冴えない彼女の育てかた『慣れないエンドの創りかた』
※注意事項として、5巻、7巻のネタバレがあります。
※時間軸やその他諸々の定義、設定についてはあまり深くは考えていませんので、大まかな流れだけ意識して頂けると幸いです。
※そこまで堅苦しい話ではないとは思いますが、ヒロイン達とのイチャラブが読みたい方には、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。
※作者のキャパシティと想像力の問題で、出海、美智留、伊織は出てきません。
※作者の(ryの問題で、たまに話が省略されている場合があります。
色々とツッコミ所が多かったり、アラがあったり、穴があったりしてるとは思いますが、カップラーメン完成までの暇つぶしにでも流し読みして頂ければ幸いです。
巡璃(これで、”この世界”の誠司くんも幸せになれる)
巡璃(これから、いっぱい、たくさん、幸せになってね。色んなこと、楽しんでね)
巡璃(わたしの世界で、”あんな事”になってしまったあなたの分まで……)
巡璃(……もう力はほとんど残ってない。この世界で、わたしの旅も終わりかな……)
巡璃(………そろそろ行かなくちゃ、ね。……ばいばい……誠司くん……)
(少しずつ薄れていく意識に反し、満足そうな笑顔を浮かべながら、姿を消す巡璃)
誠司「………あれ?」
きらり「どうしたの? 誠司」
誠司「いや……今、そこに誰か居なかったか?」
歌穂「いえ、私達だけよ。……何? まるで、元々この世界に居ないはずの人間がさっきまで一緒に居て、役目を果たしたから私達の記憶ごと消えていった誰かの余韻を感じた…みたいな顔をして」
きらり「……いつもなら、何のためらいもなくツッコんでる所だけど……。ま、ここに来るまでのあんたの頑張りを見てたら、そういう事があってもおかしくないって気もしてくる。いいんじゃない? 今日だけは、そういう主人公気分に浸ってもバチは当たらないわよ、きっと」
誠司「……そうやって俺の言う事を素直に受け入れてくれるのも今日だけになるのか?」
きらり「茶化すなバカ…と、言いたい所だけど。それはまぁ、え~と……あんた次第、かな」
歌穂「へぇ……長い離別期間を経て、すっかりツンデレお嬢様の切れ味を取り戻したと思ったら、ようやくをもってそのテンプレ負け犬キャラからの離脱を計ろうというのね? 河村さん」
歌穂「あら、もう忘れたのかしら? 誠実君と唇を重ねた一番目の相手が誰だったのかを……」
きらり「そ、それはっ……!」
歌穂「一般論としては、それはとある厄介なフラグのようだけれど……。今の私には全く無意味だという事を、これからじっくりと証明してあげるわ……」
きらり「その強気……あんたも今までとは一味違うという事ね、霞ヶ浦歌穂……!」
歌穂「ふふ……あぁそうだ誠実君。ちなみに私は、貴方の言うことも、考えることも、心も、身体も、男性ならではのあれやこれやもいつだって素直に受け入れる準備は出来てるからね?」
きらり「それ素直じゃなくて、欲望に忠実なだけでしょ! あんたのは純度に問題がありすぎんのよ!」
誠司「お互いに少しは認める所があるような台詞なのに、結局対抗心が強すぎて全然そういう風に聞こえなくなる所は変わらないんだな……」
誠司「……………ふぅ……………」
(しばらくして、どこからか季節外れの桜の花びらが、ふわふわと舞い降りてくる)
誠司「ん? 珍しいな、こんな季節に」
(そっと、手を広げて花びらを迎える誠司)
誠司「……あれ。なんでだ……?」
(瞬間、花びらに触れた手から、暖かく、心地良い、どこか懐かしい感情が流れ込んでくる。そのほのかな、しかし確かな感覚が、胸の奥にまで辿り着いた時……)
誠司「なんで、泣いてるんだ……俺……」
(大切な何かを思い出しそうで、しかし、その何かは既に手の届かない所に行ってしまっていて。だからこそ、きっともう思い出せないままなのだろうと、これは”そういうもの”なのだろうと、何も分からないはずなのに予感できてしまう事が、とても……)
誠司「……ぅ……く……うぅ……」
誠司「………今まで居た誰か、か……」
誠司「……分からない。ありえない。これはきっと、とてつもなくおかしい事なんだろうけど。二次元に染まり過ぎなんだろうけど」
誠司「でも、思わずにはいられない。言わずにはいられない」
誠司「妄想でも、幻想でも構わない」
誠司「………きっとさ、きっと、君は俺の力になってくれてたんだろうな」
誠司「ずっと、俺のそばに居てくれてたんだろうな」
誠司「俺がここに立っていられるのも」
誠司「俺が諦めなかったのも」
誠司「きっと、君が……」
誠司「だから、さ」
誠司「ありがとう」
誠司「……この先、君の事を思い出せなかったとしても」
誠司「これからの時間が、君が居てくれたから流れていくんだってこと……」
誠司「君が居てくれたから、歩いていけるんだってこと……」
誠司「絶対に、忘れない」
誠司「………ありがとう」
誠司「さよなら……」
END
スタッフロール(主題歌:BGMのみ)
英梨々「…………っ」
加藤「…………」
詩葉「…………そうね、先に一言だけ言わせてもらえれば」
倫也「う、うん」
詩葉「意外だったわ。ハッピーエンド脳の貴方に、こんなビターエンドを書く発想があったなんて」
倫也「う~ん、でも、最初は先輩に言われた通り……」
※回想
詩葉『……貴方が書くハッピーエンドには、まぁ、ご都合主義に砂糖と蜂蜜とシロップをかけるくらいの甘々しい展開だと言えなくもないという事を前提に置いてだけれど』
詩葉『それでも、そのゲームに対する情熱やキャラクターへの愛情、そして、ユーザーに少しでもゲームを楽しんで欲しいという信念を源泉として、人を惹きつける確かな魅力がある』
詩葉『ただ、だからこそ、貴方はより強く理解しなくてはならない。そのキャラクター達と、キャラクター達が紡ぐ物語の可能性が、必ずしも一定の方向に流れる訳ではないという事を。彼らは機械でも人形でもない、感情と魂をもった人間であるからこそ、”間違えてしまう”可能性が常に備わっているという事を』
詩葉『だから書いてみるべきだわ。生きているからこそ選び取る、選んだからこそ辿り着く、必然としての、一つの結論としてのエンド……バッドエンドを』
※回想終わり
詩葉「……何というか、ちょっとだけ、もしかしたら結構、私の作風の影響を受けてるような感じがするわね。あくまでビター部分だけの話で、濃厚さは二段階くらい薄めだけれど」
倫也「そりゃまぁ、切なさや喪失感を書かせたら右にも上にも出るものはそうそういない、悲恋のドS伝道師、霞詩子の一番の信者にして、弟子でもあるしね」
詩葉「前にもそんな事言ってなかった? やっぱり褒められてる気はしないわね。でも、倫理君が『私の想いを受け入れてくれている』という点に関しては嬉しく思うし……これはもっと染めたくなってしまう所だわ」
倫也「いや、そこは普通に『先輩の影響を受けている』のままで良くない!? 途端に生々しくなるからその言い方!」
詩葉「……まぁ、ある程度は予想してたけれど、貴方が書くのならこれでいいのかもね。やっぱり倫理君の実力…以前の性格的に、ヒロイン死亡エンドだとか、永久ループの中で絶望すら尽き果てたエンドだとか、慈愛の女神がぽっと出のチートキャラにごにょごにょされるエンドを書けるとも思えないし」
倫理「例に出すにはスケールが違い過ぎるのがいくつかあるよね…ってのはさておき、先輩が言ってるように、どっちかっていうとビターエンドになるのかな、これ」
倫也「……でも俺、それでもこの話書くのに相当気力を浪費したっていうか、魂が削られる感覚を覚えたっていうか……」
詩葉「それは……慣れてないからって理由もあるでしょうね。でもね、倫理君。プロの作家でも、登場人物が凄惨な目に合う話を書いてる時、いつでも冷静でいられてるなんて事はないのよ? 歯を食いしばりながら、震えながら書き上げる時だってあるんだから」
倫也「…そうなの?」
詩葉「えぇ。私だって、恋するメトロノームの最終巻で、直人と沙由佳が別れるシーンを書いてる時は……」
倫也「な、何? 何で急にこっちを睨むのさ?」
詩葉「……いいえ、何でもないわ(あの時の心境だったら睨んだだけで骨の一本くらいハジけそうだったんだけれど)」
倫也「小声で相手に物理的ダメージ(重症)を与える算段つぶやくのやめてくれる!?」
倫也「う~ん、そっかぁ」
詩葉「まぁ、一つだけ確実に言える事は……」
英梨々「……何よ?」
加藤「英梨々、ほら、ハンカチ」
英梨々「っ……。別に、泣いてないからいらないわよ……」
詩葉「とある秘オタの凡忽乙女()《ンゴックス》さんには、思いっきり突き刺さってるって事かしらね」
英梨々「だから……っ……。倫也!!」
倫也「分かってる。全然、まったく、これっぽっちも、お前は泣いてない(って言わないとまたとばっちり来るだろうし寝てない宣言以上に扱いにくいよな泣いてない宣言)」
英梨々「そ、そうよ。分かってるならいい。……でもまぁ、あんたにしちゃ、その、悪くはないと思う。多少でも、そこの黒髪魔導師の影響があるかもってのは気に入らないけど」
倫也「そ、そうか。お前にはもう少し、怪訝な態度をとられると思ってたんだが」
詩葉「あら、それって暗に、今までの倫理君のスタンスに対しては好意的だって告白してるようにとれるわね?」
英梨々「そんな事言ってない。ただ、まだシナリオを一本書いただけで、それ以外はいつもギリギリまで何もしない三流の準置物プロデューサーから、少しはシナリオを書けなくもない二流の物書き兼プロデューサーにレベルアップできるっていうんなら、いずれはどこぞの腹黒作家の出番が無くなる可能性もあるって事になるでしょ?」
詩葉「それは残念ね、澤村さん。仮に倫理君が私と肩を並べる物書きになったとしても、それこそが、私とのフラグの一つが完遂する時……。そう、『TAKI UTAKO』という名前が、私と倫理君を始めとした一部の人間にだけ解る繋がりではない、より大勢の人間に、実力と信頼と愛情の伴った深い繋がりとして認知されるようになるの…。ふふっ……うふふふ……」
英梨々「な……まさか、そこまで考えて、その名前を…!?」
詩葉「周囲からの視線にこだわりはないのだけれど、内容によっては、ね……?」
倫也「いやTAKIが俺って事が知られる可能性は高まるのかもしれないけど、合作ペンネームだけじゃ愛情は伝わらなくない? 」
英梨々「ぐっ………ぬぐ……! か、かか、霞ヶ丘詩葉っ……!」
倫也「………ところで加藤、お前はどう感じた? 俺のシナリオ読んで」
加藤「そろそろ現状への諦観をきっかけに私に話をふってくる事に対する意見を述べるべきかな…ってのはさておき、そうだね、わたしも感動したよ? うん、本当に」
倫也「こういう時、お前の飾らない感想がありがたい癒しになってるってのは、他の二人のリアクションが再三、俺に何かしらのダメージを与えてるからって事を確信してしまうようで怖いんだが……まぁ、さんきゅ」
加藤「でも、やっぱり違和感っていうか……なんていうのかな? cherry blessingの安芸くんが書いたシナリオからも、今までの安芸くん自身の言動や行動からも、想像がつきにくいってのはあるかな?」
倫也「……俺って、普段、そんなにおめでたいか?」
加藤「底抜けに楽観的で、天井知らずに前向きで、際限なしに暑苦しいって部分が否めない時もあるのは、確かなのかもしれないね」
倫也「前半それだけ強調しといて『かもしれない』のへったくれもなくない?」
倫也「そういやお前、生まれて初めて読んだライトノベルが恋するメトロノームなんだっけか。まぁ、あの話の結末には色んな解釈があって、確固としたエンドの定義がある訳じゃないんだが、それでも初心者が読むにしては切なさと喪失感のレベルはかなりのもんだぞ?」
加藤「その初心者にいきなり全巻勧めてきたのは安芸くんだよね?」
倫也「……良い作品に出会えて良かったな、加藤」
加藤「まぁ、結局はそうなんだけど。確かに読んでてちょっとキツいかもって思う部分はあったよ? でも、最後には、不思議と爽快感みたいなものを感じてた」
英梨々「……………」
詩葉「どうしたの? 急に黙り込んで」
英梨々「……別に、何でもない」
加藤「そうだね。多分、その辺りは先輩の技術あってこそ、魅力的に成り立つものかもしれないけど。……そうやって、何度も頭の中で反復して繰り返し考えるうちに、ス…っと胸の奥に入り込むように、少しずつ色んな事に納得できるようになって。こんなに切ない話のはずなのに、前向きになれるっていうか、前向きに泣けるっていうか」
倫也「そういう、シナリオを何度も振り返って読み込ませる力ってのは、今の俺にはほとんどないだろうな」
加藤「う~ん……でも、英梨々や先輩も言ってたように、安芸くんはさ、そういうの複雑に考えなくてもいいと思うよ?」
倫也「プロの作家からも、ディープオタからも、非オタからも言われたら、もう受け入れざるを得ないよな……」
加藤「だって、もし安芸くんが、詩葉先輩のように切なくて喪失感が濃いシナリオを書ける実力を身に付けたとしてもさ」
倫也「いつの話になるか、そこまで辿り着けるかも全く分からないけどな」
倫也「…………」
加藤「こう、あるきっかけから、熱くて、明るくて、楽しくて、優柔不断で、鈍感クズで、ヘタレてて、節操のないご都合主義な展開が入り込んできて……」
倫也「上げてから落とすのは先輩だけでいいから。負担激増だから」
加藤「そうして最後には、それまでの悲しさや切なさを一気に全部まとめて帳消しにしてくれる……ちょっとだけ呆れながら、ちょっとだけ苦笑しながら、でもなんかこういうのもいっかって受け入れられる……そんな良い意味でどうしようもない、単純明快なハッピーエンドになるって思ってしまうんだよね」
倫也「先輩との話から今まで、散々右に左に揺さぶられて、もう喜んでいいのか落ち込むべきなのか全く分からなくなってきたな……」
倫也「メインヒロイン冥利に尽きるってことだな、うん」
加藤「それってニュアンス的にはなんとなく良い感じに聞こえるけど、実情としてはちょっと頷きづらいなぁ」
倫也「ふ~む……しかし、あれだな。……今日は良く語るな、加藤」
英梨々「本当、そろそろ私達の存在が忘れられるかもってくらい長いわね、恵パート」
詩葉「油断してたわ。ミ○ディレクションがオー○ーフローして、読者の視線がこのまま加藤さんに集まり続けて、ゆくゆくは私達の存在が霞んでしまうほどの脅威になりそうなくらい際どい目立ちかたよね」
加藤「話が長くなってたっていうのは認めるけど、だからって一段落着きそうになった途端、わたしの普段の立ち位置をネタに総ツッコミされるとなんだかちょっと悪いことした気になってくるような……」
詩葉「その辺りに関しては、私が付きっ切りで指導してあげるし、もしバッドエンド症候群にでもなってしまったら一生をかけて責任とるから大丈夫よ」
英梨々「事あるごとに自分の人生設計に他人を引きずり込もうとするな!」
加藤「まぁ、結局は素人思考だし、技術に関しては何も意見はできないんだけど……。それでも、今回の問題については、思い付く事、ちゃんと言っておかなくちゃって、ね」
倫也「そりゃまた、何でだ?」
加藤「う~ん、やっぱり……巡璃を、幸せにして欲しいなって思ったから、かな?」
詩葉「………なるほど、ね」
英梨々「……ま、そうなるわよね。当然でしょ」
倫也「ああ、分かってる」
加藤「前作の時点では、まだ少しふわっと思うくらいだったんだけど……。巡璃がさ、始めて誠司と出会って、色々あって、それから一緒に歩いていくって決めた先で……誰かと離れてしまったり、傷つけあったり、何かが届かなかったり、失ったり……。そうやって、どれだけ悲しい事があっても、どれだけ辛い事があっても………」
倫也「……………」
加藤「それでも、最後の最後には、大事な人……大事な人達の隣で笑ってて欲しいなって。結局は、本当に、すごく楽しかったって胸を張ってて欲しいなって。もちろん、他のみんなも同じように、ね?」
倫也「なんかすごいメインヒロインっぽい事言ってるな、加藤……」
加藤「……まぁ、底抜けに楽観的で、天井知らずに前向きで、際限なしに暑苦しいって部分が否めない安芸くんが書くんだから、多分、そういう心配はいらないんだろうけどさ」
倫也「なんかすごい加藤っぽい事言ってるな、メインヒロイン……」
倫也「いや、何で俺の首絞めながら言うの先輩? せっかく加藤が良いこと言ったって感動して……うぐぅ……」
英梨々「大体、あれだけ誠司の側に居て、支えて、見つめてきた巡璃が、最後の最後で報われないなんて、あんたいつからドS属性に目覚めたのよ。あれじゃ、巡璃や歌穂よりも長い間、誠司の事を想い続けてきたきらりなんて、いつ交通事故からのごにょごにょな展開に入り込むか分かったもんじゃないわ」
倫也「どこに配慮して伏せてるのか分からんが、そのネタは多分大体の人間は想像付くからな」
加藤「……えっと、多分、二人が思ってる事とわたしが思ってる事って、結構ズレてるような気がするんだけど……主に重さの部分と、めんどくさい部分のあたりで」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
倫也「お前が巡璃やゲームのキャラクター達のこと、大事に思ってくれてるのは良く分かったよ。でも多分、安心していいぞ」
加藤「ん? どういうこと?」
英梨々「倫也……まさかあんた……」
詩葉「何となく、イヤな予感がするわね……」
倫也「まぁ、実はバッドエンドを想像してたら、そのうち居たたまれなくなって、気付いたら書いてしまってただけだったりするんだけどさ」
加藤「……?」
ーーーーー
誠司「………今まで居た誰か、か……」
誠司「……分からない。ありえない。これはきっと、とてつもなくおかしい事なんだろうけど。二次元に染まり過ぎなんだろうけど」
誠司「でも、思わずにはいられない。言わずにはいられない」
誠司「妄想でも、幻想でも構わない」
誠司「………きっとさ、きっと、君は俺の力になってくれてたんだろうな」
誠司「ずっと、俺のそばに居てくれてたんだろうな」
誠司「俺がここに立っていられるのも」
誠司「俺が諦めなかったのも」
誠司「きっと、君が……」
誠司「だから、さ」
誠司「ありがとう」
誠司「……この先、君の事を思い出せなかったとしても………」
※選択肢
君がくれたものは、忘れない
→(…………………違う!)
誠司「………………!?」
???(…………………めだ……!)
誠司「………あ…………っ……?」
???(………行かせちゃ、だめだ……!)
きらり「どうしたの、誠司!?」
歌穂「誠司君!?」
???(………思い出せ……!)
誠司「なんだ……この、声…!?」
???(今なら、まだ間に合う……!)
誠司「……いや、まさか、これって………」
???(頼む………あいつを………)
誠司「俺の、声………!?」
”誠司”(巡璃を、引き止めてくれ………っ!)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(ーーーーこうして、誠司の決死の覚悟と、”誠司”の力をもって、消滅の危機を免れた巡璃。目的を果たし、満足そうに去っていく”誠司”に別れを告げ、彼の…そして自分の希望通り、この世界で生きていく事を決めた巡璃と誠司は、現実の空間へと帰還する)
巡璃「あ……ここって……」
誠司「……よくよく、縁があるな」
(そこは、全ての始まりにして……そして巡璃にとっては、何度も何度も辿った”再会”の場所である、出会いの坂。いつもと変わる事なく、二人を見上げ、見下ろし続けるその道の途中で、互いに向かい合う誠司と巡璃)
巡璃「……久しぶり……。また、会えたね………」
誠司「……あぁ。本当に、久しぶりだ」
(それは、実時間としては、ほんの少しの別れだったかもしれない。だが、その中で起きた事、起きてしまいそうになった事、それらを思えば、実際の体感などなんの意味もなさない程に、二人の間に、決して短くない時間を想起させていた)
巡璃「ん?」
誠司「今、お前が一番したい事、教えてくれないか?」
巡璃「……そんな事、急に言われても困るよ」
誠司「い~や、あるはずだ。だってお前、今、そんな顔してる」
巡璃「……まいったなぁ。今まではそういう事、全然気づいてなかったのに、ね」
誠司「まぁ、あれだけの不思議体験をしてしまったからな。何やら、ちょっとした能力に目覚めでもしたんだろ」
巡璃「あはは。わたしの気持ちが解る能力って……なんだかちょっと、照れるよ」
誠司「……本当だ。照れてるな、言葉通りに」
巡璃「それじゃ、もう、見栄を張っても仕方ないね……」
誠司「え………」
(誠司にゆっくりと近付いていく巡璃。今までも、そしてこれからも得るだろう、大切な人との思い出を、時間を、存在を深く感じるように、やがてその距離が、限りなく零に近付いて………)
誠司「うがぁあぁああああああああああああああ!!!!」
(……突如として襲ってきた、勢いと回転の乗り切った回し蹴りを背中に浴びて、その場から吹き飛ぶ誠司)
歌穂「……まったく、ちょっと目を離すとこれだもの。やっぱり、鎖的なものと縄的なものと首輪的なものを常に携帯しておく事を考えなくちゃいけないのかしら。本当、ドMなんだから誠実君は」
誠司「いやそれもう主従関係一直線だよねそうなんだよね!?」
きらり「……ついさっき、あたし達から告白を受けた矢先に、『二人は幸せなキスをして……』エンドを迎えようとするなんて、ほんっと良い度胸してるわね……!」
巡璃「あ~……あはは。えっと……」
誠司「そ、それはだな……というか、それ以前によくここが分かったな。さっきの場所から結構離れてるはずなのに……」
歌穂「私の場合は、貴方に対する恨みつらみをきっかけに、半径100km以内にいる私の事を愛してやまない誠実君の居場所が分かる能力にでも目覚めたんだと思うわ」
誠実「何その対俺用プライバシーブレイカー!? 一人明らかに桁がおかしいし! 冗談でも怖いからやめて!」
きらり「……そしてもちろん、憤ってるのはあんたにだけじゃないわよ? ……巡璃!!」
巡璃「は、はい!!」
きらり「あんた、私達に何も言わないどころか、記憶からも勝手に消えようとするなんて……!」
巡璃「………うん」
きらり「もう…………そんなの………絶対に………」
巡璃「……………」
きらり「……だめ、だからね……! だめ、なんだからね………!」
巡璃「きらり………」
巡璃「…………ごめんね、きらり。いっぱい、心配かけて、ごめんね………」
歌穂「…………叶さん」
巡璃「……歌穂先輩……」
歌穂「言いたい事はたくさんあるけれど………まぁ、とりあえず無事だったのなら、それでいいわ」
巡璃「え………」
歌穂「私、主人公に尽くすだけ尽くして消滅する自己犠牲系ヒロインについては、あまり良い印象を持ってないの。………だって、ずるいんだもの。そんな事されたら、真っ当な勝負になんてならないから……」
巡璃「…………っ………」
誠司「きらり………歌穂先輩………」
きらり「………ひっく、ぐす……」
きらり「負け化粧って何よ負け化粧って!? ……あ~…もう! ……そういえば誠司!! さっきはうまく誤魔化してたけど、この状況に対する申し開きはちゃんとしてもらうからね! 絶対逃がさないから!!」
歌穂「そんなに慌てなくても、これから時間はたっぷりあるんだから………とりあえず、鎖的なものと縄的なものと首輪的なもので誠実君を縫い止める所から始めましょうか?」
誠司「……か、勘弁してくらはい………」
巡璃「……………」
(もう、二度と目にする事も、感じる事もないと思っていた、大事な人達と過ごす時間。自分の心を、こんなにも豊かに彩ってくれるその楽しさを、喜びを噛みしめるように、巡璃は静かに、強く、自らの願いを思い返す)
巡璃(………”誠司”君。私、生きていくよ……)
巡璃(この人達と、この世界で、この時間で………)
巡璃(この先、何年経っても……どんな事があっても…………)
巡璃(みんなとなら、きっと……)
巡璃(最後には、最高の、笑顔で…………)
誠司「…………あ………」
きらり「…………巡璃………」
歌穂「…………叶さん………」
(そんな彼女の姿を見て、毒気を削がれる三人。その声なき希望の決意に応えるように、三人もまた、ゆっくりと笑顔を浮かべて……)
巡璃「みんな、これからも、よろしく、ね?」
(四人はまた、新しい桜の季節を、迎えに行くーーーー)
END
スタッフロール(主題歌:ボーカルあり)
英梨々「…………っ」
加藤「…………」
詩葉「…………そうね、先に一言だけ言わせてもらえれば」
倫也「う、うん」
詩葉「優柔不断。鈍感クズ。ヘタレ。節操なし」
倫也「全然一言じゃなくない!?」
詩葉「始めに書いてたスタッフロール(主題歌:BGMのみ)って、特別大した事はないってスルーしてたけれど、こういう事だったのね……」
倫也「あ~………ほら、たまにあったりするじゃん。元々バッドエンドやビターエンドだったものが、ある条件を満たすと、本来の流れとはほとんど変わらないけど、最後の最後で選択肢が出現して、その後のシナリオが書き換わってハッピーエンドやトゥルーエンドに変わるってやつ」
詩葉「……はぁ。もうここまで突き抜けられると、いっそ笑うしかないわね……。まぁ、約1名については、まったく真逆の反応になってるようだけれど……」
英梨々「な……によ……」
加藤「英梨々、ほら、ハンカチ」
英梨々「…………ふぇえぇぇえぇん…! 巡璃……良かった……居なくならなくて良かったよぉ………巡璃ぃ……!」
英梨々「……ひく……ちょっと油断してただけよ! もう、最初からこっち見せときなさいよね、バカ倫也…!」
倫也「いやそれだと今回の趣旨違ってくるから。とりあえず落ち着けって、英梨々。……しかし、あれだな。なんだかんだでお前が一番、俺のシナリオに反応してくれてるのは気のせいか?」
英梨々「き、気のせいに決まってるでしょ! 」
詩葉「……やっぱり長い間、倫理君の頭の中だったり、倫理君そのものをストーキングしてた経歴は伊達じゃないって事かしらね、澤村さん。倫理君の感性の観客として”だけ”はこの上ない仕上がりになってるというか、チョロいというか……」
英梨々「倫也の信奉対象として”だけ”は熟成してるっていうか、そういう因縁しかないあんたに言われたくないわよ! それにストーキングはヤンデレヒロインのあんたのフィールドでしょ! 色んなステータスにマイナス補正付きそうな属性をふっかけるな!」
倫也「お互いに少しは評価できる部分があるような台詞なのに、結局けなしてる部分の比率が多過ぎて悪口にしか聞こえなくなるのは仕様ですか…って、ホント流れるようにプロレスに移行するよねあんたら!」
倫也「…………う~ん……………」
(しばらくして……倫也のすぐ隣から、少し控えめで、どこか優しげな、ゆらゆらと揺れる桜の花びらのような笑い声が聞こえてくる)
加藤「ふふっ」
倫也「……っ。……な、何だよ?」
加藤「ん? えっと、安芸くんはやっぱり安芸くんなんだねって」
倫也「どういう意味でかは、あえて聞くまでもなさそうだな……」
加藤「ま、今回は、良い意味でだけって事にしてもいいのかも、ね」
倫也「……そりゃ、どうも」
(そんな、ほんのささいなやり取りの中、いつもより少しだけ心地良く、少しだけ穏やかな感情を共有する二人。そのほのかな、しかし確かな感覚にさり気なく意識を委ねながら……)
倫也「…………」
加藤「…………」
(落ち着いた時間を過ごし続け……られる事もなく……)
英梨々「ちょ……待ちなさい、霞ヶ丘詩葉! そ、それならあたしも、あくまであんた達がシナリオに集中してるかどうか監視する為にここに残るからね! 文句はないわよね、倫也!!」
加藤「ん~と……それじゃ、もうこんな時間だし、わたしはそろそろ……」
英梨々「何言ってるのよ、恵! 抑止力は一人でも多い方がいいんだからあんたも残ってなさい!」
詩葉「ダメよ加藤さん。”倫也”君がヒロイン○辱もののバッドエンドシナリオを創る想像力を高める為に、貴方にはまだ残っててもらわないと」
倫也「いや倫理呼びしなくなる=俺の倫理観が薄まる訳じゃないからね詩葉先輩!? 絶対書けないし、書かないからね!? …ってちょっと待て加藤! 調和力は一人でも多い方が…っていうかお前しかいないんだからこのまま残るんだ!」
倫也「……そう言った苦労の先に最高のハッピーエンドが待ち構えてるって事でここは一つ納得してもらえないだろうか?」
加藤「それ今思い付いた事適当に言ってるだけだよね安芸くん。……う~ん、ま、いっか。それじゃ、ちょっと家に連絡してくるね。まぁちょうど、明日と明後日は連休だし」
倫也「………英梨々や先輩もいるから安心、なんて考えてる訳じゃないんだろうけど、せめてあと2、3行分くらいは憂慮しても損はないと思うぞ加藤……」
(こうして、やっぱり最後には大したフラグが立つ事もなく、blessing softwareの夜は、いつものように過ぎていくのであった)
END
始めは色々と省略しないver.を書こうとしていたのですが、気付いたら10レス分くらいになってしまって、そうなると今よりも更にボロが出そうなのと、大体の流れさえ分かればいっかなという適当なノリでやめときました。
出来はともかく、もしかしたら生まれて初めて15000文字付近の文章を、無謀にも書いてみたのですが……この位の長さになるなら、普通の小説形式にしておいた方が読みやすかったかもしれません。難しい…。
原作第二部のスタート、8巻の発売までもうすぐ。表紙が加藤と言う事で、通常の1.1倍待ち遠しい所です。
そんなテンションで、SSもっと増えてけろの舞を踊りつつ。
読んで頂き、ありがとうございました。
アニメ二期もあることだし
冴えカノSSも増えて欲しいです
とりあえず言いたい事は詩葉ではなく詩羽ね
こういう時空好き
ぐは!!(一番のダメージ
やはり推敲って大事ですね。ちぃ覚えた。
……そんな感じの誤字やらなんやらが再見でちらほら見受けられたので、pixivの方に加筆修正版を上げてみました。良ければそちらの方もよろしくお願いします。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433482934/
Entry ⇒ 2016.04.21 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
詩羽「続・詩羽無双?」倫也「誕生日記念ですね」
前スレ:詩羽「詩羽無双?」倫也「詩羽先輩、勘弁してください」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432074031/
時は深夜0時前。
日付がもうすぐ変わる頃。
隣の部屋の連中は温泉やら観光やら…………ええいっ、羨ましくなんかない。
温泉旅行本来のまっとうすぎるイベントに疲れて布団の中でぐっすりと眠っているのだろう。
一部のリア充共は今もお盛んな最中かもしれないが、それはそれだ。
かくいう俺達もはた目からは仲がいいカップルに見られているのかもしれない。
いや、カップルにさえ見えないで、
お付きの下僕に見られてしまっていても致し方ないと思えなくもない。
たしかに詩羽先輩を見て振り返らない男はいないし、
つい数時間前もこれから自分たちの部屋にしけこもうとしているカップルの男が
詩羽先輩に見惚れてしまい、
楽しいはずの夜のイベントが修羅場へとすり替わってしまっている。
ま、この男性に関してはご愁傷さまと言うしかないんだけれど。
ただ、当の本人たる詩羽先輩は、
自分に向けられてくる特定の視線以外には全く興味がなく、
最初からなにもなかったかのように過ごしているのだから、
やはり先ほどすれ違った男には再度ご愁傷さまといいたい。
そして今現在、詩羽先輩はただ唯一興味を持つ俺の視線を見て、
形良い唇を緩ませて微笑んでいた。
倫也「あの、詩羽先輩?」
詩羽「なにかしら倫理君。いいえ、
今は不倫理君と言ったほうが正しいかしら?
なにせこの温泉旅館の一室で、
男の肉欲をたぎらせてしまう美女の前にいるんですもの」
倫也「一部は認めますけど、
詩羽先輩の発言のほとんどが見当違いですと言わせてください」
詩羽「でも……、一部は、認めるのよね?」
ニヤついた唇が妖艶な笑みへと変化していく事に
俺の体が反応しないようぐっと握っていた拳にさらなる力を込めてやり過ごす。
ただ、その無駄な努力さえも詩羽先輩の糧になってしまうのだから、
素直に負けを認めてしまえと、弱い心が囁いてくる。
でも、一度屈してしまえばどこまでも甘えてしまい、
さらに悪い事に、詩羽先輩も俺を過激なまでに甘やかしてしまうだろう。
それはまずい。
理屈であっても、理屈じゃなくてもやばいってわかる。
俺は詩羽先輩のヒモにはなりたくない。
事実上のヒモであっても、
対等な関係とはいかないまでも、
もがき続ける努力をしなければ、
俺は詩羽先輩の横に立つ自信を持てなくなってしまう。
倫也「ここは温泉旅館ですし、
詩羽先輩が美女だということは間違えようのない事実ですからね」
詩羽「あら? 私が美女だと倫理君は認めてくれるのね」
倫也「はい。詩羽先輩は綺麗ですよ。それもとてつもなく」
詩羽「倫理君に真顔で言われると、
裏になにかあるって疑ってしまいそうになってしまうのよね」
倫也「別に裏なんてないですよ。それとも俺以外の男連中の意見が欲しいですか?
なんならうちの学校のやつらの……」
詩羽「興味ないわ」
倫也「ですよねぇ~」
詩羽「でも、本当に裏がないのかしら?
それとも旅先で気が大きくなってしまったのかしら?
普段は言えない事でも、旅先で普段とは違う環境に身を置く事で興奮状態に?
でも、いくら旅先の事であっても、
地元に戻ってからなかったことにするなんて認めないわよ」
倫也「それもないから安心してください」
詩羽「なら、そういう事にしておきましょうか。
せっかく倫理君が美しすぎる私にかしずき、
一生を捧げたいといっているのだし、ね」
倫也「そこまではまだ言ってませんって。ほんと勝手に話をもらないでくださいよ」
詩羽「……そう、「まだ」なのね」
そう嬉しそうに小さく呟く詩羽先輩に、俺は聞こえないふりをして視線をそらした。
倫也「それはそうと詩羽先輩」
ちょっと強引過ぎたか?
でも、このままの流れは非常にまずいよな。
せめて終わってからにしてくれないと。
詩羽「なにかしら? 話題を強引に変えようと必死な倫理君」
倫也「わかっているんでしたら少しは協力してくださいよ」
詩羽「はいはい、わかったわ。で、なにかしら?」
倫也「だからぁ、俺をからかっている時間があるのでしたら原稿のほうを進めてくださいよ。
まじでやばいんですって。
町田さんからも言われているように、
明日の午後4時までに仕上げなければ穴があくんですって」
詩羽「わかっているわよ、そんなこと」
倫也「わかっているんでしたらまじでやってくださいよぉ」
詩羽「編集の仕事は作家が気持ちよく執筆できる環境を提供することだと思うのだけれど?」
倫也「そうですよねぇ、そうですよ。
でも、バイト編集の俺が副編集長たる町田さんに
土下座までしてこの温泉旅館で缶詰できるように頼んできたんじゃないですか。
詩羽先輩が正月はどこにも行けずに家にいるはめになったから、
こうして温泉に来たんじゃないですか」
詩羽「あら?
頑張って結果を出している私にご褒美を渡すのは
当然の義務だと思うのだけれど?」
倫也「だからこうして温泉旅館で缶詰できいるんじゃないですか。
普通でしたら編集部提供の一室でひたすらノーパソに
向かい合っていなければいけない状態なのに、
町田さんのはからいで温泉旅館なんていう最高すぎる環境を
用意してもらったんじゃないですかっ」
俺、間違ってないよな? うん、間違ってないはず。
でも、あら何変な事言っちゃってるの?って顔をされてしまうと、
俺の方が間違っている気がしてしまうのは、
きっと気のせいのはずなのに、はずなのに、
どうしてこうも正しい事をしている俺に多大なプレッシャーをかけるんですかっ。
詩羽「最高の環境ならば、美味しい料理を食べたあとは、
美味しい肉体を堪能するべきだと思うのだけれど?」
倫也「だあぁっ。だ、か、ら、仕事、してください、お願いします。
まじでやばいんですって」
詩羽「わかったわ」
倫也「は? ……はい。はい、ありがとうございます」
拍子抜けもいいところで、
あっさりと身を引いてくれる詩羽先輩に俺は単純すぎるほどにほっと胸をなでおろす。
一息つこうとコーヒーを口に含んだが、あまりにも勢いよく喋りすぎたせいか、
乾燥している唇がぱっくりと割れてひりついてくる。
詩羽「ねえ倫理君」
倫也「はい?」
顔をあげると、「今は」見たくないものが目の前に待ちうけている。
赤い唇を舌先で濡らしながら獲物を吟味している雌豹がいるんですけど、
気のせいですよね?
詩羽「さきほどから乾いた唇をなめたりコーヒーの水分でまぎらわせたりしているのを
見ていると、気になってしょうがないのだけれど」
倫也「すみませんっ」
詩羽「リップクリーム、持っていないのかしら?」
倫也「あいにく持ってきていないんですよ。家にはあるんですけど」
詩羽「今持っていなければしょうがないじゃない」
倫也「急な旅行でしたので支度も慌ただしくて」
詩羽「私のせいだって言いたいのね。原稿を完成できず、
缶詰をするはめになった私が、霞ヶ丘詩羽が、
霞詩子が、悪いって言うのね。倫理君は」
倫也「違いますって。忘れ物をしたのは俺のミスです」
詩羽「そう。
……でも、このまま倫理君の唇を乾いたままにしておくのは私も困るから、
このリップクリームを貸してあげるわ」
倫也「ありがとうございます」
和テーブルの上に置かれていた小さなバッグの中から取り出したのは、
この旅行中も何度かみた詩羽先輩が使っているリップクリームであった。
色つきのリップクリームでもないし、口紅も使っていないように思えるんだけど、
どうしてこうもつやっつやで色彩豊かな唇をしているんだろう?
いや、つやっつやなのはリップクリームの効能もあるか。
いやでも、夏でも同じくらいつやっつやでひきこまれそうな唇しているんだよな。
まあ、あまり見過ぎてしまい、
ニヤニヤしている詩羽先輩の視線に冷や汗を何度もかいていたんだけど。
倫也「あっでも、そのリップクリームは詩羽先輩が使っていて」
詩羽「あら倫理君は、
この淫乱女が使って唾液まみれになっているリップクリームは
使いたくはないというのね。ええそうね。
私が悪いのよね。
ただ私は、倫理君の唇が心配で心配で、
勇気を振り絞って提案しただけだというのに」
わざとらしく「よよよ」っと泣き崩れる真似をしないでくださいよ。
しかも明らかに演技だとわかる演技だし。
倫也「そ、そっこまで言っていませんから。
むしろ俺が詩羽先輩のリップクリームを使っていいのか気になっただけですから。
ほら、男の俺が簡単に借りられるようなものではないじゃないですか」
詩羽「そうかしら?」
倫也「そうですって」
首を傾げ肩から流れ落ちる黒髪にどきりとしながらも、俺ははっきりと言いきった。
詩羽「でも、私は、たとえ貸す相手が女であっても
リップクリームを貸そうとは思わないわよ。
今回リップクリームを使ってもらいたいと思ったのは、
それは倫理君だからよ。いくら同性であっても貸す事はないわ。
そもそも私のものを使われるのは不愉快だわ」
倫也「それは、光栄なこと、です」
詩羽「さ、ここにいらっしゃい」
倫也「はい?」
間抜けな返事しかできない俺の前には、
体一つ分だけ和テーブルから身を引いた詩羽先輩がここに頭をのっけろと
柔らかそうな太ももを、ぽんっと叩いて手招く。
詩羽「せっかくだから私が塗ってあげるわ」
倫也「いいですって。自分で塗れますから」
詩羽「あら、倫理君にしては大胆発言をしたものね」
倫也「べつにリップクリームくらい自分で塗れますって」
詩羽「そうではなくて、私の唾液が付いたリップクリームをむしゃぶるように
舐めまわそうとするなんて、倫理君も策士になったものね」
倫也「だからぁ、そんなこと、一言も言っていませんから。
そもそもその発言、最初は逆だったじゃないですか。
俺が詩羽先輩のリップクリームを使うのが嫌だとか、
そういう事を言ったのは詩羽先輩の方であって……、あぁもうっ。
いいですよ、わかりました。
俺が詩羽先輩の膝枕を素直に受け入れればいいんですね」
詩羽「たしかに最初から素直になる事が大事ね。
でも倫理君。男のツンデレは見ていてもあまり気持ちのいいものではないわよ?
たしかに、金髪ツインテール娘がツンデレをしても、
はり倒して埋めてしまいたくなる気持ちは
倫理君ではなくても抱いてしまうけれど」
倫也「それ。詩羽先輩の気持ちであって、俺は関係ありませんよね?」
詩羽「まあいいわ。今は勝ち組正妻である私が至福の時を味わうとしましょう。
雑念は最初からなかった。
幼馴染みのお嬢様も、
慣れ慣れすぎるイトコも、
人懐っこい後輩も、
頼りになる同級生も、
最初からいなかった。そう、すべて脳内設定」
倫也「やや友人関係を破壊しそうな思想が聞こえてきましたけど、
それこそ最初からなかったことにしておきますね。
さっさとリップクリームを塗ってくださいよ」
詩羽「そうね。いつまでもおあずけをしておくのも、倫理君に悪いものね」
倫也「わかりましたから、あの……、その」
詩羽「あら、私の膝枕が気持ちよすぎて気が気じゃないのかしら?
それとも私の胸を正当な理由で見あげられてご満悦かしらね?」
倫也「わかりましたから。その通りですから、
あの、いつまでも俺をいじめないでくださいって」
詩羽「わかったわよ。もう、せっかちね。
…………きゅんっ。あの倫理君。あまり見つめないでくれないかしら。
いくら純情すぎる私であっても、頬が火照ってしまうわ」
作家が使う日本語としてはどうかとは思うけど、
詩羽先輩が言いたい事はわからない事もないな。
かくいう俺も至近距離で詩羽先輩に見つめられていて、手が汗で湿ってしまってるよな。
あと、気持ちよすぎる多重攻撃の影響もあるんだけど……。
倫也「目をつむればいいんですね」
詩羽「そうしてくれると助かるわ」
倫也「…………………………………………………………………………まだですか?」
詩羽「もうそろそろいいかしら。今から塗ってあげるわ」
ふわりとした感触が唇を覆い、そして遠慮がちに唇の上を湿った感触がなぞっていく。
何度も何度もゆっくりと丁寧に、
柔らかく温かみがある「リップクリーム」が俺の唇を塗っていく。
…………なんてこと、あるかっ。
だけど、緊張しきっている俺の体は俺の意思に反して動かない。
気持ち悪いくらいかいていた手の汗は、さらにどばどば噴きでていて、
背中の方もけっこうやばめな気もする。
せめてもの抵抗として瞼を開けようとするが、
俺の心理状態を事細かに理解してしまう詩羽先輩が先回りして、
その手のひらで瞼は覆われていた。
詩羽「もう、いいわよ。
…………ふぅっ。
それとももう一回塗ってあげましょうか」
瞼を開けると、予想通り満足げな顔をしている詩羽先輩が出迎えてくれる。
だけど、どこか予想とずれていないか?
なんというか微妙な違いなんだろうけど、
ただたんにセクハラまがいの行為を強行して満足しているわけでもなく。
詩羽「二年参り、よ」
倫也「二年参りって、初詣の事ですよね? なにが二年参りに?」
詩羽「倫也神社に、
17歳の私が、
18歳の私になるための、
二年参り、ということになるのかしらね」
倫也「もう31日になったんですか?」
詩羽「ちょうど先ほど、ね」
倫也「はぁ……。キスはともかく、詩羽先輩の誕生日を俺が忘れると思っているんですか?」
詩羽「うっ……。
倫理君のことだから忘れはしないとは思っていたわ。
でも、キスは、キスは、してくれなかったでしょう?
高校最後の、しかも18歳になる誕生日。
子供から大人へと成長するこの微妙な一瞬。
あどけない頬笑みから妖艶な笑みとが混ざり合うこの一瞬は、
今しかないのよっ」
子供みたいに駄々をこねながら、
子供がねだるにはアダルトすぎる要求を突き付けないでくださいよ。
しかもそのギャップがすさまじく可愛すぎるもんだから、
一瞬俺の方が間違ってるって思っちゃったじゃないですか。
倫也「その理論からすると、二十歳になるときにも同じ事を言いそうですよね?」
詩羽「ううっ…………」
倫也「しかも俺の誕生日の時も使えますから、少なくともあと3回はありますよ?」
詩羽「ぐっ!」
倫也「はぁ……」
詩羽「でもっ、私の、霞ヶ丘詩羽の、18歳の誕生日は、一度きりしかないわっ」
倫也「そんなわかりきったことをドヤ顔で言われなくても理解しています。
そもそも今回の誕生日だって、
詩羽先輩が締め切りをきっちり守ってくれていれば
缶詰なんてしないでふつうに祝っていられたんですよ?」
詩羽「ぐはっ……。
倫理君にいじめられたわ。
きっとSに目覚めたんだわ。
普段はおとなしい草食動物でマゾっけをのぞかせていたのに、
私が18歳という大人の、子供とは分類されないカテゴリーになってしまったから、
今までかぶっていた仮面を取り去って真正のSになってしまったのね。
でもいいわ。私は倫理君を愛しているんですもの。
たとえ倫理君が真正のサディストになってしまっても、
全て受けれてみせるわ」
倫也「わざとらしい演技をしないでくださいっ。
しかもなんですかその台詞。まったくもって違いますからっ」
しかも今度はわざとらしくても、
わざとらしすぎない演技へと微妙に変化を加える余裕さえあるんですね。
詩羽「やはり倫理君は私の足で踏まれるのが好きなのかしら?」
倫也「きょとんとした顔で言っても駄目ですからっ。
しかもそのいいようだと、
俺が前から詩羽先輩に踏まれるのが好きみたいじゃないですか」
詩羽「違うのかしら?」
倫也「だからそのきょとんとした顔はやめてくださいって。
本当に俺の方が間違っている気がするじゃないですか」
詩羽「わかったわ。許してあげるわ」
倫也「ありがとうございます。」
詩羽「感謝しなさいね」
倫也「なんで俺が感謝しないといけないんだろうか……。
そもそも詩羽先輩が早く原稿を仕上げていれば…………」
詩羽「何を言っているのかしら?
そもそも今回締め切りを守れなかったのは倫理君のせいなのよ」
倫也「俺が?」
詩羽「倫理君があれもこれもと仕事を持ってくるからいけないのよ?
拝金主義の店舗特典のショートストーリー。
最初から本編に加えておけばいいだけなのに、
違う店で何冊も買わせるためだけに抜き取ったショートストーリーなんて
誰得なのかしら?
あぁ、出版社だけが得するわね。
作者は読者から叩かれるだけで、なにもメリットがないもの。
いくら部数が伸びたとしても、
読者が納得してくれなければ次は買ってもらえないというのに」
倫也「詩羽先輩?」
詩羽「あとは雑誌に載せる短編小説もくせものよね。あれってなんなのかしら?
あれこそ出版社の利益しかないわよね?
普段は買わない雑誌を、
お目当ての作者シリーズの短編を読む為だけに読者に買わせるのよ?
しかもあとで短編集なんて形で発売するものだから、
どのくらい部数を積み上げられるのかしらね?
そもそも今はネットで違法ダウンロードされ放題なのだから、
こういった姑息な手段は読者に見捨てられることこそあれ、
読者を獲得する手段にはならないのに」
倫也「う~たは、先輩っ?」
詩羽「出版社なら、売れる作者を目指すのなら、姑息な手段を用いず、
どうどうと中身で勝負すべきなのよっ。
こういった卑劣な手段を出版社がするからネットで叩かれて、
いかに最低な作者だと吊し上げられるのよっ」
倫也「どうどう、詩羽先輩。ここまでです。これ以上はまずいです。
なにがまずいかを言うのさえまずい状況ですっ。…………えっと詩羽先輩。
どうせ徹夜になるかと思って、誕生日のケーキ、用意していたんです。
夜中にケーキは胃に重いかもしれませんけど、執筆活動で疲れた脳にはいいですよね?
しかも誕生日なのですから、ほら。
…………ちょっと待っててください。今用意しましたか」
ちょっと飛んじゃったハイの状態の詩羽先輩を背に、
部屋に備え付けの冷蔵庫からケーキを取り出す。
今の詩羽先輩に無防備な背中を向けるのには勇気がいるが、
いくら詩羽先輩でも襲い掛かってくる事はない……はず?
と、若干失礼すぎる事を考えながら振り返ると、体を小さく縮ませた詩羽先輩がいて、
拍子抜けになってしまう。
詩羽「ごめんなさい倫也君。
ちょっとトランス状態になってしまったわ。
正確に言うとどこからか電波が流れてきて、
一瞬だけれどもどこかの作者の意識が乗り移ってしまったわ」
倫也「それなら問題ないですよ。その作者。本音は拝金主義ですから」
詩羽「…………それもそうね」
倫也「………………えっと、ろうそくも用意したんですよ」
詩羽「普通の高校3年生ならばセンター試験も終わって今は私立大受験に向けて
追い込みをかけている時期なのに、
こうやって温泉宿で倫理君としっぽり温泉だなんて最高ね」
倫也「これが締め切り破りの缶詰じゃなければ最高だったかもしれませんね。……はは」
詩羽「来年も祝ってくれるのかしら?」
倫也「……? でも缶詰旅行じゃなければ普通に祝いたいと思っていたんですよ?
まあでもこうして高校生バイト編集者の稼ぎでは泊まることなんてない高級温泉宿に
泊まれてるんだよな。それはそれで良しとしときましょうか」
詩羽「あなたの受験のことを心配しているのだけれど?」
倫也「俺、ですか? 今のところ就職かなと」
詩羽「はぁ……。簡単に言ってくれるわね」
倫也「……詩羽、先輩?」
詩羽「今バイトで編集をやっているけれど、そのまま正社員に本採用なんて無理よ。
どこのだれが高卒を雇うものですか。たしかに能力がある人間ならば
雇ってくれるでしょうけど所詮高卒で、三流大学卒にさえなっていないのよ?
編集部の出身大学を見ればわかるじゃない。
いくら大学は関係ないといっても勉強もろくにやってきていない三流大学出身者を
誰が雇ってくれると言うのよ? しかも高卒? 無理よ。
だったら面白い文章かけなくても東大にいって、それなりの成績を収めなさい。
腐っても東大生として面接を受けさせてもらえるわ。
でも記念だと割り切っているのならどこの大学でも大丈夫よ。
書類だけは受け取ってくれて、もしかしたら人数合わせとして上位大学だけでは
不都合だから形だけは面接をしてくれるかもしれないわ。
まあ、面接をしてくれても書類さえ見てくれないかもしれないけれど」
倫也「……うっ。別に編集者になれなくても」
詩羽「この私が、どこの輩かもわからない男に、
血反吐を吐いて書き上げた赤裸々なプロットや原稿を見せろとでもいうの?」
倫也「どこの輩といわれても、担当編集かと」
詩羽「黙らっしゃい。深夜身も心も疲れ果てている状態の姿を、
たとえ担当編集であったとしても、男に見られてもいいというのね。
あられもない姿を見られても……」
倫也「たしかに詩羽先輩がのっているときの姿はすさまじい……」
詩羽「ん?」
その笑顔。……笑っていませんよね?
倫也「なんでもありません。…………でも、今の担当は町田さんであって、女性ですよ?」
詩羽「いつまでも同じ担当とは限らないじゃない。最近町田さんも忙しさが増したみたいだし」
倫也「それこそ俺が担当になれるかどうかなんて」
詩羽「なにかしら?」
だから、絶対笑っていませんよね?
倫也「いいえ、全て詩羽様の仰せのままに」
詩羽「……はぁ。その辺のことは大丈夫よ。私も考えているから」
倫也「さようですか」
詩羽「私が売れればいいのよ。売れっ子作家になりさえすれば、
たいていの事はごり押しできるわ。たとえ三流大学出の倫理君でも押し込む事は
できるわ。でも、来年それができるかと問われれば微妙なのよね。
だから倫理君。大学に行きなさい。そして少なくとも私と同じ大学にしなさい。
そうすれば出身大学という問題は自然とクリヤーされるわ」
倫也「すっごく不安な事を言っていますけど、
詩羽先輩と同じ大学に行くのはいいかもしれませんね」
詩羽「でしょっ。でしょでしょでしょう。決まりね、決まり。
再来年あなたは私の同級生になるのよっっ!!!」
倫也「ちょちょっと待ってください。というか浴衣はだけていますって。
いや、というか裸ですよね。しかも胸を押し付けないでぇ」
詩羽「……じゅるっ。ごめんなさい倫理君。取り乱してしまったわ」
倫也「そういって反省している言葉を言っている割には俺の事をはなしてくれませんよね?」
詩羽「だって体をはなしたら裸を見られてしまうじゃない?」
倫也「裸を押し付けている状態はいいんでしょうか?」
わかりました。
その笑顔、やはり凶器です。
倫也「なんでもありません。…………ちょっと待ってくださいって」
詩羽「まだなにか問題があるのかしら?」
倫也「問題と言うか、同級生ってなんです?
詩羽先輩と同じ大学にいければ後輩になるんじゃないですか?
いや現実問題として、
詩羽先輩と同じ大学だなんて今の俺には無理なんですけどね」
詩羽「はぁ……。ちょっと待ってなさい、安芸倫也くん」
もう裸でどうかとか問題にならないんだな……。
むしろ堂々と裸でいるから、俺の方が間違っているような気さえするぞ。
詩羽「これを見なさい」
倫也「企画書ですか? それにしてはずいぶん分厚いですね」
詩羽「これは倫理君のご両親に提出した倫理君の今後の進路予定よ」
倫也「はい?」
詩羽「これを作る為に年末年始をすべてつぎ込む羽目になってしまったのだけれど、
ご両親も納得して下さったから、作った私としても嬉しい限りだわ」
倫也「ちょちょっと待ってください。原稿はどうしたんです?
締め切り忘れてなんてことやってるんですっ。……ん?
俺の両親が納得したとかしないとか言ってませんでしたか?」
詩羽「安心しなさい。ご両親は納得してくれたわよ」
倫也「そうですか。それはよかった…………じゃなくて、なにをやってるんですかっ」
詩羽「もちろんうちの両親も承知してくれているわ。
私は自分の稼ぎもあるし、いつでも一人で生活できるもの。
学生としても成績も格別に優秀だし、
親も私の機嫌を損ねるような要求はしてこないわ。
だから大学も、倫理君と一緒に楽しみたいのよ。
今まで一緒の高校だったといっても、やはり先輩後輩の壁はでかかったわ。
たしかに先輩先輩としたってくれる倫理君は可愛かったのだけれど、
今度は同級生として接してみたくなったのよ」
倫也「でも、いくら同じ大学に行けたとしても、また先輩後輩では?」
詩羽「私が留年すればいいだけじゃない」
倫也「簡単に言ってくれますね。でもいいんですか?」
詩羽「来年は執筆の方に力をいれるわ。
そうすれば倫理君が大学生になった時のアドバンテージくらいにはなるでしょう。
まあ、あまり前倒しにして書いても意味をなさないかもしれないけれど、
勉学と両立するよりは時間的余裕を産む事ができるでしょうね」
倫也「霞詩子ファンの一人としては嬉しいですが」
詩羽「それにね倫理君。せっかく大学生になるのだから、
あなたと大学生生活を楽しみたいのよ。
高校生活が残り少ないのと同じように、大学生活も有限なのよ。
しかも期間限定で」
倫也「そういってくれるのは嬉しいのですが、
やはり俺の学力じゃあ先輩がいく大学には届きませんよ?」
詩羽「だからこそこの計画書よっ」
倫也「はひ?」
詩羽「この私が倫也君の新妻のごとくお世話をしてあげるわ。
家庭教師から下半身の世話まで全て任せなさい。もはや新妻ね」
倫也「前半はともかく後半の方はご遠慮ください。
……って、これ、俺の高校の成績まであるじゃないですか。
あっこれ。この前の期末紙面の結果まで。ちょっと待て。
これ俺の解答用紙のコピーじゃないですか。どこからとってきたんですか?」
詩羽「私に不可能はないわ」
倫也「そもそもこの計画書作っている時間があったら、
とっくに原稿仕上がっていましたよね?」
詩羽「なに言っているのかしら?」
澄まし顔で俺を見つめる詩羽先輩は頼もしく見える。
今の一言で次に詩羽先輩がなにを
言ってくるか予想さえできるほどの自信をみなぎらせている。
…………けれど、裸だ。しかもわずかにひっかかっている浴衣が、
艶めかしいほどにエロい。
詩羽「原稿ならとっくの昔に町田さんに渡しているわ」
倫也「担当の俺は受け取ってませんけど?」
詩羽「そこは町田さんに協力してもらって、
今回の温泉旅行計画の実行を手伝ってもらったのよ」
倫也「職権乱用も甚だしすぎますよ。この旅館いくらすると思っているんですか?
高校生には出せない金額ですよ」
詩羽「安心なさい。今回の旅行の代金は全て私のポケットマネーで支払っているわ。
おめでとう倫理君。
ヒモ男としての第一歩よ」
倫也「ありがたくない称号を勝手に付けないでくださいっ」
詩羽「だったらのし上がりなさい。私の計画書を上回る成果を出しなさい。
そしていつか私の隣にたてる存在に、いいえ、私を引っ張れる男になりさない」
倫也「……うっ。わかりましたっ! わかりました。やります。
その計画書、やってやろうじゃないですか」
和テーブルの上に広げられている前回の試験結果を見ると、
地獄を見るほど勉強しないといけないと脳裏によぎるが、
目の前のご馳走には勝てないようだ。
詩羽「それでこそ私の倫也くんよ」
もう俺の両親にまで裏工作してくれちゃってくれているから、
もはや俺には何もできないじゃないですけどね。
詩羽「今なにか失礼なことでも考えていなかったかしら?」
倫也「いいえ、詩羽先輩の隣に立ちたいっていうのは、俺も夢にみていたなぁって」
詩羽「夢ではなくて現実にしてくれないと困るわ」
倫也「はいっ」
詩羽「でも今は、もう一泊予定してある温泉旅行を楽しみましょう」
倫也「あれ? まじで原稿終わってたんですか?」
詩羽「当たり前じゃない。
肉欲に満ちた時間をこれから過ごさなくてはならないのに、
どうして足枷を持ってくるって言うのよ。
……だ、か、ら、倫也、くん」
倫也「ちょ、ちょっと待って先輩」
詩羽「もう少ししたら先輩も卒業して同級生になる予定なのよ?
……でも、まだ先輩と後輩でもいいかしらね」
倫也「その辺の勉学に関する予定は頑張りますけど、
さっきから詩羽先輩が裸なのは覚えていましたけど、
いつのまに俺の浴衣まで脱がしていたんですかっ」
やはりこの人には永遠にかなうことはないのだろう。
この心地よい敗北感に酔いしれる快感を覚えてしまっては、
一生この人からはなれなれないと、はなれたくないと願ってしまう。
願うだけなら簡単だ。
でも俺は、願うだけで満足できない体になってしまっている。
だから俺は頑張れる。
この愛らしい女性の隣にいる為に、
俺は自分の全てをいとも簡単に捧げしまうのであった。
END
ところで重要なシーンがないんだが…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454232647/
Entry ⇒ 2016.02.06 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えカノSS】安芸倫也「ついに嶋村中学校総オタク化に成功した!」
SS初心者です。いろいろご容赦を。
澤村・スペンサー・英梨々「……倫也、学校では話しかけないって約束でしょ?」
倫也「お前こそ何言ってるんだ? もう俺たちを引き裂くヤツらはどこにもいない! というかヤツらもみんなオタクと女オタクと腐女子にしてやったからな!」
波島伊織「本当に倫也君はよくやったよ。流石僕が見込んだだけのことはある。つまり流石僕だ!」
倫也「しかも今回は完璧だ! 小学校の頃は一部抵抗勢力が残ったから圧殺せざるを得なかったけど今回は一人残らずオタ化してやったぜ!」
波島「ああ最高だよ倫也君!素敵だ!」
英梨々「……波島、あんたの差し金?」
倫也「1年に小学生からの夕方アニメ視聴を卒業できない男子がいれば、行って同人を通じた二次創作と同好の士と作品を語らう新しい楽しみ方を教え、3年に受験勉強に疲れた女子がいれば乙女ゲーで全乙女の夢をへの道を開き、2年に人生の意味を探す痛い厨二がいれば、行ってニチアサの素晴らしさと比ぶれば人生の意味など探す価値はないと教えた……教員には大人になった今だからこそ心にぐっとくる青春ラブコメや少女漫画を推した……」
英梨々「話が長いわっ!」
伊織「そういった地道な活動の結果、倫也君はこの学校すべての生徒どころか教員に至るまでをオタク化させるという偉業を成し遂げたんだ!」
英梨々「それって明らかに他人の人生滅茶苦茶にしてるようにしか聞こえないんだけど……」
倫也「何を言っているんだ英梨々! オタクとして生きること以上に幸せなことなんてあるわけないじゃないか!?」
伊織「そうだよ澤村さん。これは本当にすごいことなんだよ! 君は倫也君の偉業を認め、賞賛してしかるべきだ!」
英梨々「波島……、あんたはもうちょっとまともな嘘を使える人だと思ってたのだけど、見込み違いだったみたいね」
倫也「え、英梨々……?」
英梨々「言ったはずよ? あんたたちがどんな馬鹿なことをしててもあたしは気にしない。だからあたしを巻き込むな。どうぞお引き取りください。いい? あ・た・し・を、巻き込むな!」
倫也「そんな!? 英梨々?! なんで……? やっと俺たち……」
英梨々「ふんっだ!」
英梨々(うぐっ……、そんな本気で悲しそうな目であたしを見ないでよ……本当、なんで今更そんなこと言い出したっていうのよ……)
英梨々(酷いよ倫也ぁ……)
伊織「……酷いな澤村さん。倫也君があんなに頑張って君との居場所を取り戻したっていうのに」(ぴきぴき)
英梨々「あたしとの、居場所……?」
伊織「そうだよ澤村さん。倫也君は……」
倫也「やめてくれ、伊織!」
伊織「でも倫也君!」
倫也「いいんだ。考えなくてもわかるようなことだったんだ。5年前、俺が英梨々に見限られて、切り捨てられたとき、諦めきれなかった俺が悪かったんだ……」
倫也「ごめんな英梨々……、俺、どうしても諦めきれなくて……また……、駄目だな俺は。また英梨々を怒らせちまった……」
伊織「倫也君……」
英梨々(そうやって波島と見つめ合ってると腐女子を釣・・・・・・誘ってるようにしか見えないわね……)
倫也「ごめん伊織、今日は俺、早退するよ」
伊織「倫也君っ!……ああ、気を付けて……」
英梨々「あ、倫也……」
英梨々(学校なんかにあたしたちの本当の居場所は必要ないの! それがどうして、あんたにはわからないの……!?)
???(………………)
???(澤村・スペンサー・英梨々ぃ……!!!)
英梨々「……で、これは一体どういうことなのっ!」
英梨々(昨日までの普通の教室が地獄絵図みたいな状況に……)
英梨々(倫也の影響でもともと明らかにオタクや腐女子みたいな連中が多い学校だったけど……)
英梨々(今までオタクと何の縁もなかった連中や、いつも私と一緒にいる連中までぶひぃ!とか┌(┌^o^)┐ホモォなんて言ってる状況ってどういうことなの……?)
英梨々(どうしてこうなった!)
英梨々(確かに今日は朝から何もかもが最悪だった)
英梨々(家を出れば見ず知らずのお婆さんに道を聞かれたと思ったら長話食らわさせられて、乱暴な運転のトラックに泥水掛けられて一回家に戻って、やっと途中まで来たと思ったら犬に追いかけられて……かなりの遅刻になっちゃった……)
英梨々(教室にたどり着くまでもボカロソング合唱してるクラスやコスプレ撮影会してるクラスやポケモンやモンハンのオフ会してるクラスや今季最萌アニメ決定上映会してるクラスがあったけど……)
英梨々(あんな風に時場所を選ばずオタ芸したりカップリング論争したりエロ同人広げたり……そんなんだからオタの社会的地位が変わらないのよ……)
英梨々(教員まで一緒になってるのにはあたしとしたことが茫然としちゃったわ)
英梨々(やっぱり肌とかヒカラびてきたイイ大人が中学生とハシャいでる姿ってのはイタイタしいものがあるわね……)
英梨々(せめて自分のクラスだけでも確認しておこうと思ったけど……)
英梨々(でも、本当になんなのこの状況?)
英梨々(……! まさか、この前の倫也と波島の妄言……、本当だったとでも言うの……?)
体育会系萌豚「うへへへへ。egoistic-lilyの新刊だぁ……」
英梨々「わ、(あたしの新刊っ?!)」
セレブっぽい眼鏡女子「あ、もっと……もっとください……」
英梨々「ひぃっ?!」
英梨々(同じグループの娘?……この娘もカクレだったの……?)
英梨々(違う。ていうかなんで体操服で妙に艶っぽい声漏らしがらホモ同人誌なんて読んでるの?)
英梨々(くださいってホモ同人を?)
英梨々(しかも読んでるのはシロバコ本田さん×木下監督本なんて……そんな誰得……)
英梨々「って違う。私は隠れオタだけど腐女子ではない……」
英梨々(びくっ!)
英梨々「は、波島……」
英梨々(背後、教室の入り口から姿を現した波島が鷹揚とした足取りで教壇に腰を下ろした)
英梨々「波島……、これはいったいどういうことなの……?」
伊織「これって何のことかなぁ?」
英梨々(ギロリ)
伊織「ははは、そんなに睨み付けることないんじゃないかなぁ? ……一週間前に話した通りさ」
英梨々「は……?」
英梨々(一週間前って……)
伊織「倫也君の熱狂的な布教と僕のサポートの結果、この嶋村中学校の全ての生徒と教員がオタクと腐女子に進化したんだよ。忘れたのかい?」
伊織「そう。オタクの王国を築き上げたんだよ!」
英梨々(で、でもこの異常な状況、こいつが何か知ってるのは間違いないはず……)
英梨々「……進化? T-ウイルスに感染したようにしか見えないけれど」
伊織「なぁにちょっと効き目が良すぎただけさ。見て御覧よ。こんなにみんな幸せそうじゃないか……」
伊織「そう、僕はすっかオタクコンテンツの虜となってた彼らの背中を押しただけ……」
伊織「まぁ倫也君と作り上げたオタクの王国は本当はもうちょっと牧歌的だったんだけどね」
伊織「僕のコネを駆使してちょっと欲望に素直になるようになオクスリを手に入れてね……あとは昇降口に気化させておけば教室につくころにはイチコロ、さ」
英梨々「あんた馬鹿? そんな『都合のいいクスリ』、エロゲやファンタジーの世界以外に存在するわけないじゃない。 大人げない専門知識持った連中にに設定不備を指摘されて過疎るのが関の山よ!」
伊織「はははっ! 言ったはずだよ澤村さん。僕のコネと政治力にかかれば手に入らないモノなんて、そんなにないのさ!」
伊織「というか、いいのかい? そんな素顔の君を晒してしまって」
英梨々「あんたが言ったのよ? こいつらは今まともな判断ができる状態じゃないって」
英梨々「なら隠す必要なんて、ない」
英梨々「……まさか波島。あたしの偽装を解いてそんな皮肉を言うためだけにこんなことしでかしたなんて言わないわよね?」
伊織「とんでもないよ澤村さん。正直、僕は倫也君ほど君自身には興味はないんだ」
英梨々(イラっ)
英梨々「なんでそこに倫也が出てくんのよ?」(どんっ)
英梨々「つか倫也はどこよ?!」
英梨々「倫也もこの惨状に絡んでるの?」
伊織「気になるかい?」(どやっ)
伊織「でも教えてあげないけどね!」
英梨々「(イライライライラ)……? 別に、いいわ、続けなさい」
伊織「感謝の極みww」
英梨々「あんたのファンでもないあたしに大仰に格好つけて一礼とかしなくていいから。かえってイラつくだけだから」
伊織「僕はね澤村さん。君がいくら仮面お嬢様を気取ろうと、不愉快な笑顔を振りまこうと、どうでもいいんだ」
英梨々「でしょうね。そもそもあんたがあたしに接触を取ろうとしてきたのも、倫也がキッカケだった」
伊織「学校でも1、2を争う有名人同士であるとはいえ、自他ともに認めるオタクの倫也君を、誰もが羨む美貌を持つお嬢様の君が注目してる……僕の興味を惹くには充分だったよね」
英梨々「あんたが目敏過ぎただけよ」
伊織「そう。それで僕は、君も重度のオタクだと知ることになった」
伊織「ハーフで金髪ツインテ碧眼の色白お嬢様中学生がオタク……漫画かアニメかエロゲかラノベが顕現したものかと笑わせてもらったよ」
英梨々「やかましいっ!」
英梨々(自分でもちょっと自覚してるんだんからワザワザ言わないでよ)
英梨々(しかもウチの中学、公立のくせに妙に制服可愛いからなおさらあたしが『漫画みたい』とか陰で言われてるの知ってるんでしょどうせ!)
伊織「で、ここからが本題さ」
英梨々「……前置きが長すぎるわ……」
伊織「君には犠牲になってもらう。柏木エリ」
英梨々「! 何でその名前まで……!」
英梨々(倫也? いいえ違う……でも、どうしてっ?)
英梨々(それに犠牲って何?)
伊織「何でだって?」
伊織「蛇の道は蛇、というヤツさ」
伊織「新進気鋭のエロ凌辱同人作家、柏木エリ。昇竜のごとき勢いで壁サークルにまでなった『egoistic-lily』の、しかしまったく表に出てこない覆面作家。しかしてその正体が、ハーフの金髪ツインテ碧眼色白仮面お嬢様……しかも中学生だなんて以下略」
英梨々「二度ネタは自重しなさい!」
伊織「そしてその姿は、ある一つの裏切りに端を発するものだ……」
英梨々「……っ」
英梨々(う、裏切り……まさか……!)
伊織「少し苦労したよ! 何分昔の話だったからね」
伊織「けれど、倫也君が君の話題が出ると、少しだけ悲しげな顔をする理由を知ることができた!」
英梨々「と、倫也も……?」
伊織「かつて嶋村小学校3年生の間で行われた迫害! その顛末は把握しているよ」
伊織「そしてキミに同情すべき余地があることも理解しているつもりだ……しかし」
伊織「倫也君と淫売の貴様の絶望を一緒に並べて考えるなっ!」
英梨々(ばん!!!と波島が大げさに教台を叩いた)
英梨々(びくっ!)
英梨々「あ、あんたが何を知ってるっていうのよ!」
英梨々「確かにあんたは倫也と私の過去を知っているのかもしれない!」
英梨々「けど私たちの悲しさも口惜しさもあんたに推し量れるようなチャチなものじゃない!」
伊織「口だけならいくらでも言える」
伊織「事実、君はまた倫也君を拒絶した!」
英梨々(な、あんな妄言どうして信じられるって言うのよ?!)
伊織「言い返せないだろう?! それが事実だ」
伊織「倫也君は本当に素晴らしい人だ」
伊織「僕がサポートしたとはいえ、一つの学校を丸ごと彼の王国にしてしまった」
伊織「それが澤村英梨々、君のためであることはさすがに理解しているのだろう?」
英梨々「た、確かに倫也の影響力はたまにとんでもない爆発力がある、けど……」
伊織「……今日、僕はそれを利用して、この嶋村中学校に地獄を創った」
伊織「いや、自らの心に自由に正直に生きられるという意味では天国かもしれないがね」
伊織「全ては柏木エリ、僕が倫也くんに成り代わって君に復讐を果たし、倫也君の本当の力を僕のものとするためだ!!!!!!!」
英梨々「なっ……何を言って……」
伊織「王国建国を間近で見てきた僕にはわかる」
伊織「彼の行動力、情熱、そして爆発力はどんな固い岩をも貫き通すし、どんな巨大な組織にも怯むことがない」
伊織「その勇気は身の程知らずな蛮勇とすらいえるだろう」
英梨々(そう、倫也はいつもそうやって誰かを巻き込んで、思いもしない力を発揮してきた)
英梨々(ついていけない人を置き去りにしてまでも)
英梨々(あのときだって……)
伊織「けれど、だからこそ彼の力は尊い」
伊織「彼の力があれば、僕は何者にも負ける気がしない!」
英梨々「だから、倫也の力が欲しいっていうの……?」
伊織「しかし」
伊織「彼はまだ本当の力を秘めたままだ」
伊織「彼の心を、いまだに縛る呪いがあるからだ」
英梨々「本当の力……? の、呪いって……」
伊織「解らない……? よくも恥ずかしげもなくそんなことが言えるな裏切りの魔女! ならば解らせてやる! その身に屈辱と羞恥を刻んで、倫也君の苦しさや悲しみを那由多の一でも味あわせてやる!」
伊織「そして僕は彼の本当の力を手に入れる!」
伊織「ふふふふふはははははあーっはっはっはっはっはっはっは」
英梨々「波島……本当の身の程知らずはあんたじゃない! そこまでして倫也の力とやらを手に入れて、いったい何をしようっていうのよ!」
伊織「黙れ!」
英梨々「きゃああああああああああ!」
英梨々(正気を失った男たち(体育会系&重量級萌豚)の腕力の前に、ヒキコモリ気質の自分に為す術はない)
英梨々(恐怖で青ざめる)
英梨々「な……、な、何を、波島……?」
英梨々(やだ、こいつら……、息荒すぎ……)
伊織「いいザマだな柏木エリ……」
伊織「最後まで解らないまま、否、認めないままというのもいいだろう」
伊織「これからどうなるか……? エロ同人作家の君なら解らないはずがないだろう……?」
英梨々「女の子を力ずくで跪かせるんなんて……」
英梨々「あんたって本当に最低のクズね!」
伊織「そう。これから行われるのは君のエロ同人で御馴染みの大大大凌辱だ」
伊織「君に犠牲になってもらうことで、倫也君には本当の力を取り戻してもらう」
伊織「犯され、打ち捨てられた君を見て、彼は復讐が果たされたことを知る」
伊織「彼自身が心の奥底で望んでいながら、目を背けてきた呪縛」
伊織「絶望し、君を軽蔑し、悪しき鎖から解き放たれることだろう」
英梨々「馬鹿言わないで! そんな鎖あるはずないっ!」
伊織「聞くんだ。柏木エリ……」
伊織「……今君を押さえつけている彼ら、彼らには『ハヤテのごとく』『スクールランブル』『ローゼンメイデン』の陵辱系同人誌を与えてある……」
英梨々「え……?」
伊織「キャラはそれぞれ、三千院ナギ、沢近愛理、真紅だ……」
英梨々「ま、まさか……!」
英梨々(ガタガタブルブル)
英梨々「それはあたしが貧乳だと暗に言ってるわよねそうよね波島ぶっ[ピーーー]」
伊織「流石に君の同人誌とは世代が合わなかったがね。しかも一週間[田島「チ○コ破裂するっ!」]を禁止してある」
英梨々「な……?」
英梨々「そ、そんな……そんなことが可能なの?」
伊織「驚きだろう? 誰彼かまわず所構わず発情するのが仕事みたいな中学生男子に射精を禁じ、金髪貧乳ryの同人誌を与える……」
伊織「腹を空かせたライオンにイミテーションの肉を与え続けるようなものさ」
伊織「彼らの欲求はまさに爆発寸前ということさ……」
伊織「そして今、目の前に実際の金髪ryがいる……」
英梨々(なに? みんな、その目……いや、その目やめてよぉ……)
伊織「まぁ、もともとこの学区のアイドル、澤村英梨々が相手だ……彼らも君のファンだったみたいだし」
英梨々(いや、いや……なんでそんな目で見るのぉ……?)
伊織「たまには自分の信者に『お情け』をあげてもいいんじゃないかな?」
英梨々(その目が嫌で嫌で仕方がなくて、あたしは……あたしはぁ……!)
伊織「ははははははははは」
英梨々「い、いやぁ……」
伊織「そしてその姿を見せつけられた絶望は、倫也君を過去の呪縛から本当に自由にするに違いない!」
英梨々(こ、来ないで……助けて倫也……)
英梨々「いやああああああああああああああああああああああ」
???「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
まぁいいか。
英梨々(暴徒と化した男子生徒たちが今まさにに襲いかかろうとした瞬間、それを遮る凛とした声が廊下から響いた)
倫也「英梨々を離せえ!!!」
英梨々「と、倫也!」
伊織「倫也君!」
英梨々(倫也! 倫也! 来てくれた……!)
英梨々(す、すごい。血走った目をしたオタクの群れを一瞬で鎮めた……!)
萌豚A「王だ! 王様だ! 俺たちの王様だ!!」
腐女子B「┌(┌^o^)┐ホモォ……伊織×倫也? 倫也×伊織? 伊織サマの上位誘い受けこそ鉄板に決まってるぅ……」
英梨々(なんか崇拝されてるっ!? 倫也、あんた一体ウチの学校の生徒たちをどうしちゃったのよ本当……?)
倫也「伊織! お前たち! なにやってんだよ?」
倫也「これはどういうことだよ伊織! 皆にいったい何をした!?」
英梨々「って倫也は今まで何やってたのよ? というかそもそもみんなをオタク化したあんたが原因じゃないの? ある意味では!」
倫也「俺はお前らみんなの心の隙間を埋めるクリティカルな作品を布教してオタク化させたけど、犯罪集団にした覚えはないぞ!」
英梨々(よかった……しかし波島はその信頼レベルの高さは何なのホモなの?)
伊織「けど倫也君、なぜココに……今日は僕のコネを使ったチケットで有名作家がたくさん集まる裏イベントに行ってもらったはずじゃ……」
英梨々「またコネ万能論……、ある意味馬鹿の一つ覚えよね……」
伊織「何か一つ突出しているだけで意外と戦える、ということさ」
倫也「甘いぞ伊織っ! 今日は平日で学校があるんだぞ! 私用で遅刻しても欠席はできない。ちゃんと作家さん方にはみんな挨拶して今日の新刊は全部手に入れてきた! 当然全部一般だ!」
英梨々「遅刻と欠席って、結局あんたの胸のサジ加減一つじゃない……」
英梨々「しかも倫也、その紙袋の中身同人誌よね……? 学校に必要ない私物持込みってOKなの?」
倫也「助けてもらっておいて後ろから刺すんじゃないよ英梨々っ!?」
伊織「ふっ……、君の倫理機関を甘く見すぎたようだね。……僕としたことが!」
伊織「しかしこれは絶好の舞台でもある! さぁ倫也君! 目を覚ます時だ!」
倫也「はぁ? 伊織、お前結局何が目的なんだよ……?」
英梨々「と、倫也……」
倫也「英梨々?」
英梨々(かくかくしかじか)
倫也(まるまるのうまうま)
倫也「そういうことか……見損なったぞ伊織!」
倫也「俺は英梨々への復讐なんてそんなものは望んでない!」
伊織「それは君がその魔女との思い出にいまだに縛られているからだよ倫理君!」
伊織「さぁ取り戻すんだ倫也君! 君の本当の力を!」
伊織「君を裏切り、そしてまた君の努力と熱意を踏みにじった似非お嬢様が、おぞましい男たちに蹂躙され、アヘ顔ダブルピースをさらし屈服する様をその目に焼き付けることでっ!」
英梨々(なんという三下臭……、伊織のキャラ崩壊というかぶっちゃけ名前しか原型がない……)
伊織「そして君は今度こそ彼女の呪縛から解放される」
伊織「澤村・スペンサー・英梨々という名の悪夢から解き放つっ!」
倫也「伊織……そこまで俺のことを……」
英梨々(こっちはこっちで理解早すぎるしなんでちょっと感動してるのよ!?)
倫也「けれど伊織! 俺はお前と一緒には行けない……」
倫也「俺はみんなを一緒にオタクの国の住人になれるように布教したんだ! こんな乱痴気騒ぎは求めていないっ! お前もそれでいいと言ったじゃないか……、伊織!」
倫也「なんでこんなことになっちまったんだよっ! 伊織ぃっ!?」
伊織「ははっ! 何を言うんだ倫也君」
伊織「都政は、日本国は、調子のいい甘言でオタク業界の首輪を握り、骨抜きにしようとしている!」
伊織「何がクールジャパンだ! 何がコンテンツ大国だ!」
伊織「行き詰った現状を変えるアイデアもないから、目新しさに飛びつき、空虚な実績を作ろうとしているだけじゃないか!」
伊織「ヤツらに牛耳られた先にあるオタク業界の未来は、虚しい栄光の残り火に過ぎなくなる!」
伊織「ヤツらから産業を守るためにも、僕たちはとどまるわけにはいかないんだよ!」
伊織「一刻も早く僕が! 僕たちが! 準備会も超える力を得なくちゃいけないんだ!」
倫也「……伊織ぇ!」
伊織「今回の嶋村中学校掌握で確信したよ!」
倫也「違う! 俺が築き上げたオタクの王国はこんな淫蕩と堕落の世界じゃない!」
倫也「俺が創りたかった王国は……!」
伊織「いいんだ倫也君! 君が望むならこの学校だけじゃない! この街、この国、この世界すらも変えてみせる!」
伊織「だから!」
伊織「僕には君が必要だ!」
伊織「君じゃないとダメなんだ!」
伊織「けれど君は君すらも認めない枷に捕らわれている!」
伊織「そんなポンコツお嬢様に君と僕の輝かしい未来を邪魔させたりはしない!」
倫也「い、伊織……」
倫也「もし仮に俺にそんな力が眠っているとしても」
倫也「もし俺の力が英梨々によって封印されているのだとしても」
倫也「俺は英梨々を傷つけようとしたお前を許すわけにはいかない!」
伊織「仕方がないね倫理君! 君に手荒なマネなんてしたくないのだけれど……」
伊織「少しくらいの怪我は勘弁しておくれよ!!!!!!」
倫也「来い伊織!」
倫也「それに俺は……たとえ英梨々が全身オナホの精液便所になったって迎えに行って……さすがにちょっと考えるかもしれないけど……どんな英梨々だって受け入れてみせる!!!」
<ばこーん!>
倫也「痛いじゃないか英梨々! いま大事な話をしてるんだぞ? つかハリセンなんてマニアックな萌武器どっから取り出した」
伊織「そうだよ澤村さん! いま僕と倫也君は大事な話をしているんだ! 空気を読んで棒立ちヒロインに徹しているべきだ!」
英梨々「えぇーい! 黙れ黙りなさい黙りなさい黙りなさい黙れ」
英梨々「ここまであたしを巻き込んで! 学校を滅茶苦茶にして! やってることはイチャイチャイチャイチャホモイベントとかいい加減にしろぉ!」
倫也「い、いや、英梨々? 俺はまったくそんなつもりはないんだが……?」
伊織「…………(ぽっ)」
倫也「いや伊織もなんか顔赤くしてないで否定しようよ!」
英梨々「それに波島。波島の言ってること、嘘があるわね……」
伊織「な、なん……だと……?」
倫也「嘘……?」
英梨々「波島、あんたは倫也が好きなだけっ!」
英梨々「波島、あんた結局、倫也が好きで好きで堪らなくて、倫也が欲しいだけなんじゃないっ!」
伊織「なっ?!」
倫也「英梨々……お前ここまでの会話、何を聞いてたんだ……? 伊織はあくまで俺の能力を欲しがってだな……」
倫也「い、伊織……?」
伊織「……………………………………………………」
伊織「そうかもね……、否、そうなんだ……」
伊織「よく見破ったな澤村英梨々。礼を言うよ」
倫也「ええー????」
倫也「……そ、そうか?」
伊織「そうさ倫也君! 僕は君を愛している!」
倫也「なっ!?」
伊織「そうさ、言われてしまえば簡単なことさ!」
伊織「一週間前、君の誘いを蹴ったそこのお嬢様を、どうしても許せなくなった」
伊織「だから僕はすべてを捨てる覚悟でその女に制裁を加えたくなった」
伊織「ははっ! こんなことは初めてさ!」
伊織「この僕が自分の感情もコントロールできなくなるだなんて……」
倫也「い、伊織……」
倫也「お、俺はどうすれば……」
英梨々「馬鹿!」
倫也「英梨々?」
英梨々「倫也、あんたが今やらないといけないことは一つだけ」
英梨々「波島を止めてあげるの」
英梨々「あの、頭良いクセに一周まわって馬鹿な答えにイっちゃった馬鹿を」
英梨々「あんたの言葉で解き放ってあげなくちゃ駄目」
倫也「英梨々……でもどうやって?」」
英梨々「それくらい自分で考えなさい!」
倫也「ま、丸投げかよ?」
英梨々「せっかくヒーローみたいに格好よく登場したんじゃない!」
英梨々「そんでここにはヒロインもここにいるのよ……」
英梨々「格好いいとこ、見せてよ……!」
倫也「英梨々……わ、わかった……!」
倫也(伊織は言った。俺と英梨々のつながりこそが邪魔なんだと)
倫也(なら俺は、伊織に見せつけてやればいい)
倫也「英梨々との絆が、本物だって……」
倫也「俺は英梨々を迎えに行くだなんて大義名分でオタクの王国を築いた」
倫也「けどそんな回りくどいことなんかしないで、本当はもっと早く勇気を持つべきだったんだ!」
倫也「たった一言を振り絞る勇気を……」
倫也「……」
倫也「お前の気持ちは、その、嬉しいことだと思う」
倫也「お前は俺の荒唐無稽な計画に協力してくれた。精一杯力を貸してくれた。お前がいなかったらこの学校に俺たちの王国を築くことはできなかった!」
倫也「……俺もお前との友情を、一緒に過ごした日々を大事に思っている……」
倫也「それでも……!」
伊織「知ってるさ倫也君! だからそれ以上何も言わないでくれ……それを聞いたら、僕はもう僕でなくなってしまう……」
倫也「それでも俺は、好きなんだ」
倫也「好きだから……」
倫也「確かに嘘ばっかりで我儘で偏食で主体性がなくて自分のために人を切り捨てるような酷いことを平気でするような奴だけど……」
英梨々「倫也あんたこの後体育館裏に来なさい?」
倫也「それでも、それでも・・・・・・」
倫也「俺は英梨々が好きなんだ!!!」
倫也「英梨々と仲直りがしたいんだ!!!!」
英梨々(……とも君……)
倫也「だから頼む!一緒にやり直したいんだ! 元の伊織に戻ってくれよおおお!!!」
伊織「黙れええええええええええええ!」
英梨々(波島?!)
伊織「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れえええええええ!!!!!!」)
倫也「い、伊織……!」
英梨々「ふんっ! あたしに図星を突かれたあげく、思い通りにならなくて逆上しちゃったのね!」
伊織「何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故なんだああああ???」
伊織「何故そんなエゴイストにいつまでも心を捕らわれたままなんだ倫也君!?」
伊織「くくく……、残念だよ倫也君! その女の呪縛から、君には自力で脱出してほしかったんだがね!」
英梨々(伊織の目、もう正気じゃない……)
英梨々(あの目に光ってるのはもう、今はただ愛するものを壊してでも、自分のものにしてしまいたいという狂気だけ)
伊織「立て!」
英梨々(伊織が指を鳴らしと、それまで大人しくしていたオタ亡者たちが再び立ち上がった)
英梨々(ヤツらが一斉にあたしと倫也に襲い掛かろうとする)
亡者腐女子「┌(┌^o^)┐ホモクレェ」
にわか萌豚「モエモエキュンキュンキュインキュイーン」
英梨々「また波島の支配下に取り込まれちゃったのね……」
英梨々「解ったわ! これはクスリなんかじゃない!」
英梨々「クスリだけじゃこんなに人の意識を自在に操ることなんてできるわけないっ!」
倫也「なっ、知っているのか英梨々っ?」
英梨々「聞いたことがあるの。英国外交官のパパに。」
英梨々「それは人の心を熱狂で支配する力」
英梨々「かつてアドルフ・ヒトラーや教会も行使したという伝説の力」
英梨々「『同人誌力』よっ!」
倫也「ええーーーー???? 何言っちゃってるんだよ親父さーん?」
英梨々「知らないの倫也?『わが闘争』も『(新約)聖書』も『学問のすすめ』も最初はただの同人誌だったの!」
英梨々「ただの同人誌が人々を熱狂で支配し、世界を動かしてきたのよっ!」
英梨々「歴史は『同人誌力』がつむいできたといても過言じゃないわ!」
英梨々「そう、波島が皆を操っているのは力の源も『同人誌力』なのよ!」
英梨々「しかもアレこそは、10000人のオタに一人が持つといわれる闇の『同人誌力』、魔王色(マオウショク)の『同人誌力』よっ!」
倫也「いやいやいやいやいや、妄想だから! 飛躍も甚だしすぎるから!」
倫也「うわぁ認めちゃったよ二つ名つけちゃったよこの現象全てをこの不思議パワーで乗り切る気だよ、っていってる間に包囲がどんどん狭まってきたぁ!」
英梨々(絶体絶命、ね……でも不思議。倫也がいればもう何も怖くない)
伊織「嗚呼ついに倫也君を奪っていくというのだね我侭なリリーよ!」
伊織「そして僕でない人と一緒になる覚悟を決めた倫也君に、もう僕ができることは全てを壊してなかったことにするだけだ!」
伊織「さぁ行くんだ亡者ども!」
伊織「もはや何も叶わぬ道なれど、僕の存在をなんとしても彼に刻むんだ!!!!」
倫也「くっ! ただでさえおかしかった展開がさらに収集不能に・・・・・・伊織ぃっ!」
英梨々「波島ぁ!」
伊織「っ?」
英梨々「あんたの愛! 想い! 確かに凄い!」
英梨々「ヒくくらい凄い!」
英梨々「けどね! 私にも解ったことがある!」
英梨々「波島! あんたなんかに負けられないっ!」
英梨々(すごく時間がかかっちゃったけど、いまなら言える!)
英梨々(倫也はあたしを救ってくれた!)
英梨々(あたしはそれを何より嬉しいと思った!)
英梨々(そう、やっぱりあたしのセルビスはたった一人だけ……)
英梨々「倫也! 一回しか言わないからちゃんと聞きなさいっ!」
英梨々「あたしは、あたしたちは負けない」
英梨々「あたしが一番倫也を好きなんだから!!!!!!!!!」
伊織「忌々しい負け犬がああああ!!!!」
倫也「え、英梨々……やっと、俺、お前と仲直りできて……」
倫也「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
伊織「っ???」
英梨々(倫也の体から眩いばかりのオーラが立ち昇り教室は光に包まれた)
伊織「な、なんだこの光は!」
伊織「まさかっ!?」
英梨々「な、なんなの?」
英梨々(と、倫也なの……? 髪が逆立って金髪になって筋肉が一気に増えた……)
英梨々(例えるなら『とらドラ』の一時期グレてた北村君みたい・・・・・・)
英梨々(あんまり格好良くはないわね・・・・・・)
英梨々(でも、)
英梨々「そっか、波島に『同人誌力』があって、この狂乱を引き起こしたっていうなら」
英梨々「倫也にもその『同人誌力』が、ないわけがないんだ」
伊織「と、倫也君、君は……君は……!」
倫也(ごごごごごごごごごごごごごご)
倫也「・・・・・・」
倫也「5年越しでデレた英梨々のデレに俺の鼓動は有頂天。眠られた真の『同人誌力』が解き放たれ、俺ははスーパーオタク人2へと覚醒(めざ)めた」
伊織「スーパーオタク人2……あの伝説の……」
伊織「コミケ3日間を残らず制覇しても有り余る体力、未来のシャッターサークルを見つけ出す類希なる審査眼、あらゆるジャンルを制覇する知識と考察を紡ぎだす前人未踏のレビュー力、などなど……」
伊織「それらすべてを兼ね備えるオタクの中のオタクの王。その姿がそれだというのかい!? 倫也君っ!」
英梨々(ていうかなんで最初から2……?)
倫也「はぁっ!」(右手に光を集め一気に魍魎たちに降りかける)
萌豚ども「もえええええええええええええええええええええええ!!!」
ホモクレー「┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐ホモォォォォォォォォ」
伊織「うわああああああああ!!!!!!!!!」
英梨々「す、すごい! 倫也が手を振るだけで亡者たちが一瞬でばたばた倒れて浄化されていく!」
英梨々「これが倫也の『同人誌力』なの?!」
倫也「伊織、お前の魔王色の『同人誌力』が闇と悦楽を司るならば」
倫也「俺の『同人誌力』は浄化と解脱をもたらす」
倫也「救世主(メサイア)の『同人誌力』・・・・・・』
倫也「いまからお前の闇を、打ち祓ってやる。覚悟するんだ」
伊織「ふ、はは! 倫也君! ついに目覚めたんだね!」
伊織「王の中の王の力に!」
英梨々「波島……! 少しだけど、正気に戻ったのね……」
倫也「ああ、伊織。もう誰にも負ける気がしないよ……」
伊織「どうやら用意した駒(元クラスメイトたち)は皆、再起不能のようだね……」
伊織「これではあまりに不利だ」
伊織「今日のところはこれで退散することにするよ!」
英梨々「に、逃げる気っ? こんだけ無茶をやらかしておいて!」
伊織「三十六計逃げるにしかず、さ! 澤村英梨々」
伊織「ちょうど父さんの仕事の都合で名古屋に引っ越す予定だったからね!」
伊織「でも忘れないで倫也君! 僕は必ず、その女から君を取り戻して見せる!」
伊織「なぜならその『同人誌力』はまだまだ雛鳥。本当の君の力はまだ君の中に眠っている……」
伊織「君を解き放ち、一緒に幸せになれるのはそんな裏切り者では絶対になのんだから!!!!」
伊織(すたこらさっさー)
英梨々「二度と来るなあああ!!!!!!」
倫也「伊織……」
倫也「来るなら来い! 何度だって俺は、お前を受け止めてやる!」
倫也「次に逢うときこそ、救世主と魔王の、真の決着のときだ!」
英梨々(こうして嶋村中学校に優しいオタクの王国が復活したのである)
英梨々(名古屋に逃亡した波島伊織は再び倫也を狙って野望を燃やし、新たな魔の手を伸ばしてくることだろう)
英梨々(けれどあたしは恐れない。恐れることはない。オタクの王国には王が帰還し、そしていまや彼の隣りには、最強の金色の姫が一緒にいるのだから…… )
<王の隣で、姫が笑う>
英梨々「ずっと一緒だよ!倫也!」
倫也「ああ!」
倫也「死が俺たちを分かつまで、ずっといっしょだ」
英梨々(皆の祝福に包まれて、あたしは倫也と誓いの口づけを……………)
……………………
<ちゅん……、ちゅんちゅん……>
<朝の陽ざしがカーテンの隙間からそそぐ英梨々の部屋>
<目覚まし時計の電子音が鳴っている>
英梨々「…………夢落ちは神が禁じたんじゃなかったかしら?」
英梨々(朝チュンENDにはならなかったわね……)
英梨々「しかも超展開がさらに超展開した……」
英梨々「同人誌力? 馬鹿なの死ぬの?」
英梨々「そもそも倫也は創作はカラキシじゃない。それでなんで同人誌力?」
英梨々「でもママとかあの見た目を維持してるところをみるとあながち全くないとは言い切れないかも。世界を変える『同人誌力』」
英梨々「あと最後のほう明らかに手抜き……」
英梨々(なんであんな夢見たんだろう……?)
『倫也君は君との居場所を取り戻すためにあんなに必死に頑張ったのに』
『お前に切り捨てられて、見限られたとき俺も諦めるべきだったのかもしれない』
『俺が創りたかった王国は!』
英梨々(ほんとに……、なんで今更……)
『英梨々と仲直りがしたいんだ!!!!』
英梨々「夢は願望? あたし、倫也に謝られたいの? 謝りたいの……?」
英梨々「…………あたし、悪くないもん……」
英梨々「……」
倫也「…………から絶対見るべきなんだって『六畳間の………!今クール、いや、今年最高………名作なんだからさ!原作貸すし!………クナンバー焼いたのも貸すからすぐ追いつけ……」
英梨々(いつもと変わらない朝、いつもと変わらない通学路……)
英梨々(倫也も相変わらずウザさ全開でオタトークしてるし……)
英梨々(……そっか、波島が名古屋に転校してもう一月にもなるのか……)
英梨々(考えてみればおかしくないことが一つもない夢だったわね)
英梨々(倫也と波島は確かに親友だったけど今は絶交してて、波島が私の正体を知ってるはずがなくて、倫也が……)
英梨々(まったく、馬鹿みたい……)
英梨々(波島め……、名古屋の味噌に毒されて味噌ダレでないと米が食べれなくなってしまえばいい!)
英梨々(名古屋圏民はチューブ味噌をご飯にかけて食べるって本当かしら……?)
英梨々(……オタクが傷付くことがない、迫害されない、優しい王国か……)
英梨々(私もそんなものを求めていたっていうの?)
英梨々(そんなもの、ありえない)
英梨々(いくらオタクが文化的にも経済的にも市民権を得てきたからって)
英梨々(所詮オタクはマイノリティ、誰も評価してくれないし、真っ先に嘲笑にさらされる……)
英梨々(ほんと、あいつらみんな●ねばいいのに)
英梨々(隠れて、隠して、どんなに良識派や多数派に迫害されても思いを貫く)
英梨々(『隠れオタク』って、本当に言い得て妙な言葉よね)
英梨々(…………)
英梨々(……島原の乱から400年、隠れキリシタンを狩り出さんとする戦死した幕府軍指揮官の亡霊が五和を人質に女教皇に屈服を迫る……)
英梨々(原作多すぎて読めてないけど、アニメと他作家の同人誌だけで充分よね?)
英梨々(今晩の更新絵は決まり……)
英梨々(……でも、倫也は隠れてくれなかった)
英梨々(少なくとも倫也は)
英梨々(私と一緒に隠れることを選んでくれなかった)
英梨々(嘘。隠れるなんて発想すらなかった)
英梨々(小学校で倫也はオタクの王国を取り戻した)
英梨々(不完全だったかもしれないけれど)
英梨々(でもあたしは、怖くて戻れなかった……)
英梨々(また、あんな、嫌な目にあうのは御免……)
英梨々(あたし、は、間違ってなんか、ない……)
英梨々(……でも、あたし、いつまで隠れ続ければいいの?)
英梨々(いつまで倫也と話すこともできないの……?)
英梨々(倫也はオタクの国の王様で、伝道師で、庭師で、英雄だった……)
英梨々(けどアイツの本質は革命家。自分を自分でいられなくする世界を、無理やりにでもひっくり返す扇動者(アジテーター)」
英梨々(本当に私が求めてるのは、居場所を与えてくれる王子様? 奪って連れ去ってくれるような、反逆の騎士様……?)
英梨々(駄目ね、あたし)
英梨々(あいつがなんなのか、あたしが何を求めてるのかも、もうわからなくなってるのかも・・・・・・)
英梨々(……!)
英梨々(……倫也と話してた男子が速度を上げて先に行った)
英梨々(ちょうど誰もいないわね……)
英梨々(落ち着いて……、大丈夫、あたしは大丈夫……)
<げしげしっ!>
倫也「うっわ、な、何するんだよっ英梨々?!」
倫也「朝っぱらから痛いじゃないか!」
英梨々「ふんっだ! 朝っぱらからところ構わずオタク話始めて……五月蠅いのよ公害なのよ!」
英梨々(お、おかしいわね? なんで脚が出ちゃったの……?)
倫也「な……、すげぇ久しぶりに話したとおもったらそれかよ……」
倫也「つーか、いいのか? 俺に話しかけるなんてリスクなんだろ? 麗しの仮面お嬢様の評判に傷がつくぞ?」
英梨々(傷・・・・・・)
英梨々「五月蠅いって言ってる! あんたの声がデカいから聞きたくなくても耳に入っちゃうのよ!」
英梨々(くいっ)
英梨々「ちょっと、ツラ貸しなさい……」
倫也「は・・・・・・?」
倫也「……なんの落ち度もなくただお布施と布教に生きている平和主義で無害なオタクをこんなところに連れ込んでどうするつもり?」
倫也「俺に酷いコトするつもりなんだろ!? エロ同人みたいに!」
倫也「流石汚い! エロ同人作家汚い!」
英梨々「(ぴくぴく)黙りなさい」
倫也「ひでぇお嬢様がいたもんだな」
倫也「あ、いい機会だ。おじさんたちに伝えといてくれ。先日はまたエロ凌辱同人誌を送ってくださって有難うございました! 少しは俺の年齢も勘案してくれると嬉しいですマジで! って」
英梨々「っ! 何よ読んだのこの変態!」
倫也「描いた本人にそんなこと言われるとは思わなかったぞ……。本なら敬意を込めて伝統に則ってベッドの下だ」
倫也「ちなみに俺はエロ同人は読んでないけどエロ同人をパロったネタ満載の一般同人誌は読んでるからネタは使えるぞ」
英梨々「……何が悲しくて早朝から同級生の男子のエロ本の隠し場所について聞かされなくちゃいけないのよ……?」
英梨々(……ベッドの下なんだ……)
倫也「描いた本人がそれを言いますかそうですかry」
倫也「で、何か用なんだろ、英梨々? 俺のオタク話聞いててつい語りたくなったか? 仕方がないなぁ英梨々は……」
英梨々「やめてキモいちょっと昔ほんの少し仲が良かった時期があっただけで解った顔しないでこのキモオタ!」
英梨々「……っ!」
英梨々「……あら安芸君? まさか自分がキモオタでないとでも言うつもりなの? 誰にでも優しい笑顔の素敵なお嬢様がちょっとクラスで『オタクってキモい』とか口にしただけで飛んで消えるような存在じゃない? 貴方なんて……」
<ギロっ>
倫也「……そんなことしてみろよ。いくら英梨々でも俺は本気で戦うぞ……っ」
英梨々(ひっ、な、何……? 睨むことないじゃない……)
英梨々(でも……っ)
英梨々「……そうやってまた暴走するつもりなんでしょう……?」
倫也「誰にだって譲れないものはあるだろ……?」
倫也・英梨々(バチバチ)
倫也「……………………」
倫也「……はぁ」
倫也「なんでこうなっちまったのかなぁ……?」
倫也「なぁ英梨々……本当にいい加減俺たち大人になろうぜ……?」
英梨々「なによ? 朝っぱらから公道でオタク話繰り広げてるあんたのほうが大人だとでも言うの? 笑わせないでww」
倫也「少し歩み寄ったら和解どころか足を引っかけられて泥だまりに突き落とされてケタケタ笑われたアカウントがこちらでございまーす……」
倫也「違う。お前のためでもあるんだ?」
英梨々「はぁ?」
英梨々(あたしの……、ため……?)
英梨々「なっ……、そ、そんなことあるわけない……!」
倫也「それがあるんだよ」
倫也「俺としては、そんなに俺が気に入らないのかと正直悲しくもなるんだが……」
英梨々「なっ……、そ、そういうわけじゃないわけじゃなくて……!」
倫也「?」
倫也「でだ。イチイチそんな反応してたら、そろそろ中には感づくヤツも出てくるんじゃないか?」
倫也「『お嬢様の澤村がオタクネタに反応してる』って」
英梨々「……っ」
倫也「まぁ学園祭の出し物でも布教活動でもなんでも自重しない俺も俺だけどさ」
倫也「普段の偽装っぷりが完璧なだけに目立つんだよ」
倫也「「なんだかんだ、結構わかるぜ?」
英梨々(それは、あんただからこそなんじゃ……?)
倫也(これは、俺だからこそ解るのかもしれないという可能性もないにはないのだがな……)
倫也「俺を徹底して無視したいのはわかるけどな、幼馴染のよしみで少しくらい心配させろ」
英梨々「そ、そんなのあんたに関係ないじゃない……」
倫也「まぁそれもそうなんだけどな……」
倫也(同人誌送りつけてくるおじさんと小百合さんがわざわざ「これからも英梨々をヨロシクねはぁと」ってメッセージを欠かさず付けてくるんだよなぁ)
倫也(はぁと、って、年齢考えてくれよ小百合さん……)
英梨々「……具体的にどうしろっていうのよ?」
英梨々「今更、倫也とあたしがフツーのクラスメイトみたいに話ができると思ってるの?」
英梨々「それこそあたしが築いてきたものが……、全部剥がれちゃう」
英梨々(倫也との繋がりを断ってまで手に入れたものが……)
英梨々(惜しいわけでも欲しかったわけでもないけど)
英梨々(仮面がなくちゃ、もうあたしは何処にも行けやしない)
英梨々(いけない、同人誌力欲しくなってきたわ)
倫也「……」
倫也「つまりだ」
倫也「せっかくの機会だ。少しは大人になって俺とも表面上の付き合いくらいできるようになれよ?」
倫也「と言ってるだけなんだがな」
倫也「まぁ方法とかは考えなくていいんじゃないか? 実際にアニオタの俺とセレブ組のお前のグループが絡むことなんてめったにないし、そういう心の一部分だけでも変えるだけで過剰反応とかは改善すると思うし……」
倫也(考えてみればツンデレなんて記号自体が二次元だからこその「お約束」で、デレが絶対あるとは限らないよなぁ……)
倫也(見た目はツンデレのテンプレみたいなくせに……)
倫也(やっぱ三次元はメンドクサすぐる……)
英梨々「…………」
英梨々「ねぇ……」
英梨々「倫也は、あたしに反応したりしないの……?」
倫也「……近寄るな、関わるなって言ったのはお前だろ……」
英梨々「……ズルい……」
倫也「は……?」
英梨々「あたしだけ、倫也に反応してるだなんてズルいっ!」
英梨々「敏感なとこ、倫也に握られてるみたいでズルいっ!」
倫也「……ちょっと待てその言い方は誤解を招く」
倫也(流石エロ同人作家は言うことが違いますかどうなんですか?)
英梨々「(無視)そんなふうに、倫也に思われてるなんて屈辱よっ!」
英梨々「それはっ……!」
英梨々(なんでこんな話になっちゃったのかな……?)
英梨々(ちょっと、久しぶりに話したいと、思っただけなのにね……)
英梨々(倫也……)
『―――――――――――――――』
英梨々(……っ!)
英梨々「……決めた!」
倫也「……おぉぅ? 決めた?」
英梨々「やっぱりあんたと学校で話すなんて御免よ!」
倫也「この英梨々、さっぱり人の話を聞かないのである……」
倫也「ちょっと待てなんか待て英梨々、だからこれはお前のためで……」
英梨々「要するにあたしがあんたに反応しなければいいんでしょ?」
倫也「?……まぁそうだが……」
英梨々「なら答えは一つ……」
英梨々「貿易よ!」
英梨々「外交官でエリートなパパが言ってたわ! たとえ一秒でも同じ空間にいたくない、顔も合わせたくないような相手でも……」
倫也「……そこまでいうか?」
英梨々「貿易して物質的なつながりさえあれば笑顔で握手できるようになるって!」
倫也「あー、イギリスは貿易してようが結構容赦なく文句ばっかぶーたれるイメージがあるけど……」
英梨々「黙りなさい倫也。それが貿易の第一歩よ」
倫也「理不尽すぎて口をはさむ気力もないです」
英梨々「……OK。あんた、『六畳間のターミネーター』、初回完全限定BOX、当然手に入れてるんでしょうね?」
倫也「ああ? 当たり前だろ? 前クール最強だったしな!」
倫也「特にOPとEDは毎回視ちゃうほどに良作だったよな!脳みそ蕩けるかと思ったぞ!」
英梨々「(無視)あたし、初回盤は手に入れ損ねちゃって、作監メモ集見れなくて困ってたのよね」
倫也「な、別にお前んちのブルジョアな財力ならいくらでもテンバイヤーから買い上げられ……」
英梨々「今度のイベント、うちのサークルの隣に『桂上等兵』さんが来るのよね……ママとも面識あるらしいし、その日限りのコピー本にサイン付けてもらうのって結構簡単なのよね」
倫也「速やかに協定を結ぼう英梨々。契約書は必要か? DRRR式は勘弁な?」
英梨々「変わり身早いわねこのキモオタ……」
倫也「かかかかか勘違いしないでよっ! ちょっと物欲に負けちゃっただけなんだからっ!」
英梨々「恥ずかしげもなく情けないことを威張るなぁ!」
倫也「あ、おい待てよ英梨々」
英梨々「あー、もこんな時間じゃない遅刻は……仕方がないわね通りすがりのお婆さんに道を聞かれて送っていたってことにする……」
英梨々「こういうとき普段の点数稼ぎを活用しないと……!」
倫也「それは俺に使えない手なんですが英梨々俺はどうしたらいいんですかね英梨々サン……?」
英梨々「あー、こまったわー。こんなオタクと貿易しなくちゃいけないなんて困ったわ―」
英梨々(あれ?……か、顔がにやけちゃう……? に、逃げなきゃ……)
英梨々(~♪)
倫也「っておい、連絡先わからないと」
倫也「あー、行っちまったし」
倫也「まぁこれでちょっと前からの懸案はクリアか」
倫也「まったく、世話の焼けるお姫様だ」
倫也「あ。おお。我ながらなんかすごく今の科白、幼馴染っぽかった……?」
倫也(……なんかあの相変わらずこっちの話を聞かないあたりとか懐かしすぎて、凄くあいつへの憎しみとかモリモリ溢れそうになっちゃったりしてる俺もいないでもないけど……)
倫也(……おっといけない。黒倫也君は自重自重)
倫也(今日はちょっと早めに帰って爽やかな萌えで浄化活動にいそしまないとなー)
倫也(あんまり黒い感情は溜め込んじゃいけない)
倫也(エロい意味じゃないよっ!)
倫也「ってやべぇ遅刻確定だぁっ!」
英梨々「っていうか『オタクの王国』ってフツーにモノローグにでてくるって、あたし何考えてたんだろう……?」
英梨々「おかしいわね……中2は去年で終わったはずでしょ……?」
英梨々「あー恥ずかしー!!!!」
英梨々(じたばたじたばたじたばたじた)
英梨々「……ん?」
英梨々「知らないアドレス……」
倫也<タイトル:倫也だ。おばさんにメアド聞いたぞ>
英梨々「倫也からだ……」
英梨々「アドレス、昔と違う……よね、そりゃ……」
英梨々(小学校の時のアカウント、引っ張り出して待ってたのに……馬鹿……)
倫也<早速だが『貿易』の件だが~~~>
英梨々(やだ……、でもちょっと、懐かしくて、嬉しい……)
<こうして、かつての幼馴染の交流は、ほんの少しだけ再開したのであった>
<ほんの少しだけ昔に戻れたと錯覚する>
<けれど彼と彼女の間には、どうしようもない断絶が横たわり続ける>
<本当の仲直りが何時になるのか>
<それはまだ彼も彼女も知る由もない>
とりあえず完
出海「お兄ちゃん? どうして名古屋に来てからそんなに御飯食べるようになったの?」
出海「無駄な脂肪になりやすいからって普段は炭水化物あんまり食べない方じゃなかったっけ?」
伊織「いやね、出海。どうにも名古屋に来てから味覚が変わったのか、この地方特産の味噌が美味しくてね・・・・・・」
伊織「ちょっとコレは気をつけないと僕の美しい肉体が崩れてしまう・・・・・・少しだけ女の子と遊ぶ時間減らさないといけないかなぁ・・・・・・?」
出海「へぇー、でも美味しいのは本当だよね、お味噌。私も気をつけないとなぁ」
伊織の女遊びがちょっと減って、出海の(胸への)栄養摂取がちょっと進んだという、英梨々の呪いの成果、かも知れないヒトコマであった。
・・・・・・これはひどい
最初は出海も悪の女幹部として徹底的に英梨々をいじめる役所にするはずだったけど4人以上キャラを動かす能力は俺にはなかったでござる。ござる。
つかSS難しいですねぇ。
あと冴えカノは原作からして、軽そうでありながら、キャラの思考をボカしてやがるので書きにくい書きにくい。
作者が何も考えてないというのはあるとおもうけど、そこを纏めあげる丸戸御大大好きです。
あとあと、なんか勝手な設定ブチ込んでるのは許してください。
最後になりますがアニメ2期オメデトウ御座います。
html化依頼とやらをすればいいのかな?
総オタク化した中学校の阿鼻叫喚の世界をもっとみっちりやりたかったけど、
ぶっちゃけそっち方面あまり詳しくないのでネタがないのでした。
残念といえば残念。
冴えカノのSSはとても貴重なんで良かったよ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452178490/
Entry ⇒ 2016.01.10 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えない彼女の育て方】倫也「英梨々に相談があるんだけど…」 英梨々「何?」
英梨々「何?」
倫也「俺、加藤のことが好きなんだ!」
英梨々「え…それってメインヒロインとしての恵ってわけじゃなくて?」
倫也「ああ、女の子としての加藤が好きなんだ」
英梨々「そ、そうなんだ…それで私に相談って?」
倫也「どうやって加藤に告白すればいいのかわからないんだ、女の子に告白するなんて初めてだし…」
英梨々「情けないわね…アンタなんのためにギャルゲしてんのよ、こういうときゲームだったらデートに誘ったりってのが定番でしょ?」
倫也「確かにそうだ!ありがとう英梨々!!こんな事相談出来るの英梨々しかいなくて…本当にありがとな!」
英梨々「別にいいわよ、幼馴染なんだし…(嫌だ…)」
倫也「早速誘ってみるよ!じゃあな、英梨々!」
英梨々「頑張りなさい!(行かないで…)」
加藤とデートの約束をした倫也は、待ち合わせ場所の駅前で待っていた。
倫也「加藤とデートなんて、これが初めてってわけじゃないけど意識すると緊張する…」
加藤「お待たせ〜 あれ、安芸くんいつもよりオシャレだね」
倫也「あ、ああ俺もたまにはオシャレくらいするさ、そういう加藤も似合ってるぞ(クソッ…加藤ってこんなに可愛かったっけ…)」
加藤「ありがと〜。それにしてもいきなりデートって、またゲームの資料集め?」
倫也「そ、そんなところだよ!///」
加藤「そっか〜、じゃあそろそろ行こっか」
倫也「映画でも、見るか加藤?」
加藤「あ、丁度みたい映画があるんだ〜それでもいい?」
倫也「別にいいけど、どんな映画なんだ?」
加藤「えっとね〜、純愛物なんだけど少しドロドロしてる感じー?」
倫也「なんだか、嫌な予感がするけど…加藤が見たいならそれにしようか」
加藤「うん!じゃあ、早速行こー」
映画館に入る二人を物陰に隠れていた緑のジャージを着てマスクにサングラスをかけた英梨々が見ていた
英梨々「倫也は何してるのよ…あれじゃあいつもと変わらないじゃない!」
英梨々「まったく、ヘタレなんだから、あれじゃあ加藤さんに気持ち伝わらないじゃない!」
英梨々「とりあえず、中に入って様子見てみよっと」
加藤「面白かったねー」
倫也「加藤の説明を聞いて少し心配してたけど、泣けるな!!」
倫也「特に本当は好きなくせに主人公の恋路を応援する幼馴染とか優しすぎるだろ!」
加藤「本当にそうだね〜 でも、幼馴染の子なんだか報われないよねー」
倫也「ああ、あれだけ支えてくれたのに
結局主人公はひょっこり出てきた女の子と恋人になっちゃうし…」
ーーーそんな映画の感想を語り合っている二人を隠れながら見ている英梨々ーーー
英梨々「どうして…どうして涙が止まらないんだろう。なんでこんなにも私、泣いてるの?」
英梨々「あんなつまんない映画なんてなんとも思うはずないのに…どうして」
英梨々「そっか、私、あの映画の幼馴染の子に感情移入しちゃったんだ…」
英梨々「倫也の事…やっぱり諦められないよ…」
ーーーそれから一時間後ーーー
加藤「そろそろ私は帰ろうかな?」
倫也「ちょっと、待ってくれ加藤」
加藤「どうかしたの?安芸くん?」
倫也「お、おれ…実は……加藤の事がす…」
加藤「す?」
倫也「い、いや…やっぱり何でもないよ、今日はありがとな!加藤のおかげで資料も、たくさん取れたし」
加藤「どういたしまして〜私も楽しかったし、また誘ってくれたら嬉しいな〜」
倫也「ほ、ホントか!?」
加藤「うん、じゃあ、またね安芸くん」
倫也「じゃあな加藤(まだ、焦らなくてもいいよな…)」
詩羽 カタカタッ
加藤 スマホぽちぽち
英梨々「ねぇ、倫也、昨日のデートどうだったのよ?」小声
倫也「なんだか、いつもと変わらなかったんだよな…」小声
英梨々「ダメじゃない、それじゃあその様子だと告白もしてないみたいね」小声
倫也「言おーとしたんだよ!でも、いざ言おうとすると声が出なくなるんだよ」小声
英梨々「仕方ないわね、私が特訓してあげるわよ」小声
倫也「特訓?」小声
英梨々「そうよ、とりあえずこの後私の家に行くわよ」小声
倫也「あ、ああ分かった」小声
詩羽「さっきから倫理君と何こそこそ話しているのかしら澤村さん」
英梨々「アンタには関係ないでしょ!」
詩羽「 ええ、別にあなたの事なんてどうでもいいのだけれど」
英梨々「いちいちムカつくうゥ!、霞ヶ丘 詩羽ぁぁぁぁ!!!」
倫也「それで、特訓っていうのは具体的にどうすればいいんだ?」
英梨々「そうね・・・やっぱり告白の練習かしら・・・倫也、試しに私に告白してみなさい」
倫也「ええ!? いきなりハードル高すぎだろ!!」
英梨々「つべこべ言わないで早くする!別に本気な訳じゃないんだから別に大丈夫でしょ?(本気じゃないんだから・・・。)」
倫也「そうだけど・・・・・。」ゴホンッ
倫也「す、好きだ英梨々・・・俺と付き合ってくれ!」
英梨々 カーッッ///
倫也「ど、どうだった?///」
英梨々「そ、そうね・・・」グスンッ
倫也「え、英梨々?なんで泣いてるんだ」アタフタ
英梨々「べ、別に・・ただ目にゴミが入っただけよ!!」ウルウル
英梨々「中々良いと思うわよ、恵にたいしてはストレートに気持ちを伝えるのが一番大切だろうし文句ないわよ」
倫也「で、でも口に出せないんじゃ何とも・・」
英梨々「リアルな女の子に免疫がないからダメなのよ、そうね・・・少し私の手握ってみなさい」
倫也「わ、わかった・・///」
ニギッ
倫也「ど、どうだ///」
英梨々「ちょっと強く握りすぎよ////」
倫也「わ、悪い・・//」
英梨々「手を繋ぐだけじゃ、まだ甘いわね・・・つ 次は私をだ、抱いてみなさい////」
倫也「さ、さすがにそこまでは・・・・英梨々に悪いだろ・・///」
英梨々「い、いいわよ特訓なんだから!」
倫也「で、でも・・・・」
英梨々「私がいいって言ってるんだからいいの!」
倫也「わ、わかったよ・・それじゃ・・」
ダキッ ギュッ
英梨々「(倫也に抱かれてる・・・う、嬉しい・・)」
倫也「(女の子の匂いが・・・おかしくなりそうだ・・///)」
英梨々「(これ以上は私・・・自分の気持ちを抑えられなくなっちゃうよ・・)」
バッ! ドタ
倫也「うわぁ! ・・痛たた、いきなり突き飛ばすなんてひどいじゃないか」
英梨々「う、うるさいわね! なんか嫌だったの!」
英梨々「今日の所は特訓終わり! 倫也はもう帰って!」
倫也「わ、わかったよ・・・じゃあ、またな英梨々」
英梨々 プイ
ーーー帰り道ーーー
倫也「なんなんだ英梨々は、うちに来いっていったり帰れって言ったり・・・でも俺のために特訓なんて申し出てくれてるし感謝しないとな・・・」
そのとき倫也は頭の片隅で加藤と見た映画の幼馴染の子を思い出していた。
倫也「まさか・・・な・・・」
ーーー視聴覚室ーーー
サークル活動時間が過ぎ、加藤と詩羽が帰ってから少したち、二人は視聴覚室に残っていた。
倫也「やっぱり俺には無理なのかもしれない・・・」
英梨々「なにヘタレてるのよ、何のために今まで私がここまで付き合ってあげたと思ってるのよ」
倫也「でも・・・」
英梨々「でもじゃない!告白して振られた訳じゃないんだし!心配しなくても大丈夫よ、倫也なら出来るよ、私が保証してあげる」ニコッ
倫也 ドキッ 「あ、ありがとう英梨々、もう少し・・・・頑張ってみるよ、そろそろ帰るよ じゃあな」
英梨々「うん、バイバイ」
・・・・・・・
???「それでいいの?澤村さん、あなた倫理君のこと好きなんでしょ?」
英梨々「霞ヶ丘詩羽 アンタ帰ってなかったのね、それに盗み聞きなんて趣味わるいわね」
詩羽「質問に答えなさい」
英梨々「ハア・・・・別に私は倫也の事なんて何とも思ってないわよ、私がアドバイスしてあげてるのは、ただの好奇心よ」
詩羽「嘘ね、どうして素直にならないの? どうして倫理君を好きな気持ちに嘘をついてるの?」
英梨々「うるさい・・・うるさいわね!!! 嘘なんてついてないわよ!! だって私に倫也を好きになる資格なんてないもの!そんな事許されないのよ!!!」
詩羽「私は、あなたと倫理君との間になにがあったかなんて知らないけれど、迷いのある人と一緒に何かを創るなんて御免だわ、だから・・・・」
それから詩羽は何も言わず去って行った。
英梨々「(倫也を裏切った私になんか・・・)」
倫也「英梨々ありがとう!俺、加藤と付き合うことになったよ!」
英梨々「お、おめでとう(嘘でしょ)」
英梨々「私が特訓したかいがあったわ(嫌だ・・・・・)」
倫也「じゃあ、俺行くよ、 行こう加藤」
倫也&加藤「あはははー」
英梨々「待って、待ってよ倫也・・・そんなの嫌、嫌ぁぁぁぁぁ!!!!」
バッ!
英梨々「ハア、ハア、ゆ、夢・・・」ポロポロ
英梨々「なんでこんな夢見てるのよ・・・私・・・・」
それから英梨々は毎晩悪夢を見るようになっていた
ーーー数日後ーーー
~サークル活動中~
英梨々 ハァ ハァ
倫也 「おい英梨々、具合悪そうだけど大丈夫か?」
オデコにテ
倫也「すごい熱じゃないか! 今日の所はここでやめよう、先輩と加藤も今日はこのへんで!俺は英梨々を家まで送っていくから!」
加藤「うん、お大事に澤村さん」
詩羽「お疲れ様、倫理君しっかりと澤村さんを送ってあげるのよ?」
倫也「はい!」
ーーー帰り道ーーー
倫也は英梨々をおぶって帰っていた。
英梨々 スヤスヤ
倫也「すっかり寝ちゃったな英梨々のやつ・・・」
英梨々「行かないで・・・」
倫也「ん?・・起きたのか英梨々?・・・・寝言?」
英梨々「ごめんね・・・倫也・・」ポロ
倫也「えり・・り?(もしかして、まだあの時の事を気に病んでるんじゃ・・バカ、英梨々は何も悪くないのに・・)
倫也は澤村家についてすぐ英梨々をベットにそっと寝かせた。
英梨々「倫也・・・」
倫也「大丈夫か?英梨々 気分は?」
英梨々「大丈夫よ・・ここまで運んでくれたのね、ありがとう・・」
倫也「そんなの当たり前だろ、幼馴染なんだから」
英梨々「うん・・・」
英梨々「私ね・・・夢を見てたの、昔の、小学生の頃の夢・・・」
英梨々「毎日倫也と遊んでた・・・ゲームとかアニメとか二人で一緒に見て・・すっごく楽しかった・・」
英梨々「でも・・いつしかクラスの子達が私達をからかいだして、二人でいれなくなって・・うんうん、私が倫也を無視するようになって・・」
英梨々「倫也は・・私との時間を守ろとして立ち向かってくれたけど、私は逃げたの・・・だからあの時からずっと倫也に謝りたかった・・」
倫也「英梨々は何も悪くないよ」
英梨々「そんなことない、私倫也に取り返しがつかないくらいひどい事した・・・私の事・・恨んでるよね・・・」
倫也「そんなこと・・・俺が英梨々を恨むわけないだろ!!」
倫也「俺には、どれだけ英梨々が苦しんできたか、今の英梨々の表情を見ればわかるよ、すごく悲しそうな顔をしてる・・それだけで痛いほど気持ちが伝わってくるよ!」
倫也「あの時の、英梨々との思い出は、かけがえのない物だけど・・・その時の思い出が今の英梨々を苦しめてるなら思い出なんていらない!」
倫也「だから・・・もういいんだよ・・」
英梨々「うう・・・倫也ぁ・・・」ウルウル
倫也はそっと英梨々を抱き寄せる
ギュ
英梨々「ほんとに・・・ほんとにごめんね・・」ポロポロ
倫也「いいんだ・・・俺のほうこそごめん・・」ポロポロ
それからしばらく抱き合いながらお互いに泣いていた。
倫也「・・落ち着いたか英梨々」
英梨々「うん・・」
倫也「じゃあ、そろそろ俺は帰るな」
英梨々「倫理・・一つお願い・・」
倫也「どうした?」
英梨々「私が眠るまで、手握ってて・・」
倫也は無言で英梨々の手を握ると英梨々がスヤスヤと吐息をたてるまで彼女の手を握り続けた。
~視聴覚室~
加藤「すっかり元気になったみたいでよかったよ~」
英梨々「心配かけてごめんね、恵、もう大丈夫だから」
詩羽「良い顔になったじゃない、何かあったのかしら?」ニヤリ
英梨々「別に何でもないわよ~♪」
倫也「また全員で活動できるようになってよかったよ、じゃあ早速・・」
詩羽「倫理君ジュース買ってきて頂戴」
加藤「私オレンジ~」
英梨々「私はコーラ」
詩羽「私はコーヒー」
倫也「何なのこの扱い!?」
ーーー活動時間終了後ーーー
詩羽「お先に失礼するわ、お疲れ様」
加藤「私も行くねー おつかれさま~」
倫也「おつかれさま!」
・・・・
倫也「英梨々、俺さ週末に加藤をデートに誘ったんだ、そこでしっかりと気持ちを伝えてくるよ」
英梨々「ええ、今の倫也なら何だってできるわよ!やり遂げなさい!」
倫也「ああ!」
デート順調に進み、終わりを迎えようとしていた。
加藤「日も落ちてきたねー、そろそろ帰ろうか~」
倫也「加藤!」
倫也「俺、加藤に話さないといけない事があるんだ」
加藤「話?」
倫也「俺、加藤の事が好き・・・だった」
加藤「だった?」
倫也「ああ、俺には昔からずっと好きだった子がいるんだ」
倫也「そいつと一緒にいるだけで楽しくて、話が合って、でもいつしか一緒にいれなくなったんだ」
倫也「それからはずっと・・・話すこともできなくて・・・悲しかった」
倫也「それから、いつのまにかまた一緒にいることができるようになったけど彼女にたいする気持ちはどこか素直になれなくて・・ずっと迷ってた・・」
倫也「でも、俺素直になれたんだ。今なら心から彼女に思いを伝えることが出来る」
倫也「この数日加藤の事を好きだった気持ちも確かに本物だ・・・だから加藤に伝えたかった」
倫也「いきなり何いってるかわからないよな、ごめんな加藤」
加藤「うん、確かに私にはよくわからなかったけど、気持ちは伝わったよ。ありがとう安芸君。・・・安芸君はまだその子に気持ちを伝えてないんだよね?」
倫也「ああ・・・」
加藤「じゃあ、すぐに伝えてあげて、私に伝えてくれたみたいに、きっと待ってると思う・・・だから いってらっしゃい安芸君」
倫也「ああ!!・・ありがとな、加藤・・・行ってくる」
ーーー澤村家ーーー
英梨々はバルコニーから夕日の落ちた夜空を眺めていた
英梨々「倫也しっかりと告白できたのかな・・・・」
英梨々 ポロ
英梨々「こんな泣き顔、倫也には見せられないな・・」ポロポロ
英梨々(だから泣くのはこれが最後・・・)
・・・・・
倫也「こっちだ!英梨々!」
英梨々「え・・・」
バルコニーのそばに生えた木に倫也は乗っていた
英梨々「なんで、どうしてここにいるの・・デートのはずじゃ・・・告白は・・?」
倫也「ああ、だから大好きな女の子に告白しに来た」
英梨々「え・・」
倫也「そいつはさ、俺が困ってる時に助けてくれて、迷ってる時は背中を押してくれた、それでいて自分は後回しで・・体壊してさ・・馬鹿だよな・・でも俺はそんな馬鹿が大好きでさ・・」
英梨々「それって・・」ポロ
倫也「だから英梨々・・おれは英梨々のことが好きだ!!!!もうどこにも行かないで来れ!ずっと側にいて来れ!!!」
英梨々「わ・・私も・・私も倫也のことが好き!!!!大好き!!!!どこにも行かない!!ずっと側にいさせて!!!!」ポロポロ
倫也 「・・・」///
英梨々「・・・」///
英梨々「とりあえず・・中上がって・・」///
倫也「う・・うん」///
・・・・・・・
倫也「俺・・・学校の男子ほとんどを敵に回すことになりそうだよ・・・。」
英梨々「いいじゃない、私達が付き合ってるのは事実なんだし」
倫也「でも、こんな堂々と一緒に登校しなくても・・・」
英梨々「嫌?」ウルウル
倫也「嫌なわけないけど・・」///
英梨々「私今度こそ何が合っても離れないから」///
倫也「あ、ああ」///
倫也「(やっぱり周りが騒ぎだしてる・・・でも、まあいいか、俺の隣に英梨々がいる、それだけで・・・)」
~fin~
19コメの英梨々の下の方のセリフで誤字があります。正 倫也 誤 倫理
すいませんm(__)m
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427039110/
Entry ⇒ 2015.11.04 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
加藤「英梨々~、この棒なに?」 ヴィィィィン
英梨々「さっ、参考資料っ!」
英梨々「へぁっ!?」
英梨々「そうそうっ! それ新作のマッサージ棒なのよ!」
英梨々「うわわわわわ…」
英梨々(恵が私の…の匂いかいでるぅ…)
加藤「腋?」
英梨々「そうそう! そうすると肩から手にかけての疲れがスーッと抜けてくの!」
加藤「へ~…」
英梨々「いいの!いいの!気にすることないわよ!」
加藤「お詫びにちょっと揉んであげるよ」
英梨々「は、はぁぁぁ…? 揉むぅ…?」
英梨々「あ、うん、肩ね、肩」
英梨々(あ~びっくりした…。バイブ片手に揉むとかいうからなんか変な話かと思ったじゃない…)
(??「貴女のは揉めるほどあったかしら」)
英梨々「うっさいわね…。 人の頭ん中に湧いてくんじゃないわよ霞ヶ丘詩羽」
英梨々「なな、んでもないっ。 じゃ、ちょっと休憩がてらしてもらおうかな」
加藤「うん」
加藤「気持ちいい?」
英梨々「あ~」
モミモミ
加藤「だいぶこってるね」
英梨々「う~ん」
モミモミ
加藤「明日の天気は?」
英梨々「お~」
加藤「えっと、やっぱこれ使った方がいい?」ピト ウィィン
英梨々「ほあっ!?」
加藤「?」
加藤「いやぁ、だってあんまり気持ちよさそうな返事してくれなかったから」ウィン ウィン
英梨々(バイブいじりながら気持ちいい?とか、これ完全に猥談なんですけど…)
英梨々「そう! 恵の手が気持ちよかったからちょっと眠くなっただけよ!」
加藤「……っ!」
英梨々「あ…どうしたの?」
加藤「え? あ、なんでもないよ~」
英梨々「ううん、あとちょっとだから仕上げちゃう」
英梨々「恵こそ眠かったら寝ていいわよ」
英梨々「ほら、私のベッド使っていいから」
英梨々(ベ…ベッド…)ドキドキ
英梨々「つきあ…!」
加藤「あとちょっとだからさ」
英梨々「ん、そっ! じゃあそっちは頼んだわよっ!」
英梨々(あ~なんか今ならすっごい同人誌描くの捗りそう…)ドキドキ
英梨々(百合は専門外だけど)
英梨々「ふぇっ!? えっ!」ドキッ
英梨々「な、ななな、何、恵?」
加藤「がんばって」ニコッ
英梨々「」ムラッ
おわり
男だから百合セックスの知識ないんや
それにレスつかなかったらすぐ落とすつもりだった
ここまで書けたのはみなさんのおかげです
ご愛読ありがとうございました
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1440686391/
Entry ⇒ 2015.10.03 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
冴えないツンデレの愛し方
二期おめでたい!ということで衝動的にまた書きたくなりました。
今回で投稿は二回目になります。
前回は倫也×英梨々の物で今回も英梨々メインで、というか英梨々一筋で。
原作未読のアニメしかみてないにわか勢ですけど、良ければ暖かく見守って頂ければと思います。
英梨々 カァー///
英梨々「え、えと…あ…え」///
英梨々「…」
倫也「だから俺と付き合ってほしい…」
英梨々「…」
倫也「やっぱ俺なんかじゃ…」
英梨々「ちがっ…ちがうの…」ウルウル
英梨々「私…すごく嬉しくて…答えなんてとっくにわかってるのに想いが込み上げてきて……」
英梨々「好きよ…倫也のことが好き…」
倫也「本当か…本当なのか英梨々…」
英梨々「何度も言わせないでよ…」
英梨々「これから宜しくね倫也…///」
倫也「俺、英梨々の事絶対に幸せにするから!」ダキッ
英梨々「ちょっ、いきなりすぎるわよ///」
英梨々「それに大袈裟だし…でも浮気なんてしたら許さないんだからね…///」
倫也「そんな事するわけないだろ、それにお前以上の奴なんて他にいるわけないんだからさ…」
英梨々「も…もう///」
倫也「どうした英梨々?」
英梨々「うっさい、こっち見んな!///」
倫也「いきなりどうしたんだよ…」
英梨々「(そんな事言われたらにやけちゃうじゃない!)///」
ピルン〜♪
倫也「ん?英梨々からメールか…」
差出人 英梨々
件名 一緒に登校しない?
本文 倫也と一緒に学校行きたいんだけど… 駄目かな…?
ーーーーーーーーー
倫也「う、嬉しいけど周りの目とかもあるし…あいつは学校じゃ可愛くて美術部のエースで有名人だし…俺みたいなオタクといたらどんな事言われるかわからないし…」
差出人 倫也
件名 それはできない…
本文 俺と登校なんかしたらお前が今まで築き上げてきた事を壊すことになる…だから…ごめん。
ーーーーーーーーー
倫也「はあ… 俺なにしてんだろう…」
プルループルルー
倫也「英梨々から電話…」
ピッ
倫也「もしもし…」
英梨々「おはよ…倫也」
倫也「お、おう…」
英梨々「私と一緒に学校行こ」
倫也「だからそれは…」
英梨々「大丈夫よ、わたしそんな事気にしない、それに倫也は私の彼氏でしょ?恋人と登校するなんて普通じゃない」
倫也「英梨々…」
英梨々「私は今まで猫被ってお嬢様気取って来たけど、そんなことよりも倫也の方がずっと大事だし、大好きなの…だから…」
倫也「ありがとな英梨々…俺の事そんなに思ってくれて…」
英梨々「何を今更……」
英梨々「ほらっ早く支度しちゃいなさいよね! 」
倫也「おう!」
豊ヶ崎の生徒「なあ、あれって澤村さんだよな…その隣にいるのってオタクで有名な安芸だよな…」
女生徒「え、嘘でしょ!」
男子生徒「いったいどうな関係なんだ…」
倫也の友達「おはよー倫也ーってお前一体どいうことなんだよ!!!あの澤村さんと一緒とかお前に限ってどうしたんだ!」
倫也「あんまり大声出すなよ…えっとな…」
英梨々「私と倫也は昔からの幼馴染で、今は付き合ってるのよ」ニコ
倫也の友達「お前だけはと信じていたのにちくしょー!!!リア充爆発しろおおおおお」 ダダダダダッ
倫也「行っちゃったな…この調子だと今日は大変そうだな…」
英梨々「がんばれ倫也♪」
倫也「他人事じゃないからな英梨々」
〜〜〜お昼〜〜〜
倫也「やっと昼か…今日は朝のことの質問攻めで疲れた…飯は適当にパンでも買って…」
英梨々「倫也ー一緒にお昼食べましょー」
倫也「ってお前教室までわざわざ来なくても…」
英梨々「だってアンタメールじゃ気づかなそうだし、こっちの方が手っ取り早いでしょ、」
男子生徒達「リア充[ピーーー]…[ピーーー]…安芸[ピーーー]…[ピーーー]…」
倫也「うわ、なんか後ろから敵意の目で見られてる気が…」
英梨々「ほら、行くわよ」
倫也「お、おう、」
英梨々「今日はお弁当作ってきてあげたわよ、感謝しなさい//」
倫也「(英梨々の手に絆創膏がたくさん…)」
倫也「クゥーーー! これが料理下手な幼馴染の手作り弁当イベントか!!まさか現実で堪能できるなんて!」
倫也「これでアーンとかしてくれたらなぁ…」
英梨々「調子に乗るんじゃないわよ…」
倫也「ですよね…」
英梨々「でも、ちょっとぐらいだったら…」
英梨々「ほらっあーんっ///」
倫也「お!おお、あーん」
英梨々「ど、どうかな…」
倫也「うまいよ!英梨々この唐翌揚げ世界一だよ!」
英梨々「そ、そうかな///」エヘヘ
倫也「でも料理なんて全然したことなかっただろ?」
英梨々「うん、でも倫也の為って思ったから頑張れたよ…」
倫也(ちょ、おま、可愛すぎるだろ)
倫也「…///」
英梨々「倫也?」
倫也「英梨々…抱きしめてもいいか?」
英梨々「え、いきなり、どうしたのよ、それに学校だし///」
英梨々「でも、ちょっとだけなら…私も抱きしめて欲しいかな…って」
ダキッ
倫也「結婚してくれ!」
英梨々「も、もう…気が早いわよ…バカ…///」
英梨々「帰りましょ、倫也」
倫也「そうだな」
???「ちょっと待ちなさい」
英梨々&倫也「?」
???「どうやら噂は本当見たいね、まさかあなた達がそういう風になってるなんて」
英梨々&倫也「霞ケ丘詩羽!」
「詩羽先輩!」
詩羽「澤村さん、抜け駆けなんて許さないわよ」
英梨々「いや、抜け駆けも何も告白してきたのは倫也だし…///」
詩羽「何1人でノロけてるのかしら、そんなの関係ないわ、だから私と倫理君をかけて勝負よ」
倫也「ちょっとまってよ詩羽先輩」
詩羽「黙りなさい!」
倫也「ひぁい…」
英梨々「ちょっと倫也あんた少しは抵抗しなさいよ…」
詩羽「勝負内容は倫理君を喜ばせた方が勝ちよ」
英梨々「喜ばせる?」
詩羽「そうよ、喜ばせ方は自由よ」
倫也「嫌な予感がしてきた…」
英梨々「ちょっと!」
詩羽「あら?自信がないのかしら澤村さん」
英梨々「べ、べつにアンタからだって結果は私が勝つに決まってるし、勝手にすればいいじゃない!」
詩羽「それじゃあ、お言葉に甘えさせて貰うわね」
詩羽「覚悟しなさい、倫理君」
倫也「覚悟って、一体俺何されちゃうの?」
詩羽「大丈夫よ、あなたは何もしなくていいから・」
倫也「怖いよ先輩!」
詩羽は倫也を抱いて耳元に息を吹きかけ、すかさず耳を甘噛みして甘く呟く。
詩羽「私の物になりなさい…倫也”君」
倫也「あ、あぁ…///」
英梨々「ちょっと、倫也!」
詩羽「このくらいでいいかしらね、次は澤村さんの番よ」
英梨々「わかってるわよ…、いくわよ倫也」
倫也「お、おう…」
英梨々は倫也の両頬に手をおいて、愛おしく見つめる
英梨々「倫也…」
倫也「英梨々…」
そして詩羽と同じく耳元に口を近づけ一言呟いた
英梨々「結婚してください。そして私を幸せにしてください…///」
倫也「ああああああああああ!!!!!/////////」ガク
詩羽「蒸発しちゃってるわね…おまけに気まで失ってるみたい…」
英梨々「この勝負、私の勝ちみたいね!」
詩羽「いったい耳元でなにをしたのかしら澤村さん!」
英梨々「ナイショよ!!、ほら負け犬はもうどっか行っちゃいなさい!」
詩羽「くっ、負け犬系幼馴染ヒロインに負け犬呼ばわりされるなんて!…いつか絶対に倫理君を私の物にしてみせるわ!!!」キャイーン
英梨々「何度来たって無駄よ、倫也は絶対に渡さないんだから!」
倫也「ん…んん」
英梨々「気がついた?」
倫也「ここは…」
英梨々「私の家よ」
倫也「そっか、あの時気を失って…俺なんで気失ったんだっけ?」
英梨々「え、覚えてないわけ!?」
倫也「たしか、英梨々に何か大事な事を言われたような…」
英梨々「あーーーー!!!ストップ!!いいから思い出さなくて!///」
倫也「そういえばどうやって俺をここまで運んでくれたんだ?」
英梨々「パパに迎えに来てもらったのよ」
倫也「なるほどなーって、もう夜の9時じゃないか!、そろそろ帰らないと…」
英梨々「大丈夫よ、倫也の親にはパパから私の家に泊まるように連絡してあるし、そうだ!お腹空いてるでしょ?もう夕食は出来てるし一緒に食べましょ!」
倫也「確かに腹減ったな…そういえば英梨々の家で飯なんて久々だよな」
英梨々「小学生の頃以来ね、ほら、パパも待ってるし行きましょ」
倫也「スペンサーのおじさんも久々だな…」
英梨々パパ「おお、倫也君久しぶりだね」
倫也「お久しぶりです!今日はありがとうごさいました!」
英梨々パパ「いやいや、おやすいご用だよ、お腹が空いてるだろう?好きなだけ食べていくといい」
倫也「お言葉に甘えさせて頂きます!」
英梨々パパ「いやー、それにしても、倫也君とまた一緒にご飯が食べられるとは嬉しいなぁ、ところで今期のアニメで倫也君は何がいいとおもうかね?」
倫也「そうですね、今期ですと、cey作品のオリジナルアニメのターロットですかね、今までのcey作品と違って超能力をテーマに置いていますし、opも伏線がびっしり張り巡られてそうだし、今後も期待の作品です」
英梨々「私は城下町のファングパンサーなんか面白いと思うわねヒロイン可愛いし、」
倫也「たしかにあれも面白いよな」
英梨々パパ「なるほど、私は学園ぐらしが良いと思ったよ。あの絵からは想像できない内容でそのギャップに心惹かれたねぇ」
倫也「なるほど、あのアニメインパクトありましたからね…おじさんが気にいるのも頷けます」
そして暫くアニメの話で盛り上がる三人であった…
英梨々パパ「ほう、言ってみたまえ」
倫也「英梨々を俺にください!」
英梨々「ちょ!あんたいきなり何を言ってるのよ…///」
英梨々パパ「はっはっはっ、その言葉を待っていたよ倫也君、英梨々を頼んだよ」
倫也&英梨々「軽っ!」
英梨々パパ「ただし子供は、まだ辛抱してくれよー、だからこれ」
スッ 四角いビニール
倫也「い、いや!そういうわけじゃ!///」
英梨々「何早まってるのよパパは!///」
英梨々パパ「あら、違ったかな?はっはっはっまあいい、さてそろそろ私は寝ようかな、倫也君の部屋は、用意してあるからそこで寝るといい」
倫也「ありがとうございます!、おやすみなさい」
英梨々パパ「うむ、二人ともおやすみ」
英梨々「お、おやすみ…」
倫也「うおおおおおおおお///」
倫也「落ち着こう…ふう、今英梨々寝てるのかな…」
ーーーーーーーーーーー
英梨々「倫也今なにしてるのかしら…寝てるかな、なんか急に凄く会いたくなっちゃったな…どうしたんだろう私…パパがあんな事言うから妙に体が熱いし///」
英梨々「あぁぁもう、眠れない…!」ガバッ
ーーーーーーーーーー
倫也「スヤスヤ」
モゾモゾ
倫也「(ん?なんだか柔らかくていい匂いのするものが…)」
???「ひゃぁ!っ///」
倫也「(フニフニしてる…それと少し暖かい…)」
???「うぅぅ…///」
倫也「(これはもしかして…)」ガバ
倫也「英梨々!?」
英梨々「あはは…」
倫也「ど、どうしたんだよ人のベッドに潜り込んで///」
英梨々「急に倫也に会いたくなっちゃって…ダメだったかな?…」
倫也「い、いや駄目じゃないけど…///」
倫也「…」ドキドキ
英梨々「…」ドキドキ
英梨々「いつか…パパが言ってたみたいな事をするような時も来るのかな…」
倫也「どうなんだろうな…」
倫也「でも、焦らないで俺らのペースで進んで行けばいいんじゃないか…」
英梨々「…そうよね…私達のペースで…」
英梨々「それじゃ、今夜は少し背伸びしちゃおっと…」ギュ
倫也「あ、あぁ…///」ドキドキ
チュンチュン
倫也「んん…あぁぁ…」ノ
英梨々「おひぁよぉ〜ともやぁ」ネオキ
倫也「おはよ、英梨々…(そっか結局二人で寝ちゃったんだな…あ!別にうふふな事はなかったからね!)
英梨々「ムニャムニャ」
倫也「寝ぼてけてるな英梨々…(くそ、めちゃくちゃ可愛い ///)」
倫也「えい、」ホッペフニ
英梨々「ウニャ」
倫也「(これは、ヤバイ)」
英梨々「んん…」ノ
英梨々「は〜」アクビ
英梨々「…」パチパチ
倫也「今度こそ起きたか?」
英梨々「う…ぅん」
倫也「今日はどうする?学校は休みだし、」
英梨々「一緒にいたい…」
倫也「そうか…///」
倫也「どこか出掛けるか?」
英梨々「倫也と一緒ならどこでもいい」
倫也「なんかあざとくないか?英梨々」
英梨々「本当の事だもん…」
倫也「はいはい…///」
倫也「じゃあ、デートでもするか…場所は遊園地なんか無難じゃないか?」
英梨々「倫也が遊園地に行こうだなんてなんか変ね…」クスクス
倫也「いいだろ別に…こういうの慣れてないんだから…」
英梨々「いいわよ、行きましょ遊園地」
倫也「おう!」
一般人A「おい見てみろよ、あの子ハーフかな、めちゃくちゃ可愛いぞ」
一般人B「うっほ!人形みたいじゃねえか!お持ち帰りしてえ!てか隣は彼氏か?明らか釣り合ってねーよ?」
ガヤガヤ
英梨々「うう…好き勝手言ってぇ…倫也には良い所が沢山あるのに!」
倫也「まあまあ、気にしなくていいよ」
英梨々「だってぇ…倫也が…」
倫也「ありがとな英梨々、俺の事思ってくれて」
英梨々「…///」
倫也「よし、なんか乗りたいアトラクションとかあるか?俺は絶叫系を推す!」
英梨々「私怖いの苦手…」
倫也「意外と乗ってみれば行けるもんだぞ、試しに乗ってみようぜ」
英梨々「倫也がそういうなら…」
ーーージェットコースターーー
ガタガタ
倫也「そろそろ下りだけどどうだ英梨々」
英梨々「」ガクガク
倫也「英梨々?」
英梨々「あ…ぁ、ぁ」
倫也「こりゃダメだ」
ドン ッ ザーッ
倫也「ふーーーーーー気持ちいなぁ!」
英梨々「ギャあぁぁぁぁぁぁぁ!」
ジェットコースター係員 ハイ、オカエリナサーイ /_/
英梨々「うぇ〜ん」シクシク
英梨々「なぁにが乗ってみれば行けるよぉ…」ポロポロ
倫也「悪かったって、まさかそんなに苦手だったとは…」
英梨々「もう…」ウルウル
倫也「(泣きながら怒る英梨々可愛いな…)」
倫也「(おっといかんいかん)悪かったよ、次は英梨々の行きたいやついこうな!」ナデナデ
英梨々「うん…」グスン
英梨々「メリーゴーランド…」
倫也「(チョイスが可愛いすぎるだろ!)」
倫也と英梨々は向かい合う形の場所に座った
英梨々「…」
倫也「…」
英梨々「地味ね、ジェットコースターが怖すぎてとりあえず優しいの選んでみたけどこれは…」
倫也「 地味だな」
英梨々「じゃあ、私の好きなところ3個言って…」
倫也「唐突すぎるだろ…///」
英梨々「言えないの?…」
倫也「そういうわけじゃ…」
英梨々「はーやーくー」
倫也「わかったよ///」
倫也「一つ目は…可愛いところ///」
英梨々「う、うん…///」
倫也「二つ目は少しドジなところ…」
英梨々「なんか貶してない?//」
倫也「そんなことないぞ、なんでもきっぱりした奴より、おっちょこちょいの方が可愛い気があるだろ?」
倫也「そんで、三つ目は、小さいところかな」
英梨々「それ良い所なの?」
倫也「小さい方が…」ダキ
英梨々「ひぁっ…///」
倫也「こうしやすいだろ…///」
英梨々「なんかキャラがキザすぎよ…///」
イチャイチャ
ーーーーーーー
倫也「次はどこいこうか、やっぱデートイベントの定番っていったらおばけ屋敷じゃないか?」
英梨々「たしかに定番だけど…私怖いのも苦手なのよ」
倫也「いや、それこそ定番だぞ英梨々、怖がる彼女がおばけに怯えて彼氏に抱きつく!これぞおばけ屋敷イベントの醍醐味じゃないか!」
英梨々「嫌がる彼女を無理やりおばけ屋敷にいかせるなんて最低のすることじゃない」
倫也「それは…」
英梨々「いいわよ、頑張るから…」
倫也「俺にいつでも抱きついて来ていいからな!」
英梨々「下心まるだしじゃない…」
英梨々「やっぱ作り物って分かってても怖いものは怖いわね…」
倫也「中々雰囲気あるなこのおばけ屋敷」
英梨々「うう…」ブルブル
倫也「(ビクビクする英梨々も小動物みたいで可愛いな…)
倫也「///」
オバケ「うがぁぁぁ〜」
英梨々「きゃっ…」ダキ
倫也「(ナイスイベント!)」
英梨々「もう…やだよぉ」
倫也「まだ始まったばかりだぞ」
英梨々「でも…」
倫也「ん?なんかあそこで女の子が泣いてないか?迷子みたいだけど」
そこには泣いてうずくまる少女
英梨々「え、こんな所に一人で迷子とか考えられない!早く声かけてあげよ」
倫也「迷子だよね、大丈夫?お母さんは?」
女の子「お母さんがいないの…」
倫也「じゃあ、お兄ちゃん達も一緒に探してあげるから行こう!」
女の子「いないの…」
英梨々「うん、そうだね、だから探しにいこ」
女の子「いないの…」
倫也「あの…」
女の子「いないの…」
英梨々「なんか様子がへんじゃない?」
そのときうずくまる少女はぱっと顔を上げた
女の子「ア、オカアサン」
天井には血だらけのお母さんが張り付いていた
倫也「うぁぁぁぉぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダ
英梨々「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 スッテン ドタ
英梨々「あう… いたたた…」
英梨々「ってぇ、倫也ゃ!どこー!?」
英梨々「ねえ! 倫也ゃああー!」
英梨々「倫也ってばぁ…うう…」ウルウル
倫也「大丈夫か、英梨々?」
倫也「って、あれ?、まさか…」
倫也「英梨々を置いてキチマッタァァァァ!!」
倫也「すぐに探さないと…」
倫也「おーい!英梨々ーー!」
倫也「おーーーい、」
倫也「おかしいな、こんなに探してもいないなんて…」
倫也「さっきの場所にまだいるのかも!、すぐにいかないと!」
倫也「英梨々ーー!」
倫也「ハァハァ…、元の場所に帰ってきたけどいないなんてあいつどこいっちまったんだ…」
女の子「あの…先ほどのカップルの彼氏さんですよね?」
倫也「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
女の子「あ!怖がらないでください…」
倫也「あ、す、すいません…」
女の子「それでですね、先ほどの彼女さんものすごい泣いてしまったみたいなので入り口までスタッフに送って貰ったんですよ」
倫也「な、なるほど…(これは、マズイかも)」
倫也「良かった…英梨々大丈夫か?」
英梨々「倫也の馬鹿ぁ…」ウルウル
倫也「本当にゴメン、英梨々…」
英梨々「倫也なんか嫌いよぉ…」ウルウル
スタッフ「あ、お連れ様の方で?」
倫也「はい、ご迷惑をおかけかました」
スタッフ「いえいえ、それでは失礼させていただきます」
倫也「ありがとうございました」
英梨々「…」ウルウル
倫也「英梨々…とりあえず場所を変えよう」
英梨々「…」ウルウル
ーーーフードコートーーー
倫也「機嫌直せよぉー」
英梨々「プイ」
倫也「…」
倫也「お腹すいてないか?適当にラーメンでも買ってくるよ」
英梨々「…」
倫也「はぁ…」
ーーーーーー
倫也「ほら、飯でも食べれば気分も晴れるって」
英梨々「ご飯でつろうなんてひどいわよ…」ズルズル
英梨々「…」 モグモグ
英梨々「美味しい…」
倫也「中々いけるな」
英梨々「…」
倫也「次は…そうだ、ここアトラクション以外にプールもあった筈だから行ってみないか?」
英梨々「…」
倫也「水着は…俺が買ってやるからさ!」
英梨々「…」 コク
倫也「(付き合ってから初デートで喧嘩なんて厳しいぞ…なんとか仲直りしないと…)
倫也「好きなの選んでいいからな!」
英梨々「うん…」
英梨々「試着するから似合うか見て、」
倫也「おう」
ーーーーーーーー
英梨々「どうかな…」
赤いシンプルなビキニを着た英梨々が呟く
倫也「わぁ……///」
英梨々「ねぇ…」
倫也「わるい…見惚れてた…///」
色白で金髪で元々が目立つ英梨々には赤色でシンプルなビキニがとても似合っていた
英梨々「じゃあ…これにする…///」
倫也「あ、あぁ…///」
適当に選んだトランクスタイプの水着と一緒に英梨々の水着を購入した
ーーー遊泳場ーーー
倫也「おぉ…やっぱ休日だから結構人いるな…」
倫也「ウォータースライダーもあるんだな!、あ…(英梨々は無理そうかな…)」
英梨々「何よ、ウォータースライダーぐらい平気だもん…」プンプン
倫也「意地はらなくても大丈夫だぞ?」
英梨々「へーいーき!」プンプン
倫也「それならいいけど…(これ以上機嫌が悪くならなければ良いけど…)」
パイプ型の入り組んだウォータースライダー
倫也「本当に大丈夫か?」
英梨々「大丈夫だってば、」
幸い二人乗りの浮き輪のようなものに乗るタイプで、英梨々を一人にしなくて済むようだ
倫也「結構高さあるな… これは俺でも怖いかも…」
係員「次の方こちらへどうぞ〜」
倫也「俺らの番だな」
英梨々「…」プルプル
倫也「やっぱり震えて…」
英梨々「ちが…そういうことじゃなくて…」プルプル
倫也「え?…」
係員「それでは出発してくださーい」
倫也「い、いくぞ?」
英梨々「うう…」プルプル
サーーーーーー
倫也「このくらいだったら大丈夫か…?」
英梨々「うぅ…」プルプル
倫也「やっぱり駄目だったか…」
サブーンーー
倫也「ぷはぁ…」
英梨々「もう…だめぇ…」
倫也「ど、どうした英梨々!?」
英梨々「おしっこぉ…漏れちゃいそう……」
倫也「えー!?、どどどどどうしよう!?」
英梨々「一歩でも動いたら出ちゃうかも…」プルプル
英梨々「ひゃっ、お姫様抱っこなんて恥ずかしいわよ…」
倫也「こんな所で漏らすよりましだろ?」
英梨々「うぅ…」
倫也「(肌の露出の多い水着の英梨々がこんなに近くに…)」
倫也「(俺の小倫理が大倫理に………いやいや、我慢だオレ!)
英梨々「ど、どうかしたの?」
倫也「い、いや!何でもないぞ」
英梨々「そう……ならもう少しペース上げて、そろそろ本当にやばくなってきたから…」
倫也「わ、わかった!」
……
英梨々「大変な目にあったわ…」
倫也「間に合ってよかったよ」
英梨々「倫也、この事は忘れて!///」
倫也「忘れろと言われてもな…」
英梨々「お願い…ね」ギロ
倫也「わかったから睨むのヤメテクレ…」
英梨々「あと…」
倫也「ん?…」
英梨々「さっきはごめんなさい…小さいことでウジウジしちゃって」
倫也「こっちこそごめん、俺がしっかりとリードできてなかったから…」
英梨々「倫也は、悪くないわ」
倫也「いや、俺が悪いよ!」
英梨々「違う、私が悪い!」
倫也「俺が!」
英梨々「私!」
……
倫也&英梨々「ぷっ…」
英梨々「何してるんだろう私たち…」
倫也「ほんとだよな…」
英梨々「はぁー スッキリしたらまた泳ぎたくなったわ、行きましょ、倫也」
倫也「おう、またひと泳ぎするか」
英梨々「そろそろ上がりましょうか」
倫也「閉園も近いし最後のビックイベントを逃したらもったいないもんな!」
英梨々「ビックイベント?」
倫也「わからないのか?英梨々、観覧車だよ!」
英梨々「あー、確かに定番よね」
倫也「そうと分かったら、さっさと着替えて観覧車の前で集合!」
英梨々「わかったわ…」
倫也「英梨々、どうかしたのか?」
英梨々「な、なんでもないわよ…それより、行きましょ」
倫也「お、おう」
英梨々「お待たせ〜」
倫也「おう、じゃあ早速乗るか」
ーーー観覧車内ーーー
英梨々「楽しかったわね…」
倫也「途中すごいドタバタしたけどな…初デートなのにいきなり喧嘩しちゃうしな…」
英梨々「…あはは、私たちにとっては遊園地なんてアウェイだものね、それにそういうのも私達らしいとこなのかも」
倫也「うん、たしかにそうかもしれないな…お、英梨々、空見てみろよ」
英梨々「空って…あ、綺麗な夕日ね…」
英梨々「…私プールから出るときこの時間がもっと続けばいいのにって思ってさ…寂しくなっちゃって…」
倫也「そうだな…俺も同じ事考えてた、けど今日で何もかも終わっちゃうってわけじゃないし、また英梨々と楽しい時間を作ればいいって思ったら寂しさが飛んでさ、逆に楽しみになったんだよ」
英梨々「そっか、そうよね…倫也の癖に良いこと言うじゃない!」
倫也「癖にってなんだよ…」
英梨々「それでさ…イベントはこれで終わりなわけ?…」
倫也「これ以上何が必要と?」
英梨々「もう…しょうがないわね………じゃあ、倫也にプレゼントあるから少し目瞑って手だして」
倫也「い、いつのまに!そうか、ここに待ち合わせるとき少し遅れたのって!ごめん俺何も用意してない…」
英梨々「いいから…黙りなさい…」
倫也「…」
英梨々「いくわよ…」
スッ
倫也「(これは、キーホルダーか?)」
英梨々「それと…///」
倫也「 え…」
チュ
英梨々「…んっ……」
倫也「んっ!?…」
英梨々「えへへ…キスしちゃった…///」
英梨々「どうだった?私からのプレゼント…」
倫也「英梨々…お前って奴は…///」
倫也「最高のイベントをありがとう…」
英梨々「…どういたしまして…///」
ピピピピ
倫也「ん…朝か…」
倫也「はあぁ〜〜〜」
倫也「さてと…準備して学校行かないと…」
ーーーー
ガチャ
倫也「行ってきます」
倫也「(さてと、英梨々との待ち合わせ場所に行くか)」
倫也「(思い返すと俺はいつから英梨々の事が好きだったんだろう…)」
倫也「(小さい頃か?どうだろう…)」
倫也「(最近また話すようになってから?いや…)」
倫也「(考え込んでたらもう待ち合わせ場所につきそうだ…)」
倫也「(お、英梨々が待ってるな、本当に目立つなあいつ…)」
倫也「おう、英梨々」
英梨々「キーホルダー付けてくれてるんだね…」ニコ
倫也「折角貰ったんだし」
倫也「あ、英梨々も同じの付けてるんだな…」
英梨々「うん、もともとお揃いになるように買ったから」
倫也「これでホントにお嬢様じゃなくなっちまうな…」
英梨々「元からお嬢様なんか似合わないのよ、私に」
倫也「ったく…調子のいいやつ…」
英梨々「誰のせいよ…」クス
倫也「俺のせいだよな…」クスクス
倫也「英梨々はさ、俺のこといつから好きだった?」
英梨々「な、なによいきなり…///」
倫也「ここに来る前に少し考えててさ…俺はいつから英梨々の事を好きになってたのか」
英梨々「わ、私は…んー…」
英梨々「わからない…かな、いつの間にか好きになってたし…///」
倫也「わからない…か」
英梨々「ご不満かしら?」
倫也「いや、最高の答えだよ」
英梨々「そう…倫也はいつからなの?…」
倫也「俺は……って時間!急がないと遅刻コースだ!」
英梨々「もうそんなにたってたの!」
倫也「ほら、いくぞ英梨々!」タタタ
英梨々「ちょ、ともや!あんたの聞かせなさいよ!!!」
英梨々「私も行ったんだからずるいわよ!!」タタタ
倫也「え、なんだって?」タタタ
英梨々「もぉぉぉぉ!倫也ぁぁぁぁ!」
ーーーーーー
こんな気分で登校するのはいつぶりだろう…いや初めてなくらい…。
そうだな…答えなんて決まってる
そう… それは…
いつの間にか…かな。
完
そして終盤部分が、雑になってしまって申し訳ございません!
元々ちょっと書いてみるかーくらいの軽い気持ちでまったく計画性もなく…寝落ちもしちゃったりと……
ですが、後悔はしていません!笑
英梨々大好きです!永遠に不滅です!
もっと英梨々ssもとい冴え彼のssが増えて欲しいです!
本当にありがとうございました!!
次回作も期待
次回にも期待します
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437575571/
Entry ⇒ 2015.10.02 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
冴えないツンデレの愛し方
二期おめでたい!ということで衝動的にまた書きたくなりました。
今回で投稿は二回目になります。
前回は倫也×英梨々の物で今回も英梨々メインで、というか英梨々一筋で。
原作未読のアニメしかみてないにわか勢ですけど、良ければ暖かく見守って頂ければと思います。
英梨々 カァー///
英梨々「え、えと…あ…え」///
英梨々「…」
倫也「だから俺と付き合ってほしい…」
英梨々「…」
倫也「やっぱ俺なんかじゃ…」
英梨々「ちがっ…ちがうの…」ウルウル
英梨々「私…すごく嬉しくて…答えなんてとっくにわかってるのに想いが込み上げてきて……」
英梨々「好きよ…倫也のことが好き…」
倫也「本当か…本当なのか英梨々…」
英梨々「何度も言わせないでよ…」
英梨々「これから宜しくね倫也…///」
倫也「俺、英梨々の事絶対に幸せにするから!」ダキッ
英梨々「ちょっ、いきなりすぎるわよ///」
英梨々「それに大袈裟だし…でも浮気なんてしたら許さないんだからね…///」
倫也「そんな事するわけないだろ、それにお前以上の奴なんて他にいるわけないんだからさ…」
英梨々「も…もう///」
倫也「どうした英梨々?」
英梨々「うっさい、こっち見んな!///」
倫也「いきなりどうしたんだよ…」
英梨々「(そんな事言われたらにやけちゃうじゃない!)///」
ピルン〜♪
倫也「ん?英梨々からメールか…」
差出人 英梨々
件名 一緒に登校しない?
本文 倫也と一緒に学校行きたいんだけど… 駄目かな…?
ーーーーーーーーー
倫也「う、嬉しいけど周りの目とかもあるし…あいつは学校じゃ可愛くて美術部のエースで有名人だし…俺みたいなオタクといたらどんな事言われるかわからないし…」
差出人 倫也
件名 それはできない…
本文 俺と登校なんかしたらお前が今まで築き上げてきた事を壊すことになる…だから…ごめん。
ーーーーーーーーー
倫也「はあ… 俺なにしてんだろう…」
プルループルルー
倫也「英梨々から電話…」
ピッ
倫也「もしもし…」
英梨々「おはよ…倫也」
倫也「お、おう…」
英梨々「私と一緒に学校行こ」
倫也「だからそれは…」
英梨々「大丈夫よ、わたしそんな事気にしない、それに倫也は私の彼氏でしょ?恋人と登校するなんて普通じゃない」
倫也「英梨々…」
英梨々「私は今まで猫被ってお嬢様気取って来たけど、そんなことよりも倫也の方がずっと大事だし、大好きなの…だから…」
倫也「ありがとな英梨々…俺の事そんなに思ってくれて…」
英梨々「何を今更……」
英梨々「ほらっ早く支度しちゃいなさいよね! 」
倫也「おう!」
豊ヶ崎の生徒「なあ、あれって澤村さんだよな…その隣にいるのってオタクで有名な安芸だよな…」
女生徒「え、嘘でしょ!」
男子生徒「いったいどうな関係なんだ…」
倫也の友達「おはよー倫也ーってお前一体どいうことなんだよ!!!あの澤村さんと一緒とかお前に限ってどうしたんだ!」
倫也「あんまり大声出すなよ…えっとな…」
英梨々「私と倫也は昔からの幼馴染で、今は付き合ってるのよ」ニコ
倫也の友達「お前だけはと信じていたのにちくしょー!!!リア充爆発しろおおおおお」 ダダダダダッ
倫也「行っちゃったな…この調子だと今日は大変そうだな…」
英梨々「がんばれ倫也♪」
倫也「他人事じゃないからな英梨々」
〜〜〜お昼〜〜〜
倫也「やっと昼か…今日は朝のことの質問攻めで疲れた…飯は適当にパンでも買って…」
英梨々「倫也ー一緒にお昼食べましょー」
倫也「ってお前教室までわざわざ来なくても…」
英梨々「だってアンタメールじゃ気づかなそうだし、こっちの方が手っ取り早いでしょ、」
男子生徒達「リア充[ピーーー]…[ピーーー]…安芸[ピーーー]…[ピーーー]…」
倫也「うわ、なんか後ろから敵意の目で見られてる気が…」
英梨々「ほら、行くわよ」
倫也「お、おう、」
英梨々「今日はお弁当作ってきてあげたわよ、感謝しなさい//」
倫也「(英梨々の手に絆創膏がたくさん…)」
倫也「クゥーーー! これが料理下手な幼馴染の手作り弁当イベントか!!まさか現実で堪能できるなんて!」
倫也「これでアーンとかしてくれたらなぁ…」
英梨々「調子に乗るんじゃないわよ…」
倫也「ですよね…」
英梨々「でも、ちょっとぐらいだったら…」
英梨々「ほらっあーんっ///」
倫也「お!おお、あーん」
英梨々「ど、どうかな…」
倫也「うまいよ!英梨々この唐翌揚げ世界一だよ!」
英梨々「そ、そうかな///」エヘヘ
倫也「でも料理なんて全然したことなかっただろ?」
英梨々「うん、でも倫也の為って思ったから頑張れたよ…」
倫也(ちょ、おま、可愛すぎるだろ)
倫也「…///」
英梨々「倫也?」
倫也「英梨々…抱きしめてもいいか?」
英梨々「え、いきなり、どうしたのよ、それに学校だし///」
英梨々「でも、ちょっとだけなら…私も抱きしめて欲しいかな…って」
ダキッ
倫也「結婚してくれ!」
英梨々「も、もう…気が早いわよ…バカ…///」
英梨々「帰りましょ、倫也」
倫也「そうだな」
???「ちょっと待ちなさい」
英梨々&倫也「?」
???「どうやら噂は本当見たいね、まさかあなた達がそういう風になってるなんて」
英梨々&倫也「霞ケ丘詩羽!」
「詩羽先輩!」
詩羽「澤村さん、抜け駆けなんて許さないわよ」
英梨々「いや、抜け駆けも何も告白してきたのは倫也だし…///」
詩羽「何1人でノロけてるのかしら、そんなの関係ないわ、だから私と倫理君をかけて勝負よ」
倫也「ちょっとまってよ詩羽先輩」
詩羽「黙りなさい!」
倫也「ひぁい…」
英梨々「ちょっと倫也あんた少しは抵抗しなさいよ…」
詩羽「勝負内容は倫理君を喜ばせた方が勝ちよ」
英梨々「喜ばせる?」
詩羽「そうよ、喜ばせ方は自由よ」
倫也「嫌な予感がしてきた…」
英梨々「ちょっと!」
詩羽「あら?自信がないのかしら澤村さん」
英梨々「べ、べつにアンタからだって結果は私が勝つに決まってるし、勝手にすればいいじゃない!」
詩羽「それじゃあ、お言葉に甘えさせて貰うわね」
詩羽「覚悟しなさい、倫理君」
倫也「覚悟って、一体俺何されちゃうの?」
詩羽「大丈夫よ、あなたは何もしなくていいから・」
倫也「怖いよ先輩!」
詩羽は倫也を抱いて耳元に息を吹きかけ、すかさず耳を甘噛みして甘く呟く。
詩羽「私の物になりなさい…倫也”君」
倫也「あ、あぁ…///」
英梨々「ちょっと、倫也!」
詩羽「このくらいでいいかしらね、次は澤村さんの番よ」
英梨々「わかってるわよ…、いくわよ倫也」
倫也「お、おう…」
英梨々は倫也の両頬に手をおいて、愛おしく見つめる
英梨々「倫也…」
倫也「英梨々…」
そして詩羽と同じく耳元に口を近づけ一言呟いた
英梨々「結婚してください。そして私を幸せにしてください…///」
倫也「ああああああああああ!!!!!/////////」ガク
詩羽「蒸発しちゃってるわね…おまけに気まで失ってるみたい…」
英梨々「この勝負、私の勝ちみたいね!」
詩羽「いったい耳元でなにをしたのかしら澤村さん!」
英梨々「ナイショよ!!、ほら負け犬はもうどっか行っちゃいなさい!」
詩羽「くっ、負け犬系幼馴染ヒロインに負け犬呼ばわりされるなんて!…いつか絶対に倫理君を私の物にしてみせるわ!!!」キャイーン
英梨々「何度来たって無駄よ、倫也は絶対に渡さないんだから!」
倫也「ん…んん」
英梨々「気がついた?」
倫也「ここは…」
英梨々「私の家よ」
倫也「そっか、あの時気を失って…俺なんで気失ったんだっけ?」
英梨々「え、覚えてないわけ!?」
倫也「たしか、英梨々に何か大事な事を言われたような…」
英梨々「あーーーー!!!ストップ!!いいから思い出さなくて!///」
倫也「そういえばどうやって俺をここまで運んでくれたんだ?」
英梨々「パパに迎えに来てもらったのよ」
倫也「なるほどなーって、もう夜の9時じゃないか!、そろそろ帰らないと…」
英梨々「大丈夫よ、倫也の親にはパパから私の家に泊まるように連絡してあるし、そうだ!お腹空いてるでしょ?もう夕食は出来てるし一緒に食べましょ!」
倫也「確かに腹減ったな…そういえば英梨々の家で飯なんて久々だよな」
英梨々「小学生の頃以来ね、ほら、パパも待ってるし行きましょ」
倫也「スペンサーのおじさんも久々だな…」
英梨々パパ「おお、倫也君久しぶりだね」
倫也「お久しぶりです!今日はありがとうごさいました!」
英梨々パパ「いやいや、おやすいご用だよ、お腹が空いてるだろう?好きなだけ食べていくといい」
倫也「お言葉に甘えさせて頂きます!」
英梨々パパ「いやー、それにしても、倫也君とまた一緒にご飯が食べられるとは嬉しいなぁ、ところで今期のアニメで倫也君は何がいいとおもうかね?」
倫也「そうですね、今期ですと、cey作品のオリジナルアニメのターロットですかね、今までのcey作品と違って超能力をテーマに置いていますし、opも伏線がびっしり張り巡られてそうだし、今後も期待の作品です」
英梨々「私は城下町のファングパンサーなんか面白いと思うわねヒロイン可愛いし、」
倫也「たしかにあれも面白いよな」
英梨々パパ「なるほど、私は学園ぐらしが良いと思ったよ。あの絵からは想像できない内容でそのギャップに心惹かれたねぇ」
倫也「なるほど、あのアニメインパクトありましたからね…おじさんが気にいるのも頷けます」
そして暫くアニメの話で盛り上がる三人であった…
英梨々パパ「ほう、言ってみたまえ」
倫也「英梨々を俺にください!」
英梨々「ちょ!あんたいきなり何を言ってるのよ…///」
英梨々パパ「はっはっはっ、その言葉を待っていたよ倫也君、英梨々を頼んだよ」
倫也&英梨々「軽っ!」
英梨々パパ「ただし子供は、まだ辛抱してくれよー、だからこれ」
スッ 四角いビニール
倫也「い、いや!そういうわけじゃ!///」
英梨々「何早まってるのよパパは!///」
英梨々パパ「あら、違ったかな?はっはっはっまあいい、さてそろそろ私は寝ようかな、倫也君の部屋は、用意してあるからそこで寝るといい」
倫也「ありがとうございます!、おやすみなさい」
英梨々パパ「うむ、二人ともおやすみ」
英梨々「お、おやすみ…」
倫也「うおおおおおおおお///」
倫也「落ち着こう…ふう、今英梨々寝てるのかな…」
ーーーーーーーーーーー
英梨々「倫也今なにしてるのかしら…寝てるかな、なんか急に凄く会いたくなっちゃったな…どうしたんだろう私…パパがあんな事言うから妙に体が熱いし///」
英梨々「あぁぁもう、眠れない…!」ガバッ
ーーーーーーーーーー
倫也「スヤスヤ」
モゾモゾ
倫也「(ん?なんだか柔らかくていい匂いのするものが…)」
???「ひゃぁ!っ///」
倫也「(フニフニしてる…それと少し暖かい…)」
???「うぅぅ…///」
倫也「(これはもしかして…)」ガバ
倫也「英梨々!?」
英梨々「あはは…」
倫也「ど、どうしたんだよ人のベッドに潜り込んで///」
英梨々「急に倫也に会いたくなっちゃって…ダメだったかな?…」
倫也「い、いや駄目じゃないけど…///」
倫也「…」ドキドキ
英梨々「…」ドキドキ
英梨々「いつか…パパが言ってたみたいな事をするような時も来るのかな…」
倫也「どうなんだろうな…」
倫也「でも、焦らないで俺らのペースで進んで行けばいいんじゃないか…」
英梨々「…そうよね…私達のペースで…」
英梨々「それじゃ、今夜は少し背伸びしちゃおっと…」ギュ
倫也「あ、あぁ…///」ドキドキ
チュンチュン
倫也「んん…あぁぁ…」ノ
英梨々「おひぁよぉ〜ともやぁ」ネオキ
倫也「おはよ、英梨々…(そっか結局二人で寝ちゃったんだな…あ!別にうふふな事はなかったからね!)
英梨々「ムニャムニャ」
倫也「寝ぼてけてるな英梨々…(くそ、めちゃくちゃ可愛い ///)」
倫也「えい、」ホッペフニ
英梨々「ウニャ」
倫也「(これは、ヤバイ)」
英梨々「んん…」ノ
英梨々「は〜」アクビ
英梨々「…」パチパチ
倫也「今度こそ起きたか?」
英梨々「う…ぅん」
倫也「今日はどうする?学校は休みだし、」
英梨々「一緒にいたい…」
倫也「そうか…///」
倫也「どこか出掛けるか?」
英梨々「倫也と一緒ならどこでもいい」
倫也「なんかあざとくないか?英梨々」
英梨々「本当の事だもん…」
倫也「はいはい…///」
倫也「じゃあ、デートでもするか…場所は遊園地なんか無難じゃないか?」
英梨々「倫也が遊園地に行こうだなんてなんか変ね…」クスクス
倫也「いいだろ別に…こういうの慣れてないんだから…」
英梨々「いいわよ、行きましょ遊園地」
倫也「おう!」
一般人A「おい見てみろよ、あの子ハーフかな、めちゃくちゃ可愛いぞ」
一般人B「うっほ!人形みたいじゃねえか!お持ち帰りしてえ!てか隣は彼氏か?明らか釣り合ってねーよ?」
ガヤガヤ
英梨々「うう…好き勝手言ってぇ…倫也には良い所が沢山あるのに!」
倫也「まあまあ、気にしなくていいよ」
英梨々「だってぇ…倫也が…」
倫也「ありがとな英梨々、俺の事思ってくれて」
英梨々「…///」
倫也「よし、なんか乗りたいアトラクションとかあるか?俺は絶叫系を推す!」
英梨々「私怖いの苦手…」
倫也「意外と乗ってみれば行けるもんだぞ、試しに乗ってみようぜ」
英梨々「倫也がそういうなら…」
ーーージェットコースターーー
ガタガタ
倫也「そろそろ下りだけどどうだ英梨々」
英梨々「」ガクガク
倫也「英梨々?」
英梨々「あ…ぁ、ぁ」
倫也「こりゃダメだ」
ドン ッ ザーッ
倫也「ふーーーーーー気持ちいなぁ!」
英梨々「ギャあぁぁぁぁぁぁぁ!」
ジェットコースター係員 ハイ、オカエリナサーイ /_/
英梨々「うぇ〜ん」シクシク
英梨々「なぁにが乗ってみれば行けるよぉ…」ポロポロ
倫也「悪かったって、まさかそんなに苦手だったとは…」
英梨々「もう…」ウルウル
倫也「(泣きながら怒る英梨々可愛いな…)」
倫也「(おっといかんいかん)悪かったよ、次は英梨々の行きたいやついこうな!」ナデナデ
英梨々「うん…」グスン
英梨々「メリーゴーランド…」
倫也「(チョイスが可愛いすぎるだろ!)」
倫也と英梨々は向かい合う形の場所に座った
英梨々「…」
倫也「…」
英梨々「地味ね、ジェットコースターが怖すぎてとりあえず優しいの選んでみたけどこれは…」
倫也「 地味だな」
英梨々「じゃあ、私の好きなところ3個言って…」
倫也「唐突すぎるだろ…///」
英梨々「言えないの?…」
倫也「そういうわけじゃ…」
英梨々「はーやーくー」
倫也「わかったよ///」
倫也「一つ目は…可愛いところ///」
英梨々「う、うん…///」
倫也「二つ目は少しドジなところ…」
英梨々「なんか貶してない?//」
倫也「そんなことないぞ、なんでもきっぱりした奴より、おっちょこちょいの方が可愛い気があるだろ?」
倫也「そんで、三つ目は、小さいところかな」
英梨々「それ良い所なの?」
倫也「小さい方が…」ダキ
英梨々「ひぁっ…///」
倫也「こうしやすいだろ…///」
英梨々「なんかキャラがキザすぎよ…///」
イチャイチャ
ーーーーーーー
倫也「次はどこいこうか、やっぱデートイベントの定番っていったらおばけ屋敷じゃないか?」
英梨々「たしかに定番だけど…私怖いのも苦手なのよ」
倫也「いや、それこそ定番だぞ英梨々、怖がる彼女がおばけに怯えて彼氏に抱きつく!これぞおばけ屋敷イベントの醍醐味じゃないか!」
英梨々「嫌がる彼女を無理やりおばけ屋敷にいかせるなんて最低のすることじゃない」
倫也「それは…」
英梨々「いいわよ、頑張るから…」
倫也「俺にいつでも抱きついて来ていいからな!」
英梨々「下心まるだしじゃない…」
英梨々「やっぱ作り物って分かってても怖いものは怖いわね…」
倫也「中々雰囲気あるなこのおばけ屋敷」
英梨々「うう…」ブルブル
倫也「(ビクビクする英梨々も小動物みたいで可愛いな…)
倫也「///」
オバケ「うがぁぁぁ〜」
英梨々「きゃっ…」ダキ
倫也「(ナイスイベント!)」
英梨々「もう…やだよぉ」
倫也「まだ始まったばかりだぞ」
英梨々「でも…」
倫也「ん?なんかあそこで女の子が泣いてないか?迷子みたいだけど」
そこには泣いてうずくまる少女
英梨々「え、こんな所に一人で迷子とか考えられない!早く声かけてあげよ」
倫也「迷子だよね、大丈夫?お母さんは?」
女の子「お母さんがいないの…」
倫也「じゃあ、お兄ちゃん達も一緒に探してあげるから行こう!」
女の子「いないの…」
英梨々「うん、そうだね、だから探しにいこ」
女の子「いないの…」
倫也「あの…」
女の子「いないの…」
英梨々「なんか様子がへんじゃない?」
そのときうずくまる少女はぱっと顔を上げた
女の子「ア、オカアサン」
天井には血だらけのお母さんが張り付いていた
倫也「うぁぁぁぉぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダ
英梨々「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 スッテン ドタ
英梨々「あう… いたたた…」
英梨々「ってぇ、倫也ゃ!どこー!?」
英梨々「ねえ! 倫也ゃああー!」
英梨々「倫也ってばぁ…うう…」ウルウル
倫也「大丈夫か、英梨々?」
倫也「って、あれ?、まさか…」
倫也「英梨々を置いてキチマッタァァァァ!!」
倫也「すぐに探さないと…」
倫也「おーい!英梨々ーー!」
倫也「おーーーい、」
倫也「おかしいな、こんなに探してもいないなんて…」
倫也「さっきの場所にまだいるのかも!、すぐにいかないと!」
倫也「英梨々ーー!」
倫也「ハァハァ…、元の場所に帰ってきたけどいないなんてあいつどこいっちまったんだ…」
女の子「あの…先ほどのカップルの彼氏さんですよね?」
倫也「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
女の子「あ!怖がらないでください…」
倫也「あ、す、すいません…」
女の子「それでですね、先ほどの彼女さんものすごい泣いてしまったみたいなので入り口までスタッフに送って貰ったんですよ」
倫也「な、なるほど…(これは、マズイかも)」
倫也「良かった…英梨々大丈夫か?」
英梨々「倫也の馬鹿ぁ…」ウルウル
倫也「本当にゴメン、英梨々…」
英梨々「倫也なんか嫌いよぉ…」ウルウル
スタッフ「あ、お連れ様の方で?」
倫也「はい、ご迷惑をおかけかました」
スタッフ「いえいえ、それでは失礼させていただきます」
倫也「ありがとうございました」
英梨々「…」ウルウル
倫也「英梨々…とりあえず場所を変えよう」
英梨々「…」ウルウル
ーーーフードコートーーー
倫也「機嫌直せよぉー」
英梨々「プイ」
倫也「…」
倫也「お腹すいてないか?適当にラーメンでも買ってくるよ」
英梨々「…」
倫也「はぁ…」
ーーーーーー
倫也「ほら、飯でも食べれば気分も晴れるって」
英梨々「ご飯でつろうなんてひどいわよ…」ズルズル
英梨々「…」 モグモグ
英梨々「美味しい…」
倫也「中々いけるな」
英梨々「…」
倫也「次は…そうだ、ここアトラクション以外にプールもあった筈だから行ってみないか?」
英梨々「…」
倫也「水着は…俺が買ってやるからさ!」
英梨々「…」 コク
倫也「(付き合ってから初デートで喧嘩なんて厳しいぞ…なんとか仲直りしないと…)
倫也「好きなの選んでいいからな!」
英梨々「うん…」
英梨々「試着するから似合うか見て、」
倫也「おう」
ーーーーーーーー
英梨々「どうかな…」
赤いシンプルなビキニを着た英梨々が呟く
倫也「わぁ……///」
英梨々「ねぇ…」
倫也「わるい…見惚れてた…///」
色白で金髪で元々が目立つ英梨々には赤色でシンプルなビキニがとても似合っていた
英梨々「じゃあ…これにする…///」
倫也「あ、あぁ…///」
適当に選んだトランクスタイプの水着と一緒に英梨々の水着を購入した
ーーー遊泳場ーーー
倫也「おぉ…やっぱ休日だから結構人いるな…」
倫也「ウォータースライダーもあるんだな!、あ…(英梨々は無理そうかな…)」
英梨々「何よ、ウォータースライダーぐらい平気だもん…」プンプン
倫也「意地はらなくても大丈夫だぞ?」
英梨々「へーいーき!」プンプン
倫也「それならいいけど…(これ以上機嫌が悪くならなければ良いけど…)」
パイプ型の入り組んだウォータースライダー
倫也「本当に大丈夫か?」
英梨々「大丈夫だってば、」
幸い二人乗りの浮き輪のようなものに乗るタイプで、英梨々を一人にしなくて済むようだ
倫也「結構高さあるな… これは俺でも怖いかも…」
係員「次の方こちらへどうぞ〜」
倫也「俺らの番だな」
英梨々「…」プルプル
倫也「やっぱり震えて…」
英梨々「ちが…そういうことじゃなくて…」プルプル
倫也「え?…」
係員「それでは出発してくださーい」
倫也「い、いくぞ?」
英梨々「うう…」プルプル
サーーーーーー
倫也「このくらいだったら大丈夫か…?」
英梨々「うぅ…」プルプル
倫也「やっぱり駄目だったか…」
サブーンーー
倫也「ぷはぁ…」
英梨々「もう…だめぇ…」
倫也「ど、どうした英梨々!?」
英梨々「おしっこぉ…漏れちゃいそう……」
倫也「えー!?、どどどどどうしよう!?」
英梨々「一歩でも動いたら出ちゃうかも…」プルプル
英梨々「ひゃっ、お姫様抱っこなんて恥ずかしいわよ…」
倫也「こんな所で漏らすよりましだろ?」
英梨々「うぅ…」
倫也「(肌の露出の多い水着の英梨々がこんなに近くに…)」
倫也「(俺の小倫理が大倫理に………いやいや、我慢だオレ!)
英梨々「ど、どうかしたの?」
倫也「い、いや!何でもないぞ」
英梨々「そう……ならもう少しペース上げて、そろそろ本当にやばくなってきたから…」
倫也「わ、わかった!」
……
英梨々「大変な目にあったわ…」
倫也「間に合ってよかったよ」
英梨々「倫也、この事は忘れて!///」
倫也「忘れろと言われてもな…」
英梨々「お願い…ね」ギロ
倫也「わかったから睨むのヤメテクレ…」
英梨々「あと…」
倫也「ん?…」
英梨々「さっきはごめんなさい…小さいことでウジウジしちゃって」
倫也「こっちこそごめん、俺がしっかりとリードできてなかったから…」
英梨々「倫也は、悪くないわ」
倫也「いや、俺が悪いよ!」
英梨々「違う、私が悪い!」
倫也「俺が!」
英梨々「私!」
……
倫也&英梨々「ぷっ…」
英梨々「何してるんだろう私たち…」
倫也「ほんとだよな…」
英梨々「はぁー スッキリしたらまた泳ぎたくなったわ、行きましょ、倫也」
倫也「おう、またひと泳ぎするか」
英梨々「そろそろ上がりましょうか」
倫也「閉園も近いし最後のビックイベントを逃したらもったいないもんな!」
英梨々「ビックイベント?」
倫也「わからないのか?英梨々、観覧車だよ!」
英梨々「あー、確かに定番よね」
倫也「そうと分かったら、さっさと着替えて観覧車の前で集合!」
英梨々「わかったわ…」
倫也「英梨々、どうかしたのか?」
英梨々「な、なんでもないわよ…それより、行きましょ」
倫也「お、おう」
英梨々「お待たせ〜」
倫也「おう、じゃあ早速乗るか」
ーーー観覧車内ーーー
英梨々「楽しかったわね…」
倫也「途中すごいドタバタしたけどな…初デートなのにいきなり喧嘩しちゃうしな…」
英梨々「…あはは、私たちにとっては遊園地なんてアウェイだものね、それにそういうのも私達らしいとこなのかも」
倫也「うん、たしかにそうかもしれないな…お、英梨々、空見てみろよ」
英梨々「空って…あ、綺麗な夕日ね…」
英梨々「…私プールから出るときこの時間がもっと続けばいいのにって思ってさ…寂しくなっちゃって…」
倫也「そうだな…俺も同じ事考えてた、けど今日で何もかも終わっちゃうってわけじゃないし、また英梨々と楽しい時間を作ればいいって思ったら寂しさが飛んでさ、逆に楽しみになったんだよ」
英梨々「そっか、そうよね…倫也の癖に良いこと言うじゃない!」
倫也「癖にってなんだよ…」
英梨々「それでさ…イベントはこれで終わりなわけ?…」
倫也「これ以上何が必要と?」
英梨々「もう…しょうがないわね………じゃあ、倫也にプレゼントあるから少し目瞑って手だして」
倫也「い、いつのまに!そうか、ここに待ち合わせるとき少し遅れたのって!ごめん俺何も用意してない…」
英梨々「いいから…黙りなさい…」
倫也「…」
英梨々「いくわよ…」
スッ
倫也「(これは、キーホルダーか?)」
英梨々「それと…///」
倫也「 え…」
チュ
英梨々「…んっ……」
倫也「んっ!?…」
英梨々「えへへ…キスしちゃった…///」
英梨々「どうだった?私からのプレゼント…」
倫也「英梨々…お前って奴は…///」
倫也「最高のイベントをありがとう…」
英梨々「…どういたしまして…///」
ピピピピ
倫也「ん…朝か…」
倫也「はあぁ〜〜〜」
倫也「さてと…準備して学校行かないと…」
ーーーー
ガチャ
倫也「行ってきます」
倫也「(さてと、英梨々との待ち合わせ場所に行くか)」
倫也「(思い返すと俺はいつから英梨々の事が好きだったんだろう…)」
倫也「(小さい頃か?どうだろう…)」
倫也「(最近また話すようになってから?いや…)」
倫也「(考え込んでたらもう待ち合わせ場所につきそうだ…)」
倫也「(お、英梨々が待ってるな、本当に目立つなあいつ…)」
倫也「おう、英梨々」
英梨々「キーホルダー付けてくれてるんだね…」ニコ
倫也「折角貰ったんだし」
倫也「あ、英梨々も同じの付けてるんだな…」
英梨々「うん、もともとお揃いになるように買ったから」
倫也「これでホントにお嬢様じゃなくなっちまうな…」
英梨々「元からお嬢様なんか似合わないのよ、私に」
倫也「ったく…調子のいいやつ…」
英梨々「誰のせいよ…」クス
倫也「俺のせいだよな…」クスクス
倫也「英梨々はさ、俺のこといつから好きだった?」
英梨々「な、なによいきなり…///」
倫也「ここに来る前に少し考えててさ…俺はいつから英梨々の事を好きになってたのか」
英梨々「わ、私は…んー…」
英梨々「わからない…かな、いつの間にか好きになってたし…///」
倫也「わからない…か」
英梨々「ご不満かしら?」
倫也「いや、最高の答えだよ」
英梨々「そう…倫也はいつからなの?…」
倫也「俺は……って時間!急がないと遅刻コースだ!」
英梨々「もうそんなにたってたの!」
倫也「ほら、いくぞ英梨々!」タタタ
英梨々「ちょ、ともや!あんたの聞かせなさいよ!!!」
英梨々「私も行ったんだからずるいわよ!!」タタタ
倫也「え、なんだって?」タタタ
英梨々「もぉぉぉぉ!倫也ぁぁぁぁ!」
ーーーーーー
こんな気分で登校するのはいつぶりだろう…いや初めてなくらい…。
そうだな…答えなんて決まってる
そう… それは…
いつの間にか…かな。
完
そして終盤部分が、雑になってしまって申し訳ございません!
元々ちょっと書いてみるかーくらいの軽い気持ちでまったく計画性もなく…寝落ちもしちゃったりと……
ですが、後悔はしていません!笑
英梨々大好きです!永遠に不滅です!
もっと英梨々ssもとい冴え彼のssが増えて欲しいです!
本当にありがとうございました!!
次回作も期待
次回にも期待します
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437575571/
Entry ⇒ 2015.08.12 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
澤村英梨々「あたし、倫也にとって、なんなのよっ!!」
あれから色々あったが、俺は英梨々と本当の意味で仲直りを果たし、そして…)
英梨々「倫也?」
倫也(俺はある日の放課後、英梨々に呼び出された…)
英梨々「ねえ倫也…あたし、倫也にとって、なんなのよ…
倫也にとって、あたしはなんなの……。単なる、友達なの?」
倫也「英梨々…?」
はなんなの!?倫也、倫也の方から、あたしに
言い寄ってくれたことないじゃないっ!!
倫也方から、あたしを抱き締めてくれたことないじゃないっ!!
あたし、倫也に一杯アプローチしたのに…。
それでも倫也は気付いてくれなくて…。あの新幹線のホーム
での事は、あたしの精一杯の勇気だったんだよ……
なのに、倫也は答えをあれから出してくれなかった…。
あたし、怖くなった…。
もしかして倫也はあたしの事なんてどうでも良いと思ってるんじゃ
ないかって、あたしは、だから怖くなった、好きって一言を
倫也に言えなくなった。だって拒絶されたら怖いもんっ!!
あたしの気持ちは、子供の頃から変わって無い。
だけど倫也の気持ちは、あたしには分からなかった。
あたしは、倫也の昔の思い出しか持ってない、だから倫也との
新しい思い出を作ろうって、あたし必死だった。あたしも
昔のあたしじゃなくて、新しい自分に変わろうって必死だった。
倫也の好きな女の子に成りたいって思った。
でもどんなに頑張っても、倫也があたしをどう思っているか
分からなかった……あたしはこんなに倫也の事が好きなのに…
もしかしたら、あたしのこの想いは、倫也にとって
迷惑なものなのかの知れない、そんな風にあたしは考える様になってきた。
だからやっぱりあたしは倫也と友達でい続けようと思った。
倫也にとってあたしは何なのか……それを考えるだけで、怖かったから。
友達なら、こんな想いをしなくてすむと思ったから……
あたしはこのままで良いと思った……。
あたしはこのままでもいいと思ったのに……
でもサークルからあたし達が抜けて…あたしは本当に一人
ぼっちになって……。そしたら、このままじゃ嫌だっていう
気持ちが湧いてきて……っ
そしてやっぱりあたしは倫也の事が忘れられないんだって思ったの。
思いが抑えきれなくなっちゃって……。
だって倫也は、あたしの初恋の人なんだもの……。
ずっと、ずっと好きだったんだもの……
あたしは……あたしは……っ。倫也のこと、
あたし、子供の頃から大好きだった。だから子供
の頃、倫也と絶交した時すっごく泣いたんだよ。
すっごく泣いたんだから……っ
でも、倫也とはいつか仲直りしたいって思って。
好きだったから、倫也にあたしの笑顔
を覚えていて欲しかった。そして、いつかまた、
仲直り出来る日を思って……
だからあたしは、花火大会、小学校に二人で行った時、
精一杯の勇気を振り絞ったんだよ。
あたしにとっては、あれは精一杯の勇気だった
もしかしたら、倫也とはもう仲直り出来ない
かもしれない。でも、わたしはどうしても倫也が好きだった……。
倫也との繋がりを消したくなかった…。
だから…っ
倫也にとっては、ささいな問題だったのかもしれないけど……。
あたしにとっては、とても大事な事だったの……っ
でも……。本当に長かった……。倫也との仲直りまでの時間は、
あたしにとっては本当に長かった……。あたしは、一生懸命に絵を
描き続けた。いつか、この絵が倫也を感動させられる
んじゃないか、って……
でも、年を経るにつれて、こんなことをしても、
意味がないんじゃないかって思えてきた……。
だって、こんなあたしの絵なんて、
こんなに絵師の人たちがいる世界で、倫也を本当に
信者に出来る自信ないもの……っ
それでも、あたしは絵にすがるしか
なかった……。同人にすがるしかなかった。
あたしにとっての、倫也との接点。それは、
絵と同人誌しかなかったから……っ
そして、高校生に成って……。あたしの願いが、ようや
く届いた……
そして、これが最後のチャンスなんだって思った。
神様がくれた、最後のチャンスなんだって。あたしの
気持ちを倫也に伝える、神様からの最後の
チャンスなんだ、って……っ
だけど、倫也は、昔と一緒で、あたしの想
いには全く気付いてくれなかった。だからあたし
は、倫也に行動で知らせようと思った。あたしの想いを……
でも倫也にとって、あたしはいつまでも、
昔の幼なじみのままだった。あたしにとっては、
精一杯の勇気だったのに……。倫也はあたしのそんな心に、
気付いてくれなかった……っ
だから、あたしは怖くなったの……。もしかした
らあたしのことを、倫也は何とも思って
ないんじゃないか……。だから、最後の賭け
だった……っ
あたしにだって、わかってた。倫也が、
子供の時とは違うってこと
でも、あたしには子供の時の倫也の思い出
しかなかったんだもんっ。ずっと一緒にいら
れたわけじゃなかったんだもんっ
倫也との空白の時間……。それを取り戻そ
うと、あたしは必死だったんだよっ
そして、あたしも変わろうと必死だった。過去の
わたしじゃなく、新しいあたしになろうと必死
だった
そうすれば、倫也はあたしにに振り向いてく
れるんじゃないか……。幼なじみのあたしじゃな
くて、新しいあたしなら、倫也は振り向い
てくれるんじゃないか、って思ったの……っ
だから、絵柄だって変えたんだよっ。あたしも、
変わろうって……っ。昔のあたしじゃなくて、新
しい自分に変わろうって
だけど、それでも倫也は私を見てくれな
かった……っ。倫也は最後まで、あたしを見て
くれなかった……っ
嫌いなら嫌いって、はっきり言ってよ……っ!!
あたしに気のあるそぶりを見せないでよっ!! 今、
ここで、あたしことが好きなのか、答えてよぉ……っ
そうしないとあたし、倫也のこと、
いつまでも想い続けちゃうじゃない……っ!!
苦しいんだから……っ!! 想い続けているのは、
とっても苦しいんだから……っ!!」
英梨々「馬鹿//あたしもよ、倫也//」
二人は幸せなキスして終了
元ネタは鳴風みなもの問い詰めです。後小ネタあります。
倫也「うおっ!?い、出海ちゃん、ちょっと当たってる!当たってる!
ちょっと離れて!」
出海「え~先輩、せっかく一緒の学校に入ったのに…もっとスキンシップ
しましょうよ!私に…新しい喜びを教えて下さいよ…」
倫也「ぶっ!?ちょ、波風立てるような事言わないでくれよ!
あ、俺用事があったんだ!じ、じゃ先に行くね!」
出海「あ、先輩~?もう照れちゃって可愛い//」
英梨々「………」
出海「あっ澤村先輩…」
出海「あ、あのですね…倫也先輩と居るとつい
からかってみたくなっちゃって…もしかして怒ってます?」
英梨々「…別に怒って無いけど、好きじゃ無いなあ、ああ言うのって
あたし…あんたの先輩よね?もう少し敬ってくれても良いんじゃ無い?」
出海「ご、ごめんなさい…」
英梨々「口じゃ何とでも言えるわよね?確かに、倫也とあたしが付き合って
何故かその学校にあんたが入学して、あんたの肩身が狭いのは分かるけど…
あ~あ~分かった…日頃の鬱憤晴らそうとしてるんだ、ふーん…」
出海「えっ…わ、わたしはそんなこと」
あんたとは良い同人仲間になれそうだったのになあ…」
出海「うう…せんぱい…」
英梨々「うう…せんぱい…じゃないわよ!?なにそれ、可愛いと思って言ったの?
いい加減、後輩キャラ辞めたら?」
出海「キャラって、私は別に!」
英梨々「キャラでしょ!先輩、とかえへへとか、うにゅって言っていれば
良いんだもの、楽よね後輩キャラ…」
出海「そ、そんなこと言われても…」
きゃっ、何処を触ってるんですか!とか英梨々先輩だけずるいです!
私も倫也先輩の家にお泊まりしたいです…とか、それで最後はアレ?
後輩としてじゃなくて、一人の女の子として見て欲しいの…でしょ?
やりたい放題出来るわよね…!」
出海「うう…グスン…」
英梨々「今度は鳴き真似?あんた一体誰に媚びを売ってるの?
ここにはあたしとあんたしか居ないのよ?」
出海「ううん…いじめられてます…」
英梨々「いじめられてる?誰によ!教えなさいよ、ねえ、ねえってば!」
出海「さ、澤村先輩に…」
英梨々「あたし!?あたしがあんたをいじめてるの?」
出海「あ、いやその…」
変な事言わないで…それとも、そのてるてる坊主みたいなポニテが何か予報
しちゃった?」
出海「そんな事いったら澤村先輩だって金色のてるてる坊主を…!」
英梨々「いやねえ…人間がてるてる坊主を頭に付ける訳ないじゃない
これ髪の毛よ、何言ってるのよあんた、馬鹿ねえ…」
英梨々「ホント…馬鹿ね!!」
出海「うう…うわああああああん…」
倫也「お、おい英梨々、出海ちゃんが泣いて走って行ったが
何かあったのか…?」
英梨々「さあ…?あの子にも色々あるんじゃない?
それより早く帰りましょ?」
倫也「お、おう…。まあ仲良くな…。」
元ネタはとっても明るいから、是非見てみよう!
面白かったよ
アニメ始まるね。楽しみだ
深崎さんが最近人気になってきたのも冴えカノのお陰だと思う
挿し絵と本文のコンビネーションホント好き
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420722291/
Entry ⇒ 2015.08.01 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
安芸倫也「ど、ど、ど童貞ちゃうわっ!」
霞ヶ丘詩羽「あら、美女四人にご奉仕させているのに、まだそんな清純ぶった事を言うの?」
倫也「人聞きの悪いこと言わないでよ!ゲームの企画を立てているだけじゃんか!」
詩羽「白々しい…私を水族…ラブホテルに連れ込もうとしたじゃないの?」
澤村英梨々「と、倫也、本当なの?」
倫也「先輩が連れ込もうとしたんでしょ!」
詩羽「あら倫理君…?その慌て方、もしかして童貞?」
倫也「ど、ど、ど童貞ちゃうわっ!」
英梨々「え…?」
氷堂美智留「ふーん…」
加藤恵「……」
倫也「ん?何この雰囲気」
詩羽「倫理君…いえ不倫理君、誰、誰が貴方を汚したの…!言いなさい…!言え!」
倫也「いや、今のは冗、美智留「そういう反応という事はアンタじゃないんだね、霞ヶ丘さん?」
詩羽「あら?どうやら貴方でも無いのね氷堂さん?というかそんな薄着で破廉恥よ、もう少し
恥じらいと言う物を覚えてはいかが?」
美智留「ええ~恥じらいも何も、トモとあたしは家族みたいな物だし、というか已に家族だし?
高校生になってから出会って、少し位トモに言い寄られただけの人が口を出さないでくれる
かな~?」
詩羽「言ったわね…、そういう貴方こそ、家族とか言ってる割には見ず知らずの輩に倫理君の
童貞を奪われたりして、家族とか言ってるけど貴方が一方的に言い寄っているだけじゃないの?」
美智留「ふーん、へー、あっそう、そういう事言うんだ~、良いよ、誰が本当のトモの彼女か
証明してあげるよ!まっててねトモ、今すぐ泥棒猫始末して、あたしがトモの一番に成って
見せるよ!」
英梨々「倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、
倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物、倫也はあたしの物っ…!」
倫也「」
詩羽「そういう反応するという事は澤村さんでも無いのね、良いでしょう倫理君、
いえ倫也、貴方の隣は誰でも無い、私こそが相応しいという事を教えてあげる…!」
倫也「せ、先輩?先輩!」
倫也「か、加藤?」
加藤「………」
倫也「……?」
加藤「安芸君…、私…、帰るね…」
倫也「か、加藤…?お、おい加藤、加藤さん??????」
倫也「昨日は変な感じに終わったな…先輩も、加藤も先に帰っちゃうなんて…」
英梨々「倫也…」
倫也「おっ英梨々、お前はまだ残ってたのか?」
英梨々「うん…あたしはいつでも倫也の側に居るよ」
倫也「そ、そうか…ありがとう、そ、それで昨日の事なんだが…」ゾクッ
英梨々「倫也…ちょっと痛いけど我慢してね…?」
倫也「は?だ、誰だこの黒服の人達!?な、何をするきさまらー!」
………
英梨々「気がついた?」
倫也「英梨々!お前何をして…!」
英梨々「あたし、倫也にとって、なんなのよっ!!
ねぇ? 倫也にとって、わたしはなんなの…?」
倫也「英梨々…?ちょ、ちょっと落ち着いて…」
英梨々「アンタが悪いのよ…アンタが次から次へと女を作るから…」」
倫也「ちょっと待て!色々言いたい事が、英梨々「うるさい!!」
英梨々「あたしね思ったんだ、アンタの浮気癖は一生治らないって、だからあたしが…
あたしが…矯正してあげるわ、感謝なさい!」
じゃなくて小百合さんは?そもそもあの黒服は誰だよ!」
英梨々「母さんは大歓迎って、父さんも全面的にバックアップしてくれるってさ、あの黒服の
人達はお父さんの知り合いの人に頼んだのよ、イギリスの」
倫也「知り合いってお前、M○6とかじゃないだろうな!?あの人達何やってくれてんの!?」
英梨々「倫也、私とイギリスに亡め…ちょっと旅行に行きましょう…?」
倫也「いま亡命!?亡命っていったよね!?」
英梨々「大丈夫よ、国籍がイギリスに姓がスペンサーに変わるだけだから」
倫也「はあ!?」
英梨々「さあ倫也私と…?」ガクッ
倫也「み、みっちゃん、いや美智留!」
美智留「トモってさ昔から抜けてるよね~、もう少し気を付けて欲しいな~って」
倫也「あ、ああ?分かったよ?っえ…」ガシッ
姫川時乃「ごめんね~トモ君、でもミッチーが協力したら…」
水原叡智佳「私も彼氏居るんだけどさ」
森丘藍子「…男の子の体、…興味ある…」
美智留「ほらさ、こういう事に成るんだよ。でも大丈夫だよ、初めは私が担当するから
あたしトモとなら、そんなに悪くない思い出…ううん最高の思い出にしようね!」
倫也「ま、まて美智留!みっちゃん!早まるな!」
美智留「トモ、あんた、あたしにあんな格好させておいて…他の子ばっか構って
でもトモ言ってくれたよね、一緒に幸せになろうって、だから私決めたんだ…
トモ…私と家族に成ろ?ううん…私がトモの家族を増やしてあげるよ!」
倫也「」
………
詩羽「あら、おかえり倫理君」
倫也「全くみんな何を考えてんだか…ただいま先輩」
詩羽「先輩なんて他人行儀はやめて、詩羽って呼んで」
倫也「あぁそれはゴメンよ、先…じゃなかった詩羽…ってぇ!?なんで先輩が!?」
詩羽「なんでって???」
倫也「そうやって可愛い仕草で誤魔化そうとしないでよ!?」
詩羽「可愛いだなんて///倫理君の癖に生意気よ///」
詩羽「倫理君、私思うのよ、貴方はこのままじゃ駄目になるって」スルッ
倫理「く、黒ストッキング!?じゃなくて、い、意味が分かりませんよ!?」
詩羽「わからない?だったら教えてあげるわ。仕方がないわよね、こんな行為に及ぶのも
リアルは小説よりスリル満点だからだもの、あぁそうか
これは貴方から与えられたプレイなのね倫理君、いえ倫也。
そうよ、えぇそうなのよ。あんなに情熱的に求められちゃ
こんなプレイに付き合ってあげたくなるわ。
全く不倫理君ね倫也は。いいわ付き合ってあげる
とことん最後まで、その代わり私の物になってね
ううん、貴方は私の言うこと、聞いていれば良いの
何処の泥棒猫と行為に及んだかは知らないけれど
二度としちゃダメよ?その泥棒猫は私が責任持って消しておくから
その代わり貴方は私と///いいえ、やっぱり倫也が悪いんだもの
そっちが尽くすべきよ、まずはそうね…私を抱きしめなさい
ギュ?ってしなさい//倫也の匂いを嗅がせて
ううん倫也を舐めさせて、倫也を食べさせて
素敵…スキャンダル過ぎる…やっぱり噂になってナンボだわ、さぁ始めましょう?」
倫也「」
大丈夫、私が歳上だもの、リードしてあげるわよ」
倫也「り、リードって…ってぇ!何そのコーヒー!?」
詩羽「貴方に残ってる他の女の子の残り香を消すの、
少し眠って貰うだけよ、飲みなさい、飲むのよっ!飲めっ!」
倫也「ちょっ!?眠らせて何をするつもりっ…がっガポポ」ガクッ
詩羽「さてと…まずは上着を脱がせて、この香りを存分にって…あら…?」ガクッ
???「………」
-------------------
???「目が覚めた?安芸君?」
倫也「か、加藤?」
(夕焼けに包まれる中、俺と加藤はボートに乗って湖?の様な場所に居た。
夕日に照らされ、茜色の色彩が辺り一面を覆っていた。夕日の影が加藤
を染め、ポニーテールが僅かな風に少し揺れていた。その姿はとても、
可愛いと言うか、妖艶だった…)
加藤「安芸君…ずっと起きないんだもの、私退屈しちゃった。」
倫也「ああ…それはごめん、でもどうして俺たちボートに、加藤「ねえ安芸君、
ちょっとひどいんじゃないかな?私をヒロインにしてくれるって約束したのに…」
倫也「あ、ああ…?ごめん…」
倫也「ああ…それはごめん、でもどうして俺たちボートに、
加藤「ねえ安芸君、ちょっとひどいんじゃないかな?
私をヒロインにしてくれるって約束したのに…」
(加藤は俯き、ブツブツと何かを呟いていた)
加藤「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
倫也「」
構うんだったら、私だけ構えない、私だけ見れない
様にすればいいんだって」
(その時俺は気がついた、何処からか波の音が聞こえて来る事に…)
加藤「ねえ…私を…可愛いヒロインにしてね…と、も、や、君?」
END
次は加藤がサークルを支配するSS書きたい。明日のアニメ楽しみ。
ちょっとしたらHTML化依頼出して来ます。
流石はメインヒロインだね(尚、表紙になったのは……
なかなか良かったよ
また書いて欲しい
面白かったです。
漫画版なら、真由の出番も作ってあげて。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420633626/
Entry ⇒ 2015.07.19 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
冴えない彼女の育てかた『慣れないエンドの創りかた』
※注意事項として、5巻、7巻のネタバレがあります。
※時間軸やその他諸々の定義、設定についてはあまり深くは考えていませんので、大まかな流れだけ意識して頂けると幸いです。
※そこまで堅苦しい話ではないとは思いますが、ヒロイン達とのイチャラブが読みたい方には、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。
※作者のキャパシティと想像力の問題で、出海、美智留、伊織は出てきません。
※作者の(ryの問題で、たまに話が省略されている場合があります。
色々とツッコミ所が多かったり、アラがあったり、穴があったりしてるとは思いますが、カップラーメン完成までの暇つぶしにでも流し読みして頂ければ幸いです。
巡璃(これで、”この世界”の誠司くんも幸せになれる)
巡璃(これから、いっぱい、たくさん、幸せになってね。色んなこと、楽しんでね)
巡璃(わたしの世界で、”あんな事”になってしまったあなたの分まで……)
巡璃(……もう力はほとんど残ってない。この世界で、わたしの旅も終わりかな……)
巡璃(………そろそろ行かなくちゃ、ね。……ばいばい……誠司くん……)
(少しずつ薄れていく意識に反し、満足そうな笑顔を浮かべながら、姿を消す巡璃)
誠司「………あれ?」
きらり「どうしたの? 誠司」
誠司「いや……今、そこに誰か居なかったか?」
歌穂「いえ、私達だけよ。……何? まるで、元々この世界に居ないはずの人間がさっきまで一緒に居て、役目を果たしたから私達の記憶ごと消えていった誰かの余韻を感じた…みたいな顔をして」
きらり「……いつもなら、何のためらいもなくツッコんでる所だけど……。ま、ここに来るまでのあんたの頑張りを見てたら、そういう事があってもおかしくないって気もしてくる。いいんじゃない? 今日だけは、そういう主人公気分に浸ってもバチは当たらないわよ、きっと」
誠司「……そうやって俺の言う事を素直に受け入れてくれるのも今日だけになるのか?」
きらり「茶化すなバカ…と、言いたい所だけど。それはまぁ、え~と……あんた次第、かな」
歌穂「へぇ……長い離別期間を経て、すっかりツンデレお嬢様の切れ味を取り戻したと思ったら、ようやくをもってそのテンプレ負け犬キャラからの離脱を計ろうというのね? 河村さん」
歌穂「あら、もう忘れたのかしら? 誠実君と唇を重ねた一番目の相手が誰だったのかを……」
きらり「そ、それはっ……!」
歌穂「一般論としては、それはとある厄介なフラグのようだけれど……。今の私には全く無意味だという事を、これからじっくりと証明してあげるわ……」
きらり「その強気……あんたも今までとは一味違うという事ね、霞ヶ浦歌穂……!」
歌穂「ふふ……あぁそうだ誠実君。ちなみに私は、貴方の言うことも、考えることも、心も、身体も、男性ならではのあれやこれやもいつだって素直に受け入れる準備は出来てるからね?」
きらり「それ素直じゃなくて、欲望に忠実なだけでしょ! あんたのは純度に問題がありすぎんのよ!」
誠司「お互いに少しは認める所があるような台詞なのに、結局対抗心が強すぎて全然そういう風に聞こえなくなる所は変わらないんだな……」
誠司「……………ふぅ……………」
(しばらくして、どこからか季節外れの桜の花びらが、ふわふわと舞い降りてくる)
誠司「ん? 珍しいな、こんな季節に」
(そっと、手を広げて花びらを迎える誠司)
誠司「……あれ。なんでだ……?」
(瞬間、花びらに触れた手から、暖かく、心地良い、どこか懐かしい感情が流れ込んでくる。そのほのかな、しかし確かな感覚が、胸の奥にまで辿り着いた時……)
誠司「なんで、泣いてるんだ……俺……」
(大切な何かを思い出しそうで、しかし、その何かは既に手の届かない所に行ってしまっていて。だからこそ、きっともう思い出せないままなのだろうと、これは”そういうもの”なのだろうと、何も分からないはずなのに予感できてしまう事が、とても……)
誠司「……ぅ……く……うぅ……」
誠司「………今まで居た誰か、か……」
誠司「……分からない。ありえない。これはきっと、とてつもなくおかしい事なんだろうけど。二次元に染まり過ぎなんだろうけど」
誠司「でも、思わずにはいられない。言わずにはいられない」
誠司「妄想でも、幻想でも構わない」
誠司「………きっとさ、きっと、君は俺の力になってくれてたんだろうな」
誠司「ずっと、俺のそばに居てくれてたんだろうな」
誠司「俺がここに立っていられるのも」
誠司「俺が諦めなかったのも」
誠司「きっと、君が……」
誠司「だから、さ」
誠司「ありがとう」
誠司「……この先、君の事を思い出せなかったとしても」
誠司「これからの時間が、君が居てくれたから流れていくんだってこと……」
誠司「君が居てくれたから、歩いていけるんだってこと……」
誠司「絶対に、忘れない」
誠司「………ありがとう」
誠司「さよなら……」
END
スタッフロール(主題歌:BGMのみ)
英梨々「…………っ」
加藤「…………」
詩葉「…………そうね、先に一言だけ言わせてもらえれば」
倫也「う、うん」
詩葉「意外だったわ。ハッピーエンド脳の貴方に、こんなビターエンドを書く発想があったなんて」
倫也「う~ん、でも、最初は先輩に言われた通り……」
※回想
詩葉『……貴方が書くハッピーエンドには、まぁ、ご都合主義に砂糖と蜂蜜とシロップをかけるくらいの甘々しい展開だと言えなくもないという事を前提に置いてだけれど』
詩葉『それでも、そのゲームに対する情熱やキャラクターへの愛情、そして、ユーザーに少しでもゲームを楽しんで欲しいという信念を源泉として、人を惹きつける確かな魅力がある』
詩葉『ただ、だからこそ、貴方はより強く理解しなくてはならない。そのキャラクター達と、キャラクター達が紡ぐ物語の可能性が、必ずしも一定の方向に流れる訳ではないという事を。彼らは機械でも人形でもない、感情と魂をもった人間であるからこそ、”間違えてしまう”可能性が常に備わっているという事を』
詩葉『だから書いてみるべきだわ。生きているからこそ選び取る、選んだからこそ辿り着く、必然としての、一つの結論としてのエンド……バッドエンドを』
※回想終わり
詩葉「……何というか、ちょっとだけ、もしかしたら結構、私の作風の影響を受けてるような感じがするわね。あくまでビター部分だけの話で、濃厚さは二段階くらい薄めだけれど」
倫也「そりゃまぁ、切なさや喪失感を書かせたら右にも上にも出るものはそうそういない、悲恋のドS伝道師、霞詩子の一番の信者にして、弟子でもあるしね」
詩葉「前にもそんな事言ってなかった? やっぱり褒められてる気はしないわね。でも、倫理君が『私の想いを受け入れてくれている』という点に関しては嬉しく思うし……これはもっと染めたくなってしまう所だわ」
倫也「いや、そこは普通に『先輩の影響を受けている』のままで良くない!? 途端に生々しくなるからその言い方!」
詩葉「……まぁ、ある程度は予想してたけれど、貴方が書くのならこれでいいのかもね。やっぱり倫理君の実力…以前の性格的に、ヒロイン死亡エンドだとか、永久ループの中で絶望すら尽き果てたエンドだとか、慈愛の女神がぽっと出のチートキャラにごにょごにょされるエンドを書けるとも思えないし」
倫理「例に出すにはスケールが違い過ぎるのがいくつかあるよね…ってのはさておき、先輩が言ってるように、どっちかっていうとビターエンドになるのかな、これ」
倫也「……でも俺、それでもこの話書くのに相当気力を浪費したっていうか、魂が削られる感覚を覚えたっていうか……」
詩葉「それは……慣れてないからって理由もあるでしょうね。でもね、倫理君。プロの作家でも、登場人物が凄惨な目に合う話を書いてる時、いつでも冷静でいられてるなんて事はないのよ? 歯を食いしばりながら、震えながら書き上げる時だってあるんだから」
倫也「…そうなの?」
詩葉「えぇ。私だって、恋するメトロノームの最終巻で、直人と沙由佳が別れるシーンを書いてる時は……」
倫也「な、何? 何で急にこっちを睨むのさ?」
詩葉「……いいえ、何でもないわ(あの時の心境だったら睨んだだけで骨の一本くらいハジけそうだったんだけれど)」
倫也「小声で相手に物理的ダメージ(重症)を与える算段つぶやくのやめてくれる!?」
倫也「う~ん、そっかぁ」
詩葉「まぁ、一つだけ確実に言える事は……」
英梨々「……何よ?」
加藤「英梨々、ほら、ハンカチ」
英梨々「っ……。別に、泣いてないからいらないわよ……」
詩葉「とある秘オタの凡忽乙女()《ンゴックス》さんには、思いっきり突き刺さってるって事かしらね」
英梨々「だから……っ……。倫也!!」
倫也「分かってる。全然、まったく、これっぽっちも、お前は泣いてない(って言わないとまたとばっちり来るだろうし寝てない宣言以上に扱いにくいよな泣いてない宣言)」
英梨々「そ、そうよ。分かってるならいい。……でもまぁ、あんたにしちゃ、その、悪くはないと思う。多少でも、そこの黒髪魔導師の影響があるかもってのは気に入らないけど」
倫也「そ、そうか。お前にはもう少し、怪訝な態度をとられると思ってたんだが」
詩葉「あら、それって暗に、今までの倫理君のスタンスに対しては好意的だって告白してるようにとれるわね?」
英梨々「そんな事言ってない。ただ、まだシナリオを一本書いただけで、それ以外はいつもギリギリまで何もしない三流の準置物プロデューサーから、少しはシナリオを書けなくもない二流の物書き兼プロデューサーにレベルアップできるっていうんなら、いずれはどこぞの腹黒作家の出番が無くなる可能性もあるって事になるでしょ?」
詩葉「それは残念ね、澤村さん。仮に倫理君が私と肩を並べる物書きになったとしても、それこそが、私とのフラグの一つが完遂する時……。そう、『TAKI UTAKO』という名前が、私と倫理君を始めとした一部の人間にだけ解る繋がりではない、より大勢の人間に、実力と信頼と愛情の伴った深い繋がりとして認知されるようになるの…。ふふっ……うふふふ……」
英梨々「な……まさか、そこまで考えて、その名前を…!?」
詩葉「周囲からの視線にこだわりはないのだけれど、内容によっては、ね……?」
倫也「いやTAKIが俺って事が知られる可能性は高まるのかもしれないけど、合作ペンネームだけじゃ愛情は伝わらなくない? 」
英梨々「ぐっ………ぬぐ……! か、かか、霞ヶ丘詩葉っ……!」
倫也「………ところで加藤、お前はどう感じた? 俺のシナリオ読んで」
加藤「そろそろ現状への諦観をきっかけに私に話をふってくる事に対する意見を述べるべきかな…ってのはさておき、そうだね、わたしも感動したよ? うん、本当に」
倫也「こういう時、お前の飾らない感想がありがたい癒しになってるってのは、他の二人のリアクションが再三、俺に何かしらのダメージを与えてるからって事を確信してしまうようで怖いんだが……まぁ、さんきゅ」
加藤「でも、やっぱり違和感っていうか……なんていうのかな? cherry blessingの安芸くんが書いたシナリオからも、今までの安芸くん自身の言動や行動からも、想像がつきにくいってのはあるかな?」
倫也「……俺って、普段、そんなにおめでたいか?」
加藤「底抜けに楽観的で、天井知らずに前向きで、際限なしに暑苦しいって部分が否めない時もあるのは、確かなのかもしれないね」
倫也「前半それだけ強調しといて『かもしれない』のへったくれもなくない?」
倫也「そういやお前、生まれて初めて読んだライトノベルが恋するメトロノームなんだっけか。まぁ、あの話の結末には色んな解釈があって、確固としたエンドの定義がある訳じゃないんだが、それでも初心者が読むにしては切なさと喪失感のレベルはかなりのもんだぞ?」
加藤「その初心者にいきなり全巻勧めてきたのは安芸くんだよね?」
倫也「……良い作品に出会えて良かったな、加藤」
加藤「まぁ、結局はそうなんだけど。確かに読んでてちょっとキツいかもって思う部分はあったよ? でも、最後には、不思議と爽快感みたいなものを感じてた」
英梨々「……………」
詩葉「どうしたの? 急に黙り込んで」
英梨々「……別に、何でもない」
加藤「そうだね。多分、その辺りは先輩の技術あってこそ、魅力的に成り立つものかもしれないけど。……そうやって、何度も頭の中で反復して繰り返し考えるうちに、ス…っと胸の奥に入り込むように、少しずつ色んな事に納得できるようになって。こんなに切ない話のはずなのに、前向きになれるっていうか、前向きに泣けるっていうか」
倫也「そういう、シナリオを何度も振り返って読み込ませる力ってのは、今の俺にはほとんどないだろうな」
加藤「う~ん……でも、英梨々や先輩も言ってたように、安芸くんはさ、そういうの複雑に考えなくてもいいと思うよ?」
倫也「プロの作家からも、ディープオタからも、非オタからも言われたら、もう受け入れざるを得ないよな……」
加藤「だって、もし安芸くんが、詩葉先輩のように切なくて喪失感が濃いシナリオを書ける実力を身に付けたとしてもさ」
倫也「いつの話になるか、そこまで辿り着けるかも全く分からないけどな」
倫也「…………」
加藤「こう、あるきっかけから、熱くて、明るくて、楽しくて、優柔不断で、鈍感クズで、ヘタレてて、節操のないご都合主義な展開が入り込んできて……」
倫也「上げてから落とすのは先輩だけでいいから。負担激増だから」
加藤「そうして最後には、それまでの悲しさや切なさを一気に全部まとめて帳消しにしてくれる……ちょっとだけ呆れながら、ちょっとだけ苦笑しながら、でもなんかこういうのもいっかって受け入れられる……そんな良い意味でどうしようもない、単純明快なハッピーエンドになるって思ってしまうんだよね」
倫也「先輩との話から今まで、散々右に左に揺さぶられて、もう喜んでいいのか落ち込むべきなのか全く分からなくなってきたな……」
倫也「メインヒロイン冥利に尽きるってことだな、うん」
加藤「それってニュアンス的にはなんとなく良い感じに聞こえるけど、実情としてはちょっと頷きづらいなぁ」
倫也「ふ~む……しかし、あれだな。……今日は良く語るな、加藤」
英梨々「本当、そろそろ私達の存在が忘れられるかもってくらい長いわね、恵パート」
詩葉「油断してたわ。ミ○ディレクションがオー○ーフローして、読者の視線がこのまま加藤さんに集まり続けて、ゆくゆくは私達の存在が霞んでしまうほどの脅威になりそうなくらい際どい目立ちかたよね」
加藤「話が長くなってたっていうのは認めるけど、だからって一段落着きそうになった途端、わたしの普段の立ち位置をネタに総ツッコミされるとなんだかちょっと悪いことした気になってくるような……」
詩葉「その辺りに関しては、私が付きっ切りで指導してあげるし、もしバッドエンド症候群にでもなってしまったら一生をかけて責任とるから大丈夫よ」
英梨々「事あるごとに自分の人生設計に他人を引きずり込もうとするな!」
加藤「まぁ、結局は素人思考だし、技術に関しては何も意見はできないんだけど……。それでも、今回の問題については、思い付く事、ちゃんと言っておかなくちゃって、ね」
倫也「そりゃまた、何でだ?」
加藤「う~ん、やっぱり……巡璃を、幸せにして欲しいなって思ったから、かな?」
詩葉「………なるほど、ね」
英梨々「……ま、そうなるわよね。当然でしょ」
倫也「ああ、分かってる」
加藤「前作の時点では、まだ少しふわっと思うくらいだったんだけど……。巡璃がさ、始めて誠司と出会って、色々あって、それから一緒に歩いていくって決めた先で……誰かと離れてしまったり、傷つけあったり、何かが届かなかったり、失ったり……。そうやって、どれだけ悲しい事があっても、どれだけ辛い事があっても………」
倫也「……………」
加藤「それでも、最後の最後には、大事な人……大事な人達の隣で笑ってて欲しいなって。結局は、本当に、すごく楽しかったって胸を張ってて欲しいなって。もちろん、他のみんなも同じように、ね?」
倫也「なんかすごいメインヒロインっぽい事言ってるな、加藤……」
加藤「……まぁ、底抜けに楽観的で、天井知らずに前向きで、際限なしに暑苦しいって部分が否めない安芸くんが書くんだから、多分、そういう心配はいらないんだろうけどさ」
倫也「なんかすごい加藤っぽい事言ってるな、メインヒロイン……」
倫也「いや、何で俺の首絞めながら言うの先輩? せっかく加藤が良いこと言ったって感動して……うぐぅ……」
英梨々「大体、あれだけ誠司の側に居て、支えて、見つめてきた巡璃が、最後の最後で報われないなんて、あんたいつからドS属性に目覚めたのよ。あれじゃ、巡璃や歌穂よりも長い間、誠司の事を想い続けてきたきらりなんて、いつ交通事故からのごにょごにょな展開に入り込むか分かったもんじゃないわ」
倫也「どこに配慮して伏せてるのか分からんが、そのネタは多分大体の人間は想像付くからな」
加藤「……えっと、多分、二人が思ってる事とわたしが思ってる事って、結構ズレてるような気がするんだけど……主に重さの部分と、めんどくさい部分のあたりで」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
倫也「お前が巡璃やゲームのキャラクター達のこと、大事に思ってくれてるのは良く分かったよ。でも多分、安心していいぞ」
加藤「ん? どういうこと?」
英梨々「倫也……まさかあんた……」
詩葉「何となく、イヤな予感がするわね……」
倫也「まぁ、実はバッドエンドを想像してたら、そのうち居たたまれなくなって、気付いたら書いてしまってただけだったりするんだけどさ」
加藤「……?」
ーーーーー
誠司「………今まで居た誰か、か……」
誠司「……分からない。ありえない。これはきっと、とてつもなくおかしい事なんだろうけど。二次元に染まり過ぎなんだろうけど」
誠司「でも、思わずにはいられない。言わずにはいられない」
誠司「妄想でも、幻想でも構わない」
誠司「………きっとさ、きっと、君は俺の力になってくれてたんだろうな」
誠司「ずっと、俺のそばに居てくれてたんだろうな」
誠司「俺がここに立っていられるのも」
誠司「俺が諦めなかったのも」
誠司「きっと、君が……」
誠司「だから、さ」
誠司「ありがとう」
誠司「……この先、君の事を思い出せなかったとしても………」
※選択肢
君がくれたものは、忘れない
→(…………………違う!)
誠司「………………!?」
???(…………………めだ……!)
誠司「………あ…………っ……?」
???(………行かせちゃ、だめだ……!)
きらり「どうしたの、誠司!?」
歌穂「誠司君!?」
???(………思い出せ……!)
誠司「なんだ……この、声…!?」
???(今なら、まだ間に合う……!)
誠司「……いや、まさか、これって………」
???(頼む………あいつを………)
誠司「俺の、声………!?」
”誠司”(巡璃を、引き止めてくれ………っ!)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(ーーーーこうして、誠司の決死の覚悟と、”誠司”の力をもって、消滅の危機を免れた巡璃。目的を果たし、満足そうに去っていく”誠司”に別れを告げ、彼の…そして自分の希望通り、この世界で生きていく事を決めた巡璃と誠司は、現実の空間へと帰還する)
巡璃「あ……ここって……」
誠司「……よくよく、縁があるな」
(そこは、全ての始まりにして……そして巡璃にとっては、何度も何度も辿った”再会”の場所である、出会いの坂。いつもと変わる事なく、二人を見上げ、見下ろし続けるその道の途中で、互いに向かい合う誠司と巡璃)
巡璃「……久しぶり……。また、会えたね………」
誠司「……あぁ。本当に、久しぶりだ」
(それは、実時間としては、ほんの少しの別れだったかもしれない。だが、その中で起きた事、起きてしまいそうになった事、それらを思えば、実際の体感などなんの意味もなさない程に、二人の間に、決して短くない時間を想起させていた)
巡璃「ん?」
誠司「今、お前が一番したい事、教えてくれないか?」
巡璃「……そんな事、急に言われても困るよ」
誠司「い~や、あるはずだ。だってお前、今、そんな顔してる」
巡璃「……まいったなぁ。今まではそういう事、全然気づいてなかったのに、ね」
誠司「まぁ、あれだけの不思議体験をしてしまったからな。何やら、ちょっとした能力に目覚めでもしたんだろ」
巡璃「あはは。わたしの気持ちが解る能力って……なんだかちょっと、照れるよ」
誠司「……本当だ。照れてるな、言葉通りに」
巡璃「それじゃ、もう、見栄を張っても仕方ないね……」
誠司「え………」
(誠司にゆっくりと近付いていく巡璃。今までも、そしてこれからも得るだろう、大切な人との思い出を、時間を、存在を深く感じるように、やがてその距離が、限りなく零に近付いて………)
誠司「うがぁあぁああああああああああああああ!!!!」
(……突如として襲ってきた、勢いと回転の乗り切った回し蹴りを背中に浴びて、その場から吹き飛ぶ誠司)
歌穂「……まったく、ちょっと目を離すとこれだもの。やっぱり、鎖的なものと縄的なものと首輪的なものを常に携帯しておく事を考えなくちゃいけないのかしら。本当、ドMなんだから誠実君は」
誠司「いやそれもう主従関係一直線だよねそうなんだよね!?」
きらり「……ついさっき、あたし達から告白を受けた矢先に、『二人は幸せなキスをして……』エンドを迎えようとするなんて、ほんっと良い度胸してるわね……!」
巡璃「あ~……あはは。えっと……」
誠司「そ、それはだな……というか、それ以前によくここが分かったな。さっきの場所から結構離れてるはずなのに……」
歌穂「私の場合は、貴方に対する恨みつらみをきっかけに、半径100km以内にいる私の事を愛してやまない誠実君の居場所が分かる能力にでも目覚めたんだと思うわ」
誠実「何その対俺用プライバシーブレイカー!? 一人明らかに桁がおかしいし! 冗談でも怖いからやめて!」
きらり「……そしてもちろん、憤ってるのはあんたにだけじゃないわよ? ……巡璃!!」
巡璃「は、はい!!」
きらり「あんた、私達に何も言わないどころか、記憶からも勝手に消えようとするなんて……!」
巡璃「………うん」
きらり「もう…………そんなの………絶対に………」
巡璃「……………」
きらり「……だめ、だからね……! だめ、なんだからね………!」
巡璃「きらり………」
巡璃「…………ごめんね、きらり。いっぱい、心配かけて、ごめんね………」
歌穂「…………叶さん」
巡璃「……歌穂先輩……」
歌穂「言いたい事はたくさんあるけれど………まぁ、とりあえず無事だったのなら、それでいいわ」
巡璃「え………」
歌穂「私、主人公に尽くすだけ尽くして消滅する自己犠牲系ヒロインについては、あまり良い印象を持ってないの。………だって、ずるいんだもの。そんな事されたら、真っ当な勝負になんてならないから……」
巡璃「…………っ………」
誠司「きらり………歌穂先輩………」
きらり「………ひっく、ぐす……」
きらり「負け化粧って何よ負け化粧って!? ……あ~…もう! ……そういえば誠司!! さっきはうまく誤魔化してたけど、この状況に対する申し開きはちゃんとしてもらうからね! 絶対逃がさないから!!」
歌穂「そんなに慌てなくても、これから時間はたっぷりあるんだから………とりあえず、鎖的なものと縄的なものと首輪的なもので誠実君を縫い止める所から始めましょうか?」
誠司「……か、勘弁してくらはい………」
巡璃「……………」
(もう、二度と目にする事も、感じる事もないと思っていた、大事な人達と過ごす時間。自分の心を、こんなにも豊かに彩ってくれるその楽しさを、喜びを噛みしめるように、巡璃は静かに、強く、自らの願いを思い返す)
巡璃(………”誠司”君。私、生きていくよ……)
巡璃(この人達と、この世界で、この時間で………)
巡璃(この先、何年経っても……どんな事があっても…………)
巡璃(みんなとなら、きっと……)
巡璃(最後には、最高の、笑顔で…………)
誠司「…………あ………」
きらり「…………巡璃………」
歌穂「…………叶さん………」
(そんな彼女の姿を見て、毒気を削がれる三人。その声なき希望の決意に応えるように、三人もまた、ゆっくりと笑顔を浮かべて……)
巡璃「みんな、これからも、よろしく、ね?」
(四人はまた、新しい桜の季節を、迎えに行くーーーー)
END
スタッフロール(主題歌:ボーカルあり)
英梨々「…………っ」
加藤「…………」
詩葉「…………そうね、先に一言だけ言わせてもらえれば」
倫也「う、うん」
詩葉「優柔不断。鈍感クズ。ヘタレ。節操なし」
倫也「全然一言じゃなくない!?」
詩葉「始めに書いてたスタッフロール(主題歌:BGMのみ)って、特別大した事はないってスルーしてたけれど、こういう事だったのね……」
倫也「あ~………ほら、たまにあったりするじゃん。元々バッドエンドやビターエンドだったものが、ある条件を満たすと、本来の流れとはほとんど変わらないけど、最後の最後で選択肢が出現して、その後のシナリオが書き換わってハッピーエンドやトゥルーエンドに変わるってやつ」
詩葉「……はぁ。もうここまで突き抜けられると、いっそ笑うしかないわね……。まぁ、約1名については、まったく真逆の反応になってるようだけれど……」
英梨々「な……によ……」
加藤「英梨々、ほら、ハンカチ」
英梨々「…………ふぇえぇぇえぇん…! 巡璃……良かった……居なくならなくて良かったよぉ………巡璃ぃ……!」
英梨々「……ひく……ちょっと油断してただけよ! もう、最初からこっち見せときなさいよね、バカ倫也…!」
倫也「いやそれだと今回の趣旨違ってくるから。とりあえず落ち着けって、英梨々。……しかし、あれだな。なんだかんだでお前が一番、俺のシナリオに反応してくれてるのは気のせいか?」
英梨々「き、気のせいに決まってるでしょ! 」
詩葉「……やっぱり長い間、倫理君の頭の中だったり、倫理君そのものをストーキングしてた経歴は伊達じゃないって事かしらね、澤村さん。倫理君の感性の観客として”だけ”はこの上ない仕上がりになってるというか、チョロいというか……」
英梨々「倫也の信奉対象として”だけ”は熟成してるっていうか、そういう因縁しかないあんたに言われたくないわよ! それにストーキングはヤンデレヒロインのあんたのフィールドでしょ! 色んなステータスにマイナス補正付きそうな属性をふっかけるな!」
倫也「お互いに少しは評価できる部分があるような台詞なのに、結局けなしてる部分の比率が多過ぎて悪口にしか聞こえなくなるのは仕様ですか…って、ホント流れるようにプロレスに移行するよねあんたら!」
倫也「…………う~ん……………」
(しばらくして……倫也のすぐ隣から、少し控えめで、どこか優しげな、ゆらゆらと揺れる桜の花びらのような笑い声が聞こえてくる)
加藤「ふふっ」
倫也「……っ。……な、何だよ?」
加藤「ん? えっと、安芸くんはやっぱり安芸くんなんだねって」
倫也「どういう意味でかは、あえて聞くまでもなさそうだな……」
加藤「ま、今回は、良い意味でだけって事にしてもいいのかも、ね」
倫也「……そりゃ、どうも」
(そんな、ほんのささいなやり取りの中、いつもより少しだけ心地良く、少しだけ穏やかな感情を共有する二人。そのほのかな、しかし確かな感覚にさり気なく意識を委ねながら……)
倫也「…………」
加藤「…………」
(落ち着いた時間を過ごし続け……られる事もなく……)
英梨々「ちょ……待ちなさい、霞ヶ丘詩葉! そ、それならあたしも、あくまであんた達がシナリオに集中してるかどうか監視する為にここに残るからね! 文句はないわよね、倫也!!」
加藤「ん~と……それじゃ、もうこんな時間だし、わたしはそろそろ……」
英梨々「何言ってるのよ、恵! 抑止力は一人でも多い方がいいんだからあんたも残ってなさい!」
詩葉「ダメよ加藤さん。”倫也”君がヒロイン○辱もののバッドエンドシナリオを創る想像力を高める為に、貴方にはまだ残っててもらわないと」
倫也「いや倫理呼びしなくなる=俺の倫理観が薄まる訳じゃないからね詩葉先輩!? 絶対書けないし、書かないからね!? …ってちょっと待て加藤! 調和力は一人でも多い方が…っていうかお前しかいないんだからこのまま残るんだ!」
倫也「……そう言った苦労の先に最高のハッピーエンドが待ち構えてるって事でここは一つ納得してもらえないだろうか?」
加藤「それ今思い付いた事適当に言ってるだけだよね安芸くん。……う~ん、ま、いっか。それじゃ、ちょっと家に連絡してくるね。まぁちょうど、明日と明後日は連休だし」
倫也「………英梨々や先輩もいるから安心、なんて考えてる訳じゃないんだろうけど、せめてあと2、3行分くらいは憂慮しても損はないと思うぞ加藤……」
(こうして、やっぱり最後には大したフラグが立つ事もなく、blessing softwareの夜は、いつものように過ぎていくのであった)
END
始めは色々と省略しないver.を書こうとしていたのですが、気付いたら10レス分くらいになってしまって、そうなると今よりも更にボロが出そうなのと、大体の流れさえ分かればいっかなという適当なノリでやめときました。
出来はともかく、もしかしたら生まれて初めて15000文字付近の文章を、無謀にも書いてみたのですが……この位の長さになるなら、普通の小説形式にしておいた方が読みやすかったかもしれません。難しい…。
原作第二部のスタート、8巻の発売までもうすぐ。表紙が加藤と言う事で、通常の1.1倍待ち遠しい所です。
そんなテンションで、SSもっと増えてけろの舞を踊りつつ。
読んで頂き、ありがとうございました。
アニメ二期もあることだし
冴えカノSSも増えて欲しいです
とりあえず言いたい事は詩葉ではなく詩羽ね
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433482934/
Entry ⇒ 2015.06.11 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えない彼女の育てかた】 冴えない嫁の育てかた 【英梨々編】
~放課後「視聴覚室」~
-------------
英梨々「それで...///話ってなによ...倫也?」
倫也「そ、それは...///」
英梨々「うん...///」
倫也「そ、その...何と言うか...///」
英梨々「放課後、誰も居ない視聴覚室にわざわざ呼び出したって事は言うことがあるんでしょう///?」
倫也「う、うん!えっと...その...俺は英梨々のことがずっと...」
英梨々 (つ、ついにこの時が!)ドキドキ
倫也「ご、ごめ~ん!!!やっぱりなんでも無い!!!」 ダッダッダッダダ
英梨々「え、ちょっ!ともや~!!!」
英梨々「...はぁ」
英梨々「ヘタレ倫也...バカ倫也...」
英梨々「私はずっと待ってるのに...」
英梨々「倫也が「好き」って言ってくれれば、私は直ぐにOKするよ...」
英梨々「だからさ...頑張ってよ倫也...」
~廊下~
-------------
倫也「はぁはぁはぁ、また言えなかった...」
倫也「どうして「好きだ」って言えないんだ...俺はこんなにも英梨々のことg(
詩羽「あらあら、そんなに息を切らしてどうしたのかしら倫理くん」
倫也「う、詩羽先輩?!なんでここに!帰ったはずじゃ!」
詩羽「あら、酷いこと言うのね倫理くんったら」
詩羽「ちょっと忘れ物を取りに来ただけよ」
倫也「そうだったんですか...」
詩羽「それよりもさっきの「好きだ」は私に対する告白かしら?」ふふふっ
先輩は含みのある顔で笑った
倫也「え!?聞いてたんですか」アタフタ
詩羽「えぇ、倫理くんが私のことが好きだって言ってるのをね...」
倫也「ちょっ!そんなこと言ってませんよ!!」
詩羽「そんなに否定されると傷つくわね...」
倫也「あ...すいません...」
詩羽「いいのよ倫理くん...澤村さんのことでしょう?」
倫理「...はい」
詩羽「っ...」
先輩のこの時の表情は今でも忘れられない
悲しみ・諦め・そして少しの希望を感じる表情だった
詩羽「そう...告白したの?...澤村さんに」
倫也「いいえ...しようとして失敗しました...言えなかったんです「好きだ」って」
詩羽「...ねぇ倫理くん」
詩羽「私とデートしましょう」
倫也「ちょっ!何言ってるのさ詩羽先輩///!!!」
詩羽「はぁ...少し落ち着きなさい倫理くん」
詩羽「これだから"童貞"は世話が焼けるのよ」
倫也「ど、どどど童貞ちゃうわ~!」
詩羽 ギロッ
倫也「う、嘘です!童貞です...」
詩羽「それでいいのよ童貞くん」
倫也「ど、童貞君はさすがに酷いよ~!」
詩羽「練習よ、練習」
倫也「スルーしないで~!」
詩羽「学校で告白できないなら、いっそ澤村さんをデートに誘ってその場の雰囲気で告白しなさい!」
倫也「待って!待ってよ!詩羽先輩!それって学校で告白するより難易度高いような...」
詩羽「そのための練習でしょ!気付かないの?私が練習相手になってあげるのよ!」
倫也「え...」
詩羽「だから私とデートしましょう!いや...しなさい!倫也くん!」
倫也「先輩...(先輩が俺のことを「倫也」と呼んだ...からかうときの「倫理くん」じゃなくて...)
倫也「...」
倫也「はい!宜しくお願いします!」
詩羽「それで、それでいいのよ...倫也くん」(これで私も諦めが付く...いや、付けるのよ霞ヶ丘詩羽!)
詩羽「じゃあデートの日にちと場所は~....」
デート当日「六天馬モール」
-------------
倫也「待ち合わせ場所は...っと」
倫也「確かこの辺りだったような」
詩羽「あらあら、女の子を待たせるなんて、いけない倫也くんね」
倫也「へっ?」
倫也「せ、先輩?!」
倫也「どうして!まだ集合時間30分前じゃないですか!」
詩羽「ふふふっ///今日が楽しみで眠れなかったのよ」
純粋な、含みのない笑顔だった
倫也「そ、そうだったんですか///」
詩羽「あら、もしかして照れてるのかしら?」
詩羽「それよりも今日の私の服装どうかしら?可愛いでしょう?」
倫也「ず、ずるいよ先輩...」
今日の詩羽先輩の服装が可愛ないわけなかった
だって、俺の思い描く最高のメインヒロイン「叶 巡璃」の服装そのまんまだったから...
詩羽「そうよ...私はね...ずるい女なのよ」
先輩は少し悲しそうだった
倫也「ちょっ///先輩!いきなり腕を組まないでくださいよ!」
詩羽「何言ってるのよ倫也くん、デートなのだから腕を組むぐらい当然でしょう?」
詩羽「それに、腕ごときで同様してたら「夜」はどうするつもりよ」
倫也「よ、夜!///」
詩羽「あらあら、ナニを想像したのかしらね~?」うふふっ
無邪気に笑う先輩はすごく魅力的だった、でもなんだろうこの違和感は...
詩羽「それで最初はどのお店に入るのかしら?」
倫也「そうですねまず最初は~...」
その後、詩羽先輩と色々なお店を回った
ランジェリーショップに連れ込まれた時は死ぬかと思ったけど
先輩とのデートはとても楽しかった
詩羽「倫也くんったら、どうして私の下着姿見てくれなかったのよ」
倫也「そ、そんなの!見れるわけないじゃないですか!///」
詩羽「本当に倫也くんってヘタレよね、これじゃ澤村さんがあまりにも可愛像だわ」
倫也「うっ」 グサッ(先輩の言葉が胸に刺さった)注:物理じゃないよ( ・`ω・´)
詩羽「ふふっ、どうやら心に刺さったようね」
詩羽「それじゃ~、次はあのお店にしましょう倫也くん」
倫也「はいはい」
六天馬モール内「British Garden」
-------------------
倫也「Gardening屋さんですか?」
詩羽「えぇそうよ」
倫也「先輩ってガーデニングに興味あったんですか?」
詩羽「そうね、最近始めたんだけれど、花を見てると結構落ち着くのよ」
倫也「へぇ~、知りませんでした」
詩羽「そうだわ!せっかくだから倫也くんも花を買いなさい」
倫也「え、えぇ!でも俺花とか全然...」
詩羽「私が教えてあげるわよ、そうね...今のあなたになら「これ」がいいんじゃないかしら?」
倫也「リナリア...ですか?」
詩羽「花言葉は~私の恋を知ってください~」
詩羽「ねぇ?今のあなたにピッタリでしょう」
倫也「詩羽先輩...」
詩羽「頑張りなさい倫也くん...」
倫也「はい!有難うございます!」
詩羽「...」
詩羽(本当に私って汚い女よね...愛を意味する花なら他にもたくさんあるのに...あえて「リナリア」なんて)
詩羽(~私の恋を知ってください~...ね、あのね倫也くん...私だってずっと倫也くんの事...)
英梨々「それに...か、霞ヶ丘詩羽...」
英梨々父「どうかしたのかい?英梨々」
英梨々父「おっ倫也くんじゃないか、久しいね」
倫也「え...スペンサーのおじさん?!」
英梨々「...ごめんねパパ、私先に帰るね!」ダッ
英梨々父「ん?お、おい、どうしたんだ英梨々!」
詩羽「...」
倫也「...」
英梨々父「い、いや~、うちの娘がすまなかったね、な、なにか急用でもあったのかなぁ?」ハハハ
倫也「...」
詩羽「安芸倫也!!!」
倫也「は、はい!!!」
詩羽「早く追いかけなさい!」
詩羽「このままじゃ、あなたの一番大切なものを失うわよ!!!」
倫也「う、詩羽先輩...」
詩羽「なにをしているの!早く行けぇええええ!!!」
倫也「うん!」
倫也「先輩...今日はありがとうございました!!!」ダッ
英梨々父「...」
英梨々父「なぜ...彼を送り出したんだい?」
詩羽「分かりません...勝手に私の口がそう喋ったんですから...」
英梨々父「そうか...君は弱いね...」
英梨々父「...強い女性はたとえ"汚い"と分かっていても...愛しい人を手放したりしない」
詩羽「...はい、私は弱い女です」
英梨々父「でも、その優しさは君をきっと強くする」
英梨々父「それは、忘れないで欲しい...」
詩羽「...ありがとうございます」
視線を落とすとひとつの花が目に入った...「キキョウ」花言葉は...~変わらぬ愛~
詩羽(っ!どうして...どうしてキキョウなのよ...!私は...私は...)詩羽の目から涙が零れた
倫也(こうなったら...!)スゥッ!!!
倫也「澤村・スペンサー・英梨々!!!」
倫也「聞こえているかぁ!!!」
倫也「俺、安芸倫也はお前の事を愛している!!!」
倫也「俺と結婚してくれ!!!」
「...」シーン
ザワザワ ナンカ ヘンナヤツイルゾ!
警備員「おい、そこの君やめなさい!」
倫也「ちょっ!やめてください!俺には今やらなくちゃいけないことなんです!」
警備員「分かった、分かった、話は事務所で来てやる」
倫也「だ、だから離してって!」
英梨々「あの~、そのひと私の連れです...離してあげてください...」
警備員「...」
倫也「...」
警備員「...」チラッ
倫也 「...」ウンウン
警備員「...はぁ、もうやめてくれよ」
倫也&英梨々「すいません(でした)」
英梨々「...倫也、こっちきて」
六天馬モール内「Cafe 6 Pegasus」
-------------------
英梨々「色々聞きたいことはあるけど...まずはさっきの言葉から」
英梨々「率直に聞くわ!倫也は誰が好きなの?!」
倫也「英梨々だ!」
英梨々「じゃあ、霞ヶ丘詩羽と一緒にいた理由は?」
倫也「詩羽先輩と一緒にいたのは練習だよ!デートの練習...」
英梨々「練習...ねぇ...」
倫也「本当だ!信じてくれ英梨々!」
英梨々「...」
英梨々「そんなの!信じられるわけ無いでしょ!!!」
英梨々「大好きな男の人が他の女の子とデートしてたのよ!!!」
英梨々「それが...たとえ練習であっても...!!!」グスッ
英梨々「だから私は、今の倫也を信じることはできない!」
英梨々「...もし、もし!私のことを本気で好きなんだったらいつか...迎えに来なさい」
英梨々「その時に...私が倫也の手の届くところにいたらね...」
倫也「え?」
英梨々「...さようなら、ともや...」
倫也「おいおい、「さようなら」って」
英梨々「...」ガタッ
倫也「ちょっ!ま、待ってくれよ!えりり~っ!!!」
英梨々の言った「さようなら」の意味なら直ぐに分かった...
詩羽「えぇ、昨日ね...」
倫也「そ、そんな...なんでいきなり...」
詩羽「別にいきなりって事じゃないわよ...」
倫也「え?」
詩羽「ねぇ、倫理くん?大阪の「マルズ」って会社知ってるでしょう?」
倫也「知ってるもなにも!マルズって言ったら「フィールズ・クロニクル」の!」
詩羽「...えぇ、そうよ」
詩羽「今更だけど、倫理くん...私とね澤村さんは~...」
詩羽「...~と言うことなのよ」
倫也「そ、そんな...英梨々がマルズに引きぬかれたなんて...」ガタッ
加藤「っ!大丈夫?倫也くん?」
倫也「あ、あぁ...ありがとう加藤」
加藤「...うん」
倫也「しかも企画があの紅坂朱音だなんて...英梨々が潰されかけないじゃないか!」
倫也「あいつは...あいつはいつも強がってるけど!弱い女の子なんだ!俺が守ってやらないと...」
詩羽「しっかりしなさい!安芸倫也!」
詩羽「澤村さんの最後の言葉忘れたの?」
倫也「忘れてないさ!「迎えに来て」そう言ったんだ」
詩羽「なら答えは簡単じゃない!」
詩羽「迎えに行けば良いのよ!」
倫也「で、でも相手はあのマルズだよ!」
倫也「どうやって英梨々を取り戻すって言うのさ!」
詩羽「私達のサークルBlessing softwareがあるじゃない...倫理くん」
詩羽「あなたの作ったこのBlessing softwareがね」
詩羽「私はマルズからの誘いは断ったから、このサークルに居続けるつもりよ」
詩羽「もちろん、大学に進学した後も毎日顔をだすわ」
詩羽「...私のせいで、こうなってしまった以上、最後まで付き合うわよ」
加藤「...うん!」フリフリ
倫也「加藤...お前は...」
加藤「私だってさぁ、このサークルのメンバーだし、一応メインヒロインだしねぇ~」
加藤「もちろん協力するよぉ」
倫也「で、でも...この先、英梨々を迎えにいけるなんて、いつになるか...」
加藤「だからぁ!協力するって!」
加藤「...だって私、Blessing softwareが大好きだから!」
加藤「皆で作ったこのBlessing softwareが...!」
倫也「加藤...お前が、そこまでこのサークルこと...」グッ
自然と涙が溢れてきた
倫也「よし!じゃあ、このサークルを!Blessing softwareをマルズに負けないものにしよう!」
詩羽「ふふっ、その意気よ倫理くん」
加藤「...」ウンウン
倫也「よし!じゃあ早速次のゲームの企画を立てるぞ!冬コミの失敗を活かして~...」
それから月日は流れ、俺と加藤が大学を卒業したと同時に、詩羽先輩を入れた三人で「株式会社 Blessing software」を立ち上げた
株式会社 Blessing softwareが大阪のマルズを売上本数で抜いたのは、ここから更に10年後のことである
10年後 大阪 ~マルズ本社~
----------------
倫也「ここがマルズ本社か...相変わらずでかいなぁ」
加藤「ほんとだよねぇ~ほんとっ大きい~」
詩羽「えぇ、倫理くんのアレぐらい大きいかしら」
倫也「ちょっ詩羽さん!もう高校生じゃないんですから下ネタはやめてくださいよ!」
詩羽「なによ!35歳になったら下ネタは駄目だって言うの?!」
倫也「駄目ですよ!なんか先輩が言うと生々しいんです...」
34歳になった加藤は一言で言えば「綺麗」になった...(和服とかきたら似合うだろうなぁ)
一方35歳になっても、詩羽さんは相変わらずで「美人」ではあるのだが...何と言うか残念な美人だ
そして醸し出す色気がものすごく...某声優のち○キングさんみたいだった
詩羽「それは、もちろん彼女に謝るためよ...」
加藤「15年ぶりに親友の顔見るためかなぁ~」
詩羽&加藤「そう言う(安芸・倫理くん)はどうしてマルズに来たの?(かしら?)」
倫也「そ、それは...(そんなの決まっている!英梨々にもう一度...もう一度告白するためだ!)」
倫也「15年分の愛を伝えるためさ!」
詩羽「臭い、臭すぎるわ倫理くん...あなたが言うと鳥肌が立つセリフね」
倫也「え!ちょっ!ひどくない!今のは「頑張りなさい...倫理くん!」って言うとこでしょ?!」
加藤「...」フリフリ
倫也「ちょ!加藤!俺自体が臭いみたいに手を振るのはやめてくれ!」
倫也「まじで泣けてくるから~!」
加藤「...」ふふふっ
なんだか最近、加藤がどんどん詩羽さんに毒されているような気がする...
詩羽「さぁ行くわよ!澤村さんを迎えに!私達の仲間を迎えに!」
倫也&加藤「うん!」
ありがとうございます
頑張りマスタング
最初は困惑していた受付嬢だったが「株式会社 Blessing software 代表 安芸倫也」名刺を見せると直ぐに納得してくれた
1Fフロアのソファで待っていると、一人の女性がこちらに歩いてきた...ひと目で分かった「英梨々」だと
ツインテールでこそなかったが、変わらず綺麗な金髪だった
英梨々「ひ、ひさしぶりね...倫也」
15年ぶりに聞いた「倫也」...俺は泣きそうになったのをぐっと我慢した
倫也「迎えにきたよ...英梨々!」
英梨々「...」
倫也「遅くなっちゃったけど...聞いて欲しい言葉があるんだ...!」
英梨々「...うん」
加藤&詩羽「...」ドキドキ
倫也「ずっと好きだ!俺と結婚してくれ!」スッ
そう言って英梨々に指輪を向けた...指輪にはあの時英梨々に渡せなかった花「リナリア」の絵が彫られていた
倫也「リナリアの花言葉は~私の恋を知ってください~だ」
倫也「俺の15年分の愛を知ってほしい!」
倫也「...」ドキドキ
英梨々「...ほんとっ!ほんとっ!あんたっていつまで待たせるのよ!」
英梨々「バカともやぁ~!!!」うわ~ん
そう言って英梨々は俺に抱きついてきた
倫也「じゃ、じゃあ!」
英梨々「えぇ!もちろんOKよ」
加藤&詩羽「...」ホッ
英梨々「それと、後ろでコソコソしている二人っ!出てきなさい」
加藤「やっほ~!久し振りだね英梨々~」
英梨々「恵!久しぶり!ほんとっすっごく綺麗になったわねぇ~」
加藤「んふふっありがとう英梨々、英梨々は今でもすっごく可愛いね」
英梨々「ちょっ///やめてよ恵//もう私34歳よ、可愛いなんて似合わないわよ」
詩羽「いいえ、澤村さん...あなたはすごく可愛いわよ」
英梨々「霞ヶ丘...詩羽...」
英梨々「...」
詩羽「だから...その...あのときh(」
英梨々「やめて!」
詩羽 ビクッ
英梨々「私は別に謝って欲しい訳じゃないの...」
詩羽「っ!」
英梨々「私はただ...」
加藤「う、う~...」
英梨々「?!どうしたの恵?」
加藤「う、う~お腹がいたいよ~(棒)」
加藤「英梨々、歩けないから、トイレまで連れてってぇ~」
英梨々「う、うん!わかったわ恵!」ダイジョウブ?ガンバリナサイ?
加藤と英梨々が帰ってきた
なぜか英梨々の目は赤く腫れていた
詩羽「で、さっきの話なんだけd(」
英梨々「もうそのことは良いわよ!詩羽...!」
詩羽「...」
英梨々「わかったわ...あなたにも色々思うところがあったこと...」
英梨々「あなたが本気で倫也のこと好きだったことも...あの日のデートの本当の意味も...」
英梨々「だから、そんな顔しないでよ詩羽...これから一緒に働くんだから!」
詩羽「え?」
英梨々「なに鳩・豆・顔してるのよ」
英梨々「私も株式会社 Blessing softwareの一員になるんだから!」
英梨々「よろしく頼むわよ!霞ヶ丘詩羽!」
詩羽「澤村さんっ!」ウッ 涙が零れた
詩羽「えぇ!よろしく頼むわよ英梨々!」
詩羽「私のシナリオについてきなさいよ!」
英梨々「それはこっちのセリフよ詩羽!」
詩羽&英梨々「うふふっ、あはは」
笑ってた、英梨々も詩羽さんも...
そして同時に涙が溢れる...
15年ぶりにBlessing softwareが揃った...あの頃に戻ったみたいで嬉しかった
加藤「...」加藤は上を見上げていた...しばらく...ずっと、ずっと...
ロンドン~セント・ジョン・ザ・バプティスト教会~
-------------------------
季節は6月、場所は...イギリスはロンドン
倫也「おいおい、英梨々...本当にここで結婚式をするのか?!」
英梨々「本番当日に何言ってるよ!」
倫也「でも、ここやっぱ凄すぎるよ...」
倫也「なんだか俺...怖くなってきた」
英梨々「はぁ...男がなに弱気になってるのよ!だらしないわね!」
詩羽「そうよ倫理くん、胸を張りなさい」
加藤(うわ~すごぉ~い!本物だぁ~!)
セント・ジョン・ザ・バプティスト教会
ビクトリアンゴシック建築の代表的建造物とも言われている荘厳な教会。築100年以上の歴史を持つ
倫也(加藤のあのはしゃぎっぷり...あいつ協会とかに興味あったのか?)
詩羽「それよりも今日は招待ありがとう英梨々」
加藤「ありがとね英梨々」
英梨々「いいの!いいの!結婚式は大勢のほうが楽しいし!」
英梨々「それにイギリスの結婚式はアットホームなのよ!」
英梨々「だから二人も楽しんでね!」
加藤&詩羽「えぇ!(うん!)」
~結婚式本番~
-----------
英梨々「...倫也」
英梨々「私ね...今すっごく幸せ!人生で一番!」
倫也「うん、俺もだ英梨々...」
英梨々「だから...これからも...私を幸せにしないと許さないから!」
倫也「あぁ!任せておけ!」
英梨々「うん!」
倫也「...」
英梨々「...」
英梨々「ねぇ倫也」
英梨々「...大好き!!!」ギュッ 握られた手はとても温かった
倫也「俺もだ!!!」
~~~♪~~~♪~~~♪
英梨々「あっ、パイプオルガンの音...」
倫也「そろそろ扉が開くな」
英梨々「さぁ行くわよ倫也!」
ギギギッ バタン!
二人の未来とBlessing softwareに幸あれ 冴えない嫁の育て方 完
次は詩羽先輩だな
そもそも冴えカノSSなんて初めて見たので
詩羽編、出海編、美智留編も期待してます
少し長くなってしまい、ごめんなさい。
見てくれていた方ありがとうございました。
また書くかもです、見たいシチュエーションなどあれば教えて下さい。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425132489/
Entry ⇒ 2015.04.16 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えない彼女の育てかた】 冴えない嫁の育てかた 【加藤恵編】
倫也「さぁ、何でだろうな」
加藤「安芸くんはずっと英梨々の事が好きで、英梨々も安芸くんの事が好きだったのにねぇ、不思議だよねぇ~」
倫也「...」
倫也「なぁ加藤...今幸せか?」
加藤「う~ん、人生で一番って事はないけど...一応幸せかな?安芸くんは?」
倫也「俺は幸せだよ!なんたってメインヒロインと付き合ってるんだ!これで喜ばないギャルゲー主人公は居ないね!」
加藤「あはは...やっぱ安芸くんってオタクだね」
倫也「なに当たり前のこと言ってるんだ加藤!」
加藤「そうだね、ごめんごめん」ふふふっ...//
倫也「どうしたんだ加藤?」
加藤「んーん何でもないよ、ただこの雰囲気が好きだなぁ?って」
倫也「そっか...」
加藤「うん!」
倫也「...」
加藤「...」
倫也「えっと...加藤?」
加藤「何?安芸くん」
倫也「うん...その...えっと」
倫也「なんと言うか...」
加藤「歯切れ悪いなぁ?どうしたの?」
加藤「...」
倫也「...」
倫也「俺達結婚しないか?」付き合って5年目の決断だった
加藤「やっと言ってくれたね安芸くん...良いよ結婚」
倫也「そっか」
加藤「うん」
~結婚式~
-------------
英梨々「恵~!倫也~!久しぶり~!」
加藤「あっ英梨々久しぶり~!」
倫也「小さいツインテールが走ってきたと思ったらこれはこれは
かの有名なマルズの人気イラストレーターにして俺の初恋の相手
澤村・スペンサー・英梨々!!!」
英梨々「はぁ~、あんたのそのキャラ説明見たいな喋り方いい加減飽きたわ
それに何しれっと恥ずかしい事言ってんのよ!
ホントッ!あんたに惚れてたなんて人生最大の黒歴史だわ!」
倫也「随分と言ってくれるなこの野郎~!まぁそれにしても本当に久しぶりだな英梨々」
英梨々「うん!久しぶり倫也!倫也は相変わらずね、恵はすっごく綺麗になったわ!」
加藤「ありがとう英梨々、英梨々もとっても可愛いよ」
英梨々「あはは、ありがとう恵!」
英梨々「そうだ!今日は恵にプレゼントがあるのよ!」
パチンッ!
英梨々が指を鳴らすと黒服の男達が何やら大きな額を持ってきた
英梨々「ジャジャーン!どうかしら?」
額にはウエディングドレスを着た叶 巡璃が描かれていた
そのメグリの表情はとても幸せそうでいて、でもどこか寂しそうで、とても綺麗だった
加藤&倫也「すごい! !(よぉ~!!)」
二人揃って小学生並の感想だったのは置いといて、純粋に凄かった
それはあの頃よりも洗礼されたイラストだった
倫也「これ、英梨々が描いたのか?!」俺は分かり切った質問をした
英梨々「もちろんよ!私を誰だと思ってるの!あのマルズの人気ナンバーワンイラストレーターよ!」
英梨々の表情は自信で満ち溢れていた
俺はとても嬉しかったが、同時に英梨々が手の届かない所へ行ったような気がして少し寂しかった...
俺の知ってる英梨々じゃないんだな....
英梨々「え?何か言った倫也?」
倫也「何も言ってないぞ!ただ英梨々は 凄いと思っただけさ」
英梨々「そうでしょー!もっと褒めなさい !」
英梨々は子供のように笑ったその笑顔は本当に可愛かった
この時、英梨々をもう1度好きになりかけたのは内緒の話
倫也「ところで英梨々?その...俺にはプレゼントないのか?」
英梨々「はぁ?!あるわけないでしょっそんなの!私は私の"親友"である恵のため"だけ"に描いてきたんだから」
英梨々「そんなに私のイラストが欲しかったら、私の画集を買いなさいよ!」
倫也「おいおい、そんな酷いこと言わないでくれよ俺も英梨々の親友だろ?(泣)」
英梨々「あ~もう!うるさいわね!ちゃんとあるわよ!倫也の分も!でもそれを渡すのは私じゃ無いわ」
倫也「え?」
英梨々「本当に遅いわねアイツ...」
アイツ?英梨々が呼ぶアイツとは...まさか...いやでもあの人は仕事があるから結婚式にはこないt...(久しぶりね倫理くん
倫也「霞ヶ丘詩羽...」
詩羽「先輩を忘れてるわよ後輩くん」先輩はクスッと笑った
倫也「先輩 !? !? !?」
倫也「お久しぶりです! いや久しぶり!」
詩羽「久しぶり?いやね、昨日もあったじゃない?」
倫也「ん?」
詩羽「そうよね、所詮私はあなたの愛人...忘れられる女...そうでしょう?不倫理」
英梨々「愛人ッッッッッッッッ! !と~も~や一体どう言うことよ! !」
倫也「いやいや! 落ち着け英梨々! 見に覚えがなさすぎる! 」
そして久しぶりにくらった英梨々のツインテールビンタ...懐かしいなぁ...じゃなくて!
加藤「倫也くん?今の話、本当なの...?」恵が見たことも無いような顔で怒っていらしゃった
倫也「落ち着け恵!先輩と俺はそんなんじゃない!」
詩羽「あら、酷いわね、昨日もあんなに愛し合ったのに...」
加藤「ッッッッッッッッッッ////! !!」マジで恵が俺に襲いかかろうとしていた
詩羽「な~んてね、全部嘘に決まっているでしょう加藤さん...いえ、今は安芸さんだったわね」先輩は少し寂しそうに笑った
某エヴァ○リオン初号機暴走状態の様なうめき声をあげていた恵だったが、先輩のその一言で平常を取り戻した
加藤「あ、お久しぶりです霞ヶ丘先輩」
英梨々&倫也「切り替え早っ!」
詩羽「本当に久しぶりね、安芸さん、倫理くん、会うのは4年ぶりぐらいかしら」
詩羽「まぁそこの小さいツインテールは嫌でも毎日仕事で会ってるんだけど」
英梨々「ちょっ、それどういう意味y(ry」
詩羽「その事は置いといて、綺麗になったわね安芸さん見違えたわ,,,あの頃は存在感すらなかったのにね」
加藤「ありがとうございます、先輩も相変わらずお綺麗ですね。でもまだ黒髪ロングに黒ストなのに驚きましたぁ!まだ昔に囚われてるんですかぁ?」
詩羽「っ!」
詩羽「あらあら、言うようになったじゃない」
加藤「いえいえ~、先輩ほどじゃありませんよぉ」
詩羽「...」
加藤「...」
ゴゴゴッ
あれ?あれれ、この二人って仲悪かったっけ?
英梨々「だ、だれがワンコじゃ~!!!」
詩羽「飼い主にかまってもらえなくて寂しいのは分かるけど、少し静かにしていなさい」
英梨々「な、なにが飼い主よ!あんたに飼われた覚えはないわよ!」
詩羽「あらあら、そんなこと言って良いのかしら?紅坂 朱音の道具に成り下がろうとしてたのを助けたのは誰だったかしらねぇ?」
英梨々「そ、それは...」
詩羽「誰だったかしらねぇ~?」
英梨々「あ、あんたよ!!!バカ詩羽~っ!!!」
うわ~ん!ペチペチペチ
倫也「痛い痛い、止めろ英梨々!」
図星言われて恥ずかしいのは分かるが、泣きながら俺にツインテールビンタをしてくるのは止めろ英梨々
でも、なんだかんだ言いながら先輩はちゃんと英梨々のこと守ってくれていたんだな...
先輩はもう忘れているかもしれないけれど見送りの日の約束を守ってくれていたことが嬉しかった
倫也「あぁ、そろそろウエディングドレスに着替えないとな」
加藤「うん、じゃあ行ってくるね」
倫也「行って来い!メインヒロインらしく綺麗にしてもらえよ!」
加藤「うん!分かったぁ、それじゃあねぇ英梨々、霞ヶ丘先輩、またあとでね」
英梨々「いってらっしゃい恵」
詩羽「ええ、いってらっしゃい安芸さん」
詩羽「それにしても綺麗になったわね彼女、流石は倫理くんのメインヒロインといったところかしら」
倫也「いやいや、それほどでもないよ」
詩羽「あんまり気持ち悪いにやけ顔でこっちを見ないで頂戴」
倫也「え!なにそれひどくない!!」
詩羽「そうそう倫理くんに渡すものがあったのよ」そう言って詩羽先輩は鞄から一冊の本を取り出した
倫也「ち、ちょっと!俺の話を聞いてよ!」
倫也「この表紙...英梨々が描いたのか?」
英梨々「ま、まぁね!その小説のイラストが私から倫也へのプレゼントよ」
詩羽「そしてシナリオが私からあなたへのプレゼントになるわね」
倫也「二人の合作...!夢の作品じゃないか!」
倫也「あ、ありがとう!こんな嬉しいプレゼントをもらったのは初めてだよ!」
詩羽「タイトルは見てもらったらわかると思うのだけど、「冴えない男女の恋物語り」よ
内容は...cherry blessing〜巡る恵みの物語〜のafter storyといったところかしら
主人公、安曇 誠司とヒロインの叶 巡璃のイチャイチャ結婚生活を書くつもりだったのよ...」
だった...?
詩羽「だって仕方ないじゃないっ!!!あの女後から出てきたくせに私のお兄様を奪った挙句結婚するなんてっ!!!」
倫也「ちょっ、落ち着いて詩羽先輩!」
詩羽「はぁはぁはぁ...まぁ色々あって丙 瑠璃が現代に復活、巡璃を殺してお兄様と幸せに暮す話になったわ」
倫也「な、なにそれ!そんなファンタジックなNTR聞いたことないよ!てかなんでお兄様普通に瑠璃と幸せにくらしてるんだよ?!」
詩羽「それは、あれよ...瑠璃の愛の力よ!」この時の詩羽先輩の目が笑ってなかったのは見なかったことにしよう
倫也「ん?なんだ英梨々?」
英梨々「結婚式前に少し式場の写真を撮らせてほしいのよ。今度の作品に結婚式場が出てくるんだけどなかなか上手く描けなくて」
倫也「あぁ、そんなことならいいぞ!」
英梨々「本当っ!?ありがと倫也!」
英梨々「じゃあ早速いくわよ!」
英梨々「何ボケっと突っ立てんのよ!あんたも行くのよ霞ヶ丘詩羽!」
詩羽「な、なんで私まd(ライターだって現場を見るのは大切でしょ!」
英梨々「さぁ行くわよ~!!」英梨々がキラキラ輝いて見えた
~結婚式場~
-------------
英梨々「ねぇ倫也...」パシャッ パシャッ
英梨々「一つ質問していい?」
倫也「なんだ?」
英梨々「いつになったら私達二人を迎えに来てくれるの...?」
倫也「っ!」一番言われたくない言葉だった
倫也「そ、それは...」
詩羽「澤村さんっ!!!」厳しい顔で詩羽先輩が英梨々を見ていた
詩羽「それは聞かない約束だったでしょう?」
英梨々「で、でも!仕方ないじゃない聞きたくて我慢できないんだもん!」
英梨々「ねぇ倫也...教えてよ...!」
詩羽「澤村さん...」
倫也「ごめん!今は答えられない...」
英梨々「っ!」
倫也「でも、必ず二人を迎えに行く!これは絶対だ!約束する!」
倫也「だから、もうしばらく待ってって欲しい!トッププロとして活躍していて欲しい!」
詩羽「ふふふっ、本当に倫理くんって生殺しの天才よね、もしかしてわざとやって私達を焦らしているのかしら?」
詩羽「ねぇ~、澤村さん?」
英梨々「なっ///、私にふらないでよ!」
倫理が恵と共に「株式会社 First Girlfriend MEGUMI Games」を立ち上げ、英梨々と詩羽を迎えに行くのはまた別のお話
詩羽「話逸したわね」
英梨々「うん、逸らした」
英梨々「まぁ迎えに来てくれるんなら良いんだけどさ...」
英梨々「大丈夫だよね...倫也?」
倫也「おう!任せておけ!お前が一回でも惚れた男を信じてみろ!」
英梨々「な//、なななな/////!!!!」
詩羽「澤村さん...顔が気持ち悪いことになってるわよ」
英梨々「それは!このバカ倫也のせいで!」
詩羽「はいはい」
英梨々「う、うぅ~///か~す~み~が~お~か~!!!!うたはっ!!!」
-------------
~結婚式本番~
-------------
英梨々「え、え~それではただいまより新郎新ぴゅっ(あっ噛んじゃった)申し訳ありましぇん!(あっまた噛んじゃった!)すいません!」
詩羽「司会さん落ち着きなさい、深呼吸よ」
英梨々 ウンウン スーハースーハ
倫也「あ~、英梨々のやつ早速やらかしてくれたな」
加藤「ふふふっ私達より英梨々の方が緊張してるみたい」
倫也「だな」
英梨々「え~それではただいまより新郎新婦の入場です!」
ギギギッ バタン
コツコツコツ コツコツコツ
詩羽&英梨々「綺麗...//」加藤のウエディングドレス姿を見た率直な感想だった
冴えないヒロインだったはずの加藤が誰よりも輝いて見えた、いや実際輝いていた
詩羽(本当に悔しいと言うか何と言うか...今日のあなたはは誰よりも魅力的だわ)
神父「汝 健康の時も、病めるときも 富ときも貧しき時も~...」
加藤「(ねぇ倫也くん)」
倫也「(なんだこんなときに)」
加藤「(これかも私をあなただけの冴えない彼女として育ててね)」
倫也「(違うな恵...それを言うなら冴えない嫁だろ!)」
加藤「(ふふふっ///そうだね倫也くん///)」
神父「~誓いますか?」
加藤&倫也「誓います!」
冴えない嫁の育て方 完
時間があればまた書くかもです
さらっと読めた
読んで頂有難うございます
私にとって初ssですので気付いた所などあれば次回作の時にでも教えてください
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425047250/
Entry ⇒ 2015.04.15 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えない彼女の育てかた】 ぶれない婚後の過ごし方
最初は加藤の黒疑惑を払拭する為の話を書こうとしたのですが、
気付いたら倫也も加藤も別の相手と結婚した後の話になってました(需要ねぇよ)
なのでタイトル詐欺な感は否めませんが、寝取られ要素とか鬱成分はゼロです(私見)
というか、
倫也と加藤の会話がほとんどで、相手はちょろっとしか出ません。
初心者らしく、適度なキャラと設定崩壊、適度にもたついた起承転結、適度に短いほのぼの風味の話なので、
暇潰しにでも流し読みしてくだされば幸いです。
倫也「さて加藤、今日のお前の任務だが」
加藤「もう何回このやりとりしたか分からないけど、名字変わってそろそろ2年になるのにわたしの呼び方変わる気配ないんだね」
倫也「もう何回このやりとりしたか分からんが、加藤の名字が藤崎になろうと岡崎になろうと大宇宙になろうと、どのように何回変わろうと」
加藤「何回も変わるのはさすがに困るけど」
倫也「俺のメインヒロインはあの坂で出会った『加藤恵』以外には存在しない!…これは俺がゲーム制作をやめるまで、何より俺がオタクをやめるまで永遠に変わる事のない約束事なんだ!」
加藤「……反論の余地がないってより、反論する意味がない大義名分で説得しようとするのは、ただの力技って言うんじゃないかな」
倫也「よし、快く了承してくれた所で加藤、今日のお前の任務だが…」
加藤「えっと…まぁいいや。その前にもう一ついいかな」
倫也「俺の名字は別に変わってないから今までと同じで構わないぞ」
加藤「……あのさ、わたし、結婚してからのこの2年間で安芸くんと過ごした時間と、旦那さんと過ごした時間との比率を計算してみたんだけれどね?」
加藤「それは俗に言う『俺の嫁』って言うのはともかく、計算してみたんだけれどね?………安芸くんが2で、旦那さんが1っていう意外な結果が出てるんだけれど」
倫也「…….0(結婚してないのに):8(1日中嫁とイチャラブ)よりは間違いなく健全だ。何も問題はない」
加藤「だからそれは次元違いのお嫁さんっていうか、つまり安芸くんもわたしと現実のお嫁さんとでほとんど同じ比率になってるって事なんだけど。むしろあの人とかあの人とかともなんだかんだで結構会ってるし、わたしなんか足元にも及ばないくらいフラグ管理とか爆弾処理とか、大変な事になってるんじゃないかなぁ?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
倫也「……という訳で加藤、これが今月お前に協力してもらう仕事の内訳だ」
加藤「今日の任務って言ってたような気がするんだけど」
倫也「気のせいだ」
加藤「………週末はだいたい安芸くんと一緒だね、これ。というか先月とあんまり変わらないね、これ」
加藤「あ~、えっと……うん、まぁいいけど」
倫也「……このやりとりも2年前…というか出会った頃から何回したのか分からんが………いいんだ……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
加藤「出会った頃からといえば、わたし達、そろそろ初めて出会って…というか安芸くんが私を認識してからちょうど10年になるね」
倫也「ギャルゲーで考えればそういう台詞は、ヒロイン個別ルートを通ってグッドエンドを迎えたあとのエピローグの台詞だな…。お互い、相方差し置いて起きていいイベントじゃないっていうか。いや、俺が言うのもなんだけどさ」
加藤「ギャルゲーを意識してた訳じゃないんだけど…まぁでも、なんだかなぁ、かもね」
倫也「でも、この空気感とか安心感とか、今更遠慮して遠ざけていいもんじゃなくなってるんだよ。もうずっと前から、個別ルートとか関係なしにさ」
加藤「そういう台詞も相方を差し置いて言っていいものじゃないような気がするけど………まぁ、そうだね」
加藤「…………」
倫也「きょ、共通ルートでも良くあるだろ?イベントとイベントの間に同じ場所、同じキャラクターで他愛のない会話だとか、ギャグやったりとか、誰得な専門知識でユーザー置いてけぼりのマシンガンなトークを繰り広げたりとかさ。それで、何かの選択肢があっても大抵は掛け合いに多少変化があるだけで、大きな変化には繋がらなくて。でもそういう何気ない事の積み重ねが、その内プレイヤーにとって、なくてはならない安心感とか日常感を与えてくれるっていうか」
加藤「いきなり長々と、しかもあくまでギャルゲーで例えるのは説得力の置き場所として適当なのかなってのはともかく、言いたい事はわかってるよ」
倫也「……あのさ、加藤」
加藤「いいよ、言葉にしなくても、さ」
倫也「お、おう?」
加藤「だって、今の安芸くん、○○○○の主人公がヒロインの○○○○に覚悟を決めて少し恥ずかしい台詞を言おうとしてる時みたいな顔してるし、どうせその辺りと似たような台詞言おうとしてるだけっぽいし」
倫也「お前もギャルゲーで例えんのかい!いや知識量が増えたのは布教した人間としては喜ばしいけど、色々と台無しだよ!」
加藤「まぁ今更ってことだよ、安芸くん」
加藤「そこまで重いシチュエーションじゃなかったような気がするんだけれど…あ、最近また周回したんだね、安芸くん」
倫也「ああ、昨日な。これで通算5周クリア。だから今日の俺はいつにも増して滾っている!さぁ、歩み出そうぜ加藤!俺と一緒に胸キュンと萌えに満ち満ちた最終章へと!」
加藤「何か話が壮大にズレてるような気がするってのはさておき、私と最終章を迎えたら色々と問題になるんじゃないかな」
倫也「……そういや、心配とかしてるかな、あいつら」
加藤「ここに来てようやくその意識に辿り着いたのは、既婚の人間として喜ばしい事なのか嘆かわしい事なのか議論の余地が…まぁないよね」
倫也「そういう意識に話の終盤まで辿り着けさせない、不扇情感の申し子みたいなやつが目の前に実在してるからな」
加藤「安芸くんのわたしに対するあんまりな姿勢も相変わらずぶれないね」
倫也「しかし、流石の俺もそろそろ気になってくるような気になってくるような気になってくる」
加藤「流石だよね。言うまでもなく悪い意味で」
加藤「う~ん、とは言っても前から知ってるし、さすがに今更変に深い事は考えてないんじゃないかなぁ」
倫也「そうだよな。まぁ、大丈夫だよな。だって…」
加藤「ま、大丈夫だね。だって…」
倫也「俺と加藤だしな」
加藤「わたしと安芸くんだしね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(場所が変わって、倫也の嫁と加藤の旦那の会話)
倫也嫁「もう何回このやりとりしたのか分からないけれど、何であの二人、私達よりイベントCG枚数多い付き合い方してるの…?ついでに言えば、イベントの数だけじゃなくてエンディングの数も負けてるような気がするんだけど…」
加藤旦那「もう何回このやりとりしたのか分かりませんが、多分、何周しても解明できない永遠の謎です……」
倫也嫁「でも何でだろうね…」
加藤旦那「何ででしょうね…」
倫也嫁「ぜんっぜん、あの二人の危険な関係とかの想像ができないのよねぇ…」
加藤旦那「ですねぇ…」
こんな感じで、別の誰かとくっついても原作のような関係で居続けて周囲を困惑させるようなのも、ありなようなないような気がします。
メインヒロインが結婚したらメインヒロインとして見るの無理ゲーじゃね?とかは胸の奥にしまっておいてください(最重要)
お目汚し失礼しました。冴えカノ大好きです。これからSSが増える事を祈りつつ。
読んで頂きありがとうございました。
*、 *、 。*゚ *-+。・+。-*。+。*
/ ゚+、 ゚+、 *゚ ・゚ \ 。*゚
∩ *。 *。 +゚ ∩ *
(´・ω・`) +。 +。 ゚* (´・ω・`)
と ノ *゚ *゚ ・ 。ヽ、 つ
と、ノ ・゚ ・゚ +゚ * ヽ、 ⊃
~∪ *゚ *゚ * +゚ ∪~ ☆
+′ +′ +゚ ゚+。*。・+。-*。+。*゚
アニメ終わっても冴えカノSSが増えるといいな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427944467/
Entry ⇒ 2015.04.12 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
【冴えない彼女の育て方】倫也「英梨々に相談があるんだけど…」 英梨々「何?」
英梨々「何?」
倫也「俺、加藤のことが好きなんだ!」
英梨々「え…それってメインヒロインとしての恵ってわけじゃなくて?」
倫也「ああ、女の子としての加藤が好きなんだ」
英梨々「そ、そうなんだ…それで私に相談って?」
倫也「どうやって加藤に告白すればいいのかわからないんだ、女の子に告白するなんて初めてだし…」
英梨々「情けないわね…アンタなんのためにギャルゲしてんのよ、こういうときゲームだったらデートに誘ったりってのが定番でしょ?」
倫也「確かにそうだ!ありがとう英梨々!!こんな事相談出来るの英梨々しかいなくて…本当にありがとな!」
英梨々「別にいいわよ、幼馴染なんだし…(嫌だ…)」
倫也「早速誘ってみるよ!じゃあな、英梨々!」
英梨々「頑張りなさい!(行かないで…)」
加藤とデートの約束をした倫也は、待ち合わせ場所の駅前で待っていた。
倫也「加藤とデートなんて、これが初めてってわけじゃないけど意識すると緊張する…」
加藤「お待たせ〜 あれ、安芸くんいつもよりオシャレだね」
倫也「あ、ああ俺もたまにはオシャレくらいするさ、そういう加藤も似合ってるぞ(クソッ…加藤ってこんなに可愛かったっけ…)」
加藤「ありがと〜。それにしてもいきなりデートって、またゲームの資料集め?」
倫也「そ、そんなところだよ!///」
加藤「そっか〜、じゃあそろそろ行こっか」
倫也「映画でも、見るか加藤?」
加藤「あ、丁度みたい映画があるんだ〜それでもいい?」
倫也「別にいいけど、どんな映画なんだ?」
加藤「えっとね〜、純愛物なんだけど少しドロドロしてる感じー?」
倫也「なんだか、嫌な予感がするけど…加藤が見たいならそれにしようか」
加藤「うん!じゃあ、早速行こー」
映画館に入る二人を物陰に隠れていた緑のジャージを着てマスクにサングラスをかけた英梨々が見ていた
英梨々「倫也は何してるのよ…あれじゃあいつもと変わらないじゃない!」
英梨々「まったく、ヘタレなんだから、あれじゃあ加藤さんに気持ち伝わらないじゃない!」
英梨々「とりあえず、中に入って様子見てみよっと」
加藤「面白かったねー」
倫也「加藤の説明を聞いて少し心配してたけど、泣けるな!!」
倫也「特に本当は好きなくせに主人公の恋路を応援する幼馴染とか優しすぎるだろ!」
加藤「本当にそうだね〜 でも、幼馴染の子なんだか報われないよねー」
倫也「ああ、あれだけ支えてくれたのに
結局主人公はひょっこり出てきた女の子と恋人になっちゃうし…」
ーーーそんな映画の感想を語り合っている二人を隠れながら見ている英梨々ーーー
英梨々「どうして…どうして涙が止まらないんだろう。なんでこんなにも私、泣いてるの?」
英梨々「あんなつまんない映画なんてなんとも思うはずないのに…どうして」
英梨々「そっか、私、あの映画の幼馴染の子に感情移入しちゃったんだ…」
英梨々「倫也の事…やっぱり諦められないよ…」
ーーーそれから一時間後ーーー
加藤「そろそろ私は帰ろうかな?」
倫也「ちょっと、待ってくれ加藤」
加藤「どうかしたの?安芸くん?」
倫也「お、おれ…実は……加藤の事がす…」
加藤「す?」
倫也「い、いや…やっぱり何でもないよ、今日はありがとな!加藤のおかげで資料も、たくさん取れたし」
加藤「どういたしまして〜私も楽しかったし、また誘ってくれたら嬉しいな〜」
倫也「ほ、ホントか!?」
加藤「うん、じゃあ、またね安芸くん」
倫也「じゃあな加藤(まだ、焦らなくてもいいよな…)」
詩羽 カタカタッ
加藤 スマホぽちぽち
英梨々「ねぇ、倫也、昨日のデートどうだったのよ?」小声
倫也「なんだか、いつもと変わらなかったんだよな…」小声
英梨々「ダメじゃない、それじゃあその様子だと告白もしてないみたいね」小声
倫也「言おーとしたんだよ!でも、いざ言おうとすると声が出なくなるんだよ」小声
英梨々「仕方ないわね、私が特訓してあげるわよ」小声
倫也「特訓?」小声
英梨々「そうよ、とりあえずこの後私の家に行くわよ」小声
倫也「あ、ああ分かった」小声
詩羽「さっきから倫理君と何こそこそ話しているのかしら澤村さん」
英梨々「アンタには関係ないでしょ!」
詩羽「 ええ、別にあなたの事なんてどうでもいいのだけれど」
英梨々「いちいちムカつくうゥ!、霞ヶ丘 詩羽ぁぁぁぁ!!!」
倫也「それで、特訓っていうのは具体的にどうすればいいんだ?」
英梨々「そうね・・・やっぱり告白の練習かしら・・・倫也、試しに私に告白してみなさい」
倫也「ええ!? いきなりハードル高すぎだろ!!」
英梨々「つべこべ言わないで早くする!別に本気な訳じゃないんだから別に大丈夫でしょ?(本気じゃないんだから・・・。)」
倫也「そうだけど・・・・・。」ゴホンッ
倫也「す、好きだ英梨々・・・俺と付き合ってくれ!」
英梨々 カーッッ///
倫也「ど、どうだった?///」
英梨々「そ、そうね・・・」グスンッ
倫也「え、英梨々?なんで泣いてるんだ」アタフタ
英梨々「べ、別に・・ただ目にゴミが入っただけよ!!」ウルウル
英梨々「中々良いと思うわよ、恵にたいしてはストレートに気持ちを伝えるのが一番大切だろうし文句ないわよ」
倫也「で、でも口に出せないんじゃ何とも・・」
英梨々「リアルな女の子に免疫がないからダメなのよ、そうね・・・少し私の手握ってみなさい」
倫也「わ、わかった・・///」
ニギッ
倫也「ど、どうだ///」
英梨々「ちょっと強く握りすぎよ////」
倫也「わ、悪い・・//」
英梨々「手を繋ぐだけじゃ、まだ甘いわね・・・つ 次は私をだ、抱いてみなさい////」
倫也「さ、さすがにそこまでは・・・・英梨々に悪いだろ・・///」
英梨々「い、いいわよ特訓なんだから!」
倫也「で、でも・・・・」
英梨々「私がいいって言ってるんだからいいの!」
倫也「わ、わかったよ・・それじゃ・・」
ダキッ ギュッ
英梨々「(倫也に抱かれてる・・・う、嬉しい・・)」
倫也「(女の子の匂いが・・・おかしくなりそうだ・・///)」
英梨々「(これ以上は私・・・自分の気持ちを抑えられなくなっちゃうよ・・)」
バッ! ドタ
倫也「うわぁ! ・・痛たた、いきなり突き飛ばすなんてひどいじゃないか」
英梨々「う、うるさいわね! なんか嫌だったの!」
英梨々「今日の所は特訓終わり! 倫也はもう帰って!」
倫也「わ、わかったよ・・・じゃあ、またな英梨々」
英梨々 プイ
ーーー帰り道ーーー
倫也「なんなんだ英梨々は、うちに来いっていったり帰れって言ったり・・・でも俺のために特訓なんて申し出てくれてるし感謝しないとな・・・」
そのとき倫也は頭の片隅で加藤と見た映画の幼馴染の子を思い出していた。
倫也「まさか・・・な・・・」
ーーー視聴覚室ーーー
サークル活動時間が過ぎ、加藤と詩羽が帰ってから少したち、二人は視聴覚室に残っていた。
倫也「やっぱり俺には無理なのかもしれない・・・」
英梨々「なにヘタレてるのよ、何のために今まで私がここまで付き合ってあげたと思ってるのよ」
倫也「でも・・・」
英梨々「でもじゃない!告白して振られた訳じゃないんだし!心配しなくても大丈夫よ、倫也なら出来るよ、私が保証してあげる」ニコッ
倫也 ドキッ 「あ、ありがとう英梨々、もう少し・・・・頑張ってみるよ、そろそろ帰るよ じゃあな」
英梨々「うん、バイバイ」
・・・・・・・
???「それでいいの?澤村さん、あなた倫理君のこと好きなんでしょ?」
英梨々「霞ヶ丘詩羽 アンタ帰ってなかったのね、それに盗み聞きなんて趣味わるいわね」
詩羽「質問に答えなさい」
英梨々「ハア・・・・別に私は倫也の事なんて何とも思ってないわよ、私がアドバイスしてあげてるのは、ただの好奇心よ」
詩羽「嘘ね、どうして素直にならないの? どうして倫理君を好きな気持ちに嘘をついてるの?」
英梨々「うるさい・・・うるさいわね!!! 嘘なんてついてないわよ!! だって私に倫也を好きになる資格なんてないもの!そんな事許されないのよ!!!」
詩羽「私は、あなたと倫理君との間になにがあったかなんて知らないけれど、迷いのある人と一緒に何かを創るなんて御免だわ、だから・・・・」
それから詩羽は何も言わず去って行った。
英梨々「(倫也を裏切った私になんか・・・)」
倫也「英梨々ありがとう!俺、加藤と付き合うことになったよ!」
英梨々「お、おめでとう(嘘でしょ)」
英梨々「私が特訓したかいがあったわ(嫌だ・・・・・)」
倫也「じゃあ、俺行くよ、 行こう加藤」
倫也&加藤「あはははー」
英梨々「待って、待ってよ倫也・・・そんなの嫌、嫌ぁぁぁぁぁ!!!!」
バッ!
英梨々「ハア、ハア、ゆ、夢・・・」ポロポロ
英梨々「なんでこんな夢見てるのよ・・・私・・・・」
それから英梨々は毎晩悪夢を見るようになっていた
ーーー数日後ーーー
~サークル活動中~
英梨々 ハァ ハァ
倫也 「おい英梨々、具合悪そうだけど大丈夫か?」
オデコにテ
倫也「すごい熱じゃないか! 今日の所はここでやめよう、先輩と加藤も今日はこのへんで!俺は英梨々を家まで送っていくから!」
加藤「うん、お大事に澤村さん」
詩羽「お疲れ様、倫理君しっかりと澤村さんを送ってあげるのよ?」
倫也「はい!」
ーーー帰り道ーーー
倫也は英梨々をおぶって帰っていた。
英梨々 スヤスヤ
倫也「すっかり寝ちゃったな英梨々のやつ・・・」
英梨々「行かないで・・・」
倫也「ん?・・起きたのか英梨々?・・・・寝言?」
英梨々「ごめんね・・・倫也・・」ポロ
倫也「えり・・り?(もしかして、まだあの時の事を気に病んでるんじゃ・・バカ、英梨々は何も悪くないのに・・)
倫也は澤村家についてすぐ英梨々をベットにそっと寝かせた。
英梨々「倫也・・・」
倫也「大丈夫か?英梨々 気分は?」
英梨々「大丈夫よ・・ここまで運んでくれたのね、ありがとう・・」
倫也「そんなの当たり前だろ、幼馴染なんだから」
英梨々「うん・・・」
英梨々「私ね・・・夢を見てたの、昔の、小学生の頃の夢・・・」
英梨々「毎日倫也と遊んでた・・・ゲームとかアニメとか二人で一緒に見て・・すっごく楽しかった・・」
英梨々「でも・・いつしかクラスの子達が私達をからかいだして、二人でいれなくなって・・うんうん、私が倫也を無視するようになって・・」
英梨々「倫也は・・私との時間を守ろとして立ち向かってくれたけど、私は逃げたの・・・だからあの時からずっと倫也に謝りたかった・・」
倫也「英梨々は何も悪くないよ」
英梨々「そんなことない、私倫也に取り返しがつかないくらいひどい事した・・・私の事・・恨んでるよね・・・」
倫也「そんなこと・・・俺が英梨々を恨むわけないだろ!!」
倫也「俺には、どれだけ英梨々が苦しんできたか、今の英梨々の表情を見ればわかるよ、すごく悲しそうな顔をしてる・・それだけで痛いほど気持ちが伝わってくるよ!」
倫也「あの時の、英梨々との思い出は、かけがえのない物だけど・・・その時の思い出が今の英梨々を苦しめてるなら思い出なんていらない!」
倫也「だから・・・もういいんだよ・・」
英梨々「うう・・・倫也ぁ・・・」ウルウル
倫也はそっと英梨々を抱き寄せる
ギュ
英梨々「ほんとに・・・ほんとにごめんね・・」ポロポロ
倫也「いいんだ・・・俺のほうこそごめん・・」ポロポロ
それからしばらく抱き合いながらお互いに泣いていた。
倫也「・・落ち着いたか英梨々」
英梨々「うん・・」
倫也「じゃあ、そろそろ俺は帰るな」
英梨々「倫理・・一つお願い・・」
倫也「どうした?」
英梨々「私が眠るまで、手握ってて・・」
倫也は無言で英梨々の手を握ると英梨々がスヤスヤと吐息をたてるまで彼女の手を握り続けた。
~視聴覚室~
加藤「すっかり元気になったみたいでよかったよ~」
英梨々「心配かけてごめんね、恵、もう大丈夫だから」
詩羽「良い顔になったじゃない、何かあったのかしら?」ニヤリ
英梨々「別に何でもないわよ~♪」
倫也「また全員で活動できるようになってよかったよ、じゃあ早速・・」
詩羽「倫理君ジュース買ってきて頂戴」
加藤「私オレンジ~」
英梨々「私はコーラ」
詩羽「私はコーヒー」
倫也「何なのこの扱い!?」
ーーー活動時間終了後ーーー
詩羽「お先に失礼するわ、お疲れ様」
加藤「私も行くねー おつかれさま~」
倫也「おつかれさま!」
・・・・
倫也「英梨々、俺さ週末に加藤をデートに誘ったんだ、そこでしっかりと気持ちを伝えてくるよ」
英梨々「ええ、今の倫也なら何だってできるわよ!やり遂げなさい!」
倫也「ああ!」
デート順調に進み、終わりを迎えようとしていた。
加藤「日も落ちてきたねー、そろそろ帰ろうか~」
倫也「加藤!」
倫也「俺、加藤に話さないといけない事があるんだ」
加藤「話?」
倫也「俺、加藤の事が好き・・・だった」
加藤「だった?」
倫也「ああ、俺には昔からずっと好きだった子がいるんだ」
倫也「そいつと一緒にいるだけで楽しくて、話が合って、でもいつしか一緒にいれなくなったんだ」
倫也「それからはずっと・・・話すこともできなくて・・・悲しかった」
倫也「それから、いつのまにかまた一緒にいることができるようになったけど彼女にたいする気持ちはどこか素直になれなくて・・ずっと迷ってた・・」
倫也「でも、俺素直になれたんだ。今なら心から彼女に思いを伝えることが出来る」
倫也「この数日加藤の事を好きだった気持ちも確かに本物だ・・・だから加藤に伝えたかった」
倫也「いきなり何いってるかわからないよな、ごめんな加藤」
加藤「うん、確かに私にはよくわからなかったけど、気持ちは伝わったよ。ありがとう安芸君。・・・安芸君はまだその子に気持ちを伝えてないんだよね?」
倫也「ああ・・・」
加藤「じゃあ、すぐに伝えてあげて、私に伝えてくれたみたいに、きっと待ってると思う・・・だから いってらっしゃい安芸君」
倫也「ああ!!・・ありがとな、加藤・・・行ってくる」
ーーー澤村家ーーー
英梨々はバルコニーから夕日の落ちた夜空を眺めていた
英梨々「倫也しっかりと告白できたのかな・・・・」
英梨々 ポロ
英梨々「こんな泣き顔、倫也には見せられないな・・」ポロポロ
英梨々(だから泣くのはこれが最後・・・)
・・・・・
倫也「こっちだ!英梨々!」
英梨々「え・・・」
バルコニーのそばに生えた木に倫也は乗っていた
英梨々「なんで、どうしてここにいるの・・デートのはずじゃ・・・告白は・・?」
倫也「ああ、だから大好きな女の子に告白しに来た」
英梨々「え・・」
倫也「そいつはさ、俺が困ってる時に助けてくれて、迷ってる時は背中を押してくれた、それでいて自分は後回しで・・体壊してさ・・馬鹿だよな・・でも俺はそんな馬鹿が大好きでさ・・」
英梨々「それって・・」ポロ
倫也「だから英梨々・・おれは英梨々のことが好きだ!!!!もうどこにも行かないで来れ!ずっと側にいて来れ!!!」
英梨々「わ・・私も・・私も倫也のことが好き!!!!大好き!!!!どこにも行かない!!ずっと側にいさせて!!!!」ポロポロ
倫也 「・・・」///
英梨々「・・・」///
英梨々「とりあえず・・中上がって・・」///
倫也「う・・うん」///
・・・・・・・
倫也「俺・・・学校の男子ほとんどを敵に回すことになりそうだよ・・・。」
英梨々「いいじゃない、私達が付き合ってるのは事実なんだし」
倫也「でも、こんな堂々と一緒に登校しなくても・・・」
英梨々「嫌?」ウルウル
倫也「嫌なわけないけど・・」///
英梨々「私今度こそ何が合っても離れないから」///
倫也「あ、ああ」///
倫也「(やっぱり周りが騒ぎだしてる・・・でも、まあいいか、俺の隣に英梨々がいる、それだけで・・・)」
~fin~
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427039110/
Entry ⇒ 2015.04.02 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (0)
倫也「加藤! ヤらせてくれ!」加藤「いいよ」
加藤「うん」
倫也「ヤるって、つまりセックスのことなんだけど……?」
加藤「うん。そのつもりだよ」
倫也「か、加藤……お前軽すぎるぞ」
加藤「えー。安芸くんから誘ったのに」
倫也「そ、そりゃそうだけど……もっと処女を大切にしたほうが……」
倫也「はっ! まさか加藤! お前、非処女のビッチ……!?」
加藤「むー。ちゃんと処女だよ」
倫也「そ、そうか……ほ、本当にいいんだな?」
加藤「うん」
倫也「よしっ。……じゃあさっそく俺んちへ」
加藤「うん。ところで安芸くん、どうしてセックスするの?」
倫也「順序無茶苦茶だな……」
加藤「えーっと、つまり、セックスも魅力的なメインヒロインになるための特訓ってこと?」
倫也「その通り! 実はな、加藤。全てのエロゲヒロインは必ず本編で一回はセックスをするんだ」
加藤「へー、そうなんだ」
倫也「だからこそ、加藤にもセックスを体験し、より魅力的なメインヒロインへ近づいてもらいたい」
加藤「でも安芸くん。私たちがつくろうとしてるゲームはエッチなやつじゃないんだよね?」
倫也「全年齢向けだが、濡れ場を描写しないというだけで主人公とヒロインはセックスする前提だよ」
倫也「主人公とヒロインが一緒に朝を迎えるシーンがあったら、その前の晩にエッチしたんだと考えていい」
倫也「詩羽先輩もそのつもりでシナリオを書いてくるはずだ」
加藤「そっかー」
倫也「さあ、ベッドへ寝転がりなさい」
加藤「うん」
倫也「痴れ者が!!! 制服のままにきまっておろう!!!」
加藤「そうなの?」
倫也「こういうのは、工程を進めていく中で次第に脱げていくのがいいんだよ!」
倫也「中途半端にはだけた制服姿のCGで興奮するのがエロゲの常識だろ!?」
加藤「うん。エロゲの常識とか良く分からないけど、安芸くんが言うならきっとそうなんだろうね」
加藤「えーっと、じゃあ……ボタンだけ外そうか」
倫也「待て! 加藤!!!」
加藤「まだ何か?」
倫也「ボタンは俺に外させてくれ……!」
加藤「どうぞ」
加藤「わー、何だか恥ずかしいね」
倫也「全然恥ずかしそうに聞こえないんだが」
加藤「恥ずかしいよ」
倫也「じゃ、じゃあ……さっそく」
加藤「挿れる?」
倫也「いや早いだろ! 動物の交尾かよ!」
加藤「挿れないの?」
倫也「いいか加藤。セックスには前戯ってもんがあってだな」
加藤「ぜんぎ?」
倫也「つまり、本番行為の前に軽いウォーミングアップを入れるんだ」
加藤「どうして?」
倫也「どうしてって……こう、場を盛り上げるというか」
加藤「えーっと、笑点の大喜利の前にやる漫才とか手品みたいなものだね」
倫也「ま、まあ……そうだけど、そういう例えはやめよう。萎えてくる」
倫也「俺が加藤の身体を愛撫して、加藤のマンコを濡らしていく」
加藤「濡れるの?」
倫也「濡れる。それが潤滑油になるんだ。スムーズにチンコが入るためのな」
加藤「そっか。今のままだと、つっかえちゃうかもしれないね」
倫也「そうだ。わかってきたな、加藤」
加藤「うん。安芸くん好みのエロゲのヒロインっぽくなってきたかも」
倫也「いや全然だよ。主人公に前戯の解説させるヒロインとかいないから」
加藤「そうなんだ」
倫也「加藤さ、これからセックスが始まるってのに饒舌すぎないか?」
倫也「緊張気味に頬を染めて震えてるぐらいが好ましいんだけど」
加藤「わかった。震えてるよ」
加藤「うん」
倫也「……!」
モミッ
倫也「おお!」
モミモミモミ
倫也「おおおお!!!」
モミモミモミモミ
倫也「これが生おっぱいか! 凄い弾力だよ! 加藤!」
加藤「そう?」
モミモミモミモミモミ
倫也「凄い! なんかちょっと感動だ! どうだ加藤! 気持ちいいか!?」
加藤「全然気持ちよくないよ。安芸くん」
倫也「そうか! 全然気持ちよく……ええぇ!?」
モミモミモミ
加藤「うん。ちっとも」
倫也「そんな馬鹿な! エロゲヒロインなら涎垂らして喘いでいるところだぞ!?」
加藤「そう言われてもなぁ」
倫也「ならこれはどうだ!? 乳首をつついてやる!」
ツンツン
加藤「……」
倫也「反応してよ!!!」
加藤「だって、何も感じないから……」
倫也「ぐぬっ……! まだ前戯だというのに、もう萎えてきたぞ……!」
加藤「そう言われても……」
倫也「いいか加藤、魅力的なヒロインとして重要な要素のひとつがエロさだ! それだというのに!」
加藤「うん。ごめんね、安芸くん。処女だからよくわからなくて」
倫也「処女はいいんだよ!」
加藤「そうなの?」
倫也「処女は必須項目だ。俺が言っているのは、初々しさが無いってことなんだよ!」
加藤「初々しさ?」
倫也「そう! 初めてのセックスなんだろ!? 恥じらいとか驚きとか、色々あるだろ!」
加藤「特には」
倫也「即答かよ! 淡白すぎだろ! 俺は初めて女の子の生おっぱいを揉んで喜んでいたのに……」
倫也「一人ではしゃいじゃって馬鹿みたいじゃないか……加藤がそんなだと傷つく……」
加藤「あ、あ、ごめんね。安芸くん。私、頑張るよ。もう一回最初っからやり直そう?」
モミモミモミ
加藤「あーん。やーん、あー」
倫也「はぁ、はぁ」
ペロペロペロ
加藤「いやー。感じちゃうー」
倫也「感じてないだろ!!!」バンッ
加藤「えっ、ダメだった?」
倫也「演技じゃん! 絶対演技じゃん! これっぽっちも感じてないじゃん!」
加藤「うん。だからせめて気持ちよくなってるように見えるよう努力したんだけど」
倫也「そういう努力いらないから! こっちが傷つくだけだから!」
倫也「そもそもそんな無表情の棒じゃちっとも気持ちよさそうに見えないし!」
加藤「うーん、困ったね」
倫也「ほんと困ったよ……今日中に挿入までいけるのか?」
加藤「ん、なに?」
倫也「さては、強がってるんだな?」
加藤「え?」
倫也「本当は感じてるんだろう! だけど恥ずかしいから、感じてないふりをしてるんだ!」
加藤「えー」
倫也「実は股間は濡れ濡れなんだろ! 身体は正直だからなぁ!」
加藤「濡れてないよ?」
倫也「えぇい! 見せてみろ!」
加藤「あっ、安芸くんっ」
ガバッ
倫也「……」
加藤「……」
倫也「これっぽっちも濡れてない……」
加藤「だから言ったのに……この体勢、恥ずかしいよ。安芸くん」
倫也「蓋を開けてみるとただのド素人、ただの童貞……俺は、俺は……」
加藤「安芸くん、落ち着いて。大丈夫だよ、ほら。元気出して」
倫也「そういう慰めはやめて! よけい惨めになる!」
加藤「……」
倫也「うぅぅ……どうせ俺はキモヲタ童貞だよ……」
加藤「落ち込まないでよ。安芸くん、私に何かできることないかな」
倫也「……フェラ」
加藤「え?」
倫也「フェラ、してくれ」
加藤「えー、っと。フェラって……」
倫也「あった。これだよ」
加藤「……えー」
倫也「そんな嫌そうな顔するなよ! いいか、加藤。エロゲにおいてフェラは日常茶飯事だ」
倫也「むしろフェラができないヒロインはルートをつくってもらえないぐらいの必須課題と言ってもいい」
倫也「だから頼む! フェラしてくれ!」
加藤「わかったよ」
倫也「いいの!?」
加藤「だって、してほしいんでしょ?」
倫也「お、おお! 加藤! 嬉しいよ! メインヒロインになるためにそこまで熱心になってくれて!」
加藤「うん。もうこの際どうでもいいかなって」
ボロン
加藤「わー……おっきい」
倫也「おお!!! 加藤! 今の、素か!?」
加藤「え?」
倫也「『おっきい///』って言っただろ!?」
加藤「うん、言ったけど」
倫也「いい! いいよ加藤! その感じが欲しかったんだよ!」
倫也「初めて見る異性の性器を前に、驚きと恥じらいを感じながらつい漏れる『おっきい』の声!」
倫也「加藤、80点をあげよう」
加藤「100点じゃないんだね……」
倫也「さ、フェラしてくれ」
加藤「うん」
倫也「ぉぉっ!」ビクッ
加藤「……」
倫也「……」
加藤「……」
倫也「く、咥えたままフリーズされても困るんだが」
加藤「ほぅふれはひーほぉ(どうすればいいの)?」
倫也「舌を使って亀頭を……先端を舐めたり」
加藤「……」チロチロ
倫也「ぬっはぁ!」
加藤「はぁいろふ(大丈夫)?」
倫也「だ、大丈夫だ……!」
加藤「ふぁはっふあ(わかった)」
ジュッポジュルルルルルッポ
倫也「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!!!」
加藤「んー?」
倫也「加藤のフェラしゅごしゅぎゆのぉおおおおお!!!」
加藤「ほぉ?」
ジュッポジュッポジュッポ
倫也「ああん! いっぐぅぅぅぅう!!!」
ピンポーン
倫也「んあああああっ!!!!」
英梨々「倫也ー。キャラデの案、持ってきたわよー」
英梨々「……倫也ー?」
ピンポンピンポーン
英梨々「いないのー?」
ガチャ
英梨々「あれ、鍵あいてる……」
英梨々「倫也ー。入るわよー」
加藤「ふぁひふぁ(何が)?」
倫也「何がって、出るものってあれしかないだろ……! ふあっ!!!」
加藤「ふえ」
倫也「あああああああああああああっ」
ドッピュルルルル
加藤「うっぷ、んんっ……!」
ガチャ
英梨々「倫也ー。キャラデの案、を……も……」
倫也「……」
加藤「んっぐ、っぷはぁ」
英梨々「……ってきたんだけど」
倫也「ああ、サンキューな、英梨々。机の上に置いておいてくれ」
英梨々「わかった。じゃあ私は自分の原稿があるからこれで――」
英梨々「――ってなるかぁ!!!!」
倫也「……け、ケフィア?」
英梨々「違うでしょ精子でしょ! 私何度も描いたことあるから分かるんだからね!!!」
加藤「えーっと……澤村さん。こんにちは」
英梨々「こ、こんにちは……って挨拶してる場合じゃないの! 倫也!」
倫也「な、なんだよ」
英梨々「なんで加藤さんをレイプしてんのよ!」
倫也「してねえよ! どっちかと言えば犯されてたんだ!」
加藤「えー、私安芸くんのこと犯してないよ」
英梨々「フェラしてたでしょ! 強要したの!?」
倫也「そんなわけないだろ! これもメインヒロインになるための工程のひとつなんだ!」
英梨々「なんでフェラなのよ! 普通にセックスしなさいよ!」
加藤「澤村さん、落ち着いて」
倫也「加藤っ、どうしてフェラをすることになったのかを説明してやってくれ」
加藤「うん。その前にうがいさせてね」
英梨々「やっぱり倫也が悪いんじゃない!!!」
倫也「待て待て! それよりも、我がメインヒロインの重大な問題が発覚しただろ!」
英梨々「……加藤さんって不感症なの?」
加藤「違うと思うけどなぁ」
倫也「いーや! 間違いなく不感症だ! マグロを愛撫してたほうがまだ嬉しい反応が望める!」
加藤「えー」
英梨々「ちっとも感じないの? 身体が熱くなる感覚とかは?」
加藤「無いかなぁ」
英梨々「……ちょっと乳首出してみて」
加藤「うん。……え? 乳首?」
英梨々「そう、実際につまんでみるから」
英梨々「……どう?」
加藤「どうって……特には」
倫也「はい出たー! 『特には』! 主人公に乳首つままれて『特には』とか言うヒロインいないよ!?」
英梨々「加藤さん、メインヒロインなら感じないと絶対にダメ。感じることが喜びなの」
英梨々「主人公とメインヒロインのセックスは単なる種付じゃないんだから」
英梨々「互いを求め合い、より深く交わることで互いを理解していく重要なシーンなのよ」
加藤「だけど、私たちがつくるゲームにエッチなシーンは無いんだよね?」
英梨々「カットされてるけどあるのよ! その……行間に!」
加藤「わー、安芸くんと同じこと言ってる」
倫也「もっと切なげに喜べないか!?」
加藤「うーん……よくわからないよ」
倫也「英梨々! 手本を見せてやってくれ!」
英梨々「わかったわ。……ってなるか!」
英梨々「実際に感じて、ありのまま喘ぎよがってこその濡れ場よ!」
倫也「そうだ加藤! ありの~ままで~喘ぐんだ!」
加藤「ありのままのリアクションが『特には』だったんだけど」
倫也「だから、それじゃ駄目だろ!」
加藤「えー」
英梨々「こうなったら、加藤さんの身体にパッチを当てるしかないわね」
加藤「ぱっち?」
倫也「英梨々! 何かいいアイデアがあるのか!?」
英梨々「媚薬よ」
倫也「おお! びやく……媚薬ぅ!?」
倫也「幸いすぎだろ! 英梨々、なんでそんなものを……!」
英梨々「か、勘違いしないでよね! 単なる趣味よ! 趣味! 自分用だから!」
倫也「なんだ自分用か」
加藤「へー。……えぇ?」
英梨々「さ、加藤さん。これを舐めて」
加藤「うん……でもこれ、安全かなぁ」
英梨々「大丈夫、私が普段つかってるやつだから。身体に害はないわ」
加藤「それならいいけど」
グビッ
英梨々「ちょ!!! 『舐めて』って言ったじゃない! 一滴でいいのに!」
倫也「か、加藤!」
加藤「……」
倫也「お、おい、加藤……?」
加藤「……ん?」
英梨々「か、身体に変化は?」
加藤「うーん……別に変わった感じは無いけど」
英梨々「そんなはずない! ちょっと、乳首触らせて!」
加藤「うん」
ツンツン
英梨々「……どう? 感じない?」
加藤「うーん……ちょっとくすぐったい、かな?」
倫也「おいおい英梨々。その媚薬、パチモンなんじゃないか?」
英梨々「そんなはずないってば! 私がいつもつかってるやつなんだから!」
倫也「いや、媚薬に賞味期限とかあるのかよ」
英梨々「うーん……ちょっと私も舐めてみる」ペロッ
英梨々「うひゃああああああああああああああ!!!」ビックン
倫也「英梨々!!!」
英梨々「んあぁあぁぁ! ああぁぁんいやああぁぁぁぁぁ」ガクガクガク
倫也「大変だ! 英梨々! しっかりしろ!」
英梨々「い、いつも通りの……っ! こ、効果よっ……ふぁ! ああぁ!」
倫也「媚薬の効果は本物だったのか……! たった一滴でアヘ顔になってる!」
英梨々「ああぁぁぁぁぁふぅぅぅぅぅぅぅ~」ピクンピクン
倫也「見ろ加藤! ダブルピースだ! これこそ俺の求めたヒロインの姿……!」
英梨々「濡れちゃったのぉ~」ビショビショ
倫也「……いや、流石にこれはやり過ぎだが」
加藤「身体に害があるようにしか見えないんだけど……」
加藤「え? どうしたの?」
英梨々「ふ、太い……円柱型の……! あぁああぁぁ!!!」
倫也「加藤! 太くて円柱型の何かはないか!? 英梨々がご所望だ!」
加藤「え? え~っと、私の筆箱ならあるけど……これでいいのかな」
英梨々「それ!!! か、貸してぇ!!!!」
加藤「え? いいけど、いったい何に」
英梨々「……んっ! あぁぁぁ! えいっ」
ズニュルッ
加藤「えー!」
英梨々「あん! あんっ! ああああんっ! うあっ!!! イイッ!!!」
ズッポズッポ
加藤「私の筆箱……」
倫也「筆箱を筆の代わりにするとはな」
加藤「えー……」
倫也「すごい効力だったな」
加藤「筆箱が……」
英梨々「これでわかったでしょ……? 加藤さん、あなた完全に不感症よ」
倫也「媚薬を大量摂取したにもかかわらず感じないとは……」
倫也「加藤……実は神経が通ってないんじゃないか?」
加藤「そ、そんなことないよ」
英梨々「なんにせよ、倫也。メインヒロインが不感症なら、それに沿った軌道修正が必要じゃない?」
倫也「そうだな……詩羽先輩にプロットを書き直してもらうか……だけど、不感症か……うーむ」
加藤「何だかごめんね。私が不感症だったばっかりに」
加藤「軌道修正が大変なら、私をメインヒロインから外してくれても……」
倫也「それは駄目だ! 加藤をメインにするって決めたんだ! そこは譲れない!」
英梨々「倫也……」
倫也「……少し時間をくれ。不感症問題を解決する良い案が無いか、考えてみる」
加藤「安芸くん……」
詩羽「それで、何かしら話って」
加藤「実は……相談があって」
詩羽「相談? この間の演技指導みたいなものかしら」
加藤「は、はい。その通りです」
詩羽「いいわよ。今度はどういったシチュエーションでメインヒロインを演じたいの?」
加藤「セックスです」
詩羽「…………え? ごめんなさい、よく聞こえなかったわ」
加藤「セックスです」
詩羽「セック……それはつまり、セックスのことかしら」
加藤「はい。安芸くんのためにも……魅力的なヒロインになるためにも、私頑張りたいんです」
詩羽「……そう。そういう方面は専門外なのだけど、力になるわ」
加藤「ありがとうございます!」
バシッ
加藤「いたっ」
詩羽「あなた、それで本当に感じてるつもり?」
加藤「そのつもりだったんですけど……」
詩羽「もっと抑揚をつけなさい。いつも一定の音調で話しているけど、それじゃ駄目よ」
加藤「は、はい」
詩羽「もう一度」
加藤「……あぁーん、やー、あー。感じちゃうぅー」
倫也「うーむ……まいった……どうしたもんか……さっぱり良い案が浮かばない」
加藤「安芸くん安芸くん」
倫也「ん? 何だよ、加藤」
加藤「もう一度、挑戦してみようと思うんだけど」
倫也「挑戦? 何に?」
加藤「セックス」
倫也「ぶっ! お、おま、教室でなんてはしたないことを!」
加藤「えー。安芸くんだって教室で誘ってきたのに」
倫也「ま、まあ……行き詰ってるし、加藤がヤってくれるならそれに越したことは無いけど」
加藤「うん。今度はすごいよ」
倫也「……?」
加藤「んっ! あぁ……っ、はぁ……んっ///」
倫也「お、おお! か、加藤……! 俺の愛撫で感じてくれているのか……!?」
加藤「っ……は、ぁぁ……ぅ/// か、感じてっ、るよ……ふふっ///」
倫也「ああ! 嬉しいよ加藤! これでこそ、ヤりがいがあるってもんだよ!」
ムキムキッ♂
加藤「はぁ……あっ……んっ! あ、安芸くん……! 来て……っ!///」
倫也「うんわかったすぐいくよ!」
ヌギヌギ
加藤「うん……はぁ、はぁ……か、感じてるから……///」
倫也「じゃ、じゃあ……! い、挿れるぞ……?」
加藤「うん……///」
倫也「んっ……!」
ヌプヌプ
加藤「ああっ、はぁっ……っつぅ/// んっ、安芸くんが、は、入って……きた、ね///」
倫也「ほぉぉぉ」ゾクゾクッ
加藤「動いて、い、いいよ……///」
倫也「わ、わかった……!」
パンパンパン
加藤「あっ! ふぁっ! ああっ、はぁん、あっ!///」
倫也「凄い! 凄いよ加藤! この数日でここまで……!」
加藤「安芸くんの、んっ/// た、ためだもん……はぁっ!///」
倫也「嬉しいよ! 加藤!!! 涙が出てきた!!!」
加藤「よかったぁ……練習したおかげで、演技がうまくなって……んっ///」
倫也「うん……! うん! 凄く、いい演技だ! 演技……! えん、演技……」
倫也「演技かよ!!!!!!!」
ヘニャ
加藤「あれ? 急に萎えちゃったね」
倫也「だからさぁ! 演技じゃ駄目って言ったじゃん!」
加藤「だけど喜んでたよね?」
倫也「演技じゃないと思ってたからね! 演技って言っちゃったからさぁ!」
加藤「そっか、ごめん」
倫也「そういう生々しい話はやめて! ってか、演技だったなら、なんで濡れてるんだよ!?」
加藤「ローションの入った袋を仕込んでおいて、破ったんだよ。演劇部が血糊を入れるのに使うやつ」
倫也「本格的だな! 本格的な演技だな!」
倫也「……っていうか加藤……血糊と聞いて、今すごいことに気付いた」
加藤「なに?」
倫也「破瓜の血が見当たらないんですが、しょ、処女膜は……ど、どうされたんですか?」
加藤「ひとりで練習してる時に人参で破いちゃった」
倫也「はぁぁぁぁ!? おま!!!!」
加藤「ごめん」
倫也「ごめんって、加藤!!! 人参で処女捨てちゃったの!?」
加藤「うん」
倫也「あー……。うん。もう不感症の非処女ヒロインでいいや」
加藤「そっか」
~END~
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1426156721/
Entry ⇒ 2015.03.29 | Category ⇒ 冴えない彼女の育てかた | Comments (1)
| HOME |