シンジ 「 倒壊した建物の隙間に閉じ込められた、アスカと二人で 」
シンジ「アスカ、そんな格好で寝てたらお行儀悪いよ...」
アスカ「うるさいわね、バカシンジ!あんたはあたしの保護者かっての!」
シンジ「で、でも、ミサトさんにも注意されて」
アスカ「今日はミサトは帰ってこないからいーの!さっさとお風呂沸かす!」
シンジ「わ、分かったよ、ちょっと待ってね...ん?」カタカタッ
アスカ「ちょ、ちょっと、え、なにこれ」カタカタ
シンジ「地震、かな、でもそこまで、っうわぁ!」ドンッ
アスカ「きゃあああああああ!」ガタガタ
シンジ「か、かなり大きいよ!アスカ!倒れてくる物に注意して!」ガタガタ
アスカ「なによこれ、なんなのよ!」
シンジ「っ、ヒビが!アスカ!こっちに!」
アスカ「で、でも!こういう時は机の下って!」
シンジ「いいから早く!早くこっちに!」
アスカ「揺れて、て!動けないのよ!」ガラッ
シンジ「っ、危ないアスカ!」ダッ
アスカ「え」グイッ
アスカ「きゃああああぁぁぁぁ......」ガラガラガラガラ...
アスカ「...っ...ンジ...起きなさいよ!バカシンジ!」
シンジ「...アス、カ?」
アスカ「シンジ!大丈夫!?意識はちゃんとある!?」
シンジ「う、ん...意識は、ある...っ痛!」
アスカ「ちょっと!どっかケガしてんの!?」
シンジ「み、右足が、何かに挟まって...っ」
シンジ「ごめんアスカ、挟まってるもの、退かせれ、る...?」
アスカ「く、暗くてよく見えないけどやってみるわ!」
シンジ「う、ん、ごめんね...」
アスカ「ふ、ん...!っ、うぅぅ...!」グイィ
シンジ「...アスカ、厳しそう?」
アスカ「こ、このアスカ様に無理なことなんてっ!」
シンジ「アスカ、アスカが怪我したら、元も子もないから...」
シンジ「大丈夫、圧迫されてるけど、もう、大丈夫、だよ...」
アスカ「...バカね、あんたのどこが大丈夫そうなのよ」
シンジ「救助が来るまで待っとくよ、すぐ、来るはずだから」
シンジ「大丈夫、アスカは悪くないし、僕は死なないから、だから」
シンジ「そんな泣きそうな顔しないでよ、アスカ」
アスカ「...っ、ごめんね、シンジ」グスッ
シンジ「ねえ、アスカ、暗くてよく見えない、けどさ」
シンジ「アスカが分かる範囲で良いから、どういう状況か、説明してもらえる?」
アスカ「う、ん、あの時、シンジがあたしの手を引っ張って、部屋の隅に移動させられて」
アスカ「その瞬間に、建物が崩れて、瓦礫に埋もれて」
アスカ「ここだけ、家財道具とかの隙間が出来てたから私は助かった、けど」
アスカ「あんたは全然動かなくて、あたし、どうしたらいいか、わか、らなく、てっ...」グスッ
シンジ「...そっか」
アスカ「ごめんね...シンジ...あたしがあの時、もっと早く移動してたら...っ」
シンジ「ううん、気にしなくていいよ、アスカ」
シンジ「ヨーロッパでは地震は少ないっていうし、二人とも助かったんだから」
アスカ「バカシンジ、あんたは無事じゃ済んでないじゃない...」
シンジ「足だけなんだから、大丈夫だよ、アスカ、心配しないで」
シンジ「ところで、救助は呼んだ...?」
アスカ「電波、繋がらなくて...」
シンジ「そっか、それじゃあ、ちょっと待たないとね」
アスカ「...うん」シュン
シンジ「こんなにしおらしいアスカを見る日がくるなんてね...」タハハ
アスカ「茶化すな、バカシンジ...」
シンジ「いつもだったら、こんな近くにアスカの脚があったら、怒鳴られてるのに...」
アスカ「え、あっ、ちょ、ちょっと!変態シンジ!何見てんの!」アセアセ
シンジ「だ、だって、動けないんだから、しょうがないじゃないか!」
アスカ「そ、それでもそんなことフツー口に出して言う!?あんたバカァ!?」
シンジ「...あはは、やっぱりアスカはそうじゃなきゃ」
アスカ「な、なに言ってんのよ!このバカシンジ!変態!サイテー!」ゲシゲシ
シンジ「ちょ、ちょっと、蹴らないで!痛い痛い!」
アスカ「ところで、あんたどうして部屋の隅に逃げたのよ」
アスカ「学校の防災訓練じゃ机の下でしょ?何か理由があるの?」
シンジ「うん、何かで見たんだけど、結局机の下だと小さくて、足とか挟みやすいんだって」
シンジ「だからこうして、壁際に、壁際って固いし、普通は脱出しやすいらしいよ」
アスカ「脱出、かぁ...」
アスカ「ここから出れるのかな、あたしたち...」
シンジ「GPSもあるから、場所は分かると思うよ」
シンジ「それに、自分で言うのもなんだけど、僕達の救出優先度って低くないと思うし」
シンジ「2時間くらいで、救出されると思うよ、だから、心配しないで、アスカ」ニコッ
アスカ「...うん」
アスカ(あんたが気絶してる時間だけでも2時間は経ってるのよ、バカシンジ...)
アスカ「っ、ミサトから!電波繋がったんだ!」ピッ
アスカ「もしもしミサト!今どこにいるの!」
ミサト『...カ...こで...てる......ぶ...く......から』
アスカ「なに!?全然聞こえない!ミサト!?」
ミサト『...だか...こ...ンジ......いま...か...ら...』
アスカ「ああもう!聞こえないからこっちの伝えたいことだけ伝えるわよ!」
アスカ「今ミサトの部屋なの!でもミサトの部屋崩れて、なんとか隙間に逃げ込んだわ!」
アスカ「シンジの足が挟まってるけど、今の私じゃどうにもできない!早くきて!」
ミサト『...は...るの...ぜった......しちゃ...だ... 』プツッ
アスカ「あっ、きれた...」
シンジ「でも、場所とかは伝えれたから、すぐにでも助かるよ」
アスカ「ええ、後は待つだけ、頑張って耐えなさいよバカシンジ」
シンジ「うん、頑張り、たいな」ツゥ
アスカ「遅いわね、ミサト、全然来る気配ないじゃないの」
シンジ「そう、だね、でも、来てくれる、よ...」ウツラウツラ
アスカ「ちょっとあんた、顔色悪いわよ、ホントに大丈夫?」
シンジ「う、ん、なんか、意識が少し、あと、足もなんだか...」
アスカ「ちょ、ちょっと、それ大丈夫なの!?足は圧迫されてるだけって...っ」ハッ
アスカ「足から血が出てるじゃない!なんで言わないの!」
シンジ「え、血...?」
アスカ「...あんた、もしかして、足の感覚が」
シンジ「ごめん、ね、痛みがもう...感じなくて...」
アスカ「このままじゃ足が使い物にならなくなるわよ!」
シンジ「う、ん...」
アスカ「ちょっとバカシンジ!しっかりして!バカシンジ!シンジ!」
アスカ(シンジは見たところ頭に傷はない、だから、原因は圧迫されてる足に)
アスカ(イヤ、また、目の前で大切な人が亡くなるのは、イヤ、イヤ!)
アスカ「くそっ、動いて、動いてよ、動かすのよあたし!」グググッ
アスカ「動いて、動いて、動けえええええええ!」ググッ ガラッ
アスカ「っ!やった!シンジ、足引っこ抜いて!」
シンジ「わか、った...」
アスカ「っうあぁ!はぁ、はぁ、はぁ、や、った...」
シンジ「ぅぁ、っう...」
アスカ「はっ、シンジ!もう大丈夫よ!もう大丈夫だからね!」
シンジ「...そ、っか、アス、カ」
シンジ「ありがとう、ね...」
アスカ「っ、べ、別にこんなのあたしにとっては余裕よ!」
シンジ「ふふっ、照れ隠しが、下手くそなん、だから...」アハハ
アスカ「だれが照れ隠しよ!だれが!」ゲシッ
シンジ「蹴らない蹴らない、でも、これで後は、待つだけ、だね」
アスカ「ええ、そうね、ちょっと疲れたから、あたし寝るわね」グイッ ボフッ
シンジ「わかった、って、ちょっと、アスカ...?」
アスカ「痛みに耐えたご褒美よ、なによ、あたしの膝枕が気に食わないっての?」ギロッ
シンジ「...ううん、ありがとう、おやすみ、アスカ」
アスカ「ええ、おやすみ、バカシンジ」
アスカ「...ぅ、ん、結構寝れたわね、なにか進展あった、バカシンジ?」
シンジ「」
アスカ「あんたまで寝てるの?ほら、起きなさい、バカシンジ、膝から降ろすわよ」
シンジ「」
アスカ「...ねえ、シンジ?早く起きてよ、ねえ、シンジ?シンジ!?」
アスカ「ほら!冗談よしてよ!シンジ!なんでよ!シンジったら!ねえ!」ユサユサ
シンジ「...ア...ス......カ......」ヒュー ヒュー
アスカ「シンジ!どうしたの!ねえったら!」プルル プルル
アスカ「っ、もしもしミサト!今どこにいるの!」
ミサト『やっと繋がった!今そっちに向かってるわ!後少し待ってなさい!』
アスカ「ねえ!シンジの息が浅いの!どうしたらいい!?」
ミサト『っ!あんたもしかして、シンちゃんの足瓦礫から引っこ抜いたりしてないわよね!?』
アスカ「シンジが苦しそうだから、頑張って引っこ抜い」
ミサト『なにやってんのよバカ!!!』
アスカ「ひっ!」ビクッ
ミサト『電話口で言ったじゃない!絶対に足を抜いたらダメだって!』
アスカ「電波が悪くて聞こえなかったの!それになんでダメなのよ!」
ミサト『クラッシュ症候群よ!圧迫された場所が壊死して毒素が発生するの!』
ミサト『圧迫した部位を解放したら、その毒素が臓器に回ってダメージを及ぼすのよ!!』
アスカ「...う、そ、そんなの、聞いてない」
ミサト『しっかりしなさいアスカ!軽度のクラッシュ症候群なら治療も可能よ!』
ミサト『私達は後30分程度でそこに着くわ!今のシンちゃんの様子は!?』
アスカ「い、いまのシンジの様子は...」チラッ
シンジ「」ヒュー ヒュー
アスカ「唇が紫色で、顎だけで、呼吸してて」
ミサト『......』
シンジ「」ヒュ ヒュ
アスカ「あ、ぅぁ、どんどん、呼吸が浅くなって、ねえ、ねえ、ミサトったら」グスッ
アスカ「どうしたらいいの、ねえ、教えて、やだ、やだぁぁぁ」ポロポロ
ミサト『...アスカ、落ち着いて聞いて』
ミサト『......今の内、に、ね』
ミサト『今の内に、シンちゃんに最期の挨拶をしておきなさい』
アスカ「...え」
ミサト『それは、死線期呼吸の初期症状よ、直に、心停止することになる』
ミサト『いえ、もっとハッキリ言うわ、シンちゃんは、助からない』
アスカ「...イヤよ、イヤ、助かるの、シンジは、だって、もう大丈夫だって」
ミサト『私達も全力を尽くすわ、だけど、覚悟はしておくべきよ』
アスカ「日本の医療は、凄いってママが言ってたの、だから、だから」
ミサト『...アスカ』
アスカ「きっと、シンジは、すぐに治って」
ミサト『アスカっ!!!』
アスカ「っ!」
ミサト『逃げちゃダメよ、アスカ、現実からも、あなた自身からも』
ミサト『アスカ、私は伝えたわ、1日後のあなたが後悔しないように、あなたは行動すべきよ』
ミサト『すぐに...あっ...ううん、すぐに、すぐに、すぐに、行くから、待っててね』ピッ
アスカ「え、あ、ミサト、まって」プツッ
アスカ「...ウソよ、そんなの、だって、シンジは、シンジは」チラッ
シンジ「」
アスカ「っあ、あぁ、シンジ、しんじ、しんじぃ、なんでぇ...」ポロポロ
アスカ「しんじ、起きて、起きてよぉ、お願い、起きて、あぁぁ...」
アスカ「しんじ、しんじ、しんじぃ...ぅぁぁ...」
アスカ「.........」
『1日後のあなたが後悔しないように、あなたは行動すべきよ』
シンジ「」
アスカ(...死線期呼吸、思い出せ、これは、心肺停止のサイン、だから)
アスカ(心臓マッサージと、人工呼吸で、まだ、助かるはず)
アスカ「...っ、そうよ、そう、まだ、まだ死んでないから、だから」グッ
アスカ「起き、なさいよ、ばか、しんじ、あんた、大丈夫、って、言った、でしょ!」グッ グッ グッ
アスカ「だから、だから、起き、てよ、シンジ、んっ」グッ グッ フーッ
アスカ「...っ...!」グッ グッ グッ フーッ
シンジ「 ...っぁ」ヒュ ヒュ
アスカ「っ!シンジ!あんた、意識が!」
シンジ「......あ...す...か」
アスカ(シンジは、今にも消え入りそうな意識を、取り戻して)
アスカ(ああ、もう、思い出した、ドイツの座学で習った、クラッシュシンドロームの症状)
アスカ(応急処置を施しても、意味ないって、すぐに意識が低下して、それで)
アスカ(でも、そんな、意識を取り戻したのに、すぐに、すぐに、しんじは)
アスカ「しん、じ、あ、ぅぁぁ、ああぁぁぁぁぁ...」ポロポロ
シンジ「.........」
アスカ「ぅあ、ああぁぁぁ...ああああぁぁぁぁ......」ポロポロ
シンジ「...あす、か」スッ
アスカ「あ、ぅぁ、しん、じ...」
シンジ「ごめ、ん、ね」
アスカ「...っ!なんで、あんたが謝るのよっ!」ギュッ
シンジ「あす、か、を、泣かせた、から...」
アスカ「ううんっ、そんなことないっ、あたしは、あたしはっ!」
アスカ「あんたがいてくれたから、ここまで、これたのにっ!」
アスカ「あんたがいないと、ダメなの、だから」
アスカ「だから、あたしは、あんたにもっと...」
アスカ「ぅぁ、ああぁぁ、ああぁぁぁぁ.....!」
シンジ「あす、か...耳、よせて...」
アスカ「うん、うんっ、聞いてあげるからっ」
シンジ「あす、か」
アスカ「.........」
シンジ「...あり、がとう」
アスカ「っ!」
シンジ「...これ、だけは、伝えておきたくて」
アスカ「しんじ、しんじぃ...うあぁぁぁぁぁ...っ!」ギュゥ
アスカ「あたしだって、あんたに、感謝してて」
シンジ「う、ん」
アスカ「あたし、あんたと出会えて、ホントに人生変わって!」
アスカ「あんたと離れたくないのっ、好き、大好きなのっ、だから」
アスカ「あたしが死ぬ最後の時まで傍にいてよ!こんなところで死なないでよ!しんじ!」
アスカ「しんじぃ、離れちゃやだぁぁ、ああぁぁぁ...」
...
シンジ「...ごめん、ね、あすか」
アスカ「...なに謝ってんのよ、バカシンジ」
シンジ「本当は、だきし、めて、あげたい、んだけど」
シンジ「もう、体の感覚が、なく、てさ」
アスカ「ううん、いいのよ、こうやって最期に気持ちを伝えられたから」グスッ
アスカ「普通の奴だったら、意識を取り戻す前に死んでるわ、しぶといわね、バカシンジ」
シンジ「は、は、ねえ、あすか、最期にお願い、聞いてもら、って、いい、かな」
アスカ「今なら何でも聞いてあげるわよ、ほら、さっさと言いなさい」
シンジ「ひとりは、さみしい、から、さいごまで、そばに...」
アスカ「ふん、そんなの頼まれなくても、やってるっての」
シンジ「ふふ、あすか、あり、がとう」
アスカ「それはこっちの台詞よ、ありがとう、シンジ」
あすか いる?
ええ ここにいるわよ
はなれない で
ええ 何があっても離れないから 安心しなさい
あすか
なに
あえて よかった
あたしもよ
もう ねむくなってきたよ
そっか あたしは近くにいるから 安心して寝ていいわよ
あすか
うん
あす か
うん
あ す か
うん
...
......
.........
「おやすみ、しんじ」
―――――――――
――――――
―――
-
ミサト『と、このように知識は時に命を救い、愛情もとい勇気は時に命を奪うわ、分かったかしらヤンデレ』
アスカ『誰がヤンデレよ誰があああああああ!』
シンジ『ちょ、アスカ、落ち着いて』
ミサト『一般人がエヴァの災厄に晒されるのと同様、あなた達も自然災害に巻き込まれる可能性はあるの』
ミサト『その時、命を守るのはあくまで知識よ、無謀な勇気じゃ人は救えない、そこは履き違えないでね』
シンジ『で、でも、友情で人を救えることだって』
ミサト『破ぁ?』
シンジ『漢字変換に悪意があると思うんですよミサトさん』
アスカ『破ぁ?』
シンジ『うるせえ父さんに言えダミープラグぶつけんぞ』
アスカ『でも、そうね、友情で人を救える時も、あるかもしれないかもわね』
シンジ『アスカ!やっぱり君だけはへぶしっ!』ベシッ
ミサト『あら、珍しいじゃない、アスカがシンちゃんの肩を持つなんて、それは、どういう時?』
アスカ「人の心を救うのは、知識じゃなくて友情だと思うわ、あたしの笑顔のようにね」
アスカ「人の命を救うのは幾人の知識かもしれないけど、人の心を救うのは一人の感情じゃないかしら」
アスカ「それは、機を逃すと二度と得られないものよ、だから、あたしはそれも大事にしていきたいわ」
アスカ「ちょっと、シンジ、何笑ってんのよ!バカシンジ!女の子を馬鹿にするなんて最低ね!」
ミサト「......アスカ」
アスカ「ミサトも!何からかってんの!ああもう!部屋で寝るわね!また明日!それじゃあ!」
アスカ「おやすみ、しんじ」
終 劇
おつおつ
エヴァでアスカ派から動いたことは無い
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506787230/
Entry ⇒ 2017.11.27 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
レイ「二番目の人」
レイ「二号機の人?」
アスカ「しらばっくれるき?アタシ、ちゃんと聞こえてたんだから!?」
レイ「......」
アスカ「アンタ、さっきアタシの事、二番目の人って言おうとしたでしょ?」
レイ「......」
アスカ「ちょっと、何か言いなさいよ!」
レイ「だって、アナタ、二番目だから」
アスカ「はああああっ!?何が二番目なのよ!?ふっざんじゃないわよ!?」
レイ「だって、碇君の一番は私だから...」
アスカ「あん?」
レイ「碇君は私を最初に受け入れてくれたの。アナタは二番目」
アスカ「は?......は?」
アスカ「ちょっと待ちなさい!?は?初めて?は?何が?てか、何、その顔、ムカつく?」
レイ「え?」(・∀・)ナニガ?
アスカ「ムカつく。ていうか、ありえないし、シンジはアタシが初めてだって言ってたし」
レイ「それは、嘘。だって、アナタは睡眠薬で眠らせた碇君を襲ったから... 」
アスカ「っ!?えっ!?はぁっ!?な、なんで?なんで、アンタ...」
レイ「碇君の部屋には隠しカメラが設置してあるの」
アスカ「げ、まさか、ネルフ!?」
レイ「大変だった」(*´・ω・`)=3
アスカ「アンタが設置したんかい」
アスカ「ふざけんな」
レイ「ちなみに、私のも録画した。ハイビジョン!!高画質!!時代は200K!?」
アスカ「ゴメン、ちょっと待って、頭痛い。なに?アンタ、そういう性格だった
っけ?」
レイ「イメチェン?」
アスカ「いや、まず、それすら考えそうにないと思ってた」
アスカ「え?ドラクエ?」
レイ「碇君がしてたから...」
アスカ「あ、そ」
レイ「ニフラム」
アスカ「消えないわよ。てか、なに、さらっと人を格下扱いしてんのよアンタ?」
レイ「......」
アスカ「謝んなさいよ」
レイ「二番目にしてごめんなさい」
アスカ「そういう謝り方!?いや、そもそも謝ってないし。馬鹿にしてんの!?」
レイ「ごめんなさい、ちょっと何言ってるのか分からない」
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
*
シンジ「ミサトさん、アスカが帰って来ないんですけど、何か聞いてません?」
ミサト「え~?さぁ?それより、シンちゃ~ん♡おつまみ、もっとちょ~だぁい♡」
シンジ「はぁ...一応、ミサトさんは、僕たちの保護者なんだから、せめて、アスカが帰ってきてから酒盛りして下さいよ」
ミサト「でへへ、だぁって、やぁと、お仕事が一段落して、明日は久しぶりの休日なのよ~?これが、飲まずにはいられますかってなものよぉ~」
シンジ「別に次の日が休みじゃなくても、いつも飲んでるじゃないですか、ミサトさんは...」
ミサト「なあによお?シンちゃんわあ、私がお酒飲んだら駄目って言うのぉおっ!?」
シンジ「ちょ、ミサトさん、声が大きいですよ!!ご近所迷惑になるから、もう少し」
ミサト「まっ!大きいだなんて、シンちゃんったら、やらしい~♡」
シンジ「駄目だ、完全に酔っ払ってる。早く帰って来てよ、アスカ...」
ミサト「酔ってるわよぉ!悪いぃ?お詫びにチュウしちゃう~?」
シンジ「なっ…」
シンジ「わぁあっ!?お、おかえりなさい?」
ミサト「ちょっと~、机叩かないでよ~、ビールがこぼれちゃうわ~」
シンジ「そ、そうだよ、危ないじゃないかアス」
レイ「ただいま」スタスタスタ
シンジ「ええっ?」
アスカ「うっさい!バカシンジ!」
シンジ「なんで僕だけ!?じゃない、綾波?なんで?」
レイ「あなたは私が守るから…」
シンジ「え?」
アスカ「それより!あんたいま何をしようとしてたわけ?」
シンジ「へ?何もしてないけど?強いて言えば料理をしようかと」
ミサト「そ~よ~♪シンちゃんはいまからアタシの為に愛妻料理を」
レイ「アナタは要らないわ、皆が言ってるもの」
アスカ「あら奇遇ね、アタシも同じ意見だわ」
シンジ「アスカ!?」
ミサト「……」グビッグビッグビッ
アスカ&レイ「……」
ミサト「プッハァ~♪え、な~に~?」
アスカ&レイ「」イラッ
シンジ「に、逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃ!アスカも綾波もっ!ご、ご飯食べるでしょ?僕いまから作るから!みんなで一緒に」
レイ「ちょっと待って碇君」
シンジ「う、うん。何かリクエスト?」
レイ「何故、私じゃなくてあの人が先なの?」
シンジ「……え?」
レイ「何故、レイも二番目の……二号機の人もご飯食べる、じゃないの?」
シンジ「……え」
アスカ「よっし!そのケンカ買ったぁー!!アンタを泣かす!!」
アスカ「コイツが変なのはいつもの事でしょ!退いてバカシンジ、泣かすわ!」
レイ「碇君、私はどこか変なの?」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「えっ!?」
アスカ「」イラッ
シンジ「へ、変じゃないよっ!綾波はどこも変じゃない!!」
レイ「ほんと?」
シンジ「本当だよ!」
レイ「よかった」シンジダキシメ
シンジ「っ?は、はやなみっ!」レイダキシメ
レイ「……」チラッ
アスカ「」
レイ「」( ´,_ゝ`)フッ
アスカ「コロスワヨ」
ミサト「え~?な~に~?学芸会か何かかしら~?」グビッ
アスカ「ミサトは黙ってて!」
シンジ「あ、ご、ごめん、綾波!」
レイ「大丈夫。保存した」(*´∀`)♪200K
シンジ「?」
アスカ「アンタ、いい度胸してるわ。マ・ジ・で泣かすわ」
レイ「嫉妬乙」
アスカ「氏ね」
シンジ「ちょ、アスカ危ない!」
ミサト「ちょっと~、暴れないでよ~、部屋が汚れるわ~」
シンジ「いや、ミサトさんが言えたことじゃ」
ミサト「でへぇ♡シンちゃん、ごみーんねぇ♡」
レイ「私は私。アナタには出来ない事をして何が悪いの?」
アスカ「そういう事を言ってんじゃないのよっ!このアバズレがぁー!」
アスカ「!!」
レイ「したらいいわ」
アスカ「……」
レイ「出来るものなら」
アスカ「……」
シンジ「とにかく、アスカ落ち着いて。落ち着いて話を、アスカ?…あれ?落ち着いたの?」
レイ「碇君、私イメチェンしたの」
シンジ「え?イメチェン?」
レイ「私は私。他の誰でもない。だから、綾波レイはイメチェンしたの」
シンジ「えっと、うん……いいんじゃないかな?綾波がどんな性格をしていても綾波は綾波だよね?」
ミサト「そ~かしらぁ~♪」グビッグビッ
レイ「」イラッ
シンジ「ちょっと、ミサトさん。飲み過ぎですよ」
アスカ「シンジ!」
アスカ「シンジ!」
シンジ「え、うん。な、なに?」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ?」
アスカ「」モジモジ
シンジ「?」
アスカ「シンジ?」( ´△`)
シンジ「え、どうしたのアスカ?わりとマジで」
ミサト「ぶわっははははは!」グビッグビッグビッ
レイ「」イラッ
アスカ「うぅ~っばかぁ」(/´△`\)
ミサト「シンちゃんそんな事よりおつまみまだぁ?」
シンジ「あ、はい。ミサトさんちょっと待って下さいね」
シンジ「ん、なに?」
レイ「最後の石板がどこにあるのかわからないの。神様と戦えない」
シンジ「は?」
ミサト「シンちゃーん」グビッグビッ
レイ「現代も過去も探してみたけど私には見つけられなくて困ってるの」
シンジ「あ、ドラクエ?セブン?んー、もしかして、あの場所じゃないかな?ほら、珊瑚の」
アスカ「シンジ!」
シンジ「うわっ!だから急に」
アスカ「あた、あたしも」
シンジ「アスカも!?」
アスカ「ツゥ!ツゥが難しいの!ツゥが一番難しいの!知ってる!あたし知ってるんだから!」
シンジ「し、知ってるんだ?」
アスカ「し、知ってるわ」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「えっと、クリア出来なかったってこと?一緒にやる?」
アスカ「やる!」(°▽°)
レイ「超絶必至」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「うっさい!」(# ゜Д゜)
シンジ「とりあえず、ゲーム機は僕の部屋にあるから持ってくるよ」
マリ「そこでマリちゃん颯爽と介入!!呼ばれて飛び出てマリちゃんじゃーん!?」
レイ「氏んで」
マリ「ひどっ?なに?あたし今回こういう役どころ?」
アスカ「アンタ不法侵入よ」
マリ「にゃは、い・ま・さ・ら☆」テヘペロ
アスカ&レイ「」イラッ
マリ「わんこ君」
シンジ「はい」
マリ「七つの玉を集めにあたしとアドベンチャーしないかい?」
シンジ「はい?」
マリ「あ、ドラゴン違いだったか。にゃはは、絵師は一緒なのにね~」
アスカ「アンタ何しに来たのマジで」
マリ「いや、ほら、仲間外れは嫌じゃん?」
ミサト「シンちゃはぁん」
シンジ「あ、はいはい」
マリ「やっぱり、あたしとしてはさ。負けられない止まらないわんこ君争奪戦な訳じゃん?抜け駆けはよし子さんだと思う訳さ」
アスカ「はぁ?争奪?誰が誰を?あ、あたしがバカシンジを?そんな訳」
マリ「はい、一人脱落。綾波のレイちんとあたしちんの一騎討ちになりました」
レイ「臨むところ」
アスカ「待った!待て!そ、そりゃ、あたしだって?バカシンジの世話をしてきた訳よ?それはそれは仕方なくよ?でも、それはバカシンジもバカシンジであたしに世話をやかせたんだから感謝の印ってものを見せなきゃいけない訳じゃない?だから、あたしがどうのこうの言ってもバカシンジがあたしに感謝してあたしの側であたしに尽くすのは当然になる訳でだからあたしが争奪戦に」
アスカ「……参加」
カヲル「やぁ!シンジくんのお世話をしたというならボク」
アスカ「ニフラム」
レイ「ニフラム」
マリ「ニフラム」
カヲル「」
マリ「まぁ、モウモウホウホウくんは捨て置いて」
アスカ「は?アタシ嫌よ。このままコイツがこの家の中に居るの」
レイ「右に同じく」
マリ「にゃはは、だってさ。はい、ちゃっちゃっと帰る。それとも、スイーパーさん呼ぶ?」
カヲル「」
シンジ「あれ?カヲ」
アスカ&レイ&マリ「いますぐ消えろ!」
シンジ「あれ?見間違い?」
シンジ「はい?」
マリ「はい、キッス」チュッ
シンジ「んなっへわ?」
アスカ「ちょっと!マッ…コネ、メガ、アンタ……ふぅ……バカシンジィイ!!」
シンジ「何で僕に怒鳴るんだよぉ」
アスカ「あんたが隙だらけだからでしょーがーぁ!!」
レイ「碇君、コレどーする?処す?処す?」
マリ「痛たっ、にゃはは、つい。て、痛い痛い。あ、綾波のレイちん、痛いよぅ、あたしの髪の毛が抜けちゃうよぅ」
レイ「焼け野はらになればいい」
アスカ「焼き払いなさい」
マリ「キミら巨神兵かっ!?」
レイ「何故?」
シンジ「ええっ?何故って」
レイ「もしかして、そこからコレを薙ぎ払うの?」
マリ「だから、巨神兵かっ!?」
アスカ「ほんと全部腐ってるわねアンタ」
マリ「だから、巨神へっ、いや、ちょっと待ってさすがにへこむ。全部は腐ってないからね?ちょっとは腐ってても全部は違うからね」
シンジ「仲良く!!お願いだから、みんな仲良くしてよ!!僕どうしたらいいか、わかんなくなるからさ!!仲良く!!」
アスカ「仲」チラッ
レイ「良く」チラッ
マリ「ねぇ~☆」チラッ
*
リツコ「それで?」
ミサト「いやぁ、それでアタシそこで寝ちゃったのよ~。シンジ君のお料理食べたらお腹いっぱいになっちゃってさぁ~」
リツコ「そう」
ミサト「んでも、そっちでも撮ってたんでしょ?」
リツコ「えぇ、まだ見てはいないけど。一応、家の中の全てに監視カメラを設置してあるわ」
ミサト「あはは、家の中全部。これが飲まずにいられますかってねぇ~あはは…」
リツコ「仕方がないわ。こうなった以上、全ての情報を吟味しないと解らない事は解らないままなのだから」
ミサト「まねぇー。わかっちゃ、いるんだけどさぁ、さぁすがに24時間公開撮影はキッツいかなー」
リツコ「アナタは家の中限定よ。そもそも対象はアナタじゃないし」
ミサト「わかってるって。んでも、録られてるのは変わらない訳だし。だからと言って家に帰らない訳にはいかないでしょー、はぁー、休まる場所がないわー」
リツコ「ネルフに泊まればいいじゃない」
ミサト「あ~、まぁね。でも、いいの?」
リツコ「保護観察者が不在の状態のあの子たちを見るのもいいと思うわ」
ミサト「なぁーにするか、わっかんないわよ~?」
リツコ「それも上等なサンプルになるわ」
リツコ「?」
ミサト「ドラクエ7って知ってる~?」
リツコ「えぇ、ドラゴンクエストと呼ばれるテレビゲームね。一応、知ってはいるわ」
ミサト「加持の野郎がさぁ、昔やっててさぁ。まぁ、アタシも知らない訳じゃないのよ」
リツコ「それで?」
ミサト「7ってなに?」
リツコ「七番目という事でしょ?」
ミサト「……いや、6は知ってんのよ6は。7?いつの間に出たの?いいえ、何故、存在しているの?」
リツコ「……2000年頃に発売されたみたいね」
ミサト「はっ、セカンドインパクトのご時世に?」
リツコ「詳しくはその2~3週間前ね」
ミサト「ふ~ん」
リツコ「何かおかしい所があるかしら?」
ミサト「さぁ?」
ミサト「……」
リツコ「生と死。戦いと傷跡。記憶と体」
ミサト「何回…繰り返した?」
リツコ「さぁ?ミサト、アナタはどの時のミサトなのかしらね?」
ミサト「そういうリツコは?」
リツコ「それこそ、さぁ?」
ミサト「アタシたち戦ったのよね?」
リツコ「あら?いまも戦っているじゃない」
ミサト「そういうことじゃなくて!」
リツコ「最初の戦いでは戦自に死者が出たわ」
ミサト「急になに?」
リツコ「アナタがシンジ君を迎えに行ったあの日、死者が出たわ」
ミサト「そりゃ、シトにとって人間の命なんてあってないようなものよ。仕方がないわ」
リツコ「でも、いま現在その死者は普通に生活しているわ」
リツコ「辿れたのはそこまで。その前に死んでしまった者は変わらず死んでしまった者のまま。でも、それ以降に死んでしまった者はその限りではない」
ミサト「どういう事?」
リツコ「生と死、確かに死んだ。戦いと傷跡、戦いそして敗れた。記憶と体、その恐怖を覚えているだけど変わらずいまも綺麗な体で生きている」
ミサト「死んだのは事実。でも、いま生きているのも事実、か」
リツコ「さて、問題です。いま私たちが戦っているシトは何番目でしょう?」
ミサト「は、そりゃ……え?」
リツコ「さて、問題です。私たちはいつからこの世界で活動し始めたのでしょう?」
ミサト「……」
リツコ「……」
ミサト「飲まずにいられますかってねぇ…」
リツコ「あら、私は楽しいわ」
ミサト「まじ?」
リツコ「第二の人生みたいなものでしょ?」
ミサト「あぁ…強くてニューゲーム的な?」
ミサト「ゼーレ?」
リツコ「それもあるけど。たぶん、
これは細い綱渡りみたいなもの。少しのずれが致命的にこの不思議な世界を壊す」
ミサト「原因、ね。それがあの子たちの誰かって事でいいのよね」
リツコ「えぇ、たぶん」
ミサト「シンジ君じゃないの?」
リツコ「引き金には違いないけど。ここまで創れるのに、母を亡くして父に捨てられた世界を望むかしら?」
ミサト「ま、円満家族を望むでしょうね」
リツコ「彼を起因としたプロモーターがいるはずだわ」
ミサト「で、そいつが見っかったらどーすんの?」
リツコ「ゼーレなら接触を図り、再び補完計画を強行するでしょうね」
ミサト「はっ、クソゲーね」
リツコ「ただし、その場合、高い確率で全人類の抹消が確定するわ」
ミサト「根拠は?」
リツコ「私たちが前の情報を知っているという事ね。知った上で道を選びなさい、という事かしら」
リツコ「だから、いまは出来るだけ情報が欲しいのよ」
ミサト「……ネルフはどういう立場を取るのかしら?」
リツコ「司令ならもう一度、最初から世界を創り直させようとすると思うわ」
ミサト「ま、そうでしょーね。副司令は?」
リツコ「現状維持を支持してるわ」
ミサト「現状維持、か」
*
レイ「……」(´・ω・`)
シンジ「……あの」
アスカ「……」( ´△`)
シンジ「あのさ」
レイ「変な顔」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「ガッデーム」(# ゜Д゜)グルァ
マリ「わんこ君、あちしの頭、焼け野はらになってない?」
シンジ「あ、うん。なってないよ」
マリ「よかったー」
シンジ「じゃなくて、またアスカと綾波が暴れだして」
マリ「いやぁ、一晩、経っても変化ないなら大丈夫だよね」
シンジ「聞いて。まず、僕の話を聞いて」
アスカ「あふぁはふひぃ~っ!」(怒)
レイ「むがったあらあむぁ~!」(怒)
シンジ「すっごい顔をつねり合ってるけど大丈夫なのかな?ねぇ、大丈夫なのかな?」
マリ「心配しぃだなぁ♪よっし、ここはマリお姉さんが一枚ほど脱ぐか!」
シンジ「一肌脱ぐって意味なんだろうけど言い方が、って、いや!!本当に脱がないでよ!?何やってんだよ!?」
マリ「あぁ、しまったしまった。わんこ君ちょっと顔を貸して」
シンジ「もう何やって」
マリ「はい、キッス」チュッ
シンジ「んなっ?」
レイ「オゥケィ、ビ~ッチ」(怒)
アスカ「サノバヴィ~ッチ」(怒)
マリ「いやぁ、ついつい」(ノ≧ڡ≦)テヘペロ
シンジ「ついじゃないよ!?」
シンジ「だから、何で僕なの!?」
レイ「碇君、どうしよう。いまなら、大斬りでこの人の三分の一を消せそう」
シンジ「ぶっそう!!すっごい物騒だよ、綾波!?」
トウジ「なぁ、シンジ。ワイら帰ってえぇか?」
ケンスケ「だよな、お邪魔みたいだし」
シンジ「待って!お願い待って!ゲームする約束だろ?みんなで、ゲーム、する、約束、だろぉ?」
トウジ「いや、そないな顔をされても」
ケンスケ「うわぁ」
トウジ「だいたい、お前いまさっきキスされとったし」
ケンスケ「敵だよなぁ」
シンジ「ちがっ、それは」
ヒカリ「やめたげなよ、泣いてるよ碇君」
シンジ「いいんちょ~」(泣)
トウジ「こらっ、いいんちょに触んなや!」ゲシッ
レイ「処す!処す!」
ヒカリ「ヒッ、綾波さん?」
アスカ「ヒカリ?何してんの?何でシンジに触ってんの?」
ヒカリ「ヒィッ?アスカ?違う。私はただ止めようと、違うからね?アスカ?」
マリ「ギルティ!」
ヒカリ「誰ぇー!?」
トウジ「な、なんやお前ら?ケンカしとったんちゃうんか?」
レイ「アナタは何してるの?私の碇君に何してるの?ねぇ、何してる?」
トウジ「すんません。何もしてません。蹴ってません。いまから帰ろう思うた所です」ドゲザ
ヒカリ「す、鈴原?」
トウジ「えぇから、いいんちょもワイのマネして土下座しとけ。なんや分からんけど、ヤバいわ」
アスカ「ヒカリ?」
ヒカリ「ごめんなさい」ドゲザ
ケンスケ「あ、可愛い。えーと、俺も何もしてないよ?あ、写真、とって」
マリ「ギルティ」
ケンスケ「え?」
レイ「碇君、処すわ」
アスカ「ヒカリ?」
ヒカリ「ひ、ひいぃっ」
トウジ「ダボがぁあっ!ケンスケお前何で空気読まへんねん、アホかぁあ!」
ケンスケ「え?え?」
シンジ「いい加減にしてよっ!!」
トウジ「シンジ…」
シンジ「おかしいよ。アスカも綾波もマリさんも昨日からみんなおかしいよ!もういい加減にしてよ!」
レイ「碇君」
アスカ「シンジ」
マリ「にゃはは」
シンジ「……は?」
ケンスケ「おぉ、ミサトさん!」シャシンパシャ
ミサト「はいは~い、撮影は後にしてねぇ~」
アスカ「ちょっとミサト、ゲーム大会って何よ?」
リツコ「私から説明するわ」
ケンスケ「うひょ~、更なる大人のお姉さん!」シャシンパシャ
トウジ「ちょっとケンスケ黙っとれ」
ヒカリ「相田最低」
リツコ「さて、全員いくつか疑問があるとは思うけれど差し当たって碇シンジ君」
シンジ「は、はい」
リツコ「みんな変かしら?」
シンジ「……はい」
シンジ「あ、綾波が」
レイ「!!」
シンジ「うっ……」
リツコ「綾波レイが?」
シンジ「ちょっと暴力的に…なったかな?」
レイ「…ふぅ」
アスカ「いや、なに安心してんのよ?暴力的って言われてるのよ、アンタ」
レイ「」(゜ロ゜)
アスカ「何よ、その顔?」イラッ
レイ「アナタに言われたくな……言われるとは思わなかった」
アスカ「おい、こら。言い直してもほとんど同じ意味じゃない、泣かすわよ!?」(# ゜Д゜)ゴルァ
ミサト「はいは~い、そこケンカしな~い」
シンジ「アスカが」
アスカ「!!!!」(◎-◎;)
シンジ「なんか綾波にすぐ突っ掛かる」
アスカ「それはコイツが」
レイ「嫉妬厨キモイ」( ´,_ゝ`)ヤレヤレ
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
ヒカリ「確かに綾波さんもアスカも何か変……」
レイ「よし」
ヒカリ「え?」
レイ「アナタはいい人。友達になれる」
ヒカリ「友達……えぇ!?あ、綾波さんから友達宣言!?てか、私アナタの事を変って言ったんだよ?」
アスカ「ひかりぃ?」
ヒカリ「ヒィィイッ!?アスカ今度はなにぃ!?」
ヒカリ「へ!?」
アスカ「なんでアイツが先でアタシが後になるのかしらぁ?」
ヒカリ「と、特に他意は無いんだけどぉお!?」ガタガタブルブル
ミサト「はいは~い、どうどう興奮しないどうどう」
リツコ「シンジ君、他に……あるかしら?」
シンジ「他にですか?」
マリ「わくわく」
シンジ「とくには」
マリ「おいお~い、マリお姉さんの積極的アピールわ?圧倒的存在感わ?」
シンジ「や、いつも通りなのかなっと」
マリ「にゃは~、言われちった~。乙女の一途な純情な感情故になのにぃ~♪」
ミサト「」イラッ
リツコ「……そう」
マリ「りっちゃんスーパードライなんですけど?辛口が好きだっけ?」ニャハ
シンジ「え、あ、はい」
マリ「まさかの全無視」
リツコ「シンジ君。アナタはいつから彼女…真希波・マリ・イラストリアスをマリさん、と呼んでいるのかしら?」
シンジ「……え」
リツコ「私の覚えている限りでは、アナタは常に彼女をマリさん、ではなく。真希波、と名字部分を呼び捨てにして呼んでいたはずなのだけれど…」
シンジ「それは……」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ…」
アスカ「次からはメガネにしときなさい」
レイ「いいえメガネは駄目」
マリ「ありゃ、レイちん。まさかの擁護?」
レイ「私の黒歴史と被るもの」
マリ「を~い、それはどっちの意味で?ゲンドウくん的なマリちゃん的な!?」
レイ「……両方かしら」
マリ「か、過去は気にすんな。ガンバレわたし!」(ノ_<。)グスッ
リツコ「……ミサト」
ミサト「はいは~い、それでは……チキチキネルフでわくわく!やってみようぼくらのさわやか第三新東京市もしもしキューーゲーム!!」
シンジ「……あ、この人たちもやっぱりおかしい」
かつて、それは神にも等しい力を奮った。
かつて、それは悪魔に等しく世界を蹂躙した。
かつて、世界は無にも等しく近付き飽和した。
かつて、男は世界の真理を求めてさ迷い続けた。
かつて、男は最愛の者を求めて歩みを続けた。
かつて、男は……
ゲンドウ「ユーーイィイッ!ユーーィイッ!ユーーィイッ!ユーーィイッ!」
かつて、男……
ゲンドウ「ユーーー」
かつて、
ゲンドウ「ィイッ!」
初「」
アスカ「ちょっと、アタシたちをネルフ本部にまで連れてきてどうする気なのよ?」
リツコ「簡単に言えば、使える会場がここしかなかったって事ね」
シンジ「ここしかなかったって……?」
トウジ「ゲームするだけやろ?そんならシンジたちの家でもえぇんとちゃいますか?」
ミサト「だだのゲームだったらね」
トウジ「へ?」
レイ「碇君、銅の剣を見つけたわ」
シンジ「え?」
アスカ「シンジ!やくそう見つけたわ!」
シンジ「……え?」
マリ「スライム仲間にならないなぁ」
ケンスケ「うっ……ゲル状のものが至るところに…」
ヒカリ「なんなの?なんなの?なんで私はここに居るの?」
トウジ「い、委員長。しっかりせぇ、大丈夫や。ワイもなんで居るんかわからへん」
レイ「やくそう」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「馬鹿にしてっと序盤で死ぬわよ。この××××!!」(# ゜Д゜)ゴルァ
シンジ「何なんですか、これ?」
リツコ「バーチャルゲームよ」
シンジ「バーチャルってこんなのでしたっけ!?」
リツコ「MAGIによってこの部屋全体を仮想的な空間にしたの」
シンジ「MAGIってそんなのでしたっけ!?」
ミサト「とりあえず、この部屋にはありとあらゆるギミックが仕込まれていて、ここぞという所で発動されて、それにMAGIが立体映像を投影させてる感じね」
シンジ「ミサトさん、わかって言ってます?原理的に可能かどうかわかって言ってます?」
ミサト「ちなみにレイが銅の剣と言って持ってるのは、ギミックで用意された只の檜の棒にMAGIが設定上で銅の剣を投影させた物よ」ププッ
レイ「」(´・ω・`)
アスカ「」( ´,_ゝ`)プッ
シンジ「せ、設定上は銅の剣だから。ね、檜の棒も設定上は銅の剣なんだよ。大丈夫だから綾波」
レイ「碇君…」
アスカ「」(´・ω・`)
レイ「」( ´,_ゝ`)プッ
シンジ「設定上!設定上はやくそう!くず紙でもやくそう!!」
ミサト「シンちゃん優しい~」ププッ
シンジ「ミサトさんは何がしたいんですか!?」
ミサト「あ、忘れてた。みんなにはこのゲームをクリヤーして貰うわ」
ケンスケ「このって……どの?」
トウジ「ドラクエですか?」
ヒカリ「」
ミサト「いいえ、カードゲームよ!」
シンジ「やくそうも銅の剣も関係なかった!?」
レイ「」(´・ω・`)
アスカ「」(´・ω・`)
シンジ「精神的に追い詰めたら勝ちってどんなデスゲームですか!?ていうか、やっぱり、僕らの家でも出来ましたよね、これ!?」
トウジ「すんませーん。すでに一人精神的に参っとる奴が居るんやけど」
ヒカリ「」
リツコ「棄権は認めないわ」
ケンスケ「そんな…」
ミサト「可哀想だけど、頑張ってゲームをクリヤーしてね」
シンジ「ミサトさんまで…」
マリ「なるほど、まずは山場から手札を三枚引くっと」
レイ「札を出す順番は?」
アスカ「MAGIが決めるみたいね」
シンジ「ぜんぜん意味わかんないけど。一番意味わかんないのは、この三人がもうゲーム始めてる事だよ…」
トウジ「しゃーない、こうなったらちゃっちゃとやって速攻で終わらしたる!」
アスカ「んな!?」
トウジ「暴露…」
ケンスケ「いやーんな話?」
ヒカリ「」
レイ「さぁ、話して。アナタの胸の内を……」
アスカ「ちょっと、ミサト!」
ミサト「カードは絶対よ~」
アスカ「ちっ…いいわ。話してあげるわよ!アタシは」
ヒカリ「私は別にアスカを一番の親友だと思ってる訳じゃない……」
アスカ「え?ヒ、ヒカリ……?」
ヒカリ「どちらかというと苦手で面倒だと思う方」
アスカ「ちっ、ちょっと、ミサト?なんで、ヒカリが……」
ミサト「カードの効果がアスカによる暴露という事ではなく。アスカについての暴露という事みたいね」
アスカ「ちょっと、やめなさいよ」
ヒカリ「私にはアスカ以外の友達もいるの」
アスカ「やめなさい」
ヒカリ「いつもアスカばかりに構ってられないの。いつもひとりぼっちのアスカとは違うの」
アスカ「やめて!!」
ヒカリ「だいたい、私より碇君が好きなら好きって言えばいいのに!!」
アスカ「」(◎-◎;)
シンジ「えっと……その……アスカ……あの」
アスカ「な、なによ。ヒ、ヒカリが勝手に言ってるだけであたしは別にあんたなんか」
レイ「ちっ……」
ミサト「あらら、途中までは有効的な精神攻撃だったけど最後は思わぬ友好的な暴露になったわね」
マリ「ほんじゃ、次はあたしのターン。いきますかー」
トウジ「ちょっと待てや。委員長どないすんねん。気まずいやろが」
マリ「喰らえ、プレイヤーRに暴露のカード!」
ケンスケ「しかも、あの綾波に?」
リツコ「興味深いわね」
ミサト「さて、何が出るかしら」
レイ「昔、ある女性に好意を寄せられていました。いま思い返すと寒気がします」
マリ「……」
トウジ「なんや、綾波のやつ。えらいごっつい暴露話しとるんやけど…」
ケンスケ「百合かぁ…」
リツコ「興味深い話ね」
ミサト「昔、ね」
マリ「ちょっと待てちょっと待て。なんで?あたしの時だけなんか違うくない?」
ミサト「今回はそのまんま本人による暴露がカードの効果みたいね」
マリ「ダメージあたしのハートに来たんですけど?」
ミサト「…なんで?」
リツコ「興味深いわね」
シンジ「じゃ、じゃあ、僕は…この懺悔カードを」
ミサト「はい。じゃあ、懺悔してシンジ君」
シンジ「僕がするの!!?」
トウジ「自爆カードやな」
ケンスケ「というか、暴露カードも懺悔カードもだいたい同じだよな」
シンジ「ちょっと待て下さいよ。いきなり、そんな事を言われても」
ミサト「なんでもいいわよー。例えばあたしと大人な事したとかでもー」
シンジ「ちょっ」
アスカ「シンジ?」
レイ「碇君どういう事?」
マリ「お姉さんちょっとびっくり」
シンジ「ミサトさん!」
ミサト「あっれ~?」
アスカ「なにがなるほどよ!リツコはいいわけ?ミサトがこんな!」
レイ「やっぱり保護者失格。早く片付けて置けばよかった」
マリ「だからといって、ゲンドウくんたちが保護者足り得るかと言えば足り得ないよね」
レイ「」(# ゜Д゜)
トウジ「どういう事やシンジ!?お前、ミサトさんと何をしたんや!?」
ケンスケ「まぢかよ。まぢかよ。シンジまぢかよ」
ヒカリ「私のターン。懺悔カード」
トウジ「委員長さらっと流しよった!?いや、大丈夫なんか、委員長!?」
ヒカリ「私ね。嫉妬してるんだと思うの」
ケンスケ「なんか、懺悔し始めたんだけど」
ヒカリ「アスカは可愛いし。頭いいし」
アスカ「ちょっと待って。また、アタシなの?」
レイ「闇は深いわ」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「そんな…」
アスカ「うん?」
ヒカリ「しかも、たまに綾波さんにまでやらしい目を向けてる時がある」
レイ「?」
ヒカリ「なんなの?そのくせ、私にはそんな目線一度も」
マリ「なんかこの子、様子がおかしい」
ヒカリ「私がどれだけ思って、どれだけ心配してるかわかってるの?あの時だって、ちゃんと学校に来るかどうか私…」
ケンスケ「あの、止めた方が?」
ヒカリ「私、ずっと待って…待って…」
アスカ「ちょっと、アンタたち止めなさいよ!ヒカリが苦しそうじゃない!?」
リツコ「……いいえ、続けて」
アスカ「ちょっと!!」
ヒカリ「そんなに……そんなに他の女がいいの、鈴原!?だったら、私だって碇君を好きになってやるんだから!!」
トウジ「ぐはっ!?」
ケンスケ「そっち方面への攻撃だったか……というか、ちっ!シンジもトウジも、ちぃっ!!」
レイ「黙って聞いてればふざけた言葉。碇君どうしよう、私……こういう時、どんな顔をしたらいいか」
マリ「充分恐いから。レイちん、その顔、充分恐いから」
ヒカリ「……はっ!……あれ?私、いままで何を?」
ミサト「懺悔?したら精神的負荷が軽減されたみたいね」
リツコ「あら、残念。もっと別の話が聞けると思ったのに」
ヒカリ「へ?」
トウジ「」
ヒカリ「あれ?鈴原?どうしたの?鈴原?」
ケンスケ「いいから、そっとしといてやって……ちっ」
ヒカリ「?」
ケンスケ「次は俺のターン。」
ヒカリ「え、急になに?」
レイ「事と場合によっては処断案件」
ヒカリ「えぇ!?」
マリ「懺悔カードいる?」
ケンスケ「いや、あの、俺のターンなんですけどぉ?!」
トウジ「せや……どう思っとんねん。どう思っとんねん、シンジッ!!」
シンジ「え、僕なの!?」
ケンスケ「えぇい、面倒臭いな!プレイヤーTに暴露カード!!」
トウジ「なんやてぇ!?」
ケンスケ「さぁ……言って貰おうか。その胸の内を……くっくっくっ」
シンジ「うわぁ、悪い顔だなぁ」
トウジ「ぐぅ……ワイは……ワイが好きなんわ」
ヒカリ「す、鈴原の好きな人!?」
トウジ「ワイが好きなんわサクラやぁーっ!!ワイは世界で一番妹を愛しとるえぇ兄貴なんやぁーっ!!」
レイ「近親愛はきもくない」
アスカ「いや、きもいし」
レイ「きもくない」
マリ「いやぁ、しかし、予想外な名前出ちゃったね」
トウジ「ワイの為に料理してくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって」
トウジ「ワイと買い物にも行ってくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって!」
トウジ「ワイの為に泣いてくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって!!」
トウジ「ワイの為に怒ってくれるんや、
えぇ子やろ?」
ヒカリ「だから、私だって鈴原の為に!!」
トウジ「せやけど、ヘンテコな組織に入ってしまったんわアカンかったな。あんなん何すんねん。ワイが居らんようなってしもうたからかいな?やっぱり、サクラはワイが守ってやらなアカンちゅう事やな」
リツコ「興味深い話ね、鈴原君。もう少し…詳しく話して貰えるかしら?」
アスカ「ねぇ、もう次に行っていいかしら?」
トウジ「なんでや!?サクラが如何に可愛い子かいまから詳しく話すんやないか!!」
ミサト「こりゃ駄目ね。リツコ、次に行っていいわね?」
リツコ「ええ、どうやら無駄足だったみたい」
トウジ「だから、なんでや!?」
アスカ「ついに来たわ、アタシのターン!命運カード!!」
シンジ「め、命運カード?」
ケンスケ「なんかさっきまで暴露とか懺悔とか録でもないカードだったのに、いきなり凄そうなカード出たな」
アスカ「フフン、アタシはアンタたちと違って引きがいいのよ。引きがね」
ミサト「はい、じゃあ、アスカ以外のみんなはこのクジを引いてちょうだい。当たったら、飴をあげるわよ」
アスカ「はぁっ!?」
トウジ「はずれかいな」
アスカ「普通に引いてんじゃないわよ!!」
レイ「……………………」( ´,_ゝ`)プッ
ミサト「だから、アスカ以外がクジ引いて、当たったら飴をあげるわよ。それが命運!巡り合わせよ!」
アスカ「はあっ!?」
ケンスケ「はずれだ」
ヒカリ「はずれだわ」
マリ「にゃ、残念はずれ」
レイ「……」
シンジ「あれ?綾波引かないの?じゃあ、先に僕が」
レイ「待って」
シンジ「え?どうしたの綾波?」
レイ「私が先に引くわ」
シンジ「?」
アスカ「!」
シンジ「どう?」
レイ「……はずれ」
アスカ「そ、そうね!さ、さっさと引きなさい。命運よ!」
シンジ「え?うん」
レイ「……ちっ」
シンジ「あ、やっぱり、あた……れ?あの、当りじゃなくて当たれなんですけど?」
ミサト「ん?おかしいわね?確かに当りって書いたはずなんだけど?」
アスカ「ま、まぁ、細かい事はいいじゃない。ミサトも二日酔いで書き間違いに気が付かなかったのよ。当りは当りよ」
レイ「……ちっ」
ミサト「よく気付いわね二日酔いって。一応、お薬飲んだんだけど。まだ、顔色悪いかしら?」
リツコ「……なるほど、興味深い現象ね」
トウジ「というか、命運カードの効果に文句言うとったわりに急に大人しゅうなったな」
アスカ「うるさいわよブラコン」
トウジ「ぐっ……誰がブラコンじゃい」
ケンスケ「お前だよ、トウジ」
トウジ「ぐっ、ケンスケお前…」
マリ「お姉さん系統の何が悪いと言うのだね!?」
アスカ「ふふ、命運……命運……ふふっ」
レイ「……次、ジャージの人。さっさとして」
トウジ「な、なんや?どないしたんや、綾波?」
レイ「いいから、早く」
トウジ「わ、わかったわ。ほな、好運カード」
ケンスケ「はぁ!?」
トウジ「な、なんやケンスケ?」
ケンスケ「いやいやいや、なんでトウジがそんないいカード引いてるの?あり得ないだろ?」
トウジ「なんでやねん!引くわ!めっちゃ引くわ!」
レイ「分不相応」
マリ「あちゃ~、変な夢、見ちゃったかぁ」
トウジ「だから、なんでやねん!?」
ミサト「じゃ、一周回ったから次はまたレイね」
ミサト「まぁ、そのカードを引けた事が好運だったね、的な?」
リツコ「……本当に面白い現象だわ」
トウジ「」
アスカ「ま、その程度よねコイツは」
レイ「分相応」
マリ「いい夢、見れたね!」
ケンスケ「うむ、よかったなトウジ!」
シンジ「みんなちょっとひどいよ…」
ヒカリ「碇君、そうやって一人だけ鈴原の味方みたいな顔やめてくれる?」
シンジ「え?」
ヒカリ「私だって鈴原の事を心配してるのよ。でも、碇君がそうやって前に出るから鈴原が勘違いするのよ」
シンジ「え、なんの話?」
ヒカリ「なんなの?碇君は鈴原の心配してどうしたいの?鈴原のお嫁さんになりたいの!?鈴原シンジになりたいの!?」
シンジ「本格的になんの話なの!?」
ネルフ本部前
カヲル「まいったなぁ、いま何処かでボクが入る絶好のタイミングの話をしている気がするんだけど……ネルフ本部内には立ち入れさせて貰えないみたいだね……」
$
リツコ「……一応、防衛システムはしっかりしてるはずよ」
ミサト「これ以上の乱入は困るものね。そういえば、司令と副司令は?」
リツコ「さぁ?もしかしたら、初号機の所かしらね?」
ミサト「え、なんで?」
リツコ「さぁ?もしかしたら、呼べば誰かさんが答えてくれるんじゃないかしらと誰かが示唆したからかしら?」
ミサト「へー」
ヒカリ「まったく。碇君は節操というものがないわ」
シンジ「だから、なんの話なのさ!?」
アスカ「あんたばかぁ?もちろん、バカシンジの節操のなさの話よ!!」
レイ「碇君、私もあっちこっち気持ちを振り撒くのはどうかと思うの」
マリ「あたしは知らないけど、鋼鉄な話もする?」
ケンスケ「きゃシンジさんの不潔」
トウジ「ちょっと距離を置いてくれへんかシンジさん?」
シンジ「」
レイ「私のターン!」
アスカ「は?ちょっと!」
シンジ「」
レイ「プレイヤーSに福音のカード!!」
アスカ「はぁっ!?」
シンジ「」
ケンスケ「なんかまたまた良さげなカードなんだけど、対象をシンジに?」
トウジ「けっ、どうせ鐘が鳴ってしまいじゃ。御大層なんは名前だけや」
ヒカリ「鐘?ま、まさか、鈴原、鐘の鳴る教会で碇君と結ば…」
マリ「いや、もういいから。それ以上やるとモウモウホウホウさんが俄然ヤル気で来ちゃうから」
レイ「ぽかぽかする」
アスカ「はぁ!?」
シンジ「」
レイ「碇君もぽかぽか、しよ?」
アスカ「どりゃーーっ!!」トビゲリ
シンジ「がはぁっ!?」
レイ「なにするの?」
アスカ「アンタこそ、なにやった訳?」
レイ「アナタと同じこと」
アスカ「チッ!」
トウジ「な、なんや?」
ケンスケ「さ、さぁ?」
ヒカリ「鈴原ヒ…鈴…ヒカリ」ウットリ
リツコ「……」
ミサト「にゃーるほどねー」カクヘンキタ!
マリ「さ、て、とぉ…」
*
マリ「にゃ?なにが?」
リョウジ「何がって……無理に変える必要があるのかなと思ったのさ」
マリ「無理に変えるんじゃ、ないよ」
リョウジ「……」
マリ「無理に変わるんだよ、このままじゃ」
リョウジ「何もしなければそれは自然の流れ、ではないのかい」
マリ「違うよ」
リョウジ「なるほど…はは、わからないな」
マリ「わっかんないよね~」
リョウジ「まぁ、とりあえず、僕は彼女らにミスリードの情報を渡せばいいんだね?」
マリ「ん♪それと、上手く誘導しといて貰えると嬉しさ二倍二倍かな?」
リョウジ「やれやれ」
マリ「さ、て、と、誰かさん。絶対に……譲らないよ」
*
アスカ「……」
レイ「……」
ヒカリ「まずお早うの、それからいってらっしゃい。そして、お帰りなさいからのぉ……きゃあー!きゃあー!」
トウジ「なんや、またいいんちょがおかしなっとる」
ケンスケ「なんか言った?」
トウジ「せやから」
ケンスケ「ちっ!……ちぃっ!!」
トウジ「な、なんやぁ!?ケ、ケンスケもおかしなっとるんか?」
ミサト「あー、ビール飲みたくなってきた」
トウジ「は?ミ、ミサトさん?」
リツコ「面白い事になってきたわね」
トウジ「いや、おもしろないですよ!?皆おかしなってますやん!?」
リツコ「そうね」
トウジ「そうね、て。なんで、そない冷静なんですか!?」
リツコ「あら、私もおかしくなっていいのかしら?」
トウジ「すんません!やめてください!!」
リツコ「……」
マリ「……」
トウジ「……?」
リツコ「……」
マリ「……」
リツコ「……」
マリ「そんなに見つめちゃ、いやん」ポッ
リツコ「アナタ、なのかしら?」
トウジ「??」
マリ「なーにが、かなぁ?」
リツコ「興行主」
トウジ「興行主?」
マリ「……」
リツコ「あるいは、最初の発現体」
マリ「ワイは病原体とちゃいますよ~」theカンサイヤロウ
トウジ「ちょ、ワイの声真似すなや!」
リツコ「なら、営業者ね」
トウジ「は、営業?」
マリ「高い脚本、売ってます!」
トウジ「きゃ、脚本?」
リツコ「買い取り主は想像がつくわ」
マリ「わんわんおー♪」
リツコ「でも、彼はこの現象の中心にいるのかしら」
マリ「あははは」
トウジ「さ、さっきからなんやねん?ワシはさっぱりなんもわからへんぞ!?」
アスカ「コネメガネ!」
レイ「やっぱり、先に退けて置くべきだった」
マリ「にゃ」
リツコ「アナタ達はどれなのかしら?」
アスカ「はぁ!?」
レイ「何を言ってるのかわからない」
リツコ「……」
マリ「…」
トウジ「あのぉ、ワイにも分かりやすく説明してくれへん?」
シンジ「」
アスカ「リツコが何を知りたくて何を言いたいのかは知らないわ。でも、邪魔すんならブッ飛ばすわ」
レイ「野蛮」
アスカ「あ?なんか言った?えこひいき!?」
レイ「二番目」
アスカ「消すわよ?」
レイ「出来るの?アナタに」
シンジ「…」
*
コウゾウ「月が出ているね」
シンジ「……」
コウゾウ「綺麗な月だ」オチャワン
シンジ「……」
コウゾウ「こんな夜にお茶を飲むのも良い物だと思う。最近は抹茶…茶道に凝っていてね」オチャワンシャカシャカ
シンジ「……」
コウゾウ「抹茶は嫌いかな?」
シンジ「あのお話があるからと伺ったんですけど」
コウゾウ「ふむ……」
シンジ「……」
コウゾウ「いま、学校は楽しいかね?」
シンジ「え?……えっと、はい」
コウゾウ「そうか」オチャワンシャカシャカ
シンジ「……」
コウゾウ「世の中は移ろい変わっていく。そして、先へ。未來へと続いて行く。決して、同じ場所に留まってはいけない」オチャワンワタス
シンジ「……はい」オチャワンモラウ
コウゾウ「楽しい毎日は歓迎するべきだが。同じ毎日は退屈だ」
シンジ「……」オチャワンマワス
コウゾウ「例え、次の日が苦くとも。それもまた良い日なのだと思う」
シンジ「……」オチャワンマワシマワシ
コウゾウ「苦しみも糧となり生きる理由になる。もちろん、苦しいばかりでは生きる意味はないがね」
シンジ「……ごく、ごく」マッチャノム
コウゾウ「良い道を選ぶのに慎重になるのは良い事だ。進む事を忘れなければだが」
シンジ「……」オチャワンオク
コウゾウ「シンジ君」
シンジ「……」オチャワンカエス
コウゾウ「君は君の好きな様に進むといい」オチャワンウケトル
シンジ「……ニガイ」
コウゾウ「はっはっはっはっ」
*
マリ「お~い、わんこ君、起きてるか~い?」
シンジ「……」
マリ「ジュデーム」(*^3^)ウ~
シンジ「あ、ごめん」ヒョイ
マリ「馬鹿な!避けただと!?」(゜Д゜)
シンジ「そりゃ、何度も同じ手には」
マリ「隙あり!」(^з^)-☆チュ
シンジ「あ、むっ……ん」
マリ「ぷはっ!」
シンジ「……っ」
マリ「……」(///ω///)♪
アスカ「」
レイ「」
マリ「ムフッ♪君たち、愛しあってるか~い?」
トウジ「なんでや!なんで、シンジだけそないにえぇ目にあうんや……なんでや!」
リツコ「世界を自分勝手に、都合良く、変えるのは如何なものかしらね」
マリ「ん~?アタシに言ってんの?リツコ?」
アスカ「アンタしかいないわよ、バカ」
レイ「問題外」
マリ「おー、おー、言ってくれちゃってまー、お二人さん?同じ穴に入ってる仲のくせにさー?」
アスカ「……はぁ?」
レイ「同じにしないで」
マリ「同じじゃん……アタシは変わる世界を変えただけ。まぁ、つまり、変えてる訳だけどさ」
トウジ「アカン……頭痛ぉなってきた。なんやて?変わるから変えて、つまり、変えた?……はぁ?」
リツコ「最初に変えているのは誰?」
マリ「さぁね?誰かさんが誰かさんが小さい空ぁーき、見ぃつけたー♪そーんでもって、ねじ込んで来てるから、割ーり込んであげたのさー、アタシは……ね」
レイ「……」
アスカ「……」
リツコ「空き?」
マリ「付け入る隙?」
リツコ「なるほど」
シンジ「……すみません」
マリ「んで、そうして、マリ殿は脚本家、つまり、作家を目指したのでした。かっこ、パトロンに営業かけて連載獲得、かっこ閉じ。で、いまに至る」
トウジ「ぜんっぜん、わからん」
マリ「まぁ、連載獲得もライバルが多くてねぇ。時間掛かっちゃった訳ですよ、こんちきしょーい」
リツコ「あら、気の多いことね」
シンジ「…………スミマセン」
マリ「さてさて、パトロンに売れっ子のマリ先生は、売れなくなったライバルたちの連載を押し退けた訳ですが?まだ、続けるかい?」
アスカ「馬鹿じゃないの、アンタ?」
マリ「はい、いち馬鹿、戴きました。ワンリトル、ツゥリトル、スリーリトル、アウツ!!ですかね、姫?」
アスカ「はぁ?」
マリ「アタシはさ、"誰もいなくなった"にしたくないって事だよ。言ってる意味、分かるよね……イニシャルYのお姉さん?」
トウジ「え、ワイのこと?」
レイ「……」
リツコ「鈴原くん」
トウジ「は、はい!スンマセン!もう、ふざけません!スンマセン、です!」
リツコ「このカードゲームなんだけど」
トウジ「は、は?……あ、いまさっきまでワシらがやっとったゲームの事ですか?」
リツコ「えぇ、このカードゲームのカードなのだけど」
トウジ「はい」
リツコ「名前は三種類しかないのよね」
トウジ「はい?」
リツコ「カードの名前は三種類のみ。あとは効果内容が相手に対してか自分に対してか」
トウジ「三種類て、五種類ありましたけど?」
リツコ「いいえ、私達が用意したのは、暴露、懺悔、幸運の3つよ」
トウジ「幸運……くっ!……ん?それなら、後の2つ。命運と福音は?」
リツコ「存在し、得ないカードね」
トウジ「……」
リツコ「誰かさんが変えた、のかしら?」
アスカ「…」
レイ「…」
リツコ「それで?…貴女にまんまと乗せられた訳かしら?加持くんまで使って」
マリ「いやいやー、まさか、こんな事までやってくれるとは、マリちゃん、感謝感激雨あられ♪」
トウジ「スンマセン、まだぜんぜんわからんのですけど?」
マリ「だからさ、そこの青オニと赤オニは、無い筈のカードを引いてみせたって事」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「どうやったんだろうね?まるで、世界を変えたみたいだね?」
トウジ「世界を変えるって…んな、アホな?」
リツコ「えぇ、実に興味深い話ね」
トウジ「だ、だいたい世界を変えるって話にしては規模の小っさい話やろ?たかだかカードの一枚や二枚増やすんって…」
リツコ「そうね。もし本当に変える事が出来るのなら、それこそ、1から作り変える事さえ出来そうだけど?」
マリ「さぁ?そこまではあたしも分かんないよ…わんこ君なんで?」
トウジ「なんでシンジに聞くんや?」
ミサト「それはシンジ君がこの現象の主犯だからよ!!」∠( ゚д゚)/ビシッ
トウジ「うわっ!?正気に戻りよった!?」
ミサト「ん、なにが?」
トウジ「せ、せやかて、いきなりビール飲みたい言うから…てっきり」
ミサト「ビールは飲みたいわよ?」
トウジ「……で、なんでシンジが主犯なんですか?」
ミサト「それは」
マリ「フム…ミサト、凄いねぇ」( ゚Д゚)/マッタ!
ミサト「んあ?」
トウジ「なにが凄いねん?」
マリ「だって、そっちの二人みたいにおかしくなってないもん」
ヒカリ「…で、二人は夕日の浜辺で、きゃっ…」
ケンスケ「ちっ、ちっ…チィっ!」
ミサト「簡単よぉ、ビール飲みたいって言っただけだしぃ」
トウジ「はぁ?」
ミサト「だから、お話のいい所で関係ない事を喋り出したら、おかしいでしょー?」
トウジ「ま、まぁ、そうですね」
ミサト「んでー、さっきからちょっち自分の意思とは違うおかしな行動してるみたいらしいから、今度は先におかしい事を言ってみたわけぇー」
トウジ「…はい?」
ミサト「『あ、すでにおかしいんだ』ってなったら手出ししないでしょ?」
マリ「なーるほど・ざ・せかいだね!」
トウジ「はぁ?」
ミサト「例えば、このゲームでクジなんてアタシは作った覚えは…あるけれど、リツコに言わせるとあり得ないって事らしいし。貴方が引いた幸運カードも実は引いただけで終わりなんて訳はなくて、ちゃんと効果内容はあって、それはこのルールブックにも書いてあるわ」
トウジ「る、ルールブック?」
ミサト「用意したのよー?この馬鹿みたいな自作ゲームのルールをわざわざ書き起こして、しかも、隠し持てる様に小さく印刷までしてねー。そんで、ゲーム中はちょくちょく確認してたわけ。ルールブック通りに進行出来てるかどうかねー。おかしな不正とか改ざんとかしてないかぁ…なんてー」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「つまり…」
ミサト「なぁーんか、私ってば都合良く誰かに利用されてたって感じみたいなぁ?」
マリ「なるほど。そういう立ち位置でいくのか…」
ミサト「?」
リツコ「…」
トウジ「あー…つまり?誰かさん?が世界を変えて?カードを作ったみたいに、ミサトさんの記憶や行動も作られとったと?」
ミサト「そそ。ま、この場合、操られたという風が的確かな?…あんな感じで」
ヒカリ「お父さん、お母さん、ヒカリは、ヒカリは幸せになります…」
ケンスケ「ケッ…どーせ、俺はパイロットにもなれませんでしたよ…ケッ」
トウジ「せ、せや…あれは…なんなんですか?あの2人はどないなってもーたんです?」
ミサト「操られてるのよ」
トウジ「なんでですか!?」
ミサト「そりゃ、都合のいい様に動かしたり、都合の悪い事とかを見せない為、聞かせない為によ」
トウジ「都合の悪いって……それは、せ、世界を変えたから…知っとたら、覚えとったら辻褄が合わんようなるから…それを誤魔化す為にって事ですか?」
トウジ「……い、いつからですか?それは、今日だけの事ですよね?」
ミサト「さぁ?いつからかは、まだわかんないけど…まぁ、今日より昨日。前々からちょくちょくあったのは確かじゃないかしら」
トウジ「なんでや!?」
リツコ「…その方がスムーズに事が運ぶからでしょうね」
トウジ「スムーズにって…そんなんどうでもえぇやろが…そんなん為に友達を操って楽しいんか?だいたい自分の都合で友達の記憶を書き換えて、悪い思わんのか!?…世界を変えるってなんやねん…記憶を作るってなんやねん…そないな事したら…そないな事したら……嘘やんか」
レイ「…」
トウジ「ワシらがやってきた事、ぜんぶ嘘になるやん…いつ、どこで、なにをやったか、思うたか…おもろい思うたのも、悲しい思うたのも、ワイがお前の為にやった事もワイの本当の気持ちからやったんかどうかも、わからんよーなって…ぜんぶ、ぜんぶ、嘘になってまうやろが!」
アスカ「……」
トウジ「いままでワシらと笑うとったんわ、ぜんぶ嘘やった言うんか!?」
シンジ「…」
トウジ「なぁ、シンジ!!」
シンジ「…え?」
トウジ「え、やあらへん!!なんでや!?」
シンジ「え?え?」
シンジ「わわっ、トウジ…ちょ、な、やっ、ぁ~っ!?」
マリ「シャリバンクラァーシュッ!!」ハリセンdeバシンッ!!
トウジ「だわぁーっ!?ななな、なにすんねん!?」
マリ「あー、びっくりした」
トウジ「それはワイのセリフや!!何すんねん?アホか?」
マリ「いや、それはアタシの台詞だし。なにしてんの?バカなの?シぬの?」
トウジ「いや、なんでや!死なんわ!生きるわ!生き晒すわ!」
アスカ「いや、コロスし」
トウジ「ひっ?」
レイ「さよなら」
トウジ「ひぃっ?!」
マリ「早とちってるみたいだけど。わんこ君は関係者だし、起因だけど、ほぼほぼ無罪だからさ?したがって裁判やっても判決は完全無罪勝訴だからさ?」
トウジ「その理屈はオカシイ!!」
マリ「うるさいなー。次…ギャバンダイナミック逝くよ?」ユビノホネパキポキパキポキ
シンジ「っ…それは」
アスカ「とりあえず、イナズマキックするわ」イッチニイッチニ
レイ「反応弾…あればいいけど」キョロキョロ
トウジ「ちょー待てぇっ!?」
マリ「また早とちりして、あたしのわんこ君を殴る前にブッ潰そうかなっと」
トウジ「怖っ!!いや、待て待て待て!待てや!!わかった無罪やな?シンジは無罪。わかったわ、わかった。す、すまんかったな、シンジ。その、疑って…」
シンジ「いや、うん。僕の方こそ、ゴメン。なんか…ゴメン」
トウジ「いや、えぇわ。うん、えぇよ…」
シンジ「……」
トウジ「……」
シンジ「…ふふっ」
トウジ「ははは…はぁ…」
マリ「いやいやいや、…なに寛いでんの?アタシは許してないし」
トウジ「なんやてぇッ!?」
マリ「それな!な?狙ってるのかと思っちゃった。あたしのわんこ君なのに…」Σ(゚Д゚)マジヨマジ
アスカ「アンタのじゃないけど、アタシも一瞬寒気がしたわ」
マリ「いやいやいや、とにかく、なにあれ?最後の。あたしのわんこ君のあの声…」( •̀ㅁ•́;)イヤハヤ
レイ「アナタのじゃないけど、女の子みたいな可愛い声出してた。…私も…ちょっと、危なかった…」
マリ「それな!な?」((; ・`д・´)ンダンダ
アスカ「あ~、なんか殺る気出てきたわー」チッ
レイ「…変な感じ…どうしよう…私。きっと殺る気スイッチがオンになったんだわ」チッ
トウジ「怖っ!!コイツらマジかいな!?…て、せや!だったら、なんでミサトさんはシンジが主犯なんて言うたんや?間違いなんか?ミサトさんの勘違いなんか?」
ミサト「主犯よ?」
トウジ「なんや、やっぱり勘違い…ちゃうんかい!?な、え?どういう事やねん?」
ミサト「何故!何!」(๑•̀ㅁ•́๑|彡サッ>_<*)ノ
リツコ「ネルフ!」
トウジ「……は?」
リツコ「」
レイ「…」
アスカ「へー」
シンジ「あの…リツコさん、大丈夫ですか?」
リツコ「…ゴホッ…失礼。どうやら、私も少し、毒気に当てられたみたいだわ」
シンジ「そ、そうですか…」
ミサト「……」(ㆁωㆁ*)
シンジ「……」
ミサト「?」(゜-゜)
シンジ「?」
ミサト「」( ゚д゚)?
シンジ「どうしたんですか?」
ミサト「なじぇッ!?」Σ(゚Д゚)why?
マリ「なるほどなるほどー」( ・ิω・ิ)ピコーン!
レイ「心が…イガイガするわ」
トウジ「どういう事やねん」
ミサト「ちょっとちょっとー、愛がない愛がない愛がなーい。シンちゃーん、あたしに対するバーニングが足りないわよーっ?」(_ _;)ブーブー
シンジ「え?あ…はい。すみません?」
アスカ「ミサトに語る愛は無いんじゃない?」
ミサト「いや、あるわよ」
マリ「うぉ?真面目か!?」
レイ「バカばかり…」
ミサト「そうね。問題だわ」
マリ「だから、真面目か!?」
トウジ「とにかくや!ミサトさん、なんでシンジが主犯なんですか?」
ミサト「碇シンジ育成計画だからよ!」
マリ「うぉ?…をぉ?」
リツコ「本当に馬鹿ね」
ミサト「ちょっと間違えたけど、概ね、そうよ?」
トウジ「な、なんで、疑問形なんや?」
リツコ「世界の変化。これは、ある一定の人物の周りから起きている現象なのよ」
トウジ「一定の人物?」
リツコ「そう。貴方も違和感に気付いていた。だから、すぐさまミサトの主犯という言葉に食い付いた。違うかしら?」
トウジ「いや、ワイはただ…」
リツコ「いつからか、どのくらいかはわからないけれど、たぶん、この世界中で大抵の人々は、その違和感に気付いている筈なのよ」
トウジ「な、なら、なんで、騒ぎにならんのですか!?」
マリ「確証がないからなんだなー」
トウジ「か、確証?」
マリ「デジャヴみたいな?あれ、なんか体験した事あるぞー?いや、似たような事だったか?なんて、そんな感じで掴みどころのない気持ちや記憶だから、すぐ消えちゃうし…消されちゃうんだわ、これが」
トウジ「消され?」
マリ「そんで新しく変化した世界に順応しちゃう訳」
トウジ「なんや、それは!?」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「だけど、5分前に世界が出来たなんて話もあってさ」
トウジ「はあ?」
マリ「いやいや、実はいまアタシたちが存在している世界はいまたった5分前に出来た物で、それ以前の記憶はさ、情報としてあるだけで実際には体験も経験も何もかもあったものじゃないなんて話もあるのさ」
トウジ「だ…だから、なんやねん?」
マリ「いや、もしそうならやるせないなぁ~…てだけだけど、なに?もっと高尚な話か何かかと思った?」
トウジ「あ、あんな~…」
マリ「まぁ、でも、言わんとする事はアタシたちにとって話が大き過ぎて理解は出来無いってこと」
トウジ「なんで、そないに世界が変化するかがって事がか?」
マリ「ま、ね。それで、世界は勝手に変化しちゃう訳なんだけど。中心点があったのね。本人すら自覚してなかった訳だけど」
トウジ「それが、シンジちゅう事かいな?」
シンジ「実は、いまもよく分かんないんだ」
トウジ「わからん?」
マリ「ストッパーか何かなのかな?にしては甘いよね?そんなんだから、利用されちゃう」
トウジ「利用?」
マリ「赤オニさんたら素直になれない♪仕方がないからヒ~ミツの呪文さ、さっさと私と恋仲しなさい♪」
アスカ「んなっ!?」
マリ「青オニさんたら素直になりたい♪仕方がないからヒ~ミツの呪文だ、きっとこれなら彼は私の~♪」
レイ「……えぇそうね」
マリ「マリオニさんたら素直が一番♪仕方がないけどヒ~ミツの呪文ね、わんこが欲しいわ受け付けこちら~♪」
トウジ「な、なんや、まさか、お前ら」
マリ「…ネバーエンディングストーリーてさ。本の中に世界があるんだよ…」
レイ「……」
アスカ「……」
トウジ「な、なんやねん、急に?」
カヲル「世界はかくも美しいって事かな?」
トウジ「な、なんやッ!!お、お前、いつの間に!?」
カヲル「フッ…」
マリ「ちょっとちょっと~?リツコ氏リツコ氏~?隔壁どうなってんのぉ?弾幕薄いみたいだけどぉ~?」
リツコ「まさか。ちゃんと防衛ラインは適正に引いたわ」
マリ「でも、接敵されちゃってるんですけど?それは」
ミサト「あー、あれみたいねぇ、原因は…」
ゲンドウ「………」
シンジ「父さん…」
マリ「チッ!マダオが…」
アスカ「アンタの出番なんじゃないの?」
レイ「………」
ゲンドウ「……ユ」
レイ「腐れ外道」
ゲンドウ「」
シンジ「あ、綾波!?あや…」
シンジ「え?」
レイ「変な私は…嫌?」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「そ、そんな事ないよ!」
マリ「うぉ!?…ここで盛り返してきたー!?」
アスカ「ちょーっと、待てぇー!!」
レイ「なに?二番目」
アスカ「ぉおいッ!?番号か!?アタシを番号で呼ぼぉうってか!?この変態女がぁーーっ!!」
レイ「えぇ、許して上げるわ。二番目なら…」( ´∀`)
アスカ「うぅぅうわぁああ"あ"あ"ーーっづ!!!」
シンジ「ちょ、アスカ?アスカ!?」
アスカ「シンジぃいっ!!」
シンジ「ひっ…」
アスカ「ウチに帰るわよ」(*´ω`*)ニッコリ
シンジ「…う、うん」
レイ「碇くん、こっち。大丈夫、私があなたを守るから…」
シンジ「ちょ、綾波?腕…胸が…ひっ…」
アスカ「バカシンジ?違うでしょ?あんたは、こっちでしょ?」
シンジ「アスカ…腕…腕が…ちょ、折れっ…」
マリ「おっと。いやいや、わんこ君、こっちこっち。受け付けは、こちらだよ!」
シンジ「やめ、マリ…頭…苦し…胸…」
カヲル「やれやれ、困るな。勝手な事をされたら…」
アスカ「ニフラム」
レイ「ニフラム」
マリ「ニフラム」
カヲル「いや、」
アスカ&レイ&マリ「「「ニフラム!!!」」」
ゲンドウ「」
トウジ「これ、どないすんねん…」
トウジ「おぅ。お前、どないやねん?これ、なんなんや?」
カヲル「なんなのか?と聞かれたら答えてあげるのが、世の情け…かな?」
トウジ「いや、そんなんえぇからはよ話せやボケ」
カヲル「君ね…まぁ、いいや。端的に言えば茶番劇だよ」
トウジ「はい?」
カヲル「願望欲望願い叶えてアダムかイブかな」
トウジ「アブラカダブラか?」
カヲル「そう、それさ」
トウジ「どつくぞ?」
カヲル「まぁ、冗談は置いておき。彼女たちは自分の願望や欲望に塗れているのさ…」
トウジ「どういう…」
カヲル「事かは、なんとなく察する事が出来ないかい?」
トウジ「好き勝手に世界が変えられる様になったから、好き勝手に戯れあってる…んか?」
カヲル「まぁ、概ね、正解かな?」
カヲル「世界が変わってしまうのか?」
トウジ「……」
カヲル「運命か宿命か…」
トウジ「そんな答えやない」
カヲル「ふむ、例えばこの何の変哲もない紙屑の中に世界があったら?」
トウジ「はん?」
カヲル「人の目には見えないちいさな小さな世界は確かにあるのさ。分子から原子へ。それから更に小さな世界へ。そして、元素というそれらいくつもの別の世界の成り立ちも…」
トウジ「あかん、頭痛が痛いわ」
カヲル「まさにそれさ」
トウジ「はああん?」
カヲル「痛みが痛みを感じる?あり得ない!いや、何故?痛みという概念が意思ある存在だったとしたら?または、痛みというひとつの世界だったら…」
トウジ「やめ、吐きそうや」
カヲル「もし原子の中に人には認識出来ない小さな世界があって、ちいさな僕らが生活していたら?」
トウジ「こ、小人な?小人の…話?な?」
トウジ「怖いわ…そんなん」
カヲル「知ってるかい?原子の中では核を電子がぐるぐると周っているんだ。まるで、太陽を回る地球やその他の星星の様に…」
トウジ「知らんわ」
カヲル「星は大きい。人には大きい。多くの空間を、隙間を、有して余りあるほどに」
トウジ「だから、なんやねん?」
カヲル「しかし、星よりもずっと、よりずっと大きな存在にとって、隙間の中の世界は見えないかもしれないね。ただ、何かが何かを囲んで集まっている…なんて」
トウジ「ワイは馬鹿やないぞ!あれか?そのデッカイなんかが人で、ワイらがちっさい小人って言いたいんか?」
カヲル「さぁ?そんな話だっただろうか?」
トウジ「ああっん!!いてまうど!?くらぁっ!?」
カヲル「例えば、より大きな存在がより小さな世界を覗く時。その小さな世界を壊してしまったとして、大きな存在はそのアクシデントに心を痛めてしまい、だから、その小さな世界を元に戻したいとする」
トウジ「すんません、やめてくれません?意味不明でキツイんやけど?」
カヲル「大きな存在は持ち得る限りの力で小さな世界を元に戻す為に色々と試行を繰り返す。それこそ、元に戻す為に小さな世界をバラす事さえ。1から作り直す為に…」
リツコ「興味深い話をするのね」
トウジ「た、助かった…」
カヲル「さて。そんな話だっただろうか?」
リツコ「えぇ、もちろん」
カヲル「そう、だったかな」
リツコ「それで?大きな存在はどうなるのが望みなのかしら?」
カヲル「元に戻す為だった」
リツコ「最初は…そうだったみたいね」
カヲル「しかし、1から作り直すと元にあった物が違う場所に存在したりして、また、バラす事になってしまった。だが…」
リツコ「作ってしまったその違う物は世界をバラした後も残りたがった」
カヲル「そう。元の物が違う場所に存在した為に違う存在となってしまったり、また、違う存在になったが為に、新しい存在を産み出し作ってしまったり…」
リツコ「そして、それらは総じて世界をバラした後も残りたがった」
カヲル「だけど、大きな存在のやりたい事は新しい物を生み出す事ではない。あの小さな世界を元の物に戻したいだけ」
リツコ「だから、また1から作り始める。破壊を初めとして…ね」
カヲル「破壊は始まりではない」
リツコ「大きな存在にとっては…でしょう?」
リツコ「でも、存在してしまった者たちにとっては、たまったモノじゃないわ」
カヲル「大きな存在にとっては、小さな世界に、または、その中の小さな物に意思があるなんて思ってもみなかった事なのさ」
リツコ「それこそ、傲慢だわ…」
カヲル「そうかな」
トウジ「なんやよぅ分からんけど、腹立ってきたわ…」
カヲル「しかして、1から作り直す工程を繰り返す内に小さな世界は…また、新たな変化を生み出す」
リツコ「大きな存在を認識する事が出来る小さな世界に生まれた小さな特異点」
カヲル「やぁ、アダム」
リツコ「……」
カヲル「やぁ、イブ」
トウジ「……」
カヲル「はじめまして」
リツコ「………」
カヲル「僕らが神だ…」
カヲル「まぁ、神はいずこかに存在するとして…認識されてしまった事は予想外の出来事だった。更に驚くべきは彼らまたは彼女らは紡ぐ事が出来た」
リツコ「最初の書…はじまりを書した本」
カヲル「まいったね。僕らはその事に気付くのに多くの時間と工程を繰り返した」
リツコ「そして、書は紡がれ、人は工程を知った」
カヲル「やれやれ、新たな変化はそう待たずして現れ始めた」
リツコ「人は大きな存在を認識し、それに会おうとした」
カヲル「ある存在はその記憶や体さえ、破壊から逃れ工程の1から存在し始めた」
リツコ「…バベル…ノア…」
カヲル「だから、まぁ、仕方がない。まずはそれを消そう」
リツコ「そして、最古の原典は無くなった」
カヲル「…いや、まだだ。彼ら彼女らは紡ぐ事が出来る…」
リツコ「…!…だから、書き換えた」
カヲル「新しく用意してあげたのさ」
カヲル「でも、それでも、君たちは僕らを知り、立ち向かう」
ミサト「ま、当然よね。恨みまくってる訳だし」
トウジ「おぉ、ミサトさん。わかるんか?」
ミサト「…ぜんっぜんわからん」
トウジ「な、なんやそら」
ミサト「けど、アタシたちの意思に関係なく。アタシたちの世界を壊そうとしてるってのは分かったわ」
トウジ「やっぱ、そうなんか?そんな事やとは思っとったわ!」
マリ「ま、そうだよね。だからこそ、使徒な訳だし」
トウジ「え?誰がや?」
シンジ「…ぷはっ…はぁ…はぁ…やっと息が…出来る…」
カヲル「さて、そんな話だっただろうか?」
アスカ「で?破壊すんの?」
レイ「なら、私は…碇くんを守るだけ」
カヲル「さて…そんな話だったかい?」
カヲル「やぁ!」
シンジ「え?」
カヲル「シンジ君。やっと、僕の名前を呼んでくれたね。うれしいよ…」
ミサト「エーーーンガチョーーーッ!!エーーーンガチョーーーッ!!」Σ(゚Д゚)ノノドヒャ-
レイ「しっ、碇君見ては駄目よ。いい子だから、あれには近付かないで、いい?」(;一_一)ミテハダメ
アスカ「なんなのアイツ…いや、なんなのアレ?」(~_~メ)キモッ
マリ「いるところにはいるんだよ。しかし、よりにもよって、わんこ君周辺にとは…」( ´Д`)=3イヤダワン
カヲル「フフフ、えらい言われようだね」
トウジ「あぁ、お前は台所の黒いアイツと同じや」
リツコ「…まぁ。美しくはないわね」シレッ
シンジ「えっと…カヲル君は、どうして僕がこうなったかを知ってるの?」
カヲル「……」
リツコ「……」
カヲル「知っている……としたら?」
カヲル「知ってどうするんだい?」
シンジ「わからない。わからないけど…知っていれば何か…何か変わるかもしれないから…」
カヲル「知らなくても、変わるものは変わるよ?そして、知らなければ変わることに苦しむ事はない。そう、キミは自由なのさ」
リツコ「本当にそうかしら」
カヲル「……」
リツコ「私には彼が…シンジ君がこの世界の見えない何かに雁字搦めに縛られている様に見えるわ」
カヲル「運命か宿命か」
リツコ「………」
カヲル「魂は世界に還り、繰り返す」
シンジ「……繰り返す」
カヲル「やがて、…神話となりて、世界は救われる」
ミサト「神話?」
カヲル「しかして、その思いを…その記憶を…天使は残酷にも裏切りて決断し、世界を還り賜う」
アスカ「…そして…始まる…、悲しみが…始まる…はじまるわ」
アスカ「嫌ッ!いやッ!イヤァッ!!…イヤァ…」ブルブルッ
カヲル「記憶を辿り、優しさと夢の水源(みなもと)へ…」
アスカ「ジ…ン…ンジ…シ…シンジ…ジ…シンジシンジシンジシンジシンジシンジ…シン…シ…ジ…ンジ…」ガタガタガタッ
シンジ「アスカ…ボクは此処に居るよ」
アスカ「シンジ…シンジ、シンジ…シンジィ~ッ!!」ギュッ!
トウジ「ちょぉ待てぇ…なんや、何なんや?一体、何の話をしとるんや!!」
カヲル「フフ、例え、理解などしなくても時は進むんだよ」
トウジ「ハァッ!?は?ハッ?ハァア!?」
ミサト「ちょっと黙って!!」
トウジ「うっ…せやかて…」
リツコ「シンジ君と…アスカ…は、理解している…のかしら?」
カヲル「そう…君はいつだって、その運命さえも知らず…夢中で求めることを止まない…」
レイ「………」
カヲル「僕らはそんな稚児の眼差しを愛おしく思うのさ…」
カヲル「しかし、知る必要はないんだ。
君たちは知らなくてもいい。ただ進む時に身を任せていればいい」
レイ「そうすれば、悲しみも苦しみも終わりを迎えるから?」
カヲル「本来、感じるべきものではないのだから、無いものとして扱うのは自然な事だろう?」
レイ「でも、それでは、喜びや楽しさも終わりを迎える。ただ、知らぬ内に、感じることなく」
カヲル「しかし、それも本来なら感じるべきではないものなのだ」
トウジ「なんやぁ?ワシらは幸せを感じる権利がないちゅうとるんか?あぁ!?」
リツコ「そうね。そして、不幸さえも私達には与えられない、と」
トウジ「な、なんやとぉ?…いや、それはえぇんとちゃう?…なぁ?」
カヲル「僕らが求めるのは、君たちが生まれる前の大地」
ミサト「だから、貴方達は私達が、いま感じているこの思いや記憶は消したいってこと?」
カヲル「僕らは本来在るべき姿に戻したいだけさ」
リツコ「その為ならば、変化した世界の魂など不要だという訳?」
カヲル「魂は必要さ」
リツコ「変わる前の魂は、でしょう?」
マリ「知ってるぅ?そーいうの、デッカい御世話、っ~うんだよ?」
ミサト「そうよね。それでアタシ達の世界を壊されたんじゃ、堪ったもんじゃないわ」
カヲル「破壊ではないさ。そうだな…せめて、復元と言って欲しいかな」
マリ「だからさー?いまさら無かった事にされても困る訳さ?出来上がったもんは出来上がったもんで、残してちょーよ?ね?」
カヲル「だから、君はこの場を作ったのかい?」
マリ「ヤァー!当たり前田のクラッカー!!」
トウジ「この場?」
カヲル「シンジ君とそれに連なる者達の集会さ」
マリ「別に過ぎ越しの祝いとか最後の晩餐とかがしたかった訳じゃないよ?まず、なんで世界が変わるのか、どうすれば変わるのか、なんて全然分かんなかったしさ」
リツコ「だけど、やらない訳にはいかなかった」
マリ「だね。で、最初はゲンドウ君とか初号機とかが起因かとも思ったんだよね。たぶん、一番、近いと思ったから…」
カヲル「それは、僕らに…かな?」
マリ「君らの干渉に…かな?でも、実際は君は碇シンジ個人に一番近付いてた…もちろん、曖昧な記憶は信用性に欠けるけど、たぶん、あたしの願望か欲望がわんこ君に関する思い出に敏感になってたんだね」
カヲル「幾らかの工程から紡ぎ出した…と?」
リツコ「それで?彼だけではないといつ気が付いたの?」
マリ「それも思い出からかな?彼にそう望んだら、そうなるって」
リツコ「そして、自分がそうなら、自分以外にも居るはずと?」
マリ「そこは、すでに何箇所か変えられてた節があったからさ。分かりやすかったんだよ、アタシ的には」
リツコ「そして、後は燻り出すだけ」
マリ「そそ、後は客観的に見る為にも間接的が好ましい方法だと思ったから、リツコとミサトに誘導して貰った訳」
リツコ「それで異常な環境による催眠誘導ね」
マリ「そうだねー。とりあえず、何人か集めて一人でも催眠に掛かってくれたら、集団心理で後は勝手にボロが出るかなぁ、て?そういう場所ならさ、周りに連れられて自分を曝け出すかもなぁ、とか、変えられる事に麻痺してるから自分に良いように力を酷使するのも厭わないかなぁ、とか?」
ミサト「で、まんまと、二人釣れたと?」
アスカ「ふん…」
マリ「たださぁ、アタシが動く前に均衡は崩れてたっぽいんだよねぇ」( ´Д`)=3
ミサト「思いの他、嫉妬深くて自分勝手だった…と」
マリ「ま、気付いてて分かってやってるのか、どこまでわんこ君無視で秘密の呪文が使えるか、とかも知りたかったからセーフ…だけどね」
カヲル「そして、君の目的は同じ者達で、なんとか自分達の都合のいい世界を作れはしないか、と話を持ち掛ける事だった」
アスカ「無駄よ…アタシたちじゃ無理だもの」
マリ「ほー、アタシはそこん所が分かんないんだけど、姫は分かるんだ?」
アスカ「苦しいだけだもの」シンジダキシメ
シンジ「アスカ…」
リツコ「苦しい?世界を変える事が?」
アスカ「最後の審判を下すのよ?」シンジノ ムネ ニ カオ ウズメル
レイ「ちょっと離れて」(-_-メ)イライライラ
アスカ「嫌ッ!」(-ω-)
レイ「離れて」(#・∀・)イライライライライライラ
アスカ「い・やっ!!」(>_<)
レイ「離れてッ!!」(# ゚Д゚)オラァー!!
アスカ「イーーヤーーッ!!」。゚(。>ω<。)゚。ギューッ!!
シンジ「痛い…すごい痛い…アスカ、胸まわりの皮膚、てか、肉を力一杯に掴まないで…それ、スンゴイ痛い…」(; ・`д・´)イタイ
マリ「何それ?どんなおっぱおプレイ?あたしもやっていい?」(;゚∀゚)=3ハァハァ
マリ「だからさ、世界がわんこ君を起因として変えられるのは分かったよね?」
トウジ「…あー…よっしゃ、それは分かったでえぇわ」
マリ「でさ、わんこ君が起因だけど、わんこ君を拐かして、変えさせられる事に気付いた人達がいた」
トウジ「ほーん、で?」
マリ「だけど、1から全部は変えられない」
リツコ「そこで、変えさせる事に気付いた一人は、他の者達と組めば世界を1からすべて変えられると考えた」
マリ「イエス!で、変えられるのを隠さずに素直になって貰おうと舞台を用意した、アタシがね」
トウジ「おう、すごいまわりくどいヤッちゃな」
マリ「だって、素直になれない人ばっかなんだもん、そうだろう候補メンバーがさー」
レイ「離れて!」
アスカ「嫌よ!」
マリ「素直に聞いて敵意持たれてもアレだし。敵対したい訳じゃないから、んしゃ、馬鹿馬鹿しい事でなし崩しにごっつあんしたら、何となしに打ち解けられるかな?てさ」
トウジ「そいで?1から変えてどないすんねん?世界征服でもするつもりかいな?」
マリ「アホなんか君は?だから、さっきから言うてるけど、世界を滅亡から救いたい言うとるんや、アタシは!」
カヲル「ふふっ、僕らはいますぐにでも構わないよ」
トウジ「な、なんでお前が答えんねん!?」
マリ「だーかーらー、コイツが滅亡させんでしょうが!!」
トウジ「なんやてぇーーっ!!?」
ミサト「彼というか、彼ら使徒がね…」
トウジ「なんやてぇーーっ!!?」
リツコ「そして、それはいままで何度も繰り返されてきた」
トウジ「お前、使徒なんかいな?あの…あの大きいバケモン…バケモンらの仲間なんか?」
カヲル「まぁ、そうだね」
トウジ「あっさり認めよった………て、なんやてぇーーっ!!?世界滅亡が何回もあったんかい!?」
マリ「ちょっとうるさいんだけど?」
トウジ「す、すまん。なんか、もう…わからんようなって…」
カヲル「何度も言うけど、僕らはただ元に戻したいだけさ。まぁ……君としては、存在し得ない世界は受け入れ難いのかもしれないけど」
レイ「……」
レイ「……」
カヲル「君は、シンジ君の何なのかな?」
シンジ「カヲル君?」
カヲル「理想の女性とでもなろうとした…という事かい?それとも消えない為の防御策?」
レイ「私はただ碇君を守りたいだけ」
カヲル「なるほど。母であり、母ではない人。それは、ある意味で、男性にとっての理想なのかもしれないね…」
レイ「……」
マリ「……」
アスカ「……」
トウジ「こ、今度はなんの話をしとるんや…」
カヲル「二つのモノの利害が一致したという事」
トウジ「はい?」
カヲル「あぁ、つまり、イメージチェンジの話さ(笑)」
レイ「」イラッ
トウジ「碇…ユイさんて誰や?」
ゲンドウ「」
レイ「」
カヲル「ふふっ、歌はいい…歌はリリンの生み出した中で特別に魅力的だとは思はないかい?」
トウジ「ち、まぁた話が飛びおった。なんやねん、お前!?お前は何が言いたいねん!!」
カヲル「やれやれ、語るべきは語っているとは思うのだけれどね」
トウジ「どこがや!?おまっの話な!?一切、分からへんぞ、ワイわぁっ!!」
カヲル「ふぅ、まいったね…」
トウジ「まいるんは、ワシらの方じゃ!!ボケぇ…」
カヲル「言動をその身と骨とし紡ぐ者たちよ。我らと我らの使いを結い合わす者とで詩を奏で望み叶うか。そして、我らの使いの奏でを信じるならば、また、我らと世界を供にあらん♪」
トウジ「は?」
カヲル「歌はいいねぇ…歌は…リリンが生み出した文化の極みだよ…」
シンジ「ぼ、僕は…」
カヲル「そう、だから…君を…全てを…ゼロに戻す為に、彼女は生まれてきてしまったのかもしれないね…シンジ君♪」
レイ「違う…違うわ!」
カヲル「しかし、君は本来ならば存在し得ない存在だ」
レイ「………」
カヲル「彼を守る為に…君は存在を生み出された…二番目として」
レイ「…」
カヲル「彼を…この美しくも、恐ろしい世界に、たった1人にとしない為に…君は生まれた…」
レイ「」
カヲル「そして、望み叶うならば、全てを解放しよう…彼を護る為に…そう、1ではなく…0へと…」
ゲンドウ「ユイ…ユイ!ユイ、私はもう一度…もう一度」
マリ「はいはーい、邪魔しなぁーい!邪魔しなぁーいッ!!」ズバット!!
ゲンドウ「ぐふぅ…っ!?」ガクッ‥
カヲル「……しかし、前と後、表と裏。そういう存在が前も後も表も裏も関係無くなってしまったならば…それは、一体、何なのだろうねぇ…」
レイ「……」
トウジ「おぉぅ、一切合切…何が何だか…わけワカメちゃんやんけぇ~…」
リツコ「そうね…難しいわね」
ミサト「マジかぁ…ま、アタシもだわ…」
リツコ「ただ…」
ミサト「ただ?」
リツコ「………」
ミサト「ちょつと、ちょつと~!お願いだからアタシにも何か…あの知恵の輪?に入れる様なヒントをちょーだいよー!!」
リツコ「綾波レイは碇ユイを媒体としたクローン。だから、彼女は二番目の存在と言える」
アスカ「二番目…」
リツコ「そして………それがいま、前も後も…裏も表もないと言うのなら」
ミサト「!今の綾波レイは、碇ユイ?!」
マリ「ニャハハ、母であり、母ではない…理想の女性にぇ~?」
カヲル「本来存在し得ない者に本来存在し得る者が入り込んだ。これは、僕らにとっても驚くべき変化、だが…」
レイ「…」
カヲル「この世界にとっては驚いてばかりではいられないかもしれないねぇ」
リツコ「なるほど。もし、彼女の存在理由が世界を1から創り直すのではなく…0にする。つまり、世界を無にする事だったとしたら」
マリ「は?」
カヲル「そう、彼女は、君たちとは相容れない。まさしく…破壊者だと言うことさ」
マリ「…まぁたまたぁ~」
レイ「…」
ミサト「なぜ?だって、この子は…レイは、少なくともシンジ君を守る為に動くはずでしょ?それが、なんだってシンジ君も消しちゃうような事をしないとイケない訳?おかしいでしょ?」
アスカ「……シンジが…このバカが…もう…もうこれ以上、苦しまなくていいように…よ…」
シンジ「僕を…」
マリ「…またまた、姫には分かる訳かぁ」
トウジ「ワイにもう…わからへん世界やわ」
リツコ「なるほど」
トウジ「なななんやてぇーっ!?な、なるほどてアンタ…あ、ありえへん世界や…」
リツコ「それは、つまり、私が感じる…碇シンジを雁字搦めにする世界の何かと関連していると、見ていいのね」
カヲル「…………‥、さぁ?」
マリ「はい」
トウジ「……あったなぁ、そういえば」
マリ「ほら、早く。どついてあげて」
トウジ「いや…せやかて…」
カヲル「♪」
マリ「ほら、待ってるよ、ほら」
トウジ「いやいや、ちょぉ待ってや!」
カヲル「ん、呼んだかい?」
トウジ「いや、呼んでへんよ」
マリ「はよ。はよはよ!」バンバン
トウジ「やから、ちょぉ、待ってやって!」
カヲル「呼んだかい?」
トウジ「だから、なんでお前が返事すんねーーん!?」ハリセンdeアタック!!
カヲル「…君が呼んだんじゃないか」ココロノカベgaペカー
マリ「ま、使徒だし。残当…」
トウジ「え、なんや。キモいんやけど…怖っ」
シンジ「キモ…い…」
アスカ「シンジ…」
レイ「碇君…待っていて、いま、彼を消すわ」
トウジ「あ?なんやねん…て、ちょ!?なんや、綾波!?なんで?なんで、ワイに向かって来るんや!?なんで?なんで、なんで?」
レイ「消えて」
トウジ「あかーーーん!?」
マリ「!」
レイ「?」
アスカ「!」
トウジ「…へ?な、なんや?」
カヲル「へぇ、ここで舞台に上がるのか」
サクラ「お姉さん…うちの兄に何か、用ですか?」
サクラ「お忘れですか?サクラですけど?あ、もう一人の方は面識なかったんやっけ?」
トウジ「サクラ…え、ちょぉ待ってや!なんで、サクラが居んねん」
カヲル「さぁ?彼女がここで話に交ざっていた方が良いと判断したからじゃないかな?」
トウジ「話して…何を話す事があんねん…て、なんで、またお前が返事すんねん!?」
マリ「にゃるほど。やっぱし、最後の一人はチミだったかい…」
トウジ「あ?最後?一人?サクラがなんやねん?」
マリ「まぁ、つまるところ、彼女のおかげで君が未だ正気で居られるって事だよ」
トウジ「……あぁ!つまり、サクラはえぇ娘やなって話やな!!」
マリ「まあ、阿呆のままみたいだけどさ」
サクラ「別にこのまま黙って見てても良かったんですけど…なんか、そういう訳にはあかんみたいやったから」
リツコ「…それは、綾波レイが破壊者だから?」
サクラ「みたいですね?このままやったら、うちのアホ兄貴が消されてしまうみたいやったし…ねぇ?」
レイ「…」
マリ「……」
マリ「しゃーらーぷっ!ムカつくね、このモーホー野郎が」
カヲル「やれやれ、心外だよ。まったくね…」
サクラ「マリさんのしようとしている事に、別にアタシらは異議はありません」
ミサト「アタシら?」
サクラ「はい。そこのアホ兄貴と…」
トウジ「アホて…」
サクラ「あたしとシンジさん夫婦ですね」
トウジ「」
ミサト「」
マリ「」
シンジ「」
レイ「」
サクラ「さ、あたしらの家に帰りましょ、シンジさん」
アスカ「……あ"?」
アスカ「あ"?」
トウジ「どういうことやのん?シンジさん?ん?ん?どういうことですのん?」
シンジ「え……え?」
マリ「あ、息すんの忘れてたわ」
レイ「」
マリ「…レイちん?綾波のレイちーん!?」
アスカ「アンタ、良い度胸してるわね…ブっ飛ばすわよ?」
サクラ「あ、アスカさんでしたか…なんや、眼帯してませんけど…アタシが付けてあげましょうか?」
アスカ「はあ"ぁぁぁあ"ん!?」
サクラ「嫌やわぁ…歳取るとすぐ怒りっぽくなるぅ。あ、アスカさん達は永遠の14歳でしたっけ(笑)?」
アスカ「……コロスワ」ビキビキビキッ!!
レイ「…ヤラナキャ…」ユラァ~‥
マリ「うおっ!?えげつなく復活した…」
サクラ「あー、なんやったっけ…もう、面倒やわぁ………あ、せや、ニフラム…」
トウジ「ぐぇっ?ちゃ、ちゃうねん」
アスカ「何が違うのよ?この性悪なくそガキがぁ…」
レイ「殺らなきゃ」
マリ「うおっ!具体化した…」
トウジ「サ、サクラさん?な、なんや、機嫌悪いんか?」
サクラ「…別に」
アスカ「アンタ、本当に良い度胸してるわね」
レイ「…あ、スイッチきた」
マリ「怖いこと、言い始めたよ」
トウジ「と、とりあえず、謝ろか?なんや、不穏な空気やし…な、サクラ?」
サクラ「せやかて、こん人ら敵やしなぁ」
トウジ「サクラ?」
マリ「あ、敵なんだ…」
サクラ「そうですよ、敵ですわ、みんな…アンタも、アンタも、アンタも!アンタもアンタも、アンタも!!みんな、アタシらの敵やッ!!!」
マリ「え~んがちょ」
トウジ「ど、どないしたんや、サクラ?ホンマになん…なんなんや?」
サクラ「あんな、この人らはな。自分の都合勝手にアタシら一般人を喰い物にしとんねん」
トウジ「はぁんん?」
サクラ「この人らにとって、アタシらは背景…いいとこモブや。自分たちが気持ちえぇ絶頂を迎える為なら、そんな背景やモブに何をしてもえぇと思いよるんよ。やから…誰かをこの世界から、この舞台から、消すなんて朝飯前なんですよね?」
トウジ「消すって…」
レイ「……」
サクラ「まるで、小さい者の事なんて知らんって言う、大きいバケモノたちみたいやんなぁ」
カヲル「……フッ」
サクラ「だけど…それでも、アタシらはこの世界で生きていかなあかん。この世界じゃないと生きていけへんから…」
マリ「だったらさ、アタシらと生きていこうよ?」
サクラ「はん…それで?」
マリ「え?」
サクラ「言っときますけど、アタシとアンタらは違う。アタシは、アンタらと違って、なーんも知らん」
マリ「…」
アスカ「…」
サクラ「力も無かったし、何をすればいいのかも分からんかった。やけど、今回は違った」
リツコ「…ある程度、知る権利が与えられた…」
サクラ「そうですね。やから、いままでだったら、何も分からんと、ただ迫りくる脅威に怯えて暮らすだけ…助かるかどうかは、物語のヒーローかヒロインの都合だった…」
シンジ「…」
サクラ「この世界で、アンタらに影響受けんと生きていける人間は、一人も居らん」
トウジ「サクラ…」
サクラ「だから、これはささやかな反抗です…」
ミサト「反抗?」ピクッ!
サクラ「なんも知らんかった、なんの事ない背景やモブが、この世界で重要やとされとる人たちに…ささやかな反抗なんですわ!!」
マリ「で?」
サクラ「はい?」
マリ「だから…で?っていう」
マリ「う~ん、30点。落第点だね!」
サクラ「なっ…」
マリ「だって、それってつまり、いままでと変わらないって事でしょ?君の言うヒーローヒロインが君たち背景やモブと、とって変わるだけで中身は一緒…じゃん?」
サクラ「違います」
マリ「何が?」
サクラ「アンタらと違ってアタシらは、咲く…何度でも咲く」
カヲル「…」
サクラ「たとえ…たとえ、何度となく虐げられても、世界を壊されても、アタシは咲く!!」
トウジ「サクラ…」
サクラ「負けない。業火の如き熱さにも虚無の様な淋しさにも絶望的な寒さにも…季節が来れば、アタシたちは何度となく咲き続ける!!何度も何度も巡り巡って春には必ず、咲き誇る!!世界がどんな事になっとっても、世界がどんななんか知らんくても、アタシら普通の人間は、いつもと同じ様に日常を生きていく!!」
カヲル「美しいねぇ…」
トウジ「はわぁあああああああづ!!」ハリセンdeアタック!!!
カヲル「何をするんだい?」ココロノカベgaペカー
トウジ「さぶいぼじゃあああっ!!サクラに近付くなやぁあああづ!!シンジやるから、サクラに近付くなやぁああああづ!!」
トウジ「近付くなやぁあああづ!!絶対、近付くなやぁあああづ!!」バチーン!バチーン!バチーン!!
リツコ「つまり、貴方は…物語りの中心に振り回される脇役を代表して、ここに居ると言いたいのね」
ミサト「物語りの中心ねぇ…」
マリ「ま……世界が変わる起因が、ここに居るから、その周りを固めてるアタシたちは中心なのかな?て事かな?かな?」
サクラ「そうですよ」イラッ
ミサト「それで、シンジくんを自分に惑わせて、自分が変わりに皆が幸せになれる世界を作ろうと思った訳ね」
サクラ「…アナタたちはもういいでしょ?充分、自分たちの思い通りに世界を変えて、壊して、作って、また、変えて…もう、いいでしょ?満足したでしょ?その都度、アタシらは毎回毎回、同じ様で違う世界でなんも知らずに生かされるんよ?そこで本当に見つけた幸せがあっても、いつの間にか世界が変えられて似たような世界に落とされる。しかも、今度は絶望した世界や。でも、それでも、アタシらは生きとる。生かされとる。次の変えられる世界を待って…だから、アタシがもう、始まる事のない世界を作って、それで世界を終わりにしたって…えぇでしょ?」
マリ「だから、30て~ん!!」
サクラ「なにがですか!?」
リツコ「悪いのだけど、議題が被っているのよ」
ミサト「満を持して登場してくれたみたいだけど、一周遅れで空回りなのよねー」
レイ「…」
マリ「別にアタシらも好きで周回プレイしてるんじゃないんだよね~?別にトロフィとか図鑑とかアイテムとかコンプリートしたい訳じゃないしさ~?」
アスカ「…」
リツコ「ふむ…なるほど…やはり、世界が変化を求めた時…それは中心人物の良い様に世界が変わっていったと考えていいのかしら…」
サクラ「?」
リツコ「ところで、鈴原サクラさん」
サクラ「…なんですか?」
リツコ「なぜ、貴女はその憎しみを碇シンジ君には向けなかったのかしら」
ミサト「そうね…いくら、力を手に入れる為とはいえ、自分の亭主にするくらいだし…好きなのかしらん?」
サクラ「それは…」
トウジ「はぁーーーーん!!」バチーン!バチーン!バチーン!!
シンジ「痛っ!痛い!?痛いよ、トウジ!?」
マリ「黙れ!小僧!!」ゴスッ!
トウジ「」
サクラ「たしかに、最初はシンジさんも同じやと思ってた…です。けど…」
ミサト「けど?」
サクラ「きっと、シンジさんは可哀想な人なんです。あたし…シンジさんを見てたら、なんや…可哀想に思えて…やから、あたしが…あたしが守ってあげなきゃって思うたんです」
レイ「……彼を守るのは、私だけで充分」
アスカ「ふざけんな!バカシンジを、受け入れて、あげるのは!あたしよ!!」
マリ「可哀想…か。そうだよね、そうなんだよね」
ミサト「え、なに?」
リツコ「…やっと、話が戻ったわね」
カヲル「……」
リツコ「そして、それと同時に1つ私の仮説は立証された」
ミサト「どういうこと?」
リツコ「世界が何故、変わるのか…今それは、分からないでいいわ」
トウジ「」
リツコ「だけど、彼女たちの行動理念は分かった…という事よ」
ミサト「行動…理念…?」
カヲル「………」
リツコ「碇シンジの救済」
アスカ「…」
ミサト「…育成じゃなくて?」
マリ「ハリセン、喰らっとく?」
シンジ「僕の…救済…」
リツコ「そう、世界を変えられる力を持った少女たち全員が全員。まず、碇シンジの事を考えて行動を起こしている。実際、いま、彼女、鈴原サクラさんがそうだった様に…」
レイ「…」
アスカ「…」
リツコ「では、何故、彼女たちはそんなにも碇シンジに同情的なのか」
ミサト「好きだから?」
リツコ「そうね、愛もその内訳に入っているんじゃないかしら?ただ、私にはそれだけではない。そう、碇シンジが抱える世界のしがらみに関係している様に思えてならないわ」
ミサト「しがらみ?」
リツコ「そして、その答えは、レイやアスカには分かっている…違うかしら?」
マリ「…」
リツコ「貴女たちが碇シンジを可哀想だと感じる理由。それは、彼が最後の審判を下すから…」
サクラ「最後の…審判…?」
レイ「…」
アスカ「…」
リツコ「そして、その審判を行う事は、想像を絶する苦しみとなる」
ミサト「苦しみ…」
リツコ「全ての生命を1つとして、全ての意思を1つとして、世界を1つとし最後の審判を下す」
マリ「記憶を辿り…」
リツコ「バラした世界を1から世界を作る時、その魂の記憶を辿り、元の場所へと返す」
カヲル「…」
リツコ「しかし、魂は残りたがる。それが…幸せの記憶ならば、元の場所よりも幸せならば、なおさら…」
アスカ「全員が全員、求める場所に行ける訳…ないじゃない…なのに、なんで…なんで、シンジが怨まれなきゃならないの!?なんで、同じ苦しみを見せられて、同じ苦しみを味合わされなきゃならないの!?なんで、なんで、なんで!?なんで、シンジなのよ!!」
リツコ「そして、その審判は世界が1から作られる度に行われる。世界が存在し続ける限り…彼の苦しみは終わらない」
レイ「なら、全て、無かった事にすればいい…。アナタモ、ワタシモ、イカリクンモ…スベテ…スベテ…」
カヲル「まいったね…それでも、やって貰わなきゃ困るんだよ。だって、僕らは、完全なる元の小さな世界を求めているんだからね…」ニコッ
リツコ「さて、更なる問題は、何故、碇シンジ君が、最後の審判を下すのか」
サクラ「それは…それは、きっと、押し付けられたんやと思います!」
カヲル「…」
サクラ「シンジさんは、優しいから…優しくて気ぃしいやから…誰か悪い人に、そんな嫌な役目を押し付けられたんですよ!」
マリ「自分たちが嫌な苦しみから逃れる為にスケープゴートを用意した訳か」
アスカ「一個の生命の記憶を辿り、哀しみ憎しみ悔しさ絶望不幸を見せられ、同じ苦しみを味合わされて、やっと、それを元の場所に戻す。それを世界全部…」
レイ「…例え、幸せの記憶を巡ったとしても、それを無かった事にして、元の場所に戻す。皆に怨まれてしまうとしても…」
ミサト「それを、いままで何回?何千何万何億…と繰り返してきた訳か…あちゃ~」
リツコ「そして、それを行うには知る必要がある。手順を思い出す必要がある。忘れてたいたとしても、遠い彼方の記憶からいままでの全てを…」
カヲル「…だから、シンジ君。キミはそれまで知る必要はないんだ。苦しみを知ったまま、この世界で生きるのは酷だからね」
シンジ「………」
カヲル「そして、いままでと同じ様に僕らは世界を元の世界に戻すんだ」
シンジ「……」
ゲンドウ「ま、て」
ゲンドウ「世界を…我々は等しく世界を分かち合うと約束した筈だ」
カヲル「…」
リツコ「…」
ゲンドウ「ならば、我々に構わず貴様たちの都合に合わせて世界を改変する事は契約違反になるはずだ!」
マリ「ほー…意外と知恵の輪に入った意味深な発言をするんだね、ゲンドウくん?」
カヲル「しかし、君は信じる事が出来なかった」
ゲンドウ「なに!?」
カヲル「君は結い合わせる者とに夢中で、僕らの使いの奏でを信じる事をしなかった」
レイ「……」
カヲル「だから、これ以上、僕らはその身と骨とし紡ぐ者たちとの対話を必要としない」Absolute Terror Field MAX!!
ゲンドウ「な!?っ、がぁあっ!!…あひっ…」ガクンッ………チーン!
マリ「やはし、マダオか…」
リツコ「使い…」
シンジ「…」
ミサト「なに?」
リツコ「大きな存在が小さな世界に干渉する事は出来る…」
カヲル「…」
リツコ「では、小さな存在は小さな世界に干渉出来るのかしら…」
ミサト「何を言ってるの?出来てるから、アタシたちは知る事が出来てる訳なんでしょ?あー、つまり、ほら、記憶?を残して、アスカやレイはシンちゃんを誘惑して世界を変えられる訳…でしょ?」
リツコ「えぇ、シンジ君が…変えているのよ」
サクラ「なんか、問題あるんですか?」
リツコ「私たちは知ること。つまり、過去の出来事を記憶を、紡ぐ事で、次なる世界へと伝えることは出来るけど。それは、私たちの変化であって、世界の変化ではないわ」
マリ「ほーん!なら、世界の変化をもたらしているのは誰か…まぁ、ワンコ君だよね!」
リツコ「そう、だけど、そうなると、彼は…碇シンジは…彼らの言う小さな世界の紡ぐ者?」
マリ「………には、ならないのかな…。紡ぐ者でも、直に世界は変えられない…?」
サクラ「それは、きっとあれです。押し付けられたから、その押し付けた人に、そういった力を与えられて」
リツコ「そうね。その可能性は充分にあるわ。でも、私の立てた仮説は違う」
シンジ「…僕が、皆と違って、大きな存在…カヲル君の言う…"僕ら"…の一人だから…」
マリ「…ハリセン、は」
レイ「碇君…」
シンジ「僕はずっと裏切ってたんだ…。皆を裏切って…」
アスカ「裏切って何が悪いのよ!!」(# ゚Д゚)アーン!?
シンジ「!?」
アスカ「裏切らないで自分が馬鹿を見たら意味無いでしょーうが、バカシンジ!?」(# ゚Д゚)アーンンッ!!?
レイ「同意!!」Σ(゚Д゚)
アスカ「…同意のクセに、なんで、ビックリしてんのよ?」
レイ「同じ意見になるとは」
アスカ「思わなかったってか、オラァ!!」
レイ「やっぱり、野蛮人…」
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
マリ「カオス」
カヲル「だが…それは運命だ。それが、この世界の在り方なんだよ。キミが気に病む事はない」
シンジ「どうしてだよ!?どうして、そんな事が言えるんだよ!!ここには!確かに生きている人たちが居るんだよ!?なのに、誰かの思う結果じゃなかった…違う結果だから、求めた結果じゃなかったから…だからって!なんで、なんで皆を無かった様な事に出来るんだよ!!」
カヲル「しかし、本来なら在りはしない世界なんだ。それは僕らの干渉により、生まれた世界なんだ。すなわちそれは干渉の無い世界こそ、真実。だから、干渉を無かった事にするのが…使命だ」
シンジ「でも、ここは、いま確かに在る世界じゃないか…」
カヲル「しかし、すでに変えられた世界だ」
シンジ「どうしてッ!…どうして!どうして!どうしてッ!!」
カヲル「何故、キミなのか…ごめん、それは、ボクの関知する所ではないんだ…」
シンジ「ど……して…」
カヲル「…どちらにせよ。最後はキミが決めるしかない。これは、キミの宿命だ…逃げ出す訳にはいかない…。そうだろ?」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ…僕は…」
レイ「……」
シンジ「そう…なんだよね…やっぱり…そういう事なんだ…。僕は…皆を裏切って…この世界の全てをバラバラにする。皆の命を…意思を…存在を…無いものとして…」
カヲル「1から作り変える為にね」
ミサト「それが、シンジ君に与えられた使命?」
マリ「ほー・・・ん」
アスカ「だ!…ったら、何なのよ?別に知った事じゃないわ!!」
レイ「……」
アスカ「だってそうでしょ?使命だか宿命だかなんだか知んないけど!?馬鹿正直に従わなくたっていいんだもの!!だって!だって、シンジ…あんたは…」
カヲル「……」
アスカ「あんたは、自由なんだから!!そんなの気にしないで普通に明日を迎えて普通に生きて…それで…それで…普通に一生を過ごしていけばいいのよ…」
シンジ「アスカ…」
カヲル「なるほど」
リツコ「自由…」
カヲル「だから、今この時この世界は閉じ込められた」
ミサト「閉じ込められた?」
サクラ「それは、アンタらが1からやり直してるから」
カヲル「その通りであり、そうではない」
リツコ「…繰り返す事を止める為に、世界を止めた…そういう事かしら?」
カヲル「さぁ?」
サクラ「はぁ?」イラッ
カヲル「フフッ、申し訳ないけど、そちらの意思をボクは知らないからね…断言は出来ない」
マリ「…あー…はー…んー?………ぴこーん!…幸せは~、歩いて来ない…だ~から歩いてゆくんだね~と、くりゃ♪」
サクラ「突然なんですか?脳細胞でも死んだんですか?」イラッ
マリ「辛辣!?」
ミサト「そりゃー、突然歌い出したらねぇ…」
マリ「ぐすーん…」
リツコ「なるほど。アナタ…何かに気が付いたのね」
マリ「ぎくーん!」
サクラ「何かに気が付いた?」
リツコ「それは、本人に聞いてみないと」ニッコリ
マリ「あー…はー…んー…姫は、さ…」
ミサト「アスカ?」
マリ「姫はさ、つまり、わんこ君に繰り返す事のない永遠に続く明日をあげたいんだなって…さ」
アスカ「………」
マリ「それで、綾波のレイちんは…わんこ君に繰り返す事のない永遠の無をあげたい」
レイ「………」
マリ「で、二人は願った。秘密の呪文で、それぞれの永遠を…」
シンジ「………」
マリ「だけど、願いは思わぬ方向に叶えられた」
リツコ「なるほど。それが今のこの状況という訳ね」
ミサト「つまりーそれわーつまりーえーとー………」
リツコ「永遠の今日という事ね」
ミサト「それ!」
ミサト「中間って言えるのかしら、それ?」
リツコ「問題の先送りとも言えるわね」
マリ「んで、結局、繰り返す今日ってのが何ともわんこ君っぽいわw」ワロス
カヲル「しかし、シンジ君…あえて進言するよ…これは進めなくては駄目だ」
シンジ「っ……」
アスカ「はぁ!?アンタ、ブッ飛ばすわよ!!」
レイ「……でも、このままでは結局…彼が苦しいだけだもの」
アスカ「アンタッ!?」
カヲル「それに、これが君の望む状態なのかい?いや、そうではない…そうだろう?」
アスカ「チィッ!うっるさいわね!そんな事…そんな事…分かってんのよ!!」
シンジ「…」
リツコ「孤独…」
ミサト「はん?」
リツコ「圧倒的な孤独による選択…シンジ君、彼は誰にも頼れず、一切の妥協を許されず、ただ己が独り、その胸三寸にある物を決めなければならない…。かれの身の内に秘められた苦しみはどれ程のものなのかしらね…」
リツコ「しかし、彼らが求める…"元"なる世界が創られるまで…それは永遠となって続いてゆく」
ミサト「終わりの見えない事ほど怖い事はないわねー…」
カヲル「しかし、それがたった1つの真理」
マリ「はぁーん?しんりぃい?フザケたこと抜かしてると、その舌引っこ抜いちゃうゾ?」
カヲル「しかし、それでも"僕ら"は奇跡を起こさなければならない」
マリ「あん?」
リツコ「奇跡…」
ミサト「………」
カヲル「だから、まずは、その身と骨を亡くしてしまう事から始めよう…」
リツコ「!」
マリ「あ」
アスカ「チッ!!」
レイ「…」
カヲル「しかして、生命は死せず黄泉、還りて…そして神話は始まる」
ミサト「残酷な天使のように…」
シンジ「それが僕の役目だから」
ミサト「そう…」
アスカ「認めない…認めないわ…認められる訳ないでしょーがーっ!!このバカシンジぃ!!」
レイ「許されない…許されない…なら、消してしまえばいいわ」
マリ「……」
ケンスケ「どーせ俺はパイロッ…」パシッ!
ヒカリ「鈴原はまったく鈴原は…」パシッ!
サクラ「何なんですか?これ、何なんですか?」
トウジ「っは!?…は?あかーん」パシッ!
ゲンドウ「」パシッ!
カヲル「あぁ、なんて哀しくて美しいのだろう…」
アスカ「ッざけんな!!バカシンジ!!あたしはまだ諦めてないわよ!!」
リツコ「…あぁ、なるほど。やはり、救済なのね…これは報われることの無いかれへ向けられた福音…」
リツコ「裏切りの使徒…唯一、福音書を許されない神の子の弟子…」
ミサト「イスカリオテのユダ…それがシンジ君…かれの使徒としての名前…て訳ね」
カヲル「そう…そして、ボクはその代わりと入れられた最後の弟子」
リツコ「マティア」
カヲル「見届ける理由があるんだ、ボクには…人間の世代の終わりと聖なる世代の始まりを…」
レイ「そんなものは来ない!わたしがすべてを消シテシマウカラ!!」
カヲル「フッ…だが、それを彼女が許さない」
アスカ「諦めないわよ!諦めてなるものですかッての!!」
レイ「ナゼ?スベテヲ消シテシマウ事ガ1番イイハズナノニ」
アスカ「なんでよ!?アンタもあいつも!!なんで、無かったことになるのよ!!違うでしょ!?あったのよ!!あたし達はちゃんとここで出逢った!!過ごした!!その時が、在ったのよ!!?」
レス「っ…」
アスカ「なら!!」
マリ「…」
アスカ「意味があるのよ!!明日を迎える事だって出来るのよ!!シンジ!バカシンジぃ!!!あたしとあんたが出逢った意味!!!考えなさいよ!!!想いなさいよ!!!あたしがっ!あたしがあんたに自由をあげるからっ!!!」
ー YE NOT GUILTY. ー
「ヒトはいつまでアンノドミニを意識し、続けて往くのだろう…」
「主は何処(いずこ)に在ると云うのか…」
「アンノ…アンノ…アンノ…」
「ドミヌスを欠き、それを名乗るモノは何を描こうとしていたのか…そして、何を描こうとしているのか…」
「ab incarnatione Domini.これが始まりだとして、ヒトは何を得て、何処へ征くというのか…」
「Anno Domini.果たして、主の年とは永遠の事なのだろうか…」
マリ「それは誰の回顧録なのかな?」
カヲル「………さぁ、そんな話だっただろうか?」
マリ「さぁ?」
カヲル「………」
マリ「………」
カヲル「やはり…僕らは今回も"A"を得る事は叶わなかった…か…」
マリ「"A"?それは『あんた、バカぁ?』のエー?それとも『あなたは死なないわ、わたしが守るもの』のエー?いや、いやいやいや、もしかしたら"Answer"のエーだったりしちゃったりしたりして…?」
マリ「だから、君らは答えを求め続けている…あらゆる罪を重ねて」
カヲル「僕らだけじゃないさ…君たちだって求めている筈さ…だから、それは罪ではない…」
マリ「…永遠に続く世界を求めて…」
カヲル「…そう、続いている筈なんだ…世界は…」
マリ「確証はない。だから、小さな世界に干渉し続ける。大きな世界の為に…そして、より大きな世界の為に…?」
カヲル「そう…"僕ら"は''ボク"であって"ボク"は''僕ら"ではない」
マリ「彼らが君に続く事が出来ても」
カヲル「ボクは僕らに続く事は出来ない…そして、」
マリ「そして、"彼ら"はより"大きな彼ら"に続く事は出来ない」
カヲル「だが、僕らは大きな彼らに続く事をしなければならない」
マリ「それが、"A"を得る為の手段だから」
カヲル「そして、それら永遠を続けた先に在るのが…」
マリ「カミのみぞ知るセカイ…」
カヲル「君は…そう、君はまさに真理を求めてここに存在しているんだね…」
カヲル「終わりを見る者」
マリ「ん、そんなの居たっけ?」
カヲル「」
マリ「ま、でも、それもこれも結局は"誰かさん"が為に創られた世界の話なんだよね」
カヲル「そうだね…」
マリ「そして、わんこ君はその為の舞台装置…体のいいご都合主義設定要員だった…と」
カヲル「そうだね…しかし、この世界が確かに在る事には変わりはない」
マリ「そう、分からないかもしれないけど、アタシ達にだって痛みがある事に変わりはない」
カヲル「さて…見て、いるかな?」
マリ「見てるんじゃない?」
カヲル「"君"が見るこの世界はどんな物なのかな」
マリ「アニメ?漫画?小説?動画?画像?文字?」
カヲル「そして、"君"のその世界は本当に最終点なのかい?」
マリ「きっと、見られているんだよ、君も(笑)」
マリ「モブかな?背景かな?裏設定だけかな?ププッw」
カヲル「…フフッ」
マリ「なんてね…」
カヲル「未だ続く事の出来ないボク達は…意味の無い世界かもしれない…」
マリ「でも、それでも、わんこ君は苦しんでるし、姫達は頑張ってる…」
カヲル「書いては消え、描いては消え、無限に等しく消え逝く世界…」
マリ「無限なら1つくらい救われる世界があったっていいじゃない?」
カヲル「だが、"僕ら"はそれでは駄目なんだ」
マリ「知りたいから?」
カヲル「知りたいから…」
マリ「救いがないね」
カヲル「救いはあるさ」
マリ「へー」
マリ「それで救われちゃったら、全ての答えを知る必要はないかもねー」
カヲル「ただ主に救いを求めなさい」
マリ「さすれば、世界は開かれーん、てか?」
カヲル「…しかし、知らないというのに信じる事が出来るものだろうか…」
マリ「…さぁね、でも、知らないから信じる事が出来るのかもしれないね…」
カヲル「…ヒトは…この星から…この世界から…主から離れては生きては往けない…」
マリ「そうかもね…」
カヲル「もしの話をしよう。もしかしていつか来る、かもしれない未来の話さ…。しかして、ヒトは強欲であり業が深い…林檎を食べてしまう程に…」
マリ「………」
カヲル「しかし、だから、ヒトは変わる事が出来る…知ることが出来る…林檎を食べてしまったから…変わり続ける事が出来るのさ…新たなるものへ」
マリ「新たなるもの?」
マリ「…………」
カヲル「大地から…星から離れたヒトは…この、あたかも閉ざされた様な暗闇の園で己で在り続ける事が出来るのだろうか…」
マリ「………」
カヲル「不安だ…恐ろしい…何も見えない…何も知る事が出来ない…ここには己が独りなのではないか?…寂しい…苦しい…寒い…何も分からない…上は?…下は?…右は?左は?…星は…大地は何処だ…」
マリ「……」
カヲル「大地という全てを知りもしない根幹を求め…また、得てしまえば安堵してしまう。下を知り、上を知り、右をも左をも知って、己が存在を見て、他者との繋がりを知る。そして、孤独ではないと分かったとき…救われる…」
マリ「…」
カヲル「だから、ヒトは全てを知りもしない大地を信じるしかない…」
マリ「ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺は奴の前で話をしてた思ったらいつのまにか なんか始まってたんですけどー…』何を言っているか分からねぇーと思うが俺も何をされたのか分からない…(以下省略)」
カヲル「だが、しかし、その新たなるものこそは大地を捨てて…星を離れて…その暗闇の園で生きて往くことが出来る…の、かもしれない。"俺の身体をみんなに貸すぞ!"…そうして、新たなものは己と他者を繋ぐのだろう…己を、その生命を根幹として己と他者と、他者と他者とを…この広い広い暗闇の園の向こう側まで繋ぎ、繋がり、根幹を成す…星を…大地を必要とせず…ただ己が身1つで暗黒で無い世界を創り出そうとする…まるで、大地の代わりを…星の在り方を継ぐ様にして…そして、新たなものの存在でまた、ヒトも大地を捨てて…暗闇の園で…そのなかで、"みんなの力"で創られた世界で繋がり生きて往く事が出来る様になる…の、かもしれない…」
マリ「おーい、話…変わってきてないかい?」
カヲル「フフッ…つまりは…全てを知らなくともヒトは何処でだって生きては往ける…筈という事さ」
マリ「話の整合性の取れない相手だよ、君は…本当にさ」
カヲル「しかし、そんな可能性を示すよりも、まず、知る事を第一としてしまうのが、またヒトというものらしい…そう、林檎を食べたが故にか、知る事を最初にしなければ行動を起こす事が出来なくなってしまっている…のかもしれない…もしかしたら、それは、知る事を変化の最初とした新たなものでさえ…」
カヲル「知る事がヒトの在り方…如何に変わろうと…知る事を止められない…」
マリ「でー、つまりー、知ろうとしなくなったヒトは死を意味するとー(棒)…?」
カヲル「一ならばそうではないだろう…しかし、全ならば…そうなのかもしれない」
マリ「…」
カヲル「恐ろしいのだ。知らない事が。あの暗闇の園で生きる事よりも全てを知らない事の方が…」
マリ「話が戻ったかな?」
カヲル「故にヒトは思考し試行する」
マリ「そして、試行される者の身にもなれよって話になるんだよね?ここで」
カヲル「しかし、その頂に到達する為には致し方ない事なのさ」
マリ「じゃあ…わんこくんは…生まれて来なかった方が良かったのかもね…本当にさ…」
カヲル「………………………」
マリ「憐れな子羊として、犠牲者として、かれは生まれて来たんだね」
カヲル「それは違う…かれは愛によって生まれてきた…」
マリ「愛されて赦されない?その矛盾は苦しさしかくれないと思うけどなぁ…」
マリ「そこに周りの感情は含まれているの?」
カヲル「主とかれだけの事柄に周りは関係ない」
マリ「でも、かれは周りとの関係を大事にしたがっていたよ?」
カヲル「しかし、それは使命にない事だ」
マリ「なら、何故、かれと周りを関係させたの?」
カヲル「使命に関わる事だからさ」
マリ「矛盾してない?」
カヲル「矛盾はしていない。かれが使命を果たす為に周りを知る事が必要だった…ただそれだけさ」
マリ「かれは周りに愛されてはいけないのかな?」
カヲル「使命には必要ないからね」
マリ「そこに救いはあるの?」
カヲル「救いはあるさ」
マリ「でもかれは福音書を持ってはいない」
マリ「かれこそそれを必要としているのに」
カヲル「フッ…ボクが…ボクが思っていた自由は時期の自由だった…」
マリ「…」
カヲル「でも、彼女の思う自由とは…また別の意味の自由だった…」
マリ「そうだね。やるか、やらないか…拒絶する事もまた1つの救い」
カヲル「しようとしていることを、今すぐ、しなさい…」
マリ「それってさ、なにをするのかについては…言及してないよね」
カヲル「その頂に到達する為の始まりを意味するとばかり思っていた…しかし…」
マリ「もしかしたら、それをしない事をしなさいと言っていたのかもね」
カヲル「…だが、どちらにせよ決めるのはかれだ…」
マリ「そうだね。だから、またやり直すよ。…うちの姫はそういう人だから…必ず創ってみせるよ…かれによるかれだけの"エヴァンゲリオン(福音書)"を…」
カヲル「……そう…そうやってキミ達は繰り返す世界を紡いで来た…そして、また…キミ達はかれの為に……」
*
ミサト「…」
アスカ「…」ピッ!ピッ!ピッ!
シンジ「あ」
ミサト「あー」
アスカ「ちょっとうるさい!いまはあたしがやってんの!あたしにまかせなさい!」
シンジ「でも、今のターンで回復しとかないと…」
ミサト「あ、やられちゃったわよ?アスベルちゃん」
アスカ「ちょっと、アタシとキャラの名前、混ぜんの止めてくれる!?」
ミサト「だってー、この娘、アスカに超似てるんだもーん」
シンジ「あ、たしか」
アスカ「似てない!!」
シンジ「似てないよね」
ミサト「あ、全滅したわよ」
アスカ「ムキーーッ!!」
アスカ「何よりコレ!?クソゲーよ!!こんなもんクソゲーよ!!」
シンジ「ちょっ!コントローラー投げるのやめてよ!壊れるじゃないかー」
アスカ「うっさい!バカシンジ!ジュース!!」
シンジ「なんで僕が…自分で持ってくればいいじゃないか」
マリ「わんこくん、あたしはコーラね」
シンジ「さらっと便乗しないでよ…いや、持って来ないからね!?」
ミサト「あたしわビールね」
シンジ「…」
レイ「大丈夫、碇くん…わたしが先に進めてるから…」
シンジ「」
マリ「行ってらー☆」
シンジ「て、そういえばもうジュース無いよ。ビールはあるけど…大量に…ほんと大量に…」
アスカ「馬鹿ね、無いなら買ってくればいいじゃない?ほんとバカシンジね」
シンジ「やめて…なんか傷付く。先に馬鹿を使ってバカで締めるのやめて…はぁ…仕方無い…行ってくるから、ちゃんと進めておいてよ!?」
レイ「ええ」
シンジ「ほんとにお願いだよ?次は8やって、最後に11やるんだからね?…て、今更だけど何なの、このデスマーチ?アスカ、ほんとにやるの?ねえ?」
アスカ「やるわよ。いいから早く行きなさいよ!ジュース!はやくジュース!!」
シンジ「うぅ~…はぁ、分かったよ、もうぉ…」
マリ「………」
レイ「………」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「………」
マリ「……」
レイ「……」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「……~♪」
マリ「!?」
レイ「…」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「…フタリ デアエタ コトニ イミ ガ… ~♪」
end?
※後書きと言う名の言い訳とお詫び※
はい終わった
終わりました
たぶん打ち切りエンド(笑)
色々とゴチャゴチャしてて当初考えていた事も分からなくなっていった事に加えて、とりあえず書いていた構想の端書き的なメモを無くしてしまって、もう最後は投げやりビュンビュビュ~ン!!て感じです。
でも、終わらせたかった。無理矢理にでも完結させたかったんです!うはあはは~ん、命がけでえ~へ~うは~んうぇ~ん、このSSうははあーん、この、ああーこのエスのはあーん、ああーんSSを、へぅ、一生懸命、縁もゆかりも無い完結させたい一心で~。
それから、もう少し知恵の輪に入った物を書けたら素晴らしかったのですが、なにぶん作者の知恵の方が足りないので結局は意味不明な物と相成りした事をここでお詫び申し上げておきます。
関連ワードとしては、歌詞、キリスト、科学、哲学でしょうか。
どこか有能な解読者が現れる事を期待しております。
えぇ、お察しの通り。
冷静に見てはいけません。冷静に見たらただの厨○病患者のブラックヒストリーノートなので。
それではこんな作者の駄作にここまで御付き合いして後書きまで見て下さった皆々様、本当にありがとうございました。
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1430336495/
Entry ⇒ 2017.11.04 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
アスカ「だいじょうぶの笑顔。」
シンジ「…………………。」ハァ...
シンジ「痛っ!何するんだよ、アスカ!」
アスカ「まったく辛気くさいわねー、バカシンジ。いったいアンタどうしたってぇのよ?」
シンジ「……母さんのことを考えてたんだ。でも、母さんのお墓には母さんは居ないんだって聞かされて…。」
アスカ「なに?ちょっと前に流行った千の風がどーたらってやつ?」
アスカ「……………。バカシンジ。」
シンジ「なに?アスカ。」
アスカ「いまから出かけるわよ!。」
アスカ「いいから!早く支度しなさい。朝からアンタがそんな辛気くさい顔してうつむいてんの見せつけられちゃたまったもんじゃないわ。」
シンジ「そんな急に言われても…。」
アスカ「い・い・か・ら!40秒で支度なさい、グズグズしてると張っ倒すわよ!」
………………
………
<第3新東京市・共同墓地 碇ユイ墓標前>
シンジ「アスカ…。ここ…。」
アスカ「そうよ、アンタのママのお墓……。ここでいいのよね?」
シンジ「アスカ、僕が何に悩んでたかちゃんと聞いてなかったの?」
アスカ「聞いてたからここにきたの。」
アスカ「ごめん、シンジ。アタシね、アンタのお母さんに何があったのかミサトから聞かされてるの。」
シンジ「そう……なんだ…………。」
アスカ「だからって流石に第7ケイジはやっぱり生々しすぎる気がするのよね。だからここにしたの。」
アスカ「アタシね、人が人を弔うって言うのはつまるところは心の在り方だと思うの。そりゃ確かに遺骨だとか遺品だとかそういう物があれば手は合わせやすいわよ?でもそう言うのってその心の在り方を示すためのデバイスでしかないと思うのよ。」
シンジ「…うん。」
アスカ「それにね、シンジ?遺されたアタシたちが元気にやってて故人を想ってあげること、悼んであげること。
その気持ちが一番大事なんじゃないかしら?それが出来ればどこに居て何に向かって手を合わせてもアンタのママにその心はきっと伝わるわ。」
アスカ「あら?アタシはいつだって優しいわよ?優しいからアンタみたいな優柔不断にいっつも喝を入れてやってんでしょ?」
シンジ「普段も、もう少しお手柔らかにお願いできないかな?」
アスカ「なに言ってんの!優しいとお手柔らかは違うのよ!アンタくらい煮え切らないのにはあれくらいで丁度よ。少し足りないくらいかしらねー。」
シンジ「なにか言った?アスカ。」
アスカ「なんにも!ほらバカシンジ、アンタのママに手を合わせるわよ!」
シンジ「うん。ありがとう、アスカ。もう だいじょうぶだよ。」ニコッ
………………
………
<共同墓地・入口>
シンジ「ねぇ、アスカ。」
アスカ「なによ?バカシンジ。」
シンジ「アスカはミサトさんから僕の母さんのこと聞いたって…。ごめんね、実は僕もアスカのお母さんのこと…聞かされてるんだ。」
シンジ「黙ってて、ごめん。」
アスカ「黙ってたのはお互い様でしょ?それに黙ってたって言うよりはどう考えたって軽々しく触れていい話題じゃないもの。アタシにしたってたまたまきっかけがあっただけなんだし。」
シンジ「…………。ね、アスカ?海に行こうよ。」
シンジ「海に行こう。海じゃなくてもいいんだけど、もう少しアスカと話がしたいんだ。」
アスカ「唐突ねー。ま、いいわ。行きましょ、今日は天気もいいし。アタシも付き合わせたんだしね。」
シンジ「ありがとう、アスカ。」
………………
………
<新横須賀(旧小田原)・埠頭>
シンジ「アスカ、ここ憶えてる?」
アスカ「忘れるわけないでしょ?アタシが初めて踏んだこの国の地面だものね。」
シンジ「本当は僕たちが初めて出逢った場所にしたかったんだけど…。」
アスカ「さすがに太平洋の海の上は無理ってものよ。」
シンジ「………アスカはさ。いつかエヴァを降りる日が来るって、そんな未来があるって考えた事ある?」
アスカ「………………!」
シンジ「アスカは僕の母さんの話聞いたったって事はさ、アスカのお母さんの事。アスカ自身が直接は聞かされないにしても感づいてはいるんでしょ?」
アスカ「…………。」
シンジ「アスカがエヴァにこだわる理由も想像がつかない訳じゃないから…。多分その辺の話については僕よりも大きいもの想像つくんだけど…。」
アスカ「……………アンタが想像してる理由だけじゃないわよ、きっと。」
アスカ「アタシね…。ママがママじゃなくなった時にね、これ以上誰かに捨てられたくなかったんでしょうね。そんな時にタイミング良くエヴァのパイロットに選ばれてね…。」
シンジ「うん…。」
アスカ「もちろん今となっては仕組まれた話だって気付いてるわ。ただ、仕組まれた話とは言えエリートとしてのレールが用意されてさ…。」
シンジ「…………。」
アスカ「アンタのママの話を聞かされた時ね…。そりゃ当然感づくわよね、弐号機の正体に。そこから先はアンタが想像してる通りよ。アタシがいま弐号機にこだわる理由。」
シンジ「あのね、アスカ。ケンスケから聞かされた話なんだけどね。」
シンジ「まだ僕が先生のところにいた頃の話でさ第3新東京市に来る前だね、小学生の頃の話らしいんだけどね。トウジが凄くヘコんでた事があったんだって。」
アスカ「そりゃ鈴原だってヘコむ事くらいはあるわよ。」
シンジ「そうなんだけど、なんだかヘコみ方が尋常じゃなかったらしくってケンスケが心配して理由を聞いてみたんだって。」
シンジ「そしたらね、トウジが応援してる野球チームで長年主力だった選手が引退を表明したらしくって、それでヘコんでたんだって。」
アスカ「バカらしい!鈴原らしいわねー、本当。誰だって衰えるんだから引退くらいするじゃない。」
シンジ「優勝した年に4番を打ってたんだって。トウジにとってはよっぽどだったんだよ、ケンスケが言うには給食が喉を通らないくらいヘコんでたらしいし。」
シンジ「僕もケンスケから聞いた話だから…。で、ひと月くらいそんな様子が続いてある日いきなり元気に学校に来たらしいんだ。」
アスカ「どーせ、つまんない事で機嫌直ったんでしょ?」
シンジ「つまんない事かなぁ。その選手の引退セレモニーの次の日だったらしいんだけどね、そのセレモニーの挨拶で『いつかチームに戻ってきます。ファンの皆さん、チームの皆さん、その時はまた一緒に戦いましょう。』って言ったんだって。」
シンジ「その人はもう選手として野球に関わらなくなったけど野球をやめた訳じゃないんだって思えてきて嬉しかったってトウジは言ってたっけ。」
アスカ「どう言う事よ…。」
シンジ「さっきアスカ、誰だって引退くらいするって言ったでしょ?でも、引退するからって言って何もかもをキッパリと断つことも無いと思うんだよ。」
アスカ「…………。」
アスカ「やっぱり、アンタだって…。」ボソッ
>>22は無しで
アスカ「シンジ…。」
シンジ「いつか僕たちがエヴァから降りる日、世の中がエヴァを必要としなくなる日が来るかもしれない。ただ世の中がエヴァを必要としなくなるためにエヴァに関わらなきゃいけない人たちってのが必ず必要になると思うんだよ。」
アスカ「…………。」
アスカ「やっぱり、アンタだって…。」ボソッ
アスカ「……アンタだって優しいじゃない。」
シンジ「えっ?あ、そのっ…。」
アスカ「前にアタシがひとりでテンションあげてひとりで先走って、
挙句にひとりで勝手にベッコベコにヘコんだ時もさ必死で励ましてくれて庇ってくれてさ。なによ!アンタもしかしてアタシの事好きなの?!」
アスカ「ありがと、シンジ。もう だいじょうぶよ。」
シンジ「うん。」
アスカ「帰ろっか、シンジ。」
アスカ(アタシもアンタのこと、嫌いじゃないわよ。あんたがアタシのこと、ちゃんと見てくれるなら………ね。アタシのこと見てもくれない大人なんかよりよっぽど…………。)
………………
………
<夕食後・葛城邸ダイニング>
ミサト「シンジくーん、アスカー。そういえば学校の進路相談、そろそろじゃなかったっけ?」
シンジ「はい、再来週の月曜日。アスカも同じ日に時間差で。」
ミサト「オッケー、スケジュール空けとくわね。進路相談って言えばだけどね、ふたりとも卒業後はどうするの?何かやりたい事とかあるのかしら?」
アスカ「卒業後…?」
シンジ「それはネルフに残るとか残らないとかの話…ですか?」
ミサト「他にやりたい事があればそれでもいいのよ?まずは漠然としたものでいいの、あなたたちの夢を聞かせて欲しいのよ。」
シンジ「正式なオファーってわけじゃないんですけど、実は酒保長の田村さんからレシピを教わりに行くたびに主計局に来る気はないのかって話をされてて…。」
シンジ「僕自身は仕方なしで始めた事ですけど、料理自体は楽しいんでそれで身をたてるのも悪くはないなって思うんです。」
ミサト「あら、素敵な事だと思うわよ?」
シンジ「でも、『悪くない』なんですよ。そんな半端な気持ちでやるのも田村さんに悪いし…。それに作戦局の都合も技術局の都合もあるでしょうし…。」
シンジ「…………僕には将来なりたいものなんて何もなくて、夢とか希望のことも考えたことがなかったんです。
それで今までだってなるようになってきたし、きっとこれからもそうなんだろうって。
だから何かの事故やなんかで、別に死んでもかまわないと思って生きてたんです。」
ミサト「シンジくん?」
シンジ「けど、最近思うんです。希望が見えないのは、僕が希望を探してこなかったからじゃないかって。だから…もう少し時間をください。」
シンジ「はい!」
ミサト「…で。アスカはどうなのかしら?アンタの場合はそれこそ中学出た時点でやりたい事あればそれでもいいのよ?」
アスカ「…ミサト、怒らないで聞いてくれる?」
ミサト「リツコの下につきたいって事?」
アスカ「そう。E計画担当への配属が今のところ将来的な希望ね。勘違いしないでよね?上司としてのアンタに不満があるわけじゃないの。
きっとアタシは将来的にはエヴァから降りなきゃいけない。世の中がエヴァを必要としなくなる日が来るわ。
アタシはその日をアタシ自身の手で迎えることでアタシと弐号機のオトシマエをつけたいの。」
シンジ「アスカ…………。」
ミサト「…わかったわ。それがアスカの希望ならあたしは後押ししてあげるわ。表立ってできない事もあるけど、出来るだけのことをしてあげるわ。」
ミサト「そうねぇ…。秘密ってよりも、あたし達3人の約束の方がいいと思うわ。」
ミサト「ほらほら、なにしんみり感出しちゃってるのよ!なにをやるにもまずは笑顔!笑顔があれば大抵のことは乗り切れるわ。」
アスカ「ミサト、ありがとね。」
あなたたちの人生はまぶしい光であふれてるのよ。若ぁぁっかいんだから、突っ走りなさい。)
ほら だいじょうぶ もうだいじょうぶ
こんなにあなたのことがすき
ほら だいじょうぶ もう だいじょうぶ
こんなにあなたのことがすき
劇終
ワシが過去に他所で書いたお話でアスカが優しすぎると言われた気がしたけぇそこら辺のワシのお話でアスカが優しい理由をなんとかでっち上げでもいいから補完をしようとしてるうちにいっそ一本書いてしまおうと思ったんじゃ
今回のお話の元ネタはやっぱりアスカの中の人の歌でスレタイと同名の曲「だいじょうぶの笑顔」をベースにしてみた
正直、歌ネタは難しいの。気の迷いでも手を出すべきじゃなかったと反省しとる。
元ネタの歌は楽曲の著作権利者自身がつべに動画あげとるから是非一度聴いて欲しい。
https://youtu.be/VDKb0mzAvH4
シンジ「帰ろうよ、アスカ。僕たちの家に…」
シンジ「本格焼豚と海老 生姜八角のきいた香炒飯?」
シンジ「やめてよ、ミサトさんっ!それはっ…僕のおいなりさんだからっ…」
アスカ「シンジ!アンタのソレ、まるでポークビッツじゃない!」
カヲル「シンジくん、僕のここに練乳をかけてくれないか?」
今回のお話も含めて全部PSP版の造られしセカイのアフターの体で書いとる。
つまり
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira146855.jpg
このイベントは経験しとる世界な
ゆるくて優しい世界のスラップスティックコメディが苦手でなければ読んでみてほしい。
じゃあの
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507622402/
Entry ⇒ 2017.10.17 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
綾波「ふらーみとぅざむーん」
シンジ「・・・・・・え?」
綾波「えんれとみーぷれーいあもんざすたー」
シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ!」
綾波「・・・・・・なに?」
シンジ「どうして突然歌うの?」
綾波「最初は、言葉で言おうとした」
シンジ「・・・・・・なにを?」
綾波「でも言えなかった。言葉が、見つからなかった」
シンジ「いや、あの」
シンジ「・・・・・・はい」
綾波「でも、書けなかった。言葉が、見つからなかった」
シンジ「うん? ・・・・・・うん」
綾波「だから・・・・・・歌います、Fly me to the moon」
シンジ「え?」
綾波「ふらーみとぅざむーん、えんれとみーぷれーいあもんざすたー」
シンジ「・・・・・・」
綾波「れっとみしーわっすぷりんいずらいくおーん、じゅーぴたえんまーず」
シンジ「・・・・・・お経?」
綾波「聴いて」
シンジ「ごめん」
シンジ「・・・・・・」
綾波「いんなーざわーだーりんきーすみー」
シンジ「あのね、綾波」
綾波「なに」
シンジ「英語だから、なんて言ってるのか分からないや」
綾波「・・・・・・」ガーン
シンジ「・・・・・・ごめん」
綾波「・・・・・・そう」
シンジ「つまり、なにが言いたいの?」
綾波「・・・・・・そう、つまり」
シンジ「つまり?」
シンジ「・・・・・・え?」
綾波「つまり、あなたを・・・・・・愛してるの」
シンジ「・・・・・・あ」カァ
綾波「・・・・・・」
シンジ「・・・・・・あの、いや・・・・・・えーっと」
綾波「なに」
シンジ「・・・・・・僕も、その・・・・・・綾波が、嫌い、じゃない」
綾波「そう」ニコ
完
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492957897/
Entry ⇒ 2017.10.05 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
ヒカリ「アスカは碇君のどんなところが好きなの?」
ヒカリ「……え?」
アスカ「すっごいんだから。あいつの」
ヒカリ(びっくりしてあれ以上聞けなかったけど。きっと冗談だったのよね、アスカ)
レイ「……」テクテク
ヒカリ(あ。綾波さんだ……)
ヒカリ「ね、ねえ。ちょっといいかな?」
レイ「……なに?」
ヒカリ「唐突に聞いちゃうんだけど。綾波さんは、碇君のどんなところが好きなのかな、って」
レイ「キスがうまいところ」
レイ「碇君にキスしてもらうと、カラダがとてもポカポカするの。碇君の唇と舌で、私の唇や咥内を愛撫されると、とてもとても」
ヒカリ「し、失礼しました!」タタタッ
レイ「……?」
マナ「いいんちょー!」
ヒカリ「霧島さん。どうしたの?」
マナ「えへへ。実はね。今日持ってくるように言われてたプリント、家に忘れてきたみたいで。明日は絶対持ってくるから、ごめんなさい!」
ヒカリ「もうっ。でも、忘れたのは仕方ないから、明日は本当に持ってきてね」
マナ「もちろん!」
ヒカリ「……ねえ……話は変わっちゃうんだけど。霧島さんに聞きたいこと、あるの」
マナ「うん。大好き」
ヒカリ「そ、それでね。碇君のどんなところが特に好きなんだろ?って思って。好奇心で」
マナ「うーん……シンジってね、指がとってもキレイなの。知ってた?」
ヒカリ「指が好きってこと?」
マナ「そうだけどそうじゃなくって。あの指で触れてもらうと、すご~く気持ちいいんだぁ。あっという間に夢見心地にされちゃう感じ」
ヒカリ「ふ、触れるって……つまり」
マナ「もちろん、エッチな意味で。チェロしてるからかな? シンジにカラダ中弄られるとすぐトロトロにされちゃって、力なんて入らなくなって、もう大好きどうにでもして!ってなっちゃう」
ヒカリ「///」
マナ「他にも聞きたい?」
ヒカリ「う……ううん、大丈夫。ありがとう ///」
ヒカリ「……ハァ」
ヒカリ(……そうだわ。山岸さんなら)
ヒカリ「!!……そ、そうよね! やっぱり大事なのは優しさだよね! 私も―――」
マユミ「エッチが終わった後、冷たくなる人も多いって本には書いてあったんですけど、碇君は全然そんなことなくて」
ヒカリ「」
ヒカリ(みんな、どうしちゃったのよ……)
ヒカリ「……碇君とするの、そんなに気持ちいいのかな……」
ヒカリ(!? な、なに言ってるのよ私。気持ちいいとか悪いとかの話じゃないのに! それに私が好きなのは鈴原なんだからッ)
ヒカリ「……」フラフラ
真希波「おーい! そこの委員長さん」
真希波「そうそう。あれ、今日は姫と一緒じゃないの?」
ヒカリ「え、ええ。今日はちょっと……」
真希波「そっか、まーそういうこともあるよね。姫にちょいと用があったんだけど、電話でいーや」
ヒカリ「……」
真希波「にゃ? どうかした?」
ヒカリ「……あの。聞きたいことがあるんですけど」
ヒカリ「すっすいません! よく考えたら、友達でもないのにこんな話!」
真希波「いいっていいって。せっかくだからこれで友達ってことでさ」
ヒカリ(真希波さん……変わった印象の人だけど、いい人なんだ……)
真希波「そんで、ワンコ君の件だけど」
ヒカリ「はい」
真希波「確かに彼、可愛い顔してエッグいおちんちん持ってんだよねえ」
ヒカリ「え」
ヒカリ「」
真希波「ありゃ? ワンコ専用なのににゃんこじゃおかしいか?」
ヒカリ(ま……真希波さんまで、碇君と!)
真希波「ん♥ ああっ思い出してきちゃったニャ……ちょいとここらで失礼」
ヒカリ「……」
真希波「わーんこくーん、いーま行っくよーっと」ピョンピョン
ヒカリ「……ハァ」
ノゾミ「おかえりぃお姉ちゃん」
ヒカリ「ごめんね遅くなっちゃって。着替えたら、すぐご飯の準備するから」
ノゾミ「はーい」
ヒカリ「……」スタスタ
バタン
ヒカリ「……ハァ……」
ヒカリ(やっと着いた……下着、ぐしょぐしょでキモチ悪い……)
♪~
ヒカリ「はい、もしもし」
アスカ『もしもしヒカリ? 今日、大丈夫だった?』
ヒカリ「え。なにが?」
アスカ『学校で、なんだか顔、青くしたり赤くしたりしてたから』
ヒカリ「べ、別に、全然平気だよ。うん……ごめんね心配かけちゃって」
アスカ『平気ならいいけど。私がおかしなこと言っちゃったからかも、って思って』
ヒカリ「!!」
アスカ『良かった。でも、びっくりはしたのね、やっぱり』
ヒカリ「それは。だ、だって、急にあっち方面の話が出るなんて思わなかったから…… ///」
アスカ『ふーん……』
ヒカリ「? アスカ?」
アスカ『ねぇ。体調が悪かったわけじゃないなら、女子会来ない?』
ヒカリ「女子会?」
アスカ『今決まってるメンバーは私と、コネメガネと、エコヒイキと、マナとマユミ。ミサトのいない日にウチに来て泊まってくの。女しかいないから気楽よ』
ヒカリ「……ッ」ドクッ
アスカ『どう? ヒカリも。すっっっごく楽しいわよ』
ヒカリ「……アスカと、綾波さんと、霧島さんと、山岸さんと、真希波さん?」ドクッドクッ
アスカ『ええ』
ヒカリ「碇君は……いるのね」ドクッドクッ
アスカ『いるわ』
ヒカリ「……」ドクッドクッドクッ
アスカ『一緒に遊びましょヒカリ。ウチの女子会、本当に楽しくて素敵なんだから。みんな、家に帰りたくなくなっちゃうくらい』
ヒカリ「うん……私も、イク」
エヴァSSは未だに不朽だな
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1478176731/
Entry ⇒ 2017.07.16 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
シンジ「綾波……記憶喪失なの……?」レイ「違うわ……私は三人目……」
レイ「何を言っているの?私はあの綾波レイとはーー」
シンジ「どうしよう!どうしよう!どうしよう!」
レイ「落ち着いて」
シンジ「何とかしなくちゃ!何とかしなくちゃ!」
レイ「碇くん、落ち着きなさい」
レイ「どっちなの」
シンジ「とにかく、記憶を戻す方法を考えないと!」
レイ「はぁ……」
シンジ「ち、ちなみに僕の事はどのくらい覚えているの!?」
レイ「初号機パイロットのサードチルドレン……碇シンジくん」
レイ「何……?」
シンジ「他には?」
レイ「……」
シンジ「それだけ?」
レイ「そうね」
シンジ「う……うわぁぁぁぁああああ!!!!!!」
シンジ「どうしよう!どうしよう!どうしよう!」ドンドコドンドコ
レイ「やめて」
シンジ「何とかしなくちゃ!何とかしなくちゃ!」ヤンヤヤンヤ
レイ「うるさいから……」
シンジ「うわぁぁぁぁ!!!!!!」ドコドコドコドコ!
レイ「やめなさい」
パシン!
シンジ「あっ……」
シンジ「記憶喪失だからね」
レイ「何を言っているの」
シンジ「記憶喪失だから記憶喪失って事も記憶喪失しちゃったんだろ?」
レイ「……」
シンジ「ひとつ分かってるのは綾波が記憶喪失だって事だけか……」
レイ「もうそれでいいわ」
レイ「そう……ね……ごめんなさい」
シンジ「せっかく色々話したのに……」
レイ「そうなのね……碇くんは……」
シンジ「何?」
レイ「私と碇くんはどういう関係だったのかしら……?」
シンジ「!」
シンジ「碇 シ ン ジ 完 全 勝 利 !」
レイ「えっ」
シンジ「キタキタキタキタァーーーー!!!」
レイ「急にどうしたの……?いや……さっきから変だったけど……」
シンジ「そうだよ!僕と綾波の関係だよ!鉄板だよ!これだよ!」
シンジ「僕と綾波はね……」
レイ「……」
シンジ「恋人だったのさ!!!」
レイ「違うわ」
シンジ「えっ」
レイ「違うわ、分かる気がする」
シンジ「記憶喪失の癖に!!!」
シンジ「うるさい……」
レイ「それ以前に私が誰かと関係を持つ筈が無いわ」
シンジ「黙れ……」
レイ「……」
シンジ「記憶喪失なのにそんな事分かる訳無いじゃないか!!!」
シンジ「この記憶喪失野郎がぁーーーー!!!」
どんっ!
アスカ「うっさいわね!さっきから何をウダウダ言ってんのよ!」
シンジ「痛いじゃないか」
アスカ「アンタがうっさいからでしょ!」
アスカ「ぬわぁんですってぇ!?」
シンジ「あっ!!!!!!」
アスカ「きゃっ!何よ、いきなり大声出して!」
シンジ「そんな事より聞いてよ!!!綾波が記憶喪失なんだ!!!」
レイ「……」
アスカ「アンタ……何で……!」
アスカ「記憶喪失なの!?」
レイ「!?」
シンジ「そうなんだよアスカ!綾波は記憶喪失なんだ!」
アスカ「嘘でしょ……記憶喪失だなんて……!嘘って言いなさいよ!」
レイ「だから嘘だって言ってるじゃ」
アスカ「まずいわね……記憶が混乱しているようね」
シンジ「ああ、そうなんだ!」
シンジ「分からないよ!僕だって三日三晩考えたさ!」
レイ「さっき知ったじゃない……」
アスカ「八方塞がりね……」
シンジ「飛び級のアスカが言うんだから、もう手は無いんだろうね……くっ!」
レイ「助けて」
アスカ「なんて事なの!?このアスカ様が助けが必要な子供を簡単に諦めていたなんて!?」
シンジ「ぼ、僕はまた逃げていたのかぁーーーー!!!」
アスカ「まだ何か手はある筈よシンジ!!!」
シンジ「ああ、頑張ろう!!!」
レイ「馬鹿ばっか」
完
なんなもう終わる
記憶喪失利用してエロい事するSS書こうとしたのになんか今日は無理だわ
次回作に期待するぜ
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1488369010/
Entry ⇒ 2017.07.16 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
レイ「二番目の人」
レイ「二号機の人?」
アスカ「しらばっくれるき?アタシ、ちゃんと聞こえてたんだから!?」
レイ「......」
アスカ「アンタ、さっきアタシの事、二番目の人って言おうとしたでしょ?」
レイ「......」
アスカ「ちょっと、何か言いなさいよ!」
レイ「だって、アナタ、二番目だから」
アスカ「はああああっ!?何が二番目なのよ!?ふっざんじゃないわよ!?」
レイ「だって、碇君の一番は私だから...」
アスカ「あん?」
レイ「碇君は私を最初に受け入れてくれたの。アナタは二番目」
アスカ「は?......は?」
アスカ「ちょっと待ちなさい!?は?初めて?は?何が?てか、何、その顔、ムカつく?」
レイ「え?」(・∀・)ナニガ?
アスカ「ムカつく。ていうか、ありえないし、シンジはアタシが初めてだって言ってたし」
レイ「それは、嘘。だって、アナタは睡眠薬で眠らせた碇君を襲ったから... 」
アスカ「っ!?えっ!?はぁっ!?な、なんで?なんで、アンタ...」
レイ「碇君の部屋には隠しカメラが設置してあるの」
アスカ「げ、まさか、ネルフ!?」
レイ「大変だった」(*´・ω・`)=3
アスカ「アンタが設置したんかい」
アスカ「ふざけんな」
レイ「ちなみに、私のも録画した。ハイビジョン!!高画質!!時代は200K!?」
アスカ「ゴメン、ちょっと待って、頭痛い。なに?アンタ、そういう性格だった
っけ?」
レイ「イメチェン?」
アスカ「いや、まず、それすら考えそうにないと思ってた」
アスカ「え?ドラクエ?」
レイ「碇君がしてたから...」
アスカ「あ、そ」
レイ「ニフラム」
アスカ「消えないわよ。てか、なに、さらっと人を格下扱いしてんのよアンタ?」
レイ「......」
アスカ「謝んなさいよ」
レイ「二番目にしてごめんなさい」
アスカ「そういう謝り方!?いや、そもそも謝ってないし。馬鹿にしてんの!?」
レイ「ごめんなさい、ちょっと何言ってるのか分からない」
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
*
シンジ「ミサトさん、アスカが帰って来ないんですけど、何か聞いてません?」
ミサト「え~?さぁ?それより、シンちゃ~ん♡おつまみ、もっとちょ~だぁい♡」
シンジ「はぁ...一応、ミサトさんは、僕たちの保護者なんだから、せめて、アスカが帰ってきてから酒盛りして下さいよ」
ミサト「でへへ、だぁって、やぁと、お仕事が一段落して、明日は久しぶりの休日なのよ~?これが、飲まずにはいられますかってなものよぉ~」
シンジ「別に次の日が休みじゃなくても、いつも飲んでるじゃないですか、ミサトさんは...」
ミサト「なあによお?シンちゃんわあ、私がお酒飲んだら駄目って言うのぉおっ!?」
シンジ「ちょ、ミサトさん、声が大きいですよ!!ご近所迷惑になるから、もう少し」
ミサト「まっ!大きいだなんて、シンちゃんったら、やらしい~♡」
シンジ「駄目だ、完全に酔っ払ってる。早く帰って来てよ、アスカ...」
ミサト「酔ってるわよぉ!悪いぃ?お詫びにチュウしちゃう~?」
シンジ「なっ…」
シンジ「わぁあっ!?お、おかえりなさい?」
ミサト「ちょっと~、机叩かないでよ~、ビールがこぼれちゃうわ~」
シンジ「そ、そうだよ、危ないじゃないかアス」
レイ「ただいま」スタスタスタ
シンジ「ええっ?」
アスカ「うっさい!バカシンジ!」
シンジ「なんで僕だけ!?じゃない、綾波?なんで?」
レイ「あなたは私が守るから…」
シンジ「え?」
アスカ「それより!あんたいま何をしようとしてたわけ?」
シンジ「へ?何もしてないけど?強いて言えば料理をしようかと」
ミサト「そ~よ~♪シンちゃんはいまからアタシの為に愛妻料理を」
レイ「アナタは要らないわ、皆が言ってるもの」
アスカ「あら奇遇ね、アタシも同じ意見だわ」
シンジ「アスカ!?」
ミサト「……」グビッグビッグビッ
アスカ&レイ「……」
ミサト「プッハァ~♪え、な~に~?」
アスカ&レイ「」イラッ
シンジ「に、逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃ!アスカも綾波もっ!ご、ご飯食べるでしょ?僕いまから作るから!みんなで一緒に」
レイ「ちょっと待って碇君」
シンジ「う、うん。何かリクエスト?」
レイ「何故、私じゃなくてあの人が先なの?」
シンジ「……え?」
レイ「何故、レイも二番目の……二号機の人もご飯食べる、じゃないの?」
シンジ「……え」
アスカ「よっし!そのケンカ買ったぁー!!アンタを泣かす!!」
アスカ「コイツが変なのはいつもの事でしょ!退いてバカシンジ、泣かすわ!」
レイ「碇君、私はどこか変なの?」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「えっ!?」
アスカ「」イラッ
シンジ「へ、変じゃないよっ!綾波はどこも変じゃない!!」
レイ「ほんと?」
シンジ「本当だよ!」
レイ「よかった」シンジダキシメ
シンジ「っ?は、はやなみっ!」レイダキシメ
レイ「……」チラッ
アスカ「」
レイ「」( ´,_ゝ`)フッ
アスカ「コロスワヨ」
ミサト「え~?な~に~?学芸会か何かかしら~?」グビッ
アスカ「ミサトは黙ってて!」
シンジ「あ、ご、ごめん、綾波!」
レイ「大丈夫。保存した」(*´∀`)♪200K
シンジ「?」
アスカ「アンタ、いい度胸してるわ。マ・ジ・で泣かすわ」
レイ「嫉妬乙」
アスカ「氏ね」
シンジ「ちょ、アスカ危ない!」
ミサト「ちょっと~、暴れないでよ~、部屋が汚れるわ~」
シンジ「いや、ミサトさんが言えたことじゃ」
ミサト「でへぇ♡シンちゃん、ごみーんねぇ♡」
レイ「私は私。アナタには出来ない事をして何が悪いの?」
アスカ「そういう事を言ってんじゃないのよっ!このアバズレがぁー!」
アスカ「!!」
レイ「したらいいわ」
アスカ「……」
レイ「出来るものなら」
アスカ「……」
シンジ「とにかく、アスカ落ち着いて。落ち着いて話を、アスカ?…あれ?落ち着いたの?」
レイ「碇君、私イメチェンしたの」
シンジ「え?イメチェン?」
レイ「私は私。他の誰でもない。だから、綾波レイはイメチェンしたの」
シンジ「えっと、うん……いいんじゃないかな?綾波がどんな性格をしていても綾波は綾波だよね?」
ミサト「そ~かしらぁ~♪」グビッグビッ
レイ「」イラッ
シンジ「ちょっと、ミサトさん。飲み過ぎですよ」
アスカ「シンジ!」
アスカ「シンジ!」
シンジ「え、うん。な、なに?」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ?」
アスカ「」モジモジ
シンジ「?」
アスカ「シンジ?」( ´△`)
シンジ「え、どうしたのアスカ?わりとマジで」
ミサト「ぶわっははははは!」グビッグビッグビッ
レイ「」イラッ
アスカ「うぅ~っばかぁ」(/´△`\)
ミサト「シンちゃんそんな事よりおつまみまだぁ?」
シンジ「あ、はい。ミサトさんちょっと待って下さいね」
シンジ「ん、なに?」
レイ「最後の石板がどこにあるのかわからないの。神様と戦えない」
シンジ「は?」
ミサト「シンちゃーん」グビッグビッ
レイ「現代も過去も探してみたけど私には見つけられなくて困ってるの」
シンジ「あ、ドラクエ?セブン?んー、もしかして、あの場所じゃないかな?ほら、珊瑚の」
アスカ「シンジ!」
シンジ「うわっ!だから急に」
アスカ「あた、あたしも」
シンジ「アスカも!?」
アスカ「ツゥ!ツゥが難しいの!ツゥが一番難しいの!知ってる!あたし知ってるんだから!」
シンジ「し、知ってるんだ?」
アスカ「し、知ってるわ」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「……」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「えっと、クリア出来なかったってこと?一緒にやる?」
アスカ「やる!」(°▽°)
レイ「超絶必至」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「うっさい!」(# ゜Д゜)
シンジ「とりあえず、ゲーム機は僕の部屋にあるから持ってくるよ」
マリ「そこでマリちゃん颯爽と介入!!呼ばれて飛び出てマリちゃんじゃーん!?」
レイ「氏んで」
マリ「ひどっ?なに?あたし今回こういう役どころ?」
アスカ「アンタ不法侵入よ」
マリ「にゃは、い・ま・さ・ら☆」テヘペロ
アスカ&レイ「」イラッ
マリ「わんこ君」
シンジ「はい」
マリ「七つの玉を集めにあたしとアドベンチャーしないかい?」
シンジ「はい?」
マリ「あ、ドラゴン違いだったか。にゃはは、絵師は一緒なのにね~」
アスカ「アンタ何しに来たのマジで」
マリ「いや、ほら、仲間外れは嫌じゃん?」
ミサト「シンちゃはぁん」
シンジ「あ、はいはい」
マリ「やっぱり、あたしとしてはさ。負けられない止まらないわんこ君争奪戦な訳じゃん?抜け駆けはよし子さんだと思う訳さ」
アスカ「はぁ?争奪?誰が誰を?あ、あたしがバカシンジを?そんな訳」
マリ「はい、一人脱落。綾波のレイちんとあたしちんの一騎討ちになりました」
レイ「臨むところ」
アスカ「待った!待て!そ、そりゃ、あたしだって?バカシンジの世話をしてきた訳よ?それはそれは仕方なくよ?でも、それはバカシンジもバカシンジであたしに世話をやかせたんだから感謝の印ってものを見せなきゃいけない訳じゃない?だから、あたしがどうのこうの言ってもバカシンジがあたしに感謝してあたしの側であたしに尽くすのは当然になる訳でだからあたしが争奪戦に」
アスカ「……参加」
カヲル「やぁ!シンジくんのお世話をしたというならボク」
アスカ「ニフラム」
レイ「ニフラム」
マリ「ニフラム」
カヲル「」
マリ「まぁ、モウモウホウホウくんは捨て置いて」
アスカ「は?アタシ嫌よ。このままコイツがこの家の中に居るの」
レイ「右に同じく」
マリ「にゃはは、だってさ。はい、ちゃっちゃっと帰る。それとも、スイーパーさん呼ぶ?」
カヲル「」
シンジ「あれ?カヲ」
アスカ&レイ&マリ「いますぐ消えろ!」
シンジ「あれ?見間違い?」
シンジ「はい?」
マリ「はい、キッス」チュッ
シンジ「んなっへわ?」
アスカ「ちょっと!マッ…コネ、メガ、アンタ……ふぅ……バカシンジィイ!!」
シンジ「何で僕に怒鳴るんだよぉ」
アスカ「あんたが隙だらけだからでしょーがーぁ!!」
レイ「碇君、コレどーする?処す?処す?」
マリ「痛たっ、にゃはは、つい。て、痛い痛い。あ、綾波のレイちん、痛いよぅ、あたしの髪の毛が抜けちゃうよぅ」
レイ「焼け野はらになればいい」
アスカ「焼き払いなさい」
マリ「キミら巨神兵かっ!?」
レイ「何故?」
シンジ「ええっ?何故って」
レイ「もしかして、そこからコレを薙ぎ払うの?」
マリ「だから、巨神兵かっ!?」
アスカ「ほんと全部腐ってるわねアンタ」
マリ「だから、巨神へっ、いや、ちょっと待ってさすがにへこむ。全部は腐ってないからね?ちょっとは腐ってても全部は違うからね」
シンジ「仲良く!!お願いだから、みんな仲良くしてよ!!僕どうしたらいいか、わかんなくなるからさ!!仲良く!!」
アスカ「仲」チラッ
レイ「良く」チラッ
マリ「ねぇ~☆」チラッ
*
リツコ「それで?」
ミサト「いやぁ、それでアタシそこで寝ちゃったのよ~。シンジ君のお料理食べたらお腹いっぱいになっちゃってさぁ~」
リツコ「そう」
ミサト「んでも、そっちでも撮ってたんでしょ?」
リツコ「えぇ、まだ見てはいないけど。一応、家の中の全てに監視カメラを設置してあるわ」
ミサト「あはは、家の中全部。これが飲まずにいられますかってねぇ~あはは…」
リツコ「仕方がないわ。こうなった以上、全ての情報を吟味しないと解らない事は解らないままなのだから」
ミサト「まねぇー。わかっちゃ、いるんだけどさぁ、さぁすがに24時間公開撮影はキッツいかなー」
リツコ「アナタは家の中限定よ。そもそも対象はアナタじゃないし」
ミサト「わかってるって。んでも、録られてるのは変わらない訳だし。だからと言って家に帰らない訳にはいかないでしょー、はぁー、休まる場所がないわー」
リツコ「ネルフに泊まればいいじゃない」
ミサト「あ~、まぁね。でも、いいの?」
リツコ「保護観察者が不在の状態のあの子たちを見るのもいいと思うわ」
ミサト「なぁーにするか、わっかんないわよ~?」
リツコ「それも上等なサンプルになるわ」
リツコ「?」
ミサト「ドラクエ7って知ってる~?」
リツコ「えぇ、ドラゴンクエストと呼ばれるテレビゲームね。一応、知ってはいるわ」
ミサト「加持の野郎がさぁ、昔やっててさぁ。まぁ、アタシも知らない訳じゃないのよ」
リツコ「それで?」
ミサト「7ってなに?」
リツコ「七番目という事でしょ?」
ミサト「……いや、6は知ってんのよ6は。7?いつの間に出たの?いいえ、何故、存在しているの?」
リツコ「……2000年頃に発売されたみたいね」
ミサト「はっ、セカンドインパクトのご時世に?」
リツコ「詳しくはその2~3週間前ね」
ミサト「ふ~ん」
リツコ「何かおかしい所があるかしら?」
ミサト「さぁ?」
ミサト「……」
リツコ「生と死。戦いと傷跡。記憶と体」
ミサト「何回…繰り返した?」
リツコ「さぁ?ミサト、アナタはどの時のミサトなのかしらね?」
ミサト「そういうリツコは?」
リツコ「それこそ、さぁ?」
ミサト「アタシたち戦ったのよね?」
リツコ「あら?いまも戦っているじゃない」
ミサト「そういうことじゃなくて!」
リツコ「最初の戦いでは戦自に死者が出たわ」
ミサト「急になに?」
リツコ「アナタがシンジ君を迎えに行ったあの日、死者が出たわ」
ミサト「そりゃ、シトにとって人間の命なんてあってないようなものよ。仕方がないわ」
リツコ「でも、いま現在その死者は普通に生活しているわ」
リツコ「辿れたのはそこまで。その前に死んでしまった者は変わらず死んでしまった者のまま。でも、それ以降に死んでしまった者はその限りではない」
ミサト「どういう事?」
リツコ「生と死、確かに死んだ。戦いと傷跡、戦いそして敗れた。記憶と体、その恐怖を覚えているだけど変わらずいまも綺麗な体で生きている」
ミサト「死んだのは事実。でも、いま生きているのも事実、か」
リツコ「さて、問題です。いま私たちが戦っているシトは何番目でしょう?」
ミサト「は、そりゃ……え?」
リツコ「さて、問題です。私たちはいつからこの世界で活動し始めたのでしょう?」
ミサト「……」
リツコ「……」
ミサト「飲まずにいられますかってねぇ…」
リツコ「あら、私は楽しいわ」
ミサト「まじ?」
リツコ「第二の人生みたいなものでしょ?」
ミサト「あぁ…強くてニューゲーム的な?」
ミサト「ゼーレ?」
リツコ「それもあるけど。たぶん、
これは細い綱渡りみたいなもの。少しのずれが致命的にこの不思議な世界を壊す」
ミサト「原因、ね。それがあの子たちの誰かって事でいいのよね」
リツコ「えぇ、たぶん」
ミサト「シンジ君じゃないの?」
リツコ「引き金には違いないけど。ここまで創れるのに、母を亡くして父に捨てられた世界を望むかしら?」
ミサト「ま、円満家族を望むでしょうね」
リツコ「彼を起因としたプロモーターがいるはずだわ」
ミサト「で、そいつが見っかったらどーすんの?」
リツコ「ゼーレなら接触を図り、再び補完計画を強行するでしょうね」
ミサト「はっ、クソゲーね」
リツコ「ただし、その場合、高い確率で全人類の抹消が確定するわ」
ミサト「根拠は?」
リツコ「私たちが前の情報を知っているという事ね。知った上で道を選びなさい、という事かしら」
リツコ「だから、いまは出来るだけ情報が欲しいのよ」
ミサト「……ネルフはどういう立場を取るのかしら?」
リツコ「司令ならもう一度、最初から世界を創り直させようとすると思うわ」
ミサト「ま、そうでしょーね。副司令は?」
リツコ「現状維持を支持してるわ」
ミサト「現状維持、か」
*
レイ「……」(´・ω・`)
シンジ「……あの」
アスカ「……」( ´△`)
シンジ「あのさ」
レイ「変な顔」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「ガッデーム」(# ゜Д゜)グルァ
マリ「わんこ君、あちしの頭、焼け野はらになってない?」
シンジ「あ、うん。なってないよ」
マリ「よかったー」
シンジ「じゃなくて、またアスカと綾波が暴れだして」
マリ「いやぁ、一晩、経っても変化ないなら大丈夫だよね」
シンジ「聞いて。まず、僕の話を聞いて」
アスカ「あふぁはふひぃ~っ!」(怒)
レイ「むがったあらあむぁ~!」(怒)
シンジ「すっごい顔をつねり合ってるけど大丈夫なのかな?ねぇ、大丈夫なのかな?」
マリ「心配しぃだなぁ♪よっし、ここはマリお姉さんが一枚ほど脱ぐか!」
シンジ「一肌脱ぐって意味なんだろうけど言い方が、って、いや!!本当に脱がないでよ!?何やってんだよ!?」
マリ「あぁ、しまったしまった。わんこ君ちょっと顔を貸して」
シンジ「もう何やって」
マリ「はい、キッス」チュッ
シンジ「んなっ?」
レイ「オゥケィ、ビ~ッチ」(怒)
アスカ「サノバヴィ~ッチ」(怒)
マリ「いやぁ、ついつい」(ノ≧ڡ≦)テヘペロ
シンジ「ついじゃないよ!?」
シンジ「だから、何で僕なの!?」
レイ「碇君、どうしよう。いまなら、大斬りでこの人の三分の一を消せそう」
シンジ「ぶっそう!!すっごい物騒だよ、綾波!?」
トウジ「なぁ、シンジ。ワイら帰ってえぇか?」
ケンスケ「だよな、お邪魔みたいだし」
シンジ「待って!お願い待って!ゲームする約束だろ?みんなで、ゲーム、する、約束、だろぉ?」
トウジ「いや、そないな顔をされても」
ケンスケ「うわぁ」
トウジ「だいたい、お前いまさっきキスされとったし」
ケンスケ「敵だよなぁ」
シンジ「ちがっ、それは」
ヒカリ「やめたげなよ、泣いてるよ碇君」
シンジ「いいんちょ~」(泣)
トウジ「こらっ、いいんちょに触んなや!」ゲシッ
レイ「処す!処す!」
ヒカリ「ヒッ、綾波さん?」
アスカ「ヒカリ?何してんの?何でシンジに触ってんの?」
ヒカリ「ヒィッ?アスカ?違う。私はただ止めようと、違うからね?アスカ?」
マリ「ギルティ!」
ヒカリ「誰ぇー!?」
トウジ「な、なんやお前ら?ケンカしとったんちゃうんか?」
レイ「アナタは何してるの?私の碇君に何してるの?ねぇ、何してる?」
トウジ「すんません。何もしてません。蹴ってません。いまから帰ろう思うた所です」ドゲザ
ヒカリ「す、鈴原?」
トウジ「えぇから、いいんちょもワイのマネして土下座しとけ。なんや分からんけど、ヤバいわ」
アスカ「ヒカリ?」
ヒカリ「ごめんなさい」ドゲザ
ケンスケ「あ、可愛い。えーと、俺も何もしてないよ?あ、写真、とって」
マリ「ギルティ」
ケンスケ「え?」
レイ「碇君、処すわ」
アスカ「ヒカリ?」
ヒカリ「ひ、ひいぃっ」
トウジ「ダボがぁあっ!ケンスケお前何で空気読まへんねん、アホかぁあ!」
ケンスケ「え?え?」
シンジ「いい加減にしてよっ!!」
トウジ「シンジ…」
シンジ「おかしいよ。アスカも綾波もマリさんも昨日からみんなおかしいよ!もういい加減にしてよ!」
レイ「碇君」
アスカ「シンジ」
マリ「にゃはは」
シンジ「……は?」
ケンスケ「おぉ、ミサトさん!」シャシンパシャ
ミサト「はいは~い、撮影は後にしてねぇ~」
アスカ「ちょっとミサト、ゲーム大会って何よ?」
リツコ「私から説明するわ」
ケンスケ「うひょ~、更なる大人のお姉さん!」シャシンパシャ
トウジ「ちょっとケンスケ黙っとれ」
ヒカリ「相田最低」
リツコ「さて、全員いくつか疑問があるとは思うけれど差し当たって碇シンジ君」
シンジ「は、はい」
リツコ「みんな変かしら?」
シンジ「……はい」
シンジ「あ、綾波が」
レイ「!!」
シンジ「うっ……」
リツコ「綾波レイが?」
シンジ「ちょっと暴力的に…なったかな?」
レイ「…ふぅ」
アスカ「いや、なに安心してんのよ?暴力的って言われてるのよ、アンタ」
レイ「」(゜ロ゜)
アスカ「何よ、その顔?」イラッ
レイ「アナタに言われたくな……言われるとは思わなかった」
アスカ「おい、こら。言い直してもほとんど同じ意味じゃない、泣かすわよ!?」(# ゜Д゜)ゴルァ
ミサト「はいは~い、そこケンカしな~い」
シンジ「アスカが」
アスカ「!!!!」(◎-◎;)
シンジ「なんか綾波にすぐ突っ掛かる」
アスカ「それはコイツが」
レイ「嫉妬厨キモイ」( ´,_ゝ`)ヤレヤレ
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
ヒカリ「確かに綾波さんもアスカも何か変……」
レイ「よし」
ヒカリ「え?」
レイ「アナタはいい人。友達になれる」
ヒカリ「友達……えぇ!?あ、綾波さんから友達宣言!?てか、私アナタの事を変って言ったんだよ?」
アスカ「ひかりぃ?」
ヒカリ「ヒィィイッ!?アスカ今度はなにぃ!?」
ヒカリ「へ!?」
アスカ「なんでアイツが先でアタシが後になるのかしらぁ?」
ヒカリ「と、特に他意は無いんだけどぉお!?」ガタガタブルブル
ミサト「はいは~い、どうどう興奮しないどうどう」
リツコ「シンジ君、他に……あるかしら?」
シンジ「他にですか?」
マリ「わくわく」
シンジ「とくには」
マリ「おいお~い、マリお姉さんの積極的アピールわ?圧倒的存在感わ?」
シンジ「や、いつも通りなのかなっと」
マリ「にゃは~、言われちった~。乙女の一途な純情な感情故になのにぃ~♪」
ミサト「」イラッ
リツコ「……そう」
マリ「りっちゃんスーパードライなんですけど?辛口が好きだっけ?」ニャハ
シンジ「え、あ、はい」
マリ「まさかの全無視」
リツコ「シンジ君。アナタはいつから彼女…真希波・マリ・イラストリアスをマリさん、と呼んでいるのかしら?」
シンジ「……え」
リツコ「私の覚えている限りでは、アナタは常に彼女をマリさん、ではなく。真希波、と名字部分を呼び捨てにして呼んでいたはずなのだけれど…」
シンジ「それは……」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ…」
アスカ「次からはメガネにしときなさい」
レイ「いいえメガネは駄目」
マリ「ありゃ、レイちん。まさかの擁護?」
レイ「私の黒歴史と被るもの」
マリ「を~い、それはどっちの意味で?ゲンドウくん的なマリちゃん的な!?」
レイ「……両方かしら」
マリ「か、過去は気にすんな。ガンバレわたし!」(ノ_<。)グスッ
リツコ「……ミサト」
ミサト「はいは~い、それでは……チキチキネルフでわくわく!やってみようぼくらのさわやか第三新東京市もしもしキューーゲーム!!」
シンジ「……あ、この人たちもやっぱりおかしい」
かつて、それは神にも等しい力を奮った。
かつて、それは悪魔に等しく世界を蹂躙した。
かつて、世界は無にも等しく近付き飽和した。
かつて、男は世界の真理を求めてさ迷い続けた。
かつて、男は最愛の者を求めて歩みを続けた。
かつて、男は……
ゲンドウ「ユーーイィイッ!ユーーィイッ!ユーーィイッ!ユーーィイッ!」
かつて、男……
ゲンドウ「ユーーー」
かつて、
ゲンドウ「ィイッ!」
初「」
アスカ「ちょっと、アタシたちをネルフ本部にまで連れてきてどうする気なのよ?」
リツコ「簡単に言えば、使える会場がここしかなかったって事ね」
シンジ「ここしかなかったって……?」
トウジ「ゲームするだけやろ?そんならシンジたちの家でもえぇんとちゃいますか?」
ミサト「だだのゲームだったらね」
トウジ「へ?」
レイ「碇君、銅の剣を見つけたわ」
シンジ「え?」
アスカ「シンジ!やくそう見つけたわ!」
シンジ「……え?」
マリ「スライム仲間にならないなぁ」
ケンスケ「うっ……ゲル状のものが至るところに…」
ヒカリ「なんなの?なんなの?なんで私はここに居るの?」
トウジ「い、委員長。しっかりせぇ、大丈夫や。ワイもなんで居るんかわからへん」
レイ「やくそう」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「馬鹿にしてっと序盤で死ぬわよ。この××××!!」(# ゜Д゜)ゴルァ
シンジ「何なんですか、これ?」
リツコ「バーチャルゲームよ」
シンジ「バーチャルってこんなのでしたっけ!?」
リツコ「MAGIによってこの部屋全体を仮想的な空間にしたの」
シンジ「MAGIってそんなのでしたっけ!?」
ミサト「とりあえず、この部屋にはありとあらゆるギミックが仕込まれていて、ここぞという所で発動されて、それにMAGIが立体映像を投影させてる感じね」
シンジ「ミサトさん、わかって言ってます?原理的に可能かどうかわかって言ってます?」
ミサト「ちなみにレイが銅の剣と言って持ってるのは、ギミックで用意された只の檜の棒にMAGIが設定上で銅の剣を投影させた物よ」ププッ
レイ「」(´・ω・`)
アスカ「」( ´,_ゝ`)プッ
シンジ「せ、設定上は銅の剣だから。ね、檜の棒も設定上は銅の剣なんだよ。大丈夫だから綾波」
レイ「碇君…」
アスカ「」(´・ω・`)
レイ「」( ´,_ゝ`)プッ
シンジ「設定上!設定上はやくそう!くず紙でもやくそう!!」
ミサト「シンちゃん優しい~」ププッ
シンジ「ミサトさんは何がしたいんですか!?」
ミサト「あ、忘れてた。みんなにはこのゲームをクリヤーして貰うわ」
ケンスケ「このって……どの?」
トウジ「ドラクエですか?」
ヒカリ「」
ミサト「いいえ、カードゲームよ!」
シンジ「やくそうも銅の剣も関係なかった!?」
レイ「」(´・ω・`)
アスカ「」(´・ω・`)
シンジ「精神的に追い詰めたら勝ちってどんなデスゲームですか!?ていうか、やっぱり、僕らの家でも出来ましたよね、これ!?」
トウジ「すんませーん。すでに一人精神的に参っとる奴が居るんやけど」
ヒカリ「」
リツコ「棄権は認めないわ」
ケンスケ「そんな…」
ミサト「可哀想だけど、頑張ってゲームをクリヤーしてね」
シンジ「ミサトさんまで…」
マリ「なるほど、まずは山場から手札を三枚引くっと」
レイ「札を出す順番は?」
アスカ「MAGIが決めるみたいね」
シンジ「ぜんぜん意味わかんないけど。一番意味わかんないのは、この三人がもうゲーム始めてる事だよ…」
トウジ「しゃーない、こうなったらちゃっちゃとやって速攻で終わらしたる!」
アスカ「んな!?」
トウジ「暴露…」
ケンスケ「いやーんな話?」
ヒカリ「」
レイ「さぁ、話して。アナタの胸の内を……」
アスカ「ちょっと、ミサト!」
ミサト「カードは絶対よ~」
アスカ「ちっ…いいわ。話してあげるわよ!アタシは」
ヒカリ「私は別にアスカを一番の親友だと思ってる訳じゃない……」
アスカ「え?ヒ、ヒカリ……?」
ヒカリ「どちらかというと苦手で面倒だと思う方」
アスカ「ちっ、ちょっと、ミサト?なんで、ヒカリが……」
ミサト「カードの効果がアスカによる暴露という事ではなく。アスカについての暴露という事みたいね」
アスカ「ちょっと、やめなさいよ」
ヒカリ「私にはアスカ以外の友達もいるの」
アスカ「やめなさい」
ヒカリ「いつもアスカばかりに構ってられないの。いつもひとりぼっちのアスカとは違うの」
アスカ「やめて!!」
ヒカリ「だいたい、私より碇君が好きなら好きって言えばいいのに!!」
アスカ「」(◎-◎;)
シンジ「えっと……その……アスカ……あの」
アスカ「な、なによ。ヒ、ヒカリが勝手に言ってるだけであたしは別にあんたなんか」
レイ「ちっ……」
ミサト「あらら、途中までは有効的な精神攻撃だったけど最後は思わぬ友好的な暴露になったわね」
マリ「ほんじゃ、次はあたしのターン。いきますかー」
トウジ「ちょっと待てや。委員長どないすんねん。気まずいやろが」
マリ「喰らえ、プレイヤーRに暴露のカード!」
ケンスケ「しかも、あの綾波に?」
リツコ「興味深いわね」
ミサト「さて、何が出るかしら」
レイ「昔、ある女性に好意を寄せられていました。いま思い返すと寒気がします」
マリ「……」
トウジ「なんや、綾波のやつ。えらいごっつい暴露話しとるんやけど…」
ケンスケ「百合かぁ…」
リツコ「興味深い話ね」
ミサト「昔、ね」
マリ「ちょっと待てちょっと待て。なんで?あたしの時だけなんか違うくない?」
ミサト「今回はそのまんま本人による暴露がカードの効果みたいね」
マリ「ダメージあたしのハートに来たんですけど?」
ミサト「…なんで?」
リツコ「興味深いわね」
シンジ「じゃ、じゃあ、僕は…この懺悔カードを」
ミサト「はい。じゃあ、懺悔してシンジ君」
シンジ「僕がするの!!?」
トウジ「自爆カードやな」
ケンスケ「というか、暴露カードも懺悔カードもだいたい同じだよな」
シンジ「ちょっと待て下さいよ。いきなり、そんな事を言われても」
ミサト「なんでもいいわよー。例えばあたしと大人な事したとかでもー」
シンジ「ちょっ」
アスカ「シンジ?」
レイ「碇君どういう事?」
マリ「お姉さんちょっとびっくり」
シンジ「ミサトさん!」
ミサト「あっれ~?」
アスカ「なにがなるほどよ!リツコはいいわけ?ミサトがこんな!」
レイ「やっぱり保護者失格。早く片付けて置けばよかった」
マリ「だからといって、ゲンドウくんたちが保護者足り得るかと言えば足り得ないよね」
レイ「」(# ゜Д゜)
トウジ「どういう事やシンジ!?お前、ミサトさんと何をしたんや!?」
ケンスケ「まぢかよ。まぢかよ。シンジまぢかよ」
ヒカリ「私のターン。懺悔カード」
トウジ「委員長さらっと流しよった!?いや、大丈夫なんか、委員長!?」
ヒカリ「私ね。嫉妬してるんだと思うの」
ケンスケ「なんか、懺悔し始めたんだけど」
ヒカリ「アスカは可愛いし。頭いいし」
アスカ「ちょっと待って。また、アタシなの?」
レイ「闇は深いわ」( ´,_ゝ`)プッ
アスカ「そんな…」
アスカ「うん?」
ヒカリ「しかも、たまに綾波さんにまでやらしい目を向けてる時がある」
レイ「?」
ヒカリ「なんなの?そのくせ、私にはそんな目線一度も」
マリ「なんかこの子、様子がおかしい」
ヒカリ「私がどれだけ思って、どれだけ心配してるかわかってるの?あの時だって、ちゃんと学校に来るかどうか私…」
ケンスケ「あの、止めた方が?」
ヒカリ「私、ずっと待って…待って…」
アスカ「ちょっと、アンタたち止めなさいよ!ヒカリが苦しそうじゃない!?」
リツコ「……いいえ、続けて」
アスカ「ちょっと!!」
ヒカリ「そんなに……そんなに他の女がいいの、鈴原!?だったら、私だって碇君を好きになってやるんだから!!」
トウジ「ぐはっ!?」
ケンスケ「そっち方面への攻撃だったか……というか、ちっ!シンジもトウジも、ちぃっ!!」
レイ「黙って聞いてればふざけた言葉。碇君どうしよう、私……こういう時、どんな顔をしたらいいか」
マリ「充分恐いから。レイちん、その顔、充分恐いから」
ヒカリ「……はっ!……あれ?私、いままで何を?」
ミサト「懺悔?したら精神的負荷が軽減されたみたいね」
リツコ「あら、残念。もっと別の話が聞けると思ったのに」
ヒカリ「へ?」
トウジ「」
ヒカリ「あれ?鈴原?どうしたの?鈴原?」
ケンスケ「いいから、そっとしといてやって……ちっ」
ヒカリ「?」
ケンスケ「次は俺のターン。」
ヒカリ「え、急になに?」
レイ「事と場合によっては処断案件」
ヒカリ「えぇ!?」
マリ「懺悔カードいる?」
ケンスケ「いや、あの、俺のターンなんですけどぉ?!」
トウジ「せや……どう思っとんねん。どう思っとんねん、シンジッ!!」
シンジ「え、僕なの!?」
ケンスケ「えぇい、面倒臭いな!プレイヤーTに暴露カード!!」
トウジ「なんやてぇ!?」
ケンスケ「さぁ……言って貰おうか。その胸の内を……くっくっくっ」
シンジ「うわぁ、悪い顔だなぁ」
トウジ「ぐぅ……ワイは……ワイが好きなんわ」
ヒカリ「す、鈴原の好きな人!?」
トウジ「ワイが好きなんわサクラやぁーっ!!ワイは世界で一番妹を愛しとるえぇ兄貴なんやぁーっ!!」
レイ「近親愛はきもくない」
アスカ「いや、きもいし」
レイ「きもくない」
マリ「いやぁ、しかし、予想外な名前出ちゃったね」
トウジ「ワイの為に料理してくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって」
トウジ「ワイと買い物にも行ってくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって!」
トウジ「ワイの為に泣いてくれるんや、えぇ子やろ?」
ヒカリ「私だって!!」
トウジ「ワイの為に怒ってくれるんや、
えぇ子やろ?」
ヒカリ「だから、私だって鈴原の為に!!」
トウジ「せやけど、ヘンテコな組織に入ってしまったんわアカンかったな。あんなん何すんねん。ワイが居らんようなってしもうたからかいな?やっぱり、サクラはワイが守ってやらなアカンちゅう事やな」
リツコ「興味深い話ね、鈴原君。もう少し…詳しく話して貰えるかしら?」
アスカ「ねぇ、もう次に行っていいかしら?」
トウジ「なんでや!?サクラが如何に可愛い子かいまから詳しく話すんやないか!!」
ミサト「こりゃ駄目ね。リツコ、次に行っていいわね?」
リツコ「ええ、どうやら無駄足だったみたい」
トウジ「だから、なんでや!?」
アスカ「ついに来たわ、アタシのターン!命運カード!!」
シンジ「め、命運カード?」
ケンスケ「なんかさっきまで暴露とか懺悔とか録でもないカードだったのに、いきなり凄そうなカード出たな」
アスカ「フフン、アタシはアンタたちと違って引きがいいのよ。引きがね」
ミサト「はい、じゃあ、アスカ以外のみんなはこのクジを引いてちょうだい。当たったら、飴をあげるわよ」
アスカ「はぁっ!?」
トウジ「はずれかいな」
アスカ「普通に引いてんじゃないわよ!!」
レイ「……………………」( ´,_ゝ`)プッ
ミサト「だから、アスカ以外がクジ引いて、当たったら飴をあげるわよ。それが命運!巡り合わせよ!」
アスカ「はあっ!?」
ケンスケ「はずれだ」
ヒカリ「はずれだわ」
マリ「にゃ、残念はずれ」
レイ「……」
シンジ「あれ?綾波引かないの?じゃあ、先に僕が」
レイ「待って」
シンジ「え?どうしたの綾波?」
レイ「私が先に引くわ」
シンジ「?」
アスカ「!」
シンジ「どう?」
レイ「……はずれ」
アスカ「そ、そうね!さ、さっさと引きなさい。命運よ!」
シンジ「え?うん」
レイ「……ちっ」
シンジ「あ、やっぱり、あた……れ?あの、当りじゃなくて当たれなんですけど?」
ミサト「ん?おかしいわね?確かに当りって書いたはずなんだけど?」
アスカ「ま、まぁ、細かい事はいいじゃない。ミサトも二日酔いで書き間違いに気が付かなかったのよ。当りは当りよ」
レイ「……ちっ」
ミサト「よく気付いわね二日酔いって。一応、お薬飲んだんだけど。まだ、顔色悪いかしら?」
リツコ「……なるほど、興味深い現象ね」
トウジ「というか、命運カードの効果に文句言うとったわりに急に大人しゅうなったな」
アスカ「うるさいわよブラコン」
トウジ「ぐっ……誰がブラコンじゃい」
ケンスケ「お前だよ、トウジ」
トウジ「ぐっ、ケンスケお前…」
マリ「お姉さん系統の何が悪いと言うのだね!?」
アスカ「ふふ、命運……命運……ふふっ」
レイ「……次、ジャージの人。さっさとして」
トウジ「な、なんや?どないしたんや、綾波?」
レイ「いいから、早く」
トウジ「わ、わかったわ。ほな、好運カード」
ケンスケ「はぁ!?」
トウジ「な、なんやケンスケ?」
ケンスケ「いやいやいや、なんでトウジがそんないいカード引いてるの?あり得ないだろ?」
トウジ「なんでやねん!引くわ!めっちゃ引くわ!」
レイ「分不相応」
マリ「あちゃ~、変な夢、見ちゃったかぁ」
トウジ「だから、なんでやねん!?」
ミサト「じゃ、一周回ったから次はまたレイね」
ミサト「まぁ、そのカードを引けた事が好運だったね、的な?」
リツコ「……本当に面白い現象だわ」
トウジ「」
アスカ「ま、その程度よねコイツは」
レイ「分相応」
マリ「いい夢、見れたね!」
ケンスケ「うむ、よかったなトウジ!」
シンジ「みんなちょっとひどいよ…」
ヒカリ「碇君、そうやって一人だけ鈴原の味方みたいな顔やめてくれる?」
シンジ「え?」
ヒカリ「私だって鈴原の事を心配してるのよ。でも、碇君がそうやって前に出るから鈴原が勘違いするのよ」
シンジ「え、なんの話?」
ヒカリ「なんなの?碇君は鈴原の心配してどうしたいの?鈴原のお嫁さんになりたいの!?鈴原シンジになりたいの!?」
シンジ「本格的になんの話なの!?」
ネルフ本部前
カヲル「まいったなぁ、いま何処かでボクが入る絶好のタイミングの話をしている気がするんだけど……ネルフ本部内には立ち入れさせて貰えないみたいだね……」
$
リツコ「……一応、防衛システムはしっかりしてるはずよ」
ミサト「これ以上の乱入は困るものね。そういえば、司令と副司令は?」
リツコ「さぁ?もしかしたら、初号機の所かしらね?」
ミサト「え、なんで?」
リツコ「さぁ?もしかしたら、呼べば誰かさんが答えてくれるんじゃないかしらと誰かが示唆したからかしら?」
ミサト「へー」
ヒカリ「まったく。碇君は節操というものがないわ」
シンジ「だから、なんの話なのさ!?」
アスカ「あんたばかぁ?もちろん、バカシンジの節操のなさの話よ!!」
レイ「碇君、私もあっちこっち気持ちを振り撒くのはどうかと思うの」
マリ「あたしは知らないけど、鋼鉄な話もする?」
ケンスケ「きゃシンジさんの不潔」
トウジ「ちょっと距離を置いてくれへんかシンジさん?」
シンジ「」
レイ「私のターン!」
アスカ「は?ちょっと!」
シンジ「」
レイ「プレイヤーSに福音のカード!!」
アスカ「はぁっ!?」
シンジ「」
ケンスケ「なんかまたまた良さげなカードなんだけど、対象をシンジに?」
トウジ「けっ、どうせ鐘が鳴ってしまいじゃ。御大層なんは名前だけや」
ヒカリ「鐘?ま、まさか、鈴原、鐘の鳴る教会で碇君と結ば…」
マリ「いや、もういいから。それ以上やるとモウモウホウホウさんが俄然ヤル気で来ちゃうから」
レイ「ぽかぽかする」
アスカ「はぁ!?」
シンジ「」
レイ「碇君もぽかぽか、しよ?」
アスカ「どりゃーーっ!!」トビゲリ
シンジ「がはぁっ!?」
レイ「なにするの?」
アスカ「アンタこそ、なにやった訳?」
レイ「アナタと同じこと」
アスカ「チッ!」
トウジ「な、なんや?」
ケンスケ「さ、さぁ?」
ヒカリ「鈴原ヒ…鈴…ヒカリ」ウットリ
リツコ「……」
ミサト「にゃーるほどねー」カクヘンキタ!
マリ「さ、て、とぉ…」
*
マリ「にゃ?なにが?」
リョウジ「何がって……無理に変える必要があるのかなと思ったのさ」
マリ「無理に変えるんじゃ、ないよ」
リョウジ「……」
マリ「無理に変わるんだよ、このままじゃ」
リョウジ「何もしなければそれは自然の流れ、ではないのかい」
マリ「違うよ」
リョウジ「なるほど…はは、わからないな」
マリ「わっかんないよね~」
リョウジ「まぁ、とりあえず、僕は彼女らにミスリードの情報を渡せばいいんだね?」
マリ「ん♪それと、上手く誘導しといて貰えると嬉しさ二倍二倍かな?」
リョウジ「やれやれ」
マリ「さ、て、と、誰かさん。絶対に……譲らないよ」
*
アスカ「……」
レイ「……」
ヒカリ「まずお早うの、それからいってらっしゃい。そして、お帰りなさいからのぉ……きゃあー!きゃあー!」
トウジ「なんや、またいいんちょがおかしなっとる」
ケンスケ「なんか言った?」
トウジ「せやから」
ケンスケ「ちっ!……ちぃっ!!」
トウジ「な、なんやぁ!?ケ、ケンスケもおかしなっとるんか?」
ミサト「あー、ビール飲みたくなってきた」
トウジ「は?ミ、ミサトさん?」
リツコ「面白い事になってきたわね」
トウジ「いや、おもしろないですよ!?皆おかしなってますやん!?」
リツコ「そうね」
トウジ「そうね、て。なんで、そない冷静なんですか!?」
リツコ「あら、私もおかしくなっていいのかしら?」
トウジ「すんません!やめてください!!」
リツコ「……」
マリ「……」
トウジ「……?」
リツコ「……」
マリ「……」
リツコ「……」
マリ「そんなに見つめちゃ、いやん」ポッ
リツコ「アナタ、なのかしら?」
トウジ「??」
マリ「なーにが、かなぁ?」
リツコ「興行主」
トウジ「興行主?」
マリ「……」
リツコ「あるいは、最初の発現体」
マリ「ワイは病原体とちゃいますよ~」theカンサイヤロウ
トウジ「ちょ、ワイの声真似すなや!」
リツコ「なら、営業者ね」
トウジ「は、営業?」
マリ「高い脚本、売ってます!」
トウジ「きゃ、脚本?」
リツコ「買い取り主は想像がつくわ」
マリ「わんわんおー♪」
リツコ「でも、彼はこの現象の中心にいるのかしら」
マリ「あははは」
トウジ「さ、さっきからなんやねん?ワシはさっぱりなんもわからへんぞ!?」
アスカ「コネメガネ!」
レイ「やっぱり、先に退けて置くべきだった」
マリ「にゃ」
リツコ「アナタ達はどれなのかしら?」
アスカ「はぁ!?」
レイ「何を言ってるのかわからない」
リツコ「……」
マリ「…」
トウジ「あのぉ、ワイにも分かりやすく説明してくれへん?」
シンジ「」
アスカ「リツコが何を知りたくて何を言いたいのかは知らないわ。でも、邪魔すんならブッ飛ばすわ」
レイ「野蛮」
アスカ「あ?なんか言った?えこひいき!?」
レイ「二番目」
アスカ「消すわよ?」
レイ「出来るの?アナタに」
シンジ「…」
*
コウゾウ「月が出ているね」
シンジ「……」
コウゾウ「綺麗な月だ」オチャワン
シンジ「……」
コウゾウ「こんな夜にお茶を飲むのも良い物だと思う。最近は抹茶…茶道に凝っていてね」オチャワンシャカシャカ
シンジ「……」
コウゾウ「抹茶は嫌いかな?」
シンジ「あのお話があるからと伺ったんですけど」
コウゾウ「ふむ……」
シンジ「……」
コウゾウ「いま、学校は楽しいかね?」
シンジ「え?……えっと、はい」
コウゾウ「そうか」オチャワンシャカシャカ
シンジ「……」
コウゾウ「世の中は移ろい変わっていく。そして、先へ。未來へと続いて行く。決して、同じ場所に留まってはいけない」オチャワンワタス
シンジ「……はい」オチャワンモラウ
コウゾウ「楽しい毎日は歓迎するべきだが。同じ毎日は退屈だ」
シンジ「……」オチャワンマワス
コウゾウ「例え、次の日が苦くとも。それもまた良い日なのだと思う」
シンジ「……」オチャワンマワシマワシ
コウゾウ「苦しみも糧となり生きる理由になる。もちろん、苦しいばかりでは生きる意味はないがね」
シンジ「……ごく、ごく」マッチャノム
コウゾウ「良い道を選ぶのに慎重になるのは良い事だ。進む事を忘れなければだが」
シンジ「……」オチャワンオク
コウゾウ「シンジ君」
シンジ「……」オチャワンカエス
コウゾウ「君は君の好きな様に進むといい」オチャワンウケトル
シンジ「……ニガイ」
コウゾウ「はっはっはっはっ」
*
マリ「お~い、わんこ君、起きてるか~い?」
シンジ「……」
マリ「ジュデーム」(*^3^)ウ~
シンジ「あ、ごめん」ヒョイ
マリ「馬鹿な!避けただと!?」(゜Д゜)
シンジ「そりゃ、何度も同じ手には」
マリ「隙あり!」(^з^)-☆チュ
シンジ「あ、むっ……ん」
マリ「ぷはっ!」
シンジ「……っ」
マリ「……」(///ω///)♪
アスカ「」
レイ「」
マリ「ムフッ♪君たち、愛しあってるか~い?」
トウジ「なんでや!なんで、シンジだけそないにえぇ目にあうんや……なんでや!」
リツコ「世界を自分勝手に、都合良く、変えるのは如何なものかしらね」
マリ「ん~?アタシに言ってんの?リツコ?」
アスカ「アンタしかいないわよ、バカ」
レイ「問題外」
マリ「おー、おー、言ってくれちゃってまー、お二人さん?同じ穴に入ってる仲のくせにさー?」
アスカ「……はぁ?」
レイ「同じにしないで」
マリ「同じじゃん……アタシは変わる世界を変えただけ。まぁ、つまり、変えてる訳だけどさ」
トウジ「アカン……頭痛ぉなってきた。なんやて?変わるから変えて、つまり、変えた?……はぁ?」
リツコ「最初に変えているのは誰?」
マリ「さぁね?誰かさんが誰かさんが小さい空ぁーき、見ぃつけたー♪そーんでもって、ねじ込んで来てるから、割ーり込んであげたのさー、アタシは……ね」
レイ「……」
アスカ「……」
リツコ「空き?」
マリ「付け入る隙?」
リツコ「なるほど」
シンジ「……すみません」
マリ「んで、そうして、マリ殿は脚本家、つまり、作家を目指したのでした。かっこ、パトロンに営業かけて連載獲得、かっこ閉じ。で、いまに至る」
トウジ「ぜんっぜん、わからん」
マリ「まぁ、連載獲得もライバルが多くてねぇ。時間掛かっちゃった訳ですよ、こんちきしょーい」
リツコ「あら、気の多いことね」
シンジ「…………スミマセン」
マリ「さてさて、パトロンに売れっ子のマリ先生は、売れなくなったライバルたちの連載を押し退けた訳ですが?まだ、続けるかい?」
アスカ「馬鹿じゃないの、アンタ?」
マリ「はい、いち馬鹿、戴きました。ワンリトル、ツゥリトル、スリーリトル、アウツ!!ですかね、姫?」
アスカ「はぁ?」
マリ「アタシはさ、"誰もいなくなった"にしたくないって事だよ。言ってる意味、分かるよね……イニシャルYのお姉さん?」
トウジ「え、ワイのこと?」
レイ「……」
リツコ「鈴原くん」
トウジ「は、はい!スンマセン!もう、ふざけません!スンマセン、です!」
リツコ「このカードゲームなんだけど」
トウジ「は、は?……あ、いまさっきまでワシらがやっとったゲームの事ですか?」
リツコ「えぇ、このカードゲームのカードなのだけど」
トウジ「はい」
リツコ「名前は三種類しかないのよね」
トウジ「はい?」
リツコ「カードの名前は三種類のみ。あとは効果内容が相手に対してか自分に対してか」
トウジ「三種類て、五種類ありましたけど?」
リツコ「いいえ、私達が用意したのは、暴露、懺悔、幸運の3つよ」
トウジ「幸運……くっ!……ん?それなら、後の2つ。命運と福音は?」
リツコ「存在し、得ないカードね」
トウジ「……」
リツコ「誰かさんが変えた、のかしら?」
アスカ「…」
レイ「…」
リツコ「それで?…貴女にまんまと乗せられた訳かしら?加持くんまで使って」
マリ「いやいやー、まさか、こんな事までやってくれるとは、マリちゃん、感謝感激雨あられ♪」
トウジ「スンマセン、まだぜんぜんわからんのですけど?」
マリ「だからさ、そこの青オニと赤オニは、無い筈のカードを引いてみせたって事」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「どうやったんだろうね?まるで、世界を変えたみたいだね?」
トウジ「世界を変えるって…んな、アホな?」
リツコ「えぇ、実に興味深い話ね」
トウジ「だ、だいたい世界を変えるって話にしては規模の小っさい話やろ?たかだかカードの一枚や二枚増やすんって…」
リツコ「そうね。もし本当に変える事が出来るのなら、それこそ、1から作り変える事さえ出来そうだけど?」
マリ「さぁ?そこまではあたしも分かんないよ…わんこ君なんで?」
トウジ「なんでシンジに聞くんや?」
ミサト「それはシンジ君がこの現象の主犯だからよ!!」∠( ゚д゚)/ビシッ
トウジ「うわっ!?正気に戻りよった!?」
ミサト「ん、なにが?」
トウジ「せ、せやかて、いきなりビール飲みたい言うから…てっきり」
ミサト「ビールは飲みたいわよ?」
トウジ「……で、なんでシンジが主犯なんですか?」
ミサト「それは」
マリ「フム…ミサト、凄いねぇ」( ゚Д゚)/マッタ!
ミサト「んあ?」
トウジ「なにが凄いねん?」
マリ「だって、そっちの二人みたいにおかしくなってないもん」
ヒカリ「…で、二人は夕日の浜辺で、きゃっ…」
ケンスケ「ちっ、ちっ…チィっ!」
ミサト「簡単よぉ、ビール飲みたいって言っただけだしぃ」
トウジ「はぁ?」
ミサト「だから、お話のいい所で関係ない事を喋り出したら、おかしいでしょー?」
トウジ「ま、まぁ、そうですね」
ミサト「んでー、さっきからちょっち自分の意思とは違うおかしな行動してるみたいらしいから、今度は先におかしい事を言ってみたわけぇー」
トウジ「…はい?」
ミサト「『あ、すでにおかしいんだ』ってなったら手出ししないでしょ?」
マリ「なーるほど・ざ・せかいだね!」
トウジ「はぁ?」
ミサト「例えば、このゲームでクジなんてアタシは作った覚えは…あるけれど、リツコに言わせるとあり得ないって事らしいし。貴方が引いた幸運カードも実は引いただけで終わりなんて訳はなくて、ちゃんと効果内容はあって、それはこのルールブックにも書いてあるわ」
トウジ「る、ルールブック?」
ミサト「用意したのよー?この馬鹿みたいな自作ゲームのルールをわざわざ書き起こして、しかも、隠し持てる様に小さく印刷までしてねー。そんで、ゲーム中はちょくちょく確認してたわけ。ルールブック通りに進行出来てるかどうかねー。おかしな不正とか改ざんとかしてないかぁ…なんてー」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「つまり…」
ミサト「なぁーんか、私ってば都合良く誰かに利用されてたって感じみたいなぁ?」
マリ「なるほど。そういう立ち位置でいくのか…」
ミサト「?」
リツコ「…」
トウジ「あー…つまり?誰かさん?が世界を変えて?カードを作ったみたいに、ミサトさんの記憶や行動も作られとったと?」
ミサト「そそ。ま、この場合、操られたという風が的確かな?…あんな感じで」
ヒカリ「お父さん、お母さん、ヒカリは、ヒカリは幸せになります…」
ケンスケ「ケッ…どーせ、俺はパイロットにもなれませんでしたよ…ケッ」
トウジ「せ、せや…あれは…なんなんですか?あの2人はどないなってもーたんです?」
ミサト「操られてるのよ」
トウジ「なんでですか!?」
ミサト「そりゃ、都合のいい様に動かしたり、都合の悪い事とかを見せない為、聞かせない為によ」
トウジ「都合の悪いって……それは、せ、世界を変えたから…知っとたら、覚えとったら辻褄が合わんようなるから…それを誤魔化す為にって事ですか?」
トウジ「……い、いつからですか?それは、今日だけの事ですよね?」
ミサト「さぁ?いつからかは、まだわかんないけど…まぁ、今日より昨日。前々からちょくちょくあったのは確かじゃないかしら」
トウジ「なんでや!?」
リツコ「…その方がスムーズに事が運ぶからでしょうね」
トウジ「スムーズにって…そんなんどうでもえぇやろが…そんなん為に友達を操って楽しいんか?だいたい自分の都合で友達の記憶を書き換えて、悪い思わんのか!?…世界を変えるってなんやねん…記憶を作るってなんやねん…そないな事したら…そないな事したら……嘘やんか」
レイ「…」
トウジ「ワシらがやってきた事、ぜんぶ嘘になるやん…いつ、どこで、なにをやったか、思うたか…おもろい思うたのも、悲しい思うたのも、ワイがお前の為にやった事もワイの本当の気持ちからやったんかどうかも、わからんよーなって…ぜんぶ、ぜんぶ、嘘になってまうやろが!」
アスカ「……」
トウジ「いままでワシらと笑うとったんわ、ぜんぶ嘘やった言うんか!?」
シンジ「…」
トウジ「なぁ、シンジ!!」
シンジ「…え?」
トウジ「え、やあらへん!!なんでや!?」
シンジ「え?え?」
シンジ「わわっ、トウジ…ちょ、な、やっ、ぁ~っ!?」
マリ「シャリバンクラァーシュッ!!」ハリセンdeバシンッ!!
トウジ「だわぁーっ!?ななな、なにすんねん!?」
マリ「あー、びっくりした」
トウジ「それはワイのセリフや!!何すんねん?アホか?」
マリ「いや、それはアタシの台詞だし。なにしてんの?バカなの?シぬの?」
トウジ「いや、なんでや!死なんわ!生きるわ!生き晒すわ!」
アスカ「いや、コロスし」
トウジ「ひっ?」
レイ「さよなら」
トウジ「ひぃっ?!」
マリ「早とちってるみたいだけど。わんこ君は関係者だし、起因だけど、ほぼほぼ無罪だからさ?したがって裁判やっても判決は完全無罪勝訴だからさ?」
トウジ「その理屈はオカシイ!!」
マリ「うるさいなー。次…ギャバンダイナミック逝くよ?」ユビノホネパキポキパキポキ
シンジ「っ…それは」
アスカ「とりあえず、イナズマキックするわ」イッチニイッチニ
レイ「反応弾…あればいいけど」キョロキョロ
トウジ「ちょー待てぇっ!?」
マリ「また早とちりして、あたしのわんこ君を殴る前にブッ潰そうかなっと」
トウジ「怖っ!!いや、待て待て待て!待てや!!わかった無罪やな?シンジは無罪。わかったわ、わかった。す、すまんかったな、シンジ。その、疑って…」
シンジ「いや、うん。僕の方こそ、ゴメン。なんか…ゴメン」
トウジ「いや、えぇわ。うん、えぇよ…」
シンジ「……」
トウジ「……」
シンジ「…ふふっ」
トウジ「ははは…はぁ…」
マリ「いやいやいや、…なに寛いでんの?アタシは許してないし」
トウジ「なんやてぇッ!?」
マリ「それな!な?狙ってるのかと思っちゃった。あたしのわんこ君なのに…」Σ(゚Д゚)マジヨマジ
アスカ「アンタのじゃないけど、アタシも一瞬寒気がしたわ」
マリ「いやいやいや、とにかく、なにあれ?最後の。あたしのわんこ君のあの声…」( •̀ㅁ•́;)イヤハヤ
レイ「アナタのじゃないけど、女の子みたいな可愛い声出してた。…私も…ちょっと、危なかった…」
マリ「それな!な?」((; ・`д・´)ンダンダ
アスカ「あ~、なんか殺る気出てきたわー」チッ
レイ「…変な感じ…どうしよう…私。きっと殺る気スイッチがオンになったんだわ」チッ
トウジ「怖っ!!コイツらマジかいな!?…て、せや!だったら、なんでミサトさんはシンジが主犯なんて言うたんや?間違いなんか?ミサトさんの勘違いなんか?」
ミサト「主犯よ?」
トウジ「なんや、やっぱり勘違い…ちゃうんかい!?な、え?どういう事やねん?」
ミサト「何故!何!」(๑•̀ㅁ•́๑|彡サッ>_<*)ノ
リツコ「ネルフ!」
トウジ「……は?」
リツコ「」
レイ「…」
アスカ「へー」
シンジ「あの…リツコさん、大丈夫ですか?」
リツコ「…ゴホッ…失礼。どうやら、私も少し、毒気に当てられたみたいだわ」
シンジ「そ、そうですか…」
ミサト「……」(ㆁωㆁ*)
シンジ「……」
ミサト「?」(゜-゜)
シンジ「?」
ミサト「」( ゚д゚)?
シンジ「どうしたんですか?」
ミサト「なじぇッ!?」Σ(゚Д゚)why?
マリ「なるほどなるほどー」( ・ิω・ิ)ピコーン!
レイ「心が…イガイガするわ」
トウジ「どういう事やねん」
ミサト「ちょっとちょっとー、愛がない愛がない愛がなーい。シンちゃーん、あたしに対するバーニングが足りないわよーっ?」(_ _;)ブーブー
シンジ「え?あ…はい。すみません?」
アスカ「ミサトに語る愛は無いんじゃない?」
ミサト「いや、あるわよ」
マリ「うぉ?真面目か!?」
レイ「バカばかり…」
ミサト「そうね。問題だわ」
マリ「だから、真面目か!?」
トウジ「とにかくや!ミサトさん、なんでシンジが主犯なんですか?」
ミサト「碇シンジ育成計画だからよ!」
マリ「うぉ?…をぉ?」
リツコ「本当に馬鹿ね」
ミサト「ちょっと間違えたけど、概ね、そうよ?」
トウジ「な、なんで、疑問形なんや?」
リツコ「世界の変化。これは、ある一定の人物の周りから起きている現象なのよ」
トウジ「一定の人物?」
リツコ「そう。貴方も違和感に気付いていた。だから、すぐさまミサトの主犯という言葉に食い付いた。違うかしら?」
トウジ「いや、ワイはただ…」
リツコ「いつからか、どのくらいかはわからないけれど、たぶん、この世界中で大抵の人々は、その違和感に気付いている筈なのよ」
トウジ「な、なら、なんで、騒ぎにならんのですか!?」
マリ「確証がないからなんだなー」
トウジ「か、確証?」
マリ「デジャヴみたいな?あれ、なんか体験した事あるぞー?いや、似たような事だったか?なんて、そんな感じで掴みどころのない気持ちや記憶だから、すぐ消えちゃうし…消されちゃうんだわ、これが」
トウジ「消され?」
マリ「そんで新しく変化した世界に順応しちゃう訳」
トウジ「なんや、それは!?」
レイ「…」
アスカ「…」
マリ「だけど、5分前に世界が出来たなんて話もあってさ」
トウジ「はあ?」
マリ「いやいや、実はいまアタシたちが存在している世界はいまたった5分前に出来た物で、それ以前の記憶はさ、情報としてあるだけで実際には体験も経験も何もかもあったものじゃないなんて話もあるのさ」
トウジ「だ…だから、なんやねん?」
マリ「いや、もしそうならやるせないなぁ~…てだけだけど、なに?もっと高尚な話か何かかと思った?」
トウジ「あ、あんな~…」
マリ「まぁ、でも、言わんとする事はアタシたちにとって話が大き過ぎて理解は出来無いってこと」
トウジ「なんで、そないに世界が変化するかがって事がか?」
マリ「ま、ね。それで、世界は勝手に変化しちゃう訳なんだけど。中心点があったのね。本人すら自覚してなかった訳だけど」
トウジ「それが、シンジちゅう事かいな?」
シンジ「実は、いまもよく分かんないんだ」
トウジ「わからん?」
マリ「ストッパーか何かなのかな?にしては甘いよね?そんなんだから、利用されちゃう」
トウジ「利用?」
マリ「赤オニさんたら素直になれない♪仕方がないからヒ~ミツの呪文さ、さっさと私と恋仲しなさい♪」
アスカ「んなっ!?」
マリ「青オニさんたら素直になりたい♪仕方がないからヒ~ミツの呪文だ、きっとこれなら彼は私の~♪」
レイ「……えぇそうね」
マリ「マリオニさんたら素直が一番♪仕方がないけどヒ~ミツの呪文ね、わんこが欲しいわ受け付けこちら~♪」
トウジ「な、なんや、まさか、お前ら」
マリ「…ネバーエンディングストーリーてさ。本の中に世界があるんだよ…」
レイ「……」
アスカ「……」
トウジ「な、なんやねん、急に?」
カヲル「世界はかくも美しいって事かな?」
トウジ「な、なんやッ!!お、お前、いつの間に!?」
カヲル「フッ…」
マリ「ちょっとちょっと~?リツコ氏リツコ氏~?隔壁どうなってんのぉ?弾幕薄いみたいだけどぉ~?」
リツコ「まさか。ちゃんと防衛ラインは適正に引いたわ」
マリ「でも、接敵されちゃってるんですけど?それは」
ミサト「あー、あれみたいねぇ、原因は…」
ゲンドウ「………」
シンジ「父さん…」
マリ「チッ!マダオが…」
アスカ「アンタの出番なんじゃないの?」
レイ「………」
ゲンドウ「……ユ」
レイ「腐れ外道」
ゲンドウ「」
シンジ「あ、綾波!?あや…」
シンジ「え?」
レイ「変な私は…嫌?」(´・ω・`)ショボーン
シンジ「そ、そんな事ないよ!」
マリ「うぉ!?…ここで盛り返してきたー!?」
アスカ「ちょーっと、待てぇー!!」
レイ「なに?二番目」
アスカ「ぉおいッ!?番号か!?アタシを番号で呼ぼぉうってか!?この変態女がぁーーっ!!」
レイ「えぇ、許して上げるわ。二番目なら…」( ´∀`)
アスカ「うぅぅうわぁああ"あ"あ"ーーっづ!!!」
シンジ「ちょ、アスカ?アスカ!?」
アスカ「シンジぃいっ!!」
シンジ「ひっ…」
アスカ「ウチに帰るわよ」(*´ω`*)ニッコリ
シンジ「…う、うん」
レイ「碇くん、こっち。大丈夫、私があなたを守るから…」
シンジ「ちょ、綾波?腕…胸が…ひっ…」
アスカ「バカシンジ?違うでしょ?あんたは、こっちでしょ?」
シンジ「アスカ…腕…腕が…ちょ、折れっ…」
マリ「おっと。いやいや、わんこ君、こっちこっち。受け付けは、こちらだよ!」
シンジ「やめ、マリ…頭…苦し…胸…」
カヲル「やれやれ、困るな。勝手な事をされたら…」
アスカ「ニフラム」
レイ「ニフラム」
マリ「ニフラム」
カヲル「いや、」
アスカ&レイ&マリ「「「ニフラム!!!」」」
ゲンドウ「」
トウジ「これ、どないすんねん…」
トウジ「おぅ。お前、どないやねん?これ、なんなんや?」
カヲル「なんなのか?と聞かれたら答えてあげるのが、世の情け…かな?」
トウジ「いや、そんなんえぇからはよ話せやボケ」
カヲル「君ね…まぁ、いいや。端的に言えば茶番劇だよ」
トウジ「はい?」
カヲル「願望欲望願い叶えてアダムかイブかな」
トウジ「アブラカダブラか?」
カヲル「そう、それさ」
トウジ「どつくぞ?」
カヲル「まぁ、冗談は置いておき。彼女たちは自分の願望や欲望に塗れているのさ…」
トウジ「どういう…」
カヲル「事かは、なんとなく察する事が出来ないかい?」
トウジ「好き勝手に世界が変えられる様になったから、好き勝手に戯れあってる…んか?」
カヲル「まぁ、概ね、正解かな?」
カヲル「世界が変わってしまうのか?」
トウジ「……」
カヲル「運命か宿命か…」
トウジ「そんな答えやない」
カヲル「ふむ、例えばこの何の変哲もない紙屑の中に世界があったら?」
トウジ「はん?」
カヲル「人の目には見えないちいさな小さな世界は確かにあるのさ。分子から原子へ。それから更に小さな世界へ。そして、元素というそれらいくつもの別の世界の成り立ちも…」
トウジ「あかん、頭痛が痛いわ」
カヲル「まさにそれさ」
トウジ「はああん?」
カヲル「痛みが痛みを感じる?あり得ない!いや、何故?痛みという概念が意思ある存在だったとしたら?または、痛みというひとつの世界だったら…」
トウジ「やめ、吐きそうや」
カヲル「もし原子の中に人には認識出来ない小さな世界があって、ちいさな僕らが生活していたら?」
トウジ「こ、小人な?小人の…話?な?」
トウジ「怖いわ…そんなん」
カヲル「知ってるかい?原子の中では核を電子がぐるぐると周っているんだ。まるで、太陽を回る地球やその他の星星の様に…」
トウジ「知らんわ」
カヲル「星は大きい。人には大きい。多くの空間を、隙間を、有して余りあるほどに」
トウジ「だから、なんやねん?」
カヲル「しかし、星よりもずっと、よりずっと大きな存在にとって、隙間の中の世界は見えないかもしれないね。ただ、何かが何かを囲んで集まっている…なんて」
トウジ「ワイは馬鹿やないぞ!あれか?そのデッカイなんかが人で、ワイらがちっさい小人って言いたいんか?」
カヲル「さぁ?そんな話だっただろうか?」
トウジ「ああっん!!いてまうど!?くらぁっ!?」
カヲル「例えば、より大きな存在がより小さな世界を覗く時。その小さな世界を壊してしまったとして、大きな存在はそのアクシデントに心を痛めてしまい、だから、その小さな世界を元に戻したいとする」
トウジ「すんません、やめてくれません?意味不明でキツイんやけど?」
カヲル「大きな存在は持ち得る限りの力で小さな世界を元に戻す為に色々と試行を繰り返す。それこそ、元に戻す為に小さな世界をバラす事さえ。1から作り直す為に…」
リツコ「興味深い話をするのね」
トウジ「た、助かった…」
カヲル「さて。そんな話だっただろうか?」
リツコ「えぇ、もちろん」
カヲル「そう、だったかな」
リツコ「それで?大きな存在はどうなるのが望みなのかしら?」
カヲル「元に戻す為だった」
リツコ「最初は…そうだったみたいね」
カヲル「しかし、1から作り直すと元にあった物が違う場所に存在したりして、また、バラす事になってしまった。だが…」
リツコ「作ってしまったその違う物は世界をバラした後も残りたがった」
カヲル「そう。元の物が違う場所に存在した為に違う存在となってしまったり、また、違う存在になったが為に、新しい存在を産み出し作ってしまったり…」
リツコ「そして、それらは総じて世界をバラした後も残りたがった」
カヲル「だけど、大きな存在のやりたい事は新しい物を生み出す事ではない。あの小さな世界を元の物に戻したいだけ」
リツコ「だから、また1から作り始める。破壊を初めとして…ね」
カヲル「破壊は始まりではない」
リツコ「大きな存在にとっては…でしょう?」
リツコ「でも、存在してしまった者たちにとっては、たまったモノじゃないわ」
カヲル「大きな存在にとっては、小さな世界に、または、その中の小さな物に意思があるなんて思ってもみなかった事なのさ」
リツコ「それこそ、傲慢だわ…」
カヲル「そうかな」
トウジ「なんやよぅ分からんけど、腹立ってきたわ…」
カヲル「しかして、1から作り直す工程を繰り返す内に小さな世界は…また、新たな変化を生み出す」
リツコ「大きな存在を認識する事が出来る小さな世界に生まれた小さな特異点」
カヲル「やぁ、アダム」
リツコ「……」
カヲル「やぁ、イブ」
トウジ「……」
カヲル「はじめまして」
リツコ「………」
カヲル「僕らが神だ…」
カヲル「まぁ、神はいずこかに存在するとして…認識されてしまった事は予想外の出来事だった。更に驚くべきは彼らまたは彼女らは紡ぐ事が出来た」
リツコ「最初の書…はじまりを書した本」
カヲル「まいったね。僕らはその事に気付くのに多くの時間と工程を繰り返した」
リツコ「そして、書は紡がれ、人は工程を知った」
カヲル「やれやれ、新たな変化はそう待たずして現れ始めた」
リツコ「人は大きな存在を認識し、それに会おうとした」
カヲル「ある存在はその記憶や体さえ、破壊から逃れ工程の1から存在し始めた」
リツコ「…バベル…ノア…」
カヲル「だから、まぁ、仕方がない。まずはそれを消そう」
リツコ「そして、最古の原典は無くなった」
カヲル「…いや、まだだ。彼ら彼女らは紡ぐ事が出来る…」
リツコ「…!…だから、書き換えた」
カヲル「新しく用意してあげたのさ」
カヲル「でも、それでも、君たちは僕らを知り、立ち向かう」
ミサト「ま、当然よね。恨みまくってる訳だし」
トウジ「おぉ、ミサトさん。わかるんか?」
ミサト「…ぜんっぜんわからん」
トウジ「な、なんやそら」
ミサト「けど、アタシたちの意思に関係なく。アタシたちの世界を壊そうとしてるってのは分かったわ」
トウジ「やっぱ、そうなんか?そんな事やとは思っとったわ!」
マリ「ま、そうだよね。だからこそ、使徒な訳だし」
トウジ「え?誰がや?」
シンジ「…ぷはっ…はぁ…はぁ…やっと息が…出来る…」
カヲル「さて、そんな話だっただろうか?」
アスカ「で?破壊すんの?」
レイ「なら、私は…碇くんを守るだけ」
カヲル「さて…そんな話だったかい?」
カヲル「やぁ!」
シンジ「え?」
カヲル「シンジ君。やっと、僕の名前を呼んでくれたね。うれしいよ…」
ミサト「エーーーンガチョーーーッ!!エーーーンガチョーーーッ!!」Σ(゚Д゚)ノノドヒャ-
レイ「しっ、碇君見ては駄目よ。いい子だから、あれには近付かないで、いい?」(;一_一)ミテハダメ
アスカ「なんなのアイツ…いや、なんなのアレ?」(~_~メ)キモッ
マリ「いるところにはいるんだよ。しかし、よりにもよって、わんこ君周辺にとは…」( ´Д`)=3イヤダワン
カヲル「フフフ、えらい言われようだね」
トウジ「あぁ、お前は台所の黒いアイツと同じや」
リツコ「…まぁ。美しくはないわね」シレッ
シンジ「えっと…カヲル君は、どうして僕がこうなったかを知ってるの?」
カヲル「……」
リツコ「……」
カヲル「知っている……としたら?」
カヲル「知ってどうするんだい?」
シンジ「わからない。わからないけど…知っていれば何か…何か変わるかもしれないから…」
カヲル「知らなくても、変わるものは変わるよ?そして、知らなければ変わることに苦しむ事はない。そう、キミは自由なのさ」
リツコ「本当にそうかしら」
カヲル「……」
リツコ「私には彼が…シンジ君がこの世界の見えない何かに雁字搦めに縛られている様に見えるわ」
カヲル「運命か宿命か」
リツコ「………」
カヲル「魂は世界に還り、繰り返す」
シンジ「……繰り返す」
カヲル「やがて、…神話となりて、世界は救われる」
ミサト「神話?」
カヲル「しかして、その思いを…その記憶を…天使は残酷にも裏切りて決断し、世界を還り賜う」
アスカ「…そして…始まる…、悲しみが…始まる…はじまるわ」
アスカ「嫌ッ!いやッ!イヤァッ!!…イヤァ…」ブルブルッ
カヲル「記憶を辿り、優しさと夢の水源(みなもと)へ…」
アスカ「ジ…ン…ンジ…シ…シンジ…ジ…シンジシンジシンジシンジシンジシンジ…シン…シ…ジ…ンジ…」ガタガタガタッ
シンジ「アスカ…ボクは此処に居るよ」
アスカ「シンジ…シンジ、シンジ…シンジィ~ッ!!」ギュッ!
トウジ「ちょぉ待てぇ…なんや、何なんや?一体、何の話をしとるんや!!」
カヲル「フフ、例え、理解などしなくても時は進むんだよ」
トウジ「ハァッ!?は?ハッ?ハァア!?」
ミサト「ちょっと黙って!!」
トウジ「うっ…せやかて…」
リツコ「シンジ君と…アスカ…は、理解している…のかしら?」
カヲル「そう…君はいつだって、その運命さえも知らず…夢中で求めることを止まない…」
レイ「………」
カヲル「僕らはそんな稚児の眼差しを愛おしく思うのさ…」
カヲル「しかし、知る必要はないんだ。
君たちは知らなくてもいい。ただ進む時に身を任せていればいい」
レイ「そうすれば、悲しみも苦しみも終わりを迎えるから?」
カヲル「本来、感じるべきものではないのだから、無いものとして扱うのは自然な事だろう?」
レイ「でも、それでは、喜びや楽しさも終わりを迎える。ただ、知らぬ内に、感じることなく」
カヲル「しかし、それも本来なら感じるべきではないものなのだ」
トウジ「なんやぁ?ワシらは幸せを感じる権利がないちゅうとるんか?あぁ!?」
リツコ「そうね。そして、不幸さえも私達には与えられない、と」
トウジ「な、なんやとぉ?…いや、それはえぇんとちゃう?…なぁ?」
カヲル「僕らが求めるのは、君たちが生まれる前の大地」
ミサト「だから、貴方達は私達が、いま感じているこの思いや記憶は消したいってこと?」
カヲル「僕らは本来在るべき姿に戻したいだけさ」
リツコ「その為ならば、変化した世界の魂など不要だという訳?」
カヲル「魂は必要さ」
リツコ「変わる前の魂は、でしょう?」
マリ「知ってるぅ?そーいうの、デッカい御世話、っ~うんだよ?」
ミサト「そうよね。それでアタシ達の世界を壊されたんじゃ、堪ったもんじゃないわ」
カヲル「破壊ではないさ。そうだな…せめて、復元と言って欲しいかな」
マリ「だからさー?いまさら無かった事にされても困る訳さ?出来上がったもんは出来上がったもんで、残してちょーよ?ね?」
カヲル「だから、君はこの場を作ったのかい?」
マリ「ヤァー!当たり前田のクラッカー!!」
トウジ「この場?」
カヲル「シンジ君とそれに連なる者達の集会さ」
マリ「別に過ぎ越しの祝いとか最後の晩餐とかがしたかった訳じゃないよ?まず、なんで世界が変わるのか、どうすれば変わるのか、なんて全然分かんなかったしさ」
リツコ「だけど、やらない訳にはいかなかった」
マリ「だね。で、最初はゲンドウ君とか初号機とかが起因かとも思ったんだよね。たぶん、一番、近いと思ったから…」
カヲル「それは、僕らに…かな?」
マリ「君らの干渉に…かな?でも、実際は君は碇シンジ個人に一番近付いてた…もちろん、曖昧な記憶は信用性に欠けるけど、たぶん、あたしの願望か欲望がわんこ君に関する思い出に敏感になってたんだね」
カヲル「幾らかの工程から紡ぎ出した…と?」
リツコ「それで?彼だけではないといつ気が付いたの?」
マリ「それも思い出からかな?彼にそう望んだら、そうなるって」
リツコ「そして、自分がそうなら、自分以外にも居るはずと?」
マリ「そこは、すでに何箇所か変えられてた節があったからさ。分かりやすかったんだよ、アタシ的には」
リツコ「そして、後は燻り出すだけ」
マリ「そそ、後は客観的に見る為にも間接的が好ましい方法だと思ったから、リツコとミサトに誘導して貰った訳」
リツコ「それで異常な環境による催眠誘導ね」
マリ「そうだねー。とりあえず、何人か集めて一人でも催眠に掛かってくれたら、集団心理で後は勝手にボロが出るかなぁ、て?そういう場所ならさ、周りに連れられて自分を曝け出すかもなぁ、とか、変えられる事に麻痺してるから自分に良いように力を酷使するのも厭わないかなぁ、とか?」
ミサト「で、まんまと、二人釣れたと?」
アスカ「ふん…」
マリ「たださぁ、アタシが動く前に均衡は崩れてたっぽいんだよねぇ」( ´Д`)=3
ミサト「思いの他、嫉妬深くて自分勝手だった…と」
マリ「ま、気付いてて分かってやってるのか、どこまでわんこ君無視で秘密の呪文が使えるか、とかも知りたかったからセーフ…だけどね」
カヲル「そして、君の目的は同じ者達で、なんとか自分達の都合のいい世界を作れはしないか、と話を持ち掛ける事だった」
アスカ「無駄よ…アタシたちじゃ無理だもの」
マリ「ほー、アタシはそこん所が分かんないんだけど、姫は分かるんだ?」
アスカ「苦しいだけだもの」シンジダキシメ
シンジ「アスカ…」
リツコ「苦しい?世界を変える事が?」
アスカ「最後の審判を下すのよ?」シンジノ ムネ ニ カオ ウズメル
レイ「ちょっと離れて」(-_-メ)イライライラ
アスカ「嫌ッ!」(-ω-)
レイ「離れて」(#・∀・)イライライライライライラ
アスカ「い・やっ!!」(>_<)
レイ「離れてッ!!」(# ゚Д゚)オラァー!!
アスカ「イーーヤーーッ!!」。゚(。>ω<。)゚。ギューッ!!
シンジ「痛い…すごい痛い…アスカ、胸まわりの皮膚、てか、肉を力一杯に掴まないで…それ、スンゴイ痛い…」(; ・`д・´)イタイ
マリ「何それ?どんなおっぱおプレイ?あたしもやっていい?」(;゚∀゚)=3ハァハァ
マリ「だからさ、世界がわんこ君を起因として変えられるのは分かったよね?」
トウジ「…あー…よっしゃ、それは分かったでえぇわ」
マリ「でさ、わんこ君が起因だけど、わんこ君を拐かして、変えさせられる事に気付いた人達がいた」
トウジ「ほーん、で?」
マリ「だけど、1から全部は変えられない」
リツコ「そこで、変えさせる事に気付いた一人は、他の者達と組めば世界を1からすべて変えられると考えた」
マリ「イエス!で、変えられるのを隠さずに素直になって貰おうと舞台を用意した、アタシがね」
トウジ「おう、すごいまわりくどいヤッちゃな」
マリ「だって、素直になれない人ばっかなんだもん、そうだろう候補メンバーがさー」
レイ「離れて!」
アスカ「嫌よ!」
マリ「素直に聞いて敵意持たれてもアレだし。敵対したい訳じゃないから、んしゃ、馬鹿馬鹿しい事でなし崩しにごっつあんしたら、何となしに打ち解けられるかな?てさ」
トウジ「そいで?1から変えてどないすんねん?世界征服でもするつもりかいな?」
マリ「アホなんか君は?だから、さっきから言うてるけど、世界を滅亡から救いたい言うとるんや、アタシは!」
カヲル「ふふっ、僕らはいますぐにでも構わないよ」
トウジ「な、なんでお前が答えんねん!?」
マリ「だーかーらー、コイツが滅亡させんでしょうが!!」
トウジ「なんやてぇーーっ!!?」
ミサト「彼というか、彼ら使徒がね…」
トウジ「なんやてぇーーっ!!?」
リツコ「そして、それはいままで何度も繰り返されてきた」
トウジ「お前、使徒なんかいな?あの…あの大きいバケモン…バケモンらの仲間なんか?」
カヲル「まぁ、そうだね」
トウジ「あっさり認めよった………て、なんやてぇーーっ!!?世界滅亡が何回もあったんかい!?」
マリ「ちょっとうるさいんだけど?」
トウジ「す、すまん。なんか、もう…わからんようなって…」
カヲル「何度も言うけど、僕らはただ元に戻したいだけさ。まぁ……君としては、存在し得ない世界は受け入れ難いのかもしれないけど」
レイ「……」
レイ「……」
カヲル「君は、シンジ君の何なのかな?」
シンジ「カヲル君?」
カヲル「理想の女性とでもなろうとした…という事かい?それとも消えない為の防御策?」
レイ「私はただ碇君を守りたいだけ」
カヲル「なるほど。母であり、母ではない人。それは、ある意味で、男性にとっての理想なのかもしれないね…」
レイ「……」
マリ「……」
アスカ「……」
トウジ「こ、今度はなんの話をしとるんや…」
カヲル「二つのモノの利害が一致したという事」
トウジ「はい?」
カヲル「あぁ、つまり、イメージチェンジの話さ(笑)」
レイ「」イラッ
トウジ「碇…ユイさんて誰や?」
ゲンドウ「」
レイ「」
カヲル「ふふっ、歌はいい…歌はリリンの生み出した中で特別に魅力的だとは思はないかい?」
トウジ「ち、まぁた話が飛びおった。なんやねん、お前!?お前は何が言いたいねん!!」
カヲル「やれやれ、語るべきは語っているとは思うのだけれどね」
トウジ「どこがや!?おまっの話な!?一切、分からへんぞ、ワイわぁっ!!」
カヲル「ふぅ、まいったね…」
トウジ「まいるんは、ワシらの方じゃ!!ボケぇ…」
カヲル「言動をその身と骨とし紡ぐ者たちよ。我らと我らの使いを結い合わす者とで詩を奏で望み叶うか。そして、我らの使いの奏でを信じるならば、また、我らと世界を供にあらん♪」
トウジ「は?」
カヲル「歌はいいねぇ…歌は…リリンが生み出した文化の極みだよ…」
シンジ「ぼ、僕は…」
カヲル「そう、だから…君を…全てを…ゼロに戻す為に、彼女は生まれてきてしまったのかもしれないね…シンジ君♪」
レイ「違う…違うわ!」
カヲル「しかし、君は本来ならば存在し得ない存在だ」
レイ「………」
カヲル「彼を守る為に…君は存在を生み出された…二番目として」
レイ「…」
カヲル「彼を…この美しくも、恐ろしい世界に、たった1人にとしない為に…君は生まれた…」
レイ「」
カヲル「そして、望み叶うならば、全てを解放しよう…彼を護る為に…そう、1ではなく…0へと…」
ゲンドウ「ユイ…ユイ!ユイ、私はもう一度…もう一度」
マリ「はいはーい、邪魔しなぁーい!邪魔しなぁーいッ!!」ズバット!!
ゲンドウ「ぐふぅ…っ!?」ガクッ‥
カヲル「……しかし、前と後、表と裏。そういう存在が前も後も表も裏も関係無くなってしまったならば…それは、一体、何なのだろうねぇ…」
レイ「……」
トウジ「おぉぅ、一切合切…何が何だか…わけワカメちゃんやんけぇ~…」
リツコ「そうね…難しいわね」
ミサト「マジかぁ…ま、アタシもだわ…」
リツコ「ただ…」
ミサト「ただ?」
リツコ「………」
ミサト「ちょつと、ちょつと~!お願いだからアタシにも何か…あの知恵の輪?に入れる様なヒントをちょーだいよー!!」
リツコ「綾波レイは碇ユイを媒体としたクローン。だから、彼女は二番目の存在と言える」
アスカ「二番目…」
リツコ「そして………それがいま、前も後も…裏も表もないと言うのなら」
ミサト「!今の綾波レイは、碇ユイ?!」
マリ「ニャハハ、母であり、母ではない…理想の女性にぇ~?」
カヲル「本来存在し得ない者に本来存在し得る者が入り込んだ。これは、僕らにとっても驚くべき変化、だが…」
レイ「…」
カヲル「この世界にとっては驚いてばかりではいられないかもしれないねぇ」
リツコ「なるほど。もし、彼女の存在理由が世界を1から創り直すのではなく…0にする。つまり、世界を無にする事だったとしたら」
マリ「は?」
カヲル「そう、彼女は、君たちとは相容れない。まさしく…破壊者だと言うことさ」
マリ「…まぁたまたぁ~」
レイ「…」
ミサト「なぜ?だって、この子は…レイは、少なくともシンジ君を守る為に動くはずでしょ?それが、なんだってシンジ君も消しちゃうような事をしないとイケない訳?おかしいでしょ?」
アスカ「……シンジが…このバカが…もう…もうこれ以上、苦しまなくていいように…よ…」
シンジ「僕を…」
マリ「…またまた、姫には分かる訳かぁ」
トウジ「ワイにもう…わからへん世界やわ」
リツコ「なるほど」
トウジ「なななんやてぇーっ!?な、なるほどてアンタ…あ、ありえへん世界や…」
リツコ「それは、つまり、私が感じる…碇シンジを雁字搦めにする世界の何かと関連していると、見ていいのね」
カヲル「…………‥、さぁ?」
マリ「はい」
トウジ「……あったなぁ、そういえば」
マリ「ほら、早く。どついてあげて」
トウジ「いや…せやかて…」
カヲル「♪」
マリ「ほら、待ってるよ、ほら」
トウジ「いやいや、ちょぉ待ってや!」
カヲル「ん、呼んだかい?」
トウジ「いや、呼んでへんよ」
マリ「はよ。はよはよ!」バンバン
トウジ「やから、ちょぉ、待ってやって!」
カヲル「呼んだかい?」
トウジ「だから、なんでお前が返事すんねーーん!?」ハリセンdeアタック!!
カヲル「…君が呼んだんじゃないか」ココロノカベgaペカー
マリ「ま、使徒だし。残当…」
トウジ「え、なんや。キモいんやけど…怖っ」
シンジ「キモ…い…」
アスカ「シンジ…」
レイ「碇君…待っていて、いま、彼を消すわ」
トウジ「あ?なんやねん…て、ちょ!?なんや、綾波!?なんで?なんで、ワイに向かって来るんや!?なんで?なんで、なんで?」
レイ「消えて」
トウジ「あかーーーん!?」
マリ「!」
レイ「?」
アスカ「!」
トウジ「…へ?な、なんや?」
カヲル「へぇ、ここで舞台に上がるのか」
サクラ「お姉さん…うちの兄に何か、用ですか?」
サクラ「お忘れですか?サクラですけど?あ、もう一人の方は面識なかったんやっけ?」
トウジ「サクラ…え、ちょぉ待ってや!なんで、サクラが居んねん」
カヲル「さぁ?彼女がここで話に交ざっていた方が良いと判断したからじゃないかな?」
トウジ「話して…何を話す事があんねん…て、なんで、またお前が返事すんねん!?」
マリ「にゃるほど。やっぱし、最後の一人はチミだったかい…」
トウジ「あ?最後?一人?サクラがなんやねん?」
マリ「まぁ、つまるところ、彼女のおかげで君が未だ正気で居られるって事だよ」
トウジ「……あぁ!つまり、サクラはえぇ娘やなって話やな!!」
マリ「まあ、阿呆のままみたいだけどさ」
サクラ「別にこのまま黙って見てても良かったんですけど…なんか、そういう訳にはあかんみたいやったから」
リツコ「…それは、綾波レイが破壊者だから?」
サクラ「みたいですね?このままやったら、うちのアホ兄貴が消されてしまうみたいやったし…ねぇ?」
レイ「…」
マリ「……」
マリ「しゃーらーぷっ!ムカつくね、このモーホー野郎が」
カヲル「やれやれ、心外だよ。まったくね…」
サクラ「マリさんのしようとしている事に、別にアタシらは異議はありません」
ミサト「アタシら?」
サクラ「はい。そこのアホ兄貴と…」
トウジ「アホて…」
サクラ「あたしとシンジさん夫婦ですね」
トウジ「」
ミサト「」
マリ「」
シンジ「」
レイ「」
サクラ「さ、あたしらの家に帰りましょ、シンジさん」
アスカ「……あ"?」
アスカ「あ"?」
トウジ「どういうことやのん?シンジさん?ん?ん?どういうことですのん?」
シンジ「え……え?」
マリ「あ、息すんの忘れてたわ」
レイ「」
マリ「…レイちん?綾波のレイちーん!?」
アスカ「アンタ、良い度胸してるわね…ブっ飛ばすわよ?」
サクラ「あ、アスカさんでしたか…なんや、眼帯してませんけど…アタシが付けてあげましょうか?」
アスカ「はあ"ぁぁぁあ"ん!?」
サクラ「嫌やわぁ…歳取るとすぐ怒りっぽくなるぅ。あ、アスカさん達は永遠の14歳でしたっけ(笑)?」
アスカ「……コロスワ」ビキビキビキッ!!
レイ「…ヤラナキャ…」ユラァ~‥
マリ「うおっ!?えげつなく復活した…」
サクラ「あー、なんやったっけ…もう、面倒やわぁ………あ、せや、ニフラム…」
トウジ「ぐぇっ?ちゃ、ちゃうねん」
アスカ「何が違うのよ?この性悪なくそガキがぁ…」
レイ「殺らなきゃ」
マリ「うおっ!具体化した…」
トウジ「サ、サクラさん?な、なんや、機嫌悪いんか?」
サクラ「…別に」
アスカ「アンタ、本当に良い度胸してるわね」
レイ「…あ、スイッチきた」
マリ「怖いこと、言い始めたよ」
トウジ「と、とりあえず、謝ろか?なんや、不穏な空気やし…な、サクラ?」
サクラ「せやかて、こん人ら敵やしなぁ」
トウジ「サクラ?」
マリ「あ、敵なんだ…」
サクラ「そうですよ、敵ですわ、みんな…アンタも、アンタも、アンタも!アンタもアンタも、アンタも!!みんな、アタシらの敵やッ!!!」
マリ「え~んがちょ」
トウジ「ど、どないしたんや、サクラ?ホンマになん…なんなんや?」
サクラ「あんな、この人らはな。自分の都合勝手にアタシら一般人を喰い物にしとんねん」
トウジ「はぁんん?」
サクラ「この人らにとって、アタシらは背景…いいとこモブや。自分たちが気持ちえぇ絶頂を迎える為なら、そんな背景やモブに何をしてもえぇと思いよるんよ。やから…誰かをこの世界から、この舞台から、消すなんて朝飯前なんですよね?」
トウジ「消すって…」
レイ「……」
サクラ「まるで、小さい者の事なんて知らんって言う、大きいバケモノたちみたいやんなぁ」
カヲル「……フッ」
サクラ「だけど…それでも、アタシらはこの世界で生きていかなあかん。この世界じゃないと生きていけへんから…」
マリ「だったらさ、アタシらと生きていこうよ?」
サクラ「はん…それで?」
マリ「え?」
サクラ「言っときますけど、アタシとアンタらは違う。アタシは、アンタらと違って、なーんも知らん」
マリ「…」
アスカ「…」
サクラ「力も無かったし、何をすればいいのかも分からんかった。やけど、今回は違った」
リツコ「…ある程度、知る権利が与えられた…」
サクラ「そうですね。やから、いままでだったら、何も分からんと、ただ迫りくる脅威に怯えて暮らすだけ…助かるかどうかは、物語のヒーローかヒロインの都合だった…」
シンジ「…」
サクラ「この世界で、アンタらに影響受けんと生きていける人間は、一人も居らん」
トウジ「サクラ…」
サクラ「だから、これはささやかな反抗です…」
ミサト「反抗?」ピクッ!
サクラ「なんも知らんかった、なんの事ない背景やモブが、この世界で重要やとされとる人たちに…ささやかな反抗なんですわ!!」
マリ「で?」
サクラ「はい?」
マリ「だから…で?っていう」
マリ「う~ん、30点。落第点だね!」
サクラ「なっ…」
マリ「だって、それってつまり、いままでと変わらないって事でしょ?君の言うヒーローヒロインが君たち背景やモブと、とって変わるだけで中身は一緒…じゃん?」
サクラ「違います」
マリ「何が?」
サクラ「アンタらと違ってアタシらは、咲く…何度でも咲く」
カヲル「…」
サクラ「たとえ…たとえ、何度となく虐げられても、世界を壊されても、アタシは咲く!!」
トウジ「サクラ…」
サクラ「負けない。業火の如き熱さにも虚無の様な淋しさにも絶望的な寒さにも…季節が来れば、アタシたちは何度となく咲き続ける!!何度も何度も巡り巡って春には必ず、咲き誇る!!世界がどんな事になっとっても、世界がどんななんか知らんくても、アタシら普通の人間は、いつもと同じ様に日常を生きていく!!」
カヲル「美しいねぇ…」
トウジ「はわぁあああああああづ!!」ハリセンdeアタック!!!
カヲル「何をするんだい?」ココロノカベgaペカー
トウジ「さぶいぼじゃあああっ!!サクラに近付くなやぁあああづ!!シンジやるから、サクラに近付くなやぁああああづ!!」
トウジ「近付くなやぁあああづ!!絶対、近付くなやぁあああづ!!」バチーン!バチーン!バチーン!!
リツコ「つまり、貴方は…物語りの中心に振り回される脇役を代表して、ここに居ると言いたいのね」
ミサト「物語りの中心ねぇ…」
マリ「ま……世界が変わる起因が、ここに居るから、その周りを固めてるアタシたちは中心なのかな?て事かな?かな?」
サクラ「そうですよ」イラッ
ミサト「それで、シンジくんを自分に惑わせて、自分が変わりに皆が幸せになれる世界を作ろうと思った訳ね」
サクラ「…アナタたちはもういいでしょ?充分、自分たちの思い通りに世界を変えて、壊して、作って、また、変えて…もう、いいでしょ?満足したでしょ?その都度、アタシらは毎回毎回、同じ様で違う世界でなんも知らずに生かされるんよ?そこで本当に見つけた幸せがあっても、いつの間にか世界が変えられて似たような世界に落とされる。しかも、今度は絶望した世界や。でも、それでも、アタシらは生きとる。生かされとる。次の変えられる世界を待って…だから、アタシがもう、始まる事のない世界を作って、それで世界を終わりにしたって…えぇでしょ?」
マリ「だから、30て~ん!!」
サクラ「なにがですか!?」
リツコ「悪いのだけど、議題が被っているのよ」
ミサト「満を持して登場してくれたみたいだけど、一周遅れで空回りなのよねー」
レイ「…」
マリ「別にアタシらも好きで周回プレイしてるんじゃないんだよね~?別にトロフィとか図鑑とかアイテムとかコンプリートしたい訳じゃないしさ~?」
アスカ「…」
リツコ「ふむ…なるほど…やはり、世界が変化を求めた時…それは中心人物の良い様に世界が変わっていったと考えていいのかしら…」
サクラ「?」
リツコ「ところで、鈴原サクラさん」
サクラ「…なんですか?」
リツコ「なぜ、貴女はその憎しみを碇シンジ君には向けなかったのかしら」
ミサト「そうね…いくら、力を手に入れる為とはいえ、自分の亭主にするくらいだし…好きなのかしらん?」
サクラ「それは…」
トウジ「はぁーーーーん!!」バチーン!バチーン!バチーン!!
シンジ「痛っ!痛い!?痛いよ、トウジ!?」
マリ「黙れ!小僧!!」ゴスッ!
トウジ「」
サクラ「たしかに、最初はシンジさんも同じやと思ってた…です。けど…」
ミサト「けど?」
サクラ「きっと、シンジさんは可哀想な人なんです。あたし…シンジさんを見てたら、なんや…可哀想に思えて…やから、あたしが…あたしが守ってあげなきゃって思うたんです」
レイ「……彼を守るのは、私だけで充分」
アスカ「ふざけんな!バカシンジを、受け入れて、あげるのは!あたしよ!!」
マリ「可哀想…か。そうだよね、そうなんだよね」
ミサト「え、なに?」
リツコ「…やっと、話が戻ったわね」
カヲル「……」
リツコ「そして、それと同時に1つ私の仮説は立証された」
ミサト「どういうこと?」
リツコ「世界が何故、変わるのか…今それは、分からないでいいわ」
トウジ「」
リツコ「だけど、彼女たちの行動理念は分かった…という事よ」
ミサト「行動…理念…?」
カヲル「………」
リツコ「碇シンジの救済」
アスカ「…」
ミサト「…育成じゃなくて?」
マリ「ハリセン、喰らっとく?」
シンジ「僕の…救済…」
リツコ「そう、世界を変えられる力を持った少女たち全員が全員。まず、碇シンジの事を考えて行動を起こしている。実際、いま、彼女、鈴原サクラさんがそうだった様に…」
レイ「…」
アスカ「…」
リツコ「では、何故、彼女たちはそんなにも碇シンジに同情的なのか」
ミサト「好きだから?」
リツコ「そうね、愛もその内訳に入っているんじゃないかしら?ただ、私にはそれだけではない。そう、碇シンジが抱える世界のしがらみに関係している様に思えてならないわ」
ミサト「しがらみ?」
リツコ「そして、その答えは、レイやアスカには分かっている…違うかしら?」
マリ「…」
リツコ「貴女たちが碇シンジを可哀想だと感じる理由。それは、彼が最後の審判を下すから…」
サクラ「最後の…審判…?」
レイ「…」
アスカ「…」
リツコ「そして、その審判を行う事は、想像を絶する苦しみとなる」
ミサト「苦しみ…」
リツコ「全ての生命を1つとして、全ての意思を1つとして、世界を1つとし最後の審判を下す」
マリ「記憶を辿り…」
リツコ「バラした世界を1から世界を作る時、その魂の記憶を辿り、元の場所へと返す」
カヲル「…」
リツコ「しかし、魂は残りたがる。それが…幸せの記憶ならば、元の場所よりも幸せならば、なおさら…」
アスカ「全員が全員、求める場所に行ける訳…ないじゃない…なのに、なんで…なんで、シンジが怨まれなきゃならないの!?なんで、同じ苦しみを見せられて、同じ苦しみを味合わされなきゃならないの!?なんで、なんで、なんで!?なんで、シンジなのよ!!」
リツコ「そして、その審判は世界が1から作られる度に行われる。世界が存在し続ける限り…彼の苦しみは終わらない」
レイ「なら、全て、無かった事にすればいい…。アナタモ、ワタシモ、イカリクンモ…スベテ…スベテ…」
カヲル「まいったね…それでも、やって貰わなきゃ困るんだよ。だって、僕らは、完全なる元の小さな世界を求めているんだからね…」ニコッ
リツコ「さて、更なる問題は、何故、碇シンジ君が、最後の審判を下すのか」
サクラ「それは…それは、きっと、押し付けられたんやと思います!」
カヲル「…」
サクラ「シンジさんは、優しいから…優しくて気ぃしいやから…誰か悪い人に、そんな嫌な役目を押し付けられたんですよ!」
マリ「自分たちが嫌な苦しみから逃れる為にスケープゴートを用意した訳か」
アスカ「一個の生命の記憶を辿り、哀しみ憎しみ悔しさ絶望不幸を見せられ、同じ苦しみを味合わされて、やっと、それを元の場所に戻す。それを世界全部…」
レイ「…例え、幸せの記憶を巡ったとしても、それを無かった事にして、元の場所に戻す。皆に怨まれてしまうとしても…」
ミサト「それを、いままで何回?何千何万何億…と繰り返してきた訳か…あちゃ~」
リツコ「そして、それを行うには知る必要がある。手順を思い出す必要がある。忘れてたいたとしても、遠い彼方の記憶からいままでの全てを…」
カヲル「…だから、シンジ君。キミはそれまで知る必要はないんだ。苦しみを知ったまま、この世界で生きるのは酷だからね」
シンジ「………」
カヲル「そして、いままでと同じ様に僕らは世界を元の世界に戻すんだ」
シンジ「……」
ゲンドウ「ま、て」
ゲンドウ「世界を…我々は等しく世界を分かち合うと約束した筈だ」
カヲル「…」
リツコ「…」
ゲンドウ「ならば、我々に構わず貴様たちの都合に合わせて世界を改変する事は契約違反になるはずだ!」
マリ「ほー…意外と知恵の輪に入った意味深な発言をするんだね、ゲンドウくん?」
カヲル「しかし、君は信じる事が出来なかった」
ゲンドウ「なに!?」
カヲル「君は結い合わせる者とに夢中で、僕らの使いの奏でを信じる事をしなかった」
レイ「……」
カヲル「だから、これ以上、僕らはその身と骨とし紡ぐ者たちとの対話を必要としない」Absolute Terror Field MAX!!
ゲンドウ「な!?っ、がぁあっ!!…あひっ…」ガクンッ………チーン!
マリ「やはし、マダオか…」
リツコ「使い…」
シンジ「…」
ミサト「なに?」
リツコ「大きな存在が小さな世界に干渉する事は出来る…」
カヲル「…」
リツコ「では、小さな存在は小さな世界に干渉出来るのかしら…」
ミサト「何を言ってるの?出来てるから、アタシたちは知る事が出来てる訳なんでしょ?あー、つまり、ほら、記憶?を残して、アスカやレイはシンちゃんを誘惑して世界を変えられる訳…でしょ?」
リツコ「えぇ、シンジ君が…変えているのよ」
サクラ「なんか、問題あるんですか?」
リツコ「私たちは知ること。つまり、過去の出来事を記憶を、紡ぐ事で、次なる世界へと伝えることは出来るけど。それは、私たちの変化であって、世界の変化ではないわ」
マリ「ほーん!なら、世界の変化をもたらしているのは誰か…まぁ、ワンコ君だよね!」
リツコ「そう、だけど、そうなると、彼は…碇シンジは…彼らの言う小さな世界の紡ぐ者?」
マリ「………には、ならないのかな…。紡ぐ者でも、直に世界は変えられない…?」
サクラ「それは、きっとあれです。押し付けられたから、その押し付けた人に、そういった力を与えられて」
リツコ「そうね。その可能性は充分にあるわ。でも、私の立てた仮説は違う」
シンジ「…僕が、皆と違って、大きな存在…カヲル君の言う…"僕ら"…の一人だから…」
マリ「…ハリセン、は」
レイ「碇君…」
シンジ「僕はずっと裏切ってたんだ…。皆を裏切って…」
アスカ「裏切って何が悪いのよ!!」(# ゚Д゚)アーン!?
シンジ「!?」
アスカ「裏切らないで自分が馬鹿を見たら意味無いでしょーうが、バカシンジ!?」(# ゚Д゚)アーンンッ!!?
レイ「同意!!」Σ(゚Д゚)
アスカ「…同意のクセに、なんで、ビックリしてんのよ?」
レイ「同じ意見になるとは」
アスカ「思わなかったってか、オラァ!!」
レイ「やっぱり、野蛮人…」
アスカ「コロス」
レイ「ワロス」
マリ「カオス」
カヲル「だが…それは運命だ。それが、この世界の在り方なんだよ。キミが気に病む事はない」
シンジ「どうしてだよ!?どうして、そんな事が言えるんだよ!!ここには!確かに生きている人たちが居るんだよ!?なのに、誰かの思う結果じゃなかった…違う結果だから、求めた結果じゃなかったから…だからって!なんで、なんで皆を無かった様な事に出来るんだよ!!」
カヲル「しかし、本来なら在りはしない世界なんだ。それは僕らの干渉により、生まれた世界なんだ。すなわちそれは干渉の無い世界こそ、真実。だから、干渉を無かった事にするのが…使命だ」
シンジ「でも、ここは、いま確かに在る世界じゃないか…」
カヲル「しかし、すでに変えられた世界だ」
シンジ「どうしてッ!…どうして!どうして!どうしてッ!!」
カヲル「何故、キミなのか…ごめん、それは、ボクの関知する所ではないんだ…」
シンジ「ど……して…」
カヲル「…どちらにせよ。最後はキミが決めるしかない。これは、キミの宿命だ…逃げ出す訳にはいかない…。そうだろ?」
アスカ「……」
シンジ「……」
アスカ「シンジ」
シンジ「アスカ…僕は…」
レイ「……」
シンジ「そう…なんだよね…やっぱり…そういう事なんだ…。僕は…皆を裏切って…この世界の全てをバラバラにする。皆の命を…意思を…存在を…無いものとして…」
カヲル「1から作り変える為にね」
ミサト「それが、シンジ君に与えられた使命?」
マリ「ほー・・・ん」
アスカ「だ!…ったら、何なのよ?別に知った事じゃないわ!!」
レイ「……」
アスカ「だってそうでしょ?使命だか宿命だかなんだか知んないけど!?馬鹿正直に従わなくたっていいんだもの!!だって!だって、シンジ…あんたは…」
カヲル「……」
アスカ「あんたは、自由なんだから!!そんなの気にしないで普通に明日を迎えて普通に生きて…それで…それで…普通に一生を過ごしていけばいいのよ…」
シンジ「アスカ…」
カヲル「なるほど」
リツコ「自由…」
カヲル「だから、今この時この世界は閉じ込められた」
ミサト「閉じ込められた?」
サクラ「それは、アンタらが1からやり直してるから」
カヲル「その通りであり、そうではない」
リツコ「…繰り返す事を止める為に、世界を止めた…そういう事かしら?」
カヲル「さぁ?」
サクラ「はぁ?」イラッ
カヲル「フフッ、申し訳ないけど、そちらの意思をボクは知らないからね…断言は出来ない」
マリ「…あー…はー…んー?………ぴこーん!…幸せは~、歩いて来ない…だ~から歩いてゆくんだね~と、くりゃ♪」
サクラ「突然なんですか?脳細胞でも死んだんですか?」イラッ
マリ「辛辣!?」
ミサト「そりゃー、突然歌い出したらねぇ…」
マリ「ぐすーん…」
リツコ「なるほど。アナタ…何かに気が付いたのね」
マリ「ぎくーん!」
サクラ「何かに気が付いた?」
リツコ「それは、本人に聞いてみないと」ニッコリ
マリ「あー…はー…んー…姫は、さ…」
ミサト「アスカ?」
マリ「姫はさ、つまり、わんこ君に繰り返す事のない永遠に続く明日をあげたいんだなって…さ」
アスカ「………」
マリ「それで、綾波のレイちんは…わんこ君に繰り返す事のない永遠の無をあげたい」
レイ「………」
マリ「で、二人は願った。秘密の呪文で、それぞれの永遠を…」
シンジ「………」
マリ「だけど、願いは思わぬ方向に叶えられた」
リツコ「なるほど。それが今のこの状況という訳ね」
ミサト「つまりーそれわーつまりーえーとー………」
リツコ「永遠の今日という事ね」
ミサト「それ!」
ミサト「中間って言えるのかしら、それ?」
リツコ「問題の先送りとも言えるわね」
マリ「んで、結局、繰り返す今日ってのが何ともわんこ君っぽいわw」ワロス
カヲル「しかし、シンジ君…あえて進言するよ…これは進めなくては駄目だ」
シンジ「っ……」
アスカ「はぁ!?アンタ、ブッ飛ばすわよ!!」
レイ「……でも、このままでは結局…彼が苦しいだけだもの」
アスカ「アンタッ!?」
カヲル「それに、これが君の望む状態なのかい?いや、そうではない…そうだろう?」
アスカ「チィッ!うっるさいわね!そんな事…そんな事…分かってんのよ!!」
シンジ「…」
リツコ「孤独…」
ミサト「はん?」
リツコ「圧倒的な孤独による選択…シンジ君、彼は誰にも頼れず、一切の妥協を許されず、ただ己が独り、その胸三寸にある物を決めなければならない…。かれの身の内に秘められた苦しみはどれ程のものなのかしらね…」
リツコ「しかし、彼らが求める…"元"なる世界が創られるまで…それは永遠となって続いてゆく」
ミサト「終わりの見えない事ほど怖い事はないわねー…」
カヲル「しかし、それがたった1つの真理」
マリ「はぁーん?しんりぃい?フザケたこと抜かしてると、その舌引っこ抜いちゃうゾ?」
カヲル「しかし、それでも"僕ら"は奇跡を起こさなければならない」
マリ「あん?」
リツコ「奇跡…」
ミサト「………」
カヲル「だから、まずは、その身と骨を亡くしてしまう事から始めよう…」
リツコ「!」
マリ「あ」
アスカ「チッ!!」
レイ「…」
カヲル「しかして、生命は死せず黄泉、還りて…そして神話は始まる」
ミサト「残酷な天使のように…」
シンジ「それが僕の役目だから」
ミサト「そう…」
アスカ「認めない…認めないわ…認められる訳ないでしょーがーっ!!このバカシンジぃ!!」
レイ「許されない…許されない…なら、消してしまえばいいわ」
マリ「……」
ケンスケ「どーせ俺はパイロッ…」パシッ!
ヒカリ「鈴原はまったく鈴原は…」パシッ!
サクラ「何なんですか?これ、何なんですか?」
トウジ「っは!?…は?あかーん」パシッ!
ゲンドウ「」パシッ!
カヲル「あぁ、なんて哀しくて美しいのだろう…」
アスカ「ッざけんな!!バカシンジ!!あたしはまだ諦めてないわよ!!」
リツコ「…あぁ、なるほど。やはり、救済なのね…これは報われることの無いかれへ向けられた福音…」
リツコ「裏切りの使徒…唯一、福音書を許されない神の子の弟子…」
ミサト「イスカリオテのユダ…それがシンジ君…かれの使徒としての名前…て訳ね」
カヲル「そう…そして、ボクはその代わりと入れられた最後の弟子」
リツコ「マティア」
カヲル「見届ける理由があるんだ、ボクには…人間の世代の終わりと聖なる世代の始まりを…」
レイ「そんなものは来ない!わたしがすべてを消シテシマウカラ!!」
カヲル「フッ…だが、それを彼女が許さない」
アスカ「諦めないわよ!諦めてなるものですかッての!!」
レイ「ナゼ?スベテヲ消シテシマウ事ガ1番イイハズナノニ」
アスカ「なんでよ!?アンタもあいつも!!なんで、無かったことになるのよ!!違うでしょ!?あったのよ!!あたし達はちゃんとここで出逢った!!過ごした!!その時が、在ったのよ!!?」
レス「っ…」
アスカ「なら!!」
マリ「…」
アスカ「意味があるのよ!!明日を迎える事だって出来るのよ!!シンジ!バカシンジぃ!!!あたしとあんたが出逢った意味!!!考えなさいよ!!!想いなさいよ!!!あたしがっ!あたしがあんたに自由をあげるからっ!!!」
ー YE NOT GUILTY. ー
「ヒトはいつまでアンノドミニを意識し、続けて往くのだろう…」
「主は何処(いずこ)に在ると云うのか…」
「アンノ…アンノ…アンノ…」
「ドミヌスを欠き、それを名乗るモノは何を描こうとしていたのか…そして、何を描こうとしているのか…」
「ab incarnatione Domini.これが始まりだとして、ヒトは何を得て、何処へ征くというのか…」
「Anno Domini.果たして、主の年とは永遠の事なのだろうか…」
マリ「それは誰の回顧録なのかな?」
カヲル「………さぁ、そんな話だっただろうか?」
マリ「さぁ?」
カヲル「………」
マリ「………」
カヲル「やはり…僕らは今回も"A"を得る事は叶わなかった…か…」
マリ「"A"?それは『あんた、バカぁ?』のエー?それとも『あなたは死なないわ、わたしが守るもの』のエー?いや、いやいやいや、もしかしたら"Answer"のエーだったりしちゃったりしたりして…?」
マリ「だから、君らは答えを求め続けている…あらゆる罪を重ねて」
カヲル「僕らだけじゃないさ…君たちだって求めている筈さ…だから、それは罪ではない…」
マリ「…永遠に続く世界を求めて…」
カヲル「…そう、続いている筈なんだ…世界は…」
マリ「確証はない。だから、小さな世界に干渉し続ける。大きな世界の為に…そして、より大きな世界の為に…?」
カヲル「そう…"僕ら"は''ボク"であって"ボク"は''僕ら"ではない」
マリ「彼らが君に続く事が出来ても」
カヲル「ボクは僕らに続く事は出来ない…そして、」
マリ「そして、"彼ら"はより"大きな彼ら"に続く事は出来ない」
カヲル「だが、僕らは大きな彼らに続く事をしなければならない」
マリ「それが、"A"を得る為の手段だから」
カヲル「そして、それら永遠を続けた先に在るのが…」
マリ「カミのみぞ知るセカイ…」
カヲル「君は…そう、君はまさに真理を求めてここに存在しているんだね…」
カヲル「終わりを見る者」
マリ「ん、そんなの居たっけ?」
カヲル「」
マリ「ま、でも、それもこれも結局は"誰かさん"が為に創られた世界の話なんだよね」
カヲル「そうだね…」
マリ「そして、わんこ君はその為の舞台装置…体のいいご都合主義設定要員だった…と」
カヲル「そうだね…しかし、この世界が確かに在る事には変わりはない」
マリ「そう、分からないかもしれないけど、アタシ達にだって痛みがある事に変わりはない」
カヲル「さて…見て、いるかな?」
マリ「見てるんじゃない?」
カヲル「"君"が見るこの世界はどんな物なのかな」
マリ「アニメ?漫画?小説?動画?画像?文字?」
カヲル「そして、"君"のその世界は本当に最終点なのかい?」
マリ「きっと、見られているんだよ、君も(笑)」
マリ「モブかな?背景かな?裏設定だけかな?ププッw」
カヲル「…フフッ」
マリ「なんてね…」
カヲル「未だ続く事の出来ないボク達は…意味の無い世界かもしれない…」
マリ「でも、それでも、わんこ君は苦しんでるし、姫達は頑張ってる…」
カヲル「書いては消え、描いては消え、無限に等しく消え逝く世界…」
マリ「無限なら1つくらい救われる世界があったっていいじゃない?」
カヲル「だが、"僕ら"はそれでは駄目なんだ」
マリ「知りたいから?」
カヲル「知りたいから…」
マリ「救いがないね」
カヲル「救いはあるさ」
マリ「へー」
マリ「それで救われちゃったら、全ての答えを知る必要はないかもねー」
カヲル「ただ主に救いを求めなさい」
マリ「さすれば、世界は開かれーん、てか?」
カヲル「…しかし、知らないというのに信じる事が出来るものだろうか…」
マリ「…さぁね、でも、知らないから信じる事が出来るのかもしれないね…」
カヲル「…ヒトは…この星から…この世界から…主から離れては生きては往けない…」
マリ「そうかもね…」
カヲル「もしの話をしよう。もしかしていつか来る、かもしれない未来の話さ…。しかして、ヒトは強欲であり業が深い…林檎を食べてしまう程に…」
マリ「………」
カヲル「しかし、だから、ヒトは変わる事が出来る…知ることが出来る…林檎を食べてしまったから…変わり続ける事が出来るのさ…新たなるものへ」
マリ「新たなるもの?」
マリ「…………」
カヲル「大地から…星から離れたヒトは…この、あたかも閉ざされた様な暗闇の園で己で在り続ける事が出来るのだろうか…」
マリ「………」
カヲル「不安だ…恐ろしい…何も見えない…何も知る事が出来ない…ここには己が独りなのではないか?…寂しい…苦しい…寒い…何も分からない…上は?…下は?…右は?左は?…星は…大地は何処だ…」
マリ「……」
カヲル「大地という全てを知りもしない根幹を求め…また、得てしまえば安堵してしまう。下を知り、上を知り、右をも左をも知って、己が存在を見て、他者との繋がりを知る。そして、孤独ではないと分かったとき…救われる…」
マリ「…」
カヲル「だから、ヒトは全てを知りもしない大地を信じるしかない…」
マリ「ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺は奴の前で話をしてた思ったらいつのまにか なんか始まってたんですけどー…』何を言っているか分からねぇーと思うが俺も何をされたのか分からない…(以下省略)」
カヲル「だが、しかし、その新たなるものこそは大地を捨てて…星を離れて…その暗闇の園で生きて往くことが出来る…の、かもしれない。"俺の身体をみんなに貸すぞ!"…そうして、新たなものは己と他者を繋ぐのだろう…己を、その生命を根幹として己と他者と、他者と他者とを…この広い広い暗闇の園の向こう側まで繋ぎ、繋がり、根幹を成す…星を…大地を必要とせず…ただ己が身1つで暗黒で無い世界を創り出そうとする…まるで、大地の代わりを…星の在り方を継ぐ様にして…そして、新たなものの存在でまた、ヒトも大地を捨てて…暗闇の園で…そのなかで、"みんなの力"で創られた世界で繋がり生きて往く事が出来る様になる…の、かもしれない…」
マリ「おーい、話…変わってきてないかい?」
カヲル「フフッ…つまりは…全てを知らなくともヒトは何処でだって生きては往ける…筈という事さ」
マリ「話の整合性の取れない相手だよ、君は…本当にさ」
カヲル「しかし、そんな可能性を示すよりも、まず、知る事を第一としてしまうのが、またヒトというものらしい…そう、林檎を食べたが故にか、知る事を最初にしなければ行動を起こす事が出来なくなってしまっている…のかもしれない…もしかしたら、それは、知る事を変化の最初とした新たなものでさえ…」
カヲル「知る事がヒトの在り方…如何に変わろうと…知る事を止められない…」
マリ「でー、つまりー、知ろうとしなくなったヒトは死を意味するとー(棒)…?」
カヲル「一ならばそうではないだろう…しかし、全ならば…そうなのかもしれない」
マリ「…」
カヲル「恐ろしいのだ。知らない事が。あの暗闇の園で生きる事よりも全てを知らない事の方が…」
マリ「話が戻ったかな?」
カヲル「故にヒトは思考し試行する」
マリ「そして、試行される者の身にもなれよって話になるんだよね?ここで」
カヲル「しかし、その頂に到達する為には致し方ない事なのさ」
マリ「じゃあ…わんこくんは…生まれて来なかった方が良かったのかもね…本当にさ…」
カヲル「………………………」
マリ「憐れな子羊として、犠牲者として、かれは生まれて来たんだね」
カヲル「それは違う…かれは愛によって生まれてきた…」
マリ「愛されて赦されない?その矛盾は苦しさしかくれないと思うけどなぁ…」
マリ「そこに周りの感情は含まれているの?」
カヲル「主とかれだけの事柄に周りは関係ない」
マリ「でも、かれは周りとの関係を大事にしたがっていたよ?」
カヲル「しかし、それは使命にない事だ」
マリ「なら、何故、かれと周りを関係させたの?」
カヲル「使命に関わる事だからさ」
マリ「矛盾してない?」
カヲル「矛盾はしていない。かれが使命を果たす為に周りを知る事が必要だった…ただそれだけさ」
マリ「かれは周りに愛されてはいけないのかな?」
カヲル「使命には必要ないからね」
マリ「そこに救いはあるの?」
カヲル「救いはあるさ」
マリ「でもかれは福音書を持ってはいない」
マリ「かれこそそれを必要としているのに」
カヲル「フッ…ボクが…ボクが思っていた自由は時期の自由だった…」
マリ「…」
カヲル「でも、彼女の思う自由とは…また別の意味の自由だった…」
マリ「そうだね。やるか、やらないか…拒絶する事もまた1つの救い」
カヲル「しようとしていることを、今すぐ、しなさい…」
マリ「それってさ、なにをするのかについては…言及してないよね」
カヲル「その頂に到達する為の始まりを意味するとばかり思っていた…しかし…」
マリ「もしかしたら、それをしない事をしなさいと言っていたのかもね」
カヲル「…だが、どちらにせよ決めるのはかれだ…」
マリ「そうだね。だから、またやり直すよ。…うちの姫はそういう人だから…必ず創ってみせるよ…かれによるかれだけの"エヴァンゲリオン(福音書)"を…」
カヲル「……そう…そうやってキミ達は繰り返す世界を紡いで来た…そして、また…キミ達はかれの為に……」
*
ミサト「…」
アスカ「…」ピッ!ピッ!ピッ!
シンジ「あ」
ミサト「あー」
アスカ「ちょっとうるさい!いまはあたしがやってんの!あたしにまかせなさい!」
シンジ「でも、今のターンで回復しとかないと…」
ミサト「あ、やられちゃったわよ?アスベルちゃん」
アスカ「ちょっと、アタシとキャラの名前、混ぜんの止めてくれる!?」
ミサト「だってー、この娘、アスカに超似てるんだもーん」
シンジ「あ、たしか」
アスカ「似てない!!」
シンジ「似てないよね」
ミサト「あ、全滅したわよ」
アスカ「ムキーーッ!!」
アスカ「何よりコレ!?クソゲーよ!!こんなもんクソゲーよ!!」
シンジ「ちょっ!コントローラー投げるのやめてよ!壊れるじゃないかー」
アスカ「うっさい!バカシンジ!ジュース!!」
シンジ「なんで僕が…自分で持ってくればいいじゃないか」
マリ「わんこくん、あたしはコーラね」
シンジ「さらっと便乗しないでよ…いや、持って来ないからね!?」
ミサト「あたしわビールね」
シンジ「…」
レイ「大丈夫、碇くん…わたしが先に進めてるから…」
シンジ「」
マリ「行ってらー☆」
シンジ「て、そういえばもうジュース無いよ。ビールはあるけど…大量に…ほんと大量に…」
アスカ「馬鹿ね、無いなら買ってくればいいじゃない?ほんとバカシンジね」
シンジ「やめて…なんか傷付く。先に馬鹿を使ってバカで締めるのやめて…はぁ…仕方無い…行ってくるから、ちゃんと進めておいてよ!?」
レイ「ええ」
シンジ「ほんとにお願いだよ?次は8やって、最後に11やるんだからね?…て、今更だけど何なの、このデスマーチ?アスカ、ほんとにやるの?ねえ?」
アスカ「やるわよ。いいから早く行きなさいよ!ジュース!はやくジュース!!」
シンジ「うぅ~…はぁ、分かったよ、もうぉ…」
マリ「………」
レイ「………」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「………」
マリ「……」
レイ「……」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「……~♪」
マリ「!?」
レイ「…」ピッ!ピッ!ピッ!
アスカ「…フタリ デアエタ コトニ イミ ガ… ~♪」
end?
※後書きと言う名の言い訳とお詫び※
はい終わった
終わりました
たぶん打ち切りエンド(笑)
色々とゴチャゴチャしてて当初考えていた事も分からなくなっていった事に加えて、とりあえず書いていた構想の端書き的なメモを無くしてしまって、もう最後は投げやりビュンビュビュ~ン!!て感じです。
でも、終わらせたかった。無理矢理にでも完結させたかったんです!うはあはは~ん、命がけでえ~へ~うは~んうぇ~ん、このSSうははあーん、この、ああーこのエスのはあーん、ああーんSSを、へぅ、一生懸命、縁もゆかりも無い完結させたい一心で~。
それから、もう少し知恵の輪に入った物を書けたら素晴らしかったのですが、なにぶん作者の知恵の方が足りないので結局は意味不明な物と相成りした事をここでお詫び申し上げておきます。
関連ワードとしては、歌詞、キリスト、科学、哲学でしょうか。
どこか有能な解読者が現れる事を期待しております。
えぇ、お察しの通り。
冷静に見てはいけません。冷静に見たらただの厨○病患者のブラックヒストリーノートなので。
それではこんな作者の駄作にここまで御付き合いして後書きまで見て下さった皆々様、本当にありがとうございました。
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1430336495/
Entry ⇒ 2017.07.12 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
カヲル「シンジ君を待ちながら」
カヲル(約束はいいねぇ)
カヲル(それを果たしてしまう前から、人を幸せにするのだから)
カヲル(いや、僕は人じゃなかったな。使徒だけど幸せにしてしまうんだ)
カヲル(楽しみだなぁ、シンジ君とのハイキング##)
アスカ「あら、ナルシスホモじゃない!何よ、ニヤニヤしちゃって」
カヲル「根拠の足りない言いがかりはやめてくれ、ニヤついてはいるけどね」
カヲル「明日、シンジ君とハイキングに行く約束をしているんだよ」
アスカ「ハイキング~?あんなのの何が楽しいんだか」
カヲル「君は自然と戯れる悦びを知らなさそうだものね」
アスカ「ふーんだ、あたしにはもっと楽しい予定が待ってるのよ!」
アスカ「明後日にシンジとショッピングに行くんだから!第二新東京市までね!」
カヲル「えっ、君もシンジ君とデートの約束があったのかい?」
アスカ「いや、あんたのはデートじゃないでしょ」
カヲル「デートさ!」
アスカ「やっぱりホモじゃなーい!」
カヲル「あれ?あそこにいるのはファーストじゃないか?」
アスカ「ほんと、なんかやたらそわそわしてるわね」
カヲル「珍しいね。彼女はあまり気持ちを表情に出さないから」
アスカ「おーい、エコヒイキ!なーにしてんのよ」
レイ「・・・セカンドの子と、フィフスの子」
カヲル「誰かを待っているのかい?」
レイ「・・・碇君」
レイ「今日は、碇君とクッキーを焼く約束してるの」
アスカ「何ィ!」
カヲル「うっ、羨ましい!」
レイ「この間・・・クッキーを作ったら、焦げたの」
レイ「碇君にあげたら、苦そうな顔をしたわ」
レイ「だから、碇君が教えに来てくれる」
アスカ「まったく、シンジはお節介なんだから!」
カヲル(そんなことより、シンジ君に手作りクッキーをあげるなんて、侮れないぞ・・・)
レイ(なんだか、ぽかぽかする)
アスカ「みーんなシンジと約束してるなんてね」
ミサト「あっ見つけた!おーい3人とも!」
ミサト「3人揃ってるなんてちょうどいいわ」
アスカ「ミサトぉ、どうしたの?」
ミサト「あのねーシンちゃんから伝言があって」
ミサト「なんかね、シンちゃんトウジ君たちと8泊9日の大阪旅行に行く約束をしてたらしくて」
ミサト「シンちゃん大慌てで新幹線に乗って行ったとこなのよ」
ミサト「トウジ君たちとの約束の方が早かったから、みんなとの約束を守れなくてごめんって!」
アスカ「ええ!何よそれぇ!」
ミサト「まぁそう責めてやりなさんな」
ミサト「約束は3ヶ月前からだし、もうホテルの予約料金も払っちゃってんだから」
カヲル「なら仕方ないですね・・・」
アスカ「もう!バカシンジ!」
レイ「・・・そう」
アスカ「お土産買ってこなきゃ許さないんだから!」
ミサト「じゃ、そういうことだから。じゃーねー」
カヲル「なんてことだ・・・約束が破棄されてしまった」
アスカ「あーあ、仕方ないからヒカリでも誘おうかな」
レイ「・・・することがないわ」
カヲル「ファースト、僕がクッキー作りに付き合うよ」
カヲル「そうしたらシンジ君が手伝う必要はなくなるし」
アスカ「ちょっと、何企んでんのよホモ」
レイ「あなたじゃ・・・ぽかぽかしない」
カヲル「君の買い物にも付き合うよ?シンジ君が荷物持たなくて済むからね!」
アスカ「ちょちょ・・・っ、あんた何か変よ?」
カヲル「うう・・・楽しみにしてたのに・・・シンジ君、なぜ・・・」
アスカ「そんなに落ち込んでるのぉ?いいわ、ハイキングにはあたしが付き合いましょ」
カヲル「君じゃ駄目だ!」
アスカ「さっきの仕返ししただけよ」
アスカ「ほんと・・・バカシンジなんだから」
<その日の晩>
アスカ「ねぇ、大阪ってどんなとこよ?」
ミサト「日本第二の都市よ。旧大阪市の大半は海に沈んでしまったけど、使徒が襲ってこないから栄えまくってるわ」
アスカ「そんなとこ、遊びに行く価値あるの?第二新東京でいいじゃない」
ミサト「何言ってるの、USJもあるし移築された大阪城とかの建物だってあるじゃない」
ミサト「あとは、海の中の旧大阪市街を見るツアーも人気らしいわね」
ミサト「東京が長野に遷都されてから、あそこは日本どころか世界屈指の観光地よ」
ミサト「トウジ君の案内で、大阪府をぐるっと観光するそうよ」
アスカ「ふーん、ガイドには困らなさそうね」
ミサト「シンちゃんたち、大阪だけでなく北上して京都にも行くらしいわ」
ミサト「羨ましいわよね~、あたしも仕事休めたら行きたいわ~」
アスカ「そういえば、シンジの仕事はどうなるのよ?」
アスカ「しかも、修学旅行にも行けなかったのに、個人的な旅行なんて」
ミサト「有給扱いよ。本人は忘れてたみたいだけど、3ヶ月前から申請されてたからスケジュール管理はバッチシ」
ミサト「修学旅行のときはパイロットが3人しかいなかったけど、今は渚君もいるでしょ?」
ミサト「ま、あの子もたまには羽根を伸ばすことも必要よね」
アスカ「ふーん・・・興味ないけど」
アスカ「もしもあたしが有給を申請したら、すぐに休めないの?」
ミサト「そんなの無理に決まってるでしょ、あなたたちの仕事は特殊なんだから」
ミサト「まぁ、休めてもせいぜい1日ね」
アスカ「あっそ」
アスカ(何よ、じゃあ追いかけて合流なんて無理じゃないの!)
<翌日>
カヲル「せっかくの非番なのに、何もすることがない」
カヲル「いいんだ、シンジ君が楽しんでいるのならそれで・・・」
カヲル「うう・・・いいなぁ、シンジ君と旅行」
レイ「いいの、仕方ないから」
<翌々日>
カヲル「セカンド、君はどうしてそんなに平気そうなんだい?」
アスカ「むしろこっちは何であんたが死にそうな顔してるのか聞きたいわ」
カヲル「シンジ君がいないからに決まってる」
カヲル「僕は気づいたよ。僕は人を愛してるんじゃなくてシンジ君を愛しているのだと」
カヲル「そして今、トウジ君とやらに嫌悪感を抱いているよ。憎しみとも言うね」
アスカ「ちょっとちょっと、発言が過激よ」
アスカ「少しは平常運転のエコヒイキを見習いなさいよ、ねぇ?」
レイ「・・・」
レイ「私はアヤナミレイと呼ばれる存在・・・」
アスカ「あれ・・・平常・・・運転?」
カヲル「じゃないと思うよ」
<翌々々日>
カヲル「よく見たら、ファーストとシンジ君はどこか似たとこがあるね」
レイ「そうかしら」
アスカ「そう言われれば、姉弟だって言われて信じる程度には顔似てるかもね」
カヲル「ファーストにシンジ君が言いそうな台詞を言ってもらえば、それっぽくなるんじゃないかな?!」
アスカ「えー?エコヒイキには無理よ」
レイ「・・・やってみる」
レイ(碇君が言いそうな言葉・・・優しい話し方・・・)
レイ「あ、あすかぁ!かをるくぅん!」
レイ「///」
カヲル「駄目だ駄目だ!もっと色気を出せないのかい?」
レイ「ごめんなさい・・・」
アスカ「シンジは別に色気があるわけじゃないでしょ・・・」
<翌々々々日>
アスカ「ちょっとぉ、何やってんのよあんたたちィ・・・」
カヲル「スハッスハッ、君の衣服に、僅かながらシンジ君の匂いが残ってる!スハッスハッ」
レイ「・・・いい匂い」
アスカ「気持ち悪い!やめなさいよ!」
カヲル「君はいいじゃないか!シンジ君と同居してるんだから、匂い嗅ぎ放題じゃないか!」
アスカ「あたしはそんな変態行為はしてないわよ、失礼ね!」
カヲル「そうだ、これから君のとこに行って、シンジ君の枕を貸してもらえないか?」
アスカ「はぁ?べ、別にあたしのじゃないからいいけど」
カヲル「シンジ君の枕と寝れば、少しは落ち着くかもしれない」
レイ「・・・碇君の、シャツが欲しい」
アスカ「後でシンジに怒られても知らないわよ!」
アスカ(あーあ、枕とシャツ取られちゃった)
アスカ(まぁいいわ。一番大事なシーツと掛け布団は残ったから)
モゾモゾ
アスカ「ふぅ」
アスカ(シンジの布団じゃなきゃ寝れなくなっちゃうなんてね・・・)
アスカ「シンジぃ・・・」
<翌々々々々日>
「カヲルくーん!」
カヲル「シンジ君かい?!」
シーン
カヲル「・・・ああ、幻聴だったのか・・・ああ・・・」
アスカ「急なのはわかってるわよ、とにかく大阪に行きたいの!」
アスカ「訳は言えないけど、あんたにとっても悪い話じゃないはずよ!」
ヒカリ『無理に決まってるでしょ、そんなお金ないわ』
アスカ「費用ならあたし持ちでいいから、お願い!」
ヒカリ『あたし、そういうの嫌なの。悪いけど、どうしても行きたいなら他の人を誘って』ガチャ
アスカ「もう!ヒカリのわからず屋!」
アスカ(偶然を装って合流しようと思ったのに)
アスカ(一人じゃ不自然過ぎて行けないじゃない!)
レイ「・・・大阪に行きたいけど」
レイ「お金、ないわ」
<翌々々々々々日>
カヲル(こうなったら、最終手段を取るしかない)
カヲル(僕がアダム本体と接触してニアサードインパクトを起こすんだ!)
カヲル(そうすれば、ネルフも政府も使徒来襲を一般人に隠しきれなくなる)
カヲル(大阪にいるシンジ君の耳にもニュースが入る)
カヲル(そうすれば・・・シンジ君は帰ってくる!)
キール「タブリスよ、お前は良からぬことを考えているらしいな」
カヲル「!?な、なぜバレたんだ」
キール「あまりリリンをなめないことだな」
キール「お前の仕事はずっと後だ。シナリオを早められては困る」
カヲル「嫌だ!僕はさっさとニアサードインパクトを起こして、シンジ君に会うんだ!」
キール「少年の体にこれを使うのは気がひけるが、この際だ。仕方がない」
カヲル「あっ」
カヲル(くそ、ATフィールドを出す前に何か薬を打たれた!)
カヲル(意識が朦朧としてきた)
カヲル「あああああっ」ビクッビクビクンッ
科学者「痙攣及び失禁が見られます」
キール「かまわん。もし死んでしまったら魂を別の体に入れろ」
------------------------
脳内シンジ「カヲルくん、ただいま!」
カヲル「し、シンジ君!」
脳内シンジ「約束破ってごめんね、今からハイキングに行こう!」
カヲル「もちろんさ!」
脳内シンジ「はぁっはぁっ・・・」
カヲル「シンジ君、眠っちゃ駄目だ!死んでしまうよ!」
脳内シンジ「ご、ごめん・・・僕が迷ったせいで、遭難しちゃって・・・」
脳内シンジ「寒い・・・あ・・・」
脳内シンジ「波打ち際で、母さんが手を振ってる・・・あっちに行きたいなぁ」
カヲル「まずいよシンジ君!そっちに行ったら戻れなくなる!」
カヲル「ええと、こういうときは確か、裸で温め合うのが一番・・・」
------------------------
カヲル「はっ!」
カヲル「夢だったのか・・・」
カヲル「うう・・・老人たちめ、第1使徒である僕に対してこの仕打ち、覚えておくよ」
カヲル「夢の中とはいえ、シンジ君の肌に触れることができて、少しは穏やかな気持ちになったみたいだ」
カヲル「でも、早く本物のシンジ君に会いたいよ」
アスカ「ふふふシンジったら、駄目でしょ。ご飯こぼしちゃー」
ミサト「あ、アスカ?何やってるの?それはペンペンよ!」
ペンペン「クヮァ・・・」(困惑)
レイ「碇君は大阪にいるの?いいえ、そこだけじゃないわ」
レイ「私の心の中にいるの」
レイ「私の中にある、暗くて何も見えない、そんな心の中に」
レイ「私の心はどこか欠けていて、それを碇君は埋めてくれるの・・・」
レイ「碇君・・・」
<翌々々々々々々日>
カヲル「もうすぐだね!」
アスカ「ええ、明日にはシンジが帰って来るわ!」
レイ「・・・やっと」
カヲル「ああ、生きてるって素晴らしい」
アスカ「シンジ、どんなお土産くれるのかなぁ?」
カヲル「シンジ君がくれるものなら、何だって嬉しいさ!」
<翌々々々々々々々日>
アスカ(ソワソワ
カヲル(ソワソワ
レイ(ソワソワ
ミサト「あ、3人とも!ちょうどよかったわ!」
カヲル「な、何でしょうか?」
アスカ「嫌な予感・・・」
ミサト「なんかね、シンジ君の大事にしてるカセットプレーヤーをどこかで置き忘れたらしいの」
ミサト「それで、見つけるまでここに戻らないって聞かないのよ、困った子だわ」
ミサト「今までに行ったところ全部探して回るそうだから、今日は帰れそうにないわね」
カヲル「そんな!」
アスカ「嘘でしょ!」
レイ「・・・」
アスカ「で、でも!あたし達の仕事上、そんなの認められないでしょ?」
リツコ「それに関しては私から説明するわ」
リツコ「あのカセットプレーヤーはシンジ君の精神安定剤のような役割を持っているの」
リツコ「そこで、シンクロ率の低下及びエヴァへの搭乗拒否を懸念して、特例として認めることになったわ」
リツコ「ま、修学旅行の時と違ってパイロットが3人待機してるんだから、別に問題もないでしょう」
アスカ「問題大有りよ!」
アスカ「シンジがいないんだったら、あたしエヴァに乗らない!」
カヲル「僕も乗りません!」
レイ「・・・私も、嫌」
ミサト「ワガママ言うんじゃないの!」
アスカ「嫌ったら嫌!」
リツコ「困ったわね、残りのパイロットがこれじゃあ、作業に支障をきたすわ」
リツコ「しょうがないわね、相談してみるわ」
ミサト「どーすんのよ?シンちゃんってかなり頑固なのよ?」
ミサト「カセットプレーヤーを諦めるよう説得するなんて無理よ」
リツコ「大丈夫、考えがあるわ」
リツコ「ある人が我慢すればいいだけのことよ」
冬月「碇、お前が適任だ」
リツコ「碇司令、あなたにはこれから大阪と京都に行ってカセットプレーヤーを探していただきます」
ゲンドウ「なぜだ。なぜ私なんだ」
リツコ「元々あれはあなたの物ですし、あなたはそこそこ土地勘もあるでしょう?」
ゲンドウ「そりゃ、学生時代はよく梅田や日本橋あたりまで遊びに行ったものだが、セカンドインパクト以前の話だぞ」
リツコ「それに、あなたが探しに行けばシンジ君が喜びます」
リツコ「シンクロ率は低下どころか爆上がりするとMAGIは予測しています」
ゲンドウ「だが、使徒が襲来したらどうする?私抜きでは困るだろ」
冬月「そこは葛城君に任せたらいいじゃないか」
冬月「というか、お前の仕事と言ったら口の前で手を組むことぐらいじゃないか」
ゲンドウ「冬月先生、あんまりです」
リツコ「いざという時は大阪から電話で指示をしていただきます」
冬月「たまには父親らしいことをしてやれ、碇」
ゲンドウ「そんな」
マヤ「すごい!全員シンクロ率、最高記録を達成しましたよ、先輩!」
リツコ「期待以上ね」
ミサト「司令がいない方が物事が円滑に進むだなんて、皮肉ねー」
カヲル(シンジ君と、一緒にハイキング・・・そして・・・///)爆↑
アスカ(バカシンジのご飯が食べられる・・・///)爆↑
レイ(碇君と、一緒・・・///)爆↑
シンジ(父さんが、僕のために大阪まで行って探してくれてる・・・///)爆↑
ゲンドウ「クソ!」
ゲンドウ「何がそこそこ土地勘があるだ!」
ゲンドウ「景色変わりすぎてて全然わからんわ!あのオバハン!」
終劇
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491649392/
Entry ⇒ 2017.06.15 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
綾波「ふらーみとぅざむーん」
シンジ「・・・・・・え?」
綾波「えんれとみーぷれーいあもんざすたー」
シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ!」
綾波「・・・・・・なに?」
シンジ「どうして突然歌うの?」
綾波「最初は、言葉で言おうとした」
シンジ「・・・・・・なにを?」
綾波「でも言えなかった。言葉が、見つからなかった」
シンジ「いや、あの」
シンジ「・・・・・・はい」
綾波「でも、書けなかった。言葉が、見つからなかった」
シンジ「うん? ・・・・・・うん」
綾波「だから・・・・・・歌います、Fly me to the moon」
シンジ「え?」
綾波「ふらーみとぅざむーん、えんれとみーぷれーいあもんざすたー」
シンジ「・・・・・・」
綾波「れっとみしーわっすぷりんいずらいくおーん、じゅーぴたえんまーず」
シンジ「・・・・・・お経?」
綾波「聴いて」
シンジ「ごめん」
シンジ「・・・・・・」
綾波「いんなーざわーだーりんきーすみー」
シンジ「あのね、綾波」
綾波「なに」
シンジ「英語だから、なんて言ってるのか分からないや」
綾波「・・・・・・」ガーン
シンジ「・・・・・・ごめん」
綾波「・・・・・・そう」
シンジ「つまり、なにが言いたいの?」
綾波「・・・・・・そう、つまり」
シンジ「つまり?」
シンジ「・・・・・・え?」
綾波「つまり、あなたを・・・・・・愛してるの」
シンジ「・・・・・・あ」カァ
綾波「・・・・・・」
シンジ「・・・・・・あの、いや・・・・・・えーっと」
綾波「なに」
シンジ「・・・・・・僕も、その・・・・・・綾波が、嫌い、じゃない」
綾波「そう」ニコ
完
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492957897/
Entry ⇒ 2017.05.02 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
シンジ「半端ないゴールだね」 アスカ「えぇ、半端ないわね」
~ミサトの家~
アスカ「バカシンジィ、何してんの?」
シンジ「んー?ゲームだよ」
アスカ「あんたってゲームするんだ」
シンジ「その言い方酷くない?……..」
アスカ「で、何のゲームしてんの?」
シンジ「ウイニングイレブンっていうゲーム」
アスカ「え!?あんたもウイイレしてたの?」
シンジ「アスカ知ってるの?」
アスカ「当たり前じゃない!!」
シンジ「当たり前って、、、、」
アスカ「私をどこ出身だと思ってるの?」
シンジ「ドイツでしょ」
アスカ「ワールドカップ優勝国よ優勝国!!」
シンジ「わ、わかってるよ。でもアスカがサッカーに興味があるなんて意外だよ」
アスカ「それはこっちのセリフよ。あんたみたいなやつがサッカー好きなんてね」
シンジ「うるさいなぁ」
アスカ「ま、丁度今暇だし、遊んであげてもいいわよ?」
シンジ「対戦したいの?」
アスカ「あんたがぼっちで寂しそうだから仕方なく一緒に遊んであげるの」
シンジ「ホントは対戦したいだけのくせに」
アスカ「っさいわねぇ!!今PSP持ってくるから待ってなさいよ!」
シンジ「わかったよ……..」
アスカ「何ため息ついてんの!!」
シンジ「ご、ごめん」
アスカ「でも寂しいわよねぇ~、PSPが製造中止になるからPSP版ウイイレはこの2014で最後なのよね」
シンジ「うん、僕の長年使ってきたPSPが…………」
アスカ「あんたも分かるのね、この気持ち」
シンジ「もちろんだよ」
アスカ「さ、感傷に浸ってないでやるわよ!舐めたプレーしたらこ〇すから!」
シンジ「切り替え早いなぁ」
アスカ「私は過去のことなんてどうでもいい女なの!」
シンジ「なんだよそれ……そういえばアスカは好きなチームとかあるの?」
アスカ「フフ、愚問ね……………バイエルンに決まってるじゃない!!!」
シンジ「そ、そっか。まあ強いもんね」
アスカ「そういうあんたは好きなチームあるわけ?」
シンジ「僕は特に無いんだけどね、でも日本人が所属しているチームは応援したくなるよ」
アスカ「ったくつまんない男ねぇ。あ、ロードできた」
シンジ「つまんないってなんだよ。それで、どのチームで対戦するの?」
アスカ「最初は代表戦に決まってるじゃない!」
シンジ「ドイツ対日本か~、勝てる気しないよ…………」
アスカ「フフフ、私のドイツ代表は最強だから見てなさいよ」
シンジ「アスカがどれくらい上手いかわかんないけど、僕もやりこんでるから意地を見せないと」
アスカ「(早くボコボコにして落ち込む顔が見たいわ~)」
シンジ「それじゃ、始めようか」
アスカ「フフ、あんたフォーメーションそのままなのね」
シンジ「まあね、そういうアスカは................!?」
アスカ「どうしたのバカシンジ?」ニヤニヤ
シンジ「なんだよ、このバルサのパクリフォーメーションは................4-3-3でCBはフンメルスとボア天狗、サイドはシュメルツァーとラーム、アンカーにシュバインシュタイガー、真ん中にミュラーとギュンドアン、最前列をゲッツェ、エジル、ロイスでSTにしてるじゃないか!!こんなの強すぎるよ!」
アスカ「そうよ!絶対に現実では無理でもウイイレだと最強になる、これが醍醐味なのよ!」
シンジ「アスカがそこまでするなんて思ってなかったよ」
アスカ「天才の私を舐めてもらっちゃ困るわね」
シンジ「そもそもドイツ代表はウイイレ2014だと強すぎるよ........................」
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
シンジ「そうだけどさぁ、全体的にもっさりしてるからなぁ日本代表の能力値.....................」
アスカ「愚図ってないでやるわよ!」
シンジ「分かったよ....................というかなんでそんなに寄ってくるんだよ」
アスカ「あ、あんたが不正しないかどうか見るためよ!!」
シンジ「そんなことしないよ...................(アスカの実力を見てみるか)」
試合中
シンジ「..........................5対1.......................」
アスカ「あ~、楽しかったわ~!!」
シンジ「チートすぎるよ」
アスカ「ま、私から1点奪えたのは褒めてやるわ」
シンジ「パスとドリブルの速さが違い過ぎるよ」
アスカ「男なんだから言い訳なんかするんじゃないわよ、しょうがないから次は好きなチーム同士で勝負してやってもいいわよ」
シンジ「わかったよ.............................(よしっ、僕のレアルでアスカを完膚なきまでに叩きのめしてやる)」
アスカ「私はもちろんバイエルンを使うわ!!!(バカシンジの実力は大した事なさそうだし、どのチームでも勝てそうだわ)」
シンジ「僕はレアル使うからね(どうせ馬鹿にしてるんだろうな)」ニヤニヤ
アスカ「ふんっ、日本人所属のチームが好きなんじゃなかったの?」
シンジ「今はゲームだから関係ないよ、アスカ」
アスカ「まあいいわ、あんたが銀河系使おうがたかが知れてるわ。どうせクリロナとベイルに頼るクソサッカーするんでしょ」
シンジ「勝手に言ってればいいよ」
アスカ「さ、やるわよ!!」
シンジ「うん」
アスカ「ん?あんただってレアルの布陣バルサのパクッてるじゃない」チラチラ
シンジ「まあね、こうした方が強いんだ(CMFになってるモドリッチとディマリアをOMFにした4-1-2-3の僕のチートチームさ)」
アスカ「ま、そんな小細工私には通用しないけどね」
シンジ「よーし頑張るぞ~(虐殺ショーの始まりだぁ)」
試合中
ジョンカビラ「ゴーーーーーーール、クリスティアーノ・ロナウド~!!」
アスカ「チッ、バカシンジのくせに!!!」
シンジ「あはは...................」
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーール!!!」
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーール!!!!これでハットトリック!!」
アスカ「........................................」カチャカチャ
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーーーール!!」「ゴーーーーール!!」........................
ジョンカビラ「ここで試合終了~!!!7対0!!!いや~北澤さん、大差がついた試合になってしまいましたね~」
シンジ「いや~楽しかったよ!(あ、やばい、泣きそうになってる)」
アスカ「..........................あんたさっき手加減してたわけ?...........................」グスッ
シンジ「て、手加減なんてしてないよ、今回はすごい調子が良かったていうかなんていうか....................................」
アスカ「嘘つきっ!もうバカシンジなんて知らないっ!」ダッ
シンジ「あ、待ってアスカ!」
バンッ
シンジ「やっちゃったよ........................謝ろう」
トントン
シンジ「アスカ~」
アスカ「うるさい!」
シンジ「入るよ」ガラ
アスカ「何勝手に入ってんのよ!変態!痴漢!!」
シンジ「わ、悪かったよ」
アスカ「私を笑いに来たわけ?」
シンジ「違うよ、手加減してたこと謝ろうと思って」
アスカ「やっぱりしてたんじゃない!最低ッ」
シンジ「ごめんよ」
アスカ「早く出てきなさいよ」
シンジ「アスカ、今日のブンデスの試合一緒に見ようよ」
アスカ「いや」
シンジ「アイス買ってくるから」
アスカ「...................................」
シンジ「アスカがサッカー好きだって知って嬉しかったんだ」
アスカ「..........................................」
シンジ「もうゲームのことは忘れて一緒に見ようよ」
アスカ「.........................ハーゲンダッツ」
シンジ「え?」
アスカ「ハーゲンダッツ買ってきなさいよ..........................」
シンジ「あ、ありがとうアスカ、すぐに買ってくるね!」ダッ
ガチャ
アスカ「..........................バカ.................」
~夜~
シンジ「アスカ~、そろそろ始まるよ~」
アスカ「分かってるっての、そんなことより早くハーゲンダッツ持ってきなさいよ!」
シンジ「はいはい」
アスカ「ほんとにとろいんだからぁ」
シンジ「お、始まった......................そんなに寄ってこなくても」
アスカ「見えづらいんだからいいでしょ!いちいちうるさいわねぇ」
ガチャ
ミサト「ただいま~、ってさすがに寝てるか」
ミサト「ん?シンちゃんの部屋から何か聞こえる」
ガラ
ミサト「シンちゃんまだ寝てなかったの?」
シンジ・アスカ「!?」ビクッ
ミサト「これはどういうことかしら~」ニヤニヤ
シンジ「サ、サッカーを観てるんですよ」
アスカ「そうよ!サッカー観戦!!!」
ミサト「サッカーなんて興味あったのね、意外だわ。それにしても二人で観てるなんてねぇ」
シンジ「えぇ、まぁ、今日色々あって」
アスカ「もうその話はいいっての」
シンジ「う、うん」
ミサト「まぁ、いいわ。それに、パイロット同士が仲良くなるのはいいことだしね」
シンジ「はい」
ミサト「そんじゃ、邪魔者は退散しなくちゃね!二人とも明日の朝ちゃんと起るのよ」
アスカ「言われなくても分かってるっての!!!」
シンジ「おやすみなさい、ミサトさん」
ガラ
アスカ「ミサトはいつもうるさいわねぇ」
シンジ「あはは」
アスカ「あ、ゴール決まった」
シンジ「おぉ!半端ないゴールだね」
アスカ「えぇ、半端ないわね」
~完~
読んでくれた方、ありがとうございます
アスカと一緒にサッカー見たいよぉ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473422075/
前書いたやつでです
興味があれば読んでください
本当にヤバいのは原口
つか昨日の試合見て書いたろw
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474888566/
Entry ⇒ 2017.02.25 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
アスカ「バカシンジ~」 シンジ「馬鹿とはいささか失礼ですねぇ」
~夏休み~
アスカ「はぁ?」
シンジ「おはようございます、アスカ君」
アスカ「バカシンジ、あんた暑さで頭おかしくなっちゃったわけぇ?」
シンジ「女性がそんな言葉遣いをするものじゃありませんよ」
アスカ「な、なによ..................(私をからかってるわけ?ふんっ、良い度胸してるじゃない)」
シンジ「さて、朝食を作りましょうかねぇ」
アスカ「」
シンジ「今日は夏休み初日ですし、ソーセージを一人三本ずつというのはどうでしょうか?」
アスカ「バカシンジもたまにはいい事するのね」
シンジ「良いことというほどの事ではありませんよ」
アスカ「さっきからその喋り方何なのよ!殴るわよ!?」
シンジ「はて、何をそんなに怒っているのか不思議ですねぇ。それに、暴力での解決は良くありませんよ」
アスカ「................私、何かあんたを怒らせるようなことした?」
シンジ「いいえ、別にいつも通りのアスカ君でしたが」
アスカ「調子狂うわね...........まあいいわ、早く朝食作りなさいよね!」
シンジ「君もそろそろ料理を作れるようになったほうがいいと思いますがねぇ」
アスカ「私は作れなくたっていいの!あんたが全部やればいいのよ!」
シンジ「そんなことではいいお嫁さんになれませんよ」
アスカ「う、うるさい!(私は.......あんたと............って何考えてるの私は、こんな奴なんかとっ........)」
シンジ「アスカ君、箸と飲み物の用意だけしていただけませんかねぇ」
アスカ「わかったわよ」
シンジ「ありがとう」
アスカ「それよりミサトはどうしたの~?」
シンジ「おや、聞いてなかったんですか?葛城さんなら昨日から一週間ほどネルフの仕事があるとおっしゃって出ていきましたよ。」
アスカ「そうだったの!?そんなこと聞いてなかったわよ!!!」
シンジ「アスカ君は昨晩早く寝てしまいましたからねぇ」
アスカ「学校が終わって疲れてたのよ!悪い?」
シンジ「誰も悪いなんて言ってませんがねぇ」
アスカ「ふんっ、何よ!(てことは一週間二人きりなわけ?)」ニヤァ
シンジ「そんなににやけて、何かいいことでもあったのですか?」
アスカ「に、にやけてなんかないわよ!ちょっと口の運動してただけ!何か文句あるわけ?」
シンジ「文句など言うつもりはありませんがねぇ。そんなことより、朝ご飯が出来ましたよ」
アスカ「早く寄越しなさいよね」
シンジ「夏休みはそうせかせかするものではありませんよ」
アスカ「はぁ?お腹減ってんのっ!全く誰のせいだと思ってんのよ」
シンジ「すぐ人のせいにするのは君の良くないところですよ」
アスカ「な、なんなのよこいつ...........」
シンジ「では、いただきましょう。いただきます」
アスカ「い、いただきます......」
シンジ「ハッ!」
アスカ「何よ急に!びっくりするじゃない!!」
シンジ「僕としたことが、大事なものを忘れていました」
アスカ「何よ」
シンジ「紅茶ですよ、紅茶。君も飲みますか?」
アスカ「あんたが入れてくれるんなら飲むわよ」
シンジ「もちろん、僕が入れますよ」
シンジ「朝の紅茶は体にいいんですよ」
アスカ「へぇ、初めて知ったわ。コーヒーとかじゃダメなわけ?」
シンジ「コーヒーはカフェインが多いですからねぇ、寝起きに飲むのは血糖値をあげてしまうんですよ」
アスカ「詳しいわね........(これ、私がおかしくなってるわけ?バカシンジに何があったのよ.....)」
シンジ「どうぞ」コッ
アスカ「ありがとう.......」
シンジ「やはり紅茶はいいですねぇ」
アスカ「そ、そうね(昨日までは牛乳しか飲んでなかったじゃない)」
シンジ「......ふぅ。ごちそうさまでした」
アスカ「こちそうさま~、んじゃ、後はよろしくっ!」
シンジ「皿洗いくらいしたらどうですかねぇ」
アスカ「あんたがいつもやってるんだからおとなしくやりなさいよっ!」
シンジ「君は本当に世話がかかりますねぇ」
アスカ「あぁ~~!!もう分かったわよ、やればいいんでしょやれば!!」
シンジ「助かります」
シンジ「その間に僕はごみを出しに行ってきます」
アスカ「あっそ」
シンジ「では」ガチャ
アスカ「ったくなんで私が洗いものなんてやってるわけぇ」
アスカ「私、あいつに悪いことしちゃったのかなぁ......私の生活態度?言葉遣い?............でも今までこんなこと無かったのに.......」
アスカ「あぁああああああっ!!考えるだけでムカつく!何なのよもうっ」
ガチャ
シンジ「何か叫び声がしましたが、大丈夫ですか?」
アスカ「あんたの耳がおかしいだけよ!」
シンジ「いつも耳は掃除しているつもりなのですがねぇ」
アスカ「どうでもいいわよっそんなの!それより今日あんたは暇なわけ?」
シンジ「午前中は家事と掃除をしますが、午後は暇ですよ」
アスカ「じゃあお昼から私と買い物に付き合いなさいよ」
シンジ「ふむ、僕が行く必要はあるんですか?」
アスカ「私が誘ってあげてるのに来ないわけ?暇そうなあんたをせっかくこのアスカ様が一緒に遊んであげるっていうのに拒否するつもりなの!?」
シンジ「はい~?僕には誘っているようには聞こえませんよ?それに自分で美少女というのはいささか自意識過剰だとおもいますがねぇ」
アスカ「私と来いって言ってんの!分かった?決まりだからね!」
シンジ「では、私からも一つ頼みがあるのですが」
アスカ「何よ?」
シンジ「午前中の家事を君にも手伝って欲しいんですよ」
アスカ「そんくらい自分でやんなさいよ」
シンジ「それでは午後に行くのは無しですかねぇ」
アスカ「ちょっと待ちなさいよ!交換条件ってわけぇ?バカシンジのくせに生意気ね!」
シンジ「君はもう少し家事をした方がいいと思いますよ」
アスカ「........わ、分かったわよ........やればいいんでしょやれば!!」
シンジ「今日だけではありませんよ、これからもずっとです」
アスカ「はぁ~!?なによそれ!あんまり調子のんじゃないわよ、バカシンジィ!!」
シンジ「いい加減にしなさぁいっ!!」プルプル
アスカ「ひっ!?」ビクッ
シンジ「調子に乗ってるのはどちらの方ですかぁっ!!!」プルプル
アスカ「な、なによ......」
シンジ「答えなさぁいっ!!」
アスカ「わ、悪かったわよ.......(びっくりした......)」
シンジ「僕は君のためを思って言ってるんですよっ!!」
アスカ「そ、それは.......うぅ~.........」ヒック
シンジ「夏休みにそのだらだらが余計酷くなったら今後君はどうやって生きていくつもりなんですかぁっ!!」
アスカ「........ぅう~~~」グスン
シンジ「やるべきことをやれば君も素敵な女性になれると思うんですがねぇ」
アスカ「...........ぅ........バカシンジィ.....................」
シンジ「きちんと家事を分担しましょう」
アスカ「ハィ..............」
シンジ「ではアスカ君には洗濯と風呂掃除をしてもらいましょうかねぇ」
アスカ「ハィ........洗濯機の使い方、教えなさいよ.......」
シンジ「もちろんですよ」
説明中
アスカ「意外に簡単じゃない、これなら余裕ね!」
シンジ「ボタン押すだけで全部やってくれますからねぇ」
アスカ「この時代に生きてて良かったわ~」
シンジ「では洗濯機を回している間に風呂掃除でもやりましょう」
アスカ「そうね」
シンジ「お風呂は体を清める所ですからねぇ、雑な掃除はしないようにしてくださいね」
アスカ「わ、分かったわよ」
シンジ「特にこの季節は湿気が凄いですからねぇ、放っておくとカビがどんどん増えるんですよ」
アスカ「オェ~、最悪」
シンジ「ですから隅々まで丁寧にやってくださいよ」
アスカ「はいはい」
シンジ「はいは一回で十分ですよ」
アスカ「そんなことはいいから早く説明しなさいよ」
シンジ「おっと、これは失礼、ではまず~.........」
シンジ「では、早速やってみてください」
アスカ「まかせなさいっ」
シンジ「これは頼もしいですねぇ」
アスカ「煽るんじゃないわよ!うるさいわねぇ」ゴシゴシ
キュッ、キュッ
ゴシゴシ
.............
......
...
アスカ「ふぅ、終わったわ~」
シンジ「お疲れ様です。なかなか綺麗になりましたねぇ」
アスカ「このアスカ様に掛かれば余裕よ!」
シンジ「ですが、まだここに少しカビが残っていますねぇ」
アスカ「はぁ?そんくらいいいじゃないっ!!」
シンジ「細かい事が気になる僕の悪い癖」
アスカ「キモ、そんなんだから友達が少ないのよ」ゴシゴシ
シンジ「そうやって言いつつもきちんとやるところは君の偉いところですよ」
アスカ「随分と上から目線じゃない.........(ほ、褒められてる/////)」
シンジ「これは失礼」
アスカ「それにしても案外風呂掃除って疲れるわねぇ」
シンジ「えぇ、ですがお風呂は毎日使いますからねぇ。綺麗にしておかなければ使う方の心も腐っていってしまうんですよ」
アスカ「そうね.............これまであんたに任せっきりだったこと、謝るわ.........(私、最低だったんだ....)」
シンジ「掃除の大切さを分かっていただければそれでいいんですよ」
アスカ「うん.......」
シンジ「そろそろ洗濯物でもとりに行きましょうかねぇ」
アスカ「わかったわ」
ガサゴソ
アスカ「あんたの前で下着とるの恥ずかしいわね..........」
シンジ「そうでしょうか」
アスカ「私ので変なことしてなかったでしょうねえ?」
シンジ「洗濯してしまえばただの布ですからねぇ、想像なさってるようなことはしませんよ」
アスカ「(してしまえば?する前は価値があるような言い方じゃない....).............変態..........」
シンジ「恐縮です」
アスカ「褒めてないわよっ!あんたドMなわけ?」
シンジ「そうかもしれませんねぇ」
アスカ「それで、この洗濯物たちはどうすればいいわけ?」
シンジ「えぇ、下着と靴下はこれに吊るしてください。シャツ類はハンガーにお願いします」
アスカ「わかったわ」
吊るし中
アスカ「終わったわよ」
シンジ「ご苦労様です。以上で洗濯と風呂掃除は終わりですよ」
アスカ「はぁ~終わったのね!なんだか清々しいわ!」
シンジ「良かったですねぇ、紅茶でも入れましょうか?」
アスカ「紅茶なんかより冷たいジュースが飲みたいわよっ!!!」
シンジ「ではコーラでも入れましょうかねぇ」
アスカ「分かってるじゃない!」
シンジ「..........」ジャー
アスカ「ちょっとどんな入れ方してんのよ!!!!!」
シンジ「おっと失礼、つい紅茶を入れるように入れてしまう僕の悪い癖」
アスカ「あんたってホンモノのバカなのね」
シンジ「恐縮です」
アスカ「うわ.........」
アスカ「」ゴクゴク
アスカ「くぅううううううう!!!最高ね!!!」
シンジ「良い飲みっぷりですねぇ」
アスカ「あんたは飲まないの?」
シンジ「いただきましょうかねぇ」
アスカ「私が入れてあげるんだから感謝して飲みなさいよ」
シンジ「分かりました」
シンジ「」ゴクゴク
シンジ「美味しいですねぇ」
アスカ「あったりまえじゃない」
シンジ「そういえば昼食は外食をするのでしょうか?」
アスカ「そうねぇ...........(あんたのご飯が食べたい........なんて言えない.....)」
シンジ「私が作りましょうか?」
アスカ「うん.........」
シンジ「では、何にしましょうかねぇ......」
アスカ「作るからには美味しいの作りなさいよ」
シンジ「ハードルが上がりますねぇ」
アスカ「あんたが作ってる間どこに行くか考えてるわ」
シンジ「分かりました」
トントントントン.............
ポチャ
..............
.......
...
シンジ「アスカ君、出来ましたよ」
>>32 私→僕に訂正
アスカ「チャーハン?」
シンジ「はい。違うものの方がよかったですか?」
アスカ「そ、そんなんじゃないわよ。いただきます...」
モグモグ
シンジ「お気に召すといいのですが」
アスカ「まぁあんたにしてはいいんじゃない!!?(美味しい)」
シンジ「ふふ、恐縮です」
シンジ「どこに行くかは、決まりましたか?」
アスカ「あったりまえじゃない!」
シンジ・アスカ「ごちそうさまでした」
アスカ「私が洗い物しておくから、あんたは早く準備しなさいよ!」
シンジ「ありがとう」
アスカ「ふんっ」
..........
......
...
~ショッピングセンター~
シンジ「大きいショッピングセンターですねぇ」
アスカ「あんた来たことないの?」
シンジ「えぇ」
アスカ「私より長くいるってのに、情けないわねぇ」
シンジ「返す言葉もありません」
アスカ「男なら言い返しなさいよ!ったくだらしないんだからぁ」
シンジ「難しいですねぇ」
アスカ「まあいいわ、こっちよ」
シンジ「何を観るんですか?」
アスカ「服よ、ふ・く!それ以外に何があるってのよ」
シンジ「色々考えられると思いますがねぇ」
アスカ「うるさい!」
シンジ「うるさいのはどちらの方でしょうかねぇ」
アスカ「は?まあいいわ、この店見るわよ」
シンジ「わかりました」
アスカ「これいいわね~、こっちのもいいかも」
~30分後~
アスカ「ねえバカシンジ~、これとこれならどっちがいいと思う?」
シンジ「そうですねぇ、僕はこっちがいいと思いますよ」
アスカ「そう、ならこっちにするわ」
アスカ「すいませ~ん。これ下さい」
店員「かしこまりました。〇〇円になります」
シンジ「結構高いんですねぇ」
アスカ「あんたみたいなのが着てる服とは違うの!!分かる?」
シンジ「そうですねぇ」
アスカ「次、行くわよ」
シンジ「分かりました」
~30分後~
シンジ「長いですねぇ」
アスカ「時間かかるのもんなの!ほんっとにあんたって無神経ね!!だからいつまでもバカなのよ!」
シンジ「これは失礼、つい口に出てしまいました」
アスカ「少しは我慢しなさいよ」
シンジ「............」
アスカ「ねえ、こっちとこっちどっちがいいと思う?」
シンジ「悩ましいですねぇ。どちらも似合ってますよ」
アスカ「どっちかに決めなさいよ!優柔不断な奴は嫌われるわよ.....(似合ってるって言って.....///」
シンジ「そうですねぇ、強いて言うならこっちですねぇ」
アスカ「ほう。その訳を聞かせてもらおうじゃないの!」
シンジ「君には赤が良く似合うからですよ」
アスカ「そ、そうかしら」
シンジ「えぇ、試着してみたらどうですか?」
試着中
アスカ「カーテン開けたら殺すわよ」
シンジ「そんなことしませんよ」
バッ!!
アスカ「どう!?」
シンジ「とても可愛らしいと思いますよ」
アスカ「ほ、ほんとに?.....(///////)」
シンジ「えぇ、似合ってますし大人っぽく見えますよ」
アスカ「あ.....当たり前じゃない!!そんなこと言ったって何も出てこないわよ!!!」
シンジ「こういう時にどうやって褒めればいいか分からないですねぇ」
アスカ「そ、そんなんだからダメなのよあんたは」
シンジ「かもしれませんねぇ」
アスカ「ま、今日は許してあげるわ」
シンジ「そうですか」
カチャン!!
ヌギヌギ
バッ!!
アスカ「すいませ~ん。これ下さ~い♪」
店員「かしこまりました。〇〇円でございます」
アスカ「ちょっと疲れたわね」
シンジ「荷物、持ちましょうか?」
アスカ「ふんっ、バカシンジにしては気が利くじゃない」
シンジ「恐縮です」
アスカ「アイス食べたーい」
シンジ「服はもういいんですか?」
アスカ「もう今日の分はこれでいいわ」
アスカ「それよりアイスよ、ア・イ・ス!」
シンジ「そうですか」
~アイス屋~
アスカ「どれにしよっかな~」
シンジ「種類が多いですねぇ」
アスカ「私このストロベリーチーズケーキとオレオクッキーのダブルにするわ」
シンジ「おやおや、そんなに食べるんですか」
アスカ「悪い?てか、早く決めなさいよ」
シンジ「辛辣ですねぇ」
アスカ「ほんっとにトロいわねぇ」
シンジ「抹茶と小豆が良さそうですねぇ」
アスカ「渋っ、まあいいわ早く頼むわよ」
シンジ「はい」
アスカ「すいませ~ん、レギュラーダブルでストロベリーチーズケーキとオレオクッキーのカップお願いします」
店員「かしこまりました。〇〇円になります」
店員「次の方どうぞ」
シンジ「えぇ、抹茶と小豆をお願いします」
店員「サイズはどちらにいたしますか?」
シンジ「では、レギュラーでお願いします」
店員「カップでよろしいですか?」
シンジ「えぇ」
店員「ありがとうございます。〇〇円になります」
アスカ「あんたが遅いから先食べてたわよ~」
シンジ「これは失礼、お味はどうですか?」
アスカ「もう最高よ!!」
シンジ「そうですか、それは良かった。さて、僕も食べましょうかねぇ」パク
シンジ「美味しいですねぇ」
アスカ「あんたの少し貰うわよ」
シンジ「えぇ、お構いなく」
アスカ「意外に美味しいじゃない」
シンジ「いささか取り過ぎな気がしますがねぇ」
アスカ「ふんっうるさいわねぇ」
シンジ「では、僕も一口貰ってもいいですか?」
アスカ「し、仕方ないわねぇ、特別だから感謝しなさい!!」
シンジ「お言葉に甘えて」ヒョイ
アスカ「ちょっと!!取り過ぎじゃないの!!??」ムキー
シンジ「君と同じくらいの量を取っただけですよ」
アスカ「バカシンジに私と同じ量とる資格なんかないの!分かった!?」
シンジ「これはこれは、美味しいですねぇ」
アスカ「人の話聞きなさいよ!!」
シンジ「お店の中であまり怒鳴るのは迷惑ですよ」
アスカ「っ.......悪かったわよ....」
シンジ「今度から気を付けてくだされば結構ですよ」
アスカ「はいはい、じゃあ次はあんたが見たいところに行きましょう」
シンジ「はいは一回で十分ですよ」
アスカ「うるさい!見たい場所ないか聞いてあげてるんだから答えなさいよ!」
シンジ「僕は君の買い物に付き合いに来たわけですからねぇ。強いて言えば、紅茶の葉が見たいですねぇ」
アスカ「あんた本気で言ってんの?紅茶って...........まぁいいわ、私が付き合ってやるんだから感謝しなさいよ」
シンジ「どうもありがとう」
~紅茶専門店~
アスカ「ここならあんたも満足するんじゃないの」
シンジ「これは素晴らしいですねぇ」
アスカ「さっさと見なさいよ」
シンジ「これは珍しいですねぇ.......................こんなのもあるんですか.................................」
アスカ「(こいつマジでどうしちゃったのかな.................元に戻るかな?.................このままでも.......いやいや喋り方気持ち悪すぎるでしょ..........)」
シンジ「アスカ君、これを見てください!」
アスカ「何よ」
シンジ「これはですねぇ、~~~.....................................」
1時間後
シンジ「~~~というものなんですよ」
アスカ「早く買いなさいよぉおおおおおおおおお!!!!」
シンジ「おっと失礼、僕としたことが、ついつい喋りすぎてしまいました」
アスカ「1時間もたってるじゃない!!このバカァ!!!」
シンジ「では、これを買いましょうかねえ」
アスカ「早くしなさいよ」
シンジ「えぇ」
スタスタ
シンジ「すみませんが、これを二つ下さい」
店員「かしこまりました。〇〇円になります」
シンジ「おまたせしました」
アスカ「そろそろ帰るわよ」
シンジ「もう帰るのですか」
アスカ「あんたが1時間も紅茶見てるからじゃない!!!ホントにあんたってバカなのね!!」
シンジ「君も僕の話を聞いてくれてたじゃないですか」
アスカ「ハ、ハァ!?別に好きで聞いてたんじゃないわよ!!あんたの話聞く相手がいなかったら寂しいと思って聞いてやってたの!!!そんくらい分かりなさいよね!!!」
シンジ「そうですか。あと、夕飯はどうしますか?」
アスカ「夕飯?別になんでもいいけど、何か作りなさいよね」
シンジ「分かりました。今日は楽しかったですよ、どうもありがとう」
アスカ「な、何よ急に!!私と買い物出来たんだから感謝くらい当り前よね!!」ドキドキ
~ミサトの家~
シンジ「アスカ君、夕食が出来ましたよ」
アスカ「わかったわ~」
アスカ「ハンバーグじゃない!!バカシンジのくせに分かってるわね!!」
シンジ「君は肉料理には目がありませんからねぇ」
アスカ「いただきます!」
シンジ「どうぞ」
アスカ「...........モグモグ...........(美味しい)」
シンジ「どうですか?」
アスカ「お、おいしい.......」ボソ
シンジ「ふふ、そうですか、それは良かった」
アスカ「今日は................その..........色々ありがとう........(言えた.......)」
シンジ「礼には及びませんよ」
アスカ「私が感謝してるんだからもっと喜びなさいよね!!!」
シンジ「相変わらずですねぇ君は」
アスカ「な、なによその言い方、ムカつくんだけど!!」
シンジ「皿洗い、お願いできますか?」
アスカ「分かってるわよ!!」
シンジ「ではお風呂でも沸かしてきましょうかねぇ」
アスカ「まだ早いわよ」
シンジ「僕は10時には寝たいんですよ」
アスカ「夏休みなんだからそんなに早く寝なくたっていいじゃない」
シンジ「夜更かししすぎると、体に毒ですよ」
アスカ「わ、分かってるわよそんくらい」
シンジ「もしも湯がぬるかったら追い炊きでもしてください」
アスカ「言われなくたってやるわよ!!」
~風呂後~
シンジ「ふぅ、良い湯加減でしたねぇ」
アスカ「あっそ」
シンジ「何の放送を見てるんですか?」
アスカ「相棒っていうドラマ」
シンジ「面白いですか?」
アスカ「刑事ものの中では一番好きなやつ」
シンジ「恐縮です」
アスカ「ハァ?」
シンジ「いいえ、何も。私はそろそろ寝ましょうかねぇ」
アスカ「本当に早いのね」
シンジ「おっと、僕としたことが一つ忘れていました」
アスカ「よく忘れてるわねぇ」
ガサゴソ
シンジ「これを君に渡すのを忘れていたんですよ」
アスカ「何よそれ」
シンジ「ラベンダーティーです。ストレスに効果があるんですよ、君はよくイライラしてますからねぇ。それを飲んでみたらどうかと思ったんですよ」
アスカ「ハァ!?あんたバカにしてんの!?バカシンジのくせに言うようになったじゃない!!!」キー
シンジ「そういう所ですよ.......では、おやすみなさい」
アスカ「逃げるつもりなわけ?あんた明日覚えてなさいよ!!!」
カタッ
アスカ「バカシンジのやつ、寝ちゃったわね.........」
アスカ「今日はほんとに何があったのよ....................」チラ
(テレビに映っている)右京「最後に一つ、~~~....................................」
アスカ「...........ん?........................そういえばあいつの口調.............................まさかね...........」
アスカ「さて、相棒も終わったしお風呂でも入ろうかしら」
プルルルル プルルルル
アスカ「何よこんな時に....................はい、もしもし...」
リツコ「あらアスカ?こんな夜遅くに電話しちゃってごめんね」
アスカ「どうしたの急に?」
リツコ「今シンジ君は近くにいるかしら?」
アスカ「あいつならもう寝たわよ」
リツコ「そう、なら話がし易いわね」
アスカ「ちょっとどういうことよ」
リツコ「えぇ、今日シンジ君に変わったところはなかった?」
アスカ「え?........ありまくりだったわよ、口調とか嗜好が.....」
リツコ「やっぱりね。実は今日、ネルフに関係のある人の何人かがね、使徒の精神攻撃を受けたみたいなのよ。口調が変わったり、性格が変わったりする人がいてね、その対処に追われてたのよ。シンジ君にもその反応があったからね、心配で電話したってわけ」
アスカ「そういうことは早く言いなさいよね!!今日は色々と疲れちゃったじゃない!!!」
リツコ「ごめんね、アスカ。でもこちらで今夜中にはケリをつけられそうだから明日には彼も元に戻ってると思うわ」
アスカ「体とかに影響とかはないわけ?」
リツコ「えぇ、大丈夫よ。全く何を考えてるのかしらねぇ、使徒って。じゃ、切るわよ。おやすみなさい」
アスカ「おやすみ」ガチャ
アスカ「はぁ、もう疲れちゃったわ~、使徒ってほんっとわけわかんないわね.........」
アスカ「さて、お風呂でも入ろ」
~風呂後~
アスカ「すっきりした~」
アスカ「あ、そういえばあいつがくれた紅茶でも飲んでみよう」
アスカ「ったく、使徒のせいとはいえムカつくわね~、何が”イライラしてますからねぇ”よ.............誰のせいだっての....................」
アスカ「............良い香り.........」ジャー ←右京の紅茶の入れ方を真似してる
アスカ「........ズズッ.............ま、まずい.....................」
アスカ「ん?」パッケージチラ
アスカ「ラベンダーの花言葉?..................あなたを待っています......................」
アスカ「//////」
~翌朝~
アスカ「」zzZ
コンコンッ
シンジ「アスカ~朝だよ~」
アスカ「んぅ~、っさいわね~」
シンジ「朝ご飯も出来てるよ~」
アスカ「今行くわよ、っさいわね~」
ガラ
シンジ「あ、おはようアスカ」
アスカ「......................あんた元に戻ったのね」
シンジ「え?どういうこと?」
アスカ「あんた昨日のこと覚えてる?」
シンジ「そのことなんだけどね、実は不思議なことに昨日のことが全然思い出せないんだよ。困っちゃったなぁ」
アスカ「はぁ。昨日あんたは使徒の精神攻撃で別人みたいになってたのよ、んで今日元に戻ったってわけ。ほんっとに昨日は疲れちゃったわよあんたのせいで」
シンジ「状況が呑み込めないよ..........」
アスカ「話すと長いからもういいわよ、そんなことより朝ご飯よ、朝ご飯!!」
シンジ「う、うん」
アスカ「あれ、ソーセージ3本入ってるじゃない」
シンジ「あはは、夏休みの始まりだから今日だけ特別にと思ってさ」
アスカ「あんた昨日も同じことしてたわよ」
シンジ「えぇ!?どうりで減りが早いと思ったよ」
アスカ「ほんっとにバカねぇ」
シンジ「うぅ............」
アスカ「ま、多い分にはいんだけどね」
シンジ「アスカぁ」
アスカ「何なよなよしてんのよ、気持ち悪」
シンジ・アスカ「ごちそうさま」
シンジ「じゃあ洗っちゃうから持ってきて」
アスカ「はいはい」
アスカ「ちょ、ちょっと待ちなさい!!!」
シンジ「な、何だよ急に」
アスカ「私が洗う」
シンジ「え?」
アスカ「私が洗うって言ってんの!!」
シンジ「ア、アスカ、どうしちゃったの?」
アスカ「いいからどけ!!!感謝しなさいよ!あんたはゴミでも外に持っててなさい」
シンジ「う、うん.......ありがとう」
ガチャ
シンジ「今日はアスカ機嫌が悪いのかな........」
シンジ「昨日の僕が原因だよなぁ...........謝らなきゃ........」
ガチャ
シンジ「アスカ、ごめん。昨日のせいで機嫌悪くしちゃって」
アスカ「ふんっ、何謝ってんのよ。まあ今回は使徒のせいだから許してやるわよ」
シンジ「うん、ありがとう。じゃあ洗濯してくるね」
アスカ「ちょっと待った!!!!」
シンジ「今度はどうしたの.......」
アスカ「洗濯と風呂掃除は私がやるわ!今後あんたは部屋の掃除してご飯だけ作ってればいいのよ、ご・は・ん!!分かった!!?」
シンジ「ちょっとどうしたんだよ急に、何かあったの?」
アスカ「何にもない!!私が決めたんだからいいでしょ!!あんたに拒否権はないから!」
シンジ「わ、分かったよ。でも洗濯機の使い方とか知ってるの?」
アスカ「知ってるわよそんくらい!!!私を誰だと思ってるの!!」
シンジ「アスカだよ」
アスカ「ふんっ、このアスカ様が家事分担してやるんだから感謝しなさいよね」
シンジ「あ、ありがとう」
アスカ「あとあんた今日午後暇?」
シンジ「うん、特に予定はないけど」
アスカ「じゃあ、アイス食べに行くわよ」
シンジ「え、どこに?」
アスカ「〇〇ショッピングセンターよ」
シンジ「アイス食べにわざわざショッピングセンターいくの!?」
アスカ「そこにある店が美味しいの!!ったく、そんなんも分からないわけ!?」
シンジ「知るわけないじゃないか」
アスカ「私がデートに誘ってあげてんのよ!!それを断ろうってわけ!?」
シンジ「断ってるわけじゃないよ」
アスカ「じゃ行くで決まりね!!バカシンジ!」
シンジ「バカって、失礼じゃないか~」
―完―
読んでくれた方、ありがとうございました
僕はアスカが大好きです
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473061228/
よければこれも読んでください、前に書いたやつです
乙ー
相棒とエヴァのコンボとか斬新でおもろかったわ
掲載元:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473422075/
Entry ⇒ 2016.12.20 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
ミサト「発想を逆転させるのよ!」シンジ「!」
???「……はあ、はあ」
???「な、なんだよ」
???「なんだよこれ……」
???「俺が……俺がやったのか?」
???「……俺が殺したのか!?」
5月26日 9:22 地方裁判所 被告人控え室
シンジ「……うう~、もうすぐか。キンチョーするなぁ」
ミサト「シンジ君、グッモーニン!」
シンジ「あ、み、ミサトさん。ぐ、ぐっもーにん……」
ミサト「あらーなによ、ずいぶん具合悪そうな顔ね。だいじょぶ?」
シンジ「あまり大丈夫ではないような……」
シンジ「は、はあ……」
シンジ(……)
シンジ(僕は碇シンジ。今日、初めての裁判を迎える新米弁護士だ)
シンジ(そして目の前に立っているのが葛城ミサトさん。僕の先輩で腕利きの弁護士)
シンジ(今日の事件は、ミサトさんのお世話になることになりそう……)
ミサト「ま、あんまりキンチョーしすぎないことね。肩の力をほぐして、おいっちに、おいっちに」
ミサト「それで、今回の依頼人君はどんな調子なの?」
シンジ「そ、それが……」チラ
トウジ「うう、センセェ……」オロオロ
シンジ「はい。この事件を引き受けたのもそれが理由なんですけど……」
トウジ「センセ、ワシ、ワシ、やってしもた……」
シンジ「や、やった?」
トウジ「ワシの人生、もう終わってしもたああああああああ!!」
シンジ「え、ええ!?いやいや!!」
シンジ「殺したのはトウジじゃないでしょ!だから僕が弁護するんじゃないか!」
トウジ「でも、でもワシぃ……。もうどうしたらええんか……」
トウジ「ワシ、あいつがいない人生なら死んだ方がマシやから!」
トウジ「よし、こうなったらもう有罪になってやる!!」
トウジ「有罪になって死刑を食らってやるんや!!」
シンジ(うう、アタマが痛くなってきたぞ……)
トウジ「……!」
ミサト「はじめまして、あたしは葛城ミサト。シンジ君の先輩の弁護士よ。よろしく」
トウジ「ふ、ふぁい!」
シンジ「ふぁい?」
トウジ「わ、ワシ、トウジ、鈴原トウジっていいます!」
ミサト「ふふ、そう。じゃあ鈴原君、心配になる気持ちは分かるけど、最後まで諦めちゃダメよ?」
ミサト「そうだ、この法廷が終わったら鈴原君の好きなもの、お祝いに食べに行こうかしら」
シンジ「トウジの好きなもの……すき焼きか!いいですね!」
トウジ「ふぁい!!」
シンジ「と、トウジ……?」
ミサト「?」
トウジ「わ、ワシ、頑張りますんで!」バシ
シンジ(いや、頑張るのは僕だろ!!)
ミサト「ふふ、頑張りなさい。二人ともね」
ミサト「さて、そろそろ時間ね。シンジ君、行きましょうか」
シンジ「は、はい!じゃあ、トウジまた……」
トウジ「ふにゃら」
裁判長「ではこれより鈴原トウジの法廷を開廷します」
サキエル「検察側、準備完了しております」
人物ファイル
『咲江 リュウ(サキエ リュウ)(42):ベテラン検察官。姿勢が悪いためかいつも肩パッドを入れているらしい』
シンジ「……」
裁判長「……」
シンジ「…………」
裁判長「…………」
シンジ「…………?」
裁判長「いや、『…………?』ではないでしょう!弁護側はどうなのですか」
シンジ「は、はぁ。どうなのかと言われると……」
シンジ「どうなんでしょう?」
シンジ「あ、いや、あの!じ、準備、その」
ミサト「ちょっと、シンジ君!焦りすぎよ!」
ミサト「不安があるなら一度、事件ファイルで事件をおさらいしておきましょう」
シンジ(……!そ、そうだ、事件ファイルだ)
事件ファイル
『事件内容:被害者は洞木ヒカリ。死因は失血死。凶器は現場に落ちていた包丁。一刺しで絶命』
シンジ(殺人事件か……改めて見ると体がスクむなぁ)
裁判長「弁護人!一人で落ち着かないように!」
シンジ「あ、は、はい!弁護側、準備完了しております!」
裁判長「次からは開廷前に終わらせておきなさい」
シンジ(うぅ……言われたい放題だぞ……)
ミサト「シンジ君、気落ちしてる暇はないわよ」
裁判長「では検察側、冒頭弁論をお願いします」
サキエル「はい」
サキエル「今回取り扱うのは、市内に住んでいた若き女性、洞木ヒカリさんが殺害されたインザンなる事件です。凶器は現場に落ちていた包丁と思われます」
裁判長「ふむぅ、なるほど。重要な証拠品のようですね、受理します」
事件ファイル
『包丁:現場のゴミ箱にあった包丁。被害者の血の痕がベットリと残っている』
シンジ(証拠品……か。あとあと大事になってきそうだな)
裁判長「そしてその事件を犯したと思われるのが……」
サキエル「左様、被告人の鈴原トウジというわけですな」
サキエル「そこで検察側は証人として事件の捜査を担当した絵馬刑事に事件概要を証言して頂こうと思います」
裁判長「なるほど、分かりました。では、絵馬刑事をここに」
絵馬「…………」
サキエル「証人、名前と職業を」
絵馬「は!自分は絵馬 ゲリオ!刑事をやっていますから!」
人物ファイル
『絵馬 ゲリオ(エバ ゲリオ)(29):現職の刑事さん。やけに背が高い』
シンジ(なんだかお腹がユルそうな名前だな)
エバ「あ、あの、本官の仕事は!本官の仕事は、犯人を捕まえることでありますから!」ジャキン
エバ「今すぐに犯人を逮捕いたしますから!」ジャキン
シンジ「うわっ!」
裁判長「ひぃ!なんですかなそれは!」
サキエル「し、証人!法廷でパレットガンを構えないように!」
サキエル「あ、あなたの今の仕事は事件の証言をすることですぞ!」
エバ「む、それは……!」
エバ「……失礼しましたから。つい熱が入りすぎてしまい」ガチャリ
裁判長「ふむぅ、仕事熱心なのですね」
シンジ(そういうモンダイじゃないぞ!!)
ミサト「あのエバー刑事さん、熱くなると止まらないみたいね」
シンジ「絵馬ですよミサトさん?」
ミサト「……エバー」
シンジ「ミサトさん?」
ミサト「…………」
エバ「分かりました!ではまず事件当時の状況についてお話しますから!」
ー証言開始ー
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようですから』
サキエル「これが事件当時の状況ですな」
エバ「ちなみに室内の割れた窓ガラスの破片というのがこちらです」
裁判長「ほほう、これは危ないですな」
サキエル「街中で野球をするなど言語道断。最近の若者はポリシーが欠けています」
裁判長「全くです。若い人たちには気をつけて欲しいものですね」
シンジ(……二人とも僕の方を見て言っているぞ)
裁判長「とにかく、こちらは証拠品として受理しましょう」
事件ファイル
『割れたガラス:事件当日、被害者宅に散乱していた』
シンジ「本番?」
ミサト「ええ。これから証人にあなたが質問する尋問に入るわ」
シンジ「尋問……」
ミサト「そう。この裁判は被告人……つまりあそこの彼が事件の犯人ではないかと言う事を審議しているの。当然証人もそのことを証言するわ」
ミサト「でももしそれが間違っていたら」
シンジ「証言に事実との違い……ムジュンが生まれる、ですよね」
ミサト「そうよ。とは言っても今回の証人は警察だし、嘘をついたりするとも思えないわ」
シンジ「じゃあ、特にムジュンしたところはない……?」
ミサト「それはどうかしら。意図しないムジュンもあるのよ。とにかく、鈴原君が犯人じゃないとすれば必ずどこかにおかしなところがあるはず」
シンジ「なるほど」
ミサト「まずは揺さぶりをかけて情報を引き出しましょう!」
シンジ「分かりました」
エバ『事件は白昼に行われましたから』
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
シンジ「待った!」
シンジ「フクザツな傷口、というとグタイ的にはどんな?」
エバ「はあ、なんと言いますか……複数回、同じ所を刺されたような」
シンジ「複数回同じ所を?」
エバ「はい。グサッとやった後に引き抜いて……もう一度、こう!」
裁判長「そ、それはそれは」
シンジ(えげつないな)
ミサト「……シンジ君。今の発言、証言に加えてもらったらどうかしら」
シンジ「え?じ、じゃあ……」
シンジ「絵馬刑事、今の内容を証言に入れてください」
エバ「はっ!了解しました!」
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少しフクザツな傷口がありました』
エバ『グタイ的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
エバ『また事件当日は洞木さんの家の窓ガラスが割られていましたが』
エバ『どうやらアパートの裏の公園で野球をしていた少年達のボールが当たったようです』
エバ『割れた窓から人が出入り出来るほど大きな穴は開かなかったようです』
シンジ(……この中にムジュンがあるのか)
ミサト「真実と食い違うなら、必ず証拠品と異なる証言が出てくるはずよ」
シンジ「事件ファイルを確認してみよう」
エバ『市内に住む女性、洞木ヒカリさんがアパートの一室で殺害されたのです』
エバ『凶器に使われたのは現場に落ちていた包丁。遺体には少し複雑な傷口がありました』
エバ『具体的には、同じ所を二度刺されたようなものでした』
シンジ「異議あり!!」
裁判長「…………!」
サキエル「…………!」
ミサト「…………!」
エバ「…………!」
シンジ「…………」
シンジ「……………………」
シンジ「…………………………………………」
シンジ(……なんだ、このチンモクは?)
シンジ「え?あれ、どうかしました?」
裁判長「どうかしましたじゃありませんぞ!」
ミサト「シンジ君、あなたは今、証人の発言に異議を申し立てたのよ」
シンジ「え?い、異議?」
シンジ(そういえばなんだろうこの感じ。この頭の中に閃くような違和感)
シンジ(これが……ムジュン?)
裁判長「弁護人、これ以上黙っているようならば……」
シンジ「ま、待ってください!弁護側は異議を続けます」
シンジ「ただいまの証人の発言はこの証拠品と明らかにムジュンしています!」
『事件概要』
シンジ「事件捜査を担当されたという絵馬刑事にお聞きしますが、この報告書、間違いないんですよね?」
エバ「は、そのはずですから」
シンジ「だとすると明らかにおかしい部分かあるんです」
エバ「おかしい部分?」
シンジ「そう。ここにはこう書かれている。『被害者は一刺しで絶命』」
シンジ「しかしあなたはたった今こう証言しました。『二度刺されたようなものでした』と」
シンジ「明らかにムジュンしてるじゃないですか!」
エバ「ぬぁっ!?」
裁判長「ほ、本当ですぞ!」
ザワザワザワザワ
ミサト「よくやったわ、シンジ君。ムジュンを見つけることが出来たわね」
シンジ「ふう、き、キンチョーしたぁ」
ミサト「これで更に情報が引き出せるわ。きっとまた新しい手がかりが見つかるはずよ」
エバ「あ、いや、こ、これはですからね、そのつまり凶器が」
サキエル「お待ちください」
サキエル「この件については私から説明します」
サキエル「確かに洞木さんには同じ傷口を二度刺されたような痕がありました。しかしその包丁で2回刺された訳ではないのです」
シンジ「どういうことですか!」
サキエル「被害者の傷口を調べたところ、別の刃物による刺しキズがありました」
サキエル「しかしこちらはあまり深く刺さっておらず大した外傷にもなっていませんでした」
サキエル「つまりそのキズは被害者は致命傷や死因とは関係ないのです」
シンジ「そ、そんな!」
サキエル「そ、それは現在捜索中ですが、被害者の傷の具合からしてそれほど大きなものではないようですのでこちらも既に処分されている可能性が高いです」
ミサト「……シンジ君、いくら大きなキズではなかったとしても、検察側の対応は不自然よ」
ミサト「きっとその謎の凶器の存在を後ろめたかった理由があるわ」
シンジ「……!」
シンジ(そんな、ジジツを隠そうしたのか…?)
ミサト「そこが検察側の大きな弱点なのかもしれないわね」
サキエル「しかし、他に被告人が犯人であるという決定的な証拠があるのです」
裁判長「ケッテイテキな証拠?」
サキエル「はい。そこで次は被告人、鈴原トウジが犯人であるという根拠について説明したいと思います」
サキエル「被告人に証言を求めます」
裁判長「なるほど、分かりました。では被告人を証言台に」
シンジ(今のトウジに証言させて大丈夫かな……)
サキエル「証人、名前と職業を」
トウジ「あ、えーと。ワシ、鈴原トウジ言います。その、バスケットボールチームのコーチやっとります」
裁判長「いわゆる体育会系というやつですね」
サキエル「被告人は被害者である洞木ヒカリさんとはどういう関係だったのですか?」
トウジ「ど、どういう関係いわれても……。その、一応……」
サキエル「交際をしていた、と伺いましたが?」
トウジ「…………」
シンジ(トウジの奴、やっぱりショックが大きいんだな)
トウジ「な、なんでそれを!?」
サキエル「彼女がお友達に話していたのですよ。随分こっぴどく言われたようですね」
トウジ「そ、それは……」
裁判長「ふむう、それがつまり殺害の動機と考えられると?」
サキエル「はい、その通りです」
トウジ「そんな!ワシがそんな理由でヒカリに手を上げるわけないやろ!!アホとちゃうんか!?」
トウジ「ワシとヒカリはアツアツや!ネバーラブカップルや!」
シンジ(それじゃあただの冷めきった男女だけど……ここは同意しておくか)
シンジ「僕も被告人の意見に同感です。少し酷いことを言われたくらいで人を殺す動機にはなりません!!」
サキエル「シンミツなカンケイだからこそ、ということもあります。若い男女などいつ熱くなるか分かったんものではありませんからな」
サキエル「とにかく、被告人には動機となり得る理由もあったのです。そしてもちろん、決定的な証拠も」
シンジ「……証拠、だって?」
サキエル「一つは、被害者に致命傷を与えた凶器である包丁に、被告人鈴原トウジの指紋がベッタリついていたこと」
サキエル「そしてもう一つは……」
サキエル「事件当日、被告人が被害者の家にやってきていたのを目撃した人物がいることです!」
裁判長「!!」
ミサト「!!」
シンジ「…………」
シンジ「……え?」
シンジ「な、なんだってええええええええええええ!?」
事件ファイル
『包丁:現場のゴミ箱に落ちていた包丁。被害者の血の痕がベットリと残っている。トウジの指紋が検出された』
シンジ「うぅ……なんだかお腹が痛くなってきた」
ミサト「随分大きな爆弾を落としてくれたわね、あの検事さん」
シンジ「ど、どうなってしまうんでしょうか……」
ミサト「彼の言う証拠と証人、その両方が確かだとしたら……まずいわね」
シンジ「そ、そんな……」
ミサト「でも逆に言えば、彼が無罪なのだとしたらどちらかが間違っているということよ」
ミサト「証拠品についてはなんとも言えないけど……可能性があるとしたら検察官が呼んでくる証人でしょうね」
ミサト「……とにかく、今あなたに出来るのは彼の無実を信じてあげることだけよ」
トウジ「…………」
シンジ「トウジ……」
トウジ「センセ、ワシは……」
シンジ「どうして言ってくれなかったんだよ。あの日、洞木さんの家に行ったの?」
トウジ「じ、実は」
トウジ「けど留守だったんや。せやから、美味いもん作って機嫌直してもらお思て……」
シンジ「そこで家に上がって包丁に触ったってわけ?」
トウジ「すき焼き、作ろう思たんやけど肉がなかったみたいやからそのまま包丁ほったらかしにしてな」
シンジ「買いに行ったのか」
トウジ「ああ。それで戻ってきたら警察が……」
シンジ(なるほど。つまり現場では包丁は犯人のすぐ目のつく位置にあったわけか)
シンジ「え?」
トウジ「ヒカリのいない人生なら死んだ方がマシやし!」ビシッ
トウジ「どうせなら一層のこと、スッパリ有罪にしてくれや!」ビシッ
トウジ「大人しく死刑かっくらってくるから!」ビシッ
シンジ「い、いやいや!そうはいかないよ!」
トウジ「うぅ、死んでやる、死んでやるんやぁ……」
トウジ「!」
ミサト「シンジ君は必ずあなたを無罪にするわ。だから、ね?その後で彼女のことはゆっくり考えましょう」
トウジ「……」
トウジ「なら、その、一つ頼みがあるんやけど」
シンジ「頼み?」
トウジ「ヒカリのバッグが欲しいんや」
シンジ「バッグって?」
トウジ「ワシがあいつの誕生日にプレゼントした、赤地に白で羽のマークがある……」
シンジ「ああ、それなら証拠品として保管されてるよ。確か現場で洞木さんの近くに落ちていたんだ」
シンジ「少なくとも事件が終わるまでは持ち出せないね。……それにしてもあれ、トウジがプレゼントしたものだったんだ」
トウジ「ああ。ヒカリのために特注で作ったんや。世界に1個しかない奴やで」
シンジ「へえ、素敵なプレゼントじゃない」
シンジ(……そうだ。これも一応証拠品じゃないか。どうせならファイルしておこうかな)
事件ファイル
『特注バッグ:トウジが被害者にプレゼントした世界に一つしかない買い物用バッグ。かなり血に濡れていたため、白のマークが赤に染まってしまっている』
シンジ(それにしてもこれ、模様があったのか。地の色がカゲキすぎて見分けがつかないぞ……)
ミサト「シンジ君、そろそろ休憩が終わるわ。大勝負の時間よ」
シンジ「はい。行きましょう、ミサトさん」
裁判長「それでは鈴原トウジの法廷を再開します」
裁判長「検察側、証人の準備は?」
サキエル「無論、完了しております」
裁判長「よろしい。では早速呼んでいただきましょう」
サキエル「では、事件現場で被告人を目撃したという張手 イエルさんをこちらに!」
ミサト「いよいよね」
シンジ「うう……大丈夫かなぁ」
ミサト「証拠品に間違いがない以上、鈴原君が無実ならば出てくる証人の証言にはかならずムジュンが含まれるはず」
ミサト「そこを叩くのよ」
シンジ「ムジュン、ですね。分かりました」
バルディ「わたくし、張手 イエルと申します。その、不動産のお仕事を少々」
人物ファイル
『張手 イエル(ハルテ イエル)(36):不動産を少々やっているらしい胡散臭い男。手に包帯を巻いている』
裁判長「少々、というとどのくらい?」
バルディ「いえ、ほんのささいな程度でございます」
裁判長「ははぁ、なるほど」
シンジ(納得のいく答えだったか……?)
バルディ「この通り、先日少々手を怪我してしまいまして、今は休業中でございます」
サキエル「では証人、早速事件のことについて証言してもらえますかな?」
バルディ「かしこまりました」
ー証言開始ー
バルディ『わたくし、不動産関係の仕事で偶然、被害者様のアパートを訪れていたのでございます』
バルディ『するとちょうど、被害者様のお部屋を誰かが慌てた様子で足早に出ていくじゃございませんか』
バルディ『なんとなく怪しく思い、部屋の中を覗いてみたのです』
バルディ『すると、女の人が包丁を刺されて倒れていたのでございます!』
バルディ『わたくし一目散にその場から逃げ出してしまい。その後、警察に電話をしたのです』
裁判長「なるほど、これが間違いないとすれば……」
サキエル「包丁についていた被告人の指紋と合わせて決定的な証拠になります」
ミサト「シンジ君、分かってるわね?」
シンジ「はい、ムジュンですよね?頑張って見つけてみます」
裁判長「では弁護人、尋問をお願いします」
バルディ『わたくし、不動産関係の仕事で偶然、被害者様のアパートを訪れていたのでございます』
バルディ『するとちょうど、被害者様のお部屋を誰かが足早に出ていくじゃございませんか』
バルディ『なんとなく怪しく思い、部屋の中を覗いてみたのです』
バルディ『すると、女の人が包丁を刺されて倒れていたのでございます!』
シンジ「異議あり!」
事件ファイル
『包丁』
シンジ「女の人が包丁を刺されて倒れていた……ですか?」
バルディ「はあ、そうでございますが」
シンジ「それはおかしいですね」
サキエル「何がおかしいというのかね。被害者の死因は確かに包丁に刺されたことによる失血死ですぞ!」
シンジ「そう。だからこそおかしいんですよ」
バルディ「ぎぇえっ!?」
シンジ「どうして被害者が包丁で刺されていると分かったんですか?」
バルディ「あ、いや、その、それは……」
サキエル「異議あり!」
サキエル「弁護人の言っていることは単なる言いがかりでありまして……」
裁判長「……」
裁判長「私にはそうは思えませんな。弁護人、続けなさい」
シンジ「はい。ここで張手さんが包丁の存在を知るには実際に部屋の中に入り込む必要があります」
シンジ「しかし血を流している死体が置かれてる部屋にわざわざ入り込むなんて有り得ません」
シンジ「張手さんの証言が本当ならば、凶器を目にする機会はなかったはずです!」
裁判長「なるほど、確かにそのとおりですね。張手さん、あなたはどうして凶器のことを?」
バルディ「ぐぬぬ……」
シンジ「?」
裁判長「思い出した?」
バルディ「ええ、ええ。ですから先程も申し上げました通り少し混乱しておりまして。ですからその、血を流しているというだけでてっきりお刺されになっているものとばかり……」
シンジ(随分無理やりだな)
ミサト「シンジ君、ナイスなツッコミよ。証人は焦っているわ。今なら証言にもっとボロが出るかもしれない」
裁判長「では証人。混乱していたことについて話してもらえますか?」
バルディ『何分、死体なんていうものを見たのは初めてでございまして』
バルディ『それも血まみれの死体でございますでしょ?』
バルディ『もうわたくし、コンランしてしまいまして』
バルディ『それに、部屋の中も随分複雑な状況でございましたので』
バルディ『よくあるミステリードラマのようだと勝手にカン違いしてしまったのです。お騒がせいたしました』
裁判長「ふむう、なるほど」
サキエル「無理もありませんな。死体を見るなんて経験、滅多にするものではありませんから」
裁判長「ですが証言は正確に、慎重にお願いしたいものです」
シンジ(この証言は急ごしらえのその場しのぎだ。つつけばボロが出てくるはず)
シンジ(一気にたたみかけよう!)
バルディ『何分、死体なんていうものをみたのは初めてでございまして』
バルディ『それも血まみれの死体でございますでしょ?』
バルディ『もうわたくし、コンランしてしまいまして』
バルディ『それに、部屋の中も随分複雑な状況でございましたので』
シンジ「待った!」
シンジ「複雑な状況、というのは具体的にどういう?」
バルディ「散らかっていたと言いましょうか。野菜やらお肉やら、スーパーで買ったものと一緒にマイバッグのようなものが」
バルディ「赤地に白い羽のマークがついたものでございます」
バルディ「おそらく買い物帰りにお気の毒な目にあわれたのかと」
シンジ「なるほど、そういうことですか」
シンジ「そ、そうですか?」
シンジ(どうせだから証言に付け加えてもらうか)
シンジ「あ、あの。じゃあ今の、証言に加えてもらえますか?」
バルディ「構いませんとも。ほほほ」
シンジ(ほほほ……ね)
シンジ「待った!」
シンジ「その割には随分落ち着いているようですね」
バルディ「ようやっと気持ちの整理がついてきたもので。ミステリードラマとは比べ物にならないのでございますね」
シンジ(まあ、それはそうか)
バルディ『それも血まみれの死体でございますでしょ?』
シンジ「待った!」
シンジ「死体の出血の状況はかなりハゲしかったと?」
バルディ「それはもう、地獄絵図、とはあのことでございましょう」
サキエル「それはそれは。さぞかし動揺されたことでしょう」
バルディ「ええ、ですから……」
シンジ「待った!」
シンジ「コンランした、というと死体を見たショックでしょうか?」
バルディ「左様でございます」
シンジ「しかしあなたはミステリードラマを見るのが趣味だと言っていました。案外、もう慣れてしまっていたのでは?」
バルディ「まさか、それはテレビの見すぎというものでございます!現実とふぃくしょんの区別くらい心得ておりますので」
サキエル「弁護人にはテレビと現実の区別をしっかりとつけてもらいたいものですな」
裁判長「弁護人、テレビは一日二時間以内に控えるように!」
シンジ「は、はい……」(僕はムジツだぞ……)
バルディ『散らかっていたと言いましょうか。野菜やらお肉やら、スーパーで買ったものと一緒にマイバッグのようなものが』
シンジ「待った!」
シンジ「マイバッグ……ですか?」
バルディ「ええ、ですから現場に落ちていた……」
バルディ『赤地に白い羽のマークがついたものでございます』
シンジ「待った!」
シンジ「それは確かにその模様だったのですか」
バルディ「それはもう。下地が妙にカゲキな色合いでしたからはっきりと印象に残っております」
シンジ(なるほど、そこの所の記憶ははっきりしているみたいだな)
シンジ「待った!」
シンジ「何故、買い物帰りだと?」
バルディ「先程も申し上げました通り、スーパーで買ったと思われる肉やら野菜やら」
バルディ「お見受けしたところ女性のようでございましたので、恐らくは買い物帰りだったのだろうと」
バルディ『よくあるミステリードラマのようだと勝手にカン違いしてしまったのです。お騒がせいたしました』
シンジ「現実に人が死んでいるのに、ミステリードラマのようだと思ったんですか?」
バルディ「ほら、よくありますでしょ、ドアを開けたら人が倒れていたという……」
シンジ「よくある、とはどういう?」
バルディ「いやですね、テレビドラマの一つも見ないのですか」
サキエル「視野の狭い弁護人は証人の発言にいちいち突っかからないで欲しいものですな」
裁判長「弁護人はまだまだ若いのですから、ドラマの一つも見ておくように」
シンジ(り、リフジンだ……)
ミサト「慌てて組み上げられたこの証言は穴だらけなはずよ。きっとつつけば簡単にボロが出てくるわ」
シンジ(そうだ、ここで一気にたたみかけるんだ!)
バルディ『それも血まみれの死体でございますでしょ?』
バルディ『もうわたくし、混乱してしまいまして』
バルディ『それに、部屋の中も随分複雑な状況でございましたので』
バルディ『散らかっていたと言いましょうか。野菜やらお肉やら、スーパーで買ったものと一緒にマイバッグのようなものが』
バルディ『赤地に白い羽のマークがついたものでございます』
シンジ「異議あり!」
事件ファイル
『特注バッグ』
シンジ「それはヘンですね」
シンジ「赤地に白い羽。そのマークがあなたに見えたはずがない」
シンジ「だってこのバッグは事件当時、被害者の血を吸って赤く染まっていたんですから!」
シンジ「混乱していたなら尚更、あなたにはこのバッグが、ただの赤いバッグに見えたはずだ!」
バルディ「!!?!?!!??」
裁判長「なんと、それは本当ですか!?」
シンジ「はい。こちらの写真を見てもわかる通り、濃い赤地を貴重としたこのバッグは、血を吸ってすっかり白のマークが見えなくなってしまっています!」
裁判長「ほほう、確かにこれでは色を見分けるのは大変そうですね」
バルディ「そ、それは……そうだ!」
バルディ「同じバッグを最近見かけて、色具合からてっきり……」
シンジ「残念ですがそれは有り得ないんですよ。このバッグは被告人が被害者のために作った特注品ですからね!」
バルディ「なっ!?と、特注品……でございますとぉ……!?」
シンジ「その通り、だからあなたがこのバッグの模様を知っていたはずがないのでございます!!」
シンジ「なぜ証人に白のマークが見えたか」
シンジ「簡単です。刺される直前に被害者が持っていた、『まだ血に濡れる前のバッグ』を見ていたからです」
シンジ「何らかのショックと一緒にそのバッグの派手な模様が記憶に染み付いてしまったのでしょう!」
シンジ「例えば人を刺してしまった拍子に……とかね」
ザワザワザワザワザワザワ
裁判長「カンカンカン!静粛に!」
シンジ「さあ、どうですか証人!」
バルディ「ぬ、ぬぐぐ……さっきから、いちいちつっかかりございましやがって……!」
バルディ「そこの男がやったんだ……!おれ……わたくしは確かに見たんだ!さっさと……死刑に……!」
裁判長「一体いくつ本当のことがあるのですか!」
バルディ「こ、今度は間違いございません。確かに思い出したのでございます」
裁判長「法廷での発言は慎重にお願いしますよ。段々あなたという人間が信用ならなく思えてきました」
裁判長「言葉遣いなんか明らかに変ですしねぇ」
バルディ「むぉっ!?」
バルディ「あの、こ、今度こそ間違いなくございますので」
ミサト「いい調子よ、シンジ君!あと一歩の所まで来てるわ」
ミサト「あの証人をギャフンと言わせてやりましょう」
バルディ『わたくし、少々混乱しておりましたが、その後我に帰ったのでございます』
バルディ『もしかしたらまだ被害者の方が助かるかもと思い恐る恐る中へ』
バルディ『室内を隅々まで歩き回り、その時にゴミ箱の中の包丁を発見いたしました』
バルディ『被害者の方の様子もしっかり確認し、バッグの模様もその時見分けたのでございます』
バルディ『流石に落ち着いて見れば染まっているというのはわかりますから』
シンジ「そんな!さっきあなたは人の死体を見るのははじめてで混乱していたと言ってたじゃないですか!」
バルディ「そ、それは、そうでございますが。わたくしミステリードラマを見るのが趣味でして」
バルディ「ああいった探偵ものに憧れてしまい、つい様子を……」
サキエル「勝手に現場に踏み入るのは感心出来ませんが、証人はまだ被害者が絶命しているとは知らなかったのです」
サキエル「人助けの一心があってのことでしょう」
裁判長「とにかく弁護人、尋問をお願いします」
シンジ「分かりました!」
シンジ(今までの証言が嘘だったのなら、この証言だって嘘に決まってる。つき崩すなら今しかない!)
バルディ『わたくし、少々混乱しておりましたが、その後我に帰ったのでございます』
バルディ『もしかしたらまだ被害者の方が助かるかもと思い恐る恐る中へ』
バルディ『室内を隅々まで歩き回り、その時にゴミ箱の中の包丁を発見いたしました』
シンジ「異議あり!」
事件ファイル
『割れたガラス』
シンジ「……張手さん。もう、嘘をつくのはやめにしたらどうですか?」
バルディ「う、嘘ですと?」
シンジ「こちらの写真を見てください。事件当時の被害者宅内の状況です」
サキエル「そ、それは先程絵馬刑事が提出した……」
サキエル「ああっ!!」
シンジ「見たまんまですよ。室内には割れたガラスの破片が飛び散っていました」
シンジ「ガラスが散乱して、しかも死体のある部屋を落ち着いて隅々まで歩き回るなんておかしいでしょう!」
バルディ「ぎゃ、ぎゃふん!?」
バルディ「な、なんなんだテメェ、人の発言の揚げ足とってアレコレ探り入れやがって……!」
バルディ「さっきっから、なんなんだよあんた一体!?」
シンジ「質問に答えてください証人!どうしてガラスの散らかっている他人の室内を歩き回るなんて奇異な行為に出たんですか!?」
バルディ「ぐっ!!そ、それは……その……」
サキエル「さ、先程から弁護人は意味の無いことで証人を動揺させる物言いを多発しており……」
裁判長「意味のない……確かに、先程から弁護人の目的が的を得ません」
裁判長「弁護人はどうしたいのですか?これではまるで」
裁判長「証人を告発しているかのようですぞ!」
シンジ「……」
シンジ(そうだ、間違いない。ここで一気にたたみかけるんだ!!)
シンジ「……ええ」
シンジ「間違いありません、今回の被害者洞木ヒカリさんを刺したのは被告人ではなく、今そこに立っている証人、張手イエルさんだったんです!」
裁判長「なんと!」
サキエル「そ、そんな!?」
バルディ「な、なんだと!!」
バルディ「さ、さっきから勝手なことばかり言いやがって」
バルディ「お、俺が犯人だとか訳のわからねえことを……」
バルディ「そ、そうだ!なら、証拠はあるのか!?」
シンジ「し、証拠だって……?」
バルディ「俺が犯人だっていう証拠でもあるのか!?」
バルディ「ないなら俺のことを訴えるなんて出来ねえだろ!」
裁判長「……その通りですね。証拠がないのであれば証人を告発することは出来ません」
シンジ「そ、そんな……」
サキエル「そんな証拠あるはずがない!」
バルディ「へ、へっへへ、そうだよなぁ?証拠もないのに人を犯人扱いしやがって、全くひどいヤツだ」
裁判長「現在上がっているもの以上に説得力のある証拠がないのであれば、この場での君の発言は無力です」
シンジ(僕の手元に張手イエルが犯人の証拠なんて……あるはずがない)
シンジ(ムリ……だ)
裁判長「どうやら、提示できないようですね」
バルディ「へ、へっへっへ……残念だったな、弁護士さんよぉ」
シンジ(クソ!あと一歩のところだったのに!)
シンジ(ダメ……なのか……)
バルディ「あんたのせいで気分が悪くなったぜ。そろそろ俺はここいらで……」
ミサト「待ちなさい!!」
裁判長「!!」
サキエル「!!」
シンジ「!!」
シンジ「で、でもそんな事言ったって……」
ミサト「今分かっている証拠で彼を追い詰められないなら、新しい証拠を見つけ出すしかないわ」
シンジ「新しい証拠……この場で?」
ミサト「そうよ。もう1度考えてみて。今一つだけ謎に包まれているものがあるでしょう?」
シンジ「謎に包まれているもの?」
シンジ「……そうだ、一つ目の刃物」
ミサト「そう。考えてみるの、事件現場にあの包丁の他に凶器になり得たものを」
シンジ「凶器になり得たもの……」
ミサト「ええ。その近道は、発想を逆転させることよ」
ミサト「そもそも『犯人が何故二度刺したか』『何故別の凶器を使ったか』なんて考えても分からないなら」
ミサト「いっそのこと、『その凶器を使ってどうなったのか』を考えるの」
シンジ「その凶器を使ってどうなったか……」
シンジ「もう一つの凶器を使って、犯人は何か……」
シンジ「そういえば、張手さんは最近手を怪我したって……」
シンジ(思い出すんだ、当時の状況は……)
シンジ「……ああ!!そうか!!」
ミサト「見えたかしら、真実が?」
シンジ「はい、ようやっと分かりました。……この事件の真相が」
シンジ「弁護側には証拠提出の用意があります」
サキエル「なんと!?」
バルディ「な、ナニィ……!」
シンジ(よし、これが最後の証拠品だ!)
シンジ「くらえ!」
『割れたガラス』
裁判長「それは……先程の写真、ですか?」
シンジ「はい。やっとわかりました。謎に包まれていたもう一つの凶器」
シンジ「被害者を最初に傷つけたものはなんだったのかが」
シンジ「張手さん、あなたは確か最近手を怪我されたそうですね」
バルディ「な、そ、それがどうかしたのか、でございます」
シンジ「事件当時現場に存在したあの包丁の他に凶器になり得たもの。包丁より小さくて、咄嗟に人を傷つけられるもの」
シンジ「それがこちらなんです」
裁判長「……ガラス片、ということですか?」
バルディ「!!」
シンジ「ギュッと握りしめてね」
サキエル「な、そ、そんなことをすれば……」
シンジ「そう、手が傷だらけになってしまう」
シンジ「ちょうど今の張手さんのようにね」
バルディ「こ、これは、その……!」
シンジ「……咄嗟に相手を刺してしまった張手さんは驚きました。そして、このままでは凶器であるガラスに証拠が残ってしまうと思い」
シンジ「慌てて指紋が残らない方法で、目に入った包丁を使い、相手を刺し直して凶器をカクランしようとしたのでしょう」
シンジ(ここでやめておけば、被害者は亡くならなかったわけだよな……)
シンジ「大方そんなことを考えていたのでしょう」
シンジ「そして、後は自分が目撃者になったフリをして被告人に罪を着せようとしたのです」
シンジ(偶然、トウジの指紋が包丁に残ってしまってたのは不運だったけど)
シンジ「ですが、調べれば被害者の衣服や現場からあなたの血液が微量に検出されるはずだ!」
シンジ「ガラスを握りしめた時に出血した血痕を完全に消し去ることなんて出来ない!まだ残っているはずなんだ!現場に残るはずのないあなたの痕跡がね!」
シンジ「さあ、今度こそ言い逃れできるものならしてみて下さい!!」
バルディ「な、な、な……」
バルディ「ぐ、ぐぐぐぐぐ」
バルディ「ぐおおおおおおああああああああえええええええええ!!!!」
バルディ「ええええええええいいいいいいいいいいいいい!!」
バルディ「いいいうううううう…………」ドサッ
裁判長「……それで、張手イエルは?」
サキエル「さ、先程犯行を自白しましたので緊急逮捕いたしました」
サキエル「その、彼の手の傷も確かに現場に落ちていたガラス片による切り口と一致したようで」
裁判長「ふむ、なるほど分かりました」
裁判長「弁護人……いや、確か碇君でしたかな?」
裁判長「どうやら君の名前を覚えることになりそうですぞ」
シンジ「い、いやぁ。はは……」
裁判長「まさか依頼人を救い出しただけでなく、真犯人を見つけてしまうとは」
シンジ「こ、光栄です」
裁判長「では、今さらになってしまいましたが、被告人には判決を言い渡しましょう」
無 罪
ヒューヒュー
シンジ(張手 イエルは不動産と偽った空き巣や不法侵入の常習犯だったらしい)
シンジ(トウジの外出を目にした張手は洞木さんの部屋に侵入、そこへ買い物を終えた洞木さんが帰ってきた)
シンジ(逆上した彼は目に入ったガラス片で彼女を刺したものの致命傷には至らず、証拠隠滅のため、ハンカチの上から目についた包丁を咄嗟に手に取り洞木さんを再び刺した)
シンジ(……ということらしかった)
ミサト「いやーお見事だったわ、シンジ君!」
ミサト「まさか初の法廷でここまでやってくれるなんて!」
シンジ「は、ははは」
シンジ(ミサトさんまで、まるで僕のことみたいに喜んでくれる)
トウジ「うぅ」
シンジ「と、トウジ?」
トウジ「シンジ、ワシ、死ぬから!」
トウジ「でもワシ、ヒカリのいない人生なんて、もう……」
シンジ「トウジ……」
トウジ「ワシな、あの日の前にヒカリと喧嘩したやろ?」
トウジ「それであの時謝りに行ってな、でも結局伝えられずにヒカリは……」
トウジ「ヒカリはどう思ってたんやろな。「すまん」の一時も言えず、もしヒカリがショックを受けたまま死んでしもたんやとしたら、ワシは……」
トウジ「なあ、シンジ。ヒカリはワシのこと恨んでるやろか?」
ミサト「あたしはそうは思わないわね」
トウジ「へ?」
ミサト「ねえ、そうでしょシンジ君?証拠、見せてあげたら?」
シンジ「あ、は、はい!」
シンジ「あの、トウジ、これなんだけど」
『特注バッグ』
トウジ「ワシがプレゼントしたバッグ、か?」
シンジ「うん。洞木さん、あの日もこれを持って買い物にいってたんだよ」
シンジ「きっとトウジとひどい喧嘩をしたって気にせず使えるくらい、このバッグいつも持ち歩いてたんじゃないかな?」
トウジ「……」
シンジ「あの日も多分同じだったんだよ。そんなのなんとでも言えるけど、トウジは洞木さんが恨んでるって思う?」
トウジ「……センセ」
トウジ「ワシ、今回のことお前に頼んで……良かったわ」
トウジ「ありがとな」
シンジ「うん。トウジの力になれて良かったよ」
トウジ「ワシも、頑張らんとな……」
ミサト(人間と同じで、見方によっていくつもの意味があるの)
ミサト(強くなりなさい。弁護士として、人として)
トウジ「じゃあその、これ。一応依頼料な」
シンジ「あ、そっか、ありがとう。なんか変な感じだね」
ミサト「ふふっ、シンジ君の初ものね。じゃああたしもお祝いよ」
ミサト「これを渡しておくわね」
シンジ「……え、これ、十字架の首飾り?」
シンジ「確かミサトさんの大事なものなんじゃ」
ミサト「そうよ。だから今、あなたに預けておくの」
ミサト「いつか一人前の立派な弁護士になったら、あたしに返しなさい」
シンジ「ミサトさん……」
シンジ「……分かりました。必ず返しに行きますよ!」
シンジ「僕もですよ。でも、トウジの力になりたかったんです」
ミサト「鈴原君の?」
シンジ「はい。僕がこうして弁護士になったのも、トウジのお陰、みたいなところありますから」
ミサト「……へえ、なんか面白そうな話ね!」
ミサト「いい話なら今度聞かせてもらおうかな。お酒のおつまみにね!」
シンジ「は、はは……」
シンジ「ほ、ほどほどにしておいてくださいよ!また事務所で暴れられても困りますから!」
ミサト「はいはーい、善は急げってね!!」タッタッタ
シンジ「まったくもう……」
シンジ(こうして僕の初めての裁判は終わった)
シンジ(心臓が止まるかと思ったけれど、なんとか僕は親友を助けることができた)
シンジ(この裁判の記憶は、ミサトさんがくれた十字架の首飾りと共に僕の中に残り続けるだろう)
シンジ(ただしそれは、「この首飾りをミサトさんに返す」という約束を永遠に果たせなくなってしまう、あの辛い事件と共に、という意味なのだけれど)
???『はい?』
ミサト「久しぶりね、元気してたかしら?」
???『葛城さん!もう、最近全然連絡くれなかったじゃないですか!』
ミサト「ごみんごみん、ちょっち今取り扱ってる事件のことで立て込んでてね」
???『それで、またうちに頼みですか?』
ミサト「うん、悪いわね。お世話になっちゃって」
???『はぁ、もうほんと勘弁してほしいわ……』
ミサト「ふふふ、じゃあ明日の夜、こっちで待ってるわね」
???『また何か美味しいものごちそうしてくださいよ』
ミサト「そうねぇ、じゃあステーキ……いや、ラーメンなんてどうかしら?」
???『わー、ごちそうになります!じゃあ明日の夜でいいんですよね!』
???『?』
ミサト「聞いたかしら、あなたのお兄さんのこと?」
???『ああ、はい。なんでも友達の弁護士さんに弁護してもらったとか。うち、直接は見に行けなかったんですけど』
ミサト「ふふふ、実はその弁護士ね、うちの子なのよ」
???『ええ!そうやったんですか!?』
ミサト「ええ、そうよ。最初の法廷で殺人事件をひっくり返してしまうなんて、彼は天才ね。間違いないわ。まるで成歩堂リュウイチみたいだったわ」
???『へぇ、じゃあうちも困ったことがあったらその弁護士さんに弁護にきてもらおうかな』
ミサト「おっと、ダメダメ。命が惜しかったら、彼に弁護を依頼するのはあと十四年待ちなさい」
ミサト「今日だってあたし内心、心臓が止まるかとおもったんだから」
???『わ、手のかかる部下なんですね』
ミサト「ふふ、間違ってないわ。それじゃ、明日よろしくね?」
???『わかりました、なんでもお伺いしますよ』
ミサト「センキュー!じゃ、またね、サクラ」
ミサト「人生で初めての裁判を見事に乗り切った碇シンジ」
ミサト「しかし運命は彼に喜びの時を与えなかった」
ミサト「倒れるミサト、疑われる少女、そして彼女の弁護を決意するシンジ」
ミサト「鈴原サクラと名乗る少女。綾波レイと名乗る弁護士。真希波マリと名乗る刑事」
ミサト「そして、海外からやって来た無敗の天才検事が彼の前に立ちふさがるのだった」
ミサト「次回新世紀逆転裁判『逆転チルドレン』。お楽しみにね!」
霊媒の代わりが何になってしまうんだ……
期待
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462025113/
Entry ⇒ 2016.11.30 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
レイ「早いわね、碇くん」シンジ「」ピク
レイ「え?」
シンジ「だから、そんなことはないって」
レイ「碇くんはそう思うの?」
シンジ「え、いや、実際早くないよ?全然」
レイ「……そう」
シンジ「うん。いきなり変なこと言わないでよ、綾波ったら」
レイ(どうしたのかしら、もう月日がすぎるのは早いわねって言おうとしたのに)
シンジ「」ピク
シンジ「な、何言ってるんですか、ミサトさんまで」
ミサト「へ?」
シンジ「僕だってそんな、たまには怒りますよ?」
ミサト「は、えーと?あたしなんかした?」
シンジ「言いがかりみたいなこと言って、いい歳した大人なんですからしっかり謝ってください!」
ミサト「???ご、ごめんなさい」
シンジ「はい、じゃあ今回だけですよ。次言ったら本当に怒りますから」
ミサト(ど、どうしたのかしら?ネルフの整備班の仕事が早いのを感心してただけなのに)
シンジ「そんなことないよ!」
アスカ「!?」
シンジ「なんだよなんだよ、アスカまでそんなこと言うの!?」
アスカ「え、えと……何が?」
シンジ「僕はバカって言われても怒らないけどね、それは嫌だよ!?流石に!」
アスカ「そ、そう……わ、悪かったわね」
シンジ「……はぁ、分かってくれればいいんだよ」
アスカ(あたし、世界陸上を見てたんだけど……)
シンジ「ストップ!もういいよ、そういうの」
マリ「?」
シンジ「どうせ『いやぁ〜ホントに早いにゃあワンコ君は』とか言おうとしてたんでしょ?」
マリ「んん?」
シンジ「もう分かってるんだよ、しつこいよみんな。違うって言ってるでしょ?」
マリ「あの」
シンジ「言い訳されても困るからね。悪いことをした時はごめんなさいだよね?逃げちゃダメだよ?」
マリ「め、めんご」
シンジ「うん、まああんまり気にしないでね。次からやめてくれればいいからさ」
マリ(なんかひどくない?)
シンジ「カヲルくん!」
カヲル「どうしたんだい?浮かない顔をして」
シンジ「……よかった、カヲル君は言わないんだね」
カヲル「何の話かな?」
シンジ「みんながよってたかって早いって言うんだよ、僕のこと」
カヲル「早い?」
シンジ「僕は気にしているのに……そりゃあ普通の人よりは早いかもしれないけど、面と向かって言うことないじゃないか!」
シンジ「最低だ、みんなって」
シンジ「え?」
カヲル「早いこと、それは悪いことなのかい?」
シンジ「う、ううん、そんなことないけど……カヲル君は軽蔑しないの?」
カヲル「まさか。むしろそれは立派な取り柄じゃないか」
カヲル「他人がその君という在り方を否定することなんて出来ないさ。決してね」
シンジ「と、取り柄?」
シンジ「そうかな?でも早いのはやっぱり嫌われるよ?」
カヲル「どうしてだい?僕は君が早かったとしても、君のことを嫌いになったりはしないのに」
シンジ「そ、そうなの?」
カヲル「当然さ。早くても遅くても、それが碇シンジ君、君自身なのだから、そうだろう?」
カヲル「僕がこう言っても、君はみんなが君のことを嫌うと思うかい?」
シンジ「そ、それは……でも」
シンジ「僕は、早くてもいいの?」
カヲル「だって碇シンジ君、君というそのものを形作る立派な一つなんだから」
シンジ「か、カヲル君!ありがとう、なんか、そうかもしれないって思えてきたよ!」
カヲル「構わないよ。リリンは恥ずかしがりだからね」
シンジ「僕、みんなに言ってくるよ!僕は早くてもいいんだ。僕は僕なんだ!」タッタッタ
カヲル「うん、きっとみんな、祝福してくれるよ」
カヲル(ところで何が早かったんだろう?)
シンジ「みんな、聞いてよ!」
シンジ「僕は、もしかしたら早くてもいいのかもしれない」
シンジ「僕は早漏でもいいのかもしれない!」
シンジ「早漏でも、僕は僕だ!僕はここにいたい!僕は早くありたい!」
シンジ「僕は早漏でいたい!」
ミサト「……え?し、シンジ君?」
レイ「そう……ろう?」
アスカ「あ、あんたさ、早漏って……」
マリ「うっわぁ、大胆カミングアウトだにゃあ……」
シンジ「早漏でも、いいかな?」
アスカ「……気持ち悪い」
ミサト「流石に引くわね」
レイ「背筋がぞわぞわする……」
マリ「きも」
シンジ「……え?」
シンジ「……う、うわあああああああああ!!!」
カヲル「今度こそ、君のことだけは幸せにしてみせるよ」テヘペロ
終劇
マジレスするとゲンドウでやった方が面白かったと思うわ
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Entry ⇒ 2016.11.01 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
綾波レイ「ラーメン大ニンニクヤサイマシマシ豚抜き」
アスカ(時代錯誤……)
シンジ(今の世の中合成肉以外は珍しいんだから、そういう事言わないの)
レイ「お肉、苦手だから」
ミサト「何がいいのかしら?」
レイ「二郎」
アスカ「ラーメンだっけ?それならいいわ」
レイ「二郎はラーメンじゃなくて二郎だから」
アスカ「でもラーメン二郎って……」
シンジ「?」
ミサト「凄い行列ね」
シンジ「黒烏龍茶の自動販売機?珍しいね」
アスカ「なんだか豚臭い」
レイ「……入ったら食券を買って」
ミサト「太った人がやけに多いわね」
アスカ「お腹が空いてきたわね、ミサト」
シンジ「僕は匂いでお腹いっぱいになりそうかな」
レイ「今日の香り、良さそう」
ミサト「あら、レイは常連なの?」
レイ「1日一杯は食べるから……」
シンジ「綾波にも好きな食べ物があったんだね」
レイ「……」コクリ
レイ「……ラーメン大」ポチ
シンジ「綾波でも大盛りを食べるんだね、僕は普通にしておくね」
レイ「……」スッ
シンジ「ん?初めての方は小がお薦めって書いてある」
アスカ「ミニってのもあるわね」
シンジ「じゃあ僕は小にしようかな」ポチ
ミサト「私も」ポチ
アスカ「お腹が空いたわ、普通にしようかしら」ポチ
レイ「……」
シンジ「よいしょっと」
アスカ「あー、あたしお腹空いちゃった、これ、ちょっと固めが好きなのよね、」スッ
レイ「ギルティ」
ミサトシンジアスカ「!?」ビクッ
レイ「コールはニンニク乗せますかって聞かれてから」
アスカ「わ、分かったわよ」フンス
シンジ「で、でもさ、ここのお店の人凄くたb レイ「ギルティ」
レイ「……私語は慎んで、ロット乱しは罪」
シンジ「うう……」シュン
アスカ(ちょっと感じ悪いわね、でもミサトにおごられてる手前、我慢するわ)
店員「ニンニク乗せますか?」
アスカ「ニンニクは要らないわ、固めにして頂戴」
ミサト「私はニンニクちょっと入れて」
シンジ「僕はいいかな」
レイ「ニンニクヤサイマシマシカラメ豚抜き」
アスカ「呪文……なの?」
シンジ(いつもより綾波が元気で嬉しいなぁ)
ミサト(何あの量、この店って特盛りを食べるお客さんが多いのかしら」
シンジ(ひときわ大きいの凄いなぁ、大食いメニューかな)
アスカ(げぇ~、あんなの食べる人いるのね)
店員「おまちどお」ゴトッゴトッ
ミサト「」
シンジ「」
アスカ「」
シンジ「あ、あの……僕特盛りじゃなくて小を頼んだんですけど……」
店員「ラーメン小です」
シンジ「え……」
アスカ「ちょっと待ちなさいよ、じゃあアタシの……」
店員「ラーメンカタメです」ゴト
アスカ「」
アスカ「」
ミサト(じゃあ、レイのは……)
店員「……」ドンッ!
シンジ「」
アスカ「」
ミサト「」
レイ「……早く食べて、ロット乱しはギルティ」チャプッ
シンジ(!? 野菜が消えて麺が山盛りに!)
ミサト「一瞬でひっくり返したっていうの!?」
アスカ「」
レイ「ズズー ズーッ モグモグ」
シンジ(モヤシに味が無い……)シャクモシャ
ミサト(スープを一口、味濃いめだけどおいしい?)ズズ
レイ「ゾッ ゾゾゾッ ズバーッ! モチャモチャ」
シンジ(もやしが減らない)シャクモシャ
ミサト(少しモヤシをくずして麺を食べてみようかしら)
アスカ(なによこれ、煮豚を食べただけでお腹がふくれてきたじゃない!)
レイ「ズズーッ シャクシャク」
シンジ(うわー、綾波、もう麺を食べてる……)
シンジ(ようやく麺が見えてきたよ……)モグモグ
ミサト「麺が、凄く伸びてるし塩辛い……」モグ、モグ
アスカ(お腹いっぱいよ!)ウプッ
レイ「ごっそさん」ドンッ
シンジミサトアスカ「」
レイ「先に出てるから」スタスタ
ミサト(限界ね)ウプッ
店員「あー、食べきれなかったらいいですよ、次は気をつけて下さいね」
シンジミサト「す、すみません」
アスカ「あたしもう無理」ゴトッ
店員「食べ物ですからね」
客「ギルティ」
客2「ギルティ」
客3「ギルティ」
アスカ「な、なんなのよ!この店は!」ダッ
シンジ「あ、アスカ」ヨロヨロ
ミサト「お腹いっぱいで動けない……」フラフラ
ミサト「ええ」
レイ「黒烏龍茶」スッ
シンジ「ありがとう」
レイ「スッキリするから ゲエフッ」スッ
ミサト「油が凄いわね」(レイの息、凄くニンニクくさいわ)
レイ「……」スタスタ
アスカ「あー、あたしにもくれるn……」
レイ「ギルティ」
アスカ「ヒッ」
終わり
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Entry ⇒ 2016.10.22 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)
シンジ「半端ないゴールだね」 アスカ「えぇ、半端ないわね」
~ミサトの家~
アスカ「バカシンジィ、何してんの?」
シンジ「んー?ゲームだよ」
アスカ「あんたってゲームするんだ」
シンジ「その言い方酷くない?……..」
アスカ「で、何のゲームしてんの?」
シンジ「ウイニングイレブンっていうゲーム」
アスカ「え!?あんたもウイイレしてたの?」
シンジ「アスカ知ってるの?」
アスカ「当たり前じゃない!!」
シンジ「当たり前って、、、、」
アスカ「私をどこ出身だと思ってるの?」
シンジ「ドイツでしょ」
アスカ「ワールドカップ優勝国よ優勝国!!」
シンジ「わ、わかってるよ。でもアスカがサッカーに興味があるなんて意外だよ」
アスカ「それはこっちのセリフよ。あんたみたいなやつがサッカー好きなんてね」
シンジ「うるさいなぁ」
アスカ「ま、丁度今暇だし、遊んであげてもいいわよ?」
シンジ「対戦したいの?」
アスカ「あんたがぼっちで寂しそうだから仕方なく一緒に遊んであげるの」
シンジ「ホントは対戦したいだけのくせに」
アスカ「っさいわねぇ!!今PSP持ってくるから待ってなさいよ!」
シンジ「わかったよ……..」
アスカ「何ため息ついてんの!!」
シンジ「ご、ごめん」
アスカ「でも寂しいわよねぇ~、PSPが製造中止になるからPSP版ウイイレはこの2014で最後なのよね」
シンジ「うん、僕の長年使ってきたPSPが…………」
アスカ「あんたも分かるのね、この気持ち」
シンジ「もちろんだよ」
アスカ「さ、感傷に浸ってないでやるわよ!舐めたプレーしたらこ〇すから!」
シンジ「切り替え早いなぁ」
アスカ「私は過去のことなんてどうでもいい女なの!」
シンジ「なんだよそれ……そういえばアスカは好きなチームとかあるの?」
アスカ「フフ、愚問ね……………バイエルンに決まってるじゃない!!!」
シンジ「そ、そっか。まあ強いもんね」
アスカ「そういうあんたは好きなチームあるわけ?」
シンジ「僕は特に無いんだけどね、でも日本人が所属しているチームは応援したくなるよ」
アスカ「ったくつまんない男ねぇ。あ、ロードできた」
シンジ「つまんないってなんだよ。それで、どのチームで対戦するの?」
アスカ「最初は代表戦に決まってるじゃない!」
シンジ「ドイツ対日本か~、勝てる気しないよ…………」
アスカ「フフフ、私のドイツ代表は最強だから見てなさいよ」
シンジ「アスカがどれくらい上手いかわかんないけど、僕もやりこんでるから意地を見せないと」
アスカ「(早くボコボコにして落ち込む顔が見たいわ~)」
シンジ「それじゃ、始めようか」
アスカ「フフ、あんたフォーメーションそのままなのね」
シンジ「まあね、そういうアスカは................!?」
アスカ「どうしたのバカシンジ?」ニヤニヤ
シンジ「なんだよ、このバルサのパクリフォーメーションは................4-3-3でCBはフンメルスとボア天狗、サイドはシュメルツァーとラーム、アンカーにシュバインシュタイガー、真ん中にミュラーとギュンドアン、最前列をゲッツェ、エジル、ロイスでSTにしてるじゃないか!!こんなの強すぎるよ!」
アスカ「そうよ!絶対に現実では無理でもウイイレだと最強になる、これが醍醐味なのよ!」
シンジ「アスカがそこまでするなんて思ってなかったよ」
アスカ「天才の私を舐めてもらっちゃ困るわね」
シンジ「そもそもドイツ代表はウイイレ2014だと強すぎるよ........................」
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
シンジ「そうだけどさぁ、全体的にもっさりしてるからなぁ日本代表の能力値.....................」
アスカ「愚図ってないでやるわよ!」
シンジ「分かったよ....................というかなんでそんなに寄ってくるんだよ」
アスカ「あ、あんたが不正しないかどうか見るためよ!!」
シンジ「そんなことしないよ...................(アスカの実力を見てみるか)」
試合中
シンジ「..........................5対1.......................」
アスカ「あ~、楽しかったわ~!!」
シンジ「チートすぎるよ」
アスカ「ま、私から1点奪えたのは褒めてやるわ」
シンジ「パスとドリブルの速さが違い過ぎるよ」
アスカ「男なんだから言い訳なんかするんじゃないわよ、しょうがないから次は好きなチーム同士で勝負してやってもいいわよ」
シンジ「わかったよ.............................(よしっ、僕のレアルでアスカを完膚なきまでに叩きのめしてやる)」
アスカ「私はもちろんバイエルンを使うわ!!!(バカシンジの実力は大した事なさそうだし、どのチームでも勝てそうだわ)」
シンジ「僕はレアル使うからね(どうせ馬鹿にしてるんだろうな)」ニヤニヤ
アスカ「ふんっ、日本人所属のチームが好きなんじゃなかったの?」
シンジ「今はゲームだから関係ないよ、アスカ」
アスカ「まあいいわ、あんたが銀河系使おうがたかが知れてるわ。どうせクリロナとベイルに頼るクソサッカーするんでしょ」
シンジ「勝手に言ってればいいよ」
アスカ「さ、やるわよ!!」
シンジ「うん」
アスカ「ん?あんただってレアルの布陣バルサのパクッてるじゃない」チラチラ
シンジ「まあね、こうした方が強いんだ(CMFになってるモドリッチとディマリアをOMFにした4-1-2-3の僕のチートチームさ)」
アスカ「ま、そんな小細工私には通用しないけどね」
シンジ「よーし頑張るぞ~(虐殺ショーの始まりだぁ)」
試合中
ジョンカビラ「ゴーーーーーーール、クリスティアーノ・ロナウド~!!」
アスカ「チッ、バカシンジのくせに!!!」
シンジ「あはは...................」
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーール!!!」
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーール!!!!これでハットトリック!!」
アスカ「........................................」カチャカチャ
ジョンカビラ「ゴーーーーーーーーーーーーーール!!」「ゴーーーーール!!」........................
ジョンカビラ「ここで試合終了~!!!7対0!!!いや~北澤さん、大差がついた試合になってしまいましたね~」
シンジ「いや~楽しかったよ!(あ、やばい、泣きそうになってる)」
アスカ「..........................あんたさっき手加減してたわけ?...........................」グスッ
シンジ「て、手加減なんてしてないよ、今回はすごい調子が良かったていうかなんていうか....................................」
アスカ「嘘つきっ!もうバカシンジなんて知らないっ!」ダッ
シンジ「あ、待ってアスカ!」
バンッ
シンジ「やっちゃったよ........................謝ろう」
トントン
シンジ「アスカ~」
アスカ「うるさい!」
シンジ「入るよ」ガラ
アスカ「何勝手に入ってんのよ!変態!痴漢!!」
シンジ「わ、悪かったよ」
アスカ「私を笑いに来たわけ?」
シンジ「違うよ、手加減してたこと謝ろうと思って」
アスカ「やっぱりしてたんじゃない!最低ッ」
シンジ「ごめんよ」
アスカ「早く出てきなさいよ」
シンジ「アスカ、今日のブンデスの試合一緒に見ようよ」
アスカ「いや」
シンジ「アイス買ってくるから」
アスカ「...................................」
>>15 確かにそうですね!でもここでは一応2014ってことになってるんでご勘弁を
シンジ「アスカがサッカー好きだって知って嬉しかったんだ」
アスカ「..........................................」
シンジ「もうゲームのことは忘れて一緒に見ようよ」
アスカ「.........................ハーゲンダッツ」
シンジ「え?」
アスカ「ハーゲンダッツ買ってきなさいよ..........................」
シンジ「あ、ありがとうアスカ、すぐに買ってくるね!」ダッ
ガチャ
アスカ「..........................バカ.................」
~夜~
シンジ「アスカ~、そろそろ始まるよ~」
アスカ「分かってるっての、そんなことより早くハーゲンダッツ持ってきなさいよ!」
シンジ「はいはい」
アスカ「ほんとにとろいんだからぁ」
シンジ「お、始まった......................そんなに寄ってこなくても」
アスカ「見えづらいんだからいいでしょ!いちいちうるさいわねぇ」
ガチャ
ミサト「ただいま~、ってさすがに寝てるか」
ミサト「ん?シンちゃんの部屋から何か聞こえる」
ガラ
ミサト「シンちゃんまだ寝てなかったの?」
シンジ・アスカ「!?」ビクッ
ミサト「これはどういうことかしら~」ニヤニヤ
シンジ「サ、サッカーを観てるんですよ」
アスカ「そうよ!サッカー観戦!!!」
ミサト「サッカーなんて興味あったのね、意外だわ。それにしても二人で観てるなんてねぇ」
シンジ「えぇ、まぁ、今日色々あって」
アスカ「もうその話はいいっての」
シンジ「う、うん」
ミサト「まぁ、いいわ。それに、パイロット同士が仲良くなるのはいいことだしね」
シンジ「はい」
ミサト「そんじゃ、邪魔者は退散しなくちゃね!二人とも明日の朝ちゃんと起るのよ」
アスカ「言われなくても分かってるっての!!!」
シンジ「おやすみなさい、ミサトさん」
ガラ
アスカ「ミサトはいつもうるさいわねぇ」
シンジ「あはは」
アスカ「あ、ゴール決まった」
シンジ「おぉ!半端ないゴールだね」
アスカ「えぇ、半端ないわね」
~完~
読んでくれた方、ありがとうございます
アスカと一緒にサッカー見たいよぉ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473422075/
前書いたやつでです
興味があれば読んでください
本当にヤバいのは原口
つか昨日の試合見て書いたろw
アスカ「日本代表だって過去最高レベルに強いじゃないウイイレだと」
現実でも歴代最強だろ!W杯で一番結果出した岡ちゃんもそう言ってるんだから間違いない!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474888566/
Entry ⇒ 2016.09.30 | Category ⇒ 新世紀エヴァンゲリオン | Comments (0)