桜trick 春香「今日は何の日?」 優「プキッツの日!!」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:13:55.57 ID:ZNgLK4ae0
春香(今日は11月11日、そうプキッツの日)
春香(ということで放課後、優ちゃんと2人きりでプキッツパーティーをすることになりました」
春香(今はその買い出しです)
優「これでよし」ドバドバ
春香「って優ちゃん!?何個買うの!?」シカモゼンブサラダアジ
優「え?11月11日だから11個だけど……」
春香「多すぎだよ、もーっ!!」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:15:12.25 ID:ZNgLK4ae0
春香「たくさん買うならもっとバリエーションあってもいいと思うけど……」
優「春香、忘れたの?私は何が出ようとサラダ味……!?」ハッ
優「抹茶、プキッツ……」
優「……」プルプル
春香(サラダ味一筋と言った手前抹茶味のプキッツを発見して悶える優ちゃんも可愛い)///
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:16:56.80 ID:ZNgLK4ae0
店員「お買い上げありがとうございました」
春香「結局11個も買ったけど、これ今日全部食べるの?」
優「ううん、食べないよ」
春香「え?じゃあどうして買ったの?」
優「決まってるじゃん、保存用だよ」
春香(だから抹茶10個も買ったのね……)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:17:48.13 ID:ZNgLK4ae0
園田家
優「さあ、早速食べるよ」
春香「おー」
優「さて、食べるのは……っと」ゴソゴソ
サラダ1 抹茶1
優「残りは保存っと」
春香(9個も保存するんだ……)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:18:44.68 ID:ZNgLK4ae0
春香・優「いっただっきまーす」
春香「ん~おいしい~」
優「この抹茶味、なかなかだね」
春香「あれ?優ちゃん、プキッツはサラダ味派じゃなかったの?」
優「うっ……」
優「お、美味しければいいの!!」
春香(意地を張る優ちゃんもなかなか)///
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:19:22.94 ID:ZNgLK4ae0
優「じゃあ、食べてみたらどうなのさ」スッ
春香「え?いいの?」
優「いいよ」
春香(優ちゃんの食べかけ、優ちゃんの食べかけ……)
パクッ
優「うわああああ、春香指、指!!」タベテル
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:20:14.44 ID:ZNgLK4ae0
優「もう、春香ったら」プンスコ
春香「だって、優ちゃんと一緒に食べれば美味しくなると思って~」
優「何言ってるのさ」///
春香「でも、美味しかったよ~」キャ-
優「……」///
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:20:56.45 ID:ZNgLK4ae0
優「春香……」
春香「ん?どうしたの?」
優「私も春香と一緒に食べたい……」///
優「だから……」
優「これを咥えてて」
春香「……うん」///
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:28:41.25 ID:ZNgLK4ae0
パキッ パキッ パキッ
春香(優ちゃんがどんどん近づいてくる……)
パキッ パキッ パキッ
優「ん、んぅ……」///
春香「ん、んぅ……」///
ちゅっ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:29:19.83 ID:ZNgLK4ae0
優「うん、確かに春香と一緒ならいつもより美味しいかも」///
春香「優ちゃん……」
優「じゃあ、今度は春香から……」
春香「ううん、今度は2人で一緒に食べよう」
優「……うん」///
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:30:00.20 ID:ZNgLK4ae0
春香(最初は遠いけど……)///
パキッ パキッ パキッ
春香(どんどん優ちゃんに近づいていく……)///
パキッ パキッ パキッ
春香(いつもはすぐにキスしちゃうから分からなかったけど……)///
パキッ パキッ パキッ
春香(このドキドキ感がたまらない……)///
春香「ん、んぅ……」///
優「ん、んぅ……」///
ちゅっ
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:30:46.27 ID:ZNgLK4ae0
優「春香……」
春香「なに?優ちゃん」
優「私、ポキッツよりもおいしいもの見つけた」
春香「おいしいもの?」
優「それはね……」スッ
春香「ん!?」
優「ん、んぅ……」
ちゅっ
優「春香だよ」///
春香「優ちゃん……」///
その後、2人は日が暮れるまでキスをしたのは言うまでもない
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:31:58.81 ID:ZNgLK4ae0
本編はここで終了です 短いですがお付き合いありがとうございました
プキッツじゃなくてポキッツでした 申し訳ありません
おまけもありますので是非と言う方はご覧ください
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:33:06.56 ID:ZNgLK4ae0
おまけ コトネ&しずくver
コトネ「しずくちゃん」
しずく「なに?」
コトネ「今日は何の日か知ってる?」
しずく「今日?ああ、ポキッツの日……」
コトネ「そうそう、だから……ほれほれ」ブスッ
しずく「んんん~」ワチャワチャ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:33:43.55 ID:ZNgLK4ae0
しずく「コトネいきなり……」
コトネ「はーい、しずくちゃん今から手使うの禁止」
しずく「んな!?」
コトネ「ふふーん」
コトネ「今からゲームをします」
しずく「ゲーム?」
コトネ「しずくちゃん、今口で咥えてるポキッツを手を使わないで食べてね~」
しずく「え?」
コトネ「んで、私は反対側から食べてくから」
しずく「え?ちょっ……」
コトネ「それじゃあ、スタート」パクッ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:34:28.40 ID:ZNgLK4ae0
しずく(コトネのやつ、いきなりなんでこんなゲームなんかを……)
パキッ パキッ パキッ
しずく(……あれ?ちょっと待って、これって最終的に……!!?)///
コトネ(しずくちゃん、今さら気づいたか~)
パキッ パキッ パキッ
しずく「ん、んぅ……」
コトネ「ん、んぅ……」
ちゅっ
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:35:07.71 ID:ZNgLK4ae0
コトネ「ゲームクリア」
しずく「コトネ……まさかこれがやりたくて……?」
コトネ「うん、そうだけど?」
しずく「……」
しずく「ねえ、コトネ」
コトネ「ん?どうしたの?」
しずく「これ、もっとやりたい」///
コトネ「え!?」
しずく「だから……お願い……」///
コトネ「……うん」///
その後、何回もポキッツゲームが続いたのは言うまでもない
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:36:07.92 ID:ZNgLK4ae0
これにて終了です ここまでお付き合いいただきありがとうございました
感想等々ありましたら是非コメントしてください
また、どこかでお会いしましょう
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:47:36.31 ID:G3xASBm7O
乙
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/12(土) 00:55:32.83 ID:ZZx5y0RDO
おつ
みかんさんも百合に目覚めますように
みかんさんも百合に目覚めますように
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1478877235/
Entry ⇒ 2016.11.16 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
宥「みんなに進路の相談をする」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:48:07.26 ID:xe9sTUU0o
※短いです
宥『麻雀のプロ? 私なんかが……?』
菫『ああ。宥はインターハイを征した阿知賀女子の次鋒として活躍し、インカレでも好成績を残しているんだ。当然、スカウトも来るさ』
宥『大学のみんなには? 菫ちゃんは?』
菫『私にも当然プロ入りのオファーは来ている。宥と同じところからも』
宥『そうなんだあ……』
菫『幸い、就活の前倒しやその他の事情でまだ時間はある。これから入る冬休みで家族のところに戻って、ゆっくり考えるといい』
宥『うん。菫ちゃん、いつもありがとね』ニッコリ
菫『気にするな。宥の役に立てるのなら私は嬉しい』
宥『麻雀のプロ? 私なんかが……?』
菫『ああ。宥はインターハイを征した阿知賀女子の次鋒として活躍し、インカレでも好成績を残しているんだ。当然、スカウトも来るさ』
宥『大学のみんなには? 菫ちゃんは?』
菫『私にも当然プロ入りのオファーは来ている。宥と同じところからも』
宥『そうなんだあ……』
菫『幸い、就活の前倒しやその他の事情でまだ時間はある。これから入る冬休みで家族のところに戻って、ゆっくり考えるといい』
宥『うん。菫ちゃん、いつもありがとね』ニッコリ
菫『気にするな。宥の役に立てるのなら私は嬉しい』
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:48:36.49 ID:lKbyM/mOo
鷺森レーン
宥(……ということがあってからはや数ヶ月。大学三年目の冬休みに入って、私は今東京の大学から地元の阿知賀に帰っています)
宥(旅館の仕事場を覗いてみたら、玄ちゃんがせわしなく働いていました。私は基本的にボイラー室での手伝いしかしていなかったので、少し引け目を感じます)
宥(そういえば、穏乃ちゃんも実家を継ぐために修行をしてるとか)
灼「お待たせ宥さん」
宥「あ、灼ちゃん。休憩、取らせてもらえたんだ。ごめんねえ、ボーリングも書き入れ時なのに」
灼「別に……。ところで、話って?」
宥(……ということがあってからはや数ヶ月。大学三年目の冬休みに入って、私は今東京の大学から地元の阿知賀に帰っています)
宥(旅館の仕事場を覗いてみたら、玄ちゃんがせわしなく働いていました。私は基本的にボイラー室での手伝いしかしていなかったので、少し引け目を感じます)
宥(そういえば、穏乃ちゃんも実家を継ぐために修行をしてるとか)
灼「お待たせ宥さん」
宥「あ、灼ちゃん。休憩、取らせてもらえたんだ。ごめんねえ、ボーリングも書き入れ時なのに」
灼「別に……。ところで、話って?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:51:15.66 ID:cNG7dAwco
宥「麻雀のプロのことなんだけど……」
灼「ん……」ピクッ
宥「赤土さん、調子いいみたいだねえ。プロになってからあっという間にトップランカーだもん」
灼「でもまだ一位じゃない。ハルちゃんにはもっと頑張ってほし……」
宥「私達の監督をやってた時も、まだ手加減してたのかな? 赤土さんは凄いねえ」
灼「当然。私のハルちゃんは十二次元宇宙で最強の雀士」フンス
灼「ん……」ピクッ
宥「赤土さん、調子いいみたいだねえ。プロになってからあっという間にトップランカーだもん」
灼「でもまだ一位じゃない。ハルちゃんにはもっと頑張ってほし……」
宥「私達の監督をやってた時も、まだ手加減してたのかな? 赤土さんは凄いねえ」
灼「当然。私のハルちゃんは十二次元宇宙で最強の雀士」フンス
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:54:48.97 ID:cNG7dAwco
灼「悪質な大会では八百長の持ち掛けもあるらし……。イカサマも。でもハルちゃんはそんな卑怯な手合いには屈しない。正義の味方」
宥「へえ……。プロではそんなこともあるんだ。あったかくないね」
灼「かっこいい。何度も惚れ直した。ハルちゃん最高」
宥「灼ちゃんにはプロからの誘いはないの?」
灼「インハイで優勝してから何度も。煩わし……」
宥「へえ……。プロではそんなこともあるんだ。あったかくないね」
灼「かっこいい。何度も惚れ直した。ハルちゃん最高」
宥「灼ちゃんにはプロからの誘いはないの?」
灼「インハイで優勝してから何度も。煩わし……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 01:59:03.44 ID:cNG7dAwco
宥「灼ちゃんはプロにはならないの? 教育学部に通ってるんだよね?」
灼「絶賛迷い中。ハルちゃんを追ってプロになるか、実家を継ぐか、ハルちゃんを追って教師になるか」
宥「そうなんだあ」
灼「でも、どうなってもハルちゃんの隣に永久就職するつもりだから、どうでもい……」
宥「永久就職!? それって……」
灼「鷺森レーンは山中教授を応援しています」
宥「あわわ……」
灼「絶賛迷い中。ハルちゃんを追ってプロになるか、実家を継ぐか、ハルちゃんを追って教師になるか」
宥「そうなんだあ」
灼「でも、どうなってもハルちゃんの隣に永久就職するつもりだから、どうでもい……」
宥「永久就職!? それって……」
灼「鷺森レーンは山中教授を応援しています」
宥「あわわ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:02:52.92 ID:cNG7dAwco
灼「宥さんは、進路のことで悩んでるとか……?」
宥「……灼ちゃん、どうしてわかったの?」
灼「話題の振り方があからさま過ぎ。目も泳いでるし、分からない人の方が少ないと思……」
宥「菫ちゃんに誘われたの。プロにならないかって」
灼「私は力になれないと思……。穏乃なら」
宥「穏乃ちゃんかあ……。実家の和菓子屋さんにいるかな?」
灼「そうだと思……」
宥「そっか。灼ちゃん、ありがとねえ」ペッコリン
宥「……灼ちゃん、どうしてわかったの?」
灼「話題の振り方があからさま過ぎ。目も泳いでるし、分からない人の方が少ないと思……」
宥「菫ちゃんに誘われたの。プロにならないかって」
灼「私は力になれないと思……。穏乃なら」
宥「穏乃ちゃんかあ……。実家の和菓子屋さんにいるかな?」
灼「そうだと思……」
宥「そっか。灼ちゃん、ありがとねえ」ペッコリン
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:09:05.97 ID:cNG7dAwco
和菓子屋・高鴨家
「いらっしゃいませー。久しぶりですね、宥さん」
宥「今日は店番なんだね。お久しぶり、穏乃ちゃん」
穏乃「灼さんから連絡を貰って、店番にしてもらいました。今なら相談に乗れますよ。進路について悩んでいるんですよね?」
宥「うん。穏乃ちゃんは実家を継ぐって言っていたけど、どうしてそうしようと思ったのかなって」
穏乃「どうしてって言われても……そうですねえ」
「いらっしゃいませー。久しぶりですね、宥さん」
宥「今日は店番なんだね。お久しぶり、穏乃ちゃん」
穏乃「灼さんから連絡を貰って、店番にしてもらいました。今なら相談に乗れますよ。進路について悩んでいるんですよね?」
宥「うん。穏乃ちゃんは実家を継ぐって言っていたけど、どうしてそうしようと思ったのかなって」
穏乃「どうしてって言われても……そうですねえ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:14:29.80 ID:cNG7dAwco
穏乃「私にもプロ入りや大学の特待生のオファーはありました。インターハイで優勝した時だけでなく、ここを継ぐために修行している時にも」
宥「そういえば穏乃ちゃんも大学には行ってないんだったね。どうしてそうしたの?」
穏乃「まあ有り体に言えば、通う必要性を感じなかったってところですね。私はもう、最初から実家を継ぐと決めていたので」
宥「それはなんでかな?」
穏乃「私は阿知賀の山やお菓子作りが大好きで、それから離れるつもりはなかったんです。大学ってほら、勉強するためのところでしょう?」
宥「えっと……そうだねえ」
宥「そういえば穏乃ちゃんも大学には行ってないんだったね。どうしてそうしたの?」
穏乃「まあ有り体に言えば、通う必要性を感じなかったってところですね。私はもう、最初から実家を継ぐと決めていたので」
宥「それはなんでかな?」
穏乃「私は阿知賀の山やお菓子作りが大好きで、それから離れるつもりはなかったんです。大学ってほら、勉強するためのところでしょう?」
宥「えっと……そうだねえ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:20:17.14 ID:cNG7dAwco
穏乃「宥さんがプロに入るか迷っているというのは灼さんから聞いています。インターカレッジで優勝するところ、私も見てましたよ」
宥「そうなんだあ、少し恥ずかしいかも///」
穏乃「宥さんが気にしているのは、玄さんや実家のことですよね? そのことは家族と話し合って考えるしかないと思います」
宥「そうだよねえ……」
穏乃「でも実力的には、宥さんはプロ入りしても問題なくやっていけると思いますよ」
宥「そうかな……?」
穏乃「そうですよ! 自信を持ってください!」
宥「えへへ、ありがとね穏乃ちゃん」ペッコリン
宥「そうなんだあ、少し恥ずかしいかも///」
穏乃「宥さんが気にしているのは、玄さんや実家のことですよね? そのことは家族と話し合って考えるしかないと思います」
宥「そうだよねえ……」
穏乃「でも実力的には、宥さんはプロ入りしても問題なくやっていけると思いますよ」
宥「そうかな……?」
穏乃「そうですよ! 自信を持ってください!」
宥「えへへ、ありがとね穏乃ちゃん」ペッコリン
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:22:02.58 ID:cNG7dAwco
新子神社
宥「憧ちゃんはいないのかな……? 穏乃ゃんは、今日はいるはずだって言っていたけど……」
憧「あたしならここにいるけど」
宥「わわっ!」ビクッ
憧「後ろから声をかけただけでそんなに驚かないでよ、宥姉。一年ぶりくらいかな?」
宥「憧ちゃんはいないのかな……? 穏乃ゃんは、今日はいるはずだって言っていたけど……」
憧「あたしならここにいるけど」
宥「わわっ!」ビクッ
憧「後ろから声をかけただけでそんなに驚かないでよ、宥姉。一年ぶりくらいかな?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:23:16.55 ID:cNG7dAwco
宥「ほんとに久しぶりだねえ、憧ちゃん」
憧「穏乃から電話で聞いたわ。進路のことで迷ってるって」
宥「うん、そうなの。穏乃ちゃん、凄く私のこと励ましてくれて嬉しかったなあ」
憧「あ、そう? ならあたしからも幾つか言わせてもらうわね」
憧「穏乃から電話で聞いたわ。進路のことで迷ってるって」
宥「うん、そうなの。穏乃ちゃん、凄く私のこと励ましてくれて嬉しかったなあ」
憧「あ、そう? ならあたしからも幾つか言わせてもらうわね」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:29:31.89 ID:cNG7dAwco
憧「宥姉がいない間、玄がどうやって過ごしていたか知ってる?」
宥「玄ちゃんからのお手紙には、松実館で本格的にお仕事を引き継ぐための練習をしてる、って書いてあったよ?」
憧「それ以外よ。仕事をしていない時、玄がどうやって過ごしていたかってコト」
宥「え? えっと……」
憧「わからない? 宥姉が東京に行ってからの玄は、寂しさのために時々泣いているって女将さんから聞いたわ」
宥「寂しくて泣いてる……?」
宥「玄ちゃんからのお手紙には、松実館で本格的にお仕事を引き継ぐための練習をしてる、って書いてあったよ?」
憧「それ以外よ。仕事をしていない時、玄がどうやって過ごしていたかってコト」
宥「え? えっと……」
憧「わからない? 宥姉が東京に行ってからの玄は、寂しさのために時々泣いているって女将さんから聞いたわ」
宥「寂しくて泣いてる……?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:34:51.28 ID:cNG7dAwco
憧「そう。鍵をかけた自室でね。別におかしなことでもないでしょ? 玄はしっかりしていても精神的にはあまり強くないから」
宥「うん……。玄ちゃん、お母さんのこともまだ……」
憧「それを知っていながら、宥姉は向こうの大学で麻雀三昧。いい御身分ね」
宥「えっ?」
憧「この前の夏休み、麻雀の特訓のために一度もこっちには帰らなかったでしょ。その時に玄がどうだったか、宥姉は知らないよね?」
宥「でも、そのことを玄ちゃんに謝ったらしょうがないって……」
憧「あの馬鹿が素直に言うと思う? 宥姉に心配かけないようにするに決まってる」
宥「うん……。玄ちゃん、お母さんのこともまだ……」
憧「それを知っていながら、宥姉は向こうの大学で麻雀三昧。いい御身分ね」
宥「えっ?」
憧「この前の夏休み、麻雀の特訓のために一度もこっちには帰らなかったでしょ。その時に玄がどうだったか、宥姉は知らないよね?」
宥「でも、そのことを玄ちゃんに謝ったらしょうがないって……」
憧「あの馬鹿が素直に言うと思う? 宥姉に心配かけないようにするに決まってる」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:37:33.58 ID:cNG7dAwco
憧「宥姉は玄のこと、どう思ってるの? 大事にしてる?」
宥「もちろん玄ちゃんのことは大切だよぉ! メールも手紙も、しょっちゅうしてるもん」
憧「でも麻雀のためと言って玄を泣かせてしまった。大事な妹を悲しませてまで麻雀に夢中になっていたんだ。それっておかしくないかな」
宥「あっ……」
憧「あたしには耐えられない。自分の趣味のためなんかに大事な人を、あたしの場合ならしずを悲しませるなんて」
宥「でも、玄ちゃんは……」
宥「もちろん玄ちゃんのことは大切だよぉ! メールも手紙も、しょっちゅうしてるもん」
憧「でも麻雀のためと言って玄を泣かせてしまった。大事な妹を悲しませてまで麻雀に夢中になっていたんだ。それっておかしくないかな」
宥「あっ……」
憧「あたしには耐えられない。自分の趣味のためなんかに大事な人を、あたしの場合ならしずを悲しませるなんて」
宥「でも、玄ちゃんは……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:44:03.04 ID:cNG7dAwco
憧「あたしやしず、灼さんはこまめに玄のところへ足を運んだ。でも玄にとって一番必要なのはあたし達じゃない。宥姉なの。わかるわよね?」
宥「…………」
憧「なにもあたしは、これからの人生全てを投げ捨てて玄と一緒にいろなんてことを言うつもりはない。姉妹とはいってもいつか離ればなれになる日は来る。
それに玄は旅館の跡取りだから、いつか婿を取らなきゃいけなくなるでしょうね。実家のことを玄に任せるってことは、玄から自由を奪い取るってことでもある。その覚悟は? 黒と十分に話し合ったの?」
宥「それは……まだ、です」
「やめるのです憧ちゃん!」
宥「…………」
憧「なにもあたしは、これからの人生全てを投げ捨てて玄と一緒にいろなんてことを言うつもりはない。姉妹とはいってもいつか離ればなれになる日は来る。
それに玄は旅館の跡取りだから、いつか婿を取らなきゃいけなくなるでしょうね。実家のことを玄に任せるってことは、玄から自由を奪い取るってことでもある。その覚悟は? 黒と十分に話し合ったの?」
宥「それは……まだ、です」
「やめるのです憧ちゃん!」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:45:30.16 ID:cNG7dAwco
玄「あまりおねーちゃんをいじめすぎないように!」
宥「くろちゃ……」
憧「玄……」
玄「えっと……憧ちゃん、ありがとう」
憧「は? 何お礼なんてしてるのよ。あたしは宥姉のことをボロクソに言ったのに」
玄「憧ちゃんの言葉の節々から、私のことを大切に思っているのが伝わってきたよ。だからそのお礼」
憧「別に……。そう思いたいなら、そうすれば?」
玄「憧ちゃんはツンデレさんだねえ。顔が真っ赤だよ」
憧「ふん」カァァッ
宥「くろちゃ……」
憧「玄……」
玄「えっと……憧ちゃん、ありがとう」
憧「は? 何お礼なんてしてるのよ。あたしは宥姉のことをボロクソに言ったのに」
玄「憧ちゃんの言葉の節々から、私のことを大切に思っているのが伝わってきたよ。だからそのお礼」
憧「別に……。そう思いたいなら、そうすれば?」
玄「憧ちゃんはツンデレさんだねえ。顔が真っ赤だよ」
憧「ふん」カァァッ
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:47:46.82 ID:cNG7dAwco
玄「えっと……おねーちゃん。さっき憧ちゃんが言っていたことなんだけど……」
憧「あたしはここにいない方がいいみたいね。奥の方の掃き掃除でもしてくるわ」スタコラサッサ
玄「あ、また初もうでの時にね憧ちゃん! ……ゴホン、では話を続けるのです」
宥「うん」
玄「おねーちゃんが帰ってこなかった時に凄く寂しい思いをしたっていうのは本当。その……松実家の跡取りになるにあたって、いつかお見合いすることになるかもっていうのも」
宥「そうなんだ……。ごめんね、玄ちゃん。私、旅館のことに全然詳しくなくって……」
玄「ううん、気にしないでお姉ちゃん。鍵をかけた部屋、独りぼっちで泣いてたってのも本当だけど……そんな大きな声で泣いたつもりはないのに。恥ずかしいのです……」
憧「あたしはここにいない方がいいみたいね。奥の方の掃き掃除でもしてくるわ」スタコラサッサ
玄「あ、また初もうでの時にね憧ちゃん! ……ゴホン、では話を続けるのです」
宥「うん」
玄「おねーちゃんが帰ってこなかった時に凄く寂しい思いをしたっていうのは本当。その……松実家の跡取りになるにあたって、いつかお見合いすることになるかもっていうのも」
宥「そうなんだ……。ごめんね、玄ちゃん。私、旅館のことに全然詳しくなくって……」
玄「ううん、気にしないでお姉ちゃん。鍵をかけた部屋、独りぼっちで泣いてたってのも本当だけど……そんな大きな声で泣いたつもりはないのに。恥ずかしいのです……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:49:51.73 ID:cNG7dAwco
玄「だから、おねーちゃんには一つ罰を受けてもらいます!」
宥「罰?」
玄「これから大学を卒業するまで……それに、もしプロになった場合はそれからも。おねーちゃんが笑顔で映ってる写真を封筒に入れて送ってくること!」
宥「私の写真を送る? そんなことでいいの?」
玄「私はおねーちゃんの笑顔があれば、それだけで十分だから。仕事が辛くても、寂しくて泣きたくなっても、おねーちゃんの笑顔があれば頑張れる。そんな気がするのです!」
宥「玄ちゃん……」
宥「罰?」
玄「これから大学を卒業するまで……それに、もしプロになった場合はそれからも。おねーちゃんが笑顔で映ってる写真を封筒に入れて送ってくること!」
宥「私の写真を送る? そんなことでいいの?」
玄「私はおねーちゃんの笑顔があれば、それだけで十分だから。仕事が辛くても、寂しくて泣きたくなっても、おねーちゃんの笑顔があれば頑張れる。そんな気がするのです!」
宥「玄ちゃん……」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:53:50.16 ID:cNG7dAwco
玄「それと、あと言いたいことが一つ。もしお姉ちゃんがプロになっても、私はここにいるから。プロの世界のことは私にはまるで全然わかりません。
麻雀からしばらく離れてる私にはアドバイスも言えないし、力になれることも少ないと思う。
でも、何も言えなくても私はここにいるよ。ここにいて、おねーちゃんのことをずっと待ってる」
宥「……そっか。玄ちゃんが私の妹で、本当に良かった。私、心からそう思う」
玄「私も、おねーちゃんが私のおねーちゃんで本当に……あれ?」
宥「ふふっ。それじゃ玄ちゃん、おうちに帰ろう」
玄「はい! おねーちゃん、今日の晩御飯は、おねーちゃんが食べたいものを作るからね!」
カンッ
阿知賀女子ってみんな可愛くて最高です
麻雀からしばらく離れてる私にはアドバイスも言えないし、力になれることも少ないと思う。
でも、何も言えなくても私はここにいるよ。ここにいて、おねーちゃんのことをずっと待ってる」
宥「……そっか。玄ちゃんが私の妹で、本当に良かった。私、心からそう思う」
玄「私も、おねーちゃんが私のおねーちゃんで本当に……あれ?」
宥「ふふっ。それじゃ玄ちゃん、おうちに帰ろう」
玄「はい! おねーちゃん、今日の晩御飯は、おねーちゃんが食べたいものを作るからね!」
カンッ
阿知賀女子ってみんな可愛くて最高です
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 02:56:55.46 ID:Pb2LNhwlO
乙です
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 03:01:26.52 ID:TDU95hnIO
乙
もう菫さん敗北ルートでいいよ
もう菫さん敗北ルートでいいよ
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/04(日) 03:04:13.89 ID:LhC0DVtPo
乙
玄チャーマジ天使
玄チャーマジ天使
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420303686/
Entry ⇒ 2015.09.26 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
咲「中学……麻雀部に入ろうかな」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 02:52:23.12 ID:sL8Ga9QP0
麻雀描写は適当
明日から私も中学生。
新しい門出を前に憂鬱な気分が少し晴れ、いつになく昂揚していた。
お気に入りのチェストの前に立ち、握り拳を一つ。角に掛けた明日から着る事になる制服を眺めて一人ごちる。
咲「いつまでもうじうじしてたってしょうがないよね。……私も、変わらないと」
咲「中学には部活動っていうのがあるんだよね。入ってみようかな」
明日から私も中学生。
新しい門出を前に憂鬱な気分が少し晴れ、いつになく昂揚していた。
お気に入りのチェストの前に立ち、握り拳を一つ。角に掛けた明日から着る事になる制服を眺めて一人ごちる。
咲「いつまでもうじうじしてたってしょうがないよね。……私も、変わらないと」
咲「中学には部活動っていうのがあるんだよね。入ってみようかな」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 02:54:37.46 ID:sL8Ga9QP0
モブ「ソフトテニス部、部員募集中でーす! 見学からでもどうぞー」
モブ「バスケ部入りたい人こっちにおいでー!」
咲「うわ凄い熱気。用紙に希望書いてクラスで出すのかと思ったけど、勧誘が立つんだ」
咲「部活……文芸部かなぁ。あるといいんだけど」
目当ては決まっていた。大にぎわいの人込みの中きょろきょろと頼り無さげに視線を流す。
そうしていると、勧誘する部員に用意されたスペースで椅子に腰かける少女がいた。
『文芸部募集中』。簡素な宣伝文句だけ書かれた看板を持って無言で佇む女の子。
咲「な、何か物静かっていうか暗い……私も周りからああ見えるのかな?」
咲「まあいいや。それよりこの用紙を持ってあそこに行けばいいんだよね」
咲「見つかってよかったぁ……」
モブ「麻雀部、メンバー募集中! 体験もオッケー!」
咲「麻雀……あったんだ、ってあるよね。国民的な競技だし」
咲「……」
咲「やっぱり入るなら文芸部、かな」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 02:55:49.61 ID:sL8Ga9QP0
教室
クラスメイト「ねえねえ、宮永さんは麻雀部入らないの?」
咲「え? うん、私は文芸部に入るつもりで……」
クラスメイト「えー! 文芸部とか超つまんなそうじゃん」
クラスメイト「今皆で麻雀部見学行ってみようって話してたんだ。よかったら宮永さんも来なよ」
咲「……私、麻雀って苦手で。文芸部にしとくよ」
咲「誘ってくれてありが……」
クラスメイト「え、経験者なの!」
クラスメイト「だったらわたし達に教えてよー」
咲「でも文芸部の人にもう用紙出しちゃったし」
クラスメイト「体験だけ! 体験についてきてくれるだけでいいから!」
麻雀部 部室前
クラスメイト「楽しみだねー」
咲「結局断りきれなかった……」
先輩「あなた達体験の子よね。もうすぐ始めるから入ってきて」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 02:57:50.11 ID:sL8Ga9QP0
先輩「試しに打ってみましょうか。それぞれの卓に上級生がつくから空いてるところに自由に。分からない事があったら教えるから気楽にやってね」
クラスメイト「お、早速だ。楽しみ」
クラスメイト「宮永さんどこ入る?」
咲「うん、まあ適当に……」
咲「ツモ。800、1600です」
部員「はい。これで半荘終わりだね。もう一回打つ?」
咲「いえ、今日はここまでにしときます。ありがとうございました」
クラスメイト「お疲れ様ー宮永さん、こっちも終わったよ」
咲「お疲れ様。どうだった?」
クラスメイト「もーボコボコ。役とか分かんないし覚えられる気しない」
咲「役覚えるの大変だよね」
別の部員「部長、どうです? いい子いました?」
部長「これといって。これからに期待かな」
部員「ざっと牌譜見た感じそうですね」
部員「あ、さっきの子収支ちょうどプラマイゼロだ」
部長「ある意味運がいいな」
クラスメイト「あれ宮永さんの事じゃない?」
咲「あはは、そうかも……」
クラスメイト「でも残念、文芸部に入るんだよね」
咲「そうだね。失礼かもしれないけど、最初から体験だけのつもりだったし」
クラスメイト「決意は固いかー。まあ違う部活でも同じクラスのよしみでよろしくね」
別のクラスメイト「うわわわ、倍満とかいうの上がった! ちょっと来て来て!」
クラスメイト「え! よく分かんないけど凄いじゃん、見せて見せて!」
クラスメイト「それじゃ、また」
咲「……」
(固い決意、かぁ……本当にそうなのかな)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 02:59:23.22 ID:sL8Ga9QP0
文芸部
部員「えーと、宮永咲ちゃんでいいんだよね。よろしく」
咲「はい。これからよろしくお願いします」
部長「まあそんなに本格的じゃないから肩肘張らずに。本好きが集まって、自由に雑談する感じで」
部員「本当に何もしてないとお咎め喰らっちゃうからたまに共同で文集作ったりするけどね」
部員「あ、宮永さんは好きな本とかある?」
咲「はっ、はい……そうですね、ーーーーをよく読みます」
部員「ああ! その本書いた人の作品幾つか読んだ事ある」
咲「あまり一般受けしない作風なんですが……何処か親しみ深くて」
部長「不思議な雰囲気の話が多いね」
咲「はい、特に心が移り変わる過程を繊細に描き出す力に惹き込まれてしまいます」
部長「話以前に技術の高さか。それにーーーー」
部員「あとーーーー」
咲「ふう、楽しかったぁ。こんな風に本の事で話せる人今までいなかったから新鮮だなぁ」
(他の人と意見を交わして、新しい解釈を見つける事が、楽しい)
(新しい自分を見つけた様な気がして、世界が広がっていくみたいな)
(……お姉ちゃんも、そんな楽しさを見つけてたのかな)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:03:53.36 ID:sL8Ga9QP0
クラスメイト「宮永さん、文芸部の方はどう?」
放課後。今さっき授業が終わって、自席で帰る支度をしていた咲に声がかかる。
鞄に教科書を詰める手を止め顔を上げてみると、右隣に少女が立っていた。確かクラスメイト。
おぼろ気な記憶が呼び覚まされる。麻雀部体験に付き合ったあの日、一緒にいたクラスメイトの一人だ。
咲「楽しいよ。まだ三ヶ月くらいだけど、先輩達がフレンドリーで話も合うし」
クラスメイト「そっかー……」
奇妙な反応だった。
溶け込めてよかったね、と言外に嬉しそうにする反面、残念そうな。
何か当てが外れたみたいだ。
クラスメイトの変調を、咲は耳聡く聞きつけていた。
咲「何かあった?」
クラスメイト「えっ、と……実はね、練習で打つ相手に困ってて」
咲「打つ相手に困る、って……あれだけ入る人がいて、先輩もいるんだよね?」
クラスメイト「……先輩の人数が少ない事、気づいてた?」
咲「え? ……そういえば」
クラスメイト「先輩達が一年の時もわたしらと同じくらいは新入部員がいたんだって。……うちの麻雀部って、割と強豪みたいでさ」
咲「それって……」
クラスメイト「ま、まあ、そんな訳で、宮永さんが文芸部にあまり溶け込めてないんだったら、引き抜きに、ね?」
咲「……」
クラスメイト「気にしないで! 望んで入った皆だって嫌になってやめちゃったし! 軽々しく誘っちゃってごめんね?」
よく考えてみると彼女は一人だった。
あのとき麻雀部に入ったクラスメイトは他に何人もいたのに。その人達と目の前の彼女が接しているのを、咲はあまり見かけていない。
その人達とは縁が切れちゃったんだ。それでもこの子は麻雀を続けてる。
目の前で話すクラスメイトが咲には少しまぶしく思えた。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:07:54.72 ID:sL8Ga9QP0
咲「麻雀って、楽しい……?」
クラスメイト「え?」
咲「あっ、ご、ごめん変な事聞いて。あのっ……忘れて!」
クラスメイト「……楽しいよ」
クラスメイト「人それぞれ違うだろうし、嫌になっちゃう事もあるんだろうけど」
クラスメイト「先輩達にボコボコにやられて……あ、体験のときはかなり手加減してくれてたみたいでね?」
クラスメイト「最初とは比にならないくらいボッコボコになって、やめたくなっちゃう事もあったけど……」
クラスメイト「やっぱりわたし、麻雀が好き! もっともっと上手くなりたいって思うんだ!」
今度こそ咲は衝撃を受けた。電撃が走り、呼吸を忘れていた。
咲「れ……」
我に返り、彼女の屈託のない笑顔とその言葉の意味を噛みしめたとき、咲の口は自然と動いていた。
咲「練習で打つ相手って……数合わせみたいなのでもいいの?」
クラスメイト「へ?」
咲「うちの学校って、部の掛け持ちは一応認められてるんだよね。それぞれの部の承諾があれば」
クラスメイト「宮永、さん……それって」
咲「部の人達が認めてくれるか分からないけど、練習相手の穴埋め要員って事でお願いすれば認めてくれないかなぁ?」
クラスメイト「分からないけど……掛け合ってみる!」
クラスメイト「宮永さん……ありがとう!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:11:00.88 ID:sL8Ga9QP0
麻雀部
部長「練習相手の穴埋め?」
咲「はい。クラスメイトちゃんの実力に見合った練習相手が必要だと思うんです」
部長「……確かに一年で残った部員は現時点で三人、また減るかもしれないし、上級生も一年のためだけにあまり人は割けない」
部長「となると、比較的実力の近い上級生を宛がう事になるが……そいつ自身も実力を磨くために別の相手を必要とする事もある」
部長「お前の申し出は正直ありがたいな。今はまだ一年の練習相手にはお前の方が適任だろう」
咲「クラスメイトちゃんの腕が上がっていけば、いずれは用済みになりますけど。それまでは」
咲「どうかお願いします」
頭を下げる咲に、しかし部長は難しい表情を崩さない。
部長「数合わせ、で入るとはいえ、部員は部員」
部長「うちの部員である以上、最低限の練習メニューはこなしてもらわなければならない」
頭を下げたまま咲は答えた。
咲「はい。分かってます」
部長「うちの練習は新入りの大半が音を上げて逃げ出すものだぞ。分かっているのか?」
押し黙る。自分には文芸部での活動もある。時間的な制約も、練習そのものに対する不安も、ある。
咲「……はい。全力で当たらせてもらいます」
しかし。咲の中には淡いながらも定まった気持ちがあった。
クラスメイトのーーあの子の力になりたい。麻雀をきっかけに人との縁が切れて、それでもひた向きに麻雀に向かい合おうとするあの子を。
応援したいと、思ってしまっていた。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:13:59.33 ID:sL8Ga9QP0
部員「部長、いいんじゃないですか? この子本気ですよ」
部長「うむ……まあ、規則に反しているわけじゃない。やらせてみるさ」
咲「っ、ありがとうございますっ!」
文芸部
部長「麻雀部と掛け持ちしたい?」
咲「はい……その、失礼な話かもしれませ」
部長「いいよー。いってらっしゃい」
部員「部長……軽すぎじゃないですか?」
部長「いいのいいの。うちの活動なんてあってないようなもんだからね。運動部と運動部ならともかく、うちとなら問題なし。そうでしょ?」
部員「うーん、それは……まあ」
部長「まっ、麻雀部の練習やるってなら運動部二つ分くらいのきつさかもしれないけどねー」
部員「咲ちゃん、頑張ってね。大変だったらすぐ戻っておいで」
咲「皆さん……」
暖かく送り出してくれる部員たちに咲の目は潤んでいた。最初に勧誘で見かけたあの日、ひどい事を思った自分を殴り飛ばしてやりたい。
いっぱいの嬉しさを胸に、咲はクラスメイトに報告するため、部室を飛び出した。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:15:55.45 ID:sL8Ga9QP0
麻雀部
クラスメイト「咲ちゃん、今日からよろしくね」
咲「うんっ、いっぱい楽しもうよ!」
クラスメイト「ありがとう……」
咲「えへへ」
咲「ツモ、1800、3600」
クラスメイト「ロン、11600」
部員「ツモ、1300オール」
咲「ロン、7700」
部員「ツモ、1500オール」
クラスメイト「ふう、今日もいっぱい打ったね」
咲「うん。連日こんなに打つのは久々かな」
クラスメイト「昔はよく打ってたの?」
咲「家族麻雀だけどね」
クラスメイト「へえー、点数計算とかも自分で?」
咲「……うん。きっちりしようって牌譜もとってたくらい」
クラスメイト「だから点数計算とか完璧なんだねー」
咲「点数計算はできるようになってきた?」
クラスメイト「アハハ……た、多少は」
咲「こつこつやっていけばすぐ慣れるよ。一緒に頑張ろう?」
クラスメイト「うん!」
部長「宮永、ちょっといいか?」
咲「あ、部長……何でしょう?」
部長「話がある。こっちに来てくれ」
クラスメイト「なんだろね? いってらっしゃーい」
咲「うん、いってくるね」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:19:27.82 ID:sL8Ga9QP0
別室
部長「宮永……わざとやっているだろう」
そう言って部長は牌譜の束を手渡してきた。
何が言いたいのかは、分かっていた。
別室に入って向こう厳めしい表情を和らげず、じっと咲を見つめる部長。
その目は嘘は許さないと言っていた。
部長「お前が入って一月、一月だ。毎日のように打って、その全てをプラマイゼロに収める。本気でそれを狙ってやっているというのか?」
咲「私が打つとこうなっちゃうんです」
部長「……信じがたいな」
眉間を押さえて呟く部長はどこか疲れた様子だった。
部長「牌譜をみて、お前と打たせてほしいという部員が多くいる。やってみてほしい」
咲「えっ、クラスメイトちゃんの練習相手は……」
部長「それはこちらで何とかする。頼めないか」
咲「……わかりました」
明くる日
部員「プラマイゼロ!?」
咲「……」
明くる日
部員「プラマイゼロ……本当に……」
咲「……」
明くる日
部員「プラマイ、ゼロ……こんなことが」
咲「……」
部長「これは本物だな……」
部員「これは凄い武器ですよ部長! 彼女を団体戦のメンバーに加えれば、どんな相手にも失点をなくせるのでは?」
部長「……恐ろしい話だ」
部員「あの子がいれば、あの大阪の愛宕や江口といったエースを擁する学校にも、やり方次第で勝てますよ!」
部長「……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:21:30.66 ID:sL8Ga9QP0
部長「インターミドルの予選が近づいてきた。レギュラーの発表をする」
部長「先鋒ーー、次鋒ーー。中堅ーー。副将ーーーー」
部長「大将、宮永」
咲「……」
部長「宮永。うちは実力主義だ。エースのひしめくポジションだが、宮永以上に相応しい者を私は知らない」
部長「我々三年生も最後のインターミドルになる。やれることはやりたい。この選出を受け入れてくれ」
咲「……わかり、ました」
クラスメイト「咲ちゃん、レギュラーなんて凄いよ! しかも大将!」
咲は曖昧に笑った。
咲「特殊な打ち方が関心引いちゃったみたいだね」
クラスメイト「プラマイゼロかぁ……わたしにはどれくらい凄いか想像もつかないよ」
クラスメイト「でも……手加減してくれてたんだよね。ごめんね、やりにくいことさせちゃって」
咲「違うの。私にはこれが自然な打ち方だから……一番楽なの」
クラスメイト「そうなんだ……?」
クラスメイト「とにかく大会頑張ってね、精一杯応援するよ!」
『頑張りなさい咲。あなたの才能は素晴らしいものなのよ』
咲「うん。……頑張るね」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:23:45.43 ID:sL8Ga9QP0
部長「特打ちだ。大会に向けて調整していくぞ」
部員一同『はいっ!』
咲「私はいつも通りプラマイゼロでいいんですか?」
部長「ああ。相手はレギュラークラスの部員に限るが、やってみてくれ」
部員「ロン、11600です」
部員「ツモ、2600オール」
部員「ツモ、3200オール」
咲(……ちょっと、厳しいかな)
咲「カン。もいっこカン。嶺山開花」
部員「嶺山開花!?」
部員「珍しい役が出たわね」
咲(カンしないと厳しくなってきた。あんまりやりすぎるとまた悪目立ちしちゃう)
部員「……プラマイゼロ。一年でこれか。末恐ろしいわね」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:25:47.90 ID:sL8Ga9QP0
部長「宮永。変則的だが、今日は私と二人で頼む」
咲「三人じゃなくて……? わかりました、頑張ります」
咲「カン、ツモ。嶺山開花」
部長「ノミ手か。……宮永。今カンする前に高目をツモっていなかったか」
咲「え?」
部長「私もある程度は打てる方だ。今のは、高い手をツモられた気配がした」
部長「……見逃したのか?」
咲「そうしないとプラマイゼロにならない気がしたので」
部長がため息をつく。
喉の奥から絞り出す様な、重たいものだった。
部長「なぜそうまでしてプラマイゼロにこだわる? 勝とうと思えば勝てただろう」
咲「……勝ったり負けたりするのって、好きじゃないんです」
昔から。
昔から、咲には勝って達成感を覚えたり、負けて悔しいといった気持ちを抱く事がなかった。
部長「お前が勝つ気になれば負ける事はそうないだろう。と私は考えている。僅かな敗北も我慢ならない、のか?」
咲「負けるのはどうという事もありません」
かといってわざとマイナス収支になれば手を抜く事になる。
全力で勝ったとしたら他家が割りを食う。
相手と自分がそこそこに上がって、結果自分の点数を平らにするのが一番いいのだ。
プラマイゼロを目指す点に関して手抜きなんてなく、持てる力を注いでいるのだから。
そう思っていた。もっと小さかった頃は。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:28:12.24 ID:sL8Ga9QP0
咲「波を荒立てないように隠れていても、プラマイゼロを狙ってしていると知れたら、不快な思いをする人も出てくる」
咲「勝ったら睨まれる、負ければ手を抜いたと指摘される、プラマイゼロにしても……やっぱり誰かを不快にさせちゃうんだと思います」
咲「私は、どうしたらいいんでしょうか」
部長「人の事ばかりだな。自分がどうしたいとかはないのか」
咲「私は……」
『咲……あなたはまだ知らないだけなのよ』
『本当の勝利というものを。その味を』
咲「……わかりません。ただ、こんな調子でも麻雀を打っていたら少しは楽しいんです」
部長「宮永……」
沈黙のとばりが落ちる。
部長も、咲も、暫くのあいだ言葉を口にする事はなかった。
部長「私にはその悩みに対する答えはあげられそうにない。だが」
そこまで言って、躊躇う様に部長の唇が歪む。
部長「本当に打つのが辛くなったら、無理をして打たなくていい。と私は思う」
部長「ここは他の部員の目がない別室だ。思う事があるならまた呼んでくれ」
憂い顔の咲を残して部長は別室から出ていった。
咲「お姉ちゃん……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:30:37.89 ID:sL8Ga9QP0
部長「今日からインターミドルの予選が始まる。全力でぶつかっていけ。抑えるべきところは指示を出す」
部長「気合いを入れていくぞ!」
クラスメイト「二回戦が終わって全試合ほぼ完封。咲ちゃんもいつも通りプラマイゼロにできてるし完勝って感じだね!」
咲「うちの先輩たちほど強くないからそんなに難しくなかったよ」
クラスメイト「さすがー。咲ちゃんがいると安心して大将に回せるって先輩たちも話してたよ」
クラスメイト「わたしたちの分まで頼んだ!」
咲「あはは……」
(出られなかった人たちの思いも背負ってるんだよね)
(あんまり期待されちゃうと怖いな……)
三回戦、準決勝と順当に勝ち上がり、決勝戦に駒が進む。
咲の所属する中学はベスト4に残る事もめずらしくないらしく、試合の行方を見守る観客の反応はそこまで大きくなかったが、優勝に足をかけているだけあり部員たちの意気は軒昂していた。
部員「ここまで来たね」
部員「うん」
部員「優勝に王手、といいたいところだけど次が鬼門」
部員「強豪が集うここで競り負けてってことが多いけど……今年こそ!」
部員「全国、行きたいね」
部員「明日は勝つ!」
クラスメイト「咲ちゃん、緊張してる?」
咲「し、してる」
クラスメイト「……しないわけないよね。ただでさえ初大会なんだもん」
咲「……」
クラスメイト「咲ちゃん、ちょっといい? 話があるんだ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:33:32.92 ID:sL8Ga9QP0
クラスメイト「わたしね、本当は咲ちゃんに嫉妬してた」
クラスメイト「同じ一年生なのに、わたしとはどう比べたらいいかわからないくらい凄くて、あっさりレギュラーにも選ばれちゃった」
クラスメイト「少しずつ、少しずつ上手くなっていって、視界が広がっていくうちに、咲ちゃんのやってる事が途方もない積み重ねで成り立ってる事がわかってくる……」
クラスメイト「ショックだった。幾ら頑張っても咲ちゃんには永遠に追いつけないんじゃないかと思えて、やめちゃえば辛い練習もしなくて済むんじゃないかって」
咲ちゃんに追いつく事だけが麻雀の全てじゃないのにね、と自嘲気味に笑う。
咲は、胸が張り裂けそうだった。
不快にさせるのみならず、自分の麻雀が友達から麻雀を奪おうとしていた現実に何よりも恐怖した。
クラスメイト「一方的に話しちゃってごめんね」
これ以上咲には本心を隠したくなかった、と打ち明ける彼女。
そんな告白を咲は上のそらで聞いていた。
『咲っ! どうしてわざと負けたの!?』
『咲、あなた達姉妹の才能は凄まじいものよ。だから小さいうちから真剣な勝負をして勘を磨かなければいけないの』
『……家族麻雀は辛いか? 咲がやめたいと言うんなら俺から……』
色んな光景が脳裏を駆け巡って咲の心を締めつける。
目も耳も、働く事を拒む様に機能を停止する中、恐怖と後悔だけで意識が塗りつぶされていく。
やっぱり私は麻雀を打つべきじゃなかったんだ。
力になりたい、支えたいなんて思っておきながら、やったのは自分だけレギュラーに選ばれ、プラマイゼロで力の差を見せつけただけ。
あまつさえ、離れていた麻雀に触れる機会を得た事に懐かしんで、自分だけ楽しんで。
クラスメイト『咲ちゃん、昔はよく打ってたんだよね』
咲『うん。家族の中だけの麻雀だけど』
咲『嫌な事があって、やめちゃったんだ』
クラスメイト『麻雀が好きだったんだね』
クラスメイト『いや、きっと今でも』
咲『え?』
クラスメイト『牌に触れてる咲ちゃん、時々うっすら笑ってるよ』
クラスメイト『そんなときの咲ちゃんって凄く綺麗に見える』
クラスメイト『わたし、思うんだ』
クラスメイト『もし麻雀の神様がいるとしたらきっと、好きになるのは咲ちゃんみたいなーー』
気づけば二人で話していた学校の裏手にある河原を抜けて、校門近くの道に出ていた。
舗装された地面を踏みしめ、しょう然と立ち尽くしていると、校門の方から聞こえてきた声を耳が拾った。
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:38:57.94 ID:sL8Ga9QP0
部員「いよいよ明日だね」
部員「うん」
部員「明日は勝たないと……知ってる? 来年からうちの部費の予算や待遇が見直されるかもしれないって話」
部員「上級生なら皆聞いてると思うよ。……麻雀部の実績が疑問視されてるんでしょ」
部員「長野の中学県大会はそこまで激戦区って訳じゃない。ベスト4には残っても、中々優勝にこぎ着けられないし、ここ最近はベスト8止まりの年も出てきた」
部員「私らが不甲斐ないのが原因だけどさ……そのツケを、これから入ってくる後輩に背負わせちゃいけないよね」
部員「かつては全国に出場して華々しい成績を残した部の栄誉に泥は塗れない」
部長「お前たち。気持ちはわかるが、あまり意識しすぎるな。誰もがそのプレッシャーを共有してバネにできる訳じゃないんだ」
部員「でも部長! あの一年の子を抜擢したのだってそこを考慮しての事でしょう?」
部員「学年のくびきに囚われてちゃ実績はおぼつかない……あんなふざけた打ち方をされても、あの子を認めたのは実績を示す一助になる。そう思っているからこそですよ」
部員「最後の大会出場をふいにした子もいる。あの子には役に立ってもらわないと……」
部長「……今のは、絶対に宮永に言うんじゃないぞ。宮永も我々の後輩だ。ツケを背負わせてはいけない相手には、あの子だって含まれてる」
部員「そ、それはそうですけど……」
咲「そっか……そうだったんだ」
咲は、余す事なくその会話を耳にしていた。
自分の知らないところでかけられていた期待、奇異な打ち方をする自分がすんなり受け入れられた理由。
私には望まれた役割があるんだ。
誰にも嫌な思いをさせて、傷つけてばかりの自分の麻雀にも、誰かのためにできる事がある。それは、咲にはとても素晴らしい事に思えた。
咲「私がしたい事も、皆に望まれている事も……同じだったんだ」
ようやく気づけた。
『ーー咲、お前もその花のように、強くーー』
強く、誰よりも、強く。
私はそのために麻雀をする。
長いあいだ思い悩んできた問いの答えが、咲の心を沸き立たせていた。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:41:01.13 ID:sL8Ga9QP0
実況「さあ、やってきました決勝戦! 全国への切符を賭けて各校の奮闘が期待されます!」
実況「副将戦が終わり、二位を維持していたーー中学が健闘しましたが、それでも一位には僅かに及ばず。大将の宮永に最後の希望を託します!」
部員「宮永さん……」
副将を務めた部員が咲の顔を見つめ、つぶやく。
一位との差は七千点以上。
今まではリードしてバトンを渡していた先輩の表情には、隠しようのない悲嘆の色が窺えた。
咲「大丈夫ですよ。先輩方の頑張りは無駄にしません」
普段はおどおどとして自信なさげな後輩が毅然と言い放つ言葉。副将を務めた部員は、きょとんと目を丸めた。
部員「それってどういう……」
咲「大将戦、見守っていてください」
微笑みすら浮かべて対局室に歩いていく後ろ姿を、副将を務めた部員は困惑気味に見送った。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:43:30.96 ID:sL8Ga9QP0
咲「よろしくお願いします」
三位大将「……」
四位大将「取り戻さないと……まだ終ってない……」
一位大将「遅かったな。作戦会議でもしていたか」
咲「そんなもの必要ありません」
何だと、と一位の大将の口が動くよりも早く、咲は言い連ねた。
咲「相対してわかりました。私たちが優勝するのに半荘一回も必要ありません」
とうとう激怒や困惑の色を湛えだした各校の選手たちを尻目に、開始を告げるブザーが鳴り響く。
咲「ツモ、1600オール」
咲「ロン、18000の一本場は18300」
咲「ツモ、3600オールの二本場は3800オール」
咲「ツモ、2600オールの三本場は2900オール」
咲「ロン、24000の四本場は25200」
咲「ツモーーーー」
咲「カン」
咲「もいっこカン」
咲「もいっこカン」
咲「ツモーー清一色、対々、三暗刻、三槓子、赤一」
実況「……とんでもない事が起こりました。インターミドル長野予選決勝戦」
実況「ーー中学大将・宮永が、数え役満を和了、三校をまとめてトバして試合終了!」
実況「しかも、半荘が始まってから僅か三局……宮永に親番が回ったが最後、試合が終わるまで怒涛の連続和了が続きました」
実況「副将戦まで接戦を繰り広げた四校、この様に一方的な展開で幕を閉じると誰が予想したでしょう」
実況「ーー中学、全国出場への切符を見事勝ち取りました!」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:47:49.35 ID:sL8Ga9QP0
咲「ありがとうございました」
満面の笑みで感謝を告げる咲。他三校の大将は、言葉もなく卓上を見つめていた。
その顔は一様に放心の様相を呈す。もはや、咲の声が頭に入っている者などこの場にはいなかった。
咲「部長。勝ちました」
部長「宮永。……よくやった」
この年、ーー中学は全国大会に出場。
準決勝で他校の選手が飛ばされ副将戦時点の三位で終了し敗退するまで、快進撃を続けた。
その中で咲はその年の全国最多得点を記録、多くの人間にその存在を知らしめた。
クラスメイト「高校は東京の学校に行くの?」
咲「うん。疎遠になってたお母さんから連絡があって、臨海女子に行くなら便宜をはかってくれるって」
クラスメイト「臨海女子? 白糸台じゃなくて?」
咲「条件があってね。白糸台に行かないのが東京での暮らしを支援してもらう条件なんだ」
クラスメイト「支援? 一緒に暮らすんじゃないんだ」
咲「独り暮らしになるかな。お父さんは長野での仕事もあるし、私の我が儘に付き合わせられない」
クラスメイト「……そっか。寂しくなるな」
クラスメイト「咲ちゃんは長野の高校に進学するんだと思ってたから」
咲「また会えるよ」
クラスメイト「うん。……またね」
咲「じゃあ、また」
東京への進学を機に別れと準備を済ませ、単身東京の地を踏もうとする咲。
咲「白糸台麻雀部、インターハイチャンピオン・宮永照か……」
咲「お姉ちゃんが相手でも、……ううん、お姉ちゃんが相手だからこそ勝たなきゃ」
咲「それが、私の証明だよ」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:49:46.99 ID:sL8Ga9QP0
高校の話はそのうち書く
支援ありがとうございました
支援ありがとうございました
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:50:54.63 ID:ggF9UoD60
乙、面白かった
続きも楽しみ
続きも楽しみ
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 03:51:28.64 ID:km74FuN1O
乙 高校編も楽しみ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 04:09:56.59 ID:CcraniBN0
辻垣内さんとのレギュラー争いとかもあるかな
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/16(月) 05:51:13.37 ID:sL8Ga9QP0
倉庫依頼をだしたので続きはまた新しく建てます
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426441942/
Entry ⇒ 2015.03.25 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
しずく「なんでもないコトネとの日常」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:07:18.00 ID:b+b0IBir0
◆桜TrickSSです
◆誰も書かないので書いた
◆誰も書かないので書いた
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:08:03.71 ID:b+b0IBir0
チュンチュン
しずく「ん……朝か……」
しずく(…………さむい)ブルッ
コトネ「ぐー…………」
しずく「…………」ゴソ
しずく(まだ6時か……ならもうちょっと……)モゾモゾ
コトネ「ここで寝たら、寝坊しちゃうよー?」
しずく「っ!お、起きてたんだ……」
コトネ「さっきね」
しずく「えっと……お、おはよう、コトネ」
コトネ「ふふ、おはよ、しずくちゃん」
しずく「ん……朝か……」
しずく(…………さむい)ブルッ
コトネ「ぐー…………」
しずく「…………」ゴソ
しずく(まだ6時か……ならもうちょっと……)モゾモゾ
コトネ「ここで寝たら、寝坊しちゃうよー?」
しずく「っ!お、起きてたんだ……」
コトネ「さっきね」
しずく「えっと……お、おはよう、コトネ」
コトネ「ふふ、おはよ、しずくちゃん」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:12:11.17 ID:b+b0IBir0
コトネ「今日はしずくちゃんの方が早かったね」
しずく「なんか問題あるの?」
コトネ「いやー?でももし寝てたらほっぺたにちゅーしよっかな、とかさ」
しずく「っ!///」カァァ
コトネ「ふふふ、しずくちゃん、顔赤くなってるよ」
しずく「こ、コトネのせいでしょ……」
コトネ「昨日はもっと赤かったもんねー」
しずく「そ、それは今関係ないから……それより寒いし制服着ようよ」
コトネ「うん」
しずく「なんか問題あるの?」
コトネ「いやー?でももし寝てたらほっぺたにちゅーしよっかな、とかさ」
しずく「っ!///」カァァ
コトネ「ふふふ、しずくちゃん、顔赤くなってるよ」
しずく「こ、コトネのせいでしょ……」
コトネ「昨日はもっと赤かったもんねー」
しずく「そ、それは今関係ないから……それより寒いし制服着ようよ」
コトネ「うん」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:16:02.41 ID:b+b0IBir0
……
しずく「行ってきまーす……うわ、今日寒いね」
コトネ「そうだねー、でもしずくちゃんはマフラーしてるから平気でしょ?」
しずく「暖かいけど、やっぱり寒いものは寒いよ……」
コトネ「ふーん?」ギュッ
しずく「きゃっ!こ、コトネ……!?」
コトネ「こうすれば暖かいでしょ?」
しずく「あ、あの、ここ公の場だから……」
コトネ「大丈夫大丈夫、今は私達しかいないし」
しずく「そ、そういう問題じゃ……」
コトネ「あれ、じゃあやめたほうがいい?」
しずく「や……やめないで……///」
コトネ「ふふーん♪」
しずく「行ってきまーす……うわ、今日寒いね」
コトネ「そうだねー、でもしずくちゃんはマフラーしてるから平気でしょ?」
しずく「暖かいけど、やっぱり寒いものは寒いよ……」
コトネ「ふーん?」ギュッ
しずく「きゃっ!こ、コトネ……!?」
コトネ「こうすれば暖かいでしょ?」
しずく「あ、あの、ここ公の場だから……」
コトネ「大丈夫大丈夫、今は私達しかいないし」
しずく「そ、そういう問題じゃ……」
コトネ「あれ、じゃあやめたほうがいい?」
しずく「や……やめないで……///」
コトネ「ふふーん♪」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:20:03.29 ID:b+b0IBir0
コトネ「でもこれじゃあ動けないよねー」パッ
しずく「あっ……」
コトネ「うーん、どうしよっか?」
しずく「えっと……その……」
コトネ「うん?」
しずく「て、手を繋ぐくらいだったら……いいかも……」
コトネ「ふふふ、いいよ」
ギュッ
しずく「で、でも、二人の時だけだからね!人が見えたら離すからね!///」テレテレ
コトネ「大丈夫大丈夫、分かってるって」ニコニコ
しずく「あっ……」
コトネ「うーん、どうしよっか?」
しずく「えっと……その……」
コトネ「うん?」
しずく「て、手を繋ぐくらいだったら……いいかも……」
コトネ「ふふふ、いいよ」
ギュッ
しずく「で、でも、二人の時だけだからね!人が見えたら離すからね!///」テレテレ
コトネ「大丈夫大丈夫、分かってるって」ニコニコ
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:24:12.84 ID:b+b0IBir0
~学校~
コトネ「みんな、おはモニー!」
しずく「おはよう」
春香「あ、コトネちゃん、しずくちゃん、おはよー」
優「おはよー、今日は一緒に登校したんだ」
コトネ「ふふふ、今日は君たちみたいに仲良しで登校したよー」
しずく「そ、そんなことは春香ちゃんたちに教えなくていいでしょ……もう」スルリッ
春香「あっ、しずくちゃん首に……あ」
しずく「えっ?なに?」
春香「な、何でもないよ///」
しずく「?」
楓「みんなおはよー、ん?なんで春香赤くなってんの?」
コトネ「みんな、おはモニー!」
しずく「おはよう」
春香「あ、コトネちゃん、しずくちゃん、おはよー」
優「おはよー、今日は一緒に登校したんだ」
コトネ「ふふふ、今日は君たちみたいに仲良しで登校したよー」
しずく「そ、そんなことは春香ちゃんたちに教えなくていいでしょ……もう」スルリッ
春香「あっ、しずくちゃん首に……あ」
しずく「えっ?なに?」
春香「な、何でもないよ///」
しずく「?」
楓「みんなおはよー、ん?なんで春香赤くなってんの?」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:28:04.32 ID:b+b0IBir0
~授業中~
…デアルカラシテ、カレハトベイシ、クリーブランドトマイナーケイヤクヲ…
しずく(はー……)
コンッ
しずく「…?」
しずく(これは、紙飛行機……授業中に?) ガサガサ
「帰りにクレープ食べに行こうよ」
しずく「…………」キョロキョロ
コトネ「」フリフリ
しずく(コトネか……全く、授業真面目に聞いてるのかな?)
しずく(でも……クレープは楽しみだなあ……えへへ……)
…ソシテ2008ネンニホッカイドウニホンハムファイターズニ……
…デアルカラシテ、カレハトベイシ、クリーブランドトマイナーケイヤクヲ…
しずく(はー……)
コンッ
しずく「…?」
しずく(これは、紙飛行機……授業中に?) ガサガサ
「帰りにクレープ食べに行こうよ」
しずく「…………」キョロキョロ
コトネ「」フリフリ
しずく(コトネか……全く、授業真面目に聞いてるのかな?)
しずく(でも……クレープは楽しみだなあ……えへへ……)
…ソシテ2008ネンニホッカイドウニホンハムファイターズニ……
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:32:11.48 ID:b+b0IBir0
~昼休み~
ゆず「やっと昼休みだ~」
楓「なんでそんな疲れてんの?」
ゆず「だってさっきの授業よく分かんないんだよ~楓は分かったの?」
楓「う……な、なんとなくかな」
ゆず「なんとなくってどっちだよー!」
楓「どっちでもいいだろっ!」
ギャーギャー
春香「仲良いねえあの二人」
優「そっかな……あ、しずくちゃんとコトネちゃんお弁当一緒だ!」
コトネ「ふふふ、朝しずくちゃんと一緒に作ったんだ」
しずく「そ、そういうこと言わなくてもいいじゃん……///」
ゆず「やっと昼休みだ~」
楓「なんでそんな疲れてんの?」
ゆず「だってさっきの授業よく分かんないんだよ~楓は分かったの?」
楓「う……な、なんとなくかな」
ゆず「なんとなくってどっちだよー!」
楓「どっちでもいいだろっ!」
ギャーギャー
春香「仲良いねえあの二人」
優「そっかな……あ、しずくちゃんとコトネちゃんお弁当一緒だ!」
コトネ「ふふふ、朝しずくちゃんと一緒に作ったんだ」
しずく「そ、そういうこと言わなくてもいいじゃん……///」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:36:02.50 ID:b+b0IBir0
春香「いいなー、そういうの羨ましいな!私も優ちゃんと一緒にお弁当作りたい!」チラッ
優「う……じゃあ今度しようね」
春香「やったー!優ちゃーん♪」ギュッギュ
優「ちょ、い、今メロンパン食べてるから後にしてよっ!」
イチャコライチャコラ
コトネ「あの二人ほんと仲良いね」
しずく「そうだね……あ、そういえばコトネ、なんでわざわざ授業中に紙飛行機なんか飛ばしたの?」
コトネ「え?そりゃあさ……」
しずく「?」
コトネ「しずくちゃんが手紙を受け取って喜ぶ顔が見たかったからだよ」
しずく「なっ…///」カッ
コトネ「放課後一緒に行こうね」
しずく「う、うん///」
優「う……じゃあ今度しようね」
春香「やったー!優ちゃーん♪」ギュッギュ
優「ちょ、い、今メロンパン食べてるから後にしてよっ!」
イチャコライチャコラ
コトネ「あの二人ほんと仲良いね」
しずく「そうだね……あ、そういえばコトネ、なんでわざわざ授業中に紙飛行機なんか飛ばしたの?」
コトネ「え?そりゃあさ……」
しずく「?」
コトネ「しずくちゃんが手紙を受け取って喜ぶ顔が見たかったからだよ」
しずく「なっ…///」カッ
コトネ「放課後一緒に行こうね」
しずく「う、うん///」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:40:07.63 ID:b+b0IBir0
~放課後~
ジャーマタアシタネー バイバーイ
しずく「で、どこのクレープ?」
コトネ「うーんとね、この先の公園の昼から夕方ぐらいまでいる屋台のなんだけど」
しずく「美味しいの?それ……」
コトネ「大丈夫だよ、最近結構評判いいんだから」
しずく「評判いいんだ……ふぅん」
コトネ「あ、しずくちゃんわくわくしてるね?」
しずく「な……べ、別にいいでしょ!」
コトネ「ふふふ、そんなにわくわくしてくれるなんて誘ってよかった」
しずく「こ、これは評判のクレープがどんな感じなのか楽しみにしてるだけだから///」
コトネ「はいはい」ニコニコ
ジャーマタアシタネー バイバーイ
しずく「で、どこのクレープ?」
コトネ「うーんとね、この先の公園の昼から夕方ぐらいまでいる屋台のなんだけど」
しずく「美味しいの?それ……」
コトネ「大丈夫だよ、最近結構評判いいんだから」
しずく「評判いいんだ……ふぅん」
コトネ「あ、しずくちゃんわくわくしてるね?」
しずく「な……べ、別にいいでしょ!」
コトネ「ふふふ、そんなにわくわくしてくれるなんて誘ってよかった」
しずく「こ、これは評判のクレープがどんな感じなのか楽しみにしてるだけだから///」
コトネ「はいはい」ニコニコ
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:44:03.28 ID:b+b0IBir0
ラッシャイ!
しずく(屋台の割には種類あるんだ……甘味物ばっかだけど……
どれがいいかな……シンプルにチョコバナナとかでもいいな……
それとも奇をてらってキャラメルマキアートとか、カッサータシチリアーナとかも……
あ、でもこのメープルシロップってのもシンプルで良さそう…うーん……)
コトネ「決まった?」
しずく「も、もうちょっと待って」
しずく(このアランチャチョコレートも酸味とか甘みとかが混じり合ってて良さそう……あと、
ティラミスもいいなぁ…このハスカップノルドってどんなのだろう?)
コトネ「ねぇ、よかったらどれとどれで悩んでるか教えてよ」
しずく「え?えーっと、アランチャチョコレートと、メープルシロップだけど……」
コトネ「じゃあそれください」
しずく「えっ、ちょ、コトネはそれでいいの?」
コトネ「私は何でも良かったし、だったらしずくちゃんに選んでもらったほうがいいかなってさ!
その代わり半分こし合おうね?」
しずく「う、うん!」
しずく(屋台の割には種類あるんだ……甘味物ばっかだけど……
どれがいいかな……シンプルにチョコバナナとかでもいいな……
それとも奇をてらってキャラメルマキアートとか、カッサータシチリアーナとかも……
あ、でもこのメープルシロップってのもシンプルで良さそう…うーん……)
コトネ「決まった?」
しずく「も、もうちょっと待って」
しずく(このアランチャチョコレートも酸味とか甘みとかが混じり合ってて良さそう……あと、
ティラミスもいいなぁ…このハスカップノルドってどんなのだろう?)
コトネ「ねぇ、よかったらどれとどれで悩んでるか教えてよ」
しずく「え?えーっと、アランチャチョコレートと、メープルシロップだけど……」
コトネ「じゃあそれください」
しずく「えっ、ちょ、コトネはそれでいいの?」
コトネ「私は何でも良かったし、だったらしずくちゃんに選んでもらったほうがいいかなってさ!
その代わり半分こし合おうね?」
しずく「う、うん!」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:48:05.85 ID:b+b0IBir0
アリガトーゴザイマシター
しずく「もぐもぐ……おいしい!」
コトネ「でしょー?まぁ私も今日初めて食べたんだけど」
しずく「あ、あの」
コトネ「んー?」
しずく「さ、さっきは、ありがとね……」
コトネ「そんなこと気にしなくていいの!それよりほら、半分こ」
しずく「あ、ありがと……こっちも、はい」
コトネ「ありがとー、うん、こっちもおいしいね」モグモグ
しずく「でしょ?……あっ」
しずく(…こ、これって関節キス、かな……///)
コトネ「?」
しずく「もぐもぐ……おいしい!」
コトネ「でしょー?まぁ私も今日初めて食べたんだけど」
しずく「あ、あの」
コトネ「んー?」
しずく「さ、さっきは、ありがとね……」
コトネ「そんなこと気にしなくていいの!それよりほら、半分こ」
しずく「あ、ありがと……こっちも、はい」
コトネ「ありがとー、うん、こっちもおいしいね」モグモグ
しずく「でしょ?……あっ」
しずく(…こ、これって関節キス、かな……///)
コトネ「?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:52:04.62 ID:b+b0IBir0
コトネ「あ、しずくちゃん」
しずく「何?」
コトネ「」チュッ
しずく「え」
コトネ「ふふふ、口周りにクリーム付いてたよ」
しずく「あ……///」
コトネ「あれ、ダメだった?」
しずく「そ、そんなこと、ない……///」
コトネ「そっか、ならよかった」ナデナデ
しずく「こ、ここで撫でるのはやめて///」
しずく「何?」
コトネ「」チュッ
しずく「え」
コトネ「ふふふ、口周りにクリーム付いてたよ」
しずく「あ……///」
コトネ「あれ、ダメだった?」
しずく「そ、そんなこと、ない……///」
コトネ「そっか、ならよかった」ナデナデ
しずく「こ、ここで撫でるのはやめて///」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 21:56:27.06 ID:b+b0IBir0
~自宅~
しずく「ただいまー」
コトネ「おかえりー、ご飯にする?お風呂にする?それとも……わたし?」
しずく「……まだ夕方だよ、30分くらい休んだら夕食の支度しよう?」
コトネ「今日の晩ごはんは唐揚げがいいな」
しずく「この前もそれだったでしょ……今日は手羽先にするから」
コトネ「手羽先?それも好きだよ!むしろそれがいい!」
しずく「じゃあそれでいいね」
コトネ「私しずくちゃんの手料理好きなんだ、特に肉料理は大好き!」
しずく「い、いきなり何……///」
コトネ「あ、しずくちゃんはもっと好きだよ?」ニコッ
しずく「だ、だから……も、もう///」
しずく「ただいまー」
コトネ「おかえりー、ご飯にする?お風呂にする?それとも……わたし?」
しずく「……まだ夕方だよ、30分くらい休んだら夕食の支度しよう?」
コトネ「今日の晩ごはんは唐揚げがいいな」
しずく「この前もそれだったでしょ……今日は手羽先にするから」
コトネ「手羽先?それも好きだよ!むしろそれがいい!」
しずく「じゃあそれでいいね」
コトネ「私しずくちゃんの手料理好きなんだ、特に肉料理は大好き!」
しずく「い、いきなり何……///」
コトネ「あ、しずくちゃんはもっと好きだよ?」ニコッ
しずく「だ、だから……も、もう///」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:00:21.44 ID:b+b0IBir0
……
コトネ「しずくちゃん、一緒にお風呂入らない?」
しずく「え……」
コトネ「ダメ?」
しずく「……襲ってこない?」
コトネ「あはははは、どうだろ……」
しずく「…………」
コトネ「だ、大丈夫だって、だから、ね?」
しずく「……じゃあ一緒に入る」
コトネ「やった!」
しずく(でも……実際は……たぶん……)
コトネ「しずくちゃん、一緒にお風呂入らない?」
しずく「え……」
コトネ「ダメ?」
しずく「……襲ってこない?」
コトネ「あはははは、どうだろ……」
しずく「…………」
コトネ「だ、大丈夫だって、だから、ね?」
しずく「……じゃあ一緒に入る」
コトネ「やった!」
しずく(でも……実際は……たぶん……)
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:04:26.96 ID:b+b0IBir0
~お風呂~
しずく「ん、ちゅ……ぷぁ……」
コトネ「ふ……っ、ぁ、ちゅ……」
ピチャ、ピチャッ……
しずく「ん、ぷ、は……お、襲わないって言ったくせに……」
コトネ「はー………え、嫌?」
しずく「い……嫌じゃない///」
コトネ「だってベッドの上でするとベッド汚れちゃうさ」
しずく「そ、そんなこと言って昨日は……」
コトネ「だってあんな無防備なしずくちゃん見たらさ?」
しずく「うー……す、するなら手早くね…」
コトネ「うん♪」
しずく「ん、ちゅ……ぷぁ……」
コトネ「ふ……っ、ぁ、ちゅ……」
ピチャ、ピチャッ……
しずく「ん、ぷ、は……お、襲わないって言ったくせに……」
コトネ「はー………え、嫌?」
しずく「い……嫌じゃない///」
コトネ「だってベッドの上でするとベッド汚れちゃうさ」
しずく「そ、そんなこと言って昨日は……」
コトネ「だってあんな無防備なしずくちゃん見たらさ?」
しずく「うー……す、するなら手早くね…」
コトネ「うん♪」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:08:07.11 ID:b+b0IBir0
コトネ「ん、ちゅ、ちゅっ」チュー
しずく「ふぁっ……」
コトネ「ちゅ、ちゅ、ちゅっ」チュッチュ
しずく「あんっ……そ、そこ、見えない?」
コトネ「うーん、ぎりぎりかもね」
しずく「あ、あのねぇ…ふあぁっ」ビクッ
コトネ「しずくちゃんの胸、柔らかくて好きだよ」ムニムニ
しずく「ふぁ、ああ、っ、こ、コトネの方が柔らかいじゃん……」
コトネ「そう?でも私は手のひらに丁度いいサイズのしずくちゃんの胸がいいな」ムニュムニュ
しずく「ん、あ、っ、ああんっ」
コトネ「それに、しずくちゃん、胸弱いし……♪」グニグニ
しずく「はっ、うぁ、ああ……」ビクビク
しずく「ふぁっ……」
コトネ「ちゅ、ちゅ、ちゅっ」チュッチュ
しずく「あんっ……そ、そこ、見えない?」
コトネ「うーん、ぎりぎりかもね」
しずく「あ、あのねぇ…ふあぁっ」ビクッ
コトネ「しずくちゃんの胸、柔らかくて好きだよ」ムニムニ
しずく「ふぁ、ああ、っ、こ、コトネの方が柔らかいじゃん……」
コトネ「そう?でも私は手のひらに丁度いいサイズのしずくちゃんの胸がいいな」ムニュムニュ
しずく「ん、あ、っ、ああんっ」
コトネ「それに、しずくちゃん、胸弱いし……♪」グニグニ
しずく「はっ、うぁ、ああ……」ビクビク
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:12:05.24 ID:b+b0IBir0
コトネ「ふふ、しずくちゃん、すごい顔……♪」
しずく「し、仕方ないでしょ……こ、こんなこと、されてるのに……」
コトネ「そうだねー」キュッ
しずく「んうぅっ!?は、き、急に、それ、やめて……」
コトネ「ははは、ごめんね」
しずく(謝ってるけど改める気は無いんだよね…たぶん)
コトネ「でも、しずくちゃんとっても可愛いから、いじめたくなっちゃうんだ…♪」
しずく「こ、コトネのさでぃすとぉ……」
コトネ「何とでも言いなさいー♪」ギュムギュム
しずく「ふぁ、ああんっ、あ、あ……」
コトネ「~♪」
しずく「し、仕方ないでしょ……こ、こんなこと、されてるのに……」
コトネ「そうだねー」キュッ
しずく「んうぅっ!?は、き、急に、それ、やめて……」
コトネ「ははは、ごめんね」
しずく(謝ってるけど改める気は無いんだよね…たぶん)
コトネ「でも、しずくちゃんとっても可愛いから、いじめたくなっちゃうんだ…♪」
しずく「こ、コトネのさでぃすとぉ……」
コトネ「何とでも言いなさいー♪」ギュムギュム
しずく「ふぁ、ああんっ、あ、あ……」
コトネ「~♪」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:16:03.12 ID:b+b0IBir0
コトネ「そろそろこっちはどうかな」クチュ
しずく「あ、っ…」ビクッ
コトネ「いい感じだね……触っていい?」
しずく「さ、触るなら早く……」
コトネ「分かった」クチュッ
しずく「ひ、っ」
コトネ「ふふふふっ、もうどろどろ……♪」グチュリ
しずく「や、ぁっ、ふぁ、あああ、あああっ」
コトネ「しずくちゃん、可愛い……♪」
しずく「はっ、あああ、ああ、んんっ……」ビクビク
しずく「あ、っ…」ビクッ
コトネ「いい感じだね……触っていい?」
しずく「さ、触るなら早く……」
コトネ「分かった」クチュッ
しずく「ひ、っ」
コトネ「ふふふふっ、もうどろどろ……♪」グチュリ
しずく「や、ぁっ、ふぁ、あああ、あああっ」
コトネ「しずくちゃん、可愛い……♪」
しずく「はっ、あああ、ああ、んんっ……」ビクビク
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:20:16.19 ID:b+b0IBir0
コトネ「しずくちゃんの中、暖かいよ」ニュプニュプ
しずく「あ、ふぁ、ああ、じ、実況しないで……ひっ」
コトネ「それから、窮屈で、締め付けてきて……」
しずく「ふぁ、あああん、あ、あああ」
コトネ「いっぱいいっぱい溢れてきて、可愛いよ」グチュッ
しずく「はぁ、あ……ああ……ひぁっ!あ、そこ…」ビクッ
コトネ「ここ、弱いもんね」グチュグチュッ
しずく「や、やだ、そんな触らないで…ひ、いぁ、あああっ!!あ、あ、ああ」
しずく「あ、ふぁ、ああ、じ、実況しないで……ひっ」
コトネ「それから、窮屈で、締め付けてきて……」
しずく「ふぁ、あああん、あ、あああ」
コトネ「いっぱいいっぱい溢れてきて、可愛いよ」グチュッ
しずく「はぁ、あ……ああ……ひぁっ!あ、そこ…」ビクッ
コトネ「ここ、弱いもんね」グチュグチュッ
しずく「や、やだ、そんな触らないで…ひ、いぁ、あああっ!!あ、あ、ああ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:24:12.69 ID:b+b0IBir0
コトネ「ふふふ、しずくちゃん、愛してる……」
しずく「は、は、な、なんで今言うのぉ、あ、うぁ、ひ、ああああああっ!!」ビクンビクンッ
コトネ「あ……イッちゃった?」
しずく「はぁ……あ……あ……」グッタリ
コトネ「ちょっと激しくし過ぎた?」
しずく「はー………はー………」
コトネ「聞こえてないかな、ふふ、でもそんなしずくちゃんもとっても可愛い…♪」ナデナデ
しずく「あ…………はぁ…………えへへ……」
……
しずく「は、は、な、なんで今言うのぉ、あ、うぁ、ひ、ああああああっ!!」ビクンビクンッ
コトネ「あ……イッちゃった?」
しずく「はぁ……あ……あ……」グッタリ
コトネ「ちょっと激しくし過ぎた?」
しずく「はー………はー………」
コトネ「聞こえてないかな、ふふ、でもそんなしずくちゃんもとっても可愛い…♪」ナデナデ
しずく「あ…………はぁ…………えへへ……」
……
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:28:05.83 ID:b+b0IBir0
~しずくの部屋~
しずく「全く、一方的なんだから……」
コトネ「ごめんね、ついつい力が入っちゃって……」
しずく「わ、私だって、愛してるのに……」ボソ
コトネ「え?なに?」
しずく「な、なんでもない!そ、それより明日も学校だし早く寝よ?」
コトネ「うん」
パチン
コトネ「あーやっぱりしずくちゃんを抱きまくらにするのは最高だねっ!」
しずく「な、何言ってるの……」
コトネ「しずくちゃんも私を抱きまくらにしていいんだよ?」
しずく「え……か、考えとく」
コトネ「釣れないなー」
しずく「全く、一方的なんだから……」
コトネ「ごめんね、ついつい力が入っちゃって……」
しずく「わ、私だって、愛してるのに……」ボソ
コトネ「え?なに?」
しずく「な、なんでもない!そ、それより明日も学校だし早く寝よ?」
コトネ「うん」
パチン
コトネ「あーやっぱりしずくちゃんを抱きまくらにするのは最高だねっ!」
しずく「な、何言ってるの……」
コトネ「しずくちゃんも私を抱きまくらにしていいんだよ?」
しずく「え……か、考えとく」
コトネ「釣れないなー」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:32:05.05 ID:b+b0IBir0
コトネ「じゃあしずくちゃん」
しずく「?」
コトネ「眠くなるまでお話しよっか」
しずく「眠くないの?」
コトネ「えへへ、割と」
しずく「もう……しょうがないなぁ、いいよ」
コトネ「やった、じゃあさー、春ぽっぽと優ちゃんはさー……」
…………
……
…
しずく「?」
コトネ「眠くなるまでお話しよっか」
しずく「眠くないの?」
コトネ「えへへ、割と」
しずく「もう……しょうがないなぁ、いいよ」
コトネ「やった、じゃあさー、春ぽっぽと優ちゃんはさー……」
…………
……
…
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:36:05.65 ID:b+b0IBir0
…
チュンチュン
コトネ「ふぁ……朝か……」
コトネ「……」チラッ
しずく「すー……すー……」
コトネ「今日は私のほうが早かったねっ」
しずく「んー……」
コトネ「あ、起きちゃった?」
しずく「……?コトネ……?」
コトネ「おはよ、しずくちゃん」
ちゅっ。
おわり
チュンチュン
コトネ「ふぁ……朝か……」
コトネ「……」チラッ
しずく「すー……すー……」
コトネ「今日は私のほうが早かったねっ」
しずく「んー……」
コトネ「あ、起きちゃった?」
しずく「……?コトネ……?」
コトネ「おはよ、しずくちゃん」
ちゅっ。
おわり
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/01/21(火) 22:42:13.87 ID:CmN5VKCK0
乙なのん
これから読む
これから読む
掲載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1390306038/
Entry ⇒ 2014.10.23 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
【桜Trick】桜トリッシュ【ジョジョ】
1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 13:15:02.91 ID:WJorgiHl0
動画を作りたかったのですが技術がないのでここでSSとして出します。
タイトルだけの思いつきなのでレベルが低いと思いますがよければみてってください
タイトルだけの思いつきなのでレベルが低いと思いますがよければみてってください
2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 13:21:46.38 ID:WJorgiHl0
トリッシュ「ここが今日から通う学校ね。どうやらもう少しで廃校するみたいだけど大丈夫かしら…」
ドアガラガラガラ
先生「今日からこの学校に新しいお友達が増えます。仲良くしてくださいね」
トリッシュ「トリッシュ・ウナです。よろしくお願いします」
先生「じゃあ、ウナさんは園田さんの後ろの席ね」
トリッシュ「わかりました」
桜Trickは原作読んでないので設定が間違っていたらすみません
ドアガラガラガラ
先生「今日からこの学校に新しいお友達が増えます。仲良くしてくださいね」
トリッシュ「トリッシュ・ウナです。よろしくお願いします」
先生「じゃあ、ウナさんは園田さんの後ろの席ね」
トリッシュ「わかりました」
桜Trickは原作読んでないので設定が間違っていたらすみません
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 13:25:30.09 ID:WJorgiHl0
優「よろしくねー」
トリッシュ「う、うん」
先生「授業始まりますよー」
先生「ここがxで…」
トリッシュ(暇ね…スタンドで遊んでようかしら… )
スパイスガール
トリッシュ(もしかしたらこの中にスタンド使いがいるかもしれないしね)
トリッシュ「う、うん」
先生「授業始まりますよー」
先生「ここがxで…」
トリッシュ(暇ね…スタンドで遊んでようかしら… )
スパイスガール
トリッシュ(もしかしたらこの中にスタンド使いがいるかもしれないしね)
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 13:32:33.62 ID:WJorgiHl0
スパイスガール「…」
トリッシュ(さっきから高山さん?がスパイスガールを見ているわ…)
春香(なんだろう…新手のスタンド使いかな…)
トリッシュ(きっと見えているわ 放課後話してみましょう)
春香(きっとトリッシュさんかな… あとで話してみよっと)
放課後
トリッシュ「高山さん」
春香「はい?」
トリッシュ「あなた… もしかしてこれが見えるの?」スパイスガール
春香「はい。もちろん見えますけど…」
トリッシュ(さっきから高山さん?がスパイスガールを見ているわ…)
春香(なんだろう…新手のスタンド使いかな…)
トリッシュ(きっと見えているわ 放課後話してみましょう)
春香(きっとトリッシュさんかな… あとで話してみよっと)
放課後
トリッシュ「高山さん」
春香「はい?」
トリッシュ「あなた… もしかしてこれが見えるの?」スパイスガール
春香「はい。もちろん見えますけど…」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 19:22:32.54 ID:WJorgiHl0
トリッシュ「じゃあ出してみてよ」
春香「いやですよぉ///」
トリッシュ「フン まあいいわ。この学校に他のスタンド使いはいるの?」
春香「ええと… 優ちゃんとー しずくちゃんとー 楓ちゃんかなー」
トリッシュ「全部同じクラスの子ね でも今日は全員欠席してたわね」
春香「新手のスタンド使いの臭いがプンプンしますな」
春香「いやですよぉ///」
トリッシュ「フン まあいいわ。この学校に他のスタンド使いはいるの?」
春香「ええと… 優ちゃんとー しずくちゃんとー 楓ちゃんかなー」
トリッシュ「全部同じクラスの子ね でも今日は全員欠席してたわね」
春香「新手のスタンド使いの臭いがプンプンしますな」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 19:32:54.70 ID:WJorgiHl0
とぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるん とうるるん
春香「あ、優ちゃんからだー もしもしー」
???「春香だな お前の友達を誘拐した。 助けたいなら今日転入してきたはずの私の娘を渡せ」
トリッシュ「わ、私のこと!?」
???「では、明後日の午後1時 私の使いをまわす そいつにわが娘を渡せ」
ブチッ
春香「どうしよう… 私、どっちを選べば…」
トリッシュ「だったら私を渡せば済む話じゃない」
春香「で、でも… なんか怖そうな声だったよ… そんな人に今日できた友達を渡したくないもん!」
トリッシュ「いいのよ。 わたしはまだお父さんに一回も会ったことがないし、ちょうど会いたかったのよ」
春香「え…じゃあ…あなたを渡すね」
春香「あ、優ちゃんからだー もしもしー」
???「春香だな お前の友達を誘拐した。 助けたいなら今日転入してきたはずの私の娘を渡せ」
トリッシュ「わ、私のこと!?」
???「では、明後日の午後1時 私の使いをまわす そいつにわが娘を渡せ」
ブチッ
春香「どうしよう… 私、どっちを選べば…」
トリッシュ「だったら私を渡せば済む話じゃない」
春香「で、でも… なんか怖そうな声だったよ… そんな人に今日できた友達を渡したくないもん!」
トリッシュ「いいのよ。 わたしはまだお父さんに一回も会ったことがないし、ちょうど会いたかったのよ」
春香「え…じゃあ…あなたを渡すね」
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 19:44:42.40 ID:WJorgiHl0
明後日
トリッシュ「行くわよ」
春香「わかりました」
ブチャラティ「君がトリッシュさんかな」
トリッシュ「は、はい」
ブチャラティ「そうか じゃあな 」スティッキィフィンガーズ!
トリッシュ「キャッ」
春香「危ない!」キッス!
ブチャラティ「なッ!? 俺の顔が…2つにッ!?」
春香「キッスは復讐のライセンスですよ」
ブチャラティ「逃げるか」スティッキィフィンガーズ!
春香「良かったー 優ちゃん達が戻ってきたよー」
優「はーるかー!」
あははあははあはははは きゃっきゃ
トリッシュ「これにて一件落着ね」
数年後
ナランチャ「ここのトイレの掃除はあとにしてくれねえかなァ」
トリッシュ「あなたの名前 公衆トイレ?」
ブチャラティ「んー? ハッ お前あの時の… 」
終わり
トリッシュ「行くわよ」
春香「わかりました」
ブチャラティ「君がトリッシュさんかな」
トリッシュ「は、はい」
ブチャラティ「そうか じゃあな 」スティッキィフィンガーズ!
トリッシュ「キャッ」
春香「危ない!」キッス!
ブチャラティ「なッ!? 俺の顔が…2つにッ!?」
春香「キッスは復讐のライセンスですよ」
ブチャラティ「逃げるか」スティッキィフィンガーズ!
春香「良かったー 優ちゃん達が戻ってきたよー」
優「はーるかー!」
あははあははあはははは きゃっきゃ
トリッシュ「これにて一件落着ね」
数年後
ナランチャ「ここのトイレの掃除はあとにしてくれねえかなァ」
トリッシュ「あなたの名前 公衆トイレ?」
ブチャラティ「んー? ハッ お前あの時の… 」
終わり
11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 19:48:47.26 ID:WJorgiHl0
終わりました~
もう途中で飽きちゃったので書くのを止めちゃいました
まあ二作目なので許してください
タイトルとキッスがやりたかっただけで本当は優×春香×トリッシュの三角関係をやりたかったのですが時間と人気とやる気が無かったので
早めに戦闘にして終わらせました
>>1の次回にご期待くだ(ry
もう途中で飽きちゃったので書くのを止めちゃいました
まあ二作目なので許してください
タイトルとキッスがやりたかっただけで本当は優×春香×トリッシュの三角関係をやりたかったのですが時間と人気とやる気が無かったので
早めに戦闘にして終わらせました
>>1の次回にご期待くだ(ry
14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 21:30:41.91 ID:ThNIRtu3o
おいこら
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/29(土) 18:28:06.51 ID:b0cL2ek00
WAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNABEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394943302/
Entry ⇒ 2014.10.19 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
楓「ゆずレモン、みかん味」
1 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:00:22.59
夜 楓家 自室
楓「はぁーーー……」
楓(あの後、ゆずと上手くお話……出来なかったなぁ……)
楓(もう何十回も、練習したんだけどな……)
楓「……」ポフッ
楓(みんなには悪いけど、ぜーんぶ見させてもらったよ……)
楓(しずくちゃんはコトネが好きで、コトネはしずくちゃんが好き。相思相愛ってヤツだ)
楓(……コトネとしずくちゃん、互いを支えあえる……幸せな関係になれそう)
楓(春香は優が好き……を通り越して愛している、か。優はどうだろう。……きっと同じようなモノか)
楓(春香達も大丈夫。優が素直になれてない分、春香が素直過ぎるから、これはこれで良いバランス)
楓「はぁー……」
楓(私の好きな人は……どの記憶にもいる、一人の少女)
楓「……」
楓(ゆずは、一体誰が好きなんだろう……)
前スレ:コトネ「しずくドロップス」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398168010/
3 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:13:52.21
1週間後 夕方 教室
ゆず「帰ろうぜー」
楓「ん、もう少し待って」ガサガサ
ゆず「さー、今日はどうする? いつもんとこ寄っていくか?」
楓「そうだねー」
ゆず「っても、あたしらだけ、だけどな」
楓「あれ、みんなは?」
ゆず「春香と優は知らないな。コトネとしずくちゃんは二人で買い物に行ったよ」
楓「ふぅん……」
楓(ぜーんぶ知ってるよ。私がみんなに予定を聞いたから、ね……。だから、今日こそ……)
ゆず「ついでに言うと、かいちょーは春香を尾行しに、探しに行った」
楓「妬いてるねぇ……」
ゆず「?」
楓「ううん、独り言」
4 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:16:30.09
ゆず「準備出来たかー? いくぞー。モタモタしてるといつもの店、閉まっちゃうぞ」
楓「……いいんじゃないかな」
ゆず「え?」
楓「たまにはさ、ここで話をするのもオツじゃないかなって」
ゆず「えー、ここで? まぁ誰もいないけどさぁ……新鮮味無いなぁ、やっぱり」
楓「そう? 私はここでも満足してるよ? いつだって新鮮だからね」
ゆず「ヘンなの。……まぁいいや、飲み物買って来る。要るか?」
楓「ううん。さっき買ってきたよ。はい」
ゆず「ぉ、サンキュー」プスッ チューゾゾゾー
楓「……ねぇ、最近はど、どう?」
ゆず「どうって?」
楓「ほら、もう1年も半分過ぎたけど、うちのクラスじゃ浮いた話はあまり聞かないからね」
楓「ゆず、彼氏出来たかなぁ、と」
ゆず「はぁ? こんだけあたしと一緒にいたら、いるワケないって分かるだろ……」
楓「ん……そ、そうだね……」
5 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:18:15.30
楓「ねぇ、女の子同士の恋愛ってどう思う?」
ゆず「そうだなぁー。同姓ってのは大変なんじゃないかぁー?」
楓「ん、どうでもよさそうだね」
ゆず「どうでもいいっつーか、そういう知り合いもいないしなぁ。よくわかんねーな」
楓「……」
ゆず「それに、ああいうのってお嬢様学校の中くらいじゃないのか?」
楓「それは偏見だよ……好きになるのは環境じゃなくて、人だからね」
楓「人がいるならどこだって起きてしまうんだよ」
ゆず「そんなもんかぁ。……で、どうしてそんな話を?」
楓「や、私の知り合いでね。女の子が好きな女の子がいるんだ」
ゆず「私の知ってるヤツか?」
楓「さぁ、どうだろうね。知っているし、知らないかな」
ゆず「なんだよ、歯切れが悪いな」
楓「まぁ聞いてよ」
6 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:18:55.96
楓「その子とその子が好きな女の子はね、小学生の頃からの同級生同士なんだって」
楓「たまにケンカをしたけれど、それでも毎日一緒にいたんだ。いつも遊んで話して楽しくしてた」
楓「けれど、いつしか自分の中に楽しいと思う以上の感情が出てきた」
楓「ソレが、好きだという気持ちに気づいたのは中学生の頃。何でもない夕日の帰り道」
楓「それからは毎日が幸せだった。だって一緒にいられるだけで良かったんだから」
楓「でも高校に入ってから、好きでいるだけじゃ耐えられなくなった」
楓「環境の変化……周りの幸せを見てしまうと、自分も求めてしまう。相手にも好意を持って欲しい、と」
楓「そして女の子は、ついに耐えられなくなった。そして……」
ゆず「そして……?」
楓「……私が聞いたのはここまで。その先は知らないんだ」
ゆず「ふぅん。なんていうか、難しい問題だな」
楓「そうだね……」
ゆず「まぁ、こういうのは当人同士の問題だからな。他人がどうこう言えるもんじゃないよなぁ」
7 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:19:23.53
楓「……ねぇ。もし、もしだよ。私がゆずを好きだと言ったら、ゆずはなんて言うんだろうね」
ゆず「いや、何言ってんだよお前……だって、」
楓「女の子同士は、やっぱりヘン?」
ゆず「当たり前だろー? それに、そんなことあるはずないし……」
楓「うん……」
ゆず「お互い、そんなキャラじゃないだろ? うん、やっぱり想像できねーなー」
楓「そう……だよね……」ニコッ
ゆず「まったく、冗談もそれくらいにしてそろそろ帰ろ……っ!」
楓「……」ポロポロ
ゆず「なんで……」
楓「な、なに?」
ゆず「何泣いてんだよ、楓……」
楓「え……ぁ、うん……あれ、おかしいな……」ゴシゴシ
ゆず「楓……?」
楓「ずっと、こうやって話す時のシミュレーションしてたんだけどなぁ……あはは」
楓「私は、不器用みたいだから……やっぱり、涙が止まらないよ……」
ゆず「楓……」
楓「……っ!」ダッ
ゆず「あっ、おい! どこ行くんだよ、おぃ!」
8 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:21:55.43
廊下
楓「はっ……はっ……はぁっ……」タッタッタッ
楓(バカだなぁ、私って)
楓「っく……はっ……はぁっ!!」
楓(何言ってるんだろう。何してるんだろう)
楓(あんなに練習したのに、どうして上手くいかないんだろう……)
楓(ウソをついて、予防線を張って、保険を掛けて……)
楓(バカ、バカバカ……バカだ、私は……)
9 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:22:23.98
屋上
ガチャッ キィィィ
楓「はーっ……はーっ……」スタスタ
楓(やっぱり、追いかけてきてはくれないんだよね……)
楓(ただの友達だもん……)
楓(今頃は、明日になればまた元通り、なんて思ってるに違いない……)
楓(それでいいんだよ、だってヘンだもん)
楓(こんな恋は、許されないんだから……)
楓(……でも、おかしい、おかしいよ……)
楓(みんなは、あんなに幸せそうなのに)
楓(どうして、私だけ)
楓(……どうして、どうしてどうして……私だけ……)
10 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:22:51.14
楓「……」ボーッ
楓「夕日、キレイだなぁ……」
楓「そういえば、こんな夕日の帰り道だったかな……」
楓(いいな、みんなは)
楓(好きな人が、自分を好いてくれて……)
楓(私も、そういう人を好きになれば良かったのに)
楓(羨ましい……みんなが)
11 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:23:25.93
楓(相手が自分を好いてくれると限らないのに、バカみたい……)
楓(恋をするのって、とっても……辛いんだ。ううん、恋じゃなくて、失恋かな)
楓(……漫画で読んだ時は共感なんて出来なかった)
楓(どうしてこの主人公の少女は泣いているんだろうって思った)
楓(フラれて、逃げて、また泣いて)
楓(恋が実らなかったくらいで、大げさな……なんて)
楓(そう思っていた)
楓(でも春香達やコトネ達のコトを知ってしまった今、そして……)
楓(こうして消沈している私……)
楓(……今なら分かる)
楓(本当に好きな人がいるって、とても辛くて悲しいんだ)
楓(こんなことなら、いっそ……ゆずのこと、ゆずのことを……好きになんて、)
楓「っ……!!」
12 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:23:54.24
ガチャッ キィィィィ
ゆず「ここにいたのか……探したぞ。ほら、カバンだ。まったく、何飛び出してるんだよ」
楓「ん、ありがとう……」
ゆず「……」
楓「じゃあ、帰ろっか……」
ゆず「……待てよ。いくら鈍感のあたしだって、さっきの意味くらいは分かるよ」
楓「分かんないよ、絶対に……」
ゆず「いいや、分かるよ」
楓「ふぅん……。じゃあ言ってみてよ、さっきの意味をさ。分かるんでしょ?」
ゆず「楓……お前……」
13 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:24:30.16
楓「早く、言ってよ!」
ゆず「……さっきのは、その……あたしを好きだってこと、なんだろ……?」
ゆず「それなのに、あたしは楓のことを傷つける言い方をした……。ごめんな」
ゆず「知らなかったんだ……楓が、そう思っているなんて……本当にごめん」
楓「へぇー……。そういう意味で取ったんだ」
ゆず「な、なんだよ。だって今のは」
楓「もういいよ。たらればの話だったんだ」
ゆず「楓……? でも、さっきお前泣いて……」
楓「何勘違いしてるんだい。ちょーっとゆずを驚かせようと思っただけだよ。ホントホント」
ゆず「……」
楓「高校入ってからは、私のターゲットが春香に変わったからね」
楓「ゆずはイジって貰えなくて寂しがってるかと思ってさー」
楓「しっかし、引っかかってくれたねー。うん、私の泣き真似は上手いみたいだ」
楓「これなら演技派としてもやっていけるね~……」
ゆず「……」
楓「じゃあ、帰……」
14 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:25:20.42
ゆず「ウソだ」
楓「……」
ゆず「なんでウソをつくんだよ。あたしらの仲だろ? なんで、なんでウソつくんだよ!!」
楓「何言ってるのさ、ウソなんか、」
ゆず「……いいや、あたしには分かるよ。楓と何年一緒だと思ってるんだ」
楓「っ……!」ダッ
ゆず「逃げるな!」グイッ
ゆず「……楓はあんまり感情を表に出さないから、みんなには分からないだろうけど」
ゆず「あたしには分かる」
ゆず「なぁ、教えてくれよ……」
楓「……」
楓「そうだよ……」
楓「ほんと、こんなに長く一緒にいなければよかったよ……」
ゆず「楓……?」
楓「いまさら私が、ゆずを好きだなんて、言えると思う……?」ポロポロ
15 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:26:03.47
ゆず「……」
楓「いつも一緒にいて、何でも話せていたのに、何でもは話せなかった」
楓「周りが幸せになっていくから、私は悩んだ。すごく、すごく」
楓「そのうち、一緒にいることさえ辛くなった。そうでしょ? だって好きなのに言えないんだよ……」
楓「知っていたから。この気持ちは、許されるモノじゃないって」
楓「そんな辛いこと、耐えられるワケがないよ……」
楓「でも、一緒にいないなんて選択肢は無かった。いつもゆずが私といてくれたから」
楓「このままじゃ、私は……私の気持ちは、壊れちゃうよ……」
楓「ゆずは、私の何なの?」
ゆず「……」
楓「ねぇ、答えてよ……ゆず……」
ゆず「楓……」
16 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:26:36.33
タッタッタッ
???「もぉ! なんで私が……こんなところに……」
???「いいからいいから!」
17 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:27:31.73
ゆず「お、おぃ……誰か来るぞ……」
楓「っ!」ドンッ
ゆず「うわっ!」
楓「じっとして……」
ゆず「でも、この体勢……」
楓「……」ギュゥッ
楓(ゆずの心臓の音が聴こえる……)
楓(これも、私が視た、一つの夢……)
18 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:28:04.51
ガチャッ
春香「うわー、キレイ!」
優「ぁー、そうだね、キレイだね。……ねーねー、もう行こうよぉー」
春香「えー、もう少しだけ、ねっ、ねっ?」
優「もぉー、その言葉、今日何回目だと思ってるのさ」
春香「んー……2回目くらいかな?」
優「……帰る」プイッ
春香「あーん、分かった! 抹茶アイスね、あとでおごってあげるから、ね? ね? いいでしょ?」
優「チョロイ人みたいな扱い、止めてくれないかなっ」プンプン
春香「じゃあいらないの?」
優「いる……」
春香「ねー、あっち! あっちの方が夕日、キレイだよ!」タッタッタ
優「はぁ~……しょうがないなぁー……」テクテクテク
19 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:28:39.20
物陰
ゆず「あのさ、近い……」
楓「うん……」
ゆず「アイツら向こうに行ったし、そんなに抱きつかなくても……」
楓「ううん……」
ゆず「……楓?」
楓「……」スッ
ゆず「……ぉ、おい……どこに手を回して……っ!」
楓「……」ピタッ
楓(あと、1秒)
楓(あと、3cm)
楓(あと、ほんの少しの勇気があれば、私は。私は……)
20 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:34:12.65
優「……まったく。こんなと……で……スしようだなんて、春香は……」
春香「ぇー、私は夕日に染ま……屋上でキ……って、すごく青春し……と思う……なー」
優「それは、まぁそうだけど……」
春香「それに、優ちゃんとっても可愛かったよ? ふふー」
優「……っ!! 知らない知らない! 早く行かないとお店閉まっちゃうよ!」タッタッタ
春香「もぉ、照れちゃって……あーん、待ってよ優ちゃーん!」
ガチャッ キィィィィ バタンッ
21 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:34:39.94
楓「……」
ゆず「……」ジッ
楓「……」
ゆず「……」
楓「……」スッ
ゆず「……」
楓「ごめんね……」
ゆず「ん……」
22 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:35:20.61
楓「ほんの少しの勇気も持ってないなんて……弱い人間だね……私は」
ゆず「そんなことない。今、シてたら……きっと私は楓をキライになってたと思う」
楓「そっか……じゃあ私は正しかったんだね……」
ゆず「なぁ、どうしてそこまで焦ってるんだ……?」
楓「どうしてだろうねぇ……周りの幸せに当てられたのかな」
ゆず「でも、あたしも楓も、楓が言う“みんな”じゃない。だろ?」
楓「うん。でも、やっぱり寂しいよ。私の気持ちは、一体どこへ行けばいいんだろうって」
ゆず「……さっきの答え、だけどな」
楓「……うん」
ゆず「あたしは、楓を……恋愛対象に見てなかったから、すぐに恋人になるってのは出来ない」
楓「そうだよね……」
ゆず「でも、あたしもきっと好き……だぞ……それがまだ恋愛感情になってないだけで」
ゆず「これから変わっていくかもしれない。たぶん、そうだと思う。こんなに好意を向けられたのは初めてだから」
ゆず「……虫のいい話かな」
楓「さぁ、どうだか。でも、それはとっても嬉しいよ、ゆず」
23 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:35:50.01
ゆず「なぁ。もし……キスしたかったら、その……するか?」
楓「え……?」
ゆず「さっきさ、楓の気持ちを貶しちゃったから、そのお詫びに……楓も、したそうだったから、さ……////」
楓「もういいのに……でも」
ゆず「ん?」
楓「……シて、欲しいな……v」
ゆず「わ、分かった……いくぞ?」
ゆず(あ、あれ……あたし、口大丈夫かな。さっき飲んだジュースの味で、いいかな……)
ゆず(唇、大丈夫だっけ? さっきリップを塗ってたような……うぅ、もういくしかない……)
楓「……」
ゆず「……」オソルオソル
楓「……」
ゆず「んー……」ドキドキドキ
24 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:36:17.35
楓「……」フイッ
ゆず「え、なんで……」
楓「……まだ、いい」
ゆず「どうして……」
楓「これじゃあ私のワガママだからね……」
ゆず「……」
楓「ゆずが本当の意味で私を好いてくれた時まで、待ってるよ」
ゆず「そっか……ありがとな」
楓「……友達以上、恋人未満……か」
ゆず「やっぱり不満?」
楓「ううん、上出来だよ。やっぱり、私達はここから始めたほうが良いんだよね」
ゆず「あたし達らしく、な」
25 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:36:46.56
楓「ねぇ。昔さ、手を繋いで帰ったこと、覚えてる?」
ゆず「さぁ。もうそんな昔の話は忘れちゃったよ」
楓「そっか……」
ゆず「だって……。ずーっと楓といるんだぞ? どれがどの記憶だったか、もう分からないよ」
楓「……うん」
ゆず「その記憶のどこにも、楓がいる。昨日までも、今も、明日からもな」
楓「嬉しいね……」
ゆず「どうする? 手……繋いで帰るか?」
楓「恥ずかしいよ……」プイッ
ゆず「たまには、いいだろ」ギュッ
楓「ん、そうだね……」ギュッ
ゆず「楓、これからもよろしくな」
楓「こちらこそよろしく……ゆず」
テテテテンッ デデデンッ! つづく
26 :しぃな ◆CB7w5rWLD6 :2014/06/06(金) 00:38:20.34
オワリナンダナ
読んでくれた方、ありがとうございました。
次は、別の作品です。たぶんR-18です。よろしくどうぞ、です。
某まとめサイト様、並びに各所でコメントくださる方、いつもありがとうございます。
それでは、また。
ストパンO.V.A並ビニT.V.Aアルマデ戦線ヲ維持シツツ別命アルマデ書キ続ケルンダナ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 00:42:08.72
楓はガチ(確信)
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 01:36:03.60
あんただったか!
スト魔女じゃねーから分からなかったが……面白かったで乙
スト魔女じゃねーから分からなかったが……面白かったで乙
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 08:30:10.57
こんなの待ってた!
続きも待ってる!
乙!
続きも待ってる!
乙!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 08:39:51.66
乙!
良かったよ!
良かったよ!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 09:26:13.12
乙!
すっごく良かった
すっごく良かった
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/06/07(土) 16:52:55.32
かえゆずいいね
Entry ⇒ 2014.06.23 | Category ⇒ 桜Trick | Comments (0)
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