ミカサ「あなたを食べる誰かのこと」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:44:23 ID:eBxbDJTE
※前作、サムエル「二千年後まで、さようなら」のミカサ視点みたいな話
※色々テキトーな自己流設定
※継承者捏造してる
※今さらだけどネタバレ注意
旧本部の庭で会わされた少女は、どこかエレンに似ていた。
肩についたボサボサの黒髪と、見る者を射抜くような灰色の瞳。
まさか。
ミカサ 「え、エレン……?その子って……」
エレン 「ああ、俺の子だ」ドヤッ
ミカサ 「……憲兵さーん!ここに誘拐犯がむぐっ」モゴモゴ
エレン 「冗談だよ!つーかお前、俺を牢屋行きにして後悔しねえのか!?」
ミカサ 「あなたの過ちを受け入れるのも、家族のつとめ」プハッ
エレン 「なんでそんな所だけ物分かりいいんだよ!」
少女 「……」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:00 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「エレン、わたしはあなたを信じてる。だから正直に吐いて」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:35 ID:eBxbDJTE
エレミカ「「子守!?」」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:08 ID:eBxbDJTE
イリーナ「……エレン」
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:42 ID:eBxbDJTE
エレン 「……ん?」グリグリ
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:47:36 ID:eBxbDJTE
軽く落ちこんでるわたしを尻目に、エレンは花冠をのせてもらって
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:18 ID:eBxbDJTE
【厨房】
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:53 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「……」
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:42:32 ID:ro5E7nuY
エレン 「うっめぇ!!何だこれ、卵か!?本当に卵なのか!?」バクバク
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:43:12 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……洗ってくる」スクッ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:44:48 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:45:29 ID:ro5E7nuY
アニのお父さんの話を思い出した。娘を鍛える父なんて少数派だと思っていたけど、
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:04 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「髪、とかしてあげよう」スッ
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「このままでいい。ありがとう」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:24 ID:ro5E7nuY
イリーナ「あ、すごいおっきい樹が見える。あれはなに?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:58 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたも大人になれば分かる。愛というのはいろいろな形があるもの」ポンポン
エレン 「つまり、オレたちは愛し合っているんだ」スクッ
イリーナ「???分からない…」
ガラッ
エレン 「えっ、あ、うわっ!!」
ミカサ 「エレン!!」
脆くなっていた手すりが崩れる。宙に浮きかけたエレンの腕を、つかんだのは。
イリーナ「そのまま、じっとしていて」ギュッ
エレン 「イリー、ナ……?」
ヒュォォォ…
イリーナ「……」グイッ、ドサッ
イリーナはそのまま、あっさりとエレンを引き上げた。
ずっと表情の読めなかった唇が、そこで初めてゆるむ。
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:48:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……ここで死んでしまったら、みんながこまるから」
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:20 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたは……はじめから「イリーナ!」
そこで、下から声がかかった。
リヴァイ兵長の隣で、叫んでいる男の人。ボサボサの黒髪に、うすらひげ。
ミカサ (あ、そういえばあの人……イリーナにそっくりな顔をしている)
イリーナ「お父さん!」
ナイル 「待ってろ、今そっちに行く!」
黒いコートを翻して、中へ走りこんでいくナイル総統を、
兵長は「チッ」と軽い舌打ちをした後に追いかけた。
◆◆◆◆
居心地の悪い沈黙が、この場を支配している。
エレンはそれに耐え切れないのか、頭を整理したいのか、外へ出て行ってしまった。
私は不安をごまかすために、また暖炉に薪をくべる。
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:56 ID:ro5E7nuY
ゴォッ…
リヴァイ「そのへんにしておけ。部屋が蒸し暑くて仕方ねえ」
ミカサ 「……」チラッ
イリーナ「すぅ……すぅ……」ムニャムニャ
父親の膝の上で、安心したみたいに眠っている女の子。
この子が、その大きな顎でエレンを咀嚼する光景を想像して、
私はブンブンと頭を振った。
ナイル 「アッカーマン、イェーガー…その、今日は本当に助かった」
ミカサ 「いえ……子守は初めてでしたが、楽しい経験でした」
リヴァイ「ハンジは反対したんだがな。"食う"時に感情が邪魔をしては困る、と」
ナイル 「可愛がっていた家畜を潰す時、子供は泣くだろう。あれだ」
ミカサ 「……なら、どうして」
ナイル 「俺はむしろ、この子がエレンを食ったことを覚えていない方が辛いと思った。
そう考えているうちに、イリーナの方から"ユミルの英雄に会いたい"と
頼まれた」
ミカサ 「あの……一つ、お伺いしてもよろしいでしょうか」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:50:41 ID:ro5E7nuY
リヴァイ「なんだ」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:15 ID:ro5E7nuY
ナイル 「民衆が望むのは、完全な勝利。民衆が支配者へ求めるのは、悪魔となる覚悟だ」フーッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:48 ID:ro5E7nuY
ナイル 「ほら、しっかり掴まれ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 15:35:17 ID:7aq0YpGM
ハンジ 「どうする?もう宣戦布告しちゃったけど」
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 17:34:22 ID:O0umz5aI
◆◆◆◆
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:08:49 ID:ye74gp3M
ミカサ 「......」
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:43:03 ID:ye74gp3M
ミカサ 「でも困った。個人的にはイアンというのも捨てがたい」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:45:15 ID:ye74gp3M
ミカサ 「うん...」
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:20:42 ID:lEJWozhQ
ドォォーーン…ゴォォ…ヒュルルル
ドォォーーーン!!!
ミカサ 「……っ、!」グラグラ
地響き。轟音。それがとめどなく襲いかかる。
巨人と対峙する時とは質の違う恐怖が、足元から背筋を伝ってくる。
バサバサ…
モブ兵 「鳩だ!分隊長、軍鳩が来ました!」
ミカサ 「左足に信書管がついているはず。外して」
モブ兵 「はい!」カサッ
鳩を捕まえた兵士が、小さな紙を渡す。
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:21:16 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「この鳩は、"フロイデンベルク"……シガンシナ衛生班の鳩ね」ペラッ
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:00 ID:lEJWozhQ
いや、指揮官が弱みを見せてはいけない。
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:59 ID:lEJWozhQ
グググ…
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:23:43 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「みなさん、安心してください。私はあなた方の同胞で……」
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:21 ID:lEJWozhQ
住人たちは皆、私たちに憎しみのこもった瞳を向ける。泣いている人もいた。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:57 ID:lEJWozhQ
ミカサ (いっそ、私みたいに身勝手に生きられたらよかったのに)
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:25:34 ID:lEJWozhQ
ザザーン…
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:26:53 ID:lEJWozhQ
ジャン 「落ち着いて聞けよ。……継承の日どりが決まった」
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:27:55 ID:lEJWozhQ
とりあえずこれで終わり
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
掲載元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1497440663/
Entry ⇒ 2018.10.04 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
《進撃の巨人》健「巨人だと?」《Infini-T Force》
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:48:23.06 ID:HvTSwMxH0
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:49:34.31 ID:HvTSwMxH0
戦いの末、自分達の世界を取り戻した鷲尾健、鎧武士、南城二、東鉄也。
しかし笑の力で“可能性”を取り戻した世界の中で、少数だが…また異変が起き始めていた。
彼らは笑を連れてその世界へと向かい、異変の原因である“特異点”を元に戻すため行動する。
そしてまた…彼らは時空を超え、異世界へと降り立った。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:50:51.14 ID:HvTSwMxH0
《シガンシナ区》
ザワザワ…ザワザワ…
健「城二、特異点はこの世界なんだな」
城二「ああ、間違いない」
武士「しっかし、新宿に比べると随分古い街並みだな」
笑「私は好きだけどなー、この雰囲気」
武士「いや別に嫌いってわけじゃねーけど…ただ、なんで壁に囲まれてんだろうな」
城二「そういう風習…もしくは文化から来ているかもしれない」
鉄也「教授、特異点の詳しい場所は?」
城二「この世界のどこか…それ以上の事はまだ分かっていない」
武士「おいおいいくらなんでも…」
城二「この世界の特異点は今まで見てきた物とは違うらしい。ブルーアース号から範囲を絞って検索していけば必ず見付かる…はずだ」
城二「笑は何か感じたりしないか?」
笑「んーん、全然」
武士「こりゃ長引きそうだ…」
笑「ま、観光がてら地道に探しましょ」
健「笑、俺達は遊びに来たわけじゃ…」
ドンッ!
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:52:00.19 ID:HvTSwMxH0
エレン「うわっ!」ドサッ!
笑「キャッ!」ドサッ!
エレン「いてて…」
笑「いったー…」
エレン「あ、ご、ごめんなさい!」
ミカサ「エレン、大丈夫?」
アルミン「ご、ごめんなさい!友達が走って…」
健「元気なのはいいことだが走るなら前を見ろ」
エレン「は、はい…」
笑「あはは、私は大丈夫だから…気にしないで」
エレン「あ、ありがとうございます……!!?」
笑「?…どうかした?」
エレン「ミカサと同じ髪の色…もしかして東洋人……!?」
笑「東洋…人?」
健「まあ、大雑把に言えば東洋人だな」
ミカサ「私以外の…人……」
武士「で、随分急いでたみたいだったが何かあったのか?」
エレン「あ、そうだった!アルミン早く外の話の続きだ!」
アルミン「う、うん……おじさん達は内地の人ですか?東洋人の人がこの街にいるなんて聞いたこと無いし…」
健「おじさんだと?」ギロッ
アルミン「ヒッ!ご、ごめんなさい!」
笑「はいはい、オッサンは黙ってて」
鉄也「僕達は内地じゃなくて外から来たんだ」
シーン……
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:52:34.56 ID:HvTSwMxH0
エレン「え…えぇぇぇぇぇぇ!!!」
アルミン「外って…壁の外から来たんですか!!?」
ミカサ「うそ……」
武士「…教授、めっちゃ驚いてるけど」ヒソヒソ
城二「……情報が足りない今、ここはこの子達からも話を聞き出して……」ヒソヒソ
エレン「なあなあ!外にはしょっぱい湖があるってのは本当なのか!?」
アルミン「炎の川が山から流れてるっていうのは本当なんですか!?」
ミカサ「巨人に襲われたりしなかったんですか…?」
笑「しょっぱい湖…あ、海のこと?」
エレン「!」
健「火の川…溶岩か」
アルミン「!!本当にこの人達、外から…」
鉄也「巨人…?巨人ってなに?」
ミカサ「え……」
エレン「巨人を…知らない?」
アルミン「じゃ、じゃあどうやってここに…」
鉄也「空から」
三人『空から……?』
武士「(あちゃー…マズいな、このままじゃ不審者って思われるぞ)」ヒソヒソ
城二「(周りの文明レベルを見た所、空を飛ぶ技術はまだこの世界にはない…)」ヒソヒソ
城二「(だが、気になる言葉も聞けた)」スッ…
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:53:39.03 ID:HvTSwMxH0
城二「…君達は外の話が聞きたいのかい?」
エレン「え?う、うん…」
城二「私達は本当に空からこの街に来たんだ…後で君達にその機械を見せてあげよう」
城二「だから代わりに教えてくれないか?その…巨人とは何かを」
エレン「…アルミン、どう思う?」
アルミン「確かに怪しいけど、海や溶岩を知ってたし…空を飛ぶ技術が外にならあるかもしれない」
ミカサ「なら…」
アルミン「…分かりました。巨人というのは……────」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:54:06.05 ID:HvTSwMxH0
アルミン「────それで僕達は100年間、この壁の中に住んでいるんです」
笑「巨人が、人を………」
武士「嘘ってわけじゃ…無さそうだな」
鉄也「巨人の支配する世界…か」
健「城二、ブルーアース号から確認できるか?」
ピピッ、ヴゥン!
城二「……確かに、外壁は巨人の溜まり場になっているな」ピピピ
エレン「!!?アルミン!これってなんだ!?」
アルミン「わ、分からない…分からないけど、こんな物見たことない……」
ミカサ「凄い……」
ピシャァンッッ!!!
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:58:02.14 ID:HvTSwMxH0
全員『!?』
ミカサ「今のは……」
エレン「あっちの方からか!?」
アルミン「行ってみよう!」ダッ!
ミカサ「…」ダッ!
エレン「あ、おい待てよアルミン!ミカサ!」ダッ!
城二「……!!?これは…」ピピピピピピ!!
武士「どうした教授、今の振動と何か関係あるのか?」
城二「…鉄也、あの壁の高さは何メートルか分かるか」
鉄也「……50メートルだね」ピピッ
笑「それがどうかしたの?」
健「高さ…巨人……まさか!?」
ズズゥゥゥゥゥン…
笑「……うそ………」
城二「50メートルを越す、巨人……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:58:36.99 ID:HvTSwMxH0
ズガァァァァァァァァンッッッ!!!
城二「ッ!門を蹴り飛ばしただと!?」
武士「おい、今ので何人巻き込まれた…?」
笑「ちょっと待ってよ!門が壊されたって事は…」
鉄也「巨人が……来る」
キャーー!ウワーーーー!!!
健「笑!避難していろ!」
笑「わ、分かった!」
鉄也「フレンダー、笑を頼む」
フレンダー『ワオン!』
─────────
──────
───
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 21:59:31.26 ID:HvTSwMxH0
ハンネス「カルラ……すまない!」バッ!
エレン「離してよ!まだ母さんが…母さん!!」
ミカサ「おばさん…おばさん!!」
カルラ「エレン!ミカサ!…生きて……!!」
エレン「母さん!母さーーん!!!」
カルラ「(二人とも……私の分まで…生きて……)」ツゥー…
エレン「母さん…母さん!!」
エレン「(誰でもいい…誰か…誰か母さんを……)」ポロポロッ
エレン「母さんを……助けて……」
ババッ!!シュンッッ!!
エレン「!?」バッ!
ハンネス「!?今、何かが横切って……」
ミカサ「白い…影……」
スタッ!
ガッチャマン「………」バサバサッ!!
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:02:12.30 ID:HvTSwMxH0
カルラ「貴方は……」
ガッチャマン「もう大丈夫だ」
ズシーン!ズシーン!
巨人「」ニタニタ
ガッチャマン「無差別に蹂躙する貴様達の行動…断じて見過ごすわけにはいかない!」ババッ!
ガッチャマン「『バードラン』!」シュシュッ!!
ドカカァァァン!!
巨人「!?!?」グラッ…
ガッチャマン「覚悟しろ、悪党!!」バッ!
ヒュンヒュン!!
エレン「人が…人が飛んでる……」
ハンネス「そんな…立体機動装置も付けずに、あの高さを……」
ミカサ「かっこいい…」
ドカカァァァン!!
ガッチャマン「……!」
ミシミシミシ!!
ガッチャマン「再生しているだと…ッ!」チャキッ!
ドカカァァァン!!
クルクルクル…ズサァァァ!!
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:03:06.10 ID:HvTSwMxH0
ガッチャマン「チッ、このままでは決め手に欠けるな…」バサッ!
ハンネス「お、おいアンタ!」
ガッチャマン「!民間人は下がってろ!」
ハンネス「巨人の弱点はうなじだ!そこを斬れば巨人を倒せる!!」
ガッチャマン「なに…?」
エレン「その声…さっきのおじさん!?」
ガッチャマン「おじさんじゃ…む、さっきの子供か」
エレン「おじさん…母さんを、助けて……」ギュッ…
ガッチャマン「…ああ、任せておけ」
バシュンッ!!
ガッチャマン「『バードラン』!!」シュシュッ!!
ドカカァァァン!!!!
グラッ…ドスゥゥゥゥゥン……
巨人「」シュゥゥゥゥゥ……
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:03:52.55 ID:HvTSwMxH0
ハンネス「巨人を…倒しちまった……」
ガッチャマン「…城二、巨人の弱点が分かった。うなじを攻撃しろ」ピピッ!
《分かった、みんなに伝える》ジジッ!
ガッチャマン「よし……」クルッ
スタスタ…ガラララッ!!
ガッチャマン「出れるか?」
カルラ「あ、ありがとうございます」ググッ…
エレン「母さん!」ダッ!
ミカサ「おばさん!」ダッ!
カルラ「エレン!ミカサ!」ダキッ!
ガッチャマン「…その子達の避難を頼む」
ハンネス「あ、ああ…でも、アンタは一体……」
エレン「おじさん!」
ミカサ「おじさん!」
ガッチャマン「…おじさんではないとあれほど……」ピクピク
エレン「母さんを助けてくれて…ありがとう!」
ミカサ「ありがとう…」
ガッチャマン「…早く避難するんだ、ここが危険なのは変わりない」
ハンネス「俺は駐屯兵団のハンネス…あんたの名前を聞かせてほしい」
ガッチャマン「…ガッチャマン」
ガッチャマン「正義の影武者…科学忍者隊、ガッチャマンだ」チャッ!
バッ!!
ヒュンヒュン…タタタッ……
ミカサ「科学忍者隊……」
エレン「ガッチャマン…」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:04:36.13 ID:HvTSwMxH0
ヒュン!ヒュン!
ガッチャマン「城二、巨人を倒しているだけではらちが明かないぞ」スタッ!タタタッ!
《ああ、まずは壊された門をどうにかしなくてはならない》
ガッチャマン「…!城二、この状況で門を直すのは無理かもしれないがお前とぺガスがいるなら…!」
《…そうか!後の補修が大変になるかもしれないが……》
ガッチャマン「みんなで手伝えばいい」フッ
《…ああ、そうだな》
─────────
──────
───
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:05:43.24 ID:HvTSwMxH0
女性「逃げなきゃ…逃げなくちゃ……」タッタッタッ!!
女性「キャッ!」ドサッ!
ズシーン!ズシーン!
巨人「」ニタニタ
女性「いや……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ポリマー「『ポリマーホーク』!!」
ズガァァァァァンッ!!!
巨人「」グラッ…ドスゥゥゥゥン
ポリマー「ヘッ、うなじに直撃は効くんだろ?」ズサァァァ!!
女性「…え、あ……」
ポリマー「さあ、早く逃げなお嬢さん」
女性「は、はい!」タタッ!!
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:06:20.51 ID:HvTSwMxH0
ドシーーン!ドシーーン!!
巨人's『』ニタニタ
ポリマー「ったく、ワラワラ現れやがって…」スゥゥ…
ポリマー「いいぜ…破裏拳流ってやつをお前達に教えてやるよ」ババッ!
ポリマー「ホォォォ…」ヒュンッ!
巨人「!」
ポリマー「『反動三段蹴り』!!」
メシャッ!メシャッ!ミシシッ!!
巨人's『』ドススゥゥゥゥン…
ポリマー「立ちっぱなしのやつに、俺は負けねえよ」スタッ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:09:07.31 ID:HvTSwMxH0
ダンダンダンダンダン!!!
ポリマー「!?走ってくる巨人もいるのか!」
奇行種「」ダンダンダンダンダン!!
男性「たす…助けてくれぇぇ!!」
駐屯兵「ど、どうすれば…」バシュン!シュルルルル!!
ポリマー「チッ、間に合え…!!」バッ!!
ポリマー「『ポリマードリル』!!」
ギュィィィィィィン!!ガリガリガリガリガリ!!!
奇行種「!」ズズゥゥゥン!
駐屯兵「!?今、何かが奇行種の足を…」
男性「!!」
ポリマー「よっと……ほら、あんたも早く逃げな!!」ガララッ!!
男「は、はいぃ!!」ダッ!
駐屯兵「んなっ!あの赤いの…あんなデケエ瓦礫を片手で持ち上げてやがる!!」
ポリマー「うつ伏せに倒しゃ、うなじは丸見え…」バッ!
ポリマー「『真空片手駒』!!」ギュィィィィィィン!!
ガリガリガリガリガリ!!!
ポリマー「よっと」ヒュッ、スタッ
ポリマー「瓦礫をうなじにねじ込まれた気分はどうだい?」
巨人「」シュゥゥゥゥゥ………
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:09:48.32 ID:HvTSwMxH0
ポリマー「…格闘だけでどこまでできるか分からねえが、守ってみせる!」グッ!
駐屯兵「ち、ちょっと待ってくれ!今のは…」
ポリマー「『ポリマーホーク』!!」ギュィン!
バシュンッ!!
駐屯兵「今のは……一体……」
─────────
──────
───
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:10:42.86 ID:HvTSwMxH0
駐屯兵「クソッ、穴からゾロゾロと…」
駐屯兵「何か穴を塞ぐ方法は無いのか!?」
駐屯兵「無茶です!あんな巨大な穴をどうやって…」
キィィィィィン…!!
駐屯兵「な、なんだぁ!?」
駐屯兵「な、何かが空を飛んで…!!」
テッカマン「ぺガス!照準を壊された門の上方…縦一線に掃射!!」バッ!
ぺガス『ラーサー』
ズガガガガガガガガガガガガガァァァァァン!!!!
ガラガラガラガラガラドカカカカァァァァァァンッ!!!!
テッカマン「強引な手だが…今は時間が惜しい」ジャキン
テッカマン「『ボルテッカー』!!!」キュィンッ!!
ズシャァァァァァァァァァンッッ!!!
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:11:35.42 ID:HvTSwMxH0
駐屯兵「か、壁を崩して…」
駐屯兵「穴を塞いだ…だと?」
テッカマン「あとは中にいる巨人を…!?」ピピッ!
テッカマン「(壁から熱源反応…?この大きさ……)」ピピピピ…
テッカマン「…いや、今は民間人を助けるのを優先すべきだ」チャッ
テッカマン「ぺガス!」
ぺガス『ラーサー』
キィィィィィィン!!!
駐屯兵「……お前、今の…見たか?」
駐屯兵「ハハッ…話しても、信じてもらえそうにねえよ……」
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21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:12:02.14 ID:HvTSwMxH0
ドドォォォン!ドドォォォン!
巨人's『』シュゥゥゥゥゥ…
キャシャーン「………」バリバリッ!
キャシャーン「(この分なら被害も最小限で……)」
ピシャァンッッ!!!
キャシャーン「!」クルッ
鎧「……」ドシーン…ドシーン…ググッ
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:13:12.90 ID:HvTSwMxH0
ドシンドシンドシンドシン!!!
駐屯兵「んなっ!巨人が急に…ええい!怯むなっ!!」
キャシャーン「…!」バッ!
駐屯兵「撃て!撃てぇぇ!!」ドカァァン!ドカァァン!!
ダァァァン!ダァァァン!!
鎧「…」ドシンドシンドシンドシン!!
駐屯兵「た、大砲が効いてません!!」
駐屯兵「まずい、このままじゃ…」
キャシャーン「…」ババッ!
ガシシッ!
駐屯兵「な、誰だ貴様は!」
駐屯兵「離せ!我々が死守しなければこの門が…!」
キャシャーン「……」バシュン!バシュン!バシュン!
ドカァァァァァァァン!!!
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:14:38.57 ID:HvTSwMxH0
鎧「……」ブシュゥゥゥゥゥ!!!
駐屯兵「門が…門が破られちまった…」
駐屯兵「鎧の巨人も煙と一緒に消えちまった…」
キャシャーン「無事か?」
駐屯兵「バカ野郎!なんなんだテメエは!!」
駐屯兵「俺達が無事でも門が壊れちゃ意味がねえんだよ!!」
ドシーン!ドシーン!
駐屯兵「チクショウ!巨人が…巨人が中に入っちまう……」
駐屯兵「こうなったら、命をかけても……」チャキッ!
キャシャーン「大丈夫」チャッ!
駐屯兵「あぁ!?何を…」
バシュン!バシュン!バシュン!
駐屯兵「!!?空を、飛んで……」
巨人's『』ニタニタ
キャシャーン「巨大な悪魔を叩いて砕く…俺がやらねば誰がやる」バリバリバリッ!!
ダァァァァンッ!!ダァァァァンッ!!ダァァァァンッ!!
巨人's『』シュゥゥゥゥゥ……
キャシャーン「…」スタッ
駐屯兵「」ポカーン
駐屯兵「」アングリ
キャシャーン「ここから先は…誰も通さない」ギラッ
─────────
──────
───
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:15:30.71 ID:HvTSwMxH0
《数時間後》
笑「(みんな…大丈夫かな……)」
アルミーーン!
エレン!ミカサ!オバサン!
アルミン「良かった…みんな無事だったんだね」
エレン「アルミン!良かった…」
祖父「カルラさん、無事で何よりじゃ」
カルラ「ええ…もうダメだと思いましたが、ある人に助けられまして……」
ミカサ「…!エレン、あの人……」
エレン「あ!おじさんと一緒にいた女の人だ!!」
笑「え?」
タッタッタッ!
エレン「お姉さん!さっきの…さっきのおじさんが…!」
笑「え、ちょ…えぇ?」
カルラ「エレン、その人は?」
エレン「さっき母さんを助けてくれた…ガッチャマンと一緒にいた人だよ!!」
カルラ「まあ!まあまあまあ…」
ミカサ「…?他の人はいないの?」キョロキョロ
笑「え、えーっと……」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:16:21.88 ID:HvTSwMxH0
健「どうした笑、困った顔をして」スタスタ
武士「やれやれ、これで一応片付いたのか?」
城二「ああ、この街の巨人は片付いたが…またいつ巨大な巨人や鎧の巨人が来るかは分からない。それに気になることが増えた」
鉄也「気になること?」
エレン「おじさん…!!」パァァ!
ミカサ「おじさん…!!」パァァ!
健「おじ…もういい」ハァァ…
健「二人ともケガはないか?」
エレン「はい!」キラキラキラ
ミカサ「大丈夫…です!」キラキラキラ
笑「…なんか、目が変わってない?」
アルミン「二人ともどうしたの?」
エレン「聞いてくれよアルミン!母さんが巨人に襲われそうになった所をおじさんが変身して助けてくれたんだ!!」
ミカサ「ガッチャマン…カッコいい…」キラキラキラ
カルラ「本当に…本当に、ありがとうございました……」フカブカ
健「…みんな無事なら、それでいい」
エレン・ミカサ・アルミン『(か、カッコいい…!!)』キラキラキラ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:17:33.76 ID:HvTSwMxH0
武士「だが現実問題…どうするよ?」
城二「巨人の数に限りがあるのか…そもそも巨人がどこから来ているのか…それを知らなければならない」
エレン「巨人は敵なんだ!だから一匹残らず駆逐しないと…!」ギリッ
ミカサ「エレン…」
健「いや、それだけじゃダメだ」
エレン「え…」
健「戦ってみて分かったが、巨人自身に何かを考えて行動する力は無かった」
健「あるのは目に見える人間を捕食する事だけ…」
健「だが今回の襲撃、敵は間違いなく人を滅ぼそうという意思を持って壁を壊し、中門を破壊した」
武士「つまり…それを指示したヤツがいるってわけか」
健「その指示した親玉を倒さない限り戦いは続く」
城二「なら…」
健「ああ」
エレン「おじさん!」
健「……なんだ?」
エレン「俺もおじさんみたいに強くなりたい…俺も、おじさんみたいに巨人を倒せるようになれるかな…?」
健「…ああ。心に正義があるなら、俺より強くなれる」
エレン「…!!」
─────────
──────
───
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:22:14.22 ID:HvTSwMxH0
《数ヵ月後・マーレ国のとある施設》
所長「ヒッヒッヒッ…人間を巨人にするこの薬…これが我々の手にある限りマーレ人の繁栄は揺るぎない物となる」
研究員「所長、被検体のエルディア人の用意ができました」
所長「もうすぐだ…巨人の力も手中にある今、エルディア人に受けた屈辱を全て消し去り我々マーレ人が永久の繁栄を握る…ヒッヒッヒッヒッ」
「そこまでだ」
所長「!?誰だ!!?」
「時には1つ、時には5つ」
「正義の影武者…科学忍者隊」
ガッチャマン「ガッチャマン!!」
「この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ…」
「破裏拳ポリマー、ここに参上!!」
所長「なんだ…なんだ貴様達は!?憲兵!憲兵はどうした!!?」
テッカマン「過去に何があったか私達は知らない…だが」
キャシャーン「外道の行いを黙って見過ごすわけにはいかない」
研究員「所長!け、憲兵と連絡が取れません!!」
所長「なぁっ!?」
ガッチャマン「諸悪の根源であるこの施設…破壊させてもらう!」バッ!
─────────
──────
───
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:25:00.73 ID:HvTSwMxH0
エレン「う…美味い!!」
ミカサ「美味しい…」
アルミン「こんな美味しい物、食べたことない…」
笑「たくさん作ったからどんどん食べてねー」
カルラ「フフッ…後で教えてもらってもいいかしら?えーっと…」
笑「アボカドのクリームパスタ…最近ようやく作れるようになったんだ」
エレン「…お姉さん、巨人と戦ってたおじさん…ガッチャマンってなんなんだ?」
笑「んー…っとね、」
笑「正義のヒーローだよ」ニコッ
おわり
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:26:16.54 ID:HvTSwMxH0
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 08:45:15.48 ID:TyIy2iGQO
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524401302/
Entry ⇒ 2018.04.29 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ミカサ「あなたを食べる誰かのこと」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:44:23 ID:eBxbDJTE
※前作、サムエル「二千年後まで、さようなら」のミカサ視点みたいな話
※色々テキトーな自己流設定
※継承者捏造してる
※今さらだけどネタバレ注意
旧本部の庭で会わされた少女は、どこかエレンに似ていた。
肩についたボサボサの黒髪と、見る者を射抜くような灰色の瞳。
まさか。
ミカサ 「え、エレン……?その子って……」
エレン 「ああ、俺の子だ」ドヤッ
ミカサ 「……憲兵さーん!ここに誘拐犯がむぐっ」モゴモゴ
エレン 「冗談だよ!つーかお前、俺を牢屋行きにして後悔しねえのか!?」
ミカサ 「あなたの過ちを受け入れるのも、家族のつとめ」プハッ
エレン 「なんでそんな所だけ物分かりいいんだよ!」
少女 「……」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:00 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「エレン、わたしはあなたを信じてる。だから正直に吐いて」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:35 ID:eBxbDJTE
エレミカ「「子守!?」」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:08 ID:eBxbDJTE
イリーナ「……エレン」
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:42 ID:eBxbDJTE
エレン 「……ん?」グリグリ
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:47:36 ID:eBxbDJTE
軽く落ちこんでるわたしを尻目に、エレンは花冠をのせてもらって
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:18 ID:eBxbDJTE
【厨房】
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:53 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「……」
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:42:32 ID:ro5E7nuY
エレン 「うっめぇ!!何だこれ、卵か!?本当に卵なのか!?」バクバク
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:43:12 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……洗ってくる」スクッ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:43:58 ID:ro5E7nuY
>>10
ありがと
好きに書いてるから期待には添えないかもしらんけど
ありがと
好きに書いてるから期待には添えないかもしらんけど
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:44:48 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:45:29 ID:ro5E7nuY
アニのお父さんの話を思い出した。娘を鍛える父なんて少数派だと思っていたけど、
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:04 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「髪、とかしてあげよう」スッ
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「このままでいい。ありがとう」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:24 ID:ro5E7nuY
イリーナ「あ、すごいおっきい樹が見える。あれはなに?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:58 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたも大人になれば分かる。愛というのはいろいろな形があるもの」ポンポン
エレン 「つまり、オレたちは愛し合っているんだ」スクッ
イリーナ「???分からない…」
ガラッ
エレン 「えっ、あ、うわっ!!」
ミカサ 「エレン!!」
脆くなっていた手すりが崩れる。宙に浮きかけたエレンの腕を、つかんだのは。
イリーナ「そのまま、じっとしていて」ギュッ
エレン 「イリー、ナ……?」
ヒュォォォ…
イリーナ「……」グイッ、ドサッ
イリーナはそのまま、あっさりとエレンを引き上げた。
ずっと表情の読めなかった唇が、そこで初めてゆるむ。
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:48:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……ここで死んでしまったら、みんながこまるから」
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:20 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたは……はじめから「イリーナ!」
そこで、下から声がかかった。
リヴァイ兵長の隣で、叫んでいる男の人。ボサボサの黒髪に、うすらひげ。
ミカサ (あ、そういえばあの人……イリーナにそっくりな顔をしている)
イリーナ「お父さん!」
ナイル 「待ってろ、今そっちに行く!」
黒いコートを翻して、中へ走りこんでいくナイル総統を、
兵長は「チッ」と軽い舌打ちをした後に追いかけた。
◆◆◆◆
居心地の悪い沈黙が、この場を支配している。
エレンはそれに耐え切れないのか、頭を整理したいのか、外へ出て行ってしまった。
私は不安をごまかすために、また暖炉に薪をくべる。
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:56 ID:ro5E7nuY
ゴォッ…
リヴァイ「そのへんにしておけ。部屋が蒸し暑くて仕方ねえ」
ミカサ 「……」チラッ
イリーナ「すぅ……すぅ……」ムニャムニャ
父親の膝の上で、安心したみたいに眠っている女の子。
この子が、その大きな顎でエレンを咀嚼する光景を想像して、
私はブンブンと頭を振った。
ナイル 「アッカーマン、イェーガー…その、今日は本当に助かった」
ミカサ 「いえ……子守は初めてでしたが、楽しい経験でした」
リヴァイ「ハンジは反対したんだがな。"食う"時に感情が邪魔をしては困る、と」
ナイル 「可愛がっていた家畜を潰す時、子供は泣くだろう。あれだ」
ミカサ 「……なら、どうして」
ナイル 「俺はむしろ、この子がエレンを食ったことを覚えていない方が辛いと思った。
そう考えているうちに、イリーナの方から"ユミルの英雄に会いたい"と
頼まれた」
ミカサ 「あの……一つ、お伺いしてもよろしいでしょうか」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:50:41 ID:ro5E7nuY
リヴァイ「なんだ」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:15 ID:ro5E7nuY
ナイル 「民衆が望むのは、完全な勝利。民衆が支配者へ求めるのは、悪魔となる覚悟だ」フーッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:48 ID:ro5E7nuY
ナイル 「ほら、しっかり掴まれ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 15:35:17 ID:7aq0YpGM
ハンジ 「どうする?もう宣戦布告しちゃったけど」
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 17:34:22 ID:O0umz5aI
◆◆◆◆
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:08:49 ID:ye74gp3M
ミカサ 「......」
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:43:03 ID:ye74gp3M
ミカサ 「でも困った。個人的にはイアンというのも捨てがたい」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:45:15 ID:ye74gp3M
ミカサ 「うん...」
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:20:42 ID:lEJWozhQ
ドォォーーン…ゴォォ…ヒュルルル
ドォォーーーン!!!
ミカサ 「……っ、!」グラグラ
地響き。轟音。それがとめどなく襲いかかる。
巨人と対峙する時とは質の違う恐怖が、足元から背筋を伝ってくる。
バサバサ…
モブ兵 「鳩だ!分隊長、軍鳩が来ました!」
ミカサ 「左足に信書管がついているはず。外して」
モブ兵 「はい!」カサッ
鳩を捕まえた兵士が、小さな紙を渡す。
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:21:16 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「この鳩は、"フロイデンベルク"……シガンシナ衛生班の鳩ね」ペラッ
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:00 ID:lEJWozhQ
いや、指揮官が弱みを見せてはいけない。
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:59 ID:lEJWozhQ
グググ…
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:23:43 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「みなさん、安心してください。私はあなた方の同胞で……」
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:21 ID:lEJWozhQ
住人たちは皆、私たちに憎しみのこもった瞳を向ける。泣いている人もいた。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:57 ID:lEJWozhQ
ミカサ (いっそ、私みたいに身勝手に生きられたらよかったのに)
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:25:34 ID:lEJWozhQ
ザザーン…
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:26:53 ID:lEJWozhQ
ジャン 「落ち着いて聞けよ。……継承の日どりが決まった」
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:27:55 ID:lEJWozhQ
とりあえずこれで終わり
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
掲載元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1497440663/
Entry ⇒ 2018.04.12 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ミカサ「ヤンデレ?」
1: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:06:14 ID:cJh9L5920
ミカサ「アルミン、ヤンデレとはどういう意味?」
アルミン「えっ!?」ギクッ
コニー「何だそれ? 奇行種か何かか?」
サシャ「ひょっとして食べ物ですか!?」
マルコ「全然まったくかすりもしてないよ。もっと恐ろしいものなんだ」
アルミン「そうだね……簡単に言えば、好きすぎて病んでる状態のことかな」
アルミン「えっ!?」ギクッ
コニー「何だそれ? 奇行種か何かか?」
サシャ「ひょっとして食べ物ですか!?」
マルコ「全然まったくかすりもしてないよ。もっと恐ろしいものなんだ」
アルミン「そうだね……簡単に言えば、好きすぎて病んでる状態のことかな」
2: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:13:16 ID:cJh9L5920
ミカサ「病んでる……?」
アルミン「そう。相手を想うあまり、時に異常な行動を取ったりするんだ」
一同「へえ~」
ライナー「俺はてっきりヤンキー女がデレることかと思ってたぞ」チラッ
アニ「……何で私を見ながら言うわけ?」
ミカサ「具体的にはどんな行動を取るの?」
アルミン「例えば……ストーカーとか」
ベルトルト「……」
アニ『私はいつでもあんたのことを見てる』
アニ『だから私を見て。ほかの奴のことなんか、考えなくていいからさ……!』
ベルトルト(ヤンデレアニ……イイ!!)ドキドキ
アルミン「そう。相手を想うあまり、時に異常な行動を取ったりするんだ」
一同「へえ~」
ライナー「俺はてっきりヤンキー女がデレることかと思ってたぞ」チラッ
アニ「……何で私を見ながら言うわけ?」
ミカサ「具体的にはどんな行動を取るの?」
アルミン「例えば……ストーカーとか」
ベルトルト「……」
アニ『私はいつでもあんたのことを見てる』
アニ『だから私を見て。ほかの奴のことなんか、考えなくていいからさ……!』
ベルトルト(ヤンデレアニ……イイ!!)ドキドキ
3: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:18:43 ID:cJh9L5920
ミカサ「私はいつでもエレンのそばにいたいと思うけれど、ストーカーというほどではない」
アルミン「う、うん……そうだね」
クリスタ「ストーカーなんて怖い……好きな人に迷惑をかけるのはよくないよ」
ユミル「さすが天使クリスタ! ヤンデレとは無縁だな」
アルミン「独占欲が行き過ぎると相手を監禁したりもするんだって」
ライナー「……」
クリスタ『みんないなくなっちゃったね……一人は寂しい?』
クリスタ『でも大丈夫だよ、私がついてるから……ずっと一緒だよ?』
ライナー(ヤンデレクリスタ……イイ!)ドキドキ
アルミン「う、うん……そうだね」
クリスタ「ストーカーなんて怖い……好きな人に迷惑をかけるのはよくないよ」
ユミル「さすが天使クリスタ! ヤンデレとは無縁だな」
アルミン「独占欲が行き過ぎると相手を監禁したりもするんだって」
ライナー「……」
クリスタ『みんないなくなっちゃったね……一人は寂しい?』
クリスタ『でも大丈夫だよ、私がついてるから……ずっと一緒だよ?』
ライナー(ヤンデレクリスタ……イイ!)ドキドキ
4: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:25:19 ID:cJh9L5920
ユミル「おいそこのゴリラ、今変なこと考えただろ」
ユミル「クリスタに手出したらぶっ殺すからな」
ライナー「こいつはヤンデレじゃないのか!?」
アルミン「ヤンデレは好きな人に危害を加える人間を許さないんだ」
ミカサ「それは当然のこと」
ミカサ「私はエレンに命を救われた。ので、私もエレンを守りたい」
マルコ「危害だけとは限らないんだよね……」
アニ「恋敵と勘違いして嫉妬心を燃やすとか……心当たりはないかい?」
ミカサ「エレンは最近、対人格闘でアニと組んでばっかりいる。ので……」
アルミン「と、とにかく相手の気持ちを尊重することが大切なんだ!」
コニー「そういや当のエレンはどこ行ったんだ?」キョロキョロ
ユミル「クリスタに手出したらぶっ殺すからな」
ライナー「こいつはヤンデレじゃないのか!?」
アルミン「ヤンデレは好きな人に危害を加える人間を許さないんだ」
ミカサ「それは当然のこと」
ミカサ「私はエレンに命を救われた。ので、私もエレンを守りたい」
マルコ「危害だけとは限らないんだよね……」
アニ「恋敵と勘違いして嫉妬心を燃やすとか……心当たりはないかい?」
ミカサ「エレンは最近、対人格闘でアニと組んでばっかりいる。ので……」
アルミン「と、とにかく相手の気持ちを尊重することが大切なんだ!」
コニー「そういや当のエレンはどこ行ったんだ?」キョロキョロ
5: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:36:12 ID:cJh9L5920
ミカサ「トイレに行くと言っていた。さすがにそこまでついて行くことはできない」
アルミン「さすがにも何も」
マルコ「エレンも災難だね……」
サシャ「それにしても怖いですねー! ヤンデレ!」モグモグ
コニー「食ってばっかのお前には一生関係ねーだろうなww」
アルミン「でも、中には愛する人を食べて一つになりたいと考える人もいるそうだよ」
コニー「えっ!?」
サシャ『うわあ、いい匂い……! こんなに美味しそうな料理は生まれて初めてです!』
サシャ『待っててくださいね? もう少しで、あなたと一つになれますから――』
コニー(ヤンデレサシャ……イイ! のか!!?)ドキドキ
マルコ「君たちはただのドMなんじゃないかな?」
アルミン「さすがにも何も」
マルコ「エレンも災難だね……」
サシャ「それにしても怖いですねー! ヤンデレ!」モグモグ
コニー「食ってばっかのお前には一生関係ねーだろうなww」
アルミン「でも、中には愛する人を食べて一つになりたいと考える人もいるそうだよ」
コニー「えっ!?」
サシャ『うわあ、いい匂い……! こんなに美味しそうな料理は生まれて初めてです!』
サシャ『待っててくださいね? もう少しで、あなたと一つになれますから――』
コニー(ヤンデレサシャ……イイ! のか!!?)ドキドキ
マルコ「君たちはただのドMなんじゃないかな?」
6: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:46:32 ID:cJh9L5920
ミカサ「ヤンデレ……私にはよく分からない世界だった」
アルミン「そもそもどうしてそんなことを訊いたの?」
ミカサ「エレンに私はヤンデレではないかと言われた」
一同「エレンに!?」
ミカサ「何がしたいんだよって――」
ミカサ「私はただ、エレンのために――」
マルコ「……ずいぶん長いトイレだね?」
コニー「腹でも壊したのか?」ボケー
ミカサ「様子を見に行ってくる」スッ
アルミン「あ! ちょっと待って、ミカサ!」
アルミン「そもそもどうしてそんなことを訊いたの?」
ミカサ「エレンに私はヤンデレではないかと言われた」
一同「エレンに!?」
ミカサ「何がしたいんだよって――」
ミカサ「私はただ、エレンのために――」
マルコ「……ずいぶん長いトイレだね?」
コニー「腹でも壊したのか?」ボケー
ミカサ「様子を見に行ってくる」スッ
アルミン「あ! ちょっと待って、ミカサ!」
7: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:50:38 ID:cJh9L5920
ミカサ(エレンにどう思われようとかまわない。私は――)
ドンッ
ジャン「うおっ、ミカサ!? 何で男子トイレに」
ミカサ「ジャン、エレンを見なかった?」
ジャン「ああ……個室にいると思うぜ?」
ミカサ「どうも」スタスタ
ジャン「ためらいなく入っていきやがった……」
ドンッ
ジャン「うおっ、ミカサ!? 何で男子トイレに」
ミカサ「ジャン、エレンを見なかった?」
ジャン「ああ……個室にいると思うぜ?」
ミカサ「どうも」スタスタ
ジャン「ためらいなく入っていきやがった……」
8: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:54:49 ID:cJh9L5920
ミカサ「エレン?」コンコン
シーン
ミカサ(……返事がない)ザワッ
ミカサ「調子が悪いのなら、すぐ医務室に……」
カチャ
ミカサ「? ……開いてる」
ミカサ(今は緊急事態……迷っている暇はない)
ミカサ「エレン――」
ミカサ「……え」
シーン
ミカサ(……返事がない)ザワッ
ミカサ「調子が悪いのなら、すぐ医務室に……」
カチャ
ミカサ「? ……開いてる」
ミカサ(今は緊急事態……迷っている暇はない)
ミカサ「エレン――」
ミカサ「……え」
9: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 01:58:41 ID:cJh9L5920
ミカサ「エレン……?」
ミカサ「起きて」ユサユサ
ミカサ「しっかりして」
ミカサ「何で……?」
ミカサ「どうして」
ミカサ「こんな」
ミカサ「返事をして」
ミカサ「エレン!」
ミカサ「……」
ミカサ「エレン……エレン……」グスグス
ミカサ「嘘だ……」
ミカサ「一体誰が……」
ジャン「エレンエレンうるせえんだよ」
ミカサ「起きて」ユサユサ
ミカサ「しっかりして」
ミカサ「何で……?」
ミカサ「どうして」
ミカサ「こんな」
ミカサ「返事をして」
ミカサ「エレン!」
ミカサ「……」
ミカサ「エレン……エレン……」グスグス
ミカサ「嘘だ……」
ミカサ「一体誰が……」
ジャン「エレンエレンうるせえんだよ」
10: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 02:03:00 ID:cJh9L5920
ミカサ「!?」クルッ
ミカサ「ジャン……あなた……まさか」
ジャン「お前、俺の服が血でべっとりなのも気が付かねえのな」
ジャン「大したもんだぜ」
ミカサ「……」ユラリ
ミカサ「理由は……知らない。知る必要もない」
ジャン(ああ)
ミカサ「ジャン」
ジャン(やっと見てくれた――)
ミカサ「死んで」
ジャン(俺だけのミカサ)
ザシュッ
おしまい
ミカサ「ジャン……あなた……まさか」
ジャン「お前、俺の服が血でべっとりなのも気が付かねえのな」
ジャン「大したもんだぜ」
ミカサ「……」ユラリ
ミカサ「理由は……知らない。知る必要もない」
ジャン(ああ)
ミカサ「ジャン」
ジャン(やっと見てくれた――)
ミカサ「死んで」
ジャン(俺だけのミカサ)
ザシュッ
おしまい
11: 名無し訓練兵 2015/03/26(木) 15:20:12 ID:okH8CFY.O
まさかのオチ
面白かった乙
面白かった乙
13: 名無し訓練兵 2015/05/07(木) 19:23:50 ID:GYnh87Qg0
おいジャンwww
見る意味違うしwwww
見る意味違うしwwww
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6888/1427299574/l50
Entry ⇒ 2018.02.17 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ハンジ「赤い悪魔がやってきたぜ」
1: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:36:19 ID:W7uVMkok0
*リヴァイ×ハンジです。微エロ有。苦手な方はご注意。
*生理ネタです。苦手な方はご注意。
*生理ネタです。苦手な方はご注意。
2: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:36:51 ID:W7uVMkok0
とある会議の日。
会議が終わってからハンジはエルヴィンに伝えた。
ハンジ「エルヴィン、またいつものなんだけど、明日、休暇願いを出してもいいかな?」
エルヴィン「ああ、いいよ。ゆっくり休みなさい」
ハンジ「ううう……毎回、ごめんね」
エルヴィン「仕方がないさ。こればっかりはね。ハンジの場合、特に酷いのは知っている」
ハンジ「本当、面倒臭くてごめんね」
リヴァイ「………?」
リヴァイ「ハンジ、明日は休むのか」
ハンジ「あーうん。ごめんね。明日は1日だけ休ませて貰うよ」
リヴァイ「何か私用か?」
ハンジ「まーある意味ではそうだね。じゃあね」
そしてハンジが先に会議室を出て行った。
その後姿を目で追いながらリヴァイは思った。
3: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:37:52 ID:W7uVMkok0
リヴァイ「顔色が悪かったな。大丈夫か? あいつ」
ミケ「リヴァイ、察しろ」
エルヴィン「女性特有のアレだよ。ハンジの場合は特に酷いんだ」
リヴァイ「女性特有? ……………ああ」
リヴァイはようやく思い当たって手をポンと叩く。
リヴァイ「もしかしてアレか。月の物か」
エルヴィン「そうそう」
ミケ「ハンジだけって話でもないけどな。他の女性兵士も、不安定らしいが」
エルヴィン「仕方がないよ。こればっかりは。鎮痛剤で誤魔化すのにも限度があるそうだし」
リヴァイ「………ふむ」
エルヴィン「特にハンジの場合は不規則な生活と、ストレスのかかる仕事を担っているせいもあるだろう。こういう時くらいは休ませてあげないと」
ミケ「それもそうだな」
リヴァイ「そうか」
エルヴィン「明日のハンジの分の仕事は私が片付けるから大丈夫だ。じゃあ、解散」
そして男3人はそれぞれの自室に帰って行った。
ミケ「リヴァイ、察しろ」
エルヴィン「女性特有のアレだよ。ハンジの場合は特に酷いんだ」
リヴァイ「女性特有? ……………ああ」
リヴァイはようやく思い当たって手をポンと叩く。
リヴァイ「もしかしてアレか。月の物か」
エルヴィン「そうそう」
ミケ「ハンジだけって話でもないけどな。他の女性兵士も、不安定らしいが」
エルヴィン「仕方がないよ。こればっかりは。鎮痛剤で誤魔化すのにも限度があるそうだし」
リヴァイ「………ふむ」
エルヴィン「特にハンジの場合は不規則な生活と、ストレスのかかる仕事を担っているせいもあるだろう。こういう時くらいは休ませてあげないと」
ミケ「それもそうだな」
リヴァイ「そうか」
エルヴィン「明日のハンジの分の仕事は私が片付けるから大丈夫だ。じゃあ、解散」
そして男3人はそれぞれの自室に帰って行った。
4: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:38:45 ID:W7uVMkok0
翌日。ハンジの部屋にて。
ベッドに潜り込んで毒つくハンジだった。
ハンジ(3カ月ぶりにきたかと思ったら、またコレだよ)
ハンジ(鎮痛剤、許容量ギリギリまで飲んでも焼け石に水って感じだ……)
ハンジ(コレが来る度に、女のあそこを手術で取り出せないかなって思うよ)
ハンジ(手術費用がないから諦めるけどさ)
ハンジ(あー男に生まれたかった。女って本当、面倒臭い…………)
コンコン♪
ハンジ「はあい。誰ー? モブリットー?」
リヴァイ「いや、俺だ」
ハンジ「あらら。リヴァイ? 何か急な仕事かな? (ごそごそ)」
リヴァイ「いや、起きなくていい。寝てろ。渡したい物をドアの外にかけておく」
5: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:39:24 ID:W7uVMkok0
ハンジ「え? 何?」
リヴァイ「その、なんだ。そういう痛みの時に効くらしい飲み物を買ってきた。気が向いたら飲め」
ハンジ「え? そうなの? だったら部屋に持って来てよ。鍵開いているしさ」
リヴァイ「なら入るぞ」
ガチャリ。
リヴァイ「豆乳、と呼ばれる豆の飲み物だ。即効性はないそうだが、飲み続けると徐々に痛みが緩和される事があると聞いた。とりあえず、今日から試してみろ」
ハンジ「おおおお……ありがとう。まさかリヴァイがそんな気遣いをしてくれるとは」
リヴァイ「体を冷やすと痛みが酷くなるそうだから、しっかり温めて寝ろよ」
ハンジ「うん。ありがとう」
リヴァイ「じゃあな」
ハンジ「うん。またね~」
バタン……。
ハンジ「豆乳って、結構値段するのにな。有難いけど、勿体ない気もするよ」
ハンジ「でもそうだね。改善出来るならしたいし、試しに飲んでみるか」
ハンジ(チュー)
リヴァイ「その、なんだ。そういう痛みの時に効くらしい飲み物を買ってきた。気が向いたら飲め」
ハンジ「え? そうなの? だったら部屋に持って来てよ。鍵開いているしさ」
リヴァイ「なら入るぞ」
ガチャリ。
リヴァイ「豆乳、と呼ばれる豆の飲み物だ。即効性はないそうだが、飲み続けると徐々に痛みが緩和される事があると聞いた。とりあえず、今日から試してみろ」
ハンジ「おおおお……ありがとう。まさかリヴァイがそんな気遣いをしてくれるとは」
リヴァイ「体を冷やすと痛みが酷くなるそうだから、しっかり温めて寝ろよ」
ハンジ「うん。ありがとう」
リヴァイ「じゃあな」
ハンジ「うん。またね~」
バタン……。
ハンジ「豆乳って、結構値段するのにな。有難いけど、勿体ない気もするよ」
ハンジ「でもそうだね。改善出来るならしたいし、試しに飲んでみるか」
ハンジ(チュー)
6: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:40:13 ID:W7uVMkok0
ハンジ「クソまっず!!!!」
ハンジ「えええええ……何コレ。変な味! こんなの毎日、飲めないよ……」
ハンジ「砂糖を足さないと飲むのは無理だわ。えい(サラサラ)」
ハンジ(チュー)
ハンジ「それでもまずいかな。さっきより飲めなくはないけど」
ハンジ「はー。少しは効果がありますように!」
そしてまた3か月後。
ハンジ「ううう……また赤い悪魔がやってきたぜ」
ハンジ「リヴァイから貰った豆乳を毎日飲んでいるけど、効果はあまりないみたいだ」
ハンジ「仕方がない。エルヴィンに今月も1日だけ、休暇を貰おう」
休暇を貰ったハンジが自室のベッドで痛みと格闘していると……。
ハンジ「えええええ……何コレ。変な味! こんなの毎日、飲めないよ……」
ハンジ「砂糖を足さないと飲むのは無理だわ。えい(サラサラ)」
ハンジ(チュー)
ハンジ「それでもまずいかな。さっきより飲めなくはないけど」
ハンジ「はー。少しは効果がありますように!」
そしてまた3か月後。
ハンジ「ううう……また赤い悪魔がやってきたぜ」
ハンジ「リヴァイから貰った豆乳を毎日飲んでいるけど、効果はあまりないみたいだ」
ハンジ「仕方がない。エルヴィンに今月も1日だけ、休暇を貰おう」
休暇を貰ったハンジが自室のベッドで痛みと格闘していると……。
7: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:41:08 ID:W7uVMkok0
コンコン♪
ハンジ「はあい。どなたー?」
リヴァイ「俺だ。また痛むのか?」
ハンジ「うーん。まあ、いつもの事だけどね。鎮痛剤で誤魔化しているけど、辛いかな」
リヴァイ「そうか……」
ハンジ「あ、部屋に入っていいよ。鍵は開いているから」
ガチャリ。
リヴァイ(眉間に皺を寄せている)
ハンジ「そんな顔、しないでよ。仕事が滞るのが嫌なのは分かるけどさ」
リヴァイ「いや、別にそういう意味じゃねえけど」
ハンジ「一番いいのは手術して取っちゃう事だろうけど。そんな大金は持ち合わせてないから。諦めるしかないよ。こればっかりは」
リヴァイ「……………」
リヴァイがハンジのベッドに座りました。
ハンジ「何? 何でこっち睨んでいるの?」
リヴァイ「普通、月の物ってひと月に1度じゃねえのか? 何でお前、3か月に1回なんだよ」
ハンジ「はあい。どなたー?」
リヴァイ「俺だ。また痛むのか?」
ハンジ「うーん。まあ、いつもの事だけどね。鎮痛剤で誤魔化しているけど、辛いかな」
リヴァイ「そうか……」
ハンジ「あ、部屋に入っていいよ。鍵は開いているから」
ガチャリ。
リヴァイ(眉間に皺を寄せている)
ハンジ「そんな顔、しないでよ。仕事が滞るのが嫌なのは分かるけどさ」
リヴァイ「いや、別にそういう意味じゃねえけど」
ハンジ「一番いいのは手術して取っちゃう事だろうけど。そんな大金は持ち合わせてないから。諦めるしかないよ。こればっかりは」
リヴァイ「……………」
リヴァイがハンジのベッドに座りました。
ハンジ「何? 何でこっち睨んでいるの?」
リヴァイ「普通、月の物ってひと月に1度じゃねえのか? 何でお前、3か月に1回なんだよ」
8: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:41:57 ID:W7uVMkok0
ハンジ「ああ、サイクルが人より遠いだけだよ。だからその分、まとめてやってくる感じだから、来ると毎回重いんだ」
本当はリヴァイと話すだけでも辛い状態だったが、ハンジは続けた。
ハンジ「ごめんね。私が男だったら良かったんだけど。うっかり女として生まれたせいで、仕事を止めちゃって……」
リヴァイ「ハンジ」
そこで、リヴァイはハンジを遮るように言った。
リヴァイ「俺もあれから少し調べてみたんだが、そういうのを改善するのに一番いい方法があると人から聞いたぞ」
ハンジ「え? 豆乳よりももっといい方法があったの?」
リヴァイ「ああ。ある。ただそれを試すには、その…………」
リヴァイが一度、口を手で隠して悩んだ。
ハンジ「ん? 何で言いよどむの?」
リヴァイ「ハンジ、お前はその痛みから解放されたいんだよな?」
ハンジ「そりゃあ勿論だよ!! コレさえなければ、もっと仕事がバリバリ出来るのに!!」
リヴァイ「そうか。だったら、俺が今からすることに文句言うなよ」
ハンジ「ん? ……?」
そしてリヴァイはハンジのベッドに中にするりと潜り込んだ。
本当はリヴァイと話すだけでも辛い状態だったが、ハンジは続けた。
ハンジ「ごめんね。私が男だったら良かったんだけど。うっかり女として生まれたせいで、仕事を止めちゃって……」
リヴァイ「ハンジ」
そこで、リヴァイはハンジを遮るように言った。
リヴァイ「俺もあれから少し調べてみたんだが、そういうのを改善するのに一番いい方法があると人から聞いたぞ」
ハンジ「え? 豆乳よりももっといい方法があったの?」
リヴァイ「ああ。ある。ただそれを試すには、その…………」
リヴァイが一度、口を手で隠して悩んだ。
ハンジ「ん? 何で言いよどむの?」
リヴァイ「ハンジ、お前はその痛みから解放されたいんだよな?」
ハンジ「そりゃあ勿論だよ!! コレさえなければ、もっと仕事がバリバリ出来るのに!!」
リヴァイ「そうか。だったら、俺が今からすることに文句言うなよ」
ハンジ「ん? ……?」
そしてリヴァイはハンジのベッドに中にするりと潜り込んだ。
9: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:42:51 ID:W7uVMkok0
ハンジ「………え?」
その後、リヴァイに組み敷かれて、ハンジは、口を塞がれる。
塞がれたのは、リヴァイの唇だった。
ハンジ「んーんんん!!!!」
リヴァイの舌がぬるぬる侵入して舌の寝技を決められてしまった。
ハンジ「ん………んー………」
じりじりと柔い快楽が沸きあがって、徐々に抵抗する気力が……。
ハンジ(……って、駄目だから!!)
我に返ってリヴァイの胸を叩いたハンジだった。
抵抗するハンジにリヴァイは一度、キスを止める。
リヴァイ「………なんだ」
ハンジ「ちょい、待ち。意味分からん」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「何でキスした? ショック療法でもする気?」
リヴァイ「違う。キスでホルモンバランスとやらを整えようと思った」
その後、リヴァイに組み敷かれて、ハンジは、口を塞がれる。
塞がれたのは、リヴァイの唇だった。
ハンジ「んーんんん!!!!」
リヴァイの舌がぬるぬる侵入して舌の寝技を決められてしまった。
ハンジ「ん………んー………」
じりじりと柔い快楽が沸きあがって、徐々に抵抗する気力が……。
ハンジ(……って、駄目だから!!)
我に返ってリヴァイの胸を叩いたハンジだった。
抵抗するハンジにリヴァイは一度、キスを止める。
リヴァイ「………なんだ」
ハンジ「ちょい、待ち。意味分からん」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「何でキスした? ショック療法でもする気?」
リヴァイ「違う。キスでホルモンバランスとやらを整えようと思った」
10: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:43:17 ID:W7uVMkok0
ハンジ「え? ホルモンバランスを整える?」
リヴァイ「その手の痛みは、体が冷えたり、ホルモンのバランスが崩れている時に起きると言われているそうだな?」
ハンジ「まあ、そうですね。はい」
リヴァイ「だったら、体を温めて、かつホルモンのバランスを整えるのが1番いいじゃねえか」
ハンジ「…………………」
リヴァイ「という訳で、シテやる。俺が定期的にお前の身体を温めてやる」
ハンジ「それはエッチな意味で?」
リヴァイ「まあ、そうだな。つまりはそういう事だ」
そしてリヴァイの手が再び動き出す。
そこを慌ててハンジが止めた。
ハンジ「ちょっとまてえええええい!!!」
リヴァイ「なんだ? (イラッ)」
ハンジ「まず1点、おかしな点があるよね?」
リヴァイ「どこがおかしい?」
ハンジ「それをリヴァイがする必要性が何処にある?!」
リヴァイ「その手の痛みは、体が冷えたり、ホルモンのバランスが崩れている時に起きると言われているそうだな?」
ハンジ「まあ、そうですね。はい」
リヴァイ「だったら、体を温めて、かつホルモンのバランスを整えるのが1番いいじゃねえか」
ハンジ「…………………」
リヴァイ「という訳で、シテやる。俺が定期的にお前の身体を温めてやる」
ハンジ「それはエッチな意味で?」
リヴァイ「まあ、そうだな。つまりはそういう事だ」
そしてリヴァイの手が再び動き出す。
そこを慌ててハンジが止めた。
ハンジ「ちょっとまてえええええい!!!」
リヴァイ「なんだ? (イラッ)」
ハンジ「まず1点、おかしな点があるよね?」
リヴァイ「どこがおかしい?」
ハンジ「それをリヴァイがする必要性が何処にある?!」
11: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:43:49 ID:W7uVMkok0
リヴァイ「俺じゃ不満か? 贅沢な女だな(さわさわ)」
ハンジ「そういう意味じゃなくて! あ、こらああ! あっ……ああっ!! あん……ああ」
リヴァイの右手は服の上から太ももの内側をなぞっていた。
左手は尻の方に持って行き、丹念に体の固い筋肉を解していく。
ハンジ「待て! 生理中の女を襲うとか、あなたどうかしてますよね?!」
リヴァイ「心外だな。俺はお前の為を思ってやっているのに(さわさわ)」
ハンジ「頼んでないでしょうがああああ! あ……や……」
リヴァイ「大丈夫だ。あそこには触らない。触るのは、こういうところだけだ(さわさわ)」
太もも、尻、そして腹、脇腹、とあちこち触られていくうちに、だんだん、痛みよりも快楽の方が勝っている事に気づいた。
ハンジ(あれ……? 激痛が、和らいだ……?)
気が紛れている自分に気づいた。
リヴァイ「…………少し、痛みが和らいだか?」
ハンジ「あ、うん。なんか、これ、割と悪くないかも?」
リヴァイ「なら続けてもいいよな?」
ハンジ「そういう意味じゃなくて! あ、こらああ! あっ……ああっ!! あん……ああ」
リヴァイの右手は服の上から太ももの内側をなぞっていた。
左手は尻の方に持って行き、丹念に体の固い筋肉を解していく。
ハンジ「待て! 生理中の女を襲うとか、あなたどうかしてますよね?!」
リヴァイ「心外だな。俺はお前の為を思ってやっているのに(さわさわ)」
ハンジ「頼んでないでしょうがああああ! あ……や……」
リヴァイ「大丈夫だ。あそこには触らない。触るのは、こういうところだけだ(さわさわ)」
太もも、尻、そして腹、脇腹、とあちこち触られていくうちに、だんだん、痛みよりも快楽の方が勝っている事に気づいた。
ハンジ(あれ……? 激痛が、和らいだ……?)
気が紛れている自分に気づいた。
リヴァイ「…………少し、痛みが和らいだか?」
ハンジ「あ、うん。なんか、これ、割と悪くないかも?」
リヴァイ「なら続けてもいいよな?」
12: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:44:46 ID:W7uVMkok0
ハンジ「ううーん。いや、でも、あの………リヴァイ、これって、どう考えても、ABCでいうところのBだよね?」
本当はCまで行きたい気持ちを押さえてリヴァイは言った。
リヴァイ「違うな。これはあくまで……そうだ。マッサージだと思えばいい」
ハンジ「こんな念入りでいやらしいマッサージ、聞いた事ないんだけど……あっ!」
其の時、リヴァイの指先がハンジの胸の先端に添えられた。
加えて、また唇を塞いで、リヴァイは目を細める。
リヴァイ「男日照りが続いているせいで痛みが出るっていうなら、やるしかねえだろうが」
ハンジ「なんでそんなに偉そうなの?! いや、私、頼んでないんですけど!?」
リヴァイ「じゃあ頼め。俺にシテ下さいって言えよ」
ハンジ「嫌だよ!! そもそもリヴァイにそこまでして貰う義理もないよ?!」
リヴァイ「ベッドに引き籠って「うーうー」唸っているクソメガネの唸り声が壁越しに聞こえてうるせえのに」
ハンジ「それは私が悪かったけど!! いや、でも、ああ…………!」
服越しに乳首をグリグリ攻撃されてハンジは遂に甲高い嬌声をあげた。
ハンジ「あっ……やっ……それ、やめて……!」
身を捩り、リヴァイから逃げようとするが、当然、逃げられない。
本当はCまで行きたい気持ちを押さえてリヴァイは言った。
リヴァイ「違うな。これはあくまで……そうだ。マッサージだと思えばいい」
ハンジ「こんな念入りでいやらしいマッサージ、聞いた事ないんだけど……あっ!」
其の時、リヴァイの指先がハンジの胸の先端に添えられた。
加えて、また唇を塞いで、リヴァイは目を細める。
リヴァイ「男日照りが続いているせいで痛みが出るっていうなら、やるしかねえだろうが」
ハンジ「なんでそんなに偉そうなの?! いや、私、頼んでないんですけど!?」
リヴァイ「じゃあ頼め。俺にシテ下さいって言えよ」
ハンジ「嫌だよ!! そもそもリヴァイにそこまでして貰う義理もないよ?!」
リヴァイ「ベッドに引き籠って「うーうー」唸っているクソメガネの唸り声が壁越しに聞こえてうるせえのに」
ハンジ「それは私が悪かったけど!! いや、でも、ああ…………!」
服越しに乳首をグリグリ攻撃されてハンジは遂に甲高い嬌声をあげた。
ハンジ「あっ……やっ……それ、やめて……!」
身を捩り、リヴァイから逃げようとするが、当然、逃げられない。
13: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:46:08 ID:W7uVMkok0
リヴァイ「ああ? そんな風には見えねえが? (グリグリグリグリ)」
ハンジ「ああ! ああっ……や……ああ!」
貫くような快楽に引きずり落とされて、本音が、漏れた。
ハンジ「やだあああ! もっと、優しく、シテよ……!」
リヴァイ「…………了解した」
言質を取った。とリヴァイは心の中で笑った。
そして数カ月後。
エルヴィン「そう言えば最近、休暇願いを出してこないね。最近、調子いいのかい?」
ハンジ「あーうん。まあ、そうだね。その………あははははは! (照れ笑い)」
ハンジ「ああ! ああっ……や……ああ!」
貫くような快楽に引きずり落とされて、本音が、漏れた。
ハンジ「やだあああ! もっと、優しく、シテよ……!」
リヴァイ「…………了解した」
言質を取った。とリヴァイは心の中で笑った。
そして数カ月後。
エルヴィン「そう言えば最近、休暇願いを出してこないね。最近、調子いいのかい?」
ハンジ「あーうん。まあ、そうだね。その………あははははは! (照れ笑い)」
14: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:46:49 ID:W7uVMkok0
エルヴィン「ん? 何かあったのか?」
ハンジ「いやーその、リヴァイがね。私の身体を改善する為に、いろいろシテくれるもんだからさ」
エルヴィン「ほぅ………」
ハンジ「おかげで生理不順も治ったみたいでさ。いやあびっくりだね! まさか定期的なエッチが生理痛にも効果があるなんて思いもよらなくて」
エルヴィン「……………………え?」
ハンジ「生理痛に効くからって言われて、毎日キスして貰えるようになってから、痛みが大分緩和されたんだ!」
エルヴィン「………本当に?」
ハンジ「うん。豆乳飲んだ時は効果がなかったのに、キスで治るとは思わなかったよ!」
エルヴィン「いや、そっちじゃなくて」
ハンジ「ん?」
エルヴィン「いや、何でもない。そうか。治ったのなら何よりだ」
そしてエルヴィンはリヴァイを見た。
ハンジ「いやーその、リヴァイがね。私の身体を改善する為に、いろいろシテくれるもんだからさ」
エルヴィン「ほぅ………」
ハンジ「おかげで生理不順も治ったみたいでさ。いやあびっくりだね! まさか定期的なエッチが生理痛にも効果があるなんて思いもよらなくて」
エルヴィン「……………………え?」
ハンジ「生理痛に効くからって言われて、毎日キスして貰えるようになってから、痛みが大分緩和されたんだ!」
エルヴィン「………本当に?」
ハンジ「うん。豆乳飲んだ時は効果がなかったのに、キスで治るとは思わなかったよ!」
エルヴィン「いや、そっちじゃなくて」
ハンジ「ん?」
エルヴィン「いや、何でもない。そうか。治ったのなら何よりだ」
そしてエルヴィンはリヴァイを見た。
15: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:48:00 ID:W7uVMkok0
リヴァイは平然と「何か?」という顔で居る。
ハンジ「うん。だから休暇願いはもう必要ないよ! 今まで面倒をかけたね」
満面の笑みで言われてエルヴィンは思った。
エルヴィン(出産したら完全に生理痛が治ると言われて身籠らないといいが)
エルヴィンがリヴァイをもう一度見ると、
リヴァイ「大丈夫だ。そこまで俺も調子には乗らねえよ」
どうだかな? とつい思ってしまうエルヴィンだった。
ハンジ「赤い悪魔がやってきたぜ」(終わり)
ハンジ「うん。だから休暇願いはもう必要ないよ! 今まで面倒をかけたね」
満面の笑みで言われてエルヴィンは思った。
エルヴィン(出産したら完全に生理痛が治ると言われて身籠らないといいが)
エルヴィンがリヴァイをもう一度見ると、
リヴァイ「大丈夫だ。そこまで俺も調子には乗らねえよ」
どうだかな? とつい思ってしまうエルヴィンだった。
ハンジ「赤い悪魔がやってきたぜ」(終わり)
16: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 03:49:54 ID:W7uVMkok0
ちなみに砂糖は身体を冷やすので取り過ぎに注意。
豆乳自体は、長期間飲むと効果が出てくるそうです。
短いリヴァハンが思い浮かんだので書いてみた。
リヴァイがハンジを解したシーンの続きは各自で補完して下さい。
豆乳自体は、長期間飲むと効果が出てくるそうです。
短いリヴァハンが思い浮かんだので書いてみた。
リヴァイがハンジを解したシーンの続きは各自で補完して下さい。
17: 名無し訓練兵 2015/04/27(月) 12:17:55 ID:.a1V6dR60
大豆のイソフラボンだね。けど取り過ぎは逆に良くないのでコップ一杯までにしてくださいね。
豆乳には無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料とありますが詳しく知りたい人はググってくださいよ。
豆乳には無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料とありますが詳しく知りたい人はググってくださいよ。
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6888/1430073379/l50
Entry ⇒ 2018.02.10 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ハンジ「抱かれたい男ナンバー2!」
1: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:04:09 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「抱かれたい男ナンバー1?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1410371898/
のハンジ視点の物語になります。
*リヴァイの視点とクロスさせながら読むと面白いかもしれません。
*「悔いなき選択」の後、調査兵団に残ったリヴァイがその後、ハンジと少しずつ仲良くなっていく話がメインです。
*世界観は原作基準で書いていますが、多少自分なりの「解釈」と「捏造」もあります。
*特に「ハンジ」が恐らく開発したと思われる「女型の巨人を捕えた罠」の製造経緯については完全に「妄想」です。
*原作の記述(7巻参照)を参考にはしていますが、この物語の中ではリヴァイの言葉がヒントになったという設定。
*なのでそこは原作とは別に考えて下さい。すみません。
*展開によってはアダルト表現行きます。いつも通り思いきり行ってもいいかな? いいよね?
*という訳で、リヴァイ×ハンジメインの妄想話を投下します。OK?
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1410371898/
のハンジ視点の物語になります。
*リヴァイの視点とクロスさせながら読むと面白いかもしれません。
*「悔いなき選択」の後、調査兵団に残ったリヴァイがその後、ハンジと少しずつ仲良くなっていく話がメインです。
*世界観は原作基準で書いていますが、多少自分なりの「解釈」と「捏造」もあります。
*特に「ハンジ」が恐らく開発したと思われる「女型の巨人を捕えた罠」の製造経緯については完全に「妄想」です。
*原作の記述(7巻参照)を参考にはしていますが、この物語の中ではリヴァイの言葉がヒントになったという設定。
*なのでそこは原作とは別に考えて下さい。すみません。
*展開によってはアダルト表現行きます。いつも通り思いきり行ってもいいかな? いいよね?
*という訳で、リヴァイ×ハンジメインの妄想話を投下します。OK?
2: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:09:13 ID:.SqfFaVo0
リヴァイが正式に調査兵団に入団して壁外調査に出て、彼が初めて「巨人」を倒す場面を見た時、私は思わず「滾って」しまった。だからついつい、それ以後、私はリヴァイに自分から話かける事が増えたと思う。
一緒に入団してきたイザベルっていう女の子とファーランという男の戦死を経験してからは暫く落ち込んでいたようだったけれど。調査兵団はやる事が多いから、雑務に追われている内に次第にリヴァイの表情も落ち着いてきたように思えた。
彼が調査兵団に在籍するようになってからは確実に「討伐数」が右肩上がりに伸びた。
ダントツの討伐数が認められて、彼が調査兵団の「顔」になるのは必然でもあった。
彼は数年であっという間に「兵士長」の役職を与えられて、今では調査兵団になくてはならない人材に上り詰めた。
それでも、壁外調査を終えて雑務を大体こなした後は、リヴァイは肩を落としたりため息をついている事が多い。
それも、独りで。周りに人がいない事を確認してから落ち込んでいる。
私はそれをこっそり観察して、いつも後ろから彼に話しかける。
ハンジ「こらー! ため息つかない! 陰気を吐き出しちゃダメだよ!」
リヴァイ「………ハンジか」
リヴァイは私より背が低い。160cmしかないから、絡む時に凄く絡みやすい利点がある。
肩を叩いたりする時に丁度いい位置にそれがあるからだ。
だからその時も、とりあえず肩を触った。ポンと叩いた。
ハンジ「人類最強のリヴァイがそんな顔しちゃダメでしょうが。ほら、笑って(ニー)」
リヴァイの唯一の「欠点」は表情が硬いことだと個人的には思っている。
たまには思いっきり笑ったりしてもいいと思うんだけどな。
リヴァイ「ムードメイカーはハンジだけで十分だろうが。ため息くらい、つかせろ」
ハンジ「いやいや、陰気は周りに散らかしたらダメだよ? その影響は意外と周りに伝わるものだからね?」
リヴァイ「………お前の自室の方が余程「陰気」な気がするが?」
ハンジ「ん? 何のことか分かりませんな? 私の自室は快適な空間ですけど?」
リヴァイ「………以前、足を踏み入れた瞬間、黒い空飛ぶ天敵が出迎えたのは記憶に新しいんだが?」
黒い空飛ぶ天敵……ああ、アレの事か!
3: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:11:01 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「ああ……ゴキブリの事か。たまに出るね! まあでも死にはしないよ」
リヴァイ「死にはしないとは思うが、不衛生だろうが。伝染病にかかって死ぬぞ」
ハンジ「免疫ついているから大丈夫だよ! ………多分?」
リヴァイ「死んだら巨人の研究だって続けられないだろうが。たまには布団くらい干せ。自分で出来ないなら「家政婦」を雇ってやって貰う事も出来るだろ」
リヴァイはたまに「お母さん」かってくらい世話を焼いてくれる。
もし「女性」だったら「いい嫁」になれるんだろうな。きっと。
ハンジ「あー……私の給料は全て、巨人に関する事に費やしているし、たまに壁外遠征の費用、足りない時はポケットマネーからも出しているしねえ」
リヴァイ「何だって?」
リヴァイがちょっとぎょっとした顔になった。珍しい。
リヴァイ「自分の給料を戻しているのか?」
ハンジ「だってそうでもしないと、巨人を捕獲する時の道具にかかる費用が捻出出来ない時もあるんだよ。この間も、縄破られてしまったし。安物の縄じゃやっぱり危ないしさ? 値段が張っても、ちゃんとした「装備」をしないといけないって分かったし。そこはケチりたくないんだよね」
リヴァイ「……………」
身銭は削ってもしょうがないよね。エルヴィンもたまに自分の給料から補填しているみたいだしね。内緒だけど。
リヴァイ「エルヴィンに話せば、給料からピンハネしてくれるだろうか」
ハンジ「え?」
リヴァイ「お前だけ、負担を負う話じゃねえだろ。こういう話は。俺の給料も、引いて貰っていい。そういう事であれば、俺はギリギリの生活をやってやろう」
ハンジ「えええ? 悪いよ。リヴァイが一番、危険手当を貰うべき立場なのに?」
リヴァイ「なんだそれは。危険の度合いは皆、平等だろうが。それより、何故それをもっと早く俺にも話さなかった。そういう事であれば、俺も出せるだけの費用は戻してやったのに」
ハンジ「いやーでもーほら、そんな事をし始めると、他の兵士達も「そうしないといけない空気」になるじゃない。そうなったら、いろいろ弊害が出るし……」
リヴァイ「…………」
リヴァイは男前だね。まあ、気持ちは有難いけれど。
彼の行動は調査兵団全体に影響を及ぼすから滅多な事はさせられないんだ。
リヴァイ「エルヴィンに話せば、給料からピンハネしてくれるだろうか」
ハンジ「え?」
リヴァイ「お前だけ、負担を負う話じゃねえだろ。こういう話は。俺の給料も、引いて貰っていい。そういう事であれば、俺はギリギリの生活をやってやろう」
ハンジ「えええ? 悪いよ。リヴァイが一番、危険手当を貰うべき立場なのに?」
リヴァイ「なんだそれは。危険の度合いは皆、平等だろうが。それより、何故それをもっと早く俺にも話さなかった。そういう事であれば、俺も出せるだけの費用は戻してやったのに」
ハンジ「いやーでもーほら、そんな事をし始めると、他の兵士達も「そうしないといけない空気」になるじゃない。そうなったら、いろいろ弊害が出るし……」
リヴァイ「…………」
リヴァイはもうちょっと自分の立場を自覚した方がいいと思う。
何でも表だってやれない事もあるんだよね。面倒臭いけど。
リヴァイ「死にはしないとは思うが、不衛生だろうが。伝染病にかかって死ぬぞ」
ハンジ「免疫ついているから大丈夫だよ! ………多分?」
リヴァイ「死んだら巨人の研究だって続けられないだろうが。たまには布団くらい干せ。自分で出来ないなら「家政婦」を雇ってやって貰う事も出来るだろ」
リヴァイはたまに「お母さん」かってくらい世話を焼いてくれる。
もし「女性」だったら「いい嫁」になれるんだろうな。きっと。
ハンジ「あー……私の給料は全て、巨人に関する事に費やしているし、たまに壁外遠征の費用、足りない時はポケットマネーからも出しているしねえ」
リヴァイ「何だって?」
リヴァイがちょっとぎょっとした顔になった。珍しい。
リヴァイ「自分の給料を戻しているのか?」
ハンジ「だってそうでもしないと、巨人を捕獲する時の道具にかかる費用が捻出出来ない時もあるんだよ。この間も、縄破られてしまったし。安物の縄じゃやっぱり危ないしさ? 値段が張っても、ちゃんとした「装備」をしないといけないって分かったし。そこはケチりたくないんだよね」
リヴァイ「……………」
身銭は削ってもしょうがないよね。エルヴィンもたまに自分の給料から補填しているみたいだしね。内緒だけど。
リヴァイ「エルヴィンに話せば、給料からピンハネしてくれるだろうか」
ハンジ「え?」
リヴァイ「お前だけ、負担を負う話じゃねえだろ。こういう話は。俺の給料も、引いて貰っていい。そういう事であれば、俺はギリギリの生活をやってやろう」
ハンジ「えええ? 悪いよ。リヴァイが一番、危険手当を貰うべき立場なのに?」
リヴァイ「なんだそれは。危険の度合いは皆、平等だろうが。それより、何故それをもっと早く俺にも話さなかった。そういう事であれば、俺も出せるだけの費用は戻してやったのに」
ハンジ「いやーでもーほら、そんな事をし始めると、他の兵士達も「そうしないといけない空気」になるじゃない。そうなったら、いろいろ弊害が出るし……」
リヴァイ「…………」
リヴァイは男前だね。まあ、気持ちは有難いけれど。
彼の行動は調査兵団全体に影響を及ぼすから滅多な事はさせられないんだ。
リヴァイ「エルヴィンに話せば、給料からピンハネしてくれるだろうか」
ハンジ「え?」
リヴァイ「お前だけ、負担を負う話じゃねえだろ。こういう話は。俺の給料も、引いて貰っていい。そういう事であれば、俺はギリギリの生活をやってやろう」
ハンジ「えええ? 悪いよ。リヴァイが一番、危険手当を貰うべき立場なのに?」
リヴァイ「なんだそれは。危険の度合いは皆、平等だろうが。それより、何故それをもっと早く俺にも話さなかった。そういう事であれば、俺も出せるだけの費用は戻してやったのに」
ハンジ「いやーでもーほら、そんな事をし始めると、他の兵士達も「そうしないといけない空気」になるじゃない。そうなったら、いろいろ弊害が出るし……」
リヴァイ「…………」
リヴァイはもうちょっと自分の立場を自覚した方がいいと思う。
何でも表だってやれない事もあるんだよね。面倒臭いけど。
4: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:12:06 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「特にリヴァイはある意味では「調査兵団のお手本」みたいな存在でしょ? リヴァイがそういう事をし始めると、そうしたくない兵士もそれに習わないといけない空気になるだろうし、それはちょっと違う気がするんだよね」
リヴァイ「うーん………」
集団行動っていうのはそういう細かい部分でも気をつけないといけない。
そういうのが重なってもし「不信感」のような物が出てきたら調査兵団として機能しなくなるからだ。
リヴァイ「隠して給料を戻す事は出来ないのか?」
ハンジ「ダメダメ。あと多分、エルヴィンが了承しないと思うよ。私が給料を戻している件は「ああ、ハンジ分隊長のやりそうな事だな」で済むけどさ。リヴァイがそれやっちゃうと、影響力強いから」
リヴァイ「…………」
ごめんね。リヴァイ。気持ちは凄く嬉しいんだけどね。
リヴァイ「分かった。だったら、俺がハンジに「貢ぐ」形なら大丈夫だろうか?」
ハンジ「え?」
リヴァイ「だから、俺が直接、エルヴィンに給料のピンハネを依頼出来ないのであれば、物品に変換してハンジに直接渡す方がいいだろ。そうすればハンジの負担も少しは減らせる筈だろ?」
ハンジ「それって、巨人の捕獲用の縄とか罠を作る材料費をリヴァイの給料からも出してくれるって事?」
リヴァイ「個人的なプレゼントなら問題ないだろ」
ハンジ「やっほおおおおおおお!!!! 嬉しい!!! 本当にいいの?!」
えええええマジか! そうきたか!
やだ……思わずキュンとしちまったぜい! 乙女なハンジさんが出て来たぞ。
リヴァイ「今度、縄とか買いに行く時は一緒に行くぞ」
ハンジ「ありがとう! リヴァイって太っ腹だね! いや、腹筋は割れているんだけどさ!」
リヴァイ「言いたい事は分かるが、腹筋には触れなくていい」
ついつい、ポンポン触ってしまったら、嫌がられてしまった。
ぷぷぷ。リヴァイの眉間の皺、可愛いwwww
ハンジ「良かったあ……構想はあったけど、材料費の面で諦めた罠とかも結構あったんだよね。資金繰りが見込めるなら、もう少し「いい罠」が作れるかもしれない」
リヴァイ「そうだったのか」
ハンジ「うん……特にこの案とかね。ええっと、見せてあげるね」
兵服の胸ポケットからいつもの小さなノートを取り出してラフスケッチをリヴァイにも見せてあげた。
ハンジ「これとか、これとか。あとこれも! 大がかりだけど、罠が決まれば絶対動けなくする自信があるよ!」
リヴァイ「ふむ……」
プロトタイプの図案もあるけれど、出来れば一番完成させたいのは「特定目標拘束兵器(仮)」の罠についてだった。
この罠はエルヴィンと前々からアイデアを煮詰めていて、その実現に向けて話を進めていたけれど、その開発費すらお金が足りなくて遅々として話が先に進まない状態だった。
だったらせめて模型の試作品だけでも作りたかったから、リヴァイの申し出は本当に有難いと思ったよ。
リヴァイ「だったら試作品を作る必要があるな。今度の休みはいつだったか?」
ハンジ「来週になるね。その日、空けてくれるの?」
リヴァイ「早い方がいいだろ。じゃあその日に2人で材料を下見に行くか」
ハンジ「ありがとう! リヴァイ、本当に大好きだよ!」
と、ついついリヴァイを捕獲しようとしたら、途中で逃げられてしまった。あらら。
ハンジ「あー避けられた! この感謝の気持ちをどう表現すれば?!」
リヴァイ「今、『ありがとう』って言っただろ。それで十分だ」
ハンジ「いやいや、足りないよ! 何かこう、もっと大げさに表現したい!」
リヴァイ「うーん………」
集団行動っていうのはそういう細かい部分でも気をつけないといけない。
そういうのが重なってもし「不信感」のような物が出てきたら調査兵団として機能しなくなるからだ。
リヴァイ「隠して給料を戻す事は出来ないのか?」
ハンジ「ダメダメ。あと多分、エルヴィンが了承しないと思うよ。私が給料を戻している件は「ああ、ハンジ分隊長のやりそうな事だな」で済むけどさ。リヴァイがそれやっちゃうと、影響力強いから」
リヴァイ「…………」
ごめんね。リヴァイ。気持ちは凄く嬉しいんだけどね。
リヴァイ「分かった。だったら、俺がハンジに「貢ぐ」形なら大丈夫だろうか?」
ハンジ「え?」
リヴァイ「だから、俺が直接、エルヴィンに給料のピンハネを依頼出来ないのであれば、物品に変換してハンジに直接渡す方がいいだろ。そうすればハンジの負担も少しは減らせる筈だろ?」
ハンジ「それって、巨人の捕獲用の縄とか罠を作る材料費をリヴァイの給料からも出してくれるって事?」
リヴァイ「個人的なプレゼントなら問題ないだろ」
ハンジ「やっほおおおおおおお!!!! 嬉しい!!! 本当にいいの?!」
えええええマジか! そうきたか!
やだ……思わずキュンとしちまったぜい! 乙女なハンジさんが出て来たぞ。
リヴァイ「今度、縄とか買いに行く時は一緒に行くぞ」
ハンジ「ありがとう! リヴァイって太っ腹だね! いや、腹筋は割れているんだけどさ!」
リヴァイ「言いたい事は分かるが、腹筋には触れなくていい」
ついつい、ポンポン触ってしまったら、嫌がられてしまった。
ぷぷぷ。リヴァイの眉間の皺、可愛いwwww
ハンジ「良かったあ……構想はあったけど、材料費の面で諦めた罠とかも結構あったんだよね。資金繰りが見込めるなら、もう少し「いい罠」が作れるかもしれない」
リヴァイ「そうだったのか」
ハンジ「うん……特にこの案とかね。ええっと、見せてあげるね」
兵服の胸ポケットからいつもの小さなノートを取り出してラフスケッチをリヴァイにも見せてあげた。
ハンジ「これとか、これとか。あとこれも! 大がかりだけど、罠が決まれば絶対動けなくする自信があるよ!」
リヴァイ「ふむ……」
プロトタイプの図案もあるけれど、出来れば一番完成させたいのは「特定目標拘束兵器(仮)」の罠についてだった。
この罠はエルヴィンと前々からアイデアを煮詰めていて、その実現に向けて話を進めていたけれど、その開発費すらお金が足りなくて遅々として話が先に進まない状態だった。
だったらせめて模型の試作品だけでも作りたかったから、リヴァイの申し出は本当に有難いと思ったよ。
リヴァイ「だったら試作品を作る必要があるな。今度の休みはいつだったか?」
ハンジ「来週になるね。その日、空けてくれるの?」
リヴァイ「早い方がいいだろ。じゃあその日に2人で材料を下見に行くか」
ハンジ「ありがとう! リヴァイ、本当に大好きだよ!」
と、ついついリヴァイを捕獲しようとしたら、途中で逃げられてしまった。あらら。
ハンジ「あー避けられた! この感謝の気持ちをどう表現すれば?!」
リヴァイ「今、『ありがとう』って言っただろ。それで十分だ」
ハンジ「いやいや、足りないよ! 何かこう、もっと大げさに表現したい!」
5: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:13:41 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「必要ない。それに俺は、俺に「出来ない」事をやっているハンジにはいつも「感謝」しているからな」
ハンジ「え? そうだったの?」
リヴァイ「ああ。研究の分野では、俺はとてもじゃないが協力出来ないからな。出来るのは肉体労働の方だけだ」
あらそうだったんだ? それは意外だったなあ。
リヴァイ「毎回、食われそうになりながらも捕獲した巨人を観察したり、無茶やっているだろ。俺には真似出来ん。項を削ぎたくなる気持ちを押さえきれる自信がない」
ハンジ「ううーん。まあ、その気持ちは分からなくもないけど。途中で蒸発さえしなければ、私も解剖したいのは山々だけどね」
リヴァイ「だろ? だからいいんだよ。むしろさせてくれ。俺自身は必要最低限、生きられる金さえあればそれでいい」
ハンジ「おおお……相変わらずのイケメンだね。ありがとう。流石3年連続抱かれたい男ナンバー1に選ばれるだけはあるね」
リヴァイ「…………は?」
と、言った直後のリヴァイの顔、本当に可笑しかった。
ポカーン…と、間抜けな顔になったんだよね。肖像画に残しておきたいくらい貴重な表情だった。
ハンジ「あれ? 知らなかったの? 女性兵士、男性兵士の間で密かに流行っているアンケートの件だよ。リヴァイ、3年連続、抱かれたい男ナンバー1に輝いたんだよ。連覇おめでとう!」
リヴァイ「そんなアンケートは初めて聞いたぞ……」
ありゃ? そうだったのか。リヴァイには内緒でやっていたのかな?
ハンジ「え? そうなの? 男性の方もアンケート取ってるって話だったんだけどなあ……リヴァイは票を入れてないの?」
リヴァイ「入れてないし、初耳だ。何だそれは? そんなアンケートを取って何の意味があるんだ」
ハンジ「さあ? 良く分かんない。ただの暇潰し? それとも、誰が1番人気あるかを調査しているだけとか?」
リヴァイ「ハンジもそのアンケートに票を入れたのか?」
ハンジ「いや~それが、該当する男の兵士が思い浮かばなくて入れなかったんだよねえ。ごめんね? リヴァイに1票入れておこうかなとも思ったけど、私が入れなくても勝てそうな雰囲気だったし、まあいいかと思って辞退したよ」
リヴァイ「入れなくていい。いや、ちょっと待ってくれ。それは俺が調査兵団の中で一番「人気」のある男性の兵士だと思っていい話なのか?」
ハンジ「3年連続だからね! ぶっちぎりの1位だったそうだよ!」
リヴァイ「はー………」
すっごい深いため息だった。なんでそんなに落ち込むんだろ?
リヴァイ「そのアンケートは来年から中止にしろ。やる意味がねえ」
ハンジ「ええ? 兵士達が自主的に行っている物だからそれを中止させる権限なんてないよ。もしあるとすれば、エルヴィンだけじゃない?」
リヴァイ「なら俺から頼みに行く。あいつ、今、自室にいるよな?」
ハンジ「多分……」
リヴァイ「なら今から話してくる。じゃあな、ハンジ」
リヴァイが一人でエルヴィンの部屋に行った。私もこっそり追いかけて部屋の外で待ってみた。
そっかあ。普通はそういうアンケートで1位になれば嬉しいもんだと思うんだけど。
リヴァイは嬉しくないのか。何でだろ?
うーん。まさか、巷で噂になっている「実はエルヴィンと出来ている説」って本当なのかな?
リヴァイって、そういう「女」の影も噂も全くないから、女子の一部では怪しんでいる人もいるんだよね。
あーまじ気になるわあ。真実が知りたい!
ハンジ「え? そうだったの?」
リヴァイ「ああ。研究の分野では、俺はとてもじゃないが協力出来ないからな。出来るのは肉体労働の方だけだ」
あらそうだったんだ? それは意外だったなあ。
リヴァイ「毎回、食われそうになりながらも捕獲した巨人を観察したり、無茶やっているだろ。俺には真似出来ん。項を削ぎたくなる気持ちを押さえきれる自信がない」
ハンジ「ううーん。まあ、その気持ちは分からなくもないけど。途中で蒸発さえしなければ、私も解剖したいのは山々だけどね」
リヴァイ「だろ? だからいいんだよ。むしろさせてくれ。俺自身は必要最低限、生きられる金さえあればそれでいい」
ハンジ「おおお……相変わらずのイケメンだね。ありがとう。流石3年連続抱かれたい男ナンバー1に選ばれるだけはあるね」
リヴァイ「…………は?」
と、言った直後のリヴァイの顔、本当に可笑しかった。
ポカーン…と、間抜けな顔になったんだよね。肖像画に残しておきたいくらい貴重な表情だった。
ハンジ「あれ? 知らなかったの? 女性兵士、男性兵士の間で密かに流行っているアンケートの件だよ。リヴァイ、3年連続、抱かれたい男ナンバー1に輝いたんだよ。連覇おめでとう!」
リヴァイ「そんなアンケートは初めて聞いたぞ……」
ありゃ? そうだったのか。リヴァイには内緒でやっていたのかな?
ハンジ「え? そうなの? 男性の方もアンケート取ってるって話だったんだけどなあ……リヴァイは票を入れてないの?」
リヴァイ「入れてないし、初耳だ。何だそれは? そんなアンケートを取って何の意味があるんだ」
ハンジ「さあ? 良く分かんない。ただの暇潰し? それとも、誰が1番人気あるかを調査しているだけとか?」
リヴァイ「ハンジもそのアンケートに票を入れたのか?」
ハンジ「いや~それが、該当する男の兵士が思い浮かばなくて入れなかったんだよねえ。ごめんね? リヴァイに1票入れておこうかなとも思ったけど、私が入れなくても勝てそうな雰囲気だったし、まあいいかと思って辞退したよ」
リヴァイ「入れなくていい。いや、ちょっと待ってくれ。それは俺が調査兵団の中で一番「人気」のある男性の兵士だと思っていい話なのか?」
ハンジ「3年連続だからね! ぶっちぎりの1位だったそうだよ!」
リヴァイ「はー………」
すっごい深いため息だった。なんでそんなに落ち込むんだろ?
リヴァイ「そのアンケートは来年から中止にしろ。やる意味がねえ」
ハンジ「ええ? 兵士達が自主的に行っている物だからそれを中止させる権限なんてないよ。もしあるとすれば、エルヴィンだけじゃない?」
リヴァイ「なら俺から頼みに行く。あいつ、今、自室にいるよな?」
ハンジ「多分……」
リヴァイ「なら今から話してくる。じゃあな、ハンジ」
リヴァイが一人でエルヴィンの部屋に行った。私もこっそり追いかけて部屋の外で待ってみた。
そっかあ。普通はそういうアンケートで1位になれば嬉しいもんだと思うんだけど。
リヴァイは嬉しくないのか。何でだろ?
うーん。まさか、巷で噂になっている「実はエルヴィンと出来ている説」って本当なのかな?
リヴァイって、そういう「女」の影も噂も全くないから、女子の一部では怪しんでいる人もいるんだよね。
あーまじ気になるわあ。真実が知りたい!
6: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:14:33 ID:.SqfFaVo0
でも聞いたら殴られそうだよね。もしくはブレードで刺されそう。
いや、案外「そうだが?」とか言われたらどうしよう?
肯定されたらちょっと凹むかも。ううーん。リヴァイ、どっちの人なのかな。本当は。
とかいろいろ考えていたら、結構あっさり部屋から出て来た。
ハンジ「やーリヴァイ。どうだった?」
リヴァイ「発案者はピクシス司令だそうだ。文句あるなら直接抗議して来いってさ」
ハンジ「あははは! ピクシス司令が発案なら納得だ! あの人、そういう「色恋沙汰」って凄く好きだよね!」
リヴァイ「全く…その調査が一体何の役に立つんだが分からん」
ハンジ「で? 抗議に行くの?」
リヴァイ「今日は流石にやめておく。いつか折を見て、機会があれば文句の一言くらいは言ってやる」
ハンジ「ん~じゃあ、中止を要請する訳じゃないんだ?」
リヴァイ「まあ、遊びでやっている事だから別にいいんじゃないか? ってのがエルヴィンの見解だったが」
やっぱり嬉しそうじゃない。変なリヴァイだなあ。
ハンジ「何だか嬉しそうじゃないね? ナンバー1に選ばれても嬉しくないんだ」
リヴァイ「当然だ。そんな色恋沙汰に頭を使っている場合じゃねえだろ。俺達調査兵団は、特に」
ハンジ「まあね。それは共感出来るけど。でも……選ばれた事くらいは素直に喜んでいいんじゃないの?」
リヴァイ「何でだ?」
ハンジ「つまり、リヴァイは色男って事でしょ? だったらそれは「喜ぶべき事」じゃないの?」
リヴァイ「ナンバー2の『色男』が何言ってやがるんだか」
ハンジ「あ、バレたの?! あちゃーリヴァイにバレちゃったか」
実は私も「ナンバー2」に選ばれていたんだよね。
ただし、このアンケートは女性の場合は「もしも男性だったら」という「妄想」での投票も可という話だったから、2位になれたんだ。
つまり、私が「もしも男」だったら、抱かれてもいいって話だね。
いやー私、生まれてくる性別を完全に間違えたかもしれないね!
男だったら、今頃両手に花だったのになあ。惜しい事をした!
リヴァイ「お前は嬉しかったのか?」
ハンジ「勿論だよ! 女の子でも好かれるのは嬉しいに決まっているよ」
リヴァイ「そうか。お前は女を「抱く」趣味があったのか。なるほど」
ハンジ「ふーん。『抱きたい女』の方で5位だったリヴァイがそれ言うのー?」
リヴァイ「は?」
また、可笑しい顔になった。ぶふー!
この顔、ミケにも見せてあげたいかも。面白い。
いや、案外「そうだが?」とか言われたらどうしよう?
肯定されたらちょっと凹むかも。ううーん。リヴァイ、どっちの人なのかな。本当は。
とかいろいろ考えていたら、結構あっさり部屋から出て来た。
ハンジ「やーリヴァイ。どうだった?」
リヴァイ「発案者はピクシス司令だそうだ。文句あるなら直接抗議して来いってさ」
ハンジ「あははは! ピクシス司令が発案なら納得だ! あの人、そういう「色恋沙汰」って凄く好きだよね!」
リヴァイ「全く…その調査が一体何の役に立つんだが分からん」
ハンジ「で? 抗議に行くの?」
リヴァイ「今日は流石にやめておく。いつか折を見て、機会があれば文句の一言くらいは言ってやる」
ハンジ「ん~じゃあ、中止を要請する訳じゃないんだ?」
リヴァイ「まあ、遊びでやっている事だから別にいいんじゃないか? ってのがエルヴィンの見解だったが」
やっぱり嬉しそうじゃない。変なリヴァイだなあ。
ハンジ「何だか嬉しそうじゃないね? ナンバー1に選ばれても嬉しくないんだ」
リヴァイ「当然だ。そんな色恋沙汰に頭を使っている場合じゃねえだろ。俺達調査兵団は、特に」
ハンジ「まあね。それは共感出来るけど。でも……選ばれた事くらいは素直に喜んでいいんじゃないの?」
リヴァイ「何でだ?」
ハンジ「つまり、リヴァイは色男って事でしょ? だったらそれは「喜ぶべき事」じゃないの?」
リヴァイ「ナンバー2の『色男』が何言ってやがるんだか」
ハンジ「あ、バレたの?! あちゃーリヴァイにバレちゃったか」
実は私も「ナンバー2」に選ばれていたんだよね。
ただし、このアンケートは女性の場合は「もしも男性だったら」という「妄想」での投票も可という話だったから、2位になれたんだ。
つまり、私が「もしも男」だったら、抱かれてもいいって話だね。
いやー私、生まれてくる性別を完全に間違えたかもしれないね!
男だったら、今頃両手に花だったのになあ。惜しい事をした!
リヴァイ「お前は嬉しかったのか?」
ハンジ「勿論だよ! 女の子でも好かれるのは嬉しいに決まっているよ」
リヴァイ「そうか。お前は女を「抱く」趣味があったのか。なるほど」
ハンジ「ふーん。『抱きたい女』の方で5位だったリヴァイがそれ言うのー?」
リヴァイ「は?」
また、可笑しい顔になった。ぶふー!
この顔、ミケにも見せてあげたいかも。面白い。
7: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:15:46 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「ちょっと待て。その情報は初耳だぞ」
ハンジ「正しくは『嫁にしたい女』に近いみたいだけどね? リヴァイに家事を丸投げしたい願望の男達がちらほらいるようですけど?」
つまり、この場合も男性が「もしも女性」だったらって話だね。
リヴァイが「女」だった場合の得票数が入って5位にまで食い込んだって事だよ。
リヴァイ「…………こうなったら再教育してやる必要性があるようだな(ボキボキ)」
リヴァイがキレている様子がおかし過ぎて吹いちゃった。
ハンジ「あはは! あんまり家事方面で優秀なところを人に見せない方がいいって! 余計に「ムラムラ」されちゃうかもしれないよ?」
リヴァイ「そ、そうか?」
ハンジ「うん。今回のアンケートって完全に「洒落」だからさ。皆、本気で投票している訳じゃないと思うよ? だからあんまり気にしちゃダメだよ」
リヴァイ「…………」
だって「妄想」の票も「OK」なんだしね? 完全に皆、面白がって票を入れていたしなあ。
リヴァイ「そうか。遊びならあまりツッコミを入れるのも野暮なのかもしれんな」
ハンジ「そうそう。大人なんだから、その辺は寛容にならないと。ね?」
リヴァイ「そうだな。もう三十路を過ぎてしまったしな。小さい事でカッカするのは止めよう」
ハンジ「あらそうだったの? いつの間に。三十路おめでとう!」
全くそうは見えないね! 二十代でも十分通じるよ。リヴァイの外見は。
リヴァイ「この年になっても生きていられた事には感謝しねえとな」
ハンジ「そうだよね。うん。確かにその通りだよ。誕生日、いつだったけ?」
リヴァイ「12月25日だ」
ハンジ「じゃあ、誕生日プレゼント、大分遅れてしまったけど後であげるよ。巨人の絵とかどう?」
リヴァイ「破りたくなるから止めてくれ」
ハンジ「ええ……ダメかあ。じゃあ、巨人に関するレポートをまとめた本とか?」
リヴァイ「それはハンジが貰って嬉しい物だろうが」
ハンジ「てへ☆ そう言えばそうでしたね? じゃあ箒とかでいい? 小さい奴。机の上をはくタイプの」
リヴァイ「それで十分だ。ありがとう」
ハンジ「どういたしまして! じゃあ、今度の休みに一緒についでに買おうか」
リヴァイ「そうするか」
そして来週の約束をリヴァイと取り付けてそこで別れたんだ。
ハンジ「正しくは『嫁にしたい女』に近いみたいだけどね? リヴァイに家事を丸投げしたい願望の男達がちらほらいるようですけど?」
つまり、この場合も男性が「もしも女性」だったらって話だね。
リヴァイが「女」だった場合の得票数が入って5位にまで食い込んだって事だよ。
リヴァイ「…………こうなったら再教育してやる必要性があるようだな(ボキボキ)」
リヴァイがキレている様子がおかし過ぎて吹いちゃった。
ハンジ「あはは! あんまり家事方面で優秀なところを人に見せない方がいいって! 余計に「ムラムラ」されちゃうかもしれないよ?」
リヴァイ「そ、そうか?」
ハンジ「うん。今回のアンケートって完全に「洒落」だからさ。皆、本気で投票している訳じゃないと思うよ? だからあんまり気にしちゃダメだよ」
リヴァイ「…………」
だって「妄想」の票も「OK」なんだしね? 完全に皆、面白がって票を入れていたしなあ。
リヴァイ「そうか。遊びならあまりツッコミを入れるのも野暮なのかもしれんな」
ハンジ「そうそう。大人なんだから、その辺は寛容にならないと。ね?」
リヴァイ「そうだな。もう三十路を過ぎてしまったしな。小さい事でカッカするのは止めよう」
ハンジ「あらそうだったの? いつの間に。三十路おめでとう!」
全くそうは見えないね! 二十代でも十分通じるよ。リヴァイの外見は。
リヴァイ「この年になっても生きていられた事には感謝しねえとな」
ハンジ「そうだよね。うん。確かにその通りだよ。誕生日、いつだったけ?」
リヴァイ「12月25日だ」
ハンジ「じゃあ、誕生日プレゼント、大分遅れてしまったけど後であげるよ。巨人の絵とかどう?」
リヴァイ「破りたくなるから止めてくれ」
ハンジ「ええ……ダメかあ。じゃあ、巨人に関するレポートをまとめた本とか?」
リヴァイ「それはハンジが貰って嬉しい物だろうが」
ハンジ「てへ☆ そう言えばそうでしたね? じゃあ箒とかでいい? 小さい奴。机の上をはくタイプの」
リヴァイ「それで十分だ。ありがとう」
ハンジ「どういたしまして! じゃあ、今度の休みに一緒についでに買おうか」
リヴァイ「そうするか」
そして来週の約束をリヴァイと取り付けてそこで別れたんだ。
8: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:16:27 ID:.SqfFaVo0
休日にリヴァイとトロスト区で買い物をする事になった。
先にリヴァイの「卓上用の小さい箒」を買った後、リヴァイと私は材料の下見をしにいった。
一応、模型用の材料はこの時に一通り揃えたけど、本番用の部品も一緒に見ておきたかったんだ。
でもなかなかいい部品が見つからない。大きすぎたり、重すぎたりで、「これだ!」と思える物がなかった。
ハンジ「ん~~~~見つからないなあ。理想的な「部品」が見つからない!」
リヴァイ「どういう物が欲しいんだ?」
ハンジ「針のように刺せるけど、かつ食い込んで逃さないような「先端」が欲しい」
リヴァイ「アンカーの先みたいな感じか?」
ハンジ「アンカーの場合は「手動」でやる訳でしょ? これの場合は「刺した直後」に作動する機能を持たせたいんだけど」
リヴァイ「ふむ」
ハンジ「構想としては、今までの「捕獲」より更に「進化」させたいと思っているんだよね」
今までは「網」を利用した捕獲作戦が大部分だったけど。
今回の捕獲は恐らく「大物」になる事を想定して造らないといけないんだ。
だから網の場合、その機動力によっては「逃げられる」可能性が高い。
瞬発的に仕掛けられる「罠」を構築しないと、ダメなんだと思うんだ。
ハンジ「かゆいところがあっても掻けないような……傷を塞げば塞ぐほど、関節がより強固に固まっていくような仕組みを造れれば、もっと「楽」に巨人を捕獲出来そうな気がするんだけどなあ」
リヴァイ「ふむ。構想はあるが「部品」がないような状態か」
ハンジ「今のところはそうだね。出来れば「特注」したいけれど、それをする「予算」は流石にないし、まずは「それに近い」物を試作品で作ってみない事には先には進めないし……」
リヴァイ「難しい問題だな」
ハンジ「まあね。でも捕獲用の罠の精度が上がれば、今までよりもっと犠牲者を出さないで研究を進められる筈だよ」
今日のところはここまででいいや。本番用の部品はまた今度、別の店を見てみよう。
ハンジ「私は絶対それを「造って」みせるよ。その為なら、私の給料を全額注ぎ込んでもいい」
リヴァイ「待て。それをやったら流石に餓死するから止めろ」
ハンジ「あ、それもそうか。ごめん……はあ。お金持ちのパパを騙して資金繰りしようかなって思った事もあったけど、私程度の貧乳の女じゃ無理だよね」
まあ、まず無理だと言うのは分かってはいますがね。
でも次の瞬間、リヴァイが私のお尻を容赦なく蹴って来たからすげえびっくりした!!!
9: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:17:21 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「痛い! いきなり何するの?!」
そしてその時の顔は凄く怖かった。こんなに「怖い」と思ったリヴァイの顔は初めて見たかもしれない。
リヴァイ「そんな真似してみろ。俺はお前の項を削いでやるぞ」
ハンジ「私、巨人じゃないよ?! 何で怒ってるの?!」
リヴァイ「お前は優秀な「兵士」だ。お前が欠けたら、それだけ調査兵団の「戦力」が失われるんだぞ」
ハンジ「え? え? え?」
リヴァイ「これだけ言ってもまだ分からんか。もし万が一、子供を腹に孕んで動けなくなったらその間、戦えなくなるだろうが」
ハンジ「あ………そう言えばそうでしたね」
リヴァイ「女を武器にする事を考えた癖に何でそっちを思い浮かばない。お前がもし、誰かと結婚して兵士を引退するっていうなら話は別だがな。そういう下らない理由で腹を膨らませたら承知しねえからな」
そっか。心配してくれたんだね。言っていい事じゃなかった。
ごめんね。リヴァイ。ありがとう。叱ってくれて。
ハンジ「ごめん。冗談でも言っていい事じゃなかったね。うん……」
リヴァイ「分かればいい。それに資金繰りの件ならエルヴィンが何とか今のところ、やりくりはしているだろう。俺も出来る限りの事は協力してやるし、そう焦り過ぎるな」
ハンジ「そうだね。私、焦っていたのかもしれない」
と、言って私は尻についた砂をパンパンはたいた。
ハンジ「うん。なんかこう、うまくいかない事が重なるとついつい、焦るよね」
リヴァイ「気持ちは分からなくはないがな」
ハンジ「ごめんね。リヴァイ、ありがとう」
その日は新しい部品を買うのは諦めて、手芸店の方へ移動した。
リヴァイがツギハギ用の布を見てちょっと興奮している様子が見えて笑えたけど、私は「針」の方を吟味していた。
イメージしていたのだ。私の「構想」の形を。
ハンジ「多分、構想的にはコレだと思うんだけどねえ」
リヴァイ「どういう意味だ?」
ハンジ「いや、だから「針」を「巨人」に刺して捕獲したいんだけどね。傷が回復する筋肉の繊維に「針」を引っかけることが出来たらなあって思っているんだけど」
リヴァイ「ふむ………」
ハンジ「つまり巨人の「驚異的な回復力」を「逆手」にとって捕獲したい訳なのよ。でも、すっぽ抜けたらダメだしね。どう「発想」を「飛躍」したら「答え」に辿り着けるのか」
発想の逆転だね。回復力を逆手に取りたいんだ。つまりは。
リヴァイ「恐らく、初めて「立体機動装置」を作った奴も今のハンジと同じようにいろいろ悩んだんじゃないのか?」
確かに。リヴァイのいう事は一理あると思った。
ハンジ「そうだろうね。完成品に行き着くまでにどれだけの「失敗」を重ねて来たんだろうね。今の私達にとって、発明した人にはその努力に感謝しか出来ないよ」
立体機動装置に比べたら、恐らく私の考えている「罠」は大した発明じゃないんだ。
この形に「決定」するまでどれだけの「失敗」を重ねてきたのかと思うと頭が下がるよ。
ハンジ「うん。きっと「必要」は「発明」の母っていうから、その時代にもそれを「必要」に迫られたに違いないよ。人類は巨人に屈しない。その意志を私達は引き継がないといけないよね」
リヴァイ「……そうだな」
そして私はリヴァイとの買い物を終わらせて兵舎に帰る事にしたのだった。
そしてその時の顔は凄く怖かった。こんなに「怖い」と思ったリヴァイの顔は初めて見たかもしれない。
リヴァイ「そんな真似してみろ。俺はお前の項を削いでやるぞ」
ハンジ「私、巨人じゃないよ?! 何で怒ってるの?!」
リヴァイ「お前は優秀な「兵士」だ。お前が欠けたら、それだけ調査兵団の「戦力」が失われるんだぞ」
ハンジ「え? え? え?」
リヴァイ「これだけ言ってもまだ分からんか。もし万が一、子供を腹に孕んで動けなくなったらその間、戦えなくなるだろうが」
ハンジ「あ………そう言えばそうでしたね」
リヴァイ「女を武器にする事を考えた癖に何でそっちを思い浮かばない。お前がもし、誰かと結婚して兵士を引退するっていうなら話は別だがな。そういう下らない理由で腹を膨らませたら承知しねえからな」
そっか。心配してくれたんだね。言っていい事じゃなかった。
ごめんね。リヴァイ。ありがとう。叱ってくれて。
ハンジ「ごめん。冗談でも言っていい事じゃなかったね。うん……」
リヴァイ「分かればいい。それに資金繰りの件ならエルヴィンが何とか今のところ、やりくりはしているだろう。俺も出来る限りの事は協力してやるし、そう焦り過ぎるな」
ハンジ「そうだね。私、焦っていたのかもしれない」
と、言って私は尻についた砂をパンパンはたいた。
ハンジ「うん。なんかこう、うまくいかない事が重なるとついつい、焦るよね」
リヴァイ「気持ちは分からなくはないがな」
ハンジ「ごめんね。リヴァイ、ありがとう」
その日は新しい部品を買うのは諦めて、手芸店の方へ移動した。
リヴァイがツギハギ用の布を見てちょっと興奮している様子が見えて笑えたけど、私は「針」の方を吟味していた。
イメージしていたのだ。私の「構想」の形を。
ハンジ「多分、構想的にはコレだと思うんだけどねえ」
リヴァイ「どういう意味だ?」
ハンジ「いや、だから「針」を「巨人」に刺して捕獲したいんだけどね。傷が回復する筋肉の繊維に「針」を引っかけることが出来たらなあって思っているんだけど」
リヴァイ「ふむ………」
ハンジ「つまり巨人の「驚異的な回復力」を「逆手」にとって捕獲したい訳なのよ。でも、すっぽ抜けたらダメだしね。どう「発想」を「飛躍」したら「答え」に辿り着けるのか」
発想の逆転だね。回復力を逆手に取りたいんだ。つまりは。
リヴァイ「恐らく、初めて「立体機動装置」を作った奴も今のハンジと同じようにいろいろ悩んだんじゃないのか?」
確かに。リヴァイのいう事は一理あると思った。
ハンジ「そうだろうね。完成品に行き着くまでにどれだけの「失敗」を重ねて来たんだろうね。今の私達にとって、発明した人にはその努力に感謝しか出来ないよ」
立体機動装置に比べたら、恐らく私の考えている「罠」は大した発明じゃないんだ。
この形に「決定」するまでどれだけの「失敗」を重ねてきたのかと思うと頭が下がるよ。
ハンジ「うん。きっと「必要」は「発明」の母っていうから、その時代にもそれを「必要」に迫られたに違いないよ。人類は巨人に屈しない。その意志を私達は引き継がないといけないよね」
リヴァイ「……そうだな」
そして私はリヴァイとの買い物を終わらせて兵舎に帰る事にしたのだった。
10: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:18:09 ID:.SqfFaVo0
壁の中に居る間、調査兵団は駐屯兵と協力して壁の整備をしたり、お手伝いをしたり、演習を行ったりする。
私の場合は個人的に任されている「仕事」も多いので、そっちを優先する事の方が多いけれど、体がなまるといけないので、演習の方は必ず顔を出していた。
リヴァイの演習の様子を遠目で観察するけれど、いつも思う。あいつの動きは芸術の域に達していると。
猫みたいな動きをするんだよね。空中で。野生の動物のそれに近いような。
くるくる! と回転したり、しゃーっと走ったり。
その様子を他の新人女性の兵士がぽーっとした目線で見つめているんだけど。
リヴァイ、気づいていないのかな? まあ、気づいていても放置しているのかもしれないけど。
ある意味、人類最強の二つ名は妥当だとも思う。人間離れしているからね。
一体、どういう筋肉のつき方をすればあそこまで俊敏に動けるんだろうね?
巨人より早いからね。動きが。奇行種も動きは速いけれど。
もしも立体機動装置が「ガス欠」という「弱点」を完全になくしてしまえたら、きっとリヴァイは一週間ほどで巨人を絶滅させる事が出来るんじゃね? とたまに思う事もある。
と、そこまで考えて私はある事を閃いた。
巨人を直接「触る」事は出来ないけど、リヴァイは触れるよね。
あいつの筋肉のつき方、参考にすれば、巨人を仕留めるのにも役に立つかも?
厳密に言えば「同じ」ではない。でも恐らく、人類の中で「もっとも」「理想的」な筋肉を持っているのは「リヴァイ」だ。
ちょっとだけ触ってみたいなあ。ダメかな? 研究の為だし。
と、考えて、それをしている自分を想像したらただのセクハラ親父に思えた。
ハンジ「やっぱりダメか。やめておこう」
変態が! とリヴァイに罵られるかもしれない。うん。興味はあるけど。やめておこう。
と、考えた其の時、あいつ、汗掻き過ぎたのか、1回自分の上服を全部脱いで、服を絞ったんだ。
汗、凄かった。そしてタオルで上だけ拭いて、また服を着なおしている。
あいつ、そういうところマメだよね。気持ち悪いとすぐ1回服を脱いじゃうし。
その様子を遠目で見つめて顔を赤くする女性兵士がいる。目のやり場に困っているのかな。
まあ、私はガン見しましたけどね! あざーっす! って感じでね。
11: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:19:48 ID:.SqfFaVo0
あーやっぱり実際に触ってみたいなあ。あの体、本当にどうなっているんだろ。
だからつい、「1回だけダメ元で打診してみるか」と思い直して夜、リヴァイの部屋に訪れてみたんだ。
ハンジ「今、ちょっといいー? リヴァイ、起きているかな?」
リヴァイ「今、寝るところだったんだが?」
ハンジ「10分でイイから付き合って欲しいんだけど」
リヴァイ「10分で済んだ試しがないから断る」
ハンジ「そう言わず。お願い。ちょっと真面目な話がしたいんだけど?」
ドア越しに話していたら、そろーと顔を出してくれた。
リヴァイ「部屋には入るなよ」
ハンジ「立ち話するような事じゃないんだけど……」
リヴァイ「夜だ。休息を取るのも兵士の仕事のうちだろ。長い話なら明日に回せ」
ハンジ「ううーん……」
こんな話、他の関係ない人には聞かせられないよね。
リヴァイ「どうしたんだ? 何をまた悩んでいるんだ」
ハンジ「いやね? 自分でも無茶振りだとは思うんだけどさ」
リヴァイ「じゃあ断る」
ハンジ「いや、せめて聞いてから断って! その……リヴァイの体を1度、私に見せて欲しいんだけど」
リヴァイ「? 別に怪我とかはしていないが?」
いや、そっちじゃなくてね?
ハンジ「いや、怪我の具合を見たい訳じゃなくて。体の構造をね、ちょっと確認したいというか」
リヴァイ「自分の体じゃダメなのか?」
ハンジ「背中もみたいしね。自分じゃ自分の背中は見られないでしょ?」
リヴァイ「俺じゃないとダメなのか? モブリットは」
ううーん。モブリットか。まあ、妥協すればそれでもいいけど。
でも第一希望はやっぱり「リヴァイ」かな。もしくは「エルヴィン」か「ミケ」になるかな。
ハンジ「モブリットだと筋力が足りないかも。筋肉ある男と言えばリヴァイでしょ? 1番いい筋肉を持っているから」
リヴァイ「ああ……そういう意味なのか。だったら仕方がないな」
お? 意外と大丈夫そうかな?
だからつい、「1回だけダメ元で打診してみるか」と思い直して夜、リヴァイの部屋に訪れてみたんだ。
ハンジ「今、ちょっといいー? リヴァイ、起きているかな?」
リヴァイ「今、寝るところだったんだが?」
ハンジ「10分でイイから付き合って欲しいんだけど」
リヴァイ「10分で済んだ試しがないから断る」
ハンジ「そう言わず。お願い。ちょっと真面目な話がしたいんだけど?」
ドア越しに話していたら、そろーと顔を出してくれた。
リヴァイ「部屋には入るなよ」
ハンジ「立ち話するような事じゃないんだけど……」
リヴァイ「夜だ。休息を取るのも兵士の仕事のうちだろ。長い話なら明日に回せ」
ハンジ「ううーん……」
こんな話、他の関係ない人には聞かせられないよね。
リヴァイ「どうしたんだ? 何をまた悩んでいるんだ」
ハンジ「いやね? 自分でも無茶振りだとは思うんだけどさ」
リヴァイ「じゃあ断る」
ハンジ「いや、せめて聞いてから断って! その……リヴァイの体を1度、私に見せて欲しいんだけど」
リヴァイ「? 別に怪我とかはしていないが?」
いや、そっちじゃなくてね?
ハンジ「いや、怪我の具合を見たい訳じゃなくて。体の構造をね、ちょっと確認したいというか」
リヴァイ「自分の体じゃダメなのか?」
ハンジ「背中もみたいしね。自分じゃ自分の背中は見られないでしょ?」
リヴァイ「俺じゃないとダメなのか? モブリットは」
ううーん。モブリットか。まあ、妥協すればそれでもいいけど。
でも第一希望はやっぱり「リヴァイ」かな。もしくは「エルヴィン」か「ミケ」になるかな。
ハンジ「モブリットだと筋力が足りないかも。筋肉ある男と言えばリヴァイでしょ? 1番いい筋肉を持っているから」
リヴァイ「ああ……そういう意味なのか。だったら仕方がないな」
お? 意外と大丈夫そうかな?
12: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:20:42 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「医務室に行くぞ。流石に自室で俺の体を見せるのはちょっとな」
ハンジ「ん? 何で? 別にいいじゃない。面倒だよ。移動が」
リヴァイ「いや、少しは気を遣え。いらん噂でもされたら嫌だからな」
ハンジ「あはは! 私とリヴァイが噂になると思ったの? ないない!」
リヴァイ「……………」
ドアを閉めなければ大丈夫だよ。
そこさえ気を付ければそう思われるって事は滅多にない。
リヴァイ「マナーの問題だ。夜、異性の部屋の中に入るのは非常識じゃねえのか?」
ハンジ「あらそう? 私は結構、エルヴィンとかモブリットやミケの部屋とかにも入った事あるけど?」
リヴァイ「………お前、女扱いされてないのか」
ハンジ「いや、今更でしょうが。何で? 昼間ならすぐ入れてくれるのに」
リヴァイ「昼間だからだろ」
ハンジ「何が違うわけ?」
何でこんなに慎重なのかな? ん?
リヴァイ「…………本当に「夜」に他の奴らも、自分の部屋に入れた事があるのか?」
ハンジ「うん。あるよ? え? 何でそんなに確認する訳?」
リヴァイ「……………」
他の皆も、ドア開けっぱなしで入れてくれるしね。
リヴァイ「で? 裸になればばいいのか? パンツ1枚になれっていうのか?」
ハンジ「いや、それは面倒くさいからいい。とりあえず、服の上からでいいから「筋肉」の流れとか関節部分を実際に触らせて欲しい」
リヴァイ「分かった」
バタン………
ん? ちょっと待て。おい。
え? え? あんた、さっき「いらん噂でもされたら嫌だからな」って言いませんでした?
は? え? ちょっと、矛盾した行動取っているけど、なんで???
何で今、ドアを完全に閉めたの? え? まさか……。
そ、そうなの? リヴァイ、まさか、私とそういう「関係」を望んでいる?
えええええ?! あのリヴァイが?! 私みたいな男みたいな女に?!
あ……いや、待てよ。まさかとは思うけど。
ハンジ「ん? 何で? 別にいいじゃない。面倒だよ。移動が」
リヴァイ「いや、少しは気を遣え。いらん噂でもされたら嫌だからな」
ハンジ「あはは! 私とリヴァイが噂になると思ったの? ないない!」
リヴァイ「……………」
ドアを閉めなければ大丈夫だよ。
そこさえ気を付ければそう思われるって事は滅多にない。
リヴァイ「マナーの問題だ。夜、異性の部屋の中に入るのは非常識じゃねえのか?」
ハンジ「あらそう? 私は結構、エルヴィンとかモブリットやミケの部屋とかにも入った事あるけど?」
リヴァイ「………お前、女扱いされてないのか」
ハンジ「いや、今更でしょうが。何で? 昼間ならすぐ入れてくれるのに」
リヴァイ「昼間だからだろ」
ハンジ「何が違うわけ?」
何でこんなに慎重なのかな? ん?
リヴァイ「…………本当に「夜」に他の奴らも、自分の部屋に入れた事があるのか?」
ハンジ「うん。あるよ? え? 何でそんなに確認する訳?」
リヴァイ「……………」
他の皆も、ドア開けっぱなしで入れてくれるしね。
リヴァイ「で? 裸になればばいいのか? パンツ1枚になれっていうのか?」
ハンジ「いや、それは面倒くさいからいい。とりあえず、服の上からでいいから「筋肉」の流れとか関節部分を実際に触らせて欲しい」
リヴァイ「分かった」
バタン………
ん? ちょっと待て。おい。
え? え? あんた、さっき「いらん噂でもされたら嫌だからな」って言いませんでした?
は? え? ちょっと、矛盾した行動取っているけど、なんで???
何で今、ドアを完全に閉めたの? え? まさか……。
そ、そうなの? リヴァイ、まさか、私とそういう「関係」を望んでいる?
えええええ?! あのリヴァイが?! 私みたいな男みたいな女に?!
あ……いや、待てよ。まさかとは思うけど。
13: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:21:39 ID:.SqfFaVo0
リヴァイは「習わし」を知らないのかな? 知らないで今、やっちゃったとか?
うわ……どっちなんだろ? これ、どっちなんだろ?
確認するのこええええええええ!
いや、やめておこう。とりあえず、私の用事の方を先に済ませないと。
うん。そうしよう。ちょっとドアの件は後回しにしようかな。
リヴァイの腕を服の上から確認させて貰った。
うわあ。何か、温かい。体温高いみたいだな。
そして触り心地がいい。いい筋肉しているね。やっぱり。
予想以上に弾力があって、触るのが楽しい。
筋肉のつなぎ目や関節の感じを実際に触らせて貰うと、巨人に対する「イメージ」も凄くやりやすくなった。
巨人を「切る」際に、肉だけじゃなくて、骨のような物が一瞬、見える時もある。
だから基本的な体の「構造」自体は私達の体に「近い」とは思うんだ。サイズが違うだけで。
ただまあ、すぐ復活しちゃうから解剖は出来ないけど。だからあくまで「推測」になるけど。
だから、可動域を「固定」さえすれば、巨人の動きを封じ込められるとは思うんだけど。
リヴァイ「何か、分かったか?」
ハンジ「ううーん。あともうちょっとで「閃き」そうではあるんだけど」
リヴァイ「話してみろ」
ハンジ「うん。可動域、つまり「関節」の部分を「固定」する方法はないかなって思って」
リヴァイ「針を刺してか?」
ハンジ「そうそう。動けば動くほど食い込む様な方法があればなって思って」
そんな都合のいい方法、ねえよと言われてしまうかもしれないけど。
でもそれが「理想」なんだよね。私の中では。
ハンジ「巨人も多分、人間と同じような「神経」に似た物はあると思うんだよね。人間のそれとは構造は違うかもしれないけど。でも、それがないなら、体を自分で動かそうとしても動かせない筈だし」
リヴァイ「そりゃそうだな」
ハンジ「だから、こう……人間の体にもあるじゃない? 叩くと何故か「コーン」とくる個所というか」
リヴァイ「叩くなよ。肘の裏側は叩くなよ」
リヴァイが肘を防御したのがなんか可笑しかった。
ハンジ「あ、うん。ごめん。叩かないけどさ。つまり、そういう「繋ぐ」場所はある訳でしょ? だからそこに「針」を差し込んでしまえば動きを封じられないかなって思っているんだけどね」
リヴァイ「ふむ………」
ハンジ「巨人って、解体してもすぐ復活するでしょ? でもその復活する時に内側からこう……引っかけてしまえば」
イメージをリヴァイに伝えたくてあえて爪を立ててみる。
ハンジ「復活するのをあえて「利用」して捕獲すれば……って思うんだけど」
リヴァイ「流石に俺の体は巨人のようにすぐには「復活」しねえから、試したくても試してやれねえぞ」
ハンジ「だよねえ。ごめん………」
リヴァイ「背中、触らなくていいのか?」
ハンジ「ああ……触る触る。ちょっとアイデア煮詰めさせて」
あーいい背中だなあ。小さいけど、凄くしっかり体の均整がとれている。
巨人にも実際、こんな感じで触れたらいいんだけどね。リヴァイで妥協するけどさ。
うわ……どっちなんだろ? これ、どっちなんだろ?
確認するのこええええええええ!
いや、やめておこう。とりあえず、私の用事の方を先に済ませないと。
うん。そうしよう。ちょっとドアの件は後回しにしようかな。
リヴァイの腕を服の上から確認させて貰った。
うわあ。何か、温かい。体温高いみたいだな。
そして触り心地がいい。いい筋肉しているね。やっぱり。
予想以上に弾力があって、触るのが楽しい。
筋肉のつなぎ目や関節の感じを実際に触らせて貰うと、巨人に対する「イメージ」も凄くやりやすくなった。
巨人を「切る」際に、肉だけじゃなくて、骨のような物が一瞬、見える時もある。
だから基本的な体の「構造」自体は私達の体に「近い」とは思うんだ。サイズが違うだけで。
ただまあ、すぐ復活しちゃうから解剖は出来ないけど。だからあくまで「推測」になるけど。
だから、可動域を「固定」さえすれば、巨人の動きを封じ込められるとは思うんだけど。
リヴァイ「何か、分かったか?」
ハンジ「ううーん。あともうちょっとで「閃き」そうではあるんだけど」
リヴァイ「話してみろ」
ハンジ「うん。可動域、つまり「関節」の部分を「固定」する方法はないかなって思って」
リヴァイ「針を刺してか?」
ハンジ「そうそう。動けば動くほど食い込む様な方法があればなって思って」
そんな都合のいい方法、ねえよと言われてしまうかもしれないけど。
でもそれが「理想」なんだよね。私の中では。
ハンジ「巨人も多分、人間と同じような「神経」に似た物はあると思うんだよね。人間のそれとは構造は違うかもしれないけど。でも、それがないなら、体を自分で動かそうとしても動かせない筈だし」
リヴァイ「そりゃそうだな」
ハンジ「だから、こう……人間の体にもあるじゃない? 叩くと何故か「コーン」とくる個所というか」
リヴァイ「叩くなよ。肘の裏側は叩くなよ」
リヴァイが肘を防御したのがなんか可笑しかった。
ハンジ「あ、うん。ごめん。叩かないけどさ。つまり、そういう「繋ぐ」場所はある訳でしょ? だからそこに「針」を差し込んでしまえば動きを封じられないかなって思っているんだけどね」
リヴァイ「ふむ………」
ハンジ「巨人って、解体してもすぐ復活するでしょ? でもその復活する時に内側からこう……引っかけてしまえば」
イメージをリヴァイに伝えたくてあえて爪を立ててみる。
ハンジ「復活するのをあえて「利用」して捕獲すれば……って思うんだけど」
リヴァイ「流石に俺の体は巨人のようにすぐには「復活」しねえから、試したくても試してやれねえぞ」
ハンジ「だよねえ。ごめん………」
リヴァイ「背中、触らなくていいのか?」
ハンジ「ああ……触る触る。ちょっとアイデア煮詰めさせて」
あーいい背中だなあ。小さいけど、凄くしっかり体の均整がとれている。
巨人にも実際、こんな感じで触れたらいいんだけどね。リヴァイで妥協するけどさ。
14: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:23:03 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「どうだ? 何か思いついたか?」
ハンジ「ううーん。何だろ。ここまで出かかっているんだけどね。何かが「足りない」ような気がする」
リヴァイにおんぶしてみる。でも意外と嫌がられなかった。
ハンジ「あああ……発明の神様! 私に知恵を授けて下さい」
リヴァイ「あんまりそれの事ばっかり考えるのも良くねえんじゃねえか? 1回離れてみるのもいいと思うが」
リヴァイの声が少し優しい感じだった。普段だったら「離れろ。クソ眼鏡」とか言うけど。
夜だからかな? ちょっと雰囲気がマイルドな印象だった。
ハンジ「その方がいいのかなあ?」
リヴァイ「気分転換も大事だろ。最近、ちゃんと飯とか食ってるか?」
ハンジ「あ……今日の夕食は食べ忘れた」
リヴァイ「おい……」
リヴァイの声が低くなった。
ハンジ「あああだって、巨人が私の頭の中に住み着いているのがいけないんだ! もう、これはもはや「恋」のレベルだと自分でも思う! あの子達を自分の物にしたくてしょうがないんだよ!!」
リヴァイ「歪んだ独占欲だな」
ハンジ「自分でも分かってる! でも捕まえたくてしょうがないのよ! もっと効率よく! 的確に! こう、バシュッと手に入れたい訳でして」
リヴァイ「焦るなって、前にも言わなかったか?」
また、怒られてしまった。でも、いつもよりは優しいかな?
何だろ。今日のリヴァイ、ちょっと雰囲気が違う気がする。
ハンジ「ううう………」
リヴァイ「トランプでもしてちょっと遊ぶか?」
ハンジ「トランプ? あんたトランプなんか持っていたの?」
リヴァイ「あいつらが生きていた頃はたまに3人で遊んでいたよ。イザベルはババ抜きしかやらなかったが」
ハンジ「あらら……」
リヴァイ「2人でやるならポーカーでもやるか? あ、いやでも、ハンジにポーカーフェイスは無理か」
ハンジ「うふふふ? そう見える?」
実は私、ポーカー大得意なんだ。ふふふ。
ハンジ「ううーん。何だろ。ここまで出かかっているんだけどね。何かが「足りない」ような気がする」
リヴァイにおんぶしてみる。でも意外と嫌がられなかった。
ハンジ「あああ……発明の神様! 私に知恵を授けて下さい」
リヴァイ「あんまりそれの事ばっかり考えるのも良くねえんじゃねえか? 1回離れてみるのもいいと思うが」
リヴァイの声が少し優しい感じだった。普段だったら「離れろ。クソ眼鏡」とか言うけど。
夜だからかな? ちょっと雰囲気がマイルドな印象だった。
ハンジ「その方がいいのかなあ?」
リヴァイ「気分転換も大事だろ。最近、ちゃんと飯とか食ってるか?」
ハンジ「あ……今日の夕食は食べ忘れた」
リヴァイ「おい……」
リヴァイの声が低くなった。
ハンジ「あああだって、巨人が私の頭の中に住み着いているのがいけないんだ! もう、これはもはや「恋」のレベルだと自分でも思う! あの子達を自分の物にしたくてしょうがないんだよ!!」
リヴァイ「歪んだ独占欲だな」
ハンジ「自分でも分かってる! でも捕まえたくてしょうがないのよ! もっと効率よく! 的確に! こう、バシュッと手に入れたい訳でして」
リヴァイ「焦るなって、前にも言わなかったか?」
また、怒られてしまった。でも、いつもよりは優しいかな?
何だろ。今日のリヴァイ、ちょっと雰囲気が違う気がする。
ハンジ「ううう………」
リヴァイ「トランプでもしてちょっと遊ぶか?」
ハンジ「トランプ? あんたトランプなんか持っていたの?」
リヴァイ「あいつらが生きていた頃はたまに3人で遊んでいたよ。イザベルはババ抜きしかやらなかったが」
ハンジ「あらら……」
リヴァイ「2人でやるならポーカーでもやるか? あ、いやでも、ハンジにポーカーフェイスは無理か」
ハンジ「うふふふ? そう見える?」
実は私、ポーカー大得意なんだ。ふふふ。
15: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:23:56 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「ん? ポーカーは得意なのか?」
ハンジ「嫌いじゃないよ? 意外とね」
リヴァイ「そうか。だったらただやるのは面白くないから何か「賭け」るか?」
ハンジ「いいよ~じゃあね、私が勝ったら………リヴァイ、私の分の夕食を今度から私のところまで運んできて?」
リヴァイ「メイドかよ。まあいいけどな。だったら、俺が勝ったら………ハンジの自室を掃除させろ」
ハンジ「はあ? 何それ。ちょちょちょ……それ「賭け」として成立しなくない?」
なんかかえって得しているような? いや、下着見られたら困るからダメか。
私の部屋は洗濯物が散乱しているので、それをやられると絶対、下着を見られてしまう。
リヴァイ「いいや? そうでもないぞ。俺は以前からお前の「自室」に生息していると思われる「黒い空飛ぶ天敵」を駆逐したくて堪らなかった。勝手に触るなというから今まで放置してやっていたが、それを「触っていい」権利を貰えるならいくらでも掃除したいと思っていたが?」
ハンジ「潔癖症もそこまでいくと病気じゃないんですかね?」
リヴァイ「だろうな。だが別に「他人に迷惑」をかけた覚えはない」
ハンジ「ううう……私にとっては迷惑なんだけどな」
やべえ! 下着だけでも回収した方がいいかなこれは。
リヴァイ「何か言ったか?」
ハンジ「いや、何でもないけど。じゃあポーカーやろうか。チェンジはあり? なし?」
リヴァイ「1回でいい。あとコインは……まあ、俺が持っている小銭で代用するか。ハンジに10枚。俺も10枚からスタート。全額没収した方が勝ちでいいか?」
ハンジ「了解♪」
ポーカーをやるのは久々だな。エルヴィンに鍛えられたから、読み合いはそれなりに自信あるよ。
親はリヴァイからになった。私は2から6までのストレートがきた。
普通なら、ストレートがきた場合、そのまま挑むと思う。最初の配布で「役」が完成するのは滅多にないからね。
崩す必要はないと思った。でも、次の瞬間、
あ、リヴァイ。今、笑ったね。滅多に笑わないリヴァイが笑うと言う事は。
これはかなり「いい役」がいきなり入ったね。
フラッシュか? いや、もっと上なら「フルハウス」までいったか?
これはまずいね。レイズでいこう。揺さぶりをかけた方がいいね。
リヴァイ「コールか、レイズかドロップか。どれだ?」
ハンジ「レイズで」
リヴァイ「何枚だ」
ハンジ「5枚で」
リヴァイ「了解」
カードの交換を尋ねられたので、自信満々に返した。
ハンジ「カードはかえない。このままでいくよ」
リヴァイ「なんだって?」
ハンジ「リヴァイは? かえる? かえない?」
リヴァイ「………」
気分はロイヤルストレートフラッシュがきたような顔をしてやる。
リヴァイが迷い始めた。自分の役に自信が持てなくなったみたいだね。
ハンジ「嫌いじゃないよ? 意外とね」
リヴァイ「そうか。だったらただやるのは面白くないから何か「賭け」るか?」
ハンジ「いいよ~じゃあね、私が勝ったら………リヴァイ、私の分の夕食を今度から私のところまで運んできて?」
リヴァイ「メイドかよ。まあいいけどな。だったら、俺が勝ったら………ハンジの自室を掃除させろ」
ハンジ「はあ? 何それ。ちょちょちょ……それ「賭け」として成立しなくない?」
なんかかえって得しているような? いや、下着見られたら困るからダメか。
私の部屋は洗濯物が散乱しているので、それをやられると絶対、下着を見られてしまう。
リヴァイ「いいや? そうでもないぞ。俺は以前からお前の「自室」に生息していると思われる「黒い空飛ぶ天敵」を駆逐したくて堪らなかった。勝手に触るなというから今まで放置してやっていたが、それを「触っていい」権利を貰えるならいくらでも掃除したいと思っていたが?」
ハンジ「潔癖症もそこまでいくと病気じゃないんですかね?」
リヴァイ「だろうな。だが別に「他人に迷惑」をかけた覚えはない」
ハンジ「ううう……私にとっては迷惑なんだけどな」
やべえ! 下着だけでも回収した方がいいかなこれは。
リヴァイ「何か言ったか?」
ハンジ「いや、何でもないけど。じゃあポーカーやろうか。チェンジはあり? なし?」
リヴァイ「1回でいい。あとコインは……まあ、俺が持っている小銭で代用するか。ハンジに10枚。俺も10枚からスタート。全額没収した方が勝ちでいいか?」
ハンジ「了解♪」
ポーカーをやるのは久々だな。エルヴィンに鍛えられたから、読み合いはそれなりに自信あるよ。
親はリヴァイからになった。私は2から6までのストレートがきた。
普通なら、ストレートがきた場合、そのまま挑むと思う。最初の配布で「役」が完成するのは滅多にないからね。
崩す必要はないと思った。でも、次の瞬間、
あ、リヴァイ。今、笑ったね。滅多に笑わないリヴァイが笑うと言う事は。
これはかなり「いい役」がいきなり入ったね。
フラッシュか? いや、もっと上なら「フルハウス」までいったか?
これはまずいね。レイズでいこう。揺さぶりをかけた方がいいね。
リヴァイ「コールか、レイズかドロップか。どれだ?」
ハンジ「レイズで」
リヴァイ「何枚だ」
ハンジ「5枚で」
リヴァイ「了解」
カードの交換を尋ねられたので、自信満々に返した。
ハンジ「カードはかえない。このままでいくよ」
リヴァイ「なんだって?」
ハンジ「リヴァイは? かえる? かえない?」
リヴァイ「………」
気分はロイヤルストレートフラッシュがきたような顔をしてやる。
リヴァイが迷い始めた。自分の役に自信が持てなくなったみたいだね。
16: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:25:02 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「オープン。Aのスリーカードだ」
ハンジ「ふふ……ストレートだよ。2から6までの」
リヴァイ「何?! だったら、変更しなかったら俺が勝っていたのか!」
ハンジ「あらあら……勿体ないことしたねえ(ニヤニヤ)」
リヴァイ「というか、ストレートで押し切るのか。お前は」
カードの交換の内容を見たらフルハウスだって事が分かった。やっぱり。
ハンジ「うん。案外、フルハウスって迷うよねえ? 相手がもっといい役だったらって思ったでしょ?」
リヴァイ「読まれていたのか」
ハンジ「ちょっと嬉しそうだったもんね? リヴァイの顔が。あ、これは絶対「フルハウス付近の役がきた」って思った」
にしし。こういう戦法が使えるからポーカーは面白いんだ。
そんな感じで一進一退を繰り返し、結局、1時間くらい時間がかかって、私が勝利した。
ハンジ「よっしゃああ! リヴァイをこき使える! 夕食、忘れずに私のところまで持って来てね」
リヴァイ「その都度探すのが面倒だな。前もって何時頃に自室か研究室か、どっちに持っていくのがいいか教えろ」
ハンジ「ああ、その点はちゃんとするよ。大丈夫。こっちが頼むわけだからね」
もう結構、夜も更けちゃったな。
でもなんか楽しかった。リヴァイと遊ぶのがこんなに楽しいなんて思わなかったよ。
ハンジ「なんか意外と楽しかったな」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「いや、リヴァイとこうやって仕事以外で話したり、遊んだのって初めてじゃない? 何気に」
リヴァイ「そうだったか?」
ハンジ「私の記憶の限りではね。たまにはこうやって2人で気分転換、またしようよ」
リヴァイ「俺は出来れば早く眠れる時は早く寝たい方なんだが……」
ハンジ「あはは! それもそうか。じゃあ私が「煮詰まった」時だけでいいからさ。其の時は部屋に入れてよ」
リヴァイ「ああ。アイデアに煮詰まった時だけだな。それなら別にいいが」
ハンジ「やった! ありがとう! リヴァイ、流石! 3年連続は伊達じゃない! (親指ビシ!)」
ドア閉めても、すぐがっつかないところが紳士だね。
………いや、この後、手出されたらちょっと困るけど。
でも、リヴァイの表情を見る限りそれはなさそうな気配だった。眠そうにしているしね。
リヴァイ「だからその話を出すのはやめろ。何かげんなりするんだが」
ハンジ「一応、褒めているんだけどなあ。ううーん。他にどう言ったらいいんだろ?」
リヴァイ「素直に「ありがとう」だけで十分だ。それ以上の言葉は別に要らん」
ハンジ「そう? もっとこう、感謝とか感激の気持ちをぐはーっと伝えたらダメなの?」
リヴァイ「大げさ過ぎるのは好きじゃない。適当でいい」
ハンジ「それって気持ちが伝わってなくない?」
リヴァイ「ここでの「適当」はいい加減って意味じゃねえ。「適した」という意味だ」
ハンジ「ありがとう、だけでいいんだ? 本当に」
リヴァイ「それ以上、何を望むって言うんだ」
ハンジ「分かった。じゃあ、せめて心を込めて言うね。『ありがとう』って」
私は心をこめて伝えたよ。リヴァイに感謝を。
ハンジ「ふふ……ストレートだよ。2から6までの」
リヴァイ「何?! だったら、変更しなかったら俺が勝っていたのか!」
ハンジ「あらあら……勿体ないことしたねえ(ニヤニヤ)」
リヴァイ「というか、ストレートで押し切るのか。お前は」
カードの交換の内容を見たらフルハウスだって事が分かった。やっぱり。
ハンジ「うん。案外、フルハウスって迷うよねえ? 相手がもっといい役だったらって思ったでしょ?」
リヴァイ「読まれていたのか」
ハンジ「ちょっと嬉しそうだったもんね? リヴァイの顔が。あ、これは絶対「フルハウス付近の役がきた」って思った」
にしし。こういう戦法が使えるからポーカーは面白いんだ。
そんな感じで一進一退を繰り返し、結局、1時間くらい時間がかかって、私が勝利した。
ハンジ「よっしゃああ! リヴァイをこき使える! 夕食、忘れずに私のところまで持って来てね」
リヴァイ「その都度探すのが面倒だな。前もって何時頃に自室か研究室か、どっちに持っていくのがいいか教えろ」
ハンジ「ああ、その点はちゃんとするよ。大丈夫。こっちが頼むわけだからね」
もう結構、夜も更けちゃったな。
でもなんか楽しかった。リヴァイと遊ぶのがこんなに楽しいなんて思わなかったよ。
ハンジ「なんか意外と楽しかったな」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「いや、リヴァイとこうやって仕事以外で話したり、遊んだのって初めてじゃない? 何気に」
リヴァイ「そうだったか?」
ハンジ「私の記憶の限りではね。たまにはこうやって2人で気分転換、またしようよ」
リヴァイ「俺は出来れば早く眠れる時は早く寝たい方なんだが……」
ハンジ「あはは! それもそうか。じゃあ私が「煮詰まった」時だけでいいからさ。其の時は部屋に入れてよ」
リヴァイ「ああ。アイデアに煮詰まった時だけだな。それなら別にいいが」
ハンジ「やった! ありがとう! リヴァイ、流石! 3年連続は伊達じゃない! (親指ビシ!)」
ドア閉めても、すぐがっつかないところが紳士だね。
………いや、この後、手出されたらちょっと困るけど。
でも、リヴァイの表情を見る限りそれはなさそうな気配だった。眠そうにしているしね。
リヴァイ「だからその話を出すのはやめろ。何かげんなりするんだが」
ハンジ「一応、褒めているんだけどなあ。ううーん。他にどう言ったらいいんだろ?」
リヴァイ「素直に「ありがとう」だけで十分だ。それ以上の言葉は別に要らん」
ハンジ「そう? もっとこう、感謝とか感激の気持ちをぐはーっと伝えたらダメなの?」
リヴァイ「大げさ過ぎるのは好きじゃない。適当でいい」
ハンジ「それって気持ちが伝わってなくない?」
リヴァイ「ここでの「適当」はいい加減って意味じゃねえ。「適した」という意味だ」
ハンジ「ありがとう、だけでいいんだ? 本当に」
リヴァイ「それ以上、何を望むって言うんだ」
ハンジ「分かった。じゃあ、せめて心を込めて言うね。『ありがとう』って」
私は心をこめて伝えたよ。リヴァイに感謝を。
17: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:25:51 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「…………ああ」
そしたらちょっとだけ、眉間に皺寄せて、目線を逸らしたんだよね。
ん? 不機嫌そう? 何で?
あれー? お礼を言ったのに何で不機嫌になるのかな? 謎過ぎる。
まあいいか。やる事はやったし。今日はこの辺でお暇しよう。
そして私は何故かルンルン気分でリヴァイの部屋を後にしたのだった。
ポーカーの件を境に私は時々、リヴァイの部屋に夜、転がり込むようになった。
何度訪れても、ドア閉めちゃうけど。でも、リヴァイが私に手を出す事は一切なかった。
うーん。周りには誤解されているだろうけど。でも、確認するのが怖いな。
もし、それを知っていて「ドア開けていていい?」って言ったら拒否する意味として伝わる訳で。
それやったら傷つくかな。どうかな? 分かんないけど。
私みたいなのに拒否られたらプライド傷つかないかな。
もしくは本当に「知らない」だけかもしれないし。うーん。
いや、でももしかしたら、もうちょっと距離が縮まってから、手出すつもりとか?
どっちなんだろうなあ。分かんないなあ。
いや、そもそも、リヴァイには「エルヴィンと出来ている説」もあるしなあ。
………私の事、男と間違えている可能性は………流石にないよね?
いや、バイの可能性もあるか。だとしたら、手出すのかな?
ううーん。でも、なんかもう、いいか。リヴァイとの事は成り行きに任せても。
今はリヴァイとのゲームに集中しよう。そっちの方がいいや。
ハンジ「ちょちょちょ! 早すぎる! 手の動き、尋常じゃないんだけど?!」
リヴァイ「お前がちんたらしているからだろ。もっと早く手動かせよ」
ハンジ「いや、目にも止まらぬ早さですよね?! カード吹っ飛ぶ勢いだよね?!」
リヴァイ「瞬間的な判断能力を鍛えるのには適したゲームだろうが。動体視力を鍛えるのにも役に立つぞ」
ハンジ「流石人類最強と言われるだけって、この手の単純な手作業は早いよね」
リヴァイ「頭を使うゲームより、こういうのが得意だ」
クソ、マジ速過ぎる!! 手の動き、目で追えない時あるんだけど?!
もーまた手がぶつかったし! 痛い!
そしたらちょっとだけ、眉間に皺寄せて、目線を逸らしたんだよね。
ん? 不機嫌そう? 何で?
あれー? お礼を言ったのに何で不機嫌になるのかな? 謎過ぎる。
まあいいか。やる事はやったし。今日はこの辺でお暇しよう。
そして私は何故かルンルン気分でリヴァイの部屋を後にしたのだった。
ポーカーの件を境に私は時々、リヴァイの部屋に夜、転がり込むようになった。
何度訪れても、ドア閉めちゃうけど。でも、リヴァイが私に手を出す事は一切なかった。
うーん。周りには誤解されているだろうけど。でも、確認するのが怖いな。
もし、それを知っていて「ドア開けていていい?」って言ったら拒否する意味として伝わる訳で。
それやったら傷つくかな。どうかな? 分かんないけど。
私みたいなのに拒否られたらプライド傷つかないかな。
もしくは本当に「知らない」だけかもしれないし。うーん。
いや、でももしかしたら、もうちょっと距離が縮まってから、手出すつもりとか?
どっちなんだろうなあ。分かんないなあ。
いや、そもそも、リヴァイには「エルヴィンと出来ている説」もあるしなあ。
………私の事、男と間違えている可能性は………流石にないよね?
いや、バイの可能性もあるか。だとしたら、手出すのかな?
ううーん。でも、なんかもう、いいか。リヴァイとの事は成り行きに任せても。
今はリヴァイとのゲームに集中しよう。そっちの方がいいや。
ハンジ「ちょちょちょ! 早すぎる! 手の動き、尋常じゃないんだけど?!」
リヴァイ「お前がちんたらしているからだろ。もっと早く手動かせよ」
ハンジ「いや、目にも止まらぬ早さですよね?! カード吹っ飛ぶ勢いだよね?!」
リヴァイ「瞬間的な判断能力を鍛えるのには適したゲームだろうが。動体視力を鍛えるのにも役に立つぞ」
ハンジ「流石人類最強と言われるだけって、この手の単純な手作業は早いよね」
リヴァイ「頭を使うゲームより、こういうのが得意だ」
クソ、マジ速過ぎる!! 手の動き、目で追えない時あるんだけど?!
もーまた手がぶつかったし! 痛い!
18: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:27:06 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「もうギブアップ! 無理! スピードではリヴァイには勝てません!」
リヴァイ「じゃあ賭けは俺の勝ちだな。今回は」
ハンジ「そうですねー。もうゴキブリ退治したいならご自由にどうぞー」
今回もまた賭け事をしていた。リヴァイはどうしても私の部屋を「お掃除」したいようだ。
ニヤニヤしている。本当、珍しい顔だけど、それだけやる気満々みたいだ。
リヴァイ「よし。これでようやくハンジの自室を元の状態に戻せるな。明日は1日休みだからな。早速中に入らせて貰おうか」
ハンジ「明日から?! 気が早いよ!」
リヴァイ「いいや? 全く気は早くない。むしろ最初のポーカーで負けた時点で既に掃除道具は新調して待っていた」
ハンジ「ワクワクし過ぎだから! えええ……そんなに「退治」したいんだ?」
リヴァイ「俺の中では、巨人に次ぐ「駆逐」したい生物だからな」
ハンジ「マジか。いや、私は別にゴキブリが嫌いな訳じゃないんだけど」
リヴァイ「その神経もどうかしているな。一緒に共存するんじゃない」
ハンジ「巨人も人間さえ食べなければ立派に共存出来ると思うのに……(しくしく)」
リヴァイ「食うから天敵なんだろうが。いや、本当なんであいつら、人間を「食べよう」とするんだろうな?」
リヴァイが、ちょっと首を傾げた。チャンスだ!
ハンジ「おおっと?! リヴァイが遂にこっち側の人間になってきたのかな? 私の見解を聞きたい?」
リヴァイ「いや、お前の意見を求めた訳じゃねえ。今のはただの独り言だ」
ハンジ「嘘だ! 絶対嘘だ! 私の見解を聞きたい癖に!」
リヴァイ「いや、ハンジの見解とか予想とか推測とか推理とかはもう過去に何度も聞いているからいい。新しい情報が入ってくればまた別だが、今分かっている事は「巨人は南方からやってくる事が多い」事とか、「たまに小さな巨人」と呼ばれる、巨人にしては小さい奴もいる事とか、そういう事くらいだろ?」
ハンジ「そうですね。最新情報が少ないのが一番の問題なんです(ズーン)」
リヴァイ「もっといろいろ分かれば、捕獲用の罠も精度があげられるんだろうけどな」
ハンジ「うん。そうだね……」
現実逃避をしていたから、現実と直面した瞬間、落ち込んでしまった。
リヴァイ「……………」
リヴァイもバツが悪そうにしている。リヴァイのせいじゃないけどね。
リヴァイ「じゃあ賭けは俺の勝ちだな。今回は」
ハンジ「そうですねー。もうゴキブリ退治したいならご自由にどうぞー」
今回もまた賭け事をしていた。リヴァイはどうしても私の部屋を「お掃除」したいようだ。
ニヤニヤしている。本当、珍しい顔だけど、それだけやる気満々みたいだ。
リヴァイ「よし。これでようやくハンジの自室を元の状態に戻せるな。明日は1日休みだからな。早速中に入らせて貰おうか」
ハンジ「明日から?! 気が早いよ!」
リヴァイ「いいや? 全く気は早くない。むしろ最初のポーカーで負けた時点で既に掃除道具は新調して待っていた」
ハンジ「ワクワクし過ぎだから! えええ……そんなに「退治」したいんだ?」
リヴァイ「俺の中では、巨人に次ぐ「駆逐」したい生物だからな」
ハンジ「マジか。いや、私は別にゴキブリが嫌いな訳じゃないんだけど」
リヴァイ「その神経もどうかしているな。一緒に共存するんじゃない」
ハンジ「巨人も人間さえ食べなければ立派に共存出来ると思うのに……(しくしく)」
リヴァイ「食うから天敵なんだろうが。いや、本当なんであいつら、人間を「食べよう」とするんだろうな?」
リヴァイが、ちょっと首を傾げた。チャンスだ!
ハンジ「おおっと?! リヴァイが遂にこっち側の人間になってきたのかな? 私の見解を聞きたい?」
リヴァイ「いや、お前の意見を求めた訳じゃねえ。今のはただの独り言だ」
ハンジ「嘘だ! 絶対嘘だ! 私の見解を聞きたい癖に!」
リヴァイ「いや、ハンジの見解とか予想とか推測とか推理とかはもう過去に何度も聞いているからいい。新しい情報が入ってくればまた別だが、今分かっている事は「巨人は南方からやってくる事が多い」事とか、「たまに小さな巨人」と呼ばれる、巨人にしては小さい奴もいる事とか、そういう事くらいだろ?」
ハンジ「そうですね。最新情報が少ないのが一番の問題なんです(ズーン)」
リヴァイ「もっといろいろ分かれば、捕獲用の罠も精度があげられるんだろうけどな」
ハンジ「うん。そうだね……」
現実逃避をしていたから、現実と直面した瞬間、落ち込んでしまった。
リヴァイ「……………」
リヴァイもバツが悪そうにしている。リヴァイのせいじゃないけどね。
19: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:27:58 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「もうすぐ、次の壁外遠征があるだろ」
ハンジ「そうだね」
リヴァイ「次の調査では、捕獲は無理そうなのか?」
ハンジ「間に合わないよ。旧式のやり方で続ける限り、費用がいくらあっても足りない。コストダウンと精度の向上を見込めない場合は、無理に強行突破は出来ない。だから私は。死んでも「新しいアイデア」を出すしかないんだ」
リヴァイ「…………」
イルゼの手帳を手に入れた後の捕獲作戦は成功したけれど。
その時にかかった費用は後でいろいろ周りから言われてしまったからね。
今のやり方でずっと続けるのは難しいんだ。どこかで「進化」しないと。
と、其の時、リヴァイの方から意外な提案がきたんだ。
リヴァイ「…………休みの時、一緒にまた、トロスト区を歩いてみるか? 俺と一緒に」
ハンジ「え?」
リヴァイ「ただの散歩だ。こうやって唸って部屋に籠るより、体を動かした方がかえっていいんじゃないか?」
そう言った時のリヴァイの顔、なんか複雑そうだったけど。
嬉しかった。ただの散歩でも十分だよ。
ハンジ「ありがとう! ただの散歩でも付き合ってくれるんだ? 優しいねリヴァイ!」
リヴァイ「別に。優しいとかじゃない。まあ俺も買い物したい物はあるしな。ついでだ」
リヴァイがこっちを見ないけど。なんか胸の中、ムズムズしてしまって。
ハンジ「ついででも嬉しいよ。リヴァイ、本当にありがとう」
と、言って抱き付こうとしたら寸前で避けられてしまった。酷い。
ハンジ「酷い! 抱擁すら、させてくれないの?」
リヴァイ「する必要がない。あと、お前、最近また風呂もシャワーも浴びてないだろ」
ハンジ「うん。実は全然……」
リヴァイ「2か月くらい入ってないっぽい気がするが」
ハンジ「何で分かったの?!」
リヴァイ「いや、俺の記憶の限りだが、2か月前のハンジはまだ髪の匂いがマシだった気がする」
ハンジ「実はそうです! いや、水だってタダじゃないし、そこもケチろうかと」
リヴァイ「だから不衛生にし過ぎて伝染病にでもかかったら元も子もないだろうが。せめて一週間に1度の頻度でシャワーだけでも浴びろ。お湯にタオルをつけてそれを絞って体を拭くだけでも全然、違うぞ」
ハンジ「ううう……」
厳しいなあ。リヴァイは。
リヴァイ「巨人に会いに行く前くらいは風呂入って綺麗にしておけよ」
ハンジ「それもそうだね! 遠征前には絶対入るよ! (キラーン)」
そうだった! 巨人に会う前にはオシャレした方がいいのかもしれない!
そう思いなおすと風呂に入るのも苦にはならなかった。
我ながら現金な奴である。うむ。
ハンジ「そうだね」
リヴァイ「次の調査では、捕獲は無理そうなのか?」
ハンジ「間に合わないよ。旧式のやり方で続ける限り、費用がいくらあっても足りない。コストダウンと精度の向上を見込めない場合は、無理に強行突破は出来ない。だから私は。死んでも「新しいアイデア」を出すしかないんだ」
リヴァイ「…………」
イルゼの手帳を手に入れた後の捕獲作戦は成功したけれど。
その時にかかった費用は後でいろいろ周りから言われてしまったからね。
今のやり方でずっと続けるのは難しいんだ。どこかで「進化」しないと。
と、其の時、リヴァイの方から意外な提案がきたんだ。
リヴァイ「…………休みの時、一緒にまた、トロスト区を歩いてみるか? 俺と一緒に」
ハンジ「え?」
リヴァイ「ただの散歩だ。こうやって唸って部屋に籠るより、体を動かした方がかえっていいんじゃないか?」
そう言った時のリヴァイの顔、なんか複雑そうだったけど。
嬉しかった。ただの散歩でも十分だよ。
ハンジ「ありがとう! ただの散歩でも付き合ってくれるんだ? 優しいねリヴァイ!」
リヴァイ「別に。優しいとかじゃない。まあ俺も買い物したい物はあるしな。ついでだ」
リヴァイがこっちを見ないけど。なんか胸の中、ムズムズしてしまって。
ハンジ「ついででも嬉しいよ。リヴァイ、本当にありがとう」
と、言って抱き付こうとしたら寸前で避けられてしまった。酷い。
ハンジ「酷い! 抱擁すら、させてくれないの?」
リヴァイ「する必要がない。あと、お前、最近また風呂もシャワーも浴びてないだろ」
ハンジ「うん。実は全然……」
リヴァイ「2か月くらい入ってないっぽい気がするが」
ハンジ「何で分かったの?!」
リヴァイ「いや、俺の記憶の限りだが、2か月前のハンジはまだ髪の匂いがマシだった気がする」
ハンジ「実はそうです! いや、水だってタダじゃないし、そこもケチろうかと」
リヴァイ「だから不衛生にし過ぎて伝染病にでもかかったら元も子もないだろうが。せめて一週間に1度の頻度でシャワーだけでも浴びろ。お湯にタオルをつけてそれを絞って体を拭くだけでも全然、違うぞ」
ハンジ「ううう……」
厳しいなあ。リヴァイは。
リヴァイ「巨人に会いに行く前くらいは風呂入って綺麗にしておけよ」
ハンジ「それもそうだね! 遠征前には絶対入るよ! (キラーン)」
そうだった! 巨人に会う前にはオシャレした方がいいのかもしれない!
そう思いなおすと風呂に入るのも苦にはならなかった。
我ながら現金な奴である。うむ。
20: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:28:38 ID:.SqfFaVo0
そして休みの日。リヴァイと再びトロスト区を歩いてみたんだ。
今回は手芸店での買い物を先に済ませて、後は私の好きにさせてもらえた。
とにかく街の中をウロウロ歩いてみる。以前に比べたら少しずつではあるけど資が増えている気がするし、人の活気もある。
綺麗な女の子も沢山いた。もしリヴァイが今日、兵団の制服で来ていたら声かけられていたかもしれない。
今日はお互いに私服姿だからバレてはいないけれど。私は男みたいな恰好でリヴァイと一緒に街を歩いていた。
ハンジ「ああ………クッキーだ。美味しそう……」
やべえええ出来立ての匂い最高!! ひゃっほおおおお!
リヴァイ「ああ。確かに美味そうだな」
ハンジ「は! でも高い! 我慢我慢……」
いい物は値段もする。ごくり。涎が出るぜ。
そのすぐ隣にリヴァイが好きな紅茶、アールグレイが売ってあった。
アッサムとか、他のも好きらしいけど。正統派のアールグレイが割と好きらしい。
リヴァイ「アールグレイも売ってあるのか。相場より少し安いな」
ハンジ「本当だ。ちょっと安いね」
リヴァイ「……アールグレイのお供にクッキーもついでに買ってみるか」
ハンジ「ええええいいの?! マジで?!」
ずきゅうん! やばい! なにこのイケメン!!!
クッキー奢ってくれるって、え? 本当に???
え……やだ。リヴァイ、なんか優しいな。明日、雨降らないよね?
というか、リヴァイ、何でそんなに優しいんだろ?
……あ、そっか。リヴァイは「抱かれたい男」3年連続連覇をしたような奴だった。
もしかして、こういう部分を皆、知っていて堕ちたって事なのかな?
だとしたら、なんという「スナイパー」。こりゃ女が群がる筈だわ。
リヴァイ「頭に必要な『栄養素』もハンジの頭に送り込む必要があるだろ」
と、リヴァイが言いながら会計を済ませる。
あ、そっか。そういう意味か。なーんだ。危ない。危うく勘違いしそうになったよ。
普通に「サービス」してくれるのかと思った。そうだよね。
リヴァイが私にそんな事、する理由、ないか。
ハンジ「そう言えばそうだった! そうか。私、栄養が足りてないから、アイデアもうまく浮かばないのかな?」
リヴァイ「その可能性は十分あるぞ。お前、最近、また少し痩せただろ。折角、夕食を運んでやっているのに、たまに残しているよな?」
ハンジ「あーなんか、小食になってきたかも? いろいろ考え過ぎて」
リヴァイ「体力が落ちる事の方が大問題だ。ハンジ、今日はお前を「食わせる」事に専念してもいいか?」
ハンジ「マジか! サービスしてくれるの? 奢ってくれるの?」
金出さない事を改めて確認する。本当に奢って貰えるのかな?
するとリヴァイは本当に奢ってくれるようで、
リヴァイ「エルヴィンの言い方じゃないが「チップ」を賭ける。俺は「ハンジ」に金を賭けるんだよ」
ハンジ「うわああああ……嬉しい。こりゃ絶対、結果出さないとダメだね私!」
リヴァイ「期待しているからな。ハンジ」
研究者としての私に金をかけてくれる訳だね。本当に有難い。
まあ、それでもいい。うん。これ以上を望んだら贅沢だ。私。
21: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:30:02 ID:.SqfFaVo0
そして昼前には兵舎に戻って、今度は私の部屋の中に入る。
ハンジ「ええっと、本当にやるんだ? その……紅茶飲んでクッキー食べてからでも良くないかな?」
リヴァイ「ダメだ。掃除が先だ。ハンジ、今から部屋の中の物の「どれ」を捨てていいのか確認しながら掃除をするからちゃんと答えろよ」
ハンジ「ういー」
リヴァイ、やる気満々だなあ。まあ一応、下着類だけはどうにか前もって片付けたけど。
でもそれ以外の「ゴミ」のように見えて「必要な物」が沢山あるので、掃除はなかなか進まなかった。
リヴァイ「捨てないと片付かないだろうが」
ハンジ「いや、でも捨てたくない物は捨てないでよ」
リヴァイ「部屋の容量を考えろ。お前、分隊長何だから他の兵士よりは広い個室を与えられているだろうが。しかも研究室も自室のように使っているのに、何で「こっち」だけ片付けられないんだ。研究室はまともなのに」
そんな事言われてもなあ。と、油断していた其の時、
リヴァイ「さてと………何だこれは? (ビローン)」
ハンジ「ん? ああああそれ、私のパンツだよ! 拾っちゃだめええええ!」
やっべ! 1枚残っていたか! ミスった!
というか、パンツとしてはもう履けない程の代物だったけど。
リヴァイ「えらく伸びきっているな。これはもう流石にはけないだろ」
ハンジ「そうですね。それは流石に処分します」
リヴァイ「他には……ああ、なんかこの辺一帯は衣服がごちゃごちゃしているな。しかも洗ってない」
ハンジ「すみません。洗濯物を溜め込み過ぎました」
リヴァイ「ふむ………だったらこれを先に「選別」するか。まだ着る服と捨てる服に分けていくぞ」
という訳でリヴァイに手伝って貰いながら衣服を整理する事になった。
リヴァイ「洗ってないやつは今から洗ってくるか……」
ハンジ「待って待って! そこまで今日はしなくていいよ! 紅茶とクッキーを一緒に食べようよ!」
リヴァイ「ああ……紅茶は掃除が終わってからでいい。クッキー食いたきゃ先に食え」
ハンジ「折角、買ったのに。一緒にお茶しようよ」
リヴァイ「…………一緒にお茶したかったのか」
意外な顔された。ええええ。普通そうしないかな?
ハンジ「そりゃ奢って貰ったんだから当然でしょうが。もう、掃除は後回しにしていいから、小休止しよ? ね?」
リヴァイ「分かった。そこまで言うなら俺の部屋に戻るか」
リヴァイの部屋に戻って小休止。いやー紅茶が美味い。クッキーうめえ。
ハンジ「ええっと、本当にやるんだ? その……紅茶飲んでクッキー食べてからでも良くないかな?」
リヴァイ「ダメだ。掃除が先だ。ハンジ、今から部屋の中の物の「どれ」を捨てていいのか確認しながら掃除をするからちゃんと答えろよ」
ハンジ「ういー」
リヴァイ、やる気満々だなあ。まあ一応、下着類だけはどうにか前もって片付けたけど。
でもそれ以外の「ゴミ」のように見えて「必要な物」が沢山あるので、掃除はなかなか進まなかった。
リヴァイ「捨てないと片付かないだろうが」
ハンジ「いや、でも捨てたくない物は捨てないでよ」
リヴァイ「部屋の容量を考えろ。お前、分隊長何だから他の兵士よりは広い個室を与えられているだろうが。しかも研究室も自室のように使っているのに、何で「こっち」だけ片付けられないんだ。研究室はまともなのに」
そんな事言われてもなあ。と、油断していた其の時、
リヴァイ「さてと………何だこれは? (ビローン)」
ハンジ「ん? ああああそれ、私のパンツだよ! 拾っちゃだめええええ!」
やっべ! 1枚残っていたか! ミスった!
というか、パンツとしてはもう履けない程の代物だったけど。
リヴァイ「えらく伸びきっているな。これはもう流石にはけないだろ」
ハンジ「そうですね。それは流石に処分します」
リヴァイ「他には……ああ、なんかこの辺一帯は衣服がごちゃごちゃしているな。しかも洗ってない」
ハンジ「すみません。洗濯物を溜め込み過ぎました」
リヴァイ「ふむ………だったらこれを先に「選別」するか。まだ着る服と捨てる服に分けていくぞ」
という訳でリヴァイに手伝って貰いながら衣服を整理する事になった。
リヴァイ「洗ってないやつは今から洗ってくるか……」
ハンジ「待って待って! そこまで今日はしなくていいよ! 紅茶とクッキーを一緒に食べようよ!」
リヴァイ「ああ……紅茶は掃除が終わってからでいい。クッキー食いたきゃ先に食え」
ハンジ「折角、買ったのに。一緒にお茶しようよ」
リヴァイ「…………一緒にお茶したかったのか」
意外な顔された。ええええ。普通そうしないかな?
ハンジ「そりゃ奢って貰ったんだから当然でしょうが。もう、掃除は後回しにしていいから、小休止しよ? ね?」
リヴァイ「分かった。そこまで言うなら俺の部屋に戻るか」
リヴァイの部屋に戻って小休止。いやー紅茶が美味い。クッキーうめえ。
22: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:30:53 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「ん~クッキー食べたの、いつぶりか思い出せないよ」
リヴァイ「俺もだ。1年以上、食ってなかった気もする」
ハンジ「クッキーは贅沢だもんね。甘いし、美味しいし。本当は毎日食べたいよ」
リヴァイ「アイデアが出るまでは食ってみるか? 実験的に」
ハンジ「金が足りませんから毎日は無理だよ! まあ、気持ち的には有難いけどね」
あんまり甘やかされると調子に乗る自分がいるからね。
そしてどんどんクッキーを食べていたら満腹感が襲ってきて……。
ハンジ「…………なんか食べたら眠くなってきた」
リヴァイ「は?」
やヴぁい。目が半分閉じて来た。眠い。
リヴァイ「おい、こら寝るな。掃除がまだ終わってねえだろうが」
ハンジ「もうリヴァイに丸投げしちゃダメ?」
リヴァイ「その場合、間違えて必要な物まで捨てる可能性があるんだが?」
ハンジ「じゃあ、掃除はまた今度で……」
リヴァイ「壁外調査が始まったら暫くまたバタバタ忙しくなるだろうが。おい、ハンジ?」
ごめん。リヴァイ。動きたくない。
強制終了に近い感覚で体に力が入らなくなった。そんな私をリヴァイは持ち上げてくれて、ベッドに寝かせてくれた。
優しいな。リヴァイ。ありがとう。
そう思いながら、私の意識は完全に堕ちていった。
鼻呼吸が突如出来なくなって慌てて意識が目覚めた。
ハンジ「んあ?! え? あ……寝てた?! 私!」
目の前にはリヴァイの顔があった。顔、近いんですけど。
リヴァイ「3時間くらい爆睡していたな。そんなに疲れていたのか?」
ハンジ「いや、多分、クッキーの中に睡眠薬でも混入していたんじゃないかな?」
と、言い訳してみる。
リヴァイ「俺も食ったが、別に眠くはならなかったが?」
ハンジ「じゃあリヴァイには薬が効かなかったとか? ………御免なさい。結構、疲れは溜まっていたかもしれないです。はい」
リヴァイ「やれやれ。自己管理も仕事の内だろ。悩むのは分からんでもないが、悩み過ぎるのも問題だろうが」
呆れられてしまったようだ。
いやー、だってね。ついつい、ね?
リヴァイ「俺もだ。1年以上、食ってなかった気もする」
ハンジ「クッキーは贅沢だもんね。甘いし、美味しいし。本当は毎日食べたいよ」
リヴァイ「アイデアが出るまでは食ってみるか? 実験的に」
ハンジ「金が足りませんから毎日は無理だよ! まあ、気持ち的には有難いけどね」
あんまり甘やかされると調子に乗る自分がいるからね。
そしてどんどんクッキーを食べていたら満腹感が襲ってきて……。
ハンジ「…………なんか食べたら眠くなってきた」
リヴァイ「は?」
やヴぁい。目が半分閉じて来た。眠い。
リヴァイ「おい、こら寝るな。掃除がまだ終わってねえだろうが」
ハンジ「もうリヴァイに丸投げしちゃダメ?」
リヴァイ「その場合、間違えて必要な物まで捨てる可能性があるんだが?」
ハンジ「じゃあ、掃除はまた今度で……」
リヴァイ「壁外調査が始まったら暫くまたバタバタ忙しくなるだろうが。おい、ハンジ?」
ごめん。リヴァイ。動きたくない。
強制終了に近い感覚で体に力が入らなくなった。そんな私をリヴァイは持ち上げてくれて、ベッドに寝かせてくれた。
優しいな。リヴァイ。ありがとう。
そう思いながら、私の意識は完全に堕ちていった。
鼻呼吸が突如出来なくなって慌てて意識が目覚めた。
ハンジ「んあ?! え? あ……寝てた?! 私!」
目の前にはリヴァイの顔があった。顔、近いんですけど。
リヴァイ「3時間くらい爆睡していたな。そんなに疲れていたのか?」
ハンジ「いや、多分、クッキーの中に睡眠薬でも混入していたんじゃないかな?」
と、言い訳してみる。
リヴァイ「俺も食ったが、別に眠くはならなかったが?」
ハンジ「じゃあリヴァイには薬が効かなかったとか? ………御免なさい。結構、疲れは溜まっていたかもしれないです。はい」
リヴァイ「やれやれ。自己管理も仕事の内だろ。悩むのは分からんでもないが、悩み過ぎるのも問題だろうが」
呆れられてしまったようだ。
いやー、だってね。ついつい、ね?
23: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:31:26 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「なんか、こっちの部屋の方がよく寝れるみたいだね? リヴァイの部屋の方が快適だなあ」
リヴァイ「そりゃそうだろうな。あっちの部屋は既に「空気」が「どんより」しているからな」
ハンジ「やっぱり? やっぱりそうだよね。はあ……ついつい後回しにしていたらいつの間にか自分の部屋がおかしくなっていたんだよね」
リヴァイ「いつの間にかじゃねえな。割と常にだと思うが」
ハンジ「すみません。常にそうですね。はい。何だろうね? 自分でも良く分かんないんだけど」
照れくさくなってきた。うん。なんだろ。この感じ。
バツが悪い気分で、でも照れ臭くて、頭をつい掻いちゃったら、
リヴァイにいきなり、右手首を掴まれてドキッとした。
ハンジ「え?」
リヴァイ「俺のベッドの上で頭を掻くな。フケが落ちる」
ハンジ「そうだった! いや、御免。ついつい……」
リヴァイ「今夜は流石に風呂、入るんだよな?」
ハンジ「うん! 遠征前には入った方がいいかもしれないって、リヴァイの言葉で目覚めたからね!」
リヴァイ「それで入浴するんだったらもっと早くそれを言えば良かったな」
いやいや、それは結果論ですよ。
ハンジ「いやいや? 気づいただけでも前進ですよ? あ、でも夕食が先か。今日は一緒に食堂に行こうかな」
リヴァイ「いいのか?」
ハンジ「うん。確かに最近ちょっと根を詰め過ぎだったかも? 壁外調査前だし、ちょっと考えるのを自重するよ」
という訳で久々に私はリヴァイと一緒に食堂の方で夕食を取る事にした。
先に2人で食べていると、エルヴィンとミケも後から合流してくれた。
エルヴィン「おや、珍しい。こっちで夕食を取るのは久々じゃないか? ハンジ」
ハンジ「うん。そうだね。最近は研究室で食べる事が多かったから。たまにはこっちで皆と食べようと思って」
リヴァイ「いろいろ煮詰まっているようだったしな。1回、気持ちを切り替えさせた方がいいと思ってな」
エルヴィン「もうすぐ次の遠征だしね。うん。体調管理はしっかりお願いするよ」
ハンジ「御免なさい」
と肩をすくめながらスープを飲み干す。
エルヴィン「しかし、アレだな」
リヴァイ「何だ?」
エルヴィン「最近、よく2人で夜、一緒にいるんだって?」
ドキッ。まずい。エルヴィン、気づいているっぽいなあ。
どーしよ。エルヴィン、あんまり兵士同士でくっつくの、困るって言っていたもんなあ。
いや、くっついてはいないけどね。リヴァイとはそういう関係じゃないけど。
ただ、ドアの「開閉」についてはエルヴィンも知っているからきっと誤解しているとは思う。
リヴァイ「そりゃそうだろうな。あっちの部屋は既に「空気」が「どんより」しているからな」
ハンジ「やっぱり? やっぱりそうだよね。はあ……ついつい後回しにしていたらいつの間にか自分の部屋がおかしくなっていたんだよね」
リヴァイ「いつの間にかじゃねえな。割と常にだと思うが」
ハンジ「すみません。常にそうですね。はい。何だろうね? 自分でも良く分かんないんだけど」
照れくさくなってきた。うん。なんだろ。この感じ。
バツが悪い気分で、でも照れ臭くて、頭をつい掻いちゃったら、
リヴァイにいきなり、右手首を掴まれてドキッとした。
ハンジ「え?」
リヴァイ「俺のベッドの上で頭を掻くな。フケが落ちる」
ハンジ「そうだった! いや、御免。ついつい……」
リヴァイ「今夜は流石に風呂、入るんだよな?」
ハンジ「うん! 遠征前には入った方がいいかもしれないって、リヴァイの言葉で目覚めたからね!」
リヴァイ「それで入浴するんだったらもっと早くそれを言えば良かったな」
いやいや、それは結果論ですよ。
ハンジ「いやいや? 気づいただけでも前進ですよ? あ、でも夕食が先か。今日は一緒に食堂に行こうかな」
リヴァイ「いいのか?」
ハンジ「うん。確かに最近ちょっと根を詰め過ぎだったかも? 壁外調査前だし、ちょっと考えるのを自重するよ」
という訳で久々に私はリヴァイと一緒に食堂の方で夕食を取る事にした。
先に2人で食べていると、エルヴィンとミケも後から合流してくれた。
エルヴィン「おや、珍しい。こっちで夕食を取るのは久々じゃないか? ハンジ」
ハンジ「うん。そうだね。最近は研究室で食べる事が多かったから。たまにはこっちで皆と食べようと思って」
リヴァイ「いろいろ煮詰まっているようだったしな。1回、気持ちを切り替えさせた方がいいと思ってな」
エルヴィン「もうすぐ次の遠征だしね。うん。体調管理はしっかりお願いするよ」
ハンジ「御免なさい」
と肩をすくめながらスープを飲み干す。
エルヴィン「しかし、アレだな」
リヴァイ「何だ?」
エルヴィン「最近、よく2人で夜、一緒にいるんだって?」
ドキッ。まずい。エルヴィン、気づいているっぽいなあ。
どーしよ。エルヴィン、あんまり兵士同士でくっつくの、困るって言っていたもんなあ。
いや、くっついてはいないけどね。リヴァイとはそういう関係じゃないけど。
ただ、ドアの「開閉」についてはエルヴィンも知っているからきっと誤解しているとは思う。
24: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:32:15 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「何の話だ。いきなり。そんなに「よく」って程でもねえけど」
ハンジ「あー私がいろいろ煮詰まった時は私がリヴァイの部屋に遊びに行っているだけだよ」
リヴァイ「週一くらいか? そんなもんだろ。週末一緒にたまに夜、部屋で寝る前までハンジとしゃべっているだけだが」
エルヴィン「…………そうか」
エルヴィン、目が細くなっていく。ううう。そんな目で見ないでよ。
私自身、リヴァイの真意を測りかねている部分もあるんだよね。
ミケ「ふん………」
ミケまで鼻を鳴らして笑った。あーもう、バレているっぽいなあ。これは。
どうしよう。ここでもっと否定する事も出来るけど。でも否定したら「はいはい」って事になるしなあ。
それよりも、実際、部屋の中で何をやっているかを話した方がいいかもしれない。
ハンジ「リヴァイ、スピードがめっちゃ強すぎて勝負にならないんだよ! ポーカーだと私の方が強いけど!」
リヴァイ「お前がのろすぎるんだろ。あと4649とかも俺の得意分野だな」
193(いっきゅうさん)とか、3249(みによんく)とか、そういう名称に変わる場合もあるけど。
その遊びがどこから発祥して何処から流れて来たのかは今も不明である。
カードを円形に並べて、1枚ずつ中央に裏返して見せて置いて、指定したカードの数字が出た瞬間に手を出し合って奪い合う。
手が遅かった方が全部取って、数が多かった方が負けになるゲームだ。
これもリヴァイ、滅茶苦茶強いんだよね。勝てた試しがない。
ハンジ「ふーん。チェスだったらまだ私が勝つもんね」
リヴァイ「最近、俺も前よりは腕はあげたつもりだが?」
エルヴィン「チェスもやるようになったのか」
リヴァイ「まあな。トランプだけだと、ネタが尽きて来たし。ハンジと2人で遊ぶのだったらボードゲームの方が盛り上がるのは否めない」
ハンジ「前に比べたら強くはなったけど。まだ私の方が強いからね!」
リヴァイ「そのうち、絶対負かしてやるからな」
単純なボードゲームだとエルヴィンにはまだ勝てないけどリヴァイなら勝てるもんね。
エルヴィン「結構、意外と2人で遊んでいたんだね」
リヴァイ「いや、最近だけどな。前はそうでもなかった。切欠はいつだったか………ああ、ハンジが新しい罠を造りたいけど、アイデアが煮詰まっていて、その気分転換をさせる為に始めたんだが、いつの間にか遊びの方がメインになっていた」
ハンジ「あ、それもそうだったね。ごめんね。遊んでばっかりで」
リヴァイ「いやそういう事もある。それより次の遠征ではどの程度、外に出られそうなんだ?」
話題が逸れた。リヴァイ、ナイス♪
エルヴィン「ううーん……また日帰りになりそうな気配だね。午前中に行って帰ってくるだけになりそうだ」
リヴァイ「そうか………」
リヴァイが残念そうだった。私も同意だ。
エルヴィン「まあ、近年は平均して月一ペースでとりあえず、外には出られるようになったからまだマシかな。以前はその間隔がバラバラ過ぎたしな」
リヴァイ「せめて三日、自由に外に出られたら、もっと効率よく巨人を殲滅させられるんだろうが」
エルヴィン「兵士の損害の方が大きくなるよ。今はヒット&アウェイ作戦でいかないと」
リヴァイ「まあそうなんだろうな」
エルヴィン「うん。まあ、焦ったらダメだよ。私もいろいろ変革の過渡期だと思っているし。索敵陣形の精度も初期の頃に比べたら断然、上がっているし。いい方向には向かってはいると思うが」
リヴァイ「………が?」
エルヴィンの表情が陰った。どうしたんだろ?
ハンジ「あー私がいろいろ煮詰まった時は私がリヴァイの部屋に遊びに行っているだけだよ」
リヴァイ「週一くらいか? そんなもんだろ。週末一緒にたまに夜、部屋で寝る前までハンジとしゃべっているだけだが」
エルヴィン「…………そうか」
エルヴィン、目が細くなっていく。ううう。そんな目で見ないでよ。
私自身、リヴァイの真意を測りかねている部分もあるんだよね。
ミケ「ふん………」
ミケまで鼻を鳴らして笑った。あーもう、バレているっぽいなあ。これは。
どうしよう。ここでもっと否定する事も出来るけど。でも否定したら「はいはい」って事になるしなあ。
それよりも、実際、部屋の中で何をやっているかを話した方がいいかもしれない。
ハンジ「リヴァイ、スピードがめっちゃ強すぎて勝負にならないんだよ! ポーカーだと私の方が強いけど!」
リヴァイ「お前がのろすぎるんだろ。あと4649とかも俺の得意分野だな」
193(いっきゅうさん)とか、3249(みによんく)とか、そういう名称に変わる場合もあるけど。
その遊びがどこから発祥して何処から流れて来たのかは今も不明である。
カードを円形に並べて、1枚ずつ中央に裏返して見せて置いて、指定したカードの数字が出た瞬間に手を出し合って奪い合う。
手が遅かった方が全部取って、数が多かった方が負けになるゲームだ。
これもリヴァイ、滅茶苦茶強いんだよね。勝てた試しがない。
ハンジ「ふーん。チェスだったらまだ私が勝つもんね」
リヴァイ「最近、俺も前よりは腕はあげたつもりだが?」
エルヴィン「チェスもやるようになったのか」
リヴァイ「まあな。トランプだけだと、ネタが尽きて来たし。ハンジと2人で遊ぶのだったらボードゲームの方が盛り上がるのは否めない」
ハンジ「前に比べたら強くはなったけど。まだ私の方が強いからね!」
リヴァイ「そのうち、絶対負かしてやるからな」
単純なボードゲームだとエルヴィンにはまだ勝てないけどリヴァイなら勝てるもんね。
エルヴィン「結構、意外と2人で遊んでいたんだね」
リヴァイ「いや、最近だけどな。前はそうでもなかった。切欠はいつだったか………ああ、ハンジが新しい罠を造りたいけど、アイデアが煮詰まっていて、その気分転換をさせる為に始めたんだが、いつの間にか遊びの方がメインになっていた」
ハンジ「あ、それもそうだったね。ごめんね。遊んでばっかりで」
リヴァイ「いやそういう事もある。それより次の遠征ではどの程度、外に出られそうなんだ?」
話題が逸れた。リヴァイ、ナイス♪
エルヴィン「ううーん……また日帰りになりそうな気配だね。午前中に行って帰ってくるだけになりそうだ」
リヴァイ「そうか………」
リヴァイが残念そうだった。私も同意だ。
エルヴィン「まあ、近年は平均して月一ペースでとりあえず、外には出られるようになったからまだマシかな。以前はその間隔がバラバラ過ぎたしな」
リヴァイ「せめて三日、自由に外に出られたら、もっと効率よく巨人を殲滅させられるんだろうが」
エルヴィン「兵士の損害の方が大きくなるよ。今はヒット&アウェイ作戦でいかないと」
リヴァイ「まあそうなんだろうな」
エルヴィン「うん。まあ、焦ったらダメだよ。私もいろいろ変革の過渡期だと思っているし。索敵陣形の精度も初期の頃に比べたら断然、上がっているし。いい方向には向かってはいると思うが」
リヴァイ「………が?」
エルヴィンの表情が陰った。どうしたんだろ?
25: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:32:51 ID:.SqfFaVo0
エルヴィン「ううーん……実は、また女性の兵士が1人、「産休」に入っちゃって」
リヴァイ「は? ちょっと待て。何で遠征前に急にそういう事を言いだす」
エルヴィン「いや、もしかしたら調査兵団を抜けざる負えないかもしれないけどね。彼女の場合は」
リヴァイ「………年はいくつの奴だよ」
エルヴィン「まだ若い。19歳だ。まあ、若い子はたまにあるけどね。そういう事も」
リヴァイ「……………」
産休かあ。女はこれはあるから面倒臭いんだよね。
まあ、でも、壁内で子供が産まれなくなったらそれはそれで大問題だけど。
エルヴィン「ただまあ、本人は産んだら戻ってくるとは言ってはいるが……恐らくご家族が大反対されるだろうね。流石に。育児を理由に兵士を引退させられる可能性が高い」
女性の兵士と男性の兵士の比率を考えるとおよそ半々だった。
だから、兵団の内部で恋愛事が起きて、女性の方が子供を妊娠してそれを切欠に退役する人も珍しくはない。
それはそれで人生だ。自由だと思う。それを引き留める権利は誰にもない。
エルヴィン「資金繰りの件よりもむしろ「人材不足」の方が毎回頭を痛めるよ。人が減れば減るだけ、1人当たりの兵士の負担が増える訳だからね」
リヴァイ「俺が10人分くらいは働いてやるよ。エルヴィン。心配するな。その女の兵士の分の仕事も俺がやってやる」
ハンジ「私もリヴァイと同じ意見だよ。大丈夫。人が減っても、私はずっと調査兵団に残るからね」
ミケ「ああ。俺もそうだな」
リヴァイ一人で背負わせないよ。私も頑張るし。
エルヴィン「君達にそう言って貰えるのは嬉しいが、次世代の兵士を育てるのも私達の仕事のうちだからね」
リヴァイ「そうだな。そういう意味ではその女の兵士も自分の子供に英才教育をしてやって欲しいが」
ハンジ「なるほど。幼少期から立体機動を教える訳ですね。案外いいアイデアじゃない?」
エルヴィン「親御さんに大反対されそうな計画だな。それは」
ミケ「いや、でも案外いいかもしれないぞ。今度、そういう「子供向け」の「指導」が出来る様な企画を出してみたらどうだ?」
エルヴィン「その場合はリヴァイが確実に客寄せ役をやってもらうからね?」
リヴァイ「………だったら無理だな」
いいアイデアだとは思ったけどね? なんちゃって。
そんな感じで適当におしゃべりしながら夕食を食べ終えると、それぞれの部屋に戻った。
そして明後日の為にお風呂に入る。風呂に上がってから、ついでだからリヴァイに声をかけようと思った。
リヴァイの部屋に突入してみる。あ、鍵が開いてる。ラッキー♪
ハンジ「やーリヴァイ! ちゃんと風呂に入って来たよ? みてみてー」
リヴァイ「おい。濡れた髪のしずくを床に散らかすな。ちゃんとタオルで頭を拭け!」
あ、しまった。髪、ちゃんと乾かしてないや。
リヴァイ「は? ちょっと待て。何で遠征前に急にそういう事を言いだす」
エルヴィン「いや、もしかしたら調査兵団を抜けざる負えないかもしれないけどね。彼女の場合は」
リヴァイ「………年はいくつの奴だよ」
エルヴィン「まだ若い。19歳だ。まあ、若い子はたまにあるけどね。そういう事も」
リヴァイ「……………」
産休かあ。女はこれはあるから面倒臭いんだよね。
まあ、でも、壁内で子供が産まれなくなったらそれはそれで大問題だけど。
エルヴィン「ただまあ、本人は産んだら戻ってくるとは言ってはいるが……恐らくご家族が大反対されるだろうね。流石に。育児を理由に兵士を引退させられる可能性が高い」
女性の兵士と男性の兵士の比率を考えるとおよそ半々だった。
だから、兵団の内部で恋愛事が起きて、女性の方が子供を妊娠してそれを切欠に退役する人も珍しくはない。
それはそれで人生だ。自由だと思う。それを引き留める権利は誰にもない。
エルヴィン「資金繰りの件よりもむしろ「人材不足」の方が毎回頭を痛めるよ。人が減れば減るだけ、1人当たりの兵士の負担が増える訳だからね」
リヴァイ「俺が10人分くらいは働いてやるよ。エルヴィン。心配するな。その女の兵士の分の仕事も俺がやってやる」
ハンジ「私もリヴァイと同じ意見だよ。大丈夫。人が減っても、私はずっと調査兵団に残るからね」
ミケ「ああ。俺もそうだな」
リヴァイ一人で背負わせないよ。私も頑張るし。
エルヴィン「君達にそう言って貰えるのは嬉しいが、次世代の兵士を育てるのも私達の仕事のうちだからね」
リヴァイ「そうだな。そういう意味ではその女の兵士も自分の子供に英才教育をしてやって欲しいが」
ハンジ「なるほど。幼少期から立体機動を教える訳ですね。案外いいアイデアじゃない?」
エルヴィン「親御さんに大反対されそうな計画だな。それは」
ミケ「いや、でも案外いいかもしれないぞ。今度、そういう「子供向け」の「指導」が出来る様な企画を出してみたらどうだ?」
エルヴィン「その場合はリヴァイが確実に客寄せ役をやってもらうからね?」
リヴァイ「………だったら無理だな」
いいアイデアだとは思ったけどね? なんちゃって。
そんな感じで適当におしゃべりしながら夕食を食べ終えると、それぞれの部屋に戻った。
そして明後日の為にお風呂に入る。風呂に上がってから、ついでだからリヴァイに声をかけようと思った。
リヴァイの部屋に突入してみる。あ、鍵が開いてる。ラッキー♪
ハンジ「やーリヴァイ! ちゃんと風呂に入って来たよ? みてみてー」
リヴァイ「おい。濡れた髪のしずくを床に散らかすな。ちゃんとタオルで頭を拭け!」
あ、しまった。髪、ちゃんと乾かしてないや。
26: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:33:41 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「あはは! ねえねえ? 久々に綺麗になったかな? これなら巨人に見られても見苦しくない?」
リヴァイ「ああ。美女になったな。ハンジの色気に騙されて巨人が近づいてくるかもな?」
ハンジ「おしゃああああ! 餌になってやるぜ! いや、釣り上げるのが目的だけどね?」
リヴァイ「当然だろうが。いい巨人を引っかけろ。俺が根こそぎ削いでやる」
ハンジ「よろしくね! あ………」
リヴァイ「ん?」
思い出しちゃったな。あの時の事を。
ハンジ「ごめんね。いつか、謝ろうとは思っていたけど」
リヴァイ「?」
ハンジ「いつだったか、あんたの部下、死なせかけたでしょ?」
リヴァイ「ああ……」
リヴァイの部下にはちゃんと謝ったけど。リヴァイ本人にはまだちゃんとは謝っていなかった気がする。
私は「イルゼの手帳」を手に入れる以前は、ちょっと「イタイ女」だった。
周りが見えない、暴走女というべきか。リヴァイに怒られてもその意味すら理解出来ない馬鹿女だったんだ。
振り返ると昔の自分は危なっかしい女だったと思う。リヴァイに何度、怒鳴られたか覚えてない。
ハンジ「御免。謝り損ねていたけど。いつかはちゃんと謝ろうと思ってはいた。今、ふとその時の事を思い出してね」
リヴァイ「新しい罠を必死に考えているのもそのせいか」
ハンジ「うん。犠牲は最小限にしないといけないって、考えを改めたから。だから「新しい罠」は絶対、いつか必要になると思っている。今回の壁外調査でその「ヒント」が掴めたらいいんだけどな」
リヴァイ「………そうだな」
リヴァイが急に私の眼鏡を勝手に外してしまった。
何? 見えないんだけど。何、しているの?
ハンジ「ん?」
リヴァイ「眼鏡に水がついている。拭いてやるから」
そしてまた眼鏡をかけられて、視界が凄く綺麗になった。
あ! 凄い。全然見え方が違う!
ハンジ「おお! 視界が急に綺麗になった! ありがとう!」
リヴァイ「普段からもっと眼鏡を磨いておけ。ますますクソ眼鏡になるだろうが」
ハンジ「今のは、どっちに対して「クソ」なんですかね?」
リヴァイ「両方だ。さてと。今日はもう帰れ。俺も寝る」
相変わらず酷い。まあ、別にいいけどー。
ハンジ「うん。ありがとう。おやすみなさーい」
なんだろ。毎回、楽しいな。リヴァイと話すのが。
綺麗になった眼鏡のおかげでルンルンしながら、私は自分の部屋に戻って行ったのだった。
リヴァイ「ああ。美女になったな。ハンジの色気に騙されて巨人が近づいてくるかもな?」
ハンジ「おしゃああああ! 餌になってやるぜ! いや、釣り上げるのが目的だけどね?」
リヴァイ「当然だろうが。いい巨人を引っかけろ。俺が根こそぎ削いでやる」
ハンジ「よろしくね! あ………」
リヴァイ「ん?」
思い出しちゃったな。あの時の事を。
ハンジ「ごめんね。いつか、謝ろうとは思っていたけど」
リヴァイ「?」
ハンジ「いつだったか、あんたの部下、死なせかけたでしょ?」
リヴァイ「ああ……」
リヴァイの部下にはちゃんと謝ったけど。リヴァイ本人にはまだちゃんとは謝っていなかった気がする。
私は「イルゼの手帳」を手に入れる以前は、ちょっと「イタイ女」だった。
周りが見えない、暴走女というべきか。リヴァイに怒られてもその意味すら理解出来ない馬鹿女だったんだ。
振り返ると昔の自分は危なっかしい女だったと思う。リヴァイに何度、怒鳴られたか覚えてない。
ハンジ「御免。謝り損ねていたけど。いつかはちゃんと謝ろうと思ってはいた。今、ふとその時の事を思い出してね」
リヴァイ「新しい罠を必死に考えているのもそのせいか」
ハンジ「うん。犠牲は最小限にしないといけないって、考えを改めたから。だから「新しい罠」は絶対、いつか必要になると思っている。今回の壁外調査でその「ヒント」が掴めたらいいんだけどな」
リヴァイ「………そうだな」
リヴァイが急に私の眼鏡を勝手に外してしまった。
何? 見えないんだけど。何、しているの?
ハンジ「ん?」
リヴァイ「眼鏡に水がついている。拭いてやるから」
そしてまた眼鏡をかけられて、視界が凄く綺麗になった。
あ! 凄い。全然見え方が違う!
ハンジ「おお! 視界が急に綺麗になった! ありがとう!」
リヴァイ「普段からもっと眼鏡を磨いておけ。ますますクソ眼鏡になるだろうが」
ハンジ「今のは、どっちに対して「クソ」なんですかね?」
リヴァイ「両方だ。さてと。今日はもう帰れ。俺も寝る」
相変わらず酷い。まあ、別にいいけどー。
ハンジ「うん。ありがとう。おやすみなさーい」
なんだろ。毎回、楽しいな。リヴァイと話すのが。
綺麗になった眼鏡のおかげでルンルンしながら、私は自分の部屋に戻って行ったのだった。
27: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:34:52 ID:.SqfFaVo0
今回の壁外調査では残念ながら巨人の捕獲作戦は行っていない。
何故なら新兵の数が多い事と、その捕獲用の「新しい罠」が未完成だったからだ。
旧式のやり方でやれなくもなかったけど、時間もあまりない事もあって、今回は見送りになった。
従来の壁外調査に比べたら死者の数は少なかったけれど、それでも毎回、弔う事には慣れなかった。
いつもの事後処理を大体済ませると、私はニファに例の件を託した。
リヴァイは「女性からの突然の贈り物を受け取るのか受け取らないのか」実験である。
あいつ、本当に女関係に関しては「謎」過ぎるんだよね。
たまに飲み会とかあるけど、そういう時の「猥談」ですら参加したがらない。
だからリヴァイがどんな女性が好きなのか、とかも全く情報が漏れてこない。
だから一部の「エルヴィンと実は出来ている説」も割と浸透してしまっている。
ここは一発、実験をして確認してみたいと思っていたのだ。
壁外調査が終わってからなら、リヴァイも少し気が緩む筈だから、実験する「時期」としてはここしかないと思った。
ハンジ「じゃあ、ニファ、宜しくね」
ニファ「はい! いってきます!」
ニファがリヴァイに接触をはかった。帽子、受け取るかなあ?
お? 意外とあっさり受け取った! グッジョブニファ!
なーんだ。リヴァイ、ちゃんと女性からの贈り物、受け取れるんじゃん。
だったら巷で流れている「エルヴィンと出来ている説」はただの噂だったのかな。
今のやりとりを見る限り、女性に全く興味がない感じではなかった。
少し嬉しそうにしていたし、大丈夫そうだね。
ハンジ「おお? 室内なのに帽子かぶってる! ニファに貰ったね?」
リヴァイ「何で知ってる?」
ハンジ「いや、だって一緒に買い物に行ったし。リヴァイに何かプレゼントしたいって事だったから、私も一緒に選ぶのを手伝ったんだよ。サイズも大丈夫でしょ?」
リヴァイ「いつの間にサイズを知ったんだ?」
ハンジ「あんたの部屋の帽子のサイズをこっそり「調査」しました」
リヴァイ「やれやれ。情報がダダ漏れだな。ハンジには」
ハンジ「別にいいじゃん。頭の大きさくらい。私、人の体のサイズを知るの好きだし」
リヴァイ「人じゃなくて「巨人」の間違いだろ?」
ハンジ「人と巨人を比べたら、そりゃ巨人の方が上だけど」
リヴァイ「やっぱりな。まあいい。いい帽子だから使わせて貰おう。でも何で、急にくれたんだろうな?」
ハンジ「あー……壁外遠征であんたがニファを援護したからじゃない?」
と、予め考えておいた「理由」を提示する。
リヴァイ「ん? 援護するのは当然だろうが。ニファはまだ、壁外に出るのは3回目くらいじゃなかったか?」
ハンジ「まあそうだけど。新人だから気をつけて見ていたんでしょ? その優しさがニファを動かしたんじゃない?」
まあ、全くの嘘でもないけどね。
ニファは「上司」としてのリヴァイを尊敬していると言っていたから。
28: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:35:45 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「エルヴィンも言っていただろ。若い奴らを育成するのも仕事の内だと。だったら新人の兵士には出来るだけ、ベテラン組が目を光らせる必要があるだろ」
確かにね。育成も大事なお仕事のひとつだね。
そしてリヴァイは自室に戻ろうとしたので、そこで慌てて呼び止めた。
エルヴィンに頼まれていた事があったからだ。
ハンジ「あ、待ってリヴァイ」
リヴァイ「何だ?」
ハンジ「あのね。エルヴィンから頼まれていたんだけど、今度、結婚式に参加してくれない?」
リヴァイ「誰の」
ハンジ「例の産休中の女兵士だよ。本人は産んだら絶対、兵士として戻るって言っているけど、やっぱり家族の方が反対されているらしくてね。エルヴィンと私とで、一応、結婚式に顔を出してみる事になったんだよ。出来るなら、リヴァイも一緒に来てくれない?」
リヴァイ「…………」
困惑顔だね。複雑な心境は分かるけど。
リヴァイ「俺が行って、何か役に立つのか?」
ハンジ「むしろ来てくれないと凄く困るってエルヴィンが言っていたよ。人類最強のリヴァイがいるから「大丈夫」だって思わせるしか、説得する方法がないんじゃないかな」
リヴァイ「俺は保険みたいな存在か」
ハンジ「リヴァイがいるのといないのじゃ、雲泥の差だよ。本人の意志を尊重させたい訳だし。ね? 式に出る為のスーツなら持っているでしょ?」
リヴァイ「むしろ、ハンジの方が着ていく服を持ってないように思うが?」
ハンジ「あーそれは今度の休みに貸衣装屋に借りに行くよ。1人で行ってくる」
リヴァイ「………………1人で行くのか」
おや? 今、変な間があったね?
ハンジ「うん。1人で行くけど………あ、もしかして、リヴァイも街に用事ある?」
もし用事があるなら一緒に行ってくれそうかな?
リヴァイ「まあ、あるな」
あるんだ。じゃあ甘えちゃおうかな。
ハンジ「じゃあ、ついでに一緒に行く?」
リヴァイ「ああ。いいぞ。別に」
即答だった。おお。意外だな。最近、サービスいいなあ。リヴァイは。
ハンジ「じゃあ、そういう事で。私も報告書の件があるし。またね」
リヴァイと一緒に貸衣装屋に行ける事にちょっとだけ浮かれながら、私も自分の仕事に専念した。
そして次の日、いろいろ雑務を終わらせた後、夕方、ナナバからいい情報を貰って私は考えた。
どうやら例の貸衣装屋が今日まで安売りしているそうだ。
ただ、時間が時間だし、今からお店に行っても滑り込みだろうな。
ハンジ「ん~」
でも、ちょっと無茶振りしてみたい気持ちになった。
最近のリヴァイ、ちょっと優しいから、振っても案外いけるかも?
そんな風に調子に乗ってしまって、私はついつい、リヴァイを誘ってしまったんだ。
ハンジ「リヴァイ! 今、時間ある?」
リヴァイ「ああ。雑務は大体済ませてきたが……何か用事があるのか?」
ハンジ「あのね……貸衣装屋さん、今日まで安売り価格でやっているんだって! 明日はお店が休みだし、今からトロスト区に行こう!」
リヴァイ「は? 今から? 待て。もう夕方だぞ。向こうに着くのはいいが、戻ってくる頃には夜にならないか?」
まあね! でも行きたいんだ! それでも!
ハンジ「ナナバがね、教えてくれたの! ギリギリセーフだよ! 安く借りられるなら安い方がいいでしょ? だから、行こう!」
リヴァイ「………」
嫌そうな顔しているなあ。これは断られるかな? 流石に。
あ、でも、リヴァイ、「NO」とは言わずに「エルヴィンの部屋に行く」って言って部屋を出て行っちゃった。
リヴァイ「エルヴィンの許可は貰って来た。行くぞ」
おおおおおお?! いいんだ? スゴイ!
最近、なんかリヴァイ、本当にサービスいいなあ。どうしちゃったんだろ。
確かにね。育成も大事なお仕事のひとつだね。
そしてリヴァイは自室に戻ろうとしたので、そこで慌てて呼び止めた。
エルヴィンに頼まれていた事があったからだ。
ハンジ「あ、待ってリヴァイ」
リヴァイ「何だ?」
ハンジ「あのね。エルヴィンから頼まれていたんだけど、今度、結婚式に参加してくれない?」
リヴァイ「誰の」
ハンジ「例の産休中の女兵士だよ。本人は産んだら絶対、兵士として戻るって言っているけど、やっぱり家族の方が反対されているらしくてね。エルヴィンと私とで、一応、結婚式に顔を出してみる事になったんだよ。出来るなら、リヴァイも一緒に来てくれない?」
リヴァイ「…………」
困惑顔だね。複雑な心境は分かるけど。
リヴァイ「俺が行って、何か役に立つのか?」
ハンジ「むしろ来てくれないと凄く困るってエルヴィンが言っていたよ。人類最強のリヴァイがいるから「大丈夫」だって思わせるしか、説得する方法がないんじゃないかな」
リヴァイ「俺は保険みたいな存在か」
ハンジ「リヴァイがいるのといないのじゃ、雲泥の差だよ。本人の意志を尊重させたい訳だし。ね? 式に出る為のスーツなら持っているでしょ?」
リヴァイ「むしろ、ハンジの方が着ていく服を持ってないように思うが?」
ハンジ「あーそれは今度の休みに貸衣装屋に借りに行くよ。1人で行ってくる」
リヴァイ「………………1人で行くのか」
おや? 今、変な間があったね?
ハンジ「うん。1人で行くけど………あ、もしかして、リヴァイも街に用事ある?」
もし用事があるなら一緒に行ってくれそうかな?
リヴァイ「まあ、あるな」
あるんだ。じゃあ甘えちゃおうかな。
ハンジ「じゃあ、ついでに一緒に行く?」
リヴァイ「ああ。いいぞ。別に」
即答だった。おお。意外だな。最近、サービスいいなあ。リヴァイは。
ハンジ「じゃあ、そういう事で。私も報告書の件があるし。またね」
リヴァイと一緒に貸衣装屋に行ける事にちょっとだけ浮かれながら、私も自分の仕事に専念した。
そして次の日、いろいろ雑務を終わらせた後、夕方、ナナバからいい情報を貰って私は考えた。
どうやら例の貸衣装屋が今日まで安売りしているそうだ。
ただ、時間が時間だし、今からお店に行っても滑り込みだろうな。
ハンジ「ん~」
でも、ちょっと無茶振りしてみたい気持ちになった。
最近のリヴァイ、ちょっと優しいから、振っても案外いけるかも?
そんな風に調子に乗ってしまって、私はついつい、リヴァイを誘ってしまったんだ。
ハンジ「リヴァイ! 今、時間ある?」
リヴァイ「ああ。雑務は大体済ませてきたが……何か用事があるのか?」
ハンジ「あのね……貸衣装屋さん、今日まで安売り価格でやっているんだって! 明日はお店が休みだし、今からトロスト区に行こう!」
リヴァイ「は? 今から? 待て。もう夕方だぞ。向こうに着くのはいいが、戻ってくる頃には夜にならないか?」
まあね! でも行きたいんだ! それでも!
ハンジ「ナナバがね、教えてくれたの! ギリギリセーフだよ! 安く借りられるなら安い方がいいでしょ? だから、行こう!」
リヴァイ「………」
嫌そうな顔しているなあ。これは断られるかな? 流石に。
あ、でも、リヴァイ、「NO」とは言わずに「エルヴィンの部屋に行く」って言って部屋を出て行っちゃった。
リヴァイ「エルヴィンの許可は貰って来た。行くぞ」
おおおおおお?! いいんだ? スゴイ!
最近、なんかリヴァイ、本当にサービスいいなあ。どうしちゃったんだろ。
29: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:36:57 ID:.SqfFaVo0
でも嬉しい。私はウキウキしながらリヴァイと一緒にトロスト区に行く事になった。
貸衣装屋の営業時間ギリギリに店に滑り込んで、とにかく「着られる」衣装の中で「1番安い」物を即決して決めた。
黒いレースの入ったワンピースだけど、まあいいか。これで。
でもそれを会計し終えてからリヴァイが眉間に深い皺を寄せたんだ。
リヴァイ「おい、ハンジ。試着しなくて良かったのか?」
ハンジ「え?」
リヴァイ「ちょっと体に当ててみるぞ。………やっぱりこれ、スカートが短過ぎないか?」
あ、しまった。本当だ。
デザイン、碌に見ないで決めちゃったからそこに気づいてなかった。
ハンジ「あ………ごめん。安さに釣られて、あんまりデザイン考えてなかった」
リヴァイ「10代なら足見せてもいいかもしれんが、その年でその露出はどうかと思うぞ」
ハンジ「それもそうだね。やっぱり交換して貰おうかな……あ、でもそうなると、お金がかかっちゃうし……ううーん」
リヴァイ「……………もういっそ、男装して行った方が良かったかもな」
ハンジ「! それもそうだった! そっちがいいじゃん! それだったら、身長近い男性の兵士に服借りれたし! あちゃー……私の馬鹿あ!」
ああああ! そっちにすればよかった! 何も無理して「女装」する必要ないじゃん!
だって、性別隠して式に出ても別に問題ないし! とりあえず「出る」ことさえすればいいんだから!
リヴァイ「いや、今のは流石に冗談だったんが」
あれ? リヴァイがちょっと引いてる。
ハンジ「え? そうだったの?」
リヴァイ「いや、何か和ませた方がいいかと思ってな」
あらら。気を遣わせてしまったようだ。すまんね!
ハンジ「あらら……もういっそ、リヴァイがこれ着ちゃったら? 丁度いいんじゃない? スカート丈も」
リヴァイ「それは思ったが、それをやったらただの変態だからやめておく」
ハンジ「あはは! それもそうか! ううーん。ま、1回だけの事だし、ミニスカートでも妥協するよ。そんなにジロジロ見られるようなもんでもないでしょ?」
リヴァイ「さあな。それを俺に聞かれても分からん」
ほらね。こういう話題になると逃げるんだよね。リヴァイは。
だから本当に「女」に興味があるのか半信半疑なんだよなあ。
でも、リヴァイの視線は別のところに移動して、
リヴァイ「タイツを新しく買ったらどうだ? タイツを履けば、ミニスカートでも見苦しくはないだろ」
ハンジ「ううう………お金、貸してくれる?」
リヴァイ「は? え……まさか、残金ないのか?」
ハンジ「余分なお金は持って来てないです」
リヴァイ「まあ、タイツくらいなら別に俺が奢ってやってもいいんだが」
と言いながら店を出た。え? また奢ってくれるの?
マジか! いや、でも流石にそれは悪いかな。うん。
なんか甘え過ぎているような気もするしね。うん。
貸衣装屋の営業時間ギリギリに店に滑り込んで、とにかく「着られる」衣装の中で「1番安い」物を即決して決めた。
黒いレースの入ったワンピースだけど、まあいいか。これで。
でもそれを会計し終えてからリヴァイが眉間に深い皺を寄せたんだ。
リヴァイ「おい、ハンジ。試着しなくて良かったのか?」
ハンジ「え?」
リヴァイ「ちょっと体に当ててみるぞ。………やっぱりこれ、スカートが短過ぎないか?」
あ、しまった。本当だ。
デザイン、碌に見ないで決めちゃったからそこに気づいてなかった。
ハンジ「あ………ごめん。安さに釣られて、あんまりデザイン考えてなかった」
リヴァイ「10代なら足見せてもいいかもしれんが、その年でその露出はどうかと思うぞ」
ハンジ「それもそうだね。やっぱり交換して貰おうかな……あ、でもそうなると、お金がかかっちゃうし……ううーん」
リヴァイ「……………もういっそ、男装して行った方が良かったかもな」
ハンジ「! それもそうだった! そっちがいいじゃん! それだったら、身長近い男性の兵士に服借りれたし! あちゃー……私の馬鹿あ!」
ああああ! そっちにすればよかった! 何も無理して「女装」する必要ないじゃん!
だって、性別隠して式に出ても別に問題ないし! とりあえず「出る」ことさえすればいいんだから!
リヴァイ「いや、今のは流石に冗談だったんが」
あれ? リヴァイがちょっと引いてる。
ハンジ「え? そうだったの?」
リヴァイ「いや、何か和ませた方がいいかと思ってな」
あらら。気を遣わせてしまったようだ。すまんね!
ハンジ「あらら……もういっそ、リヴァイがこれ着ちゃったら? 丁度いいんじゃない? スカート丈も」
リヴァイ「それは思ったが、それをやったらただの変態だからやめておく」
ハンジ「あはは! それもそうか! ううーん。ま、1回だけの事だし、ミニスカートでも妥協するよ。そんなにジロジロ見られるようなもんでもないでしょ?」
リヴァイ「さあな。それを俺に聞かれても分からん」
ほらね。こういう話題になると逃げるんだよね。リヴァイは。
だから本当に「女」に興味があるのか半信半疑なんだよなあ。
でも、リヴァイの視線は別のところに移動して、
リヴァイ「タイツを新しく買ったらどうだ? タイツを履けば、ミニスカートでも見苦しくはないだろ」
ハンジ「ううう………お金、貸してくれる?」
リヴァイ「は? え……まさか、残金ないのか?」
ハンジ「余分なお金は持って来てないです」
リヴァイ「まあ、タイツくらいなら別に俺が奢ってやってもいいんだが」
と言いながら店を出た。え? また奢ってくれるの?
マジか! いや、でも流石にそれは悪いかな。うん。
なんか甘え過ぎているような気もするしね。うん。
30: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:38:17 ID:.SqfFaVo0
靴下屋に入ってから、リヴァイがいろいろ見ていた。考え込んでいるみたいだけど。
リヴァイ「黒いワンピースだから、下も黒でいいか?」
ハンジ「何でもいいよ」
リヴァイ「いや、待て。あんまり真っ黒にしたら地味過ぎないか? 別の色にするべきか?」
ハンジ「リヴァイ~急いで~」
リヴァイ「まあ待て。赤色の方がいいかもしれんな。黒のワンピースに赤色のタイツで…」
ぷぷぷ……真剣だなあ。いや、有難いけどね?
うんうん唸って考えてくれている。やだ。すっごく嬉しい。
何コレ。くすぐったいんだけど。リヴァイ、今、自分がどんな顔しているのか分かってないよね?
普段では絶対見られない、貴重なリヴァイだと思った。
こういう側面もあるんだ。そう思うと、何だか吹き出して腹抱えて笑ってしまいそうになる。
でも流石にここで笑うと、今までの策略というか「実験」がバレそうな気がしたから、やめておいた。
ハンジ「もう何でもいいから早く決めて!」
リヴァイ「ああ……分かった。なら赤色でいいな? サイズは合ってるよな?」
ハンジ「それでOKです!」
という訳で慌てて買い物を打ち切らせて店を出た時……
ハンジ「しまった! 私、靴も結婚式用のやつ、持ってないんだった!」
リヴァイ「はあ?!」
タイツを購入したおかげで思い出したのだ。いや、本当にすっかり忘れていましたよ。その件を。
ハンジ「あわわわ……どうしよう! ブーツ履いていくわけにもいかないかな? ぺったんこの女性用のやつか、ハイヒール履かないとまずいかな?」
リヴァイ「いや、ハイヒールは流石に履きなれていないと危ないから別に良くないか? 普通の女性用の靴でいいと思うが」
ですね。ハイヒールはちょっと無理かな。
リヴァイ「あーだったら今度は靴屋だな。しかしもう営業時間が……」
ハンジ「タイムアップだねえ。しょうがない。諦めよう」
リヴァイ「今日はとりあえず、トロスト区に泊まって行っていいとエルヴィンに言われているから泊まるぞ」
ハンジ「あ、そうだったんだ。エルヴィンも太っ腹だね!」
リヴァイ「靴は明日の午前中に見て回るぞ。それでいいな」
ハンジ「うん。そうするよ」
という訳で2人でトロスト区内にある方の調査兵団の兵舎に足を運ぶ。
こっちにも調査兵団の兵舎はある。仕事や買い物等でここに滞在する事もあるので、調査兵団の兵士なら誰でも寝泊まれる設備があるんだ。
空いている部屋を借りて私は今日、借りた衣装や、エルヴィンに以前貰った香水などをつけて「予行演習」をやってみた。
髪も1回、御団子にしてみる。髪を上にくくるの、久々だなあ。
そしてリヴァイに見せびらかしてみる。どうだ!
リヴァイ「黒いワンピースだから、下も黒でいいか?」
ハンジ「何でもいいよ」
リヴァイ「いや、待て。あんまり真っ黒にしたら地味過ぎないか? 別の色にするべきか?」
ハンジ「リヴァイ~急いで~」
リヴァイ「まあ待て。赤色の方がいいかもしれんな。黒のワンピースに赤色のタイツで…」
ぷぷぷ……真剣だなあ。いや、有難いけどね?
うんうん唸って考えてくれている。やだ。すっごく嬉しい。
何コレ。くすぐったいんだけど。リヴァイ、今、自分がどんな顔しているのか分かってないよね?
普段では絶対見られない、貴重なリヴァイだと思った。
こういう側面もあるんだ。そう思うと、何だか吹き出して腹抱えて笑ってしまいそうになる。
でも流石にここで笑うと、今までの策略というか「実験」がバレそうな気がしたから、やめておいた。
ハンジ「もう何でもいいから早く決めて!」
リヴァイ「ああ……分かった。なら赤色でいいな? サイズは合ってるよな?」
ハンジ「それでOKです!」
という訳で慌てて買い物を打ち切らせて店を出た時……
ハンジ「しまった! 私、靴も結婚式用のやつ、持ってないんだった!」
リヴァイ「はあ?!」
タイツを購入したおかげで思い出したのだ。いや、本当にすっかり忘れていましたよ。その件を。
ハンジ「あわわわ……どうしよう! ブーツ履いていくわけにもいかないかな? ぺったんこの女性用のやつか、ハイヒール履かないとまずいかな?」
リヴァイ「いや、ハイヒールは流石に履きなれていないと危ないから別に良くないか? 普通の女性用の靴でいいと思うが」
ですね。ハイヒールはちょっと無理かな。
リヴァイ「あーだったら今度は靴屋だな。しかしもう営業時間が……」
ハンジ「タイムアップだねえ。しょうがない。諦めよう」
リヴァイ「今日はとりあえず、トロスト区に泊まって行っていいとエルヴィンに言われているから泊まるぞ」
ハンジ「あ、そうだったんだ。エルヴィンも太っ腹だね!」
リヴァイ「靴は明日の午前中に見て回るぞ。それでいいな」
ハンジ「うん。そうするよ」
という訳で2人でトロスト区内にある方の調査兵団の兵舎に足を運ぶ。
こっちにも調査兵団の兵舎はある。仕事や買い物等でここに滞在する事もあるので、調査兵団の兵士なら誰でも寝泊まれる設備があるんだ。
空いている部屋を借りて私は今日、借りた衣装や、エルヴィンに以前貰った香水などをつけて「予行演習」をやってみた。
髪も1回、御団子にしてみる。髪を上にくくるの、久々だなあ。
そしてリヴァイに見せびらかしてみる。どうだ!
31: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:39:01 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「スカート久々過ぎる~あはははは!」
リヴァイ「妙にテンション高いな。お前」
ハンジ「いや~スカート履くと途端に「女」に戻った感覚があるよ。不思議だね!」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「うん。やっぱり気持ちがちょっと変わるね。着た感じ、変なところはない?」
リヴァイ「まあ別に。それでいいんじゃないか?」
ハンジ「反応普通だねえ。ま、そんなもんか」
やっぱりリヴァイって反応が鈍いんだよねえ。エルヴィンだったら「似合うよ」くらい言ってくれるんだけどな。
ミケも「すごくいいよ」とかモブリットですら「ハンジ分隊長! OKです!」とテンションあげてくれるのに。
1回、くるりと回って見せたら、リヴァイが変な顔をした。
ハンジ「ん? どうかした?」
リヴァイ「いや………別に」
ハンジ「おお? 何かもしかして照れています? 照れています?」
照れているのかな? どうかな?
でもリヴァイはちょっと考えて、そして言った。
リヴァイ「………もう1回、回ってくれないか?」
ハンジ「え? 何で?」
リヴァイ「確かめてみたい事がある」
ハンジ「あらそう? じゃあもう1回転! (くるり)」
リヴァイ「……………ぷっ」
あれ? 今度は笑われちゃった。
ハンジ「何で笑っているの?」
リヴァイ「タグ、外し忘れているぞ。ワンピースの後ろ」
ハンジ「あ………本当だ! 背中の外すの忘れていた!」
ぎゃあああああ?! 恥ずかしい!!! やっちゃった!
それ、先に言ってよ! 全くもう!
リヴァイ「妙にテンション高いな。お前」
ハンジ「いや~スカート履くと途端に「女」に戻った感覚があるよ。不思議だね!」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「うん。やっぱり気持ちがちょっと変わるね。着た感じ、変なところはない?」
リヴァイ「まあ別に。それでいいんじゃないか?」
ハンジ「反応普通だねえ。ま、そんなもんか」
やっぱりリヴァイって反応が鈍いんだよねえ。エルヴィンだったら「似合うよ」くらい言ってくれるんだけどな。
ミケも「すごくいいよ」とかモブリットですら「ハンジ分隊長! OKです!」とテンションあげてくれるのに。
1回、くるりと回って見せたら、リヴァイが変な顔をした。
ハンジ「ん? どうかした?」
リヴァイ「いや………別に」
ハンジ「おお? 何かもしかして照れています? 照れています?」
照れているのかな? どうかな?
でもリヴァイはちょっと考えて、そして言った。
リヴァイ「………もう1回、回ってくれないか?」
ハンジ「え? 何で?」
リヴァイ「確かめてみたい事がある」
ハンジ「あらそう? じゃあもう1回転! (くるり)」
リヴァイ「……………ぷっ」
あれ? 今度は笑われちゃった。
ハンジ「何で笑っているの?」
リヴァイ「タグ、外し忘れているぞ。ワンピースの後ろ」
ハンジ「あ………本当だ! 背中の外すの忘れていた!」
ぎゃあああああ?! 恥ずかしい!!! やっちゃった!
それ、先に言ってよ! 全くもう!
32: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:40:14 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「ベッドに座れ。外してやる。後ろ向け」
ハンジ「はいはい。お願いしますよ」
リヴァイ「………………」
あれ? どうしたんだろ? リヴァイが動く気配がない。
リヴァイ「なんか、いつもと匂いが違う気がするが」
ハンジ「あ? 気づいた? 気づいちゃった? 実はね。以前、エルヴィンから貰った「香水」をちょっとだけ試しにつけてみたんだ」
リヴァイ「エルヴィンから?」
ハンジ「そうそう。いい香りだから、あげるって。どうやらエルヴィンのも貰い物らしくて。それを更に小さな小瓶に分けて貰って貰ったの。おすそ分けのおすそ分けだね」
リヴァイ「……………少し、嗅いでもいいか?」
ハンジ「どうぞ。どうぞ。気に入ったなら、リヴァイもエルヴィンから貰っちゃえば?」
スンスン……
リヴァイが匂いを黙って嗅いでいる。後ろから。
その様子はミケとそっくりで、ちょっと笑ったけど。
だんだん、その鼻が近づいて、リヴァイの鼻が私の「項」にぴったりくっついて、一瞬、ドキッとした。
え? え? な、なに? 何が、したいの?
ハンジ「ちょっと?! 鼻くっつけて嗅ぐのは流石にえええっと……」
リヴァイ「!」
リヴァイ「すまん。鼻をつけるつもりはなかった。その、他意はない」
慌てて少し距離を取るリヴァイだった。他意はないって。
ええっと、そうだよね。まあ、そらそうか。
ハンジ「いや、まあいいんだけど……結婚式にも一応、これ、つけていこうかなって思って予行演習してみたんだけど。止めた方がいいかな?」
リヴァイ「別にいいと思うぞ。ちょっとくらいなら」
ハンジ「そう? でも、今、何か、凄く嗅いでなかった? ミケ並みに」
リヴァイ「すまん。珍しい匂いだと思ってしまって」
ハンジ「はは~ん。実はリヴァイ、香水好きだった?」
リヴァイ「………そもそも、香水なんて高価な物を嗅いだのは初めての経験かもしれん」
ハンジ「あらそうだったの?」
リヴァイ「俺は地下で育ったようなもんだからな。そういうのは「上流階級」の「一部の人間」が使う物としか認識していなかった。もしくはそういう「商売」をしている女が使う物としか」
ハンジ「そうだったんだ」
リヴァイ「だからその……すまん。珍しいと思ってしまって、ついつい、好奇心が疼いた」
そっか。それなら仕方がないよね。うん。
リヴァイだし。私もそんなに気にしない事にした。
ハンジ「はいはい。お願いしますよ」
リヴァイ「………………」
あれ? どうしたんだろ? リヴァイが動く気配がない。
リヴァイ「なんか、いつもと匂いが違う気がするが」
ハンジ「あ? 気づいた? 気づいちゃった? 実はね。以前、エルヴィンから貰った「香水」をちょっとだけ試しにつけてみたんだ」
リヴァイ「エルヴィンから?」
ハンジ「そうそう。いい香りだから、あげるって。どうやらエルヴィンのも貰い物らしくて。それを更に小さな小瓶に分けて貰って貰ったの。おすそ分けのおすそ分けだね」
リヴァイ「……………少し、嗅いでもいいか?」
ハンジ「どうぞ。どうぞ。気に入ったなら、リヴァイもエルヴィンから貰っちゃえば?」
スンスン……
リヴァイが匂いを黙って嗅いでいる。後ろから。
その様子はミケとそっくりで、ちょっと笑ったけど。
だんだん、その鼻が近づいて、リヴァイの鼻が私の「項」にぴったりくっついて、一瞬、ドキッとした。
え? え? な、なに? 何が、したいの?
ハンジ「ちょっと?! 鼻くっつけて嗅ぐのは流石にえええっと……」
リヴァイ「!」
リヴァイ「すまん。鼻をつけるつもりはなかった。その、他意はない」
慌てて少し距離を取るリヴァイだった。他意はないって。
ええっと、そうだよね。まあ、そらそうか。
ハンジ「いや、まあいいんだけど……結婚式にも一応、これ、つけていこうかなって思って予行演習してみたんだけど。止めた方がいいかな?」
リヴァイ「別にいいと思うぞ。ちょっとくらいなら」
ハンジ「そう? でも、今、何か、凄く嗅いでなかった? ミケ並みに」
リヴァイ「すまん。珍しい匂いだと思ってしまって」
ハンジ「はは~ん。実はリヴァイ、香水好きだった?」
リヴァイ「………そもそも、香水なんて高価な物を嗅いだのは初めての経験かもしれん」
ハンジ「あらそうだったの?」
リヴァイ「俺は地下で育ったようなもんだからな。そういうのは「上流階級」の「一部の人間」が使う物としか認識していなかった。もしくはそういう「商売」をしている女が使う物としか」
ハンジ「そうだったんだ」
リヴァイ「だからその……すまん。珍しいと思ってしまって、ついつい、好奇心が疼いた」
そっか。それなら仕方がないよね。うん。
リヴァイだし。私もそんなに気にしない事にした。
33: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:41:04 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「好奇心のせいなら仕方がない! 許す!」
振り向いて笑うと、
リヴァイ「おい、待て。タグはまだ外してないぞ」
ハンジ「あら? そうだったの? じゃあもう1回(くるり)」
そして待つ。
待つ。
待つ。
ん? まだかな? 何か、気配がない。
ハンジ「まだー?」
リヴァイ「ああ、取ったぞ」
ハンジ「ありがとう。じゃあもういいかな。元の恰好に戻ってくるね」
リヴァイ「ああ……」
そして予行演習は終わったので元の私服姿に戻るともう1回リヴァイの部屋に戻った。
ハンジ「ん? 何で首を傾げているの?」
リヴァイ「いや、何でもない」
ハンジ「何でもなくないでしょ。すっごい大げさに首が傾いているけど」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「リヴァイにしてはオーバーアクションだね。悩み事?」
リヴァイ「大した悩みじゃない」
ハンジ「でも、「悩み」だよね? 眉間に皺寄っていますよ?」
リヴァイはしょっちゅう眉間に皺を寄せるけど。
首も傾いているし、何か悩んでいるのかなって思った。
リヴァイ「ああ。つまり、これが悩みの種だ」
と言ってリヴァイは自分の眉間を指差している。
ハンジ「ん? どういう事?」
リヴァイ「自分でも良く分からない時に眉間に皺が寄っている。その理由が良く分からないんだ。自分では」
ハンジ「ええええ……眉間に皺を寄せるの、無意識だったの?」
リヴァイ「意識的に寄せる時もある。ただそういう時は「困惑」したり「疑問」に思ったり「イラッと」したり、何か理由がある筈なんだが、たまに自分の中で理由が見当たらないまま「眉間に皺が寄っている」時がある」
ハンジ「それは「謎」過ぎるね。面白いねえ」
ついつい、私も「好奇心」が疼いてしまってリヴァイに近づいた。
ハンジ「今も眉間に皺が寄っているしね。戻せないの?」
リヴァイ「ああ……なんかハンジの顔を見ているとそういう時が多い気がする」
ハンジ「………それって私の事を『嫌っている』からとか?」
嫌悪感からきているならちょっとショックかな。
リヴァイ「別にハンジの事は嫌いじゃないが。………もう少し部屋さえ綺麗にしてくれりゃなとは思うが」
ハンジ「それを言ったら私も「もうちょっと潔癖症をどうにかして欲しいな」って思いますよ?」
リヴァイ「だったらお互い様だろ。だからそういう理由ではないような気がするんだが」
リヴァイ自身もやっぱり分かってないのか。うーん。
ハンジ「ん~困惑でも、疑問でも苛つきでもないなら、一体「どの感情」でそういう顔の動きが起きているんだろうね?」
リヴァイ「自分で自分の顔の動きの理由が分からないって謎過ぎるよな」
ハンジ「だね! 私も初めてのケースだよ。そういう話を聞くのは」
リヴァイ「まあ、別にそれで何か不都合がある訳じゃない。「大した悩み」じゃないと言った意味が分かっただろ?」
ハンジ「ちょっと気になる程度の悩みって事か。だったらそのうち「ふとした」時に理由が分かるかもね?」
リヴァイ「そうだといいけどな」
リヴァイ「まぁ……そういう訳だから俺の悩みはどうでもいいんだが。ハンジの方の悩みはまだ解決の糸口は見つからないか?」
ハンジ「ううう……残念ながらまだダメです。新しい捕獲作戦に移行出来そうにないです」
リヴァイ「あと一歩が出ない感じなんだな?」
ハンジ「そう。コストダウンに加えて精度を上げないといけないからね。発想の飛躍が必要だとは思うけど」
うぬ。こっちの悩みの方が深刻だった。リヴァイのと比べたら余計に。
振り向いて笑うと、
リヴァイ「おい、待て。タグはまだ外してないぞ」
ハンジ「あら? そうだったの? じゃあもう1回(くるり)」
そして待つ。
待つ。
待つ。
ん? まだかな? 何か、気配がない。
ハンジ「まだー?」
リヴァイ「ああ、取ったぞ」
ハンジ「ありがとう。じゃあもういいかな。元の恰好に戻ってくるね」
リヴァイ「ああ……」
そして予行演習は終わったので元の私服姿に戻るともう1回リヴァイの部屋に戻った。
ハンジ「ん? 何で首を傾げているの?」
リヴァイ「いや、何でもない」
ハンジ「何でもなくないでしょ。すっごい大げさに首が傾いているけど」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「リヴァイにしてはオーバーアクションだね。悩み事?」
リヴァイ「大した悩みじゃない」
ハンジ「でも、「悩み」だよね? 眉間に皺寄っていますよ?」
リヴァイはしょっちゅう眉間に皺を寄せるけど。
首も傾いているし、何か悩んでいるのかなって思った。
リヴァイ「ああ。つまり、これが悩みの種だ」
と言ってリヴァイは自分の眉間を指差している。
ハンジ「ん? どういう事?」
リヴァイ「自分でも良く分からない時に眉間に皺が寄っている。その理由が良く分からないんだ。自分では」
ハンジ「ええええ……眉間に皺を寄せるの、無意識だったの?」
リヴァイ「意識的に寄せる時もある。ただそういう時は「困惑」したり「疑問」に思ったり「イラッと」したり、何か理由がある筈なんだが、たまに自分の中で理由が見当たらないまま「眉間に皺が寄っている」時がある」
ハンジ「それは「謎」過ぎるね。面白いねえ」
ついつい、私も「好奇心」が疼いてしまってリヴァイに近づいた。
ハンジ「今も眉間に皺が寄っているしね。戻せないの?」
リヴァイ「ああ……なんかハンジの顔を見ているとそういう時が多い気がする」
ハンジ「………それって私の事を『嫌っている』からとか?」
嫌悪感からきているならちょっとショックかな。
リヴァイ「別にハンジの事は嫌いじゃないが。………もう少し部屋さえ綺麗にしてくれりゃなとは思うが」
ハンジ「それを言ったら私も「もうちょっと潔癖症をどうにかして欲しいな」って思いますよ?」
リヴァイ「だったらお互い様だろ。だからそういう理由ではないような気がするんだが」
リヴァイ自身もやっぱり分かってないのか。うーん。
ハンジ「ん~困惑でも、疑問でも苛つきでもないなら、一体「どの感情」でそういう顔の動きが起きているんだろうね?」
リヴァイ「自分で自分の顔の動きの理由が分からないって謎過ぎるよな」
ハンジ「だね! 私も初めてのケースだよ。そういう話を聞くのは」
リヴァイ「まあ、別にそれで何か不都合がある訳じゃない。「大した悩み」じゃないと言った意味が分かっただろ?」
ハンジ「ちょっと気になる程度の悩みって事か。だったらそのうち「ふとした」時に理由が分かるかもね?」
リヴァイ「そうだといいけどな」
リヴァイ「まぁ……そういう訳だから俺の悩みはどうでもいいんだが。ハンジの方の悩みはまだ解決の糸口は見つからないか?」
ハンジ「ううう……残念ながらまだダメです。新しい捕獲作戦に移行出来そうにないです」
リヴァイ「あと一歩が出ない感じなんだな?」
ハンジ「そう。コストダウンに加えて精度を上げないといけないからね。発想の飛躍が必要だとは思うけど」
うぬ。こっちの悩みの方が深刻だった。リヴァイのと比べたら余計に。
34: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:41:37 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「頭の中では想像出来るんだけど。巨人をこんな風に拘束したいのよ!」
と、持ち歩いている「絵」をリヴァイに見せる。
リヴァイ「いや、その絵は前にも見たからな?」
ハンジ「ううう……脳内の物を人に説明するのって本当、難しいよね」
と言いつつ、メモ帳をしまい込む。
リヴァイ「それは俺も同意するが………まだまだ新しい罠の開発には時間がかかりそうだな」
ハンジ「うん……」
リヴァイの横に座って私は肩を落とした。
ハンジ「調査兵団の新兵の入団者数も年々、減っているしね。人数が少なくなればなるほど、兵団を維持していくのが大変になってくる。勿論、私は最後の一人になろうとも、この命が尽きるまでは巨人と向き合うつもりはあるけど」
リヴァイ「……………」
ハンジ「エルヴィンが頑張っているのも分かっている。だから私は何としてでも、頭の中の「構想」を「実現」させないといけないと思っている」
リヴァイ「まずはいくつか試作品を作ってみないか?」
ハンジ「小さい物なら、いくつかやってみたよ。でも、やっぱり違うんだよね。肉に刺さってもすっぽ抜けるというか…」
リヴァイ「矢じりの先端が問題なんだよな」
ハンジ「そうそう。筋肉を「ひっかける」ような形で、かつ、飛び道具としても性能も兼ね備えた物じゃないと」
リヴァイ「ふむ………」
リヴァイも真剣に悩んでくれる。それが凄く有難かった。
リヴァイ「技術班の人間とは相談してみたのか?」
ハンジ「そりゃあ勿論だよ! でも……もし実現できたとしてもコストがかかり過ぎるから実現は難しいだろうって言われたよ」
リヴァイ「それは金さえかければ実現出来るという意味だよな」
ハンジ「金さえあればね!」
リヴァイ「だったら、「担保」があれば調査兵団に出資させる事は出来なくはねえんじゃねえか?」
ハンジ「え?」
なんか、凄く嫌な予感がした。
ハンジ「た、担保って何? ま、まさか私の身体とか?」
リヴァイ「お前の身体じゃ一月の給料分も賄えないから無理だな」
ハンジ「はい、分かっていましたけどね! むしろ予想通りですけどね! ………で、本当の担保は何?」
リヴァイ、危ない橋を渡ろうとしていない? 気のせい?
リヴァイ「担保は『成果』だ」
ハンジ「成果……」
リヴァイ「壁外調査での『成果』そのものを『担保』にして出資させれば、何とかならねえか?」
ハンジ「それって、失敗したら調査兵団、大打撃になるんじゃない?」
リヴァイ「壊滅の危機だな。解体する可能性もある」
ハンジ「さ、流石にそれは危険が大き過ぎないかな……」
調査兵団の未来そのものを「チップ」としてのせるようなものか。
怖いなあ。責任重大過ぎる。
リヴァイ「お前は自分の給料を全部注ぎ込んでもいいとすら言っただろ。俺も出来るならそうしてやりたい。だが、恐らくお前の中の「構想」を「実現」するには、俺達の給料を全て捨て去っても、それでも「足りない」んじゃねえのか?」
ハンジ「うぐ……!」
うわバレた! リヴァイ、勘がいい!
そうなんだよね。実は「試作品」程度なら私達の給料でもどうにかなるけど。
それを「量産」する段階になったらとてもじゃないけど、支援者の力を借りないとどうにもらならない。
だってねえ。エルヴィンの想定は「14~15メートル級」の巨人の捕獲だから。
今までと全然「規模」が違うんだ。私も正直、うまくいくかは今のままじゃ「五分五分」だと思っている。
と、持ち歩いている「絵」をリヴァイに見せる。
リヴァイ「いや、その絵は前にも見たからな?」
ハンジ「ううう……脳内の物を人に説明するのって本当、難しいよね」
と言いつつ、メモ帳をしまい込む。
リヴァイ「それは俺も同意するが………まだまだ新しい罠の開発には時間がかかりそうだな」
ハンジ「うん……」
リヴァイの横に座って私は肩を落とした。
ハンジ「調査兵団の新兵の入団者数も年々、減っているしね。人数が少なくなればなるほど、兵団を維持していくのが大変になってくる。勿論、私は最後の一人になろうとも、この命が尽きるまでは巨人と向き合うつもりはあるけど」
リヴァイ「……………」
ハンジ「エルヴィンが頑張っているのも分かっている。だから私は何としてでも、頭の中の「構想」を「実現」させないといけないと思っている」
リヴァイ「まずはいくつか試作品を作ってみないか?」
ハンジ「小さい物なら、いくつかやってみたよ。でも、やっぱり違うんだよね。肉に刺さってもすっぽ抜けるというか…」
リヴァイ「矢じりの先端が問題なんだよな」
ハンジ「そうそう。筋肉を「ひっかける」ような形で、かつ、飛び道具としても性能も兼ね備えた物じゃないと」
リヴァイ「ふむ………」
リヴァイも真剣に悩んでくれる。それが凄く有難かった。
リヴァイ「技術班の人間とは相談してみたのか?」
ハンジ「そりゃあ勿論だよ! でも……もし実現できたとしてもコストがかかり過ぎるから実現は難しいだろうって言われたよ」
リヴァイ「それは金さえかければ実現出来るという意味だよな」
ハンジ「金さえあればね!」
リヴァイ「だったら、「担保」があれば調査兵団に出資させる事は出来なくはねえんじゃねえか?」
ハンジ「え?」
なんか、凄く嫌な予感がした。
ハンジ「た、担保って何? ま、まさか私の身体とか?」
リヴァイ「お前の身体じゃ一月の給料分も賄えないから無理だな」
ハンジ「はい、分かっていましたけどね! むしろ予想通りですけどね! ………で、本当の担保は何?」
リヴァイ、危ない橋を渡ろうとしていない? 気のせい?
リヴァイ「担保は『成果』だ」
ハンジ「成果……」
リヴァイ「壁外調査での『成果』そのものを『担保』にして出資させれば、何とかならねえか?」
ハンジ「それって、失敗したら調査兵団、大打撃になるんじゃない?」
リヴァイ「壊滅の危機だな。解体する可能性もある」
ハンジ「さ、流石にそれは危険が大き過ぎないかな……」
調査兵団の未来そのものを「チップ」としてのせるようなものか。
怖いなあ。責任重大過ぎる。
リヴァイ「お前は自分の給料を全部注ぎ込んでもいいとすら言っただろ。俺も出来るならそうしてやりたい。だが、恐らくお前の中の「構想」を「実現」するには、俺達の給料を全て捨て去っても、それでも「足りない」んじゃねえのか?」
ハンジ「うぐ……!」
うわバレた! リヴァイ、勘がいい!
そうなんだよね。実は「試作品」程度なら私達の給料でもどうにかなるけど。
それを「量産」する段階になったらとてもじゃないけど、支援者の力を借りないとどうにもらならない。
だってねえ。エルヴィンの想定は「14~15メートル級」の巨人の捕獲だから。
今までと全然「規模」が違うんだ。私も正直、うまくいくかは今のままじゃ「五分五分」だと思っている。
35: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:42:41 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「ハンジ。この場合はもう「コスト」の方を捨てるしかねえだろ」
ハンジ「えええ……でも、もし失敗したら」
リヴァイ「失敗しなきゃいいんだろ? 勝ちさえすればいいんだ」
ハンジ「なんか、危ないギャンブラーのような言い分に聞こえるけど」
リヴァイ「普段、巨人と命のやり取りをするのに比べたら可愛いもんだろうが」
ハンジ「いやいやいや!? 全然重みが違いますよ?! 調査兵団全部と罠開発、天秤にかけたら、調査兵団の方が重いから!」
リヴァイ「だがいつまでも「研究」の方が停滞状態になるのはお前にとっても悩ましい事だろ」
ハンジ「……………」
リヴァイに手を握られてしまった。その瞬間、何か「温かい」ものを感じて、涙腺が緩む自分がいた。
なんだろ。どういったらいいか分からないんだけど。
すっと、胸の中に「何か」が入ってきたのかな。良く分からない。
リヴァイ「心配するな。成果ならきっと、俺達調査兵団全員であげてみせる。その程度の事が出来ねえなら、巨人の殲滅なんて夢の又夢だろうが」
ハンジ「リヴァイ………」
リヴァイ「お前は「新しい罠」を開発する事にもっと専念していい。コストダウンに関してはもう、諦めろ。多少の無理は押し通せ。エルヴィンならきっとやってくれる筈だ」
リヴァイの言葉は本当に有難かった。
昔の私ならすぐにでもそれに「飛びついて」いたかもしれない。
でもダメだと思った。それじゃダメなんだ。
ハンジ「はあ…………」
リヴァイ「何でため息をつくんだ」
ハンジ「いやね? そうしたいのは山々だけど。やっぱりダメ。私は決めた。イルゼの手帳を手に入れたあの時から」
思い出す。あの時の私の「過ち」を。
ハンジ「イルゼの手帳を手に入れたおかげで、エルヴィンも「巨人の捕獲」の重要性を認識してくれたけど。あの時の私は「間違っていた」からね。危うく自分と……リヴァイの大事な部下を亡くしかけた」
リヴァイ「…………」
間違っていたからこそ、今は「正す」事が出来る。
ハンジ「えええ……でも、もし失敗したら」
リヴァイ「失敗しなきゃいいんだろ? 勝ちさえすればいいんだ」
ハンジ「なんか、危ないギャンブラーのような言い分に聞こえるけど」
リヴァイ「普段、巨人と命のやり取りをするのに比べたら可愛いもんだろうが」
ハンジ「いやいやいや!? 全然重みが違いますよ?! 調査兵団全部と罠開発、天秤にかけたら、調査兵団の方が重いから!」
リヴァイ「だがいつまでも「研究」の方が停滞状態になるのはお前にとっても悩ましい事だろ」
ハンジ「……………」
リヴァイに手を握られてしまった。その瞬間、何か「温かい」ものを感じて、涙腺が緩む自分がいた。
なんだろ。どういったらいいか分からないんだけど。
すっと、胸の中に「何か」が入ってきたのかな。良く分からない。
リヴァイ「心配するな。成果ならきっと、俺達調査兵団全員であげてみせる。その程度の事が出来ねえなら、巨人の殲滅なんて夢の又夢だろうが」
ハンジ「リヴァイ………」
リヴァイ「お前は「新しい罠」を開発する事にもっと専念していい。コストダウンに関してはもう、諦めろ。多少の無理は押し通せ。エルヴィンならきっとやってくれる筈だ」
リヴァイの言葉は本当に有難かった。
昔の私ならすぐにでもそれに「飛びついて」いたかもしれない。
でもダメだと思った。それじゃダメなんだ。
ハンジ「はあ…………」
リヴァイ「何でため息をつくんだ」
ハンジ「いやね? そうしたいのは山々だけど。やっぱりダメ。私は決めた。イルゼの手帳を手に入れたあの時から」
思い出す。あの時の私の「過ち」を。
ハンジ「イルゼの手帳を手に入れたおかげで、エルヴィンも「巨人の捕獲」の重要性を認識してくれたけど。あの時の私は「間違っていた」からね。危うく自分と……リヴァイの大事な部下を亡くしかけた」
リヴァイ「…………」
間違っていたからこそ、今は「正す」事が出来る。
36: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:43:13 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「エルヴィンがね」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「もしかしたらいずれ、もっと「大きな巨人」を捕獲しないといけない時が来るかもしれないって言っているんだ」
リヴァイ「大きな……」
ハンジ「うん。今まで捕獲してきた巨人は巨人の中でも「小さい部類」の巨人だった訳じゃない? でも、いずれはもっと大物を捕獲する必要性が出てくるって言っていたんだ」
リヴァイ「…………」
ハンジ「今、私が考えている「構想」はそれを「想定」した物なんだけど」
リヴァイ「だったら尚更、金をかける必要性があるじゃねえか」
ハンジ「ううーん。でも、やっぱり待って。ギリギリまで考えさせて」
ここは人生の「分岐点」だと自分でも思っているんだ。
自分だけじゃない。「調査兵団」の分岐点とすら思っている。
ハンジ「命は軽くないよ。私のも、リヴァイのも。調査兵団の全員の「命」がかかっている以上、私も昔のような「軽はずみ」な行動はしたくない。例え精根尽き果てても、少なくとも「今」よりは「いい案」が出ない事には、前に進むのはやめておきたいんだ」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「でもありがとう。リヴァイがそう言ってくれた事自体は、凄く嬉しかったよ」
リヴァイ「………」
ハンジ「いろいろ振り回してごめんね。でも、絶対期待に応えて見せるから。もう少し時間を頂戴」
リヴァイ「分かった」
もっと力強い握手がきた。
その真剣な眼差しに思わず息を飲むくらいに。
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「約束だ。必ず、新しい罠を完成させると。その為なら俺も出来る限りの事はしてやる。……夜中に叩き起こされるのは嫌だが、それ以外で」
ハンジ「あはは! 予防線を張ってる! まあ、でも大丈夫。そこはちゃんと守るよ」
リヴァイ「………あんまり寝不足になり過ぎるなよ」
ハンジ「それも分かってる。頑張ろうね」
リヴァイの期待に応えたかった。だから私も強く握り返した。
そして手を離して、
ハンジ「じゃあもうそろそろ、寝ようかな。じゃあまた明日」
リヴァイ「ああ。おやすみ」
お互いの部屋に戻ってそれぞれ寝ることにした。
手に残ったリヴァイの「熱」が、少し、熱い。
不思議な感覚を味わいながら私はベッドの中で両目を閉じた。
その日の夜は、凄く寝つきが良くて悪夢も見ないで済んだのだった。
リヴァイ「ん?」
ハンジ「もしかしたらいずれ、もっと「大きな巨人」を捕獲しないといけない時が来るかもしれないって言っているんだ」
リヴァイ「大きな……」
ハンジ「うん。今まで捕獲してきた巨人は巨人の中でも「小さい部類」の巨人だった訳じゃない? でも、いずれはもっと大物を捕獲する必要性が出てくるって言っていたんだ」
リヴァイ「…………」
ハンジ「今、私が考えている「構想」はそれを「想定」した物なんだけど」
リヴァイ「だったら尚更、金をかける必要性があるじゃねえか」
ハンジ「ううーん。でも、やっぱり待って。ギリギリまで考えさせて」
ここは人生の「分岐点」だと自分でも思っているんだ。
自分だけじゃない。「調査兵団」の分岐点とすら思っている。
ハンジ「命は軽くないよ。私のも、リヴァイのも。調査兵団の全員の「命」がかかっている以上、私も昔のような「軽はずみ」な行動はしたくない。例え精根尽き果てても、少なくとも「今」よりは「いい案」が出ない事には、前に進むのはやめておきたいんだ」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「でもありがとう。リヴァイがそう言ってくれた事自体は、凄く嬉しかったよ」
リヴァイ「………」
ハンジ「いろいろ振り回してごめんね。でも、絶対期待に応えて見せるから。もう少し時間を頂戴」
リヴァイ「分かった」
もっと力強い握手がきた。
その真剣な眼差しに思わず息を飲むくらいに。
ハンジ「リヴァイ?」
リヴァイ「約束だ。必ず、新しい罠を完成させると。その為なら俺も出来る限りの事はしてやる。……夜中に叩き起こされるのは嫌だが、それ以外で」
ハンジ「あはは! 予防線を張ってる! まあ、でも大丈夫。そこはちゃんと守るよ」
リヴァイ「………あんまり寝不足になり過ぎるなよ」
ハンジ「それも分かってる。頑張ろうね」
リヴァイの期待に応えたかった。だから私も強く握り返した。
そして手を離して、
ハンジ「じゃあもうそろそろ、寝ようかな。じゃあまた明日」
リヴァイ「ああ。おやすみ」
お互いの部屋に戻ってそれぞれ寝ることにした。
手に残ったリヴァイの「熱」が、少し、熱い。
不思議な感覚を味わいながら私はベッドの中で両目を閉じた。
その日の夜は、凄く寝つきが良くて悪夢も見ないで済んだのだった。
37: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:44:20 ID:.SqfFaVo0
次の日。私は女性用の靴を購入した後はいつもの兵舎に戻った。
最初は靴も借りようかなって思ったけど、リヴァイに止められた。
「水虫とかうつったらどうする?」と言われたら流石に私も借りる勇気が出ない。
結局、タイツと靴代はリヴァイに借りる事になった。いやー申し訳ないね。
そして結婚式の当日。馬車に乗り継いで問題の調査兵団の女性兵士の結婚式に顔を出す事になった。
私は例の彼女とは少しだけ面識があった。入団して三か月程度でこんな急な展開になったのは凄く残念だったけど、彼女は立体機動の成績も討伐数も順調に成績を上げていた子だったので、意外だった。
真面目そうな印象だったから余計に「出来婚」になったという話を聞いて最初は驚いたものだった。
ただ彼女自身は「産んだら絶対復帰します!」と言い切っているみたいで、むしろ周りの方がそれに反対しているから困っていると相談してきたのだ。
珍しい話ではあるけど、たまにそういう女性もいる。それだけ調査兵団の兵士は自分の仕事に「誇り」を持っているのだ。
エルヴィンが彼女の親戚の方々と話をつけている。
私もその輪に一応、参加する。エルヴィンの付き添いみたいなものだ。
そしてリヴァイを後で呼ぶ。私と入れ替わりに。その予定だ。
リヴァイが話をつけている間、ピクシス司令がこっちに来た。
ハンジ「ご無沙汰していてすみません。ピクシス司令」
ピクシス「なんのなんの。ハンジ、今日はいつもにもまして綺麗じゃの」
ハンジ「結婚式ですからね。そういう時くらいはおめかししますよ」
ピクシス「お主も結婚はせんのか?」
ハンジ「もう適齢期は過ぎているので無理ですよ」
女性の適齢期は20代の前半までだ。後半に入った私は「枯れた花」みたいな物だ。
ピクシス「そんな事はないとは思うがの。リヴァイとか、どうじゃ?」
ハンジ「あーリヴァイはその辺、どうなんでしょうかね? 私も良く分かんないんですよね」
と、曖昧に答える。
ハンジ「だってそれ以前の問題というか、リヴァイ、本当に女に興味あるのかな? って思いません?」
ピクシス「どういう意味じゃ?」
ハンジ「巷じゃエルヴィンと実は出来ているんじゃ? っていう説も流れているくらいですよ? 一部では」
ピクシス「ふむ。それは由々しき事態じゃの」
ハンジ「ですよねえ? そういう話、振っても反応が鈍いし……謎過ぎるんですよね。リヴァイは」
ピクシス「ふむ……そうなのか」
ハンジ「はい。私のこのスカートの姿を見ても『まあ別に』程度の感想ですしね。私自身が女に見られてないのは仕方がないですけど。でも私「以外」の女に対しても、結構「鈍い」事が今までも多かったですし」
ピクシス「ふーん」
ハンジ「ただまあ、女性の部下からの「プレゼント」は嬉しそうに受け取っていたから「全くダメ」って訳じゃないとは思うんですけどね。それ以上はまだ、読めないのが現状ですね」
と、言って私はお酒を一口飲んだのだった。
38: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:45:18 ID:.SqfFaVo0
ピクシス「じゃが、タイツは一緒に買いに行った仲なんじゃろ?」
ハンジ「あれ? ああ……本人から聞いたんですか?」
ピクシス「そうじゃな。わしから問い合わせてあいつが口を滑らせた。お主ら、付き合っている訳じゃないのか?」
ハンジ「いやー付き合ってはないですね。リヴァイの方がその気ないんじゃないかなあ?」
と、私は自分の考えを言ってみる。
ハンジ「私の方はまあ、嫌いじゃないですし、その……リヴァイと一緒にいるのは楽しいんですけどね。そういう関係を望むかと言われたら、また違ってくるといいますか。今の形が一番いいかなとは思います。面倒もないですし」
ピクシス「しかし、リヴァイの遺伝子を後世に残さないのは調査兵団にとっては大きな痛手じゃろ?」
ハンジ「え?」
ピクシス司令が急に真面目な表情になった。
ピクシス「あやつ程の「技量」を持つ兵士はそうはおらん。わしは一夜だけでも共にしてくれる女でも良いから、早いところ、リヴァイの「子供」を残した方がいいと思っておるが」
ハンジ「まるで「種馬」のような扱いですよね? それは」
ピクシス「時に非情になるのも兵士の務めじゃ。勿論、育てられないというなら、そういう「場所」に預けるという手もある。わしは、リヴァイとハンジの間の子でも良いと思うが。ハンジ自身は、子供を産む気はないのか?」
ハンジ「子供出来たら1年近く休まないといけないですよね。それはかなり「痛い」ですけど」
ピクシス「じゃが、お主の場合は家庭に入った方がかえって「研究」の手は進められると言う利点はあるのではないか?」
ハンジ「それは言わないで下さい。自分でも分かっています」
壁外に出る「兵士」としての顔と「研究者」としての二刀流の生活をしているから、そりゃ出来るなら研究1本に絞りたい気持ちもあるけど。
兵士でいないと「実際に巨人に会えない」という不利益が起きてしまう。
ハンジ「でも外の世界に出られなくなるのは嫌なんですよね。研究する「巨人」はやっぱり自分達で捕まえたいと言うか。勿論、皆が連れて来てくれた巨人を受け継いで研究だけに専念する手もなくはないんですが……」
ピクシス「ふむ。ではお主自身は、もしリヴァイが別の女性と結婚しても良いと思っておるのか?」
ハンジ「はい。まあ、それはリヴァイ自身の自由ですからね」
今は想像が出来ないけれど。まあ、そういう「相手」が出来たらそういう事もあるかもしれない。
ハンジ「そういえばこの間、もう三十路越えたとか言っていたし、確かに子供を作るつもりがあるなら急いだ方がいいかもしれないですね。リヴァイの「遺伝子」は絶やしたら勿体ないかもしれない」
種馬みたいな扱いするなって怒られそうだけどね。
でも実際、優秀な「父親」と「母親」掛け合わせて「早馬」も作るわけだから。
人間もそういう意味では同じだ。優秀な兵士を作るのであれば、リヴァイの「精子」は必要かもしれない。
と、一瞬、あいつのそういうところを想像してなんか妙に可笑しくなって笑ってしまった。
あ、やばい。なんか自分の顔が赤いかも。酒のせいかな。
と、次の瞬間、何故か自分のお尻に変な感触がきてうっかり「あん」って声が出た。
え? え? あ……ちょっと!?
ピクシス司令、今、お尻撫でくりまわしましたね?!
ハンジ「あれ? ああ……本人から聞いたんですか?」
ピクシス「そうじゃな。わしから問い合わせてあいつが口を滑らせた。お主ら、付き合っている訳じゃないのか?」
ハンジ「いやー付き合ってはないですね。リヴァイの方がその気ないんじゃないかなあ?」
と、私は自分の考えを言ってみる。
ハンジ「私の方はまあ、嫌いじゃないですし、その……リヴァイと一緒にいるのは楽しいんですけどね。そういう関係を望むかと言われたら、また違ってくるといいますか。今の形が一番いいかなとは思います。面倒もないですし」
ピクシス「しかし、リヴァイの遺伝子を後世に残さないのは調査兵団にとっては大きな痛手じゃろ?」
ハンジ「え?」
ピクシス司令が急に真面目な表情になった。
ピクシス「あやつ程の「技量」を持つ兵士はそうはおらん。わしは一夜だけでも共にしてくれる女でも良いから、早いところ、リヴァイの「子供」を残した方がいいと思っておるが」
ハンジ「まるで「種馬」のような扱いですよね? それは」
ピクシス「時に非情になるのも兵士の務めじゃ。勿論、育てられないというなら、そういう「場所」に預けるという手もある。わしは、リヴァイとハンジの間の子でも良いと思うが。ハンジ自身は、子供を産む気はないのか?」
ハンジ「子供出来たら1年近く休まないといけないですよね。それはかなり「痛い」ですけど」
ピクシス「じゃが、お主の場合は家庭に入った方がかえって「研究」の手は進められると言う利点はあるのではないか?」
ハンジ「それは言わないで下さい。自分でも分かっています」
壁外に出る「兵士」としての顔と「研究者」としての二刀流の生活をしているから、そりゃ出来るなら研究1本に絞りたい気持ちもあるけど。
兵士でいないと「実際に巨人に会えない」という不利益が起きてしまう。
ハンジ「でも外の世界に出られなくなるのは嫌なんですよね。研究する「巨人」はやっぱり自分達で捕まえたいと言うか。勿論、皆が連れて来てくれた巨人を受け継いで研究だけに専念する手もなくはないんですが……」
ピクシス「ふむ。ではお主自身は、もしリヴァイが別の女性と結婚しても良いと思っておるのか?」
ハンジ「はい。まあ、それはリヴァイ自身の自由ですからね」
今は想像が出来ないけれど。まあ、そういう「相手」が出来たらそういう事もあるかもしれない。
ハンジ「そういえばこの間、もう三十路越えたとか言っていたし、確かに子供を作るつもりがあるなら急いだ方がいいかもしれないですね。リヴァイの「遺伝子」は絶やしたら勿体ないかもしれない」
種馬みたいな扱いするなって怒られそうだけどね。
でも実際、優秀な「父親」と「母親」掛け合わせて「早馬」も作るわけだから。
人間もそういう意味では同じだ。優秀な兵士を作るのであれば、リヴァイの「精子」は必要かもしれない。
と、一瞬、あいつのそういうところを想像してなんか妙に可笑しくなって笑ってしまった。
あ、やばい。なんか自分の顔が赤いかも。酒のせいかな。
と、次の瞬間、何故か自分のお尻に変な感触がきてうっかり「あん」って声が出た。
え? え? あ……ちょっと!?
ピクシス司令、今、お尻撫でくりまわしましたね?!
39: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:47:23 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「ちょっとおおおおお?! お酒入ってるの差し引いても触るのはやめて!!」
ピクシス「良いではないか。すっかりわしは騙されたぞ。ん? ハンジ、お前、まだまだ十分女としていけるではないか」
ハンジ「いやいや、もう枯れた花ですって。もーピクシス司令も物好きですね。触っても何も出ませんからね!」
ピクシス「むしろわしが出してやろうか? ん? (ニヤニヤ)」
ハンジ「ええ? 出してやるって、何をですか?」
ピクシス「勿論、ハンジの花から、甘い蜜を……」
と、其の時、リヴァイがこっちに来て間に入ってくれた。
リヴァイ「やめろ」
ピクシス「リヴァイか。ハンジを放っておくのが悪い。知らんぞ? わしのような悪い虫がどんどん近寄ってきても」
リヴァイ「先に帰ります。ハンジ、もう帰るぞ」
ピクシス「その方が賢明じゃ。あんまり長くハンジのおみ足を見せびらかさん方がいいぞ」
な、なんか機嫌悪い? リヴァイ、ちょっと怒っているみたいだね。
何で? よく分からないけど、エルヴィンのところに向かっている。
リヴァイ「もう先に帰ってもいいか?」
エルヴィン「ああ。構わないよ。用事は済んだし。私も適当な時間になったら切り上げる。先に帰るならそれでもいい」
リヴァイ「だったら帰らせて貰う。ハンジ、帰るぞ」
ハンジ「はいはーい」
まあいいか。私もお酒飲めたし。今日はいい気分転換にはなったかもしれない。
慣れないスカートと髪型と化粧に少し疲れたけど、普段話さない人と話せたのは有意義な時間だった。
リヴァイ「………………」
ハンジ「疲れちゃった? 大丈夫?」
リヴァイ「あんまりああいう席は得意ではないからな」
ハンジ「だろうね。でもまさか、ピクシス司令にお尻撫でられるとは思わなかったな。普段、全く見向きもしないのに」
リヴァイ「おみ足見せたからじゃねえのか? 生足だったらもっとヤバかったかもだな」
ハンジ「マジかー! いや、本当、びっくりしたわ。女らしい格好をすれば、私も一応、「女」扱いされるんだね」
リヴァイ「…………そうだな」
おや? なんか様子がちょっと予想外だな。
ピクシス「良いではないか。すっかりわしは騙されたぞ。ん? ハンジ、お前、まだまだ十分女としていけるではないか」
ハンジ「いやいや、もう枯れた花ですって。もーピクシス司令も物好きですね。触っても何も出ませんからね!」
ピクシス「むしろわしが出してやろうか? ん? (ニヤニヤ)」
ハンジ「ええ? 出してやるって、何をですか?」
ピクシス「勿論、ハンジの花から、甘い蜜を……」
と、其の時、リヴァイがこっちに来て間に入ってくれた。
リヴァイ「やめろ」
ピクシス「リヴァイか。ハンジを放っておくのが悪い。知らんぞ? わしのような悪い虫がどんどん近寄ってきても」
リヴァイ「先に帰ります。ハンジ、もう帰るぞ」
ピクシス「その方が賢明じゃ。あんまり長くハンジのおみ足を見せびらかさん方がいいぞ」
な、なんか機嫌悪い? リヴァイ、ちょっと怒っているみたいだね。
何で? よく分からないけど、エルヴィンのところに向かっている。
リヴァイ「もう先に帰ってもいいか?」
エルヴィン「ああ。構わないよ。用事は済んだし。私も適当な時間になったら切り上げる。先に帰るならそれでもいい」
リヴァイ「だったら帰らせて貰う。ハンジ、帰るぞ」
ハンジ「はいはーい」
まあいいか。私もお酒飲めたし。今日はいい気分転換にはなったかもしれない。
慣れないスカートと髪型と化粧に少し疲れたけど、普段話さない人と話せたのは有意義な時間だった。
リヴァイ「………………」
ハンジ「疲れちゃった? 大丈夫?」
リヴァイ「あんまりああいう席は得意ではないからな」
ハンジ「だろうね。でもまさか、ピクシス司令にお尻撫でられるとは思わなかったな。普段、全く見向きもしないのに」
リヴァイ「おみ足見せたからじゃねえのか? 生足だったらもっとヤバかったかもだな」
ハンジ「マジかー! いや、本当、びっくりしたわ。女らしい格好をすれば、私も一応、「女」扱いされるんだね」
リヴァイ「…………そうだな」
おや? なんか様子がちょっと予想外だな。
40: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:48:44 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「あら? 意外だね。リヴァイが同意してくれるとは思わなかったな」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「そんなのピクシス司令だけだろ? とか言うかと思った」
リヴァイ「……………ピクシス司令が物好きなだけだろ?」
ハンジ「もっと酷くなった! 酷い!」
リヴァイ「はっきり言った方がいいかと思ってな」
ハンジ「ふーん。じゃあリヴァイは、今の私の恰好を見ても何とも思わないの?」
と、いつもの自分とは違う仕草をしてみたりする。
わざとらしいかな? まあでもいいか。どうなんだろ? リヴァイは。
リヴァイ「別にいつもと変わらないだろ。ハンジはハンジだ」
ハンジ「いつもよりはちょっとだけ可愛いとか思わないの?」
リヴァイ「別に」
即答だった。うん。やっぱりそうだよね。
ピクシス司令がいうような関係は、やっぱり無理なんじゃないかな。
リヴァイ、その気ないし。まあ、私もこんなんだしね?
ハンジ「そっかー………まあ、そりゃそうですよね。スカート履いた程度でそう変わる訳でもないか」
と、ミニスカートを馬車の中でパタパタさせてみる。
ちょっとだけ露出を見せてみる。これでダメならもう、終わりだろうなあ。女としては。
リヴァイの方をこっそり見ると、凄く不機嫌な表情だった。
うわ! 傷つくなあそれは流石に!
ハンジ「ちょっと、なんで急に不機嫌になるの?」
リヴァイ「いや、別に」
ハンジ「でも眉間の皺、酷いよ?」
リヴァイ「ああ、だからこれは前にも言っただろ? 自分でも良く分からんままこうなる時がたまにあるって」
ハンジ「……………そうなんだ」
え? じゃあ、機嫌が悪い訳じゃないんだ。眉間の皺、凄いのに。
リヴァイ「意識して動かした訳じゃねえんだが………何なんだろうな? 良く分からん」
リヴァイが自分でも混乱しているように見えた。
リヴァイ「ん?」
ハンジ「そんなのピクシス司令だけだろ? とか言うかと思った」
リヴァイ「……………ピクシス司令が物好きなだけだろ?」
ハンジ「もっと酷くなった! 酷い!」
リヴァイ「はっきり言った方がいいかと思ってな」
ハンジ「ふーん。じゃあリヴァイは、今の私の恰好を見ても何とも思わないの?」
と、いつもの自分とは違う仕草をしてみたりする。
わざとらしいかな? まあでもいいか。どうなんだろ? リヴァイは。
リヴァイ「別にいつもと変わらないだろ。ハンジはハンジだ」
ハンジ「いつもよりはちょっとだけ可愛いとか思わないの?」
リヴァイ「別に」
即答だった。うん。やっぱりそうだよね。
ピクシス司令がいうような関係は、やっぱり無理なんじゃないかな。
リヴァイ、その気ないし。まあ、私もこんなんだしね?
ハンジ「そっかー………まあ、そりゃそうですよね。スカート履いた程度でそう変わる訳でもないか」
と、ミニスカートを馬車の中でパタパタさせてみる。
ちょっとだけ露出を見せてみる。これでダメならもう、終わりだろうなあ。女としては。
リヴァイの方をこっそり見ると、凄く不機嫌な表情だった。
うわ! 傷つくなあそれは流石に!
ハンジ「ちょっと、なんで急に不機嫌になるの?」
リヴァイ「いや、別に」
ハンジ「でも眉間の皺、酷いよ?」
リヴァイ「ああ、だからこれは前にも言っただろ? 自分でも良く分からんままこうなる時がたまにあるって」
ハンジ「……………そうなんだ」
え? じゃあ、機嫌が悪い訳じゃないんだ。眉間の皺、凄いのに。
リヴァイ「意識して動かした訳じゃねえんだが………何なんだろうな? 良く分からん」
リヴァイが自分でも混乱しているように見えた。
41: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:49:54 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「………………もしかして、スカートパタパタさせたせい?」
リヴァイ「さあな? まあ、タイミング的にはそこだったような気もするが」
ハンジ「もう1回、してあげようか?」
もしそうなら、「ある仮説」が出来るんだけど。
リヴァイ「いらねえ。というか、ちょっと眠い。寝てもいいか? 馬車の中で」
ハンジ「あらら……馬車に揺られている内に眠くなってきた?」
リヴァイ「まあな。多分、そうだろうな」
ハンジ「膝枕する?」
リヴァイ「いや、そこまではいい。座ったまま寝るから、倒れてきたら起こしてくれ」
両目を閉じちゃった。あらら。逃げられちゃったような気分だな。
まあでもいいか。うん。そっとしておこう。
そして馬車に揺られている内に、リヴァイの体も揺れてきて。
あれま。結局、私の太ももを「枕」にしちゃったよ。
まあでもいいか。うん。ぐっすり寝ているし、多分、結婚式で気疲れちゃったんだと思う。
リヴァイ、元々、人が集まる華やかな席が苦手だしね。
だからつい、リヴァイの髪を優しく撫でながら放置したんだ。
寝顔は普段とは全然違った。険しさが抜けていてちょっと可愛い。
ついついニヤニヤしながらそれを眺めていたら、兵舎についた。
起こしてあげないといけないね。リヴァイを揺り起こしたら、
リヴァイ「……………倒れたら、起こせって言ったよな?」
と、文句を言われてしまった。
ハンジ「いやーしっかり寝ているから起こすの可哀想だし? もう兵舎に着いたよ」
リヴァイ「…………頭、重くなかったか?」
ハンジ「全然。むしろ寝顔観察出来て面白かったかも? ぷぷぷ」
リヴァイ「………忘れろ」
ハンジ「無理! 暫くはこのネタで遊ばせて貰うかもね? ぷぷ」
舌打ちされちゃった。でもいいもーん。ぷぷぷ。
ハンジ「寝ている時は眉間の皺はなかったよ。凄く安らいだ顔をしていたから大丈夫じゃない?」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「うん。まあ、膝枕効果もあったかもだけど?」
リヴァイ「いや、それはないな。絶対」
ハンジ「分かんないでしょうが! 私の太もも、案外悪くない枕になったと思うけどなあ」
リヴァイ「…………自分の部屋の枕が1番だろ」
ハンジ「あ、いやそれ言ったらおしまいじゃない。もーノリ悪い!」
こんな調子だしねえ。やっぱりピクシス司令の言うような関係は無理じゃないのかな。
リヴァイ「さあな? まあ、タイミング的にはそこだったような気もするが」
ハンジ「もう1回、してあげようか?」
もしそうなら、「ある仮説」が出来るんだけど。
リヴァイ「いらねえ。というか、ちょっと眠い。寝てもいいか? 馬車の中で」
ハンジ「あらら……馬車に揺られている内に眠くなってきた?」
リヴァイ「まあな。多分、そうだろうな」
ハンジ「膝枕する?」
リヴァイ「いや、そこまではいい。座ったまま寝るから、倒れてきたら起こしてくれ」
両目を閉じちゃった。あらら。逃げられちゃったような気分だな。
まあでもいいか。うん。そっとしておこう。
そして馬車に揺られている内に、リヴァイの体も揺れてきて。
あれま。結局、私の太ももを「枕」にしちゃったよ。
まあでもいいか。うん。ぐっすり寝ているし、多分、結婚式で気疲れちゃったんだと思う。
リヴァイ、元々、人が集まる華やかな席が苦手だしね。
だからつい、リヴァイの髪を優しく撫でながら放置したんだ。
寝顔は普段とは全然違った。険しさが抜けていてちょっと可愛い。
ついついニヤニヤしながらそれを眺めていたら、兵舎についた。
起こしてあげないといけないね。リヴァイを揺り起こしたら、
リヴァイ「……………倒れたら、起こせって言ったよな?」
と、文句を言われてしまった。
ハンジ「いやーしっかり寝ているから起こすの可哀想だし? もう兵舎に着いたよ」
リヴァイ「…………頭、重くなかったか?」
ハンジ「全然。むしろ寝顔観察出来て面白かったかも? ぷぷぷ」
リヴァイ「………忘れろ」
ハンジ「無理! 暫くはこのネタで遊ばせて貰うかもね? ぷぷ」
舌打ちされちゃった。でもいいもーん。ぷぷぷ。
ハンジ「寝ている時は眉間の皺はなかったよ。凄く安らいだ顔をしていたから大丈夫じゃない?」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「うん。まあ、膝枕効果もあったかもだけど?」
リヴァイ「いや、それはないな。絶対」
ハンジ「分かんないでしょうが! 私の太もも、案外悪くない枕になったと思うけどなあ」
リヴァイ「…………自分の部屋の枕が1番だろ」
ハンジ「あ、いやそれ言ったらおしまいじゃない。もーノリ悪い!」
こんな調子だしねえ。やっぱりピクシス司令の言うような関係は無理じゃないのかな。
42: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:50:40 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「…………」
ん? あれ? リヴァイが固まっている?
あれ? 表情がなんか、急に。え? あれ?
両目を閉じてこっちに体を寄せてきて、まるでミケみたいに「スンスン」し始めた。
ハンジ「ちょっとリヴァイ? また鼻が近いよ? ミケの真似っこ?」
リヴァイ「!」
リヴァイがびくっとなっていた。どうしたんだろ?
リヴァイ「いや、何でもない。気にするな」
ハンジ「いや、無理だってば。ん~そんなにこの香水気に入ったなら、あげようか? 残りの分は」
リヴァイ「え?」
ハンジ「いや、私はもう、結婚式に呼ばれるなんてそうないだろうし、好きならあげるよ? はい、どうぞ」
鞄から小瓶を出してリヴァイに渡した。
リヴァイ「男が香水をつけてもな……」
ハンジ「いや、嗅ぎたいんでしょ? 嗅いでみたら?」
リヴァイ「いいのか?」
ハンジ「どうぞどうぞ」
リヴァイ「ううーん」
とりあえず嗅いでいる。けど眉毛が跳ねあがった。
リヴァイ「あれ? なんか違うな」
ハンジ「そうなの?」
リヴァイ「ああ。ハンジから漂ってくる香りと微妙に違う」
ハンジ「ええ? でも、つけているのは同じ物だよ?」
リヴァイ「いや、違う。これ単体で嗅ごうとは思わんな。ハンジ、すまないが、ちょっと追加して自分につけてみてくれないか」
ハンジ「うーん。まあ、いいけど」
手首に少量の香水をつけてみる。それをそのままリヴァイに嗅がせたら、
リヴァイ「………やっぱりこっちだ。恐らく、体につけた「後」の香りの方が好きなんだと思う」
ハンジ「じゃあ、それだけ持ってても意味ないんだ」
リヴァイ「そうみたいだな。だったら俺が持っていても仕方がない。返す」
小瓶を返されちゃった。
ハンジ「自分でつけちゃったら?」
リヴァイ「いや、それは流石に恥ずかしい。元々はハンジの物だしな」
ハンジ「そう? ん~でも、リヴァイがこういうのに食いつくとは思ってなかったしなあ」
そんなに気に入ったんならあげても別にいいんだけどな。
そう思いながら耳の後ろとかにもつけてみた。
リヴァイの様子がなんかちょっとおかしい。いや、何処がおかしいのか分からないけど。
ハンジ「ん? どうした?」
リヴァイ「いや……何でもない」
眉間の皺が増えた。やっぱりこれ、この「香り」が好きだとしか思えないよ。
ん? あれ? リヴァイが固まっている?
あれ? 表情がなんか、急に。え? あれ?
両目を閉じてこっちに体を寄せてきて、まるでミケみたいに「スンスン」し始めた。
ハンジ「ちょっとリヴァイ? また鼻が近いよ? ミケの真似っこ?」
リヴァイ「!」
リヴァイがびくっとなっていた。どうしたんだろ?
リヴァイ「いや、何でもない。気にするな」
ハンジ「いや、無理だってば。ん~そんなにこの香水気に入ったなら、あげようか? 残りの分は」
リヴァイ「え?」
ハンジ「いや、私はもう、結婚式に呼ばれるなんてそうないだろうし、好きならあげるよ? はい、どうぞ」
鞄から小瓶を出してリヴァイに渡した。
リヴァイ「男が香水をつけてもな……」
ハンジ「いや、嗅ぎたいんでしょ? 嗅いでみたら?」
リヴァイ「いいのか?」
ハンジ「どうぞどうぞ」
リヴァイ「ううーん」
とりあえず嗅いでいる。けど眉毛が跳ねあがった。
リヴァイ「あれ? なんか違うな」
ハンジ「そうなの?」
リヴァイ「ああ。ハンジから漂ってくる香りと微妙に違う」
ハンジ「ええ? でも、つけているのは同じ物だよ?」
リヴァイ「いや、違う。これ単体で嗅ごうとは思わんな。ハンジ、すまないが、ちょっと追加して自分につけてみてくれないか」
ハンジ「うーん。まあ、いいけど」
手首に少量の香水をつけてみる。それをそのままリヴァイに嗅がせたら、
リヴァイ「………やっぱりこっちだ。恐らく、体につけた「後」の香りの方が好きなんだと思う」
ハンジ「じゃあ、それだけ持ってても意味ないんだ」
リヴァイ「そうみたいだな。だったら俺が持っていても仕方がない。返す」
小瓶を返されちゃった。
ハンジ「自分でつけちゃったら?」
リヴァイ「いや、それは流石に恥ずかしい。元々はハンジの物だしな」
ハンジ「そう? ん~でも、リヴァイがこういうのに食いつくとは思ってなかったしなあ」
そんなに気に入ったんならあげても別にいいんだけどな。
そう思いながら耳の後ろとかにもつけてみた。
リヴァイの様子がなんかちょっとおかしい。いや、何処がおかしいのか分からないけど。
ハンジ「ん? どうした?」
リヴァイ「いや……何でもない」
眉間の皺が増えた。やっぱりこれ、この「香り」が好きだとしか思えないよ。
43: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:51:16 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「あはは! やっぱりこの香りが好きなんだね。じゃあたまにはつけてあげようか?」
リヴァイ「え?」
ハンジ「私としては、体臭を誤魔化すのにも使えるし、使うのは別に構わないよ」
リヴァイ「いや、しかし……高価な物なんだろ?」
ハンジ「元々は貰い物だからいいよ。むしろたまには使わないとダメなんじゃないかな」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「うん。リヴァイの部屋に遊びに行くときはつけてあげるよ。普段は使わないでおけばいいでしょ?」
リヴァイ「まぁ……そうして貰えるなら嬉しいが」
ハンジ「分かった。じゃあ次からそうするね」
そっか。リヴァイが好きなら、そうしてあげてもいいかな。
そう思いながら私は自分の部屋に戻って、服を脱いで着替えて、化粧を落とす道具を持って一度部屋を出た。
洗面所でバシャバシャ顔を洗ってすっぴんに戻る。
化粧を落とすのは念入りにやらないといけないから、ゆっくり丁寧に洗い落とす。
そしてリヴァイにお金を返さないといけないな、と思い立って、リヴァイの部屋に移動する。
ハンジ「リヴァイー? いるー?」
返事がない。いないのかな?
いや、でも気配はするような? うん。もうちょい粘ってみよう。
ハンジ「あのさー、お金、立て替えて貰ったでしょ? だからお金返そうと思ってきたんだけど。開けてくれる?」
リヴァイ「廊下に置いておけ。今は気分が悪い」
ハンジ「あれ? 何で? まさか馬車に酔った?!」
いや、ないな。これはアレだ。何かあったな?
まあいいや。一応「そういう事」にしておいてやろう。
リヴァイ「ああ。そうだ。酔ったんだ。だから少し放っておいてくれ」
ハンジ「え……マジか。馬には乗れるのに馬車には酔うって珍しいね」
リヴァイ「いや、たまたまだろ。いつもはこうはならん」
ハンジ「ああ、そう? じゃあどうしようかな……でも廊下にお金置いたら、誰かが知らないで拾うかもしれないし、また後日でもいい?」
リヴァイ「というか、もう面倒だから返さなくていい。その程度の金なら別に奢ってやる」
ハンジ「いや、悪いよ。そこまでして貰うのは。………まあいいか。また今度で」
明日でイイや。そう思って自分の部屋に戻る事にした。
でも数分後、今度はリヴァイが私の部屋にやってきた。
ハンジ「あらら……起きてきちゃったの? 気遣わせちゃったかな。ごめんごめん」
折角来てくれたのですぐにお金を返した。
リヴァイ「え?」
ハンジ「私としては、体臭を誤魔化すのにも使えるし、使うのは別に構わないよ」
リヴァイ「いや、しかし……高価な物なんだろ?」
ハンジ「元々は貰い物だからいいよ。むしろたまには使わないとダメなんじゃないかな」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「うん。リヴァイの部屋に遊びに行くときはつけてあげるよ。普段は使わないでおけばいいでしょ?」
リヴァイ「まぁ……そうして貰えるなら嬉しいが」
ハンジ「分かった。じゃあ次からそうするね」
そっか。リヴァイが好きなら、そうしてあげてもいいかな。
そう思いながら私は自分の部屋に戻って、服を脱いで着替えて、化粧を落とす道具を持って一度部屋を出た。
洗面所でバシャバシャ顔を洗ってすっぴんに戻る。
化粧を落とすのは念入りにやらないといけないから、ゆっくり丁寧に洗い落とす。
そしてリヴァイにお金を返さないといけないな、と思い立って、リヴァイの部屋に移動する。
ハンジ「リヴァイー? いるー?」
返事がない。いないのかな?
いや、でも気配はするような? うん。もうちょい粘ってみよう。
ハンジ「あのさー、お金、立て替えて貰ったでしょ? だからお金返そうと思ってきたんだけど。開けてくれる?」
リヴァイ「廊下に置いておけ。今は気分が悪い」
ハンジ「あれ? 何で? まさか馬車に酔った?!」
いや、ないな。これはアレだ。何かあったな?
まあいいや。一応「そういう事」にしておいてやろう。
リヴァイ「ああ。そうだ。酔ったんだ。だから少し放っておいてくれ」
ハンジ「え……マジか。馬には乗れるのに馬車には酔うって珍しいね」
リヴァイ「いや、たまたまだろ。いつもはこうはならん」
ハンジ「ああ、そう? じゃあどうしようかな……でも廊下にお金置いたら、誰かが知らないで拾うかもしれないし、また後日でもいい?」
リヴァイ「というか、もう面倒だから返さなくていい。その程度の金なら別に奢ってやる」
ハンジ「いや、悪いよ。そこまでして貰うのは。………まあいいか。また今度で」
明日でイイや。そう思って自分の部屋に戻る事にした。
でも数分後、今度はリヴァイが私の部屋にやってきた。
ハンジ「あらら……起きてきちゃったの? 気遣わせちゃったかな。ごめんごめん」
折角来てくれたのですぐにお金を返した。
44: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:52:10 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「はい、どうぞ。これで計算は合っているよね?」
リヴァイ「ああ。間違いない。丁度だな」
ハンジ「ありがとうね。今回は本当に助かったよ。なんかこういう華やかな席って今まで縁がなかったからさ。無駄にわたわたしちゃった」
リヴァイ「だろうな」
ハンジ「うん。リヴァイが居てくれて助かった。彼女も現役復帰してくれるといいな。いろいろ辛い事はあるけど……やっぱり戦う仲間が減っちゃうのは寂しいしね」
リヴァイ「……………まあな」
勿論、それが正しい道ではないかもしれないけど。彼女の「家族」にとっては。
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「ん? 何?」
リヴァイ「エルヴィンから貰った香水の件についてなんだが」
香水? 何だろ。
リヴァイ「あの香水は、その……その道のプロの女性から譲り受けた物だと言っていたぞ」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「だから、娼館の女、つまりエルヴィンの馴染みの女が使っていた「プロ御用達」の香水らしいから、その……使わない方がいい」
その説明を聞いて私は自分の顔に血が集まるのを感じた。
ハンジ「え? え? つまり、それって、それ用の香水って事? えええええ………」
はず! なにそれ、恥ずかし過ぎる!!!!
ハンジ「ちょっと……まさか、じゃあ、ピクシス司令がなんかいつもと様子が違ったのも、あんたが変に私の匂いを嗅ぎたがったのもそのせい?」
リヴァイ「そういう事だ」
ハンジ「マジか! ミケに会わなくて幸いだった。ミケにもし会っていたら、私、ミケに押し倒されていたかも?!」
いやあああああああ?! マジか!!!!
ミケ、今日、当番だから兵舎の方の仕事あるから来れない言っていたけど幸いだった。
やばい。危うくミケに押し倒されるところだった。
ハンジ「ピクシス司令とリヴァイだけで幸いだった。もおおおおおエルヴィンの奴めええええ!」
腹立つなああもう! ちゃんとそこを説明してから人に渡してよおおおお!
ハンジ「そういう事なら今から急いでシャワー浴びて匂いを落としてくる!」
やべえ! 早いところ、香水を落とさないと!
そして手早くシャワーを浴びてある程度体の汗とかを落としてしまって着替え直した。
ハンジ「いやーさっぱりしたわー。どうリヴァイ? もうあの香水の匂い、しないでしょ?」
私の部屋の前にリヴァイがまだ居たので、声をかけた。
すると何故か俯いて、ん? どうしたのかな?
ハンジ「ん? どうしたの? 俯いて」
リヴァイ「いや、何でもない。匂いは消えている。大丈夫だ」
ハンジ「本当に? 大丈夫? こういうのって自分じゃ分かりにくいしね」
不安だなあ。確認して貰おうかな。リヴァイに。
ハンジ「一応、鼻、近づけて確認してみてよ。ほら」
リヴァイ「もうしないんだから、いいだろ。別に。確認はしなくても」
ハンジ「ちょっとでいいからさ。ほら、ほら」
リヴァイは何故かちょっと迷っていたようだけど。
一歩、私に近づいて、鼻をスンスンさせてくれた。
リヴァイ「……………」
大丈夫かな? うん。大丈夫そうだね。
リヴァイ「ああ。間違いない。丁度だな」
ハンジ「ありがとうね。今回は本当に助かったよ。なんかこういう華やかな席って今まで縁がなかったからさ。無駄にわたわたしちゃった」
リヴァイ「だろうな」
ハンジ「うん。リヴァイが居てくれて助かった。彼女も現役復帰してくれるといいな。いろいろ辛い事はあるけど……やっぱり戦う仲間が減っちゃうのは寂しいしね」
リヴァイ「……………まあな」
勿論、それが正しい道ではないかもしれないけど。彼女の「家族」にとっては。
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「ん? 何?」
リヴァイ「エルヴィンから貰った香水の件についてなんだが」
香水? 何だろ。
リヴァイ「あの香水は、その……その道のプロの女性から譲り受けた物だと言っていたぞ」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「だから、娼館の女、つまりエルヴィンの馴染みの女が使っていた「プロ御用達」の香水らしいから、その……使わない方がいい」
その説明を聞いて私は自分の顔に血が集まるのを感じた。
ハンジ「え? え? つまり、それって、それ用の香水って事? えええええ………」
はず! なにそれ、恥ずかし過ぎる!!!!
ハンジ「ちょっと……まさか、じゃあ、ピクシス司令がなんかいつもと様子が違ったのも、あんたが変に私の匂いを嗅ぎたがったのもそのせい?」
リヴァイ「そういう事だ」
ハンジ「マジか! ミケに会わなくて幸いだった。ミケにもし会っていたら、私、ミケに押し倒されていたかも?!」
いやあああああああ?! マジか!!!!
ミケ、今日、当番だから兵舎の方の仕事あるから来れない言っていたけど幸いだった。
やばい。危うくミケに押し倒されるところだった。
ハンジ「ピクシス司令とリヴァイだけで幸いだった。もおおおおおエルヴィンの奴めええええ!」
腹立つなああもう! ちゃんとそこを説明してから人に渡してよおおおお!
ハンジ「そういう事なら今から急いでシャワー浴びて匂いを落としてくる!」
やべえ! 早いところ、香水を落とさないと!
そして手早くシャワーを浴びてある程度体の汗とかを落としてしまって着替え直した。
ハンジ「いやーさっぱりしたわー。どうリヴァイ? もうあの香水の匂い、しないでしょ?」
私の部屋の前にリヴァイがまだ居たので、声をかけた。
すると何故か俯いて、ん? どうしたのかな?
ハンジ「ん? どうしたの? 俯いて」
リヴァイ「いや、何でもない。匂いは消えている。大丈夫だ」
ハンジ「本当に? 大丈夫? こういうのって自分じゃ分かりにくいしね」
不安だなあ。確認して貰おうかな。リヴァイに。
ハンジ「一応、鼻、近づけて確認してみてよ。ほら」
リヴァイ「もうしないんだから、いいだろ。別に。確認はしなくても」
ハンジ「ちょっとでいいからさ。ほら、ほら」
リヴァイは何故かちょっと迷っていたようだけど。
一歩、私に近づいて、鼻をスンスンさせてくれた。
リヴァイ「……………」
大丈夫かな? うん。大丈夫そうだね。
45: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:52:48 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「大丈夫だ。問題ない。もういいよな? 確認作業は」
ハンジ「大丈夫ならいいよ。良かった~リヴァイに教えて貰って。危うくエルヴィンに騙されるところだったよ」
胸を撫で下ろした。いやーほんとに助かった!
リヴァイ「じゃあな。俺は部屋に戻る」
リヴァイはそう言って自分の部屋に戻って行った。
ハンジ「うん。ありがとう。リヴァイ。またね」
リヴァイの背中に言う様にそう言って、私も部屋に戻ったのだった。
次の日の朝、リヴァイの席の隣に滑り込んだら、何故かちょっと距離を取られた。露骨に。
酷い。相変わらずだなあ。昨日、シャワー浴びたからいつもよりは臭くない筈なんだけど?
ハンジ「おはようリヴァイ! ………あれ? なんか元気ないね」
リヴァイ「気のせいだろ」
ん? 目の下にクマがあるね。寝不足なのかな。
あ、昨日、馬車の中で寝たせいで夜は寝れない状態になったのかな。
生活リズムが崩れるとたまにそういう事あるよね。
眉間の皺が深い。うーん。
ハンジ「あれ? やっぱり不機嫌? 眉間の皺が……」
リヴァイが眉間の皺を手で隠してしまった。
ハンジ「何で隠す? ん? 意味分かんないんだけど」
リヴァイ「見るな。人の眉間の皺なんか」
ハンジ「いや、顔の表情を見ないと相手の考えている事を読み取れないでしょうが」
リヴァイ「別に機嫌が悪い訳じゃねえよ。たまに自然とこうなるだけだ」
視線をふいっと逸らされて、今度はちょっと頬が赤くなった。
やっぱり。そうか。これはもしかして!
ハンジ「分かった! あんた、照れると眉間の皺が寄るんだね!」
リヴァイ「え?」
ハンジ「多分、そうだよ。今、ちょっとそんな感じだった。なるほど。スカートパタパタさせた時も実は照れていた訳だね?」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「だったらどうした。照れて悪いのか」
ハンジ「否定しないんだ。やった! なんかちょっと嬉しいかもしれない」
リヴァイ「は? 何で」
ハンジ「いや~だって、リヴァイ、そういうの「ふーん」で済ませるタイプかと思っていたからさ。そっかそっか~」
ギリギリ女としてセーフだったみたいだね。私は!
ハンジ「大丈夫ならいいよ。良かった~リヴァイに教えて貰って。危うくエルヴィンに騙されるところだったよ」
胸を撫で下ろした。いやーほんとに助かった!
リヴァイ「じゃあな。俺は部屋に戻る」
リヴァイはそう言って自分の部屋に戻って行った。
ハンジ「うん。ありがとう。リヴァイ。またね」
リヴァイの背中に言う様にそう言って、私も部屋に戻ったのだった。
次の日の朝、リヴァイの席の隣に滑り込んだら、何故かちょっと距離を取られた。露骨に。
酷い。相変わらずだなあ。昨日、シャワー浴びたからいつもよりは臭くない筈なんだけど?
ハンジ「おはようリヴァイ! ………あれ? なんか元気ないね」
リヴァイ「気のせいだろ」
ん? 目の下にクマがあるね。寝不足なのかな。
あ、昨日、馬車の中で寝たせいで夜は寝れない状態になったのかな。
生活リズムが崩れるとたまにそういう事あるよね。
眉間の皺が深い。うーん。
ハンジ「あれ? やっぱり不機嫌? 眉間の皺が……」
リヴァイが眉間の皺を手で隠してしまった。
ハンジ「何で隠す? ん? 意味分かんないんだけど」
リヴァイ「見るな。人の眉間の皺なんか」
ハンジ「いや、顔の表情を見ないと相手の考えている事を読み取れないでしょうが」
リヴァイ「別に機嫌が悪い訳じゃねえよ。たまに自然とこうなるだけだ」
視線をふいっと逸らされて、今度はちょっと頬が赤くなった。
やっぱり。そうか。これはもしかして!
ハンジ「分かった! あんた、照れると眉間の皺が寄るんだね!」
リヴァイ「え?」
ハンジ「多分、そうだよ。今、ちょっとそんな感じだった。なるほど。スカートパタパタさせた時も実は照れていた訳だね?」
リヴァイ「…………」
リヴァイ「だったらどうした。照れて悪いのか」
ハンジ「否定しないんだ。やった! なんかちょっと嬉しいかもしれない」
リヴァイ「は? 何で」
ハンジ「いや~だって、リヴァイ、そういうの「ふーん」で済ませるタイプかと思っていたからさ。そっかそっか~」
ギリギリ女としてセーフだったみたいだね。私は!
46: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:53:49 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「いやいや、良かった。女に全く興味ないから、もしやエルヴィンと出来ている? とか疑っていたよ。そっちの人じゃなくて良かったなあ」
リヴァイ「?!」
リヴァイ「おい待て。まさかとは思うが、そういう『噂』が流れているのか?」
ハンジ「勝手な憶測だけどね。リヴァイに「女の影」が全く見当たらないからまさかそっちの人? という嫌疑も巷では流れていましたよ?」
初耳だったのかな? そりゃそうか。
リヴァイ「だったら完全否定しておいてくれ。俺は男に抱かれる趣味も抱く趣味もねえ」
ハンジ「じゃあ好みの女性のタイプとか教えてよ。そういう情報、一切公開してないから皆から「疑われる」んだよ?」
リヴァイ「………そういうお前はタイプがあるのか?」
ハンジ「私? ん~私は「一緒に居て楽しいって思える人」かな。会話が大事なタイプだと思うよ」
リヴァイ「見た目とか関係ないのか」
ハンジ「女の人は割とそういうもんだよ。見た目重視もいなくはないけど、中身から先に見るのが殆どじゃないかな?」
リヴァイ「……………」
リヴァイが長考始めた。これはちゃんとした答えが聞けるかもしれない。
リヴァイ「好みのタイプか」
ハンジ「ねえねえ? どんな人が好き? ん?」
リヴァイ「清潔な女だな」
…………。なるほど。
ハンジ「身だしなみが大事だって事? 顔とかはあんまりこだわりないんだ?」
リヴァイ「そうだな。綺麗にしている事が第一条件だ」
ハンジ「おしゃああああ! スクープゲットおおお! 皆に広めちゃお♪」
と言って私はリヴァイから離れた。そして軽く凹む。
ううーん。そっか。そりゃそうだな。あいつ、潔癖症だしなあ。
じゃあもう、私は完全に「対象外」って事だな。うん。
ピクシス司令には悪いけど。今度、もし突っ込まれたらそう答えようかな。
そう考えて、私はその日の演習や研究の時間に自分の時間を費やした。
そして集中して作業を進めていたら、夕食が来ない事に気づいた。
あれ? もう夜中の12時か。リヴァイ、来ないな。
なんかあったのかな? もしくは忘れているのかな。
まあいいや。もうちょっと作業を進めよう。
そして夜中の2時くらいになってようやく大まかなところが完成した。
やった! リヴァイに見せたいな! あーでも夜中の2時か。
流石に寝ているかなあ。
まあいいや。ダメ元でいっちゃえ。リヴァイの部屋に行ってみる。
リヴァイ「?!」
リヴァイ「おい待て。まさかとは思うが、そういう『噂』が流れているのか?」
ハンジ「勝手な憶測だけどね。リヴァイに「女の影」が全く見当たらないからまさかそっちの人? という嫌疑も巷では流れていましたよ?」
初耳だったのかな? そりゃそうか。
リヴァイ「だったら完全否定しておいてくれ。俺は男に抱かれる趣味も抱く趣味もねえ」
ハンジ「じゃあ好みの女性のタイプとか教えてよ。そういう情報、一切公開してないから皆から「疑われる」んだよ?」
リヴァイ「………そういうお前はタイプがあるのか?」
ハンジ「私? ん~私は「一緒に居て楽しいって思える人」かな。会話が大事なタイプだと思うよ」
リヴァイ「見た目とか関係ないのか」
ハンジ「女の人は割とそういうもんだよ。見た目重視もいなくはないけど、中身から先に見るのが殆どじゃないかな?」
リヴァイ「……………」
リヴァイが長考始めた。これはちゃんとした答えが聞けるかもしれない。
リヴァイ「好みのタイプか」
ハンジ「ねえねえ? どんな人が好き? ん?」
リヴァイ「清潔な女だな」
…………。なるほど。
ハンジ「身だしなみが大事だって事? 顔とかはあんまりこだわりないんだ?」
リヴァイ「そうだな。綺麗にしている事が第一条件だ」
ハンジ「おしゃああああ! スクープゲットおおお! 皆に広めちゃお♪」
と言って私はリヴァイから離れた。そして軽く凹む。
ううーん。そっか。そりゃそうだな。あいつ、潔癖症だしなあ。
じゃあもう、私は完全に「対象外」って事だな。うん。
ピクシス司令には悪いけど。今度、もし突っ込まれたらそう答えようかな。
そう考えて、私はその日の演習や研究の時間に自分の時間を費やした。
そして集中して作業を進めていたら、夕食が来ない事に気づいた。
あれ? もう夜中の12時か。リヴァイ、来ないな。
なんかあったのかな? もしくは忘れているのかな。
まあいいや。もうちょっと作業を進めよう。
そして夜中の2時くらいになってようやく大まかなところが完成した。
やった! リヴァイに見せたいな! あーでも夜中の2時か。
流石に寝ているかなあ。
まあいいや。ダメ元でいっちゃえ。リヴァイの部屋に行ってみる。
47: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:54:20 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「ごめん~リヴァイ、起きているかな~流石に寝ている~?」
寝ているかな。どうかな?
寝ているなら諦めるけど。もし、起きていたら最初にリヴァイに見せたかったんだ。
リヴァイ「今、着替えの最中だ。少し待て」
ハンジ「お? ラッキー♪ まだ起きてたんだ」
リヴァイ「逆だ。今、起きたところだ。仕事が終わってから飯も食わずに寝ていた」
ハンジ「あ、だから今日は夕食持って来てくれなかったんだ。あれー? と思っていたけど」
リヴァイ「すまん。たまにはそういう事もある」
ハンジ「いや、いいよ。私も12時過ぎてから夕食食べ忘れた自分に気づいたし。それよりさ、ちょっと話を聞いて欲しいんだけど。今、いい?」
リヴァイ「明日じゃダメなのか?」
ハンジ「今、話したいのよ。ちょっとだけ! お願い!」
リヴァイ「鍵は開いている。勝手に入れ」
ハンジ「ありがとう! ええっとね。小さいけど、模型を作ってみました」
じゃん! どうだ! いい出来だ! 褒めろ!
ハンジ「この人形が巨人だと思ってね? んで、こっちがその捕獲用の道具になる。題して『特定目標拘束兵器』試作品1号ってところかな」
ハンジ「イメージとしては、爆薬を使って大砲を飛ばすのと同じで火薬で矢じりを飛ばすんだけど」
リヴァイ「ふむ」
ハンジ「飛んだ矢じりに繋いだワイヤーが伸びて、こうなる」
ハンジ「この仕組みを無数に飛ばして、木と巨人を繋いでしまうの。どう?! すごいでしょ?!」
この発想力を褒めて!
リヴァイ「いや、俺はこの小さい「模型」を造ったハンジの方が凄いと思うが」
いや、そっちは褒めなくていいから。うむ。
ハンジ「ただね~今のままじゃ、これを「壁外」に運んで「設定」するのがまず大変なのよね」
どうやって簡単に「運ぶ」かが最初の課題になるね。これは。
ハンジ「とりあえず今の形は「樽」が基本になっているけど。これ運ぶの大変だよね。どう考えても」
リヴァイ「罠を設置するなら確かに「運びやすさ」も考慮しないといけないよな」
ハンジ「そうそう。だからその問題をどうするかだけど……なんかいい方法ないかな?」
リヴァイ「ふむ……」
リヴァイが考え込んだ。何かいいアイデアが出るかな?
寝ているかな。どうかな?
寝ているなら諦めるけど。もし、起きていたら最初にリヴァイに見せたかったんだ。
リヴァイ「今、着替えの最中だ。少し待て」
ハンジ「お? ラッキー♪ まだ起きてたんだ」
リヴァイ「逆だ。今、起きたところだ。仕事が終わってから飯も食わずに寝ていた」
ハンジ「あ、だから今日は夕食持って来てくれなかったんだ。あれー? と思っていたけど」
リヴァイ「すまん。たまにはそういう事もある」
ハンジ「いや、いいよ。私も12時過ぎてから夕食食べ忘れた自分に気づいたし。それよりさ、ちょっと話を聞いて欲しいんだけど。今、いい?」
リヴァイ「明日じゃダメなのか?」
ハンジ「今、話したいのよ。ちょっとだけ! お願い!」
リヴァイ「鍵は開いている。勝手に入れ」
ハンジ「ありがとう! ええっとね。小さいけど、模型を作ってみました」
じゃん! どうだ! いい出来だ! 褒めろ!
ハンジ「この人形が巨人だと思ってね? んで、こっちがその捕獲用の道具になる。題して『特定目標拘束兵器』試作品1号ってところかな」
ハンジ「イメージとしては、爆薬を使って大砲を飛ばすのと同じで火薬で矢じりを飛ばすんだけど」
リヴァイ「ふむ」
ハンジ「飛んだ矢じりに繋いだワイヤーが伸びて、こうなる」
ハンジ「この仕組みを無数に飛ばして、木と巨人を繋いでしまうの。どう?! すごいでしょ?!」
この発想力を褒めて!
リヴァイ「いや、俺はこの小さい「模型」を造ったハンジの方が凄いと思うが」
いや、そっちは褒めなくていいから。うむ。
ハンジ「ただね~今のままじゃ、これを「壁外」に運んで「設定」するのがまず大変なのよね」
どうやって簡単に「運ぶ」かが最初の課題になるね。これは。
ハンジ「とりあえず今の形は「樽」が基本になっているけど。これ運ぶの大変だよね。どう考えても」
リヴァイ「罠を設置するなら確かに「運びやすさ」も考慮しないといけないよな」
ハンジ「そうそう。だからその問題をどうするかだけど……なんかいい方法ないかな?」
リヴァイ「ふむ……」
リヴァイが考え込んだ。何かいいアイデアが出るかな?
48: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:55:09 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「だったらいっそ、荷馬車と合体させたらどうだ?」
ハンジ「ん? どういう事?」
リヴァイ「荷馬車の「底」をくくり抜いて、樽を敷き詰めてしまえば……どうだ?」
ペンからインクが出なかったので、私のを貸してあげる。
ハンジ「あ、インクないの? はい、万年筆貸してあげる」
胸ポケットからさっと取り出して手渡した。
リヴァイ「つまり、こういう感じにしたらどうかな? と思ったんだが」
リヴァイの絵はちょっと分かりにくいところもあったけど、なんとなく言いたい事は掴めた。
ハンジ「おおおおお!」
ハンジ「これはいいアイデアかもしれない! ちょっとこの形が出来るかどうか、明日早速試してみるね!」
リヴァイ「うまくいくといいけどな」
ハンジ「ふふ……ありがとう。リヴァイに話してみて良かった」
リヴァイ「!」
リヴァイは頼りになるなあ。もう、本当、毎回助けられているよ。
だからつい、軽く抱擁をしてしまって。
あ、今日は「拒絶」しないんだね。前は「やめろ」が口癖だったのにな。
だから私も調子に乗って、ちょっとぐっと、きちゃった。
ハンジ「じゃあね。夜中に相談しに来てごめんね。じゃあまた明日」
えへへへ。ついつい笑顔で退場する。
研究室に戻って続きを考えよう。そう思って部屋に戻ると、
ドアのノック音が聞こえた。ん? 誰だろ。
あ、リヴァイだ。あれ? 何の用だろ?
ハンジ「ん? 何?」
リヴァイ「忘れ物だ。万年筆。返し忘れた」
ハンジ「あらら……ごめんごめん。貸しっぱなしだったね」
またやっちゃった。私、しょっちゅう同じ事やっちゃうんだよね。
人に預けるとすぐ忘れちゃっては新しいペンを買う羽目になるんだ。
リヴァイ「いや、謝るのはこっちだ。すまん」
ハンジ「いいって。そういう事もある」
胸ポケットにペンを戻す。
ハンジ「ん? どういう事?」
リヴァイ「荷馬車の「底」をくくり抜いて、樽を敷き詰めてしまえば……どうだ?」
ペンからインクが出なかったので、私のを貸してあげる。
ハンジ「あ、インクないの? はい、万年筆貸してあげる」
胸ポケットからさっと取り出して手渡した。
リヴァイ「つまり、こういう感じにしたらどうかな? と思ったんだが」
リヴァイの絵はちょっと分かりにくいところもあったけど、なんとなく言いたい事は掴めた。
ハンジ「おおおおお!」
ハンジ「これはいいアイデアかもしれない! ちょっとこの形が出来るかどうか、明日早速試してみるね!」
リヴァイ「うまくいくといいけどな」
ハンジ「ふふ……ありがとう。リヴァイに話してみて良かった」
リヴァイ「!」
リヴァイは頼りになるなあ。もう、本当、毎回助けられているよ。
だからつい、軽く抱擁をしてしまって。
あ、今日は「拒絶」しないんだね。前は「やめろ」が口癖だったのにな。
だから私も調子に乗って、ちょっとぐっと、きちゃった。
ハンジ「じゃあね。夜中に相談しに来てごめんね。じゃあまた明日」
えへへへ。ついつい笑顔で退場する。
研究室に戻って続きを考えよう。そう思って部屋に戻ると、
ドアのノック音が聞こえた。ん? 誰だろ。
あ、リヴァイだ。あれ? 何の用だろ?
ハンジ「ん? 何?」
リヴァイ「忘れ物だ。万年筆。返し忘れた」
ハンジ「あらら……ごめんごめん。貸しっぱなしだったね」
またやっちゃった。私、しょっちゅう同じ事やっちゃうんだよね。
人に預けるとすぐ忘れちゃっては新しいペンを買う羽目になるんだ。
リヴァイ「いや、謝るのはこっちだ。すまん」
ハンジ「いいって。そういう事もある」
胸ポケットにペンを戻す。
49: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 00:56:20 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「ん?」
あれ? なんか頭を掻き虫っているね。リヴァイ、どうかしたのかな?
ハンジ「どうかした? なんかしんどそうだね?」
リヴァイ「何でもねえ」
ハンジ「いや、なんか泣きそうな顔になっているけど」
リヴァイ「……………」
この時のリヴァイ、本当に辛そうだった。
何だろう? 何度も唾を飲み込んでいるのが分かったし、熱でもあるのかなって感じだった。
リヴァイ「気のせいだろ。目にゴミでも入ったのかもしれん」
ハンジ「そう? じゃあ目洗ってきなよ。それか目薬あげようか?」
リヴァイ「目薬?」
ハンジ「疲れ目等に効くよ。私のでよければ分けてあげようか?」
リヴァイ「………じゃあ頼む」
目痛いんだったら、目薬が一番いい。
そう思って、目薬を差してあげた。
ハンジ「はい、ちょっと視線ずらしてねーはい、入ったー」
その後、リヴァイがじっと私を見つめて来て「ん?」と思った。
な、なに? 私の顔に何かついているのかな?
凄く真っ直ぐに私を見ている。両目を細めて、無言でいる。
あれ? あれ? 何か、こっちまで汗掻いてきたな。
別に部屋の温度は暑くないのに。むしろ涼しいくらいなのに。
胸が、心臓が、ちょっとドキドキしてきた。
それを誤魔化す様に私は言った。
ハンジ「まあこれで目の中のゴミも自然と涙で流れるでしょ。うん」
リヴァイ「……………」
ハンジ「ゴロゴロ、取れた?」
リヴァイ「ああ。大体とれたと思う」
ハンジ「そりゃ良かった」
な、なんだろう。意味深な視線に見えたけど。
何か、私に言いたい事でもあったのかな?
でもリヴァイはランプを持って、
リヴァイ「じゃあな。俺は部屋に戻る。ハンジもあんまり根を詰め過ぎるなよ」
ハンジ「うん。大丈夫だよ。ありがとう!」
お互いに別れて、私は研究室に残った。
ううーん。今の、何だったんだろ? よく分からないや。
そう思いながら、リヴァイの描いてくれた「絵」で自分の顔を隠す私だった。
あれ? なんか頭を掻き虫っているね。リヴァイ、どうかしたのかな?
ハンジ「どうかした? なんかしんどそうだね?」
リヴァイ「何でもねえ」
ハンジ「いや、なんか泣きそうな顔になっているけど」
リヴァイ「……………」
この時のリヴァイ、本当に辛そうだった。
何だろう? 何度も唾を飲み込んでいるのが分かったし、熱でもあるのかなって感じだった。
リヴァイ「気のせいだろ。目にゴミでも入ったのかもしれん」
ハンジ「そう? じゃあ目洗ってきなよ。それか目薬あげようか?」
リヴァイ「目薬?」
ハンジ「疲れ目等に効くよ。私のでよければ分けてあげようか?」
リヴァイ「………じゃあ頼む」
目痛いんだったら、目薬が一番いい。
そう思って、目薬を差してあげた。
ハンジ「はい、ちょっと視線ずらしてねーはい、入ったー」
その後、リヴァイがじっと私を見つめて来て「ん?」と思った。
な、なに? 私の顔に何かついているのかな?
凄く真っ直ぐに私を見ている。両目を細めて、無言でいる。
あれ? あれ? 何か、こっちまで汗掻いてきたな。
別に部屋の温度は暑くないのに。むしろ涼しいくらいなのに。
胸が、心臓が、ちょっとドキドキしてきた。
それを誤魔化す様に私は言った。
ハンジ「まあこれで目の中のゴミも自然と涙で流れるでしょ。うん」
リヴァイ「……………」
ハンジ「ゴロゴロ、取れた?」
リヴァイ「ああ。大体とれたと思う」
ハンジ「そりゃ良かった」
な、なんだろう。意味深な視線に見えたけど。
何か、私に言いたい事でもあったのかな?
でもリヴァイはランプを持って、
リヴァイ「じゃあな。俺は部屋に戻る。ハンジもあんまり根を詰め過ぎるなよ」
ハンジ「うん。大丈夫だよ。ありがとう!」
お互いに別れて、私は研究室に残った。
ううーん。今の、何だったんだろ? よく分からないや。
そう思いながら、リヴァイの描いてくれた「絵」で自分の顔を隠す私だった。
51: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:38:16 ID:.SqfFaVo0
そして数日の月日が流れて、私はいつものようにリヴァイの席の隣に座った。
朝、時間が合う時は大抵、リヴァイの隣で朝ご飯を食べるけど。今日もちょっと距離を取られた。
ハンジ「やあおはよう! リヴァイ! 元気?」
リヴァイ「全然。元気じゃねえな。今、この瞬間から」
うわー。露骨だな。だんだんひどくなってきた気がする。
なんか怒ってるのかな? だとしたら一応、謝った方がいいかな。
ハンジ「酷い! なんか最近、冷たくないかね? ん? 近づくと逃げるよね? 何か私、やらかした?」
リヴァイ「いつもやらかしているだろうが。胸に手当てて考えてみろ」
ハンジ「いや、だからその数が多すぎて「どれ」の事かが分かんないから、そこを教えて欲しいんだけど?」
思い当たる節が多すぎてどこから謝ったらいいんだろ?
リヴァイ「だったら全部反省しろ。あとついでに自分の部屋の布団は、晴れた日だけでも干せ」
ハンジ「えー急な雨が降ったら困るでしょ。休みの日は休みたいし、嫌だよ」
リヴァイ「虫に食われて病気になっても知らんぞ」
リヴァイにそれを言われたくないなあ。
エルヴィンに聞いたんだけどな。娼館に行った件については。
ハンジ「病気はリヴァイの方が心配だけどな」
リヴァイ「?」
ハンジ「だって行ったんでしょ? ん? エルヴィンから聞いたよ?」
リヴァイ「何を」
リヴァイがスープを含んだ直後、言ってやった。
ハンジ「娼館だよ。娼館! 2人で行ってきたんだって? この間。ん?」
案の定、動揺した。ケケケ♪
ハンジ「いいなあ。私も前に「行きたい!」って言ったんだけど止められてね? 連れて行って貰えなかったんだよ」
リヴァイ「女が女を買ってどうするんだよ。お前、本気でそっちの人間なのか?」
疑われてしまった。いやいや? 別にそういう訳じゃないんだけど。
ハンジ「ええっと、おしゃべりしてみたいだけかな? どんな女性達がそこで働いているのかちょっと興味があるだけだよ。でも流石にそれをやったら「マナー違反だからダメ」ってエルヴィンに止められたんだ」
きっと綺麗な女の人達がいっぱいいるんだろうな。
私の場合はきっと「やりたくても出来ない」だろうしね。
自分が女としてはそう魅力的ではない事は自覚しているし。
52: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:39:41 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「本気で女を堕とすなよ。頼むから冗談の範囲内にしてくれ」
ハンジ「はいはい。分かっていますよ。で? どうだった訳ですか?」
リヴァイ「は?」
ハンジ「いや、感想を聞いて見たくて。にしし」
リヴァイのそういう下世話な話を聞いて見たくて話を振ってみた。
リヴァイ「何か勘違いしているようだが、俺は別に女を買いに行った訳じゃねえぞ」
ハンジ「え? じゃあ何しに行ったの」
え? ヤる以外に何かする事あったっけ? そういう場所で。
リヴァイ「文句を言いに行っただけだ。例の香水の件だよ。エルヴィンに変な物を分け与えた女が元凶だろうが。ムカついたから、一言クレームしに行ったんだよ」
ハンジ「え………リヴァイ、そんな事、してくれたの? 別にいいのに」
リヴァイ「は?」
ハンジ「いや、私が文句言いに行くのは分かるんだけど、何でリヴァイが言いに行くのよ。私、そんな事、頼んでないのに」
ちょっと頭の中が混乱した。リヴァイの行動が謎過ぎて。
そしたらリヴァイの両目が少し細くなって、こっちを見た。
何だろう? 普段の「ギロ」とした睨み方と全然違って。
優しい感じだった。ちょっと、思わずドキッとするくらいに。
リヴァイ「でも、ハンジは不快な思いをしただろ? 俺もそうだった」
ハンジ「…………………そうなんだ」
リヴァイ「ああ。なんか、変な気分になりかけて……すまん。あれは事故みたいなもんだ。忘れてくれ」
ハンジ「……………なりかけたんだ?」
え…………。
じゃあ、その、え? リヴァイ、香水で「いい気分」になっていたんだ。
それを聞いた瞬間、私もつい、ドキッとしてしまって。
どう反応したらいいのか。私自身、戸惑ってしまった。
リヴァイ「すまなかった。気分、悪かっただろ。あんな真似して」
ハンジ「いや、別にそこまでは……ピクシス司令に比べたら可愛いもんじゃない? 司令、お尻撫でくりまわしてきたからね? リヴァイは鼻を項につけたのと、クンクンしちゃっただけでしょ? クンクンするのはミケの癖で慣れているし、別にいいかなって思っていたんだけど。そんなにリヴァイの方が気にしているなんて思ってもみなかった」
リヴァイ「…………」
リヴァイがほっとした表情になった。そんなに気にしてくれていたんだ。
やだ。どうしよう。さっきから、心臓がドキドキして、困るんだけど。
あははは。ど、どうしよう。あ、そうだ。お礼しなくちゃね。
ハンジ「いやーごめんねー。なんかかえって気遣わせちゃったみたいだね? 今度、お礼するよ。紅茶飲む?」
リヴァイ「いや、そこは別に要らない。金の無駄遣いはするな。アールグレイならまだ在庫もあるしな」
ハンジ「あらそう? ん~でも何かお礼をしてあげたいかな。何がいいかな?」
今、ここであげられそうな物って何かないかな?
ハンジ「あ、そうだ! お古でいいなら、私の万年筆をあげよう!」
リヴァイ「え?」
ハンジ「この万年筆、書きやすいんだよ? 私の愛用のやつ。携帯用の方を1本あげよう。はい、どうぞ」
愛用の万年筆の1本をリヴァイにあげる事にした。
ハンジ「はいはい。分かっていますよ。で? どうだった訳ですか?」
リヴァイ「は?」
ハンジ「いや、感想を聞いて見たくて。にしし」
リヴァイのそういう下世話な話を聞いて見たくて話を振ってみた。
リヴァイ「何か勘違いしているようだが、俺は別に女を買いに行った訳じゃねえぞ」
ハンジ「え? じゃあ何しに行ったの」
え? ヤる以外に何かする事あったっけ? そういう場所で。
リヴァイ「文句を言いに行っただけだ。例の香水の件だよ。エルヴィンに変な物を分け与えた女が元凶だろうが。ムカついたから、一言クレームしに行ったんだよ」
ハンジ「え………リヴァイ、そんな事、してくれたの? 別にいいのに」
リヴァイ「は?」
ハンジ「いや、私が文句言いに行くのは分かるんだけど、何でリヴァイが言いに行くのよ。私、そんな事、頼んでないのに」
ちょっと頭の中が混乱した。リヴァイの行動が謎過ぎて。
そしたらリヴァイの両目が少し細くなって、こっちを見た。
何だろう? 普段の「ギロ」とした睨み方と全然違って。
優しい感じだった。ちょっと、思わずドキッとするくらいに。
リヴァイ「でも、ハンジは不快な思いをしただろ? 俺もそうだった」
ハンジ「…………………そうなんだ」
リヴァイ「ああ。なんか、変な気分になりかけて……すまん。あれは事故みたいなもんだ。忘れてくれ」
ハンジ「……………なりかけたんだ?」
え…………。
じゃあ、その、え? リヴァイ、香水で「いい気分」になっていたんだ。
それを聞いた瞬間、私もつい、ドキッとしてしまって。
どう反応したらいいのか。私自身、戸惑ってしまった。
リヴァイ「すまなかった。気分、悪かっただろ。あんな真似して」
ハンジ「いや、別にそこまでは……ピクシス司令に比べたら可愛いもんじゃない? 司令、お尻撫でくりまわしてきたからね? リヴァイは鼻を項につけたのと、クンクンしちゃっただけでしょ? クンクンするのはミケの癖で慣れているし、別にいいかなって思っていたんだけど。そんなにリヴァイの方が気にしているなんて思ってもみなかった」
リヴァイ「…………」
リヴァイがほっとした表情になった。そんなに気にしてくれていたんだ。
やだ。どうしよう。さっきから、心臓がドキドキして、困るんだけど。
あははは。ど、どうしよう。あ、そうだ。お礼しなくちゃね。
ハンジ「いやーごめんねー。なんかかえって気遣わせちゃったみたいだね? 今度、お礼するよ。紅茶飲む?」
リヴァイ「いや、そこは別に要らない。金の無駄遣いはするな。アールグレイならまだ在庫もあるしな」
ハンジ「あらそう? ん~でも何かお礼をしてあげたいかな。何がいいかな?」
今、ここであげられそうな物って何かないかな?
ハンジ「あ、そうだ! お古でいいなら、私の万年筆をあげよう!」
リヴァイ「え?」
ハンジ「この万年筆、書きやすいんだよ? 私の愛用のやつ。携帯用の方を1本あげよう。はい、どうぞ」
愛用の万年筆の1本をリヴァイにあげる事にした。
53: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:40:34 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「インクはまだ残っているから暫くは使えるよ。詰め替え用だからなくなったら自分で交換してね。私はペンを一杯持っているし、大丈夫だから」
リヴァイ「…………」
眉間の皺が深いけど。でもこれは「喜んでいる」んだよね?
ハンジ「おや? 眉間に皺が寄っていますね? これは照れているのかな? ん?」
リヴァイ「違う。その………いや、違わないか」
やっぱり! 不機嫌な表情と似ているけどちょっと違うんだね。
だんだん見分けがつくようになってきたよ!
ハンジ「おおおお? これは貴重なリヴァイ! 誰に見せびらかそう! ねーねーミケ! 見て見て!」
リヴァイ「馬鹿! やめろ! ミケを呼ぶな!」
ミケは「ふん…」と笑っていた。ニヤニヤしている。だよねー!
こんなリヴァイ、見ちゃったらニヤニヤしちゃうよね。
そしたらリヴァイが逃げちゃった。
ハンジ「ああもう、逃げちゃった。ちぇー」
照れている時も眉間に皺が寄っちゃうのが分かったら、リヴァイの「眉間の皺」も可愛く見えてきた。
本当、不思議だね。見方ひとつで印象って全然変わるんだね。
と、そこまで気づいて、私は今までの事を振り返ってしまった。
そして、その中で「ハンジと一緒にいる時にそうなる事が多い」とか言っていたのを思い出して顔が赤くなる。
いや、待てよ。え? という事は、何か?
今までの「眉間の皺」も、「照れていた」可能性の方が高いって事?
それに気づいてぶわっと鳥肌が立つ自分が居て、ちょっと困った。
ええっと。記憶の限り、思い出してみるか。冷静に。
最初にリヴァイの部屋に夜、身体を触らせて貰った時、別れ際に「ありがとう」を言ったら眉間に皺が寄った。
トロスト区に気分転換に行こうという提案をしてくれた時も、複雑そうな顔だった。あの時も「ちょっとだけ」皺があったような気がする。スカートが短すぎないか? と言った時も微妙に皺が寄っていた気がするし、えっと、やばい。いっぱいあり過ぎて全部は無理だ!
あれ? あれ? あれ? ちょっと待ってよ。
だとしたら、リヴァイって、その……。
私の事、割と気に入ってくれているんだろうか?
その、女として見るまではいかないかもしれないけれど。
自分の「懐」の中に私を入れてくれているんだろうか。
そう考えた時、自分の中に滾るものを感じてちょっと困った。
いやでもな? ドア閉めても全然手出さないもんな。リヴァイは。
ダメだ。どっちなんだろ? 分かんない。確かめるのが怖いな。
そこまで考えて、私は自分自身の「気持ち」がだんだん、リヴァイの方に向かっている事に気づいた。
ま、参ったなあ。これ、もしかして、もしかしなくても、やっぱり?
ううーん。マジか。私、リヴァイに今、そういう意味で、気持ちが向かい始めているとみていいのかな。
でも、私は調査兵団の兵士だし。そういう「関係」を望んでもきっと、リヴァイは………。
考えるのをやめよう。今はそれより「優先」させないといけない事がある。
そう思いなおして私は自分の顔を引き締めた。
リヴァイ「…………」
眉間の皺が深いけど。でもこれは「喜んでいる」んだよね?
ハンジ「おや? 眉間に皺が寄っていますね? これは照れているのかな? ん?」
リヴァイ「違う。その………いや、違わないか」
やっぱり! 不機嫌な表情と似ているけどちょっと違うんだね。
だんだん見分けがつくようになってきたよ!
ハンジ「おおおお? これは貴重なリヴァイ! 誰に見せびらかそう! ねーねーミケ! 見て見て!」
リヴァイ「馬鹿! やめろ! ミケを呼ぶな!」
ミケは「ふん…」と笑っていた。ニヤニヤしている。だよねー!
こんなリヴァイ、見ちゃったらニヤニヤしちゃうよね。
そしたらリヴァイが逃げちゃった。
ハンジ「ああもう、逃げちゃった。ちぇー」
照れている時も眉間に皺が寄っちゃうのが分かったら、リヴァイの「眉間の皺」も可愛く見えてきた。
本当、不思議だね。見方ひとつで印象って全然変わるんだね。
と、そこまで気づいて、私は今までの事を振り返ってしまった。
そして、その中で「ハンジと一緒にいる時にそうなる事が多い」とか言っていたのを思い出して顔が赤くなる。
いや、待てよ。え? という事は、何か?
今までの「眉間の皺」も、「照れていた」可能性の方が高いって事?
それに気づいてぶわっと鳥肌が立つ自分が居て、ちょっと困った。
ええっと。記憶の限り、思い出してみるか。冷静に。
最初にリヴァイの部屋に夜、身体を触らせて貰った時、別れ際に「ありがとう」を言ったら眉間に皺が寄った。
トロスト区に気分転換に行こうという提案をしてくれた時も、複雑そうな顔だった。あの時も「ちょっとだけ」皺があったような気がする。スカートが短すぎないか? と言った時も微妙に皺が寄っていた気がするし、えっと、やばい。いっぱいあり過ぎて全部は無理だ!
あれ? あれ? あれ? ちょっと待ってよ。
だとしたら、リヴァイって、その……。
私の事、割と気に入ってくれているんだろうか?
その、女として見るまではいかないかもしれないけれど。
自分の「懐」の中に私を入れてくれているんだろうか。
そう考えた時、自分の中に滾るものを感じてちょっと困った。
いやでもな? ドア閉めても全然手出さないもんな。リヴァイは。
ダメだ。どっちなんだろ? 分かんない。確かめるのが怖いな。
そこまで考えて、私は自分自身の「気持ち」がだんだん、リヴァイの方に向かっている事に気づいた。
ま、参ったなあ。これ、もしかして、もしかしなくても、やっぱり?
ううーん。マジか。私、リヴァイに今、そういう意味で、気持ちが向かい始めているとみていいのかな。
でも、私は調査兵団の兵士だし。そういう「関係」を望んでもきっと、リヴァイは………。
考えるのをやめよう。今はそれより「優先」させないといけない事がある。
そう思いなおして私は自分の顔を引き締めた。
54: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:42:41 ID:.SqfFaVo0
それから以後の生活は、とにかく「新しい罠」に関する開発に没頭した。
そのせいでご飯を食べ忘れる事もしばしばで、一日一食、夕食の時だけ腹に入れるのも珍しくない生活が続いた。
夕食時だけはリヴァイが私を気にかけてくれるおかげで何とか生活できたけれど、それがなかったら途中で本当に倒れていたかもしれない。
それくらい、忙しい日々が続いた。何度も何度も構想を重ねて実験を繰り返し、一番「ベスト」な形の「罠」を完成させる為に私は走り回ったのだ。
途中で火薬の量を間違えてモブリットに負傷させてしまった時は凄く落ち込んでしまったけれど。
失敗を重ねて重ねて、だんだん行き詰まっている自分に気づいて、少しナーバスな状態になってしまっていた。
リヴァイの部屋に行く頻度は以前に比べたら減らしていたけれど。どうしても頭が煮えたぎる時だけは彼に甘えてしまっていた。
リヴァイに頼りたいと思う自分が居たのだ。その心の底に「有る」ものはとりあえず横に置いて、私はその日の夜、リヴァイに愚痴っていた。
ハンジ「火薬の量が多すぎると荷馬車が壊れるし、少ないと先端が思うように飛ばないのよね。どの量が「適量」なのか全然分かんない……(ズーン)」
リヴァイ「火薬の量をいくつも試したんだろ? だったら適当なところで妥協は……」
ハンジ「無理! 罠の「肝」にあたる部分に手抜きは絶対出来ないよ! 適切な量が分かるまでは何度も爆破させるしかない」
何かが「おかしい」感じがある。多分、どこかで「設計ミス」をしているんだろうけど。
それが分からなくて頭が痛いのだ。
リヴァイ「ハンジ。もしかしたら「構造」自体に何か問題があるからうまくいかないんじゃねえか?」
ハンジ「うううやっぱり? リヴァイもそう思う?」
リヴァイ「何か見落としている部分はないか冷静になって考えろ。今日はもう遅い。遊ぶ時間もねえし……どこかで思考を「打ち切る」事をしないとまた眠れなくなるぞ」
ハンジ「…………」
眠れる自信なんてこれっぽっちもない。
もうこの「新しい罠」については一年近く、構想を練ってエルヴィンとも話し合っているのだ。
いい加減、そろそろ次の段階に行きたい。そう思っているのに。
リヴァイ「明日考えろ。今日は「おわり」だ。そうしないと、ずっと悪い方にいってしまいそうな気がするが?」
ハンジ「そうだね……」
リヴァイに言葉の激励を受けてヨロヨロと立ち上がった。
ハンジ「あ……(クラッ)」
でもその時、油断して、よろけてしまった。
リヴァイ「おい、大丈夫か?」
ハンジ「うん……平気」
リヴァイ「いや、平気な顔じゃねえだろ。少し俺の部屋で休んでいくか?」
ハンジ「ベッド借りてもいいなら……」
リヴァイ「ほら、横になれ」
リヴァイは本当に優しいね。うっかりドキドキしてしまった。
いや、ドキドキしている場合じゃないんだけど。今は。
そのせいでご飯を食べ忘れる事もしばしばで、一日一食、夕食の時だけ腹に入れるのも珍しくない生活が続いた。
夕食時だけはリヴァイが私を気にかけてくれるおかげで何とか生活できたけれど、それがなかったら途中で本当に倒れていたかもしれない。
それくらい、忙しい日々が続いた。何度も何度も構想を重ねて実験を繰り返し、一番「ベスト」な形の「罠」を完成させる為に私は走り回ったのだ。
途中で火薬の量を間違えてモブリットに負傷させてしまった時は凄く落ち込んでしまったけれど。
失敗を重ねて重ねて、だんだん行き詰まっている自分に気づいて、少しナーバスな状態になってしまっていた。
リヴァイの部屋に行く頻度は以前に比べたら減らしていたけれど。どうしても頭が煮えたぎる時だけは彼に甘えてしまっていた。
リヴァイに頼りたいと思う自分が居たのだ。その心の底に「有る」ものはとりあえず横に置いて、私はその日の夜、リヴァイに愚痴っていた。
ハンジ「火薬の量が多すぎると荷馬車が壊れるし、少ないと先端が思うように飛ばないのよね。どの量が「適量」なのか全然分かんない……(ズーン)」
リヴァイ「火薬の量をいくつも試したんだろ? だったら適当なところで妥協は……」
ハンジ「無理! 罠の「肝」にあたる部分に手抜きは絶対出来ないよ! 適切な量が分かるまでは何度も爆破させるしかない」
何かが「おかしい」感じがある。多分、どこかで「設計ミス」をしているんだろうけど。
それが分からなくて頭が痛いのだ。
リヴァイ「ハンジ。もしかしたら「構造」自体に何か問題があるからうまくいかないんじゃねえか?」
ハンジ「うううやっぱり? リヴァイもそう思う?」
リヴァイ「何か見落としている部分はないか冷静になって考えろ。今日はもう遅い。遊ぶ時間もねえし……どこかで思考を「打ち切る」事をしないとまた眠れなくなるぞ」
ハンジ「…………」
眠れる自信なんてこれっぽっちもない。
もうこの「新しい罠」については一年近く、構想を練ってエルヴィンとも話し合っているのだ。
いい加減、そろそろ次の段階に行きたい。そう思っているのに。
リヴァイ「明日考えろ。今日は「おわり」だ。そうしないと、ずっと悪い方にいってしまいそうな気がするが?」
ハンジ「そうだね……」
リヴァイに言葉の激励を受けてヨロヨロと立ち上がった。
ハンジ「あ……(クラッ)」
でもその時、油断して、よろけてしまった。
リヴァイ「おい、大丈夫か?」
ハンジ「うん……平気」
リヴァイ「いや、平気な顔じゃねえだろ。少し俺の部屋で休んでいくか?」
ハンジ「ベッド借りてもいいなら……」
リヴァイ「ほら、横になれ」
リヴァイは本当に優しいね。うっかりドキドキしてしまった。
いや、ドキドキしている場合じゃないんだけど。今は。
55: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:44:35 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「…………」
何か糸口が欲しかった。何でもいい。何か、手がないかな。
この「迷路」の中から脱出する手段を。
其の時、思い出したのは、リヴァイの体に初めて服の上から触れた日の事。
思い切って、もう一度「アレ」をやってみるか。今度は直に触って。
断られるかもしれないけど。藁にもすがりたい気持ちで私は言った。
ハンジ「リヴァイ、お願いがあるんだけど」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「もう1回、体を見せて欲しい。今度は上の服、脱いだ状態で」
リヴァイ「え………」
ハンジ「筋肉の流れをもう1回見たい。ごめん。我がまま言っているのは分かっているんだけど」
リヴァイ「……………」
リヴァイが時計を確認した。非常識なのは私も分かっている。
でもお願い。私を助けて。リヴァイ。
リヴァイ「明日の昼間じゃダメなのか?」
ハンジ「今がいい。お願い。後で何でもするから」
リヴァイ「何でもする?」
そう、言ったリヴァイが少しだけ目を細めた。
ちょっと、ドキッとしたけれど。私は頷いていた。
ハンジ「とにかく、今すぐ確認したい事があるの。お願い」
リヴァイ「………分かった」
迷った時は初心に帰るべきだ。そう思って私はリヴァイに頼んだ。
前回の比とは比べ物にならないくらい、集中してリヴァイの体を見つめた。
手で触って巨人のイメージと重ね合わせる。
巨人の弱点は「項」だけど。それ以外の、体の筋肉に「乳酸」のような物は溜まらないのだろうか。
人間は身体を動かせば動かすほど「疲れ」として「乳酸」が溜まる。
それはリヴァイも例外ではなかったようだ。二の腕の一部が少し硬い。
ハンジ「リヴァイにも「乳酸」が溜まりやすい個所、あるんだね」
リヴァイ「は? 何だそれは」
ハンジ「所謂「疲れ」と言った方がいいかな。人間の体には「体液の流れが悪い」箇所がいくつかあって、そこには「疲れ」が溜まりやすいんだ」
リヴァイ「そうなのか」
ハンジ「この辺とか、ちょっと他の場所に比べたら筋肉が硬い」
リヴァイがビクッとした。あ、しまった。揉み過ぎた。
何か糸口が欲しかった。何でもいい。何か、手がないかな。
この「迷路」の中から脱出する手段を。
其の時、思い出したのは、リヴァイの体に初めて服の上から触れた日の事。
思い切って、もう一度「アレ」をやってみるか。今度は直に触って。
断られるかもしれないけど。藁にもすがりたい気持ちで私は言った。
ハンジ「リヴァイ、お願いがあるんだけど」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「もう1回、体を見せて欲しい。今度は上の服、脱いだ状態で」
リヴァイ「え………」
ハンジ「筋肉の流れをもう1回見たい。ごめん。我がまま言っているのは分かっているんだけど」
リヴァイ「……………」
リヴァイが時計を確認した。非常識なのは私も分かっている。
でもお願い。私を助けて。リヴァイ。
リヴァイ「明日の昼間じゃダメなのか?」
ハンジ「今がいい。お願い。後で何でもするから」
リヴァイ「何でもする?」
そう、言ったリヴァイが少しだけ目を細めた。
ちょっと、ドキッとしたけれど。私は頷いていた。
ハンジ「とにかく、今すぐ確認したい事があるの。お願い」
リヴァイ「………分かった」
迷った時は初心に帰るべきだ。そう思って私はリヴァイに頼んだ。
前回の比とは比べ物にならないくらい、集中してリヴァイの体を見つめた。
手で触って巨人のイメージと重ね合わせる。
巨人の弱点は「項」だけど。それ以外の、体の筋肉に「乳酸」のような物は溜まらないのだろうか。
人間は身体を動かせば動かすほど「疲れ」として「乳酸」が溜まる。
それはリヴァイも例外ではなかったようだ。二の腕の一部が少し硬い。
ハンジ「リヴァイにも「乳酸」が溜まりやすい個所、あるんだね」
リヴァイ「は? 何だそれは」
ハンジ「所謂「疲れ」と言った方がいいかな。人間の体には「体液の流れが悪い」箇所がいくつかあって、そこには「疲れ」が溜まりやすいんだ」
リヴァイ「そうなのか」
ハンジ「この辺とか、ちょっと他の場所に比べたら筋肉が硬い」
リヴァイがビクッとした。あ、しまった。揉み過ぎた。
56: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 13:45:27 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「揉むな。突然」
ハンジ「ああ、ごめん。痛かった?」
リヴァイ「ちょっとな。いや、そういう部分は誰にでもあるだろ」
ハンジ「まあそうだけど。巨人にもあるのかなって思って」
リヴァイ「俺は巨人じゃねえから分からん」
ハンジ「うん。そりゃそうだけど。でも、身体を動かす際に重要な箇所は巨人も人間も殆ど同じだと思うんだよね」
「蒸発」さえしなければ解剖してその辺の事をちゃんと確認できるんだけどな。
あくまで「推察」の域を出ないけれど。リヴァイの体を通じて巨人の事を考える。
ごめん。リヴァイ。イメージを重ねて。
でも愛おしいくらいに。それに優しく触れる。
ハンジ「奇行種の場合はまた別なのかもしれないけど。肩と骨盤と膝と足首。最低でもこの4つを一気に封じ込められるようにならないといけないんだけど」
その四か所が最低条件になる。それを思いながら私はリヴァイの「それ」に触れながら考えた。
そしたらリヴァイが途中で私の手を止めて、ため息をついた。
リヴァイ「もういいか? 十分だよな?」
ハンジ「ああ、ごめん。もういいよ。うん」
リヴァイ「何かヒントは掴めたか?」
ハンジ「ん~どうだろう?」
リヴァイ「おい……」
リヴァイの目が半眼になった。ごめん。
でも頭の中はさっきより大分楽になった。ストレス発散になったみたいだ。
今度は別の視点から原因を考えてみる。
ハンジ「ああ、ごめん。痛かった?」
リヴァイ「ちょっとな。いや、そういう部分は誰にでもあるだろ」
ハンジ「まあそうだけど。巨人にもあるのかなって思って」
リヴァイ「俺は巨人じゃねえから分からん」
ハンジ「うん。そりゃそうだけど。でも、身体を動かす際に重要な箇所は巨人も人間も殆ど同じだと思うんだよね」
「蒸発」さえしなければ解剖してその辺の事をちゃんと確認できるんだけどな。
あくまで「推察」の域を出ないけれど。リヴァイの体を通じて巨人の事を考える。
ごめん。リヴァイ。イメージを重ねて。
でも愛おしいくらいに。それに優しく触れる。
ハンジ「奇行種の場合はまた別なのかもしれないけど。肩と骨盤と膝と足首。最低でもこの4つを一気に封じ込められるようにならないといけないんだけど」
その四か所が最低条件になる。それを思いながら私はリヴァイの「それ」に触れながら考えた。
そしたらリヴァイが途中で私の手を止めて、ため息をついた。
リヴァイ「もういいか? 十分だよな?」
ハンジ「ああ、ごめん。もういいよ。うん」
リヴァイ「何かヒントは掴めたか?」
ハンジ「ん~どうだろう?」
リヴァイ「おい……」
リヴァイの目が半眼になった。ごめん。
でも頭の中はさっきより大分楽になった。ストレス発散になったみたいだ。
今度は別の視点から原因を考えてみる。
57: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 15:09:05 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「もしかして、中に詰め込んでいる「筒」の方に問題があるのかな」
リヴァイ「筒?」
ハンジ「ううーん。ワイヤーをまとめておく方。たまにそっちが「切れる」事もあるんだよね」
リヴァイ「ワイヤーが切れる……まとめ方が間違っているんじゃねえか? どんな風にワイヤーを中に入れているんだ?」
ハンジ「ええっと、ワイヤーある?」
リヴァイ「あるぞ。部屋に工具はある。ちょっと待ってろ」
リヴァイがワイヤーと整備用の工具を持って来てくれた。
ハンジ「ええっと、こうかな。こうやって、束ねる感じで……」
左右にワイヤーを動かして、まとめるような形を見せたら、
リヴァイ「そんな束ね方するより「螺旋状」に巻いたらどうだ?」
ハンジ「え?」
と、リヴァイは私の手を止めて言ったんだ。
リヴァイ「筒があるんだろ? 中に「芯」のような物を入れてそれに巻くとか? ダメなのか?」
その言葉のイメージを頭の中に思い浮かべた直後、私の中で新しい「設計図」が瞬時に思い浮かんだ。
ハンジ「やって見せて!」
リヴァイ「は? だから、こうやって収納すればいいだろ? 小さく纏めたいんだろ? 違うのか?」
リヴァイが棒の周りにワイヤーを巻いていく。それを見た直後、私の体の中に快感が奔っていった。
やばい。何コレ。やだ。リヴァイがイケメン過ぎてやばい。
ハンジ「それだあああああああ!」
身体が一気に軽くなって飛び跳ねたくなった。夜だから自重するけど。
でも、体の震えが止まらない。涙が出て来て、リヴァイにしがみついた。
ハンジ「そっちなのかもしれない。いや、まだ分かんないけど。でも、その方法でワイヤーを纏めた方がいいのかもしれない! 何で私、気づかなかったんだろ?!」
リヴァイ「ハンジは収納が下手くそだからじゃねえか?」
OH……それを言われると辛いぜ。
ハンジ「うわああ……それ言われるときついけど。でもそうかも。これはリヴァイにしか出来ない発想かも」
リヴァイ「大げさだな。俺は荷物が嵩張るのが苦手だから出来るだけ常に「小さく」する事を心がけているが?」
そうだね。リヴァイはいつも「収納上手」だ。
そんな彼を見ていたら、自然に口元が緩んでしまって………
リヴァイ「筒?」
ハンジ「ううーん。ワイヤーをまとめておく方。たまにそっちが「切れる」事もあるんだよね」
リヴァイ「ワイヤーが切れる……まとめ方が間違っているんじゃねえか? どんな風にワイヤーを中に入れているんだ?」
ハンジ「ええっと、ワイヤーある?」
リヴァイ「あるぞ。部屋に工具はある。ちょっと待ってろ」
リヴァイがワイヤーと整備用の工具を持って来てくれた。
ハンジ「ええっと、こうかな。こうやって、束ねる感じで……」
左右にワイヤーを動かして、まとめるような形を見せたら、
リヴァイ「そんな束ね方するより「螺旋状」に巻いたらどうだ?」
ハンジ「え?」
と、リヴァイは私の手を止めて言ったんだ。
リヴァイ「筒があるんだろ? 中に「芯」のような物を入れてそれに巻くとか? ダメなのか?」
その言葉のイメージを頭の中に思い浮かべた直後、私の中で新しい「設計図」が瞬時に思い浮かんだ。
ハンジ「やって見せて!」
リヴァイ「は? だから、こうやって収納すればいいだろ? 小さく纏めたいんだろ? 違うのか?」
リヴァイが棒の周りにワイヤーを巻いていく。それを見た直後、私の体の中に快感が奔っていった。
やばい。何コレ。やだ。リヴァイがイケメン過ぎてやばい。
ハンジ「それだあああああああ!」
身体が一気に軽くなって飛び跳ねたくなった。夜だから自重するけど。
でも、体の震えが止まらない。涙が出て来て、リヴァイにしがみついた。
ハンジ「そっちなのかもしれない。いや、まだ分かんないけど。でも、その方法でワイヤーを纏めた方がいいのかもしれない! 何で私、気づかなかったんだろ?!」
リヴァイ「ハンジは収納が下手くそだからじゃねえか?」
OH……それを言われると辛いぜ。
ハンジ「うわああ……それ言われるときついけど。でもそうかも。これはリヴァイにしか出来ない発想かも」
リヴァイ「大げさだな。俺は荷物が嵩張るのが苦手だから出来るだけ常に「小さく」する事を心がけているが?」
そうだね。リヴァイはいつも「収納上手」だ。
そんな彼を見ていたら、自然に口元が緩んでしまって………
58: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 15:09:41 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「いやーでも本当、リヴァイっていい男だね。私、抱かれてもいいって今、本気で思った」
リヴァイ「………は?」
口から思いが零れてきた。止められない思いが、溢れ出てやばい。
ハンジ「超嬉しいよおおおおおお! まさか煮詰まっていた事がこんなにあっさり解けるなんて思わなかった」
ずっとずっと、悩んでいたのだ。
だからもう自分を止められなくて、私はつい、リヴァイを自分の方に引き寄せてしまった。
ハンジ「リヴァイ、大好きー………」
と、言い切った直後、ふと我に返って、赤くなった。
あれ? 私、今、何言った? あれ? あれ?
ちょっと、自分から告白してどうするの!? いや、ちょっと待って!
しまった。どうしよう。誤魔化さないと! きっと、リヴァイ、困ってる!
と、思った直後、
ハンジ「いったああああああ!!! 何で殴られた私?!」
脳天に凄い衝撃がきて涙目になった。思いっきり拳骨を食らってしまったようだ。
そしてリヴァイの方を見たら、リヴァイの目が怖くて。
いつだったか、尻を蹴られた時のリヴァイより、怖くて。
背筋が冷える思いをしていたら、リヴァイは言ったんだ。冷たい声で。
リヴァイ「軽々しく言うな」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「抱かれてもいいなんて、軽々しく言うんじゃねえ! もう出て行け! そしてもう夜は二度と、俺の部屋に来るな!!」
リヴァイに押し出されるような形で無理やり部屋の外に放り出された。
廊下に座り込んで混乱した。えっと、これってつまりその……。
ハンジ「ええええええ?!」
えっと、もしかして、真に受けちゃったとか?
ハンジ「何でそんなに怒っているわけ? え? 私、えっと……あくまで「例え」で言ったのに?」
喜びを表現したくてつい、言ってしまっただけなのに。
そっちじゃなくて、気にして欲しいところは別にあったのに。
でもリヴァイは答えなかった。静かだ。
私は諦めて自分の部屋に戻る事にした。そして反省する。
それってつまり、リヴァイには「尻軽女」って思われちゃったって事かな。
まあ、そうか。うん。嫌われちゃったのなら仕方がない。
暫くあいつとは距離を置こう。そう自分に言い聞かせて、眠る事にしたのだった。
リヴァイ「………は?」
口から思いが零れてきた。止められない思いが、溢れ出てやばい。
ハンジ「超嬉しいよおおおおおお! まさか煮詰まっていた事がこんなにあっさり解けるなんて思わなかった」
ずっとずっと、悩んでいたのだ。
だからもう自分を止められなくて、私はつい、リヴァイを自分の方に引き寄せてしまった。
ハンジ「リヴァイ、大好きー………」
と、言い切った直後、ふと我に返って、赤くなった。
あれ? 私、今、何言った? あれ? あれ?
ちょっと、自分から告白してどうするの!? いや、ちょっと待って!
しまった。どうしよう。誤魔化さないと! きっと、リヴァイ、困ってる!
と、思った直後、
ハンジ「いったああああああ!!! 何で殴られた私?!」
脳天に凄い衝撃がきて涙目になった。思いっきり拳骨を食らってしまったようだ。
そしてリヴァイの方を見たら、リヴァイの目が怖くて。
いつだったか、尻を蹴られた時のリヴァイより、怖くて。
背筋が冷える思いをしていたら、リヴァイは言ったんだ。冷たい声で。
リヴァイ「軽々しく言うな」
ハンジ「へ?」
リヴァイ「抱かれてもいいなんて、軽々しく言うんじゃねえ! もう出て行け! そしてもう夜は二度と、俺の部屋に来るな!!」
リヴァイに押し出されるような形で無理やり部屋の外に放り出された。
廊下に座り込んで混乱した。えっと、これってつまりその……。
ハンジ「ええええええ?!」
えっと、もしかして、真に受けちゃったとか?
ハンジ「何でそんなに怒っているわけ? え? 私、えっと……あくまで「例え」で言ったのに?」
喜びを表現したくてつい、言ってしまっただけなのに。
そっちじゃなくて、気にして欲しいところは別にあったのに。
でもリヴァイは答えなかった。静かだ。
私は諦めて自分の部屋に戻る事にした。そして反省する。
それってつまり、リヴァイには「尻軽女」って思われちゃったって事かな。
まあ、そうか。うん。嫌われちゃったのなら仕方がない。
暫くあいつとは距離を置こう。そう自分に言い聞かせて、眠る事にしたのだった。
59: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 15:54:36 ID:.SqfFaVo0
リヴァイと話さなくなって数日が経った。彼とは殆ど会話をしていない。
目も合わせられない。でも彼の事が気になって仕方がない。私はもう、逃げられないところまで来てしまった。
でもこの「思い」をどうしたらいいか分からなかった。
迷惑にしかならないだろうなって思う。気持ちを伝えたのに、拒否されてしまったのだし。
しつこい女はもっと嫌われるだろうな。そう思って、今は自分の仕事に専念する事にした。
しょんぼり研究室で仕事を続けていると、そこにミケがやってきた。
ミケ「モブリットに頼まれて朝食をこっちに持ってきた。今、彼は別の仕事があるそうだから」
ハンジ「ありがとう。ミケ。その辺に置いておいて。後で食べるよ」
と、目の下のクマも隠せないままそう答えた。
ミケ「リヴァイと痴話喧嘩でもしたか」
ハンジ「痴話喧嘩なのかな………」
自分でも良く分からなかった。そもそも、あいつは私の事をどう思っているんだろう?
ハンジ「嫌われてしまったようだよ。私のうっかり発言のせいで」
ミケ「そうか。では謝ったらどうだ?」
ハンジ「なんて謝ればいいか分からないよ」
もう、夜は部屋に2度とくるなって言われたしね。
余程、嫌だったのかな。私の訪問が。我慢していただけだったのかな。実は。
だとしたら申し訳ないと思った。リヴァイに対して。
ミケ「悪いと思っていることを素直に謝ればいい」
ハンジ「ううう………大好きなんて言ってごめんなさいってこと?」
ミケ「……告白したのか」
ハンジ「うん。つい、うっかり。言うつもり、なかったのに。勢いで、つい」
ミケ「おかしいな。だったらリヴァイはきっとそれを嬉しいと思う筈だ」
ハンジ「でも部屋を追い出されたよ? 2度と夜に部屋に来るなって言われた」
ミケ「ふむ……」
ミケが考え込んでいる。何かおかしいのかな? 私達は。
ミケ「天邪鬼にしてはちょっと変だな。何か誤解が発生している気がする」
ハンジ「誤解?」
ミケ「そうだ。誤解だ。リヴァイの方が「勘違い」している可能性はないか?」
ハンジ「ううーん」
どうなんだろ。良く分かんないな。
60: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 15:56:08 ID:.SqfFaVo0
ミケ「話の流れを少し詳しく説明してくれないか?」
ハンジ「いいよ」
そして私はミケに大体のあらすじを説明する事にした。
ハンジ「例の「新しい罠」について、試作品を繰り返していたけど、何度やっても理想的な実験結果が出せなかったのはミケにも話したよね」
ミケ「煮詰まっていると言っていたな」
ハンジ「そう。やっぱり頭の中で想像したのを「実現化」するのは大変だからね。設計の段階できっとどこかで「ミス」をしているに違いないと思っていたけど、それが何処なのか分からなくてウダウダしていたから、リヴァイに愚痴りにいったんだよね」
ミケ「ふむ」
ハンジ「そこで、リヴァイにちょっと協力して貰って……もう一度、リヴァイの「体」が見たくなって服、上だけ脱いで貰って「筋肉」を見せて貰ったんだ」
ミケ「夜なのに?」
ハンジ「まあ、非常識なのは分かっていたけど。後で「何でもするから」って言って押し通して、リヴァイに触らせて貰ったんだ。体を」
ミケ「………なるほど」
ハンジ「体の構造をもう一度、復習したかったんだ。巨人を頭の中でイメージするのにはあいつの体を触るのが最適だったし。だから、触りながらいろいろ話して、ふと「筒」の方に問題があるのかなって気づいてそれを相談したんだよね」
ミケ「ほう」
ハンジ「そして筒の中にあるワイヤーの束ね方を実際に見せたら「そんな束ね方するより「螺旋状」に巻いたらどうだ?」ってリヴァイが言った瞬間、私の頭の中に新しい『設計図』が突然、沸いてきたの」
ミケ「良かったな。糸口が見えたんだな」
ハンジ「そうなのよ! そのおかげで、今までとは段違いに性能が良くなったのよ。リヴァイのふとしたアドバイスが私に力を与えてくれたの」
思えばそれはその時だけの物じゃない。
あいつは本当に、普段からちょっとしたことでも私に「こうしたらどうだ?」と言ってくれる。
それがどれだけ心強いか。リヴァイはきっとそれを知らないんだろうな。
ハンジ「それを聞いた直後、なんかもう、飛び跳ねすぎちゃって。テンション上がり過ぎて、やばかった。だからうっかり「抱かれてもいい」とか「大好き」とか口走る自分が居て……」
と、其の時、ミケが呆れた顔になって言ってきた。
ミケ「抱かれてもいいって言ったのか? 本当に?」
ハンジ「いや、あくまで「例え」だけど! その、それくらい、嬉しかったんだよ。うん」
ミケ「……………」
ミケが天井を見た。な、何で?
ミケ「なるほど。合点がいった」
ハンジ「え? 何で? 理由分かったの?」
ミケ「リヴァイには同情する。同じ男として」
ハンジ「ええええ? じゃあ私、どう謝ればいいの?」
ミケ「いや、この場合は謝らなくても大丈夫だろうな。そのうち、ハンジのところにリヴァイの方からやってくるだろう」
ハンジ「そ、そうかな……」
ミケ「ああ。100%来る。何なら金を賭けてもいい。大丈夫だ。心配するな。仲直りは出来ると思う」
と、ミケが言い切って部屋を出て行った。
ミケがそこまで断言するなら信じていいんだろうか?
ハンジ「いいよ」
そして私はミケに大体のあらすじを説明する事にした。
ハンジ「例の「新しい罠」について、試作品を繰り返していたけど、何度やっても理想的な実験結果が出せなかったのはミケにも話したよね」
ミケ「煮詰まっていると言っていたな」
ハンジ「そう。やっぱり頭の中で想像したのを「実現化」するのは大変だからね。設計の段階できっとどこかで「ミス」をしているに違いないと思っていたけど、それが何処なのか分からなくてウダウダしていたから、リヴァイに愚痴りにいったんだよね」
ミケ「ふむ」
ハンジ「そこで、リヴァイにちょっと協力して貰って……もう一度、リヴァイの「体」が見たくなって服、上だけ脱いで貰って「筋肉」を見せて貰ったんだ」
ミケ「夜なのに?」
ハンジ「まあ、非常識なのは分かっていたけど。後で「何でもするから」って言って押し通して、リヴァイに触らせて貰ったんだ。体を」
ミケ「………なるほど」
ハンジ「体の構造をもう一度、復習したかったんだ。巨人を頭の中でイメージするのにはあいつの体を触るのが最適だったし。だから、触りながらいろいろ話して、ふと「筒」の方に問題があるのかなって気づいてそれを相談したんだよね」
ミケ「ほう」
ハンジ「そして筒の中にあるワイヤーの束ね方を実際に見せたら「そんな束ね方するより「螺旋状」に巻いたらどうだ?」ってリヴァイが言った瞬間、私の頭の中に新しい『設計図』が突然、沸いてきたの」
ミケ「良かったな。糸口が見えたんだな」
ハンジ「そうなのよ! そのおかげで、今までとは段違いに性能が良くなったのよ。リヴァイのふとしたアドバイスが私に力を与えてくれたの」
思えばそれはその時だけの物じゃない。
あいつは本当に、普段からちょっとしたことでも私に「こうしたらどうだ?」と言ってくれる。
それがどれだけ心強いか。リヴァイはきっとそれを知らないんだろうな。
ハンジ「それを聞いた直後、なんかもう、飛び跳ねすぎちゃって。テンション上がり過ぎて、やばかった。だからうっかり「抱かれてもいい」とか「大好き」とか口走る自分が居て……」
と、其の時、ミケが呆れた顔になって言ってきた。
ミケ「抱かれてもいいって言ったのか? 本当に?」
ハンジ「いや、あくまで「例え」だけど! その、それくらい、嬉しかったんだよ。うん」
ミケ「……………」
ミケが天井を見た。な、何で?
ミケ「なるほど。合点がいった」
ハンジ「え? 何で? 理由分かったの?」
ミケ「リヴァイには同情する。同じ男として」
ハンジ「ええええ? じゃあ私、どう謝ればいいの?」
ミケ「いや、この場合は謝らなくても大丈夫だろうな。そのうち、ハンジのところにリヴァイの方からやってくるだろう」
ハンジ「そ、そうかな……」
ミケ「ああ。100%来る。何なら金を賭けてもいい。大丈夫だ。心配するな。仲直りは出来ると思う」
と、ミケが言い切って部屋を出て行った。
ミケがそこまで断言するなら信じていいんだろうか?
61: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 15:58:12 ID:.SqfFaVo0
いや、でも、リヴァイの方から私のところに来るって、本当かな…。
そう思いながら、顔を伏せて、机の上でグダグダしていると……。
リヴァイ「ハンジ………今、いいか?」
ハンジ「ん?」
ほ、本当に来た。ミケすげえ! 預言者みたいだ!
内心、動揺しながら顔をあげる。徹夜明けだからちょっと眠いけど。
リヴァイ「話したい事がある。その……まずはこの間の夜の事を謝りたい」
リヴァイが正面に座った。え? 何か雰囲気がいつもと違う。全然。
ドキドキする。いやだ。真っ直ぐ見つめてくる。か、顔、赤くなってないかな。私。
リヴァイ「追い出してすまなかった。その……前言撤回する。お前はいつでも俺の部屋に入っていい」
ハンジ「何で?」
リヴァイ「お前はそうしていい女だからだ」
ハンジ「許可を貰えると思っていいの?」
リヴァイ「その通りだ。自由にしろ。俺がいない時でも、俺の部屋で寝たいなら寝ても構わん」
ハンジ「…………」
ミケの言う通りになった。リヴァイの方から歩み寄ってくれるなんて思わなかった。
喉の中がカラカラになってきた。変に緊張して、でも気になったから質問した。
ハンジ「何で急に気が変わったの?」
リヴァイ「それは……その、アレだ。俺の勘違いだったと分かったからだ」
ハンジ「勘違い?」
リヴァイ「お前、俺に「抱かれてもいい」って言ったよな?」
OH……その件にツッコミ入れちゃうんだ。
いや、本当に勢いで言ってすみませんでした。はい。
ハンジ「いや、ごめん。何か勢いでうっかり言ったかも。その……あの時は私も嬉しくて、つい。その言葉の表現力が大げさになり過ぎた」
言い過ぎたんだと思う。まだそういう関係ですらないのに。何言っちゃったんだろうね。私は。
リヴァイ「ああ。それは俺も分かっていたが………でも、その後に「大好き」って言ったよな」
ハンジ「うん。言ったね」
リヴァイ「嘘じゃねえんだよな?」
ハンジ「嘘じゃないよ。そこは真実だ。私、あの時、リヴァイの事、凄く「大好き」って思った」
リヴァイ「それは俺の事を異性として、好きだという意味だよな?」
踏み込んできた。恥ずかしい。いや、まあ、そうなんだけどさ。
ああああ………改めて言うとめっちゃ照れる!!!!
ハンジ「うん……まあ、その……えっと……」
リヴァイ「どっちだ。ハンジ」
ハンジ「ええっとね? その……た、たぶん、異性なんじゃないかなあっては思うんだけど。あははは」
リヴァイ「多分ってことは、今、ここで、押し倒しても文句言わねえって事か?」
ハンジ「ええええ? それはちょっと困るけど?!」
へ? へ? ど、どういう事?!
頭の中がだんだんパニックになってきた。
そう思いながら、顔を伏せて、机の上でグダグダしていると……。
リヴァイ「ハンジ………今、いいか?」
ハンジ「ん?」
ほ、本当に来た。ミケすげえ! 預言者みたいだ!
内心、動揺しながら顔をあげる。徹夜明けだからちょっと眠いけど。
リヴァイ「話したい事がある。その……まずはこの間の夜の事を謝りたい」
リヴァイが正面に座った。え? 何か雰囲気がいつもと違う。全然。
ドキドキする。いやだ。真っ直ぐ見つめてくる。か、顔、赤くなってないかな。私。
リヴァイ「追い出してすまなかった。その……前言撤回する。お前はいつでも俺の部屋に入っていい」
ハンジ「何で?」
リヴァイ「お前はそうしていい女だからだ」
ハンジ「許可を貰えると思っていいの?」
リヴァイ「その通りだ。自由にしろ。俺がいない時でも、俺の部屋で寝たいなら寝ても構わん」
ハンジ「…………」
ミケの言う通りになった。リヴァイの方から歩み寄ってくれるなんて思わなかった。
喉の中がカラカラになってきた。変に緊張して、でも気になったから質問した。
ハンジ「何で急に気が変わったの?」
リヴァイ「それは……その、アレだ。俺の勘違いだったと分かったからだ」
ハンジ「勘違い?」
リヴァイ「お前、俺に「抱かれてもいい」って言ったよな?」
OH……その件にツッコミ入れちゃうんだ。
いや、本当に勢いで言ってすみませんでした。はい。
ハンジ「いや、ごめん。何か勢いでうっかり言ったかも。その……あの時は私も嬉しくて、つい。その言葉の表現力が大げさになり過ぎた」
言い過ぎたんだと思う。まだそういう関係ですらないのに。何言っちゃったんだろうね。私は。
リヴァイ「ああ。それは俺も分かっていたが………でも、その後に「大好き」って言ったよな」
ハンジ「うん。言ったね」
リヴァイ「嘘じゃねえんだよな?」
ハンジ「嘘じゃないよ。そこは真実だ。私、あの時、リヴァイの事、凄く「大好き」って思った」
リヴァイ「それは俺の事を異性として、好きだという意味だよな?」
踏み込んできた。恥ずかしい。いや、まあ、そうなんだけどさ。
ああああ………改めて言うとめっちゃ照れる!!!!
ハンジ「うん……まあ、その……えっと……」
リヴァイ「どっちだ。ハンジ」
ハンジ「ええっとね? その……た、たぶん、異性なんじゃないかなあっては思うんだけど。あははは」
リヴァイ「多分ってことは、今、ここで、押し倒しても文句言わねえって事か?」
ハンジ「ええええ? それはちょっと困るけど?!」
へ? へ? ど、どういう事?!
頭の中がだんだんパニックになってきた。
62: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:01:38 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「じゃあ、どこまでなら許せる?」
ゾクッとした。リヴァイの視線に絡まれて。
思わず自分の体が「濡れる」ような感覚がきて、私の頭の中がどんどん溶かされてしまいそうだ。
ハンジ「えっと………その………あの……」
どこを見たらいいか分からない。視線を逸らして考える。そして我に返った。
ハンジ「さっきから私にばっかり質問してない? 私もリヴァイに聞きたい事沢山あるんですけど?!」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「その、ドアの件、アレ、わざとだったの?」
リヴァイ「いや、俺は全くその件については知らなかった。そんな「習わし」があるなんて初耳だった」
ぎゃあああああ?!
知らなかった方だった!
あちゃー……だったら「天然」だったのかこいつは!
ハンジ「えええええ?! そうだったの?! あっちゃーだったら、変に意識していたのは私だけだったんだあ」
もー駆け引きかもしれないと思った私が馬鹿だった。
そんな事ならさっさと確認してしまえば良かった。私の馬鹿。
ハンジ「最初の夜の訪問の時、てっきりドア開けっ放しにしてくれると思っていたのに、リヴァイが閉めちゃったからさあ。「え?」ってちょっと思ったんだよね。でも、自分から「開けて欲しい」って言ったら、リヴァイ傷つくかも? と思っていたし、いや、そうか……ごめん。迷って確認しなかった私が悪いね。これは」
いや、確認するのを怖がった私が悪いのか。
というより、確認したくなかったのかな。
「初めて」ドアを閉めてくれた男がリヴァイだったから。
勘違いでも嬉しかったのかもしれない。そういう扱い、してくれた男性は今まで私の周りには1人も居なかったから。
ハンジ「でも結局、初日はトランプして遊んだだけだったじゃない? だから、アレ? とも思ったけど。リヴァイはドア閉めてもそういう事を「しない」タイプの人なのかなって思ってしまってね。そしたらちょっとほっとして何か楽しくなって。その……すみません。調子に乗りました」
もう頭を下げるしかないよね。これは。
ハンジ「なるほど。これが「3年連続抱かれたい男」の技なのかなってあの時、思った。結構、キュンとしたんだよね。不覚にも。その……てへへ」
リヴァイ「オイオイ」
思えばあそこから始まってしまったんだ。私の「恋」は。
するとリヴァイがちょっと呆れて肩の力を抜いたのが分かった。
ゾクッとした。リヴァイの視線に絡まれて。
思わず自分の体が「濡れる」ような感覚がきて、私の頭の中がどんどん溶かされてしまいそうだ。
ハンジ「えっと………その………あの……」
どこを見たらいいか分からない。視線を逸らして考える。そして我に返った。
ハンジ「さっきから私にばっかり質問してない? 私もリヴァイに聞きたい事沢山あるんですけど?!」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「その、ドアの件、アレ、わざとだったの?」
リヴァイ「いや、俺は全くその件については知らなかった。そんな「習わし」があるなんて初耳だった」
ぎゃあああああ?!
知らなかった方だった!
あちゃー……だったら「天然」だったのかこいつは!
ハンジ「えええええ?! そうだったの?! あっちゃーだったら、変に意識していたのは私だけだったんだあ」
もー駆け引きかもしれないと思った私が馬鹿だった。
そんな事ならさっさと確認してしまえば良かった。私の馬鹿。
ハンジ「最初の夜の訪問の時、てっきりドア開けっ放しにしてくれると思っていたのに、リヴァイが閉めちゃったからさあ。「え?」ってちょっと思ったんだよね。でも、自分から「開けて欲しい」って言ったら、リヴァイ傷つくかも? と思っていたし、いや、そうか……ごめん。迷って確認しなかった私が悪いね。これは」
いや、確認するのを怖がった私が悪いのか。
というより、確認したくなかったのかな。
「初めて」ドアを閉めてくれた男がリヴァイだったから。
勘違いでも嬉しかったのかもしれない。そういう扱い、してくれた男性は今まで私の周りには1人も居なかったから。
ハンジ「でも結局、初日はトランプして遊んだだけだったじゃない? だから、アレ? とも思ったけど。リヴァイはドア閉めてもそういう事を「しない」タイプの人なのかなって思ってしまってね。そしたらちょっとほっとして何か楽しくなって。その……すみません。調子に乗りました」
もう頭を下げるしかないよね。これは。
ハンジ「なるほど。これが「3年連続抱かれたい男」の技なのかなってあの時、思った。結構、キュンとしたんだよね。不覚にも。その……てへへ」
リヴァイ「オイオイ」
思えばあそこから始まってしまったんだ。私の「恋」は。
するとリヴァイがちょっと呆れて肩の力を抜いたのが分かった。
63: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:32:21 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「トロスト区で部品の下見に行った時もさあ。何か凄く私を「支援」してくれたじゃない? あと私の部屋の掃除もしてくれるわ、パンツ見ても淡々と作業をこなすしさー。リヴァイの部屋で眠っても、放置してくれたし。ええっと……他にはその、壁外調査の前には巨人に会う為に風呂入れ発言とか。いちいち私のツボに入ってきて、だんだん楽しくなってきちゃったんだ」
リヴァイ「そうだったのか」
ハンジ「うん。私、ついつい、楽しいとそっちに没頭する癖があるのよ。巨人と会う時の感覚に凄く似ていたんだよね」
リヴァイと一緒にいると浮足立つ自分がいる。
そんな自分に気づいてしまったんだ。不覚にも。
ハンジ「ただねー私の中に1個、疑念があって。リヴァイって全然、女の噂も影もなかったから、本当に異性好きなのか自信持てなかったんだよね。エルヴィンと実は出来てますって言われても「やっぱり?」くらいにしか思えないくらい、女性兵士との距離も感じたし」
リヴァイ「おい!」
ハンジ「いやだって、それくらい酷かったよ? 実際、女性兵士の間では「そっちなのかな?」説、結構出回ってたからね?」
リヴァイ「………」
リヴァイはがっくりしていた。いや、自業自得だよこれは。
ハンジ「だからその、実験してみようかなって思ってさ」
リヴァイ「実験?」
ハンジ「ニファに協力して貰ってね? 女性からの突然のプレゼントをリヴァイは受け取るのか受け取らないかっていう」
リヴァイ「は? まさか、あの帽子、お前の策略か?!」
ハンジ「イエス! 発案は私! ごめんね☆ (てへぺろ)」
てへぺろで誤魔化しちゃう。
リヴァイ「じゃあ、あの帽子を選んだのは……」
ハンジ「それも私! 代金はニファと折半したけどね。ニファもリヴァイの事、結構好きみたいな事を言っていたからノリノリで協力してくれたよ。あ、ここでの好きは「上司」としてね? ニファは彼氏いるからね」
そんな訳で、実はあれはニファじゃなくて私とニファからのプレゼントだった訳です。
ハンジ「だから、問題ないって分かったからちょっと安心した。噂が独り歩きしているだけだったのかな? って感じになって……どんどん試したくなったの。ごめんね。この辺、完全に巨人の実験のノリと同じだけど。無茶振りして、どこまで私に「付き合ってくれるんだろう?」っていう好奇心がだんだん疼いて来て……トロスト区に突然、夕方から行ったらどうなるかな? みたいな」
リヴァイ「じゃあもしかして、あの安売り情報も「嘘」か?」
ハンジ「いや、そこは流石に本当だよ。ただ、そこは流石に「諦めてもいい」部分じゃない? 多少値段が変わる程度だし?」
リヴァイ「冷静に考えてみればその通りだな」
ハンジ「うん。おまけにタイツ、追加購入したから、あんまり値段的には差つかなくなちゃったしね?」
リヴァイ「それもそうだったな」
ハンジ「あの時、いろいろ吟味するリヴァイが可笑しくて……ごめんね。すっごく楽しかったの。あんまりやらせると、こっちの策略がバレそうな気がして急かしたけどさ」
リヴァイ「笑っていたのか。あの時」
ハンジ「内心ね。嬉しかったよ。そういう意味で笑っていたの」
あの時のリヴァイ、本当に面白かった。思い出すと今もにやけちゃう。
リヴァイ「で? 他に聞きたい事はあるか?」
ハンジ「ああ、あるよ。スカートパタパタした時、どんな気持ちになった?」
リヴァイ「どんなって……」
ハンジ「あれ、私なりの「実験」だったんだけどなあ?」
ドキドキ、してくれたのかな?
そう思いながら問うと、リヴァイがさっと視線を横にずらした。
リヴァイ「そうだったのか」
ハンジ「うん。私、ついつい、楽しいとそっちに没頭する癖があるのよ。巨人と会う時の感覚に凄く似ていたんだよね」
リヴァイと一緒にいると浮足立つ自分がいる。
そんな自分に気づいてしまったんだ。不覚にも。
ハンジ「ただねー私の中に1個、疑念があって。リヴァイって全然、女の噂も影もなかったから、本当に異性好きなのか自信持てなかったんだよね。エルヴィンと実は出来てますって言われても「やっぱり?」くらいにしか思えないくらい、女性兵士との距離も感じたし」
リヴァイ「おい!」
ハンジ「いやだって、それくらい酷かったよ? 実際、女性兵士の間では「そっちなのかな?」説、結構出回ってたからね?」
リヴァイ「………」
リヴァイはがっくりしていた。いや、自業自得だよこれは。
ハンジ「だからその、実験してみようかなって思ってさ」
リヴァイ「実験?」
ハンジ「ニファに協力して貰ってね? 女性からの突然のプレゼントをリヴァイは受け取るのか受け取らないかっていう」
リヴァイ「は? まさか、あの帽子、お前の策略か?!」
ハンジ「イエス! 発案は私! ごめんね☆ (てへぺろ)」
てへぺろで誤魔化しちゃう。
リヴァイ「じゃあ、あの帽子を選んだのは……」
ハンジ「それも私! 代金はニファと折半したけどね。ニファもリヴァイの事、結構好きみたいな事を言っていたからノリノリで協力してくれたよ。あ、ここでの好きは「上司」としてね? ニファは彼氏いるからね」
そんな訳で、実はあれはニファじゃなくて私とニファからのプレゼントだった訳です。
ハンジ「だから、問題ないって分かったからちょっと安心した。噂が独り歩きしているだけだったのかな? って感じになって……どんどん試したくなったの。ごめんね。この辺、完全に巨人の実験のノリと同じだけど。無茶振りして、どこまで私に「付き合ってくれるんだろう?」っていう好奇心がだんだん疼いて来て……トロスト区に突然、夕方から行ったらどうなるかな? みたいな」
リヴァイ「じゃあもしかして、あの安売り情報も「嘘」か?」
ハンジ「いや、そこは流石に本当だよ。ただ、そこは流石に「諦めてもいい」部分じゃない? 多少値段が変わる程度だし?」
リヴァイ「冷静に考えてみればその通りだな」
ハンジ「うん。おまけにタイツ、追加購入したから、あんまり値段的には差つかなくなちゃったしね?」
リヴァイ「それもそうだったな」
ハンジ「あの時、いろいろ吟味するリヴァイが可笑しくて……ごめんね。すっごく楽しかったの。あんまりやらせると、こっちの策略がバレそうな気がして急かしたけどさ」
リヴァイ「笑っていたのか。あの時」
ハンジ「内心ね。嬉しかったよ。そういう意味で笑っていたの」
あの時のリヴァイ、本当に面白かった。思い出すと今もにやけちゃう。
リヴァイ「で? 他に聞きたい事はあるか?」
ハンジ「ああ、あるよ。スカートパタパタした時、どんな気持ちになった?」
リヴァイ「どんなって……」
ハンジ「あれ、私なりの「実験」だったんだけどなあ?」
ドキドキ、してくれたのかな?
そう思いながら問うと、リヴァイがさっと視線を横にずらした。
64: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:32:53 ID:.SqfFaVo0
リヴァイ「なんか、見ちゃいけない物をみたような気分だったな」
ハンジ「そうだったの?」
リヴァイ「だから面倒臭くなって寝ようって思ったんだろうな。多分」
ハンジ「それって、やっぱり、エッチな意味で?」
リヴァイ「だろうな。じゃねえと、寝るなんて言い出さない」
あ、頬がちょっとだけ赤い。そうだったんだ。良かった。
ハンジ「そっかあ……良かった。あと馬車に酔ったのは嘘だよね? あの時、何があったの?」
リヴァイ「あー嘘だってバレていたのか」
ハンジ「そりゃバレますよ。馬に乗りまくれるあんたが、馬車程度の「揺れ」で酔う訳ないのに」
リヴァイ「それぞれの部屋に戻った後、俺の部屋にエルヴィンが来た。そこで香水を「商売女」から譲り受けた話を聞いて、ハンジの部屋にこっそり侵入して香水を処分しようとしたらエルヴィンに止められた。そこで奴に『ハンジとの交際を望むなら別に止めないよ』と言われて動揺していたんだよ」
ハンジ「エルヴィンとそんな話をしていたんだ……意外」
リヴァイ「だろうな。俺もあの時は頭の中がごちゃごちゃしていたからな。その後、その……結婚式場でピクシス司令に『男が女の衣装を買ってやるのは「脱がせたい」願望の表れというぞ』って言われた事を思い出して慌てて代金を受け取りにハンジの部屋に行った」
ハンジ「あ、だから急に私の部屋に来たんだね」
リヴァイ「そうだ。ピクシス司令に突っ込まれると思ったら急に寒気がしたんでな」
ハンジ「ぷぷ……」
ピクシス司令、何言ってるんだろ。まあ、有難いけど。
じゃあリヴァイは私の「タイツ」を脱がせたいと思っているのかな。本当は。
まあ、そこは気になったけど横に置いて、
ハンジ「あと、私が慌ててシャワー浴びて戻って来た時、なんか様子が変だったよね?」
リヴァイ「あー」
リヴァイは今までで一番赤い顔になって言ってくれた。
リヴァイ「シャワー浴びたてのハンジを見て、勃った」
ハンジ「へ?」
なんですと?
リヴァイ「だから、その、ムラムラしていた。悪い。正直、あの時のハンジの「体臭」は最高に心地良かったぞ」
ハンジ「?! 嘘、マジで?! そんな素振りじゃなかったよね?! 全然気づかなかった!」
リヴァイ「いろいろギリギリだったからな。その……すまん」
リヴァイが頭を下げてきた。えええええマジかそれは!
待って待って。じゃあ、躊躇しているように見えたのは、そのせいだった訳か。
そうだったんだ。なんか急に、それを思い出して恥ずかしくなってきた。
ハンジ「そうだったの?」
リヴァイ「だから面倒臭くなって寝ようって思ったんだろうな。多分」
ハンジ「それって、やっぱり、エッチな意味で?」
リヴァイ「だろうな。じゃねえと、寝るなんて言い出さない」
あ、頬がちょっとだけ赤い。そうだったんだ。良かった。
ハンジ「そっかあ……良かった。あと馬車に酔ったのは嘘だよね? あの時、何があったの?」
リヴァイ「あー嘘だってバレていたのか」
ハンジ「そりゃバレますよ。馬に乗りまくれるあんたが、馬車程度の「揺れ」で酔う訳ないのに」
リヴァイ「それぞれの部屋に戻った後、俺の部屋にエルヴィンが来た。そこで香水を「商売女」から譲り受けた話を聞いて、ハンジの部屋にこっそり侵入して香水を処分しようとしたらエルヴィンに止められた。そこで奴に『ハンジとの交際を望むなら別に止めないよ』と言われて動揺していたんだよ」
ハンジ「エルヴィンとそんな話をしていたんだ……意外」
リヴァイ「だろうな。俺もあの時は頭の中がごちゃごちゃしていたからな。その後、その……結婚式場でピクシス司令に『男が女の衣装を買ってやるのは「脱がせたい」願望の表れというぞ』って言われた事を思い出して慌てて代金を受け取りにハンジの部屋に行った」
ハンジ「あ、だから急に私の部屋に来たんだね」
リヴァイ「そうだ。ピクシス司令に突っ込まれると思ったら急に寒気がしたんでな」
ハンジ「ぷぷ……」
ピクシス司令、何言ってるんだろ。まあ、有難いけど。
じゃあリヴァイは私の「タイツ」を脱がせたいと思っているのかな。本当は。
まあ、そこは気になったけど横に置いて、
ハンジ「あと、私が慌ててシャワー浴びて戻って来た時、なんか様子が変だったよね?」
リヴァイ「あー」
リヴァイは今までで一番赤い顔になって言ってくれた。
リヴァイ「シャワー浴びたてのハンジを見て、勃った」
ハンジ「へ?」
なんですと?
リヴァイ「だから、その、ムラムラしていた。悪い。正直、あの時のハンジの「体臭」は最高に心地良かったぞ」
ハンジ「?! 嘘、マジで?! そんな素振りじゃなかったよね?! 全然気づかなかった!」
リヴァイ「いろいろギリギリだったからな。その……すまん」
リヴァイが頭を下げてきた。えええええマジかそれは!
待って待って。じゃあ、躊躇しているように見えたのは、そのせいだった訳か。
そうだったんだ。なんか急に、それを思い出して恥ずかしくなってきた。
65: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:33:36 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「じゃああの後、なんか距離を感じたのは「堪えていた」だけだったの?」
リヴァイ「その通りだ。下手に近づいたら襲いかねない自分がいたからな」
ハンジ「ええええ……マジで。その時点でもう、その気になっていたと?」
リヴァイ「ああ。なんか自分がだんだん「おかしい」状態になってきたのは気づいていた」
だったらもう、その時点で両思い確定じゃないか!
ハンジ「じゃあなんで「好みの女」を「清潔な女」なんて言ったの? 軽く凹んだんですけど?」
リヴァイ「あれは、洗い立てのハンジを思い浮かべてつい、そう言っただけだ」
ハンジ「ああ……ムラムラした時の「私」をそう表現しただけだったのね」
リヴァイ「そういう事だ。あと、ちょっと誤魔化したのも否めない」
ハンジ「くそー! なんかそこは悔しいなあ!」
舌打ちしたくなる心地で悔しくなる。くそおおお!
リヴァイ「万年筆はわざと置き忘れたのか?」
ハンジ「いやいや? そこは流石に「本当」だよ。私、しょっちゅうあちこち、ペンを置き忘れたり人に預けっぱなしにするから。でも嬉しかったよ。あの時はすぐ持って来てくれたよね」
リヴァイ「そうだったのか。じゃああの時、思い切って言えば良かったな」
ハンジ「え? 何を?」
リヴァイ「月明かりに照らされたハンジが綺麗だって」
ハンジ「?!」
あの時、なんかじっと見られたのはそのせいかあああああ!
うひゃあああああ待って待って! 痒い! こそばゆい! 助けて!
ハンジ「何それ……ちょっと待て。今の不意打ち、酷い! 卑怯すぎる!!!!」
どんだけ私をたらし込めば気が済むのか。このイケメンが!
リヴァイ「事実だ。もうだんだんハンジに嵌っている自分に気づいて、腹が立ってきたんだ。俺の中では「香水」の件のせいでハンジにムラムラするようになってきたと、思っていたから。だからつい、商売女のところに八つ当たりしに行ったんだ」
ハンジ「そんな経緯だった訳ね。なるほど。なんか悪い事しちゃったね。香水、つけない方が良かったかな?」
リヴァイ「いいや? 今となってはかえって有難い。こうやってハンジといろいろ話せている訳だから」
手が重なって、ドキッとした。
あ……まずい。また、体が、熱くなってきて。熱っぽい。
リヴァイ「ただ、その結果、香水はあくまで「きっかけ」に過ぎないみたいな事をエルヴィンに言われてしまった。そのせいで、退路を断たれたような気持ちになった。だからまたハンジと距離を取るしかなくてな。「何かやらかした?」と問われた時はもう「全部だ」としか言えなくて……」
ハンジ「ごめんなさい。あの時点で私もいろいろ仕掛けたり遊んだりしていたので、どれの事を言っているのかさっぱりでした」
何故かお互いに頭を下げ合った。
リヴァイ「その通りだ。下手に近づいたら襲いかねない自分がいたからな」
ハンジ「ええええ……マジで。その時点でもう、その気になっていたと?」
リヴァイ「ああ。なんか自分がだんだん「おかしい」状態になってきたのは気づいていた」
だったらもう、その時点で両思い確定じゃないか!
ハンジ「じゃあなんで「好みの女」を「清潔な女」なんて言ったの? 軽く凹んだんですけど?」
リヴァイ「あれは、洗い立てのハンジを思い浮かべてつい、そう言っただけだ」
ハンジ「ああ……ムラムラした時の「私」をそう表現しただけだったのね」
リヴァイ「そういう事だ。あと、ちょっと誤魔化したのも否めない」
ハンジ「くそー! なんかそこは悔しいなあ!」
舌打ちしたくなる心地で悔しくなる。くそおおお!
リヴァイ「万年筆はわざと置き忘れたのか?」
ハンジ「いやいや? そこは流石に「本当」だよ。私、しょっちゅうあちこち、ペンを置き忘れたり人に預けっぱなしにするから。でも嬉しかったよ。あの時はすぐ持って来てくれたよね」
リヴァイ「そうだったのか。じゃああの時、思い切って言えば良かったな」
ハンジ「え? 何を?」
リヴァイ「月明かりに照らされたハンジが綺麗だって」
ハンジ「?!」
あの時、なんかじっと見られたのはそのせいかあああああ!
うひゃあああああ待って待って! 痒い! こそばゆい! 助けて!
ハンジ「何それ……ちょっと待て。今の不意打ち、酷い! 卑怯すぎる!!!!」
どんだけ私をたらし込めば気が済むのか。このイケメンが!
リヴァイ「事実だ。もうだんだんハンジに嵌っている自分に気づいて、腹が立ってきたんだ。俺の中では「香水」の件のせいでハンジにムラムラするようになってきたと、思っていたから。だからつい、商売女のところに八つ当たりしに行ったんだ」
ハンジ「そんな経緯だった訳ね。なるほど。なんか悪い事しちゃったね。香水、つけない方が良かったかな?」
リヴァイ「いいや? 今となってはかえって有難い。こうやってハンジといろいろ話せている訳だから」
手が重なって、ドキッとした。
あ……まずい。また、体が、熱くなってきて。熱っぽい。
リヴァイ「ただ、その結果、香水はあくまで「きっかけ」に過ぎないみたいな事をエルヴィンに言われてしまった。そのせいで、退路を断たれたような気持ちになった。だからまたハンジと距離を取るしかなくてな。「何かやらかした?」と問われた時はもう「全部だ」としか言えなくて……」
ハンジ「ごめんなさい。あの時点で私もいろいろ仕掛けたり遊んだりしていたので、どれの事を言っているのかさっぱりでした」
何故かお互いに頭を下げ合った。
66: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:34:34 ID:.SqfFaVo0
ハンジ「でも、香水の力を借りたとはいえ、ちょっと「その気になりかけた」って言われた時は、私もドキッとしたよ。リヴァイでも、そういう事あるんだって思って」
リヴァイ「一番きつかったのはシャワー浴びたてのハンジだったけどな」
ハンジ「そうなんだーうわーだったら、ちょっともうちょっとシャワー浴びないとまずいですかね?」
リヴァイ「そこはまあ、ハンジに任せるが……」
そしてお互いに目が合って、吹いた。吹くしかない。
ハンジ「最後はもう、アレだね」
リヴァイ「ああ。まあ……その、アレだな」
ハンジ「うん。リヴァイの「螺旋状に巻いたらどうだ?」で完全に「堕ちました」」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「うん。あれだけグダグダ開発に悩んだのに。あっさり「いい案」を出してきたリヴァイに「堕ちた」完全に。うん……」
リヴァイ「勢いって怖いな……」
ハンジ「うん。怖いね……本当に」
もー何コレ。なんだ。私達、本当は両思いだった訳だね。
だったらもう、遠慮する事はないか。
これから先はリヴァイとの「関係」を変えてもいい筈だから。
先に言っておかないといけない事があるね。
ハンジ「あーその、あのね。先に言っていいですか?」
リヴァイ「何を?」
ハンジ「ごめん。実は私、この年になっても「処女」でして」
リヴァイがびっくりしている。無理もないな。
ハンジ「経験値ないんで、本当、ごめん」
リヴァイ「すまん。それを言ったら俺も何だが」
ハンジ「はい?! え……嘘でしょ?」
リヴァイ「本当だ。そもそも、こんな風に浮かれる気分というか、こんなの俺も初めての経験なんだぞ……」
童貞と処女同士でカップルになるのか。すげえな。どうしよう。
丸っきりゼロからのスタートになるのか。でもかえって楽しいかもしれない。
リヴァイ「すまん。その………こう言ってアレだが。「何でもする」って言ったよな?」
ハンジ「あ……」
そう言えばそんな事を言った気がする。
リヴァイ「俺と付き合ってくれ。それで、いいか?」
ハンジ「え……それでいいの?」
リヴァイ「ああ。今日からだ。いいな?」
ハンジ「いや、勿論、いいけど。え? そんなんでいいの? もっと無茶振りくるかと思っていたけど」
リヴァイ「例えば?」
ハンジ「ん~なんかエッチな要求で難しそうな事とか?」
リヴァイ「ほほう? 言ったな? 要求していいのか?」
ハンジ「うぐ! しまった! 墓穴掘ったか?」
リヴァイ「掘ったな。じゃあ、とりあえず、するか」
ハンジ「な、何を………?」
リヴァイの顔が近づいた。目を閉じる暇もなく、キスされてしまった。
リヴァイの方は目を瞑っていたけれど。その早業に思わず腰が抜ける。
ふわっとした。弾力が伝わってきて、柔らかくて、気持ち良かった。
リヴァイ「一番きつかったのはシャワー浴びたてのハンジだったけどな」
ハンジ「そうなんだーうわーだったら、ちょっともうちょっとシャワー浴びないとまずいですかね?」
リヴァイ「そこはまあ、ハンジに任せるが……」
そしてお互いに目が合って、吹いた。吹くしかない。
ハンジ「最後はもう、アレだね」
リヴァイ「ああ。まあ……その、アレだな」
ハンジ「うん。リヴァイの「螺旋状に巻いたらどうだ?」で完全に「堕ちました」」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「うん。あれだけグダグダ開発に悩んだのに。あっさり「いい案」を出してきたリヴァイに「堕ちた」完全に。うん……」
リヴァイ「勢いって怖いな……」
ハンジ「うん。怖いね……本当に」
もー何コレ。なんだ。私達、本当は両思いだった訳だね。
だったらもう、遠慮する事はないか。
これから先はリヴァイとの「関係」を変えてもいい筈だから。
先に言っておかないといけない事があるね。
ハンジ「あーその、あのね。先に言っていいですか?」
リヴァイ「何を?」
ハンジ「ごめん。実は私、この年になっても「処女」でして」
リヴァイがびっくりしている。無理もないな。
ハンジ「経験値ないんで、本当、ごめん」
リヴァイ「すまん。それを言ったら俺も何だが」
ハンジ「はい?! え……嘘でしょ?」
リヴァイ「本当だ。そもそも、こんな風に浮かれる気分というか、こんなの俺も初めての経験なんだぞ……」
童貞と処女同士でカップルになるのか。すげえな。どうしよう。
丸っきりゼロからのスタートになるのか。でもかえって楽しいかもしれない。
リヴァイ「すまん。その………こう言ってアレだが。「何でもする」って言ったよな?」
ハンジ「あ……」
そう言えばそんな事を言った気がする。
リヴァイ「俺と付き合ってくれ。それで、いいか?」
ハンジ「え……それでいいの?」
リヴァイ「ああ。今日からだ。いいな?」
ハンジ「いや、勿論、いいけど。え? そんなんでいいの? もっと無茶振りくるかと思っていたけど」
リヴァイ「例えば?」
ハンジ「ん~なんかエッチな要求で難しそうな事とか?」
リヴァイ「ほほう? 言ったな? 要求していいのか?」
ハンジ「うぐ! しまった! 墓穴掘ったか?」
リヴァイ「掘ったな。じゃあ、とりあえず、するか」
ハンジ「な、何を………?」
リヴァイの顔が近づいた。目を閉じる暇もなく、キスされてしまった。
リヴァイの方は目を瞑っていたけれど。その早業に思わず腰が抜ける。
ふわっとした。弾力が伝わってきて、柔らかくて、気持ち良かった。
67: 進撃の名無し 2014/09/15(月) 16:35:18 ID:.SqfFaVo0
一瞬のキスだったのに。全てを持っていかれる様なキスだった。
恥ずかしくて顔を両手で隠してしまった。どどどどどうしよう?
ハンジ「なんか、ヤバい。どうしよう……凄くドキドキする」
リヴァイ「続きはまた今度だ。時間がある時にするぞ」
ハンジ「す、するんですね?」
リヴァイ「当然だろ。俺ももう、腹括ったしな。まあ、当面は研究の方が忙しくて難しいかもしれんが」
今度は耳を責められた。リヴァイの「声」が中に入ってくる。
リヴァイ「朝飯、ちゃんと食えよ。もう少し脂肪をつけてくれた方が俺の好みだ」
ハンジ「?!」
なあああああ?! 酷い!!!
思わず拳を振りぬくと避けられてしまった。
ハンジ「どうせガリガリの貧乳ですけどね?! だったら何で私にしたのよ! 抱かれたい男3年連続連覇したくせに!」
リヴァイ「は? そんなの決まっている。綺麗にした時のハンジの「匂い」が最高だったからだ」
ハンジ「じゃあ汚い時の私は嫌いって事じゃないの」
リヴァイ「かもしれんな。まあでも、洗えば済むしな。汚くなるからこそ、綺麗にしたくなるんだろ?」
くそおおおお! こいつ、私の体目当てか?!
ハンジ「うぐぐぐ……なんかムカつく! うーん。やっぱり早まったかな?!」
リヴァイ「今更言うなよ。時間、ないぞ。さっさと朝食、食ってしまえ」
ハンジ「分かっているけどさ。あーもう、リヴァイは先に演習にいけええええ!」
追い出してやった。リヴァイはニヤニヤしながら出て行ったけれど。
はあもう。急転直下の連続でちょっと疲れちゃった。
でも、唇と耳に残った声を思い出すと、濡れる自分がいる。
いかん。すっかりあいつに調教されている。ダメだこりゃ。諦めよう。
まあ、うん。その、なんだ。体目当てだとしても、それはそれで。
その、それを言い出したら、私もリヴァイの「体」が目当てな部分もあるしね?
と、言い訳しつつ、朝食をかきこんだ。
食べ終わった後、自分の胸を触る。ペチャパイだけどいいのかな。
食べないと肉つかないよね。今度からちゃんと食べよう。
あと、まあ、大きい方がいいなら揉んでいくしかないか。マッサージするか。
焼け石に水とか言わないでくれたまえ。こういう女らしい事をしてみたいと思う自分も「初めて」の経験なのだから。
抱かれたい男ナンバー2に選ばれちゃったような男みたいな女なのに、抱かれたい男ナンバー1に選ばれるような色男と付き合う事になってしまった。
初めてづくしで大変だ。でも、すごく楽しい。
今はまだ、研究の件が手が離せないけれど、ひと段落ついたら、きっと。
リヴァイとの新しい関係も踏み出せる。そう思いながら、私は胸のポケットの万年筆を取り出して、書類仕事を再開し始めたのだった。
ハンジ「抱かれたい男ナンバー2!」(終わり)
恥ずかしくて顔を両手で隠してしまった。どどどどどうしよう?
ハンジ「なんか、ヤバい。どうしよう……凄くドキドキする」
リヴァイ「続きはまた今度だ。時間がある時にするぞ」
ハンジ「す、するんですね?」
リヴァイ「当然だろ。俺ももう、腹括ったしな。まあ、当面は研究の方が忙しくて難しいかもしれんが」
今度は耳を責められた。リヴァイの「声」が中に入ってくる。
リヴァイ「朝飯、ちゃんと食えよ。もう少し脂肪をつけてくれた方が俺の好みだ」
ハンジ「?!」
なあああああ?! 酷い!!!
思わず拳を振りぬくと避けられてしまった。
ハンジ「どうせガリガリの貧乳ですけどね?! だったら何で私にしたのよ! 抱かれたい男3年連続連覇したくせに!」
リヴァイ「は? そんなの決まっている。綺麗にした時のハンジの「匂い」が最高だったからだ」
ハンジ「じゃあ汚い時の私は嫌いって事じゃないの」
リヴァイ「かもしれんな。まあでも、洗えば済むしな。汚くなるからこそ、綺麗にしたくなるんだろ?」
くそおおおお! こいつ、私の体目当てか?!
ハンジ「うぐぐぐ……なんかムカつく! うーん。やっぱり早まったかな?!」
リヴァイ「今更言うなよ。時間、ないぞ。さっさと朝食、食ってしまえ」
ハンジ「分かっているけどさ。あーもう、リヴァイは先に演習にいけええええ!」
追い出してやった。リヴァイはニヤニヤしながら出て行ったけれど。
はあもう。急転直下の連続でちょっと疲れちゃった。
でも、唇と耳に残った声を思い出すと、濡れる自分がいる。
いかん。すっかりあいつに調教されている。ダメだこりゃ。諦めよう。
まあ、うん。その、なんだ。体目当てだとしても、それはそれで。
その、それを言い出したら、私もリヴァイの「体」が目当てな部分もあるしね?
と、言い訳しつつ、朝食をかきこんだ。
食べ終わった後、自分の胸を触る。ペチャパイだけどいいのかな。
食べないと肉つかないよね。今度からちゃんと食べよう。
あと、まあ、大きい方がいいなら揉んでいくしかないか。マッサージするか。
焼け石に水とか言わないでくれたまえ。こういう女らしい事をしてみたいと思う自分も「初めて」の経験なのだから。
抱かれたい男ナンバー2に選ばれちゃったような男みたいな女なのに、抱かれたい男ナンバー1に選ばれるような色男と付き合う事になってしまった。
初めてづくしで大変だ。でも、すごく楽しい。
今はまだ、研究の件が手が離せないけれど、ひと段落ついたら、きっと。
リヴァイとの新しい関係も踏み出せる。そう思いながら、私は胸のポケットの万年筆を取り出して、書類仕事を再開し始めたのだった。
ハンジ「抱かれたい男ナンバー2!」(終わり)
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/6689/1410707049/
Entry ⇒ 2018.01.24 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
エレン「結婚しよう!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:39:18.72 ID:6MQO8edp0
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:40:18.44 ID:6MQO8edp0
入団式
エレン(いよいよだ。今日からオレは兵士になる。まだ訓練兵だけど、これから技術を身につけて調査兵団に入る! そして一匹残らず巨人どもを……)
キース「貴様は何者だ!」
クリスタ「はっ、クリスタ・レンズです!」
エレン「!」
ドクンッ
エレン(なんだあの子……)
エレン「か、かわいい……!」
エレン(いよいよだ。今日からオレは兵士になる。まだ訓練兵だけど、これから技術を身につけて調査兵団に入る! そして一匹残らず巨人どもを……)
キース「貴様は何者だ!」
クリスタ「はっ、クリスタ・レンズです!」
エレン「!」
ドクンッ
エレン(なんだあの子……)
エレン「か、かわいい……!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:40:48.44 ID:6MQO8edp0
キース「――!」
クリスタ「――!」
エレン(綺麗なブロンド、大きな目、女の子らしい体つき、透き通るような声、どれをとっても完璧だ……)
エレン(ああもう我慢できない!)
エレン「結婚したい!!」
シーン
ミカサ「エレン……?」
キース「ほう……先程の女といい……今期の訓練兵はよほど走りたいらしいな……」
エレン「」
クリスタ「――!」
エレン(綺麗なブロンド、大きな目、女の子らしい体つき、透き通るような声、どれをとっても完璧だ……)
エレン(ああもう我慢できない!)
エレン「結婚したい!!」
シーン
ミカサ「エレン……?」
キース「ほう……先程の女といい……今期の訓練兵はよほど走りたいらしいな……」
エレン「」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:41:35.34 ID:6MQO8edp0
夜
エレン「や、やっと終わった……」
サシャ「し、死ぬう……」
エレン「まさかほんとに死ぬ直前まで走らされるとはな……おい、サシャっていったか? しっかりしろよ」
サシャ「お腹すきましたぁ……」
エレン「そればっかりだな……あ、ミカサ、アルミン」
アルミン「やあエレン」
ミカサ「エレン……」
エレン「や、やっと終わった……」
サシャ「し、死ぬう……」
エレン「まさかほんとに死ぬ直前まで走らされるとはな……おい、サシャっていったか? しっかりしろよ」
サシャ「お腹すきましたぁ……」
エレン「そればっかりだな……あ、ミカサ、アルミン」
アルミン「やあエレン」
ミカサ「エレン……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:42:35.67 ID:6MQO8edp0
サシャ「パアアアン!」
ミカサ「……」サッ
サシャ「あう」ドサッ
エレン「な、何なんだ……」
ミカサ「エレン、お腹空いてるだろうと思ってパンを持ってきた」
エレン「いや、それお前の分だろ。オレはいいよ」
サシャ「なら私にください!」
ミカサ「だめ。これはエレンの」
エレン「だからいらないって。入団して早々に罰則だ。その罰則までやぶりたくねえよ……」
アルミン「そっか。ここはエレンの意見を尊重してあげよう。ミカサ」
ミカサ「……」サッ
サシャ「あう」ドサッ
エレン「な、何なんだ……」
ミカサ「エレン、お腹空いてるだろうと思ってパンを持ってきた」
エレン「いや、それお前の分だろ。オレはいいよ」
サシャ「なら私にください!」
ミカサ「だめ。これはエレンの」
エレン「だからいらないって。入団して早々に罰則だ。その罰則までやぶりたくねえよ……」
アルミン「そっか。ここはエレンの意見を尊重してあげよう。ミカサ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:43:16.58 ID:6MQO8edp0
ミカサ「うん……」モグモグ
サシャ「ああ……」ガク
アルミン「君、大丈夫?」
サシャ「大丈夫じゃないです……あんなに走らされて、しかも食事抜きだなんて。ひどいです……」
エレン「いや、入団式の真っただ中で芋食いだすんだから当然だろ……」
サシャ「なっ、そんなこと言ったらエレンだっていきなり結婚したいとか言いだしたじゃないですか! 私だけおかしいみたいに言わないでください!」
エレン「あ、それもそうだな……」
アルミン「そのことなんだけどエレン。あのとき、結婚したいとか言ったのは何だったの?」
サシャ「ああ……」ガク
アルミン「君、大丈夫?」
サシャ「大丈夫じゃないです……あんなに走らされて、しかも食事抜きだなんて。ひどいです……」
エレン「いや、入団式の真っただ中で芋食いだすんだから当然だろ……」
サシャ「なっ、そんなこと言ったらエレンだっていきなり結婚したいとか言いだしたじゃないですか! 私だけおかしいみたいに言わないでください!」
エレン「あ、それもそうだな……」
アルミン「そのことなんだけどエレン。あのとき、結婚したいとか言ったのは何だったの?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:43:58.87 ID:6MQO8edp0
エレン「ああ、それなんだけど……」
ミカサ「言わなくてもわかる」
エレン「え?」
ミカサ「エレンは私と結婚したくて我慢できなかった」
エレン「ぜんぜん違うぞ」
ミカサ「」
ミカサ「言わなくてもわかる」
エレン「え?」
ミカサ「エレンは私と結婚したくて我慢できなかった」
エレン「ぜんぜん違うぞ」
ミカサ「」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:44:47.91 ID:6MQO8edp0
エレン「オレが結婚したいって言ったのはミカサに対してじゃなくて……なんだっけ、名前忘れちゃったな」
アルミン「え、ていうことはエレン。何かの冗談とかで言ったわけでも、頭をぶつけたわけでも、言い間違いでもなく、本当に結婚したいって思って言ったの?」
エレン「ああ」
アルミン「その……名前もわからない相手に?」
エレン「ああ、そうだな」
アルミン「それは……」
ミカサ「エレンはおかしくなってる。ここに来るべきじゃなかった。さあ帰ろう」グイグイ
エレン「何でだよ! オレはおかしくないだろ。なあ、アルミン」
アルミン「そりゃあまあ……一目惚れっていうのはないわけじゃないだろうけど……」
ミカサ「……」ギロッ
アルミン「え、ていうことはエレン。何かの冗談とかで言ったわけでも、頭をぶつけたわけでも、言い間違いでもなく、本当に結婚したいって思って言ったの?」
エレン「ああ」
アルミン「その……名前もわからない相手に?」
エレン「ああ、そうだな」
アルミン「それは……」
ミカサ「エレンはおかしくなってる。ここに来るべきじゃなかった。さあ帰ろう」グイグイ
エレン「何でだよ! オレはおかしくないだろ。なあ、アルミン」
アルミン「そりゃあまあ……一目惚れっていうのはないわけじゃないだろうけど……」
ミカサ「……」ギロッ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:46:00.26 ID:6MQO8edp0
アルミン「ひぃっ、で、でもやっぱりいきなり結婚なんて言うのはおかしいと思うよ……」
ミカサ「その通り。きっとその女に何かされた」
エレン「あの状況でどうやって?」
ミカサ「それは……わからないけど」
エレン「オレはなにもされてねえよ。あの子を一目見たときから、なんかこう……いてもたってもいられなくなって……」
ミカサ「……」ギリッ
アルミン「お、落ち着きなよミカサ。でも、珍しいね。エレンがそういうことに興味持つなんて意外だ」
エレン「そうか? いや……そうだな。オレもなんでかわからないんだ。けど一瞬で好きになった」
ミカサ「その通り。きっとその女に何かされた」
エレン「あの状況でどうやって?」
ミカサ「それは……わからないけど」
エレン「オレはなにもされてねえよ。あの子を一目見たときから、なんかこう……いてもたってもいられなくなって……」
ミカサ「……」ギリッ
アルミン「お、落ち着きなよミカサ。でも、珍しいね。エレンがそういうことに興味持つなんて意外だ」
エレン「そうか? いや……そうだな。オレもなんでかわからないんだ。けど一瞬で好きになった」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:46:49.97 ID:6MQO8edp0
ミカサ「……」
アルミン「うーん。どんな子なの」
エレン「そうだな……一言で表すなら」
クリスタ「あの……」
エレン「かわいい!」
サシャ「パァン!」
クリスタ「きゃあ!」
アルミン「うーん。どんな子なの」
エレン「そうだな……一言で表すなら」
クリスタ「あの……」
エレン「かわいい!」
サシャ「パァン!」
クリスタ「きゃあ!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:47:39.65 ID:6MQO8edp0
エレン「かわいいなあもう! 結婚しよう!」
サシャ「神様ですか! あなたが神~!」
アルミン「ちょ、ちょっと落ち着いてよ二人とも!」
ミカサ「削ぐ……」
アルミン「ミカサも!」
クリスタ「あ、あの、えっと、とにかく先に水飲んだほうが!」
エレン「しかも優しい!」
サシャ「神様ですか! あなたが神~!」
アルミン「ちょ、ちょっと落ち着いてよ二人とも!」
ミカサ「削ぐ……」
アルミン「ミカサも!」
クリスタ「あ、あの、えっと、とにかく先に水飲んだほうが!」
エレン「しかも優しい!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:48:14.99 ID:6MQO8edp0
ミカサ「この女? この女でしょエレンを誑かしたのは」
サシャ「ありがたやーありがたやー」
エレン「オレはエレン・イェーガー! 結婚しよう!」
ミカサ「削ぐ! 削ぐ!」
アルミン「ふ、二人とも!」
サシャ「パン美味しぃ〜ありがとうございます!」
クリスタ「あわわわわ」
ユミル「何やってんだお前ら……」
サシャ「ありがたやーありがたやー」
エレン「オレはエレン・イェーガー! 結婚しよう!」
ミカサ「削ぐ! 削ぐ!」
アルミン「ふ、二人とも!」
サシャ「パン美味しぃ〜ありがとうございます!」
クリスタ「あわわわわ」
ユミル「何やってんだお前ら……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:49:06.46 ID:6MQO8edp0
――
お姉ちゃん。何してるの?
本を読んでるんだよ。いっしょに読む?
でも私……
大丈夫。読みかた、教えてあげるね
本当に? ありがとう!
――
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:49:48.16 ID:6MQO8edp0
数日後 食堂
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「は?」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「聞こえなかったわけじゃなくて、意味がわからないんだ」
ミカサ「意味はそのまま。そうでしょアルミン」
アルミン「うん。そうだね」
エレン「なんだよアルミンまで……」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「は?」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「聞こえなかったわけじゃなくて、意味がわからないんだ」
ミカサ「意味はそのまま。そうでしょアルミン」
アルミン「うん。そうだね」
エレン「なんだよアルミンまで……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:51:38.50 ID:6MQO8edp0
アルミン「エレン。僕たちがここに来て、エレンが無事に姿勢制御も終えて、まだ数日しかたってない」
エレン「ああ、そうだな。まだ訓練兵になったばかりのペーペーだ」
アルミン「そう。その数日で、君がなんて呼ばれるようになったか知ってるだろ?」
エレン「…………」
ジャン「おっ、プロポーズ野郎。今は暴走してねぇみたいだな」
エレン「ん? なんだジャン。喧嘩なら買うぞ」
ジャン「ハンッ、喧嘩なら巨人にでも売ってな」ヒラヒラ
ミカサ「……」
エレン「……」
エレン「ああ、そうだな。まだ訓練兵になったばかりのペーペーだ」
アルミン「そう。その数日で、君がなんて呼ばれるようになったか知ってるだろ?」
エレン「…………」
ジャン「おっ、プロポーズ野郎。今は暴走してねぇみたいだな」
エレン「ん? なんだジャン。喧嘩なら買うぞ」
ジャン「ハンッ、喧嘩なら巨人にでも売ってな」ヒラヒラ
ミカサ「……」
エレン「……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:52:31.63 ID:6MQO8edp0
アルミン「プロポーズ野郎……このあだ名はもうみんなに浸透してる」
エレン「何が悪いんだよ。ただのあだ名だろ」
アルミン「そのあだ名をつけられる理由がだめだって言ってるんだ!」
エレン「何だよそれ」
ミーナ「あ、エレン。おはよう。さっきもクリスタに告白してたけど、次はいつ告白するの?」
エレン「おはようミーナ。訓練中にチャンスがあればするよ」
ミーナ「がんばってね! あれだけアタックしてるんだもん、絶対成功するよ!」
エレン「ああ。ありがとな」
アルミン「だからこれだよ! どう考えても異常だよ! 一日に何回も告白するなんて!」
エレン「何が悪いんだよ。ただのあだ名だろ」
アルミン「そのあだ名をつけられる理由がだめだって言ってるんだ!」
エレン「何だよそれ」
ミーナ「あ、エレン。おはよう。さっきもクリスタに告白してたけど、次はいつ告白するの?」
エレン「おはようミーナ。訓練中にチャンスがあればするよ」
ミーナ「がんばってね! あれだけアタックしてるんだもん、絶対成功するよ!」
エレン「ああ。ありがとな」
アルミン「だからこれだよ! どう考えても異常だよ! 一日に何回も告白するなんて!」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:53:28.06 ID:6MQO8edp0
エレン「正確には告白ってよりプロポーズだな」
アルミン「余計にだめだよ!」
ミカサ「エレンいい加減にして。私はもう限界。せめて医者に診てもらうべき」
エレン「なんでだよ、どこも悪くないだろ!」
アルミン「君の主観ではそうかもしれないけど……僕らにとってはそうじゃないんだ」
エレン「…………」
アルミン「だから頼むよ」
アルミン「余計にだめだよ!」
ミカサ「エレンいい加減にして。私はもう限界。せめて医者に診てもらうべき」
エレン「なんでだよ、どこも悪くないだろ!」
アルミン「君の主観ではそうかもしれないけど……僕らにとってはそうじゃないんだ」
エレン「…………」
アルミン「だから頼むよ」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:54:07.47 ID:6MQO8edp0
エレン「オレ、一度怪我したとき診てもらったけど、何にも言われなかったぞ」
アルミン「それは……いやでもそうか……こんな症状、少し診察したところで何かわかるとも思えない……」ブツブツ
ミカサ「アルミン?」
アルミン「よし。実験しよう」
エレン「実験? なんだよアルミン。不穏だな」
アルミン「こうなったら手探りでやっていくしかないよ。エレン、協力してくれるよね」
エレン「ああ……」
アルミン「それは……いやでもそうか……こんな症状、少し診察したところで何かわかるとも思えない……」ブツブツ
ミカサ「アルミン?」
アルミン「よし。実験しよう」
エレン「実験? なんだよアルミン。不穏だな」
アルミン「こうなったら手探りでやっていくしかないよ。エレン、協力してくれるよね」
エレン「ああ……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:55:20.86 ID:6MQO8edp0
広場
エレン「とはいったもののこれはないだろ」
アルミン「エレン。目隠しとらないでね」
エレン「協力するって言った手前、勝手にとったりしないけどよ……せめて何か説明があってもいいんじゃないか? こんな訓練場の広場の真ん中で何するつもりだよ」
アルミン「それを言ったら実験にならないよ……とにかく、まずは僕の質問に答えてくれ」
エレン「質問? おいおい、本当に目隠し意味あるのか?」
アルミン「ちゃんと考えてるさ。じゃあいくよ。正直に答えてね」
エレン「わかった」
エレン「とはいったもののこれはないだろ」
アルミン「エレン。目隠しとらないでね」
エレン「協力するって言った手前、勝手にとったりしないけどよ……せめて何か説明があってもいいんじゃないか? こんな訓練場の広場の真ん中で何するつもりだよ」
アルミン「それを言ったら実験にならないよ……とにかく、まずは僕の質問に答えてくれ」
エレン「質問? おいおい、本当に目隠し意味あるのか?」
アルミン「ちゃんと考えてるさ。じゃあいくよ。正直に答えてね」
エレン「わかった」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:56:45.12 ID:6MQO8edp0
アルミン「エレンは誰に特別な感情を持ってるの?」
エレン「決まってるだろ。クリスタだ」
アルミン「クリスタを好きになったのはいつ?」
エレン「入団式のときにはじめて見たときからだな」
アルミン「どんなところが好き?」
エレン「全部だ」
アルミン「毎日のようにプロポーズするのはおかしいことだと思わない?」
エレン「そりゃ、するやつは少ないだろうが、でもオレの正直な気持ちだし、言わなきゃ伝わらないだろ」
アルミン「クリスタの前にいるときといないときで自分に何か変化があると思う?」
エレン「あるな。やっぱり目の前にいると舞い上がっちまう。でも好きな人が目の前にいたら普通のことなんじゃないのか?」
アルミン「クリスタのことは1から100に換算するとどのくらい好き?」
エレン「100だ。100」
エレン「決まってるだろ。クリスタだ」
アルミン「クリスタを好きになったのはいつ?」
エレン「入団式のときにはじめて見たときからだな」
アルミン「どんなところが好き?」
エレン「全部だ」
アルミン「毎日のようにプロポーズするのはおかしいことだと思わない?」
エレン「そりゃ、するやつは少ないだろうが、でもオレの正直な気持ちだし、言わなきゃ伝わらないだろ」
アルミン「クリスタの前にいるときといないときで自分に何か変化があると思う?」
エレン「あるな。やっぱり目の前にいると舞い上がっちまう。でも好きな人が目の前にいたら普通のことなんじゃないのか?」
アルミン「クリスタのことは1から100に換算するとどのくらい好き?」
エレン「100だ。100」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:57:36.80 ID:6MQO8edp0
アルミン「うーん……」
エレン「終わりか? これで何がわかったんだ?」
アルミン「とりあえずエレンはクリスタが好きなんだってことかな……」
エレン「なんだそりゃ。そんなのあたりまえだろ」
アルミン「それじゃあもう一度質問するよ」
エレン「まだあるのか……」
アルミン「今度は目隠しをとってだ」
エレン「ん……」
エレン「終わりか? これで何がわかったんだ?」
アルミン「とりあえずエレンはクリスタが好きなんだってことかな……」
エレン「なんだそりゃ。そんなのあたりまえだろ」
アルミン「それじゃあもう一度質問するよ」
エレン「まだあるのか……」
アルミン「今度は目隠しをとってだ」
エレン「ん……」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:58:18.16 ID:6MQO8edp0
アルミン「ほら、あっちの方を見てくれ。遠くに人影が見える?」
エレン「ん? あ、おーい! クリスター!」
アルミン「動いちゃだめだよエレン! 質問に答えて! 1から100に換算すると――」
エレン「ばかやろう!」
アルミン「え?」
エレン「そんなのでオレの気持ち測れるわけないだろ! クリスター!」
アルミン「これは……」
エレン「ん? あ、おーい! クリスター!」
アルミン「動いちゃだめだよエレン! 質問に答えて! 1から100に換算すると――」
エレン「ばかやろう!」
アルミン「え?」
エレン「そんなのでオレの気持ち測れるわけないだろ! クリスター!」
アルミン「これは……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 06:59:22.52 ID:6MQO8edp0
エレン「クリス――うごっ!」
ミカサ「エレン。落ち着いて」
エレン「離せよミカサ。襟が伸びちゃうだろうが!」バタバタ
クリスタ「だ、大丈夫? 苦しくない?」
エレン「心配してくれるのか? このくらい全然平気だ! そんなことより――」
アルミン「そんなことよりわかったことがある」
ミカサ「エレン。落ち着いて」
エレン「離せよミカサ。襟が伸びちゃうだろうが!」バタバタ
クリスタ「だ、大丈夫? 苦しくない?」
エレン「心配してくれるのか? このくらい全然平気だ! そんなことより――」
アルミン「そんなことよりわかったことがある」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:01:52.98 ID:6MQO8edp0
エレン「なんだよアルミン。今からクリスタに結婚を申し込もうとしてたのに……」
クリスタ「エレン。アルミンはエレンのためにがんばってくれてるんだよ。そんな風に言っちゃだめだよ」
エレン「悪かったなアルミン」
ミカサ「さっさと言ってアルミン」
アルミン「あはは……これまででわかったことは、エレンはどうも視覚でクリスタを認識することで気持ちが高まるらしいということだ。距離は関係ないみたいで、目隠しをつけていたときにクリスタに近づいたり離れたりしてもらったけど、エレンに違いは見られなかった。でもいざ目隠しをとってクリスタを認識したとたんにこれだ。先程の質問の答えにも齟齬がみられ、気持ちを数字に置き換えた場合、目隠し状態では100、そのあとはそれすらできないほどだった。視界での認識による効果はあきらかだ。けれど目隠し状態のときもクリスタのことを想ってないわけじゃない。その時エレンは暴走してないだけでいわゆる――」
エレン「クリスタ、今日も綺麗な髪だな。毎日その髪を抱きしめて眠りたい。結婚してくれ!」
クリスタ「そ、その……」
ミカサ「アルミン、もっと簡潔に言って。エレンは隙あらばプロポーズする」
クリスタ「エレン。アルミンはエレンのためにがんばってくれてるんだよ。そんな風に言っちゃだめだよ」
エレン「悪かったなアルミン」
ミカサ「さっさと言ってアルミン」
アルミン「あはは……これまででわかったことは、エレンはどうも視覚でクリスタを認識することで気持ちが高まるらしいということだ。距離は関係ないみたいで、目隠しをつけていたときにクリスタに近づいたり離れたりしてもらったけど、エレンに違いは見られなかった。でもいざ目隠しをとってクリスタを認識したとたんにこれだ。先程の質問の答えにも齟齬がみられ、気持ちを数字に置き換えた場合、目隠し状態では100、そのあとはそれすらできないほどだった。視界での認識による効果はあきらかだ。けれど目隠し状態のときもクリスタのことを想ってないわけじゃない。その時エレンは暴走してないだけでいわゆる――」
エレン「クリスタ、今日も綺麗な髪だな。毎日その髪を抱きしめて眠りたい。結婚してくれ!」
クリスタ「そ、その……」
ミカサ「アルミン、もっと簡潔に言って。エレンは隙あらばプロポーズする」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:02:45.55 ID:6MQO8edp0
アルミン「ご、ごめん……簡単に言うと、エレンはクリスタが好きで、視界に入るとより好きになるってことだよ」
ミカサ「……それだけ?」
アルミン「そうだね。今わかることはこれだけだ」
ミカサ「それでは意味がない。エレンを元に戻す方法はないの?」
アルミン「根本的な解決はできないだろうけど……とりあえずは目を塞いでみるとかかな。色々試すしかないよ」
ミカサ「なるほど」ファサッ
ミカサ「……それだけ?」
アルミン「そうだね。今わかることはこれだけだ」
ミカサ「それでは意味がない。エレンを元に戻す方法はないの?」
アルミン「根本的な解決はできないだろうけど……とりあえずは目を塞いでみるとかかな。色々試すしかないよ」
ミカサ「なるほど」ファサッ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:03:18.38 ID:6MQO8edp0
エレン「うわ、なんだよこれ! クリスタが見えないだろ!」
ミカサ「私のマフラー。どう、落ち着いた? エレン」
エレン「落ち着かねえよ……」
ミカサ「でもプロポーズはやめた。効果はあるのかも」
エレン「もう外すぞ。あ……」
クリスタ「エレン?」
エレン「結婚しよう!」
ミカサ「私のマフラー。どう、落ち着いた? エレン」
エレン「落ち着かねえよ……」
ミカサ「でもプロポーズはやめた。効果はあるのかも」
エレン「もう外すぞ。あ……」
クリスタ「エレン?」
エレン「結婚しよう!」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:04:23.10 ID:6MQO8edp0
アルミン「多少は効果があったみたいだね……」
ミカサ「エレン。これからは目隠しをして過ごそう」
エレン「一目見たときからオレの人生はお前を中心に――ぐえっ」
ミカサ「話を聞いてエレン」メキメキ
エレン「痛い痛い! 顔を掴むなよ!」
クリスタ「か、かわいそうだよミカサ」
ミカサ「クリスタもいい加減にしてほしい」
クリスタ「え?」
ミカサ「エレン。これからは目隠しをして過ごそう」
エレン「一目見たときからオレの人生はお前を中心に――ぐえっ」
ミカサ「話を聞いてエレン」メキメキ
エレン「痛い痛い! 顔を掴むなよ!」
クリスタ「か、かわいそうだよミカサ」
ミカサ「クリスタもいい加減にしてほしい」
クリスタ「え?」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:05:18.36 ID:6MQO8edp0
ミカサ「何度もエレンに言い寄られて、その度に曖昧な返事をしてる。エレンに何か特別な感情でもあるの?」
エレン「そうなのか!?」
ミカサ「エレン、黙って。どうなの、クリスタ」
クリスタ「い、嫌な気持ちはしてないよ。そんなふうに思ってくれるのは嬉しいし。でも結婚となると……」
ミカサ「ならはっきり断るべき。エレンがふられるのは癪だけど、仕方ない」
アルミン「そうだね。曖昧なままはよくないだろうし……一度はっきり言ったほうがいいかもしれない」
クリスタ「じゃあ…………ごめんなさい、エレン」
エレン「何度断られたってオレの愛は変わらないぞ!」
エレン「そうなのか!?」
ミカサ「エレン、黙って。どうなの、クリスタ」
クリスタ「い、嫌な気持ちはしてないよ。そんなふうに思ってくれるのは嬉しいし。でも結婚となると……」
ミカサ「ならはっきり断るべき。エレンがふられるのは癪だけど、仕方ない」
アルミン「そうだね。曖昧なままはよくないだろうし……一度はっきり言ったほうがいいかもしれない」
クリスタ「じゃあ…………ごめんなさい、エレン」
エレン「何度断られたってオレの愛は変わらないぞ!」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:06:07.41 ID:6MQO8edp0
ミカサ「弱い! もっと全力で拒否してクリスタ! エレンを凹ませるくらいに! そこを私が慰める!」
クリスタ「ええっ、どうすればいいの……?」
ミカサ「嫌いって言えばいいだけ」
クリスタ「私、嫌いとまでは……」
ミカサ「はやく!」
クリスタ「き、嫌い……」
ミカサ「もっと!」
クリスタ「嫌いっ」
ミカサ「もっと強く!」
クリスタ「嫌い!」
ミカサ「あと一息!」
クリスタ「大嫌い!」
ミカサ「すばらしい。クリスタ、あなたはよくやった」
アルミン(なんだこれ……)
クリスタ「ええっ、どうすればいいの……?」
ミカサ「嫌いって言えばいいだけ」
クリスタ「私、嫌いとまでは……」
ミカサ「はやく!」
クリスタ「き、嫌い……」
ミカサ「もっと!」
クリスタ「嫌いっ」
ミカサ「もっと強く!」
クリスタ「嫌い!」
ミカサ「あと一息!」
クリスタ「大嫌い!」
ミカサ「すばらしい。クリスタ、あなたはよくやった」
アルミン(なんだこれ……)
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:07:17.48 ID:6MQO8edp0
ミカサ「エレン、これに懲りたら…………エレン?」
クリスタ「あれ、エレン……なんか雰囲気変わった?」
エレン「ん? あれ、確かに、なんか冷静かもな」
ミカサ「……! やった! エレンが元に戻った!」
アルミン「ほ、本当に? エレン、クリスタのこと1から100に換算するとどのくらい好き?」
エレン「は? 何言ってんだよアルミン」
ミカサ「エレン……!」
エレン「100に決まってるだろ」
ミカサ「」
クリスタ「あれ、エレン……なんか雰囲気変わった?」
エレン「ん? あれ、確かに、なんか冷静かもな」
ミカサ「……! やった! エレンが元に戻った!」
アルミン「ほ、本当に? エレン、クリスタのこと1から100に換算するとどのくらい好き?」
エレン「は? 何言ってんだよアルミン」
ミカサ「エレン……!」
エレン「100に決まってるだろ」
ミカサ「」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:08:33.28 ID:6MQO8edp0
アルミン「戻ったというより、目隠しした時と同じ状態になったのかな……でもいったいどういう条件で……」ブツブツ
クリスタ「へえー、それがいつものエレンなの?」
エレン「おかしいか? お前が好きなことは変わりないんだけどな」
クリスタ「ありがと。でもおかしくなんかないよ。なんか新鮮だなって思っただけ。私はもっとこう……情熱的なエレンしか見たことなかったから」
エレン「確かにクリスタに会うときはいつも舞い上がってたもんな……嫌だったか?」
クリスタ「全然。でも、エレンとこうやって普通におしゃべりできるのは楽しいな」ニコッ
エレン「かわいい!!」
クリスタ「きゃあっ!」
ミカサ「」
アルミン「ああ、もう!」
クリスタ「へえー、それがいつものエレンなの?」
エレン「おかしいか? お前が好きなことは変わりないんだけどな」
クリスタ「ありがと。でもおかしくなんかないよ。なんか新鮮だなって思っただけ。私はもっとこう……情熱的なエレンしか見たことなかったから」
エレン「確かにクリスタに会うときはいつも舞い上がってたもんな……嫌だったか?」
クリスタ「全然。でも、エレンとこうやって普通におしゃべりできるのは楽しいな」ニコッ
エレン「かわいい!!」
クリスタ「きゃあっ!」
ミカサ「」
アルミン「ああ、もう!」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:09:53.18 ID:6MQO8edp0
食堂
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「またかよ」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「なんでだよ。もうむやみやたらにプロポーズしてないだろ」
ミカサ「前ほどじゃないけどたまにしてる」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「またかよ」
ミカサ「エレンはおかしい」
エレン「なんでだよ。もうむやみやたらにプロポーズしてないだろ」
ミカサ「前ほどじゃないけどたまにしてる」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:10:45.33 ID:6MQO8edp0
エレン「それは……あ、クリスタ! 結婚――」
クリスタ「嫌!」
エレン「…………おはようクリスタ。今日もかわいいな」
クリスタ「おはようエレン。ありがとうね」
ユミル「おいクリスタ。そんな頭ピンク色の失恋野郎に挨拶しなくていいだろ。行くぞ」
クリスタ「もう、ユミルったら……」
クリスタ「嫌!」
エレン「…………おはようクリスタ。今日もかわいいな」
クリスタ「おはようエレン。ありがとうね」
ユミル「おいクリスタ。そんな頭ピンク色の失恋野郎に挨拶しなくていいだろ。行くぞ」
クリスタ「もう、ユミルったら……」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:12:19.26 ID:6MQO8edp0
エレン「ほら、今もプロポーズしてなかっただろ」
ミカサ「ほとんどしてたし納得いかない」
アルミン「拒否されることで冷静になれることはわかったし、それにクリスタが協力してくれてるけど……」
ジャン「お、プロポーズ……じゃなかった、失恋野郎。今日も元気にふられてるみたいだな」
エレン「なんだよジャン……言いたいことがあるなら普通に言え」
ジャン「別にねえよ。哀れに思ったから声をかけてやっただけだ」ヒラヒラ
ミーナ「エレンおはよう」
エレン「おはようミーナ」
ミーナ「エレン、さっきのはだめだよ。もっとバリエーション増やさなきゃ! ますます失恋野郎になっちゃうよ。女の子は繊細なんだから!」
エレン「そ、そうなのか? 気をつけるよ」
ミカサ「ほとんどしてたし納得いかない」
アルミン「拒否されることで冷静になれることはわかったし、それにクリスタが協力してくれてるけど……」
ジャン「お、プロポーズ……じゃなかった、失恋野郎。今日も元気にふられてるみたいだな」
エレン「なんだよジャン……言いたいことがあるなら普通に言え」
ジャン「別にねえよ。哀れに思ったから声をかけてやっただけだ」ヒラヒラ
ミーナ「エレンおはよう」
エレン「おはようミーナ」
ミーナ「エレン、さっきのはだめだよ。もっとバリエーション増やさなきゃ! ますます失恋野郎になっちゃうよ。女の子は繊細なんだから!」
エレン「そ、そうなのか? 気をつけるよ」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:13:09.21 ID:6MQO8edp0
アルミン「エレン……あだ名がすっかり失恋野郎になっちゃったね……」
ミカサ「しかもみんなに浸透してる。私はどんな顔すればいいのかわからない」
エレン「別にいいだろあだ名くらい。他に何か不都合があるってわけでもないし」
アルミン「……」
ミカサ「私にとっては不都合しかない……」
エレン「とにかく、オレたちの今日やるべきことは訓練だ。絶対巨人を駆逐してやる!」
アルミン「根はエレンなんだけどなあ……」
ミカサ「しかもみんなに浸透してる。私はどんな顔すればいいのかわからない」
エレン「別にいいだろあだ名くらい。他に何か不都合があるってわけでもないし」
アルミン「……」
ミカサ「私にとっては不都合しかない……」
エレン「とにかく、オレたちの今日やるべきことは訓練だ。絶対巨人を駆逐してやる!」
アルミン「根はエレンなんだけどなあ……」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:14:19.74 ID:6MQO8edp0
2年後
アルミン「エレン。どこに行くの」
エレン「ああ、水汲みだ」
アルミン「あれ? 今日ってエレンが当番だっけ?」
エレン「違うけどな。ユミル頼まれたんだ」
アルミン「ユミルに?」
エレン「なんでもクリスタが疲れてるみたいだから、代わりにやっといてくれだってよ」
アルミン「……エレンそれ、騙されてない?」
エレン「まあ、ユミルのことだしありえるかもな」
アルミン「それなら……」
エレン「でももし本当だったらやらないわけにはいかないだろう」
アルミン「僕も手伝おうか?」
エレン「いや、大丈夫だ。オレがやりたくてやってるだけだからな。それに水汲みくらいひとりでできるさ」
アルミン「エレン。どこに行くの」
エレン「ああ、水汲みだ」
アルミン「あれ? 今日ってエレンが当番だっけ?」
エレン「違うけどな。ユミル頼まれたんだ」
アルミン「ユミルに?」
エレン「なんでもクリスタが疲れてるみたいだから、代わりにやっといてくれだってよ」
アルミン「……エレンそれ、騙されてない?」
エレン「まあ、ユミルのことだしありえるかもな」
アルミン「それなら……」
エレン「でももし本当だったらやらないわけにはいかないだろう」
アルミン「僕も手伝おうか?」
エレン「いや、大丈夫だ。オレがやりたくてやってるだけだからな。それに水汲みくらいひとりでできるさ」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:15:29.69 ID:6MQO8edp0
エレン「さてと、いっちょやるか……ってそこにいる人類一かわいい女の子は!」
クリスタ「嫌い!」
エレン「……クリスタ。どうしたんだ。疲れてるんだろ?」
クリスタ「それはユミルの嘘なの。水汲みに行こうとしたらユミルがエレンに押しつけたって……びっくりしちゃった。ごめんねエレン、自分でやるから」
エレン「いや、水汲みくらいオレがやるよ」
クリスタ「でも……」
エレン「カッコつけさせてくれよ」
クリスタ「……! それじゃあお願いしちゃおうかな……」
クリスタ「嫌い!」
エレン「……クリスタ。どうしたんだ。疲れてるんだろ?」
クリスタ「それはユミルの嘘なの。水汲みに行こうとしたらユミルがエレンに押しつけたって……びっくりしちゃった。ごめんねエレン、自分でやるから」
エレン「いや、水汲みくらいオレがやるよ」
クリスタ「でも……」
エレン「カッコつけさせてくれよ」
クリスタ「……! それじゃあお願いしちゃおうかな……」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:16:18.47 ID:6MQO8edp0
ザブザブ
クリスタ「……」ジー
エレン「よいしょっと……」
クリスタ「……」ジー
エレン「な、なあクリスタ」
クリスタ「なあに、エレン」
エレン「そんなに見られると照れるんだが。オレになんかついてるか?」
クリスタ「……」ジー
エレン「よいしょっと……」
クリスタ「……」ジー
エレン「な、なあクリスタ」
クリスタ「なあに、エレン」
エレン「そんなに見られると照れるんだが。オレになんかついてるか?」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:17:31.02 ID:6MQO8edp0
クリスタ「ううん。ただ……」
エレン「ただ? なんだ?」
クリスタ「男の子をこき使ってる私って、悪い子だなあって……」
エレン「クリスタが悪女でも一向にかわまないぞ」
クリスタ「私はいやだよ……」
エレン「クリスタがいやならしかたないな」
クリスタ「うん……て、そうじゃなくて。私、エレンにすっかり慣れちゃって甘えちゃってるなって」
エレン「そうか?」
エレン「ただ? なんだ?」
クリスタ「男の子をこき使ってる私って、悪い子だなあって……」
エレン「クリスタが悪女でも一向にかわまないぞ」
クリスタ「私はいやだよ……」
エレン「クリスタがいやならしかたないな」
クリスタ「うん……て、そうじゃなくて。私、エレンにすっかり慣れちゃって甘えちゃってるなって」
エレン「そうか?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:19:08.30 ID:6MQO8edp0
クリスタ「それに最初の頃と違って、エレンに嫌いって言うのも何も思わなくなっちゃった……ごめんねエレン。本当に嫌いなわけじゃないんだよ」
エレン「わかってるよ。それに、この二年間で毎日言ってたら慣れてきて当然だろ。そもそもこっちから頼んで言ってもらうことになったんだからな。クリスタが気にすることないだろ」
クリスタ「でも…………でもそっか、もう二年経ったんだね」
エレン「はやいもんだよな」
クリスタ「うん。でも全然変わった気がしない……」
エレン「わかってるよ。それに、この二年間で毎日言ってたら慣れてきて当然だろ。そもそもこっちから頼んで言ってもらうことになったんだからな。クリスタが気にすることないだろ」
クリスタ「でも…………でもそっか、もう二年経ったんだね」
エレン「はやいもんだよな」
クリスタ「うん。でも全然変わった気がしない……」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:20:19.00 ID:6MQO8edp0
エレン「毎日訓練してるんだ。絶対成長してる。今日もミカサと組んでたんだろ?」
クリスタ「うん。教えてもらってばかりだけどね……今日はマウントポジションのとりかたを練習したの。私みたいに力が弱いと、まず自分に有利なようにしなきゃ勝てないから」
エレン「ミカサにマウントとれたのか?」
クリスタ「一応はとれたんだけど……そのまま持ち上げられちゃった……」
エレン「あー……あいつは例外だって考えてたほうがいいぞ」
クリスタ「うん。ミカサすごいもんね……」
エレン「でもこの調子なら上位10人に入れるんじゃないか。憲兵団に行けるかもな」
クリスタ「……」
クリスタ「うん。教えてもらってばかりだけどね……今日はマウントポジションのとりかたを練習したの。私みたいに力が弱いと、まず自分に有利なようにしなきゃ勝てないから」
エレン「ミカサにマウントとれたのか?」
クリスタ「一応はとれたんだけど……そのまま持ち上げられちゃった……」
エレン「あー……あいつは例外だって考えてたほうがいいぞ」
クリスタ「うん。ミカサすごいもんね……」
エレン「でもこの調子なら上位10人に入れるんじゃないか。憲兵団に行けるかもな」
クリスタ「……」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:21:27.34 ID:6MQO8edp0
エレン「まだ、どこの兵団にするか決めてないのか?」
クリスタ「うん……私はみんなの役に立てるならどこでもいいの…………エレンは調査兵団でしょ?」
エレン「ああ」
クリスタ「すごいねエレンは。みんなよりも何倍も努力して、調査兵団を目指してる」
エレン「……なあ、クリスタはどう思う?」
クリスタ「何が?」
エレン「巨人殺しの技術を高めたやつが巨人から離れられるこの現状がだ」
クリスタ「うん……私はみんなの役に立てるならどこでもいいの…………エレンは調査兵団でしょ?」
エレン「ああ」
クリスタ「すごいねエレンは。みんなよりも何倍も努力して、調査兵団を目指してる」
エレン「……なあ、クリスタはどう思う?」
クリスタ「何が?」
エレン「巨人殺しの技術を高めたやつが巨人から離れられるこの現状がだ」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:22:33.04 ID:6MQO8edp0
クリスタ「……エレンはおかしいって思うの?」
エレン「……」
クリスタ「エレンは強いね……」
エレン「……」
クリスタ「私は……」
エレン「……」
クリスタ「私はただ……優しい人が憲兵になってくれたらいいな……」
エレン「……」
クリスタ「って思う……だけ……」
エレン「……」
クリスタ「……」
エレン「……」
クリスタ「エレンは強いね……」
エレン「……」
クリスタ「私は……」
エレン「……」
クリスタ「私はただ……優しい人が憲兵になってくれたらいいな……」
エレン「……」
クリスタ「って思う……だけ……」
エレン「……」
クリスタ「……」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:23:12.97 ID:6MQO8edp0
エレン「それだと性格の良さって科目も必要だろうから、ジャンは落第だな」ニヤッ
クリスタ「! ふふふっ」
エレン「お、笑った! 笑顔がかわいい! 結婚しよう!」
クリスタ「嫌い!」
エレン「……おっと……悪いな」
クリスタ「笑ってる顔なんて何度も見てるでしょ?」
エレン「いつもとは違ってた。どっちもかわいいけどな」
クリスタ「もう……」
クリスタ「! ふふふっ」
エレン「お、笑った! 笑顔がかわいい! 結婚しよう!」
クリスタ「嫌い!」
エレン「……おっと……悪いな」
クリスタ「笑ってる顔なんて何度も見てるでしょ?」
エレン「いつもとは違ってた。どっちもかわいいけどな」
クリスタ「もう……」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:24:10.98 ID:6MQO8edp0
エレン「しかしそうなると、一番憲兵に向いてるのは……マルコとかか?」
クリスタ「マルコはいい憲兵になりそうだね」
エレン「ああ。あいつは最初から憲兵志望だったからな。他にはライナーとか、もちろんクリスタも」
クリスタ「私は……エレンはどうなの?」
エレン「オレが? 向いてると思うか?」
クリスタ「今もこうやって水汲みしてくれるし、エレンは頼りになると思うな」
クリスタ「マルコはいい憲兵になりそうだね」
エレン「ああ。あいつは最初から憲兵志望だったからな。他にはライナーとか、もちろんクリスタも」
クリスタ「私は……エレンはどうなの?」
エレン「オレが? 向いてると思うか?」
クリスタ「今もこうやって水汲みしてくれるし、エレンは頼りになると思うな」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:26:13.26 ID:6MQO8edp0
エレン「オレは……たぶん向いてない。ていうより兵士にすらなってないただのガキだ」
クリスタ「え……どういうこと?」
エレン「最近いろいろ考えることがあってな…………オレは、ずっと感情任せに生きてきた。しかも最近まで自分が感情を発散させてるだけのガキだってことにすら気づいてなかった。でもそれじゃあ兵士は務まらない。感情よりも優先しなくちゃいけないことがあることに気づいたんだ。でも……」
クリスタ「……」
エレン「オレは……ちょっと自信がない。今までは巨人を駆逐することがそのまま兵士につながってた。でもそれが矛盾することもある。その時に、オレは兵士としての務めをはたせるのか、ちゃんと自分を捨てられるのか、自信がないんだ」
クリスタ「エレン……」
クリスタ「え……どういうこと?」
エレン「最近いろいろ考えることがあってな…………オレは、ずっと感情任せに生きてきた。しかも最近まで自分が感情を発散させてるだけのガキだってことにすら気づいてなかった。でもそれじゃあ兵士は務まらない。感情よりも優先しなくちゃいけないことがあることに気づいたんだ。でも……」
クリスタ「……」
エレン「オレは……ちょっと自信がない。今までは巨人を駆逐することがそのまま兵士につながってた。でもそれが矛盾することもある。その時に、オレは兵士としての務めをはたせるのか、ちゃんと自分を捨てられるのか、自信がないんだ」
クリスタ「エレン……」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:28:19.06 ID:6MQO8edp0
エレン「いや忘れてくれ。かっこ悪いとこ見せちゃったな」
クリスタ「自分を捨てる必要なんてないよ……」
エレン「え?」
クリスタ「自分を捨てちゃったら、それはもうエレンじゃないでしょ? 自分がない人は……寂しい人、からっぽな人……そんなのエレンじゃない」
エレン「けど……」
クリスタ「もちろん兵士としての務めも大事。つまりどっちも大事だと思うの。両立できるようにがんばるしかないよ」
エレン「どうしても両立できなかった場合はどうするんだ……?」
クリスタ「自分を捨てる必要なんてないよ……」
エレン「え?」
クリスタ「自分を捨てちゃったら、それはもうエレンじゃないでしょ? 自分がない人は……寂しい人、からっぽな人……そんなのエレンじゃない」
エレン「けど……」
クリスタ「もちろん兵士としての務めも大事。つまりどっちも大事だと思うの。両立できるようにがんばるしかないよ」
エレン「どうしても両立できなかった場合はどうするんだ……?」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:29:19.47 ID:6MQO8edp0
クリスタ「…………第三の道を見つけるとか」
エレン「それらしいこと言ったな」
クリスタ「と、とにかく。今まで感情まかせだったんでしょ? だったらこれから兵士として足りないところを身につけていくしかないよ! 私たちは訓練兵なんだから」
エレン「…………そうか、そうだな」
クリスタ「それに、そんな風に気づいたエレンはえらいと思う。私、兵士の務めなんて考えもしなかった……」
エレン「そうなのか? それじゃあ今日からいっしょに考えていこうぜ。オレたちは訓練兵だからな」
クリスタ「うん……ふふっ」
エレン「はははっ」
エレン「それらしいこと言ったな」
クリスタ「と、とにかく。今まで感情まかせだったんでしょ? だったらこれから兵士として足りないところを身につけていくしかないよ! 私たちは訓練兵なんだから」
エレン「…………そうか、そうだな」
クリスタ「それに、そんな風に気づいたエレンはえらいと思う。私、兵士の務めなんて考えもしなかった……」
エレン「そうなのか? それじゃあ今日からいっしょに考えていこうぜ。オレたちは訓練兵だからな」
クリスタ「うん……ふふっ」
エレン「はははっ」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:30:23.62 ID:6MQO8edp0
――
お姉ちゃん
どうしたの?
お姉ちゃんって背が高いね
あなたに比べればねえ
遠くまで見える?
見てみようよ。ほら!
わっ、高ーい!
――
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:32:35.94 ID:6MQO8edp0
トロスト区住民避難中
コニー「おいアルミン、アルミン!」
アルミン「コニー……?」
コニー「どうしたんだよお前。変にぬるぬるするし……」
アルミン(! 僕は……そうだ僕は、班のみんながただ巨人に食べられるのを見るしかできなかった……その上、エレンは僕の身代わりに……!)
クリスタ「アルミン、大丈夫? 他のみんなは?」
アルミン「!」
アルミン(クリスタもいるのか……! だめだ合わせる顔がない……)
コニー「おいアルミン、アルミン!」
アルミン「コニー……?」
コニー「どうしたんだよお前。変にぬるぬるするし……」
アルミン(! 僕は……そうだ僕は、班のみんながただ巨人に食べられるのを見るしかできなかった……その上、エレンは僕の身代わりに……!)
クリスタ「アルミン、大丈夫? 他のみんなは?」
アルミン「!」
アルミン(クリスタもいるのか……! だめだ合わせる顔がない……)
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:34:09.95 ID:6MQO8edp0
アルミン「うぅ……!」
アルミン(エレンは僕みたいな役立たずを助けて死んだ。なんで僕なんだ……! そんな価値ないのに……せめてクリスタを助けていたら……足でまといに殺されるよりずっと……!)
コニー「おい、アルミン!」
ユミル「もういいだろコニー。こいつ以外は全滅したんだよ」
クリスタ「え……」
コニー「うるせえクソ女! アルミンは何も言ってねえだろ!」
ユミル「うるせえバカ。周りの状況見りゃわかんだろ」
アルミン「……」
アルミン(エレンは僕みたいな役立たずを助けて死んだ。なんで僕なんだ……! そんな価値ないのに……せめてクリスタを助けていたら……足でまといに殺されるよりずっと……!)
コニー「おい、アルミン!」
ユミル「もういいだろコニー。こいつ以外は全滅したんだよ」
クリスタ「え……」
コニー「うるせえクソ女! アルミンは何も言ってねえだろ!」
ユミル「うるせえバカ。周りの状況見りゃわかんだろ」
アルミン「……」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:35:13.37 ID:6MQO8edp0
ユミル「しかしまあ……エレン達が死んで、劣等生のこいつだけ生き残るとは……」
コニー「っ! このクソ女!」
クリスタ「……」
ユミル「なんだチビ。やんのか?」
アルミン「やめてくれ二人とも……今は、人同士で争ってる場合じゃない」
コニー「……すまねえアルミン。ほら、立てるか」
アルミン「! ……ごめん迷惑かけた。僕は後衛と合流するよ」バッ
コニー「お、おい!」
ユミル「さて、あたしらは前に行かなきゃな……クリスタ」
クリスタ「うん……」
コニー「っ! このクソ女!」
クリスタ「……」
ユミル「なんだチビ。やんのか?」
アルミン「やめてくれ二人とも……今は、人同士で争ってる場合じゃない」
コニー「……すまねえアルミン。ほら、立てるか」
アルミン「! ……ごめん迷惑かけた。僕は後衛と合流するよ」バッ
コニー「お、おい!」
ユミル「さて、あたしらは前に行かなきゃな……クリスタ」
クリスタ「うん……」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:36:31.02 ID:6MQO8edp0
――
―
カンカンカンカン
ユミル「よし、撤退の合図だ。なんとかガスも補給できたし、さっさとこんなとこから離れるぞ」
クリスタ「……」ボー
ユミル「クリスタ」
クリスタ「あ……」
ユミル「…………はぁ。どうしたんだクリスタ。行くぞ」
―
カンカンカンカン
ユミル「よし、撤退の合図だ。なんとかガスも補給できたし、さっさとこんなとこから離れるぞ」
クリスタ「……」ボー
ユミル「クリスタ」
クリスタ「あ……」
ユミル「…………はぁ。どうしたんだクリスタ。行くぞ」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:37:56.93 ID:6MQO8edp0
クリスタ「ねえユミル。このまま行っちゃっていいのかな……」
ユミル「何言って……」
クリスタ「こんな大変な状況で撤退してもいいのかな……危ない目にあってる人がいるかもしれない」
ユミル「鐘の音が聞こえなかったのか? 住民も避難したし、みんな全力で逃げてるだろ」
クリスタ「逃げ遅れた人がいたら?」
ユミル「それはそいつが悪い。それに、そんなもしもの話でここに残るつもりか?」
クリスタ「でもそんな人を助けるのが兵士としての……」
ユミル「撤退ってのは命令だぞ。命令に背くことが兵士だって教わったか?」
ユミル「何言って……」
クリスタ「こんな大変な状況で撤退してもいいのかな……危ない目にあってる人がいるかもしれない」
ユミル「鐘の音が聞こえなかったのか? 住民も避難したし、みんな全力で逃げてるだろ」
クリスタ「逃げ遅れた人がいたら?」
ユミル「それはそいつが悪い。それに、そんなもしもの話でここに残るつもりか?」
クリスタ「でもそんな人を助けるのが兵士としての……」
ユミル「撤退ってのは命令だぞ。命令に背くことが兵士だって教わったか?」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:38:49.40 ID:6MQO8edp0
クリスタ「……」
ユミル「ここで食われりゃそこらに転がってる一兵士の仲間入りをするだけだ。誰もお前だってわからないだろうな」
クリスタ「そんなんじゃないよ……ほら、アルミンだって様子がおかしかったし心配でしょ?」
ユミル「あいつはあいつでちゃんとやってるよ」
クリスタ「でも……」
ユミル「なんでそこまでここに残りたいんだよ」
ユミル「ここで食われりゃそこらに転がってる一兵士の仲間入りをするだけだ。誰もお前だってわからないだろうな」
クリスタ「そんなんじゃないよ……ほら、アルミンだって様子がおかしかったし心配でしょ?」
ユミル「あいつはあいつでちゃんとやってるよ」
クリスタ「でも……」
ユミル「なんでそこまでここに残りたいんだよ」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:39:38.28 ID:6MQO8edp0
クリスタ「……」
ユミル「はあ……クリスタ、エレンは死んだんだ。死体を探して巨人の腹を捌きまわりたいってか」
クリスタ「違うよ……」
ユミル「それともどっかで生きてるとでも? お前、なんだかんだ言ってあいつのことが……」
クリスタ「違うよ!」
ユミル「……」
クリスタ「違う……」
ユミル「そうだな……じゃあさっさと壁のぼるぞ」
クリスタ「……」
ユミル「はあ……クリスタ、エレンは死んだんだ。死体を探して巨人の腹を捌きまわりたいってか」
クリスタ「違うよ……」
ユミル「それともどっかで生きてるとでも? お前、なんだかんだ言ってあいつのことが……」
クリスタ「違うよ!」
ユミル「……」
クリスタ「違う……」
ユミル「そうだな……じゃあさっさと壁のぼるぞ」
クリスタ「……」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:41:00.32 ID:6MQO8edp0
――
―
――トロスト区奪還作戦だと!?
――くそっ上は何を考えてんだ……!
――死にたくない……死にたく……
――おい貴様、規律を何だと……
ザワザワ
ユミル「これは荒れるかもな……」
―
――トロスト区奪還作戦だと!?
――くそっ上は何を考えてんだ……!
――死にたくない……死にたく……
――おい貴様、規律を何だと……
ザワザワ
ユミル「これは荒れるかもな……」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:42:04.12 ID:6MQO8edp0
クリスタ「荒れるって……?」
ユミル「ほら見ろ、あっちのほうで反乱がおきそうになってる」
クリスタ「そんな……! こんなときこそ力を合わせなきゃなのに!」
ユミル「あの状態のトロスト区にまた行くってなってんだ……ここにいるのは駐屯兵と訓練兵、巨人と真っ向から戦おうってやつが何人いるか知らないが、わざわざ死にたいやつはいない……こうなってもおかしくねえだろ……」
クリスタ「そっか……そうだよね……」
ユミル「ほら見ろ、あっちのほうで反乱がおきそうになってる」
クリスタ「そんな……! こんなときこそ力を合わせなきゃなのに!」
ユミル「あの状態のトロスト区にまた行くってなってんだ……ここにいるのは駐屯兵と訓練兵、巨人と真っ向から戦おうってやつが何人いるか知らないが、わざわざ死にたいやつはいない……こうなってもおかしくねえだろ……」
クリスタ「そっか……そうだよね……」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:42:53.93 ID:6MQO8edp0
ユミル「そろそろ説明が入るだろうし、それ次第では――」
ピクシス『注もおおおおおおおおく!』
シーン
ピクシス『これよりトロスト区奪還作戦について説明する! この作戦の成功目標は破壊された扉の穴を塞ぐことである!』
――穴を塞ぐだって!?
――どうやって……!
ザワザワ
ピクシス『注もおおおおおおおおく!』
シーン
ピクシス『これよりトロスト区奪還作戦について説明する! この作戦の成功目標は破壊された扉の穴を塞ぐことである!』
――穴を塞ぐだって!?
――どうやって……!
ザワザワ
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:44:02.13 ID:6MQO8edp0
ピクシス『まず彼から紹介しよう! 訓練兵所属、エレン・イェーガーじゃ!』
コニー「え!? エ、エレン!?」
クリスタ「っ……」ヘナヘナ
ユミル「あいつ……死んだはずじゃ……」
ピクシス『彼は我々が極秘に研究してきた巨人化生体実験の成功者である! 彼は巨人の体を精製し、意のままに操ることが可能である!』
ユミル「…………」
クリスタ「エ、エレン……エレンだ。生きてる! よかった……よかったよぉ……」グスッ
コニー「いや、もう、正直全然意味わかんねえけど、とにかくよかったなクリスタ!」
クリスタ「うん! エレーン!」フリフリ
コニー「お、おい。嬉しいからってやりすぎ――」
コニー「え!? エ、エレン!?」
クリスタ「っ……」ヘナヘナ
ユミル「あいつ……死んだはずじゃ……」
ピクシス『彼は我々が極秘に研究してきた巨人化生体実験の成功者である! 彼は巨人の体を精製し、意のままに操ることが可能である!』
ユミル「…………」
クリスタ「エ、エレン……エレンだ。生きてる! よかった……よかったよぉ……」グスッ
コニー「いや、もう、正直全然意味わかんねえけど、とにかくよかったなクリスタ!」
クリスタ「うん! エレーン!」フリフリ
コニー「お、おい。嬉しいからってやりすぎ――」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:45:00.24 ID:6MQO8edp0
壁の上
ピクシス「――!」
エレン(みんな動揺してるな……)
エレン(当然か。トロスト区奪還、しかも作戦の内容がこれだ)
エレン(みんなも危険に目にあう。失敗は許されない……オレは……)
エレン(ん……? あそこで手を振ってるのは……クリスタ!?)
ピクシス「――!」
エレン「かわいーーーーい!」
ピクシス「――!」
エレン(みんな動揺してるな……)
エレン(当然か。トロスト区奪還、しかも作戦の内容がこれだ)
エレン(みんなも危険に目にあう。失敗は許されない……オレは……)
エレン(ん……? あそこで手を振ってるのは……クリスタ!?)
ピクシス「――!」
エレン「かわいーーーーい!」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:45:42.11 ID:6MQO8edp0
カワイーーーーイ!
――なんだ今の……
――あの訓練兵が言ったみたいだな
――エレンだ……
――ああ、俺たちのよく知るエレンで間違いねえ……
クリスタ「うっ……」
――なんだ今の……
――あの訓練兵が言ったみたいだな
――エレンだ……
――ああ、俺たちのよく知るエレンで間違いねえ……
クリスタ「うっ……」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:46:17.47 ID:6MQO8edp0
クリスターケッコンシヨー!
――なんなんだいったい?
――おいおい、いくら死地が近いからってこのタイミングでプロポーズかよ……
――クリスタって誰だ? 作戦と関係あるのか?
――さあ……
ユミル「うわあ……」
クリスタ「あうううぅぅ……」
――なんなんだいったい?
――おいおい、いくら死地が近いからってこのタイミングでプロポーズかよ……
――クリスタって誰だ? 作戦と関係あるのか?
――さあ……
ユミル「うわあ……」
クリスタ「あうううぅぅ……」
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:48:19.69 ID:6MQO8edp0
――
―
エレンのリヴァイ班編入後 兵団選択の翌日
エレン「……あいつら」
エレン(昨日は誰が入ったのかまで見れなかったけど、本当に調査兵団に……)
エレン「オルオさん。同期と話してきてもいいですか」
オルオ「チッ、仕方ねえな。はやくしろよ」
―
エレンのリヴァイ班編入後 兵団選択の翌日
エレン「……あいつら」
エレン(昨日は誰が入ったのかまで見れなかったけど、本当に調査兵団に……)
エレン「オルオさん。同期と話してきてもいいですか」
オルオ「チッ、仕方ねえな。はやくしろよ」
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:49:37.52 ID:6MQO8edp0
エレン「おい! みんな!」
アルミン「エレン!」
ミカサ「エレン! 大丈夫なの? 何かひどいことされてない?」
エレン「されてるわけないだろ……でもしばらくぶりに会った気がするな。昨日は近くにいたけど顔も見れなかったし」
アルミン「え、そうなの?」
エレン「会いたかったんだけどな。でもここは彼らにとって真剣な選択の場だからって団長に言われて……」
アルミン「エレン!」
ミカサ「エレン! 大丈夫なの? 何かひどいことされてない?」
エレン「されてるわけないだろ……でもしばらくぶりに会った気がするな。昨日は近くにいたけど顔も見れなかったし」
アルミン「え、そうなの?」
エレン「会いたかったんだけどな。でもここは彼らにとって真剣な選択の場だからって団長に言われて……」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:50:52.57 ID:6MQO8edp0
ライナー「そりゃいい判断だな」
エレン「ライナー!」
ライナー「ピクシス司令みたいにフォローするのは簡単じゃないだろうからな。オレたちの団長はちゃんと正しい選択ができるらしい」
サシャ「ですね」
コニー「おう」
ベルトルト「うん」
エレン「お前らも……調査兵団に入ったのか。てことは憲兵団に行ったのはアニ、ジャン、マルコ、それに……クリスタか?」
エレン「ライナー!」
ライナー「ピクシス司令みたいにフォローするのは簡単じゃないだろうからな。オレたちの団長はちゃんと正しい選択ができるらしい」
サシャ「ですね」
コニー「おう」
ベルトルト「うん」
エレン「お前らも……調査兵団に入ったのか。てことは憲兵団に行ったのはアニ、ジャン、マルコ、それに……クリスタか?」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:52:56.28 ID:6MQO8edp0
ジャン「マルコは死んだ」
エレン「ジャン! なんでここに……――って、え? 今、死んだって言ったか……? マルコが……?」
ジャン「ああ、お前のクソみたいな演説のときにはまだ生きてたから、そのあとでだ。立体機動装置もつけてなかった。あいつは人知れず死んだ」
エレン「そんな……」
ジャン「エレン、お前、作戦中にミカサを殺そうとしたらしいな」
エレン「……」
ミカサ「エレンは」
ジャン「お前に聞いてねえよ」
ミカサ「……」
エレン「ジャン! なんでここに……――って、え? 今、死んだって言ったか……? マルコが……?」
ジャン「ああ、お前のクソみたいな演説のときにはまだ生きてたから、そのあとでだ。立体機動装置もつけてなかった。あいつは人知れず死んだ」
エレン「そんな……」
ジャン「エレン、お前、作戦中にミカサを殺そうとしたらしいな」
エレン「……」
ミカサ「エレンは」
ジャン「お前に聞いてねえよ」
ミカサ「……」
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:54:37.98 ID:6MQO8edp0
エレン「ああ、そうらしい……」
ジャン「お前は……巨人の力を完全に把握もしてないし、むろん掌握なんてしてない。そうだな?」
エレン「ああ……」
ジャン「みんな聞いたか? これが現状だ。オレたちはこれのために、マルコみたいにこいつに知られることなく死んでいくんだろうな」
エレン「……」
ジャン「エレン、誰もがみんなお前のために無償で死ねるわけじゃねえ。自分の命に見合うだけの見返りを求めてる。だから、ほんとに、頼むぞ……!」
エレン「ああ…………あ?」チラッ
ジャン「お前は……巨人の力を完全に把握もしてないし、むろん掌握なんてしてない。そうだな?」
エレン「ああ……」
ジャン「みんな聞いたか? これが現状だ。オレたちはこれのために、マルコみたいにこいつに知られることなく死んでいくんだろうな」
エレン「……」
ジャン「エレン、誰もがみんなお前のために無償で死ねるわけじゃねえ。自分の命に見合うだけの見返りを求めてる。だから、ほんとに、頼むぞ……!」
エレン「ああ…………あ?」チラッ
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:55:11.22 ID:6MQO8edp0
エレン「クリスタ!」
ジャン「おーい……」
アルミン「エレン……」
ライナー「あちゃあ、見つかったか……」
クリスタ「……」
ジャン「おーい……」
アルミン「エレン……」
ライナー「あちゃあ、見つかったか……」
クリスタ「……」
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:56:11.61 ID:6MQO8edp0
エレン「クリスタも調査兵団に入ったのか!? つまりオレといっしょに――」
クリスタ「嫌い!」
エレン「――すまん」
クリスタ「エレン。私、怒ってるんだよ。今だって真面目な話をしてたのに……」
エレン「悪い……」
クリスタ「ピクシス司令のときだってそう。みんなが真剣に聞いてたのに……私あんなに恥ずかしいと思ったことないよ……」
エレン「どうにも抑えられなくてな……」
クリスタ「エレン……ジャンが言ってたみたいに、みんなエレンに見返りを求めてるの」
クリスタ「嫌い!」
エレン「――すまん」
クリスタ「エレン。私、怒ってるんだよ。今だって真面目な話をしてたのに……」
エレン「悪い……」
クリスタ「ピクシス司令のときだってそう。みんなが真剣に聞いてたのに……私あんなに恥ずかしいと思ったことないよ……」
エレン「どうにも抑えられなくてな……」
クリスタ「エレン……ジャンが言ってたみたいに、みんなエレンに見返りを求めてるの」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:57:13.35 ID:6MQO8edp0
エレン「ああ……」
クリスタ「だからね、巨人の力も私への気持ちもちゃんと制御できるようにしてほしいの。エレンはみんなの希望なんだよ……わかった?」
エレン「ああ、わかった。約束だ」
クリスタ「……うん約束! 次あんなことがあったら、めっ、だよ?」
エレン「かわいい!」
アルミン「うん、今のはかわいかったね……」
ライナー「女神……」
クリスタ「もう!」
ジャン「ほんとに頼むぞ……」
クリスタ「だからね、巨人の力も私への気持ちもちゃんと制御できるようにしてほしいの。エレンはみんなの希望なんだよ……わかった?」
エレン「ああ、わかった。約束だ」
クリスタ「……うん約束! 次あんなことがあったら、めっ、だよ?」
エレン「かわいい!」
アルミン「うん、今のはかわいかったね……」
ライナー「女神……」
クリスタ「もう!」
ジャン「ほんとに頼むぞ……」
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 07:58:33.68 ID:6MQO8edp0
――
お姉ちゃんすごい!
ありがと。ほらおいで、あなたも乗ってみたいでしょ?
うん。でも大丈夫かなあ
大丈夫。馬は好きでしょ?
好き!
この子もあなたが好きみたい。さあ私といっしょに乗ろう
――
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:17:48.83 ID:6MQO8edp0
壁外調査後 104期調査兵団 軟禁中
クリスタ「ユミルこっちに来て」コソコソ
ユミル「何だこんな隅のほうまで連れてきて……告白でもしてくれんのか」
クリスタ「またそんなふざけて……ねえ、ユミルはおかしいと思わないの?」
ユミル「おかしいって、この状況がか?」
クリスタ「そう。壁外調査が終わったと思ったら、私たち新兵だけこんなところで私服で待機。みんな困惑してる。それにエレンが……」
ユミル「かぁー、またエレンかよ……」
クリスタ「し、心配でしょ。きっと中央に引き渡されちゃう。エレンは人類の希望なのに、もし解剖とかされちゃったりしたら……」
ユミル「はあ……それで?」
クリスタ「ユミルこっちに来て」コソコソ
ユミル「何だこんな隅のほうまで連れてきて……告白でもしてくれんのか」
クリスタ「またそんなふざけて……ねえ、ユミルはおかしいと思わないの?」
ユミル「おかしいって、この状況がか?」
クリスタ「そう。壁外調査が終わったと思ったら、私たち新兵だけこんなところで私服で待機。みんな困惑してる。それにエレンが……」
ユミル「かぁー、またエレンかよ……」
クリスタ「し、心配でしょ。きっと中央に引き渡されちゃう。エレンは人類の希望なのに、もし解剖とかされちゃったりしたら……」
ユミル「はあ……それで?」
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:19:34.08 ID:6MQO8edp0
クリスタ「だから、上官たちに抗議しにいこうと思うの」
ユミル「あのなあ、成功すると思うか?」
クリスタ「私一人じゃむずかしいかもしれないけど、みんなで行けばきっと……だからね、協力してほしいの」
ユミル「いくらクリスタの頼みでもな……だいたい上官がたに抗議して何になる。私らみたいな新兵が動きまわったところで、中央のヤツがどうにかなると思うか?」
クリスタ「でも何もしないでいるなんて……」
ユミル「いいんだよ。休暇を貰えたと思ってゆっくりしてれば。それにミカサやアルミン、ジャンがいねえ。調査兵団もただ黙ってエレンを引き渡すとは思えない。何か考えがあんのさ」
クリスタ「そっか……」
ユミル「ほら、席に戻るぞ」
ユミル「あのなあ、成功すると思うか?」
クリスタ「私一人じゃむずかしいかもしれないけど、みんなで行けばきっと……だからね、協力してほしいの」
ユミル「いくらクリスタの頼みでもな……だいたい上官がたに抗議して何になる。私らみたいな新兵が動きまわったところで、中央のヤツがどうにかなると思うか?」
クリスタ「でも何もしないでいるなんて……」
ユミル「いいんだよ。休暇を貰えたと思ってゆっくりしてれば。それにミカサやアルミン、ジャンがいねえ。調査兵団もただ黙ってエレンを引き渡すとは思えない。何か考えがあんのさ」
クリスタ「そっか……」
ユミル「ほら、席に戻るぞ」
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:20:44.23 ID:6MQO8edp0
クリスタ「羨ましいな……」
ユミル「あ?」
クリスタ「私、壁外調査でもほとんど役に立てなかった。状況に流されるだけ。必死についていくだけ。ミカサは違う。女型の巨人には勝てなかったけど、立派に戦ったミカサはやっぱりすごいなぁ」
ユミル「……」
クリスタ「私にもっと力があればエレンを守れるのに……」
ユミル「それでもっとエレン様に愛してもらおうってか?」
クリスタ「何それ……そんなのじゃないってば。私は一人の仲間としてエレンのことを……」
ユミル「あ?」
クリスタ「私、壁外調査でもほとんど役に立てなかった。状況に流されるだけ。必死についていくだけ。ミカサは違う。女型の巨人には勝てなかったけど、立派に戦ったミカサはやっぱりすごいなぁ」
ユミル「……」
クリスタ「私にもっと力があればエレンを守れるのに……」
ユミル「それでもっとエレン様に愛してもらおうってか?」
クリスタ「何それ……そんなのじゃないってば。私は一人の仲間としてエレンのことを……」
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:21:38.00 ID:6MQO8edp0
ユミル「どうだろうな。最近じゃ、いい子ぶるだけじゃなくて、かわい子ぶることまでしてるだろ」
クリスタ「そんなのしてない」
ユミル「…………めっ、だよ……」ボソッ
クリスタ「!」カアア
ユミル「自覚あるじゃねえか……」
クリスタ「うぅ……」カアア
クリスタ「そんなのしてない」
ユミル「…………めっ、だよ……」ボソッ
クリスタ「!」カアア
ユミル「自覚あるじゃねえか……」
クリスタ「うぅ……」カアア
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:22:24.73 ID:6MQO8edp0
ユミル「……」
――ユミル様!
――我らの救い主!
ユミル「…………なあクリスタ。お前、エレンに依存してねえか」
クリスタ「え?」
――ユミル様!
――我らの救い主!
ユミル「…………なあクリスタ。お前、エレンに依存してねえか」
クリスタ「え?」
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:24:05.36 ID:6MQO8edp0
ユミル「お前は、エレンに言い寄られることを喜んでる。そして、それが当たり前だと思ってる。だからエレンが心配なんだ。人類がどうとか、仲間がとうとか、それが理由じゃないだろ」
クリスタ「ち、ちが……」
ユミル「違くねえ。なあ、クリスタ……嬉しいよなあ、居心地いいよなあ。何をしたって喜んでくれる。何をせずとも好いていてくれる……自分が必要とされてると思える」
クリスタ「……」
ユミル「なあ、エレンは本当にお前が好きなのか? 何か理由があるんじゃないか? どうしてもお前を好きにならなきゃいけない状況があって、それに従ってるだけじゃないのか?」
クリスタ「な、何言ってるのよユミル……そんなの、あるわけないじゃない……」
ユミル「本当か? 普通にお前が好きってだけで、あんな暴走するようなことありえると思うか?」
クリスタ「ち、ちが……」
ユミル「違くねえ。なあ、クリスタ……嬉しいよなあ、居心地いいよなあ。何をしたって喜んでくれる。何をせずとも好いていてくれる……自分が必要とされてると思える」
クリスタ「……」
ユミル「なあ、エレンは本当にお前が好きなのか? 何か理由があるんじゃないか? どうしてもお前を好きにならなきゃいけない状況があって、それに従ってるだけじゃないのか?」
クリスタ「な、何言ってるのよユミル……そんなの、あるわけないじゃない……」
ユミル「本当か? 普通にお前が好きってだけで、あんな暴走するようなことありえると思うか?」
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:26:11.97 ID:6MQO8edp0
クリスタ「それは……でも……確かにちょっとおかしいところはあるけど……本当に私が好きな可能性だってあるわけでしょ!」
ユミル「ああそうだな。けどな、よしんばそうだったとしても、それならちゃんと向き合うべきだろ。都合のいい男としてじゃなくエレンとしてな」
クリスタ「……」
ユミル「それか……」ガシッ
クリスタ「ユミル?」
ユミル「私に乗り換えろ。そんで結婚してくれ。死に急ぎプロポーズ失恋野郎より確実だぞ?」
クリスタ「ふふ……もう、ユミルったら……」
ユミル「ああそうだな。けどな、よしんばそうだったとしても、それならちゃんと向き合うべきだろ。都合のいい男としてじゃなくエレンとしてな」
クリスタ「……」
ユミル「それか……」ガシッ
クリスタ「ユミル?」
ユミル「私に乗り換えろ。そんで結婚してくれ。死に急ぎプロポーズ失恋野郎より確実だぞ?」
クリスタ「ふふ……もう、ユミルったら……」
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:28:07.01 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「そう言ったくせに……何でよ、何で私を置いて行ったの……乗り換えろなんて言っておいてあっちを選ぶなんて……裏切り者……絶対許さない……」
ジャン「クリスタ? どうしたんだお前らしくもない……」
ヒストリア「あははクリスタ! クリスタはやめたの。もういないの! 私はヒストリア……クリスタは私が生きるために与えられた役で……子供の頃読んだ本の女の子……だった……はず……」
エレン「ヒストリア……」スッ
ヒストリア「触らないで!」バシッ
エレン「あ……」
ヒストリア「私のこと好きでもなんでもないくせに!」
エレン「そんな……」
ヒストリア「私との約束も守ろうとしなかった! エレンは私が好きなんじゃない! ただ頭がおかしいだけ!」
エレン「オレは……」
ヒストリア「エレンなんて大嫌い! ああ、ユミル……ユミルを助けてよ……お願いだから……」
ジャン「クリスタ? どうしたんだお前らしくもない……」
ヒストリア「あははクリスタ! クリスタはやめたの。もういないの! 私はヒストリア……クリスタは私が生きるために与えられた役で……子供の頃読んだ本の女の子……だった……はず……」
エレン「ヒストリア……」スッ
ヒストリア「触らないで!」バシッ
エレン「あ……」
ヒストリア「私のこと好きでもなんでもないくせに!」
エレン「そんな……」
ヒストリア「私との約束も守ろうとしなかった! エレンは私が好きなんじゃない! ただ頭がおかしいだけ!」
エレン「オレは……」
ヒストリア「エレンなんて大嫌い! ああ、ユミル……ユミルを助けてよ……お願いだから……」
81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:29:35.75 ID:6MQO8edp0
――
―
エレン硬質化実験後 隠れ小屋
エレン「お……アルミン」
アルミン「よかったエレン、目が覚めたんだね。顔も戻ってるみたいだ」
エレン「顔……?」
アルミン「あ、いや、うん、何でもない」
―
エレン硬質化実験後 隠れ小屋
エレン「お……アルミン」
アルミン「よかったエレン、目が覚めたんだね。顔も戻ってるみたいだ」
エレン「顔……?」
アルミン「あ、いや、うん、何でもない」
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:31:08.45 ID:6MQO8edp0
ミカサ「エレン、まだ寝ていないとダメ。体力が回復してない。さあ横になって」
エレン「横になってたら話しにくいだろ……」
アルミン「それでエレンとしてはどうだった。今回の硬質化実験は」
エレン「実は何にも覚えてないんだ。それでさっきハンジさんに説明してもらったばかりだ」
アルミン「そうか……やっぱり巨人化には謎が多いね。エレンの記憶の混濁もやっぱり巨人の力が関係してるのかな」
エレン「たぶんな」
アルミン「それにヒストリアのことも」
エレン「……」
ミカサ「アルミン……それは」
エレン「横になってたら話しにくいだろ……」
アルミン「それでエレンとしてはどうだった。今回の硬質化実験は」
エレン「実は何にも覚えてないんだ。それでさっきハンジさんに説明してもらったばかりだ」
アルミン「そうか……やっぱり巨人化には謎が多いね。エレンの記憶の混濁もやっぱり巨人の力が関係してるのかな」
エレン「たぶんな」
アルミン「それにヒストリアのことも」
エレン「……」
ミカサ「アルミン……それは」
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:33:37.29 ID:6MQO8edp0
アルミン「でもそうとしか考えられない。巨人の力が記憶に影響を与えるとしたら、脳に影響してるってことだ。なら同じように感情に影響があってもおかしくない」
エレン「じゃあ何か? この気持ちは、オレの気持ちじゃないのか……?」
アルミン「エレンには悪いけど、僕はその可能性が高いと思う」
エレン「なんでだよ……」
アルミン「ずっと疑問だったんだ。いくら彼女がかわいくてもエレンみたいなことになるのかって。でも巨人の力や、それに関係してると思われるレイス家を考えると、単なる偶然なのかなって……」
エレン「……」
アルミン「今わかってることは訓練兵になって間もないころに実験したころとほとんど変わらない。新たにわかったのは睨まれるだけでも暴走状態を止める効果があったってこと……やっぱり拒否や拒絶されることが大事みたいだね」
エレン「アルミン。オレはお前の判断を信用してるけど、その考えは受け入れたくない」
アルミン「あ、ごめん……」
エレン「いや、いいんだ」
エレン「じゃあ何か? この気持ちは、オレの気持ちじゃないのか……?」
アルミン「エレンには悪いけど、僕はその可能性が高いと思う」
エレン「なんでだよ……」
アルミン「ずっと疑問だったんだ。いくら彼女がかわいくてもエレンみたいなことになるのかって。でも巨人の力や、それに関係してると思われるレイス家を考えると、単なる偶然なのかなって……」
エレン「……」
アルミン「今わかってることは訓練兵になって間もないころに実験したころとほとんど変わらない。新たにわかったのは睨まれるだけでも暴走状態を止める効果があったってこと……やっぱり拒否や拒絶されることが大事みたいだね」
エレン「アルミン。オレはお前の判断を信用してるけど、その考えは受け入れたくない」
アルミン「あ、ごめん……」
エレン「いや、いいんだ」
84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:35:24.41 ID:6MQO8edp0
ミカサ「アルミン気をつけて。エレンはここ最近ヒストリアとは……」
アルミン「そうだったね。本当にごめん」
エレン「いいんだ。ヒストリアに嫌われてんのも、そもそもオレのせいだしな」
ミカサ「エレンは悪くない。ヒストリアはエレンに冷たすぎる」
エレン「ユミルが行っちまったのは……」
ミカサ「エレンのせいじゃない。ユミルは自分の意思で行ったと聞いた。ヒストリアは少しわがままだと思う。これ以上エレンに冷たくするなら……削ぐ」
アルミン「そうだったね。本当にごめん」
エレン「いいんだ。ヒストリアに嫌われてんのも、そもそもオレのせいだしな」
ミカサ「エレンは悪くない。ヒストリアはエレンに冷たすぎる」
エレン「ユミルが行っちまったのは……」
ミカサ「エレンのせいじゃない。ユミルは自分の意思で行ったと聞いた。ヒストリアは少しわがままだと思う。これ以上エレンに冷たくするなら……削ぐ」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:36:29.12 ID:6MQO8edp0
アルミン「エレンと並ぶ重要人物を削いじゃだめだよ……」
エレン「重要人物じゃなくても削いじゃだめだろ」
アルミン「あはは…………でもミカサも変わったね。きっと昔ならそんなこと言わなかった」
ミカサ「…………私も成長した」
アルミン「うん。最初は警告しに行くって言ってクリスタ……じゃなくてヒストリアといっしょに訓練をはじめたんだよね」
エレン「え! そうだったのか」
エレン「重要人物じゃなくても削いじゃだめだろ」
アルミン「あはは…………でもミカサも変わったね。きっと昔ならそんなこと言わなかった」
ミカサ「…………私も成長した」
アルミン「うん。最初は警告しに行くって言ってクリスタ……じゃなくてヒストリアといっしょに訓練をはじめたんだよね」
エレン「え! そうだったのか」
86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:37:15.32 ID:6MQO8edp0
ミカサ「そう。でも最初だけ」
エレン「最初だけ?」
ミカサ「最初は……本当に警告のつもりだった。エレンは私の家族だから近づいてほしくないと言った。けど、それなら私と友達になりたいって……」
アルミン「なんだか……らしいね」
エレン「そんなこと言ったのかよ……」
ミカサ「ごめんなさい。でもエレンが奪われたみたいで嫌だった」
エレン「……それで?」
エレン「最初だけ?」
ミカサ「最初は……本当に警告のつもりだった。エレンは私の家族だから近づいてほしくないと言った。けど、それなら私と友達になりたいって……」
アルミン「なんだか……らしいね」
エレン「そんなこと言ったのかよ……」
ミカサ「ごめんなさい。でもエレンが奪われたみたいで嫌だった」
エレン「……それで?」
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:38:30.75 ID:6MQO8edp0
ミカサ「そこから徐々に仲良くなった。ヒストリアのことが嫌いになれなくなった。だから……エレンといっしょになっても、エレンが幸せならそれでいいと思えるようになった」
エレン「お前はお母さんかよ……」
アルミン「でも、それでいいの? 君は……」
ミカサ「いい。エレンと私が家族という事実は変わらない。それにヒストリアが加わるだけ。もちろんアルミンも家族みたいなもの。みんないっしょ」
アルミン「はははは。そうか……うん。いい考えだね」
ミカサ「なのにヒストリアは!」ゴゴゴゴ
アルミン「あはは……でも、そうなるとエレンとヒストリアを仲直りさせなくちゃいけない。難しいね」
エレン「お前はお母さんかよ……」
アルミン「でも、それでいいの? 君は……」
ミカサ「いい。エレンと私が家族という事実は変わらない。それにヒストリアが加わるだけ。もちろんアルミンも家族みたいなもの。みんないっしょ」
アルミン「はははは。そうか……うん。いい考えだね」
ミカサ「なのにヒストリアは!」ゴゴゴゴ
アルミン「あはは……でも、そうなるとエレンとヒストリアを仲直りさせなくちゃいけない。難しいね」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:39:33.08 ID:6MQO8edp0
ミカサ「何か手はないの? エレンがかわいそう……」
アルミン「うーん……そもそもヒストリアはエレンの気持ちを疑ってる。さっきの僕みたいにね。だからその気持ちが本物だと証明すればいいと思うんだけど……どうすればそんなことできるのか、僕には見当もつかない」
ミカサ「そう……」
アルミン「エレンはどうしたい?」
エレン「オレは……ヒストリアが幸せならそれでいい。そのためにできるだけのことをするしかないだろ」
ミカサ「エレン……」
ジャン「おいお前ら下に集まれ。団長からの指示が来た!」
アルミン「うーん……そもそもヒストリアはエレンの気持ちを疑ってる。さっきの僕みたいにね。だからその気持ちが本物だと証明すればいいと思うんだけど……どうすればそんなことできるのか、僕には見当もつかない」
ミカサ「そう……」
アルミン「エレンはどうしたい?」
エレン「オレは……ヒストリアが幸せならそれでいい。そのためにできるだけのことをするしかないだろ」
ミカサ「エレン……」
ジャン「おいお前ら下に集まれ。団長からの指示が来た!」
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:41:18.96 ID:6MQO8edp0
――
ねえお姉ちゃん
なあに?
お姉ちゃんはどうして私と遊んでくれるの?
え?
おじいちゃんも、おばあちゃんも、お母さんも、私といっしょにいたくないのに
……
どうしてお姉ちゃんは私といてくれるの?
そんなの決まってる。私はあなたのことが――
――
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:43:09.29 ID:6MQO8edp0
どこかの隠れ部屋
ヒストリア「んあ……?」
エレン「え? どうした?」
ヒストリア「別に……」
エレン「……」
ヒストリア「あなたこそどうしたの……」
エレン「何がだ」
ヒストリア「うつ伏せでベッドに倒れ込んだまま、よく器用に喋れるね」
ヒストリア「んあ……?」
エレン「え? どうした?」
ヒストリア「別に……」
エレン「……」
ヒストリア「あなたこそどうしたの……」
エレン「何がだ」
ヒストリア「うつ伏せでベッドに倒れ込んだまま、よく器用に喋れるね」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:44:29.33 ID:6MQO8edp0
エレン「暴走して寝てるヒストリアをたたき起こすわけにはいかないからな」
ヒストリア「なら暴走しなければいいのに」
エレン「努力したんだけどな……」
ヒストリア「あっそ……」
エレン「それで、何かあったのか? この状態じゃ何が起きてるのかわからなくてな」
ヒストリア「何でもない……寝て、起きただけ……何か大事な夢見てた気がするけど……あなたのせいで忘れちゃった」
エレン「そうか……悪いな。でもオレもよくあるぞそれ」
ヒストリア「なら暴走しなければいいのに」
エレン「努力したんだけどな……」
ヒストリア「あっそ……」
エレン「それで、何かあったのか? この状態じゃ何が起きてるのかわからなくてな」
ヒストリア「何でもない……寝て、起きただけ……何か大事な夢見てた気がするけど……あなたのせいで忘れちゃった」
エレン「そうか……悪いな。でもオレもよくあるぞそれ」
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:45:30.56 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「ねえ……その状態で話されると落ち着かないから、せめて起きてくれない?」
エレン「そうだな……じゃあ目をつむったまま……」
ヒストリア「嫌いって言ってあげるから、こっち見てもいいよ」
エレン「けっこう堪えるんだけどな……」ガバッ
ヒストリア「大嫌い……」
エレン「……」
ヒストリア「……」
エレン「悪いな……」
エレン「そうだな……じゃあ目をつむったまま……」
ヒストリア「嫌いって言ってあげるから、こっち見てもいいよ」
エレン「けっこう堪えるんだけどな……」ガバッ
ヒストリア「大嫌い……」
エレン「……」
ヒストリア「……」
エレン「悪いな……」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:47:11.48 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「最近あやまってばっかりだね……何にあやまってるの」
エレン「色々な……ユミルについてもそうだし」
ヒストリア「ユミル?」
エレン「ユミルを助けたいんだろ。オレが硬質化できないせいでそれも遠のいてる」
ヒストリア「助ける……助けるっていうのはもう違う気がしてる……」
エレン「でも壁の上で……」
ヒストリア「あの時はそう言った……でもユミルは……自分で自分の生き方を選択した。だから私がそれを止める権利はない。ただ私から離れた……それだけ」
エレン「なら、どうしたいんだ?」
ヒストリア「わからない……」
エレン「色々な……ユミルについてもそうだし」
ヒストリア「ユミル?」
エレン「ユミルを助けたいんだろ。オレが硬質化できないせいでそれも遠のいてる」
ヒストリア「助ける……助けるっていうのはもう違う気がしてる……」
エレン「でも壁の上で……」
ヒストリア「あの時はそう言った……でもユミルは……自分で自分の生き方を選択した。だから私がそれを止める権利はない。ただ私から離れた……それだけ」
エレン「なら、どうしたいんだ?」
ヒストリア「わからない……」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:48:06.35 ID:6MQO8edp0
エレン「うーん……」
ヒストリア「ねえ、私のことまだ好きなの?」
エレン「好きだ」
ヒストリア「そう……失望したりしないんだね……」
エレン「失望? するわけないだろ?」
ヒストリア「エレンはそうだろうね……みんなは……」
エレン「他のみんなはしてると思うのか?」
ヒストリア「ねえ、私のことまだ好きなの?」
エレン「好きだ」
ヒストリア「そう……失望したりしないんだね……」
エレン「失望? するわけないだろ?」
ヒストリア「エレンはそうだろうね……みんなは……」
エレン「他のみんなはしてると思うのか?」
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:48:44.84 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「してるよ。みんなが好きなクリスタなんてどこにもいなくて、いるのは親からも誰からも愛されたことのない私だけ。この世界じゃ珍しくもない、いっぱいいる望まれない子の一人。クリスタとは対象的な本当の私に、みんながっかりしてるはず……」
エレン「……」
ヒストリア「……」
エレン「本当の……」
ヒストリア「……?」
エレン「本当の私ってなんだ? なんで本当のお前なら、みんながっかりするんだよ」
エレン「……」
ヒストリア「……」
エレン「本当の……」
ヒストリア「……?」
エレン「本当の私ってなんだ? なんで本当のお前なら、みんながっかりするんだよ」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:50:31.48 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「本当の私は……今の私。優しくもないし、何も好きじゃない、何がしたいのかもわからない、からっぽな私……だから……」
エレン「お前はからっぽなんかじゃない」
ヒストリア「いいよ……そんなこと言わなくても」
エレン「なぐさめじゃない。本当にそう思ってる。今のヒストリアは……オレにはただ落ち込んでるだけにしか見えねえ」
ヒストリア「……」
エレン「もしヒストリアがからっぽなら、壁の上で必死にユミルを助けてくれって言ってた気持ちは嘘だったのか? 違うだろ。お前は本当にユミルを助けたいと思ってた」
ヒストリア「でも今は……」
エレン「今は今だろ。ユミルがいなくなったのを冷静に見つめて、落ち込んでるだけだ」
ヒストリア「……」
エレン「お前はからっぽなんかじゃない」
ヒストリア「いいよ……そんなこと言わなくても」
エレン「なぐさめじゃない。本当にそう思ってる。今のヒストリアは……オレにはただ落ち込んでるだけにしか見えねえ」
ヒストリア「……」
エレン「もしヒストリアがからっぽなら、壁の上で必死にユミルを助けてくれって言ってた気持ちは嘘だったのか? 違うだろ。お前は本当にユミルを助けたいと思ってた」
ヒストリア「でも今は……」
エレン「今は今だろ。ユミルがいなくなったのを冷静に見つめて、落ち込んでるだけだ」
ヒストリア「……」
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:52:00.22 ID:6MQO8edp0
エレン「お前は……普通のやつだよ……」
ヒストリア「普通……?」
エレン「ああ。友達がいなくなって落ち込むなんて普通のことだろ。それで思わす助けたいって言うのも普通だ」
ヒストリア「……」
エレン「今のヒストリアが本当のヒストリアだって言うけど、それは違うと思うぞ。ユミルが行っちまって悪態をついてたお前も、助けたがってたお前も、落ち込んでるお前も、全部ヒストリアで、全部本当の気持ちだろ」
ヒストリア「そうかもね……でも、みんなに好かれてたクリスタは違う。あれは偽りの……」
エレン「クリスタだってお前だよ」
ヒストリア「普通……?」
エレン「ああ。友達がいなくなって落ち込むなんて普通のことだろ。それで思わす助けたいって言うのも普通だ」
ヒストリア「……」
エレン「今のヒストリアが本当のヒストリアだって言うけど、それは違うと思うぞ。ユミルが行っちまって悪態をついてたお前も、助けたがってたお前も、落ち込んでるお前も、全部ヒストリアで、全部本当の気持ちだろ」
ヒストリア「そうかもね……でも、みんなに好かれてたクリスタは違う。あれは偽りの……」
エレン「クリスタだってお前だよ」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:53:46.55 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「何でそんなこと言えるのよ……」
エレン「オレはお前が好きだからな。人に好かれようとしてたお前も、そうじゃないお前も、どんな状態のお前も、オレは全部ひっくるめて好きなんだ。それはクリスタのお前も、今のお前も、どっちもヒストリアで、どっちもかわいいからだ」
ヒストリア「…………エレンはすごいね。そんなふうに考えられるんだ。私は無理……クリスタが私とは思えない。ユミルもそうだった、私がクリスタを演じてるとき、ときどき悪態をついてた」
エレン「ユミルが?」
ヒストリア「ユミルは……いいことしようとする私を止めようとしてた……クリスタを嫌がった。優しさが嘘だって気づいてた……」
エレン「……それは違う」
エレン「オレはお前が好きだからな。人に好かれようとしてたお前も、そうじゃないお前も、どんな状態のお前も、オレは全部ひっくるめて好きなんだ。それはクリスタのお前も、今のお前も、どっちもヒストリアで、どっちもかわいいからだ」
ヒストリア「…………エレンはすごいね。そんなふうに考えられるんだ。私は無理……クリスタが私とは思えない。ユミルもそうだった、私がクリスタを演じてるとき、ときどき悪態をついてた」
エレン「ユミルが?」
ヒストリア「ユミルは……いいことしようとする私を止めようとしてた……クリスタを嫌がった。優しさが嘘だって気づいてた……」
エレン「……それは違う」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:56:22.45 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「ユミルのことだよ。エレンにはわからない」
エレン「けどユミルがヒストリア自身を嫌がるなんてありえると思うか? ユミルが嫌がることなんて、決まってるだろ。ヒストリア、お前が傷つくことだ」
ヒストリア「あ……」
エレン「ヒストリアがいいことしようとして、自分を犠牲にしてると思ったから嫌がったんだと思うぞ。だいたい、あいつはよくヒストリアに結婚しよとかなんとか言ってただろ。優しさのカケラもないやつに、そんなこと言うやつなのかユミルは」
ヒストリア「違う…………そっか忘れてた……ユミルはずっと単純だった。私、ユミルですら信じられなくなってた……」
エレン「それくらい落ち込んでるんだろ」
ヒストリア「どうして……どうしてエレンは、私のことも、ユミルのことも……そんなにわかるの……?」
エレン「決まってるだろ、そんなの。オレもユミルも、ヒストリアのことが――」
エレン「けどユミルがヒストリア自身を嫌がるなんてありえると思うか? ユミルが嫌がることなんて、決まってるだろ。ヒストリア、お前が傷つくことだ」
ヒストリア「あ……」
エレン「ヒストリアがいいことしようとして、自分を犠牲にしてると思ったから嫌がったんだと思うぞ。だいたい、あいつはよくヒストリアに結婚しよとかなんとか言ってただろ。優しさのカケラもないやつに、そんなこと言うやつなのかユミルは」
ヒストリア「違う…………そっか忘れてた……ユミルはずっと単純だった。私、ユミルですら信じられなくなってた……」
エレン「それくらい落ち込んでるんだろ」
ヒストリア「どうして……どうしてエレンは、私のことも、ユミルのことも……そんなにわかるの……?」
エレン「決まってるだろ、そんなの。オレもユミルも、ヒストリアのことが――」
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 08:57:26.06 ID:6MQO8edp0
――
大好きだからね――!
――
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:09:17.96 ID:6MQO8edp0
レイス領礼拝堂地下
ヒストリア「っ!」
ロッド「どうしたヒストリア」
ヒストリア「そうだ……何で、忘れてたんだろう……私にはあのお姉さんがいた……」
ロッド「お姉さん……?」
ヒストリア「今、お父さんといっしょにエレンに触れたときまで、何も覚えていなかった……私に本を、読み書きを教えてくれたあの人を忘れるなんて……」
ロッド「ヒストリア……フリーダと会っていたのか」
ヒストリア「フリーダ……?」
エレン「ん~! ん~!」ガチャガチャ
ヒストリア「っ!」
ロッド「どうしたヒストリア」
ヒストリア「そうだ……何で、忘れてたんだろう……私にはあのお姉さんがいた……」
ロッド「お姉さん……?」
ヒストリア「今、お父さんといっしょにエレンに触れたときまで、何も覚えていなかった……私に本を、読み書きを教えてくれたあの人を忘れるなんて……」
ロッド「ヒストリア……フリーダと会っていたのか」
ヒストリア「フリーダ……?」
エレン「ん~! ん~!」ガチャガチャ
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:10:35.92 ID:6MQO8edp0
――
―
ケニー「オイオイ、オイオイ……じゃあ俺が巨人になってエレンを食っても意味ないのかよ……」
ヒストリア(フリーダ姉さんは殺された……エレンのお父さんに……)
ロッド「そうだが?」
ヒストリア(そして姉さんから奪った力がエレンの中にあって……)
ケニー「――!」
ヒストリア(レイス家である私がその力を継げば、全てが解決する……)
ロッド「――!」
ヒストリア(でも、そのためにはエレンを……)
エレン「んー! んんんー!」バタバタ
―
ケニー「オイオイ、オイオイ……じゃあ俺が巨人になってエレンを食っても意味ないのかよ……」
ヒストリア(フリーダ姉さんは殺された……エレンのお父さんに……)
ロッド「そうだが?」
ヒストリア(そして姉さんから奪った力がエレンの中にあって……)
ケニー「――!」
ヒストリア(レイス家である私がその力を継げば、全てが解決する……)
ロッド「――!」
ヒストリア(でも、そのためにはエレンを……)
エレン「んー! んんんー!」バタバタ
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:11:57.43 ID:6MQO8edp0
ロッド「ぐぅっ」
ヒストリア「! お父さん!」
ケニー「よくも俺を散々翻弄し、利用してくれたな……」
ヒストリア「やめろ! 父を離せ!」ガシッ
ケニー「ああ……お前は哀れだなヒストリア」バッ
ヒストリア「!」
ケニー「あそこまで聞けばわかっただろ。このオヤジはお前を化け物に変えて、エレンを食わせようとしてんだとよ」
ヒストリア「……! エレン……」
ヒストリア「! お父さん!」
ケニー「よくも俺を散々翻弄し、利用してくれたな……」
ヒストリア「やめろ! 父を離せ!」ガシッ
ケニー「ああ……お前は哀れだなヒストリア」バッ
ヒストリア「!」
ケニー「あそこまで聞けばわかっただろ。このオヤジはお前を化け物に変えて、エレンを食わせようとしてんだとよ」
ヒストリア「……! エレン……」
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:14:36.69 ID:6MQO8edp0
ケニー「こんなオヤジ庇うこたねえんだよ」
ヒストリア「でも……それが私の使命でしょ!」
ケニー「使命ねえ。お友達を食って腹を壊してもそれが使命だって?」
ヒストリア「エレンを食べるなんて嫌だけど……人類の平和のため……私にしかできないこと……!」
ケニー「どうだかなヒストリア。こいつだってレイス家だ。お前じゃなくてこいつがエレンを食べる選択肢だってあるはずだろ。お前を求めたのは何故だ。突然父性に目覚めたからか? 違う! こいつはお前を利用することしか考えてねえのさ」
ヒストリア「関係ない!」
ケニー「あ?」
ヒストリア「私は人類を救う! 世界の歴史を継承し、フリーダ姉さんも、エレンも、私の中で生きる! 使命をまっとうして、エレンの意志を継ぐ! そして一匹残らず巨人を駆逐してやる!」
ヒストリア「でも……それが私の使命でしょ!」
ケニー「使命ねえ。お友達を食って腹を壊してもそれが使命だって?」
ヒストリア「エレンを食べるなんて嫌だけど……人類の平和のため……私にしかできないこと……!」
ケニー「どうだかなヒストリア。こいつだってレイス家だ。お前じゃなくてこいつがエレンを食べる選択肢だってあるはずだろ。お前を求めたのは何故だ。突然父性に目覚めたからか? 違う! こいつはお前を利用することしか考えてねえのさ」
ヒストリア「関係ない!」
ケニー「あ?」
ヒストリア「私は人類を救う! 世界の歴史を継承し、フリーダ姉さんも、エレンも、私の中で生きる! 使命をまっとうして、エレンの意志を継ぐ! そして一匹残らず巨人を駆逐してやる!」
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:15:56.38 ID:6MQO8edp0
ケニー「…………つまんねえな」パッ
ロッド「がっ!」ドサッ
ヒストリア「お父さん!」
ロッド「ゲホッ……ま、待て。何をする気だケニー……」
ケニー「巨人になればいい。邪魔しねえよ」スタスタ
エレン「んんー!」
ケニー「おいおい暴れんなエレン。今解いてやる」
エレン「カハッ! ゲホッ、ゲホッ!」
ケニー「切り込み入れといてやるよ」スー
ロッド「なっ!」
ロッド「がっ!」ドサッ
ヒストリア「お父さん!」
ロッド「ゲホッ……ま、待て。何をする気だケニー……」
ケニー「巨人になればいい。邪魔しねえよ」スタスタ
エレン「んんー!」
ケニー「おいおい暴れんなエレン。今解いてやる」
エレン「カハッ! ゲホッ、ゲホッ!」
ケニー「切り込み入れといてやるよ」スー
ロッド「なっ!」
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:17:52.47 ID:6MQO8edp0
ケニー「お互い巨人になって殺し合う。ヒストリアが勝てば平和、エレンに負ければ状況は変わらねえ。そら、よーいドンだ」
ロッド「ヒストリア!!」
ヒストリア「……!」
ロッド「この注射なら強力な巨人になれる! 大丈夫だ。最も戦いに向いた巨人を選んだ!」
ケニー「おっと離れないとな」シュー
エレン「ゲホッ!」オエッ
ロッド「さあ急げ! ヒストリ――!」
ロッド「ヒストリア!!」
ヒストリア「……!」
ロッド「この注射なら強力な巨人になれる! 大丈夫だ。最も戦いに向いた巨人を選んだ!」
ケニー「おっと離れないとな」シュー
エレン「ゲホッ!」オエッ
ロッド「さあ急げ! ヒストリ――!」
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:18:52.36 ID:6MQO8edp0
エレン「ちょっと待って!!」
シーン
ヒストリア「え、エレン……?」
エレン「あ、止まってくれた? 危なかったぁ……」
ロッド「ひ、ヒストリア!」
エレン「久しぶりだねヒストリア。それにお父さんも……」
シーン
ヒストリア「え、エレン……?」
エレン「あ、止まってくれた? 危なかったぁ……」
ロッド「ひ、ヒストリア!」
エレン「久しぶりだねヒストリア。それにお父さんも……」
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:21:23.36 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「あ……え…………フリーダ……姉さん……?」
エレン「そうだよ……ヒストリア」
ロッド「なっ! バカな……」
エレン「バカな、じゃないでしょお父さん。私怒ってるんだよ? 初代王の思想のこと、ヒストリアにちゃんと全て話さないで巨人にさせようとするなんて……」
ヒストリア「本当に、本当にフリーダ姉さんなの……!」
エレン「本当だよ。思い出話でもする? ほら、いっしょに本読んだりとかしたこと」
ロッド「……」
エレン「お父さんも思い出話する? ヒストリアがバレたときの修羅場とか……」
ロッド「こんなことが……」
エレン「そうだよ……ヒストリア」
ロッド「なっ! バカな……」
エレン「バカな、じゃないでしょお父さん。私怒ってるんだよ? 初代王の思想のこと、ヒストリアにちゃんと全て話さないで巨人にさせようとするなんて……」
ヒストリア「本当に、本当にフリーダ姉さんなの……!」
エレン「本当だよ。思い出話でもする? ほら、いっしょに本読んだりとかしたこと」
ロッド「……」
エレン「お父さんも思い出話する? ヒストリアがバレたときの修羅場とか……」
ロッド「こんなことが……」
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:22:55.14 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「姉さん……いつから……」
エレン「ついさっき。二人が触れてくれた瞬間から、この体を支配できた。でも、拘束されてて……というより今もされてるんだけど……」
ヒストリア「し、支配?」
エレン「お父さん。これ解いてくれない? あと拭くものある? 血が目に入っちゃって……」
ロッド「だ、だが……」
エレン「ついさっき。二人が触れてくれた瞬間から、この体を支配できた。でも、拘束されてて……というより今もされてるんだけど……」
ヒストリア「し、支配?」
エレン「お父さん。これ解いてくれない? あと拭くものある? 血が目に入っちゃって……」
ロッド「だ、だが……」
110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:24:58.62 ID:6MQO8edp0
エレン「言ってるでしょ。私は正真正銘フリーダ・レイス。この場所の構造も知ってるんだから。はやくしないと、巨人化してそのままにげちゃうよ?」
ロッド「わ、わかった……今解く……」
ロッド「解いたぞ……」ガチャン
エレン「ふー……頭痛いなあもう……」シュウウウ
ロッド「本当にフリーダなんだな?」
エレン「うん」
ロッド「では、どういうことか説明してくれるか?」
ヒストリア「……」
ロッド「わ、わかった……今解く……」
ロッド「解いたぞ……」ガチャン
エレン「ふー……頭痛いなあもう……」シュウウウ
ロッド「本当にフリーダなんだな?」
エレン「うん」
ロッド「では、どういうことか説明してくれるか?」
ヒストリア「……」
111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:27:33.31 ID:6MQO8edp0
エレン「簡単な話だよ。初代王を真似て、私はあの男に食われる直前に、私が継承されるようにしたの」
ロッド「……」
エレン「初代王ほど完璧じゃないから、ヒストリアっていう基点が必要だったし、私が完全に目覚めるまでに、この場所や、お父さんの力も必要になっちゃったけど……」
ロッド「……」
エレン「お母さんやみんなは、殺されたんだよね……?」
ロッド「ああ……」
エレン「うん……でもお父さんが生きていてよかった。それに、ヒストリアは狙われないだろうって考えも当たってたみたいだし」
ヒストリア「ちょ、ちょっと待ってよ!」
ロッド「……」
エレン「初代王ほど完璧じゃないから、ヒストリアっていう基点が必要だったし、私が完全に目覚めるまでに、この場所や、お父さんの力も必要になっちゃったけど……」
ロッド「……」
エレン「お母さんやみんなは、殺されたんだよね……?」
ロッド「ああ……」
エレン「うん……でもお父さんが生きていてよかった。それに、ヒストリアは狙われないだろうって考えも当たってたみたいだし」
ヒストリア「ちょ、ちょっと待ってよ!」
112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:29:10.07 ID:6MQO8edp0
エレン「どうしたのヒストリア?」
ヒストリア「っ! え、エレンは? エレンはどうなってるの! 支配とか言ってたのは……」
エレン「元の持ち主は……もういない。彼はもはやただこの体の記憶でしかない……」
ヒストリア「そんな……」
エレン「仲良かったの? ちょっと記憶を覗いてみるね……」
ヒストリア「……」
エレン「あー……これは……」
ヒストリア「姉さん……?」
ヒストリア「っ! え、エレンは? エレンはどうなってるの! 支配とか言ってたのは……」
エレン「元の持ち主は……もういない。彼はもはやただこの体の記憶でしかない……」
ヒストリア「そんな……」
エレン「仲良かったの? ちょっと記憶を覗いてみるね……」
ヒストリア「……」
エレン「あー……これは……」
ヒストリア「姉さん……?」
113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:30:31.70 ID:6MQO8edp0
エレン「ヒストリア。この男のことは気にすることないよ。好きだっていうのは嘘の感情だろうから」
ヒストリア「!」
エレン「というより私の感情って言ったほうが正しいかな。私が目覚めるにはあなたに近づく必要がある。彼の感情は、そのために私のヒストリアへの愛情を基に作り出されたもの。こんな形で出るとは思わなかったけど……単純な人だったんだね」
ヒストリア「……」
ロッド「どういうことだ。何の話だ?」
ヒストリア「!」
エレン「というより私の感情って言ったほうが正しいかな。私が目覚めるにはあなたに近づく必要がある。彼の感情は、そのために私のヒストリアへの愛情を基に作り出されたもの。こんな形で出るとは思わなかったけど……単純な人だったんだね」
ヒストリア「……」
ロッド「どういうことだ。何の話だ?」
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:31:41.59 ID:6MQO8edp0
エレン「別に。目覚めるまでにちょっと弊害があったってだけ。それよりもお父さんはヒストリアに謝らなくちゃでしょ」
ロッド「謝る……?」
エレン「そう。初代王のこと。ヒストリア、聞いて」
ヒストリア「何……」
エレン「ほらお父さん」
ロッド「あ、ああ……」
ヒストリア「……」
ロッド「謝る……?」
エレン「そう。初代王のこと。ヒストリア、聞いて」
ヒストリア「何……」
エレン「ほらお父さん」
ロッド「あ、ああ……」
ヒストリア「……」
115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:33:04.85 ID:6MQO8edp0
ロッド「ヒストリア。王家が始祖の巨人を継承したとき、世界の記憶と共に初代王の思想を受け継ぐ。だが初代王は、人類が巨人に支配される世界を望み、それが平和だと信じている。だから……」
エレン「人類を救うことはできない。そうでしょ?」
ロッド「そうだ。説明が足りなくて悪かった……しかし、これが王家であるレイス家にかせられた使命だ。他に方法はないんだ。ヒストリア、自分の姉を食らうことは辛いことだが、それをレイス家は何代も続けてきた。フリーダ、せっかく目覚めたとしても、お前は食われなければならない……」
エレン「どうして?」
ロッド「それが我々にかせられた使命だからだ。そして私はこの世に神を呼び戻し祈りを捧げる使命がある……」
エレン「じゃあ、その使命やめよう!」
ロッド「何?」
エレン「人類を救うことはできない。そうでしょ?」
ロッド「そうだ。説明が足りなくて悪かった……しかし、これが王家であるレイス家にかせられた使命だ。他に方法はないんだ。ヒストリア、自分の姉を食らうことは辛いことだが、それをレイス家は何代も続けてきた。フリーダ、せっかく目覚めたとしても、お前は食われなければならない……」
エレン「どうして?」
ロッド「それが我々にかせられた使命だからだ。そして私はこの世に神を呼び戻し祈りを捧げる使命がある……」
エレン「じゃあ、その使命やめよう!」
ロッド「何?」
116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:34:59.45 ID:6MQO8edp0
エレン「そんなの放っておいたって、なんの不都合もないでしょ? お父さんが納得すればそれで済む話じゃない」
ロッド「いや……そう簡単ではない。事情を知るものは黙ってないだろう。現に今、兵士が寝返り王政に牙をむいている。始祖の力が必要だ」
エレン「じゃあ逃げちゃおうよ」
ロッド「フリーダ……」
エレン「裕福な暮らしはできないだろうけど、どこかに隠れてさ、三人で暮らそう? ね?」
ロッド「そんなことは……」
エレン「ヒストリアもそう思うでしょ?」
ロッド「いや……そう簡単ではない。事情を知るものは黙ってないだろう。現に今、兵士が寝返り王政に牙をむいている。始祖の力が必要だ」
エレン「じゃあ逃げちゃおうよ」
ロッド「フリーダ……」
エレン「裕福な暮らしはできないだろうけど、どこかに隠れてさ、三人で暮らそう? ね?」
ロッド「そんなことは……」
エレン「ヒストリアもそう思うでしょ?」
117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:37:54.69 ID:6MQO8edp0
ロッド「ヒストリア、この注射を打て。それしか方法はないんだ。我々は世界に生き、世界に生かされている。フリーダと戦え! 我々の使命をまっとうするんだ!」
エレン「だめだよヒストリア。それじゃあヒストリアは幸せになれない。人類を救うこともできない。私ともお別れになる。そんなのいやでしょ? 家族三人で暮らそう?」
ヒストリア「……」
ロッド「ヒストリア!」
エレン「ヒストリア」
ヒストリア「…………二人を選ぶことなんてできない……」
エレン「どうして……」
ロッド「ヒストリア、今にも兵団がこちらに向かってきている。時間は残されていない……」
エレン「だめだよヒストリア。それじゃあヒストリアは幸せになれない。人類を救うこともできない。私ともお別れになる。そんなのいやでしょ? 家族三人で暮らそう?」
ヒストリア「……」
ロッド「ヒストリア!」
エレン「ヒストリア」
ヒストリア「…………二人を選ぶことなんてできない……」
エレン「どうして……」
ロッド「ヒストリア、今にも兵団がこちらに向かってきている。時間は残されていない……」
118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:39:42.45 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「お父さん。フリーダ姉さん。聞いて。私にはね、色んな私があるの」
エレン「ヒストリア?」
ヒストリア「レイス家としての使命を大事にしたい私もいるし、ヒストリアとして二人と暮らしたい私もいる。どっちも本当の私なの」
ロッド「……」
ヒストリア「私、二人のことが大好き。二人を大切にしたいって本当に思ってる。だって私は、お父さんの子供で、姉さんの妹だから……」
エレン「ヒストリア……」
ヒストリア「でもね――それと同時に、私は兵士でもあるの」スクッ
エレン「ヒストリア?」
ヒストリア「レイス家としての使命を大事にしたい私もいるし、ヒストリアとして二人と暮らしたい私もいる。どっちも本当の私なの」
ロッド「……」
ヒストリア「私、二人のことが大好き。二人を大切にしたいって本当に思ってる。だって私は、お父さんの子供で、姉さんの妹だから……」
エレン「ヒストリア……」
ヒストリア「でもね――それと同時に、私は兵士でもあるの」スクッ
119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:40:35.42 ID:6MQO8edp0
エレン「え?」
ロッド「ヒスト――かはっ!」
エレン「お、お父さん!」
ロッド「うう……! 鞄を……返……」
ヒストリア「ごめんねお父さん。落ちて」ガッ
ロッド「うわああああ!」
ドンッ パリーン
エレン「お父さん! あうっ!」ドサッ
ロッド「ヒスト――かはっ!」
エレン「お、お父さん!」
ロッド「うう……! 鞄を……返……」
ヒストリア「ごめんねお父さん。落ちて」ガッ
ロッド「うわああああ!」
ドンッ パリーン
エレン「お父さん! あうっ!」ドサッ
120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:42:18.06 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「フリーダ姉さん。消えてくれない?」
エレン「痛いよヒストリア……乗っからないで。どいて。お父さんが……」
ヒストリア「消えて」バキッ
エレン「ぐっ、痛いよ……どうしてヒストリア……」
ケニー「ハハハッ、黙ってみてたら、面白いことになったな」
ヒストリア「……」ギロッ
ケニー「おお、怖え怖え。邪魔なんかしねえよ」
エレン「痛いよヒストリア……乗っからないで。どいて。お父さんが……」
ヒストリア「消えて」バキッ
エレン「ぐっ、痛いよ……どうしてヒストリア……」
ケニー「ハハハッ、黙ってみてたら、面白いことになったな」
ヒストリア「……」ギロッ
ケニー「おお、怖え怖え。邪魔なんかしねえよ」
121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:44:02.75 ID:6MQO8edp0
エレン「おねがいヒストリア。考え直して。お父さんが怪我してる……」
ヒストリア「拘束しやすくていいでしょ」バキッ
エレン「痛い! 痛いってば!」
ヒストリア「出ていって姉さん。エレンから出ていって」
エレン「どうして……どうしてよ! ヒストリア、ずっと寂しい思いしてたでしょ!」
ヒストリア「嫌い! 嫌い!」ガンッ
エレン「私たちといっしょに暮らそう!」
ヒストリア「拘束しやすくていいでしょ」バキッ
エレン「痛い! 痛いってば!」
ヒストリア「出ていって姉さん。エレンから出ていって」
エレン「どうして……どうしてよ! ヒストリア、ずっと寂しい思いしてたでしょ!」
ヒストリア「嫌い! 嫌い!」ガンッ
エレン「私たちといっしょに暮らそう!」
122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:45:40.17 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「エレン! 出てきて! 逃げるよ!」ドカッ
エレン「またいっしょに本を読んだり、馬に乗ったり……」
ヒストリア「巨人を駆逐するんでしょ! こんなところで終わっていいの!?」バキッ
エレン「私、まだまだやりたいことがたくさんあるの!」
ヒストリア「起きろ! 起きろ! エレン! 結婚してあげるから!」ドカッ
エレン「ヒストリア! 無視しないで! 私を見て!」
ヒストリア「エレン! エレン!!」バキッ
エレン「いやだ! いやだ! いやだ! 死にたくない! 消えたくない! お父さん! お母さん!」
ヒストリア「エレン!!!」ドカッ
エレン「またいっしょに本を読んだり、馬に乗ったり……」
ヒストリア「巨人を駆逐するんでしょ! こんなところで終わっていいの!?」バキッ
エレン「私、まだまだやりたいことがたくさんあるの!」
ヒストリア「起きろ! 起きろ! エレン! 結婚してあげるから!」ドカッ
エレン「ヒストリア! 無視しないで! 私を見て!」
ヒストリア「エレン! エレン!!」バキッ
エレン「いやだ! いやだ! いやだ! 死にたくない! 消えたくない! お父さん! お母さん!」
ヒストリア「エレン!!!」ドカッ
123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:46:49.69 ID:6MQO8edp0
エレン「…………」
ヒストリア「エレ――」
エレン「痛えよ……ヒストリア……」
ヒストリア「!」
エレン「ああ……なんでなんだよヒストリア……オレはもういいのに……親父は、お前の……」
ヒストリア「エレ――」
エレン「痛えよ……ヒストリア……」
ヒストリア「!」
エレン「ああ……なんでなんだよヒストリア……オレはもういいのに……親父は、お前の……」
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:47:39.23 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「うるさい!」バキッ
エレン「うがっ……!」
ヒストリア「泣き言なら後でいくらでも聞いてあげる。そして全部受け止めてあげる! だから今は逃げ――」
ドーーン!
ヒストリア「なっ!」
エレン「っ! ヒストリア、危ねえ!」ギュッ
ヒストリア(! エレン……)
エレン「うがっ……!」
ヒストリア「泣き言なら後でいくらでも聞いてあげる。そして全部受け止めてあげる! だから今は逃げ――」
ドーーン!
ヒストリア「なっ!」
エレン「っ! ヒストリア、危ねえ!」ギュッ
ヒストリア(! エレン……)
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:48:47.00 ID:6MQO8edp0
――
―
牧場孤児院
エレン「……」
ヒストリア「エレン、ここにいたのね」
エレン「ヒストリア……」
ヒストリア「荷物はもう運んでくれた?」
エレン「全部やったよ」
―
牧場孤児院
エレン「……」
ヒストリア「エレン、ここにいたのね」
エレン「ヒストリア……」
ヒストリア「荷物はもう運んでくれた?」
エレン「全部やったよ」
126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:49:59.44 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「そう……」
エレン「……」ジー
ヒストリア「……? どうしたの? じろじろ見て」
エレン「……いや、何でもない」
ヒストリア「ふーん……でも不思議だね。あれから二ヶ月近く経つのに全然慣れないや。やっぱりフリーダ姉さんが消えたのは間違いなさそうだね」
エレン「……」ジー
ヒストリア「……? どうしたの? じろじろ見て」
エレン「……いや、何でもない」
ヒストリア「ふーん……でも不思議だね。あれから二ヶ月近く経つのに全然慣れないや。やっぱりフリーダ姉さんが消えたのは間違いなさそうだね」
127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:50:46.19 ID:6MQO8edp0
エレン「……なあ、本当によかったのか……?」
ヒストリア「もう、また言ってるの?」
エレン「結果的にお前が二人を……」
ヒストリア「私が決めたことだからね。後悔はしてない。エレンが気に病むことじゃないでしょ」
エレン「お前は立派だな……オレは……」
ヒストリア「エレンだって立派だよ。お父さんを倒せたのもエレンがいたからだよ」
ヒストリア「もう、また言ってるの?」
エレン「結果的にお前が二人を……」
ヒストリア「私が決めたことだからね。後悔はしてない。エレンが気に病むことじゃないでしょ」
エレン「お前は立派だな……オレは……」
ヒストリア「エレンだって立派だよ。お父さんを倒せたのもエレンがいたからだよ」
128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:52:19.69 ID:6MQO8edp0
エレン「…………なあ、ヒストリア」
ヒストリア「……何? エレン」
エレン「オレを起こしてる時……結婚してあげるって言ったの、覚えてるか?」
ヒストリア「……うん」
エレン「あれ……まだ有効か?」
ヒストリア「……」
エレン「……」
ヒストリア「……何? エレン」
エレン「オレを起こしてる時……結婚してあげるって言ったの、覚えてるか?」
ヒストリア「……うん」
エレン「あれ……まだ有効か?」
ヒストリア「……」
エレン「……」
129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:53:05.76 ID:6MQO8edp0
ヒストリア「どうだろうね……私はもう女王だから、結婚するならその地位にふさわしい人でないといけないと思う」
エレン「そうか……」
ヒストリア「ウォール・マリアの穴を塞いだ英雄、とかね?」
エレン「!」
ヒストリア「だから……」ギュッ
エレン「そうか……」
ヒストリア「ウォール・マリアの穴を塞いだ英雄、とかね?」
エレン「!」
ヒストリア「だから……」ギュッ
130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:54:02.73 ID:6MQO8edp0
エレン「あ……」
ヒストリア「絶対無事に、帰ってきてね……」
エレン「…………ああ。ありがとうヒストリア。必ず帰ってくる」ギュッ
ヒストリア「……」
エレン「オレと――」
ヒストリア「絶対無事に、帰ってきてね……」
エレン「…………ああ。ありがとうヒストリア。必ず帰ってくる」ギュッ
ヒストリア「……」
エレン「オレと――」
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 09:54:45.46 ID:6MQO8edp0
終
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 17:19:13.04 ID:m14XvU8Yo
おつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513373958/
Entry ⇒ 2017.12.16 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
サムエル「二千年後まで、さようなら」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:36:06 ID:LPWk6GNE
もし、この世界が一つの物語だったなら。
俺は、巨人を見上げる民衆の一人になりたかったなと。
解散式の夜、エレン.イェーガーはそう云った。
【858年】
ズーン……パラパラパラ……
ガラガラガラ
衛生兵A「輸血の用意を!それと、ガーゼが足りません!!早く補給してください!!」
サムエル「了解!」ガサゴソ
ズゥゥーン……
サムエル「……っと、と」グラッ
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:36:36 ID:LPWk6GNE
衛生兵B「班長!補給終わったら、傷口の縫合お願いします!!」アセアセ
サムエル「お前でやれ!訓練兵団で習っただろ!?」
衛生兵B「でっ、できません!習ってません!!」ブンブン
サムエル「できないじゃない、やれ!!繕いものと同じだ!!
……ああくそっ、片足の人間をこき使いやがって!!」バタバタ
俺が怒鳴りながら指示を出す間も、次から次へと負傷した兵士が運びこまれてくる。
この野戦病院は、さながら小さな地獄だ。
バターンッ
衛生兵D「ヤクソン班長!!」
サムエル「次はなんだ!!」
衛生兵D「マーレのっ…マーレの先遣隊が突撃してきました!」
サムエル「防衛班はどうした!」
衛生兵D「それがっ…敵の勢いが強く、押されています!このままじゃ、シガンシナ区が…!」
調査兵団がなんてザマだ。リヴァイ兵長が現役だったら削がれてんぞ。
これだから、立体起動が必修じゃなくなったゆとり世代は……。
サムエル「お前でやれ!訓練兵団で習っただろ!?」
衛生兵B「でっ、できません!習ってません!!」ブンブン
サムエル「できないじゃない、やれ!!繕いものと同じだ!!
……ああくそっ、片足の人間をこき使いやがって!!」バタバタ
俺が怒鳴りながら指示を出す間も、次から次へと負傷した兵士が運びこまれてくる。
この野戦病院は、さながら小さな地獄だ。
バターンッ
衛生兵D「ヤクソン班長!!」
サムエル「次はなんだ!!」
衛生兵D「マーレのっ…マーレの先遣隊が突撃してきました!」
サムエル「防衛班はどうした!」
衛生兵D「それがっ…敵の勢いが強く、押されています!このままじゃ、シガンシナ区が…!」
調査兵団がなんてザマだ。リヴァイ兵長が現役だったら削がれてんぞ。
これだから、立体起動が必修じゃなくなったゆとり世代は……。
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:37:22 ID:LPWk6GNE
サムエル「俺の対人用立体起動を持ってこい」
衛生兵D「危険です!それに、班長にもしものことがあったら…」
サムエル「黙れ!ここの防衛は衛生班の仕事だ!!お前はさっさと俺の班を集合させろ!!」ゴスッ
尻を蹴飛ばすと、若い衛生兵は半泣きで駆けていく。
俺はそのあいだに、散弾銃を装備した立体起動装置をつけて、
義足がすっぽ抜けないようベルトをギリギリと締め上げる。
衛生兵D「救命衛生第一班、集合しました!!」ビシッ
サムエル「よし、全員立体起動に移れ!マーレ先遣隊の背後に回りこむぞ!!」バシュッ!
全員 「「「「了解!!」」」」
塹壕から走り出た俺たちは、星空の下を飛んでいく。
バシュッ、ゴオオ…
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:38:05 ID:LPWk6GNE
サムエル(……マーレ人はエルディア人に比べて骨が弱い。だから、立体起動装置は
俺たちエルディア人しか使えない)パシュッ
サムエル(これも、壁の外に出てから知ったことの一つだ)ギュルルル
バアンッ!
ワイヤーを巻きとって接近する俺に、岩場のすきまから銃弾が飛んできた。
サムエル 「いたぞ、先遣隊だ!総員、戦闘に入れ!」ガッ
俺は撃った敵兵のヘルメットにアンカーを突き刺して、体を回転させる。
敵兵A 「ぐっ……」バタンッ
チュインッ、チリッ
そのまま散弾銃を構えた俺の頬とワイヤーを、銃弾がかすめる。
敵兵B 「自由の翼……エルディアの調査兵団だ!」
敵兵C 「ひるむな!撃てぇ!!ワイヤーを狙え!!」
俺たちエルディア人しか使えない)パシュッ
サムエル(これも、壁の外に出てから知ったことの一つだ)ギュルルル
バアンッ!
ワイヤーを巻きとって接近する俺に、岩場のすきまから銃弾が飛んできた。
サムエル 「いたぞ、先遣隊だ!総員、戦闘に入れ!」ガッ
俺は撃った敵兵のヘルメットにアンカーを突き刺して、体を回転させる。
敵兵A 「ぐっ……」バタンッ
チュインッ、チリッ
そのまま散弾銃を構えた俺の頬とワイヤーを、銃弾がかすめる。
敵兵B 「自由の翼……エルディアの調査兵団だ!」
敵兵C 「ひるむな!撃てぇ!!ワイヤーを狙え!!」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:38:52 ID:LPWk6GNE
ガガガガガッ!!
衛生兵A「うおおおおお!!」ギュルルル
ザクッ!
衛生兵A「よっしゃあ、討伐数10!」グッ
衛生兵B「おいおい、俺の補佐も忘れんじゃねえぞ!」ギャハハ
敵兵B 「くそ、撤退だ!てった……」ザクッ
衛生兵B「死ね、マーレの二等民が!!エルディアの力を思い知「やめろ!」班長……」シュン
こいつ、エルディア至上主義者だったのか。
マリア奪還後からこういううるさい奴が増えたな…。
サムエル「お前らに聞きたいことがある。レベリオとの通信が途絶えているのはどういう事だ?
戦闘はどうなった?」
敵兵C 「ひっ…」ガタガタ
サムエル「軍用鳩が還ってこない。だからお前らから聞くしかないんだ。答えろ」
衛生兵A「うおおおおお!!」ギュルルル
ザクッ!
衛生兵A「よっしゃあ、討伐数10!」グッ
衛生兵B「おいおい、俺の補佐も忘れんじゃねえぞ!」ギャハハ
敵兵B 「くそ、撤退だ!てった……」ザクッ
衛生兵B「死ね、マーレの二等民が!!エルディアの力を思い知「やめろ!」班長……」シュン
こいつ、エルディア至上主義者だったのか。
マリア奪還後からこういううるさい奴が増えたな…。
サムエル「お前らに聞きたいことがある。レベリオとの通信が途絶えているのはどういう事だ?
戦闘はどうなった?」
敵兵C 「ひっ…」ガタガタ
サムエル「軍用鳩が還ってこない。だからお前らから聞くしかないんだ。答えろ」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:39:43 ID:LPWk6GNE
敵兵D 「あ、悪魔の末裔め……俺たちマーレは屈しないぞ、最後の一人になるま」ザシュッ!
ギュルルル…ストンッ
衛生兵C「ヤクソン班長、ご無事ですか!」ポタポタ
サムエル「……俺は平気だ、それより索敵の報告を」
衛生兵C「周囲に敵の隊はありませんでした!」
サムエル「よし、帰還するぞ」
衛生兵C「はっ!」ビシィッ
サムエル(あーあ……これなら、巨人と闘ってりゃよかった時代の兵士の方が、気が楽だったろうなあ)
ギュルルル…ストンッ
衛生兵C「ヤクソン班長、ご無事ですか!」ポタポタ
サムエル「……俺は平気だ、それより索敵の報告を」
衛生兵C「周囲に敵の隊はありませんでした!」
サムエル「よし、帰還するぞ」
衛生兵C「はっ!」ビシィッ
サムエル(あーあ……これなら、巨人と闘ってりゃよかった時代の兵士の方が、気が楽だったろうなあ)
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:40:13 ID:LPWk6GNE
【二日後】
バタバタバタ…バンッ
衛生兵A「ヤクソン班長、精鋭部隊が到着したとのことです!」
サムエル「やっとか……レベリオ収容区の解放は無事に終わったのか?」
衛生兵A「ええ。"超大型"がやってくれたそうで。マーレ軍の飛行艦をグシャーッ!って!!
いやあ、僕も見たかったなあ」キラキラ
サムエル「……そうか」(アルミン……)
カツーンッカツーンッ
衛生兵A「そういえばヤクソン班長って、あの"104期"なんですよね」
サムエル「ああ、生き残ってるのはもう俺を含めて5、6人しかいないけどな」
衛生兵A「じゃあ今日は、久しぶりの同窓会ですか?」
サムエル「バカ言うな、この非常事態に」ガチャッ
俺が入ると、整列していた衛生兵たちがザッと敬礼する。
その中で、ひときわ美しい黒髪をなびかせた彼女と目が合った。
バタバタバタ…バンッ
衛生兵A「ヤクソン班長、精鋭部隊が到着したとのことです!」
サムエル「やっとか……レベリオ収容区の解放は無事に終わったのか?」
衛生兵A「ええ。"超大型"がやってくれたそうで。マーレ軍の飛行艦をグシャーッ!って!!
いやあ、僕も見たかったなあ」キラキラ
サムエル「……そうか」(アルミン……)
カツーンッカツーンッ
衛生兵A「そういえばヤクソン班長って、あの"104期"なんですよね」
サムエル「ああ、生き残ってるのはもう俺を含めて5、6人しかいないけどな」
衛生兵A「じゃあ今日は、久しぶりの同窓会ですか?」
サムエル「バカ言うな、この非常事態に」ガチャッ
俺が入ると、整列していた衛生兵たちがザッと敬礼する。
その中で、ひときわ美しい黒髪をなびかせた彼女と目が合った。
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:40:57 ID:LPWk6GNE
ミカサ 「ひさしぶり、サムエル」
アルミン「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって」
サムエル「気にするな。お前らが無事で何よりだよ。ミカサ、アルミン」
ミカサ 「…ふふっ、サシャじゃなくてがっかりした?」
サムエル「何を期待してんだ首席様」
ミカサ 「サシャは無事。一足先にトロスト区へ帰った」
サムエル「よかった……」ホッ
アルミン「……」ゴホン
ミカサ 「……あ、いけない。またアルミンにお説教されてしまう。
ええと…"エルディア軍調査兵団戦闘分隊長、ミカサ.アッカーマン以下15名、
ウォール.マリアシガンシナ基地へ帰還いたしました!"」ビシッ
ミカサ 「……これで、合ってる?」オズオズ
サムエル「……」
アルミン「……」
サムエル「……ぷっ!…あっはっはっは!!」
アルミン「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって」
サムエル「気にするな。お前らが無事で何よりだよ。ミカサ、アルミン」
ミカサ 「…ふふっ、サシャじゃなくてがっかりした?」
サムエル「何を期待してんだ首席様」
ミカサ 「サシャは無事。一足先にトロスト区へ帰った」
サムエル「よかった……」ホッ
アルミン「……」ゴホン
ミカサ 「……あ、いけない。またアルミンにお説教されてしまう。
ええと…"エルディア軍調査兵団戦闘分隊長、ミカサ.アッカーマン以下15名、
ウォール.マリアシガンシナ基地へ帰還いたしました!"」ビシッ
ミカサ 「……これで、合ってる?」オズオズ
サムエル「……」
アルミン「……」
サムエル「……ぷっ!…あっはっはっは!!」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:41:27 ID:LPWk6GNE
ミカサ 「!?」
アルミン「はははっ……ミカサ、君って本当に……いや、ごめ…あはははは!」
ミカサ 「わ、笑わないで!私は、真剣に……」
◆◆◆◆
サムエル「なあミカサ、悪かったって。別にバカにしたわけじゃないんだから」
ミカサ 「……」むすー
サムエル「えーと、その……俺たち、同期だろ。だから堅っ苦しいのやられると
なんか変な感じするっつーか、だから」
ミカサ 「……それならそうと、言えばいい」
サムエル「はい、ごめんなさい」ニコニコ
ミカサ 「許す」
俺たちは連れ立って、シガンシナ基地の中を歩いていた。
(アルミンはハンジ団長に会いに行った)
そういえば、訓練兵団の頃も、エレンとは仲良くやってたけど…ミカサとは班も違ったし、
こうして二人で話すのは初めてな気がする。
アルミン「はははっ……ミカサ、君って本当に……いや、ごめ…あはははは!」
ミカサ 「わ、笑わないで!私は、真剣に……」
◆◆◆◆
サムエル「なあミカサ、悪かったって。別にバカにしたわけじゃないんだから」
ミカサ 「……」むすー
サムエル「えーと、その……俺たち、同期だろ。だから堅っ苦しいのやられると
なんか変な感じするっつーか、だから」
ミカサ 「……それならそうと、言えばいい」
サムエル「はい、ごめんなさい」ニコニコ
ミカサ 「許す」
俺たちは連れ立って、シガンシナ基地の中を歩いていた。
(アルミンはハンジ団長に会いに行った)
そういえば、訓練兵団の頃も、エレンとは仲良くやってたけど…ミカサとは班も違ったし、
こうして二人で話すのは初めてな気がする。
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:42:39 ID:LPWk6GNE
ミカサ 「……ウォール.マリアを奪還してから、色々なことがあった」
サムエル「……そうだな」
ミカサ 「まさか、巨人が同じ人間だったなんて……考えたこともなかった。
心の整理がつかないまま、調査兵団はエルディア軍として再編されて……
4年後に、マーレとの戦争が始まった」
サムエル「半年目にパラディ島を制圧……さらに大陸まで侵攻した俺たちエルディア人は、
ついにレベリオ収容区を解放して、同胞たちと感涙の再会……ってか。
胸クソ悪くなる話だよな」
ミカサ 「でも、そうしなきゃエルディア人が滅ぼされてしまう。
よくないことだけど、やらなくちゃいけない」
サムエル「……」
ミカサ 「……」
俺たちはしばらく、黙って花壇を眺めていた。
ミカサ 「サムエル、実はもう一つ、悪い知らせがあるの」
サムエル「……なんだ?」
サムエル「……そうだな」
ミカサ 「まさか、巨人が同じ人間だったなんて……考えたこともなかった。
心の整理がつかないまま、調査兵団はエルディア軍として再編されて……
4年後に、マーレとの戦争が始まった」
サムエル「半年目にパラディ島を制圧……さらに大陸まで侵攻した俺たちエルディア人は、
ついにレベリオ収容区を解放して、同胞たちと感涙の再会……ってか。
胸クソ悪くなる話だよな」
ミカサ 「でも、そうしなきゃエルディア人が滅ぼされてしまう。
よくないことだけど、やらなくちゃいけない」
サムエル「……」
ミカサ 「……」
俺たちはしばらく、黙って花壇を眺めていた。
ミカサ 「サムエル、実はもう一つ、悪い知らせがあるの」
サムエル「……なんだ?」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:43:13 ID:LPWk6GNE
ミカサ 「エレンが、もうすぐ死ぬ」
サムエル「……はっ?」
ミカサ 「私と一緒に来てほしい。そこでエレンが待ってる。
仲間たちへ最期の言葉を伝えるために」
ミカサ 「お願い、サムエル。あなたも一緒に、エレンの命が消えるのを見届けてほしい」
ざあっと風が吹いて、舞い上がった花びらがミカサの顔を覆い隠す。
だから俺に分かったのは、手をとったミカサの声が震えていることだけだった。
サムエル「……はっ?」
ミカサ 「私と一緒に来てほしい。そこでエレンが待ってる。
仲間たちへ最期の言葉を伝えるために」
ミカサ 「お願い、サムエル。あなたも一緒に、エレンの命が消えるのを見届けてほしい」
ざあっと風が吹いて、舞い上がった花びらがミカサの顔を覆い隠す。
だから俺に分かったのは、手をとったミカサの声が震えていることだけだった。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:43:46 ID:LPWk6GNE
【現在公開可能な情報】
サムエル.リンケ=ヤクソン
23歳。調査兵団戦闘支援分隊、救命衛生第一班班長。
従軍医師は厳密には兵士ではないため、赤い十字マークの腕章をつける決まりになっている。
サシャは大恩人。上位10名以外の104期生唯一の生き残り。
調査兵団
エルディア人たちの軍隊として、憲兵団と合体し再編される。
一方、駐屯兵団は独立を保っており、居住地区の最終防衛ラインを担当している。
訓練兵団も存続。しかし、現在は対巨人より対人のための訓練を主とする。
立体起動装置
現在は、軽量化と共にマシンガンの装備された対人用が主流。
ワイヤーは銃撃でもなかなか壊れず、また、マーレ人の骨格では使いこなせない。
しかし、エルディアは大型兵器の進歩に乏しいため、
立体起動をもってしても、戦況は五分五分といったところである。
サムエル.リンケ=ヤクソン
23歳。調査兵団戦闘支援分隊、救命衛生第一班班長。
従軍医師は厳密には兵士ではないため、赤い十字マークの腕章をつける決まりになっている。
サシャは大恩人。上位10名以外の104期生唯一の生き残り。
調査兵団
エルディア人たちの軍隊として、憲兵団と合体し再編される。
一方、駐屯兵団は独立を保っており、居住地区の最終防衛ラインを担当している。
訓練兵団も存続。しかし、現在は対巨人より対人のための訓練を主とする。
立体起動装置
現在は、軽量化と共にマシンガンの装備された対人用が主流。
ワイヤーは銃撃でもなかなか壊れず、また、マーレ人の骨格では使いこなせない。
しかし、エルディアは大型兵器の進歩に乏しいため、
立体起動をもってしても、戦況は五分五分といったところである。
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 11:44:37 ID:LPWk6GNE
>>1に書き忘れた
※サムエルでリプ来たので書いた
※設定とかだいぶ自己流
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:24:38 ID:4iQW6JEc
【数日後】
レベリオでの勝利は、確実にエルディア軍の士気を上げている。
このまま一気にマーレを攻め落とすのも不可能ではないだろう。
ガタガタ…
ハンジ 「だからこそ、ここでエレンに死なれちゃ困るんだけどね。ほんとは」
サムエル「は、はあ」
ハンジ 「エレンはやっぱり、エルディア人たちの英雄なわけだよ。
あ、"進撃の巨人"はね。マリア奪還からパラディ制圧まで、よく闘ってくれたかおおっとお!!」グラッ
ハンジ 「いやあ、石畳って馬車には優しくないね。で、どこまで話したっけ?
ああ、エレンの死が及ぼす影響についてだね」
サムエル「俺は巨人に疎いのですが……心配はいらないのでは?その、巨人の力は、継承できるんでしたよね」
ハンジ 「うん。あ、もしかして継承のやり方も知ってる感じ?」
俺がうなずくと、ハンジ団長は「そっか」と目を伏せた。
レベリオでの勝利は、確実にエルディア軍の士気を上げている。
このまま一気にマーレを攻め落とすのも不可能ではないだろう。
ガタガタ…
ハンジ 「だからこそ、ここでエレンに死なれちゃ困るんだけどね。ほんとは」
サムエル「は、はあ」
ハンジ 「エレンはやっぱり、エルディア人たちの英雄なわけだよ。
あ、"進撃の巨人"はね。マリア奪還からパラディ制圧まで、よく闘ってくれたかおおっとお!!」グラッ
ハンジ 「いやあ、石畳って馬車には優しくないね。で、どこまで話したっけ?
ああ、エレンの死が及ぼす影響についてだね」
サムエル「俺は巨人に疎いのですが……心配はいらないのでは?その、巨人の力は、継承できるんでしたよね」
ハンジ 「うん。あ、もしかして継承のやり方も知ってる感じ?」
俺がうなずくと、ハンジ団長は「そっか」と目を伏せた。
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:25:13 ID:4iQW6JEc
サムエル「……もう、進撃の巨人の継承者は決まってるんですか?」
ハンジ 「それについては、本人から聞いた方がいいと思うよ。
エレンも、最後は友達と過ごしたいって希望していたからね」
ガタンッ…
ハンジ 「さあ、着いたよ。降りて」
サムエル「ここは……」
きっと王都の地下あたりだろうという予想に反して、
連れてこられたのは白壁の立派な城だった。広々とした庭園や、青いとんがり屋根は、
まるで童話から抜け出たみたいな風情だ。
ハンジ 「旧調査兵団本部。懐かしいなあ、エレンは初めての壁画調査に行く前も、ここにいてさ。
よく訪ねて行ったもんだよ」
サムエル「ここがエレンの終の棲家ですか」
ハンジ 「いいとこでしょ?ちょっと中は暗いけど」ギィィ…
ハンジ 「それについては、本人から聞いた方がいいと思うよ。
エレンも、最後は友達と過ごしたいって希望していたからね」
ガタンッ…
ハンジ 「さあ、着いたよ。降りて」
サムエル「ここは……」
きっと王都の地下あたりだろうという予想に反して、
連れてこられたのは白壁の立派な城だった。広々とした庭園や、青いとんがり屋根は、
まるで童話から抜け出たみたいな風情だ。
ハンジ 「旧調査兵団本部。懐かしいなあ、エレンは初めての壁画調査に行く前も、ここにいてさ。
よく訪ねて行ったもんだよ」
サムエル「ここがエレンの終の棲家ですか」
ハンジ 「いいとこでしょ?ちょっと中は暗いけど」ギィィ…
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:26:09 ID:4iQW6JEc
カツーン…カツーン…
サムエル「あの、団長」
ハンジ 「んー?」
サムエル「さっきからだいぶ階段を下りている気がするのですが。なぜエレンはこんな場所に?」
ハンジ 「まあ、念のため……ね」ガチャッ
連れてこられたのは、地下牢のような場所だった。
といっても、檻は取り外されて、なかなか快適そうだ。
エレン 「サムエル!来てくれたんだな!」ガタッ
サムエル「エレン……」
エレン 「何しみったれた顔してんだよ、俺はこのとおりまだ元気だぜ!」バシバシ
サムエル「あの、団長」
ハンジ 「んー?」
サムエル「さっきからだいぶ階段を下りている気がするのですが。なぜエレンはこんな場所に?」
ハンジ 「まあ、念のため……ね」ガチャッ
連れてこられたのは、地下牢のような場所だった。
といっても、檻は取り外されて、なかなか快適そうだ。
エレン 「サムエル!来てくれたんだな!」ガタッ
サムエル「エレン……」
エレン 「何しみったれた顔してんだよ、俺はこのとおりまだ元気だぜ!」バシバシ
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:26:43 ID:4iQW6JEc
俺の背中を叩く手は、全然痛くなかった。
エレンの顔には血管が浮き出ていて、血色も悪い。
もう長くはない、というのは本当らしい。
エレン 「しっかし、お前が生き残るとは思わなかったなあ」
サムエル「俺もな。座っていいか?」
エレン 「おう。久しぶりに会ったんだし、昔話としゃれこもうぜ」
ハンジ 「んじゃ、私はちょっと上で用事があるから。ゆっくりしていってね」
カンカンカン…
団長の足音が完全に聞こえなくなると、エレンは「フーッ」と息を吐く。
エレン 「なんつーか、いざこうやって向き合ってみるとさ。何喋っていいのか
分かんねえな」
サムエル「そうだな。まあ、ジャンたちもすぐ来るからよ。それまでテキトーに
ヒマつぶそうぜ。つーかエレン、お前よく俺のこと覚えてたな」
エレン 「忘れるわけないだろ!同じ固定砲整備班だったし、仲良くやってたじゃねーか!
……あの後、20人ちょい生き残ったのは知ってたけど、ビックリしたぜ。
名簿見たらお前しかいねえんだもんな」
エレンの顔には血管が浮き出ていて、血色も悪い。
もう長くはない、というのは本当らしい。
エレン 「しっかし、お前が生き残るとは思わなかったなあ」
サムエル「俺もな。座っていいか?」
エレン 「おう。久しぶりに会ったんだし、昔話としゃれこもうぜ」
ハンジ 「んじゃ、私はちょっと上で用事があるから。ゆっくりしていってね」
カンカンカン…
団長の足音が完全に聞こえなくなると、エレンは「フーッ」と息を吐く。
エレン 「なんつーか、いざこうやって向き合ってみるとさ。何喋っていいのか
分かんねえな」
サムエル「そうだな。まあ、ジャンたちもすぐ来るからよ。それまでテキトーに
ヒマつぶそうぜ。つーかエレン、お前よく俺のこと覚えてたな」
エレン 「忘れるわけないだろ!同じ固定砲整備班だったし、仲良くやってたじゃねーか!
……あの後、20人ちょい生き残ったのは知ってたけど、ビックリしたぜ。
名簿見たらお前しかいねえんだもんな」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:27:18 ID:4iQW6JEc
サムエル「まあ、俺は前衛に出ないからな、なんたって従軍医師だし」
エレン 「医師?」
サムエル「あ、そういやエレンは医者の息子だっけ」
エレン 「そうだけど。??なんでお前……」
サムエル「ああ、サシャが俺の足にアンカー突き刺して助けてくれたのは覚えてるか?」
エレン 「ありゃ強烈だった。一生忘れねえ光景だよ」
サムエル「そのあと兵団病院に運びこまれたんだけどな、怪我人が多すぎたもんだから、俺は
後回しにされたんだ。ごった返してる中で消毒も忘れられて、そのうち足がグジョグジョに膿んできて」
エレン 「げっ…聞いてるだけで痛くなってきた」
サムエル「結局、切り落とすことになって」カポッ
エレン 「医師?」
サムエル「あ、そういやエレンは医者の息子だっけ」
エレン 「そうだけど。??なんでお前……」
サムエル「ああ、サシャが俺の足にアンカー突き刺して助けてくれたのは覚えてるか?」
エレン 「ありゃ強烈だった。一生忘れねえ光景だよ」
サムエル「そのあと兵団病院に運びこまれたんだけどな、怪我人が多すぎたもんだから、俺は
後回しにされたんだ。ごった返してる中で消毒も忘れられて、そのうち足がグジョグジョに膿んできて」
エレン 「げっ…聞いてるだけで痛くなってきた」
サムエル「結局、切り落とすことになって」カポッ
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:27:49 ID:4iQW6JEc
エレン 「あー!見せんな、見せんな!」
サムエル「……で、当然兵士には戻れないってことだったんだけど、やっぱサシャに助けてもらった
恩は返したいって思ってな。エルミハ区の王立医学校を出て、ちょうど再編されたばっかの
調査兵団に潜りこんで、今に至る……ってわけだ」カポッ
エレン 「……お前も、苦労したんだな」
サムエル「よせよ。お前に比べれば楽だ」
エレン 「……いや、改めて気づかされた感じだ。皆、俺の知らない所でそれぞれの闘いをしてたんだな」
ガチャッ…カンカンカンカン
サシャ 「エレーーン!ケーキ持ってきましたよー!!」
ジャン 「よおエレン、死んでないかと思ってヒヤヒヤしてたぜ」ニタッ
ミカサ 「ジャン……悪気がないのは分かるけど、さすがに今日は」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:28:23 ID:4iQW6JEc
ジャン 「わ、悪かったよ。ただ…予定変わって会えなかったら、どうしよう……って」モゴモゴ
ミカサ 「ならいい」
エレン 「お前ら…」
ミカサ 「それはそうと、サムエル、来てくれてありがとう」
サムエル「約束したからな」
ミカサ 「でも……大丈夫?シガンシナはあなた以外に医師がいないんでしょう?」
サムエル「今日一日くらいは、ヒヨッコ衛生兵で回せるさ」
サシャ 「あ、サムエルも来てたんですか!?前に会ったのがたしか、医学校いたころだから……
ごめんなさい!手紙も全然出せなくて……」アワアワ
サムエル「いや、仕方ないだろ。バタバタしてたし」
サシャ 「それはそうと…」ダラァ
大きなケーキを抱えたサシャは、もう食べたそうにヨダレを垂らしてる。
それを見たジャンは「エレン、皿出してやれよ」とあきらめた。
ミカサ 「ならいい」
エレン 「お前ら…」
ミカサ 「それはそうと、サムエル、来てくれてありがとう」
サムエル「約束したからな」
ミカサ 「でも……大丈夫?シガンシナはあなた以外に医師がいないんでしょう?」
サムエル「今日一日くらいは、ヒヨッコ衛生兵で回せるさ」
サシャ 「あ、サムエルも来てたんですか!?前に会ったのがたしか、医学校いたころだから……
ごめんなさい!手紙も全然出せなくて……」アワアワ
サムエル「いや、仕方ないだろ。バタバタしてたし」
サシャ 「それはそうと…」ダラァ
大きなケーキを抱えたサシャは、もう食べたそうにヨダレを垂らしてる。
それを見たジャンは「エレン、皿出してやれよ」とあきらめた。
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:28:57 ID:4iQW6JEc
エレン 「ヒストリアは?」
サシャ 「ちょっと……出られないそうです」
エレン 「そっか。大変だもんな、女王様は」
サシャ 「……何か、伝えておいてほしいこと、ありませんか?」
エレン 「じゃあ……"元気でな。それと、ありがとう"って」
ミカサ 「分かった。絶対に伝える。シャンパンを注ごう。サシャが飢えた奇行種みたいになってる」
エレン 「美味そうなケーキだなあ!サシャが焼いたのか?」
サシャ 「私とミカサの力作です!エレンの大好きなプラリネ入りですよ!」ガツガツ
ジャン 「がっつくな!俺らの分がなくなるだろーが!」
サシャ 「大丈夫です!大きめに焼きましたから!」
サムエル「ほんとだ、どう見ても10人前はあるぞこのケーキ」モグモグ
サシャ 「ちょっと……出られないそうです」
エレン 「そっか。大変だもんな、女王様は」
サシャ 「……何か、伝えておいてほしいこと、ありませんか?」
エレン 「じゃあ……"元気でな。それと、ありがとう"って」
ミカサ 「分かった。絶対に伝える。シャンパンを注ごう。サシャが飢えた奇行種みたいになってる」
エレン 「美味そうなケーキだなあ!サシャが焼いたのか?」
サシャ 「私とミカサの力作です!エレンの大好きなプラリネ入りですよ!」ガツガツ
ジャン 「がっつくな!俺らの分がなくなるだろーが!」
サシャ 「大丈夫です!大きめに焼きましたから!」
サムエル「ほんとだ、どう見ても10人前はあるぞこのケーキ」モグモグ
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:29:29 ID:4iQW6JEc
ミカサ 「ちなみにプラリネは私の自信作」モグモグ
エレン 「ミカサ、俺が好きだって言ったの覚えてたのか?」
ミカサ 「家族だから、当然」ゴックン
しばらくおしゃべりしながらのティータイムを楽しむ。
ふいに、エレンがフォークを置いて呟いた。
エレン 「……訓練兵の頃はさ、こんなでっかいケーキ食えるなんて想像もしてなかったな」
ジャン 「砂糖もバターも、貴重品だったからな」グビッ「……ふう。このカルバドスも、昔はお貴族サマの専売品だったしな」
エレン 「……マーレとの戦争に勝ったおかげで、今……こんな美味いケーキが食えるのか」
サムエル「つまり、お前のおかげだ。ありがとな、エレン」
エレン 「……」
エレン 「ミカサ、俺が好きだって言ったの覚えてたのか?」
ミカサ 「家族だから、当然」ゴックン
しばらくおしゃべりしながらのティータイムを楽しむ。
ふいに、エレンがフォークを置いて呟いた。
エレン 「……訓練兵の頃はさ、こんなでっかいケーキ食えるなんて想像もしてなかったな」
ジャン 「砂糖もバターも、貴重品だったからな」グビッ「……ふう。このカルバドスも、昔はお貴族サマの専売品だったしな」
エレン 「……マーレとの戦争に勝ったおかげで、今……こんな美味いケーキが食えるのか」
サムエル「つまり、お前のおかげだ。ありがとな、エレン」
エレン 「……」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:30:01 ID:4iQW6JEc
じっとケーキを見つめて、エレンは少し悲しそうな顔をした。
ジャン 「おい、何しみったれた顔してんだよ。俺らは感謝してんだぞ」
サシャ 「そうですよ!エレンが闘ってくれなきゃ私、飢え死にしてたかもしれません!」
サムエル「壁の外に行けるようになったのも、お前のおかげだぞ。お前が、自分の夢をエルディア人
みんなに分けてやったんだ」
ジャン 「砂の平原、氷の大地、炎の山……全部、お前のおかげで見れた。すげえよ、お前は」
ミカサ 「そう。あなたは英雄。私たちにとっても、エルディア人にとっても。
マーレ人がいくらあなたを恨んでも、私たちは誇りに思う」
ミカサ 「きっと……あの三人も、そうだった」
エレン 「……!」
エレン 「そう……か。そう…だよな。お前らがそう言ってくれるなら、俺……
死んでも、幸せかもしれねえな」
ガチャッ
ジャン 「おい、何しみったれた顔してんだよ。俺らは感謝してんだぞ」
サシャ 「そうですよ!エレンが闘ってくれなきゃ私、飢え死にしてたかもしれません!」
サムエル「壁の外に行けるようになったのも、お前のおかげだぞ。お前が、自分の夢をエルディア人
みんなに分けてやったんだ」
ジャン 「砂の平原、氷の大地、炎の山……全部、お前のおかげで見れた。すげえよ、お前は」
ミカサ 「そう。あなたは英雄。私たちにとっても、エルディア人にとっても。
マーレ人がいくらあなたを恨んでも、私たちは誇りに思う」
ミカサ 「きっと……あの三人も、そうだった」
エレン 「……!」
エレン 「そう……か。そう…だよな。お前らがそう言ってくれるなら、俺……
死んでも、幸せかもしれねえな」
ガチャッ
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:30:38 ID:4iQW6JEc
リヴァイ「エレン……時間だ」
その言葉に、俺たちの背筋が自然と伸びる。
エレンはフォークを置くと、「じゃあ、行くか」と風呂にでも行くみたいな
軽口で立ち上がった。
ジャン 「向こう行ったら、マルコによろしくな。コニーには……"マリア防衛戦では、助けらんなくて悪かった"って」
エレン 「コニーは…お前のこと恨んだりはしねえよ。あいつ、バカだけどいい奴だからな。
そっか。マルコにも久々に会えるのか……楽しみだな」シンミリ
サシャ 「ミーナに伝えておいてください、"貸してもらった髪留め、なくしちゃってごめんなさい"って」
エレン 「それはお前が自分で言えよ」デコピンッ
サムエル「トーマスとナックと、あとミリウスにも。俺たちは元気でやってるって言っといてくれよ。
バカ夫婦は思いっきりからかってやれ」ハハハ
エレン 「ああ」グッ
その言葉に、俺たちの背筋が自然と伸びる。
エレンはフォークを置くと、「じゃあ、行くか」と風呂にでも行くみたいな
軽口で立ち上がった。
ジャン 「向こう行ったら、マルコによろしくな。コニーには……"マリア防衛戦では、助けらんなくて悪かった"って」
エレン 「コニーは…お前のこと恨んだりはしねえよ。あいつ、バカだけどいい奴だからな。
そっか。マルコにも久々に会えるのか……楽しみだな」シンミリ
サシャ 「ミーナに伝えておいてください、"貸してもらった髪留め、なくしちゃってごめんなさい"って」
エレン 「それはお前が自分で言えよ」デコピンッ
サムエル「トーマスとナックと、あとミリウスにも。俺たちは元気でやってるって言っといてくれよ。
バカ夫婦は思いっきりからかってやれ」ハハハ
エレン 「ああ」グッ
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:31:39 ID:4iQW6JEc
カツーン…カツーン…
地下牢を出て、長い廊下を歩く。
その間、俺たちもエレンも無言で、前を歩くリヴァイ兵長の背中を見つめていた。
エレン 「今、思い出してんだけどさ。解散式の夜に、俺……こんなこと言っただろ」
エレン 「もし……もし、この世界が一つの物語だったんなら……
俺は英雄じゃなくて、巨人を見上げる民衆の一人に、なりたかったな……って」
ミカサ 「エレン……」
エレン 「やっと、その夢が叶うんだ。俺は、ただのエレン.イェーガーに戻れる。
……人間として、死ねる」
地下牢を出て、長い廊下を歩く。
その間、俺たちもエレンも無言で、前を歩くリヴァイ兵長の背中を見つめていた。
エレン 「今、思い出してんだけどさ。解散式の夜に、俺……こんなこと言っただろ」
エレン 「もし……もし、この世界が一つの物語だったんなら……
俺は英雄じゃなくて、巨人を見上げる民衆の一人に、なりたかったな……って」
ミカサ 「エレン……」
エレン 「やっと、その夢が叶うんだ。俺は、ただのエレン.イェーガーに戻れる。
……人間として、死ねる」
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:32:12 ID:4iQW6JEc
カツンッ
俺たちは、鉄で出来た重い扉の前で止まった。
このために取りつけたものらしく、壁に比べて扉だけ新しい。
リヴァイ「……おい、別れは済ませたか?」
ミカサ 「私は、最後まで一緒に」
ジャン 「俺もだ」
サシャ 「私も行きます」
リヴァイ「……お前は?」
サムエル「……」
サムエル「当然。仲間だからな」
ギィィ…
元は大広間だったそこに、一人の小さな女の子が立っている。
その背後に立ってたうすらヒゲのおっさんが進み出て、エレンの首に十字架をかけた。
俺たちは、鉄で出来た重い扉の前で止まった。
このために取りつけたものらしく、壁に比べて扉だけ新しい。
リヴァイ「……おい、別れは済ませたか?」
ミカサ 「私は、最後まで一緒に」
ジャン 「俺もだ」
サシャ 「私も行きます」
リヴァイ「……お前は?」
サムエル「……」
サムエル「当然。仲間だからな」
ギィィ…
元は大広間だったそこに、一人の小さな女の子が立っている。
その背後に立ってたうすらヒゲのおっさんが進み出て、エレンの首に十字架をかけた。
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/01(木) 14:32:55 ID:4iQW6JEc
エレン 「……じゃあな、皆」
ミカサ 「……エレン」
エレン 「生まれ変わったら、また会いに行くよ」
それだけ言うと、エレンはくるっと背中を向ける。
サムエル「生まれ変わったら……また」
跪いたエレンを見下ろして、もう一度呟く。
サムエル(お前にまた会えるその日が、待ち遠しい)
終
ミカサ 「……エレン」
エレン 「生まれ変わったら、また会いに行くよ」
それだけ言うと、エレンはくるっと背中を向ける。
サムエル「生まれ変わったら……また」
跪いたエレンを見下ろして、もう一度呟く。
サムエル(お前にまた会えるその日が、待ち遠しい)
終
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/03(土) 22:01:09 ID:DVMxxtXc
乙です!
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/12(月) 01:10:47 ID:KwFOStPw
久々の良作
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1496284566/
Entry ⇒ 2017.12.05 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ミカサ「あなたを食べる誰かのこと」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:44:23 ID:eBxbDJTE
※前作、サムエル「二千年後まで、さようなら」のミカサ視点みたいな話
※色々テキトーな自己流設定
※継承者捏造してる
※今さらだけどネタバレ注意
旧本部の庭で会わされた少女は、どこかエレンに似ていた。
肩についたボサボサの黒髪と、見る者を射抜くような灰色の瞳。
まさか。
ミカサ 「え、エレン……?その子って……」
エレン 「ああ、俺の子だ」ドヤッ
ミカサ 「……憲兵さーん!ここに誘拐犯がむぐっ」モゴモゴ
エレン 「冗談だよ!つーかお前、俺を牢屋行きにして後悔しねえのか!?」
ミカサ 「あなたの過ちを受け入れるのも、家族のつとめ」プハッ
エレン 「なんでそんな所だけ物分かりいいんだよ!」
少女 「……」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:00 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「エレン、わたしはあなたを信じてる。だから正直に吐いて」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
エレン 「吐いて、つってる時点でまるっきり信用してねえ!「おい」
いつの間にかいた兵長は、
わたしたちの永遠に続きそうな言い争いを、たった一言で黙らせた。
リヴァイ「こいつはさらわれてきたガキじゃねえ、さるお偉いさんのご令嬢だ。
名前はイリーナ。年は…」
イリーナ「8つ」
エレン 「そ、そうか……それで、その……イリーナお嬢様、はなんでこんな辺鄙な所に?」カチコチ
リヴァイ「様はいらねえ。何、お前らに任務を与えようと思ってな」
エレミカ「「任務?」」
リヴァイ「エレン。お前、戦線を外れて暇だろ?……寿命が近いお前でもできる仕事だ」
後半は聞こえないように小さな声で、告げる。
リヴァイ「今日一日、こいつの相手をしてやれ」
エレン 「は?相手……って」
リヴァイ「てめえの脳みそは無知性巨人より働きが悪いらしいな。子守をしろ、と言ってるんだ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:45:35 ID:eBxbDJTE
エレミカ「「子守!?」」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
イリーナ「……」じーっ
リヴァイ「日が暮れたら迎えに来る。それまでせいぜいこいつを楽しませろ」
ミカサ 「ま、待ってください!どうしてわたし達が……」
リヴァイ「じゃあな」
ミカサ 「リヴァイ兵長!」
わたしの声を無視して、兵長はずんずんと庭園を進んでいく。
門の向こうにその背中が消えると、エレンは「はぁ~っ」と頭を抱えた。
エレン 「……ま、兵長だからな。諦めよう」
ミカサ 「そうと決まれば……」
イリーナ「……!」ビクッ
わたしは、後ずさったイリーナの前に立ってしゃがみこむ。
ミカサ 「はじめまして、イリーナ。わたしはミカサ」
イリーナ「……ミカサ」
ミカサ 「そして、こっちがエレン」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:08 ID:eBxbDJTE
イリーナ「……エレン」
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
ミカサ 「そう。リヴァイのおじさんが帰ってくるまで、わたし達と遊ぼう」にっこり
イリーナ「う、うん」
頷いたイリーナは、胸に抱いた人形に視線を落とした。
エレン 「あ、それリヴァイ人形だろ!?」
イリーナ「!」ビクーッ
エレン 「ローゼの玩具屋で100個限定だったやつ!!すげーな!オレも買えなかったのに!!」
イリーナ「……お父さん、くれた」
エレン 「そっか!いいお父さんだな!」ワシャワシャ
イリーナ「うん……」アトズサリ
ミカサ (わたしでも分かる。エレンは子供の扱いがまるで分かってない)
◆◆◆◆
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:46:42 ID:eBxbDJTE
エレン 「……ん?」グリグリ
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
エレン 「んんん?」グリグリ
イリーナ「……」スッ
ミカサ 「よくできました。器用なのね、イリーナは」ナデナデ
エレン 「おーい、オレのはなんでワイヤーになっちまうんだ?」グチャァ…
ミカサ 「本当に技巧の試験は合格したの?」ハァ
イリーナ「……わたしの、あげる」
エレン 「えっ?い、いいのか?」
イリーナ「うん……」
お昼まで時間があるので、とりあえず庭で遊ぶことにした。
イリーナはずっと無表情で、あまり口もきかない。
ミカサ (よく見ると、口角がちょっとだけ上がってる。
ということは……少しは、楽しいと思ってくれているのだろうか)
ミカサ (分からない……子供がこんなに難しいなんて)ズーン
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:47:36 ID:eBxbDJTE
軽く落ちこんでるわたしを尻目に、エレンは花冠をのせてもらって
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
デレデレと鼻の下を伸ばしている。
……決めた。体にちょっとでも触れたらその時点で憲兵団に通報しよう。
ぐぅぅぅ~っ、ぎゅるるるる
ミカイレ「「!?」」
エレン 「……」ぐきゅるるるる
イリーナ「おなか、すいたの?」
エレン 「……はい」しょんぼり
ミカサ 「エレン。そういうのは、はっきり言ってもらわないと分からない」
エレン 「じゃあ……正直花とかつまんないんで、早く昼メシにしたいです……」グゴゴゴゴ(注:腹の音)
ミカサ (本当にはっきり言った!)ガーン
イリーナ「わかった」コクリ
ミカサ (8歳児より聞き分けのないエレンっていったい……)
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:18 ID:eBxbDJTE
【厨房】
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
ミカサ 「イリーナ、お皿を出して」トントントントントン
イリーナ「うん……ミカサ、上手」カチャカチャ
エレン 「……」ムッ
エレン 「おいイリーナ!見ろ、オレの方がすげえぞ!!
必殺、超高速玉ねぎ切り!!」トントントントンブ゙チィッ「いっでぇぇぇ!!」
ミカサ 「だめエレン、こらえて!」
あわてて止めたが、すでに遅く。
エレンのぱっくり裂けた指先から、シュゥゥ…と蒸気がたちのぼる。
イリーナ「エレン?…だいじょうぶ?」
ミカサ 「こ、これは手品!エレンは手品が得意なの!すごいでしょう!」アワアワ
イリーナ「……すごいね」
よかった。なんとかごまかせた。
エレン 「お前のだけブリオッシュで包んでやるよ」ギュッギュッ
イリーナ「……ありがとう」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/14(水) 20:48:53 ID:eBxbDJTE
ミカサ 「……」
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
椅子を踏み台にしてお手伝いするイリーナと、
サンドイッチを作るエレンの後ろ姿が、親子みたいに見える。
ミカサ (わたしも、兵士じゃなかったら)
ミカサ (いまごろは、これくらいの子供がいたのだろうか)
15か6で結婚して――夫は優しい人がいい――小さな畑のついた、家に住む。
子供は、3人くらいほしい。明るい陽ざしの差しこむ台所で、一緒にお菓子を焼いたりなんかして。
エレン 「……ミカサ?」
ミカサ 「……」はっ
ミカサ 「ごめんなさい、すこし考え事をしていた。……お昼は外で食べよう。
きっと、ピクニックみたいで楽しい」
イリーナ「……」じっ
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:42:32 ID:ro5E7nuY
エレン 「うっめぇ!!何だこれ、卵か!?本当に卵なのか!?」バクバク
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
イリーナ「おいしい。エレンはうるさい」モグモグ
エレン 「うるさっ…」ガーン
ミカサ 「エレン、口の周りを汚して食べない」フキフキ
エレン 「やめろよ!もうガキじゃねえんだから!」
イリーナ「……よごさなきゃいい」
ミカサ 「そのとおり。文句があるなら綺麗に食べる」
エレン 「くっそぉ…」
ベチャッ
イリーナ「……あ」
白いワンピースに盛大なケチャップ染みがつく。
たしかあれは、エレンがふざけて作った20cmタワーサンドイッチ?とかいうものだ……。
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:43:12 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……洗ってくる」スクッ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
ミカサ 「待って、わたしも一緒に行くから」スッ、ギロッ
エレン 「?」(なんでオレ睨まれたんだ?)
【洗い場】
ザー…ジャブジャブ、キュッ
ミカサ 「ああ……これは内地で洗ってもらわないとだめかもしれない」ザバー…
イリーナ「それ」
ミカサ 「?」
イリーナ「お母さん、誕生日にくれた服」
ミカサ 「そうだったの。だったらなおさら綺麗にしないと」ジャブジャブ
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:44:48 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
桶で洗うわたしの隣で、イリーナは少しだけ暗い顔をした。
ミカサ 「……これは、わたしの勘なのだけど。
もしかして、お母さんとは一緒に暮らしていないの?」バシャッ…
イリーナ「うん」
ミカサ 「そう……あ、ごめんなさい。無神経だった」ギューッ
イリーナ「お母さんと、お兄ちゃん二人は、べつのおうち。聖キュクロの日だけ、ごはん食べるの」
ミカサ (離婚か……あまり触れない方がいい話題かもしれない)
イリーナ「わたしが生まれたから、お母さん、出ていった」ギュー
リヴァイ人形をますます強い力で抱えこむ。
よく見ると、人形の方も少し汚れていた。
ミカサ 「お父さんは優しい?」フキフキ
イリーナ「うん。朝はいっしょに走ってくれるし、かくとうとか、おしえてくれる」
ミカサ 「はい、取れた……格闘?」
イリーナ「うん」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:45:29 ID:ro5E7nuY
アニのお父さんの話を思い出した。娘を鍛える父なんて少数派だと思っていたけど、
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
偉い人でもそうなのか。
ミカサ 「エレンは蹴り技が得意。今度教わるといい」
イリーナ「ほんと?」キラキラ
そこで初めて、彼女の目が輝いた。
格闘となると嬉しそうにするのは、アニもそうだったなと思い返す。
エレン 「おーい、いつまで洗濯……あれ、なんで下着だkぶほっ!?」ゲシッ
イリーナ「……」きょとん
ミカサ 「変態」ゲシッゲシッ
エレン 「悪かったって!もう見てない!見てないから蹴るないだだだ!!」ギリギリギリ
◆◆◆◆
ワンピースが乾くまで、ジャケットを羽織らせることにした。
そうすると、ボサボサの髪が気になってくる。
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:04 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「髪、とかしてあげよう」スッ
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
イリーナ「……とかしてるよ」
ミカサ 「わたしのは一味違う。取り出したるはこの香油」ジャーン
ミカサ 「これを髪になじませて……」ヌリヌリ
イリーナ「花の香りがする……お父さんがこんなの使ってるの、見たことない」
エレン 「?お偉いさんなんだろ?」
イリーナ「身なりはぜんぜんかまわない人。いつもうっすらヒゲが生えてるし、
お風呂もきらいで、入らない」
エレン 「はあ……んなだらしねー人でも偉くなれんのか。世も末だなおい」
ミカサ 「ふふ、このボサボサの髪はお父さんゆずりなのね」シュッシュッ
イリーナ「……うん。そう」ふっ
ミカサ (あ、今ちょっとだけ笑った)
ミカサ 「はい、完成。どう?」
イリーナ「……きれい」ツヤツヤ
エレン 「なあ、どうせならちょっと結んでやったら?」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:46:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「このままでいい。ありがとう」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
ミカサ (やっぱり、女の子がほしいかもしれない。こうやって遊べるし)ナデナデ
◆◆◆◆
洗濯を終えた私たちは、望遠鏡を持って塔の展望台へ上った。
エレン 「見ろイリーナ、あれがウトガルド城。あっちがユミル港だ」
イリーナ「あれは?」
エレン 「んん?……あー、あれはレノール山脈だな。マリアを奪還した後に発見されたんだ」
イリーナ「エレンはなんでも知ってるね」
エレン 「パラディの地名なら全部分かるぜ!」ドヤァ
ミカサ 「……新しいのはほとんど、ハンジ団長が名づけたからでしょ」
エレン 「」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:24 ID:ro5E7nuY
イリーナ「あ、すごいおっきい樹が見える。あれはなに?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
ミカサ 「巨大樹の森。私たちもよく遊びに行った」
イリーナ「……わたしも行ってみたい」
エレン 「つまんねえぞ?デッケえ樹がブワーッて生えてるだけだかんな。
奥の方行くとリヴァイ班の慰霊碑があっけど、そんぐらいだろ?」
ミカサ 「静かでいいところよ。エレンは風情が分からないから」
それと、リヴァイ班の慰霊碑にはもっときちんと参るべきだと思う。
エレン 「お前ちょいちょい心にグサッと来ること言うよな……」
イリーナ「……」
イリーナ「二人は、愛しあっているの?」
エレン 「ブフーッ!!」
突然の質問に、エレンはコーヒーを鼻から吹いた。それはライナーの専売特許よ。
エレン 「おま、どこでんなクサい表現覚えてきたんだ?」
ミカサ 「そうね。子供のころはそうなればいいと思っていたけど……」
イリーナ「?」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:47:58 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたも大人になれば分かる。愛というのはいろいろな形があるもの」ポンポン
エレン 「つまり、オレたちは愛し合っているんだ」スクッ
イリーナ「???分からない…」
ガラッ
エレン 「えっ、あ、うわっ!!」
ミカサ 「エレン!!」
脆くなっていた手すりが崩れる。宙に浮きかけたエレンの腕を、つかんだのは。
イリーナ「そのまま、じっとしていて」ギュッ
エレン 「イリー、ナ……?」
ヒュォォォ…
イリーナ「……」グイッ、ドサッ
イリーナはそのまま、あっさりとエレンを引き上げた。
ずっと表情の読めなかった唇が、そこで初めてゆるむ。
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:48:49 ID:ro5E7nuY
イリーナ「……ここで死んでしまったら、みんながこまるから」
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
エレン 「おま、なに……言って」
イリーナ「わたしが食べるまで、エレンは死んじゃだめ」
――今、この子はなんと言ったの?
エレン 「ま、まさか……イリーナ、お前が」
イリーナ「そう。わたしが、"進撃の巨人"になるの」
そこで、私はやっと気がついた。
エレン。
……女性形は、エレナ。
エレナ。Elena。ちがう。マリアとローゼでは訛りが違う。
マリアでは、エレナでいい。
だけど、ローゼでは……
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:20 ID:ro5E7nuY
ミカサ 「あなたは……はじめから「イリーナ!」
そこで、下から声がかかった。
リヴァイ兵長の隣で、叫んでいる男の人。ボサボサの黒髪に、うすらひげ。
ミカサ (あ、そういえばあの人……イリーナにそっくりな顔をしている)
イリーナ「お父さん!」
ナイル 「待ってろ、今そっちに行く!」
黒いコートを翻して、中へ走りこんでいくナイル総統を、
兵長は「チッ」と軽い舌打ちをした後に追いかけた。
◆◆◆◆
居心地の悪い沈黙が、この場を支配している。
エレンはそれに耐え切れないのか、頭を整理したいのか、外へ出て行ってしまった。
私は不安をごまかすために、また暖炉に薪をくべる。
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:49:56 ID:ro5E7nuY
ゴォッ…
リヴァイ「そのへんにしておけ。部屋が蒸し暑くて仕方ねえ」
ミカサ 「……」チラッ
イリーナ「すぅ……すぅ……」ムニャムニャ
父親の膝の上で、安心したみたいに眠っている女の子。
この子が、その大きな顎でエレンを咀嚼する光景を想像して、
私はブンブンと頭を振った。
ナイル 「アッカーマン、イェーガー…その、今日は本当に助かった」
ミカサ 「いえ……子守は初めてでしたが、楽しい経験でした」
リヴァイ「ハンジは反対したんだがな。"食う"時に感情が邪魔をしては困る、と」
ナイル 「可愛がっていた家畜を潰す時、子供は泣くだろう。あれだ」
ミカサ 「……なら、どうして」
ナイル 「俺はむしろ、この子がエレンを食ったことを覚えていない方が辛いと思った。
そう考えているうちに、イリーナの方から"ユミルの英雄に会いたい"と
頼まれた」
ミカサ 「あの……一つ、お伺いしてもよろしいでしょうか」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:50:41 ID:ro5E7nuY
リヴァイ「なんだ」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
ミカサ 「この子の名前は……その」
ナイル 「俺がつけた。"エレンを継ぐ者"という意味だ」
ミカサ 「はじめから巨人にするつもりで……!」ワナワナ
ナイル 「俺は、総統になるべきはエルヴィンだと思っていた」
ミカサ 「……?」
ナイル 「ところが、あいつが死んだせいで、辞令を受けたのは俺だった。ちょうどその日……
マーレの戦艦隊が、パラディ上陸を目指してやってきた」
ナイル 「すぐに、"超大型"と"進撃"を鎮圧に向かわせた。そこでの働きのおかげで超大型……
アルレルトへの"団長殺し"という風当たりが弱まったのは、お前も知ってのとおりだ」
ミカサ 「……」
ナイル 「壁内では開戦を望む声が高まった。いや、もはや総力戦は避けられなかった。
重すぎる決断は俺に委ねられた。執務室で頭をかきむしって考える俺に、
扉をぶち破ってきたハンジが言ったんだ。
エルディア人を一つにまとめるには、"カリスマ"が必要だとな」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:15 ID:ro5E7nuY
ナイル 「民衆が望むのは、完全な勝利。民衆が支配者へ求めるのは、悪魔となる覚悟だ」フーッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
ナイル 「マーレに向けて宣戦布告をした日、この子が生まれた。1000人の兵を潰す代わりに
栄誉を受けたアルレルトと同じだ。私はイリーナを"巨人候補生"にすることで、
"腰抜けの総統"と嘲笑われる不名誉を回避した」
リヴァイ「代わりに嫁さんが子供連れて出てったがな」
ミカサ 「兵長は……その」
リヴァイ「ああ、お前はつまり"超大型"の継承者はいるのか?と聞きたいのか」
なんて察しのいい人だろう。はっきり口に出されると、気まずい。
リヴァイ「確かに、俺とハンジの間には5つになるガキが一人いる」
ミカサ 「だったら……」
リヴァイ「継承の頃には13歳だ。ちょうどいい。だが、それを決めるのは俺じゃない」
ギィッ…
リヴァイ「頭は冷えたか?」
エレン 「はい……あの」
リヴァイ「俺たちはそろそろ帰る。馬車を待たせているからな」スッ
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 12:51:48 ID:ro5E7nuY
ナイル 「ほら、しっかり掴まれ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
イリーナ「んー……」ムニャムニャ
娘を人間兵器にする書類へサインしたのと同じ手で、娘を可愛がれるものなのか。
『何かを変えることのできる人がいるとすれば、その人はきっと』
『大事なものを捨て去ることができる人だ』
ミカサ 「総統閣下は、"変える人"になりたかったのですか」
言ってから、あまりに不躾な質問だと気づく。
「すみません」と頭を下げた私に「師団長でいい」と付け加えた後で。
ナイル 「誰だって、そうだろう。ただ厄介なのは、決断を迫られるのはいつも唐突で、
容赦がないということだけだ」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 15:35:17 ID:7aq0YpGM
ハンジ 「どうする?もう宣戦布告しちゃったけど」
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
リヴァイ「マーレは中東連合との擦り合わせに忙しいらしい...まあ、しばらく開戦は様子見か」
ハンジ 「いまいち締まらない宣戦布告になっちゃったねえ。その間にこっちもやることは一杯だよ。兵器開発に徴兵制の運用に鉱山の開発に」
リヴァイ「で、どうするんだ総統様」
ナイル 「......」
◆機器
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 17:34:22 ID:O0umz5aI
◆◆◆◆
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
エレン 「...なあ、帰らないのか」
ミカサ 「今日は泊まりたい。駄目?」
エレン 「ジャンが怒るぞ」
ミカサ 「そのジャンが許可していると言ったら?」
エレン 「チッ...分かったよ、今日だけな」
【夜.地下室】
ミカサ 「......」ゴロン
ミカサ 「エレン、まだ起きてる?」
エレン 「...起きてるよ」
ミカサ 「ふふ、こうやってベッドを並べて寝るのなんて、子供の頃以来ね」
エレン 「ああ、訓練兵のときは男女別だったしな」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:08:49 ID:ye74gp3M
ミカサ 「......」
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
エレン 「......」モゾモゾ
ミカサ 「...ジャンと、子供ができたらなんて名前をつけたいか、話した」
エレン 「あー、訓練兵の時も男子でやったな。誰が一番早く結婚するかとか、家はどこに持ちたいとか...ちなみに一番早く結婚するって言われてたのはフランツ、彼女なしならコニーだったな」
ミカサ 「一番遅いのは?」
エレン 「オレ。満場一致で」
ミカサ 「わかる気がする」
エレン 「...で、なんの話だっけ。ああ、子供の名前な」
ミカサ 「ジャンは、息子なら、マルコ...とつけたいと」
エレン 「女だったらどうすんだよ」ハハハ
ミカサ 「マルタ、にすればいいと思う。
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:43:03 ID:ye74gp3M
ミカサ 「でも困った。個人的にはイアンというのも捨てがたい」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
エレン 「ハンネスってのは?」
ミカサ 「酒は人を堕落させる」キッパリ
エレン 「あっ、はははは......!ハンネスさん散々な言われようだな!」
ミカサ 「今日は、気づかされたことがある。幸せなことは、想像しているだけで楽しい」
エレン 「......」
エレン 「オレは...こういうこと言うと怒るかもしれないけど、イリーナに食べられるんなら、いいと思う」
ミカサ 「!」
エレン 「あいつはきっと、オレより上手に巨人を操れる。今、何をすべきか...それがちゃんと分かる子だから」
エレン 「それが分かっていないから、オレはいつも感情が先に走って...」
エレン 「沢山の人と......別れた」
目を伏せたエレンは、背中を向けて「ミカサ」と優しい声音で呼んだ。
エレン 「お前がすべき事は、もうちゃんと分かってるな?」
ミカサ 「...うん」
エレン 「忘れるな。オレはいつでも、お前の幸福を願ってる。お前を愛している」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/17(土) 18:45:15 ID:ye74gp3M
ミカサ 「うん...」
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
その二日後、私はレベリオ収容区へ向けて出発した。エレンの祖父母がいると聞いてはいたが、それを思い出したのは全てが終わったあとだった。
◆◆◆◆
切ります
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:20:42 ID:lEJWozhQ
ドォォーーン…ゴォォ…ヒュルルル
ドォォーーーン!!!
ミカサ 「……っ、!」グラグラ
地響き。轟音。それがとめどなく襲いかかる。
巨人と対峙する時とは質の違う恐怖が、足元から背筋を伝ってくる。
バサバサ…
モブ兵 「鳩だ!分隊長、軍鳩が来ました!」
ミカサ 「左足に信書管がついているはず。外して」
モブ兵 「はい!」カサッ
鳩を捕まえた兵士が、小さな紙を渡す。
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:21:16 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「この鳩は、"フロイデンベルク"……シガンシナ衛生班の鳩ね」ペラッ
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
ということは、これを放ったのはサムエルか。
内容は、かなり深刻。マーレの攻撃で調査兵団の補給班が入れず、物資が不足しているらしい。
モブ兵 「よくやったぞ、フロー。あの砲撃の中を飛んでくるとはな」ヨシヨシ
ミカサ (一刻も早く、レベリオ収容区の解放を終えなくては……
私たちがシガンシナへ向けて動けば、マーレ軍も撤退するはず)グシャッ
戦車兵 「アッカーマン分隊長、指示を!」
突撃兵 「いつでも行けます!」
ミカサ 「作戦は続行する…超大型の突撃でマーレ軍の前衛を破壊して。
遊撃隊は右翼から、固定砲班は左翼の塹壕からそれぞれ攻撃行動に入れ!」
全員 「「「了解!!」」」
わたしの号令で、兵士たちは一斉に動き出す。
手のひらにじっとりと汗がにじんだ。彼らの生死を握るのはわたし……。
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:00 ID:lEJWozhQ
いや、指揮官が弱みを見せてはいけない。
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
自分にそう言い聞かせて、なんとか持ちこたえる。
アルミン「ミカサ、ここは頼んだよ」
ミカサ 「分かった……死なないで」
アルミン「安心して。大丈夫だから」
アルミンはにっこりと頷いて、小さな立体起動で飛び出した。
アルミン「始祖ユミルよ、エルディアに勝利を……!!」
空中に舞い上がった彼は、『ガリッ』と親指のあたりを噛みちぎる。
――カッ!!
超大型 『グォォォォォ……』ブワアッ
超大型 『グォアッ、ガアアッ!!』ズシーン、ズシーン…
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:22:59 ID:lEJWozhQ
グググ…
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
飛行艦をつかんだアルミンは、それをバキッと真っ二つにへし折った。
そのまま手を払って、敵軍の装甲車をなぎ払う。
モブ兵 「すっげえ!!アルレルト隊長がやってくれたぜ!!」
モブ兵 「いっけえええ、隊長!マーレの奴らをぶっ潰せえ!!」
ワーワー
ドーン…ズシィィン……
◆◆◆◆
戦闘は、超大型を投入した瞬間に終わった。
瓦礫の中にはためく自由の翼。その向こうで、収容区の人々が集まっている。
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:23:43 ID:lEJWozhQ
ミカサ 「みなさん、安心してください。私はあなた方の同胞で……」
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
サシャ 「危ない!!」バッ
――ガツンッ!
ミカサ 「!?サシャ!!腕から血が……」
サシャ 「ううっ…だいじょうぶ、ですよ……これくらい」ボタボタ
わたしに当たるはずだった石は、割って入ったサシャに傷をつけた。
石の飛んできた方角を見ると、一人の少年が荒い息をついて私たちを睨みつけている。
少年 「よくも俺たちの故郷を壊してくれたな、悪魔の末裔め!!」
少女 「出てけ、悪魔!!」ビュンッ
腕章をつけた戦士候補生らしき子供たちが、次々に石を拾っては投げる。
ミカサ 「や、やめて……落ち着いて!私たちは、あなたがたを解放するために……」
女性 「解放ですって?私たちの祖先がどれだけの悪行を重ねたか知ってるの?」
男性 「さすが、島の悪魔どもは考えることが違うな!」
老人 「わしらは善良なるエルディア人として、マーレのため働いてきた……その報いがこれとは」ヤレヤレ
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:21 ID:lEJWozhQ
住人たちは皆、私たちに憎しみのこもった瞳を向ける。泣いている人もいた。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
ミカサ 「ど、どうして……」
アルミン「……ミカサ、シガンシナへ帰ろう。休息が必要だ。彼らにも……僕たちにも」
◆◆◆◆
シガンシナへ帰る艦の中、私たちはずっと無言だった。
腕の手当てをしたサシャすら黙っている。
甲板に出たところで、シガンシナを包囲していたマーレ軍が撤退したと鳩が知らせてきた。
サシャ 「……よかった」ホッ
ミカサ 「腕の怪我は内緒で…本当にいいの?」
サシャ 「はい…」
サシャ 「……」
手すりにつかまったサシャが、静かに海を見つめる。
彼女はよく、こんな風に思いつめたみたいな表情をするようになった。
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:24:57 ID:lEJWozhQ
ミカサ (いっそ、私みたいに身勝手に生きられたらよかったのに)
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
だけどコニーは、自分だけ生きることを良しとしない人だから。
部下が撤退するのを見届けて、巨人の顎に噛み砕かれた。
コニー 『なあミカサ、お前……やっぱ、兵士向いてねえと思うわ』
ミカサ 『どうして?』
コニー 『こういう事言うとお前、怒るだろうけどさ。お前、エレンの事以外どうでもいいだろ。
ぶっちゃけ、人類みんな滅んでも、エレンが生きてりゃノーカンって部分あるだろ』
ミカサ 『それは……』
コニー 『もしエレンと天秤にかかるのが俺たちだったら、お前はどうすんだ』
ミカサ 『!』
コニー 『ほら、すぐ答えらんねえ。きっとお前は大事な所でエレンを選ぶ。
それで仲間の誰かが死んでも、たぶんその時しか悲しまねえ。お前はそういう女だ』
コニー 『自由の翼は、お前には重すぎるんだ』
それが、コニーと交わした最後の会話だった。
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:25:34 ID:lEJWozhQ
ザザーン…
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
サシャ 「あ、パラディ島が見えてきましたよ!」
ミカサ 「見て、陽ざしが当たって……島がバラの花みたい」
サシャ 「おおー…情緒的ですねえ」ウットリ
サシャ 「……」
サシャ 「私……"あれ"が終わったら、サムエルに求婚しようと思うんです」
ミカサ 「……そう。それがいい。コニーが言っていたのだけど……あなたは、一人では生きられないから」
サシャ 「心配かけましたね」
ミカサ 「あなたはそろそろ、自由に飛べない翼を折っても、許されると思う」
ボー…
汽笛が短く鳴った。
港で整列する兵士たちが、一斉に帽子を振る。
ジャン 「ああ、くそっ。鳩を放ったのに、入れ違いになりやがった」
髪をかきむしって悪態をつくジャンが、「さっさと下りろ!」と甲板の私たちに手を振る。
艦を留めて、タラップを下りる私に、ジャンは急いで走ってきた。
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:26:53 ID:lEJWozhQ
ジャン 「落ち着いて聞けよ。……継承の日どりが決まった」
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
ミカサ 「……っ、」
ジャン 「いいか、今回ばかりはお前のワガママなんか聞いてらんねえぞ。もし――「わかってる」
ミカサ 「分かっている……いいえ、ずっと前から、本当は分かっていた……」
何か言いたげなサシャに背を向けて、歩き出す。
一足先に戻っていたアルミンと合流して、シガンシナへ報告に行かなくては。
バタバタ…
ふと見上げた空に、鳩が飛んでいた。あれが入れ違いになった鳩だろうか。
銀色の信書管をつけた鳩は、着陸を求めて旋回している。
それが一瞬だけ、緑のマントをはためかせたエレンに見えた。
ミカサ (動悸はおさまった。頭も十分すぎるほど冷えている。全て、異常なし)
ミカサ (私は飛べる)
ミカサ (飛べる。飛べる。――まだ、飛べる)
【終】
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/06/21(水) 13:27:55 ID:lEJWozhQ
とりあえずこれで終わり
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
書きたいのだけ書くと色々粗がヤバい
こんなんでも読んでくれた人には感謝しかないです
ありがとう
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1497440663/
Entry ⇒ 2017.12.04 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
ミカサ「駆逐してやる」
1: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:07:59 ID:vnufMj7U
ミカサ「最近エレンの様子がおかしい」
アルミン「そうかな? ぼくにはいつもの悪人面に映るけど」
ミカサ「エレンが、他の女と話している」
アルミン「そりゃエレンだって話すよ」
ミカサ「すごく楽しそうに話している」
アルミン「エレンも思春期の男の子だからね。仕方ないよミカサ」
ミカサ「わたしと話しているときよりも楽しそうにしている」シュン
アルミン「ミカサとは常日頃から話してるから、新鮮味に欠けるんだろうね」
ミカサ「そう。わかった。なら仕方ない」
アルミン「うんうん、仕方ない仕方ない」
ミカサ「エレンに纏わりつく害虫を、駆逐するまで」スチャ
アルミン「」
アルミン「そうかな? ぼくにはいつもの悪人面に映るけど」
ミカサ「エレンが、他の女と話している」
アルミン「そりゃエレンだって話すよ」
ミカサ「すごく楽しそうに話している」
アルミン「エレンも思春期の男の子だからね。仕方ないよミカサ」
ミカサ「わたしと話しているときよりも楽しそうにしている」シュン
アルミン「ミカサとは常日頃から話してるから、新鮮味に欠けるんだろうね」
ミカサ「そう。わかった。なら仕方ない」
アルミン「うんうん、仕方ない仕方ない」
ミカサ「エレンに纏わりつく害虫を、駆逐するまで」スチャ
アルミン「」
2: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:14:15 ID:vnufMj7U
【翌日 朝の食堂】
ミカサ「おはよう、エレン、アルミン」
エレン「おうミカサ」
アルミン「おはようミカサ」
クリスタ「おはようみんな」
ミカサ「」ギロッ
クリスタ「」ヒエッ
エレン「なに怖い顔してるんだミカサ?」
ミカサ「わたしは別に怖い顔はしていない。エレンの気のせい」
エレン「そっか」
アルミン(いやメチャクチャ怖いよミカサ。向かいのジャンがおびえているよ)
ジャン「」ガクガクブルブル
クリスタ「えっと……ここ座ってもいいかな?」
アルミン(クリスタが仕掛けた! エレンの真横をキープしようとしている)
ミカサ「おはよう、エレン、アルミン」
エレン「おうミカサ」
アルミン「おはようミカサ」
クリスタ「おはようみんな」
ミカサ「」ギロッ
クリスタ「」ヒエッ
エレン「なに怖い顔してるんだミカサ?」
ミカサ「わたしは別に怖い顔はしていない。エレンの気のせい」
エレン「そっか」
アルミン(いやメチャクチャ怖いよミカサ。向かいのジャンがおびえているよ)
ジャン「」ガクガクブルブル
クリスタ「えっと……ここ座ってもいいかな?」
アルミン(クリスタが仕掛けた! エレンの真横をキープしようとしている)
3: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:22:17 ID:vnufMj7U
ミカサ「だめ」
アルミン(間髪入れずにミカサが割り込んだ! エレン絡みじゃさすがの瞬発力だ!)
エレン「いいじゃねえかよミカサ。ご飯はみんなで食べたほうが美味しいぞ?」
ミカサ「エレン……ならば、私も真横に行こう」
アルミン(ミカサが席を立って椅子ごとエレンの真横に移動したっ!)
アルミン(これは修羅場になった! いや、違う。修羅場になったんじゃない! 今まで勘違いをしていただけだ!)
アルミン(元からこの訓練所は、修羅場だ)
エレン「なあミカサ……暑苦しいんだが」
ミカサ「エレンを一人になんてさせない」
エレン「いや、だからってゼロ距離はないだろ」
ミカサ「膝を突き合わせて味わう朝食は、美しい」
エレン「そういうのって向かい合わせで突き合わせるもんだろ。横でくっ付けるもんじゃないだろ」
ミカサ「細かいことは気にしなくていい」ギュッ
エレン「」ヒエッ
アルミン(間髪入れずにミカサが割り込んだ! エレン絡みじゃさすがの瞬発力だ!)
エレン「いいじゃねえかよミカサ。ご飯はみんなで食べたほうが美味しいぞ?」
ミカサ「エレン……ならば、私も真横に行こう」
アルミン(ミカサが席を立って椅子ごとエレンの真横に移動したっ!)
アルミン(これは修羅場になった! いや、違う。修羅場になったんじゃない! 今まで勘違いをしていただけだ!)
アルミン(元からこの訓練所は、修羅場だ)
エレン「なあミカサ……暑苦しいんだが」
ミカサ「エレンを一人になんてさせない」
エレン「いや、だからってゼロ距離はないだろ」
ミカサ「膝を突き合わせて味わう朝食は、美しい」
エレン「そういうのって向かい合わせで突き合わせるもんだろ。横でくっ付けるもんじゃないだろ」
ミカサ「細かいことは気にしなくていい」ギュッ
エレン「」ヒエッ
4: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:31:54 ID:vnufMj7U
アルミン(ミカサの猛烈アピールが炸裂している。エレンは動揺を隠せていない模様)
アルミン(対するクリスタサイドはどう出る!? どう動く!?)
クリスタ「エレン、昨日の格闘訓練のとき、大丈夫だった?」
エレン「あぁ、アニに投げ飛ばされて気絶したんだっけ俺……大丈夫だクリスタ」
クリスタ「みんな心配していたよ。わたしもすごく心配したんだから」
クリスタ「でも……よかった。最悪なことにならなくて、本当によかった」ニコッ
エレン「」ドキッ
アルミン(キターーーっ! 己のことを可愛いと自覚している者だけが放つことのできるキラキラスマイルだああ!!)
アルミン(これは青少年男子のハートを余すことなく鷲掴み! エレンの理性が駆逐されること必至だ!)
ミカサ「エレン騙されてはダメ。クリスタは気絶したエレンに対して侮蔑の視線を送っていた」
クリスタ「送ってないよそんなの! ミカサ酷いっ! どうしてそういう意地悪なことを言うのっ――」ポロポロ
アルミン(対するクリスタサイドはどう出る!? どう動く!?)
クリスタ「エレン、昨日の格闘訓練のとき、大丈夫だった?」
エレン「あぁ、アニに投げ飛ばされて気絶したんだっけ俺……大丈夫だクリスタ」
クリスタ「みんな心配していたよ。わたしもすごく心配したんだから」
クリスタ「でも……よかった。最悪なことにならなくて、本当によかった」ニコッ
エレン「」ドキッ
アルミン(キターーーっ! 己のことを可愛いと自覚している者だけが放つことのできるキラキラスマイルだああ!!)
アルミン(これは青少年男子のハートを余すことなく鷲掴み! エレンの理性が駆逐されること必至だ!)
ミカサ「エレン騙されてはダメ。クリスタは気絶したエレンに対して侮蔑の視線を送っていた」
クリスタ「送ってないよそんなの! ミカサ酷いっ! どうしてそういう意地悪なことを言うのっ――」ポロポロ
5: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:41:32 ID:vnufMj7U
アルミン(キターーーーッ! 美少女である自分が美しく涙を流すことで同情を誘って世論を味方につけようとする手法キターーーッ!!)
アルミン(問答無用でミカサが意地悪して泣かせた感じに映るだろう! でもまあ実際ミカサが泣かせたんだから仕方ないか)
エレン「おい大丈夫かクリスタ。ハンカチ、ハンカチ……誰も持ってなさそうだな」
エレン「仕方ない。おいミカサ」
ミカサ「なにエレン?」
エレン「そのマフラーよこせよ」
ミカサ「」
シュルシュル
アルミン(問答無用でミカサが意地悪して泣かせた感じに映るだろう! でもまあ実際ミカサが泣かせたんだから仕方ないか)
エレン「おい大丈夫かクリスタ。ハンカチ、ハンカチ……誰も持ってなさそうだな」
エレン「仕方ない。おいミカサ」
ミカサ「なにエレン?」
エレン「そのマフラーよこせよ」
ミカサ「」
シュルシュル
6: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:44:39 ID:vnufMj7U
アルミン(ミカサの首からマフラーが奪われる超展開キターーーッ! しかも奪い取ったのがエレンで、理由はクリスタの涙を拭くためで、クリスタを泣かせた張本人がミカサで、クリスタはミカサの恋敵で――ああもうミカサ視点で切なすぎるよ)
クリスタ「うっぐ……ひく……」フキフキ
エレン「収まったか。ミカサ、マフラー返すわ」ポイッ
ミカサ「」バサッ
エレン「お前クリスタに対して当たりが強すぎるぞ。なんでそんな意地悪するんだ?」
ミカサ「……ごめんなさいエレン。わたしは冷静じゃなかった」
エレン「謝るならクリスタに謝れよ」
エレン「……ごめんなさい」
クリスタ「ううん……わたしこそ、何か迷惑かけていたなら謝るよ。ごめんね」
エレン「なんかごめんなクリスタ。朝から嫌な思いさせちゃって」
クリスタ「ううん、いいの。エレン、ミカサ、アルミン、また訓練でね」ニコッ
エレン「おう」
アルミン「またね」
ミカサ「……」
クリスタ「」ニヤッ
クリスタ「うっぐ……ひく……」フキフキ
エレン「収まったか。ミカサ、マフラー返すわ」ポイッ
ミカサ「」バサッ
エレン「お前クリスタに対して当たりが強すぎるぞ。なんでそんな意地悪するんだ?」
ミカサ「……ごめんなさいエレン。わたしは冷静じゃなかった」
エレン「謝るならクリスタに謝れよ」
エレン「……ごめんなさい」
クリスタ「ううん……わたしこそ、何か迷惑かけていたなら謝るよ。ごめんね」
エレン「なんかごめんなクリスタ。朝から嫌な思いさせちゃって」
クリスタ「ううん、いいの。エレン、ミカサ、アルミン、また訓練でね」ニコッ
エレン「おう」
アルミン「またね」
ミカサ「……」
クリスタ「」ニヤッ
7: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 03:51:16 ID:vnufMj7U
ミカサ(この世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は――)
アルミン「ミカサ、ねえミカサったら」
ミカサ「……アルミン?」
アルミン「もうすぐ訓練が始まるよ。みんなすでに移動をはじめてる。食堂には見ての通りぼくたちしか残っていない」
ミカサ「……わかった」シュン
アルミン「……首に巻かないの? マフラー」
ミカサ「今日は、外が暑い……。ので、マフラーを巻く気候ではない」
アルミン「そっか……そうだね。ぼくもそう思うよ」
ミカサ「ねえアルミン。何でエレンは、他の女と会話してしまうんだろう」
ミカサ「わたしはただ、そばにいるだけでいいのに。それだけなのに」ポロポロ
アルミン(そばにいるだけでいい人間の発言とは思えないよミカサ)
アルミン「ミカサ、ねえミカサったら」
ミカサ「……アルミン?」
アルミン「もうすぐ訓練が始まるよ。みんなすでに移動をはじめてる。食堂には見ての通りぼくたちしか残っていない」
ミカサ「……わかった」シュン
アルミン「……首に巻かないの? マフラー」
ミカサ「今日は、外が暑い……。ので、マフラーを巻く気候ではない」
アルミン「そっか……そうだね。ぼくもそう思うよ」
ミカサ「ねえアルミン。何でエレンは、他の女と会話してしまうんだろう」
ミカサ「わたしはただ、そばにいるだけでいいのに。それだけなのに」ポロポロ
アルミン(そばにいるだけでいい人間の発言とは思えないよミカサ)
8: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 08:39:00 ID:vnufMj7U
【格闘訓練場】
エレン「昨日は油断して気絶させられたけど、今日はそうはいかないからなアニ!」
アニ「ふっ。学習しない男だねえ」
エレン「いざ勝負っ!」
バシボコドシッ
アニ「口ほどにもないね」
エレン「いってぇ……アニ、もう少し手心ってものがあるだろ……」
アニ「私もアンタに同じことを言いたい」
エレン「は?」
アニ「アンタが力いっぱいぶつかってくるもんだから、こっちもそれ相応の返し方をしなくちゃいけないんだよ」
アニ「単純に力じゃ敵わないんだ。アンタも男ならさ、私の、このか弱いカラダを、もっといたわるべきなんじゃないの?」
エレン「は? お前の冗談は面白くねえな。力で敵わなきゃ、どうして俺は倒れててお前は立ってんだ」
アニ「力で投げたわけじゃないんだ」
エレン「へ?」
エレン「昨日は油断して気絶させられたけど、今日はそうはいかないからなアニ!」
アニ「ふっ。学習しない男だねえ」
エレン「いざ勝負っ!」
バシボコドシッ
アニ「口ほどにもないね」
エレン「いってぇ……アニ、もう少し手心ってものがあるだろ……」
アニ「私もアンタに同じことを言いたい」
エレン「は?」
アニ「アンタが力いっぱいぶつかってくるもんだから、こっちもそれ相応の返し方をしなくちゃいけないんだよ」
アニ「単純に力じゃ敵わないんだ。アンタも男ならさ、私の、このか弱いカラダを、もっといたわるべきなんじゃないの?」
エレン「は? お前の冗談は面白くねえな。力で敵わなきゃ、どうして俺は倒れててお前は立ってんだ」
アニ「力で投げたわけじゃないんだ」
エレン「へ?」
9: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 08:48:20 ID:vnufMj7U
アニ「アンタにも教えてあげるよ。わたしの技術と、女の子との話し方を」
エレン「ま、待て、すこし休憩し――」
ライナー「ぐはああああ!」ドサッ
エレン「どうして空からライナーが降ってきたんだ?」
アニ「何事だい?」
ミカサ「アニ。またエレンを気絶させるつもりなら、わたしは遠慮しない」
エレン「ミカサ。また俺のことを子ども扱いしやがって」
ミカサ「エレンは指をくわえたりしてればいい。くわえて見てろ」
エレン「ええっ……」
アニ「この技術は人間用なんだけどねえ。まあ、猛獣に通用するか興味がある」
エレン「ま、待て、すこし休憩し――」
ライナー「ぐはああああ!」ドサッ
エレン「どうして空からライナーが降ってきたんだ?」
アニ「何事だい?」
ミカサ「アニ。またエレンを気絶させるつもりなら、わたしは遠慮しない」
エレン「ミカサ。また俺のことを子ども扱いしやがって」
ミカサ「エレンは指をくわえたりしてればいい。くわえて見てろ」
エレン「ええっ……」
アニ「この技術は人間用なんだけどねえ。まあ、猛獣に通用するか興味がある」
10: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 08:55:42 ID:vnufMj7U
コニー「オイオイ、あの二人がやんのか?」
サシャ「夢のカードが!」
マルコ「やっぱりアニかな?」
ジャン「は!? バカか! 俺はミカサに晩飯全部だ!」
アルミン「普通にやれたらミカサが勝つよ。でも、いまのミカサは普通じゃない」
ジャン「は? どういうことだよそれ? もう晩飯全部賭けちゃったんだが!?」
アルミン「いまのミカサは、こころの支えを失っているんだ。だから、エレンの態度次第では、ミカサは負ける」
サシャ「夢のカードが!」
マルコ「やっぱりアニかな?」
ジャン「は!? バカか! 俺はミカサに晩飯全部だ!」
アルミン「普通にやれたらミカサが勝つよ。でも、いまのミカサは普通じゃない」
ジャン「は? どういうことだよそれ? もう晩飯全部賭けちゃったんだが!?」
アルミン「いまのミカサは、こころの支えを失っているんだ。だから、エレンの態度次第では、ミカサは負ける」
11: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:00:42 ID:vnufMj7U
アニ「」フンッ
ミカサ「」ヒョイッ
ミカサ「」バシッ
アニ「うっ――」ズキッ
ミカサ「」バシッバシッ
アニ「」ボコッボコッ
ミカサ(やはり、私は強い。すごく強い。ので、アニすら軽く倒すことができる)
ミカサ「これで、最後」ヒュッ
エレン「もう止めてやれよミカサ!」
バコッ
エレン「うぐっ……」
ミカサ「エレン!」
ミカサ「」ヒョイッ
ミカサ「」バシッ
アニ「うっ――」ズキッ
ミカサ「」バシッバシッ
アニ「」ボコッボコッ
ミカサ(やはり、私は強い。すごく強い。ので、アニすら軽く倒すことができる)
ミカサ「これで、最後」ヒュッ
エレン「もう止めてやれよミカサ!」
バコッ
エレン「うぐっ……」
ミカサ「エレン!」
12: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:07:54 ID:vnufMj7U
アルミン「大変だ! ミカサがエレンをKOしてしまった!」
ジャン「エレンのやつ、ふたりの戦いを止めようとしてミカサに蹴られやがった羨ましい!」
マルコ「エレンが動かなくなっちゃってるよ!」
コニー「オイオイ、オイオイオイオイオイまーたエレンは気絶したのか!?」
ミカサ(とんでもないことをしてしまった。エレンの顔面にクリティカルヒットさせてしまった)
アニ「アンタ、私を庇って……どうしてそんなことを」
エレン「…………アニ?」
アニ「!」
ミカサ「エレン!」
アルミン「エレンの意識は無事みたいだね。二日連続気絶は免れたみたいだ」
ジャン「エレンのやつ、ふたりの戦いを止めようとしてミカサに蹴られやがった羨ましい!」
マルコ「エレンが動かなくなっちゃってるよ!」
コニー「オイオイ、オイオイオイオイオイまーたエレンは気絶したのか!?」
ミカサ(とんでもないことをしてしまった。エレンの顔面にクリティカルヒットさせてしまった)
アニ「アンタ、私を庇って……どうしてそんなことを」
エレン「…………アニ?」
アニ「!」
ミカサ「エレン!」
アルミン「エレンの意識は無事みたいだね。二日連続気絶は免れたみたいだ」
13: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:15:30 ID:vnufMj7U
アニ「どうして身を挺したんだい?」
エレン「もう決着はついてただろ? これ以上の戦いは不毛だ」
アニ「変な所でお人よしなんだねアンタは」
エレン「俺もお前に同じことを言いたいよ」
アニ「ふふっ」
エレン「そもそも蹴られるの嫌だろ? 痛いし」
アニ「……そろそろ休憩だね。今日の事は仮にしとくよ」スタスタ
クリスタ「エレン大丈夫!?」
エレン「もう決着はついてただろ? これ以上の戦いは不毛だ」
アニ「変な所でお人よしなんだねアンタは」
エレン「俺もお前に同じことを言いたいよ」
アニ「ふふっ」
エレン「そもそも蹴られるの嫌だろ? 痛いし」
アニ「……そろそろ休憩だね。今日の事は仮にしとくよ」スタスタ
クリスタ「エレン大丈夫!?」
14: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:21:04 ID:vnufMj7U
エレン「心配すんなクリスタ。あ、いてててて――」
クリスタ「膝を擦りむいちゃってる! 大変!」
エレン「こんなのツバでも付けておけば治るさ」
クリスタ「そうなのかな……」
クリスタ「もしよかったら、私の唾液を使ってよ」ポトッ
エレン「あぁなんか効く気がするわ」
クリスタ「こんな汚い唾液しかなくて、ごめん」テレテレ
エレン「いや……助かる」
ミカサ「」
ライナー「」
クリスタ「」ニヤッ
クリスタ「膝を擦りむいちゃってる! 大変!」
エレン「こんなのツバでも付けておけば治るさ」
クリスタ「そうなのかな……」
クリスタ「もしよかったら、私の唾液を使ってよ」ポトッ
エレン「あぁなんか効く気がするわ」
クリスタ「こんな汚い唾液しかなくて、ごめん」テレテレ
エレン「いや……助かる」
ミカサ「」
ライナー「」
クリスタ「」ニヤッ
15: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:25:57 ID:vnufMj7U
【休憩中】
ミカサ「わたしが頑張れば頑張るほど、エレンに嫌われてゆく」
ミカサ「かなしい」
アルミン「たぶんミカサは、積極的過ぎるんじゃないかな?」
ミカサ「好きな子には積極的にアピールしたほうがいいって、カルラおばさんが言ってた」
アルミン「それはそうなんだけど、押し引きっていう言葉があってね」
アルミン「今までグイグイ来てた相手が急に素っ気なくなると、逆にそれが気になっちゃうっていうパターンもあるんだ」
ミカサ「そう。知らなかった」
アルミン「だからミカサ、敢えてエレンに素っ気なくしてみよう」
アルミン「ミカサは首から上は凄く素敵だから、エレンも案外コロッといくかも」
ミカサ「わかった。アルミンの言う通りにしてみよう」
ミカサ「わたしが頑張れば頑張るほど、エレンに嫌われてゆく」
ミカサ「かなしい」
アルミン「たぶんミカサは、積極的過ぎるんじゃないかな?」
ミカサ「好きな子には積極的にアピールしたほうがいいって、カルラおばさんが言ってた」
アルミン「それはそうなんだけど、押し引きっていう言葉があってね」
アルミン「今までグイグイ来てた相手が急に素っ気なくなると、逆にそれが気になっちゃうっていうパターンもあるんだ」
ミカサ「そう。知らなかった」
アルミン「だからミカサ、敢えてエレンに素っ気なくしてみよう」
アルミン「ミカサは首から上は凄く素敵だから、エレンも案外コロッといくかも」
ミカサ「わかった。アルミンの言う通りにしてみよう」
16: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 09:31:55 ID:vnufMj7U
【夜 食堂】
ミカサ「アルミンお疲れ」
エレン「おう――って、あれ?」
アルミン「どうしたのエレン?」
エレン「いや、別に何でもない――」
ミカサ「アルミン、明日の立体機動訓練に向けてしっかり食べないとダメ」
アルミン「わかってるよミカサ」
ミカサ「アルミンが栄養失調になったら、私は悲しい」
アルミン「気にし過ぎだよミカサ」
ミカサ「アルミンには風邪などをひかずに元気で過ごしてほしい」
アルミン「ぼくは見た目より健康なんだよ、よく虚弱だと思われるけど」
ミカサ「わたしもそんなイメージがある。アルミンだけが、私の帰るべき場所だから」
アルミン「ミカサったら大袈裟だなあ」
エレン(…………何なんだこれは)
ミカサ「アルミンお疲れ」
エレン「おう――って、あれ?」
アルミン「どうしたのエレン?」
エレン「いや、別に何でもない――」
ミカサ「アルミン、明日の立体機動訓練に向けてしっかり食べないとダメ」
アルミン「わかってるよミカサ」
ミカサ「アルミンが栄養失調になったら、私は悲しい」
アルミン「気にし過ぎだよミカサ」
ミカサ「アルミンには風邪などをひかずに元気で過ごしてほしい」
アルミン「ぼくは見た目より健康なんだよ、よく虚弱だと思われるけど」
ミカサ「わたしもそんなイメージがある。アルミンだけが、私の帰るべき場所だから」
アルミン「ミカサったら大袈裟だなあ」
エレン(…………何なんだこれは)
18: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 18:44:34 ID:vnufMj7U
クリスタ「おはようみんな」
エレン「おう」
アルミン「おはよう」
ミカサ「おはよう」ニコッ
クリスタ「」ヒエッ
ミカサ「クリスタは、今日も可愛い。すごく可愛い」
クリスタ「あ、ありがとうミカサ」
ミカサ「わたしもクリスタみたいな可愛さがほしい」
クリスタ「ミカサこそ十分可愛いと思うよ?」
ミカサ「そんなことはない。クリスタの可愛さが羨ましい」
ミカサ「わたしなんて全然大したことはない。クリスタは女神」
クリスタ「女神だなんて賛辞が過ぎるよ。わたしこそミカサみたいなクールビューティーに憧れる」
ミカサ「クールなことが良い事とは限らない。クリスタのような愛嬌は大事。それで男は手玉に取れる」
クリスタ「もうミカサったら、忌憚のない発言だなあ」
アルミン「」ガクガクブルブル
エレン「おう」
アルミン「おはよう」
ミカサ「おはよう」ニコッ
クリスタ「」ヒエッ
ミカサ「クリスタは、今日も可愛い。すごく可愛い」
クリスタ「あ、ありがとうミカサ」
ミカサ「わたしもクリスタみたいな可愛さがほしい」
クリスタ「ミカサこそ十分可愛いと思うよ?」
ミカサ「そんなことはない。クリスタの可愛さが羨ましい」
ミカサ「わたしなんて全然大したことはない。クリスタは女神」
クリスタ「女神だなんて賛辞が過ぎるよ。わたしこそミカサみたいなクールビューティーに憧れる」
ミカサ「クールなことが良い事とは限らない。クリスタのような愛嬌は大事。それで男は手玉に取れる」
クリスタ「もうミカサったら、忌憚のない発言だなあ」
アルミン「」ガクガクブルブル
19: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 18:56:05 ID:vnufMj7U
エレン「ふたりとも仲直りしたんだな。どうやったんだミカサ?」
ミカサ「普通のことをしただけ」
エレン「普通のことってなんだよ?」
ミカサ「エレンには関係ない。鬱陶しいから訊いてこないで」
エレン「」
アルミン(エレンの表情が曇った! 効いてる効いてる!)
ミカサ(アルミンが『その調子だ』という顔をしている。今が畳みかけるときなのだろう)
ミカサ(心を鬼にして接しよう。わたしならできるはず)
ミカサ「そもそもエレンはむかしから態度だけ偉そうで役に立たないばかりか腰抜けだ」
ミカサ「立体機動も対人格闘も座学も体力もわたしより下」
ミカサ「たまには格好良いところを見てみたいのに残念だ。わたしは正直失望している」
ミカサ「そればかりか色恋沙汰にうつつを抜かして兵士としての訓練を蔑ろにしている」
ミカサ「このままでは開拓地へ向かわされる日も近いだろう。訓練学校の劣等生。それがエレン・イェーガー」
ミカサ「たまには流石という一面を垣間見せてほしい。しかしもう、それは叶わぬ泡沫の夢」
ミカサ「普通のことをしただけ」
エレン「普通のことってなんだよ?」
ミカサ「エレンには関係ない。鬱陶しいから訊いてこないで」
エレン「」
アルミン(エレンの表情が曇った! 効いてる効いてる!)
ミカサ(アルミンが『その調子だ』という顔をしている。今が畳みかけるときなのだろう)
ミカサ(心を鬼にして接しよう。わたしならできるはず)
ミカサ「そもそもエレンはむかしから態度だけ偉そうで役に立たないばかりか腰抜けだ」
ミカサ「立体機動も対人格闘も座学も体力もわたしより下」
ミカサ「たまには格好良いところを見てみたいのに残念だ。わたしは正直失望している」
ミカサ「そればかりか色恋沙汰にうつつを抜かして兵士としての訓練を蔑ろにしている」
ミカサ「このままでは開拓地へ向かわされる日も近いだろう。訓練学校の劣等生。それがエレン・イェーガー」
ミカサ「たまには流石という一面を垣間見せてほしい。しかしもう、それは叶わぬ泡沫の夢」
20: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 19:17:21 ID:vnufMj7U
エレン「」スタッ
アルミン「エレン? 急に立ち上がってどうしたの?」
エレン「」スタスタ
ミカサ「どこへ行くのエレン?」
クリスタ「待ってエレン!」スタスタ
ミカサ「エレン!」
アルミン「まってミカサ!」
ミカサ「でも!」
アルミン「これでいいんだよ。構うことだけが愛情じゃない。勇敢に行動しよう」
ミカサ「エレンは、怒っていたはず」
アルミン「かもね。正直、あそこまでフルスロットルでかますとは思わなかったよ。突き放すっていうより罵声を浴びせてたし」
ミカサ「さじ加減が分からなかった」シュン
アルミン「でもこれでいいと思う。たしかに最近のエレンには、ミカサのいうとおり甘えが生じていた気がするよ」
ミカサ「だからといって……エレンには優しくしたい」
アルミン「さっきもいったでしょう。咎めることだって立派な優しさだよ。特にエレンみたいなタイプは、叱って伸ばす方がいいはず」
アルミン「エレン? 急に立ち上がってどうしたの?」
エレン「」スタスタ
ミカサ「どこへ行くのエレン?」
クリスタ「待ってエレン!」スタスタ
ミカサ「エレン!」
アルミン「まってミカサ!」
ミカサ「でも!」
アルミン「これでいいんだよ。構うことだけが愛情じゃない。勇敢に行動しよう」
ミカサ「エレンは、怒っていたはず」
アルミン「かもね。正直、あそこまでフルスロットルでかますとは思わなかったよ。突き放すっていうより罵声を浴びせてたし」
ミカサ「さじ加減が分からなかった」シュン
アルミン「でもこれでいいと思う。たしかに最近のエレンには、ミカサのいうとおり甘えが生じていた気がするよ」
ミカサ「だからといって……エレンには優しくしたい」
アルミン「さっきもいったでしょう。咎めることだって立派な優しさだよ。特にエレンみたいなタイプは、叱って伸ばす方がいいはず」
21: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 19:38:32 ID:vnufMj7U
【立体機動 訓練場】
エレン「」ジャキ ジャキ
キース(今日のエレン・イェーガーの動きには、目を見張るものがある)
キース(最近少し緩んでいる様子が散見されたが、今日は訓練に身が入っていて素晴らしい)
キース(なにか心境の変化でもあったか)
【休憩中】
クリスタ「エレンすごいね! 全然追いつけなかったよ!」
エレン「殺シテヤル――」
クリスタ「えっ?」
エレン「俺は巨人を駆逐してやる。一匹残らず。そのためにここに来たんだ」
クリスタ「知ってるよ。前に食堂で話してたもんね。すごく素敵な志だと思う!」
エレン「でもこのままじゃ餌になって終わりなんだ。もっと、もっと強くならないと」
クリスタ「エレンは強いよ。すごく強い。だからエレンなら、きっと憎い巨人を駆逐できる」
エレン「俺はそうは思わない」
クリスタ「あ……えへへ。そうなのかもしれないね」
エレン「」ジャキ ジャキ
キース(今日のエレン・イェーガーの動きには、目を見張るものがある)
キース(最近少し緩んでいる様子が散見されたが、今日は訓練に身が入っていて素晴らしい)
キース(なにか心境の変化でもあったか)
【休憩中】
クリスタ「エレンすごいね! 全然追いつけなかったよ!」
エレン「殺シテヤル――」
クリスタ「えっ?」
エレン「俺は巨人を駆逐してやる。一匹残らず。そのためにここに来たんだ」
クリスタ「知ってるよ。前に食堂で話してたもんね。すごく素敵な志だと思う!」
エレン「でもこのままじゃ餌になって終わりなんだ。もっと、もっと強くならないと」
クリスタ「エレンは強いよ。すごく強い。だからエレンなら、きっと憎い巨人を駆逐できる」
エレン「俺はそうは思わない」
クリスタ「あ……えへへ。そうなのかもしれないね」
22: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:08:55 ID:vnufMj7U
アルミン「エレンの顔つきに精悍さが戻ってる。効果はてきめんだ」
ミカサ「エレンに申し訳ないことをした。今すぐに謝りたい」
アルミン「まあまあミカサ。もう少し傍観しておこうよ」
ミカサ「わかった。それにしても――」
ミカサ「あの女、絶対に許さない」
アルミン「クリスタのこと?」
ミカサ「」コクリ
アルミン「今日の朝は不気味なほどクリスタと仲良かったけど、あれはもちろん演技だよね?」
ミカサ「敵を駆逐するためには、まず油断させることが重要」
ミカサ「わたしのことを味方だと信じ込ませたところを、削ぐ」スチャ
ミカサ「エレンに申し訳ないことをした。今すぐに謝りたい」
アルミン「まあまあミカサ。もう少し傍観しておこうよ」
ミカサ「わかった。それにしても――」
ミカサ「あの女、絶対に許さない」
アルミン「クリスタのこと?」
ミカサ「」コクリ
アルミン「今日の朝は不気味なほどクリスタと仲良かったけど、あれはもちろん演技だよね?」
ミカサ「敵を駆逐するためには、まず油断させることが重要」
ミカサ「わたしのことを味方だと信じ込ませたところを、削ぐ」スチャ
23: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:17:33 ID:vnufMj7U
アルミン「クリスタはそんな単純な女じゃないと思うよ」
ミカサ「アルミンどうして?」
アルミン「朝だってバッチバチだった。完全に女の闘いが封切られていた印象だよ」
アルミン「敵は思っている以上に手ごわいよ。自分のことを絶世の美少女だと把握している」
アルミン「男なんて微笑むだけで落とせると分かってる。男なんてボディータッチするだけで鼻血を出すと理解している」
アルミン「王族みたいに高貴なスマイルを浮かべられたら、腹筋バカのミカサじゃ分が悪いよ」
ミカサ「たしかに笑顔の可憐さならばあの女には敵わない」
アルミン「天と地ほどの差があるね」
ミカサ「しかし問題ない。死体はどうやったって笑わない」スチャ
アルミン「刃傷沙汰はダメだよミカサ! 仲間に肉体的なダメージを与えたらそれこそエレンと一緒にいられなくなる」
ミカサ「……私は冷静じゃなかった」スッ
ミカサ「しかしあの女は許せない。精神的に完膚なきまでに駆逐してみせる」
ミカサ「アルミンどうして?」
アルミン「朝だってバッチバチだった。完全に女の闘いが封切られていた印象だよ」
アルミン「敵は思っている以上に手ごわいよ。自分のことを絶世の美少女だと把握している」
アルミン「男なんて微笑むだけで落とせると分かってる。男なんてボディータッチするだけで鼻血を出すと理解している」
アルミン「王族みたいに高貴なスマイルを浮かべられたら、腹筋バカのミカサじゃ分が悪いよ」
ミカサ「たしかに笑顔の可憐さならばあの女には敵わない」
アルミン「天と地ほどの差があるね」
ミカサ「しかし問題ない。死体はどうやったって笑わない」スチャ
アルミン「刃傷沙汰はダメだよミカサ! 仲間に肉体的なダメージを与えたらそれこそエレンと一緒にいられなくなる」
ミカサ「……私は冷静じゃなかった」スッ
ミカサ「しかしあの女は許せない。精神的に完膚なきまでに駆逐してみせる」
24: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:24:03 ID:vnufMj7U
アルミン「う~ん……提案なんだけどさ、いっそのことミカサとクリスタのふたりで話し合ってみればいいんじゃないかな?」
アルミン「このままウダウダやっていても空気が悪くなるだけだ」
アルミン「クリスタだってエレンとミカサの仲は分かってるはずだから、まずは話し合ってみるべきだよ」
ミカサ「話し合いは苦手。そして不毛」
アルミン「そうは言わずにさ」
ミカサ「せめてアルミンが居てくれないと不安」
アルミン「まあたしかにミカサの残念な言語力では不安かもしれないけど」
ミカサ「でもアルミンがセコンドについてくれるなら、やってみようと思う」
アルミン(殴り合いする気じゃないよね?)
アルミン「このままウダウダやっていても空気が悪くなるだけだ」
アルミン「クリスタだってエレンとミカサの仲は分かってるはずだから、まずは話し合ってみるべきだよ」
ミカサ「話し合いは苦手。そして不毛」
アルミン「そうは言わずにさ」
ミカサ「せめてアルミンが居てくれないと不安」
アルミン「まあたしかにミカサの残念な言語力では不安かもしれないけど」
ミカサ「でもアルミンがセコンドについてくれるなら、やってみようと思う」
アルミン(殴り合いする気じゃないよね?)
25: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:30:29 ID:vnufMj7U
【休憩中】
アルミン「クリスタ、ちょっといいかな」
クリスタ「どうしたの?」
アルミン「ちょっとこっちに来てほしい」
クリスタ「?」
ミカサ「クリスタ」
クリスタ「」ギクッ
アルミン「大丈夫だよクリスタ。ミカサは普段から根暗で無愛想で圧が強いから」
クリスタ「あはは……」
ミカサ「クリスタ、話がある」
クリスタ「どんな話?」
ミカサ「エレンに関すること」
クリスタ「……へえ」
ミカサ「わたしたちは分かっている。あなたはエレンのことが好き」
クリスタ「それは……たしかにエレンのことは好きだよ」
クリスタ「でもそれは、兵士としての目的意識が高くて憧れるってだけなの。その……男として好きとか、そういう類いの事じゃないの」
アルミン「クリスタ、ちょっといいかな」
クリスタ「どうしたの?」
アルミン「ちょっとこっちに来てほしい」
クリスタ「?」
ミカサ「クリスタ」
クリスタ「」ギクッ
アルミン「大丈夫だよクリスタ。ミカサは普段から根暗で無愛想で圧が強いから」
クリスタ「あはは……」
ミカサ「クリスタ、話がある」
クリスタ「どんな話?」
ミカサ「エレンに関すること」
クリスタ「……へえ」
ミカサ「わたしたちは分かっている。あなたはエレンのことが好き」
クリスタ「それは……たしかにエレンのことは好きだよ」
クリスタ「でもそれは、兵士としての目的意識が高くて憧れるってだけなの。その……男として好きとか、そういう類いの事じゃないの」
26: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:38:44 ID:vnufMj7U
アルミン「それはどうだろう。最近のクリスタの行動を、単なる憧れでまとめるのは厳しいよ」
アルミン「核心をついてしまうと、キミはエレンに恋をしているんじゃないかい?」
クリスタ「……違う。わたしはエレンに恋なんてしてない」
アルミン「ミカサがエレンに恋心を抱いているのは知ってるよね?」
クリスタ「もちろん知ってるよ。そんなのココの人ならだれでも知ってることでしょ」
ミカサ(え? マジで?)
アルミン「それを知っていてもなお、キミはエレンに接近した。ミカサに対する宣戦布告と捉えられても仕方ないよ」
クリスタ「だからそれは違うの……たしかにエレンのことも好きだし、なんだか放っておけないというか、母性本能をくすぐられるというか――」
クリスタ「強がってるようで実は繊細な所もキュンとくるし、ちょっと親切にするだけで凄くうれしそうにしてくれるし――)
クリスタ「だけどわたしがエレンに接近したのは、あくまできっかけが欲しかっただけ……」
アルミン「どのようなきっかけかな?」
クリスタ「……ミカサ」
ミカサ「なに?」
クリスタ「だから、ミカサ! わたしはミカサと親しくなれるきっかけが欲しかったの!」
ミカサ「……えっ」
アルミン「核心をついてしまうと、キミはエレンに恋をしているんじゃないかい?」
クリスタ「……違う。わたしはエレンに恋なんてしてない」
アルミン「ミカサがエレンに恋心を抱いているのは知ってるよね?」
クリスタ「もちろん知ってるよ。そんなのココの人ならだれでも知ってることでしょ」
ミカサ(え? マジで?)
アルミン「それを知っていてもなお、キミはエレンに接近した。ミカサに対する宣戦布告と捉えられても仕方ないよ」
クリスタ「だからそれは違うの……たしかにエレンのことも好きだし、なんだか放っておけないというか、母性本能をくすぐられるというか――」
クリスタ「強がってるようで実は繊細な所もキュンとくるし、ちょっと親切にするだけで凄くうれしそうにしてくれるし――)
クリスタ「だけどわたしがエレンに接近したのは、あくまできっかけが欲しかっただけ……」
アルミン「どのようなきっかけかな?」
クリスタ「……ミカサ」
ミカサ「なに?」
クリスタ「だから、ミカサ! わたしはミカサと親しくなれるきっかけが欲しかったの!」
ミカサ「……えっ」
27: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:47:08 ID:vnufMj7U
クリスタ「言ったでしょう!? ミカサのこと可愛い、って。クールビューティーに憧れる、って」
クリスタ「わたしがエレンに近づいたのは、ミカサと仲良くなりたかったから! ミカサに恋していたからなの!」
クリスタ「でもエレンと話しているうちに、エレンのことも気になってきてしまって――」
クリスタ「私は今、いったい誰に恋しているのか分からない……誰か私を見つけてほしい……」
アルミン(想定外の事態になった。とりあえずぼくの出る幕はないな、うん)
アルミン「ぼくはあっちに行ってるよ。あとはふたりで楽しんで!」スタスタ
ミカサ「」
クリスタ「どうしてこうなっちゃったんだろう……もう嫌だ……」ポロポロ
ミカサ「……クリスタ、こっちを見て」
クリスタ「ミカサ? もしかして、慰めてくれるの?」
ミカサ「落ち着いて。今は感傷的になってる場合じゃない」
クリスタ「」
クリスタ「わたしがエレンに近づいたのは、ミカサと仲良くなりたかったから! ミカサに恋していたからなの!」
クリスタ「でもエレンと話しているうちに、エレンのことも気になってきてしまって――」
クリスタ「私は今、いったい誰に恋しているのか分からない……誰か私を見つけてほしい……」
アルミン(想定外の事態になった。とりあえずぼくの出る幕はないな、うん)
アルミン「ぼくはあっちに行ってるよ。あとはふたりで楽しんで!」スタスタ
ミカサ「」
クリスタ「どうしてこうなっちゃったんだろう……もう嫌だ……」ポロポロ
ミカサ「……クリスタ、こっちを見て」
クリスタ「ミカサ? もしかして、慰めてくれるの?」
ミカサ「落ち着いて。今は感傷的になってる場合じゃない」
クリスタ「」
28: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 22:57:26 ID:vnufMj7U
ミカサ「クリスタ、あなたは、わたしにないものを持っている」
ミカサ「それが羨ましかった」
クリスタ「それは私も同じだよミカサ」
ミカサ「そう」
クリスタ「……側に行ってもいいかな?」
ミカサ「構わない」
クリスタ「じゃあ、お言葉に甘えて」ギュッ
クリスタ(いつ見ても美しいミカサの横顔。それを独占している。なんて贅沢なひととき)
ミカサ(側で見るクリスタは、美しい。ライナーたちが結婚を望むのも理解できる)
クリスタ(物怖じせずに凛としていて本当に格好いい。仕事のできる女性を体現しているよミカサは)
ミカサ(クリスタが頬を染めている。肩が少しだけ震えているのは緊張なのだろうか)
クリスタ(こうしてくっついているだけでも幸せだ。やっぱり私の恋はミカサに宛てられているんだろう)
ミカサ(クリスタは華奢な体躯をしている。ゆえに俊敏な立ち回りが可能なのだろう。でも、もう少し筋肉をつけたほうがいい)
クリスタ(……このまま時が止まればいいな)
ミカサ(……このまま時が過ぎるのも悪くない)
ミカサ「それが羨ましかった」
クリスタ「それは私も同じだよミカサ」
ミカサ「そう」
クリスタ「……側に行ってもいいかな?」
ミカサ「構わない」
クリスタ「じゃあ、お言葉に甘えて」ギュッ
クリスタ(いつ見ても美しいミカサの横顔。それを独占している。なんて贅沢なひととき)
ミカサ(側で見るクリスタは、美しい。ライナーたちが結婚を望むのも理解できる)
クリスタ(物怖じせずに凛としていて本当に格好いい。仕事のできる女性を体現しているよミカサは)
ミカサ(クリスタが頬を染めている。肩が少しだけ震えているのは緊張なのだろうか)
クリスタ(こうしてくっついているだけでも幸せだ。やっぱり私の恋はミカサに宛てられているんだろう)
ミカサ(クリスタは華奢な体躯をしている。ゆえに俊敏な立ち回りが可能なのだろう。でも、もう少し筋肉をつけたほうがいい)
クリスタ(……このまま時が止まればいいな)
ミカサ(……このまま時が過ぎるのも悪くない)
29: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 23:07:31 ID:vnufMj7U
【翌朝 食堂】
エレン「おはよう」
アルミン「おはようエレン」
ミカサ「おはよう」
エレン「ミカサ、おはよう!」
エレン(よかった。ちゃんと返事してくれた。昨日は虫の居所が悪かったんだな、きっと)
クリスタ「おはよう!」
エレン「おはようクリ――」
クリスタ「ミカサっ!」ギュー
エレン「」
ミカサ「クリスタ。皆が見ている」
クリスタ「そんなの関係ないよ! ミカサが愛しい! 愛しいミカサ!」チュッ
エレン「」
アルミン(結局あの後どうなったんだろう。まあいっか、二人とも幸せそうだし)
エレン「おはよう」
アルミン「おはようエレン」
ミカサ「おはよう」
エレン「ミカサ、おはよう!」
エレン(よかった。ちゃんと返事してくれた。昨日は虫の居所が悪かったんだな、きっと)
クリスタ「おはよう!」
エレン「おはようクリ――」
クリスタ「ミカサっ!」ギュー
エレン「」
ミカサ「クリスタ。皆が見ている」
クリスタ「そんなの関係ないよ! ミカサが愛しい! 愛しいミカサ!」チュッ
エレン「」
アルミン(結局あの後どうなったんだろう。まあいっか、二人とも幸せそうだし)
30: nepia ◆kZNznMCWtw 2017/05/29(月) 23:09:03 ID:vnufMj7U
クリスタ「わたしもミカサみたいに腹筋バキバキになりたい! 筋肉隆々になって幼さを捨て去りたい!」
ライナー「」ガタッ
ミカサ「わたしもクリスタのように女子力を高めよう。キュートでチャーミングな女の子になろう」
ジャン「」ブシュー
マルコ「誰か!? ジャンが鼻血を吹き出した!」
クリスタ「ああもうミカサ大好き! ミカサ好き好き大好きチュッチュ」
ミカサ「この世界は美しい――」
エレン「」ガクガクブルブル
完
ライナー「」ガタッ
ミカサ「わたしもクリスタのように女子力を高めよう。キュートでチャーミングな女の子になろう」
ジャン「」ブシュー
マルコ「誰か!? ジャンが鼻血を吹き出した!」
クリスタ「ああもうミカサ大好き! ミカサ好き好き大好きチュッチュ」
ミカサ「この世界は美しい――」
エレン「」ガクガクブルブル
完
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1495994879/
Entry ⇒ 2017.11.30 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
エレン「夜の立体起動?」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 08:59:18 ID:tX72ZLGk
やや下ネタ注意
【夜 男子寮】
エレン「なんだそりゃ? 昼の立体起動と何が違うんだ?」
アルミン「ぼくも聞いたことがないね。そもそも夜間は訓練禁止のはずだし、装置を動かしたら音で分かると思うんだけど」
ジャン「俺も詳しくは知らんが、さっきトイレに行ったときに上官が話しているのを聞いたんだ」
エレン「で、それがなんだっていうんだよ」
ジャン「上官いわくだな、夜の立体起動は、すげえ気持ちいいらしい」
エレン「はあ?」
アルミン「き、気持ちいい?」
ジャン「ああ。身体中を快感が駆け巡るそうだ」
エレン「巨人に出くわしたときみたいな感じか!?」
ジャン「果てには絶頂を迎えるらしい」
エレン「巨人を討伐した瞬間みたいな感じだな!?」
ジャン「なんでも巨人で喩えるんじゃねーよこの死に急ぎ野郎が!」ガシッ
エレン「うるせー服やぶけちゃうだろうがあ!」グワシッ
アルミン(立体起動…快感…絶頂…あ、これS●Xのことだな)
【夜 男子寮】
エレン「なんだそりゃ? 昼の立体起動と何が違うんだ?」
アルミン「ぼくも聞いたことがないね。そもそも夜間は訓練禁止のはずだし、装置を動かしたら音で分かると思うんだけど」
ジャン「俺も詳しくは知らんが、さっきトイレに行ったときに上官が話しているのを聞いたんだ」
エレン「で、それがなんだっていうんだよ」
ジャン「上官いわくだな、夜の立体起動は、すげえ気持ちいいらしい」
エレン「はあ?」
アルミン「き、気持ちいい?」
ジャン「ああ。身体中を快感が駆け巡るそうだ」
エレン「巨人に出くわしたときみたいな感じか!?」
ジャン「果てには絶頂を迎えるらしい」
エレン「巨人を討伐した瞬間みたいな感じだな!?」
ジャン「なんでも巨人で喩えるんじゃねーよこの死に急ぎ野郎が!」ガシッ
エレン「うるせー服やぶけちゃうだろうがあ!」グワシッ
アルミン(立体起動…快感…絶頂…あ、これS●Xのことだな)
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:14:39 ID:tX72ZLGk
アルミン「や、やめなよ二人とも!」
ジャン「ふぅ……ふぅ……」
エレン「はぁ……はぁ……」
アルミン(ふたりとも息も絶え絶えだ……まるで事後みたいだな)
【翌朝 食堂】
ミカサ「おはよう」
エレン「おう」
アルミン「おはよう、ミカサ」
ミカサ「エレン、聞いて。エレンの瞳の大きさが、通常時の0.85倍しかない」
エレン「?」
ミカサ「気になることがあって、なかなか眠れなかった証拠」
エレン「……あぁ、別になんでもねえよ」
ミカサ「話してほしい、私に」
エレン「お前には関係ないことだろ、母親ヅラしていちいち詮索してくんなよ」
ミカサ「悪かった」シュン
アルミン(ミカサが凹んじゃった。まぁいつものことだけど。エレンが気になっているのは、おそらく昨晩の――)
ジャン「ふぅ……ふぅ……」
エレン「はぁ……はぁ……」
アルミン(ふたりとも息も絶え絶えだ……まるで事後みたいだな)
【翌朝 食堂】
ミカサ「おはよう」
エレン「おう」
アルミン「おはよう、ミカサ」
ミカサ「エレン、聞いて。エレンの瞳の大きさが、通常時の0.85倍しかない」
エレン「?」
ミカサ「気になることがあって、なかなか眠れなかった証拠」
エレン「……あぁ、別になんでもねえよ」
ミカサ「話してほしい、私に」
エレン「お前には関係ないことだろ、母親ヅラしていちいち詮索してくんなよ」
ミカサ「悪かった」シュン
アルミン(ミカサが凹んじゃった。まぁいつものことだけど。エレンが気になっているのは、おそらく昨晩の――)
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:20:27 ID:tX72ZLGk
アルミン「エレンは、夜の立体起動のことが気になってるんだよ」
ミカサ「夜の、立体起動?」
エレン「おいアルミン余計なこと――」
アルミン「まあまあ、いいじゃないか」
アルミン「あのねミカサ。噂によるとこの訓練所には、夜の立体起動なるものがあるらしいんだ」
アルミン「それはすごく気持ちの良いことで、ぼくたちに快感を与えてくれるんだって」
ミカサ「気持ちの良いこと……」
ミカサ「私もエレンと、気持ちの良いことしたい」
エレン「おいおい、なんですぐそうなるんだよ」
アルミン(うっはw)
ミカサ「夜の、立体起動?」
エレン「おいアルミン余計なこと――」
アルミン「まあまあ、いいじゃないか」
アルミン「あのねミカサ。噂によるとこの訓練所には、夜の立体起動なるものがあるらしいんだ」
アルミン「それはすごく気持ちの良いことで、ぼくたちに快感を与えてくれるんだって」
ミカサ「気持ちの良いこと……」
ミカサ「私もエレンと、気持ちの良いことしたい」
エレン「おいおい、なんですぐそうなるんだよ」
アルミン(うっはw)
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:37:00 ID:tX72ZLGk
ミカサ「エレン。あなたがいれば、私はなんでもできる」
ミカサ「私は、強い。すごく強い。ので私は、何度だって夜の立体起動をすることができる」
アルミン「ほらエレン、ミカサも気になるって言ってくれてるんだから、素直になろうよ」
エレン「わかったよ。夜の立体起動が何なのか分かったら、一緒にしてやるよ、俺が何度でも」
ミカサ「///」ポッ
アルミン(君たちピュアだねえ)
エレン「でもまずは、昼の立体起動を頑張らないとな」パンムシャムシャ
ミカサ「エレンが楽しそうで、私も嬉しい」パンムシャムシャ
アルミン「ぼくもなんだか楽しいよ、すごく」パンムシャムシャ
ミカサ「私は、強い。すごく強い。ので私は、何度だって夜の立体起動をすることができる」
アルミン「ほらエレン、ミカサも気になるって言ってくれてるんだから、素直になろうよ」
エレン「わかったよ。夜の立体起動が何なのか分かったら、一緒にしてやるよ、俺が何度でも」
ミカサ「///」ポッ
アルミン(君たちピュアだねえ)
エレン「でもまずは、昼の立体起動を頑張らないとな」パンムシャムシャ
ミカサ「エレンが楽しそうで、私も嬉しい」パンムシャムシャ
アルミン「ぼくもなんだか楽しいよ、すごく」パンムシャムシャ
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 09:50:11 ID:tX72ZLGk
【格闘訓練場】
エレン「いってー、やっぱアニはつえーな」
アニ「あんたが至らないだけさ。か弱い乙女に負ける理由を一生懸命考えな」
エレン「ところでさ、話変わるけど」
アニ「あ?」
エレン「夜の立体起動、って心当たりあるか?」
アニ「……」
エレン「噂によるとすげー気持ちいいらしくて、快感がほとばしって絶頂をむか――」」
アニ「おい、あんた」
エレン「ん?」
アニ「乙女に向かってなんてことを言い出すんだい」
エレン「いってー、やっぱアニはつえーな」
アニ「あんたが至らないだけさ。か弱い乙女に負ける理由を一生懸命考えな」
エレン「ところでさ、話変わるけど」
アニ「あ?」
エレン「夜の立体起動、って心当たりあるか?」
アニ「……」
エレン「噂によるとすげー気持ちいいらしくて、快感がほとばしって絶頂をむか――」」
アニ「おい、あんた」
エレン「ん?」
アニ「乙女に向かってなんてことを言い出すんだい」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:00:11 ID:tX72ZLGk
エレン「心当たりあるのか!?」
アニ「……あることはあるが、ここでは絶対に言わない」
エレン「なんだよ、ケチ臭いなあ」
アニ「さあ、さっさと訓練の続きやるよ」
エレン「よっしゃ! 次は負けねえぞ!」
ズコー
エレン「また負けた」
アニ「ふっ」
エレン「なあアニ、もしかして特殊な技を使ってるのか?」
アニ「さあ、どうだろうね」
エレン「だとしたらすげーよアニ。尊敬するよ」
アニ「……そんなに気になるなら、教えてやってもいいけど?」
エレン「そんなことより夜の立体起動を教えてくれよ」
アニ「……あることはあるが、ここでは絶対に言わない」
エレン「なんだよ、ケチ臭いなあ」
アニ「さあ、さっさと訓練の続きやるよ」
エレン「よっしゃ! 次は負けねえぞ!」
ズコー
エレン「また負けた」
アニ「ふっ」
エレン「なあアニ、もしかして特殊な技を使ってるのか?」
アニ「さあ、どうだろうね」
エレン「だとしたらすげーよアニ。尊敬するよ」
アニ「……そんなに気になるなら、教えてやってもいいけど?」
エレン「そんなことより夜の立体起動を教えてくれよ」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:31:47 ID:tX72ZLGk
【休憩中】
アルミン「アニ!」
アニ「なに? アルミン」
アルミン「さっきエレンと一緒に訓練してたよね?」
アニ「ええ」
アルミン「エレンに変なこと聞かれなかった?」
アニ「い、いや、特になにも」
アルミン「ほんとう?」
アニ「……しいていうなら、夜の――」
アルミン「よるの?」
アニ「夜の立体起動がどうとか、言ってたっけ――」
アルミン「エレンに、教えたの?」
アニ「まさか……もし教えていたら、どうする?」
アルミン「もし教えていたら、アニはぼくにとって悪い人になるね」
アニ「ふっ。安心しな、なにも教えちゃいない。それに私は、巨人化させるより、なるほうが得意だから」ホロリ
アルミン「アニ!」
アニ「なに? アルミン」
アルミン「さっきエレンと一緒に訓練してたよね?」
アニ「ええ」
アルミン「エレンに変なこと聞かれなかった?」
アニ「い、いや、特になにも」
アルミン「ほんとう?」
アニ「……しいていうなら、夜の――」
アルミン「よるの?」
アニ「夜の立体起動がどうとか、言ってたっけ――」
アルミン「エレンに、教えたの?」
アニ「まさか……もし教えていたら、どうする?」
アルミン「もし教えていたら、アニはぼくにとって悪い人になるね」
アニ「ふっ。安心しな、なにも教えちゃいない。それに私は、巨人化させるより、なるほうが得意だから」ホロリ
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:45:11 ID:tX72ZLGk
【休憩中】
ミカサ「エレン、さっきはアニと何を話していたの?」
エレン「別に何も話してねーよ」
ミカサ「すごく楽しそうだった」シュン
エレン「夜の立体起動について情報収集してただけだ。アニは何か知ってる感じだったぞ」
ミカサ「アニが……」
ミカサ「間違いない。アニはエレンと夜の立体起動を満喫しようともくろんでいる」
ミカサ「私がさせない。エレン、逃げて」
エレン「でもあいつ全然乗り気じゃなかったぞ。教えてくれって言ったら思い切り蹴られたし」
ミカサ「あの女許すまじ。体中かっさばく」スチャ
エレン「おいおい早まるな、あくまで訓練だから」
ミカサ「悪かった。私は冷静じゃなかった」スッ
ライナー「よう。なに盛り上がってるんだ」
ミカサ「エレン、さっきはアニと何を話していたの?」
エレン「別に何も話してねーよ」
ミカサ「すごく楽しそうだった」シュン
エレン「夜の立体起動について情報収集してただけだ。アニは何か知ってる感じだったぞ」
ミカサ「アニが……」
ミカサ「間違いない。アニはエレンと夜の立体起動を満喫しようともくろんでいる」
ミカサ「私がさせない。エレン、逃げて」
エレン「でもあいつ全然乗り気じゃなかったぞ。教えてくれって言ったら思い切り蹴られたし」
ミカサ「あの女許すまじ。体中かっさばく」スチャ
エレン「おいおい早まるな、あくまで訓練だから」
ミカサ「悪かった。私は冷静じゃなかった」スッ
ライナー「よう。なに盛り上がってるんだ」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:51:24 ID:tX72ZLGk
エレン「ライナー。ちょうどいい、ライナーにも聞いてみるか」
ベルトルト「ぼくもいるよ」
エレン「なあライナー。夜の立体起動って知ってるか?」
ライベル「!?」ビリッ
エレン「ん? どうしたんだお前ら」
ミカサ「エレン、ふたりが言葉を失っている。これは何かを知っている顔」
ライナー「し、知ってることは知ってるが、いきなりどうした?」
エレン「教えてくれよライナー、夜の立体起動って一体なんなんだよ。アニに聞いても全然教えてくれないし」
ライベル「!?」
ライナー「……聞いたのか、よりによってアニに」
ベルトルト(悪魔の末裔が! 根絶やしにしてやるっ!)
エレン「ああ。でも全然教えてくれないんだ。俺たち仲間なんだから、隠し事は良くないだろ? な?」
ライナー「あ、ああ、そうだな。隠し事はダメだ。しかしだな――」
ベルトルト「ぼくもいるよ」
エレン「なあライナー。夜の立体起動って知ってるか?」
ライベル「!?」ビリッ
エレン「ん? どうしたんだお前ら」
ミカサ「エレン、ふたりが言葉を失っている。これは何かを知っている顔」
ライナー「し、知ってることは知ってるが、いきなりどうした?」
エレン「教えてくれよライナー、夜の立体起動って一体なんなんだよ。アニに聞いても全然教えてくれないし」
ライベル「!?」
ライナー「……聞いたのか、よりによってアニに」
ベルトルト(悪魔の末裔が! 根絶やしにしてやるっ!)
エレン「ああ。でも全然教えてくれないんだ。俺たち仲間なんだから、隠し事は良くないだろ? な?」
ライナー「あ、ああ、そうだな。隠し事はダメだ。しかしだな――」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 10:58:17 ID:tX72ZLGk
エレン「だから教えてくれよ。せめてヒントでもくれよ。俺やミカサに分かるようなヒントをさ」
ライナー「ヒント……」
エレン「ベルトルトとライナーで、夜の立体起動のヒントを出してくれ」
ライナー「」
ベルトルト「ライナー! やるんだな!? いま! ここで!」
ライナー(マジかよベルトルト)
ライナー「いや、悪いが断る」
エレン「なんでだよ!」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー(なんでコイツまで残念そうなんだよ、身の危険感じちゃうだろうが)
ライナー「ヒント……」
エレン「ベルトルトとライナーで、夜の立体起動のヒントを出してくれ」
ライナー「」
ベルトルト「ライナー! やるんだな!? いま! ここで!」
ライナー(マジかよベルトルト)
ライナー「いや、悪いが断る」
エレン「なんでだよ!」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー(なんでコイツまで残念そうなんだよ、身の危険感じちゃうだろうが)
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 11:07:26 ID:tX72ZLGk
ライナー「あのなエレン、夜の立体起動ってのは、愛する人とおこなう神聖な行為なんだ」
エレン「へ? そうなのか?」
ミカサ「エレンの、愛する人」モジモジ
ライナー「だから俺とベルトルトでは、夜の立体起動に及べないんだ。わかるだろ?」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー「」
エレン「なるほど。分かったぜライナー。おいミカサ」
ミカサ「エレン」テレテレ
エレン「俺の愛する人を、一緒に探してくれ!」
ミカサ「」
エレン「へ? そうなのか?」
ミカサ「エレンの、愛する人」モジモジ
ライナー「だから俺とベルトルトでは、夜の立体起動に及べないんだ。わかるだろ?」
ベルトルト「どーしてだよライナー!」
ライナー「」
エレン「なるほど。分かったぜライナー。おいミカサ」
ミカサ「エレン」テレテレ
エレン「俺の愛する人を、一緒に探してくれ!」
ミカサ「」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/13(土) 11:15:42 ID:tX72ZLGk
エレン「俺って昔から友達いなかったから、誰かを愛したことがないんだよ」
ミカサ「」ショボーン
ライナー(なんだこの空気は。鎧よりも重いわ)
ベルトルト「でもエレンには、ミカサがいるじゃないか」
エレン「え? こいつは家族だから」
ミカサ「」ウルウル
エレン「あ、でも待てよ」
ミカサ「エレン…?」
エレン「俺にはアルミンがいるじゃないか」
ミカサ「」
ベルトルト「そうだよエレン! エレンにはアルミンがいる! ぼくにはライナーがいる!」
ライナー(なにこいつ超怖えーじゃん。とりあえず早く結婚しよ)
ミカサ「」ショボーン
ライナー(なんだこの空気は。鎧よりも重いわ)
ベルトルト「でもエレンには、ミカサがいるじゃないか」
エレン「え? こいつは家族だから」
ミカサ「」ウルウル
エレン「あ、でも待てよ」
ミカサ「エレン…?」
エレン「俺にはアルミンがいるじゃないか」
ミカサ「」
ベルトルト「そうだよエレン! エレンにはアルミンがいる! ぼくにはライナーがいる!」
ライナー(なにこいつ超怖えーじゃん。とりあえず早く結婚しよ)
13: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 11:38:47 ID:tX72ZLGk
夜 食堂】
アルミン「お疲れ、エレン」
エレン「おう」
アルミン「夜の立体起動の謎は解明できた?」
エレン「ライナーが重要な事を教えてくれたぜ」
アルミン「ふうん。どんなこと?」
エレン「夜の立体起動は、愛する人とともにおこなうべき神聖な行為らしいんだ」
アルミン「へぇ~」
エレン「だからアルミン! 俺と夜の立体起動に励もう!」
アルミン「」
アルミン「お疲れ、エレン」
エレン「おう」
アルミン「夜の立体起動の謎は解明できた?」
エレン「ライナーが重要な事を教えてくれたぜ」
アルミン「ふうん。どんなこと?」
エレン「夜の立体起動は、愛する人とともにおこなうべき神聖な行為らしいんだ」
アルミン「へぇ~」
エレン「だからアルミン! 俺と夜の立体起動に励もう!」
アルミン「」
14: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 11:47:30 ID:tX72ZLGk
エレン「やり方はベルトルトが教えてくれるらしいから心配すんな! 俺たちはただ夜の立体起動の快感に身をゆだね――」
アルミン「ちょっと待ってエレン!」
エレン「ん?」
アルミン「単刀直入に言うね。エレンの夜の立体起動のパートナーに相応しいのは、ぼくじゃない。ミカサだ」
エレン「ミカサ?」
アルミン「エレン、君にとっていちばん尊い存在が誰なのか」
アルミン「君の事をいちばん大事に想ってくれている存在が誰なのか」
アルミン「瞳を閉じて、その胸に手を当てて、じっくり考えてみてくれないか」
エレン「俺にとって、一番尊い存在……」
アルミン「そう」
エレン「俺のことを、一番大事に想ってくれている存在……」
アルミン「そう!」
エレン「…………ミカサだ」
アルミン(ふっ、ちょろいぜ)
アルミン「ちょっと待ってエレン!」
エレン「ん?」
アルミン「単刀直入に言うね。エレンの夜の立体起動のパートナーに相応しいのは、ぼくじゃない。ミカサだ」
エレン「ミカサ?」
アルミン「エレン、君にとっていちばん尊い存在が誰なのか」
アルミン「君の事をいちばん大事に想ってくれている存在が誰なのか」
アルミン「瞳を閉じて、その胸に手を当てて、じっくり考えてみてくれないか」
エレン「俺にとって、一番尊い存在……」
アルミン「そう」
エレン「俺のことを、一番大事に想ってくれている存在……」
アルミン「そう!」
エレン「…………ミカサだ」
アルミン(ふっ、ちょろいぜ)
15: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 12:05:52 ID:tX72ZLGk
アルミン「あ、ミカサ」
ミカサ「アルミン」ショボン
アルミン(露骨に元気ないなぁ。エレンったらまったくもう)
ミカサ「この世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界――」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「?」
アルミン「エレンが、話したいことがあるんだって」
ミカサ「エレンが?」
エレン「あの、だなぁミカサ」
ミカサ「なに、エレン」
エレン「いろいろ考えたんだけどさ、やっぱり夜の立体起動の相手はお前しかいねーや」
ミカサ「!?!?!?」
ミカサ「アルミン」ショボン
アルミン(露骨に元気ないなぁ。エレンったらまったくもう)
ミカサ「この世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界は残酷だこの世界――」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「?」
アルミン「エレンが、話したいことがあるんだって」
ミカサ「エレンが?」
エレン「あの、だなぁミカサ」
ミカサ「なに、エレン」
エレン「いろいろ考えたんだけどさ、やっぱり夜の立体起動の相手はお前しかいねーや」
ミカサ「!?!?!?」
16: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 12:13:16 ID:tX72ZLGk
アルミン(いいぞ、もっとやれ)
ミカサ「エレン」ポロポロ
エレン「な、なんだよ泣くなよメソメソと」
ミカサ「この世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界――」
アルミン「良かったね、ふたりとも」
アルミン(無知って怖いよね)
ユミル「よう、なに盛り上がってんだ御三方」
ミカサ「エレン」ポロポロ
エレン「な、なんだよ泣くなよメソメソと」
ミカサ「この世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界は美しいこの世界――」
アルミン「良かったね、ふたりとも」
アルミン(無知って怖いよね)
ユミル「よう、なに盛り上がってんだ御三方」
18: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 19:09:30 ID:tX72ZLGk
クリスタ「あれっ? ミカサが泣いてるよ? 大丈夫?」
アルミン「今ね、夜の立体起動について話していたところなんだ」
ユミル「なっ!?」
クリスタ「よるの、りったいきどう?」
ユミル「おいアルミン、あたしのクリスタを穢すつもりかテメエは」
エレン「なにいってんだよ。夜の立体起動ってのは神聖な行為だってライナーが言ってたぞ」
ユミル「馬鹿かお前、夜の立体起動ってのはだなぁ、つまりセ――」
アルミン「ああああそうだユミル!! キース教官がユミルのことを呼んでたよ!!」
ユミル「は? どうして教官があたしを」
アルミン「ぼくにもよく分からないけど可及的速やかに向かった方がいいと思う。さもなくば教官の頭突きがクリスタに」
クリスタ「ど、どうして頭突きが私に!?」
ユミル「ちっ、ったくめんどくせーな」スタスタ
アルミン(ふっ、邪魔者は消えた)
アルミン「今ね、夜の立体起動について話していたところなんだ」
ユミル「なっ!?」
クリスタ「よるの、りったいきどう?」
ユミル「おいアルミン、あたしのクリスタを穢すつもりかテメエは」
エレン「なにいってんだよ。夜の立体起動ってのは神聖な行為だってライナーが言ってたぞ」
ユミル「馬鹿かお前、夜の立体起動ってのはだなぁ、つまりセ――」
アルミン「ああああそうだユミル!! キース教官がユミルのことを呼んでたよ!!」
ユミル「は? どうして教官があたしを」
アルミン「ぼくにもよく分からないけど可及的速やかに向かった方がいいと思う。さもなくば教官の頭突きがクリスタに」
クリスタ「ど、どうして頭突きが私に!?」
ユミル「ちっ、ったくめんどくせーな」スタスタ
アルミン(ふっ、邪魔者は消えた)
19: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/13(土) 19:23:07 ID:tX72ZLGk
アルミン「せっかくだから座っていきなよクリスタ」
クリスタ「うん!」
アルミン(しかしクリスタは本当に女神だなぁ。ぼくが夜の立体起動をするなら断然クリスタだよ)
エレン「そうだ、クリスタも夜の立体起動に混ざれよ」
ミカサ「」
アルミン(エレンは本当にたくましい)
エレン「たくさんでやったほうが楽しいだろ、きっと」
クリスタ「ごめんね、夜の立体起動が何なのか分からなくて」
ミカサ「愛する人との神聖な行為」ボソッ
エレン「友達とやる気軽なゲームだよ)
ミカサ「」
クリスタ「楽しいことなら、是非」
エレン「詳しくはあとでライナーとベルトルトが説明してくれるってさ」
ミカサ「違う…これは何かの間違い」
アルミン(ミカサが現実逃避しちゃってるよ、エレン)
クリスタ「うん!」
アルミン(しかしクリスタは本当に女神だなぁ。ぼくが夜の立体起動をするなら断然クリスタだよ)
エレン「そうだ、クリスタも夜の立体起動に混ざれよ」
ミカサ「」
アルミン(エレンは本当にたくましい)
エレン「たくさんでやったほうが楽しいだろ、きっと」
クリスタ「ごめんね、夜の立体起動が何なのか分からなくて」
ミカサ「愛する人との神聖な行為」ボソッ
エレン「友達とやる気軽なゲームだよ)
ミカサ「」
クリスタ「楽しいことなら、是非」
エレン「詳しくはあとでライナーとベルトルトが説明してくれるってさ」
ミカサ「違う…これは何かの間違い」
アルミン(ミカサが現実逃避しちゃってるよ、エレン)
22: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/14(日) 14:18:19 ID:0uQ/hT2o
ライナー「よう、相変わらず楽しそ――クリスタ!」
クリスタ「ライナーどうしたの? わたしの顔になにかついてるかな?」
ライナー「ああ、いや、なんでもないんだクリスタ」
アルミン(ライナーの顔が紅潮している。明らかにおかしい。もしやライナーは…)
アルミン(クリスタの夜の立体起動姿を思い浮かべているのか!?)
エレン「座っていけよライナー」
ライナー「お、おう」
ベルトルト「ぼくもいるよ」
ライナー「……」チラッ
クリスタ「?」
ライナー「」ケッコンシヨ
クリスタ「ライナーどうしたの? わたしの顔になにかついてるかな?」
ライナー「ああ、いや、なんでもないんだクリスタ」
アルミン(ライナーの顔が紅潮している。明らかにおかしい。もしやライナーは…)
アルミン(クリスタの夜の立体起動姿を思い浮かべているのか!?)
エレン「座っていけよライナー」
ライナー「お、おう」
ベルトルト「ぼくもいるよ」
ライナー「……」チラッ
クリスタ「?」
ライナー「」ケッコンシヨ
23: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/14(日) 14:25:58 ID:0uQ/hT2o
アルミン(駄目だ、このままではクリスタがライナーの毒牙にかかってしまう)
アルミン(クリスタ&ライナーのワンナイト立体起動の幕開けだ)
アルミン(ぼくはとうに夜の立体起動の為なら心臓を捧げると誓った兵士)
アルミン(その信念に従った末に果てるのなら本望)
アルミン(ライナークリスタの夜の立体起動なんて糞みたいな祭典は、ぼくが命をかけて阻止する)
アルミン(そして、ゆくゆくはぼくとクリスタの――)
エレン「せっかくだからライナーとベルトルトも一緒に楽しもうぜ、夜の立体起動を」
アルミン(クリスタ&ライナーのワンナイト立体起動の幕開けだ)
アルミン(ぼくはとうに夜の立体起動の為なら心臓を捧げると誓った兵士)
アルミン(その信念に従った末に果てるのなら本望)
アルミン(ライナークリスタの夜の立体起動なんて糞みたいな祭典は、ぼくが命をかけて阻止する)
アルミン(そして、ゆくゆくはぼくとクリスタの――)
エレン「せっかくだからライナーとベルトルトも一緒に楽しもうぜ、夜の立体起動を」
25: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/16(火) 21:53:56 ID:fqG8N6i.
アルミン「ちょ、ちょっとエレン! 駄目だよそんな応募者全員サービスみたいなのは」
エレン「どうしてだよ、みんなで遊んだほうが楽しいだろ? アルミンも一緒にやろうぜ」
アルミン「あくまでこれはぼくの推測だけど、夜の立体起動は2人用の行為だと思う」
エレン「へ? そうなのか?」
アルミン「そうだよね、ライナー?」
ライナー「あ、あぁそうだ。夜の立体起動は2人用だ」
アルミン「だからエレン。エレンはミカサと、ライナーはベルトルトと行為をおこなうべきだよ」
ライナー「」
エレン「どうしてだよ、みんなで遊んだほうが楽しいだろ? アルミンも一緒にやろうぜ」
アルミン「あくまでこれはぼくの推測だけど、夜の立体起動は2人用の行為だと思う」
エレン「へ? そうなのか?」
アルミン「そうだよね、ライナー?」
ライナー「あ、あぁそうだ。夜の立体起動は2人用だ」
アルミン「だからエレン。エレンはミカサと、ライナーはベルトルトと行為をおこなうべきだよ」
ライナー「」
26: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/18(木) 12:54:38 ID:R6bcAfy6
ベルトルト「ライナー! やるんだな! いま! こk――」
ライナー「だがなアルミン、夜の立体起動は2人用だが、例外もあるんだ」
アルミン「例外?」
ライナー「不特定多数が乱れて交わる物もまた、夜の立体起動と呼べるだろう」
エレン「そうなのか、なんだか奥深いんだな」
アルミン(それってつまりそういうことだよねライナー)
クリスタ「みんなで仲良く夜の立体起動ができるんだね。本当によかった……」
ライナー「……」ガッタイシタイ
ライナー「だがなアルミン、夜の立体起動は2人用だが、例外もあるんだ」
アルミン「例外?」
ライナー「不特定多数が乱れて交わる物もまた、夜の立体起動と呼べるだろう」
エレン「そうなのか、なんだか奥深いんだな」
アルミン(それってつまりそういうことだよねライナー)
クリスタ「みんなで仲良く夜の立体起動ができるんだね。本当によかった……」
ライナー「……」ガッタイシタイ
28: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/19(金) 09:31:07 ID:5aXHsehM
ミカサ「やっぱりエレンは私と夜の立体起動に興じるべきだと思う」
エレン「は? なんでだよミカサ」
ミカサ「私は、昼の立体起動が上手い。このなかで一番上手い。だから、夜の立体起動だって一番上手いはず」
ミカサ「でもエレンは、これだけの大人数を相手にできるほど、立体起動に長けてはいない」
ミカサ「だからエレンは、私とマンツーマンで夜の立体起動に励むべき」
アルミン(ただエレンを独占したいだけの論理展開だねミカサ)
ライナー「その通りだなエレン。まずは基本を抑えるべきだ」
ライナー「俺はクリスタとペアを組もう。金髪同士のほうが、なんかこう相性いいらしいし」
アルミン(各々がエゴをさらけ出し始めている……そんなことをしたらこの訓練所はもう、無数の性欲に支配されてしまう!)
エレン「は? なんでだよミカサ」
ミカサ「私は、昼の立体起動が上手い。このなかで一番上手い。だから、夜の立体起動だって一番上手いはず」
ミカサ「でもエレンは、これだけの大人数を相手にできるほど、立体起動に長けてはいない」
ミカサ「だからエレンは、私とマンツーマンで夜の立体起動に励むべき」
アルミン(ただエレンを独占したいだけの論理展開だねミカサ)
ライナー「その通りだなエレン。まずは基本を抑えるべきだ」
ライナー「俺はクリスタとペアを組もう。金髪同士のほうが、なんかこう相性いいらしいし」
アルミン(各々がエゴをさらけ出し始めている……そんなことをしたらこの訓練所はもう、無数の性欲に支配されてしまう!)
29: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/19(金) 09:41:00 ID:5aXHsehM
アルミン「待って! ライナーは経験豊富なんだよね? だったらぼくとクリスタに夜の立体起動を指導してよ」
ライナー「俺が直に教えた方が早いだろう。アルミンは……ベルトルトに教えてもらえ」
アルミン「直に教えることも大事だけど夜の立体起動を俯瞰で見て適宜指導することだって調査兵団としてのあるべき姿だ」
アルミン「金髪同士の相性がいいならぼくとクリスタだって一緒のはず。むしろ髪質はぼくのほうが近い。ぼくのほうが相性がいいんじゃないの? 違う? ねえ違う?」
アルミン「だいたいライナーはさきからクリスタのことをチラチラとみてたけど、もしかして夜の立体起動なるものを駆使してクリスタとお近づきになろうって魂胆じゃないの?」
アルミン「夜の立体起動が何なのか分からないけどたぶん推測するにソコソコの密着を伴う行為なんでしょ?」
アルミン「夜の立体起動なんて想像もつかないけどたぶん推測するにナカナカの興奮が生じる行為なんでしょ?」
アルミン「夜の立体起動なんて全く存じ上げないけどね!!」
ライナー「俺が直に教えた方が早いだろう。アルミンは……ベルトルトに教えてもらえ」
アルミン「直に教えることも大事だけど夜の立体起動を俯瞰で見て適宜指導することだって調査兵団としてのあるべき姿だ」
アルミン「金髪同士の相性がいいならぼくとクリスタだって一緒のはず。むしろ髪質はぼくのほうが近い。ぼくのほうが相性がいいんじゃないの? 違う? ねえ違う?」
アルミン「だいたいライナーはさきからクリスタのことをチラチラとみてたけど、もしかして夜の立体起動なるものを駆使してクリスタとお近づきになろうって魂胆じゃないの?」
アルミン「夜の立体起動が何なのか分からないけどたぶん推測するにソコソコの密着を伴う行為なんでしょ?」
アルミン「夜の立体起動なんて想像もつかないけどたぶん推測するにナカナカの興奮が生じる行為なんでしょ?」
アルミン「夜の立体起動なんて全く存じ上げないけどね!!」
33: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/19(金) 18:46:47 ID:5aXHsehM
クリスタ「やめて2人とも!」
クリスタ「楽しいことはみんなで分かち合えばいいんだよ!」
クリスタ「私は私で頑張るから! ね!?」
ライナー(是が非でも結婚しよ)
アルミン(ああっ女神さまっ)
エレン「あっ、おいもうこんな時間だぞ」
アルミン「ホントだ。もう寮に戻らないといけないね。残念ながら夜の立体起動は明日に持ち越しだ」
ライナー「ま、まあ誰が誰とペアを組むのかは、俺とベルトルトで決めておこう」
ミカサ「私はエレン以外と夜の立体起動をおこなうことはできない。場合によっては」スチャ
ライナー「わ、分かった。ミカサとエレンは決定でいい。皆、異論はないよな?」
一同「」コクリ
クリスタ「楽しいことはみんなで分かち合えばいいんだよ!」
クリスタ「私は私で頑張るから! ね!?」
ライナー(是が非でも結婚しよ)
アルミン(ああっ女神さまっ)
エレン「あっ、おいもうこんな時間だぞ」
アルミン「ホントだ。もう寮に戻らないといけないね。残念ながら夜の立体起動は明日に持ち越しだ」
ライナー「ま、まあ誰が誰とペアを組むのかは、俺とベルトルトで決めておこう」
ミカサ「私はエレン以外と夜の立体起動をおこなうことはできない。場合によっては」スチャ
ライナー「わ、分かった。ミカサとエレンは決定でいい。皆、異論はないよな?」
一同「」コクリ
34: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/19(金) 18:52:36 ID:5aXHsehM
【男子寮】
ジャン「おいエレン、アルミン、夜の立体起動について何か分かったことはあるか?」
エレン「ライナーが知ってるらしくて、明日教えてもらう予定だ」
アルミン「ライナーは夜の立体起動を熟知してるらしいからね」
ジャン「……そうか。それは羨ましいな。羨ましくて禿げそうだぜ」
コニー「んあ?」
アルミン「もしかしてジャンは、夜の立体起動の真相に行きついたのかい?」
エレン「おいおい抜け駆けかよジャン」
ジャン「マルコに教えてもらったんだ……あいつは夜の立体起動経験者らしいからな。自慢気だったぜあの野郎……」
アルミン(まさかマルコが……分からないもんだなあ、あんなに童貞臭いのに)
エレン「じゃあ、俺たちにも教えてくれよ、夜の立体起動を具体的に」
ジャン「……申し訳ないが、俺からは言えない」
ジャン「おいエレン、アルミン、夜の立体起動について何か分かったことはあるか?」
エレン「ライナーが知ってるらしくて、明日教えてもらう予定だ」
アルミン「ライナーは夜の立体起動を熟知してるらしいからね」
ジャン「……そうか。それは羨ましいな。羨ましくて禿げそうだぜ」
コニー「んあ?」
アルミン「もしかしてジャンは、夜の立体起動の真相に行きついたのかい?」
エレン「おいおい抜け駆けかよジャン」
ジャン「マルコに教えてもらったんだ……あいつは夜の立体起動経験者らしいからな。自慢気だったぜあの野郎……」
アルミン(まさかマルコが……分からないもんだなあ、あんなに童貞臭いのに)
エレン「じゃあ、俺たちにも教えてくれよ、夜の立体起動を具体的に」
ジャン「……申し訳ないが、俺からは言えない」
35: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 02:45:12 ID:bUIu3Sog
エレン「どうしてどいつもこいつも夜の立体起動について口ごもるんだよ」
ジャン「なあエレン、お前はやっぱ、ミカサと夜の立体起動をするつもりなのか?」
エレン「さあ? あいつは俺とやりたいらしいけど」
ジャン「ふっざけんな羨ましい!」ガシッ
エレン「なにすんだよ服破けちゃうだろうが!」グワシッ
ジャン「ミカサに求められてんのに飄々としてられるてめぇの精神構造が気に食わねえんだよ!」
エレン「俺は世話を焼いてくれなんて一言も言ってねえよ! あいつが勝手に――」
ジャン「それが羨ましいって言ってんだよ!」
エレン「なんでそんなミカサミカサって……あっ」
ジャン「あ?」
エレン「もしかしてジャン、お前……ミカサのこと……」
ジャン「」ギクッ
エレン「ミカサのことを……師匠だと思ってるのか?」
ジャン「なあエレン、お前はやっぱ、ミカサと夜の立体起動をするつもりなのか?」
エレン「さあ? あいつは俺とやりたいらしいけど」
ジャン「ふっざけんな羨ましい!」ガシッ
エレン「なにすんだよ服破けちゃうだろうが!」グワシッ
ジャン「ミカサに求められてんのに飄々としてられるてめぇの精神構造が気に食わねえんだよ!」
エレン「俺は世話を焼いてくれなんて一言も言ってねえよ! あいつが勝手に――」
ジャン「それが羨ましいって言ってんだよ!」
エレン「なんでそんなミカサミカサって……あっ」
ジャン「あ?」
エレン「もしかしてジャン、お前……ミカサのこと……」
ジャン「」ギクッ
エレン「ミカサのことを……師匠だと思ってるのか?」
36: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 02:59:12 ID:bUIu3Sog
ジャン「……えっ」
エレン「悔しいけどアイツは強いからなあ。さすが首席、って感じの強さだ」
エレン「ミカサに弟子入りしたいんなら俺が言っといてやるよ。ジャンがお前に弟子入りしたい、って」
アルミン「エレン違うよ。ジャンはミカサと夜の立体起動がしたいんだ」
エレン「へ?」
アルミン「ミカサと夜の立体起動できるエレンが羨ましいんだよ。そうだよね、ジャン」
ジャン「……」
アルミン「黙ってることが肯定の証だよ」
エレン「なんだそんなことか。好きにやればいいじゃんかよ」
ジャン「そんなことだと!? 好きにやればいいだと!?」
エレン「そんな青筋立てて怒るなよジャン」
ジャン「お前は夜の立体起動が何を指すのか知らないからそんな呑気なことが言えるんだ」
ジャン「もういい教えてやる。耳の穴かっぽじってよく聴けエレン」
ジャン「夜の立体起動っていうのはな」
ジャン「S●Xの隠語なんだよ!!!」
エレン「悔しいけどアイツは強いからなあ。さすが首席、って感じの強さだ」
エレン「ミカサに弟子入りしたいんなら俺が言っといてやるよ。ジャンがお前に弟子入りしたい、って」
アルミン「エレン違うよ。ジャンはミカサと夜の立体起動がしたいんだ」
エレン「へ?」
アルミン「ミカサと夜の立体起動できるエレンが羨ましいんだよ。そうだよね、ジャン」
ジャン「……」
アルミン「黙ってることが肯定の証だよ」
エレン「なんだそんなことか。好きにやればいいじゃんかよ」
ジャン「そんなことだと!? 好きにやればいいだと!?」
エレン「そんな青筋立てて怒るなよジャン」
ジャン「お前は夜の立体起動が何を指すのか知らないからそんな呑気なことが言えるんだ」
ジャン「もういい教えてやる。耳の穴かっぽじってよく聴けエレン」
ジャン「夜の立体起動っていうのはな」
ジャン「S●Xの隠語なんだよ!!!」
37: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 03:06:44 ID:bUIu3Sog
アルミン(あぁ、言っちゃったかw)
エレン「……」
ジャン「どうしたエレン! 動揺して言葉も出ないか!?」
アルミン(さて、これを知ったエレンはどういう反応を示すか)
エレン「なあ、ジャン、アルミン……」
エレン「S●Xって、なんだ?」
アルミンジャン「」
エレン「夜の立体起動が、S●Xっていうのを指すのは判った」
エレン「で、S●Xっていうのはどういう物なんだ? 美味しいのか?」
ジャン「マジかよエレン……」
アルミン「エレン、さすがにそこまでとは思わなかったよ。流石は駆逐系男子。巨人一直線だ」
エレン「いや、お前らがおかしいんだろ。普通知らないってS●Xなんて」
ジャン「いや、絶対知ってる」
アルミン「残念ながら周知の事実だよエレン」
エレン「アルミンが博識だから知ってるだけだろ? ちょっとミカサたちにも訊いてくるわ」ガラガラ
エレン「……」
ジャン「どうしたエレン! 動揺して言葉も出ないか!?」
アルミン(さて、これを知ったエレンはどういう反応を示すか)
エレン「なあ、ジャン、アルミン……」
エレン「S●Xって、なんだ?」
アルミンジャン「」
エレン「夜の立体起動が、S●Xっていうのを指すのは判った」
エレン「で、S●Xっていうのはどういう物なんだ? 美味しいのか?」
ジャン「マジかよエレン……」
アルミン「エレン、さすがにそこまでとは思わなかったよ。流石は駆逐系男子。巨人一直線だ」
エレン「いや、お前らがおかしいんだろ。普通知らないってS●Xなんて」
ジャン「いや、絶対知ってる」
アルミン「残念ながら周知の事実だよエレン」
エレン「アルミンが博識だから知ってるだけだろ? ちょっとミカサたちにも訊いてくるわ」ガラガラ
38: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 03:16:38 ID:bUIu3Sog
ジャン「お、おいエレン!」
アルミン「とりあえずエレンの跡を追おう!」
【女子寮】
ユミル「教官が私を呼んでるってのはデマだったんだ」
ユミル「アルミンぜってぇ許さねえ」
クリスタ「まあまあユミル落ち着いて。アルミンが聞き間違えたんだよきっと」
ミカサ「どうだろう、アルミンは昔から陰湿で姑息なことを考えるのが得意」
ミカサ「もしかしたら意図的にユミルを排除したのかもしれない」
クリスタ「辛辣だねミカサ……」
ユミル「そういえばあのときは夜の立体起動が云々って話してたんだっけ?」
クリスタ「たしかそうだったね」
ユミル「レディーたちの前で夜の立体起動を論じるなんてデリカシーってものがないなぁ」
アニ「まったく同感」
アルミン「とりあえずエレンの跡を追おう!」
【女子寮】
ユミル「教官が私を呼んでるってのはデマだったんだ」
ユミル「アルミンぜってぇ許さねえ」
クリスタ「まあまあユミル落ち着いて。アルミンが聞き間違えたんだよきっと」
ミカサ「どうだろう、アルミンは昔から陰湿で姑息なことを考えるのが得意」
ミカサ「もしかしたら意図的にユミルを排除したのかもしれない」
クリスタ「辛辣だねミカサ……」
ユミル「そういえばあのときは夜の立体起動が云々って話してたんだっけ?」
クリスタ「たしかそうだったね」
ユミル「レディーたちの前で夜の立体起動を論じるなんてデリカシーってものがないなぁ」
アニ「まったく同感」
39: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 03:24:28 ID:bUIu3Sog
アニ「もう少し勉強した方がいいんだよ、女の子との話し方を」
クリスタ「アニも夜の立体起動を知ってるの?」
アニ「ええ。やったことはないけどね」
クリスタ「そうなんだ。もし一緒にやるとしたら誰がいい?」
アニ「そうだねぇ……」
ミカサ「」ジー
アニ「……やっぱり公表は控えさせてもらうよ。猛獣に襲われそうだから」
ミカサ「そんなこと言わずに、教えて」
アニ「聞こえなかったのかい? 猛獣に襲われそうだから止めとくって言ったんだ」
ミカサ「そう」ジー
クリスタ(あ、あれ? なんか気まずい雰囲気……)
クリスタ(ユミルは我関せずだし、どうしよう、なんか喋って場を和ませないと――)
クリスタ(でも、何て声をかけたら……誰か、助けて……)
ガラガラ
エレン「S●Xって知ってる!?」
クリスタ「アニも夜の立体起動を知ってるの?」
アニ「ええ。やったことはないけどね」
クリスタ「そうなんだ。もし一緒にやるとしたら誰がいい?」
アニ「そうだねぇ……」
ミカサ「」ジー
アニ「……やっぱり公表は控えさせてもらうよ。猛獣に襲われそうだから」
ミカサ「そんなこと言わずに、教えて」
アニ「聞こえなかったのかい? 猛獣に襲われそうだから止めとくって言ったんだ」
ミカサ「そう」ジー
クリスタ(あ、あれ? なんか気まずい雰囲気……)
クリスタ(ユミルは我関せずだし、どうしよう、なんか喋って場を和ませないと――)
クリスタ(でも、何て声をかけたら……誰か、助けて……)
ガラガラ
エレン「S●Xって知ってる!?」
40: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 03:43:13 ID:bUIu3Sog
シーン
クリスタ(い、い、いまS●Xって言ったよね)ドキドキ
ミカサ「エレン、いきなりどうしたの?」
ミカサ「いきなりセッ――そんなことを聞いてくるなんて、何かあったの?」
エレン「もしかしてミカサはS●Xを知ってるのか!?」
ミカサ「……知識としては知っている。体としては知らない」
ミカサ「しかしエレンに求められるのであれば悪い気はしない。いや、むしろ本望」
エレン「ジャンいわく、夜の立体起動ってのはS●Xの隠語らしいんだ」
ミカサ「!?」
クリスタ「!?」
エレン「だけど俺はS●Xが何なのか分からないから、ミカサに聞きに来たんだよ」
ミカサ「アルミンは? 一緒じゃなかったの?」
エレン「もったいぶって教えてくれないんだよ。だからミカサ、代わりに教えてほしいんだ」
アニ「私が教えてあげるよ」
クリスタ(い、い、いまS●Xって言ったよね)ドキドキ
ミカサ「エレン、いきなりどうしたの?」
ミカサ「いきなりセッ――そんなことを聞いてくるなんて、何かあったの?」
エレン「もしかしてミカサはS●Xを知ってるのか!?」
ミカサ「……知識としては知っている。体としては知らない」
ミカサ「しかしエレンに求められるのであれば悪い気はしない。いや、むしろ本望」
エレン「ジャンいわく、夜の立体起動ってのはS●Xの隠語らしいんだ」
ミカサ「!?」
クリスタ「!?」
エレン「だけど俺はS●Xが何なのか分からないから、ミカサに聞きに来たんだよ」
ミカサ「アルミンは? 一緒じゃなかったの?」
エレン「もったいぶって教えてくれないんだよ。だからミカサ、代わりに教えてほしいんだ」
アニ「私が教えてあげるよ」
41: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 03:56:14 ID:bUIu3Sog
エレン「アニがS●Xを教えてくれるのか? 助かるぜアニ」
ミカサ「エレン待って、私が教える」
アニ「いや私が教える。こう見えて私は経験豊富なんでね」
ミカサ「さっき、やったことはないと話していた。見栄を張ってエレンを欺こうとするなら、肉を削ぐまで」スチャ
エレン「落ち着けよ2人とも。俺とミカサとアニの3人でS●Xすればいいだろ? な?」
アニ「そ、それはちょっと――」
ミカサ「エレン落ち着いて、あなたは自分が何を言っているのか分かっていない」
エレン「なら順番にS●Xするか。最初がミカサで次がアニな」
アニ「なんで私が後回しなんだよ。どうせ初戦で精根尽き果てる癖に」
ミカサ「エレン、アニとセッ――そんなことをしてはダメ。エレンには私がいる」
アニ「でもエレンは私との行為も望んでいる」
ミカサ「アニはジャンとでもやっていればいい。私はエレン、エレンは私」
アルミン(時すでに遅かったかぁ)コソコソ
ジャン()シクシク
ミカサ「エレン待って、私が教える」
アニ「いや私が教える。こう見えて私は経験豊富なんでね」
ミカサ「さっき、やったことはないと話していた。見栄を張ってエレンを欺こうとするなら、肉を削ぐまで」スチャ
エレン「落ち着けよ2人とも。俺とミカサとアニの3人でS●Xすればいいだろ? な?」
アニ「そ、それはちょっと――」
ミカサ「エレン落ち着いて、あなたは自分が何を言っているのか分かっていない」
エレン「なら順番にS●Xするか。最初がミカサで次がアニな」
アニ「なんで私が後回しなんだよ。どうせ初戦で精根尽き果てる癖に」
ミカサ「エレン、アニとセッ――そんなことをしてはダメ。エレンには私がいる」
アニ「でもエレンは私との行為も望んでいる」
ミカサ「アニはジャンとでもやっていればいい。私はエレン、エレンは私」
アルミン(時すでに遅かったかぁ)コソコソ
ジャン()シクシク
42: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/23(火) 04:05:21 ID:bUIu3Sog
ユミル「おいそこのド天然」
エレン「なんだよユミル」
ユミル「男なら、S●Xの相手を1人に選んでみろ。それが男ってもんだ」
ユミル「不特定多数の相手とS●Xを繰り広げている様じゃ、結局みんなが不幸になる」
ユミル「女はな、1人の男を愛したいんだよ。だからエレン、今ここで決めるんだ」
ユミル「いったい自分は誰に愛されたいのか。誰に愛されるよう努めるのか、考えろ。そして導き出せ。今、ここで」
エレン「……」
ミカサ「」ウルウル
アニ「」ドキドキ
クリスタ(唐突なシリアスな室内を襲う)
エレン「さっき、アルミンにも同じようなことを聞かれたんだ」
エレン「俺にとっていちばん尊くて、俺のことをいちばん大事に想ってくれているのは誰なのか、考えたんだ」
エレン「そうして導き出した結論だ」
エレン「ミカサ、俺とS●Xしよう」
ミカサ「エレン!!」ポロポロ
エレン「なんだよユミル」
ユミル「男なら、S●Xの相手を1人に選んでみろ。それが男ってもんだ」
ユミル「不特定多数の相手とS●Xを繰り広げている様じゃ、結局みんなが不幸になる」
ユミル「女はな、1人の男を愛したいんだよ。だからエレン、今ここで決めるんだ」
ユミル「いったい自分は誰に愛されたいのか。誰に愛されるよう努めるのか、考えろ。そして導き出せ。今、ここで」
エレン「……」
ミカサ「」ウルウル
アニ「」ドキドキ
クリスタ(唐突なシリアスな室内を襲う)
エレン「さっき、アルミンにも同じようなことを聞かれたんだ」
エレン「俺にとっていちばん尊くて、俺のことをいちばん大事に想ってくれているのは誰なのか、考えたんだ」
エレン「そうして導き出した結論だ」
エレン「ミカサ、俺とS●Xしよう」
ミカサ「エレン!!」ポロポロ
44: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/24(水) 00:01:40 ID:TQeid0bI
【空き部屋】
ミカサ「エレン、ちょうどいい頃合いの部屋があってよかった」
ミカサ「薄暗い。ベッドもある。壁も厚い。環境としては申し分ない」
ミカサ「ここなら心置きなく、夜の立体起動に没頭できる」
エレン「おう、そうだな」ソワソワ
エレン(ユミルたちにここへ案内されて2人きりにされたけど、一体なにが始まるんだ?)
エレン(そもそも立体起動って、外でやるものじゃないのか? どうしたってこんなところに……)
ミカサ「エレン、私は今から服を脱ぐ。ので、あっちを向いていてほしい」
エレン「おう……って、え!? は!?」
ミカサ「夜の立体起動は、互いが一糸纏わぬ姿でおこなうもの」
ミカサ「大丈夫。恥ずかしいのは、私も同じ」
エレン「いや、意味わかんねえぞ。どうしてお前が俺の目の前で裸体を晒そうとしてるんだ。人前で素っ裸になるなんてお前は奇行種か!?」
ミカサ「仕方ないでしょう。それが……夜の立体起動なんだから」
ミカサ「エレン、ちょうどいい頃合いの部屋があってよかった」
ミカサ「薄暗い。ベッドもある。壁も厚い。環境としては申し分ない」
ミカサ「ここなら心置きなく、夜の立体起動に没頭できる」
エレン「おう、そうだな」ソワソワ
エレン(ユミルたちにここへ案内されて2人きりにされたけど、一体なにが始まるんだ?)
エレン(そもそも立体起動って、外でやるものじゃないのか? どうしたってこんなところに……)
ミカサ「エレン、私は今から服を脱ぐ。ので、あっちを向いていてほしい」
エレン「おう……って、え!? は!?」
ミカサ「夜の立体起動は、互いが一糸纏わぬ姿でおこなうもの」
ミカサ「大丈夫。恥ずかしいのは、私も同じ」
エレン「いや、意味わかんねえぞ。どうしてお前が俺の目の前で裸体を晒そうとしてるんだ。人前で素っ裸になるなんてお前は奇行種か!?」
ミカサ「仕方ないでしょう。それが……夜の立体起動なんだから」
45: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/24(水) 00:11:49 ID:TQeid0bI
アルミン「エレンが狼狽しているよ。予想通りのマヌケ面だ」ヒソヒソ
クリスタ「なんだか2人のこと覗いちゃって悪い気がするよ」ヒソヒソ
ユミル「構やしないさ。あたしが2人を結び付けてやったんだ。これくらいの楽しみがあってもいい」ヒソヒソ
アニ「ユミルは最初から、ここでプレイを覗き見ることが目的だったんだね」ヒソヒソ
ユミル「アニは見たくなかったら帰っていいんだぜ? 内心複雑だろう?」ヒソヒソ
アニ「不思議なもんで、見たくないけど見ちゃうんだ。踵を返そうとしても足が動かない」ヒソヒソ
ユミル「そうかい。まあ、複雑な心境なのはアンタだけじゃなさそうだが」ヒソヒソ
ジャン「ミカサァ……とても綺麗な黒髪だった……」ウルウル
アルミン「ちょっと泣かないでよジャン。本気でミカサを狙っていたの? 噴飯モノだよ?」ヒソヒソ
ジャン「俺の好みだったんだ仕方ねえだろ……ミカサ・アッカーマン……そなたは美しい……」ポロポロ
クリスタ「なんだか2人のこと覗いちゃって悪い気がするよ」ヒソヒソ
ユミル「構やしないさ。あたしが2人を結び付けてやったんだ。これくらいの楽しみがあってもいい」ヒソヒソ
アニ「ユミルは最初から、ここでプレイを覗き見ることが目的だったんだね」ヒソヒソ
ユミル「アニは見たくなかったら帰っていいんだぜ? 内心複雑だろう?」ヒソヒソ
アニ「不思議なもんで、見たくないけど見ちゃうんだ。踵を返そうとしても足が動かない」ヒソヒソ
ユミル「そうかい。まあ、複雑な心境なのはアンタだけじゃなさそうだが」ヒソヒソ
ジャン「ミカサァ……とても綺麗な黒髪だった……」ウルウル
アルミン「ちょっと泣かないでよジャン。本気でミカサを狙っていたの? 噴飯モノだよ?」ヒソヒソ
ジャン「俺の好みだったんだ仕方ねえだろ……ミカサ・アッカーマン……そなたは美しい……」ポロポロ
47: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 04:30:56 ID:apQAq0Z6
ミカサ「そうだエレン。ただ私が服を脱ぐだけでは淡泊」
ミカサ「エレンに脱がせてもらった方が私は嬉しい」
エレン「は!?」
ミカサ「そうして欲しい。いや、そうするべき。それこそが夜の立体起動のお楽しみ」
エレン「本当なのか、それ……」
ミカサ「気分が高揚すること間違いなし。まずは雰囲気づくりが重要」
エレン「分かったよ、服をぬがせりゃいいんだな」バサッ
ミカサ「強引なエレン」テレテレ
エレン「……」
ミカサ「……」
アルミン(室内が唐突な静寂に包まれた)
ミカサ「エレンに脱がせてもらった方が私は嬉しい」
エレン「は!?」
ミカサ「そうして欲しい。いや、そうするべき。それこそが夜の立体起動のお楽しみ」
エレン「本当なのか、それ……」
ミカサ「気分が高揚すること間違いなし。まずは雰囲気づくりが重要」
エレン「分かったよ、服をぬがせりゃいいんだな」バサッ
ミカサ「強引なエレン」テレテレ
エレン「……」
ミカサ「……」
アルミン(室内が唐突な静寂に包まれた)
48: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 04:46:59 ID:apQAq0Z6
エレン「……」
ミカサ「……エレン?」
エレン「……すげえ腹筋だなミカサ」
ミカサ「あ、うん……毎日腹筋しているから」テレテレ
エレン「毎日しているだけでこんな腹筋になるのか」
ミカサ「なる……はず。少なくとも私はこうなっている」
エレン「俺も一応腹筋してるんだけどな。ミカサは格闘術だけじゃなく腹筋も凄いのか」
ミカサ「エレンに褒められて、私は嬉しい」
エレン「……しかし本当に素晴らしい腹筋だ。芸術だなこりゃ」
ミカサ「ありがとう。でも、腹筋以外にも目を向けてほしい」
エレン「等間隔にバックリと割れた腹筋がミカサの豊富なインナーマッスルを体現していて非常に艶やかだ」
ミカサ「エレン?」
エレン「なあ、ミカサ」ハアハア
ミカサ「な、なに?」
エレン「その腹筋、触っていいよな?」ハアハア
ミカサ「……エレン?」
エレン「……すげえ腹筋だなミカサ」
ミカサ「あ、うん……毎日腹筋しているから」テレテレ
エレン「毎日しているだけでこんな腹筋になるのか」
ミカサ「なる……はず。少なくとも私はこうなっている」
エレン「俺も一応腹筋してるんだけどな。ミカサは格闘術だけじゃなく腹筋も凄いのか」
ミカサ「エレンに褒められて、私は嬉しい」
エレン「……しかし本当に素晴らしい腹筋だ。芸術だなこりゃ」
ミカサ「ありがとう。でも、腹筋以外にも目を向けてほしい」
エレン「等間隔にバックリと割れた腹筋がミカサの豊富なインナーマッスルを体現していて非常に艶やかだ」
ミカサ「エレン?」
エレン「なあ、ミカサ」ハアハア
ミカサ「な、なに?」
エレン「その腹筋、触っていいよな?」ハアハア
49: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 17:01:14 ID:apQAq0Z6
アルミン「エレンの息遣いがおかしい」ヒソヒソ
ユミル「目つきもなんか変だぞおい」ヒソヒソ
クリスタ「エレン、どうしちゃったのかなぁ」ヒソヒソ
アニ「ふっ、ざまあないね」ヒソヒソ
ジャン「とても美しい腹筋だ」ヒソヒソ
ユミル「目つきもなんか変だぞおい」ヒソヒソ
クリスタ「エレン、どうしちゃったのかなぁ」ヒソヒソ
アニ「ふっ、ざまあないね」ヒソヒソ
ジャン「とても美しい腹筋だ」ヒソヒソ
50: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 17:23:14 ID:apQAq0Z6
ミカサ「エレン、大丈夫?」
エレン「だめだ我慢できない」ピトッ
ミカサ「ひっ」
エレン「彫刻のような腹筋だ。まるで板チョコみたいだな」ナデナデ
ミカサ「エレンやめて」
エレン「ここに水を垂らしたら用水路になるんじゃないのかこれ」ナデナデ
ミカサ「やめなさいエレン」
エレン「積み荷を乗せた馬車が腹筋交差点を右折しまーす。ぶーん」ナデナデ
ミカサ「エレン、ひとの腹筋で遊んではだめ」
エレン「ミカサの腹筋に茶をこぼしてすすりたい」ナデナデ
ミカサ「あなたは自分が何を言っているのか把握できていない。ので、私は混乱している」
エレン「ミカサの腹筋が好きだ。ミカサの腹筋LOVEだ。ミカサの腹筋がたまらなく愛おしい。ミカサの腹筋を食べたい」ナデナデ
ミカサ「」
エレン「だめだ我慢できない」ピトッ
ミカサ「ひっ」
エレン「彫刻のような腹筋だ。まるで板チョコみたいだな」ナデナデ
ミカサ「エレンやめて」
エレン「ここに水を垂らしたら用水路になるんじゃないのかこれ」ナデナデ
ミカサ「やめなさいエレン」
エレン「積み荷を乗せた馬車が腹筋交差点を右折しまーす。ぶーん」ナデナデ
ミカサ「エレン、ひとの腹筋で遊んではだめ」
エレン「ミカサの腹筋に茶をこぼしてすすりたい」ナデナデ
ミカサ「あなたは自分が何を言っているのか把握できていない。ので、私は混乱している」
エレン「ミカサの腹筋が好きだ。ミカサの腹筋LOVEだ。ミカサの腹筋がたまらなく愛おしい。ミカサの腹筋を食べたい」ナデナデ
ミカサ「」
51: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 17:31:56 ID:apQAq0Z6
アルミン「これは大変な事になったね」ヒソヒソ
ユミル「こんな有り様になるなら初めからエレンを焚きつけなかったんだが」ヒソヒソ
クリスタ「エレンは、ミカサの腹筋を見ておかしくなったんだよね?」ヒソヒソ
アニ「あいつはミカサの腹筋に欲情して理性を失ったんだよ。まったく、アンタは知性巨人かよ」ヒソヒソ
ジャン「」ハアハア
アルミン「ミカサがあんなに狼狽している姿は初めて見たよ」ヒソヒソ
ユミル「あの女はエレン以外には興味を示さない生命体だからねえ」ヒソヒソ
クリスタ「感情の起伏が薄いよねミカサは。でもそんなところがクールでいいよね」ヒソヒソ
アニ「ただ根暗なだけだろう? まあ、あたしが言えた口じゃないけど」ヒソヒソ
ジャン「クールな女子がおびえる姿……イイ」ヒソヒソ
ユミル「こんな有り様になるなら初めからエレンを焚きつけなかったんだが」ヒソヒソ
クリスタ「エレンは、ミカサの腹筋を見ておかしくなったんだよね?」ヒソヒソ
アニ「あいつはミカサの腹筋に欲情して理性を失ったんだよ。まったく、アンタは知性巨人かよ」ヒソヒソ
ジャン「」ハアハア
アルミン「ミカサがあんなに狼狽している姿は初めて見たよ」ヒソヒソ
ユミル「あの女はエレン以外には興味を示さない生命体だからねえ」ヒソヒソ
クリスタ「感情の起伏が薄いよねミカサは。でもそんなところがクールでいいよね」ヒソヒソ
アニ「ただ根暗なだけだろう? まあ、あたしが言えた口じゃないけど」ヒソヒソ
ジャン「クールな女子がおびえる姿……イイ」ヒソヒソ
52: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/25(木) 17:49:21 ID:apQAq0Z6
ミカサ(まさかこんなことになるなんて。エレン以外だったら全力で肉を削ぐべき事案)
ミカサ(ただ、視点を変えればエレンが私を求めてくれていることは事実)
ミカサ(腹筋だって私の一部。私を愛してくれていることに変わりはない)
ミカサ(しかし……やはりエレンには、私という存在そのものを好いてほしい)
ミカサ(……なんて考えは、贅沢なのだろうか)
ミカサ「」ポロポロ
ミカサ(なぜだろう、涙が止まらない)
ミカサ(わたしはミカサ・アッカーマン。自分の身体を完璧に支配できるはず)
ミカサ(それなのに涙を止められない。涙腺をコントロールできない)
ミカサ(ノズルが壊れてしまったらしい。残念だ。エレンにこんな姿を見せたくはなかった)
ミカサ(エレンは腹筋に夢中だ。きっと私の涙なんて気にしない。目にゴミが入ったとでも思っているはず)
ミカサ(この腹筋がほかの女に、たとえばアニに、クリスタに、サシャに、ニーナに備わっていれば、エレンはそちらを愛でるのだろう)
ミカサ(私は所詮、代替可能な容れ物に過ぎないんだ。私がトレーニングを怠って腹筋を失った瞬間にエレンからの愛情も失うんだ)
ミカサ(この世界は腹筋なんだ。私にとってエレンはエレンでなくてはならないのに、エレンにとっての私は腹筋の収容施設)
ミカサ(いい人生だった……)
ミカサ(ただ、視点を変えればエレンが私を求めてくれていることは事実)
ミカサ(腹筋だって私の一部。私を愛してくれていることに変わりはない)
ミカサ(しかし……やはりエレンには、私という存在そのものを好いてほしい)
ミカサ(……なんて考えは、贅沢なのだろうか)
ミカサ「」ポロポロ
ミカサ(なぜだろう、涙が止まらない)
ミカサ(わたしはミカサ・アッカーマン。自分の身体を完璧に支配できるはず)
ミカサ(それなのに涙を止められない。涙腺をコントロールできない)
ミカサ(ノズルが壊れてしまったらしい。残念だ。エレンにこんな姿を見せたくはなかった)
ミカサ(エレンは腹筋に夢中だ。きっと私の涙なんて気にしない。目にゴミが入ったとでも思っているはず)
ミカサ(この腹筋がほかの女に、たとえばアニに、クリスタに、サシャに、ニーナに備わっていれば、エレンはそちらを愛でるのだろう)
ミカサ(私は所詮、代替可能な容れ物に過ぎないんだ。私がトレーニングを怠って腹筋を失った瞬間にエレンからの愛情も失うんだ)
ミカサ(この世界は腹筋なんだ。私にとってエレンはエレンでなくてはならないのに、エレンにとっての私は腹筋の収容施設)
ミカサ(いい人生だった……)
55: nepia ◆xXI/gCgBCk 2017/05/28(日) 04:13:17 ID:gMg1K8Ns
アルミン「ミカサが何かを悟ったような顔をしているね」ヒソヒソ
ユミル「恋する相手が己の腹筋目当てだったんだ。無理ないさ」ヒソヒソ
クリスタ「ミカサの腹筋、ホント最高なことになってるよね」ヒソヒソ
アニ「猛獣のごとき腹筋の割れ方だな」ヒソヒソ
キース「お前たち」
一同「」ギクッ
キース「なにを覗いているのか説明してもらおうか」
アルミン「……不純異性交遊を目撃したので、現場を抑えようと思っていました!」
キース「ほう。バカみたいな理由だな!」
アルミン「はい! すいません!」
キース「どれどれ。見せてみろ」
アルミン「はっ! どうぞ!」
キース(どれどれ…………これはっ!)
キース(グリシャ……お前の息子の息子が、巨人になってるぞ)
Happy End
ユミル「恋する相手が己の腹筋目当てだったんだ。無理ないさ」ヒソヒソ
クリスタ「ミカサの腹筋、ホント最高なことになってるよね」ヒソヒソ
アニ「猛獣のごとき腹筋の割れ方だな」ヒソヒソ
キース「お前たち」
一同「」ギクッ
キース「なにを覗いているのか説明してもらおうか」
アルミン「……不純異性交遊を目撃したので、現場を抑えようと思っていました!」
キース「ほう。バカみたいな理由だな!」
アルミン「はい! すいません!」
キース「どれどれ。見せてみろ」
アルミン「はっ! どうぞ!」
キース(どれどれ…………これはっ!)
キース(グリシャ……お前の息子の息子が、巨人になってるぞ)
Happy End
56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/29(月) 15:07:33 ID:PEqUW1J.
懐かしいノリで楽しかった
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1494633558/
Entry ⇒ 2017.11.21 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
サシャ「スマフォイッジッテンジャネェエェ!!」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:37:08 ID:N20RNZv.
・アルサシャ
・現パロ
・2人とも既に付き合ってる
・現パロ
・2人とも既に付き合ってる
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:38:17 ID:N20RNZv.
アルミン「エレンごめん!」バッ
エレン「? どうしたよアルミン」
アルミン「今日の午後、3人で遊びに行く約束してたろ?」
エレン「そうだな。俺とお前とミカサとで、な」
ミカサ「……」コクコク
アルミン「そうなんだけどさ、実は急用があって行けなくなったんだ」
ミカサ「急用?」
アルミン「ミカサは僕と一緒にいたから知ってると思う。だからエレンに説明するよ」
エレン「お、おう」
アルミン「実は……」
エレン「? どうしたよアルミン」
アルミン「今日の午後、3人で遊びに行く約束してたろ?」
エレン「そうだな。俺とお前とミカサとで、な」
ミカサ「……」コクコク
アルミン「そうなんだけどさ、実は急用があって行けなくなったんだ」
ミカサ「急用?」
アルミン「ミカサは僕と一緒にいたから知ってると思う。だからエレンに説明するよ」
エレン「お、おう」
アルミン「実は……」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:38:49 ID:N20RNZv.
――――
――
―
アルミン「えっ?サシャ、アルバイト始めたの?」
サシャ『はい!そうなんですよ~。私んちの近くにラーメン横丁があるじゃないですか?』
アルミン「あぁ、2人でよく食べに行ったよね。最近行ってないけど今でも覚えてるよ」
サシャ『覚えててくれましたか』
アルミン「忘れるわけないじゃないか。なんせ君が僕に告白してくれた大切な場所なんだから」
サシャ『ア、アルミン……///』
アルミン「あはは」クスッ
――
―
アルミン「えっ?サシャ、アルバイト始めたの?」
サシャ『はい!そうなんですよ~。私んちの近くにラーメン横丁があるじゃないですか?』
アルミン「あぁ、2人でよく食べに行ったよね。最近行ってないけど今でも覚えてるよ」
サシャ『覚えててくれましたか』
アルミン「忘れるわけないじゃないか。なんせ君が僕に告白してくれた大切な場所なんだから」
サシャ『ア、アルミン……///』
アルミン「あはは」クスッ
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:39:37 ID:N20RNZv.
サシャ『そ、それは置いといてですね!!私達が最初のデートで食べに行ったラーメン屋さんあるでしょう?』
アルミン「あぁ……確か『巨人軒』だっけ?味は良いんだけど店員さんの活気が良すぎて……」
サシャ「何というか個性的な店でしたよね」
アルミン「うん……って、まさかサシャ。そこでアルバイト始めた訳じゃないよね?」ガタッ
サシャ『え?そこが私の勤め先ですが?』キョトン
アルミン「えええええぇえ!?」
サシャ『ちなみに、コニーも一緒です』
アルミン「ちょちょちょ!ちょっと待って!!何で数ある店の中であそこなの!?」
サシャ『何で、って……単純に味が美味しかったからですが……何か問題が?』
アルミン「問題も何も……あんな店に彼女が勤めてるなんて心配だよ!サシャがあそこの店員みたいになってたら、やだよ僕!」
サシャ『あはは、心配しないで下さいよアルミン!』
サシャ『いくら私でも、あのおかしいテンションには着いていけませんよ』
アルミン「ほ、本当?」
サシャ『本当ですって!それにアルバイトにあんな接客を求めるとは思えませんし……』
アルミン「あぁ……確か『巨人軒』だっけ?味は良いんだけど店員さんの活気が良すぎて……」
サシャ「何というか個性的な店でしたよね」
アルミン「うん……って、まさかサシャ。そこでアルバイト始めた訳じゃないよね?」ガタッ
サシャ『え?そこが私の勤め先ですが?』キョトン
アルミン「えええええぇえ!?」
サシャ『ちなみに、コニーも一緒です』
アルミン「ちょちょちょ!ちょっと待って!!何で数ある店の中であそこなの!?」
サシャ『何で、って……単純に味が美味しかったからですが……何か問題が?』
アルミン「問題も何も……あんな店に彼女が勤めてるなんて心配だよ!サシャがあそこの店員みたいになってたら、やだよ僕!」
サシャ『あはは、心配しないで下さいよアルミン!』
サシャ『いくら私でも、あのおかしいテンションには着いていけませんよ』
アルミン「ほ、本当?」
サシャ『本当ですって!それにアルバイトにあんな接客を求めるとは思えませんし……』
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:43:13 ID:N20RNZv.
アルミン「本当の本当に大丈夫?変なテンションでお客さん困らせたりしてない?」
サシャ『そんな事言われても、まだ面接終わっただけで店には行ってませんよ』
アルミン「そ、そっか……まだ始まってないんだね……」
サシャ『……そんなに心配だったらラーメン食べに来ます?様子見も兼ねて』
アルミン「え?」
サシャ『大学で別々になって、最近ろくに会ってないじゃないですか……私、寂しいです。だから、こういう形でもアルミンに会いたいです』シュン
アルミン「サシャ……」
サシャ『今週の日曜日が私の初出勤なんです。来てくれますか?』
アルミン「……うん、分かった。じゃあ今度の日曜日、ね。一緒に会おう」
サシャ『はい!』ウフフ
サシャ『そんな事言われても、まだ面接終わっただけで店には行ってませんよ』
アルミン「そ、そっか……まだ始まってないんだね……」
サシャ『……そんなに心配だったらラーメン食べに来ます?様子見も兼ねて』
アルミン「え?」
サシャ『大学で別々になって、最近ろくに会ってないじゃないですか……私、寂しいです。だから、こういう形でもアルミンに会いたいです』シュン
アルミン「サシャ……」
サシャ『今週の日曜日が私の初出勤なんです。来てくれますか?』
アルミン「……うん、分かった。じゃあ今度の日曜日、ね。一緒に会おう」
サシャ『はい!』ウフフ
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:44:42 ID:N20RNZv.
サシャ『あ!それと、もし良かったらミカサ誘ってみたらどうですか?』
アルミン「ミカサを?」
サシャ『えぇ!ミカサって確か、かなりのラーメン好きじゃないですか?』
アルミン「う、うん。それはそうなんだけどさ、サシャは良いの?」
サシャ『?』
アルミン「それって僕とミカサが2人で行くって事でしょ?まるでデートみたいじゃないか……だから君は気にしないのかなー、って……」
サシャ『あはは、アルミンったら!気にするわけないじゃないですか!』
アルミン「えぇ!?」
サシャ『第一、アルミンに二股をかける度胸なんてありませんよ』
アルミン「うぅっ……それはそうだけど……!」
アルミン(舐められてるんだか誉められてるんだか……)ズーン
サシャ『それ抜きにしてもアルミンがそんな酷いことするなんて考えられませんし』
アルミン「サシャ……」
サシャ『今のだって私の気持ち考えてくれたんでしょう?私は、そういうアルミンの優しいところ大好きですよ?』ニコッ
アルミン「ミカサを?」
サシャ『えぇ!ミカサって確か、かなりのラーメン好きじゃないですか?』
アルミン「う、うん。それはそうなんだけどさ、サシャは良いの?」
サシャ『?』
アルミン「それって僕とミカサが2人で行くって事でしょ?まるでデートみたいじゃないか……だから君は気にしないのかなー、って……」
サシャ『あはは、アルミンったら!気にするわけないじゃないですか!』
アルミン「えぇ!?」
サシャ『第一、アルミンに二股をかける度胸なんてありませんよ』
アルミン「うぅっ……それはそうだけど……!」
アルミン(舐められてるんだか誉められてるんだか……)ズーン
サシャ『それ抜きにしてもアルミンがそんな酷いことするなんて考えられませんし』
アルミン「サシャ……」
サシャ『今のだって私の気持ち考えてくれたんでしょう?私は、そういうアルミンの優しいところ大好きですよ?』ニコッ
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:45:27 ID:N20RNZv.
アルミン「か、彼氏だったらこれくらい当たり前だよ……///」
アルミン(うぅ……電話越しとは言え何でこんな恥ずかしいことを平気で言えるのだろうか……告白もサシャからだったし)
サシャ『そういう訳ですから日曜日覚えておいて下さいね?』
アルミン「うん。もちろんだよ」
サシャ『それじゃあ今日も遅い事ですし切りますね?』
アルミン「うん、そうだね。おやすみ」
サシャ『えぇ、おやすみなさい!』
アルミン(うぅ……電話越しとは言え何でこんな恥ずかしいことを平気で言えるのだろうか……告白もサシャからだったし)
サシャ『そういう訳ですから日曜日覚えておいて下さいね?』
アルミン「うん。もちろんだよ」
サシャ『それじゃあ今日も遅い事ですし切りますね?』
アルミン「うん、そうだね。おやすみ」
サシャ『えぇ、おやすみなさい!』
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:47:32 ID:N20RNZv.
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「……サシャ?早く通話切りなよ?」
サシャ『ア、アルミンこそ早く……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「電話切るタイミングがお互いに見つからない事って」
サシャ『よくありますよね』
クスッ
アルサシャ「あはははは!」
サシャ『……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「……サシャ?早く通話切りなよ?」
サシャ『ア、アルミンこそ早く……』
アルミン「……」
サシャ『……』
アルミン「電話切るタイミングがお互いに見つからない事って」
サシャ『よくありますよね』
クスッ
アルサシャ「あはははは!」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:48:52 ID:N20RNZv.
サシャ『もー!アルミン!早く切って下さいよ!キリがないですよ!』クスクス
アルミン「そういうサシャこそ!僕の方からは、もう意地でも切らないよ!」
サシャ『もー……しかたありませんね!それじゃあ私が切りますね?』
アルミン「うん」クスクス
サシャ『……アルミン』
アルミン「?」
サシャ『大好きですよ!』
アルミン「///!?」
サシャ『それじゃ!』
アルミン「え?あ!ちょっと!サシャ!」
ツー…ツー…
アルミン「……!」
アルミン「もう……!何であんなに恥ずかし気もなく……これじゃあ僕がヘタレみたいじゃないか……いや、そうだけどさ。実際ヘタレだけどさ」
アルミン「そういうサシャこそ!僕の方からは、もう意地でも切らないよ!」
サシャ『もー……しかたありませんね!それじゃあ私が切りますね?』
アルミン「うん」クスクス
サシャ『……アルミン』
アルミン「?」
サシャ『大好きですよ!』
アルミン「///!?」
サシャ『それじゃ!』
アルミン「え?あ!ちょっと!サシャ!」
ツー…ツー…
アルミン「……!」
アルミン「もう……!何であんなに恥ずかし気もなく……これじゃあ僕がヘタレみたいじゃないか……いや、そうだけどさ。実際ヘタレだけどさ」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:49:28 ID:N20RNZv.
ツー…ツー…
サシャ「……」ドキドキ
サシャ(うぅ……!電話越しでもやっぱり緊張しちゃうもんですね///)
サシャ(……アルミンが悪いんですよ!アルミンが積極的じゃないから私がこうやって……!)
ボスッ
サシャ「……」
サシャ「『大好きだよ、サシャ』……なーんて」ボソッ
サシャ「……!」カァッ
サシャ「――アルミンのばかぁあぁああ!!!///」バタバタ
\サシャア!さっきからうるさい!/
\何ジタバタしとるん!?/
サシャ「!? 父さんに母さん!放っといてくれんね///」
サシャ「……」ドキドキ
サシャ(うぅ……!電話越しでもやっぱり緊張しちゃうもんですね///)
サシャ(……アルミンが悪いんですよ!アルミンが積極的じゃないから私がこうやって……!)
ボスッ
サシャ「……」
サシャ「『大好きだよ、サシャ』……なーんて」ボソッ
サシャ「……!」カァッ
サシャ「――アルミンのばかぁあぁああ!!!///」バタバタ
\サシャア!さっきからうるさい!/
\何ジタバタしとるん!?/
サシャ「!? 父さんに母さん!放っといてくれんね///」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:50:54 ID:N20RNZv.
―
――
――――
アルミン「――というわけで、僕はミカサを誘って一緒に『巨人軒』に食べに行く事になったんだ」
エレン「おう。それは分かった」
エレン「――けどよ、俺は何でお前らカップルのノロケまで聞かされてるんだ!?」
アルミン「え?話の流れ的に話さざる得ないでしょ?」
エレン「いや、それはそうだけどよ!そんな互いの会話の一字一句を細かく説明する必要は無いだろ!よく覚えてたな!」
アルミン「サシャと話した事を、この僕が忘れる訳ないだろ!?そりゃ勿論、一字一句聞き逃さないさ!」クワッ
エレン「……まさかお前とサシャが、こんなバカップルになるとはな。当時は考えてなかったぜ……」ハァ…
アルミン「バカップルって酷いなぁ。そんなのはフランツとハンナで十分だよ」ム
――
――――
アルミン「――というわけで、僕はミカサを誘って一緒に『巨人軒』に食べに行く事になったんだ」
エレン「おう。それは分かった」
エレン「――けどよ、俺は何でお前らカップルのノロケまで聞かされてるんだ!?」
アルミン「え?話の流れ的に話さざる得ないでしょ?」
エレン「いや、それはそうだけどよ!そんな互いの会話の一字一句を細かく説明する必要は無いだろ!よく覚えてたな!」
アルミン「サシャと話した事を、この僕が忘れる訳ないだろ!?そりゃ勿論、一字一句聞き逃さないさ!」クワッ
エレン「……まさかお前とサシャが、こんなバカップルになるとはな。当時は考えてなかったぜ……」ハァ…
アルミン「バカップルって酷いなぁ。そんなのはフランツとハンナで十分だよ」ム
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:51:54 ID:N20RNZv.
ミカサ「エレン、羨ましいのなら私があなたの恋人になろう」クイクイ
エレン「は?お前は、そんなんじゃねぇだろ?ただ一緒に住んでる家族だし」
ミカサ「そんな……!昨日は家で私にあんな事しておいて!!」スンスン
エレン「何だよそれ!?///」カァッ!!
アルミン(うん。僕から見りゃ君達も十分バカップルだよ)
アルミン「はいはい、ミカサとエレンがラブラブなのは置いといて」クスクス
ミカサ「そう、アルミン!私達はラブラブ!すごく!ラブラブ!」コクコク!!
エレン「ラブラブじゃねぇし!!」
アルミン「僕は日曜日、ミカサと一緒に『巨人軒』へと向かった」
エレン「は?お前は、そんなんじゃねぇだろ?ただ一緒に住んでる家族だし」
ミカサ「そんな……!昨日は家で私にあんな事しておいて!!」スンスン
エレン「何だよそれ!?///」カァッ!!
アルミン(うん。僕から見りゃ君達も十分バカップルだよ)
アルミン「はいはい、ミカサとエレンがラブラブなのは置いといて」クスクス
ミカサ「そう、アルミン!私達はラブラブ!すごく!ラブラブ!」コクコク!!
エレン「ラブラブじゃねぇし!!」
アルミン「僕は日曜日、ミカサと一緒に『巨人軒』へと向かった」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:53:00 ID:N20RNZv.
――――
――
―日曜日
ガヤガヤ…!!
アルミン「ここだね」
ミカサ「おぉ……ラーメン横丁……!こんな素敵な場所の近くに家があるなんて、サシャが羨ましい……」ソワソワ
アルミン「あはは、いっそ引っ越したらどう?」
ミカサ「それはだめ。エレンと離れてしまう」
アルミン「本当にミカサはエレン大好きだね」
――
―日曜日
ガヤガヤ…!!
アルミン「ここだね」
ミカサ「おぉ……ラーメン横丁……!こんな素敵な場所の近くに家があるなんて、サシャが羨ましい……」ソワソワ
アルミン「あはは、いっそ引っ越したらどう?」
ミカサ「それはだめ。エレンと離れてしまう」
アルミン「本当にミカサはエレン大好きだね」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:53:30 ID:N20RNZv.
ミカサ「当然。今回だって本当はエレンとも一緒に行きたかった」
アルミン「サッカーサークル(男子限定)の新人歓迎会だっけ?」
ミカサ「男子限定のサークルでなきゃ私もエレンと同じのに入ってたのに……」
アルミン「別に家に行けば会えるんだから良いじゃない。さっ、早く店入るよ」
ミカサ「かーのじょっ」フー
アルミン「ミカサ、真顔で冷やかさないで」
アルミン「サッカーサークル(男子限定)の新人歓迎会だっけ?」
ミカサ「男子限定のサークルでなきゃ私もエレンと同じのに入ってたのに……」
アルミン「別に家に行けば会えるんだから良いじゃない。さっ、早く店入るよ」
ミカサ「かーのじょっ」フー
アルミン「ミカサ、真顔で冷やかさないで」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:54:23 ID:N20RNZv.
ガラッ
扉を開けた瞬間漂うトンコツのかおり
油でテカテカと光る床
時間が経って黄ばんだメニューの張り紙
うん。見慣れたラーメン屋の風景だ
ただ1つ。見慣れないものと言えば
サシャ「ラッシャセェエエ!!」
コニー「シャッセェェェン!!」
アルミン「」
ミカサ「ア、アルミン……!」
――この店の雰囲気に毒され、荒ぶる僕の彼女(とコニー)の姿だった
扉を開けた瞬間漂うトンコツのかおり
油でテカテカと光る床
時間が経って黄ばんだメニューの張り紙
うん。見慣れたラーメン屋の風景だ
ただ1つ。見慣れないものと言えば
サシャ「ラッシャセェエエ!!」
コニー「シャッセェェェン!!」
アルミン「」
ミカサ「ア、アルミン……!」
――この店の雰囲気に毒され、荒ぶる僕の彼女(とコニー)の姿だった
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:55:22 ID:N20RNZv.
サシャ「ニメエィサマァ!!ゴアンナァアイ!!」
コニー「ニメエィサマァ!!」
アルミン「……サシャ、どうして……?あんな変なテンションには飲まれない、って言ってたじゃないか……!」
ミカサ「何かもう……目がイってるもの……!」
アルミン「それにコニーの湯切りなんて見てよ!?ほぼ『そんなの関係ネェ!!』をやってるコジマ ヨ○オ状態だよ!!」
コニー「シャアッ!シャアッ!シャアッ!」ブンッ ブンッ!!
コニー「ニメエィサマァ!!」
アルミン「……サシャ、どうして……?あんな変なテンションには飲まれない、って言ってたじゃないか……!」
ミカサ「何かもう……目がイってるもの……!」
アルミン「それにコニーの湯切りなんて見てよ!?ほぼ『そんなの関係ネェ!!』をやってるコジマ ヨ○オ状態だよ!!」
コニー「シャアッ!シャアッ!シャアッ!」ブンッ ブンッ!!
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:55:55 ID:N20RNZv.
ミカサ「で、でも落ち着いてアルミン!この程度の気合いの入り方なんてラーメン激戦区では、よくあること」
ミカサ「サシャも見てみると普通に元気なラーメン屋の姉ちゃん」
アルミン「で、でも……僕見てもまるで僕が誰なのか分かってないみたいだし……本当に大丈夫かな?」
ミカサ「うっ……!」
ミカサ(確かに……今のサシャはまるでアルミンをアルミンだと認識してない。彼氏が来たなら少なからずとも一言かけるはずだもの……)
ミカサ「と、ともかく座ろう」ストッ
アルミン「う、うん」ストッ
ミカサ「サシャも見てみると普通に元気なラーメン屋の姉ちゃん」
アルミン「で、でも……僕見てもまるで僕が誰なのか分かってないみたいだし……本当に大丈夫かな?」
ミカサ「うっ……!」
ミカサ(確かに……今のサシャはまるでアルミンをアルミンだと認識してない。彼氏が来たなら少なからずとも一言かけるはずだもの……)
ミカサ「と、ともかく座ろう」ストッ
アルミン「う、うん」ストッ
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:56:28 ID:N20RNZv.
サシャ「ヘェイ!ゴチュウモンハァア!?」ズイッ!!
アルミン(ヘェイ!?)
コニー「ゴチュウモォォン!!」
アルミン「え、えーと……!味噌ラーメン、トッピングはコーンを『増し』で!」
サシャ「ミソォオォオ!!ヒトォツ!!」
コニー「コォン!!マシマシデェ?ヨロシイッスカァアァア!?」
アルミン「違います!『増し』です!」ガタッ
ミカサ「ニンニクラーメン、チャーシュー抜きで」
サシャ「ニンニクラァメン!!チャシュヌキィヒトッ!!」
コニー「チャアシュヌキィヒトッ!!」
アルミン「こ、怖いよミカサ……!これじゃ注文とってるっていうより脅迫されてるみたいだよ……!」ガクガク…
ミカサ「何が2人をここまで変えたのだろうか……?」
ミカサ(ていうか人格ごと変わってる気さえも……!)
アルミン(ヘェイ!?)
コニー「ゴチュウモォォン!!」
アルミン「え、えーと……!味噌ラーメン、トッピングはコーンを『増し』で!」
サシャ「ミソォオォオ!!ヒトォツ!!」
コニー「コォン!!マシマシデェ?ヨロシイッスカァアァア!?」
アルミン「違います!『増し』です!」ガタッ
ミカサ「ニンニクラーメン、チャーシュー抜きで」
サシャ「ニンニクラァメン!!チャシュヌキィヒトッ!!」
コニー「チャアシュヌキィヒトッ!!」
アルミン「こ、怖いよミカサ……!これじゃ注文とってるっていうより脅迫されてるみたいだよ……!」ガクガク…
ミカサ「何が2人をここまで変えたのだろうか……?」
ミカサ(ていうか人格ごと変わってる気さえも……!)
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:57:13 ID:N20RNZv.
――
サシャ「オマタセェ!!イタシマシタァ!!」
コニー「イタシヤシタアァァンン!!」
サシャ「コチラミソラァメン、コォンマシマシニィ!!」
アルミン「結局『増し増し』にされたぁ!?」ガーン
サシャ「オマタセェ!!イタシマシタァ!!」
コニー「イタシヤシタアァァンン!!」
サシャ「コチラミソラァメン、コォンマシマシニィ!!」
アルミン「結局『増し増し』にされたぁ!?」ガーン
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:57:55 ID:N20RNZv.
コニー「ニンニクラァメンデェェスッ!!」
ミカサ「チャーシュー入ってる!?抜き、って言ったのに!?」ガーン
サシャ「タラタラヌカシテンジャネェエェ!!」
コニー「ヌカシテンジャメェエェン!!」
アルミン「あれ?そういえばミカサ、チャーシュー食べなかったっけ?」
ミカサ「肉は普段からあまり食べない」
アルミン「どうして?」
アルミン(もしかしたらダイエット中とか……?)
ミカサ「肉、嫌いだもの」
アルミン「君はどこぞのファーストチルドレンか。ていうか言いたかっただけでしょ?」
ミカサ「バレたか……!」チッ
アルミン「まぁ確かにミカサは雰囲気は似てるよ、うん」
ミカサ「チャーシュー入ってる!?抜き、って言ったのに!?」ガーン
サシャ「タラタラヌカシテンジャネェエェ!!」
コニー「ヌカシテンジャメェエェン!!」
アルミン「あれ?そういえばミカサ、チャーシュー食べなかったっけ?」
ミカサ「肉は普段からあまり食べない」
アルミン「どうして?」
アルミン(もしかしたらダイエット中とか……?)
ミカサ「肉、嫌いだもの」
アルミン「君はどこぞのファーストチルドレンか。ていうか言いたかっただけでしょ?」
ミカサ「バレたか……!」チッ
アルミン「まぁ確かにミカサは雰囲気は似てるよ、うん」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:58:49 ID:N20RNZv.
ズズズッ…
アルミン「うん……美味しい」
ミカサ「……」ハグハグ
アルミン「あれ?結局チャーシュー食べてるね」
ミカサ「肉……好きだもの……美味しい」
アルミン「……」ズズッ
アルミン(そうだよ、ここはラーメン屋なんだ。どんなに店員の態度がおかしくても、どんなにオーダーミスが酷かったとしても、満足出来たならそれで良いじゃないか……多分)
サシャ「メンアガリャシッタアァア!!」
コニー「アガリャッッッアァアァ!!」
アルミン「うん……美味しい」
ミカサ「……」ハグハグ
アルミン「あれ?結局チャーシュー食べてるね」
ミカサ「肉……好きだもの……美味しい」
アルミン「……」ズズッ
アルミン(そうだよ、ここはラーメン屋なんだ。どんなに店員の態度がおかしくても、どんなにオーダーミスが酷かったとしても、満足出来たならそれで良いじゃないか……多分)
サシャ「メンアガリャシッタアァア!!」
コニー「アガリャッッッアァアァ!!」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 12:59:22 ID:N20RNZv.
アルミン「……そうだ」ゴソゴソ
ミカサ「? どうしたの?」
アルミン「食べ○グでレビューしようと思って。その写真撮るの」タッ タッ
カシャッ
アルミン「よし、良く撮れた」
ミカサ「アルミン、レビュアーなんてやってたのね。知らなかった」
アルミン「と言っても最近始めたばっかだけどね。押しつけがましくない程度の感想だよ」アハハ
ミカサ「? どうしたの?」
アルミン「食べ○グでレビューしようと思って。その写真撮るの」タッ タッ
カシャッ
アルミン「よし、良く撮れた」
ミカサ「アルミン、レビュアーなんてやってたのね。知らなかった」
アルミン「と言っても最近始めたばっかだけどね。押しつけがましくない程度の感想だよ」アハハ
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:00:25 ID:N20RNZv.
アルミン(うーん……良く見ると角度がイマイチだな。よし、今度はもう少し後ろに椅子ひいて……)ガタッ…
ガシッ!
サシャ「……」ゴゴゴゴ
アルミン「え!?サ、サシャ!?」
アルミン(え……何で?スマホ取られた!?)アタフタ
ミカサ「サ、サシャ……?どうしたの?」
サシャ「スマフォイジッテンェジャネエェェ!!」クワッ
ポチョム
アルミン「!? あぁあ゛!?僕の携帯がぁあ!?」
コニー「イッジッテェンジャメェェェェェン!!」
ガシッ!
サシャ「……」ゴゴゴゴ
アルミン「え!?サ、サシャ!?」
アルミン(え……何で?スマホ取られた!?)アタフタ
ミカサ「サ、サシャ……?どうしたの?」
サシャ「スマフォイジッテンェジャネエェェ!!」クワッ
ポチョム
アルミン「!? あぁあ゛!?僕の携帯がぁあ!?」
コニー「イッジッテェンジャメェェェェェン!!」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:01:00 ID:N20RNZv.
ミカサ「サ、サシャ……?」オロオロ
サシャ「……」ギロ
ミカサ「え?」チュルル
ガシッ!
サシャ「チィンタラクッテンジャアネェエェエ!!」
ミカサ「!?」
コニー「クッテンジャメェェェェン!!」
ミカサ「え……えと……あの……」オドオド
アルミン(あぁあぁあ!!!やっぱりおかしいよ、このサシャ!いきなり僕のラーメンにスマホトッピングしてきたりミカサの髪の毛ワッサリ掴んだり!!こんなんだったらやっぱり、ここでのバイト止めとくんだった!)
サシャ「……」ギロ
ミカサ「え?」チュルル
ガシッ!
サシャ「チィンタラクッテンジャアネェエェエ!!」
ミカサ「!?」
コニー「クッテンジャメェェェェン!!」
ミカサ「え……えと……あの……」オドオド
アルミン(あぁあぁあ!!!やっぱりおかしいよ、このサシャ!いきなり僕のラーメンにスマホトッピングしてきたりミカサの髪の毛ワッサリ掴んだり!!こんなんだったらやっぱり、ここでのバイト止めとくんだった!)
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:01:33 ID:N20RNZv.
――サシャ、休憩時間中 店裏
サシャ「はわわわ……!アルミン!本当にすみませんでしたー!!!」ドゲザー!!
アルミン「ちょ!ちょっと!やめてよサシャ!お店の制服汚れちゃうよ!」
サシャ「いえ、そんな!土下座程度じゃ許されませんよ!!だってアルミンの携帯電話、水没させて壊しちゃったんですから!!」
アルミン「い、いや。それはもう良いんだよ!食事中に携帯いじるの行儀悪いし!今思うとサシャの言う通りだったよ!」アセアセ
アルミン(うん、これはマナーを破った僕が悪いよ……まぁ、多少理不尽な気もするけど……いや、ぶっちゃけかなり理不尽……)
サシャ「違うんです!本当は、こんな事やるつもりじゃなかったんですよぉ!」
アルミン「え?じゃあやっぱりさっきのは正気じゃなかった、って事?」キョトン
サシャ「当たり前じゃないですかぁ!」ウワーン!!
アルミン「サ、サシャ!こんな所で泣かないでよ……!ほら、これハンカチ」スッ
サシャ「あっ……!すみません……ありがとうございます」スンスン
サシャ「はわわわ……!アルミン!本当にすみませんでしたー!!!」ドゲザー!!
アルミン「ちょ!ちょっと!やめてよサシャ!お店の制服汚れちゃうよ!」
サシャ「いえ、そんな!土下座程度じゃ許されませんよ!!だってアルミンの携帯電話、水没させて壊しちゃったんですから!!」
アルミン「い、いや。それはもう良いんだよ!食事中に携帯いじるの行儀悪いし!今思うとサシャの言う通りだったよ!」アセアセ
アルミン(うん、これはマナーを破った僕が悪いよ……まぁ、多少理不尽な気もするけど……いや、ぶっちゃけかなり理不尽……)
サシャ「違うんです!本当は、こんな事やるつもりじゃなかったんですよぉ!」
アルミン「え?じゃあやっぱりさっきのは正気じゃなかった、って事?」キョトン
サシャ「当たり前じゃないですかぁ!」ウワーン!!
アルミン「サ、サシャ!こんな所で泣かないでよ……!ほら、これハンカチ」スッ
サシャ「あっ……!すみません……ありがとうございます」スンスン
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:02:12 ID:N20RNZv.
サシャ「ごめんなさい、アルミン。私……始めてのバイト先がここで嬉しくて……」
サシャ「何というかその……ハイになっちゃって……自分でも気付かない内に雰囲気に飲まれてしまったんです……」ショボーン
アルミン「あ、あぁ……そうだったんだ」
アルミン(良かった。それだけなら安心したよ)ホッ
サシャ「でもアルミンの携帯壊しちゃったのは事実です。お願いします!弁償させてください!」
アルミン「えぇ!?い、いや!良いよそんな!さっきも言った通り僕も悪い所あったし!」アセアセ
アルミン「それに、この携帯3年間ずっと替えてなかったし逆に良い機会さ」
サシャ「ほ、本当ですか?」
アルミン「本当、本当」
サシャ「そ、そうでしたか……言える立ち場じゃないですけど正直、少しホッとしてしまいました」
アルミン(まぁ……そろそろ買い替えようと思ってたし。それに水没したからって売れない訳じゃないしね)
サシャ「何というかその……ハイになっちゃって……自分でも気付かない内に雰囲気に飲まれてしまったんです……」ショボーン
アルミン「あ、あぁ……そうだったんだ」
アルミン(良かった。それだけなら安心したよ)ホッ
サシャ「でもアルミンの携帯壊しちゃったのは事実です。お願いします!弁償させてください!」
アルミン「えぇ!?い、いや!良いよそんな!さっきも言った通り僕も悪い所あったし!」アセアセ
アルミン「それに、この携帯3年間ずっと替えてなかったし逆に良い機会さ」
サシャ「ほ、本当ですか?」
アルミン「本当、本当」
サシャ「そ、そうでしたか……言える立ち場じゃないですけど正直、少しホッとしてしまいました」
アルミン(まぁ……そろそろ買い替えようと思ってたし。それに水没したからって売れない訳じゃないしね)
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:03:44 ID:N20RNZv.
アルミン「そういう訳だからサシャは、もう気にしなくて良いよ」
サシャ「いやいや!『そういう訳だから』じゃ済ませられませんよ!アルミンが気にしなくても私がモヤモヤするんです!」
アルミン「そ、そう?」
サシャ「はい!何でも良いので何か御詫びを!」
アルミン「うーん、参ったな……そういう風に言われたら逆に思い付かないなぁ……」
サシャ「そんな事言わないで!私、アルミンのためだったら何でもしてあげますよ?」
アルミン「!?」
アルミン「な、何でも……してあげる、って……サシャ……///」カァッ
アルミン(僕ならまだしも、盛りのついた男には誘ってるようにしか聞こえないよ!)
サシャ「いやいや!『そういう訳だから』じゃ済ませられませんよ!アルミンが気にしなくても私がモヤモヤするんです!」
アルミン「そ、そう?」
サシャ「はい!何でも良いので何か御詫びを!」
アルミン「うーん、参ったな……そういう風に言われたら逆に思い付かないなぁ……」
サシャ「そんな事言わないで!私、アルミンのためだったら何でもしてあげますよ?」
アルミン「!?」
アルミン「な、何でも……してあげる、って……サシャ……///」カァッ
アルミン(僕ならまだしも、盛りのついた男には誘ってるようにしか聞こえないよ!)
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:04:20 ID:N20RNZv.
サシャ「? どうしましたか?本当に何でも良いんですよ?私が悪いんですから」キョトン
サシャ(急に赤くなってどうしたんでしょう?)
アルミン「……良いかい、サシャ?君ももう子供じゃないんだから大体は察してよ」
サシャ「?」
アルミン(あぁ、駄目だ……全然理解してない顔だ。これじゃ、こっちが無駄に意識してるみたいでバカみたいじゃないか///)
アルミン「はぁ……とにかく僕以外にそういう事言っちゃ駄目だからね?」
サシャ「? 分かりました」
アルミン(もう……1人でいるときのサシャが心配だなぁ……こういう事意識せずに言っちゃうんだもん)
サシャ(急に赤くなってどうしたんでしょう?)
アルミン「……良いかい、サシャ?君ももう子供じゃないんだから大体は察してよ」
サシャ「?」
アルミン(あぁ、駄目だ……全然理解してない顔だ。これじゃ、こっちが無駄に意識してるみたいでバカみたいじゃないか///)
アルミン「はぁ……とにかく僕以外にそういう事言っちゃ駄目だからね?」
サシャ「? 分かりました」
アルミン(もう……1人でいるときのサシャが心配だなぁ……こういう事意識せずに言っちゃうんだもん)
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:05:39 ID:N20RNZv.
サシャ「それはともかく、私がアルミンに何をすればいいか教えてください!」
サシャ「教えてくれるまで帰しませんよ?」
アルミン「ふ、普通立場が逆じゃない?」アセ
サシャ「こうでもしなきゃアルミン、何も頼んでくれなさそうですから」
アルミン「うーん……やって欲しい事か……」
アルミン「……」
アルミン「あっ、そうだ」
アルミン「明日の午後さ、新しく買う携帯見に行こうと思ってたんだけど、サシャ付き合ってよ」
サシャ「え?」キョトン
アルミン「あ……駄目かな?都合悪い?」
サシャ「い、いえ!そんな事ありません!むしろ空いてますけど……本当に良いんですか?」
アルミン「え?何が?」
サシャ「だって、これって実質デートでしょう?それじゃ何だか私何も損してませんし……」
サシャ「私は、てっきり『次のデートの食事は全部奢れ』とか言われのるかと思いましたよ……」
サシャ「教えてくれるまで帰しませんよ?」
アルミン「ふ、普通立場が逆じゃない?」アセ
サシャ「こうでもしなきゃアルミン、何も頼んでくれなさそうですから」
アルミン「うーん……やって欲しい事か……」
アルミン「……」
アルミン「あっ、そうだ」
アルミン「明日の午後さ、新しく買う携帯見に行こうと思ってたんだけど、サシャ付き合ってよ」
サシャ「え?」キョトン
アルミン「あ……駄目かな?都合悪い?」
サシャ「い、いえ!そんな事ありません!むしろ空いてますけど……本当に良いんですか?」
アルミン「え?何が?」
サシャ「だって、これって実質デートでしょう?それじゃ何だか私何も損してませんし……」
サシャ「私は、てっきり『次のデートの食事は全部奢れ』とか言われのるかと思いましたよ……」
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:06:40 ID:N20RNZv.
アルミン「そんなまさか!サシャじゃないんだから、そんな事頼まないよ」
サシャ「えっ!?それ、ちょっと酷くないですか!?」ガーン
アルミン「あぁ、ごめんごめん!」アハハ
サシャ「もう……!」プスー
アルミン「それにさ」
アルミン「君は、さっき『僕がサシャにして欲しい事』って言ったろ?」
サシャ「え?……あ、はい。そうですね?」
サシャ「えっ!?それ、ちょっと酷くないですか!?」ガーン
アルミン「あぁ、ごめんごめん!」アハハ
サシャ「もう……!」プスー
アルミン「それにさ」
アルミン「君は、さっき『僕がサシャにして欲しい事』って言ったろ?」
サシャ「え?……あ、はい。そうですね?」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:07:31 ID:N20RNZv.
アルミン「そんな事聞かれたら君が損するような事言うわけないだろ?恋人同士だったら普通、一緒にいたいのが普通さ」
サシャ「! あっ……言われてみれば、そりゃそうですよね……私もそう答えます……///」
アルミン「だからさ、明日は僕への御詫びとか考えないで黙って付き合ってよ。それが僕のお願い」ニコッ
サシャ「うぅっ……!アルミンは何でそんなに優しいんですか……私いつも甘やかされてばかりで……///」
アルミン「僕が、そうしたいから」
サシャ「……あはは!なら仕方ありませんね。デート付き合ってあげますよ」クスッ
サシャ「! あっ……言われてみれば、そりゃそうですよね……私もそう答えます……///」
アルミン「だからさ、明日は僕への御詫びとか考えないで黙って付き合ってよ。それが僕のお願い」ニコッ
サシャ「うぅっ……!アルミンは何でそんなに優しいんですか……私いつも甘やかされてばかりで……///」
アルミン「僕が、そうしたいから」
サシャ「……あはは!なら仕方ありませんね。デート付き合ってあげますよ」クスッ
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:08:58 ID:N20RNZv.
―
――
――――
アルミン「この時正直、3人で遊ぶ約束があるのをすっかり忘れてて……今日のサシャとのデート、約束しちゃったんだ……」
アルミン「本当に2人ともごめん!!」ペコリ
エレン「うーん……普通忘れるか?とツッコミたい所ではあるが……」
ミカサ「アルミンも色々あった、のでしょうがない。今日はデートを楽しんできて」ニコ
アルミン「2人とも……」
エレン「ちなみにアルミンとサシャが話してた時、お前はどこ行ってたんだ?」
ミカサ「先に帰ってた。恋人同士水入らずで話して欲しかったから」
アルミン(水入らずも何も、サシャと話すまでは、どんな顔して良いか分からないでドキドキしてたんだからね!?まぁ、会ったらいつも通りのサシャだったから良かったけど……)
――
――――
アルミン「この時正直、3人で遊ぶ約束があるのをすっかり忘れてて……今日のサシャとのデート、約束しちゃったんだ……」
アルミン「本当に2人ともごめん!!」ペコリ
エレン「うーん……普通忘れるか?とツッコミたい所ではあるが……」
ミカサ「アルミンも色々あった、のでしょうがない。今日はデートを楽しんできて」ニコ
アルミン「2人とも……」
エレン「ちなみにアルミンとサシャが話してた時、お前はどこ行ってたんだ?」
ミカサ「先に帰ってた。恋人同士水入らずで話して欲しかったから」
アルミン(水入らずも何も、サシャと話すまでは、どんな顔して良いか分からないでドキドキしてたんだからね!?まぁ、会ったらいつも通りのサシャだったから良かったけど……)
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:09:31 ID:N20RNZv.
エレン「ちなみに、携帯見た後は何処行く予定なんだ?」
アルミン「うーん……まぁ、言わずもがな、って感じかな?」アハハ…
ミカサ「――と、言うと……食べ歩きデートね」
アルミン「その通りです……」コク
エレン「毎回サシャのペースに付き合わされてお前も大変だなぁ」
アルミン「デート自体は嬉しいんだけどね……食に関する出費が多すぎて……」
アルミン「それこそ僕もバイト始めようか、なんて思ってるよ……」
エレン「そこまで追い込まれてたのかよ……財布が」
ミカサ「まぁ……色々と頑張って」
アルミン「うん……応援ありがとう。今日もなんとか財布をもたせてみせるよ」
ミカサ「アルミン……」ホロリ
アルミン「うーん……まぁ、言わずもがな、って感じかな?」アハハ…
ミカサ「――と、言うと……食べ歩きデートね」
アルミン「その通りです……」コク
エレン「毎回サシャのペースに付き合わされてお前も大変だなぁ」
アルミン「デート自体は嬉しいんだけどね……食に関する出費が多すぎて……」
アルミン「それこそ僕もバイト始めようか、なんて思ってるよ……」
エレン「そこまで追い込まれてたのかよ……財布が」
ミカサ「まぁ……色々と頑張って」
アルミン「うん……応援ありがとう。今日もなんとか財布をもたせてみせるよ」
ミカサ「アルミン……」ホロリ
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:10:06 ID:N20RNZv.
エレン「さて、じゃあアルミンが来れなくなっちまった事だし今日はパッパと家帰る事にするか」
ミカサ「……え!?」ガーン
エレン「何だよ、ミカサ?」
ミカサ「アルミンがいなくても私がいる」
エレン「? おう、そうだな」
ミカサ「ので!予定通りどこかで遊んでから帰ろう」グイグイ
エレン「えー……お前と2人でかよ。アルミンがいるなら話は別だけどよー」
アルミン「!? エ、エレン!ちょっとはミカサの気持ちも汲んでやりなよ!」ヒソヒソ…
アルミン(本当にミカサが不敏でならない!)
エレン「何だよ、アルミンまで……」
ミカサ「……」
ミカサ(! そうだ……)
ミカサ「エレン。昨日実はサシャに掴みかけられた反動でお気に入りのTシャツに染みをつけてしまった。良ければ、新しい服を買うのを手伝って欲しい」ズイッ
アルミン(ミカサ!ナイス口実!)
エレン「はぁ?そんぐらい自分だけで見てこいよ。俺を巻き込むなよなー」
ミカサ「……え!?」ガーン
エレン「何だよ、ミカサ?」
ミカサ「アルミンがいなくても私がいる」
エレン「? おう、そうだな」
ミカサ「ので!予定通りどこかで遊んでから帰ろう」グイグイ
エレン「えー……お前と2人でかよ。アルミンがいるなら話は別だけどよー」
アルミン「!? エ、エレン!ちょっとはミカサの気持ちも汲んでやりなよ!」ヒソヒソ…
アルミン(本当にミカサが不敏でならない!)
エレン「何だよ、アルミンまで……」
ミカサ「……」
ミカサ(! そうだ……)
ミカサ「エレン。昨日実はサシャに掴みかけられた反動でお気に入りのTシャツに染みをつけてしまった。良ければ、新しい服を買うのを手伝って欲しい」ズイッ
アルミン(ミカサ!ナイス口実!)
エレン「はぁ?そんぐらい自分だけで見てこいよ。俺を巻き込むなよなー」
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:11:03 ID:N20RNZv.
ミカサ「え?……でも、エレンにも見てほしくて……」タジタジ
エレン「面倒くせぇな……って、はっ!?」ビクッ
アルミン(エレン……!!ちゃんと空気よんで……!!!)ゴゴゴゴ
エレン(ア、アルミンの奴、凄い顔で睨んで来やがる……!!)
アルミン「……!!」
エレン(あー……もう、分かったよ……)
エレン「仕方ねぇな……面倒だが付き合ってやるよ」
ミカサ「エレン……!!ありがとう」パァッ
エレン「礼だったら、お前の後ろにいるアルミンにでも言ってくれ」ハァ…
ミカサ「アルミン?何故?」キョトン
エレン「さて、何故だろうな?」チラッ
アルミン「あはは……」ソッポムキ
エレン「面倒くせぇな……って、はっ!?」ビクッ
アルミン(エレン……!!ちゃんと空気よんで……!!!)ゴゴゴゴ
エレン(ア、アルミンの奴、凄い顔で睨んで来やがる……!!)
アルミン「……!!」
エレン(あー……もう、分かったよ……)
エレン「仕方ねぇな……面倒だが付き合ってやるよ」
ミカサ「エレン……!!ありがとう」パァッ
エレン「礼だったら、お前の後ろにいるアルミンにでも言ってくれ」ハァ…
ミカサ「アルミン?何故?」キョトン
エレン「さて、何故だろうな?」チラッ
アルミン「あはは……」ソッポムキ
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:11:39 ID:N20RNZv.
――午後3時半 アルミンとサシャの待ち合わせ場所
サシャ「アルミーン!」タッタッ
アルミン「あ……サシャ!」フリフリ
トテトテ
サシャ「時間より遅れてすみませんでした!」
アルミン「仕方ないよ。用事があったんだろ?それに、まだまだ日は長いんだしさ。そんなに焦って走って来なくてもよかったのに」
サシャ「アルミンに早く会いたいって思えば焦りもしますよ」
アルミン「そ、そんなに?」
サシャ「そうですよ、早く会いたいです!それともアルミンはあれですか?私にそこまで会いたくなくて、焦らなくてもいい、と?」
アルミン「そんな訳ないでしょ。第一、会いたくもない人をデートに誘わないよ」
サシャ「あはは、そうですよね。変な事言ってすみませんでした」
アルミン「ていうか、走って疲れてない?少し休んでから出発しようか?」
サシャ「いえ、大丈夫ですよ!体力はあるので!歩いてるうちに息も整います」スクッ
アルミン「そっか」スクッ
サシャ「はい!」
サシャ「アルミーン!」タッタッ
アルミン「あ……サシャ!」フリフリ
トテトテ
サシャ「時間より遅れてすみませんでした!」
アルミン「仕方ないよ。用事があったんだろ?それに、まだまだ日は長いんだしさ。そんなに焦って走って来なくてもよかったのに」
サシャ「アルミンに早く会いたいって思えば焦りもしますよ」
アルミン「そ、そんなに?」
サシャ「そうですよ、早く会いたいです!それともアルミンはあれですか?私にそこまで会いたくなくて、焦らなくてもいい、と?」
アルミン「そんな訳ないでしょ。第一、会いたくもない人をデートに誘わないよ」
サシャ「あはは、そうですよね。変な事言ってすみませんでした」
アルミン「ていうか、走って疲れてない?少し休んでから出発しようか?」
サシャ「いえ、大丈夫ですよ!体力はあるので!歩いてるうちに息も整います」スクッ
アルミン「そっか」スクッ
サシャ「はい!」
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:12:09 ID:N20RNZv.
テクテク…
サシャ「まず最初に携帯ショップ寄るのでいいんでしたよね?」
アルミン「うん。そしたらいつも通り歩いて、夜になったら解散しよう」
サシャ「夕食は、どこでとります?」
アルミン「それも、歩きながら適当に決めよう」
サシャ「そうですねー、流されるがままに」
アルミン「うん」
サシャ「よし!それじゃあ今日も美味しいもの一緒に食べましょうね!」
アルミン「財布が潰されない程度にね」
サシャ「勿論です!」
サシャ「まず最初に携帯ショップ寄るのでいいんでしたよね?」
アルミン「うん。そしたらいつも通り歩いて、夜になったら解散しよう」
サシャ「夕食は、どこでとります?」
アルミン「それも、歩きながら適当に決めよう」
サシャ「そうですねー、流されるがままに」
アルミン「うん」
サシャ「よし!それじゃあ今日も美味しいもの一緒に食べましょうね!」
アルミン「財布が潰されない程度にね」
サシャ「勿論です!」
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:12:39 ID:N20RNZv.
――携帯ショップ前
アルミン「ふう、デザインも選び終わった事だし。これでデート出かけられるね」
サシャ「えー!もっと悩んだらどうなんですか?」
アルミン「いや……僕はあれで良いかな、って。サシャも早く食べ歩きしたいでしょ?」
サシャ「そ、それはそうですが……」
サシャ「もっと明るいの選んだって良かったじゃないですか!あれじゃ渋すぎます」
アルミン「渋い、か。良いね。誉め言葉だよ」アハハ
サシャ「そうじゃなくて、アルミンにはもっと可愛いの選んで欲しかったです。似合うのに……」
アルミン「僕は『可愛い』って言われるより格好いい方が良いの!男なんだから……」
アルミン「ふう、デザインも選び終わった事だし。これでデート出かけられるね」
サシャ「えー!もっと悩んだらどうなんですか?」
アルミン「いや……僕はあれで良いかな、って。サシャも早く食べ歩きしたいでしょ?」
サシャ「そ、それはそうですが……」
サシャ「もっと明るいの選んだって良かったじゃないですか!あれじゃ渋すぎます」
アルミン「渋い、か。良いね。誉め言葉だよ」アハハ
サシャ「そうじゃなくて、アルミンにはもっと可愛いの選んで欲しかったです。似合うのに……」
アルミン「僕は『可愛い』って言われるより格好いい方が良いの!男なんだから……」
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:13:22 ID:N20RNZv.
サシャ「そんな事言ったらアルミンのアイデンティティが半分崩壊しますよ」
アルミン「ちょっと酷いよ、サシャ!?」ガーン
サシャ「そうですかね?アルミンがどう思ってても、可愛いのも魅力ですよ?」
アルミン「そ、そうかな……?」
サシャ「アルミンの良いところ知ってる私に言わせればそうですよ!」
アルミン「そっか……じゃあ、ありがとね?」
サシャ「どういたしまして!」
サシャ「さぁ、という事でもっかい見に行きましょう!」ビシッ
アルミン「え……い、いや、もう良いよ。実は、あのデザインで契約しちゃってたし」
サシャ「えー!」
アルミン「そ、そんな事より向かいの公園にクレープの屋台止まってるよ?寄ってかない?」チラッ…
サシャ「行きましょう!」キラキラ
アルミン(話題反らしたのが僕とは言え、こんなに急に切り替わられると複雑だな……)
アルミン「ちょっと酷いよ、サシャ!?」ガーン
サシャ「そうですかね?アルミンがどう思ってても、可愛いのも魅力ですよ?」
アルミン「そ、そうかな……?」
サシャ「アルミンの良いところ知ってる私に言わせればそうですよ!」
アルミン「そっか……じゃあ、ありがとね?」
サシャ「どういたしまして!」
サシャ「さぁ、という事でもっかい見に行きましょう!」ビシッ
アルミン「え……い、いや、もう良いよ。実は、あのデザインで契約しちゃってたし」
サシャ「えー!」
アルミン「そ、そんな事より向かいの公園にクレープの屋台止まってるよ?寄ってかない?」チラッ…
サシャ「行きましょう!」キラキラ
アルミン(話題反らしたのが僕とは言え、こんなに急に切り替わられると複雑だな……)
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:13:55 ID:N20RNZv.
スタスタ
サシャ「おぉー!結構種類ありますねー!」キラキラ
アルミン「サラダ挟むクレープもあるね。ヘルシーだ」
サシャ「本当ですね」
「いらっしゃいませー、ご注文は?」
アルミン「今日も結構、歩くんだからさ、軽めのやつにしといた方がお腹楽かもよ?」
サシャ「ふむ……それもそうですね。いっぱい食べたいですし」
アルミン「夕食まで余裕持たせた方が良いよ」
サシャ「分かりました!じゃあ……」
サシャ「この、フルーツチョコミックスで!」ビシッ
アルミン「え」
「かしこまりましたー」ピッピッ
サシャ「うふふ、美味しそうですー」ジュルリ
アルミン「ねぇ、ちょっと。話聞いてた?」
サシャ「おぉー!結構種類ありますねー!」キラキラ
アルミン「サラダ挟むクレープもあるね。ヘルシーだ」
サシャ「本当ですね」
「いらっしゃいませー、ご注文は?」
アルミン「今日も結構、歩くんだからさ、軽めのやつにしといた方がお腹楽かもよ?」
サシャ「ふむ……それもそうですね。いっぱい食べたいですし」
アルミン「夕食まで余裕持たせた方が良いよ」
サシャ「分かりました!じゃあ……」
サシャ「この、フルーツチョコミックスで!」ビシッ
アルミン「え」
「かしこまりましたー」ピッピッ
サシャ「うふふ、美味しそうですー」ジュルリ
アルミン「ねぇ、ちょっと。話聞いてた?」
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:14:27 ID:N20RNZv.
サシャ「え?」
アルミン「え?じゃなくて。今さっき軽めのやつにしよう、って言ったばかりだよ」
サシャ「だから、あまり重くないの選んだでしょう!」
アルミン「そ、そうなの?」
サシャ「そうですよ!本当は一番人気のアーモンドチョコクリームを2つ食べたいくらいですし!」
アルミン「ふ、2つ……」
サシャ「別に2つどころか10個でもいいですけどね」
サシャ「そんな私から言わせてみればアルミンは、いつも少食過ぎです!ちなみに何頼むつもりですか?」
アルミン「え?僕はツナコーンを頼もうと思ってて……あ、お願いします」
「かしこまりましたー」ピッ ピッ
アルミン「え?じゃなくて。今さっき軽めのやつにしよう、って言ったばかりだよ」
サシャ「だから、あまり重くないの選んだでしょう!」
アルミン「そ、そうなの?」
サシャ「そうですよ!本当は一番人気のアーモンドチョコクリームを2つ食べたいくらいですし!」
アルミン「ふ、2つ……」
サシャ「別に2つどころか10個でもいいですけどね」
サシャ「そんな私から言わせてみればアルミンは、いつも少食過ぎです!ちなみに何頼むつもりですか?」
アルミン「え?僕はツナコーンを頼もうと思ってて……あ、お願いします」
「かしこまりましたー」ピッ ピッ
42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:15:03 ID:N20RNZv.
サシャ「やっぱり何だか物足りなくないですかー?」
アルミン「僕は、これで良いの!少しお腹空かしとく位が夕食美味しくなるんだよ?」
サシャ「んー……まぁ、その通りかもしれませんが、やっぱり私は今美味しい思いをしたいんですよー」
アルミン「お腹壊しても知らないからね!」
サシャ「大げさですねー。それに、私がそうなってもアルミンは、きっと気にかけてくれる、って信じてますから」ニコッ
アルミン「……か、買いかぶり過ぎだよ///僕は、そこまで優しくないし……!」プイッ
サシャ「まったまたー」
アルミン「もう……本当だってば!」
サシャ「あはは!」
サシャ(可愛い、って言うのは、こういう事を言ってるんですが……本人は自覚ないみたいですね)
サシャ(まぁ、そこもまた可愛いんですが……)ニヤニヤ
アルミン「僕は、これで良いの!少しお腹空かしとく位が夕食美味しくなるんだよ?」
サシャ「んー……まぁ、その通りかもしれませんが、やっぱり私は今美味しい思いをしたいんですよー」
アルミン「お腹壊しても知らないからね!」
サシャ「大げさですねー。それに、私がそうなってもアルミンは、きっと気にかけてくれる、って信じてますから」ニコッ
アルミン「……か、買いかぶり過ぎだよ///僕は、そこまで優しくないし……!」プイッ
サシャ「まったまたー」
アルミン「もう……本当だってば!」
サシャ「あはは!」
サシャ(可愛い、って言うのは、こういう事を言ってるんですが……本人は自覚ないみたいですね)
サシャ(まぁ、そこもまた可愛いんですが……)ニヤニヤ
43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:19:35 ID:9FuJ5xms
「お待たせしましたー フルーツチョコミックスにツナコーンでーす」
アルミン「ほら、サシャ。もう来たよ」
サシャ「わー……!美味しそうですー……!」ウットリ
「サラダの方が彼氏さんのですよね?」
アルミン「は、はい!」
「どうぞ」スッ
アルミン(改めて人から彼氏って言われると、今更ながらムズ痒いな……)
「それでは、こっちのが彼女さんのですね?」スッ
サシャ「はーい!」シュビッ!!
アルミン「えーと、フルーツチョコミックスが380円で……」
サシャ「アルミンのが320円、合計700円ですね!」
アルミン「じゃ、割り勘で350円ずつで良いかな?」
アルミン「ほら、サシャ。もう来たよ」
サシャ「わー……!美味しそうですー……!」ウットリ
「サラダの方が彼氏さんのですよね?」
アルミン「は、はい!」
「どうぞ」スッ
アルミン(改めて人から彼氏って言われると、今更ながらムズ痒いな……)
「それでは、こっちのが彼女さんのですね?」スッ
サシャ「はーい!」シュビッ!!
アルミン「えーと、フルーツチョコミックスが380円で……」
サシャ「アルミンのが320円、合計700円ですね!」
アルミン「じゃ、割り勘で350円ずつで良いかな?」
44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:20:12 ID:9FuJ5xms
サシャ「良いですよ!どうぞ」チャリン
アルミン「ん、ありがと。じゃあ僕も半分出して、と」チャリン
「700円、お預かりします」ピッ ピッ…
ガチャガチャ…
「ありがとうございましたー」
アルミン「じゃあ丁度ここ公園だし、ベンチにでも座って食べようか」
サシャ「了解です!」
スタスタ
アルミン「ん、ありがと。じゃあ僕も半分出して、と」チャリン
「700円、お預かりします」ピッ ピッ…
ガチャガチャ…
「ありがとうございましたー」
アルミン「じゃあ丁度ここ公園だし、ベンチにでも座って食べようか」
サシャ「了解です!」
スタスタ
45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:20:57 ID:9FuJ5xms
ストッ
サシャ「このベンチ、丁度木漏れ日が落ちてきて程よい暖かさですねー」
アルミン「正に春って感じ」
サシャ「クレープもより美味しく感じられる、ってモンです!」モグモグ
アルミン「はやっ!!もう食べてたんだ」
サシャ「アルミンのツナコーンも美味しそうですね。お互い半分こしましょう!」
アルミン「良いね、実は僕もちょっとサシャの食べたいと思ってたんだ」
サシャ「やっぱり!」
アルミン「あはは……」
サシャ「このベンチ、丁度木漏れ日が落ちてきて程よい暖かさですねー」
アルミン「正に春って感じ」
サシャ「クレープもより美味しく感じられる、ってモンです!」モグモグ
アルミン「はやっ!!もう食べてたんだ」
サシャ「アルミンのツナコーンも美味しそうですね。お互い半分こしましょう!」
アルミン「良いね、実は僕もちょっとサシャの食べたいと思ってたんだ」
サシャ「やっぱり!」
アルミン「あはは……」
46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:21:36 ID:9FuJ5xms
サシャ「はい、じゃあ」スッ
アルミン「えっ?」
サシャ「えっ?じゃなくて!あーん、してください。あーん!」
アルミン「えぇ!?ちょっとサシャ……」
サシャ「何今さら恥じらってるんですか。ていうか、こういうリアクションって普通逆でしょう」
アルミン「た、確かに……」アセ
アルミン(我ながら情けないよな……)トホホ
サシャ「さぁ、早く早く。私だって、アルミンの食べたいんですから」
アルミン「う、うん」
サシャ「はい、あーん」
アルミン「あ、あーん……///」
パクッ
アルミン「えっ?」
サシャ「えっ?じゃなくて!あーん、してください。あーん!」
アルミン「えぇ!?ちょっとサシャ……」
サシャ「何今さら恥じらってるんですか。ていうか、こういうリアクションって普通逆でしょう」
アルミン「た、確かに……」アセ
アルミン(我ながら情けないよな……)トホホ
サシャ「さぁ、早く早く。私だって、アルミンの食べたいんですから」
アルミン「う、うん」
サシャ「はい、あーん」
アルミン「あ、あーん……///」
パクッ
47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:22:20 ID:9FuJ5xms
アルミン「ん……美味しいね」モグモグ
サシャ「でしょう?」ウフフ
アルミン(ていうか、ここ公園だから割と僕ら目立っちゃってるよなぁ……)チラッ
ヒソヒソ…
ガヤガヤ…
アルミン(うぅっ、やっぱり……白昼堂々こんな事したら普通目立つよね……///)カァッ
サシャ「でしょう?」ウフフ
アルミン(ていうか、ここ公園だから割と僕ら目立っちゃってるよなぁ……)チラッ
ヒソヒソ…
ガヤガヤ…
アルミン(うぅっ、やっぱり……白昼堂々こんな事したら普通目立つよね……///)カァッ
48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:24:46 ID:9FuJ5xms
アルミン「サ、サシャ。やっぱり少しこれ恥ずかしくない……?」
サシャ「良いじゃないですかぁ!こんな公園、どうせ周り見ても小学生か買い物に来てる主婦しかいませんよ」
アルミン「そ、それはそうかもだけどさ……」
サシャ「さ、そんな事より私にも早く!」アーン
アルミン「う、うん」
アルミン(口開けながら待機してるの可愛い……)
アルミン「はい、サシャ」スッ
サシャ「あーん」パクッ
サシャ「……ん~!良いですね、ツナコーン!ヘルシーでいて、しかもこんなに美味しいなんて最高です……!」ウットリ
アルミン「そうだね」
アルミン(ていうか、やっぱり
サシャもヘルシーだとか考えてるんだよね……本人に言ったら怒られるだろうから言わないけど)
サシャ「良いじゃないですかぁ!こんな公園、どうせ周り見ても小学生か買い物に来てる主婦しかいませんよ」
アルミン「そ、それはそうかもだけどさ……」
サシャ「さ、そんな事より私にも早く!」アーン
アルミン「う、うん」
アルミン(口開けながら待機してるの可愛い……)
アルミン「はい、サシャ」スッ
サシャ「あーん」パクッ
サシャ「……ん~!良いですね、ツナコーン!ヘルシーでいて、しかもこんなに美味しいなんて最高です……!」ウットリ
アルミン「そうだね」
アルミン(ていうか、やっぱり
サシャもヘルシーだとか考えてるんだよね……本人に言ったら怒られるだろうから言わないけど)
49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:26:39 ID:9FuJ5xms
アルミン「サシャさぁ、結構マメに運動とかしてるの?」
サシャ「どうしたんですか?藪から棒に」
アルミン「いや……その華奢な体のどこに食べ物が消えてるんだろうなって思って」
サシャ「華奢って言うほどですかね?一応これでも胸はある方だと思いますが……華奢ってどちらかと言うとクリスタとかじゃないですか?」
アルミン「それにしても細いと思うよ」
アルミン(ていうか今さらっとクリスタの事ディスったな。まぁ無自覚だろうけど)
クリスタ「へくちっ!!」クシュン
ユミル「? どうしたクリスタ?寒いのか?」
クリスタ「そういう訳じゃないけど……」
ユミル「春先に風邪ひく奴だっているからな。今日は早めに帰るか」ポンポン
クリスタ「そうね。ありがとユミル」
サシャ「どうしたんですか?藪から棒に」
アルミン「いや……その華奢な体のどこに食べ物が消えてるんだろうなって思って」
サシャ「華奢って言うほどですかね?一応これでも胸はある方だと思いますが……華奢ってどちらかと言うとクリスタとかじゃないですか?」
アルミン「それにしても細いと思うよ」
アルミン(ていうか今さらっとクリスタの事ディスったな。まぁ無自覚だろうけど)
クリスタ「へくちっ!!」クシュン
ユミル「? どうしたクリスタ?寒いのか?」
クリスタ「そういう訳じゃないけど……」
ユミル「春先に風邪ひく奴だっているからな。今日は早めに帰るか」ポンポン
クリスタ「そうね。ありがとユミル」
50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:27:18 ID:9FuJ5xms
サシャ「まぁ、そうですね。軽く運動はしてますよ。朝に20分くらいジョギング」
アルミン「へぇ、やっぱり」
サシャ「流石に食べっぱなしだとお腹出ちゃいますからね。可愛い服着たりお腹いっぱい食べるには不可欠ですよ!」エヘン
アルミン「はは、サシャらしいね」クスッ
サシャ「元々、体動かすのも好きですし」
サシャ「さぁ、そんな訳で次食べに行きますよ!そこにあるアイスクリーム屋さんです!」スクッ
アルミン「えぇ!?もう?少し歩いてからにしようよ」
サシャ「食べた分運動すれば大丈夫です!」
51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:28:08 ID:9FuJ5xms
――アイスクリームを食べ終わった後も色々と食べに行った。そう、サシャの進撃は留まる事を知らないのだ
52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:28:40 ID:9FuJ5xms
――お団子屋
「サシャちゃん、いつも来てくれてあんがとねぇ」
サシャ「いえいえ、おばあちゃんのとこのお団子美味しいですから!何回でも来ちゃいます」
「かっかっかっ!そうかいそうかい!」
サシャ「私、三色団子2串!」
「はいよ。んで、そっちの兄ちゃんは?もしかしたら、この前言ってた彼氏かい?」
サシャ「そうです!約束通り連れて来ましたよ」
アルミン「ど、どうも」ペコリ
「ほうほう」ニヤニヤ
「サシャちゃん、いつも来てくれてあんがとねぇ」
サシャ「いえいえ、おばあちゃんのとこのお団子美味しいですから!何回でも来ちゃいます」
「かっかっかっ!そうかいそうかい!」
サシャ「私、三色団子2串!」
「はいよ。んで、そっちの兄ちゃんは?もしかしたら、この前言ってた彼氏かい?」
サシャ「そうです!約束通り連れて来ましたよ」
アルミン「ど、どうも」ペコリ
「ほうほう」ニヤニヤ
53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:29:38 ID:9FuJ5xms
アルミン「ちょ、ちょっとサシャ!紹介してるんだったら先に言ってよ///」
サシャ「いやぁ。うっかりうっかり」テヘ
「そんで?兄ちゃん注文は?」
アルミン「い、いや!僕はサシャの付き添いに来ただけなのでお構いなく」
「何言ってんだいあんた!ちゃんと食いんさい!だいたいそんな細っこい体でサシャちゃん守れるんかい?せっかく来たんだ、ちゃんと太って行きんさい!」
アルミン「え、えぇ……‼︎」
サシャ「そうですよアルミン!水くさい事言わないで食べて下さい!本当に美味しいんですから」
アルミン「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」
「おうおう!」ニコニコ
アルミン「……そうだな、これが一番美味しそうだ 」
アルミン「おばちゃん、みたらし団子をひと……」
「ひとつぅ⁉︎」
アルミン「えぇ⁉︎」ビクッ
アルミン(あ、あれ?何か気に触ることでも……)
「バカ言ってんじゃないよ!男ならもっとバーンと食いな!10串だ!10串!」
サシャ「いやぁ。うっかりうっかり」テヘ
「そんで?兄ちゃん注文は?」
アルミン「い、いや!僕はサシャの付き添いに来ただけなのでお構いなく」
「何言ってんだいあんた!ちゃんと食いんさい!だいたいそんな細っこい体でサシャちゃん守れるんかい?せっかく来たんだ、ちゃんと太って行きんさい!」
アルミン「え、えぇ……‼︎」
サシャ「そうですよアルミン!水くさい事言わないで食べて下さい!本当に美味しいんですから」
アルミン「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……」
「おうおう!」ニコニコ
アルミン「……そうだな、これが一番美味しそうだ 」
アルミン「おばちゃん、みたらし団子をひと……」
「ひとつぅ⁉︎」
アルミン「えぇ⁉︎」ビクッ
アルミン(あ、あれ?何か気に触ることでも……)
「バカ言ってんじゃないよ!男ならもっとバーンと食いな!10串だ!10串!」
54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:30:29 ID:9FuJ5xms
アルミン「僕そんなに食べれませんよ⁉︎」ガ-ン
「グダグダ言ってんじゃない!安心しな、値段は格安だから」
アルミン「は、はぁ」
サシャ「大丈夫ですよ、アルミン。食べきれない分は私が手伝いますから」ヒソヒソ
アルミン「サシャ!ありがとう!」ヒソヒソ
アルミン(……ていうかやっぱり逆だよな。こういうのって女子の食べきれない物を男が手伝うシチュエーションだもん)ズ-ン
サシャ「アルミン?どうかしましたか?」
アルミン「い、いや!何でも」アセアセ
「あんたぁ!みたらし団子10串に三色団子2くしぃ‼︎」バッ
\あいよ!毎度ありぃ! /
「グダグダ言ってんじゃない!安心しな、値段は格安だから」
アルミン「は、はぁ」
サシャ「大丈夫ですよ、アルミン。食べきれない分は私が手伝いますから」ヒソヒソ
アルミン「サシャ!ありがとう!」ヒソヒソ
アルミン(……ていうかやっぱり逆だよな。こういうのって女子の食べきれない物を男が手伝うシチュエーションだもん)ズ-ン
サシャ「アルミン?どうかしましたか?」
アルミン「い、いや!何でも」アセアセ
「あんたぁ!みたらし団子10串に三色団子2くしぃ‼︎」バッ
\あいよ!毎度ありぃ! /
55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:31:08 ID:9FuJ5xms
――サラダバー
シャキシャキ…
アルミン「あぁー……口の中の甘ったるいのがスッキリしていく」モグモグ
サシャ「サラダバーのみの店なんてあったんですね!しりませんでした」モグモグ
アルミン「そうだね。あの後の団子屋で、おばあちゃんに『女の子に食い切れない飯押し付ける男子がどこにいるんだい!』って言われて、結局団子10串食べた僕には丁度いい店だよ……」ゲッソリ
サシャ「すみませんでした!団子屋のおばあちゃん結構頑固な所あって……良い人なんですけど」シュン
アルミン「いや、別に悪く言ってる訳じゃないよ」
サシャ「そ、そうでしたか。ありがとうございます」
シャキシャキ…
アルミン「あぁー……口の中の甘ったるいのがスッキリしていく」モグモグ
サシャ「サラダバーのみの店なんてあったんですね!しりませんでした」モグモグ
アルミン「そうだね。あの後の団子屋で、おばあちゃんに『女の子に食い切れない飯押し付ける男子がどこにいるんだい!』って言われて、結局団子10串食べた僕には丁度いい店だよ……」ゲッソリ
サシャ「すみませんでした!団子屋のおばあちゃん結構頑固な所あって……良い人なんですけど」シュン
アルミン「いや、別に悪く言ってる訳じゃないよ」
サシャ「そ、そうでしたか。ありがとうございます」
56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:31:45 ID:9FuJ5xms
アルミン「あ、サシャの食べてるそれ、青じそ凄く合うよ。かける?」
サシャ「はい!かけます!かけます!」
トプトプ
サシャ「~♪ うーん、美味しい!」
アルミン「良かった!」
サシャ「っと……そんな事よりアルミン!見てくださいよ、これ!」ビッ
アルミン「ん?サイドメニューのポスター?」
サシャ「デザートメニューのチョコパフェ。2人一緒に頼むと100円引きですって!」
アルミン「つまり僕も頼んで食べろ、と」
サシャ「ぜひぜひ!」ズイッ
アルミン「あのね?僕はさっきの団子屋さんで甘いのは、いっぱいいっぱいなんだよ?そんな僕にチョコパフェを完食しろなんて苦行を課すのかい?」
サシャ「まぁまぁ!そういう事ならアルミンの分も食べてあげますから」
アルミン「それサシャがお得に多く食べたいだけだよね?」ジト-
サシャ「ギクゥ⁉︎」
サシャ「はい!かけます!かけます!」
トプトプ
サシャ「~♪ うーん、美味しい!」
アルミン「良かった!」
サシャ「っと……そんな事よりアルミン!見てくださいよ、これ!」ビッ
アルミン「ん?サイドメニューのポスター?」
サシャ「デザートメニューのチョコパフェ。2人一緒に頼むと100円引きですって!」
アルミン「つまり僕も頼んで食べろ、と」
サシャ「ぜひぜひ!」ズイッ
アルミン「あのね?僕はさっきの団子屋さんで甘いのは、いっぱいいっぱいなんだよ?そんな僕にチョコパフェを完食しろなんて苦行を課すのかい?」
サシャ「まぁまぁ!そういう事ならアルミンの分も食べてあげますから」
アルミン「それサシャがお得に多く食べたいだけだよね?」ジト-
サシャ「ギクゥ⁉︎」
57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:32:58 ID:9FuJ5xms
――
スタスタ
サシャ「アルミーン♪」
アルミン「ん~?」
サシャ「さっきは結局チョコパフェ奢ってくれてありがとうございました!お陰で2つ食べる事が出来ました!」ペコリ
アルミン「1つ頼むんだったらまだしも2つ分食べるためにお金払うのなんて今日だけだからね?」
サシャ「わかってますよー」
スタスタ
サシャ「アルミーン♪」
アルミン「ん~?」
サシャ「さっきは結局チョコパフェ奢ってくれてありがとうございました!お陰で2つ食べる事が出来ました!」ペコリ
アルミン「1つ頼むんだったらまだしも2つ分食べるためにお金払うのなんて今日だけだからね?」
サシャ「わかってますよー」
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:34:51 ID:9FuJ5xms
アルミン「本当?」ジト-
サシャ「本当です!」
サシャ「いやー、それにしても美味しかったです。絶品でした!」
アルミン「絶品?そんなに美味しかったの?」
サシャ「えぇ!甘~いパフェを口にした後のイチゴが最高のアクセント!堪りませんでしたよ!」ジュルリ
アルミン「あはは、そんなに喜んでるんなら奢ったかいがあったな」クスッ
サシャ「えへへ~ もっと奢ってくれても良いんですよ?」
アルミン「それは無理」ニコ
サシャ「えぇ~!ケチー」
アルミン「僕にもお財布事情があるの!そりゃこうやって偶になら奢ってあげるけど」
サシャ「えー!でも高校の時ライナーなんて、クリスタにデートのお金殆ど払わせなかったみたいですよー?」
アルミン「それはライナーが特別なだけ。しかもデートって言ってもユミル同伴だったやつでしょ?」
サシャ「あぁー……そう言えばそうでしたっけ?よく覚えてましたね?」
サシャ「本当です!」
サシャ「いやー、それにしても美味しかったです。絶品でした!」
アルミン「絶品?そんなに美味しかったの?」
サシャ「えぇ!甘~いパフェを口にした後のイチゴが最高のアクセント!堪りませんでしたよ!」ジュルリ
アルミン「あはは、そんなに喜んでるんなら奢ったかいがあったな」クスッ
サシャ「えへへ~ もっと奢ってくれても良いんですよ?」
アルミン「それは無理」ニコ
サシャ「えぇ~!ケチー」
アルミン「僕にもお財布事情があるの!そりゃこうやって偶になら奢ってあげるけど」
サシャ「えー!でも高校の時ライナーなんて、クリスタにデートのお金殆ど払わせなかったみたいですよー?」
アルミン「それはライナーが特別なだけ。しかもデートって言ってもユミル同伴だったやつでしょ?」
サシャ「あぁー……そう言えばそうでしたっけ?よく覚えてましたね?」
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:35:33 ID:9FuJ5xms
アルミン「いや、今でもライナーが電話越しに、クリスタとデートした事自慢してくるからね。正直耳にタコが出来るくらい聞いてる」
サシャ「あぁ……なるほどです……」
サシャ「ていうかソレってそもそもデートだったんですかね?」ハテ
アルミン「まぁ本人がそういうんだし……多分そうなんだと」
サシャ「あぁ……なるほどです……」
サシャ「ていうかソレってそもそもデートだったんですかね?」ハテ
アルミン「まぁ本人がそういうんだし……多分そうなんだと」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:36:23 ID:9FuJ5xms
アルミン「ともかく。僕はライナーみたいに財布の口は緩くないからね!」
サシャ「私彼女なのにー」プス-
アルミン「彼女でも」
サシャ「ちぇー」
アルミン「さて……それはそうと日も暮れてきた。そろそろ夕食とる場所決めとかなきゃ……」
サシャ「それもそうですねー。お腹のほうもそろそろスイーツより主食の方を欲してる気がします」
アルミン「そっか」
サシャ「私彼女なのにー」プス-
アルミン「彼女でも」
サシャ「ちぇー」
アルミン「さて……それはそうと日も暮れてきた。そろそろ夕食とる場所決めとかなきゃ……」
サシャ「それもそうですねー。お腹のほうもそろそろスイーツより主食の方を欲してる気がします」
アルミン「そっか」
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:36:57 ID:9FuJ5xms
サシャ「ところでアルミン、右手側にあんドーナツの店があるんですけど見ていきません?」
アルミン「ねぇ、サシャ。さっき僕なんて言ったか覚えてる?」
サシャ「? さっきと言いますと?」ハテ
アルミン「いや、だからさっきだよぉ!そろそろ夕食の店探そう、って言ったばかりじゃないかぁ!」
サシャ「? そりゃ夕食とる場所は探索しますが目の前に獲物(あんドーナツ)がいるに狩らないハンターはいないでしょう?」キョトン
アルミン「いやいや!今、そんなに食べちゃったら夕飯お腹に入らなくなるよ?」
サシャ「お願いします!これ買ったらもう今日の所は我慢しますからぁ!」バッ
アルミン「ねぇ、サシャ。さっき僕なんて言ったか覚えてる?」
サシャ「? さっきと言いますと?」ハテ
アルミン「いや、だからさっきだよぉ!そろそろ夕食の店探そう、って言ったばかりじゃないかぁ!」
サシャ「? そりゃ夕食とる場所は探索しますが目の前に獲物(あんドーナツ)がいるに狩らないハンターはいないでしょう?」キョトン
アルミン「いやいや!今、そんなに食べちゃったら夕飯お腹に入らなくなるよ?」
サシャ「お願いします!これ買ったらもう今日の所は我慢しますからぁ!」バッ
62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:41:06 ID:dSF0gXzg
アルミン「うーん……まぁ、そこまで言うんだったら……」
サシャ「ありがとうございます!」バッ
アルミン「あまり多く食べないようにね?」
サシャ「分かってます、って」
アルミン「じゃあ行こうか、あそこの黄色い屋根のみせだよね?」
サシャ「いえ、アルミンはここで待っててくれて結構ですよ。私がアルミンの分も買ってきますから!」
アルミン「悪いよ!それに僕はもう食べれそうにないし……多分夕食で精一杯だよ」
サシャ「遠慮しないで下さいよ!さっきのお礼みたいなものです。それにアルミンは、持ち帰って明日にでも食べれば良いんですし」
アルミン「ま、まぁ確かにそうだけどさ」
サシャ「ありがとうございます!」バッ
アルミン「あまり多く食べないようにね?」
サシャ「分かってます、って」
アルミン「じゃあ行こうか、あそこの黄色い屋根のみせだよね?」
サシャ「いえ、アルミンはここで待っててくれて結構ですよ。私がアルミンの分も買ってきますから!」
アルミン「悪いよ!それに僕はもう食べれそうにないし……多分夕食で精一杯だよ」
サシャ「遠慮しないで下さいよ!さっきのお礼みたいなものです。それにアルミンは、持ち帰って明日にでも食べれば良いんですし」
アルミン「ま、まぁ確かにそうだけどさ」
63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:41:52 ID:dSF0gXzg
サシャ「何個くらい食べますか?」
アルミン「うーん、そうだな……家族と一緒に食べたいから一箱お願いしたいな。ごめんね、そこまで奢ってくれるって言うんなら遠慮しないや」
サシャ「いえいえ、遠慮してくれない方が私も嬉しいですよ。了解です!」
アルミン「そっか、じゃあ頼んだよ」
サシャ「任せてください!」
アルミン「ちなみにサシャはどれくらい買うつもり?」
サシャ「私も一箱です」
アルミン「一箱⁉︎ まさか今全部食べるつもり⁉︎」
サシャ「ち、違いますよ!今少し食べて、余ったのを両親に渡すって意味ですよ!」
アルミン「あ、だよね。ごめんごめん」クスッ
サシャ「ともかく買ってきますからね!」タッ
アルミン「うん」
タッタッ…
アルミン「うーん、そうだな……家族と一緒に食べたいから一箱お願いしたいな。ごめんね、そこまで奢ってくれるって言うんなら遠慮しないや」
サシャ「いえいえ、遠慮してくれない方が私も嬉しいですよ。了解です!」
アルミン「そっか、じゃあ頼んだよ」
サシャ「任せてください!」
アルミン「ちなみにサシャはどれくらい買うつもり?」
サシャ「私も一箱です」
アルミン「一箱⁉︎ まさか今全部食べるつもり⁉︎」
サシャ「ち、違いますよ!今少し食べて、余ったのを両親に渡すって意味ですよ!」
アルミン「あ、だよね。ごめんごめん」クスッ
サシャ「ともかく買ってきますからね!」タッ
アルミン「うん」
タッタッ…
64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:43:09 ID:dSF0gXzg
タッタッ…
アルミン「あ、サシャ!人混みの中で走ったら危ないよ!」
サシャ「小走りですよー」タッタッ…
アルミン「もう……元気なのは良い所だけど、少しそそっかしいんだよなぁ……って、あ」
スッテンコロリン
サシャ「アルミーン!転んじゃいましたよー!」ワ-ン
アルミン「い、言わんこっちゃない!」
アルミン「サシャー!今行くから!」
タッ
アルミン「あ、サシャ!人混みの中で走ったら危ないよ!」
サシャ「小走りですよー」タッタッ…
アルミン「もう……元気なのは良い所だけど、少しそそっかしいんだよなぁ……って、あ」
スッテンコロリン
サシャ「アルミーン!転んじゃいましたよー!」ワ-ン
アルミン「い、言わんこっちゃない!」
アルミン「サシャー!今行くから!」
タッ
65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:44:16 ID:dSF0gXzg
アルミン「サシャ!」バッ
サシャ「いたたー……」サスサス
アルミン「だ、大丈夫⁉︎怪我とかない?」アセアセ
サシャ「うー……ぶっけた所は少し痛いですけど幸い血は出てないです……」
アルミン「そ、そっか。良かったよ」ホッ
サシャ「うぅ……すみませんでした。気をとりなおして店行きますね」スクッ
アルミン「! 待って、サシャ」
サシャ「? どうしましたか?アルミン」
アルミン「足見て!破けてるよ!」アセアセ
サシャ「え……?」
チラッ
サシャ「あ……本当だ!ニーソが!」ガ-ン!!
サシャ「いたたー……」サスサス
アルミン「だ、大丈夫⁉︎怪我とかない?」アセアセ
サシャ「うー……ぶっけた所は少し痛いですけど幸い血は出てないです……」
アルミン「そ、そっか。良かったよ」ホッ
サシャ「うぅ……すみませんでした。気をとりなおして店行きますね」スクッ
アルミン「! 待って、サシャ」
サシャ「? どうしましたか?アルミン」
アルミン「足見て!破けてるよ!」アセアセ
サシャ「え……?」
チラッ
サシャ「あ……本当だ!ニーソが!」ガ-ン!!
66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:46:48 ID:dSF0gXzg
サシャ「こんな格好じゃ、あんドーナツのお店入れませんよぉ……!」
アルミン「うん……膝の部分にボッコリだものね……」
サシャ「どうしましょうか……」
アルミン「と、とりあえず洋服屋行って替えのニーソ見てくるね……って、あれ?洋服屋って言ってもどこを見れば……!」アタフタ
アルミン(女子物の下着系売り場なんて入った事ないしな……)
サシャ「ア、アルミン!それなら私も一緒に行きますよ!」
アルミン「え、でも……」
サシャ「アルミン、そもそも女子物のコーナーにいった事ないでしょうし、男子だとはいりづらいでしょう?」
サシャ「それに私はケガをしてる訳じゃないし平気ですよ」
アルミン「そ、そっか。じゃあお願いするね」
サシャ「お願いも何も私が転んだからなんですけどね」クスッ
アルミン「うん……膝の部分にボッコリだものね……」
サシャ「どうしましょうか……」
アルミン「と、とりあえず洋服屋行って替えのニーソ見てくるね……って、あれ?洋服屋って言ってもどこを見れば……!」アタフタ
アルミン(女子物の下着系売り場なんて入った事ないしな……)
サシャ「ア、アルミン!それなら私も一緒に行きますよ!」
アルミン「え、でも……」
サシャ「アルミン、そもそも女子物のコーナーにいった事ないでしょうし、男子だとはいりづらいでしょう?」
サシャ「それに私はケガをしてる訳じゃないし平気ですよ」
アルミン「そ、そっか。じゃあお願いするね」
サシャ「お願いも何も私が転んだからなんですけどね」クスッ
67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:47:23 ID:dSF0gXzg
――洋服屋
サシャ「お待たせしました、アルミン!この黒いのに決めました!」ビシッ
アルミン「あれ?さっきまではいてたのと、あんまり変わらないね?」
サシャ「まぁ、そりゃ替えですしね」
アルミン「確かに。そりゃそうだよね。ごめんごめん」アハハ
サシャ「それはそうとしてアルミン?その今持ってる女物のワンピース何ですか?」キョトン
アルミン「あぁ、夏物だよ。流石に春先にこれは少し肌寒いでしょ」
サシャ「あはは、そうですよね――って、え……⁉︎」
アルミン「? どうしたの?」
サシャ「お待たせしました、アルミン!この黒いのに決めました!」ビシッ
アルミン「あれ?さっきまではいてたのと、あんまり変わらないね?」
サシャ「まぁ、そりゃ替えですしね」
アルミン「確かに。そりゃそうだよね。ごめんごめん」アハハ
サシャ「それはそうとしてアルミン?その今持ってる女物のワンピース何ですか?」キョトン
アルミン「あぁ、夏物だよ。流石に春先にこれは少し肌寒いでしょ」
サシャ「あはは、そうですよね――って、え……⁉︎」
アルミン「? どうしたの?」
68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:48:04 ID:dSF0gXzg
サシャ「アルミン……今なんて?」
アルミン「え?いや、だから春先に着るには早いだろうなぁ、って」
サシャ「……それは、つまり?」
アルミン「? つまり?」
サシャ「アルミンが着たい、って意味ですかね……?」ビクビク…
アルミン「え」
サシャ「いや、確かにですよ?私はアルミンの良い所の1つとして可愛い、という点を挙げましたが……」
アルミン「え、ちょ」
サシャ「女装するのは少し方向性違うんじゃないかなぁ、と……」ヒキッ
アルミン「え、いや!違うよ!別に僕が着る訳じゃないよ」
サシャ「じゃあ誰のために……」
アルミン「それはサシャのために決まってるじゃないか」
サシャ「え……わ、私ですか⁉︎」
アルミン「え?いや、だから春先に着るには早いだろうなぁ、って」
サシャ「……それは、つまり?」
アルミン「? つまり?」
サシャ「アルミンが着たい、って意味ですかね……?」ビクビク…
アルミン「え」
サシャ「いや、確かにですよ?私はアルミンの良い所の1つとして可愛い、という点を挙げましたが……」
アルミン「え、ちょ」
サシャ「女装するのは少し方向性違うんじゃないかなぁ、と……」ヒキッ
アルミン「え、いや!違うよ!別に僕が着る訳じゃないよ」
サシャ「じゃあ誰のために……」
アルミン「それはサシャのために決まってるじゃないか」
サシャ「え……わ、私ですか⁉︎」
69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:48:37 ID:dSF0gXzg
アルミン「よく考えたらさ、僕たちのデートっていつも飲食店ばっかでこういう所なかなか来なかったろ?」
サシャ「言われてみれば確かにそうですね」フム
アルミン「今日はせっかく来れたからさ、ついでに何かプレゼントしようと思ったんだ」
サシャ「アルミン……ありがとうございます!」ジ-ン
アルミン「まぁ、そうは言っても本当は何回も行こうと計画してたんだけどね?なかなか言い出せなくて」
サシャ「え?何でですか?」
アルミン「そりゃもちろん君がありとあらゆる食べ物屋に食いつくからだよ。何だか切り出し辛いじゃないか」ジト-
サシャ「え?……あ、あぁ‼︎そうだったんですか⁉︎そうとは知らずにごめんなさい!」アセアセ
アルミン「あはは」クスッ
サシャ「言われてみれば確かにそうですね」フム
アルミン「今日はせっかく来れたからさ、ついでに何かプレゼントしようと思ったんだ」
サシャ「アルミン……ありがとうございます!」ジ-ン
アルミン「まぁ、そうは言っても本当は何回も行こうと計画してたんだけどね?なかなか言い出せなくて」
サシャ「え?何でですか?」
アルミン「そりゃもちろん君がありとあらゆる食べ物屋に食いつくからだよ。何だか切り出し辛いじゃないか」ジト-
サシャ「え?……あ、あぁ‼︎そうだったんですか⁉︎そうとは知らずにごめんなさい!」アセアセ
アルミン「あはは」クスッ
70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:49:17 ID:dSF0gXzg
サシャ「じゃあ私この服、試着して来ますね!」
アルミン「え!もう会計しようと思ってたところなんだけど」
サシャ「でもワンピースなんて今逃すと夏まで着る機会ありませんし。ちゃんと似合うか今アルミンに見てもらいたいです!」
アルミン「あぁ、そっか。それもそうだよね」
サシャ「まぁ実のところ、アルミンが選んでくれたのなら何でも大歓迎なんですけどね」ニコ
アルミン「サシャ……///」
サシャ「じゃあ試着室まで行きますね!……絶対に覗かないで下さいよ!」
アルミン「そ、そんな事しないよ!」カァッ
サシャ「うふふ!まぁ別に付き合ってるんだから本当はそれくらい良いんですけどねー」ニヤニヤ
アルミン「///……く、下らない事言ってないで早く着替えてきなよ!まだ夕食後もとってないんだし!」
サシャ「はいはい」クスクス
アルミン「え!もう会計しようと思ってたところなんだけど」
サシャ「でもワンピースなんて今逃すと夏まで着る機会ありませんし。ちゃんと似合うか今アルミンに見てもらいたいです!」
アルミン「あぁ、そっか。それもそうだよね」
サシャ「まぁ実のところ、アルミンが選んでくれたのなら何でも大歓迎なんですけどね」ニコ
アルミン「サシャ……///」
サシャ「じゃあ試着室まで行きますね!……絶対に覗かないで下さいよ!」
アルミン「そ、そんな事しないよ!」カァッ
サシャ「うふふ!まぁ別に付き合ってるんだから本当はそれくらい良いんですけどねー」ニヤニヤ
アルミン「///……く、下らない事言ってないで早く着替えてきなよ!まだ夕食後もとってないんだし!」
サシャ「はいはい」クスクス
71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:50:06 ID:dSF0gXzg
トテトテ
アルミン「……///」
アルミン「……もう!サシャのやつ変な事言うなよ!そ、そんな事言ってたら本当に覗きに行っちゃうよ?」
アルミン「……って、行かないけど。そんな事許される訳ないけど」
アルミン「……」
アルミン「……」
アルミン(……でもなぁ、サシャもああ言ってたしな……)
『別に付き合ってるんだから本当はそれくらい良いんですけどねー』
アルミン「いい……のか?」
トテトテ…
サシャ「本当にいいのに……///」
アルミン「……///」
アルミン「……もう!サシャのやつ変な事言うなよ!そ、そんな事言ってたら本当に覗きに行っちゃうよ?」
アルミン「……って、行かないけど。そんな事許される訳ないけど」
アルミン「……」
アルミン「……」
アルミン(……でもなぁ、サシャもああ言ってたしな……)
『別に付き合ってるんだから本当はそれくらい良いんですけどねー』
アルミン「いい……のか?」
トテトテ…
サシャ「本当にいいのに……///」
72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:52:01 ID:dSF0gXzg
―― 同時刻・同店内 エレンとミカサ
カチャカチャ
ミカサ「エレンエレン。この帽子なんてどうだろう。似合ってるだろうか?」スチャ
エレン「……」
ミカサ「? エレン?」フリフリ
エレン「ミカサお前なぁ。今日はシャツ買いに行くだけだったんじゃねぇのか?サシャにやられたシャツの替えがあれば十分なんだろ?」
ミカサ「これは、ついで。エレンなかなかこういう所に連いて来てくれないもの」
エレン「その前に何で俺がお前の服探しに付き合わなきゃなんねぇんだ。女友達と行けよ」
ミカサ「まぁまぁ。そんな冷たい事言わないで、この帽子の感想を!」ズイッ
エレン「あー、はいはい。可愛いですよ。とてもお美しゅうございますー」テキト-
ミカサ「と、とても美しい⁉︎そうだろうか……?エレンったら褒め過ぎ……」
カチャカチャ
ミカサ「エレンエレン。この帽子なんてどうだろう。似合ってるだろうか?」スチャ
エレン「……」
ミカサ「? エレン?」フリフリ
エレン「ミカサお前なぁ。今日はシャツ買いに行くだけだったんじゃねぇのか?サシャにやられたシャツの替えがあれば十分なんだろ?」
ミカサ「これは、ついで。エレンなかなかこういう所に連いて来てくれないもの」
エレン「その前に何で俺がお前の服探しに付き合わなきゃなんねぇんだ。女友達と行けよ」
ミカサ「まぁまぁ。そんな冷たい事言わないで、この帽子の感想を!」ズイッ
エレン「あー、はいはい。可愛いですよ。とてもお美しゅうございますー」テキト-
ミカサ「と、とても美しい⁉︎そうだろうか……?エレンったら褒め過ぎ……」
73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:52:38 ID:dSF0gXzg
エレン「あ……? あー……うん」
エレン(適当に褒めてる、って事分かってねぇのかな……いや、実際可愛いけどさ。可愛いんだけどさ)
エレン(はぐらかしたのに、この反応じゃな……何だかなぁ……)
ミカサ「~♪」
エレン「……」
エレン「はぁ……」
ミカサ「? どうしたの?」
エレン「いいや。何でも」
エレン(適当に褒めてる、って事分かってねぇのかな……いや、実際可愛いけどさ。可愛いんだけどさ)
エレン(はぐらかしたのに、この反応じゃな……何だかなぁ……)
ミカサ「~♪」
エレン「……」
エレン「はぁ……」
ミカサ「? どうしたの?」
エレン「いいや。何でも」
74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:58:03 ID:9iMDbpxs
エレン「んじゃ、とっとと帰りたいから会計済ませるぞ。ほれ、シャツと帽子よこせ」
ミカサ「いいの、エレン?私が勝手に付き合わせただけだから私が払おうと思ってたのに」
エレン「馬鹿。男が払わないとカッコつかないだろ」
ミカサ「でもエレン……先週、新作ゲーム買って財布が……」
エレン「ほ、ほっとけっての!いいから服と帽子貸せよ!」グイッ
ミカサ「あっ!」
エレン「そこで待ってろよー」
スタスタ
ミカサ「もう……本当に素直じゃない……」クスッ
ミカサ「ありがとう、エレン……」ボソッ
ミカサ「いいの、エレン?私が勝手に付き合わせただけだから私が払おうと思ってたのに」
エレン「馬鹿。男が払わないとカッコつかないだろ」
ミカサ「でもエレン……先週、新作ゲーム買って財布が……」
エレン「ほ、ほっとけっての!いいから服と帽子貸せよ!」グイッ
ミカサ「あっ!」
エレン「そこで待ってろよー」
スタスタ
ミカサ「もう……本当に素直じゃない……」クスッ
ミカサ「ありがとう、エレン……」ボソッ
75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:59:03 ID:9iMDbpxs
スタスタ
エレン「うーん……ああは言ったものの実際に財布やばいんだよな。今月はもうあまり遊べねぇな」
エレン「まぁ別に良いか。金なくても母さんいるし。ただ飯食えるし。遊ばなくても最低限生きていけるし」
エレン「とにかく今週は我慢我慢の毎日だろうなー……って、お?」チラッ
アルミン「……」
エレン「あれアルミンじゃねぇか?何で1人でこんな所いるんだ?しかもレディース売り場に。つーかサシャはどうしたんだ?」
エレン「うーん……ああは言ったものの実際に財布やばいんだよな。今月はもうあまり遊べねぇな」
エレン「まぁ別に良いか。金なくても母さんいるし。ただ飯食えるし。遊ばなくても最低限生きていけるし」
エレン「とにかく今週は我慢我慢の毎日だろうなー……って、お?」チラッ
アルミン「……」
エレン「あれアルミンじゃねぇか?何で1人でこんな所いるんだ?しかもレディース売り場に。つーかサシャはどうしたんだ?」
76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 13:59:41 ID:9iMDbpxs
エレン「おーい、アルミーン」フリフリ
アルミン「あ、エレン」
エレン「よっ」スタスタ
アルミン「奇遇だね、エレン達もここの店に来てたんだ。その服は?ミカサのシャツかい?」
エレン「まぁな。今から会計通してくる」
アルミン「そっか」
エレン「お前は?1人でどうしたんだよ。まさかサシャと喧嘩でもしたのか?」
アルミン「今サシャが試着中なんだ。僕が選んだやつ。別にケンカなんてしてないよ」
エレン「分かってるっつーの。ケンカは冗談だよ!」ククク
アルミン「そ、そうだよね。ごめんごめん」
エレン「でもよ、今の冗談は無しにしてもアルミン何か考え込んでなかったか?顔が結構真剣だったぜ?」
アルミン「あ、エレン」
エレン「よっ」スタスタ
アルミン「奇遇だね、エレン達もここの店に来てたんだ。その服は?ミカサのシャツかい?」
エレン「まぁな。今から会計通してくる」
アルミン「そっか」
エレン「お前は?1人でどうしたんだよ。まさかサシャと喧嘩でもしたのか?」
アルミン「今サシャが試着中なんだ。僕が選んだやつ。別にケンカなんてしてないよ」
エレン「分かってるっつーの。ケンカは冗談だよ!」ククク
アルミン「そ、そうだよね。ごめんごめん」
エレン「でもよ、今の冗談は無しにしてもアルミン何か考え込んでなかったか?顔が結構真剣だったぜ?」
77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:01:44 ID:qo55hRDk
アルミン「え?僕、今そんなんだったの?」アセ
エレン「あ、いや。違ってたら悪いんだが」
アルミン「ううん、間違えじゃないよ。ちょっと考え事してた」
エレン「やっぱりそうか」
アルミン「よく分かったね、エレン」
エレン「だてに親友やってねぇよ」
アルミン「あはは、だよね。僕もたまにだけどエレンとミカサの事なんとなく分かるし」クスッ
エレン「サシャの事だろ。良かったら聞くぞ?」
アルミン「え?あぁ、うん……ありがたいけど時間は?ミカサ待たせてるだろ?」
エレン「いいんだよ、別に。買い物付き合ってやったんだから少しお前の相談に乗る位許されるだろ」
アルミン「ありがと。でもサシャもそろそろ着替え終わるかもしれないから手短に話すね」
エレン「おう」
エレン「あ、いや。違ってたら悪いんだが」
アルミン「ううん、間違えじゃないよ。ちょっと考え事してた」
エレン「やっぱりそうか」
アルミン「よく分かったね、エレン」
エレン「だてに親友やってねぇよ」
アルミン「あはは、だよね。僕もたまにだけどエレンとミカサの事なんとなく分かるし」クスッ
エレン「サシャの事だろ。良かったら聞くぞ?」
アルミン「え?あぁ、うん……ありがたいけど時間は?ミカサ待たせてるだろ?」
エレン「いいんだよ、別に。買い物付き合ってやったんだから少しお前の相談に乗る位許されるだろ」
アルミン「ありがと。でもサシャもそろそろ着替え終わるかもしれないから手短に話すね」
エレン「おう」
78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:03:11 ID:zkUerLMI
――
エレン「は……?まだキスをした事もない?……だって⁉︎」
アルミン「ちょっとエレン‼︎声大きいって」
エレン「あ、あぁ!すまん!」
アルミン「……!」
エレン「ちょっと待てよアルミン。そんな事悩んでたのか?何でわざわざ今なんだよ。それくらいだったら後でも良いんじゃねぇのか?」
アルミン「あ、あぁ……やっぱりそう思うよね?ごめん」
エレン「いや。いつも仲の良いお前らだからキスも当然済ませてる、って思ってた分多少は驚いたけどよ」
エレン「別にそれくらいだったら後で聞くぜ?まぁ、あまりこういう事に力になれるか分からんが……」
エレン「は……?まだキスをした事もない?……だって⁉︎」
アルミン「ちょっとエレン‼︎声大きいって」
エレン「あ、あぁ!すまん!」
アルミン「……!」
エレン「ちょっと待てよアルミン。そんな事悩んでたのか?何でわざわざ今なんだよ。それくらいだったら後でも良いんじゃねぇのか?」
アルミン「あ、あぁ……やっぱりそう思うよね?ごめん」
エレン「いや。いつも仲の良いお前らだからキスも当然済ませてる、って思ってた分多少は驚いたけどよ」
エレン「別にそれくらいだったら後で聞くぜ?まぁ、あまりこういう事に力になれるか分からんが……」
79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:05:19 ID:zkUerLMI
アルミン「……さっきサシャがさ。着替えに行くときに『アルミンだったら別に覗いてくれても構わない』って言ってきたんだ」
エレン「⁉︎……お、おう。話がいきなり飛んだな」
アルミン「それでさ、僕って今までそういう事にあまり積極的じゃなかったし……まぁ自分で言うのも変だけど」
アルミン「もしかしたらサシャは僕のそういう所嫌なんじゃないかなぁ、って思っちゃってさ」
エレン「?……つまり?」
アルミン「その……色々と求めているんじゃないかなぁ、と……」
エレン「……色々、と?」
エレン「……」
エレン「あ、あぁ……成る程な。理解したよ」
エレン「色々、なぁ……」
エレン「⁉︎……お、おう。話がいきなり飛んだな」
アルミン「それでさ、僕って今までそういう事にあまり積極的じゃなかったし……まぁ自分で言うのも変だけど」
アルミン「もしかしたらサシャは僕のそういう所嫌なんじゃないかなぁ、って思っちゃってさ」
エレン「?……つまり?」
アルミン「その……色々と求めているんじゃないかなぁ、と……」
エレン「……色々、と?」
エレン「……」
エレン「あ、あぁ……成る程な。理解したよ」
エレン「色々、なぁ……」
80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:09:18 ID:K/87GdFA
アルミン「うぅ……///ごめん!やっぱりこんな事人に相談するもんじゃないよね!僕の思い込みかもしれないし!自意識過剰っぽいし!」
エレン「き、気にすんなよ!確かに予想の斜め上だったけど!」アセアセ
エレン(本当、意外なところで悩んでたな……)
アルミン「ありがとうエレン……」
アルミン「それじゃあ話戻すけどさ、僕たちは、まだキスさえしていないんだ。もうすぐで付き合ってから1年になるというのに!」
エレン「あぁ、もうそんなになるのか。お前らがバカップルになってから」
アルミン「だからバカップル言わないでよ」
エレン「あぁ、わり」
アルミン「何と言うかさ……僕よりどちらかと言うとサシャの方が積極的なんだよ」
エレン「き、気にすんなよ!確かに予想の斜め上だったけど!」アセアセ
エレン(本当、意外なところで悩んでたな……)
アルミン「ありがとうエレン……」
アルミン「それじゃあ話戻すけどさ、僕たちは、まだキスさえしていないんだ。もうすぐで付き合ってから1年になるというのに!」
エレン「あぁ、もうそんなになるのか。お前らがバカップルになってから」
アルミン「だからバカップル言わないでよ」
エレン「あぁ、わり」
アルミン「何と言うかさ……僕よりどちらかと言うとサシャの方が積極的なんだよ」
81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:10:08 ID:K/87GdFA
アルミン「それは逆に言うと僕がサシャに寂しい思いをさせちゃってる事の表れとも取れると思うんだ」
エレン「おいおい。それは考えすぎじゃねぇか?別に露骨にそういう態度とってる訳じゃないんだろ?」アセ
アルミン「うん。確かに、考え過ぎだと言われてもしょうがないかもだけどさ、サシャってあれでいて案外口ではそう言わないし」
アルミン「だからさっきのあれも、それとなく伝えたかったのかもしれないなぁって思ったんだ」
エレン「うーむ、でもやっぱり俺からは何とも言えないよな……ぶっちゃけお前の方がサシャの事よく分かってるだろうし」
エレン「お前がそう思うんならそうなんじゃねぇか?」
エレン「おいおい。それは考えすぎじゃねぇか?別に露骨にそういう態度とってる訳じゃないんだろ?」アセ
アルミン「うん。確かに、考え過ぎだと言われてもしょうがないかもだけどさ、サシャってあれでいて案外口ではそう言わないし」
アルミン「だからさっきのあれも、それとなく伝えたかったのかもしれないなぁって思ったんだ」
エレン「うーむ、でもやっぱり俺からは何とも言えないよな……ぶっちゃけお前の方がサシャの事よく分かってるだろうし」
エレン「お前がそう思うんならそうなんじゃねぇか?」
82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:10:53 ID:K/87GdFA
アルミン「そっか……ありがとうエレン。そうだよね」
エレン「とりあえずよ、キスとか……ほら、そういう俗っぽいのは良く分らねぇけどよ。サシャに寂しい思いさせたくない、ってんなら言葉だけでも伝えられるだろ?」
アルミン「言葉、か」
エレン「あぁ。例えば今日の別れ際にでも何か気の利いた一言が出てくりゃそういう心配は拭えてやれるだろ」
アルミン「そ、それは例えばどんな……?」
エレン「そりゃシンプルにだよ。お前サシャの事好きだろ?」
アルミン「あ、当たり前だろ?」アセ
エレン「だったらそれ言えばいいだろ。『好きだ』って。少なくともお前の気持ちは伝わる」
アルミン「⁉︎ そそそそそんな!改まって言う事でもないだろう⁉︎」カァッ
エレン「いや、何赤くなってんだよ⁉︎初初しすぎるだろ!」
アルミン「で、でもさ……いきなりそう言う事言っちゃうと逆に不自然っていうか」
エレン「とりあえずよ、キスとか……ほら、そういう俗っぽいのは良く分らねぇけどよ。サシャに寂しい思いさせたくない、ってんなら言葉だけでも伝えられるだろ?」
アルミン「言葉、か」
エレン「あぁ。例えば今日の別れ際にでも何か気の利いた一言が出てくりゃそういう心配は拭えてやれるだろ」
アルミン「そ、それは例えばどんな……?」
エレン「そりゃシンプルにだよ。お前サシャの事好きだろ?」
アルミン「あ、当たり前だろ?」アセ
エレン「だったらそれ言えばいいだろ。『好きだ』って。少なくともお前の気持ちは伝わる」
アルミン「⁉︎ そそそそそんな!改まって言う事でもないだろう⁉︎」カァッ
エレン「いや、何赤くなってんだよ⁉︎初初しすぎるだろ!」
アルミン「で、でもさ……いきなりそう言う事言っちゃうと逆に不自然っていうか」
83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:12:05 ID:K/87GdFA
エレン「別に悪い事言ってる訳じゃねぇだろ?」
エレン「それに機嫌損ねた女なんて一言添えりゃ何とかなるんだし。お前たちみたいに元々仲いい奴らなら尚更だよ。実際ミカサもそんな感じだし」シラッ
アルミン「エ、エレン……その言い方だと何かタラシみたいだよ?」
エレン「人聞き悪りぃな!別にそんなんじゃねぇぞ?」アセ
アルミン「あはは、ごめんごめん」
エレン「それに機嫌損ねた女なんて一言添えりゃ何とかなるんだし。お前たちみたいに元々仲いい奴らなら尚更だよ。実際ミカサもそんな感じだし」シラッ
アルミン「エ、エレン……その言い方だと何かタラシみたいだよ?」
エレン「人聞き悪りぃな!別にそんなんじゃねぇぞ?」アセ
アルミン「あはは、ごめんごめん」
84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 14:17:13 ID:IGW276HU
エレン「ったく」
アルミン「まぁ、とにかくありがとうエレン。参考になったよ」
エレン「そうか、良かったぜ」
アルミン(うん。脈絡がなくても、とりあえず言わない事には始まらないもんね)
エレン「……っと、じゃあ俺はもう会計済ませてくるわ。頑張れよ?」
アルミン「う、うん!エレンも頑張ってね」
エレン「は?何をだよ?」キョトン
アルミン「ミカサの事だよ。さっきの口ぶりじゃ、やっぱり少なからずともミカサを思ってあげてるんだろ?」
エレン「ち、違ぇよ!ただあいつが機嫌悪いときの急場凌ぎだから別にそんなんじゃねぇよ!」アセ
アルミン「またまたー」
エレン「……とにかく、もう行く。じゃあな」フリフリ
アルミン「うん、また明日ね」フリフリ
アルミン「まぁ、とにかくありがとうエレン。参考になったよ」
エレン「そうか、良かったぜ」
アルミン(うん。脈絡がなくても、とりあえず言わない事には始まらないもんね)
エレン「……っと、じゃあ俺はもう会計済ませてくるわ。頑張れよ?」
アルミン「う、うん!エレンも頑張ってね」
エレン「は?何をだよ?」キョトン
アルミン「ミカサの事だよ。さっきの口ぶりじゃ、やっぱり少なからずともミカサを思ってあげてるんだろ?」
エレン「ち、違ぇよ!ただあいつが機嫌悪いときの急場凌ぎだから別にそんなんじゃねぇよ!」アセ
アルミン「またまたー」
エレン「……とにかく、もう行く。じゃあな」フリフリ
アルミン「うん、また明日ね」フリフリ
85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 15:36:30 ID:MwGrZ.9s
――
サシャ「アルミーン」
トテトテ
サシャ「お待たせしました。試着して来ましたよ!」
アルミン「サシャ」
サシャ「えへへ~。どうですかね?客観的にみて」キメッ
アルミン「え……あ、あぁ。うん……」
アルミン(僕が選んだ白地に草花のプリントが入ったワンピース。ロング丈と布に映える色とりどりの花は、サシャの内にある清楚な雰囲気を引き出してくれる。そう思って選んだんだけど……)
アルミン「……」ジ-ッ
アルミン(うん……やっぱり可愛い……!なんとなく想像したのと、実際に見たのとではやっぱり違うな……)
サシャ「ちょっと、アルミン!そんなに見つめないで下さいよ!」テレテレ
サシャ「アルミーン」
トテトテ
サシャ「お待たせしました。試着して来ましたよ!」
アルミン「サシャ」
サシャ「えへへ~。どうですかね?客観的にみて」キメッ
アルミン「え……あ、あぁ。うん……」
アルミン(僕が選んだ白地に草花のプリントが入ったワンピース。ロング丈と布に映える色とりどりの花は、サシャの内にある清楚な雰囲気を引き出してくれる。そう思って選んだんだけど……)
アルミン「……」ジ-ッ
アルミン(うん……やっぱり可愛い……!なんとなく想像したのと、実際に見たのとではやっぱり違うな……)
サシャ「ちょっと、アルミン!そんなに見つめないで下さいよ!」テレテレ
86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 15:37:45 ID:MwGrZ.9s
アルミン「あっ……!ごめんごめん。つい……」アワアワ
サシャ「それでどうなんですか?」
アルミン「え、えっと!い、良いと思うよ!すごく!」
サシャ「良いって何がですか?どう良いか言ってもらわないと」ニコニコ
アルミン「え⁉︎そ、そのくらい察してよ!」アワアワ
サシャ「私あんまり頭良くないので分からないんですよ。ちゃんと言ってください」
アルミン「うぅっ……!」
アルミン(あぁ、今思えばこういう事だったんだろうな。言葉にして伝える、っていうのは。エレンの言う通り単純な事で)
サシャ「それでどうなんですか?」
アルミン「え、えっと!い、良いと思うよ!すごく!」
サシャ「良いって何がですか?どう良いか言ってもらわないと」ニコニコ
アルミン「え⁉︎そ、そのくらい察してよ!」アワアワ
サシャ「私あんまり頭良くないので分からないんですよ。ちゃんと言ってください」
アルミン「うぅっ……!」
アルミン(あぁ、今思えばこういう事だったんだろうな。言葉にして伝える、っていうのは。エレンの言う通り単純な事で)
87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 15:38:59 ID:MwGrZ.9s
アルミン「……か、可愛いと思うよ!本当に……!」ドキドキ
アルミン(うっ……なに今更こんなにドギマギしてるんだよ。本当の事を言うだけなのに……こんな……///)
サシャ「ふふっ!アルミンの口からそう言うってもらえて幸せです!ありがとうございますね!」ニコッ
アルミン「う、うん。でも『幸せ』か。これはまた大袈裟な言葉が出てきたね」
サシャ「まさか!全然大袈裟なんかじゃありませんよ」
アルミン「……!」
サシャ「そんな事より未だにドギマギしながら『可愛い』って褒めてくれたアルミンの方がよっぽど可愛かったですよ?」
アルミン(うっ……なに今更こんなにドギマギしてるんだよ。本当の事を言うだけなのに……こんな……///)
サシャ「ふふっ!アルミンの口からそう言うってもらえて幸せです!ありがとうございますね!」ニコッ
アルミン「う、うん。でも『幸せ』か。これはまた大袈裟な言葉が出てきたね」
サシャ「まさか!全然大袈裟なんかじゃありませんよ」
アルミン「……!」
サシャ「そんな事より未だにドギマギしながら『可愛い』って褒めてくれたアルミンの方がよっぽど可愛かったですよ?」
88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 15:39:39 ID:MwGrZ.9s
アルミン「またからかう……」ハァ…
サシャ「からかってないですよ!褒めてるんです、わたしの愛情表現ですから!」
アルミン「あはは、そう。なら良いんだけど」クスッ
サシャ「えぇ!」
アルミン「じゃあ僕、お金払うからワンピース着替えてきて」
サシャ「あっ、そうでしたね。それじゃあゴチになります!」パンッ‼︎
アルミン「食べ物じゃないんだから」
サシャ「えへへ。分かってますよ」
アルミン「それじゃあサシャは僕に服渡したら、店の外で待ってて。すぐ来るから」
サシャ「分かりました。それじゃあ改めてお願いします」ペコッ
アルミン「だからそんなにヘコヘコしなくて良いって!」
サシャ「からかってないですよ!褒めてるんです、わたしの愛情表現ですから!」
アルミン「あはは、そう。なら良いんだけど」クスッ
サシャ「えぇ!」
アルミン「じゃあ僕、お金払うからワンピース着替えてきて」
サシャ「あっ、そうでしたね。それじゃあゴチになります!」パンッ‼︎
アルミン「食べ物じゃないんだから」
サシャ「えへへ。分かってますよ」
アルミン「それじゃあサシャは僕に服渡したら、店の外で待ってて。すぐ来るから」
サシャ「分かりました。それじゃあ改めてお願いします」ペコッ
アルミン「だからそんなにヘコヘコしなくて良いって!」
89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:28:03 ID:MwGrZ.9s
――店の外 とある河川敷
タッタッ
アルミン「お待たせ、会計終わったよー……って。あれ……?」
シ-ン…
アルミン「サシャは?」キョロキョロ
アルミン「おかしいな……外で待ってて、って言ったはずなのに……トイレかな?」
タッタッ
アルミン「お待たせ、会計終わったよー……って。あれ……?」
シ-ン…
アルミン「サシャは?」キョロキョロ
アルミン「おかしいな……外で待ってて、って言ったはずなのに……トイレかな?」
90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:28:38 ID:MwGrZ.9s
\おーい、アルミーン!/
アルミン「サシャの声⁉︎どこから?」キョロキョロ
サシャ「こっちですよ、アルミーン!」フリフリ
アルミン「あ、よく見たら河原のところに」
タッタッ
サシャ「すみません。店の前で待ってろ、って言われたのに」
アルミン「いや、大丈夫だよ。それよりどうしたの?川の方向に来て。繁華街はあっちの方だよ?」
サシャ「繁華街なんかより!見てくださいよ、桜が満開なんですよ!」バッ
脇道の眼下の河川敷、薄暗く色がかった中にただ一本の桜の木が華やかに桃色の両腕を広げていた
アルミン「サシャの声⁉︎どこから?」キョロキョロ
サシャ「こっちですよ、アルミーン!」フリフリ
アルミン「あ、よく見たら河原のところに」
タッタッ
サシャ「すみません。店の前で待ってろ、って言われたのに」
アルミン「いや、大丈夫だよ。それよりどうしたの?川の方向に来て。繁華街はあっちの方だよ?」
サシャ「繁華街なんかより!見てくださいよ、桜が満開なんですよ!」バッ
脇道の眼下の河川敷、薄暗く色がかった中にただ一本の桜の木が華やかに桃色の両腕を広げていた
91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:29:36 ID:MwGrZ.9s
アルミン「わあっ……すごく綺麗だね……!」
サシャ「たまたま下を見下ろしたら見つけて。きっと目立たないから花見に来る人も少ないんですよ」
アルミン「時間的にはもう夜桜になっちゃうね」
サシャ「良いじゃないですか、夜桜」
アルミン「うん。風流だねぇ」
サシャ「どうです?たまには、お店じゃなくてこういうのは」
アルミン「? お店じゃない?」
サシャ「お花見ですよ、お花見!スーパーで何かお惣菜買って食べましょう!」
サシャ「たまたま下を見下ろしたら見つけて。きっと目立たないから花見に来る人も少ないんですよ」
アルミン「時間的にはもう夜桜になっちゃうね」
サシャ「良いじゃないですか、夜桜」
アルミン「うん。風流だねぇ」
サシャ「どうです?たまには、お店じゃなくてこういうのは」
アルミン「? お店じゃない?」
サシャ「お花見ですよ、お花見!スーパーで何かお惣菜買って食べましょう!」
92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:31:22 ID:MwGrZ.9s
アルミン「! なるほど、良い考えだね!」
サシャ「でしょう?」
アルミン「じゃあ、早速買いに行こうか……って……?」ピタッ
サシャ「……」シン…
アルミン「サシャ?ど、どうしたの?」
アルミン(どうしたんだ?いきなり立ち止まって……)
サシャ「……」ギュッ
アルミン「……⁉︎」
アルミン(手……握られてる)
アルミン「サ、サシャ?これじゃあ買い物行きたくてもいけないよ。いきなり静かになってどうしちゃったのさ」アハハ…
サシャ「……!」ギュッ
アルミン(……?本当にどうしたんだろう?)
サシャ「でしょう?」
アルミン「じゃあ、早速買いに行こうか……って……?」ピタッ
サシャ「……」シン…
アルミン「サシャ?ど、どうしたの?」
アルミン(どうしたんだ?いきなり立ち止まって……)
サシャ「……」ギュッ
アルミン「……⁉︎」
アルミン(手……握られてる)
アルミン「サ、サシャ?これじゃあ買い物行きたくてもいけないよ。いきなり静かになってどうしちゃったのさ」アハハ…
サシャ「……!」ギュッ
アルミン(……?本当にどうしたんだろう?)
93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:32:09 ID:MwGrZ.9s
サシャ「アルミン……」
アルミン「う、うん」
サシャ「急で…本当に急で悪いんですけど時間をください」
アルミン「……?」
サシャ「ごめんなさい、何だか綺麗な桜をアルミンと見てると言わずにはいられない、っていうか……」
サシャ「いきなりこんな事言われても何の脈絡もないって思われるかもしれないんですが……」
サシャ「私、今すごく幸せなんです」
アルミン「う、うん」
サシャ「急で…本当に急で悪いんですけど時間をください」
アルミン「……?」
サシャ「ごめんなさい、何だか綺麗な桜をアルミンと見てると言わずにはいられない、っていうか……」
サシャ「いきなりこんな事言われても何の脈絡もないって思われるかもしれないんですが……」
サシャ「私、今すごく幸せなんです」
94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:33:34 ID:MwGrZ.9s
アルミン「……!」
サシャ「昨日アルミンが私にして欲しい事は何かって聞いたら、私と一緒にいたいって言ってくれたり……」
サシャ「わがまま言っても受け入れてくれたり」
サシャ「私の事を照れながらも可愛いって褒めてくれたりして」
サシャ「私は今、本当に幸せなんです」
アルミン「……サシャ」
サシャ「でも本当は幸せどころじゃない」
サシャ「言葉では表せないくらいにもっと……」
サシャ「それを言葉にすれば陳腐で、いっそ胸の内に留めておきたい。これは、きっとそんな気持ちです」
サシャ「アルミンにもこの感情が分かりますか?」
アルミン「……!」
サシャ「あ……!ごめんなさい!急にこんな事言われても意味わからないですよね」アワアワ
アルミン「……いや、分かるよ」
サシャ「……!」
アルミン「君が思ってるのと多分同じだ」
サシャ「昨日アルミンが私にして欲しい事は何かって聞いたら、私と一緒にいたいって言ってくれたり……」
サシャ「わがまま言っても受け入れてくれたり」
サシャ「私の事を照れながらも可愛いって褒めてくれたりして」
サシャ「私は今、本当に幸せなんです」
アルミン「……サシャ」
サシャ「でも本当は幸せどころじゃない」
サシャ「言葉では表せないくらいにもっと……」
サシャ「それを言葉にすれば陳腐で、いっそ胸の内に留めておきたい。これは、きっとそんな気持ちです」
サシャ「アルミンにもこの感情が分かりますか?」
アルミン「……!」
サシャ「あ……!ごめんなさい!急にこんな事言われても意味わからないですよね」アワアワ
アルミン「……いや、分かるよ」
サシャ「……!」
アルミン「君が思ってるのと多分同じだ」
95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:34:22 ID:MwGrZ.9s
アルミン(そうだ、言葉にしたいけどそれを口にした瞬間、『その程度じゃない』そう言って取り消したくなるような、そんな気持ち。サシャも思ってくれてたんだ)
サシャ「そうですか。アルミンとお揃いで嬉しいです」ニコ
アルミン「こうやって綺麗な桜を一緒に見て笑い合う、それが楽しいと思う、幸せだと感じるこの気持ち。きっと君以外とは共有できない」
サシャ「でも、どうやって表現したら良いのかが分からないんです」
アルミン「……!」
サシャ「言葉だけじゃ伝わらないのにどうすれば良いのか、アルミンには分かりますか?」
僕は、それに対して「知ってる」と答えた。
いや、きっと彼女も知ってたのだろう。こんな時、どうすれば良いのか。
その証拠として次の瞬間、サシャは僕を抱き締めてきたのだから
サシャ「そうですか。アルミンとお揃いで嬉しいです」ニコ
アルミン「こうやって綺麗な桜を一緒に見て笑い合う、それが楽しいと思う、幸せだと感じるこの気持ち。きっと君以外とは共有できない」
サシャ「でも、どうやって表現したら良いのかが分からないんです」
アルミン「……!」
サシャ「言葉だけじゃ伝わらないのにどうすれば良いのか、アルミンには分かりますか?」
僕は、それに対して「知ってる」と答えた。
いや、きっと彼女も知ってたのだろう。こんな時、どうすれば良いのか。
その証拠として次の瞬間、サシャは僕を抱き締めてきたのだから
96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:35:37 ID:MwGrZ.9s
サシャ「~~~~///」ギュッ…‼︎
アルミン「……サシャ、ずるいよ。また君から」
『好き』とか『幸せ』とか。
サシャ「……アルミンが悪いんですよ。アルミンが積極的じゃないから私がこうやって……」ボソッ
胸の内では理解してても、相手に伝えようとすると稚拙極まる。
アルミン「まさか。僕だってそうしようと思ってたよ。ていうか君やっぱり答え分かってたじゃないか、こういう時どうすれば良いのか」
そんな時、人は自然とこうなってしまうのだろう。自然と相手に触れたいと思うんだろう。
サシャ「できればアルミンから抱き締めて欲しかったんです。私こそ、アルミンがしてくれるんだったら黙ってれば良かったですよ。少し後悔です……」
アルミン「そっか。ごめんね?」
サシャ「別に良いですよ、ただ少し不服なだけです……」プス-
アルミン「ごめんって。『こっち』は僕からするから」スッ……
サシャ「えっ……///」
サシャ(こ、こっちって……///アルミン……まさか///)
チュ
アルミン「……サシャ、ずるいよ。また君から」
『好き』とか『幸せ』とか。
サシャ「……アルミンが悪いんですよ。アルミンが積極的じゃないから私がこうやって……」ボソッ
胸の内では理解してても、相手に伝えようとすると稚拙極まる。
アルミン「まさか。僕だってそうしようと思ってたよ。ていうか君やっぱり答え分かってたじゃないか、こういう時どうすれば良いのか」
そんな時、人は自然とこうなってしまうのだろう。自然と相手に触れたいと思うんだろう。
サシャ「できればアルミンから抱き締めて欲しかったんです。私こそ、アルミンがしてくれるんだったら黙ってれば良かったですよ。少し後悔です……」
アルミン「そっか。ごめんね?」
サシャ「別に良いですよ、ただ少し不服なだけです……」プス-
アルミン「ごめんって。『こっち』は僕からするから」スッ……
サシャ「えっ……///」
サシャ(こ、こっちって……///アルミン……まさか///)
チュ
97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:37:18 ID:9tvawyLI
アルミン「~~~~///」
アルミン(やばい……覚悟はしてたものの、その瞬間になるとやっぱり……///)
サシャ(ア、アルミン……///)
バッ…!
アルミン「あ?あ!ごごごごめん!!!やっぱり急すぎたよね?いくら雰囲気が良かったからと言って!?」アセアセ
サシャ「い、いえ!違いますよ、そうじゃなくて!」
サシャ「た、ただ……///」
アルミン「ただ……?」
アルミン(やばい……覚悟はしてたものの、その瞬間になるとやっぱり……///)
サシャ(ア、アルミン……///)
バッ…!
アルミン「あ?あ!ごごごごめん!!!やっぱり急すぎたよね?いくら雰囲気が良かったからと言って!?」アセアセ
サシャ「い、いえ!違いますよ、そうじゃなくて!」
サシャ「た、ただ……///」
アルミン「ただ……?」
98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:38:19 ID:9tvawyLI
サシャ「本当にアルミンからこういう事してくれるのが初めてだったので……少しだけびっくりしちゃいまして……///」ドキドキ
アルミン「そ、そうだよね。僕も結構今、心臓バクバク」
サシャ「まぁ、とは言っても1年近く付き合ってて今まで何も無かった方が異常なんですけどね。私、少しだけ寂しかったんですからね」ジトッ
アルミン「うっ」グサッ
アルミン(あぁぁあ!!!やっぱりサシャそこ気にしてたのか!!!ごめん!本当にごめん!!!)
アルミン「ご、ごめん……チキンでごめんなさい……!」ドヨン
サシャ「……」シン…
アルミン「うぅっ……サシャごめんって……これからは、その……色々心がけるから……!」
アルミン(……って何て宣言してるんだ僕は……でもそれでサシャが機嫌なおしてくれるなら……)
サシャ「……」
アルミン「サ、サシャ……!」
アルミン(……やっぱり寂しい思いさせてたんだ……本当にごめんね……)
アルミン「そ、そうだよね。僕も結構今、心臓バクバク」
サシャ「まぁ、とは言っても1年近く付き合ってて今まで何も無かった方が異常なんですけどね。私、少しだけ寂しかったんですからね」ジトッ
アルミン「うっ」グサッ
アルミン(あぁぁあ!!!やっぱりサシャそこ気にしてたのか!!!ごめん!本当にごめん!!!)
アルミン「ご、ごめん……チキンでごめんなさい……!」ドヨン
サシャ「……」シン…
アルミン「うぅっ……サシャごめんって……これからは、その……色々心がけるから……!」
アルミン(……って何て宣言してるんだ僕は……でもそれでサシャが機嫌なおしてくれるなら……)
サシャ「……」
アルミン「サ、サシャ……!」
アルミン(……やっぱり寂しい思いさせてたんだ……本当にごめんね……)
99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:39:49 ID:xuuQGggE
サシャ「……」
アルミン「……」
サシャ「……」
アルミン「……!」
サシャ「ふふっ……!」クスッ
アルミン「⁉︎」
サシャ「あはは……!」クスクス
アルミン「え?」
アルミン(サシャ⁉︎わ、笑ってる……!)
サシャ「あははは!!!あー……おかしい!アルミンったら真面目に落ち込んだ顔しちゃって」ケラケラ
アルミン「え…えぇ⁉︎」
サシャ「いやですね、アルミン。私が寂しい思いしてたなんて冗談ですよ!」
アルミン「で、でも……君さっき……!」
アルミン「……」
サシャ「……」
アルミン「……!」
サシャ「ふふっ……!」クスッ
アルミン「⁉︎」
サシャ「あはは……!」クスクス
アルミン「え?」
アルミン(サシャ⁉︎わ、笑ってる……!)
サシャ「あははは!!!あー……おかしい!アルミンったら真面目に落ち込んだ顔しちゃって」ケラケラ
アルミン「え…えぇ⁉︎」
サシャ「いやですね、アルミン。私が寂しい思いしてたなんて冗談ですよ!」
アルミン「で、でも……君さっき……!」
100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:41:14 ID:JhaHtU9A
サシャ「アルミン……」ギュッ……
アルミン「……⁉︎」
サシャ「私……分かってますから」
サシャ「アルミンが私の事、思ってくれてることなんてちゃんと分かってますから」
サシャ「アルミンが恥ずかしくて言葉にできなくても……」
サシャ「なかなか積極的になってくれなくてもです。普段のアルミン見てれば……分かりますよ」
サシャ「分かってますから……ちゃんと……アルミンは私の事好きでいてくれて、思ってくれてます。ちゃんと伝わってますよ」ニコ
アルミン「……!」
サシャ「私達は私達らしく。私たちのペースで進んでいきましょうよ」
アルミン「……⁉︎」
サシャ「私……分かってますから」
サシャ「アルミンが私の事、思ってくれてることなんてちゃんと分かってますから」
サシャ「アルミンが恥ずかしくて言葉にできなくても……」
サシャ「なかなか積極的になってくれなくてもです。普段のアルミン見てれば……分かりますよ」
サシャ「分かってますから……ちゃんと……アルミンは私の事好きでいてくれて、思ってくれてます。ちゃんと伝わってますよ」ニコ
アルミン「……!」
サシャ「私達は私達らしく。私たちのペースで進んでいきましょうよ」
101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:42:05 ID:XlYYT26o
アルミン「サシャ……」
アルミン「そうだよ……」
アルミン「そうだね……ありがとう……」ギュッ
サシャ「えっ」
アルミン「……!」ギュッ
サシャ「ちょっ、アルミン!少し力強くありません?痛いですよぉ!」ケホケホッ
アルミン「あ、あぁ⁉︎ごめん!つい……それだけ嬉しくて」パッ
サシャ「もう……意外と不器用なんですね、アルミンて」クスッ
アルミン「ははっ、確かにそうかも」
アルミン「そうだよ……」
アルミン「そうだね……ありがとう……」ギュッ
サシャ「えっ」
アルミン「……!」ギュッ
サシャ「ちょっ、アルミン!少し力強くありません?痛いですよぉ!」ケホケホッ
アルミン「あ、あぁ⁉︎ごめん!つい……それだけ嬉しくて」パッ
サシャ「もう……意外と不器用なんですね、アルミンて」クスッ
アルミン「ははっ、確かにそうかも」
102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:43:46 ID:mLyJCFig
サシャ「さて!」スッ
アルミン「うわぁ、いきなり⁉︎びっくりしたぁ!」
サシャ「私達は私達らしくと決めた所で次は夕食の時間です!」
アルミン「あ、あぁ。そうだね」
アルミン(少しだけ夢見心地だったのがいきなり現実になった感じだな……)
サシャ(自分からそういう雰囲気作っておいて、こういうのあまり得意じゃないんですよね……すみませんアルミン……)
アルミン「サシャは、何食べたいの?」
サシャ「そうですねー、卵焼きに焼き魚!唐揚げなんかが入ってたらラッキーですねー……!」ジュルリ
アルミン「君は、また夜に濃いの食べるね!昼の弁当みたいなセットじゃないか!」
サシャ「まぁまぁ、食べきれなかった場合は私が食べますので」
アルミン「って、僕の弁当なの⁉︎てっきりサシャのかと……」
サシャ「何言ってるんですか!アルミンには、もっと美味しいの食べて幸せな気持ちになって欲しいんです!」
アルミン「そ、そっか。ありがとね」
サシャ「えぇ!」
アルミン「うわぁ、いきなり⁉︎びっくりしたぁ!」
サシャ「私達は私達らしくと決めた所で次は夕食の時間です!」
アルミン「あ、あぁ。そうだね」
アルミン(少しだけ夢見心地だったのがいきなり現実になった感じだな……)
サシャ(自分からそういう雰囲気作っておいて、こういうのあまり得意じゃないんですよね……すみませんアルミン……)
アルミン「サシャは、何食べたいの?」
サシャ「そうですねー、卵焼きに焼き魚!唐揚げなんかが入ってたらラッキーですねー……!」ジュルリ
アルミン「君は、また夜に濃いの食べるね!昼の弁当みたいなセットじゃないか!」
サシャ「まぁまぁ、食べきれなかった場合は私が食べますので」
アルミン「って、僕の弁当なの⁉︎てっきりサシャのかと……」
サシャ「何言ってるんですか!アルミンには、もっと美味しいの食べて幸せな気持ちになって欲しいんです!」
アルミン「そ、そっか。ありがとね」
サシャ「えぇ!」
103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:44:40 ID:mLyJCFig
アルミン(はは……いい雰囲気になった後でも結局最後はサシャのペースに巻き込まれちゃうんだね)
サシャ「さぁさぁ、ともかく店まで行きますよ!レッツゴーです!」タッ
でも、それでも好きだ。一緒にいて幸せを感じる
アルミン「あ、サシャ!暗がりで走るの危ないってば!さっきの二の舞だよ?」
サシャ「小走りですよー」
底抜けに明るくて僕の事を心から信頼してくれる、思ってくれてる
アルミン「もう……」クスッ
タッ…!
サシャ・ブラウス 彼女は僕の恋人だ。
サシャ「さぁさぁ、ともかく店まで行きますよ!レッツゴーです!」タッ
でも、それでも好きだ。一緒にいて幸せを感じる
アルミン「あ、サシャ!暗がりで走るの危ないってば!さっきの二の舞だよ?」
サシャ「小走りですよー」
底抜けに明るくて僕の事を心から信頼してくれる、思ってくれてる
アルミン「もう……」クスッ
タッ…!
サシャ・ブラウス 彼女は僕の恋人だ。
104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/27(土) 16:46:00 ID:mLyJCFig
終わりです
読んでくれた皆さんありがとうございました
読んでくれた皆さんありがとうございました
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1495856228/
Entry ⇒ 2017.11.17 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
エレン「ママ」サシャ「よしよし」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:43:29.37 ID:L3Kn5lQl0
進撃の巨人ssです。
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:44:47.90 ID:L3Kn5lQl0
食堂
ギャーギャー ワーワー
ミカサ「アルミンおはよう。あれは……?」
アルミン「おはようミカサ。またエレンとジャンが喧嘩してるみたいだね……」
ジャン「だいたい何が駆逐してやる~だよ」
エレン「何だと!」
ジャン「立体機動もまともにできないやつがよく調査兵団なんて言えたもんだ。お前なんて最初の調査で巨人に食われて終わりだな」
ギャーギャー ワーワー
ミカサ「アルミンおはよう。あれは……?」
アルミン「おはようミカサ。またエレンとジャンが喧嘩してるみたいだね……」
ジャン「だいたい何が駆逐してやる~だよ」
エレン「何だと!」
ジャン「立体機動もまともにできないやつがよく調査兵団なんて言えたもんだ。お前なんて最初の調査で巨人に食われて終わりだな」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:45:23.57 ID:L3Kn5lQl0
エレン「……じゃあ勝負でもするか?」
ジャン「勝負?」
エレン「このあと立体機動の訓練だろ。どっちが多く討伐したかで勝負だ! 俺の実力を見せつけてやる!」
ジャン「おおいいぜ。その代わり、負けたやつは罰ゲームな」
エレン「罰ゲーム?」
ジャン「簡単だ。負けたほうが勝ったほうの言うことを聞く。どうした? おじけついたか?」
エレン「いいぞ、のぞむところだ!」
ジャン「勝負?」
エレン「このあと立体機動の訓練だろ。どっちが多く討伐したかで勝負だ! 俺の実力を見せつけてやる!」
ジャン「おおいいぜ。その代わり、負けたやつは罰ゲームな」
エレン「罰ゲーム?」
ジャン「簡単だ。負けたほうが勝ったほうの言うことを聞く。どうした? おじけついたか?」
エレン「いいぞ、のぞむところだ!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:46:15.47 ID:L3Kn5lQl0
立体機動訓練
ジャン「よしもらった!」ザシュッ
エレン「くそっ!」
ジャン「ははははは。残念だったなぁ!」
エレン(こんなことじゃダメだ……巨人どもを残らず駆逐するって決めたのに!)
エレン「! あそこに……! ハアアア!」
ジャン「おせぇよ!」ザシュッ
エレン「おいジャン!」
ジャン「ハンッ、妨害なしなんて言ってないだろ。これは勝負だからな」
エレン「くっ……」
ジャン「よしもらった!」ザシュッ
エレン「くそっ!」
ジャン「ははははは。残念だったなぁ!」
エレン(こんなことじゃダメだ……巨人どもを残らず駆逐するって決めたのに!)
エレン「! あそこに……! ハアアア!」
ジャン「おせぇよ!」ザシュッ
エレン「おいジャン!」
ジャン「ハンッ、妨害なしなんて言ってないだろ。これは勝負だからな」
エレン「くっ……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:47:19.06 ID:L3Kn5lQl0
男子宿舎
アルミン「討伐数はジャンの勝ちだったみたいだね」
ジャン「よっしゃああ!」
ライナー「喜びすぎだろ。ジャン」
コニー「お、勝負が決まったみたいだな」
ライナー「ああ。ジャンの勝ちだ」
ベルトルト「エレンも結構よかったけどね」
アルミン「うん。そうだね。エレンは少し力が入りすぎてた。そこを直せば、きっと次は勝てるよ」
アルミン「討伐数はジャンの勝ちだったみたいだね」
ジャン「よっしゃああ!」
ライナー「喜びすぎだろ。ジャン」
コニー「お、勝負が決まったみたいだな」
ライナー「ああ。ジャンの勝ちだ」
ベルトルト「エレンも結構よかったけどね」
アルミン「うん。そうだね。エレンは少し力が入りすぎてた。そこを直せば、きっと次は勝てるよ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:48:32.89 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「こいつが? 俺に? むりむり」
エレン「なんだと!」
ライナー「おいやめろ二人とも。教官に聞かれたらどうする」
エレン「……」
ジャン「まあとにかく今回は俺の勝ちだ。おいエレン。負けたやつは……わかってるよな?」
エレン「ああ、罰ゲームだな……勝ったお前が決めるんだろ」
ジャン「おう。さ~て、どうするかな」ニヤニヤ
エレン「なんだと!」
ライナー「おいやめろ二人とも。教官に聞かれたらどうする」
エレン「……」
ジャン「まあとにかく今回は俺の勝ちだ。おいエレン。負けたやつは……わかってるよな?」
エレン「ああ、罰ゲームだな……勝ったお前が決めるんだろ」
ジャン「おう。さ~て、どうするかな」ニヤニヤ
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:49:30.21 ID:L3Kn5lQl0
エレン「さっさと言えよ」
ジャン「いやいや、ここは慎重に決めねえとな。どんなことでもやってくれるだろ?」ニヤニヤ
アルミン「ちょっとジャン。規則に違反したりするものはダメだよ?」
ジャン「大丈夫だってアルミン。立体機動ができないこいつでもできるものにしてやるさ」
エレン「ぬかせ。お前の出す罰ゲームなんて巨人に比べたら大したことないな。なんだってやってやる!」
アルミン「ちょっとエレン!」
ジャン「いやいや、ここは慎重に決めねえとな。どんなことでもやってくれるだろ?」ニヤニヤ
アルミン「ちょっとジャン。規則に違反したりするものはダメだよ?」
ジャン「大丈夫だってアルミン。立体機動ができないこいつでもできるものにしてやるさ」
エレン「ぬかせ。お前の出す罰ゲームなんて巨人に比べたら大したことないな。なんだってやってやる!」
アルミン「ちょっとエレン!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:50:43.39 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「う~ん……よし! 決めた!」
エレン「なんだ?」
ジャン「芋女にパンをもらえ。ママ~パンが欲しいよ~って言って甘えながらな」ビシッ
エレン「…………はあ!? なんでそんなことしなくちゃならねぇんだよ!」
ジャン「今なんでもやってやるって言ったのはお前だろ、エレン?」ニヤニヤ
ライナー「なかなかキツい罰ゲームだな」
アルミン「うん。甘えることはもちろん、パンをもらうのも、一筋縄じゃいかないだろうね」
エレン「なんだ?」
ジャン「芋女にパンをもらえ。ママ~パンが欲しいよ~って言って甘えながらな」ビシッ
エレン「…………はあ!? なんでそんなことしなくちゃならねぇんだよ!」
ジャン「今なんでもやってやるって言ったのはお前だろ、エレン?」ニヤニヤ
ライナー「なかなかキツい罰ゲームだな」
アルミン「うん。甘えることはもちろん、パンをもらうのも、一筋縄じゃいかないだろうね」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:51:23.91 ID:L3Kn5lQl0
コニー「ていうか無理なんじゃねえか。サシャのやつが人から飯を奪うことはあっても……」
ベルトルト「与えることはなさそうだよね……」
ジャン「へっ、だからこそだ。これでこいつは約束も守れねえ嘘つき野郎か、でなけりゃ永遠に芋女なんかに甘え続ける気持ち悪い男にしかなれねえってことだ」
ライナー「永遠って……」
アルミン「ジャン……これは単なる罰ゲームだ。もう少し何か、もっとこう……」
エレン「いや、いいんだアルミン」
アルミン「エレン……」
ベルトルト「与えることはなさそうだよね……」
ジャン「へっ、だからこそだ。これでこいつは約束も守れねえ嘘つき野郎か、でなけりゃ永遠に芋女なんかに甘え続ける気持ち悪い男にしかなれねえってことだ」
ライナー「永遠って……」
アルミン「ジャン……これは単なる罰ゲームだ。もう少し何か、もっとこう……」
エレン「いや、いいんだアルミン」
アルミン「エレン……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:52:02.51 ID:L3Kn5lQl0
エレン「わかったぜジャン。約束は守る。これでいいだろ?」
ジャン「おう楽しみにしてるぜ!」
コニー「性格悪いなあお前」
ジャン「ほっとけ」ハッハッハ
アルミン「エレン、大丈夫なの?」コソコソ
エレン「ああ、ちゃんと考えてるさ」コソコソ
ジャン「おう楽しみにしてるぜ!」
コニー「性格悪いなあお前」
ジャン「ほっとけ」ハッハッハ
アルミン「エレン、大丈夫なの?」コソコソ
エレン「ああ、ちゃんと考えてるさ」コソコソ
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:53:20.73 ID:L3Kn5lQl0
翌日 食堂
ジャン「おい、エレン」ニヤニヤ
エレン「わかってるって.....」ガタッ
ミカサ「エレン……? どこに行くの?」
エレン「すぐ戻る」
ジャン「おい、エレン」ニヤニヤ
エレン「わかってるって.....」ガタッ
ミカサ「エレン……? どこに行くの?」
エレン「すぐ戻る」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:54:02.14 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「はむ、はふ! う~ん、やっぱりパンは美味しいですねぇ!」
ユミル「毎日毎日、よくもまあ飽きずに美味そうに食えるもんだな。呆れるぜ」
クリスタ「うふふ、でも何だかこっちまで元気になっちゃうね」
ユミル「そうか?」
サシャ「あれ、二人ともどうしたんですか。いらないなら私に……」
ユミル「やるわけねえだろ。これから訓練だってのに」
クリスタ「ごめんねサシャ」
サシャ「そうですか……」
ユミル「毎日毎日、よくもまあ飽きずに美味そうに食えるもんだな。呆れるぜ」
クリスタ「うふふ、でも何だかこっちまで元気になっちゃうね」
ユミル「そうか?」
サシャ「あれ、二人ともどうしたんですか。いらないなら私に……」
ユミル「やるわけねえだろ。これから訓練だってのに」
クリスタ「ごめんねサシャ」
サシャ「そうですか……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:55:13.32 ID:L3Kn5lQl0
エレン「サシャ」
サシャ「あれ、エレン? どうしたんですか」
エレン「パン欲しくないか」フリフリ
サシャ「パァン!?」
エレン「うわ! びっくりした! ちょっと待て!」
サシャ「あれ、エレン? どうしたんですか」
エレン「パン欲しくないか」フリフリ
サシャ「パァン!?」
エレン「うわ! びっくりした! ちょっと待て!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:56:08.79 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「ちょっと待つのはてめえだエレン! まさか渡したパンをもらうんじゃないだろうな。ずるいぞ!」
エレン「先にずるいこと考えたのはお前だろ! それにサシャからもらえって言っただけでサシャのをもらえとは言ってなかっただろ!」
ジャン「くっ!」
クリスタ「何の話?」
エレン「罰ゲームでな、俺がサシャからパンをもらわなくちゃいけないんだ……」
ユミル「くだらねえ……」
エレン「先にずるいこと考えたのはお前だろ! それにサシャからもらえって言っただけでサシャのをもらえとは言ってなかっただろ!」
ジャン「くっ!」
クリスタ「何の話?」
エレン「罰ゲームでな、俺がサシャからパンをもらわなくちゃいけないんだ……」
ユミル「くだらねえ……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:56:51.19 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「けっ、だけど、罰はそれだけじゃないだろ」
エレン「ああ……」
サシャ「えーと……」
エレン「サシャ、これから言うのは罰ゲームだからな。とりあえず、これから言うことに乗ってくれたら、明日、報酬としてパンを分けてやるよ。いいな?」
サシャ「ほ、ほんとですか!?」
エレン「ああ……い、いくぞ!」
エレン「ま、ママ!パンが欲しいよ~!」
エレン「ああ……」
サシャ「えーと……」
エレン「サシャ、これから言うのは罰ゲームだからな。とりあえず、これから言うことに乗ってくれたら、明日、報酬としてパンを分けてやるよ。いいな?」
サシャ「ほ、ほんとですか!?」
エレン「ああ……い、いくぞ!」
エレン「ま、ママ!パンが欲しいよ~!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:57:42.47 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「……」
ユミル「」ブフォ
クリスタ「……」ポカーン
ジャン「ぷっ、だーはっはっはっ! けっさくだな! おーいみんな! エレンが愛しのママを見つけたみたいだそ!」
エレン「くそっ、このクズ野郎.....おい、早く渡せよサシャ!」
サシャ「あの~すいませんエレン」
エレン「え? あれ? お前、パンは……?」
ユミル「」ブフォ
クリスタ「……」ポカーン
ジャン「ぷっ、だーはっはっはっ! けっさくだな! おーいみんな! エレンが愛しのママを見つけたみたいだそ!」
エレン「くそっ、このクズ野郎.....おい、早く渡せよサシャ!」
サシャ「あの~すいませんエレン」
エレン「え? あれ? お前、パンは……?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:58:14.19 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「パンはもう食べちゃいました」
エレン「はあ!? いつのまに!? 俺の分まで!」
ジャン「ほぉ、ってことは」
エレン「ジャン……」
ジャン「また同じのを見れるってことだな~」ニヤニヤ
エレン「.....」
エレン「はあ!? いつのまに!? 俺の分まで!」
ジャン「ほぉ、ってことは」
エレン「ジャン……」
ジャン「また同じのを見れるってことだな~」ニヤニヤ
エレン「.....」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:59:02.61 ID:L3Kn5lQl0
エレン「だああぁ! あの馬面め!」
アルミン「あはは……災難だったねエレン」
エレン「だったじゃねえよアルミン。災難は現在進行形で続いてるんだ」
ミカサ「それは問題」
エレン「そう問題……ってミカサ!?」
アルミン「あはは……災難だったねエレン」
エレン「だったじゃねえよアルミン。災難は現在進行形で続いてるんだ」
ミカサ「それは問題」
エレン「そう問題……ってミカサ!?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 22:59:57.95 ID:L3Kn5lQl0
ミカサ「エレンはパンを食べられなかった」
エレン「ああ……おかげで腹が減ってしかたない……」
ミカサ「そこで、ここにパンがある」
エレン「分けてくれるのか?」
ミカサ「もちろん。ただし条件がある」
アルミン「まさか……」
ミカサ「そう。私にも――」
エレン「却下だ!」
エレン「ああ……おかげで腹が減ってしかたない……」
ミカサ「そこで、ここにパンがある」
エレン「分けてくれるのか?」
ミカサ「もちろん。ただし条件がある」
アルミン「まさか……」
ミカサ「そう。私にも――」
エレン「却下だ!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:00:29.00 ID:L3Kn5lQl0
ミカサ「……なら、あげない」パクッ
エレン「お、おい!」
ミカサ「サシャばかりずるい」
エレン「ずるいって何だよ。気持ち悪いだろ、あんなの。ああ、思い出しただけでも寒気がしてきた……」
アルミン「まあ、今回は不運だったよ。次はさすがに成功するさ」
エレン「だといいな……」
エレン「お、おい!」
ミカサ「サシャばかりずるい」
エレン「ずるいって何だよ。気持ち悪いだろ、あんなの。ああ、思い出しただけでも寒気がしてきた……」
アルミン「まあ、今回は不運だったよ。次はさすがに成功するさ」
エレン「だといいな……」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:01:52.66 ID:L3Kn5lQl0
食堂
エレン「サシャ」
サシャ「あ、エレン」
エレン「ほらパンだ。食うなよ。わかってるよな? 次こそ頼むぞ」
サシャ「あの~けっきょく私はどうすれば」
エレン「言わなかったか?」
サシャ「パンを食べるのに夢中で……」
エレン「はぁ……前のは罰ゲームで、俺はお前からパンをもらわなきゃいけないんだ」
エレン「サシャ」
サシャ「あ、エレン」
エレン「ほらパンだ。食うなよ。わかってるよな? 次こそ頼むぞ」
サシャ「あの~けっきょく私はどうすれば」
エレン「言わなかったか?」
サシャ「パンを食べるのに夢中で……」
エレン「はぁ……前のは罰ゲームで、俺はお前からパンをもらわなきゃいけないんだ」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:02:45.96 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「へえ、何かで負けたんですか?」
エレン「そんなのどうでもいいだろ。とにかく、パンを渡してくれるだけでいい」
サシャ「ママっていうのは?」
エレン「ぐっ、文句ならジャンに言えよ。あいつの思い付きだ。ていうか」
シーン
エレン「なんでこんなに周りが静かなんだよ……」
エレン「そんなのどうでもいいだろ。とにかく、パンを渡してくれるだけでいい」
サシャ「ママっていうのは?」
エレン「ぐっ、文句ならジャンに言えよ。あいつの思い付きだ。ていうか」
シーン
エレン「なんでこんなに周りが静かなんだよ……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:04:14.50 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「……」ブッ
エレン(あいつの仕業か……)
ユミル「……っ」ククッ
クリスタ「ちょっ、ユミル……」コソコソ
エレン(くそっ! 言いずれぇ!)
サシャ「エレン?」
エレン「ああこうなりゃやけだ! ママ……パンが欲しいよ!パンをおくれ!」
エレン(あいつの仕業か……)
ユミル「……っ」ククッ
クリスタ「ちょっ、ユミル……」コソコソ
エレン(くそっ! 言いずれぇ!)
サシャ「エレン?」
エレン「ああこうなりゃやけだ! ママ……パンが欲しいよ!パンをおくれ!」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:04:52.82 ID:L3Kn5lQl0
ジャン「……ブフォオ! だーはっは、ゲッホゲッホ」オエッ
エレン(こ、この野郎……)
ユミル「ひゅーひゅー」
クリスタ「ユミル……」
ミカサ「…………」ジー
アルミン(こんなに注目されちゃって。かわいそうにエレン)
エレン(こ、この野郎……)
ユミル「ひゅーひゅー」
クリスタ「ユミル……」
ミカサ「…………」ジー
アルミン(こんなに注目されちゃって。かわいそうにエレン)
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:05:39.78 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「……」
エレン「おい、サシャ! はやく――」
サシャ「……」パクッ
エレン「は?」
サシャ「……」モグモグモグモグ
エレン「な、何してんだよ!」
サシャ「……」ゲフー
エレン「お、お前……」
サシャ「ごちそうさまです!」
エレン「バカ野郎が!」
ジャン「だーはっはっはっはっは!」
エレン「おい、サシャ! はやく――」
サシャ「……」パクッ
エレン「は?」
サシャ「……」モグモグモグモグ
エレン「な、何してんだよ!」
サシャ「……」ゲフー
エレン「お、お前……」
サシャ「ごちそうさまです!」
エレン「バカ野郎が!」
ジャン「だーはっはっはっはっは!」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:06:51.68 ID:L3Kn5lQl0
男子宿舎
アルミン「ジャン。もういいだろう。あれだけの注目の中でエレンは十分に辱めを受けた。ゲームの罰にはもう十分だ」
ジャン「ほう。どう思うよエレン」
エレン「……」
ジャン「俺としては別にかまわないぜ。十分おもしろいもんも見れたからな。いさぎよくあきらめたらどうだ?」
エレン「……! だれが! できないからって、失敗したからって、あきらめる理由にはならない! 巨人退治と同じだ!」
アルミン(この場合はあきらめても支障ないと思うけど……)
エレン「明日もやる! 恥をかいても、成功するまであきらめない! やってやる!」
アルミン「エレン……」
アルミン「ジャン。もういいだろう。あれだけの注目の中でエレンは十分に辱めを受けた。ゲームの罰にはもう十分だ」
ジャン「ほう。どう思うよエレン」
エレン「……」
ジャン「俺としては別にかまわないぜ。十分おもしろいもんも見れたからな。いさぎよくあきらめたらどうだ?」
エレン「……! だれが! できないからって、失敗したからって、あきらめる理由にはならない! 巨人退治と同じだ!」
アルミン(この場合はあきらめても支障ないと思うけど……)
エレン「明日もやる! 恥をかいても、成功するまであきらめない! やってやる!」
アルミン「エレン……」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:07:34.05 ID:L3Kn5lQl0
エレン「いいんだアルミン。というかサシャのやつはどれだけ食い意地張ってんだ? あれだけのことも我慢できないほどだったか?」
アルミン「そのことだけど、エレン。たぶんサシャは明日もパンを食べてしまうと思うんだ。だからその……」
エレン「アルミンもあきらめろって言うのか?」
アルミン「あきらめろとまでは言わないけど。でも、よく考えてみてよ。もし明日サシャがパンを食べたら、明後日もパンを持っていってあの罰ゲームをしなくちゃいけない。そしてその日にパンを食べられたら、さらに次の日も同じように罰ゲームをしなくちゃいけない。だからサシャはパンを食べることで、次もまたパンをもらえることになるんだ」
エレン「なっ……!」
アルミン「だからエレンがやめない限り、エレンはパンを取られ続けることになる」
ジャン「おいエレン。お前さっき言ったこと覚えてるよな?」ニヤニヤ
エレン「ぐうううぅ……!」
アルミン「そのことだけど、エレン。たぶんサシャは明日もパンを食べてしまうと思うんだ。だからその……」
エレン「アルミンもあきらめろって言うのか?」
アルミン「あきらめろとまでは言わないけど。でも、よく考えてみてよ。もし明日サシャがパンを食べたら、明後日もパンを持っていってあの罰ゲームをしなくちゃいけない。そしてその日にパンを食べられたら、さらに次の日も同じように罰ゲームをしなくちゃいけない。だからサシャはパンを食べることで、次もまたパンをもらえることになるんだ」
エレン「なっ……!」
アルミン「だからエレンがやめない限り、エレンはパンを取られ続けることになる」
ジャン「おいエレン。お前さっき言ったこと覚えてるよな?」ニヤニヤ
エレン「ぐうううぅ……!」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:08:48.67 ID:L3Kn5lQl0
アルミン(それからというもの)
エレン「ママ!」
サシャ「っ!」バクバクバク
アルミン(エレンは食事の度に)
エレン「ママ!」バッ
サシャ「……!」サッ
アルミン(サシャからパンをもらおうと)
エレン「ママああ!」
サシャ「……」ムフー
アルミン(奮闘していた)
エレン「ママ!」
サシャ「っ!」バクバクバク
アルミン(エレンは食事の度に)
エレン「ママ!」バッ
サシャ「……!」サッ
アルミン(サシャからパンをもらおうと)
エレン「ママああ!」
サシャ「……」ムフー
アルミン(奮闘していた)
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:10:08.11 ID:L3Kn5lQl0
ある日
エレン「くそっ! またダメだった!」
アルミン「エレン……」
ミカサ「エレン、いい加減にしてほしい。エレンがやめればそれで済むこと。それか私にマ――」
エレン「あともうちょっとなんだ! あいつが食うタイミングや動きも分かってきたし、俺のママって言う速さもかなりよくなってる。あとはどれだけ素早く奪えるかだ。さっきのはかなり惜しかったし」
アルミン(何かおかしな方向に向かってるよエレン……みんなも、もうエレンとサシャに飽きちゃったみたいだし)
ミカサ「でも今日の訓練は兵站行進。力をつけておくべきだった」
エレン「大丈夫だって。今までもやってこれただろ」
エレン「くそっ! またダメだった!」
アルミン「エレン……」
ミカサ「エレン、いい加減にしてほしい。エレンがやめればそれで済むこと。それか私にマ――」
エレン「あともうちょっとなんだ! あいつが食うタイミングや動きも分かってきたし、俺のママって言う速さもかなりよくなってる。あとはどれだけ素早く奪えるかだ。さっきのはかなり惜しかったし」
アルミン(何かおかしな方向に向かってるよエレン……みんなも、もうエレンとサシャに飽きちゃったみたいだし)
ミカサ「でも今日の訓練は兵站行進。力をつけておくべきだった」
エレン「大丈夫だって。今までもやってこれただろ」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:10:59.05 ID:L3Kn5lQl0
ミカサ「そんなことない。エレンはいつもがんばりすぎる。最近はそのせいか上手くできていない。少し休むべき」
エレン「さぼれって言うのか?」
ミカサ「そうじゃない。訓練の合間にも休むことはできる」
エレン「それじゃあ手抜きになっちゃうじゃないか!」
アルミン「ようするにエレン。全力疾走するだけじゃ長く走れないから休むことや力をぬくことも大切だってことだよ」
エレン「……」
アルミン「わかったかい?」
エレン「いや……そうこうしてる間にも巨人はずっと俺たちを、人類を食べようと壁に向かってきてる! 俺は走り続けてやる!」
エレン「さぼれって言うのか?」
ミカサ「そうじゃない。訓練の合間にも休むことはできる」
エレン「それじゃあ手抜きになっちゃうじゃないか!」
アルミン「ようするにエレン。全力疾走するだけじゃ長く走れないから休むことや力をぬくことも大切だってことだよ」
エレン「……」
アルミン「わかったかい?」
エレン「いや……そうこうしてる間にも巨人はずっと俺たちを、人類を食べようと壁に向かってきてる! 俺は走り続けてやる!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:11:38.16 ID:L3Kn5lQl0
兵站行進
キース「アルレルト! 遅れているぞ!」
アルミン「はぁ……はぁ……」
アルミン(やっぱりこの訓練……体力のない僕にはキツい……せめて、みんなに置いて行かれないようにしないと!)
キース「どうしたイェーガー! アルレルトと共に開拓地に行くことにしたのか!」
アルミン「!?」
エレン「……」ゼーゼー
アルミン(エレンが僕に並ぶなんて……!)
キース「アルレルト! 遅れているぞ!」
アルミン「はぁ……はぁ……」
アルミン(やっぱりこの訓練……体力のない僕にはキツい……せめて、みんなに置いて行かれないようにしないと!)
キース「どうしたイェーガー! アルレルトと共に開拓地に行くことにしたのか!」
アルミン「!?」
エレン「……」ゼーゼー
アルミン(エレンが僕に並ぶなんて……!)
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:12:43.49 ID:L3Kn5lQl0
アルミン「エレン! 少し休ませてもらおう! やっぱり無理してたんだ!」
エレン「いや、大丈夫だ。ちょっと体に力が入らないだけで……」ハァハァ
アルミン「だからそれだよ! それに、ちゃんと食べないからだ!」
エレン「はは。食事の大切さがよく分かったな」ハァハァ
アルミン「はは、じゃないよ。訓練が終わったら――」
エレン「あ……?」ドサッ
エレン「いや、大丈夫だ。ちょっと体に力が入らないだけで……」ハァハァ
アルミン「だからそれだよ! それに、ちゃんと食べないからだ!」
エレン「はは。食事の大切さがよく分かったな」ハァハァ
アルミン「はは、じゃないよ。訓練が終わったら――」
エレン「あ……?」ドサッ
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:13:22.43 ID:L3Kn5lQl0
アルミン「エレン!」
アルミン(……! 単にこけたんじゃない……気を失ってる!?)
キース「何をしている!」
アルミン「教官! 彼を医務室へ行かせてください!」
キース「くっ! さっさと馬に乗せろ!」
アルミン「ありがとうございます!」
アルミン(……! 単にこけたんじゃない……気を失ってる!?)
キース「何をしている!」
アルミン「教官! 彼を医務室へ行かせてください!」
キース「くっ! さっさと馬に乗せろ!」
アルミン「ありがとうございます!」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:14:14.38 ID:L3Kn5lQl0
食堂
ガヤガヤ
クリスタ「ねえ聞いたユミル? エレン、倒れちゃったんだって」
ユミル「知ってるよ。ジャンがふれまわってミカサに睨まれてたからな」
クリスタ「心配だね。大丈夫かな」
ユミル「お前が気にすることないだろ。まあ、どこかの誰かさんには、少し気にする必要があるかもしれないけどな」チラッ
サシャ「う、うぅ……やっぱり私のせいですよね……」
クリスタ「そ、そんなことないよ」
ガヤガヤ
クリスタ「ねえ聞いたユミル? エレン、倒れちゃったんだって」
ユミル「知ってるよ。ジャンがふれまわってミカサに睨まれてたからな」
クリスタ「心配だね。大丈夫かな」
ユミル「お前が気にすることないだろ。まあ、どこかの誰かさんには、少し気にする必要があるかもしれないけどな」チラッ
サシャ「う、うぅ……やっぱり私のせいですよね……」
クリスタ「そ、そんなことないよ」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:14:48.74 ID:L3Kn5lQl0
ユミル「どうだろうな。普段から熱心に訓練してる上に飯まで半分に減らしてりゃわかんないぞ……ん?」チラ
クリスタ「あ、ミカサだ。お見舞いに行ってきたのかな?」
ミカサ「……」ゴゴゴ
クリスタ「……怒ってるね」
ユミル「あーおい、サシャ、逃げたほうが――てもういねえか」
クリスタ「あ、ミカサだ。お見舞いに行ってきたのかな?」
ミカサ「……」ゴゴゴ
クリスタ「……怒ってるね」
ユミル「あーおい、サシャ、逃げたほうが――てもういねえか」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:15:26.05 ID:L3Kn5lQl0
医務室
医者「よし問題なさそうだね。他にどこか悪いところはない?」
エレン「いえ何も。問題ありません」
医者「うん。元気そうでなによりだ。食欲もあったみたいだしね」
エレン「それではもう……」
医者「ん? ああ、ダメダメ。今夜はここで寝なさい」
エレン「え?」
医者「しばらく安静にしてること。いいね? それじゃあ」バタン
医者「よし問題なさそうだね。他にどこか悪いところはない?」
エレン「いえ何も。問題ありません」
医者「うん。元気そうでなによりだ。食欲もあったみたいだしね」
エレン「それではもう……」
医者「ん? ああ、ダメダメ。今夜はここで寝なさい」
エレン「え?」
医者「しばらく安静にしてること。いいね? それじゃあ」バタン
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:16:06.41 ID:L3Kn5lQl0
エレン「…………まじかよ」ボフッ
エレン(アルミンもミカサも行っちまったし……夜は寝るだけとはいえ、なれない部屋で一人は少し心細いな……)
エレン「って何言ってんだ。ガキかよ俺は」
サシャ「何がですか?」
エレン「いやだから……ってサシャ!?」ガバッ
サシャ「はい。そうですよ」
エレン(アルミンもミカサも行っちまったし……夜は寝るだけとはいえ、なれない部屋で一人は少し心細いな……)
エレン「って何言ってんだ。ガキかよ俺は」
サシャ「何がですか?」
エレン「いやだから……ってサシャ!?」ガバッ
サシャ「はい。そうですよ」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:17:20.26 ID:L3Kn5lQl0
エレン「何やってんだよ。もうすぐ消灯だろ?」
サシャ「何って、お見舞いに決まってるじゃないですか」
エレン「ノックくらいしろよ……」
サシャ「もう寝てたら悪いなと思って……」
エレン「はぁ……」
サシャ「あのエレン、その……」
エレン「?」
サシャ「すいませんでした」ペコ
サシャ「何って、お見舞いに決まってるじゃないですか」
エレン「ノックくらいしろよ……」
サシャ「もう寝てたら悪いなと思って……」
エレン「はぁ……」
サシャ「あのエレン、その……」
エレン「?」
サシャ「すいませんでした」ペコ
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:18:06.56 ID:L3Kn5lQl0
エレン「……何がだよ」
サシャ「その……エレンが倒れちゃったのは、私がパンを取ったからで……」
エレン「そんなのわかんないだろ。診断結果も疲労がたまってるってだけだったしな」
サシャ「それでもあやまりたいんです。エレン、本当にすいませんでした!」
エレン「別にいいよ……なあサシャ」
サシャ「……?」
エレン「俺からもあやまっとく。悪かったな」
サシャ「その……エレンが倒れちゃったのは、私がパンを取ったからで……」
エレン「そんなのわかんないだろ。診断結果も疲労がたまってるってだけだったしな」
サシャ「それでもあやまりたいんです。エレン、本当にすいませんでした!」
エレン「別にいいよ……なあサシャ」
サシャ「……?」
エレン「俺からもあやまっとく。悪かったな」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:18:59.54 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「え? 何がですか?」
エレン「罰ゲームのことだ。ジャンが考えたとはいえ、罰ゲームの道具にされるのはいやだっただろうし……それに、同期の男からあんなふうに呼ばれるのもな」
サシャ「……」
エレン「だからあやまらせてくれ。ごめん」
サシャ「……エレン。エレンはどうして私がパンを、エレンに渡すべきだったパンを、食べ続けたと思いますか?」
エレン「罰ゲームのことだ。ジャンが考えたとはいえ、罰ゲームの道具にされるのはいやだっただろうし……それに、同期の男からあんなふうに呼ばれるのもな」
サシャ「……」
エレン「だからあやまらせてくれ。ごめん」
サシャ「……エレン。エレンはどうして私がパンを、エレンに渡すべきだったパンを、食べ続けたと思いますか?」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:19:40.39 ID:L3Kn5lQl0
エレン「え? そりゃ……お前が芋女だからだろ?」
サシャ「いっ!? どういうことですか! ひどいですよ!」
エレン「あ、いや、ようするに食べるのが好きだからだろって」
サシャ「むぅ……たしかに好きですけど……でも違います。6……5……4割くらいしか当たってません」
エレン(ほとんど当たってるんじゃないのか……)
サシャ「いっ!? どういうことですか! ひどいですよ!」
エレン「あ、いや、ようするに食べるのが好きだからだろって」
サシャ「むぅ……たしかに好きですけど……でも違います。6……5……4割くらいしか当たってません」
エレン(ほとんど当たってるんじゃないのか……)
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:20:33.91 ID:L3Kn5lQl0
エレン「じゃあ、残りの6割……パンを取った理由は何なんだよ」
サシャ「ママって呼ばれたかったんです……」
エレン「マ……え?」
サシャ「だから、ママって呼ばれたかったんですよ!」
エレン「は? はああぁぁ!?」ドンビキ
サシャ「ひかないでください!」
サシャ「ママって呼ばれたかったんです……」
エレン「マ……え?」
サシャ「だから、ママって呼ばれたかったんですよ!」
エレン「は? はああぁぁ!?」ドンビキ
サシャ「ひかないでください!」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:21:32.69 ID:L3Kn5lQl0
エレン「いや、ひくだろ普通。どんな趣味してんだよ!」
サシャ「趣味じゃないですよ! たまたまです、たまたま!」
エレン「何だよたまたまって!?」
サシャ「だからその……最初にエレンがママって言ったときにですね……」
エレン「あ、ああ……」
サシャ「エレンはあのとき平静を装ってましたけど、たぶん目の前にいた私にしかわからなかったんですけど、少し、顔が赤くなってたんです」
エレン「……」
サシャ「趣味じゃないですよ! たまたまです、たまたま!」
エレン「何だよたまたまって!?」
サシャ「だからその……最初にエレンがママって言ったときにですね……」
エレン「あ、ああ……」
サシャ「エレンはあのとき平静を装ってましたけど、たぶん目の前にいた私にしかわからなかったんですけど、少し、顔が赤くなってたんです」
エレン「……」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:22:15.22 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「恥ずかしがりながらママって呼んでくるエレンが、少しかわいくて……」
エレン「……」
サシャ「それで、パンをあげて終わりにするのは、なんだかもったいないなぁって思ったんです……」
エレン「……」ドンビキ
サシャ「だからひかないでくださいよ!」
エレン「わ、悪い……」
エレン「……」
サシャ「それで、パンをあげて終わりにするのは、なんだかもったいないなぁって思ったんです……」
エレン「……」ドンビキ
サシャ「だからひかないでくださいよ!」
エレン「わ、悪い……」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:22:50.93 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「うぅ……ですから……エレンがあやまる必要はないんです」
エレン「そ、そうか。じゃあ次からはちゃんとパンをくれるってことでいいんだよな?」
サシャ「それなんですけどエレン。お願いがあるんです」
エレン「お願い?」
サシャ「最後に私に……おもいっきり甘えてくれませんか?」
エレン「そ、そうか。じゃあ次からはちゃんとパンをくれるってことでいいんだよな?」
サシャ「それなんですけどエレン。お願いがあるんです」
エレン「お願い?」
サシャ「最後に私に……おもいっきり甘えてくれませんか?」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:23:47.88 ID:L3Kn5lQl0
エレン「はあ!? いやに決まってんだろ! やっぱりたまたまじゃなくて普通にお前の趣味なんじゃないのか!?」
サシャ「もうそういうことでいいですから、お願いします!」
エレン「いやいや、なんでそんなことにつきあわなきゃ……」
サシャ「これで最後ですから!」ウルウル
エレン「うっ……と、特別だぞ。少しだけだからな!」
サシャ「ありがとうございます!」
サシャ「もうそういうことでいいですから、お願いします!」
エレン「いやいや、なんでそんなことにつきあわなきゃ……」
サシャ「これで最後ですから!」ウルウル
エレン「うっ……と、特別だぞ。少しだけだからな!」
サシャ「ありがとうございます!」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:24:51.12 ID:L3Kn5lQl0
エレン(なんでこんな状況に……)
サシャ「エレン?」
エレン(サシャがベッドに腰掛けて)
サシャ「ほら、はやくしてください」ポンポン
エレン(膝枕しようとしてる……)
サシャ「エレン」ポンポン
エレン「……わ、わかってる」
サシャ「エレン?」
エレン(サシャがベッドに腰掛けて)
サシャ「ほら、はやくしてください」ポンポン
エレン(膝枕しようとしてる……)
サシャ「エレン」ポンポン
エレン「……わ、わかってる」
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:25:30.88 ID:L3Kn5lQl0
エレン(サシャは恥ずかしくないのか……?)
エレン「……」ポフッ
エレン(……! な、なんだこれ……!)
サシャ「むふふー」ナデナデ
エレン(やわらかいし……あたたかいし……)
サシャ「いい子いい子」ナデナデ
エレン(なんか……安心する……)トローン
エレン「……」ポフッ
エレン(……! な、なんだこれ……!)
サシャ「むふふー」ナデナデ
エレン(やわらかいし……あたたかいし……)
サシャ「いい子いい子」ナデナデ
エレン(なんか……安心する……)トローン
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:26:14.89 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「うふふ~」ナデナデ
エレン「……」ジー
サシャ「?」ナデナデ
エレン(あらためてみると……サシャって綺麗なんだな……)
サシャ「エレン。これ見てください」フリフリ
エレン「それは……パンか?」ボー
エレン「……」ジー
サシャ「?」ナデナデ
エレン(あらためてみると……サシャって綺麗なんだな……)
サシャ「エレン。これ見てください」フリフリ
エレン「それは……パンか?」ボー
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:27:00.97 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「はい。はじめてですよごはんを残したのは。食べさせてあげますね」ニコッ
エレン「あ、ああ……」
サシャ「ほら。言うこと、あるでしょう?」
エレン「……! ……マ……」
サシャ「マ?」
エレン「ママ……パンが欲しい……」
エレン「あ、ああ……」
サシャ「ほら。言うこと、あるでしょう?」
エレン「……! ……マ……」
サシャ「マ?」
エレン「ママ……パンが欲しい……」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:27:44.92 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「フフッ。はい、あーん」
エレン「……」モグモグ
サシャ「かわいい……」ナデナデ
エレン(ああ、なんだこれ……)
エレン「……」ゴクン
サシャ「少しずつ食べさせてあげますからね。あーん」
エレン「……」アーン
エレン「……」モグモグ
サシャ「かわいい……」ナデナデ
エレン(ああ、なんだこれ……)
エレン「……」ゴクン
サシャ「少しずつ食べさせてあげますからね。あーん」
エレン「……」アーン
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:28:28.96 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「雛鳥みたいですね……」ナデナデ
エレン(だめだ……)
エレン「ママ……」
サシャ「! はい……ママですよ」ナデナデ
エレン「ママぁ……」ギュッ
サシャ「はいはい。あーん」ギュッ
エレン(だめだ……)
エレン「ママ……」
サシャ「! はい……ママですよ」ナデナデ
エレン「ママぁ……」ギュッ
サシャ「はいはい。あーん」ギュッ
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:29:23.00 ID:L3Kn5lQl0
後日
エレン「おりゃああ!」ザシュッ
サシャ「はあっ!」ザシュッ
ジャン「エレン! サシャ! よくも俺の獲物を!」
エレン「お前がちんたらしてるからだろ。いくぞサシャ!」
サシャ「やったー! 感謝しますよジャン!」
ジャン「きたねぇぞ!」
キース「ふむ。エレン・イェーガー。一時は成績が落ち込んでいたが、盛り返したようだな。肩の力が抜け、かなりリラックスしているようだ……」
エレン「おりゃああ!」ザシュッ
サシャ「はあっ!」ザシュッ
ジャン「エレン! サシャ! よくも俺の獲物を!」
エレン「お前がちんたらしてるからだろ。いくぞサシャ!」
サシャ「やったー! 感謝しますよジャン!」
ジャン「きたねぇぞ!」
キース「ふむ。エレン・イェーガー。一時は成績が落ち込んでいたが、盛り返したようだな。肩の力が抜け、かなりリラックスしているようだ……」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:30:34.33 ID:L3Kn5lQl0
ミカサ「エレンすごい。日に日に上達してる」
エレン「そうか?」
アルミン「うん。絶好調だね。サシャとのあれもやめたみたいだし、もう倒れる心配もないんじゃないかな」
ミカサ「あれは一生の不覚だった。私が意地を張らずちゃんとしていればエレンが倒れることもなかった。これからはいっそう気をつけないと……」
アルミン(でもかまいすぎると……)
ミカサ「! エレン、口元がスープで汚れている。かぶれるといけない」
エレン「ちょ、やめろミカサ!」
エレン「そうか?」
アルミン「うん。絶好調だね。サシャとのあれもやめたみたいだし、もう倒れる心配もないんじゃないかな」
ミカサ「あれは一生の不覚だった。私が意地を張らずちゃんとしていればエレンが倒れることもなかった。これからはいっそう気をつけないと……」
アルミン(でもかまいすぎると……)
ミカサ「! エレン、口元がスープで汚れている。かぶれるといけない」
エレン「ちょ、やめろミカサ!」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:31:02.24 ID:L3Kn5lQl0
ミカサ「やめない」グイッグイッ
エレン「もういいって!」ガタッ
ミカサ「まだ食べ終わってない。座って」
エレン「部屋で食うんだ!」スタスタ
ミカサ「あ……」
アルミン(こうやって逃げられちゃうんだよね……)
エレン「もういいって!」ガタッ
ミカサ「まだ食べ終わってない。座って」
エレン「部屋で食うんだ!」スタスタ
ミカサ「あ……」
アルミン(こうやって逃げられちゃうんだよね……)
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:31:41.87 ID:L3Kn5lQl0
エレン「……!」
エレン「サシャ!」
サシャ「あ、エレン」
エレン「サシャ。その……」
サシャ「またですか?」
エレン「あ、ああ……いつも、悪いな……」
エレン「サシャ!」
サシャ「あ、エレン」
エレン「サシャ。その……」
サシャ「またですか?」
エレン「あ、ああ……いつも、悪いな……」
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:32:17.30 ID:L3Kn5lQl0
サシャ「いいんですよ。ほらおいで?」
エレン「ん……」ギュッ
サシャ「エレンは甘えん坊さんですね」ギュッ
エレン「ママ」
サシャ「よしよし」ナデナデ
エレン「ん……」ギュッ
サシャ「エレンは甘えん坊さんですね」ギュッ
エレン「ママ」
サシャ「よしよし」ナデナデ
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:32:58.96 ID:L3Kn5lQl0
おしまい
ありがとうございました
ありがとうございました
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 23:35:03.81 ID:6CLB24hzO
良かった
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/15(水) 00:33:22.06 ID:FW71zTMto
えっこれからでしょ
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/15(水) 05:20:23.12 ID:dWBj8qjXO
生殺しはいけませんねえ
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/15(水) 13:00:03.31 ID:IVMlHSutO
はやくR板に移って続きを書くんだよぉ!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510667009/
Entry ⇒ 2017.11.17 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
サシャ「走らんかい!!」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 14:49:51 ID:qqpeovFY
女の子「!!」ダッ
サシャ「あと一本…これを外したらあの子も…!」
ビシュン
スカッ
サシャ「あと一本…これを外したらあの子も…!」
ビシュン
スカッ
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 14:53:12 ID:qqpeovFY
サシャ「外したあああああああああああああああああああああああああああ」
巨人「アアアアアアアアアアアアアアアア」ドスドス
女の子「!?うわあああああああああああああああああああああああ」
サシャ父「サシャか⁉︎ こんなところでぇぇああああああああああああああああ」
村人たち「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああ」
巨人「オアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドスドスドス
巨人「アアアアアアアアアアアアアアアア」ドスドス
女の子「!?うわあああああああああああああああああああああああ」
サシャ父「サシャか⁉︎ こんなところでぇぇああああああああああああああああ」
村人たち「ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああ」
巨人「オアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドスドスドス
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 15:00:05 ID:qqpeovFY
ニック司祭「私を殺して学ぶがいい…」
司祭「今!この手を離せ!!」
モブリット「ハ、ハ…」
ハンジ「…」
モブリット「ハクショ-イ!!!!」
ハンジ「!?」パッ
司祭「今!この手を離せ!!」
モブリット「ハ、ハ…」
ハンジ「…」
モブリット「ハクショ-イ!!!!」
ハンジ「!?」パッ
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 15:05:12 ID:qqpeovFY
司祭「ええええええええええええええええええええええええええええええええ」ヒュ-
ハンジ「ちょ!?なんでええええああああああああああああああああああ」
モブリット「ハッックショォォォォァァァァァアアアアアアアアアイイイ」
ハンジ「ちょ!?なんでええええああああああああああああああああああ」
モブリット「ハッックショォォォォァァァァァアアアアアアアアアイイイ」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 15:07:18 ID:qqpeovFY
司祭「ちょ、マジでやばいってえええええええええええええええええええ」ガシッ ビリビリビリ
司祭「あああああシート破けたあああああああああああああああああああああ」
壁内巨人「ウオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ゴゴゴゴ
住民たち「なにあれええええええええええええええええええええええええ」
壁内巨人「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドゴシャァァアァァ
ナイル「誰ええええええええええええええええええ」
エルヴィン「んなぁぁあああああああああああああああいいいい」
壁内巨人「ウォッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドゴ-ンズガ-ン
司祭「あああああシート破けたあああああああああああああああああああああ」
壁内巨人「ウオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ゴゴゴゴ
住民たち「なにあれええええええええええええええええええええええええ」
壁内巨人「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドゴシャァァアァァ
ナイル「誰ええええええええええええええええええ」
エルヴィン「んなぁぁあああああああああああああああいいいい」
壁内巨人「ウォッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア」ドゴ-ンズガ-ン
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:27:34 ID:qqpeovFY
クリスタ「塔を守って死ぬくらいなら…」
クリスタ「もうこんなもんブッ壊せ!!」
ユミル巨人「ガアアアアアア」ズガン
クリスタ「えっ」グラ
クリスタ「もうこんなもんブッ壊せ!!」
ユミル巨人「ガアアアアアア」ズガン
クリスタ「えっ」グラ
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:30:14 ID:qqpeovFY
クリスタ「きゃあああああああああああああああああああああ」ヒュ-ン
コニー「えええええええええええええええええええええええええええ」
ユミル巨人「エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」
巨人たち「キターーーー(゜∀゜)ーーーーーー」
ライナー「あああああクリスタあああああああああああああああああああああ」
ベルトルト「コニーちゃんと支えてろよおおおおおおおおおおおおおおおお」
コニー「スマンなんか離しちゃったああああああああああああああ」
クリスタ「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」
コニー「えええええええええええええええええええええええええええ」
ユミル巨人「エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」
巨人たち「キターーーー(゜∀゜)ーーーーーー」
ライナー「あああああクリスタあああああああああああああああああああああ」
ベルトルト「コニーちゃんと支えてろよおおおおおおおおおおおおおおおお」
コニー「スマンなんか離しちゃったああああああああああああああ」
クリスタ「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:32:48 ID:qqpeovFY
ライナー「ちょっ……うあああああああああああああああああああ」ガリッ ピカッ!!
鎧「ガアアアアアアアアアアアアアアアアア」
ベルトルト「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」
鎧「グリズダァアアアアアアアアアア」
塔「」ガラガラガラ
コニー「何なのもおおおおおおおおおおおおおおおおお」ヒュ-
ユミル巨人「オイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
クリスタ「ああああああああああああああああああああああああああああああああ」ジョロロロ
鎧「ガアアアアアアアアアアアアアアアアア」
ベルトルト「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」
鎧「グリズダァアアアアアアアアアア」
塔「」ガラガラガラ
コニー「何なのもおおおおおおおおおおおおおおおおお」ヒュ-
ユミル巨人「オイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」
クリスタ「ああああああああああああああああああああああああああああああああ」ジョロロロ
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:36:14 ID:qqpeovFY
ケニー「巨人化しやすいように…」
エレン(あ、ウンコもれそう)
ケニー「切れ込み入れといてやるよ」スッ
エレン(……締まれ、俺の括約筋!!)
カッ
エレン(あ、ウンコもれそう)
ケニー「切れ込み入れといてやるよ」スッ
エレン(……締まれ、俺の括約筋!!)
カッ
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:38:27 ID:qqpeovFY
ケツの巨人「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」ズゴゴゴ
ケニー「うわあああああああああああああああああああああああ」
ロッド「マジで巨人化しやがったああああああああああああああああああ」
ヒストリア「びっくりして注射針刺しちゃったああああああああああああああ」
女神の巨人「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ピシャ-ン
地下洞窟「」ドゴォ ガラガラガラ
ケニー「うわあああああああああああああああああああああああ」
ロッド「マジで巨人化しやがったああああああああああああああああああ」
ヒストリア「びっくりして注射針刺しちゃったああああああああああああああ」
女神の巨人「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ピシャ-ン
地下洞窟「」ドゴォ ガラガラガラ
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:41:41 ID:qqpeovFY
リヴァイ「なんだなんだなんだあああああああああああああああああああああ」
ミカサ「エレェェえええええなにあれえええええええええええええええええええええ」
コニー「でっかいケツだああああああああああああああああああああああああああ」
ケツの巨人「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ビリビリ
女神の巨人「セイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ビリビリ
ピカッ
ミカサ「エレェェえええええなにあれえええええええええええええええええええええ」
コニー「でっかいケツだああああああああああああああああああああああああああ」
ケツの巨人「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ビリビリ
女神の巨人「セイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ビリビリ
ピカッ
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/15(土) 22:43:27 ID:qqpeovFY
プリケツ女神巨人「フォォォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」ビリビリビリ
一同「合体したあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
その日、何故か巨人を操れるプリケツ女神巨人によって全ての巨人は駆逐され人類は勝利した
完
一同「合体したあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
その日、何故か巨人を操れるプリケツ女神巨人によって全ての巨人は駆逐され人類は勝利した
完
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/18(火) 14:02:58 ID:dscacNkE
乙
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1492235391/
Entry ⇒ 2017.10.21 | Category ⇒ 進撃の巨人 | Comments (0)
リヴァイ「腹が痛いのか?」ペトラ「せ、生理…ですっ//」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 00:25:55.16 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「…セイリ?」
ペトラ「ふぇぇっ?!知らないんですか?」
リヴァイ「何だそれは」
ペトラ「えっ…と…」
ペトラ「ふぇぇっ?!知らないんですか?」
リヴァイ「何だそれは」
ペトラ「えっ…と…」
2: 以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします 2017/09/17(日) 00:28:32.16 ID:VYeyAGA80
ペトラ「…その…月に一回…一週間くらい続くもので…」
リヴァイ「腹が痛くなるのか?」
ペトラ「えっま、まぁ…人によっては痛くない人もいますけど…」
リヴァイ「お前は痛いのか?」
ペトラ「は、はい…」
リヴァイ「腹が痛くなるのか?」
ペトラ「えっま、まぁ…人によっては痛くない人もいますけど…」
リヴァイ「お前は痛いのか?」
ペトラ「は、はい…」
3: 以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします 2017/09/17(日) 00:33:24.07 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「なんで痛くなるんだ」
ペトラ「ええっ?!そ、それは…」
リヴァイ「そういえばハンジも、セーリってやつがどうとかこうとか言ってたな…ケツから血が出るって」
ペトラ「ええええっ」
ペトラ(…ハンジさん…)
リヴァイ「ケツから血が出るのか?手当てしねぇとじゃねぇか」
ペトラ「ち、ち違います!それは出ていいんです!」
リヴァイ「…なんでだ?」
ペトラ(ほ、本当に何も知らないの…?)
ペトラ「ええっ?!そ、それは…」
リヴァイ「そういえばハンジも、セーリってやつがどうとかこうとか言ってたな…ケツから血が出るって」
ペトラ「ええええっ」
ペトラ(…ハンジさん…)
リヴァイ「ケツから血が出るのか?手当てしねぇとじゃねぇか」
ペトラ「ち、ち違います!それは出ていいんです!」
リヴァイ「…なんでだ?」
ペトラ(ほ、本当に何も知らないの…?)
4: 以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします 2017/09/17(日) 00:35:57.55 ID:VYeyAGA80
ペトラ「その、子宮ってところから…いろいろあって…おしりじゃなくて、その前のほうから…で、出るんですよっ」
リヴァイ「…あ?前のほう?」
ペトラ(ゔあああああああああ)
リヴァイ「…あ?前のほう?」
ペトラ(ゔあああああああああ)
5: !bluename 2017/09/17(日) 18:13:49.19 ID:VYeyAGA80
ペトラ「もう!いいですから!訓練戻ってください!」
リヴァイ「今日は訓練は休みだ」
ペトラ「ええっ」
リヴァイ「だからきっちり症状を聞く。どうして痛いんだ」
ペトラ(ああ…)
リヴァイ「今日は訓練は休みだ」
ペトラ「ええっ」
リヴァイ「だからきっちり症状を聞く。どうして痛いんだ」
ペトラ(ああ…)
6: 以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:16:41.53 ID:VYeyAGA80
ペトラ「…だから…カクカク シカジカ」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「…子供が作れる、と?」
ペトラ「…まぁ、はい」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「…子供はどう作るんだ」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「…子供が作れる、と?」
ペトラ「…まぁ、はい」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「…子供はどう作るんだ」
7: 以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:21:10.25 ID:VYeyAGA80
ペトラ「…な?!な何を言ってるんですか」
リヴァイ「…なんだ?子供は作れないのか?」
ペトラ「そ、そそそんなわけないじゃないですか」
リヴァイ「じゃあどう作るんだ」
ペトラ「…知りません」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「じゃあハンジに聞いてくる」
ペトラ「やめてください!!」
リヴァイ「…なんだ?子供は作れないのか?」
ペトラ「そ、そそそんなわけないじゃないですか」
リヴァイ「じゃあどう作るんだ」
ペトラ「…知りません」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「じゃあハンジに聞いてくる」
ペトラ「やめてください!!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:29:14.22 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「…なぜだ?ハンジに聞いちゃだめなのか?」
ペトラ「えっ…えっと、た、多分ハンジさんも知りませんから」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「なぜ知らないんだ」
ペトラ「えっ…」
ペトラ(えっ?えっ?え、まじで知らないの?ヤバくない?でもハンジさんに聞いたらまたデマ言うかもしれないし?…あ、そうだ)
ペトラ「子供の作り方は、か、仮説しか…ないんですよ!」
リヴァイ「…仮説?」
ペトラ「そうですそうです!いろいろ仮説はあるんですけど、本当の作り方を知ってる人はあまりいないんです!だから子供は宝って言うんです!」
リヴァイ「…なるほど」
ペトラ「だ、だから!知ってる人は!勇者っていうか神っていうか…尊敬すべき人なんです!」
ペトラ(えっ?!私何言ってんの?!)
リヴァイ「…そうか…」
ペトラ「えっ…えっと、た、多分ハンジさんも知りませんから」
リヴァイ「…ほう」
リヴァイ「なぜ知らないんだ」
ペトラ「えっ…」
ペトラ(えっ?えっ?え、まじで知らないの?ヤバくない?でもハンジさんに聞いたらまたデマ言うかもしれないし?…あ、そうだ)
ペトラ「子供の作り方は、か、仮説しか…ないんですよ!」
リヴァイ「…仮説?」
ペトラ「そうですそうです!いろいろ仮説はあるんですけど、本当の作り方を知ってる人はあまりいないんです!だから子供は宝って言うんです!」
リヴァイ「…なるほど」
ペトラ「だ、だから!知ってる人は!勇者っていうか神っていうか…尊敬すべき人なんです!」
ペトラ(えっ?!私何言ってんの?!)
リヴァイ「…そうか…」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:34:40.91 ID:VYeyAGA80
ーー食堂
ペトラ「みんな~ご飯できたよー」
エレン「はーい」
ペトラ「…あ、ごめんちょっとトイレ行ってくるね」
エルド「おう」
グンタ(ありゃ女の子の日ってやつだな…)
リヴァイ「…おい、お前ら」
オルオ「はいなんでしょう兵長!」
リヴァイ「この中に…」
リヴァイ「…子供の作り方を知っているやつはいるか」
エルグンオルエレ「?!」
リヴァイ「やはり…いないか?」
エルド(えっ?!何?!兵長もそういうの気にすんの?!)
エレン「な、なぜ急に」
リヴァイ「この中に勇者がいるか確かめたくてな」
グンタ(これまたなんだ?!勇者?!)
オルオ「え、えっと…知ってはいますけど」
リヴァイ「?!」
エルド「い、一応俺も知ってます」
グンタ「俺も…」
エレン「俺も知識くらいは…」
リヴァイ「??!!」
ペトラ「みんな~ご飯できたよー」
エレン「はーい」
ペトラ「…あ、ごめんちょっとトイレ行ってくるね」
エルド「おう」
グンタ(ありゃ女の子の日ってやつだな…)
リヴァイ「…おい、お前ら」
オルオ「はいなんでしょう兵長!」
リヴァイ「この中に…」
リヴァイ「…子供の作り方を知っているやつはいるか」
エルグンオルエレ「?!」
リヴァイ「やはり…いないか?」
エルド(えっ?!何?!兵長もそういうの気にすんの?!)
エレン「な、なぜ急に」
リヴァイ「この中に勇者がいるか確かめたくてな」
グンタ(これまたなんだ?!勇者?!)
オルオ「え、えっと…知ってはいますけど」
リヴァイ「?!」
エルド「い、一応俺も知ってます」
グンタ「俺も…」
エレン「俺も知識くらいは…」
リヴァイ「??!!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:38:10.96 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「……」
ヘイチョウ ドゲザ
エルグンオルエレ「?!」
オルオ「兵長?!」
リヴァイ(そんな…知らなかった…この班には、こんなにも勇者が溢れているなんて…)
エレン「兵長!だめです立ってください!」
エルド「急にどうされたんですか!!」
グンタ「悩みなら聞きますよ!!」
リヴァイ「だめだ…一生このままでもいい…」
エレン「へーちょー??!!」
ヘイチョウ ドゲザ
エルグンオルエレ「?!」
オルオ「兵長?!」
リヴァイ(そんな…知らなかった…この班には、こんなにも勇者が溢れているなんて…)
エレン「兵長!だめです立ってください!」
エルド「急にどうされたんですか!!」
グンタ「悩みなら聞きますよ!!」
リヴァイ「だめだ…一生このままでもいい…」
エレン「へーちょー??!!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:56:02.71 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「お前ら…このまま話を聞いてくれないか」
エレン「えっ…そんな」
エルド『いいんだこれで!兵長が判断されたんだからな!土下座のままで話すべきだと!』コソッ
エレン『…エルドさん…そうですね!』コソッ
エレン「…わかりました…何ですか兵長」
リヴァイ「…セーリはいつくるんだ?」
エルグンオルエレ「??!!」
グンタ(何?えっ何?兵長意外とヘンタイ?)
オルオ(兵長も俺らと同じ男だ…少しくらいそういうことも気になるんだ!きっと!)
エレン(男なら誰だって、女の子の日に興味を持ったりするものだよな!ああそうだ!)
エルド「えっと…個人差があるんですけど、早い人だと10歳とかからくるらしいですよ」
リヴァイ「…10歳?」
エレン「お、俺の幼馴染は14歳できたそうです!」
リヴァイ「…14歳?」
エレン「えっ…そんな」
エルド『いいんだこれで!兵長が判断されたんだからな!土下座のままで話すべきだと!』コソッ
エレン『…エルドさん…そうですね!』コソッ
エレン「…わかりました…何ですか兵長」
リヴァイ「…セーリはいつくるんだ?」
エルグンオルエレ「??!!」
グンタ(何?えっ何?兵長意外とヘンタイ?)
オルオ(兵長も俺らと同じ男だ…少しくらいそういうことも気になるんだ!きっと!)
エレン(男なら誰だって、女の子の日に興味を持ったりするものだよな!ああそうだ!)
エルド「えっと…個人差があるんですけど、早い人だと10歳とかからくるらしいですよ」
リヴァイ「…10歳?」
エレン「お、俺の幼馴染は14歳できたそうです!」
リヴァイ「…14歳?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 18:58:43.29 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「……」
リヴァイ「…セーリは、ケツの少し前の方から血が出てくることなんだろう?」
エルグンオルエレ「??!!」
グンタ(これまた何?!)
エレン(男ならみんな気になるもんだ!ああそうだ!)
オルオ(兵長に親近感を感じる…)
エルド「え、えっと…そうですけど」
リヴァイ「…セーリは、ケツの少し前の方から血が出てくることなんだろう?」
エルグンオルエレ「??!!」
グンタ(これまた何?!)
エレン(男ならみんな気になるもんだ!ああそうだ!)
オルオ(兵長に親近感を感じる…)
エルド「え、えっと…そうですけど」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 19:02:01.55 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「…そうか…」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…そうなのか…」
エルド「…兵長?どうしました?」
リヴァイ「…遅い人でどれくらいなんだ?」
エルド「えっ…と、遅くても17とか18にはくるんじゃないですかね?せめて20までには…おそらく」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…セーリがこない病気もあるのか?」
グンタ「えっ…ないこともないんじゃない…ですかね?」
リヴァイ「……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…そうなのか…」
エルド「…兵長?どうしました?」
リヴァイ「…遅い人でどれくらいなんだ?」
エルド「えっ…と、遅くても17とか18にはくるんじゃないですかね?せめて20までには…おそらく」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…セーリがこない病気もあるのか?」
グンタ「えっ…ないこともないんじゃない…ですかね?」
リヴァイ「……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 19:06:53.21 ID:VYeyAGA80
リヴァイ(…どういうことだ)
リヴァイ(…俺は30をこえている)
リヴァイ(なのに…)
リヴァイ(…セーリがこねぇ!!)
リヴァイ(俺は病気なのか?!そうなのか?!
リヴァイ(…俺は30をこえている)
リヴァイ(なのに…)
リヴァイ(…セーリがこねぇ!!)
リヴァイ(俺は病気なのか?!そうなのか?!
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 23:03:06.00 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「なぁおめぇら、セーリは痛いのか?!」
エレン「ふぇっ?!」
リヴァイ「どこがどう痛い?!まず、どうして血が出るんだ?!」
グンタ「えええっ」
リヴァイ「血管が破れるのか?!破裂するのか?!」
エルド(これまた恐ろしいことを言いだしたな兵長…)
エレン「ふぇっ?!」
リヴァイ「どこがどう痛い?!まず、どうして血が出るんだ?!」
グンタ「えええっ」
リヴァイ「血管が破れるのか?!破裂するのか?!」
エルド(これまた恐ろしいことを言いだしたな兵長…)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 23:08:31.96 ID:VYeyAGA80
エレン「それは、よくわからないんで…ペトラさんに聞いてみたらどうですか?」
リヴァイ「さっきペトラに聞いたが、あいつがなんかパニクっててよくわかんなかったぞ」
エルド(…聞いたんだ兵長…)
オルオ「まぁ…あまり知らなくていいんですよ。兵長は男ですし」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…?」
エルグンオルエレ「…?」
リヴァイ「…なぜ男なら知らなくていいんだ」
エルグンオルエレ「??!!」
リヴァイ「知る必要があるだろう…男女問わず(セーリがくるから)な」
エレン「…なんでですか?」
リヴァイ「…は?」
エレン「なんで男の兵長まで、そんなに知る必要があるんですか?」
リヴァイ「…当たり前だろう?(自分にもくるんだからな)」
エレン「……」
エレン(そういうもんなのか?)
リヴァイ「さっきペトラに聞いたが、あいつがなんかパニクっててよくわかんなかったぞ」
エルド(…聞いたんだ兵長…)
オルオ「まぁ…あまり知らなくていいんですよ。兵長は男ですし」
リヴァイ「……」
リヴァイ「…?」
エルグンオルエレ「…?」
リヴァイ「…なぜ男なら知らなくていいんだ」
エルグンオルエレ「??!!」
リヴァイ「知る必要があるだろう…男女問わず(セーリがくるから)な」
エレン「…なんでですか?」
リヴァイ「…は?」
エレン「なんで男の兵長まで、そんなに知る必要があるんですか?」
リヴァイ「…当たり前だろう?(自分にもくるんだからな)」
エレン「……」
エレン(そういうもんなのか?)
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 23:13:13.61 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「…そうだ、もし血が出るんなら、ズボンが汚れないか?」
オルオ「えっ」
リヴァイ「しかし(お前らのズボンが)汚れてるところを見たことがねぇ…」
グンタ(兵長ペトラのどこ見てんですか?!)
リヴァイ「どうするんだ?ティッシュでも詰めんのか?」
エルド(兵長、自分で何言ってんのかわかっているのだろうか)
オルオ「えっ」
リヴァイ「しかし(お前らのズボンが)汚れてるところを見たことがねぇ…」
グンタ(兵長ペトラのどこ見てんですか?!)
リヴァイ「どうするんだ?ティッシュでも詰めんのか?」
エルド(兵長、自分で何言ってんのかわかっているのだろうか)
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 23:14:55.56 ID:VYeyAGA80
オルオ「えっと、その…ソレ用のがあるらしいですよ」
リヴァイ「…そうなのか?」
エレン「あ、幼馴染も言ってました!『なふきん』とか何とか…」
グンタ(エレン!普通に言わないでくれ!!)
リヴァイ「…そうなのか?」
エレン「あ、幼馴染も言ってました!『なふきん』とか何とか…」
グンタ(エレン!普通に言わないでくれ!!)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/17(日) 23:21:13.75 ID:VYeyAGA80
リヴァイ「…そうか」
リヴァイ「…いきなり変な話してすまなかったな」
オルオ「いえ!兵長の聞きたいことならなんでも言ってください!できる限り答えますから!」
グンタ「悩みも相談してくださいね!」
リヴァイ「…ああ」
リヴァイ(なんていい奴らだ…いつもこんなに俺のことを大切に思って…)
リヴァイ(そして…今の俺の悩みは一つ)
リヴァイ(…セーリがこないことだ)
リヴァイ「…いきなり変な話してすまなかったな」
オルオ「いえ!兵長の聞きたいことならなんでも言ってください!できる限り答えますから!」
グンタ「悩みも相談してくださいね!」
リヴァイ「…ああ」
リヴァイ(なんていい奴らだ…いつもこんなに俺のことを大切に思って…)
リヴァイ(そして…今の俺の悩みは一つ)
リヴァイ(…セーリがこないことだ)