はね私、最初はトランペット志望だったのっ」
葉月「麗奈の見てたらやっぱトランペットってカッコイイなぁって思って」
久美子(……サンフェスか~……)
麗奈「そ、そんな……大袈裟だよ、葉月」
葉月「ううん! 麗奈はやっぱりカッコイイよっ!」
緑輝「はいっ。とてもカッコイイですっ!」
久美子「そういえば、高坂さんの胸大きかったな~……」
葉月・緑輝「「ん?」」
麗奈「えっ!?」
久美子「えっ? あ……!」
久美子(しまった! また声に出てたっ……!)
葉月「どうしたの? 久美子?」
緑輝「何か言いました?」
久美子(き、聞こえてないっ……!)
麗奈「…………」///
久美子(いや一番聞かれちゃダメな人に聞かれてるよコレっ!)
久美子「あ、あのー……ほら、今日は葉月ちゃん、秀一のところ行かないのかなぁ、って」
葉月「え? あ~、今日は麗奈来てるし、良いかなって」
久美子「そ、そっか」
麗奈「は、葉月、どうしたの……?」
葉月「ん?」
緑輝「どうかしましたか、麗奈ちゃん? 顔が真っ赤ですけど」
麗奈「う、ううん。何もないの」
麗奈「それよりも葉月、教えて?」
葉月「あ~……実はね、今私、塚本くんにアタックかけようとしてて……」
麗奈「え、それって……」
葉月「う、うん……実は、好き、なんだ……」
麗奈「そ、そうなんだ……」
葉月「おっ、もしかして麗奈……好きな人、いるの?」
麗奈「そ、それは……」
緑輝(…………!)ピン
緑輝「あ、そういえば葉月ちゃん、負けた罰ゲームとか決めてませんでしたけど、何かするんですか?」
葉月「うえっ!? い、いきなりだねみどり……」
久美子(恥ずかしがってる高坂さんを察したな、みどりちゃん。……さすが)
葉月「う~ん……罰ゲーム罰ゲーム……」
麗奈「あの、罰ゲームって、なに?」
緑輝「実はですね、葉月ちゃんが塚本くんに声をかけて一緒にお弁当を食べるのが先か、ここに久美子ちゃんが麗奈ちゃんを呼ぶのが先かで、競争してたんですよ」
麗奈「…………」
葉月「……いや! でもちょっと待って! まだ私負けてないよねっ!?」
久美子「えっ?」
緑輝「あ……そういえばそうですね」
緑輝「久美子ちゃん、まだ言ってたアレ、やってないですよ」
久美子「言ってたアレ?」
久美子「……合奏?」
緑輝「それもですけど、まずここで出来ることがあるじゃないですか」
久美子「……え!? あれって本気だったの!?」
葉月「言い出したのは久美子の方じゃん」
久美子「いやそうだけど……」
久美子「いや、でもそんな急に……」チラ
麗奈「?」
久美子「あ、う……」///
緑輝「ほら、久美子ちゃんっ」
久美子(……えぇい! 腹をくくれ、久美子!)
久美子「こ、高坂さんっ!?」ガッ
麗奈「えっ、な、なに……?」
久美子「あ、あ~ん……」///
麗奈「え、……えっ!?」
緑輝「ほら早く、麗奈ちゃん」
葉月「早く食べないと落ちちゃうよ」
麗奈「え、でも、その……」
久美子「は、早く……落ちちゃうから……」プルプル
麗奈「あ! はむっ」パクッ
葉月「おぉ!」
緑輝「目標達成です~!」
久美子(は、恥ずかしかった……)
麗奈「…………」モグモグ
麗奈「あ、おいしい」
久美子「きょ、今日のお昼はごめんね。その、騒がしくなって」
麗奈「ううん……別に、楽しかったからいいよ」
久美子(……あれ?)
久美子「高坂さん、その、勘違いだったら悪いんだケド……何か、怒ってる?」
麗奈「怒ってないよ」
麗奈「ただ、私を誘ったのって、競争でだったんだな~、って思って」
部活上がりの帰り道。
ホームを出て一緒になった高坂さんに、お昼の賑やかさを謝ったところ、少し頬を膨らませながら、そんなことを言われた。
今まで見たこともない、私と同級生だと当たり前のことを分からせてくれるその表情を見て、
久美子「……ぷっ」
私は、つい吹き出してしまったのです。
麗奈「なっ……なにがおかしいのっ?」
久美子「う、ううん。ごめん、高坂さん」
久美子「おかしかったんじゃないの。ちょっと、嬉しくて」
麗奈「え?」
久美子「私が高坂さんに声をかけたのは、仲良くなりたかったから」
久美子「それが、私一人の願望じゃなくて良かったな、って」
久美子「それが、嬉しくて」
そう。
仕方なく、だと思って不機嫌になったということは、そういうこと。
ちゃんと私の意志で、私が呼んで欲しかった。
その高坂さんの気持ちが伝わってきて、つい、嬉しさが笑みとなって、口から溢れてしまったのだ。
久美子「本当、高坂さんは可愛いな」
麗奈「かっ……!」
また、心で思ったことが、勝手に口をつく。
でも、今のはそれで良い。
だって、真っ赤になった高坂さんの表情は、とても嬉しそうだったから。
麗奈「わ、私は、そんなことないよ」
久美子「ううん。そんなことあるよ」
久美子「だから、誘ったんだもん」
麗奈「~~~~~っ!!」
久美子「それじゃあ高坂さん、また明日」
麗奈「……二人も、そう呼んでるんだから良いよね?」
久美子「え?」
思っていた返事とは違う言葉に、つい、聞き返してしまう。
麗奈「久美子、また明日」
その、しっかりと聞き取ろうと澄ましていた耳に届いた言葉は、私の顔を自覚させるほどにまで熱くさせた。
久美子「えっ? あ、ふぇあっ!?」
言葉にならない言葉を紡ぐ私を見て、高坂さんは、今日一番の笑顔を見せた。
麗奈「あははっ」
麗奈「これで、仕返しは終わり」
それだけを告げて、私に背を向ける。
麗奈「また明日、黄前さん」
元に戻った呼び方は、一度だけ変えた呼び方を、さらに印象付ける。
ようやく動くようになった口で、私はまた、彼女にお別れのお返しをする。
久美子「麗奈ちゃん、また明日」
車の音に紛れて聞こえなかっただろうその言葉。
でも、これもまた、これで良い。
私もちゃんと、しっかりと彼女に聞こえ、不意打ちになるような状況で、言ってあげたい。
そして赤くなった彼女を見て、こう言ってやるのだ。
これでまた仕返しが必要になったね、と。
終わり
最新話で急に隣りに座ってたのとか
(今日、横前さんミスが多かったな……やっぱり、あの先輩のことだよね)
(わたしで何か力になれないかな……)
(あ、友達が降りた。今なら)
(って、今度は塚本くんっ!?)
(ど、どうしよう……今更隣の車両に戻るのも……)
(……とりあえず、近くに座ってよ)
とかだったら最高…って妄想から膨らませたかったけど無理だったので今回みたいな形になった
それじゃあ依頼出してきます
やったぜ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432294857/
Entry ⇒ 2015.05.27 | Category ⇒ 響け!ユーフォニアム | Comments (0)
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