アリス「アイドルデビュー!」【きんモザ×ミリマス】
前作
エミリーモザイク 【きんモザ×ミリマス】
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前作を見てない人向けの簡単な解説
エミリー スチュアート 13歳 イギリス出身の金髪英国少女 日本文化に憧れ横文字を一切使わない独特な話し方をする
アリスとはイギリス時代の親友
ちなみに正座は練習中
アリス・カータレット 17歳 イギリス出身の金髪英国少女 日本文化と忍が大好きで、忍の居る日本までやってきた
エミリーとはイギリス時代の親友
ちなみに身長は139cm
大宮忍 金髪キチ
アリス「むぅ~……」
忍「はぁ~……」
アリス「ちょっとシノ!」
忍「どうしたんですか? アリス」
アリス「どうしたのじゃないよ! 毎日毎日ゲームばっかり!」
忍「ああ、このゲームですか? これはエミリー達の居る765プロのアイドル達を題材にした『アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ』という基本プレイ無料のiOS/Android専用アプリで」
アリス「知ってるよ! しかも何でそんな説明口調なの!」
忍「さらにBrandNewTheaterのソロライブでは選んだアイドルのソロ歌唱が聞けるんです」
忍「スマホ用ゲームとは思えないほどの美麗なグラフィックで揺れるエミリーの金髪……」
忍「まだエミリーはNとRしか出てないのですが、これからSRやSSRのエミリーが出るのも楽しみですし、エミリーの所属しているユニットのエターナルハーモニーの曲、そしてエミリーの3つ目のソロ曲も……」
アリス「もういいよ! エミリーの話は!」
アリス「違うよ! いつもいつもシノがエミリーの話ばっかりするから!」
忍「? たまに美希ちゃんの話もしていますが……」
アリス「そうじゃないよ! いい? ゲームは1日1時間までだからね! それ以上やると健康に悪いんだよ!?」
忍「でも…… 穂乃花ちゃんは『ルミルミルミルミルミルミルミルミ』と呟きながら徹夜でミリシタをやっているそうですし……」
アリス「あ、うん……」
忍「ちなみにカレンはデレステを天井まで回しているらしいです」
アリス「知らないよ! なんでシノはみんなのソシャゲ事情にそんな詳しいの!?」
アリス「うぅ~ もうシノなんて知らないから!」
忍「アリス? お出掛けですか? 暗くならない内に帰ってくるんですよ~」
アリス「シノのバカー!」
勇「て言うか私のタブレット永遠占拠するのやめてくれる?」
アリス「ああ言って飛び出してきちゃったけどどうしよう……」
アリス「シノってのめり込んだら聞かないタイプだし、今のシノに『ゲーム辞めて』って言っても聞かなそうだしなぁ……」
アリス「うーん……」
アリス「そうだ! シノがゲームを辞めないならいっそ……」
エミリー「♪~」
紬「楽しそうですね、エミリーさん」
エミリー「はい! 感謝企画も順調ですし、この前の公演でも沢山のごヒイキ様方に喜んでもらえました!」
紬「感謝企画……」
エミリー「これからもこの日本で、立派な大和撫子になるため精進していきます! なのでこれからもご教授お願いします、紬さん」
紬「いいえ…… 私が教えることなんて……」
エミリー「あら、アリス? アリスではないですか!」
紬「えっと…… お知り合いですか?」
エミリー「はい、親友のアリスです」
アリス「あ、えと…… 」
エミリー「そうでした、アリスは紬さんとは初対面でしたね」
紬「は、はじめまして、白石紬です」
アリス「は、はじめまして…… アリス・カータレットです……」
紬「……」(人見知り)
アリス「……」(人見知り)
アリス「そうだ! 私アイドルになりに来たの!」
エミリー「アリスも大和撫子に?」
アリス「あのね、最近シノがミリシタばかりやってて私に構ってくれなくて……」
エミリー「忍さんが!?」
アリス「だから私考えたの! いっそ私がアイドルになってミリシタに出ればいいんだって!」
エミリー「なるほど!」
紬「……」
アリス「で、どうしたらアイドルになれるの?」
エミリー「うーん、仕掛け人様に掛け合ってみたら良いのではないでしょうか」
アリス「シカケニンサマ?」
紬「プロデューサーなら確かあちらに……」
エミリー「丁度よろしいところに! あちらが仕掛け人様です」
アリス「あ、あの、はじめまして! 私アリス・カータレットと申します! アイドルになりに来ました!」
P「アイドルに……」
紬「アリスさん、今行っている39プロジェクトは39人であるからこそのプロジェクトで、これ以上の追加メンバーは……」
P「うん、可愛い 採用」
紬「えっ?」
P「まぁアリスは39プロジェクトとは別枠採用ってことで、アイドルが沢山居るにこしたことはないだろ?」
紬「今52人で手一杯なのに誰がアリスさんの面倒を見るのですか?」
P「あ、考えてなかった」
紬「バカなのですか?」
エミリー「おめでとうございます、アリス」
アリス「やったー! これでミリシタに出られるよー!」
紬「アイドルとはいったい……」
アリス「はぁー…… はぁー……」
まつり「ほ? もう息切れなのです?」
アリス(アイドルってこんなハードなの……)
可憐「が、頑張ってアリスちゃん……」
アリス「うん、これもミリシタに出るため……」
紬「バ…… いいえ、小学生ですし……」
アリス「え?」
琴葉「ほら、撮影で秘境へ冒険に行かされたり、悪の組織と戦う必要が出てきたりするでしょ?」
アリス「無いよ!」
まつり「あるのです」
エミリー「アリス、真の大和撫子になるためには修練は必須ですよ」
アリス「レッスンてダンスとか歌じゃないの!? 何でエミリーは弓矢持ってるの!?」
紬「バカなのですか? 戦闘技術はアイドルに必須なのに……」
アリス「いよいよ私の初舞台……!」
綾「応援に行くからね、アリス」
陽子「頑張ってなー」
アリス「うん! ありがとう二人とも!」
アリス「あれ? シノとカレンとホノカは?」
綾「忍はずっと家に引き込もってゲームしてて…… テストも近いのに何やってるのかしら」
陽子「カレンもゲームだって」
可憐「穂乃花ちゃんも同じくゲームみたいです…… 私たちのゲームやってくれるのは嬉しいけど……」
アリス「もうみんな揃いも揃ってゲームばっかり!」
紬(アリスさんのお友だちもバ…… いえ小学生ですからゲームにのめり込みやすい時期なんでしょう)
紬(それにしても、綾さんと陽子さんはアリスさんの同級生なのでしょうか? それにしては子どもらしくない、私と同年代くらいに思えますが……)
琴葉「今日はアリスちゃんのデビュー公演の日、緊張してる?」
アリス「がたがたがた……」
まつり「わかりやすく緊張しているのです」
可憐「だ、大丈夫ですよアリスさん! あんなに練習したじゃないですか、だからきっと上手くいきますよ…… 多分」
アリス「ア、アリガト……」
可憐「あぁ…… なんだか私まで……」
琴葉「もうー!」
紬「……」
紬(アイドルになる動機があまりにも不純過ぎます、確かに765プロには小学生も居ますが彼女たちだってアイドルというものをもっと真剣に……)
エミリー「アリス」
アリス「ナ、ナニ……」
エミリー「さっきカレンから連絡が来ました、忍さんちゃんと来てくれているみたいです」
アリス「シノが……?」
エミリー「アリスの晴れ姿、忍さんに見せてあげましょう!」
アリス「…… うん!」
紬(顔つきが変わりました…… 芯の通った、強い瞳)
紬(たった一人だけのために歌う、不純な動機に思えます ですがアリスさんはレッスンの時もとても純粋な顔で歌っていました……)
紬「アリスさん、頑張りましょう!」
アリス「うん! よろしくね、ツムギ!」
忍「アリスー!」
アリス(あ…… シノ! 来てくれたんだ!)
忍「アリス! アリス! アリス!」
綾「ちょっとアリス! 恥ずかしいからやめて!」
カレン「これが俗に言う『ヤッカイ』デース」
陽子「がんばれーアリスー!」
アリス「そうだ…… シノが見ててくれてるんだ…… しっかりしないと!」
アリス「それでは聞いてください、『Jumping!!』」
琴葉「お疲れさま! みんな良かったよ!」
アリス「はぁ…… ちょっと失敗しちゃった……」
琴葉「ううん、初めてだもん 失敗だって経験だよ?」
可憐「わ、私なんてアリスさんより先輩なのにしっかり出来てなくて……」
紬「……」
紬「そう言えば…… 気になっていたのですがどうして可憐さんはアリスさんに敬語を使っているのですか?」
可憐「え…… それは……」
まつり「アリスちゃんは17歳、紬ちゃんと同い年なのです、よ?」
紬「えっ!?」
アリス「え? ツムギは何歳だと思ってたの…… ?」
紬「いえ、あの…… エミリーさんより年下だと……」
アリス「もおー! ツムギのバカー!」
綾「すっかりアリスもアイドルね」
陽子「最近学校に来ない日も出てきたし…… 少し寂しいな……」
カレン「学校を休めるならわたしもアイドルになりたいデース!」
久世橋「九、条、さ、ん?」
カレン「い……今のは言葉のアヤヤデース……」
綾「『あや』よ!」
忍「…… どうしてでしょう」
綾「忍?」
忍「最近は家で一人で居ることも多くて…… ミリシタでエミリーを眺めていてもどうしてか楽しく無いんです……」
陽子「…… そっか」
綾「忍も寂しいのね」
陽子「今度アリスと会ったらちゃんとそう言うんだぞ」
アリス「ただいま…… 今日も疲れたよ……」
アリス「ううん、でもこれできっとシノも喜んでくれるはず!」
アリス「シノー!」
忍「アリス!」
アリス「私…… やったよ! ついにミリシタに!」
忍「はい! 見てくださいこれ、踊ってるアリスですよ!」
アリス「わ…… ほんとに私が踊ってる!」
忍「アリス…… 私気付いたんです」
アリス「え?」
忍「色々な金髪があってもやはりアリスの金髪は特別だと」
アリス「シノ……」
忍「やはり私にはアリスしか居ません! 最近アリスを放ってしまってごめんなさい!」
アリス「シノー!」
忍「アリスー!」
アリス「ちょっとシノ!」
忍「♪~」ガションガションガション
アリス「もう! またゲームばっかり!」
忍「聞いてください! ミリシタで踊るアリスの金髪が!」
アリス「本物が目の前に居るよー!」
紬「忍さんはバカなのですか?」
おわり
穂乃花「ふ、ふふふ…… 歌って踊る金髪がこんなに……」
穂乃花「エミリーちゃんに美希ちゃん、翼ちゃん、可憐ちゃん、のり子さん……」
穂乃花「金髪に金髪に金髪に金髪に金髪…… SRは金……」
穂乃花「ふふふふふ……」
穂乃花「きん、ぱつ、きん、ぱつ」FullCombo
琴葉「あ、あああ…… あの勇さんと一緒に撮影……」
勇「落ち着いて、琴葉ちゃん」
琴葉「は、はははい……」
勇「ほら、美希ちゃんみたいに軽く一眠りしてみたら」
美希「あふぅ……」
琴葉「む、むむむ無理です! あぁ…… 緊張して…… 少し吐きそう……」
勇「だ、大丈夫……?」
紬「……」
エミリー「…… どうしました? 紬さん」
紬「いえ、アリスさんを見ていて思うことがありまして……」
エミリー「?」
紬「アリスさんは忍さんをとても慕っていて、忍さんだけのために歌うと言ってアイドルになりました」
紬「…… 聞けばアリスさんは忍さんを追いかけて日本にまで来たそうです」
紬「何がそこまでアリスさんを駆り立てるのでしょうか……」
エミリー「……」
紬「好きな人の側に居たい、それはわかります」
紬「ですがイギリスと日本はあまりにも離れています……」
エミリー「……」
紬「私は…… 自分の生まれた地から離れるのが不安でした、地元から離れたら自分自身が無くなってしまうんじゃないか、と」
エミリー「不安、ですか……」
エミリー「確かに、時々訳もなく寂しくなる時はあります 夜眠る時何故か涙が流れるんです」
エミリー「でも…… そんな時……」
紬「え、エミリーさん!?」
エミリー「こうして人肌に触れると安心出来るんです」
紬「それなら私じゃなくても……」
エミリー「いいえ、紬さんだから安心出来るんです アリスにとっての忍さんと同じように……」
エミリー「こんな姿、はしたないでしょうか?」
おわり
ライブで美しい金髪を揺らすエミリーに、コミュで可愛らしい表情と金髪を見せるエミリーに、正座を練習するエミリーと可愛いエミリーがたくさん!
皆さんも色んな可愛いエミリーを見つけてみてください!
読んでくれた人ありがとうございました。
乙です
きんモザより
>>2
アリス・カータレット
http://i.imgur.com/AN1tiM8.png
大宮忍
http://i.imgur.com/PJTKC0k.png
>>15
小路綾
http://i.imgur.com/6CU5OqN.png
猪熊陽子
http://i.imgur.com/8XWGYNr.png
>>22
九条カレン
http://i.imgur.com/kdHYMPw.png
久世橋朱里
http://i.imgur.com/7IFl4EZ.png
>>25
松原穂乃花
http://i.imgur.com/gnXkrFO.png
>>26
大宮勇
http://i.imgur.com/lMkumPr.png
>>20
『Jumping!!』
http://www.youtube.com/watch?v=lTt_xIwB290
ミリオンライブより
>>7
エミリー(13) Da/Pr
http://i.imgur.com/J7UNfts.jpg
http://i.imgur.com/MsbuzJq.jpg
白石紬(17) Fa
http://i.imgur.com/sasipRR.png
http://i.imgur.com/Gr28eIH.png
>>13
篠宮可憐(16) Vi/An
http://i.imgur.com/b9bOKXw.jpg
http://i.imgur.com/wePNu2g.jpg
徳川まつり(19) Vi/Pr
http://i.imgur.com/Smexm9U.jpg
http://i.imgur.com/7B8AsJA.jpg
>>14
田中琴葉(18) Vo/Pr
http://i.imgur.com/ofeOP2I.jpg
http://i.imgur.com/1yHxH94.jpg
>>26
星井美希(15) Vi/An
http://i.imgur.com/drGdh8U.png
http://i.imgur.com/7Zp41N9.jpg
乙
乙
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Entry ⇒ 2017.09.11 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
アリス「もうすぐ土用の丑の日だね」忍「土曜の牛……?」
アリス「うん。二日目の日のことは『二の丑』っていうんだよ」
忍(土曜の牛……いったい何のことなのでしょう)
忍(はっ! そういえば、来週の土曜日は29日……語呂合わせで肉の日)
忍(肉……そうです! きっと土曜日に牛肉を食べる日のことをいっているのですね)
忍「そうですね。今度の土曜日にはお母さんに頼んで夕ご飯は焼き肉にしてもらいましょう」
アリス「へ? なんで急に土曜日の話になるの、シノ?」
綾「それにどうして焼き肉?」
忍「あれ?」
陽子「おーい、何の話してるのー?」
カレン「私も混ぜてクダサイ~」
アリス「旧暦で立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間のことを土用って言って、今では特に夏の土用のことを指す場合が多いんだ」
忍「な、なるほど」
陽子「じゃ、丑の日ってのは? 丑って干支のやつだよね?」
綾「年とは別に日にちも十二支で表すのよ。子の日から始まって丑の日、寅の日……って感じで」
カレン「では12日たったらまた子の日に戻るってことデス?」
アリス「そうだよ。土用は18日間あるから、その間に丑の日が2日間回ってくる年があって、それぞれ『一の丑』『二の丑』って呼んでいるの」
忍「な、なるへそ」シュー
アリス「シノ、大丈夫?」
カレン「シノの頭がパンクしちゃってるデス!」
陽子「まあ、私もよく分かってないから気にするな」
綾「難しい話はこれくらいにしておいて、土用の丑といえばやっぱりウナギよね」
カレン「Oh,eel! あのニョロニョロしたやつデスね!」
アリス「土用の丑の日にウナギを食べるっていう習慣は江戸時代に平賀源内が発案したって説が有名だよね」
忍「江戸時代って、随分古いんですね」
陽子「マジか~。てっきりバレンタインみたくスーパーとかが売り出すためにPRしてるのかと」
忍「でも何でウナギ押しになったんですか?」
アリス「丑の日だから『う』の付く物を食べると良いっていう風習があったって説もあるよ」
アリス「うどんとか梅干しとか、シノが言ってた牛肉を食べる習慣もあったらしいけど、今じゃなくなっちゃったみたい」
陽子「へぇ~」
カレン「イギリスでもウナギ、食べるデスよ! 前に地元のウナギ料理店にいったことがありマス」
陽子「へー、向こうでも食べるんだ。やっぱ蒲焼きとか?」
アリス「蒲焼きは日本では主流だけどイギリスではあんまり見ないかな。それに食文化が変わってきて、昔ほどウナギを食べなくなってるらしいよ」
カレン「確かに頻繁に食べたりはしマセンね。私が前に食べたのはウナギのゼリー! イギリスの郷土料理デス」
陽子「え、ゼリー……? ウナギの?」
忍「ゼリーというと、デザート用なんですか?」
アリス「デザートというよりはおかずかな。お酢で浸したり胡椒をかけたりして食べるよ」
綾「ところてんみたいな感じなのかしら?」
カレン「ネットに画像がありマスよ」シャッシャッ
陽子「どれどれ」
忍「ほほう」
綾「私も見せて」
綾「お、おいしそうね(棒)」
アリス「でしょ~」
忍「イギリスの料理! ステキですねっ! ぜひ味わってみたいです」
陽子「えっ」
アリス「じゃあシノ、今度、私が作ってあげるねっ」
カレン「パパに頼んで活きのいいウナギを仕入れてもらうデス!」
忍「ありがとうございます、二人とも」
アリス「ヨーコとアヤも家に呼ぶから安心してね」
カレン「イギリス料理を思う存分味わってクダサイ」
陽子「あ……うん……」
綾「あ、ありがとう……」
陽子(どうしよう……)
綾(これは絶対に食べたくないわ……!)
カレン「あっ、ホノカ!」
穂乃花「これ、休みの日に家族で浜松に行ったときに買ったおみやげなんだけど」
カレン「これは……」
穂乃花「うなぎパイだよ」
アリス「ウナギのパイ?」
陽子「おお、あの名物の!」
穂乃花「みんなの分もあるからどうぞ」
アリス「想像していたのとはちょっと違ってけど、おいしいお菓子だね」
綾「イギリス的なウナギパイ……今なら想像がつくわ」
陽子「やっぱ日本の食べ物がいいなー、私は」
綾「ち、ちょっと陽子! イギリス料理をディスっちゃだめよ!」
陽子「え、いやいや、そんなつもりはないって!」
アリス「でぃする?」
カレン「私は日本の料理もスキー♪ 和食も洋食もそれぞれ個性があっていいと思うデス!」
アリス「私もだよ~」
綾「……そうよね。食文化も個性みたいなものよね。個性はお互い尊重しなきゃね」
陽子「うんうんっ」
綾・陽子(でもイギリスの料理はちょっと……)
忍「ありがとうございます、穂乃花ちゃん。おいしかったです」
穂乃花「どういたしまして」
カレン「ホノカがドヨーの日にウナギ食べるデス?」
穂乃花「んー、どうかなあ」
陽子「穂乃花んちの店は土用の丑メニューでうな重出したりするの?」
穂乃花「うちは洋食屋だからうな重は出ないよ~」
カレン「じゃあウナギゼリーを出せばいいのデス! 洋食デスよ」
穂乃花「ウナギゼリー?」
カレン「今度、私が作って来るデス。ホノカも是非味わってクザサイ」
穂乃花「え、カレンちゃんが作ってくれた料理を……私に?」
穂乃花「カ、カレンちゃん……」うる
穂乃花「ありがたき幸せ……! 喜んでいただきます……!」
陽子「……」
綾「……」
陽子「穂乃花にはウナギゼリーの画像、見せないでおこう……」
綾「そうね、せっかく喜んでるし……」
忍「だいぶ日も暮れてきましたね」
アリス「そうだね。そろそろ帰ろうか」
――
カレン「それでは私はここで~。みんな、夏休みをENJOYしマショウ!」
陽子「カレンもなー」
綾「夏休み……みんなと会えなくなるとちょっと寂しいわ」
陽子「そう? 今度さっそくしのの家に遊びに行くって約束したじゃん」
綾「そうだけど……やっぱり学校で、毎日会えなくなるのが寂しいっていうか」
陽子「そんなことより土用とか丑の日とかウナギの蘊蓄とか、アリスもだけど綾もいろいろ知ってて凄いなー」
綾「べ、別に詳しいっていうか、普段からいろんな本を読んだりしてたまたま知ってただけで……」
綾「って、そんなことよりって何よ! 大事なことなのに~!!」
陽子「わっ、ちょっと綾。ごめんって」
――
アリス「ただいま」
忍「ただいま帰りました」
アリス「あれ……この香ばしい匂いは」
忍「アリスの匂いですか?」
アリス「って違うよ~! キッチンから漂ってくる匂いだよ~」
「二人とも、ごはん用意できてるわよー。手を洗ってきなさいね」
アリス「はむっ……んんー。甘いたれがしみ渡ったあつあつのごはんと」
忍「柔らかくてぷりぷりとしたウナギの組み合わせが素晴らしいですね」
勇「なにー? 唐突な食レポ?」
母「ちょっと早いけど、たまには奮発しないとね」
アリス「ありがとう、これで今年も日本の暑い夏を乗り越えられそうだよ」
忍「アリス、ウナギの蒲焼には山椒が合うんですよ。粉山椒をかけてあげますね」ドバー
アリス「ありがとう、シノ。……はっ、はくちゅっ! けほけほッ」
忍「あ、すみません! これ胡椒でした!」
アリス「どっちにしろかけ過ぎだよ~! へくちゅっ」
――
お久しぶりです。忍です
今日のアリスは土用の丑の日についていろいろ説明してくれました
アリスは本当に日本の文化に詳しいです
私ももっともっと外国の文化を知って、アリスといろんなお話がしたいです
次にイギリスに行ったら、本場のウナギゼリーを食べてみたいです
それでは、また
忍「アリス、これを英語に訳してくれませんか。エアメールで出したいので」
アリス「シノ、外国の文化と一緒に外国の言葉をしっかり勉強しようね……私も協力するから」
(終)
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Entry ⇒ 2017.07.29 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
【三者三葉】小田切双葉「超無謀パフェ?」【きんいろモザイク】
綾「ええ、また明日」
綾「……はあ」
綾(今日も素直になれなかったわ……)
綾(他のみんなだったらそんなことないのに……陽子相手だといつもこう)
綾(もっと素直に、ストレートに言わないと伝わらないのよね)
綾(でも……だって……そんなの面と向かって言えるわけないでしょ)
綾「陽子のことが……好きだって」
葉子「はい?」
綾(あ、こ、声に出て……しかも知らない人に聞かれて)カァァ
綾(もう! 陽子のせいで恥ずかしい思いしちゃったじゃない!)
葉子「あの……」
綾「陽子のバカ~!」ダダダダ
葉子「ちょっと、お待ちになって!」
ダダダダ
葉子(行ってしまわれましたわ)
葉子「ということがありまして」
双葉「葉子様、告白されちゃったんだ」
照「え、でも女の子だったのよね?」
双葉「まあ、たぶんあれだよ。憧れの存在~みたいな」
葉子「ですがあのお方、まったく見覚えがなくて。制服も他校のものでしたし」
双葉「葉子様って同じクラスの人の名前もほとんど覚えてなかったような」
照「いきなり告白してきて返事も待たずにバカ呼ばわりして走り去るって……変わった子ね」
双葉「でもどこで葉子様の名前知られたんだろうね」
葉子「さあ。心当たりがありませんわ」
山路「ストーカーの可能性もありますね。以後注意しなければ」
照「はい、お前が言うな」
山路「おっと次のバイトのシフトが。葉子様、また後ほど」
照「聞いてないし」
葉子(どなたかは存じませんが、告白していただいたからにはきちんと返事をしなくては)
葉子(また会えるかしら
照「また満腹さんに寄っていく?」
双葉「いや、あんまり頻繁にタダ飯するのも悪いかなって思うんだ。出禁になったお店もあるし」
照「あら、双葉もそういうふうに思ってたんだ。欲望の赴くままに貪ってるイメージだったけど」
双葉「いやいや葉山ちゃん……私ちゃんと理性あるから」
照「でも食べるんでしょ」
双葉「食べるよ! 超食べるよ! だって……食べるのことが、大好きだから」ニコッ
葉子「双葉さん、素敵な笑顔ですわ」
照「まるで恋する乙女ね。食べ物にだけど」
双葉「恋するめ?」
葉子「あら、どうも」
双葉「今日は甘い系をお腹いっぱい食べたい気分だなー」
照「お菓子とか?」
双葉「んー、何かこう大盛りの特大パフェとか!」
葉子「でしたらこのチラシに載っている『超無謀パフェ』などいかがですか?」
双葉「超無謀パフェ?」
照「なになに。30分以内に完食で無料、レストラン・マツバラ」
葉子「ネーミングで超無謀とは……大胆な挑発ですわね」
双葉「やったあ~無料でパフェが食べられる~」
照「食べきれなかったら8000円だって。ま、双葉だから心配いらないけど」
葉子「8000円! 8000円もあったらパンの耳が食べ放題ですわっ……!」
照「葉子様……そこはもうちょっと高価なものを想像したら?」
「ほう、フードファイトに挑戦するつもりデス?」
葉子「あら、先ほどチラシ配りをしていた……」
カレン「九条カレンと申すデス」
双葉「お店の人? ていうか外国人?」
カレン「ママはイギリス人でパパは日本人のハーフデスよ。今は日本の高校に通ってマス」
双葉「へー、そうなんだ」
葉子「日本語、お上手ですわね」
カレン「皆さんも日本語お上手デスね」
照「え、いや。だって日本人だし」
カレン「ノーノー! イッツ アメリカンジョーク!」
葉子「はあ……」
双葉「……」
照「……」
葉子「そうですの!?」
カレン「フフフ、3人ともまだまだツッコミ力が足りてないデスね。一流のツッコミキャラを目指す道のりは遠いデス……」
照「いや目指してないからツッコミキャラとか」
双葉「葉山ちゃんは腹黒委員長キャラだもんね」
照「え、何ですって?」
葉子「いけませんわ双葉さん。本当のことを直球で言っては」
照「うふふふ……いいのよ。分かってるから。全然気にしてないから」ゴゴゴゴ
カレン(これは何デス? 妙な空気が……邪悪なオーラが漂ってマス)ブルブル
カランコロン
穂乃花「いらっしゃいませー」
カレン「ホノカー! お客さんを連れてきたデス」
照「あら、素敵なお店じゃない」
双葉「もうお腹ペコペコ~」
カレン「私の友達デス」
葉子「えっ」
穂乃花「えっ、カレンちゃんのお友達?」
葉子(お友達って……さっき会ったばかりですのに。まだそういう関係には至っていないのでは?)
穂乃花(カレンちゃんのお友達ってことは……きっと高貴な人達に違いないよ~。失礼のないように接客しなきゃ)
穂乃花「いらっしゃいませお嬢様がた!!」
照「ってなんでいきなり土下座!?」
穂乃花「いつもカレンちゃんがお世話になってます!!」
照「いや世話してないから……さっき会ったばかりだから」
葉子「この方はカレンさんの使用人ですの?」
カレン「私の大事な友達デスよ」
――
穂乃花「普通のお客さんだったんだ。勘違いしちゃったよー」
照「普通の客相手じゃなくてもあの対応は普通じゃないと思うけどね」
カレン「ここはホノカの実家で、今日はチラシ配りを手伝ってたデス」
葉子「そうだったのですか」
穂乃花「ご注文は何になさいますか?」
双葉「じゃ、さっそく超無謀パフェひとつ!」
山路「超無謀パフェをおひとつですね。かしこまりました」
双葉「ってなんで山Gがいんの!?」
山路「ああ、最近この店でもバイトを始めたんですよ」
穂乃花「山路さん、凄く仕事ができるから助かるよー」
照「この人、仕事に関しては申し分ないものね」
双葉「でもストーカーだけどね」
カランコロン
綾「本当にまた挑戦するの?」
陽子「お昼ご飯も抜いてきたし。なんだろう……理由はないけど、今日はすごいいける気がするんだ!」
綾「まったくその自信はどこから……」
穂乃花「あ、2人とも。いらっしゃいませ」
カレン「Oh! 奇遇デスね」
葉子「あっ」
双葉「ん、どしたのー葉子様?」
葉子「あの方ですわ。あのツインテールの方。昨日、わたくしに告白してきたのは」ヒソヒソ
照「え、本当に?」
葉子(ちょうどよかった。早速、お返事をしませんと)ガタッ
スタスタ
綾「へ?」
ガシッ
綾「え、え?」
葉子「お気持ちは嬉しいのですが……わたくし、日々の生活でいっぱいいっぱいでして」
葉子「まだ恋愛とか……そういうものを考えている余裕がありませんの」
葉子「ですから、まずは……お友達からということでよろしいでしょうか?」
綾「ななな何の話ですか!? というかどちら様ですか!?」
双葉「え、ようこ……さん?」
陽子「どーもー、猪熊陽子だよ! えっと、カレンの知り合い?」
双葉「知り合いというか、さっき知り合ったばっかりというか」
陽子「ていうか綾も知り合い?」
綾「いや、全然知らないんだけど……」
葉子「またまたご冗談を。昨日わたくしに向かって告白されたじゃないですか」
綾「こ、こくはっ!? ……そういえば、あなた確か昨日の通りすがりの!」
照「とりあえず、盛大な勘違いをしているようね、葉子様」
葉子「勘違い?」
カレン「ヨーコ……」
陽子「……様?」
葉子「そうですわ。ですから……」
照「『ようこのことが好き』っていうのは葉子様のことじゃなくて、そちらの猪熊陽子さんのことだったのよ」
綾「!!!」カアア
双葉「なあんだ、そういうことかー」
葉子「わ、わたくしとんだ勘違いを……」カアア
陽子「よくわかんないけど私も好きだぞー綾ー」
ぎゅっ
綾「ひゃあ!? や、やめて抱き付かないでよバカ――っ!!」
―――
穂乃花「おまたせしました。超無謀パフェをお二つでございます」
双葉「待ってました~!」
陽子「いただきまーす!」
パクッ
双葉「ん~~~おいしいっ!」
陽子「うまぁーい!」
陽子(いける。今日は凄いいける!)
パクッパクッパクッ
カレン「ヨーコとヨーコサマ……全然キャラが違うデス」
照「よく食べるってとこだけ見たらむしろ双葉の方が近いわね」
綾「双葉……さんもよく食べるのね」
葉子「ええ。正直引くレベルで双葉さんはよくお食べになりますわ」
カレン「ヨーコはかつてこれに挑戦し……撃沈してるデス。超無謀パフェの攻略は簡単ではないデスよ」
照「まあ、でも双葉だし」
葉子「双葉さんですもの」
綾(双葉さん……凄く信頼されてるわ)チラ
陽子「はむ~っ!」
綾「が……」
綾「頑張って……陽k」カアア
カレン「アヤヤはヨーコのことになるといつも茹でダコ状態デス」
葉子「本当に陽子さんのことがお好きなのですね」
綾「すすす好きって別に! そんなアレじゃないから! 友達って意味でだからー!!」
カレン「ちなみにツンデレデス」
照「ふふ、何だか微笑ましいわね」
穂乃花「葉山さんの金髪ってつやつやしてて綺麗だねー」
照「あら、そう? 別に普通だと思うけど」
カレン「ホノカー、私の金髪はどうデス?」
穂乃花「カレンちゃんの金髪は世界一綺麗だよっ!」ハアハア
照「え、何この唐突な流れ……」
陽子(あ……れ……)
陽子(この前より断然コンディションはいいし……ここまで順調にきてた……それなのに)
陽子(スプーンが……進まない……もう七割方食べきったのに……あと少しなのに……)
陽子(はっ! ……双葉の方は?)チラ
双葉「あ~~~んっ」
陽子(なっ……! もう8割方……! ペースが衰えるどころか……むしろ加速している!)
双葉「んん~~~♪」
陽子(負けるのか……私は……そ……んな……)
穂乃花「凄いね、双葉ちゃん。チャレンジ成功だよ~」
綾「そんな……陽子が負けるなんて……」
葉子「綾さん、気を落とすことはありませんわ」
照「そうよ。双葉が規格外なだけで陽子さんも健闘していたわ」
カレン「大食い競争で負けるなんて……ヨーコの存在意義に関わる事態デス!」
陽子「私の存在意義少ねえ!」
双葉「あ、陽子ちゃんパフェ残すの? じゃ、私食べていい?」
陽子「もってけどろぼー!」
――
双葉「ごちそうさまでしたー♪」
穂乃花「またのご来店をお待ちしています。カレンちゃんも皆もまたね」
カレン「ホノカ、バイバイデス~」
双葉「いやぁー、食べた食べた。満腹満腹~」
綾「それにしても凄い食欲ね。……太らない?」
双葉「んー、全然」
カレン「人体の神秘デス……」
照「それじゃ、私達はこれで」
陽子「うん。またなー」
カレン「今度は、ヨーコサマがバイトしている洋菓子店に行ってみたいデス!」
葉子「ええ、是非いらしてください。歓待しますわ」
綾「またね、葉子様。葉山さんに、双葉さんも」
カレン「Goodbye!」
双葉「じゃーねー」
照「さようなら」
葉子「ごきげんよう」
双葉「友達が増えたね、葉子様」
葉子「はい」
照「よかったわね、葉子様」
葉子「はいっ」
山路「傲慢かつ高飛車で未だにクラスで浮いている葉子様に学外の友人ができるとは……僥倖の極み……ウウッ」
葉子「も、もうっ、やまじー!」
三人「あははははははははっ」
忍「今日はアリスと2人でお出掛けです」
アリス「シノ、誰に向かって話しかけてるの?」
忍「それにしても暑いですね……ちょっと喉が渇きませんか?」
アリス「そうだね。じゃあわたし、冷たい飲み物を買ってくるよ。ちょっと待ってて」
忍「アリス、あまり遠くまで行かないようにしてくださいね」
光「あれ、お嬢ちゃん、迷子かなー?」
アリス「え、誰? ううん。迷子じゃないよ。わたし高校生だし」
光「大丈夫だよ。お姉ちゃんが交番まで案内してあげるから」
アリス(聞いてない……)
光「へー。アリスちゃん、イギリスから来たんだぁ。日本語上手だから日本人だと思ったよ」
アリス「コウは金髪だから外国人かと思ったよ~」
光「イギリスで保護者の人とはぐれちゃったの?」
アリス「いや、はぐれたんじゃなくて留学しているんだよ……。そもそもわたし、迷子じゃないから」
忍「アリスー、どこに行ってしまったんですかー!」
アリス「あ、シノ。私はここにいるよー」
忍「アリスーっ!」
ぎゅう
忍「アリス……よかった。迷子になったんじゃないかと心配で心配で……」
アリス「もー、シノは大げさなんだから」
光「よかったね、アリスちゃん、保護者の人に会えて」
忍「!!」
アリス「コウだよ。わたしのこと迷子だと勘違いして声を掛けてくれて……」
忍「ありがとうございます。迷子になったアリスを助けてくれて」
光「どういたしましてー」
アリス「だから迷子じゃないよ……」
忍「そういえばアリス、飲み物は買ってきてくれましたか?」
アリス「飲み物? あっ、そうだった。コウと話してて忘れてたよ」
光「飲み物だったら、私が作った特製のドリンクがあるよ。飲んでみる?」ゴソゴソ
忍「特製のドリンクですか?」
光「天然由来の成分がい~っぱい含まれてて凄く健康にいいの。牛乳も入ってるから身長もどんどん伸びるよ」
アリス「身長も? へえー、自分で作れるなんて凄いね。わたしも飲んでみたいな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アリス(え、何これ……水筒から変なオーラでにじみ出てる)
光「はい、召し上がれ」
アリス「これ表面が発光してるんだけど……大丈夫なのかな」
忍「いかにも健康によさそうなドリンクですね」
アリス「えっと、シノものどが渇いてるよね? 先にシノが飲んでみたら……」
忍「いえいえ、大丈夫ですよ。私はアリスにより健康になってほしいので、どうぞ先に飲んでください」
アリス「シノ……わたしのことをそこまで想って」
アリス「それじゃあ、いただきますっ」
ゴクゴクゴクゴク
照「! 近くでにゃんこの鳴き声が~~!」
双葉「いや、これ悲鳴じゃない?」
葉子「悲鳴ですわね」
~おわり~
再現度いまひとつですが>>1の実力不足です、ご勘弁を
しのと光の西&鬼畜コンビは会わせちゃいけないな
きらら系の中だけで結構名前かぶってるから何かいろいろネタ考えてしまうけど
こういうのなかなか書けないな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466044853/
Entry ⇒ 2017.01.13 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
カレン「クゼハシセンセーが主役デス」 久世橋「えっ!?」
カレン「クゼハシセンセー?一人でなにを言っているデスか??」
久世橋「わっ!?九条さん、いきなり声を掛けないでください! びっくりするじゃありませんかっ!!」
カレン「これは失敬したデス!」
久世橋「まったく・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
職員室
久世橋「ふぅー。今日も疲れました・・・。んっ?」
烏丸「どうしましょう??」あたふたっ
久世橋「烏丸先生?どうしましたか?」
烏丸「あっ、久世橋先生。大変なことに、実は・・・」
久世橋「えぇっーーー!? 学校の校庭に不良が入って、しかも偶然外に出ていた九条さんに絡んでいるって、本当ですか??」
烏丸「はい・・・。ですので、どうしたらよろしいのか、分からなくて。今、校長先生や他の先生方が、話し合いをされているのですが、もうそんな余裕もないというか・・・」
久世橋「・・・・・・分かりました! わ、私が、行きます!!!」ドンッ!!!
久世橋「生徒がピンチだというのに、一介の教師が何もしないわけにはいきません!!! むしろ、こういう状況でも、教師の一人が自分から向かって、生徒を助けることこそ、理想の教師なのですから!!」バーーーン!
烏丸「久世橋先生・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
学校の校庭
不良A「おいおい、俺達と遊ばねぇかって言ってんだよ?」
不良B「お前、外国人だろ? なかなか可愛いね!」
不良C「何か言ったらどうなんだよ?」
カレン「・・・・・へ、help me・・・・」ガクガク
久世橋「待ちなさい!!」
不良たち「だ、誰だ!?」
久世橋「私の教え子に手を出そうとするのは止めなさい!」
カレン「く、クゼハシセンセー!?」
不良A「先生だあ・・・? 先公が俺達に意見するとは、生意気だな!」
不良B「やっちまうか?」
不良A「そうだな。」
久世橋「・・・・・・・・」
久世橋「」ジッーーーーーーーーーーーー!!!!!
不良たち「!?」ビクッ
カレン「・・・・・・・」
久世橋「先生に対しての口の利き方がなっていませんね! それに「先公」と呼ぶのも聞き捨てなりませんよ?(実際は→「礼儀正しくね。後、きちんと先生と呼んでくださいね。」)」ギラッ←目が鋭くなる
不良A「あ、あ、あぁ・・・」ブルブル
不良B「や、やべぇよ!? 今まで見た先公たちの中で一番恐ろしい感じするぜ、あの女!」
久世橋「ここは暴力ではなく校舎裏で話し合いでもしましょうか?(実際は→「皆、仲良く話し合えばきっと解決しますよ。)」ギンッ!
不良C「ひ、ひぃぃぃぃぃっーーーー」
久世橋「さぁ、どうしますか?(実際は→「怖がらないで。しっかりと話し合えば分かりますよ。」)」ジロリっ!!
不良たち「ひぃぃぃぃっぃっっっーーーーーー!!! ごめんなさーーーーーーーーーーーーーい、勘弁してくださーーーーーーーいっ!!!!!!」ダダダダダっーーーーー
久世橋「あっ、ちょっと!? ・・・・・はぁー。(相手が不良とはいえ、また怖がらせてしまいましたか・・・)」ズーン
カレン「く、クゼハシセンセー! うっ、うっ、うぅ・・・(涙目)」
久世橋「く、九条さん?」
カレン「あの不良が・・・こ、怖かったデース! 助けてくれてアリガトゴジャイマースっ!!」ギュッ
久世橋「九条さん!? ・・・とりあえず、怪我が無くてよかったです!(まさか泣いてしまうとは・・・。でも、怖いのは当たり前ですよね・・・)」ヨシヨシ
烏丸「久世橋先生っ♩ カレンさんから聞きましたよ。不良たちを追い払うなんて、すごいですね!」
久世橋「い、いえ。そんなことはありません。私は、問題を話し合いで解決をさせようと考えてあの不良たちに話しかけ、ただ面を見て言っただけなのですが、むしろ怖がらせる形になってしまっただけで・・・。はぁー、こんなことだから、前は生徒からも恐れられていたのでしょうね。」
烏丸「・・・いいえ。そんなことはありませんよ、久世橋先生っ。」
久世橋「烏丸先生?」
烏丸「どんな結果になろうと久世橋先生は生徒を助け、また守る為に堂々と立ち向かいました! ですので、その誠意はしっかりとカレンさんをはじめとした他の生徒達や、もしかしたらあの不良たちにも伝わったのかもしれませんよ♩」
久世橋「烏丸先生・・・///」
ガラッ
カレン「クゼハシセンセー!!」
久世橋「九条さん?どうかしましたか?」
カレン「さっきはどうもデス!これ、受け取ってクダサイ♩」スッ
久世橋「これは、マーマレード?」
久世橋「そうですか・・・。ですが、なぜ私に?」
カレン「さっきのことも含めてデスが、クゼハシセンセーに対する日頃の感謝の気持ちを込めて、という訳デス♩ ふふふっ♩♩」
久世橋「///、おっほん! まぁ、そういうことでしたら、受け取ります。その・・・ありがとうございますっ///」
カレン「ふふふふっ♩」
久世橋「な、何がそんなに可笑しいのですか!?」
カレン「クゼハシセンセーは笑顔もデスが、照れている姿も素敵デス!」
久世橋「!?///」
カレン「センセーにはいつまでも元気でいてほしいデス! そして、またいつものように・・・」
久世橋「九条さん・・・って、「またいつものように」とは、何ですか?!」
カレン「はっ!? そ、それは・・・」モジモジ
久世橋「なにか怪しいですね・・・?」ジッー
久世橋「はっ、そういえば、九条さん。あなた、昨日出した宿題はどうしましたか?」
カレン「!? そ、それは・・・デスね・・・」
久世橋「私は昨日、やって来た宿題は今日、個人で職員室の私の机に提出するようにと言っていましたので、最初は気付きませんでしたが、さっき確認したらあなただけ提出がありませんでしたね?」ジッーーーーーーーー
カレン「そ、その・・・・」
久世橋「それにあなた、前やその前も宿題を忘れて後になって提出したじゃありませんか? そして、前に提出する際に私に「もう二度と宿題は忘れずに提出する」と約束しましたよね?」ギランッ!!
カレン「あ、あぁ・・・」ブルブル
久世橋「それなのに、また忘れてきたんですか? どうなんですか、九条さん!!!」
カレン「ひぃっー。ノ、Noーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」タッタッタッー
久世橋「あっ、コラっ!? 待ちなさーーーーーーーーい!!!」タッタッタッー
烏丸「ふふふっ♩」
<ゆ、許してクダサイーーーーー!!
<だめです! 今日という今日は許しませんよーーーーー!!
おしまい
不良に関する出来事から後日
久世橋「今日も疲れました。早く帰って寝ましょう!」
?「あっ、あなたは!?」
久世橋「えっ!?」
元・不良たち「どうもお久しぶりです。」ペコッ
久世橋「あれっ、あなた達はっ!?」
不良たち「覚えていますか? あの時、校庭に入った不良グループです。」
元不良A「はい。実はあの時、あなたに睨まれて退散しましたが、後で世の中には自分たち以上に強い人間がいることを改めて実感しまして・・・」
元不良B「強いものがいて、その人に負けたのなら、その人に従うのが礼儀、なので」
元不良C「あなたに注意された通りに言葉遣いや態度も直しました。そして、不良もやめて更生した訳です。」
久世橋「そう。理由はともかく更生してくれたことは嬉しい限りです。これからも勉学に励むよう、しっかりと頑張ってください♪」ニコッ♪♪
元不良たち「//////」
久世橋「な、なんですか!?」
元不良B「僕たちを弟子にしてください。」
久世橋「えっ、えぇぇーーー!?」
元不良C「あの時のあなたの凄味に感動してしまったんです♪」
元不良たち「おねがいします!姉御。」
久世橋「姉御と呼ぶのはやめてくださいっ!?第一、私は教師です。教師が教え子みたいな貴方達を弟子に取るなんて非常識になります!」
元不良B「おねがいしますよ、姉御!」
久世橋「だ、だから・・・」
元不良C「姉御ー」
久世橋「や、やめてくださいー!」ダッ
元不良たち「あっ!?ま、待ってください、姉御」ダッ
久世橋「ついてこないでください。それと姉御もやめてください!!」
物陰↓
カレン「クゼハシセンセーは、やはりすごい人デス!」
おしまい
掲載元:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477492993/
Entry ⇒ 2016.12.19 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
久世橋「消灯時間後の話」
穂乃花「消灯時間過ぎてるし、そろそろ戻った方が………」
カレン「大丈夫デス!布団被って静かにしてればバレマセン!
それに先生達、旅行で浮かれてマスのでチェックも甘いハズ………」
久世橋「誰が浮かれてるって?」
穂乃花「ヒッ!」
久世橋「自分の部屋に戻りなさい!
九条さんは罰として先生達の部屋で寝てもらいます!」
カレン「NO―――!!!」
穂乃花「カレンちゃーん!」
――――――――
久世橋「さらに、よっぱらいの相手をしてもらいます!」
烏丸「あっははは~ カレンさんだ~」
カレン「浮かれすぎデス!!」
烏丸「あはは~、そうでもありませんよぉ~!」
久世橋「十分に酔っています!もうこれでおしまいにしてください!
ほらっ、生徒に見られてますよ!こんな場面を見られるのは教育者として―――」
烏丸「そんなかたい事言わないで下さいよ~、夜はまだまだ長いんですから~」ぐいっ
カレン「おおっ、グイグイ飲んでマス!カッコいいデス!!」
烏丸「うふふ~、でもカレンさんはマネしちゃ駄目よ~、今は若いんだから~」
カレン「はい、分かっていマス!ハタチになってから、デス!」
烏丸「カレンさんは良い子ね~。
そうだっ、カレンさん、二十歳になったら一緒に飲みましょうよ~」
カレン「良いデスネ!楽しみにしていマス!!」
久世橋「ちょっと、九条さん!!何を勝手に先生と飲む約束なんか……!」
カレン「よっぱらいの相手をしろと言ったのはクゼハシ先生じゃないデスカー」
久世橋「くっ………連れて来た生徒がまずかった………」
烏丸「ほら、久世橋先生も飲みましょうよ~、こういう時の為にお酒こっそり持って来たんですから~」
久世橋「どういう時の為ですか!
生徒に悪影響になりかねません!それに明日に響いたら大変です!」
カレン「明日に?お酒って、『響く』のデスカ?」
久世橋「あまり飲み過ぎると、二日酔いといって、しばらく体調を崩してしまう事があるんです。
九条さん、二十歳になったとしても、決して無闇に飲み過ぎてはいけませんよ!」
烏丸「そうですね~、でも二日酔いするくらい飲んでる時はとても楽しいのよ~。
暇な学生のうちに、一度くらい体験しておいた方がお得よ~」
カレン「ナルホド、学生のうちに二日酔いをしておくべき…!覚えマシタ!」
久世橋「ああっ!!!九条さんに変な事を教えないで下さいっ、先生!!!」
烏丸「あはは~、教育にはこういう付き合いも必要ですよ~?」
カレン「そうデスよ~」
久世橋「くっ、逆によっぱらいを助長してしまっている………」
カレン「先生達は、こうやって飲む事も多いデス?」
烏丸「そうよ~、よくアパートで二人でね~」
久世橋「烏丸先生っ!!! へ、変な事を言わないで下さいっ!」
カレン「ホー、『サシノミ』という奴デスネ!」
久世橋(どこでそんな日本語を!!?)
カレン「カラスマ先生とクゼハシ先生は、仲良しなのデスネ!」
久世橋「なか………!
………お、お世話にはなっています。
烏丸先生にはいつも助けられていますし、同じ教師として、話を聞いて頂く事も多いです。
そういう意味では、確かに、仲が良いとも言うかもしれまs」
烏丸「そう~!久世橋先生大好きなんですよ~!!!」
久世橋「ちょちょちょ先生っっっ!!!?」
烏丸「久世橋先生の作ってくれるお料理が美味しすぎて~!」
カレン「ホホウ………」
久世橋「く、九条さんっ!何をニヤニヤしているのです!!」
烏丸「あっ、すみません、決して料理だけが良いって訳じゃないんですよ?
他にも久世橋先生にはいい所が一杯………」
久世橋「訂正すべきはそこじゃないです!!」
烏丸「まぁ~!そうねぇ、カレンさんも先生の事知りたいわよね~。
えっとねぇ、久世橋先生はよくネコちゃんの話をするんですけど」
久世橋「ちょっと!!私生活を暴露するのは!本当に!!」
烏丸「久世橋先生は寂しがり屋でね~、帰るとついネコちゃんに、今日あった事を話しちゃうの~」
カレン「本当デスカ!?」
久世橋「烏丸先生ええええ!!!!!」
カレン「クゼハシ先生!夜デス、静かにしまショウ!」
久世橋「はっ………!くっ、私としたことが!!」
カレン「私も猫好きデス!大丈夫デス、恥ずかしくないデスヨ!」
久世橋「きょ、教師としての………威厳が………」
カレン「それでそれで?他にはどんな事を話すのデス?」
烏丸「あぁ、久世橋先生ったら、酔うと泣き上戸なんですよ?
『今日も生徒に怖がられちゃってー』ってよく泣いて」
久世橋「ほ、本当に!本当にそれ以上はやめて下さい!!!」
カレン「そうだったのデスカ………クゼハシ先生も、苦労なされているのデスネ………」
烏丸「んー、後は、『生徒が可愛すぎる』という相談をよく………」
久世橋「本当にやめて下さいってばああああ!!!!!」
烏丸「………って事があって~!」
カレン「それはそれは!クゼハシ先生、かわいいデス!!!」
久世橋「あぁ………ぁ………もう駄目………」
カレン「クゼハシ先生ー?」
久世橋「ふ、ふふ、ふ………終わった………」
カレン「どうしたのデス?
私、可愛いクゼハシ先生の話が沢山聞けて満足デシタよ?」
久世橋「あああああっ!!!忘れなさい! 今すぐ全て!!!!!」
カレン「どうしまショウ~」
久世橋「忘れないと家庭科の評定を落としますよ!!!」
カレン「!? ヒッ、怖いデス!!
わ、分かりマシタ!頑張って忘れる事にしマス!!!」
久世橋「ふぅ………」
烏丸「ふふ~羨ましいでしょう~?
久世橋先生のお料理をパクパクと食べられるのは羨ましいでしょう~~」
久世橋「先生、もう悪ノリは………」
烏丸「あっははは~」
久世橋「………聞こえてないか………」
カレン「羨ましいデス!!
私も、クゼハシ先生のお料理をパクパクしたいデス!!」
烏丸「そうよねぇ~!今度は、カレンさんも呼んで三人でお話しましょう~!」
久世橋「勝手な約束を取り付けないで下さい!!
そ、そもそも、そんな事は………生徒と先生の距離が、近くなりすぎます!!!
生徒に好かれるのは嬉しいですが、こう、節度というものが………」
烏丸「そうかしら~?生徒と近い方が良いと思いますけどね~。こんな風に!」ギュッ
久世橋「!?」
烏丸「カレンさんも抱き心地が良いですね~、ぎゅー!」
カレン「そうデスカー?それはアリガトデス!」
久世橋「なっ………な、ななっ………!!!」
烏丸「抱きしめの刑~」
カレン「これは刑になるのデスカ?」
久世橋「かっ、烏丸先生、いともたやすく、なんて事を………!」
烏丸「辛い事があったら、可愛い物をぎゅーってするのが、おすすめですよ!」
カレン「あ、前カラスマ先生が、アリスを抱きしめているのを見た事がアリマス」
烏丸「そう、アリスさん、可愛いわよね~。
でも、前からカレンさんもとっても可愛いと思っていたんですよ~~~」
カレン「嬉しいデス!私からもお返しに、ぎゅーってしても良いデスカ?」
烏丸「どうぞ~!ばっちこーい!ですよ!!」
いけないっ、こ、こんなの、頬が緩むのを、抑えきれない………!!!
で、でも駄目っ、負けたら!私は教師で、今は生徒の目の前で………)
カレン「だきしめの刑返しデス~、えいっ」ギュッ
久世橋(負けた―――!!!!!)
烏丸「久世橋先生?」
カレン「頬が緩み切っていマス!とても幸せそうデス!!!」
烏丸「まあまあ♪」
久世橋「はっ、これは、そのっ」
烏丸「久世橋先生もしてみますか~?カレンさんを、ぎゅっと!」
久世橋「そ、そそそんな訳には!!!
そんな事までしてしまったら、私は―――」
カレン「………?」
久世橋「何でもありませんっ!大丈夫です、大丈夫ですから!!」
烏丸「えー、可愛いのに………」
久世橋(!? 一体どこに!!?)
カレン「昨日、ホノカ達とも遊んでいたんデスよ~。
でも、どうしてかホノカは自分から負けを宣言してしまうのデス」
烏丸「あら~、トランプ~?いいわね~先生トランプなんて久しぶりだわ~」
カレン「先生達もどうデス?」
久世橋「こ、こんな夜遅くに、教師が生徒とトランプ遊びなんて」
烏丸「やりましょ~!修学旅行の夜に遊ぶなんて、青春じゃないですか~!」
カレン「Yes!先生達も、レッツ青春デス!!!」
久世橋「………はぁ、烏丸先生まで………
そんな、子供の遊びなんて………一回だけですからね?」
――――――――
カレン「アハハッ、また勝ちまシタ!!ババ抜き、私が一番デス!!」
烏丸「ん~、勝てないわねぇ。トランプみたいな遊びは向いていないのかしら~」
カレン「ふあぁ……… ………面白かったー、そろそろ寝マスー?」
久世橋「もう一回!もう一回やらせて下さい!!!」
カレン「!? こ、怖いデス………!」
久世橋「このままでは引き下がれない………!」ゴゴゴゴゴ
烏丸「うふふ、久世橋先生が燃えてるようだから再戦ね~」
カレン「うう、眠たいデス………やらなきゃダメデスカ?」
―――――更に30分後
久世橋「やった!遂に………!!!」
烏丸「はぁ~、ようやく勝てましたね、先生!それでは、そろそろ寝ましょうか~」
カレン「ね、眠いデス………」カクンッ
わ、私とした事が、生徒を引っ張って、こんな時間まで起こして………!
教師失格です………っ」
カレン「あ、でも大丈夫デスよ、すごーく楽しかったデス!」
久世橋「それに………
九条さんをこんな部屋まで連れて来てしまって、結局寝るのが遅くなって………
完全に私の判断ミスでした………すみません………」
カレン「あっ、クゼハシ先生が落ち込んでしまったデス!」
烏丸「大丈夫ですよっ!気を落とさないで下さい!」
久世橋「烏丸先生………」
烏丸「久世橋先生のおかげで、カレンさんと仲良くなれて、楽しかったですよ~?」
カレン「そうデス!今日カラスマ先生と仲良くなれたのは、クゼハシ先生のおかげデス!!
先生と生徒の仲を取り持つ、教師の鑑デス!!」
久世橋「烏丸先生………九条さん………」
カレン「それに私は、クゼハシ先生の普段の姿を知れて、とても楽しかったデス♪」
久世橋「………忘れないと、どうするって言いましたっけ………」
カレン「アアッ何でも無いデス!忘れマシター!!!」
烏丸「ふふふっ、それでは、寝ましょうか。おやすみなさい………♪」
久世橋「そうですね!明日もある事ですし、今度こそ眠りましょう。おやすみなさい!」
カレン「Good night………」
―――翌日、帰りのバス
久世橋「みんな、眠ってる………
………行きは騒がしかったですけど、帰りはさすがに静かですね。」
烏丸「楽しかったですね、修学旅行」
久世橋「………はい!」
カレン「アリス達は行きもぐっすり眠ってマシタけどー」
久世橋「何で一人だけ元気なんですか!」
カレン「お菓子食べマスー?」
久世橋「結構です!それに、平然と先生達のいる席に座って………」
カレン「皆寝ちゃってヒマだったので、遊びに来マシタ!………嫌デシタカ?」
久世橋「っ………!ま、まあ、良いでしょう!」
カレン「ワーイ!」
烏丸「カレンさんなら歓迎するわよ~。
でも、私の隣でいいの~?久世橋先生じゃなくて?」
カレン「? もちろんデスよ?
昨日の夜は、カラスマ先生と仲良くなれて嬉しかったノデ!」
烏丸「昨日の夜? 何の事?」
烏丸「?? 何かあったのかしら~?」
久世橋「酔っ払った末に全部忘れてるー!!」
カレン「昨日は色々と楽しかったデスよ!
あっ、でも言うと評定を下げられるので、やめときマス………」
久世橋「あの!評定下げませんから、お願いですから忘れてくれませんかそれ!!!?」
烏丸「あらあら、何があったのかしら、気になるわね~。
それはそうと、お菓子いただけるかしら~?」
カレン「はい、どうぞデス!
あ、またトランプ持って来たので、もう一度やりまショウ!
今日は手加減はしマセンよ!!」
久世橋「て、手加減していたのですか!?」
カレン「だって、早く寝たかったデスから………」
久世橋「う………そ、それはすみません………」
烏丸(このお菓子美味しいわぁ)ポリポリ
久世橋「き、昨日のが手加減だったならば!
今度こそ、真剣勝負で、勝たせてもらいますよ!!!」
カレン「望むところデス!!」
烏丸「………うふふ、久世橋先生とカレンさんのおかげで、
最後まで楽しい旅行になりそうだわ~。ありがとうございます♪」
おしまい
烏丸先生、アリス以外にカレンの事もアリスみたいに可愛がってるといいなという勝手な妄想があり、それに大分引っ張られています………
きんモザssがもっと増える事を願って!
もうすぐ映画よ
映画前から温まってるな!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477748630/
Entry ⇒ 2016.11.05 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
アリス「シノ、家の前に何か落ちてるよっ」ゴマちゃん「デース!デース!」べちべち
忍「おやおや。なんでしょうか?」
ゴマちゃん「デース!デース!」べちべち
アリス「!?」
忍「お魚でしょうか?」
ゴマちゃん「デース!デース!」べちべち
アリス「うーん、ヒレみたいなのはあるけど…」
忍「とりあえず、お家に入れて調べてみましょう」ひょい
ゴマちゃん「デース?」
ゴマちゃん「デース?デース!」べちっべち
忍「なるほどなるほど。アザラシというお魚なんですか…」
ゴマちゃん「デース!」
忍「変わったお魚ですねっ」
アリス「あ、えっと、だからお魚じゃなくて…」
忍「さっそくお刺身にしてみましょう!」スラッ(包丁)
ゴマちゃん「デース!?」びくっ
アリス「シノっ!ダメーーっ!!」 NOーー!
忍「えっ?アリスが食べるために捕まえて来たんじゃないのですか?」
アリス「家の前にたまたま落ちてただけだよっ!それに、アザラシは食べられないよ!」
忍「そうだったんですか…」シュン
アリス(シノが露光に残念そうにしてる…!)
忍「それでは、枕にして使いましょう!」のすっ
ゴマちゃん「デ、デース…」べちべち
アリス「発想が極端過ぎるよぉ…」
忍「ペットですか!それは良い考えですねアリス!」
アリス「いいの?やったー!」ぱぁぁ
ゴマちゃん「デース!デース!」びちびち
忍「ペットだなんて思いつきませんでした。アリスは賢いですね」
アリス「え、えへへ、そうかな?」てれっ
忍「はいっ。私は食べることしか思いつきませんでしたよ」にっこり
ゴマちゃん「デスッ!?」びくっ
アリス(先行きが不安過ぎるよぉ…)
ゴマちゃん「デース?」ぺちぺち
アリス「アザラシに必要なものかぁ…わからないねシノ」
忍「そうですねアリス」
アリス「私はイギリスで犬を飼ってるけど、シノは何か飼ったことはある?」
忍「私、ペットを飼うのは初めてですよ…」
忍「アリス以外は」にっこり
アリス「えっ……?」
アリス「どうしたのシノ?」
忍「アザラシを飼うこと…お姉ちゃんがなんて言うか…」ガクガク
アリス「えっ!?イサミって動物苦手なの!?」
忍「わかりません!でも…もしお姉ちゃんが許してくれなかったら…」
勇『ペットなんてダメよ。この子はお刺身にして食べるから』
ゴマちゃん『デーース!!』びちびちびちびち
ガチャ
勇「ただいまー」
アリス「うえーん!イサミ、食べちゃダメー!」びえーん!
忍「お姉ちゃん許してください~~っ!」うわーん!
勇「な、なに!?」びくっ
アリス「ごめんねイサミ、つい…」
忍「お姉ちゃんなら食べかねないと思ってしまって…」
勇「なんか引っかかるけど、まあいいわ」イラッ
勇「ペットを飼うならきちんと責任持って飼うのよ?」
アリス「それじゃあ飼ってもいいの!?」ぱぁぁ
忍「良かったですねアリス!」
アリス「うんっ!」
ゴマちゃん「デース!」べちべち
アリス「そうだねシノ」じーっ
ゴマちゃん「デース?」
アリス「この子、なんだかイギリスに残してきた幼なじみに似ている気がするよ」
アリス「その子の名前はね、カレンって言うんだけど…」
忍「ゴマフアザラシだそうですし、ゴマちゃんでどうでしょうか?」
アリス「ゴマちゃん!とっても良い名前だねシノ!」ニコッ
勇「いやいや。アリスはしのに甘すぎでしょう…」
ゴマちゃん「デース?」ぺちぺち
陽子「へー!アザラシ飼うことになったんだ?」
忍「そうなんですよ」
綾(アザラシって飼っていいものだったかしら…?)
アリス「あ、あれっ?」ごそごそ
もぞっ
ゴマちゃん「デース!」ひょこっ
陽子「え゛っ!?」
忍「ゴマちゃん!?」
アリス「ご、ゴマちゃんが学校までついて来ちゃったよー!」
ゴマちゃん「デース!」ぺちぺち
忍「そうなんですよ!もう食べちゃいたいくらい可愛くて…」うっとり
ゴマちゃん「デース!?」びくっ
アリス「もうっ!シノってば~」くすくす
綾「二人とも、学校にペットを連れて来たらダメじゃない!」
アリス「ごめんね綾。鞄にもぐりこんでいたみたいで…」
忍「すみません綾ちゃん。今日だけにしておきますね」
綾「ダメなものはダメよ!」
アリス「こんなに可愛いのに…」しゅん
忍「連れて来るのは今日だけですね」
綾「いくら可愛くても、ダメなものは…」
ゴマちゃん「デース?」うるうる
綾「っ///」きゅーん
綾「だ、ダメなものはダメなのっ!」
陽子(一瞬ゆらいだな…)
忍「そんな~」
アリス「仕方ないよ、シノ」
ゴマちゃん「デース?」べちべち
陽子「綾は厳しいなー」
綾「そういう決まりなのよ」
陽子「そんな細かいことを言うやつは…こうだっ!!」ぎゅっ
綾「!?///」ドキッ
陽子「博愛固め~」ぎゅぅ
綾「なっ、なななな、なっ…!?///」かぁぁ
綾「よ、よよよよ…っ、よ、陽子っ!なっ、何をして…っ///」ドキドキドキドキドキドキ
綾「……きゅう///」ぱたり
陽子「よし!おとなしくなったな!」
忍「陽子ちゃん、何をしたんですか?」
アリス「はわわっ、綾が真っ赤になってるよ!?」
ゴマちゃん「デース!」ぺちぺち
アリス「ハクアイ固め…」
陽子「ウチの弟たちにもコレをやるとおとなしくなるんだよなー!」ニッ
綾「あ、あぅ…///」
忍「すごい技なんですね」
陽子「効果バツグンだったろー?」あははっ
ゴマちゃん「デース!」
綾「う、でも…」
ゴマちゃん「デース?」うるうる
綾「う、うぅ、時々なら…仕方ないわよね…?」
陽子「やった!」
アリス「アヤが折れたっ!」
忍「ありがとうございます綾ちゃん!」
綾「せ、先生に見つからないようにするのよ?」
アリス「そうだねシノ」
忍「ふふーっ、えいっ!」ぎゅっ
アリス「ふわっ!どうしたのシノ?」
忍「私もアリスに博愛固めですよ」ぎゅーっ
アリス「えへへ…それじゃあ、お返しにっ!」ぎゅっ
忍「あわわっ」
アリス「博愛返しだよ~」ぎゅーっ
アリス「シノ~♪」ぎゅーっ
陽子「あははっ!あいつらなんだか見てて和むなー」
綾「そうね」くすっ
ゴマちゃん「デスデース!」ぺちぺち
カレン「しくしくしく…デース!」めそっ
意外と寂しがっていた
終
スガオくんポジかよ
乙です
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461328146/
Entry ⇒ 2016.10.27 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (1)
【きんモザ】カレン「アヤペン先生の添削指導-真剣交際ゼミ小路講座-」
私、九条カレン! 甘いものが大好きな高校2年生デス!
カレン「一発芸やるデス!」
カレン「のりのつくだに~!」
<ドッ ワハハ
イギリスから留学に来て1年と半年
友達もいっぱいできて、楽しいスクールライフを送っていマス!
だけど……
穂乃花「カレンちゃん!」
カレン「!」
穂乃花「クッキー焼いてきたんだけど……食べる?」ニコッ
カレン「ホノカ……//」ドッキーン
最近、悩みがあるのデス
この子はホノカ
クラスメートで友達なのデスが、面と向かって話すと顔が熱くなってしまうデス
1年生のときはそんなことなかったのに……
穂乃花「もしかして風邪でも引いたんじゃ……」
穂乃花「ちょっと、おでこくっつけるね?」
ピト
カレン「っ!!//」
穂乃花「うーん……少し、熱いような」
穂乃花「保健室、行く?」
カレン「い、イエ! 大丈夫デス!」
穂乃花「でも……」
カレン「元気すぎてオーバーヒートしてるだけデスから!」
穂乃花「ふふっ、カレンちゃんて面白いね」ニコ
カレン「……!」ドキドキ
穂乃花「うん?」
カレン「次の週末なんデスけど……」
穂乃花「うん」
カレン「えーと、その」
カレン「あー」
穂乃花「どうしたの?」
キーンコーンカーンコーン
カレン「あ……」
カレン「や、やっぱりなんでもないデス!」
カレン「じゃあまた後で! Bye!」ソソクサ
穂乃花「……?」
カレン「はぁ……」
カレン「最近、ホノカとうまく話せないデス」
カレン「遊びに誘うのだって、前までは普通に言い出せてたのに……今はなんだか緊張しちゃいマス」
カレン「ケンカしたわけでも、何か気まずいことがあったわけでもないのに、どうしてなのか自分でもわかりマセン」
カレン「ホノカ……」
コンコン
カレンマム『ちょっとカレン、入るわよ』←英語
カレン『どうしたの?』
カレンマム『前の中間テスト、ひどい成績だったじゃない』
カレン『う、うん……』
カレン(勉強しようとしてもホノカのことがいつも心に浮かんできて、全然はかどらなかったデス……)
カレンマム『日本に留学させたのは、遊ばせるためじゃないのよ?』
カレン『それはわかってるよ』
カレンマム『じゃあなんであんな成績になるの?』
カレン『それは……』
カレンマム『次のテストでも同じような成績しかとれなかったら、日本の高校生らしく予備校に通わせるわよ』
カレン『予備校!? そ、そんな……』
カレン『嫌なら、ちゃんと勉強しなさい』
バタン
カレン「……」
カレン「一体どうして……」
「それは……」
「『恋』のせいだよ!」
カレン「だ、誰デスか!?」
アリス「悩んでるみたいだね、カレン」バーンッ
カレン「アリス!」
この子はアリス・カータレット
私の幼なじみで親友デス
学校の成績も良くて、かわいくて、学校でも人気アゲアゲな女の子デス
カレン「ホノカはただの友達デスし、それに同じ女の子じゃないデスか」
アリス「甘いよ、カレン」
カレン「え」
アリス「高校生の多くは、友達同士でも恋愛に発展しちゃうんだよ!」
***********************
<先輩に聞きました!>
同性の友達に恋をしたことがある
│--YES 92%-------------------------│NO 8%│
>>2016年9月高校生3017人のアンケートより
***********************
カレン「そ、そうだったのデスか……!」
アリス「よかったね、自分の気持ちに気づけて」
カレン「でも、だからと言ってどうすればいいのかわかりマセン」
カレン「ホノカは大事な友達デスし、急にアプローチしても向こうがびっくりするデショウし」
カレン「とりあえず、今の関係を保ったまま様子をみて……」
アリス「それも甘いよ!」
カレン「ど、どうして?」
アリス「だって、わたしたちはもう高校2年生だよ?」
アリス「来年になれば、みんな<<受験モードになって恋愛どころじゃなくなっちゃう>>よ」
**************************
Point!!
・受験生になってから想い人にアプローチをかける時間はない!
**************************
アリス「それに、仮に高3になってから付き合えたとしても、夏祭りは夏期講習で忙しい、クリスマスはセンター前でそれどころじゃない」
アリス「季節のイベントなんて何も楽しめないよ!」
カレン「た、確かに……」
カレン「ということは、クリスマスを一緒に過ごすのなら今年がラストチャンス……?」
***************************
Point その2!!
・恋を始めるなら高校2年生の秋からじゃないと間に合わない!
***************************
アリス「どうして?」
カレン「だって私、『次のテストで悪い点とったら予備校に通わせる』ってマムに言われてるデス!」
カレン「勉強も頑張りながらホノカにアプローチをかけるなんて私にはできマセンよー!」ウワアアア
アリス「大丈夫だよ!」
アリス「勉強と恋愛を両立させる、とっておきの方法があるんだよ!」
カレン「とっておきの方法……?」
__________
r´ ´\ \
( \ 真剣交際ゼミ \
\ \ \
\ \ 小路講座 \
\ \ \
\ \ \
\ \_________\
\ r´=========r´
\ 《 三三三三三三三三三=
ヽゝ==========ゝ
カレン「こ、これは……!?」
アリス「真剣交際ゼミ、だよ」
アリス「これがあったから、わたしはシノと付き合えたんだよ!」
アリス「わたしも少し前まではね、勉強と恋愛の両立が上手くできなかったんだよ」
アリス「シノに気に入ってもらえるにはどんな話題の会話をして、どんな風にふるまえばいいのか」
アリス「そんなことを色々と悩んで、時間だけが過ぎて行って」
アリス「それで勉強時間が圧迫されて、成績も伸び悩んだ時期があったよ……」
カレン「その通りデス!」
カレン「わたしも、ホノカとのメールになんて返したらいいかとか、どんなこと話そうとか悩みすぎて勉強が手につかなかったんデス!」
アリス「でもね、大丈夫」
アリス「この『真剣交際ゼミ 小路講座』なら、恋愛のテクニックが<<1日15分>>で身につくんだよ!」
カレン「たったのそれだけで!?」
***************************
Point!!
真剣交際ゼミ 小路講座 なら、
『たったの1日15分』で恋が上手くいく!
***************************
アリス「ふふふ、それには秘密があるんだよ!」
カレン「どんなデスか?」
アリス「ずばり、『ニガテ』の狙い撃ち!」
カレン「うーん?」
アリス「ちょっとこれを見て、カレン」
-----------------------------------------
☆自分の『ニガテ』発見テスト☆
Q1 デート(あるいは待ち合わせ)にはどの時刻につく?
A.30分前 B.5分前 C.時間ちょうど D.遅刻してくる
Q2 彼女(彼氏)が他の異性といちゃついてるのを街中で発見してしまった!どうする?
A.見なかったことにする B.あとでそれとなく探りを入れる
C.その場で問いただす D.右ストレートでぶっとばす 真っすぐいってぶっとばす
Q3 好きなラーメンの味は?
------------------------------------------
カレン「これは……?」
アリス「教材についてくるこの『ニガテ発見テスト』で、自分にとっての『恋愛のニガテ分野』がわかるんだよ!」
カレン「こんなので本当にわかるんデスかね……」
アリス「じゃあ、試しにカレンもやってみようよ!」
カレン「えーと、Q20 相手から『自分はMだ』とカミングアウトされたらどうする? デスか……」
カレン「Dの『さっそく跪かせ、足をなめさせる』っと」
アリス「全部終わったら、データ分析をしてみようね」
カレン「Dの点数が一番高くてAはBより3個以上多い……これデスね」
----------------------------------------------
<結果診断>
あなたのニガテ分野は………『ガマンすること』
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、とはっきり意見できるあなた。
その芯の通った性格が長所で、相手をリードするような恋愛が得意です。
表裏がなく人に好かれやすいタイプですが、気づかぬ間に敵をつくりやすいタイプでもあります。
恋愛の場においては、些細なことからすぐケンカになりやすく、そこからの破局につながりやすい危険性をはらんでいます。
特に優しくおっとりとしたタイプの人と付き合う場合は、知らず知らずのうちに相手にばかりガマンを強いていることが多く、
-----------------------------------------------
カレン「うーん……なかなか合ってる気がするデス」
カレン「なるほど、『ガマン』デスか……」
アリス「そのテストだけでも結構ためになったでしょ?」
アリス「実際に真剣交際ゼミを始めたら、その『ニガテ』に応じた中身の問題集が届くんだよ!」
カレン「それはすごいデス!」
アリス「『ニガテ』をピンポントで狙い撃ちするから、短時間でも効果が出てくるんだよ!」
****************************
Point!!
真剣交際ゼミ 小路講座では、
『ニガテ』を徹底的に洗い出し、集中的につぶす!
だから、短時間でも結果が出る!
****************************
アリス「わたしのは、これだよ」
-----------------------------------------------
Lesson1 ~恋愛相手に依存しないために~
☆-重要!---------------------------☆
・愛も度を過ぎると相手への負担になる
・恋は盲目、されど耳を傾けることまで放棄するな
☆----------------------------------☆
<要点Check!>
・恋人とクラスが離れたときのセリフとして最も適切なものを選べ
A.日本とイギリスの距離に比べれば、教室の距離なんて近いものですよ!
B.デモ シノ イナイ……
-------------------------------------------------
カレン「オー、重要なところが分かりやすくまとめてあって効率よく勉強できそうデス!」
アリス「でしょ?」
アリス「と言うと?」
カレン「恋愛するときって、『言葉選び』がとても大事になるシーンが多いと思うんデス」
カレン「メールだとか、デート中の会話だとか、告白の言葉だとか……」
カレン「そういう『言葉選び』のセンスって、問題集だけで得るのは難しいのデハ?」
アリス「うん、そうなんだよね……」
アリス「問題集を使った自己採点だと、どうしてもその辺が難しいところだよね」
アリス「でもね、実は真剣交際ゼミの一番のすごいところがそこにあるんだよ」
アリス「そう、『アヤペン先生の添削指導』がね!」
カレン「『アヤペン先生の添削指導』!?」
アリス「これを見て」
-------------------------------------------
☆~~~☆アヤペン先生の添削問題 2016年11月号☆~~~~~☆
Q1
デート当日、あなたが目を覚ますとすでに待ち合わせ5分前の時刻になっていました。
どう急ごうとも遅刻は確定です。
あなたは急いで恋人にメールを送りました。
どんな文面のメールでしょうか?
Q2
あなたには今、片思いをしている人がいます。
今のところその人とは友達ですが、相手はあなたのことを恋愛対象だとは全く思っていない様子。
ある日、その人に元気がないのを偶然見かけたあなた。
聞けば、付き合っていた恋人に振られてしまったとのこと。
さて、何といって慰めますか?
Q3
好きなラーメンの味は?
-------------------------------------------
カレン「これは?」
アリス「この問題を解いて提出すると、数々の恋愛小説を読破した恋愛のプロ、『アヤペン先生』が添削してくれるんだよ!」
カレン「記述問題の添削までやってくれるんデスか!」
------------------------------------------
Q3
あなたには付き合って2週間の恋人がいます。
あなたの部屋でデート中、恋人は「私のどこが好きになったの?」
と聞いてきました。
何と返しますか?
(解答)
全部!
(アヤペン先生からのアドバイス)
悪くはない返答です。
しかし、具体的に何点か相手の長所をほめてあげる方が説得力のある答えになり、
相手からの信頼感も高まることでしょう。
特に相手が何らかのコンプレックスを抱えている場合、全肯定はむしろ相手にとって「説得力のない」ほめ言葉になる危険があります。
もちろん相手によって好ましい返答は千差万別ですが、
「全部」というシンプルな答えを望む人に対してでも、「全部好き! だけど特に好きなのは○○なところ」
と具体例を付け加えてあげるほうがよいでしょう。
また、付き合って2週間という期間、また自分の部屋というデートスポットであることを考えると、
相手の「意図」に探りを入れる必要も出てくることかと思います。
(例)
い、いきなり何聞くのよ! どこがって……わざわざ口に出して言うのは恥ずかしいじゃない!
(※あえて返答を渋る、恥ずかしがることによって、そのあとの答えが自分の「ホンネ」だという説得力をあげるテクニックです)
……ぶ
え、聞こえないって? 何度も言わせないでよ!
全部! 全部好きなの! 悪い?
(※「全部」という返答はともすれば「投げやりな返答」ともとられかねないので、繰り返し「恥ずかしさ」を演出することで「ホンネ」感をあげています)
陽子(※仮名です)は優しくて、一緒にいて安心できて、いつも元気なところとか、
食いしん坊なところとか……たまに鈍感なところもあるけど、それも含めて大好きなの!
(※あえて短所を挙げるのも一つのテクニックです。お互いに気心をしれているとき、例えば友達から恋人になった、というときにはよくハマります)
それから……このふんわりとした髪も、すごく魅力的よ。
(※ここで相手との距離を詰め、ボディタッチに移行します。
相手の目を見つめ、「その先」に進むことを望んでいるのか否かを感じ取ってください。
そのまま髪を触る流れで首筋へ、肩へと触れる範囲を広げ、相手が嫌がるそぶりを見せなければ次はいよいよ
---------------------------------------------------------------------------------------------
カレン「Wow! 一つ一つの解答をこんなに丁寧に添削してくれるんデスか!」
アリス「すごいでしょ! アヤペン先生のおかげで、わたしも日本語での口説き方を勉強できたんだよ!」
****************************
Point!!
アヤペン先生の添削指導で、口説き方もばっちりマスターできる!
****************************
アリス「うん、一緒に頑張ろう!」
アリス「そして掴もう! ホノカの心と、輝かしい未来を!」
カレン「ハイ!」
こうして私は、真剣交際ゼミ 小路講座を始めたのデス
*
カレン「お、教材が届いてるデス! さっそくやってみるデス!」
カレン「ふむふむ、初回は『恋人の効果的なほめ方』デスか」
カレン「相手が身に着けているものをほめる、髪型など何かを『変えた』ときもとりあえずほめる」
カレン「ほめるのにはちょっと無理があるという場合は『私はその○○好きだよ』という言い方もできる」
カレン「なるほど……ここで演習問題デスか」
-------------------------------------------
<例文>
・陽子は私と違って犬っ毛モワモワヘアーね
<要点Check!>
朝、恋人と出会ったあなた。恋人は昨日美容院に行ったようで、髪が短くなっていました。
しかしどう見ても前髪を切りすぎていて、本人もそのことでとても落ち込んでいます。
さて、なんと言いますか?
A.髪のことは触れずに関係のない話題へ B.災難だったね、でも私はその髪型も好きだよ
C.気にしなくてもいいって、かわいいじゃん D.お花も水をあげたら伸びるから人間も同じかもしれないよ!
--------------------------------------------
カレン「解きーの、答え合わせしーの」カキカキ
カレン「Wow! 本当に15分で終わってしまったデス!」
カレン「オッハヨウゴジャイマース!」
久世橋「九条さん! 遅刻ギリギリですよ!」
久世橋「もっと余裕をもって行動するよう心掛けてください、あとあいさつはちゃんと……」
カレン「お、オウフ……」
カレン(あれ? よく見たら先生、シュシュがいつものと違うデス)
カレン(これは、昨日ゼミでやったシチュエーションデス!)
カレン「クゼハシ先生、シュシュ変えマシタ?」
久世橋「え? ええ、まあ」
カレン「とっても似合ってるデス!」ニコ
久世橋「え……」
久世橋「そ、それはどうも//」コホン
カレン「ではマタ!」
久世橋「ええ、明日からはもう少し早く来るんですよ?」
カレン「ハーイ!」
カレン(Wow、いつもならあれやこれやクドクド言われているところなのに……)
カレン(昨日やった通りにほめただけで先生の態度が全然違うデス!)
カレン「早くもゼミの効果が出始めてるデス!」
アリス「そうでしょー?」
***************************
Point!!
ポイントを絞ったテキストで学習するので、効果が出るのが早い!
***************************
穂乃花「あ、カレンちゃん! クッキー作ってきたんだけど、食べる?」
カレン「! ほ、ホノカ……」
アリス(ガンバレ)ヒソヒソ
カレン「い、いただきマース!」
モグモグ
カレン「うん、おいCデス!」
穂乃花「本当? よかったー」
カレン(何かほめ言葉、何かほめ言葉は……)
穂乃花「次はパウンドケーキを作ろうかなって思ってるんだー」ニコニコ
カレン「ホノカは本当にお菓子作りが上手デスねー」
カレン「女の子らしくって、憧れちゃうデース!」
穂乃花「あ、憧れるだなんてそんな……//!」
カレン(好感触デス!)
アリス(その調子だよ!)ウンウン
久世橋「えーそれでは、緑黄色野菜の定義ですが」
久世橋「九条さん、わかりますか?」
カレン「ハイ! 可食部100gあたりβカロテンを600μg以上含んでいる野菜デス!」
久世橋「……それだけですか?」
カレン「それに加えて、ピーマンやトマトのような一度に食べる量の多い色の濃い野菜も含まれマス!」
久世橋「……!」
久世橋「九条さん、あなた最近質問によく答えられるようになりましたね」
カレン「えへへ」
久世橋「みなさんもぜひ、彼女を見習ってくださいね」
<パチパチパチ
カレン「もう、そんなにほめないでクダサイ!」
カレン「先生が美人だから、つい良いカッコしたくて頑張っちゃうんデスよ!(ウインク)」
久世橋「な、なにを……//」
久世橋「みなさん、こういうすぐおちゃらけるところは見習ってはいけませんよ」
<ドッ ワハハ
<ヒューヒュー
カレン「どもどもー!」
***********************
Point!!
真剣交際ゼミを始めれば、浮いた時間で勉強も効率よくできるようになる!
***********************
カレン「突然屋上に呼びつけてしまって、申し訳ないデス」
穂乃花「ううん、大丈夫だよ」
穂乃花「で、大事な話って……なに?」
カレン「……」
カレン(大丈夫、アヤペン先生の課題でやった通りに……!)
カレン「ホノカ、聞いてクダサイ」
カレン「私がここの学校に転校してきたとき、まだクラスになじめない私に一番よくしてくれたのはホノカデシタ」
穂乃花「いや、そんな……」
カレン「クラスに受け入れてもらおうとみんなの前でスピーチをしたときも、一番先に拍手をしてくれたのは、ホノカだったデス」
穂乃花「……」
カレン「今まで、ホノカの存在にすごく支えられてきたんデス」
穂乃花「カレンちゃん……」
カレン「ホノカの友達になれて、私とっても幸せデス」
カレン「だけど……いつの間にかホノカは、私の中でそれ以上の存在になっていマシタ」
穂乃花「……?」
カレン「ホノカ」
カレン「私はあなたのことが好きデス」
穂乃花「!!」
カレン「だって、ホノカの友達でいるのはとっても楽しいし、これからもずっと仲良くしていたいから」
カレン「だけど、これ以上我慢してても、きっといつかばれてしまうと思ったデス」
カレン「それくらい、ホノカのことが大好きなんデス」
カレン「だから、思い切って打ち明けちゃいマシタ」
穂乃花「……!」
カレン「急にこんなこと言われても、困ると思いマス」
カレン「だから、返事はいつでも……いえ、なんならしなくても結構デス」
カレン「気持ち悪いと思ったら、これから距離を開けてくれてもOKデス」
カレン「いつか態度に出て、ばれてしまうのなら……せめて最後は、ホノカに対して正直でありたかった」
カレン「それだけのことデス」
穂乃花「……」
カレン「……聞いてくれて、アリガトウゴザイマシタ」
カレン「じゃあ、私はこれで……Bye」
スタスタ
穂乃花「……」
穂乃花「……待って、カレンちゃん!」
穂乃花「……」
チュ
カレン「!」
穂乃花「返事は、これだよ」
穂乃花「私も……カレンちゃんと同じ気持ち」
穂乃花「私もずっと気持ちを隠してたんだよ、カレンちゃんとずっと仲良くしていたかったから」
カレン「ホノカ……!」
穂乃花「私たち今まで、お互いウソつきさんだったね」
穂乃花「ありがとう、気持ちを打ち明けてくれて」
カレン「これからは……正直になっていいんデスね?」
穂乃花「うん!」
アリス(カレン……よかったね)←@貯水槽の裏
カレン「ホノカ! オッハヨウゴジャイマース!」
チュ
穂乃花「ひゃっ!? か、カレンちゃん!」
カレン「オハヨウのキスデース!」
穂乃花「ふへー///」
久世橋「えー、テストを返却します」
久世橋「九条さん」
カレン「ハイ!」
久世橋「よく頑張りましたね」
カレン「……Wow! 満点デース!」
穂乃花「カレンちゃんすごい! 全教科90点越えだよね?」
カレン「ふふふ、まあこんなものデスよ」
勉強の方も成績がグングン伸びて、今では学年トップクラスデス!
これも全部、真剣交際ゼミ小路講座と、アヤペン先生のおかげデス!
穂乃花「カレンちゃん、今度のお休みに2人でどこか行こうよ」
カレン「Yes! 初デートデスね!」
穂乃花「こ、声が大きいよー!//」
私の物語はここでおしまいデス
次は────あなたの番デス!!
END
────
「……ー!」
「……イヘー!」
「エイセイヘー!」
穂乃花「……はっ!?」
カレン「ホノカ! 目が覚めたデスか!」
穂乃花「あれ、ここは……?」
香奈「部活中にボールが顔に直撃しちゃったんだよ」
アリス「ごめんね、カレンが急に声かけたりするから……」
カレン「本当に申し訳ないデース……」
穂乃花「え……真剣交際ゼミは? アヤペン先生の添削指導は?」
カレン「へ?」
香奈「だめだ、また頭が混乱してるみたい」
穂乃花「でもカレンちゃんが、わたしのことそんな風に思ってくれてたなんて……」
カレン「そんな風ってどんな風デス?」
穂乃花「私感激だよー!」
チュッチュッ
カレン「な、なにするデスか!?」
香奈「頭打ったせいで穂乃花がおかしくなってる!」
アリス「救急車ー! 誰か救急車呼んでー!」
穂乃花「ふへへ……カレンちゃーん!」
終わり
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477205825/
Entry ⇒ 2016.10.27 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
カレン「映画を観に行きマショウ!」
*『きんいろモザイク』のSSです
*途中で『ご注文はうさぎですか?』のネタが出てきます。あらかじめご了承を
カレン「この前、イサミの出てた映画を観に行ったとき、今度はみんなで行こうって言ってたデス」
陽子「お、そういやそうだったなー」
忍「みんなで映画ですか。楽しそうですね、アリス」
アリス「うん、シノ。わたしも行きたいな」
カレン「じゃあ決まりデスね! いつ行きマスか?」
陽子「そうだなー、週末とか? 私は空いてるし大丈夫だよ」
カレン「私もデス!」
綾「私も。しのとアリスは?」
忍「はい、特に予定はないので大丈夫です」
アリス「決まりだね」
カレン「ホーノカー」
穂乃花「! カレンちゃん」
カレン「ホノカも一緒に週末、映画観に行きマス? きっと楽しいデス!」
穂乃花「う、うん……行きたいんだけど……でも、部活が」
香奈「行ってきなよ、穂乃花」
穂乃花「香奈ちゃん」
穂乃花「あ、ありがとう……香奈ちゃん。じゃあ、私、行ってくるね」
穂乃花「カレンちゃん。私も、お供させてもらいます!」
カレン「ウェルカム!」
カレン「カナも今度、一緒に遊びに行きマショウ」
香奈「うん、また今度ね。カレンちゃん」
カレン「あ、シノとアリスが来まシタ!」
アリス「遅れてごめんねー」
陽子「おーい、遅いぞー」
忍「すみません、ちょっと服を選んでいたら遅くなってしまって」
綾「しのはマイペースだから」
忍「どうです? 似合ってますか」
陽子「あ、うん。まあいつも通り、しのらしい服装でいいんじゃない」
穂乃花「忍ちゃんもアリスちゃんも、とっても可愛いよー」
忍「ありがとうございます、穂乃花ちゃん」
陽子「楽しみだなー。やっぱ映画館ではコーラとポップコーンだよね~」
綾「もうー、陽子は食べ物のことばっかり。大事なのは映画の中身でしょ」
アリス「そうだね、面白い映画だといいね」
忍「どんな映画なんでしょうか、楽しみですね」
穂乃花「それで、カレンちゃん。今日は何ていう映画を観に行く予定なの?」
カレン「ノープランデス」
綾「え、カレン、考えてたんじゃないの?」
アリス「カレンが言い出したから、てっきりもう決まってるんだと思ってたよ」
カレン「最初から決めて行って観るのもいいデスが、映画館に行ってから決めるっていうのも面白いデスよ」
忍「なるほど、確かにその場で選ぶのも面白そうですね」
アリス「行きあたりばったりって感じだね」
穂乃花「映画のポスターを貼ってるし、予告影像が流れてたりするから参考にできるね」
カレン「ふ、そこはフィフティー・フィフティーデスが……」
陽子「まあ、その場合は闇鍋でハズレ引いたって思っとけばいいって!」
綾「陽子はなんでも食べ物に例えるわね……」
アリス「最初から観るつもりの映画でも、期待外れな場合はあると思うし」
綾「確かに……それもそうかも」
ざわ・・
ざわ・・
ざわ・・
カレン「着いたデース!」
綾「結構、込んでるわね」
陽子「まあ週末だもんな」
穂乃花「こんなに人が多いと迷っちゃうよね」
忍「アリス、迷子にならないように気を付けてくださいね」
アリス「わたしは子どもじゃないから大丈夫だよ……」
穂乃花「う~ん。私は、カレンちゃんが観たい映画ならなんでもいいよぉ」
カレン「シノとアリスは?」
忍「そうですね。私は出来れば金髪少女が主人公のものを」
アリス「わたしは時代劇っぽいのがいいなー。和服を着た大和撫子って感じの人が出てきてほしい」
カレン「アヤヤは?」
綾「私はやっぱり恋愛映画がいいわ。こう……胸がきゅんとするような」
カレン「ヨーコは食べ物が出てくる映画デスね」
陽子「いやいや私、食べ物だけじゃないから! 私はアクション物がいいかなあ」
陽子「これは、別々に分かれてみるしかないのか?」
綾「そ、そんな。それじゃ、みんなで見に来た意味がないじゃない」
忍「いったいどうすれば……」
カレン「なるほど、分かったデス」
アリス「カレン?」
カレン「こんなこともあろうかと、私はちゃんと最新の映画情報をチェックして来マシタ」
アリス「あるの!?」
カレン「これデス!」
【劇場版 ご注文はうさぎですか?~ぴょんぴょんはーと~】
忍「シャロちゃん可愛すぎですっ!」ハアハア
アリス「チヤのおしとやかな雰囲気もとても良かったよ」キラキラ
陽子「リゼのチャンバラが面白かったなー。チマメ隊の活躍も」
綾「そう? 私はリゼがなかなかシャロの気持ちに気付かないのがじれったかったわ」
陽子「え、そんなシーンあったっけ?」
綾「あったじゃないの! もうー、本当に陽子は……」
陽子「それにしてもリゼって綾にそっくりだったな!」
綾「やめてぇ。スクリーン観ててちょっと恥ずかしかったんだから!」
アリス「私はチヤのグッズを買おうかな」
忍「このストラップなんていいですね」
アリス「ほんとだね」
忍「アリス、一緒に買いましょうか。おそろいで」
アリス「シノ、キャラクターは別なんだからおそろいじゃないよ?」
忍「いえ、そういう意味ではなく、つまり……。シャロちゃんと千夜ちゃんは幼馴染だったじゃないですか」
忍「あの二人と同じくらい、私達も仲良くしていけるように。そういうつもりで、おそろいと……ちょっと言い方おかしかったですか?」
アリス「ううん、大丈夫だよ。シノの気持ちはちゃんと伝わったから。一緒に買おう、“おそろい”のストラップ」
忍「はい!」
穂乃花「シャロちゃんの金髪も綺麗だったけど、人見知りなチノちゃんがだんだんココアちゃんたちと打ち解けていくところが良かったかな」
カレン「そうデスか。みんな楽しんでくれたみたいでよかったデス」
穂乃花「カレンちゃんは、どういうところが面白かったの?」
カレン「そうデスねー。漫画やアニメそのものが好きっていうのもありマスが」
カレン「こうやって、ホノカやみんなと一緒に同じものを観て、いろいろ話せることが一番面白いデス!」
穂乃花「カレンちゃん」
カレン「今日は来てくれてアリガトゴジャイマス、ホノカ!」
穂乃花「……こちらこそ、どういたしまして」
綾「まだ食べるの? さっきポップコーン食べてたでしょ」
陽子「まあまあ、固いこと言わずに」
アリス「わたしは甘味処がいいな」
忍「私はカフェがいいですね」
カレン「私はホノカの家に行きたいデース」
穂乃花(そうじゃないんだ。これからもっともっと増やしていけばいいんだよね)
穂乃花(カレンちゃんや、みんなと一緒に過ごせる時間を――)
カレン「ホノカー、行きマスよ」
穂乃花「うん」
誘ってくれてありがとう、カレンちゃん
これからもよろしくね
(おしまい)
いっぺん日暮ちゃんメインのSS書いてみたい今日この頃
それでは失礼します
じゃぁ今度はきんモザの映画をごちうさ勢が観に行く番だな
きんモザ映画楽しみ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475194192/
Entry ⇒ 2016.10.04 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
アリス「本当はひわい」陽子「宇治拾遺物語?」
アリス「……」ペラペラ
アリス「……///」カアァ
陽子「アリスー、何読んでるの?」
アリス「っ!?」バッ
陽子「お、おい! 隠さなくてもいいじゃん」
陽子「えーなになに? 『宇治拾遺物語』……聞いたこと無いなぁ」
アリス「いやいや、古文で習ったよ!?」
アリス「覚えてない? お坊さんたちがぼたもちを作ってる間、小僧が眠ったふりをして待ってたけど……って話」
陽子「あー、『児のそら寝』だっけ?」
アリス「そうそう。その『児のそら寝』だけじゃなくって、他にも色んな小話がまとめられたのがこの『宇治拾遺物語』なんだよ」
陽子「へー、勉強になるなあ」
アリス「他にも、あの芥川龍之介の『鼻』『芋粥』『地獄変』の基になった作品も入ってるんだよ」
陽子「んー、その辺は知らないや」
アリス「ちょっとは自分の国の文学を勉強しようよ……」
アリス「えと……」
アリス「『児のそら寝』が面白かったから、他の話も読んでみたいなって思って図書室で借りたんだけどね」
アリス「何と言うか、ちょっと『アレ』な話が多くって……」
陽子「アレってどれ?」
アリス「アレって言うのはその……」
アリス「……ごにょごにょ」
陽子「え? 何、聞こえないよ」
アリス「……ごにょごにょ」
陽子「アリス、物を言うときは腹から声を出すもんだ!」
アリス「ちょっと『卑猥な』ってこと!//」
陽子「『卑猥』!? そんな言葉大声で言うもんじゃありません!」
アリス「ヨーコが言わせたんでしょ!」
アリス「キスシーンで顔真っ赤にするほど世間知らずじゃないよ……」
陽子「えぇ……私の中のアリスはそれくらいピュアだったのに」
アリス「ピュアって言うかただの子ども扱いだよそれ!」
陽子「とは言っても教科書に載るような作品だしなぁ」
アリス「『児のそら寝』みたいなほっこりする笑い話も載ってるんだけど、全部が全部そんな話じゃなかったの」
陽子「へぇー」
アリス「うぅ、粋な日本文化を学ぼうと思ったのにあんな話が待ち構えてるなんて……」
アリス「神社で露出魔に『日本の神さん見せたろか? ほら、おいなりさんや!(ポロン』ってされたとき以来のショックだよぉ」
陽子「そんなことされたの!?」
アリス「わたしの口から説明するのはちょっと……自分で読んでよ」
陽子「いや、こんなん差し出されても読めるわけないじゃん」
アリス「そこは勉強しようよ!」
陽子「頼むよー、私古典って超ニガテなんだから」
陽子「ここでアリスに面白い話のひとつでも教えてもらえれば、古典への拒絶反応がマシになるような気がするんだ!」
アリス「でも……」
陽子「ほら、前の試験で古文が25点だった私の未来を救うと思って!」
アリス「え、えぇ……その点数は酷すぎるよ」
アリス「わかった。じゃあヨーコが古典に少しでも興味を持てるように、いくつか小話を紹介するよ」
陽子「やったー!」
アリス「細かいところは省いたり変えたりして、分かりやすい物語風に話してみるね!」
アリス「登場人物もイメージしやすいように、馴染みのある人に置き換えて話すよ!」
陽子「よっ! アリス屋~!」
『宇治拾遺物語 巻1・第14話』
『小藤太、聟(むこ)におどされたること』
今となっては昔の話、源大納言定房という人の家臣で、小藤太(→陽子)という人がいた。
陽子「大納言って言えば、大臣クラスの次に偉い役職だからね」
陽子「私はそんな偉い人の家臣で、しかも右腕的存在なんだ! 将来安泰だね!」
そんな陽子であったが、一人の娘(→綾)がおり、良家の息子(→カレン)と懇ろな関係になっていた。
カレンは綾の家に足繁く通っており、2人は仲睦まじい恋人であった。
陽子「綾のやつ、昔は『お父さんと結婚する!』なんて言ってたのになぁ……寂しいよ私は」
陽子「ま、カレンはいい奴だし、家柄もいいし、親父としては文句ないけどな!」
その日も、カレンは綾の家に来ていた。
~寝室~
カレン「昨日は激しかったデスね、アヤヤ」
綾「も、もうやめてよカレン!///」
カレン「でも、今日は雨降りデスか……これじゃ帰る気も起らないデス」
綾「私はちょっと用事があるから出かけなきゃいけないけど……カレンはゆっくりしてていいわよ」
カレン「じゃ、お言葉に甘えてー!」ゴロゴロ
綾「もう、子どもみたいに……」
娘は部屋を出ていき、一人残されたカレンはやることもなく、部屋でごろごろしていた
陽子「こんな天気じゃ、カレンも暇だろうなぁ」
陽子「そうだ、酒とつまみでも持っていって、男二人で語り合うとするか」
陽子は気を利かせて酒と肴を用意し、カレンのいる部屋へと向かうのだった
部屋で暇を持て余すカレン。
何をするでもなく寝転がっていると、奥の方から戸を開ける音がした。
カレン(アヤヤが戻ってきたデス!)
カレン(そうデス……ちょっとイタズラして、びっくりさせちゃいマショー!)クフフ
本当は綾では無く、陽子が入ってくる音だったのだが、
勘違いしたカレンは、衣を頭にかぶり……
カレン(ヘイ!)ポロンッ
『あの物』を取り出し、お腹を反らせ、
カレン(貫け私のサムライブレード!)ビンビン
『けしけし』と勃起させた……
陽子「ってうわあああああああああっ!?」
何も知らずに部屋に入ってきた陽子は、驚いて酒と肴をまき散らしながら転倒。
その拍子に頭を強くぶつけ、気絶してしまったとさ。
陽子「うーん……」バタンキュー
カレン「お、お義父さん!? しっかりしてクダサイ!」
----------------------------
アリス「おわり」
陽子「え、終わり?」
アリス「おわり」
陽子「……え、いや、宇治拾遺物語? これ、本当に?」
アリス「うん」
陽子「一応聞くけど、アリスの創作だったりしないよね?」
アリス「こんな話わたしが作ると思う!?」
陽子「い、いや、そうだよな……うん」
アリス「恋人の家に泊まっていた男が、部屋に入ってきた足音を恋人のものと勘違いして、『お下劣なイタズラ』を仕掛けた結果恋人の父親を昏倒させる……」
陽子「こんな話、よく後世に残ったな……いや、残す気になったな」
陽子「っていうかアレじゃん、全然良家の息子じゃないじゃん、カレン……ただの変態だよ」
アリス「実話じゃないことを祈るしかないね……」
陽子「創作ならそれはそれで作者の頭どうなってるの? って言いたくなるけれども」
陽子「いやー、びっくりだよこれは」
アリス「でしょ?」
アリス「で、他にもあるんだよ、こういうお話」
陽子「や、もう十分かなぁ」
アリス「聞いて! 一緒にいたたまれなくなろうよ! 次はお坊さんのお話で……」
陽子「ノリノリになってる!? やめてくれ、私の知ってるアリスはこんな子じゃない……!」
『宇治拾遺物語 巻1・第11話』
『源大納言雅俊 一生不犯の鐘打たせる事』
これも今となっては昔の話、源大納言雅俊(→穂乃花)という人がいた。
穂乃花「ちなみに、大臣・大納言・中納言・参議までをまとめて『上達部(かんだちめ)って言うんだよー」
あるとき仏事を行おうと、一生不犯(=生涯異性とは交わらない)の誓いを行った僧から、
仏前で鐘を打ち、講演を行う者を選んだ。
しかし、ある僧が講座に上がったときに、表情が少し変わったかと思うと、鐘を打つ木を持ったまま打ち鳴らそうともしない。
綾「…………」
穂乃花(どうかしたのかなー……?)
しばらく待ったのち、周りの人も不安に思い始めたころ
震える声で、僧はぽつりと言った。
綾「私、確かに不犯の誓いは立てましたが……」
綾「お、オナニーはしてもよかったんでしょうか……?///」
その場にいた人々は、たまらず大笑い。
そんな中、一人の従者が僧に声をかける。
カレン「ちなみに、オナニーはどれくらいやってるんデスか!?」
僧は首をひねりながら答えた。
綾「実は昨晩もやったんですが……///」
周りの人がどよめき笑う。
その隙に、僧は慌てて逃げ出したという。
--------------------------------
アリス「おわり」
アリス「どうだった?」
陽子「……この話で何を言えと」
アリス「ちょっと面白いなって思うのは、キリスト教の聖職者でも同じようなことを悩む人はいるってことだね。 そういう悩みは文化問わないんだなぁ、と……」
陽子「おお、真面目な感想だ……」
アリス「ちなみに、古文が苦手なヨーコのために『大納言』とか『上達部』の説明も入れたんだけど……どう、分かった?」
陽子「うーん、微妙かも」
アリス「知らなくてもストーリーには関係ないけど、テストには出やすいから勉強しておこうね」
アリス「あのね、律令制での身分は一位、二位、三位……っていう風に順に位分けされてるの」
アリス「で、左大臣とか大納言とかの役職は、対応する位の人から選ばれる。左・右大臣は二位から、大納言は三位から、みたいにね」
アリス「それで、五位以上の人が『貴族』、三位以上の身分の人が『公卿』別名『上達部(かんだちめ)』って呼ばれているんだよ」
アリス「時代によっても変わるけど、上達部の人数は大体20人ちょっと……つまり日本の中枢を担う人たちなんだね!」
陽子「うぅ、こういういかにも『勉強!』って話は頭に入って来にくいなぁ」
アリス「インパクトのある話とセットにした方が覚えやすいからね」
陽子「『上達部』って単語が出てくる度にこの話思い出しちゃうじゃんか!」
アリス「さ、次の話に行こうか」
陽子「聞けよ」
『宇治拾遺物語 巻1・第6話』
『玉茎検知のこと』
これも今となっては昔の話、中納言・源師時(→忍)という人がいた。
あるとき、忍のところへ、一人の法師(→カレン)がやってきた。
忍「えーと、あなたは?」
カレン「私は煩悩を切り捨てた聖者デース!」
忍「煩悩を切り捨てる……そんなことが可能なのですか?」
カレン「フフフ、これを見てクダサイ」
そう言って法師は、衣の前をまくって見せた。
忍「こ、これは……」
法師の股には『まっすぐなアレ』がついていない……
忍「これは何ともすごいお方ですね!」
カレン「そうデショウ! すごいデショウ! ささ、どうかお恵みを……!」
忍(しかし……なんだか怪しい気もしますね)
そう思って見ていると、股に下がっている『袋』が心なしか大きすぎるような気がする。
そこで忍は従者を呼び、命令した。
忍「この人の身体を取り押さえてください」
カレン「ふふふ、何をしようとも私は正真正銘『煩悩を切り捨てた聖者』なのデスよ!」
2,3人の従者に股を広がせ、忍はさらに12,3歳くらいの従者を呼び出す。
アリス「どうかされましたか、シノさま」
忍「アリス、この法師さまのおまたをさすさすしてあげてください」
アリス「え゛」
従者がそのふっくらとした手で法師の股を、上げたりおろしたりしてさする。
そのうちに、法師の様子が変わり始めた。
カレン「う……あっ……」
カレン「や、やめてクダサイ……!」
真剣な顔で懇願する法師。
だが、忍はさらにはやし立てる。
忍「ふふふ、よくなってきたみたいですよ……」
忍「もっとさすさすしてあげてください、それそれ!」
アリス「うぅ……」ナデナデ
カレン「うあっ……も、もう無理デス……!」
従者がどんどんさすっていくと、法師の股から『松の木のように大きなモノ』が出てきて、腹にすわすわと打ち付けた。
カレン「あ……」
これには忍を初め、居合わせた者も大笑い。
法師もまた、手を叩いて笑い転げるしかなかったのであった。
カレン「実はデスね、この『棒』を『袋』の中にしまいこんで、聖者のフリをして物乞いをして回ってたんデス」テヘ
ということであった。
-------------------------------
アリス「おしまい」
アリス「ちなみに、お坊さんと下ネタと絡めるパターンは他にも色々あったよ」
陽子「へぇー」
アリス「本来性的なものとは無縁のはずのお坊さんに敢えて卑猥な展開を絡める……『ギャップ萌え』的な効果を狙ったのかなぁ?」
陽子「萌え……?」
陽子「あと、カレンに『ナニ』が生えてる話が2話目なんだけど、このキャスティングには何か意図が?」
アリス「いや、私たちの中では1番『ぽい』かなって」
陽子「本当に親友なのかいキミたちは……」
カレン「私に何が生えてるデスって?」
陽子「うおっ!?」
アリス「ピッ!?」
カレン「なんでそんなに驚くんデスか」
陽子(うわさをすれば……)
アリス「えと……聞いてた? 今の話」
カレン「何の話デショウか?」
アリス(ホッ)
カレン「もしかして、アリスが私のおまたをさすさすする話のことデショウか?」
陽子「がっつり聞かれてた!」
カレン「イエイエ、こっそり聞いてマシタが中々面白かったデスよ!」
カレン「特に私が陽子にモノを見せつけて驚かす話とか」
陽子「最初から聞いてたのかよ!」
アリス「盗み聞きしてないで話に加わってきてよー!」
カレン「や、だって自分がアリスの話の中であんな扱いになってたから……話しかけていいのかどうなのか分からなかったデス」
陽子「それは確かに」
アリス「ご、ごめんなさいカレン!」
カレン「ただ……少しの間その本貸してもらってもいいデスか?」
アリス「え? いいけどどうして……」
カレン「ちょっとしたイタズラ、思いついちゃったデス」クフフ
*
カレン「……フムフム」ペラペラ
久世橋「あら、九条さん……お勉強ですか?」
カレン「ええ、日本の古典作品に興味が湧いてきたのデス」
久世橋「それは良いことです」
カレン「でも……ちょっと分からない単語が多過ぎて苦労してマス」
カレン「クゼハシ先生、教えてもらえマセンか?」
久世橋「私は家庭科の担任なのですが……」
カレン「……私は、クゼハシ先生に教えてもらいたいんデス」
カレン「ダメ、デスか?」
久世橋「……」キュン
久世橋「ま、まあいいでしょう! 今日は特別ですよ?」
久世橋「えーと……『一生不犯の鐘打たせる事』?」
カレン「ここの文の意味がよく分かりマセン」
「かはつるみはいかが候ふべき」といいたるに……
カレン「この『かわつるみ』って単語を辞書で引いてみたのデスが、よく分かりませんデシタ」
久世橋「どこですか? えーと……」
『かわつるみ:手淫、自慰』
久世橋「な……っ!///」
カレン「漢字が難しくて読めないんデス……」
カレン「?」
久世橋「一体何のつもりですか!//」
カレン「え? 古典で『宇治拾遺物語』の中の『児のそら寝』って話をやったのデスが、なかなか面白い話だったので、他の話も読んでみたくなったんデス!」
カレン「どうかしマシタか?」
久世橋「え……あ……」
久世橋「そうでしたか……まあ、それなら確かに……ええ」
カレン(計画通り……!)
久世橋「そ、それは……その……///」
カレン「教えてクダサイ!」
久世橋「え、えーと……あー……//」
カレン「お願いシマス、クゼハシ先生!」
久世橋「えと……あの……//」
カレン(だ、駄目だ……まだ笑うな……こらえるんだ……し、しかし……)ニヤニヤ
久世橋「ちょっと、何ニヤついてるんですか?」
カレン「」
カレン「いや、これは、その……」
<ごカンベンをー!
陽子「何か外が騒がしいな」
アリス「……」ペラペラ
陽子「アリス、今度は何読んでるの?」
アリス「『今昔物語』だよ」
アリス「実はこっちも、けっこうひわいな話があって……//」
陽子「またかよ!」
END
ひわいに学ぶ古文……
乙
今昔物語編も期待
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1471339940/
Entry ⇒ 2016.08.24 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
【きんいろモザイク】カレン「ポケモンGOやりマショウ!」
陽子「ああ、ポケモンGO? 私まだやってないや」
綾「私も。最近ニュースで話題になってるわね、いろいろと」
アリス「も~、カレンは流行り物好きなんだから」
カレン「流行しているイコール面白いってことデス。アリスも一緒にやりマショウ!」
アリス「うーん、興味はあるけど……わたし、携帯持ってないし」
忍「私も携帯電話は持っていませんね」
カレン「オーマイGO!?」
陽子「それギャグか?」
陽子「これダウンロードすればいいのか」
カレン「Yes!」
綾「あ、私の携帯……対応機種じゃない……」
カレン「Oh……」
陽子「まあまあ気にするなって。綾は私の画面見ながら一緒にポケモン探せばいいじゃん」
忍「探す?」
綾「陽子と一緒に……。そ、そうね。仕方ないものね。仕方ないからそうするわっ」
陽子「いや、嫌なら別に無理にとは……」
綾「い、嫌だなんて言ってないわよ!」
アリス「アヤ……」
忍「ろぐいん?」
アリス「名前の登録ができないんだね」
綾「世界中でたくさんの人がプレイしてるんだし、簡単な名前だと被っちゃうのね」
カレン「あとちょっと……あとちょっとで冒険の旅に出られるデス……それなのにっ」
カレン「無念デス……一生自宅に引きこもってマス」
アリス「諦めるのが早いよ!」
綾「カレンならきっと何とかできるわ!」
陽子「おーい、テキトーに入力したら登録できたぞ~」
カレン「冒険スタートデス!」
綾「ちょっと待って、いつもの博士は出て来ないの?」
アリス「そうだよ。最初の一匹をもらわないと、捕まえられないんじゃ?」
カレン「そこは従来のゲームとは違うんデスよ。GOだと捕獲するときにバトル不要デス」
アリス「そうなの?」
カレン「見つけたら手当たり次第にボールを投げつければOK!」
綾「ええ……ちょっと可哀想ね」
陽子「そーかな。バトルして弱らせて捕まえるってのも結構アレだと思うけど」
アリス「確かに言われてみると……」
カレン「GETできたらトモダチになるのでセーフセーフ!」
忍「友達……」
綾「本当?」
アリス「え、どこどこ?」
カレン「何が現れたデス?」
陽子「青くて丸顔の可愛いポケモン発見~」
綾「青くて可愛い……マリルとか?」
パシャッ
綾「ッ!?」
陽子「綾(の写真)、ゲットだぜ!」
綾「ふぇええっ!!?」
カレン「やせいのアヤヤがヨーコの手持ちに!」
アリス「良かったね、アヤ」
綾「よよ、よかっ……ってよくないわよ! 勝手に撮(捕)らないで~~!」
陽子「あはは、ゴメンゴメン。ちゃんと消しとくからさー」
カレン「ポケモンをGETする前にボールを手に入れないとデス」
アリス「ボールは最初から持ってないの?」
陽子「ポケセンで買うのか?」
カレン「ポケストップというのがあって――」
忍「あ、あのー……」
綾「どうしたの、しの?」
忍「えっと、分からないことが多くて上手く言えないのですが……」
陽子「うん、なになに」
カレン「何でも聞いてクダサイ!」
忍「ポケモンって何ですか?」
綾「……」
アリス「……」
カレン「……」
陽子「そこからかよ!」
――
忍「なるほど。ボールに入れてポケットに入れられるモンスター。だから『ポケモン』っていうのですね。よくわかりました」
陽子「いやー、まだまだ基本のキのキだけどさ」
カレン「ポケモンを知らない日本人がいるとはビックリ仰天デス」
忍「私はあまりゲームをしないので……。アリスやカレンは日本のゲームにも詳しいんですね」
アリス「わたしもそんなにゲームに詳しいわけじゃないけど、ポケモンは世界的に有名だからね」
綾「でもポケモン知らないと、友達がポケモンの話題とかで盛り上がってる時、話についていけなくて困らなかった?」
忍「いえ、特には」
陽子「しのはマイペースだからなー」
アリス「カレンはどんなポケモンを捕まえたいの?」
アリス「ペ、ペロ?」
カレン「XYで出てくるデス~」
アリス「アヤ、わかる?」
綾「正直、私もゲーム自体はそんなにやらないから……」
陽子「XYまではやってないなー。それにGOで出てくるのは今のところ初代だけみたいだし」
カレン「シノはどんなポケモン捕まえたいデス? 可愛い系? それともカッコいい系?」
忍「そうですねー。私は金髪少女が捕まえたいですっ」
陽子「金髪少女はポケモンじゃねえ!」
アリス「シノ、わたしを捕まえて!」
忍「アリス」
アリス「こっちこっちー」
忍「待って下さいアリスー」
きゃっきゃっ
綾「……何だか和むわね」
カレン「……ライ麦畑デス」
忍「えっと、ボールを投げて捕まえるんでしたね。ここにはボールは無いので……代わりに石を投げましょう」
アリス「ひぃぃ!」
陽子「おいやめろ!」
忍「アリス、ゲットです~」
アリス「わあー、捕まっちゃったー」
カレン「ずるいデース! シノ、私も捕まえてクダサイ」
忍「はい、カレンもゲットですっ」
ぎゅっ
カレン「~♪」
アリス「ダメだよカレン~、シノのポケモンはわたしなの」
カレン「手持ちは何匹いてもいいので何人いても問題ないデース」
忍「金髪少女を何人も手持ちに……!」
アリス「シノ、浮気はだめ~っ!!」
陽子「6人を侍らせて残りはボックス行きか……」
綾「しのはきっと金髪マスターになれるわ……」
タップタップ
陽子「お、ようやくポケストップ発見……って」
綾「あら、このお店は」
穂乃花「ポケモンGOなら私もやってるよ。テニス部で流行ってて」
綾「じゃあ、この近くがポケストップってところに設定されてたのも?」
穂乃花「うん、知ってる。ポケストップに来たついでにお店に寄ってくれる人もいて」
綾「へえ、そうなの」
カレン「ポケストップは史跡とかモニュメントとか公園とか、いろんな場所に設定してあるデス」
アリス「じゃあポケモンGOがきっかけで初めてその場所を訪れる人もいるんだね」
綾「そういうのはこのゲームの良いところなんじゃないかしら。ね、陽子?」
陽子「穂乃花んちのハンバーグ定食うめえ!」
綾「って聞いてないし……」
忍「穂乃花ちゃんはどんなポケモンを捕まえたのですか?」
穂乃花「うん、見てみて忍ちゃん」
忍「金髪少女! はあはあ……」
カレン「結構レアデス?」
陽子「金髪というか普通のルージュラだよね!」
アリス「ラ、ライバル……!」
綾「いや、相手は人じゃないわよアリス……」
陽子「ごちそうさまー」
アリス「またね、ホノカ」
綾「また学校で」
忍「また金髪のポケモンを捕まえたら是非見せてくださいね、穂乃花ちゃん」
穂乃花「うん、そうするね。忍ちゃん」
カレン「ホノカ、今度ブカツが休みの日に一緒にポケモン探しに行きマショウ!」
穂乃花「カレンちゃんと一緒に……はい、行きます! 行かせてください!」
カレン「約束デスよ」
穂乃花「約束だね」
タップスワイプ
陽子「よっしゃ、コラッタゲット!」
綾「結構簡単に捕まえられるものなのね」
アリス「野生のポケモンは攻撃してこないの?」
カレン「攻撃はしてこないみたいデス。オウ! 逃げられちゃいマシタ……」
忍「残念でしたね、カレン」
カレン「ヨーコは何でそんなに上手いデス?」
陽子「んー、何かコツ掴んだ感じかな。お、また出てきた。今度は綾もやってみる?」
綾「ええ、それじゃあ一度」
ブンブン
陽子「落ち着け綾! というかスマホごと揺らすな!」
カレン「シノもやってみマスか?」
忍「私はみんながやっているのを見てるだけで楽しいですよ」
アリス「そうだね。それにシノがやったらポケモンにつられて車道に出たりしそうで危ないし」
カレン「確かに……シノはぼんやりしてるから危険デスね」
忍「私そんなにぼんやりしてます!?」
綾「いいわよ別に……どうせ私運動苦手だし……遠投も全然ダメだし」
陽子「そう不貞腐れるなってー。遠投って……ゲームの話だろ」
烏丸「あらー、みなさん。何してるんですか?」
陽子「クッシーちゃんも」
カレン「先生たち二人でデートしてるデス?」
久世橋「違いますよ。仕事帰りです」
アリス「夏休みなのに仕事なんですか?」
烏丸「生徒は夏休みだけど、先生たちはお盆くらいしか休めないわー」
綾「大変ですね」
久世橋「それはそうと、さっきから道端で歩きスマホをしているように見えましたが……」
カレン「ポケモンGOやってたデス! 先生たちも一緒にやりマス?」
久世橋「九条さん」キッ
カレン「は、はい!」
それにもう日が暮れますよ? 親御さんにはちゃんと連絡を入れましたか?」
カレン「う、うっ……スミマセン! 今日のところはこのへんで切り上げて帰りマス!」
綾「そうね。私も、今日は夕食の支度しないといけないし」
陽子「私もお腹空いたし。帰ろっか」
アリス「そうだね」
忍「それでは、さようなら先生。また学校で」
烏丸「さようなら、気を付けて帰るのよー」
久世橋「……」
烏丸「生徒の手前、言えませんねぇ。仕事帰りにポケモン探しをしていたなんて」
久世橋「そうですね……。教育者として、私生活でも生徒の見本となれるように努めなければ」
烏丸「でも」
\ピカチュウ~/
烏丸「可愛いですもんね、ピカチュウ」
久世橋(か、かわいい……)
アリス「今日も楽しかったね」
忍「そうですね」
忍「……アリス、さっきのポケモンを捕まえる話なんですが」
アリス「ん、何?」
忍「アリスも私を捕まえてくれませんか? 私がアリスをゲットしただけでは……何だか一方的な気がして」
アリス「……シノ。うん、わかった」
ぎゅぅぅぅうう
アリス「シノ、ゲットだよっ!」
忍「ふふ、ありがとうございます。これでおあいこですね」
――私たち、ずっと友達ですね
――ずっと、友達だよ
(おしまい)
なお>>1は田舎暮らしのガラケーなんでポケモンGOやる予定はない模様。
ルージュラが金髪少女とは盲点だった
最近きんもざss多くてうれしい
きんモザssもっと増えろ
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Entry ⇒ 2016.08.21 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
【きんいろモザイク】アリス「フランス人形の怪」
アリス「眠そうだね、アヤ」
綾「ええ、そうなの……昨日良く眠れなくて」
アリス「悩みごと?」
綾「いいえ、そうじゃないわ」
綾「昨日の夜、テレビでやってた心霊特集を観たら、怖くて眠れなかったの」
アリス「怖いもの苦手なのになんでそんなの観たの……」
綾「テレビを付けたらたまたまやってたのよ」
綾「で、一度見始めたら、その、怖いもの見たさって言うの? 最後まで観たくなっちゃって……」
アリス「うーん、でもなんとなく気持ちが分かるかも」
綾「でしょ? 苦手だけどなぜか観ちゃうのよね」
アリス「まだしばらく昼休みだし、少し寝たら?」
綾「だ、ダメよ……夢の中で幽霊に殺されるってお話があったもの……」
アリス「寝なかったら寝なかったで死んじゃうよ……」
綾「はぁ……わかってるのよ、こんなのただの作り話ってくらい」
綾「ただどうしても怖いのが止まらなくて……」
綾「この怖がりの性格、どうにかならないかしら?」
アリス「わたしも、日本に来たときは怖いのがすごくニガテだったんだよ」
アリス「でも、よくシノが夜に怖い話をしてくれて……最近はちょっと怖さに慣れてきたような気がする」
綾「しの……」
綾「でもまあ、確かに一理あるかもしれないわね。人間なんでも慣れって言うし」
綾「それじゃ、アリス、何か怖い話でもしてよ」
アリス「えっ、そんな急に言われても……」
綾「思い立ったが吉日って言うでしょ? 何でもいいから、お願い!」
アリス「うーん、そうだね……じゃあ──」
アリス「……わたしが出会った、あるフランス人形のお話をするね」
それは、ある休日のこと。
忍「アリス、この近くでフリーマーケットをやっているそうですよ!」
忍「一緒に行きましょう!」
シノに連れられてやってきたフリーマーケット。
フリマはイギリスにもあったし、『日本にもあるんだなぁ』くらいのつもりで来てみたけれど、
少しそこらを回るだけで、きれいな扇子とか、風呂敷とか、いかにも和風なものがたくさん手に入った。
アリス(えへへ、お宝いっぱいゲットしちゃった♪)
上機嫌で待ち合わせ場所に行ったら、シノもいいものを買ったらしく、にこにこしてわたしを待っていた。
忍「見てくださいアリス、こんなかわいいものと出会ってしまいました!」
嬉しそうに差し出した手には、フランス人形が握られていた。
シノはそう言って笑った。
確かに髪は金髪で、わたしのみたいにウェーブがかかってたし、瞳の色もわたしと同じ、青色だった。
アリス「そ、そうかなあ……」
でも、目がギョロギョロしてて、なんだか不気味な人形だった。
着ているドレスの色も、ところどころムラのある赤色で、しかも薄黒い……
なんというか、毒々しい色合いだった。
忍「ああ、何と愛らしい子なんでしょう!」
アリス「……」
今から思えば、そのときシノはすでに、あの人形に魅入られてたのかもしれない。
ただ、シノの感性が独特なのは知っての通りだし、そのときは特に奇妙には思わなかった。
忍「名前をつけなくてはいけませんね」
忍「アリス、金髪少女らしい良い名前はありませんか?」
アリス「そうだね……」
エマ、ルイーズ、サラ、ロザリー、ロマーヌ、マエリス……
フランス人形らしく、フランスでよく使われるような名前を挙げていく。
10個ほど挙げたところで、あっ、とシノが声を上げた。
忍「そうです! 『アリス2号』にしましょう!」
アリス「名前挙げた意味は!?」
その日から、シノは熱心に『アリス2号』をかわいがるようになった。
忍「一緒にお風呂に入りましょう、アリス2号」
アリス「お風呂はダメだよ……」
シノはその人形をひどく気に入ったようだった。
一日に何度も手入れをしては、まるで人間を相手してるかのように話しかけたり、寝る時も人形を抱いて寝ていたほどだった。
アリス1号が一緒に暮らしてるのにね。
忍「ごちそうさまでした!」
勇「忍、最近食べるの早いわね」
忍「アリス2号のお洋服が製作途中なので!」
勇「……アリス2号?」
アリス「……」
そんなわけで、わたしはあんまり面白くなかった。
一度勇に相談してみたけれど、
勇「あら、人形相手にやきもち焼いてるの?」
なんてからかわれる始末。
勇「まあ、シノのことだし、どうせしばらくすれば飽きちゃうわよ」
あっさりと返されたので、そういうものなのかも……とわたしも我慢することにしたのだった。
アリス「シノ、いつまで起きてるの? もう0時だよ?」
忍「もう少し……お洋服が完成しそうなんです」
アリス「今週に入ってからもう三着目だよ?」
忍「まだ足りません……もっと作らないと」
アリス「シノ……」
いつも10時には寝てしまうシノが、真夜中まで人形の世話をするようになった。
更には宿題もやらずに人形の面倒をみたり、休みの日もずっとミニチュアの衣装を作ったり……
忍「聞いてくださいアリス2号、今日も学校でですね……」
アリス「シノ、わたしともお話しようよー」
忍「すみません、今2号と話してますので……」
アリス「……!」
ここまで来るとさすがに、何かがおかしいと思った。
いくらなんでも、人間より人形との会話を優先するなんて……
愛おしそうに人形の髪をとかすシノに、声をかける。
アリス「ねえ、シノ? このフランス人形のことなんだけど……」
忍「アリス2号がどうかしましたか?」
アリス「はっきり言って、シノは人形の世話に時間を取られ過ぎだと思う」
忍「えーと……ふふ、もしかしてやきもちですか?」
アリス「そ、そうじゃなくて! だってシノ、この前また宿題やれてなかったよね?」
アリス「そういうの良くないと思う!」
忍「大丈夫ですよ。あのときの宿題はちゃんと、綾ちゃんのを写させてもらって提出しましたから」
アリス「『ちゃんと』に入らないよそれは!」
忍「でも、ほら……見てくださいこの子の金髪!」
忍「アリスの金髪にも勝るとも劣らない魅力で……」
アリス「!」
そんなの、『自分の魅力は人形以下』と言われたようなものだ。
さすがのわたしもカチンと来た。
アリス「わたしよりその人形の方が好きだって言うの!?」
忍「そ、そんなことは……!」
アリス「人形に時間を取られて、家族とも、わたしともまともに話せない……ちゃんと勉強もできない……!」
アリス「そんな人形、捨てちゃってよ!!」
忍「アリス……」
そしてそのまま、わたしは部屋を出ていった。
ちょっといじわるかな、とも思ったけど……
そのときはそれだけ怒っていたし、シノがダメになってしまうのではないかと、本気で心配でもあった。
それから半日ほどして。
シノと顔を合わせるのを避けてリビングにいたわたしに、シノがおずおずと声をかけた。
忍「どうやら私はまたしても、無自覚にアリスを傷つけていたようです」
忍「確かに、アリス2号のお世話をするのにかかりきりになって、アリスには構ってあげられませんでしたね……」
忍「ごめんなさい、反省します」
アリス「……シノ」
意外にも、シノは素直に謝ってくれた。
そうなると、わたしとしてもそれ以上責め立てる気にはなれない。
忍「約束します。これからはアリスと過ごす時間も大事にして、勉強もしっかりやると」
アリス「シノ……ありがとう」
忍「ですが……」
忍「アリス2号への愛もまた、嘘偽りのないものなのです」
忍「どうか、捨ててしまうのは勘弁してもらえませんか……?」
やるべきことをちゃんとやるのであれば、人形に対してはどうこう言うこともできない。
元より、感情が高ぶって思わず出てしまった言葉だし、人形を家に置いておくことはあっさり承諾したのだった。
……思いかえせば、それが最大の間違いだったのかもしれない。
シノはちゃんと約束を守り、勉強時間も、わたしとの時間もちゃんととるようになっていた。
人形の世話は相変わらず毎日やっていたけれど、かける時間は常識的なものになっていたと思う。
今までの生活に戻るのも、時間の問題だと思えた。
そんな中、わたしとシノが部屋で英語の勉強をしていると、顔色を悪くしたイサミが入ってきた。
勇「忍、ちょっといい?」
強ばった表情。
何かよくないことがあったんだっていうのが一目でわかった。
忍「ええ、なんでしょう?」
イサミとシノは部屋を出ていき、廊下で何やら話し始めた。
抑えた声で聞き取り辛い会話だったけれど、どうもシノの親戚に不幸があったらしい、ということはなんとか分かった。
忍「すみませんアリス、今から親戚のお通夜にいかなくてはならないのですが……」
忍「アリスはどうしますか? 一緒に行きますか?」
わたしにとっては会ったことも無い、言ってしまえば無関係の人のお葬式。
立場上、わたしが参列する必要は無いし、むしろノコノコついて行ったって、なんだか浮いちゃうかもしれない。
日本のお葬式に興味はあったから、ちょっと行ってみたい……とも思ったけれど、それは失礼に当たるような気がした。
アリス「ううん、お留守番してるよ」
忍「私たちは明日の告別式まで参列するので、今晩はアリス一人になってしまいますが……」
アリス「わたしだってもう17歳だもん、一人で留守番くらいできるよ」
忍「うーん……まあ、愛する子には旅をさせよ、とも言いますもんね」
アリス「シノの子じゃないけどね……」
忍「どうか、お気をつけて」
アリス「シノたちこそ、気を付けて行ってきてね」
シノたちを見送ると、家の中は静けさに包まれた。
もう家の外は暗くなっていて、蛍光灯の無機質な光だけが家の中を照らしてる、そんな時間帯。
アリス(そう言えば、一人で夜を越すのって初めてだよ……)
日本に来てからは当然のこととして、イギリスでもそんな経験は無かった。
そう考えると、だんだん不安になってくる。
毎日過ごしてる家なのに、一人になると何故か不気味に感じてしまうのだった。
何かに集中していれば、この不安感も紛れるに違いない。
学校の課題も出ていたし、部屋で勉強に取り掛かることにした。
アリス「……」カリカリ
けれど、いまいち集中することができない。
『静かすぎるとダメなタイプ』とでも言うのかな?
家族の誰かが家の中を歩く音とか、マムがご飯の用意をする音とか、そういう生活音が一切ないと、かえって気持ちがそわそわするのだった。
聞こえるのは自分がシャーペンを走らせる音と、かすかな蛍光灯のブーンって音だけ。
それに加えて、気になることが一つ……
人形「…………」
アリス(あのフランス人形、ずっとわたしを見てるみたいでやだな……)
シノの人形が、ちょうどわたしを見つめるような、そんな向きで置かれていた。
大きな丸い眼が2つ、ぎょろりとわたしを見つめている。
愛情を注がれた物には『魂』が宿るというけれど、
確かにその人形は、今にも喋り出しそうな、そんな雰囲気をまとっていた。
アリス(……って、考えすぎだよね)
『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』
なんて日本のことわざもあるくらいだ。
変に怖がるからこそ、妙なものが憑いているような、そんな気になってしまうのだろう。
アリス(ちょっと、あっち向いててね)
人形をそっと持ち上げ、顔が壁を向くように置き直す。
これで視線も気にならない。
アリス(……立ったついでに、お茶でも入れてこよう)
元気に鼻歌を歌いながら、お茶とお菓子を用意する。
思えば、ホームステイに来て以来、完全な自由が許された夜なのだ。
そう考えると、不安感が薄れ、むしろわくわくした気持ちが沸き起こってくるのだった。
アリス(冷蔵庫に鮭の切り身があったから塩焼きにして、あとは卵焼きと、煮物と……)
晩ごはんの献立を考えながら、2階の部屋へと戻る。
ドアを開けると……床に転がっていた人形と、目が合った。
置き方が雑だったのだろうか?
そのせいで何かの拍子に落ちてしまった?
アリス(そうだよね、そうとしか考えられない)
かすかに震える手で、人形をそっとシノの机に戻す。
お茶を一口飲み、古典の教科書を開いた。
アリス(……枯れ尾花枯れ尾花)
アリス(集中しよう、勉強に……)
どさり、と音がした。
振り向くと、床に転がった人形とまたしても目が合った。
一瞬思考が止まる。
まさか人形が自ら……いや、そんなはずはない。
アリス(机が……傾いてるんだ……きっと)
アリス(それなら説明が……)
わたしの机には、去年の夏祭りで手に入れたビー玉が入っている。
引き出しから取り出し、シノの机の上に乗せた。
……ビー玉は動かない。
思わず、足元に転がっている人形に目をやる。
大きな青い眼が、わたしの顔をじっと見つめていた。
アリス(さっきは……『わたしの机から見て』目が合った)
アリス(ならどうして、『真上から見た』今、目が合うの……?)
血の気が引くのを感じた。
声にもならない声を上げ、慌てて部屋から飛び出す。
テレビを付け、少しうるさいくらいに音量を上げる。
アリス(さっきのは、一体……)
アリス(ううん、勘違いだよ、きっと)
アリス(多分、人形の置き方が雑だったんだ)
アリス(だから重心のバランスが崩れて、勝手に机から転げ落ちちゃっただけ)
アリス(別方向から見て目が合ったのは……人形の目が大きいから、どっちからみてもそう見えただけ、実際は微妙に視線の角度がずれてる)
アリス(それで説明がつく、よね)
初めのうちはびくびくしていたけれど、その後は特に何事も起きなかったのと、明るいバラエティ番組をBGMにしたこともあって、恐怖心は次第に和らいでいった。
『山田くーん、座布団持ってってー!』
アリス「……あはは」
晩ごはんを適当に自分で作り、片付けもすませるころには、さっきの出来事は心霊現象でもなんでもない、と確信するまでになっていた。
アリス(着替えを部屋まで取りにいかなきゃいけないけど……まあ、大丈夫だよね)
お腹が膨れると、安心感も増してくる。
先ほど逃げ出してきた部屋へ行こうと、ソファーから腰をあげた……そのときだった。
とたとたとた。
天井の方から足音が聞こえてくる。
アリス「……?」
気のせいかと、思った。
あるいは、他の家の生活音が聞こえてきたのかと。
けれど……
とたとたとたとた。
はっきりと、『上』から聞こえてきた。
アリス(この部屋の真上って言うと……)
まさしく、シノの部屋だった。
身体が凍りつく。
背中を冷や汗が流れていった。
アリス(……いっそ、カレンの家に泊めてもらう?)
とても魅力的な選択肢に思えた。
カレンの家なら、二つ返事でOKしてくれるに違いなかった。
とは言っても、一応留守番を任されている身。
その上、ホームステイ中の立場であることを考えると、ここで家を空けるのはやや無責任のように思えた。
アリス(カレンの家は、最終手段ってことにしよう)
いざと言うときの逃げ場があるだけでも、少し元気が湧いてくる。
アリス(一応、確認してみようかな……もし何か異変があればすぐ逃げるってことで)
リビングを出て、階段に足をかけた、その時。
電話の呼び出し音が鳴り響いた。
変な声が出る。
玄関口の電話だ。
取るべきか否か。
正直、嫌な予感しかしなかった。
しかしながら、大事な連絡である可能性もある以上、無視することもできない。
アリス(…………)
迷った末に、わたしは思い切って受話器を取った。
アリス「……もしもし?」
忍『アリス! 元気にしてますか?』
アリス「シノ!」
安心のあまり、わたしはほっと息をつく。
忍『一人にしてしまったので、やっぱり心配で……』
アリス「気遣ってくれてありがとう。こっちは……」
問題ない、とはとても言えない状況だったけれど、
かと言って『人形が動いてるかもしれない』なんて泣きついたところで、信じてもらえるわけもない。
あるいは、わたしを心配するあまり、パパやマムに懇願してシノはこっちに帰って来ようとするかもしれない。
それはそれで迷惑かけるし、わたしからしても色々と良くないことになりそうだった。
アリス「こっちは何も問題ないよ」
忍『そうですか……それは安心しました』
だから結局、人形の件は何も言わないことに決めた。
さっき言えなかったお悔やみの言葉だけ、ひとことシノに伝えた。
そうして電話を切ろうとすると、
忍『ところで、一つ聞いてもいいですか?』
おずおずとした声。
忍『一緒に寝ようと思って、アリス2号をカバンの中にいれたはずなんです』
忍『でもこちらに着いてから確認したらどこにもいなくって……』
思わず、受話器を取り落としそうになった。
アリス「ああ……シノの部屋に置いてあったよ」
忍『本当ですか!? よかった……忘れてただけみたいですね』
口の中がカラカラになるのを感じた。
そうだよ、シノが忘れ物をするのは珍しいことじゃないんだから。
自分に言い聞かせた。
認めたくなかった。
人形が勝手に移動したなんて。
もちろん、現実的にそんなことがありえるはずがない。
忍『でも、変ですね……確かにカバンに入れたと思ったのに』
アリス「記憶がごっちゃになってるんだよ……毎日人形に触ってるからさ」
忍『そうかもしれませんね』
では、明日の夕方には帰りますので。
そうシノが言ってから、電話が切れた。
その瞬間。
がちゃり。
2階の方から、ドアの開く音が聞こえた。
息が止まりそうになる。
全身から汗が噴き出すのを感じた。
とん。
とん。
とん。
階段をゆっくりと、一段一段降りる音が、背後から聞こえてくる。
アリス「~~!」
アリス(に、逃げなきゃ……今すぐに!)
どうして、強がってシノに助けを求めなかったのだろう?
なんでもっと早くカレンの家に行かなかったのだろう?
後悔に襲われるも、そんなことを考えている場合ではないと気づく。
腰が抜けそうになるのをなんとかこらえて、玄関ドアに飛びついた。
電話が玄関口にあることを、これほど感謝したことは無かった。
とん。
とん。
とん。
階段を下りる音が、少しずつ近づいてくる。
腕に力が入らない。
恐怖で崩れ落ちそうになる身体をなんとか持ち直し、ドアノブを押す。
がつん。
何かがひっかかる感覚。開かない。
そうだった、日本の家屋は引き戸だった。
落ち着け、あとはドアを開けるだけなんだ。
とん。
とん。
とん。
がつん。
またしても開かない。
ああ、そうか、鍵がかかったままなんだ。
落ち着け、落ち着け落ち着け、まだ間に合う、まだ間に合う
鍵を回してもう一度ドアを押す。
がつん。開かない。
ドアを引く。
がつん。開かない。
アリス(……!?!?!???!?!??!?)
なんで?なんであかないの?
がつん。がつん。がつん。
なんでなんでどうしてだれかあけてあけてよはやくしないと
とん。
とん。
とん。
『……つかまえた』
背後から、声が聞こえた。
忍「アリス!」
シノの声で目が覚める。
いつの間に眠っていたのか……とぼんやりした記憶をたどり、人形に追い詰められていたことを思い出す。
そうだ、結局あの後どうなったんだろう……?
上体を起こそうとして、気付いた。
「……」
身体が動かない。声も出せない。
何が起こっているのか理解できない。
忍「アリス……やっぱりこの人形、捨ててしまうのですか?」
浮遊感。
目の前にシノの顔がある。
忍「さすがに捨ててしまうのはかわいそうな気もするのですが……」
シノの胸が迫る。
視界が暗転。顔に柔らかい何かを押し付けられる。
どうやら、抱きしめられたらしい。
パニックになりかけていた思考が、すこし落ち着く。
だけど、どうして体が動かないのだろう?
聞き覚えのある声。
ええと、これは誰の声だっけ?
目の前が再び明るくなる。
シノの隣にいるのは……
アリス?「言ったでしょ? この人形、やっぱり変なものが憑いてるよ」
アリス?「シノが電話くれたあと、すっごく怖かったんだから……」
忍「でも……」
『わたし』だ。
『わたし』がシノと話している。
じゃあ、今動けなくなっているわたしは?
そこでようやく気付いた。
わたしの身体が、あのフランス人形になっている──
忍「何をですか?」
アリス?「……『アリス』は二人もいらないんだって」
身体が人形になったことに気づくと同時に、一つ確信する。
今シノと話してるのは、もともと人形だった『何か』だと。
わたしと人形の中身が、入れ替わってしまったのだと。
いや、『入れ替えられた』のだと。
アリス?「わたしがずっとシノの隣にいて、シノを支え続けるよ」
アリス?「だから……ね?」
忍「アリス……!」
ダメだよシノ、騙されちゃあ。
その子はわたしじゃないよ。
忍「これからは人間のアリスに全ての愛を注ぎます」
アリス?「シノ……嬉しいよ!」
違う。違うよシノ。
それは本物のわたしじゃないよ。
アリス?「じゃあかわいそうだけど、この『アリス2号』は処分しようね」
乱暴に身体を掴まれる。
関節がおかしな方向に曲げられ、激痛が走った。
でも、声の一つもあげられない。
助けて。助けてシノ。
忍「……?」
アリス?「どうかしたの、シノ?」
忍「いえ……人形の表情が、変わったような気がして」
忍「それより、今捨ててしまうよりはちゃんとしたお寺で供養してもらったほうがいいのではないでしょうか……」
忍「それに今日のところはもう学校に行かないと……」
アリス?「……」
そうだよシノ。
ここで捨てられてしまったらわたしは……
必死で祈り続ける。
シノに思いが伝わることを信じて。
アリス?「……大丈夫だよ、シノ」
アリス?「すぐに済んで、しかもきっちり処理できる方法があるから」
忍「?」
『わたし』はわたしを掴んだまま、シノを連れて庭に出た。
そして懐から取り出したのは……
忍「ライター?」
アリス?「うん……こうするんだよ」
やめて。
やめてやめてやめて。
助けてシノ。
助けて助けてお願い──
あついあついあついあついよしの
いたいよたすけてあついあついあついあつい
あついあついあついよしのおねがいたすけて
しのしのしのしのしのしの
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
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あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
忍「……」
アリス?「……やっぱりかわいそう?」
忍「……なんだか、悲鳴が聞こえたような気がして」
アリス?「人形の怨念かもね」
忍「……」
アリス?「でも大丈夫! 全部燃えてなくなっちゃったからね!」
忍「そうですか……」
アリス?「さあ、学校行こ! アヤたちが待ってるよ!」
忍「ええ……」
忍「それにしても……今日のアリスは、何だかいつもと違うような気がします」
アリス?「……」
アリス?「……大丈夫、わたしはわたしだよ」
ギュ
アリス「シノのことが大好きな……アリスだよ」ニコ
*****
アリス「……これでこの話はおしまいだよ」
綾「……」
アリス「シノみたいには上手く話せなかったけ
ど……どうかな?」
綾「え……え……続きは? アリスはどうなったの?」
アリス「続きは無いよ。これでおしまい」
綾「で、でも……」
アリス「……」
綾「……」
アリス「ぷっ、くすくす」
綾「……っ!」ビク
アリス「やだなあアヤ、ただの作り話だよ?」
アリス「だって、常識的に考えてありえないでしょ?」
アリス?「人間と人形が入れ替わる、なんて」
陽子「……で、その結果があれか」
綾「……」ビクッ
アリス「アヤ、ホントにあれは作り話だから……」
綾「こ、こないで2号!」
アリス「」
忍「すっかり信じ込んでますね……」
陽子「将来詐欺とかにあっさり騙されそうで心配だよ……」
カレン「そこはほら、ヨーコが末永く守ってあげないと!ウリウリ
陽子「な、なんだよ?」
アリス「いやいや、シノの怪談に比べたらこんなのお遊びだよ?」
カレン「私、シノのこわーい話聞いてみたいデース!」
アリス「え……いや、シノのはホントに怖いよ……?」
忍「カレンのリクエストとあれば答えない訳にはいきませんね」
忍「……これは私が昔体験したことなのですが──」
その後、たまたま教室にいたクラスメイトや、シノの話聞きたさにやってきた近くのクラスの子たちも含め、
シノの怪談を耳にした三十名余りの生徒が恐怖のあまり集団パニックを起こす大惨事になったとさ。
アリス「シノすご~い!」
END
乙
誰かお願い
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カレン「ママと喧嘩してしまいマシタ………」
※原作でもちらりと名前が出ただけの田辺先生という人が登場します。数学の教員という設定です。
――――――――
―――ある日の、朝の事。
カレン「オハヨウ………ゴジャイマース」
アリス「おはよう、カレン!
あれ、どうしたの?なんだか元気が無いね」
カレン「ソウデショウカ………」
アリス「明らかに元気が無いよ!
どうしたの、一体!?
こんなに元気が無さそうなカレン、見た事無いよ……!」
カレン「実ハ………
………こないだの、数学のテストで、80点を取れたら………
新しいネックレス買ってくれるって、ママと約束をしたデス」
アリス「あ、そういえば言ってたね~。
あっ、でもカレンは……… 確か78点で………」
カレン「そうなのデス。それで………ママと、喧嘩してしまって………」
――――――
―――今朝の話(英語で話してると思って下サイ)
カレンマム『そういえば、この間のテストはどうだった?
良い点を取れていたら、ご褒美をあげる予定だったけれど』
カレン『ハッ………エート、ソノ………』
カレンマム『………目標には達さなかったのね』
カレン『イ、イエ!80点!!デス!!!』
カレンマム『えっ、本当!!?』
カレン『あ………ハイ』
カレンマム『………な~んだ、それならそうと言いなさいよ~。
分かったわ、カレンに、約束通りご褒美を買ってあげましょう』
カレン『ワーイ!!!』
カレンマム『でも一応………
そのテストを、見せてもらえるかしら?』
カレン『!!!!!』
カレンマム『どうしたの?』
カレン『あ~、え~っと………
て、テストは無くしちゃったデス!』
カレンマム『ええっ!?どういう事………?
……… ………』
カレン『わ、我ながら、ウッカリデス!
ママにも、見せてあげたかったのに~………』
カレンマム『さては、嘘をついているわね』
カレン『!!?イエ!決して………!!』
カレンマム『じゃあ見せなさい!
………そこに置いてあるバッグを、調べさせてもらうわ』
カレン『!!! わ、だ、駄目デスー!!!』
カレンマム『………!78点………80点無いじゃない!!』
カレン『え、えーっと、80のような物デス』
カレンマム『でも実際には78点よ』
カレン『で、でも!!!
私は、頑張って勉強をして、前よりすごく大幅に点数が上がったんデス!!
だ、だからその、ネックレスを』
カレンマム『………駄目よ』
カレン『What!?』
カレンマム『駄目。今回はご褒美はお預けにするわ』
カレン『な、何故デス!?
たったの2点じゃないデスカー!!!
前よりすごーく高得点デスヨ!!』
カレンマム『点数の問題じゃないの!ご褒美はお預けです!いいわね!!』
カレン『なっ………!!!
そんなっ…2点ぐらいでケチらなくても~!!!』
カレンマム『―――!』
カレン『お、お願いしマス!
私はこのご褒美の為に、懸命に勉強を重ねたのデス!その結果デス、どうか』
カレンマム『駄目ったら駄目』
カレン『………っ!
ネックレスの一つくらい、良いじゃないデスカー!!
ママは、ケチ臭いバカヤローデス!!!』
カレンマム『………なんですって?』
カレン『………!』(こ、怖い………ケド………)
カレンマム『カレン、言葉遣いには気をつけなさい』
カレン『わ、私の頑張りを、認めてくれたって良いじゃないデスカー!!!』
カレンマム『カレン、私はあなたの頑張りを認めていない訳ではないわ』
カレン『認めてないじゃないデスカ!!
もうママなんて知らないデス!!!バカー!!!!!』
カレンマム『待ちなさい!!!』
アリス「それはカレンが悪いよ………」
カレン「うぅっ………でも私だって、私だって………」
アリス「カレン。あなたのマムは、カレンが78点だったから、
ネックレスを買わなかったんじゃないと思うよ」
カレン「エ………?」
アリス「カレンの頑張りは、きっとマムに伝わっているよ。でも………」
キーンコーン
アリス「あっ、授業始まっちゃう!!ごめん、カレン、後で話そうか!!」
カレン「あっ、アリス……… ………Alice………」
香奈「はぁ、一限目から家庭科か~」
穂乃花「香奈ちゃんは久世橋先生ちょっと苦手だよね」
香奈「そう~、良い先生だってのは分かるんだけどさ~、
厳しいし、私は成績微妙だからよく睨まれちゃうんだよね~。
しかも今日はテスト返しじゃん、つらー」
穂乃花「ふふ。
でもカレンちゃんは、よく睨まれてるけど、仲良さそうだよね!羨ましいなー」
カレン「………ハイ………」
穂乃花「……カレンちゃん?元気ないね」
香奈「仲良さそうって返しじゃないぞー」
穂乃花「えーっ、でもいつもは………」
カレン「………」
久世橋「はい、静かに!授業を始めます!!」
―――授業終わり
久世橋「―――今日は以上です。
あと、九条さん。お昼休みになったら被服室に来なさい」
カレン「!!!」ビクッ
穂乃花「ありゃりゃ………また呼ばれちゃったね」
香奈「ほんと常習犯だなーカレン。
よくやるよね、あの久世橋先生相手にー………私ですら家庭は真面目に受けてるのに」
綾「ちょっと、カレン!久世橋先生、かなり怒ってるわよ!そろそろ真面目に提出物を出さないと………」
忍「待って下さい。綾ちゃん」
綾「?」
忍「カレン………どうかしたのですか?様子がおかしいですよ」
カレン「………」
綾「………確かに、いつものカレンと違って、笑い飛ばしもしないわね」
穂乃花「どうしたの、カレンちゃん。今日、ホントに元気が無いよ………」
カレン「………行きたくないデス」
香奈「つっても、呼ばれちゃったら行くしかないだろー」
先生たちは皆その様子を見に外に出て来るから、逃げられないんじゃないかな」
綾「ハッ!!!マラソン大会!!!!!」
香奈「嫌な事思い出させるなよー」
綾「なんでそんな物がこの世に存在するの………?人生に必要無いじゃない………」
香奈「そこまで言う…?」
穂乃花「あ、でもなんか、今朝ニュースでやってたけど、この辺に不審者が出たらしいね」
綾「それよ!!
それを先生に伝えれば、きっとマラソン大会も中止になるわ!!!」
香奈「中止にはならんだろ、流石に」
綾「生徒の身の安全が第一のはずよ!そうよ!!私、先生に掛け合ってみるわ!!!」
香奈「小路さんなんか普段より行動力上がってない!?」
忍「そうだ、カレンがこんなに落ち込んでいるのは、マラソン大会があったからなのですか?」
カレン「………」フルフル
綾(………首を振るだけで、返事もしない………相当まいっているようね)
忍「そうです、私達がついていますよ!!
もし何か、カレンのような金髪少女を泣かせる人が居たならば、
我々金髪同盟が、全力でその相手に、制裁を下します!!!」
穂乃花「ええっ、私まで…?
それに、もし久世橋先生が原因だったらどうするの?」
忍「は……っ………
く、久世橋先生と言えど……… 言えど……………
かっ、烏丸先生にだきしめの刑に処してもらいます!!」
穂乃花「可愛い制裁だね………
………でも本当に、元気が無いね。何か、あった?」
カレン「大丈夫………デス」
忍「本当ですか…?私にはそうは見えません」
カレン「いいんデス!私は………大丈夫デスカラ」
香奈「………まぁ、カレンのような元気な子でも、
たまにはそっとしといて欲しい時ってのが、あるんじゃないの」
穂乃花「そうなのかな……… ………」
綾「………そうだ、アリスを呼びましょう!
アリスだったら、きっと相談に乗りやすいはずよ!」
忍「あっ、でももう授業が始まっちゃいます!」
綾「だったら次の休み時間に………」
忍「あっ、でもC組は次の休み時間からお昼まで、家庭の調理実習なので………」
綾「そうなの!? ……………大丈夫かしら、カレン」
―――お昼休み、被服室
久世橋「来ましたね?九条さん。」
カレン「………」
久世橋「分かっているとは思いますが、この前の実習の後の提出プリントが未提出です!
それだけではなく、その前の回の物も……!
どうしてあなたはそう、提出物を出さないのですか!!」
カレン「………」
久世橋「それに、その結果がはっきりと、テストにも出ていました!
20点とは何ですか!もう少し真面目に勉強を………」
カレン「その、この前のテストは…ちょっと事情が………」
久世橋「事情って何ですか!
毎回提出物を出していないのですから、必然です!!
来年には受験生になるのですよ!あなたはもう少し努力という事を覚えて………」
カレン「私だって努力してるデス!!!」ガタンッ
久世橋「!!?」
カレン「でも………デモッ、皆、分かってくれない………
………みんな私が悪いって言う………
もう……… もう……………!!!」
久世橋「くっ、九条さん?泣いてるの……?」
カレン「ぐすっ、ふ、ふえぇ………っ」
久世橋「!!!!!」(お、怒りすぎたかしら!!?)
カレン「………」
久世橋「く、九条さん!!
ご、ごめんなさい、私はその、貴女が駄目な生徒だと言っている訳ではなくてですね?
その、あなたは―――」
カレン「もういいデス!!
提出物は次回、必ず持って来マス!!
スミマセンデシタっ!!!」ダッ
久世橋「あ………っ………」
―――職員室
烏丸「今日は全校生徒マラソン大会ですね~♪
私も応援しなくちゃって、張り切ってジャージにしちゃいました♪」
田辺「いや、烏丸先生、いつもジャージですよね………」
烏丸「いえ!今日のジャージは、ちょっと特別仕様なんですよ~!
今日はC組の応援の為に……… あら~?」
久世橋「わ………私は………私は、なんて事を………」
烏丸「久世橋先生!?どうしたんですか~!!?」
久世橋「………烏丸先生………
その、私、九条さんを………ついキツく怒りすぎてしまって………」
烏丸「あらあら~」
久世橋「く、九条さんに………泣いて逃げられてしまって………」
烏丸「あの九条さんが?何かあったのかしら~」
久世橋「この前のテストが、いつも以上に悪かったから………
ちょっと注意をしようと呼んだら、叱りすぎたみたいで………」
烏丸「そうなのですか~………」
あの子、今回数学の点数がすごく伸びたんですよ」
久世橋「えっ……!?」
田辺「いつも数学は赤点ぎりぎりだったのに、今回だけ80点に達しそうなくらいに伸びて」
烏丸「そういえば田辺先生、A組の数学担当でしたね~」
田辺「細かいミスで減点されて、やや惜しい結果になりましたが…
計算ミスさえなければ、90点はありましたよ。
今回は相当勉強を重ねたんだろうなって、伝わってきました」
烏丸「すごいですね!
……じゃあ、前回のテストは、数学に集中しすぎて、
家庭科まで気が回らなかったって所だったのかしらね~」
久世橋「………!!あぁっ、事情って、もしかして………
そんな事も知らずに、私は九条さん自身を否定するような事を………!!!」
田辺「ま、まぁでも、自分の科目のテストで、悪い点を取られたら、
そりゃぁ怒りたくなるものだと思いますし、久世橋先生が悪いという訳でもないと思いますが………」
キーンコーン
烏丸「あ、そろそろ外に、マラソン大会の応援をしに出ましょうか~!」
田辺「そうですね………久世橋先生も、気を落とさないでください」
久世橋「……………」
―――校庭
綾「死ぬ………
どうして?どうして町中を走る必要があるの?
1000mでも死んじゃいそうなのに、4kmなんて走る必要があるの………?」
陽子「私はこういう風にガッツリ走るのって、たまにしか出来ないから好きだなー!」
綾「頭………おかしいんじゃないの!?」
陽子「そんなマジな顔で言われても………」
忍「アリス!頑張りましょう!掛け声は『ふわふわ!』ですよ!!」
アリス「う、うん………辛くなったら、使ってみるね………」
忍「あ、あと。
今日、カレンの様子がおかしいのですよ。
アリス、この大会の後に、相談に乗ってあげてくれませんか?」
アリス「あっ、そういえば、今朝……!!
ま、まだ落ち込んでたの?カレン」
忍「はい、元気が無くて。
私達が相談に乗ろうとしても、静かに否定されてしまうのです」
アリス「じゅ、重症だ………!どうしようっ、今からでも………」
忍「でももう、マラソン大会が始まってしまいそうです」
アリス「う~~~………後で絶対相談に乗ってあげなくちゃ………」
穂乃花「そうだね………香奈ちゃん、頑張ろうね!上位に入ったら、表彰してもらえるよ!」
香奈「まぁぼちぼちかなー」
穂乃花「えーっ。香奈ちゃん、本気出せば絶対上位に食い込めるのにー」
香奈「そうかな?」
穂乃花「そうだよー。いつも体力テストで上位取ってるでしょ?」
香奈「持久力は無いんだよ、私は」
穂乃花「………面倒くさいから?」
香奈「それが半分」
穂乃花「もう半分は……… ………目立ちたくないから?」
香奈「そ!分かってんじゃん、さすが友人」
穂乃花「も~………私だって下手なりに頑張ってるのに!
………あれっ、カレンちゃんは………?」
香奈「ん、いるよ。あそこ」
穂乃花「………すごい暗い雰囲気………久世橋先生に怒られたのかな」
香奈「………穂乃花、後で励ましに、近所のクレープ屋さんにでも誘ってあげれば?」
穂乃花「ええっ!? そ、そんな~………私から誘うなんて、恐れ多い………」
香奈「逆に二人で話すチャンスかもしんないよー?
今日、なんか大宮さん達でさえ触れられないほど元気無かったみたいだし」
穂乃花「ちゃ、チャンスって!
もう、カレンちゃんは真剣に悩んでるんだよ!!!」
香奈「ははは、でも穂乃花に誘われたらきっと喜ぶよ」
穂乃花「そうかな………」
香奈「私だったら喜ぶね。奢りだ!って」
穂乃花「喜ぶ所そこ!? も~!」
香奈「はははっ………あ、そろそろ始まるね。」
穂乃花(………カレンちゃん、大丈夫かな………)
『位置について! よーい……… はじめ!!!』パンッッ
―――――
烏丸「がんばれポール~♪ ふわふわ♪」
久世橋「………」
烏丸「………久世橋先生、大丈夫ですか?」
久世橋「え、ええっ!
わ、私も、落ち込んでばかりいては、生徒達に示しがつきませんから!」
烏丸「そう………?無理はしちゃ駄目ですよ~」
久世橋「はいっ!」
田辺「………不審者が現れなければ良いんですけどねえ」
烏丸「えっ、不審者!?」
田辺「はい、昨日この辺で見かけられたようですよ」
久世橋(!?)
烏丸「そ、そんな………!
教え子達が、そんな魔の手に捕まったらどうしよう………」
田辺「あっ、いえいえ!冗談ですよ…!
今は真っ昼間ですし、それに、複数の体育の教官が、マラソンのルートを見張っていますから!」
烏丸「も、もう………びっくりさせないで下さい………」
田辺「あぁ、すみません………」
久世橋(……………)
―――――
陽子「ふぅ、ふぅっ。
こうやってがっつり走るのも、たまには良いけど………
………ふー、流石に、疲れてくるなぁ。ちょっと休憩するか………?」
香奈「………」
陽子(あれ?あの子、なんか見た事あるな。誰だっけ)
香奈「………」
陽子(………すげー、息一つ切らさずにあの速度………
………っし!私も、負けてられないな!!!)ダッ
香奈「………!」
香奈(猪熊さん………だっけ?カレンのグループによくいる………
………穂乃花が期待するもんだから、今回は割と気合入れて走ってるのに………
もうこんな前に居るんだ、すごい…!
………負けてられない!)ダッ
穂乃花「はぁ、ふぅ………待ってよ~………
香奈ちゃん、全然見えなくなっちゃった………
でも、見えなくなったって事は、いつもより、やる気を出しているのかな?
………私も、頑張らなくっちゃ!」
―――――
綾「はぁ………はぁ………
ここを左、よね………
………ルートは複雑だし、長いし………
はあぁっ……… つ、辛いわ………
陽子はとっくに先に行っちゃったし………
………うぅ~………」
忍「ふわっふわ~♪ ふわっふわ~♪」
綾「あ………し、しのに追いつかれる………
うぅっ、しのってば、息一つ切らさずに………」
忍「あ、綾ちゃん!こんにちは~♪」
綾「ま、待ってぇ、しの………
わ、私、疲れすぎて、一緒に走る、同志が要るの………」
忍「大丈夫ですか?綾ちゃん。まだ半分はありますけれど」
綾「うぐっ………無理……… ほんと無理………」
忍「すみません、私、ペースを崩せなくって、
この速度より速める事も遅める事もできないのです………
後でまた会いましょう!」
綾「うぅ~!! 裏切り者ぉ~………」
アリス「ぜぇーっ、はぁーっ」
綾「あ………アリス!!!」
アリス「あ、アヤ………?その輝かしい目は一体………」
綾「こんな大会なんて無意味よね!一緒に走りましょう!!むしろ歩きましょう!!!」
アリス「う、うん………?」
――――――――
―――――
カレン「ハァ、フゥ………
………疲れた、デス………
えーっと………次はコッチ………?
アレ………? ココ、ドコ………???」
――――――――
―――校庭
烏丸「あっ、少しずつ生徒達が帰って来ましたよ!」
久世橋「ほっ」
陽子「はぁ………っ、はぁ………!走り切った~!!!
………ちぇっ、ギリギリ女子上位に入らずかー!」
香奈「はぁ……… ………やるじゃん」
陽子「あっはは、ほぼ同時だったなー!どっちが先にゴールしたんだろう?」
香奈「私だよ」
陽子「な、何その自信ありげな言い方ー!私かもしんないじゃん!!!」
穂乃花「ふぅ………っ、はぁ………!」
香奈「お、穂乃花。おつかれー」
穂乃花「はぁ、はぁ………香奈、ちゃん、速いよぉ………ふぅーっ………」
香奈「走る前には本気出してって言ってたじゃん」
穂乃花「………っ、うん」
香奈「てか、穂乃花、あのペースについて来たの?
かなりだよね………いつも走るの得意じゃないじゃん、あんた」
穂乃花「で、でも、香奈ちゃんの、背中を、追いかけるのが、好きなの!」
香奈「何だその趣味………じゃあ次はもっと速く走るわ」
穂乃花「そ、そんな殺生なあぁ~~~」
香奈「よしよし、お疲れ、ゆっくり休め」
陽子「あー、よく見ると思ったら穂乃花の友達かぁ。
………そういや、他のみんなは大丈夫かな?」
――――――――
――――その後
烏丸「えーっと………C組のみなさん、全員いますね?はい、OKです!
みなさん、お疲れさまでした~。今日はこれでおしまいです♪
帰る人は、気を付けて帰るように~!」
陽子「ふーっ、疲れたなー」
アリス「ハァ゛………ハァ゛………」
陽子「おいおい、アリス大丈夫かー?」
アリス「フゥ゛………大丈夫………」
陽子「本来ついちゃいけないとこに濁点がついてるぞー」
忍「ふぅー。お疲れさまです、綾ちゃん♪」
綾「」(死んでる)
穂乃花「疲れたねぇー………でも、今日はこれでおしまいだよ!」
香奈「テニス部はどうしたよテニス部は」
穂乃花「うぅっ、運動部は辛いよ………」
忍「………あれ?」
忍「先生! カレンがいません!!」
穂乃花「!!?」
香奈「まさか、道に迷ったのかな?カレンらしい………」
綾「」(死んでる)
久世橋「………!!!!」ガクガクガクガク
忍「ど、どうしましょうっ、警察に連絡を!!!」
香奈「落ち着きなよ!?
か、カレンの事だし、どっかで道草食ってるだけかもしんないじゃん」
久世橋「………み、みなさん、今日はこれで解散です!
九条さんは、こちらで捜索しますので、
皆さんは、ここで各自解散するように!それではっ!!!」ダッ
忍「く、久世橋先生?」
久世橋(なんだか、嫌な予感がする―――!)
―――――
『えっ、不審者!?』
『はい、昨日この辺で見かけられたようですよ』
―――――
久世橋(………九条さんっ!!!)
アリス「あれっ、久世橋先生?
なんだか、すごい勢いで走っていったけど………」
穂乃花「アリスちゃん………」
アリス「あっ、ホノカ!どうかしたの?」
穂乃花「か、カレンちゃんが、いなくなっちゃったの!!!」
アリス「えっ………ええええーっ!!?」
陽子「マジでか!?」
アリス「―――カレンっ!!!」ダッ
陽子「あ、おい、アリス!!!………まだ、走れそうじゃん」
忍「穂乃花ちゃん………私達も行きましょう!」
穂乃花「ま、待って、アリスちゃんも、忍ちゃんも………」
香奈「そ、そうだよ!
先生が捜索するって言ってたじゃん!
私達まで変な所を探したりしたら、それこそ危ないかも………」
忍「………そうかもしれません。でも」
忍「私は知っています。
アリスは………カレンの事が大好きなんです。
カレンの事を誰よりも心配しているのは、アリス………
だから、私達が言った所で、アリスは止まらないと思います」
穂乃花「ご、ごめん………私が、変な事伝えちゃったせいで………」
香奈「じゃあどうするのさっ!」
忍「アリスを一人にしてはいけません。私達も、追いかけましょう。
それに、私達にもカレンを探す為に、出来る事があるかもしれません。
カレンの動きには、普段から近くにいる私達の方が詳しいです。
もし休憩しているだけだとすれば、どこかのお店に入っている可能性がある。
カレンが行きそうなお店を探して―――聞き込み調査をしましょう!」
陽子「い、いつになくしのが頼りになる………流石、金髪が絡むとすごいな………」
忍「あっ、陽子ちゃんは、あちらの方をお願いします!」
陽子「あちら?」
綾「」(死んでる)
陽子「あー………分かった。
しの、穂乃花、香奈ー、気を付けてなー。カレンならきっと大丈夫だからー」
忍「分かりました!行きましょうっ、穂乃花ちゃん!!」
穂乃花「うん!!!」
香奈「えっ、私も行くの………?」
綾「よ、陽子………ごめんなさい、心配をかけて」
陽子「はは、辛かったなー。よく頑張ったな、綾」ナデナデ
綾「なっ!!! な、何してるのよっ!!!」
陽子「? 撫でただけだけど………
それより、帰るか? 疲れたなら荷物くらい持つぞ」
綾「け、結構よ!!!」
陽子「何か知んないけど、こっちはあっさり元気出たみたいで良かったー」
―――町中
カレン「ここはドコデショウ………
いつもこんな所に出て来ないし、完全に迷ってしまいマシタ………
ケータイも置いて来たバッグの中デス、うーん、どうしまショウ………」
カレン「………もうそろそろマラソン大会も終わった頃デス………お腹空きマシタ………」ぐぅ~
カレン「……… ………まぁ、良いデス!
たまには町を散策するのも、悪くありマセン!!
………それに………
………帰りたく、無いデス………」
―――――
穂乃花「それにしてもアリスちゃん、
相当、カレンちゃんを心配しているんだね」
忍「はい。昔からの親友ですし。
昔は、カレンは泣きながらアリスの後ろを着いて来たらしいですよ」
穂乃花「そうなんだ………あのカレンちゃんにもそんな時期が………」
忍「そんな時期を知っていたからこそ、
カレンが一人で居なくなったこの出来事に不安を感じるのかもしれません」
穂乃花「………」
忍「―――それでは、急ぎましょう!
アリスやカレンを一人にしていては、それこそ不審者の魔の手にかかってしまうかもしれません!」
穂乃花「あっ、そうだ!!
私、カレンちゃんの連絡先を知ってるんだったよ!!」
忍「………いえ、カレンも、鞄を学校に置いて来ている可能性が高いです。
電話やメールでは、今カレンがどこにいるのかは、分からないでしょう」
穂乃花「そっかー………」
香奈「………どうでもいいけどさ、私達も迷わないようにしないとヤバくね?」
穂乃花「大丈夫、私はこの辺りに住んでるから、この辺の事なら大体分かるんだ」
忍「流石は穂乃花ちゃん!頼りになります~!」
穂乃花「ところで、カレンちゃんが行きそうな所ってどこ?
忍ちゃんは詳しいって言ってたけど」
忍「………穂乃花ちゃんは?」
穂乃花「えっ、そんな、私カレンちゃんとデートなんて………1回くらいしか………」
忍「カレンと二人きりでデート!!?なんて羨ましい!!!」
穂乃花「えぇっ、あ、あれはそのぉ、なりゆきで………忍ちゃんは行った事ないの?」
忍「無いです!!!穂乃花ちゃんっ、抜け駆けですか!?」
香奈「ああっ、金髪同盟は今どうでもいいから!穂乃花、その場所ってどこ!?」
穂乃花「え、えーっと、あそこのデパートでお買い物を………」
香奈「とりあえずそこに行ってみよう!!」
―――――
久世橋「………っ………そうですか。ありがとうございます!」
――― 一方、久世橋先生は、
自転車で町内を回りながら、道行く人々に金髪少女の行方を聞いて回っていた。
久世橋「未だ、情報は得られない………
この辺りは、マラソンのルートとそう離れていないはずなのに………
………ここまで見た人が居ないとなると、九条さんはもっと早くにルートを逸れていた………?」
久世橋「………」
久世橋(どうしてだろう………どうしてこんなに心配なの?
いえ、いなくなった生徒を探すのは、教師として当然の事………
………それにしても………どうしてこんなに、私は焦っているの?
今まで、こんなに勢いで行動したことなんて、無かったような………)
ふと、久世橋は自転車を止めた。
久世橋(確かに不審者は心配だけど………
今は昼だし、そうそう危険な目に遭っているとも限らない………
………九条さんが居なくなっただけなのに………何?
こんなに、心が落ち着かない……………
冷静になってみれば、先ほどマラソン大会が終わったばかり………
生徒は帰ったけど、私はまだこの後に職員会議も残っている……… ………
やっぱり、捜索は他の先生に任せて、私にもやる事が………)
頭の中に、最後に見たカレンの表情を思い浮かべ、彼女は思いとどまった。
久世橋(………そうだ。私は………九条さんに、謝らないと。
九条さんがいなくなったのは………
私が、酷い事を言ったせいかもしれない………
………でも……… ………いや!探さないとだめだ………!!
これは教師としてのっ、いえ………
一人の人間としての、義務です!!!)
彼女は、自転車を勢い良く走らせた。
久世橋「すみません、この辺りで、金髪の女子高生を見ませんでしたか!?
私の教え子なんです!」
通行人「ん?金髪………
それっぽい子が、そこの曲がり角を曲がって歩いて行くのを見たよ」
久世橋「―――! 本当ですか!? ありがとうございます!!!
………九条さんっ、待っていて!!!」
―――職員室
田辺「あれ?そろそろ職員会議なのに………久世橋先生が居ませんね」
烏丸「あー………
えーっと、今日のマラソン大会中、九条さんがいなくなった、なんて話が出てて」
田辺「ええっ!?」
烏丸「今日の職員会議に参加しない先生達の中でも、
数人捜索に向かっているようなんですが………」
田辺「えっ、久世橋先生もそちらに?」
烏丸「そうみたいです………」
田辺「え、でも久世橋先生は今日の会議に参加しますよね?
他の教員が捜索しているというのに、どうして久世橋先生まで………」
烏丸「………九条さんは、先生にとって、特別な存在ですから………」
田辺「そうなんですか?」
烏丸「はい。いつも叱っているように見えますけど、
それでも笑顔を振り撒いて、接してくれる九条さんに………
教えられた部分、救われた部分も多いのだと思います。
そんな子だから、放っておけなかったんでしょうね………
すみません、私が気付いた時には、もう久世橋先生は居なくて」
田辺「あ、いえ………でも、今日の職員会議は、どうするんでしょうね」
烏丸「………私が、会議の前に、掛け合ってみます」
田辺「えっ!?」
烏丸「久世橋先生は、教師としてすべき事をしているのですから。
私が議長を説得して、今日は不在が許されるように、頼み込んでみます」
田辺「うーん………そんな事が出来るのかなあ」
烏丸「なんとかします。
………だから。
久世橋先生、心配は要りませんよ~♪」
―――――
アリス「すみませんっ、この辺りで、金髪の高校生を見ませんでしたか!?」
通行人「い、いや………見てないけど………」
アリス「そうですか、ありがとうございます!!」
通行人(小学生の子かな?お姉ちゃんを探しているのかな………)
アリス「………カレン………一体どこにいるの?
それに……………どうしよう、私まで迷っちゃったかもしれない………
カレン………!!!」
アリス「あっ!?く、クゼハシ先生!?」
久世橋「そうかっ、さっきの人はカータレットさんの事を言っていたのですね!
でもどうしてこんな場所に?」
アリス「わ、私は………カレンがいなくなったって聞いて………
居ても立ってもいられなくなって………」
久世橋「………!」
アリス「クゼハシ先生もそうだったんですね」
久世橋「あっ……… ………そ、そんな事はありません!
その、同じクラスの生徒が居なくなったとなれば、探すのは、義務ですからね!
それより、カータレットさんは何か、手がかりが掴めましたか!?」
アリス「いえ、何も………」
久世橋「そうですか………
この辺りまで人に聞きつつ来ても、手がかりがない………
もっと前に、ルートを逸れていた可能性がありますね」
アリス「………カレン………」
久世橋「でもカータレットさんといえど、一人での行動は危ないです!
一緒に探しましょう、良いですね?」
アリス「………はいっ!!」
―――――
―――
カレン「いつもと違う風景………あっ、公園がありマス!
へぇ~、この辺りにこーんな場所があったのデスネ。
こうして歩いてみるのも、たまには悪くないかもデス!」
カレン「………あー、でも、
そろそろ学校に戻らないと、心配をかけてしまいそうデス………
うーん、でもどうやって戻りマショウ?
見た事無い場所デス……… とりあえず近くの人に聞いて……… ………」
―――――
『どうしてあなたはそう、提出物を出さないのですか!!』
『20点とは何ですか!もう少し真面目に勉強を………』
『あなたはもう少し、努力という事を覚えて………』
―――――
カレン「………やめ、やめデス!
学校に戻ったって………また叱られマス………
『九条サン!どこをほっつき歩いていたの!真面目にマラソン大会に取り組みナサイ!』
………って………」
カレン「………それに、この辺りは見た事がない風景が並んでマス。
ちょっとブラブラしてみるのも、良いかもデスネ」
―――デパート
忍「………うーん、情報が得られませんね」
香奈「ていうかさあ、今体操服なんだけど、
それでこんな所来る私達の方が怪しまれないかな」
穂乃花「そ、そうだよ~忍ちゃん、とりあえずここは………」
忍「いえ、カレンならば………
お金持ちなので、体操服のどこかにお金が入っている可能性はあります。
だとすると、このデパートに居る可能性も、0とは言い切れない。
とりあえず迷子センターに向かって放送を流してもらいましょう」
穂乃花「そ、それ、もしここにカレンちゃんが居なかったら恥ずかしいだけなんじゃないかな………」
忍「万が一の可能性を考えて、やれるだけのことは全てやっておきたいのです!」
香奈(金髪同盟の創始者半端ねえな……… 金髪の為なら恥も外見も無いよ………)
―――――
久世橋「………いませんね、九条さん」
アリス「はぁ、ふぅ……… ………ごめんなさい、先生、ちょっと」
久世橋「はい?どうかしましたか?」
アリス「トイレ行きたくなっちゃって………
そこの公園で、行ってもいいですか?」
久世橋「あっ!すみません、全く気付かなくって。
どうぞ!!私は外で待っていますので!」
アリス「ごめんなさい~」
久世橋は一旦自転車を置いて、公園のベンチに腰掛けた。
久世橋「………ふぅ。
私ってば、九条さんの事を考えるあまり、隣で歩いているカータレットさんの体調にも気づかず………
全く、駄目ね………」
「~♪ ~♪」
久世橋「ん? ………鼻歌?」
聞き覚えのある声がして、後ろを振り向いてみると………
カレン「~♪」
久世橋「―――!!!
く………九条さん…………!!!!」
公園の外側に、カレンが歩いている姿が見えた。
カレン「ン? ………!?」
久世橋「九条さーんっ!!!」
カレン「!!!クゼハシ先生ー!?
ど、どうしてここに………っ!!!
と、とりあえず逃げないと!!!」ダッ
久世橋「九条さんっ、待って下さい!!!」
カレン「う~っ、待たないデス!!
っ、でも、さっきまで走ってたから疲れが………」
久世橋「九条さんっ!!!」ガシッ
カレン「っ………先生………あ、あの………スミマセ」
ぎゅっ
カレン「!!?」
久世橋「九条さん………っ!!!無事で、本当に良かった!!!」
カレン「What!?」(だ………抱きしめられている!?な、ナゼ!!?)
久世橋「………本当に、心配していたんですよ!!!」
カレン「ア……… せ、先生………」
久世橋「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
カレン「え………あ………無いデス」
久世橋「そう、良かった………!」
カレン「あ………エーット………その………
………申し訳、ありませんデシタ………」
久世橋「………謝るのは私の方です!」
カレン「エッ!?!?」
久世橋「すみません、先ほどはつい、きつく叱ってしまって………
でも、田辺先生にお聞きしました。
今回、数学の点数が大幅に上がったそうですね、九条さん」
カレン「!!! ………あ、あー………気まぐれデス………
す、スミマセンッ、家庭の点数だけ、ワザと低くした訳じゃないのデス!!
お願いしますっ、ご慈悲ヲー!!」
久世橋「分かっていますよ」
カレン「……アレ?」
久世橋「一つの科目に集中して勉強し、まず結果を出すのは、とても良い事です。
………まあそりゃ、家庭科でも良い点を取って欲しかったですが………
でも、九条さんも陰ながら努力していたのですね。
私ってばそうとも知らずに、九条さん自身を否定するような事を………」
カレン「あ、あの………」
久世橋「九条さん、あなたは………
その、提出物は出して欲しいですけど、悪い子ではありません。
ちゃんと努力すれば、ちゃんと結果を出せる子です。
だから………えーっと………」
久世橋「久世橋朱里ですっ!!!」
カレン「だ、だって、こんなのクゼハシセンセーじゃないデス!!」
久世橋「貴女の中で私は一体どういう存在なのですか!?
………確かに九条さんには、まだ直すべき点が一杯ありますけど、
でも今回は………九条さんの心情を知らずに、いつもよりきつく叱って………
泣かせてしまった私にも、責任はあります。
で、ですから今のは全て本心ですよっ!?」
カレン「あ………ぁ………」
久世橋「な、何で怯えるんです!?」
カレン「ぐすっ、ふ、ふえぇ………っ」
久世橋「!!?!?!?!?」(まっ、また泣かせてしまったー!!!)
久世橋「く、くく九条さん!?
わ、私何か、またまずい叱り方をしていましたか!!?
え、えーっと………お願いだから泣き止んで………」ナデナデ
カレン「ち、違いマス……… ………嬉しくて………」
久世橋「!!!!!」キュンッッ
苦手な数学を、今回は、本当に努力しマシタ………
でも80点には届かなくて、そのせいで、ママにも叱られて………
喧嘩をしてしまっていたのデス………」
久世橋「! そうだったのですか………」
カレン「………デモ、ゴメンナサイ………
やっぱり、悪いのは私デシタ………
私、マラソン大会で道に迷って………
帰ったら、叱られると思って、帰らなかったのデス………」
久世橋「九条さん………」
カレン「クゼハシセンセーがっ、ぐす、
こんなに、心配してくれたのに………っ!うっ………」
久世橋「! ………何も、気にしなくて良いのですよ。
それに、九条さんの身に何も無く、こうして見つかって、本当に良かったです」
カレン「うわああぁぁ~ん………」
久世橋(かっっ………可愛すぎる………!!!こっ、これが金髪の天使ですか!!?)
カレン「!? Alice!?」
久世橋「あっ、カータレットさん!
すみませんっ、九条さんを見つけたもので、つい公園の外に………」
アリス「いえ、いいんです。
それよりも、ありがとうございます。カレンも、少し楽になったようですし」
カレン「あ、アリス………っ」ゴシゴシ
カレン「アリス、探しに来てくれたのデスカ?」
アリス「当たり前だよ……!
カレンが居なくなったって聞いて、本当に心配したんだから!!」
カレン「………アリス、ありがとう………」
アリス「ううん、大丈夫!
………カレン。カレンが努力していた事は、みんな知ってるんだよ。」
カレン「ハイ………クゼハシセンセーは知っていマシタ………」
久世橋「田辺先生から聞いてですけどね」
アリス「うん。
でもね、クゼハシ先生だけじゃないよ。
カレンのマムだって、きっと同じ気持ちだったと思う」
カレン「ママが………?でも今朝、ママは私を叱りマシタ………」
カレンが、78点だったのに80点だと嘘をついて、ネックレスを買って貰おうとした事。
それに怒ったんじゃないかな?」
カレン「ウグ………」
アリス「せっかく努力して良い点を取れたのに、それに嘘をついて誤魔化そうとされた。
そんな事をされたら、誰だって怒るよ。
………カレンの成績が良くなって、カレンのマムは嬉しかったからこそ、
そこに嘘が混ざっちゃってた事に怒ったんだよ、きっと」
カレン「確かに………そうかもしれマセン………」
アリス「あと2点だったのに、ケチってご褒美をくれなかった訳じゃない。
カレンが嘘を吐いちゃったから、ご褒美をくれなかったんだよ。」
カレン「………」
アリス「カレン、何か目標を持って、それの為に努力する事は、本当に美しい事なんだよ。
だから、もしその結果が、目標に届かなくったって、誤魔化しちゃ駄目。
ご褒美がもらえないのは、残念かもしれないけど………
昔からハッキリした性格で、嘘もつかない、正直な子。それがカレンの良い所じゃない!
だから、ね?
カレンがマムと喧嘩して、落ち込んじゃったのも分かるけど………
嘘を吐いた事は、ちゃんと反省しないとダメだよ。分かった?」
カレン「………分かりマシタ………」
あの九条さんを、真正面から叱って、完全に従わせているなんて………!!
小さくて可愛いのに、指導力もあるのですね…!私も見習わなくちゃ………)
アリス「………なら、よろしい!
カレンも、十分反省してるみたいだし………
それに、クゼハシ先生の胸で泣いて、発散出来たみたいで、何よりだよ!」
久世橋「!!」
カレン「な………っ、ち、違いマス!泣いてなんかいマセン!!」
アリス「泣いてたよー、カレン。まだまだ子供なんだから」
カレン「違いマスー!!アリスの方が子供デス!!!」
アリス「子供みたいなうそは吐かないもーん」
カレン「~~~!!!アリスー!!!」
アリス「あははっ、私の方がお姉ちゃんだもんね!」
………二人とも、帰りましょう!」
アリス「あっ、はーい!」
カレン「はい!帰りマス!!」
久世橋「元気が出たようですね、九条さん」
カレン「はい………反省しマシタ。
ドンマイ、デス! 私もう、嘘をつきマセン!!」
久世橋「そうですか。
九条さん、『提出物は次回、必ず持って来ます』と言っていましたよね?」
カレン「What!!!?!?」ビクッッ
久世橋「忘れたとは言わせませんよ?
もう嘘はつかないと言いましたよね? 必 ず ですよ?」
カレン「ヒイィッ、いつものクゼハシセンセーデス!!」
アリス「あはは、次は他の科目でも良い点を取らなくちゃね。
私もカレンに、勉強教えてあげるよー」
カレン「………いえ、結構デス」
アリス「えっ?」
カレン「次こそは私の力で………!良い点を取ると決めマシタ!!」
アリス「おぉ~、すごい成長だよ、カレン!!」
カレン「分からない所があったら、聞くくらいはするかもしれマセンが………」
アリス「大歓迎だよ!! それを聞いたら、きっとマムも喜ぶよ!!!」
久世橋(九条さん………!なんて良い子………!!
素晴らしいです、これならきっと、次回のテストは大丈夫ですね………)
―――――
忍「うぅ、しばらく待っても、見つかりませんでしたね」
香奈「だから言ったのに………私達も帰らないとさ、色々まずいかもよ」
穂乃花「うぅん………アリスちゃんとカレンちゃんは本当に気がかりだけど………
でも、確かにちょっと早とちりしすぎた感は………」
久世橋「あら………大宮さん達?」
忍「!!?」
アリス「シノ!?」
カレン「ホノカに、カナもいるデス!!」
穂乃花「カレンちゃんっ!!!良かった~っ、見つかったんだね!!!」
久世橋「もしかして、あなた達も探していたのですか?」
忍「はい! でも見つかっていたのなら良かったです~」
香奈「私が着いて来た意味全くねー………」
穂乃花「カレンちゃん~~~!!!」
カレン「ホノカ! ご心配おかけしマシタ………もう大丈夫デス!!」ニコッ
穂乃花(なんて眩しい笑顔………!良かった、いつものカレンちゃんだよ~~~!!)
アリス「あっ、大丈夫だよ。カレンなら、もう完全に元に戻ったから」
忍「いえ、そうではなくてですね」
アリス「?」
忍「どうして一人で走って行ってしまったりしたんですか!?
私、すごく心配したんですよ!!!」
アリス「う………そ、そうだね、ごめん………
カレンが居なくなったと思ったら、居ても立っても居られなくなって………」
忍「私だって! アリスが居なくなってしまって………!
アリスが不審者に、お菓子で連れて行かれたらどうしようかと、心配で~~~!!!」
アリス「子供扱いしすぎだよっ!!!流石にお菓子は無いよ!!!」
忍「アリスうぅ~~~」ぎゅっ
アリス「うぅ、でも、何も言わずに来ちゃって………
シノを心配させちゃったのは事実だよね、ごめんね~シノ~~」ぎゅっ
久世橋「………あああっっっ!!!」
香奈「?」
久世橋「そ、そうだった、私も何も言わずに来ていたんだった………!!!
今頃職員会議が………!!!一刻も早く戻らないと、でした!!
すみませんっ、みなさん、私は自転車で先に学校に帰っています!!!
皆さん、みんなで一緒に、気を付けて下校するのですよ!!!」
香奈「………あ、はい」
久世橋「それではー!!!」
アリス「シノ~!!」
穂乃花「カレンちゃん………」
カレン「ホノカー!」ニコニコ
香奈「……………」ポツーン
香奈「………帰りますか………」
―――職員室
久世橋「はぁ………っ!!!
申し訳ありません………!遅れました!!!」
烏丸「あら、久世橋先生、意外と早かったのね~」
教頭「久世橋先生。居なくなった生徒は見つかりましたか?」
久世橋「え………?あ、はい………
今、大宮さん達と一緒にこちらに帰ってくる頃かと」
教頭「そうですか!それは何よりです。会議を続けましょう」
久世橋「え………っ………?」(何のお咎めも無し?いいんでしょうか、これで………)
烏丸(久世橋先生♪)
久世橋(………まさか!)
烏丸(ぐっじょぶ♪ですよ♪♪)
久世橋「~~~~~!!!!!」
烏丸(大体の事情は私が説明しておいたので、大丈夫です♪
さ、ここに座って下さい?)
久世橋(烏丸先生ええぇぇ~~~っ!!!)ペコペコ
田辺(流石だ………)
―――――
穂乃花「あ、あの、か、かかカレンちゃん!!
今日、か、帰り、良かったらどこか寄らない!!?
く、クレープ屋さん、とか………!!」
カレン「本当デスカ!?
すごく嬉しいデス………でも………!
………やる事があるので、今日は帰りマス!」
穂乃花「!! ………そ、そうなんだ!ごめんね!」
カレン「いえ、嬉しかったデス!!また今度一緒に行きまショー!!」
穂乃花「あ、うん………ばいばい………」
香奈「………」
穂乃花「そうだよね………カレンちゃんにもカレンちゃんの、やる事が………」
香奈「あー!落ち込むなって!!!」
穂乃花「お、落ち込んでなんてないよ!
カレンちゃんに元気が戻っただけで!私は幸せ………!!!」
香奈「………」
穂乃花「………ちょっとだけ………行きたくなくも、無かったけど………」
香奈「………はぁ。行こう、穂乃花」
穂乃花「えっ?」
香奈「クレープ屋。奢るから。
………私が奢るなんて滅多に無いんだから、感謝してよ?」
穂乃花「香奈ちゃんんんんん~~~~~!!!!!」
カレン『………あ、あの、ただいま………』
カレンマム『………おかえり』
カレン『あ、あのっ、ママ!』
カレンマム『?』
カレン『今朝は、その……… 嘘をついてしまって!ゴメンナサイ!!!』
カレンマム『………』
カレン『わ、私、嘘をついてまでご褒美を得ようとしてしまいマシタ!
それに、ママに暴言まで吐いて、本当に反省していマス………
お、お叱りならいくらでも受けマス!
ママを………ママを裏切るような事をしてしまって………本当にっ………ごめん、なさ………』
カレンマム『カレン』
カレン『!!!』ビクッ
カレンマム『良かった。自分の間違いに気づいたのね。
私、カレンの点数が前よりも大きく上がって、とっても嬉しかったのよ。
だから、嘘なんかで誤魔化して欲しくなかった………』
カレン『ごっ、ゴメンナサイ!!どんな罰でも受けマス!!!』
カレンマム『罰なら、もう与えたわ』
カレン『………えっ?』
けれど………良くない事をした後に謝るのは、それ以上に良い子じゃないと、出来ない事なのよ。
あなたの顔を見たら分かるわ。
今日、あなたはとても悩んだでしょう?
帰ってくるのにも、きっとたくさんの勇気が要った事だと思う。
それが、私があなたに与えた罰よ』
カレン『ママ………』
カレンマム『カレン、今日は帰りたくないと思ったでしょ?
私はてっきり、また大宮さんの家に転がり込むのかと思ってたわ』
カレン『!! ………本当は、少し考えていマシタ………』
カレンマム『でもあなたは、それをしなかった。
真正面から、私に謝る為に、ちゃんと家に帰ってきた………
………良い子ね、カレン』
カレン『ママ………!!!』
カレンマム『さぁ、今日はマラソン大会だったのでしょう?
疲れたでしょう、カレン。おやつにしましょう!
あなたの為に、ミートパイを作っておいたのよ』
カレン『!!!本当デスカ!?
やったー!!!ママのミートパイ大―――好きデス!!!』
カレンマム『ふふ、あなたが帰って来なかったら、私とパパで食べていたわ』
カレン『帰ってきて良かったデース!!!』
カレンマム『勇気を出したカレンに、ご褒美よ』
カレンマム『?』
カレン『私、ご褒美のネックレスが欲しい為に、嘘を吐いてしまいマシタ。
だから、次こそ、今度は目標の点数を取った時に、ご褒美を下サイ!!』
カレンマム『カレン………!』
カレン『もしかしたら、次も目標に、達さないかもしれマセン。
でも、嘘は吐きマセン。いつか絶対、目標を達成してみせマス!!』
カレンマム『………あぁ、カレン、本当に良い子ね』ナデナデ
カレン『私、頑張りマス!ママを見返す為に!!!』
カレンマム『そんな事をしなくても、もう十分………
……… ………いえ、そうね。
確かにカレンは、今回ちょっと数学が良かっただけで、他はまだまだね。
私を納得させてくれたら、次はもっと豪華なご褒美をあげるわ!』
カレン『!!! それは、期待しちゃってOKデスネ?』
カレンマム『OKよ?』
カレン『頑張りマース!!』
―――職員会議後
久世橋「本当に、本当にありがとうございましたっ………
何と、お礼を言えば良いか………」
烏丸「いえいえ、久世橋先生にはいつもお世話になってますから~。
それより、九条さんとは仲直りできたのかしら?」
久世橋「はい………!九条さんは、本当に良い子です。
改めて、よく分かりました」
烏丸「そう、良かったわぁ~」
久世橋「でも、何も言わずに飛び出してきちゃって………
烏丸先生に事情を説明させてしまったのが、本当に申し訳なく………」
烏丸「良いですって~」
久世橋「いえ! 何か、お詫びというか、お礼をしたいと………」
烏丸「そんなの、いいのに~………」ぐぅ~
久世橋「………あっ」
烏丸「あらやだ、私ったら」
久世橋「分かりました!
今日は烏丸先生に、特製のお料理を振る舞います!!!」
烏丸「ええ~っ!?本当!?最高のお礼だわ~!!!」
―――――
カレンパパ『………良いのかい?
せっかくカレンの為に、今日買いに行ったネックレスなのに』
カレンマム『いいのよ。
………カレンは、私が思っていたよりも、良い子だったわ。
次のテストの時には、きっとそれを渡せるはず。
だから今は、カレンを信じて。それはしまっておきましょう』
カレンパパ『そうかい。それなら、そうしよう』
カレンマム『………パパにばかり甘えていると思ったけれど。
カレンも、ちゃんと成長していたのね』
カレンパパ『ええっ、なんだい、それは』
カレンマム『ふふ、次のご褒美は私が渡すんだからね?
カレンにおねだりされても、買ってあげちゃ駄目よ』
カレンパパ『うーん、善処するよ………』
カレンマム『駄 目 よ ?』
カレンパパ『はい、分かりました………』
―――しばらくして………
忍「そういえば、この前の不審者、無事捕まったらしいですよ」
綾「本当!?良かったわ~」
忍「これでアリスが連れ去られる事もありませんね!安心です!」
カレン「………イエ―――イ!!!!」
穂乃花「わっ、びっくりした………!」
香奈「テスト返しの後だってのに大声で喜ぶなよぉ」
忍「カレンも嬉しいのですか?」
綾「違うわよ。 カレン、もしかして今回こそ………?」
カレン「やりマシター!!」
綾「88点!すごいじゃない!!私より良い………」
カレン「これでネックレスと、新しいバッグを買ってもらうデース♪♪」
綾「えっ、なんかご褒美増えてない………?」
カレン「これくらいのご褒美は貰わないと、割に合いマセーン!」
綾「ふふふ、でも良かったわね、カレン」
忍「良かったですね~」
あなたに新しい問題集を買って、みっちり稽古をつけてあげようと思うの」
忍「ひええぇぇ~勘弁です~~~!!!」
綾「流石に見過ごせないわ!」
カレン「そうデスヨ!!シノ、11点は流石にヒドーイ!デス!!!」
忍「カレンっ、声が大きいです~!!」
綾「あまりにもひどすぎるわ!!!カレンを見習いなさい!!!
アリスにも言っておくんだから、逃げられると思わない事ね!!」
忍「ひいぃ~~~!!!」
穂乃花「カレンちゃん、すごーい……!私も頑張らないと!!」
香奈「ハァ、私もそろそろちゃんと勉強しないとなー………」
穂乃花「いつも輝いていたカレンちゃんが、勉強面でも輝くようになって。
金髪の輝きもますます増してるような気がするよ~」
カレン「エヘヘー!
勉強が出来るようになった私に、怖いモノなんて、何一つ無い!のデス!!!」エッヘン
久世橋「九 条 さ ん 。 ちょっと来なさい」
カレン「怖いモノキターーー!!?」
香奈「お約束展開………」
久世橋「今回のテストの点数!!!
前より低い10点ってどういう事ですか!?」
カレン「え、エート、前回以上に事情が………」
久世橋「数学が更に良くなったのは、田辺先生からお聞きしました」
カレン「! ………なら、分かってくれマスよね!ちょっと、努力しすぎた結果で………」
久世橋「それとこれとは話が違います!!!
それに、前回の裁縫の課題の提出物が、まだ出ていません!!!」
カレン「つ、次に持って………」
久世橋「もう騙されませんよ!!!
九条さんっ、今日の放課後は課題が完成するまで、被服室に居残りしてもらいます!!!」
カレン「ヒイイイイッッッ!!?
そんな!!! 今日はご褒美の日なのデス!!!どうか見逃して………」
久世橋「駄目です!!今日という今日は、絶対に出すまで帰しませんからね!!!」
アリス「カレン、正直に努力するようになったのはいいけど、
今度は要領よくやる方法を覚えないとだね!」
カレン「こ、今度は久世橋先生と喧嘩になってしまいマシタ!?
で、でもこりゃ無理デス!ママより強いデス~~~!!!」
久世橋「待ちなさいっ!九条さん!!!」
おしまい
平和なきんモザ世界に不審者なんて居なかったんだ!という事で一つ
読んでくれた方、ありがとうございました
映画化も決定したしきんモザssもっと増えろ~~~
という事で〆とさせて頂きます
地元じゃ上映しないのが悲しい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468818297/
Entry ⇒ 2016.07.21 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
【三者三葉】小田切双葉「超無謀パフェ?」【きんいろモザイク】
綾「ええ、また明日」
綾「……はあ」
綾(今日も素直になれなかったわ……)
綾(他のみんなだったらそんなことないのに……陽子相手だといつもこう)
綾(もっと素直に、ストレートに言わないと伝わらないのよね)
綾(でも……だって……そんなの面と向かって言えるわけないでしょ)
綾「陽子のことが……好きだって」
葉子「はい?」
綾(あ、こ、声に出て……しかも知らない人に聞かれて)カァァ
綾(もう! 陽子のせいで恥ずかしい思いしちゃったじゃない!)
葉子「あの……」
綾「陽子のバカ~!」ダダダダ
葉子「ちょっと、お待ちになって!」
ダダダダ
葉子(行ってしまわれましたわ)
葉子「ということがありまして」
双葉「葉子様、告白されちゃったんだ」
照「え、でも女の子だったのよね?」
双葉「まあ、たぶんあれだよ。憧れの存在~みたいな」
葉子「ですがあのお方、まったく見覚えがなくて。制服も他校のものでしたし」
双葉「葉子様って同じクラスの人の名前もほとんど覚えてなかったような」
照「いきなり告白してきて返事も待たずにバカ呼ばわりして走り去るって……変わった子ね」
双葉「でもどこで葉子様の名前知られたんだろうね」
葉子「さあ。心当たりがありませんわ」
山路「ストーカーの可能性もありますね。以後注意しなければ」
照「はい、お前が言うな」
山路「おっと次のバイトのシフトが。葉子様、また後ほど」
照「聞いてないし」
葉子(どなたかは存じませんが、告白していただいたからにはきちんと返事をしなくては)
葉子(また会えるかしら
照「また満腹さんに寄っていく?」
双葉「いや、あんまり頻繁にタダ飯するのも悪いかなって思うんだ。出禁になったお店もあるし」
照「あら、双葉もそういうふうに思ってたんだ。欲望の赴くままに貪ってるイメージだったけど」
双葉「いやいや葉山ちゃん……私ちゃんと理性あるから」
照「でも食べるんでしょ」
双葉「食べるよ! 超食べるよ! だって……食べるのことが、大好きだから」ニコッ
葉子「双葉さん、素敵な笑顔ですわ」
照「まるで恋する乙女ね。食べ物にだけど」
双葉「恋するめ?」
葉子「あら、どうも」
双葉「今日は甘い系をお腹いっぱい食べたい気分だなー」
照「お菓子とか?」
双葉「んー、何かこう大盛りの特大パフェとか!」
葉子「でしたらこのチラシに載っている『超無謀パフェ』などいかがですか?」
双葉「超無謀パフェ?」
照「なになに。30分以内に完食で無料、レストラン・マツバラ」
葉子「ネーミングで超無謀とは……大胆な挑発ですわね」
双葉「やったあ~無料でパフェが食べられる~」
照「食べきれなかったら8000円だって。ま、双葉だから心配いらないけど」
葉子「8000円! 8000円もあったらパンの耳が食べ放題ですわっ……!」
照「葉子様……そこはもうちょっと高価なものを想像したら?」
「ほう、フードファイトに挑戦するつもりデス?」
葉子「あら、先ほどチラシ配りをしていた……」
カレン「九条カレンと申すデス」
双葉「お店の人? ていうか外国人?」
カレン「ママはイギリス人でパパは日本人のハーフデスよ。今は日本の高校に通ってマス」
双葉「へー、そうなんだ」
葉子「日本語、お上手ですわね」
カレン「皆さんも日本語お上手デスね」
照「え、いや。だって日本人だし」
カレン「ノーノー! イッツ アメリカンジョーク!」
葉子「はあ……」
双葉「……」
照「……」
葉子「そうですの!?」
カレン「フフフ、3人ともまだまだツッコミ力が足りてないデスね。一流のツッコミキャラを目指す道のりは遠いデス……」
照「いや目指してないからツッコミキャラとか」
双葉「葉山ちゃんは腹黒委員長キャラだもんね」
照「え、何ですって?」
葉子「いけませんわ双葉さん。本当のことを直球で言っては」
照「うふふふ……いいのよ。分かってるから。全然気にしてないから」ゴゴゴゴ
カレン(これは何デス? 妙な空気が……邪悪なオーラが漂ってマス)ブルブル
カランコロン
穂乃花「いらっしゃいませー」
カレン「ホノカー! お客さんを連れてきたデス」
照「あら、素敵なお店じゃない」
双葉「もうお腹ペコペコ~」
カレン「私の友達デス」
葉子「えっ」
穂乃花「えっ、カレンちゃんのお友達?」
葉子(お友達って……さっき会ったばかりですのに。まだそういう関係には至っていないのでは?)
穂乃花(カレンちゃんのお友達ってことは……きっと高貴な人達に違いないよ~。失礼のないように接客しなきゃ)
穂乃花「いらっしゃいませお嬢様がた!!」
照「ってなんでいきなり土下座!?」
穂乃花「いつもカレンちゃんがお世話になってます!!」
照「いや世話してないから……さっき会ったばかりだから」
葉子「この方はカレンさんの使用人ですの?」
カレン「私の大事な友達デスよ」
――
穂乃花「普通のお客さんだったんだ。勘違いしちゃったよー」
照「普通の客相手じゃなくてもあの対応は普通じゃないと思うけどね」
カレン「ここはホノカの実家で、今日はチラシ配りを手伝ってたデス」
葉子「そうだったのですか」
穂乃花「ご注文は何になさいますか?」
双葉「じゃ、さっそく超無謀パフェひとつ!」
山路「超無謀パフェをおひとつですね。かしこまりました」
双葉「ってなんで山Gがいんの!?」
山路「ああ、最近この店でもバイトを始めたんですよ」
穂乃花「山路さん、凄く仕事ができるから助かるよー」
照「この人、仕事に関しては申し分ないものね」
双葉「でもストーカーだけどね」
カランコロン
綾「本当にまた挑戦するの?」
陽子「お昼ご飯も抜いてきたし。なんだろう……理由はないけど、今日はすごいいける気がするんだ!」
綾「まったくその自信はどこから……」
穂乃花「あ、2人とも。いらっしゃいませ」
カレン「Oh! 奇遇デスね」
葉子「あっ」
双葉「ん、どしたのー葉子様?」
葉子「あの方ですわ。あのツインテールの方。昨日、わたくしに告白してきたのは」ヒソヒソ
照「え、本当に?」
葉子(ちょうどよかった。早速、お返事をしませんと)ガタッ
スタスタ
綾「へ?」
ガシッ
綾「え、え?」
葉子「お気持ちは嬉しいのですが……わたくし、日々の生活でいっぱいいっぱいでして」
葉子「まだ恋愛とか……そういうものを考えている余裕がありませんの」
葉子「ですから、まずは……お友達からということでよろしいでしょうか?」
綾「ななな何の話ですか!? というかどちら様ですか!?」
双葉「え、ようこ……さん?」
陽子「どーもー、猪熊陽子だよ! えっと、カレンの知り合い?」
双葉「知り合いというか、さっき知り合ったばっかりというか」
陽子「ていうか綾も知り合い?」
綾「いや、全然知らないんだけど……」
葉子「またまたご冗談を。昨日わたくしに向かって告白されたじゃないですか」
綾「こ、こくはっ!? ……そういえば、あなた確か昨日の通りすがりの!」
照「とりあえず、盛大な勘違いをしているようね、葉子様」
葉子「勘違い?」
カレン「ヨーコ……」
陽子「……様?」
葉子「そうですわ。ですから……」
照「『ようこのことが好き』っていうのは葉子様のことじゃなくて、そちらの猪熊陽子さんのことだったのよ」
綾「!!!」カアア
双葉「なあんだ、そういうことかー」
葉子「わ、わたくしとんだ勘違いを……」カアア
陽子「よくわかんないけど私も好きだぞー綾ー」
ぎゅっ
綾「ひゃあ!? や、やめて抱き付かないでよバカ――っ!!」
―――
穂乃花「おまたせしました。超無謀パフェをお二つでございます」
双葉「待ってました~!」
陽子「いただきまーす!」
パクッ
双葉「ん~~~おいしいっ!」
陽子「うまぁーい!」
陽子(いける。今日は凄いいける!)
パクッパクッパクッ
カレン「ヨーコとヨーコサマ……全然キャラが違うデス」
照「よく食べるってとこだけ見たらむしろ双葉の方が近いわね」
綾「双葉……さんもよく食べるのね」
葉子「ええ。正直引くレベルで双葉さんはよくお食べになりますわ」
カレン「ヨーコはかつてこれに挑戦し……撃沈してるデス。超無謀パフェの攻略は簡単ではないデスよ」
照「まあ、でも双葉だし」
葉子「双葉さんですもの」
綾(双葉さん……凄く信頼されてるわ)チラ
陽子「はむ~っ!」
綾「が……」
綾「頑張って……陽k」カアア
カレン「アヤヤはヨーコのことになるといつも茹でダコ状態デス」
葉子「本当に陽子さんのことがお好きなのですね」
綾「すすす好きって別に! そんなアレじゃないから! 友達って意味でだからー!!」
カレン「ちなみにツンデレデス」
照「ふふ、何だか微笑ましいわね」
穂乃花「葉山さんの金髪ってつやつやしてて綺麗だねー」
照「あら、そう? 別に普通だと思うけど」
カレン「ホノカー、私の金髪はどうデス?」
穂乃花「カレンちゃんの金髪は世界一綺麗だよっ!」ハアハア
照「え、何この唐突な流れ……」
陽子(あ……れ……)
陽子(この前より断然コンディションはいいし……ここまで順調にきてた……それなのに)
陽子(スプーンが……進まない……もう七割方食べきったのに……あと少しなのに……)
陽子(はっ! ……双葉の方は?)チラ
双葉「あ~~~んっ」
陽子(なっ……! もう8割方……! ペースが衰えるどころか……むしろ加速している!)
双葉「んん~~~♪」
陽子(負けるのか……私は……そ……んな……)
穂乃花「凄いね、双葉ちゃん。チャレンジ成功だよ~」
綾「そんな……陽子が負けるなんて……」
葉子「綾さん、気を落とすことはありませんわ」
照「そうよ。双葉が規格外なだけで陽子さんも健闘していたわ」
カレン「大食い競争で負けるなんて……ヨーコの存在意義に関わる事態デス!」
陽子「私の存在意義少ねえ!」
双葉「あ、陽子ちゃんパフェ残すの? じゃ、私食べていい?」
陽子「もってけどろぼー!」
――
双葉「ごちそうさまでしたー♪」
穂乃花「またのご来店をお待ちしています。カレンちゃんも皆もまたね」
カレン「ホノカ、バイバイデス~」
双葉「いやぁー、食べた食べた。満腹満腹~」
綾「それにしても凄い食欲ね。……太らない?」
双葉「んー、全然」
カレン「人体の神秘デス……」
照「それじゃ、私達はこれで」
陽子「うん。またなー」
カレン「今度は、ヨーコサマがバイトしている洋菓子店に行ってみたいデス!」
葉子「ええ、是非いらしてください。歓待しますわ」
綾「またね、葉子様。葉山さんに、双葉さんも」
カレン「Goodbye!」
双葉「じゃーねー」
照「さようなら」
葉子「ごきげんよう」
双葉「友達が増えたね、葉子様」
葉子「はい」
照「よかったわね、葉子様」
葉子「はいっ」
山路「傲慢かつ高飛車で未だにクラスで浮いている葉子様に学外の友人ができるとは……僥倖の極み……ウウッ」
葉子「も、もうっ、やまじー!」
三人「あははははははははっ」
忍「今日はアリスと2人でお出掛けです」
アリス「シノ、誰に向かって話しかけてるの?」
忍「それにしても暑いですね……ちょっと喉が渇きませんか?」
アリス「そうだね。じゃあわたし、冷たい飲み物を買ってくるよ。ちょっと待ってて」
忍「アリス、あまり遠くまで行かないようにしてくださいね」
光「あれ、お嬢ちゃん、迷子かなー?」
アリス「え、誰? ううん。迷子じゃないよ。わたし高校生だし」
光「大丈夫だよ。お姉ちゃんが交番まで案内してあげるから」
アリス(聞いてない……)
光「へー。アリスちゃん、イギリスから来たんだぁ。日本語上手だから日本人だと思ったよ」
アリス「コウは金髪だから外国人かと思ったよ~」
光「イギリスで保護者の人とはぐれちゃったの?」
アリス「いや、はぐれたんじゃなくて留学しているんだよ……。そもそもわたし、迷子じゃないから」
忍「アリスー、どこに行ってしまったんですかー!」
アリス「あ、シノ。私はここにいるよー」
忍「アリスーっ!」
ぎゅう
忍「アリス……よかった。迷子になったんじゃないかと心配で心配で……」
アリス「もー、シノは大げさなんだから」
光「よかったね、アリスちゃん、保護者の人に会えて」
忍「!!」
アリス「コウだよ。わたしのこと迷子だと勘違いして声を掛けてくれて……」
忍「ありがとうございます。迷子になったアリスを助けてくれて」
光「どういたしましてー」
アリス「だから迷子じゃないよ……」
忍「そういえばアリス、飲み物は買ってきてくれましたか?」
アリス「飲み物? あっ、そうだった。コウと話してて忘れてたよ」
光「飲み物だったら、私が作った特製のドリンクがあるよ。飲んでみる?」ゴソゴソ
忍「特製のドリンクですか?」
光「天然由来の成分がい~っぱい含まれてて凄く健康にいいの。牛乳も入ってるから身長もどんどん伸びるよ」
アリス「身長も? へえー、自分で作れるなんて凄いね。わたしも飲んでみたいな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アリス(え、何これ……水筒から変なオーラでにじみ出てる)
光「はい、召し上がれ」
アリス「これ表面が発光してるんだけど……大丈夫なのかな」
忍「いかにも健康によさそうなドリンクですね」
アリス「えっと、シノものどが渇いてるよね? 先にシノが飲んでみたら……」
忍「いえいえ、大丈夫ですよ。私はアリスにより健康になってほしいので、どうぞ先に飲んでください」
アリス「シノ……わたしのことをそこまで想って」
アリス「それじゃあ、いただきますっ」
ゴクゴクゴクゴク
照「! 近くでにゃんこの鳴き声が~~!」
双葉「いや、これ悲鳴じゃない?」
葉子「悲鳴ですわね」
~おわり~
再現度いまひとつですが>>1の実力不足です、ご勘弁を
しのと光の西&鬼畜コンビは会わせちゃいけないな
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466044853/
Entry ⇒ 2016.06.19 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
穂乃花「太陽みたいなあなたと」
注意!
・R-18
・更新遅い
前スレ 『【きんモザ】穂乃花「カレンちゃんに告白されちゃった……」』
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428854871/
いろいろあった数日間。
今思い返しても、私の人生の中でも大きなイベント続きだったその日々。
私は思いがけない告白をされた。
でも私は怖くて、自分のことが大切で臆病になって、中々返事ができないでいた。
それでも、笑って困って、泣きそうになって。
みんなの助けを得てようやく勇気を持った私は、私の想い人である大切な人へ気持ちを告げた。
そしてその人とお付き合いするようになったんだけど……これからどうなるんだろう?
楽しみでもあるし、不安でもある。
けど後悔はない。好きな人と一緒にいられるのだから。
朝。
これまでのことを回想していた私は、深くため息を吐く。
部活の朝練中、私の頭の大部分を支配しているのは、彼女のこと。
部活を終えた今もそれは変わらず。どうすればいいのか絶えず考えている。
なにしろ、誰かと付き合うのなんてこれが初めて。加えて同性。どうすればいいか分かる人間なんていないだろう。
だから、この不安も当然だと分かるのだけど……。
穂乃花「無理だよねー……。気にしないなんて」
制服に着替え、部活の更衣室から校舎前を経由。教室へ向かう。
ちょうど登校時間の最中ということもあり、校舎の前には生徒たちが大勢歩いている。
独りごち、私はその中へ。日常の最中へと戻っていく。
今日もまた、学校で一日が過ぎていく。何度繰り返したか分からない、小さなころからの日常。
???「ホノカー!」
――けれど、今それは仮初とも言える。
日常を生きている私。それも確かに存在していて、私の根っこはそんな、平凡な高校生なのだろう。
でも、彼女――。
穂乃花「カレンちゃん! おはようー」
――カレンちゃんがいる時は違う。
どこにでもいるような、照らされた舞台を眺める女子高生。
そこには輝く五人の主役がいて、私はただ彼女達を羨ましく思うだけで、見ているだけだった。
今もそうだ。私はただ、近づいてきてくれた彼女の光りに入り込んだだけ。
カレンちゃんから、みんなから元気を勇気を貰って、輝いているだけ。
――だから多分、これからの物語は私が自分で主役になる話なのだと思う。
いつまでもみんなに心配をかけていられない。泣き言を言ってられない。
だって私はみんなのことが好きで、彼女のことを愛しているから。
カレン「ホノカ! なんで旅行断ったんデスカ!?」
穂乃花「うっ。だ、だって恥ずかしいから……」
――前途は多難だけど、とりあえずは頑張ってみよう。
せめてカレンちゃんは幸せにできるように。
【今日の更新はここまでです】
カレン「ホノカは消極的すぎデス」
荷物を置いて私の席の前へ来ると、カレンちゃんは言った。
穂乃花「そ、そうかな?」
カレン「そうデス! それにただの旅行ですから、気にする必要もありまセン」
穂乃花「むむむ……」
そう言われると私、昨晩はカレンちゃんの家族と旅行と聞いていけない妄想をしてしまったような。
カレンちゃんと同室で、夜は……みたいな。
いやでも、やっぱり恋人なんだから、そういう想像しちゃうのもおかしくないよね。
カレン「将来的に大切なことデス」
きっぱりと答えるカレンちゃん。
確かに挨拶することは大切で、私も欠かす気はないんだけど、まだ早いような気が。
でもカレンちゃんのためだし……恥ずかしさは許容しよう。うん。文化の差かもしれないし。
じゃあ次の心配事で――
穂乃花「それじゃあ、カレンちゃん。私に……その、何かしたりしないかな?」
顔を赤くさせ、私はもじもじとしながら問いかける。
カレン「シマスね」
カレン「――って、いきなりなに言ってるんデスカ!?」カァァ
穂乃花「す、するの?」
カレン「シマセン! 健全な旅行デス!」アワワワ
穂乃花「そうなんだ……」ションボリ
早いことは自覚していたけどこう断言されると、ちょっとショック。
カレン「……ホノカは、したいデスか?」オソルオソル
穂乃花「ええ!? わ……私は、まだ、早いかな? なんて」
二人『……』
赤面した二人が、もじもじと視線を逸らし、ちらちらと合わせ――沈黙。
なんだろうこれ。まさかカレンちゃんまで黙ってしまうなんて。
そこへ忍ちゃんがやって来た。
いつもみたいにのほほんとした笑顔で、私たちの近くへやって来ると首をかしげる。
私たちはそこでハッと我に帰り、忍ちゃんに挨拶するんだけど……ふと私は気づく。
……忍ちゃん、旅行って言った?
カレン「今ホノカを説得中デス」
忍「そうなんですか? 穂乃花ちゃん、都合が悪かったり……?」
穂乃花「ちょっ、ちょっと待って。忍ちゃんも行くの?」
忍「そうですよ? あと、アリスと綾ちゃん、陽子ちゃんも」
いつものメンバーである。
私は腕を枕に机へ突っ伏した。
て、てっきりカレンちゃん一家と、私だけの旅行だと思っちゃったよー! 恥ずかしい!
家族旅行だなんて書いてあるから!
忍「あれ? 穂乃花ちゃん? カレン。穂乃花ちゃん都合が悪いみたいですし予定日合わせますか?」
カレン「イエ。恥ずかしいだけらしいデス」
忍「あらあら。穂乃花ちゃんはカレンちゃん意識しまくりですね」ホホエマー
カレン「エヘヘヘ」
その通りなんだけど、なんだけど……!
恥ずかしさで頭を抱える私。その私の肩に優しくポンと手を置かれた。
綾「……カレンって情報少ないから、勘違いしてしまうわよね」
綾ちゃんだった。
なんだか最近、綾ちゃんとも結構仲良くなったような気がする。
カレン「う。よく分かりマスね、アヤヤ……」ゴクリ
忍「まさか読心術」
綾「じゃないわ」
流石綾ちゃん。対応に慣れている。
穂乃花「みんなもいるなら、気が楽かな……。カレンちゃん、私も行くよ」
カレン「本当デスカ!? ふーっ、安心シマシタ」
綾「良かったわね、カレン」
カレン「ハイ! ホノカと離れ離れになってしまうかと」
忍「ラブラブですねー」
カレン「もうラブラブイチャイチャデスヨ」
穂乃花「カ、カレンちゃん!」
にやにやと笑ったカレンちゃんは私の横へ。身体を寄せてぎゅっと私の腕を抱きしめる。
無邪気な、それでいて照れがあるカレンちゃんの表情。付き合う前には見せたことのない新たな顔に、私はどきりとする。
さっき照れていたけど、今もまだ恥ずかしいらしい。
スキンシップは激し目な彼女だけど、付き合うことになって私のことを意識してくれているのだろう。そう思うとすごく嬉しい。
ずっと憧れていたカレンちゃんが、身も心も私の手の届くところに……。すごく、幸せ。
穂乃花「事実だけどぉ……」テレテレ
綾「甘いわね……穂乃花」
――自分でもそう思う。
カレン「ホノカー!」
と同時にカレンちゃんがやって来る。
まだ先生が出ていない、授業が終わって刹那と言ってもいいような機敏さでカレンちゃんは私の席の前へ。
そして手に提げた袋を軽く掲げ、クールに笑う。
カレン「今日は私がお弁当作ってキマシタ……フッ」
ざわめく教室。
クラスメイトの視線が集まる中、堂々と立つカレンちゃんは輝いて見えた。
カレン「今日のために頑張りマシタ。簡単なものデスケド」
穂乃花「それでも楽しみだよー。カレンちゃんの手料理だもん」
カレンちゃんが手作りしてくれたお弁当……一体どんなものなのか。
期待で胸が高鳴る。前の席の子が気を遣って退席。カレンちゃんはお礼を言ってからそこへ座ると、私の机の上に包みを開き、ランチボックスの蓋を外す。
その中に入っていたのはサンドイッチだった。
カレン「どうぞ、ホノカ」
穂乃花「うん。ありがとう、カレンちゃん」
ドキドキと、効果音が聞こえてきそうなほど緊張した様子で私のことを見つめるカレンちゃん。
ランチボックスの中に入った、規則正しい形をした長方形のサンドイッチ。おかしなところは一つもなく、どれもすごく美味しそうだ。
私は適当に一つ、手に取る。
食べる前にカレンちゃんへ一言。
そしてぱくりと4分の1ほど口の中に。
しっとりとしたパンの食感。レタスに挟まれるようにして入っていたのは、ポテトサラダ。
パンがあるからだろう。その味はちょっと強めで、胡椒のアクセントの中、マヨネーズがしっかりと主張する。
パンにポテトやハム、レタスにきゅうり、たまねぎ。
柔らかいだけでなく、歯ごたえもある楽しい食感に、まろやかな味。その中に、僅かな辛味があった。
おそらく、カラシ。
ポテトとパン。炭水化物と炭水化物の組み合わせは王道ではあるものの、やっぱりちょっとくどくなってしまう。
それをカラシは自然に、野菜やパン、ハムと調和しつつ和らげてくれる。故に飽きがこない。
穂乃花「……うん、美味しい」
私はカレンちゃんの手料理を、それはもう大事に味わった。
私のお姫様が作ってくれたご馳走……ああ、にやけちゃいそう。
【今日の更新はおしまいです】
穂乃花「うん。とっても美味しいよー」
穂乃花「お店のものみたいに、しっかりしてるし」
カレン「良かったデス。パパに習った甲斐がありマシタ」
穂乃花(パパさんなの……?)
なんて疑問を抱くけど、カレンちゃんの笑顔の前ではどうでもいいことで。
カレン「じゃあ私もいただきマス」
カレンちゃんが一つ手に取り、ぱくりと食べる。
もぐもぐと上品に食べ――
カレン「お、美味しいデス……!」
心から驚いた。
穂乃花「あ、愛……。嬉しいな」
私のために頑張ってくれたのだろうか。
照れくさいけど、すごく嬉しい。
カレン「ホノカ、食べさせてくだサイ」
穂乃花「うんっ。カレンちゃん、あーん」
二人でにこにこと笑いつつ昼食を進めていく。
はじめは周りのことが気になっていたけれど、今はもうそれほど気にならなかった。
陽子「だねー。でも、見ていてちょっと恥ずかしいな」
アリス「すごく仲良しだからね」
綾「二人がキラキラして見えるわ……」
カレン「あ、みんなこっちに来てくだサイ! 美味しくできたんデスヨ」
陽子「なんか呼んでる?」
アリス「ホノカと二人で食べた方がいいのに……もう」
忍「ふふ、お付き合いしてもカレンはやっぱりカレンですね」
綾「行きましょう。カレンがふてくされちゃうわ」
陽子「だな。遠慮することもないか」
誰に知られても、怖くない。
それが分かっているのだから。
授業が終わって、みんなと別れる。
それから私はいつものようにテニス部の練習へと向かった。
別れ際カレンちゃんが泣きそうになっていたりしたけど――まぁ、これは仕方ないこと。
私は単身赴任する夫の如く集中し、練習に精を出した。
穂乃花「……今日も楽しかったなぁ」
――で、練習終わり。
私は校門を通り、帰ろうとするのだけど、
カレン「ホノカ! 今帰りデスカ」
何故かそこにカレンちゃんがいた。
久世橋「松原さん、お疲れ様です」ペコリ
そして久世橋先生も――いや、なんで!?
二人して校門を出たちょっと先で立っている。
久世橋「はい? ――ぁ、そんなことないです!」クビブンブン
カレン「ちょっとお話してただけデス。ネー? クゼハシセンセー」
久世橋「そうです。松原さんには何も問題ないですよ」
良かった……出待ちされるほどの悪事を知らずのうちに働いたのかと。
――それにしても、ちょくちょく久世橋先生と仲良さそうにしているのを見たことがあるけど……本当に仲良しさんなんだね。
先生と生徒……ときめかないものがないと言ったら嘘ではない。
久世橋先生は綺麗だし、最近は笑うようになって可愛いなぁとも思う。
だからラブロマンス的な展開になってもおかしくは――
いやでも、カレンちゃんが浮気みたいなことしたりしないよね。
頭の中に浮かんできた、お姫様姿のカレンちゃんと、燕尾服姿の久世橋先生、という妄想をかき消すように私は頭をぶんぶんと振った。
カレン「えっ? エエト、それはその――」
尋ねると、カレンちゃんは視線を泳がせた。
あ、怪しい……! 疑ってって言ってるようなものだ。
久世橋「料理についての話ですよね。大切な人のために料理が上手くなりたいと」
カレン「ああっ! なんで暴露するんデスか!?」
久世橋「えっ? 駄目でしたか?」
きょとんと首をかしげる久世橋先生。
そんな彼女の前でカレンちゃんは恥ずかしそうに顔を赤くさせていて……。
完全に勘違いだと気づいた私である。
浮気だとか私はすぐ疑って……!
カレン・久世橋『なんで!?』
二人に一斉につっこまれた。
穂乃花「だって、私……疑って……」
カレン「何を疑ってたか分かりマセンが、気にしてマセン」
穂乃花「カレンちゃん……! ありがとうー!」
久世橋「大切な人……」ボソッ
涙を浮かべ安堵する私。眩しい笑顔を浮かべるカレンちゃん。
そんな私達のことを見て、久世橋先生はぼそりと呟いた。
無言で、何か思考している様子で顎に指を当て、私とカレンちゃんを交互に見る彼女。
二往復した辺りで、久世橋先生は突然ハッと目を見開いた。
久世橋(まさか、二人は……そういう関係なのでは)
なんだろう。なんとなく、久世橋先生が真相に辿り着いたような気がする。
けほんと一つ咳払い。久世橋先生は優しい目をして短く言う。
久世橋「私は二人のこと、応援していますよ。他の人からどう思われても」
カレン「先生……意味が分からないデスけど、ありがとうゴジャイマス。私、がんばりマス! どんなクレームがきても気にしまセン!」
久世橋「苦情さん……」
カレン「九条です」
仲がいいんだろうなぁ、この二人。
やりとりからそれをひしひしと感じられる。羨ましく思っちゃうくらいだ。
【今日は更新おしまいです】
【ちなみにカレンのお弁当はパパさんが味見した設定です】
久世橋「では九条さん、私はこれで」
カレン「ハイ。お話ありがとうゴジャイマシタ」
久世橋「いえ。――松原さん」
久世橋先生の視線が私に向く。
先生は優しげな目をして、一言。
久世橋「九条さん、あなたのことが大好きみた――」
カレン「わーっ! クゼハシセンセー、さよなら!」
久世橋「ふふっ、ではまた」
いつもと立場が逆なような。
慌てるカレンちゃんを見て楽しげに笑い、久世橋先生は校舎へと戻っていった。
穂乃花「そうかな? 楽しそうだったけど」
カレン「絶対にからかってマス」ダンゲン
穂乃花「あはは……」
でも先生、私達のことを祝福してくれているみたいだったし……からかってたとしても有り難い話だよね。
穂乃花「えっと、カレンちゃんって私のこと待っててくれたんだよね?」
カレン「あっ! そうデシタ! 待ってマシタヨ、マイハニー」
思い出したように言って、ビッと人差し指と中指を額に当ててキザなポーズをとるカレンちゃん。
その姿はさながら素敵な王子様のようで、いつものお姫様みたいなカレンちゃんもいいけど、こういうカレンちゃんもたまらなく好きだということに私は気づいた。早口語り。
カレン「というわけで、一緒に帰りマショー、ホノカ!」
照れる私の手を取るカレンちゃん。
彼女はそのまま私の腕を抱くように身体をくっつけた。
穂乃花「ひえええ……っ。うん、付き合って一日目だからね」
カレン「あ、よかったら家に来マス? ご飯食べに」
穂乃花「記念に残るように――ええっ!?」
間近にカレンちゃんが、その感触が腕に。
ドキドキしながら答えていると、カレンちゃんが私の台詞を途中でぶった斬り、衝撃的な言葉を投げ込んだ。
カレン「おうちデス」
冷静なツッコミだった。
カレン「温泉の前に、紹介しておくのも悪く無いかとー」アッケラカン-
穂乃花「えええー……」
ど、どうしよう。
記念に残るどころじゃないよ。初日で反対されて破局もあり得るよ。駆け落ちバッドエンドすら見えてくるよ!
穂乃花「あの、カレンちゃん? さすがにそれは――」
カレン「え?」キラキラ
穂乃花「お邪魔します」キリッ
間近から、見上げるふうに私を見るカレンちゃん。
その破壊力は絶大で、遊園地の移動時みたいに悩んでいない私は即座に誘いを受けた。
フッ。これが私のいつも通りだよ、みんな。
穂乃花「カレンちゃんのお家、楽しみだなぁー」
カレン「フフ、それほど目立つとこもないデスケド、楽しみにしていてくだサイ」
そういえば、カレンちゃんのお家ってどんな感じなんだろう?
アリスちゃんを追うみたいに日本に来たって聞いたけど、やっぱりお姫様みたいな……?
楽しみ――だけど。ご家族の人はどんな反応をするんだろう? ああぁ……不安。
カレン「私のお部屋にも……ご招待しちゃいマス」
穂乃花「それはちょっと早い気もするけど……えへへへへ」
でもカレンちゃんがいるなら、なんとかなる気もするから不思議だ。
決して邪な想いで恐怖心が和らいでいるとか、そんなことじゃなくて。
それから私はとある建物の前にやって来たんだけど――
穂乃花(立派なマンション……なのかな?)
カレンちゃんが立ち止まったのは、一軒のマンション。
綺麗で、大きくて、入り口は至って普通なオートロックの扉。
見た目的にはそれなりな感じ。うん、カレンちゃんもやっぱり普通の女の子ということだよね。
ちょっと安心したよ。
カレン「全部デス」
穂乃花「全部かぁー」
真顔できっぱり答えるカレンちゃん。
私は何の疑問も持たず復唱し、前のマンションを見る。
そして一拍を置き。
穂乃花「ええ!? 全部!?」
つっこんだ。
カレン「ノリツッコミとは……ヨーコもうかうかしてられマセンネ」
穂乃花「そ、それはよく分からないけど……本当に全部なの?」
カレン「ハイ。部屋番号がいくつもないデスヨネ?」
言われ、インターホンのような物を見る。
確かに番号を入れるようなボタンがなかった。まるでこれ一つが、一つの家みたいに。
カレン「HAHAHA。よきにはからいたまえデス」
穂乃花「カレンちゃん本当にお金持ちなんだね。通りでキラキラしてるわけだよー」
カレン「――フフッ」
感想を言うと、カレンちゃんが小さく笑みをこぼした。
穂乃花「あれっ? 私なにかおかしなこと……」
カレン「イエ、違いマス。シノ達もそうですケド――ホノカも変わらないなと思いマシテ」
穂乃花「変わらない?」
カレン「なんでもないデス。ほら、行きマショー」
きょとんとする私の手を引っ張り、カレンちゃんはインターホンを操作。
すぐにドアが開くと、カレンちゃんは迷うことなくエレベーターに乗り、スイッチを押した。
この大きな建物の、どの階になにがあるか憶えているなんて……本当にここが我が家なんだね。
妄想通りに身分違い――なんてことも、すごく現実味を帯びてきたなぁ。
エレベーターから降りてきらきらとした廊下を進んでちょっと。
至って普通な感じのドアの前にやってきた。
穂乃花「カレンちゃんのママさんが……」
ごくり、と唾をのむ。
私とカレンちゃんがうまくいくか。
この先の未来のことが、すべてここから数分の出来事にかかっているのだ。緊張しないはずがない。
更に加えて、この豪邸――という概念を軽く超越したこのマンションっぷり。
制服姿でお邪魔して、果たして私はどんな対応をされるのだろうか。
人は第一印象、出会って数秒が大切だと言われる。今の私がその数秒に自信を持って挑めるのかと言われれば……。
カレン「ノーアポ? あぁ、勿論、今日思いついたことデスよ」
穂乃花「あああああ」ガタガタ
やっぱり! 思いつきで私とカレンちゃんの運命を左右されるなんて、すっごく怖い!
カレン「大丈夫デス。ホノカならママもきっと気に入りマス。ほら、勇気を出して」
穂乃花「ううう……分かった。カレンちゃんが言うなら、頑張るよ」
カレンちゃんのお母さん……会ったことないけど、優しい人のはず。
カレンちゃんがこんなに優雅で華やかな、けれど心優しい聖女みたいな人なんだから、ママさんだって。
カレン「ただいまデスー!」
穂乃花「ね――って、カレンちゃん!?」
私が心構えをする前に、カレンちゃんは勢い良くドアを開いて中に入っていく。
止める間もなく私の手を引いて部屋の中を進むカレンちゃん。
目の前にあるのは広い、リビングのような部屋。
テーブルの周りに置かれたソファーの上に、きらきら輝いている女の人が座っていた。
ぺらぺらと、自然な英語を話して女性は口にし、私達へと振り向く。
正確には英語かも分からなかったんだけど、多分英語のはずだ。
カレンちゃんはイギリスから来たんだから。
多分、この人がカレンちゃんのママさんだよね。
すごく綺麗な人だ。
カレンちゃんに負けず劣らず綺麗な、さらさらとした長い金髪を左右で分け、よくテレビで見るハリウッド女優さんみたいな、お洒落な服を着ている。
更にはスタイルバツグンで、本当にカレンちゃんほどの年齢の子供がいるのかと疑ってしまうほど若々しくて綺麗だ。
カレンちゃんも大人になったらこんなふうに素敵なレディになるんだろうなぁ。なんて、のほほんとちょっと自己逃避。
カレンママ『ホノカ? ああ、あの話によく出てくる子ね。初めまして』
座ったまま丁寧に頭を下げるママさん。
私はつられるように、ほぼ反射的に頭を深々と下げた。
それにしてもカレンちゃん、英語上手だなぁ。当たり前なんだけど。
穂乃花「は、初めましてっ!」ペコペコ
カレンママ『緊張しているみたいね』クスクス
カレン「みたいデス」クスクス
あぁ……素敵な金髪親子が笑い合う光景……すごく、幻想的だ。
二人とも美しくて、まるでお姫様と女王様みたいで……生きててよかった、なんて気持ちもわいてくる。
カレン『ディナーを一緒に食べようと思って。いいデスカ?』
カレンママ『……いいわよ。けど急な話ね。何かあったの?』
カレン「え? えっと……その」
なにやら柔らかい雰囲気から、若干空気が重くなる。
言葉が分からないから状況が読めないけれど、ちょっとまずい場面なのはよく分かる。
焦りはじめる私。
前にいるカレンのママさんの視線が、私とカレンちゃんのつないでいる手に向かっていることに気づいた。
――まさか、付き合っていることがバレたのかな?
緊張しながら、カレンちゃんが何て言うのか待つ私。
視線を泳がせていたカレンちゃんは、やがて決心したかのように私の腕をぎゅっと抱いて、大声で言った。
カレン「付き合っていると言いマシタ」チラッ
――。
えっと、大体私が考えていた通りだったみたいだね。
なにか疑われて、カレンちゃんがそれに答えて――私がカレンちゃんとお付き合いしていると暴露したと。
ドアの前で決心しようと考えてから、まだ一分もしないでこの展開。
私の頭じゃついていけないよ!
カレンママ『……』
内心パニックの私。
私の腕をぎゅっと抱くカレンちゃん。ドキドキと、柔らかい感触の中にカレンちゃんの大きな心音を感じる。
彼女もまた緊張しているみたいだ。
――でも、今は待つしかない。
もう言ってしまったのだ。あとは親御さんの意見を聞き入れるだけ。
長い沈黙。カレンのママさんの鋭い目線が私とカレンちゃんを交互に捉える。
何秒か経っただろうか。比較的長い沈黙の後に、カレンのママさんは口を開いた。
真剣な顔で投げられた問い。
カレン『……違いマス』
それにカレンちゃんは一言でこたえた。
英語があんまり分からない私でも、なんとなく意味は分かった。男性を示す単語が出てきたような気がするし。
カレンママ『んー、男の子の話を聞かないと思ったら……まさか女の子を連れてくるなんてね』
カレン『びっくりシマシタ?』
カレンママ『当たり前でしょ。でも、女の子同士、ね……』
ママさんの視線が私に向けられる。
じーっと、下から上まで品定めするみたいに見られて、私は無意識にもじもじ。
カレンママ『なるほど……可愛い』
カレン「デスよね! あ、ホノカ。今ママ、ホノカのことを可愛いって言ってマシタ」
穂乃花「ええっ!? あ、ありがとうございます」
嬉しいけど……あんな真面目な顔をしてたのに? 冷たそうというかクールそうな人に見えたけど、優しい人なのかな?
カレン『ということで、ホノカとのお付き合いを始めマスノデ』ペコッ
穂乃花(と、とりあえず……)ペコリ
カレンママ『……まぁ、いいわ。相手のことをよく知らない内から家族の恋愛に無闇に口を出す気にはなれないもの』
カレン『ママ……アリガトウゴジャイマス!』
カレンママ『だけど、これから問題があれば遠慮なく言うわよ。今は性別のことを言わないだけで、カレンのお嫁さんってことは後々勉強も必要になるかもしれないし――』
カレン『そっ、それは気が早いような――イエ、でも……分かりマシタ』
……? どうしたんだろう。
付き合ってくれることを認めてくれたような雰囲気だけど、カレンちゃんの歯切れが悪い。顔が真っ赤だし。
カレン「え、と……お付き合いは許されマシタ! それと、これからが大変――かもしれないと」
穂乃花「わーっ、本当にっ? よかったよー」
身体から力が抜ける。
良かった。これでいきなり初日からお別れとかはなくなったね。
穂乃花「あ、そうだ。カレンちゃんのママさんに、大変でも頑張りますって伝えてもらえるかな?」ミミウチ-
カレン「ハ、ハイ。分かりマシタ」
カレン『ママ、ホノカは大変でも頑張りマスって言ってマス』
カレンママ『そう……それなら文句はないわ』
優雅なポーズで私へと笑いかけるママさん。
わわー……カレンちゃんのママさん、本当に綺麗だなぁ。
カレンママ「カレンのこと、よろしくお願いね、穂乃花さん」
穂乃花「はい! ぜひぜひ! ――あれっ?」
素敵な日本語が聞こえたような。
穂乃花「今、カレンちゃんのママさん日本語話したよね?」
カレン「日本語? あっ、忘れてマシタ!」
カレンママ「……気づいてなかったの?」
カレン「全然気づいてなかったデス」
私にママさんの言ったことを伝えたりしてたのに……。癖? それとも緊張のせい?
カレンママ「私は穂乃花さんの様子が面白――いえ、可愛かったから、わざとだけど」
カレン「ママ……」
こういうところは親子なんだなぁ、と思う。
カレン「それじゃあ、私たちは部屋にいマスね」
カレンママ「ええ。二人でごゆっくり」
カレン「ぐっ。行きマショウ、ホノカ」
穂乃花「えっ? うん」
赤面し、そわそわと落ち着きが無いカレンちゃん。
彼女に腕を引っ張られ、私は足を動かす。去り際カレンちゃんママへと会釈し、部屋を出た。
カレンママ『照れてるわね……フフッ、本当に好きみたいね』
最後、ママさんが何か言っていたけど、英語なのもあって何を言っているのかは分からなかった。
至って普通な勉強机、可愛らしいマット、ベッド。
一人の部屋にしてはやっぱり広くて、西洋風な感じで――なんだか、童話とかで出てきそうな部屋にも思えた。
普段のカレンちゃん通り、可愛くて綺麗で……すごく、いいにおいがする。
後回しにしていたけど、入ってすぐ気になったのは部屋の香りだ。
この匂い……カレンちゃんの部屋だ。なんて、当たり前のことを思って感動してしまう。
穂乃花「こ、こここがカレンちゃんの部屋」ソワソワ
カレン「ハイ。えっと――」
部屋に入り、中心辺りで止まるカレンちゃん。
顔の赤みが引き、普段どおりのようすに戻った彼女は私の腕を離すときょろきょろと部屋を見回した。
何か探してるのかな?
カレン「ええと、あそこでいいデスカ?」
お客さんを床に座らせるのも――なんて思ったのかもしれない。
迷ったように視線を巡らせると、カレンちゃんはベッドを指差した。
穂乃花「っ! う、うん! 全然大丈夫!」
カレンちゃんのベッド。
私は頭で考えるよりも早く首を縦に振った。
他に座るところはない。となれば私とカレンちゃんが二人、ベッドに座ることになるのだ。
……うん。わかってるよ? カレンちゃんは全然そんな気がないことは。
でも、カレンちゃんと二人きりでベッドの上。たとえ拍子抜けしちゃうくらい健全であっても、そのときめきを味わってみたい。すっごく。
ベッドに腰掛ける。それだけなのにドキドキと胸が高鳴り、身体がこわばる。
一度大きく息を吐いて吸うと、私はカレンちゃんのベッドに座った。
わー、柔らかい。すごくふかふかだし、寝心地がいいんだろうなぁ。
カレン「ふふ、ホノカ。意識してマス?」
ベッドに視線を落とし、手触りをそれとなく確かめる。
そんなことをしていると、からかうようなカレンちゃんの声が前から聞こえた。
か、カレンちゃんもやっぱりベッドに……私の近くに。
あわわ……まさか初日でこんなシチュエーションになるなんて。
早すぎる気がする反面、喜んで受け入れてしまいそうになる自分もいる。
緊張するけど――でも、カレンちゃんが望むなら私は受け入れる覚悟だよ! よし!
決心。表情をキッと引き締めて、私は顔を上げた。
見えたのは勉強机の椅子をベッドの横に配置し、座るカレンちゃん。
――ううっ! ここまでがうまくいきすぎたみたい……!
カレン「……? どうしマシタ?」
カレンちゃんはきょとんとした顔してるし、意識してるの私だけ?
ああっ、でもそんな顔もすごく可愛い!
穂乃花「ここ、座らないの? カレンちゃん」トナリヲテデポンポン
カレン「エエッ!?」
穂乃花「――はっ!?」
やっちゃった!? カレンちゃんの可愛さに、つい口が……!
でもグッジョブと思う私もいる。
息苦しさすら感じる緊張と不安の中、椅子に座ったカレンちゃんは頬を赤くさせ、言った。
カレン「わ、分かりマシタ……」コクリ
私、グッジョブ!
カレン「……」
ほんのりと頬を赤く染め、ベッドに座るカレンちゃん。
椅子は勉強机の前に戻したみたい。
緊張した様子の彼女を見ていると、私の緊張もまた強まる。
隣に来るように示したけど……これからどうするべきなんだろう。
お互いに黙っちゃったし。
不安だけど――私がここに誘ったんだ。私がリードしないとね。
よし、お話だね。なにか……そう、学校のお話をしよう。
手近な目標設定。こくりと一人頷いて、私はカレンちゃんの方へと顔を向けた。
膝の上で握られている彼女の手を取り、口を開く。
穂乃花「……カレンちゃん」
カレン「ハ、ハイ……ッ」
すると何故かカレンちゃんが目を閉じて、顔を少し上へと向けた。
身体をきゅっと縮こませて、思い切った様子で――まるで、キスを待つような仕草。
……えっ? しても、いいの? そういう流れだったのっ?
で、でも確かにそういう流れだともとれなくもないよね。
動揺しながら私はカレンちゃんの顔を見る。
目を閉じ、顔を私へ向けるカレンちゃん。その姿は眠り姫を彷彿とさせる美しさで――す、すごく、可愛い。写真に撮って保存したい。
――いい、よね? カレンちゃんは何度か私にキスをしてくれた。
なら、私からしても問題ないはず。
考えていたこととは違うけど……むしろ嬉しい。
だんだんと朱に染まるカレンちゃんの頬。私も自分の顔が赤くなるのを感じながら、ゆっくりと顔を近づけた。
カレンちゃんの手を握り、片手を彼女の腰へ。
身体を寄せ、顔を間近に。
目を閉じるカレンちゃんの表情を改めてしっかり見つめる。
今は私がカレンちゃんの恋人。この唇も、カレンちゃんも独り占めにできるんだよね。
喜びを噛み締め、私は顔をわずかに斜めにし、カレンちゃんと私の唇を重ねた。
時間をかけたからだろう。カレンちゃんは不意をつかれたみたいで、私の唇と触れると息をもらした。
柔らかい。いいにおいがする。私の五感すべてをカレンちゃんが占めるような幸せな感覚。
彼女の口からもれる声も、普段とは全然違って思えた。
キスって、こんなにすごいんだね……遊園地の時もすごかったけど、二人きりだとなおさらすごい。
この世のものとも思えない感覚に自分が自分を見失ってしまいそうだ。
穂乃花「はぁ……」
カレン「ん、ホノカ……」
息苦しくなる前に私達は唇を離した。
お互いに、身体を寄せたまま自分の唇に軽く触れる。
私は遊園地でのキスが初めてだったけど、カレンちゃんはどうなんだろう?
彼女の様子を見ていると、私と同じように驚いてくれているみたいだけど――気になっちゃう。
私が一番……がいいな。
ちょっと乱れた息を整えると、私はカレンちゃんへ顔を寄せる。
カレン「ハ、ハイ……ドウゾ」
頷いて微笑するカレンちゃん。
私がキスをしようと顔を近づけると、カレンちゃんは目を閉じてそれを素直に受け入れてくれた。
穂乃花(もっと……)
友達、家族――もっと、それ以上の、カレンちゃんの特別になりたい。
ベッドに座ることで緊張していた私はどこにいったのやら、私は意図的にもう一歩、先へと踏み込んだ。
腰に当てていた手を、カレンちゃんの顔に添える。
そのままゆっくり撫でるように頭の後ろに。金髪に触れ、カレンちゃんの頭を自分へと寄せる私。
カレン「――んっ!?」
驚いたように目を開くカレンちゃん。
私はクスッと笑い、そのまま唇を重ねた。
二度目の口づけ。それでも一回目とまったく変わらない幸福感で、けれどもっと欲しくなって――私はなにかの見よう見真似でカレンちゃんの口の中へ舌を入れた。
ちょうどカレンちゃんから声がもれたタイミング。
案外すんなりと口内へ侵入した舌へ、カレンちゃんは驚いたみたいだった。
けれどすぐに私の意図を理解してくれたみたいで、口を開き舌を差し出してくれる。
目をキュッと閉じるカレンちゃんを見て、私もまた自然と目を閉じる。
ゆっくりと、私は思うままカレンちゃんの舌を自分のものと絡めていく。
真っ暗な視界の中、私の声とカレンちゃんの声、吸い付くような音、小さな水音のようなもの――聴覚だけでも私は自分が興奮して、理性を失くしていっているのがよく分かった。
加えて、キスの感触。唇と舌に走る、身体にぞくぞくとくる快感。
ぬるぬると、柔らかい舌に触れ、私とカレンちゃんが一つになっているような、熱く融け合うような感覚。
幸福感はあるのだけど、これはただのキスとはまた意味が違うような気がした。
カレンちゃんの舌と自分の舌を絡め、時折彼女の舌を吸うように刺激する。
その度に握っている彼女の手に力が入り、頭を支えている手からは、カレンちゃんの身体が揺れていることが窺い知れた。
私が、カレンちゃんを気持ちよくしてあげられている。
ちょっとだけかもしれないし、勘違いかもしれない。
でも、反応してくれていること、抵抗しないということが嬉しかった。
勿論、カレンちゃんとそういうことがしたいっていう自分の欲求もある。今こうしているだけでも、気持よくて我を忘れそうだ。
けれどそれ以上に、カレンちゃんの声が聞きたい、気持よくなってもらいたい想いが強かった。
カレン「ぁ、んっ、う――ぷぁっ」
ちょっとずつ、カレンちゃんも自分から舌を絡めてきてくれている。
――でも、まだ足りない。もっと欲しい。
穂乃花「っ、じゅる、カレン……ちゃん、ん」
カレンちゃんの舌を一度吸うようにして唇を離し、そしてまた深く唇を重ねる。
段々と私が前のめりに、カレンちゃんが後ろへ。ついには押し倒してしまうのでは、なんて体勢になった時だ。
カレン「ん――ふぉのか、っ、ん」
カレンちゃんが私の肩をトントンと軽く叩いた。
まだまだしたい――なんて考えすら頭に浮かばず、ただ求めるままキスをしていた私は、ようやく我に帰る。
……本日二回目、遊園地でのを入れて三回目。三回目でこの進展っぷり……明らかにやりすぎた。
今更ながら思った私は、すぐに唇を離す。
舌と舌が糸を引いていて――カレンちゃんのトロッとした目で舌を出した顔を見た瞬間、理性がまたクラッときたけど、ここはグッと我慢。
うん、ファインプレー。ここは自分を褒めてもいいよね。
カレン「はぁ……はぁ。どこで、息をしたらいいか分からなくて、苦しかったデス」
息を切らせ、私の手に寄りかかるようにしてぐったりするカレンちゃんが弱々しく言う。
そうだよね。私は主導権を握ってたから好き勝手にしてたけど、カレンちゃんはそうもいかない。
うう……自分勝手すぎた。
カレン「ホノカ……激しすぎデス。今度からはもっとソフトめからお願いシマス」
穂乃花「あぅ、本当にごめんね」
私はしょんぼりと肩を落とし、謝罪。
うん、今度からはもっとソフトめから――ん?
穂乃花「ソフトめから?」
カレン「ハ、ハイ……。その、愛されてるって分かって……苦しかったデスケド、気持ち、良かったデス、カラ」モジモジ
恥ずかしいのか、とぎれとぎれになりながら言うカレンちゃん。
上目遣いに、弱った様子で言われる言葉は破壊力抜群だった。
穂乃花「うん、今度は気をつけるよ! 絶対に!」ドクドク
カレン「ホノカ、鼻血が出てマス」ジトー
危ない危ない。このままだとまた突っ走って無限ループに入るところだったよー。
カレンちゃんと二人きりの時は気をつけないと。
鼻血をティッシュで拭いてから少し。
若干雰囲気がギャグっぽくもなったけど、カレンちゃんが緊張した様子で私へと問いかける。
カレンちゃんから、キス……何回か経験はあるけど、こうして真面目な、二人きりの場面では初めてだ。
穂乃花「う、うん。カレンちゃんがよければ、ぜひ……」
カレンちゃんが自ら。
私ほど激しくはないだろうけど、どんなことを……。今からドキドキである。
カレン「じゃあ……はじめマス」
私の隣、同じようにドキドキした様子のカレンちゃんが私へと身体を寄せる。
すすっと移動し、私の脚の上に座り――彼女は甘えるように私へと背を預けた。
私より身長が低いカレンちゃんは自然と私を見上げる体勢になるわけだけど――今回は違う。
私が上を見る形で、彼女は身体を斜めに、私の片方の肩に手を付き、顔を近づける。
そして私の首筋間近で名前を囁いた。
息がかかる、くすぐったい感覚。ぞくぞくと身体を震わせる私の頬に、カレンちゃんの手が添えられた。
カレン「ん……」
そして、カレンちゃんがくちづけを交わす。
最初はソフトめと言っていたのもあり、軽く触れるだけのキス。
けれどもこのシチュエーション。思ったよりも敏感に反応してしまう自分がいた。
カレン「好きデス……ホノカ。んっ、う」
身体を密着させ、カレンちゃんは甘えるように何度も口づけを繰り返す。
その度に私への愛の言葉を囁き、うっとりとした目でこちらを見つめてくる。
キスの感触に、カレンちゃんの甘い言葉、声。
――なんだか、馬鹿になりそうなくらい幸福な時間だった。
カレン「ホノカ……。可愛いデス」
唇が音を立てる。
カレンちゃんは止める気なし。むしろ私が恥ずかしがっているのを見て、目を細める。
さっきのお返しだと言わんばかりだ。
カレン「大好きデス……愛してマス」
ストレートな愛のことばの数々。
それだけでも私の心を揺らすには充分だというのに、カレンちゃんの口づけも加わって……。
さっきのキスもあれだったけど、こうしてべったり甘えられてキスするのも、すごく……興奮、する。うん。
カレン「ホノカ……」
顔を間近に、見つめ合う私達。
私はカレンちゃんの身体に手を回す。私よりも小さくて、華奢な身体。
うう、カレンちゃんとこんな関係になれるなんて。夢みたい。
穂乃花「もう一回……」
気持ちを抑えることができない。
私はまた、彼女へくちづけをしようと顔を近づける――のだけど。
カレンママ「ご飯できたわよー」
ドアがノックされた瞬間、パッと手を離し、顔を遠ざける。
自分でも驚くくらいの反射神経で、カレンちゃんのママが入ってくる前になんとか怪しまれないようにしようとするけど――カレンちゃんが私の膝の上に座っているこの光景は、多分すごくいかがわしいだろう。
姉妹ならともかく、同級生だし……。
カレンママ「用意はしてあったから。……あら?」
当然の如く注目されてしまう。
私の膝の上に座るカレンちゃん。不自然に広げた私の手。
カレンちゃん、多分私も顔を赤くさせていて、なにをしていたのかは察しがついてしまうだろう。
カレンちゃんのママは少しの間ジーッと私達を見て、
カレンママ「ふふ……仲良しね」
微笑ましいものでも見るように優しい目をした。
不純なことがあったと思われているのかは――よく分からない。
穂乃花「うん! すっごく仲良しだよー」
カレンママ「……さて、カレン。早めに来るのよ」パタン
カレン「勿論デス! さぁ、ホノカ、行きマショウ」
すっかりいつも通りに戻った様子のカレンちゃん。
今すぐ行くつもりなのか、カレンちゃんのママが部屋を出ると、私の膝から降りて床に立つ。
穂乃花「うん。カレンちゃんのママの料理……楽しみ」
カレン「ママ料理上手デスカラ、期待してくだサ――」
元気にドアへと向かおうとするカレンちゃんだけど、何故かぴたりと動きが止まる。
カレン「――あ。ホ、ホノカ。ちょっと部屋から出ててもらえマスカ?」
穂乃花「え? いいけど、なにかあったの?」
カレン「何もないデスヨ! 気にしないでくだサイ!」ブンブン
スカートを押え、首を勢いよく横に振る。
……よく分からないけど、カレンちゃんが気にしないように言ってるし、そうするべきかな。
穂乃花「分かった。じゃあ外で待ってるね」
頷いて、部屋から出て行く。
学校の廊下よりも広いであろう廊下に立ち、カレンちゃんを待つことに。
なにも聞かないようにしたけど――カレンちゃんどうしたんだろう? うーん、分からない。
時間にして数分。それほど長くもない時間でカレンちゃんは部屋から出てきた。
カレン「さぁ、行きまショウ!」
特におかしなところはないんだけど、やっぱり気になる。
でも訊くわけにはいかないよね。
頭を悩ませつつも、私はカレンちゃんに手を引かれ食堂へ。
立派な食堂で出された料理は、素晴らしい味で――私は改めて、身分の差を思い知らされたのだった。
身分というか、生活というか……とにかく、私とは別世界だよね。
そんなカレンちゃんと恋人になれたんだから、がんばろうという気持ちでいっぱいだ。
とりあえず、カレンちゃんをがっかりさせないように勉強しておかないと。キスとか、そういうものの。
初日でここまで進むとは思ってなかったから、すっかり勉強不足だ。
キスの後、どうすればいいのかとかしっかり勉強して、
穂乃花(そして楽しくて甘い恋人生活を……!)
カレン『ホノカ、私にキスしなサイ』
だとか、
カレン『ホノカ。あなたは私のものデス』
だとか。
――嗚呼、いつもと違う妄想だけど、これもこれで。
穂乃花「えへへへ」
帰り道。家のドアを開けながら、私はにやける。
その日の日記は後日読み返しても分かるくらい浮ついた内容だった。
【今日はここまでです】
あの後、カレンちゃんとは手をつないで一緒に帰ったり、お話したり、付き合う前と同じような平和な日常が続いた。
それだけでもとっても幸せなんだけど――カレンちゃんのことを考えると、時折カレンちゃんの家でのことを思い出してしまう。
今までしたことのない経験。
いやらしいと言えばそうなんだけど、もっとこう――自分が満たされるような感覚、って言うのかな。
それを味わえるようなことは他にはないだろう。
したいけど、でも、私達は高校生。そういうことは控えておくべきだよね。
というわけで私は例の勉強だけにとどめて我慢することに。
勉強という名目でインターネットのサイトや本を見始めたけれど、思った以上にそのジャンルは広かった。
三大欲求の一つなだけはあるよね。汚れてないとはっきり言えないけど、自分が汚れていく――なんて言葉が思い浮かぶくらいだ。
本当に色々種類があったんだけど、自分にはレベルが高いため、結局は通販サイトで女の子同士のそういう本を注文して読むだけに留まった。
それでも、私の意識というか、日々の視点は変わったような気がする。
それがいいことなのか悪いことなのか。私には分からない。
忍「あ、穂乃花ちゃん。もう来ていたんですね」
旅行当日。私が待ち合わせの公園前で立っていると、忍ちゃんとアリスちゃんがやって来た。
声の方向へ顔を向ける私。仲良く並び、大きめの荷物を持っている二人が歩いていた。
私服姿の忍ちゃんは何回か見たけど、相変わらず可愛い。そして個性的だ。
アリスちゃんも勿論可愛い。彼女の雰囲気によくマッチしたふわふわした女の子らしい服である。
なんとなく目が行き、二人の服装を確認。そして笑顔を浮かべる。
穂乃花「二人とも。おはよう」ニコッ
アリス「うん。おはよう、ホノカ」
忍「おはようございます」
いつものように挨拶。三人で待ち合わせ場所に立つ。
穂乃花「あはは……色々考えてて。あと、ずっと楽しみにしてたんだー」
ちらっとこちらを見上げるアリスちゃんへ苦笑を返す。
勉強のせいで悶々してた、なんて言えない。
忍「分かります、穂乃花ちゃん」
そうなんだ、と返事をするアリスちゃんの隣、忍ちゃんが真剣な声音で言った。
忍「私も、ずっと……ずっと、楽しみにしていました……!」ゴゴゴゴゴ
――なんだろう。忍ちゃんからオーラが見える。
忍「アリス、カレン……金髪少女と一緒にお風呂……この機会を何度待ったことか……」
アリス「シノ……なんでそこまで……」センリツ
穂乃花「お風呂? ――あっ!」ハッ
温泉。となればカレンちゃんと一緒にお風呂というわけで。
ああっ! 今までそれ以外のことで頭がいっぱいだったから、そんなこと思いもしなかったよ!
そう考えると忍ちゃんのこの気合いの入れよう、納得だ。
忍「勿論です!」グッ
アリス(ホノカ……カレンを見られてもいいのかな……)
力強く握手を交わす私と忍ちゃん。その間に挟まれたアリスちゃんは困り顔。
綾「――だからこんな早く集合場所にいたのね」
そこへ、もう一組の友達が。
呆れた様子の綾ちゃん。そしてその隣で眠そうにしている陽子ちゃん。
やっぱり二人とも仲良しなんだなぁ、とちょっと微笑ましい気分。
忍「あ。綾ちゃん。陽子ちゃんも。おはようございます」
握手を解き、私と忍ちゃん、アリスちゃんが挨拶。綾ちゃん、陽子ちゃんもそれぞれ挨拶を返し、私達三人の前に。
陽子「うっ、悪かったって。私だって楽しみにしてたんだぞ? 楽しみにしすぎて寝られなかっただけで」
忍「気持ちはよく分かります、陽子ちゃん」
アリス「シノ、昨日は七時には寝てたような……」
穂乃花・陽子『早い!』
綾「相当気合いが入ってるみたいね……」
陽子「私とはまた違うベクトルだな」
呆れた様子の二人。
流石は忍ちゃん……金髪愛は計り知れないね。ごくり。
忍「私の悲願、その達成のためならばえんやこらです」ペカー
穂乃花「忍ちゃんが眩しい! すごく輝いてるよ!」
陽子「私にはすごく鈍い光に見えるけど」
綾「私も」
いつもよりテンション高めに会話をしているとカレンちゃんが一番最後に到着。
ミニスカートにヒラヒラした可愛らしいブラウス、ネクタイ、白のニーソックス……嗚呼、カレンちゃんは今日も綺麗だ。一目見たただそれだけで幸福感を得ることができる。
穂乃花「カレンちゃん、おはよう」
四人『おはようー』
全員で挨拶。カレンちゃんは勢いよく私達のところへと走ってきて、そのまま私の腕に抱きついた。
カレン「もうみんなおそろいデスね」
忍「楽しみにしていましたからね」
綾「中々こんな機会ないし……」
穂乃花「そうだよね。私もすごくわくわくしてるよー」
カレンちゃんが来る前もそうだけど、特に今が。
どれだけカレンちゃんと一緒にいようと、カレンちゃんの身体が触れるこの感覚はなれそうにない。
カレン「フフ、良かったデス。では早速行きマショウ!」
アリス「そういえば聞いてなかったけど、どうやって行くの?」
カレン「車デス! すぐ来るので待っててくだサイ」
車、かぁ……。
思えば忍ちゃんたちと遠出するのは初めてだよね。カレンちゃんとも勿論そうだけど、この機会に忍ちゃんたちとも仲良くなりたいなぁ。
穂乃花(よし……頑張ろう!)
みんないい人ばっかりだし、うまくいくよね。
私はカレンちゃん以外にも、カレンちゃんのお母さんや忍ちゃん、アリスちゃん……普段プライベートなことをじっくり話したことがない人達と色々お話をした。
これこそ、休日だからできること。部活動をしていなければもっとこんな機会があったのかなぁ、なんて思ってしまうけど――テニスも同じくらい楽しいこと。いっぱい楽しいことがあって幸せだってことだよね。
穂乃花「――うーんっ。着いたねー」
旅館前。車内から降りると、伸びを一つ。
荷物を背負い、旅館を見てから後ろを振り向く。
忍「……そうですね。テンションが上ります」
そこにはどう見てもテンションがダダ下がりしている忍ちゃんがいた。
死にそうな顔をして両手でガッツポーズを作る彼女は……なんだろう。すごく可哀想。
陽子「しの。別に温泉がすべてじゃないだろ?」
綾「そうよ。他にも楽しみはあるじゃない」
アリス「ご飯とか、おみやげとか、観光とか」
忍「あはは……元気ですよ、私は。ほらこの通り」ヘニャ
全員(倒れそう……)
みんなで必死に励ましてるけど、全然効果がない。
忍ちゃん、本気で楽しみにしてたんだろうなぁ。まさか客室にある露天風呂だけの旅館だとは。
広さの関係でアリスちゃんに一緒に入るの断られてたし……忍ちゃん、気持ちは痛いくらいに分かるよ。
対してカレンちゃんのテンションは相変わらず。忍ちゃんの周りに立つ私達の前で、はしゃいだ声を出す。
荷物が入っているであろうキャリーバッグをコロコロと転がして、両親さんたちに続いて旅館の中へ。
穂乃花「忍ちゃん。これからきっといいことがあるよ」
忍「穂乃花ちゃん……ありがとうございます。時間があったら観光している金髪少女探しをしましょうね」ニコリ
アリス「いい笑顔なのに……」
陽子「まぁまぁ。しのらしいじゃん。ほら、行こう」
綾「そうね。せっかくの旅行だもの。楽しまないと」
なんとかいつもの雰囲気に戻ったかな。
ほっと一安心。私達は歩き出した。
カレン「あ、ホノカー! ホノカはこっちデス!」
旅館の中に入ると、カレンちゃんが手招き。
『私は』? どういう意味か分からず、横にいるみんなを自然と見る。
アリス「あわわわ、カレンったら……」
陽子「……?」キョトン
綾「穂乃花……頑張って」ガッツポーズ
穂乃花「え? ええっ?」
どうにも意味が分からないけれど、私だけが行く空気である。
首をかしげながら私はとりあえずカレンちゃんのところに向かう。
穂乃花「――あ!」
と、そうしたところでピンときた。
これもしかしなくても、そういうこと……?
カレン「さぁ、ホノカ、行きマショウ。みんなは隣の部屋デス」
穂乃花「や、やっぱりー!」
カレン「ど、どうしマシタっ?」
待ち望んでいたといえば待ち望んでいたけど、まさかみんなとの旅行の最中でそんなことになるなんて!
それにご家族の人もいるのに――って、そういうことは、公認!?
穂乃花「ごごめんねカレンちゃん。許容範囲を軽く超えてきて頭が――」
カレン「ホノカ、顔真っ赤デス」クスクス
穂乃花「カレンちゃんこそ……ええと、いいの? みんなといなくて」
後ろを振り向く。
が、私の心配なんて杞憂だと言わんばかりに微笑ましそうに見ているみんなが。アリスちゃんは微妙そうな顔をして苦笑してたけど。
穂乃花(ここまでの据え膳……男――じゃなかった。女の子でも、退いたらだめだよね)
うん。ここは流れに身を任せることにしよう。
優柔不断のようにも聞こえるけど、しっかり考えてるよ。時には流れ通りいくのも大切なのだ。
いつももそうだけど、それ以上に楽しい時間だった。
こういう時間はやっぱり大切なんだと思う。
ずっとみんなと遊んでいたい。そう思える人達に出会えた。私はすごく幸せ者なのだろう。
穂乃花「……さて」
時間はあっという間に夕方辺り。
暗くなりはじめた空を見上げ、私は一人頷いた。
カレンちゃんといるんだから、ちょっとは二人の時間も作らないと。
穂乃花「カレンちゃん」
そろそろ帰ろうかと道を歩いている途中。
旅館が見えてきたところで、私は口を開く。
綾(これは、穂乃花が勇気を出して……!)
穂乃花「二人でお散歩とか……どうかな?」
綾「ホ、ホノカ……!」ジーン
陽子「片言片言」
カレン「勿論いいデスよ! みんな、先に戻っててくだサイ!」
忍「はい。ご飯までには帰ってきてくださいね」
アリス「知らない場所なんだから、迷子にならないようにね」
陽子(お母さんか二人とも)
カレン「大丈夫デスヨー。ホノカもいマスし」
穂乃花「多分大丈夫だよー。携帯電話もあるから」
よほどのことがない限りここで、この条件で迷うことはないだろう。フラグなんかじゃないよ。
忍「頑張ってください、ふたりとも!」
陽子「仲良くねー」
みんなに見送られ、私達は来た道を戻っていく。
道の両脇にはお店があって、人がちらほらと見える。
時間が時間なだけに、旅館へと戻る人とか家に帰る人が多いみたいで、昼よりは落ち着いた感じ。
穂乃花「カレンちゃん、この旅行に誘ってくれてありがとう」
カレン「いえいえ。誘ったのは私デス。それにホノカと来たかったデスカラ……」
言って、私の手をにぎるカレンちゃん。
照れくさそうな顔をしている彼女を見ると、私は本当に彼女のことが好きなんだと感じる。
穂乃花「私も誘われてからずっと楽しみにしてたよ」
カレン「一度断りマシタけど」
穂乃花「うぐっ、そ、それは……」
カレン「冗談デス」
穂乃花「カレンちゃん、心臓に悪いよー」
あれは家族旅行に私だけ乱入することになるから断っただけで――って、カレンちゃんそのこと分かってたんだし、少し考えればからかってたことなんてまるわかりだよね。
穂乃花「あそこ?」
不意に指差された先を見る。なんだか時代劇で見そうな和風な茶屋だった。
穂乃花「うん、いいよー。なにか飲んでいこっか」
ご飯前だから食べ物は控えておこう。
のんびりと歩いて、長い椅子に座る。すぐに店員が私達の近くへ来て、注文。
抹茶とクリームの冷たい飲み物を二人していただく。
穂乃花「ふー……フローズンみたいで美味しい」
カレン「本当デス」
一口のみ、にっこりと笑い合う。
どこかで流れる水の音。あちこちのお店から聞こえる小さな物音。
ゆったりとした街の雰囲気とともに、お茶を楽しむ。その隣にはカレンちゃん。
本当、幸福な気分だ。
カレン「抹茶を見ると、思い出してしまいマス」
穂乃花「抹茶? あ……」
思い出す。
カレンちゃんがいつもと違う行動をとったきっかけ。それは抹茶のお菓子をアリスちゃんにあげたことだった。
ちょっと前のことなのに、ずいぶん昔に感じるものだ。
カレン「ハイ。ホノカがアリスにお菓子をあげて……」
カレン「私はあの時、ちょっとムキになってたのかもしれないデス」
目を細め、幸せな過去を振り返るようにカレンちゃんは語る。
カレン「ホノカをとられたくない。それだけで、告白して……」
カレン「あの時は勢いだけだったかもしれないケド……でも、今も後悔してマセン」
穂乃花「カレンちゃん……」
アリスちゃん、見事カレンちゃんの気持ちを言い当ててたんだね……幼馴染ってすごい。
カレン「ホノカ。私はホノカとずっと一緒にいたいと思ってマス」
穂乃花「うん。私もだよ」
カレン「デスガ、これから色々大変かもしれマセン。それでも、大丈夫デスカ?」
カレンちゃんのまっすぐな目を向けられ、私は真面目に考える。
色々。カレンちゃんのご両親は外国の人だし、日本では女の子どうしの恋愛は珍しいし……私が考えている以上に困難なことがあるんだろう。
――でも大丈夫。
私は一人で悩むわけでも、選ぶわけでもない。
勿論一人でなんとかしないといけない時もあるだろうけど、そうする時も決して一人じゃないんだ。
傍に大切な人がいるなら、私はどんなこともできるだろうと断言できた。
それはきっと過信なんてものじゃなくて、当然のこと。
だって、私の目から見たみんなはとっても素敵な人達だから。だから、信じられるんだ。
みんなのことを。私のことを。
穂乃花「私、頑張ってカレンちゃんを幸せにできるようにするよ」
カレン「……ホノカ」
カレンちゃんはクスッと笑い、私のすぐ横に。
そして私にちょっと身体を寄りかからせると、小さく呟いた。
カレン「私はもう幸せデス」
なら、もっと幸せに。
私は心の中でちょっときどって返した。
旅館といえばとにかく種類を多く取り揃えた小皿メインの料理を想像する人が多いだろう。
けれど私達の泊った旅館は違う。
まずお鍋。具材が最初から入っていて、煮込むだけのよくあるタイプのお鍋だ。
ここだけ聞けば、小皿メインでもよくある一人分の小さい鍋を想像する人も多いはずだ。
でも違った。私とカレンちゃん、忍ちゃん、アリスちゃん、陽子ちゃん、綾ちゃん。
大きな鍋には六人分にしてはちょっと少なめな具材が入っており、お肉をはじめ白菜、きのこ類をふんだんに、醤油味のつゆで煮込む。
まずご飯なしで、刺し身や天ぷらとともにこのお鍋を楽しみ、そして最後にご飯。
このシメがすごかった。鍋のシメでご飯といえば、雑炊風にするのが一般的。
でもここは鍋に出汁を入れ、卵等など、見ているだけじゃ分からなかったけど鍋で簡単な茶碗蒸しのようなものを作って、具が混ざったつゆだくのそれをご飯に――
カレン「ホノカ?」
穂乃花「――ふえっ?」
間近で声が聞こえ、私はぱちくりとまばたき。
ちょっとして今の状況を把握。
あれから旅館に帰ってみんなでご飯を食べて、それからお風呂に入って――で、
穂乃花(現実逃避してたんだよね……)
現在、カレンちゃんと布団の上に座っている。
布団は二つ。今はそれぞれの布団の上にいるんだけど――ねぇ? そういう流れだよね?
きっとキスだけじゃすまなくなる。勉強した知識が私にそう語っている。
前は決意していたけど、実際その場面になると緊張してしまう。思わず現実逃避しちゃうくらいだ。小難しい口調で。
穂乃花「……すぅ、はぁー」
覚悟はした。あとは私が勇気を出すだけだよね。
深呼吸。私は目の前にいるカレンちゃんを見つめ、
穂乃花「カレンちゃん、その……一緒に寝ても、いい……かな?」
しどろもどろになりながらもなんとか口にした。
――よかった。断られたらどうなることか。私の心が。
顔を赤くさせ、頷くカレンちゃん。どういう意味かは分かっているみたい。
カレンちゃんの許可をもらっても緊張はおさまりそうもない。
でも、いつまでもぼんやりしてるわけにはいかない。私は立ち上がると、明かりのスイッチに近づいた。
穂乃花「それじゃあ、明かり消すね」
スイッチをオフ。
明かりが消え、部屋を月明かりだけが照らす。
それだけでも充分に部屋の様子は目に見えた。
穂乃花「えっと……痛かったりしたら、すぐに言ってね?」
この日のために学んできた。私がリードしないとね。
カレンちゃんの近くに座り、私は言う。カレンちゃんは小さく頷いて、布団の上に仰向けに寝た。
カレン「ハイ……」
穂乃花「はじめるよ」
月明かりに照らされたカレンちゃん。
浴衣を着た彼女のその姿は言葉にできないような美しさだった。
カレンちゃんの頭を撫で、私は顔をゆっくりと近づける。
まずは軽く口づけ。
数秒触れ、離す。
互いの吐息がかかる距離。段々と緊張よりも気分の高揚が勝ってくるのを私は感じた。
再度、口づけ。今度は深く、手はカレンちゃんの胸に。浴衣の上から撫でるように触る。
カレン「んっ、ぁ! ……ん、ぷぁ」
穂乃花「ちゅ……っ、カレンちゃん」
カレンちゃんの身体が反応しているのが分かった。
舌を絡め、水音が立つ。カレンちゃんの口からは時折声がもれ、身体が震える。
痛がってはなさそうだ。私は一度唇を離し、着物の中へ手を入り込ませる。
カレンちゃんの膨らみ。手にちょうどおさまるようなサイズのそれを、手で揉んでみる。
気持ちいい。触れている私がそう思ってしまう、心地いい感触。柔らかな感覚とカレンちゃんの反応を楽しんでいると、そこに硬い感触もあることに気づく。
カレン「ん、あ……ふぅ、はっ、ぁ」
見えないけどそれがなんだかは分かる。
私はそれを指で軽く、挟むようにして刺激。カレンちゃんが身体を跳ねさせ、私の顔を見ると恥ずかしそうに目を逸らす。
可愛い。もっと、カレンちゃんの声を……。
考えるよりも早く、私はカレンちゃんの浴衣の帯に手をかけた。
ゆっくりと丁寧に帯を外し、脱がしていく。
露わになるカレンちゃんの身体。
私が想像するよりももっと綺麗で、普段の彼女とはかけ離れた姿に、興奮を感じてしまう
これほど文句のつけようのないスタイルなのに、カレンちゃんはもじもじと恥ずかしそうに身体を隠そうとする。
ちらりと脚の間、微かに濡れたそこが見えたけど――あんまりカレンちゃんを恥ずかしがらせていじめるのはよくないよね。
穂乃花「――綺麗だよ、カレンちゃん」
くすっと笑い、私はカレンちゃんの胸を隠す手を握る。
そのまま軽く持ち上げ、私は彼女の胸の突起に唇をつけた。
カレン「ホ、ノカ――あっ!」
抵抗はなかった。
カレンちゃんの甘いかおりを鼻に感じながら、私は乳首を吸ったり、舌で舐めたり思うままに責める。
その度に身体を反応させて、声を上げるカレンちゃんが可愛らしかったし、嬉しかった。
敏感らしいカレンちゃんの反応。存分に堪能した後、もう片方の胸を責めていた手を、カレンちゃんの下半身、脚の間に。
ぬるっとした感触。先程見えた時よりも濡れていることは明白だった。
穂乃花「カレンちゃん……かわいいよ」
カレン「あう、そんなこと、言わ、ぁ――っ!」
咄嗟に脚を閉じようとするカレンちゃん。
けどそれはほぼ無意味に近い。脚を閉じられても構わず、私は秘部へ添えた手を外側を擦るように動かす。
それまでの声とは違う声音で、カレンちゃんが喘ぐ。反応も大きい。
もうなにがあっても止められない。
キス。うまく舌を動かせないでいるカレンちゃんの口内を貪るように味わい、指を浅く中へ。
とろんと、蕩けた目を向けられ私の思考能力が下がっていくのを感じた。
増えていく愛液が音を強める。最初は微かな音だったのに、今はカレンちゃんの声に混ざって耳に届くほど。
でも、もっと。限界が近いであろうカレンちゃんを見つめ、私は指を動かす。
カレンちゃんの反応が大きくなり、身体が弓なりに。ぐっと身体に力が入り――
カレン「あぁっ! んっ、う――ぁ、ホノ、カ――!」
そして、弛緩。
達した――のだろう。ぐったりとカレンちゃんが布団の上に寝そべる。
……良かった。途中からまた暴走気味になっちゃったけど、問題なかったみたい。
指を抜き、荒い呼吸を繰り返すカレンちゃんを見つめる。
これが本当の……世の恋人はこんなことをしてるなんて。すごすぎてくせになってしまいそうだ。
――って、思ってる場合じゃない。
穂乃花「カレンちゃん、大丈夫?」
カレン「……ハ、ハイ。思ったよりもすごくて……」
カレン「疲れマシタ」グッタリ
まぁ……そうだよね。初めてことだし。
苦笑し、私はカレンちゃんの隣に寝転がる。
穂乃花「……うん。私も幸せ気分だよ」
カレンちゃんの普段見れないえっちな姿を存分に見れて――なんて口には出せないけど、私は笑顔で答える。
カレン「これで、ホノカはずっと私と一緒デスね」
穂乃花「――ううん。告白した時から、ずっとそのつもりだよ」
カレン「そう、デスか……ホッとしマシタ……これ、で――」
穂乃花「……カレンちゃん?」
言葉が途中で途切れ、心配になってしまう。
慌てて隣を見れば、寝息を立てて眠るカレンちゃんの寝顔がそこに。
寝ちゃったみたいだ。とりあえず浴衣を着せておき、帯は放置。私も寝ることに。
ちょっとは私もカレンちゃんに追いつけたのかな。
なにかの物語のヒロインみたいな、きらきらしていてあたたかい彼女みたいに。
私を照らしてくれる彼女みたいに。
穂乃花「太陽みたいなあなたと」
――大丈夫だよね。
カレンちゃんが、みんながいるなら私は迷わない。
まっすぐ進んでいける。その先がどこにつながっているのかは分からない。
でもこれだけは分かるんだ。
私は幸せになれる、って。
カレンちゃんを幸せにできる、って。
目を閉じる。
ほんのすこし前までは考えられもしない日々。
幸福な毎日を私は噛みしめるように思い返す。
そのどれにもカレンちゃんがいて――やっぱり私にとっての太陽、欠かせない大切な人なのだと、そう思った。
遅れました。
これにてこのSSは完結です。
つぎはがっこうぐらしでめぐねえを主人公にマルチエンディングで書いてみようかと思いますが――あくまで予定。
純粋な百合になるのかも分かりません。
では、寝て起きたらHTML化依頼を出しときます
お疲れ様でした、これからも面白いSSを書いてください
本編でも穂乃花がカレンにとって特別な存在になるといいなぁ…
乙
待っててよかった
最高のSSをありがとう
穂乃花は七巻に載ってるキャラット出勤分の漫画といい一気に台頭してきたと思う
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429985679/
Entry ⇒ 2016.05.28 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)
【きんいろモザイク】忍「金髪の人は陰毛も金色って本当ですか?」
※「おしえて!ギャル子ちゃん」的な下ネタを含むので注意
綾「」ブーッ
綾「い、いきなり何言い出すのよ!」
忍「ふと気になったんです」
綾「だからって口に出さないでよ!」
カレン「えーとデスね……」
綾「カレンも普通に答えなくていいから!」
カレン「別に減るもんじゃないデスし……」
綾「損なわれるのよ! 乙女の矜持が!」
忍「でも綾ちゃん、学校って分からないことを学ぶ場所だと思うんです」
綾「万年赤点のしのがそれを言うのはもやもやするわ」
忍「アリスは恥ずかしがって教えてくれないんですよ」
忍「なのでこの前、偶然を装って入浴中のアリスの裸を拝見したのですが……」
---------------
ガララ
アリス「にゃあああ!?」
忍「ああ、アリスが入ってたんですね、すみません(棒)」
アリス「『先に入ってください』って言ったのはシノだよ!?」
忍「まあまあ、せっかくなのでもっとよく見せてください」ジーッ
アリス「せっかくも何もないよ! 恥ずかしいから見ないでよぉ!//」
忍「……!」
忍「は、生えてない……!?」
----------------
忍「という結果に終わりまして」
綾「かわいそうだからやめてあげて!」
穂乃花「ああああああっ!」
カレン「どうしたんデスか、ホノカ?」
穂乃花「か、カレンちゃんの口からそんな単語が飛び出してくるのは耐えられないよー……」
綾「そうよ、乙女の会話にそんな単語が出てくるのは許されないわ」
穂乃花「だからせめて……『アンダーヘア』って言って!」
綾「言い方の問題?」
カレン「アンダーヘア?」キョトン
穂乃花「あれ、英語ではそう言うんじゃないの?」
カレン「それ、多分和製英語デスよ」
カレン「英語では『pubic hair』って言うデス」
穂乃花「ピュービックヘアー……」
忍「なるほど……勉強になります!」メモメモ
綾「その熱心さをどうして学問の方に向けられないの……」
カレン「あと隠語で『bush』って言ったりもするデスよ」
穂乃花「ブッシュ……茂み?」
カレン「イエス、まあ見たまんまデスね」
忍「じゃあカレンのは言わば『金色の茂み』……? なんと美しい響きでしょう」ウットリ
綾「響きだけよ!」
忍「そうなんですか?」
綾「染めてるから、とか?」
カレン「イエ、黒髪の人は基本的にどこの毛もブラックですが、金髪に関しては部位によって微妙に変わることがあるんデス」
カレン「身体の下の方に行くにつれて栗色とか茶色に変わっていったり……という人も珍しくないデス」
綾「そうなの……」
忍「金髪というのは、難しいバランスの上で成り立っているものなのですよ」
穂乃花「確かに、年をとるにつれて金から栗色っぽく変わる人もいるもんね」
忍「その美しさもさることながら、希少価値も高い……それが金髪なのです」
穂乃花「確か世界人口の2%弱しかいないんだよね」
綾「さ、さすが詳しいわね……」
カレン「頭が金ならピュービックヘアーも金なことが多いデス、でもそうじゃない人もいるデス」
穂乃花「じゃ、じゃあカレンちゃんは……?」ハァハァ
綾「こら、ハァハァしないの」
カレン「うーん、そうデスね……」
カレン「『ヒ、ミ、ツ』、デスよ!」
穂乃花「そんなー!」
カレン「でも……」
カレン「私ともーっと仲良くなれば、いつか分かるかもデスね?」ニヤ
穂乃花「なります! ならせてください! 毎日お菓子も持ってきます!」ハハーッ
綾「小悪魔系!」
忍「アリスも今はおまたがつるつるですが……」
忍「早く綺麗な金色のぴゅーびっくへあーが生えてくるよう、お祈りしておきましょう……!」
忍「想いよ届け!」ナムナム
綾「そんなの祈らなくていいから……」
綾(アリスも、自分がパイパンなのをここでばらされてるとは夢にも思ってないでしょうね……)
~C組~
アリス「へっくち!」
陽子「アリス、風邪?」
アリス「ううん……この感じ、きっと今頃シノがわたしの話をしてるんだよ!」
陽子「感覚で分かるのかよ……」
アリス「何の話をしてるんだろ?」
陽子「まあしののことだし、金髪がきれいとかそういう話じゃない?」
アリス「ふふ、もうシノったらー!」ニコニコ
陽子「ははは……」
END
カレン「今度、私の部屋にみんなで泊まりにこないデスか?」
忍「ぜひ!」
綾「カレンの家に泊まるのは久しぶりね」
忍「前回泊まったときは楽しかったですよね!」
ワイワイ キャッキャ
穂乃花「あの……」モジモジ
カレン「ホノカも一緒にどうデスか?」
穂乃花「いいの!?」
カレン「もちろんデース!」
忍「朝まで金髪生討論といきましょう!」
穂乃花「うん! 金髪合宿だね!」
綾「『金髪合宿』……多分人生で二度と聞くことのない言葉ね」
穂乃花「でも、カレンちゃんの家に泊まるってことは……//」
カレン「何デスか?」
穂乃花「や、やっぱりみんな裸で寝るの?//」
綾「なんで!?」
綾「そんなまさか……」
カレン「そういう人もいるデスね」
綾「そうなの!?」
カレン「みんなじゃないデスけど……確かイギリス人の3人に1人くらい? は裸に近い恰好で寝るそうデスね」
穂乃花「か、カレンちゃんは……カレンちゃんはその3分の1に入ってるの?」ハァハァ
綾「こら、ハァハァしない」
カレン「時によりけり、デスね」
穂乃花「時によりけり!」
忍「例えばどんなときに……?」
カレン「夏の盛りだと、もう下着だけで寝ることが多いデスかねー……」
穂乃花「そ、そうなんだぁ……夏の盛りは下着姿で……」ハァハァ
綾「穂乃花もサカっちゃってるんだけど……」
カレン「服を着ない方が、体への締め付けがなくてリラックスできるそうデス」
綾「な、なるほど……リラックスね」
忍「でも、アリスはホームステイのときも、日本に来てからも一度だって裸で寝てくれませんよ?」
綾「裸で寝てほしいみたいな言い方やめてよ!」
カレン「さっきも言った通りみんながみんな裸で寝るわけではないデスからね……」
カレン「アリスは裸にはならない派なのデショウ」
忍「由々しき事態ですね……」
忍「アリスにイギリス人としての誇りを思い出させてあげなくては!」
綾「裸で寝るのを誇りにしてるわけではないと思うけど……」
忍「というわけでですね……」
忍「今日はお互い裸で寝ましょう、アリス」
アリス「嫌だよ!」
忍「どうしてですか!」
アリス「逆になんで裸で寝る必要があるの!?」
忍「えーと、何か……リラックスできるらしいです」
アリス「別に今でも十分リラックスしてるよ……」
忍「いいえ、してません」
アリス「本人がしてるって言ってるんだからしてるよ!」
忍「日本に来てアリスの身長が1mmも伸びないのは、堅苦しい東洋文化の型に己を押し込めることで抑圧された精神の悲鳴がいわば具現化した結果なのですよ」
アリス「関係ないよ! 身長のことはほっといてよ!」
忍「それだけイギリスの古き良き文化が失われつつあるということですよ、この文化を守るためには一人一人の意識改革が不可欠なのです」
アリス「別にイギリス特有の文化じゃないからね!? 欧米ではそういうライフスタイルの人もいるって話だから!」
忍「でもイギリスが一番裸で寝る割合が多いそうですよ? だったらこれはイギリスの文化といっても差支えありません」
アリス「あるよ!」
忍「もう、どうしてそんなに強情なのですか……反抗期ですか?」
アリス「とっくに終わったよ!」
忍「いいですかアリス、これは単なるライフスタイルの問題ではないと思うのです」
アリス「へ?」
忍「アリスはキリスト教徒ですよね?」
アリス「まあイギリス人は大体そうだね」
忍「聖書には、神の作った最初の人間であるアダムは、初め裸で暮らしていたと書かれています」
忍「しかし、神に『食べてはならない』と言われていた知恵の実を口にした瞬間、自らが裸であることに羞恥を覚えてしまうのです」
忍「神の前に裸を晒すことをためらい、姿を隠すアダム……」
忍「その結果神の怒りを買い、楽園であるエデンの園を追われてしまう……そうですよね?」
忍「つまり、裸でいることは聖書に書かれた神の意思に従うことだと……そう思いませんか?」
アリス「何で聖書の内容なんか知ってるの……」
忍「どうしたらアリスに分かってもらえるかと思いまして、頑張って勉強しました」
アリス「その労力を英語の勉強に費やしてよ!」
アリス「なんの勝負!? もういいよ、寝ようよ……」
忍「分かりました、ではさっそく衣服を脱ぎ捨てましょう……」
アリス「脱がなくていいよ!」
忍「どうしてですかアリス!」
アリス「逆になんでそんなに裸推しなの!?」
忍「自分でも調べてみたら、本当に体にはいいそうなんですよ! 信じてください!」
アリス「で、でも……」
忍「長い人生、ほぼ毎日睡眠をとるんですよ? 一日くらい試してみてもいいではありませんか……」
忍「ほら、騙されたと思って」
アリス「……」
アリス「わ、わかったよ……そこまで言うなら」ヌギヌギ
忍「おお……」
忍「白い肌に金色の髪……完成された美がここにありますね……」ハァハァ
アリス「し、ジロジロ見ないでよ!//」
アリス「へっくち!」
忍「アリス、風邪ですか?」
アリス「……」ズルズル
アリス「……騙されたよ」
忍「やっぱり、慣れないことはするものじゃないということですね……いい勉強になりました」
アリス「へっくち!」
END
穂乃花「~~♪」テクテク
穂乃花(あれ、アリスちゃんがいる)
アリス「……」
穂乃花(たった一人で中庭になんて来て……何やってるんだろう?)
アリス「むー……」クンクン
穂乃花「どうしたの? 自分の匂いをかいだりして……」
アリス「ひゃっ!? な、なんだホノカか……」
穂乃花「まるでワンちゃんみたいだよー」
アリス「ワンちゃん!?」
アリス「うぅ……やっぱり洗ってない犬みたいな香りがするんだ……」ズーン
穂乃花「そこまでは言ってないよー!?」
アリス「ねぇ、ホノカ……あの、正直に答えてほしいんだけど」
穂乃花「なに?」
アリス「わたし……変な臭いしない?」
穂乃花「変な臭い……」クンクン
穂乃花「別にしないよー」
アリス「うーん……」
穂乃花「朝ごはんにニンニク料理でも出たの?」
アリス「ううん、そうじゃないんだけど」
穂乃花「じゃあくさや?」
アリス「違うよ」
穂乃花「あっ……! あのシュールストレミングって缶詰?」
アリス「朝食は関係ないよ! ってか朝食でシュールストレミングって挑戦的すぎるよ!」
穂乃花「イギリス料理ってそうなのかなって思って……」
アリス「あれはスウェーデン料理!」
穂乃花「もしかして、誰かに何か言われたとか……」
アリス「ううん、誰にも何にも言われてないんだけどね」
アリス「この前本屋で雑誌を読んでて、発見しちゃったんだよ」
アリス「『白人の約80%がワキガである』……という事実を」
穂乃花「そうなの!?」
アリス「まず体臭というのは先天的な体質によるものと、食べ物とか生活習慣による後天的なものの2つに分けられるんだよ」
アリス「で、先天的な体臭の代表格が、脇からの分泌物が原因で起こる臭い、いわゆる『ワキガ』なんだって」
アリス「調べたところ、白人が約80%、黒人がほぼ100%、日本人なら約10~15%がワキガ体質らしいよ」
穂乃花「白人と黒人は多いんだね……」
アリス「そうなの、白人と黒人はワキガの割合が高い……だから、アフリカやヨーロッパでは自分や人の脇が臭うかなんてほぼ気にしない」
穂乃花「臭うのが普通だから?」
アリス「うん、それに毎日嗅いでるからある程度慣れちゃうんだよ」
アリス「ところがここ日本では、先天的に体臭が弱い人が多い」
アリス「だからワキガ臭にみんな慣れてなくて、ワキガになると周りからは迷惑がられてしまうんだよ!」
穂乃花「なるほど……」
アリス「今までは気にしてなかったけど、もしかすると日本では周りから不快に思われてたんじゃないかって、不安になって……」
穂乃花「うーん……」
穂乃花「ワキガって、もっと辺りにはっきりと臭いが広がるんじゃないの?」
アリス「ワキガといっても、その症状は軽い重いがあるよ」
アリス「部屋中臭いが広がって、しかもしばらく残るレベルのものもあれば、直接脇に鼻を近づけて、やっと臭いがわかるレベルのものもある」
アリス「今のところ、わたしは重度のワキガではないと思うんだけど……でも、もしかしたら軽度のワキガかもしれない」
アリス「だから、自分で臭いを嗅いで確かめようとしてたんだよ……」
穂乃花「な、なるほど」
アリス「……あのさ、ここで見られちゃったのも何かの縁だし、ホノカにも手伝ってもらっていいかな?」
穂乃花「え、何を?」
アリス「わたしの脇の臭い、確かめてほしいの……」
穂乃花「え、えええ!?」
アリス「た、確かに変なお願いだけど……お願い!」
穂乃花「……ま、まあアリスちゃんのお願いなら」
穂乃花(それだけ信頼してくれてるってことだよね、うん!)
アリス「よかった……親しい友達だとかえって頼みにくいんだよね、こういうの」
穂乃花「……ソダネー」
アリス「お願い!」
穂乃花「……」クンクン
アリス「ど、どう……?」
穂乃花「うん、変な臭いはしないよ! 『大宮家の香り』って感じ」
アリス「よかった……」
穂乃花「これで安心だね! じゃあ私はこれで……」
アリス「待って!」
穂乃花「?」
アリス「まだ安心できないよ……次は服を脱ぐから、直接お願い!」
穂乃花「へ?」
アリス「よいしょ……」ヌギヌギ
穂乃花「ななななにしてるのー!? ご乱心!?」
アリス「暑い季節にノースリーブを着るのが許されるのかどうなのか、その辺も確かめておきたいというか……」
アリス「さ、さすがに迷惑かなぁ? 嫌だったら遠慮なく……」
穂乃花「嫌じゃないです嗅がせてください!」
アリス「う、うん……?」
穂乃花「! あ、いや……全然嫌じゃないよっていう意味だよ、うん」
アリス「そう……?」
ヌギヌギ
パサ
穂乃花(上半身をはだけさせたアリスちゃん……)
穂乃花(シャツの下はキャミソール……まだブラジャーはつけてないのかな?)
穂乃花(それにしてもきれいな肌だなぁ……真っ白でつやつやしてるよー)ジー
アリス「あ、あの……」
アリス「あんまり見られると恥ずかしいよ//」
穂乃花「ご、ごめん……! じゃあ行くよ……!」
アリス「……っ!」ピク
穂乃花「どうかした?」
アリス「と、吐息が脇に……っ!」ピクン
穂乃花「ご、ごめん……」
アリス「で、どうかな……?」
穂乃花「……うーん、独特の香りっていうのかなー?」
アリス「! そ、そっか……」シュン
穂乃花「あ、嫌な臭いってわけじゃなくて! さっきは『大宮家の匂い』だったのが、『アリスちゃんの匂い』になったっていうか……」クンクン
アリス「……っ」ピク
穂乃花「むしろ全然ありというか……」クンクン
アリス「あっ……!//」ピクンッ
穂乃花「ずっと嗅いでたくなるというか……」クンクンクンクン
アリス「ちょっ……も、もういいよ? ホノカ……」
穂乃花「もうちょっと……」クンクンクンクンクン
アリス「ほ、ホノカ? なんだか変だよ? んっ……!」
穂乃花「はぁ……はぁ……」クンクンクンクンクンクンクンクン
アリス「ちょ、ちょっとホノカ……!」
忍「もう休み時間終わってしまいま……」
穂乃花「はぁ……はぁ……」クンクンクンクン
アリス「んっ……あっ……!」ピクンピクン
忍「……!?」
忍「い……」
イヤアアアアアアアア……!
このあと滅茶苦茶怒られた
END
きんモザssが増えることを切に願う
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462462356/
Entry ⇒ 2016.05.14 | Category ⇒ きんいろモザイク | Comments (0)