蛍「イチJOの奇妙な冒険 ―サイコレズは砕けない―」
承太郎「やれやれ… ヒトデの更なる生態系を調べるためにまたこの杜王町に来ることになるとは思わなかったぜ…」
承太郎「まずは、いつもの『杜王グランドホテル』にチェックインするか」
このssは『ネタss』であり、『スタンド等のパワーバランス』や『キャラ崩壊』などは全く考慮しておりません。よって過度なジョジョラー(特に承太郎ファン)や、純粋な難民(特にほたるんファン)は
これより先は
読んではいけない
承太郎「さて、カウンターは…」
れんげ「駄菓子屋! この『ボヨヨン岬』って所に行ってみたいん!」
承太郎「やれやれ、先客がいたか」
夏海「まさか、兄ちゃんがまた福引き当てるなんてね」
小鞠「へー、『ジャンプの漫画家』も住んでるんだ」
このみ「『人が住んでる送電鉄塔』だって! 変わった人がいるんだねー」
ひかげ「『少女の幽霊に会える小道』に『二つ杜トンネル』か…… 心霊スポットばっかだな…」
楓「この後、午後は自由行動で、18時になったら『アンジェロ岩』の所に集合だ」
卓「…」
承太郎「……」
蛍「あっ、この『トラサルディー』っていうお店、前にテレビで紹介されてましたよ」
?「…」ドドド
承太郎「!!」
承太郎(…やれやれ。あの女、スタンド使いか…)ゴゴゴ
一穂「チェックインできたから、部屋に行くよー」
■廊下
小鞠「それにしても、ここはずいぶん都会だね!」
蛍「そ、そうですね!」
蛍(ここもまだ田舎ですよ、なんて言えない……)
?「…」ドドド
承太郎(やれやれ… あの女、スタンド像を出しっぱなしじゃねえか。あれじゃあ、スタンド使いだってバレバレだぜ。他のスタンド使いに会ったことが無いのか?)
蛍「あっ、ちょっとお手洗いに行って来るので、センパイは先に部屋に行っててください」
小鞠「うん、分かった」
蛍「…」タッ タッ
承太郎「!」ドドド
蛍「……そこに誰かいるのは… 分かっているんですよ…!」ゴゴゴ
承太郎「…やれやれだぜ」
蛍「あなた、さっきから、小鞠センパイをストーカーしてましたよね…?」ゴゴゴゴゴゴ
承太郎「何だと?」
承太郎(やれやれ、尾行していたから、俺を不審者だと勘違いしたって訳か……)
承太郎「悪かったな。だが、俺が尾行していたのは、お前がどんなスタンド使いなのk……」
蛍「確かに小鞠センパイは可愛いから気持ちは分かりますが、私以外に小鞠センパイをストーカーする人を見逃す訳には…」ブツブツブツブツ
承太郎「…」
承太郎「おい! 人の話を聞け! うっとおしいぞ このアマ! 『くだらねーチビ』の話なんてあとにしな」
蛍「…」プッツーーン!
蛍「………てめー」ゴゴゴ
蛍「私の小鞠センパイがどうしたとこらぁッ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
承太郎「!」
承太郎「まずいッ! 来る!」
蛍「『クレイジー・サイコモンド』!」バン
クレイジー・サイコモンド「レズレズッ!!」ブンッ
[本体]一条蛍
[スタンド]クレイジー・サイコモンド
[能力]破壊された物を『なおす』
承太郎「ぐっ!」
承太郎(このスタンド!『スタープラチナ』と『ザ・ワールド』が同じタイプのスタンドだったように、恐らく『クレイジー・ダイヤモンド』と同じタイプのスタンド……!)
承太郎(ということは、こいつは近距離パワー型! そして、その能力は… 『物をなおす』能力!!)
承太郎「スタープラチナ・ザ・ワールド!!」
13時21分43秒 カチッ
13時21分44秒 カチッ
13時21分45秒 ドンッ
13時21分45秒
承太郎「やれやれだぜ…」
承太郎「ここ、スタンド使いの町、『杜王町』に来ることになった時、何回かは『時止め』を使うことになるとは思っていたが…… まさかこんなアマ相手に時を止めなければならないとはな……」
13時21分45秒 ギュイン
13時21分46秒 カチッ
13時21分47秒 カチッ
承太郎「時が… 動きだした……!」ドドド
承太郎「いや…… まだ2秒どころか、1秒も止めてない……」ドドド
蛍「…」ゴゴゴ
蛍「あなたが何をしたのか、詳しくは分かりませんが…」ゴゴゴ
蛍「あなた今、『時の「流れ」』を『壊し』ましたよね?」ゴゴゴゴゴゴ
承太郎「ッ!!」ドドド
クレイジー・サイコモンド「私ノ能力デ『破壊サレタ「時ノ流レ」』ヲ『直シタ』」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
承太郎「まさか、てめー…! 『止まった時』を『なおした』とでも………!!」ドドドドドドドドド
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズズレズレズレズ」
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!!」ドグォ
仗助「電話で聞いた話だと、承太郎さん、そろそろ着いてるはずだよな…」
仗助「あっ、承太郎さん久しぶりーっす!」
承太郎「」パニィ
蛍「まだ殴りたりませんよコラァッ!!」ドゴッドゴッ
仗助「うそだろ承太郎さん!」
蛍「すみません、誤解してしまったみたいで……」
承太郎「いや、悪かったのは俺の方だ、すまなかったな…」
仗助「それにしても、クレイジー・ダイヤモンドと同じタイプのスタンドか……」
蛍「私の『これ』も、『スタンド』って言うんですね……」
仗助(そういえば、承太郎さんの『スタープラチナ』は… 同じタイプのスタンド、『ザ・ワールド』との戦いで時を止められるようになったって言ってたな……)
仗助(……よし!)
蛍「えっ!?」
承太郎「仗助、こいつは、おまえが勝てる相手じゃねーぜ」
仗助「いきますよー!」
クレイジー・ダイヤモンド「ドラララ!」
蛍「きゃー!! センパーイ! 恐いです、助けてくださーい!」ババッ
仗助「……承太郎さん、あの人逃げてしまいましたけど、本当にあんなのに負けたんですか?」
承太郎「」
■虹村家
億泰「へぇー、そいつが親父を元に戻せるかもしれないスタンド使いか?」
仗助「って… 承太郎さんは言ってるんだが……」
承太郎「…」
蛍「え… えいっ!」ヒュン
クレイジー・サイコモンド「…」ポカッ
蛍「すみません…。やっぱり、無理みたいです…」
仗助「…………だそうですよ…?」
承太郎「…」
承太郎(こいつ、わざと手を抜いているのか? 俺と戦った時のパワーはこんなもんじゃなかったはずだ…)
承太郎(まさか…… この俺に恥をかかせるために、わざとやってるのか……? 俺が前に『チビのアマ』を馬鹿にしたのを根に持って…)
承太郎(!!)
承太郎(そういえば… ………やれやれ まさかとは思うが…)
蛍「はい?!」ビクッ
承太郎「お前の先輩…… 確か… 名前は……」
蛍「小鞠センパイですか?」
承太郎「そうだ、小鞠だ」
承太郎「もしも… 億泰の親父を『なおす』ことができたら、その小鞠とかいう女とデートできる、としたらどうすr……」
クレイジー・サイコモンド「レズゥ!」バキッ
億泰の親父「……はっ! 俺の体が!!」ゴゴゴ
クレイジー・サイコモンド「肉ノ芽ニヨッテ破壊サレタ元の細胞ヲ『ナオシタ』」
億泰「親父!!」
蛍「これでセンパイとデートできるんですかッ!!?」
承太郎「…………………いや、俺はまだ仮定の話しか……」
蛍「…」
クレイジー・サイコモンド「億泰サンノ親父サンヲ元ノ怪物ノ姿ニ『直シm……」
承太郎「分かった善処する」
■杜王グランドホテル前
仗助「うっす!」
億泰「へー。 あんたが蛍さんの言ってた小鞠っつう奴か……」
小鞠「蛍、この人たちは?」
蛍「昨日言ってた、仗助さんと億泰さんです」
小鞠「あー、蛍が困ってる人を助けたって言ってたけど、この人たちか」
康一「仗助君、この人たちが億泰君のお父さんを元に戻したの?」
蛍「あれ? そちらの方は?」
仗助「あぁ紹介します、『広瀬康一』っす」
康一「はじめまして広瀬康一です、仗助君たちと同じ高校一年生です」
小鞠「…」ジー
蛍「……はっ!」ゴゴゴ
蛍(こ、小鞠センパイが…『あいつ』を見つめている……! まさか、センパイ…… あの『ドグサレ野郎』のことが……ッ!!)ゴゴゴゴゴゴ
康一「?」
蛍(この『ド畜生』がァーーッ! この『クソカス』を今すぐブッ殺してやる!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
クレイジー・サイコモンド「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小鞠「…」
小鞠(よしッ! この人、高校一年生らしいけど、この身長の低さ…!! 私の方が年下なのに、多分、私の方が背が高いッ!! 多分!!!)
小鞠(やったぁ!! 初めて年上の人に身長勝ったかも!!)
小鞠(……あっ! そうだっ!)
小鞠(「高1」の「康一」に勝ったッ!!)
小鞠(…)
小鞠「……… クククク… フッハッハッハッハッハッハッハッハッ」
康一「」ビクッ
康一「えっ? えっと、157cmです」
小鞠「……………………え?」ドゴーン
億泰「おい、こいつ急に目が死んだぞ…」
小鞠「…」
小鞠「……………………で、でも! 私は中学2年だから…… 蛍だって1年であんなに伸びたんだから! 伸びしろで考えたら私だってまだ……」ギギギ
小鞠「ってあれ……? 何か…… 私の背が縮んでいるような………」ギギギ
康一「そういえば、玉美さんも間田君も、僕と関わるようになってから背が縮んだような………」
小鞠「わ… 私のそばに近寄るなああーーーッ」
蛍(…勘違いでしたか……… 命びろいしましたね)
仗助「あれ…? 蛍さん、ずっと年上だと思っていたけど…… 先輩が中学2年ってことは… まさか… 中1ッ!?」
蛍「いえ、小5です」
■駅前
蛍「あっ! あなたが間田さんですか?」
間田「えーっと…? どなたですか…?」
康一「あっ、蛍さんだ!」
康一「間田君、この前僕に『ゆるゆり』って漫画を熱弁してたでしょ? 蛍さんも『ゆるゆり』が好きなんだって!」
間田「えっ!? 本当に!?」
間田(萌え漫画のことを語りあえる女子と話せるなんて…… 生きててよかったーッ!!)
蛍「はい、間田さんは『どれ』が好きなんですか?」
間田「あっ、ぼ、僕は…あかりちゃんが好きです! あっ、で、でも結ちゃんもいいですよね!」
蛍「いえ……『誰が』じゃあなくて、『どのカプ』が好きなんですか…?」ドドド
間田「えっ? あっ、僕はカップリングじゃなくてキャラが好きで……」
蛍「……」ドドドドドド
間田「あ… あの…… 蛍さん……?」
蛍「この『上っ面』がァーーッ!!」ドグシャア
間田「ひ、ひえええぇぇぇぇ!!」パニィ
康一「間田君?! 大丈夫!?」
■ボヨヨン岬
楓「ここが『ボヨヨン岬』、別名『神の岬』か…」
夏海「自殺しようとしてた女の人を岩が助けたんだって!」
れんげ「ウチもボヨヨンしたいん!」
一穂「危ないから駄目だよー」
蛍「……」
小鞠「蛍? どうしたの?」
蛍「あっ、すみません、ちょっと考え事をしてました」
蛍(………あの家、立地条件も含めて、監禁に最適な作りですね………)
■レストラン『トラサルディ』
小鞠「ここの料理おいしいね!」
蛍「はい! しかも、健康にもいいらしいですよ」
小鞠「蛍、このお店を教えてくれてありがとう」
蛍「いえ、私もセンパイと来れて嬉しいです」
小鞠「えへへ… 私も蛍と一緒に来れて嬉しいよっ!」
蛍「えっ…」ドキッ
小鞠「あっ、この『鮑のリゾット』もおいしい! 蛍も一口食べる? はい、あ~ん」
蛍「い、いいんですか?!」キュン
小鞠「うん。あ~ん!」
蛍「い、いただきますッ!! あ、あ~n」ドキドキ
音石「邪魔するぜぇ! 逃走用の車と金を用意しろ!」
トニオ「お客様方! 脱獄犯デス、お気をつけ下サイ!」
小鞠「ぎゃぁぁーーっ!! 脱獄犯!?」
蛍「…」
音石「俺はあんな狭い牢屋の中で縮こまってるような男じゃないぜ! もっと広い世界にでて、ウルトラ・スーパー・ギタリストになるんだッ!!」
蛍「今…… センパイが…… あ~んしてくれていたのに…」ボソッ
クレイジー・サイコモンド「…」ゴゴゴ
音石「おまえは… 一条蛍! 噂は刑務署にも届いてるぜ。あの仗助のクレイジー・ダイヤモンドと同じタイプのスタンドらしいな。」
音石「だが、反省して強くなった俺は、クレイジー・ダイヤモンドの『なおす』能力への対策はうってある! 何も壊さなければ、なおすこともできない!」
音石「レッド・ホット・チリ・ペッパー! 『何かを壊す』前に、電線に引きずり込めッ!!」
クレイジー・サイコモンド「レズゥ!」バリリィッ
シ ュ ゴ オ オ オ オ
■???
音石「……ハッ!」
音石「な、何だ… ここは……ッ!!」ドドド
クレイジー・サイコモンド「…」ゴゴゴ
クレイジー・サイコモンド「ナノデ、ソノ『ムード』ヲ『直シ』マス」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
音石「は、はぁ?」
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」ドゴドゴ
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!!」ドゴォ
音石「ぎゃあああああああ!!」パニィ
■刑務署
音石「」パニィ
職員「おい、大丈夫か…!? しっかりしろ!」
音石明、刑務署内で謎の重傷を負い発見される。なお、脱獄をしようとしたことはバレなかったらしい
蛍「センパイ! 脱獄犯はいなくなりましたよ!」
小鞠「えっ? ほ、本当!?」
蛍「はい!」
小鞠「うっ…… うぅ…………………」
小鞠「HEEEEYYYYーィ 怖かったよおおお」ギューッ
蛍(セ、センパイがッ! センパイが『ぎゅーっ』ってッ!!)ギューッ
小鞠「あっ… じゃ、じゃなくてっ! 蛍、怖かったよねっ、もう大丈夫だよっ!」ナデナデ
蛍「えへへ~~♪」スリスリ
■道端
手帳「」
承太郎「おや…? やれやれ、手帳が道に落ちてるぜ……」
承太郎「届けてやりたいが、名前が無いから、誰の手帳だか分からないな……。持ち主には悪いが、中身を読んだら持ち主が分かるかも知れねぇ……」ペラッ
手帳『小鞠センパイ可愛い。小鞠センパイ可愛い。小鞠センパイ可愛い。小鞠センパイ可愛い。小鞠センパイ可愛い。 あぁ、小鞠センパイ(自主規制)。小鞠センパイ(自主規制)。小鞠センパイ(自主規制)。小鞠センパ………』
承太郎「」パタンッ
承太郎「…」
承太郎「…」
承太郎「………………スタープラチナ! ライターを持ってこい!!」
このssの時間軸は岸辺露伴の自己破産前、もしくは、自己破産した岸辺露伴が新しい家を入手した後と考えて下さい
■岸辺露伴の家の前
小鞠「ふぇ~! 漫画家の家って大きいなー」
蛍「『ピンクダークの少年』の作者でしたっけ?」
■家の中
露伴「ほう… あいつが仗助と同じタイプのスタンドを持つという、一条蛍か……」ジロジロ
露伴「中々面白そうな奴だな… あいつの『リアリティ』を僕のものにさせて貰うか…」
露伴「まずは、家の中に招いて『ヘブンズドアー』で……」
クレイジー・サイコモンド「…」ドギャン
■???
露伴「…」ドドド
クレイジー・サイコモンド「…」ゴゴゴ
露伴「誰だッ!? こいつが、一条蛍のスタンドかッ!」サッ
露伴「いや、その前にここはどこだッ?!」
露伴「そういえば、こいつのスタンド、普段は雑魚だが、『越谷小鞠』が絡むと無茶苦茶な理論で『もの』を『なおす』…と康一君が言ってたな」
露伴「なるほど… つまり『壊れた状況をなおす』と言いたい訳か…?」
露伴「……あれ? しかし、ちょっと待て! 僕は確かに壊そうとしていたのかもしれないが、まだ、『状況を壊してはいない』はずだ! 何で僕にスタンド能力がかけられているんだッ?!」
クレイジー・サイコモンド「イヤ… 前回、壊サレテカラ直ス、ノガ面倒クサカッタノデ、モウ壊サレル前ニ『直シテ』オコウカト……」
露伴「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ」
露伴「そもそも、こじつけとか以前に自分自身のスタンド能力にすら従っていないじゃないかッ!! 言っていることが無茶苦ty…」
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」ドゴドゴ
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!!」ドゴォ
露伴「ガバッ…!」パニィ
露伴「………………………で、でも… じ、実にスゴイ体験させてもらったよ…… これを作品に生かせば…」ドドドドドド
三日後
億泰「おい、知ってるか? 露伴がよぉ、『ジャンプ』を辞めて『コミック百合姫』で新連載を始めるらしいんだよ!」
康一「うえええ!?」
仗助「マジだったらヤベーな……」
■町外れ
承太郎「やれやれ… まさか、あの時のネズミに子どもがいて、そいつがスタンド能力を身につけているとは……」
承太郎「しかも今日に限って、仗助たちはみんなを呼んで隣町に遊びに行っているとは…… 」
承太郎「…………………………あれ? 何で俺は呼ばれてないんだ?」
蛍「…」テクテク
承太郎「おや… あれは一条じゃねーか……」
承太郎「やれやれ… 癪に障るが、あいつに協力して貰うか…」
承太郎「おい、一条!」
蛍「あれ? 承太郎さんじゃないですか…… どうしたんですか?」
承太郎「これから『狩り(ハンティング)』に行く。一緒に来てk…」
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!!」ドゴォ
承太郎「グフッ…!」パニィ
蛍「小鞠センパイを『狩り(ハンティング)』していいのは私だけですッ!!」 ドーン!
ネズミは仗助が帰って来てから狩りました
■振り向いてはいけない小道
小鞠「あれ? 皆がオーソンに買い物に行っている間に、少し周りを散歩していたんだけど…… 今いるこの小道って、地図に載ってないよ!」
小鞠「ど、どっちに行けば帰れるんだろう?」キョロキョロ
小鞠「……?」フリカエリ
無数の手「…」ド オ オ オ オ オ !!
小鞠「ぎにゃああーーーーッ!?」ドドドドドド
蛍「センパイ!? 大丈夫ですか?!」サッ
クレイジー・サイコモンド「『異世界カラ手ガヤッテ来ルタメニ必要ナ亜空間ヲ構築スルタメニ破壊サレタコチラノ世界ノ空間』ヲ『直ス』! レズゥゥ!」ズバァァ
無数の手「」パニィ
小鞠「よ、良く分からないけど…… 助かったの?」
蛍「そうみたいですね」
小鞠「よ、よかったー……」ヘナヘナ
蛍「………!!」ピコーン
蛍「…」チラッ
無数の手「…」ド オ オ オ オ オ !!
小鞠「ぎにゃああーーーーッ!?」ギューッ
蛍「えへへ~~♪」ギューッ
無数の手「…」ド オ オ オ オ オ !!
クレイジー・サイコモンド「レズ!」ドカッ
無数の手「」パニィ
小鞠「た、助かったの?」
蛍「…」チラッ
無数の手「…」ド オ オ オ オ オ !!
小鞠「ぎにゃああーーーーッ!?」ギューッ
蛍「えへへ~~♪」ギューッ
以下、無限ループ
■杜王グランドホテルの部屋
小鞠「……あれ?」
蛍「どうしましたか、センパイ?」
小鞠「い、いや……! 何でもないよ!」
蛍「……そうですか?」
小鞠(最近、私の下着が減ってるような気が……)
蛍(ちょっと取り過ぎちゃったかな……? センパイもだんだん気づきはじめてるみたいだし…… 当分は、これまでの『収穫』で我慢しておこう…)
■商店街
小鞠「…」テクテク
「…」テクテク
小鞠「……?」チラッ
シーン
小鞠「…」テクテク
「…」テクテク
小鞠「……………!?」
シーン
小鞠「?!」
小鞠(……何か最近、一人でいると、誰かの視線を感じるんだけど… 振り返っても、誰もいない…。まさか… お化けとかじゃないよね……?)ブルブル
小鞠(うぅ、お化け怖いよー。もっと平穏に生活させてよー……)
蛍(仗助さんに教えてもらった『壁を壊して直す』、この技を使えば、センパイにバレずに監視できますね)
■カフェ「ドゥ・マゴ」
蛍「ぺらぺら…」
由花子「ぺらぺら…」
仗助「あれ? あそこにいるの、蛍と由花子じゃね?」
億泰「おお、本当だ! 何か話しているぜ?」
仗助「内容はここからじゃあ聞こえねぇが、あれはきっと、女子会ってやつだな。」
億泰「へー」
仗助「邪魔したら悪いだろうし、声かけるのはやめとくか」
蛍「これが、基本的な人形の作り方です。後は、相手の特徴をつかんで作れば完成です」
由花子「一条さん、ありがとう。これで私も康一君の人形、『こうぐるみ』を作れるわ」ウフフ…
由花子「これ、私が康一君にした監禁のしかたをまとめたノートよ」
蛍「ありがとうございます! えへへ~、これでセンパイが小便たれる姿が……」ウフフ…
■ぶらんど~む一番町
梨央ちゃんの隣人の弟(やぁ、皆! オレは『「梨央ちゃんの隣人」の弟』だぜッ!)
隣人の弟(一週間後は、兄ちゃんが居なくなってから一年経つのか…)
隣人の弟(兄ちゃんどこに行ったんだろうなあ…)
小鞠「蛍、どこ行っちゃったんだろう……?」
小鞠「あれ程、お姉さんの私から離れないようにって言ったのに……」
隣人の弟(おや! あの娘、観光客かな?)
隣人の弟(可愛いなぁ… ナンパしてみようかな……)
コマリハートアタック「…」ギャルギャル
隣人の弟「よーし… 髪形を整えて…… 行くぞ!」
コマリハートアタック「コッチヲ見ロ!」ギャルギャル
隣人の弟「ん? 何だ…これ?」
クレイジー・サイコモンド「………私ト小鞠センパイノ平穏ヲ乱ソウトスル『壊レタ考エ』ハ『ナオサ』ナケレバナリマセン」ゴゴゴゴゴゴ
蛍「私の小鞠センパイを狙おうとする邪気(もちろん、私以外の人の)を探知して攻撃する……」ゴゴゴ
蛍「小鞠センパイを狙おうとする恋敵は必ず仕留める…」ゴゴゴゴゴゴ
コマリハートアタック「コッチヲ見ロッ!!」ギャァアァン
蛍「『コマリハートアタック』に」ゴゴゴ
隣人の弟「なッ…!?」ドドド
バ グ オ オ ン
蛍「『弱点』はない……」スゥッ
梨央ちゃんの隣人「お、弟!!」
隣人の弟「兄貴ィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイ」
■現世
小鞠「あっ! 蛍、やっと見つけた!」
蛍「センパイ! 心配をかけてすみませんっ!」
小鞠「もう… どこに行ってたの?」
蛍「…ちょっと道に迷ってしまいました(嘘)」
小鞠「もー! やっぱり、蛍もまだまだ子どもだね」
小鞠「ほらっ! もうはぐれないように私と手を繋いでっ!」スッ
蛍「はいっ!!」ギュッ
小鞠「よし、じゃあ、行こっかっ!」ギュ
蛍「えへへー」ギュ
■杜王グランドホテル
とうおるるるるるるるるるるるるるるる るるるん
蛍「もしもしー ママー?」
電話「もしもし、蛍ちゃん。 旅行楽しんでる?」
蛍「うんっ! 村の友達と観光したりー、この町の人とも仲よくなれたよー!」
電話「旅行先の人とも友達になったの? いいことだけど、こっちの村とは違って、不審者や危ない人がいるかも知れないから気をつけるのよ」
蛍「はーい ちゃんと不審者や危ない人には気をつけているよー」
数分後
蛍「じゃあママー、おやすみー」
電話「おやすみなさーい」ガチャッ
ピー ピー ピー
蛍「ママ、元気そうでよかったー」
蛍「でも、そっか… ママも私のこと心配してくれているんだなー……」
蛍「そうだねっ、ママの言う通り、不審者や危ない人に気をつけないとねっ!」
小鞠「あれ? 私の歯ブラシが無い… 誰か知らない?」
蛍「さぁ? 私は知りませんよ?(嘘)」
■アンジェロ岩の前
蛍「小鞠センパイまだかなー…」
じゃんけん小僧(あいつが、一条蛍か…)
じゃんけん小僧(承太郎さんが言うには… あまりに危険なスタンド使いで、『何か』が起こってからでは遅いから、スタンドを奪って封印してくれってことだったよね……)
じゃんけん小僧(今は越谷小鞠って奴もいないみたいだから、スタンド能力を使われる心配もない、よーし)
じゃんけん小僧「ねぇねぇ、僕とじゃんけ……」
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!」ドギャン
■???
じゃんけん小僧「え…… えッー!? 何で?!」
クレイジー・サイコモンド「アナタハ直接『小鞠センパイ』ニ攻撃シヨウトシタ訳デハアリマセンガ、私ノ『スタンド』ハ言ワバ『小鞠センパイ』ヲ守ル兵士ナノデス。『小鞠センパイ』ヲ守ル兵士ニ攻撃シヨウトスルトイウコトハ、『小鞠センパイ』ヲ攻撃シヨウトスルノト同ジデス」
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!」ドガァン
じゃんけん小僧「タコス!!」パニィ
じゃんけん小僧「だ、ダメだ…… 危険すぎる… 承太郎さんの言うとうり、『何かが起こる』前に止めないと……」ドドド
じゃんけん小僧「」バタッ
■杜王グランドホテル
蛍(人は自分の心の底を『他人』に隠したまま生活している。しかし……… 永遠に誰にも『自分の本性』を隠したまま一生をすごせるものだろうか?)
蛍(小鞠センパイに、この一条蛍の本性を打ち明けてやりたい……この心の底を聞いてもらいたい、小鞠センパイの小さな頭をこの手でナデナデしてみたいってことを……ッ!)ゴゴゴゴ
蛍(……旅行中は皆がいるから『こまぐるみ』が作れなくて、気持ちが抑えられなくなります…)
蛍「本を読んでいました」
小鞠「へー。蛍もお茶飲む?」
蛍「ありがとうございます」
小鞠「あっ! もうこんな時間だ。そろそろ寝ないと…」クルッ
蛍「………ッ!!」
小鞠「…」ファサァッ
蛍「……」ゴゴゴゴ
蛍(小鞠センパイに『心』を打ち明けろ。自分の『本性』をみせてやれ。一条蛍!)ゴゴゴゴゴゴ
小鞠「…」ファサ ファサ
蛍(小鞠センパイの頭をナデナデさせてくださいと打ち明けるんだ……!!)ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ズバァーーッ
蛍「はっ…!!」
小鞠「ほ、蛍……?」ドキドキ
蛍(しまった… 打ち明けるのはまずい、小鞠センパイに嫌われてしまう……)
蛍「…………驚かせてしまってすみません、後ろの髪留めをとってあげようとしたのですが、手が滑ってしまいました…」
小鞠「そ… そう……///」ドキドキ
■農業地帯
小鞠「仗助さんが、サイコロを使ったマジックを見せてくれるって言ってたけど、待ち合わせ場所はこっちだったよね?」
ドバアアンッ!
小鞠「うわっ!? 何!?」
究極カーズ「…」ゴゴゴ
究極カーズ「……フッ」ゴゴゴ
究極カーズ「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
究極カーズ「フーー。数十年程で運良く地球に戻って来れたか…」ゴゴゴ
小鞠「い…今… 空から…… えッ?! もも、もしかして… 宇宙人ッ!!?」
究極カーズ「ふんッ、ただの人間か… 今は、まずジョジョがどうなっているのかを調べねば…… 人間の寿命はいくらぐらいだったか…? 子孫もいるのだろうか…?」
小鞠「キャーー! 誰か助けてーーッ!!」
クレイジー・サイコモンド「負ケテ死ネ!」カチッ
カーズ「RRRRRRRYYYEEEEEEEE!!」パニィ
究極生命体になった時、カーズの細胞は進化している。それはつまりッ、考え方を変えれば、かつての細胞構造が『破壊されている』と見ることもできる
カーズ「この感覚……ッ! 例えるなら、身体中に爆破の衝撃が走るように…! 身体中の細胞構造がなおされていくううううううううッ!!」パニィパニィ
カーズ「お、俺は太陽を克服したはず……。俺はああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」パニィパニィパニィ
ブ ワ ァ ァ ァ ァ ァ
小鞠「………………あれ? いない……」
■杜王グランドホテル(四人部屋)
れんげ「ウチ、もう寝るん」
夏海「じゃあ、ウチも寝よ」
蛍「センパイ…… 最近、枕が変わったので寝つけなくて… しかも怖い夢を見るので… 今日も隣で一緒に寝てもいいですか?(バレなきゃイカサマじゃあねぇんだぜ……………)」
小鞠「もう、蛍ったら怖がりだなぁー。いいよー」
数時間後
小鞠「ZZZ…」ムニャムニャ
蛍「………さて、センパイは寝ましたね…」
小鞠「ZZZ…」ムニャムニャ
蛍「『養分』!! センパイの『養分』!!」レロレロレロレロレロレロレロレロ
小鞠「………うっ…… ん…」ムニャムニャ
蛍「センパイの『養分』~~~~ッ!! センパイのチェリーの『養分』~~~~ッ!!」レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ
蛍「へ~、これが『猫草』ですか!」
猫草「ニャアアーォ」
億泰の親父「あぁ、でも、日光に当てると空気弾を発射するから気をつけるんだよ」
蛍「不思議な生き物ですが、可愛いですね!」
蛍(デモ『ネコマリ』ノガモットカワイイヨー)
夏海「へー! あの人が鉄塔に住むひとか」
小鞠「あんなところに住んでて、不便じゃないのかな?」
ひかげ「あれで、落っこちたりしないのか?」
れんげ「ウチも鉄塔に住んでみたいん!」
このみ「『塩』を持って来たので、一緒に記念写真を撮ってもらえませんかー?」
鋼田一「いいですよー」
蛍「あの人が、仗助さんが言っていた『スーパーフライ』のスタンド使い、鋼田一(偽名)さん…」
蛍「それにしても、(鉄塔の中に)人を閉じこめるスタンドですか………」
蛍「『便利』な能力ですね…」
鋼田一「?」
■杜王町立図書館
蛍「えーっと… 確かこの本棚にあるって聞いてたんだけど……」
エニグマの本「」
蛍「…」
エニグマの本「」
蛍「あっ、あった!」
『密やかな午後』ドーン
蛍「すみませーん、これ貸してください」
エニグマの本「…」
■東方家
とうおるるるるるるるるるるるるるるるるるるん
仗助「はい、もしもし。東方です」
電話「仗助さん! 僕です、川尻早人ですッ!!」
仗助「おーッ! 久しぶりだな、早人!」
電話「それどころじゃないんです!」
■川尻家
早人「パパが… 僕のパパが……ッ!」
しのぶ「ねぇ、本当に… 本当にあなたなの……?!」
浩作「……」ゴゴゴ
早人「パパが…… 戻って来たんだ………ッ!!」ドドドドドド
仗助「何ッ!!」ギャイイン
仗助「ど、どういうことだよッ?!」
仗助「そ、そうだッ、まずは1つ聞かせてくれッ! そいつは、吉良吉影かッ!?」
電話「いや…… あの無口な感じ… 癖とかも、元のパパと同じ… あいつは僕のパパだッ!」
仗助「そういえば、鈴美さんの話では… 吉良は死んだ時、元の姿に戻ったらしい…… ってことは、もしかして、本物の川尻浩作はどこかで生き延びていたってことか……?」
ガチャッ
億泰「仗助!! じゃまするぜッ!!」
仗助「億泰! 勝手に人の家のドア開けて入って来んなよ! インターホン鳴らせッ!!」
億泰「それどころじゃねーんだ……」ゴゴゴ
憶泰「兄貴が…… 兄貴が生き返ったんだよォォッ!!」ゴゴゴゴゴゴ
億泰「兄貴だけじゃねぇ! 噂にきくと、重ちーや辻彩もだ……!!」ゴゴゴ
仗助「な、何が起こっているんだ……」ドドド
ピンッポーン
仗助「誰だッ!」
康一「仗助君! 大変なんだッ!!」
仗助「どうしたんだ? でもよぉ、こっちでも同じく大変な事が……」ガチャ
康一「露伴先生がいつもの小道に鈴美さんが戻って来ているのを見かけたらしくて……」ゴゴゴゴ
仗助「鈴美さんがッ!?」ドドド
康一「鈴美さんの話によると…… 『吉良吉影』が生き返ったらしいんだッ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
仗助「何ィーーッ! き、吉良吉影がぁッ!!?」ドドドドドドドドド
乙雅『子』 「どうせなら… 一生思い出に残るようなのがいいな……」
噴上裕『香』 「じゃあ……… キス…?///」
乙雅子「キ、キスって…?! 何いってるの?!/// 学校は勉強する場所ですー! キスするような場所じゃありませんー……!!////」
噴上裕香「まぁ! 授業中は寝てる『雅ちゃん』の口から、勉強!??」
乙雅子「えっ…!」
噴上裕香「勉強もできなければ、キスもできないなんて……。あらら…」
乙雅子「わ、分かったッ///! しよーじゃないか、キス!!」
噴上裕香「いいの!?」
乙雅子「起立っ!」
噴上裕香「はいっ!!」
乙雅子・噴上裕香「…///」
乙雅子・噴上裕香「んっ……//////」チュッ 』
■ペプシの看板の所
仗助「おーい!! 蛍ッ!!」タッタッ
蛍「あれ? 仗助さん、そんなに慌ててどうしたんですか?」
蛍「今、露伴先生の最新作『チープTrikc』を読んでいるところなのですが……」
仗助「そんなことより、吉良吉影っていう男を見ていないかッ?!」
蛍「吉良吉影?」
?「フウウウウウウ~~~~~~」タッ タッ
仗助「ッ!! て、テメーは……ッ!!」
吉良「この『吉良吉影』……… 強運で守られてるような気がする、と自分で常に思っていたが…… まさか、一度死んで生き返るとは…… 詳しいことは分からないが、やはり『運命』はこの吉良吉影に味方してくれているようだな…」ゴゴゴ
仗助「吉良…… 吉影………」ドドド
吉良「東方仗助!! 私は『闘争』は嫌いだが… 『平穏』に生きるためにも、お前には死んでもらうッ!!」シュバ
キラークイーン「…」ゴゴゴゴゴゴ
仗助「蛍! あの殺人鬼を倒すのに協力してくれ!」ドォォ
クレイジー・ダイヤモンド「…」ドドドドドド
蛍「えっ… は、はい!」エイッ
クレイジー・サイコモンド「…」ドドドドドド
仗助「どうしたぁ? さっきの威勢はどうしたんだぁ?」
吉良「ば、バカなッ!! こんなことが… せっかく、平穏な人生を取り戻せると思ったのに……」ゴゴゴゴゴゴ
仗助「蛍! お前の『クレイジー・サイコモンド』で、あいつを死人に『なおして』しまえッ!!」
蛍「えっ!? え… えいっ!」スカッ
キラークイーン「…」ポカッ
仗助「………………えっ?」
仗助「ど、どうしたんだよ!」
蛍「す、すみません! どうすればいいのか分からないです……」
仗助「くそっ、こうなったら俺一人であいつを叩きのめして……」
吉良「そこの手の美しい女性!」ガシッ
モブ女「な、何ですか…?」グォッ
吉良「私の名前は『吉良吉影』。今まで多くの手の美しい女性を殺したッ!」ゴゴゴゴゴゴ
仗助「しまったッ!! やつは、『クレイジー・ダイヤモンド』が二体いると思って『絶望』したんだッ……!!」ドドドドドド
仗助「『あれ』がくるぞッ!!!」ドドドドドドドドド
蛍「えっ!? スイッチ……?!」
吉良「いいや! 限界だ押すね!」ドドドドドド
吉良「今だッ!」カチッ
吉良「BITE THE DUST !!」
蛍「!」 ド ゴ オ オ ン
仗助「!」 ド ゴ オ オ ン
吉良「やっ! やったぞッ! 発現したぞッ!」ウォン
蛍(爆破…… そうか………)
蛍(私は…… 死んじゃうんですね………)
蛍(まだ、あの村で皆と遊びたかったな……)
蛍(あの村に来て、センパイや皆と会えて…… 毎日が楽しかったな……)
蛍(また…… センパイと星を見に行ったり、雪遊びしたり、お花見したり……………)
蛍(あれ…? ちょっと待って……)
蛍(今ここで死んじゃったら……)ゴゴゴ
蛍(センパイに会えなくなる…ッ!!)ゴゴゴゴゴゴ
蛍「『クレイジー・サイコモンド』!!!」シュバ
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」ドガッ ドガッ
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥゥゥッ!!!」
パ ニ ィ ィ ィ
吉良「 ハハハハハハハハ。やつらに勝ったぞッ!」
パ ァ ァ ァ ー ッ
ヽ(° Д ° )ノ
/_ /
〈 〈
吉良「これで私は自由になれるッ!」
パ ァ ァ ァ ー ッ
ヽ(° Д ° )ノ
/_ /
〈 〈
吉良「ハハハハハハハハ」
仗助「…ッ!」グォッ
吉良「ハハハハハハハ………………ハ?」ドドド
仗助「…」
仗助「…………ふっ!」
仗助「ヒヤッとさせられたじゃあねーか」
クレイジー・サイコモンド「…」ゴゴゴゴゴゴ
蛍「…」ズ ア ッ
仗助「蛍……!!」
クレイジー・サイコモンド「『破壊サレタ時間ノ流レ』ヲ『直シ』、『私ト仗助サンノ傷』モ『治シ』マシタ」ゴゴゴ
仗助「…………ん? ちょっと待て。お前、今、お前自身の傷を治したって言わなかったか?」
仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』は自分の傷は治せない。同じタイプのスタンドなら、いくら『クレイジー・サイコモンド』でも、自分自身の傷は治せないんじゃあねーのか?」
蛍「仗助さん…。私の身体は、小鞠センパイだけのものなんです。逆に言えば、この身体は小鞠センパイのモノであって、私のモノではないんです」
蛍「さらに言えばッ! 小鞠センパイの身体も私だけのものなので、小鞠センパイの身体は私のモノなんですッ!! つまりッ!! 私は小鞠センパイで、小鞠センパイが私で、小鞠センパイの……」ハァハァ
仗助「こいつはぁ…グレートにヘビーだぜ……」
クレイジー・ダイヤモンド「ドラァ!」ブンッ
吉良「ギャバ………」ドスゥ
仗助「へへっ! 蛍にだけいい顔はさせねーぜ! 実戦経験なら俺の方が多いからよぉ!」
蛍「仗助さん、流石です! 今、小鞠センパイのことに夢中になっていて、吉良のことを完璧に忘れていましたッ!!」キラガニゲテル!
仗助「………おい。言っとくけど、こいつ殺人鬼だからな……」
蛍「さて… それでは、私がセンパイと『平穏』な『穏々日和』を送るために、わたしの百合を妨げる『トラブル』や『敵』は始末しましょうか…」ゴゴゴゴゴゴ
仗助「いくぜーッ!!」ゴゴゴゴゴゴ
吉良「ッ!!」ドドドドドドドドド
クレイジー・ダイヤモンド「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ」
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」
クレイジー・ダイヤモンド「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ」
クレイジー・サイコモンド「レズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズレズ」
クレイジー・ダイヤモンド「ドラァ!」ドゴォ
クレイジー・サイコモンド「レズッ!」パニィ
吉良「ぐばあああああああああああ!!」ドガァ
吉良「ぐううっ……… だが…… 私は何度死んでも…… また戻ってきてやるッ!!」ゴゴゴ
吉良「私が望むのは『植物の心』のような人生ッ!! そんな『平穏な生活』を必ず手に入れてやるぞッ!」ゴゴゴゴゴゴ
蛍「……仗助さん、心配する必要はありません」
パニィィィパニィィィパニィィィ
吉良「うおおお! な、何なんだッ! これはッ!!」パニィパニィパニィ
クレイジー・サイコモンド「私ハ、アナタヲ殺シテハイマセン。」
クレイジー・サイコモンド「人ノ身体ヲ構成シテイル細胞等ヲ『原子』ヤ『エネルギー』単位デ見ルト、『ソレラ』ハ長い歴史の中、少クトモ1回以上ハ『破壊ヲ経験シテ』イマス、破壊トハ新タナ物ヲ生ミ出ス事デモアルカラデス。ヨッテ、ソノ『レベル』マデ『アナタ』ヲ『ナオセ』バ……」
吉良「ど…… どういう事なのだ……ッ!!」パニィパニィパニィ
クレイジー・サイコモンド「アナタハ死ニマセン、元々ノ自然二『ナオサレル』ダケナノデス」ゴゴゴ
クレイジー・サイコモンド「ソンナニ、『植物ノ心』ノヨウナ人生ヲ送リタイノナラ……。自然二還レバ、平穏ニスゴセマスヨ。『吉良吉影』トイウ個体ハ無クナリマスガ……!!」ゴゴゴゴゴゴ
吉良「うおおおおおあああああああああ」
パ ニ ィ ィ ィ ィ ィ
■カフェ「ドゥ・マゴ」
仗助「っつーことがあったんです……」
承太郎「そうか、あの吉良吉影が……」
蛍「でも、倒せて良かったです」
憶泰「でもよ~~、なんで、死んだ兄貴や吉良が生き返ったんだァァ~~?」
康一「まるで、『ドラゴ○ボール』みたいな話しだよね……」
露伴「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ」
露伴「元同じ出版誌の漫画だが、僕はあんな神様が命を与えてくださいましたみたいな生き返らせ方をするマンガは好きじゃないぞ!」
承太郎「とにかく、何が起こっているのか…… 調査をする必要はあるな……」
仗助「そうっすね…」
蛍「…あっ!」
蛍「…」
五人「…」
蛍「…」
五人「…」
蛍「ゴクゴク」トクトク
蛍「店員さん、コーヒーのおかわりを……」
承太郎「おいちょっと待て! 詳しく説明しろ」
■カメユーデパート
小鞠「やっぱり、デパートってすごいよね。いろいろなものを売ってるんだもん」
蛍「たくさん買っちゃいましたね」
小鞠「それにしても夏海たちったら、『二つ杜トンネル』なんて心霊スポットに行きたがるなんて…」
小鞠「わわわ、私は… こここ怖かった訳じゃあないけど……! 蛍も怖がっていたからっ、お姉さんとして、怖がってる蛍を一人だけおいて行く訳にはいかないから…… ねっ!!」
蛍「はいはいっ、分かってますよ!」
蛍(えへへ~、センパイと二人っきりで買い物デート~~♪)
小鞠「あっ、そうだ。はい、蛍にプレゼントっ!」
蛍「えっ! センパイからのプレゼントですか!!」パァァ
蛍「わ~~♪ 可愛いキーホルダーですねっ!」
小鞠「実はね…… どジャアァぁぁぁ~~ン」ドジャーン
蛍「あれ? それって… 今私が貰ったキーホルダーの色違いですか?」
小鞠「これ、私も自分用に買ったんだけど…… 蛍のとお揃いなんだよっ!」
蛍「えッ!!? わ、私とセンパイの…… お揃いですかッ!!?」
小鞠「蛍が私たちの村に引っ越して来てから随分経つでしょ。特に私は蛍とよく一緒に遊ぶから… だから、これまで仲良くしてくれてありがとう、これからもずっと仲良くしてねって証だよっ!!」ニコッ
蛍「センパイ……っ!! ありがとうございますっ!! このキーホルダー、一生大事にしますっ!!」
小鞠「蛍が喜んでくれて嬉しいよ」エヘヘ
蛍「はーいっ!」
蛍「えへへ~~♪ センパイとお揃いのキーホルダーもらっちゃった~~♪」
蛍「センパイとお揃い~~♪」
蛍「えへへ~ えへへへ~ えへへへへへ………」
蛍「えへへへへへへへへへへへへへーーッ!!」
蛍「最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアア」
蛍「ハハハハハハハハハハーッ」
蛍「ブワーッ」
蛍「ワァーハッハハハッハッハハッハァーッ」
蛍「ハァッハッハーッ!」
蛍「フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ」
蛍「ノォホホノォホ」
しのぶ(X年前の今日、『あの人』がいなくなった日………)
しのぶ(いや、大丈夫よ… 『あの人』は行方不明になっただけ……)
しのぶ(死んだなんて警察も言ってないんだから、きっといつか帰ってきてくれるはず………)
しのぶ(だから毎年この日は、『あの日』と同じ料理を作って、早人と一緒に帰りを待つの……)
しのぶ(食品売り場はこっちよね…)グスッ
蛍「ウヒャハハハハハ」
しのぶ(…………今年こそは……帰って来てくれるわよね…………)グスッ グスッ
蛍「…」
蛍「あのですねーー!! 小鞠センパイがお揃いのキーホルダーをプレゼントしてくれて、せっかくいい気分になってるっていいますのに…… そんなハイな人の前で泣くなんて失礼じゃあないですかッ!!」
しのぶ「だ、誰ですか…?」ビクッ
しのぶ「はい……」
蛍(仗助さん達が、かつて杜王町にはスタンド使いの殺人鬼がいて、倒された今でも残された被害者の家族が苦しんでいるときいていましたが……)
蛍(しかし、心苦しいですが、無力な私にはどうすることもできないですね……)
しのぶ「そういえば、先程から何かを大切に握っているようですが…?」
蛍「あ、これは、ある人から貰ったプレゼントなんです!」
しのぶ「あら、その恋をしている目。うふふ、そのプレゼントは『恋人』から貰ったものかしら?」
蛍「こッ『恋人』に見えますかッ!!?」グオッ
しのぶ「え… そ、そうかなー?って……」
蛍(よ~しっ!! クレイジー・サイコモンド!! とりあえずX年前に死んだ人たちの壊された肉体や魂をテキトーに『なおし』ておいて~~)
クレイジー・サイコモンド「レズゥゥッ!!」ピシィィイ
放送「迷子のお知らせを申し上げます。一条蛍さま、お連れの越谷小鞠さまがお待ちです。至急、迷子センターへお越しください」
蛍「センパイ!? すぐ行きます!!」
現在
■カフェ「ドゥ・マゴ」
蛍「………ってことがありました」
憶泰「てめーの都合だけしゃべくってんじゃねぇーぞ!! このタコがッ!!」
承太郎「何だ?」
仗助「確か昔… 終わった生命はどんなスタンドでも戻せないって言って……」
承太郎「…」
承太郎「……いや、ssってのは、あくまで二次創作だから………」
仗助「荒木先生監修の『アイズオブヘブン』は?」
承太郎「…」
仗助「…」
承太郎「……仗助」
仗助「?」
承太郎「俺はウソつきなんじゃあねーぜ。まちがいをしただけだ…… 」
仗助「…」
■少女の幽霊に会える小道
鈴美「うふふ、これを言うのも2回目だけど。ありがとう、みんな…。さようなら… みんな…」ドドド
蛍「あの人が、この町の守護聖霊、杉本鈴美さんですか」
仗助「あぁ、そうだぜ」
康一「今回のことがあったけど…… 鈴美さんはあの世で安心していてくれるかな…?」
蛍「…」
蛍「…………仗助さん」
仗助「何だ…?」
蛍「私が『小鞠センパイ』と『この町』を守りますよ。鈴美さんの代わりに…… どんなことが起ころうと…」
憶泰「あんた、いいこと言うじゃあねーか…!!」
康一「うん… そうだね…!!」
露伴「しかたない、この岸辺露伴も協力してやるか…!!」
承太郎「フッ… やれやれだぜ…!!」
蛍「はい! 私たちでこの杜王町を守りましょう!!」
小鞠「あっ! 蛍、見つけた!!」
小鞠「もう明日には村に帰るから、お土産買いに行くよ~!」ドーン
五人「えっ…!!」
蛍「あっ、そうでした!」ちゃん♪ ちゃん♪
■杜王港(船上デッキ)
このみ「大きな船だねー」
夏海「あ、そうだ! この前見た漫画の、船の上での名シーンをしまーす」ハーイ
夏海「『祈って』おこうかな………。航海の無事を………。この大西洋を渡って家に帰ろう………。
家に… 帰ろう…」
夏海「どう? どうだったー?!」キラキラ
卓「…」
このみ「……いーねェー。すごくいいよ!超イケてる」
一穂「……ヨーロッパなら大ヒット間違いないかも」
ひかげ「お前… 随分暇そうじゃあないか…」
れんげ「駄菓子屋! ウチはこの杜王町の旅行を終えて…… ひとつだけ言える事を見つけたのん」
楓「ほう… それは何だ?」
れんげ「この町の人たちは『黄金の精神』を持っているのん」
楓「『黄金の精神』……?」
れんげ「ウチらもあの村で過ごしている時に見る………。『正義』の輝きの中にあるという『黄金の精神』を………」
れんげ「ウチは杜王町の人たちの中に見たのん……」
小鞠「え、エジプト!? 何で!?」
蛍「憶泰さんの親父さんを助けた時のお礼だそうです。(あと、センパイはスタンド使いではないので言いませんが、エジプトでなおしてほしい3人の生命があるとも言っていました)」
小鞠「へ~。でも、エジプトは海外だし、お金かかるから皆では行けないね……」
蛍「でも二人分は無料ですし、せっかくなので、二人で行きませんか?」
小鞠「家族とかじゃなくて、私でいいの?」
蛍「はいっ! センパイと行きたいですっ!!」
小鞠「じゃあ… ありがとう! 蛍!!」
蛍(フフフ、センパイと二人で旅行… ホテルもセンパイと二人部屋… 外国だから、何をしてもセンパイに逃げ場はない……クックックッ)《漆黒の意思》
(尚、この『ほとんどの人々』の中に『越谷小鞠』は含まれていない)
エンディング『おかえり』
歌:シュトロハイム
ここはァァァァァァァアアア
世界一ィィィイイイイ
優しいィィィイイイイ
おかえりィィィイイイイ
が待っているゥゥゥゥウウウウウウ
場所ォォォオオオオオ
『イチJOの奇妙な冒険 ーサイコレズは砕けないー』完
5月28日 ほたるん誕生日おめでとう
初ssなので、お目汚し申し訳ない(特に承太郎)。
次は同僚の出番を作れるように頑張りたい。
黄金の風も早くアニメ化してほしい。
終わり
掲載元:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495897206/
Entry ⇒ 2017.06.07 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
夏海「兄ちゃん……おしりペンペンして//////////」
越谷家。
お茶の間。
雪子「こら!夏海!またこんな点数とって!」
夏海「問題が難しかったのがいけないんだもん。だから夏海ちゃんは悪くありませーん」
雪子「全くこの子は……」
夏海「中学になってから急に難しくなったんだから仕方ないんだよ」ヤレヤレ
雪子「兄ちゃんや姉ちゃんはそんな事なかったけど?」
夏海「じゃあ私の時になって変わったんだよ。まったく私の時になって急に脱ゆとり教育なんて酷過ぎるよ」うんうん
雪子「またそんな訳の分からない事言って…ゆとり教育だか何だか知らないけど、アンタがもっと家で勉強して、付いていけるようになればいいだけだから」
夏海「勉強なんて学校でやるだけで充分だよ」
雪子「充分じゃないから言ってるの。家で宿題とか、予習、復習をしなさいって言ってるの」
夏海「そんな文字は夏海ちゃんの辞書にはありませーん!!」
雪子「夏海!」
ばっ!
夏海「かっ母ちゃんその振り上げた手は何なんだよ!?」びくっ
雪子「いう事訊かない子はコレだよ!!」ぐっ
夏海「ぎゃー!虐待はんたーい!!」
小鞠「………………」
小鞠(いつになく激しいな……)
卓「………………」
雪子「何言ってるの!?まったくアンタって子は…またそんな減らず口を!」
ぐぐっ
夏海「わっ分かったから!その手を降ろして!!ゲンコツだけは何卒ご勘弁を!!!」ひいっ
雪子「そう…じゃあやっと勉強する気になった?」
夏海「それは……」
雪子「…………まったく…もうしょうがないねぇ……」すっ
夏海(えっ母ちゃんが腕を下げた!?)
雪子「分ったよ。私はもうアンタを叩いたりしないから」
夏海「えっホント!?それじゃあ―――――」
雪子「その代り―――――――」
雪子「私の代わりに兄ちゃんに夏海のおしりをペンペンして貰うから」
夏海・小鞠・卓「「「!?」」」
夏海「えっ!?ど…どういう事?兄ちゃんにやって貰うって………ていうか何でおしりなんだよ!」
雪子「だってゲンコツは嫌なんでしょ?それに私がやるより兄ちゃんにやって貰う方が、アンタも気恥ずかしくて嫌だろうしね。それにその方が私も手を痛くしなくて済むし」
夏海「そっそれは――――――」
夏海(うう…確かに考えただけでも恥ずかしい……//////)
ちら…
卓「…………」
夏海(ううっ母ちゃんがそんな事言うモンだから、兄ちゃんの顔を見るだけで恥ずかしくなっちゃったじゃないか!////////)かぁ
夏海(でも―――――――)はっ
雪子「分った?兄ちゃんにおしり叩かれるのが嫌だったら――――――」
夏海「いいよ……」
雪子「?」
夏海「………………//////////」
ばっ
雪子(夏海が四つん這いになった!?)
夏海「兄ちゃん……私のおしりペンペンして…………////////」
雪子・小鞠・卓「「「!?」」」
夏海(最初は恥ずかしいと思ったけど、よくよく考えれば兄ちゃん優しいし、母ちゃんのゲンコツよりは痛くないと思うし……)
小鞠(夏海はお兄ちゃんに向かっておしりを突き出してるし…ナンかおかしな事になって来た)
雪子「…………夏海…アンタって子はどこまで……」はぁ
卓「…………」
夏海「ん?どうしたの兄ちゃん。はやくしてよ」おしりふりふり
卓「…………」ちら
雪子「…………夏海がそう言ってんだから。思いっ切り叩いてやって」
卓「…………」こく
すっ
夏海「…………………」ちら…
夏海(兄ちゃん…判ってるよね?優しくだよ優しく)ねっ
卓「……………」こく
すっ…
夏海「………………」ゴクリ…
卓「…………」
さっ
ぺんっ
夏海「!!」
ぺんぺんっ
夏海(はは…全然痛くない。やっぱり分ってるぜ!兄ちゃん)
卓「…………」
ぺちぺち
夏海「…………」
夏海(あれ?でも…………この感じ――――――)
うずうず…
夏海「に…兄ちゃん」
卓「……………」ん?
夏海「もう手加減しなくていいから……」
卓「?」
夏海「もっと思いっ切りやっていいから!///////」
雪子・小鞠「「!?」」
卓「…………」
夏海「いいから早くヤってよ…こんなんじゃお仕置きにならないから」
小鞠「夏海?何言って――――」
卓「……………」こく
小鞠「ってお兄ちゃん!?」
夏海「……………」ドキドキ…
卓「……………」
すっ…
バシーン!!
夏海「ひゃん!!///////」びくっ
スパーン!スパーン!!
夏海「あひっ//////あうっ!うほぅ!////////」ゾクゾクゥ…
卓「………………」
夏海「痛ひ…ひたいよぉ……兄ちゃぁ…ん……////////」はぁはぁ
卓「…………」
夏海「ひどいよぉ……にいひゃんの所為で、ウヒのおひりヒリヒリして真っ赤になっちゃてるよぉ/////////」ビクビクンッ…
小鞠「…………」
小鞠(あんなに強く叩かれて、夏海とっても痛そー。おしりもホントに真っ赤になっちゃってるんだろうな……でも―――――」
夏海(痛いしヒリヒリするけど……兄ちゃんに…兄ちゃんにサレてると思うと―――――)
夏海「……………うへへぇ……」
あへあへぇ…
小鞠「………………」
小鞠(夏海のあの蕩けた貌……アヘアヘしてすっごくだらしなくて、痛そうだけど…………)
小鞠(―――――でも痛いだけじゃなさそう…………そんな事ないんだろうけど…でも…どこか気持ちそさそうに見える…………)じゅん…
夏海「………………」はぁはぁ
卓「…………」すっ
雪子「…………はぁ…卓もうそこまででいいよ。今日はもういいから次のテストは頑張っていい点とりなさいよ」すく…
すたすた…
小鞠「夏海…大丈夫?お兄ちゃんもどうしてあんなに―――――」
夏海「い…いいんだ姉ちゃん。これはウチがやってっていた事だし……」じんじんひりひり
小鞠「でも―――――」
夏海「兄ちゃん」
卓「…………」ん?
夏海「またウチが何かしたら、母ちゃんの代わりに兄ちゃんがオシオキしてね///////」にこ
卓「…………」
それから。
越谷家。
夏海(えへへ…今日もテストで悪い点取っちゃった。これは兄ちゃんにまたお仕置きされないと)
卓さんの部屋のドアの前。
夏海(よし!)
がちゃ!
夏海「兄ちゃん……今日もテストで悪い点取っちゃったよ。だから…………今日もお仕置き―――――)
卓「駄目だ」
夏海「そうだよねー駄目だよねー……って――――兄ちゃんが喋ったー!!?」びくっ
卓「は?何を言ってるんだ?そりゃ俺だって喋るよ」
夏海「えっ?だってさっきまで、ぜんぜん喋ってなかったし……」
卓「それは、特に喋る必要がなかったからだ」
夏海「そうだったんだ……でも兄ちゃん…兄ちゃんは本編やアニメじゃ―――――」
卓「本編?アニメ?本当に何を言ってるんだお前は?」
夏海「…………そっそう言えばそうだよね。アレ?ウチ何を言ってるんだろ?」あはははは
卓「まったく。お前ってやつは、たまにおかしな事を言うからな……」
夏海「あはは…ごめんね――――って、そんな事より今ダメって言わなかった?」
卓「ああ言ったぞ」
夏海「ダメって…もしかしてオシオキの事?」
卓「ああ。そうだ」ウン
夏海「えっ!?どうして…?ウチ悪い点とったのに―――――」
卓「夏海お前――――」
卓「俺に尻を叩かれて悦んでるだろ?」
夏海「!!」ドキッ
夏海「そっそんな事―――――/////////」ドキドキ…
卓「あるだろ」
夏海「うっ――――――」
卓「あるんだろ?」
夏海「………………………………うん//////////」こく…
かぁぁ
卓「そうか…………」
卓「じゃあやっぱり駄目だな」きっぱり
夏海「!!」
夏海「しょ…しょんな…やだよ―――――」ふりふり
夏海「兄ちゃんにおしりペンペンしてくれなきゃヤダよ――――――」じわ…
卓「だったら…………」すっ
卓「テストでいい点を取ってみろ」
夏海「えっ!?」
卓「そうしたら、お前の尻を叩いてやるから……」
卓「ご褒美としてな」
夏海「!!」はっ
夏海「…………わ…分った。ウチ…ウチ頑張るから!テスト頑張るから!!」
夏海「だから…その時は―――――//////////」
卓「…………ああ」にこ
夏海「!!」ぱぁぁ
夏海「えへへ…兄ちゃんはやっぱり優しいな。だからウチは……ウチは――――――」じ…
卓「…………」
夏海(兄ちゃんの事が大好き――――――――)にこ
卓「?」
その後。
越谷家。
卓さんの部屋。
夏海「兄ちゃん!テストで80点以上取ったよ!だ…だから――――――////////」
卓さんの部屋のドアの前。
パァン! パァン!
夏海『あぁー!!に…兄ちゃんいいよー。もっとぉ…もっとぉ――――――//////////』
卓『まったく…夏海の【み】のMは、ドMの【み】の様だな』
夏海『うう…兄ちゃん酷いよぅ……違うからウチドⅯなんかじゃないから――――でも…でもやめないで…もっと叩いてぇ―――――』
ドアの隙間。
?「……………」じー
小鞠「……………」じー
小鞠(夏海が最近様子がおかしいし、お兄ちゃんの部屋に入ってくのが見えたから、ウッカリ覗いてしまったけど)
小鞠(…………夏海……やっぱりまたお兄ちゃんにおしりペンペンされてる……)
小鞠(それに――――またあんな貌して…………お兄ちゃんにあんなに強くおしり叩かれてるのに……すっごく痛い筈なのに…どうしてそんな悦んだ貌をしてるの?/////////)じー
小鞠(そ…そんなにいいのかな……)ゴクリ…
じー
小鞠(…………ダメ―――――こ…こんなの見てたら私までどっか変に――――――//////////)じい…
さらにその後。
越谷家。
卓さんの部屋のドアの前。
夏海(…………こんな事になって、ウチはもう兄ちゃんから離れられなくなっちゃったけど……兄ちゃんも、もうウチから離れられないよね?)
夏海(このままいけば、二人は兄妹の関係ではいられなくなって…そしていつしか……ウチと兄ちゃんはお口の恋人ならぬ、お尻の恋人になって…やがて二人は結ばれて―――――)
夏海(…………ってちょっと気が早いかな?/////////)あはは…
夏海(まぁ今は、それはちょっと置いといて……)よっこいしょ
夏海(よし!今日も兄ちゃんに――――――)うん!
夏海「兄ちゃーん!今日もテストでいい点とったよー」
がちゃ!
夏海「だから今日も―――――――」
夏海「!!!!?」
夏海「今日…も………」
ペン!ペン!!
小鞠「痛いよぅ…痛いよぅ!おしりがジンジンしてヒリヒリして…でも…でもそれなのにどこか気持ちよくて――――お…お兄ちゃん……私・・・わたし……ヘンタイさんになっちゃったよぉ…………//////////」あへぇ…
夏海「ね…姉ちゃん……どうして――――――」わなわな…
卓「………………」
小鞠「!!」びくっ!
あせあせっ
卓「…………」
小鞠「な…夏海―――――ちっ違うの!!こ…これはその……夏海があんまり気持ち良さそうだったからちょっと試しn―――――――」あたふた
夏海「ね…姉ちゃんに――――――」ふるふる…
あとずさり…
夏海「姉ちゃんに兄ちゃんのおしりペンペンをNTRされたーーーーー!!!!」うわぁぁぁーん
だだっ
おしまい。
おまけ。
とある日の越谷家。
卓さんの部屋。
このみ「そう言えばこうやって、メガネ君の部屋に二人っきりで居るのって久し振りだね……」
卓「…………そうですね。富士宮先輩」
このみ「もうっイジワルなんだから。二人っきりの時は―――――」
このみ「卓君」
このみ「―――――だったよね」にこ
卓「…………」こく
――――
このみ「あっそうだ。卓君」ぽん
卓「?」
このみ「ちょっと前に小鞠ちゃんから聞いた…というか、相談されたんだけど―――――」
卓「…………」
このみ「卓君…………なっちゃんのおしりを叩いて遊んでるんだって?」
卓「!?」
このみ「小鞠ちゃんがね、なっちゃんが、お兄ちゃんにおしりをペンペンされてるのに悦んでるみたいって。ちょっと心配そうに、私に相談してきたんだけど……でも―――――」
このみ「二人でそんなアソビをシテたなんて……ね」じ…
卓「そっそれは、それに遊びなんかじゃ――――」あせっ
このみ「それに小鞠ちゃんには、お兄ちゃんもどこか愉しそうに見えたんだって。ふふ…もしかして卓の【す】はドSの【す】だったりして?」クスクス…
卓「…………まったく何を言ってるんだよ?そんな事ある訳ないから」むぅ…
このみ「ホントに?…………でも―――――」
このみ「話を聞いて…さ。ちょっと私もそういうコトに興味持っちゃったんだよね?」
卓「えっ!?」
このみ「もしかして。このみの【み】のMもドMの【み】だったりして」クス…
卓「このみさん?」
このみ「ねぇ…卓くん…………」
すっ…
卓「!?」ドキッ
卓(こ…このみさんの顔が俺の耳元に――――)
このみ「フフ…今から試してみよっか?」
卓「!?」
更にとある日。
学校からの帰り道
小鞠「蛍と二人だけで下校って久し振りだね」
蛍「そうですね。それより…小鞠先輩」
小鞠「?」
蛍「視てましたよ。小鞠先輩の部屋で小鞠先輩が卓先輩におしりを叩かれて喜んでるトコロを。それも何回も……何回も―――――」ギリ…
小鞠「!?」ドキッ
蛍「言ってくれればよかったのに。先輩にソウイウ趣味があるって……」
小鞠「そ…それは――――/////////」
蛍「正直に言いまして…始めは先輩を盗られたって、すっごく悔しかったんですけど。ずっと視てたら、悔しいだけじゃなくて、いつの間にか、抑え切れないくらい興奮してしまっている自分もいまして……////////」はーはー
小鞠「えっ!?」ゾワッ
蛍「フフ…ソノ為にスパンキング用のラケットも、ほら…もう手に入れましたからよ」す…
小鞠「えっ!?」ビクッ
蛍「フフフ…センパイ。今日からは私の部屋でワタシトシマショウネ―――――」ニコォ…
小鞠「ひぃぃぃ―――――」ガタガタ…
おまけのおしまい。
タイトルを書いている時点で
なんなのこれ?とか思ったのですが
色々ありながらも
どうにか終わらせる事が出来て良かったです
ありがとうございました。
しかしここは蛍も落とさなきゃいかんでしょ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487330368/
Entry ⇒ 2017.02.22 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
れんちょん「ウチ、魔法少女になるのん!!」
れんげ「! たぬきみたいなのが喋ったん!!?」
きゅうべえ「僕はきゅうべえ!君には今日頼みがあって来たんだ」
れんげ「きゅうべえなん?なんなのん?」
きゅうべえ「魔法少女になってみないかい?もちろん、ただでとは言わない……」
きゅうべえ「願いを一つ、何だって叶えてあげるよ」
れんげ「なんでもなん?」
きゅうべえ「そう、どんな奇跡だって叶えてあげるよ?」
れんげ「…ウチ、魔法少女になるのん!」
れんげ「ウチは、もっと色んなことが知りたいん」
れんげ「わからない事を解るようになりたいのん」
きゅうべえ「なるほど、わかったよ!」
きゅうべえ「君の願いは、エントロピーを凌駕した…!」
れんげ「!」
きゅうべえ「変わっていないことなんて無いよ?君にはもうわからない事なんてないんだ!」
れんげ「何言ってるん。そんなこと即時の証明ができないん」
きゅうべえ「君の能力はなんだい?知りたいと願うんだ」
れんげ「……!なるほど、わかったのん……この能力の本質が…!」
きゅうべえ「そう。君の能力は“知識という概念への干渉“だよ」
れんげ「………これだけなのん?」
きゅうべえ「まさか。これを受け取ってくれ」
れんげ「宝石なん?」
きゅうべえ「説明するよりも、能力を使ってみたらどうだい?」
きゅうべえ「その通りだよ。早速使いこなすなんてすごいじゃないか」
れんげ「願わないと発動しないなんて不便極まるん…」
きゅうべえ「ふむ、流石にそれは見せないといけないね」
きゅうべえ「魔法少女の本当の仕事を見せてあげるよ!」
れんげ「仕事なん?」
きゅうべえ「こっちだ……変身はできるかい?」
れんげ「変身……わかったのん、やってみるん」
パアアアア
れんげ「ゴスロリってやつなん?」
きゅうべえ「僕の趣味ではないから安心してね」
きゅうべえ「正確にはジャンプだけどね、身体能力が劇的に上がるのも確かだ 」
れんげ「楽しいのん!これだけでも魔法少女になった甲斐があるん!」
きゅうべえ「さあ、行こう…もうすぐだよ!彼女のいる場所まで」
きゅうべえ「そう。君たち魔法少女の敵だ」
きゅうべえ「そして、魔女と戦っているのは……この地区の担当の魔法少女──」
れんげ「あれは……」
きゅうべえ「越谷夏海。君の先輩魔法少女さ」
ドオオン
魔女「~~ッ~─━!!」
なつみ「っ……光線とは卑怯な!」
なつみ「必殺!なつみちゃんきーっく!」
ドガアアアアン
れんげ「なっつん!」
なつみ「れんげ…?おお!れんげも魔法少女になったの!?」
れんげ「そうなん!ウチも魔法少女なん!」
きゅうべえ「やあ、夏海。良い戦いっぷりだったじゃないか」
なつみ「そりゃどーも!そうだ、これ出たよ?なんだっけ、ぶりーふしーと?」
れんげ「何言ってるんなっつん…それじゃただのパンツの布なん」
きゅうべえ「グリーフシード。使ったかい?」
なつみ「いや、ウチもまだ余裕あるし、れんちょんにあげるよこれ」
きゅうべえ「知りたいかい?」
れんげ「力使ったからもういいのん。貰っておくん、なっつんありがとうなのん」
きゅうべえ「レクチャー役の僕の立場がないじゃないか…」
なつみ「うん、おーっと…なつみちゃん宿題しないと……ウチ帰るわ」
れんげ「ばいばいなのん。また明日なん」
なつみ「ばいばいれんちょんー」ザッ
きゅうべえ「そうしてもらわないと困るよ」
れんげ「?何でなん?」
きゅうべえ「彼女の願った能力に由来しているからね」
きゅうべえ「まあ本来の狙いは宿題のためだったようだけど」
れんげ「なっつんは狡いところにはやたら頭が回るん。侮ってはだめなん」
れんげ「…朝なん」
れんげ「…」
きゅうべえ「やあ、おはようれんげ!」
れんげ「……今何時なのん…7時なんな?」
きゅうべえ「能力を使ったのかい?」
れんげ「しょうもないところでやたら便利なん」
きゅうべえ「応用が効くと言ってくれ」
きゅうべえ「また能力を使ったね?せめて布団から出たらどうだい?」
れんげ「………わかったのん。ねえねえみたいにはなりたくないん」ムクッ
れんげ「学校行くのん」
きゅうべえ「お姉さんは起こさないでいいのかい?」
れんげ「起こしても起きないん。熟睡具合でわかるん」
れんげ「朝ごはん食べるのん」
ほたる「あ、れんちゃん。おはよー」
れんげ「おはようなん!こまちゃんとなっつんはまだなん?」
ほたる「うん。でもそろそろくるんじゃないかな?」
れんげ「そうなのん?もうバス来ちゃうん 」
こまり「ほたるーん!れんちょーん!」
なつみ「二人とも早いな、おはよー!」
ほたる「え?魔法少女?」
なつみ「あー…れんちょん変な事言わない。さて、バスも来たし行こうか」
こまり「いこいこー」
れんげ「…?」
こまり「あ、そういえばテストか…やば…」
ほたる「こまり先輩、私もしてません…」
なつみ「え?テスト?」
こまり「うわっ…大丈夫なのかよ」
ほたる「れんちゃんは勉強したの?」
れんげ「…してないん……」
なつみ「れんちょん先生は?」
れんげ「ぐっすりだったん」
なつみ「あー……よし、今のうちに勉強を…!」
ガラッ
かずほ「やー…今日はテストやるよー」
なつみ「最悪だ!!」
なつみ(わからん…)
こまり(しまった…)
ほたる(えーと…なんだっけ…)
れんげ(……すごいん…これはすごいん!!)
れんげ(全部わかるん!!この能力便利なん!!!)
カリカリカリカリ
かずほ(おー…れんちょん勉強頑張ったのかなー…?)
かずほ「おっ…れんちょんこれ満点だね」
れんげ「ほんとなん!?」
かずほ「他は…やれやれだねえ……」
なつみ「しまった……」
こまり「あんたはいつもでしょ…」
ほたる「お母さんに怒られちゃうう……」
ほたる「今日も疲れたねー」
こまり「はあ…勉強しとけばよかったな…」
なつみ「うーん。惜しかった気がする…」
こまり「流石に気のせいだよそれ」
なつみ「失礼なー」
ほたる「あれ、れんちょんどうしたの?」
れんげ「見るんー」
◯ ほたる「れんちゃんどうしたの?」
ほたる「ほんとだ、見たことない…なにこれ?」
れんげ「これは……」
れんげ「ギンリョクソウ…というん」
ほたる「ぎんりょくそう?なにそれ?」
れんげ「……、腐生植物なん。こんなとこに生えてるのは珍しいらしいん」
ほたる「らしい?…他にどんなとこに生えてるの?」
れんげ「……じめっとしたとこに負おいん。白いから光合成の必要がないから暗いとこにも生えてるん」
ほたる「物知りだねえ……れんちゃんすごいね」
れんげ「わからないことあったらウチに任せるーん!」
きゅうべえ「おかえり、れんげ」
きゅうべえ「聞きたいことがあるんだけどいいかい?」
れんげ「突然どしたん、聞けばいいのん」
きゅうべえ「そうだなあ…“未来“がその能力では見えるのかい?」
れんげ「……?なんで能力渡した本人がわからないのん」
きゅうべえ「流石に僕達だってそこまで全能じゃない。もしくは未来を見られるのか、能力を使って可否を見てくれ」
れんげ「………ッ…だめなん。見えないっぽいのん」
れんげ「まず未来を見ようとしたん」
れんげ「ひどい頭痛がして見えなかったのん」
れんげ「その次に可否を知ろうとしたら…なんか、真っ黒だったのん」
れんげ「なんなんなー…」
きゅうべえ(なるほど……興味深いなあ)
きゅうべえ「ありがとうれんげ、知りたい事は、得られたよ」
れんげ「それはよかったん」
れんげ「昼寝でも…」
ジリリリリリリリリ
れんげ「……電話なん…?」
れんげ「もしもしなのん」
『れんちょん!?れんちょん大変だ!!』
れんげ「なっつんなん?どうし…」
『姉ちゃんが……姉ちゃんが!!!』
れんげ「…………?落ち着くのん、一体どうしたん?」
『姉ちゃんが……多分、魔女に襲われて……!!』
れんげ「……!」
れんげ「こまちゃん大丈夫なのん!?」
なつみ「れんちょん!!」
ほたる「っ……っく……う………」ポロポロ
雪子「れんげちゃん…来てもらってごめんね」
れんげ「こまちゃんは…大丈夫なん…?」
雪子「ええ、命だけは……でも……」
雪子「最悪のケースは……」
れんげ「……っ!」
なつみ「れんちょん、ちょっと…いい?」
れんげ「……」
れんげ「どうしたのん…?なっつん…?」
なつみ「聞いて、れんちょん。ウチ達で…仇をとろう」
れんげ「……わかったのん…でも、どうするん…?」
れんげ「……!なんでわかったのん…?」
なつみ「れんちょんが魔法少女になった…昨日の晩から、少しだけだけど、使う言葉が変わってた」
なつみ「ほんとに少しだけ、でも。決定的だし、テストの満点もそう」
なつみ「どうかな。そしてその能力を応用すれば…」
れんげ「仇の、魔女の居場所がわかる……ってことなん…?」
れんげ「………」
れんげ「………………見えなかったん」
なつみ「…!な、なんで…!?」
れんげ「わからないん。でも、真っ黒で…」
きゅうべえ「多分、れんげのそれは回数制限か何かだろうね」
きゅうべえ「もしくは…」
なつみ「!きゅうべえ!」
れんげ「回数制限…なん?」
きゅうべえ「回数制限だとして、リセット期限はわからないけどね」
きゅうべえ「ところで、彼の魔女の居場所が知りたいんだろう?」
れんげ「……なっつん、ほんとに一人で行くん?」
なつみ「うん。れんちょんはここにいて。ウチが……」
なつみ「魔女を、倒すから」
れんげ「…」
なつみ「大丈夫だって、れんちょん!絶対帰ってくるからさ!」
なつみ「姉ちゃんも、絶対助かるから。きっと、すぐいつも通りにみんなで…ね?」
なつみ「さて、じゃあ行ってくるよ」
れんげ「なっつん……」
ザッ
きゅうべえ「帰るかい?」
れんげ「なっつんが帰ってくるまで帰らないん」
きゅうべえ「やれやれ、じゃあ話させてもらうけど…」
きゅうべえ「なつみはたった今、魔女に喰らわれてしまったよ」
れんげ「━━━ッ!!!!」
れんげ「なっ……つん……が……?」
きゅうべえ「相手は強い魔女のようだね、あのなつみが負けるなんて」
れんげ「………嘘なん…」
きゅうべえ「嘘に見えるかい?」
れんげ「………」グスッ
れんげ「………」
れんげ「…なっつんが勝てない魔女に、ウチは勝てないん…」
れんげ「皆に忠告して魔女の居る場所に近寄らないでもらうのが最善なん……」
れんげ「なんで、ウチはこんなに弱いのん……」グスッ
ピンポーン
れんげ「…開いてるん」
ガラッ
「……ごめん。れんげ、全部きゅうべえから、聞いた…」
れんげ「………!どうしてなん…?どうしてこまちゃんが……」
「それはね…」
ドオオオン
ほたる「よくも……よくも、よくも夏海先輩をっ!!!」
ほたる「うああああっ!!」
ドガアアアン
魔女「………ピキッ、ピキピキピキ」
ほたる「……?目が光って……」
こまり「…多分、ウチが襲われたことの、“過去の改変“…」
れんげ「……でも、ウチは…」
こまり「……うん、だから…ウチも、魔法少女になるよ」
こまり「過去の改変が許されるのなら、きっとウチもなつみを…助け…」
れんげ「…!」
こまり「きゅうべえ……!!」
きゅうべえ「一条ほたるが願った奇跡は、君の治癒だ」
こまり「きゅうべえ、ほたるはどこに行ったの。知ってるんでしょ…」
きゅうべえ「彼女は…」
ほたる「うっ……くっ…あああっ…」ムクムク
グッ
ほたる「あ…あああああっ!!!」
こまり「……?どういう、事……?」
れんげ「何を言ってるん…?」
きゅうべえ「魔女とは魔法少女の末の姿だよ」
きゅうべえ「そして、強い魔女を倒すだけ魔法少女は魔女になる速さは増す」
きゅうべえ「一条蛍はここが限界だったようだね。残念に思うよ」
れんげ「何を…」
れんげ「こまちゃんどこ行くん…!?」
こまり「ほたるを、ほたるを助けに行く!!」
れんげ「……だめなん!死んじゃうん!!」
こまり「ほたる…ほたる!!」
ダッダッ
きゅうべえ「助けに行くかい?」
れんげ「行くに決まってるん!!せめてこまちゃんだけでも……」
れんげ「助けたいん!」ザッ
きゅうべえ「………少し、集中してみようかな」
れんげ「こまちゃん……」
・・
・・・
ドサッ
れんげ「こま…ちゃん……?」
れんげ「なんで…なん」
ガッ
魔女「……… 」
れんげ「………ほたるん!!」
れんげ「ほたるん…目を覚ま…」
ガシイッ
れんげ「っは……っ……!」
カラッ
れんげ「これは…なっつんに貰ったグリーフシードなん…?」
れんげ「ソウルジェムに……」
れんげ「………!!!」
れんげ「未来が見れるん……でも…なんなのんこれ?!?」
れんげ「光の弓矢……あれは、人なん…?」
れんげ「人物名“まどか“………」
れんげ「…、魔女、……が消えた……?」
れんげ「何が起こってるのん……?事象名…無い……?」
れんげ「概念を超越した概念……ということなのん!?」
れんげ「………」
スパアアアアアアア
れんげ「……今のは……?事象名が…概念が増えた…ということなのん?」
れんげ「“円環の理“……?」
「……ちょ…ん…」
なつみ「れんちょん、どうしたの?」
こまり「ん?どした?」
ほたる「どうしたの?」
れんげ「なんでも、ないん…」
れんげ「歴史の塗り替え…可能性の消失と誕生……」
れんげ「……ウチの力は、“知りたい事を知る能力“じゃないん…?」
れんげ「ウチの、ウチの本当の力は……“観測不可能な概念及び変動の観測“……?」
れんげ「つまり…これは…」
「れんちょーん」
「れんげ、あそぼー!」
「れんちゃーん!」
れんげ「みんな………本物、なのん?」
れんげ「事実、全て元通りとはいかなかったん」
れんげ「魔女は消え魔獣が現れ」
れんげ「可能性の変動によって魔法少女はなっつんとウチだけになってるん」
れんげ「でも、これでいいのん」
れんげ「だってウチ、また皆に会えたのん!」
~end~
なんかすみませんでした
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1485859401/
Entry ⇒ 2017.02.16 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
夏海「ほたるんってさ・・・・・・ちょっと姉ちゃんの事を変な目で見てない?」
一条家。
蛍さんの部屋。
蛍「!?」
蛍「へ…変?変ってどういう事ですか?夏海先輩」
夏海「いや…なんか普通じゃないっていうか……どこか偏愛的な感じがするっていうか…………」
蛍「それって……私がクレイジーサイコレズだっていうんですか!?」
夏海「いや…そこまでは……」
夏海(ていうか何だよ!?クレイジーなんとかって!!)
蛍「夏海先輩が、一人で私の家に来るなんて珍しいと思ったんですけど。もしかしてこんな事を訊く為に、わざわざ来たんですか?」
夏海「いや……それはさ…前から何となく思ってたんだけど、ちょくちょくほたるんの姉ちゃんを見る目が、尋常じゃない気がしたもんだからさ……」
蛍「尋常じゃない?」
夏海「うん。正直…ここ最近は特に…………」
蛍「そうですか?私は小鞠先輩の事を四六時中…それこそ余す事無く、ごくごく普通に見詰め続けてるだけだと思いますけど」
夏海「ならいいけど……」
夏海(ん?いいのか?ナンかどこか違和感が…………)はて?
蛍「でも…先輩の言われる通り、確かに私は小鞠先輩の事が好きですよ。でも…それのどこがいけないんですか?」
夏海「いやだから…その好きっぷりが尋常じゃないっていうか、どこか危なっかしいというか……」
蛍「もしかして夏海先輩はいつか私の行き過ぎた愛が、小鞠先輩に危害を加えるんじゃないかと疑っているんですか?」
夏海「そこまでは思ってないけど。ちょっと心配っていうか、そのま…万が一って事もあるからさ―――――最近、そんな感じのニュースとか見るし……」
蛍「そうですか……夏海先輩はお姉さん想いなんですね。分りました。今から私が小鞠先輩に対して、どれだけ安全な人間なのかを証明してみせます」ぐっ
夏海「え?どうやって」
すっ
蛍「これです」
ばばーん!
夏海「!?」
夏海(余りに唐突に姉ちゃんのほぼ等身大ぬいぐるみ…いや!こまぐるみが出て来きたーーーー!!!?)
蛍「どうしたんですか?そんな驚いた貌して?」
夏海「いやっこんなのいきなり出されたらそりゃ驚くだろ!?」
蛍「そうですか。コレをですね―――――」
くぱぁ…
夏海「!?」
夏海(姉ちゃんぬいぐるみのおまたの部分がくぱぁってなったーーーー!!!!?)
蛍「えいっ!!」ばっ
ずぼっ!!
夏海「!?」
夏海(更にソレを頭から被ったーーーーー!!!!!?)
ずぼずぼ!!
蛍「あははははーーー!ワタシ今小鞠先輩の胎(ナカ)に居ますよー!!これって私と先輩が一心同体って事ですよねー!!そしてワタシ今先輩の胎から出て来ましたよー!!これって私が先輩から産まれたって事ですよねー!!という事はこれで先輩と私は血肉を分けた肉親って事ですよね!!これで私と先輩は一生一緒!!一蓮托生ですねーーーー!!あははははーーーー!!!!」
ずぼずぼ!!
夏海「……………………」ぼーぜん
夏海(そ…想像の遥か上をイってたーーーー!!!!)がびーん!
蛍「………………」ふぅ…
にこっ
蛍「と言っても、せいぜいこの程度ですよ?コレくらいなら何の問題もありませんよね?」にこ
夏海「そ…それは――――――」
蛍「……………………………」
ずいっ!
夏海「!?」びくっ
蛍「ヨネ?」ニコォ…
夏海「は…はい」コクコクッ
夏海(ど…度肝を抜かれて何も言えねぇ……)
ガクガクブルブル…・
蛍「ふぅ…誤解が解けて良かったです。これで夏海先輩も安心ですね――――――」
越谷家。
夏海「―――――――って事が前にあったんだけど……」
卓「……………それで、お前は小鞠の事が心配だと……」
夏海「う…うん……って兄ちゃんがしゃべったーーーー!!!?」
卓「そりゃ俺だって喋るよ。失語症じゃないんだから」
夏海「そりゃそうだよね」あはははー
卓「それで。この事を話して俺にどうしろと?」
夏海「だ…だから兄ちゃんに姉ちゃんを護って欲しいって。あの感じだと、いつトチ狂って姉ちゃんに危害を加えたとしてもおかしくないよ――――」
卓「…………そうか。けど俺はもう分校を卒業してるしな……」
夏海「でっでも―――――」
卓「だったら、お前が姉ちゃんを…小鞠を護ってやればいいじゃないか」
夏海「えっ!?」
卓「それにお前は俺より腕力があるんだろ?だったら俺よりお前の方が適任じゃないか?」
夏海「でもっでも…ほたるんの方が私より腕相撲強いし……」
卓「だったら。お前が特訓して、彼女より強くなればいいだけじゃないか」
夏海「!!」
卓「お前が一条さんよりも強くなって、それで小鞠を護ってやればいい。そうなれば何の問題もない。それに小鞠が分校を卒業するまであと数カ月だしな。それまでの辛抱だ」
夏海「そうか……でも兄ちゃんどうやって―――――」
卓「可愛い妹たちの為だ。俺もお前の特訓に付きあってやるから」ウン
夏海「兄ちゃん―――――うん…そうだよね。私が強くなって姉ちゃんを護ればいいんだ」
卓「ああ」こく
夏海「よしっ!!」
すくっ
ぐいっ!!
卓「!?」
夏海「そうと決まれば早速特訓だーーーーー!!!!」
夏海(えへへ…やっぱり兄ちゃんは優しくて頼りになるぜ!!だから…だからウチはそんな兄ちゃんの事をずっと――――――)
数か月後。
卓「それで…あれから何か問題があったのか?」
夏海「ううん。ほたるんの姉ちゃんを見る目は相変わらずだったけど……危ないと思った時はウチが二人の間に立ち塞がったから、取り敢えずは何もなかったよ」
卓「そうか……小鞠も卒業したし、とりあえず一安心だな」
夏海「うん」
卓「うーん…まあもしかしたら一条さんも、ちょっと小鞠が好きすぎただけで、とどのつまり、ごくごく普通の範疇だったのかも知れないしな――――――」
夏海(【普通の範疇】――――――――――――――か…………)うん
夏海(だったら!――――――――)コク…
夏海「に…兄ちゃん――――――/////////」
ずいっ
卓「!?」どきっ
卓「どうしたんだ?いきなり寄り添ってきたりして」
夏海「そっか…普通か…………うん。そうだよね////////」こく
卓「?」
夏海「だったら―――――――////////」
がばっ!
ぎゅっ…
卓「!?」
ドキッ
卓「どっどうしたんだ!?イキナリ抱き付いて…それにそんな貌して――――――」
卓(こっ…こんな貌の夏海なんか見た事がない―――――)
ドギマギ…
夏海「フフ……………」
ぎゅっ
卓「な…夏海?一体どうしたn――――――――」
夏海「兄ちゃん―――――」ジッ…
卓「!!」ゾクッ!
夏海「兄ちゃんがアノほたるんが【普通】だっていうなら―――――」
夏海「私が兄ちゃんの事を兄妹としてじゃなく、一人のオトコとして好きなのも……至って【普通】ってコトだよね?―――――」
ニコォ…
おしまい。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483708027/
Entry ⇒ 2017.01.11 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
【のんのん】れんげ「だがしやなのん?」 ココノツ「いらっしゃい」【だがしかし】
ココノツ「えっ……?そうだけど。見ない顔だね。この辺の子かな」
れんげ「うちも見ない顔なのん。この辺の子なのん?」
ココノツ「この店の人間だからね」
ココノツ「う、うん」
れんげ「じゃあやっぱりだがしやなのん?」
ココノツ「え?」
れんげ「だがしややってるならお兄さんもだがしやなん?」
ココノツ(なんなんだろうこの子)
れんげ「今は?じゃあ明日にはだがしやじゃなくなってしまうん?」
ココノツ「店はあるけど僕の父さんが駄菓子屋をやってるかな」
れんげ「だがしやはお父さんもだがしやなん!?」
ココノツ「え?」
れんげ「はぁ~。だがしやは日本にいっぱいいたんな。うちだがしやはだがしやだけだと思ってたん。井の中の蛙だったん」
ココノツ(本当になんなのこの子)
ココノツ「ほたるさん!良い所に……いや、ややこしくなる様な……」
れんげ「んなっ!?ほたるん?ほたるんなのん?」
ほたる「ええ。いかにも私がほたるよ」
れんげ「これにはうち驚きを隠せないん。まさかだがしやだけじゃなくほたるんも日本には何人もいたなんて……」
ほたる「あなたはお客さんかしら?初めましてよね」
れんげ「これはこれは失礼しました。うちれんげって言うのん」
ほたる「まぁご丁寧に。私は枝垂ほたる、みんなにはほたるんと呼ばれているわ!」
れんげ「やっぱりほたるんだったのんな!」
れんげ「うぃーす?なんか変な鳴き声の人が来たん」
さや「いやいや、鳴き声じゃなくて挨拶……ってこの子誰?」
れんげ「…………なんかちょっとだがしやっぽいん。もしかしてこの人もだがしやなん?」
ほたる「いいえ、さや師は喫茶店を営んでいるのよ」
さや「意味って言われてもなぁ。こんにちわ的な?」
れんげ「なるほどなるほど。それは失礼していまいました」ぺこり
さや「えっ?えっ?」
れんげ「もう一回お願いしますん!」
さや「すん?あー……うぃーっす」
れんげ「にゃんぱすー!」
ほたる「にゃんぱすー!」
れんげ「変な人が来たん!はやく警察に通報するん!」
さや「お、おちついて。これは私のあにきだから」
れんげ「だがしやのにーにー?でもにーにーは普通喋らないはずなのん。喋るにーにーはもうにーにーじゃないん」
ほたる「かわいそうな豆くん。存在自体を否定されてしまうなんて」
豆「なになに?この子誰?」
れんげ「にゃんぱすー」
豆「おう!にゃんぱすー!」
さや「だから私の家は喫茶店だって」
ほたる「やっぱり!?れんちょんもそう思うわよね!」
ココノツ「れんちょん?」
れんげ「だがしやはだがしやが向いてるん。うちが保証するのん」
さや「そんな事言われてもうちは喫茶店だし」
ほたる「駄菓子屋ならここにあるじゃない!さや師がココノツ君と結婚して駄菓子屋を一緒に盛り上げれば良いのよ!」
れんげ「うちも賛成なーん」
れんげを家まで送って行った豆くんは、途中だがしやに誘拐犯と間違われ酷い目に遭わされそれが縁で結婚したのでした。
めでたしめでたし
ほたるさんが楓の駄菓子屋行く方だけど
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Entry ⇒ 2016.05.06 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (1)
れんげ「みんなで銭湯行くのん」
夏海「ねえ、このポスター見てよ。銭湯だって」
小鞠「なになに……『○○銭湯!! ××バス停留所から徒歩5分!!』……」
小鞠「へー、うちの近所に銭湯があったんだ、知らなかったよ」
蛍「××バス停って、この近くにあるんですか? 初めて聞きますが……」
夏海「すぐ近くだよ。バスで1時間くらいかな」
蛍「へ、へぇー……」
蛍(バスで1時間って『近所』なのかな……)
小鞠「うーん……銭湯かぁ……」
蛍(銭湯………裸の付き合い………小鞠センパイと、裸の付き合い!?)カァ-
蛍「是非行きましょう!!! 銭湯!!! ねえ、小鞠センパイ!!?」
小鞠「わ!? すごい乗り気! 蛍ってそんなお風呂好きだったっけ……?」
夏海「まぁまぁ、せっかくだし行ってみようよ。楽しそうじゃん」
蛍「はい!! 行ってみたいです!!」
小鞠「……まぁいいんじゃない。行ってみよっか」
蛍(やった……小鞠センパイとお風呂……!)
夏海「れんちょーん、さては銭湯がなんだか知らないんだなー?」ニヤニヤ
れんげ「む。せんとーなら、もちろん知ってるのん! こうなんなん!」
れんげ「あちゃー!! ほあー!! とあー!!」ヒュン!! シュバ!! ビシ!!
れんげはアクロバティックにパンチやキックの素振りをし、空手の型のようなポーズを取る。
蛍「わあ! れんちゃんすごい!」
れんげ「まだまだー!! ふぬー!! ちょあー!! あたたたたたたー!!」シュパパパパパパパパ!!
夏海「それは戦闘」
れんげ「お風呂?」
小鞠「そ。大きなお風呂にみんなで入るの」
蛍「れんちゃんも行くよね?」
れんげ「せんとー行くのん! みんなでお風呂の中で戦うのん!」
小鞠「『戦闘』じゃなくて『銭湯』だからね? 戦わないからね?」
小鞠「え、いまから行くの!?」
れんげ「月日に関守なしなのん」
小鞠「えっ?」
蛍「あの……、私、家から入浴道具持ってきても大丈夫ですか?」
夏海「あ、そうか、確かに入浴道具が必要か」
夏海「じゃあいったん解散して、各自、家から入浴道具持ってくるってことで!」
れんげ「道具ってなに持ってくればいいん?」
夏海「そりゃお風呂に必要な道具だよ。水鉄砲に、ビーチボールに、」
小鞠「いやいや!! 一つ目からおかしいから!! 何しに行くつもりなの!?」
小鞠「そういう子供っぽいはことしないの。だいたい他のお客さんに迷惑じゃん」
夏海「あんだよー、頭固いなー……」
小鞠「いいから、変なもの持ってこないでよ?」
れんげ「して、ウチは何を持っていけば……?」
蛍「タオルとシャンプーとボディソープがあれば大丈夫だよ」
れんげ「リョーカイなのん」
夏海「着いたー!」
蛍「けっこう雰囲気がありますねー」
れんげ「棚の中にカゴがいっぱいあるのん! このカゴがお風呂なのん?」
れんげはカゴを一つ引っ張りだして、中にすっぽり入り込んだ。
れんげ「……ちょっと窮屈なのん」
小鞠「違う違う。脱いだ服をこのカゴに入れるの。お風呂はあっち」
れんげ「なんとー!?」
夏海「あっはっは。そんな小さなカゴがお風呂なわけないって! それじゃ、れんちょんと姉ちゃんしか入れないじゃん!」
小鞠「私は入れないから!!」
小鞠「あ、ホントだ。てことは私たちの貸切だね。ラッキー」
夏海「マジで!? じゃあ水鉄砲で遊ぼうぜー!」ジャラ
小鞠「なんで持ってきてるの!?」
れんげ「おお!! なっつんグッジョブなん!」
小鞠「もう! 変なの持ってくるなって言ったじゃん!」
夏海「貸切なんだからいいじゃーん。姉ちゃんも一緒にやろーぜ」
夏海「つれないなー。ふん、3人でやるからいいよーだ!」
蛍「え……」
蛍(私がやるのは確定なんだ……)
れんげ「ウチ、ビーチボール膨らますのん!」シュコー
夏海「お、サンキューれんちょん!」
蛍「……あの、おもちゃ禁止って書いてますよ……あそこの貼り紙に」
れんげ「!?」
夏海「そんな!?」ガーン
蛍(本当に誰もいない……。なんだか得した気分)
小鞠「貸切なんてツイてるよねー」
蛍(! 裸の小鞠センパイが隣に……!)クルッ
蛍「ってあれ?」
小鞠「ん?」
蛍(そんな……! タオルでしっかり隠してる!!)
小鞠・夏海・れんげ「?」
蛍(タオルで隠してないの私だけ!?)
小鞠「……えーっと……なんて言うか……。蛍ってスタイルすごいよね……」クラリ
夏海「さすが、スタイル抜群のほたるんは堂々としてらっしゃる」
れんげ「さすがなのん」
蛍「い、いえ! そういうわけでは……!」
小鞠「うぅ~ん……」クラクラ
蛍「小鞠センパイ? どうしたんですか? 具合悪いんですか?」
夏海「あー、気にしないで。ちょっとその、ショック受けてるだけだから」
れんげ「こまちゃん元気出すのん」ヨシヨシ
小鞠(うぅ……もう帰りたい……)
そう言って夏海はタオルを投げ捨てた。
そしてれんげのタオルも引ったくり、投げ捨てる。
れんげ「いやん」
夏海「さあ姉ちゃんも」
夏海は小鞠のタオルに手を伸ばす。
小鞠は夏海の手を払いのけると大きく後ずさった。
小鞠「いやいやいや!! 私はいいよ恥ずかしいし」
小鞠「すでに笑ってんじゃん!!」
夏海「もー、なに超マジな顔してんの」
夏海「すきあり! とりゃぁ!!」
夏海は一気に間合いを詰め、小鞠から強引にタオルを奪い取った。
小鞠「ぎゃああ!?」
蛍「!」
夏海「あれ、姉ちゃん前よりおっぱい大きくなった?」サワ
小鞠「えっ本当!?」ドキ
夏海「あ、気のせいだった。全然変わってないや」
小鞠「バカーーー!!!」
小鞠「うぅ………もういや……帰りたい……」フラフラ
れんげ「こまちゃん元気だすん。こまちゃんはおっぱい無くないのん。ちょっとだけあるのん。ウチよりちょっとだけ大きいのん!」
小鞠「あんまフォローになってないんだけど……」
蛍「大丈夫です! 小鞠センパイはちっちゃくてすごくかわいいです! だから今のままで全然大丈夫です! いやむしろ今のままの方がいいです!!」ボタタ
小鞠「わっ、蛍すごい鼻血出てる!? どうしたの!?」
れんげ「なんだかほたるん、すごくハッスルしてるのん」
夏海「よっぽどお風呂が好きなんだなー」
・
・
夏海「やっぱ銭湯と言ったらこれっしょ!」ゴシゴシ
小鞠「なんか漫画みたい」ゴシゴシ
蛍「でも楽しいです」ゴシゴシ
4人は1列になって背中を流し合っていた。
夏海が小鞠の背中を流し、小鞠が蛍の背中、蛍がれんげの背中を流している。
れんげ「みんなずるいのん!」
先頭のれんげが、自分の腰掛けているバスチェアを平手で叩いた。
蛍「え? 何が?」
蛍「あっ、待って! まだれんちゃんの背中全然洗い終わってないよ!?」
夏海「でも、考えてみればこの流し方って不公平だよなー。ウチだけ背中流してもらえないし」
小鞠「洗い終わったら交代すればいいだけじゃん」
夏海「いいや、同時に流し合えるやり方があるはずだ」
夏海「たとえば……………………………うーん………」
小鞠「……ないんじゃない?」
夏海「ひらめいた!!」
蛍「……円陣のことですか?」
夏海「そうそれ! で、4人で円陣組みながら背中洗うってのはどうだ? もちろん掛け声上げながら」
れんげ「おお! こーしえん優勝間違いなしなのん!」
小鞠「いやいや洗いにくすぎるよ!! 背中見えないじゃん!!」
れんげ「二人組で背中合わせで背筋伸ばすやつやりながら洗うのん! 背中で背中を洗うのん!」
夏海「なるほど!! 背筋も伸びて一石二鳥ってわけか!!」
小鞠「まともに洗える気がしないよ!!」
小鞠「変なこと考えるからでしょ……」
夏海「ほたるんは何かアイディアない?」
蛍「え、私!?」
蛍「……私が小鞠センパイを流します!! 私の背中は洗わなくて大丈夫です!
小鞠センパイさえ綺麗なら……私は汚くても気にしません!!」
小鞠「気にしてよ!! 衛生的に!」
夏海「あ゙あ゙~~生き返る゙~~~」チャポン
小鞠「夏海ったら! はしたない声出さないの」
夏海「ウチらしかいないんだから別にいいじゃーん!」
小鞠「そういう問題じゃなくて……まったくもー」
蛍「れんちゃん、何してるの?」
れんげ「水死体ごっこなん」
蛍「へ、へぇー……」
れんげ「ほたるんもやる?」
蛍「いや……私はちょっと……」
小鞠「うん、貸切だからなおさらだね」
ピヒューー パシャ
小鞠「きゃっ!? 何!? 顔にお湯が……」
夏海「妖怪ひんぬー星人発見! 退治しなければ!」ピヒュー ピヒュー
小鞠「ひんぬー星人って誰のことよぉおおおおおおおお!?」
れんげ「水鉄砲なのん。こうすれば手から水を撃てるのん」ピヒュー
蛍「わ、すごい! どうやるの?」
れんげ「こうやって手を組んで……」
蛍「なるほど……」
蛍「できた!」
れんげ「上々なのん」
小鞠「キーーーー!! もう許さないんだからっ!!」ジャバァ!! バシャァ!!
夏海「ぐっ、敵の攻撃は苛烈! メーデー! メーデー! 援軍を要請する!」
れんげ「なっつんがピンチ! いま助けるのん!」
蛍「れんちゃん!?」
蛍(こ、このままでは小鞠センパイが2対1になってしまう……!)
蛍「小鞠センパイ! 助太刀します!」
・
・
・
蛍「けっこう長風呂しちゃいましたねー」
夏海「ちょっとのぼせ気味……」
れんげ「みんなで遊べて楽しかったのん!」
小鞠「私はもっと大人らしく静かにお風呂を楽しみたかったけどね!」
夏海「またまたー。姉ちゃん、あんな楽しそうにはしゃいでおいてー」ニヤニヤ
小鞠「はぁ!? バ、バカじゃないの!? 楽しそうにもしてないし、はしゃいでもないから!」
蛍(楽しそうに見えたけどなぁ……)
夏海「まあ、姉ちゃんがそー言うなら、そーゆうことにしといてあげるよ!」ニヤニヤ
小鞠「うわ……なんかムカつく」
小鞠「ここ、そんなのあったっけ?」
蛍「なかったですね」
夏海「マジで!?」ガーン
夏海「まさかないとは……! まったく、銭湯の風上に置けないな!」
蛍(むしろ置いてないところの方が多いんじゃないかな……)
夏海「自動マッサージ機だよ。椅子が自動でマッサージしてくれるんだ」
れんげ「へ? 椅子がマッサージ……? (どうやって?)」
蛍「そうそう、高性能なのだと、どこが凝っているかも探してくれますよね」
れんげ「す、すごい椅子なん! ロボットなん!」
れんげ「ロボット!! 人型に変形できるん!? 空飛べるん!? 目からビーム出るん!?」
蛍「いや、そこまではできないんじゃないかな……」
れんげ「マッサージチェア……いつの日か出会ってみたいのん……」
夏海「れんちょんのやつ、ウチらの想像を超える物凄いものを想像しているみたいだぞ……!」
小鞠「ロ、ロボットと言っても、あくまで椅子だからね?」
夏海「マジだ! 風呂上がりの1杯は格別なんだよなー。すみませーん1本くださーい」
蛍「私もー!」
れんげ「ウチも飲むー!」
小鞠(私は……大きくなるように普通の牛乳にしよっと)
夏海「うーん……、まあもう小学生だし、大丈夫じゃない?」
れんげ「ウチはもうコーヒー飲める年齢なん! 大人の階段上がったん!」エヘン
小鞠(大きくなりますように! 大きくなりますように! 大きくなりますように!)ゴクゴクゴク
夏海「……。姉ちゃんは幼稚園児だから牛乳飲んでるのか」
小鞠「誰が幼稚園児だ!!」
~おわり~
楽しく読ませてもらった
おつ
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Entry ⇒ 2016.05.04 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
夏海「姉ちゃんのバカ!!」
小鞠「馬鹿って…!馬鹿って言った方が馬鹿なんじゃん!」
夏海「その発想が馬鹿なんだよ!姉ちゃんなんか知るか!背縮め!120センチまで縮め!」
小鞠「夏海の身長が縮め!」
雪子「なにドタバタしてんのさ!もう夜なんだから静かにしなさい!」
夏海「だって姉ちゃんが…」
小鞠「だって夏海が…」
雪子「どっちが悪いとかいいから、もう寝なさいな」
夏海「聞いてよ母ちゃん!姉ちゃんがウチが大事に飼ってたカブトムシを殺したんだよ!」
夏海「でもあそこまですることないじゃん!転んだ後に手でカブトムシはたくなんて!」
小鞠「それは悪いと思ってるけど…まさか死んじゃうとは思ってなくて…」
夏海「あのカブトムシはめちゃくちゃ苦労して捕まえたんだよ!毎日ちゃんと餌もあげて大事にしてたのに…」
小鞠「だから…ごめんって謝ったじゃん…」
夏海「だって!すごい大事に…育ててたんだよ…名前までつけてさ…うっ…蔵王丸ぅ…」ポロポロ
小鞠「うぅ…」
雪子「夏海…」
夏海「うぅっ…ウチもう寝るよ…」
夏海「う、ウチも…ちょっと騒ぎ過ぎた…ごめん…」
小鞠「……うん…明日さ!カブトムシ取り行こ!」
夏海「……うん。蔵王丸のお墓も作ってあげなきゃだね」
ウチは越谷夏海。中学1年。ウチには姉ちゃんと兄ちゃんがいる。こんな感じで姉ちゃんと喧嘩することも多いけどなんだかんだで姉ちゃんとは仲がいい。喧嘩するほど仲がいいというのはよく言ったものだと思う。
夏海「ってことが夏休み中にあってさ、あの時は確かにウチが悪かったのに姉ちゃんに気ぃ使わせちゃってさ。カブトムシも結局一緒に取りに行ってくれたんだよ。姉ちゃん虫苦手なのにさ」
蛍「そんなことがあったんですね」
夏海「そこでちょっと夏海ちゃんは考えた。そろそろ姉ちゃんの誕生日なんだよね。だからその…みんなで姉ちゃんにサプライズ誕生パーティみたいのをお詫びで開こうかなぁって…まぁ、結果的にウチの罪滅ぼしに付き合ってもらっちゃう形になるんだけど…」
れんげ「パーティやるん?!ウチパーティやりたいん!」
蛍「いいですね!私もやりたいです!きっと先輩も喜んでくれますよ!」
夏海「だといいんだけどね。兄ちゃんもいいかな?」
卓「…」コクッ
夏海「よしっじゃあやるか!勿論この話は絶対に姉ちゃんに言っちゃダメだよ」
一同 コクッ
夏海「おおっと」
小鞠「ん?なんか夏海隠してない?」
夏海「え、え?別に何も隠してないけど」
小鞠「怪しいなぁ…あんたがそう言う時は大体イタズラ仕掛けてる時だし…机の中になんかいれたんじゃ」
蛍「先輩!夏海先輩は何もしてませんでしたよ!」
小鞠「え?そうなの?まぁ机の中には何も仕掛けられてなかったし、他にも異常はない…ね」
夏海「も〜こまちゃんは疑り深いんだからぁ…そんなんだから背のびないんでちゅよ?」
夏海「ごめんごめん怒んないでよこまちゃん」
小鞠「ったくぅ…」
〜放課後〜
小鞠「じゃ、また明日ね。蛍」
蛍「はい。それではまた明日」
夏海「れんちょん、今から駄菓子屋いかない?」
れんげ「行くーん」
小鞠「私も行きたいけど、今日は私だけ宿題多いからなぁ…仕方ない、断念するよ」
夏海「大変ですなぁ中学2年生は」
夏海「はいはい、じゃウチらは駄菓子屋行くからここで」
小鞠「変なイタズラグッズとか買ってこないでよ?」
夏海「買わないって、安心して宿題してな姉ちゃんは」
小鞠「本当かな?ま、れんげがいるし、ちゃんと見張っててもらお」
れんげ「任せてください、見張りには自信がありますん!」
小鞠「任せたよーじゃ、バイバイ」
夏海「うぃー」
れんげ「こまちゃん行けなくて可哀想なんな」
れんげ「なんと!策士なんな!流石なっつん!」
夏海「いやぁそれほどでもあるけどねぇ…///」
〜駄菓子屋〜
ガラガラガラガラ
夏海「駄菓子屋〜売り上げに貢献しに来たぞ〜」
れんげ「にゃんぱすー」
夏海「まぁまぁそう怒りなさんな。でさ、駄菓子屋に質問なんだけどね」
楓「なんだ?くだらん質問なら答えんぞ」
夏海「姉ちゃんが好きな駄菓子ってわかる?」
楓「小鞠のか?なんだ、いきなりどうした夏海。いつもなら小鞠が嫌がりそうなものとか聞いてくるのに」
夏海「実は…」
楓「なるほど、夏海にしては良い考えじゃないか。夏海にしては」
夏海「なにその言い方?!そんなウチがいつもまともなことを言わないt…」
楓「言わないじゃないか」
夏海「うっ…早いな…まぁとにかくこういうわけだから教えて欲しいんだけど」
楓「そうだな…こういうキャ○ツ太郎とかスナック系のをよく買うなあいつは」
夏海「なるほど。じゃあそれ箱でちょうだい」
れんげ「ウチはこれが欲しいーん!」
夏海「へぇ〜駄菓子屋にしては良いこと言うじゃん駄菓子屋にしては」
楓「関節キメたあとにタニシ食わすぞ」
夏海「スンマセン!もうお菓子も買ったので帰らせていただきます!」
楓「ったく」
れんげ「ばいばいなん駄菓子屋」
楓「おう、気をつけて帰れよ」
夏海「よし、姉ちゃんは兄ちゃんと一緒にかずねぇの教材運びを手伝っている…ほたるん、れんちょんこっち来て!」
蛍「はい」
れんげ「はーい」
夏海「姉ちゃんの誕生日まであと3日でしょ?誕生日プレゼントとかはもう用意できてる?」
蛍「私は今日お母さんと町まで出掛けるのでその時に買ってきます」
れんげ「ウチはもう用意してるん!きっとこまちゃんも喜んでくれるん!」
蛍「3日後となると月曜日ですね。土日の間でパーティの飾り付けとかを買いに行くのはどうですか?駄菓子屋さんにちょっとした飾り付け用グッズとかも置いてありましたし」
夏海「そうだね。じゃあ明日3人で駄菓子屋行こう。姉ちゃんは上手く巻いとくから。あとほたるんに頼みがあるんだけどさ。月曜日ウチと兄ちゃんとれんちょんで飾り付けしとくから姉ちゃんの足止めお願い」
蛍「はい!わかりました」
れんげ「こまちゃんびっくりするのんな」
ガラガラガラガラ
一穂「ごめんねぇちょっと遅れちゃった〜、小鞠と兄ちゃんありがとね。さて、じゃあ授業始めますかぁ」
夏海「オペレーション…スタートッ!」
小鞠「はぁ?どしたの急に」
蛍「あっ先輩!ちょっと付き合って貰えませんか?行きたいところがあって…」
小鞠「え?行きたいところ?うん…まぁいいけど」
夏海「じゃあほたるん達はここでお別れだね」
れんげ「短い間だったけど楽しかったん…」
小鞠「そんな永久の別れじゃないんだから…夏海たちは来ないの?」
夏海「ウチとれんちょんはちょいと用事がありまして…」
蛍「はい!(先輩後は頼みましたよ!)」
夏海「じゃーねー(任せてほたるん!いい飾り付けしてきますから!)」
〜越谷家〜
夏海「母ちゃん!料理の準備はできてる?」
雪子「もうすぐだよ」
夏海「うしっ、じゃあ兄ちゃんれんちょん飾り付けしよう!」
れんげ「ラジャー!」
夏海「これをこうして…と」
れんげ「見てくださいなっつん。小吉さんをぶら下げてみたん!これでこまちゃんも喜んでくれるはずですん」
れんげ「そ、そんな…これは大成功だと思ったのん」
夏海「兄ちゃんは?って兄ちゃんすげぇ!!」
れんげ「どうしたん?」
夏海「折り紙で猫の顔めちゃくちゃ作ってる!これなら姉ちゃん喜びそうだよ!さっすが兄ちゃん!」
卓「…///」
蛍(先輩が家に来て欲しいって言った時間は6時半…後30分か…)
小鞠「もう6時だね。そろそろ帰ろっか」
蛍「…!先輩!実はもう1つどうしても先輩と行きたいところがあって…」
小鞠「んーでも遅いし…お母さん達心配するよ?」
蛍「あと少しだけお願いします!(ここから先輩の家まで歩いて約15分…あと15分稼げば…)」
小鞠「んーじゃああと少しだけね。15分くらい」
蛍「はい!ありがとうございます!」
夏海「よっしゃあ飾り付け出来たぁ!あとは料理完成を待つだけ。姉ちゃん来るまであと10分くらいかな?」
雪子「出来たよ〜並べるの手伝ってくれない?」
夏海「おっ噂をすればぁ!はいはい、今行きますよ〜」
れんげ「ウチもお手伝いするーん!」
〜一方蛍側〜
蛍「今日は付き合ってもらっちゃってすみません。」
小鞠「ううん!いいよいいよ。楽しかったし!蛍と色んなとこ行くの結構久々だったかも」
蛍「そういえばそうですね。あっもう6時20分近くなんで帰りましょっか」
小鞠「うん。蛍は反対側だよね。じゃ、また明日!バイバーイ」
小鞠(あっ、そういえば今日私誕生日じゃん…結局お兄ちゃんも夏海もれんげもおめでとうって言ってくれなかったな。まぁ蛍は今年転校したばかりだから仕方ないけど。そういえばお母さんも…)
ガラガラガラガラ…
パァァァァァァァン!!
小鞠「うわっ!?な、何ぃ?!」
夏海「誕生日おめでとう!姉ちゃん」
れんげ「こまちゃんお誕生日おめでとうなのん!」
小鞠「夏海…れんげ…」
蛍「おめでとうございます先輩」
小鞠「わっ!蛍?!なんで、帰ったんじゃ…」
蛍「私たちはそれに協力したんです」
夏海「1ヶ月前にさ、カブトムシのことで喧嘩したじゃん…そのとき姉ちゃんわざわざウチのために虫苦手なのに一緒に取り行ってくれたでしょ?その恩返しと言いますか…」
小鞠「あのときは私も悪かったし…そのためにわざわざ開いてくれたの?」
夏海「そ!…まぁ上がってくださいよ!色々準備したからさ」
小鞠「う、うん」
蛍「わぁ!飾り付け凄いですね!」
小鞠「うん!この猫のやつ可愛い!」
れんげ「それはにぃにぃが頑張って作ってたのん!」
卓「…///」
小鞠「っていうか料理も凄いいっぱいあるね!お母さんが作ってくれたの?」
雪子「そうだよ。珍しく夏海がいいこと言うもんだから張り切っちゃったよ」
小鞠「みんな…ありがとう…!」
夏海「まぁ、まずは料理を楽しみましょうよ!」
れんげ「食べるーん!」
蛍「いただきます!」
小鞠「あ〜美味しかった!お母さんのこんな手の込んだ料理久々だよ」
雪子「何言ってんの、私の料理はいつも手が込んでるじゃない。そういうことは自分がまともに料理を作れるようになったらいいなさいな」
夏海「さぁ食事も楽しんだことですし!プレゼントターイム!」
小鞠「えっ…もしかしてみんなプレゼント用意してくれてるの?!」
夏海「もち!みんなそれぞれ用意してるから!」
蛍「じゃあ私から…これ、先輩と一緒にデパート行ったときに先輩が欲しいって言ってた服です」
小鞠「うそ?!これ買ってくれたの?!高かったんじゃないの…?」
蛍「まぁそれなりにしましたけどお年玉を使って買いました」
小鞠「ありがとう蛍ぅ…凄い嬉しいよ!」
卓「…」(袋を差し出す)
小鞠「これ…私が欲しいって言ってたDVD!ありがとうお兄ちゃん!」
夏海「ウチはこれ。駄菓子屋に聞いて好きそうなお菓子買ってきたんだけど…なんかみんな結構高いのだからあんまり嬉しくないかもだけど…姉ちゃんのために買ったんだ」
小鞠「キャ○ツ太郎だ!しかも箱?!いいのこれ?!」
夏海「小遣い的にこれになっちゃったけど…」
小鞠「うんうん!凄い嬉しい!食べ放題じゃん!今度一緒に食べよっ!夏海!」
夏海「うん…そんなに喜んでくれたなら買った甲斐あったかな!はははっ!」
小鞠「ありがとうれんげ!……って何これ?」
れんげ「ふっふーんこれはウチが作ったネコの縫いぐるみなのん。ほたるんに教えてもらいながら作ったん!」
小鞠「ね、猫だったんだ…言われてみれば猫かも…まぁ普通に可愛いからいいか。ありがと!部屋に飾っとくね!」
れんげ「是非でぃすぷれいしてほしいのん」
小鞠「……………みんな本当にありがとう…最高の誕生日だよ…」ポロポロ
れんげ「こまちゃん泣いてるん?」
小鞠「泣いてないっ!」
小鞠「なんでそれ持ってんの夏海!?」
夏海「姉ちゃんの部屋からこっそり持ってきた」
小鞠「いらんことをぉ…」
蛍「是非!是非見たいです!!!!」
夏海「まぁ焦るなほたるん。ではでは、開きましょうか」
小鞠「も〜…恥ずかしいから嫌なんだけど///」
夏海「これ…」
雪子「あぁこれあんたが3歳で小鞠が4歳の時だね。小鞠がお姉さんだからって自分のおやつを半分分けてあげてた時の写真よ」
小鞠「私全然覚えてないなぁ」
夏海「ふ〜ん…」ペラッ
小鞠「あーこれは覚えてる!あんたがオモチャ片付けないから代わりに私が片付けてたんだよね。懐かしい〜」
夏海「あぁ〜今のウチと変わってないなぁ」
夏海「ウチ…全然覚えてないや…」ポロポロ
小鞠「あれぇ?夏海泣いてんの?」クスクス
夏海「な、泣いてないし!…でも…やっぱり姉ちゃんは姉ちゃんだね…ありがと。姉ちゃん」
小鞠「えぇ〜…なんか気持ちわる〜い」
夏海「なぁっ!ウチが珍しく感謝の気持ちを伝えたってのに!何その反応!」
小鞠「じゃあこれからは変にからかったりしないでね」
夏海「いや、それは約束できないから」
小鞠「なんでよ!」
ウチは越谷夏海。中学1年。ウチはやっぱり姉ちゃんが大好きだ。
〜今回はここまで〜
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461830769/
Entry ⇒ 2016.05.01 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
宮内れんげ6歳小学1年生処女
一穂「えっ・・・、いきなりどしたのれんちょん」
れんげ「ウチはいつでもいきなりなのん!いいから処女についておしえるん!」
一穂「え、えーとねぇ・・・。処女ってのはぁ」
れんげ「処女とは」
一穂「えーと、穢れの無い・・・女性・・・・・?」
一穂「そ、そうだ!れんちょんも処女だよぉ、あと、分校のみんなも多分処女、うんそうだ!」
れんげ「姉々は処女じゃないのん?」
一穂「まあそうだね~、ウチは処女ではないかな~」
れんげ「姉々は穢れてるん?」
一穂「え~と・・・」
れんげ「あ、駄菓子屋はどうなん!?駄菓子屋は処女なのん?」
一穂「あ~、楓はねぇ・・・・」
れんげ「聞いてくるん!!」
一穂「あ、ちょいれんちょ・・・・、行っちゃったよ・・・。ま、いいか~」
楓「だから駄菓子屋って呼ぶなっつーの・・・」
れんげ「一つ質問してもよろしいですのん?」
楓「ん?まあ答えられる範囲なら構わないが」
れんげ「駄菓子屋は処女なのん?」
楓「ぶふぅぅっ、ゲホッ!ごほっ!」
れんげ「どうしたのん、いきなりむせたりして」
楓「どうしたはこっちの話だっつーの!」
楓「れんげ・・・お前は処女の意味をわかって聞いてるのか?」
れんげ「わかってるのん」
楓「本当か?言ってみろ」
れんげ「穢れの無い女性の事なのん!」
楓「う、うむ・・・あながち間違えでもないが・・・」
れんげ「駄菓子屋は処女なのん!?今すぐ答えるのん!!」
楓「あー!!私は処女だよ!!文句あっか!?」
れんげ「駄菓子屋はやっぱり穢れてなかったのんな」
れんげ「このみ姉なのん、にゃんぱす~」
楓「こ、このみ!?いつの間に来てたんだ!!??」
このみ「れんげちゃんがここに駆け込んで来る辺りからかな~」
楓「最初からじゃねーか!!」
このみ「うんっ」
楓「その笑顔やめろ!!」
このみ「え"・・・」
楓「そうだよなぁれんげ、気になるよなぁ~」
れんげ「このみ姉も早急に答えるのん!!」
このみ「れ、れんげちゃん・・・お、乙女にその質問はね、ちょっとね」
楓「答えるよなぁこのみ?」
このみ「ぅ・・・・」
このみ「はぁ、まぁ、私は処女ではないよ・・・・」
れんげ「なんと!」
楓「へ、へぇ・・・そうなのか」
このみ「まあ、高校3年生にもなって、処女だって言う友達もあんまりいないけどね~」
れんげ「最近の女子高生は穢れてるのんな・・・・」
このみ「言い方キツいね、れんげちゃん・・・・」
駄菓子屋「え、ちょっとまてれんげ、先輩って処女じゃないのか?」
れんげ「姉々は違うって言ってたのん」
このみ「楓ちゃん、流石に24歳で経験無しは無いと思うよ?」
楓「そう・・・なのか・・・」
れんげ「経験?なんの経験なのん!?処女は何かを経験すると、処女じゃなくなるん!!??」
楓「私は処女だから何の経験かわからないぞ?そんな目でこっちを見るな」
このみ「ま、まぁなんというか、大人の経験と言うか、そんな感じの経験かな・・・?」
れんげ「大人の経験なのん!?具体的にはどんな感じなのですか!!」
このみ「えーと、具体的・・・」
夏海「うぃーっす・・・お、れんちょんにこのみちゃんもいるじゃん!」
れんげ「なっつん、今このみ姉から大切な事を聞き出してるん、少し静かにするのん」
夏海「お、おう・・・。なんか知らんけど、おもしろそうじゃん」
このみ「夏海ちゃんまで来ちゃったよ・・・どうしよ」
このみ「れんげちゃん、子供ってどうやって生まれてくるか知ってる?」
れんげ「子供の誕生と大人の経験って関係あるのん?」
このみ「うん、すごく関係あるんだよ」
楓「まさか包み隠さず教えるつもりか!?」
このみ「もう誤摩化せそうにもないしね~」
夏海「・・・・・」
このみ「子供が欲しい時に、男の人と女の人はセッ○スをするの」
れんげ「性別のことなのんな」
楓「随分と博識だなおい」
このみ「セッ○スって性別って意味もあるけど、性行為っていう意味でも使うの」
このみ「まあ、そう言う事かな」
れんげ「もしかして、このみ姉は子供をつくってしまったん!?」
このみ「あ~、それなんだけどね」
このみ「セッ○スって、付き合ってる男の子と女の子が、気持ちよくなるためにもするんだよ」
れんげ「子供は生まれないのん?」
このみ「うん、子供が欲しくないときは、避妊をするの。要するに、子供が生まれないようにするってことね」
れんげ「な、なるほどなのん・・・」
このみ「れんげちゃん、くれぐれも大人にるまではしようとなんてしちゃダメだからね?」
れんげ「そもそも、同年代の男の子が身近にいないのん・・・」
楓「ホッ・・・」
このみ「そういえば夏海ちゃん、さっきからずっと黙ってるけど、大丈夫?」
夏海「へっ、あ、うん、全然大丈夫、夏海ちゃんは全く問題ありませんっ!」
楓「変な奴だなぁ、まあ元々か」
夏海「あははっ、そ、そうかもねっ」
夏海「ん?」
れんげ「セッ○ス経験済みなのん?」
夏海「ななな、そ、そんな訳ないじゃん、あははははっ」
このみ「夏海ちゃん、誰としたの?」
夏海「・・・・・あははは」
楓「マジかよ・・・・」
れんげ「なっつん大人なんな~」
夏海「あはは・・・はぁ、そうだよ、兄ちゃんだよ」
楓「うわぁ・・・・」
このみ「兄妹でなんて・・・・。ちゃんとゴムは着けたの?」
夏海「え、いや、着けてないけど・・・」
このみ「はぁ・・・メガネ君、中で出しちゃってた?」
夏海「え、中で出す?う~ん、中では出してないかな?」
楓「随分生々しい話だな」
れんげ「もうウチの理解の範疇を超えてるのん・・・」
夏海「外で出す?いや、出してなかったけど・・・」
このみ「じゃあ中で出しちゃってるって!」
夏海「あ、あの、このみちゃん、出すって何を?」
このみ「精子に決まってるじゃん!」
夏海「精子・・・?」
このみ「うん、あの白いドロッとしたくさいやつ!」
夏海「はぁ・・・、どこから出て来るの?」
れんげ「チンチンからは白いドロッとしたくさい何かが出てくるんな、一つ賢くなったのん」
夏海「ウチも~」
このみ「え?夏海ちゃん、メガネ君とセッ○スしたんじゃないの?」
夏海「うん、したよ」
このみ「具体的には何をしたの?」
夏海「え、え~と///兄ちゃんとキスして、そのまま兄ちゃんのベロがウチの口の中に入ってきて、やり返してたら
気持ちよくなっちゃって/////」
このみ「で?」
夏海「へ?それで終わりだけど」
楓「なぁ夏海」
夏海「あれ、ウチなんか変な事言ったかな」
このみ「はぁ、なんか疲れた、帰るね」
楓「お、おう、またな」
れんげ「ばいばいな~ん」
このみ「そうだ夏海ちゃん、最後に一つ言っておくけど、夏海ちゃんはまだ処女だからね?」
夏海「え、なんで?」
このみ「セッ○スしてないからに決まってるでしょ!!!!」
夏海「え、え?」
このみ「夏海ちゃんがしたのはディープキス!子供はどう頑張っても出来ないの!!」
楓「兄妹でする事じゃないけどな」
このみ「メガネ君とお幸せに、はぁ疲れた・・・・・」
れんげ「ディープキス、また世界が広がったのん」
楓「あー、そんな世界広げんでいい、閉じとけ閉じとけ」
夏海「で、駄菓子屋に聞きたいんだけど」
楓「あ?」
夏海「セッ○スってどうやるの?」
楓「・・・・・」
夏海「どうやるの?」
楓「お前の母親にでも聞いてみればいい、私は知らないからな」
夏海「母ちゃんか~、わかった」
楓「とっとと帰れ」
れんげ「ウチも帰るんな~、また今度なのん」
楓「おう、気をつけて帰れよ」
夏海「セッ○スセッ○ス~」
小鞠「はぁ蛍、昨日は大変だったよ~」
蛍「どうしたんですか先輩」
小鞠「なんか知らないけど、夏海がお母さんをめちゃくちゃ怒らしてさ。もう本当に雷どころの騒ぎ
じゃなかったのよね~」
蛍「あ~だから夏海先輩、目がまっ赤だったんですね・・・」
れんげ「なっつんなんで怒られたん?」
小鞠「う~ん、なんか下品な言葉がどうとか言ってたかなぁ・・・」
一穂「席ついて~、授業始めるよ~」
一穂「あれ夏海~、いつまで寝てるのん、顔あげな~」
夏海「う~・・・・」
夏海「言葉の意味を聞いただけです~!」
一穂「言葉の意味?」
夏海「うん」
れんげ「セッ○スの意味を聞いたのん?」
夏海「うん」
一穂「れんちょん!?」
一穂(何となく察したけど・・・・)
夏海「あんなに怒らなくたって・・・・」
一穂「夏海、ドンマイ(あとちょっとゴメン)」
れんげ「ドンマイなのん!」
一穂(原因多分れんちょんだけどね)
おしり
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1447507593/
Entry ⇒ 2016.03.08 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
れんげ「座敷女?」
夏海「どうしたん、れんちょん?窓の外じーっと見ちゃって」
れんげ「なっつん…ウチ、最近な…大きな女の人に見られてるん…」
夏海「なんだそりゃ?どういうこと?」
れんげ「…ウチもわかんないん…でもいつも見てるのん…今だって…」指差しッ
夏海「え…」振り向くッ
れんげ「…」
夏海「うわっ…ホントだ…このへんの人じゃないね…ありゃー」
夏海「れんちょん…わかったウチに任せな‼」バッ
れんげ「なにするのん?」
夏海「ちょっと行って話てくるわ‼」スタッ
れんげ「なっつん‼やめるん‼」
夏海「いいからいいから…れんちょんは此処で待ってな…」ナデナデッ
夏海「あーすみません‼なんか用ですか?」
女「…」ジロッ
夏海「うっ…」ビクッ
女「…」ダッタッタッ
夏海「行っちゃった…つーかこわ‼」ブルブルッ
れんげ「なっつん‼」ガバッ
夏海「…おっと、れんちょん…」ナデナデッ
れんげ「大丈夫なん?」
夏海「平気、平気…ウチの顔見たらびびってどっか行っちゃったよ」
れんげ「いっしょなん…」
夏海「え…?」
夏海「て、ことは…ウチのとこにも来るの?」
れんげ「わかんないん…」うつむきッ
夏海「まあ、大丈夫でしょ!来たらやっつけてやるよ!」
れんげ「…!?なっつんやっぱり強いんな!ウチも頑張るん‼」バッ
夏海「おーそうだがんばれ‼れんちょんがんばれ‼」グッ
夏海「まさか…ホントに来ないよね?」ガバッ
夏海「ふーっ…」窓覗くッ
窓の外「…」
夏海「はぁ…良かった…」
夏海「れんちょん…大丈夫かな…」布団バフンッ
れんげ「…」うつむきッ
夏海「れんちょん…」
小鞠「どうしたの?二人とも…?」
蛍「そうですね…朝から元気ありませんけど…れんちゃん…大丈夫?」
お兄ちゃん「…」
れんげ「なっつん……夜…来たん?」
夏海「…ウチんちには来なかったよ…れんちょんは来たの?」
れんげ「…」コクッ
夏海「いやー実はさ…」
蛍「あ、バス来ましたよ‼」
夏海「んーっバスん中で話すわ…行こ…れんちょん」ポンッ
れんげ「…」コクッ
蛍「うそ…」
小鞠「それ…本当なの…?」ブルブルッ
お兄ちゃん「…」
夏海「なんで姉ちゃんがびびってんの?」
小鞠「だって…めっちゃ怖いじゃん!なにそれ?その話…」
夏海「姉ちゃんがびびってもしょうがないけどね…」
小鞠「まあ…そうだけどさ…」
蛍「れんちゃん…今はいないよね?」
小鞠「えっ」ビクッ
蛍「…」
お兄ちゃん「…」
小鞠「…夏海も見たんだよね?どんな人なの?」
夏海「うん…めっちゃでかくて、髪が長くて…目が…怖い…人?あとハイヒール履いてた…」
小鞠「それ…かず姉に言ったの?」
れんげ「言ってないん…」
蛍「教室着いたら…話してみませんか?ね…れんちゃん…」
れんげ「…」コクッ
小鞠「そうだね!かず姉ならなんとかしてくれるよ‼ね…夏海?」
蛍「なりますよ‼先生でも今回はきっと…多分…なんとかしてくれると思います」
小鞠「かず姉…」
れんげ「ねえねえ…信用ないんな…」
蛍「そそっそんなことないよ!?」ワタワタッ
夏海「ほたるん…大丈夫…ウチも思ってるから」ポンッ
夏海「夏海センパーイ!」メソメソッ
小鞠「あ、バス着くよ‼早くかず姉のとこ行こう!」
一穂「マジで…?」ポカーンッ
蛍「はい‼」
一穂「マ、ジで…?」
小鞠「マジだよ‼」
一穂「まじっすか…?」
お兄ちゃん「…」コクッ
一穂「マジ…」
れんげ「マジなのん…」うつむきッ
夏海「マジだって!何回言わせんの!」
一穂「こわッ夏海…」引くッ
一穂「わかったって!冗談だよ、冗談…」ドウドウッ
小鞠「もう‼遊んでる暇はないんだよ‼」
夏海「かず姉でしょ?」
小鞠「夏海も!」
一穂「はははっ…こまちゃんにしかられちゃった…こりゃどっちが先生かわからないねぇ…」チラッ
れんげ「ねえねえ…」ジーッ
一穂「あ…ごめんれんちょん…真面目モードになるわ…」ナデナデッ
れんげ「いるのん…」バッ
小鞠「えッ‼どこ!」ビクッ
夏海「…あれ…」指差しッ
蛍「…え…ホントだ…」ブルッ
一穂「あー、ありゃあ確かに大きいわな…」ジーッ
夏海「かず姉どうする?」
一穂「みんなはここに居てな…ちょと行って来るから…」
蛍「あぶないですよ!」
一穂「大丈夫、大丈夫…話するだけだから…」
小鞠「気をつけてね…かず姉…」
一穂「あいよ…」
一穂「れんちょん、任せな…」ナデナデッ
お兄ちゃん「…」
一穂「お兄ちゃん…みんなを頼んだよ」チラッ
お兄ちゃん「…」コクッ
一穂「あ…れ…いないなぁー?」キョロキョロッ
一穂「こっちかな…?」スタスタッ
【教室】
小鞠「どうなった…夏海ぃ…?」ブルブルッ
夏海「大女、どっか行っちゃった…いまかず姉が探しに裏に行ったよ!」
小鞠「こっち来ないよね?」
夏海「わかんない…でも…」
蛍「…カギ閉めますか?」
れんげ「…」
夏海「そうだね…兄ちゃんもいるから大丈夫だと思うけど…一応しとくか」
蛍「じゃあ私閉めますね…」スタッ
小鞠「わ、私はこっち閉めるよ!」スタッ
夏海「大丈夫だって…かず姉ああ見えて怒ると怖いって駄菓子屋が言ってたし…」ナデナデッ
蛍「閉めました」
小鞠「こっちも!」
夏海「ありがとう‼ほたるん、姉ちゃん‼」
お兄ちゃん「…」
蛍「あの…ちょっと遅すぎませんか?」
小鞠「うん…」
夏海「…」
れんげ「なっつん…ねえねえ大丈夫なんな!?」グイッ
夏海「…」
れんげ「なっつん‼」
夏海「よしわかった!…見に行こう…」
小鞠「え!?…誰が?」ビクッ
夏海「ウチが行くよ‼」スタッ
蛍「危ないですよ夏海センパイ‼」
夏海「大丈夫だって…こっそり行くから…」ニコッ
小鞠「…私も行く‼」スタッ
小鞠「わ、私のほうが…おお、お姉ちゃん…だし‼…夏海を一人に…できないよ…」ブルブルッ
れんげ「ウチも行くん‼」
夏海「れんちょんも?」
蛍「私も行きます‼」
夏海「ほたるん…」
お兄ちゃん「…」眼鏡クイッッ
夏海「兄ちゃん…じゃあみんなで行こう!」
蛍「はい‼」
小鞠「うん‼」
れんげ「わかったのん!」
夏海「みんな…離れないで固まって行くよ…兄ちゃん、後ろ頼むね!」
お兄ちゃん「…」コクッ
夏海「じゃあ…行くよ‼」ガチャッ
蛍「せんせー!!」キョロキョロッ
小鞠「かず姉ー!」
れんげ「ねえねえー‼何処なのーん!」
夏海「裏にもいない…後は飼育小屋か…」
兄ちゃん「…」クイッ
小鞠「かずねぇーどこなのー‼」
夏海「かず!…ねえぇー‼」
蛍「せんせーっ出てきてくださーい‼」
お兄ちゃん「…」キョロキョロッ
れんげ「ねえねえ…」キョロキョロッ
小鞠「一回戻ろう!もしかしたら帰って待ってるかも?」
夏海「だね…」
蛍「いない…ですね…」ボソッ
小鞠「…」
夏海「…」
れんげ「ねえねえっどこなん‼かくれんぼはおわりなん!!」涙目ッ
蛍「れんちゃん……」
小鞠「お母さん‼…に…電話しよ!」
夏海「そうだね…じゃあ職員室に行こう」
小鞠「はい、うん…わかった…」ガチャンッ
夏海「何だって?母ちゃん…」
小鞠「すぐ車で来るって…」
夏海「そうか…じゃあそれまでみんなで固まってよう」
れんげ「ウチのせいなん…」ボソッ
蛍「れんちゃん…違うよ‼…大丈夫だから…ね?」ナデナデッ
れんげ「ほたるん…」ギュッ
ガチャッギッ
コツッ…ギッ
コツ…ギッ
夏海「えっちょっと早くない?」
コツ…コツギッ
ギシッ
夏海「この音…」ボソッ
れんげ「ねえねえ?…ねえねえ!?」ダッ
夏海「待って!れんちょん‼」手伸ばしッ
お兄ちゃん「…‼」ガバッ
れんげ「にいにい離すのん‼」ジタバタッ
コ…ギッ
シッ
れんげ「はなすのーん‼」ジタバタッ
夏海「れんちょん落ち着いて!」
れんげ「なんでなのん?ねえねえ帰って来たん!」ジッ
夏海「れんちょん…かず姉ってあんな足音する履き物だったっけ?」
コツ…
コツ…ギッシ
れんげ「あ…違うのん…ねえねえこんな足音じゃないん…」
お兄ちゃん「…」パッれんげ離しッ
蛍「ヒール…?ですかねこれ…」
小鞠「ハイ…ヒール…」
夏海「…」
れんげ「…」
お兄ちゃん「…」
小鞠「…大女だ!」ブルブル
蛍「カギ!…閉めます!!」ダッカチャッカチャッ
小鞠「ありがとうほたるん…」
お兄ちゃん「…」
コツコツギッ
コツ…ギッ
小鞠「…」ブルッ
夏海「みんな…静かに…」
れんげ「…怖いのん…」ブルッ
お兄ちゃん「…」
コツ…コツコツ
…コツ………?
夏海「…」
蛍「…」
れんげ「…」
お兄ちゃん「…」
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ…
小鞠「!?」ビクッ
蛍「閉めて良かった…」ボソッ
バンッッ!!
バッッッンッ!!!
小鞠「や、やめてー」ブルブルッ
夏海「姉ちゃん‼」ギュッ
れんげ「…ほたるん!」ギュッ
蛍「れんちゃん…」ギュッ
お兄ちゃん「…」ゴクリッ
おーい!こまりー‼夏海ー‼お兄ちゃんどこなのー?
れんげー蛍ちゃーん…何処だー?
夏海「母ちゃんだ!」バッ
れんげ「駄菓子屋なん‼」
蛍「よかった…」
小鞠「ああ…」ヘナッ
お兄ちゃん「…」ホッ
楓「で、その大女はどこにいんだ?」
れんげ「ドアバンバンしてどっか行っちゃたのん!」
雪子「そうなの…でもみんな無事でよかったよ‼」
夏海「でもかず姉が…」うつむきッ
楓「大丈夫…後は大人に任せろ…」ポンッ
夏海「駄菓子屋…」
雪子「蛍ちゃん…お母さん家にいるかい?」
蛍「あ、はい…」
雪子「じゃあ私が送るから…みんなと一緒に帰ろうか…ね?」ニコッ
蛍「ありがとうございます…」ペコリッ
楓「じゃあ私は駐在さんに行ってくるんで…」スタッ
れんげ「駄菓子屋…」ギュッ
れんげ「わかったのん…」コクッ
雪子「じゃあみんな行こうか?」
お兄ちゃん「…」コクッ
小鞠「蛍…手…」差しだしッ
蛍「センパイ…?」
小鞠「蛍はまだ子供だから…特別だよ!」ニコッ
蛍「せーんぱーいッ」ウルウルッギュッ
小鞠「もーよしよし…」ポンポンッ
夏海「ウチらも行こうか?れんちょん」ギュッ
れんげ「…」コクッ
村放送「…日…10時…分…旭丘分校で
…行方不明になっていた…宮内…一穂さんは……じ…発見されました…皆さまの…ご協力…あり………」
楓「……」ギリッ
子供編…おわり。
このみ「やっほー!」ピョコンッ
楓「このみか…何しに来たんだ…」
このみ「そりゃ楓ちゃんに会いに来たに決まってるじゃん‼」ニコッ
楓「駄菓子屋に来たなら菓子買えよ…」
このみ「うーんしょうがない‼じゃあこれ…」ヒョイッ
楓「あーそれは30円だ」
このみ「はいお金」チャリンッ
楓「まいど…」
楓「夏海から聞いたのか?」
このみ「ううん…ひかげちゃんから」
楓「内緒にしろってひかげに言われなかったか?」
このみ「うーん?言ってたかも…」首傾げッ
楓「ふっ…このみは変わらないな…」
このみ「みんなは…変わった?」
このみ「そうなんだ…」
楓「…」
このみ「…小鞠ちゃんと、なっちゃんも…変わったよ…」
楓「そうか…そういえば最近見てないな…」
このみ「子供だけで出歩くのは危ないからね…大女がまだいるから…」
楓「大女か…最近は警察も見当たらないな…初めはあんないたのに…」
このみ「時間がたったからね…」
楓「…」
楓「さあな…」
このみ「ウソ!!」バンッ
楓「ん…!?…なんだよ大きな音立てて…」
このみ「私知ってるよ!最近まで楓ちゃんが大女のこと調べまわってたの!だからお店だってずっと閉めてたし!私が毎日来てたの知らないでしょ?…」
楓「このみ…」
このみ「私、心配だったんだよ!なんも連絡寄越さないで…楓ちゃんまで何かあったら…私…ずっと一緒だったのに…水くさいよ…」涙目ッ
このみ「ん…ありがと…」鼻かみズピーッ
楓「水くさいか…はは、そうか…そうだよな…なあこのみ?」
このみ「ん…」クシャッ
楓「これは絶対誰にも言うなよ…大女のことだ…」
このみ「楓ちゃん…‼うんわかった!」
このみ「…」
楓「それはセンパイを探してる時も考えてたんだが放送を聞いて完全に思い出した…」
このみ「…」
楓「このみ…センパイは大学を出るためこの村を出ただろ…?」
このみ「うん…」
楓「このみは知ってると思うけど何回かセンパイに会いに行ったんだ…」
このみ「うーんそういえばそんな事言ってたかも…?」
楓「で、その時センパイに聞いたんだが…大学でこんな噂話が流行ってるって…」
一穂「いやー悪いねぇ荷物持って来て貰っちゃって…」
楓「ホント勘弁して下さいよ!」
一穂「はは…まあお詫びを込めてごはんごちそうするから…」
楓「まあそれならいいですけど…」
【喫茶店】
楓「じゃあ私はナポリタンで…」
一穂「私は…オムライスにしようかね…あと食後にコーヒーを…」
店員「かしこまりました…」
店員「お待たせしました…ごゆっくりどうぞ…」
楓「お、旨そうですね‼」
一穂「ここはよく来るんだよ!おいしいからね…」
楓「そうなんですか…じゃ、センパイ!いただきます‼」手合わせッ
一穂「あいよ…」
楓「いやーごちそうさまですセンパイ!ホント旨かったですよ」コーヒーゴク
一穂「そうかい?そりゃよかった…」コーヒークピッ
楓「で、どうなんですか学校は…ちゃんと卒業できるんですか?」
一穂「え?どういうこと…?」キョトンッ
楓「いや、センパイのことだから寝てて講義?でしたっけ?聞いてないかなと…」
一穂「いやいやさすがに話は聞いてるから…」
一穂「おもしろくないってアンタ…まあいいや…じゃあ1つ学校で噂になってる話を聞かせてあげるよ…」
楓「へー噂話って言うから怖い話ですか?」
一穂「まあ怖いかも…」
楓「いいですね…どんな話何ですか?」
一穂「見知らぬ女に付きまとわれた男の話…」
このみ「思い出した!」パンッ
楓「ん…」
このみ「最後に注射打たれておかしくなっちゃう話だよね?」
楓「おー…それそれ…でもこのみにこの話したっけ?結局は話さなかった記憶があるんだが…」
このみ「話たよ!多分みんな聞いてる…小鞠ちゃんが怯えてたの覚えてるもん…」
楓「へー…あいつらにも話たのか…忘れてたわ…」
このみ「でもなんで忘れてたんだろ…?」
このみ「うーん…?記憶力はいい方なんだけどな…まあいいや…続きお願い」
楓「わかった…その話を思い出した私はなんか関わりがあると思ってセンパイの同期に話を聞きに行ったんだ…」
このみ「…」
楓「でもセンパイから聞いた話ばかりでなんも進展しなかった…でもな…」
このみ「うん…」
楓「いろんな人に聞いてまわってるうちに遂に見つけたんだ…その可笑しくなった男の親友って人を…」
このみ「ただの噂じゃなかったんだね…」ゴクッ
楓「ああ…それで私は開口一番に夏海が見た大女の容姿をその人に伝えた…」
このみ「…どうなったの?」
楓「顔が変わったよ…それまで渋っていた口を開けてすべてを話てくれた…」
佐竹「アンタの言う大女ってのは間違いなくヒロシに付きまとっていた女だ…まあ…あんときゃヒールは履いてなかったがな…」
楓「…」
「ヒロシが言うには電話口でサチコって名乗っていたらしい…」ライターシュボッ
楓「サチコ…」
佐竹「ああ、最初は…ガキん時の同級生が復讐に来たと思ったんだけどな…調べてみりゃあ見ず知らずの女だったって訳だ…ホントびびったよ…」煙草スパーッ
楓「…」
佐竹「悪いことは言わねぇ…その子供は諦めたほうがいいぜ…じゃなきゃアンタもどうなるかわかんねぇぞ…」
楓「そういう訳にはいかないんだ…」
佐竹「そうか…じゃあ経験者として1つアドバイスしてやるよ…アイツは化け物だ、人間と思うな…じゃなきゃ殺される…ヒロシのようにな…」煙草グリグリッ
楓「…」
このみ「人間じゃ…ないの…?」
楓「さあな…ただいくら打ちのめしても泣きじゃくりながらむかってきたらしい…」
このみ「…」
パキッ
このみ「…!?」
楓「誰だ‼」
このみ「…」ジーッ
お兄ちゃん「…」ヒョコッ
楓「話…聞いたか…?」
お兄ちゃん「…」コクッ
楓「そうか…誰にも言うなよ?…みんな怖がるからな…」
お兄ちゃん「…」コクッ
楓「ありがとう…そうだ!今日はれんげもいるからみんなで会いに行ってやってくれないか?」
このみ「へーいいね‼私も行くよ!もちろん駄菓子はサービスしてくれるんでしょ?」
楓「チッ…今回だけな…ほらこれに好きなもん入れて持ってけよ」袋差し出しッ
お兄ちゃん「…」ガサガサッ
このみ「よしこんなもんかな…じゃあ最初は蛍ちゃん家に行ってから小鞠ちゃんとなっちゃんを拾って行こうか?」
お兄ちゃん「…」コクッ
楓「気をつけて行けよ」
このみ「うん…楓ちゃんも何かあったらすぐ連絡してね?」
楓「ああ…」
このみ「じゃあ行こう‼」トコトコッ
お兄ちゃん「…」スタスタッ
楓「…行ったか…」スタッ
楓「…」ゴソゴソッ
楓「これで…」チャキッ
楓「センパイ…れんげは必ず…」
ひかげ「いやー悪いね駄菓子屋!今日も来てもらって…親がどうしても用があって…まあ姉ちゃん関係でさ…」ポリポリッ
楓「いいさ…ひかげとれんげだけだと危ないからな…」
ひかげ「なにをー‼大女が来ても私がやっつけてやるよ!こんな感じでさ…」そすんさーッ
楓「なんだそりゃ?」
ひかげ「いやれんげがさ…」チラッ
ひかげ「あー、久しぶりにみんなと遊んだから疲れたのかな?駄菓子屋が計画してくれたんでしょ?」
楓「さあな…知らんね…」
ひかげ「そっか…へへ、でも今日はなんか変なもん持って来たね?なにそれ?おもちゃ…?」
楓「じいちゃんの形見だよ…」
ひかげ「持ってたら犯罪てきな物じゃん‼」
楓「うるさい…バレなきゃいいんだよ…」
楓「わからんが…一応な…」
ひかげ「そうか…でもありがとね…れんげの為に…」
楓「違うよ…ただ…腸が煮えくりかえるくらいイラついてるだけだ…あの大女って奴にたいしてな…」
ひかげ「…」
楓「ひかげ…お前ももう寝ろ…」
ひかげ「…うんわかった…じゃあ戸締まり確認してから寝るわ…おやすみ駄菓子屋」スタッ
楓「ああ…」
女「もしもしサチコさん?」
プーーーーーーーッ
女「そうよ……から電話してるの……」
プーーーーーーーッ
女「なんで私の行動を知ってるの?」
プーーーーーーーッ
女「ええ、大丈夫よ…必ず持って帰るから……」
プーーーーーッ
女「そう、全部あなたの思い通りよ……」
プーーーーーッ
女「じゃまた電話してね……」
プーーーーーーーーーーーーーッガチャンッ
ひかげ「あとは…縁側か…」トテトテッ
【縁側】
ひかげ「くら!電気切れてんのかよ…まあいいや…」トテトテッ
ひかげ「うわ、開きっぱなしじゃん…雨吹き込んでるし…誰だよ開けたの…て、私か?」ガラガラッ
ガサッ
ひかげ「ん…?」チラッ
ひかげ「具か…おーい具ー
…?」目凝らしッ
女「………」爪ガリガリッ
ひかげ「…え…?」ビクッ
うわーーーーーーーーーッ!!!!
楓「ひかげ!?」バッ
れんげ「ん…なんなのん…?」
楓「…れんげ此処にいろ!!」
れんげ「ウチも行くん!」ガバッ
楓「…わかった!私から離れるなよ!」
れんげ「…」コクッ
楓「ひかげ!大丈夫か!?」駆け寄りッ
ひかげ「…ああ、あれ…駄菓子屋…あれ…!!」指差しッ
楓「ん…!?」
女「な……ゃ…す……?」ダッタタッ
れんげ「大女なのん…」ブルブルッ
楓「クソ!逃がすか‼」ダッ
れんげ「駄菓子屋ー!!」ガバッ
楓「離せれんげ!!ひかげ!!れんげを見てろ‼」チャキッ
ひかげ「わ、わかった!」れんげギュッ
れんげ「離すのんひか姉ー!」バタバタッ
楓「れんげ…今度こそ任さろ…な?」ナデナデッ
れんげ「いやなのん!あぶないのん!」ジタバタッ
楓「れんげ……。ひかげ!…あとは頼んだぞ」バッダッダダッ
れんげ「駄菓子屋ーー‼」ジタバタッ
ひかげ「このバカれんげ‼駄菓子屋を信じろ‼」ギュッ
れんげ「ああ………」ヘナッ
ひかげ「れんげ、お願いだから…」ギュッ
れんげ「ひか姉…わかったのん…」涙目ギュッ
ひかげ「れんげ…そうだ!夏海ん家に助けて貰おう…‼」
サーーーーー……
楓「はぁはぁ…クソ!何処だ…」ジリッ
ガサガサッ
楓「!?そっちか…!」ダッダッ
【越谷家】
雪子「無事で良かった…」ギュッ
れんげ「の…ん…」バタバタッ
ひかげ「おばさん…くるしっ…」タップパパンッ
雪子「あら?ごめんね」バッ
れんげ「ふーッなん…」
ひかげ「マジできてたわ…」
このみ「でもホント…二人とも無事で良かった…」
れんげ「でも駄菓子屋が…」
小鞠「そうだよ‼駄菓子屋強いし‼」
れんげ「なっつん…こまちゃん…」
小鞠「こまちゃん言うな!」
れんげ「相変わらずなんな…」
夏海「はははっ」ケラケラッ
雪子「楓ちゃんならすぐ村のみんなに連絡したから大丈夫だよ…きっとすぐ戻ってくるよ」ナデナデッ
センパーイッ!!
小鞠「あ、蛍きた!」トテトテッ
蛍「れんちゃーん」ギュッ
れんげ「ほたるん心配性なんなー?ウチは大丈夫なん」
蛍「だって…また大女が出たって聞いたから…」グスグス
れんげ「ありがとうなん…ほたるん!」
蛍「いいよー」ニコッ
雪子「お父さんに連れて来てもらってのかい?」
蛍「はい‼お父さんとお母さんに連れて来て貰いました…それでそのまま楓さん捜索に参加するみたいです…」
雪子「そうかい!じゃあゆっくりして行きなね…蛍ちゃん」
雪子「じゃあ私も探しにいくから…このみちゃん、お兄ちゃん…みんなをよろしくね」
お兄ちゃん「…」コクッ
このみ「はい…任せてください!」
雪子「じゃあ行くから」スタスタガラッ
このみ「……」
ザーーーーーー…
蛍「雨…強くなりましたね…」
小鞠「うん…」窓みるッ
れんげ「駄菓子屋…大丈夫なんな…」
夏海「大丈夫だって…ねぇひか姉」チラッ
ひかげ「ん?ああ…大丈夫でしょ!なんたって駄菓子屋秘密兵器持ってるし…」
夏海「なに?秘密兵器って?」ガバッ
ひかげ「聞きたい?」
夏海「聞きたい聞きたい‼」
ひかげ「じゃあこっちこいよ…駄菓子屋には私が言ったって内緒だぞ!」コソコソッ
夏海「うんうん‼」コソコソッ
このみ「楓ちゃん…あれ持ってたんだ…」
このみ「それ…使えるの?」
楓「多分な…」
このみ「でも…犯罪になっちゃうよ…」
楓「それで…平和になれば安いもんだろ
?それに…なるべくは使わないように努力するさ…」
このみ「でも…」
楓「このみ…わかってくれ…」
このみ「うん…わかったよ…」
楓「ありがとな…」グッ
このみ「へへっ…」グッ
このみ「…」チラッ
お兄ちゃん「…」
このみ「メガネくんちょっと来て…」手チョイチョイッ
お兄ちゃん「…?」スタスタッ
このみ「私…ちょっと家に荷物取りに行くから…みんなのこと見ててくれるかな?」
お兄ちゃん「…」コクッ
このみ「へへっありがと…私が出たらカギ閉めてね?いい…?」
お兄ちゃん「…」コクッ
このみ「じゃあ行って来るね…」手フリフリッ
お兄ちゃん「…」手フリフリッ
【越谷家外】
ザーーーーーー…
このみ「雨…強いな…」チラッ
このみ「ごめんね…メガネくん…」
このみ「いま行くからね…楓ちゃん!」タッバシャッバシャッ
ザーーーーーー…
楓「はぁはぁ…はは…追い詰めたぞ…大女…!」ジリッ
女「なんなのよぉぉ…なんで邪魔するのよー…」ガリガリッ
楓「なんで、れんげに付きまとう?なんでセンパイを…」
女「私の……に決まってるでしょ…なのにど………も邪魔して…あの…女だって…」ブツブツッ
楓「…なに言ってるんだ?…」
楓「近づくな!……!!……」構えッ
女「なによ……そんなおもちゃ……」首かしげッ
【山道】
このみ「はぁはぁ…………どこ?」キョロキョロッ
ドンッッッッ……!!
このみ「か……えでちゃん?…そっちなの?…楓ちゃん‼」ダッバシャッバシャッ
ザーーーーーー…
楓「な…!?」
女「穴…空……じゃない…服…気に入っ……る…に…」ブツブツッ
楓「当たったのに…な、んで…痛みを感じないのか!?」ブルッ
女「ふふふふふ…痛み…?」バシャッ
楓「……もう……一発……」ガチョッ
女「……」ガリガリッ
楓「……クソッ……詰まって……」ガチガチッ
女「……」バシャバシャッ
楓「…くッ……よし‼入っ…」ガシャンッ
女「……」振り上げッ
楓「…!?」
女「……」傘の先ブンッ
女「……」突き刺しグシャッ
楓「アアッ!?目……見え……な?ッ……」ズリッ
女「ねぇどこ……行くの?……」グシャッ
楓「グッアアッ!?こ…ある…ア……?」手探りッ
女「……痛いの?ちがうわ…本当の痛みは…?」グシャッ
楓「ア……アッ…………」ピクッ
女「こん……ゃな………のよ?」グシャッ
楓(こんなはずじゃ……)
女「固いのしら…な……しょ?…ドクドク」
楓「…れんげ……このみ…みんな……)
女「訪れる…の…福……なの……」グシャッ
楓(センパイ約束…守れ…なくて……せん…)
女「……」グシャッ
このみ「………!?」バシャッ
楓「……」
女「……」ガリガリッ
このみ「かえ……でちゃん……?」ビクッ
女「なに……また邪魔……?」ガリガリッ
楓「………」
このみ「楓ちゃん!?」駆け寄りッバシャッ
女「人のことに……首突っ込んで……」ガリガリ
このみ「起きて!おきてよぉ…………!」ユサユサッ
楓「……」
このみ「楓ちゃんが戻るのみんな待ってるんだよ!!起きて!!起きて楓ちゃん‼」ユサユサッ
楓「………」
このみ「楓ちゃん…おきてよ…」ユサ…ユサッ
楓「…………」ガチャッ
女「…図々し…い…」バシャ
このみ「…………」ギロッ
女「どいつも…こいつも……」ガリガリッ
このみ「よくも…楓ちゃ
んを……」パチャッ
女「…なめたマネして…」ガリガリッ
このみ「ゆるさないから……」カチャッ
女「…………」傘振り上げッ
ドンッッッッ…………!!
雪子「……!?また……?」
雪子「こっちよ!!みんな」バシャバシャッ
【山の中】
ザーーーーーー…
楓「…………」
このみ「楓ちゃん…帰ろうか……?」パシャッ
楓「………」
楓「……」パチッ
楓「ここは……」ムクッ
「病院だよぉ……」
楓「……!?」チラッ
一穂「どうしたん?お化けでも見たような顔して?」
楓「センパイ……起きたんすか……?」
一穂「お陰様でね……奇跡だってさ……」ニコッ
楓「あ…!?大女は?」ガバッ
一穂「あ……そんなすぐ動いたら」
楓「アアッ!?……ッ!ってー!」ジタバタッ
一穂「あら…やっぱり…いまお医者さん呼ぶわ…」スタッ
一穂「もういないってさ…れんげも無事だよ…」
楓「……そっ…すか……?」ドサッ
一穂「じゃあお医者さんついでにみんなにも楓が起きたって知らせたいから私はちょっと失礼するよ」スタッ
楓「はい……」
楓「……」ボーッ
楓「……逮捕…されんのかな…ヤベーな…」
れんげ「駄菓子屋ー」ガバッ
楓「おわっ!」ピクピクッ
蛍「れ、れんちゃん!?もっと優しくしないと……」ワタワタッ
小鞠「まあ大丈夫でしょ?」苦笑いッ
蛍「センパイ……」
夏海「駄菓子屋ー!早く店開けてよー‼ウチ最近ぜんぜん菓子食べてないんですけどー?」
楓「お前は近くのタニシでも食ってろ‼食うだろお前!」
夏海「食べないよ!」
このみ「ふふ……でもかずちゃんも楓ちゃんも起きて良かったよー」
楓「まあ……心配かけたな……」ポリポリッ
れんげ「ねえねえも1日前に起きてぴんぴんしてるのん!」
楓「さっき会ったよ…そう言えばいまは何処にいるんだ?」
ひかげ「検査だってさ……だよなメガネ?」
お兄ちゃん「……」メガネクイッ
れんげ「駄菓子屋はいつ戻ってくるん?」
楓「まあ…すぐ戻れるだろ?」
小鞠「戻ってきたら退院パーティーしようよ‼」
蛍「わー!いいですね‼」
このみ「じゃあ一杯ごちそう用意しないとね」ニコッ
小鞠「私作るー!」手を上げッ
夏海「絶対やめて‼」ポンッ
小鞠「なんでだよー!」ガオッ
蛍「センパイ!…私も手伝いますから」なだめなだめッ
れんげ「それなら安心なんな」フスーッ
小鞠「れんげまで……」ショボーンッ
小鞠「本当に!」
このみ「うん!」ニコッ
小鞠「ありがとーこのみちゃん‼」グスグスッ
このみ「よしよし…」ナデナデッ
【30分後】
このみ「じゃあ私達帰るね‼」
れんげ「またなのーん!」
夏海「じゃあね‼」
小鞠「バイバイッ」
蛍「お邪魔しました‼」ペコッ
ひかげ「駄菓子屋またねー」
お兄ちゃん「……」クイッ
楓「ああ、ありがとなみんな……」
楓「センパイ……」
一穂「ん…なんだい?」
楓「なんだったんすかね…大女って…」
一穂「まあ夢ではないわな…」
楓「そうっすね…夢だったら良かったですけど…」
一穂「まあいいじゃないか…もういないんだし…」
楓「ずっと思ってたんですけど…それ…誰から聞いたんすか?」
一穂「ん……このみ…だったかな?」
楓「このみが?なんで…?」
一穂「さあ…なんでだっけ…?」首かしげッ
楓「………」
このみ「ここなら…見つからないよね?」コトッコトッ
このみ「大きいから箱何個も出来ちゃったけど…でもまあいいか…」コトッコトッコトッ
このみ「ふー…疲れた……」背伸びッ
このみ「……」
このみ「パーティー……楽しみだなぁ……」
箱「…」
箱「……」
箱「」
箱「・」
箱「…………」ガリガリッ
大人編…おわり。
?「楓ちゃん…掴まって………」肩貸しギュッ
ザーーーーーー…
?「楓ちゃん…重いよ…今度一緒に…ダイエットしようね……」バチャバチャ
おーーーーい!楓ちゃーん!
どこーーー……
?「おばさんの……声だ……良かった………帰れるよ…」バチャズリッズリッ
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………………………
楓「んっ……」ゴロッ
楓「……」
楓「……」パチッ
楓「………」ガバッ
楓「………」キョロッ
楓「夢……か……?」
楓「……」目ゴシゴシッ
楓「……」
カンパーーーーイッッッ!!
れんげ「駄菓子屋、ねえねえ…退院おめでとうなのん!」クルクルッパッ
蛍「おめでとうございます!」
楓「ああ……ありがとう」
一穂「おお…!ありがとほたるん、れんちょん!」
ひかげ「いやー‼二人とも入院した時はマジ焦ったけどホント出れて良かったよねー」
小鞠「夏海はお見舞い品の果物食べてただけでしょ?バレないようにこそこそしてたけどバレバレだったからね!」ビシッ
夏海「バレてましたか…てへ!」ペロッ
このみ「あはははっ…おっかしー!でも…こういうってやっぱりいいよね…ね、メガネくん?」
お兄ちゃん「…………」コクッ
このみ「ね~ ビール、一口~」
楓「あと二年経ったらな」ゴクゴクッ
このみ「もう!ケチなんだから!」プイッ
ひかげ「お…‼これうまいじゃん!」モグモフッ
小鞠「あ!それ私が作ったやつ!」パアッ
夏海「嘘だ~」ニヤニヤッ
小鞠「ホントだよ!蛍と…このみちゃんにも手伝ってもらったけど…」
夏海「ホントー?」
このみ「本当だよ…ね、蛍ちゃん…」ポンッ
蛍「木の実のパイですね?…センパイ頑張ってました!」ニコッ
楓「お…なんだなんだ?」スッ
ひかげ「いやーこれ?小鞠が作ったんだって…」指差しッ
楓「ふ~ん…なかなかだな」
一 穂「へぇ~よく出来てるねぇ…どれ…」ヒョイパクッ
小鞠「…どう?」
一穂「うん…美味しく出来てるよー」モグモグッニコッ
このみ「なっちゃんもほら…」差し出しッ
夏海「うん…」パクッ
このみ「おいしいでしょ?」
小鞠「どう?夏海…」ドキドキッ
小鞠「当たり前でしょ?お姉ちゃんなんだから」えっへんッ
れんげ「こまちゃん調子ノリノリなんな!」
お兄ちゃん「…」コクッモグモグッ
ひかげ「えー、これで駄菓子屋と姉ちゃんの退院パーティーをお開きにしたいと思います‼最後にお二人から一言!」サッ
楓「なんだそれ?」苦笑いッ
夏海「まあいいから、一言頂戴よー!」パフーッ
楓「しょうがねぇな…まあ…この通り元気になったからいつでも駄菓子を買いに来てくれ!」頭ポリポリッ
れんげ「明日行くのーん!」
楓「おう、こいこい‼来たらちゃんと買えよ!」
ひかげ「じゃあ姉ちゃんお願いしまーす‼」パフパフッ
一穂「いやーみんなには心配かけたねぇ今はこの通り元気もりもりだからこれからもよろしくねぇ…」
小鞠「でも本当に元通りになって良かったよね」
蛍「そうですね!」
ひかげ「よしじゃあ…片付けするぞー!あ、駄菓子屋と姉ちゃんは帰っていいから!」
一穂「そうかい?じゃあ失礼しようか?」チラッ
駄菓子屋「そっすね…」コクッ
夏海「えー片付けめんどくさーい!」
このみ「もう‼駄目だよなっちゃん‼そんなこと言っちゃ…」
れんげ「……」ジーッ
夏海「あ……」
れんげ「……」ジーッ
夏海「ぐぬぬ……」
れんげ「……」ジーッ
夏海「……」
れんげ「……」ジーッ
夏海「はいはーい‼夏海ちゃんもお片付けやりまーす!」テキパキッ
夏海「トンボかーい!!」布巾ぺシーン
ひかげ「夏海ー!ちゃんとやれよー!」
小鞠「もう夏海ったら…あ!?」ガシャーンッ
蛍「センパイ!大丈夫ですか?」ワタワタッ
小鞠「あ…拾わなきゃ…!」サッ
このみ「小鞠ちゃん!素手で拾っちゃ危ないよ‼」手遮るッ
小鞠「え…!?」オロオロッ
小鞠「あ…うん…ありがと蛍…」ショボーンッ
ひかげ「小鞠もかよ‼ホント頼むぜ越谷家ー!」
お兄ちゃん「……」サッサッ
このみ「大丈夫?ケガしてない?」ナデナデッ
小鞠「大丈夫…」
れんげ「平和なんなー!にいにい?」フキフキッ
お兄ちゃん「……」コクッ
一穂「今日はなかなか楽しかったねぇ」
楓「そっすね…沖縄以来の宴会ですからね」
一穂「…懐かしいねぇ沖縄…」
楓「あの…センパイ…」
一穂「ん?なんだい?」
楓「私が山で助けられた時…このみが居たんすよね?」
一穂「そう聞いたねぇ」
楓「私…あの時……いや…やっぱなんでもないです…」
一穂「いいのかい…話さなくて?」
楓「はい…終わったこと…掘り返してもしょうがないですし…」
一穂「そうかい…じゃあもし話たくなったらいつでもおいで?」
楓「はい…ありがと…ございます…」
楓「はは…センパイは変わらないっすね」
一穂「まあそんな簡単に習慣はねー変わらんわな」ポリポリッ
楓「そっすね…」
一穂「うん…じゃあまた…」ガチャッ
楓「はい…また今度…」
楓「………」
楓「さて……帰るか…」
?「………」グチャッ
?「………」グチャッ
?「………」グチャッ
?「………」振り上げッ
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………………………
【駄菓子屋】
楓「うわぁぁ!?」ガバッ
楓「はぁ……はぁ……」キョロキョロ
楓「またか……」目頭抑えッ
楓「……」スタッ
楓「……」トコトコッ
楓「……」蛇口キュッ
蛇口「……」バシャーッ
楓「……」バシャッバシャッ
楓「……」蛇口キュッ
楓「ふー……」フキフキッ
楓「……」バサッ
楓「……」携帯スッ
楓「……」ポチポチッ
楓「……」パタンッ
楓「行くか……」バサッ
れんげ「駄菓子屋、にゃんぱすー!」パスーンッ
蛍「おはようございます‼」ペコッ
楓「ああ、おはよう二人とも」
【2時間後】
夏海「おっす駄菓子屋‼お菓子買いきたよー!」スタタッ
楓「おうそうか‼ちゃんと金落としてけよ!」
小鞠「夏海あまり使い過ぎちゃ駄目だよ!おこずかい無くなっても今度は貸さないからね‼」
夏海「わかってるよーだ‼」ガサガサッ
ひかげ「おー駄菓子屋‼元気にしてるかー?」
楓「お、ひかげ…どうしたんだ?」
ひかげ「うん…ああ…私、今日東京に帰るから挨拶しとこうと思ってさ!」
楓「そっか…気を付けて帰れよ!」
ひかげ「おお、ありがと‼そっちもまた変なのにやられないように気を付けてくれよ!」
楓「ふ…そうだな…」
ひかげ「じゃあまたな駄菓子屋‼」手あげッ
楓「ああ…!」
このみ「ひかげちゃん帰っちゃったね…」
楓「そうだな…」
このみ「で…話ってなにかな?」
楓「改めて礼を言おうと思ってな…」
このみ「礼を…なんで?」首かしげッ
楓「このみが助けてくれたんだろ?大女から…」
このみ「え…?確かに楓ちゃんを見付けたのは私だけど…大女をやっつけたのは楓ちゃんでしょ?」
楓「いや違うな…」
このみ「どういうこと?」
楓「私は大女を倒してないよ…一発くらわせたけど…アイツは平然としてやがった…そしてそのあと殴られてから病院で起きるまで記憶はないんだ…」
このみ「ふーん…」
このみ「うん…居なかったよ……」
楓「そうか…そう言えば…センパイが言ってたんだけど…大女はもう居ないから大丈夫だって…」
このみ「そりゃあ居なくなったら………」
楓「思うんだが…それっておかしくないか…いなくなったら大丈夫なんて?」
このみ「………」
楓「相手は容赦なく人を殺そうとする奴だぞ?普通はまた来るんじゃないかって不安になるだろ?………」
このみ「………」
楓「あとセンパイはもうひとつ言ってたよ…このみから聞いたって…」
このみ「………」
楓「他のみんなもそう言ってた…それになこのみ……」
このみ「………」
このみ「………」
楓「バラバラになった大女を…このみが見下ろしてる夢だ…」
このみ「………!?」ビクッ
楓「ただの夢だが…とても不安になった…なあこのみ……何か…私に隠してることはないか…?」
このみ「………」うつむきッ
楓「このみ…!」
このみ「…ねぇ楓ちゃん……」チラッ
楓「ん……?」
楓「……」
このみ「私たち…なんでもお話ししたよね?」
楓「ああ…そうだな…」
このみ「だけどね楓ちゃん…」チラッ
楓「………」
楓「このみ…」ジッ
このみ「お願い楓ちゃん…この話はこれで…お仕舞いにして…」グスッ
楓「………」
このみ「おねがいだよ……」ポロポロッ
楓「このみ…お前は大丈夫なのか?危なくないのか?心配なんだよ…友達として…」肩ギュッ
このみ「うん…大丈夫……だよ…」グスッ
楓「そうか、わかった…わかったよ…お前を信じる…だからこの話はもうしない…でももし…一人で抱えきれなくなったら…ちゃんと相談…してくれよな」頭ポンッ
このみ「かえでちゃん…」鼻水ズズッ
楓「はは…ほら……鼻水出てるぞ!」ちり紙手渡しッ
このみ「うん…ありがと……」鼻かみズピーッ
このみ「へへ…やっぱり楓ちゃんはやさしいね‼」ニコニコッ
楓「チッ明日からは厳しく行くからな…」ニッ
このみ「うん!じゃあ私は帰るね…」手フリフリッ
楓「ああ…またな」手上げッ
夏海「あ~夏はやっぱこれだわ‼」かき氷ザクッ
小鞠「あんまり急いで食べると頭キーンってなるよ‼」
夏海「へっへーん!大丈夫だって」ザクッザクッ
れんげ「美味しいのんなほたるん!」パクッ
蛍「うん‼」ニコッ
お兄ちゃん「…」クルクルパクッ
このみ「わ!?器用な食べ方するねメガネくん‼」
お兄ちゃん「………」メガネクイッ
一穂「いやー、じゃんけんで負けちゃってねぇ…」遠くを見るッ
楓「あ、そっすか…」苦笑いッ
ひかげ(めっちゃ平和だなー…ルーチェも来れば良かったのに!)パクッ
ひかげ「」キーンッ
ルーチェ(ひかげの家に遊びに行こうと出てきたはいいけど…道に迷った…)ズーンッ
ルーチェ「何処だここ…?」キョロキョロッ
ルーチェ「クソー!こんなことなら大人しくひかげに付いて行けば良かった…」トボトボッ
ルーチェ「……ん?…なんだあれ…?」トボトボッ
ルーチェ「あ…なんだガラクタか…ガッカリだ‼」
ルーチェ「まあ私はこんなモノにかまってる暇はないからどうでもいいけどな!…そんなことより早くしないと暗くなって…おばけが…」妄想ポワーンッ
ルーチェ「………」ブルルッ
ルーチェ「よし‼こんな時こそ…よいしょ……」リュック前にまわすッ
ルーチェ「ふん‼」羽根バサッ
ルーチェ「はっ!!」ピョーンッドテッ
ルーチェ「………」
ルーチェ「………」プルプルッ
ルーチェ「………」グスッ
ルーチェ「ひかげーー!!何処にいるんだよー!!」スッダッダッダッダッ
カナカナカナカナカカナカナカナーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………………………
箱?「」
箱?「」
箱?「」
箱?「」
?「………」ガリガリッ
春風「………」本読みッ
春風「風説かぁ…不思議だなー……」時計チラッ
春風「あ、もう0時だ…早く寝なきゃ…」本置きパサ
春風「あ…そう言えば…」
春風「ルーちゃん…ちゃんと迷わず行けたかな…?」
ピンポーン………ピンポーン…………………………………………………………………
春風「ん?…誰だろ…?こんな時間に…」
春風「もしかして…ルーちゃんかな?………」トボトボッ
………ガチャッ…………………………………………………………………………………
おわり。
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1445354584/
Entry ⇒ 2016.02.25 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
夏海「行くよ、れんちょん!」れんげ「わかったん!」
れんげ「わかったん!」
夏海「じゃあ行くよ!」
れんげ「あい!」
楓「なんだ、おまえら?」
夏海「鬼は外ー!」
れんげ「ふくはーうち!」
楓「お、おい!?」
れんげ「わかったん!」
楓「待て」
夏海「れんちょん!?」
れんげ「うちのことはいいからさっさと逃げるん……」
夏海「でも!」
れんげ「はやくしないと手遅れになるん……」
夏海「わかった、ごめん、れんちょん……」
夏海「必ずたすけに来るかんねー!」
楓「夏海!?ったく」
れんげ「へくち」
楓「風邪引く前に店に入れよ」
れんげ「おじゃまするん……」
楓「はいよ」
楓「食わねーよ……」
れんげ「でもなっつんが……」
楓「あいつになんて言われたんだ?」
れんげ「駄菓子屋は鬼だから退治しないといけないって」
楓「それがなんで私に豆をぶつけることにつながるんだ?」
楓「まあそうだな」
れんげ「ただ投げるだけじゃなくておまじないが必要なん」
楓「おまじない?」
れんげ「鬼は外と福は内なのん!」
楓「もしかして私に豆をぶつけたのって……」
れんげ「なっつんが駄菓子屋が鬼だから退治しなきゃいけないっていってたん」
れんげ「違うん?」
楓「ああ」
れんげ「じゃあなっつんはうそつきなのん?」
楓「それは……」
れんげ「どうなのん?」
楓「た、たまたま間違えただけだ」
れんげ「まちがえたのん?」
楓「ああ、人間誰でも間違えることがあるだろう?」
れんげ「あるん!」
楓「だから夏海はたまたま間違えただけだ」
れんげ「わかったん!」
れんげ「送ってくれるん?」
楓「先輩に頼まれたものを届けたいしな」
れんげ「わかったん!」
楓「じゃあちゃんと座ってるんだぞ?」
れんげ「あーい!」
一穂「おかえり、れんちょん」
楓「お邪魔します」
一穂「おや、楓も一緒だったんだね」
楓「ええ、頼まれたものを持ってきましたよ」
一穂「おやすまないねえ」
れんげ「なにをお願いしてたん?」
一穂「これだよ」
れんげ「のり?」
一穂「今日は節分だから太巻きを作ろうと思ってね」
一穂「はいはい、じゃあちゃんと手を洗ってうがいをしておいで」
れんげ「あーい!」
楓「じゃあ私はこれで……」
れんげ「駄菓子屋も一緒につくるん!」
楓「え?」
れんげ「いやなん?」
楓「それは……」
一穂「せっかくだから一緒にどうだい?」
楓「でも……」
楓「じゃあお言葉に甘えて……」
一穂「はいよ、二人とも手を洗ってうがいをしておいで」
れんげ「駄菓子屋、行くん!」
楓「お、おい!引っ張るな!」
れんげ「はやくはやくー!」
一穂「ふふ、れんちょんは元気だね」
れんげ「あい!」
楓「先輩、私はなにをしましょう?」
一穂「じゃあキュウリを切ってくれるかい?」
楓「わかりました」
れんげ「割れたん!」
一穂「じゃあお砂糖と塩で味付けするよ」
れんげ「わかったん」
一穂「ちなみに卵は甘めだけど大丈夫かい?」
楓「ええ、大丈夫です」
一穂「れんちょん、それを混ぜてくれる?」
れんげ「黄身がなかなか割れないん……」
れんげ「駄菓子屋すごいん!」
楓「ま、おとなだからな」
れんげ「おー」
一穂「じゃあ混ざったみたいだし焼いていこうかな」
れんげ「うちが焼くん!」
一穂「さすがにれんちょんに一人で火を扱わせるわけにはいかないね」
れんげ「むー……」
楓「じゃあ私が後ろから手伝いますよ」
れんげ「これでもダメなん……?」
一穂「じゃあ危なくないように注意してやるんだよ」
れんげ「あい!」
れんげ「ないん!」
楓「そうか……このフライパンを使うぞ」
れんげ「四角いん!?」
一穂「卵焼きのためのフライパンだよ」
れんげ「文明ってすごいん!」
楓「文明関係ねーだろ……」
れんげ「早く焼くん!」
楓「フライパンが温まったみたいだしストップっていうまで入れてくれ」
れんげ「あい!」
楓「よし、ストップだ」
れんげ「まだ結構残ってるん」
楓「何回かに分けたほうが焼きやすいんだよ」
れんげ「おお、固まってきたん!」
れんげ「おお、くるってなったん!」
楓「また開いた場所に卵を入れてくれ」
れんげ「これぐらいでいいん?」
楓「ああ、そうだ」
れんげ「今度はうちがやるん!」
楓「大丈夫か?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「がんばれー」
れんげ「破れたん……」
楓「ほら、こうすれば……」
れんげ「おお!?」
楓「あと2回くらい焼くからやってみるか?」
れんげ「やってみるん!」
楓「最後にはきれいに巻けたな」
れんげ「駄菓子屋が手伝ってくれたおかげなん!」
楓「お、おう……」
一穂「もしかして照れてる?」
楓「……違います」
れんげ「駄菓子屋顔赤いん」
楓「……気のせいだ」
れんげ「普通のお米じゃないん?」
一穂「こっちのほうがおいしいからね」
れんげ「うちなにかすることないん?」
一穂「じゃあ私が混ぜる間にうちわであおいでくれるかい?」
れんげ「わかったん!」
楓「私は他の具を準備しておきますね」
れんげ「具を食べるん!?」
楓「食べねーよ……」
一穂「あとは巻くだけだね」
楓「これに乗せてまくんだよ」
れんげ「なんきんたますだれなのん?」
楓「よく知ってるな……」
一穂「似てるけどこれは巻きすっていう別のものだね」
れんげ「早速巻くん!」
れんげ「あい!」
一穂「じゃあ具を乗せていこうか」
れんげ「いっぱい巻くん」
楓「あんまり欲張ると巻くのが大変になるぞ?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「ちょっと多すぎないかい?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「れんちょんがそういうなら……巻いてみようか」
れんげ「あい!」
れんげ「ぐーるぐーるぐーる」
楓「おお」
れんげ「できたん!」
一穂「すごく太いねえ……」
楓「太巻きの域を超えてないか……?」
れんげ「うちが作ったから当然なん!」
一穂「まだまだ材料はあるからじゃんじゃん巻いていくよ」
れんげ「あい!」
楓「さすがに多すぎないか?」
一穂「明日の学校の給食にできそうな勢いだねえ……」
れんげ「出来たてを食べるのがツウなん」
楓「だからどこでそんな言葉を覚えてくるんだよ……」
一穂「じゃあ食べようか」
れんげ「駄菓子屋にはこれなん」
楓「これ一番太いやつじゃないか」
れんげ「駄菓子屋には一番太いのを食べて欲しいん!」
楓「口に入りきるかな……」
れんげ「だめなん?」
楓「わ、わかったよ……食べるよ……」
一穂「じゃあ手を合わせて」
三人「「「いただきます」」」
れんげ「えほう?」
楓「縁起のいい方向だな」
れんげ「おお」
一穂「今年は西南西だから……ちょうど楓がいる方向だね」
れんげ「駄菓子屋を見ながら食べればいいん?」
楓「途中で噛み切ったり喋ったりしちゃダメだからな?」
れんげ「わかったん!」
れんげ「…………」マクマク
一穂「…………」モグモグ
楓(太すぎじゃないか……)
楓「しばらくは巻き寿司もいやになりそうです……」
れんげ「駄菓子屋、うちの太巻き美味しかったん!?」
楓「うまかったけど……来年からは太さを考えてくれ……」
れんげ「…………?」
一穂「さて、遅くなったしそろそろお風呂の準備をしようかな」
れんげ「駄菓子屋今日は泊まらないん?」
楓「ああ」
れんげ「でもお外はすごい雪なん」
楓「なに!?」
れんげ「こんな中で外に出たらソーナンしたりトーシしたりするん……」
楓「さすがにそれはないだろう……」
一穂「まあまあ、安全のためにも泊まっていきな」
楓「でも……」
れんげ「駄菓子屋はうちにお泊まりいやなん?」
楓「お世話になります……」
一穂「懐かれてるねえ」
れんげ「はやくお風呂行くーん!」
楓「食べてすぐに走り回るとお腹痛くなるぞ?」
れんげ「脇腹が……」
一穂「こんな元気なれんちょんを見たら鬼の方が逃げていくだろうね」
~今回はここまで~
雪子「ちゃんと年の数だけ食べるんだよ?」
夏海「ねーちゃんの方が私より多い!?」
蛍「え?当然なんじゃないんですか?」
夏海「こまちゃんの方が小さいのに!?」
小鞠「ちっちゃいっていうな!」
このみ「ほらほら、そんなに騒いだらだめでしょ?」
卓「…………」
夏海「ねーちゃんは小さいから鬼に食べられちゃうかもね」
小鞠「そそそ、そんなわけないじゃん!」
蛍「先輩は私が守ります!」
このみ「蛍ちゃん、目が怖いよ……?」
ご静聴ありがとうございました
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1448105994/
Entry ⇒ 2015.11.22 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
【のんのんびより】夏海「行くよ、れんちょん!」れんげ「わかったん!」
夏海「わかったかい、れんちょん?」
れんげ「わかったん!」
夏海「じゃあ行くよ!」
れんげ「あい!」
楓「なんだ、おまえら?」
夏海「鬼は外ー!」
れんげ「ふくはーうち!」
楓「お、おい!?」
夏海「よし、逃げるぞ!」
れんげ「わかったん!」
楓「待て」
夏海「れんちょん!?」
れんげ「うちのことはいいからさっさと逃げるん……」
夏海「でも!」
れんげ「はやくしないと手遅れになるん……」
夏海「わかった、ごめん、れんちょん……」
楓「お、おい!」
夏海「必ずたすけに来るかんねー!」
楓「夏海!?ったく」
れんげ「へくち」
楓「風邪引く前に店に入れよ」
れんげ「おじゃまするん……」
楓「はいよ」
れんげ「うち駄菓子屋に食べられるん?」
楓「食わねーよ……」
れんげ「でもなっつんが……」
楓「あいつになんて言われたんだ?」
れんげ「駄菓子屋は鬼だから退治しないといけないって」
楓「それがなんで私に豆をぶつけることにつながるんだ?」
れんげ「鬼退治には豆を投げるん」
楓「まあそうだな」
れんげ「ただ投げるだけじゃなくておまじないが必要なん」
楓「おまじない?」
れんげ「鬼は外と福は内なのん!」
楓「もしかして私に豆をぶつけたのって……」
れんげ「なっつんが駄菓子屋が鬼だから退治しなきゃいけないっていってたん」
楓「鬼じゃねーよ……」
れんげ「違うん?」
楓「ああ」
れんげ「じゃあなっつんはうそつきなのん?」
楓「それは……」
れんげ「どうなのん?」
楓「た、たまたま間違えただけだ」
れんげ「まちがえたのん?」
楓「ああ、人間誰でも間違えることがあるだろう?」
れんげ「あるん!」
楓「だから夏海はたまたま間違えただけだ」
れんげ「わかったん!」
楓「よし、わかったら送ってやるから準備しろ」
れんげ「送ってくれるん?」
楓「先輩に頼まれたものを届けたいしな」
れんげ「わかったん!」
楓「じゃあちゃんと座ってるんだぞ?」
れんげ「あーい!」
れんげ「ねえねえただいまなのん」
一穂「おかえり、れんちょん」
楓「お邪魔します」
一穂「おや、楓も一緒だったんだね」
楓「ええ、頼まれたものを持ってきましたよ」
一穂「おやすまないねえ」
れんげ「なにをお願いしてたん?」
一穂「これだよ」
れんげ「のり?」
一穂「今日は節分だから太巻きを作ろうと思ってね」
れんげ「うちも作るん!」
一穂「はいはい、じゃあちゃんと手を洗ってうがいをしておいで」
れんげ「あーい!」
楓「じゃあ私はこれで……」
れんげ「駄菓子屋も一緒につくるん!」
楓「え?」
れんげ「いやなん?」
楓「それは……」
一穂「せっかくだから一緒にどうだい?」
楓「でも……」
れんげ「うちは駄菓子屋と一緒に太巻き作りたいん!」
楓「じゃあお言葉に甘えて……」
一穂「はいよ、二人とも手を洗ってうがいをしておいで」
れんげ「駄菓子屋、行くん!」
楓「お、おい!引っ張るな!」
れんげ「はやくはやくー!」
一穂「ふふ、れんちょんは元気だね」
一穂「じゃあ卵を焼くから割ってくれるかい?」
れんげ「あい!」
楓「先輩、私はなにをしましょう?」
一穂「じゃあキュウリを切ってくれるかい?」
楓「わかりました」
れんげ「割れたん!」
一穂「じゃあお砂糖と塩で味付けするよ」
れんげ「わかったん」
一穂「ちなみに卵は甘めだけど大丈夫かい?」
楓「ええ、大丈夫です」
一穂「れんちょん、それを混ぜてくれる?」
れんげ「黄身がなかなか割れないん……」
楓「ほら、こうやって手早く混ぜるんだよ」
れんげ「駄菓子屋すごいん!」
楓「ま、おとなだからな」
れんげ「おー」
一穂「じゃあ混ざったみたいだし焼いていこうかな」
れんげ「うちが焼くん!」
一穂「さすがにれんちょんに一人で火を扱わせるわけにはいかないね」
れんげ「むー……」
楓「じゃあ私が後ろから手伝いますよ」
れんげ「これでもダメなん……?」
一穂「じゃあ危なくないように注意してやるんだよ」
れんげ「あい!」
楓「れんげは卵焼きを焼いたことはあるか?」
れんげ「ないん!」
楓「そうか……このフライパンを使うぞ」
れんげ「四角いん!?」
一穂「卵焼きのためのフライパンだよ」
れんげ「文明ってすごいん!」
楓「文明関係ねーだろ……」
れんげ「早く焼くん!」
楓「フライパンが温まったみたいだしストップっていうまで入れてくれ」
れんげ「あい!」
楓「よし、ストップだ」
れんげ「まだ結構残ってるん」
楓「何回かに分けたほうが焼きやすいんだよ」
れんげ「おお、固まってきたん!」
楓「よし、最初は私がやるのを見ていてくれ」
れんげ「おお、くるってなったん!」
楓「また開いた場所に卵を入れてくれ」
れんげ「これぐらいでいいん?」
楓「ああ、そうだ」
れんげ「今度はうちがやるん!」
楓「大丈夫か?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「がんばれー」
れんげ「破れたん……」
楓「ほら、こうすれば……」
れんげ「おお!?」
楓「あと2回くらい焼くからやってみるか?」
れんげ「やってみるん!」
一穂「きれいに焼けたねえ」
楓「最後にはきれいに巻けたな」
れんげ「駄菓子屋が手伝ってくれたおかげなん!」
楓「お、おう……」
一穂「もしかして照れてる?」
楓「……違います」
れんげ「駄菓子屋顔赤いん」
楓「……気のせいだ」
一穂「じゃあ冷ます間に酢飯を作ろうか」
れんげ「普通のお米じゃないん?」
一穂「こっちのほうがおいしいからね」
れんげ「うちなにかすることないん?」
一穂「じゃあ私が混ぜる間にうちわであおいでくれるかい?」
れんげ「わかったん!」
楓「私は他の具を準備しておきますね」
れんげ「具を食べるん!?」
楓「食べねーよ……」
れんげ「これで準備オーケーなん?」
一穂「あとは巻くだけだね」
楓「これに乗せてまくんだよ」
れんげ「なんきんたますだれなのん?」
楓「よく知ってるな……」
一穂「似てるけどこれは巻きすっていう別のものだね」
れんげ「早速巻くん!」
一穂「じゃあ海苔を敷いた上にご飯を乗せてくれるかい?」
れんげ「あい!」
一穂「じゃあ具を乗せていこうか」
れんげ「いっぱい巻くん」
楓「あんまり欲張ると巻くのが大変になるぞ?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「ちょっと多すぎないかい?」
れんげ「大丈夫なん!」
一穂「れんちょんがそういうなら……巻いてみようか」
れんげ「あい!」
一穂「しっかり持っててね?」
れんげ「ぐーるぐーるぐーる」
楓「おお」
れんげ「できたん!」
一穂「すごく太いねえ……」
楓「太巻きの域を超えてないか……?」
れんげ「うちが作ったから当然なん!」
一穂「まだまだ材料はあるからじゃんじゃん巻いていくよ」
れんげ「あい!」
れんげ「ちゃんと巻き終わったん!」
楓「さすがに多すぎないか?」
一穂「明日の学校の給食にできそうな勢いだねえ……」
れんげ「出来たてを食べるのがツウなん」
楓「だからどこでそんな言葉を覚えてくるんだよ……」
一穂「じゃあ食べようか」
楓「じゃあこれを……」
れんげ「駄菓子屋にはこれなん」
楓「これ一番太いやつじゃないか」
れんげ「駄菓子屋には一番太いのを食べて欲しいん!」
楓「口に入りきるかな……」
れんげ「だめなん?」
楓「わ、わかったよ……食べるよ……」
一穂「じゃあ手を合わせて」
三人「「「いただきます」」」
一穂「ちなみに太巻きを食べるときは恵方を向いて無言で食べるんだよ」
れんげ「えほう?」
楓「縁起のいい方向だな」
れんげ「おお」
一穂「今年は西南西だから……ちょうど楓がいる方向だね」
れんげ「駄菓子屋を見ながら食べればいいん?」
楓「途中で噛み切ったり喋ったりしちゃダメだからな?」
れんげ「わかったん!」
れんげ「…………」マクマク
一穂「…………」モグモグ
楓(太すぎじゃないか……)
一穂「ちゃんと完食なんてえらいねえ」
楓「しばらくは巻き寿司もいやになりそうです……」
れんげ「駄菓子屋、うちの太巻き美味しかったん!?」
楓「うまかったけど……来年からは太さを考えてくれ……」
れんげ「…………?」
一穂「さて、遅くなったしそろそろお風呂の準備をしようかな」
楓「じゃあ私はそろそろ……」
れんげ「駄菓子屋今日は泊まらないん?」
楓「ああ」
れんげ「でもお外はすごい雪なん」
楓「なに!?」
れんげ「こんな中で外に出たらソーナンしたりトーシしたりするん……」
楓「さすがにそれはないだろう……」
一穂「まあまあ、安全のためにも泊まっていきな」
楓「でも……」
れんげ「駄菓子屋はうちにお泊まりいやなん?」
楓「お世話になります……」
れんげ「じゃあうち今日は駄菓子屋と一緒にお風呂に入って一緒に寝るーん」
一穂「懐かれてるねえ」
れんげ「はやくお風呂行くーん!」
楓「食べてすぐに走り回るとお腹痛くなるぞ?」
れんげ「脇腹が……」
一穂「こんな元気なれんちょんを見たら鬼の方が逃げていくだろうね」
~今回はここまで~
おまけ
雪子「ちゃんと年の数だけ食べるんだよ?」
夏海「ねーちゃんの方が私より多い!?」
蛍「え?当然なんじゃないんですか?」
夏海「こまちゃんの方が小さいのに!?」
小鞠「ちっちゃいっていうな!」
このみ「ほらほら、そんなに騒いだらだめでしょ?」
卓「…………」
夏海「ねーちゃんは小さいから鬼に食べられちゃうかもね」
小鞠「そそそ、そんなわけないじゃん!」
蛍「先輩は私が守ります!」
このみ「蛍ちゃん、目が怖いよ……?」
おまけ2
ひかげ「ふーん……」
??「どうしたんだ?」
ひかげ「妹が恵方巻きを作ったんだって」
??「恵方巻き?」
ひかげ「節分っている行事に食べるものだよ」
??「ふーん」
ひかげ「ちなみに鬼に豆をぶつけて追い払うんだけどさ」
??「豆ごときに負けるなんて鬼も大したことないな!」
??「じゃあ悪魔にも効くのかおねーちゃんにこの特製豆鉄砲で試すのです!」
??「どうみてもバズーカじゃないか!」
ひかげ「賑やかだなあ」
~今度こそ今回はここまで~
以上です
ネタ自体は昨年思いつきましたが間に合わなかったので今年投下しました
以前も駄菓子屋とれんちょんで書いたのでこちらもどうぞ
【のんのんびより】楓「れんげの誕生日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417612240/
>>18
同感です
二期が今から楽しみですね
ご一読いただきありがとうございました
失礼します
良かった
駄菓子屋と蓮華いいよな
癒される
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422972647/
Entry ⇒ 2015.10.24 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
蛍「ARIA…?」 灯里「のんのんびより…?」
よろしければお読みください。
蛍「これは…私たちが住むのどかで平和な村で…」
蛍「夏休みのある日に起きたちょっぴり不思議なお話です。」
蛍「それはいつもと変わらない日の事でした…」
~川~
夏海「ほたるん~!早く早く~!」
小鞠「大丈夫だって!私やれんげだって出来たんだから!」
れんげ「ほたるん!ファイトなのん!」
蛍「うぅ…でも…」
夏休みのある日、
私たちは川遊びをする事になりました。
夏海先輩の提案で以前にも行った橋から飛び降りる遊びをしていたのですが…
蛍「やっぱり恐いですよぉ…」
夏海「ほたるん!前に一度出来たじゃん!あの時と同じだよ!」
小鞠「そうだよ!それにこの川はそんなに底が深くないから!」
れんげ「大丈夫、痛みがあってもそれは一瞬なのん。」
蛍「そうですよね…いつまでも私だけ仲間外れになるのは絶対に嫌だし…」
蛍「そ…それじゃあ行きます!えぃっ!」
((ドッパァァァァァン!))
意を決して川に飛び込んだ私…
ですがその時でした。
「 「キャァァァッ!?」 」
小鞠「何…!どうしたの!?」
夏海「大変だぁ!
上流から変な舟が流れてきてジャンプしたほたるんとタイミング悪くぶつかったんだ!?」
れんげ「ほたるん!大丈夫なのん!?」
蛍「な…なんとか無事です…」
危うく大事故になる寸前でした。
けどその舟に乗っていた人が直前で私に気づいてくれたようで…
私を舟の上からキャッチしてくれたのです。
なんとか大惨事を免れたわけですが…
ちなみに私を助けてくれたのは三人のお姉さんたちでした。
「あなた、大丈夫だった?」
「ていうか突然上から落ちてくるとか危ないじゃない!」
「でっかい危険です!大怪我するところだったんですよ!?」
蛍「ず…ずびばぜん…でじだぁ…」
「はわわ!な…泣いちゃダメだよ!」
「アンタ!大人がみっともなく泣いてるんじゃないわよ!」
「そうです!私よりも大きいのにでっかい泣き虫さんです!」
れんげ「ほたるんが見ず知らずのお姉さんたちに怒られているのん!」
夏海「あの…すいません…ちょっといいでしょうか…」
小鞠「実はその子は…」
いきなり迷惑を掛けてしまい私は思わず泣き崩れてしまいましたが…
結局、夏海先輩たちが間に入ってくれてなんとかその場は収まりました。
小鞠「…というわけなんです。」
「ほへぇ~、この橋からジャンプしてたんだ!スゴ~イ!」
「ていうかさっきまで泣きべそかいてた子が…まだ11歳だという事に驚きよ…」
「でっかい発育良すぎです!
私たちよりも大きい11歳がこの世に存在するのはでっかい摩訶不思議です!?」
蛍「ひっくっ…ぐすっ…結局お姉さんたちに怒られるし飛び込みを失敗するし散々です。」
小鞠「はいはい、蛍は泣かないの!」
れんげ「ところでお姉さんたちは何者なん?この辺では見た事ないんな?」
夏海「そういえば…三人とも同じ服っぽいけど柄がちょっと違うし…?」
そう、お姉さんたちはこの村の人ではないみたいです。
その事に疑問に思った私たちですが、
ピンクの髪をしたお姉さんが自己紹介してくれたのです。
灯里「あ、そうだ。まずは自己紹介させてもらうね。
私はARIAカンパニーの水無灯里、
それに姫屋の藍華ちゃんにオレンジプラネットのアリスちゃんだよ。」
藍華「姫屋の藍華・S・グランチェスタよ。よろしくね!」
アリス「オレンジ・プラネットのアリス・キャロルです。でっかいよろしくです。」
蛍「あ、こちらこそ。一条蛍です。」
小鞠「私は越谷小鞠だよ。それとこっちが妹の…」
夏海「ウチ夏海だよ!」
れんげ「にゃんぱす~!ウチはれんげなん!」
藍華「にゃんぱ…?ていうか小鞠ちゃん…小っちゃい子の方がお姉ちゃんなんだ。」
アリス「でっかい摩訶不思議PART2です!」
小鞠「そこっ!聞こえてるから!失礼だよ!」
蛍「ところでARIAカンパニーって何ですか?」
小鞠「それに姫屋とオレンジプラネットって何なの?」
藍華「え…あなたたち…もしかして水先案内業界大手の三社を知らないの!?」
アリス「でっかい世間知らずです!」
灯里「二人とも、そんな言い方はいきなり失礼だよぉ…
え~とそれじゃあ説明するね。
私たちは水先案内人(ウンディーネ)でその水先案内を営む会社の社員なの。」
小鞠「水先案内人…?」
れんげ「それは一体何のお仕事なん?」
藍華「え―――――ッ!?あなたたちまさか水先案内人を知らないの――――!?」
アリス「でっかい田舎者にも限度があります!!」
灯里「だから二人とも…失礼だってぇ~!」
夏海「なんか妙に馬鹿にされているような気がする…」
確かにここはでっかい田舎ではありますが…
けど水先案内人とは一体どういったお仕事なのでしょうか?
気になった私は灯里さんに聞いてみました。
蛍「水先案内人…名前からして水に関わるお仕事をなさっているんですか?」
灯里「そうだよ。
私たちは舟(ゴンドラ)に乗ってネオ・ヴェネツィアという街の観光案内をしているの。」
藍華「しているっと言っても私たちはまだ半人前だからお客さん乗せられないんだけどね。」
アリス「ちなみに灯里先輩と藍華先輩はシングルの半人前、私は見習いのペアです。」
夏海「ネオ・ヴェネツィア…?一体どこの街だよ?」
小鞠「そんなカタコトの街はこの近くにはないはずだけど…?」
藍華「ちょっとちょっと!あなたたちネオ・ヴェネツィアも知らないの~!?」
アリス「でっかい遅れています。」
灯里「はひ~っ!だから二人とも失礼だって…」
一応話を整理するとどうやら灯里さんたちはネオ・ヴェネツィアという街に住んでいて、
ARIAカンパニー、姫屋、オレンジプラネットに所属する水先案内人という事らしいです。
けどそんな人たちがどうしてこの村にやってきたのでしょうか…?
蛍「けど灯里さんたちはどうしてこの村へ来たんです?」
アリス「それは…」
藍華「私たちは街の外れでいつもの合同練習していたのよ。そしたら…」
灯里「はひ~!
なんと練習に付き合ってくれていた私たちの社長が舟から落ちて流されちゃったの!
それでなんとか社長たちを追ってここまで来たんだけど…」
蛍「なるほど、そこへさっき橋からジャンプした私とぶつかってしまったわけですね。
ごめんなさい…そうとは知らずにお手間をとらせてしまって…」
灯里「大丈夫だよ、おかげで私たちお友達になれたんだから~♪」
夏海「え…?ウチらもうお友達になってたの!?」
れんげ「早すぎですな!」
藍華「灯里は友達作りの名人だから。」
アリス「灯里先輩に目をつけられたが最後、でっかいともだちになるしかないのです!」
こうしていつの間にかともだち認定されてしまった私たちですが…
それにしても灯里さんたちが探している社長さんたちは一体何処にいるのでしょうか?
小鞠「でもその社長さんたちって何処に行ったんだろうね?」
夏海「たぶんこの村にたどり着いているんじゃないの。
灯里姉たちだってこうして舟でやってきたわけだしさ…?」
藍華「なるほど、その可能性は高いわね!」
アリス「けど私たちはこの村に来たばかりです。
土地勘のない私たちではこの村での探索はでっかい困難です。」
灯里「そうだよね、一体どうしたら…って…ハッ!私…思いついちゃった!?」
蛍「一体何を思いついたんですか?」
灯里「みんな、もしよかったら私たちにこの村を案内してくれないかな~?」
小鞠「私たちに…?」
蛍「この村を案内?」
れんげ「わかったんな~!」
灯里「よかった!それじゃあよろしくね!」
藍華「灯里ったら社長たちを探すのをついでに楽しむ気満々ね…」
アリス「灯里先輩のでっかい悪い癖です。」
夏海「けどこの村…正直いいところなんてそんなには…」
灯里「そんな事ないよ!
素敵はいつでもどこでもコロコロ色んな転がっているの!
そう、この世界は素敵に溢れた宝箱なんだよ!」
夏海「た…宝箱…?」
小鞠「うわっ!恥ずかしいセリフだ…」
れんげ「確かにこれは恥ずかしいですな!」
蛍「聴いてる私たちも…思わず頬を赤く染めてしまうほど…恥ずかしいです…」
藍華「灯里!会ったばかりの子供たちの前で恥ずかしいセリフ禁止!!」
灯里「えぇ~っ!?」
アリス「そんなわけで社長たちの捜索&この村の探索へでっかいレッツラゴ~です!」
こうして私たちは灯里さんたちと一緒に社長さんたちを探しに村の探索へといざ出発です。
さてさて、一体どんな珍道中が巻き起こるのでしょうか…?
~駄菓子屋~
れんげ「まずはここなん!毎度お馴染み駄菓子屋なのん!」
夏海「ウチらがよく通っているお店だよ。」
小鞠「お菓子とか売ってるんだよ。他にも色んな雑貨が揃ってるし。」
蛍「この村で唯一、生活必需品を扱うお店なんですよ。」
灯里「ちょっぴり恐くて暗いトンネルを抜けるとそこには甘いお菓子のあるお店!
暗いトンネルを抜けたドキドキわくわくなスリルの後の子供たちへの素敵なご褒美だね!」
藍華「だから恥ずかしいセリフ禁止~!」
アリス「それにしてもでっかい古風なお店です。」
まずやって来たのは私たちがよく通う駄菓子屋さんです。
でもその時でした。
お店から何やら変な鳴き声が聞こえてきたのです。
「 「ぷいにゅ~っ!?」 」
夏海「あれ?何だこの変な鳴き声?」
蛍「お店の中から聞こえてきますよ。」
れんげ「おかしいん!駄菓子屋はこんな鳴き声しないんな!」
小鞠「いや、するわけないから…」
灯里「この鳴き声は…もしかして!」
藍華「灯里!後輩ちゃん!行くわよ!」
アリス「さっそくでっかい突入です!」
駄菓子屋さんから響く変な鳴き声。
それに心当たりがあるのか灯里さんたちがお店の中へと突入。
そこで私たちが見た光景は…?
アリア社長「ぷ…ぷいにゅぅ…」
楓「オラ!きっちり働かんか!」
灯里「はひ~!アリア社長無事だったんですね!?」
蛍「アリア…社長…?」
小鞠「ひょっとしてこの白い豚さんがみんなの言っていた社長さんなの!?」
藍華「そうよ、水先案内の会社は蒼い瞳の猫が社長をやる決まりなのよ。」
アリス「それにアリア社長は、
でっかいもちもちぽんぽんですが豚ではありません。一応猫なのです!」
夏海「こいつ猫だったんだ…そっちの方が驚きだよ。」
れんげ「でもしゃっちょさんは何で駄菓子屋に扱き使われてるん?」
まず駄菓子屋に訪れた私たちですが…
なんとそこにいたのは駄菓子屋さんに働かされていたアリア社長でした。
さて、これは一体どういう状況なのでしょうか?
楓「あん?アンタこの豚の飼い主か?
こいつ…どうも腹が減っていたらしくて店の前でぶっ倒れていたんだよ。」
れんげ「しゃっちょさん腹ペコだったんな。」
楓「それで何か食わせてやる代わりにここで働けと命じたんだ。」
夏海「さすが駄菓子屋!猫にも容赦ねえ!」
灯里「とにかく見つかってよかったです社長~!」
アリア社長「ぷいにゅ~!」
どうやら灯里さんたちの探していた社長さんというのは猫さんだったようです。
再会を喜び仲良く抱き合う灯里さんとアリア社長。
さて、これで一件落着かと思われたのですが…
藍華「さぁ、次はヒメ社長とまぁ社長を探すわよ!」
アリス「まぁくん!でっかい無事でいてください!」
れんげ「しゃっちょさんは他にもいるん?」
灯里「うん、姫屋のヒメ社長にオレンジプラネットのまぁ社長がまだ見つからないからね。」
蛍「けどこの辺りで猫さんが居そうな場所ってどこでしょうか?」
夏海「とりあえず学校の方へ行ってみる?何かわかるかもしれないよ。」
小鞠「でも学校に猫なんかいるのかな?」
灯里「え~!みんなの通う学校!行ってみた~い♪」
アリス「灯里先輩の素敵アンテナがでっかい発動しました。」
藍華「じゃあ次の目的地が決まったわね。さっさと案内なさい!」
蛍「そんなアンテナで適当に目的地決めていいのでしょうか?」
こうして私たちは駄菓子屋さんを後にして学校へと向かいました。
さてさて、残りの社長さんは見つかるのでしょうか?
~旭丘分校~
夏海「到着~!ここがウチらの通う旭丘分校だよ!」
アリス「でっかい…古いです…」
藍華「言いたかないけど…
もしここでアクアアルタが発生したら間違いなく海へ流されそうなくらいボロいわ…」
灯里「だから~!二人とも失礼だって~!」
蛍「確かに雨漏りとか酷いですからね…」
灯里「でも学校ってみんなが大好きな場所だよね!」
灯里「物理実験室は変な機械がいっぱい。音楽室。綺麗な楽器と怖い肖像画。」
灯里「放送室。学校中がステージ。まるで何でもあってまるで一つの国みたいだよね。」
藍華「恥ずかしいパクリ禁止!」
アリス「灯里先輩、そのセリフだとでっかいゾンビが出てきそうなアニメになりますよ。」
灯里「えぇ~!?」
え~と…素敵パワー全開の灯里さんはともかく、
私たちの通う旭丘分校へと到着したのですが…
「まぁ~っ!」
その時、どこからともなく丸い物体がアリア社長目掛けて突進してきたのです。
そして…
((がぶっ!))
アリア社長「ぷいにゅ~っ!?」
灯里「あぁ~!アリア社長のもちもちぽんぽんが~!?」
夏海「小っちゃいパンダみたいなのに噛まれた!」
れんげ「でも噛まれたアリアしゃっちょさんのもちもちぽんぽん美味しそうなんな!ウチも噛んでみたいん!」
藍華「ダメダメ、どうせ贅肉ばっかだから脂身の塊よ。」
アリス「でっかい栄養価は期待できません。」
蛍「お二人ともさらっと酷い事…言いますよね。」
アリア社長のもちもちぽんぽんはさて置いて、
どうやらこの小さくて丸っこいのがオレンジプラネットのまぁ社長だそうです。
まぁ社長が見つかってアリスさんもほっと一安心しています。
アリス「まぁくんよかった。よくぞでっかい無事でいてくれました。」
まぁ社長「まぁっ!」
夏海「元気そうなヤツだよなぁ。」
小鞠「でも学校には一姉がいるのによく追い出されなかったね。どうしてだろ?」
一穂「zzz」
れんげ「いつも通り一姉はお眠なん。だからまぁしゃっちょさんはスルーされていたんな。」
藍華「あの寝ている人って一応先生なんだよね。
あんな昼間から働きもせずにぐうたらな職務態度で大丈夫なのかな?」
灯里「でも私たちもしょっちゅう遊んでばかりだからあまりとやかく言えないね…」
どうやらどこの世界の大人たちもあまりテキパキと働く事はないようです。
夏海先輩は「あ、これなら将来楽勝だわ~!」と呟いていましたが私はそうは思えません。
さて、気を取り直して私たちは最後に残った姫屋のヒメ社長を探すのですが…
村中あちこちを探したのですがどこにも見当たらないのです。
ヒメ社長は一体どこへ行ったのでしょうか?
藍華「あ~っ!もう…うちのヒメ社長はどこなのよ~!?」
アリア社長「ぷいにゅ!ぷいぷい!」
灯里「ヒメ社長ラブなアリア社長が呼んでいるのにちっとも応えてくれませんね。」
アリス「きっとでっかい嫌われているのでは…?」
れんげ「アリス姉、それはでっかい酷いん。」
小鞠「けど村中これだけ探して見当たらないとなると…」
夏海「残るはあそこしかないかな。ウチらの秘密基地くらいかな。」
灯里「秘密基地~!行ってみたいなぁ~♪」
れんげ「灯里姉が行く気満々なんな!」
藍華「とにかく秘密基地でもなんでもいいから早くヒメ社長を見つけるわよ!」
アリア社長「ぷいにゅ~!」
こうして最後のヒメ社長を探すために、
私たちはこまちゃん先輩と夏海先輩が昔作ったという秘密基地へと向かいました。
果たしてヒメ社長はここにいるのでしょうか?
~秘密基地~
夏海「ここがウチと姉ちゃんの秘密基地だよ。」
小鞠「ここに来るのも久しぶりだよね。この前お母さんに怒られた時以来かな?」
アリス「でっかい廃墟です。」
藍華「へぇ、工事の途中で中止になったのをそのまま放置されちゃったんだ。」
灯里「でも秘密基地って子供の頃の自分の憧れだよね!
パパやママにも内緒な自分だけの大切な居場所。
そこは自分だけのとっておきな宝物なんだよね!」
藍華「だから恥ずかしいセリフ禁止!」
アリス「恥ずかしいセリフでっかい使い過ぎです。」
灯里「えぇ~!?」
夏海「ていうかここには0点の答案隠してただけでそんなにいい場所じゃないんだけど…」
灯里「えぇ~!!??」
蛍「灯里さんが自分の素敵な理想と現実のギャップに追い詰められています。」
れんげ「そいでヒメしゃっちょさんはどこにいるん?」
藍華「そうよね、全然見当たらないし…」
最後の望みの綱である夏海先輩が昔作った秘密基地へやってきた私たち…
ですが肝心のヒメ社長は見当たりません。
またしても空振りなのか…と思ったのですが…
夏海「ここで取り出したる昨日の夕御飯の残り物のちくわを…うりゃっ!」
アリス「でっかい投げました!」
藍華「ちょっと夏海!こんなのでどうする気よ!?」
夏海「たぶんヒメ社長もこの村に来てからまだ何も食べてないはずだからもしかしたら…」
ヒメ社長「にゃ~!」
アリア社長「ぷいにゅ~っ!」
灯里「あ~っ!ヒメ社長がちくわを食べに現れました~!?」
れんげ「食い意地張ってるんな。」
藍華「ヒメ社長…見つかったのは嬉しいけど社員として少し恥ずかしい…」
蛍「でも社長さんだってお腹は空きますから…」
まぁ社長「まぁっ!」
こうして灯里さんたちが探していた社長さんたちはこれで全て見つかりました。
ですがそんなこんなをしているうちにお外は夕暮れです。
それに私たちもお腹がペコペコなわけで…
~越谷家~
「 「いっただきま~す!」 」
アリア社長「ぷいにゅ~!」
ヒメ社長「にゃっ!」
まぁ社長「まぁっ!」
雪子「さぁ、たんとお食べ!お客さんたちも遠慮しないでね!」
灯里「ありがとうございま~す!」
アリス「でっかい郷土料理です!」
藍華「私、お味噌汁にプチトマト淹れてるの初めて見た!」
アリス「私も…湯呑に牛乳を淹れて飲むのはでっかい初めてです!」
小鞠「え…?そうかな?」
夏海「普通の事じゃないかな?」
れんげ「そうなん、普通なん。」
蛍「私も最初の頃はでっかいカルチャーギャップがありました。」
はい、そんなわけで私たちは越谷家で夕御飯を食べる事になりました。
灯里さんたちもご招待してちょっとだけ賑やかな宴会気分に…
蛍「ごちそうさまでした。」
灯里「お腹いっぱいだね!」
アリア社長「ぷいにゅっ!」
小鞠「あ、もうお外が真っ暗だよ。」
藍華「ゲゲッ!さすがにそろそろ帰らないと晃さんに叱られちゃう!?」
アリス「私も会社の門限が…」
灯里「私もアリシアさんが心配するから…そろそろ帰らないと…」
アリア社長「ぷいにゅぅ…」
夏海「あれ?もう帰っちゃうの?だったら最後に良いものを見せてあげるよ!」
急いで帰らなければならない灯里さんたち。
そんな灯里さんたちを夏海先輩の提案で最後にある場所へ連れて行く事になりました。
夏海「もう少しだからね。」
小鞠「きっと灯里さんが気に入りそうな場所だと思うから連れて行ってあげるね。」
れんげ「楽しみにしてるんな!」
灯里「はひっ!はひっ!何か素敵な事が起こりそうな予感~♪」
アリス「それよりもいいんですか?私たちもうとっくに門限過ぎてますよ?」
藍華「今更急いで帰ってもどうにもならないでしょ。こうなったら腹を括るわよ!」
最早怒られるのを覚悟している藍華さんとアリスさん。
けど灯里さんはどうしてここまで素敵な事にこだわるのか…?
私はその理由を聞いてみました。
蛍「あの、灯里さんはどうして素敵な事にこだわるんですか?」
灯里「う~ん…それは私が…マンホーム育ちだからかな…?」
れんげ「マンホームって何なん?マンホールのお友達なん?」
藍華「ちょっとちょっと!マンホームも知らないの!マンホームっていったら…」
アリス「でっかい地球の事じゃないですか。」
え…?地球…?
地球はこの星の事ですから…え~と…つまり…?
あれれ?
なんだか頭がこんがらがってきました…?
灯里「つまり説明すると私が居た場所は便利過ぎるんだよね。」
蛍「便利過ぎる…?けどそれってイイ事じゃないんですか?」
灯里「確かにそうかもしれないね。
でも、なんでも簡単に出来てしまう事…
それが私にはそれがなんだかちょっぴり切ない気がするの。」
蛍「どうして切ないんですか…?」
灯里「私はネオ・ヴェネツィアに来てからなんでも自分でやるようになったの。
お料理もお洗濯もそれに舟の手入れも、
今まで全部機械でやってもらっていた私にはそれは一苦労だったよ。
けど…それが楽しいんだ。」
蛍「楽しい…?」
灯里「不便ではあるけど…自分の手でなんでも出来るんだよ!
まるで自分が昔話に出てくる魔法使いさんみたいに、それって素敵な事じゃないかな!」
藍華「自分の生い立ちを語りながらの恥ずかしいセリフ禁止!」
なんでも素敵の一言で済ませてしまう灯里さん。
でも私には灯里さんの言う事がなんとなくだけどわかる気がします。
便利な都会にはない自然な素晴らしさ…
それこそが灯里さんの言う素敵なのではないのでしょうか。
夏海「お~い!着いたよ!」
藍華「着いたって…森の中じゃん!」
アリス「夜の森…でっかい不気味です…」
蛍「あ、この森は…」
さて、私たちがお喋りをしている間に目的地へ到着しました。
そこはきれいな川が流れる森の中。
藍華さんとアリスさんは何故こんなところへと文句を仰っていますが…
するとそこへ小さな光がいくつも現れたのです。
((パァァァァッ!))
灯里「何これ~!小さな光がいっぱい…
まるで夜空に輝くお星さまがヒラヒラと楽しく踊っているみたい~♪」
藍華「恥ずかしいセリフ禁止!けど…これって一体何なの…?」
アリス「先輩方!よく見てください!これは…虫です!小さな虫が光っているんです!!」
夏海「あれ?みんな蛍を知らないの?」
灯里「ほへ?蛍…って蛍ちゃんの事~?」
アリア社長「ぷぷいにゅ?」
どうやら知らないみたいです。
ちなみに蛍というのは私の名前ではなく夏になると現れる虫さんの事ですよ。
灯里「ほへぇ~、こんな小さな虫さんが光んだぁ!まるでケットシーの魔法みたい~♪」
蛍「ケットシーの魔法って…灯里さんは本当にロマンチストですね。」
藍華「こんな虫…ネオ・ヴェネツィアにはいないわよね?」
アリス「電灯もないのに光るだなんて…でっかい摩訶不思議PART3です!」
夏海「へっへ~ん!どうよ!」
小鞠「まあ私たちもこの前一姉に教えてもらったばかりなんだけどね。」
れんげ「ウチらの村もスゴイところがあるんな!」
灯里「本当にスゴイよね。
今の私たちは…おとぎ話の絵本にある不思議な世界にいる気分だよ…」
藍華「だから恥ずかしいセリフ禁止!」
アリス「あれ…ちょっと待ってください?
小川の向こうから蛍の光に誘われたかのように何かがやってきますよ!」
アリスさんの言うように川から何かが流れてきたのです。
それは蛍の光に導かれてやってきた白い三隻の舟。
その舟にはなんとも美人な三人のお姉さんたちが乗っていました。
アリシア「あらあら、うふふ。灯里ちゃん、それにみんな、お待たせ。」
灯里「アリシアさんだ~!」
アリア社長「ぷいにゅ~!」
晃「すわっ!藍華!こんな夜遅くまで出歩いて!?帰ったらお仕置きな!!」
藍華「ゲッ!晃さん!?」
ヒメ社長「にゃ゛っ!」
アテナ「アリスちゃん…あわわ…落ちるぅ!」
アリス「アテナ先輩、来てくれた事は嬉しいのですがドジっ子連発ですか。」
まぁ社長「まぁっ!」
夏海「うわっ!きれいなお姉さんたちだ!」
小鞠「これぞまさに大人の女性!」
れんげ「みんなメッチャ美人なのん!」
灯里「この人たちは私たちの先輩で、
水の三大妖精と呼ばれている水先案内人の中でもトップ3の人たちなんだよ!」
アリシア「あらあら、あなたたちが灯里ちゃんたちを?どうもありがとう。」
川を下ってやってきたのはなんと灯里さんたちを迎えに来たアリシアさんたちでした。
という事は…
晃「お前ら、さっさと舟に乗れ。帰るぞ!」
アテナ「もう暗くなったしね。」
夏海「そうだね、夜道は危ないし急いだ方がいいよ。」
藍華「それじゃあとっとと行くわよ。」
アリス「でっかい了解です!」
どうやら灯里さんたちとのお別れの時間がやってきたようです。
こうして藍華さん、アリスさん、
それに社長さんたちが迎えに来たアリシアさんたちの舟へ乗り込みました。
けど…
灯里「もうみんなとお別れなんて…寂しいなぁ…」
蛍「灯里さん…?」
れんげ「大丈夫なん、また来ればいいのん。」
夏海「そうだよ、どうせ次があるはずだし!」
小鞠「大人なんだからあんまり我が儘言っちゃダメだよ。」
灯里「でも…それでも…お別れはちょっぴり切ないなって思えて…」
出会ったばかりの私たちと離れる事を惜しむ灯里さん。
そんな事を言われたら今度は私たちの方が寂しくなってしまいます…
アリシア「灯里ちゃん、それなら約束をしましょう。」
灯里「約束…?」
アリシア「そう、また会う約束をするの。そうすれば寂しくお別れをせずにすむわ。」
灯里「そうですね!みんな、きっとまた会えるよね!」
れんげ「当たり前なん!」
夏海「今度はウチらの方から会いに行くよ!」
小鞠「ネオ・ヴェネツィアだっけ?今度お母さんに頼んで連れて行ってもらうからね!」
蛍「その時は灯里さんたちの舟に乗せてくださいね!」
藍華「夏海、小鞠、アンタたちはうちの姫屋で面倒見てあげるわ。」
夏海「オッケー!」
小鞠「藍華姉、楽しみにしているよ~!」
アリス「れんげちゃん、ネオヴェネツィアに来た時は私がでっかい案内をします!」
れんげ「アリス姉!でっかいお願いなのん!」
こうして再会を約束し合う私たち。
最後に私も…
灯里「蛍ちゃん、みんな、今日はこの素敵な村を案内してくれてありがとう!」
蛍「いえ、私たちの方こそ…
灯里さんのおかげで普段気付かなかった素敵な事を見つけられました。
それに…」
灯里「うん、蛍ちゃんはもう外の人じゃない。みんなと一緒の輪っかの内側だよ。」
蛍「灯里さん、今日はありがとうございました。また会いましょう!」
灯里「蛍ちゃんもいつかネオ・ヴェネツィアにおいで。
その時は私があの街の素敵なところを全部紹介してあげるからね!」
蛍「はい、是非ともお願いします!私たち必ずネオ・ヴェネツィアに行きますからね!!」
こうして灯里さんたちはアリシアさんたちの舟に乗って帰って行きました。
けどその去り際、
あれは私たちの気のせいだったのでしょうか?
灯里さんたちの舟の先に黒くて大きな猫さんがいたのです。
もしかしてあれが灯里さんの言っていたケットシー?
………
……
…
<翌日>
蛍「え~い!」
((ドッパ~ン!))
小鞠「蛍ったらまた橋からジャンプ出来るようになったんだね。」
れんげ「ほたるんがスランプを克服しましたな。」
夏海「これも灯里姉たちのおかげだね!」
蛍「えへへ~♪」
翌日、私たちは再び川遊びをする事に…
昨日の灯里さんの言葉に励まされ、
橋から飛び降りる事に恐怖どころかむしろ楽しさを感じるようになったのです。
夏海「ところでさ、あの後母ちゃんに聞いてみたけど…」
小鞠「この辺りにARIAカンパニーとか姫屋なんて会社はないって言ってたよ。」
れんげ「ウチも姉ねえに聞いたけど、
ネオ・ヴェネツィアなんて街はこの辺りじゃ聞いた事もないって言ってたんな。」
小鞠「それじゃあ灯里姉たちって一体どこから来たわけ…?」
れんげ「奇々怪々な謎ですな!」
夏海「もしかして…幽霊だったりして…!?」
蛍「灯里さんたちは…
ひょっとしたら灯里さんたちは本当は水の妖精さんだったのではないでしょうか…?」
夏海「ほたるん!恥ずかしいセリフ禁止!」
蛍「えぇ~!?」
灯里さんたちが何処から来たのか…
結局、私たちには最後までわかりませんでした。
けど私にはこう思えるんです。
灯里さんたちの出会いはまさに素敵な奇跡だったのだと…
灯里さんたちがいるネオ・ヴェネツィア、いつかそこへ行ってみましょう。
この再会の約束を果たすために…
お・し・ま・い・
<エピローグ>
~ネオ・ヴェネツィア~
灯里「ふぁぁ、今日は朝から早起きでまだ眠気が…」
藍華「こりゃ灯里!
恥ずかしい欠伸禁止!私たちはもう半人前じゃなくて一人前のプリマなのよ!!」
アリス「そうですよ、
それに今日はARIAカンパニー、姫屋、オレンジプラネットの三社合同による、
でっかい観光案内するんですから!!」
火星暦0051年
前略――――
この星は惑星AQUA、かつて火星と呼ばれた星をテラフォーミングした星です。
現在のマンホーム(地球)には無い自然の姿が唯一存在する場所。
それが水の街、ネオ・ヴェネツィアなのです。
灯里「はひ~」
藍華「灯里!いい加減目を覚ましなさい!もうじきお客さまがいらっしゃるのよ!」
アリス「大体何で今日に限って寝坊を…?」
灯里「久しぶりにあの子たちの夢を見てたの。
二人とも覚えている?私たちが半人前の頃、どこかの田舎の村に訪れた時の事を…」
藍華「あぁ、あの時の…!
覚えてはいるけど…あの後夏海や小鞠たちは一度も来てくれなかったわね。
まったく、せっかく私らが誘ったのに失礼しちゃうわよね!」
アリス「でも…れんげちゃんたちの村ですけど…
今にして思えばあそこはかつてのマンホームにあった田舎そのものではないでしょうか?
以前、資料で見たらまさにあんな感じの村がマンホームにあったと記されていました。」
灯里「え…それじゃあ…私たちは…過去のマンホームにタイムスリップしてたの~!?」
藍華「そんなわけあるかー!
でも…もしそうだとしたら…私たちはもう二度と夏海たちに会えないわけだよね…」
アリス「そうなりますね。
過去の世界からこちらにやってくる事なんてでっかい不可能です…」
灯里「そんな…」
やっぱりあれは一回限りの出会いだったのでしょうか…?
けど気にしてばかりいてはいけません。
もうすぐお客さまがいらっしゃるのです。
気を引き締めて今日も一日頑張らないと!
「ここが水の惑星AQUAなんな!」
「ひゃ~!あんなでっかい建物初めて見たわ~!」
「こんなのうちの村にはなかったよ!」
「何もかもが新鮮ですね!」
灯里「あ、お客さまがやってきたよ。けど…あれ…?何か…この子たち…」
アリス「どこかで…でっかい見覚えがありますね。」
藍華「確か今日のお客さまは…マンホームからお越しになる方々だと聞いたけど…?」
はてさて、どこかで聞き覚えるのある声のお客さまたち。
気になった私たちはお姿を拝見してみると…
なんとそれは…!
蛍51世「ネオ・ヴェネツィアの水先案内人の方々ですね、私は一条蛍51世です。」
れんげ51世「にゃんぱす~!ウチは宮内れんげ51世なのん!」
小鞠「それに越谷小鞠51世と…」
夏海「その妹の夏海51世だよ!」
灯里「え…」
藍華「え…」
アリス「え…」
「 「えぇ―――――――――ッ!?」 」
まさかの展開です。
私たちの前に現れたのはかつての蛍ちゃんたちと同じ姿をしたお客さまだったのでした。
これはもしかして…?
灯里「え~と…今日はあなたたちがお客さまなんだよね?
それにしてもどうして子供たちだけでネオ・ヴェネツィアにやってきたの?」
蛍51世「それには少しわけがありまして…
実は私たちの村で代々ご先祖さまから語り継がれていたんです。
いつかネオ・ヴェネツィアという街に行って水先案内人さんたちに案内してもらうんだと、
何代も前のご先祖さまたちからの遺言なんです。」
夏海「それを思い出してウチら調べたんだよね。」
小鞠「そしたらこの惑星AQUAにあるネオ・ヴェネツィアを知ったの!」
れんげ「そんなわけで姉ねえたちにお願いしてこの街にやってきたんな!」
藍華「そんな事が…」
アリス「まさか…」
なんという事でしょうか。
この子たちはかつて私たちが出会った蛍ちゃんたちの子孫なのです。
これは偶然…?
それとも…
蛍「そういえば…
ネオ・ヴェネツィアに着いたら、
ARIAカンパニーの方へ私のご先祖さまから伝えてほしいという伝言があるんです。」
灯里「伝言…?」
蛍「灯里さん、約束ちゃんと守ったよ…だそうです。」
灯里「約束…いつか蛍ちゃんたちがネオ・ヴェネツィアへ来るという約束…」
灯里「もう叶わないと思っていた願いが姿を変えてひょっこり顔を見せてくれた。」
灯里「蛍ちゃんたちはその想いをこうして別の形にして叶えてくれたんだね。」
灯里「時を越えて受け継がれたこの想い、まさに奇跡だね。」
藍華「恥ずかしいセリフはそこまで、二人とも準備いいわね?」
アリス「でっかいOKです!」
灯里「さぁ、漕ぎだそう!」
その話を聞いた私たちは舟へ乗り込、お客さまを先導します。
蛍ちゃんたちは時を越えて約束を果たしてくれました。
今度は私たちが約束を果たす番です。
「 「さぁ、素敵な旅をご一緒しましょう。」 」
~fine~
先日ARIA The AVVENIREの映画を観て感激のあまりssを書いたまでです。
10年前の癒し系アニメと現在を代表する癒し系アニメがコラボしたら面白いのではと思ったので…
ちなみに未来のほたるんたちは旅費どうしたのかと疑問がありますが
それはたぶん卓51世が福引だかで当選したからだとでも思ってください。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444998670/
Entry ⇒ 2015.10.19 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
夏海「兄ちゃん!」卓「......」
暗闇に写し出される自分の顔には、退屈と疲労の色がありありと浮かんでいた。
夏海「なーんで、こまちゃんはこんなときに限って熱だすかなぁ...」
思わず姉への文句を一人呟いてしまう。
夏海「まあ、一人ででも行くって言ったのはウチなんだけど...」
からかいがいのある姉がいないと、ここまで暇になってしまうのか。
夏海「はぁ、なんか眠くなってきたし...少し寝よう、かな...」
代わり映えのしない風景に別れを告げ、体を包む睡魔に身を任せる...
旅行用にと持たされたカバンの肩掛けが、左肩にずっしりと食い込む。早いところ兄との待ち合わせ場所に向かい、荷物の重さから解放されたい。
夏海「改札って、どこだよ...?」
荷物を引きずり引きずり歩くこと数分、やっと探していた改札口へと到着した。
卓「.........」
夏海「うわっ、兄ちゃんいつの間に後ろに回り込んだんだよ!?」
数か月ぶりの兄は、相変わらず影が薄いのか、存在感を消しているのかは定かではないが、気づいたら背後に立っていた。
卓「......」
夏海「ちょ、冗談で言ったのに、そう言う反応されると恥ずかしいじゃん!」
夏海「あ、兄ちゃん荷物持ってくれるの?ありがと、重かったんだよね~」
卓「...。」
夏海「強がらなくて良いって、重いんでしょ?」
卓「......」
兄が歩き出す。
どうやら、ここからさらに乗り換えて家まで向かうらしい。
夏海「に、兄ちゃん!この電車ずっと地下走ってるんだけど!もしかして、噂に聞く地下鉄ってやつ?」
卓「......」
夏海「そっかー、これが地下鉄なのか~...なんかつまんないなぁ」
と言いつつも、暗闇に写し出される自分の顔は、何故かとても楽しそうだった。
卓「......」
夏海「結構年季が入ってるのな...」
どうやらこの薄汚れたアパートは、父の親戚が所有しているものらしい。そのため、兄は格安で入居させてもらっているのだ。
兄とは言え、男が一人暮らししている部屋だ、何となく身構えてしまう。
夏海「へえ、思ったよりも広いじゃん!」
何となく、似たような部屋を何かで見た覚えがある。
多分、前に兄と一緒に観たアニメで、主人公の男とヒロインが同棲するアパートの部屋だ。確か、最後の方で娘が死ぬんだっけ...泣いたなぁ。
そのアパートと、年季の入り方と言い、部屋の広さと言い、そっくりに見える。
流石、兄と言うべきか、部屋は掃除が行き届き、整頓されていた。
卓「......」
夏海「あ、お茶いれてくれるんだ、ここに座っておけば良いのね」
昔ながらのちゃぶ台が、何となく気持ちを落ち着かせる。
夏海「兄ちゃ~ん、テレビつけるよ」
無言は了承と受けとる。
夏海「すっげー、こんなにチャンネルあるんだ!うちの倍はあるのかな...」
卓「......」
夏海「あ、コーラだ!兄ちゃんありがと!」
兄と自然に向かい合う形になる。
卓「......?」
夏海「やっぱり一人暮らしすると、大人になるんかな」
オレンジに染められた部屋には、ニュースキャスターの平淡な声と、蝉の音が響いていた。
夏海「これ、全部兄ちゃんが作ったの?」
卓「......」
夏海「相変わらず家事は完璧なんだね、このハンバーグめっちゃ美味しいよ」
卓「......!」
ここのところ、暑さでバテ気味だったのだが、そんなことが嘘のように食が進む。
夏海「これは、このみちゃんが嫁に欲しいって言うのもわかるよな~」
卓「......」
夏海「え?嫁に入るつもりはないって?うん、流石に本気では言ってないでしょ、兄ちゃん男だし」
夏海「ねえ兄ちゃん、洗うの手伝おうか?」
卓「......」
すっと、布巾を差し出される。
夏海「これで水を拭き取れば良いのね、夏海ちゃんに任せなさい!」
流石に、ここで皿を割るようなベタなことはしない。
夏海「ここって、お風呂あるの?」
一日移動してたためか、何となく汗臭い気がする。長風呂派の自分にとっては、風呂の有無は死活問題になりうる。
卓「......」
夏海「わかった、湯船にお湯張ってくれば良いのね!」
家のお風呂と比べると半分ほどの大きさしかないが、湯船はちゃんとあった。やはりそれなりに綺麗にしているようで、一安心。
夏海「この大きさだと、結構すぐに一杯になりそうかな」
蛇口で調節しながら、適温のお湯にする。暑いこの季節は、ぬるめのお湯で長風呂するのが気持ち良い。あと少しの辛抱だ。
夏海「うおー梨じゃん!てか兄ちゃん剥くの速っ!!」
卓「...。」
夏海「じゃあいただきまーす」
口に一かけら放り込むと、シャクシャクとした果実から、清涼感のある甘さが溢れ出す。粒々とした感触を残しながら、梨が口の中から消えて行く。
夏海「それにしても、ちょっと時期早くない?そうでもないかな...」
卓「......」
夏海「あ~、細かいことは気にするなって?わかったよ」
卓「......」
夏海「え、兄ちゃん畳でそのまま寝るの?」
卓「......」
夏海「うーん、流石に悪い気がするな~。てか、姉ちゃん来てたらどうするつもりだったの?」
卓「......」
夏海「ああ、ウチと姉ちゃんは同じ敷き布団で寝かせるつもりだったのね」
卓「......」
夏海「じゃあ、兄ちゃんとウチで敷き布団使えば良いだけじゃん」
卓「......」
少し考えるような仕草をすると、兄は静かに頷いた。まさかこの年になってまで、兄と布団を共有することになるとは思わなかったが...
夏海「ウチお風呂入ってくるね!」
卓「......」
夏海「はふぅ...」
ちゃぷん...と湯船に浸かると、自然にため息が漏れた。狭いために脚は伸ばせないが、許容範囲だ。
夏海「はぁぁ~出汁がでるぅ...」
夏海「でもこの窮屈さだと、あんまり長くは浸かれないかな...」
お風呂は好きだけど、髪を乾かすのは苦手...と言うよりは、ただ単に面倒くさい。
夏海「あ、そうだ!ねぇ兄ちゃ~ん、ウチの髪の毛乾かして~」
卓「......」
やれやれと言った感じの仕草をしながらも、引き受けてくれる辺りに、昔からの兄を感じる。英語は教えてくれなかったが...
夏海「昔はよくこうやって、髪の毛乾かして貰ってたよね~。いっつも姉ちゃんと、兄ちゃんの取り合いになったっけ」
卓「......」
まだ時計の針は9時前さしている。普段ならあと1時間は起きていられるが、移動疲れだろうか。
卓「......」
夏海「うん、歯磨きしてくるね...」
油断をするとまぶたがくっついてしまいそうだが、どうにか歯を磨き終える。
洗面所から戻ると、兄が布団を敷き終えたところだった。
夏海「おやすみ、兄ちゃん...」
......
夏海「あれ、ここどこだっけ...あ、そうか、兄ちゃんの家に泊まってるんだった」
横を見ると、既に兄の姿はなかった。その代わりに、台所からコツコツと包丁の音が聞こえてくる。
夏海「兄ちゃーん、おはよう」
卓「......」
夏海「うん、わかった。布団畳んで、机出せば良いのね~」
夏海「兄ちゃん、毎日ちゃんと朝御飯作ってるの?」
卓「......」
夏海「あ~、やっぱりウチが来てるから特別なんだ」
卓「......」
夏海「兄ちゃんありがと」
もちろんお味噌汁にはプチトマトが入っている。なんとも言えない酸味が口に広がる。焼き鮭は、もちろん皮まで食べる。こんなパリパリしていて、美味しい皮を残すのは、姉くらいなものだろう。
卓「......」
兄は高校で軽音部に入っているらしい。確かに実家でも、エレキギターを弾いていることはあったが、本格的にバンドを組んでいるとは、兄の性格を考えると意外だ。
夏海「兄ちゃん、ライブとかやるの?」
卓「......」
夏海「まだわからないか~、まあそうだよね」
卓「......」
夏海「え?文化祭で演奏するかもしれないの?」
卓「......」
夏海「めっちゃ見てみたいんだけど...兄ちゃんが人前で...へ、へ、ヘッドロックしてるところ」
卓「...?」
夏海「ヘッドロックではないよな...うん。プロレスではないもんね」
......
夏海「おーひか姉...えーと、そちらのお姉さんは?」
ひかげ「ああ、こいつは私の友達の春風だ」
春風「はじめまして、ひかげちゃんとルームシェアしてます、春風です」
夏海「はじめまして、夏海です!」
春風「よろしくね~」
夏海「よろしくお願いしまーす!」
ひかげ「じゃ、行こうか」
夏海「今日はどこに連れていってくれるの?」
ひかげ「そうだな、とりあえず服でも見に行くか?東京の服屋はすごいぞ~」
夏海「服か~、母ちゃんからお小遣い貰ってるから多少はかえるかな...?」
春風「よーし、私が夏海ちゃんの洋服選んじゃおうかな!」
ひかげ「ふっふっふっ、それじゃあ...渋谷に行っちゃおうかな」
夏海「渋谷...?どこそれ」
夏海「うわ~、やっぱりすごい人だな...」
ひかげ「だろ~、でも、スクランブル交差点はもっとヤバイぞ?」
夏海「卵料理でも食べるの?」
ひかげ「そうそう、あの半熟具合がたまらないよな~...って乗っちまったじゃねーか!交差点だよ!」
春風「ふふっ、仲良しなんだね」
ひかげ「もう!行くぞ!」
少し照れたようにそっぽを向きながら、ひかげが歩き出す。置いて行かれてはたまらない、こちらもすぐに追いかける。
ひか姉「え~、暑いから嫌なんだけど...」
渋々と言った感じで、ひかげが手を差し出す。
夏海「にひひ~、手あせ攻撃~!」
ひかげ「ってやめろよ!」
夏海「冗談、冗談!そんなにべたべたじゃないっしょ?」
ひかげ「む、確かに...」
春風「じゃあ私はこっちの手を握っちゃおうかな~」
ひかげ「両手を塞がれただと!?」
夏海「う、うぇごーぉ?」
ひかげ「WEGOな」
春風「まあ、安めだしここで良いかなって」
夏海「うん、ウチは何でも大丈夫だよ」
ひかげ「じゃ、適当に見ようぜ~」
春風「夏海ちゃん、こっちこっち~」
夏海「はーい」
春風「うーん、やっぱり夏海ちゃんはショーパンとかの方が好きなのかな?」
夏海「いやー、動きやすれば何でも大丈夫っすよ」
正直な話、自分の好みもよくわからない。完全に人任せだ。
ただ、前に着させられたような、フリフリな感じは勘弁して欲しい。
春風「夏海ちゃん!こんな感じどう?試着してみて~」
夏海「らじゃーっす」
言われるがままに試着室に入る。試着室に入ったのも初めかもしれない。
夏海「へえ、大きい鏡だな~」
春風「夏海ちゃん、前で待ってるから着れたら教えてね!」
夏海「はーい」
春風「着れた~?」
夏海「着れました!」
春風「うん、合ってる合ってる。良い感じじゃない?」
夏海「そうっすか?」
ひかげ「おおー、東京っぽいじゃん」
夏海「これって東京っぽいのか...?」
春風「どうする?買う?」
夏海「買えない値段ではないし、買っちゃおうかな~」
春風「気に入ってもらえて良かったよ~」
ひかげ「昼ご飯どうする?」
春風「夏海ちゃんなに食べたい~?」
夏海「うーん...何があるんすか?」
春風「何でもあるよ?」
ひかげ「適当に歩きながら決めるか~」
春風「そうだね、良さそうなところに入ろっか」
そうして、人混みの町を歩き始める。
夏海「ねえ、ひか姉...」
ひかげ「ん、なんだ?」
夏海「東京ってめちゃくちゃ暑くない?」
ひかげ「あー、そうだなぁ...地元よりは全然暑いかも」
春風「アスファルトで熱が反射してるんだよね~」
夏海「うへぇ...」
夏海「夏海ちゃんは、涼めれば何でもいいで~す...」
春風「パスタのお店だね、美味しそう」
店員「3名様ですね、こちらへどうぞ」
ひかげ「どーもどーも」
ランチの時間はとうに過ぎているが、店内は比較的混んでいた。
夏海「ふぃ~、なに食べよっかな」
ひかげ「私は明太子スパゲッティだな!一目見てこれに決めたんだ!」
春風「私はこの冷製パスタって言うのにしようかな」
夏海「ウチもそれで!」
ひかげ「ピンポーンっと」
春風「ふふふっ相変わらず口に出すのが癖なのね」
春風「ねえ夏海ちゃん、地元でのひかげちゃんのお話とか聞かせて?」
ひかげ「そんなに喋ることないだろ~」
夏海「そうっすね~...」
夏海「そうだ、ひか姉と一緒に亀の甲羅干しの物真似したことありますよ!」
ひかげ「ちょっおま...」
春風「甲羅干し?」
夏海「いや~訳があってですね...」
気がつくとあっという間に2時間ほどがたっていた。
夏海「そろそろ帰らないとかな~」
ひかげ「お、そうか、じゃあ途中まで送っていくな~」
夏海「うん、ありがと」
先程よりも少しだけ過ごしやすくなったような道を、3人で戻る。
夏海「人の多さは変わらないんだねぇ」
ひかげ「まあ深夜にでもならないとな」
春風「夏海ちゃん、また今度遊ぼうね」
夏海「はい、遊びたいっす」
ひかげ「春風も今度うちに泊まりに来ればいいんじゃない?何もないけど」
夏海「それいいね!今度是非来てくださいよ」
春風「うん、行きたいな!」
ひかげ「じゃあ、私らはここら辺で、また明日な」
夏海「うん、東京駅の○○改札で良いんだよね」
ひかげ「そうだな」
春風「ばいばーい!」
二人に手を降りながら改札を通る。さて、帰り道は覚えているだろうか。
何回か電車を間違えそうになりながらも、どうにか最寄り駅までたどり着き、兄のアパートまで戻ってくることができた。
夏海「兄ちゃん、ただいま~...ん?」
部屋に入ると、兄のではない小さめの革靴が視界に入った。
女「卓の妹さんよね?初めまして!」
夏海「あ、どうも」
卓「......」
女「ごめんね、お邪魔しちゃってて。えーと、夏海ちゃんだっけ?卓の妹さんだけあって、可愛いじゃない!ふふふ」
卓「......」
夏海「えと、兄ちゃんがお世話になってます」
女「あはは!ご丁寧にど~も。あ、自己紹介がまだだったわね...」
女「私は...ふふっ、卓の彼女をやってます、若瀬いずみって言います、いずみって呼んでね」
卓「......!?!?」
夏海「ふぇ!?」
夏海「に、兄ちゃんに...かの、じょ...?」
なんで自分はここまで動揺しているのだろう。考えてみれば、兄は格好良い方だ。彼女の一人や二人当然ではないか...
夏海「はぁーふぅー」
深呼吸をして、笑顔でまた部屋に入る。
夏海「えっと、兄ちゃんの妹の夏海です!これからも兄ちゃんをよろしくお願いします!」
うん、これで良い。それにしても、随分と美人な彼女をつくったものだ。蛍に匹敵するほどの輝きがあるように感じる。
いずみ「うん、まかせて!あと、今日は晩御飯もごちそうになるから、夏海ちゃんよろしくね」
夏海「はい!」
いずみ「と言っても、今日は私が作るんだけどね~」
夏海「何か手伝いますか?」
いずみ「ううん、もうほとんど出来上がってるから大丈夫よ」
炊飯器「ピローン」
卓「......」
いずみ「じゃあよそっしちゃいましょ」
いずみ「召し上がれ~」
夏海「いただきます」
卓「......」
先ずはルーだけ口へ運ぶ。口に広がるのは、トマトの酸味。その後で、舌を辛さの刺激が駆け抜ける。ただ酸っぱくて辛いだけではない、色々な野菜のエキスと、スパイス、豚肉の旨味がうまく絡み合い、カレーとは思えないほどの深い味を出している。
夏海「美味しい...」
いずみ「それは良かった♪辛さは大丈夫?」
夏海「はい、ちょうどいいです!」
料理もできるなんて、完敗だ...別に勝負をしているわけではないが。
夏海「ごちそうさまでした」
卓「......」
いずみ「うん、いっぱい食べてくれて嬉しいわ」
卓「......」
いずみ「そうね、そろそろ帰ろうかしら」
夏海「あ、えーと...」
夏海「なんですか?」
いずみ「冗談だからね?」
夏海「何がですか?」
いずみ「私が、卓の彼女だって言うこと・」
夏海「......へ?」
思わず兄の方を振り返ると、兄は無言でうんうんと頷いていた。
夏海「なんで嘘つくんですかぁ~...」
何故かはわからないが、安心で体の力が抜ける。
夏海「面白くないっすよ...」
本当に面白くない。そもそも兄も口裏を合わせていたのだろうか。そうだとしたら、眼鏡を取り上げなければならないだろう。
いずみ「じゃ、卓と夏海ちゃん、ばいばーい!」
いずみは元気よく玄関を飛び出していってしまった。なんと言うか、色々と勢いのある人物だ。
卓「...?」
夏海「ウチがなんで怒ってるかわかるよね?」
卓「......」
夏海「なーんで嘘ついたのかなぁ?」
卓「......!」
スッと眼鏡を取り上げて、自分の頭の上にのせる。ちなみに兄は、相当視力が悪いらしい。
これで身動きが取れないであろう。
夏海「許して欲しかったら、今日一日歩いて疲れた、ウチの脚をマッサージするんだね!」
そう言って、畳の上にうつ伏せで寝る。
夏海「はーやーくー」
卓「......」
兄は諦めたように跪くと、脚のマッサージを始めた。兄にマッサージされたのは初めてだが、母親がしてもらっているのを見たことがある。
本当に万能な兄だ、自分の脚が解れていくのを感じる。
夏海「いいよぉ、そこ気持ち良い...んふぅ...」
数分に渡って、マッサージは続いた。終わる頃には、脚に心地良い余韻が残っていた。
夏海「あ、約束だし眼鏡返すね、ほい」
卓「......」
夏海「ってなんで頭撫でるの!?」
卓「......」
夏海「嘘ついてごめんって...うん、もう良いよ」
夏海「うーん、いや別に背中までは流して貰わなくていいかな」
卓「......」
夏海「いや、別に兄ちゃんが嫌なんじゃなくて、ここのお風呂狭いからさ?兄ちゃんが家に帰ってきたとき、ウチの背中よろしくね!」
卓「......」
あれ、何故か恥ずかしい約束をしてしまった気はするが、キリっとした顔で親指を立てる兄を見たら、馬鹿馬鹿しくなってどうでもよくなった。
シャワーを浴び、今日は自分で髪を乾かす。ブラッシングは適当。
夏海「兄ちゃん、明日は東京駅まで送ってくれるんだよね」
卓「......」
夏海「ひか姉とは東京駅で待ち合わせだから」
卓「......」
夏海「そうだね、明日は朝早いしもう寝よっか」
卓「......」
夏海「兄ちゃんおやすみ...」
兄の肩に寄り添うようにして目を瞑る。今日くらいは甘えてもバチは当たるまい...
枕元の電子時計を見る
[4:53]
夏海「確か5時に起きるはずだったから、ちょうど良い時間だなぁ...ふぁぁぁ」
大きく伸びをして、隣を見る。
すぅすぅと小さい寝息をたて、ぐっすりと兄が眠っていた。
夏海「兄ちゃん睫毛長いなぁ...コンタクトにでもすれば良いのに」
卓「......」
夏海「おはよ!兄ちゃん」
朝御飯は、昨日買っておいたパンで簡単に済ませる。
特に会話もなく、どこからともなく聞こえる、蝉の音だけが響く。
靴を履き、本当に短い間だけ過ごした部屋に別れを告げる。
太陽は既にアスファルトの海を焦がし始めていた。
夏海「ねえ兄ちゃん、お盆には帰ってくるんだよね?」
卓「......」
夏海「兄ちゃんのギター、聴きたいな」
卓「......」
夏海「みんなも呼んじゃおうかな~」
卓「......」
夏海「お、結構な自信ですねぇ。楽しみにしてるからね!」
夏海「ひか姉おはよ~、もしかして待った?」
ひかげ「いや、そうでもないかな。てか、お前久しぶりだなぁ、東京にいるのに全く会わなかったね」
卓「......」
夏海「じゃあそろそろ行こっか」
卓「......」
夏海「ここまでで良いよ兄ちゃん、どうせすぐ会えるんだから」
卓「......」
夏海「うん、気を付けて帰るから大丈夫!荷物ありがとね」
夏海「兄ちゃんばいばーい!」
手を降りながら改札を抜ける。
改札の向こうで立ちすくむ兄は、心なしか...
夏海「兄ちゃん!」
卓「......」
夏海「背中、忘れてないからね!」
卓「......!」
グッと親指を立てた兄にとびきりの笑顔を向け、キョトンとするひかげの腕を引っ張る。
夏海「早くしないと、新幹線来ちゃうよー!」
終わり
ひかげ「ねえ夏海」
夏海「なに~」
ひかげ「さっきさぁ、背中がなんとかとか言ってたじゃん?あれなんのことなの?」
夏海「う~ん、そうだねぇ」
ひかげ「なんだよ」
夏海「ひ・み・つ」
ひかげ「はぁぁ!?教えろよ~」
夏海「あはは、絶対教えな~い。ウチと兄ちゃんだけのひみつだも~ん!」
ひかげ「んにゃろ~」
今回はここまで!
のんのんびよりのSSが増えてほしいと願うばかりです。
多分明日、HTML化依頼をしようと思います。
ブラコン力高いな。
仲の良い兄妹って具合に好感持てる
今度はこまちゃんverも見てみたいな
なっちゃんホント好き
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444658482/
Entry ⇒ 2015.10.17 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
なっつんびより
なっつん×その他のキャラ
思いつくままほのぼの
1、
夏海「ねえちゃーん、おきろー!」
ボフン!
小鞠「な、なに、布団が動かないッ」
夏海「へっへへ! 助けて欲しくば、暗号を言え! この布団の中で窒息死したくなかったらな!」
小鞠「い、いや! 死にたくない! 助けて!」
夏海「暗号だよ、ねえちゃん、暗号」
小鞠「知らん! わかるか!」
夏海「暗号って言ったら、ほら、あれだって、山と言えば」
兄「六甲山」ボソッ
夏海「……」
兄「……」
トタトタトタ
小鞠「た、助かった」
夏海「いや、誰が三大夜景言えって言ったよ。山と言えば川でしょ。あ、でも今のはただの慣らしだから。さ、問題です、夏海ちゃんの爪の数は何本でしょうか」
小鞠「え、え、え……1、2、3」
夏海「遅い、正解は20本でした。ねえちゃーん、数えなくても分かるじゃんか」
小鞠「このおお……暗号じゃないじゃん! クイズじゃん!」
夏海「はっはっは!」
小鞠「う……空気が薄くなってきた気がする」
夏海「まさか」
小鞠「夏海……」
夏海「ねえちゃん!」
小鞠「こんなあほなことで死にたくない……」
夏海「やばい、人工呼吸を」
ガバッ
ムチュー
小鞠「ふえ?」
夏海「ちゅー」
小鞠「……ひい!」
夏海「あれ、ねえちゃん知らないの? 大人の人は目覚ましじゃなくて、キスで目が覚めるんだよ?」
小鞠「え……うそッ……ううん、し、知ってるもん!」
夏海「ああー、知ってたか! やっぱりねえちゃんは大人だなあ」
小鞠「……で、でも私もう目覚めてるんだけどッ」
夏海「そこに気が付くとはさすが」
母「ちょっと、あんたらいつまで遊んでんの!」
夏海「うわッ!?」
チュッ
小鞠「×▽☆!?」
ガクッ
小鞠「で、今朝は妹のキスで目が覚めるという事態になったの……」
蛍「へ、へえ」
蛍(いいなあ、羨ましい)
夏海「え、嫌だった?」
小鞠「いやとかじゃなくてッ、あれ、わ、私の……ファ、ファ」
夏海「ああ、違う違う」
小鞠「?」
夏海「あれ、四回目くらいだから」
小鞠「……」
夏海「……」
小鞠「……」ジワッ
蛍「ああ、先輩!」
宮内家
れんげ「ばぶ!」
夏海「ばぶ!」
れんげ「ばぶぶ!」
夏海「ばあぶ!ばあぶ!」
小鞠「あなた、夏海の事お願いね」
蛍「はい、いってらっしゃい」
夏海「ばぶぶッ」
小鞠「……え、行ってきますのキス……いや、もういいでしょそれは」
蛍「……」ドキドキ
夏海「ぶぶぶー」
小鞠「蛍、ほっぺた貸して」
蛍「は、はい……」
小鞠「……」
ちゅッ
蛍「……はひい」ボンッ
小鞠「これでいい……」
蛍「……」
ドサッ
小鞠「蛍!」
宮内家
蛍「ばぶ……」
小鞠「ばあぶ」
夏海「おばあさんや、鬼退治にはどちらを行かせるべきかねえ」
れんげ「本人たちに聞いてみるのん、じいさんや」
れんげ「鬼退治に行って、鬼に捕まると、手足を切断され、舌を切られ、耳を石で塞がれ、土の中に生き埋めにされるん。どっちが鬼退治に行ってくれるん?」
小鞠「ばぶ!(行くか!)」
夏海「おお、じいさんや。小鞠が行きたいそうじゃぞ」
れんげ「そうか、そうか。では、お共に蛍をつけるんな」
夏海「結局どっちも行くんかい」
教室
夏海「……やば、にいちゃんの眼鏡踏んだ」
ボロ
夏海「……ど、どうしよう」
れんげ「どうしたん、なっつん」
夏海「た、助けてれんげモン!」
れんげ「なんなんの」
夏海「にいちゃんの眼鏡が……」
ガシャッ
れんげ「オー、スプラッタ……」
夏海「どうしたらいい……知恵を貸してくれ」
れんげ「分かった。なっつん、段ボールと、画用紙と、はさみとカッターと、きりを持ってきてほしいのん」
夏海「お、おう任せてくれ!」
れんげ「まずは、画用紙に眼鏡の型をとるんな……」
カキカキ
れんげ「次に、何個か点を書いて……」
ツンツン
れんげ「画用紙を切って、段ボールも同じように切り取るん」
チョキチョキ
ザクザクッ
夏海「す、すげえ、れんちょん。わくわくさんみたいだぞ」
れんげ「れんれんさんと呼ぶん」
夏海「れんれんさん、ここにきりで穴をあけたらいいの?」
れんげ「うむ」
ブスブスブス
れんげ「完成したのん」
サッ
れんげ「てれれーん、かみめがねー」
夏海「サンキュー! 兄ちゃんに渡してくるわ!」
夏海「に、にいちゃん」
兄「……」
夏海「じ、実は眼鏡壊しちゃって……これ、良かったら代用品」
スッ
兄「……」じッ
夏海(や、やっぱり駄目だったか……)
ポンポン
兄「……」
スチャッ
夏海「……だせえ」
夏海(仮面ライダーかよ)
兄「……」キリッ
夏海「え、良く見える? へー、すっげーな、れんちょん」
兄「……」スチャ
小鞠「……」チラ
れんげ「……」チラ
蛍「……」チラ
一穂「……」グー
夏海「……あのさ、あれ眼鏡だから、あんまり気にしないでください」
小鞠(眼鏡なんだ……)
蛍(コスプレとかじゃなくて……眼鏡)
れんげ(ぷッ、似合わないん)
兄「……」キリッ
夏海「兄ちゃん、帰りもその眼鏡かけるの?」
兄「……」コクリ
夏海「いや、さすがに身内がそのなりだと恥ずかしいからさ。帰りは一緒に帰るから外してよ」
兄「……」コクリ
小鞠「でも、お兄ちゃんどうやって帰るのさ」
夏海「そりゃ、まあ」
帰り道
兄「……」
ギュ
小鞠「……」
ギュ
夏海「……」
小鞠「まさか中学生にもなって、兄妹三人で手を繋ぐなんて思わなかった」
夏海「いーじゃん、別に」
小鞠「こっちの方がよっぽど恥ずかしいんだけど」
夏海「そう?」
小鞠「だいたいなんで、私が真ん中なのよ」
夏海「バランス大事っしょ」
小鞠「お兄ちゃん、真ん中来てよ」
グイッ
兄「……」オトト
夏海「ちょ、姉ちゃんッ」
小鞠・兄・夏海「……」
夏海(なんだこの恥ずかしさは……)タラッ
蛍「いーなー……私も先輩とぎゅってしたい」
れんげ「素早く、横に」
ササッ
れんげ「動く」
ササッ
越谷家
夏海「……ひか姉、ちょっとれんちょんの様子がおかしいんだけど」
ひかげ「……いたって普通だけど」
夏海「いや、昨日から横にしか動いてないんだって」
ひかげ「……」
れんげ「素早く、横に、動く」
ササッ
ひかげ「カニになりたいんだろう。はい、終了」
れんげ「ひか姉」
ひかげ「なんだよ」
れんげ「どうして、カニは横にしか歩けないん? 変なんな」
ひかげ「あれだ、足が多くて太いから前に進むと絡まるんだよ」
夏海「へえ、ひか姉って意外と物知りだよな」
れんげ「でも、カニはそんなこと知らんのな。カニにとって横に歩くのは普通のことなん……はッ」
夏海「なんだ、れんちょん。何を悟ったんだ」
れんげ「カニは何も間違っちゃいないん……ウチが間違ってた」
ひかげ・夏海「……お、おう」
越谷家
このみ「ねえねえ、二人の小さい時のビデオ持ってきたよー」
小鞠「えー、見たい見たい!」
夏海「嫌な予感がするんだけど」
このみ「気のせいだって。さ、おとなしく一緒に見ましょう」
ガショ
ピッ
ザザ―――
夏海「草むしりとか……兄ちゃんにやらせろー」
小鞠「早くやるよー、なつみー」
夏海「へーい」
夏海(……お、なんか小さい花が咲いている)
夏海「……」
ブチッ
夏海(……)キョロキョロ
夏海「兄ちゃんは、ウチのことがスキ、キライ、スキ、キライ、スキ……へへ」
ピッ
このみ・小鞠「……」
夏海「また、このパターンかよ!」
富士宮家
夏海「……なんだこの雑誌」
ペラ
『バストアップには、1に揉む、2に弾く、3に吸う』
このみ「……わ!」
夏海「うわ!?」
このみ「どした? 興味あるの? 女の子だねえ」
夏海「うちは別に……姉ちゃんが、気にしてるかなって思って」
このみ「じゃ、私が教えてあげるから、マスターして教えてあげたらいいじゃないの」
夏海「いや、こんな簡単そうなこと別に教わんなくてもいいって」
このみ「へー! 簡単! じゃあ、なっちゃん、できるんだ?」
夏海「そりゃ、夏海様にできないことなどござあませんが」
このみ「じゃ、やってみて」
夏海「……ふふ」
このみ「ねえねえ」
夏海「……はは」
このみ「やってみなよ」
夏海「……」
ザっ
夏海「ごめんなさい。分かりません」
このみ「教えて欲しい?」
夏海「うん」
このみ(……あら、素直。素直過ぎて、こんなはずじゃなかったのに状態だわ)
夏海「ねえねえ、どうやんの? この揉むって普通に揉めばいいの?」
ムニムニ
このみ「……小さいねえ」
夏海「悪かったな!」
このみ「あと、揉むってこうだからね」
ガシっ
夏海「ふえ?」
このみ「えい……」
ふにょふにょ
ふにょふにょ
ふにょふにょ
夏海「……っちょ、ア――!」
また明日
夏海「……た、たんま! 待ってっ……」
このみ「もう、ギブ?」
夏海「ギブギブ!」
このみ「まだ、レベル1なんだけどなあ」
夏海「これ、ほんと、やばい」
このみ「どこが、どうやばいの?」
夏海「えっと」
このみ「ねえねえ」ニコ
夏海「う……」
ジリジリ
このみ「教えてくれなきゃ、改善のしようもないよ」
夏海「い、いい。やっぱ止めるから」
このみ「えー、でも眼鏡君は胸の大きい方が好きだと思うけどね」
夏海「なんで、兄ちゃんが出てくんのさ!」
このみ「ごめーん」ケタケタ
このみ「夏海ちゃんてからかうと面白いよね」
夏海「ウチは、からかう専門なんですけどね」
このみ「私、夏海ちゃんみたいな妹欲しいな」」
夏海「あー、どうぞどうど。遠慮なくもらってください」
このみ「えーいいの? じゃあ、ちょっと待ってね」
夏海「?」
このみ「……」
ピポパポ
このみ「あ、もしもし……このみです。あ、おばさん? 実は、夏海ちゃんを妹に欲しいんだけど……あ、大丈夫ですか? あ、はい、はい。大切にしますね」
ピッ
このみ「商談成立したよ」
夏海「んな、あほな!?」
このみ「今日からお姉ちゃんって呼んでいいよ?」
夏海「ま、まさか……売られちまうなんて」
このみ「ドナドナだねえ」
このみ「じゃあ、姉妹の契りを」
夏海「なにそれ」
このみ「もともといた姉を倒すの」
夏海「こ、こまちゃんを?」
このみ「そうよ。そうして、本当の姉妹になれるの」
夏海「で、でもこまちゃんは……でこピンするだけで涙目になるチョロ級でして」
このみ「何言ってるの。やるのやらないの? やるでしょ? はい、ゴー」
夏海「……うえい?」
このみ「ゴー」
14、
夏海「ち、ちなみに、どうやって勝敗を決したらいいん?」
このみ「うーん、そうだね。腕相撲かな」
夏海「それ、姉ちゃん絶対負けるじゃん!」
このみ「私の妹になるならそれくらいはしてもらわないと」
夏海「出来レースだと知りながら、勝つなんて……」
このみ「できない? なんでも出来ちゃう夏海ちゃんにも、さすがにこんな外道なことはできないよね」
夏海「……うちに、できないことはない! 大人の階段登ってくるよ!」
このみ「じゃあ、勝負する際は小鞠ちゃんになんで勝負するか伝えてね」
夏海「おう!」
このみ(やだなあ、面白くなってきた……)
越谷家
夏海「たのもー!」
母「うるさいわね! 帰ってきたら静かに手を洗いにいきなさい!」
夏海「はい! マイマザー!」
小鞠「夏海、お兄ちゃん眼鏡新しいのできたけど、紙眼鏡部屋に飾ってるっぽいよ。よっぽど嬉しかったんじゃない?」
夏海「え、マジで。へへ……はっ」
夏海「姉ちゃんの妹じゃないと言うことは、必然兄ちゃんの妹でもなくなるのか……」
夏海「く……しかし、もう後には引けない」
小鞠「なに、ぼっーとして」
夏海「姉ちゃん! 勝負だ!」
小鞠「はい?」
夏海「うちが勝ったら、うちは姉ちゃんの妹を止めて、このみ姉の妹になる!」
小鞠「はいい?」
夏海「うちの姉の座をかけて、うちといざ勝負!」
居間
小鞠「お母さーん、夏海の頭がおかしくなったみたい」
母「産んだときからよ、付き合ってあげな」
小鞠「はー……い。やれやれ」
夏海「さあ」
ゴン
小鞠「やればいいんでしょ」
コン
ガシッ
夏海「レディ、ゴー!」
ググッ
小鞠「ふんっ」
夏海「……」
小鞠「うりゃ!」
ググッ
夏海「……」
小鞠「まだまだあ!」
夏海(やばい、予想を上回る弱さ……)
小鞠「ふうん……っ」
夏海「えい」
小鞠「ひあっ」
コテ
ググッ
夏海「おお……」
小鞠「手加減なしかいっ」
夏海(むしろ手加減のオンパレードなんですが)
小鞠「事情はよく分かんないけど……い、嫌だから」
夏海「うん?」
小鞠「その……夏海が……妹じゃなくなるの……いなくなるのは……いやだもん……いやなの! わかった?!」
ガクンッ
夏海「あ」
バタン
小鞠「いよっしゃあ!」
夏海「……負けた」
小鞠「どうだどうだ! 私が姉なんだから……ん?」
夏海「……っ」カア
小鞠「あんた、顔赤いわよ。大丈夫?」
ピトッ
夏海「姉ちゃん……って」
小鞠「うん」
夏海「やっぱ姉ちゃんなんだな。すげえや」
夏海「ということで、やっぱり越谷家の三女の座がうちにはお似合いだったね」
このみ「そっか、姉妹の絆が深まったようで良かった」
夏海「このみ姉は、妹とか欲しかったの?」
このみ「そりゃね。あんたら見てたらね」
このみ(それだけじゃ、ほんとはないんだけどなあ……)
つん
ぷにっ
夏海「にゃに」
このみ「ううん。可愛いなって思って」
夏海「そんなこと言ってくれるのこのみ姉くらですな」
このみ「じゃあ、私の特権にしちゃお」
夏海「褒めて伸びるタイプですん」
このみ「胸も?」
夏海「そ、そこはまだいっかなあ」
このみ「はーい、じゃおいおいね」
宮内家
キュキュッ
ガキッ
一穂「あ……あー!」
トタタタ
れんげ「どうしたん!」
一穂「とほほ……」
れんげ「……お風呂壊したん」
一穂「そうなんだよねえ」
れんげ「ねえねえ、どうするん」
一穂「明日、業者の人来てもらうから……今日は……って、れんげ今日もめいっぱい遊んだんだよね」
れんげ「お風呂入れないん?」
一穂「よし……借りに行こう」
一穂「すいません、今日は」
雪子「別にかまわないわよ。今日は泊っていきなさい」
れんげ「……お泊り? お泊りなん?」
夏海「泊りだ! 枕投げだ!」
れんげ「投げるん! うち、枕投げるん!」
雪子「なに言ってんの。小鞠なんてもう寝てるんだから、あんたたち早く風呂入っちゃいなさい」
夏海「へいへーい。れんちょん、一緒に入る? 体洗ってやるよ」
一穂「ほんとー。そりゃ、助かるわ。れんげ、良かったねえ」
れんげ「うち、体くらい一人で洗えるのん。でも、そんなに言うなら一緒に入るん」
夏海「お一人様、お通ししまーす!!」
タタタッ
雪子「だから、静かにしなさいって言ってるでしょ?!」
夏海「は、はい母上様!」
わしゃわしゃ
しゅっしゅ
夏海「お客さん、かゆい所ないですかー」
れんげ「ないん」
夏海「力加減いかがっすかー」
れんげ「絶妙なん。チップ渡すん」
夏海「はは、ありがたき幸せ! ……れんちょん、鏡、見てみー。鉄腕アトム」
れんげ「目、開けられないのん。ていうか、なんなんそれ」
夏海「なに、知らないのか。ジェネレーションギャップとはこういうことか」
れんげ「それより早く流して欲しいん、なっつん」
夏海「まて、もう少し角度をつけてやる」
しゅしゅっ
れんげ「目、開けたいん」
夏海「まてまて」
しゅしゅっ
れんげ「なっつん」
くるっ
夏海「うん?」
ぎゅっ
夏海「なんだ急に抱き着いて」
れんげ「真っ暗で怖いん。早く洗って欲しいん……」
夏海「げっ。それは悪かった。ほら、流すぞー」
ジャバアア
れんげ「全く、お風呂で遊ぶなんて子どもなんな」
夏海「お前に言われたくはないが」
れんげ「次はうちの番」
夏海「え、うちはいいって」
れんげ「さっきの仕返し」
夏海「仕返し言うとるがな」
れんげ「じゃなかった、恩返し」
夏海「普通に頼む」
れんげ「体洗うだけなん。大げさなんな」
シャコシャコ
アワアワ
夏海「じゃあ、お任せしますー……」
れんげ「ぷぷーい……ほんとは、後ろから洗うと見せかけてこしょこしょする作戦なん」
夏海「……」
れんげ「はっ、しまった」
夏海「……ほお」
れんげ「って言うのは、何かの冗談なん」
ゴトンゴトン
れんげ「……60、61、62」
夏海「れんちょん、電車の音が聞こえるぞ」
れんげ「63、64……」
ゴトンゴトン
夏海「なんで、あんなに遠いのに聞こえるんだろうなあ。不思議だ」
れんげ「……55、56」
夏海「67、68、69」
れんげ「70、71……なっつん!」
夏海「ごめんごめん」
れんげ「こうなったら、なっつんが途中で割り込めないようにしてやるん」
夏海「?」
れんげ「7×8+1、9×6+4、12×5-1……」
夏海「……は?」
れんげ「ほかほかしたん」ホクホク
夏海「あれで100までって、れんちょん何者だよ」
れんげ「うち、最近掛け算できるようになったん。足し算するだけなん」
夏海「9×9もやらんうちから……反則過ぎる」
れんげ「なっつん、なっつん!」
夏海「うん?」
れんげ「枕投げ……したいん!」
夏海「あー、でも監視の目が……」
れんげ「……」キラキラ
夏海「……はあ」
れんげ「……」キラキラ
夏海「じゃあ、かるーくな」
れんげ「うん!」
夏海「疲れたー」
バタ
れんげ「……」ウトウト
夏海「眠いの?」
れんげ「……大丈夫なん」ウトウト
夏海「もう寝ようぜ」
れんげ「ん……」ゴシ
夏海「ゼロ距離枕投げの勝負は後日に持ち越しだ」
れんげ「……」コテン
夏海「おりょ?」
れんげ「すぴー……」
夏海「っしょ」
グイっ
ズルズル
夏海「おわ、重たいっ……いつの間にこんなに太った」
れんげ「すぴー……」
ボフっ
カチカチ
夏海「おやすー」
れんげ「すぴー……」
越谷家
ガラガラ
ひかげ「ういっす」
トタトタ―ピタっ
夏海「やだ」
ひかげ「いや、まだ何も言ってないんだが」
夏海「ウチ、これから蛍ん家行くから」
ひかげ「そこを何とか」
夏海「どうせ、またろくでもないことだろ」
ひかげ「お前が言う台詞じゃないな」
夏海「で、なんなのさ」
ひかげ「……」
ザザっ
ゴンっ
夏海「しょっぱなで、伝家の宝刀の土下座を使うあたり……また、やばそうなネタを持ってきたな」
ひかげ「じ、実は……」
夏海「彼氏ができたって……なんで、れんちょんにそんな嘘をつく必要があるのかわからん」
ひかげ「その場の勢いだったんだよ。ノリだよ、流れだよ」
夏海「で、今日一日、ウチに彼氏役になれって?」
ひかげ「後生だ! お前しか頼めるやつがいない!」
夏海「それは、どういう意味かそこんとこ詳しく」
ひかげ「理由とかいいから、れんちょんに今すぐ連れてくるって言っちゃったからっ」
夏海「つってもさ、普通に行ってももろばれすると思うんだ」
ひかげ「……」パチン
ススっ
このみ「はあい」
夏海「げえ」
このみ「何よ、げえって」
夏海(この二人が揃うとろくなことがない……)
ひかげ「さすが!」
このみ「こういう時だけ、頼るんだから。でも、なんでもするって約束……忘れないでね?」
ひかげ「……は、はい」
夏海「あの、その金髪のは」
このみ「これ、被るの」
夏海「……あの、こういうのは駄菓子屋が似合うと思うんだ」
ひかげ「だめ。あれは、絶対断るから。というか、れんげが匂いでわかっちゃうから」
夏海「イヌかい……」
このみ「はい、じゃ始めようか」
夏海「……」
このみ「固めて」
夏海「はあ……」
ひかげ「後で、なんでもするからさ」
夏海「じゃ、駄菓子奢って」
ひかげ「そんなんでいいの?」
夏海「うん」
このみ「ちょっとまゆげきりっとさせて。まつげふせて」
夏海「へーい」
このみ「ふんふん♪」
ひかげ「なんか楽しそうだね」
このみ「楽しいよー?」
夏海「でもさでもさ、中一の彼氏ってどうなの高校生的に」
ひかげ「……」
このみ「……」
ひかげ「あり?」
このみ「ありだと思う」
夏海「……」
このみ「ま、年は偽ればいいから」
夏海「さらっと言うない」
このみ「でーきた」
ひかげ「おー、男前じゃん」
このみ「かっこいいよ、夏海ちゃん」
ひかげ「これなら騙せる」
このみ「ひかげちゃんの用事が済んだら、私とデート行こうよ」
夏海「……誰これ?」
ひかげ「誰って、夏海じゃん」
夏海「……」
ペタペタ
夏海「めっちゃイケメンじゃん! えー!? えー!? すっご!? うちって、兄ちゃんに似てやっぱイケメンの素質があったんだ」
このみ「確実にれんげちゃんは騙せるよ」
夏海「このみ姉すげー!」
ダキっ
このみ「わっ」
ひかげ「仕草とか喋り方とかはそのまんまで、ちょっと声低くしてみ」
夏海「あー、あー……我々は宇宙人だ」
ひかげ「そんな感じでいこう」
このみ「もお、いつまで抱き着いてるの」
夏海「ごめんごめん」
パっ
このみ「……もう」
ひかげ「さ、蛍ちゃん家に行くぞ」
夏海「っしゃあ!」
ピンポーン
蛍「はーい」
ガチャ
ひかげ「おっす」
夏海「めっす」
ドスっ
夏海「うっ……」
ひかげ(くだらんギャグをはさむなって。ばれるだろ)ボソボソ
夏海(ご、ごめん体が勝手に)ボソボソ
蛍「ひかげ先輩……?」
ひかげ「あ、れんげいる? 連れてきたからって言ったらわかる」
蛍「は、はあ。ちなみに、その方は?」
夏海(あれ、蛍も分かってない)
ひかげ「彼氏!」ドンっ
蛍「え、ええ?!」
蛍「えと、えと……」
ひかげ「ま、東京にいれば、彼氏の二人や三人ですぐにできちゃうんだな、これが」
夏海(よく言うよ)
トタタっ
小鞠「蛍? どうかした?」
蛍「あ、小鞠先輩っ……ひ、ひかげさんが」
小鞠「ひか姉が、どうしたの……よ?」
ピタっ
小鞠「……が」
ひかげ「紹介しよう! 彼氏の……な、夏次郎君だ」
小鞠「夏、次郎……?」ジっ
夏海(……な、なんでそんなにじっと見るんだ、姉ちゃん)ドキっ
トタタタ
れんげ「みんな、どしたん」
れんげ「……」ジっ
ひかげ「ほら、いただろ彼氏」
夏海「あ、ごほんっ……夏次郎です」
れんげ「どんな馬の骨つれてくるかと思ったん……合格なん」グッ
ひかげ「いやー、私向こうじゃもてまくりだからさッ」
夏海(おいおい)
小鞠「……」ジッ
夏海「な、何?」
小鞠「いえ、兄によく似てるなと思って……」
ひかげ「そ、そうかな」
夏海「そ、そうだ。ぼ、僕は眼鏡のお兄さんなんて知らない」
小鞠「なんで眼鏡だって知ってるんですか」
ひかげ(おいいい!)
夏海(ごみいいん!)
ひかげ「私がたまにこっちのこと話すんだよ。夏次郎に似てるって紹介したんだ」
夏海(ナイス機転ッ)
蛍「あ、せっかくなのでアイス食べていきません?」
ひかげ「え、まじで! じゃ、お言葉に甘えて」
夏海(ちょ、長居は無用じゃん)
ひかげ(アイス食ったら帰るよ)
夏海(こ、こいつ調子に乗り追って……)
れんげ「夏にい、夏にい」
ぐいぐい
れんげ「案内するん」
ぎゅッ
夏海「……」
夏海(なんか、懐かしい)
れんげ「なあなあ」
夏海「うん?」
れんげ「夏にいは、ひか姉のいったいどこに惚れたん」
蛍「あ、私も気になります」
ひかげ「……」
クルッ
ひかげ(なんか言え)
夏海(無茶苦茶言うなよ)
ひかげ(なんでもいいから、私の好きなとこ言っておけばいいんだ)
夏海(ない。それに、気にしたこともないのに、急に出るかい)
小鞠「でも、これって本人の前だとけっこう答えにくい質問だよね」
夏海(姉ちゃん、ナイスフォロー!)
れんげ「でも、知りたいん」キラキラ
夏海(ぬはッ、純粋な好奇心には勝てん)
夏海「えっと、ひかげの……」
ひかげ(早く終われ……)
夏海「なんだかんだ言って、相手に合わせてくれる優しい所が好きかな……」
ひかげ「……」カア
ひかげ(何、真面目に答えとんじゃい!)
夏海「あと、若干クズなところ」
れんげ「よく分かってるんな」
ぺろぺろ
ひかげ「うまし……」
夏海「それ、チョコ? うちにもちょうだい」
ひかげ「えー、いいけど。はい」
ヒョイ
パクッ
ひかげ「おまッ、ちょ、とりすぎ」
夏海「……上手いッ」
蛍「……な、ナチュラルにイチャイチャ」
小鞠「都会の人は進んでるね……」ペロペロ
れんげ「ちょっと寂しい気もするんな」ペロペロ
ひかげ(はッ、しまったいつもノリでやってしまった)
夏海(いや、これくらい仲良いところ見せておいたら、もう疑うこともないじゃん)
ひかげ(確かに)
れんげ「ちゅーはしたん?」
小鞠「ぶッ、ごほごほッ」
蛍「先輩大丈夫ですかッ」
サスサス
夏海「したよ」
ひかげ「ぶふッ……」
蛍「へえ……」
小鞠「す、すごい……」
ひかげ(ちょ、夏海……)
夏海(こうなったら、いくところまでいこうッ)
ひかげ(くッ……)
れんげ「なんでするん?」
夏海「……」
ひかげ「……」
蛍「れ、れんちょんあんまり込み合った話は」
小鞠「そ、そうだよ。あんまり困らせちゃだめだよ」
れんげ「……これがラストなん。これが答えれたら、ひか姉を安心してゆだねられるん」
ひかげ「れ、れんげ。そういうのは、小学生にはまだ早いから」
れんげ「ひか姉は口はさまないでなん。うちは、夏にいに聞いてるのん」
ひかげ(姑かお前は)
夏海「……えっと」
夏海(つまり、この問いしだいでは認められないってことか。ここまで来たら後には引けないぜ……)
夏海「……ごほん」
ひかげ(な、何を言うつもりだ……)
夏海(任せろ! ひか姉!)
夏海「こうやって、誰かに手で触ったり話しかけたり」
ポンポン
れんげ「……ぬ」
夏海「ってのは誰にでもできるだろ?」
れんげ「うん」
夏海「でもキスって、誰にでもできることじゃないだろ? そりゃ、挨拶とかでする人は別だけど。僕は、そういう風にひかげが特別だってことを知って欲しいからするんだよ」
ひかげ(くせえ……)
れんげ「……参ったんな。そんな照れもなく言われたんじゃ、認めるしかないん」
パチパチ
夏海「ありがとう」
スッ
れんげ「……」
スッ
ギュ
夏海「あー……疲れたー」
ひかげ「いやあ、ほんと助かったよ。これからも頼むよ、マジで」
夏海「やだよ、もう彼氏と別れたことにしといてくれよ」
ひかげ「そんな冷たいこと言うなって。あ、肩でもおもみしましょうか」
モミモミ
夏海「ひか姉って、そういうの得意だよねえ」
ひかげ「なんのことだよ」
夏海「べっつにー……あ」
このみ「お疲れー。どうだったー?」
ひかげ「いやあ、お陰さまで窮地を脱しました! ありがとうごぜえます!」
このみ「いーえの」
夏海「ふわあ……」
このみ「ひかげちゃんに何をお願いしよっかなあ……」
ひかげ「うおッ……忘れてた」
夏海「都合いいな」
このみ「それじゃあ、夏次郎君をちょっと貸して欲しいなあ」
ひかげ「あ、どーぞどーぞ! って、そんなんでいいの?」
このみ「うん」
夏海「このみさんや、このみさんや。どこへ行かれるんですか」
ニギッ
このみ「別に決まってるわけじゃないんだけどー、もう少し夏次郎君を堪能したいなあって」
夏海「ま、まさか」
このみ「うん?」
夏海「うちに惚れた? なーんて」
このみ「え、なんで分かったの?」
夏海「……」ピタッ
このみ「けっこう、ポーカーフェイスだったのに。すごいねえ」
夏海「ままたまたうちをからかうつもりなんでしょ」
このみ「そんなことないよお? 乙女系も好きだけど、こっちもかっこよくて好きかな」
夏海「このみ姉……何言ってんのさ、まったく」
このみ(今のなっつんには狼少年と同じかー……)
夏海「じゃあ、家に帰るまで彼氏役しましょうかね」
このみ「ありがとう」ニコ
ぎゅッ
夏海「うん?」
このみ「恋人繋ぎって言うんだよ」
夏海「へー」
このみ(今はこれでいっかあ)
おわり
好きなんだ
こんな短編ssにお付き合いどうも
ストーリーって言うストーリーがあったわけじゃないけど。
もちっとエロくしたかったけど、
この子達じゃ無理だったのん
書いてくれてありがとう
こういうのまた頼む
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442411881/
Entry ⇒ 2015.09.30 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)
俺「蛍・・・やっと見つけたよ」
何もなくただ毎日を過ごしていた俺は周りからも相手にされず
ただ仕事をこなし帰るだけ
そんな日々を送っていた
そんなある日俺は彼女に会った
一条蛍
まだ小さく可愛らしかった
彼女を見た瞬間俺の心は締め付けられるように苦しくなった
パンツの中でチンコが外に出たがるかのように膨れ上がり
今すぐ彼女のもとへ彼女のもとへと訴えてるかのように脈打っていた
俺は人目が無いことを確認し蛍を誘拐し犯した
何日も何日も
俺と蛍の生活はある組織に邪魔された
そう、警察だ
俺は一ヶ月で捕まってしまった
俺が捕まると蛍は精神的ショックで目をさまさなくなってしまった
ああ蛍・・・俺と会えなくなるのが嫌なんだね。必ず迎えに行くから
そして数年がたった
俺は刑務所を模範囚として過ごした
いくら俺と蛍の生活を無茶苦茶にした警察と言えど逆らうのは得策ではない
俺はじっと耐えた
さらに月日がたち俺は刑務所を出た
蛍の家に向かうが誰もいない
俺は必死に調べた・・・そして見つけた
蛍が目を覚ましたのはつい最近で小学5年生として
とある田舎の学校に通っていると
俺は金を集めて蛍のところにむかった
待っててね蛍
蛍が小学6年生になるころ
やっと俺は蛍に会えた
俺「蛍・・・やっと見つけたよ」
蛍「え?誰・・・ですか?」
蛍は眠っている間に記憶を失ってしまっていたのだ
すぐ目を覚ましてあげるよ
いつだってお姫様は王子さまのキスで目を覚ますんだ
俺は蛍の肩をつかみキスをした
あの時毎日したように
すると蛍の表情が変わった
目は大きく開かれ
涙を大量に浮かべた
俺に会えたのがそんなに嬉しかったんだね
俺は車に連れ込み性行をした
あの時のように
蛍の身体は立派に成長していて俺の身体を十分に受け入れてくれた
蛍は気絶してしまった
少しやり過ぎたらしい
お互いあまりの嬉しさに少しはめをはずしすぎたようだ
俺は車で近くの古い家にむかった
蛍母「また・・・またなのね」
蛍父「母さん・・・いいよね」
俺「お父さんお母さん!お久しぶりです!蛍に会いに来たんですか?」
俺は満面の笑みで家族を迎えた
お茶を出そうとしたがそんなものはなく
あたりを見ると情事を済ましたばかりで裸の蛍と俺だけ
それを見て表情を変える両親
流石に娘とその彼氏の俺のこんなとこは見たくないかと思い俺は毛布を蛍にかけようと二人に背を向けた
そして俺の頭に思い何かが突き刺さった
思考が停止する
何をしているかわからない
近くの鏡が目に入った
斧が頭をかちわっていた
なんで俺が両親になど考えることもなく
そのまま蛍の上に倒れ絶命した
最後に蛍の うぇっという泣き声を聞いた気がした
母「そうね・・・でもまずは病院に・・・この子妊娠してたら」
父「そんなこと!・・・そうだな」
警察やその他の関係者と以前の事件から関係を持っていた父は殺人で捕まったが
ただの殺人と片付けることと、他の人の協力により蛍の事件は隠されたまま終わりを迎えた
幸いなことに、その事件後の蛍の記憶はまた消えていた
そして、さらなる田舎に移り住み暮らしはじめた
妊娠はしていなかったものの小5になった記憶までしかない彼女を傷つけたくない親は再度小5として入学させた
もともと寝たきりで同年代に比べたら身体は小さい蛍が入学することは田舎ということもあり上手くいった
これまでの出来事を周り全てに隠しながらの転校となった
一穂「本当に小5?」
蛍「小鞠先輩可愛いなぁ」
完
ある都会より人が少なく
事件を知る人がいない可能性が高いことと
蛍の身体的問題のためという設定です
一番好きなのはこのみちゃんです
ほたるんも大好きです
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443102785/
Entry ⇒ 2015.09.28 | Category ⇒ のんのんびより | Comments (0)