一夏「俺、デブは嫌いなんだ」
1: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 01:19:06.21 ID:E7dKsAj+0
【学食】
セシリア「え、えぇっ⁉︎」ガタッ
一夏「……? どうしたんだ?」
セシリア「今なんとおっしゃいまして⁉︎」
一夏「いや、[ピザ]は嫌いだって」
お相撲さん(TV)「どすこーい! どすこいどすこーい!」
一夏「見てみろよ。あれ。暑苦しいったらありゃしないよな」
セシリア「そ、そうだったんですの。テレビに映ってらっしゃる力士の方の」
一夏「女の子だって太ってるのは嫌だけどさ」
セシリア「……!」ガタッ
一夏「おわっ⁉︎ さっきからどうしたんだ? 様子が変だぞ!」
セシリア「い、一夏さんっ! 女子に軽はずみな体重の話は厳禁ですわ!」
一夏「いや、でもセシリアはそんな心配」
シャルロット「なんの話?」ヒョイ
一夏「ああ、なんだ。シャルも昼飯か」
シャルロット「うん。ボクもご一緒させてもらっていいかな、えへへ……セシリア、どうしたの? 座ったら?」
セシリア「けっこうです! ちょっと、その、食欲がありませんので失礼します!」ガチャン コツコツ
シャルロット「え、まだ半分も食べてなかったのに……一夏、セシリアになんか言った?」
一夏「いや、思い当たる節はなにも」
シャルロット「ほんとかなぁ」
一夏「なんだよ。テレビを見ながら、[ピザ]は嫌いだって言っただけだって」
シャルロット「はぁ……。いちかぁ……女の子の前でそんなこと言っちゃだめだよぉ~」
一夏「どうしてだめなんだ?」
シャルロット「体重は気にするからね。それで? 一夏は痩せてる子がいいの?」もぐもぐ
一夏「あぁ、[ピザ]は嫌だな。でも、シャルも――」
シャルロット「ごちそうさま」カチャ
一夏「お、おい。まだちょっとしか」
シャルロット「な、なんだか今日はお腹いっぱいになっちゃってさぁ~」
一夏「体調でも悪いのか?」
シャルロット「心配してくれるの……?」
一夏「ああ、もちろんだ」
シャルロット「え、そ、それって、どして……?」
一夏「もちろん! シャルは大切な仲間だからな!」
シャルロット「な、仲間……。そ、そうだよね……あは、あはは……」ショボン
一夏「悩みがあったらなんでも聞くからさ!」ポン
シャルロット「ありがとう」
一夏「それで、体調は本当に平気なのか?」
シャルロット「うん。大丈夫。問題なのは、恋する病、なんちゃって」
一夏「……?」
シャルロット「もぉ! どうして聞いてほしいときに聞こえてないんだよぉ!」バンッ
一夏「おわぁっ⁉︎」
セシリア「え、えぇっ⁉︎」ガタッ
一夏「……? どうしたんだ?」
セシリア「今なんとおっしゃいまして⁉︎」
一夏「いや、[ピザ]は嫌いだって」
お相撲さん(TV)「どすこーい! どすこいどすこーい!」
一夏「見てみろよ。あれ。暑苦しいったらありゃしないよな」
セシリア「そ、そうだったんですの。テレビに映ってらっしゃる力士の方の」
一夏「女の子だって太ってるのは嫌だけどさ」
セシリア「……!」ガタッ
一夏「おわっ⁉︎ さっきからどうしたんだ? 様子が変だぞ!」
セシリア「い、一夏さんっ! 女子に軽はずみな体重の話は厳禁ですわ!」
一夏「いや、でもセシリアはそんな心配」
シャルロット「なんの話?」ヒョイ
一夏「ああ、なんだ。シャルも昼飯か」
シャルロット「うん。ボクもご一緒させてもらっていいかな、えへへ……セシリア、どうしたの? 座ったら?」
セシリア「けっこうです! ちょっと、その、食欲がありませんので失礼します!」ガチャン コツコツ
シャルロット「え、まだ半分も食べてなかったのに……一夏、セシリアになんか言った?」
一夏「いや、思い当たる節はなにも」
シャルロット「ほんとかなぁ」
一夏「なんだよ。テレビを見ながら、[ピザ]は嫌いだって言っただけだって」
シャルロット「はぁ……。いちかぁ……女の子の前でそんなこと言っちゃだめだよぉ~」
一夏「どうしてだめなんだ?」
シャルロット「体重は気にするからね。それで? 一夏は痩せてる子がいいの?」もぐもぐ
一夏「あぁ、[ピザ]は嫌だな。でも、シャルも――」
シャルロット「ごちそうさま」カチャ
一夏「お、おい。まだちょっとしか」
シャルロット「な、なんだか今日はお腹いっぱいになっちゃってさぁ~」
一夏「体調でも悪いのか?」
シャルロット「心配してくれるの……?」
一夏「ああ、もちろんだ」
シャルロット「え、そ、それって、どして……?」
一夏「もちろん! シャルは大切な仲間だからな!」
シャルロット「な、仲間……。そ、そうだよね……あは、あはは……」ショボン
一夏「悩みがあったらなんでも聞くからさ!」ポン
シャルロット「ありがとう」
一夏「それで、体調は本当に平気なのか?」
シャルロット「うん。大丈夫。問題なのは、恋する病、なんちゃって」
一夏「……?」
シャルロット「もぉ! どうして聞いてほしいときに聞こえてないんだよぉ!」バンッ
一夏「おわぁっ⁉︎」
2: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 01:38:07.28 ID:E7dKsAj+0
【トレーニングルーム】
セシリア「――どうして、だめなんですのぉっ⁉︎」
シャルロット「やっぱり、ここにいた」
セシリア「シャ、シャルロットさん、なぜここに」
シャルロット「一夏から経緯を聞いたから。もしかしたらと思って。スーツ、なにしてるの?」
セシリア「こ、これは、その……」
シャルロット「それ、どう見てもワンサイズ小さいよね」
セシリア「去年までだったら着れていたんです! 「もうちょっ、と。ふっ、ふっ、よっ! とおっ! はぁっ!」
シャルロット「無理だよ」
セシリア「「いやっ! いやいやいやっ! 太ってなんかっ! 太ってなんかいませんわっ! ……ちょっと増えてましたけど……」
シャルロット「発育があるから、当たり前――」
セシリア「そうですわっ! わたしが太ったんじゃありませんっ! きっと洗濯してしまったから縮んだ、服の方が縮んだんですわっ! 流石わたくし、貴い一夏様に嫌われないように」
シャルロット「とうとい一夏さまぁ?」ピクッ
セシリア「そうと分かれば次の服です! シャルロットさん! そこの袋に入ってる服を!」ビシ
シャルロット「ん~どれだろぉ。これかなぁ~、はい、どうぞ」ニコ
セシリア「はやくよこしなさい!」バシッ
シャルロット「おお、こわ」
セシリア「うんしょ、よいしょ、あ、あら? これも? よっ、ふっ、ふっ、ふんっ!」
シャルロット「お腹に力いれてるの丸わかりでみっともないよぉ~?」
セシリア「~~~~ッ!」ブチンッ
シャルロット「あらら。ボタンとれちゃった」
セシリア「ど、どうして。わたくしともあろうものが。このような事態に」
シャルロット「あぁ~あ。一夏に嫌われちゃうねぇ~」
セシリア「……!」ビク
シャルロット「食べすぎなんじゃない?」
セシリア「馬鹿食いの中国娘と一緒にしないでくださる⁉︎」
シャルロット「それで、何キロ増えてるの?」
セシリア「ご、ごき……」もごもご
シャルロット「ん?」
セシリア「5キロですっ! あぁん、もう! わざわざ言わせないでください!」
シャルロット「そんなに? 見えないけど……」
セシリア「ウエストサイズは変わらないんですけど。その、お尻と、お胸に少し脂肪がついたようで」
シャルロット「そ、それって」ヒクヒク
セシリア「どうしましょう⁉︎ このままでは一夏さんに嫌われてしまいますわ!」
シャルロット「はぁ……」
セシリア「――どうして、だめなんですのぉっ⁉︎」
シャルロット「やっぱり、ここにいた」
セシリア「シャ、シャルロットさん、なぜここに」
シャルロット「一夏から経緯を聞いたから。もしかしたらと思って。スーツ、なにしてるの?」
セシリア「こ、これは、その……」
シャルロット「それ、どう見てもワンサイズ小さいよね」
セシリア「去年までだったら着れていたんです! 「もうちょっ、と。ふっ、ふっ、よっ! とおっ! はぁっ!」
シャルロット「無理だよ」
セシリア「「いやっ! いやいやいやっ! 太ってなんかっ! 太ってなんかいませんわっ! ……ちょっと増えてましたけど……」
シャルロット「発育があるから、当たり前――」
セシリア「そうですわっ! わたしが太ったんじゃありませんっ! きっと洗濯してしまったから縮んだ、服の方が縮んだんですわっ! 流石わたくし、貴い一夏様に嫌われないように」
シャルロット「とうとい一夏さまぁ?」ピクッ
セシリア「そうと分かれば次の服です! シャルロットさん! そこの袋に入ってる服を!」ビシ
シャルロット「ん~どれだろぉ。これかなぁ~、はい、どうぞ」ニコ
セシリア「はやくよこしなさい!」バシッ
シャルロット「おお、こわ」
セシリア「うんしょ、よいしょ、あ、あら? これも? よっ、ふっ、ふっ、ふんっ!」
シャルロット「お腹に力いれてるの丸わかりでみっともないよぉ~?」
セシリア「~~~~ッ!」ブチンッ
シャルロット「あらら。ボタンとれちゃった」
セシリア「ど、どうして。わたくしともあろうものが。このような事態に」
シャルロット「あぁ~あ。一夏に嫌われちゃうねぇ~」
セシリア「……!」ビク
シャルロット「食べすぎなんじゃない?」
セシリア「馬鹿食いの中国娘と一緒にしないでくださる⁉︎」
シャルロット「それで、何キロ増えてるの?」
セシリア「ご、ごき……」もごもご
シャルロット「ん?」
セシリア「5キロですっ! あぁん、もう! わざわざ言わせないでください!」
シャルロット「そんなに? 見えないけど……」
セシリア「ウエストサイズは変わらないんですけど。その、お尻と、お胸に少し脂肪がついたようで」
シャルロット「そ、それって」ヒクヒク
セシリア「どうしましょう⁉︎ このままでは一夏さんに嫌われてしまいますわ!」
シャルロット「はぁ……」
3: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 09:22:12.37 ID:E7dKsAj+0
【数時間後 同トレーニングルーム】
セシリア「ダイエットですわ!」
鈴「唐突に呼び出されたかと思えば、なんでこうなってるわけ」
シャルロット「さぁ~」ポリポリ
セシリア「協力してください!」
箒「と、言われてもなぁ」
ラウラ「訓練があるし暇なわけじゃないんだが」
鈴「はっはーん。要するに、太ったってわけ?」
セシリア「きーーーーっ!」
ラウラ「気にするほどでもないだろう」
箒「そうだな。それに、突然の申し出を了承も得ずに決められていては困る」
セシリア「もろろん! 力を貸していただく上でタダとはいたしません! これを見てください!」ピッ
鈴&ラウラ&箒「そ、それはっ⁉︎」
セシリア「そうです! ネズミーランドの三ヶ月フリーパスチケットですわ! 本国に連絡して特別に支給していただきました!」
鈴「三ヶ月⁉︎ ほんとなの⁉︎」
ラウラ「ネズミーランドというのは、かわいいマスコットがいっぱいいるところなはず」ソワソワ
箒「うーん……」
セシリア「どうです?」
鈴「ペアチケットよね」
セシリア「へ?」
鈴「どうなの⁉︎」ダンッ
セシリア「そ、そうですわよ!」
鈴「乗った!」
ラウラ「ペアチケット……それなら、嫁と一緒にいける……」
箒「ま、まぁ、たまには息抜きが必要だよな。一夏も」もごもご
シャルロット「はぁ……簡単なんだからぁ~」
鈴「なによ、じゃああんたはいらないの?」
シャルロット「そ、そう言ったわけじゃ!」
鈴「ほしいならほしいって素直に言えた方が可愛げがあるわよ?」
シャルロット「う、うぅ……」
ラウラ「しかし、発育過程で脂肪を溶かすのはあまり感心できんぞ」
セシリア「いいんです! だって、一夏さんが……」
鈴「一夏が?」ラウラ「嫁が?」箒「あいつが?」
セシリア「と、とにかく! 協力するんですの⁉︎」
鈴「はぁ、なるほど。そういうことね」
ラウラ「ふむ。わかった。協力しよう」
箒「まったく、どうせあのバカがよからぬことを……私も、協力する」
セシリア「恩にきますわ!」
セシリア「ダイエットですわ!」
鈴「唐突に呼び出されたかと思えば、なんでこうなってるわけ」
シャルロット「さぁ~」ポリポリ
セシリア「協力してください!」
箒「と、言われてもなぁ」
ラウラ「訓練があるし暇なわけじゃないんだが」
鈴「はっはーん。要するに、太ったってわけ?」
セシリア「きーーーーっ!」
ラウラ「気にするほどでもないだろう」
箒「そうだな。それに、突然の申し出を了承も得ずに決められていては困る」
セシリア「もろろん! 力を貸していただく上でタダとはいたしません! これを見てください!」ピッ
鈴&ラウラ&箒「そ、それはっ⁉︎」
セシリア「そうです! ネズミーランドの三ヶ月フリーパスチケットですわ! 本国に連絡して特別に支給していただきました!」
鈴「三ヶ月⁉︎ ほんとなの⁉︎」
ラウラ「ネズミーランドというのは、かわいいマスコットがいっぱいいるところなはず」ソワソワ
箒「うーん……」
セシリア「どうです?」
鈴「ペアチケットよね」
セシリア「へ?」
鈴「どうなの⁉︎」ダンッ
セシリア「そ、そうですわよ!」
鈴「乗った!」
ラウラ「ペアチケット……それなら、嫁と一緒にいける……」
箒「ま、まぁ、たまには息抜きが必要だよな。一夏も」もごもご
シャルロット「はぁ……簡単なんだからぁ~」
鈴「なによ、じゃああんたはいらないの?」
シャルロット「そ、そう言ったわけじゃ!」
鈴「ほしいならほしいって素直に言えた方が可愛げがあるわよ?」
シャルロット「う、うぅ……」
ラウラ「しかし、発育過程で脂肪を溶かすのはあまり感心できんぞ」
セシリア「いいんです! だって、一夏さんが……」
鈴「一夏が?」ラウラ「嫁が?」箒「あいつが?」
セシリア「と、とにかく! 協力するんですの⁉︎」
鈴「はぁ、なるほど。そういうことね」
ラウラ「ふむ。わかった。協力しよう」
箒「まったく、どうせあのバカがよからぬことを……私も、協力する」
セシリア「恩にきますわ!」
4: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 09:37:48.39 ID:E7dKsAj+0
鈴「メニューどうしよっか。まずは軽めからはじめる?」
箒「そんな必要はないのではないか? 私達は基礎訓練を積んでいるし、体力に問題はないだろう」
シャルロット「あ、それならラウラに考えてもらえば?」
ラウラ「私か?」
シャルロット「うん、ドイツにいた頃は軍属だったんでしょ? それなら適切なメニューを組めそうだし」
鈴「(スパルタじゃないの?)」
ラウラ「しかしだな……」
セシリア「わたくし、頑張ります!」
ラウラ「そ、そうか。それなら……いや、しかし、やはりいきなりは……ちょっと待ってくれ」ゴソゴソ
箒「電話? どこに電話するんだ?」
ラウラ「すぐ済む。……もしもし、クラリッサか。私だ。ああ、すこし聞きたいことがあってな」
鈴「ほんとに、大丈夫なんでしょうね」
シャルロット「た、たぶん」
鈴「はぁ、推薦した本人が自信なくしてどうすんのよ」
ラウラ「――なるほど! わかった!そのようにすればいいのだな!」ピッ
箒「お。終わったのか」
ラウラ「メニューの件は私に一任してくれ」
セシリア「はいっ!」
ラウラ「どうする? 今からはじめるか?」
鈴「少しでもやってみた方がいいんじゃない?」
セシリア「そうですね……。ラウラさん、よろしくお願いします」
鈴「私達は見学しておくから」
セシリア「どうしてそうなるんですの⁉︎」
鈴「へ?」
セシリア「協力というのはそういう意味ではございませんっ! 一緒にダイエットしていただかないと困ります!」
箒「そうなのか?」
セシリア「ダイエットというのはマラソンランナーと同じ。孤独で辛く、地道な努力。その仲間がほしいのですぅ!」
鈴「めんどくさっ!」
シャルロット「まぁ、まぁ。僕たちも着替えてこようよ」
箒「そんな必要はないのではないか? 私達は基礎訓練を積んでいるし、体力に問題はないだろう」
シャルロット「あ、それならラウラに考えてもらえば?」
ラウラ「私か?」
シャルロット「うん、ドイツにいた頃は軍属だったんでしょ? それなら適切なメニューを組めそうだし」
鈴「(スパルタじゃないの?)」
ラウラ「しかしだな……」
セシリア「わたくし、頑張ります!」
ラウラ「そ、そうか。それなら……いや、しかし、やはりいきなりは……ちょっと待ってくれ」ゴソゴソ
箒「電話? どこに電話するんだ?」
ラウラ「すぐ済む。……もしもし、クラリッサか。私だ。ああ、すこし聞きたいことがあってな」
鈴「ほんとに、大丈夫なんでしょうね」
シャルロット「た、たぶん」
鈴「はぁ、推薦した本人が自信なくしてどうすんのよ」
ラウラ「――なるほど! わかった!そのようにすればいいのだな!」ピッ
箒「お。終わったのか」
ラウラ「メニューの件は私に一任してくれ」
セシリア「はいっ!」
ラウラ「どうする? 今からはじめるか?」
鈴「少しでもやってみた方がいいんじゃない?」
セシリア「そうですね……。ラウラさん、よろしくお願いします」
鈴「私達は見学しておくから」
セシリア「どうしてそうなるんですの⁉︎」
鈴「へ?」
セシリア「協力というのはそういう意味ではございませんっ! 一緒にダイエットしていただかないと困ります!」
箒「そうなのか?」
セシリア「ダイエットというのはマラソンランナーと同じ。孤独で辛く、地道な努力。その仲間がほしいのですぅ!」
鈴「めんどくさっ!」
シャルロット「まぁ、まぁ。僕たちも着替えてこようよ」
5: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 09:52:36.51 ID:E7dKsAj+0
【数十分後】
ラウラ「整列ッ! 気をつけ!」
鈴「はいはい」
ラウラ「はいは一回だ! 醜く卑しい太った豚どもめ!」
箒「……」
ラウラ「貴様らの教官を務めるラウラ・ボーデヴィッヒだ! 語尾には必ずイエス・サーをつけるように! わかったか⁉︎」
シャルロット「い、いえす、さー」
ラウラ「声が小さいッ!!」
セシリア「イエス・サー!」
ラウラ「もっと腹から声をださんかッ!ダイエットをしたいという気持ちはその程度か!」
セシリア「イエス・サーッ!!」
鈴「はぁ……」
ラウラ「よし、いい発声だ。休めの姿勢をとれ」
鈴「メニューは?」
ラウラ「軟弱な貴様らにピッタリなカリキュラムを用意した。絶対に痩せられる方法だ」
セシリア「ぜ、絶対に、痩せられる……」ゴクリ
鈴「とどのつまり、動いて燃焼させてカロリー制限をすれば誰だって痩せ――」
ラウラ「無駄口を叩くなッ!」
鈴「はいはい」
箒「ふぅ、なんでもいいからはじめよう」
ラウラ「まずはもも上げからだ。各個、両手をめいっぱい広げて間隔をとれ……うむ、そうだ。私がかけごえをかけるから、合わせて足をあげるんだぞ。準備はいいか?」
鈴「いつでもどーぞ」
ラウラ「整列ッ! 気をつけ!」
鈴「はいはい」
ラウラ「はいは一回だ! 醜く卑しい太った豚どもめ!」
箒「……」
ラウラ「貴様らの教官を務めるラウラ・ボーデヴィッヒだ! 語尾には必ずイエス・サーをつけるように! わかったか⁉︎」
シャルロット「い、いえす、さー」
ラウラ「声が小さいッ!!」
セシリア「イエス・サー!」
ラウラ「もっと腹から声をださんかッ!ダイエットをしたいという気持ちはその程度か!」
セシリア「イエス・サーッ!!」
鈴「はぁ……」
ラウラ「よし、いい発声だ。休めの姿勢をとれ」
鈴「メニューは?」
ラウラ「軟弱な貴様らにピッタリなカリキュラムを用意した。絶対に痩せられる方法だ」
セシリア「ぜ、絶対に、痩せられる……」ゴクリ
鈴「とどのつまり、動いて燃焼させてカロリー制限をすれば誰だって痩せ――」
ラウラ「無駄口を叩くなッ!」
鈴「はいはい」
箒「ふぅ、なんでもいいからはじめよう」
ラウラ「まずはもも上げからだ。各個、両手をめいっぱい広げて間隔をとれ……うむ、そうだ。私がかけごえをかけるから、合わせて足をあげるんだぞ。準備はいいか?」
鈴「いつでもどーぞ」
6: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 10:08:52.69 ID:E7dKsAj+0
【また数十分後】
ラウラ「はい、膝をあげてー、そこ! 足がさがってるぞ! ちゃんと一定の角度まで上げろと注意したばっかりだろうが!」
鈴「はぁっ、はあっ、ちょっと、いつまで……」
セシリア「す、すこし、休ませて、ください、まし」
箒「くっ」
ラウラ「この程度で根をあげてダイエットになるか! 脂肪の燃焼は身体が温まってきた三十分後からはじまる! これからが本番だぞ!」
シャルロット「うぅ、最近トレーニングをサボってたから思ってた以上に、くる」
ラウラ「軟弱なやつらめ! よし、だいぶ汗をかいてるな」
鈴「きゅ、休憩?」
ラウラ「クールダウンするにはまだはやい! すぐに寝そべって仰向けになれ!」
箒「……ふぅ、こうか」
ラウラ「鈴、少し失礼するぞ。他の者はよく見ておくように」ガシ
鈴「へ? いたっ! あいだだだだッ!」
ラウラ「このように、体を捻って腹筋をするんだ」
シャルロット「そ、それは、ちょっとねじりすぎじゃ」
鈴「いだだだっ! 皮膚がちぎれる!」
ラウラ「実演する時はわかりやすさが第一だからな。オーバーにしてある」
セシリア「ちょっと休憩しからでも」
ラウラ「ほう……。言い出しっぺが真っ先に休みたいと?」
セシリア「そ、そうは言ってませんけど、みなさんもお疲れでしょうし」
ラウラ「ぶくぶくに太った豚」
セシリア「ひっ」ビク
ラウラ「浮き輪」
セシリア「だ、だれのお腹が浮き輪なんですのっ⁉︎」
ラウラ「デブ」
セシリア「う、うぅ」
ラウラ「いいか、さっきも言ったが中途半端が一番意味がない。やっていないのと同じになってしまうんだ」
セシリア「そうなんですか……」
シャルロット「うん、ラウラがいってることは間違ってないよ。苦しいけど、頑張ろう?」
セシリア「わかりました」
ラウラ「はい、膝をあげてー、そこ! 足がさがってるぞ! ちゃんと一定の角度まで上げろと注意したばっかりだろうが!」
鈴「はぁっ、はあっ、ちょっと、いつまで……」
セシリア「す、すこし、休ませて、ください、まし」
箒「くっ」
ラウラ「この程度で根をあげてダイエットになるか! 脂肪の燃焼は身体が温まってきた三十分後からはじまる! これからが本番だぞ!」
シャルロット「うぅ、最近トレーニングをサボってたから思ってた以上に、くる」
ラウラ「軟弱なやつらめ! よし、だいぶ汗をかいてるな」
鈴「きゅ、休憩?」
ラウラ「クールダウンするにはまだはやい! すぐに寝そべって仰向けになれ!」
箒「……ふぅ、こうか」
ラウラ「鈴、少し失礼するぞ。他の者はよく見ておくように」ガシ
鈴「へ? いたっ! あいだだだだッ!」
ラウラ「このように、体を捻って腹筋をするんだ」
シャルロット「そ、それは、ちょっとねじりすぎじゃ」
鈴「いだだだっ! 皮膚がちぎれる!」
ラウラ「実演する時はわかりやすさが第一だからな。オーバーにしてある」
セシリア「ちょっと休憩しからでも」
ラウラ「ほう……。言い出しっぺが真っ先に休みたいと?」
セシリア「そ、そうは言ってませんけど、みなさんもお疲れでしょうし」
ラウラ「ぶくぶくに太った豚」
セシリア「ひっ」ビク
ラウラ「浮き輪」
セシリア「だ、だれのお腹が浮き輪なんですのっ⁉︎」
ラウラ「デブ」
セシリア「う、うぅ」
ラウラ「いいか、さっきも言ったが中途半端が一番意味がない。やっていないのと同じになってしまうんだ」
セシリア「そうなんですか……」
シャルロット「うん、ラウラがいってることは間違ってないよ。苦しいけど、頑張ろう?」
セシリア「わかりました」
9: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 22:40:39.68 ID:E7dKsAj+0
【同時刻 ロビー】
のほほん「おりむー。おーい」
一夏「ん?」
のほほん「こっちこっちー」
一夏「おわぁっ! そ、そんなところでなにをしてるだ?」
のほほん「ぬふふん。私は今、壺になりきってる最中なのだよ~」
一夏「はぁ」
のほほん「ところでおりむー。つかぬことをお伺いしますが、学園祭の出し物なににするか聞いた?」
一夏「いや、なんにするんだ?」
のほほん「えっとね~、候補がいくつかあってぇ~有力なのはホストクラブカフェかなぁ~」
一夏「そうなのか? でも、クラスに男子は」
のほほん「そこなんだよねぇ~問題は。おりむーとシャルロットくんしかいないから」
一夏「そうだよな」
のほほん「なんかいいアイデアないかなぁ~?」
一夏「アイデアって言われても」
のほほん「うーん、そうだよねぇ~困ったなぁ。生徒会にそろそろ報告しなきゃいけないんだけどぉ」
一夏「ホームルームで決めないのか?」
のほほん「決まらないと思うんだけど~。そうだ! おりむーを景品にしたダーツなんかどうかなぁ~」
一夏「いっ⁉︎ 俺を⁉︎」
のほほん「そうそう~。きっと人気でると思うよぉ~」
一夏「そ、それなら、ホストクラブの方が……」
のほほん「でもでもぉ。おりむーとシャルロットくんに指名が集まっちゃうし」
一夏「男装カフェなんかどうだ?」
のほほん「男装?」
一夏「箒とか似合うと思うし。宝塚みたいに化粧とカツラを被ればなんとかなるんじゃないかと思うんだが」
のほほん「いいかもぉ~。クラスのみんなで話あってみるねぇ~」
一夏「あぁ、だけど、今日はもう授業は」
のほほん「女の子ネットワークを甘くみたらいけないよぉ~。寮だっておんなじなんだし、すぐに連絡つくから~」
一夏「そうか。それなら、俺からのアイデアはそれってことで」
のほほん「あいあい~。おりむーからのアイデアはしかと受け賜わりましたぁ~」
のほほん「おりむー。おーい」
一夏「ん?」
のほほん「こっちこっちー」
一夏「おわぁっ! そ、そんなところでなにをしてるだ?」
のほほん「ぬふふん。私は今、壺になりきってる最中なのだよ~」
一夏「はぁ」
のほほん「ところでおりむー。つかぬことをお伺いしますが、学園祭の出し物なににするか聞いた?」
一夏「いや、なんにするんだ?」
のほほん「えっとね~、候補がいくつかあってぇ~有力なのはホストクラブカフェかなぁ~」
一夏「そうなのか? でも、クラスに男子は」
のほほん「そこなんだよねぇ~問題は。おりむーとシャルロットくんしかいないから」
一夏「そうだよな」
のほほん「なんかいいアイデアないかなぁ~?」
一夏「アイデアって言われても」
のほほん「うーん、そうだよねぇ~困ったなぁ。生徒会にそろそろ報告しなきゃいけないんだけどぉ」
一夏「ホームルームで決めないのか?」
のほほん「決まらないと思うんだけど~。そうだ! おりむーを景品にしたダーツなんかどうかなぁ~」
一夏「いっ⁉︎ 俺を⁉︎」
のほほん「そうそう~。きっと人気でると思うよぉ~」
一夏「そ、それなら、ホストクラブの方が……」
のほほん「でもでもぉ。おりむーとシャルロットくんに指名が集まっちゃうし」
一夏「男装カフェなんかどうだ?」
のほほん「男装?」
一夏「箒とか似合うと思うし。宝塚みたいに化粧とカツラを被ればなんとかなるんじゃないかと思うんだが」
のほほん「いいかもぉ~。クラスのみんなで話あってみるねぇ~」
一夏「あぁ、だけど、今日はもう授業は」
のほほん「女の子ネットワークを甘くみたらいけないよぉ~。寮だっておんなじなんだし、すぐに連絡つくから~」
一夏「そうか。それなら、俺からのアイデアはそれってことで」
のほほん「あいあい~。おりむーからのアイデアはしかと受け賜わりましたぁ~」
10: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 22:59:24.35 ID:E7dKsAj+0
【数時間後 またトレーニングルーム】
ラウラ「腰を落として腕を水平に振るんだ! いいか、一、二、一、二」
鈴「やってらんないわよッ!!」ビターン
ラウラ「む。タオルを叩きつけてどうした」
鈴「いくらなんでも初日からぶっとばしすぎでしょ!」
ラウラ「いや、しかしクラリッサが……」
セシリア「」
鈴「ぶっ倒れてんじゃないの!」
シャルロット「ぜぇ、ぜぇ……す、水分補給しないのは、ぜぇ、ぜぇ、ちょっと……」
箒「ふぅ、いい汗をかいた。どうした?」
ラウラ「箒は平気そうだが」
鈴「日頃から鍛錬してるやつと一緒にしないで! それぞれに合ったメニューにしないと!」
ラウラ「甘えは厳禁だぞ。その内ついてこれるようになる」
鈴「はぁ……あのねぇ、最初からこれじゃ潰れちゃうの。ダイエットなんか継続しなきゃ意味ないんだから、続けられるメニューにするのが第一よ」
ラウラ「しかし、辛さを乗り越えた先に栄光が」
鈴「どこの軍だ! あんたは!」
シャルロット「あ、あはは。ちょっと休憩しよう? ね?」
箒「おい、セシリア」パチパチ
セシリア「……はっ! ここは……?」
箒「水だ。ゆっくり何口かに分けて飲め」
セシリア「そうでしたわ……わたくし、景色が歪んで」
鈴「脱水症状おこしてるかもしれないから。横になってな――」
セシリア「こうしてはおられませんっ!」ガバァ
鈴「な、なに?」
セシリア「もっと痩せなくては!」
シャルロット「少し、休んだ方がいいよ」
セシリア「いいえ! 頑張りが無になってしまいます!」
ラウラ「よくぞ言った! セシリア! 貴様はただのブタではない! 見所のあるブタだ!」
セシリア「ブタって言わないでくれません⁉︎」
ラウラ「さぁ、一番きついセシリアがこう言っているぞ! 残りのお前たちは根性なしかァッ!」
鈴「だぁ……」
箒「まぁ、落ち着け。これ以上はオーバーワークになる危険性がある」
シャルロット「アドレナリンがでてるだけだと思うから。ね? ラウラ」
ラウラ「そこまで言うなら仕方ない」
シャルロット「セシリア、また明日にして今日はシャワーを浴びて戻ろう?」
セシリア「うぅ、わかりましたわぁ」
ラウラ「腰を落として腕を水平に振るんだ! いいか、一、二、一、二」
鈴「やってらんないわよッ!!」ビターン
ラウラ「む。タオルを叩きつけてどうした」
鈴「いくらなんでも初日からぶっとばしすぎでしょ!」
ラウラ「いや、しかしクラリッサが……」
セシリア「」
鈴「ぶっ倒れてんじゃないの!」
シャルロット「ぜぇ、ぜぇ……す、水分補給しないのは、ぜぇ、ぜぇ、ちょっと……」
箒「ふぅ、いい汗をかいた。どうした?」
ラウラ「箒は平気そうだが」
鈴「日頃から鍛錬してるやつと一緒にしないで! それぞれに合ったメニューにしないと!」
ラウラ「甘えは厳禁だぞ。その内ついてこれるようになる」
鈴「はぁ……あのねぇ、最初からこれじゃ潰れちゃうの。ダイエットなんか継続しなきゃ意味ないんだから、続けられるメニューにするのが第一よ」
ラウラ「しかし、辛さを乗り越えた先に栄光が」
鈴「どこの軍だ! あんたは!」
シャルロット「あ、あはは。ちょっと休憩しよう? ね?」
箒「おい、セシリア」パチパチ
セシリア「……はっ! ここは……?」
箒「水だ。ゆっくり何口かに分けて飲め」
セシリア「そうでしたわ……わたくし、景色が歪んで」
鈴「脱水症状おこしてるかもしれないから。横になってな――」
セシリア「こうしてはおられませんっ!」ガバァ
鈴「な、なに?」
セシリア「もっと痩せなくては!」
シャルロット「少し、休んだ方がいいよ」
セシリア「いいえ! 頑張りが無になってしまいます!」
ラウラ「よくぞ言った! セシリア! 貴様はただのブタではない! 見所のあるブタだ!」
セシリア「ブタって言わないでくれません⁉︎」
ラウラ「さぁ、一番きついセシリアがこう言っているぞ! 残りのお前たちは根性なしかァッ!」
鈴「だぁ……」
箒「まぁ、落ち着け。これ以上はオーバーワークになる危険性がある」
シャルロット「アドレナリンがでてるだけだと思うから。ね? ラウラ」
ラウラ「そこまで言うなら仕方ない」
シャルロット「セシリア、また明日にして今日はシャワーを浴びて戻ろう?」
セシリア「うぅ、わかりましたわぁ」
11: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 23:27:26.00 ID:E7dKsAj+0
【ロッカールーム】
セシリア「す、すこしは痩せたはず」ソォー
鈴「そんなに簡単に痩せるわけ――」
セシリア「2キロ減りましたわぁ~!」
鈴「あのねぇ……」
シャルロット「水分をとればすぐに戻るよ。今は、汗をかいた分だけ減ってるから」
セシリア「そうなんですの?」
鈴「さっきから思ってたけどさぁ、セシリアってダイエットしたことないの?」
セシリア「はい」ケロッ
鈴「マジ……? 一回も?」
セシリア「だって、太ったことありませんもの。ダイエットなんてデブがするものでしょう?」
鈴「こ、こいつ……!」
シャルロット「凄いんだねぇ~セシリア。デブのくせに」
セシリア「ひっ」
鈴「ちょ、ちょっと。シャルロット?」
シャルロット「世の中にはたぁ~くさんダイエットしてる人がいるんだよぉ~?」ニコニコ
セシリア「それがなんですの?」
シャルロット「太りやすい人だっているんじゃないのかなぁ~」
セシリア「そんなもの怠慢ですわ」
シャルロット「あぁ、そう。でも、デブだもんね。セシリア」
セシリア「うっ、ぐす、そんな言い方しなくても」
シャルロット「ごめんねぇ。太りやすい時期が僕もあっからさぁ」
箒「おい、そろそろ門限になる。喋ってないではやく着替えろ」
鈴「そうだった。シャルロット、あんたは一応、男ってことになってるから少し時間ずらしましょ」
シャルロット「ああ、うん。わかった」
ラウラ「別にかまわんのではないか?」
シャルロット「いや、まだ女子用の制服がきてないし。本国には、教官が取り計らってくれてるけど」
箒「そろそろカミングアウトするいい時期ではないか」
シャルロット「わかってる。クラスのみんなを騙し続けるのも気が咎めるし」
ラウラ「そうか。それならば何も言うまい。教官が良いようしにしてくれるだろう」
セシリア「まだ、部屋は一夏さんと同じですしね?」ジトー
鈴&箒「……」ピクッ
ラウラ「そうだな。嫁ならなにも問題ないだろう」
シャルロット「い、いやぁ! そ、そうだねぇ~! はやくしないとなぁ~!」
鈴「部屋だけでも別にできないの?」
箒「あいつだって、そ、その、男子、だからな。男女七歳にして同衾せずとも言う」
シャルロット「私は別に……いいけど……」
箒「……! やっぱり、だめだ! 千冬さんに直訴させてもらう!」
鈴「賛成!」
シャルロット「えぇ~?」
鈴「はやく着替えて行きましょ!」
セシリア「す、すこしは痩せたはず」ソォー
鈴「そんなに簡単に痩せるわけ――」
セシリア「2キロ減りましたわぁ~!」
鈴「あのねぇ……」
シャルロット「水分をとればすぐに戻るよ。今は、汗をかいた分だけ減ってるから」
セシリア「そうなんですの?」
鈴「さっきから思ってたけどさぁ、セシリアってダイエットしたことないの?」
セシリア「はい」ケロッ
鈴「マジ……? 一回も?」
セシリア「だって、太ったことありませんもの。ダイエットなんてデブがするものでしょう?」
鈴「こ、こいつ……!」
シャルロット「凄いんだねぇ~セシリア。デブのくせに」
セシリア「ひっ」
鈴「ちょ、ちょっと。シャルロット?」
シャルロット「世の中にはたぁ~くさんダイエットしてる人がいるんだよぉ~?」ニコニコ
セシリア「それがなんですの?」
シャルロット「太りやすい人だっているんじゃないのかなぁ~」
セシリア「そんなもの怠慢ですわ」
シャルロット「あぁ、そう。でも、デブだもんね。セシリア」
セシリア「うっ、ぐす、そんな言い方しなくても」
シャルロット「ごめんねぇ。太りやすい時期が僕もあっからさぁ」
箒「おい、そろそろ門限になる。喋ってないではやく着替えろ」
鈴「そうだった。シャルロット、あんたは一応、男ってことになってるから少し時間ずらしましょ」
シャルロット「ああ、うん。わかった」
ラウラ「別にかまわんのではないか?」
シャルロット「いや、まだ女子用の制服がきてないし。本国には、教官が取り計らってくれてるけど」
箒「そろそろカミングアウトするいい時期ではないか」
シャルロット「わかってる。クラスのみんなを騙し続けるのも気が咎めるし」
ラウラ「そうか。それならば何も言うまい。教官が良いようしにしてくれるだろう」
セシリア「まだ、部屋は一夏さんと同じですしね?」ジトー
鈴&箒「……」ピクッ
ラウラ「そうだな。嫁ならなにも問題ないだろう」
シャルロット「い、いやぁ! そ、そうだねぇ~! はやくしないとなぁ~!」
鈴「部屋だけでも別にできないの?」
箒「あいつだって、そ、その、男子、だからな。男女七歳にして同衾せずとも言う」
シャルロット「私は別に……いいけど……」
箒「……! やっぱり、だめだ! 千冬さんに直訴させてもらう!」
鈴「賛成!」
シャルロット「えぇ~?」
鈴「はやく着替えて行きましょ!」
12: ◆y7//w4A.QY 2017/08/03(木) 23:51:29.95 ID:E7dKsAj+0
【職員室】
千冬「――却下だ」
鈴「どうしてぇ⁉︎」
千冬「まったく、緊急の用件だと言うからなにかと思えば。そんなくだらん話とは」
箒「し、しかし! シャルロットが女だとわかればクラスのみんなも不審に」
千冬「気に入らんな。本音はそうじゃないだろう」
箒「うっ」
千冬「心配をせずとも。アレに手をだす度胸はなかろうよ」
セシリア「部屋に空きはないんですの?」
千冬「生憎だがな。シャルロットはまだ男で通っている以上、女と同室にするわけにはいかん」
シャルロット「ご迷惑をおかけします」
千冬「事情が事情だ。仕方ないだろう」
鈴「むぅ~」
千冬「女とカミングアウトするのは、いつにするか決めたか?」
シャルロット「制服が届いてからにしようかと」
千冬「であるならば、二日後には手配が済むだろう。お前たちもそれまで我慢しろ」
鈴&箒&セシリア「はぁ……」
千冬「以上だ。寄り道をせずに――」
ラウラ「教官、ISの登録はどうなりますか?」
千冬「ん?」
ラウラ「男はやはり一夏だけということになるのでしょうか」
千冬「人類初にして唯一の男性操縦者という元の鞘に戻るだけだ。しかし、まだひよっこ。技能については話が別になるだろう」
ラウラ「嫁は各国としても重要なサンプルです。ターゲットにされやすいかと思われますが」
千冬「その通りだ。……アレに足りない部分はお前たちで支えてやってくれると助かる」
セシリア「もちろんですわ!」
鈴「まぁ、しょーがないなぁ」
箒「鍛錬に力をいれてやらないと」
シャルロット「はいっ!」
千冬「どいつもこいつも、素直ではないな」
千冬「――却下だ」
鈴「どうしてぇ⁉︎」
千冬「まったく、緊急の用件だと言うからなにかと思えば。そんなくだらん話とは」
箒「し、しかし! シャルロットが女だとわかればクラスのみんなも不審に」
千冬「気に入らんな。本音はそうじゃないだろう」
箒「うっ」
千冬「心配をせずとも。アレに手をだす度胸はなかろうよ」
セシリア「部屋に空きはないんですの?」
千冬「生憎だがな。シャルロットはまだ男で通っている以上、女と同室にするわけにはいかん」
シャルロット「ご迷惑をおかけします」
千冬「事情が事情だ。仕方ないだろう」
鈴「むぅ~」
千冬「女とカミングアウトするのは、いつにするか決めたか?」
シャルロット「制服が届いてからにしようかと」
千冬「であるならば、二日後には手配が済むだろう。お前たちもそれまで我慢しろ」
鈴&箒&セシリア「はぁ……」
千冬「以上だ。寄り道をせずに――」
ラウラ「教官、ISの登録はどうなりますか?」
千冬「ん?」
ラウラ「男はやはり一夏だけということになるのでしょうか」
千冬「人類初にして唯一の男性操縦者という元の鞘に戻るだけだ。しかし、まだひよっこ。技能については話が別になるだろう」
ラウラ「嫁は各国としても重要なサンプルです。ターゲットにされやすいかと思われますが」
千冬「その通りだ。……アレに足りない部分はお前たちで支えてやってくれると助かる」
セシリア「もちろんですわ!」
鈴「まぁ、しょーがないなぁ」
箒「鍛錬に力をいれてやらないと」
シャルロット「はいっ!」
千冬「どいつもこいつも、素直ではないな」
13: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 00:06:45.51 ID:wVz2P5md0
【寮 部屋】
一夏「シャル。風呂使ってもいいか?」
シャルロット「あ、うん! 私は先に入ったから」
一夏「はやかったんだな」
シャルロット「戻ってくるの遅かったけど、一夏はなにしてたの?」
一夏「あぁ、ゲームセンターに行ってたんだ」
シャルロット「そうなんだ。一人で?」
一夏「たまにはな。新作がでてたから、どんな感じかさわってみたくて」
シャルロット「そっか。あのさ、セシリアなんだけど」
一夏「ん?」
シャルロット「ダイエットしようって気にしてるみたい。少し、一夏から言ってあげた方がいいかも」
一夏「俺が? どうしてだ?」
シャルロット「んもぅ! 一夏から言わなきゃ効果ないからだよ!」
一夏「……? そうか。それで、なにを?」
シャルロット「ダイエットしなくても綺麗だよーとか」
一夏「え、でも、デブは嫌だしなぁ」
シャルロット「へ?」
一夏「ん?」
シャルロット「一夏、そんなに、太ってるの嫌なの?」
一夏「ああ」ケロッ
シャルロット「ど、どれくらいから太ってるって思う……?」
一夏「うーん、難しいところだが、掴めるぐらいかな」
シャルロット「どこが?」
一夏「お腹の肉が」
シャルロット「も、もし、付き合ってて、彼女がちょっと太っても、一夏はそんな別れたりしないよね」
一夏「彼女? いきなり話が飛躍したな。うーん、別れるかもな」
シャルロット「えぇっ⁉︎ 別れるのぉっ⁉︎」
一夏「不思議なことか? 許せるラインは個人であって当然だろ?」
シャルロット「そ、そうだけど! 内面とかさぁ!」
一夏「デブは嫌だ」
シャルロット「……!」ガタッ
一夏「シャルロット? どうした?」
シャルロット「走ってくる!」
一夏「今からか? もうすぐ消灯時間……」
シャルロット「いいの! 一夏は先に風呂はいってて! 私はシャワーあとで浴びるから!」
一夏「シャル。風呂使ってもいいか?」
シャルロット「あ、うん! 私は先に入ったから」
一夏「はやかったんだな」
シャルロット「戻ってくるの遅かったけど、一夏はなにしてたの?」
一夏「あぁ、ゲームセンターに行ってたんだ」
シャルロット「そうなんだ。一人で?」
一夏「たまにはな。新作がでてたから、どんな感じかさわってみたくて」
シャルロット「そっか。あのさ、セシリアなんだけど」
一夏「ん?」
シャルロット「ダイエットしようって気にしてるみたい。少し、一夏から言ってあげた方がいいかも」
一夏「俺が? どうしてだ?」
シャルロット「んもぅ! 一夏から言わなきゃ効果ないからだよ!」
一夏「……? そうか。それで、なにを?」
シャルロット「ダイエットしなくても綺麗だよーとか」
一夏「え、でも、デブは嫌だしなぁ」
シャルロット「へ?」
一夏「ん?」
シャルロット「一夏、そんなに、太ってるの嫌なの?」
一夏「ああ」ケロッ
シャルロット「ど、どれくらいから太ってるって思う……?」
一夏「うーん、難しいところだが、掴めるぐらいかな」
シャルロット「どこが?」
一夏「お腹の肉が」
シャルロット「も、もし、付き合ってて、彼女がちょっと太っても、一夏はそんな別れたりしないよね」
一夏「彼女? いきなり話が飛躍したな。うーん、別れるかもな」
シャルロット「えぇっ⁉︎ 別れるのぉっ⁉︎」
一夏「不思議なことか? 許せるラインは個人であって当然だろ?」
シャルロット「そ、そうだけど! 内面とかさぁ!」
一夏「デブは嫌だ」
シャルロット「……!」ガタッ
一夏「シャルロット? どうした?」
シャルロット「走ってくる!」
一夏「今からか? もうすぐ消灯時間……」
シャルロット「いいの! 一夏は先に風呂はいってて! 私はシャワーあとで浴びるから!」
14: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 00:38:33.76 ID:wVz2P5md0
【寮周辺】
シャルロット「ふぅ、ふぅ」タッタッタッ
セシリア「ふぅ、ふぅ」タッタッタ
シャルロット「あれ? セシリア」
セシリア「シャルロットさん。あなたもジョギングですの?」
シャルロット「う、うん、まぁ」
セシリア「やはり、一夏さんが太っている女性が嫌なのを気にして」
シャルロット「や、やだなぁ!たまたまだよ! たまたま!」
セシリア「誤魔化さなくても結構です。同室である貴女がこうしているということは、冗談ではないのでしょうね」
シャルロット「そうだね……」
セシリア「おあつらえ向きにベンチがあります。少し、座ってお話ししません?」
シャルロット「う、うん」スッ
セシリア「一夏さんが、[ピザ]が嫌いだというのは意外ではありました」
シャルロット「うん……」
セシリア「外見で判断するなど。……でも、少しお気持ちがわかります」
シャルロット「……」
セシリア「もし、一夏さんがとんでもなく、その、ブサイクな殿方だったらと思うと、私は好きになっていたかどうか……」
シャルロット「うん、それはそうかも」
セシリア「もちろん、一夏さんの良さは外見だけではありません。優しげな眼差しも、高身長な点も、スタイルもそれらは付加価値であり、心がキレイだからです」
シャルロット「……」
セシリア「でも、そうだとしても一夏さんにとって[ピザ]であることは“最低限クリアしなければいけない条件”なのでしょうね……」
シャルロット「うん……そう考えればしっくりくるね……」
セシリア「シャルロットさん!」ガシッ
シャルロット「な、なに?」
セシリア「協定を結びません⁉︎」
シャルロット「ふぅ、ふぅ」タッタッタッ
セシリア「ふぅ、ふぅ」タッタッタ
シャルロット「あれ? セシリア」
セシリア「シャルロットさん。あなたもジョギングですの?」
シャルロット「う、うん、まぁ」
セシリア「やはり、一夏さんが太っている女性が嫌なのを気にして」
シャルロット「や、やだなぁ!たまたまだよ! たまたま!」
セシリア「誤魔化さなくても結構です。同室である貴女がこうしているということは、冗談ではないのでしょうね」
シャルロット「そうだね……」
セシリア「おあつらえ向きにベンチがあります。少し、座ってお話ししません?」
シャルロット「う、うん」スッ
セシリア「一夏さんが、[ピザ]が嫌いだというのは意外ではありました」
シャルロット「うん……」
セシリア「外見で判断するなど。……でも、少しお気持ちがわかります」
シャルロット「……」
セシリア「もし、一夏さんがとんでもなく、その、ブサイクな殿方だったらと思うと、私は好きになっていたかどうか……」
シャルロット「うん、それはそうかも」
セシリア「もちろん、一夏さんの良さは外見だけではありません。優しげな眼差しも、高身長な点も、スタイルもそれらは付加価値であり、心がキレイだからです」
シャルロット「……」
セシリア「でも、そうだとしても一夏さんにとって[ピザ]であることは“最低限クリアしなければいけない条件”なのでしょうね……」
シャルロット「うん……そう考えればしっくりくるね……」
セシリア「シャルロットさん!」ガシッ
シャルロット「な、なに?」
セシリア「協定を結びません⁉︎」
15: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 00:40:33.16 ID:wVz2P5md0
saga入れるの慣れてないとめんどくさいなぁ
16: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 00:59:09.34 ID:wVz2P5md0
シャルロット「協定って?」
セシリア「わたくしたちはいわば痩せるという志をともにする仲間です!」
シャルロット「は、はぁ……」
セシリア「ですから! 痩せるまで一夏さんに想いを伝えないという協定です!」
シャルロット「え、えぇ? でも、私は別に太ってないし、セシリアだって」
セシリア「でももヘチマもありませんわ! 痩せて維持できるサイクルを作るまでが真に痩せたと言えるのです!」
シャルロット「それで、体型が維持できるまでのサイクルを作れたらどうなるの?」
セシリア「そうなれば同じ土俵というお話になります! 抜け駆けはなしで!」
シャルロット「そ、そうかなぁ?」
セシリア「耳をお貸しになってください」
シャルロット「ん?」
セシリア「他のみなさんは知らないんですのよ……」コショ
シャルロット「……!」
セシリア「知っているのはわたくしとシャルロットさんのみですわ」
シャルロット「でも……みんな太ってるわけじゃないし」
セシリア「今は、ですよね」
シャルロット「……?」
セシリア「油断は慢心を招きます。カロリーが高い食べ物をすすめれば」
シャルロット「え、えぇ? まずいよ、それは」
セシリア「そうですか……シャルロットさんの一夏さんに対する想いはその程度なんですね」
シャルロット「むっ。どういう意味?」
セシリア「わたくしたちはライバルですのよ。選ばれるのは一人のみ。それは不変です」
シャルロット「……」
セシリア「蹴落とすチャンスがあるなら積極的に行うべきではありません?」
シャルロット「でも、バレたら……」
セシリア「バレなければいいのです。でも、シャルロットさんは乗り気じゃないようですね」
シャルロット「うーん」
セシリア「失望しました。一夏さんへの想いの軽さに」
シャルロット「なっ!」ガタッ
セシリア「はぁ……」
シャルロット「私の一夏に対する想いに嘘なんてない! 一夏は私を救ってくれたんだから!」
セシリア「でも、あなたは自分のことを考えているでしょう?」
シャルロット「セシリアこそ見損なったよ!」
セシリア「なんですの! わたくしは間違っていまへんわ!」
シャルロット「正々堂々としなくちゃ!」
セシリア「わたくしたちはいわば痩せるという志をともにする仲間です!」
シャルロット「は、はぁ……」
セシリア「ですから! 痩せるまで一夏さんに想いを伝えないという協定です!」
シャルロット「え、えぇ? でも、私は別に太ってないし、セシリアだって」
セシリア「でももヘチマもありませんわ! 痩せて維持できるサイクルを作るまでが真に痩せたと言えるのです!」
シャルロット「それで、体型が維持できるまでのサイクルを作れたらどうなるの?」
セシリア「そうなれば同じ土俵というお話になります! 抜け駆けはなしで!」
シャルロット「そ、そうかなぁ?」
セシリア「耳をお貸しになってください」
シャルロット「ん?」
セシリア「他のみなさんは知らないんですのよ……」コショ
シャルロット「……!」
セシリア「知っているのはわたくしとシャルロットさんのみですわ」
シャルロット「でも……みんな太ってるわけじゃないし」
セシリア「今は、ですよね」
シャルロット「……?」
セシリア「油断は慢心を招きます。カロリーが高い食べ物をすすめれば」
シャルロット「え、えぇ? まずいよ、それは」
セシリア「そうですか……シャルロットさんの一夏さんに対する想いはその程度なんですね」
シャルロット「むっ。どういう意味?」
セシリア「わたくしたちはライバルですのよ。選ばれるのは一人のみ。それは不変です」
シャルロット「……」
セシリア「蹴落とすチャンスがあるなら積極的に行うべきではありません?」
シャルロット「でも、バレたら……」
セシリア「バレなければいいのです。でも、シャルロットさんは乗り気じゃないようですね」
シャルロット「うーん」
セシリア「失望しました。一夏さんへの想いの軽さに」
シャルロット「なっ!」ガタッ
セシリア「はぁ……」
シャルロット「私の一夏に対する想いに嘘なんてない! 一夏は私を救ってくれたんだから!」
セシリア「でも、あなたは自分のことを考えているでしょう?」
シャルロット「セシリアこそ見損なったよ!」
セシリア「なんですの! わたくしは間違っていまへんわ!」
シャルロット「正々堂々としなくちゃ!」
19: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 01:23:02.92 ID:wVz2P5md0
セシリア「それで、正々堂々とやった結果、一夏さんが別の女性を選んだら?」
シャルロット「うっ、そ、それは」
セシリア「わたくしたちだけとは限りません。もしかしたらクラスの別の女性を……」
シャルロット「そ、そんなのっ! ありえないよっ!」
セシリア「どうして言い切れましょう? 根拠のない自信をお持ちのようですけど」
シャルロット「一夏に一番近いのは私達じゃない!」
セシリア「そうだとしても、一夏さんには選ぶ権利があります」
シャルロット「……」
セシリア「わたくしは、一夏さんに対するこの恋焦がれる気持ちをなかったことにはできない。したくはありません」
シャルロット「私だって……」
セシリア「諦めたくないのです。誰が選ばれたとしても」
シャルロット「本気、なんだね」
セシリア「最初からそう言っているではありませんか。むしろ意外だったのはシャルロットさんの方ですわ」
シャルロット「……」
セシリア「綺麗事だけを並べていては得られないものがある。正々堂々なんてごめんです。スポーツじゃないんですよ。勝っても負けても清々しい気持ちなんてなれるわけがありませんわ」
シャルロット「……」
セシリア「もう結構です。このお話は忘れてください。言いふらしたければご自由に」
シャルロット「わかった……」
セシリア「なにがですの?」
シャルロット「協定を結ぶよ。やり方は汚いけど、我慢する。それ以上に私が許せないのは、一夏への想いをその程度だって言われたことだから」
セシリア「……」
シャルロット「私が側にいる。一夏のこと全部守ってみせる。そして、結婚する」
セシリア「なっ!」ガタッ
シャルロット「私が同室だって忘れたの?」
セシリア「あ、あと二日間だけでしょう⁉︎」
シャルロット「男と女なんだよ?」
セシリア「きょ、協定を結ぶと今しがた仰いましたわ!」
シャルロット「抜け駆け、ね。でも、セシリアだって、手段を選ばないと言ったよ」
セシリア「そ、それは……」
シャルロット「形だけの協定に意味なんかない。いずれは私たちも敵対する。でしょ?」
セシリア「シャルロットさんっ!」
シャルロット「ふぅ……慌てないで。相手は鈍感な一夏だし、二日だけでなんとかできるわけないから。今は協定を結ぶよ」
セシリア「そ、それもそうですね」
シャルロット「でも、私の気持ちを“その程度”だって言ったこと。忘れないから」
セシリア「……!」
シャルロット「そろそろ戻るね」
セシリア「はい。決行は明日の朝食からでよろしいですか?」
シャルロット「わかった。みんなで食べるよう一夏にも伝えとく」
シャルロット「うっ、そ、それは」
セシリア「わたくしたちだけとは限りません。もしかしたらクラスの別の女性を……」
シャルロット「そ、そんなのっ! ありえないよっ!」
セシリア「どうして言い切れましょう? 根拠のない自信をお持ちのようですけど」
シャルロット「一夏に一番近いのは私達じゃない!」
セシリア「そうだとしても、一夏さんには選ぶ権利があります」
シャルロット「……」
セシリア「わたくしは、一夏さんに対するこの恋焦がれる気持ちをなかったことにはできない。したくはありません」
シャルロット「私だって……」
セシリア「諦めたくないのです。誰が選ばれたとしても」
シャルロット「本気、なんだね」
セシリア「最初からそう言っているではありませんか。むしろ意外だったのはシャルロットさんの方ですわ」
シャルロット「……」
セシリア「綺麗事だけを並べていては得られないものがある。正々堂々なんてごめんです。スポーツじゃないんですよ。勝っても負けても清々しい気持ちなんてなれるわけがありませんわ」
シャルロット「……」
セシリア「もう結構です。このお話は忘れてください。言いふらしたければご自由に」
シャルロット「わかった……」
セシリア「なにがですの?」
シャルロット「協定を結ぶよ。やり方は汚いけど、我慢する。それ以上に私が許せないのは、一夏への想いをその程度だって言われたことだから」
セシリア「……」
シャルロット「私が側にいる。一夏のこと全部守ってみせる。そして、結婚する」
セシリア「なっ!」ガタッ
シャルロット「私が同室だって忘れたの?」
セシリア「あ、あと二日間だけでしょう⁉︎」
シャルロット「男と女なんだよ?」
セシリア「きょ、協定を結ぶと今しがた仰いましたわ!」
シャルロット「抜け駆け、ね。でも、セシリアだって、手段を選ばないと言ったよ」
セシリア「そ、それは……」
シャルロット「形だけの協定に意味なんかない。いずれは私たちも敵対する。でしょ?」
セシリア「シャルロットさんっ!」
シャルロット「ふぅ……慌てないで。相手は鈍感な一夏だし、二日だけでなんとかできるわけないから。今は協定を結ぶよ」
セシリア「そ、それもそうですね」
シャルロット「でも、私の気持ちを“その程度”だって言ったこと。忘れないから」
セシリア「……!」
シャルロット「そろそろ戻るね」
セシリア「はい。決行は明日の朝食からでよろしいですか?」
シャルロット「わかった。みんなで食べるよう一夏にも伝えとく」
20: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 01:40:59.42 ID:wVz2P5md0
【翌日 食堂】
シャルロット「あ、これおいしい」
一夏「おっ、それって人気がある角煮だよな」
箒「そうなのか?」
シャルロット「うん、食べてみる?」
箒「む、しかし……」
セシリア「せっかくのご好意を無下にしてはいけませわ」
箒「そ、それもそうか。悪いな」
シャルロット「はい、どーぞ。篠ノ之さんって朝鍛錬してるんだよね?」
箒「あぁ。朝にするのは日課になっている」
鈴「よく飽きないもんね」
箒「日課というのはそういうものだ。やるのが日常だからな」
シャルロット「ふぅん、じゃあ、やらなかったら普通じゃないって感じ?」
箒「そういうことになる。一夏、私の食べるか?」
一夏「え、いいのか?」
箒「あぁ。今朝は、す、少しは鍛錬に身がはいっていたようだから、その、ご褒美――」
ラウラ「嫁。これ食え」ヒョイ
一夏「あむっ、うっうまい」
ラウラ「そうだろう。私もおいしいと思っていた」
箒「一夏ぁっ! 私のはどうなっている⁉︎」
一夏「へ? いや、も、もちろんもらうけど」
箒「せっかく褒めようとしたのに、私がどれだけ気苦労するのか、わかって……!」
鈴「そうムキになることないでしょ。いつもの光景なんだから」
箒「だからと言って……!」
シャルロット「まぁまぁ。ほら、僕の分あげるから。機嫌なおして」
箒「私は食いしん坊さんではないぞっ!」
一夏「箒って太らないよな」
シャルロット「……!」
箒「ん? まぁ、日ごろから動いているからな」
一夏「そうか。そういうのって、なんかいい――」
セシリア「篠ノ之さんっ! わたくしのも差し上げますわっ!」
箒「いや、そろそろお腹がいっぱい……」
セシリア「好意は、無下にするものでは、ありません!」ヒョイ
箒「むぐっ! むぐぐっ!」
シャルロット「さぁさぁ、遠慮しないで」
シャルロット「あ、これおいしい」
一夏「おっ、それって人気がある角煮だよな」
箒「そうなのか?」
シャルロット「うん、食べてみる?」
箒「む、しかし……」
セシリア「せっかくのご好意を無下にしてはいけませわ」
箒「そ、それもそうか。悪いな」
シャルロット「はい、どーぞ。篠ノ之さんって朝鍛錬してるんだよね?」
箒「あぁ。朝にするのは日課になっている」
鈴「よく飽きないもんね」
箒「日課というのはそういうものだ。やるのが日常だからな」
シャルロット「ふぅん、じゃあ、やらなかったら普通じゃないって感じ?」
箒「そういうことになる。一夏、私の食べるか?」
一夏「え、いいのか?」
箒「あぁ。今朝は、す、少しは鍛錬に身がはいっていたようだから、その、ご褒美――」
ラウラ「嫁。これ食え」ヒョイ
一夏「あむっ、うっうまい」
ラウラ「そうだろう。私もおいしいと思っていた」
箒「一夏ぁっ! 私のはどうなっている⁉︎」
一夏「へ? いや、も、もちろんもらうけど」
箒「せっかく褒めようとしたのに、私がどれだけ気苦労するのか、わかって……!」
鈴「そうムキになることないでしょ。いつもの光景なんだから」
箒「だからと言って……!」
シャルロット「まぁまぁ。ほら、僕の分あげるから。機嫌なおして」
箒「私は食いしん坊さんではないぞっ!」
一夏「箒って太らないよな」
シャルロット「……!」
箒「ん? まぁ、日ごろから動いているからな」
一夏「そうか。そういうのって、なんかいい――」
セシリア「篠ノ之さんっ! わたくしのも差し上げますわっ!」
箒「いや、そろそろお腹がいっぱい……」
セシリア「好意は、無下にするものでは、ありません!」ヒョイ
箒「むぐっ! むぐぐっ!」
シャルロット「さぁさぁ、遠慮しないで」
21: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 01:49:56.52 ID:wVz2P5md0
【朝食後 ロビー】
シャルロット「ねぇ、セシリア」
セシリア「はい……」
シャルロット「昨日はああいったけど、もしかしたら、これって凄く気の長い話になるんじゃ」
セシリア「同じことを考えているところです」
シャルロット「だよねぇ。篠ノ之さんは鍛錬をしているし、すぐに太るってわけにも」
セシリア「たしかに。それに、景品をゲットするためとはいえ、協力していただいてますし」
シャルロット「ますます太らないんじゃ」
セシリア「そうなりますわね」
シャル&セシリア「はぁ……」
シャルロット「ねぇ、セシリア」
セシリア「はい……」
シャルロット「昨日はああいったけど、もしかしたら、これって凄く気の長い話になるんじゃ」
セシリア「同じことを考えているところです」
シャルロット「だよねぇ。篠ノ之さんは鍛錬をしているし、すぐに太るってわけにも」
セシリア「たしかに。それに、景品をゲットするためとはいえ、協力していただいてますし」
シャルロット「ますます太らないんじゃ」
セシリア「そうなりますわね」
シャル&セシリア「はぁ……」
22: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 02:05:52.20 ID:wVz2P5md0
完
27: ◆y7//w4A.QY 2017/08/04(金) 15:11:19.90 ID:wVz2P5md0
起伏なく終わりで面白いものではなかったと思いますが一度書いてみたかったんで
アニメの一期しか見たことがなく原作知識がほとんどないす
ラウラがナノマシンで太らないエンドを予定してましてもっとドタバタして終わらそうかなと思ってたんですが、設定がよくわからないのでボロが出る前に終わっときます
日常の一コマを切り取ったショートストーリーってことでひとつ
アニメの一期しか見たことがなく原作知識がほとんどないす
ラウラがナノマシンで太らないエンドを予定してましてもっとドタバタして終わらそうかなと思ってたんですが、設定がよくわからないのでボロが出る前に終わっときます
日常の一コマを切り取ったショートストーリーってことでひとつ
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1501690745/
Entry ⇒ 2017.10.30 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
織斑一夏「はあ、男が欲しい……」
1: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:35:21.81 ID:IyMoB4KNO
鈴音「………ホモ?」
一夏「違う」
鈴音「え、だって急に男が欲しいとか言い出すから……大丈夫? 弾呼ぼうか?」
一夏「お前、仮に俺がホモだとして弾を生贄に捧げていいのか」
鈴音「んー………そうねえ……」
一夏「迷ってる時点で鈴と弾の友情が疑われるんだが」
鈴音「いや、ほら。一夏がホモだとすれば、もう弾もホモでいいと思うのよ」
一夏「よくないだろ!」
鈴音「あはは、冗談よ~。中学の時に女子の間でひそかに『一夏×弾』のカップリングが盛り上がってたからってさすがに暴論よね。じゃあ気を取り直して」
一夏「ちょっと待て。気を取り直す前にちょっと待て」
鈴音「え?」
一夏「聞き捨てならない部分があったんだが」
鈴音「心配しなくても、一夏がホモだって本気では思ってないわよ? 思ってたらアンタの頭叩きなおしてでもノーマルにするし」
一夏「いや、そっちじゃなくてだな。いやそっちも大事ではあるんだが……え、なに? 俺と弾が、カップリング?」
鈴音「あ、そのこと? だってアンタたちいっつも一緒にいたじゃない。数馬もいたにはいたけど、あっちは女っ気が結構あったしね~」
鈴音「なまじ顔がいいから、そういう妄想が捗るんだって。クラスの子が言ってたわ」
一夏「知りたくなかったぞ、そんなおぞましい事実……」
鈴音「いいじゃない、中学の頃の話なんだから」
一夏「俺も弾も普通に女の子が好きなのに……」
鈴音「24時間365日彼女募集中?」
一夏「おう」
鈴音「にぶちん」
一夏「え? なにが」
鈴音「そういうところが! まあ、はっきり言えないあたしにも責任はあるけどさ……」
一夏「?」
鈴音「なんでもない!」
一夏「違う」
鈴音「え、だって急に男が欲しいとか言い出すから……大丈夫? 弾呼ぼうか?」
一夏「お前、仮に俺がホモだとして弾を生贄に捧げていいのか」
鈴音「んー………そうねえ……」
一夏「迷ってる時点で鈴と弾の友情が疑われるんだが」
鈴音「いや、ほら。一夏がホモだとすれば、もう弾もホモでいいと思うのよ」
一夏「よくないだろ!」
鈴音「あはは、冗談よ~。中学の時に女子の間でひそかに『一夏×弾』のカップリングが盛り上がってたからってさすがに暴論よね。じゃあ気を取り直して」
一夏「ちょっと待て。気を取り直す前にちょっと待て」
鈴音「え?」
一夏「聞き捨てならない部分があったんだが」
鈴音「心配しなくても、一夏がホモだって本気では思ってないわよ? 思ってたらアンタの頭叩きなおしてでもノーマルにするし」
一夏「いや、そっちじゃなくてだな。いやそっちも大事ではあるんだが……え、なに? 俺と弾が、カップリング?」
鈴音「あ、そのこと? だってアンタたちいっつも一緒にいたじゃない。数馬もいたにはいたけど、あっちは女っ気が結構あったしね~」
鈴音「なまじ顔がいいから、そういう妄想が捗るんだって。クラスの子が言ってたわ」
一夏「知りたくなかったぞ、そんなおぞましい事実……」
鈴音「いいじゃない、中学の頃の話なんだから」
一夏「俺も弾も普通に女の子が好きなのに……」
鈴音「24時間365日彼女募集中?」
一夏「おう」
鈴音「にぶちん」
一夏「え? なにが」
鈴音「そういうところが! まあ、はっきり言えないあたしにも責任はあるけどさ……」
一夏「?」
鈴音「なんでもない!」
2: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:36:55.26 ID:IyMoB4KNO
鈴音「それで? 男が欲しいってどういうことよ」
一夏「ほら、知っての通りIS学園は俺以外女子しかいないだろ? 職員の人を入れても、男が少なすぎる」
鈴音「今さらではあるわね」
一夏「俺だって女の子は好きだけど、それでも近くに何人かは男が欲しいんだよ。気軽にあれこれ言い合える男友達が」
鈴音「あー……そうよね。同性の友達って、やっぱり大事よね」
一夏「だからさ、シャルが転入した時ってすげえうれしかったんだよな。あいつ、最初は男として振舞ってたから。ようやく待ち望んでいた存在がやってきてくれたって。もちろん、今の女の子らしいシャルもかわいくて好きなんだけどさ」
鈴音「確かに、あの時の一夏ってぶっちゃけマジでホモ臭かったわね……よっぽどうれしかったってことでしょうけど」
一夏「え、そんなにか?」
鈴音「そんなによ。あたしと箒とセシリアで緊急会議を開いたくらいには」
一夏「なんか心配かけたみたいで悪いな……」
鈴音「セシリアが『わたくしの愛の料理で一夏さんの心を取り戻すというのはどうでしょう』って言いだしたときは全力で止めたけど」
一夏「グッジョブ」
鈴音「でしょ? あとで売店の高級アイス奢りなさい」
一夏「128円アイスでいいか?」
鈴音「ケチ。でも許す」
一夏「よし」
一夏「ほら、知っての通りIS学園は俺以外女子しかいないだろ? 職員の人を入れても、男が少なすぎる」
鈴音「今さらではあるわね」
一夏「俺だって女の子は好きだけど、それでも近くに何人かは男が欲しいんだよ。気軽にあれこれ言い合える男友達が」
鈴音「あー……そうよね。同性の友達って、やっぱり大事よね」
一夏「だからさ、シャルが転入した時ってすげえうれしかったんだよな。あいつ、最初は男として振舞ってたから。ようやく待ち望んでいた存在がやってきてくれたって。もちろん、今の女の子らしいシャルもかわいくて好きなんだけどさ」
鈴音「確かに、あの時の一夏ってぶっちゃけマジでホモ臭かったわね……よっぽどうれしかったってことでしょうけど」
一夏「え、そんなにか?」
鈴音「そんなによ。あたしと箒とセシリアで緊急会議を開いたくらいには」
一夏「なんか心配かけたみたいで悪いな……」
鈴音「セシリアが『わたくしの愛の料理で一夏さんの心を取り戻すというのはどうでしょう』って言いだしたときは全力で止めたけど」
一夏「グッジョブ」
鈴音「でしょ? あとで売店の高級アイス奢りなさい」
一夏「128円アイスでいいか?」
鈴音「ケチ。でも許す」
一夏「よし」
3: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:37:28.89 ID:IyMoB4KNO
一夏「でも、あれだな。そういう意味では、鈴がこの学園に転入してきてくれて本当にありがたいな」
鈴音「え?」
一夏「鈴は女だけど、サバサバしてて気軽に話せるし。付き合い長いぶん、男友達と同じように接することができる貴重な存在だから」
鈴音「………」
一夏「どうしたんだ?」
鈴音「特別扱いをされている事実に喜びつつも『男友達と同じ』というフレーズにため息をつきたくなってる複雑な気持ちなのよ」
一夏「よくわからないけど、そのせいで顔の左半分がにやけてて右半分がムスッてなってるんだな」
鈴音「今のあたしそんな面白いことになってるの?」
一夏「忘年会で出したら大うけ間違いなしだ」
鈴音「鏡で見たくなってきたわ」
一夏「でもアレだな。鈴も一年見ないうちに女の子らしくなってたし、気軽に話せはするけど、男友達とはやっぱり違うんだよな」
鈴音「気軽に話せるけど女の子扱いされてる……?」ニヘラ
一夏「お、右半分もにやけ顔になった」
鈴音「え?」
一夏「鈴は女だけど、サバサバしてて気軽に話せるし。付き合い長いぶん、男友達と同じように接することができる貴重な存在だから」
鈴音「………」
一夏「どうしたんだ?」
鈴音「特別扱いをされている事実に喜びつつも『男友達と同じ』というフレーズにため息をつきたくなってる複雑な気持ちなのよ」
一夏「よくわからないけど、そのせいで顔の左半分がにやけてて右半分がムスッてなってるんだな」
鈴音「今のあたしそんな面白いことになってるの?」
一夏「忘年会で出したら大うけ間違いなしだ」
鈴音「鏡で見たくなってきたわ」
一夏「でもアレだな。鈴も一年見ないうちに女の子らしくなってたし、気軽に話せはするけど、男友達とはやっぱり違うんだよな」
鈴音「気軽に話せるけど女の子扱いされてる……?」ニヘラ
一夏「お、右半分もにやけ顔になった」
4: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:39:03.60 ID:IyMoB4KNO
鈴音「ぐふふふふ」
一夏「急にうれしそうになったけどどうしたんだ?」
鈴音「え~~? 別にいつも通りだわよ~~??」
一夏「すでに語尾がいつも通りじゃないだろ」
鈴音「ぐへへ……ねえ一夏? 男友達にするような話だけじゃなくてさ、もっといろいろ……その、なんでも話してくれてもいいっていうかさ」
一夏「え? ごめん、声が小さくて聞こえなかった」
鈴音「………いつもならイラっと来ちゃうところだけど、今日のあたしは機嫌がいいわ」
鈴音「一夏、耳掃除してあげましょうか」
一夏「え、耳掃除?」
鈴音「そ! ちゃーんとあたしの声が聞こえるように、耳をきれいにしてあげるって言ってるの! ほら、耳かきどこにあるの」
一夏「お、おう……耳かきなら、そこの」
ラウラ「そこの引き出しの上から二番目だな」
一夏「のわあっ!? ら、ラウラ!?」
鈴「なんで天井裏から出てきてるのよ!」
ラウラ「すまない、これには深い理由がある」シュタッ
一夏「理由って?」
ラウラ「突如私の部屋に女子が押し寄せ、ゴスロリとやらの着せ替えパーティーをさせようとしてきたのだ。あまりに人数が多いのでとっさに天井裏に避難し、静かに息を潜めていた」
鈴音「いや普通にドアから逃げなさいよ。なんで天井裏にいっちゃうのよ」
ラウラ「癖だ」
鈴音「どんな癖よ!」
一夏「ラウラ、ゴスロリ衣装似合いそうだもんな。みんなが興奮しちゃったのか」
鈴音「ていうか、シャルロットはいなかったの? 同じ部屋でしょ?」
ラウラ「シャルロット、か。そうだな」
ラウラ「奴は、いいルームメイトだった……」
鈴音(見捨てて置いてきたわねコレ)
一夏(置いてきたな)
一夏「急にうれしそうになったけどどうしたんだ?」
鈴音「え~~? 別にいつも通りだわよ~~??」
一夏「すでに語尾がいつも通りじゃないだろ」
鈴音「ぐへへ……ねえ一夏? 男友達にするような話だけじゃなくてさ、もっといろいろ……その、なんでも話してくれてもいいっていうかさ」
一夏「え? ごめん、声が小さくて聞こえなかった」
鈴音「………いつもならイラっと来ちゃうところだけど、今日のあたしは機嫌がいいわ」
鈴音「一夏、耳掃除してあげましょうか」
一夏「え、耳掃除?」
鈴音「そ! ちゃーんとあたしの声が聞こえるように、耳をきれいにしてあげるって言ってるの! ほら、耳かきどこにあるの」
一夏「お、おう……耳かきなら、そこの」
ラウラ「そこの引き出しの上から二番目だな」
一夏「のわあっ!? ら、ラウラ!?」
鈴「なんで天井裏から出てきてるのよ!」
ラウラ「すまない、これには深い理由がある」シュタッ
一夏「理由って?」
ラウラ「突如私の部屋に女子が押し寄せ、ゴスロリとやらの着せ替えパーティーをさせようとしてきたのだ。あまりに人数が多いのでとっさに天井裏に避難し、静かに息を潜めていた」
鈴音「いや普通にドアから逃げなさいよ。なんで天井裏にいっちゃうのよ」
ラウラ「癖だ」
鈴音「どんな癖よ!」
一夏「ラウラ、ゴスロリ衣装似合いそうだもんな。みんなが興奮しちゃったのか」
鈴音「ていうか、シャルロットはいなかったの? 同じ部屋でしょ?」
ラウラ「シャルロット、か。そうだな」
ラウラ「奴は、いいルームメイトだった……」
鈴音(見捨てて置いてきたわねコレ)
一夏(置いてきたな)
5: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:40:20.22 ID:IyMoB4KNO
ラウラ「そういえば、天井裏にいた時に少し会話が聞こえてきたのだが……私の嫁がホモとはどういうことだ?」
一夏「何もかも間違っててすでに日本語として成立しないレベルになってるぞ」
鈴音「まあ、一夏が嫁って時点ですでにおかしいもんね」
ラウラ「む、違うのか? そもそもホモとはなんのことだ」
一夏「ホモっていうのは……アレだ。男が好きな男のことだ」
鈴音「女に興味がないヤツのことよ」
ラウラ「………なるほど」
ラウラ「一夏。私はお前のために、女らしさというものを少しずつ学んできたつもりだが……それは逆効果だったのか」
一夏「待て待て待て! だから俺はホモじゃなくてだな」
ラウラ「お前のためなら、私はかつて日本で流行ったという亭主関白になろう。カレーパン買ってこい」
一夏「どこからツッコめばいいのかまったくわからん……」
鈴音「あたし売店の高級アイス」
一夏「便乗するな!」
一夏「何もかも間違っててすでに日本語として成立しないレベルになってるぞ」
鈴音「まあ、一夏が嫁って時点ですでにおかしいもんね」
ラウラ「む、違うのか? そもそもホモとはなんのことだ」
一夏「ホモっていうのは……アレだ。男が好きな男のことだ」
鈴音「女に興味がないヤツのことよ」
ラウラ「………なるほど」
ラウラ「一夏。私はお前のために、女らしさというものを少しずつ学んできたつもりだが……それは逆効果だったのか」
一夏「待て待て待て! だから俺はホモじゃなくてだな」
ラウラ「お前のためなら、私はかつて日本で流行ったという亭主関白になろう。カレーパン買ってこい」
一夏「どこからツッコめばいいのかまったくわからん……」
鈴音「あたし売店の高級アイス」
一夏「便乗するな!」
6: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:42:11.37 ID:IyMoB4KNO
ラウラ「嫁よ。私はこれでも『男らしさ』はある程度出せると自覚している。私でよければ、お前の不満を埋めてやるぞ」
一夏「いや、だからそういうわけじゃなくて」
鈴音「残念ね。一夏の不満を埋めるのはあたしよ。さっき一夏本人が言ってたわ」
ラウラ「なんだと……? 確かに鈴も男らしい部分はあるが、私も負けてはいないぞ。嫁、どうなんだ」
一夏「べつに男らしさを求めてるわけじゃないんだけどな……まあ、確かにふたりとも男らしいところはあるけどさ」
一夏(体型的にも)
鈴音「一夏~? アンタ今、あたし達のどこ見てそれ言った?」
一夏「えっ? いやいや、べつに胸見て言ったわけじゃ……あ」
鈴音「ふ~~~~~~ん。へえ~~~~~~~~」
ラウラ「人の身体的特徴を悪く言うのは感心しないな」
一夏「す、すまん」
ラウラ「まあ、私は許すが。そのかわり、今度一対一で訓練に付き合え。みっちりしごいてやろう」
一夏「うへえ。ラウラのしごき、きついんだよなあ」
ラウラ「そう言うな。お前だって、最初に比べればついて来れるようになったではないか」
一夏「だとしたら、うれしいけどな。とりあえず、わかった。頑張る」
ラウラ「うむ、決まりだな」
一夏「いや、だからそういうわけじゃなくて」
鈴音「残念ね。一夏の不満を埋めるのはあたしよ。さっき一夏本人が言ってたわ」
ラウラ「なんだと……? 確かに鈴も男らしい部分はあるが、私も負けてはいないぞ。嫁、どうなんだ」
一夏「べつに男らしさを求めてるわけじゃないんだけどな……まあ、確かにふたりとも男らしいところはあるけどさ」
一夏(体型的にも)
鈴音「一夏~? アンタ今、あたし達のどこ見てそれ言った?」
一夏「えっ? いやいや、べつに胸見て言ったわけじゃ……あ」
鈴音「ふ~~~~~~ん。へえ~~~~~~~~」
ラウラ「人の身体的特徴を悪く言うのは感心しないな」
一夏「す、すまん」
ラウラ「まあ、私は許すが。そのかわり、今度一対一で訓練に付き合え。みっちりしごいてやろう」
一夏「うへえ。ラウラのしごき、きついんだよなあ」
ラウラ「そう言うな。お前だって、最初に比べればついて来れるようになったではないか」
一夏「だとしたら、うれしいけどな。とりあえず、わかった。頑張る」
ラウラ「うむ、決まりだな」
7: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:42:38.01 ID:IyMoB4KNO
鈴音「じゃああたしとは、今度のお休みに街に出て買い物ね! ついでに評判いいカフェあるらしいから一緒に行くわよ」
一夏「買い物か。いいぞ、俺もちょっと欲しいものがあったんだ」
ラウラ「なっ!? 鈴、それは反則だろう!」
鈴音「べっつにー? 一夏がいいって言うならいいでしょ」
ラウラ「ぐぬぅ………一夏! 私ともデートだ!」
鈴音「こら、要求増やすのはそれこそ反則じゃない」
ラウラ「しかし!」
一夏「……はは。なんていうか、にぎやかだな」
一夏「女だらけの中でぼっちになってないだけ、俺は幸せ者か」
一夏「買い物か。いいぞ、俺もちょっと欲しいものがあったんだ」
ラウラ「なっ!? 鈴、それは反則だろう!」
鈴音「べっつにー? 一夏がいいって言うならいいでしょ」
ラウラ「ぐぬぅ………一夏! 私ともデートだ!」
鈴音「こら、要求増やすのはそれこそ反則じゃない」
ラウラ「しかし!」
一夏「……はは。なんていうか、にぎやかだな」
一夏「女だらけの中でぼっちになってないだけ、俺は幸せ者か」
8: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:43:32.55 ID:IyMoB4KNO
その後
ラウラ「では一夏、鈴。おやすみだ。風邪をひかないようにな」
一夏「ああ、おやすみ」
鈴音「おやすみー」
ラウラ「さて、私の部屋はどうなっているか……シャルロットにどう謝るか」
鈴音「じゃあ、あたしもそろそろ自分の部屋に戻るわ」
一夏「ああ。おやすみ」
鈴音「あー、でもその前に。一個聞いていい?」
一夏「ん、なんだ?」
鈴音「さっき、男らしいとか女らしいとか言ってたけど……一夏にとって、結局あたしってどんな存在?」
一夏「どんな存在って……友達?」
鈴音「もうちょっと詳しく」
一夏「えっと、そうだな………うーん」
鈴音「………」
ラウラ「では一夏、鈴。おやすみだ。風邪をひかないようにな」
一夏「ああ、おやすみ」
鈴音「おやすみー」
ラウラ「さて、私の部屋はどうなっているか……シャルロットにどう謝るか」
鈴音「じゃあ、あたしもそろそろ自分の部屋に戻るわ」
一夏「ああ。おやすみ」
鈴音「あー、でもその前に。一個聞いていい?」
一夏「ん、なんだ?」
鈴音「さっき、男らしいとか女らしいとか言ってたけど……一夏にとって、結局あたしってどんな存在?」
一夏「どんな存在って……友達?」
鈴音「もうちょっと詳しく」
一夏「えっと、そうだな………うーん」
鈴音「………」
9: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:44:19.95 ID:IyMoB4KNO
一夏「……鈴は、なんていうか。小学校からの友達で、一緒にバカやれて、でも女の子で」
鈴音「………」
一夏「だから………悪い、うまく言えない。鈴は、鈴だから。替えが効かない、鈴っていう友達」
鈴音「………はあ。そっか」
一夏「ごめん。これ、鈴が知りたかった答えになってないよな。たぶん」
鈴音「まあね。なってないわ、煮えきらないし」
鈴音「でも、それは正直お互い様だから……」
鈴音「えいっ」デコピン
一夏「いてっ」
鈴音「今日はこれで勘弁してあげる! いつかちゃんとした答え、聞かせて」
鈴音「あたしも、その時までには……ちゃんと、言わなきゃいけないこと、言うから」
一夏「………ああ。わかった」
鈴音「よし! じゃあね、おやすみ! なんか困ったことがあったら、本当にホモになっちゃう前に相談しなさいよね!」
一夏「おう!」
鈴音「………」
一夏「だから………悪い、うまく言えない。鈴は、鈴だから。替えが効かない、鈴っていう友達」
鈴音「………はあ。そっか」
一夏「ごめん。これ、鈴が知りたかった答えになってないよな。たぶん」
鈴音「まあね。なってないわ、煮えきらないし」
鈴音「でも、それは正直お互い様だから……」
鈴音「えいっ」デコピン
一夏「いてっ」
鈴音「今日はこれで勘弁してあげる! いつかちゃんとした答え、聞かせて」
鈴音「あたしも、その時までには……ちゃんと、言わなきゃいけないこと、言うから」
一夏「………ああ。わかった」
鈴音「よし! じゃあね、おやすみ! なんか困ったことがあったら、本当にホモになっちゃう前に相談しなさいよね!」
一夏「おう!」
10: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:45:18.97 ID:IyMoB4KNO
鈴音「………替えが効かない、か」
鈴音「待ってなさいよ、一夏。ふふっ」
11: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:45:55.33 ID:IyMoB4KNO
翌朝
箒「一夏。お前がホモだというのは本当か」
セシリア「本当ですの? ホモですの?」
シャルロット「ホモなの? 僕、もう一回男装しようか?」
一夏「鈴。お前がゆうべ、廊下で大声出したせいでえらい噂になってしまったんだが」
鈴音「ごめん。今度酢豚作ってあげるから許して」
おしまい
箒「一夏。お前がホモだというのは本当か」
セシリア「本当ですの? ホモですの?」
シャルロット「ホモなの? 僕、もう一回男装しようか?」
一夏「鈴。お前がゆうべ、廊下で大声出したせいでえらい噂になってしまったんだが」
鈴音「ごめん。今度酢豚作ってあげるから許して」
おしまい
12: ◆C2VTzcV58A 2017/10/10(火) 23:51:05.63 ID:IyMoB4KNO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます。酢豚食べたい
普段書いてるアイマスのSS
的場梨沙「オトナの女は黒で決めるの!」
北沢志保「私は、デレてなんていませんから」
普段書いてるアイマスのSS
的場梨沙「オトナの女は黒で決めるの!」
北沢志保「私は、デレてなんていませんから」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/11(水) 00:40:26.26 ID:jvVX8+8Xo
乙ー
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/11(水) 09:45:47.95 ID:WFRHOWf0o
おつ
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Entry ⇒ 2017.10.17 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
シャル「一夏の理想の彼女ってどんな感じなの?」
1: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:35:54.77 ID:G0/f5lCP0
※IS(インフィニット・ストラトス)のSSです。
※誤字脱字はご容赦ください。
※書きながら更新なので遅いですが頑張ります。
※キャラ崩壊、独自解釈、オリジナル設定(IS開発裏話など)が入る可能性があります。
※初ssなので色々おかしいと思いますがご容赦ください。
嫌な方はブラウザバック推奨です
※誤字脱字はご容赦ください。
※書きながら更新なので遅いですが頑張ります。
※キャラ崩壊、独自解釈、オリジナル設定(IS開発裏話など)が入る可能性があります。
※初ssなので色々おかしいと思いますがご容赦ください。
嫌な方はブラウザバック推奨です
2: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:46:15.87 ID:G0/f5lCP0
一夏「理想の彼女?」
シャル「うん」
セシリア「一夏さんの理想の彼女像が気になりまして」
鈴「例えば酢豚が上手な方がいいとかそんな感じでいいのよ?」
一夏「うーん...」
ラウラ「強い軍人とかでもいいんだぞ嫁よ」
一夏「この中で軍人ってラウラだけだぞ?」
箒「鈴もラウラも少し黙っていろ。私たちは一夏にきいているんだ」
シャル「うん」
セシリア「一夏さんの理想の彼女像が気になりまして」
鈴「例えば酢豚が上手な方がいいとかそんな感じでいいのよ?」
一夏「うーん...」
ラウラ「強い軍人とかでもいいんだぞ嫁よ」
一夏「この中で軍人ってラウラだけだぞ?」
箒「鈴もラウラも少し黙っていろ。私たちは一夏にきいているんだ」
3: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:48:08.78 ID:G0/f5lCP0
一夏「やっぱりあれだな。従順な子がいいな」
シャル「従順って?忠犬みたいな感じってこと?」
一夏「シャルは例えがうまいな。まあ大体そんな感じがいいんだ。」
シャル「従順って?忠犬みたいな感じってこと?」
一夏「シャルは例えがうまいな。まあ大体そんな感じがいいんだ。」
5: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:53:08.94 ID:G0/f5lCP0
シャル(じゃあ僕にもチャンスがあるかもしれない)グッ
セシリア「どういうことですの」コソッ
鈴「私だって知らないわよ。てっきり酢豚が上手とかツインテールとかが出てくると思ってたし」コソッ
箒「一夏はなんでそんなことになってるんだ...」コソッ
セシリア「どういうことですの」コソッ
鈴「私だって知らないわよ。てっきり酢豚が上手とかツインテールとかが出てくると思ってたし」コソッ
箒「一夏はなんでそんなことになってるんだ...」コソッ
6: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:55:47.13 ID:G0/f5lCP0
ラウラ「嫁よなぜそう思うのだ?」
4人((((ナイス[だ、よ、ですわ、だよ]。ラウラ[さん]!))))
4人((((ナイス[だ、よ、ですわ、だよ]。ラウラ[さん]!))))
7: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:57:59.26 ID:G0/f5lCP0
一夏「だってよ、世の中は女尊男卑だし。千冬姉のことは大好きだけどめちゃくちゃ厳しいし」
鈴「なるほど、反動ってわけね」
一夏「そうなるかな。それに俺の彼女従順だし」
シャル「へー、そうなんだ」
鈴「なるほど、反動ってわけね」
一夏「そうなるかな。それに俺の彼女従順だし」
シャル「へー、そうなんだ」
8: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:58:30.97 ID:G0/f5lCP0
......
9: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 06:59:05.98 ID:G0/f5lCP0
5人「「「「「え?」」」」」
10: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 07:01:03.98 ID:G0/f5lCP0
箒「ちょっと待て。一夏、貴様彼女がいるのか?」
一夏「ああ」
セシリア「どういうことですの...」
ラウラ「どういうことだ嫁よ」
一夏「いや、女子校に通ってる唯一の男子生徒だぞ俺は。彼女の1人もできないほうがおかしいだろ。」
一夏「ああ」
セシリア「どういうことですの...」
ラウラ「どういうことだ嫁よ」
一夏「いや、女子校に通ってる唯一の男子生徒だぞ俺は。彼女の1人もできないほうがおかしいだろ。」
11: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 07:05:56.05 ID:G0/f5lCP0
箒「な、な、な...一夏いつだ。いつからだ」
一夏「落ち着けよ箒。な、すごい汗だぞ」
鈴「落ち着ける訳ないでしょ。いいから答えなさい!」
一夏「落ち着けよ箒。な、すごい汗だぞ」
鈴「落ち着ける訳ないでしょ。いいから答えなさい!」
12: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 07:09:53.57 ID:G0/f5lCP0
一夏「最初の彼女ができたのは箒が引っ越す一週間くらい前だよ」
シャル「ちょっと一夏、それもう女子校に通ってるとか関係ないよぉ...」
箒「一夏、それは誰のことだ。私がいろいろ大変だったあの頃貴様は女にうつつを抜かしていたというのか?」
一夏「いや、多分そのくらいからってだけでさ告白もしてないし。まあ、自然にそうなったというか...」
箒「いいから答えろ!誰だ!!」
シャル「ちょっと一夏、それもう女子校に通ってるとか関係ないよぉ...」
箒「一夏、それは誰のことだ。私がいろいろ大変だったあの頃貴様は女にうつつを抜かしていたというのか?」
一夏「いや、多分そのくらいからってだけでさ告白もしてないし。まあ、自然にそうなったというか...」
箒「いいから答えろ!誰だ!!」
13: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 07:16:57.89 ID:G0/f5lCP0
ラウラ「篠ノ之のやつ怖くないか...?」コソッ
セシリア「たしかその頃は箒さんのお姉さんがISを発表なさった頃では?」コソッ
シャル「つまり自分が大変だったときに一夏が彼女を作っていて、しかもそれを自分が知らなかったから怒っていると...」コソッ
鈴「でも私箒とほぼ入れ替わりのセカンド幼馴染だけど、そんな話知らないわよ?」コソッ
ラウラ「それはお前が気づかなかっただけなのではないのか?」コソッ
鈴「違うわ。周りも誰もそんなこと言ってなかったし。そもそもあの頃はほとんど毎日私と遊んだり私のうちにきてご飯を食べたりしてたのよ?」コソッ
セシリア「どうなっているんですの...」コソッ
セシリア「たしかその頃は箒さんのお姉さんがISを発表なさった頃では?」コソッ
シャル「つまり自分が大変だったときに一夏が彼女を作っていて、しかもそれを自分が知らなかったから怒っていると...」コソッ
鈴「でも私箒とほぼ入れ替わりのセカンド幼馴染だけど、そんな話知らないわよ?」コソッ
ラウラ「それはお前が気づかなかっただけなのではないのか?」コソッ
鈴「違うわ。周りも誰もそんなこと言ってなかったし。そもそもあの頃はほとんど毎日私と遊んだり私のうちにきてご飯を食べたりしてたのよ?」コソッ
セシリア「どうなっているんですの...」コソッ
14: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 07:17:57.66 ID:G0/f5lCP0
箒「いいから答えろ!誰だ!」
18: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 22:58:26.13 ID:G0/f5lCP0
束「それはね~箒ちゃん。この大天才束さんのことだよ~!」
19: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 22:58:55.75 ID:G0/f5lCP0
5人「「「「「は?」」」」」
20: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:01:15.27 ID:G0/f5lCP0
束「やっほー箒ちゃん久しぶり!いっくんの彼女の束さんで~す」キャピ
一夏「あ、束久しぶりだな」
束「ホントー久しぶりだよ~いっくん!あぁ、不足したイックニウムを補充させて~!!」ギュー
一夏「あ、束久しぶりだな」
束「ホントー久しぶりだよ~いっくん!あぁ、不足したイックニウムを補充させて~!!」ギュー
21: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:02:54.50 ID:G0/f5lCP0
5人「「「「「!!!」」」」」
22: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:06:42.93 ID:G0/f5lCP0
ラウラ「貴様。いくらISを作った篠ノ之博士といえど許せん。嫁は私のものだ離れろ!」ケンジュウカマエ
束「ちょっとー何してるのさ」ソレヲハジキ オサエコミ
ラウラ「な!?」
束「私の大事な大事ないっくんに当たったらどうする気だ?雌豚ぁ?」ハイライトオフ
ラウラ「バカな...戦うために作られた私がこんな簡単に...」
束「ちょっとー何してるのさ」ソレヲハジキ オサエコミ
ラウラ「な!?」
束「私の大事な大事ないっくんに当たったらどうする気だ?雌豚ぁ?」ハイライトオフ
ラウラ「バカな...戦うために作られた私がこんな簡単に...」
23: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:10:29.83 ID:G0/f5lCP0
セシリア「どういうことですの?ラウラさんって現役の軍人なのでは?」コソッ
シャル「そのはずなんだけどな...こうも簡単に抑え込まれるなんて...
ラウラって氷で銃持ったたてこもりを複数無力化できるくらいには強かったはずなんだけど...」コソッ
鈴「どうなってんのよ...」コソッ
シャル「そのはずなんだけどな...こうも簡単に抑え込まれるなんて...
ラウラって氷で銃持ったたてこもりを複数無力化できるくらいには強かったはずなんだけど...」コソッ
鈴「どうなってんのよ...」コソッ
24: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:13:49.91 ID:G0/f5lCP0
束「戦争のための道具の分際で、いっくんに発情するだけならまだしも銃をむけるなど...」
一夏「アハハ、相変わらず束はチートだなw」
束「大天才束さんは、細胞レベルでオーバースペックなのだよ」ハイライトオン&ドヤガオ
一夏「すごいなぁ束は。でも束
一夏「アハハ、相変わらず束はチートだなw」
束「大天才束さんは、細胞レベルでオーバースペックなのだよ」ハイライトオン&ドヤガオ
一夏「すごいなぁ束は。でも束
25: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:14:40.78 ID:G0/f5lCP0
雌豚だの道具だの何を言っている?
そのこはラウラだ。間違えるな
26: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:15:32.16 ID:G0/f5lCP0
束「うー。ごめんなさいいっくん。気をつけます」
一夏「もう言うなよな」
束「はーい」
一夏「もう言うなよな」
束「はーい」
27: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:16:30.50 ID:G0/f5lCP0
一夏「ラウラもゴメンな?大丈夫か?」
らうら「あぁ、問題ない」
一夏「まったく。束は...」
らうら「あぁ、問題ない」
一夏「まったく。束は...」
28: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:16:56.60 ID:G0/f5lCP0
**しばらくして**
29: ◆OtODHasxz. 2017/05/21(日) 23:18:53.31 ID:G0/f5lCP0
束「さてと、なぜか箒ちゃんは寝ちゃったけど。そこの4人が不思議そうにしてるから、(束さんの愛を見せつけるために)ISの真実を教えてあげよう」
33: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:33:13.82 ID:BK8RW9030
シャル「ISの真実?」
束「そうそう。ほらISって女の子しか使えなくて、男の子で使えるのっていっくんだけじゃん?」
セシリア「えぇ、そうですわね。ですがそれは篠ノ之博士がそのように作られたからなのではないのですか?」
束「いやーそれがそうじゃないんだなぁこれが。
実はね、いっくん小さかった頃に『かっこいい戦うロボットに乗りたい!』って言ったから束さんがいっくんのために作ったのがIS0号機なの」
一夏「ティアマトのことか?」
束「そうだよ~いっくん。まぁ、ティアマトは今は私の専用機なんだけどねぇ」
束「そうそう。ほらISって女の子しか使えなくて、男の子で使えるのっていっくんだけじゃん?」
セシリア「えぇ、そうですわね。ですがそれは篠ノ之博士がそのように作られたからなのではないのですか?」
束「いやーそれがそうじゃないんだなぁこれが。
実はね、いっくん小さかった頃に『かっこいい戦うロボットに乗りたい!』って言ったから束さんがいっくんのために作ったのがIS0号機なの」
一夏「ティアマトのことか?」
束「そうだよ~いっくん。まぁ、ティアマトは今は私の専用機なんだけどねぇ」
34: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:39:33.87 ID:BK8RW9030
ラウラ「それでその肝心のISの真実とは何なのだ?」
束「あーそうそう。それなんだけどね。いっくんとちーちゃんと束さんが動かせるように作ったら、いっくん以外の男じゃあ動かせないものができただけなんだよねぇ~」
セシリア「へ?では女性のために作られたものと言うわけではないのですか?」
束「ちがうよ~たまたまそーなっただけ~」
セシリア「で、では、コアの中が開示されていないのは...?」
束「いっくんが昔『戦争ってやだね~』って言ったからだけど?大量に作られると大惨事じゃん?」
束「あーそうそう。それなんだけどね。いっくんとちーちゃんと束さんが動かせるように作ったら、いっくん以外の男じゃあ動かせないものができただけなんだよねぇ~」
セシリア「へ?では女性のために作られたものと言うわけではないのですか?」
束「ちがうよ~たまたまそーなっただけ~」
セシリア「で、では、コアの中が開示されていないのは...?」
束「いっくんが昔『戦争ってやだね~』って言ったからだけど?大量に作られると大惨事じゃん?」
35: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:40:30.30 ID:BK8RW9030
シャル「一夏...なんか...すごいね...」
一夏「いやぁ~、さすがは束」
一夏「いやぁ~、さすがは束」
36: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:43:13.99 ID:BK8RW9030
千冬「お前たち一体何を騒いで...ん?」
束「あっ、ちーちゃんだ~!やっほ~」
千冬「おい束、貴様なぜここにいる。そして箒はなぜそこで死んでいるのだ」
束「あっ、ちーちゃんだ~!やっほ~」
千冬「おい束、貴様なぜここにいる。そして箒はなぜそこで死んでいるのだ」
37: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:50:07.23 ID:BK8RW9030
鈴「織斑先生。箒は...えーっと、その...自分の知らないうちに大好きな一夏と自分の姉が付き合ってたのがショックだったみたいで...」
千冬「何?どういうことだ一夏。お前の彼女は楯無ではなかったのか?」
4人「「「「え?」」」」
千冬「何?どういうことだ一夏。お前の彼女は楯無ではなかったのか?」
4人「「「「え?」」」」
38: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:53:38.10 ID:BK8RW9030
簪「あれ、一夏だ。それに皆に織斑先生も後は...ウサギさん?」
束「ウサギじゃないよ~束さんさー。君がいっくんの言ってた簪ちゃんだね?」
簪「え?は、はい。私が更識 簪です」
束「あとで一緒にラボに行こーね。束さん今日は君のISを見るために学園に来たの~
いっくんに見てあげてくれって言われたからね」
束「ウサギじゃないよ~束さんさー。君がいっくんの言ってた簪ちゃんだね?」
簪「え?は、はい。私が更識 簪です」
束「あとで一緒にラボに行こーね。束さん今日は君のISを見るために学園に来たの~
いっくんに見てあげてくれって言われたからね」
39: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:54:11.18 ID:BK8RW9030
簪「一夏...////」
一夏「頑張れよ簪」
一夏「頑張れよ簪」
40: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 22:58:32.72 ID:BK8RW9030
千冬「一夏ちょっといいか。お前が束を呼んだのはわかった。なぜ事前に私に言わなかったのかとか言いたいことはあるがそこはまぁいい。
それよりお前、楯無と付き合っているんじゃなかったのか?」
一夏「楯無って刀奈のことだよな?ああ、恋人だよ?」
千冬「束ねもお前の恋人だとか凰がぬかしていたな。二股か?」
それよりお前、楯無と付き合っているんじゃなかったのか?」
一夏「楯無って刀奈のことだよな?ああ、恋人だよ?」
千冬「束ねもお前の恋人だとか凰がぬかしていたな。二股か?」
41: ◆OtODHasxz. 2017/05/22(月) 23:02:12.17 ID:BK8RW9030
一夏「その前にまず千冬姉がなんで俺と刀奈のこと知ってるのかが気になるんだけど」
千冬「学校では織斑先生と呼べと言っているだろうが馬鹿者め」
一夏「もう家族の話し合いってことでいいだろ?千冬姉も俺のこと一夏って呼んでるしさ」
束「そうだよちーちゃん顔怖いよ?」
千冬「私の顔がけわしいのはお前のせいだ束。すこし黙っていろ」
束「ぶー...ちーちゃんのケチ!」
千冬「学校では織斑先生と呼べと言っているだろうが馬鹿者め」
一夏「もう家族の話し合いってことでいいだろ?千冬姉も俺のこと一夏って呼んでるしさ」
束「そうだよちーちゃん顔怖いよ?」
千冬「私の顔がけわしいのはお前のせいだ束。すこし黙っていろ」
束「ぶー...ちーちゃんのケチ!」
46: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 21:32:48.61 ID:RaxQ3Hid0
千冬「まぁ、この際呼び方はいい。楯無のことを知っているのは本人が私に言いにきたからだ」
一夏「刀奈が?なんでまた...?
あー、前に言ってた堂々とイチャつけるようにしてくるってのはそれか」
一夏「刀奈が?なんでまた...?
あー、前に言ってた堂々とイチャつけるようにしてくるってのはそれか」
47: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 21:35:50.51 ID:RaxQ3Hid0
セシリア「もう私達は完全に蚊帳の外ですわね」コソッ
鈴「そうね。箒もまだ意識をとりもどさないし」コソッ
ラウラ「嫁は私のものなのに」ブツブツ
シャル「ラウラも壊れちゃったし...簪ちゃんも災難だったね...」コソッ
簪(ムー)プクー
鈴「そうね。箒もまだ意識をとりもどさないし」コソッ
ラウラ「嫁は私のものなのに」ブツブツ
シャル「ラウラも壊れちゃったし...簪ちゃんも災難だったね...」コソッ
簪(ムー)プクー
48: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 21:39:18.24 ID:RaxQ3Hid0
簪「織斑先生。姉は一夏と付き合ってるとしか言わなかったのでしか?」
千冬「あぁ、そうだが?他にも何かあるのか?」
簪「私も一夏と付き合ってます!お姉ちゃんだけじゃないもん!」ムー
千冬「おいちょっと待て。"私が"じゃなくて"私も"なのか?
お前の主張は...だめだ。頭が痛くなってきた...」
千冬「あぁ、そうだが?他にも何かあるのか?」
簪「私も一夏と付き合ってます!お姉ちゃんだけじゃないもん!」ムー
千冬「おいちょっと待て。"私が"じゃなくて"私も"なのか?
お前の主張は...だめだ。頭が痛くなってきた...」
49: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 21:47:51.07 ID:RaxQ3Hid0
4人((((もう帰りたい...))))
50: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 21:48:51.48 ID:RaxQ3Hid0
一夏「あー、千冬姉ちょっといいかな」
千冬「ああ、一夏説明しろ。どうなっている?」
千冬「ああ、一夏説明しろ。どうなっている?」
51: ◆OtODHasxz. 2017/05/25(木) 22:54:37.35 ID:RaxQ3Hid0
一夏@まず、告白とか別にしてないけど、俺はずっと前から束と付き合ってるんだ」
千冬「色々言いたいことはあるがそれは置いておくとして、なら楯無・簪姉妹はなんだ」
一夏「彼女だ。ただあくまでも一番は束だし、束と別れる気もない。
2人ともそれを知った上での今だ」
千冬「色々言いたいことはあるがそれは置いておくとして、なら楯無・簪姉妹はなんだ」
一夏「彼女だ。ただあくまでも一番は束だし、束と別れる気もない。
2人ともそれを知った上での今だ」
55: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:04:15.96 ID:m1lVGU3H0
千冬「ふざけるな一夏。なめているのか?貴様」
一夏「俺以外の3人も自分の意志で同意した上での関係だ。なぁ簪」
簪「うん。たとえ何番目でも一夏といたいし」
一夏「俺以外の3人も自分の意志で同意した上での関係だ。なぁ簪」
簪「うん。たとえ何番目でも一夏といたいし」
56: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:07:32.88 ID:m1lVGU3H0
千冬「たとえ同意の上でも三股はおかしいだろうが!」
束「ちょっとちょっとちーちゃん、よく考えなって。
伝説のIS白騎士の操縦者の弟でこの大天才束さんの認めたいっくんだよ?
正室は私として、側室の百や二百いてあたりまえじゃん」
束「ちょっとちょっとちーちゃん、よく考えなって。
伝説のIS白騎士の操縦者の弟でこの大天才束さんの認めたいっくんだよ?
正室は私として、側室の百や二百いてあたりまえじゃん」
57: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:08:01.35 ID:m1lVGU3H0
千冬「たとえ同意の上でも三股はおかしいだろうが!」
束「ちょっとちょっとちーちゃん、よく考えなって。
伝説のIS白騎士の操縦者の弟でこの大天才束さんの認めたいっくんだよ?
正室は私として、側室の百や二百いてあたりまえじゃん」
束「ちょっとちょっとちーちゃん、よく考えなって。
伝説のIS白騎士の操縦者の弟でこの大天才束さんの認めたいっくんだよ?
正室は私として、側室の百や二百いてあたりまえじゃん」
58: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:10:03.63 ID:m1lVGU3H0
楯無「呼ばれた気がしてジャジャジャジャーン!」
簪「お姉ちゃん今まで何してたの?」
楯無「一夏くんの寮室のおそうじ~。いや~それにしても相変わらず綺麗な部屋だったわ。あんまりやることなかったし」
簪「お姉ちゃん今まで何してたの?」
楯無「一夏くんの寮室のおそうじ~。いや~それにしても相変わらず綺麗な部屋だったわ。あんまりやることなかったし」
59: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:21:23.40 ID:m1lVGU3H0
千冬「おい楯無」
楯無「はい。なんでしょうか織斑先生」
千冬「貴様、私に一夏と付き合うことになったと言いに来たな。
私は一夏がお前を選んだのならそれでいいかと思っていたが、どういうことだ?三股もしているとは」
楯無「はい。なんでしょうか織斑先生」
千冬「貴様、私に一夏と付き合うことになったと言いに来たな。
私は一夏がお前を選んだのならそれでいいかと思っていたが、どういうことだ?三股もしているとは」
60: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:24:13.18 ID:m1lVGU3H0
楯無「三股だなんてやだなぁ、先生。一夏はちゃんと篠ノ之博士のことが好きですよ。
私達姉妹はおまけです」
千冬「何?」
楯無「これは当事者4人とも納得していることです。外から口を挟まないでください」
私達姉妹はおまけです」
千冬「何?」
楯無「これは当事者4人とも納得していることです。外から口を挟まないでください」
61: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:27:57.06 ID:m1lVGU3H0
箒「う、ううん...?!」
鈴「あ、箒起きたのね?」
シャル「おはよう箒」
箒「あぁ、寝てしまっていたのか。どうにも嫌な夢だった。
あの姉と一夏が付き合っているなどという...」
鈴「あ、箒起きたのね?」
シャル「おはよう箒」
箒「あぁ、寝てしまっていたのか。どうにも嫌な夢だった。
あの姉と一夏が付き合っているなどという...」
62: ◆OtODHasxz. 2017/05/29(月) 00:30:29.26 ID:m1lVGU3H0
ラウラ「その上生徒会長姉妹は愛人だそうだぞ」
箒「なっ...」ドサッ
セシリア「ほ、箒さん...?!しっかりしてください!箒さん!」
シャル「箒...かわいそうに」
箒「なっ...」ドサッ
セシリア「ほ、箒さん...?!しっかりしてください!箒さん!」
シャル「箒...かわいそうに」
66: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 22:41:11.53 ID:I9VUH4tv0
千冬「おまけ?おい簪お前の姉は何を言っているんだ...説明しろ」
簪「え~っとまず、一夏がこの学園に入ってからしばらくして姉が一夏に接触しました。
その後色々あって一夏が私とタッグを組む事になったんですけど、それは私の姉が一夏に頼んだからでした」
一夏「まぁ、実際俺と白式のせいで簪のIS開発遅れたんだしな」
簪「え~っとまず、一夏がこの学園に入ってからしばらくして姉が一夏に接触しました。
その後色々あって一夏が私とタッグを組む事になったんですけど、それは私の姉が一夏に頼んだからでした」
一夏「まぁ、実際俺と白式のせいで簪のIS開発遅れたんだしな」
67: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 23:00:28.71 ID:I9VUH4tv0
千冬「おい束、まさかこの段階から噛んでたんじゃないだろうな」
束「いやいや、私がこの子のIS見に来たのは今日が初めてだよ?」
一夏「本音さんたちに頼んだんだよ。手伝ってくれって」
千冬「なるほどな。そこまでは"問題なし"と。で次は?」
束「いやいや、私がこの子のIS見に来たのは今日が初めてだよ?」
一夏「本音さんたちに頼んだんだよ。手伝ってくれって」
千冬「なるほどな。そこまでは"問題なし"と。で次は?」
68: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 23:03:13.00 ID:I9VUH4tv0
簪「それで、次に姉が一夏に告白して」
69: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 23:03:58.58 ID:I9VUH4tv0
千冬「ちょっと待て」
70: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 23:04:36.83 ID:I9VUH4tv0
楯無「なんですか?」
千冬「今の流れでどうして告白するんだ?」
千冬「今の流れでどうして告白するんだ?」
71: ◆OtODHasxz. 2017/05/30(火) 23:07:28.87 ID:I9VUH4tv0
楯無「だって一夏は優しいし私よりISの飲み込みも早いし、多分もうすぐ私より強くなりますし。
私と対等であれる人に初めてであったんです。
そもそも"楯無"になってから私を私として接してくれる人なんていなかったんですよ?
私を私として見てくれて、その上優しくて...惚れるなって方がムリでしょう?」
私と対等であれる人に初めてであったんです。
そもそも"楯無"になってから私を私として接してくれる人なんていなかったんですよ?
私を私として見てくれて、その上優しくて...惚れるなって方がムリでしょう?」
74: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:21:54.84 ID:OMXxHuWf0
千冬「ならなぜ一夏の愛人を受け入れた?どう考えてもおかしいだろう」
一夏「あー、千冬姉。それは...」
楯無「いいよー一夏くん。あとは私が話すから。
簪ちゃんとラボに行っていいよ~。そっちはよろしくね」
一夏「あー、千冬姉。それは...」
楯無「いいよー一夏くん。あとは私が話すから。
簪ちゃんとラボに行っていいよ~。そっちはよろしくね」
75: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:24:36.86 ID:OMXxHuWf0
一夏「あぁ、わかった。簪、束行こう」
簪「う、うん」
束「はーい、いっくん。じゃあちーちゃんまた後でねぇ」
簪「う、うん」
束「はーい、いっくん。じゃあちーちゃんまた後でねぇ」
76: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:28:09.68 ID:OMXxHuWf0
セシリア「あぁ、一夏さんが行ってしまいましたわ...」コソッ
鈴「でも私達下手に動くととばっちりで消されるわよ」コソッ
ラウラ「教官コワイ」ガクブル
シャル「ラウラも箒も動けそうにないししかたないよ」コソッ
鈴「でも私達下手に動くととばっちりで消されるわよ」コソッ
ラウラ「教官コワイ」ガクブル
シャル「ラウラも箒も動けそうにないししかたないよ」コソッ
77: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:31:55.94 ID:OMXxHuWf0
楯無「さすが一夏くん。簪ちゃんの打鉄弐式の足の不具合が学園にいる人間じゃあ分からないって所までは私との共通認識だったのに、その後何もできなかった私とは違うわねぇ~
あの束さんを呼ぶなんて...」
あの束さんを呼ぶなんて...」
78: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:37:19.55 ID:OMXxHuWf0
千冬「この際三股の倫理的問題は置いておくとして、更識家はそれでいいのか?
次期当主とその妹が同じ人間の愛人などと」
次期当主とその妹が同じ人間の愛人などと」
79: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:42:34.22 ID:OMXxHuWf0
楯無「相手は世界で唯一ISを動かせる男で、その姉は元世界最強のISパイロットですよ?
更識家がそれに仕えるのはそんなにおかしいですか?」
千冬「仕える?愛人ではなかったのか?」
楯無「主人が自分の近くにおいているお気に入りに手を出すなんてザラでしょう?先生?」
千冬「お前...正気か?」
楯無「はい。正気ですよ?」
更識家がそれに仕えるのはそんなにおかしいですか?」
千冬「仕える?愛人ではなかったのか?」
楯無「主人が自分の近くにおいているお気に入りに手を出すなんてザラでしょう?先生?」
千冬「お前...正気か?」
楯無「はい。正気ですよ?」
80: ◆OtODHasxz. 2017/05/31(水) 23:44:59.11 ID:OMXxHuWf0
千冬「やはり認める訳にはいかん。一夏にはやはり相手を1人に絞らせる」
84: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:29:56.24 ID:MZ6b0ie40
楯無「私も簪ちゃんも一夏くんを愛しています。私たちは一夏くんが幸せで、幸せな彼の近くにいられるのならそれでいいんです」
千冬「狂っているな...」
楯無「そうかもしれませんね。でも狂っていたとしてどうしますか?」
千冬「狂っているな...」
楯無「そうかもしれませんね。でも狂っていたとしてどうしますか?」
85: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:30:43.21 ID:MZ6b0ie40
千冬「なに?」
86: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:33:52.88 ID:MZ6b0ie40
楯無「あなたには何もできませんよ?これは一夏くんの意志でもあるのだから。それにこちらには束さんもいますし」
千冬「今後どうするかは一夏と話してから決めることにするさ」
楯無「そうですか...」
千冬「今後どうするかは一夏と話してから決めることにするさ」
楯無「そうですか...」
87: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:39:51.92 ID:MZ6b0ie40
シャル「あ、あの~...織斑先生」
千冬「なんだデュノア?」
シャル「えっと~僕も一夏の愛人に加わっていいですか?」
箒「おい.待て ふざけるな!」ガバッ
鈴「お、起きたのね箒」
シャル「なんでさ。たとえ愛人でも、そばにいれて愛されるのならそれでいいかなって」
千冬「なんだデュノア?」
シャル「えっと~僕も一夏の愛人に加わっていいですか?」
箒「おい.待て ふざけるな!」ガバッ
鈴「お、起きたのね箒」
シャル「なんでさ。たとえ愛人でも、そばにいれて愛されるのならそれでいいかなって」
88: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:44:28.87 ID:MZ6b0ie40
セシリア「英国名門のオルコット家の長女である私が愛人...?
そんな、いえでも...それで一夏さんに愛していただけるのでしたら...」ブツブツ
ラウラ「嫁は私のものだ。私のものなんだ」ブツブツ
鈴「ちょっとシャル。箒が覚醒したのはいいけど面倒くさいのが増えたんだけど...」
シャル「え.あー...ごめん?」
そんな、いえでも...それで一夏さんに愛していただけるのでしたら...」ブツブツ
ラウラ「嫁は私のものだ。私のものなんだ」ブツブツ
鈴「ちょっとシャル。箒が覚醒したのはいいけど面倒くさいのが増えたんだけど...」
シャル「え.あー...ごめん?」
89: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:47:46.03 ID:MZ6b0ie40
千冬「ええぃうるさいぞ!黙れ小娘ども。
何はともかく私が一夏に話を聞く。お前たちはとりあえずそれを聞け」
6人「「「「「「りっ了解...」」」」」」
何はともかく私が一夏に話を聞く。お前たちはとりあえずそれを聞け」
6人「「「「「「りっ了解...」」」」」」
90: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:49:20.54 ID:MZ6b0ie40
一夏「お、みんな~おまたせ~」
簪「すごかった......」
束「ちーちゃんただいま~!」
簪「すごかった......」
束「ちーちゃんただいま~!」
91: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:52:45.13 ID:MZ6b0ie40
千冬「よし、全員揃ったな。とりあえず全員ついてこい」
一夏「千冬姉。どこに行くんだよ?」
千冬「こんな通路でこれ以外話したくない。今更だが私の部屋へ行く」
一夏「なるほど」
一夏「千冬姉。どこに行くんだよ?」
千冬「こんな通路でこれ以外話したくない。今更だが私の部屋へ行く」
一夏「なるほど」
92: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:53:40.43 ID:MZ6b0ie40
**移動なう**
93: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 22:55:51.61 ID:MZ6b0ie40
千冬「それで一夏。結局どうなっているのだ」
一夏「どうって何が?」
千冬「お前の女性関係だ。一から説明しろ。
幸い明日から3連休だ今日の就寝時間が多少おくれようと構わんだろう。寮監は私だしな」
一夏「あいよ。はじめから話せばいいんだな」
一夏「どうって何が?」
千冬「お前の女性関係だ。一から説明しろ。
幸い明日から3連休だ今日の就寝時間が多少おくれようと構わんだろう。寮監は私だしな」
一夏「あいよ。はじめから話せばいいんだな」
94: ◆OtODHasxz. 2017/06/04(日) 23:29:54.15 ID:MZ6b0ie40
一夏「まず、千冬姉と箒は知ってると思うけどさ、俺小さい頃よくアニメみてただろ?
で、家も近かったし束や箒もよく家に来てくれてた。親がいなくて家族が千冬姉しかいなくて、寂しかったわけじゃないけど2人が来てくれるのはすごく楽しみだったんだ。
それで昔たまたま束1人で来たとき千冬姉が用事でいなくて2人きりだったんだ。
で、その時ちょうど最弱無敗の神○機竜ってアニメを見ててさ、子供ながらにめちゃくちゃ惹かれてさ、束にあんなかっこいいのに乗ってみたいって言ったんだよ」
で、家も近かったし束や箒もよく家に来てくれてた。親がいなくて家族が千冬姉しかいなくて、寂しかったわけじゃないけど2人が来てくれるのはすごく楽しみだったんだ。
それで昔たまたま束1人で来たとき千冬姉が用事でいなくて2人きりだったんだ。
で、その時ちょうど最弱無敗の神○機竜ってアニメを見ててさ、子供ながらにめちゃくちゃ惹かれてさ、束にあんなかっこいいのに乗ってみたいって言ったんだよ」
98: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:33:21.71 ID:7/MoxC5y0
束「まぁ正確には『束姉、僕もあんなかっこいいのに乗ってみたい!』ってそれはそれは目を輝かせてさ」
一夏「そうだったか...?小さすぎて大まか綾ふやにしか記憶にないんだよな...」
束「ふふ。この束さんがいっくんのかっこかわいいシーンを忘れるはずがないのさ!」
箒「そんなことがあったのか...知らなかった...」
一夏「そうだったか...?小さすぎて大まか綾ふやにしか記憶にないんだよな...」
束「ふふ。この束さんがいっくんのかっこかわいいシーンを忘れるはずがないのさ!」
箒「そんなことがあったのか...知らなかった...」
99: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:34:15.82 ID:7/MoxC5y0
千冬「一夏のアニメを一緒になって楽しんでいたのは束だけだったからな...」
束「アニメではしゃぐいっくんかわいかったよ?」
束「アニメではしゃぐいっくんかわいかったよ?」
100: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:36:08.35 ID:7/MoxC5y0
一夏「あー、そろそろいいかな。
んで続きなんだけど...
そう言ったら束が『そっかー乗ってみたいのかー..ちょっと待っててねいっくん。大天才束さんがその願い叶えてみせよう!』って言って帰っちゃったんだ」
んで続きなんだけど...
そう言ったら束が『そっかー乗ってみたいのかー..ちょっと待っててねいっくん。大天才束さんがその願い叶えてみせよう!』って言って帰っちゃったんだ」
101: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:40:35.06 ID:7/MoxC5y0
千冬「ん?帰った?まさか私が買い物に行く間一夏が1人にならないように一緒に留守番するように頼んだら、何故か途中でお前が蒸発したのはこれか?束。
そういえばあの後2,3日お前のこと見なかったな...」
束「ん?あー...多分その時だよ~。
いやーさすがの大天才束さんとはいえIS作って安全確認するのに3日もかかっちゃってさ...」
千冬「ISを3日で作ったのか?」
束「ううん。いっくんを危ないものに乗せるわけにはいかなかったから、安全確認を徹底的にしてたら2日もかかっちゃったんだ」
そういえばあの後2,3日お前のこと見なかったな...」
束「ん?あー...多分その時だよ~。
いやーさすがの大天才束さんとはいえIS作って安全確認するのに3日もかかっちゃってさ...」
千冬「ISを3日で作ったのか?」
束「ううん。いっくんを危ないものに乗せるわけにはいかなかったから、安全確認を徹底的にしてたら2日もかかっちゃったんだ」
102: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:42:42.56 ID:7/MoxC5y0
シャル「え...ということはたった1日でISを作ったんですか?」
束「まぁ、武装もフライトユニットもついてなかったしね。それくらいは...
つけたのって展開するアームと絶対防御だけだったし」シレッ
鈴「これが...大天才篠ノ之束...さん...」ゴクッ
束「まぁ、武装もフライトユニットもついてなかったしね。それくらいは...
つけたのって展開するアームと絶対防御だけだったし」シレッ
鈴「これが...大天才篠ノ之束...さん...」ゴクッ
103: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:44:36.91 ID:7/MoxC5y0
一夏「んで、完成した日の夜に束が窓からやってきて、星を見に行こうって連れ出されたんだ」
千冬「あぁ、あの時か...一夏はいないし窓は開いているしで本気で焦ったなあれは...
束「あはは...ごめんねちーちゃん」
千冬「あぁ、あの時か...一夏はいないし窓は開いているしで本気で焦ったなあれは...
束「あはは...ごめんねちーちゃん」
104: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:46:46.26 ID:7/MoxC5y0
一夏「それで星を見に登った丘の上のすこし拓けたところでティアマトにはじめてのったんだ」
束「ほんとはそこもアニメに合わせてソード○バイスっぽくしようかとも思ったんだけど、まだいっくんには重いし危ないかなって思ってネックレスにしたんだ」
束「ほんとはそこもアニメに合わせてソード○バイスっぽくしようかとも思ったんだけど、まだいっくんには重いし危ないかなって思ってネックレスにしたんだ」
105: ◆OtODHasxz. 2017/06/05(月) 23:49:13.48 ID:7/MoxC5y0
一夏「まるでアニメの演出みたいにISが展開されて、めちゃくちゃかっこよく動けてさ、あのときはホントに感動したんだ」
束「あ~あの時のはしゃいでるいっくん可愛かったよぉ~」
シャル(ちょっと見てみたかったな。はじめてのISではしゃぐ昔の一夏)
束「あ~あの時のはしゃいでるいっくん可愛かったよぉ~」
シャル(ちょっと見てみたかったな。はじめてのISではしゃぐ昔の一夏)
108: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:13:59.76 ID:6b8vdS5y0
千冬「それで?」
束「あーその後って言うかすこし経ってからだけどさ、ちーちゃんといっくんと箒ちゃんと束さんの4人で話し合ったことがあったじゃん?
世界で誰が一番強いのかってさ」
箒「そんな話を?」
千冬「あぁ、そんな話もしたな...たしか一夏が私だと主張したが箒が剣道家の名前を出して一夏が駄々をこねていたな」
束「そうそうだからいっくんの言うとおりちーちゃんが世界最強ってのを証明しようと思ったの」
束「あーその後って言うかすこし経ってからだけどさ、ちーちゃんといっくんと箒ちゃんと束さんの4人で話し合ったことがあったじゃん?
世界で誰が一番強いのかってさ」
箒「そんな話を?」
千冬「あぁ、そんな話もしたな...たしか一夏が私だと主張したが箒が剣道家の名前を出して一夏が駄々をこねていたな」
束「そうそうだからいっくんの言うとおりちーちゃんが世界最強ってのを証明しようと思ったの」
109: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:14:57.06 ID:6b8vdS5y0
千冬「束...まさか貴様」
束「うん。白騎士VSミサイルのことだよ」
束「うん。白騎士VSミサイルのことだよ」
110: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:17:50.17 ID:6b8vdS5y0
一夏「あ、アレの理由ってそんな事だったのか...」
束「大切なことだよいっくん。確かに箒ちゃんのことは大好きだけど、いっくんのほうがもっと大々々好きなんだから」
千冬「まさかそんなことのために私は命をかけてミサイルを迎撃し、世界大会に出場したのか...?」
束「うん。そうだよ?」
束「大切なことだよいっくん。確かに箒ちゃんのことは大好きだけど、いっくんのほうがもっと大々々好きなんだから」
千冬「まさかそんなことのために私は命をかけてミサイルを迎撃し、世界大会に出場したのか...?」
束「うん。そうだよ?」
111: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:19:05.45 ID:6b8vdS5y0
一夏「やっぱり束はすごいな」ナデナデ
束「えへへ、そ~でしょ~!褒めて褒めて~」ナデラレ
束「えへへ、そ~でしょ~!褒めて褒めて~」ナデラレ
112: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:21:07.56 ID:6b8vdS5y0
ラウラ「嫁を襲えばたとえ国が相手であろうが滅びそうな気がしてきたぞ...」
シャル「うん。僕もそう思うよ」
ラウラ「ん?では嫁が拐われたのはなぜだ?それも篠ノ之博士の作った演出か?」
シャル「うん。僕もそう思うよ」
ラウラ「ん?では嫁が拐われたのはなぜだ?それも篠ノ之博士の作った演出か?」
113: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:23:56.65 ID:6b8vdS5y0
束「あー、あれはね」ハイライトオフ
セシリア「あれは?」
束「ちーちゃんを教官として引き抜きたいと考えたドイツが自国の工作員を使って拐った後、ちーちゃんに情報を提供したの」
8人「「「「「「「「え?」」」」」」」」
鈴「それは...本当なの?」
束「うん間違いないよ」
セシリア「あれは?」
束「ちーちゃんを教官として引き抜きたいと考えたドイツが自国の工作員を使って拐った後、ちーちゃんに情報を提供したの」
8人「「「「「「「「え?」」」」」」」」
鈴「それは...本当なの?」
束「うん間違いないよ」
114: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:29:12.98 ID:6b8vdS5y0
ラウラ「そ、それでは...教官が我らの教官になられたのも、2回目の優勝を逃したのも...」
束「うん君の祖国のせいだよ。その上転校してきて早々にいっくんを殴ったよね?ラ・ウ・ラ・ち・ゃ・ん?」
束「うん君の祖国のせいだよ。その上転校してきて早々にいっくんを殴ったよね?ラ・ウ・ラ・ち・ゃ・ん?」
115: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:30:39.18 ID:6b8vdS5y0
ラウラ「そ、それは...すまなかった...」
束「いっくんが止めなければ君はとうの昔に死んでたんだよ?よかったねぇ...?」
束「いっくんが止めなければ君はとうの昔に死んでたんだよ?よかったねぇ...?」
116: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:33:22.18 ID:6b8vdS5y0
千冬「束。たとえそれが真実であろうともラウラに罪はない」
束「ちーちゃんはやっぱりいっくんの姉妹だねぇ。いっくんと同じこと言ってるよ...
でもそこの人造人間がISに適応できなかったから優秀な教官の調達が最優先事項になったんだよ?」
千冬「束...なぜそんなに詳しく知っている?」
束「いっくんを拐った張本人が命惜しさに自分からぺらぺらはなしたからだよ」
束「ちーちゃんはやっぱりいっくんの姉妹だねぇ。いっくんと同じこと言ってるよ...
でもそこの人造人間がISに適応できなかったから優秀な教官の調達が最優先事項になったんだよ?」
千冬「束...なぜそんなに詳しく知っている?」
束「いっくんを拐った張本人が命惜しさに自分からぺらぺらはなしたからだよ」
117: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:34:25.90 ID:6b8vdS5y0
一夏「なんでそんなことまで...?」
束「だっていっくんを傷つけたんだよ?束さんが許すわけ無いじゃん」ハイライトオン
束「だっていっくんを傷つけたんだよ?束さんが許すわけ無いじゃん」ハイライトオン
118: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:35:52.55 ID:6b8vdS5y0
セシリア(篠ノ之博士。一夏さんと話すときはどんな心情であろうとハイライトがオンになるのですね...)
119: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:38:38.50 ID:6b8vdS5y0
千冬「それでその工作員はどうしたんだ?」
束「もう死んだよ?」
千冬「な...お前...」
束「束さんは殺してないよ?彼らの潜伏地の自爆装置が誤作動しただけだし」
箒「姉さん...それは...」
束「もう死んだよ?」
千冬「な...お前...」
束「束さんは殺してないよ?彼らの潜伏地の自爆装置が誤作動しただけだし」
箒「姉さん...それは...」
120: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:40:27.51 ID:6b8vdS5y0
一夏「あー...もうこの話はやめよう。次にいこう.な?」
ラウラ「あぁ、そうしよう。それと嫁よすまなかった...」
一夏「ラウラ。お前が謝ることじゃないさ」
ラウラ「あぁ、そうしよう。それと嫁よすまなかった...」
一夏「ラウラ。お前が謝ることじゃないさ」
121: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:43:28.33 ID:6b8vdS5y0
千冬「それでその後は?」
束「後はほとんど世間の人達が知ってる通りかなぁ。一つ違うとすれば、束さんといっくんが毎晩会ってたくらい?」
箒「な...会っていた?それも毎晩?」
一夏「束の作ったホログラム3D通信機でな。直接会ってたわけじゃないさ」
シャル「ホログラム3D通信機...」
束「後はほとんど世間の人達が知ってる通りかなぁ。一つ違うとすれば、束さんといっくんが毎晩会ってたくらい?」
箒「な...会っていた?それも毎晩?」
一夏「束の作ったホログラム3D通信機でな。直接会ってたわけじゃないさ」
シャル「ホログラム3D通信機...」
122: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:46:43.03 ID:6b8vdS5y0
束「ちーちゃんは束さんに感謝すべきなんだよ?」
千冬「なに?」
束「突然さらわれて、その後大好きなお姉ちゃんに助け出されたかと思えば決勝を放棄したせいでその大好きなお姉ちゃんは日本代表の資格を剥奪されて。その上1人でドイツに行ったっきり音信不通。
束さんとあと中学でのいっくんの友達の五反田兄妹がいなかったらいっくんは壊れてたよ?」
一夏「......」
千冬「なに?」
束「突然さらわれて、その後大好きなお姉ちゃんに助け出されたかと思えば決勝を放棄したせいでその大好きなお姉ちゃんは日本代表の資格を剥奪されて。その上1人でドイツに行ったっきり音信不通。
束さんとあと中学でのいっくんの友達の五反田兄妹がいなかったらいっくんは壊れてたよ?」
一夏「......」
123: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:49:08.85 ID:6b8vdS5y0
千冬「それは...」
束「特に五反田兄妹の妹の方には感謝するべきだね。いっくんに惚れてたのもあるんだろうけど、すっごく親身になっていっくんを支えてくれたんだから。」
千冬「......」
束「特に五反田兄妹の妹の方には感謝するべきだね。いっくんに惚れてたのもあるんだろうけど、すっごく親身になっていっくんを支えてくれたんだから。」
千冬「......」
124: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:50:38.55 ID:6b8vdS5y0
楯無「だから言ったでしょう『あなたには何もできませんよ?これは一夏くんの意志でもあるのだから。』と」
125: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:51:49.73 ID:6b8vdS5y0
シャル(最初はなんの茶番だと思ってたけど結構ガチな修羅場になった件)
126: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:52:34.34 ID:6b8vdS5y0
鈴(一夏がそんなに追い詰められてたなんて全く気づきもしなかったわ...私ってホントにバカね...)
127: ◆OtODHasxz. 2017/06/07(水) 23:54:26.47 ID:6b8vdS5y0
箒(一夏がそんなことになっていた時...私は何をしていた...?
心のなかで一夏に八つ当たりをしていただけじゃないか...お前はISに救われて...と。
私がISを嫌っていたのとも相まって惨めなほどにぐちゃぐちゃに...)
心のなかで一夏に八つ当たりをしていただけじゃないか...お前はISに救われて...と。
私がISを嫌っていたのとも相まって惨めなほどにぐちゃぐちゃに...)
131: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:00:13.00 ID:OlXsVR0q0
一夏「千冬姉。確かに俺が今やってることは人として間違ってるかもしれない。
でも俺ももうどこか壊れてるしこれでいいと思うんだ。束も刀奈も簪もいいって言ってくれてるから一緒にやってるんだ。
誰にも無理強いはしてない。それでいいだろ?」
束「私はいっくんが幸せになれるなら側室だろうが愛人だろうがバッチコイさ!
私が一番なのには変わらないしね~」ギュー
一夏「ああ、そうだな」ギュー
でも俺ももうどこか壊れてるしこれでいいと思うんだ。束も刀奈も簪もいいって言ってくれてるから一緒にやってるんだ。
誰にも無理強いはしてない。それでいいだろ?」
束「私はいっくんが幸せになれるなら側室だろうが愛人だろうがバッチコイさ!
私が一番なのには変わらないしね~」ギュー
一夏「ああ、そうだな」ギュー
132: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:03:44.62 ID:OlXsVR0q0
楯無「私や簪ちゃんみたいなおまけ組は一夏くんを裏切らないと誓って自分の全てを捧げる。
そして代わりに愛される」
簪「一夏は私とお姉ちゃんを助けてくれただから今度は一生を使い切ってでも一夏を幸せにするんだ」
一夏「ありがとうな。2人とも」ナデナデ
千冬「......」
そして代わりに愛される」
簪「一夏は私とお姉ちゃんを助けてくれただから今度は一生を使い切ってでも一夏を幸せにするんだ」
一夏「ありがとうな。2人とも」ナデナデ
千冬「......」
133: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:04:41.70 ID:OlXsVR0q0
セシリア「私は一夏さんのことを愛していると言いながら、私のことしか考えていなかったのですね...」ボソッ
134: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:07:04.52 ID:OlXsVR0q0
鈴「中学の時、苦しんでたのに気付けもしなかったのに...今更一夏に選ばれたいだなんて...よく言えたもんね...」ボソッ
135: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:07:49.50 ID:OlXsVR0q0
箒「私は......」ボソッ
136: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:08:39.69 ID:OlXsVR0q0
ラウラ「結局私は一夏をめちゃくちゃにしただけだったのだな...」ボソッ
137: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:10:09.85 ID:OlXsVR0q0
シャル「一夏...僕は...君のために何かできるの...?」ボソッ
138: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:16:02.67 ID:OlXsVR0q0
束「何してるのさ~そこの5人組~」
セシリア「いぇ...その...」
束「んー?まぁいっか。君たちに言うことがあるんだ」
ラウラ「何でしょうか」
セシリア「いぇ...その...」
束「んー?まぁいっか。君たちに言うことがあるんだ」
ラウラ「何でしょうか」
139: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:18:09.87 ID:OlXsVR0q0
束「この学園でのいっくんの生活を楽しくしてくれてありがとね。
束さん的には君たち5人もいっくんの側室になってもいいよ...?
いっくんが良いって言うならだけど」
5人(((((!!!!)))))
束「そしていっくんのために全てを捧げてね」
束さん的には君たち5人もいっくんの側室になってもいいよ...?
いっくんが良いって言うならだけど」
5人(((((!!!!)))))
束「そしていっくんのために全てを捧げてね」
140: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:18:53.98 ID:OlXsVR0q0
一夏「こんな身勝手で、千冬姉の言うとおり人として間違ってる俺だけど、それでも良いのか?」
141: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:20:53.71 ID:OlXsVR0q0
5人「「「「「はい。よろしくお願いします」」」」」
142: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:21:29.21 ID:OlXsVR0q0
束・楯無 ウンウン
143: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:27:25.23 ID:OlXsVR0q0
千冬「そこの小娘ども」ボソッ
5人 ビクッ
千冬「私は一夏をそこまで追い込み、壊してしまった...
だから特には何も言わん。人として間違っていようが一夏が幸せならそれでいい。
だが、一夏を不幸にしたり、大きな問題になるようなことはするな。いいな」クルッ スタスタスタ…
5人 ビクッ
千冬「私は一夏をそこまで追い込み、壊してしまった...
だから特には何も言わん。人として間違っていようが一夏が幸せならそれでいい。
だが、一夏を不幸にしたり、大きな問題になるようなことはするな。いいな」クルッ スタスタスタ…
144: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:28:48.75 ID:OlXsVR0q0
一夏「千冬姉...ごめんな...」ボソッ
束 ギュッ
束 ギュッ
145: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:30:03.08 ID:OlXsVR0q0
**数ヶ月後**
146: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:32:45.87 ID:OlXsVR0q0
「一夏さーん!」
147: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:36:11.44 ID:OlXsVR0q0
一夏「来たんだな」
148: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:39:57.69 ID:OlXsVR0q0
蘭
149: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:44:19.17 ID:OlXsVR0q0
蘭「はい。無事入学することができました!皆さんこれから宜しくお願いします」
鈴「蘭、入学おめでと。一つお祝いに教えてあげるわ」
蘭「なんですか?」
鈴「あんた一夏のこと好きだったわよね。一夏の彼女になるには相当の努力と覚悟がいるわよ?」クスッ
蘭「な...///頑張ります。私誰にも負けません!!」
鈴「蘭、入学おめでと。一つお祝いに教えてあげるわ」
蘭「なんですか?」
鈴「あんた一夏のこと好きだったわよね。一夏の彼女になるには相当の努力と覚悟がいるわよ?」クスッ
蘭「な...///頑張ります。私誰にも負けません!!」
150: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:44:57.48 ID:OlXsVR0q0
**FIN**
151: ◆OtODHasxz. 2017/06/09(金) 18:59:47.80 ID:OlXsVR0q0
このSSはこれで完結です
おもったより時間がかかってしまった上
なんか最後やっつけ感がありますが...
HTML化依頼は今日の夜にでも出す予定です
ありがとうございました
おもったより時間がかかってしまった上
なんか最後やっつけ感がありますが...
HTML化依頼は今日の夜にでも出す予定です
ありがとうございました
152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 19:22:06.74 ID:LpnlsdUBO
乙!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495316154/
Entry ⇒ 2017.06.17 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
一夏「あれ? 太った?」
1: ◆iIsZzNIzns 2016/05/03(火) 21:29:05.84 ID:qTOubQrW0
それはごく普通の日々の一場面、なんの変哲もない朝食の終わり。
そこで一夏が発した一言から始まった。
一夏「ところで、シャル……最近太ったんじゃないか?」
――体重。
それは常に女性の背後にあって機を伺い、隙あらば襲いかかってくる、恐るべき敵である。
シャル「そ、そそそそそそ、そんなことは、ないんじゃないかな!? た、たぶん! ……きっと」
敬愛する一夏の言葉であるということも忘れ、シャルロット・デュノアはぷるぷると震えながら後ずさって抗弁した。
顔色は血の気の失せた白、額からは滝のように汗が流れている。
一夏「そっか……シャルがそう言うのなら気のせいかもな」
シャル「そ、そうだよぉ! 一夏ったら、もお~! あは、あははははっ!」
笑顔の一夏。シャルロットは引きつって応えることしかできない。
一夏「よかった。俺、太ってる女は嫌いなんだ」
容赦ないその言葉から、一連の騒動は始まった。
そこで一夏が発した一言から始まった。
一夏「ところで、シャル……最近太ったんじゃないか?」
――体重。
それは常に女性の背後にあって機を伺い、隙あらば襲いかかってくる、恐るべき敵である。
シャル「そ、そそそそそそ、そんなことは、ないんじゃないかな!? た、たぶん! ……きっと」
敬愛する一夏の言葉であるということも忘れ、シャルロット・デュノアはぷるぷると震えながら後ずさって抗弁した。
顔色は血の気の失せた白、額からは滝のように汗が流れている。
一夏「そっか……シャルがそう言うのなら気のせいかもな」
シャル「そ、そうだよぉ! 一夏ったら、もお~! あは、あははははっ!」
笑顔の一夏。シャルロットは引きつって応えることしかできない。
一夏「よかった。俺、太ってる女は嫌いなんだ」
容赦ないその言葉から、一連の騒動は始まった。
3: ◆iIsZzNIzns 2016/05/03(火) 21:57:41.52 ID:qTOubQrW0
― セシリア 自室 ―
セシリア「そんなっ!!! うそっ!? ありえませんわああああぁ~!」
自室にて、体重計に乗ったまま蒼天に届けとばかりに雄叫びを上げた縦ロールのある長い金髪の彼女は、セシリア・オルコットという。
イギリスの代表候補生。専用ISは「ブルー・ティアーズ」。イギリスの名門貴族のお嬢様である。
セシリアは青ざめた顔で、これでもかと慌てふためいている。
あの時食べたサンドイッチか、それともあの時食べたパスタか、はたまた、あの時食べたステーキか。めまぐるしくセシリアの脳内をかけめぐる。
セシリア「お菓子も我慢しましたのに……こ、ここ、これは……何かの間違いですわっ!」
そう思い、自分の体を見下ろした。
……最近苦しくなった気がする、お腹が見えた。
セシリア「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!? い、いつのまに……」
セシリア「確かに、最近、着ていた服が合わなくなったりしましたけど……でも、でも……っ!」
セシリア「(そんなにっ!? そんなにわたくし、太りましたの!?)」
後悔先に立たず。打ちひしがられるセシリアを慰める者は誰もいなかった。
セシリア「はぁ、ダイエットしなければなりませんわね」
――とは、いうもののこの時点ではそう悲観的になってはいない。
身支度を終えて食堂に向かうと丸机の前には、二人の男女が座っていた。
いつも通りの、朝食後の一時を楽しんでいた、一夏とシャルロットである。
愛する一夏を見かけて声をかけようと手をあげた瞬間――。
一夏「――よかった。俺、太った女は嫌いなんだ」
――ピシッ。
手を上げたまま固まるセシリア。
気高く美しい笑顔の一夏の口から紡がれた言葉は、余りに残酷で、タイムリーだった。
セシリア「そんなっ!!! うそっ!? ありえませんわああああぁ~!」
自室にて、体重計に乗ったまま蒼天に届けとばかりに雄叫びを上げた縦ロールのある長い金髪の彼女は、セシリア・オルコットという。
イギリスの代表候補生。専用ISは「ブルー・ティアーズ」。イギリスの名門貴族のお嬢様である。
セシリアは青ざめた顔で、これでもかと慌てふためいている。
あの時食べたサンドイッチか、それともあの時食べたパスタか、はたまた、あの時食べたステーキか。めまぐるしくセシリアの脳内をかけめぐる。
セシリア「お菓子も我慢しましたのに……こ、ここ、これは……何かの間違いですわっ!」
そう思い、自分の体を見下ろした。
……最近苦しくなった気がする、お腹が見えた。
セシリア「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!? い、いつのまに……」
セシリア「確かに、最近、着ていた服が合わなくなったりしましたけど……でも、でも……っ!」
セシリア「(そんなにっ!? そんなにわたくし、太りましたの!?)」
後悔先に立たず。打ちひしがられるセシリアを慰める者は誰もいなかった。
セシリア「はぁ、ダイエットしなければなりませんわね」
――とは、いうもののこの時点ではそう悲観的になってはいない。
身支度を終えて食堂に向かうと丸机の前には、二人の男女が座っていた。
いつも通りの、朝食後の一時を楽しんでいた、一夏とシャルロットである。
愛する一夏を見かけて声をかけようと手をあげた瞬間――。
一夏「――よかった。俺、太った女は嫌いなんだ」
――ピシッ。
手を上げたまま固まるセシリア。
気高く美しい笑顔の一夏の口から紡がれた言葉は、余りに残酷で、タイムリーだった。
5: ◆iIsZzNIzns 2016/05/03(火) 22:18:24.37 ID:qTOubQrW0
― 食堂 午後 ―
セシリア「ということで!」
シャル「痩せるよ!」
そう言って、どんと机を叩くセシリアとシャルロット。
鈴「えー……」
という声が上がる。
丸机の前には、五人の女性が座っていた。午前の授業を終えて、昼食後の一時を楽しんでいた、鈴と箒とラウラも含めるとである。
箒「なぜ、私たちまで……」
ラウラ「うむ。別に私は太ってないぞ。ナノマシーンのお陰だが――」
シャル「そのナノマシンどこで買えるっ!?」
セシリア「お金に糸目はつけませんわ!」
どんと机を叩いてラウラにセシリアとシャルロットが詰め寄る。心なしか、鼻息が荒い。
ラウラ「お、おぉ?」
箒「……落ち着け。ナノマシンが買えるわけないだろう……」
鈴「はぁ、ばっかみたい」
ダイエットとは、一人でやると、長く苦しく果てしない。
だからこそセシリアとシャルロットは、道連れ……もとい、協力者を求めてこの場に集合をかけたのである。
セシリア「り、鈴さんだって、最近太ってきてるんじゃないんですの!? ガタガタブルブル震るのもっ! 明日はわが身ですことよ!」
セシリアがそう言うと、
鈴「いや、私は別に……」
シャルロット「中華って油だよね……」
鈴「うっ」
言って鈴をジト目で見るシャルロット。
シャルロット「み、みんなで何かやるなんて親睦にもなるし、い、いいんじゃないかなぁ」
ラウラと箒は机に突っ伏した。
みんなでなにかをやるのはやぶさかではないが、望んでもいないダイエットに付き合わされるというのは堪ったものではない。
箒「私達は関係ないだろう」
ラウラ「そうだな、それにそんな時間があれば嫁といたい」
二人は口を尖らせて抗議した。
セシリア「ということで!」
シャル「痩せるよ!」
そう言って、どんと机を叩くセシリアとシャルロット。
鈴「えー……」
という声が上がる。
丸机の前には、五人の女性が座っていた。午前の授業を終えて、昼食後の一時を楽しんでいた、鈴と箒とラウラも含めるとである。
箒「なぜ、私たちまで……」
ラウラ「うむ。別に私は太ってないぞ。ナノマシーンのお陰だが――」
シャル「そのナノマシンどこで買えるっ!?」
セシリア「お金に糸目はつけませんわ!」
どんと机を叩いてラウラにセシリアとシャルロットが詰め寄る。心なしか、鼻息が荒い。
ラウラ「お、おぉ?」
箒「……落ち着け。ナノマシンが買えるわけないだろう……」
鈴「はぁ、ばっかみたい」
ダイエットとは、一人でやると、長く苦しく果てしない。
だからこそセシリアとシャルロットは、道連れ……もとい、協力者を求めてこの場に集合をかけたのである。
セシリア「り、鈴さんだって、最近太ってきてるんじゃないんですの!? ガタガタブルブル震るのもっ! 明日はわが身ですことよ!」
セシリアがそう言うと、
鈴「いや、私は別に……」
シャルロット「中華って油だよね……」
鈴「うっ」
言って鈴をジト目で見るシャルロット。
シャルロット「み、みんなで何かやるなんて親睦にもなるし、い、いいんじゃないかなぁ」
ラウラと箒は机に突っ伏した。
みんなでなにかをやるのはやぶさかではないが、望んでもいないダイエットに付き合わされるというのは堪ったものではない。
箒「私達は関係ないだろう」
ラウラ「そうだな、それにそんな時間があれば嫁といたい」
二人は口を尖らせて抗議した。
6: ◆iIsZzNIzns 2016/05/03(火) 22:52:30.66 ID:qTOubQrW0
― 同時刻 同食堂 ―
簪「うーん」
更識 簪は姉である更識 楯無の依頼にょり織斑 一夏という人間はいかなる者なのか、調査を開始していた。
それとなく学園内での評判を集めることとした。
このようなことをしていると知れたら専用機持ちどもがうるささそうだが、生徒会を運営する上で重要と判断したらしい。
簪「まずは聞いてまわらなくちゃ……」
簪「(こういうの苦手なんだけどな)」
肯定的証言群
「おりむー? もちろんいい人だよー。なにより、おりむーがいると、なんというか、雰囲気がよくなるんだよねー」
「みんな頑張ろうという気になる」
「あの人は、まあ、ちょっとぬけてるとこあるけど、いい人。ぼーっとしてるようにみえるけど、機転はきくっていうか」
「色々やさしく教えてくれるし、あと、やさしい」
否定的(?)証言
「ちょぉっと鈍感なところあるよねー、あははははは」
学園内の人気に関してはかなり人気がある。雰囲気づくりに長けた人々の潤滑剤となりうる人材のようだ。
──今のところ、特に専用機持ちとはその仲はすこぶるよさそうだということだろう。
驚くべきことに、特定の人物を作らず五人で取り合っている。
全て織斑 一夏の恋人でもあるようなのだ。
この点については今後監視を続行する必要があると考えるものである。
簪「(見てるだけなら得意)」
専用機持ちが囲むテーブルをつかずはなれずの距離で聞き耳を立てている者がいるともしらず、五人(主に二人)はダイエットの計画を練っている。
簪「うーん」
更識 簪は姉である更識 楯無の依頼にょり織斑 一夏という人間はいかなる者なのか、調査を開始していた。
それとなく学園内での評判を集めることとした。
このようなことをしていると知れたら専用機持ちどもがうるささそうだが、生徒会を運営する上で重要と判断したらしい。
簪「まずは聞いてまわらなくちゃ……」
簪「(こういうの苦手なんだけどな)」
肯定的証言群
「おりむー? もちろんいい人だよー。なにより、おりむーがいると、なんというか、雰囲気がよくなるんだよねー」
「みんな頑張ろうという気になる」
「あの人は、まあ、ちょっとぬけてるとこあるけど、いい人。ぼーっとしてるようにみえるけど、機転はきくっていうか」
「色々やさしく教えてくれるし、あと、やさしい」
否定的(?)証言
「ちょぉっと鈍感なところあるよねー、あははははは」
学園内の人気に関してはかなり人気がある。雰囲気づくりに長けた人々の潤滑剤となりうる人材のようだ。
──今のところ、特に専用機持ちとはその仲はすこぶるよさそうだということだろう。
驚くべきことに、特定の人物を作らず五人で取り合っている。
全て織斑 一夏の恋人でもあるようなのだ。
この点については今後監視を続行する必要があると考えるものである。
簪「(見てるだけなら得意)」
専用機持ちが囲むテーブルをつかずはなれずの距離で聞き耳を立てている者がいるともしらず、五人(主に二人)はダイエットの計画を練っている。
7: ◆iIsZzNIzns 2016/05/03(火) 23:35:03.57 ID:qTOubQrW0
― 同時刻 同食堂 ―
セシリア「――どうして駄目なんですのっ!?」
食堂の喧騒の中、セシリアの叫びがこだました。
セシリア「もうちょっ、と。ふっ、ふっ、よっ! とおっ! はぁっ!」
スパッツの上から箒から借りたパンツに足を通して裾を持ち上げる、そこまでは良い。
だが、チャックを持ち上げようとすると、途端に苦しくなるのである。
そう、心持ち、お腹が……。
セシリア「いやっ! いやいやいやぁっ! 太ってなんかいませんわっ!!」
鈴「(ちょっとあわれね)」
箒「(私のお気に入りのジーパンが……)」
セシリアは大急ぎでパンツを脱ぐと、すぐさまそれを拾い上げて、地面に向けて叩き付けた。
箒「あぁ!?」
セシリア「……わたしが太ったんじゃありませんわっ! きっと縮んだ……服の方が縮んだんですっ!」
セシリア「次の服っ! シャルロットさん!!」
シャル「えぇ!? 僕の!?」
――それでも結果はやはり、完敗だった。
背格好の違う、体格の違う服をきてサイズが合うわけもない。そういった正常な判断ができないところまで精神的に追い詰められていた。
セシリアは肩を落として椅子にうなだれる。
セシリア「このままでは、一夏さんに嫌われてしまいますわ……」
零れる溜息ばかりは抑えようがない。
シャル「い、一夏だって、そこまでは」
セシリア「――シャルロットさん、あなた、忘れましたの?」
一夏『よかった。俺、太ってる女は嫌いなんだ』
シャル「……っ!」
心中に一夏の声が蘇ると、シャルロットは体をぶるりと震わせた。
シャル「(そうだったぁ~。僕も人の心配してる場合じゃないよ~)」
心ばかりは急いていく、だが妙案は浮かばない。そんな繰り返しでただ時間は過ぎていた。
箒「ええい! まどろっこしい!」
箒「まずは鍛錬だ!」
シャル「やっぱり……」
セシリア「そうなりますわよねぇ……」
案の定な流れに、事の成り行きを眺めていた鈴のこめかみが軽くヒクついた。
ラウラ「決まったか、それでは私は嫁のところに――」
そう言って去ろうとするラウラの首根っこを鈴がつかむ。
鈴「あんたも来んのよっ!」
ラウラ「……」
「「「「「はぁ」」」」」
全員で深いため息をつく姿はなんとも滑稽であった。
セシリア「――どうして駄目なんですのっ!?」
食堂の喧騒の中、セシリアの叫びがこだました。
セシリア「もうちょっ、と。ふっ、ふっ、よっ! とおっ! はぁっ!」
スパッツの上から箒から借りたパンツに足を通して裾を持ち上げる、そこまでは良い。
だが、チャックを持ち上げようとすると、途端に苦しくなるのである。
そう、心持ち、お腹が……。
セシリア「いやっ! いやいやいやぁっ! 太ってなんかいませんわっ!!」
鈴「(ちょっとあわれね)」
箒「(私のお気に入りのジーパンが……)」
セシリアは大急ぎでパンツを脱ぐと、すぐさまそれを拾い上げて、地面に向けて叩き付けた。
箒「あぁ!?」
セシリア「……わたしが太ったんじゃありませんわっ! きっと縮んだ……服の方が縮んだんですっ!」
セシリア「次の服っ! シャルロットさん!!」
シャル「えぇ!? 僕の!?」
――それでも結果はやはり、完敗だった。
背格好の違う、体格の違う服をきてサイズが合うわけもない。そういった正常な判断ができないところまで精神的に追い詰められていた。
セシリアは肩を落として椅子にうなだれる。
セシリア「このままでは、一夏さんに嫌われてしまいますわ……」
零れる溜息ばかりは抑えようがない。
シャル「い、一夏だって、そこまでは」
セシリア「――シャルロットさん、あなた、忘れましたの?」
一夏『よかった。俺、太ってる女は嫌いなんだ』
シャル「……っ!」
心中に一夏の声が蘇ると、シャルロットは体をぶるりと震わせた。
シャル「(そうだったぁ~。僕も人の心配してる場合じゃないよ~)」
心ばかりは急いていく、だが妙案は浮かばない。そんな繰り返しでただ時間は過ぎていた。
箒「ええい! まどろっこしい!」
箒「まずは鍛錬だ!」
シャル「やっぱり……」
セシリア「そうなりますわよねぇ……」
案の定な流れに、事の成り行きを眺めていた鈴のこめかみが軽くヒクついた。
ラウラ「決まったか、それでは私は嫁のところに――」
そう言って去ろうとするラウラの首根っこを鈴がつかむ。
鈴「あんたも来んのよっ!」
ラウラ「……」
「「「「「はぁ」」」」」
全員で深いため息をつく姿はなんとも滑稽であった。
11: ◆iIsZzNIzns 2016/05/07(土) 23:06:19.29 ID:J0QWNoEs0
― 体育館 ―
鈴「どうせ体動かすんなら、IS使っての訓練にすればいいのに……」
そんな間の抜けた鈴のつぶやき声から始まった運動は、箒とラウラ以外の予想を超えて、激しいものとなった。
あるときは激しく太ももを上げ。
箒「一二、一二! その調子だ! ハイ、膝を上げて、上げてー!」
セシリア「ちょ、ちょっと待ってぇ……」
箒「もう一度!」
あるときは寝そべりながら体を捻り。
箒「捻って、捻って、腹筋を使うんだ」
鈴「待って、これ、本当にきつ……」
箒「もう一度!」
あるときは腕を振り回し。
箒「腰を落として腕を水平に振るんだ、一、二、三、四、五……」
シャル「(久しぶりのトレーニングで身体が追いつかないよぉ)やす、やすませ……」
箒「もう一度!」
あるときは左右に竹刀を振り下ろす動きを繰り返した。
箒「素早く腕を前に突き出すんだ! 一二! 一二!」
ラウラ「(竹刀の扱いはよくわからん)」
箒「もう一度! へばるな! 根性を見せろ!」
「「「は、はぁ~~~い」」」
鈴「どうせ体動かすんなら、IS使っての訓練にすればいいのに……」
そんな間の抜けた鈴のつぶやき声から始まった運動は、箒とラウラ以外の予想を超えて、激しいものとなった。
あるときは激しく太ももを上げ。
箒「一二、一二! その調子だ! ハイ、膝を上げて、上げてー!」
セシリア「ちょ、ちょっと待ってぇ……」
箒「もう一度!」
あるときは寝そべりながら体を捻り。
箒「捻って、捻って、腹筋を使うんだ」
鈴「待って、これ、本当にきつ……」
箒「もう一度!」
あるときは腕を振り回し。
箒「腰を落として腕を水平に振るんだ、一、二、三、四、五……」
シャル「(久しぶりのトレーニングで身体が追いつかないよぉ)やす、やすませ……」
箒「もう一度!」
あるときは左右に竹刀を振り下ろす動きを繰り返した。
箒「素早く腕を前に突き出すんだ! 一二! 一二!」
ラウラ「(竹刀の扱いはよくわからん)」
箒「もう一度! へばるな! 根性を見せろ!」
「「「は、はぁ~~~い」」」
12: ◆iIsZzNIzns 2016/05/07(土) 23:22:44.94 ID:J0QWNoEs0
― 繁華街 ―
日が西の空へと沈みかけようとする頃。
まるで新兵訓練の如き激しい運動を終えた五人は、門限までの短い時間ではあるが外出申請を提出して街へと出ていた。
場所は一夏もたまにたむろしている喫茶店である。
鈴「つ……疲れた……体中が、ばらばらになりそう……」
ラウラ「うむ、なかなかに良いトレーニングだった」
シャル「そ、そうだね。これは効いたって実感があるよ……」
セシリア「(しゃ、喋る余裕があまりありませんわ)」
それぞれ運動の感想を述べた。
鈴とラウラは体のあちこちを触りながらも、まだ余裕があるのかお互いにこやかに笑っている。
一方で言いだしっぺのセシリアはというと、日ごろの不摂生の代償というばかりに力尽きて机に倒れ伏したままぴくりとも動かない。
最初の頃はまだ泣き言を言う気力もあったセシリアだったが、半ばを過ぎた当たりから口数も減り、最後の方はまるで喋らなくなり、終わると同時に力尽きて倒れてしまったのだ。
――ちなみに、汚い話、途中で何度か冗談抜きに吐いている。
その後、残ったラウラと鈴が桂花を介抱し、何とか口かきける程度に回復した頃、この店に連れてきたのだ。
箒「まったく、情けない。一夏だって、これぐらいはこなすぞ」
ラウラ「ちょっと軟弱すぎるな」
鈴「なぜ太ったのか、自分でもわかるんじゃないの」
シャル「う、うぅ……」
そう言って非難めいた視線を向ける三人と縮こまるシャルロット。セシリアはそれを聞いてがばりと体を起こすと、力の限り大声で叫んだ。
セシリア「べ、べつにっ! わたくしは運動を得意としなくてもかまいませんわっ!」
セシリアの声に、店の中から喧噪が退いた。
一瞬の静寂。
しかし、それを破ったのも、やはり箒と鈴だった。
鈴「でもねぇ」
箒「運動をおろそかにして、お腹を浮き輪にしていなかったらこんなことにならなかったろう」
セシリア「う、うきわ……」
その言葉に、セシリアは肩をがくりと落とした。
日が西の空へと沈みかけようとする頃。
まるで新兵訓練の如き激しい運動を終えた五人は、門限までの短い時間ではあるが外出申請を提出して街へと出ていた。
場所は一夏もたまにたむろしている喫茶店である。
鈴「つ……疲れた……体中が、ばらばらになりそう……」
ラウラ「うむ、なかなかに良いトレーニングだった」
シャル「そ、そうだね。これは効いたって実感があるよ……」
セシリア「(しゃ、喋る余裕があまりありませんわ)」
それぞれ運動の感想を述べた。
鈴とラウラは体のあちこちを触りながらも、まだ余裕があるのかお互いにこやかに笑っている。
一方で言いだしっぺのセシリアはというと、日ごろの不摂生の代償というばかりに力尽きて机に倒れ伏したままぴくりとも動かない。
最初の頃はまだ泣き言を言う気力もあったセシリアだったが、半ばを過ぎた当たりから口数も減り、最後の方はまるで喋らなくなり、終わると同時に力尽きて倒れてしまったのだ。
――ちなみに、汚い話、途中で何度か冗談抜きに吐いている。
その後、残ったラウラと鈴が桂花を介抱し、何とか口かきける程度に回復した頃、この店に連れてきたのだ。
箒「まったく、情けない。一夏だって、これぐらいはこなすぞ」
ラウラ「ちょっと軟弱すぎるな」
鈴「なぜ太ったのか、自分でもわかるんじゃないの」
シャル「う、うぅ……」
そう言って非難めいた視線を向ける三人と縮こまるシャルロット。セシリアはそれを聞いてがばりと体を起こすと、力の限り大声で叫んだ。
セシリア「べ、べつにっ! わたくしは運動を得意としなくてもかまいませんわっ!」
セシリアの声に、店の中から喧噪が退いた。
一瞬の静寂。
しかし、それを破ったのも、やはり箒と鈴だった。
鈴「でもねぇ」
箒「運動をおろそかにして、お腹を浮き輪にしていなかったらこんなことにならなかったろう」
セシリア「う、うきわ……」
その言葉に、セシリアは肩をがくりと落とした。
14: ◆iIsZzNIzns 2016/05/08(日) 00:11:26.60 ID:GCfDBwrj0
― 同時刻 喫茶店 路地裏 外 ―
簪「(まだ出てこない……)」
そう思った簪の顔は疲れているように見えた。無理もない、時間にして決して短くない時間を尾行していたのだ。
簪「(そろそろ門限だし……今日は帰ろうかな……)」
ふと、しゃがんで座っているところを、誰かが肩を掴んでいた。
その肩を掴んだ人間を、簪は見上げる格好で振り向いて確認する。
男A「そこのお嬢さん、こんなとこでなにしてるの?」
男B「よかったら俺らと遊びいかない?」
顔を上げ、口をぽかんと開けて掴まれた肩を見ていた簪。
――時間にしておよそ数十秒ぐらいだろうか。
見つめ合った格好のまま簪が我に帰るまで、二人の男たちは、微動だにしなかった。
簪「え……あの、えっと」
突然、聞かれたことに戸惑いの声をあげると、男たちは口角を上げてにやにやと笑いながら簪の目の奥を覗きこむように目線を合わせた。
簪「(ど、どうしよう……)」
簪「あの……そろそろ帰らなきゃいけないので……」
なるべく刺激を与えないようにやんわりと言葉を発した。
簪に拒否をされた男たちは眉を釣り上げた。だが、すぐにまた柔和な表情に戻り、ゆっくりと小さな溜め息を吐き肩をすくめる。
断っても去る気配を見せない男たちの様子に簪は恐怖を覚えはじめる。
気がつけば、簪の掌にじっとりと手汗が滲んでいる。
そんな簪の心の揺れ動きようを知ってか知らずか男たちはさらに詰め寄る。
男A「あのさぁ、黙ってついてきてくんない?」
身震いをしてしまうかのようなゾワっとした悪寒が簪に走る。
端から見れば変化などない男の落ち着いたたたずまいに身の危険を感じた。
簪「いや……え……その」
男B「かまわねぇよ、さらっちまおうぜ」
男に溜め息をつかれ言われた瞬間、弾かれるように立ち上がり逃げようとした。
そこからは、スローモーションを見ている感覚だった。
走り出そうとした腕をつかまれ、口を手で塞がれた。叫び声をあげさせない為であろう。
簪「(ひっ!! いや! 助けて!! 誰かっ!!)」
簪「(――お姉ちゃんっ!!!!)」
「おい、なにしてるんだ?」
涙で視界がにじむ中現れたのは、調査対象である、織斑 一夏。その人であった。
簪「(まだ出てこない……)」
そう思った簪の顔は疲れているように見えた。無理もない、時間にして決して短くない時間を尾行していたのだ。
簪「(そろそろ門限だし……今日は帰ろうかな……)」
ふと、しゃがんで座っているところを、誰かが肩を掴んでいた。
その肩を掴んだ人間を、簪は見上げる格好で振り向いて確認する。
男A「そこのお嬢さん、こんなとこでなにしてるの?」
男B「よかったら俺らと遊びいかない?」
顔を上げ、口をぽかんと開けて掴まれた肩を見ていた簪。
――時間にしておよそ数十秒ぐらいだろうか。
見つめ合った格好のまま簪が我に帰るまで、二人の男たちは、微動だにしなかった。
簪「え……あの、えっと」
突然、聞かれたことに戸惑いの声をあげると、男たちは口角を上げてにやにやと笑いながら簪の目の奥を覗きこむように目線を合わせた。
簪「(ど、どうしよう……)」
簪「あの……そろそろ帰らなきゃいけないので……」
なるべく刺激を与えないようにやんわりと言葉を発した。
簪に拒否をされた男たちは眉を釣り上げた。だが、すぐにまた柔和な表情に戻り、ゆっくりと小さな溜め息を吐き肩をすくめる。
断っても去る気配を見せない男たちの様子に簪は恐怖を覚えはじめる。
気がつけば、簪の掌にじっとりと手汗が滲んでいる。
そんな簪の心の揺れ動きようを知ってか知らずか男たちはさらに詰め寄る。
男A「あのさぁ、黙ってついてきてくんない?」
身震いをしてしまうかのようなゾワっとした悪寒が簪に走る。
端から見れば変化などない男の落ち着いたたたずまいに身の危険を感じた。
簪「いや……え……その」
男B「かまわねぇよ、さらっちまおうぜ」
男に溜め息をつかれ言われた瞬間、弾かれるように立ち上がり逃げようとした。
そこからは、スローモーションを見ている感覚だった。
走り出そうとした腕をつかまれ、口を手で塞がれた。叫び声をあげさせない為であろう。
簪「(ひっ!! いや! 助けて!! 誰かっ!!)」
簪「(――お姉ちゃんっ!!!!)」
「おい、なにしてるんだ?」
涙で視界がにじむ中現れたのは、調査対象である、織斑 一夏。その人であった。
17: ◆iIsZzNIzns 2016/05/08(日) 22:00:15.77 ID:GCfDBwrj0
― 喫茶店 路地裏 外 ―
今日は、春の訪れを感じる陽気に包まれてぽかぽかとした過ごしやすい日だった。
幼馴染の弾との遊びを満喫した後の帰り道。
偶然見かけた同じ制服が路地裏で立っているのを目にして、なんとなく興味を引かれ視線で追いかけた。
――ただ、それだけのはずだった。
そう、視線の先で、女生徒が男たちに話しかけられるまでは。
薄暗くなりはじめた路地裏で相対する二人の陰険な雰囲気に呑まれながら、一夏は心の中でつぶやいていた。
一夏「(えーと、これってけっこうやばいんじゃ?)」
かたやポケットからメリケンサックを取り出し装備しだした男A。かたや両手でか弱い女性徒を羽交い絞めにしている男B。
男A「なんだテメェ?」
男Aの眼がすっと細まりつかつかと歩み寄り一夏の襟元を掴む。
一夏「警察、呼びますよ」
言った途端、殴りかかられた。さすがに予想していたので、一発目の拳は避けられたが、次いで放たれたアッパー気味の一撃は避けきれなかった。
一夏の顎に衝撃が走り、意識が一瞬飛びかける。
なんとかたてなおし、たたらを踏んで首をふると、男Aが余裕の笑みを浮かべているのがわかった。
一夏「いっつ~……」
男A「なんだ? もう終わりか?」
一夏「いや、ちょっと油断したんだ。でも、そっちがそのつもりなら――」
予備動作無しで繰り出された一夏の膝蹴りがすぐに男Aの顎をとらえる。
それと同時に、尻もちをついた男Aの背後にまわりこみ腕を掴むと、関節技を見事に決めていた。
男A「いっ!?」
男が状況を飲み込めないままに流れるように首を掴み、ぎりぎりと締めあげる。
悲鳴すら漏らせないのは、完全に体をとられて身動きがとれないからだろう。
男Aの顔が赤から青に変わり、ついに白くなっていく。
今日は、春の訪れを感じる陽気に包まれてぽかぽかとした過ごしやすい日だった。
幼馴染の弾との遊びを満喫した後の帰り道。
偶然見かけた同じ制服が路地裏で立っているのを目にして、なんとなく興味を引かれ視線で追いかけた。
――ただ、それだけのはずだった。
そう、視線の先で、女生徒が男たちに話しかけられるまでは。
薄暗くなりはじめた路地裏で相対する二人の陰険な雰囲気に呑まれながら、一夏は心の中でつぶやいていた。
一夏「(えーと、これってけっこうやばいんじゃ?)」
かたやポケットからメリケンサックを取り出し装備しだした男A。かたや両手でか弱い女性徒を羽交い絞めにしている男B。
男A「なんだテメェ?」
男Aの眼がすっと細まりつかつかと歩み寄り一夏の襟元を掴む。
一夏「警察、呼びますよ」
言った途端、殴りかかられた。さすがに予想していたので、一発目の拳は避けられたが、次いで放たれたアッパー気味の一撃は避けきれなかった。
一夏の顎に衝撃が走り、意識が一瞬飛びかける。
なんとかたてなおし、たたらを踏んで首をふると、男Aが余裕の笑みを浮かべているのがわかった。
一夏「いっつ~……」
男A「なんだ? もう終わりか?」
一夏「いや、ちょっと油断したんだ。でも、そっちがそのつもりなら――」
予備動作無しで繰り出された一夏の膝蹴りがすぐに男Aの顎をとらえる。
それと同時に、尻もちをついた男Aの背後にまわりこみ腕を掴むと、関節技を見事に決めていた。
男A「いっ!?」
男が状況を飲み込めないままに流れるように首を掴み、ぎりぎりと締めあげる。
悲鳴すら漏らせないのは、完全に体をとられて身動きがとれないからだろう。
男Aの顔が赤から青に変わり、ついに白くなっていく。
18: ◆iIsZzNIzns 2016/05/08(日) 22:04:09.17 ID:GCfDBwrj0
一夏「どうする? あんたがその子を解放してくれるなら、こっちも離してやる」
一夏は微妙な力加減でゆるめることなく男Bの動向を観察する。
男B「生意気な野郎だ……。お前、素人じゃないな」
一夏「ただの学園生さ」
男B「なるほど。ということは、お前が“男で唯一ISを使える”といわれている――」
合点がいったという時、男の表情は明らかに変わった。
男B「織斑 一夏、か」
男は、ふん、と鼻でわらうと、物を見つめるように羽交い絞めている簪を一瞥する。
男B「いいだろう、先に離せ」
一夏「……だめだ、先にそっちが離せ」
しばらく、利害損失を計算しているような間があった。
下卑た笑みを浮かべて男は頷いた。
男B「ほら、行け」
簪「あっ……」
一夏と男Bとの間にピリピリとした緊張感が募る中、自由になった簪は一夏へと駆け寄り背に隠れる。
簪「あの……ありがとう……」
一夏「(――おかしい、さっきまでと明らかに雰囲気が違う)」
お礼の言葉に笑みでしか返す余裕がなく、そう直感してしまうほど、居心地の悪さを感じる。
もしかしたら、この男は、単なるチンピラの類ではないのかもしれないと思わせるただならぬ気配を一夏は感じはじめていた。
一夏は瞳を正面から見据えて対峙する構えで、いつ飛びかかられてもいいように膝を曲げる。
簪「誰か……呼んできます」
簪が走り去るのを待ってから男Aの首を掴んでいる力をゆるめた。ぱくぱくと陸に打ち上げられた魚のように口を動かして呼吸している。
男B「やれやれ、何を警戒しているか知らないが、俺はそいつを連れて帰りたいだけだぜ?」
一夏「……そうですか、それなら、俺もこのまま立ち去ります」
そこに、いささか憮然とした物が含まれていたとしても警戒色の消えない一夏には、しかたの無いことだろう。
生唾をゴクリと、喉を鳴らし神妙な面持ちに表情を変えていた一夏は怪訝そうな表情を浮かべてその場を後にした。
一夏は微妙な力加減でゆるめることなく男Bの動向を観察する。
男B「生意気な野郎だ……。お前、素人じゃないな」
一夏「ただの学園生さ」
男B「なるほど。ということは、お前が“男で唯一ISを使える”といわれている――」
合点がいったという時、男の表情は明らかに変わった。
男B「織斑 一夏、か」
男は、ふん、と鼻でわらうと、物を見つめるように羽交い絞めている簪を一瞥する。
男B「いいだろう、先に離せ」
一夏「……だめだ、先にそっちが離せ」
しばらく、利害損失を計算しているような間があった。
下卑た笑みを浮かべて男は頷いた。
男B「ほら、行け」
簪「あっ……」
一夏と男Bとの間にピリピリとした緊張感が募る中、自由になった簪は一夏へと駆け寄り背に隠れる。
簪「あの……ありがとう……」
一夏「(――おかしい、さっきまでと明らかに雰囲気が違う)」
お礼の言葉に笑みでしか返す余裕がなく、そう直感してしまうほど、居心地の悪さを感じる。
もしかしたら、この男は、単なるチンピラの類ではないのかもしれないと思わせるただならぬ気配を一夏は感じはじめていた。
一夏は瞳を正面から見据えて対峙する構えで、いつ飛びかかられてもいいように膝を曲げる。
簪「誰か……呼んできます」
簪が走り去るのを待ってから男Aの首を掴んでいる力をゆるめた。ぱくぱくと陸に打ち上げられた魚のように口を動かして呼吸している。
男B「やれやれ、何を警戒しているか知らないが、俺はそいつを連れて帰りたいだけだぜ?」
一夏「……そうですか、それなら、俺もこのまま立ち去ります」
そこに、いささか憮然とした物が含まれていたとしても警戒色の消えない一夏には、しかたの無いことだろう。
生唾をゴクリと、喉を鳴らし神妙な面持ちに表情を変えていた一夏は怪訝そうな表情を浮かべてその場を後にした。
21: ◆iIsZzNIzns 2016/05/09(月) 23:21:45.59 ID:FAWlJ3Xr0
― 夜 学園内 職員室 ―
一夏「千冬姉(ちふゆねえ)っ!」
名を呼ばれて座ったまま見上げる形で視線を向けると、血相を変えて走ってきた弟の姿があった。
一夏の姉で、彼のクラスの担任でもある織斑 千冬は小さく溜息をつき、眉根を寄せてやれやれと肩をすくめてみせた。
そのあとで、険しい顔つきになった千冬が一夏に向けて
千冬「何度言えばわかる、学園内では織斑先生と呼べ」
と、厳しく命じていた。
一夏「あ、すみません。織斑先生」
少しの沈黙の後、息を切らせている様子に緊急の用件だと察したのか、小言を飲み込んで先を促す。
一夏「――ということがあったんだ」
千冬「そうか」
一夏「そうかって……え、それだけ?」
路地裏での出来事をただ事ではないと報告してきた一夏に千冬はただ冷静沈着に短くぼそりと呟いてお茶をすする。
千冬「そうだが?」
一夏はぽかんと口を開けていたまま、すぐには状況が飲みこめないでいた。
学園の生徒が襲われたという認識と、千冬が対処してくれるであろうと思っていた展望がガラガラと音を立てて崩れていく。
興奮冷めない一夏にとっては、千冬の対応に温度差がありすぎたのだ。
明らかに狼狽している一夏へ向けて、呆れ顔で千冬は続けた。
千冬「話はわかった。襲われたという案件に関しては然るべき機関にきちんと連絡を通しておく」
一夏「は、はい。わかりました」
千冬「……しかしな、織斑」
千冬「お前は少し落ち着きを持て。動だけではなく静の心を持って冷静に周囲を見ろ」
一夏「うぅ……はい」
千冬「女生徒を助けたのはお手柄だったな」
千冬「怪我はなかったか」
落ち着きを取り戻した一夏はなんでもない、とばつが悪そうに笑った。
それを見て釣られるように千冬も苦笑した。元々整った顔立ちである為、笑うと、かなりの好人物であるような印象になる。
一夏「千冬姉(ちふゆねえ)っ!」
名を呼ばれて座ったまま見上げる形で視線を向けると、血相を変えて走ってきた弟の姿があった。
一夏の姉で、彼のクラスの担任でもある織斑 千冬は小さく溜息をつき、眉根を寄せてやれやれと肩をすくめてみせた。
そのあとで、険しい顔つきになった千冬が一夏に向けて
千冬「何度言えばわかる、学園内では織斑先生と呼べ」
と、厳しく命じていた。
一夏「あ、すみません。織斑先生」
少しの沈黙の後、息を切らせている様子に緊急の用件だと察したのか、小言を飲み込んで先を促す。
一夏「――ということがあったんだ」
千冬「そうか」
一夏「そうかって……え、それだけ?」
路地裏での出来事をただ事ではないと報告してきた一夏に千冬はただ冷静沈着に短くぼそりと呟いてお茶をすする。
千冬「そうだが?」
一夏はぽかんと口を開けていたまま、すぐには状況が飲みこめないでいた。
学園の生徒が襲われたという認識と、千冬が対処してくれるであろうと思っていた展望がガラガラと音を立てて崩れていく。
興奮冷めない一夏にとっては、千冬の対応に温度差がありすぎたのだ。
明らかに狼狽している一夏へ向けて、呆れ顔で千冬は続けた。
千冬「話はわかった。襲われたという案件に関しては然るべき機関にきちんと連絡を通しておく」
一夏「は、はい。わかりました」
千冬「……しかしな、織斑」
千冬「お前は少し落ち着きを持て。動だけではなく静の心を持って冷静に周囲を見ろ」
一夏「うぅ……はい」
千冬「女生徒を助けたのはお手柄だったな」
千冬「怪我はなかったか」
落ち着きを取り戻した一夏はなんでもない、とばつが悪そうに笑った。
それを見て釣られるように千冬も苦笑した。元々整った顔立ちである為、笑うと、かなりの好人物であるような印象になる。
22: ◆iIsZzNIzns 2016/05/09(月) 23:26:11.07 ID:FAWlJ3Xr0
千冬「山田先生!」
――ゴンッ!
机に頭を盛大にぶつけた音が響く。
一夏のクラスの副担任である山田 真耶は、目をしばたいた。
山田「あうひゃ!? あ、はい!?」
どうやら居眠りをしかけてしまっていたらしい。慌てて口元から顎にかけて涎の後をつけているのをこする。
千冬「織斑、山田先生にも報告してやれ」
一夏「わかった、じゃなくてわかりました」
一夏「実は――」
――
―
山田「――あー」
一夏が説明を終えると悩ましげな吐息をはく。
山田「一度生徒全員に連絡する必要がありますかねー……」
一夏「あの、他にも今日みたいなことがあったんですか?」
まだぼんやりとした声で、山田はそう説明する。ようやく目を開いたが、まだ半分閉じたような感じだ。
山田「まだ実害はないですけどー。チラホラと報告は受けていますよー」
一夏「あの襲ってきた人達はいったい……?」
山田「強引なナンパ、というのは女性がISを使えるようになって社会地位が逆転してからは減りましたし」
山田「というか、ありえませんね」
教えるべきか迷っているような表情を見せたが、一夏のほうに目をやってから、不承不承といった感じで応えた。
山田「おそらくは、その“女性がISを使える”ということに不満を持っている一部の反社会的な人達ではないかとー」
一夏「そんな人達がいるんですか?」
山田「ISができてからの歴史は浅いですから。その変化を受け入れられないって人達は必ずいるものなんですよ」
千冬「表立って行動しているものは、一部の中でも極一部だろうがな」
コーヒーの入ったステンレスのマグカップを手にとり、一口、飲む。
千冬の言葉に山田がそうですね、と頷くと、一夏が顎に手をあてて考え込んでいた。
一夏「なんだか、複雑なんですね」
表向きは平穏に見えても、裏にまわれば多くの人たちが不満を抱えている。
政治的な背景のせいもあるのかもしれないのかな、と一夏は漠然に思う。
一夏「俺なんか、そんなことが不満だなんて思ったことないけどな……」
そんな一夏のつぶやきに対して、二人の教師は薄く笑みを浮かべていた。
23: ◆iIsZzNIzns 2016/05/09(月) 23:54:47.00 ID:FAWlJ3Xr0
― 学園内 一夏 自室 ―
部屋に帰り、シャワーを浴びてくつろいでいたとき、一夏はキィという小さなもの音を耳にした。
気になった一夏がそちらを見てみると、いつ入って来たのか、部屋の中に一人の人間が、立っていた。
力なく脱力した体躯は小柄。
顔は……俯いているために影でよく見えない。
体からは陰の気というか、息苦しくなるような何かを発している。
そして何より、手には輝く抜き身の剣。
…………ん?
一夏「ん? え? 剣?」
一夏は何か恐ろしいものに飲み込まれて、引きつったような返事しか返せない。
近づいてくるその姿は明らかに鈴なのだが、あまりに普段と違い過ぎる。
一夏が固まっていると、それがゆっくりと、ゆらりゆらりと物音一つ立てずにこちらに近づいてきた。
一歩、また一歩。
その光景を見て、一夏は昔見た井戸の中から出てくる女のホラー映画の一場面を思い出した。
蛇に睨まれた蛙のように動けない一夏の前に、静かに鈴が立った。
――そして、見せつけるようにゆっくりとその手の中の剣を振り上げる。
鈴「いぃぃぃちぃぃぃかぁぁぁぁ~~~~っ」
問答無用の白刃一閃。振り下ろしの斬撃が一夏を襲った。
一夏「うわぁ!?」
自分の悲鳴と同時、ビュッという恐ろしい音が目の前を走り、ベットに刺さる瞬間を一夏は見た。
一夏「い、いきなりどうしたんだよ!? 鈴っ!」
明らかに殺す気の一撃を、一夏は何とか避けた。
それは織斑一夏個人以前の、男の本能が事前に一夏に急を告げていたからに他ならない。
鈴「あんたって男は……!」
一夏「……男は?」
鈴「何人の女を弄べば気が済むのよおおおおお」
一夏「だからどういうことだよ!?」
やたらめったら剣を振り回す鈴。
必死に逃げ回る一刀。
勿論部屋の中は滅茶苦茶になっていくのだが、そんなことより今は自分の命が惜しい一夏であった。
鈴「追い詰めたわよ……この女の敵っ!」
逃げ回ること数分。その言葉の通り、一夏は部屋の隅に追い込まれてしまっていた。
鈴「安心なさい。あんたを殺して私も死んであげるから」
うふふふふと、じりじりとすり足で距離を詰めてくる鈴に対して、一夏に逃げ道はない。
――正に危機一髪、今にも鈴が斬りかかってくるというタイミングで、一夏にとっての救世主が現れた
簪「はぁはぁ、待って! 誤解なんです!」
部屋に帰り、シャワーを浴びてくつろいでいたとき、一夏はキィという小さなもの音を耳にした。
気になった一夏がそちらを見てみると、いつ入って来たのか、部屋の中に一人の人間が、立っていた。
力なく脱力した体躯は小柄。
顔は……俯いているために影でよく見えない。
体からは陰の気というか、息苦しくなるような何かを発している。
そして何より、手には輝く抜き身の剣。
…………ん?
一夏「ん? え? 剣?」
一夏は何か恐ろしいものに飲み込まれて、引きつったような返事しか返せない。
近づいてくるその姿は明らかに鈴なのだが、あまりに普段と違い過ぎる。
一夏が固まっていると、それがゆっくりと、ゆらりゆらりと物音一つ立てずにこちらに近づいてきた。
一歩、また一歩。
その光景を見て、一夏は昔見た井戸の中から出てくる女のホラー映画の一場面を思い出した。
蛇に睨まれた蛙のように動けない一夏の前に、静かに鈴が立った。
――そして、見せつけるようにゆっくりとその手の中の剣を振り上げる。
鈴「いぃぃぃちぃぃぃかぁぁぁぁ~~~~っ」
問答無用の白刃一閃。振り下ろしの斬撃が一夏を襲った。
一夏「うわぁ!?」
自分の悲鳴と同時、ビュッという恐ろしい音が目の前を走り、ベットに刺さる瞬間を一夏は見た。
一夏「い、いきなりどうしたんだよ!? 鈴っ!」
明らかに殺す気の一撃を、一夏は何とか避けた。
それは織斑一夏個人以前の、男の本能が事前に一夏に急を告げていたからに他ならない。
鈴「あんたって男は……!」
一夏「……男は?」
鈴「何人の女を弄べば気が済むのよおおおおお」
一夏「だからどういうことだよ!?」
やたらめったら剣を振り回す鈴。
必死に逃げ回る一刀。
勿論部屋の中は滅茶苦茶になっていくのだが、そんなことより今は自分の命が惜しい一夏であった。
鈴「追い詰めたわよ……この女の敵っ!」
逃げ回ること数分。その言葉の通り、一夏は部屋の隅に追い込まれてしまっていた。
鈴「安心なさい。あんたを殺して私も死んであげるから」
うふふふふと、じりじりとすり足で距離を詰めてくる鈴に対して、一夏に逃げ道はない。
――正に危機一髪、今にも鈴が斬りかかってくるというタイミングで、一夏にとっての救世主が現れた
簪「はぁはぁ、待って! 誤解なんです!」
25: ◆iIsZzNIzns 2016/05/17(火) 19:42:49.76 ID:jgT2zakz0
鈴は一夏と小学五年生からの付き合いであり、それから中学二年生の終わり、両親の離婚のため、中国に帰国するまで一夏と時間を共にした。
本当に気付けばいつの間にか、ほぼ毎日遊ぶような仲の良さになっていた。
それが今の学園に編入してISの専用機持ちとして再会をしたのである。
鈴「……へ? 勘違い?」
一夏は鈴に対して何か悪いことをした覚えはないし、機嫌を損ねた覚えも無かった。
一夏「」コクコクッ
鈴が一夏に視線を命の危機を感じて血の気が引いている一夏は懸命に首を縦にふる。
簪「ご……ごめんなさい……」
状況が理解できず、まじまじと見つめてみるとしょんぼりとしている簪。
そこでふと考える。
鈴は一夏が女の子を強引にナンパした挙句、羽交い絞めにしたと聞いていた。
……いや、冷静に考えるとおかしい。
聞いた瞬間に沸点が臨界点を通り越して部屋にまで乗り込んでしまったが、少なくともそんなことをするやつじゃない。
それは私は一番よくわかってる。
鈴「(あれ? これって私の早合点?)」
今の状況はひょっとして『また突っ走ってしまった』に該当するんじゃないかと鈴は思う。
鈴「あ、あはは~」
罰の悪い笑顔を浮かべて、ゴホン、と一つ咳をして剣を引いた。
本当に気付けばいつの間にか、ほぼ毎日遊ぶような仲の良さになっていた。
それが今の学園に編入してISの専用機持ちとして再会をしたのである。
鈴「……へ? 勘違い?」
一夏は鈴に対して何か悪いことをした覚えはないし、機嫌を損ねた覚えも無かった。
一夏「」コクコクッ
鈴が一夏に視線を命の危機を感じて血の気が引いている一夏は懸命に首を縦にふる。
簪「ご……ごめんなさい……」
状況が理解できず、まじまじと見つめてみるとしょんぼりとしている簪。
そこでふと考える。
鈴は一夏が女の子を強引にナンパした挙句、羽交い絞めにしたと聞いていた。
……いや、冷静に考えるとおかしい。
聞いた瞬間に沸点が臨界点を通り越して部屋にまで乗り込んでしまったが、少なくともそんなことをするやつじゃない。
それは私は一番よくわかってる。
鈴「(あれ? これって私の早合点?)」
今の状況はひょっとして『また突っ走ってしまった』に該当するんじゃないかと鈴は思う。
鈴「あ、あはは~」
罰の悪い笑顔を浮かべて、ゴホン、と一つ咳をして剣を引いた。
26: ◆iIsZzNIzns 2016/05/17(火) 20:14:04.56 ID:jgT2zakz0
一夏「勘弁してくれよ」
素でそんな言葉を口にする。
鈴「……ごめん」
簪「……すみません」
一夏にしてみればしかたのない反応だった。
なにしろ身に覚えのないことで斬りかかられたのである。
一夏「まぁ、鈴がこうなのはいつものことだしな」
鈴「な、なによそれ」
たとえ親しい間柄でも普通なら怒る。しかし、一夏はしょうがないかと言って笑っていた。
なぜなら、一夏はこういった場面にことごとく〝慣れていた〟。
――どうしてこうなるのか一夏自身分からないことがあっても、どんなに理不尽なことでも一言で済ませる。
類まれな精神力を自然と身につけていたのである。
素でそんな言葉を口にする。
鈴「……ごめん」
簪「……すみません」
一夏にしてみればしかたのない反応だった。
なにしろ身に覚えのないことで斬りかかられたのである。
一夏「まぁ、鈴がこうなのはいつものことだしな」
鈴「な、なによそれ」
たとえ親しい間柄でも普通なら怒る。しかし、一夏はしょうがないかと言って笑っていた。
なぜなら、一夏はこういった場面にことごとく〝慣れていた〟。
――どうしてこうなるのか一夏自身分からないことがあっても、どんなに理不尽なことでも一言で済ませる。
類まれな精神力を自然と身につけていたのである。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/19(木) 19:16:19.93 ID:05iJRHHyO
乙
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462278545/
Entry ⇒ 2016.06.15 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
シャル「僕の部屋割りが不公平だ。という話」
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:09:10.24 ID:uInqS71a0
クラスメイト「デュノアさんってさ、前は織斑くんと同じ部屋だったんだよね?」
クラスメイト「あー、あったね。シャルちゃんがシャルくんだった頃が」
シャル「ああ、黒歴史時代の話かな?」
クラスメイト「黒歴史扱いなんだ!?」
シャル「うーん、まあ、今から考えると男装して全寮制の学校に入学とか、無理筋にも程があるし…ね?」
クラスメイト「あー、あったね。シャルちゃんがシャルくんだった頃が」
シャル「ああ、黒歴史時代の話かな?」
クラスメイト「黒歴史扱いなんだ!?」
シャル「うーん、まあ、今から考えると男装して全寮制の学校に入学とか、無理筋にも程があるし…ね?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:13:30.43 ID:uInqS71a0
クラスメイト「あはは、確かに」
クラスメイト「でもかっこ良かったなー。シャルル・デュノアくん」
クラスメイト(シャル様は今のままでも十分凛々しいですよっ///)ハァハァ
シャル「うう…黒歴史なんだから、あまりイジらないで欲しいな」
クラスメイト「えーいいじゃん!たまに男装して学校来てよ!」
クラスメイト「かっこ良いんだからさー」
シャル「やらないよっ」
クラスメイト「でもかっこ良かったなー。シャルル・デュノアくん」
クラスメイト(シャル様は今のままでも十分凛々しいですよっ///)ハァハァ
シャル「うう…黒歴史なんだから、あまりイジらないで欲しいな」
クラスメイト「えーいいじゃん!たまに男装して学校来てよ!」
クラスメイト「かっこ良いんだからさー」
シャル「やらないよっ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:23:31.60 ID:uInqS71a0
クラスメイト「それでそれで?同室だった時に一夏くんとなんかあったりしなかったの?」
シャル「ええっ!?な、なにもない……よ?」
クラスメイト「えっ、なにその含みのある言い方…」
クラスメイト「絶対なんかあったよね?それよお?あ?」
シャル「みんな、目がちょっとこわいよ…」
クラスメイト「吐け」
シャル「だからこわいって!!」
シャル「ええっ!?な、なにもない……よ?」
クラスメイト「えっ、なにその含みのある言い方…」
クラスメイト「絶対なんかあったよね?それよお?あ?」
シャル「みんな、目がちょっとこわいよ…」
クラスメイト「吐け」
シャル「だからこわいって!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:36:03.32 ID:uInqS71a0
シャル「ホントに何もなかったんだってばっ!」
クラスメイト「本当かなぁ?」
クラスメイト「じゃあ質問を変えようか?いっしょにお風呂とか入った?」
シャル「お風呂…?」
シャル「・・・」
シャル「ギリギリいっしょには入ってない…かな?」
クラスメイト「そんなんもう入ったって言ってるようなもんじゃん!」
クラスメイト「シャルちゃんだけズルい!」
シャル「仕方なかったんだってっ!」
クラスメイト「本当かなぁ?」
クラスメイト「じゃあ質問を変えようか?いっしょにお風呂とか入った?」
シャル「お風呂…?」
シャル「・・・」
シャル「ギリギリいっしょには入ってない…かな?」
クラスメイト「そんなんもう入ったって言ってるようなもんじゃん!」
クラスメイト「シャルちゃんだけズルい!」
シャル「仕方なかったんだってっ!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:39:52.27 ID:uInqS71a0
クラスメイト「男同士だからって、まさか一夏くんといっしょのベッドで寝てたりしないよね!?」
クラスメイト「いや…それはアンタが男同士をなんだと思ってんのかって話になるけど」
クラスメイト「男同士、密室、何もおこらないはずがなく…」
クラスメイト「さすがに同じベッドで寝るまであるわけないでしょ…」
シャル「・・・」
クラスメイト「ええっ!?」
シャル「い、いや、ちゃんと断ったよ?」
クラスメイト「おいおいおいおい」
クラスメイト「マジかよ一夏くん!!」
クラスメイト「いや…それはアンタが男同士をなんだと思ってんのかって話になるけど」
クラスメイト「男同士、密室、何もおこらないはずがなく…」
クラスメイト「さすがに同じベッドで寝るまであるわけないでしょ…」
シャル「・・・」
クラスメイト「ええっ!?」
シャル「い、いや、ちゃんと断ったよ?」
クラスメイト「おいおいおいおい」
クラスメイト「マジかよ一夏くん!!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 07:45:52.24 ID:uInqS71a0
シャル「一夏もほらっ!ようやく男の子の同級生が出来てはしゃいでただけだからっ!そういうんじゃないからね!?」
クラスメイト「そ、そうだよね?あの時の一夏くんめっちゃ嬉しそうだったもん…ね?」
クラスメイト「で、どこまでやったの?」
シャル「何もしてないよ!?スキンシップ!友達同士の軽いスキンシップ程度しかなかったよっ!」
クラスメイト「どっちにしろズルいんですけど!」
クラスメイト「一夏くんとイチャイチャしやがって…くそっ!」ガンッ
クラスメイト「羨ましいなーデュノアさん」
シャル「イチャイチャなんて程じゃ…」
クラスメイト「そ、そうだよね?あの時の一夏くんめっちゃ嬉しそうだったもん…ね?」
クラスメイト「で、どこまでやったの?」
シャル「何もしてないよ!?スキンシップ!友達同士の軽いスキンシップ程度しかなかったよっ!」
クラスメイト「どっちにしろズルいんですけど!」
クラスメイト「一夏くんとイチャイチャしやがって…くそっ!」ガンッ
クラスメイト「羨ましいなーデュノアさん」
シャル「イチャイチャなんて程じゃ…」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:08:28.13 ID:uInqS71a0
クラスメイト「いいなーデュノアさん。一夏くんと一瞬だけでも同室でー」
クラスメイト「男の子と同棲なんて…私らしたことないわ!」
シャル「あはは…」
クラスメイト「その同棲期間もあったから、今でも一夏くんとは仲良いもんねーシャルちゃんはさ。ズルいわ~」
クラスメイト「最近でもいっしょに住んでた頃みたいにスキンシップとかしてるの?」
シャル「えっ?」
シャル(あ、あれ?僕って今までで一夏と一番仲良かった時期って…)
シャル「あれ?黒歴史時代の方が一夏との距離が近かったような…?」
クラスメイト「・・・」
クラスメイト「男の子と同棲なんて…私らしたことないわ!」
シャル「あはは…」
クラスメイト「その同棲期間もあったから、今でも一夏くんとは仲良いもんねーシャルちゃんはさ。ズルいわ~」
クラスメイト「最近でもいっしょに住んでた頃みたいにスキンシップとかしてるの?」
シャル「えっ?」
シャル(あ、あれ?僕って今までで一夏と一番仲良かった時期って…)
シャル「あれ?黒歴史時代の方が一夏との距離が近かったような…?」
クラスメイト「・・・」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:18:12.29 ID:uInqS71a0
クラスメイト「…この話題やめておこっか?」
クラスメイト「そ、そうだね…もう昔の話だし、ねえ?」
シャル「あれ?あれれ?一夏…あれ??」
クラスメイト「ええと、今はデュノアさんは誰と同室なんだっけ?」
シャル「今?」
クラスメイト「うん、今。過去は忘れよう」
シャル「僕は今ラウラと同じ部屋だよっ」
クラスメイト「へー、いいなー。ラウラちゃんカワイイよねー」
クラスメイト「ボーデヴィッヒさんと同じなんだー」
クラスメイト「そ、そうだね…もう昔の話だし、ねえ?」
シャル「あれ?あれれ?一夏…あれ??」
クラスメイト「ええと、今はデュノアさんは誰と同室なんだっけ?」
シャル「今?」
クラスメイト「うん、今。過去は忘れよう」
シャル「僕は今ラウラと同じ部屋だよっ」
クラスメイト「へー、いいなー。ラウラちゃんカワイイよねー」
クラスメイト「ボーデヴィッヒさんと同じなんだー」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:24:15.34 ID:uInqS71a0
クラスメイト「ラウラさんと同室ってどんな感じなんだろ?」
クラスメイト「あんまり想像できないよね」
シャル「普通だよ、普通」
クラスメイト「シャルちゃんはラウラちゃんとはいっしょにお風呂入ったりしないの?なんつって…
シャル「うん!身体を洗いあったりもするよっ」
クラスメイト「…えっ?」
クラスメイト「あんまり想像できないよね」
シャル「普通だよ、普通」
クラスメイト「シャルちゃんはラウラちゃんとはいっしょにお風呂入ったりしないの?なんつって…
シャル「うん!身体を洗いあったりもするよっ」
クラスメイト「…えっ?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:27:01.28 ID:uInqS71a0
シャル「ん?」
クラスメイト「えっ、今、洗いあったり…って?」
シャル「うん。ラウラといっしょにお風呂に入った時には、身体を洗いっこって言うのかな?お互い泡まみれになって…」
クラスメイト「えっ、えっと、ラウラさんと?裸で?」
シャル「それはそうだよ。服を着てお風呂に入るのかい?」
クラスメイト「おうふ」
クラスメイト「えっ、今、洗いあったり…って?」
シャル「うん。ラウラといっしょにお風呂に入った時には、身体を洗いっこって言うのかな?お互い泡まみれになって…」
クラスメイト「えっ、えっと、ラウラさんと?裸で?」
シャル「それはそうだよ。服を着てお風呂に入るのかい?」
クラスメイト「おうふ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:33:10.06 ID:uInqS71a0
クラスメイト「…まさか、いっしょのベッドで寝たりもするの?」
シャル「うん!たまにね…いや、毎日かな?」
クラスメイト「え…」
シャル「えへへ、部屋の中ではラウラにね、猫の着ぐるみパジャマを着せてるんだよっ、黒猫の!」にまー
クラスメイト「・・・」
シャル「僕とおそろいで買ったんだ。あ、ちなみに僕のは白猫。最初はすごく恥ずかしがってたなーラウラ。それもまたカワイイんだけどね」
クラスメイト「・・・」
シャル「その着ぐるみパジャマを着たラウラをね、こう、抱きしめて寝るんだっ!もう撫でまわしたくなる可愛さだよっ!」
クラスメイト「……ズルい!」
シャル「うん!たまにね…いや、毎日かな?」
クラスメイト「え…」
シャル「えへへ、部屋の中ではラウラにね、猫の着ぐるみパジャマを着せてるんだよっ、黒猫の!」にまー
クラスメイト「・・・」
シャル「僕とおそろいで買ったんだ。あ、ちなみに僕のは白猫。最初はすごく恥ずかしがってたなーラウラ。それもまたカワイイんだけどね」
クラスメイト「・・・」
シャル「その着ぐるみパジャマを着たラウラをね、こう、抱きしめて寝るんだっ!もう撫でまわしたくなる可愛さだよっ!」
クラスメイト「……ズルい!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:38:18.95 ID:uInqS71a0
シャル「えっ?」
クラスメイト「なにそれ!?めっちゃズルいじゃん!!」
クラスメイト「ラウラちゃんに着ぐるみパジャマ!?話聞いてるだけでくっそ萌えるんですけど!?」
クラスメイト「写真よこせおい!!」
シャル「ちょ、ちょっと、みんな…?」
クラスメイト「なんでコイツだけすごい部屋割り良いの!?これ不公平じゃない!?」
クラスメイト「デュノア、テメェふざけんなマジで」
シャル「コイツとかテメエって!なんかみんな、一夏の時と反応違くない!?」
クラスメイト「なにそれ!?めっちゃズルいじゃん!!」
クラスメイト「ラウラちゃんに着ぐるみパジャマ!?話聞いてるだけでくっそ萌えるんですけど!?」
クラスメイト「写真よこせおい!!」
シャル「ちょ、ちょっと、みんな…?」
クラスメイト「なんでコイツだけすごい部屋割り良いの!?これ不公平じゃない!?」
クラスメイト「デュノア、テメェふざけんなマジで」
シャル「コイツとかテメエって!なんかみんな、一夏の時と反応違くない!?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:45:53.93 ID:uInqS71a0
クラスメイト「ったりめえだろ。オスなんか学園の外出ればいくらでもいるけど、軍人口調の銀髪眼帯っ子はここにしか居ないんだよ」
シャル「オスって…」
クラスメイト「そんな子と同じ部屋に住んでるだけでも羨ましいのに、着ぐるみパジャマ着せて抱きしめて寝るだぁ?」
クラスメイト「いい加減にしろよデュノア?」
シャル「僕のせいじゃないよね!?部屋割りは偶然だってばっ!」
クラスメイト「着ぐるみパジャマはてめえが仕出かしたことだろうがよぉおお!」
クラスメイト「くそっ!くそっ!」ガンガンッ
キイタカ イチカ? オマエガイマモテテイルノハ カノジョラノキマグレナンダ チョウシニノッテハダメダゾ
ワカッテルッテ
アハハー! オリムーッテ ケッコウサメテルトコアルヨネー
シャル「オスって…」
クラスメイト「そんな子と同じ部屋に住んでるだけでも羨ましいのに、着ぐるみパジャマ着せて抱きしめて寝るだぁ?」
クラスメイト「いい加減にしろよデュノア?」
シャル「僕のせいじゃないよね!?部屋割りは偶然だってばっ!」
クラスメイト「着ぐるみパジャマはてめえが仕出かしたことだろうがよぉおお!」
クラスメイト「くそっ!くそっ!」ガンガンッ
キイタカ イチカ? オマエガイマモテテイルノハ カノジョラノキマグレナンダ チョウシニノッテハダメダゾ
ワカッテルッテ
アハハー! オリムーッテ ケッコウサメテルトコアルヨネー
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/11(水) 08:54:24.35 ID:uInqS71a0
クラスメイト「ボーデヴィッヒさんに他に何やった?」
シャル「何もしてないよっ!」
クラスメイト「どうせ他にもコスプレさせてんだろ、おい」
シャル「え、えっと…メイド服とか?」
クラスメイト「ほらーっ!やっぱりやってるよ!」
クラスメイト「ラウラちゃんメイドにして何する気だよもーーっ!」
シャル「だから何もしてないってばっ!」
クラスメイト「ほんとさー!部屋割りなんなの?なんでコイツだけルームメイト良いとこ当たるわけ!?」
クラスメイト「くたばれデュノア」
シャル「くたばれは酷すぎないかな!?」
マァ ミンナダンシガメズラシイカラ カラカッテルダケッテイウノハ ワカッテルサ
ムゥ ソレナラヨイガ…
エー? デモワタシ オリムーノコトハ スキダヨー?
シャル「何もしてないよっ!」
クラスメイト「どうせ他にもコスプレさせてんだろ、おい」
シャル「え、えっと…メイド服とか?」
クラスメイト「ほらーっ!やっぱりやってるよ!」
クラスメイト「ラウラちゃんメイドにして何する気だよもーーっ!」
シャル「だから何もしてないってばっ!」
クラスメイト「ほんとさー!部屋割りなんなの?なんでコイツだけルームメイト良いとこ当たるわけ!?」
クラスメイト「くたばれデュノア」
シャル「くたばれは酷すぎないかな!?」
マァ ミンナダンシガメズラシイカラ カラカッテルダケッテイウノハ ワカッテルサ
ムゥ ソレナラヨイガ…
エー? デモワタシ オリムーノコトハ スキダヨー?
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 08:34:11.12 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「つーかさ、着ぐるみパジャマ着せるのはまあ良いとしてもだよ?」
シャル「良いんだ…」
クラスメイト「カワイイもんね、ラウラちゃん」
クラスメイト「猫の着ぐるみ着せたくなったとしても仕方ないよね」
クラスメイト「でもさ。そのラウラちゃんを抱きしめて寝るってどういうこと?」
シャル「うっ…」
クラスメイト「セクハラだよね」
クラスメイト「この変態!!」
シャル「変態じゃないよっ!そ、そんな意図があっていっしょに寝たわけじゃなくてっ!」
ナッ ナニ!? イチカ キサマノホホンサンニ ナニヲシタ!?
エエッ!? オレハナニモシテイナイッ!
エッヘッヘー オーリム~♪ ギュッ
シャル「良いんだ…」
クラスメイト「カワイイもんね、ラウラちゃん」
クラスメイト「猫の着ぐるみ着せたくなったとしても仕方ないよね」
クラスメイト「でもさ。そのラウラちゃんを抱きしめて寝るってどういうこと?」
シャル「うっ…」
クラスメイト「セクハラだよね」
クラスメイト「この変態!!」
シャル「変態じゃないよっ!そ、そんな意図があっていっしょに寝たわけじゃなくてっ!」
ナッ ナニ!? イチカ キサマノホホンサンニ ナニヲシタ!?
エエッ!? オレハナニモシテイナイッ!
エッヘッヘー オーリム~♪ ギュッ
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 08:42:34.14 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「まぁでも、百歩譲って抱きしめて寝るまでは良いとするよ?」
シャル「ええ!?そこも良いんだ!?」
クラスメイト「ボーデヴィッヒさんに着ぐるみパジャマなんか着せたら抱きしめたくなるのは仕方ないもんね」
クラスメイト「うん。そんなカワイイ生き物抱きしめて寝たくなるに決まってるし」
シャル「僕がさっき変態と罵られたのは何だったんだ…」
クラスメイト「でもさ、自分もラウラちゃんとおそろいの着ぐるみパジャマ着るってのはどうなの?」
シャル「へっ…?」
イチカ…キサマ ノホホンサント イツノマニソンナ フカイナカニ… ワナワナ
チョッ ノホホンサン…! チガウンダ ホウキ!
フフーン♪ ノホホンサンジョークダヨォ ホウキチャン!
シャル「ええ!?そこも良いんだ!?」
クラスメイト「ボーデヴィッヒさんに着ぐるみパジャマなんか着せたら抱きしめたくなるのは仕方ないもんね」
クラスメイト「うん。そんなカワイイ生き物抱きしめて寝たくなるに決まってるし」
シャル「僕がさっき変態と罵られたのは何だったんだ…」
クラスメイト「でもさ、自分もラウラちゃんとおそろいの着ぐるみパジャマ着るってのはどうなの?」
シャル「へっ…?」
イチカ…キサマ ノホホンサント イツノマニソンナ フカイナカニ… ワナワナ
チョッ ノホホンサン…! チガウンダ ホウキ!
フフーン♪ ノホホンサンジョークダヨォ ホウキチャン!
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 08:52:34.25 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「何自分もラウラちゃんの黒猫に合わせて白猫の着ぐるみパジャマ着ちゃってるんだよ…」
クラスメイト「なんでお前まで猫さんになってるわけ?」
クラスメイト「罪深いわぁ」
シャル「罪深い!?おそろいのパジャマ着るのが罪悪レベルの話なの!?」
クラスメイト「えっ?なに?デュノアさんはラウラちゃんといっしょに猫さんのパジャマ着たら、
猫ラウラちゃんみたく可愛くなれる気でいたのかな?」
クラスメイト「ラウラちゃんと並んで白猫黒猫~カワイイ~とか、お前痛くねえ?」
シャル「やめてよ!なんか恥ずかしくなってきたよっ!」
ソ、ソウカ ジョークカ…
ノホホンサンモ ヒトガワルイゼ カラカワナイデクレヨ
ンー デモ ワタシガ オリムースキナノハ ケッコウホンキナンダケドナー
クラスメイト「なんでお前まで猫さんになってるわけ?」
クラスメイト「罪深いわぁ」
シャル「罪深い!?おそろいのパジャマ着るのが罪悪レベルの話なの!?」
クラスメイト「えっ?なに?デュノアさんはラウラちゃんといっしょに猫さんのパジャマ着たら、
猫ラウラちゃんみたく可愛くなれる気でいたのかな?」
クラスメイト「ラウラちゃんと並んで白猫黒猫~カワイイ~とか、お前痛くねえ?」
シャル「やめてよ!なんか恥ずかしくなってきたよっ!」
ソ、ソウカ ジョークカ…
ノホホンサンモ ヒトガワルイゼ カラカワナイデクレヨ
ンー デモ ワタシガ オリムースキナノハ ケッコウホンキナンダケドナー
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 09:06:35.95 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「おそろいのパジャマ着るのが一番質が悪いまである」
シャル「一番悪いんだ…」
クラスメイト「他にもラウラちゃんにセクハラしてないだろうね?」
クラスメイト「てか着ぐるみパジャマの写真はよ」
シャル「もう、セクハラなんて始めからしてないってば…」ごそごそ
シャル「はい、ラウラの黒猫着ぐるみパジャマの写真だよっ」
クラスメイト「「カワイイーー!!」」キャーキャー
ヤレヤレ ノホホンサンノジョークニモ コマッタモノダナ
ビックリシチマウゼ
ウーン オリムーガソレデイイナラ イマハソレデイイヨ~
シャル「一番悪いんだ…」
クラスメイト「他にもラウラちゃんにセクハラしてないだろうね?」
クラスメイト「てか着ぐるみパジャマの写真はよ」
シャル「もう、セクハラなんて始めからしてないってば…」ごそごそ
シャル「はい、ラウラの黒猫着ぐるみパジャマの写真だよっ」
クラスメイト「「カワイイーー!!」」キャーキャー
ヤレヤレ ノホホンサンノジョークニモ コマッタモノダナ
ビックリシチマウゼ
ウーン オリムーガソレデイイナラ イマハソレデイイヨ~
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 09:14:29.95 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「なにこれヤバい!」キャッキャ
クラスメイト「ラウラちゃんカワイイ!シャル同室ズルすぎる!!」
シャル「ねー、カワイイでしょ~」どやぁ
クラスメイト「シャルロットうぜぇ!部屋代われ!!」
シャル「いや♪」ふふん
クラスメイト「うわっ、そして本当にシャルがおそろいでパジャマ着てやがるし!」
シャル「そこはもうイジらないでってばっ!」
ハッハッハ! ヤハリイチカヲ カマッテヤルオンナノコナンテ オサナナジミクライシカ イナイノダナ!
ジョシコウニ ヒトリダケオトコガイタッテ ゲンジツハ コンナモンサ
オリムーシダイダト オモウケドナー
クラスメイト「ラウラちゃんカワイイ!シャル同室ズルすぎる!!」
シャル「ねー、カワイイでしょ~」どやぁ
クラスメイト「シャルロットうぜぇ!部屋代われ!!」
シャル「いや♪」ふふん
クラスメイト「うわっ、そして本当にシャルがおそろいでパジャマ着てやがるし!」
シャル「そこはもうイジらないでってばっ!」
ハッハッハ! ヤハリイチカヲ カマッテヤルオンナノコナンテ オサナナジミクライシカ イナイノダナ!
ジョシコウニ ヒトリダケオトコガイタッテ ゲンジツハ コンナモンサ
オリムーシダイダト オモウケドナー
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 09:24:43.17 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「他には!?他の写真は!?」
シャル「あるよ~。プールに行った時の写真とか見る?」
クラスメイト「水着!?ラウラちゃんの水着?マジで??」
シャル「うんっ!僕が選んであげたんだ~♪」ピッ
クラスメイト「キャー!ビキニだ!やべーー!!」キャーキャー
クラスメイト「髪カワイイ!ツインテール!!」
クラスメイト「これはグッジョブすぎる…」
シャル「照れてるラウラ、可愛かったなぁ」ニコニコ
クラスメイト「……ん?」
シャル「あるよ~。プールに行った時の写真とか見る?」
クラスメイト「水着!?ラウラちゃんの水着?マジで??」
シャル「うんっ!僕が選んであげたんだ~♪」ピッ
クラスメイト「キャー!ビキニだ!やべーー!!」キャーキャー
クラスメイト「髪カワイイ!ツインテール!!」
クラスメイト「これはグッジョブすぎる…」
シャル「照れてるラウラ、可愛かったなぁ」ニコニコ
クラスメイト「……ん?」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 09:30:26.11 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「あれっ、こっちの水着の写真……」
クラスメイト「ラウラちゃんが、スクール水着?」
シャル「ああ、それかい?それはラウラの自前の水着で…」
クラスメイト「なにこれ…室内で水着着てる」
クラスメイト「寮の部屋の中だよね?ベッド上で写真撮ってるし…」
シャル「いくらなんでもその水着はどうかなって思ったから、僕が新しい水着を買いに連れて行ったんだよっ!」どやぁ
クラスメイト「うわっ、スク水の胸元にひらがなで『らうら』ってゼッケンが付いてる…」
クラスメイト「えっ…ラウラちゃん、シャルにこんなの着せられてるの…?」
シャル「えっ?」
クラスメイト「…この、変態!!!」
シャル「うぇっ!?」
クラスメイト「ラウラちゃんが、スクール水着?」
シャル「ああ、それかい?それはラウラの自前の水着で…」
クラスメイト「なにこれ…室内で水着着てる」
クラスメイト「寮の部屋の中だよね?ベッド上で写真撮ってるし…」
シャル「いくらなんでもその水着はどうかなって思ったから、僕が新しい水着を買いに連れて行ったんだよっ!」どやぁ
クラスメイト「うわっ、スク水の胸元にひらがなで『らうら』ってゼッケンが付いてる…」
クラスメイト「えっ…ラウラちゃん、シャルにこんなの着せられてるの…?」
シャル「えっ?」
クラスメイト「…この、変態!!!」
シャル「うぇっ!?」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/15(日) 09:37:39.27 ID:rM33UGtK0
クラスメイト「この変態!!ラウラちゃんになんてもの着せてんだ!!」
シャル「違う違うッ!僕が着せたんじゃないよ!?」
クラスメイト「信用出来るか…!ボーデヴィッヒさんにこれを着せてどんな変態プレイをした!?」
シャル「変態プレイ!?するわけないよ!?」
クラスメイト「この『らうら』のゼッケンが何よりも変態臭い…」
シャル「だからそれは僕が用意したんじゃなくてっ!ラウラの副官の趣味で…!!」
クラスメイト「くたばれデュノア!」
シャル「だからくたばれは酷すぎるって!信じてよみんな!!」
クラスメイト「変態!変態ッ!変態!!変態ッッ!!」
シャル「違うんだーーっ!僕が、僕が着せたんじゃないーーっ!!」
こうしてシャルロットの変態疑惑と一夏のホモ疑惑は
『くたばれデュノア』のスローガンと共に、瞬く間に学園中を駆け巡った
シャル「違う違うッ!僕が着せたんじゃないよ!?」
クラスメイト「信用出来るか…!ボーデヴィッヒさんにこれを着せてどんな変態プレイをした!?」
シャル「変態プレイ!?するわけないよ!?」
クラスメイト「この『らうら』のゼッケンが何よりも変態臭い…」
シャル「だからそれは僕が用意したんじゃなくてっ!ラウラの副官の趣味で…!!」
クラスメイト「くたばれデュノア!」
シャル「だからくたばれは酷すぎるって!信じてよみんな!!」
クラスメイト「変態!変態ッ!変態!!変態ッッ!!」
シャル「違うんだーーっ!僕が、僕が着せたんじゃないーーっ!!」
こうしてシャルロットの変態疑惑と一夏のホモ疑惑は
『くたばれデュノア』のスローガンと共に、瞬く間に学園中を駆け巡った
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 07:52:38.74 ID:uZVTWRMU0
クラスメイト「ええっ!?デュノアさんがボーデヴィッヒさんに変態プレイ!?」
クラスメイト「ラウラちゃんに無理矢理スク水猫耳コスプレさせたって!?」
クラスメイト「シャル様とラウラさんでは、ラウラさんがネコらしいんですの///」
他クラス生徒「えっ?なんだって?」
セシリア「一夏さんは男の方同士でされる人でしたの!?///」かぁぁ
他クラス生徒「大変だ!痴女だ!スク水を着た変態が現れたらしいぞ!」
他クラス生徒「女の子を襲う変態がいるぞーーッ!!」
他クラス生徒「変態色情狂が生徒に紛れこんでるんだって!!」
ガヤガヤガヤガヤ・・・
クラスメイト「ラウラちゃんに無理矢理スク水猫耳コスプレさせたって!?」
クラスメイト「シャル様とラウラさんでは、ラウラさんがネコらしいんですの///」
他クラス生徒「えっ?なんだって?」
セシリア「一夏さんは男の方同士でされる人でしたの!?///」かぁぁ
他クラス生徒「大変だ!痴女だ!スク水を着た変態が現れたらしいぞ!」
他クラス生徒「女の子を襲う変態がいるぞーーッ!!」
他クラス生徒「変態色情狂が生徒に紛れこんでるんだって!!」
ガヤガヤガヤガヤ・・・
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 08:02:05.02 ID:uZVTWRMU0
コンコン、ガチャ!
簪「お姉ちゃん、あの噂は聞きましたか!?」
楯無「ええ、聞いたわ。私も驚いているところ」
簪「学園中が噂で持ちきりで…大混乱なんです!どうにかできませんか?」
楯無「どうにか、って言われてもねぇ…」
簪「お姉ちゃんでもどうにもならないでしょうか?」
楯無「うーん、まさか一夏くんがガチホモだったなんてね。どうりで私が誘惑してもなびかないわけよね」
簪「そっちじゃないですっ!」
簪「お姉ちゃん、あの噂は聞きましたか!?」
楯無「ええ、聞いたわ。私も驚いているところ」
簪「学園中が噂で持ちきりで…大混乱なんです!どうにかできませんか?」
楯無「どうにか、って言われてもねぇ…」
簪「お姉ちゃんでもどうにもならないでしょうか?」
楯無「うーん、まさか一夏くんがガチホモだったなんてね。どうりで私が誘惑してもなびかないわけよね」
簪「そっちじゃないですっ!」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 08:07:42.09 ID:uZVTWRMU0
簪「シャルロットさんの変態疑惑の方ですよ!もう噂に尾ひれが付いて、大混乱なんです!」
楯無「ああ、そっちの方?噂は噂でしょ?どうせそのうち治まるわよ…」
簪「そ、それが、おさまるどころかとんでもない事態になってて…」
楯無「んー?」
わーわー!ザワザワザワザワ・・・!
楯無「そう言えば、校庭が何やら騒がしいような…」
楯無「ああ、そっちの方?噂は噂でしょ?どうせそのうち治まるわよ…」
簪「そ、それが、おさまるどころかとんでもない事態になってて…」
楯無「んー?」
わーわー!ザワザワザワザワ・・・!
楯無「そう言えば、校庭が何やら騒がしいような…」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 08:13:39.67 ID:uZVTWRMU0
クラスメイト「変態に裁きをーー!!」
「「裁きをー!!」」
クラスメイト「ラウラちゃんに手を出す変態を粛正しろーー!!」
「「粛正しろーー!!」」
クラスメイト「魔女に火をかけろーー!!」
クラスメイト「異端者を断罪せよーー!!」
わーわー!ギャーギャーギャーギャー!!
シャル「どうしてこんなことに…」
イチカサン!イチカサンハホントウニ オトコノカタドウシデサレルンデスノ!?
セシリア!?オマエマデナニヲイッテ…
イチカーッ!!アンタヤッパリダントデキテタノネ!?
リンマデ!!ソレデ ヤッパリッテドウイウイミダヨ!?
「「裁きをー!!」」
クラスメイト「ラウラちゃんに手を出す変態を粛正しろーー!!」
「「粛正しろーー!!」」
クラスメイト「魔女に火をかけろーー!!」
クラスメイト「異端者を断罪せよーー!!」
わーわー!ギャーギャーギャーギャー!!
シャル「どうしてこんなことに…」
イチカサン!イチカサンハホントウニ オトコノカタドウシデサレルンデスノ!?
セシリア!?オマエマデナニヲイッテ…
イチカーッ!!アンタヤッパリダントデキテタノネ!?
リンマデ!!ソレデ ヤッパリッテドウイウイミダヨ!?
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 08:23:09.51 ID:uZVTWRMU0
シャル(ああ、入学したての頃は良かったな…)
クラスメイト『キャーキャー!男の子よーー!』
クラスメイト『すっごいイケメン!』
クラスメイト『シャルルくん、放課後もし時間があったら…///』
クラスメイト『ずるーい!抜け駆け禁止よ!』
シャル(黒歴史だなんて、全然そんなことないじゃないか!)
シャル「それが今や…」
クラスメイト「魔女に火をかけろーー!!異端者を磔にしろーー!!」
クラスメイト「ラウラちゃんに手を出した変態を許すなーー!!」
シャル「ううっ…僕は何も悪いことしてないのに…」ぐすっ
マエカラアヤシイトハオモッテイタノヨネ イチカハオトコトモダチト ナカガヨスギルッテ…
ソンナワケアルカッ! フツウダヨ フツウ!!
イチカサン…ソウヤッテ ムキニナッテヒテイスルダナンテ マサカ…
クラスメイト『キャーキャー!男の子よーー!』
クラスメイト『すっごいイケメン!』
クラスメイト『シャルルくん、放課後もし時間があったら…///』
クラスメイト『ずるーい!抜け駆け禁止よ!』
シャル(黒歴史だなんて、全然そんなことないじゃないか!)
シャル「それが今や…」
クラスメイト「魔女に火をかけろーー!!異端者を磔にしろーー!!」
クラスメイト「ラウラちゃんに手を出した変態を許すなーー!!」
シャル「ううっ…僕は何も悪いことしてないのに…」ぐすっ
マエカラアヤシイトハオモッテイタノヨネ イチカハオトコトモダチト ナカガヨスギルッテ…
ソンナワケアルカッ! フツウダヨ フツウ!!
イチカサン…ソウヤッテ ムキニナッテヒテイスルダナンテ マサカ…
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 08:32:27.95 ID:uZVTWRMU0
シャル「ねぇ、放してよ。これはいくらなんでも魔女裁判すぎやしないかい?」ガチャガチャ
クラスメイト「黙りなさい罪人!」
シャル「誤解なんだよお…」ぐすん
クラスメイト「えー、この罪人シャルロット・デュノアには、少女に変態的なコスプレをさせた変態罪の嫌疑がかけられています!」
「「くたばれデュノアーー!!」」
「「変態!変態!変態!!」」
シャル「ううっ、しかも罪状が酷い…」
アア、イチカヨ…ワタシガヒッコシテカラノスウネンデ オマエハカワッテシマッテイタンダナ…
ホウキマデナニイッテンダヨ!?
イチカサンガ ダンセイドウシデ…/// ドキドキ
チョットセシリア アンタダケホウコウセイチガクナイ?
クラスメイト「黙りなさい罪人!」
シャル「誤解なんだよお…」ぐすん
クラスメイト「えー、この罪人シャルロット・デュノアには、少女に変態的なコスプレをさせた変態罪の嫌疑がかけられています!」
「「くたばれデュノアーー!!」」
「「変態!変態!変態!!」」
シャル「ううっ、しかも罪状が酷い…」
アア、イチカヨ…ワタシガヒッコシテカラノスウネンデ オマエハカワッテシマッテイタンダナ…
ホウキマデナニイッテンダヨ!?
イチカサンガ ダンセイドウシデ…/// ドキドキ
チョットセシリア アンタダケホウコウセイチガクナイ?
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 12:02:54.23 ID:aFoZ1jJ30
「「くたばれデュノアー!!くたばれデュノアーーっ!!」」
「変態!!」「異端者!!」「魔女ーーッ!」「性犯罪者ー!」
わーわー!わーわー!
楯無「ちょっと!これはどういうことなの!?」
「あ、会長だ」「会長よ」「異端審問です会長!」「魔女を裁いてます!」「変態に正義の裁きをー!!」
シャル「僕は無実だーー!!」バタバタ
楯無「まったく、困ったものね…」
イチカサン ホントウハジョセイヨリモ オトコノカタドウシノホウガスキナノデハ!?
ソンナワケナイダロ
アヤシイ ソレニシテハ オトコドウシデ ナカガヨスギル
アア… イチカヨ…
「変態!!」「異端者!!」「魔女ーーッ!」「性犯罪者ー!」
わーわー!わーわー!
楯無「ちょっと!これはどういうことなの!?」
「あ、会長だ」「会長よ」「異端審問です会長!」「魔女を裁いてます!」「変態に正義の裁きをー!!」
シャル「僕は無実だーー!!」バタバタ
楯無「まったく、困ったものね…」
イチカサン ホントウハジョセイヨリモ オトコノカタドウシノホウガスキナノデハ!?
ソンナワケナイダロ
アヤシイ ソレニシテハ オトコドウシデ ナカガヨスギル
アア… イチカヨ…
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 12:29:14.74 ID:aFoZ1jJ30
シャル「会長!僕は無実です!助けてください!!」バタバタ
クラスメイト「会長!この異端者はラウラちゃんと同室なのをいい事に、変態的なコスプレをさせて同衾した性犯罪者です!」
クラスメイト「学園としてこの魔女を放置してはなりません!火刑に処すべきです!!」
楯無「困ったわね。私の立場からはどちらに加担するわけにもいかないんだけど…」
シャル「そ、そんなぁ…!!」
簪「シャルロットさん!その…まさか本当なんですか!?」
シャル「お願い、信じて!!僕はおかしなことなんてしてないんだよっ!!」バタバタ
簪「一夏がホモって本当なんですかーー!!?」
シャル「そっちーー!?」
楯無「ああ、やっぱり簪ちゃんも気になってたのね」
ホライチカ! ヤッパリミンナ キニナッテイタノヨ!!
イ、イチカ…ヤハリホントウニ…!?
イチカサン オトコノカタドウシデスルノッテ ドンナカンショクデスノ?/// ドキドキ
アーーモウ!! ダカラ!! オレハオトコナンテスキジャナインダッテーー!!!
クラスメイト「会長!この異端者はラウラちゃんと同室なのをいい事に、変態的なコスプレをさせて同衾した性犯罪者です!」
クラスメイト「学園としてこの魔女を放置してはなりません!火刑に処すべきです!!」
楯無「困ったわね。私の立場からはどちらに加担するわけにもいかないんだけど…」
シャル「そ、そんなぁ…!!」
簪「シャルロットさん!その…まさか本当なんですか!?」
シャル「お願い、信じて!!僕はおかしなことなんてしてないんだよっ!!」バタバタ
簪「一夏がホモって本当なんですかーー!!?」
シャル「そっちーー!?」
楯無「ああ、やっぱり簪ちゃんも気になってたのね」
ホライチカ! ヤッパリミンナ キニナッテイタノヨ!!
イ、イチカ…ヤハリホントウニ…!?
イチカサン オトコノカタドウシデスルノッテ ドンナカンショクデスノ?/// ドキドキ
アーーモウ!! ダカラ!! オレハオトコナンテスキジャナインダッテーー!!!
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 12:53:07.76 ID:aFoZ1jJ30
シャル「そんなの僕こそ聞きたいよ!!一夏が本当に男が好きなのかどうかなんてっ!!!」バタバタ
楯無「うーん、やっぱり一夏くんって…」
簪「そんな!違います、絶対何かの間違いです!!」
シャル「僕のこの状況こそ何かの間違いだよーー!!」
クラスメイト「くたばれデュノアー!!」
千冬「貴様ら!何をしている!!」
シャル「織斑先生!!」
楯無「うーん、やっぱり一夏くんって…」
簪「そんな!違います、絶対何かの間違いです!!」
シャル「僕のこの状況こそ何かの間違いだよーー!!」
クラスメイト「くたばれデュノアー!!」
千冬「貴様ら!何をしている!!」
シャル「織斑先生!!」
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 13:33:01.75 ID:aFoZ1jJ30
「千冬様よ!」「きゃー!織斑先生ー!」
千冬「いったいこれは何の騒ぎだ!?」
クラスメイト「デュノアさんがラウラちゃんにセクハラしたんです!」
クラスメイト「ラウラちゃんに卑猥な事をしたみたいです!!」
クラスメイト「ラウラちゃんと別室にした方がいいと思います!!」
千冬「……本当かデュノア?」
シャル「してません!いえ、コスプレはさせましたが、卑猥な事なんてしませんよっ!」
クラスメイト「嘘だーー!」
クラスメイト「くたばれデュノアーー!!」
クラスメイト「異端者に火をかけろーー!!」
わーわー!ぎゃーぎゃー!!
千冬「いったいこれは何の騒ぎだ!?」
クラスメイト「デュノアさんがラウラちゃんにセクハラしたんです!」
クラスメイト「ラウラちゃんに卑猥な事をしたみたいです!!」
クラスメイト「ラウラちゃんと別室にした方がいいと思います!!」
千冬「……本当かデュノア?」
シャル「してません!いえ、コスプレはさせましたが、卑猥な事なんてしませんよっ!」
クラスメイト「嘘だーー!」
クラスメイト「くたばれデュノアーー!!」
クラスメイト「異端者に火をかけろーー!!」
わーわー!ぎゃーぎゃー!!
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 16:59:32.15 ID:aFoZ1jJ30
「くたばれデュノア!」「魔女!異端者!」「ズルいぞお前ばっかりラウラちゃんとイチャイチャしやがって!」「変態!!」
シャル「ズルくないってばーーっ!変態でもなーい!!」
ギャーギャー!
千冬「静まれ!!!」
シーン…
シャル「・・・」
千冬「どうやら議論は平行線のようだ」
シャル「先生!こんなの言いがかりです!」
千冬「ならば潔白を証明すれば良かろう」
シャル「でも、どうすれば…」
千冬「ふむ」
シャル「ズルくないってばーーっ!変態でもなーい!!」
ギャーギャー!
千冬「静まれ!!!」
シーン…
シャル「・・・」
千冬「どうやら議論は平行線のようだ」
シャル「先生!こんなの言いがかりです!」
千冬「ならば潔白を証明すれば良かろう」
シャル「でも、どうすれば…」
千冬「ふむ」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:12:23.43 ID:aFoZ1jJ30
千冬「双方の言い分はわかった。要はデュノアの素行に問題が無いとわかればいいのだな?」
クラスメイト「ええと、まあ」
クラスメイト「そういう事には…なります」
千冬「ならばこうしよう。しばらくの間、デュノアは今の部屋から移る」
シャル(部屋変えかー。ラウラと離れるのは残念だけど、磔の刑よりはましだから仕方ないよね)
千冬「デュノアはしばらく私と同室とする!それで私が素行に問題無いとすれば、元の部屋に戻そう!」
シャル「えっ」
クラスメイト「えっ」
千冬「双方、それで文句は無いな!?」
シャル「そっ、そんなぁ!?」ガーン
クラスメイト「元の部屋に戻るって、それじゃあ結局ラウラちゃんはシャルと同室のままじゃないですかっ!」
千冬「ほう?私の決定に文句があるのか…?」ギロリ
クラスメイト「ヒッ!? い、いいえ…(織斑先生の決定に逆らえるわけないじゃん!)」
シャル「それで…いいです…(あうぅ)」
クラスメイト「ええと、まあ」
クラスメイト「そういう事には…なります」
千冬「ならばこうしよう。しばらくの間、デュノアは今の部屋から移る」
シャル(部屋変えかー。ラウラと離れるのは残念だけど、磔の刑よりはましだから仕方ないよね)
千冬「デュノアはしばらく私と同室とする!それで私が素行に問題無いとすれば、元の部屋に戻そう!」
シャル「えっ」
クラスメイト「えっ」
千冬「双方、それで文句は無いな!?」
シャル「そっ、そんなぁ!?」ガーン
クラスメイト「元の部屋に戻るって、それじゃあ結局ラウラちゃんはシャルと同室のままじゃないですかっ!」
千冬「ほう?私の決定に文句があるのか…?」ギロリ
クラスメイト「ヒッ!? い、いいえ…(織斑先生の決定に逆らえるわけないじゃん!)」
シャル「それで…いいです…(あうぅ)」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:16:00.11 ID:aFoZ1jJ30
千冬「ならば即刻解散だ!いつまで校庭を占拠しているつもりだ!?見物人も解散しろ!急げ!!」
クラスメイト「は、はいっ!」ダッ
他クラス生徒「てっ、撤収しますっ!」ダッ
千冬「デュノア!荷物をまとめて私の部屋に来い!以上だ!!」
シャル「は、はい…」ガクッ
シャル「ううっ、これからしばらく織斑先生と同室かぁ…」ブルッ
シャル「こっ、こ、恐いよ~~~~っ!!」ガクブル
クラスメイト「は、はいっ!」ダッ
他クラス生徒「てっ、撤収しますっ!」ダッ
千冬「デュノア!荷物をまとめて私の部屋に来い!以上だ!!」
シャル「は、はい…」ガクッ
シャル「ううっ、これからしばらく織斑先生と同室かぁ…」ブルッ
シャル「こっ、こ、恐いよ~~~~っ!!」ガクブル
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:21:15.76 ID:aFoZ1jJ30
・
・
・
シャル「ってことが昼間あってさ」
ラウラ「なんと。昼に誰も食堂に来ないと思ったら、そんなことがあったのか?」
一夏「まったく、大変だったぜ。俺は俺で妙な誤解を受けるし…」
箒「・・・」じとー
鈴音「・・・」じとー
セシリア「・・・」じとー
簪「・・・」じとー
楯無「・・・」じとー
シャル「あの、一夏?えっと、その、本当にそんなんじゃないんだよね…?」
一夏「だから違うって!」
・
・
シャル「ってことが昼間あってさ」
ラウラ「なんと。昼に誰も食堂に来ないと思ったら、そんなことがあったのか?」
一夏「まったく、大変だったぜ。俺は俺で妙な誤解を受けるし…」
箒「・・・」じとー
鈴音「・・・」じとー
セシリア「・・・」じとー
簪「・・・」じとー
楯無「・・・」じとー
シャル「あの、一夏?えっと、その、本当にそんなんじゃないんだよね…?」
一夏「だから違うって!」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:26:16.40 ID:aFoZ1jJ30
のほほん「あはは~!おりむーがソッチの人だったらそれはそれで面白いけどね~」
一夏「のほほんさんまで!全然面白くねーよ!!」
ラウラ「ハッハッハ!嫁は私のことが好きなのだから同性愛者なわけがなかろう!」
一夏「それも違うっ!」
セシリア「でも、一夏さんがそれでイイのでしたらわたくしも見てみた…い、いえっ!なんでもありませんわ///」ポッ
一夏「セシリア!?」
シャル「…まぁ、その件はともかく。僕の変態疑惑だけでも晴らしてくるよ」
一夏「俺の疑惑もただの言いがかりだっ!」
一夏「のほほんさんまで!全然面白くねーよ!!」
ラウラ「ハッハッハ!嫁は私のことが好きなのだから同性愛者なわけがなかろう!」
一夏「それも違うっ!」
セシリア「でも、一夏さんがそれでイイのでしたらわたくしも見てみた…い、いえっ!なんでもありませんわ///」ポッ
一夏「セシリア!?」
シャル「…まぁ、その件はともかく。僕の変態疑惑だけでも晴らしてくるよ」
一夏「俺の疑惑もただの言いがかりだっ!」
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:31:22.49 ID:aFoZ1jJ30
ラウラ「疑惑を晴らすか。どうするのだ?」
一夏「あ、俺もその部分聞いてなかったんだよ。千冬姉が出てきて話をつけたらしいところは遠巻きに見ていたんだけど」
シャル「ああ、それはね。これからしばらく織斑先生と同室で暮らして、素行に問題無いって証明すれば良いんだってさ」
一夏「千冬姉と…」
ラウラ「同室!?」
シャル「うん。織斑先生恐いから、今から不安だよぉ」はぁ
一夏「…ズルいぞシャル!」
ラウラ「…ズルいぞシャル!!」
シャル「えっ?」
一夏「あ、俺もその部分聞いてなかったんだよ。千冬姉が出てきて話をつけたらしいところは遠巻きに見ていたんだけど」
シャル「ああ、それはね。これからしばらく織斑先生と同室で暮らして、素行に問題無いって証明すれば良いんだってさ」
一夏「千冬姉と…」
ラウラ「同室!?」
シャル「うん。織斑先生恐いから、今から不安だよぉ」はぁ
一夏「…ズルいぞシャル!」
ラウラ「…ズルいぞシャル!!」
シャル「えっ?」
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:34:43.28 ID:aFoZ1jJ30
ラウラ「織斑教官と同室だって!?か、代わってくれシャルよ!!」
一夏「シャルだけ良いなぁ。俺だって寮の千冬姉の部屋にはほぼ入れてもらった事ないのに」ぶつぶつ
シャル「ええっ!?」
ラウラ「シャルの部屋割りだけズルいぞ!!」
一夏「俺も千冬姉と同室がいい!!」
シャル「も、もう…みんな…」
シャル「僕にどうしろって言うのさーーーーっ!!!」
おしまい!
一夏「シャルだけ良いなぁ。俺だって寮の千冬姉の部屋にはほぼ入れてもらった事ないのに」ぶつぶつ
シャル「ええっ!?」
ラウラ「シャルの部屋割りだけズルいぞ!!」
一夏「俺も千冬姉と同室がいい!!」
シャル「も、もう…みんな…」
シャル「僕にどうしろって言うのさーーーーっ!!!」
おしまい!
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:37:16.45 ID:aFoZ1jJ30
ISという作品において最もクレイジーな登場人物はクラスメイトのモブ子たちなのではないかと思い
彼女らの出番をメインの登場人物よりも多めにしてみました
ここら辺で終わります
彼女らの出番をメインの登場人物よりも多めにしてみました
ここら辺で終わります
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 17:39:40.64 ID:fqWcRxS8O
乙乙
案外アニメ絵で脳内再現余裕だった
案外アニメ絵で脳内再現余裕だった
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/22(日) 18:59:11.94 ID:HaLlPqsU0
まあ、シャルは親以外は恵まれてるからね
仕方ないね
仕方ないね
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462918149/
Entry ⇒ 2016.05.23 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
凰鈴音「いちかー、いちかー」
1: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:29:45.82 ID:9KVo4kYAO
一夏と鈴ちゃんがだらだらするだけの話です
2: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:32:34.22 ID:9KVo4kYAO
鈴「いちかー、いちかー」
一夏「どうした?」
鈴「この漫画、読み終わったから次の巻とってー」
一夏「人様の部屋で人様の漫画読んでおいて、その上俺をこき使うか」
鈴「だってアンタのほうが本棚に近いし」
一夏「はいはい。しょうがないな」
一夏「ほら」
鈴「サンキュ」ニコニコ
一夏「女の子は笑ったら許されるからずるいよなあ」
一夏「こればっかりは、女尊男卑の世の中になる前から変わらないらしいし」
鈴「ただの女の子じゃないわ。かわいい女の子だから許されるのよ」
一夏「自分で言うか」
鈴「下手な謙遜なんて必要ないでしょ」
一夏「昔から、鈴はそういうタイプだよな」ハハ
一夏「どうした?」
鈴「この漫画、読み終わったから次の巻とってー」
一夏「人様の部屋で人様の漫画読んでおいて、その上俺をこき使うか」
鈴「だってアンタのほうが本棚に近いし」
一夏「はいはい。しょうがないな」
一夏「ほら」
鈴「サンキュ」ニコニコ
一夏「女の子は笑ったら許されるからずるいよなあ」
一夏「こればっかりは、女尊男卑の世の中になる前から変わらないらしいし」
鈴「ただの女の子じゃないわ。かわいい女の子だから許されるのよ」
一夏「自分で言うか」
鈴「下手な謙遜なんて必要ないでしょ」
一夏「昔から、鈴はそういうタイプだよな」ハハ
3: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:35:21.64 ID:9KVo4kYAO
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「肩揉んであげよっか」
一夏「ん? 急になんだよ」
鈴「素直な幼なじみの働きに応えて、たまにはアタシがサービスしてあげるって言ってるのよ♪」
一夏「偉そうに……」
鈴「ほらほら、いいから背中向けなさいよ」
一夏「ったく、しょうがないな。鈴は」
鈴「よし。それじゃ、揉むわよ」
鈴「ふんふんふんっ」モミモミ
一夏「おお……いいな」コリコリ
鈴「アンタ相当肩凝ってるわね」
一夏「周りに元気なやつが多いからなあ。あっちこっち引っ張りまわされるし」
鈴「一夏の都合も考えてほしいわね!」
一夏「お前もだろ」
鈴「あれ、そうだっけ?」タハハ
鈴「肩揉んであげよっか」
一夏「ん? 急になんだよ」
鈴「素直な幼なじみの働きに応えて、たまにはアタシがサービスしてあげるって言ってるのよ♪」
一夏「偉そうに……」
鈴「ほらほら、いいから背中向けなさいよ」
一夏「ったく、しょうがないな。鈴は」
鈴「よし。それじゃ、揉むわよ」
鈴「ふんふんふんっ」モミモミ
一夏「おお……いいな」コリコリ
鈴「アンタ相当肩凝ってるわね」
一夏「周りに元気なやつが多いからなあ。あっちこっち引っ張りまわされるし」
鈴「一夏の都合も考えてほしいわね!」
一夏「お前もだろ」
鈴「あれ、そうだっけ?」タハハ
4: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:37:27.57 ID:9KVo4kYAO
一夏「それにしても、鈴は肩もみうまいな。かなり気持ちいいぞ」
鈴「ふふん、でしょ?」
一夏「こんな特技があるとは知らなかった」
鈴「アタシは大抵のことは器用にこなすから」
鈴「……それに、昔はこうして、お父さんの肩をよく揉んであげてたしね」
一夏「……鈴」
一夏「えっと、あれだ。こんなこと言うのは変だけど」
一夏「俺の肩なら、いつでも貸してやるから」
鈴「………ありがと」フフッ
鈴「でも今日はもう飽きたからいいや」
一夏「おいっ、もう終わりかよ!」
鈴「冗談よ、冗談! 今日のアタシは機嫌がいいの」
5: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:40:32.23 ID:9KVo4kYAO
鈴「………」モミモミ
一夏「あー、もうちょっと下」
鈴「ここ?」
一夏「あ、そこそこ。はあ~、生き返る~」
鈴「ぷっ、アンタ相変わらずジジくさいわね」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ」
鈴「………」
鈴「一夏ってさ。あんまり大きいほうじゃないけど……やっぱり、男の人の背中してるんだ」
鈴「昔とは、違うっていうか」
一夏「男の背中ってやつか?」
鈴「かもね」
一夏「そうか。俺もちょっとはかっこよくなってきたかな」ハハ
鈴「……もう十分かっこいいわよ」ボソッ
一夏「え?」
鈴「なんでもない」
鈴「もっとかっこよくなりなさいって言ったのよ」パンッ
一夏「はは、そうだな。頑張るよ」
一夏「あー、もうちょっと下」
鈴「ここ?」
一夏「あ、そこそこ。はあ~、生き返る~」
鈴「ぷっ、アンタ相変わらずジジくさいわね」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ」
鈴「………」
鈴「一夏ってさ。あんまり大きいほうじゃないけど……やっぱり、男の人の背中してるんだ」
鈴「昔とは、違うっていうか」
一夏「男の背中ってやつか?」
鈴「かもね」
一夏「そうか。俺もちょっとはかっこよくなってきたかな」ハハ
鈴「……もう十分かっこいいわよ」ボソッ
一夏「え?」
鈴「なんでもない」
鈴「もっとかっこよくなりなさいって言ったのよ」パンッ
一夏「はは、そうだな。頑張るよ」
6: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:43:25.11 ID:9KVo4kYAO
別の日
鈴「いちかー、いちかー」ニッコリ
一夏「なんだその笑顔は気持ち悪い」
鈴「アンタお腹空いてない? てか空いてるわよね。お菓子食べたい気分よねっ」
鈴「しょうがないわねーアタシがキャンディーを恵んであげるわ!」
一夏「なにひとつ俺の意思が尊重されていないぞ」
鈴「はいどうぞ! ビターな味の一風変わったキャンディーよ」ドサッ
一夏「しかも袋ごとかよ……お前、また変なお菓子買って口に合わなかったな?」
一夏「いっつも気まぐれでテキトーに買って、まずかったら俺に押しつけるんだからなあ」
鈴「い、いいじゃないのっ。一夏は多分こういう味好きだし!」
一夏「そうなのか? とりあえず一個食べてみるけど」パクッ
一夏「……お、確かにイケる」
鈴「でしょ? 結果オーライよ、結果オーライ」
鈴「いちかー、いちかー」ニッコリ
一夏「なんだその笑顔は気持ち悪い」
鈴「アンタお腹空いてない? てか空いてるわよね。お菓子食べたい気分よねっ」
鈴「しょうがないわねーアタシがキャンディーを恵んであげるわ!」
一夏「なにひとつ俺の意思が尊重されていないぞ」
鈴「はいどうぞ! ビターな味の一風変わったキャンディーよ」ドサッ
一夏「しかも袋ごとかよ……お前、また変なお菓子買って口に合わなかったな?」
一夏「いっつも気まぐれでテキトーに買って、まずかったら俺に押しつけるんだからなあ」
鈴「い、いいじゃないのっ。一夏は多分こういう味好きだし!」
一夏「そうなのか? とりあえず一個食べてみるけど」パクッ
一夏「……お、確かにイケる」
鈴「でしょ? 結果オーライよ、結果オーライ」
7: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:45:21.66 ID:9KVo4kYAO
一夏「鈴は俺の味の好み、わりと当ててくるよな」
鈴「どーよ」←満足げ
一夏「とはいえ、いい加減こういう癖は直したほうがいいと思うけどな」
一夏「いつまでも俺が、すぐ押しつけられる近い場所にいるわけじゃないんだから」
鈴「………」
鈴「そうとは、限らないんじゃない?」
鈴「ひょっとしたら、大人になってもすっごい近くにいるかもしれないし……うん」
一夏「………」
一夏「そうだな。昔みたいにご近所さんってのも悪くないか」
鈴「………」
鈴「にぶちん」ハァ
鈴「どーよ」←満足げ
一夏「とはいえ、いい加減こういう癖は直したほうがいいと思うけどな」
一夏「いつまでも俺が、すぐ押しつけられる近い場所にいるわけじゃないんだから」
鈴「………」
鈴「そうとは、限らないんじゃない?」
鈴「ひょっとしたら、大人になってもすっごい近くにいるかもしれないし……うん」
一夏「………」
一夏「そうだな。昔みたいにご近所さんってのも悪くないか」
鈴「………」
鈴「にぶちん」ハァ
8: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:47:29.04 ID:9KVo4kYAO
また別の日
鈴「いちかーいちかー」グッタリ
一夏「なんだー」グッタリ
鈴「あつううううい」
鈴「なんでこんなに暑いのよおおお」
一夏「真夏日に寮の冷房設備がぶっ壊れてるから」
鈴「天下のIS学園がなにやってんのよー」
一夏「んなこと言っても、何度も侵入者を許すような学園だぞ」
鈴「む、それもそうか……って、そこはどうでもいいのよ」
鈴「問題はこの暑さよ。なんとかしなさいよー」
一夏「そうだな……じゃあ」
弾「で、俺の家に涼みに来たと」
一夏「生き返るー」
鈴「弾、お茶ー」
一夏「俺も」
弾「へーへー。すっかりだらけきってやがるな……」
鈴「いちかーいちかー」グッタリ
一夏「なんだー」グッタリ
鈴「あつううううい」
鈴「なんでこんなに暑いのよおおお」
一夏「真夏日に寮の冷房設備がぶっ壊れてるから」
鈴「天下のIS学園がなにやってんのよー」
一夏「んなこと言っても、何度も侵入者を許すような学園だぞ」
鈴「む、それもそうか……って、そこはどうでもいいのよ」
鈴「問題はこの暑さよ。なんとかしなさいよー」
一夏「そうだな……じゃあ」
弾「で、俺の家に涼みに来たと」
一夏「生き返るー」
鈴「弾、お茶ー」
一夏「俺も」
弾「へーへー。すっかりだらけきってやがるな……」
9: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:49:10.33 ID:9KVo4kYAO
ガチャ
弾「ほら、持ってきてやったぞ」
一夏「ぐー」
鈴「すぴー」
弾「………」
弾「仲良くくつろぎすぎだお前らっ!」
弾「ほら、持ってきてやったぞ」
一夏「ぐー」
鈴「すぴー」
弾「………」
弾「仲良くくつろぎすぎだお前らっ!」
10: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:51:59.60 ID:9KVo4kYAO
またまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」ムスッ
一夏「どうした、機嫌悪そうだけど」
鈴「アンタにとって箒はなに」
一夏「ファースト幼なじみ」
鈴「じゃあアタシは?」
一夏「セカンド幼なじみ」
鈴「それっ!」
一夏「うわっ」
鈴「それが気に食わない! なに、セカンドって! なんか最初から負けてるみたいじゃないのよ!」
一夏「負けるって?」
鈴「それは、その……とにかく、もっと他の呼び方にしなさいよね!」
鈴「いちかー、いちかー」ムスッ
一夏「どうした、機嫌悪そうだけど」
鈴「アンタにとって箒はなに」
一夏「ファースト幼なじみ」
鈴「じゃあアタシは?」
一夏「セカンド幼なじみ」
鈴「それっ!」
一夏「うわっ」
鈴「それが気に食わない! なに、セカンドって! なんか最初から負けてるみたいじゃないのよ!」
一夏「負けるって?」
鈴「それは、その……とにかく、もっと他の呼び方にしなさいよね!」
11: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:54:20.35 ID:9KVo4kYAO
一夏「そうか。まあ、鈴がいやだって言うなら他のを考えた方がいいな」
鈴「うんうん」
一夏「でもどんなのがいいんだろう」
鈴「バディとか」
一夏「いつから俺達は相棒になったんだ」
鈴「い、いいじゃない別に」
一夏「シンプルに友達っていうのは」
鈴「なんでランクダウンしてるのよ! スペシャル感を出しなさいよね!」
一夏「注文が多いな……」
一夏「じゃあ、順番付けずに普通に幼なじみって言えばいいか」
鈴「えー、なんか手抜きしてる感じがするー」
一夏「めんどくさいなお前」
鈴「うんうん」
一夏「でもどんなのがいいんだろう」
鈴「バディとか」
一夏「いつから俺達は相棒になったんだ」
鈴「い、いいじゃない別に」
一夏「シンプルに友達っていうのは」
鈴「なんでランクダウンしてるのよ! スペシャル感を出しなさいよね!」
一夏「注文が多いな……」
一夏「じゃあ、順番付けずに普通に幼なじみって言えばいいか」
鈴「えー、なんか手抜きしてる感じがするー」
一夏「めんどくさいなお前」
12: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:56:39.24 ID:9KVo4kYAO
一夏「うーん……じゃあとりあえず、オンリーワン的なアレでどうだ」
一夏「オンリーワン鈴音(ワンと凰をかけている)、なんちゃって」
鈴「………」
一夏(しまった、滑ったか)
鈴「オンリーワン……えへへ、許す!」ニコニコ
一夏「いいのか……」
鈴「うふふふ。オンリーワン、オンリーワン♪」ニヘラ
一夏(女の子の気持ちって難しいな)
一夏「オンリーワン鈴音(ワンと凰をかけている)、なんちゃって」
鈴「………」
一夏(しまった、滑ったか)
鈴「オンリーワン……えへへ、許す!」ニコニコ
一夏「いいのか……」
鈴「うふふふ。オンリーワン、オンリーワン♪」ニヘラ
一夏(女の子の気持ちって難しいな)
18: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:34:47.47 ID:cmlpdB7QO
またまたまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」ウキウキ
一夏「どうした、目をキラキラさせて」
鈴「………」ニコニコ
一夏「?」
鈴「今日のアタシ、どこか違うと思わない?」
一夏「……機嫌がよさそう」
鈴「そういうんじゃなくて、見た目の問題よ。ほらっ」
一夏「見た目?」
一夏「………」
一夏「髪切った?」
鈴「切ってない」
一夏「だよな……うーん」
鈴「いちかー、いちかー」ウキウキ
一夏「どうした、目をキラキラさせて」
鈴「………」ニコニコ
一夏「?」
鈴「今日のアタシ、どこか違うと思わない?」
一夏「……機嫌がよさそう」
鈴「そういうんじゃなくて、見た目の問題よ。ほらっ」
一夏「見た目?」
一夏「………」
一夏「髪切った?」
鈴「切ってない」
一夏「だよな……うーん」
19: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:37:51.46 ID:cmlpdB7QO
一夏「確かに、言われてみればどこか違うような……」
鈴「お化粧してるのよ、お化粧。クラスの子に教えてもらったの」
一夏「化粧……ああ、なるほど。でもあんまり変わってないような」
鈴「まあ、お試しってことで薄いメイクにしたから。でも気づかないのはさすがに鈍いわよ」
鈴「よく見れば絶対わかるわ」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ! ほら、もっとよく見て!」
一夏「わかった」
一夏「うーむ」ジーーー
鈴「………」
一夏「………」ジーーー
鈴「………」
鈴「み、見すぎよバカ……は、恥ずかしいじゃない」カアァ
一夏「えぇ……」
鈴「お化粧してるのよ、お化粧。クラスの子に教えてもらったの」
一夏「化粧……ああ、なるほど。でもあんまり変わってないような」
鈴「まあ、お試しってことで薄いメイクにしたから。でも気づかないのはさすがに鈍いわよ」
鈴「よく見れば絶対わかるわ」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ! ほら、もっとよく見て!」
一夏「わかった」
一夏「うーむ」ジーーー
鈴「………」
一夏「………」ジーーー
鈴「………」
鈴「み、見すぎよバカ……は、恥ずかしいじゃない」カアァ
一夏「えぇ……」
20: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:40:29.32 ID:cmlpdB7QO
またまたまたまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「遊びに来たわ。ゲームでもやろ?」
一夏「ゲームか。なににする?」
鈴「そうね………ん?」
一夏「?」
鈴「この匂い……」クンクン
鈴「一夏。ラーメン食べてきた?」
一夏「ああ……すごいなお前。犬みたいな鼻だ」
鈴「ふふん、どーよ」フンス!
鈴「ついでに言えば、アンタが昨日からシャンプー変えたこともわかるわ」
一夏「おお、すげえ。当たりだ」
一夏「鈴って実は匂いフェチだったりするのか」
鈴「ち、違うわよ! 別に、誰の匂いもよくわかるとかじゃないし……」
一夏「でも俺の匂いはよくわかるんだな」
鈴「そうよ。だって……いつも気にしてるし……ごにょごにょ」
一夏「え?」
鈴「だ、だから。一夏のことが……す、す」
一夏「す?」
鈴「す………すき屋の牛丼食べたい気分」
一夏「ん? じゃあ今度食べに行こうぜ」
鈴「うん……約束」
鈴「はあ。アタシ自分の部屋に帰るわ」
一夏「あれ、ゲームは?」
鈴「そういう気分じゃなくなったー……」
一夏「そうか……」
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「遊びに来たわ。ゲームでもやろ?」
一夏「ゲームか。なににする?」
鈴「そうね………ん?」
一夏「?」
鈴「この匂い……」クンクン
鈴「一夏。ラーメン食べてきた?」
一夏「ああ……すごいなお前。犬みたいな鼻だ」
鈴「ふふん、どーよ」フンス!
鈴「ついでに言えば、アンタが昨日からシャンプー変えたこともわかるわ」
一夏「おお、すげえ。当たりだ」
一夏「鈴って実は匂いフェチだったりするのか」
鈴「ち、違うわよ! 別に、誰の匂いもよくわかるとかじゃないし……」
一夏「でも俺の匂いはよくわかるんだな」
鈴「そうよ。だって……いつも気にしてるし……ごにょごにょ」
一夏「え?」
鈴「だ、だから。一夏のことが……す、す」
一夏「す?」
鈴「す………すき屋の牛丼食べたい気分」
一夏「ん? じゃあ今度食べに行こうぜ」
鈴「うん……約束」
鈴「はあ。アタシ自分の部屋に帰るわ」
一夏「あれ、ゲームは?」
鈴「そういう気分じゃなくなったー……」
一夏「そうか……」
21: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:42:57.77 ID:cmlpdB7QO
廊下
鈴「はあ……なんで素直に言えないのかな」
鈴「いちかー、いちかー。好きー……って、これだけのことなのに」
鈴「他のことならいくらでも図々しくできるのになあ」
一夏「図々しいって自覚はあったんだな」
鈴「そりゃ、結構わがままも言ってるし………って、一夏!?」
鈴「ア、アンタなんでここに」
一夏「暗い顔で急に帰られたら、こっちも気にするだろ」
鈴「ど、どこから聞いてた!?」
一夏「図々しいってところだけ」
鈴「ほっ……」
鈴「はあ……なんで素直に言えないのかな」
鈴「いちかー、いちかー。好きー……って、これだけのことなのに」
鈴「他のことならいくらでも図々しくできるのになあ」
一夏「図々しいって自覚はあったんだな」
鈴「そりゃ、結構わがままも言ってるし………って、一夏!?」
鈴「ア、アンタなんでここに」
一夏「暗い顔で急に帰られたら、こっちも気にするだろ」
鈴「ど、どこから聞いてた!?」
一夏「図々しいってところだけ」
鈴「ほっ……」
22: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:47:16.44 ID:cmlpdB7QO
一夏「なにかあったのなら、話してくれないか? 俺でよければ力になる……というか、なりたい」
鈴「……どうして?」
一夏「俺の幼なじみが元気ないと、こっちまで調子悪くなるからだ」
一夏「鈴はやかましくて図々しいくらいがちょうどいい」
鈴「な、なによその言い方………ふんっ」
一夏「悪い悪い、怒らせたか」
鈴「べ、べつに怒ってなんて……むしろ逆というか」
鈴「………」
鈴「ほんとに、図々しくしていいの?」
一夏「あんまりひどくなければな」
鈴「えへへ……アタシ、アンタのそういうとこ……ううん」
鈴(言うなら、もっとはっきり言わないと)
鈴「……どうして?」
一夏「俺の幼なじみが元気ないと、こっちまで調子悪くなるからだ」
一夏「鈴はやかましくて図々しいくらいがちょうどいい」
鈴「な、なによその言い方………ふんっ」
一夏「悪い悪い、怒らせたか」
鈴「べ、べつに怒ってなんて……むしろ逆というか」
鈴「………」
鈴「ほんとに、図々しくしていいの?」
一夏「あんまりひどくなければな」
鈴「えへへ……アタシ、アンタのそういうとこ……ううん」
鈴(言うなら、もっとはっきり言わないと)
23: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:50:13.51 ID:cmlpdB7QO
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「アタシの声、聞こえてる?」
一夏「どうした急に」
鈴「ちゃんと確認しておかないと、いつもみたいに聞き流されると思って」
一夏「はあ……? そんなに大事なことなのか」
鈴「うん、すっごくすっごく大事」
鈴「でもその前に、ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
鈴「……アンタ、ウォーアイニーって言葉くらいは知ってるわよね?」
鈴「アタシの声、聞こえてる?」
一夏「どうした急に」
鈴「ちゃんと確認しておかないと、いつもみたいに聞き流されると思って」
一夏「はあ……? そんなに大事なことなのか」
鈴「うん、すっごくすっごく大事」
鈴「でもその前に、ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
鈴「……アンタ、ウォーアイニーって言葉くらいは知ってるわよね?」
24: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:52:09.98 ID:cmlpdB7QO
………
……
…
……
…
25: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:54:43.59 ID:cmlpdB7QO
鈴「いちかー、いちかー」
一夏「………」
鈴「ちょっと、聞いてる?」
一夏「ああ、ごめん。懐かしい呼び方だったから、ちょっと昔を思い出してた」
鈴「ふふっ、たまにはいいでしょ?」
鈴「それとも、いつもみたいに『アナタ』って呼ぶほうが好み?」
一夏「……いや。どっちもどっちで良さがあるな」
鈴「そう。なら、今後は名前で呼ぶときも増やしてみようかな」
鈴「……べ、ベッドの時とか、ね?」テレテレ
一夏「自分で言っておいて恥ずかしくなるなよ」
鈴「う、うるさいっ」
鈴「ほら、そろそろ店開ける時間! しゃきしゃき準備する!」
一夏「はいはい、わかってるよ」
一夏「………」
鈴「ちょっと、聞いてる?」
一夏「ああ、ごめん。懐かしい呼び方だったから、ちょっと昔を思い出してた」
鈴「ふふっ、たまにはいいでしょ?」
鈴「それとも、いつもみたいに『アナタ』って呼ぶほうが好み?」
一夏「……いや。どっちもどっちで良さがあるな」
鈴「そう。なら、今後は名前で呼ぶときも増やしてみようかな」
鈴「……べ、ベッドの時とか、ね?」テレテレ
一夏「自分で言っておいて恥ずかしくなるなよ」
鈴「う、うるさいっ」
鈴「ほら、そろそろ店開ける時間! しゃきしゃき準備する!」
一夏「はいはい、わかってるよ」
26: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:56:57.12 ID:cmlpdB7QO
鈴「………」
一夏「鈴?」
鈴「やっと、自分のお店を持てたなぁって思って。これで少しは、お父さんとお母さんに近づけたかな」
一夏「……ああ。あとは、商売繁盛させれば完璧だ」
鈴「そうね」
鈴「じゃあ、今日も一日頑張るわよ!」
一夏「おうっ」
酢豚一皿500円END
一夏「鈴?」
鈴「やっと、自分のお店を持てたなぁって思って。これで少しは、お父さんとお母さんに近づけたかな」
一夏「……ああ。あとは、商売繁盛させれば完璧だ」
鈴「そうね」
鈴「じゃあ、今日も一日頑張るわよ!」
一夏「おうっ」
酢豚一皿500円END
27: ◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 13:01:29.42 ID:cmlpdB7QO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
ゲームを複数出しているにもかかわらず、鈴ちゃんがバージンロード歩いて一夏と二人で中華料理屋開くエンディングが収録されていなかったので書きました
昔は他のサイトで鈴とかラウラとかセシリアの話を書いていましたが、ここでISのSSを投稿するのははじめてです
普段はモバマス書いてます
一夏は鈴ちゃんの酢豚を毎日食べ続ければいいと思う
ゲームを複数出しているにもかかわらず、鈴ちゃんがバージンロード歩いて一夏と二人で中華料理屋開くエンディングが収録されていなかったので書きました
昔は他のサイトで鈴とかラウラとかセシリアの話を書いていましたが、ここでISのSSを投稿するのははじめてです
普段はモバマス書いてます
一夏は鈴ちゃんの酢豚を毎日食べ続ければいいと思う
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 15:55:07.27 ID:h5j0B5FGo
おつ
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 16:19:33.57 ID:W0DYzi92o
乙!
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 18:12:02.45 ID:ycok1rsWo
イイね!
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458404985/
Entry ⇒ 2016.03.22 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
一夏「コアが暴走した・・・?」
1 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:09:28
シリアス系だから苦手な人は読まないほうがいい
後、書き溜めてないからまったり書く
後、書き溜めてないからまったり書く
3 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:12:53
俺は織斑・・・・一夏・・・・・・・
何かに載せられて運ばれている?
ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・・・
担架だ。担架に載せられて運ばれている。
運んでいるのは、数人の・・・・なんだおかしな格好をした3人ほどの人間
軍人だろうか・・・・マシンガンらしきものとフルフェイスのヘルメット・・・・性別も分からない。
ただ、とても急いで俺を運んでいる。
俺は、入院患者のような服を着ている・・・・。
何かに載せられて運ばれている?
ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・・・
担架だ。担架に載せられて運ばれている。
運んでいるのは、数人の・・・・なんだおかしな格好をした3人ほどの人間
軍人だろうか・・・・マシンガンらしきものとフルフェイスのヘルメット・・・・性別も分からない。
ただ、とても急いで俺を運んでいる。
俺は、入院患者のような服を着ている・・・・。
5 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:23:14
軍人らしき、全身深緑色服を着た人間の話し声が聞こえる
「急げ!検体を早く・・・・奴らに勘付かれる前に」
声の主は俺の右隣の軍人。
「分かってる。『c班、車両の準備はできてる?』」
それにしてもなんて真っ暗な廊下だろうか。
蛍光灯がいくつも割れて・・・・・銃痕の後が壁一面に広がっている。
ここは・・・俺は記憶を辿る。確か、束博士と話をして・・・・
それから・・・・それから・・・・・思い出せない・・・・・・・・。
「急げ!検体を早く・・・・奴らに勘付かれる前に」
声の主は俺の右隣の軍人。
「分かってる。『c班、車両の準備はできてる?』」
それにしてもなんて真っ暗な廊下だろうか。
蛍光灯がいくつも割れて・・・・・銃痕の後が壁一面に広がっている。
ここは・・・俺は記憶を辿る。確か、束博士と話をして・・・・
それから・・・・それから・・・・・思い出せない・・・・・・・・。
6 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:31:04
無線の音が漏れて聞こえてくる
『こちらc班、いつでも出せるぜ!』
車両の準備?俺を車に乗せるのか?
「ヤバイ、こいつらは絶対ヤバイ。」
俺は本能的に担架から降りようとするが、拘束具の所為で動けない。
もがく俺に向かって軍人が言う。
「少し我慢しろ、すぐ外してやる。」
深緑色のヘルメットが俺の顔を一瞥し声をかける。
セリフとは裏腹に、その声の主は女だった。
『こちらc班、いつでも出せるぜ!』
車両の準備?俺を車に乗せるのか?
「ヤバイ、こいつらは絶対ヤバイ。」
俺は本能的に担架から降りようとするが、拘束具の所為で動けない。
もがく俺に向かって軍人が言う。
「少し我慢しろ、すぐ外してやる。」
深緑色のヘルメットが俺の顔を一瞥し声をかける。
セリフとは裏腹に、その声の主は女だった。
7 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:40:58
「お前らはなんなんだ!俺をどうするつもりだ!」
俺は声の主に荒い口調で問い詰めるように言う。
「静かにしろ。奴らに気付かれる。」
奴ら?奴らとはなんだ?
ガラガラガラガラ・・・・・
外に出たようだ・・・・・俺は外の眩しさから瞳孔が小さくなるのを待つ・・・・。
目が慣れてきた・・・・ここは船着場のようだ。
そこには既に暖機運転に入っている、大きいクラウザーが1隻。
そしてその周りを軍人5人が、アサルトライフルらしき銃を持ち周囲を警戒している。
俺は声の主に荒い口調で問い詰めるように言う。
「静かにしろ。奴らに気付かれる。」
奴ら?奴らとはなんだ?
ガラガラガラガラ・・・・・
外に出たようだ・・・・・俺は外の眩しさから瞳孔が小さくなるのを待つ・・・・。
目が慣れてきた・・・・ここは船着場のようだ。
そこには既に暖機運転に入っている、大きいクラウザーが1隻。
そしてその周りを軍人5人が、アサルトライフルらしき銃を持ち周囲を警戒している。
8 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 00:52:29
俺は、船の隣に担架ごと運ばれ、3人に銃を向けられた。
さっきの軍人が俺の拘束具を外す。
逃げれば撃たれる。暴れても恐らく・・・・。
しかし、見たことの無い形状の銃だ。
俺は右手に目をやる。いつものガントレット・・・・。
白式はある・・・・暴れるか?
いや、現状把握が優先だ。とりあえず従うフリをしてから逃げ出しても遅くは無い。
女軍人「両手を頭の後ろで組みながら、船に乗れ。」
女の軍人が銃の先でクイッっと俺に促す。
『何も言わずに従え』
っと言うことらしい・・・・銃は向けられているが“まだ”発砲するつもりは無いようだ。
さっきの軍人が俺の拘束具を外す。
逃げれば撃たれる。暴れても恐らく・・・・。
しかし、見たことの無い形状の銃だ。
俺は右手に目をやる。いつものガントレット・・・・。
白式はある・・・・暴れるか?
いや、現状把握が優先だ。とりあえず従うフリをしてから逃げ出しても遅くは無い。
女軍人「両手を頭の後ろで組みながら、船に乗れ。」
女の軍人が銃の先でクイッっと俺に促す。
『何も言わずに従え』
っと言うことらしい・・・・銃は向けられているが“まだ”発砲するつもりは無いようだ。
9 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:02:50
俺は船の鉄骨に手錠を付けられ、固定されてしまった。
なんとか外が見える。
さっきの場所はどうやら小さな島のようだ。
もしこの船が向かう先が本州の方向であれば・・・・・
俺は、気温から今が夏であることを考慮し、太陽の角度から大よその時刻を推測する。
午前10時というところだろうか。
軍人たちは相変わらず無口だ。
さっきまで俺を担架で運んでいた女が、ヘルメットの目の部分だけを上に持ち上げ
俺を見定めるように見てくる。
綺麗な・・・・青い瞳だった。
なんとか外が見える。
さっきの場所はどうやら小さな島のようだ。
もしこの船が向かう先が本州の方向であれば・・・・・
俺は、気温から今が夏であることを考慮し、太陽の角度から大よその時刻を推測する。
午前10時というところだろうか。
軍人たちは相変わらず無口だ。
さっきまで俺を担架で運んでいた女が、ヘルメットの目の部分だけを上に持ち上げ
俺を見定めるように見てくる。
綺麗な・・・・青い瞳だった。
11 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:20:20
一体何時間船を船に揺られただろうか・・・・
どうやら陸地に着いたようだ。
女の軍人は、またヘルメットで目の部分を隠し、銃口を俺に向ける。
他の軍人が俺の手錠を外し、俺を後ろから蹴飛ばし船から降りるよう無言の指示する。
手首が痛いというのに・・・・。
「最高の待遇だな」
俺が皮肉たっぷりに言うと、女軍人が銃を向けながら言う、「早く降りろ」
どうやら陸地に着いたようだ。
女の軍人は、またヘルメットで目の部分を隠し、銃口を俺に向ける。
他の軍人が俺の手錠を外し、俺を後ろから蹴飛ばし船から降りるよう無言の指示する。
手首が痛いというのに・・・・。
「最高の待遇だな」
俺が皮肉たっぷりに言うと、女軍人が銃を向けながら言う、「早く降りろ」
12 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:30:57
船着き場俺は辺りを見渡す。
日本語の看板。軍人達の流暢な日本語から、予想通り、と言ったところか。
しかしあの瞳の色は・・・・。
しかし、そんなことがどうでもよくなるような光景が俺の周りに広がっていた。
半壊したビル。大型な銃による交戦の後・・・・。
「なんだこれ・・・・」
俺は見知らぬ場所にも関わらず、明らかに異質な雰囲気に圧倒されてしまった。
数秒固まってしまった俺をまた突き飛ばす軍人。
大型の、それもトレーラーサイズの深緑色の車両が2台そこに止っていた。
明らかに軍事用。車両にはc1iwsか、機関砲と思われる物まで付いている・・・・。
まるで戦争中のような・・・そんな印象を受けた。
日本語の看板。軍人達の流暢な日本語から、予想通り、と言ったところか。
しかしあの瞳の色は・・・・。
しかし、そんなことがどうでもよくなるような光景が俺の周りに広がっていた。
半壊したビル。大型な銃による交戦の後・・・・。
「なんだこれ・・・・」
俺は見知らぬ場所にも関わらず、明らかに異質な雰囲気に圧倒されてしまった。
数秒固まってしまった俺をまた突き飛ばす軍人。
大型の、それもトレーラーサイズの深緑色の車両が2台そこに止っていた。
明らかに軍事用。車両にはc1iwsか、機関砲と思われる物まで付いている・・・・。
まるで戦争中のような・・・そんな印象を受けた。
13 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:39:55
俺は後部車両に詰め込まれた。
狭い。狭すぎる。
あんなに大型の車両にも関わらず、手錠を付けられ、手足を縛られて詰め込まれ、自由を奪われる。
まるで誘拐犯にでも捕まったようだ。
俺は考えを巡らせる。
俺を連れて行く理由は?
isの軍事転用として俺を使うつもりか?
このトレーラーは何だ?
もしisが軍事転用されているなら、機関砲やciwsでどうにかできるような物ではないはずだ。
結論は出ない。直接聞くしか無いようだが・・・・あいつらから聞きだせるとは到底思えなかった。
狭い。狭すぎる。
あんなに大型の車両にも関わらず、手錠を付けられ、手足を縛られて詰め込まれ、自由を奪われる。
まるで誘拐犯にでも捕まったようだ。
俺は考えを巡らせる。
俺を連れて行く理由は?
isの軍事転用として俺を使うつもりか?
このトレーラーは何だ?
もしisが軍事転用されているなら、機関砲やciwsでどうにかできるような物ではないはずだ。
結論は出ない。直接聞くしか無いようだが・・・・あいつらから聞きだせるとは到底思えなかった。
14 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:48:55
どうやらこの車両は区切られているようだ。その中の1つに俺は押し込まれた・・・。
恐らく隣は広い部屋のようになっている。先ほどからキーボードの音が絶えず聞こえてくるからだ。
車両が何度か止る度に、キーボードの音に耳を傾ける・・・。最低2人はいる。
向かい合ってはいない。背を向けながらの作業だろうか・・・。
すると、途中でキーボードの音が止む。男と女の声・・・・。男は2人、女が1人。
事が始まった・・・・・。女が喘いでいる。死地に追いやられての本能というものか。
そこまで切羽詰った状況、ということだろう・・・・。
恐らく隣は広い部屋のようになっている。先ほどからキーボードの音が絶えず聞こえてくるからだ。
車両が何度か止る度に、キーボードの音に耳を傾ける・・・。最低2人はいる。
向かい合ってはいない。背を向けながらの作業だろうか・・・。
すると、途中でキーボードの音が止む。男と女の声・・・・。男は2人、女が1人。
事が始まった・・・・・。女が喘いでいる。死地に追いやられての本能というものか。
そこまで切羽詰った状況、ということだろう・・・・。
15 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:55:20
何時間車で走っただろう。
1時間以上・・・・3時間未満と言ったところか。
俺の体内時計など当てにはならないが、どうしても考えてしまうのだから仕方が無い。
車が急停車する。俺は頭を思い切りぶつけてしまった。
何やら音がする・・・・先頭車両からだ!
バシューッ・・・・!バシュー・・・・!
何か、大きな扉が開くような音・・・・
ガキン!ガキン!ガキン!・・・・
続いて大量の地響き・・・・isでは無い。大きな・・・何か・・・・・。
そう思った刹那、機関砲が俺の耳を劈く。
戦闘が始まったようだ・・・・。
1時間以上・・・・3時間未満と言ったところか。
俺の体内時計など当てにはならないが、どうしても考えてしまうのだから仕方が無い。
車が急停車する。俺は頭を思い切りぶつけてしまった。
何やら音がする・・・・先頭車両からだ!
バシューッ・・・・!バシュー・・・・!
何か、大きな扉が開くような音・・・・
ガキン!ガキン!ガキン!・・・・
続いて大量の地響き・・・・isでは無い。大きな・・・何か・・・・・。
そう思った刹那、機関砲が俺の耳を劈く。
戦闘が始まったようだ・・・・。
16 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 01:59:28
戦闘は長引いている。
すぐ近くで大型の機関砲の連謝恩と地響き・・・。
キーボードの音がカタカタと鳴り響く。恐らく情報収集。
一体何と戦っているんだ?
俺は耳を壁に当てて情報を探る。
『
すぐ近くで大型の機関砲の連謝恩と地響き・・・。
キーボードの音がカタカタと鳴り響く。恐らく情報収集。
一体何と戦っているんだ?
俺は耳を壁に当てて情報を探る。
『
17 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 02:07:38
『こちらd-2、もう保たない。残弾がそろそろ切れる!』
男a「近接戦闘に切り替えろ。左から回り込め、d-4、d-2の敵を足止めしろ。」
やはり情報収集と指示用車両。恐らく光学カメラを搭載しての指示。
しかし、『敵』とはなんのことだろうか。
そんなことを考えていると、俺の乗っているトレーラーに何かが突き刺さるような衝撃が走った。
それと同時に女の劈くような声・・・
男b「くそっ!やりやがったな!!」
マシンガンを『何か』に向けて連射する男達。
男a「近接戦闘に切り替えろ。左から回り込め、d-4、d-2の敵を足止めしろ。」
やはり情報収集と指示用車両。恐らく光学カメラを搭載しての指示。
しかし、『敵』とはなんのことだろうか。
そんなことを考えていると、俺の乗っているトレーラーに何かが突き刺さるような衝撃が走った。
それと同時に女の劈くような声・・・
男b「くそっ!やりやがったな!!」
マシンガンを『何か』に向けて連射する男達。
18 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 02:17:33
だが、そんな抵抗も虚しく男達の悲鳴とも嗚咽とも採れるような叫び声が1つずう減っていく。
ゴリ・・・ゴリ・・・・グキッ・・・・バキッ・・・・・・
一体何の音だ?
俺は耳を澄ませる・・・・人の骨の砕ける音・・・・・・・?!
ヤバイ!絶対ヤバイ!こいつらが戦っている相手は人間じゃない!
『こちらd-2、応答しろ!おい、どうした応答しろ!』
パイロットらしき男の声が虚しくこだまする・・・・・。
また地響きが伝わってくる。恐らくさっきのパイロットが戻ってきたのだろう。
「この状況をどうにかしてくれ!」俺は藁にもすがるような思いで目を瞑り地響きに耳を澄ませる。
ゴリ・・・ゴリ・・・・グキッ・・・・バキッ・・・・・・
一体何の音だ?
俺は耳を澄ませる・・・・人の骨の砕ける音・・・・・・・?!
ヤバイ!絶対ヤバイ!こいつらが戦っている相手は人間じゃない!
『こちらd-2、応答しろ!おい、どうした応答しろ!』
パイロットらしき男の声が虚しくこだまする・・・・・。
また地響きが伝わってくる。恐らくさっきのパイロットが戻ってきたのだろう。
「この状況をどうにかしてくれ!」俺は藁にもすがるような思いで目を瞑り地響きに耳を澄ませる。
19 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 02:25:26
トレーラーに向けて突っ込んでくる地響き・・・・。
いや、タイヤの音に変わった?
高速移動用だろうか、タイヤが付いているのだろう。
キュィイイイイイン!
耳を覆いたくなるような高音。続いて肉を引き裂く・・・いや、抉るような音。
グジュッ!
その衝撃でトレーラーが揺れる!
恐らく半身のみをトレーラーに突っ込んでいた『奴』に何かを刺し込んだのだろう。
それと同時に俺の詰め込まれていた場所のドアが開いた。
恐らく先ほどの衝撃のおかげだろう・・・・。
俺はすぐに外に飛び出し、周囲を警戒する・・・・・・。
いや、タイヤの音に変わった?
高速移動用だろうか、タイヤが付いているのだろう。
キュィイイイイイン!
耳を覆いたくなるような高音。続いて肉を引き裂く・・・いや、抉るような音。
グジュッ!
その衝撃でトレーラーが揺れる!
恐らく半身のみをトレーラーに突っ込んでいた『奴』に何かを刺し込んだのだろう。
それと同時に俺の詰め込まれていた場所のドアが開いた。
恐らく先ほどの衝撃のおかげだろう・・・・。
俺はすぐに外に飛び出し、周囲を警戒する・・・・・・。
20 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 02:53:19
俺の目の前に広がる光景は悲惨なものだった。
6mはあるであろうロボットらしきものが、銃を連射している。
銃口の先いる、『奴ら』はまるで人間を巨大化させて4つ足で歩いているようだった。
全身が真っ黒で、髪の毛は無い。目と口はあるが、鼻は形状が無く、ただ2つの黒い穴があるだけ。
そして全身に張り巡らされている太い血管のようなものがその異様さを際立たせていた。
確認できるだけでも6体。
俺は運転席へ這いつくばって向かう。
運転手は、辛うじて首と胴体が繋がっているような状態で死亡している。
血しぶきが天井と窓ガラスを真っ赤に染めている。
おそらく、さっきの衝撃でシートベルトを外した途端に、次の衝撃。
それにより頭を強く打ち・・・・と言ったところか。
俺は口を使いなんとかドアハンドルを開け、運転手を引きずり降ろし、ナイフを探す。
腕の手錠はどうにも成らないが、とりあえずこれで足は動ける。
しかし、引きずりおろした運転手の血しぶきに引き寄せられるように、『奴ら』がやって来た・・・・。
6mはあるであろうロボットらしきものが、銃を連射している。
銃口の先いる、『奴ら』はまるで人間を巨大化させて4つ足で歩いているようだった。
全身が真っ黒で、髪の毛は無い。目と口はあるが、鼻は形状が無く、ただ2つの黒い穴があるだけ。
そして全身に張り巡らされている太い血管のようなものがその異様さを際立たせていた。
確認できるだけでも6体。
俺は運転席へ這いつくばって向かう。
運転手は、辛うじて首と胴体が繋がっているような状態で死亡している。
血しぶきが天井と窓ガラスを真っ赤に染めている。
おそらく、さっきの衝撃でシートベルトを外した途端に、次の衝撃。
それにより頭を強く打ち・・・・と言ったところか。
俺は口を使いなんとかドアハンドルを開け、運転手を引きずり降ろし、ナイフを探す。
腕の手錠はどうにも成らないが、とりあえずこれで足は動ける。
しかし、引きずりおろした運転手の血しぶきに引き寄せられるように、『奴ら』がやって来た・・・・。
21 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 03:03:04
そこへ先頭車両からひとりの軍人・・・・さっきの女だ。
「伏せろ!」
俺は指示に従い運転手だった物に、覆いかぶさるように伏せた。
女は走りながら『奴ら』に向けてマシンガンを連射する。
『奴ら』の視線が女に向く。女がマガジンの交換をする瞬間に俺は女の後ろに隠れるように走る。
あわよくば、このまま先頭車両に乗せてもおうという算段だった。
女がマシンガンを連射しながら俺に問いかける。
女軍人「生存者は?」
分かりきっていることを平然と聞いてくる。女とは思えない低い声。
「いない。全員死んだ。」
用意していた答えを告げると女は、後退しながら俺を先頭車両の運転席へ誘導する。
先頭車両はトレーラー部に大きいハッチが4つあり、全て開いていた。
恐らくここにさっきのロボットが納まるのだろう。
「伏せろ!」
俺は指示に従い運転手だった物に、覆いかぶさるように伏せた。
女は走りながら『奴ら』に向けてマシンガンを連射する。
『奴ら』の視線が女に向く。女がマガジンの交換をする瞬間に俺は女の後ろに隠れるように走る。
あわよくば、このまま先頭車両に乗せてもおうという算段だった。
女がマシンガンを連射しながら俺に問いかける。
女軍人「生存者は?」
分かりきっていることを平然と聞いてくる。女とは思えない低い声。
「いない。全員死んだ。」
用意していた答えを告げると女は、後退しながら俺を先頭車両の運転席へ誘導する。
先頭車両はトレーラー部に大きいハッチが4つあり、全て開いていた。
恐らくここにさっきのロボットが納まるのだろう。
22 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 03:16:40
俺は急いで先頭車両の運転席に乗り込む。
そこには男が1人、助手席からマシンガンを連射していた。
女から無線が入る。
「引くぞ。d-1、d-4は援護だ」
マシンガンの連射音に混じって女の声が聞こえる。
『d-2了解』
『dー3了解』
続いて男達の声。どうやらこの女がこの部隊の指揮官のようだ。
女がトラックのエンジンに火を入れる。そして2機のロボットを収容した瞬間に急発進する。
3人座席の真ん中に座った俺の手錠を外す助手席の男。
どうせ何を問いかけても答えはしないだろう。積極的な諦めが俺の心を支配する。
時が来れば話してくれる・・・・はずだ。
俺はそう自分に言い聞かせて、これまでの件を全て含めてから来る苛立ちを押さえ込んだ・・・。
そこには男が1人、助手席からマシンガンを連射していた。
女から無線が入る。
「引くぞ。d-1、d-4は援護だ」
マシンガンの連射音に混じって女の声が聞こえる。
『d-2了解』
『dー3了解』
続いて男達の声。どうやらこの女がこの部隊の指揮官のようだ。
女がトラックのエンジンに火を入れる。そして2機のロボットを収容した瞬間に急発進する。
3人座席の真ん中に座った俺の手錠を外す助手席の男。
どうせ何を問いかけても答えはしないだろう。積極的な諦めが俺の心を支配する。
時が来れば話してくれる・・・・はずだ。
俺はそう自分に言い聞かせて、これまでの件を全て含めてから来る苛立ちを押さえ込んだ・・・。
24 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 05:39:24
5分ほど走った頃だろうか、先ほど援護に回っていたd-1とd-4が帰投してきたようだ。
追っては・・・いない。
トラックを止め、手際よく収容作業に入る軍人たち。
俺は、先ほどの戦闘で死亡した運転手の血で服が血みどろだ。
それを見た女が「これに着替えろ」と言って、俺に向かってバッグを投げ捨てるようによこした。
中には銃器以外の装備一式が入っていた為急いで着替える。
頬って置かれてはたまったものでは無いからだ。
収容を終えたトラックが走り出す・・・・。
すると突然、女が話し出した。
「私の名はセインだ。」
セイン「そして助手席にいるのがツヴェール」
ツヴェール「よろしくな。」
セイン「d-1パイロットがツェーン、d-2がフィル、d-3がアイン、d-4がツヴァイ。」
セイン「ちなみにアインとツヴァイは双子の姉弟だ。」
追っては・・・いない。
トラックを止め、手際よく収容作業に入る軍人たち。
俺は、先ほどの戦闘で死亡した運転手の血で服が血みどろだ。
それを見た女が「これに着替えろ」と言って、俺に向かってバッグを投げ捨てるようによこした。
中には銃器以外の装備一式が入っていた為急いで着替える。
頬って置かれてはたまったものでは無いからだ。
収容を終えたトラックが走り出す・・・・。
すると突然、女が話し出した。
「私の名はセインだ。」
セイン「そして助手席にいるのがツヴェール」
ツヴェール「よろしくな。」
セイン「d-1パイロットがツェーン、d-2がフィル、d-3がアイン、d-4がツヴァイ。」
セイン「ちなみにアインとツヴァイは双子の姉弟だ。」
26 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 12:10:20
車両を1台失い、装備を渡された。しかも突然の部隊員の紹介を始めたセイン・・・
「俺にも戦え」と言うことだろう
あんな化け物相手に・・・・
しかしこいつらは一体どこへ向かっているのだろうか?
「一体お前らはどこに向かっているんだ?」
セインがトラックを運転しながら無機質に答える。
「成田だ。」
成田?飛行機にでも乗るつもりか?
しかし、先ほどとは打って変わって俺の質問に素直に答えてくれる、そう思わせてくれるような、雰囲気を感じる。
それに、あんな化け物が相手となれば尚更こいつらに付いて行くしか無い。
「俺にも戦え」と言うことだろう
あんな化け物相手に・・・・
しかしこいつらは一体どこへ向かっているのだろうか?
「一体お前らはどこに向かっているんだ?」
セインがトラックを運転しながら無機質に答える。
「成田だ。」
成田?飛行機にでも乗るつもりか?
しかし、先ほどとは打って変わって俺の質問に素直に答えてくれる、そう思わせてくれるような、雰囲気を感じる。
それに、あんな化け物が相手となれば尚更こいつらに付いて行くしか無い。
27 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 12:47:00
とにかく俺は情報が欲しかった。今のこの現状・・・・
先ほどから半壊したビルや建物しか見当たらない
高速道路を使わないのは、恐らく倒壊して使い物にならないから、だろう
これ以上、運転を続けながらのセインに質問をするのは無粋というものだろう
俺は助手席で警戒に当たっているツヴェールにいくつか質問することにした
「さっきの化け物は一体なんなんだ?」
ツヴェール「あれは、元は人間だった“モノ”だ。俺達は『リジェクト』と呼んでいる。」
ヘルメットを外しながら、少し物知り顔な横顔で答えるツヴェール・・・声通り男だが、
顔からは・・・・憶測でさえ年齢が分からない。白人はこれだから・・・・は?あれが人間?
何を言っているのかまったく理解できなかった
そんな俺の驚愕した顔を一瞥したツヴェールが、少し笑みを溢しながら説明を続けてくれる。
ツヴェール「あれはコアを埋め込まれた人間の末路、と言ったところか。成熟したリジェクトの体長は5~6m」
ツヴェール「リジェクトは体内でコアを分裂させ・・・・人間に埋め込む。」
ツヴェールが次に言いたいことは、もうわかる・・・・
先ほどから半壊したビルや建物しか見当たらない
高速道路を使わないのは、恐らく倒壊して使い物にならないから、だろう
これ以上、運転を続けながらのセインに質問をするのは無粋というものだろう
俺は助手席で警戒に当たっているツヴェールにいくつか質問することにした
「さっきの化け物は一体なんなんだ?」
ツヴェール「あれは、元は人間だった“モノ”だ。俺達は『リジェクト』と呼んでいる。」
ヘルメットを外しながら、少し物知り顔な横顔で答えるツヴェール・・・声通り男だが、
顔からは・・・・憶測でさえ年齢が分からない。白人はこれだから・・・・は?あれが人間?
何を言っているのかまったく理解できなかった
そんな俺の驚愕した顔を一瞥したツヴェールが、少し笑みを溢しながら説明を続けてくれる。
ツヴェール「あれはコアを埋め込まれた人間の末路、と言ったところか。成熟したリジェクトの体長は5~6m」
ツヴェール「リジェクトは体内でコアを分裂させ・・・・人間に埋め込む。」
ツヴェールが次に言いたいことは、もうわかる・・・・
28 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 12:55:02
ツヴェール「さっきお前が載せられていた車両で異変があったろう?つまり、そういうことだ」
ツヴェール「既にあいつらは・・・時間からみて既に幼生体になっているはずだ」
止めてくれ、コアはis用に作られた物だ。それがこんな形で人類に牙を向くなんて・・・
それにレジェクトの体内でコアが増殖する?
馬鹿げている。俺はもしかして夢の中にいるのか?
早く覚めてくれ・・・こんな夢、まっぴら御免だ!
俺はトラックのインパネに向かって、握り締めた両手を思い切り叩きつける。
痛い・・・夢じゃないんだ・・・・・
俺は唖然として天井を見つめる。そんな俺を気遣ってか、ツヴェールが話を続ける。
ツヴェール「安心しろ。俺達はお前を安全な場所まで運ぶ任務を帯びている。」
こんな状況で安全な場所などあるものか!
しかし・・・・ツヴェールの真剣な横顔を見る限り、嘘を付いているようには見えない・・・・・・。
ツヴェール「既にあいつらは・・・時間からみて既に幼生体になっているはずだ」
止めてくれ、コアはis用に作られた物だ。それがこんな形で人類に牙を向くなんて・・・
それにレジェクトの体内でコアが増殖する?
馬鹿げている。俺はもしかして夢の中にいるのか?
早く覚めてくれ・・・こんな夢、まっぴら御免だ!
俺はトラックのインパネに向かって、握り締めた両手を思い切り叩きつける。
痛い・・・夢じゃないんだ・・・・・
俺は唖然として天井を見つめる。そんな俺を気遣ってか、ツヴェールが話を続ける。
ツヴェール「安心しろ。俺達はお前を安全な場所まで運ぶ任務を帯びている。」
こんな状況で安全な場所などあるものか!
しかし・・・・ツヴェールの真剣な横顔を見る限り、嘘を付いているようには見えない・・・・・・。
29 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 14:47:32
すると突然セインがトラックを止めた。
トラックの真横には、この惨事にも関わらず少しの傾きで済んだビルがあった。
セイン「もう今日は遅い。このビルで一晩休む。」
『了解』
レシーバーを使い全員から返答が帰ってくる。
ビル内に奴らが居ないか各フロアを確認して周る・・・特に変わったところは無い。
食料も何もかも無いが・・・・。
そして索敵車両を失った今、交代でビルの屋上から見張りを行う。
1時間での交代・・・もちろん俺も駆りだされた。
しかし、「索敵しろ」と言われても要領を得ない俺のことを気遣って、
d-3パイロット・・・綺麗な栗色のロングの髪をポニーテールにしているアインが俺にアドバイスをくれる。
恐らく同い年ほどだろうが、女性に歳を聞くほど野暮ではない。
アイン「周辺視野で建物群を見れるようにするの。」
アイン「後は、可能な限りゆっくりと頭を動かして索敵すること。」
アイン「眼球を動かして索敵すること。大胆に動くと見つかっちゃうからね。」
匍匐をしながら俺に話かけてくるアインは、とても優しく、まるで学校の先生のようだった・・・。
トラックの真横には、この惨事にも関わらず少しの傾きで済んだビルがあった。
セイン「もう今日は遅い。このビルで一晩休む。」
『了解』
レシーバーを使い全員から返答が帰ってくる。
ビル内に奴らが居ないか各フロアを確認して周る・・・特に変わったところは無い。
食料も何もかも無いが・・・・。
そして索敵車両を失った今、交代でビルの屋上から見張りを行う。
1時間での交代・・・もちろん俺も駆りだされた。
しかし、「索敵しろ」と言われても要領を得ない俺のことを気遣って、
d-3パイロット・・・綺麗な栗色のロングの髪をポニーテールにしているアインが俺にアドバイスをくれる。
恐らく同い年ほどだろうが、女性に歳を聞くほど野暮ではない。
アイン「周辺視野で建物群を見れるようにするの。」
アイン「後は、可能な限りゆっくりと頭を動かして索敵すること。」
アイン「眼球を動かして索敵すること。大胆に動くと見つかっちゃうからね。」
匍匐をしながら俺に話かけてくるアインは、とても優しく、まるで学校の先生のようだった・・・。
31 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 15:40:51
それにしても寒い・・・毛布を巻いているとはいえビルの屋上。
そして索敵中としては致命的とも言える、寒さから来る眠気が俺を誘い始める・・・・。
セイン「交代だ」
やばかった。セインの気配に気付かない程に俺は眠けと格闘していたのだ。
「後は頼んだ」
俺はそう一言だけ言い残し、ビルの一室で眠りに就いた・・・。
そして索敵中としては致命的とも言える、寒さから来る眠気が俺を誘い始める・・・・。
セイン「交代だ」
やばかった。セインの気配に気付かない程に俺は眠けと格闘していたのだ。
「後は頼んだ」
俺はそう一言だけ言い残し、ビルの一室で眠りに就いた・・・。
33 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 15:52:33
夜が明けた、朝が来た。
俺達はトラックの音を響かせて急いで出発する。
すると突然、女の子がトラックの前に飛び出してきた!
セインはブレーキを思い切り踏み込む。
absが付いていないのか、セインは器用にブレーキを緩めては踏み込む!
ギリギリだ・・・ギリギリで女の子の目の前でトラックは停止した。
歳は10歳くらい。何か叫んでいる。
女の子「助けてください!お願いします!他にもいっぱい生きてる人がいるんです!」
俺は女の子の悲痛な叫びに耳を傾け、無口なセインを睨み付けながら言う。
「おいセイン!まだ生きてる人間がいる!助けてやらないと!」
セインは・・・・あくまでも無言だ。他の隊員も異変に気付き、部隊長であるセインの指示を待つ。
セインが窓を開ける。
俺は、セインが女の子や生き残った人間を助けてくれると思ったが、どうやら甘かったようだ・・・。
窓から銃を女の子に向け、威嚇するセイン・・・・。
俺達はトラックの音を響かせて急いで出発する。
すると突然、女の子がトラックの前に飛び出してきた!
セインはブレーキを思い切り踏み込む。
absが付いていないのか、セインは器用にブレーキを緩めては踏み込む!
ギリギリだ・・・ギリギリで女の子の目の前でトラックは停止した。
歳は10歳くらい。何か叫んでいる。
女の子「助けてください!お願いします!他にもいっぱい生きてる人がいるんです!」
俺は女の子の悲痛な叫びに耳を傾け、無口なセインを睨み付けながら言う。
「おいセイン!まだ生きてる人間がいる!助けてやらないと!」
セインは・・・・あくまでも無言だ。他の隊員も異変に気付き、部隊長であるセインの指示を待つ。
セインが窓を開ける。
俺は、セインが女の子や生き残った人間を助けてくれると思ったが、どうやら甘かったようだ・・・。
窓から銃を女の子に向け、威嚇するセイン・・・・。
34 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 16:02:15
女の子は少し怯んだ様子で逃げ出してしまった・・・。
再び発進するトラック。俺はセインを問い詰める。
「なぜ助けなかった!まだ生きている人間がいると言っていたじゃないか!」
セインは運転しながらも無表情で冷酷に言う。
セイン「任務に支障をきたす。それだけだ。」
俺はセインを更に問い詰めようとした瞬間にツヴェールが俺の肩に手をかける。
ツヴェール「仕方の無いことなんだ。他の部隊がきっと助けにやってきてやるはずだ・・・・。」
ツヴェールの言葉に俺は冷静さを取り戻し、思考を巡らせる。
そんなに任務が大事か?
俺を護送することがそんなにも大事なのか?
どんなに思考を巡らせても、最終的に行き着く先は、「コア」だった。
どうしてもその存在がネックになった・・・・。
再び発進するトラック。俺はセインを問い詰める。
「なぜ助けなかった!まだ生きている人間がいると言っていたじゃないか!」
セインは運転しながらも無表情で冷酷に言う。
セイン「任務に支障をきたす。それだけだ。」
俺はセインを更に問い詰めようとした瞬間にツヴェールが俺の肩に手をかける。
ツヴェール「仕方の無いことなんだ。他の部隊がきっと助けにやってきてやるはずだ・・・・。」
ツヴェールの言葉に俺は冷静さを取り戻し、思考を巡らせる。
そんなに任務が大事か?
俺を護送することがそんなにも大事なのか?
どんなに思考を巡らせても、最終的に行き着く先は、「コア」だった。
どうしてもその存在がネックになった・・・・。
37 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 16:35:07
重火器の音と振動が、俺の耳や体を伝わって戦闘状態に入ったことを告げた。
どうやら俺はいつの間にか眠ってしまっていたようだった。
見晴らしの良い・・・広すぎる空き地。
ゲリラ戦のような戦闘を仕掛けてくる奴らとの戦闘には打って付け、と言ったところか。
車両をそこに入れ、戦闘状態に入る。
トラックの周囲を囲むようにして・・・・。
ツヴェールが教えてくれた、「あのロボットの名前はm-a3、通称パイトスだ。」
パイトスが奴らと交戦に入る。援護としてツヴェールが車両に搭載された機関砲を連射する。
しかし・・・・敵の数が多すぎる!セインが車両から飛び出し、マシンガンを連射し始める。
ツヴェールがアイゴーグルを付けながら言う。
ツヴェール「悪いが、セインの援護を頼む。これを使え。安全装置は解除済みだ。後は引き金を引くだけだ。」
そう言ってマシンガンを俺に渡すツヴェール。俺は急いで外に飛び出し、セインの援護に回る・・・・。
どうやら俺はいつの間にか眠ってしまっていたようだった。
見晴らしの良い・・・広すぎる空き地。
ゲリラ戦のような戦闘を仕掛けてくる奴らとの戦闘には打って付け、と言ったところか。
車両をそこに入れ、戦闘状態に入る。
トラックの周囲を囲むようにして・・・・。
ツヴェールが教えてくれた、「あのロボットの名前はm-a3、通称パイトスだ。」
パイトスが奴らと交戦に入る。援護としてツヴェールが車両に搭載された機関砲を連射する。
しかし・・・・敵の数が多すぎる!セインが車両から飛び出し、マシンガンを連射し始める。
ツヴェールがアイゴーグルを付けながら言う。
ツヴェール「悪いが、セインの援護を頼む。これを使え。安全装置は解除済みだ。後は引き金を引くだけだ。」
そう言ってマシンガンを俺に渡すツヴェール。俺は急いで外に飛び出し、セインの援護に回る・・・・。
38 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 16:43:35
セイン「なぜ来た!貴様が死んでは元も子もないのだぞ!」ダダダダダッ!
「お前に死なれたら、誰がトラック運転するんだよ!」ダダダダダッ!
セインは、奴らを睨み付けながらも観念したように俺に指示を飛ばす。
セイン「ちっ!仕方無い!奴らの口を狙え、そこが弱点だ!」
「わかった!」
しかし縦横無尽に動き回る奴らに当たるわけがない。
銃を撃つこと自体が初めてなのだから・・・初めてなのだから・・・・・初めて・・・・・・・・
俺は酷い頭痛に苛まれる・・・・。
???「すまない、一夏・・・・」
誰か、俺に語りかけている・・・・俺の記憶?
しかし今はそんなことを言っている時間は無い!俺はわざと腕にナイフで切り傷を作る。
痛みは2箇所同時に感じることは無い。意識を腕の痛みと奴らの口に集中させることで、頭痛を和らげる。
「お前に死なれたら、誰がトラック運転するんだよ!」ダダダダダッ!
セインは、奴らを睨み付けながらも観念したように俺に指示を飛ばす。
セイン「ちっ!仕方無い!奴らの口を狙え、そこが弱点だ!」
「わかった!」
しかし縦横無尽に動き回る奴らに当たるわけがない。
銃を撃つこと自体が初めてなのだから・・・初めてなのだから・・・・・初めて・・・・・・・・
俺は酷い頭痛に苛まれる・・・・。
???「すまない、一夏・・・・」
誰か、俺に語りかけている・・・・俺の記憶?
しかし今はそんなことを言っている時間は無い!俺はわざと腕にナイフで切り傷を作る。
痛みは2箇所同時に感じることは無い。意識を腕の痛みと奴らの口に集中させることで、頭痛を和らげる。
39 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 16:59:08
敵はさらに増える。音と視界に敏感な奴らだ・・・。
バイトスが後退し始める・・・もう保たない・・・・。
その時、アインから全員に通信が入った。
アイン「全員退避して下さい。私が囮になって敵を引き付けて後から合流します!」
ツヴァイ「そんなの無理だよ姉さん!俺も囮に・・・・」
アイン「良いから、早く行きなさい!」
アインの声は・・・・何か怯えを押し殺すかの様な・・・・自分の感情を押し殺す様な声だった。
セイン「・・・・・了解した。全機、車両を援護しつつ付いて来い!d-3、後は頼んだ・・・。」
なぜだ?今までのセインらしく無い、悲しみにも似た、自分を戒めるような声で、アインに命令を下すセイン。
セイン「d-4早くしろ、発進できない!」
ツヴァイ「でも、姉さんが!」ダダダダダッ・・・
アイン「早く行きなさい!後で絶対合流するから、早く!」
アインの声は・・・震えていた・・・・・・・。
バイトスが後退し始める・・・もう保たない・・・・。
その時、アインから全員に通信が入った。
アイン「全員退避して下さい。私が囮になって敵を引き付けて後から合流します!」
ツヴァイ「そんなの無理だよ姉さん!俺も囮に・・・・」
アイン「良いから、早く行きなさい!」
アインの声は・・・・何か怯えを押し殺すかの様な・・・・自分の感情を押し殺す様な声だった。
セイン「・・・・・了解した。全機、車両を援護しつつ付いて来い!d-3、後は頼んだ・・・。」
なぜだ?今までのセインらしく無い、悲しみにも似た、自分を戒めるような声で、アインに命令を下すセイン。
セイン「d-4早くしろ、発進できない!」
ツヴァイ「でも、姉さんが!」ダダダダダッ・・・
アイン「早く行きなさい!後で絶対合流するから、早く!」
アインの声は・・・震えていた・・・・・・・。
40 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 17:19:07
ツヴァイ「分かったよ姉さん・・・絶対戻ってきてね、約束だからね!」
アイン「大丈夫、私が今まで約束を破ったことあったかしら?」
ツヴァイ「うぅん・・・・じゃあ待ってるね・・・・約束だからね・・・・・」
d-4が、ツヴァイがスキール音を立てながら後退し、車両の援護に回る。
アインは車両に集まる奴らの注意を引き付ける為、援護を行いつつ左右に・・・・めちゃくちゃに動き回る。
もう、戦術では無い。我を見失った鬼神のごとく・・・・。
アインのおかげで無事車両は脱出できた。そして200mほど走ったところでバイトス3機を収容し、再び走り始める・・・。
アイン「もう、大丈夫そうね・・・。」ダダダダ・・・・カチッカチッ・・・・・・
アインのバイトスの弾が切れた。
惹きつけられた奴らの数は40~50匹。
両腕の鋭利なシールドをスライドさせ、近接モードに移行するアイン。
アイン「一匹でも多く・・・一匹でも・・・・・・・」
奴らが雄たけびを上げ、仲間を呼ぶ。
アイン「そうよ、もっと叫びなさい・・・・!」
アイン「大丈夫、私が今まで約束を破ったことあったかしら?」
ツヴァイ「うぅん・・・・じゃあ待ってるね・・・・約束だからね・・・・・」
d-4が、ツヴァイがスキール音を立てながら後退し、車両の援護に回る。
アインは車両に集まる奴らの注意を引き付ける為、援護を行いつつ左右に・・・・めちゃくちゃに動き回る。
もう、戦術では無い。我を見失った鬼神のごとく・・・・。
アインのおかげで無事車両は脱出できた。そして200mほど走ったところでバイトス3機を収容し、再び走り始める・・・。
アイン「もう、大丈夫そうね・・・。」ダダダダ・・・・カチッカチッ・・・・・・
アインのバイトスの弾が切れた。
惹きつけられた奴らの数は40~50匹。
両腕の鋭利なシールドをスライドさせ、近接モードに移行するアイン。
アイン「一匹でも多く・・・一匹でも・・・・・・・」
奴らが雄たけびを上げ、仲間を呼ぶ。
アイン「そうよ、もっと叫びなさい・・・・!」
41 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 17:31:12
一体何匹集まっただろうか・・・
ディスプレイに映し出される敵の数が多すぎてほとんど真っ赤だ。
アイン「そろそろ・・・・頃合いかしら・・・・・・ごめんねツヴァイ・・・・・・」
アイン「約束守れなくて・・・・最後の私のわがままに付き合せちゃった・・・・・・・・。」
既に右腕を失ったアインのバイトス。
アインは、声を震わせながらディスプレイと両足以外への電力供給をシャットダウンする。
そして、跳ね上がり、一匹の敵に向かって勢いよく刃をを突き刺す。
アインは全ての足とディスプレイに回していた電力供給を全てシャットダウンさせる。
アイン「はぁ・・・はぁ・・・・・・」
声を震わせるアインに向かって奴らは容赦なく迫り来る。
足を、頭部を、腕を引きちぎられながらアインは覚悟を決める。
ディスプレイに映し出される敵の数が多すぎてほとんど真っ赤だ。
アイン「そろそろ・・・・頃合いかしら・・・・・・ごめんねツヴァイ・・・・・・」
アイン「約束守れなくて・・・・最後の私のわがままに付き合せちゃった・・・・・・・・。」
既に右腕を失ったアインのバイトス。
アインは、声を震わせながらディスプレイと両足以外への電力供給をシャットダウンする。
そして、跳ね上がり、一匹の敵に向かって勢いよく刃をを突き刺す。
アインは全ての足とディスプレイに回していた電力供給を全てシャットダウンさせる。
アイン「はぁ・・・はぁ・・・・・・」
声を震わせるアインに向かって奴らは容赦なく迫り来る。
足を、頭部を、腕を引きちぎられながらアインは覚悟を決める。
42 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 17:46:34
遂にハッチを開けられてしまった。
奴と目が合うアイン。
アイン「あら、こんにちわ。ナンパなら他を当たって貰えるかしら?」
そう言ってニコリと笑うアイン。同時に右腕でコクピットの右側にあるハンドルを回し、一気に引き抜く!
バイトスのエネルギーゲインが臨界を超える音が響き渡る・・・!キィイイイイイイ!!
アインの取った最後の抵抗はプラズマを発生させ、数千度の業火と直径1kmのクレーターを作った・・・。
その衝撃波が車両に届くまで数秒・・・。セインは半壊したビルに車両を止め、車両への衝撃波を最低限に抑える。
ツヴァイ「姉さん・・・・姉さんは?姉さんはどうなったの?ねぇ・・・」
セインは何も答えない。俺達はツヴァイの声に何も答えて上げられなかった・・・・。
奴と目が合うアイン。
アイン「あら、こんにちわ。ナンパなら他を当たって貰えるかしら?」
そう言ってニコリと笑うアイン。同時に右腕でコクピットの右側にあるハンドルを回し、一気に引き抜く!
バイトスのエネルギーゲインが臨界を超える音が響き渡る・・・!キィイイイイイイ!!
アインの取った最後の抵抗はプラズマを発生させ、数千度の業火と直径1kmのクレーターを作った・・・。
その衝撃波が車両に届くまで数秒・・・。セインは半壊したビルに車両を止め、車両への衝撃波を最低限に抑える。
ツヴァイ「姉さん・・・・姉さんは?姉さんはどうなったの?ねぇ・・・」
セインは何も答えない。俺達はツヴァイの声に何も答えて上げられなかった・・・・。
44 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 18:13:44
後部車両の機体の中ですすり泣くツヴァイに、誰も声をかける事は誰にもできず、
ただただ見守ることしか出来なかった。
だが、俺は苛立ちを抑えきれずセインを問い詰める。
「お前、始めから分かっていたな?分かっていて見捨てたんだろう!?」
セインは相変わらず何も答えない。どうせ「任務の為だ」そう言い返すのだろう。
そこまでしてなぜ俺に拘る?俺は・・・俺は・・・・。
そんな俺にツヴェールが諭す様に言う。
「落ち着いてくれ。みんなお前と同じ気持ちなんだ・・・・だが、噛み殺しているんだ・・・・・・。」
俺はその一言で少し冷静さを取り戻し、黙り込んだ・・・・。
それから数時間が経った頃だろうか、幸いにも奴らと出会うことは無かった。
そして、「成田空港まで後2km」と書かれた看板が見えた。
一体、成田から飛行機でどこへ向かうのだろう・・・・?
そして成田空港らしき「建物群」が観えてきた。
俺は唖然とする。これが成田空港・・・?
ただただ見守ることしか出来なかった。
だが、俺は苛立ちを抑えきれずセインを問い詰める。
「お前、始めから分かっていたな?分かっていて見捨てたんだろう!?」
セインは相変わらず何も答えない。どうせ「任務の為だ」そう言い返すのだろう。
そこまでしてなぜ俺に拘る?俺は・・・俺は・・・・。
そんな俺にツヴェールが諭す様に言う。
「落ち着いてくれ。みんなお前と同じ気持ちなんだ・・・・だが、噛み殺しているんだ・・・・・・。」
俺はその一言で少し冷静さを取り戻し、黙り込んだ・・・・。
それから数時間が経った頃だろうか、幸いにも奴らと出会うことは無かった。
そして、「成田空港まで後2km」と書かれた看板が見えた。
一体、成田から飛行機でどこへ向かうのだろう・・・・?
そして成田空港らしき「建物群」が観えてきた。
俺は唖然とする。これが成田空港・・・?
45 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 18:29:34
明らかに異様だ。まず滑走路がおかしい。
通常であれば長い平地を使用して、滑走するはずだ。
だが、そこにあった建物はまるで・・・・まるでジェットコースターの昇りの部分だけを切り取ったような・・・。
機体のデザインもおかしい。平たく、コンコルドのようなデザイン・・・。
それが何台も滑走路付近に止められている。
一体これはなんだ?
そう思った瞬間。また頭痛が俺を襲う・・・・糞!頭が割れる様に痛い・・・・・。
???「ごめんね、いっくん」
いっくん?篠ノ之博士の声なのか?いや、俺の記憶・・・?
俺が頭を抑えて苦痛に耐えていると、セインが薬を寄こした。
セイン「即効性の頭痛薬だ、飲め」
俺はすぐに口に含み、水を使い飲み干す・・・・少し落ち着いたようだ・・・・・・。
通常であれば長い平地を使用して、滑走するはずだ。
だが、そこにあった建物はまるで・・・・まるでジェットコースターの昇りの部分だけを切り取ったような・・・。
機体のデザインもおかしい。平たく、コンコルドのようなデザイン・・・。
それが何台も滑走路付近に止められている。
一体これはなんだ?
そう思った瞬間。また頭痛が俺を襲う・・・・糞!頭が割れる様に痛い・・・・・。
???「ごめんね、いっくん」
いっくん?篠ノ之博士の声なのか?いや、俺の記憶・・・?
俺が頭を抑えて苦痛に耐えていると、セインが薬を寄こした。
セイン「即効性の頭痛薬だ、飲め」
俺はすぐに口に含み、水を使い飲み干す・・・・少し落ち着いたようだ・・・・・・。
46 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 18:48:55
すぐにセインが3機のバイトスで奴らを駆除するように指示する。
しかし、ツヴァイの様子がおかしい・・・。
姉を失った悲しみからか、無防備な・・・特攻とも言える戦い方をしている・・・。
他の2機がその援護に回るが、自分達の戦闘で手がいっぱいになってきていた。
セイン「d-4、先行しすぎだ。陣を乱すな。」
ツヴァイからの返答は無い・・・。
ツヴァイ「アハハハハ!死ね死ね死ねぇ!」
ただただ返って来る言葉はそれだけだった。完全に自分を見失い、制御できていない。
そんなツヴァイにセインが舌打ちをする。セインらしくも無い・・・明らかに苛立ちを抑えきれていない。
「セイン、落ち着け。d-1とd-2が援護に回っている。だから落ち着いて指揮を採るんだ」
俺はいつの間にかセインに声をかけていた。
そしてなぜそんな事を言ったのか、そんな自分に驚いてしまっていた。
セインはその言葉で落ち着きを取り戻した様子で、トラックで援護する様ツヴェールに指示し、トラックを走らせた。
敵がどんどん迫り来る。始めは20匹程度だった敵が、30・・・40・・・・・と増え続ける。
俺はセインに進言する。
「isでの出撃許可をくれないか?」
しかし、ツヴァイの様子がおかしい・・・。
姉を失った悲しみからか、無防備な・・・特攻とも言える戦い方をしている・・・。
他の2機がその援護に回るが、自分達の戦闘で手がいっぱいになってきていた。
セイン「d-4、先行しすぎだ。陣を乱すな。」
ツヴァイからの返答は無い・・・。
ツヴァイ「アハハハハ!死ね死ね死ねぇ!」
ただただ返って来る言葉はそれだけだった。完全に自分を見失い、制御できていない。
そんなツヴァイにセインが舌打ちをする。セインらしくも無い・・・明らかに苛立ちを抑えきれていない。
「セイン、落ち着け。d-1とd-2が援護に回っている。だから落ち着いて指揮を採るんだ」
俺はいつの間にかセインに声をかけていた。
そしてなぜそんな事を言ったのか、そんな自分に驚いてしまっていた。
セインはその言葉で落ち着きを取り戻した様子で、トラックで援護する様ツヴェールに指示し、トラックを走らせた。
敵がどんどん迫り来る。始めは20匹程度だった敵が、30・・・40・・・・・と増え続ける。
俺はセインに進言する。
「isでの出撃許可をくれないか?」
47 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 19:05:27
セイン「ダメだ」
即答だった。余りの即答さに俺は数秒固まってしまう。だがここで折れるわけには行かない。
「この空港を失えば、何か不都合があるんだろ?ならisを使って・・・・・」
俺が言い終わる前にセインがヘルメットを外して言う。
セイン「何が起こるか分からない。絶対にisを使用しての戦闘は行うな。」
綺麗な髪。整った可愛らしい顔立ち。
ブロンドの髪を後ろで束ねて、ポニーテールにした俺と同い年程の『女指揮官』がそこに居た。
しかし、『何が起こるか分からない』、とはどういう意味だ?
「奴らにコアが入っているのがネックになっている、ということか?」
セイン「・・・そうだ。奴らが活性化するかも知れない。停止するかも知れない。何が起こるか分からない。」
ブロンドの少女は俺を哀れむような・・・・いや、非力な自分を哀れんでいる様な目を俺に向けて言い放った。
即答だった。余りの即答さに俺は数秒固まってしまう。だがここで折れるわけには行かない。
「この空港を失えば、何か不都合があるんだろ?ならisを使って・・・・・」
俺が言い終わる前にセインがヘルメットを外して言う。
セイン「何が起こるか分からない。絶対にisを使用しての戦闘は行うな。」
綺麗な髪。整った可愛らしい顔立ち。
ブロンドの髪を後ろで束ねて、ポニーテールにした俺と同い年程の『女指揮官』がそこに居た。
しかし、『何が起こるか分からない』、とはどういう意味だ?
「奴らにコアが入っているのがネックになっている、ということか?」
セイン「・・・そうだ。奴らが活性化するかも知れない。停止するかも知れない。何が起こるか分からない。」
ブロンドの少女は俺を哀れむような・・・・いや、非力な自分を哀れんでいる様な目を俺に向けて言い放った。
48 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 19:23:20
セイン「どちらにしろ、突っ込むぞ!」
俺達は、道と言うには程遠い、整備などされていないルートをひた走る。
数分経った頃だろうか・・・・そろそろ丘を降りることができそうになったところで
ツヴァイが弾切れを起こし、近接戦闘に移行する。無駄弾を撃ちすぎた結果だ。
d-1とd-2はそんなツヴァイを援護するどころか、目の前の敵を倒すことで手一杯だ・・・。
奴らの雄たけびが聞こえる・・・・。
また増援が来るのだろう。
形勢は明らかに不利。セインは苛立ち、正常な判断ができないことにより指揮系統は麻痺。
さてどうするか・・・・。
そんな時、d-1から通信が入る。
「退路は俺達が確保する。なんとしても生き延びて、任務を遂行してくれ。」
d-2からも同じような内容の通信が入る・・・・。
「任務を最優先してくれ・・・」
そして、ダメ押しとも言える様にツヴェールが言う。
ツヴェール「機関砲が・・・・弾切れだ、セイン。」
俺達は、道と言うには程遠い、整備などされていないルートをひた走る。
数分経った頃だろうか・・・・そろそろ丘を降りることができそうになったところで
ツヴァイが弾切れを起こし、近接戦闘に移行する。無駄弾を撃ちすぎた結果だ。
d-1とd-2はそんなツヴァイを援護するどころか、目の前の敵を倒すことで手一杯だ・・・。
奴らの雄たけびが聞こえる・・・・。
また増援が来るのだろう。
形勢は明らかに不利。セインは苛立ち、正常な判断ができないことにより指揮系統は麻痺。
さてどうするか・・・・。
そんな時、d-1から通信が入る。
「退路は俺達が確保する。なんとしても生き延びて、任務を遂行してくれ。」
d-2からも同じような内容の通信が入る・・・・。
「任務を最優先してくれ・・・」
そして、ダメ押しとも言える様にツヴェールが言う。
ツヴェール「機関砲が・・・・弾切れだ、セイン。」
50 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 19:45:12
もう終わりだ。残された道は2つ。
飛行機で逃げるか、トラックで一時退却を行う・・・・。
セインは決断を迫られていた。
そこに、ツヴェールから進言が入る。
ツヴェール「機関砲が使えないんじゃここに居ても意味が無いな。」
そう言うとツヴェールはマシンガンを持ち、敵地へと走って行ってしまった。
セインはハンドルに寄りかかり、ツヴェールの言葉に応えることもできない程に精神的に参っているようだった。
俺はそんなセインに何か声をかけなければいけない様な衝動に駆られる。
「何か迷っているんだろ?なら、迷っている方は止めておけ。」
するとセインは、一瞬唖然とした顔で俺の顔を見る。
セイン「本気で言っているのか?私が何を考えているのかさえ分からないお前に!」
「本気だ。お前はこの部隊の指揮官だ。皆、最善の策だと思ってくれる筈だ。いや、そう信じさせてやれ!」
セインは目を瞑り黙り込んでしまった。俺の進言を真摯に捕らえてくれている証拠だ。俺はそう思った。
飛行機で逃げるか、トラックで一時退却を行う・・・・。
セインは決断を迫られていた。
そこに、ツヴェールから進言が入る。
ツヴェール「機関砲が使えないんじゃここに居ても意味が無いな。」
そう言うとツヴェールはマシンガンを持ち、敵地へと走って行ってしまった。
セインはハンドルに寄りかかり、ツヴェールの言葉に応えることもできない程に精神的に参っているようだった。
俺はそんなセインに何か声をかけなければいけない様な衝動に駆られる。
「何か迷っているんだろ?なら、迷っている方は止めておけ。」
するとセインは、一瞬唖然とした顔で俺の顔を見る。
セイン「本気で言っているのか?私が何を考えているのかさえ分からないお前に!」
「本気だ。お前はこの部隊の指揮官だ。皆、最善の策だと思ってくれる筈だ。いや、そう信じさせてやれ!」
セインは目を瞑り黙り込んでしまった。俺の進言を真摯に捕らえてくれている証拠だ。俺はそう思った。
51 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 20:00:08
セイン「逃げる・・・!」
どうやらセインは指揮官として自分を取り戻したようだ。
目が据わっている。良い顔だ。
セイン「房総半島の南、館山に海上自衛隊の空港がある。そこまで逃げるぞ!」
「分かった。」
俺達はすぐに出発した。
d-1「すまない、もう保ちそうに無い・・・」
d-2「なんとしても、任務を・・・・」
セイン「分かっている。お前達の死、無駄にはしない!」
そして次の瞬間ツヴァイから叫び声とも、狂気とも採れるような声が聞こえてきた。」
ツヴァイ「キィイイイイヒャヒャハッハハハハァ!!」
そして・・・・全てを飲み込む数千度の業火。それにより発生するプラズマが炸裂した・・・・・。
空港も、味方も敵も・・・吹き飛んでしまった・・・・跡形も無く・・・。
どうやらセインは指揮官として自分を取り戻したようだ。
目が据わっている。良い顔だ。
セイン「房総半島の南、館山に海上自衛隊の空港がある。そこまで逃げるぞ!」
「分かった。」
俺達はすぐに出発した。
d-1「すまない、もう保ちそうに無い・・・」
d-2「なんとしても、任務を・・・・」
セイン「分かっている。お前達の死、無駄にはしない!」
そして次の瞬間ツヴァイから叫び声とも、狂気とも採れるような声が聞こえてきた。」
ツヴァイ「キィイイイイヒャヒャハッハハハハァ!!」
そして・・・・全てを飲み込む数千度の業火。それにより発生するプラズマが炸裂した・・・・・。
空港も、味方も敵も・・・吹き飛んでしまった・・・・跡形も無く・・・。
52 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 20:09:52
俺達は遂に2人になってしまった。
今は・・・・今はセインが落ち着くまで声をかけない方が良い。
俺は気を使い、地図を片手に最低限の会話をしながら外の風景を眺めていた・・・・。
しかし・・・・それにしても何かおかしい。誰かが乗り捨てたであろう、車のデザインに違和感を感じる・・・。
俺は何の気なしに地図を閉じる時に、表紙を見た。
俺の思考が止まる。
なんだこれは・・・・・?
そこには「2026年 最新版」と書かれていた・・・・。
今は・・・・今はセインが落ち着くまで声をかけない方が良い。
俺は気を使い、地図を片手に最低限の会話をしながら外の風景を眺めていた・・・・。
しかし・・・・それにしても何かおかしい。誰かが乗り捨てたであろう、車のデザインに違和感を感じる・・・。
俺は何の気なしに地図を閉じる時に、表紙を見た。
俺の思考が止まる。
なんだこれは・・・・・?
そこには「2026年 最新版」と書かれていた・・・・。
53 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 20:28:38
俺はすぐにセインに問いかけた。
「おいセイン、今は西暦何年だ?」
セインは落ち着いた口調で言う。
セイン「・・・・・2038年だ」
俺の頭が混乱する。確かに、2026年と書かれた地図は日焼けして、ぼろぼろだが・・・。
意味が、分からない。
時間移動?それともここは別の世界?
「セイン、知っている情報を全て話してくれ。俺達は何の為に館山に向かっている?俺は何者なんだ?」
続けざまにセインに質問する俺。明らかに混乱していることがセインに伝わっている。
だがそんなことはお構いなしだ。情報を・・・もっと情報を・・・・・・・
セイン「お前は織斑一夏だ。それは保証する。館山の自衛隊基地に向かっているのは、宇宙へ行く為だ。」
セイン「西暦2038年についても保証する。」
動揺を隠すかのように、あくまで冷静に答えるセイン。あのセインが・・・動揺している・・・・。
罪悪感に押しつぶされそうになりながら答える・・・・ただの1人の少女がそこに居た・・・。
「おいセイン、今は西暦何年だ?」
セインは落ち着いた口調で言う。
セイン「・・・・・2038年だ」
俺の頭が混乱する。確かに、2026年と書かれた地図は日焼けして、ぼろぼろだが・・・。
意味が、分からない。
時間移動?それともここは別の世界?
「セイン、知っている情報を全て話してくれ。俺達は何の為に館山に向かっている?俺は何者なんだ?」
続けざまにセインに質問する俺。明らかに混乱していることがセインに伝わっている。
だがそんなことはお構いなしだ。情報を・・・もっと情報を・・・・・・・
セイン「お前は織斑一夏だ。それは保証する。館山の自衛隊基地に向かっているのは、宇宙へ行く為だ。」
セイン「西暦2038年についても保証する。」
動揺を隠すかのように、あくまで冷静に答えるセイン。あのセインが・・・動揺している・・・・。
罪悪感に押しつぶされそうになりながら答える・・・・ただの1人の少女がそこに居た・・・。
54 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 20:48:40
「宇宙へ行って、俺達を何が待ち受けている?」
俺はもう完全に吹っ切れていた。
何が起ころうと、何を言われようと、現実をそのまま受け止める以外には無かったからだ。
セイン「宇宙には、我々の・・・・人類だけの大型ステーションがある。」
セイン「そこでひっそりと我々は生き延びてきた。」
「そいつらは、地上の民間人を残してまで生き延びたかった、と?」
俺はセインを責めるわけでは無く、あくまでステーションの『人間達』へ問いかけたつもりだったが、
自分を責められていると思った様に、今まで見たことも無いような程興奮して取り繕った。
セイン「努力はした!だが、ステーションで生き延びられる人数は極少数・・・。せいぜい2000人といったところだ。」
セイン「だから優秀な人間だけを選別し、住んでいた・・・・。いや、選別というのはおかしいな。」
セイン「私は、優秀な遺伝子同士を掛け合わせ、人工授精で生まれたのだから・・・・。」
「セイン、落ち着け。俺はお前を責めているわけじゃない。一度深呼吸をしてみろ。」
俺の言葉に促され、セインは深呼吸を3,4回繰り返す。
セイン「済まなかった。取り乱してしまった・・・・だが、私の知っている情報で、その・・・」
「一夏でいい」
セイン「わかった。一夏が必要としている情報は全て話せたはずだ。他に質問は無いか?」
俺はもう完全に吹っ切れていた。
何が起ころうと、何を言われようと、現実をそのまま受け止める以外には無かったからだ。
セイン「宇宙には、我々の・・・・人類だけの大型ステーションがある。」
セイン「そこでひっそりと我々は生き延びてきた。」
「そいつらは、地上の民間人を残してまで生き延びたかった、と?」
俺はセインを責めるわけでは無く、あくまでステーションの『人間達』へ問いかけたつもりだったが、
自分を責められていると思った様に、今まで見たことも無いような程興奮して取り繕った。
セイン「努力はした!だが、ステーションで生き延びられる人数は極少数・・・。せいぜい2000人といったところだ。」
セイン「だから優秀な人間だけを選別し、住んでいた・・・・。いや、選別というのはおかしいな。」
セイン「私は、優秀な遺伝子同士を掛け合わせ、人工授精で生まれたのだから・・・・。」
「セイン、落ち着け。俺はお前を責めているわけじゃない。一度深呼吸をしてみろ。」
俺の言葉に促され、セインは深呼吸を3,4回繰り返す。
セイン「済まなかった。取り乱してしまった・・・・だが、私の知っている情報で、その・・・」
「一夏でいい」
セイン「わかった。一夏が必要としている情報は全て話せたはずだ。他に質問は無いか?」
55 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 20:58:59
「俺はこれからどうなる?」
セイン「・・・・・分からない。何かしらの検査があるとは思う。」
「そうか・・・しかし、もうそろそろ夜だ。ずっとセインが運転している。休んだほうが良いんじゃないか?」
セイン「そうだな・・・そうさせて貰おうか・・・・そこのパーキングエリアが丁度良い。」
「警戒は任せろ、ゆっくり眠るといい・・・。」
セイン「わかっ・・・た・・・・・・」
「(しかし、夏だというのに夜は冷えるな・・・・海岸沿いを走っているせいか?)」
「(セイン・・・・こんなに冷たくなって・・・・・・・プロテクターを外して、抱きしめてやろう)」ぎゅぅ
セイン「ん・・・・ん・・・・・・・何をしている?」
「寒いと思ってな。」
セイン「そうか・・・・それは、ありがたい・・・・・・・。」ぎゅぅ
セインからはとても良い匂いがした。また、とても愛おしくも思えているじぶんが居た・・・・。
セイン「・・・・・分からない。何かしらの検査があるとは思う。」
「そうか・・・しかし、もうそろそろ夜だ。ずっとセインが運転している。休んだほうが良いんじゃないか?」
セイン「そうだな・・・そうさせて貰おうか・・・・そこのパーキングエリアが丁度良い。」
「警戒は任せろ、ゆっくり眠るといい・・・。」
セイン「わかっ・・・た・・・・・・」
「(しかし、夏だというのに夜は冷えるな・・・・海岸沿いを走っているせいか?)」
「(セイン・・・・こんなに冷たくなって・・・・・・・プロテクターを外して、抱きしめてやろう)」ぎゅぅ
セイン「ん・・・・ん・・・・・・・何をしている?」
「寒いと思ってな。」
セイン「そうか・・・・それは、ありがたい・・・・・・・。」ぎゅぅ
セインからはとても良い匂いがした。また、とても愛おしくも思えているじぶんが居た・・・・。
56 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 21:12:09
余程疲れているのだろう。恐らく午前10時、まだセインは起きない。
俺は膝枕をしてやり、頭を手櫛のようにして撫でてやる・・・・。
セイン「ん・・・はぅ・・・・んふぅ・・・・・」
呑気なものだ。さて、そろそろ起こしてやるか。
どうやって起こそうか・・・・よし、これで行こう。
「敵だ!奴らが来たぞ!!」
ガバッ!!
セイン「どぉこぉあぁ!れぇきはぁ~・・・・」
眠気眼で呂律が回っていない。俺は笑いを堪えるので必死だが、セインも必死だ。
「嘘だよ。あまりにお前が気持ちよく眠っているから悪戯をしただけだ」
セイン「・・・・・・ばぁかぁか~お前は・・・。」
「さぁ、早く行こう。俺は・・・・眠らせてもらうよ、一晩中警戒していた・・・・から・・・・な・・・・・・・・」
セイン「そうだったな・・・・敵だ!起きろ!一夏!敵だ!」
「その手は食わん。お休み・・・・」
セイン「ちっ・・・・・さっさと寝てしまえ!」
俺は膝枕をしてやり、頭を手櫛のようにして撫でてやる・・・・。
セイン「ん・・・はぅ・・・・んふぅ・・・・・」
呑気なものだ。さて、そろそろ起こしてやるか。
どうやって起こそうか・・・・よし、これで行こう。
「敵だ!奴らが来たぞ!!」
ガバッ!!
セイン「どぉこぉあぁ!れぇきはぁ~・・・・」
眠気眼で呂律が回っていない。俺は笑いを堪えるので必死だが、セインも必死だ。
「嘘だよ。あまりにお前が気持ちよく眠っているから悪戯をしただけだ」
セイン「・・・・・・ばぁかぁか~お前は・・・。」
「さぁ、早く行こう。俺は・・・・眠らせてもらうよ、一晩中警戒していた・・・・から・・・・な・・・・・・・・」
セイン「そうだったな・・・・敵だ!起きろ!一夏!敵だ!」
「その手は食わん。お休み・・・・」
セイン「ちっ・・・・・さっさと寝てしまえ!」
57 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 21:27:30
館山 海上自衛隊基地
セイン「一夏、着いたぞ。起きろ。」
一夏「なんだ、もう着いたのか・・・・ん~」
セイン「幸い、奴らは少なかったぞ。人が少ないせいかもしれんが・・・。」
「で、シャトルはアレか?」
セイン「そうだ。武装を整えて出発するぞ。」
「了解だ。さっさとこんな所、おさらばしよう。」
セイン「そうだな・・・・・。」
少し悲しそうな目をするセイン。同胞を失った辛さからだろう・・・・。
セイン「一夏、着いたぞ。起きろ。」
一夏「なんだ、もう着いたのか・・・・ん~」
セイン「幸い、奴らは少なかったぞ。人が少ないせいかもしれんが・・・。」
「で、シャトルはアレか?」
セイン「そうだ。武装を整えて出発するぞ。」
「了解だ。さっさとこんな所、おさらばしよう。」
セイン「そうだな・・・・・。」
少し悲しそうな目をするセイン。同胞を失った辛さからだろう・・・・。
58 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 21:45:21
セイン「よし、出発できるぞ。」
「宇宙は初めてなんだ。お手柔らかにお願い・・・・ぐふぅっ!」
「(気絶させるつもりか、この野郎・・・朝の仕返しってことか・・・・!)」
セイン「着いたぞ。宇宙だ。」
「おぉ、星が綺麗だ!」
セイン「で、あれがステーションだ・・・・」
セイン「2850番 セイン ハッチを開けてくれ。被験者を保護した。」
「でかい・・・・なんて大きさだ・・・・・。」
セイン「回転軸あわせ完了・・・・・。」
『了解、3番ハッチを開ける』
作業者a「これが被験者か・・・こっちへ来て貰おうか。」
「別にいいけど・・・」
「うわっ、なんだ!?シャワー!?」
スピーカー『許してくれ、変な細菌を地上から持ち込まれると困るからだ。』
「宇宙は初めてなんだ。お手柔らかにお願い・・・・ぐふぅっ!」
「(気絶させるつもりか、この野郎・・・朝の仕返しってことか・・・・!)」
セイン「着いたぞ。宇宙だ。」
「おぉ、星が綺麗だ!」
セイン「で、あれがステーションだ・・・・」
セイン「2850番 セイン ハッチを開けてくれ。被験者を保護した。」
「でかい・・・・なんて大きさだ・・・・・。」
セイン「回転軸あわせ完了・・・・・。」
『了解、3番ハッチを開ける』
作業者a「これが被験者か・・・こっちへ来て貰おうか。」
「別にいいけど・・・」
「うわっ、なんだ!?シャワー!?」
スピーカー『許してくれ、変な細菌を地上から持ち込まれると困るからだ。』
59 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 21:51:48
「はぁ・・・・何回シャワーを浴びただろうか・・・・・」
セイン「ふむ、ここでの軍服も似合っているな。」
そう言うとセインは顎に手を当てて俺の体を嘗め回すように見てくる。
「あ、あのさ・・・・あんまりジロジロ見られると恥かしいんだけど・・・・・・。」
「ただでさえピチピチの服だし・・・・。」
セイン「悪かったな、以後気をつけよう。」
そういうとセインは不適な笑みを浮かべてどこかへ行ってしまった。
『織斑一夏、至急医務室まで来てください』
「医務室ったって・・・どこだよぉ!」
セイン「ふむ、ここでの軍服も似合っているな。」
そう言うとセインは顎に手を当てて俺の体を嘗め回すように見てくる。
「あ、あのさ・・・・あんまりジロジロ見られると恥かしいんだけど・・・・・・。」
「ただでさえピチピチの服だし・・・・。」
セイン「悪かったな、以後気をつけよう。」
そういうとセインは不適な笑みを浮かべてどこかへ行ってしまった。
『織斑一夏、至急医務室まで来てください』
「医務室ったって・・・どこだよぉ!」
60 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 21:58:02
周りの人間に聞いてなんとか医務室へ着いた。
俺を不思議がる人、逃げ出す人、興味津々な人・・・・色んな人がいるものだ。
少し深呼吸をしてから、医務室をノックする。
俺にとって、よく無い知らせが待ち受けているに決まっているのだから・・・・。
中に入ると、病室のような広い部屋になっていた。
そして、明らかに周りとは違う黒い服の男と、白衣の男が立っていた。
「織斑一夏です。何か御用でしょうか?」
通過儀礼とでも言うようなセリフ。どうせ後戻りは出来ない。逃げる場所も、恐らく・・・無い。
俺を不思議がる人、逃げ出す人、興味津々な人・・・・色んな人がいるものだ。
少し深呼吸をしてから、医務室をノックする。
俺にとって、よく無い知らせが待ち受けているに決まっているのだから・・・・。
中に入ると、病室のような広い部屋になっていた。
そして、明らかに周りとは違う黒い服の男と、白衣の男が立っていた。
「織斑一夏です。何か御用でしょうか?」
通過儀礼とでも言うようなセリフ。どうせ後戻りは出来ない。逃げる場所も、恐らく・・・無い。
61 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 22:31:46
黒服の男「私はアデス、このステーションの司令官をしている。」
明らかに他の人間と違う。威厳とでも言うべきか、一言で空気を一気に凍りつかせるような、そんな口調。
歳は40代と言ったところか・・・。
アデス「疲労が溜まっている所申し訳ないが、今から精密検査を行わせて貰う。異存は無いか?」
「切り刻まれたりしなければ、異存はありませんよ」
疲れきっているが、俺もアデスに負けじとばかりに張り合う様に覇気を込めて答える
アデス「いい返事だ。こっちへ来てくれ・・・・」
何重にも張り巡らされたセキュリティを抜けると、広い部屋に出た。
教室ほどあるだろうか・・・・。しかし異質なものが、部屋の真ん中にあった・・・『奴』だ。
地下に押し込められ、防弾ガラスと思われる屋根の中に押し込められている。
それを見下ろす形で、白衣の男達が5人。
アデス「地上で捕縛したものだ。我々は対抗手段としてこいつの検査を毎日行っている。」
アデス「しかし一向にその手段が見つからない・・・・。そこで君の力を借りたい、ということだ。」
言いたいことは分かる。だが、何が起こるか分からないとセインが言っていた・・・・。
「何か起きたら、どうします?」
俺は脅しをかけるようにアデスに問いかける。
アデス「その際はこいつを射殺するまでだ。」
平然と言ってのける辺りが司令官らしい。もう、痺れを切らして藁にもすがるような思いで俺を呼んだのだろう。
「分かりました。それで、何をすればいいんですか?」
明らかに他の人間と違う。威厳とでも言うべきか、一言で空気を一気に凍りつかせるような、そんな口調。
歳は40代と言ったところか・・・。
アデス「疲労が溜まっている所申し訳ないが、今から精密検査を行わせて貰う。異存は無いか?」
「切り刻まれたりしなければ、異存はありませんよ」
疲れきっているが、俺もアデスに負けじとばかりに張り合う様に覇気を込めて答える
アデス「いい返事だ。こっちへ来てくれ・・・・」
何重にも張り巡らされたセキュリティを抜けると、広い部屋に出た。
教室ほどあるだろうか・・・・。しかし異質なものが、部屋の真ん中にあった・・・『奴』だ。
地下に押し込められ、防弾ガラスと思われる屋根の中に押し込められている。
それを見下ろす形で、白衣の男達が5人。
アデス「地上で捕縛したものだ。我々は対抗手段としてこいつの検査を毎日行っている。」
アデス「しかし一向にその手段が見つからない・・・・。そこで君の力を借りたい、ということだ。」
言いたいことは分かる。だが、何が起こるか分からないとセインが言っていた・・・・。
「何か起きたら、どうします?」
俺は脅しをかけるようにアデスに問いかける。
アデス「その際はこいつを射殺するまでだ。」
平然と言ってのける辺りが司令官らしい。もう、痺れを切らして藁にもすがるような思いで俺を呼んだのだろう。
「分かりました。それで、何をすればいいんですか?」
62 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 22:38:53
アデス「isを展開して欲しい。それで何も起きなければ、isを実戦投入できる。」
アデス「今のm-aシリーズではもう限界なのだ・・・」
明らかにアデスは焦っている。司令官として、そしてひとりの人間として・・・・。
「分かりました。少し離れてください・・・・」
俺は久しぶりに白式を呼ぶことに少し興奮していた。
今まで縛られていた手錠を外されたような気分だった・・・。
「来い、白式!」
いつも通りの感触。
周りの白衣の人間達は、俺と白式を驚いた様子で見た後、『奴』を見る・・・・。
俺も覗き込んでみた・・・・・。異常は特に無い。
アデス「やはり・・・・・」
意味深な言葉を言うアデス。何が『やはり』なのだ?
「なんのことでしょうか?」
俺は理解が追いつかないとばかりにアデスに説明を求める。
アデス「今のm-aシリーズではもう限界なのだ・・・」
明らかにアデスは焦っている。司令官として、そしてひとりの人間として・・・・。
「分かりました。少し離れてください・・・・」
俺は久しぶりに白式を呼ぶことに少し興奮していた。
今まで縛られていた手錠を外されたような気分だった・・・。
「来い、白式!」
いつも通りの感触。
周りの白衣の人間達は、俺と白式を驚いた様子で見た後、『奴』を見る・・・・。
俺も覗き込んでみた・・・・・。異常は特に無い。
アデス「やはり・・・・・」
意味深な言葉を言うアデス。何が『やはり』なのだ?
「なんのことでしょうか?」
俺は理解が追いつかないとばかりにアデスに説明を求める。
63 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 23:00:20
アデス「この騒動は、isのコアが原因で始まった。」
アデス「特に、『専用機持ち』と呼ばれる人間が最初の発端だった。」
アデス「専用機持ちが一瞬にしてこのような・・・奴らのような姿になってしまったのだ。」
じゃあ、箒やシャルや鈴達もこんな姿に・・・・。
アデス「そして人を襲い始めた。体内から分裂させたコアを何の能力も無い一般人に埋め込み」
アデス「仲間を増やしていった・・・・isでの迎撃は出来ない。コアを持っているからだ。」
アデス「そしてすぐに世界全土で迎撃を行ったが、3年足らずで現在の状況になってしまった。」
アデス「だが、君は違った。男性の専用機持ちだからか理由は分からないが、『奴ら』にならなかった。」
アデス「そこで、篠ノ之束博士は研究を続けた。君が『奴ら』にならない理由を・・・。」
アデス「しかし時間が無かった。もしも君が歳を取り、死んでしまったら研究できない。」
アデス「その為に、君を仮死状態にして・・・コールドスリープさせ、コアの解析に当たった・・・。」
仮死状態、か。頭痛がして、誰かの声が聞こえたのは、仮死状態前の俺の記憶というわけか・・・。
アデス「特に、『専用機持ち』と呼ばれる人間が最初の発端だった。」
アデス「専用機持ちが一瞬にしてこのような・・・奴らのような姿になってしまったのだ。」
じゃあ、箒やシャルや鈴達もこんな姿に・・・・。
アデス「そして人を襲い始めた。体内から分裂させたコアを何の能力も無い一般人に埋め込み」
アデス「仲間を増やしていった・・・・isでの迎撃は出来ない。コアを持っているからだ。」
アデス「そしてすぐに世界全土で迎撃を行ったが、3年足らずで現在の状況になってしまった。」
アデス「だが、君は違った。男性の専用機持ちだからか理由は分からないが、『奴ら』にならなかった。」
アデス「そこで、篠ノ之束博士は研究を続けた。君が『奴ら』にならない理由を・・・。」
アデス「しかし時間が無かった。もしも君が歳を取り、死んでしまったら研究できない。」
アデス「その為に、君を仮死状態にして・・・コールドスリープさせ、コアの解析に当たった・・・。」
仮死状態、か。頭痛がして、誰かの声が聞こえたのは、仮死状態前の俺の記憶というわけか・・・。
65 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 23:10:20
アデス「そして今から半年前。篠ノ之束博士が失踪した・・・。理由は恐らく・・・・。」
アデス「私達は、博士が研究を続けているという孤島へ向かったが、残されたのは君ただひとりだった。」
アデス「そこでisを使用しての奴らの駆除・・・・いや、戦争に協力して欲しい。」
アデス「戦地に赴いてくれとは言わない。ただ検査をしたいだけなのだ。」
先ほどまでの覇気はどこへ行ってしまったのか、アデスは俺に深々と礼をした。
「そこまで頼まれては断る理由もありません。好きに検査して下さい。」
アデス「ありがとう・・・・感謝するよ・・・・・・・。」
その後、俺は髪の毛や口の裏側の皮膚など、好きなだけ検査させてやった・・・・。
それが人類の為ならば・・・そう思っていた・・・・・。
アデス「私達は、博士が研究を続けているという孤島へ向かったが、残されたのは君ただひとりだった。」
アデス「そこでisを使用しての奴らの駆除・・・・いや、戦争に協力して欲しい。」
アデス「戦地に赴いてくれとは言わない。ただ検査をしたいだけなのだ。」
先ほどまでの覇気はどこへ行ってしまったのか、アデスは俺に深々と礼をした。
「そこまで頼まれては断る理由もありません。好きに検査して下さい。」
アデス「ありがとう・・・・感謝するよ・・・・・・・。」
その後、俺は髪の毛や口の裏側の皮膚など、好きなだけ検査させてやった・・・・。
それが人類の為ならば・・・そう思っていた・・・・・。
66 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 23:25:59
半年後、俺はセインと談笑していた・・・・。
昔とはまるで別人のようだ。綺麗な髪を撫でてやる。
ベッドの上でセインが言った。
セイン「ずっと、こうしていたいものだな・・・・。」
「あぁ・・・好きだよ、セイン。・・・・・大好きだ。」
そしてアデスがisの量産に乗り出した。
しかし、パイロットがいないだろう?一体どうするつもりだろうか・・・。
その日は突然やってきた。
兵士「織斑一夏さんですね?」
プロテクターを付けた兵士が俺の部屋に入ってきた。
あくまで冷静に、上から目線では無く話かけられた。
「そうですけど?」
俺は特に警戒する理由も無い。兵士も特に武装している様子も無いからだ。
兵士「左腕にこれを付けてください。絶対に外さないで下さい。セキュリティ解除用の機能が付いています。」
兵士「また、もしそれを外すと・・・射殺される可能性があります。」
何を言っているんだ、この兵士は?それにこの白い腕輪・・・なんだか手錠を付けられるような錯覚を覚え気分が悪い。
「別に構わないけど・・・・。」
ガチャッ 濃厚な音をたてて腕輪は俺の腕にはまった・・・・。
昔とはまるで別人のようだ。綺麗な髪を撫でてやる。
ベッドの上でセインが言った。
セイン「ずっと、こうしていたいものだな・・・・。」
「あぁ・・・好きだよ、セイン。・・・・・大好きだ。」
そしてアデスがisの量産に乗り出した。
しかし、パイロットがいないだろう?一体どうするつもりだろうか・・・。
その日は突然やってきた。
兵士「織斑一夏さんですね?」
プロテクターを付けた兵士が俺の部屋に入ってきた。
あくまで冷静に、上から目線では無く話かけられた。
「そうですけど?」
俺は特に警戒する理由も無い。兵士も特に武装している様子も無いからだ。
兵士「左腕にこれを付けてください。絶対に外さないで下さい。セキュリティ解除用の機能が付いています。」
兵士「また、もしそれを外すと・・・射殺される可能性があります。」
何を言っているんだ、この兵士は?それにこの白い腕輪・・・なんだか手錠を付けられるような錯覚を覚え気分が悪い。
「別に構わないけど・・・・。」
ガチャッ 濃厚な音をたてて腕輪は俺の腕にはまった・・・・。
67 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/02(木) 23:45:36
ステーション 総司令部
アデス「目標はイギリス!イギリスを拠点に南下し、ユーラシア大陸を落とす!」
兵士1「is黒式a装備300機、is黒式b装備400機、輸送船発進完了しました。」
兵士2「突入タイミング合わせ完了、いつでも大気圏突入可能です。」
兵士3「軍事用ssps 50機のレーザー照射可能を確認。問題ありません。」
アデス「よし、全機突入させろ!(これで、世界が変わるのだろうか・・・・)」
パシューッ
「一体何が起こってるんですか?」
アデス「反抗作戦だよ。君の遺伝子情報を使わせて貰った・・・・礼を言う。」
なんだ?この後ろめたさを感じさせる言動・・・・雰囲気・・・・・・
アデス「すまないがここは作戦の司令部なんだ、あまり無下にしたくは無いが自室へ戻ってもらえないか?」
あくまで冷静に・・・・いや、今の発言はひとりの人間としての指示だった。司令としてではない・・・。
アデスの指が震えていたからだ・・・・・。
アデス「目標はイギリス!イギリスを拠点に南下し、ユーラシア大陸を落とす!」
兵士1「is黒式a装備300機、is黒式b装備400機、輸送船発進完了しました。」
兵士2「突入タイミング合わせ完了、いつでも大気圏突入可能です。」
兵士3「軍事用ssps 50機のレーザー照射可能を確認。問題ありません。」
アデス「よし、全機突入させろ!(これで、世界が変わるのだろうか・・・・)」
パシューッ
「一体何が起こってるんですか?」
アデス「反抗作戦だよ。君の遺伝子情報を使わせて貰った・・・・礼を言う。」
なんだ?この後ろめたさを感じさせる言動・・・・雰囲気・・・・・・
アデス「すまないがここは作戦の司令部なんだ、あまり無下にしたくは無いが自室へ戻ってもらえないか?」
あくまで冷静に・・・・いや、今の発言はひとりの人間としての指示だった。司令としてではない・・・。
アデスの指が震えていたからだ・・・・・。
68 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 00:15:46
作戦は順調に進んだ。
a型が近接戦闘、b型がバックアップ・・・・。
エネルギーはsspsから無尽蔵に送られる・・・。
そして世界各地にある宇宙基地から物資が打ち上げられて来る・・・。
ギアナ宇宙センター、バイコヌール宇宙基地、プレセツク宇宙基地・・・・・
そのほとんどがis生産に回される。
ステーションの人間は、ディスプレイにかじりつき、毎日の戦況報告に歓んだ。
「遂にユーラシアを落としたぞ!」
「次はアフリカ大陸と日本だそうだ!」
だが、俺とセインは釈然としなかった。
一体誰がisを操縦している?無人機か?
俺はそれを確かめたかった。セインもそれを確かめたいと言って俺に協力してくれた。
セイン「こことは別に軍事ステーションがある。そこを当たってみてはどうだろう?」
俺達は恐らく禁断の果実に手を出してしまう事になるのかもしれない。
しかし確かめなければ・・・・これは俺の義務だ。
「付きあわせてしまってすまないな、セイン。」
セイン「気にするな。私はお前とずっと一緒だ。」
セインと俺は短いキスをする・・・・
「よし、行くぞ!」
a型が近接戦闘、b型がバックアップ・・・・。
エネルギーはsspsから無尽蔵に送られる・・・。
そして世界各地にある宇宙基地から物資が打ち上げられて来る・・・。
ギアナ宇宙センター、バイコヌール宇宙基地、プレセツク宇宙基地・・・・・
そのほとんどがis生産に回される。
ステーションの人間は、ディスプレイにかじりつき、毎日の戦況報告に歓んだ。
「遂にユーラシアを落としたぞ!」
「次はアフリカ大陸と日本だそうだ!」
だが、俺とセインは釈然としなかった。
一体誰がisを操縦している?無人機か?
俺はそれを確かめたかった。セインもそれを確かめたいと言って俺に協力してくれた。
セイン「こことは別に軍事ステーションがある。そこを当たってみてはどうだろう?」
俺達は恐らく禁断の果実に手を出してしまう事になるのかもしれない。
しかし確かめなければ・・・・これは俺の義務だ。
「付きあわせてしまってすまないな、セイン。」
セイン「気にするな。私はお前とずっと一緒だ。」
セインと俺は短いキスをする・・・・
「よし、行くぞ!」
70 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 00:25:56
俺達は兵士に向かって、少し宇宙旅行をしたいと申し出る。
俺の左腕を確認した兵士はすぐに小型の四角い宇宙船の手配をしてくれた。
娯楽の少ないステーション。男女が1組で宇宙旅行と言えば・・・・そういうことだと思ったのだろう。
セイン「レーダーで監視されているのは確実だ。」
セイン「それを取り外して、このあたりの宙域に放置する。そしてそのまま軍事ステーションへ向かう」
「わかった。取り外しは任せる。俺はステーションとの同期を行う。」
距離を一定に保てば何も疑われることは無いという算段からだった。
セイン「取り外しが完了した。」
「ゆっくり、な。」
あらぬ方向へ向かってしまうと勘付かれる・・・・。
俺の左腕を確認した兵士はすぐに小型の四角い宇宙船の手配をしてくれた。
娯楽の少ないステーション。男女が1組で宇宙旅行と言えば・・・・そういうことだと思ったのだろう。
セイン「レーダーで監視されているのは確実だ。」
セイン「それを取り外して、このあたりの宙域に放置する。そしてそのまま軍事ステーションへ向かう」
「わかった。取り外しは任せる。俺はステーションとの同期を行う。」
距離を一定に保てば何も疑われることは無いという算段からだった。
セイン「取り外しが完了した。」
「ゆっくり、な。」
あらぬ方向へ向かってしまうと勘付かれる・・・・。
71 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 00:35:48
軍事ステーションに到着した。
回転していないため遠心力が無い。銃を使えば後ろに吹き飛ばされる。
その為、セインからスタンガンを渡された。
厳重なロック・・・ロック解除と同時に俺がここにいることは気付かれる。
それなら一気に駆け抜けるのみだ!
1つ目、isの生産工場だ。コアまで量産している!?
50m先、2つ目の扉・・・・開いた・・・・・。
俺達は絶句する。俺が、俺が大量に入る。
まるでカプセルホテルを10段ほどに積み上げたような部屋の両側に俺が大量に寝かされている。
それが300m?400m?目算できない・・・・。いったい何人いるんだ?
セイン「・・・・クローンか。」
哀れむように、呟くセイン。
俺のクローンをisに載せて戦闘させていたのか・・・・。
回転していないため遠心力が無い。銃を使えば後ろに吹き飛ばされる。
その為、セインからスタンガンを渡された。
厳重なロック・・・ロック解除と同時に俺がここにいることは気付かれる。
それなら一気に駆け抜けるのみだ!
1つ目、isの生産工場だ。コアまで量産している!?
50m先、2つ目の扉・・・・開いた・・・・・。
俺達は絶句する。俺が、俺が大量に入る。
まるでカプセルホテルを10段ほどに積み上げたような部屋の両側に俺が大量に寝かされている。
それが300m?400m?目算できない・・・・。いったい何人いるんだ?
セイン「・・・・クローンか。」
哀れむように、呟くセイン。
俺のクローンをisに載せて戦闘させていたのか・・・・。
72 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 00:51:09
兵士「そこまでだ」
俺達の後ろから図太い声が聞こえる兵士は5人。太刀打ちできない。
だがセインは・・・・やる気だ。愛する男を守る為、体を張って助けようというのだろうか。
俺はそんなセインを制止させ、投降する・・・・。
俺達はステーションへ運ばれ、独房に閉じ込められた・・・抵抗しても無駄な足掻きだ・・・・・。
そんな俺達の元にアデスがやってきた。
そして後ろ手に腕を組み話始めた・・・・。
アデス「見せたくは無かった・・・・もし見せたなら君達は罪悪感に駆られて何をするか分からなかったからだ。」
静かな口調で話し始めるアデス、俺は黙って話を聞くことにした。セインも、同じ態度だ。
アデス「だがこれだけは信じて欲しい。我々は地球を取り戻す為に戦っているということを・・・・」
アデス「もし私を恨むのなら恨んでくれて構わない。それ相応の罰を受ける必要が私にはある。」
「言い逃れだな。」
俺の一言に少し眉を顰めるアデス。しかし、そんなことは気にもしないという態度でまた話し始める。
アデス「もし地球奪還作戦が完了すれば、君達を自由にしよう。これは約束する。」
信用できるか?この男の言葉を・・・・不必要になった俺達を自由にするという事は、
危険因子を野放しにするということと同義。戦争が終わり次第、恐らく銃殺。
今は研究の必要がある為に生かされているに過ぎないだろう・・・・。
俺達の後ろから図太い声が聞こえる兵士は5人。太刀打ちできない。
だがセインは・・・・やる気だ。愛する男を守る為、体を張って助けようというのだろうか。
俺はそんなセインを制止させ、投降する・・・・。
俺達はステーションへ運ばれ、独房に閉じ込められた・・・抵抗しても無駄な足掻きだ・・・・・。
そんな俺達の元にアデスがやってきた。
そして後ろ手に腕を組み話始めた・・・・。
アデス「見せたくは無かった・・・・もし見せたなら君達は罪悪感に駆られて何をするか分からなかったからだ。」
静かな口調で話し始めるアデス、俺は黙って話を聞くことにした。セインも、同じ態度だ。
アデス「だがこれだけは信じて欲しい。我々は地球を取り戻す為に戦っているということを・・・・」
アデス「もし私を恨むのなら恨んでくれて構わない。それ相応の罰を受ける必要が私にはある。」
「言い逃れだな。」
俺の一言に少し眉を顰めるアデス。しかし、そんなことは気にもしないという態度でまた話し始める。
アデス「もし地球奪還作戦が完了すれば、君達を自由にしよう。これは約束する。」
信用できるか?この男の言葉を・・・・不必要になった俺達を自由にするという事は、
危険因子を野放しにするということと同義。戦争が終わり次第、恐らく銃殺。
今は研究の必要がある為に生かされているに過ぎないだろう・・・・。
73 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 01:06:33
そういい残しアデスは独房フロアから出て行った。
そして、ご丁寧に戦況報告が分かるように独房にはディスプレイがあった。
まるで死へのカウントダウンだな。
セイン「既に投入されたisは1万機を超えてる・・・・。」
哀れだ。哀れすぎる。俺のクローンが1万人、今も生きるか死ぬかの瀬戸際で戦っている。
恐らく感情の部分はシャットダウンしているのだろう・・・・。
使いやすいような、道具として、駒として、使い捨てとして・・・・・。
既にアフリカは奪還。日本、東南アジア、オーストラリアも奪還した。
残るは北アメリカ大陸と南アメリカ大陸・・・・・・。
『北アメリカ大陸は広大な土地の為、さらに戦力の増強が・・・・・』
まだ・・・・まだ、isを投入するのか!?
『isを2000機ワシントンへ宇宙より投入。また、ヨーロッパから海域を経由し、8000機が・・・・』
セイン「もう・・・・聞いてられない。」
セインが消えてしまいそうなほど小さな声で呟いた・・・・。
そして、ご丁寧に戦況報告が分かるように独房にはディスプレイがあった。
まるで死へのカウントダウンだな。
セイン「既に投入されたisは1万機を超えてる・・・・。」
哀れだ。哀れすぎる。俺のクローンが1万人、今も生きるか死ぬかの瀬戸際で戦っている。
恐らく感情の部分はシャットダウンしているのだろう・・・・。
使いやすいような、道具として、駒として、使い捨てとして・・・・・。
既にアフリカは奪還。日本、東南アジア、オーストラリアも奪還した。
残るは北アメリカ大陸と南アメリカ大陸・・・・・・。
『北アメリカ大陸は広大な土地の為、さらに戦力の増強が・・・・・』
まだ・・・・まだ、isを投入するのか!?
『isを2000機ワシントンへ宇宙より投入。また、ヨーロッパから海域を経由し、8000機が・・・・』
セイン「もう・・・・聞いてられない。」
セインが消えてしまいそうなほど小さな声で呟いた・・・・。
74 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 01:19:08
それから1ヶ月半が過ぎた・・・・。
『遂に、遂に地球を我々人類が再び手に入れました!』
興奮気味に話すレポーター。
独房フロアまで聞こえる歓喜の声・・・・。
俺達は2万を超えた俺のクローンたちのことでとても憂鬱な気分になっていた・・・・。
さぁ、銃殺が待っているだろう。もう俺は用済みだ。
『ようずみ?』
「誰だ!?今、俺に声をかけたのは、誰だ!」
俺は周りを見渡す。誰もいない・・・セインが俺を宥める・・・。
セイン「どうした?私以外誰もいないし、声は聞こえなかったぞ?」
心配そうに俺を両腕で抱えてくれるセイン・・・・確かに聞こえたはずだった・・・・・・
『もう、用済みなのか?』
次ははっきり聞こえた。用済み?そうだ、俺はもう用済みだ。
『じゃあ俺達も用済みなのか?』
俺達?お前は誰だ?
『遂に、遂に地球を我々人類が再び手に入れました!』
興奮気味に話すレポーター。
独房フロアまで聞こえる歓喜の声・・・・。
俺達は2万を超えた俺のクローンたちのことでとても憂鬱な気分になっていた・・・・。
さぁ、銃殺が待っているだろう。もう俺は用済みだ。
『ようずみ?』
「誰だ!?今、俺に声をかけたのは、誰だ!」
俺は周りを見渡す。誰もいない・・・セインが俺を宥める・・・。
セイン「どうした?私以外誰もいないし、声は聞こえなかったぞ?」
心配そうに俺を両腕で抱えてくれるセイン・・・・確かに聞こえたはずだった・・・・・・
『もう、用済みなのか?』
次ははっきり聞こえた。用済み?そうだ、俺はもう用済みだ。
『じゃあ俺達も用済みなのか?』
俺達?お前は誰だ?
75 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 01:24:56
『俺達はお前だよ、織斑一夏』
コアを介して俺と会話しているのか・・・・?
そうか、『お前達』とは俺のクローン達のことか。
『そうだよ。なぁ、俺達も用済みなのか?殺されるのか?』
分からない。ちょっと待っていろ、直接本人に聞いて見る・・・・。
カチャッ
兵士『こちら司令室』
「織斑一夏だ、大事な話がある。アデス司令と変わってくれ。」
兵士『・・・・わかりました。』
アデス『どうした?飯が不味かったかな?』
「大事な話だ。電話でもいいが、できれば直接聞きたい。」
アデス『わかった。今から行く。』
コアを介して俺と会話しているのか・・・・?
そうか、『お前達』とは俺のクローン達のことか。
『そうだよ。なぁ、俺達も用済みなのか?殺されるのか?』
分からない。ちょっと待っていろ、直接本人に聞いて見る・・・・。
カチャッ
兵士『こちら司令室』
「織斑一夏だ、大事な話がある。アデス司令と変わってくれ。」
兵士『・・・・わかりました。』
アデス『どうした?飯が不味かったかな?』
「大事な話だ。電話でもいいが、できれば直接聞きたい。」
アデス『わかった。今から行く。』
76 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 01:37:23
アデス「で、私に何のようかな?」
完全に上から目線・・・・俺を殺す気だ。
「ひとつ聞きたい。2万もの俺のクローンをどうするつもりだ?」
俺はストレートに聞く。言い逃れはさせない為に!
アデス「・・・・非常に危険な因子だ。排除する必要がある。」
アデス「そうだな・・・一箇所に集めて銃殺、と言ったところだ。」
淡々と事務仕事でもするかのように話をするアデス。俺はあくまで冷静に答える。
「そうか、分かった。あんたの腹積もりもな・・・・。」
アデス「何のことだ?」
あくまで白を切り通すらしい・・・。
「アデス、お前の考えはお見通しだと言っている。地球奪還作戦の司令官、英雄だ。」
「さぞや居心地の良い地位を手に入れられるだろうな。2万ものクローンを利用してまで・・・・」
アデス「ははははは、ジョークのセンスは中々良いな、織斑一夏君。まぁ、今後を楽しみにしていなさい」
そう言うとアデスは立ち去っていった。だが俺は見過ごさなかった。
思い切り右手を握り締めて、理性を保つように自分を律していた奴の行動を・・・・。
完全に上から目線・・・・俺を殺す気だ。
「ひとつ聞きたい。2万もの俺のクローンをどうするつもりだ?」
俺はストレートに聞く。言い逃れはさせない為に!
アデス「・・・・非常に危険な因子だ。排除する必要がある。」
アデス「そうだな・・・一箇所に集めて銃殺、と言ったところだ。」
淡々と事務仕事でもするかのように話をするアデス。俺はあくまで冷静に答える。
「そうか、分かった。あんたの腹積もりもな・・・・。」
アデス「何のことだ?」
あくまで白を切り通すらしい・・・。
「アデス、お前の考えはお見通しだと言っている。地球奪還作戦の司令官、英雄だ。」
「さぞや居心地の良い地位を手に入れられるだろうな。2万ものクローンを利用してまで・・・・」
アデス「ははははは、ジョークのセンスは中々良いな、織斑一夏君。まぁ、今後を楽しみにしていなさい」
そう言うとアデスは立ち去っていった。だが俺は見過ごさなかった。
思い切り右手を握り締めて、理性を保つように自分を律していた奴の行動を・・・・。
77 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 01:50:02
っというわけだ。奴らはお前達を・・・俺を殺すだろう。
所詮は使い捨ての駒だったということだ・・・・。
『どうする?俺達はお前の強い感情が、コアを通して伝わってきている。それで感情が芽生えた』
脱出するさ。こんな所で死ぬのは御免だ。
『怒りの感情だ・・・俺達ももう自分を抑えるのが限界らしい・・・・・・』
そうか、好きにすればいい。お前達は俺では無いんだから。それは事実だ。
『分かった。早く地球に逃げろ。じゃあな。』
それはどういう意味だ?おい、答えろ!
何か、変な胸騒ぎがする・・・コアを伝って怒りの感情か・・・・・?
セイン「一夏、大丈夫か?ずっと俯いていたが・・・・。」
「大丈夫だ、それよりもセイン。ここを脱出して地球へ行く。」
俺はセインの目を見つめて真剣に話す。
セイン「しかしどうやってここを・・・・」
俺はガントレットをおもちゃを手に入れた無邪気な子供のように揺らす。
セイン「し、しかし見つかれば銃殺だ!」
最もだ。だが今は俺を信じて貰う以外に無い・・・コアを通して伝わる感情、尋常では無い。
所詮は使い捨ての駒だったということだ・・・・。
『どうする?俺達はお前の強い感情が、コアを通して伝わってきている。それで感情が芽生えた』
脱出するさ。こんな所で死ぬのは御免だ。
『怒りの感情だ・・・俺達ももう自分を抑えるのが限界らしい・・・・・・』
そうか、好きにすればいい。お前達は俺では無いんだから。それは事実だ。
『分かった。早く地球に逃げろ。じゃあな。』
それはどういう意味だ?おい、答えろ!
何か、変な胸騒ぎがする・・・コアを伝って怒りの感情か・・・・・?
セイン「一夏、大丈夫か?ずっと俯いていたが・・・・。」
「大丈夫だ、それよりもセイン。ここを脱出して地球へ行く。」
俺はセインの目を見つめて真剣に話す。
セイン「しかしどうやってここを・・・・」
俺はガントレットをおもちゃを手に入れた無邪気な子供のように揺らす。
セイン「し、しかし見つかれば銃殺だ!」
最もだ。だが今は俺を信じて貰う以外に無い・・・コアを通して伝わる感情、尋常では無い。
78 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 02:05:07
どんどん怒りの感情が近づいてくる・・・・
あいつら、何を仕出かすつもりだ?
とりあえず今は脱出だ。
「来い、白式!」
セインを抱え、俺はブーストを吐き出しながら廊下を突っ切る!
「どけぇぇえええええ!!」
それに気付いた兵士が発砲してくるがisに通常弾が効く訳が無いだろうが。
俺達はシャトル発射口に付いた。小型の大気圏突入用の機体。
俺は兵士を引き付けながらシャトル発射口のボタンを探しだし、押し込む。
一気に気圧が低下し、兵士数十名が宇宙に放り出された。
俺はブーストを掛けながら気圧低下が落ち着くのを待ち、isを解除してシャトルに乗り込む。
セインは俺の搭乗を確認すると、すぐに発進した。俺は壁に激突して背中を痛めてしまった。
「ははは、館山の件を思い出すな」
などと冗談を飛ばして余裕を見せてみるが、外の景色を見て俺は唖然とした。
大気圏脱出用のまみれじゃないか!
あいつら、何を仕出かすつもりだ?
とりあえず今は脱出だ。
「来い、白式!」
セインを抱え、俺はブーストを吐き出しながら廊下を突っ切る!
「どけぇぇえええええ!!」
それに気付いた兵士が発砲してくるがisに通常弾が効く訳が無いだろうが。
俺達はシャトル発射口に付いた。小型の大気圏突入用の機体。
俺は兵士を引き付けながらシャトル発射口のボタンを探しだし、押し込む。
一気に気圧が低下し、兵士数十名が宇宙に放り出された。
俺はブーストを掛けながら気圧低下が落ち着くのを待ち、isを解除してシャトルに乗り込む。
セインは俺の搭乗を確認すると、すぐに発進した。俺は壁に激突して背中を痛めてしまった。
「ははは、館山の件を思い出すな」
などと冗談を飛ばして余裕を見せてみるが、外の景色を見て俺は唖然とした。
大気圏脱出用のまみれじゃないか!
79 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 02:28:59
中に乗っているのは、俺のクローン達だ・・・・
いったい何をするつもりだ?
ステーションは、司令室のある居住ステーションと軍事ステーション、
他に医療ステーションと送電ステーションがあるが・・・。
多数のシャトルが・・・・全てのステーションへ向けて突入した。
中には特攻をかけて自爆するものまでいる・・・・。
地球の資源を使っての輸送用のシャトルが2万人分あるはずだ・・・。
ssps用の太陽光パネルにまで特攻をかける者が出始める・・・・
宇宙は一瞬にしてデブリまみれになった・・・・。
居住区内では一方的な虐殺が行われているのだろう・・・・。
そして各ステーションは秒速8kmで自転する地球に、少しずつ吸い寄せられていく・・・・・。
これが、あいつらの出した答えなのか・・・・・。
2万人を乗せた多数のシャトルを避けるセイン。
さすが訓練されているだけのことはある・・・・。そして大気圏内に突入した・・・・・。
いったい何をするつもりだ?
ステーションは、司令室のある居住ステーションと軍事ステーション、
他に医療ステーションと送電ステーションがあるが・・・。
多数のシャトルが・・・・全てのステーションへ向けて突入した。
中には特攻をかけて自爆するものまでいる・・・・。
地球の資源を使っての輸送用のシャトルが2万人分あるはずだ・・・。
ssps用の太陽光パネルにまで特攻をかける者が出始める・・・・
宇宙は一瞬にしてデブリまみれになった・・・・。
居住区内では一方的な虐殺が行われているのだろう・・・・。
そして各ステーションは秒速8kmで自転する地球に、少しずつ吸い寄せられていく・・・・・。
これが、あいつらの出した答えなのか・・・・・。
2万人を乗せた多数のシャトルを避けるセイン。
さすが訓練されているだけのことはある・・・・。そして大気圏内に突入した・・・・・。
80 : ◆v98fbZZkx. :2012/02/03(金) 02:55:57
地球だ。地球に帰ってきた。
後は自動操縦モードに切り替える。
現在地は・・・・東南アジアか。シャトルの方角は北東。
「お疲れ様、セイン。」
俺はセインの頭を抱き寄せて
セイン「しかし、よくわかったな。この騒動が起こることを・・・・」
俺に抱きつきながら、俺の胸から顔をむずむずと出してひょこりと俺を見つめるセイン。
「教えてくれたんだよ。みんなが・・・・・」
俺はそう言って、大気圏で空中分解するステーションを見上げた。
「どこへ行こうか?やっぱりハワイでバカンスか?」
少し冗談を言って、重たい空気を変えようとしたが、結構まともな返事が返ってきた。
セイン「遠すぎる。鹿児島空港で我慢しろ。」
そう言うとまた俺の胸に顔を埋めて擦り付けてくるセイン。
「そうだな、ゆっくりしよう・・・・・」
俺はそう言って、左腕に付いた輪を取り外し放り投げた・・・・。
e n d
後は自動操縦モードに切り替える。
現在地は・・・・東南アジアか。シャトルの方角は北東。
「お疲れ様、セイン。」
俺はセインの頭を抱き寄せて
セイン「しかし、よくわかったな。この騒動が起こることを・・・・」
俺に抱きつきながら、俺の胸から顔をむずむずと出してひょこりと俺を見つめるセイン。
「教えてくれたんだよ。みんなが・・・・・」
俺はそう言って、大気圏で空中分解するステーションを見上げた。
「どこへ行こうか?やっぱりハワイでバカンスか?」
少し冗談を言って、重たい空気を変えようとしたが、結構まともな返事が返ってきた。
セイン「遠すぎる。鹿児島空港で我慢しろ。」
そう言うとまた俺の胸に顔を埋めて擦り付けてくるセイン。
「そうだな、ゆっくりしよう・・・・・」
俺はそう言って、左腕に付いた輪を取り外し放り投げた・・・・。
e n d
81 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/02/03(金) 03:14:07
なんだと…乙乙
設定の元ネタみたいなのはあるの?
設定の元ネタみたいなのはあるの?
83 :以下、名無しが深夜にお送りします :2012/02/03(金) 09:08:43
乙
isである意味はあまりなかったような
isである意味はあまりなかったような
掲載元:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1328108968/
Entry ⇒ 2016.02.28 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
戒斗「赤と青の?」一夏「ヒッサーツ!マキシマムドライブ!」
1: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:28:15.76 ID:6FZEP2uuo
IS<インフィニット・ストラトス>と仮面ライダー鎧武のクロスSS。今回はお祭りMOVIE大戦になります。
舞台は『IS学園と沢芽市』と『風都』。元ネタは……えーっと。
『平成対昭和』と『バトライド・ウォー2』……?
IS原作1巻(アニメ1~4話)の話は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スカッシュ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419961833/
IS原作2巻(アニメ5~8話)の話は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・オーレ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420913661/
IS原作3巻(アニメ8~12話)の話にして本編完結編は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スパーキング!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422595570/
舞台は『IS学園と沢芽市』と『風都』。元ネタは……えーっと。
『平成対昭和』と『バトライド・ウォー2』……?
IS原作1巻(アニメ1~4話)の話は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スカッシュ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419961833/
IS原作2巻(アニメ5~8話)の話は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・オーレ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420913661/
IS原作3巻(アニメ8~12話)の話にして本編完結編は↓
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スパーキング!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422595570/
2: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:29:03.46 ID:6FZEP2uuo
前スレにも書きましたが、まだ本編出来てないんですが(前スレがそろそろ落ちそうなので)誘導用に建てました。カンコレノイベントニハカテナカッタヨ……
というわけで今日の投下は序幕だけ。本編は、土日になると思います。
というわけで今日の投下は序幕だけ。本編は、土日になると思います。
3: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:34:27.27 ID:6FZEP2uuo
■序幕「不屈の男達」
<沢芽市・ユグドラシルタワー跡地・隠された地下室>
「プロジェクト・アークは戦極ドライバーを生みだした」
「なら、戦極ドライバーとは何だったのか?」
「それは――人類がヘルヘイムと共生するための手段だった」
「しかし」
「ヘイヘイムと共生するための手段は、戦極ドライバーだけではない」
「例えば――メガヘクス」
「五十年前の侵略者の姿もまた、人類の可能性の一つだった」
「人類は研究していた」
「動植物を侵食するヘルヘイムと共生すべく、機械になるための研究をしていた」
「具体的に言えば……」
「全人類のデータ化だ」
「人類の『意識』をデータにして、電子上にアップロードする。身体が必要になった時には、機械の身体を用意して『意識』をダウンロードする」
「……」
「そう」
「この五十年の『私』の姿だ」
「……」
「プロジェクト・アークは人類が生き残るためのあらゆる手段を研究していた」
「だから」
「プロジェクト・アークの遺産を得ている『私』は、生き残るためのあらゆる手段を得ている」
<沢芽市・ユグドラシルタワー跡地・隠された地下室>
「プロジェクト・アークは戦極ドライバーを生みだした」
「なら、戦極ドライバーとは何だったのか?」
「それは――人類がヘルヘイムと共生するための手段だった」
「しかし」
「ヘイヘイムと共生するための手段は、戦極ドライバーだけではない」
「例えば――メガヘクス」
「五十年前の侵略者の姿もまた、人類の可能性の一つだった」
「人類は研究していた」
「動植物を侵食するヘルヘイムと共生すべく、機械になるための研究をしていた」
「具体的に言えば……」
「全人類のデータ化だ」
「人類の『意識』をデータにして、電子上にアップロードする。身体が必要になった時には、機械の身体を用意して『意識』をダウンロードする」
「……」
「そう」
「この五十年の『私』の姿だ」
「……」
「プロジェクト・アークは人類が生き残るためのあらゆる手段を研究していた」
「だから」
「プロジェクト・アークの遺産を得ている『私』は、生き残るためのあらゆる手段を得ている」
4: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:37:05.91 ID:6FZEP2uuo
「さて」
「機械になることでヘルヘイムと共生する」
「この手段は、人間のデータ化以外にもう一つのアプローチが研究されていた」
「そのアプローチはコストの問題でプロジェクト・アークには本採用されなかったが、基本理論は別のプロジェクトに転用された」
「それは――人間をアンドロイドにする研究」
「最終テストを『私』に託したのは、基本理論の構築に関わっていたからだろうねえ。フフッ」
「……」
「そう」
「ARKプロジェクトは、人間の脳を機械に移植する研究を完成させていたんだ」
「それが、今の『私』だ」
「ハッ! ハハッ! ハハハハハハハハハハッ!」
「『私』が何をするのか?」
「破壊だ」
「そう言いたいところだが……」
「……」
「『強くてニューゲーム』だ」
「機械になることでヘルヘイムと共生する」
「この手段は、人間のデータ化以外にもう一つのアプローチが研究されていた」
「そのアプローチはコストの問題でプロジェクト・アークには本採用されなかったが、基本理論は別のプロジェクトに転用された」
「それは――人間をアンドロイドにする研究」
「最終テストを『私』に託したのは、基本理論の構築に関わっていたからだろうねえ。フフッ」
「……」
「そう」
「ARKプロジェクトは、人間の脳を機械に移植する研究を完成させていたんだ」
「それが、今の『私』だ」
「ハッ! ハハッ! ハハハハハハハハハハッ!」
「『私』が何をするのか?」
「破壊だ」
「そう言いたいところだが……」
「……」
「『強くてニューゲーム』だ」
5: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:40:05.04 ID:6FZEP2uuo
<風都・とある男が“風になった”場所>
――『男』は、黄昏の風を感じていた。
「風都……。やっぱり、いい風が吹くなぁ……」
「仮面ライダーが守ってくれた風だ……」
――『その場所』に、『怪人』が現れた。
「君は仮面ライダーを知っているのかい?」
「ああ。よく知っているよ。仮面ライダーは……」
――『男』は、口元に微笑をにじませていた。
「一輪の花を守る者、さ」
――『怪人』は、『男』の返答に頷いた。
「なるほど。君は本当に仮面ライダーをよく知っているようだ」
「すまないが、私はそろそろ行くよ。仮面ライダーに伝えることがあるんだ」
――『男』はその場所を後にした。
「……ふむ」
――『怪人』は、両腕を振り上げて喜びを表現する。
「良き出会いだった! 幸先の良さを感じさせる!」
「きっと、良い映画が作れるだろう」
――『怪人』もまた、その場所を後にした。
―― 戒斗「IS学園?」MOVIE大戦! ――
―― 戒斗「赤と青の?」一夏「ヒッサーツ!マキシマムドライブ!」!! ――
――『男』は、黄昏の風を感じていた。
「風都……。やっぱり、いい風が吹くなぁ……」
「仮面ライダーが守ってくれた風だ……」
――『その場所』に、『怪人』が現れた。
「君は仮面ライダーを知っているのかい?」
「ああ。よく知っているよ。仮面ライダーは……」
――『男』は、口元に微笑をにじませていた。
「一輪の花を守る者、さ」
――『怪人』は、『男』の返答に頷いた。
「なるほど。君は本当に仮面ライダーをよく知っているようだ」
「すまないが、私はそろそろ行くよ。仮面ライダーに伝えることがあるんだ」
――『男』はその場所を後にした。
「……ふむ」
――『怪人』は、両腕を振り上げて喜びを表現する。
「良き出会いだった! 幸先の良さを感じさせる!」
「きっと、良い映画が作れるだろう」
――『怪人』もまた、その場所を後にした。
―― 戒斗「IS学園?」MOVIE大戦! ――
―― 戒斗「赤と青の?」一夏「ヒッサーツ!マキシマムドライブ!」!! ――
7: ◆n.O102o4Y2 2015/02/10(火) 22:41:24.40 ID:6FZEP2uuo
以上になります。
今回は『《仮面ライダーバロン》編』と『風都編』、そして『MOVIE大戦編』の3パートになります。
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
今回は『《仮面ライダーバロン》編』と『風都編』、そして『MOVIE大戦編』の3パートになります。
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
27: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:15:30.83 ID:p1njQBDjo
■《仮面ライダーバロン》編-本当の強者はなにをするのか?-■
■序幕「駆紋戒斗の後継者」
<某所>
――『弱さや痛みしか与えない世界! 強くなるしか他になかった世界を、俺は憎んだ!』
――『俺は力を手に入れた。この力を使って、古い世界を破壊する』
――『今の人間では決して実現できない世界を、俺が、この手で造り上げる』
――『誰かを虐げるためだけの力を求めない。そんな新しい命で、この星を満たす!』
「駆紋戒斗は、優しすぎたから大魔王になった。『私』は、そう解釈している」
「駆紋戒斗は、強者に踏みにじられる弱者の痛みを知っていた……」
「誰も、その痛みを味わうことのない世界を作る方法を探していた」
「…………」
「駆紋戒斗の主張に、『私』は共感を覚える」
「今の世界では『弱者が踏みにじられない世界』を実現できない! だから、全て『破壊』して、『夢』を実現できる『新しい世界』を作る!!」
「……」
「破壊的な、素晴らしい発想だ」
「『私』も、見習いたい」
■序幕「駆紋戒斗の後継者」
<某所>
――『弱さや痛みしか与えない世界! 強くなるしか他になかった世界を、俺は憎んだ!』
――『俺は力を手に入れた。この力を使って、古い世界を破壊する』
――『今の人間では決して実現できない世界を、俺が、この手で造り上げる』
――『誰かを虐げるためだけの力を求めない。そんな新しい命で、この星を満たす!』
「駆紋戒斗は、優しすぎたから大魔王になった。『私』は、そう解釈している」
「駆紋戒斗は、強者に踏みにじられる弱者の痛みを知っていた……」
「誰も、その痛みを味わうことのない世界を作る方法を探していた」
「…………」
「駆紋戒斗の主張に、『私』は共感を覚える」
「今の世界では『弱者が踏みにじられない世界』を実現できない! だから、全て『破壊』して、『夢』を実現できる『新しい世界』を作る!!」
「……」
「破壊的な、素晴らしい発想だ」
「『私』も、見習いたい」
28: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:16:48.08 ID:p1njQBDjo
<夏休み初日・学生寮・1025室>
一夏(強くなりたかった)
一夏(強くなりたいって、ずっと、思ってた)
一夏(……)
一夏(小学校五年生の、あの日。……銃を押し付けられて、車に押し込まれた)
一夏(誘拐されたんだ)
一夏(怖かった……)
一夏(弱者は、強者に一方的に踏みにじられる)
一夏(あの事件が、俺にその残酷な事実を刻んだ)
一夏(……)
一夏(だから……)
一夏(強くなって、守ろうと思ったんだ)
一夏(もう、誰もあんな怖い目にはあわせない)
一夏(心ない強者に、弱者を踏みにじらせやしない)
一夏(俺がみんなを守るんだ、って)
一夏(……)
一夏(俺は……)
一夏(俺は、仮面ライダーになった)
一夏(俺には、みんなを守るために戦うための力がある)
一夏(でも)
一夏(…………)
一夏(俺の戦いは終わりが無い)
一夏(世界にはどれだけの人間がいる?)
一夏(世界にはどれだけの、心無い強者がいる?)
一夏(誰を倒せばいい? 何人倒せばいい?)
一夏(俺の戦いは……)
一夏(世界を壊しでもしなければ、終わらない)
――バナナロックシードと、ドライブロックシード。
――託された二人のヒーローの『魂』を、すがるように握り締める。
一夏「……」
一夏「俺に力があるうちは、俺が戦えばいい」
一夏「けど……」
一夏「俺は、この世界の最後の仮面ライダーだ」
一夏「俺が戦う力をなくしたら、誰がみんなを守るんだ……」
一夏(強くなりたかった)
一夏(強くなりたいって、ずっと、思ってた)
一夏(……)
一夏(小学校五年生の、あの日。……銃を押し付けられて、車に押し込まれた)
一夏(誘拐されたんだ)
一夏(怖かった……)
一夏(弱者は、強者に一方的に踏みにじられる)
一夏(あの事件が、俺にその残酷な事実を刻んだ)
一夏(……)
一夏(だから……)
一夏(強くなって、守ろうと思ったんだ)
一夏(もう、誰もあんな怖い目にはあわせない)
一夏(心ない強者に、弱者を踏みにじらせやしない)
一夏(俺がみんなを守るんだ、って)
一夏(……)
一夏(俺は……)
一夏(俺は、仮面ライダーになった)
一夏(俺には、みんなを守るために戦うための力がある)
一夏(でも)
一夏(…………)
一夏(俺の戦いは終わりが無い)
一夏(世界にはどれだけの人間がいる?)
一夏(世界にはどれだけの、心無い強者がいる?)
一夏(誰を倒せばいい? 何人倒せばいい?)
一夏(俺の戦いは……)
一夏(世界を壊しでもしなければ、終わらない)
――バナナロックシードと、ドライブロックシード。
――託された二人のヒーローの『魂』を、すがるように握り締める。
一夏「……」
一夏「俺に力があるうちは、俺が戦えばいい」
一夏「けど……」
一夏「俺は、この世界の最後の仮面ライダーだ」
一夏「俺が戦う力をなくしたら、誰がみんなを守るんだ……」
29: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:17:49.54 ID:p1njQBDjo
■第一幕「嵐を控えた世界」
<太平洋・海上>
――海中を突き進む《ブルー・ティアーズ》の姿があった。
セシリア(必ず見つけ出してみせますわ)
セシリア(……)
セシリア(諦めませんとも、ええ)
セシリア(あの方を“戒斗さん”とお呼びした日から、覚悟を決めていましたから)
<太平洋・海上>
――海中を突き進む《ブルー・ティアーズ》の姿があった。
セシリア(必ず見つけ出してみせますわ)
セシリア(……)
セシリア(諦めませんとも、ええ)
セシリア(あの方を“戒斗さん”とお呼びした日から、覚悟を決めていましたから)
30: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:18:42.86 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・ショッピングモール>
箒「みんな笑っているな」
――駅前の活気に、さみしげな呟きが落とされた。
箒(戒斗がいなくなってから、二週間)
箒(あれほど大きな事件があったというのに、日本は相変わらずのんびりとしている)
箒(その不変は……)
箒(まるで、私達の友達の死なんてなかったかのようで……)
箒(少し、やり切れなくなる)
箒(……)
箒「――うわ!?」
――箒の背中が、バシン! と勢いよく叩かれていた。
鈴「たそがれるには早いわよ、まだお昼前じゃない。ほら、クレープ」
箒「あ、ありがとう……」
――二人はクレープを頬張った。
鈴「誇らしいわよね」
箒「何がだ……?」
鈴「街のみんなの笑顔よ。これは、あたし達が勝ちとった未来なんだから」
箒「あ……」
鈴「ふふん!」
――鈴は、街頭の広告を指さした。
――化粧品のポスターだ。
――モデルは英国の代表候補生、セシリア・オルコット。
――鈴は、さらに別の広告を指し示す。
――サーフボードのポスターには、鈴が写っていた。
鈴「たぶん、ああいうのは無くなっていくわ」
箒「みんな笑っているな」
――駅前の活気に、さみしげな呟きが落とされた。
箒(戒斗がいなくなってから、二週間)
箒(あれほど大きな事件があったというのに、日本は相変わらずのんびりとしている)
箒(その不変は……)
箒(まるで、私達の友達の死なんてなかったかのようで……)
箒(少し、やり切れなくなる)
箒(……)
箒「――うわ!?」
――箒の背中が、バシン! と勢いよく叩かれていた。
鈴「たそがれるには早いわよ、まだお昼前じゃない。ほら、クレープ」
箒「あ、ありがとう……」
――二人はクレープを頬張った。
鈴「誇らしいわよね」
箒「何がだ……?」
鈴「街のみんなの笑顔よ。これは、あたし達が勝ちとった未来なんだから」
箒「あ……」
鈴「ふふん!」
――鈴は、街頭の広告を指さした。
――化粧品のポスターだ。
――モデルは英国の代表候補生、セシリア・オルコット。
――鈴は、さらに別の広告を指し示す。
――サーフボードのポスターには、鈴が写っていた。
鈴「たぶん、ああいうのは無くなっていくわ」
31: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:19:27.90 ID:p1njQBDjo
鈴「ISの価値も、IS操縦者の価値も、変わったもの」
鈴「たぶん……。もう少ししたら、世界は大きく変わると思う」
鈴「でも。そんなの、どうでもいいじゃない」
――鈴は大きく腕を広げる。
鈴「大事なのは、こっちよ」
――鈴の後ろには、街の人々がいた。
鈴「ね?」
箒「ああ、そうだな」
鈴「ふふっ」
鈴「それじゃ、行きましょ。今日はめいっぱい遊んで、明日から思いっきり戦うんだから!」
箒「ああ!」
箒「この夏の間に、一夏の笑顔を取り戻すんだ」
鈴「そのためには、まずはあたし達が笑わないとね!」
――鈴はクレープの残りを飲み込んだ。
鈴「で! まずはどこに行く?」
箒「実は……」
鈴「うん?」
箒「その、ブラのサイズが合わなくなってきていて……」
鈴「……」
――鈴は視線を落とした。
――変えようのない現実が、そこにあった。
鈴「……」
鈴「あたし、もう笑えないよ……」
箒「鈴!?」
鈴「たぶん……。もう少ししたら、世界は大きく変わると思う」
鈴「でも。そんなの、どうでもいいじゃない」
――鈴は大きく腕を広げる。
鈴「大事なのは、こっちよ」
――鈴の後ろには、街の人々がいた。
鈴「ね?」
箒「ああ、そうだな」
鈴「ふふっ」
鈴「それじゃ、行きましょ。今日はめいっぱい遊んで、明日から思いっきり戦うんだから!」
箒「ああ!」
箒「この夏の間に、一夏の笑顔を取り戻すんだ」
鈴「そのためには、まずはあたし達が笑わないとね!」
――鈴はクレープの残りを飲み込んだ。
鈴「で! まずはどこに行く?」
箒「実は……」
鈴「うん?」
箒「その、ブラのサイズが合わなくなってきていて……」
鈴「……」
――鈴は視線を落とした。
――変えようのない現実が、そこにあった。
鈴「……」
鈴「あたし、もう笑えないよ……」
箒「鈴!?」
32: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:20:52.48 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・海岸>
――花畑が広がっていた。
千冬「来たか」
一夏「どうしたんだよ、千冬姉。こんなところに呼び出して」
千冬「……」
――千冬は、花畑に視線を送った。
千冬「ここには、夢がある」
一夏「夢……?」
千冬「ああ。この花畑こそ、最初の仮面ライダーが見た夢だ」
一夏「?」
千冬「じいさんから聞いた話だ」
一夏「じいちゃんから……?」
千冬「五十年前。この海岸には、花畑なんてなかった」
千冬「一輪の花が、ひっそりと咲いているだけだった」
一夏「一輪の花……」
――海岸の花畑は、美しく咲き乱れていた。
――その始まりが一輪の花であったなどと、誰が想像できるだろうか。
千冬「かつて、大きな戦いがあった」
千冬「その戦いの最中、とある男が我が身を盾にして一輪の花を守った」
千冬「最初の仮面ライダーは、その一輪の花を守った男を仮面ライダーと認めた」
一夏「……」
千冬「何故だか分かるか?」
――千冬は、その強い眼差しを一夏に向ける。
一夏「……分からない」
――花畑が広がっていた。
千冬「来たか」
一夏「どうしたんだよ、千冬姉。こんなところに呼び出して」
千冬「……」
――千冬は、花畑に視線を送った。
千冬「ここには、夢がある」
一夏「夢……?」
千冬「ああ。この花畑こそ、最初の仮面ライダーが見た夢だ」
一夏「?」
千冬「じいさんから聞いた話だ」
一夏「じいちゃんから……?」
千冬「五十年前。この海岸には、花畑なんてなかった」
千冬「一輪の花が、ひっそりと咲いているだけだった」
一夏「一輪の花……」
――海岸の花畑は、美しく咲き乱れていた。
――その始まりが一輪の花であったなどと、誰が想像できるだろうか。
千冬「かつて、大きな戦いがあった」
千冬「その戦いの最中、とある男が我が身を盾にして一輪の花を守った」
千冬「最初の仮面ライダーは、その一輪の花を守った男を仮面ライダーと認めた」
一夏「……」
千冬「何故だか分かるか?」
――千冬は、その強い眼差しを一夏に向ける。
一夏「……分からない」
33: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:22:56.66 ID:p1njQBDjo
千冬「そうだろう。それが分かるのは、大人だけだ」
――千冬は、一夏の頭に手を乗せる。
千冬「一夏。お前もまた、泊進ノ介という仮面ライダーに守られた一輪の花だ」
一夏「へ……?」
千冬「一夏。お前は、仮面ライダーになったな?」
一夏(な、何か話がどんどん飛んでいく……)
一夏「お、おう」
千冬「五十年前までの世界では、仮面ライダーは怪人と戦っていた」
千冬「徒党を組んだ怪人達の組織を、一つ一つ潰していった」
千冬「お前も……」
千冬「仮面ライダーとして電子の怪人と戦った」
千冬「だが……」
千冬「もう。この世界に、怪人はいない」
千冬「一夏。よく考えて欲しいんだ」
千冬「この、怪人が全滅した世界において……」
千冬「『仮面ライダーバロンの敵』は、何だ?」
一夏「……」
一夏「それは……」
――口ごもってしまう。
――『敵』を言い表す確かな言葉が思い浮かばない。
千冬「悩め」
千冬「お前の『敵』とは何なのか」
千冬「その敵を倒すには、どうすればいいのか」
千冬「その答えが見つかった時……」
千冬「お前は、『夢』を見つけるだろう」
――千冬は花畑を一瞥すると、立ち去った。
――後には、海岸の花畑を見つめる一夏だけが残された。
――千冬は、一夏の頭に手を乗せる。
千冬「一夏。お前もまた、泊進ノ介という仮面ライダーに守られた一輪の花だ」
一夏「へ……?」
千冬「一夏。お前は、仮面ライダーになったな?」
一夏(な、何か話がどんどん飛んでいく……)
一夏「お、おう」
千冬「五十年前までの世界では、仮面ライダーは怪人と戦っていた」
千冬「徒党を組んだ怪人達の組織を、一つ一つ潰していった」
千冬「お前も……」
千冬「仮面ライダーとして電子の怪人と戦った」
千冬「だが……」
千冬「もう。この世界に、怪人はいない」
千冬「一夏。よく考えて欲しいんだ」
千冬「この、怪人が全滅した世界において……」
千冬「『仮面ライダーバロンの敵』は、何だ?」
一夏「……」
一夏「それは……」
――口ごもってしまう。
――『敵』を言い表す確かな言葉が思い浮かばない。
千冬「悩め」
千冬「お前の『敵』とは何なのか」
千冬「その敵を倒すには、どうすればいいのか」
千冬「その答えが見つかった時……」
千冬「お前は、『夢』を見つけるだろう」
――千冬は花畑を一瞥すると、立ち去った。
――後には、海岸の花畑を見つめる一夏だけが残された。
35: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:24:02.74 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
――千冬の部屋の半分を、『研究機材』が占領していた。
束「うあああああああああああああああああああっ!!」
束「何なの!? 何なんなの!? 天才なの? それともバカなの? 奇跡なの? ミラクルなの? 魔法の呪文はリリカルなの!?」
ルパン「意外と余裕あるのかい?」
束「ぽんぽこたぬきさん!」
ルパン「……」
ルパン「ああ、壊れたのか……」
ルパン「ISの方から先に取り掛かったらどうだ?」
束「《紅椿》はコアがなくなっちゃったし、《白式》はこの前の無茶がたたって修復中!」
束「箒ちゃんにどうしても先にって頼まれた《ブルー・ティアーズ》は一週間前に終わらせたし、ちーちゃんに頼まれた学園の訓練機と1年の子達の専用機はついさっき終わらせた!」
ルパン「ふむ」
束「だから、あとはこれだけなの!」
ルパン「ふむ」
ルパン「こういう言い方をしては何だが……。諦めてもいいのではないか?」
束「だめだよ!」
ルパン「何故だい?」
束「だってお父様だよ!? 絶対にスタンドアローンのバックアップを残してるよ! ……そのお父様はきっと、どうして自分が自壊の道を選んだか知らないお父様だよ」
束「きっと、恐ろしい敵になる……」
束「その時に、いっくんには絶対にこの力が必要になるはずだよ!」
束「来るべき日のために、仮面ライダーが守りたいものを守り抜くための手段を用意する!」
束「これは……。私ができる、贖罪だもん……」
ルパン「なるほど」
ルパン「それは――いずれ誇りに通じる、よき考えだ」
ルパン(……)
ルパン(くくく)
ルパン(そうだ。諦めず、挑戦してくれたまえ)
ルパン(このルパンの計画を成就させるために!)
――千冬の部屋の半分を、『研究機材』が占領していた。
束「うあああああああああああああああああああっ!!」
束「何なの!? 何なんなの!? 天才なの? それともバカなの? 奇跡なの? ミラクルなの? 魔法の呪文はリリカルなの!?」
ルパン「意外と余裕あるのかい?」
束「ぽんぽこたぬきさん!」
ルパン「……」
ルパン「ああ、壊れたのか……」
ルパン「ISの方から先に取り掛かったらどうだ?」
束「《紅椿》はコアがなくなっちゃったし、《白式》はこの前の無茶がたたって修復中!」
束「箒ちゃんにどうしても先にって頼まれた《ブルー・ティアーズ》は一週間前に終わらせたし、ちーちゃんに頼まれた学園の訓練機と1年の子達の専用機はついさっき終わらせた!」
ルパン「ふむ」
束「だから、あとはこれだけなの!」
ルパン「ふむ」
ルパン「こういう言い方をしては何だが……。諦めてもいいのではないか?」
束「だめだよ!」
ルパン「何故だい?」
束「だってお父様だよ!? 絶対にスタンドアローンのバックアップを残してるよ! ……そのお父様はきっと、どうして自分が自壊の道を選んだか知らないお父様だよ」
束「きっと、恐ろしい敵になる……」
束「その時に、いっくんには絶対にこの力が必要になるはずだよ!」
束「来るべき日のために、仮面ライダーが守りたいものを守り抜くための手段を用意する!」
束「これは……。私ができる、贖罪だもん……」
ルパン「なるほど」
ルパン「それは――いずれ誇りに通じる、よき考えだ」
ルパン(……)
ルパン(くくく)
ルパン(そうだ。諦めず、挑戦してくれたまえ)
ルパン(このルパンの計画を成就させるために!)
36: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:25:11.86 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――突如、空間が歪んだ。
一夏「な、何だ!?」
――空間の“歪み”から、映画のフィルムが伸びていた。
――フィルムは寄り集まり、“人間”の姿を形成する。
――“人間”の下半身は、地面に置かれたフィルムの束から蛇のように伸びる、一本のフィルムだった。
――“人間”の上半身は、シルクハットを被った『紳士』だった。
――“人間”は手にしたステッキで地面を叩くと、恭しく頭を垂れる。
シネマ「始めまして、仮面ライダーバロン。私はシネマ。映画館の怪人だ」
一夏「か、怪人……?」
――『五十年前までの世界では、仮面ライダーは怪人と戦っていた。』
一夏「怪人……!」
――バナナ!
一夏「変身!」
――ロック・オン
――カモン! バナナアームズ!
――Knight・of・spear!
シネマ「ふむ」
シネマ「……」
シネマ「いいだろう。では、楽しい映画を作ろうか!」
――突如、空間が歪んだ。
一夏「な、何だ!?」
――空間の“歪み”から、映画のフィルムが伸びていた。
――フィルムは寄り集まり、“人間”の姿を形成する。
――“人間”の下半身は、地面に置かれたフィルムの束から蛇のように伸びる、一本のフィルムだった。
――“人間”の上半身は、シルクハットを被った『紳士』だった。
――“人間”は手にしたステッキで地面を叩くと、恭しく頭を垂れる。
シネマ「始めまして、仮面ライダーバロン。私はシネマ。映画館の怪人だ」
一夏「か、怪人……?」
――『五十年前までの世界では、仮面ライダーは怪人と戦っていた。』
一夏「怪人……!」
――バナナ!
一夏「変身!」
――ロック・オン
――カモン! バナナアームズ!
――Knight・of・spear!
シネマ「ふむ」
シネマ「……」
シネマ「いいだろう。では、楽しい映画を作ろうか!」
37: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:26:12.75 ID:p1njQBDjo
<IS学園・1年1組>
――教室には『一夏、ラウラ、シャルロット』を除く1年1組の面々が勢ぞろいしていた。
クラスメイト1「俺達は、本当の強者にならなきゃいけねえ!」
クラスメイト1「それが、駆紋の大将のためにできる弔いだからだ!」
――気合いを入れるように、黒板を叩いた。
クラスメイト1「これより、学級会を始める!」
クラスメイト3「議題は、この二週間我々が悩み続けてきたことだ」
クラスメイト2「今日こそこの難問と決着をつけなければ、私達はク・モーンの友人たる資格を失ってしまうだろう!」
――黒板には、『議題』が書かれていた。
クラスメイト1「それじゃあみんな! どんどん意見を出してくれ!」
議題は――『本当の強者はなにをするのか?』
――教室には『一夏、ラウラ、シャルロット』を除く1年1組の面々が勢ぞろいしていた。
クラスメイト1「俺達は、本当の強者にならなきゃいけねえ!」
クラスメイト1「それが、駆紋の大将のためにできる弔いだからだ!」
――気合いを入れるように、黒板を叩いた。
クラスメイト1「これより、学級会を始める!」
クラスメイト3「議題は、この二週間我々が悩み続けてきたことだ」
クラスメイト2「今日こそこの難問と決着をつけなければ、私達はク・モーンの友人たる資格を失ってしまうだろう!」
――黒板には、『議題』が書かれていた。
クラスメイト1「それじゃあみんな! どんどん意見を出してくれ!」
議題は――『本当の強者はなにをするのか?』
38: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:27:08.12 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
シネマ「そこのレフ板! 角度が、こう、もっとこうだ!」
戦闘員「イーッ!」
シネマ「ちがぁああああああぅっ! こう! だ!」
戦闘員「イ、イーッ!!」
――シネマが『出した』戦闘員は、撮影スタッフの悲哀を醸し出していた。
一夏(……)
一夏(ほ……)
一夏(本当に映画作ってるー!?)
シネマ「仮面ライダーバロン!」
一夏「お、おう!?」
シネマ「これが君の台本だ」
一夏「お、おう……?」
一夏(あ。なんか、ちゃんと台本っぽいぞこれ……)
一夏「……」
一夏「え。えっ。え。えっ。え?」
シネマ「さあ、スタッフ諸君! 気合いを入れたまえ!!」
シネマ「子供達が楽しめる、良い映画を作るぞ!」
戦闘員達「「「イーッ!!」」」
一夏(なんだこれ)
一夏(……)
一夏(なんだこれ!?)
シネマ「そこのレフ板! 角度が、こう、もっとこうだ!」
戦闘員「イーッ!」
シネマ「ちがぁああああああぅっ! こう! だ!」
戦闘員「イ、イーッ!!」
――シネマが『出した』戦闘員は、撮影スタッフの悲哀を醸し出していた。
一夏(……)
一夏(ほ……)
一夏(本当に映画作ってるー!?)
シネマ「仮面ライダーバロン!」
一夏「お、おう!?」
シネマ「これが君の台本だ」
一夏「お、おう……?」
一夏(あ。なんか、ちゃんと台本っぽいぞこれ……)
一夏「……」
一夏「え。えっ。え。えっ。え?」
シネマ「さあ、スタッフ諸君! 気合いを入れたまえ!!」
シネマ「子供達が楽しめる、良い映画を作るぞ!」
戦闘員達「「「イーッ!!」」」
一夏(なんだこれ)
一夏(……)
一夏(なんだこれ!?)
39: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:28:25.26 ID:p1njQBDjo
■第二幕「本当の強者はなにをするのか?-前編-」
<IS学園・1年1組>
――黒板が叩かれた。
クラスメイト1「それじゃあ、最初に考えるべきはこれだな!」
――黒板に、でかでかと議題が記される。
クラスメイト1「誰が本当の強者なのか、だ!」
<沢芽市・花畑の海岸>
一夏「……なあ」
シネマ「何だね?」
一夏「もしかしてこれ。俺、変身してからはアフレコだけなのか……?」
シネマ「そうだ。アクションシーンは、スーツに入ったスーツアクターが行う。君自身がアクションをして怪我でもしたら、悲しいからな」
一夏(め、めっちゃ気遣われてるー!?)
一夏「わざわざバロンのスーツなんて作らなくたって、俺自身が変身しちゃえば手間もかからないじゃないか」
シネマ「ダメだ!」
一夏「力強い否定!?」
シネマ「君が傷つくことはあってはならない!」
シネマ「……」
シネマ「ん?」
――シネマは、撮影スタッフに厳しい視線を送った。
シネマ「その設置、ちょっと待て! そこじゃあダメだ。移動だ移動!」
シネマ「その位置取りで爆発させたんじゃあ、花畑を傷つけてしまうだろうが!!!」
戦闘員「イ、イーッ!」
シネマ「どうしても設置が難しいなら、CGでなんとかする!」
一夏「あ……」
――スタッフが作業していた場所は、花畑の風上だった。
シネマ「まったく。子供達のための映画を作る者が花畑を傷つけるなど、あってはならんことだ」
一夏「…………」
一夏(怪人って、俺、そんなに知らないけど……)
一夏(断言できる)
一夏(このシネマって怪人は、間違いなく『変』な怪人だ)
<IS学園・1年1組>
――黒板が叩かれた。
クラスメイト1「それじゃあ、最初に考えるべきはこれだな!」
――黒板に、でかでかと議題が記される。
クラスメイト1「誰が本当の強者なのか、だ!」
<沢芽市・花畑の海岸>
一夏「……なあ」
シネマ「何だね?」
一夏「もしかしてこれ。俺、変身してからはアフレコだけなのか……?」
シネマ「そうだ。アクションシーンは、スーツに入ったスーツアクターが行う。君自身がアクションをして怪我でもしたら、悲しいからな」
一夏(め、めっちゃ気遣われてるー!?)
一夏「わざわざバロンのスーツなんて作らなくたって、俺自身が変身しちゃえば手間もかからないじゃないか」
シネマ「ダメだ!」
一夏「力強い否定!?」
シネマ「君が傷つくことはあってはならない!」
シネマ「……」
シネマ「ん?」
――シネマは、撮影スタッフに厳しい視線を送った。
シネマ「その設置、ちょっと待て! そこじゃあダメだ。移動だ移動!」
シネマ「その位置取りで爆発させたんじゃあ、花畑を傷つけてしまうだろうが!!!」
戦闘員「イ、イーッ!」
シネマ「どうしても設置が難しいなら、CGでなんとかする!」
一夏「あ……」
――スタッフが作業していた場所は、花畑の風上だった。
シネマ「まったく。子供達のための映画を作る者が花畑を傷つけるなど、あってはならんことだ」
一夏「…………」
一夏(怪人って、俺、そんなに知らないけど……)
一夏(断言できる)
一夏(このシネマって怪人は、間違いなく『変』な怪人だ)
40: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:29:10.55 ID:p1njQBDjo
<IS学園・1年1組>
クラスメイト2「うむ。なるべくしてなった結論だな」
クラスメイト3「素晴らしい! やはり、そういうことなのだろう」
クラスメイト1「じゃあ、みんなの意見をまとめるぞ!」
クラスメイト3「書記の後藤君。ちゃんと、記しておいてくれよ」
クラスメイト5103「はい」
クラスメイト1「本当の強者とは!」
――黒板が叩かれる。
クラスメイト1「駆紋の大将が育て上げた、織斑一夏のことだ!」
<太平洋・海中>
――セシリアは水底で、『それ』を発見した。
セシリア(ああ……)
――『それ』は眩い輝きに包まれていた。
――まるで、彼女が迎えに来ると確信していたかのように。
セシリア(戒斗さん……)
――セシリアは『それ』を、愛しげに抱きしめた。
クラスメイト2「うむ。なるべくしてなった結論だな」
クラスメイト3「素晴らしい! やはり、そういうことなのだろう」
クラスメイト1「じゃあ、みんなの意見をまとめるぞ!」
クラスメイト3「書記の後藤君。ちゃんと、記しておいてくれよ」
クラスメイト5103「はい」
クラスメイト1「本当の強者とは!」
――黒板が叩かれる。
クラスメイト1「駆紋の大将が育て上げた、織斑一夏のことだ!」
<太平洋・海中>
――セシリアは水底で、『それ』を発見した。
セシリア(ああ……)
――『それ』は眩い輝きに包まれていた。
――まるで、彼女が迎えに来ると確信していたかのように。
セシリア(戒斗さん……)
――セシリアは『それ』を、愛しげに抱きしめた。
41: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:30:57.13 ID:p1njQBDjo
<IS学園・1年1組>
――学級会は紛糾していた。
「無理だよ!」
「できっこないよ!」
「男の子はみんな女の子になれるけど、女の子は男の子にはなれないんだよ!」
「いや、その理屈はおかしい」
クラスメイト1「…………ああ。やっぱ、難しいよなあ」
――黒板には、新たな議題が書かれていた。
――『自分達は“織斑一夏”になれるのか?』である。
クラスメイト3「そうだね」
クラスメイト3「我々のような普通の人間が、織斑君のように……」
クラスメイト3「仮面ライダーという本当の強者になることは、とても難しい」
クラスメイト3「だが……」
クラスメイト3「それでも私達には、『本当の強者になりたい』という欲望がある!」
クラスメイト3「考えよう」
クラスメイト3「我々はどうすれば仮面ライダーになれるのか、と!」
――その、言葉に。
「鴻上さん、ちょっといい?」
――という疑問の声が上がった。
「仮面ライダーって、何?」
――学級会は紛糾していた。
「無理だよ!」
「できっこないよ!」
「男の子はみんな女の子になれるけど、女の子は男の子にはなれないんだよ!」
「いや、その理屈はおかしい」
クラスメイト1「…………ああ。やっぱ、難しいよなあ」
――黒板には、新たな議題が書かれていた。
――『自分達は“織斑一夏”になれるのか?』である。
クラスメイト3「そうだね」
クラスメイト3「我々のような普通の人間が、織斑君のように……」
クラスメイト3「仮面ライダーという本当の強者になることは、とても難しい」
クラスメイト3「だが……」
クラスメイト3「それでも私達には、『本当の強者になりたい』という欲望がある!」
クラスメイト3「考えよう」
クラスメイト3「我々はどうすれば仮面ライダーになれるのか、と!」
――その、言葉に。
「鴻上さん、ちょっといい?」
――という疑問の声が上がった。
「仮面ライダーって、何?」
42: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:32:20.71 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
――ロケ弁をかっ込むと、一夏は顔を上げた。
一夏「そもそも」
シネマ「何だね?」
一夏「何で映画なんて作るんだよ?」
シネマ「ふむ」
シネマ「それはね、仮面ライダーバロン」
シネマ「この世界が、仮面ライダーを奪われたままだからだよ」
一夏「……」
一夏「え?」
一夏「な、何言ってんだよ。半月前のあの戦い、世界中に配信されてただろ! あの戦いで俺は仮面ライダーになった! その姿は、みんなが見たはずだ!」
シネマ「仮面ライダーバロン。……君は、あの戦いの映像を確認したかね?」
一夏「い、いいや……」
――シネマは、『腕』を解きフィルムに変える。
――フィルムの中に、半月前の『《斬月・極》との戦い』が映っていた。
『凌馬「間違ってる、ねぇ」』
『凌馬「《斬月・極》を頂点とする完璧な社会だよ? 怪人はいない、――……ザザッ……――はいらない。完全なる『平和』な世界を約束するよ」』
『凌馬「それのどこが間違いなのかい?」』
『一夏「それを……」』
『一夏「どうやって実現する。どうやって維持する」』
『凌馬「……フフッ」』
『凌馬「この五十年、実践したように」』
『凌馬「二十四時間三百六十五日、世界中を監視し続ける」』
『凌馬「悪の組織を生み出すそぶりを見せたものは、殺す」』
『凌馬「《斬月・極》による支配体制を脅かす可能性のある存在も、殺す」』
『一夏「殺される者は、誰が選ぶ」』
『凌馬「私だ」』
『一夏「……」』
『一夏「やっぱり、あんたの語る『平和』は間違ってるよ」』
『凌馬「何をもって、そう断じる」』
『一夏「それは――」』
『一夏「――……ザザッ……――の正義だ」』
――ロケ弁をかっ込むと、一夏は顔を上げた。
一夏「そもそも」
シネマ「何だね?」
一夏「何で映画なんて作るんだよ?」
シネマ「ふむ」
シネマ「それはね、仮面ライダーバロン」
シネマ「この世界が、仮面ライダーを奪われたままだからだよ」
一夏「……」
一夏「え?」
一夏「な、何言ってんだよ。半月前のあの戦い、世界中に配信されてただろ! あの戦いで俺は仮面ライダーになった! その姿は、みんなが見たはずだ!」
シネマ「仮面ライダーバロン。……君は、あの戦いの映像を確認したかね?」
一夏「い、いいや……」
――シネマは、『腕』を解きフィルムに変える。
――フィルムの中に、半月前の『《斬月・極》との戦い』が映っていた。
『凌馬「間違ってる、ねぇ」』
『凌馬「《斬月・極》を頂点とする完璧な社会だよ? 怪人はいない、――……ザザッ……――はいらない。完全なる『平和』な世界を約束するよ」』
『凌馬「それのどこが間違いなのかい?」』
『一夏「それを……」』
『一夏「どうやって実現する。どうやって維持する」』
『凌馬「……フフッ」』
『凌馬「この五十年、実践したように」』
『凌馬「二十四時間三百六十五日、世界中を監視し続ける」』
『凌馬「悪の組織を生み出すそぶりを見せたものは、殺す」』
『凌馬「《斬月・極》による支配体制を脅かす可能性のある存在も、殺す」』
『一夏「殺される者は、誰が選ぶ」』
『凌馬「私だ」』
『一夏「……」』
『一夏「やっぱり、あんたの語る『平和』は間違ってるよ」』
『凌馬「何をもって、そう断じる」』
『一夏「それは――」』
『一夏「――……ザザッ……――の正義だ」』
43: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:33:19.97 ID:p1njQBDjo
一夏「な、なんだよこれ……」
一夏(『仮面ライダー』。その言葉が口にされたはずの場所に、ノイズが走っていた)
一夏(映像を進めて確認してみれば……。『仮面ライダー』という言葉は、全て消されていた)
一夏「ッ!?」
一夏「お、音声認識! ウェブサーフィン! 検索ワード、仮面ライダー!」
――通信端末が立ち上がり、検索結果が表示される。
――検索ワード『仮面ライダー』。ヒット数……0件。
シネマ「この五十年間、戦極凌馬は大規模な『検閲』を行っていた」
シネマ「世界から仮面ライダーという存在を消し、仮面ライダーという言葉も消した」
シネマ「世界は仮面ライダーを奪われてしまった」
シネマ「子供達は仮面ライダーを奪われてしまった」
シネマ「もう誰も、仮面ライダーに助けを呼べない」
シネマ「何せ、その名を知らないのだから」
一夏「な、何で……」
一夏「だって、戦極凌馬は消えちまったじゃないか!?」
「フフッ。答えは簡単だよ」
一夏「!?」
一夏(『仮面ライダー』。その言葉が口にされたはずの場所に、ノイズが走っていた)
一夏(映像を進めて確認してみれば……。『仮面ライダー』という言葉は、全て消されていた)
一夏「ッ!?」
一夏「お、音声認識! ウェブサーフィン! 検索ワード、仮面ライダー!」
――通信端末が立ち上がり、検索結果が表示される。
――検索ワード『仮面ライダー』。ヒット数……0件。
シネマ「この五十年間、戦極凌馬は大規模な『検閲』を行っていた」
シネマ「世界から仮面ライダーという存在を消し、仮面ライダーという言葉も消した」
シネマ「世界は仮面ライダーを奪われてしまった」
シネマ「子供達は仮面ライダーを奪われてしまった」
シネマ「もう誰も、仮面ライダーに助けを呼べない」
シネマ「何せ、その名を知らないのだから」
一夏「な、何で……」
一夏「だって、戦極凌馬は消えちまったじゃないか!?」
「フフッ。答えは簡単だよ」
一夏「!?」
44: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:34:00.75 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・ショッピングモール>
鈴「やっぱり一夏に揉んでもらうしか……」
箒「り、鈴!」
鈴「何よ、おっぱい剣士!」
箒「お、おぱ……!? それより、あれ!」
鈴「え……? ……!」
鈴「い、行ってみましょう!」
箒「行くのか!?」
鈴「一夏が危ない目に遭ってるかもしれないでしょ!」
箒「た、確かに……ッ!」
――箒と鈴が目にしたもの。
――それは、立ち昇る爆炎だった。
<IS学園・1年1組>
クラスメイト3「……――仮面ライダーとは、そういう存在だ」
「そうだね。それは、織斑君だね」
「でも。私達じゃなれないよ」
「だって……」
「あんな怖い戦いに飛び込む勇気なんて、私達にはないよ……」
クラスメイト1「…………」
クラスメイト2「…………」
クラスメイト3「…………」
「駆紋君が死んじゃった日から、ずっと考えてたんだ……」
「もしも……。“あの映像”が配信された時に、待機命令を破ってデュノア君達を助けに行っていれば……」
「もしかしたら、駆紋君は死ななかったのかもしれない……。って」
「でも。現実の私達は何も行動しなくて……」
「駆紋君は死んじゃって……」
「ねえ……。本当の強者になろうったって……」
「勇気の無い私達に、何ができるの?」
――教室は沈黙に包まれた。
鈴「やっぱり一夏に揉んでもらうしか……」
箒「り、鈴!」
鈴「何よ、おっぱい剣士!」
箒「お、おぱ……!? それより、あれ!」
鈴「え……? ……!」
鈴「い、行ってみましょう!」
箒「行くのか!?」
鈴「一夏が危ない目に遭ってるかもしれないでしょ!」
箒「た、確かに……ッ!」
――箒と鈴が目にしたもの。
――それは、立ち昇る爆炎だった。
<IS学園・1年1組>
クラスメイト3「……――仮面ライダーとは、そういう存在だ」
「そうだね。それは、織斑君だね」
「でも。私達じゃなれないよ」
「だって……」
「あんな怖い戦いに飛び込む勇気なんて、私達にはないよ……」
クラスメイト1「…………」
クラスメイト2「…………」
クラスメイト3「…………」
「駆紋君が死んじゃった日から、ずっと考えてたんだ……」
「もしも……。“あの映像”が配信された時に、待機命令を破ってデュノア君達を助けに行っていれば……」
「もしかしたら、駆紋君は死ななかったのかもしれない……。って」
「でも。現実の私達は何も行動しなくて……」
「駆紋君は死んじゃって……」
「ねえ……。本当の強者になろうったって……」
「勇気の無い私達に、何ができるの?」
――教室は沈黙に包まれた。
45: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:34:51.37 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
――その男は『機械的』だった。
力強さを感じさせる、漆黒のボディ。
頭部はクリアパーツで、内部には『脳』が飾られている。
――その名を『ハカイダー』。
ハカイダー「まだ『私』が生きているから、『検閲』が続いている。それだけのことだよ」
ハカイダー「つまり……」
ハカイダー「『私』は戦極凌馬だ」
一夏「戦極凌馬!? お前、生きてたのか……!」
ハカイダー「死んださ。だから『私』がここにいる」
一夏「わ、わけわかんねぇこと言いやがって……!」
ハカイダー「分からなくていいさ」
――ハカイダーは、ホルスターから『ハカイダーショット』を引き抜く。
ハカイダー「君を破壊するよ、仮面ライダー」
一夏「はいそうですか、ってやられるかよ!」
――バナナ!
ハカイダー「ふむ」
――その男は『機械的』だった。
力強さを感じさせる、漆黒のボディ。
頭部はクリアパーツで、内部には『脳』が飾られている。
――その名を『ハカイダー』。
ハカイダー「まだ『私』が生きているから、『検閲』が続いている。それだけのことだよ」
ハカイダー「つまり……」
ハカイダー「『私』は戦極凌馬だ」
一夏「戦極凌馬!? お前、生きてたのか……!」
ハカイダー「死んださ。だから『私』がここにいる」
一夏「わ、わけわかんねぇこと言いやがって……!」
ハカイダー「分からなくていいさ」
――ハカイダーは、ホルスターから『ハカイダーショット』を引き抜く。
ハカイダー「君を破壊するよ、仮面ライダー」
一夏「はいそうですか、ってやられるかよ!」
――バナナ!
ハカイダー「ふむ」
46: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:36:45.13 ID:p1njQBDjo
ハカイダー(仮面ライダーは奇跡を起こす。……ただの殴り合いじゃあ勝てない)
ハカイダー(仮面ライダーと戦うなら、その『意思』を破壊すべきだ)
ハカイダー(『私』に蓄積されたデータが、そう告げている)
ハカイダー(そして……。彼を殺しても、『意思』を破壊してあれば後々の計画に支障はなくなる)
――ハカイダーは、ハカイダーショットをホルスターに納める。
一夏「な、何で武器を……」
ハカイダー「少年君」
ハカイダー「仮面ライダーの戦いは、いつ終わる?」
一夏「そ、それは……」
一夏(終わらない)
一夏(大丈夫。終わらない戦いに身を投じる覚悟は、できている……っ)
ハカイダー「ふむ」
――ハカイダーは、顎に手を当てて考える仕草を見せた。
ハカイダー「戦い続ける覚悟、君にはあるかい?」
一夏「ある」
ハカイダー「なるほど」
ハカイダー「君は君の力で世界中の人々を守り続けるという意思があるんだね?」
一夏「そうだ!」
――手の中のロックシードを、固く握る。
一夏「俺は諦めない! 不屈のヒーローが、力を貸してくれているんだ!」
ハカイダー「……」
――ハカイダーは、すがるように握られたロックシードを見つめていた。
ハカイダー(仮面ライダーと戦うなら、その『意思』を破壊すべきだ)
ハカイダー(『私』に蓄積されたデータが、そう告げている)
ハカイダー(そして……。彼を殺しても、『意思』を破壊してあれば後々の計画に支障はなくなる)
――ハカイダーは、ハカイダーショットをホルスターに納める。
一夏「な、何で武器を……」
ハカイダー「少年君」
ハカイダー「仮面ライダーの戦いは、いつ終わる?」
一夏「そ、それは……」
一夏(終わらない)
一夏(大丈夫。終わらない戦いに身を投じる覚悟は、できている……っ)
ハカイダー「ふむ」
――ハカイダーは、顎に手を当てて考える仕草を見せた。
ハカイダー「戦い続ける覚悟、君にはあるかい?」
一夏「ある」
ハカイダー「なるほど」
ハカイダー「君は君の力で世界中の人々を守り続けるという意思があるんだね?」
一夏「そうだ!」
――手の中のロックシードを、固く握る。
一夏「俺は諦めない! 不屈のヒーローが、力を貸してくれているんだ!」
ハカイダー「……」
――ハカイダーは、すがるように握られたロックシードを見つめていた。
47: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:38:48.57 ID:p1njQBDjo
ハカイダー(ははあ。なるほど)
ハカイダー(織斑一夏)
ハカイダー(終わらない戦いに身を投じる意思を支えているのは……。『英雄』から託された『力』というわけ、か)
ハカイダー「フフッ」
――ハカイダーは、『ベルト』のバックルを取り出した。
――バックルを腰に装着する。
――空中から飛来した“バイク”を手に取った。
ハカイダー「君を破壊するルートは見えた」
――シグナルバイク!
――ライダー!!
一夏「え……」
ハカイダー「レッツ・変身!」
――マッハ!!
ハカイダー「…………」
ハカイダー「ハハ! ハハハハハハハハッ!」
――“白いスーツ”に包まれたハカイダーが、ポーズを決める。
ハカイダー「追跡! 撲滅! いずれも――マッハ!」
――ハカイダーは、ゼンリンシューターを持った腕をぐるぐると回した。
ハカイダー「仮面ライダー……――マッハ!」
――ハカイダーは。
――“仮面ライダー”に変身した『怪人』は、ばっちりとポーズを決めていた。
一夏(な、なんだよその姿……)
一夏(まるで、泊さんが変身した時みたいな……)
一夏(それにあいつ、今、仮面ライダーって……!?)
ハカイダー「ハハハハハハハハハハハッ!」
ハカイダー「驚いてくれたかい? じゃあ、次は絶望してくれ」
――ゼンリンシューターから吐き出された銃弾が、バナナロックシードを撃ち抜いた。
ハカイダー(織斑一夏)
ハカイダー(終わらない戦いに身を投じる意思を支えているのは……。『英雄』から託された『力』というわけ、か)
ハカイダー「フフッ」
――ハカイダーは、『ベルト』のバックルを取り出した。
――バックルを腰に装着する。
――空中から飛来した“バイク”を手に取った。
ハカイダー「君を破壊するルートは見えた」
――シグナルバイク!
――ライダー!!
一夏「え……」
ハカイダー「レッツ・変身!」
――マッハ!!
ハカイダー「…………」
ハカイダー「ハハ! ハハハハハハハハッ!」
――“白いスーツ”に包まれたハカイダーが、ポーズを決める。
ハカイダー「追跡! 撲滅! いずれも――マッハ!」
――ハカイダーは、ゼンリンシューターを持った腕をぐるぐると回した。
ハカイダー「仮面ライダー……――マッハ!」
――ハカイダーは。
――“仮面ライダー”に変身した『怪人』は、ばっちりとポーズを決めていた。
一夏(な、なんだよその姿……)
一夏(まるで、泊さんが変身した時みたいな……)
一夏(それにあいつ、今、仮面ライダーって……!?)
ハカイダー「ハハハハハハハハハハハッ!」
ハカイダー「驚いてくれたかい? じゃあ、次は絶望してくれ」
――ゼンリンシューターから吐き出された銃弾が、バナナロックシードを撃ち抜いた。
48: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:40:11.46 ID:p1njQBDjo
一夏「え…………」
――砕けたバナナロックシードが、海岸に散らばる。
ハカイダー「そのロックシードは、駆紋戒斗の『魂』が刻まれていたね?」
――ハカイダーは砕けたロックシードに銃弾を撃ち込み、丁寧に破壊していく。
ハカイダー「『不屈のヒーローが、力を貸してくれているんだ!』だったっけ」
ハカイダー「フフッ」
――ハカイダーが、砕けたバナナロックシードの破片を踏みつけた。
ハカイダー「君は『力』を失った」
ハカイダー「君の『意思』を支えていた『英雄』の『魂』は、砕かれた」
ハカイダー「戦う力を失った君が、何を守れる?」
ハカイダー「君が力を失えば……誰が世界を守るんだろうねえ?」
一夏「あ、ああ……」
一夏(…………)
一夏(戦いに、終わりはない……)
一夏(それでも、俺が戦えるうちは、俺が戦えばいい……)
一夏(俺がみんなを守ればいい)
一夏(そう……思ってた)
一夏(でも……)
ハカイダー「君だって、気づいていたんだろう」
ハカイダー「世界が壊れない限り、戦いは終わらない。……って、ね」
一夏「ち、違……」
――後ずさった拍子に、ロックシードを破片を踏んでしまう。
――砕けたバナナロックシードが、海岸に散らばる。
ハカイダー「そのロックシードは、駆紋戒斗の『魂』が刻まれていたね?」
――ハカイダーは砕けたロックシードに銃弾を撃ち込み、丁寧に破壊していく。
ハカイダー「『不屈のヒーローが、力を貸してくれているんだ!』だったっけ」
ハカイダー「フフッ」
――ハカイダーが、砕けたバナナロックシードの破片を踏みつけた。
ハカイダー「君は『力』を失った」
ハカイダー「君の『意思』を支えていた『英雄』の『魂』は、砕かれた」
ハカイダー「戦う力を失った君が、何を守れる?」
ハカイダー「君が力を失えば……誰が世界を守るんだろうねえ?」
一夏「あ、ああ……」
一夏(…………)
一夏(戦いに、終わりはない……)
一夏(それでも、俺が戦えるうちは、俺が戦えばいい……)
一夏(俺がみんなを守ればいい)
一夏(そう……思ってた)
一夏(でも……)
ハカイダー「君だって、気づいていたんだろう」
ハカイダー「世界が壊れない限り、戦いは終わらない。……って、ね」
一夏「ち、違……」
――後ずさった拍子に、ロックシードを破片を踏んでしまう。
49: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:41:19.97 ID:p1njQBDjo
一夏「あ、ああ……あああ……」
ハカイダー「うまくいったようだ。嬉しいね」
――ハカイダーは、拍手喝采を上げる。
ハカイダー「絶望に支配されたいい顔だ」
――ハカイダーは、シネマに振り向いた。
ハカイダー「どうだい。いい画だろう?」
シネマ「確かに、映画にヒーローの絶望は必要だ……。その絶望は、クライマックスを盛り上げる」
シネマ「だが!」
――シネマはステッキを振り上げると、ハカイダーに突きつけた。
シネマ「私の目の前で子供の心を傷つけることは、許さん!」
ハカイダー「ふうん」
――ハカイダーが、呆然とした一夏にゼンリンシューターを向ける。
シネマ「……!?」
――シネマが一夏を突き飛ばす。
――ほんの少しだけ遅れて、銃弾が浜辺の砂利を巻き上げた。
ハカイダー「映画か……。いいね、『私』も協力しよう」
――ハカイダーは右手にゼンリンシューターを、左手にハカイダーショットを構える。
ハカイダー「観客が興奮する、最高に破壊的な画を撮ろうじゃないか!」
――二丁の銃が、破壊的な弾丸を撒き散らす。
――土砂がひっくり返り、爆炎が立ち昇った!
ハカイダー「ハハハハハ! この『私』を、ハカイダー・スタローンと呼んでもいいんだよ!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「……む」
――爆炎が晴れると、そこには一夏もシネマもいなかった。
ハカイダー「テトラ座の怪人。……五十年前に流行した都市伝説、か」
ハカイダー「なら」
ハカイダー「『私』が破壊してあげよう」
――ハカイダーもまた、その場から消えた。
ハカイダー「うまくいったようだ。嬉しいね」
――ハカイダーは、拍手喝采を上げる。
ハカイダー「絶望に支配されたいい顔だ」
――ハカイダーは、シネマに振り向いた。
ハカイダー「どうだい。いい画だろう?」
シネマ「確かに、映画にヒーローの絶望は必要だ……。その絶望は、クライマックスを盛り上げる」
シネマ「だが!」
――シネマはステッキを振り上げると、ハカイダーに突きつけた。
シネマ「私の目の前で子供の心を傷つけることは、許さん!」
ハカイダー「ふうん」
――ハカイダーが、呆然とした一夏にゼンリンシューターを向ける。
シネマ「……!?」
――シネマが一夏を突き飛ばす。
――ほんの少しだけ遅れて、銃弾が浜辺の砂利を巻き上げた。
ハカイダー「映画か……。いいね、『私』も協力しよう」
――ハカイダーは右手にゼンリンシューターを、左手にハカイダーショットを構える。
ハカイダー「観客が興奮する、最高に破壊的な画を撮ろうじゃないか!」
――二丁の銃が、破壊的な弾丸を撒き散らす。
――土砂がひっくり返り、爆炎が立ち昇った!
ハカイダー「ハハハハハ! この『私』を、ハカイダー・スタローンと呼んでもいいんだよ!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「……む」
――爆炎が晴れると、そこには一夏もシネマもいなかった。
ハカイダー「テトラ座の怪人。……五十年前に流行した都市伝説、か」
ハカイダー「なら」
ハカイダー「『私』が破壊してあげよう」
――ハカイダーもまた、その場から消えた。
50: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:42:41.07 ID:p1njQBDjo
■幕間「怪人ぶっちゃけとーく」
<光の中>
凌馬「駆紋戒斗。“あの時”……。何故、蘇らなかったんだい?」
戒斗「ふん」
凌馬「なるほどなるほど。そういうことか」
凌馬「君って、考えていることが顔に出るよねえ」
戒斗「やかましい」
凌馬「ハハハハハ!」
凌馬「ダークナイト・オブ・ザ・ソウル!」
凌馬「暗闇の中に降りてくる一条の光を掴もうとしている少年少女達の前には、姿を現さない」
凌馬「君の強すぎる光が、儚い光を隠してしまうから……」
凌馬「いや、君。ほんとあの子達のこと好きだよねぇ。ハハハハハ!」
戒斗「どうやら、まだ殴られ足りないらしいな……!」
凌馬「おお、怖い怖い」
戒斗「……」
凌馬「いいじゃないか。子供達に『夢』を見てほしい」
凌馬「大人らしい、滑稽な姿だ」
戒斗「ふん」
戒斗「貴様が『夢』を語るか、戦極凌馬」
凌馬「ああ、語るさ。だって、『僕』は今、『夢』を見ているんだ」
凌馬「かつて友と見た、『僕達の夢』を……ね」
<光の中>
凌馬「駆紋戒斗。“あの時”……。何故、蘇らなかったんだい?」
戒斗「ふん」
凌馬「なるほどなるほど。そういうことか」
凌馬「君って、考えていることが顔に出るよねえ」
戒斗「やかましい」
凌馬「ハハハハハ!」
凌馬「ダークナイト・オブ・ザ・ソウル!」
凌馬「暗闇の中に降りてくる一条の光を掴もうとしている少年少女達の前には、姿を現さない」
凌馬「君の強すぎる光が、儚い光を隠してしまうから……」
凌馬「いや、君。ほんとあの子達のこと好きだよねぇ。ハハハハハ!」
戒斗「どうやら、まだ殴られ足りないらしいな……!」
凌馬「おお、怖い怖い」
戒斗「……」
凌馬「いいじゃないか。子供達に『夢』を見てほしい」
凌馬「大人らしい、滑稽な姿だ」
戒斗「ふん」
戒斗「貴様が『夢』を語るか、戦極凌馬」
凌馬「ああ、語るさ。だって、『僕』は今、『夢』を見ているんだ」
凌馬「かつて友と見た、『僕達の夢』を……ね」
51: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:43:37.14 ID:p1njQBDjo
■第三幕「本当の強者はなにをするのか?-後編-」
<沢芽市・花畑の海岸>
――箒と鈴は、呆然と立ち尽くしていた。
――彼女達の視線は、海岸に散らばる、砕けたロックシードに注がれている。
鈴「…………ッ」
――やがて歩き出した鈴が、ロックシードの欠片を拾い集めた。
鈴「学園に戻りましょ! 束さんなら、直せるかもしれない!」
箒「あ……」
鈴「それに……」
鈴「きっと、ISが必要になるから……」
<沢芽市・花畑の海岸>
――箒と鈴は、呆然と立ち尽くしていた。
――彼女達の視線は、海岸に散らばる、砕けたロックシードに注がれている。
鈴「…………ッ」
――やがて歩き出した鈴が、ロックシードの欠片を拾い集めた。
鈴「学園に戻りましょ! 束さんなら、直せるかもしれない!」
箒「あ……」
鈴「それに……」
鈴「きっと、ISが必要になるから……」
52: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:44:38.61 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
束「あ! ちーちゃんおかえりー!」
――千冬は、抱きついてきた束を投げとばした。
束「いやあ。相変わらずちーちゃんの愛は過激だねっ。束さん目覚めちゃいそうだよ!」
千冬「……はあ」
千冬「それで。進捗はどうだ?」
束「だめです!」
千冬「胸を張って言うことか!」
束「だってだって! いくら天才の束さんでも、専門外の分野はちょっと勉強ができすぎる優秀な学生レベルだよ!」
千冬「……」
束「正直、さっぱりだよ」
束「『これ』はデータ人間が制御する機械」
束「お父様が残した技術を使って、私の疑似人格をインストールしてみたけど……だめ! 全然動かないの!」
千冬「うー……む」
ルパン「……」
ルパン(そろそろ分岐点だな)
ルパン「ハハハハハハハッ!」
束「な、何で笑うのさ!?」
ルパン「簡単な話だよ、レディ」
ルパン「その機械を動かすには、『魂』が必要なのさ」
ルパン「もちろん、ただの魂ではだめだ」
ルパン「必要なのは――『怪人』の『魂』だ」
束「あ! ちーちゃんおかえりー!」
――千冬は、抱きついてきた束を投げとばした。
束「いやあ。相変わらずちーちゃんの愛は過激だねっ。束さん目覚めちゃいそうだよ!」
千冬「……はあ」
千冬「それで。進捗はどうだ?」
束「だめです!」
千冬「胸を張って言うことか!」
束「だってだって! いくら天才の束さんでも、専門外の分野はちょっと勉強ができすぎる優秀な学生レベルだよ!」
千冬「……」
束「正直、さっぱりだよ」
束「『これ』はデータ人間が制御する機械」
束「お父様が残した技術を使って、私の疑似人格をインストールしてみたけど……だめ! 全然動かないの!」
千冬「うー……む」
ルパン「……」
ルパン(そろそろ分岐点だな)
ルパン「ハハハハハハハッ!」
束「な、何で笑うのさ!?」
ルパン「簡単な話だよ、レディ」
ルパン「その機械を動かすには、『魂』が必要なのさ」
ルパン「もちろん、ただの魂ではだめだ」
ルパン「必要なのは――『怪人』の『魂』だ」
53: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:45:33.13 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・映画館『テトラ座』>
――がらんどうの映画館に、孤独な一夏の姿があった。
一夏「…………」
――拳を固く握る。
――バナナロックシードを握っていたはずの手は、血が滲んでいた。
シネマ「仮面ライダー……いや、少年よ。消毒をしよう、手を開いておくれ」
――シネマは消毒液とティッシュを手にしていた。
一夏「……ッ」
――優しい手を振り払う音が響く。
一夏「あ……。ご、ごめん……」
シネマ「いいんだ、少年よ。君の心は傷ついているのだから、仕方のないことだ」
――シネマは再び一夏の手を取る。
一夏「あんた、なんで……」
一夏(そんなに、俺を気遣うんだ……)
シネマ「それはね」
シネマ「私が、『怪人』だからだよ」
――がらんどうの映画館に、孤独な一夏の姿があった。
一夏「…………」
――拳を固く握る。
――バナナロックシードを握っていたはずの手は、血が滲んでいた。
シネマ「仮面ライダー……いや、少年よ。消毒をしよう、手を開いておくれ」
――シネマは消毒液とティッシュを手にしていた。
一夏「……ッ」
――優しい手を振り払う音が響く。
一夏「あ……。ご、ごめん……」
シネマ「いいんだ、少年よ。君の心は傷ついているのだから、仕方のないことだ」
――シネマは再び一夏の手を取る。
一夏「あんた、なんで……」
一夏(そんなに、俺を気遣うんだ……)
シネマ「それはね」
シネマ「私が、『怪人』だからだよ」
54: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:46:45.43 ID:p1njQBDjo
<IS学園・1年1組>
――窓越しに、学園に駆け込んで来る箒と鈴の姿が見えた。
クラスメイト1「血相変えてどうしたんだ、あいつら……」
クラスメイト3「……! みんな、これを見てくれたまえ!」
――空中にスクリーンが投影される。
――沢芽市の海岸に上がった、爆炎の映像だった。
クラスメイト3「沢芽市という隣街のトラブルと、鳳君達の様子。無関係ではあるまい」
クラスメイト1「…………」
「けど……」
「私達は……」
――クラスは、再び沈黙に包まれる。
クラスメイト2「……ッ」
――バン! と黒板が叩かれた。
クラスメイト2「ノブレス・オブリージュ!」
クラスメイト2「わ、私は……。私は、行く!」
――そう宣言しながらも、足が震えていた。
「…………」
「…………」
「…………」
クラスメイト1「……その映像、もっとよく見せてくれないか」
クラスメイト3「あ、ああ……」
――爆炎の映像が、大写しになる。
クラスメイト1「何使ったらこんなのが噴き上がるんだろうな……」
――窓越しに、学園に駆け込んで来る箒と鈴の姿が見えた。
クラスメイト1「血相変えてどうしたんだ、あいつら……」
クラスメイト3「……! みんな、これを見てくれたまえ!」
――空中にスクリーンが投影される。
――沢芽市の海岸に上がった、爆炎の映像だった。
クラスメイト3「沢芽市という隣街のトラブルと、鳳君達の様子。無関係ではあるまい」
クラスメイト1「…………」
「けど……」
「私達は……」
――クラスは、再び沈黙に包まれる。
クラスメイト2「……ッ」
――バン! と黒板が叩かれた。
クラスメイト2「ノブレス・オブリージュ!」
クラスメイト2「わ、私は……。私は、行く!」
――そう宣言しながらも、足が震えていた。
「…………」
「…………」
「…………」
クラスメイト1「……その映像、もっとよく見せてくれないか」
クラスメイト3「あ、ああ……」
――爆炎の映像が、大写しになる。
クラスメイト1「何使ったらこんなのが噴き上がるんだろうな……」
55: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:47:25.93 ID:p1njQBDjo
クラスメイト3「強力な破壊兵器だろう……。生身で浴びれば、とうてい助かりようはない……」
クラスメイト1「そんなのほっといたら、どうなる?」
クラスメイト3「……大変なことになる」
クラスメイト1「…………」
クラスメイト1「……」
クラスメイト1「……一夏の奴は」
クラスメイト1「あいつはきっと、戦いに行くだろうな……」
クラスメイト3「……彼には、『勇気』がある」
クラスメイト3「駆紋君から受け継いだ……私達の、憧れだ」
クラスメイト1「……」
――爆炎を見つめる。
――生徒達みんなが、噴き上がる破壊の力を見つめていた。
クラスメイト1「ああ、だめだ。泣けてきた……」
クラスメイト1「一夏一人に任せて、それでまた友達を見殺しにしたら後悔する」
クラスメイト1「分かってるのに動けない自分に、泣けてきた……」
クラスメイト5103「……」
クラスメイト5103「泣きながら……」
クラスメイト3「後藤君……?」
クラスメイト5103「泣きながら進むのが、本当の強者だ。……あいつは、そう言っていた」
――黒板を叩く!
――そこには『本当の強者はなにをするのか?』と書かれていた。
クラスメイト5103「……進もう」
クラスメイト1「そんなのほっといたら、どうなる?」
クラスメイト3「……大変なことになる」
クラスメイト1「…………」
クラスメイト1「……」
クラスメイト1「……一夏の奴は」
クラスメイト1「あいつはきっと、戦いに行くだろうな……」
クラスメイト3「……彼には、『勇気』がある」
クラスメイト3「駆紋君から受け継いだ……私達の、憧れだ」
クラスメイト1「……」
――爆炎を見つめる。
――生徒達みんなが、噴き上がる破壊の力を見つめていた。
クラスメイト1「ああ、だめだ。泣けてきた……」
クラスメイト1「一夏一人に任せて、それでまた友達を見殺しにしたら後悔する」
クラスメイト1「分かってるのに動けない自分に、泣けてきた……」
クラスメイト5103「……」
クラスメイト5103「泣きながら……」
クラスメイト3「後藤君……?」
クラスメイト5103「泣きながら進むのが、本当の強者だ。……あいつは、そう言っていた」
――黒板を叩く!
――そこには『本当の強者はなにをするのか?』と書かれていた。
クラスメイト5103「……進もう」
56: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:50:11.06 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・映画館『テトラ座』>
シネマ「少年よ。君は『怪人』とは何だと思う?」
一夏「……それは」
一夏(俺がよく知っている怪人は、二人)
一夏(不屈の神様、駆紋戒斗)
一夏(電子の怪人、戦極凌馬)
一夏(二人とも…………)
一夏(強靭な意思の持ち主だった。その意思の下に、自分の戦いをしていた)
一夏「強い『意思』を持つ人……。だと、思う」
シネマ「おお! その通りだよ、少年!」
――シネマは、一夏を讃えるように拍手を送った。
シネマ「『怪人』とは、『意思』を『力』に変えた人格のことだ」
シネマ「この私、シネマも怪人だ。当然ながら、己の意思がある」
一夏「意思……?」
シネマ「ああ」
シネマ「私はね……」
シネマ「子供達に映画を楽しんでもらいたい! その意思を力に変える人格なんだよ」
シネマ「私はシネマ! “映画館の怪人”だ!」
――ステッキが、床を叩いた。
――映画の幕上げを期待させるような、軽快な音が響き渡る。
シネマ「織斑一夏君。君は仮面ライダーだが、まだ少年だ。私が楽しませるべき、子供だよ」
シネマ「このシネマという怪人が今すべき戦いは、君を笑わせることだ」
――シネマはステッキを回す。
――彼の両手が光に包まれた。
――光が晴れると……。
――右手にポップコーンを、左手にジュースを握っていた。
シネマ「このポップコーンとジュースはサービスだ。受け取ってくれたまえ」
一夏「……」
一夏「……ありがとう」
シネマ「フフッ」
シネマ「少年よ。君は『怪人』とは何だと思う?」
一夏「……それは」
一夏(俺がよく知っている怪人は、二人)
一夏(不屈の神様、駆紋戒斗)
一夏(電子の怪人、戦極凌馬)
一夏(二人とも…………)
一夏(強靭な意思の持ち主だった。その意思の下に、自分の戦いをしていた)
一夏「強い『意思』を持つ人……。だと、思う」
シネマ「おお! その通りだよ、少年!」
――シネマは、一夏を讃えるように拍手を送った。
シネマ「『怪人』とは、『意思』を『力』に変えた人格のことだ」
シネマ「この私、シネマも怪人だ。当然ながら、己の意思がある」
一夏「意思……?」
シネマ「ああ」
シネマ「私はね……」
シネマ「子供達に映画を楽しんでもらいたい! その意思を力に変える人格なんだよ」
シネマ「私はシネマ! “映画館の怪人”だ!」
――ステッキが、床を叩いた。
――映画の幕上げを期待させるような、軽快な音が響き渡る。
シネマ「織斑一夏君。君は仮面ライダーだが、まだ少年だ。私が楽しませるべき、子供だよ」
シネマ「このシネマという怪人が今すべき戦いは、君を笑わせることだ」
――シネマはステッキを回す。
――彼の両手が光に包まれた。
――光が晴れると……。
――右手にポップコーンを、左手にジュースを握っていた。
シネマ「このポップコーンとジュースはサービスだ。受け取ってくれたまえ」
一夏「……」
一夏「……ありがとう」
シネマ「フフッ」
57: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:51:25.79 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
ルパン「『泊進ノ介』は、市民を守るという『意思』を『力』に変えた『怪人』だった」
ルパン「『クリム・スタインベルト』は、泊進ノ介を信じ抜くという『意思』を『力』に変えた『怪人』だった」
ルパン「――つまり。泊進ノ介と、クリム・スタインベルト」
ルパン「二人の『怪人』が融合した姿こそが、『仮面ライダードライブ』だったというわけだ」
ルパン「……ふむ」
ルパン「何を驚いた顔をしている」
ルパン「そもそも、仮面ライダーは『怪人』だろう?」
千冬「それは……」
――千冬の部屋の扉が、けたたましい音を立てて開かれた。
箒「姉さん!」
束「箒ちゃん!? どうしたの……!」
箒「これ! 直せますか、姉さん……!」
――箒は束に、砕けたバナナロックシードを差し出した。
束「これは……」
――束はロックシードを受け取ると、
――力なく、首を振った。
束「核まで砕けてる。これは、もう誰にも直せないよ」
――束はバナナロックシードの裏のスイッチを押す。
――だが、反応は無かった。
束「このロックシードに刻まれていた魂は、消えちゃったんだよ……」
箒「…………」
――千冬の部屋の外で、大きな物音が立った。
千冬「誰だ!」
――千冬が、部屋の外を確認する。
千冬「お前達……」
――そこには、1年1組の生徒達が鎮痛な面持ちで立ちつくしていた。
ルパン「『泊進ノ介』は、市民を守るという『意思』を『力』に変えた『怪人』だった」
ルパン「『クリム・スタインベルト』は、泊進ノ介を信じ抜くという『意思』を『力』に変えた『怪人』だった」
ルパン「――つまり。泊進ノ介と、クリム・スタインベルト」
ルパン「二人の『怪人』が融合した姿こそが、『仮面ライダードライブ』だったというわけだ」
ルパン「……ふむ」
ルパン「何を驚いた顔をしている」
ルパン「そもそも、仮面ライダーは『怪人』だろう?」
千冬「それは……」
――千冬の部屋の扉が、けたたましい音を立てて開かれた。
箒「姉さん!」
束「箒ちゃん!? どうしたの……!」
箒「これ! 直せますか、姉さん……!」
――箒は束に、砕けたバナナロックシードを差し出した。
束「これは……」
――束はロックシードを受け取ると、
――力なく、首を振った。
束「核まで砕けてる。これは、もう誰にも直せないよ」
――束はバナナロックシードの裏のスイッチを押す。
――だが、反応は無かった。
束「このロックシードに刻まれていた魂は、消えちゃったんだよ……」
箒「…………」
――千冬の部屋の外で、大きな物音が立った。
千冬「誰だ!」
――千冬が、部屋の外を確認する。
千冬「お前達……」
――そこには、1年1組の生徒達が鎮痛な面持ちで立ちつくしていた。
58: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:53:17.48 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・映画館『テトラ座』>
――静かな映画館に、一夏の述懐だけが響いていた。
一夏「仮面ライダーは絶対に負けない。負けられない」
一夏「……」
一夏「仮面ライダーが負けたら、みんなの未来を守る人がいなくなっちまう」
一夏「仮面ライダーが『力』を失ったら、もう、誰もみんなを守れない……」
――ドライブロックシードを握りしめる。
一夏「あの戦極凌馬を野放しにはしておけない。あいつは、みんなの自由を踏みにじる……」
一夏「でも……」
一夏「勝てるのか……?」
一夏「あいつと戦えば……。また、戦う力を奪われるんじゃないか?」
一夏「戦いは永遠に終わらないのに……。力を奪われたら、俺はどうすればいいんだ……?」
一夏「守るための力を奪われたら……」
一夏「……」
一夏「俺は、『仮面ライダー』を奪われる……」
一夏「……」
一夏「何か……。胸に泥が詰まったみたいに苦しいよ……」
一夏「泊さんは……」
一夏「何度止まっても再び走り出す仮面ライダー魂を受け継いでくれって言ってたけど……」
一夏「俺……。もう一度走り出せるか、分からないよ……」
――乾いた笑い声が、がらんどうの映画館に木霊した。
――静かな映画館に、一夏の述懐だけが響いていた。
一夏「仮面ライダーは絶対に負けない。負けられない」
一夏「……」
一夏「仮面ライダーが負けたら、みんなの未来を守る人がいなくなっちまう」
一夏「仮面ライダーが『力』を失ったら、もう、誰もみんなを守れない……」
――ドライブロックシードを握りしめる。
一夏「あの戦極凌馬を野放しにはしておけない。あいつは、みんなの自由を踏みにじる……」
一夏「でも……」
一夏「勝てるのか……?」
一夏「あいつと戦えば……。また、戦う力を奪われるんじゃないか?」
一夏「戦いは永遠に終わらないのに……。力を奪われたら、俺はどうすればいいんだ……?」
一夏「守るための力を奪われたら……」
一夏「……」
一夏「俺は、『仮面ライダー』を奪われる……」
一夏「……」
一夏「何か……。胸に泥が詰まったみたいに苦しいよ……」
一夏「泊さんは……」
一夏「何度止まっても再び走り出す仮面ライダー魂を受け継いでくれって言ってたけど……」
一夏「俺……。もう一度走り出せるか、分からないよ……」
――乾いた笑い声が、がらんどうの映画館に木霊した。
59: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:54:21.23 ID:p1njQBDjo
一夏「格好悪いよな。俺はもう仮面ライダーなのに……」
一夏「今でも、子供のままなんだ」
一夏「こんな悩み。泊さんや戒斗なら何でもないはずなのに……」
一夏「……」
一夏「俺は、本当に仮面ライダーなのかな……」
一夏「それとも……仮面ライダーに憧れただけの、子供なのかな……」
――述懐の切れ目を悟ったシネマが、立ち上がった。
――“映画館の怪人”の手が、苦悩する少年の頭を優しく撫でる。
シネマ「君は子供だ」
一夏「そうか……」
シネマ「ああ」
――だが、と言葉を続ける。
シネマ「君は仮面ライダーでもある」
一夏「……?」
シネマ「いいじゃないか、子供で仮面ライダー! 『夢』がある! 無限の可能性を感じさせる希望があるよ!」
――シネマはステッキを振るう。
――映画館のスクリーンに、映像が映った。
――仮面ライダーの映画だ。
シネマ「『怪人』の話をしよう」
一夏「今でも、子供のままなんだ」
一夏「こんな悩み。泊さんや戒斗なら何でもないはずなのに……」
一夏「……」
一夏「俺は、本当に仮面ライダーなのかな……」
一夏「それとも……仮面ライダーに憧れただけの、子供なのかな……」
――述懐の切れ目を悟ったシネマが、立ち上がった。
――“映画館の怪人”の手が、苦悩する少年の頭を優しく撫でる。
シネマ「君は子供だ」
一夏「そうか……」
シネマ「ああ」
――だが、と言葉を続ける。
シネマ「君は仮面ライダーでもある」
一夏「……?」
シネマ「いいじゃないか、子供で仮面ライダー! 『夢』がある! 無限の可能性を感じさせる希望があるよ!」
――シネマはステッキを振るう。
――映画館のスクリーンに、映像が映った。
――仮面ライダーの映画だ。
シネマ「『怪人』の話をしよう」
60: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:55:40.33 ID:p1njQBDjo
シネマ「怪人とは意思を力に変える人格、と言ったね?」
シネマ「『意思』ある者には、『夢』がある」
シネマ「当然。私という怪人にも夢があり、その夢を叶えるために活動している」
シネマ「君と映画を作ろうとしたのも、そのためだ」
シネマ「…………」
――仮面ライダーの映画に、ノイズが走っていた。
――仮面ライダーの映画の、仮面ライダーがいるであろう部分だけが、黒く塗りつぶされていた。
シネマ「この世界は『仮面ライダー』を盗まれてしまった」
シネマ「子供達は知らないんだよ」
シネマ「仮面ライダーという、彼らの味方を知らないんだ……」
シネマ「仮面ライダーは子供達が助けを呼ぶだけで奇跡を起こしてくれるのに」
シネマ「子供達は、その英雄の名を呼ぶことすらできないんだ。知らないから……」
一夏「……」
シネマ「この世界には、仮面ライダーがいる」
シネマ「君達が安心して映画を楽しめる世界を守ってくれる、英雄がいる」
シネマ「君と作った映画を使って……子供達に、それを伝えたかったんだ」
シネマ「それが私の夢だ」
シネマ「それが私の意思だ」
一夏「……」
一夏「子供達に伝える……」
一夏「それがシネマの夢と、意思……?」
シネマ「ああ」
シネマ「そして、ここからが一番大切な話だ」
シネマ「君が奪われたものは『力』ではない」
一夏「え……?」
シネマ「そもそも、仮面ライダーとは――」
――シネマの言葉を遮るように、
ハカイダー「やはりここだったね」
――爆発音が、響き渡った。
シネマ「『意思』ある者には、『夢』がある」
シネマ「当然。私という怪人にも夢があり、その夢を叶えるために活動している」
シネマ「君と映画を作ろうとしたのも、そのためだ」
シネマ「…………」
――仮面ライダーの映画に、ノイズが走っていた。
――仮面ライダーの映画の、仮面ライダーがいるであろう部分だけが、黒く塗りつぶされていた。
シネマ「この世界は『仮面ライダー』を盗まれてしまった」
シネマ「子供達は知らないんだよ」
シネマ「仮面ライダーという、彼らの味方を知らないんだ……」
シネマ「仮面ライダーは子供達が助けを呼ぶだけで奇跡を起こしてくれるのに」
シネマ「子供達は、その英雄の名を呼ぶことすらできないんだ。知らないから……」
一夏「……」
シネマ「この世界には、仮面ライダーがいる」
シネマ「君達が安心して映画を楽しめる世界を守ってくれる、英雄がいる」
シネマ「君と作った映画を使って……子供達に、それを伝えたかったんだ」
シネマ「それが私の夢だ」
シネマ「それが私の意思だ」
一夏「……」
一夏「子供達に伝える……」
一夏「それがシネマの夢と、意思……?」
シネマ「ああ」
シネマ「そして、ここからが一番大切な話だ」
シネマ「君が奪われたものは『力』ではない」
一夏「え……?」
シネマ「そもそも、仮面ライダーとは――」
――シネマの言葉を遮るように、
ハカイダー「やはりここだったね」
――爆発音が、響き渡った。
61: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:56:13.68 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
――千冬は、1年1組の生徒達の前で言葉を探していた。
千冬「その……。今の話、聞いていたのか……?」
――生徒達が頷くと、いよいよ千冬は参ってしまう。
千冬(……お前達が、今でも駆紋のことを大切に思っていることは分かっている)
千冬(駆紋のメッセージが刻まれたバナナロックシードを心の拠り所にしていたことも)
千冬(どうしたものか……)
――千冬は、1年1組の生徒達の前で言葉を探していた。
千冬「その……。今の話、聞いていたのか……?」
――生徒達が頷くと、いよいよ千冬は参ってしまう。
千冬(……お前達が、今でも駆紋のことを大切に思っていることは分かっている)
千冬(駆紋のメッセージが刻まれたバナナロックシードを心の拠り所にしていたことも)
千冬(どうしたものか……)
62: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:57:10.75 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・映画館『テトラ座』>
――ドライブ!
――ロック・オン!
一夏「変身!」
――カモン! ドライブアームズ!!
――ひとっ走り・いざ・Together!
ハカイダー「素早い変身だね。フフッ。『私』が怖いのかい?」
一夏「う、うるせぇっ!」
――ハンドル剣を振り被り、ハカイダーに突撃する。
ハカイダー「変身すれば対抗できる! それは幻想だよ」
――ハカイダーのゼンリンシューターが、ハンドル剣を打ち払った。
ハカイダー「儚い夢を見ていたねぇ!」
――ハカイダーは一夏を殴り倒すと、踏みつけた。
シネマ「バロン!」
ハカイダー「おっと。君に邪魔はさせないよ!」
――助けに入ろうとしたシネマは、ゼンリンシューターに殴り飛ばされてしまった。
ハカイダー「これが欲しかったんだ」
――ロック・オフ
ハカイダー「フフッ。ハハハハハハハハハハッ!」
――ロックシードを奪われ、一夏の変身が解けてしまう。
――ハカイダーは『ドライブロックシード』を手に、高笑いを上げていた。
一夏「か、返せ! それは泊さんの……!」
ハカイダー「魂が入っているのだろう? だから必要だったんだよ」
――ドライブ!
――ロック・オン!
一夏「変身!」
――カモン! ドライブアームズ!!
――ひとっ走り・いざ・Together!
ハカイダー「素早い変身だね。フフッ。『私』が怖いのかい?」
一夏「う、うるせぇっ!」
――ハンドル剣を振り被り、ハカイダーに突撃する。
ハカイダー「変身すれば対抗できる! それは幻想だよ」
――ハカイダーのゼンリンシューターが、ハンドル剣を打ち払った。
ハカイダー「儚い夢を見ていたねぇ!」
――ハカイダーは一夏を殴り倒すと、踏みつけた。
シネマ「バロン!」
ハカイダー「おっと。君に邪魔はさせないよ!」
――助けに入ろうとしたシネマは、ゼンリンシューターに殴り飛ばされてしまった。
ハカイダー「これが欲しかったんだ」
――ロック・オフ
ハカイダー「フフッ。ハハハハハハハハハハッ!」
――ロックシードを奪われ、一夏の変身が解けてしまう。
――ハカイダーは『ドライブロックシード』を手に、高笑いを上げていた。
一夏「か、返せ! それは泊さんの……!」
ハカイダー「魂が入っているのだろう? だから必要だったんだよ」
63: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:57:54.76 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「そして。君の『力』を奪うことは、君の『意思』の破壊にも繋がる。ハハハハハ!」
ハカイダー「……さて」
――ハカイダーはゼンリンシューターを戦極ドライバーに押し付けると、引き金を引いた。
――火花散り、戦極ドライバーが弾け飛ぶ。
ハカイダー「ドライバーは破壊した。君はもう変身できないが……」
――銃口を、一夏の額に押し付ける。
一夏(あ……)
一夏(覚えてる……。この感覚。この恐怖……)
一夏(小学校五年生の……。誘拐された時の……っ)
一夏(強者に、一方的に踏みにじられた時の…………!)
――幼い頃の恐怖が、目の前の存在と重なった。
一夏「あ、あ……ああ……」
ハカイダー「破壊する」
――引き金が引かれる、その直前。
――映画のフィルムが一夏に巻き付き、その身を何処かへ転移させていた。
ハカイダー「…………」
――ハカイダーは劇場を見渡す。
――シネマの姿も消えていた。
ハカイダー「まあいい。その力もそろそろ打ち止めだろう」
ハカイダー「次は、破壊する」
ハカイダー「……さて」
――ハカイダーはゼンリンシューターを戦極ドライバーに押し付けると、引き金を引いた。
――火花散り、戦極ドライバーが弾け飛ぶ。
ハカイダー「ドライバーは破壊した。君はもう変身できないが……」
――銃口を、一夏の額に押し付ける。
一夏(あ……)
一夏(覚えてる……。この感覚。この恐怖……)
一夏(小学校五年生の……。誘拐された時の……っ)
一夏(強者に、一方的に踏みにじられた時の…………!)
――幼い頃の恐怖が、目の前の存在と重なった。
一夏「あ、あ……ああ……」
ハカイダー「破壊する」
――引き金が引かれる、その直前。
――映画のフィルムが一夏に巻き付き、その身を何処かへ転移させていた。
ハカイダー「…………」
――ハカイダーは劇場を見渡す。
――シネマの姿も消えていた。
ハカイダー「まあいい。その力もそろそろ打ち止めだろう」
ハカイダー「次は、破壊する」
64: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:58:27.19 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
「「「織斑先生」」」
――生徒達が、千冬を見上げていた。
千冬「何だ……?」
――代表として、三人の生徒が前に出る。
クラスメイト3「織斑先生。学園が所持している、訓練用の第二世代IS三十機。我々に貸していただきたい」
クラスメイト2「私達は進まなければならない! ……泣きながらでも、前へ!」
クラスメイト1「……お願いします」
――生徒達が、一斉に頭を下げる。
――みんな足を震わせ、ぼろぼろと涙を流していた。
千冬「…………っ」
千冬「いいだろう。責任は私が取ってやる!」
「「「織斑先生」」」
――生徒達が、千冬を見上げていた。
千冬「何だ……?」
――代表として、三人の生徒が前に出る。
クラスメイト3「織斑先生。学園が所持している、訓練用の第二世代IS三十機。我々に貸していただきたい」
クラスメイト2「私達は進まなければならない! ……泣きながらでも、前へ!」
クラスメイト1「……お願いします」
――生徒達が、一斉に頭を下げる。
――みんな足を震わせ、ぼろぼろと涙を流していた。
千冬「…………っ」
千冬「いいだろう。責任は私が取ってやる!」
65: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:59:15.31 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
――呆然と海を眺める一夏の姿があった。
一夏「戒斗……。泊さん……。俺は……」
シネマ「……」
――シネマは、縮こまった少年にかける言葉を探して頭を悩ませていた。
一夏「怖いよ……」
一夏「何もできないんだ」
一夏「奪われるんだ」
一夏「踏みにじられるんだ」
一夏「強くなれば」
一夏「強くなれば、変わると思ってた……」
一夏「変わらなかった」
一夏「何もできなかった」
一夏「みんなを守るための『力』すら奪われた……」
一夏「俺は……」
一夏「『仮面ライダー』を奪われた……」
――すがる者を失った一夏の手は、空を切る。
――『勇気』を与えてくれる『英雄』の『魂』は失われてしまった。
――残されたのは、『意思』を見失った少年だけである。
シネマ「……よし」
――意を決したシネマが、一夏に寄り添った。
シネマ「少年よ。君が失ったのは『力』ではない」
一夏「シネマ……?」
シネマ「君が失ったのは。いや、見失ったのは――」
――銃撃音が、言葉を引き取る。
ハカイダー「見つけたよ。逃げるなら、もっと工夫をすべきだったねぇ」
一夏「あ……。ああ……っ」
――破壊の化身が、銃口を向けていた。
――呆然と海を眺める一夏の姿があった。
一夏「戒斗……。泊さん……。俺は……」
シネマ「……」
――シネマは、縮こまった少年にかける言葉を探して頭を悩ませていた。
一夏「怖いよ……」
一夏「何もできないんだ」
一夏「奪われるんだ」
一夏「踏みにじられるんだ」
一夏「強くなれば」
一夏「強くなれば、変わると思ってた……」
一夏「変わらなかった」
一夏「何もできなかった」
一夏「みんなを守るための『力』すら奪われた……」
一夏「俺は……」
一夏「『仮面ライダー』を奪われた……」
――すがる者を失った一夏の手は、空を切る。
――『勇気』を与えてくれる『英雄』の『魂』は失われてしまった。
――残されたのは、『意思』を見失った少年だけである。
シネマ「……よし」
――意を決したシネマが、一夏に寄り添った。
シネマ「少年よ。君が失ったのは『力』ではない」
一夏「シネマ……?」
シネマ「君が失ったのは。いや、見失ったのは――」
――銃撃音が、言葉を引き取る。
ハカイダー「見つけたよ。逃げるなら、もっと工夫をすべきだったねぇ」
一夏「あ……。ああ……っ」
――破壊の化身が、銃口を向けていた。
66: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 16:59:47.34 ID:p1njQBDjo
<IS学園・正面ゲート>
――千冬と束が空を見上げていた。
千冬「……。駆紋は本当に私よりもずっと教師に向いていたようだ」
束「七十歳のおじいちゃんと比べちゃ流石のちーちゃんも、ね」
千冬「……ふふっ。その通りだよ」
ルパン「二人とも」
千冬「ん?」
ルパン「あれを」
――ルパンが指した方角に、一機のISがいた。
――ISは千冬と束を見つけると、正面ゲートの前に降り立つ。
――ISは《ブルー・ティアーズ》。操縦者は、セシリア・オルコット。
セシリア「篠ノ之博士。《ブルー・ティアーズ》の整備、ありがとうございました。おかげで大切な約束を見つけられました」
――セシリアは、『黄色のふうとくん』を手にしていた。
――千冬と束が空を見上げていた。
千冬「……。駆紋は本当に私よりもずっと教師に向いていたようだ」
束「七十歳のおじいちゃんと比べちゃ流石のちーちゃんも、ね」
千冬「……ふふっ。その通りだよ」
ルパン「二人とも」
千冬「ん?」
ルパン「あれを」
――ルパンが指した方角に、一機のISがいた。
――ISは千冬と束を見つけると、正面ゲートの前に降り立つ。
――ISは《ブルー・ティアーズ》。操縦者は、セシリア・オルコット。
セシリア「篠ノ之博士。《ブルー・ティアーズ》の整備、ありがとうございました。おかげで大切な約束を見つけられました」
――セシリアは、『黄色のふうとくん』を手にしていた。
67: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:00:32.26 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
ハカイダー「……君は運がいいね」
――ハカイダーはゼンリンシューターを納めると、天を仰いだ。
一夏(あれは……)
一夏(み、みんな……? どうしてここに……)
――空に、《甲龍》と三十機の第二世代ISからなる部隊が展開していた。
ハカイダー「君達。そんな玩具を引っ張り出してきて、何をするつもりだい?」
――ハカイダーの問いかけに、IS部隊を代表して三人の生徒が前に出た。
クラスメイト3「我々の欲望を実現しに来たんだよ!」
クラスメイト2「我らは、今こそ友が望んだ者になる!」
クラスメイト1「泣きながらでも、前に進む!」
クラスメイト1「俺達は……」
――友達を守るために『勇気』を振り絞って、
「「「本当の強者になる!!」」」
――1年1組の生徒達は、一斉に武器を構えた。
<花畑の海岸>
――クラスメイト達の勇姿を、一夏はぼんやりと見上げていた。
一夏(……)
一夏(IS《インフィニット・ストラトス》)
一夏(戦う『力』)
一夏(今のみんなには『力』がある)
一夏(『仮面ライダー』を奪われた俺なんかよりも、ずっと)
一夏(……)
一夏(もう、みんなに任せちゃえばいいのかな……)
ハカイダー「……君は運がいいね」
――ハカイダーはゼンリンシューターを納めると、天を仰いだ。
一夏(あれは……)
一夏(み、みんな……? どうしてここに……)
――空に、《甲龍》と三十機の第二世代ISからなる部隊が展開していた。
ハカイダー「君達。そんな玩具を引っ張り出してきて、何をするつもりだい?」
――ハカイダーの問いかけに、IS部隊を代表して三人の生徒が前に出た。
クラスメイト3「我々の欲望を実現しに来たんだよ!」
クラスメイト2「我らは、今こそ友が望んだ者になる!」
クラスメイト1「泣きながらでも、前に進む!」
クラスメイト1「俺達は……」
――友達を守るために『勇気』を振り絞って、
「「「本当の強者になる!!」」」
――1年1組の生徒達は、一斉に武器を構えた。
<花畑の海岸>
――クラスメイト達の勇姿を、一夏はぼんやりと見上げていた。
一夏(……)
一夏(IS《インフィニット・ストラトス》)
一夏(戦う『力』)
一夏(今のみんなには『力』がある)
一夏(『仮面ライダー』を奪われた俺なんかよりも、ずっと)
一夏(……)
一夏(もう、みんなに任せちゃえばいいのかな……)
68: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:01:10.50 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
ハカイダー「本当の強者になる、か」
ハカイダー「ハハッ。ハハハハハハハハハハッ!」
ハカイダー「その意思、破壊してやる」
ハカイダー「『キルプロセス』!』
――ハカイダーはISに停止コードを送る。
――だが、反応は無かった。
鈴「そんなのはとっくに対処済みよ! そのために束さんにISを預けてたんだから!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「ふむ」
ハカイダー「本当の強者になる、か」
ハカイダー「ハハッ。ハハハハハハハハハハッ!」
ハカイダー「その意思、破壊してやる」
ハカイダー「『キルプロセス』!』
――ハカイダーはISに停止コードを送る。
――だが、反応は無かった。
鈴「そんなのはとっくに対処済みよ! そのために束さんにISを預けてたんだから!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「ふむ」
69: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:01:58.90 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
セシリア「あの。わたくしもみなさんの加勢に……」
ルパン「いや。君はまだここにいるべきだ」
セシリア「……?」
ルパン「フフッ」
――黄金のミニカーは、尊大に起立する。
――その隣には『黄色のふうとくん』があった。
ルパン「今こそ!」
ルパン「諸君らに、このルパンの目的を明かそう!」
ルパン「半月前!」
ルパン「このルパンが仮面ライダーバロンに加勢したのは……」
ルパン「仮面ライダーを盗むためだったのだ!」
――黄金のミニカーが、ぴょん、と跳ねた。
ルパン「分かるかね?」
ルパン「その機械……」
ルパン「『ドライブドライバー』の復活には、『怪人』の『魂』が必要だ!」
ルパン「だが! この仮面ライダーが失われた世界では、怪人もまた失われてしまった!」
セシリア「あの。わたくしもみなさんの加勢に……」
ルパン「いや。君はまだここにいるべきだ」
セシリア「……?」
ルパン「フフッ」
――黄金のミニカーは、尊大に起立する。
――その隣には『黄色のふうとくん』があった。
ルパン「今こそ!」
ルパン「諸君らに、このルパンの目的を明かそう!」
ルパン「半月前!」
ルパン「このルパンが仮面ライダーバロンに加勢したのは……」
ルパン「仮面ライダーを盗むためだったのだ!」
――黄金のミニカーが、ぴょん、と跳ねた。
ルパン「分かるかね?」
ルパン「その機械……」
ルパン「『ドライブドライバー』の復活には、『怪人』の『魂』が必要だ!」
ルパン「だが! この仮面ライダーが失われた世界では、怪人もまた失われてしまった!」
70: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:03:07.20 ID:p1njQBDjo
ルパン「が!」
ルパン「例外は常に存在する……」
――黄金のミニカーが、くるくると回転する。
ルパン「そう!」
ルパン「このルパンこそ、五十年前から生き延び続けた怪人だ!」
ルパン「仮面ライダーを盗むという意思を力に変えて、今日まで存在し続けた!!」
ルパン「戦極凌馬の粛清から逃げきった!!」
ルパン「ハハ! ハハハハハハハハハッ!」
ルパン「泊進ノ介が仮面ライダーバロンにドライブドライバーを託した瞬間から、このルパンの計画はスタートしていた!」
ルパン「ドライブドライバーを復活させるためには怪人という強靭な魂が必要だ!」
ルパン「いずれバロンがドライブになる時には……このルパンの『魂』を『ドライブドライバー』にインストールするよう提案するつもりだった」
ルパン「恩人の提案なら断るまい。特に、あの仮面ライダーバロンなら、な」
ルパン「そのために恩を売っておいたのだよ」
――黄金のミニカーは、バク宙を決める。
ルパン「織斑一夏という『怪人』と、ゾルーク東条という『怪人』が『融合』することで『仮面ライダードライブ』が再誕し……」
ルパン「このルパンは、仮面ライダーになる」
ルパン「芸術的な盗みが完成する……」
ルパン「それがこのルパンの計画だ!」
ルパン「いや。だった……」
ルパン「フフッ」
――ルパンは、『黄色のふうとくん』を前に押し出す。
ルパン「仮面ライダーバロンには、よりふさわしい『相棒』がいるようだ」
――束と千冬とセシリアの視線が、淡く輝く『黄色のふうとくん』に注がれていた。
束「ちょっと待って」
ルパン「何だね?」
束「もう試したよ」
ルパン「は……?」
ルパン「例外は常に存在する……」
――黄金のミニカーが、くるくると回転する。
ルパン「そう!」
ルパン「このルパンこそ、五十年前から生き延び続けた怪人だ!」
ルパン「仮面ライダーを盗むという意思を力に変えて、今日まで存在し続けた!!」
ルパン「戦極凌馬の粛清から逃げきった!!」
ルパン「ハハ! ハハハハハハハハハッ!」
ルパン「泊進ノ介が仮面ライダーバロンにドライブドライバーを託した瞬間から、このルパンの計画はスタートしていた!」
ルパン「ドライブドライバーを復活させるためには怪人という強靭な魂が必要だ!」
ルパン「いずれバロンがドライブになる時には……このルパンの『魂』を『ドライブドライバー』にインストールするよう提案するつもりだった」
ルパン「恩人の提案なら断るまい。特に、あの仮面ライダーバロンなら、な」
ルパン「そのために恩を売っておいたのだよ」
――黄金のミニカーは、バク宙を決める。
ルパン「織斑一夏という『怪人』と、ゾルーク東条という『怪人』が『融合』することで『仮面ライダードライブ』が再誕し……」
ルパン「このルパンは、仮面ライダーになる」
ルパン「芸術的な盗みが完成する……」
ルパン「それがこのルパンの計画だ!」
ルパン「いや。だった……」
ルパン「フフッ」
――ルパンは、『黄色のふうとくん』を前に押し出す。
ルパン「仮面ライダーバロンには、よりふさわしい『相棒』がいるようだ」
――束と千冬とセシリアの視線が、淡く輝く『黄色のふうとくん』に注がれていた。
束「ちょっと待って」
ルパン「何だね?」
束「もう試したよ」
ルパン「は……?」
71: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:04:24.82 ID:p1njQBDjo
束「一週間前……。バナナロックシードに刻まれた魂をドライブドライバーに移せないか、実験したんだよ」
束「けど……できなかった」
束「バナナロックシードに刻まれた魂が……」
束「駆紋戒斗の魂が、蘇ることを拒んだんだよ」
――束は淡く輝くふうとくんを手に取った。
束「この中に駆紋戒斗の魂があったとしても、無理なんだよ」
束「駆紋戒斗は、復活を望んでいないんだ」
ルパン「むう……」
セシリア「……」
セシリア「もしも」
セシリア「もしも。一週間前に戒斗さんが帰ってこられていたら、どうなっていたでしょうか?」
千冬「…………」
千冬「一夏も、生徒達も、喜んだろう」
千冬「そして……。何も変わらない、元通りの日々が始まっただろう」
セシリア「だから」
セシリア「だから、戒斗さんは戻ろうとしなかったのでは?」
束「けど……できなかった」
束「バナナロックシードに刻まれた魂が……」
束「駆紋戒斗の魂が、蘇ることを拒んだんだよ」
――束は淡く輝くふうとくんを手に取った。
束「この中に駆紋戒斗の魂があったとしても、無理なんだよ」
束「駆紋戒斗は、復活を望んでいないんだ」
ルパン「むう……」
セシリア「……」
セシリア「もしも」
セシリア「もしも。一週間前に戒斗さんが帰ってこられていたら、どうなっていたでしょうか?」
千冬「…………」
千冬「一夏も、生徒達も、喜んだろう」
千冬「そして……。何も変わらない、元通りの日々が始まっただろう」
セシリア「だから」
セシリア「だから、戒斗さんは戻ろうとしなかったのでは?」
72: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:05:32.83 ID:p1njQBDjo
束「どういうこと……?」
セシリア「それは……」
「いや。まったくその通りだよ!」
束「お、お父様……!?」
――窓の外に、夏スタイルの戦極凌馬がいた。
凌馬「ウェーイ!」
――凌馬は、テンション高めに壁を擦り抜けて室内に入ってくる。
凌馬「オペを始める! が、見ての通り、『僕』は幽霊だ。執刀は君が行うんだ、束」
束「ちょ、ちょ、ちょちょちょちょちょ!? え、ええええええええーーー!?」
千冬「何をするつもりだ」
凌馬「分からないのかい? ドライブドライバーに駆紋戒斗の魂をインストールするんだよ」
セシリア「け、けれど! 戒斗さんは一度それを拒んでいます!」
凌馬「だが、次は受け入れる。……かもしれない」
――スクリーンが立ち上がる。
――海岸の戦いを所在無さげに見上げる一夏が映っていた。
凌馬「織斑一夏が『夢』を自覚すれば、ツンデレ大魔王は帰ってくるだろう」
凌馬「何故ならば……」
凌馬「その夢は、駆紋戒斗の夢でもあるからだ」
セシリア「それは……」
「いや。まったくその通りだよ!」
束「お、お父様……!?」
――窓の外に、夏スタイルの戦極凌馬がいた。
凌馬「ウェーイ!」
――凌馬は、テンション高めに壁を擦り抜けて室内に入ってくる。
凌馬「オペを始める! が、見ての通り、『僕』は幽霊だ。執刀は君が行うんだ、束」
束「ちょ、ちょ、ちょちょちょちょちょ!? え、ええええええええーーー!?」
千冬「何をするつもりだ」
凌馬「分からないのかい? ドライブドライバーに駆紋戒斗の魂をインストールするんだよ」
セシリア「け、けれど! 戒斗さんは一度それを拒んでいます!」
凌馬「だが、次は受け入れる。……かもしれない」
――スクリーンが立ち上がる。
――海岸の戦いを所在無さげに見上げる一夏が映っていた。
凌馬「織斑一夏が『夢』を自覚すれば、ツンデレ大魔王は帰ってくるだろう」
凌馬「何故ならば……」
凌馬「その夢は、駆紋戒斗の夢でもあるからだ」
73: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:06:47.06 ID:p1njQBDjo
<沢芽市・花畑の海岸>
一夏(やめろ…)
――空中から急降下してきた《打鉄》の斬撃を、ハカイダーはひらりと避けてみせた。
ハカイダー「なるほど」
ハカイダー「ISは、この世界における絶対的な力だ。それを手にした君達が気を大きくするのも不思議じゃない」
ハカイダー「だが」
ハカイダー「『私』が起動する状況ではIS操縦者との戦闘もありうると――想定済みだよ」
――ハカイダーショットの引き金を引く。
――吐き出された弾丸は、ISの《絶対防御》を貫き、飛行ユニットを破壊した。
――姿勢制御能力を失ったISが、海岸の砂利に墜落する。
一夏(やめてくれ……)
――1機、また1機とISが無力化されていく。
――やがて、全てのISが戦闘能力を失った。
ハカイダー「勇気を振り絞ったってねぇ……。無駄なんだよ」
ハカイダー「君達みたいな子供の意思なんて、大人の手にかかれば簡単に折られてしまうのさ」
――ハカイダーは、撃ち落としたISを踏みつけた。
――生徒の悲鳴が上がる。
――すると。ハカイダーは、嬉しそうに、もう一度ISを踏みつけた。
ハカイダー「君達は無力だね」
クラスメイト1「こ、こんにゃろ……っ」
――ゼンリンシューターの銃口が、生徒に突きつけられる。
一夏(やめろ…)
――空中から急降下してきた《打鉄》の斬撃を、ハカイダーはひらりと避けてみせた。
ハカイダー「なるほど」
ハカイダー「ISは、この世界における絶対的な力だ。それを手にした君達が気を大きくするのも不思議じゃない」
ハカイダー「だが」
ハカイダー「『私』が起動する状況ではIS操縦者との戦闘もありうると――想定済みだよ」
――ハカイダーショットの引き金を引く。
――吐き出された弾丸は、ISの《絶対防御》を貫き、飛行ユニットを破壊した。
――姿勢制御能力を失ったISが、海岸の砂利に墜落する。
一夏(やめてくれ……)
――1機、また1機とISが無力化されていく。
――やがて、全てのISが戦闘能力を失った。
ハカイダー「勇気を振り絞ったってねぇ……。無駄なんだよ」
ハカイダー「君達みたいな子供の意思なんて、大人の手にかかれば簡単に折られてしまうのさ」
――ハカイダーは、撃ち落としたISを踏みつけた。
――生徒の悲鳴が上がる。
――すると。ハカイダーは、嬉しそうに、もう一度ISを踏みつけた。
ハカイダー「君達は無力だね」
クラスメイト1「こ、こんにゃろ……っ」
――ゼンリンシューターの銃口が、生徒に突きつけられる。
74: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:07:52.39 ID:p1njQBDjo
一夏(あ、ああ……)
一夏(だめだ……)
一夏(奪われる)
一夏(強者に踏みにじられる……!)
一夏(強者は、弱者を一方的に踏みにじる。世界は弱さや痛みばかり与える……)
一夏(俺を助けに来てくれたみんなの『優しさ』が……)
一夏(『怪人』の『悪意』に、踏みにじられている……!)
一夏(……っ)
一夏(う、動けよ、俺!)
一夏(俺は、世界がそうだから強くなりたかったんだろう!)
一夏(誰よりも強くなって、みんなを守りたかったんだろう……!)
一夏(でも……)
一夏(今の俺には何の力もない……っ)
一夏(戒斗の魂は壊された……)
一夏(泊さんの魂は奪われた……)
一夏(俺にはもう、守ることなんてできない……)
一夏(俺は『仮面ライダー』じゃない……っ)
ハカイダー「……」
ハカイダー「破壊する」
――ゼンリンシューターの引き金を引こうとしたハカイダーの、
――頭部に、長剣が打ち込まれていた。
一夏(だめだ……)
一夏(奪われる)
一夏(強者に踏みにじられる……!)
一夏(強者は、弱者を一方的に踏みにじる。世界は弱さや痛みばかり与える……)
一夏(俺を助けに来てくれたみんなの『優しさ』が……)
一夏(『怪人』の『悪意』に、踏みにじられている……!)
一夏(……っ)
一夏(う、動けよ、俺!)
一夏(俺は、世界がそうだから強くなりたかったんだろう!)
一夏(誰よりも強くなって、みんなを守りたかったんだろう……!)
一夏(でも……)
一夏(今の俺には何の力もない……っ)
一夏(戒斗の魂は壊された……)
一夏(泊さんの魂は奪われた……)
一夏(俺にはもう、守ることなんてできない……)
一夏(俺は『仮面ライダー』じゃない……っ)
ハカイダー「……」
ハカイダー「破壊する」
――ゼンリンシューターの引き金を引こうとしたハカイダーの、
――頭部に、長剣が打ち込まれていた。
75: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:08:53.14 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「何のつもりだい? そんな、どこにでもあるような剣では『私』は倒せないよ?」
クラスメイト2「これは聖剣ディスカリバー……。ただの剣ではない!」
――ISを脱ぎ棄てた生徒が、長剣一本でハカイダーに挑んでいた。
ハカイダー「ならばその剣で自分の身を守ってみるがいい!」
――ゼンリンシューターの矛先が変わる。
クラスメイト2「フッ」
――標的になった生徒は転がるように飛び退る。
――それに合わせて、激しい銃撃がハカイダーを撃った。
ハカイダー「そ、それは……バースバスター!? 現存していたのか!」
クラスメイト3「これでセルメダルを使い切ってしまったから、ただの鈍器になってしまったがね」
クラスメイト3「後藤君、やれるかい?」
クラスメイト5103「はい!」
――バースバスターを、バットのように構える。
ハカイダー「ハ、ハハ……。ハハハハハッ!」
ハカイダー「それらの兵器は、ISが過去にしたものだ」
ハカイダー「ISを用いて『私』を破壊できなかったのに、そんな『力』で――」
クラスメイト1「みなまで言うなって!」
――生徒の拳が、ハカイダーの顎に叩きこまれていた。
ハカイダー「…………」
ハカイダー「君に俳句を読む時間を与えよう」
クラスメイト1「ディナータイムだ!!」
クラスメイト2「これは聖剣ディスカリバー……。ただの剣ではない!」
――ISを脱ぎ棄てた生徒が、長剣一本でハカイダーに挑んでいた。
ハカイダー「ならばその剣で自分の身を守ってみるがいい!」
――ゼンリンシューターの矛先が変わる。
クラスメイト2「フッ」
――標的になった生徒は転がるように飛び退る。
――それに合わせて、激しい銃撃がハカイダーを撃った。
ハカイダー「そ、それは……バースバスター!? 現存していたのか!」
クラスメイト3「これでセルメダルを使い切ってしまったから、ただの鈍器になってしまったがね」
クラスメイト3「後藤君、やれるかい?」
クラスメイト5103「はい!」
――バースバスターを、バットのように構える。
ハカイダー「ハ、ハハ……。ハハハハハッ!」
ハカイダー「それらの兵器は、ISが過去にしたものだ」
ハカイダー「ISを用いて『私』を破壊できなかったのに、そんな『力』で――」
クラスメイト1「みなまで言うなって!」
――生徒の拳が、ハカイダーの顎に叩きこまれていた。
ハカイダー「…………」
ハカイダー「君に俳句を読む時間を与えよう」
クラスメイト1「ディナータイムだ!!」
76: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:10:01.51 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「それが君の遺言――」
――聖剣ディスカリバーが、ハカイダーに打ち込まれた。
ハカイダー「…………」
ハカイダー「…………ッ」
クラスメイト1「やべっ」
――ハカイダーの怒気が膨れ上がるのを察した生徒達は、一斉に退避する。
一夏(みんな……)
一夏(みんなだって、もう力は無いだろう!)
一夏(IS使って負けたんだぞ!?)
一夏(もう、踏みにじられるしかないじゃないか!?)
一夏(なのに、どうして戦うんだ……!)
ハカイダー「君達は馬鹿なのか!? そんなことをしても意味は無いと言っているだろう!」
ハカイダー「君達に『私』を倒す術は無い!」
ハカイダー「既に『私』は勝利しているんだよ!」
――ハカイダーの主張に、
「「「違う!」」」
――という、1年1組の生徒達の声が重なった。
クラスメイト3「駆紋君は、多くを語る者ではなかった……」
クラスメイト2「だが……。友は、強さを見せつけることで私達に教えてくれた!!」
クラスメイト1「そう!」
「「「私達が屈しない限り、貴様が勝ったわけではない!!」」」
――聖剣ディスカリバーが、ハカイダーに打ち込まれた。
ハカイダー「…………」
ハカイダー「…………ッ」
クラスメイト1「やべっ」
――ハカイダーの怒気が膨れ上がるのを察した生徒達は、一斉に退避する。
一夏(みんな……)
一夏(みんなだって、もう力は無いだろう!)
一夏(IS使って負けたんだぞ!?)
一夏(もう、踏みにじられるしかないじゃないか!?)
一夏(なのに、どうして戦うんだ……!)
ハカイダー「君達は馬鹿なのか!? そんなことをしても意味は無いと言っているだろう!」
ハカイダー「君達に『私』を倒す術は無い!」
ハカイダー「既に『私』は勝利しているんだよ!」
――ハカイダーの主張に、
「「「違う!」」」
――という、1年1組の生徒達の声が重なった。
クラスメイト3「駆紋君は、多くを語る者ではなかった……」
クラスメイト2「だが……。友は、強さを見せつけることで私達に教えてくれた!!」
クラスメイト1「そう!」
「「「私達が屈しない限り、貴様が勝ったわけではない!!」」」
77: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:11:18.85 ID:p1njQBDjo
クラスメイト3「駆紋君の戦績は、正直、芳しくなかった」
クラスメイト1「模擬戦なんかじゃ、ここにいる全員に一度は負けてる」
クラスメイト2「しかし! それでも友は誇り高かった! ――何故ならば、諦めなかったからだ!」
――そうだろう! と。生徒達が、一夏に振り向いた。
一夏(え……)
クラスメイト3「誰よりも駆紋君の近くにいた君こそが、一番よく知っているだろう?」
クラスメイト2「我らの友の強さとは、諦めないこと……。我らが憧れたのは、負け続けているはずなのに『強い』と思わされてしまう『魂』」
クラスメイト1「一夏! お前だって大好きだったんだろう! だからそれを、駆紋の大将から受け継いだんだろう!」
一夏(俺が、戒斗から受け継いだ……)
一夏(戒斗の、好きだったところ……?)
一夏(……)
――『戒斗、お前は強い。俺が知っている、誰よりも』
――『だから、俺はお前になりたい』
――『何度負けても、どんなに辛くても、必ず立ち上がるお前に。駆紋戒斗に、俺はなりたい』
――『不屈の魂で何度でも立ち上がり、最後には勝利する――』
――『戒斗。俺は、お前になりたい』
一夏(そうだ……)
クラスメイト1「模擬戦なんかじゃ、ここにいる全員に一度は負けてる」
クラスメイト2「しかし! それでも友は誇り高かった! ――何故ならば、諦めなかったからだ!」
――そうだろう! と。生徒達が、一夏に振り向いた。
一夏(え……)
クラスメイト3「誰よりも駆紋君の近くにいた君こそが、一番よく知っているだろう?」
クラスメイト2「我らの友の強さとは、諦めないこと……。我らが憧れたのは、負け続けているはずなのに『強い』と思わされてしまう『魂』」
クラスメイト1「一夏! お前だって大好きだったんだろう! だからそれを、駆紋の大将から受け継いだんだろう!」
一夏(俺が、戒斗から受け継いだ……)
一夏(戒斗の、好きだったところ……?)
一夏(……)
――『戒斗、お前は強い。俺が知っている、誰よりも』
――『だから、俺はお前になりたい』
――『何度負けても、どんなに辛くても、必ず立ち上がるお前に。駆紋戒斗に、俺はなりたい』
――『不屈の魂で何度でも立ち上がり、最後には勝利する――』
――『戒斗。俺は、お前になりたい』
一夏(そうだ……)
78: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:12:14.43 ID:p1njQBDjo
一夏(俺は、憧れたんだ……)
一夏(……)
一夏(負け続けた……。『相手をねじ伏せる力』なんて、なかった男に……)
一夏(……っ)
クラスメイト3「不屈の『魂』!」
クラスメイト2「不断の『意思』!」
クラスメイト1「そして――諦めない『勇気』!」
一夏(それは……ッ)
――大きく息を吸いこんでいた。
一夏「それが!」
――腹の底から、大きく叫ぶ!
一夏「『未来を、己の手で勝ちとるための力』!」
――固く、拳を握りしめる。
一夏「武力が足りなくたって、戦うんだ!」
一夏「気力を振り絞って、何度だって立ち上がればいいんだ!」
一夏「俺は戒斗の、その姿が好きだったんだ……ッ!」
――走り出す!
――拳を振り上げて、ハカイダーに叩きつけた!
一夏「俺は……」
一夏「俺は守りたい……ッ!」
――ハカイダーに拳を叩きつける。
――何度も。
――何度も何度も。
――何度も何度も何度も。
一夏(……)
一夏(負け続けた……。『相手をねじ伏せる力』なんて、なかった男に……)
一夏(……っ)
クラスメイト3「不屈の『魂』!」
クラスメイト2「不断の『意思』!」
クラスメイト1「そして――諦めない『勇気』!」
一夏(それは……ッ)
――大きく息を吸いこんでいた。
一夏「それが!」
――腹の底から、大きく叫ぶ!
一夏「『未来を、己の手で勝ちとるための力』!」
――固く、拳を握りしめる。
一夏「武力が足りなくたって、戦うんだ!」
一夏「気力を振り絞って、何度だって立ち上がればいいんだ!」
一夏「俺は戒斗の、その姿が好きだったんだ……ッ!」
――走り出す!
――拳を振り上げて、ハカイダーに叩きつけた!
一夏「俺は……」
一夏「俺は守りたい……ッ!」
――ハカイダーに拳を叩きつける。
――何度も。
――何度も何度も。
――何度も何度も何度も。
79: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:13:09.72 ID:p1njQBDjo
一夏「友達を! 千冬姉を! ……俺を助けてくれたみんなの『意思』を!」
一夏「『優しさ』を!」
一夏「お前みたいな『悪意』から、守りたいんだ!」
一夏「優しい人達の未来を、この手で勝ちとりたいんだ!!」
――殴る拳の肉が裂けた。
――拳の“中身”が好ましくない状態になっていることを感じた。
――それでも、一夏は殴り続けた。
一夏「『戦う力』を失くしたって!」
一夏「俺は、俺の『意思』を『力』に変えて、戦う!」
一夏「だって俺は――」
一夏「『意思を力に変える男』に憧れた……!」
一夏「――――ッ」
一夏「『仮面ライダー』なんだ!!」
――飛び散った鮮血が、ハカイダーの白いボディを染めていた。
一夏「……ッ!」
一夏「うぁああああああああああああ!!!」
――拳を振り上げた一夏を、ハカイダーが掴む。
ハカイダー「うるさい」
――ハカイダーにぶん投げられた一夏を、仲間達がキャッチした。
ハカイダー「君達を見ていると戦闘回路が疼く! 破壊したくてたまらなくなる!!」
――子供達に、ハカイダーショットが放たれた!
――爆炎が、みんなを包む。
一夏「『優しさ』を!」
一夏「お前みたいな『悪意』から、守りたいんだ!」
一夏「優しい人達の未来を、この手で勝ちとりたいんだ!!」
――殴る拳の肉が裂けた。
――拳の“中身”が好ましくない状態になっていることを感じた。
――それでも、一夏は殴り続けた。
一夏「『戦う力』を失くしたって!」
一夏「俺は、俺の『意思』を『力』に変えて、戦う!」
一夏「だって俺は――」
一夏「『意思を力に変える男』に憧れた……!」
一夏「――――ッ」
一夏「『仮面ライダー』なんだ!!」
――飛び散った鮮血が、ハカイダーの白いボディを染めていた。
一夏「……ッ!」
一夏「うぁああああああああああああ!!!」
――拳を振り上げた一夏を、ハカイダーが掴む。
ハカイダー「うるさい」
――ハカイダーにぶん投げられた一夏を、仲間達がキャッチした。
ハカイダー「君達を見ていると戦闘回路が疼く! 破壊したくてたまらなくなる!!」
――子供達に、ハカイダーショットが放たれた!
――爆炎が、みんなを包む。
80: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:14:47.58 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「ハハ……」
ハカイダー「ハハハハハ!」
ハカイダー「ハハハハハ! これが現実だよ! 君達は圧倒的な『破壊力』にねじ伏せられた!」
ハカイダー「『意思』なんて『力』になら――」
シネマ「なる!」
――子供達は眩い光に守られて、すす埃一つ被っていなかった。
――子供達の前に、盾のように立つシネマがステッキを構える。
シネマ「『怪人』とは!」
シネマ「『意思』を『力』に変えた人格!」
シネマ「そして……!」
――シネマは、真打ちを知らしめるように一夏の背を押した。
シネマ「ここに、一人の『怪人』がいる」
シネマ「『みんなを守るという意思』を『諦めない力』に変える『怪人』だ」
シネマ「そう……」
――シネマは観客に語りかけるナレーターのように、流暢に語る。
シネマ「仮面ライダー織斑一夏は怪人である!」
シネマ「彼の敵は、弱者を一方的に踏みにじる強者である!」
シネマ「仮面ライダーは、人間の自由のために――」
シネマ「優しさを踏みにじる、悪意と戦うのだ!」
――そのナレーションに、一夏はしっかりと頷いていた。
ハカイダー「ハハハハハ!」
ハカイダー「ハハハハハ! これが現実だよ! 君達は圧倒的な『破壊力』にねじ伏せられた!」
ハカイダー「『意思』なんて『力』になら――」
シネマ「なる!」
――子供達は眩い光に守られて、すす埃一つ被っていなかった。
――子供達の前に、盾のように立つシネマがステッキを構える。
シネマ「『怪人』とは!」
シネマ「『意思』を『力』に変えた人格!」
シネマ「そして……!」
――シネマは、真打ちを知らしめるように一夏の背を押した。
シネマ「ここに、一人の『怪人』がいる」
シネマ「『みんなを守るという意思』を『諦めない力』に変える『怪人』だ」
シネマ「そう……」
――シネマは観客に語りかけるナレーターのように、流暢に語る。
シネマ「仮面ライダー織斑一夏は怪人である!」
シネマ「彼の敵は、弱者を一方的に踏みにじる強者である!」
シネマ「仮面ライダーは、人間の自由のために――」
シネマ「優しさを踏みにじる、悪意と戦うのだ!」
――そのナレーションに、一夏はしっかりと頷いていた。
81: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:16:05.32 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「……ッ」
ハカイダー「どれだけ体裁を取り繕うとも、変えられない絶望があるだろう!」
ハカイダー「意思は力になるかもしれない!」
ハカイダー「織斑一夏は、まだ、戦う力を失ってしないのかもしれない!」
ハカイダー「だが!」
ハカイダー「そこまでだ!」
ハカイダー「織斑一夏! 君は最後の仮面ライダーだ! 君が死ねば、世界は守護者を失う!」
ハカイダー「君の敵である悪意が、世界を蹂躙するだろう……」
ハカイダー「君は何年生きる? 何年戦える? 人類の歴史はいつまで続く!」
ハカイダー「不老不死になって世界を守り続けるかい? それとも、神になって管理システムを完成させるかい? ……どちらも君が叩き潰した『私』の手段だ」
ハカイダー「織斑一夏!」
ハカイダー「この世界は絶望的だ! 破壊しなければ、戦いが終わらない!!」
ハカイダー「そんな世界で! 守るために戦うなんて、虚しくならないのか!」
ハカイダー「いっそ――全て破壊して、戦いを終わらせようとは思わないのか!」
一夏「……」
――その言葉に、一夏は頷いた。
一夏「思う」
ハカイダー「は……。は……? こ、肯定するのかい……?」
一夏「ああ」
一夏「俺は、俺の『敵』を見定めた」
一夏「だから」
一夏「この世界を、破壊する」
――力強く宣言した一夏。
――彼の背後には、友情のために勇気を振り絞った友達が立ち並び。
――その後ろには、花畑が広がっていた。
ハカイダー「どれだけ体裁を取り繕うとも、変えられない絶望があるだろう!」
ハカイダー「意思は力になるかもしれない!」
ハカイダー「織斑一夏は、まだ、戦う力を失ってしないのかもしれない!」
ハカイダー「だが!」
ハカイダー「そこまでだ!」
ハカイダー「織斑一夏! 君は最後の仮面ライダーだ! 君が死ねば、世界は守護者を失う!」
ハカイダー「君の敵である悪意が、世界を蹂躙するだろう……」
ハカイダー「君は何年生きる? 何年戦える? 人類の歴史はいつまで続く!」
ハカイダー「不老不死になって世界を守り続けるかい? それとも、神になって管理システムを完成させるかい? ……どちらも君が叩き潰した『私』の手段だ」
ハカイダー「織斑一夏!」
ハカイダー「この世界は絶望的だ! 破壊しなければ、戦いが終わらない!!」
ハカイダー「そんな世界で! 守るために戦うなんて、虚しくならないのか!」
ハカイダー「いっそ――全て破壊して、戦いを終わらせようとは思わないのか!」
一夏「……」
――その言葉に、一夏は頷いた。
一夏「思う」
ハカイダー「は……。は……? こ、肯定するのかい……?」
一夏「ああ」
一夏「俺は、俺の『敵』を見定めた」
一夏「だから」
一夏「この世界を、破壊する」
――力強く宣言した一夏。
――彼の背後には、友情のために勇気を振り絞った友達が立ち並び。
――その後ろには、花畑が広がっていた。
82: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:18:19.65 ID:p1njQBDjo
■第四幕「True Blue Traveler」
<沢芽市・花畑の海岸>
――誰もが織斑一夏の一挙一動に注目していた。
一夏「俺の敵は、優しさを踏みにじる悪意だ」
一夏「俺は悪意を倒すために、この世界を破壊する」
ハカイダー「……!」
ハカイダー「……は、はは、はは」
ハカイダー「なるほど、そういうことか! 君は確かに駆紋戒斗の後継者だ!」
ハカイダー「君も優しすぎる人間なんだね」
ハカイダー「君は、強者に踏みにじられる弱者の痛みを知っている」
ハカイダー「君は、誰もその痛みを味わうことのない世界を作ろうとしている!」
ハカイダー「今の世界では『弱者が踏みにじられない世界』を実現できない! だから、全て『破壊』して、『夢』を実現できる『新しい世界』を作る!!」
ハカイダー「そういうことだね!」
ハカイダー「君も、駆紋戒斗のように大魔王になるんだね!」
ハカイダー「ハハハハハハッ!」
ハカイダー「すばらしい! すばらしいよ! 破壊的なすばらしい発想だ! 『私』も見習いたいよ!」
一夏「……へっ」
一夏「よく分かったな。あんたすごいよ。さすが天才だ」
一夏「この世界には酷い人間がいる。悪意を持って弱者を踏みにじる、悪い怪人がいるんだ」
一夏「俺だって、悪意に踏みにじられたことがあるんだ。痛いほどに、分かっているよ……」
一夏「俺は、悪意を全滅させるために世界を壊す」
一夏「そう……」
――大きく、両腕を広げた。
一夏「この世界を、花畑にするんだ……!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「…………」
ハカイダー「……は?」
<沢芽市・花畑の海岸>
――誰もが織斑一夏の一挙一動に注目していた。
一夏「俺の敵は、優しさを踏みにじる悪意だ」
一夏「俺は悪意を倒すために、この世界を破壊する」
ハカイダー「……!」
ハカイダー「……は、はは、はは」
ハカイダー「なるほど、そういうことか! 君は確かに駆紋戒斗の後継者だ!」
ハカイダー「君も優しすぎる人間なんだね」
ハカイダー「君は、強者に踏みにじられる弱者の痛みを知っている」
ハカイダー「君は、誰もその痛みを味わうことのない世界を作ろうとしている!」
ハカイダー「今の世界では『弱者が踏みにじられない世界』を実現できない! だから、全て『破壊』して、『夢』を実現できる『新しい世界』を作る!!」
ハカイダー「そういうことだね!」
ハカイダー「君も、駆紋戒斗のように大魔王になるんだね!」
ハカイダー「ハハハハハハッ!」
ハカイダー「すばらしい! すばらしいよ! 破壊的なすばらしい発想だ! 『私』も見習いたいよ!」
一夏「……へっ」
一夏「よく分かったな。あんたすごいよ。さすが天才だ」
一夏「この世界には酷い人間がいる。悪意を持って弱者を踏みにじる、悪い怪人がいるんだ」
一夏「俺だって、悪意に踏みにじられたことがあるんだ。痛いほどに、分かっているよ……」
一夏「俺は、悪意を全滅させるために世界を壊す」
一夏「そう……」
――大きく、両腕を広げた。
一夏「この世界を、花畑にするんだ……!」
ハカイダー「……」
ハカイダー「…………」
ハカイダー「……は?」
83: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:19:05.51 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――1年1組の生徒達の中にしれっと混ざっていた1年2組の二人が、顔を見合わせていた。
鈴「箒、これって……」
箒「ああ……。これは始まるぞ……」
鈴・箒「いつもの、病気《バカ》が」
――1年1組の生徒達の中にしれっと混ざっていた1年2組の二人が、顔を見合わせていた。
鈴「箒、これって……」
箒「ああ……。これは始まるぞ……」
鈴・箒「いつもの、病気《バカ》が」
84: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:20:26.37 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
一夏「千冬姉は言っていた!」
一夏「俺は、仮面ライダーに守られた一輪の花だ!」
一夏「千冬姉はこうも言ってた!」
一夏「花畑の始まりは一輪の花だ! そして……」
――海岸の花畑を一瞥した。
一夏「この花畑こそ、最初の仮面ライダーの『夢』だ……!」
――そう! と叫ぶ。
一夏「俺は一輪の花!」
一夏「仮面ライダーに守られた……」
一夏「仮面ライダーになった、一輪の花」
一夏「だったら…………」
一夏「俺から始まる花畑は、『仮面ライダーの花畑』だ!」
ハカイダー「き、君は何を言っているんだ……?」
一夏「破壊だ! 破壊! 破壊! 破壊だー!!」
一夏「俺は今の世界をぶっ壊ーーーーーーす!!!」
――その言葉の勢いに、ハカイダーはたじろいだ。
一夏「俺は守る!」
一夏「優しさを守る!」
一夏「そして――」
――ちらりと、シネマを見た。
一夏「伝えていくんだ!」
一夏「千冬姉は言っていた!」
一夏「俺は、仮面ライダーに守られた一輪の花だ!」
一夏「千冬姉はこうも言ってた!」
一夏「花畑の始まりは一輪の花だ! そして……」
――海岸の花畑を一瞥した。
一夏「この花畑こそ、最初の仮面ライダーの『夢』だ……!」
――そう! と叫ぶ。
一夏「俺は一輪の花!」
一夏「仮面ライダーに守られた……」
一夏「仮面ライダーになった、一輪の花」
一夏「だったら…………」
一夏「俺から始まる花畑は、『仮面ライダーの花畑』だ!」
ハカイダー「き、君は何を言っているんだ……?」
一夏「破壊だ! 破壊! 破壊! 破壊だー!!」
一夏「俺は今の世界をぶっ壊ーーーーーーす!!!」
――その言葉の勢いに、ハカイダーはたじろいだ。
一夏「俺は守る!」
一夏「優しさを守る!」
一夏「そして――」
――ちらりと、シネマを見た。
一夏「伝えていくんだ!」
85: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:21:18.29 ID:p1njQBDjo
一夏「駆紋戒斗!」
一夏「泊進ノ介!」
一夏「俺を『仮面ライダー』にした『英雄』達の姿を伝えていくんだ!」
一夏「そうすれば……」
一夏「優しい人は、『仮面ライダー』になる!」
――ぶち上げられた主張に、
――ハカイダーは異を唱える。
ハカイダー「き、君は馬鹿だ!」
ハカイダー「そんなことありえないだろう!」
ハカイダー「君は、ただの人間が仮面ライダーになれると言っているんだぞ!?」
ハカイダー「どうしてそんな夢物語が信じられる!」
――ハカイダーの反論に、一夏は悪戯っ子の笑みを見せた。
一夏「お前自身が見せつけられただろう?」
一夏「みんな、なれるよ、『仮面ライダー』に」
一夏「……」
一夏「誰だって!」
一夏「本当の強者になれるんだ!」
――楽しげなその言葉に、
――1年1組のクラスメイト達が頷いていた。
一夏「みんなが、そう信じさせてくれた」
一夏「だから、俺も信じる」
一夏「この世界を仮面ライダーという花で埋め尽くせるんだ、って」
一夏「泊進ノ介!」
一夏「俺を『仮面ライダー』にした『英雄』達の姿を伝えていくんだ!」
一夏「そうすれば……」
一夏「優しい人は、『仮面ライダー』になる!」
――ぶち上げられた主張に、
――ハカイダーは異を唱える。
ハカイダー「き、君は馬鹿だ!」
ハカイダー「そんなことありえないだろう!」
ハカイダー「君は、ただの人間が仮面ライダーになれると言っているんだぞ!?」
ハカイダー「どうしてそんな夢物語が信じられる!」
――ハカイダーの反論に、一夏は悪戯っ子の笑みを見せた。
一夏「お前自身が見せつけられただろう?」
一夏「みんな、なれるよ、『仮面ライダー』に」
一夏「……」
一夏「誰だって!」
一夏「本当の強者になれるんだ!」
――楽しげなその言葉に、
――1年1組のクラスメイト達が頷いていた。
一夏「みんなが、そう信じさせてくれた」
一夏「だから、俺も信じる」
一夏「この世界を仮面ライダーという花で埋め尽くせるんだ、って」
86: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:23:36.81 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
シネマ(そうだ)
シネマ(子供とは一輪の花)
シネマ(小さく、儚く、悪意にたやすく踏みにじられてしまう命だ……)
シネマ(だが。一輪の花がやがて花畑を作るように、子供の『夢』は世界に広がっていく)
シネマ(それこそが、大人が愛しく思う未来だよ)
シネマ(……花は)
シネマ(花は、古い世界に根付いて……。その景色を、変えてしまう)
シネマ(荒涼としていた海岸が、花畑に変えられたように)
シネマ(いいんだよ)
シネマ(子供の『夢』は、世界を変えていいんだ)
シネマ(少年仮面ライダーよ……。君はその『夢』で、存分に世界を破壊するがいい!)
シネマ(世界の変革を望む君の夢! 子供達に映画という夢を見せる、“映画館の怪人”が肯定しよう!!)
シネマ(そうだ)
シネマ(子供とは一輪の花)
シネマ(小さく、儚く、悪意にたやすく踏みにじられてしまう命だ……)
シネマ(だが。一輪の花がやがて花畑を作るように、子供の『夢』は世界に広がっていく)
シネマ(それこそが、大人が愛しく思う未来だよ)
シネマ(……花は)
シネマ(花は、古い世界に根付いて……。その景色を、変えてしまう)
シネマ(荒涼としていた海岸が、花畑に変えられたように)
シネマ(いいんだよ)
シネマ(子供の『夢』は、世界を変えていいんだ)
シネマ(少年仮面ライダーよ……。君はその『夢』で、存分に世界を破壊するがいい!)
シネマ(世界の変革を望む君の夢! 子供達に映画という夢を見せる、“映画館の怪人”が肯定しよう!!)
87: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:25:33.44 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
一夏「俺は世界を破壊する!」
一夏「優しさを守ることで!」
一夏「英雄の姿を伝えることで!」
一夏「みんなを! 優しさという意思を力に変えられる、怪人にする!!」
一夏「みんなを! 仮面ライダーに……本当の強者にするんだ!」
――突き抜けるような青空に向かって、想いよ羽ばたけと、高らかに叫ぶ。
一夏「誰かを虐げるためだけの力を求めない。そんな優しい命で、この星を満たす!」
一夏「それが破壊だ!」
一夏「それが……ッ」
一夏「俺の夢だ!」
<車中>
――誰も手を触れていないハンドルが、明かに一つの意思の下に操作されていた。
「人間は変われない」
「生前の俺は、そう思い込んでいた弱者だった」
「最初から世界という敵に屈していた、と。気づいてすらいなかった」
「笑っていいぞ」
「……」
「今なら信じられる」
「葛葉紘汰や――俺の仲間達が示してくれた」
「人間は、変身できる」
一夏「俺は世界を破壊する!」
一夏「優しさを守ることで!」
一夏「英雄の姿を伝えることで!」
一夏「みんなを! 優しさという意思を力に変えられる、怪人にする!!」
一夏「みんなを! 仮面ライダーに……本当の強者にするんだ!」
――突き抜けるような青空に向かって、想いよ羽ばたけと、高らかに叫ぶ。
一夏「誰かを虐げるためだけの力を求めない。そんな優しい命で、この星を満たす!」
一夏「それが破壊だ!」
一夏「それが……ッ」
一夏「俺の夢だ!」
<車中>
――誰も手を触れていないハンドルが、明かに一つの意思の下に操作されていた。
「人間は変われない」
「生前の俺は、そう思い込んでいた弱者だった」
「最初から世界という敵に屈していた、と。気づいてすらいなかった」
「笑っていいぞ」
「……」
「今なら信じられる」
「葛葉紘汰や――俺の仲間達が示してくれた」
「人間は、変身できる」
88: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:26:48.61 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――ハカイダーは、銃を握った手をだらりと下げていた。
ハカイダー「は、ははは…………」
ハカイダー「……」
ハカイダー「破壊……?」
ハカイダー「人々を仮面ライダーにすることが破壊だと……?」
ハカイダー「そんな……」
ハカイダー「そんなものは、破壊ではない!」
――右手にゼンリンシューター、左手にハカイダーショットを構え、銃口を子供達に向ける。
ハカイダー「いいだろう、仮面ライダー。その夢ごと破壊してやる!」
シネマ「させん!」
――シネマがステッキを振るう。
――黒いもやの中から戦闘員が現れ、子供達の盾となる。
戦闘員「「「イーッ!」」」
ハカイダー「無駄だ!」
――ハカイダーはゼンリンシューターの柄で、『マッハドライバー』を叩いた。
ハカイダー「重加速……発動!」
――重加速粒子が散布される。
――ハカイダーを除く、全ての時間が凍りついた。
一夏(しまった……!?)
――ハカイダーは、銃を握った手をだらりと下げていた。
ハカイダー「は、ははは…………」
ハカイダー「……」
ハカイダー「破壊……?」
ハカイダー「人々を仮面ライダーにすることが破壊だと……?」
ハカイダー「そんな……」
ハカイダー「そんなものは、破壊ではない!」
――右手にゼンリンシューター、左手にハカイダーショットを構え、銃口を子供達に向ける。
ハカイダー「いいだろう、仮面ライダー。その夢ごと破壊してやる!」
シネマ「させん!」
――シネマがステッキを振るう。
――黒いもやの中から戦闘員が現れ、子供達の盾となる。
戦闘員「「「イーッ!」」」
ハカイダー「無駄だ!」
――ハカイダーはゼンリンシューターの柄で、『マッハドライバー』を叩いた。
ハカイダー「重加速……発動!」
――重加速粒子が散布される。
――ハカイダーを除く、全ての時間が凍りついた。
一夏(しまった……!?)
89: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:27:37.57 ID:p1njQBDjo
ハカイダー「このマッハドライバーこそが、『私』に重加速を操る技術をもたらしたものだ」
ハカイダー「その性能は完全に掌握している」
ハカイダー「ハハハ!」
ハカイダー「重加速を操る怪人と戦う戦士、ドライブは死んだ」
ハカイダー「泊進ノ介が重加速対策に残したドライブロックシードは『私』の手の中にある」
ハカイダー「終わりだよ……」
一夏(く、くそ……っ。動け! 動けよ……!)
――凍りついた時間の中、みんなが抗おうとするが、
――無意味。
――ハカイダーだけが悠然と立ち、銃口の狙いを一夏に定めていた。
ハカイダー「ばいばい。最後の仮面ライダー君」
――ゼンリンシューターとハカイダーショットから、破壊的な弾丸がばら撒かれる。
――その、絶望を。
――滑り込んできた、バナナカラーのスーパーカーが受けとめた!
ハカイダー「その性能は完全に掌握している」
ハカイダー「ハハハ!」
ハカイダー「重加速を操る怪人と戦う戦士、ドライブは死んだ」
ハカイダー「泊進ノ介が重加速対策に残したドライブロックシードは『私』の手の中にある」
ハカイダー「終わりだよ……」
一夏(く、くそ……っ。動け! 動けよ……!)
――凍りついた時間の中、みんなが抗おうとするが、
――無意味。
――ハカイダーだけが悠然と立ち、銃口の狙いを一夏に定めていた。
ハカイダー「ばいばい。最後の仮面ライダー君」
――ゼンリンシューターとハカイダーショットから、破壊的な弾丸がばら撒かれる。
――その、絶望を。
――滑り込んできた、バナナカラーのスーパーカーが受けとめた!
90: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:30:32.19 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――スーパーカー『トライドロン』から、セシリアが降り立った。
――セシリアは重加速の中だというのに、優雅な立ち振る舞いを見せる。
セシリア「あなたに伝言を預かっていますわ。ハカイダー」
ハカイダー「何だと……?」
セシリア「『どうやら、バカは伝染するらしい。興味深い研究テーマだよ』と」
ハカイダー「……だ、誰だその伝言の主は!」
セシリア「ふふっ」
――セシリアはしたたかな笑みをにじませると、『友達』に向き直った。
――すり傷やきり傷をたくさん作りながらも、みんな笑っていた。
セシリア「……」
――セシリアは、一夏、1年1組の生徒達、花畑、と視線を移してもう一度笑う。
セシリア「織斑さん。後はよろしくお願いします」
――セシリアは一夏の腰に『ベルト』を巻いた。
――さらに、腕に『シフトブレス』を巻く。
――そして、その手に『黄金のミニカー』を握らせた。
セシリア「あなた“達”の敵を、打ち倒してくださいませ」
――セシリアの時間が凍り付き、一夏の時間が解けた。
一夏「え、え……?」
一夏「えっと……」
一夏「え、えっと。な、何なんだこの状況!? セシリア、この車は何だ!? あと、このベルトって泊さんのだよな……!?」
――戸惑う一夏の声を、
「相変わらずやかましい奴だ」
――という、尊大な声が遮った。
――スーパーカー『トライドロン』から、セシリアが降り立った。
――セシリアは重加速の中だというのに、優雅な立ち振る舞いを見せる。
セシリア「あなたに伝言を預かっていますわ。ハカイダー」
ハカイダー「何だと……?」
セシリア「『どうやら、バカは伝染するらしい。興味深い研究テーマだよ』と」
ハカイダー「……だ、誰だその伝言の主は!」
セシリア「ふふっ」
――セシリアはしたたかな笑みをにじませると、『友達』に向き直った。
――すり傷やきり傷をたくさん作りながらも、みんな笑っていた。
セシリア「……」
――セシリアは、一夏、1年1組の生徒達、花畑、と視線を移してもう一度笑う。
セシリア「織斑さん。後はよろしくお願いします」
――セシリアは一夏の腰に『ベルト』を巻いた。
――さらに、腕に『シフトブレス』を巻く。
――そして、その手に『黄金のミニカー』を握らせた。
セシリア「あなた“達”の敵を、打ち倒してくださいませ」
――セシリアの時間が凍り付き、一夏の時間が解けた。
一夏「え、え……?」
一夏「えっと……」
一夏「え、えっと。な、何なんだこの状況!? セシリア、この車は何だ!? あと、このベルトって泊さんのだよな……!?」
――戸惑う一夏の声を、
「相変わらずやかましい奴だ」
――という、尊大な声が遮った。
91: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:31:46.01 ID:p1njQBDjo
一夏「え……」
――その偉そうな声は、一夏の腰に巻かれた『ベルト』から上がったものだった。
一夏「その声、戒斗!?」
戒斗「ふん」
――ベルト……『ドライブドライバー』の中央ディスプレイ『セントラルフェイス』に、尊大な表情が映る。
戒斗「貴様らがあまりにも不甲斐無いからな。地獄から舞い戻ってきてやった。まったく、本当に世話の焼ける連中だ」
戒斗「だが……」
――『戒斗』は、海岸に集まった『友達』を見渡していた。
戒斗「それでいい。……そのまま、もっと強くなれ!」
一夏「……」
一夏「何かお前、ちょっと柔らかくなったか?」
戒斗「いや、鋼の身体になった」
一夏「えっ」
一夏「え? ええ……!?」
一夏「か、戒斗がジョークを!? お前、本当にあの駆紋戒斗か!?」
戒斗「ふん」
戒斗「……混ざったんだろう。このベルトの、先代と」
一夏「先代……?」
ルパン「クリム・スタインベルトだよ!」
一夏「喋った!? ……お前、ルパン!?」
――黄金の『シフトカー』が、一夏の手の中で声を上げていた。
ルパン「最新の仮面ライダーよ! 君は夢を見つけた」
ルパン「その夢を果たすという意思は、君に変身する力をくれるだろう!」
一夏「変身……」
戒斗「ふん」
――セントラルフェイスに、挑発的な表情が映る。
戒斗「怖気づいたなら下りればいい。未来を勝ち取るためのドライブは、生半可な覚悟では走り切れんぞ」
一夏「……」
――その偉そうな声は、一夏の腰に巻かれた『ベルト』から上がったものだった。
一夏「その声、戒斗!?」
戒斗「ふん」
――ベルト……『ドライブドライバー』の中央ディスプレイ『セントラルフェイス』に、尊大な表情が映る。
戒斗「貴様らがあまりにも不甲斐無いからな。地獄から舞い戻ってきてやった。まったく、本当に世話の焼ける連中だ」
戒斗「だが……」
――『戒斗』は、海岸に集まった『友達』を見渡していた。
戒斗「それでいい。……そのまま、もっと強くなれ!」
一夏「……」
一夏「何かお前、ちょっと柔らかくなったか?」
戒斗「いや、鋼の身体になった」
一夏「えっ」
一夏「え? ええ……!?」
一夏「か、戒斗がジョークを!? お前、本当にあの駆紋戒斗か!?」
戒斗「ふん」
戒斗「……混ざったんだろう。このベルトの、先代と」
一夏「先代……?」
ルパン「クリム・スタインベルトだよ!」
一夏「喋った!? ……お前、ルパン!?」
――黄金の『シフトカー』が、一夏の手の中で声を上げていた。
ルパン「最新の仮面ライダーよ! 君は夢を見つけた」
ルパン「その夢を果たすという意思は、君に変身する力をくれるだろう!」
一夏「変身……」
戒斗「ふん」
――セントラルフェイスに、挑発的な表情が映る。
戒斗「怖気づいたなら下りればいい。未来を勝ち取るためのドライブは、生半可な覚悟では走り切れんぞ」
一夏「……」
92: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:32:28.08 ID:p1njQBDjo
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
凌馬「束! あれの出番だよ!」
束「あらほらえっさー!」
千冬「お前達、何をしている!?」
<花畑の海岸>
――トライドロンからスピーカーがせり上がった。
――『SURPRISE-DRIVE』が、大音量で流される!
一夏「え、ちょ、ええっ!?」
一夏「なんだこれ!?」
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
凌馬・束「「私達の……趣味だーーー!!!」」
千冬「いつの間にあんな改造をしたー!?」
凌馬「束! あれの出番だよ!」
束「あらほらえっさー!」
千冬「お前達、何をしている!?」
<花畑の海岸>
――トライドロンからスピーカーがせり上がった。
――『SURPRISE-DRIVE』が、大音量で流される!
一夏「え、ちょ、ええっ!?」
一夏「なんだこれ!?」
<IS学園・職員寮・千冬の部屋>
凌馬・束「「私達の……趣味だーーー!!!」」
千冬「いつの間にあんな改造をしたー!?」
94: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:34:42.91 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
戒斗「歌は気にするな」
一夏「お、おう」
一夏「……」
一夏「……ッ」
――『SURPRISE-DRIVE』をバックに、一夏は決意を新たにする。
一夏「俺はみんなを守る」
一夏「俺は、優しさを踏みにじる悪意を倒す」
一夏「この世界を、仮面ライダーという花で満たす」
一夏「そうして……。仮面ライダーの戦いを、終わらせる!」
戒斗「いいだろう」
戒斗(それこそが……)
戒斗(俺が本当の強者となって目指すさなければならなかった、夢なのだから)
戒斗「そのドライブ、俺も付き合ってやる!」
ルパン「このルパンもお供しよう! 光栄に思いたまえ」
――Start・『Our』・Engine!
一夏「変身!」
――ドラーイブ!
――ターイプ! ……ァルパーン!!
一夏「ハカイダー……」
一夏「ひとっ走り付き合えよ!」
戒斗「歌は気にするな」
一夏「お、おう」
一夏「……」
一夏「……ッ」
――『SURPRISE-DRIVE』をバックに、一夏は決意を新たにする。
一夏「俺はみんなを守る」
一夏「俺は、優しさを踏みにじる悪意を倒す」
一夏「この世界を、仮面ライダーという花で満たす」
一夏「そうして……。仮面ライダーの戦いを、終わらせる!」
戒斗「いいだろう」
戒斗(それこそが……)
戒斗(俺が本当の強者となって目指すさなければならなかった、夢なのだから)
戒斗「そのドライブ、俺も付き合ってやる!」
ルパン「このルパンもお供しよう! 光栄に思いたまえ」
――Start・『Our』・Engine!
一夏「変身!」
――ドラーイブ!
――ターイプ! ……ァルパーン!!
一夏「ハカイダー……」
一夏「ひとっ走り付き合えよ!」
95: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:36:07.35 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――黄金の仮面ライダーと、白い仮面ライダーが戦っていた。
ハカイダー「どうして君を破壊できない! どうしてこうも邪魔が入る!!」
一夏「その答えは、あんた自身が言ってたじゃないか!」
――ドライブドライバーのキーを回して、レバーを操作する。
戒斗&ルパン「ァルパーン!」
――『ブラストカウル』に装着した『ルパンタイヤ』から、“映画のフィルム”が伸びる!
――フィルムは、ハカイダーの四肢に突き刺った!
一夏「自分は仮面ライダーには勝てない、ってよ!」
――《仮面ライダーバロン》は、ハカイダーを殴り飛ばした。
ハカイダー「くっ……!」
――砂利にまみれたハカイダーは、転がり起きるとゼンリンシューターの引き金を引く。
戒斗「トライドロン、来い!」
――滑り込んできたトライドロンが、バロンの盾となって銃弾を防いだ。
ルパン「暇は盗んだ。仮面ライダーバロン……。フィナーレといこうじゃないか!」
一夏「おう!」
――ドライブドライバーのキーを回す。
――シフトブレスのボタンを押し込み、レバーを操作した。
戒斗&ルパン「ヒッサーツ! フルスロットル!」
――『SURPRISE-DRIVE』を掻き鳴らすトライドロンが走り出す!
ハカイダー「な!? な、な、なななな!?」
――トライドロンはハカイダーに激突すると、空中に弾き飛ばした!
戒斗&ルパン「アルティメット・ルパンストライクッ!」
――トライドロンがライトを照射する。
――ライトはハカイダーを“捕らえる”。
――ハカイダーが、映画のフィルムの中に取り込まれていた。
一夏「掛け声は……ッ」
――バロンは飛び上がり、空中でしっかりと蹴り足を引きつけた。
――“狙い”定め、叫ぶ!
一夏「ライダーァアアァアアアッ……キーッック!!!」
――黄金の仮面ライダーと、白い仮面ライダーが戦っていた。
ハカイダー「どうして君を破壊できない! どうしてこうも邪魔が入る!!」
一夏「その答えは、あんた自身が言ってたじゃないか!」
――ドライブドライバーのキーを回して、レバーを操作する。
戒斗&ルパン「ァルパーン!」
――『ブラストカウル』に装着した『ルパンタイヤ』から、“映画のフィルム”が伸びる!
――フィルムは、ハカイダーの四肢に突き刺った!
一夏「自分は仮面ライダーには勝てない、ってよ!」
――《仮面ライダーバロン》は、ハカイダーを殴り飛ばした。
ハカイダー「くっ……!」
――砂利にまみれたハカイダーは、転がり起きるとゼンリンシューターの引き金を引く。
戒斗「トライドロン、来い!」
――滑り込んできたトライドロンが、バロンの盾となって銃弾を防いだ。
ルパン「暇は盗んだ。仮面ライダーバロン……。フィナーレといこうじゃないか!」
一夏「おう!」
――ドライブドライバーのキーを回す。
――シフトブレスのボタンを押し込み、レバーを操作した。
戒斗&ルパン「ヒッサーツ! フルスロットル!」
――『SURPRISE-DRIVE』を掻き鳴らすトライドロンが走り出す!
ハカイダー「な!? な、な、なななな!?」
――トライドロンはハカイダーに激突すると、空中に弾き飛ばした!
戒斗&ルパン「アルティメット・ルパンストライクッ!」
――トライドロンがライトを照射する。
――ライトはハカイダーを“捕らえる”。
――ハカイダーが、映画のフィルムの中に取り込まれていた。
一夏「掛け声は……ッ」
――バロンは飛び上がり、空中でしっかりと蹴り足を引きつけた。
――“狙い”定め、叫ぶ!
一夏「ライダーァアアァアアアッ……キーッック!!!」
96: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:37:30.91 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――爆炎が晴れると、バロンは変身を解除した。
戒斗&ルパン「ナイス・ドライブ」
――そこにはもう、ハカイダーという『悪意』の怪人はいない。
一夏「……」
――視線を落とす。
一夏「なあ戒斗」
戒斗「何だ」
一夏「お前が死んで、すげぇ悲しかった」
戒斗「……」
一夏「……」
戒斗「……」
一夏「俺の涙返せよ、このオトメン!」
戒斗「やかましい、シスコンバカ!」
ルパン「ははははは! 君達は良い『相棒』だ!」
一夏&戒斗「「どこがだ!」」
一夏&戒斗「「あ……」」
ルパン「くくく」
戒斗「ふん」
ルパン「ははははは! ずいぶんと嬉しそうだね、ベルトくん」
ルパン「いや……。これからは、カイトくんと呼ぼうか?」
戒斗「やかましい!」
<花畑の海岸>
――鈴が、苦笑していた。
鈴「なーんか、ちょっと悔しいわねぇ……」
――鈴の瞳には、クラスメイト達の手当てをする一夏の姿が映っていた。
箒「そうだな。だが……。おかげで、楽しい夏休みになりそうだ」
鈴「……」
鈴「そうね!」
――二人の少女は、笑顔を取り戻した少年を微笑ましげに見つめていた。
――爆炎が晴れると、バロンは変身を解除した。
戒斗&ルパン「ナイス・ドライブ」
――そこにはもう、ハカイダーという『悪意』の怪人はいない。
一夏「……」
――視線を落とす。
一夏「なあ戒斗」
戒斗「何だ」
一夏「お前が死んで、すげぇ悲しかった」
戒斗「……」
一夏「……」
戒斗「……」
一夏「俺の涙返せよ、このオトメン!」
戒斗「やかましい、シスコンバカ!」
ルパン「ははははは! 君達は良い『相棒』だ!」
一夏&戒斗「「どこがだ!」」
一夏&戒斗「「あ……」」
ルパン「くくく」
戒斗「ふん」
ルパン「ははははは! ずいぶんと嬉しそうだね、ベルトくん」
ルパン「いや……。これからは、カイトくんと呼ぼうか?」
戒斗「やかましい!」
<花畑の海岸>
――鈴が、苦笑していた。
鈴「なーんか、ちょっと悔しいわねぇ……」
――鈴の瞳には、クラスメイト達の手当てをする一夏の姿が映っていた。
箒「そうだな。だが……。おかげで、楽しい夏休みになりそうだ」
鈴「……」
鈴「そうね!」
――二人の少女は、笑顔を取り戻した少年を微笑ましげに見つめていた。
97: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:39:05.30 ID:p1njQBDjo
■終幕「セットアップMOVIE大戦!『仮面ライダーを取り戻せ!』」
<沢芽市・ユグドラシルタワー跡地・隠された地下室>
ハカイダー「ハハ……。ハハハハハハハハッ!」
――ハカイダーは、千切れた右腕を放り投げると『手術台』に倒れ伏した。
――『機械』が『処置』を始める。
――『脳』を外し、『新しい身体』に移植した。
ハカイダー「仮面ライダーには勝てない……か」
――ハカイダーは新しい身体の動作を確認すると、古い身体に手を伸ばした。
――マッハドライバーを回収する。
――そして、『ドライブロックシード』を手に取った。
ハカイダー「そんなことは分かっている」
ハカイダー「だから『私』は……」
ハカイダー「仮面ライダーと戦わずに勝つんだ」
<沢芽市・ユグドラシルタワー跡地・隠された地下室>
ハカイダー「ハハ……。ハハハハハハハハッ!」
――ハカイダーは、千切れた右腕を放り投げると『手術台』に倒れ伏した。
――『機械』が『処置』を始める。
――『脳』を外し、『新しい身体』に移植した。
ハカイダー「仮面ライダーには勝てない……か」
――ハカイダーは新しい身体の動作を確認すると、古い身体に手を伸ばした。
――マッハドライバーを回収する。
――そして、『ドライブロックシード』を手に取った。
ハカイダー「そんなことは分かっている」
ハカイダー「だから『私』は……」
ハカイダー「仮面ライダーと戦わずに勝つんだ」
98: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:40:27.45 ID:p1njQBDjo
<花畑の海岸>
――地面が揺れていた。
一夏「な、何だ!?」
――視線を彷徨わせると、『それ』を見つけた。
――巨大なタワーがそそり立っていた。
――方角は、沢芽市の中心。
戒斗「あれは……」
一夏「知っているのか!?」
戒斗「メガリバースマシン。生きている者の世界と死んでいる者の世界を反転させる機械だ」
ルパン「なるほど。つまり、今生きている人間を皆殺しにするシステムというわけか」
戒斗「ああ」
一夏「そんな!?」
シネマ「少年よ!」
――シネマが、1年1組の生徒達の手当てをしながら叫んでいた。
シネマ「傷ついた子供達は私に任せるがいい。君は、あの機械を止めに!」
一夏「わ、分かった!」
――頷き、駆け出す。
戒斗「待て。車に乗れ、一夏」
一夏「え? でも俺、免許無い……」
戒斗「運転は俺がする。いいから早く乗れ」
一夏「お、おう!」
――トライドロンは、沢芽市の中心を目指して走り出した。
シネマ「……」
シネマ「ふむ」
――“映画館の怪人”は、したたかな笑みを浮かべていた。
シネマ「良い映画が撮れた」
《仮面ライダーバロン》編-本当の強者はなにをするのか?- 了
――地面が揺れていた。
一夏「な、何だ!?」
――視線を彷徨わせると、『それ』を見つけた。
――巨大なタワーがそそり立っていた。
――方角は、沢芽市の中心。
戒斗「あれは……」
一夏「知っているのか!?」
戒斗「メガリバースマシン。生きている者の世界と死んでいる者の世界を反転させる機械だ」
ルパン「なるほど。つまり、今生きている人間を皆殺しにするシステムというわけか」
戒斗「ああ」
一夏「そんな!?」
シネマ「少年よ!」
――シネマが、1年1組の生徒達の手当てをしながら叫んでいた。
シネマ「傷ついた子供達は私に任せるがいい。君は、あの機械を止めに!」
一夏「わ、分かった!」
――頷き、駆け出す。
戒斗「待て。車に乗れ、一夏」
一夏「え? でも俺、免許無い……」
戒斗「運転は俺がする。いいから早く乗れ」
一夏「お、おう!」
――トライドロンは、沢芽市の中心を目指して走り出した。
シネマ「……」
シネマ「ふむ」
――“映画館の怪人”は、したたかな笑みを浮かべていた。
シネマ「良い映画が撮れた」
《仮面ライダーバロン》編-本当の強者はなにをするのか?- 了
99: ◆n.O102o4Y2 2015/02/17(火) 17:42:08.04 ID:p1njQBDjo
以上になります。
《仮面ライダーバロン》は、真っ白な仮面ライダーです。彼はまだ、仮面ライダーが抱える「同族殺し」や「人外化」という悲哀を理解していません。彼の夢が試されるのはこれからでしょう。
また。作中世界は変革の時を迎えます。『神』であったISは絶対性を失いました。『管理者』が消えたために、悪の組織も復活します。オマケに、『管理者』は通信ネットワークの掌握技術・IS関連技術・重加速関連技術という『遺産』まで残している始末……。
一夏は今まで内面の問題と戦っていましたが。これからの《仮面ライダーバロン》は、「自分の夢」と「世界の悪意」という二つの問題と戦っていくことになるでしょう。
大変な戦いですが……。それでも、一夏達はハッピーエンドを掴めるだろう、という安心感を持っていただければ今回の物語は成功かなーと思います。
「IS×鎧武(織斑一夏×駆紋戒斗)」というクロスオーバーでやりたかったことはやり切ったので、《仮面ライダーバロン》の物語はこれで終了。大戦パートでもう一暴れしてもらったら、お別れになります。
次回は風都パート! 今回登場しなかったシャルとラウラ。そして、子供達のために立ち上がった怪人の物語になります。
投下は……。こ、今度こそ次の土日には……!
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
《仮面ライダーバロン》は、真っ白な仮面ライダーです。彼はまだ、仮面ライダーが抱える「同族殺し」や「人外化」という悲哀を理解していません。彼の夢が試されるのはこれからでしょう。
また。作中世界は変革の時を迎えます。『神』であったISは絶対性を失いました。『管理者』が消えたために、悪の組織も復活します。オマケに、『管理者』は通信ネットワークの掌握技術・IS関連技術・重加速関連技術という『遺産』まで残している始末……。
一夏は今まで内面の問題と戦っていましたが。これからの《仮面ライダーバロン》は、「自分の夢」と「世界の悪意」という二つの問題と戦っていくことになるでしょう。
大変な戦いですが……。それでも、一夏達はハッピーエンドを掴めるだろう、という安心感を持っていただければ今回の物語は成功かなーと思います。
「IS×鎧武(織斑一夏×駆紋戒斗)」というクロスオーバーでやりたかったことはやり切ったので、《仮面ライダーバロン》の物語はこれで終了。大戦パートでもう一暴れしてもらったら、お別れになります。
次回は風都パート! 今回登場しなかったシャルとラウラ。そして、子供達のために立ち上がった怪人の物語になります。
投下は……。こ、今度こそ次の土日には……!
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
116: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:10:10.52 ID:6Z5PQ05eo
■《仮面ライダーW編》-Wを継ぐ者/二人のダブル-■
■序幕「食べられないメロディ」
<夏休み前日・黄昏時・沢芽市・埠頭>
――形だけのメロディが爪弾かれていた。
シャル(どうしてだろう)
シャル(何が違うんだろう……?)
シャル(ジローのメロディはあんなに悲しかったのに)
シャル(僕のメロディは、まるで心に響かない)
「お悩みのようですね、お嬢さん」
シャル「だ、誰!?」
――紳士がいた。
――傘をステッキのように突いた、痩身の中年。
井坂「井坂深紅郎。人に先生と呼ばれる仕事をしている者です」
シャル(先生……? それにしては、何だか……。目付きが鋭すぎるような気がする)
シャル(まるで猛禽類みたいだ)
井坂「音楽を嗜む立場から助言を送りましょう。君の音楽は食べられないのです」
シャル「食べられない……?」
井坂「君のメロディは、ただ楽譜を追いかけただけのもの。そこに味わいはありません」
井坂「だから、心に響かないのです」
シャル「……!」
井坂「おや、その驚いた顔。核心を見抜き過ぎたようですね」
シャル「あ、あの……」
■序幕「食べられないメロディ」
<夏休み前日・黄昏時・沢芽市・埠頭>
――形だけのメロディが爪弾かれていた。
シャル(どうしてだろう)
シャル(何が違うんだろう……?)
シャル(ジローのメロディはあんなに悲しかったのに)
シャル(僕のメロディは、まるで心に響かない)
「お悩みのようですね、お嬢さん」
シャル「だ、誰!?」
――紳士がいた。
――傘をステッキのように突いた、痩身の中年。
井坂「井坂深紅郎。人に先生と呼ばれる仕事をしている者です」
シャル(先生……? それにしては、何だか……。目付きが鋭すぎるような気がする)
シャル(まるで猛禽類みたいだ)
井坂「音楽を嗜む立場から助言を送りましょう。君の音楽は食べられないのです」
シャル「食べられない……?」
井坂「君のメロディは、ただ楽譜を追いかけただけのもの。そこに味わいはありません」
井坂「だから、心に響かないのです」
シャル「……!」
井坂「おや、その驚いた顔。核心を見抜き過ぎたようですね」
シャル「あ、あの……」
117: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:11:08.33 ID:6Z5PQ05eo
シャル「い、井坂先生!」
井坂「何でしょう?」
シャル「どうすれば僕のメロディは心に響くようになるのでしょうか!」
井坂「……」
シャル(うう……。やっぱりこの人の目、ちょっと怖い)
井坂「……フッ」
シャル(あ、れ……? 笑った……?)
井坂「探偵になるのですよ」
シャル「た、探偵……?」
井坂「ええ。誰でも一度は探偵になります」
井坂「本当の自分を探すためです」
井坂「本当の自分の心の声こそが、君のメロディを本物の音楽にするでしょう」
シャル「本当の自分の、心の声……」
井坂「一つ予言をしましょう。私達が再会した時、あなたは本当の自分を知るでしょう」
――井坂は踵を返し、歩き始める。
シャル「あ……」
井坂「さようなら、シャルロット君。またお会いしましょう」
――シャルロットは井坂の背中をぼんやりと眺めていたが、やがて、
シャル「本当の自分……」
――と、呟いた。
シャル「知りたい」
シャル「本当の自分を知ることができれば……」
シャル「ジローが好きだって、胸を張って言えるようになるかもしれない」
井坂「何でしょう?」
シャル「どうすれば僕のメロディは心に響くようになるのでしょうか!」
井坂「……」
シャル(うう……。やっぱりこの人の目、ちょっと怖い)
井坂「……フッ」
シャル(あ、れ……? 笑った……?)
井坂「探偵になるのですよ」
シャル「た、探偵……?」
井坂「ええ。誰でも一度は探偵になります」
井坂「本当の自分を探すためです」
井坂「本当の自分の心の声こそが、君のメロディを本物の音楽にするでしょう」
シャル「本当の自分の、心の声……」
井坂「一つ予言をしましょう。私達が再会した時、あなたは本当の自分を知るでしょう」
――井坂は踵を返し、歩き始める。
シャル「あ……」
井坂「さようなら、シャルロット君。またお会いしましょう」
――シャルロットは井坂の背中をぼんやりと眺めていたが、やがて、
シャル「本当の自分……」
――と、呟いた。
シャル「知りたい」
シャル「本当の自分を知ることができれば……」
シャル「ジローが好きだって、胸を張って言えるようになるかもしれない」
118: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:12:03.47 ID:6Z5PQ05eo
■第一幕「はじめての探偵」
<夢の中>
――僕は、継母に殴られる僕を見つめていた。
――僕は、父に無視される僕を見つめていた。
――僕は、戦極凌馬に弄ばれる僕を見つめていた。
――やがて。
――継母の顔が僕になる。
――父の顔が僕になる。
――戦極凌馬の顔が僕になる。
――。
<夢の中>
――僕は、継母に殴られる僕を見つめていた。
――僕は、父に無視される僕を見つめていた。
――僕は、戦極凌馬に弄ばれる僕を見つめていた。
――やがて。
――継母の顔が僕になる。
――父の顔が僕になる。
――戦極凌馬の顔が僕になる。
――。
119: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:12:53.30 ID:6Z5PQ05eo
<夏休み初日・風都・風都タワー前>
――子供達がはしゃいでいた。
――祭りの出店がところ狭しと並んでいる。
――風都のあちこちに『風都こども祭』の看板がかけられていた。
「あっ」
――よそ見をしていた子供が、誰かとぶつかってしまった。
――子供のソフトクリームが、“その人”にべったりと付いてしまう。
――“その人”は、
シャル「君、大丈夫? 怪我はない?」
――と、子供に微笑みかけた。
「だ、大丈夫……。あの、お姉ちゃん。よそ見してて、ごめんなさい……」
シャル「こんなのは拭きとればいいんだよ」
――“その人”シャルロット・デュノアは、子供の頭を優しく撫でた。
「……」
――子供は、不思議そうな目でシャルロットを見上げていた。
「怒らないの……?」
シャル「人間はみんな不完全だ」
シャル「だから間違えてしまうけど……。間違えたって分かって謝れた君を、怒りはしないよ」
シャル「ほら、もうお行き。あんまり一人でいるとお母さんに心配かけちゃうよ」
「う、うん。ばいばい、優しいお姉ちゃん!」
――シャルロットは、走り去る子供が見えなくなるまで手を振っていた。
――子供達がはしゃいでいた。
――祭りの出店がところ狭しと並んでいる。
――風都のあちこちに『風都こども祭』の看板がかけられていた。
「あっ」
――よそ見をしていた子供が、誰かとぶつかってしまった。
――子供のソフトクリームが、“その人”にべったりと付いてしまう。
――“その人”は、
シャル「君、大丈夫? 怪我はない?」
――と、子供に微笑みかけた。
「だ、大丈夫……。あの、お姉ちゃん。よそ見してて、ごめんなさい……」
シャル「こんなのは拭きとればいいんだよ」
――“その人”シャルロット・デュノアは、子供の頭を優しく撫でた。
「……」
――子供は、不思議そうな目でシャルロットを見上げていた。
「怒らないの……?」
シャル「人間はみんな不完全だ」
シャル「だから間違えてしまうけど……。間違えたって分かって謝れた君を、怒りはしないよ」
シャル「ほら、もうお行き。あんまり一人でいるとお母さんに心配かけちゃうよ」
「う、うん。ばいばい、優しいお姉ちゃん!」
――シャルロットは、走り去る子供が見えなくなるまで手を振っていた。
120: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:13:45.49 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「シャルロット、水道は向こうだ」
――ハンカチが差しだされる。
シャル「ありがとう、ラウラ」
――二人は水道に移動する。服についたソフトクリームを洗い流した。
ラウラ「お前は優しい女だ」
シャル「と、突然どうしたの?」
ラウラ「いや……何となく、な」
シャル「? ……ところでラウラ。その格好は、何?」
ラウラ「ハードボイルドだろう?」
――ラウラは、黒のスーツに黒のソフト帽を合わせていた。
ラウラ「それに、シャルロットだって私の“相棒”にふさわしい奇抜な格好じゃないか」
――シャルはギターを担ぎ、青のズボンに赤いジャケットを合わせていた。
シャル「…………うっ」
シャル(ぼ、僕だってちょっとアレかなーってのは分かってる! 分かってるけど! ……これは、ジローと同じ格好だから)
ラウラ「百面相してどうしたんだ? ……まあいいか」
ラウラ「今日はよろしく頼むよ、“相棒”」
――ラウラはからからと笑うと、腰に下げた赤色の『ふうとくん』を弾いた。
――シャルのギターにも、紫色の『ふうとくん』が下げられている。
――ハンカチが差しだされる。
シャル「ありがとう、ラウラ」
――二人は水道に移動する。服についたソフトクリームを洗い流した。
ラウラ「お前は優しい女だ」
シャル「と、突然どうしたの?」
ラウラ「いや……何となく、な」
シャル「? ……ところでラウラ。その格好は、何?」
ラウラ「ハードボイルドだろう?」
――ラウラは、黒のスーツに黒のソフト帽を合わせていた。
ラウラ「それに、シャルロットだって私の“相棒”にふさわしい奇抜な格好じゃないか」
――シャルはギターを担ぎ、青のズボンに赤いジャケットを合わせていた。
シャル「…………うっ」
シャル(ぼ、僕だってちょっとアレかなーってのは分かってる! 分かってるけど! ……これは、ジローと同じ格好だから)
ラウラ「百面相してどうしたんだ? ……まあいいか」
ラウラ「今日はよろしく頼むよ、“相棒”」
――ラウラはからからと笑うと、腰に下げた赤色の『ふうとくん』を弾いた。
――シャルのギターにも、紫色の『ふうとくん』が下げられている。
121: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:15:10.33 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー前>
ラウラ(かつて、シャルロットは誰でもなかった)
ラウラ(だが……。今は、シャルロット・デュノアだ。優しくて、気配り上手で、笑顔の素敵な女だ)
ラウラ(シャルロットは、本当の強さの持ち主だと思う)
ラウラ(私は彼女の友であることを誇りに思う!)
ラウラ(そして……。友である私は、察知した)
ラウラ(シャルロットは、何か思い悩んでいる)
ラウラ(その事実に気づいた時、この街を思い出した)
ラウラ(風都)
ラウラ(いい風が吹くこの街は、きっと、シャルロットに変化のきっかけを運んでくれるだろう)
ラウラ(だって……)
ラウラ(この街には、仮面ライダーがいたのだから)
ラウラ(かつて、シャルロットは誰でもなかった)
ラウラ(だが……。今は、シャルロット・デュノアだ。優しくて、気配り上手で、笑顔の素敵な女だ)
ラウラ(シャルロットは、本当の強さの持ち主だと思う)
ラウラ(私は彼女の友であることを誇りに思う!)
ラウラ(そして……。友である私は、察知した)
ラウラ(シャルロットは、何か思い悩んでいる)
ラウラ(その事実に気づいた時、この街を思い出した)
ラウラ(風都)
ラウラ(いい風が吹くこの街は、きっと、シャルロットに変化のきっかけを運んでくれるだろう)
ラウラ(だって……)
ラウラ(この街には、仮面ライダーがいたのだから)
122: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:16:32.36 ID:6Z5PQ05eo
<鳴海探偵事務所跡地>
――更地の前にラウラとシャルロットの姿があった。
シャル「ここに用があったの?」
ラウラ「ああ。とある依頼の報告をしなくてはならなかったからな」
シャル「依頼?」
ラウラ「妖怪・猫又から受けた依頼だ」
シャル「えっ」
ラウラ「一ヶ月ほど前の話だ。風都タワーを訪れた私と嫁は、妖怪・猫又に導かれてこの場所にやってきた」
シャル「よ、妖怪……?」
ラウラ「日本は妖怪の国だろう?」
シャル「それはクレイジーな認識だと思うよ……」
ラウラ「ははは! で。その猫殿に依頼されたわけだ。『仮面ライダーを取り戻して欲しい』、とな」
シャル「仮面ライダー……」
ラウラ「ああ」
ラウラ「ここからは推測混じりになるが……」
――ラウラは“探偵事務所があったはずの空間”を見上げる。
ラウラ「かつて、ここには仮面ライダーの拠点があったのだろう。猫殿はそこに出入りしていたのだろうな」
ラウラ「さて、報告だ。猫殿。私達は世界に仮面ライダーを取り戻し――」
――猫がいた。
――ブリティッシュ・ショートヘアーの、ちょっと生意気そうな顔つきをした猫だ。
――猫の尻尾は、二つに割れていた。
――更地の前にラウラとシャルロットの姿があった。
シャル「ここに用があったの?」
ラウラ「ああ。とある依頼の報告をしなくてはならなかったからな」
シャル「依頼?」
ラウラ「妖怪・猫又から受けた依頼だ」
シャル「えっ」
ラウラ「一ヶ月ほど前の話だ。風都タワーを訪れた私と嫁は、妖怪・猫又に導かれてこの場所にやってきた」
シャル「よ、妖怪……?」
ラウラ「日本は妖怪の国だろう?」
シャル「それはクレイジーな認識だと思うよ……」
ラウラ「ははは! で。その猫殿に依頼されたわけだ。『仮面ライダーを取り戻して欲しい』、とな」
シャル「仮面ライダー……」
ラウラ「ああ」
ラウラ「ここからは推測混じりになるが……」
――ラウラは“探偵事務所があったはずの空間”を見上げる。
ラウラ「かつて、ここには仮面ライダーの拠点があったのだろう。猫殿はそこに出入りしていたのだろうな」
ラウラ「さて、報告だ。猫殿。私達は世界に仮面ライダーを取り戻し――」
――猫がいた。
――ブリティッシュ・ショートヘアーの、ちょっと生意気そうな顔つきをした猫だ。
――猫の尻尾は、二つに割れていた。
123: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:17:36.16 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「……おお! 猫殿!」
シャル(尻尾が割れてるー!? ほ、本当に妖怪……!? に、日本はクレイジーだ……!)
ラウラ「猫殿、依頼は果たしたぞ! 嫁が仮面ライダーになり、その姿を世界中に見せつけた。世界は仮面ライダーを取り戻したんだ!」
――猫はラウラの足元に寄ると、顔を上げる。
――その口に、木彫りの熊を咥えていた。
ラウラ「むう?」
シャル「あ。中に紙が入ってるみたいだよ」
ラウラ「おお!」
――紙片を取り出し、文字を読み上げる。
――『nobody's perfect』
シャル「!?」
ラウラ「どうした、“相棒”?」
シャル「い、いや、ちょっと……」
シャル(nobody's perfect。誰にも過ちはあるもの……)
シャル(人間はみんな不完全っていうジローの言葉と、同じ意味のフレーズ……)
ラウラ「……」
ラウラ「ふむ」
「ニャア」
――猫はラウラ達に背を向けると、走り去る。
ラウラ「……音声認識、ウェブサーフィン」
シャル(尻尾が割れてるー!? ほ、本当に妖怪……!? に、日本はクレイジーだ……!)
ラウラ「猫殿、依頼は果たしたぞ! 嫁が仮面ライダーになり、その姿を世界中に見せつけた。世界は仮面ライダーを取り戻したんだ!」
――猫はラウラの足元に寄ると、顔を上げる。
――その口に、木彫りの熊を咥えていた。
ラウラ「むう?」
シャル「あ。中に紙が入ってるみたいだよ」
ラウラ「おお!」
――紙片を取り出し、文字を読み上げる。
――『nobody's perfect』
シャル「!?」
ラウラ「どうした、“相棒”?」
シャル「い、いや、ちょっと……」
シャル(nobody's perfect。誰にも過ちはあるもの……)
シャル(人間はみんな不完全っていうジローの言葉と、同じ意味のフレーズ……)
ラウラ「……」
ラウラ「ふむ」
「ニャア」
――猫はラウラ達に背を向けると、走り去る。
ラウラ「……音声認識、ウェブサーフィン」
124: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:18:40.61 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「検索ワード『仮面ライダー』」
――端末が立ち上がり、検索結果が表示される。
――『仮面ライダー』……ヒット数0件。
ラウラ「どうやら、依頼を果たせてはいなかったようだ」
ラウラ「……」
ラウラ「どういうことだ?」
シャル「半月前の“あの戦い”は、世界中に配信されていた。戦いの中で一夏は、仮面ライダーという言葉を何度も叫んだ」
シャル「でも……。ネット上には『仮面ライダー』は存在していない」
ラウラ「私達は夢でも見ているのだろうか? それとも、“あの戦い”が夢だったのだろうか?」
シャル「……」
――シャルは、背中のギターに手を触れた。
シャル(……うん)
シャル「探偵になろう!」
ラウラ「な、何だと……?」
シャル「探すんだよ。この街で、『仮面ライダー』を」
シャル「調べてみよう。“あの戦い”は本当にあったのか、みんなは仮面ライダーを知っているのか」
――シャルはラウラの格好を、爪先から帽子のてっぺんまで見ていく。
シャル「レイモンド・チャンドラーなんでしょ?」
ラウラ「……フッ。ああ、ハードボイルドだ!」
ラウラ「よろしく頼むぞ、“相棒”」
――端末が立ち上がり、検索結果が表示される。
――『仮面ライダー』……ヒット数0件。
ラウラ「どうやら、依頼を果たせてはいなかったようだ」
ラウラ「……」
ラウラ「どういうことだ?」
シャル「半月前の“あの戦い”は、世界中に配信されていた。戦いの中で一夏は、仮面ライダーという言葉を何度も叫んだ」
シャル「でも……。ネット上には『仮面ライダー』は存在していない」
ラウラ「私達は夢でも見ているのだろうか? それとも、“あの戦い”が夢だったのだろうか?」
シャル「……」
――シャルは、背中のギターに手を触れた。
シャル(……うん)
シャル「探偵になろう!」
ラウラ「な、何だと……?」
シャル「探すんだよ。この街で、『仮面ライダー』を」
シャル「調べてみよう。“あの戦い”は本当にあったのか、みんなは仮面ライダーを知っているのか」
――シャルはラウラの格好を、爪先から帽子のてっぺんまで見ていく。
シャル「レイモンド・チャンドラーなんでしょ?」
ラウラ「……フッ。ああ、ハードボイルドだ!」
ラウラ「よろしく頼むぞ、“相棒”」
125: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:19:48.37 ID:6Z5PQ05eo
■第二幕「仮面ライダーを探せ!」
<風都・鳴海探偵事務所跡地>
――更地の前に男がいた。
――糊の効いたスーツを着こなした、洒脱な青年である。
――首に巻いたスカーフには、血のように赤いワンポイントが入っていた。
――彼の名は、園崎霧彦。
霧彦「仮面ライダーを見つけなければならない」
霧彦「仮面ライダーに、伝えなきゃならないことがあるんだ」
霧彦「メガリバースマシン」
霧彦「風都の風の未来を奪うあの機械を、稼働させてはならない……!」
<風都>
ラウラ(私達は二手に別れて調査を開始した)
ラウラ(風都の住民に『仮面ライダーを知っているか?』と尋ねて回っているが……)
ラウラ(結果は、芳しくない)
ラウラ(どうやら“あの戦い”の映像は『検閲』されていたらしい)
ラウラ(誰も嫁が変身した姿を『仮面ライダー』と呼ぶとは知らなかった)
ラウラ(……)
ラウラ(今年の一月。世界に、『唯一の男性IS操縦者』が現れた。嫁だ)
ラウラ(戒斗の存在が公になった三月までに、嫁の情報は世界中を駆け廻った。世界中のみんなが『織斑一夏はIS操縦者である』と知っている)
ラウラ(だから、と言うか)
ラウラ(“あの戦い”も、単なるIS戦だと認識されていた)
ラウラ(仮面ライダーの戦いだとは思われていなかった)
ラウラ(恐らく、世界中で“そう”なのだろう)
ラウラ(本当に、誰も『仮面ライダー』を知らないのだ)
<風都・鳴海探偵事務所跡地>
――更地の前に男がいた。
――糊の効いたスーツを着こなした、洒脱な青年である。
――首に巻いたスカーフには、血のように赤いワンポイントが入っていた。
――彼の名は、園崎霧彦。
霧彦「仮面ライダーを見つけなければならない」
霧彦「仮面ライダーに、伝えなきゃならないことがあるんだ」
霧彦「メガリバースマシン」
霧彦「風都の風の未来を奪うあの機械を、稼働させてはならない……!」
<風都>
ラウラ(私達は二手に別れて調査を開始した)
ラウラ(風都の住民に『仮面ライダーを知っているか?』と尋ねて回っているが……)
ラウラ(結果は、芳しくない)
ラウラ(どうやら“あの戦い”の映像は『検閲』されていたらしい)
ラウラ(誰も嫁が変身した姿を『仮面ライダー』と呼ぶとは知らなかった)
ラウラ(……)
ラウラ(今年の一月。世界に、『唯一の男性IS操縦者』が現れた。嫁だ)
ラウラ(戒斗の存在が公になった三月までに、嫁の情報は世界中を駆け廻った。世界中のみんなが『織斑一夏はIS操縦者である』と知っている)
ラウラ(だから、と言うか)
ラウラ(“あの戦い”も、単なるIS戦だと認識されていた)
ラウラ(仮面ライダーの戦いだとは思われていなかった)
ラウラ(恐らく、世界中で“そう”なのだろう)
ラウラ(本当に、誰も『仮面ライダー』を知らないのだ)
126: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:20:54.10 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー>
――『こども祭り』のイベントでごった返す風都タワーに、調査を続けるラウラの姿があった。
――ラウラは、ふうとくんが描かれた帽子を被った男の子に聞き込みをしていた。
ラウラ「……そうか。君も知らないか」
少年「うん」
ラウラ「協力感謝する」
少年「待って!」
ラウラ「何だ?」
少年「仮面ライダーって、何?」
ラウラ「……ふむ」
ラウラ(改めて問われると難しい問題だ)
ラウラ「それは――」
「君達の味方だよ」
ラウラ「む?」
ラウラ(……爽やかな青年だ)
霧彦「坊や。仮面ライダーは君達の……子供達の味方だ。仮面ライダーは必ず君達を守ってくれる。君達の声援があれば、奇跡だって起こしてくれるんだ」
少年「ぼく達の味方……」
霧彦「そうだよ。もちろん、頼りきりではいけないけどね。でも、自分の力ではどうにもならない時には、仮面ライダーを呼ぶんだ」
霧彦「仮面ライダーは絶対に君達に涙を流させない」
霧彦「だって……。君達こそが、風都の風なのだから」
少年「そうなんだ……。ありがとう、お兄さん!」
霧彦「ああ。ばいばい」
――霧彦は、ふうとくんの帽子を被った少年を、微笑みながら見送っていた。
ラウラ「……」
霧彦「余計な口出しだったかな」
ラウラ「いや、助かった」
霧彦「それはよかった」
霧彦「I Love ふうとくん! ふうとくんを愛してくれている子の手助けができてよかったよ」
――霧彦の目は、ラウラの腰に下げられた『ふうとくん』を見つめていた。
ラウラ「ふむ」
ラウラ(悪人ではないようだな。むしろ、天然のようだ)
ラウラ「質問がある。あなたはどうして仮面ライダーを知っているんだ? それはもう、みんなに忘れられてしまった英雄だ」
霧彦「…………」
霧彦「情報交換をしよう」
――『こども祭り』のイベントでごった返す風都タワーに、調査を続けるラウラの姿があった。
――ラウラは、ふうとくんが描かれた帽子を被った男の子に聞き込みをしていた。
ラウラ「……そうか。君も知らないか」
少年「うん」
ラウラ「協力感謝する」
少年「待って!」
ラウラ「何だ?」
少年「仮面ライダーって、何?」
ラウラ「……ふむ」
ラウラ(改めて問われると難しい問題だ)
ラウラ「それは――」
「君達の味方だよ」
ラウラ「む?」
ラウラ(……爽やかな青年だ)
霧彦「坊や。仮面ライダーは君達の……子供達の味方だ。仮面ライダーは必ず君達を守ってくれる。君達の声援があれば、奇跡だって起こしてくれるんだ」
少年「ぼく達の味方……」
霧彦「そうだよ。もちろん、頼りきりではいけないけどね。でも、自分の力ではどうにもならない時には、仮面ライダーを呼ぶんだ」
霧彦「仮面ライダーは絶対に君達に涙を流させない」
霧彦「だって……。君達こそが、風都の風なのだから」
少年「そうなんだ……。ありがとう、お兄さん!」
霧彦「ああ。ばいばい」
――霧彦は、ふうとくんの帽子を被った少年を、微笑みながら見送っていた。
ラウラ「……」
霧彦「余計な口出しだったかな」
ラウラ「いや、助かった」
霧彦「それはよかった」
霧彦「I Love ふうとくん! ふうとくんを愛してくれている子の手助けができてよかったよ」
――霧彦の目は、ラウラの腰に下げられた『ふうとくん』を見つめていた。
ラウラ「ふむ」
ラウラ(悪人ではないようだな。むしろ、天然のようだ)
ラウラ「質問がある。あなたはどうして仮面ライダーを知っているんだ? それはもう、みんなに忘れられてしまった英雄だ」
霧彦「…………」
霧彦「情報交換をしよう」
127: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:22:09.21 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所前>
シャル(人気の無いところに出ちゃったな……)
シャル「…………」
シャル(一人になると、どうしても思い出してしまう)
シャル(最近……。ずっと、同じ夢を見る)
シャル(父、父の正妻、あの人……。僕に酷いことをした人達が、僕に酷いことをするのを眺めている夢)
シャル(そして……)
シャル(やがて、僕は父になる)
シャル(父の正妻になる)
シャル(戦極凌馬になる)
シャル(そして、僕はそれを……)
シャル(……)
シャル(嫌な夢だ)
――シャルロットはジローのギターを開き、収納スペースから『ジローの心』を取り出した。
――スイッチを押すと、『ARK!/DARK!』という音声が鳴る。
シャル「ジロー……。君は僕に心を預けてくれたけど……」
シャル「僕は君の心を持っていていいのかな……?」
シャル「僕は君の友達でいていいのかな……」
シャル「本当の僕は……」
シャル「君を好きでいる資格はあるのかな、ジロー……」
――述懐の終わりを待っていたかのように、コンクリートを叩く音が響き渡った。
――音の源は、紳士のステッキ。
井坂「また会いましたね、シャルロット君」
シャル「井坂先生……!」
井坂「予言は当たったようですよ、シャルロット君。あなたは本当の自分を理解するための鍵を見つけたようだ」
シャル「え……?」
――井坂の猛禽類のような瞳は、『ジローの心』を見つめていた。
シャル(人気の無いところに出ちゃったな……)
シャル「…………」
シャル(一人になると、どうしても思い出してしまう)
シャル(最近……。ずっと、同じ夢を見る)
シャル(父、父の正妻、あの人……。僕に酷いことをした人達が、僕に酷いことをするのを眺めている夢)
シャル(そして……)
シャル(やがて、僕は父になる)
シャル(父の正妻になる)
シャル(戦極凌馬になる)
シャル(そして、僕はそれを……)
シャル(……)
シャル(嫌な夢だ)
――シャルロットはジローのギターを開き、収納スペースから『ジローの心』を取り出した。
――スイッチを押すと、『ARK!/DARK!』という音声が鳴る。
シャル「ジロー……。君は僕に心を預けてくれたけど……」
シャル「僕は君の心を持っていていいのかな……?」
シャル「僕は君の友達でいていいのかな……」
シャル「本当の僕は……」
シャル「君を好きでいる資格はあるのかな、ジロー……」
――述懐の終わりを待っていたかのように、コンクリートを叩く音が響き渡った。
――音の源は、紳士のステッキ。
井坂「また会いましたね、シャルロット君」
シャル「井坂先生……!」
井坂「予言は当たったようですよ、シャルロット君。あなたは本当の自分を理解するための鍵を見つけたようだ」
シャル「え……?」
――井坂の猛禽類のような瞳は、『ジローの心』を見つめていた。
128: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:23:30.92 ID:6Z5PQ05eo
<風麺>
霧彦「本当に食べないのかい? もういい時間だよ」
ラウラ「昼食を取るなら“相棒”も一緒でなければならないからな」
霧彦「なるほど。ならば覚えておくといい。風都通がオススメする風都の名物料理と言えば、この風麺だ。風都タワーの風車のように巨大なナルトがイチオシポイントだよ」
ラウラ「ありがとう霧彦。覚えておこう」
――ラウラは破顔した。
ラウラ「さて。情報を整理しようか」
霧彦「君達は仮面ライダーの痕跡を探している」
ラウラ「そして、霧彦は仮面ライダーを探している」
霧彦「お互いに収穫はゼロ」
ラウラ「……と、いうことだ」
霧彦(……)
霧彦(まさか、私が死んでから五十年以上の年月が経過していたとは……)
霧彦(そして、彼女の話によれば)
霧彦(この街の仮面ライダーは、既に死んでいる)
霧彦(殺されてしまっている……)
霧彦(…………)
霧彦(仮面ライダー君。君が殺されたなんて信じたくないよ……)
霧彦(君が……。仮面ライダーがいなくなってしまったら、誰がこの街を守るんだい?)
霧彦(誰が風都の風を守るんだい……?)
霧彦(君こそが風都の守護者だと信じたから、『大切な宝物』を預けたんだぞ……)
霧彦「本当に食べないのかい? もういい時間だよ」
ラウラ「昼食を取るなら“相棒”も一緒でなければならないからな」
霧彦「なるほど。ならば覚えておくといい。風都通がオススメする風都の名物料理と言えば、この風麺だ。風都タワーの風車のように巨大なナルトがイチオシポイントだよ」
ラウラ「ありがとう霧彦。覚えておこう」
――ラウラは破顔した。
ラウラ「さて。情報を整理しようか」
霧彦「君達は仮面ライダーの痕跡を探している」
ラウラ「そして、霧彦は仮面ライダーを探している」
霧彦「お互いに収穫はゼロ」
ラウラ「……と、いうことだ」
霧彦(……)
霧彦(まさか、私が死んでから五十年以上の年月が経過していたとは……)
霧彦(そして、彼女の話によれば)
霧彦(この街の仮面ライダーは、既に死んでいる)
霧彦(殺されてしまっている……)
霧彦(…………)
霧彦(仮面ライダー君。君が殺されたなんて信じたくないよ……)
霧彦(君が……。仮面ライダーがいなくなってしまったら、誰がこの街を守るんだい?)
霧彦(誰が風都の風を守るんだい……?)
霧彦(君こそが風都の守護者だと信じたから、『大切な宝物』を預けたんだぞ……)
129: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:24:18.31 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所・診察所>
井坂「ガイアメモリ、というものがあります」
シャル「ガイアメモリ……?」
井坂「ええ。『地球の記憶』が刻まれた生体感応端末です」
シャル(『地球の記憶』……?)
井坂「難しく考えることはありません。あなたが知らなくてはならないことは、一つだけ」
井坂「人とメモリは運命で結ばれている、ということです」
シャル「運命……?」
井坂「ええ、運命です」
井坂「あなたとそのメモリの出会いもまた、運命なのですよ」
シャル「……」
――シャルロットは、手の中の『ジローの心』を見つめた。
シャル「僕は何をすればいいんですか……?」
井坂「メモリと一つになるのです。ガイアメモリが本当のあなたを具現化してくれます」
シャル「メモリと一つに……?」
シャル(それは、ジローの心と一つになれるってこと……?)
シャル(……)
シャル(ジロー……)
シャル(君と一つになれるなら、僕は……)
シャル「井坂先生」
井坂「何でしょう?」
シャル「どうすればメモリと一つになれるんですか?」
井坂「ガイアメモリ、というものがあります」
シャル「ガイアメモリ……?」
井坂「ええ。『地球の記憶』が刻まれた生体感応端末です」
シャル(『地球の記憶』……?)
井坂「難しく考えることはありません。あなたが知らなくてはならないことは、一つだけ」
井坂「人とメモリは運命で結ばれている、ということです」
シャル「運命……?」
井坂「ええ、運命です」
井坂「あなたとそのメモリの出会いもまた、運命なのですよ」
シャル「……」
――シャルロットは、手の中の『ジローの心』を見つめた。
シャル「僕は何をすればいいんですか……?」
井坂「メモリと一つになるのです。ガイアメモリが本当のあなたを具現化してくれます」
シャル「メモリと一つに……?」
シャル(それは、ジローの心と一つになれるってこと……?)
シャル(……)
シャル(ジロー……)
シャル(君と一つになれるなら、僕は……)
シャル「井坂先生」
井坂「何でしょう?」
シャル「どうすればメモリと一つになれるんですか?」
130: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:25:02.06 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所前>
ラウラ(集合時間になっても連絡が取れないシャルロットを探して、こんなところまで来てしまった)
ラウラ(気味の悪い建物だ……)
ラウラ「この建物の中にシャルロットがいるはずだ」
霧彦「どうやって調べたんだい?」
ラウラ「通信端末を使ったGPSだ。合流しやすいように、お互いにIDを交換していた」
霧彦「なるほど。世の中便利になったものだ」
霧彦(しかし。この建物……)
霧彦(朽ちかけていて分かり辛いが――井坂内科医院だ)
霧彦(井坂内科医院は、裏ではドーパントを診ていたはず。胸騒ぎがする……)
ラウラ(集合時間になっても連絡が取れないシャルロットを探して、こんなところまで来てしまった)
ラウラ(気味の悪い建物だ……)
ラウラ「この建物の中にシャルロットがいるはずだ」
霧彦「どうやって調べたんだい?」
ラウラ「通信端末を使ったGPSだ。合流しやすいように、お互いにIDを交換していた」
霧彦「なるほど。世の中便利になったものだ」
霧彦(しかし。この建物……)
霧彦(朽ちかけていて分かり辛いが――井坂内科医院だ)
霧彦(井坂内科医院は、裏ではドーパントを診ていたはず。胸騒ぎがする……)
131: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:25:52.41 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所・診察室>
――『ジローの心』は、かつて仮面ライダー達が使っていたガイアメモリに酷似していた。
――相違点は一つ。
――『A』と『D』いう二つの文字が刻まれていることである。
井坂「コネクタ処理は終わりました。これで、あなたは本当の自分を知ることができますよ」
シャル「ありがとうございます……!」
――シャルロットは、メモリのスイッチを押す。
――『ARK!/DARK!』というガイド音声が鳴る。
シャル「……」
シャル「…………ッ」
――胸のコネクタに『ジローの心』を刺すと、
――『ハカイダー!』という音声が鳴り響いた。
――シャルロットは『闇』に包まれる。
――『闇』が霧散すると……。
シャル「え……」
――鏡に、『ハカイダー・ドーパント』に変貌したシャルロットが映っていた。
――『ジローの心』は、かつて仮面ライダー達が使っていたガイアメモリに酷似していた。
――相違点は一つ。
――『A』と『D』いう二つの文字が刻まれていることである。
井坂「コネクタ処理は終わりました。これで、あなたは本当の自分を知ることができますよ」
シャル「ありがとうございます……!」
――シャルロットは、メモリのスイッチを押す。
――『ARK!/DARK!』というガイド音声が鳴る。
シャル「……」
シャル「…………ッ」
――胸のコネクタに『ジローの心』を刺すと、
――『ハカイダー!』という音声が鳴り響いた。
――シャルロットは『闇』に包まれる。
――『闇』が霧散すると……。
シャル「え……」
――鏡に、『ハカイダー・ドーパント』に変貌したシャルロットが映っていた。
132: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:27:05.27 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所・廊下>
ラウラ「今のは……?」
霧彦「ガイアメモリの……!」
――診察室に駆け込んだ二人は、見た。
――鏡を前に、自らの姿を恐れるように後ずさる『ハカイダー・ドーパント』の姿を。
ラウラ(あの怪人……。あの背中のギター! まさか、シャルロット……!?)
ラウラ「シャルロット! どうした! 何があったんだ!」
――シャルロットは、ラウラの声なんて聞こえていないように、頭を振っている。
シャル「嘘だ……。そんな、僕が、僕は……」
井坂「嘘ではありませんよ」
井坂「その姿こそが、本当のあなたなのです」
――シャルロットの姿は、あまりにも『醜かった』。
――誰かを傷つけるための力に満ちあふれた、破壊的なボディ。
――世の中への絶望を塗り固めたような、真っ赤な瞳。
――クリアパーツの中に『脳』を飾った、グロテスクな頭部。
――年頃の少女が許容できる姿ではなかった。
井坂「それが、本当のあなたが具現化した姿なのです」
シャル「そんな……ッ」
――シャルロットはよろめき……震える手で、ジローのギターをベッドに横たえた。
――まるで、別れを告げるように。
シャル「僕が……」
シャル「本当の僕がこんなに醜いなら、ジローを好きでいる資格なんてないよ…………ッ!」
――シャルは駆け出した。診療所の壁を破壊し、何処かに去ってしまう。
ラウラ「今のは……?」
霧彦「ガイアメモリの……!」
――診察室に駆け込んだ二人は、見た。
――鏡を前に、自らの姿を恐れるように後ずさる『ハカイダー・ドーパント』の姿を。
ラウラ(あの怪人……。あの背中のギター! まさか、シャルロット……!?)
ラウラ「シャルロット! どうした! 何があったんだ!」
――シャルロットは、ラウラの声なんて聞こえていないように、頭を振っている。
シャル「嘘だ……。そんな、僕が、僕は……」
井坂「嘘ではありませんよ」
井坂「その姿こそが、本当のあなたなのです」
――シャルロットの姿は、あまりにも『醜かった』。
――誰かを傷つけるための力に満ちあふれた、破壊的なボディ。
――世の中への絶望を塗り固めたような、真っ赤な瞳。
――クリアパーツの中に『脳』を飾った、グロテスクな頭部。
――年頃の少女が許容できる姿ではなかった。
井坂「それが、本当のあなたが具現化した姿なのです」
シャル「そんな……ッ」
――シャルロットはよろめき……震える手で、ジローのギターをベッドに横たえた。
――まるで、別れを告げるように。
シャル「僕が……」
シャル「本当の僕がこんなに醜いなら、ジローを好きでいる資格なんてないよ…………ッ!」
――シャルは駆け出した。診療所の壁を破壊し、何処かに去ってしまう。
133: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:28:35.54 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「シャルロット!」
――ラウラの声は、届くはずもなかった。
霧彦「……っ」
井坂「……」
井坂「ずいぶんと怖い目をしていますねえ」
霧彦「井坂深紅郎……!」
井坂「私を知っているということは、あなたも過去の亡霊というわけですか。名前を尋ねても?」
霧彦「園崎霧彦!」
井坂(園崎……? ……そうか、冴子君の……)
井坂「くく。くくくくくく」
ラウラ「何がおかしい!」
――ラウラの隻眼が、井坂を睨み上げていた。
ラウラ「シャルロットを……私の友を傷つけておきながら、どうして笑える!」
井坂「勘違いしないでもらいたいですねぇ……。決断をしたのは彼女ですよ。私は、ほんの少し助言をしたに過ぎません」
井坂「シャルロット君は知りたがっていたんですよ、『本当の自分』を、ね」
ラウラ「……ッ」
ラウラ(シャルロット……)
ラウラ(そうか。お前は、そうだったのか……)
――ラウラの前に、霧彦が歩み出る。
霧彦「井坂深紅郎。……ガイアメモリ『ウェザー』の所持者!」
井坂「よくご存じのようで」
――『ウェザー!』
霧彦「お前はあの子をガイアメモリの実験台にしたな!」
井坂「正確にはガイアメモリではありませんが……。そうですよ。あのメモリの力に興味があるのです」
霧彦「許さん!!」
――霧彦は『ガイアドライバー』をセットする。
ラウラ(ドライバー!? 霧彦は仮面ライダーなのか!?)
――『ナスカ!』
井坂「ふふっ。ドライバーなどに頼っていては、私には勝てませんよ」
霧彦「フッ……。それはどうかな!」
――ラウラの声は、届くはずもなかった。
霧彦「……っ」
井坂「……」
井坂「ずいぶんと怖い目をしていますねえ」
霧彦「井坂深紅郎……!」
井坂「私を知っているということは、あなたも過去の亡霊というわけですか。名前を尋ねても?」
霧彦「園崎霧彦!」
井坂(園崎……? ……そうか、冴子君の……)
井坂「くく。くくくくくく」
ラウラ「何がおかしい!」
――ラウラの隻眼が、井坂を睨み上げていた。
ラウラ「シャルロットを……私の友を傷つけておきながら、どうして笑える!」
井坂「勘違いしないでもらいたいですねぇ……。決断をしたのは彼女ですよ。私は、ほんの少し助言をしたに過ぎません」
井坂「シャルロット君は知りたがっていたんですよ、『本当の自分』を、ね」
ラウラ「……ッ」
ラウラ(シャルロット……)
ラウラ(そうか。お前は、そうだったのか……)
――ラウラの前に、霧彦が歩み出る。
霧彦「井坂深紅郎。……ガイアメモリ『ウェザー』の所持者!」
井坂「よくご存じのようで」
――『ウェザー!』
霧彦「お前はあの子をガイアメモリの実験台にしたな!」
井坂「正確にはガイアメモリではありませんが……。そうですよ。あのメモリの力に興味があるのです」
霧彦「許さん!!」
――霧彦は『ガイアドライバー』をセットする。
ラウラ(ドライバー!? 霧彦は仮面ライダーなのか!?)
――『ナスカ!』
井坂「ふふっ。ドライバーなどに頼っていては、私には勝てませんよ」
霧彦「フッ……。それはどうかな!」
134: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:29:27.79 ID:6Z5PQ05eo
<朽ちかけた診療所前>
――ナスカ・ドーパントとウェザー・ドーパントが激突していた。
ラウラ(有利なのは、井坂深紅郎が変身した怪人だ)
ラウラ(嵐、雷雨、吹雪……。天候を操る能力を有しているのだろう。多彩な戦術を用いて霧彦を追いつめている)
ラウラ(霧彦は……。長剣を主武器にしたファイターなのだろう。井坂深紅郎の絡め手に対抗できず、一方的にやられている)
井坂「霧彦君。ナスカには固有能力の《超高速》があるはずですね。使わないんですか?」
霧彦「くっ……」
井坂「分かっていますよ、ふふ。使わないのではなく、使えないのでしょう? ……そのメモリ、あなたに適合していませんね。身体に激痛が走っているのでしょう?」
――雷雲が霧彦を拘束する。
――幾条もの雷撃が霧彦を打った。
――霧彦は悲鳴を上げて倒れ伏す。
井坂「ふむ」
井坂「ナスカメモリの神秘の力には興味があります、見逃してあげましょう。もしもあなたにその気があるのなら、今度はドライバーを使わずにメモリの直刺しをしなさい」
井坂「そうすれば、勝負になるかもしれませんよ?」
――井坂は『生体コネクタ設置手術器』を霧彦の目の前に置くと、悠々と姿を消した。
――ナスカ・ドーパントとウェザー・ドーパントが激突していた。
ラウラ(有利なのは、井坂深紅郎が変身した怪人だ)
ラウラ(嵐、雷雨、吹雪……。天候を操る能力を有しているのだろう。多彩な戦術を用いて霧彦を追いつめている)
ラウラ(霧彦は……。長剣を主武器にしたファイターなのだろう。井坂深紅郎の絡め手に対抗できず、一方的にやられている)
井坂「霧彦君。ナスカには固有能力の《超高速》があるはずですね。使わないんですか?」
霧彦「くっ……」
井坂「分かっていますよ、ふふ。使わないのではなく、使えないのでしょう? ……そのメモリ、あなたに適合していませんね。身体に激痛が走っているのでしょう?」
――雷雲が霧彦を拘束する。
――幾条もの雷撃が霧彦を打った。
――霧彦は悲鳴を上げて倒れ伏す。
井坂「ふむ」
井坂「ナスカメモリの神秘の力には興味があります、見逃してあげましょう。もしもあなたにその気があるのなら、今度はドライバーを使わずにメモリの直刺しをしなさい」
井坂「そうすれば、勝負になるかもしれませんよ?」
――井坂は『生体コネクタ設置手術器』を霧彦の目の前に置くと、悠々と姿を消した。
135: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:30:03.17 ID:6Z5PQ05eo
■間章「風都こども祭」
<風都タワー>
――子供達がはしゃいでいた。
――催し物が、風都タワーに街中の子供達を集めていた。
――ある時に。
――子供達の中から、声が上がる。
「ねえ。仮面ライダーって知ってる?」
「仮面ライダー?」
「何それ?」
「仮面ライダーはね」
「僕達の味方、だよ」
<風都タワー>
――子供達がはしゃいでいた。
――催し物が、風都タワーに街中の子供達を集めていた。
――ある時に。
――子供達の中から、声が上がる。
「ねえ。仮面ライダーって知ってる?」
「仮面ライダー?」
「何それ?」
「仮面ライダーはね」
「僕達の味方、だよ」
136: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:30:46.72 ID:6Z5PQ05eo
■第三幕「本当の自分」
<夢の中>
――僕は、継母に殴られる僕を見つめていた。
――僕は、父に無視される僕を見つめていた。
――僕は、戦極凌馬に弄ばれる僕を見つめていた。
――やがて。
――継母の顔が僕になる。
――父の顔が僕になる。
――戦極凌馬の顔が僕になる。
――。
――僕の手は、銃を握っていた。
――引き金を引く。
――僕の顔をした戦極凌馬を破壊した。
――僕の顔をした継母を破壊した。
――僕の顔をした父を破壊した。
――僕の顔をした――を破壊した。
――夢はそこで途切れた。
<夢の中>
――僕は、継母に殴られる僕を見つめていた。
――僕は、父に無視される僕を見つめていた。
――僕は、戦極凌馬に弄ばれる僕を見つめていた。
――やがて。
――継母の顔が僕になる。
――父の顔が僕になる。
――戦極凌馬の顔が僕になる。
――。
――僕の手は、銃を握っていた。
――引き金を引く。
――僕の顔をした戦極凌馬を破壊した。
――僕の顔をした継母を破壊した。
――僕の顔をした父を破壊した。
――僕の顔をした――を破壊した。
――夢はそこで途切れた。
137: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:31:56.63 ID:6Z5PQ05eo
<裏通り>
――気を失った霧彦を担ぐ、ラウラの姿があった。
――背中には霧彦を背負い、首からはジローのギターを下げている。
――小さな唇は、考えをまとめるように独り言を呟いていた。
ラウラ「シャルロットが何を悩んでいたのか……。分かったよ」
ラウラ「シャルロットは恋を自覚したんだ」
ラウラ「……」
ラウラ「恋をすると鏡を見る」
ラウラ「本当の自分を知りたくなる」
ラウラ「本当の自分は“その人”に好きになってもらえるだろうか? “その人”を好きでいていいのだろうか?」
ラウラ「……“その人”を好きでいるための資格を求めてしまう」
ラウラ「嫁を好きになった私も同じ葛藤と対峙した」
ラウラ「恋を自覚してしまえば、もう後戻りはできない」
ラウラ「本当の自分との、戦いが始まる」
ラウラ「……ああ」
ラウラ「nobody's perfect」
ラウラ「本当の自分は、強敵だ」
ラウラ「……」
ラウラ「シャルロットは後悔しない生き方を選択できるだろうか……」
ラウラ「……」
「ニャア」
ラウラ「猫殿?」
「ニャア」
ラウラ「ついて来いと言っているのか? ……いいだろう。霧彦を休ませなければならない」
ラウラ「猫殿。霧彦が一番安らげる場所に案内してくれ」
「ニャア」
――気を失った霧彦を担ぐ、ラウラの姿があった。
――背中には霧彦を背負い、首からはジローのギターを下げている。
――小さな唇は、考えをまとめるように独り言を呟いていた。
ラウラ「シャルロットが何を悩んでいたのか……。分かったよ」
ラウラ「シャルロットは恋を自覚したんだ」
ラウラ「……」
ラウラ「恋をすると鏡を見る」
ラウラ「本当の自分を知りたくなる」
ラウラ「本当の自分は“その人”に好きになってもらえるだろうか? “その人”を好きでいていいのだろうか?」
ラウラ「……“その人”を好きでいるための資格を求めてしまう」
ラウラ「嫁を好きになった私も同じ葛藤と対峙した」
ラウラ「恋を自覚してしまえば、もう後戻りはできない」
ラウラ「本当の自分との、戦いが始まる」
ラウラ「……ああ」
ラウラ「nobody's perfect」
ラウラ「本当の自分は、強敵だ」
ラウラ「……」
ラウラ「シャルロットは後悔しない生き方を選択できるだろうか……」
ラウラ「……」
「ニャア」
ラウラ「猫殿?」
「ニャア」
ラウラ「ついて来いと言っているのか? ……いいだろう。霧彦を休ませなければならない」
ラウラ「猫殿。霧彦が一番安らげる場所に案内してくれ」
「ニャア」
138: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:33:04.31 ID:6Z5PQ05eo
<旧園崎邸・庭園>
――『ハカイダー・ドーパント』は、荒れ果てた庭園にいた。
――彼女は、湖に映る自分の姿に怯えていた。
シャル「破壊だ……」
シャル「破壊、破壊、破壊だ……」
シャル「僕の心がそう叫ぶんだ……」
シャル「嫌だよ……。そんな醜い感情、持ちたくないよ……!」
――シャルロットは頭を振った。
――水面に映る『醜い』怪人が、シャルロットの動きを忠実に再現する。
――そこに、逃れようのない事実があった。
シャル「……ッ」
シャル「この姿こそが、本当の僕……。井坂先生はそう言っていた……」
シャル「僕は壊したかったの……?」
シャル「……」
――“夢”が蘇る。
――“夢”の中のシャルロットは、人を殺していた。
――自分と縁の深い“四人の人物”を殺害していた。
シャル「……」
シャル「ジロー……」
――シャルロットは胸に、『ジローの心』を刺した場所に手を当てる。
シャル「君と一つになったはずなのに、僕は君から遠ざかってしまった」
シャル「僕は……」
シャル「僕みたいな醜い人間が、ジローみたいに優しい人を好きになっちゃいけなかったんだね……」
シャル「ジロー……。ジロー……!」
――シャルロットは涙を隠すように顔を伏せる。
――けれど、『ハカイダー・ドーパント』となったシャルロットは、涙を流すことすらできなかった。
――『ハカイダー・ドーパント』は、荒れ果てた庭園にいた。
――彼女は、湖に映る自分の姿に怯えていた。
シャル「破壊だ……」
シャル「破壊、破壊、破壊だ……」
シャル「僕の心がそう叫ぶんだ……」
シャル「嫌だよ……。そんな醜い感情、持ちたくないよ……!」
――シャルロットは頭を振った。
――水面に映る『醜い』怪人が、シャルロットの動きを忠実に再現する。
――そこに、逃れようのない事実があった。
シャル「……ッ」
シャル「この姿こそが、本当の僕……。井坂先生はそう言っていた……」
シャル「僕は壊したかったの……?」
シャル「……」
――“夢”が蘇る。
――“夢”の中のシャルロットは、人を殺していた。
――自分と縁の深い“四人の人物”を殺害していた。
シャル「……」
シャル「ジロー……」
――シャルロットは胸に、『ジローの心』を刺した場所に手を当てる。
シャル「君と一つになったはずなのに、僕は君から遠ざかってしまった」
シャル「僕は……」
シャル「僕みたいな醜い人間が、ジローみたいに優しい人を好きになっちゃいけなかったんだね……」
シャル「ジロー……。ジロー……!」
――シャルロットは涙を隠すように顔を伏せる。
――けれど、『ハカイダー・ドーパント』となったシャルロットは、涙を流すことすらできなかった。
139: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:33:59.04 ID:6Z5PQ05eo
<喫茶店>
――井坂は“資料”を眺めていた。
――“資料”にはシャルロット・デュノアの詳細なプロフィールが記載されている。
井坂(シャルロット・デュノア。“スポンサー”が破壊を依頼してきた『ARK/DARK』メモリの、所持者)
井坂(父の愛を知らずに育った少女)
井坂(……誰かを、思い出しそうになります)
井坂(……)
井坂(くく。くくくくくくくくくく……)
井坂(彼女をメモリの実験台にしておきながら、ねぇ……。はは、はははははははははは!)
井坂(……)
井坂(私は、本当の自分の心の声に従います)
井坂(“スポンサー”からは“前金”もいただいていますが、知ったことではありません)
井坂(私は――『ARK/DARK』メモリの力を手に入れる)
井坂(究極の力で満たされたい! それこそが、私の願いなのですから……)
――井坂は喫茶店のウェイトレスに声をかける。
――注文は『おかわり』。
――しばらくすると……。
――井坂の前に、十八枚目となるパスタの皿が運び込まれた。
――井坂は“資料”を眺めていた。
――“資料”にはシャルロット・デュノアの詳細なプロフィールが記載されている。
井坂(シャルロット・デュノア。“スポンサー”が破壊を依頼してきた『ARK/DARK』メモリの、所持者)
井坂(父の愛を知らずに育った少女)
井坂(……誰かを、思い出しそうになります)
井坂(……)
井坂(くく。くくくくくくくくくく……)
井坂(彼女をメモリの実験台にしておきながら、ねぇ……。はは、はははははははははは!)
井坂(……)
井坂(私は、本当の自分の心の声に従います)
井坂(“スポンサー”からは“前金”もいただいていますが、知ったことではありません)
井坂(私は――『ARK/DARK』メモリの力を手に入れる)
井坂(究極の力で満たされたい! それこそが、私の願いなのですから……)
――井坂は喫茶店のウェイトレスに声をかける。
――注文は『おかわり』。
――しばらくすると……。
――井坂の前に、十八枚目となるパスタの皿が運び込まれた。
140: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:34:44.65 ID:6Z5PQ05eo
<風車の孤児院・保健室>
――霧彦は清潔なベッドの上で目を覚ました。
霧彦「ここは……?」
ラウラ「孤児院だ。猫殿が導いてくれた。そして、院長の好意でベッドを借りている」
霧彦「……」
――霧彦は身体を起こすと、壁に貼られた一枚の絵に目をとめた。
――その絵には、“兄妹”の姿が描かれていた。
霧彦(ここには、私の“昨日”があるようだ……)
霧彦(……)
霧彦「君のお友達は……?」
ラウラ「居場所は分かる。GPSが生きている。だが……正直なところ、困っている」
ラウラ「シャルロットが抱えている問題は繊細だ。私には何をどうしていいかが分からない」
霧彦「……」
霧彦「そうか……」
――霧彦は清潔なベッドの上で目を覚ました。
霧彦「ここは……?」
ラウラ「孤児院だ。猫殿が導いてくれた。そして、院長の好意でベッドを借りている」
霧彦「……」
――霧彦は身体を起こすと、壁に貼られた一枚の絵に目をとめた。
――その絵には、“兄妹”の姿が描かれていた。
霧彦(ここには、私の“昨日”があるようだ……)
霧彦(……)
霧彦「君のお友達は……?」
ラウラ「居場所は分かる。GPSが生きている。だが……正直なところ、困っている」
ラウラ「シャルロットが抱えている問題は繊細だ。私には何をどうしていいかが分からない」
霧彦「……」
霧彦「そうか……」
141: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:35:46.36 ID:6Z5PQ05eo
<旧園崎邸・庭園>
井坂「ここにいましたか」
シャル「井坂先生……? どうしてここに」
井坂「縁のある場所だから、でしょうか」
――井坂は、かつての栄光を失った園崎邸をぐるりと見回した。
井坂(思えば……。ここには精神的な病人ばかりがいました)
井坂(心に歪みを抱える者が集まる場所。なのかもしれません)
井坂「シャルロット君。本当の自分を知った気分は、どうですか?」
シャル「……」
シャル「……ッ」
井坂「最高、ではなさそうですね」
井坂「……」
井坂「それは、あなたが本当の自分から目を逸らしているからですよ」
シャル「でも……」
――シャルロットは、井坂深紅郎という紳士を見上げる。
――猛禽類のような眼光は鋭く、少女の心を抉るようである。
――けれど。シャルロットは、その眼差しから目を逸らすことができなかった。
井坂「恐れなくてよいのですよ」
井坂「耳を澄ませて、本当の自分の心の声を聞くのです」
井坂「やがて、気づくはずですよ」
シャル「気づく……?」
井坂「ええ」
井坂「本当の自分の心の声に従うことで人間は満たされるのだ。……とね」
井坂(そう)
井坂(究極の力で満たされるために。人を騙し、人を操り、人を殺した私が……)
井坂(充実していたように、ね)
井坂「ここにいましたか」
シャル「井坂先生……? どうしてここに」
井坂「縁のある場所だから、でしょうか」
――井坂は、かつての栄光を失った園崎邸をぐるりと見回した。
井坂(思えば……。ここには精神的な病人ばかりがいました)
井坂(心に歪みを抱える者が集まる場所。なのかもしれません)
井坂「シャルロット君。本当の自分を知った気分は、どうですか?」
シャル「……」
シャル「……ッ」
井坂「最高、ではなさそうですね」
井坂「……」
井坂「それは、あなたが本当の自分から目を逸らしているからですよ」
シャル「でも……」
――シャルロットは、井坂深紅郎という紳士を見上げる。
――猛禽類のような眼光は鋭く、少女の心を抉るようである。
――けれど。シャルロットは、その眼差しから目を逸らすことができなかった。
井坂「恐れなくてよいのですよ」
井坂「耳を澄ませて、本当の自分の心の声を聞くのです」
井坂「やがて、気づくはずですよ」
シャル「気づく……?」
井坂「ええ」
井坂「本当の自分の心の声に従うことで人間は満たされるのだ。……とね」
井坂(そう)
井坂(究極の力で満たされるために。人を騙し、人を操り、人を殺した私が……)
井坂(充実していたように、ね)
142: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:36:15.83 ID:6Z5PQ05eo
<風車の孤児院・保健室>
霧彦「どうすればいいか分からなくなった時は……」
ラウラ「ん?」
霧彦「心に聞いてみるんだ。本当の自分に」
ラウラ「本当の自分……」
霧彦「何も成せないかもしれない」
霧彦「何かを失ってしまうかもしれない」
霧彦「けれど、後悔はしないはずだ」
霧彦「……そうだね」
霧彦「とある――風都を愛した男の話をしよう」
霧彦「どうすればいいか分からなくなった時は……」
ラウラ「ん?」
霧彦「心に聞いてみるんだ。本当の自分に」
ラウラ「本当の自分……」
霧彦「何も成せないかもしれない」
霧彦「何かを失ってしまうかもしれない」
霧彦「けれど、後悔はしないはずだ」
霧彦「……そうだね」
霧彦「とある――風都を愛した男の話をしよう」
143: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:37:20.75 ID:6Z5PQ05eo
<旧園崎邸・庭園>
井坂「シャルロット君。本当の自分は何と言っていますか?」
シャル「それは……」
――シャルロットは深く、深く、自分の心に沈んでいく。
――聞こえる声は。
――見えるものは。
――“夢”だった。
――人を殺す“夢”。
――破壊の“夢”。
シャル「……」
井坂「心の声を聞くことができたようですね」
シャル「はい……」
井坂「恥じることはありません。本当の自分を理解したあなたは、生まれ変わるのですよ」
シャル「生まれ変わる……?」
井坂「ええ。別の存在に変身するのです。もう一度、湖を覗いてごらんなさい」
シャル「……」
――シャルロットは湖に映る自分を見た。
――『ハカイダー・ドーパント』
――シャルロットの心が具現化した姿。
井坂「シャルロット君。君は破壊したいと思っていますね? ……その姿は素晴らしい。どんなものでも破壊できるでしょう」
井坂「シャルロット君。本当の自分は何と言っていますか?」
シャル「それは……」
――シャルロットは深く、深く、自分の心に沈んでいく。
――聞こえる声は。
――見えるものは。
――“夢”だった。
――人を殺す“夢”。
――破壊の“夢”。
シャル「……」
井坂「心の声を聞くことができたようですね」
シャル「はい……」
井坂「恥じることはありません。本当の自分を理解したあなたは、生まれ変わるのですよ」
シャル「生まれ変わる……?」
井坂「ええ。別の存在に変身するのです。もう一度、湖を覗いてごらんなさい」
シャル「……」
――シャルロットは湖に映る自分を見た。
――『ハカイダー・ドーパント』
――シャルロットの心が具現化した姿。
井坂「シャルロット君。君は破壊したいと思っていますね? ……その姿は素晴らしい。どんなものでも破壊できるでしょう」
144: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:38:00.87 ID:6Z5PQ05eo
シャル「破壊なんて……僕には、そんなこと……」
井坂「大丈夫」
――井坂の手が、シャルロットの肩にそっと置かれる。
井坂「一度破壊すれば理解できるでしょう。破壊こそがあなたを満たすのだ。破壊こそが、本当の自分の願いなのだ、と」
シャル「……」
井坂「苦しいのでしょう?」
シャル「…………はい」
井坂「楽になりたいのでしょう?」
シャル「……はい」
井坂「その苦しみから解放される方法は、たった一つだけ」
井坂「――破壊です」
シャル「……」
シャル「破壊……」
シャル「それが、本当の自分の……願い……」
シャル「僕を満たすもの……」
――シャルロットは、湖を見やる。
シャル(……あは)
シャル(ははは……)
シャル(さよなら、ジロー)
シャル(僕はもう、君を好きでいる資格を失くしちゃったよ……)
井坂「大丈夫」
――井坂の手が、シャルロットの肩にそっと置かれる。
井坂「一度破壊すれば理解できるでしょう。破壊こそがあなたを満たすのだ。破壊こそが、本当の自分の願いなのだ、と」
シャル「……」
井坂「苦しいのでしょう?」
シャル「…………はい」
井坂「楽になりたいのでしょう?」
シャル「……はい」
井坂「その苦しみから解放される方法は、たった一つだけ」
井坂「――破壊です」
シャル「……」
シャル「破壊……」
シャル「それが、本当の自分の……願い……」
シャル「僕を満たすもの……」
――シャルロットは、湖を見やる。
シャル(……あは)
シャル(ははは……)
シャル(さよなら、ジロー)
シャル(僕はもう、君を好きでいる資格を失くしちゃったよ……)
145: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:39:07.15 ID:6Z5PQ05eo
<風車の孤児院・保健室>
霧彦「その男は間違えていた」
霧彦「その男は“悪の組織”に所属していた」
霧彦「だが……。悪の組織の研究がいずれ風都の人々の利益になると信じていた。組織の仕事に誇りすら感じていた」
霧彦「組織の仕事を忠実にこなすことで風都への愛を証明できると思っていた」
霧彦「――それが間違いだ」
霧彦「組織は、やはり“悪の組織”だった」
霧彦「組織は風都の子供達を研究の犠牲にした」
霧彦「男には、それが許せなかった」
霧彦「だが……。分からなくなった」
霧彦「ずっと組織を信じていた。信じていたものに裏切られてしまった。……どうすればいいのか、自分が何をしたいのか、分からなくなった」
ラウラ「……」
ラウラ「その男は、どうなったんだ?」
霧彦「死んだよ」
ラウラ「……そうか」
霧彦「悲観することはない。男は満たされていた」
ラウラ「死んでしまったのに、か?」
霧彦「ああ。男は死の直前まで“生きて”いたからね」
ラウラ「……よく、分からない」
霧彦「心臓が動いている! 生きているとは、ただ、それだけだろうか?」
ラウラ「……」
霧彦「その男は間違えていた」
霧彦「その男は“悪の組織”に所属していた」
霧彦「だが……。悪の組織の研究がいずれ風都の人々の利益になると信じていた。組織の仕事に誇りすら感じていた」
霧彦「組織の仕事を忠実にこなすことで風都への愛を証明できると思っていた」
霧彦「――それが間違いだ」
霧彦「組織は、やはり“悪の組織”だった」
霧彦「組織は風都の子供達を研究の犠牲にした」
霧彦「男には、それが許せなかった」
霧彦「だが……。分からなくなった」
霧彦「ずっと組織を信じていた。信じていたものに裏切られてしまった。……どうすればいいのか、自分が何をしたいのか、分からなくなった」
ラウラ「……」
ラウラ「その男は、どうなったんだ?」
霧彦「死んだよ」
ラウラ「……そうか」
霧彦「悲観することはない。男は満たされていた」
ラウラ「死んでしまったのに、か?」
霧彦「ああ。男は死の直前まで“生きて”いたからね」
ラウラ「……よく、分からない」
霧彦「心臓が動いている! 生きているとは、ただ、それだけだろうか?」
ラウラ「……」
146: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:40:22.80 ID:6Z5PQ05eo
霧彦「“その男”は声を聞いたんだ」
霧彦「心の声だ。本当の自分の……」
ラウラ「本当の自分の、心の声……」
――霧彦は静かに頷いた。
霧彦「『言ったよな、お前もこの町を愛しているって。もし本当にそうなら、もう子供達にあんな涙を流させるな』」
霧彦「心の声は、そう言っていた」
霧彦「男は……」
霧彦「男は、自分の罪を数えた」
霧彦「そして……罪を抱えながら、立ち上がった」
霧彦「子供達を守るために」
ラウラ「…………」
ラウラ「自らの罪を認めて、子供達のために立ち上がった者、か」
ラウラ「“その男”は、仮面ライダーだったのか?」
霧彦「……」
――保健室に、一人の老女が現れた。
ラウラ「院長!」
院長「あら。お話の途中だったかしら?」
霧彦「……!?」
――霧彦は、院長の顔をじっと見つめていた。
――やがて、何度か壁の絵と院長を見比べてから、紳士的なお辞儀をしてみせた。
霧彦「心の声だ。本当の自分の……」
ラウラ「本当の自分の、心の声……」
――霧彦は静かに頷いた。
霧彦「『言ったよな、お前もこの町を愛しているって。もし本当にそうなら、もう子供達にあんな涙を流させるな』」
霧彦「心の声は、そう言っていた」
霧彦「男は……」
霧彦「男は、自分の罪を数えた」
霧彦「そして……罪を抱えながら、立ち上がった」
霧彦「子供達を守るために」
ラウラ「…………」
ラウラ「自らの罪を認めて、子供達のために立ち上がった者、か」
ラウラ「“その男”は、仮面ライダーだったのか?」
霧彦「……」
――保健室に、一人の老女が現れた。
ラウラ「院長!」
院長「あら。お話の途中だったかしら?」
霧彦「……!?」
――霧彦は、院長の顔をじっと見つめていた。
――やがて、何度か壁の絵と院長を見比べてから、紳士的なお辞儀をしてみせた。
147: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:41:37.36 ID:6Z5PQ05eo
霧彦「ベッドを貸していただき、ありがとうございます」
院長「……」
院長「……ぷっ」
霧彦「……ははっ」
ラウラ(な、何だこの空気は……!?)
――院長は居住いを正すと、問いかける。
院長「これからどうするのですか?」
霧彦「本当の自分の、心の声のままに」
――霧彦は窓に視線を移す。
――孤児院の広場で遊ぶ、子供達の姿が見えた。
霧彦「子供は風の子、風都の子」
霧彦「風都の風は、子供達の声。子供達が笑う時、風都にはいい風が吹く……」
――霧彦は院長に向き直った。
霧彦「倒さなければならない男がいる。そいつは、街を泣かせるんだ」
霧彦「I Love 風都。……だから、その男を野放しにはしておけない」
院長「なら……」
――院長は、古びたウォールペーパーに包まれた箱を差し出した。
霧彦「これは……?」
院長「ある人から預かったものです」
――箱の中には二つの品物が納められていた。
――1つは『ロストドライバー』。
院長「……」
院長「……ぷっ」
霧彦「……ははっ」
ラウラ(な、何だこの空気は……!?)
――院長は居住いを正すと、問いかける。
院長「これからどうするのですか?」
霧彦「本当の自分の、心の声のままに」
――霧彦は窓に視線を移す。
――孤児院の広場で遊ぶ、子供達の姿が見えた。
霧彦「子供は風の子、風都の子」
霧彦「風都の風は、子供達の声。子供達が笑う時、風都にはいい風が吹く……」
――霧彦は院長に向き直った。
霧彦「倒さなければならない男がいる。そいつは、街を泣かせるんだ」
霧彦「I Love 風都。……だから、その男を野放しにはしておけない」
院長「なら……」
――院長は、古びたウォールペーパーに包まれた箱を差し出した。
霧彦「これは……?」
院長「ある人から預かったものです」
――箱の中には二つの品物が納められていた。
――1つは『ロストドライバー』。
148: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:43:00.21 ID:6Z5PQ05eo
院長「その人はこう言っていました」
院長「『誰よりも風都を愛してくれる人に』……と」
霧彦「……」
――霧彦は、箱に納められていたもう一つの品――『大切な宝物』を半世紀ぶりに手に取る。
――それは、古ぼけたふうとくんだった。
霧彦(仮面ライダー君)
霧彦(本当に君は死んでしまったんだね)
霧彦(だが……)
霧彦(仮面ライダーは死なない)
霧彦(そういう、ことだね……)
――霧彦は振り返ると、ラウラに目線を合わせた。
ラウラ「……?」
霧彦「話が飛んでしまったけれど……」
霧彦「“その男”は仮面ライダーではなかった」
霧彦「そして――仮面ライダーになると、決意した」
――その声が呼び寄せたかのように、
「ニャア」
――と、猫の鳴き声。
ラウラ「猫殿……!?」
霧彦(ミ、ミック……!?)
――猫のミックは霧彦の足元にあるものを置くと、現れたのと同じように唐突に去っていった。
ラウラ「それは……」
霧彦「……」
――霧彦はそれを拾い上げながら、ミックが去った方向を見つめていた。
霧彦「あいつ、私には懐いていないと思っていたんだけどなあ……。ははっ」
院長「『誰よりも風都を愛してくれる人に』……と」
霧彦「……」
――霧彦は、箱に納められていたもう一つの品――『大切な宝物』を半世紀ぶりに手に取る。
――それは、古ぼけたふうとくんだった。
霧彦(仮面ライダー君)
霧彦(本当に君は死んでしまったんだね)
霧彦(だが……)
霧彦(仮面ライダーは死なない)
霧彦(そういう、ことだね……)
――霧彦は振り返ると、ラウラに目線を合わせた。
ラウラ「……?」
霧彦「話が飛んでしまったけれど……」
霧彦「“その男”は仮面ライダーではなかった」
霧彦「そして――仮面ライダーになると、決意した」
――その声が呼び寄せたかのように、
「ニャア」
――と、猫の鳴き声。
ラウラ「猫殿……!?」
霧彦(ミ、ミック……!?)
――猫のミックは霧彦の足元にあるものを置くと、現れたのと同じように唐突に去っていった。
ラウラ「それは……」
霧彦「……」
――霧彦はそれを拾い上げながら、ミックが去った方向を見つめていた。
霧彦「あいつ、私には懐いていないと思っていたんだけどなあ……。ははっ」
149: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:44:26.16 ID:6Z5PQ05eo
■幕間「街が泣こうとしている」
――“雷雲”が風都タワーを封鎖していた。
――タワーの外へ出ようとすれば、雷が落ち、脱出を阻む。
「怖いよ……」
「誰か! 誰か助けて……!」
「でも……」
「誰が助けてくれるの……?」
――風都タワーにて『風都こども祭』のメインイベントが開催されていたこの日、
――街のほとんどの子供達が、風都タワーに閉じ込められていた。
――“雷雲”が風都タワーを封鎖していた。
――タワーの外へ出ようとすれば、雷が落ち、脱出を阻む。
「怖いよ……」
「誰か! 誰か助けて……!」
「でも……」
「誰が助けてくれるの……?」
――風都タワーにて『風都こども祭』のメインイベントが開催されていたこの日、
――街のほとんどの子供達が、風都タワーに閉じ込められていた。
150: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:45:26.06 ID:6Z5PQ05eo
■第四幕「nobody's perfect/人間はみんな不完全」
<風都タワー前>
――“封鎖”された風都タワーを見上げる、ラウラと霧彦の姿があった。
霧彦「愚問を投げかけよう」
ラウラ「何だ?」
霧彦「君はこれからどうするんだい?」
ラウラ「フッ……」
――ラウラは不敵に笑いながら、帽子に手を添える。
――その背には、ジローのギターを背負っていた。
ラウラ「本当の自分の心の声のままに、だ」
霧彦「ああ……」
霧彦「やっぱり愚問だったね」
<風都タワー前>
――“封鎖”された風都タワーを見上げる、ラウラと霧彦の姿があった。
霧彦「愚問を投げかけよう」
ラウラ「何だ?」
霧彦「君はこれからどうするんだい?」
ラウラ「フッ……」
――ラウラは不敵に笑いながら、帽子に手を添える。
――その背には、ジローのギターを背負っていた。
ラウラ「本当の自分の心の声のままに、だ」
霧彦「ああ……」
霧彦「やっぱり愚問だったね」
151: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:47:07.19 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー・屋上>
――風都タワーの風車の前に、ウェザー・ドーパントに変身した井坂と、ハカイダー・ドーパントがいた。
井坂(『ARK/DARK』メモリは、正確にはガイアメモリではありません)
井坂(いえ……。ガイアメモリでは“なかった”)
井坂(“善”と“悪”。相反する二つの“心”を一つにまとめたこのメモリをガイアメモリ――『地球の記憶』に昇華させたのは、本来の持ち主の五十年間の生き様)
井坂(……だと、聞いています)
井坂(……)
井坂(シャルロット君は、メモリの“悪”の部分と適合してしまった。だからハカイダー・ドーパントになった)
井坂(彼女の不幸な半生を思えば、“悪”と適合してしまうのも頷けます。彼女はもしかしたら、“彼女”よりも不幸な人間かもしれません)
井坂(子供達であふれかえった風都タワーを破壊すれば、シャルロット君は“悪”の心に飲み込まれるでしょう。……そして、メモリに魂を蝕まれて)
井坂(死に到るでしょう)
井坂(『ARK/DARK』メモリがシャルロット君の命を奪った時、このメモリは私が使える力に変わります)
井坂(力を手に入れて、私は満たされるでしょう)
井坂(究極の力で満たされたい! それこそが、本当の私が心から叫ぶ願いなのですから)
井坂(ですが……)
井坂(…………)
井坂(いけませんね)
井坂(もう後戻りはできません)
――風都タワーの風車の前に、ウェザー・ドーパントに変身した井坂と、ハカイダー・ドーパントがいた。
井坂(『ARK/DARK』メモリは、正確にはガイアメモリではありません)
井坂(いえ……。ガイアメモリでは“なかった”)
井坂(“善”と“悪”。相反する二つの“心”を一つにまとめたこのメモリをガイアメモリ――『地球の記憶』に昇華させたのは、本来の持ち主の五十年間の生き様)
井坂(……だと、聞いています)
井坂(……)
井坂(シャルロット君は、メモリの“悪”の部分と適合してしまった。だからハカイダー・ドーパントになった)
井坂(彼女の不幸な半生を思えば、“悪”と適合してしまうのも頷けます。彼女はもしかしたら、“彼女”よりも不幸な人間かもしれません)
井坂(子供達であふれかえった風都タワーを破壊すれば、シャルロット君は“悪”の心に飲み込まれるでしょう。……そして、メモリに魂を蝕まれて)
井坂(死に到るでしょう)
井坂(『ARK/DARK』メモリがシャルロット君の命を奪った時、このメモリは私が使える力に変わります)
井坂(力を手に入れて、私は満たされるでしょう)
井坂(究極の力で満たされたい! それこそが、本当の私が心から叫ぶ願いなのですから)
井坂(ですが……)
井坂(…………)
井坂(いけませんね)
井坂(もう後戻りはできません)
152: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:47:58.21 ID:6Z5PQ05eo
井坂(シャルロット君に誰の面影を重ねようとも、何の意味も無いのです)
――井坂はシャルロットを見つめる。
――『本当の自分の心の声』を聞いたシャルロットは、その心までもハカイダーになろうとしていた。
シャル「破壊する……」
シャル「破壊……。破壊……! 破壊! 破壊! 破壊だ……ッ!」
――シャルロットは、固く握った拳を振りかざした。
――風都の風が、その凶行を押しとどめるように拳に絡みつく。
シャル「僕は……! 僕は破壊するんだ……!」
シャル「僕は……!」
――拳を振り下そうとするシャルロット。
――その破壊に、
「待て!」
――と声を上げる者が、二人いた。
井坂「ほう。霧彦君に、シャルロット君のお友達ですか。タワーは私の力で封鎖していたはずですが、よくここまで来れましたねえ」
霧彦「君の力に対抗する手段がある。そういうことだよ」
ラウラ「行くぞ霧彦!」
霧彦「ああ!」
――霧彦は井坂に。
――ラウラはシャルロットに。
――それぞれ、戦うべき者と対峙する。
――井坂はシャルロットを見つめる。
――『本当の自分の心の声』を聞いたシャルロットは、その心までもハカイダーになろうとしていた。
シャル「破壊する……」
シャル「破壊……。破壊……! 破壊! 破壊! 破壊だ……ッ!」
――シャルロットは、固く握った拳を振りかざした。
――風都の風が、その凶行を押しとどめるように拳に絡みつく。
シャル「僕は……! 僕は破壊するんだ……!」
シャル「僕は……!」
――拳を振り下そうとするシャルロット。
――その破壊に、
「待て!」
――と声を上げる者が、二人いた。
井坂「ほう。霧彦君に、シャルロット君のお友達ですか。タワーは私の力で封鎖していたはずですが、よくここまで来れましたねえ」
霧彦「君の力に対抗する手段がある。そういうことだよ」
ラウラ「行くぞ霧彦!」
霧彦「ああ!」
――霧彦は井坂に。
――ラウラはシャルロットに。
――それぞれ、戦うべき者と対峙する。
153: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:48:53.97 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・北側>
井坂「あなたがここに現れたということは、ナスカメモリを直刺しする決意を固めた、ということでしょうか?」
霧彦「まさか」
――霧彦は不敵な笑みを浮かべると、『ロストドライバー』をセットする。
井坂「一度負けておきながら、まだドライバーに頼るのですか」
霧彦「このベルトを付けて戦うことには、大いなる意味がある!」
井坂「ほう?」
霧彦「仮面ライダーは死なない!」
――『サイクロン!』
霧彦「I Love 風都。私が、Wを継ぐ者だ……!」
井坂「あなたがここに現れたということは、ナスカメモリを直刺しする決意を固めた、ということでしょうか?」
霧彦「まさか」
――霧彦は不敵な笑みを浮かべると、『ロストドライバー』をセットする。
井坂「一度負けておきながら、まだドライバーに頼るのですか」
霧彦「このベルトを付けて戦うことには、大いなる意味がある!」
井坂「ほう?」
霧彦「仮面ライダーは死なない!」
――『サイクロン!』
霧彦「I Love 風都。私が、Wを継ぐ者だ……!」
154: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:50:11.81 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・南側>
――シャルロットは、絶望を塗り固めたハカイダー・ドーパントの瞳でラウラを睨みつけていた。
シャル「僕の邪魔をするなら、君から破壊する……!」
ラウラ「……」
――ラウラの隻眼は、シャルの険しい視線を真っ直ぐに受け止めていた。
ラウラ(本当の自分の……。心の声を信じるんだ)
ラウラ(私は……ッ)
ラウラ「シャルロット! 私はお前を救う!」
――ラウラの宣言に、シャルロットは苛立ちを露わにした。
シャル「僕を救いたいなら邪魔をしないで! 僕が救われるためには破壊をしないといけないんだ! 破壊することで僕は救われるんだ……!」
シャル「破壊! 破壊、破壊、破壊だ! それが、本当の僕の心の声なんだ……!」
――シャルロットは、ホルスターからハカイダーショットを抜いた。
――銃口をラウラに向けて、引き金に指をかける。
ラウラ「ふむ」
ラウラ「武器を相手にするには、こちらも武器が必要だな」
シャル「……ISは束さんのところでしょ。武器なんて、どこにあるのさ」
ラウラ「とびっきりの武器がある。肌身離さず持っている、最高の武器だ」
――ラウラは“武器”を引き抜くと、銃のように構える。
シャル「……ッ!?」
――“武器”は、シャルロットをたじろがせた。
ラウラ「どうだ、これが私の武器だ。最強だろう?」
――ラウラはその手に、『赤色のふうとくん』を握っていた。
――シャルロットは、絶望を塗り固めたハカイダー・ドーパントの瞳でラウラを睨みつけていた。
シャル「僕の邪魔をするなら、君から破壊する……!」
ラウラ「……」
――ラウラの隻眼は、シャルの険しい視線を真っ直ぐに受け止めていた。
ラウラ(本当の自分の……。心の声を信じるんだ)
ラウラ(私は……ッ)
ラウラ「シャルロット! 私はお前を救う!」
――ラウラの宣言に、シャルロットは苛立ちを露わにした。
シャル「僕を救いたいなら邪魔をしないで! 僕が救われるためには破壊をしないといけないんだ! 破壊することで僕は救われるんだ……!」
シャル「破壊! 破壊、破壊、破壊だ! それが、本当の僕の心の声なんだ……!」
――シャルロットは、ホルスターからハカイダーショットを抜いた。
――銃口をラウラに向けて、引き金に指をかける。
ラウラ「ふむ」
ラウラ「武器を相手にするには、こちらも武器が必要だな」
シャル「……ISは束さんのところでしょ。武器なんて、どこにあるのさ」
ラウラ「とびっきりの武器がある。肌身離さず持っている、最高の武器だ」
――ラウラは“武器”を引き抜くと、銃のように構える。
シャル「……ッ!?」
――“武器”は、シャルロットをたじろがせた。
ラウラ「どうだ、これが私の武器だ。最強だろう?」
――ラウラはその手に、『赤色のふうとくん』を握っていた。
155: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:52:13.80 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・北側>
――風が吹いていた。
井坂「Wを継ぐ者……」
霧彦「ああ。人呼んで――」
――風が止む。
霧彦「仮面ライダーサイクロン」
――首の一本のマフラーが、ふわりと垂れ下がった。
霧彦「子供を泣かせた貴様を、風都の仮面ライダーは許さない」
井坂「今さら許されようとも思いませんよ。この手は人を殺めすぎているのですから」
霧彦「医者の風上にもおけない奴……!」
井坂「くくく。まったくです」
――井坂は『ウェザーメモリ』の力で暴風を起こす。
――しかし霧彦は、颯爽と暴風に突っ込んだ!
井坂「あなたは馬鹿ですか! そんなことをしては……ッ!」
霧彦「フッ。言っただろう! 私は仮面ライダーサイクロンだ!」
――霧彦は、暴風をものともせずに突っ走る! それどころか、風の中で勢いを得ていた!
――ついには暴風を走り抜け、その拳を井坂に叩きつける!
――殴り飛ばされた井坂は、驚愕の声を上げた。
井坂「メモリ一本でこれほどまでの力が……!?」
霧彦「フッ……」
――霧彦は、キザったらしくロストドライバーを叩いた。
――風が吹いていた。
井坂「Wを継ぐ者……」
霧彦「ああ。人呼んで――」
――風が止む。
霧彦「仮面ライダーサイクロン」
――首の一本のマフラーが、ふわりと垂れ下がった。
霧彦「子供を泣かせた貴様を、風都の仮面ライダーは許さない」
井坂「今さら許されようとも思いませんよ。この手は人を殺めすぎているのですから」
霧彦「医者の風上にもおけない奴……!」
井坂「くくく。まったくです」
――井坂は『ウェザーメモリ』の力で暴風を起こす。
――しかし霧彦は、颯爽と暴風に突っ込んだ!
井坂「あなたは馬鹿ですか! そんなことをしては……ッ!」
霧彦「フッ。言っただろう! 私は仮面ライダーサイクロンだ!」
――霧彦は、暴風をものともせずに突っ走る! それどころか、風の中で勢いを得ていた!
――ついには暴風を走り抜け、その拳を井坂に叩きつける!
――殴り飛ばされた井坂は、驚愕の声を上げた。
井坂「メモリ一本でこれほどまでの力が……!?」
霧彦「フッ……」
――霧彦は、キザったらしくロストドライバーを叩いた。
156: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:53:09.33 ID:6Z5PQ05eo
霧彦「サイクロンの力だ。このメモリは、風をエネルギーに変えてくれる」
――マフラーが風になびいていた。
霧彦「風都の風が私に力を貸してくれているんだ……!」
井坂「なるほど……。サイクロンメモリこそがあなたの運命のガイアメモリだった、というわけですか……」
井坂「……くく」
井坂「くくくくく」
霧彦「何がおかしい」
井坂「いえ、ね」
井坂「本当の自分の心の声を聞いたら、おかしくなってしまいましてね」
霧彦「何だと……?」
井坂「霧彦君。私はあなたに負けたくありません」
――井坂は『ロックシード』を取り出した。
井坂「“スポンサー”からの“前金”……。使わせてもらいますよ」
――ドラゴンフルーツエナジー!
井坂「くく。くくくくく」
井坂(あなたのガウン。私には少々大きかった……)
井坂(負けられない理由が“それ”だなんて、口が裂けても言えません)
――マフラーが風になびいていた。
霧彦「風都の風が私に力を貸してくれているんだ……!」
井坂「なるほど……。サイクロンメモリこそがあなたの運命のガイアメモリだった、というわけですか……」
井坂「……くく」
井坂「くくくくく」
霧彦「何がおかしい」
井坂「いえ、ね」
井坂「本当の自分の心の声を聞いたら、おかしくなってしまいましてね」
霧彦「何だと……?」
井坂「霧彦君。私はあなたに負けたくありません」
――井坂は『ロックシード』を取り出した。
井坂「“スポンサー”からの“前金”……。使わせてもらいますよ」
――ドラゴンフルーツエナジー!
井坂「くく。くくくくく」
井坂(あなたのガウン。私には少々大きかった……)
井坂(負けられない理由が“それ”だなんて、口が裂けても言えません)
157: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:54:36.66 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・南側>
――ラウラの“武器”に気圧されたシャルロットは、じりじりと後ずさっていた。
シャル「……ッ」
ラウラ「どうして逃げるんだ、シャルロット。私を破壊するのだろう?」
シャル「そ、そうだよ!」
――シャルロットはハカイダーショットを構える。
――だが、ラウラは怯まず、歩を進めた。
ラウラ「フッ」
ラウラ「撃つがいい。だが、断言しよう! ……その弾丸は何も破壊しない」
シャル「う、うるさい!」
――シャルロットはハカイダーショットの引き金を引く。
――弾丸はあらぬ方向へ飛んでいった。
シャル「何で……」
ラウラ「それは」
ラウラ「お前が――間違えているからだ」
シャル「何で……。何を、何を間違えているって言うんだ! 破壊したい! その気持ちは間違いじゃない! 本当の僕は壊したいって……壊したいって叫んでいるんだ!」
シャル「だから僕はこんな姿になった! こんな醜い……。こんな……」
ラウラ「……」
――ラウラは、ゆっくりとシャルロットとの距離を詰めていく。
ラウラ「破壊したい」
ラウラ「確かにお前はそう願っているのだろう」
ラウラ「けれど間違えているんだ、シャルロット」
シャル「何を……」
ラウラ「何を! だろうな」
ラウラ「愚問を投げかけよう。本当の自分の心の声を聞けば簡単に答えられる、魂への問いかけだ」
ラウラ「いいか、行くぞ?」
シャル「……」
ラウラ「――シャルロットは、何を壊したいんだ?」
シャル「……ッ」
――ラウラの“武器”に気圧されたシャルロットは、じりじりと後ずさっていた。
シャル「……ッ」
ラウラ「どうして逃げるんだ、シャルロット。私を破壊するのだろう?」
シャル「そ、そうだよ!」
――シャルロットはハカイダーショットを構える。
――だが、ラウラは怯まず、歩を進めた。
ラウラ「フッ」
ラウラ「撃つがいい。だが、断言しよう! ……その弾丸は何も破壊しない」
シャル「う、うるさい!」
――シャルロットはハカイダーショットの引き金を引く。
――弾丸はあらぬ方向へ飛んでいった。
シャル「何で……」
ラウラ「それは」
ラウラ「お前が――間違えているからだ」
シャル「何で……。何を、何を間違えているって言うんだ! 破壊したい! その気持ちは間違いじゃない! 本当の僕は壊したいって……壊したいって叫んでいるんだ!」
シャル「だから僕はこんな姿になった! こんな醜い……。こんな……」
ラウラ「……」
――ラウラは、ゆっくりとシャルロットとの距離を詰めていく。
ラウラ「破壊したい」
ラウラ「確かにお前はそう願っているのだろう」
ラウラ「けれど間違えているんだ、シャルロット」
シャル「何を……」
ラウラ「何を! だろうな」
ラウラ「愚問を投げかけよう。本当の自分の心の声を聞けば簡単に答えられる、魂への問いかけだ」
ラウラ「いいか、行くぞ?」
シャル「……」
ラウラ「――シャルロットは、何を壊したいんだ?」
シャル「……ッ」
158: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:55:28.57 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・北側>
――井坂の勝利は揺るがぬものとなっていた。
井坂「素晴らしいですねぇ……。IS《インフィニット・ストラトス》の力は圧倒的です」
井坂「ああ……。満たされていく。やはり私は力を渇望している……!」
霧彦「ずいぶんと余裕じゃあないか……!」
井坂「この状況では、ね」
――ISを展開した井坂の足元に、変身が解けてしまった霧彦が這いつくばっていた。
――井坂の勝利は揺るがぬものとなっていた。
井坂「素晴らしいですねぇ……。IS《インフィニット・ストラトス》の力は圧倒的です」
井坂「ああ……。満たされていく。やはり私は力を渇望している……!」
霧彦「ずいぶんと余裕じゃあないか……!」
井坂「この状況では、ね」
――ISを展開した井坂の足元に、変身が解けてしまった霧彦が這いつくばっていた。
159: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:56:23.91 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・南側>
ラウラ「織斑一夏が好きだ」
ラウラ「そう自覚した瞬間に、私の変化は始まった」
ラウラ「鏡を見た。本当の自分を理解しようとした」
ラウラ「本当の自分は――罪深かった」
ラウラ「私は見比べた! 鏡に映った自分と、好きな人を見比べた」
ラウラ「私では釣り合わないと思った。悲しくなった」
ラウラ「そして……。決意した」
――ラウラは一歩、前に進む。
ラウラ「破壊しようと、決意した」
シャル「……」
ラウラ「壊したかったのは、自分だ。私は好きな人にふさわしい自分に変身したかったんだ!」
ラウラ「……シャルロット」
ラウラ「お前も、そうなんじゃないか」
――1歩、また1歩と。ラウラはシャルロットとの距離を詰める。
ラウラ「お前も恋をして……。自分を破壊したくなったんじゃないのか?」
シャル「……ッ」
――シャルロットはハカイダーショットを構える。
シャル「来ないで!」
ラウラ「……分かった」
――ラウラの足が止まる。
ラウラ「織斑一夏が好きだ」
ラウラ「そう自覚した瞬間に、私の変化は始まった」
ラウラ「鏡を見た。本当の自分を理解しようとした」
ラウラ「本当の自分は――罪深かった」
ラウラ「私は見比べた! 鏡に映った自分と、好きな人を見比べた」
ラウラ「私では釣り合わないと思った。悲しくなった」
ラウラ「そして……。決意した」
――ラウラは一歩、前に進む。
ラウラ「破壊しようと、決意した」
シャル「……」
ラウラ「壊したかったのは、自分だ。私は好きな人にふさわしい自分に変身したかったんだ!」
ラウラ「……シャルロット」
ラウラ「お前も、そうなんじゃないか」
――1歩、また1歩と。ラウラはシャルロットとの距離を詰める。
ラウラ「お前も恋をして……。自分を破壊したくなったんじゃないのか?」
シャル「……ッ」
――シャルロットはハカイダーショットを構える。
シャル「来ないで!」
ラウラ「……分かった」
――ラウラの足が止まる。
160: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:58:55.84 ID:6Z5PQ05eo
シャル「……」
シャル「好きだよ」
シャル「ジローが好きだよ……!」
シャル「でも、それが恋かどうかなんて分からない! ジローは僕を認めてくれた、僕を僕にしてくれた、特別な友達なんだ……!」
シャル「ジローと過ごした一日にも満たない時間が宝物なんだ……。ジローのことを思い出すと……」
シャル「胸が苦しくて、熱くなって、幸せになって、辛くなるんだ」
シャル「僕は……」
シャル「僕は…………」
シャル「僕はただ、ジローが好きだって胸を張って言えるようになりたかっただけなんだ……」
ラウラ「……そう、か」
シャル「……」
シャル「ジローはね……。変な人だった。機械なのに、人間の僕よりもずっと人間らしかった。……優しかった。あたたかかった」
シャル「誰よりも優しかったジローが『優しいのは君だ』って言ってくれたから……。僕は、優しい人になろうと思った」
シャル「でも……」
シャル「……」
ラウラ「……」
――ラウラは待った。
――シャルロットの心が、その想いを言葉という形にできるまで、じっと待った。
――そして……あふれた言葉が零れ始める。
シャル「好きだよ」
シャル「ジローが好きだよ……!」
シャル「でも、それが恋かどうかなんて分からない! ジローは僕を認めてくれた、僕を僕にしてくれた、特別な友達なんだ……!」
シャル「ジローと過ごした一日にも満たない時間が宝物なんだ……。ジローのことを思い出すと……」
シャル「胸が苦しくて、熱くなって、幸せになって、辛くなるんだ」
シャル「僕は……」
シャル「僕は…………」
シャル「僕はただ、ジローが好きだって胸を張って言えるようになりたかっただけなんだ……」
ラウラ「……そう、か」
シャル「……」
シャル「ジローはね……。変な人だった。機械なのに、人間の僕よりもずっと人間らしかった。……優しかった。あたたかかった」
シャル「誰よりも優しかったジローが『優しいのは君だ』って言ってくれたから……。僕は、優しい人になろうと思った」
シャル「でも……」
シャル「……」
ラウラ「……」
――ラウラは待った。
――シャルロットの心が、その想いを言葉という形にできるまで、じっと待った。
――そして……あふれた言葉が零れ始める。
161: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 08:59:48.87 ID:6Z5PQ05eo
シャル「夢を見るんだ」
シャル「ひどい夢だよ……」
シャル「夢の中の僕は、僕を見ているんだ」
シャル「父に無視されている僕を見ているんだ」
シャル「父の正妻に殴られている僕を見ているんだ」
シャル「戦極凌馬に弄ばれている僕を見ているんだ」
シャル「……」
シャル「いつしか……」
シャル「父の顔が僕の顔になるんだ」
シャル「父の正妻の顔が僕の顔になるんだ」
シャル「戦極凌馬の顔が僕になるんだ」
シャル「夢の中の僕は、銃を持っていて……」
シャル「僕の顔をした戦極凌馬を破壊するんだ」
シャル「僕の顔をした父の正妻を破壊するんだ」
シャル「僕の顔をした父を破壊するんだ」
シャル「そして……」
シャル「……いや」
ラウラ(……なるほど。そういうことか)
シャル「……」
シャル「ひどい夢を見るんだよ。……人を殺す夢を見るんだよ」
シャル「何を破壊したいのか? だったよね」
シャル「ひどい夢だよ……」
シャル「夢の中の僕は、僕を見ているんだ」
シャル「父に無視されている僕を見ているんだ」
シャル「父の正妻に殴られている僕を見ているんだ」
シャル「戦極凌馬に弄ばれている僕を見ているんだ」
シャル「……」
シャル「いつしか……」
シャル「父の顔が僕の顔になるんだ」
シャル「父の正妻の顔が僕の顔になるんだ」
シャル「戦極凌馬の顔が僕になるんだ」
シャル「夢の中の僕は、銃を持っていて……」
シャル「僕の顔をした戦極凌馬を破壊するんだ」
シャル「僕の顔をした父の正妻を破壊するんだ」
シャル「僕の顔をした父を破壊するんだ」
シャル「そして……」
シャル「……いや」
ラウラ(……なるほど。そういうことか)
シャル「……」
シャル「ひどい夢を見るんだよ。……人を殺す夢を見るんだよ」
シャル「何を破壊したいのか? だったよね」
162: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:01:01.08 ID:6Z5PQ05eo
シャル「僕は人を破壊したいんだよ……」
――シャルロットは、ハカイダーショットを構え直した。
シャル「君を破壊する。本当の僕の心の声に従って……」
シャル「そうすれば、僕は救われる」
シャル「ジローを好きだって胸を張れる自分にはなれなかったけど……」
シャル「もう、苦しくなくなるんだ」
シャル「だから……!」
ラウラ「……」
――ラウラはシャルロットの瞳を見つめると、
――不敵な笑みを浮かべた。
ラウラ「一人足りないだろう?」
シャル「な、何のことかな……」
ラウラ「お前の夢の話だ」
ラウラ「夢の中のお前は、引き金を四度引いているはずだ。……それは、そういう破壊の夢のはずだ。私も似たような夢を見たことがあるよ、シャルロット」
ラウラ「私は夢の中で二人の人間を破壊した。一人は教官で、もう一人は……。フフッ」
シャル「……ッ」
ラウラ「戦極凌馬。父の正妻。父。そして……お前は、もう一人、破壊しているはずだ」
シャル「そ、それは……!」
ラウラ「口にできないなら、私が当ててやる!」
――ハカイダーショットの銃口を恐れず、ラウラは大きな一歩を踏み出す。
シャル「こ、来ないで……!」
――引き金が引かれる。
――弾丸は、ラウラの頬を掠めはしたが、やはり何も破壊しなかった。
――シャルロットは、ハカイダーショットを構え直した。
シャル「君を破壊する。本当の僕の心の声に従って……」
シャル「そうすれば、僕は救われる」
シャル「ジローを好きだって胸を張れる自分にはなれなかったけど……」
シャル「もう、苦しくなくなるんだ」
シャル「だから……!」
ラウラ「……」
――ラウラはシャルロットの瞳を見つめると、
――不敵な笑みを浮かべた。
ラウラ「一人足りないだろう?」
シャル「な、何のことかな……」
ラウラ「お前の夢の話だ」
ラウラ「夢の中のお前は、引き金を四度引いているはずだ。……それは、そういう破壊の夢のはずだ。私も似たような夢を見たことがあるよ、シャルロット」
ラウラ「私は夢の中で二人の人間を破壊した。一人は教官で、もう一人は……。フフッ」
シャル「……ッ」
ラウラ「戦極凌馬。父の正妻。父。そして……お前は、もう一人、破壊しているはずだ」
シャル「そ、それは……!」
ラウラ「口にできないなら、私が当ててやる!」
――ハカイダーショットの銃口を恐れず、ラウラは大きな一歩を踏み出す。
シャル「こ、来ないで……!」
――引き金が引かれる。
――弾丸は、ラウラの頬を掠めはしたが、やはり何も破壊しなかった。
163: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:02:20.66 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「夢の中のお前が破壊したもの! お前が口にしなかった最後の一人! それは……」
ラウラ「それは、シャルロットの顔をしたシャルロットだ!」
シャル「……ッ」
――その言葉は“電撃”だった。
――瞬く間に駆け廻った“電撃”に痺れたシャルロットは、ハカイダーショットを取り落としてしまう。
ラウラ「シャルロット! 夢の中のお前は――探偵だったんだ」
ラウラ「お前は探し物をしていたんだよ」
ラウラ「父ではダメだ。だから、『父の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「父の正妻ではダメだ。だから、『父の正妻の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「戦極凌馬ではダメだ。だから、『戦極凌馬の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「今の自分ではダメだ。だから、『自分の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「お前は――好きな人にふさわしい、新しい自分の姿を探していたんだ!」
シャル「そ、そんなこと……」
ラウラ「シャルロット!」
シャル「!?」
ラウラ「……答えはもう出ている」
――ラウラはシャルロットの傍まで歩み寄ると、ハカイダー・ドーパントと化した手を取った。
ラウラ「それは、シャルロットの顔をしたシャルロットだ!」
シャル「……ッ」
――その言葉は“電撃”だった。
――瞬く間に駆け廻った“電撃”に痺れたシャルロットは、ハカイダーショットを取り落としてしまう。
ラウラ「シャルロット! 夢の中のお前は――探偵だったんだ」
ラウラ「お前は探し物をしていたんだよ」
ラウラ「父ではダメだ。だから、『父の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「父の正妻ではダメだ。だから、『父の正妻の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「戦極凌馬ではダメだ。だから、『戦極凌馬の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「今の自分ではダメだ。だから、『自分の顔をした自分』を破壊した」
ラウラ「お前は――好きな人にふさわしい、新しい自分の姿を探していたんだ!」
シャル「そ、そんなこと……」
ラウラ「シャルロット!」
シャル「!?」
ラウラ「……答えはもう出ている」
――ラウラはシャルロットの傍まで歩み寄ると、ハカイダー・ドーパントと化した手を取った。
164: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:03:38.19 ID:6Z5PQ05eo
ラウラ「破壊しよう」
ラウラ「古い自分を破壊しよう」
ラウラ「新しい自分に変身しよう」
ラウラ「そして」
ラウラ「好き、と。胸を張って言える自分になろう」
――ハカイダー・ドーパントとなったシャルロットの赤い瞳が、ラウラをじっと見つめる。
シャル「……なれる、かな」
シャル「壊して壊して壊して。……でも。まだ、何も見つけてない」
シャル「僕は……。ジローを好きでいていい僕に、なれるかな……?」
ラウラ「分からない」
シャル「そっか……」
ラウラ「ああ。nobody's perfectだからな。また間違えてしまうかもしれない」
シャル「……」
シャル「そっか。……そうだよね。人間はみんな不完全だから……間違えてしまうよね……」
ラウラ「フッ。心配するな」
――ラウラは、シャルロットの背中を力強く叩いた。
ラウラ「間違えたら指摘してやる。過ちに気づけばやり直せるだろう」
ラウラ「だから安心して“探偵”を続けるがいいさ――“相棒”」
シャル「……」
シャル「……ふふっ」
――『ARK/DARK』メモリが排出される。
――人間の姿を取り戻したシャルロットは、微笑をにじませていた。
シャル「ごめんね、ラウラ。迷惑かけちゃった」
ラウラ「いいんだよ、“相棒”。私が間違えた時は頼むぞ? ……くくっ」
シャル「ふふっ」
シャル「ラウラ。ギター、いいかな?」
ラウラ「ああ。これはお前のものだ」
――ラウラからギターを渡されると。
――シャルロットは、ギターに下げていた『紫色のふうとくん』を撫でた。
ラウラ「古い自分を破壊しよう」
ラウラ「新しい自分に変身しよう」
ラウラ「そして」
ラウラ「好き、と。胸を張って言える自分になろう」
――ハカイダー・ドーパントとなったシャルロットの赤い瞳が、ラウラをじっと見つめる。
シャル「……なれる、かな」
シャル「壊して壊して壊して。……でも。まだ、何も見つけてない」
シャル「僕は……。ジローを好きでいていい僕に、なれるかな……?」
ラウラ「分からない」
シャル「そっか……」
ラウラ「ああ。nobody's perfectだからな。また間違えてしまうかもしれない」
シャル「……」
シャル「そっか。……そうだよね。人間はみんな不完全だから……間違えてしまうよね……」
ラウラ「フッ。心配するな」
――ラウラは、シャルロットの背中を力強く叩いた。
ラウラ「間違えたら指摘してやる。過ちに気づけばやり直せるだろう」
ラウラ「だから安心して“探偵”を続けるがいいさ――“相棒”」
シャル「……」
シャル「……ふふっ」
――『ARK/DARK』メモリが排出される。
――人間の姿を取り戻したシャルロットは、微笑をにじませていた。
シャル「ごめんね、ラウラ。迷惑かけちゃった」
ラウラ「いいんだよ、“相棒”。私が間違えた時は頼むぞ? ……くくっ」
シャル「ふふっ」
シャル「ラウラ。ギター、いいかな?」
ラウラ「ああ。これはお前のものだ」
――ラウラからギターを渡されると。
――シャルロットは、ギターに下げていた『紫色のふうとくん』を撫でた。
165: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:04:34.01 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・北側>
――IS《インフィニット・ストラトス》をまとったウェザー・ドーパントが、倒れ伏した霧彦を見下ろしていた。
ラウラ「霧彦!」
――地べたに這いつくばった霧彦は、シャルロットを連れたラウラを見ると、伊達男の維持で微笑みを浮かべた。
霧彦「おめでとう……!」
ラウラ「霧彦……。ありがとう。“風都を愛した男”の話が、私に勇気をくれたおかげだ」
霧彦「それは何よりだ……」
霧彦「なら……。私も、もう一踏ん張りしないとな……!」
――その言葉通り、霧彦は立ち上がった。
――満身創痍の身体は、今にも崩れ落ちそうではある、が。
――確かに、二本の足で立っている。
井坂「……」
――井坂は、その姿を無感動に眺めていた。
――そして。井坂の視線がシャルロットに移る。
シャル「……井坂先生」
井坂「何でしょう?」
シャル「僕は破壊します。でもそれは、誰かを破壊することではありません。……僕は、自分を壊します」
井坂「そうですか」
井坂「……」
――IS《インフィニット・ストラトス》をまとったウェザー・ドーパントが、倒れ伏した霧彦を見下ろしていた。
ラウラ「霧彦!」
――地べたに這いつくばった霧彦は、シャルロットを連れたラウラを見ると、伊達男の維持で微笑みを浮かべた。
霧彦「おめでとう……!」
ラウラ「霧彦……。ありがとう。“風都を愛した男”の話が、私に勇気をくれたおかげだ」
霧彦「それは何よりだ……」
霧彦「なら……。私も、もう一踏ん張りしないとな……!」
――その言葉通り、霧彦は立ち上がった。
――満身創痍の身体は、今にも崩れ落ちそうではある、が。
――確かに、二本の足で立っている。
井坂「……」
――井坂は、その姿を無感動に眺めていた。
――そして。井坂の視線がシャルロットに移る。
シャル「……井坂先生」
井坂「何でしょう?」
シャル「僕は破壊します。でもそれは、誰かを破壊することではありません。……僕は、自分を壊します」
井坂「そうですか」
井坂「……」
166: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:06:28.41 ID:6Z5PQ05eo
井坂「自分を壊して。それで、あなたは何になるのですか?」
シャル「それは……。まだ、見つかっていません」
――戸惑うシャルロットに、井坂は小さく頷いた。
井坂「……なるほど」
――そして井坂は、風都タワーの風車を見上げる。
霧彦「貴様、何をするつもりだ……!」
井坂「ちょっとした余興ですよ。ここまでお膳立てをしたのです。せめて人々の悲鳴でも食べなければ、割りに合わないでしょう?」
霧彦「まさか、風都タワーを破壊するつもりか……!」
ラウラ「そんなことをしたら、中にいる子供達が……!」
井坂「だからですよ」
シャル(……井坂、先生?)
――井坂はシャルロットを一瞥すると、手をかざした。雷雲が、その腕に取り巻いていた。
霧彦「井坂深紅郎!」
――『ナスカ!』
井坂「ほう?」
――霧彦は生体コネクタ設置手術器を取り出していた。
霧彦「私がもっと面白い催し物を用意しよう。見たかったんだろう? 直刺ししたナスカメモリの力を……!」
井坂「ほう。確かに、それは興味をそそられます」
井坂「しかし、いいのですか? ナスカメモリの毒は、力と引き換えにあなたの命を奪いますよ?」
霧彦「フッ」
霧彦「I Love ふうとくん」
――生体コネクタ設置手術器を打ち込み、コネクタを生成する。
霧彦「この街は、私が守る……!」
シャル「それは……。まだ、見つかっていません」
――戸惑うシャルロットに、井坂は小さく頷いた。
井坂「……なるほど」
――そして井坂は、風都タワーの風車を見上げる。
霧彦「貴様、何をするつもりだ……!」
井坂「ちょっとした余興ですよ。ここまでお膳立てをしたのです。せめて人々の悲鳴でも食べなければ、割りに合わないでしょう?」
霧彦「まさか、風都タワーを破壊するつもりか……!」
ラウラ「そんなことをしたら、中にいる子供達が……!」
井坂「だからですよ」
シャル(……井坂、先生?)
――井坂はシャルロットを一瞥すると、手をかざした。雷雲が、その腕に取り巻いていた。
霧彦「井坂深紅郎!」
――『ナスカ!』
井坂「ほう?」
――霧彦は生体コネクタ設置手術器を取り出していた。
霧彦「私がもっと面白い催し物を用意しよう。見たかったんだろう? 直刺ししたナスカメモリの力を……!」
井坂「ほう。確かに、それは興味をそそられます」
井坂「しかし、いいのですか? ナスカメモリの毒は、力と引き換えにあなたの命を奪いますよ?」
霧彦「フッ」
霧彦「I Love ふうとくん」
――生体コネクタ設置手術器を打ち込み、コネクタを生成する。
霧彦「この街は、私が守る……!」
167: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:08:43.39 ID:6Z5PQ05eo
■第五幕「Wを継ぐ者/二人のダブル」
<風都タワー・北側>
――ナスカ・ドーパントは、闘気を漲らせていた。
霧彦「井坂深紅郎! お前にこの街は泣かせない!」
井坂「完全に仮面ライダーになりきっていますねぇ!」
霧彦「なりきりではない! 今は、私が風都の仮面ライダーだ!」
――ウェザーは雨雲を操り、ナスカに雷を落とす。
――しかし、
霧彦「超高速……!」
――霧彦はナスカ・ドーパントの固有能力《超高速》を発動。青い疾風となって、雷の雨をすり抜けた。
井坂「青い身体に高速移動……。嫌な記憶を思い出しますねえ」
――ナスカの剣がウェザーに叩きつけられる。
――だが、ナスカの剣はISの《絶対防御》に弾かれた。
井坂「ふむ。ISという力、やはり素晴らしいですねえ……」
霧彦「こ、このっ!」
――ナスカはウェザーに剣を叩き込む。
――だが、全てISの《絶対防御》に弾かれた。
井坂「くくく。さて、霧彦君。あなたはあと何分“毒”に抗えますかねえ?」
井坂「本当は、既に限界を越えているのではありませんか?」
霧彦「……ッ」
――井坂の言葉が真実であったように、霧彦は膝から崩れ落ちた。
井坂「ふふ。I Love ふうとくん、でしたか。脆い愛ですねえ」
――井坂は霧彦の首を掴むと、その身体を持ち上げる。
――ISで飛翔しながら、“外”に出た。
井坂「さようなら。冴子君の前の旦那君」
――井坂が手を離す。
――霧彦は、指先一つ動かすことすら出来ずに落下していった。
<風都タワー・北側>
――ナスカ・ドーパントは、闘気を漲らせていた。
霧彦「井坂深紅郎! お前にこの街は泣かせない!」
井坂「完全に仮面ライダーになりきっていますねぇ!」
霧彦「なりきりではない! 今は、私が風都の仮面ライダーだ!」
――ウェザーは雨雲を操り、ナスカに雷を落とす。
――しかし、
霧彦「超高速……!」
――霧彦はナスカ・ドーパントの固有能力《超高速》を発動。青い疾風となって、雷の雨をすり抜けた。
井坂「青い身体に高速移動……。嫌な記憶を思い出しますねえ」
――ナスカの剣がウェザーに叩きつけられる。
――だが、ナスカの剣はISの《絶対防御》に弾かれた。
井坂「ふむ。ISという力、やはり素晴らしいですねえ……」
霧彦「こ、このっ!」
――ナスカはウェザーに剣を叩き込む。
――だが、全てISの《絶対防御》に弾かれた。
井坂「くくく。さて、霧彦君。あなたはあと何分“毒”に抗えますかねえ?」
井坂「本当は、既に限界を越えているのではありませんか?」
霧彦「……ッ」
――井坂の言葉が真実であったように、霧彦は膝から崩れ落ちた。
井坂「ふふ。I Love ふうとくん、でしたか。脆い愛ですねえ」
――井坂は霧彦の首を掴むと、その身体を持ち上げる。
――ISで飛翔しながら、“外”に出た。
井坂「さようなら。冴子君の前の旦那君」
――井坂が手を離す。
――霧彦は、指先一つ動かすことすら出来ずに落下していった。
168: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:11:17.63 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー内部>
――風都タワーを取り囲んだ雷雲が、子供達の恐怖を煽っていた。
「助けて……」
「誰か助けて……」
「でも、誰が助けてくれるの……?」
「…………」
――不安に怯える子供達の中から、一つの声が上がる。
「仮面ライダーだよ!」
「仮面ライダー……?」
「うん。仮面ライダーは僕達の味方なんだ! きっと、今も僕達のために戦ってくれている。だから応援しよう! がんばれ、仮面ライダー……って!」
「仮面ライダー……」
<風都タワー>
――……れ……。
霧彦(声が聞こえる……)
――……ばれ……。
霧彦(これは、子供達の声……?)
霧彦(そうだ……)
霧彦(私は本当の自分の心の声を聞いたはずじゃないか……)
霧彦(もう、子供達にあんな涙は流させない……!)
――がんばれ!
霧彦(……子供達が)
――がんばれ、仮面ライダー!
霧彦(子供達が声援を送ってくれている……!)
霧彦(子供は風の子、風都の子。風都の風は、子供達の声……!)
霧彦(風が……。風都の風が、私を応援してくれているんだ!)
霧彦「応えたい……」
霧彦「子供達の声に応えたい……!」
霧彦「う、動け……」
霧彦「私の身体よ、動いてくれ……!」
霧彦「子供達を……風都の風を守らせてくれ……!」
――霧彦は、最後の力を振り絞った。
――ロストドライバーをセットする。
霧彦「私は――仮面ライダー……」
――『サイクロン!』
――風都タワーを取り囲んだ雷雲が、子供達の恐怖を煽っていた。
「助けて……」
「誰か助けて……」
「でも、誰が助けてくれるの……?」
「…………」
――不安に怯える子供達の中から、一つの声が上がる。
「仮面ライダーだよ!」
「仮面ライダー……?」
「うん。仮面ライダーは僕達の味方なんだ! きっと、今も僕達のために戦ってくれている。だから応援しよう! がんばれ、仮面ライダー……って!」
「仮面ライダー……」
<風都タワー>
――……れ……。
霧彦(声が聞こえる……)
――……ばれ……。
霧彦(これは、子供達の声……?)
霧彦(そうだ……)
霧彦(私は本当の自分の心の声を聞いたはずじゃないか……)
霧彦(もう、子供達にあんな涙は流させない……!)
――がんばれ!
霧彦(……子供達が)
――がんばれ、仮面ライダー!
霧彦(子供達が声援を送ってくれている……!)
霧彦(子供は風の子、風都の子。風都の風は、子供達の声……!)
霧彦(風が……。風都の風が、私を応援してくれているんだ!)
霧彦「応えたい……」
霧彦「子供達の声に応えたい……!」
霧彦「う、動け……」
霧彦「私の身体よ、動いてくれ……!」
霧彦「子供達を……風都の風を守らせてくれ……!」
――霧彦は、最後の力を振り絞った。
――ロストドライバーをセットする。
霧彦「私は――仮面ライダー……」
――『サイクロン!』
169: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:12:37.33 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上・北側>
井坂「む……」
――風が、逆巻いていた。
――地上から伸びた風の柱が、天に向かってぐんぐんと伸びていく。
井坂「まさか……」
――風を起こしていたのは、一人の戦士だった。
――全身はメタリックな緑。
――巨大な瞳は複眼状、頭部の触覚はV字型。
――首に一本のマフラーを巻き……。
――背中から、ナスカ・ドーパントの羽根を生やしている。
――それが、《風都の仮面ライダー》だった。
霧彦「脆くなんかないさ。私の風都への愛は――最強だ!」
――風を受けて宙を舞う霧彦が、ビシリとポーズを決めていた。
井坂「ならばその愛、もう一度試してあげましょう!」
――井坂はISを操り、銃弾をばらまく。
――霧彦は、さらに高く飛翔することでその攻撃を回避した。
井坂「指一本すら動かせなかったはずのあなたが、どうしてそこまで動けるのです!」
霧彦「それは、私が風都の仮面ライダーだからだ!」
井坂「意味が分かりません!」
霧彦「言っただろう!」
――霧彦は着地すると、風に身を投じるかのように両腕を広げた。
井坂「む……」
――風が、逆巻いていた。
――地上から伸びた風の柱が、天に向かってぐんぐんと伸びていく。
井坂「まさか……」
――風を起こしていたのは、一人の戦士だった。
――全身はメタリックな緑。
――巨大な瞳は複眼状、頭部の触覚はV字型。
――首に一本のマフラーを巻き……。
――背中から、ナスカ・ドーパントの羽根を生やしている。
――それが、《風都の仮面ライダー》だった。
霧彦「脆くなんかないさ。私の風都への愛は――最強だ!」
――風を受けて宙を舞う霧彦が、ビシリとポーズを決めていた。
井坂「ならばその愛、もう一度試してあげましょう!」
――井坂はISを操り、銃弾をばらまく。
――霧彦は、さらに高く飛翔することでその攻撃を回避した。
井坂「指一本すら動かせなかったはずのあなたが、どうしてそこまで動けるのです!」
霧彦「それは、私が風都の仮面ライダーだからだ!」
井坂「意味が分かりません!」
霧彦「言っただろう!」
――霧彦は着地すると、風に身を投じるかのように両腕を広げた。
170: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:15:47.42 ID:6Z5PQ05eo
霧彦「サイクロンは、風をエネルギーに変える仮面ライダー……」
霧彦「そして、風都の風とは子供達の声!」
霧彦「そう!」
霧彦「子供達の声援こそがサイクロンのエネルギー!」
霧彦「子供達が信じてくれる限り、サイクロンのエネルギーは――無限だッ!」
井坂「そんな馬鹿げた話がありますか!」
霧彦「ある!」
――霧彦はサイクロンメモリをマキシマムスロットに挿入する。
――『サイクロン! マキシマムドライブ!』ガイド音声が鳴り響き、霧彦は風をまとう。
――風を味方につけ、風に支えられ、《風都の仮面ライダー》は飛ぶ!
霧彦「私の風都愛は、最強だ!」
――ライダーキックが、井坂に突き刺さった!
井坂「……あなたに強固な意思があることは認めましょう。ですが、それだけでは勝てませんよ」
霧彦「いいや! 必ず最後に愛は勝つ!」
――ライダーキックが、風都の風が、ISの《絶対防御》に喰らいついていた。
――《仮面ライダー》は推進力を失うことなく、じりじりと、《絶対防御》を押し込んでいく。
井坂「な、何だこれは……!?」
霧彦「これが風都の力だ……!」
――ガラスがひび割れるような音が立った。
――ISの《絶対防御》の、軋む音だった。
霧彦「I Love 風都! それが――私が信じた、本当の自分!」
――ついに《風都の仮面ライダー》は《絶対防御》を貫き、ISを破壊した……!
――。
シャル(…………)
――風都への愛のために戦った《風都の仮面ライダー》の勇姿を。
――シャルロットは、瞬き一つせずに見つめていた。
霧彦「そして、風都の風とは子供達の声!」
霧彦「そう!」
霧彦「子供達の声援こそがサイクロンのエネルギー!」
霧彦「子供達が信じてくれる限り、サイクロンのエネルギーは――無限だッ!」
井坂「そんな馬鹿げた話がありますか!」
霧彦「ある!」
――霧彦はサイクロンメモリをマキシマムスロットに挿入する。
――『サイクロン! マキシマムドライブ!』ガイド音声が鳴り響き、霧彦は風をまとう。
――風を味方につけ、風に支えられ、《風都の仮面ライダー》は飛ぶ!
霧彦「私の風都愛は、最強だ!」
――ライダーキックが、井坂に突き刺さった!
井坂「……あなたに強固な意思があることは認めましょう。ですが、それだけでは勝てませんよ」
霧彦「いいや! 必ず最後に愛は勝つ!」
――ライダーキックが、風都の風が、ISの《絶対防御》に喰らいついていた。
――《仮面ライダー》は推進力を失うことなく、じりじりと、《絶対防御》を押し込んでいく。
井坂「な、何だこれは……!?」
霧彦「これが風都の力だ……!」
――ガラスがひび割れるような音が立った。
――ISの《絶対防御》の、軋む音だった。
霧彦「I Love 風都! それが――私が信じた、本当の自分!」
――ついに《風都の仮面ライダー》は《絶対防御》を貫き、ISを破壊した……!
――。
シャル(…………)
――風都への愛のために戦った《風都の仮面ライダー》の勇姿を。
――シャルロットは、瞬き一つせずに見つめていた。
171: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:17:31.81 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上>
――井坂は、高笑いを上げていた。
井坂「無限のエネルギー……ですか。その無限も、ISを破壊するので精いっぱいだったようですね」
――怪人体を維持したままの井坂は、ISの残骸を払いながら立ち上がった。
――紳士然とした立ち振る舞いだが……どこか“お前にだけは負けない”という意地のようなものを感じさせた。
霧彦「……」
――対する霧彦は、変身が解け人間体に戻っている。
霧彦「フッ……」
――霧彦は井坂に背を向けると、歩いていった。
――ラウラの前で立ち止まる。
霧彦「君に頼みがある」
ラウラ「……ああ」
――霧彦は、『ロストドライバー』と『古ぼけたふうとくん』をラウラに手渡した。
霧彦「誰よりも風都を愛してくれる人に」
――それだけを告げると、霧彦の身体が“灰”になっていく。
――風は“灰”を、そしてナスカメモリをさらっていった……。
ラウラ「……」
――ラウラは、託されたものをじっと見つめていた。
――井坂は、高笑いを上げていた。
井坂「無限のエネルギー……ですか。その無限も、ISを破壊するので精いっぱいだったようですね」
――怪人体を維持したままの井坂は、ISの残骸を払いながら立ち上がった。
――紳士然とした立ち振る舞いだが……どこか“お前にだけは負けない”という意地のようなものを感じさせた。
霧彦「……」
――対する霧彦は、変身が解け人間体に戻っている。
霧彦「フッ……」
――霧彦は井坂に背を向けると、歩いていった。
――ラウラの前で立ち止まる。
霧彦「君に頼みがある」
ラウラ「……ああ」
――霧彦は、『ロストドライバー』と『古ぼけたふうとくん』をラウラに手渡した。
霧彦「誰よりも風都を愛してくれる人に」
――それだけを告げると、霧彦の身体が“灰”になっていく。
――風は“灰”を、そしてナスカメモリをさらっていった……。
ラウラ「……」
――ラウラは、託されたものをじっと見つめていた。
172: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:18:49.27 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上>
ラウラ「シャルロット、頼みがある」
シャル「……」
シャル「何かな?」
ラウラ「仮面ライダーになってくれないか?」
シャル「……」
シャル「僕はこの街の人間じゃないよ。風都のことなんて、何も知らないんだ」
ラウラ「だが、『誰よりも風都を愛してくれる人に』……だ。ならば、やはりシャルロットがふさわしいと思う」
シャル「どうしてかな?」
ラウラ「この言葉が未来に向かっているからだ。……お前の優しさは、未来には大きな愛になるはずだ」
ラウラ「シャルロットはいずれ、『誰よりも風都を愛してくれる』」
シャル「……」
――シャルロットは『ジローの心』を握る。
シャル「霧彦さん」
ラウラ「ん……?」
シャル「風都を愛していて、子供達を守るために戦って……死んじゃったね」
ラウラ「悲しいか?」
シャル「うん」
ラウラ「最も悲しいことは何だ? ……シャルロットの心の声は、何と言っている?」
シャル「……」
――シャルロットは、風都タワーの風車の前にたたずむ井坂を見た。
ラウラ「シャルロット、頼みがある」
シャル「……」
シャル「何かな?」
ラウラ「仮面ライダーになってくれないか?」
シャル「……」
シャル「僕はこの街の人間じゃないよ。風都のことなんて、何も知らないんだ」
ラウラ「だが、『誰よりも風都を愛してくれる人に』……だ。ならば、やはりシャルロットがふさわしいと思う」
シャル「どうしてかな?」
ラウラ「この言葉が未来に向かっているからだ。……お前の優しさは、未来には大きな愛になるはずだ」
ラウラ「シャルロットはいずれ、『誰よりも風都を愛してくれる』」
シャル「……」
――シャルロットは『ジローの心』を握る。
シャル「霧彦さん」
ラウラ「ん……?」
シャル「風都を愛していて、子供達を守るために戦って……死んじゃったね」
ラウラ「悲しいか?」
シャル「うん」
ラウラ「最も悲しいことは何だ? ……シャルロットの心の声は、何と言っている?」
シャル「……」
――シャルロットは、風都タワーの風車の前にたたずむ井坂を見た。
173: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:20:59.80 ID:6Z5PQ05eo
シャル「井坂先生。あなたは風都タワーを破壊して、子供達の命を奪いますか?」
井坂「ええ。シャルロット君、私は悪人です。悪人には悪人にふさわしい立ち振る舞い、というものがあるのですよ」
井坂「止めたければ止めなさい」
井坂「本当の自分の心の声を聞けば、何をすべきかは自ずと理解できるでしょう。……今のあなたは“名探偵”なのですから」
シャル「……先生」
――シャルロットは、ラウラに向き直る。
シャル「僕は悲しい」
シャル「何かを守ろうとした人が志半ばで散ってしまった現実が、悲しい……!」
シャル「守ろうとする心! ……愛という心……。好きだ、っていう心」
シャル「優しい心が踏みにじられる結末は、嫌だ!」
――シャルロットは『ロストドライバー』を掴んだ。
――井坂に向き直る。
――ドライバーをセットした。
――そして、背後のラウラに語りかける。
シャル「……ラウラ、ふうとくんは」
ラウラ「分かっている。これは、未来のシャルロットの宿題だ。その日が来るまで、私が預かろう」
シャル「ありがとう。――“相棒”」
――『ARK!』
――『DARK!』
――ガイド音声を鳴らし、ドライバーのスロットにメモリをセットする。
井坂「シャルロット君。またあの醜い姿になりますよ?」
シャル「そうですね」
井坂「ほう」
シャル「僕は間違えているのかもしれません」
――スロットを倒す。
――『ハカイダー!』
――ガイド音声が流れると、シャルロットは『ハカイダー』になった。
井坂「ええ。シャルロット君、私は悪人です。悪人には悪人にふさわしい立ち振る舞い、というものがあるのですよ」
井坂「止めたければ止めなさい」
井坂「本当の自分の心の声を聞けば、何をすべきかは自ずと理解できるでしょう。……今のあなたは“名探偵”なのですから」
シャル「……先生」
――シャルロットは、ラウラに向き直る。
シャル「僕は悲しい」
シャル「何かを守ろうとした人が志半ばで散ってしまった現実が、悲しい……!」
シャル「守ろうとする心! ……愛という心……。好きだ、っていう心」
シャル「優しい心が踏みにじられる結末は、嫌だ!」
――シャルロットは『ロストドライバー』を掴んだ。
――井坂に向き直る。
――ドライバーをセットした。
――そして、背後のラウラに語りかける。
シャル「……ラウラ、ふうとくんは」
ラウラ「分かっている。これは、未来のシャルロットの宿題だ。その日が来るまで、私が預かろう」
シャル「ありがとう。――“相棒”」
――『ARK!』
――『DARK!』
――ガイド音声を鳴らし、ドライバーのスロットにメモリをセットする。
井坂「シャルロット君。またあの醜い姿になりますよ?」
シャル「そうですね」
井坂「ほう」
シャル「僕は間違えているのかもしれません」
――スロットを倒す。
――『ハカイダー!』
――ガイド音声が流れると、シャルロットは『ハカイダー』になった。
174: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:22:41.59 ID:6Z5PQ05eo
シャル「人間はみんな不完全だ。誰だって過ちを犯します」
シャル「でも」
シャル「完全でいることが不完全で、案外、不完全でいることが完全かもしれない」
シャル「不完全でいいんです」
シャル「間違っていてもいいんです」
シャル「間違ったら……。過ちを認めましょう」
シャル「罪を数えて――変身しましょう」
井坂「……変身、ですか?」
――シャルロットは力強く頷いた。
シャル「不完全なら……。不完全だからこそ、変わることができます」
シャル「人間は変身できるんです。間違っていた古い自分を壊して、新しい自分に……」
シャル「だから……」
――シャルロットは、『ハカイダー』の指を『ウェザー・ドーパント』である井坂に突きつけた。
シャル「僕の罪は、風都タワーを破壊しようとしたこと。そして、あなたを止めるために、これからあなたを殴ること」
シャル「僕は自分の罪を数えました。変身、するために!」
シャル「井坂先生――」
シャル「さあ、お前の罪を数えろ! ……です」
井坂「……」
――その時だった。
――風が。
――風が吹き抜けた。
――風は、シャルロットが背負うジローのギターを爪弾いた。
――そしてメモリが……『ジローの心』が叫ぶ!!
――『スイッチ・オン!』
シャル「え……?」
――メモリはスパークを放ち、再びガイド音声を響かせる。
――『REBOOT!』
ラウラ「これは……!」
井坂「……」
――シャルロットは『ハカイダー』ではなくなった。
――そしてシャルロットは、新たな姿に『変身』する!
――『ARK!』
――『DARK!』
――『キカイダー!』
シャル「でも」
シャル「完全でいることが不完全で、案外、不完全でいることが完全かもしれない」
シャル「不完全でいいんです」
シャル「間違っていてもいいんです」
シャル「間違ったら……。過ちを認めましょう」
シャル「罪を数えて――変身しましょう」
井坂「……変身、ですか?」
――シャルロットは力強く頷いた。
シャル「不完全なら……。不完全だからこそ、変わることができます」
シャル「人間は変身できるんです。間違っていた古い自分を壊して、新しい自分に……」
シャル「だから……」
――シャルロットは、『ハカイダー』の指を『ウェザー・ドーパント』である井坂に突きつけた。
シャル「僕の罪は、風都タワーを破壊しようとしたこと。そして、あなたを止めるために、これからあなたを殴ること」
シャル「僕は自分の罪を数えました。変身、するために!」
シャル「井坂先生――」
シャル「さあ、お前の罪を数えろ! ……です」
井坂「……」
――その時だった。
――風が。
――風が吹き抜けた。
――風は、シャルロットが背負うジローのギターを爪弾いた。
――そしてメモリが……『ジローの心』が叫ぶ!!
――『スイッチ・オン!』
シャル「え……?」
――メモリはスパークを放ち、再びガイド音声を響かせる。
――『REBOOT!』
ラウラ「これは……!」
井坂「……」
――シャルロットは『ハカイダー』ではなくなった。
――そしてシャルロットは、新たな姿に『変身』する!
――『ARK!』
――『DARK!』
――『キカイダー!』
175: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:24:15.25 ID:6Z5PQ05eo
<風都タワー屋上>
――二色の戦士が立っていた。
――左半身は、烈火のように激しい赤。
――右半身は、穏やかな海のように優しい青。
――そして右目から伸びるラインは、涙の跡のよう……。
――『キカイダー』という、地球に刻まれた『英雄の記憶』が具現化していた。
井坂「……」
井坂「なるほど。君は罪を数えることで、本当に変身したようだ」
シャル「はい……。だから先生、あなたも!」
井坂「……ふむ」
――井坂は顎に手を当てた。
井坂「分からないのですよ」
シャル「え……?」
井坂「私には、自分の罪の数が分かりません。一つ一つ数え上げるには罪を犯し過ぎた」
井坂「変身はできません」
――井坂は雷雲を呼ぶ。シャルロットの周りで、落雷が弾けた。
井坂「かつて、私は“探偵”でした」
井坂「『自分が何者であるのか?』その疑問を解明するために医者になり、生命の研究に没頭していました。……疑問の答えを見い出せずに、自棄になっていました」
井坂「私は“迷探偵”だったのでしょう」
井坂「ですが……ある時、私は本当の自分の心の声を聞くことができました」
井坂「『究極の力で満たされたい』……それが、私が見つけた、私の意思です」
井坂「その意思を自覚した瞬間こそが、私の最後の変身だった……。のでしょう」
――井坂は腕を振るい、暴風を起こす。
――二色の戦士が立っていた。
――左半身は、烈火のように激しい赤。
――右半身は、穏やかな海のように優しい青。
――そして右目から伸びるラインは、涙の跡のよう……。
――『キカイダー』という、地球に刻まれた『英雄の記憶』が具現化していた。
井坂「……」
井坂「なるほど。君は罪を数えることで、本当に変身したようだ」
シャル「はい……。だから先生、あなたも!」
井坂「……ふむ」
――井坂は顎に手を当てた。
井坂「分からないのですよ」
シャル「え……?」
井坂「私には、自分の罪の数が分かりません。一つ一つ数え上げるには罪を犯し過ぎた」
井坂「変身はできません」
――井坂は雷雲を呼ぶ。シャルロットの周りで、落雷が弾けた。
井坂「かつて、私は“探偵”でした」
井坂「『自分が何者であるのか?』その疑問を解明するために医者になり、生命の研究に没頭していました。……疑問の答えを見い出せずに、自棄になっていました」
井坂「私は“迷探偵”だったのでしょう」
井坂「ですが……ある時、私は本当の自分の心の声を聞くことができました」
井坂「『究極の力で満たされたい』……それが、私が見つけた、私の意思です」
井坂「その意思を自覚した瞬間こそが、私の最後の変身だった……。のでしょう」
――井坂は腕を振るい、暴風を起こす。
176: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:25:31.54 ID:6Z5PQ05eo
井坂「シャルロット君。私は君を殺して、そのメモリを奪います。メモリの力の実験のために、風都タワーを破壊します。……止めたければ、止めてみなさい!」
シャル「……ッ」
――シャルロットは、暴風の中、走り出した!
シャル「井坂先生……ッ!」
――『キカイダー』のボディは風に負けず、力強く、前進していた。
井坂「サイクロンのように風を取り込む力……? いや、違う……」
――風を走り抜けたシャルロットは、拳を振りかざしていた。
――拳が井坂に突き刺さる。その衝撃は、ドーパント化した井坂の硬い表皮を粉砕していた。
――砕けた皮膚から鮮血が飛び散り、井坂はたまらず悲鳴を上げる。
井坂「こ、このパワー……!? 規格外のパワーがそのメモリの力……!」
シャル「うわあああああああっ!!」
――シャルロットは殴った。
――井坂を殴り続けた。
――井坂は全身から血を噴き出し、鮮血に染まる。
井坂「……くっ」
――風を操り間合いを切った井坂は、既に満身創痍だった。
シャル「井坂……先生……っ」
井坂「……」
――井坂は、シャルロットをじっと見つめる。
井坂「もしやあなたは泣いているのですか? ……傷一つ負っていないでしょう。どこが痛むのですか?」
シャル「……ッ」
――シャルロットは、暴風の中、走り出した!
シャル「井坂先生……ッ!」
――『キカイダー』のボディは風に負けず、力強く、前進していた。
井坂「サイクロンのように風を取り込む力……? いや、違う……」
――風を走り抜けたシャルロットは、拳を振りかざしていた。
――拳が井坂に突き刺さる。その衝撃は、ドーパント化した井坂の硬い表皮を粉砕していた。
――砕けた皮膚から鮮血が飛び散り、井坂はたまらず悲鳴を上げる。
井坂「こ、このパワー……!? 規格外のパワーがそのメモリの力……!」
シャル「うわあああああああっ!!」
――シャルロットは殴った。
――井坂を殴り続けた。
――井坂は全身から血を噴き出し、鮮血に染まる。
井坂「……くっ」
――風を操り間合いを切った井坂は、既に満身創痍だった。
シャル「井坂……先生……っ」
井坂「……」
――井坂は、シャルロットをじっと見つめる。
井坂「もしやあなたは泣いているのですか? ……傷一つ負っていないでしょう。どこが痛むのですか?」
177: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:27:00.11 ID:6Z5PQ05eo
シャル「……心が、痛いです。戦いは好きじゃありません」
井坂「ならば戦わなければいいでしょう」
――シャルロットは、悲しげに首を振った。
シャル「……井坂先生。あなたを放っておけば、あなたはこの街を泣かせるでしょう……?」
井坂「でしょうね」
シャル「……僕は、守るべき心を守ります。それが僕の意思です」
シャル「守れる力があるのに、それを使わなくて後悔するのは……嫌なんです!」
――シャルロットは、返り血に染まった拳を握りしめた。
井坂「……シャルロット君」
シャル「何でしょうか、井坂先生」
井坂「私が悪人だと理解しているのに、どうしてその悪人と戦いながら心が痛むのです? ……私はあなたを惑わせたのですよ。力を得るために利用したのですよ」
シャル「……僕は」
シャル「あなたが悪人だとしても、憎んではいませんよ」
シャル「僕の主張は最初に言った通りです。井坂先生……。どんなに時間がかかってもいいから、罪を数えて変身してください」
井坂「……」
井坂「…………なるほど」
――井坂は、屋上の隅に退避したラウラに視線を向けた。
井坂「あなたの隻眼は素晴らしい視力をお持ちのようだ」
ラウラ「フッ……。もっと褒めてもいいんだぞ!」
井坂「いやはや、恐れ入ります」
――井坂は雷雲を呼ぶ。
――雷雲は、急速に勢力を拡大していく。
井坂「ならば戦わなければいいでしょう」
――シャルロットは、悲しげに首を振った。
シャル「……井坂先生。あなたを放っておけば、あなたはこの街を泣かせるでしょう……?」
井坂「でしょうね」
シャル「……僕は、守るべき心を守ります。それが僕の意思です」
シャル「守れる力があるのに、それを使わなくて後悔するのは……嫌なんです!」
――シャルロットは、返り血に染まった拳を握りしめた。
井坂「……シャルロット君」
シャル「何でしょうか、井坂先生」
井坂「私が悪人だと理解しているのに、どうしてその悪人と戦いながら心が痛むのです? ……私はあなたを惑わせたのですよ。力を得るために利用したのですよ」
シャル「……僕は」
シャル「あなたが悪人だとしても、憎んではいませんよ」
シャル「僕の主張は最初に言った通りです。井坂先生……。どんなに時間がかかってもいいから、罪を数えて変身してください」
井坂「……」
井坂「…………なるほど」
――井坂は、屋上の隅に退避したラウラに視線を向けた。
井坂「あなたの隻眼は素晴らしい視力をお持ちのようだ」
ラウラ「フッ……。もっと褒めてもいいんだぞ!」
井坂「いやはや、恐れ入ります」
――井坂は雷雲を呼ぶ。
――雷雲は、急速に勢力を拡大していく。
178: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:28:00.24 ID:6Z5PQ05eo
井坂「シャルロット君! ……私は変身しません」
シャル「……」
井坂「『ARK/DARK』メモリは諦めましょう。……風都タワーごと、君を破壊します」
シャル「……ッ」
シャル「させません!」
――シャルロットが駆けだした!
井坂「止められるものなら止めてみなさい!!」
――雷雲から雷が放たれる!
――雷はシャルロットを撃ち、その動きを止めた!
シャル「しま……っ」
――足を止めたシャルロットに、無数の雷が降り注ぐ!
井坂「『ARK/DARK』メモリ……。そのパワーは脅威ですが、正面切っての戦いを避ければいいだけです。シャルロット君。ウェザーメモリの多彩な能力に打ち勝ちたければ、全てを振り切る速さを得ることですよ」
――井坂は風都タワーの風車を見上げる。
井坂「もちろん。新しい力を得る暇なんて与える気はありません」
――井坂の手が風車に向けられた。
――その時、
「ニャア」
――と、猫が鳴いた。
シャル「……」
井坂「『ARK/DARK』メモリは諦めましょう。……風都タワーごと、君を破壊します」
シャル「……ッ」
シャル「させません!」
――シャルロットが駆けだした!
井坂「止められるものなら止めてみなさい!!」
――雷雲から雷が放たれる!
――雷はシャルロットを撃ち、その動きを止めた!
シャル「しま……っ」
――足を止めたシャルロットに、無数の雷が降り注ぐ!
井坂「『ARK/DARK』メモリ……。そのパワーは脅威ですが、正面切っての戦いを避ければいいだけです。シャルロット君。ウェザーメモリの多彩な能力に打ち勝ちたければ、全てを振り切る速さを得ることですよ」
――井坂は風都タワーの風車を見上げる。
井坂「もちろん。新しい力を得る暇なんて与える気はありません」
――井坂の手が風車に向けられた。
――その時、
「ニャア」
――と、猫が鳴いた。
179: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:29:11.31 ID:6Z5PQ05eo
シャル「猫さん……!?」
――猫は雷雲の下に滑り込み、口に咥えていたガイアメモリをぶん投げた!
――シャルロットはガイアメモリをキャッチする。スイッチを押すと、
――『ナスカ!』ガイド音声が流れた。
井坂「そのメモリは……ッ」
シャル「ありがとう猫さん!」
シャル「霧彦さん。――あなたの風都への愛は、僕が守ります」
――ナスカメモリをマキシマムスロットに挿入する。
――『ナスカ! マキシマムドライブ!!』
――シャルロットの背中に、ナスカの羽根が生えた!
シャル「《超高速》……!」
井坂「雷よ!」
――雷雲は雷を吐き出す。
――だが、《超高速》によって風になった《風都の仮面ライダー》を捉えることはできなかった。
――雷を振り切り、《風都の仮面ライダー》は跳ぶ!
シャル「井坂先生……ッ!」
井坂「……ッ!」
――ライダーキックが、ウェザー・ドーパントに突き刺さった……!
――猫は雷雲の下に滑り込み、口に咥えていたガイアメモリをぶん投げた!
――シャルロットはガイアメモリをキャッチする。スイッチを押すと、
――『ナスカ!』ガイド音声が流れた。
井坂「そのメモリは……ッ」
シャル「ありがとう猫さん!」
シャル「霧彦さん。――あなたの風都への愛は、僕が守ります」
――ナスカメモリをマキシマムスロットに挿入する。
――『ナスカ! マキシマムドライブ!!』
――シャルロットの背中に、ナスカの羽根が生えた!
シャル「《超高速》……!」
井坂「雷よ!」
――雷雲は雷を吐き出す。
――だが、《超高速》によって風になった《風都の仮面ライダー》を捉えることはできなかった。
――雷を振り切り、《風都の仮面ライダー》は跳ぶ!
シャル「井坂先生……ッ!」
井坂「……ッ!」
――ライダーキックが、ウェザー・ドーパントに突き刺さった……!
180: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:29:56.13 ID:6Z5PQ05eo
<黄昏時・風都タワー屋上>
――役目を終えたナスカメモリは砕け散り、風になった……。
ラウラ(さようなら、霧彦)
ラウラ(お前の愛は、確かにこの街を守った)
ラウラ(見事だ……)
ラウラ(後のことは……任せてくれ)
――役目を終えたナスカメモリは砕け散り、風になった……。
ラウラ(さようなら、霧彦)
ラウラ(お前の愛は、確かにこの街を守った)
ラウラ(見事だ……)
ラウラ(後のことは……任せてくれ)
181: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:32:05.09 ID:6Z5PQ05eo
<黄昏時・風都タワー屋上>
――排出されたウェザーメモリが砕け散る。
――メモリブレイクによって人間体に戻された井坂が、屋上に横たわっていた。
――死相を浮かべる井坂に、雲の切れ目から射した赤光がかかっている。
井坂「ふ、ふふ、ふふふふ……」
――井坂の身体は崩壊しようとしていた。
――全身にコネクタが現れ、その身を蝕んでいる。
井坂「シャルロット君、お願いがあります。君のメロディ……聞かせてくれませんか?」
ラウラ「お前、何を……!」
シャル「……分かりました」
ラウラ「シャルロット!?」
――シャルロットは変身を解き、ギターに指をかける。
――爪弾くは、あのメロディ。
――ジローが演奏した、悲しい曲。
井坂「ああ……」
井坂(シャルロット君……。君にはもう“彼女”の面影が重なりません)
井坂(もうDARKに飲まれることは無いでしょう……)
井坂「おめでとう……」
シャル「……」
井坂「素晴らしいメロディでした。……ごちそうさま」
シャル「……井坂先生、ありがとうございました」
――排出されたウェザーメモリが砕け散る。
――メモリブレイクによって人間体に戻された井坂が、屋上に横たわっていた。
――死相を浮かべる井坂に、雲の切れ目から射した赤光がかかっている。
井坂「ふ、ふふ、ふふふふ……」
――井坂の身体は崩壊しようとしていた。
――全身にコネクタが現れ、その身を蝕んでいる。
井坂「シャルロット君、お願いがあります。君のメロディ……聞かせてくれませんか?」
ラウラ「お前、何を……!」
シャル「……分かりました」
ラウラ「シャルロット!?」
――シャルロットは変身を解き、ギターに指をかける。
――爪弾くは、あのメロディ。
――ジローが演奏した、悲しい曲。
井坂「ああ……」
井坂(シャルロット君……。君にはもう“彼女”の面影が重なりません)
井坂(もうDARKに飲まれることは無いでしょう……)
井坂「おめでとう……」
シャル「……」
井坂「素晴らしいメロディでした。……ごちそうさま」
シャル「……井坂先生、ありがとうございました」
182: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:33:10.08 ID:6Z5PQ05eo
井坂「……フフッ」
井坂「おいしい音楽で満たしてくれた君に。先生と呼んでくれた君に。……一つ教えてあげましょう」
井坂「風都の英雄、仮面ライダーW……。人間で、探偵で、二人で一人の仮面ライダー……」
井坂「“あなた達”にはお似合いですよ……」
――井坂はシャルロットとラウラ、シャルロットとジローの心、と視線を移すと。
――ついには崩壊して、風になった。
シャル「……」
ラウラ「ただの悪人だと思っていたが、そうではなかったのか?」
シャル「……悪い人だよ。すっごく」
シャル「でも」
シャル「……」
――シャルロットは、ギターを爪弾く自分の手を見た。
――その手には、ウェザー・ドーパントになった井坂を殴りつけた感触が、まだ残っている。
シャル(ジロー……。僕はね、ようやく分かったよ)
シャル(どうして君のメロディはあんたに悲しかったのか)
シャル(……)
シャル(あれは、機械の君が流した涙だったんだね……)
井坂「おいしい音楽で満たしてくれた君に。先生と呼んでくれた君に。……一つ教えてあげましょう」
井坂「風都の英雄、仮面ライダーW……。人間で、探偵で、二人で一人の仮面ライダー……」
井坂「“あなた達”にはお似合いですよ……」
――井坂はシャルロットとラウラ、シャルロットとジローの心、と視線を移すと。
――ついには崩壊して、風になった。
シャル「……」
ラウラ「ただの悪人だと思っていたが、そうではなかったのか?」
シャル「……悪い人だよ。すっごく」
シャル「でも」
シャル「……」
――シャルロットは、ギターを爪弾く自分の手を見た。
――その手には、ウェザー・ドーパントになった井坂を殴りつけた感触が、まだ残っている。
シャル(ジロー……。僕はね、ようやく分かったよ)
シャル(どうして君のメロディはあんたに悲しかったのか)
シャル(……)
シャル(あれは、機械の君が流した涙だったんだね……)
183: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:34:45.78 ID:6Z5PQ05eo
■終幕「次の物語へ」
<風都タワー・屋上>
――シャルロットの端末が、勝手に起動した。
凌馬『やあ』
シャル「あ、あなたは……!」
千冬『私もいる』
シャル「え、えっ!? な、何で……!?」
千冬『説明は後だ。今は、急いで沢芽市へ向かうんだ』
凌馬『そこに――園崎霧彦が仮面ライダーに伝えようとしていた、世界の危機がある』
ラウラ「……。“相棒”!」
シャル「うん。行こう! 守るべき心を守るために!」
ミック「ニャア!」
――ミックが、“携帯電話”を叩いていた。
――ややあって、風都タワーの足元に高速移送装甲車『リボルギャリー』が走り込んで来る。
ラウラ「乗れ、と言っているようだな」
ミック「ニャア!!」
シャル「…………」
シャル「日本の猫はクレイジーだね……」
――二人と一匹は、リボルギャリーに乗り込んだ。
<風都タワー・屋上>
――シャルロットの端末が、勝手に起動した。
凌馬『やあ』
シャル「あ、あなたは……!」
千冬『私もいる』
シャル「え、えっ!? な、何で……!?」
千冬『説明は後だ。今は、急いで沢芽市へ向かうんだ』
凌馬『そこに――園崎霧彦が仮面ライダーに伝えようとしていた、世界の危機がある』
ラウラ「……。“相棒”!」
シャル「うん。行こう! 守るべき心を守るために!」
ミック「ニャア!」
――ミックが、“携帯電話”を叩いていた。
――ややあって、風都タワーの足元に高速移送装甲車『リボルギャリー』が走り込んで来る。
ラウラ「乗れ、と言っているようだな」
ミック「ニャア!!」
シャル「…………」
シャル「日本の猫はクレイジーだね……」
――二人と一匹は、リボルギャリーに乗り込んだ。
184: ◆n.O102o4Y2 2015/02/27(金) 09:37:41.75 ID:6Z5PQ05eo
以上になります。
『nobody's perfect/人間はみんな不完全』。不幸な出自を持つシャルロットとラウラ、仮面ライダーW、キカイダーREBOOTを繋ぐテーマです。
2スレ目の『ラウラが風都に行く話』と『シャルロットがジローに出会う話』は、『シャルロットとラウラが「ジローの心(ARKとDARKの2本のメモリ)」を使って仮面ライダーW(キカイダー)に変身する話』の下準備でした。ですが、4スレ目で予定していた物語に大修正が入ったために、『仮面ライダーW(キカイダー)に変身する話』も変更が入ることに。
変身者はシャルロット一人になり、霧彦と井坂が登場。……そして、物語は『ビギンズナイト』になりました。
これは『ラウラが預かった「霧彦のふうとくん」をシャルロットが受け継ぐまでの物語』のスタート。風都の仮面ライダーを継承した二人の少女は街を守るために戦いながら、やがて、誰よりも街を愛するようになるでしょう。
何せ、風都は仮面ライダーが愛した街ですからね。
4スレ目はMOVIE大戦形式ですので、先行して投下した《バロン編》は『前年のライダーの総決算』のイメージ。今回投下した《W編》は『放送中のライダーの初映画』のイメージになっています。
物語が終わるライダーと、これから物語が展開するライダーの映画を1つにまとめる。それは『仮面ライダーは永遠だ!』という希望を感じさせる美しい構成だと思うのです。
次回は大戦編。『仮面ライダーが奪われた世界』の物語のラストです。
それでは。ここまでお付き合いありがとうございました。
『nobody's perfect/人間はみんな不完全』。不幸な出自を持つシャルロットとラウラ、仮面ライダーW、キカイダーREBOOTを繋ぐテーマです。
2スレ目の『ラウラが風都に行く話』と『シャルロットがジローに出会う話』は、『シャルロットとラウラが「ジローの心(ARKとDARKの2本のメモリ)」を使って仮面ライダーW(キカイダー)に変身する話』の下準備でした。ですが、4スレ目で予定していた物語に大修正が入ったために、『仮面ライダーW(キカイダー)に変身する話』も変更が入ることに。
変身者はシャルロット一人になり、霧彦と井坂が登場。……そして、物語は『ビギンズナイト』になりました。
これは『ラウラが預かった「霧彦のふうとくん」をシャルロットが受け継ぐまでの物語』のスタート。風都の仮面ライダーを継承した二人の少女は街を守るために戦いながら、やがて、誰よりも街を愛するようになるでしょう。
何せ、風都は仮面ライダーが愛した街ですからね。
4スレ目はMOVIE大戦形式ですので、先行して投下した《バロン編》は『前年のライダーの総決算』のイメージ。今回投下した《W編》は『放送中のライダーの初映画』のイメージになっています。
物語が終わるライダーと、これから物語が展開するライダーの映画を1つにまとめる。それは『仮面ライダーは永遠だ!』という希望を感じさせる美しい構成だと思うのです。
次回は大戦編。『仮面ライダーが奪われた世界』の物語のラストです。
それでは。ここまでお付き合いありがとうございました。
201: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:28:27.83 ID:tT95g/54o
■MOVIE大戦編! 仮面ライダーを取り戻せ!■
■序幕「奪われた“仮面ライダー”」
<映画館>
――『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』が上映されていた。
平成ライダーと昭和ライダーが手を取り合い、地下帝国バダンに立ち向かうシーンが流れている。
けれど。映像の中の仮面ライダーは『黒い人影』だった。
誰も“それ”が『仮面ライダー』だとは分からない。
――スクリーンの足元に。
――平成十五ライダーロックシードと、昭和十五ライダーロックシードが落ちていた。
<メガリバースマシン>
――メガリバースマシンに、三つのロックシードが封印されていた。
平成十五ライダーロックシード
昭和十五ライダーロックシード
ドライブロックシード
――三つのロックシードの前で、ハカイダーが高笑いを上げていた。
■序幕「奪われた“仮面ライダー”」
<映画館>
――『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』が上映されていた。
平成ライダーと昭和ライダーが手を取り合い、地下帝国バダンに立ち向かうシーンが流れている。
けれど。映像の中の仮面ライダーは『黒い人影』だった。
誰も“それ”が『仮面ライダー』だとは分からない。
――スクリーンの足元に。
――平成十五ライダーロックシードと、昭和十五ライダーロックシードが落ちていた。
<メガリバースマシン>
――メガリバースマシンに、三つのロックシードが封印されていた。
平成十五ライダーロックシード
昭和十五ライダーロックシード
ドライブロックシード
――三つのロックシードの前で、ハカイダーが高笑いを上げていた。
202: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:30:06.25 ID:tT95g/54o
■第一幕「仮面ライダーを取り戻せ!」
<トライドロン・車内/リボルギャリー・車内>
――戦極凌馬の状況説明が流れていた。
凌馬『――1800秒だ』
凌馬『怪人が蘇ってから1800秒後に、世界が反転する』
凌馬『生者と死者の世界が完全に入れ替わる』
凌馬『阻止したければ、1800秒以内にマシンを止めることだ』
凌馬『マシンを止めるには、二つの動力部を破壊すればいい。一つは最上層、一つは最下層にある』
凌馬『ん? どうして『僕』が君達に協力するのか、だって?』
凌馬『フフッ。それは“夢”を見ているからだよ』
凌馬『それよりも、覚悟した方がいいよ』
凌馬『君達の敵は――鏡の中にいる』
<トライドロン・車内>
一夏「……鏡?」
――きょろきょろと車内を見渡すと、鏡を覗きこんだ。
――仮面ライダードライブに変身した自分の姿が映っている。
一夏「……?」
戒斗「一夏。そろそろ着くぞ。怪人達の群れを突破することになる。やれるか?」
一夏「そんなこと聞かれるまでもないぜ、戒斗!」
戒斗「ほう。ずいぶんとやる気じゃないか」
一夏「だって、俺は泊さんから受け継いだんだ……」
一夏「何度立ち止まっても再び走り出す、熱い仮面ライダー魂を!」
<リボルギャリー・車内>
――シャルロットは、『ジローの心』を抱きしめていた。
シャル「ジロー……。僕、がんばるよ」
シャル(君に好きだって胸を張って言える自分になるために……!)
シャル「よし!」
――ARK!
――DARK!
シャル「変身!」
――キカイダー!
<トライドロン・車内/リボルギャリー・車内>
――戦極凌馬の状況説明が流れていた。
凌馬『――1800秒だ』
凌馬『怪人が蘇ってから1800秒後に、世界が反転する』
凌馬『生者と死者の世界が完全に入れ替わる』
凌馬『阻止したければ、1800秒以内にマシンを止めることだ』
凌馬『マシンを止めるには、二つの動力部を破壊すればいい。一つは最上層、一つは最下層にある』
凌馬『ん? どうして『僕』が君達に協力するのか、だって?』
凌馬『フフッ。それは“夢”を見ているからだよ』
凌馬『それよりも、覚悟した方がいいよ』
凌馬『君達の敵は――鏡の中にいる』
<トライドロン・車内>
一夏「……鏡?」
――きょろきょろと車内を見渡すと、鏡を覗きこんだ。
――仮面ライダードライブに変身した自分の姿が映っている。
一夏「……?」
戒斗「一夏。そろそろ着くぞ。怪人達の群れを突破することになる。やれるか?」
一夏「そんなこと聞かれるまでもないぜ、戒斗!」
戒斗「ほう。ずいぶんとやる気じゃないか」
一夏「だって、俺は泊さんから受け継いだんだ……」
一夏「何度立ち止まっても再び走り出す、熱い仮面ライダー魂を!」
<リボルギャリー・車内>
――シャルロットは、『ジローの心』を抱きしめていた。
シャル「ジロー……。僕、がんばるよ」
シャル(君に好きだって胸を張って言える自分になるために……!)
シャル「よし!」
――ARK!
――DARK!
シャル「変身!」
――キカイダー!
203: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:30:56.55 ID:tT95g/54o
<ユグドラシルタワー跡地>
――“現場”に到着した一夏とシャルロットは、見た。
――天を衝かんばかりにそそり立つメガリバースマシンが、スパークを放っている。
――マシンから『闇』が噴き上がった。
――『闇』はみるみる広がっていく。
――やがて『闇』が地上に降りると。
――地上は、怪人達で埋め尽くされていた。
一夏「……シャル」
シャル「うん、分かってる。1800秒以内に、あのマシンを破壊するんだ……!」
<沢芽市・花畑の海岸>
――IS学園の生徒達は噴き上がった『闇』を呆然と眺めていた。
――やがて、『闇』が彼女達の前にも下りてくる。
――怪人に変貌した『闇』は、生徒達に襲いかかった……!
<沢芽市・市街>
――怪人達が街で暴れていた。
――人々は逃げ惑いながら助けを呼ぶ。
――だが。
――誰も『仮面ライダー』に助けを求めなかった。
――その名を、知らないから。
――“現場”に到着した一夏とシャルロットは、見た。
――天を衝かんばかりにそそり立つメガリバースマシンが、スパークを放っている。
――マシンから『闇』が噴き上がった。
――『闇』はみるみる広がっていく。
――やがて『闇』が地上に降りると。
――地上は、怪人達で埋め尽くされていた。
一夏「……シャル」
シャル「うん、分かってる。1800秒以内に、あのマシンを破壊するんだ……!」
<沢芽市・花畑の海岸>
――IS学園の生徒達は噴き上がった『闇』を呆然と眺めていた。
――やがて、『闇』が彼女達の前にも下りてくる。
――怪人に変貌した『闇』は、生徒達に襲いかかった……!
<沢芽市・市街>
――怪人達が街で暴れていた。
――人々は逃げ惑いながら助けを呼ぶ。
――だが。
――誰も『仮面ライダー』に助けを求めなかった。
――その名を、知らないから。
204: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:32:23.99 ID:tT95g/54o
<ユグドラシルタワー跡地>
――“新世代ライダー”達は、怪人達に叩きのめされていた。
――爆発の衝撃で変身が解けてしまう。
ハカイダー「やあ」
一夏「お前……倒したはずじゃあ……!」
ハカイダー「仮面ライダーと五十年も戦い続けた『私』だよ? しつこさには自信があるんだ」
――ハカイダーは一夏を踏みつけた。
ハカイダー「もうじき世界が反転する。生きている者が死に、死んでいる者が蘇る」
一夏「そんなことに何の意味が……ッ」
ハカイダー「やり直すんだよ!」
――ハカイダーは、一夏を蹴り飛ばした。
シャル「……ッ」
ハカイダー「おやおや。ずいぶんと反抗的な目だねぇ、“可愛いシャルロット”」
シャル「あ、あなたは……!」
シャル(……だめだ。今は冷静になるんだ)
シャル(大丈夫。僕はジローの心と一緒なんだ。やれる!)
シャル「……聞きたいことがあります」
ハカイダー「『私』が答えるとでも?」
シャル「答えますよ。あなたは研究者ですから」
――“新世代ライダー”達は、怪人達に叩きのめされていた。
――爆発の衝撃で変身が解けてしまう。
ハカイダー「やあ」
一夏「お前……倒したはずじゃあ……!」
ハカイダー「仮面ライダーと五十年も戦い続けた『私』だよ? しつこさには自信があるんだ」
――ハカイダーは一夏を踏みつけた。
ハカイダー「もうじき世界が反転する。生きている者が死に、死んでいる者が蘇る」
一夏「そんなことに何の意味が……ッ」
ハカイダー「やり直すんだよ!」
――ハカイダーは、一夏を蹴り飛ばした。
シャル「……ッ」
ハカイダー「おやおや。ずいぶんと反抗的な目だねぇ、“可愛いシャルロット”」
シャル「あ、あなたは……!」
シャル(……だめだ。今は冷静になるんだ)
シャル(大丈夫。僕はジローの心と一緒なんだ。やれる!)
シャル「……聞きたいことがあります」
ハカイダー「『私』が答えるとでも?」
シャル「答えますよ。あなたは研究者ですから」
205: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:33:00.24 ID:tT95g/54o
ハカイダー「……フッ。いいだろう、何でも聞きたまえ」
シャル「なら……」
――シャルロットは、地表を埋め尽くさんばかりの怪人達を見渡してから、
シャル「これだけ怪人が復活したのに、どうして仮面ライダーは復活しないんですか?」
――と、尋ねた。
ハカイダー「ふむ」
ハカイダー「君は目の付けどころが良い。実はそれ、語りたくてたまらなかったんだ。それこそが今回の“計画”の仕掛け。――『私』が一番がんばったところだ!」
シャル(よし、乗ってくれた……!)
ハカイダー「そもそも『私』の“計画”とは――」
「――『僕』が復活するためのものだったのさ」
ハカイダー「やあ。無事に蘇ったみたいだね、『私』」
――戦場に、夏スタイルの戦極凌馬が現れた。
――既に“幽霊”ではなく、足があり、実体がある。
凌馬「やあ。おかげさまで」
――凌馬は軽く手を上げた。
凌馬「“計画”の全貌を話そう。いいね、《戦極凌馬》よ?」
ハカイダー「もちろんだ、『私』よ」
――二人の“戦極凌馬”は、“計画”を語る。
シャル「なら……」
――シャルロットは、地表を埋め尽くさんばかりの怪人達を見渡してから、
シャル「これだけ怪人が復活したのに、どうして仮面ライダーは復活しないんですか?」
――と、尋ねた。
ハカイダー「ふむ」
ハカイダー「君は目の付けどころが良い。実はそれ、語りたくてたまらなかったんだ。それこそが今回の“計画”の仕掛け。――『私』が一番がんばったところだ!」
シャル(よし、乗ってくれた……!)
ハカイダー「そもそも『私』の“計画”とは――」
「――『僕』が復活するためのものだったのさ」
ハカイダー「やあ。無事に蘇ったみたいだね、『私』」
――戦場に、夏スタイルの戦極凌馬が現れた。
――既に“幽霊”ではなく、足があり、実体がある。
凌馬「やあ。おかげさまで」
――凌馬は軽く手を上げた。
凌馬「“計画”の全貌を話そう。いいね、《戦極凌馬》よ?」
ハカイダー「もちろんだ、『私』よ」
――二人の“戦極凌馬”は、“計画”を語る。
206: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:34:07.04 ID:tT95g/54o
<ユグドラシルタワー跡地>
凌馬「そもそも、この世界に《戦極凌馬》は二人いた」
凌馬「一人は、呉島貴虎を神にすべく暗躍していたデータ人間の『僕』」
ハカイダー「一人は、データ人間のバックアップたる『私』」
凌馬「『僕』が“死んだ”ら、『私』が起動する」
ハカイダー「『私』はメガリバースマシンを起動することで、“死んだ”『私』を蘇らせる」
凌馬「――つまり」
凌馬・ハカイダー「全てをやり直すんだ」
ハカイダー「ただし」
ハカイダー「再び仮面ライダーとの戦いを始めるのは、不毛だ」
ハカイダー「だから、仮面ライダーの復活にはロックをかけた」
ハカイダー「そんなことをどうやって可能にしたかって?」
ハカイダー「……フフッ」
ハカイダー「ロックシードだよ」
ハカイダー「ロックシードが故人のメッセージを再生できるのは、魂を記憶するからだ」
ハカイダー「そのロックシードをマシンに封印することで、仮面ライダーの復活にロックをかけているのさ」
ハカイダー「ロックを破る方法? そんな方法は」
凌馬「――ある」
ハカイダー「……!? な、何もそこまで語ってやる必要は無いだろう、『私』!」
――戸惑うハカイダーを無視して。戦極凌馬は解説を続ける。
凌馬「簡単な話だよ」
凌馬「君達だって、その目で見てきただろう?」
凌馬「子供達が呼べばいい。そうすれば、仮面ライダーは必ず子供達を助けに来てくれる」
凌馬「子供達のためなら、仮面ライダーは奇跡を起こしてくれるんだ」
ハカイダー「『私』! 喋りすぎだ……!」
――ハカイダーの剣幕に、凌馬は肩を竦めた。
ハカイダー「……ま、まあいい! それが分かったところでどうしようもないだろう。だって、この世界の子供達は仮面ライダーを知らないんだ。『私』の『検閲』が、彼らから仮面ライダーを奪っている」
ハカイダー「知らないものに助けを呼ぶことなんて――」
「ほう。ならばこの、映画館の怪人の出番だな」
凌馬「そもそも、この世界に《戦極凌馬》は二人いた」
凌馬「一人は、呉島貴虎を神にすべく暗躍していたデータ人間の『僕』」
ハカイダー「一人は、データ人間のバックアップたる『私』」
凌馬「『僕』が“死んだ”ら、『私』が起動する」
ハカイダー「『私』はメガリバースマシンを起動することで、“死んだ”『私』を蘇らせる」
凌馬「――つまり」
凌馬・ハカイダー「全てをやり直すんだ」
ハカイダー「ただし」
ハカイダー「再び仮面ライダーとの戦いを始めるのは、不毛だ」
ハカイダー「だから、仮面ライダーの復活にはロックをかけた」
ハカイダー「そんなことをどうやって可能にしたかって?」
ハカイダー「……フフッ」
ハカイダー「ロックシードだよ」
ハカイダー「ロックシードが故人のメッセージを再生できるのは、魂を記憶するからだ」
ハカイダー「そのロックシードをマシンに封印することで、仮面ライダーの復活にロックをかけているのさ」
ハカイダー「ロックを破る方法? そんな方法は」
凌馬「――ある」
ハカイダー「……!? な、何もそこまで語ってやる必要は無いだろう、『私』!」
――戸惑うハカイダーを無視して。戦極凌馬は解説を続ける。
凌馬「簡単な話だよ」
凌馬「君達だって、その目で見てきただろう?」
凌馬「子供達が呼べばいい。そうすれば、仮面ライダーは必ず子供達を助けに来てくれる」
凌馬「子供達のためなら、仮面ライダーは奇跡を起こしてくれるんだ」
ハカイダー「『私』! 喋りすぎだ……!」
――ハカイダーの剣幕に、凌馬は肩を竦めた。
ハカイダー「……ま、まあいい! それが分かったところでどうしようもないだろう。だって、この世界の子供達は仮面ライダーを知らないんだ。『私』の『検閲』が、彼らから仮面ライダーを奪っている」
ハカイダー「知らないものに助けを呼ぶことなんて――」
「ほう。ならばこの、映画館の怪人の出番だな」
207: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:35:02.48 ID:tT95g/54o
<ユグドラシルタワー跡地>
――紳士のような怪人が、一夏とシャルロットを守るように立っていた。
――“映画館の怪人”、シネマである。
シネマ「実にタイミングが良い! 私の手元には、子供達に仮面ライダーを知らしめるための映画がある……!」
一夏「シネマ、どうしてここに……?」
シネマ「君の仲間達に、君の力になってくれと頼まれてね。……どうやら、とびっきりの助力ができそうだ」
ハカイダー「テトラ座の怪人! 何をするつもりかは知らないが“計画”の邪魔はさせない。行け、怪人達よ!」
――ハカイダーの号令がかかり、怪人達は一斉にシネマに襲いかかる!
シネマ「……フッ」
シネマ「映画には、こういうシーンがある」
シネマ「絶対絶命の危機!」
シネマ「そこに現れる――かつての、ライバル!」
――天から降り注いだ雷が、怪人達を撃った。
――雷の主は、白い怪人だった。その立ち姿は、白騎士と呼ぶにふさわしい誇り高さがある。
シャル「あ……」
シャル「井坂先生……!」
――怪人・井坂深紅郎はシャルロットに振り返ると、紳士的なお辞儀をした。
シャル「どうして……」
井坂「ガイアメモリですよ」
シャル「え……?」
――紳士のような怪人が、一夏とシャルロットを守るように立っていた。
――“映画館の怪人”、シネマである。
シネマ「実にタイミングが良い! 私の手元には、子供達に仮面ライダーを知らしめるための映画がある……!」
一夏「シネマ、どうしてここに……?」
シネマ「君の仲間達に、君の力になってくれと頼まれてね。……どうやら、とびっきりの助力ができそうだ」
ハカイダー「テトラ座の怪人! 何をするつもりかは知らないが“計画”の邪魔はさせない。行け、怪人達よ!」
――ハカイダーの号令がかかり、怪人達は一斉にシネマに襲いかかる!
シネマ「……フッ」
シネマ「映画には、こういうシーンがある」
シネマ「絶対絶命の危機!」
シネマ「そこに現れる――かつての、ライバル!」
――天から降り注いだ雷が、怪人達を撃った。
――雷の主は、白い怪人だった。その立ち姿は、白騎士と呼ぶにふさわしい誇り高さがある。
シャル「あ……」
シャル「井坂先生……!」
――怪人・井坂深紅郎はシャルロットに振り返ると、紳士的なお辞儀をした。
シャル「どうして……」
井坂「ガイアメモリですよ」
シャル「え……?」
208: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:35:49.03 ID:tT95g/54o
井坂「私の運命のガイアメモリは、ウェザーメモリ。『気象の記憶』を宿すもの」
――井坂は、シャルロットを眩しそうに見つめていた。
井坂「晴れもまた天気ですから」
――井坂は怪人達に向き直り、雷雲を操る。
井坂「しかし、天気は変わるもの。私も気まぐれですよ」
シネマ「ならば、雨が降る前に事を成すとしようか!」
――シネマのステッキが大地を叩く!
――映画の幕開けを予感させる、軽快な音が響き渡った!
シネマ「少年よ」
一夏「シネマ……?」
シネマ「君と映画が作れて、よかった!」
――シネマの身体が解ける。その身体は映画のフィルムになり、空に“溶けて”いった。
――“空になった”シネマは、世界中の子供達に“映画”の開演を知らせる。
シネマ「子供達よ! 楽しい映画の始まりだ!」
シネマ「タイトルは『仮面ライダーバロン/仮面ライダーW』! この映画を通じて、知ってくれ!」
シネマ「君達には、仮面ライダーがいる!」
シネマ「仮面ライダーは君達を助けてくれる!」
シネマ「だから……!」
シネマ「だから、呼んでくれ! 君達のための英雄の名を!」
――空の色が変わる。
――空は“映画のスクリーン”になっていた。
――スクリーンに、“仮面ライダー”の映画が流れる。
――この星は。
――この小さな星は、“映画館”になった。
――井坂は、シャルロットを眩しそうに見つめていた。
井坂「晴れもまた天気ですから」
――井坂は怪人達に向き直り、雷雲を操る。
井坂「しかし、天気は変わるもの。私も気まぐれですよ」
シネマ「ならば、雨が降る前に事を成すとしようか!」
――シネマのステッキが大地を叩く!
――映画の幕開けを予感させる、軽快な音が響き渡った!
シネマ「少年よ」
一夏「シネマ……?」
シネマ「君と映画が作れて、よかった!」
――シネマの身体が解ける。その身体は映画のフィルムになり、空に“溶けて”いった。
――“空になった”シネマは、世界中の子供達に“映画”の開演を知らせる。
シネマ「子供達よ! 楽しい映画の始まりだ!」
シネマ「タイトルは『仮面ライダーバロン/仮面ライダーW』! この映画を通じて、知ってくれ!」
シネマ「君達には、仮面ライダーがいる!」
シネマ「仮面ライダーは君達を助けてくれる!」
シネマ「だから……!」
シネマ「だから、呼んでくれ! 君達のための英雄の名を!」
――空の色が変わる。
――空は“映画のスクリーン”になっていた。
――スクリーンに、“仮面ライダー”の映画が流れる。
――この星は。
――この小さな星は、“映画館”になった。
209: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:36:41.76 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン>
――仮面ライダー!
――幼い声が、その英雄の名を叫んでいた。
――声は世界中で上がり、“その場所”に届く。
――震えていた。
――メガリバースマシンに封印された、三つのロックシードが震えていた。
――そして。
――“その時”が、来る。
――ロック・オープン!
――平成十五ライダー!!
――昭和十五ライダー!!
――ドライブ!!
<ユグドラシルタワー跡地>
――メガリバースマシンから『光』が飛び出した。
――いくつもの『光』が、子供達の声に導かれて世界中に広がっていく。
――そして、一夏とシャルロットの前にも『光』が降り注いだ。
――新世代ライダー達の前に、『ヒーロー』達が並ぶ……!
「ありがとう」
『仮面ライダー』が、一夏に手を差し伸べていた。
「ずっと君の戦いを見ていたよ。俺達の魂を受け継いでくれて、ありがとう」
一夏「あ……っ」
――目元を拭ってから、一夏はその手を取った。
――大きくてあたたかい、偉大な戦士の手だった。
進ノ介「一緒に戦おう!」
一夏「……はい!」
――Start・Your・Engine!
一夏「変身!」
――ドラーイブ! ターイプ・ァルパーン!
――仮面ライダー!
――幼い声が、その英雄の名を叫んでいた。
――声は世界中で上がり、“その場所”に届く。
――震えていた。
――メガリバースマシンに封印された、三つのロックシードが震えていた。
――そして。
――“その時”が、来る。
――ロック・オープン!
――平成十五ライダー!!
――昭和十五ライダー!!
――ドライブ!!
<ユグドラシルタワー跡地>
――メガリバースマシンから『光』が飛び出した。
――いくつもの『光』が、子供達の声に導かれて世界中に広がっていく。
――そして、一夏とシャルロットの前にも『光』が降り注いだ。
――新世代ライダー達の前に、『ヒーロー』達が並ぶ……!
「ありがとう」
『仮面ライダー』が、一夏に手を差し伸べていた。
「ずっと君の戦いを見ていたよ。俺達の魂を受け継いでくれて、ありがとう」
一夏「あ……っ」
――目元を拭ってから、一夏はその手を取った。
――大きくてあたたかい、偉大な戦士の手だった。
進ノ介「一緒に戦おう!」
一夏「……はい!」
――Start・Your・Engine!
一夏「変身!」
――ドラーイブ! ターイプ・ァルパーン!
210: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:37:47.03 ID:tT95g/54o
■第二幕「メガリバースマシンを破壊せよ!」
<沢芽市・花畑の海岸>
――生徒達は追い詰められていた。
クラスメイト3「動ける者は前へ! 負傷者を守るんだ……!」
クラスメイト2「大丈夫。オリムラはきっとやってくれる! それまで耐えるんだ!」
――生徒達の奮戦を、怪人達は嗤った。
――怪人達はじゃんけんを始める。誰が生徒達を殺すかを決めるためのものだ。
クラスメイト1「……くそっ」
クラスメイト1「ピンチはチャンスなんだ。諦めてたまるか……!」
――その言葉は、怪人達の嘲笑を誘う。
――だが。
――天から舞い降りた『光』が、
「その通ーり!」
――と、その言葉を肯定した。
「ピンチはチャンス! これからどうなるんだろう!? って考えると、わくわくしてくるよな」
クラスメイト1「あ、あんたは……」
――『光』の中から現れた青年は、生徒の言葉を手でさえぎった。
「おっと、みなまで言うな。お前達を最高にわくわくさせてやるぜ!」
――ドライバーオン
「変ッッッ身!」
――セット! オープン!!
――L・I・O・N・!
――ライオーン!!
「さあ、ランチタイムだ!」
<沢芽市・花畑の海岸>
――生徒達は追い詰められていた。
クラスメイト3「動ける者は前へ! 負傷者を守るんだ……!」
クラスメイト2「大丈夫。オリムラはきっとやってくれる! それまで耐えるんだ!」
――生徒達の奮戦を、怪人達は嗤った。
――怪人達はじゃんけんを始める。誰が生徒達を殺すかを決めるためのものだ。
クラスメイト1「……くそっ」
クラスメイト1「ピンチはチャンスなんだ。諦めてたまるか……!」
――その言葉は、怪人達の嘲笑を誘う。
――だが。
――天から舞い降りた『光』が、
「その通ーり!」
――と、その言葉を肯定した。
「ピンチはチャンス! これからどうなるんだろう!? って考えると、わくわくしてくるよな」
クラスメイト1「あ、あんたは……」
――『光』の中から現れた青年は、生徒の言葉を手でさえぎった。
「おっと、みなまで言うな。お前達を最高にわくわくさせてやるぜ!」
――ドライバーオン
「変ッッッ身!」
――セット! オープン!!
――L・I・O・N・!
――ライオーン!!
「さあ、ランチタイムだ!」
211: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:39:05.40 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン>
――リボルギャリーが、メガリバースマシンの外壁に突っ込んだ!
――マシンの壁をぶち破ったリボルギャリーの中から、“四人の戦士”が現れる。
ラウラ「ここは死守する! お前達は!」
シャル「うん! マシンを壊してくる!」
――“四人の戦士”は二手に別れてマシンの最上層と最下層を目指す。
ラウラ「さて、と……」
――ラウラはリボルギャリーを、外壁に開けた穴の前に立たせる。
――怪人達の“津波”が押し寄せていた。
ラウラ「やるぞ、猫殿!」
ミック「ニャア!」
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
――ハカイダーは戦極凌馬と対峙していた。
ハカイダー「どういうつもりだ、『私』! 君は仮面ライダー達に助言を与え、仮面ライダーを復活させた。何を考えている!」
凌馬「……“夢”を見ている」
ハカイダー「夢、だと? ハハ! ハハハハハ! 『私』はその言葉が大嫌いだったはずじゃないか! 貴虎が“人類を救う”などという下らない“夢”を口にした日から、ずっと!」
ハカイダー「君は気が狂ったのか!」
凌馬「変わったんだ」
――ウォーターメロン
――凌馬は戦極ドライバーを装着すると、ロックシードを天高く放り投げる。
凌馬「『僕』は《戦極凌馬》じゃない」
――ロック・オン
凌馬「仮面ライダーデュークだ!」
――ソイヤ!
――ウォーターメロンアームズ!
――乱れ玉! ババババン!!
――リボルギャリーが、メガリバースマシンの外壁に突っ込んだ!
――マシンの壁をぶち破ったリボルギャリーの中から、“四人の戦士”が現れる。
ラウラ「ここは死守する! お前達は!」
シャル「うん! マシンを壊してくる!」
――“四人の戦士”は二手に別れてマシンの最上層と最下層を目指す。
ラウラ「さて、と……」
――ラウラはリボルギャリーを、外壁に開けた穴の前に立たせる。
――怪人達の“津波”が押し寄せていた。
ラウラ「やるぞ、猫殿!」
ミック「ニャア!」
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
――ハカイダーは戦極凌馬と対峙していた。
ハカイダー「どういうつもりだ、『私』! 君は仮面ライダー達に助言を与え、仮面ライダーを復活させた。何を考えている!」
凌馬「……“夢”を見ている」
ハカイダー「夢、だと? ハハ! ハハハハハ! 『私』はその言葉が大嫌いだったはずじゃないか! 貴虎が“人類を救う”などという下らない“夢”を口にした日から、ずっと!」
ハカイダー「君は気が狂ったのか!」
凌馬「変わったんだ」
――ウォーターメロン
――凌馬は戦極ドライバーを装着すると、ロックシードを天高く放り投げる。
凌馬「『僕』は《戦極凌馬》じゃない」
――ロック・オン
凌馬「仮面ライダーデュークだ!」
――ソイヤ!
――ウォーターメロンアームズ!
――乱れ玉! ババババン!!
212: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:40:42.70 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――雷が怪人を撃った。
ラウラ「あなたに助けられると妙な気分になるな……」
井坂「いつ天気が変わるかもしれませんからね。傘の準備をお忘れなく」
ラウラ「そうさせてもらおう……」
ミック「ニャア!」
<メガリバースマシン最下層に続く道>
――シャルロットは、熱を持った頬を押さえていた。
シャル(どどどどうしよ~~~!? ほっぺたが、ほっぺたが緩むよ~~~!? 仮面付けてなかったらやばかったよこれ……!)
――シャルロットは、隣を走る青年を見上げる。
――そこに、彼女の“憧れのヒーロー”がいた。
シャル「ジロー……。えへへ」
ジロー「シャルロット。どうかしたのかい?」
シャル「! ……な、なんでもないよ!!」
ジロー「そうか」
――シャルロットはジローから顔を背けた。
シャル(う、うぁあああああああっ!? な、何今のやりとり!? 少女漫画? ……は、恥ずかしいよ~~~!?)
――雷が怪人を撃った。
ラウラ「あなたに助けられると妙な気分になるな……」
井坂「いつ天気が変わるかもしれませんからね。傘の準備をお忘れなく」
ラウラ「そうさせてもらおう……」
ミック「ニャア!」
<メガリバースマシン最下層に続く道>
――シャルロットは、熱を持った頬を押さえていた。
シャル(どどどどうしよ~~~!? ほっぺたが、ほっぺたが緩むよ~~~!? 仮面付けてなかったらやばかったよこれ……!)
――シャルロットは、隣を走る青年を見上げる。
――そこに、彼女の“憧れのヒーロー”がいた。
シャル「ジロー……。えへへ」
ジロー「シャルロット。どうかしたのかい?」
シャル「! ……な、なんでもないよ!!」
ジロー「そうか」
――シャルロットはジローから顔を背けた。
シャル(う、うぁあああああああっ!? な、何今のやりとり!? 少女漫画? ……は、恥ずかしいよ~~~!?)
213: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:42:24.39 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最上層に続く道>
戒斗「ァルパーン!!」
ベルトさん「スピード!!」
――“二人のドライブ”が、怪人達を蹴散らした。
進ノ介「絶好調だね!」
一夏「はい! 泊さんと一緒ですから!」
戒斗「……浮かれすぎだ、このバカ」
一夏「い、いいだろ!? お前と、泊さんと。俺の憧れのヒーローと一緒に戦ってるんだからさ!」
戒斗「……」
――“二人のドライブ”の行く手を塞ぐべく、怪人が現れる!
戒斗「気を引き締めろ」
一夏「分かってる!」
進ノ介「……」
――進ノ介は、一夏の戦う姿をじっと見つめていた。
――まるで、新しい仮面ライダーが戦う姿をその目に焼き付けているかのように。
ベルトさん「辛い役目を引き受けてしまったね、進ノ介」
進ノ介「ああ。……でも、誇らしくもあるよ」
ベルトさん「そうだね。……未来への希望がある」
<メガリバースマシン最下層に続く道>
――二人のキカイダーは、順調に進んでいた。
ジロー「シャルロット」
シャル「! な、ななな、何かなジロー!」
ジロー「君に伝えておきたいことがある」
シャル「ふぇっ!?」
シャル(え、え、えええ!? な、何!? どうしたのさジロー……!!)
シャル(まま、まま、まさか――告白!?)
ジロー「いずれ……」
シャル(あ、あわわわわわわわ!? ちょっと待ってジロー! 心の準備が……!!)
ジロー「いずれ君は何かを守るために何かを捨てなければならない時が来るだろう。でも、それはとても人間的なことなんだよ」
シャル「……」
シャル「……えっ」
シャル「そ、それは何……?」
ジロー「君にどうしても伝えておきたかったことだ。……僕の心を作ってくれた、前野究治郎の言葉だ」
シャル「……」
ジロー「どうした、シャルロット?」
シャル「あ、あはは……。やっぱり君って変な人だね、ジロー」
ジロー「? 僕は機械だ」
シャル「……ううん。僕にとっては君は人間だよ、ジロー」
ジロー「そうか」
ジロー「……そうか」
戒斗「ァルパーン!!」
ベルトさん「スピード!!」
――“二人のドライブ”が、怪人達を蹴散らした。
進ノ介「絶好調だね!」
一夏「はい! 泊さんと一緒ですから!」
戒斗「……浮かれすぎだ、このバカ」
一夏「い、いいだろ!? お前と、泊さんと。俺の憧れのヒーローと一緒に戦ってるんだからさ!」
戒斗「……」
――“二人のドライブ”の行く手を塞ぐべく、怪人が現れる!
戒斗「気を引き締めろ」
一夏「分かってる!」
進ノ介「……」
――進ノ介は、一夏の戦う姿をじっと見つめていた。
――まるで、新しい仮面ライダーが戦う姿をその目に焼き付けているかのように。
ベルトさん「辛い役目を引き受けてしまったね、進ノ介」
進ノ介「ああ。……でも、誇らしくもあるよ」
ベルトさん「そうだね。……未来への希望がある」
<メガリバースマシン最下層に続く道>
――二人のキカイダーは、順調に進んでいた。
ジロー「シャルロット」
シャル「! な、ななな、何かなジロー!」
ジロー「君に伝えておきたいことがある」
シャル「ふぇっ!?」
シャル(え、え、えええ!? な、何!? どうしたのさジロー……!!)
シャル(まま、まま、まさか――告白!?)
ジロー「いずれ……」
シャル(あ、あわわわわわわわ!? ちょっと待ってジロー! 心の準備が……!!)
ジロー「いずれ君は何かを守るために何かを捨てなければならない時が来るだろう。でも、それはとても人間的なことなんだよ」
シャル「……」
シャル「……えっ」
シャル「そ、それは何……?」
ジロー「君にどうしても伝えておきたかったことだ。……僕の心を作ってくれた、前野究治郎の言葉だ」
シャル「……」
ジロー「どうした、シャルロット?」
シャル「あ、あはは……。やっぱり君って変な人だね、ジロー」
ジロー「? 僕は機械だ」
シャル「……ううん。僕にとっては君は人間だよ、ジロー」
ジロー「そうか」
ジロー「……そうか」
214: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:43:18.50 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最上層>
――二人のドライブは、ついに動力部に到達した。
一夏「あれが動力だな! あいつをぶっ壊せば……!」
――ドライブドライバーのキーを回す。
「待ちたまえ」
一夏「お前は……!?」
<メガリバースマシン最下層>
シャル「戦極……凌馬……?」
――動力装置を守るように、ハカイダーが立っていた。
ハカイダー「『私』はアンドロイドだ。数はいくらでも用意できる」
シャル「……邪魔をするなら、倒す!」
ハカイダー「させるか!」
――ハカイダーは、ハカイダーショットの引き金を引く。
――だが、ジローが盾となって、ばら捲かれた銃弾を防いだ!
ジロー「シャルロット!」
シャル「うん!」
――キカイダー! マキシマムドライブ!!
――シャルロットは、ハカイダーを打ち倒した。
ハカイダー「……」
――胴体を失ったハカイダーの頭部パーツが、ごろん、と床に転がる。
ハカイダー「……驚いた。こんなにあっさり倒されるなんて思わなかったよ。良ければ聞かせてもらえないかい? 君はどうしてそんなに強いんだい?」
シャル「……ふふっ」
――シャルロットは、誇らしげに胸を張る。
シャル「だって、ジローと一緒なんだ!」
――二人のドライブは、ついに動力部に到達した。
一夏「あれが動力だな! あいつをぶっ壊せば……!」
――ドライブドライバーのキーを回す。
「待ちたまえ」
一夏「お前は……!?」
<メガリバースマシン最下層>
シャル「戦極……凌馬……?」
――動力装置を守るように、ハカイダーが立っていた。
ハカイダー「『私』はアンドロイドだ。数はいくらでも用意できる」
シャル「……邪魔をするなら、倒す!」
ハカイダー「させるか!」
――ハカイダーは、ハカイダーショットの引き金を引く。
――だが、ジローが盾となって、ばら捲かれた銃弾を防いだ!
ジロー「シャルロット!」
シャル「うん!」
――キカイダー! マキシマムドライブ!!
――シャルロットは、ハカイダーを打ち倒した。
ハカイダー「……」
――胴体を失ったハカイダーの頭部パーツが、ごろん、と床に転がる。
ハカイダー「……驚いた。こんなにあっさり倒されるなんて思わなかったよ。良ければ聞かせてもらえないかい? 君はどうしてそんなに強いんだい?」
シャル「……ふふっ」
――シャルロットは、誇らしげに胸を張る。
シャル「だって、ジローと一緒なんだ!」
215: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:44:01.24 ID:tT95g/54o
■幕間「二人のヒーロー」
<沢芽市・市街>
――メロン・スパーキング!
「ずいぶん倒したと思っていたが……。まだまだ先は長そうだな」
――ブドウ・スパーキング!
「倒してもまた復活しているみたいだ。元を叩かなきゃ……。ここは僕達に任せて、兄さんはマシンを!」
「しかし……」
「子供扱いしないでよ。もう、子供も孫もいるんだよ?」
「フッ……。そうだったな。ここは任せる」
<とある星>
「聞こえる……」
「どうしたの?」
「子供達の声が聞こえるんだ! 俺、ちょっと行ってくる!」
「あ、ちょ!? ……晩御飯までには帰ってきてねー!」
<沢芽市・市街>
――メロン・スパーキング!
「ずいぶん倒したと思っていたが……。まだまだ先は長そうだな」
――ブドウ・スパーキング!
「倒してもまた復活しているみたいだ。元を叩かなきゃ……。ここは僕達に任せて、兄さんはマシンを!」
「しかし……」
「子供扱いしないでよ。もう、子供も孫もいるんだよ?」
「フッ……。そうだったな。ここは任せる」
<とある星>
「聞こえる……」
「どうしたの?」
「子供達の声が聞こえるんだ! 俺、ちょっと行ってくる!」
「あ、ちょ!? ……晩御飯までには帰ってきてねー!」
216: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:45:31.76 ID:tT95g/54o
■第三幕「瞳の中の英雄」
<沢芽市・花畑の海岸>
ビースト「こりゃ、そうとうやべぇな……」
――怪人達の圧倒的な物量が仮面ライダービーストを押しつぶそうとしていた。
ビースト「いいや、ピンチはチャンス! まだだ! 諦めてたまるかってんだ!」
――仮面ライダービーストは勇ましく武器を振り上げる。
――だが、その勇ましい声に隠せぬ疲労の色が滲んでいた。
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――怪人にぶん殴られたリボルギャリーが、ひっくり返った。
ラウラ「うわ……っ!?」
ミック「ニャーーー!?」
井坂「くっ……」
――井坂がリカバリーに入ろうとするが、怪人達の大群がそれを阻む。
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
――ハカイダーショットが、仮面ライダーデュークを吹き飛ばした。
――地べたに転がったデュークが、ハカイダーに踏みつけられる。
ハカイダー「試作品のロックシードではここまでだろうね」
凌馬「くっ……」
ハカイダー「自分殺しなんてやめてデータ人間に戻りたまえよ、『私』。間に合わなくなるよ?」
――ハカイダーはメガリバースマシンに視線を送った。
――メガリバースマシンが、後から後から『闇』を噴き出し、倒された怪人達を復活させていた。
ハカイダー「仮面ライダーの勝利はありえない。1800秒の間、怪人は何度倒されても復活し続ける。……そういうシステムを作ったのは『私』じゃないか」
ハカイダー「この1800秒で、怪人達が地上の人間を根絶やしにする」
ハカイダー「1800秒が経てば、世界は反転する」
ハカイダー「地上を埋め尽くしていた怪人達は死者の国に落ち、死者の国にいた人類は地上に戻る」
ハカイダー「怪人のいない世界が完成する」
ハカイダー「唯一の例外は、データ人間に戻って“電子の世界”に退避する『私』だけだ」
ハカイダー「“強くてニューゲーム”。『私』の案だろう?」
<沢芽市・花畑の海岸>
ビースト「こりゃ、そうとうやべぇな……」
――怪人達の圧倒的な物量が仮面ライダービーストを押しつぶそうとしていた。
ビースト「いいや、ピンチはチャンス! まだだ! 諦めてたまるかってんだ!」
――仮面ライダービーストは勇ましく武器を振り上げる。
――だが、その勇ましい声に隠せぬ疲労の色が滲んでいた。
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――怪人にぶん殴られたリボルギャリーが、ひっくり返った。
ラウラ「うわ……っ!?」
ミック「ニャーーー!?」
井坂「くっ……」
――井坂がリカバリーに入ろうとするが、怪人達の大群がそれを阻む。
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
――ハカイダーショットが、仮面ライダーデュークを吹き飛ばした。
――地べたに転がったデュークが、ハカイダーに踏みつけられる。
ハカイダー「試作品のロックシードではここまでだろうね」
凌馬「くっ……」
ハカイダー「自分殺しなんてやめてデータ人間に戻りたまえよ、『私』。間に合わなくなるよ?」
――ハカイダーはメガリバースマシンに視線を送った。
――メガリバースマシンが、後から後から『闇』を噴き出し、倒された怪人達を復活させていた。
ハカイダー「仮面ライダーの勝利はありえない。1800秒の間、怪人は何度倒されても復活し続ける。……そういうシステムを作ったのは『私』じゃないか」
ハカイダー「この1800秒で、怪人達が地上の人間を根絶やしにする」
ハカイダー「1800秒が経てば、世界は反転する」
ハカイダー「地上を埋め尽くしていた怪人達は死者の国に落ち、死者の国にいた人類は地上に戻る」
ハカイダー「怪人のいない世界が完成する」
ハカイダー「唯一の例外は、データ人間に戻って“電子の世界”に退避する『私』だけだ」
ハカイダー「“強くてニューゲーム”。『私』の案だろう?」
217: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:46:33.67 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最上層>
ハカイダー「くくく……」
一夏「何がおかしい……!」
ハカイダー「なるほど。君は憧れのヒーローと共に戦っているから強かったんだねぇ」
<メガリバースマシン最下層>
シャル「そうだよ! 隣にジローがいてくれると、何だってできるって思えるんだ……!」
ハカイダー「ならば――君に、メガリバースマシンは破壊できない」
シャル「え……?」
ハカイダー「メガリバースマシンを破壊する。その意味が分からないのかい?」
ハカイダー「君の憧れのヒーローの命を繋いでいるのは、メガリバースマシンだ。マシンが破壊されれば、当然ながら、命を失う」
ハカイダー「マシンを破壊することは、憧れのヒーローを君自身の手で殺すことだ」
ハカイダー「できるのかい? 君のヒーローを、君の手で殺すことが……」
シャル「僕が……」
――シャルロットは、隣に立つ青年を見上げた。
――ジロー。シャルロットの、憧れのヒーロー。
シャル「僕が、ジローを殺す……?」
ジロー「…………」
ハカイダー「くくく……」
一夏「何がおかしい……!」
ハカイダー「なるほど。君は憧れのヒーローと共に戦っているから強かったんだねぇ」
<メガリバースマシン最下層>
シャル「そうだよ! 隣にジローがいてくれると、何だってできるって思えるんだ……!」
ハカイダー「ならば――君に、メガリバースマシンは破壊できない」
シャル「え……?」
ハカイダー「メガリバースマシンを破壊する。その意味が分からないのかい?」
ハカイダー「君の憧れのヒーローの命を繋いでいるのは、メガリバースマシンだ。マシンが破壊されれば、当然ながら、命を失う」
ハカイダー「マシンを破壊することは、憧れのヒーローを君自身の手で殺すことだ」
ハカイダー「できるのかい? 君のヒーローを、君の手で殺すことが……」
シャル「僕が……」
――シャルロットは、隣に立つ青年を見上げた。
――ジロー。シャルロットの、憧れのヒーロー。
シャル「僕が、ジローを殺す……?」
ジロー「…………」
218: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:47:14.33 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――破壊されたリボルギャリーの中から、ラウラとミックが引きずり出された。
ラウラ「やめっ……。この……!」
――短い手足を振り乱して必至に抵抗するが、怪人の力に敵うものではなかった。
――虚しい打撃の音だけが鳴り響く。
井坂「雷よ……!」
――井坂が雷雲を操る。
――だが。
――怪人の剣が、井坂の腕をぶった斬った。
――ウェザー・ドーパントの白い腕が宙を舞う。雷雲は霧散してしまう。
ミック「ニ゛ャアァッ!」
――勇ましく吠えたミックが、蹴り飛ばされた。
――破壊されたリボルギャリーの中から、ラウラとミックが引きずり出された。
ラウラ「やめっ……。この……!」
――短い手足を振り乱して必至に抵抗するが、怪人の力に敵うものではなかった。
――虚しい打撃の音だけが鳴り響く。
井坂「雷よ……!」
――井坂が雷雲を操る。
――だが。
――怪人の剣が、井坂の腕をぶった斬った。
――ウェザー・ドーパントの白い腕が宙を舞う。雷雲は霧散してしまう。
ミック「ニ゛ャアァッ!」
――勇ましく吠えたミックが、蹴り飛ばされた。
219: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:48:53.59 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
ハカイダー「もう一度言う。自分殺しなんてやめるんだ」
凌馬「……フッ」
――仮面ライダーデュークは、自身を踏みつけるハカイダーを見つめていた。
凌馬「五十年……」
ハカイダー「ん?」
凌馬「この五十年。『僕』は仮面ライダーと戦い続けてきた……」
ハカイダー「そうだね。たぶん、『私』達は誰よりも仮面ライダーに詳しいだろう」
凌馬「ならば君は答えられるかい? ――どうして、仮面ライダーはヒーローなのか、って問題にね」
ハカイダー「簡単な問題だ」
ハカイダー「仮面ライダーが、タブーに立ち向かえる戦士だからだ」
凌馬「分かっているじゃないか」
凌馬「じゃあ……。こう答えれば、全てに納得してくれるだろう」
ハカイダー「ん?」
凌馬「『僕』は、仮面ライダーデュークだ……!」
――その宣言が、ハカイダーショットの引き金に指をかけさせる。
ハカイダー「君はエラーを吐いているようだ。オリジナルの『私』を失うのは痛手だが、仕方が無い。別の『私』をデータ人間にすることにしよう」
ハカイダー「君は――破壊する!」
――銃声が鳴り響いた。
貴虎「凌馬!」
――無双セイバーの銃弾がハカイダーを撃つ!
――メロン・スパーキング!
――エネルギーをまといながら飛来したメロン・ディフェンダーが、ハカイダーを弾き飛ばした!
貴虎「大丈夫か、凌馬!」
凌馬「やあ。久しぶりだねぇ、友よ」
貴虎「お互いに生きて会うのはな」
――仮面ライダー斬月が、仮面ライダーデュークを助け起こす。
貴虎「行くぞ、凌馬」
凌馬「ああ。“僕達の夢”を叶えよう!」
貴虎「俺達が人類を救うんだ!」
ハカイダー「もう一度言う。自分殺しなんてやめるんだ」
凌馬「……フッ」
――仮面ライダーデュークは、自身を踏みつけるハカイダーを見つめていた。
凌馬「五十年……」
ハカイダー「ん?」
凌馬「この五十年。『僕』は仮面ライダーと戦い続けてきた……」
ハカイダー「そうだね。たぶん、『私』達は誰よりも仮面ライダーに詳しいだろう」
凌馬「ならば君は答えられるかい? ――どうして、仮面ライダーはヒーローなのか、って問題にね」
ハカイダー「簡単な問題だ」
ハカイダー「仮面ライダーが、タブーに立ち向かえる戦士だからだ」
凌馬「分かっているじゃないか」
凌馬「じゃあ……。こう答えれば、全てに納得してくれるだろう」
ハカイダー「ん?」
凌馬「『僕』は、仮面ライダーデュークだ……!」
――その宣言が、ハカイダーショットの引き金に指をかけさせる。
ハカイダー「君はエラーを吐いているようだ。オリジナルの『私』を失うのは痛手だが、仕方が無い。別の『私』をデータ人間にすることにしよう」
ハカイダー「君は――破壊する!」
――銃声が鳴り響いた。
貴虎「凌馬!」
――無双セイバーの銃弾がハカイダーを撃つ!
――メロン・スパーキング!
――エネルギーをまといながら飛来したメロン・ディフェンダーが、ハカイダーを弾き飛ばした!
貴虎「大丈夫か、凌馬!」
凌馬「やあ。久しぶりだねぇ、友よ」
貴虎「お互いに生きて会うのはな」
――仮面ライダー斬月が、仮面ライダーデュークを助け起こす。
貴虎「行くぞ、凌馬」
凌馬「ああ。“僕達の夢”を叶えよう!」
貴虎「俺達が人類を救うんだ!」
220: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:49:38.26 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最上層>
一夏「俺は……」
――織斑一夏は、仮面ライダードライブを見上げていた。
<メガリバースマシン最下層>
シャル「僕は……」
――シャルロット・デュノアは、ジローを見上げていた。
シャル「できないよ……。ジロー、君を殺すなんて……」
シャル「だって……。だってジロー、僕は君が……」
――ジローは、シャルロットの頭にそっと手を置いた。
ジロー「大丈夫だよシャルロット。僕は死なない」
シャル「……」
ジロー「鏡を見てくれ。そこに証拠がある」
一夏「俺は……」
――織斑一夏は、仮面ライダードライブを見上げていた。
<メガリバースマシン最下層>
シャル「僕は……」
――シャルロット・デュノアは、ジローを見上げていた。
シャル「できないよ……。ジロー、君を殺すなんて……」
シャル「だって……。だってジロー、僕は君が……」
――ジローは、シャルロットの頭にそっと手を置いた。
ジロー「大丈夫だよシャルロット。僕は死なない」
シャル「……」
ジロー「鏡を見てくれ。そこに証拠がある」
221: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:50:47.04 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最上層>
一夏「鏡なんてどこに……」
――戸惑う一夏に、仮面ライダードライブは自分の目を指した。
進ノ介「鏡ならここにあるよ」
一夏「え……」
――織斑一夏は、仮面ライダードライブの瞳を覗きこむ。
――そこには“憧れのヒーロー”の姿が映っていた。
進ノ介「一夏君。……君がいるから、俺は死なないんだ」
進ノ介「だって……。君が受け継いでくれたんじゃないか。何度止まっても再び走り出す、熱い仮面ライダー魂を!」
<メガリバースマシン最下層>
ジロー「シャルロット。そのメモリの中から、ずっと君を見ていた」
ジロー「僕は確信した」
ジロー「あの日の約束の通りだった」
シャル「約束……?」
――シャルロットは、ロストドライバーにセットした『ジローの心』に触れる。
――ふいに、別れの記憶が蘇った。
――『これは、僕の心だ。君がこれを持っていてくれる限り、僕は死なない』
シャル「ジロー……」
ジロー「シャルロット。僕は死なない。……ずっと、君と生き続けるよ」
<メガリバースマシン最上層>
進ノ介「仮面ライダーは死なない」
進ノ介「その魂を受け継いでくれる人がいる限り、仮面ライダーは誰にも殺せない」
進ノ介「一夏君。君がいるから、仮面ライダーは生き続けるんだ……!」
一夏「……」
一夏「俺がいる限り、仮面ライダーは生き続ける……」
一夏「鏡なんてどこに……」
――戸惑う一夏に、仮面ライダードライブは自分の目を指した。
進ノ介「鏡ならここにあるよ」
一夏「え……」
――織斑一夏は、仮面ライダードライブの瞳を覗きこむ。
――そこには“憧れのヒーロー”の姿が映っていた。
進ノ介「一夏君。……君がいるから、俺は死なないんだ」
進ノ介「だって……。君が受け継いでくれたんじゃないか。何度止まっても再び走り出す、熱い仮面ライダー魂を!」
<メガリバースマシン最下層>
ジロー「シャルロット。そのメモリの中から、ずっと君を見ていた」
ジロー「僕は確信した」
ジロー「あの日の約束の通りだった」
シャル「約束……?」
――シャルロットは、ロストドライバーにセットした『ジローの心』に触れる。
――ふいに、別れの記憶が蘇った。
――『これは、僕の心だ。君がこれを持っていてくれる限り、僕は死なない』
シャル「ジロー……」
ジロー「シャルロット。僕は死なない。……ずっと、君と生き続けるよ」
<メガリバースマシン最上層>
進ノ介「仮面ライダーは死なない」
進ノ介「その魂を受け継いでくれる人がいる限り、仮面ライダーは誰にも殺せない」
進ノ介「一夏君。君がいるから、仮面ライダーは生き続けるんだ……!」
一夏「……」
一夏「俺がいる限り、仮面ライダーは生き続ける……」
223: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:51:59.29 ID:tT95g/54o
■第四幕「The people with no name」
<メガリバースマシンの攻防>
――宇宙から降ってきた光が、『闇』を切り裂いた。
――その光は、夜明けを告げる暁の曙光のように眩しかった。
「待たせたな!」
――光の中から、青年が現れた。
――ロック・オープン!
――極アームズ!
――大! 大・大・大・大将軍!
紘汰「ここからは……」
――仮面ライダー鎧武は、空に無数のクラックを生む!
――クラックから大量のインベスが召喚された。
――仮面ライダー鎧武はアームズウェポンを召喚すると、インベス達に装備させる。
紘汰「俺達のステージだ!!」
――仮面ライダー鎧武は、マントをはためかせる。
紘汰「あと。こいつはこっちに来る途中で見つけた!」
――仮面ライダー鎧武の後ろから、仮面ライダーブレイドが現れた!
<メガリバースマシンの攻防>
――宇宙から降ってきた光が、『闇』を切り裂いた。
――その光は、夜明けを告げる暁の曙光のように眩しかった。
「待たせたな!」
――光の中から、青年が現れた。
――ロック・オープン!
――極アームズ!
――大! 大・大・大・大将軍!
紘汰「ここからは……」
――仮面ライダー鎧武は、空に無数のクラックを生む!
――クラックから大量のインベスが召喚された。
――仮面ライダー鎧武はアームズウェポンを召喚すると、インベス達に装備させる。
紘汰「俺達のステージだ!!」
――仮面ライダー鎧武は、マントをはためかせる。
紘汰「あと。こいつはこっちに来る途中で見つけた!」
――仮面ライダー鎧武の後ろから、仮面ライダーブレイドが現れた!
224: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:53:47.80 ID:tT95g/54o
<沢芽市・花畑の海岸>
――インベス軍団が怪人達に襲いかかった!
ビースト「お、お、おお……? なんだかよく分かんねぇけど、チャンスだ!」
――攻勢に転じようとしたビーストの足元に、一体の上級インベスが跪いた。
――上級インベスは『指示を下さい』というプラカードを手にしていた。
ビースト「え? 俺に?」
――上級インベスは頷いた。
ビースト「えーっと……」
ビースト「か、かかれー!」
――上級インベスは『御意』と書かれたプラカードを掲げると、怪人達に突撃していった……!
ビースト「……」
ビースト「準備いいなぁ、あいつ」
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――風が吹き抜けた。
――風は怪人達を蹴散らし、ラウラを、ミックを、井坂を救い出す。
霧彦「すまない、遅くなった」
――“風”は、仮面ライダーサイクロンだった……!
ラウラ「霧彦……!」
井坂「……」
霧彦「ずいぶんと不満そうな顔をしているね」
井坂「あなたに助けられるくらいなら消滅した方がマシですから」
霧彦「な、何だと……!?」
井坂「あなたとは因縁があるのですよ。……冴子君のことで」
霧彦「冴子君!? さ、冴子君だと! お、お前、人の妻を気安く呼び過ぎじゃないか!!」
井坂「くっくっく。……それだけ気安い関係だった、とだけ言っておきましょうか」
霧彦「なんだと!? ――地獄に戻ったら洗いざらい吐かせてやるからな! 霧彦の部屋で!」
――宣言して、仮面ライダーサイクロンは怪人達の群れに突撃する!
――サイクロン! マキシマムドライブ!!
――インベス軍団が怪人達に襲いかかった!
ビースト「お、お、おお……? なんだかよく分かんねぇけど、チャンスだ!」
――攻勢に転じようとしたビーストの足元に、一体の上級インベスが跪いた。
――上級インベスは『指示を下さい』というプラカードを手にしていた。
ビースト「え? 俺に?」
――上級インベスは頷いた。
ビースト「えーっと……」
ビースト「か、かかれー!」
――上級インベスは『御意』と書かれたプラカードを掲げると、怪人達に突撃していった……!
ビースト「……」
ビースト「準備いいなぁ、あいつ」
<メガリバースマシンの攻防・外壁>
――風が吹き抜けた。
――風は怪人達を蹴散らし、ラウラを、ミックを、井坂を救い出す。
霧彦「すまない、遅くなった」
――“風”は、仮面ライダーサイクロンだった……!
ラウラ「霧彦……!」
井坂「……」
霧彦「ずいぶんと不満そうな顔をしているね」
井坂「あなたに助けられるくらいなら消滅した方がマシですから」
霧彦「な、何だと……!?」
井坂「あなたとは因縁があるのですよ。……冴子君のことで」
霧彦「冴子君!? さ、冴子君だと! お、お前、人の妻を気安く呼び過ぎじゃないか!!」
井坂「くっくっく。……それだけ気安い関係だった、とだけ言っておきましょうか」
霧彦「なんだと!? ――地獄に戻ったら洗いざらい吐かせてやるからな! 霧彦の部屋で!」
――宣言して、仮面ライダーサイクロンは怪人達の群れに突撃する!
――サイクロン! マキシマムドライブ!!
225: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:55:04.87 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシンの攻防・南部戦線>
凌馬「どうして『僕』が自壊の道を選んだのか。それを君に十全に伝える手段が無いことこそが、最大の不幸だろう……!」
――仮面ライダーデュークと仮面ライダー斬月は、ハカイダーを追いつめていた。
ハカイダー「そんなことは知らなくていい。『私』は破壊する。君も、今の世界も……!」
凌馬「させない」
ハカイダー「タブーを犯してもか!」
凌馬「そうだ!」
貴虎「凌馬!」
――ハカイダーショットの銃撃を、仮面ライダー斬月のメロン・ディフェンダーが防ぐ。
凌馬「ありがとう、友よ」
――仮面ライダーデュークは、戦極ドライバーのカッティングブレードに手をかける。
凌馬「どうして仮面ライダーはヒーローなのか?」
凌馬「それは、彼らがタブーに立ち向かう戦士だからだ」
凌馬「……フッ」
凌馬「みんなのために同族《じぶん》を殺す。その悲劇に立ち向かえるから、仮面ライダーはヒーローなんだ!」
貴虎「凌馬!」
凌馬「ああ!」
――ウォーターメロン・スカッシュ!
――メロン・スカッシュ!
凌馬「どうして『僕』が自壊の道を選んだのか。それを君に十全に伝える手段が無いことこそが、最大の不幸だろう……!」
――仮面ライダーデュークと仮面ライダー斬月は、ハカイダーを追いつめていた。
ハカイダー「そんなことは知らなくていい。『私』は破壊する。君も、今の世界も……!」
凌馬「させない」
ハカイダー「タブーを犯してもか!」
凌馬「そうだ!」
貴虎「凌馬!」
――ハカイダーショットの銃撃を、仮面ライダー斬月のメロン・ディフェンダーが防ぐ。
凌馬「ありがとう、友よ」
――仮面ライダーデュークは、戦極ドライバーのカッティングブレードに手をかける。
凌馬「どうして仮面ライダーはヒーローなのか?」
凌馬「それは、彼らがタブーに立ち向かう戦士だからだ」
凌馬「……フッ」
凌馬「みんなのために同族《じぶん》を殺す。その悲劇に立ち向かえるから、仮面ライダーはヒーローなんだ!」
貴虎「凌馬!」
凌馬「ああ!」
――ウォーターメロン・スカッシュ!
――メロン・スカッシュ!
226: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:56:09.23 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最下層>
――シャルロットは、ジローを見上げていた。
シャル「いずれ君は何かを守るために何かを捨てなければならない時が来るだろう。でも、それはとても人間的なことなんだよ。……だったね、ジロー」
ジロー「ああ」
シャル「それは、この選択のことだったの……?」
ジロー「ああ」
シャル「そっか……」
シャル「ねえ、ジロー。……僕ね、あのマシンを壊すの、嫌だよ」
ジロー「……」
<メガリバースマシン最上層>
進ノ介「一夏君、これを」
一夏「……!」
ベルトさん「きっと、君の役に立つはずだ。新しいドライブよ」
一夏「ありがとうございます!」
戒斗「一夏」
一夏「分かってる! ……変身!」
――シフトスピードを使って、フォームチェンジする。
戒斗「ドラーイブ! ターイプ・スピード!」
戒斗「……おい。これは毎回言わなければならないのか」
ベルトさん「そうだ。君もドライブの相棒になったのだから、パートナーを盛り上げてくれたまえよ!」
戒斗「……ふん」
ベルトさん「鋼の身体にホットなユーモアを! が、合言葉だ!!」
戒斗「やかましい!!」
――シャルロットは、ジローを見上げていた。
シャル「いずれ君は何かを守るために何かを捨てなければならない時が来るだろう。でも、それはとても人間的なことなんだよ。……だったね、ジロー」
ジロー「ああ」
シャル「それは、この選択のことだったの……?」
ジロー「ああ」
シャル「そっか……」
シャル「ねえ、ジロー。……僕ね、あのマシンを壊すの、嫌だよ」
ジロー「……」
<メガリバースマシン最上層>
進ノ介「一夏君、これを」
一夏「……!」
ベルトさん「きっと、君の役に立つはずだ。新しいドライブよ」
一夏「ありがとうございます!」
戒斗「一夏」
一夏「分かってる! ……変身!」
――シフトスピードを使って、フォームチェンジする。
戒斗「ドラーイブ! ターイプ・スピード!」
戒斗「……おい。これは毎回言わなければならないのか」
ベルトさん「そうだ。君もドライブの相棒になったのだから、パートナーを盛り上げてくれたまえよ!」
戒斗「……ふん」
ベルトさん「鋼の身体にホットなユーモアを! が、合言葉だ!!」
戒斗「やかましい!!」
227: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:57:26.27 ID:tT95g/54o
<メガリバースマシン最下層>
シャル「僕は君とずっと一緒にいたい」
ジロー「……シャルロット。僕は」
シャル「大丈夫。分かってるよ」
――シャルロットは仮面の下に悲しみを隠していた。
シャル「お願いがあるんだ」
ジロー「……言ってくれ。僕にできることなら、何でも叶える」
シャル「だったら、がんばって」
ジロー「……?」
シャル「僕はメガリバースマシンを破壊する。そしたら、胸を張って君に言えることがあるんだ。……その言葉を君に聞いて欲しいから。僕がその言葉を口にできるまで、消えないで」
ジロー「分かった。約束する。君の言葉を聞くまで、僕は消えない」
シャル「うん。……ありがとう、ジロー」
――シャルロットは、マキシマムスロットにメモリを挿入する。
――キカイダー! マキシマムドライブ!
<メガリバースマシン最上層>
一夏「戒斗……!」
戒斗「思いっ切りやれ。サポートはしてやる!」
一夏「ああ……!」
――ヒッサーツ・フルスロットル!
――スピード!!
シャル「僕は君とずっと一緒にいたい」
ジロー「……シャルロット。僕は」
シャル「大丈夫。分かってるよ」
――シャルロットは仮面の下に悲しみを隠していた。
シャル「お願いがあるんだ」
ジロー「……言ってくれ。僕にできることなら、何でも叶える」
シャル「だったら、がんばって」
ジロー「……?」
シャル「僕はメガリバースマシンを破壊する。そしたら、胸を張って君に言えることがあるんだ。……その言葉を君に聞いて欲しいから。僕がその言葉を口にできるまで、消えないで」
ジロー「分かった。約束する。君の言葉を聞くまで、僕は消えない」
シャル「うん。……ありがとう、ジロー」
――シャルロットは、マキシマムスロットにメモリを挿入する。
――キカイダー! マキシマムドライブ!
<メガリバースマシン最上層>
一夏「戒斗……!」
戒斗「思いっ切りやれ。サポートはしてやる!」
一夏「ああ……!」
――ヒッサーツ・フルスロットル!
――スピード!!
228: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:58:21.20 ID:tT95g/54o
<ユグドラシルタワー跡地>
――爆炎を噴き上げるメガリバースマシンから、二人の仮面ライダーが現れた。
一夏「これは……」
シャル「みんなの魂、かな……」
――空を見上げると、天に光の粒子が昇っていた。
――戦いの痕が残る広場には、怪人も、仮面ライダーもいない。
シャルロット「……」
――二人の仮面ライダーは変身を解いた。
――その手にはシフトスピード、あるいは「ARK/DARK」メモリが握られている。
一夏「シャル。……泣いてるのか?」
シャル「それは自分のことじゃない、一夏?」
一夏「そうかも」
シャル「……ふふっ」
一夏「すっきりしたって顔してるな」
シャル「……そうかもしれない」
シャル「一番大切な気持ちを、胸を張って言えたんだ」
――爆炎を噴き上げるメガリバースマシンから、二人の仮面ライダーが現れた。
一夏「これは……」
シャル「みんなの魂、かな……」
――空を見上げると、天に光の粒子が昇っていた。
――戦いの痕が残る広場には、怪人も、仮面ライダーもいない。
シャルロット「……」
――二人の仮面ライダーは変身を解いた。
――その手にはシフトスピード、あるいは「ARK/DARK」メモリが握られている。
一夏「シャル。……泣いてるのか?」
シャル「それは自分のことじゃない、一夏?」
一夏「そうかも」
シャル「……ふふっ」
一夏「すっきりしたって顔してるな」
シャル「……そうかもしれない」
シャル「一番大切な気持ちを、胸を張って言えたんだ」
229: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 18:59:53.57 ID:tT95g/54o
■終幕「仮面ライダーの帰還」
<映画館>
――『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』が上映されていた。
平成ライダーと昭和ライダーが手を取り合い、地下帝国バダンに立ち向かうシーンが流れている。
けれど。映像の中の仮面ライダーは『黒い人影』だった。
誰も“それ”が『仮面ライダー』だとは分からない。
――ロック・オープン
音声が鳴り響くと、スクリーンの中に『魂』が飛び込んでいった。
『魂』が『黒い人影』を“仮面ライダー”にする。
映画の中に、仮面ライダーが帰ってきた……!
――劇場には、「錠前」が開いたロックシードが転がっていた。
戒斗「赤と青の?」一夏「ヒッサーツ! マキシマムドライブ!」 了
<映画館>
――『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』が上映されていた。
平成ライダーと昭和ライダーが手を取り合い、地下帝国バダンに立ち向かうシーンが流れている。
けれど。映像の中の仮面ライダーは『黒い人影』だった。
誰も“それ”が『仮面ライダー』だとは分からない。
――ロック・オープン
音声が鳴り響くと、スクリーンの中に『魂』が飛び込んでいった。
『魂』が『黒い人影』を“仮面ライダー”にする。
映画の中に、仮面ライダーが帰ってきた……!
――劇場には、「錠前」が開いたロックシードが転がっていた。
戒斗「赤と青の?」一夏「ヒッサーツ! マキシマムドライブ!」 了
230: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:00:45.69 ID:tT95g/54o
以上になります。
平成対昭和の平成勝利END、昭和勝利END。どちらも、それぞれの陣営から見た映画全体のストーリーの縮図になっていて面白いですね。
平成対昭和は『オールライダー』と『ヒーローの資格とは何か?』という二つのコンセプトで造られる春映画シリーズの一作。
平成対昭和で提示されるヒーローの資格は『ヒーローは子供達の守護者』。だから一輪の花(=子供・シュウ)を守り抜いた鎧武は仮面ライダー(=ヒーロー)と認められました。
昭和勝利ENDでは、『(作中で子供を襲撃し続けていた)一号(昭和ライダー)は、そもそも鎧武(平成ライダー)に倒されることを望んでいた』と明かされます。
どうしてヒーローは子供達を守るのか?
それは、ヒーローに守られた子供がやがて大人になるというあたりまえのことに、大きな意味があるからでしょう。
本編(1~3スレ目)は『織斑一夏が仮面ライダーになるまでの物語』でしたが、お祭り編(4スレ目)は『織斑一夏とシャルロット・デュノアが大人になるまでの物語』でした。
ヒーローに守られた子供達がどんな大人になるのか。考えると、わくわくしてきますね。
さて。本編に突っ込めなかったNGシーンをいくつか投下したら、エピローグを投下してスレを終わらせます。
平成対昭和の平成勝利END、昭和勝利END。どちらも、それぞれの陣営から見た映画全体のストーリーの縮図になっていて面白いですね。
平成対昭和は『オールライダー』と『ヒーローの資格とは何か?』という二つのコンセプトで造られる春映画シリーズの一作。
平成対昭和で提示されるヒーローの資格は『ヒーローは子供達の守護者』。だから一輪の花(=子供・シュウ)を守り抜いた鎧武は仮面ライダー(=ヒーロー)と認められました。
昭和勝利ENDでは、『(作中で子供を襲撃し続けていた)一号(昭和ライダー)は、そもそも鎧武(平成ライダー)に倒されることを望んでいた』と明かされます。
どうしてヒーローは子供達を守るのか?
それは、ヒーローに守られた子供がやがて大人になるというあたりまえのことに、大きな意味があるからでしょう。
本編(1~3スレ目)は『織斑一夏が仮面ライダーになるまでの物語』でしたが、お祭り編(4スレ目)は『織斑一夏とシャルロット・デュノアが大人になるまでの物語』でした。
ヒーローに守られた子供達がどんな大人になるのか。考えると、わくわくしてきますね。
さて。本編に突っ込めなかったNGシーンをいくつか投下したら、エピローグを投下してスレを終わらせます。
231: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:01:59.88 ID:tT95g/54o
■NGシーン1「風麺」W編より
<風都・風麺>
――八人前の風麺オムライスセットが出てきた。
シャル「ほ、本当に五人分食べるんですか……?」
井坂「ええ」
ラウラ「その細身のどこに五人前も入るんだ……?」
霧彦「二人とも。せっかくのラーメンが伸びてしまうよ?」
ラウラ「そうだった! いただきます。……おお、なんだこのナルトは。まるで風都タワーの風車のようだ!」
霧彦「そう! それこそが風麺が風都名物たる由縁さ!」
ラウラ「なるほど!」
シャル(このオムライス……。『Fu-To』って文字をハートマークで囲ってるけど、もしかして『ラブ風都』って読めばいいのかな……?)
■NG理由 構成変更
<風都・風麺>
――八人前の風麺オムライスセットが出てきた。
シャル「ほ、本当に五人分食べるんですか……?」
井坂「ええ」
ラウラ「その細身のどこに五人前も入るんだ……?」
霧彦「二人とも。せっかくのラーメンが伸びてしまうよ?」
ラウラ「そうだった! いただきます。……おお、なんだこのナルトは。まるで風都タワーの風車のようだ!」
霧彦「そう! それこそが風麺が風都名物たる由縁さ!」
ラウラ「なるほど!」
シャル(このオムライス……。『Fu-To』って文字をハートマークで囲ってるけど、もしかして『ラブ風都』って読めばいいのかな……?)
■NG理由 構成変更
232: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:02:57.54 ID:tT95g/54o
■NGシーン2「お約束」大戦編より
<メガリバースマシン前>
――オールライダーの前で、戦極凌馬がふんぞり返っていた。
翔太郎「どうしてこんなことになったのか本当に分かってんのかよ!」
凌馬「どうしてこんなことになったか……か」
凌馬「仮面ライダーを全滅させ!」
凌馬「怪人達を蘇らせた!」
凌馬「天才のせいだ!」
凌馬「……フフッ」
凌馬「そうだ! 全部私のせいだ! オールライダー、全部私のせいだよ! ハハハハハハハハハハッ!」
翔太郎「こ、この野郎……!」
■NG理由 翔太郎の出番が無くなったから
<メガリバースマシン前>
――オールライダーの前で、戦極凌馬がふんぞり返っていた。
翔太郎「どうしてこんなことになったのか本当に分かってんのかよ!」
凌馬「どうしてこんなことになったか……か」
凌馬「仮面ライダーを全滅させ!」
凌馬「怪人達を蘇らせた!」
凌馬「天才のせいだ!」
凌馬「……フフッ」
凌馬「そうだ! 全部私のせいだ! オールライダー、全部私のせいだよ! ハハハハハハハハハハッ!」
翔太郎「こ、この野郎……!」
■NG理由 翔太郎の出番が無くなったから
233: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:04:05.51 ID:tT95g/54o
■NGシーン3「翔太郎突っ込み劇場」大戦編より
――仮面ライダーが復活した!
――全ての主役ライダーが並び立つ!
W(翔太郎)「あれ……?」
W(フィリップ)「どうしたんだい、翔太郎」
W(翔太郎)「何か多くねえか? ……その、龍騎が」
龍騎「……」
ナイト「……」
ゾルダ「……」
王蛇「……」
龍騎「え!?」
ナイト「すまん龍騎。遅くなった」
ゾルダ「大丈夫か? 龍騎」
王蛇「俺達がついている!」
龍騎「あれ……? みんな、何か変だよ……」
龍騎「あ!? だいたい、浅倉! お前悪い奴じゃなかったのか!」
王蛇「何を言っているんだ龍騎。俺達の使命を忘れたのか」
龍騎「え!?」
ナイト「俺達は人間の」
ゾルダ「自由と」
王蛇「平和を守る」
ナイト・ゾルダ・王蛇「「「仮面ライダーだ!」」」
龍騎「えっ」
王蛇「みんな……。行くぞ!」
ナイト・ゾルダ「「おう!」」
龍騎「なーんかちょっと変なんだけどなー……。ま、いっか」
龍騎「よっしゃ! 俺も戦うぞ!!」
W(翔太郎)「な、何だありゃ……」
W(フィリップ)「閲覧が完了した。どうやら彼らはハイパーバトルビデオの世界から来たようだ」
W(翔太郎)「は、ハイパーバトルビデオ……?」
ディケイド「ここがハイパーバトルビデオの世界か……」
W(翔太郎)「ノゥッ! お前までボケんなよディケイド!? 収拾つかなくなるだろ!」
スカル「ぎゃあぎゃあ騒ぐな翔太郎。男の価値が下がるぜ」
W(翔太郎)「おやっさん!?」
■NG理由 ハイパーバトルビデオの世界とか言い出すと物語の前提が全部壊れそうだったから
――仮面ライダーが復活した!
――全ての主役ライダーが並び立つ!
W(翔太郎)「あれ……?」
W(フィリップ)「どうしたんだい、翔太郎」
W(翔太郎)「何か多くねえか? ……その、龍騎が」
龍騎「……」
ナイト「……」
ゾルダ「……」
王蛇「……」
龍騎「え!?」
ナイト「すまん龍騎。遅くなった」
ゾルダ「大丈夫か? 龍騎」
王蛇「俺達がついている!」
龍騎「あれ……? みんな、何か変だよ……」
龍騎「あ!? だいたい、浅倉! お前悪い奴じゃなかったのか!」
王蛇「何を言っているんだ龍騎。俺達の使命を忘れたのか」
龍騎「え!?」
ナイト「俺達は人間の」
ゾルダ「自由と」
王蛇「平和を守る」
ナイト・ゾルダ・王蛇「「「仮面ライダーだ!」」」
龍騎「えっ」
王蛇「みんな……。行くぞ!」
ナイト・ゾルダ「「おう!」」
龍騎「なーんかちょっと変なんだけどなー……。ま、いっか」
龍騎「よっしゃ! 俺も戦うぞ!!」
W(翔太郎)「な、何だありゃ……」
W(フィリップ)「閲覧が完了した。どうやら彼らはハイパーバトルビデオの世界から来たようだ」
W(翔太郎)「は、ハイパーバトルビデオ……?」
ディケイド「ここがハイパーバトルビデオの世界か……」
W(翔太郎)「ノゥッ! お前までボケんなよディケイド!? 収拾つかなくなるだろ!」
スカル「ぎゃあぎゃあ騒ぐな翔太郎。男の価値が下がるぜ」
W(翔太郎)「おやっさん!?」
■NG理由 ハイパーバトルビデオの世界とか言い出すと物語の前提が全部壊れそうだったから
234: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:06:55.50 ID:tT95g/54o
■NGシーン4「園崎家集合」
――仮面ライダーWは、怪人に囲まれて大ピンチに陥っていた!
W(翔太郎)「フィリップ。……どうする?」
W(フィリップ)「厳しい状況だが、一つ一つ対処しよう。まずはルナ――」
――怪人が仮面ライダーWに襲いかかる!
「ハッハッハッハッハッハッハ!」
――突如として滲み出た“恐怖”が、怪人を飲み込んだ。
W(フィリップ)「と、父さん……!?」
――銃弾が怪人を撃つ!
W(フィリップ)「母さん!」
――クレイドール・ドーパントが怪人を殴り倒した!
W(フィリップ)「若菜姉さん……!」
若菜「来人。よくがんばったわね」
W(フィリップ)「え……?」
若菜「あなたの戦い。星の中からずっと見ていたわ。あなたはがんばったわ、来人」
W(フィリップ)「姉さん……」
琉兵衛「来人。この星を守るための戦い、私達家族はお前と共に戦おう」
W(フィリップ)「……はい!」
W(翔太郎)「……ぐすっ」
W(フィリップ)「泣いているのかい、翔太郎?」
W(翔太郎)「そ、そんなことねえよ! ……良かったなぁ、フィリップ」
W(フィリップ)「ああ……」
――戦士達の気が緩んだ隙を狙って、怪人が襲いかかる!
W(翔太郎)「しま……っ」
――スカル・マキシマムドライブ!
――横合いから飛び込んできた銃撃が、怪人を蹴散らした!
W(翔太郎)「おやっさん!?」
スカル「まったく……。帽子の似合う男になったと思ったのは、俺の勘違いだったか?」
W(翔太郎)「……!」
スカル「俺の背中を任せてやる。もうボサッとすんじゃねえぞ?」
W(翔太郎)「は……はい!」
W(フィリップ)「ところで冴子姉さんは……?」
若菜「あっちで、霧彦さんと井坂先生と修羅場中だわ」
■NG理由 翔太郎の出番が無くなった
――仮面ライダーWは、怪人に囲まれて大ピンチに陥っていた!
W(翔太郎)「フィリップ。……どうする?」
W(フィリップ)「厳しい状況だが、一つ一つ対処しよう。まずはルナ――」
――怪人が仮面ライダーWに襲いかかる!
「ハッハッハッハッハッハッハ!」
――突如として滲み出た“恐怖”が、怪人を飲み込んだ。
W(フィリップ)「と、父さん……!?」
――銃弾が怪人を撃つ!
W(フィリップ)「母さん!」
――クレイドール・ドーパントが怪人を殴り倒した!
W(フィリップ)「若菜姉さん……!」
若菜「来人。よくがんばったわね」
W(フィリップ)「え……?」
若菜「あなたの戦い。星の中からずっと見ていたわ。あなたはがんばったわ、来人」
W(フィリップ)「姉さん……」
琉兵衛「来人。この星を守るための戦い、私達家族はお前と共に戦おう」
W(フィリップ)「……はい!」
W(翔太郎)「……ぐすっ」
W(フィリップ)「泣いているのかい、翔太郎?」
W(翔太郎)「そ、そんなことねえよ! ……良かったなぁ、フィリップ」
W(フィリップ)「ああ……」
――戦士達の気が緩んだ隙を狙って、怪人が襲いかかる!
W(翔太郎)「しま……っ」
――スカル・マキシマムドライブ!
――横合いから飛び込んできた銃撃が、怪人を蹴散らした!
W(翔太郎)「おやっさん!?」
スカル「まったく……。帽子の似合う男になったと思ったのは、俺の勘違いだったか?」
W(翔太郎)「……!」
スカル「俺の背中を任せてやる。もうボサッとすんじゃねえぞ?」
W(翔太郎)「は……はい!」
W(フィリップ)「ところで冴子姉さんは……?」
若菜「あっちで、霧彦さんと井坂先生と修羅場中だわ」
■NG理由 翔太郎の出番が無くなった
235: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:07:50.04 ID:tT95g/54o
■NGシーン5「帽子を継ぐ者」
<ユグドラシルタワー跡地>
――魂が天に昇っていく。
――仮面ライダーWサクロンジョーカーエクスリトームは、シャルロットの前に立つと変身を解いた。
翔太郎「お前が新しい風都の仮面ライダーか」
――翔太郎は帽子を取ると、キカイダーフォームのシャルロットの頭に被せてやる。
翔太郎「似合う男になれ」
フィリップ「……」
フィリップ「翔太郎。その子、女の子だよ?」
翔太郎「えっ」
フィリップ「やれやれ。君は本当に決まらない男だねぇ……」
ミック「翔太郎は完成されたハーフボイルドだからな」
翔太郎「誰がハー…………ミック!?」
■NG理由 翔太郎の出番が(ry
<ユグドラシルタワー跡地>
――魂が天に昇っていく。
――仮面ライダーWサクロンジョーカーエクスリトームは、シャルロットの前に立つと変身を解いた。
翔太郎「お前が新しい風都の仮面ライダーか」
――翔太郎は帽子を取ると、キカイダーフォームのシャルロットの頭に被せてやる。
翔太郎「似合う男になれ」
フィリップ「……」
フィリップ「翔太郎。その子、女の子だよ?」
翔太郎「えっ」
フィリップ「やれやれ。君は本当に決まらない男だねぇ……」
ミック「翔太郎は完成されたハーフボイルドだからな」
翔太郎「誰がハー…………ミック!?」
■NG理由 翔太郎の出番が(ry
236: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:08:52.45 ID:tT95g/54o
■NGシーン6「どこまでも迷惑なプロフェッサー」バロン編より
<夜・学生寮・1025室>
織斑一夏の枕元に、戦極凌馬が立っていた。
一夏「あんた、何やってんだよ……」
凌馬「か・な・し・ば・り。動けないだろう?」
一夏「……!? う、うわ、本当だ!?」
凌馬「フフッ。一度やってみたかったんだよねぇ、金縛り。ハハハハハッ!」
一夏「……。幽霊になってまで迷惑な……」
凌馬「君、驚かないんだねえ」
一夏「前に猫又見たからなぁ」
凌馬「なるほどなるほど。でも、驚いてくれよ」
凌馬「何せ。もうすぐ、世界がひっくり返るんだからさ」
一夏「……」
一夏「えっ」
凌馬「ほら、私って優秀だろ? だから切り札を用意していたんだ」
一夏「え。えっ。え? え? え?」
凌馬「かつて死者の国“バダン”は生者と死者の世界を反転しようとした! 特殊な能力を持った少年と、メガリバースマシンというシステムを使ってね」
凌馬「私はそれに目を付けた」
凌馬「“もしも敗北しても、メガリバースマシンで生者と死者を入れ替えればリトライできる”とね」
一夏「あ、あんた、何を……」
凌馬「疑似的なループだよ。生者と死者を入れ替え、世界を過去の状態に戻し……もう一度やり直すのさ」
凌馬「いやあ。ニューロマンサーを読んでから電脳世界にジャックインしたかったんだが……。それを実現したとなると、ループもやってみたくなるだろう? 私はSFが大好きなんだ」
一夏「……くっそ。金縛りにあってなきゃぶん殴ってやったのに!」
凌馬「おお、怖い怖い。駆紋戒斗の拳は重かったけど、君の拳も痛いからね」
凌馬「まあ、単純に言えば」
凌馬「これから起こる事件。君が味わう悲しみ。それは――全部私のせいだ。ハハハハハッ! 織斑君、全部私のせいだよ! ハハハハハッ!!」
一夏「……ぶん殴る。あんた、絶対ぶん殴る!!」
■NG理由 構成が変わった
<夜・学生寮・1025室>
織斑一夏の枕元に、戦極凌馬が立っていた。
一夏「あんた、何やってんだよ……」
凌馬「か・な・し・ば・り。動けないだろう?」
一夏「……!? う、うわ、本当だ!?」
凌馬「フフッ。一度やってみたかったんだよねぇ、金縛り。ハハハハハッ!」
一夏「……。幽霊になってまで迷惑な……」
凌馬「君、驚かないんだねえ」
一夏「前に猫又見たからなぁ」
凌馬「なるほどなるほど。でも、驚いてくれよ」
凌馬「何せ。もうすぐ、世界がひっくり返るんだからさ」
一夏「……」
一夏「えっ」
凌馬「ほら、私って優秀だろ? だから切り札を用意していたんだ」
一夏「え。えっ。え? え? え?」
凌馬「かつて死者の国“バダン”は生者と死者の世界を反転しようとした! 特殊な能力を持った少年と、メガリバースマシンというシステムを使ってね」
凌馬「私はそれに目を付けた」
凌馬「“もしも敗北しても、メガリバースマシンで生者と死者を入れ替えればリトライできる”とね」
一夏「あ、あんた、何を……」
凌馬「疑似的なループだよ。生者と死者を入れ替え、世界を過去の状態に戻し……もう一度やり直すのさ」
凌馬「いやあ。ニューロマンサーを読んでから電脳世界にジャックインしたかったんだが……。それを実現したとなると、ループもやってみたくなるだろう? 私はSFが大好きなんだ」
一夏「……くっそ。金縛りにあってなきゃぶん殴ってやったのに!」
凌馬「おお、怖い怖い。駆紋戒斗の拳は重かったけど、君の拳も痛いからね」
凌馬「まあ、単純に言えば」
凌馬「これから起こる事件。君が味わう悲しみ。それは――全部私のせいだ。ハハハハハッ! 織斑君、全部私のせいだよ! ハハハハハッ!!」
一夏「……ぶん殴る。あんた、絶対ぶん殴る!!」
■NG理由 構成が変わった
237: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:09:58.44 ID:tT95g/54o
■NGシーン7「赦し」大戦編より
<沢芽市・市街>
――束と千冬が、怪人達に取り囲まれていた。
千冬「……束。《白式》は、一夏以外も使えるか?」
束「いっくん以外には使えないように調整しちゃったから、ダメだね」
千冬「なら、気合いで何とかするしかないか……」
――怪人達が二人に襲いかかる!
「その子達に手を出すな!」
――クルミ・スパーキング!
――クルミ型のエネルギー波が、怪人達を薙ぎ倒す!
千冬「あなたは……」
――助けに飛び込んできた仮面ライダーは、変身を解く。
――そして、千冬の頭に手を乗せた。
「大きくなったな」
千冬「……子供扱いしないでくれ。私ももう24歳だ」
「孫扱いだ」
千冬「むう……」
束「あ……。ああ……」
――“その人”は、今度は束の頭に手を乗せる。
「分かってる。……辛かったね、束ちゃん」
束「あ……」
束「…………」
束「ごめんなさい……」
「ああ。……大丈夫。俺が許すよ」
束「ふぇ……」
――束は、少女のように泣きじゃくってしまう。
――“その人”の手は、大きくて、あたたかかった。
■NG理由 一夏とシャルロットがISを使用するシーンが削除されたから
<沢芽市・市街>
――束と千冬が、怪人達に取り囲まれていた。
千冬「……束。《白式》は、一夏以外も使えるか?」
束「いっくん以外には使えないように調整しちゃったから、ダメだね」
千冬「なら、気合いで何とかするしかないか……」
――怪人達が二人に襲いかかる!
「その子達に手を出すな!」
――クルミ・スパーキング!
――クルミ型のエネルギー波が、怪人達を薙ぎ倒す!
千冬「あなたは……」
――助けに飛び込んできた仮面ライダーは、変身を解く。
――そして、千冬の頭に手を乗せた。
「大きくなったな」
千冬「……子供扱いしないでくれ。私ももう24歳だ」
「孫扱いだ」
千冬「むう……」
束「あ……。ああ……」
――“その人”は、今度は束の頭に手を乗せる。
「分かってる。……辛かったね、束ちゃん」
束「あ……」
束「…………」
束「ごめんなさい……」
「ああ。……大丈夫。俺が許すよ」
束「ふぇ……」
――束は、少女のように泣きじゃくってしまう。
――“その人”の手は、大きくて、あたたかかった。
■NG理由 一夏とシャルロットがISを使用するシーンが削除されたから
238: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:10:44.12 ID:tT95g/54o
■NGシーン8「やったぜ!」大戦編より
――ファイズのライダーキックが怪人を倒した。
ファイズ「……」
――ファイズは、
ファイズ「やったぜ!」
――と、喜んだ。
W(翔太郎)「きゃ、キャラ違くないか……?」
W(フィリップ)「閲覧が完了した。あれは、やったぜたっくんだね」
W(翔太郎)「やったぜ? え? え?」
W(フィリップ)「ゲーム版だよ」
W(翔太郎)「え……?」
■NG理由 ゲーム版の話は分かんねぇよなぁ……。
――ファイズのライダーキックが怪人を倒した。
ファイズ「……」
――ファイズは、
ファイズ「やったぜ!」
――と、喜んだ。
W(翔太郎)「きゃ、キャラ違くないか……?」
W(フィリップ)「閲覧が完了した。あれは、やったぜたっくんだね」
W(翔太郎)「やったぜ? え? え?」
W(フィリップ)「ゲーム版だよ」
W(翔太郎)「え……?」
■NG理由 ゲーム版の話は分かんねぇよなぁ……。
239: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:12:07.38 ID:tT95g/54o
■NGシーン9「例のアレ」大戦編より
<メガリバースマシンの攻防>
――平成ライダーの猛攻に、怪人達は押し込まれていた。
ハカイダー「こうなったら……!」
――ハカイダーがマッハドライバーを叩く。
ハカイダー「重加速、発動……!」
――重加速粒子が散布される……!
W(フィリップ)「これは……。カブト、クロックアップだ!」
カブト「何? ――クロックアップ」
――重加速粒子の中、カブトがクロックアップを発動する!
――戦闘領域は、重加速粒子とタキオン粒子が混在するセカイとなった……!
ハカイダー「こ、これは……っ!?」
そ の 時 不 思 議 な こ と が 起 こ っ た !
W(翔太郎)「何じゃこりゃー!?」
W(フィリップ)「知らないのかい翔太郎? 世界の法則が乱れると、RXが来るんだよ」
■NG理由 ゴルゴムの仕業だ!
<メガリバースマシンの攻防>
――平成ライダーの猛攻に、怪人達は押し込まれていた。
ハカイダー「こうなったら……!」
――ハカイダーがマッハドライバーを叩く。
ハカイダー「重加速、発動……!」
――重加速粒子が散布される……!
W(フィリップ)「これは……。カブト、クロックアップだ!」
カブト「何? ――クロックアップ」
――重加速粒子の中、カブトがクロックアップを発動する!
――戦闘領域は、重加速粒子とタキオン粒子が混在するセカイとなった……!
ハカイダー「こ、これは……っ!?」
そ の 時 不 思 議 な こ と が 起 こ っ た !
W(翔太郎)「何じゃこりゃー!?」
W(フィリップ)「知らないのかい翔太郎? 世界の法則が乱れると、RXが来るんだよ」
■NG理由 ゴルゴムの仕業だ!
240: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:12:59.07 ID:tT95g/54o
■NGシーン10「feat.スーパー戦隊」大戦編より
<メガリバースマシンの攻防>
ハカイダー「仮面ライダー! 世界中に怪人が散らばったんだ。君達だけでは人々を守りきれまい!」
紘汰「くっ……。どうすればいいんだ……」
「ヒーローは仮面ライダーだけじゃないよ!」
紘汰「お、お前達は……!?」
――そこには、五人の老人がいた!
「「「「「トッキューチェンジ!」」」」」
――トッキュー1号 トッキュー1号
――トッキュー2号 トッキュー2号
――トゥキュー3号 トッキュー3号
――トッキュー4号 トッキュー4号
――トッキュー5号 トッキュー5号
「「「「「勝利のイマジネーション! 列車戦隊トッキュージャー!!」」」」」
紘汰「トッキュージャー!? まさか……ライト!?」
ライト「ああ! 助けに来たよ、紘汰!」
紘汰「どうして……」
ライト「だって。俺達、仲間だろ?」
紘汰「……ッ。ああ!」
■NG理由 紘汰さんがいれば物量戦はどうにでもなると気づいてしまったから
<メガリバースマシンの攻防>
ハカイダー「仮面ライダー! 世界中に怪人が散らばったんだ。君達だけでは人々を守りきれまい!」
紘汰「くっ……。どうすればいいんだ……」
「ヒーローは仮面ライダーだけじゃないよ!」
紘汰「お、お前達は……!?」
――そこには、五人の老人がいた!
「「「「「トッキューチェンジ!」」」」」
――トッキュー1号 トッキュー1号
――トッキュー2号 トッキュー2号
――トゥキュー3号 トッキュー3号
――トッキュー4号 トッキュー4号
――トッキュー5号 トッキュー5号
「「「「「勝利のイマジネーション! 列車戦隊トッキュージャー!!」」」」」
紘汰「トッキュージャー!? まさか……ライト!?」
ライト「ああ! 助けに来たよ、紘汰!」
紘汰「どうして……」
ライト「だって。俺達、仲間だろ?」
紘汰「……ッ。ああ!」
■NG理由 紘汰さんがいれば物量戦はどうにでもなると気づいてしまったから
241: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:13:51.82 ID:tT95g/54o
■NGシーン11「バラを咥えた男」大戦編より
――平成ライダーのピンチに、昭和ライダーがかけつけた!
紘汰「あれは! 一号! 二号! V3!」
一号「……」
二号「……」
V3「……」
三号「……」
紘汰「……あれ? 一人多くないか?」
三号「……」
紘汰「あ。映画の宣伝に来た」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
紘汰「喋らないのは、まだキャラがよく分からないから?」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
紘汰「バラを咥えてるのは、中の人補正?」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
三号「……」
紘汰「お、おい。もう帰っちゃうのかよ!」
三号「……」
紘汰「え? これから映画の試写会? ……そ、そっか。じゃあしょうがないな」
――仮面ライダー三号は去っていった。
■NG理由 ギャグやる隙間が無かった
――平成ライダーのピンチに、昭和ライダーがかけつけた!
紘汰「あれは! 一号! 二号! V3!」
一号「……」
二号「……」
V3「……」
三号「……」
紘汰「……あれ? 一人多くないか?」
三号「……」
紘汰「あ。映画の宣伝に来た」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
紘汰「喋らないのは、まだキャラがよく分からないから?」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
紘汰「バラを咥えてるのは、中の人補正?」
――仮面ライダー三号は力強く頷いた。
三号「……」
紘汰「お、おい。もう帰っちゃうのかよ!」
三号「……」
紘汰「え? これから映画の試写会? ……そ、そっか。じゃあしょうがないな」
――仮面ライダー三号は去っていった。
■NG理由 ギャグやる隙間が無かった
242: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:14:40.23 ID:tT95g/54o
■NGシーン12「紘汰と戒斗」大戦編より
戒斗「ふん」
紘汰「え……? え? え? え? ちょ、ちょちょちょ!? な、何でベルトから戒斗の声が!?」
戒斗「見ての通りだ。俺はこいつのベルトになった」
紘汰「……」
戒斗「……」
紘汰「そっか。……お前も変身できたんだな」
戒斗「その気色悪いニヤケ面を止めろ!」
■NG理由 入れるタイミングが無かった
戒斗「ふん」
紘汰「え……? え? え? え? ちょ、ちょちょちょ!? な、何でベルトから戒斗の声が!?」
戒斗「見ての通りだ。俺はこいつのベルトになった」
紘汰「……」
戒斗「……」
紘汰「そっか。……お前も変身できたんだな」
戒斗「その気色悪いニヤケ面を止めろ!」
■NG理由 入れるタイミングが無かった
243: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:15:24.22 ID:tT95g/54o
■NGシーン13「紘汰と戒斗2」大戦編より
紘汰「よし! あとはあいつだけだな!」
戒斗「葛葉」
紘汰「何だよ?」
戒斗「空気を読め。出しゃばるな」
紘汰「……か、戒斗に……戒斗に空気を読めって言われた……」
戒斗「俺達の時代は終わったんだ」
紘汰「……そっか。そうだよな」
――紘汰は新しい仮面ライダー達に向き直る。
紘汰「あとは任せたぜ!」
■NG理由 構成が変わった
紘汰「よし! あとはあいつだけだな!」
戒斗「葛葉」
紘汰「何だよ?」
戒斗「空気を読め。出しゃばるな」
紘汰「……か、戒斗に……戒斗に空気を読めって言われた……」
戒斗「俺達の時代は終わったんだ」
紘汰「……そっか。そうだよな」
――紘汰は新しい仮面ライダー達に向き直る。
紘汰「あとは任せたぜ!」
■NG理由 構成が変わった
244: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:15:51.23 ID:tT95g/54o
以上になります。
さて。エピローグを投下いたします。
さて。エピローグを投下いたします。
245: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:17:04.72 ID:tT95g/54o
■終幕「SUPER∞STREAM」
<風都・風車の孤児院>
――シャルロットとラウラは、孤児院を訪ねていた。
シャル「お話があります」
院長「何でしょう?」
シャル「……」
――シャルロットは、院長に『ロストドライバー』を見せた。
シャル「僕がこの街の仮面ライダーになります」
ラウラ「シャルロット。僕達が、だ」
――ラウラは、霧彦から託されたふうとくんを掲げた。
シャル「……うん。そうだね」
院長「……」
――院長は、二人のやり取りに微笑みをにじませた。
院長「一つ、聞きたいことがあります」
シャル「……はい」
院長「私がそのベルトを託した人は、立派でしたか?」
ラウラ「はい、霧彦は立派に戦いました。……彼のこの街への愛は、奇跡を起こすほどに本物でした」
院長「そうですか……」
――院長は、壁にかけた“兄妹の絵”に視線を送る。
院長「私には兄がいました。……ずっと、その存在を忘れていましたが……」
院長「……」
――院長は、シャルロットとラウラに向き直った。
院長「ありがとうございます。おかげで“昨日”を取り戻すことができました」
院長「そして――」
院長「これからこの街をよろしくお願いします。小さな探偵さん達」
シャル・ラウラ「……はい!」
<風都・風車の孤児院>
――シャルロットとラウラは、孤児院を訪ねていた。
シャル「お話があります」
院長「何でしょう?」
シャル「……」
――シャルロットは、院長に『ロストドライバー』を見せた。
シャル「僕がこの街の仮面ライダーになります」
ラウラ「シャルロット。僕達が、だ」
――ラウラは、霧彦から託されたふうとくんを掲げた。
シャル「……うん。そうだね」
院長「……」
――院長は、二人のやり取りに微笑みをにじませた。
院長「一つ、聞きたいことがあります」
シャル「……はい」
院長「私がそのベルトを託した人は、立派でしたか?」
ラウラ「はい、霧彦は立派に戦いました。……彼のこの街への愛は、奇跡を起こすほどに本物でした」
院長「そうですか……」
――院長は、壁にかけた“兄妹の絵”に視線を送る。
院長「私には兄がいました。……ずっと、その存在を忘れていましたが……」
院長「……」
――院長は、シャルロットとラウラに向き直った。
院長「ありがとうございます。おかげで“昨日”を取り戻すことができました」
院長「そして――」
院長「これからこの街をよろしくお願いします。小さな探偵さん達」
シャル・ラウラ「……はい!」
246: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:18:40.47 ID:tT95g/54o
<沢芽市・花畑の海岸>
――花畑の前に、紘汰と仮面ライダーブレイドがいた。
ブレイド「あの時の花が……」
紘汰「ああ。この花畑だ!」
――仮面ライダー達は、感慨深げに花畑を見つめていた。
紘汰「……そっちはこれからどうするんだ?」
ブレイド「戦い続けるよ。……運命と」
紘汰「そっか。長い戦いになりそうだな……」
ブレイド「大丈夫。……未来は、悲しみが終わる場所だから」
――花畑を見つめるブレイドの声は、穏やかだった。
――花畑の前に、紘汰と仮面ライダーブレイドがいた。
ブレイド「あの時の花が……」
紘汰「ああ。この花畑だ!」
――仮面ライダー達は、感慨深げに花畑を見つめていた。
紘汰「……そっちはこれからどうするんだ?」
ブレイド「戦い続けるよ。……運命と」
紘汰「そっか。長い戦いになりそうだな……」
ブレイド「大丈夫。……未来は、悲しみが終わる場所だから」
――花畑を見つめるブレイドの声は、穏やかだった。
247: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:20:00.65 ID:tT95g/54o
<IS学園・1年1組>
――教室は煌びやかに飾り付けられていた。
――複数の机を合わせてテーブルクロスをかけたテーブルには、お菓子とケーキが並べられている。
――かつて自分が使っていた机に置かれた戒斗は、セントラルフェイスに微妙な表情を映していた。
戒斗「何のつもりだ」
一夏「すぐに分かるよ。みんなが揃うまでちょっと待っててくれ」
戒斗「……」
――戒斗は教室を見渡した。
――教室の一角では、商談が進められていた。
シネマ「60だ! これ以上はない!」
クラスメイト3「ハッピバースデイ! 私達の契約……」
シネマ(箱の中から『60%』と書かれたケーキが出てきた……だと……!?)
クラスメイト1「あいつら何やってんだ?」
クラスメイト2「どうやらまた映画を作るらしい」
クラスメイト1「仮面ライダーのか?」
クラスメイト2「ああ。――そして主演は私だ!」
クラスメイト1「なん……だと……」
クラスメイト2「私は仮面ライダー役においても頂点に立つ女だ!」
クラスメイト1「ま、まじかー……」
シネマ「では! 私はそろそろお暇させてもらおう!」
シネマ「子供達よ! 映画館でまた会おう!」
――ステッキを打ち鳴らすと、シネマは忽然と姿を消していた。
千冬「テトラ座の怪人……」
一夏「知っているのか千冬姉!?」
千冬「じいさんから聞いたことがある。確か、五十年前にじいさん達が建て直した劇場がテトラ座だったはずだ」
戒斗「……」
千冬「あの怪人。もしかしたら仮面ライダーに五十年前の恩を返しに来たのかもしれないな……」
一夏「そうだったのか……」
――感慨深げに呟く一夏だった。
――教室は煌びやかに飾り付けられていた。
――複数の机を合わせてテーブルクロスをかけたテーブルには、お菓子とケーキが並べられている。
――かつて自分が使っていた机に置かれた戒斗は、セントラルフェイスに微妙な表情を映していた。
戒斗「何のつもりだ」
一夏「すぐに分かるよ。みんなが揃うまでちょっと待っててくれ」
戒斗「……」
――戒斗は教室を見渡した。
――教室の一角では、商談が進められていた。
シネマ「60だ! これ以上はない!」
クラスメイト3「ハッピバースデイ! 私達の契約……」
シネマ(箱の中から『60%』と書かれたケーキが出てきた……だと……!?)
クラスメイト1「あいつら何やってんだ?」
クラスメイト2「どうやらまた映画を作るらしい」
クラスメイト1「仮面ライダーのか?」
クラスメイト2「ああ。――そして主演は私だ!」
クラスメイト1「なん……だと……」
クラスメイト2「私は仮面ライダー役においても頂点に立つ女だ!」
クラスメイト1「ま、まじかー……」
シネマ「では! 私はそろそろお暇させてもらおう!」
シネマ「子供達よ! 映画館でまた会おう!」
――ステッキを打ち鳴らすと、シネマは忽然と姿を消していた。
千冬「テトラ座の怪人……」
一夏「知っているのか千冬姉!?」
千冬「じいさんから聞いたことがある。確か、五十年前にじいさん達が建て直した劇場がテトラ座だったはずだ」
戒斗「……」
千冬「あの怪人。もしかしたら仮面ライダーに五十年前の恩を返しに来たのかもしれないな……」
一夏「そうだったのか……」
――感慨深げに呟く一夏だった。
248: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:21:26.54 ID:tT95g/54o
――鈴と箒は、教卓に置かれた“それ”を肴にセシリアと雑談していた。
鈴「しっかし。こんなちっちゃいものをよく見つけられたわよねぇ……。海の中で」
セシリア「愛の力ですわ!」
箒「言い切った!?」
鈴「あんたほんと強いわねー……」
セシリア「戒斗さんとの未来をこの手で掴みとるには、強くなくてはなりませんもの!」
セシリア「そう!」
――セシリアはスクリーンに『設計図』を投影した。
箒「こ、これは何だ……?」
鈴「戒斗の……人形……?」
セシリア「1/1(いちいち)リアルスケール・戒斗さんですわ!」
箒「何だこれは!?」
セシリア「これにはドライブドライバーとの連動機能を付けます。これが戒斗さんの新たなボディになりますの!」
鈴「何のためにそんなことを!?」
セシリア「いちゃいちゃするためですわ」
鈴「いちゃいちゃ」
セシリア「あと、一緒にお料理をしますわ」
箒「一緒にお料理」
一夏「……」
戒斗「……」
一夏「……戒斗。お前、なんていうか、大変だな」
戒斗「……」
――セントラルフェイスに、難しい表情が映った。
鈴「しっかし。こんなちっちゃいものをよく見つけられたわよねぇ……。海の中で」
セシリア「愛の力ですわ!」
箒「言い切った!?」
鈴「あんたほんと強いわねー……」
セシリア「戒斗さんとの未来をこの手で掴みとるには、強くなくてはなりませんもの!」
セシリア「そう!」
――セシリアはスクリーンに『設計図』を投影した。
箒「こ、これは何だ……?」
鈴「戒斗の……人形……?」
セシリア「1/1(いちいち)リアルスケール・戒斗さんですわ!」
箒「何だこれは!?」
セシリア「これにはドライブドライバーとの連動機能を付けます。これが戒斗さんの新たなボディになりますの!」
鈴「何のためにそんなことを!?」
セシリア「いちゃいちゃするためですわ」
鈴「いちゃいちゃ」
セシリア「あと、一緒にお料理をしますわ」
箒「一緒にお料理」
一夏「……」
戒斗「……」
一夏「……戒斗。お前、なんていうか、大変だな」
戒斗「……」
――セントラルフェイスに、難しい表情が映った。
249: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:23:09.18 ID:tT95g/54o
――教室の戸が引かれた。
シャル「ごめーん!」
ラウラ「すまない、待たせた」
――シャルロットとラウラは教室に入ると“それ”を教卓に置いた。
鈴「用事はもう済んだの?」
シャル「うん! ……本番は、これからだけどね」
ラウラ「まずは風都に事務所を借りるところからだな」
箒「……いったい何をしようとしているんだ?」
セシリア「それよりみなさん! 始めますわよ!」
クラスメイト1「みんな、準備はいいか!」
クラスメイト2「もちろんだ!」
クラスメイト3「ああ!」
「「「織斑君、お願い!」」」
一夏「おー! それじゃ、俺が合図するぞー!!」
戒斗「ん……?」
――みんなが戒斗に向き直る。
――セントラルフェイスに、訝しげな表情が映った。
――その顔に、一夏は悪戯な笑みを浮かべる。
一夏「せーの! ……戒斗!!」
「「「「「おかえり!!」」」」」
戒斗「……」
――戒斗は、セントラルフェイスの電源を落として表情を隠した。
戒斗「……ただいま。と言っておいてやろう」
一夏「素直じゃない奴! そーれ、みんなかかれー!!」
戒斗「何をする気だ……!?」
「「「「「わー!!」」」」」
――みんなが一斉に飛びかかり、戒斗を揉みくちゃにした……!
――駆紋戒斗と、IS学園の生徒達。
――騒がしいその姿を、
――教卓におかれた七体のふうとくんが見守っていた。
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スカッシュ!」シリーズ 了
シャル「ごめーん!」
ラウラ「すまない、待たせた」
――シャルロットとラウラは教室に入ると“それ”を教卓に置いた。
鈴「用事はもう済んだの?」
シャル「うん! ……本番は、これからだけどね」
ラウラ「まずは風都に事務所を借りるところからだな」
箒「……いったい何をしようとしているんだ?」
セシリア「それよりみなさん! 始めますわよ!」
クラスメイト1「みんな、準備はいいか!」
クラスメイト2「もちろんだ!」
クラスメイト3「ああ!」
「「「織斑君、お願い!」」」
一夏「おー! それじゃ、俺が合図するぞー!!」
戒斗「ん……?」
――みんなが戒斗に向き直る。
――セントラルフェイスに、訝しげな表情が映った。
――その顔に、一夏は悪戯な笑みを浮かべる。
一夏「せーの! ……戒斗!!」
「「「「「おかえり!!」」」」」
戒斗「……」
――戒斗は、セントラルフェイスの電源を落として表情を隠した。
戒斗「……ただいま。と言っておいてやろう」
一夏「素直じゃない奴! そーれ、みんなかかれー!!」
戒斗「何をする気だ……!?」
「「「「「わー!!」」」」」
――みんなが一斉に飛びかかり、戒斗を揉みくちゃにした……!
――駆紋戒斗と、IS学園の生徒達。
――騒がしいその姿を、
――教卓におかれた七体のふうとくんが見守っていた。
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スカッシュ!」シリーズ 了
250: ◆n.O102o4Y2 2015/03/09(月) 19:24:46.14 ID:tT95g/54o
以上になります。
『不変の男』駆紋戒斗のたった一つの変化は『葛葉紘汰(=仮面ライダー)の強さを認めたこと』でしょう。
戒斗は幼い頃に(ユグドラシルに)居場所を奪われてから心の旅を続けていました。鎧武本編のラストに『本当の強さとは何か』を知ることで戒斗の旅は終わりましたが、同時に命を失います。
その結末は仕方のないことだけど、やはり寂しさがありました。
っというわけで。4スレ目のお祭り編のラストシーンは、『居場所を手に入れた駆紋戒斗』。当初の想定からかなり構成が変わった4スレ目ですが、このシーンだけは変わりませんでした。
だって、そもそもスレ立てをしたのは『織斑一夏が仮面ライダーになるシーン』と『駆紋戒斗がIS学園で居場所を手に入れるシーン』を書くためでしたから。
……いやあ。ここまで長かった。
『戒斗「IS学園?」』の前提は『仮面ライダーが盗まれた世界』です。
4スレ目では『子供達が仮面ライダーの存在を知ったこと』『仮面ライダー(ドライブ)が復活したこと』『仮面ライダーWという“ご当地仮面ライダーが都市に存在する世界観”が復活したこと』でその前提を破壊したので、これで本当に終わりです。
二ヶ月と一週間ちょっとのお付き合い、ありがとうございました。
『不変の男』駆紋戒斗のたった一つの変化は『葛葉紘汰(=仮面ライダー)の強さを認めたこと』でしょう。
戒斗は幼い頃に(ユグドラシルに)居場所を奪われてから心の旅を続けていました。鎧武本編のラストに『本当の強さとは何か』を知ることで戒斗の旅は終わりましたが、同時に命を失います。
その結末は仕方のないことだけど、やはり寂しさがありました。
っというわけで。4スレ目のお祭り編のラストシーンは、『居場所を手に入れた駆紋戒斗』。当初の想定からかなり構成が変わった4スレ目ですが、このシーンだけは変わりませんでした。
だって、そもそもスレ立てをしたのは『織斑一夏が仮面ライダーになるシーン』と『駆紋戒斗がIS学園で居場所を手に入れるシーン』を書くためでしたから。
……いやあ。ここまで長かった。
『戒斗「IS学園?」』の前提は『仮面ライダーが盗まれた世界』です。
4スレ目では『子供達が仮面ライダーの存在を知ったこと』『仮面ライダー(ドライブ)が復活したこと』『仮面ライダーWという“ご当地仮面ライダーが都市に存在する世界観”が復活したこと』でその前提を破壊したので、これで本当に終わりです。
二ヶ月と一週間ちょっとのお付き合い、ありがとうございました。
251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 19:35:49.99 ID:mgTAJm8AO
お疲れ様でした!
最後の最後まで面白かったです!
次回作も楽しみにしてます!
最後の最後まで面白かったです!
次回作も楽しみにしてます!
252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 19:44:59.87 ID:D3yYB6lno
お疲れ様でした
253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 20:03:03.97 ID:OrogvAb70
おつ。すげえ良かった。ありがとう。
254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 20:21:22.37 ID:GZQpTYPb0
乙でした。
シャルが持ってたメモリのARK/DARKで某No.101を思い浮かべたのは俺だけだろうな…
シャルが持ってたメモリのARK/DARKで某No.101を思い浮かべたのは俺だけだろうな…
255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 22:07:14.80 ID:MLbn4ZEdo
乙です
256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 22:15:52.51 ID:7675Q7vS0
乙
個人的に風都の仮面ライダー同士の会話が無かったのが残念だったけど
凄く面白かった
個人的に風都の仮面ライダー同士の会話が無かったのが残念だったけど
凄く面白かった
257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 23:05:16.39 ID:etI3bV0C0
乙
258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 23:12:34.91 ID:jlEGUc+AO
乙でした
259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/09(月) 23:19:42.25 ID:URkJ+EVwo
乙
復活してもハーフボイルドな翔太郎とハードボイルドなおやっさんに満たされた
復活してもハーフボイルドな翔太郎とハードボイルドなおやっさんに満たされた
260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/10(火) 00:42:38.00 ID:5j6WQEP9o
乙ー
ケンジャキはマジで宇宙旅行に行ってたのか…
ケンジャキはマジで宇宙旅行に行ってたのか…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423574895/
Entry ⇒ 2016.01.10 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
一夏「お、俺が学園の共有肉バイブに?」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 07:56:07.13
鈴「そうよ。良かったじゃない」
一夏「よ、良くねーよ!!俺は……」
鈴「巨乳に垂れ目、貧乳にツインテにポニテにストレート、金髪、銀髪、茶髪に黒髪、僕っ娘に着ぐるみ。完璧なハーレムじゃない。男の夢じゃない」
一夏「そういうことを言いたいんじゃなくて!」
鈴「……アンタは」
鈴「なり振り構わず女の子に優しくし過ぎた」
鈴「その結果がコレ。良いじゃない、女同士の醜い争いにならなくて。平和平和」
一夏「俺は別にそんなつもりじゃ……」
鈴「……ふん。まぁ明日からだからせいぜい精力貯めときなさいよ。今日が最後の休日と思いなさい。じゃオヤスミ」ガチャン
一夏「よ、良くねーよ!!俺は……」
鈴「巨乳に垂れ目、貧乳にツインテにポニテにストレート、金髪、銀髪、茶髪に黒髪、僕っ娘に着ぐるみ。完璧なハーレムじゃない。男の夢じゃない」
一夏「そういうことを言いたいんじゃなくて!」
鈴「……アンタは」
鈴「なり振り構わず女の子に優しくし過ぎた」
鈴「その結果がコレ。良いじゃない、女同士の醜い争いにならなくて。平和平和」
一夏「俺は別にそんなつもりじゃ……」
鈴「……ふん。まぁ明日からだからせいぜい精力貯めときなさいよ。今日が最後の休日と思いなさい。じゃオヤスミ」ガチャン
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:00:53.37
一夏「そんな……」
一夏「肉バイブってなんだよ」
一夏「そんな関係は嫌だ……俺はただ皆と仲良くしたくて……」
一夏「ま、まだ猶予はある……」
一夏「こうなったら頼れるのは……」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:05:44.81
◆ ◆ ◆
鈴「……伝えてきたわよ」
シャル「ありがとね、鈴」
セシリア「じゃあ……本題に入りましょうか」
帚「あ、あぁ……」
ラウラ「……zZZ」
鈴「一夏の初めては誰のモノにするか……をね」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:13:28.62
鈴「まぁ本来ならこんな悲痛な条約提示を一夏にしてきた私が初めてを貰うくらいの取り分はあっても良いと思うんだけど……」
シャル「なんか酢豚がほざいてるね、セシリア」
セシリア「全くですわ。ここは代表候補生である私が……」
鈴「は?www今更代表候補生(笑)ですかwww」
シャル「ウケるんですけどwwww」
セシリア「なっ……」ワナワナ
シャル「やっぱここは一夏と裸の付き合いをした僕だよね」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:19:53.92
鈴「裸とかそういうのダシに使うとか流石妾の娘だわwww血筋だけじゃなくてやることも汚いwww」
シャル「……ふーん…そういうこと言うんだ」
鈴「何よ」
シャル「いや別に。ただ親が離婚する様な血筋の持ち主がそんなこと言うなんてなぁって……」
鈴「は?両親は関係ないでしょ」
シャル「じゃあ僕の出生だって関係ないじゃん」
ほ◯き「ちょ、ちょっとお前ら!もっと平和的に……な?」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:27:09.03
鈴「あん?アンタはアンタで何余裕ぶっこいてんのよ」
モップ「別に余裕なんて……」
鈴「どうせアンタのことだから一人だけ常識人ぶって一夏に好かれようとしてたんでしょ」
モップ「ち、ちが……」
セシリア「掃除用具も頭を使って動けるのですね、感心しましたわ」
モップ「くっ……貴様ら……」
セシリア「あら……言葉が乱暴ですよ?」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:36:23.91
ほ◯◯「好き勝手言いおって……これだから外人共は」
セ鈴シャ「「「あ?」」」
◯う◯「知ってるか?日本人はな、外人の体臭を快く思わないんだよ。鼻に合わないんだとさ」
◯◯き「そこの油ぎった酢豚含めて、香水で誤魔化してるメシマズ大国のお嬢様(笑)も自然な香りを意識しようとあえて日本製の制汗剤を使ってる妾も意味無いんだよwwww」
◯◯◯「メシマズお嬢様なんて香水しなかったら体臭がキツいんだろうなwwwww」
鈴「」
セシリア「」ワナワナ
シャル「……………………ねぇ……鈴にセシリア」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:46:25.41
鈴「……何?」
セシリア「……何かしら?」
シャル「僕ね、汚いって言われてでも良いから一夏の初めてが欲しいんだ」
鈴「随分と素直じゃない」
セシリア「で、それが何か?」
シャル「うん、でねこういう争いになるだろうからさ」
シャル「今までの会話、全部録音してるんだ」
鈴セモ「「「……は?」」」
シャル「後で僕に対する悪口だけ集めて一夏に聞かせて泣き付こうとしたんだけどね」
シャル「さっきのそこの雑巾の発言聞いたらなんかプッツーン来ちゃってさ」
シャル「雑巾……ただで済むとは思わないでね」ニコニコ
雑巾「なっ……なななっ……」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 08:59:58.63
雑巾「ふふふざけるな!!そんな汚いやり方で……」
シャル「さっきも言ったじゃん」
シャル「一夏の初めての為なら汚く思われたって良いって」
雑巾「だったら私だって一夏に汚く思われたって……」
シャル「物理的証拠を持ってるのは僕だけだよ?編集次第では僕だけ被害者。あとはそれくらい、脳みそ付いてるなら雑巾でも分かるよね?」
雑巾「クッ……クソ……」
シャル「ちなみにさ。なんか自分は関係ない的なオーラ出してる2人もさ……僕次第で肉バイブの使用すら出来ないんだよ?」
鈴「ちっ……」
セシリア「うっ……」
シャル「ふふっ……良いよね?僕が最初で……」
鈴「くっ……一夏ぁ….…」
セシリア「そ…そんな……」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:12:46.79
シャル「あとねじ伏せるべき……あれ?」
シャル「ラウラが……いない?」
◆ ◆ ◆
一夏「ダメだ……」
一夏「弾の奴!じゃあウチの妹と付き合えば?っておかしいだろ!?」
一夏「確かに実は誰かと付き合ってました展開なら回避出来るかも知れないが!!」
一夏「そんな俺の事情で蘭ちゃんと交際関係なんて……」
一夏「俺には……出来ない……」
一夏「…………もう諦めるしかないのか……」
一夏「寝よう……なんだか疲れたわ……」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:19:02.09
月:箒デー。週の始めに腰砕けにして暴力を回避しよう! おっぱい枕で一週間を乗り切れっ!
火:鈴デー。本当はセシリアだったが交換。テンション上げていくために、ちいちゃな体を壊れちゃうくらい愛しちゃおう! 抱き枕で一週間を乗り切れっ!
水:セシリアデー。青い印象から交換して貰った。週の折り返しに、柔らかくって香りのよい肌の温もりに癒やされよう! 心地良い子守歌で一週間を乗り切れっ!
木:シャルロットデー。たまにラウラも一緒。あの手この手が赦される心の広さに感謝して、溜まったストレスを様々なプレイで解消しよう! 肉布団で一週間を乗り切れっ!
金:ラウラデー。たまにシャルロットも一緒。鍛えてるとはいえ小さな女の子、秘められし父性を全力解放し、常に主導権を持って愛でてあげよう! 肉布団で一週間を乗り切れっ!
土:エキストラデー。要は乱交OKな何でも有り日。山田先生とかのほほんさんとか楯無とか簪とかはココで。
日:絶倫大王一夏様が休まれる神の安息日。千冬姉とまったり過ごしたりする。
火:鈴デー。本当はセシリアだったが交換。テンション上げていくために、ちいちゃな体を壊れちゃうくらい愛しちゃおう! 抱き枕で一週間を乗り切れっ!
水:セシリアデー。青い印象から交換して貰った。週の折り返しに、柔らかくって香りのよい肌の温もりに癒やされよう! 心地良い子守歌で一週間を乗り切れっ!
木:シャルロットデー。たまにラウラも一緒。あの手この手が赦される心の広さに感謝して、溜まったストレスを様々なプレイで解消しよう! 肉布団で一週間を乗り切れっ!
金:ラウラデー。たまにシャルロットも一緒。鍛えてるとはいえ小さな女の子、秘められし父性を全力解放し、常に主導権を持って愛でてあげよう! 肉布団で一週間を乗り切れっ!
土:エキストラデー。要は乱交OKな何でも有り日。山田先生とかのほほんさんとか楯無とか簪とかはココで。
日:絶倫大王一夏様が休まれる神の安息日。千冬姉とまったり過ごしたりする。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:23:59.14
ラウラ「嫁よ、なんだか荒れてんな」
一夏「ってラウラ!?なんでベットの中に!?」
ラウラ「む?いつものことだろう。寝に来たんだが……」
一夏「寝に来たって……明日から俺は……」
ラウラ「そうだ!嫁に聞きたいことがあったんだが……にくばいぶってなんだ?」
一夏「……え?」
ラウラ「一昨日シャルロットに……」
シャル『ラウラはさ一夏のこと好き?』
ラウラ『うむ!嫁だからな!』
シャル『そっかぁ。でも僕も一夏のことラウラに負けないくらい好きなんだぁ』
ラウラ『むっ……一夏は私の嫁だぞ』
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:34:13.66
シャル『知ってるよ。でも皆はそう思ってないんじゃないかな?』
ラウラ『ど、どういうことだ!?敵か!?敵なのか!?』
シャル『落ち着いて落ち着いて……』
ラウラ『むっ……すまない……だがっ!』
シャル『セシリアとか鈴とか僕がさラウラの敵になるのは嫌だよね?』
ラウラ『うっ……確かにそうだが……』
シャル『だからね僕達が仲良くいる為にね、こんな条約考えたんだ』
ラウラ『じょうやく?』
シャル『そう。皆で争わずに多少の嫉妬を我慢して平和的に一夏と仲良く過ごそうって条約』
ラウラ『凄いな!それなら皆戦わないな!』
シャル『でしょ?だからラウラもここにサインして欲しいなぁって……』
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:41:02.39
ラウラ『うむ!それなら喜んで……ん?』
シャル『どうしたの?ラウラ』
ラウラ『いや……にくばいぶってなんだ?』
シャル『皆で仲良くって意味だよ』
ラウラ『…?まぁ良いか……ほら書けたぞ』
シャル『……うん!ありがとね……ラウラ』
ラウラ「と、まぁこんな事があったのだが」
一夏「(シャルぇ……)」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:51:27.76
ラウラ「よくよく考えたら、皆仲良くしよう条約でもネーミング的におかしくないと思ってな」
ラウラ「クラリッサににくばいぶについて聞いたら怒られてしまって……」
ラウラ「だから嫁に……」
一夏「 (シャルロット……こんな純粋な子どもを……)」
ラウラ「嫁?聞いてるか?」クビカシゲ
一夏「」キュン
一夏「 (俺が……俺がラウラを守ってやらねば)」
一夏「ラウラ!!」ギュッ
ラウラ「おぅ!?!?ななななにをしてるんだよよよ嫁!?//」
一夏「ラウラ……俺と……俺の彼女になってくれ!!俺だけのラウラになってくれ!!」
ラウラ「なっ//……私は条約を…むむ結んだのだ……ぞ……私だけのにくばいぶなんて……」
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:57:15.24
一夏「お前じゃないと駄目なんだ……」
ラウラ「う…うむ……しかし……//」カァァァ
一夏「一緒に逃げよう。な?俺とお前だったら平気だろ?夫婦なんだからさ」
ラウラ「……!そ、そうだな……」
こうして2人は本当の夫婦になりました。
めでたしめでたし
一夏を巡って国家戦争にまで勃発したのはまた別のお話
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:58:08.40
シャルはクズだなぁ
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/01/29(日) 09:58:16.64
えっ
掲載元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327772871/
Entry ⇒ 2015.11.13 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
千冬ねえ「アッアッ・・・一夏・・・実の兄弟なんだぞ・・・」 スパパーン 一夏「あ?ケツ振れ」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:32:52.393 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ああああああ・・・もう・・・でるッ・・・」
千冬「ああヤメテェ・・・もう排卵日過ぎてるんだよおおおお」
千冬「ああヤメテェ・・・もう排卵日過ぎてるんだよおおおお」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:41:49.705 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ふう・・・なかなかよかったぜ千冬ねえ」
千冬「ここは・・・学校だ・・・織斑先生と・・・よべェ・・・」 こぽォ
千冬「ここは・・・学校だ・・・織斑先生と・・・よべェ・・・」 こぽォ
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:47:32.349 ID:xVYECq9f0.net
私は織斑千冬。IS学園の教師だ。そしてたった一人の弟、織斑一夏の姉でもある。
ここIS学園は、ISと呼ばれる機動装置を訓練する学校であり、その操縦者は女のみだ。
しかし、なぜ私の弟、一夏がここに居るかと言えば、こいつにも操縦の才能があったみたいなんだ。
ここIS学園は、ISと呼ばれる機動装置を訓練する学校であり、その操縦者は女のみだ。
しかし、なぜ私の弟、一夏がここに居るかと言えば、こいつにも操縦の才能があったみたいなんだ。
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:51:46.321 ID:xVYECq9f0.net
こいつの才能が学園にも認められて、弟も学園に入学。
当の弟は、どうやらワクワクしてるようで何も気にしてない様子。
やれやれ、変な虫が付かないようにって。。。なんで私がこんなことを。。。
当の弟は、どうやらワクワクしてるようで何も気にしてない様子。
やれやれ、変な虫が付かないようにって。。。なんで私がこんなことを。。。
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:53:44.515 ID:xVYECq9f0.net
ともかく、こいつも学園に入る以上、私がしっかりしなきゃな。
と、考えることができたのは最初の内。。。
あの日を境に私たちは、姉弟の一線を越えてしまったんだ。。。
と、考えることができたのは最初の内。。。
あの日を境に私たちは、姉弟の一線を越えてしまったんだ。。。
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:57:30.928 ID:xVYECq9f0.net
それは、一夏が入学して一週間経ったころだったか。
担任の山田先生から連絡があったんだ。今日、一夏が授業に出てないと・・・
あの馬鹿。私に恥をかかせるつもりか、とあいつの部屋に向かったんだ。
担任の山田先生から連絡があったんだ。今日、一夏が授業に出てないと・・・
あの馬鹿。私に恥をかかせるつもりか、とあいつの部屋に向かったんだ。
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 19:59:26.835 ID:xVYECq9f0.net
千冬「おーい、一夏!私だ!何をしている!寝ているのか?」
・・・ ・・・ ・・・
千冬「ほう・・・姉を無視するとはいい度胸してるなあ・・・一夏・・・」
・・・ ・・・ ・・・
千冬「ほう・・・姉を無視するとはいい度胸してるなあ・・・一夏・・・」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:01:15.554 ID:xVYECq9f0.net
千冬「一夏!今ならまだ間に合うぞ・・・早く出て来い・・・」
・・・ ・・・ ・・・
千冬「よーし、すう、はッッ!!」 ドッカーンッッ・・・
・・・ ・・・ ・・・
千冬「よーし、すう、はッッ!!」 ドッカーンッッ・・・
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:03:14.316 ID:xVYECq9f0.net
千冬「まったく・・・朝からこんな体力使わせおって・・・おい一夏!」
?
千冬「どこに居るんだ・・・??荷物はあるし、準備も完璧だ・・・制服もかけてあるし・・・」
?
千冬「どこに居るんだ・・・??荷物はあるし、準備も完璧だ・・・制服もかけてあるし・・・」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:04:47.034 ID:xVYECq9f0.net
ザーザーッ、ザーザーッ
千冬「ん・・・風呂か・・・?まったく女ども相手だからって色気づいてきたのか・・・一夏め・・・」
ガチャ・・・
千冬「ん・・・風呂か・・・?まったく女ども相手だからって色気づいてきたのか・・・一夏め・・・」
ガチャ・・・
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:06:33.685 ID:xVYECq9f0.net
千冬「おい!一夏!洒落づくのはいいが早く出て来い!もう授業始まってるんだぞ!」
ザーッ、ザーッ・・・
一夏「・・・ハアハア・・・ハアハア・・・」
ザーッ、ザーッ・・・
一夏「・・・ハアハア・・・ハアハア・・・」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:08:22.211 ID:xVYECq9f0.net
千冬「ん・・・?何してるんだあいつ・・・シャワーを使ってるみたいではないし・・・」
一夏「・・・き、・・・うき・・・」
千冬「ん?何ぶつぶつ言ってるんだ?あいつ・・・」
一夏「・・・き、・・・うき・・・」
千冬「ん?何ぶつぶつ言ってるんだ?あいつ・・・」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:10:10.897 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・うき・・・ほうき・・・」
千冬「ほうき・・・?篠ノ之か?・・・またなんで・・・」
千冬「おい!一夏!何やってるんだ!!!!・・・!?」
千冬「ほうき・・・?篠ノ之か?・・・またなんで・・・」
千冬「おい!一夏!何やってるんだ!!!!・・・!?」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:12:39.402 ID:xVYECq9f0.net
そこで私は、、、あまりの光景に一瞬固まってしまった・・・
私の弟が、かわいい弟が、パンツを自分の陰部に当ててシゴいていたのだ・・・
私は・・・あまりのショックに言葉がうまく出なくて・・・
私の弟が、かわいい弟が、パンツを自分の陰部に当ててシゴいていたのだ・・・
私は・・・あまりのショックに言葉がうまく出なくて・・・
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:14:10.373 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・!?ち、千冬ねえ!!!なんで???こ、これは、、、その、、、」
千冬「・・・ ・・・ ・・・」
一夏「いや、ちがうんだ、これはその・・・え・・・と」
千冬「・・・ ・・・ ・・・」
一夏「いや、ちがうんだ、これはその・・・え・・・と」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:15:14.388 ID:xVYECq9f0.net
千冬「・・・ほうき・・・」
一夏「え?」
千冬「さっき・・・そう言ってるのが聞こえた・・・」
一夏「え?」
千冬「さっき・・・そう言ってるのが聞こえた・・・」
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:16:40.516 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・!?、えっと・・・」
千冬「おい、、、そのパンツは何だ?どう見ても男が穿くような柄でもなければ形でもない・・・」
一夏「いや・・・こ、これは・・・」
千冬「おい、、、そのパンツは何だ?どう見ても男が穿くような柄でもなければ形でもない・・・」
一夏「いや・・・こ、これは・・・」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:18:19.458 ID:xVYECq9f0.net
千冬「そういえば・・・お前・・・ここに来たとき篠ノ之と同部屋だったよな・・・」
一夏「え・・・そうだ・・・ね・・・ハハハ・・・」
千冬「まさか・・・お前・・・!!!」
一夏「え・・・そうだ・・・ね・・・ハハハ・・・」
千冬「まさか・・・お前・・・!!!」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:20:15.769 ID:xVYECq9f0.net
それは考えたくもないことだった・・・。
まさかとは思うが、自分の愛する弟が、女の下着を盗むなんて・・・。
こんなこと考えたくもない・・・反吐が出る・・・でも現にこいつの手にはパンツがあって・・・
まさかとは思うが、自分の愛する弟が、女の下着を盗むなんて・・・。
こんなこと考えたくもない・・・反吐が出る・・・でも現にこいつの手にはパンツがあって・・・
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:21:16.419 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・ ・・・ ・・・」
千冬「おい、、、盗んだのかそれ・・・」
一夏「・・・ ・・・ ・・・」
千冬「おい、、、盗んだのかそれ・・・」
一夏「・・・ ・・・ ・・・」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:22:53.017 ID:xVYECq9f0.net
千冬「一夏!!!!!!!!!」
一夏「・・・ ・・・ ・・・」
千冬「ほう・・・貸してみろ・・・」 しゅばッ・・・!
一夏「・・・ ・・・ ・・・」
千冬「ほう・・・貸してみろ・・・」 しゅばッ・・・!
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:25:35.629 ID:xVYECq9f0.net
やはり・・・これは女物だ・・・新品でもなく使い古し・・・
それに濡れている・・・しかもぬるぬるして・・・気持ち悪い・・・
さらに。。。今さらだが風呂がとても・・・その・・・何と形容していいか・・・ものすごいニオイだ・・・
それに濡れている・・・しかもぬるぬるして・・・気持ち悪い・・・
さらに。。。今さらだが風呂がとても・・・その・・・何と形容していいか・・・ものすごいニオイだ・・・
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:27:37.458 ID:xVYECq9f0.net
シャワーを出しながら途中で事に及び始めたんだろうか・・・
泡が付いたボディタオルが転がって居て・・・あちこちにその白濁液が飛沫してて・・・
うっ・・・吐き気がしてきた・・・なんだ・・・
泡が付いたボディタオルが転がって居て・・・あちこちにその白濁液が飛沫してて・・・
うっ・・・吐き気がしてきた・・・なんだ・・・
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:29:47.907 ID:xVYECq9f0.net
やはり・・・この馬鹿は女物の下着でシゴいていた
それも我を忘れてまで、何度したのだろうか・・・
こいつは自分のモノを隠すのを忘れて、私の顔をじっと見たままだ・・・
それも我を忘れてまで、何度したのだろうか・・・
こいつは自分のモノを隠すのを忘れて、私の顔をじっと見たままだ・・・
33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:30:51.976 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・ねえ・・・ねえ・・・」
千冬「・・・ ・・・ ・・・」
一夏「・・・ちふゆねえ!!!!」
千冬「・・・ ・・・ ・・・」
一夏「・・・ちふゆねえ!!!!」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:32:15.598 ID:xVYECq9f0.net
千冬「・・・聞こえている・・・」
一夏「!? これはそのなんて説明したらいいか・・・」
千冬「これは篠ノ之のだよな?・・・一夏?」
一夏「!? これはそのなんて説明したらいいか・・・」
千冬「これは篠ノ之のだよな?・・・一夏?」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:33:33.343 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・」
千冬「隠さなくていい・・・それしか考えられん・・・おまえに他の部屋に忍び込んでなんて甲斐性がないのは私がわかってる」
一夏「・・・」
千冬「隠さなくていい・・・それしか考えられん・・・おまえに他の部屋に忍び込んでなんて甲斐性がないのは私がわかってる」
一夏「・・・」
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:35:02.002 ID:xVYECq9f0.net
千冬「おまえはあいつと同部屋だったとき、これをくすねた・・・」
一夏「・・・」
千冬「そして、それを返すこともなくおまえは慰みものにしてたわけだな・・・」
一夏「・・・」
千冬「そして、それを返すこともなくおまえは慰みものにしてたわけだな・・・」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:36:11.540 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・あいつが・・・悪いんだ・・・」
千冬「何・・!?」
一夏「あいつが・・・あんな格好してりゃ誰だってそうなる・・・」
千冬「何・・!?」
一夏「あいつが・・・あんな格好してりゃ誰だってそうなる・・・」
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:37:42.881 ID:xVYECq9f0.net
千冬「どういうことだ・・・」
一夏「久しぶりに会って、そいつが美人になってて、いきなり同部屋になって・・・」
一夏「それで風呂も同じもの使って、下着だって置きっぱなし・・・」
一夏「久しぶりに会って、そいつが美人になってて、いきなり同部屋になって・・・」
一夏「それで風呂も同じもの使って、下着だって置きっぱなし・・・」
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:39:39.179 ID:xVYECq9f0.net
千冬「おまえは・・・こどもか・・・理性がない年でもないだろう・・・」
一夏「理性・・・?そんなの無理だろ・・・ふざけんなよ・・・」
千冬「ほお・・・ここまでおまえが馬鹿で愚かだったとは・・・変わったなおまえは・・・」
一夏「理性・・・?そんなの無理だろ・・・ふざけんなよ・・・」
千冬「ほお・・・ここまでおまえが馬鹿で愚かだったとは・・・変わったなおまえは・・・」
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:41:06.308 ID:xVYECq9f0.net
一夏「変わった・・・俺が?・・・千冬ねえこそIS、ISって・・・」
千冬「おい!おまえはこれがどういう状況か分かってるのか!」
一夏「・・・!?」
千冬「おい!おまえはこれがどういう状況か分かってるのか!」
一夏「・・・!?」
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:42:46.693 ID:xVYECq9f0.net
千冬「おまえは姉の私が働く学園で下着を盗んだ・・・立派な犯罪だ・・・」
千冬「これを知った篠ノ之はショックでさぞ立ち直れないだろう・・・」
千冬「おまえはあいつの心を踏みにじった・・・それだけは確かだ・・・」
千冬「これを知った篠ノ之はショックでさぞ立ち直れないだろう・・・」
千冬「おまえはあいつの心を踏みにじった・・・それだけは確かだ・・・」
43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:44:13.258 ID:xVYECq9f0.net
千冬「そして、当然私にも責任が及ぶ、監督責任というやつだ・・・」
千冬「お前はわたしの生徒であって、実の姉だ」
千冬「私とお前はここを去らねばならなくなる・・・」
千冬「お前はわたしの生徒であって、実の姉だ」
千冬「私とお前はここを去らねばならなくなる・・・」
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:46:23.282 ID:xVYECq9f0.net
千冬「そして、当然このことは警察に告訴することも検討する・・・もちろん篠ノ之の意見を聞いてからだがな」
一夏「・・・けいさ・・・つ・・・」
千冬「当然だ・・・これは犯罪だぞ・・・そして、女だけの学園だ・・・示しが付かない・・・」
一夏「・・・けいさ・・・つ・・・」
千冬「当然だ・・・これは犯罪だぞ・・・そして、女だけの学園だ・・・示しが付かない・・・」
46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:48:10.288 ID:xVYECq9f0.net
千冬「・・・これはおまえのやったことだ・・・責任はおまえにある・・・」
一夏「・・・けんな・・・」
千冬「・・・?何だって・・・?」
一夏「・・・けんな・・・」
千冬「・・・?何だって・・・?」
47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:49:30.237 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ざけんな!ふざけんな!」
千冬「うおお、何する!!??」
一夏「この野郎が!!!好き放題言いやがって・・・」
千冬「うおお、何する!!??」
一夏「この野郎が!!!好き放題言いやがって・・・」
48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 20:51:42.730 ID:xVYECq9f0.net
それはあっと言う間の出来事だった。一夏が飛び掛ってきたところまでは覚えている。
そのあとは、その力に押し倒されて背中から床に落ちた。
そこから一瞬記憶が曖昧で・・・とにかく一夏に襲われたんだ・・・
そのあとは、その力に押し倒されて背中から床に落ちた。
そこから一瞬記憶が曖昧で・・・とにかく一夏に襲われたんだ・・・
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:15:01.697 ID:xVYECq9f0.net
そこからどれくらい時間が経ってただろう・・・
どうも打ち所が悪くて、そのまま気を失って・・・
うーん・・・一夏か・・・嘘だと言ってくれ・・・一夏・・・
どうも打ち所が悪くて、そのまま気を失って・・・
うーん・・・一夏か・・・嘘だと言ってくれ・・・一夏・・・
53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:16:27.819 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・ハアハア・・・ハアハア・・・」
千冬「・・・!?」
一夏「えへッ・・・千冬ねえ・・・気付いた・・・?・・・」
千冬「・・・!?」
一夏「えへッ・・・千冬ねえ・・・気付いた・・・?・・・」
54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:17:37.918 ID:xVYECq9f0.net
私はそのとき凄まじい光景を見た
私は一夏を見上げている
それもここはベッドの上みたいで・・・
私は一夏を見上げている
それもここはベッドの上みたいで・・・
55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:19:29.878 ID:xVYECq9f0.net
ん・・・手が動かない、足も・・・ダメだ縛られているみたいで
何より口にもなにか噛まされてる・・・何だろう・・・なにか布地をガムテープで・・・
とにかく一夏だ・・・こいつこんなやつだったのか
何より口にもなにか噛まされてる・・・何だろう・・・なにか布地をガムテープで・・・
とにかく一夏だ・・・こいつこんなやつだったのか
56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:20:48.848 ID:xVYECq9f0.net
一夏「千冬ねえ・・・えへッ・・・いい身体してんねえ・・・」
千冬「・・・!?」
一夏「こんな身体してたんだねえ・・・どんだけの男とやったわけえ・・・」
千冬「・・・!?」
一夏「こんな身体してたんだねえ・・・どんだけの男とやったわけえ・・・」
57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:22:40.679 ID:xVYECq9f0.net
なんてことだ・・・私・・・全裸だ・・・
どうやら下着の感覚はあるが・・・それ以外は・・・
シーツの温もりと一夏の体温がいっきに私を襲ってくる・・・ああ・・・なんだこれ・・・
どうやら下着の感覚はあるが・・・それ以外は・・・
シーツの温もりと一夏の体温がいっきに私を襲ってくる・・・ああ・・・なんだこれ・・・
58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:24:47.291 ID:xVYECq9f0.net
一夏「千冬ねえ・・・もう・・・俺たちは終わるんだよね・・・」
一夏「千冬ねえは俺のこと捨てるんだよねえ・・・たったセンズリこいてただけで・・・この扱い・・・」
一夏「だったらよお・・・俺があんたのこと犯してやるよ・・・何今さら説教垂れてるんだよ・・・」
一夏「千冬ねえは俺のこと捨てるんだよねえ・・・たったセンズリこいてただけで・・・この扱い・・・」
一夏「だったらよお・・・俺があんたのこと犯してやるよ・・・何今さら説教垂れてるんだよ・・・」
59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:27:10.946 ID:xVYECq9f0.net
ん・・・。一夏・・・そうじゃないんだ・・・私はおまえのこと捨てようなんて思ってないぞ・・・
ただ、おまえを助けたくて。。。また一緒にやり直したくて・・・一夏・・・
だ、だめだ・・・一夏・・・そんなところを舐めないでくれ・・・
ただ、おまえを助けたくて。。。また一緒にやり直したくて・・・一夏・・・
だ、だめだ・・・一夏・・・そんなところを舐めないでくれ・・・
60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:29:25.505 ID:xVYECq9f0.net
・・・。一夏の手が私を襲ってくる。私の隅から隅まで支配してくる・・・
その手はとてもたどたどしくて、まだ女の扱いに慣れていない・・・
つまり・・・ガサツだ・・・でもそれがすごく・・・思春期の男であると意識してしまって・・・弟であると自覚してしまって・・・
その手はとてもたどたどしくて、まだ女の扱いに慣れていない・・・
つまり・・・ガサツだ・・・でもそれがすごく・・・思春期の男であると意識してしまって・・・弟であると自覚してしまって・・・
61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:31:11.492 ID:xVYECq9f0.net
千冬「・・・っぐ・・・!?」
一夏「へえ・・・脇が弱いんだ千冬ねえ・・・ちょっと汗出てるね・・・」
一夏「ん・・・。あれ剃り跡もあるねえ・・・けっこう適当なんだねえ・・・」
一夏「へえ・・・脇が弱いんだ千冬ねえ・・・ちょっと汗出てるね・・・」
一夏「ん・・・。あれ剃り跡もあるねえ・・・けっこう適当なんだねえ・・・」
62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:32:42.379 ID:xVYECq9f0.net
一夏「すごいよ・・・千冬ねえ・・・汗どんどん出てくるよ・・・」
一夏「じゃあブラ外すね・・・」
千冬「ん~~~~~っ!?」
一夏「じゃあブラ外すね・・・」
千冬「ん~~~~~っ!?」
63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:33:53.343 ID:xVYECq9f0.net
ぷ、ぷぷる~ん!!
一夏「すげえよ!千冬ねえ!!!なんだこれ・・・」
一夏「こんなの・・・こんなの・・・」
一夏「すげえよ!千冬ねえ!!!なんだこれ・・・」
一夏「こんなの・・・こんなの・・・」
64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:35:10.113 ID:xVYECq9f0.net
ああ・・・す、吸われてる、ものすごい勢いだ・・・
私は実の弟にこんなことされて・・・感じてしまっている・・・
私はこいつと同じなのではないのか・・・こんなことになるなんて・・・
私は実の弟にこんなことされて・・・感じてしまっている・・・
私はこいつと同じなのではないのか・・・こんなことになるなんて・・・
65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:36:54.046 ID:xVYECq9f0.net
どん!どんどんどん!どん!!!!
山田先生「おーい!織斑く~ん!居ますか~?」
篠ノ之「一夏!もう昼休みだぞ!!!何してるんだ?」
山田先生「おーい!織斑く~ん!居ますか~?」
篠ノ之「一夏!もう昼休みだぞ!!!何してるんだ?」
67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:38:42.864 ID:xVYECq9f0.net
ん・・・!山田先生・・・篠ノ之か・・・昼休みだって・・・
そんなにも時間が経っていたのか・・・一夏のやつ私が起きるまで何してたんだ・・・
というよりマズイ・・・あの二人にこんなこと知られては・・・
そんなにも時間が経っていたのか・・・一夏のやつ私が起きるまで何してたんだ・・・
というよりマズイ・・・あの二人にこんなこと知られては・・・
69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:41:26.165 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「あれ~居ないのかなあ~どこ行ったんだろう~織斑先生とも連絡付かないしなあ~」
篠ノ之「先生、織斑先生の携帯に電話かけてみたらどうですか・・・?」
山田先生「さっきからやってるんだけどダメなのよ~もう一回かけてみようかしら・・・」
篠ノ之「先生、織斑先生の携帯に電話かけてみたらどうですか・・・?」
山田先生「さっきからやってるんだけどダメなのよ~もう一回かけてみようかしら・・・」
70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:42:55.476 ID:xVYECq9f0.net
ピロピロピロピロ~
山田先生「う~ん、出ないわねえ~」
篠ノ之「先生、思いっきり部屋の中から聞こえてきます・・・けど・・・」
山田先生「う~ん、出ないわねえ~」
篠ノ之「先生、思いっきり部屋の中から聞こえてきます・・・けど・・・」
72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:44:27.065 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「ほんとぉ~どれどれ・・・ぴっ」
篠ノ之「あっ!先生!電話切ったらダメですよ!」
山田先生「あら~やってしまったわ~もう私ったらあ~」
篠ノ之「あっ!先生!電話切ったらダメですよ!」
山田先生「あら~やってしまったわ~もう私ったらあ~」
73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:46:25.170 ID:xVYECq9f0.net
篠ノ之「先生・・・とにかく・・・中から聞こえてきましたよ。早く開けましょう!」
山田先生「そ、そうねえ・・・でも篠ノ之さん、聞き間違いじゃあ?」
篠ノ之「先生!そんなわけないでしょ!早く入りましょう!」
山田先生「そ、そうねえ・・・でも篠ノ之さん、聞き間違いじゃあ?」
篠ノ之「先生!そんなわけないでしょ!早く入りましょう!」
74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:48:32.880 ID:xVYECq9f0.net
うぐっ・・・。マズイ・・・。先生お願いだ・・・こっちに入れないでくれ
・・・
一夏のやつもかなり硬直してるな、顔面真っ青だ・・・
・・・
一夏のやつもかなり硬直してるな、顔面真っ青だ・・・
76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:50:11.203 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・ア・・・ア・・・」
山田&篠ノ之「おーい!先生!居るんでしょ!入りますよ!」
一夏「・・・ア・・・ア・・・」
山田&篠ノ之「おーい!先生!居るんでしょ!入りますよ!」
一夏「・・・ア・・・ア・・・」
79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:52:17.660 ID:xVYECq9f0.net
山田&篠ノ之「お邪魔しま~す!先生!」
一夏「ああああああああああ、ちょっと待ってくれ二人ともおおおおおおお」
山田&篠ノ之「!?一夏くん/一夏!居るのか?」
一夏「ああああああああああ、ちょっと待ってくれ二人ともおおおおおおお」
山田&篠ノ之「!?一夏くん/一夏!居るのか?」
80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:53:43.262 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ごめん、今風呂から上がって、裸なんだよ!!!ちょっと待ってくれ!!!」
山田&篠ノ之「!?」
一夏「すぐ出るからちょっと待ってくれ~」
山田&篠ノ之「!?」
一夏「すぐ出るからちょっと待ってくれ~」
81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:55:09.867 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「一夏くん!どういうことですか?もうお昼ですよ!」
篠ノ之「一夏!不埒だぞ!そんな格好で出てくるなんて・・・私の前ならともかく・・・」
山田先生「・・・」
篠ノ之「一夏!不埒だぞ!そんな格好で出てくるなんて・・・私の前ならともかく・・・」
山田先生「・・・」
82: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:57:05.248 ID:xVYECq9f0.net
がちゃ
一夏「お待たせ!先生、箒!心配しないで!今日さ、具合悪くてさっき起きてその・・・今日休もうと思ってさ」
山田先生「そういうことでしたかあ・・・まったく心配しますよ!織斑くん!そういうことは早めに・・・」
一夏「お待たせ!先生、箒!心配しないで!今日さ、具合悪くてさっき起きてその・・・今日休もうと思ってさ」
山田先生「そういうことでしたかあ・・・まったく心配しますよ!織斑くん!そういうことは早めに・・・」
84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 21:59:41.685 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「そういえば・・・織斑先生はどうしましたか?ご一緒なんでしょ?」
篠ノ之「さっき先生の携帯着信音がしたんだぞ?一緒じゃないのか?」
一夏「え?いや知らないなあ、ちふ・・・織斑先生は来てないぞ」
篠ノ之「さっき先生の携帯着信音がしたんだぞ?一緒じゃないのか?」
一夏「え?いや知らないなあ、ちふ・・・織斑先生は来てないぞ」
85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:01:34.510 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「変ですねえ~さっき篠ノ之さんが聞いたらしくて・・・」
篠ノ之「本当だ!一夏!確かに聞こえたんだ!先生!私を信じてくれ!」
一夏「また~そんなこと言われても知らないぞ、箒はそそっかしい所あるからなあ」
篠ノ之「本当だ!一夏!確かに聞こえたんだ!先生!私を信じてくれ!」
一夏「また~そんなこと言われても知らないぞ、箒はそそっかしい所あるからなあ」
86: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:03:12.022 ID:xVYECq9f0.net
篠ノ之「!?そんな!確かに聞こえたんだ!先生!」
山田先生「でも織斑くんが知らないって言ってるし・・・」
一夏「と、とにかく!今日は休むから!風呂で汗流してまた寝ようと思ってたんだ!先生!今日はすいません!」
山田先生「でも織斑くんが知らないって言ってるし・・・」
一夏「と、とにかく!今日は休むから!風呂で汗流してまた寝ようと思ってたんだ!先生!今日はすいません!」
87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:05:00.311 ID:xVYECq9f0.net
篠ノ之「そんな!一夏!」
山田先生「ええ、今日はゆっくりしてください!休み扱いにしておきます!」
一夏「先生!ありがとう!また月曜に!箒もな!ごほっごほgほh」
山田先生「ええ、今日はゆっくりしてください!休み扱いにしておきます!」
一夏「先生!ありがとう!また月曜に!箒もな!ごほっごほgほh」
89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:06:25.629 ID:xVYECq9f0.net
がちゃん
・・・
一夏・・・あいつ・・・なんてことを・・・山田先生にそんな嘘付くなんて・・・
・・・
一夏・・・あいつ・・・なんてことを・・・山田先生にそんな嘘付くなんて・・・
90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:07:53.416 ID:xVYECq9f0.net
ぬっぬっぬっ
一夏「千冬ねえ・・・びっくりしたねえ・・・でもこれで二人きりだよ・・・」
一夏「もう邪魔は入らない・・・もう後戻りはできない・・・」
一夏「千冬ねえ・・・びっくりしたねえ・・・でもこれで二人きりだよ・・・」
一夏「もう邪魔は入らない・・・もう後戻りはできない・・・」
92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:08:49.004 ID:xVYECq9f0.net
・・・一夏・・・
ピロピロピロピロ・・・
・・・!?
ピロピロピロピロ・・・
・・・!?
93: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:10:25.583 ID:xVYECq9f0.net
篠ノ之「ほらっ!先生!今度は先生が聞いてくれ!電話は私が持つから!」
山田先生「あらっ!・・・もう盗み聞きなんて・・・うん・・・?」
山田先生「あら・・・ほんとねえ・・・確かに聞こえるわ・・・」
山田先生「あらっ!・・・もう盗み聞きなんて・・・うん・・・?」
山田先生「あら・・・ほんとねえ・・・確かに聞こえるわ・・・」
94: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:12:27.542 ID:xVYECq9f0.net
山田先生たち、まだ居たのか。くっ、これはかなりヤバイぞ。
でもこんな所を見られてしまっては、、、どうすれば、、、万事休すだ。
先生、頼む・・・入って来ないでくれえ
でもこんな所を見られてしまっては、、、どうすれば、、、万事休すだ。
先生、頼む・・・入って来ないでくれえ
95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:13:54.618 ID:xVYECq9f0.net
山田先生&篠ノ之「ごめんね!勝手にもう入るよー」
一夏「うががががggg」
千冬「ん~~~~」
一夏「うががががggg」
千冬「ん~~~~」
97: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:16:24.464 ID:xVYECq9f0.net
どっががががが~~~~~~~ん
至急!至急!職員は直ちに運動場へ向かってください!
至急!至急!職員は直ちに運動場へ向かってください!
生徒同士のIS戦闘中に大きなアクシデントが発生した模様・・・当事者の名は・・セシリ・・・
繰り返す、繰り返す・・・
至急!至急!職員は直ちに運動場へ向かってください!
至急!至急!職員は直ちに運動場へ向かってください!
生徒同士のIS戦闘中に大きなアクシデントが発生した模様・・・当事者の名は・・セシリ・・・
繰り返す、繰り返す・・・
98: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:19:23.026 ID:xVYECq9f0.net
山田先生「あら!行けないわ!早く行かなければ・・・篠ノ之さん!」
篠ノ之「きっとセシリアだな!また!つまらないことで喧嘩してるんだ!」
山田先生「行きましょう!早く非難させないと・・・ここはもう大丈夫よ」
篠ノ之「・・・そうですね・・・一夏!月曜また会おうな!早く体治すんだぞ!ではな!」
篠ノ之「きっとセシリアだな!また!つまらないことで喧嘩してるんだ!」
山田先生「行きましょう!早く非難させないと・・・ここはもう大丈夫よ」
篠ノ之「・・・そうですね・・・一夏!月曜また会おうな!早く体治すんだぞ!ではな!」
100: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:22:47.137 ID:xVYECq9f0.net
たったったっ・・・・
ああ、二人の足音が遠のいてるな、運動場で何かあったらしいが・・・
向こうの喧騒とは対照的に、こちらは感覚が研ぎ澄まされて・・・どんな音でも聞き分けられるくらい静寂だ・・・
もう・・・しばらくは、、、これで、、、
ああ、二人の足音が遠のいてるな、運動場で何かあったらしいが・・・
向こうの喧騒とは対照的に、こちらは感覚が研ぎ澄まされて・・・どんな音でも聞き分けられるくらい静寂だ・・・
もう・・・しばらくは、、、これで、、、
101: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:24:58.053 ID:xVYECq9f0.net
一夏「うへへっ・・・ちふゆねえ・・・俺たちってツイてるな」
千冬「うぐ・・・」
一夏「もう・・・全開で行くからな!千冬ねえ!!」
千冬「うぐ・・・」
一夏「もう・・・全開で行くからな!千冬ねえ!!」
102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:27:14.432 ID:xVYECq9f0.net
ああ・・・一夏の手がすごい・・・どんどん貪ってくる
ああ一夏の吐息すごい・・・すごくかかって・・・うん・・・
一夏の身体が押し潰してくる。もう全体重かけきてるみたいね。
ああ一夏の吐息すごい・・・すごくかかって・・・うん・・・
一夏の身体が押し潰してくる。もう全体重かけきてるみたいね。
104: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:30:23.072 ID:xVYECq9f0.net
ああ、、、一夏の手が私の意識とはつながってないところにかかろうとしてる、、、
一夏・・・そこはダメよ・・・もう本当に戻れなくなってしまうわ・・・一夏・・・
私たちは姉弟なのよ・・・一夏・・・
一夏・・・そこはダメよ・・・もう本当に戻れなくなってしまうわ・・・一夏・・・
私たちは姉弟なのよ・・・一夏・・・
106: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:32:48.829 ID:xVYECq9f0.net
そして、一夏のたどたどしくもその男らしい立派な指に、私の意識は集中するようになって、、、
一夏・・・私はあなたのことを本当に感じているわ・・・
もう私たちは戻れないのねえ
一夏・・・私はあなたのことを本当に感じているわ・・・
もう私たちは戻れないのねえ
107: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:34:25.876 ID:xVYECq9f0.net
ふるるるるるぅ~
一夏「・・・ハアハア・・・これが千冬ねえの・・・」
一夏「すげえ・・・すげえ・・・これが女の・・・」
一夏「・・・ハアハア・・・これが千冬ねえの・・・」
一夏「すげえ・・・すげえ・・・これが女の・・・」
109: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:35:45.151 ID:xVYECq9f0.net
ああ、一夏が私の大事なところ見て興奮してるわ
とてもわかる
鼻息なのか、息なのか、言葉なのか、指なのか、全てが疼くわ
とてもわかる
鼻息なのか、息なのか、言葉なのか、指なのか、全てが疼くわ
110: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:37:09.753 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ごくり・・・舐めるよ?千冬ねえ・・・」
千冬「うぐっうぐっ」
一夏「べちょお・・・へへっ・・・ちょっとしょっぱいね・・・あと、汗のニオイもけっこう・・・」
千冬「うぐっうぐっ」
一夏「べちょお・・・へへっ・・・ちょっとしょっぱいね・・・あと、汗のニオイもけっこう・・・」
111: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:39:04.596 ID:xVYECq9f0.net
一夏「けっこう汗かきやすいんだね、千冬ねえ」
一夏「千冬ねえのこと全部知ってるつもりだったけど、こんな千冬ねえは初めてだ」
千冬「うぐっうぐっ」
一夏「千冬ねえのこと全部知ってるつもりだったけど、こんな千冬ねえは初めてだ」
千冬「うぐっうぐっ」
112: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:40:35.233 ID:xVYECq9f0.net
一夏「すごい溢れてきてるよ・・・興奮してるの?千冬ねえ?」
一夏「すごい!すごいよ!千冬ねえ!千冬ねえを翻弄してるよ」
千冬「ん~~~~~~~ふぅ~~~~~~~~」
一夏「すごい!すごいよ!千冬ねえ!千冬ねえを翻弄してるよ」
千冬「ん~~~~~~~ふぅ~~~~~~~~」
113: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:42:36.477 ID:xVYECq9f0.net
ああ、もう一夏のなすがままだわ
私の意志はどこにもないの・・・すべては一夏かが一夏かが・・・
んんん、もうダメっ耐えられない・・・!!
私の意志はどこにもないの・・・すべては一夏かが一夏かが・・・
んんん、もうダメっ耐えられない・・・!!
114: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:44:16.352 ID:xVYECq9f0.net
しゃあ~~~~~~~
一夏「ぶはっ!、何だこれ・・・これがイクってやつなの?千冬ねえ?もしかしてイッたの?」
千冬「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・ん~~~~~~」
一夏「ぶはっ!、何だこれ・・・これがイクってやつなの?千冬ねえ?もしかしてイッたの?」
千冬「・・・ふぅ・・・ふぅ・・・ん~~~~~~」
115: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:45:43.681 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ああもう俺ダメだ、千冬ねえかわいすぎ」
一夏「もう我慢できねえよ。千冬ねえ」
一夏「千冬ねえ。俺を受け入れてくれるよね千冬ねえ。」
一夏「もう我慢できねえよ。千冬ねえ」
一夏「千冬ねえ。俺を受け入れてくれるよね千冬ねえ。」
116: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:47:17.802 ID:xVYECq9f0.net
彼が、私に入ろうとしてキてるわあ
すご、い反りたってるぅ
あんなのが私に入ってくるノ・・・
すご、い反りたってるぅ
あんなのが私に入ってくるノ・・・
117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:49:16.396 ID:xVYECq9f0.net
ん、ああ、かれのがキてる、、、キてる
はいいってきてる・・・んんん、ドイツいらいだから・・・かなりひさびさで
ああ、ああああ、キてる・・・
はいいってきてる・・・んんん、ドイツいらいだから・・・かなりひさびさで
ああ、ああああ、キてる・・・
118: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:50:02.384 ID:xVYECq9f0.net
ぬぷう
きた~~~ああっ!!かれのきたあ!!!
すっごくあったかいいいいい
きた~~~ああっ!!かれのきたあ!!!
すっごくあったかいいいいい
119: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:51:17.674 ID:xVYECq9f0.net
一夏「あああ、あああ、気持ちいいよ、千冬ねえ、」
千冬「ぐっぐっ」
一夏「うわっイグっっつつつ」
千冬「ぐっぐっ」
一夏「うわっイグっっつつつ」
120: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:52:10.072 ID:xVYECq9f0.net
どぷう
ああああああ、ながれてきてる、、かれのが、、、、
すごい、、、いきお、、、い、、、
ああああああ、ながれてきてる、、かれのが、、、、
すごい、、、いきお、、、い、、、
121: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:53:45.912 ID:xVYECq9f0.net
一夏「あああ、すげえよ、すげえよ、千冬ねえ、きもちいいよ、千冬ねえ」
千冬「ふう~~ぐっぐっ」
一夏「っへへへ、まだmだまっだmよ、千冬ねえ!」
千冬「ふう~~ぐっぐっ」
一夏「っへへへ、まだmだまっだmよ、千冬ねえ!」
122: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:54:37.087 ID:xVYECq9f0.net
ぬぷ、ずんずん、、ぬぷ、ずんずん
・・・ ・・・ ・・・
ぬぷぷぷ、ずんずん、ぬぷぷぷ、、、
・・・ ・・・ ・・・
ぬぷぷぷ、ずんずん、ぬぷぷぷ、、、
123: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:55:29.850 ID:xVYECq9f0.net
パンパン、ずんずん、ぬぷぷ。。。
・・・ ・・・ ・・・
パンパンパン・・・パンパンパン・・・
・・・ ・・・ ・・・
パンパンパン・・・パンパンパン・・・
124: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:57:03.066 ID:xVYECq9f0.net
ああ、もうどれくらい時間経ったのだろう
私どれだけ汚されたのかしら・・・
喉が渇いた・・・口に填めてるもの外してよ・・・一夏・・・
私どれだけ汚されたのかしら・・・
喉が渇いた・・・口に填めてるもの外してよ・・・一夏・・・
125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 22:58:08.399 ID:xVYECq9f0.net
パンパン、パンパン、ぬぷぷ、パンパン
・・・
パンパンパン・・・パンパンパン・・・
・・・
パンパンパン・・・パンパンパン・・・
126: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:00:00.921 ID:xVYECq9f0.net
一夏「千冬ねえ、どう・・・俺たち・・・んっ?千冬ねえ・・・何でしゃべらないの?」
一夏「そっかあ、変態さんだからねえ・・・その口で何咥えてると思う・・・?」
千冬「・・・?・・・」
一夏「そっかあ、変態さんだからねえ・・・その口で何咥えてると思う・・・?」
千冬「・・・?・・・」
127: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:01:21.837 ID:xVYECq9f0.net
何これ、何これえええええええええええ
そこにはあの下着が・・・さっき彼がシゴいてた下着が・・・箒の下着が
わたし、の、口から落ちてきて・・・
そこにはあの下着が・・・さっき彼がシゴいてた下着が・・・箒の下着が
わたし、の、口から落ちてきて・・・
128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:02:11.442 ID:xVYECq9f0.net
いやっ!いやあああああああああ!!!
どうぢてええええ、こんなああああああああああ
こんなのっててえええええええええ
どうぢてええええ、こんなああああああああああ
こんなのっててえええええええええ
129: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:03:38.410 ID:xVYECq9f0.net
千冬「い、いぢがあ、、こでっこで・・・」
一夏「何言ってるかわからねえよ、千冬ねえ・・・口は渇いて臭くなってるし・・・」
一夏「おらっつ、これでも咥えろ・・・」
一夏「何言ってるかわからねえよ、千冬ねえ・・・口は渇いて臭くなってるし・・・」
一夏「おらっつ、これでも咥えろ・・・」
130: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:04:40.817 ID:xVYECq9f0.net
じゅぽっ
千冬「ん~~~~~~~~」
一夏「ああ、千冬の中あったけえ、うお出るでるっ」
千冬「ん~~~~~~~~」
一夏「ああ、千冬の中あったけえ、うお出るでるっ」
131: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:05:37.111 ID:xVYECq9f0.net
しゃあああああああああああああああ
千冬「ん~~~~~~~~~~~」
一夏「あああ、出るわ~すっきり~はあ~」
千冬「ん~~~~~~~~~~~」
一夏「あああ、出るわ~すっきり~はあ~」
132: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:06:23.725 ID:xVYECq9f0.net
おえっ、おえっおええおえおえええ
・・・
一夏「へへへ、千冬・・・へへへへ」
・・・
一夏「へへへ、千冬・・・へへへへ」
134: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:08:38.695 ID:xVYECq9f0.net
一夏「千冬!まだ終わってねえぞ!千冬!今からだからな!まだ3時間しか経ってねえぞ」
千冬「もう、ゆるして、、、一夏、、、」
一夏「っらああああ、うつぶせになれや!」
千冬「もう、ゆるして、、、一夏、、、」
一夏「っらああああ、うつぶせになれや!」
135: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:09:44.394 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ケツ突き出せ!ほらっ!入れるぞお」
千冬「いやあ、やめてよお、もうダメなのお」
一夏「あああ、おらあああ」
千冬「いやあ、やめてよお、もうダメなのお」
一夏「あああ、おらあああ」
136: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:11:58.316 ID:xVYECq9f0.net
そして、もうそこから、彼は止まらず何度も何度も私を汚してはその姿を楽しんでる。
私が排卵日のことを伝えても彼は聞く耳を持たないの・・・
もうそのことを伝えても遅いのだけれど・・・
私が排卵日のことを伝えても彼は聞く耳を持たないの・・・
もうそのことを伝えても遅いのだけれど・・・
139: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:14:41.053 ID:xVYECq9f0.net
私たちは、姉弟の一線を越えてしまった・・・
もう戻れない私たちの日常、そして私たちが向かうはずだったであろう遠きアルカディア・・・
これは必然だったのかしら、、カントは人間に自由意志などないと言う・・・
もう戻れない私たちの日常、そして私たちが向かうはずだったであろう遠きアルカディア・・・
これは必然だったのかしら、、カントは人間に自由意志などないと言う・・・
140: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:17:58.615 ID:xVYECq9f0.net
ああ、一夏、、、あなたが犯してしまった過ち、、、その過ちがこんな結果になるなんて・・・
あなたが悪かったの?いいえ、私が悪かったのかしら、、、ううん誰も悪くない、悪い人なんて誰も居ない
もう私たちはこの先ともにこの罪業、恥を背負って行かなければいけない
あなたが悪かったの?いいえ、私が悪かったのかしら、、、ううん誰も悪くない、悪い人なんて誰も居ない
もう私たちはこの先ともにこの罪業、恥を背負って行かなければいけない
141: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:19:58.546 ID:xVYECq9f0.net
そもそも私たちはそんなことできるのかしら。。
これから先、私たちはどうなるの、、、まず正直に下着のことを学園に、、、
警察にもありのままを伝えて、、、一夏を救ってあげないと、、、
これから先、私たちはどうなるの、、、まず正直に下着のことを学園に、、、
警察にもありのままを伝えて、、、一夏を救ってあげないと、、、
142: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:21:39.610 ID:xVYECq9f0.net
一夏を救う、、、?警察に一夏のことを伝えてしまえば、、、どうなるのかしら、、、
わたしたちはどうなるのかしら、、、また離れ離れになってしまう、、、
一夏、、、もう嫌だわ、、、あなたとは離れたくない
わたしたちはどうなるのかしら、、、また離れ離れになってしまう、、、
一夏、、、もう嫌だわ、、、あなたとは離れたくない
144: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:23:40.774 ID:xVYECq9f0.net
もう、、、そんなのどうでもいい、、、一夏のことしか考えられない、、、
一夏と離れ離れなんて嫌、、、ドイツに行ったときも片時も忘れたことなんてないもの
すごくさびしかった、、、あのときのことを一夏は引きずってるの、、、あの試合のこと、、、
一夏と離れ離れなんて嫌、、、ドイツに行ったときも片時も忘れたことなんてないもの
すごくさびしかった、、、あのときのことを一夏は引きずってるの、、、あの試合のこと、、、
145: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:25:56.384 ID:xVYECq9f0.net
一夏はそのことでずっと苦しんでた、、、一夏はすごく自分を責めてた
あの日から一夏は誰にも良い顔をするようになって、、、
でもそれは、自分の苦しみを振り払おうとする彼自身の葛藤の現れで・・・
あの日から一夏は誰にも良い顔をするようになって、、、
でもそれは、自分の苦しみを振り払おうとする彼自身の葛藤の現れで・・・
146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:27:24.026 ID:xVYECq9f0.net
もう嫌よ、誰も苦しんではダメ、、、わたしたちはずっと一緒よ、、、一夏、、、
一夏、あなたのことは本当に愛してるわ・・・
一夏、もう私のことを置いていかないで、、、いちかあ、、、
一夏、あなたのことは本当に愛してるわ・・・
一夏、もう私のことを置いていかないで、、、いちかあ、、、
147: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:29:08.954 ID:xVYECq9f0.net
prprprprprprprprprpr
?「うーん、もう朝か・・・」
?「今日は月曜日・・・一夏に会える」
?「うーん、もう朝か・・・」
?「今日は月曜日・・・一夏に会える」
148: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:31:43.204 ID:xVYECq9f0.net
私は篠ノ之箒。一夏のかれ、ごほんっ!幼馴染だ!
一夏とは、小さい頃からいつでも一緒でまさかこんなところで一緒になるとは思わなかった
すごくびっくりして、でも驚いてる・・・また一夏と一緒に暮らせる・・・
一夏とは、小さい頃からいつでも一緒でまさかこんなところで一緒になるとは思わなかった
すごくびっくりして、でも驚いてる・・・また一夏と一緒に暮らせる・・・
149: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:33:28.393 ID:xVYECq9f0.net
一夏元気そうだったけど、どうしてるだろう
体調のことを考えて、土日に部屋へ行かなかったが、治っただろうか
早く一夏の元気な顔が見たいな
体調のことを考えて、土日に部屋へ行かなかったが、治っただろうか
早く一夏の元気な顔が見たいな
150: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:34:37.862 ID:xVYECq9f0.net
ぴんぽんぱんぽーん
篠ノ之箒さん、篠ノ之箒さん、至急職員室まで来てください
繰り返します・・・
私か!なんで私が!
篠ノ之箒さん、篠ノ之箒さん、至急職員室まで来てください
繰り返します・・・
私か!なんで私が!
151: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:35:52.827 ID:xVYECq9f0.net
箒「失礼します!篠ノ之です!入ります!」
・・・ ・・・ ・・・
箒「何だこの静けさは・・・」
・・・ ・・・ ・・・
箒「何だこの静けさは・・・」
152: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:37:55.284 ID:xVYECq9f0.net
箒「ん?一夏じゃないか!おーい!一夏!」
千冬「おい!篠ノ之!!!何してる!だれが織斑と話していいと言った!」
箒「千冬さんっ?なんで?」
千冬「おい!篠ノ之!!!何してる!だれが織斑と話していいと言った!」
箒「千冬さんっ?なんで?」
153: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:39:11.587 ID:xVYECq9f0.net
箒「千冬さん、これは一体・・・?」
千冬「おい・・・織斑先生だろ・・・篠ノ之・・・ここは学園だぞ?」
箒「す、すいません!織斑先生!」
千冬「おい・・・織斑先生だろ・・・篠ノ之・・・ここは学園だぞ?」
箒「す、すいません!織斑先生!」
156: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:40:22.484 ID:xVYECq9f0.net
千冬「篠ノ之、今日はおまえに確認してもらわなければならないことがある」
箒「?」
千冬「ふむ・・・実はこれのことでな・・・」
箒「?」
千冬「ふむ・・・実はこれのことでな・・・」
158: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:42:12.958 ID:xVYECq9f0.net
箒「!?、これは、私の!!!!!」
千冬「やはりこれはおまえのか・・・いやあな・・・実は織斑から相談を受けてな」
箒「千冬さん!これは何なんですか?一体どういうことなんですか?」
千冬「やはりこれはおまえのか・・・いやあな・・・実は織斑から相談を受けてな」
箒「千冬さん!これは何なんですか?一体どういうことなんですか?」
159: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:44:04.864 ID:xVYECq9f0.net
千冬「あのな、この下着が織斑の部屋に投げ込まれいたらしくてな・・・」
箒「そんな!何で!どうして!?」
千冬「それはこちらが聞きたいのだ!だから確認したいことがあると言ってるだろ?」
箒「そんな!何で!どうして!?」
千冬「それはこちらが聞きたいのだ!だから確認したいことがあると言ってるだろ?」
161: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:45:52.285 ID:xVYECq9f0.net
箒「わかりません!千冬さん!こちらが聞きたいくらいです!」
千冬「織斑先生だ・・・。まあいい、実は織斑の方もさっぱりわからないらしくてな、、、」
箒「そ、そんな!私だってわかりませんよ・・・」
千冬「織斑先生だ・・・。まあいい、実は織斑の方もさっぱりわからないらしくてな、、、」
箒「そ、そんな!私だってわかりませんよ・・・」
162: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:46:53.447 ID:xVYECq9f0.net
千冬「そうか、、、おい!織斑!」
一夏「・・・」
箒「おい!一夏!これはどういうことだ!説明しろ!」
一夏「・・・」
箒「おい!一夏!これはどういうことだ!説明しろ!」
163: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:48:11.063 ID:xVYECq9f0.net
一夏「・・・知らない・・・」
箒「ふざけるな!一夏!これは私の下着だぞ!」
千冬「おい・・・篠ノ之、そう熱くなるな・・・」
箒「ふざけるな!一夏!これは私の下着だぞ!」
千冬「おい・・・篠ノ之、そう熱くなるな・・・」
165: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:50:07.149 ID:xVYECq9f0.net
一夏「これは箒がきっとやったんだ・・・こいつ・・・むかしから変な気を遣ってたし・・・」
箒「おい!一夏!何を言ってる!それは私が好きだったからでって!ちがうちがう!そんなことじゃなくて・・・」
千冬「おーい・・・篠ノ之・・・どういうことなんだ・・・まさか私のかわいい弟に・・・」
箒「おい!一夏!何を言ってる!それは私が好きだったからでって!ちがうちがう!そんなことじゃなくて・・・」
千冬「おーい・・・篠ノ之・・・どういうことなんだ・・・まさか私のかわいい弟に・・・」
166: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:51:55.984 ID:xVYECq9f0.net
箒「千冬さんまで!今日は二人ともどうかしてる!こんなのおかしい!」
千冬「おーい・・・箒、私もお前のことは昔から知ってるぞ」
千冬「よく、一夏の遊び相手になってくれたもんなあ」
千冬「おーい・・・箒、私もお前のことは昔から知ってるぞ」
千冬「よく、一夏の遊び相手になってくれたもんなあ」
167: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:53:44.236 ID:xVYECq9f0.net
箒「だったら、千冬さん!こんなのおかしい!一夏かが!嘘を!!」
千冬「ほう・・・おまえも言うようになったなあ・・・箒、私の弟が嘘だと・・・?」
千冬「だったら私にまで嘘を付いてることになるんだが・・・どうなんだ・・・?」
千冬「ほう・・・おまえも言うようになったなあ・・・箒、私の弟が嘘だと・・・?」
千冬「だったら私にまで嘘を付いてることになるんだが・・・どうなんだ・・・?」
168: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:55:54.469 ID:xVYECq9f0.net
一夏「ありえない!ありえない!千冬ねえにそんな嘘だなんて・・・」
千冬「織斑先生だ!、どうだ箒、、、一夏はこう言ってるぞ?」
箒「そんな・・・千冬さん、私とも長い関係のはず・・・束姉さん以上にあなたのことを姉と慕って・・・」
千冬「織斑先生だ!、どうだ箒、、、一夏はこう言ってるぞ?」
箒「そんな・・・千冬さん、私とも長い関係のはず・・・束姉さん以上にあなたのことを姉と慕って・・・」
169: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:57:09.684 ID:xVYECq9f0.net
そのとき、私はどうなったか覚えていない
でも間違いなく私の身体は宙を舞って、そして、床に叩き付けられた・・・
あまりに一瞬のできごとで・・・
でも間違いなく私の身体は宙を舞って、そして、床に叩き付けられた・・・
あまりに一瞬のできごとで・・・
170: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:58:50.ウンコ ID:xVYECq9f0.net
千冬「私のことを姉などと呼ぶな!!!!!気色悪い!!!!!!!!」
箒「ち、ちふ・・・」
千冬「さっきから、我慢して聞いてれば、馴れ馴れしく口を利いてきおって・・・」
箒「ち、ちふ・・・」
千冬「さっきから、我慢して聞いてれば、馴れ馴れしく口を利いてきおって・・・」
171: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/10(木) 23:59:43.746 ID:xVYECq9f0.net
箒「ち、ちふゆさん!!!」
千冬「まだ言うかこのメス犬が!!!!」
箒「うわっツっつつつつ」
千冬「まだ言うかこのメス犬が!!!!」
箒「うわっツっつつつつ」
173: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:02:02.489 ID:6rvdBajx0.net
千冬「何が姉と慕ってだ、この出来損ない目が、束はよくやってる、天才だ」
千冬「しかし、おまえはどうだ、束にすら近づけず、凡人以下、束の足下にすら及ばない」
千冬「そのことに向き合おうともせずに、束から逃げてばかりだ・・・挙句の果てに私たちの家に入ってきおって・・・」
千冬「しかし、おまえはどうだ、束にすら近づけず、凡人以下、束の足下にすら及ばない」
千冬「そのことに向き合おうともせずに、束から逃げてばかりだ・・・挙句の果てに私たちの家に入ってきおって・・・」
175: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:04:03.082 ID:6rvdBajx0.net
箒「そ、そんな、ちふゆさん!わたしは!!」
千冬「勝手に我々の家に入ってきては、干渉して一夏を誑かした」
千冬「私はあえておまえの境遇に目をつぶって、口出しはしなかった」
千冬「勝手に我々の家に入ってきては、干渉して一夏を誑かした」
千冬「私はあえておまえの境遇に目をつぶって、口出しはしなかった」
176: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:06:17.982 ID:6rvdBajx0.net
千冬「だがな・・・おまえは色々とやりすぎだ・・・私は今までそれにじっと我慢していたのだ」
千冬「一夏のことを想っても、おまえのことを考えてあえて我慢してきたのだぞ・・・」
千冬「この疫病神が・・・束はおろか・・・一夏を愚弄しおってからに・・・」
千冬「一夏のことを想っても、おまえのことを考えてあえて我慢してきたのだぞ・・・」
千冬「この疫病神が・・・束はおろか・・・一夏を愚弄しおってからに・・・」
177: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:08:12.932 ID:6rvdBajx0.net
箒「ちふゆさん!そんな!でも、ちふゆさんのことを傷つけたのなら謝ります・・・」
箒「知らなかった・・・そんなに千冬さんが苦しんでいたなんて・・・」
箒「一夏もごめん・・・そんな・・・私・・・」
箒「知らなかった・・・そんなに千冬さんが苦しんでいたなんて・・・」
箒「一夏もごめん・・・そんな・・・私・・・」
178: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:09:33.874 ID:6rvdBajx0.net
千冬「まさにそれだよ!!!このガキめ!!!」
箒「えっ?」
千冬「その名前で呼ぶところが気に食わない・・・何なんだ・・・おまえは?家族か友人か?」
箒「えっ?」
千冬「その名前で呼ぶところが気に食わない・・・何なんだ・・・おまえは?家族か友人か?」
179: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:10:54.249 ID:6rvdBajx0.net
箒「えっえっ?」
千冬「私たちの中に土足で入ってきては心を抉り、破壊していく・・・」
千冬「そんなやつに名前で呼ばれる筋合いはないんだよ!!!」
千冬「私たちの中に土足で入ってきては心を抉り、破壊していく・・・」
千冬「そんなやつに名前で呼ばれる筋合いはないんだよ!!!」
180: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:12:29.178 ID:6rvdBajx0.net
箒「そっ、そんなあ・・・」
千冬「それでだ・・・篠ノ之、、、今回の件、おまえだろ・・・?」
箒「!?」
千冬「それでだ・・・篠ノ之、、、今回の件、おまえだろ・・・?」
箒「!?」
181: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:14:27.419 ID:6rvdBajx0.net
千冬「私はというか、学園は状況証拠と織斑本人の証言からこれは篠ノ之、おまえがやったと考えている・・・」
箒「せ、せんせい、、、どういう。。。」
千冬「つまり、おまえが犯人ということだ、この下着を織斑の部屋に置いて逃走したな」
箒「せ、せんせい、、、どういう。。。」
千冬「つまり、おまえが犯人ということだ、この下着を織斑の部屋に置いて逃走したな」
182: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:16:50.138 ID:6rvdBajx0.net
箒「そ、そんなっ!違います!やってません!」
千冬「ほう・・・まだ白を切るのか・・・面白いな篠ノ之、でもなもう一つお前に見せてやろう」
箒「・・・!?」
千冬「ほう・・・まだ白を切るのか・・・面白いな篠ノ之、でもなもう一つお前に見せてやろう」
箒「・・・!?」
183: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:17:48.765 ID:6rvdBajx0.net
千冬「山田先生、こちらへ来てください・・・」
山田先生「・・・ ・・・」
箒「先生!山田先生!」
山田先生「・・・ ・・・」
箒「先生!山田先生!」
185: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:18:56.702 ID:6rvdBajx0.net
千冬「山田先生、我々に先ほど話してくださったこともう一度よろしいでしょうか・・・」
山田先生「はい・・・」
箒「え・・・どういう・・・?」
山田先生「はい・・・」
箒「え・・・どういう・・・?」
186: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:21:19.739 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「私は、先週の金曜日に授業に来ない織斑くんを心配して彼の部屋に向かいました・・・」
山田先生「そのときは、篠ノ之さんとも一緒で二人で彼を心配していたのです・・・」
千冬「ほう・・・それで」
山田先生「そのときは、篠ノ之さんとも一緒で二人で彼を心配していたのです・・・」
千冬「ほう・・・それで」
187: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:23:59.918 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「そこで私たちは織斑くんに呼びかけました。何度かノックしたり・・・そして携帯にもかけたりして」
山田先生「そうすると、いきなり織斑くんが出てきて、彼は私たちにそのステキな笑顔を見せてくれたのです。」
箒「そ、そうです!その通りです・・・」
山田先生「そうすると、いきなり織斑くんが出てきて、彼は私たちにそのステキな笑顔を見せてくれたのです。」
箒「そ、そうです!その通りです・・・」
188: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:26:48.671 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「そして、そのあと、私たちは帰ろうとしたのですが、突然、篠ノ之さんが電話をかけようとしたのです・・・」
山田先生「それはもう必死でした、一夏さんは自分のものと言わないばかりに・・・」
箒「え・・・?」
山田先生「それはもう必死でした、一夏さんは自分のものと言わないばかりに・・・」
箒「え・・・?」
189: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:30:01.165 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「そして、そのときは私にまで確認させる始末、何かに憑依されてるような口調で私に命令しました。」
山田先生「その後、部屋に入ろうとした箒さんを私は制止しました。彼女は大変何かに怯えていたようでした。」
千冬「確かに先生が言うように、私の最後の着信履歴は山田先生からの携帯からだな」
山田先生「その後、部屋に入ろうとした箒さんを私は制止しました。彼女は大変何かに怯えていたようでした。」
千冬「確かに先生が言うように、私の最後の着信履歴は山田先生からの携帯からだな」
190: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:33:06.785 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「そうです。。。それが篠ノ之さんが最後にかけた分です。」
山田先生「しかし、ちょうどそのとき、学園内でトラブルが発生しました。」
山田先生「私たちは二人で向かったのですが、実はそのとき、篠ノ之さんは別行動を取り出したんです。」
山田先生「しかし、ちょうどそのとき、学園内でトラブルが発生しました。」
山田先生「私たちは二人で向かったのですが、実はそのとき、篠ノ之さんは別行動を取り出したんです。」
191: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:35:02.329 ID:6rvdBajx0.net
箒「別行動ってそんな!あれは先生からの指示でしょう!」
山田先生「はい、確かに私が指示を出しました。でも彼女はしばらく経っても現場には来ず、分かれてから20分もかかったいたのです。」
箒「そ、それは・・・」
山田先生「はい、確かに私が指示を出しました。でも彼女はしばらく経っても現場には来ず、分かれてから20分もかかったいたのです。」
箒「そ、それは・・・」
192: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:38:04.101 ID:6rvdBajx0.net
千冬「ほう・・・篠ノ之、どういうことだ・・・?一体何をしていたんだ?」
箒「山田先生からこれをいち、織斑くんの部屋に届けるように言われたんです。」
箒「それも、緊急放送があって運動場に向かう直前のことでした。このプリント類を織斑くんのところへ」
箒「山田先生からこれをいち、織斑くんの部屋に届けるように言われたんです。」
箒「それも、緊急放送があって運動場に向かう直前のことでした。このプリント類を織斑くんのところへ」
193: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:40:54.442 ID:6rvdBajx0.net
千冬「ああ・・・そうだな・・・さきほど織斑から見せてもらったよ、、、」
箒「そうですか・・・一体それが何だと言うのです?プリント類が入ったただのA4封筒でしょ?」
千冬「実はな、篠ノ之、下着はこの中から見つかってるのだ。おまえがドアの前に置いて行ったであろうこの封筒からな!」
箒「そうですか・・・一体それが何だと言うのです?プリント類が入ったただのA4封筒でしょ?」
千冬「実はな、篠ノ之、下着はこの中から見つかってるのだ。おまえがドアの前に置いて行ったであろうこの封筒からな!」
194: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:42:24.591 ID:6rvdBajx0.net
箒「そんな!!!!馬鹿な!!!!」
千冬「だそうだが、織斑どうなんだ?」
一夏「それに入っていました・・・もうショックで・・・思い出したくもない・・・うっ」
千冬「だそうだが、織斑どうなんだ?」
一夏「それに入っていました・・・もうショックで・・・思い出したくもない・・・うっ」
195: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:43:32.784 ID:6rvdBajx0.net
箒「う、嘘だ!!!!!」
千冬「往生際が悪いぞ!!!小娘!!!もう証拠は出てるんだ!!!」
箒「そ、そんな・・・」
千冬「往生際が悪いぞ!!!小娘!!!もう証拠は出てるんだ!!!」
箒「そ、そんな・・・」
196: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:45:13.011 ID:6rvdBajx0.net
千冬「おまえはその封筒を届けたとき、何か聞いたのではないか?いや聞いたはずだ!」
箒「な、なんのことです?」
千冬「ほう・・・しらばっくれるか・・・いい度胸だ・・・あれだけの悲鳴聞こえないわけ・・・ごほんっ」
箒「な、なんのことです?」
千冬「ほう・・・しらばっくれるか・・・いい度胸だ・・・あれだけの悲鳴聞こえないわけ・・・ごほんっ」
197: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:47:19.754 ID:6rvdBajx0.net
千冬「まあ、なんだ、おまえはもうこの学園には居られなくなる・・・」
箒「そ、それはどういう・・・」
千冬「安心しろ、強制退学ではない、ちゃんと自主退学扱いにしてやる、もちろん警察にも告訴はしない」
箒「そ、それはどういう・・・」
千冬「安心しろ、強制退学ではない、ちゃんと自主退学扱いにしてやる、もちろん警察にも告訴はしない」
199: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:49:48.364 ID:6rvdBajx0.net
箒「そ、そういうことではありません!!!なんで私が!!!!」
千冬「こんなことをやっておいてこのままで済むと?おまえは何一つ我々を説得させていないのだぞ?」
千冬「とにかく、これは決定事項だ!!部屋へ戻って荷物をまとめろ!!!配送はこちらで手配する」
千冬「こんなことをやっておいてこのままで済むと?おまえは何一つ我々を説得させていないのだぞ?」
千冬「とにかく、これは決定事項だ!!部屋へ戻って荷物をまとめろ!!!配送はこちらで手配する」
200: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:51:17.851 ID:6rvdBajx0.net
箒「そ、そんな千冬さん!!!!!待って!!!!!一夏!!!!!」
一夏「~♪」
千冬「ほら、篠ノ之、退学書を書け!早く座れ!早急に書け!」
一夏「~♪」
千冬「ほら、篠ノ之、退学書を書け!早く座れ!早急に書け!」
201: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:52:50.452 ID:6rvdBajx0.net
こうして、私は・・・IS学園から去ることになった・・・
なんで、私は何もしてないのに・・・どういうことなの・・・下着ってどういうこと・・・
一夏・・・あなたは私のことそんな風に想ってたの・・・千冬さん・・・お姉ちゃん・・・
なんで、私は何もしてないのに・・・どういうことなの・・・下着ってどういうこと・・・
一夏・・・あなたは私のことそんな風に想ってたの・・・千冬さん・・・お姉ちゃん・・・
202: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:53:59.256 ID:6rvdBajx0.net
・・・ ・・・ ・・・
それから一週間が過ぎて
・・・ ・・・ ・・・
それから一週間が過ぎて
・・・ ・・・ ・・・
203: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:55:07.077 ID:6rvdBajx0.net
?「ハアハア・・・ハアハア・・・」
?「あんっ・・・あんっ・・・ぐふっ・・・」
?「うっ、、山田先生、、、」
?「あんっ・・・あんっ・・・ぐふっ・・・」
?「うっ、、山田先生、、、」
204: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:56:52.928 ID:6rvdBajx0.net
一夏「ハアハア・・・最高でした山田先生・・・
山田先生「・・・ふぅ・・・わたひこそお・・・」
千冬「おお、山田先生のこんなところ初めて見たよ・・・」
山田先生「・・・ふぅ・・・わたひこそお・・・」
千冬「おお、山田先生のこんなところ初めて見たよ・・・」
205: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 00:59:03.079 ID:6rvdBajx0.net
一夏「山田先生のおかげで俺たちの関係が公にならなくて済んだし・・・ほんと感謝してます」
千冬「篠ノ之は間違いなく私たちの声を聞いていただろう、間違いない・・・」
千冬「あんな小娘が私たちの関係を知って我慢できるわけがない・・・早めに摘んでおいてよかった」
千冬「篠ノ之は間違いなく私たちの声を聞いていただろう、間違いない・・・」
千冬「あんな小娘が私たちの関係を知って我慢できるわけがない・・・早めに摘んでおいてよかった」
207: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 01:00:59.941 ID:6rvdBajx0.net
山田先生「いえ・・・わたひもごんなごとで千冬ちゃんに協力できるなりゃあ・・・えへへ・・・」
一夏「へへへ、もう飛んでるね、先生・・・」
千冬「手加減してやらなきゃなダメだぞ一夏・・・おまえはそれでなくても鈍感だというのに・・・」
一夏「へへへ、もう飛んでるね、先生・・・」
千冬「手加減してやらなきゃなダメだぞ一夏・・・おまえはそれでなくても鈍感だというのに・・・」
208: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 01:02:13.460 ID:6rvdBajx0.net
一夏「え?何だって?千冬ねえ?」
千冬「何でもないぞ!このかわいい弟め・・・」
一夏「えへへへ、ねえちゃん、千冬・・・」
千冬「何でもないぞ!このかわいい弟め・・・」
一夏「えへへへ、ねえちゃん、千冬・・・」
209: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 01:04:58.850 ID:6rvdBajx0.net
こうして、私と一夏は安息の地を手に入れた・・・
長く互いに苦しんできたことを解放して、今私たちはお互いを許しあっている・・・愛し合っている・・・
ああ、一夏、、、、もう私の側から離れないでね、、、ずっと、これからも、この先も、、私はあなたのものよ・・・一夏・・・
長く互いに苦しんできたことを解放して、今私たちはお互いを許しあっている・・・愛し合っている・・・
ああ、一夏、、、、もう私の側から離れないでね、、、ずっと、これからも、この先も、、私はあなたのものよ・・・一夏・・・
210: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 01:05:27.136 ID:6rvdBajx0.net
・・・ ・・・ ・・・
THE END
・・・ ・・・ ・・・
THE END
・・・ ・・・ ・・・
211: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/11(金) 01:08:41.633 ID:XnRd2aIZ0.net
束さんが黙ってないんじゃね?
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1441881172/
Entry ⇒ 2015.10.24 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
シャル「壁ドン?」ラウラ「そうだ」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:15:59.690 ID:tcIPaIi00.net
シャル「その壁ドン?っていうのは何?」
ラウラ「萌えシチュエーションの一つらしい」
ラウラ「男が女を強引に壁に押さえ込んで、手と壁で女の逃げ場を塞ぐ」
シャル「うーん、ちょっとよくわからないかな」
ラウラ「なら実際にやってみよう。シャルロット、壁に背中を預けてくれ」
シャル「う、うん……」
ラウラ「やるぞ。……シャルロット……」ドンッ
シャル「!」
ラウラ「……好きだ」
シャル「!!」
ラウラ「萌えシチュエーションの一つらしい」
ラウラ「男が女を強引に壁に押さえ込んで、手と壁で女の逃げ場を塞ぐ」
シャル「うーん、ちょっとよくわからないかな」
ラウラ「なら実際にやってみよう。シャルロット、壁に背中を預けてくれ」
シャル「う、うん……」
ラウラ「やるぞ。……シャルロット……」ドンッ
シャル「!」
ラウラ「……好きだ」
シャル「!!」
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:16:40.048 ID:tcIPaIi00.net
ラウラ「どうだ?」
シャル「ちょ、ちょっとドキドキしたかも」
ラウラ「そうか。だがもしこれが一夏なら……?」
シャル「!!!」
ラウラ「ふふふ」
シャル「ゴクリ……」
ラウラ「明日、嫁に壁ドンをして貰おうと思う」
シャル「いいね……僕も付き合うよ」
ラウラ「ああ」
シャル「ちなみにその知識の出所は?」
ラウラ「クラリッサだ」
シャル「うん、だよね」
シャル「ちょ、ちょっとドキドキしたかも」
ラウラ「そうか。だがもしこれが一夏なら……?」
シャル「!!!」
ラウラ「ふふふ」
シャル「ゴクリ……」
ラウラ「明日、嫁に壁ドンをして貰おうと思う」
シャル「いいね……僕も付き合うよ」
ラウラ「ああ」
シャル「ちなみにその知識の出所は?」
ラウラ「クラリッサだ」
シャル「うん、だよね」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:17:31.643 ID:tcIPaIi00.net
朝
一夏「う……ん?って、またラウラか!もう布団に潜り込むのやめてくれよ!」
ラウラ「今日は嫁に壁ドンを頼みに来た」
一夏「はぁ?壁ドン?ってちょっと前流行ったあれか?」
ラウラ「そうだ。理解が早くて助かる」
一夏「で?」
ラウラ「私に壁ドンをしてくれ」
一夏「……」
ラウラ「……」
一夏「っていたたたた!わかった!やるから!」
一夏「う……ん?って、またラウラか!もう布団に潜り込むのやめてくれよ!」
ラウラ「今日は嫁に壁ドンを頼みに来た」
一夏「はぁ?壁ドン?ってちょっと前流行ったあれか?」
ラウラ「そうだ。理解が早くて助かる」
一夏「で?」
ラウラ「私に壁ドンをしてくれ」
一夏「……」
ラウラ「……」
一夏「っていたたたた!わかった!やるから!」
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:18:20.738 ID:tcIPaIi00.net
ラウラ「で、では頼む……!セリフは『もう逃がさない』だ!」
一夏「はぁ……じゃあやるぞ」ドンッ
一夏「もう逃がs」
ラウラ「はぁっ!!」
一夏「どわぁぁぁ!!」
ラウラ「……ハッ!しまった、つい癖で投げ飛ばしてしまった!大丈夫か一夏!」
一夏「……なんとかな」
ラウラ「も、もう一度頼めるか……?」
一夏「はぁ……ああ、いいぜ。どうせやらないと満足しないだろうしな」
一夏「はぁ……じゃあやるぞ」ドンッ
一夏「もう逃がs」
ラウラ「はぁっ!!」
一夏「どわぁぁぁ!!」
ラウラ「……ハッ!しまった、つい癖で投げ飛ばしてしまった!大丈夫か一夏!」
一夏「……なんとかな」
ラウラ「も、もう一度頼めるか……?」
一夏「はぁ……ああ、いいぜ。どうせやらないと満足しないだろうしな」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:18:56.501 ID:tcIPaIi00.net
一夏「ラウラ……」ドンッ
ラウラ「あっ……」
一夏「もう逃がさない」ボソッ
ラウラ「……!!!はぅ……///」
一夏「お、おい大丈夫か?」
ラウラ「……な、なんとか……///」
一夏「もう気は済んだか?」
ラウラ「う、うむ」
ラウラ(できればもっと先がやりたいが……///)
シャル「ラウラ!」
ラウラ「むっ!」
一夏「今度はなんだ?」
ラウラ「あっ……」
一夏「もう逃がさない」ボソッ
ラウラ「……!!!はぅ……///」
一夏「お、おい大丈夫か?」
ラウラ「……な、なんとか……///」
一夏「もう気は済んだか?」
ラウラ「う、うむ」
ラウラ(できればもっと先がやりたいが……///)
シャル「ラウラ!」
ラウラ「むっ!」
一夏「今度はなんだ?」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:20:14.609 ID:tcIPaIi00.net
シャル「もう!また抜け駆けして!」
ラウラ「す、すまない」
シャル「全く……怒ってるんだからね!」
一夏「なぁ、もしかしてシャルも壁ドンなのか?」
シャル「えっ!?あ……うん///」
一夏「じゃあ早速」
シャル「ま、待って!」
一夏「ん?」
シャル「床ドン!床ドンがいい!本当の床は危ないからベッドで!セリフは『なぁ、いいだろ?』がいい!」
一夏「床ドン……」
シャル「お願い!」
一夏「まぁいいけど……ちょっと恥ずかしいな」
ラウラ(床ドン!そ、そうきたかァ~~~~~ッ)
ラウラ「す、すまない」
シャル「全く……怒ってるんだからね!」
一夏「なぁ、もしかしてシャルも壁ドンなのか?」
シャル「えっ!?あ……うん///」
一夏「じゃあ早速」
シャル「ま、待って!」
一夏「ん?」
シャル「床ドン!床ドンがいい!本当の床は危ないからベッドで!セリフは『なぁ、いいだろ?』がいい!」
一夏「床ドン……」
シャル「お願い!」
一夏「まぁいいけど……ちょっと恥ずかしいな」
ラウラ(床ドン!そ、そうきたかァ~~~~~ッ)
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:20:54.197 ID:tcIPaIi00.net
一夏「なぁ、シャル」
シャル「なに?」
一夏「……」グイッ……ドンッ
シャル「え……い、いち……」
一夏「なぁ……いいだろ?」
シャル「!!!!」
ラウラ「おい、シャルロット、大丈夫か?」
一夏「顔真っ赤だぞ?」
シャル「あ、あぅ……///」
一夏「なぁ、本当に大丈夫か?」
シャル「だ、大丈夫だよ!うん!あはは!」
一夏「そ、そっか」
シャル「なに?」
一夏「……」グイッ……ドンッ
シャル「え……い、いち……」
一夏「なぁ……いいだろ?」
シャル「!!!!」
ラウラ「おい、シャルロット、大丈夫か?」
一夏「顔真っ赤だぞ?」
シャル「あ、あぅ……///」
一夏「なぁ、本当に大丈夫か?」
シャル「だ、大丈夫だよ!うん!あはは!」
一夏「そ、そっか」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:21:40.887 ID:tcIPaIi00.net
教室棟廊下
一夏「……ふぅ。今日は一日激動の日になりそうな予感がする」
真耶「織斑くん、おはよう!……なんだか疲れた顔してますよ?」
一夏「あ、いや、なんでもな……いっ!」
真耶「きゃっ!」
一夏「っ……!?」
一夏(な、何かハプニングで壁ドンみたいな形になってしまった……!)
真耶「お、織斑くん……///そういうのは学校じゃなくて私の……///」
千冬「織斑ァ!……それと、山田先生?」
真耶「ひっ」
一夏「ひっ!」
千冬「……織斑、さっさと教室に入れ」
一夏「は、はいっ!!」
真耶「」ガクガクブルブル
一夏「……ふぅ。今日は一日激動の日になりそうな予感がする」
真耶「織斑くん、おはよう!……なんだか疲れた顔してますよ?」
一夏「あ、いや、なんでもな……いっ!」
真耶「きゃっ!」
一夏「っ……!?」
一夏(な、何かハプニングで壁ドンみたいな形になってしまった……!)
真耶「お、織斑くん……///そういうのは学校じゃなくて私の……///」
千冬「織斑ァ!……それと、山田先生?」
真耶「ひっ」
一夏「ひっ!」
千冬「……織斑、さっさと教室に入れ」
一夏「は、はいっ!!」
真耶「」ガクガクブルブル
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:22:29.350 ID:tcIPaIi00.net
放課後
一夏「はぁ……今日も、いや、今日は格段に疲れた……」
?「「「いーちーかー(さーん)!!!」」」
一夏「な、なんだぁ!?」
鈴「一夏!あたしにも壁ドンやりなさい!」
セシリア「わたしくも何かして欲しいですわ!」
箒「一夏ァ!……そ、その……しろ!!」
一夏「あぁ……やっぱりこうなるのか……」
鈴「順番はもうじゃんけんで決定済みよ!最初はあたし!」
一夏「あー!もう何でもこい!」
一夏「はぁ……今日も、いや、今日は格段に疲れた……」
?「「「いーちーかー(さーん)!!!」」」
一夏「な、なんだぁ!?」
鈴「一夏!あたしにも壁ドンやりなさい!」
セシリア「わたしくも何かして欲しいですわ!」
箒「一夏ァ!……そ、その……しろ!!」
一夏「あぁ……やっぱりこうなるのか……」
鈴「順番はもうじゃんけんで決定済みよ!最初はあたし!」
一夏「あー!もう何でもこい!」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:23:25.670 ID:tcIPaIi00.net
鈴「で、リクエストなんだけど……」
鈴「アリーナの特訓帰り、お互いに疲れて汗だく。遅くまで特訓しててあたしらの他には誰もいない」
鈴「あたしがロッカーで着替えてるところに一夏が侵入してきて、強引に後ろから手を掴んで壁にドンッ!」
鈴「そ、それで……『このままやろうぜ?』って……///」
セシリア「ちょっと!なんですのそれは!」
箒「破廉恥がすぎるぞ!鈴!」
一夏「ていうか具体的すぎるだろ!」
鈴「い、いいじゃないのよ!実際その、するわけじゃないんだから!」
セシリア「ですが……!あ……!いえ、ゴホン、わたくしはよろしいですわ」
箒「な、どうしたセシリア!」
セシリア「箒さん……!これはあとになればなるほど過激でも許されるということですのよ……!?」
箒「!!?……わかった。許す」
一夏「……俺の意思って一体」
鈴「アリーナの特訓帰り、お互いに疲れて汗だく。遅くまで特訓しててあたしらの他には誰もいない」
鈴「あたしがロッカーで着替えてるところに一夏が侵入してきて、強引に後ろから手を掴んで壁にドンッ!」
鈴「そ、それで……『このままやろうぜ?』って……///」
セシリア「ちょっと!なんですのそれは!」
箒「破廉恥がすぎるぞ!鈴!」
一夏「ていうか具体的すぎるだろ!」
鈴「い、いいじゃないのよ!実際その、するわけじゃないんだから!」
セシリア「ですが……!あ……!いえ、ゴホン、わたくしはよろしいですわ」
箒「な、どうしたセシリア!」
セシリア「箒さん……!これはあとになればなるほど過激でも許されるということですのよ……!?」
箒「!!?……わかった。許す」
一夏「……俺の意思って一体」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:24:10.324 ID:tcIPaIi00.net
鈴「ふぅ……疲れた。あー、汗だくね……早く着替えないと」
一夏「……」
鈴「……?」
一夏「……」ガシッ……ドンッ!
鈴「な、え、一夏!?」
一夏「ここでこのままやろうぜ?」
鈴「や、そんな……こんなところで……」
一夏「汗の臭い……」
鈴「ダメ、嗅がないで……!」
一夏「好きなにおいだ」
箒「はいカットォォォ!!」
セシリア「もうよろしいでしょう!?退場!」
鈴「あ、やっ、待って!あぁぁぁーー…………」
一夏「……」
鈴「……?」
一夏「……」ガシッ……ドンッ!
鈴「な、え、一夏!?」
一夏「ここでこのままやろうぜ?」
鈴「や、そんな……こんなところで……」
一夏「汗の臭い……」
鈴「ダメ、嗅がないで……!」
一夏「好きなにおいだ」
箒「はいカットォォォ!!」
セシリア「もうよろしいでしょう!?退場!」
鈴「あ、やっ、待って!あぁぁぁーー…………」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:25:40.386 ID:tcIPaIi00.net
箒「一夏……何故アドリブで続けた……?」
一夏「い、いや、何かノってきちゃって……」
箒「……」
一夏「はは……」
セシリア「……まぁ、いいでしょう」
セシリア「ではわたくしの番ですわね」
セシリア「まず、わたくしはいろいろな男性に対して八方美人という設定でいきます」
セシリア「そして一夏さんはそんなわたくしにイライラしています」
セシリア「『俺以外にあんな顔を……!』とイライラがピークになったとき!」
セシリア「人通りの少ない物陰で腕ドンしながら『セシリア……俺以外にあの顔を見せないで』と嫉妬が爆発!」
セシリア「はぁ~~……たまりませんわ」
一夏「だからなげーよ!!」
一夏「い、いや、何かノってきちゃって……」
箒「……」
一夏「はは……」
セシリア「……まぁ、いいでしょう」
セシリア「ではわたくしの番ですわね」
セシリア「まず、わたくしはいろいろな男性に対して八方美人という設定でいきます」
セシリア「そして一夏さんはそんなわたくしにイライラしています」
セシリア「『俺以外にあんな顔を……!』とイライラがピークになったとき!」
セシリア「人通りの少ない物陰で腕ドンしながら『セシリア……俺以外にあの顔を見せないで』と嫉妬が爆発!」
セシリア「はぁ~~……たまりませんわ」
一夏「だからなげーよ!!」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:26:41.554 ID:tcIPaIi00.net
セシリア「ふふっ、ごきげんよう」
セシリア「ええ、ではまた明日」
一夏「……」イライラ
セシリア「あら?どうかしましたの?」
一夏「別に……」
セシリア「ならいいのですけれど」
一夏「……」グイッ
セシリア「きゃっ!」
一夏「……」ドンッ
セシリア(か、顔が近い///)
セシリア「い、一夏さん?」
一夏「もうやめてくれよ」
セシリア「え?」
一夏「セシリアの笑顔……他の男に見せたくない。俺だけのセシリアでいてくれよ」
セシリア「……!!!」
セシリア「ええ、ではまた明日」
一夏「……」イライラ
セシリア「あら?どうかしましたの?」
一夏「別に……」
セシリア「ならいいのですけれど」
一夏「……」グイッ
セシリア「きゃっ!」
一夏「……」ドンッ
セシリア(か、顔が近い///)
セシリア「い、一夏さん?」
一夏「もうやめてくれよ」
セシリア「え?」
一夏「セシリアの笑顔……他の男に見せたくない。俺だけのセシリアでいてくれよ」
セシリア「……!!!」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:27:41.569 ID:tcIPaIi00.net
セシリア「はぁぁぁ……///」ヘナヘナヘナ
箒「むむむむ……」
一夏(やばい、何だか楽しくなってきたぞ)
セシリア「あ、ありがとうございまひゅ……///」
一夏「いや、俺も良かったぞ」
セシリア「よ、よかっ……///」プシュゥゥゥ……
箒「これはしばらくはダメだな……」
一夏「さて、箒はどうする?」
箒「わ、私か!?」
一夏「箒の番だろ?」
箒「そ、そうなのだが……」
箒「むむむむ……」
一夏(やばい、何だか楽しくなってきたぞ)
セシリア「あ、ありがとうございまひゅ……///」
一夏「いや、俺も良かったぞ」
セシリア「よ、よかっ……///」プシュゥゥゥ……
箒「これはしばらくはダメだな……」
一夏「さて、箒はどうする?」
箒「わ、私か!?」
一夏「箒の番だろ?」
箒「そ、そうなのだが……」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:28:42.686 ID:tcIPaIi00.net
箒「ゴホン!では……」
箒「まず、私と一夏が喧嘩しているというシチュエーションでいく」
一夏「割といつも通りな気がしないでもない」
箒「……続けるぞ」
箒「それで、私は自分も悪いと思っていながらもなかなか許すことができずにいる」
箒「そんなとき一夏が謝りにやってくる。私は『一体なんの用だ!』とつい怒ってしまう」
箒「一夏も悪くないわけじゃないので、なかなか切り出しづらい状況だ」
箒「そしてしばらくの沈黙のあと、私は踵を返し一夏に背を向け帰ろうとする」
箒「そのとき!突然一夏に後ろから抱きつかれ『ゴメン』と一言。その一言のおかげで『……私も悪かった』と」
箒「二人は仲直りしてハッピーエンド!どうだ!」
一夏「どうだと言われても……ていうかドン成分無くなってるじゃん。しかもハグって。俺はいいけど」
箒「い、いいからやるぞ!」
箒「まず、私と一夏が喧嘩しているというシチュエーションでいく」
一夏「割といつも通りな気がしないでもない」
箒「……続けるぞ」
箒「それで、私は自分も悪いと思っていながらもなかなか許すことができずにいる」
箒「そんなとき一夏が謝りにやってくる。私は『一体なんの用だ!』とつい怒ってしまう」
箒「一夏も悪くないわけじゃないので、なかなか切り出しづらい状況だ」
箒「そしてしばらくの沈黙のあと、私は踵を返し一夏に背を向け帰ろうとする」
箒「そのとき!突然一夏に後ろから抱きつかれ『ゴメン』と一言。その一言のおかげで『……私も悪かった』と」
箒「二人は仲直りしてハッピーエンド!どうだ!」
一夏「どうだと言われても……ていうかドン成分無くなってるじゃん。しかもハグって。俺はいいけど」
箒「い、いいからやるぞ!」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:29:37.370 ID:tcIPaIi00.net
箒「……全く、一夏のやつめ……」
箒(わかっている。私にも非があるということくらい……はぁ、もっと精神を鍛えねば……)
一夏「……な、なぁ、箒」
箒「一夏……!一体なんの用だ!私は謝る気はないぞ!」
箒(またやってしまった。なぜ私はいつもこうなのだ!)
一夏「あ……」
箒「……フン!」
一夏「……」
箒(私は……)ギュッ
箒「え……?」
一夏「箒……ごめん……」
箒「……あ……わ、私も、悪かった……」
一夏「箒……」
箒「いち……って!な!な!せ、接吻する気か!?」
一夏「あ、ごめん、やっぱダメか?」
箒(わかっている。私にも非があるということくらい……はぁ、もっと精神を鍛えねば……)
一夏「……な、なぁ、箒」
箒「一夏……!一体なんの用だ!私は謝る気はないぞ!」
箒(またやってしまった。なぜ私はいつもこうなのだ!)
一夏「あ……」
箒「……フン!」
一夏「……」
箒(私は……)ギュッ
箒「え……?」
一夏「箒……ごめん……」
箒「……あ……わ、私も、悪かった……」
一夏「箒……」
箒「いち……って!な!な!せ、接吻する気か!?」
一夏「あ、ごめん、やっぱダメか?」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:30:24.265 ID:tcIPaIi00.net
箒「あ、いや、その……」
一夏「すまん、つい空気に流された。悪かった」
箒「……その……いい」
一夏「え?」
箒「キス……いい」
一夏「……箒」
箒「あ……」
一夏「……」チュッ
箒「……」
一夏「……はは、やっちゃったな。キス」
箒「あ、あ、あ……/////わ、私はぁぁぁぁぁ!!/////」
一夏「あっ!箒!……逃げた……」
一夏「すまん、つい空気に流された。悪かった」
箒「……その……いい」
一夏「え?」
箒「キス……いい」
一夏「……箒」
箒「あ……」
一夏「……」チュッ
箒「……」
一夏「……はは、やっちゃったな。キス」
箒「あ、あ、あ……/////わ、私はぁぁぁぁぁ!!/////」
一夏「あっ!箒!……逃げた……」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:30:57.068 ID:tcIPaIi00.net
一夏「何か流されてとんでもないことをやってしまった気がする……」
簪「一夏」
一夏「うおう!?」
簪「一夏、私にもして?」
一夏「え!?な、なにを!?」
簪「壁ドン」
一夏(そ、そっちか)
一夏「で、どういうのがいいんだ?」
簪「どういうの?そんなに種類があるの?」
一夏「あー……」
一夏(両手で壁ドンでもやってみるか)
一夏「いや、とりあえずやろう」
簪「一夏」
一夏「うおう!?」
簪「一夏、私にもして?」
一夏「え!?な、なにを!?」
簪「壁ドン」
一夏(そ、そっちか)
一夏「で、どういうのがいいんだ?」
簪「どういうの?そんなに種類があるの?」
一夏「あー……」
一夏(両手で壁ドンでもやってみるか)
一夏「いや、とりあえずやろう」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:31:34.329 ID:tcIPaIi00.net
簪「ど、どうぞ」
一夏「簪」ドンッ
簪「……!!」
一夏「どうだ……?どう思った……?」ボソッ
簪(吐息が耳に当たって……///)ゾクゾクッ
一夏「どうした……?」ボソッ
簪「タ、タイム!」
一夏「えっ」
簪「はぁ……はぁ……すごかった……///」
一夏「そっか。良かったよ」
簪「また今度やって欲しい……ダメ?」
一夏「え……まぁいいけど」
簪「♪」
一夏「簪」ドンッ
簪「……!!」
一夏「どうだ……?どう思った……?」ボソッ
簪(吐息が耳に当たって……///)ゾクゾクッ
一夏「どうした……?」ボソッ
簪「タ、タイム!」
一夏「えっ」
簪「はぁ……はぁ……すごかった……///」
一夏「そっか。良かったよ」
簪「また今度やって欲しい……ダメ?」
一夏「え……まぁいいけど」
簪「♪」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:32:14.701 ID:tcIPaIi00.net
一夏「今日は流石にもうないかな……ってそんなはずがないよね、うん」
楯無「んふふ♪何か面白いことやってるみたいじゃない?」
一夏「何故かはよくわかりませんが壁ドンの日になってます」
楯無「おねーさんにもやって欲しいなぁ」
一夏「まぁ何となくわかってました。ええ、やりますよ!やればいいんでしょう!」
楯無「で、何をやってくれるのかな?」
一夏(んー……そうだ。顎クイでもやってみるか)
一夏「楯無さん」グイッ
楯無「きゃっ」ドンッ
一夏「楯無さん……」
楯無「……結構強引なのね」
楯無「んふふ♪何か面白いことやってるみたいじゃない?」
一夏「何故かはよくわかりませんが壁ドンの日になってます」
楯無「おねーさんにもやって欲しいなぁ」
一夏「まぁ何となくわかってました。ええ、やりますよ!やればいいんでしょう!」
楯無「で、何をやってくれるのかな?」
一夏(んー……そうだ。顎クイでもやってみるか)
一夏「楯無さん」グイッ
楯無「きゃっ」ドンッ
一夏「楯無さん……」
楯無「……結構強引なのね」
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:32:53.994 ID:tcIPaIi00.net
一夏「……」顎クイッ
楯無「!!」
一夏「いいですよね?」
楯無「……」
一夏「……」
楯無「……ふ、ふぅ……ちょっとびっくりしたわ。ちょっとね。でも流石にキスまでは無理みたいね」
一夏(……)
一夏「わかりました……楯無さんの、奪います」
楯無「えっ」
一夏「……」チュッ
楯無「!!??」
一夏「……」
一夏「……楯無さん?」
楯無「ぁ……ぁ……///」ヘナヘナ
一夏(あ、これはもうダメかな)
楯無「!!」
一夏「いいですよね?」
楯無「……」
一夏「……」
楯無「……ふ、ふぅ……ちょっとびっくりしたわ。ちょっとね。でも流石にキスまでは無理みたいね」
一夏(……)
一夏「わかりました……楯無さんの、奪います」
楯無「えっ」
一夏「……」チュッ
楯無「!!??」
一夏「……」
一夏「……楯無さん?」
楯無「ぁ……ぁ……///」ヘナヘナ
一夏(あ、これはもうダメかな)
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:33:39.290 ID:tcIPaIi00.net
一夏「……何やってるんだ俺?壁ドンして、ハグして、キスして……なんだこれ」
一夏「……明日から地獄が待ってそうだ。はぁ」
千冬「随分お楽しみだったみたいだな?一夏」
一夏「千冬姉……」
千冬「篠ノ之と更識とのキスは楽しかったか?」
一夏「あ、いや、それは……」
千冬「……一夏」ドンッ
一夏「うっ」
一夏(まさか壁ドンされる側になるとは……)
千冬「一夏……」チュッ
一夏「んっ!?」
一夏「……明日から地獄が待ってそうだ。はぁ」
千冬「随分お楽しみだったみたいだな?一夏」
一夏「千冬姉……」
千冬「篠ノ之と更識とのキスは楽しかったか?」
一夏「あ、いや、それは……」
千冬「……一夏」ドンッ
一夏「うっ」
一夏(まさか壁ドンされる側になるとは……)
千冬「一夏……」チュッ
一夏「んっ!?」
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:34:10.157 ID:tcIPaIi00.net
千冬「んっ……んんっ……」
一夏(千冬姉の大人のキス……)
千冬「……ん……ぷはっ……」
一夏「はぁ……はぁ……」
千冬「一夏、誰とのキスが一番よかった?」
一夏「そんなの……千冬姉に決まってるじゃないか……」
千冬「ふふ……良い子だ。……今夜私の部屋に来い」
一夏「……うん」
おわり
一夏(千冬姉の大人のキス……)
千冬「……ん……ぷはっ……」
一夏「はぁ……はぁ……」
千冬「一夏、誰とのキスが一番よかった?」
一夏「そんなの……千冬姉に決まってるじゃないか……」
千冬「ふふ……良い子だ。……今夜私の部屋に来い」
一夏「……うん」
おわり
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:38:51.247 ID:lPKxGIHg0.net
おつかれ
楽しませてもらったわ
楽しませてもらったわ
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:48:51.450 ID:D4QF1WGd0.net
わろすwww
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/24(木) 00:54:05.843 ID:oTpN0HN90.net
すげえニヤニヤする
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1443021359/
Entry ⇒ 2015.10.11 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
鈴「一夏を落としたい」弾「手伝おう」
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:51:11.424 ID:CO6XPd3X0.net
弾「鈴一人で俺の家に来るなんて珍しいな。何の用だ?」
鈴「ちょっと一夏のことで相談がね」
弾「あぁ、恋愛相談か。なるほどな。しかしまた急になんでだ?」
鈴「それが最近ライバルとの一夏争奪戦が激化して……何とかリードしたくて」
弾「ほぁー……IS学園はとんでもないことになってんなぁ」
鈴「まぁそういうことだから、男目線で女の子のドキドキする仕草とかシチュエーションとかを教えて欲しいのよ」
弾「オッケーわかった。まかせとけ!」
鈴「ありがと、弾」
鈴「ちょっと一夏のことで相談がね」
弾「あぁ、恋愛相談か。なるほどな。しかしまた急になんでだ?」
鈴「それが最近ライバルとの一夏争奪戦が激化して……何とかリードしたくて」
弾「ほぁー……IS学園はとんでもないことになってんなぁ」
鈴「まぁそういうことだから、男目線で女の子のドキドキする仕草とかシチュエーションとかを教えて欲しいのよ」
弾「オッケーわかった。まかせとけ!」
鈴「ありがと、弾」
3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:52:42.865 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「あ、でもその前に」
弾「ん?」
鈴「アンタ最近彼女出来たんでしょ?うちの生徒会の」
弾「おう」
鈴「どうやって落としたのか、それを先に知りたいわね」
弾「え、そういうの他人に言うの何か恥ずかしいんだが……」
鈴「お願い!」
弾「……じゃあ。でも別に大したことしてねーぞ?連絡先交換して、あとはメールと電話、デートを繰り返しただけだ」
鈴「それだけ?」
弾「それだけ」
弾「ん?」
鈴「アンタ最近彼女出来たんでしょ?うちの生徒会の」
弾「おう」
鈴「どうやって落としたのか、それを先に知りたいわね」
弾「え、そういうの他人に言うの何か恥ずかしいんだが……」
鈴「お願い!」
弾「……じゃあ。でも別に大したことしてねーぞ?連絡先交換して、あとはメールと電話、デートを繰り返しただけだ」
鈴「それだけ?」
弾「それだけ」
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:54:33.338 ID:CO6XPd3X0.net
弾「まぁ俺は一目惚れ、虚さんも最初から気になってたみたいだからスムーズにいったのかもな」
鈴「なによそれ、はぁ、羨ましいわ」
弾「でもメール1回にも全神経を集中させてたけどな」
鈴「……ふーん、何かかっこいいじゃない」
弾「おいおい、今更俺の魅力に気付いたっておせーぞ?」
鈴「は?何言ってんの?」
弾「……もうこの話はいいか?」
鈴「そうね、これ以上突っついてもノロケにしかならなさそうだし。次の話に、というか話を戻してくれる?」
弾「わかった」
鈴「なによそれ、はぁ、羨ましいわ」
弾「でもメール1回にも全神経を集中させてたけどな」
鈴「……ふーん、何かかっこいいじゃない」
弾「おいおい、今更俺の魅力に気付いたっておせーぞ?」
鈴「は?何言ってんの?」
弾「……もうこの話はいいか?」
鈴「そうね、これ以上突っついてもノロケにしかならなさそうだし。次の話に、というか話を戻してくれる?」
弾「わかった」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:56:25.979 ID:CO6XPd3X0.net
弾「えっと、男目線で女の子のドキドキする仕草とかが知りたい、だったな」
鈴「そうそう、それよ」
弾「と言っても急には……あ、髪型変えるとかどうだ?」
鈴「え……うーん……」
弾「一日だけでもいいから」
鈴「まぁ、それなら考えてみてもいいわ」
弾「じゃあまずは髪下ろしてみてくれ」
鈴「えぇ?今?」
弾「ちょっとどんなのか見たいし」
鈴「はぁ、しょーがないわね」
鈴「そうそう、それよ」
弾「と言っても急には……あ、髪型変えるとかどうだ?」
鈴「え……うーん……」
弾「一日だけでもいいから」
鈴「まぁ、それなら考えてみてもいいわ」
弾「じゃあまずは髪下ろしてみてくれ」
鈴「えぇ?今?」
弾「ちょっとどんなのか見たいし」
鈴「はぁ、しょーがないわね」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:58:45.909 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「ん、解いたわよ」
弾「……やっぱ鈴、お前かわいいな」
鈴「は!?い、いきなり何言ってんのよ!で、でも……ありがと」
弾「見たまんま言ってるだけだ。お前、普通に美少女だからな?周りが美少女だらけで麻痺してるのかもしれんが」
鈴「もう褒めなくていいから!」
弾「あー、すまん一夏」
鈴「だーかーらー!」
弾「ははは。でだ、ひとつの髪型に固執するのもいいけどな、デフォルトからたまに髪型が変わるってのが最高にいいんだよ」
鈴「ふーん、そういうもんなの?」
弾「そういうもんだ。浴衣のときに髪をまとめるとかな。あれは最高にいい」
鈴「え……あたし夏祭りのときもツインテールのままだったんだけど」
弾「あぁ、そりゃもったいないことしたな」
鈴「あちゃー」
弾「ま、過ぎたこと悔やんでも仕方ねーよ」
弾「……やっぱ鈴、お前かわいいな」
鈴「は!?い、いきなり何言ってんのよ!で、でも……ありがと」
弾「見たまんま言ってるだけだ。お前、普通に美少女だからな?周りが美少女だらけで麻痺してるのかもしれんが」
鈴「もう褒めなくていいから!」
弾「あー、すまん一夏」
鈴「だーかーらー!」
弾「ははは。でだ、ひとつの髪型に固執するのもいいけどな、デフォルトからたまに髪型が変わるってのが最高にいいんだよ」
鈴「ふーん、そういうもんなの?」
弾「そういうもんだ。浴衣のときに髪をまとめるとかな。あれは最高にいい」
鈴「え……あたし夏祭りのときもツインテールのままだったんだけど」
弾「あぁ、そりゃもったいないことしたな」
鈴「あちゃー」
弾「ま、過ぎたこと悔やんでも仕方ねーよ」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:00:25.364 ID:CO6XPd3X0.net
弾「ところで、ちょっと髪触ってもいいか?」
鈴「えっ!?……いくら弾とは言え一夏以外の男に髪を触られるのは、その……」
弾「すまん、髪型変えてみようと思ったんだが……ダメか?」
鈴「え、アンタ髪弄れるの?」
弾「俺も長髪だからな」
鈴「えぇ……何かキモい」
弾「キモいってなんだよ!スタイリストとかいるだろ!」
鈴「あ、そういえばそうね」
鈴「えっ!?……いくら弾とは言え一夏以外の男に髪を触られるのは、その……」
弾「すまん、髪型変えてみようと思ったんだが……ダメか?」
鈴「え、アンタ髪弄れるの?」
弾「俺も長髪だからな」
鈴「えぇ……何かキモい」
弾「キモいってなんだよ!スタイリストとかいるだろ!」
鈴「あ、そういえばそうね」
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:02:13.040 ID:CO6XPd3X0.net
弾「じゃあ弄るぞ」
鈴「あぁもう、ご自由にどーぞ」
弾「……よし、できた。アフロだ」
鈴「はぁぁぁ!?手だけでどうやってアフロにしたのよ!?っていうか戻しなさいよ!?」
弾「すまんすまん」
鈴「はぁ……もうちゃんとしてよ?」
弾「はい、パンチパーマ」
鈴「死ね!」ドゴッ
弾「死ぬっ!」
鈴「あぁもう、ご自由にどーぞ」
弾「……よし、できた。アフロだ」
鈴「はぁぁぁ!?手だけでどうやってアフロにしたのよ!?っていうか戻しなさいよ!?」
弾「すまんすまん」
鈴「はぁ……もうちゃんとしてよ?」
弾「はい、パンチパーマ」
鈴「死ね!」ドゴッ
弾「死ぬっ!」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:05:11.178 ID:CO6XPd3X0.net
弾「ゴホッ……今度こそちゃんとやるから」
鈴「本当でしょうね……?次変なのにしたら承知しないわよ」
弾「おう。……できた。ストレートの一部を三つ編みにして後ろでまとめる通称六花ちゃんヘアだ」
鈴「りっか……?あ、でも結構いい感じじゃない」
弾「だろ?鈴と言えばアクティブで活発なイメージだから、逆におしとやかな感じにしてみたんだが」
鈴「なるほどね。そのギャップで一夏もイチコロってわけね」
弾「イチコロがどうかは知らんがドキッとはする。……普通の男ならな」
鈴「そうよね、相手はあの一夏なのよねぇ」
弾「一夏なんだよなぁ」
鈴「やっかいなやつに惚れちゃったなぁ」
弾「頑張れ」
鈴「本当でしょうね……?次変なのにしたら承知しないわよ」
弾「おう。……できた。ストレートの一部を三つ編みにして後ろでまとめる通称六花ちゃんヘアだ」
鈴「りっか……?あ、でも結構いい感じじゃない」
弾「だろ?鈴と言えばアクティブで活発なイメージだから、逆におしとやかな感じにしてみたんだが」
鈴「なるほどね。そのギャップで一夏もイチコロってわけね」
弾「イチコロがどうかは知らんがドキッとはする。……普通の男ならな」
鈴「そうよね、相手はあの一夏なのよねぇ」
弾「一夏なんだよなぁ」
鈴「やっかいなやつに惚れちゃったなぁ」
弾「頑張れ」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:09:15.595 ID:CO6XPd3X0.net
弾「ていうか鈴、髪綺麗だな」
鈴「まぁあたしも女だから。ガサツに見えるかもしれないけどそこそこ手入れはしてるわよ」
弾「一夏に触らせてみるのもいいんじゃないか?多分効果的だぞ」
鈴「なるほどね」
鈴「……ちょっといい?」
弾「うおっ!?何だ急に!?」
鈴「アンタの髪、サラサラね……」
弾「ん?まぁこれは俺が俺である所以というかそんな感じだから。そう、俺が髪を伸ばし始めた理由は……」
鈴「カットカット」
弾「……」
鈴「まぁあたしも女だから。ガサツに見えるかもしれないけどそこそこ手入れはしてるわよ」
弾「一夏に触らせてみるのもいいんじゃないか?多分効果的だぞ」
鈴「なるほどね」
鈴「……ちょっといい?」
弾「うおっ!?何だ急に!?」
鈴「アンタの髪、サラサラね……」
弾「ん?まぁこれは俺が俺である所以というかそんな感じだから。そう、俺が髪を伸ばし始めた理由は……」
鈴「カットカット」
弾「……」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:10:59.447 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「で、他は何かある?」
弾「そうだな。小さいことが有利に――」
鈴「……まな板……?」ゴゴゴゴゴ
弾「ちょちょ、そんなこと言ってねえって!身長差だよ身長差!」
鈴「あぁ、そっち」
弾「ふぅ……じゃあちょっと立ってこっちに来てくれ。よっと」
鈴「んしょ、ん」
弾「そうだな。小さいことが有利に――」
鈴「……まな板……?」ゴゴゴゴゴ
弾「ちょちょ、そんなこと言ってねえって!身長差だよ身長差!」
鈴「あぁ、そっち」
弾「ふぅ……じゃあちょっと立ってこっちに来てくれ。よっと」
鈴「んしょ、ん」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:13:40.223 ID:CO6XPd3X0.net
弾「まず、一夏と鈴は大体頭一つ分くらいの差がある。俺は一夏より少し高いがまぁ同じとしてくれ」
弾「今俺は鈴を見下ろしている。鈴は俺を見上げている。一夏と鈴もいつもは自然とこの形になるな?」
鈴「うん、それで?」
弾「鈴、そこに踏み台があるだろ?とってきてくれ」
鈴「はぁ?……まぁいいけど。っと、はい」
弾「それに乗って俺を見てくれ」
鈴「ぃしょ、っと。……!!」
弾「フッ、わかったか?そう、普段は見下ろす側と見上げる側にしかならない二人」
弾「しかし階段などの段差を利用すれば、不意に、至近距離で、同じ目線で、見つめ合うことができる!キスだって自然にできる!」
鈴「ア、アンタもしかして天才……?」
弾「よせやい、照れるぜ」
弾「今俺は鈴を見下ろしている。鈴は俺を見上げている。一夏と鈴もいつもは自然とこの形になるな?」
鈴「うん、それで?」
弾「鈴、そこに踏み台があるだろ?とってきてくれ」
鈴「はぁ?……まぁいいけど。っと、はい」
弾「それに乗って俺を見てくれ」
鈴「ぃしょ、っと。……!!」
弾「フッ、わかったか?そう、普段は見下ろす側と見上げる側にしかならない二人」
弾「しかし階段などの段差を利用すれば、不意に、至近距離で、同じ目線で、見つめ合うことができる!キスだって自然にできる!」
鈴「ア、アンタもしかして天才……?」
弾「よせやい、照れるぜ」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:15:54.300 ID:CO6XPd3X0.net
弾「他にも身長差ってのはそれだけで結構いいもんだ」
鈴「そうなの?」
弾「小さいってだけでかわいいしな。それに頭一つ分の身長差、周りから見てもいい感じだと思うぞ」
鈴「ふーん……」
弾「まぁ一番人気なのは身長差12cmくらいらしいがな」
弾「男女の平均身長も同じくらいの差で手を繋ぐとかキスとかもしやすいらしい」
鈴「じゃあダメじゃない!箒がちょうど一夏と身長差12cmよ!どうすんのよ!」
弾「いや、そんなこと言われても……。あと大きい身長差はデメリットもいろいろ……」
鈴「あー!もう次!はい次!」
鈴「そうなの?」
弾「小さいってだけでかわいいしな。それに頭一つ分の身長差、周りから見てもいい感じだと思うぞ」
鈴「ふーん……」
弾「まぁ一番人気なのは身長差12cmくらいらしいがな」
弾「男女の平均身長も同じくらいの差で手を繋ぐとかキスとかもしやすいらしい」
鈴「じゃあダメじゃない!箒がちょうど一夏と身長差12cmよ!どうすんのよ!」
弾「いや、そんなこと言われても……。あと大きい身長差はデメリットもいろいろ……」
鈴「あー!もう次!はい次!」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:17:33.998 ID:CO6XPd3X0.net
弾「じゃあ、さっき鈴が先走った胸についてなんだが」
鈴「弾、アンタどうやって死にたい?」
弾「ま、待て!この際はっきり言っておくがな、鈴は貧乳と言ってもちゃんと“ある”から別に何も問題はない!」
鈴「……」
弾「っていうか好きだったら大きくても小さくても関係ない!」
鈴「……ホントに?」
弾「本当だって!」
鈴「……でもアンタの彼女巨乳じゃない」
弾「好きな人がたまたま巨乳だっただけだ」
鈴「……」
弾「ごめん!ごめんって!でも本当に鈴が気にするほど一夏は気にしてないから!マジで!ア゛ア゛ーッ!!!」
鈴「弾、アンタどうやって死にたい?」
弾「ま、待て!この際はっきり言っておくがな、鈴は貧乳と言ってもちゃんと“ある”から別に何も問題はない!」
鈴「……」
弾「っていうか好きだったら大きくても小さくても関係ない!」
鈴「……ホントに?」
弾「本当だって!」
鈴「……でもアンタの彼女巨乳じゃない」
弾「好きな人がたまたま巨乳だっただけだ」
鈴「……」
弾「ごめん!ごめんって!でも本当に鈴が気にするほど一夏は気にしてないから!マジで!ア゛ア゛ーッ!!!」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:20:14.548 ID:CO6XPd3X0.net
弾「酷い目にあった」
鈴「アンタが変なこと言うのが悪いのよ。ま、あたしが気にするほど一夏は気にしてないってのは心に留めておくわ」
弾「まぁ基本的には男はできれば大きい方が好きだとおも――」
鈴「……」
弾「さ!次の話いくか!」
その後もいろいろと話し合った(たまにボコられた)
鈴「アンタが変なこと言うのが悪いのよ。ま、あたしが気にするほど一夏は気にしてないってのは心に留めておくわ」
弾「まぁ基本的には男はできれば大きい方が好きだとおも――」
鈴「……」
弾「さ!次の話いくか!」
その後もいろいろと話し合った(たまにボコられた)
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:24:53.442 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「ふぅ、結構長く話し合ったわね」
弾「……あのさ、今日一日男狙い撃ちの話をしてきといてなんだけど、結局は自然な鈴が一番だと思うぞ」
鈴「ん……まぁそれも一理あるわよね。でも作戦は決行させてもらうわよ」
弾「じゃあ俺は一夏の方にも接触してみるか」
鈴「ちょっ、待って!もしバレたらどうすんのよ!」
弾「いやそんなヘマしないって」
鈴「一夏を落とす会議してるのなんか絶対知られたくないわ!絶対によ!絶対!だからダメ!」
弾「そ、そうか……」
鈴「よし!じゃあ明日から早速一夏陥落作戦開始よ!」
弾「頑張れよ。……もう外が結構暗いな。駅まで送るぞ」
鈴「送り狼になるんじゃないわよ」
弾「ならねーよ」
鈴「そうよね。彼女いるし」
弾「彼女いなくてもならねーよ!」
弾「……あのさ、今日一日男狙い撃ちの話をしてきといてなんだけど、結局は自然な鈴が一番だと思うぞ」
鈴「ん……まぁそれも一理あるわよね。でも作戦は決行させてもらうわよ」
弾「じゃあ俺は一夏の方にも接触してみるか」
鈴「ちょっ、待って!もしバレたらどうすんのよ!」
弾「いやそんなヘマしないって」
鈴「一夏を落とす会議してるのなんか絶対知られたくないわ!絶対によ!絶対!だからダメ!」
弾「そ、そうか……」
鈴「よし!じゃあ明日から早速一夏陥落作戦開始よ!」
弾「頑張れよ。……もう外が結構暗いな。駅まで送るぞ」
鈴「送り狼になるんじゃないわよ」
弾「ならねーよ」
鈴「そうよね。彼女いるし」
弾「彼女いなくてもならねーよ!」
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:27:36.427 ID:CO6XPd3X0.net
そして翌日
鈴「やってやる!やってやるわ!」
~髪型チェンジ作戦~
鈴「か、髪型変えてみたんだけど……どう?」
一夏「っ!///……ああ、こういうのもいいかも……な」
鈴「ふ、ふーん……そう……」
鈴(褒められた!……でもこれだけ……?)
~髪触らせ作戦~
鈴「ねぇ、その、髪触ってみたくない?」
一夏「は?」
鈴「だから、あたしの髪触ってみたくない?」
一夏「いきなり何言ってんだ?」
鈴「ああ!もういいわよ!」
鈴(って何やってんのよあたし!)
鈴「やってやる!やってやるわ!」
~髪型チェンジ作戦~
鈴「か、髪型変えてみたんだけど……どう?」
一夏「っ!///……ああ、こういうのもいいかも……な」
鈴「ふ、ふーん……そう……」
鈴(褒められた!……でもこれだけ……?)
~髪触らせ作戦~
鈴「ねぇ、その、髪触ってみたくない?」
一夏「は?」
鈴「だから、あたしの髪触ってみたくない?」
一夏「いきなり何言ってんだ?」
鈴「ああ!もういいわよ!」
鈴(って何やってんのよあたし!)
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:29:21.288 ID:CO6XPd3X0.net
~階段一段上同じ目線作戦~
鈴「ね、一夏」
鈴(先に階段を上って……)
一夏「なんだ?」
鈴(振り返る!)
鈴「なんでもないっ!」
一夏「う……///」
鈴(やっば……///これ顔近すぎ///ってあたしだけ盛り上がってどうすんのよ!)
鈴「ね、一夏」
鈴(先に階段を上って……)
一夏「なんだ?」
鈴(振り返る!)
鈴「なんでもないっ!」
一夏「う……///」
鈴(やっば……///これ顔近すぎ///ってあたしだけ盛り上がってどうすんのよ!)
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:31:38.660 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「はぁ……もうだめかもしんない……」
弾(知ってた)
弾「なぁ……ずっと思ってたこと言っていいか?」
鈴「なに?」
弾「もうストレートに告白しちまえばいいんじゃねえのか?」
鈴「……わかってるわよそんなこと。でもどうしても一夏を前にすると言えないのよ」
弾「うーん……なら告白の練習するか」
鈴「え?」
弾「告白の練習。俺を一夏だと思って告白してみろ」
鈴「ちょっ、えぇ!?いや、それ実質的に弾に告白してるようなもんじゃない!」
弾「俺は気にしねーぞ。虚さんに聞かれる心配もないしな」
鈴「いや、あたしが……!ああ、もう!わかったわよ!やるわよ!」
弾(知ってた)
弾「なぁ……ずっと思ってたこと言っていいか?」
鈴「なに?」
弾「もうストレートに告白しちまえばいいんじゃねえのか?」
鈴「……わかってるわよそんなこと。でもどうしても一夏を前にすると言えないのよ」
弾「うーん……なら告白の練習するか」
鈴「え?」
弾「告白の練習。俺を一夏だと思って告白してみろ」
鈴「ちょっ、えぇ!?いや、それ実質的に弾に告白してるようなもんじゃない!」
弾「俺は気にしねーぞ。虚さんに聞かれる心配もないしな」
鈴「いや、あたしが……!ああ、もう!わかったわよ!やるわよ!」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:35:31.715 ID:CO6XPd3X0.net
弾「じゃあ始めるか。いいか、想像力を膨らませろ!俺を一夏だと思え!俺も一夏になる!シチュエーションはまかせた!」
鈴「……放課後、夕焼けに染まる教室、教室に残った一夏とあたし、雑談の最中ふと会話が途切れ、そして二人は……」
弾「いいイメージだ!」
鈴「よし!いくわよ!……ねぇ、一夏」
一夏(弾)「ん?どうした?」
鈴「あのさ、前からずっと言おうと思ってたことがある……んだけど」
一夏(弾)「……なんだ?」
鈴「あのね……その、あたし……アンタのことが」
一夏(弾)「……」
鈴「アンタのことが……昔からずっと……すー、はー…………好きっ!!」
一夏(弾)「!!……ありがとう、俺も好きだ。鈴……」
鈴「はぅ……///」
蘭(え?え?えええええええええええ!?お兄と鈴さんってそういうことだったの!?)
蘭(お兄の彼女は!?二股!?てゆーか鈴さん一夏さんから乗り換えたの!?ああもうわけわかんない!)
鈴「……放課後、夕焼けに染まる教室、教室に残った一夏とあたし、雑談の最中ふと会話が途切れ、そして二人は……」
弾「いいイメージだ!」
鈴「よし!いくわよ!……ねぇ、一夏」
一夏(弾)「ん?どうした?」
鈴「あのさ、前からずっと言おうと思ってたことがある……んだけど」
一夏(弾)「……なんだ?」
鈴「あのね……その、あたし……アンタのことが」
一夏(弾)「……」
鈴「アンタのことが……昔からずっと……すー、はー…………好きっ!!」
一夏(弾)「!!……ありがとう、俺も好きだ。鈴……」
鈴「はぅ……///」
蘭(え?え?えええええええええええ!?お兄と鈴さんってそういうことだったの!?)
蘭(お兄の彼女は!?二股!?てゆーか鈴さん一夏さんから乗り換えたの!?ああもうわけわかんない!)
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:37:59.265 ID:CO6XPd3X0.net
弾「ちゃんと言えたじゃねーか!よーしじゃあ早速実践だ!」
鈴「いける!今なら、今なら言えそうな気がするわ!!」
次の日の放課後
鈴「ねぇ、一夏」
鈴(頑張れあたし!あんな恥ずかしい練習もしたじゃない!)
一夏「ん?」
鈴「その、あたしはアンタのことが、す、す……」
一夏「す?」
鈴「す、す、す、す……」
一夏「???」
鈴「すー……なんでもないわよ!!」
鈴「いける!今なら、今なら言えそうな気がするわ!!」
次の日の放課後
鈴「ねぇ、一夏」
鈴(頑張れあたし!あんな恥ずかしい練習もしたじゃない!)
一夏「ん?」
鈴「その、あたしはアンタのことが、す、す……」
一夏「す?」
鈴「す、す、す、す……」
一夏「???」
鈴「すー……なんでもないわよ!!」
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:40:49.513 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「もしもし……弾……?」
弾『どうだった?』
弾(ってもう声のトーンでわかるけど)
鈴「はぁ……ダメ、言えなかった……」
弾『全く、これだからツンデレってやつは……』
鈴「好きでこうなったんじゃないわよ!」
弾『……!!い、今なんて?』
鈴「え?好きでこうなったんじゃ……』
弾『それだ!!』
鈴「な、なによ?」
弾『告白だと思うからダメなんだ。なら今みたいに“好き”をパーツとして組み込んでしまえばいい!』
鈴「あ……な、なるほど!やっぱアンタ天才じゃない?」
弾『ふふ、褒めても何も出ないぜ?』
弾『どうだった?』
弾(ってもう声のトーンでわかるけど)
鈴「はぁ……ダメ、言えなかった……」
弾『全く、これだからツンデレってやつは……』
鈴「好きでこうなったんじゃないわよ!」
弾『……!!い、今なんて?』
鈴「え?好きでこうなったんじゃ……』
弾『それだ!!』
鈴「な、なによ?」
弾『告白だと思うからダメなんだ。なら今みたいに“好き”をパーツとして組み込んでしまえばいい!』
鈴「あ……な、なるほど!やっぱアンタ天才じゃない?」
弾『ふふ、褒めても何も出ないぜ?』
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:42:20.798 ID:CO6XPd3X0.net
次の日
鈴「一夏!」
一夏「なんだ?」
鈴「キダイスキダイスキダイスキダイス」
一夏「はぁ?何かの呪文か?」
鈴「……」
鈴「あれじゃあたしがアホみたいじゃない!」
弾『できればそれを一夏に言う前に気付いてほしかった』
鈴「ア、アンタねぇー!!」
弾『ごめんほんとごめんマジで』
鈴「一夏!」
一夏「なんだ?」
鈴「キダイスキダイスキダイスキダイス」
一夏「はぁ?何かの呪文か?」
鈴「……」
鈴「あれじゃあたしがアホみたいじゃない!」
弾『できればそれを一夏に言う前に気付いてほしかった』
鈴「ア、アンタねぇー!!」
弾『ごめんほんとごめんマジで』
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:47:02.755 ID:CO6XPd3X0.net
弾『はぁ……でももう俺からはできることないぞ』
鈴「そう、ね……今までありがと。あとはあたしだけで何とかするわ……」
弾『……最後に、これだけは言っておきたい』
鈴「?」
弾『鈴はかわいいぞ。間違いなくかわいい。だから絶対何とかなるって。自信を持て』
鈴「……ありがとね。弾、アンタいい男よね」
弾『その素直さが一夏の前でも出せたらもっと簡単なことだと思うんだがな』
鈴「そんなことできたら苦労してないわよ」
弾『ツンデレって面倒くせーなぁ……』
鈴「なんか言ったぁ?」
弾『ごめんなさい』
鈴「そう、ね……今までありがと。あとはあたしだけで何とかするわ……」
弾『……最後に、これだけは言っておきたい』
鈴「?」
弾『鈴はかわいいぞ。間違いなくかわいい。だから絶対何とかなるって。自信を持て』
鈴「……ありがとね。弾、アンタいい男よね」
弾『その素直さが一夏の前でも出せたらもっと簡単なことだと思うんだがな』
鈴「そんなことできたら苦労してないわよ」
弾『ツンデレって面倒くせーなぁ……』
鈴「なんか言ったぁ?」
弾『ごめんなさい』
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:49:58.410 ID:CO6XPd3X0.net
数日後の街中
弾「はぁぁぁ……何か最近虚さんが冷たい気がする……なんでだ?」
一夏「あ、あれって……おーい!弾!」
弾「ん?おお!一夏か!久しぶりだな!」
一夏「ああ、久しぶり!」
弾(あ、そういや鈴から接触禁止令出されてたっけ……いや、もういいか)
一夏「どうした?」
弾「いや、別に。それよりお前こそどうしたよ。何かテンション高くねえか?」
一夏「あ、えー、それは……やっぱちょっと恥ずかしいな///」
弾「?」
鈴「いーちーかー!」
一夏「鈴!」
鈴「ごめん、待った?(はぁと」
一夏「全然待ってないぞ(はぁと」
弾「え?え?」
弾「はぁぁぁ……何か最近虚さんが冷たい気がする……なんでだ?」
一夏「あ、あれって……おーい!弾!」
弾「ん?おお!一夏か!久しぶりだな!」
一夏「ああ、久しぶり!」
弾(あ、そういや鈴から接触禁止令出されてたっけ……いや、もういいか)
一夏「どうした?」
弾「いや、別に。それよりお前こそどうしたよ。何かテンション高くねえか?」
一夏「あ、えー、それは……やっぱちょっと恥ずかしいな///」
弾「?」
鈴「いーちーかー!」
一夏「鈴!」
鈴「ごめん、待った?(はぁと」
一夏「全然待ってないぞ(はぁと」
弾「え?え?」
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:52:53.735 ID:CO6XPd3X0.net
鈴「あ、弾いたんだ」
弾「おい…!鈴、どういうことだよ…!なんだこの恋人みたいなやりとりは…!何があった?」
鈴「あ……///えへへ」
弾「ヒェェェ何だこの鈴のようで鈴じゃない謎の生物は」
一夏「弾、俺から言うよ。実はさ、俺から鈴に告白して付き合うことになったんだ」
弾「……え?えええええええええええ!?」
鈴「じ、実は、一夏もあたしのこと気になってたみたいで……///」
一夏「多分IS学園で再会してからだと思うけど、鈴のことがいつのまにか好きになってたみたいなんだ」
鈴「えへへ///」
弾「マジかよ!!……ていうかそれならそれで早く教えてくれよ!」
鈴「ごめん、幸せすぎて忘れてた」
一夏「自覚したのがつい最近だったから」
弾「こいつら……」
弾「おい…!鈴、どういうことだよ…!なんだこの恋人みたいなやりとりは…!何があった?」
鈴「あ……///えへへ」
弾「ヒェェェ何だこの鈴のようで鈴じゃない謎の生物は」
一夏「弾、俺から言うよ。実はさ、俺から鈴に告白して付き合うことになったんだ」
弾「……え?えええええええええええ!?」
鈴「じ、実は、一夏もあたしのこと気になってたみたいで……///」
一夏「多分IS学園で再会してからだと思うけど、鈴のことがいつのまにか好きになってたみたいなんだ」
鈴「えへへ///」
弾「マジかよ!!……ていうかそれならそれで早く教えてくれよ!」
鈴「ごめん、幸せすぎて忘れてた」
一夏「自覚したのがつい最近だったから」
弾「こいつら……」
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 18:55:08.311 ID:CO6XPd3X0.net
弾「ていうか鈴……」
鈴「あはは、どうやらあたしも一夏並の鈍感だったってことみたいね」
弾「なんじゃそりゃああああああ!」
弾「って、メール?」
虚『あなたが別の女性に手を出したと風の噂で聞きました。至急弁明を求めます』
弾「だああああああああああああああああ!!なんでじゃああああああ!!」
このあと虚に滅茶苦茶弁明してから仲直りセックスした
おわり
鈴「あはは、どうやらあたしも一夏並の鈍感だったってことみたいね」
弾「なんじゃそりゃああああああ!」
弾「って、メール?」
虚『あなたが別の女性に手を出したと風の噂で聞きました。至急弁明を求めます』
弾「だああああああああああああああああ!!なんでじゃああああああ!!」
このあと虚に滅茶苦茶弁明してから仲直りセックスした
おわり
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/23(水) 19:01:28.449 ID:CUNgugJD0.net
乙
久しぶりのISssよかったよ
久しぶりのISssよかったよ
掲載元:http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1442998271/
Entry ⇒ 2015.10.08 | Category ⇒ インフィニット・ストラトス | Comments (0)
戒斗「IS学園?」一夏「バナナ・スカッシュ!」
1: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:50:33.33 ID:eCRAPvkKo
IS<インフィニット・ストラトス>と仮面ライダー鎧武のクロスSSになります。
舞台およびストーリーのベースはIS(の、クラス対抗戦までです)。
ISの世界に鎧武の駆紋戒斗が乱入した形となります。
あ。なるべく減らしますが、どうにもならない時は地の文が入ります。
舞台およびストーリーのベースはIS(の、クラス対抗戦までです)。
ISの世界に鎧武の駆紋戒斗が乱入した形となります。
あ。なるべく減らしますが、どうにもならない時は地の文が入ります。
2: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:52:10.90 ID:eCRAPvkKo
■序幕 述懐
<入学式・ホール>
一夏(強くなりたい)
一夏(《白騎士事件》から10年。女性しか使えない超兵器IS《インフィニット・ストラトス》は、世界を変えた)
一夏(今や世界は女尊男卑だ。町中ですれ違った、なんて理由だけで女にパシらされる男の姿も珍しくない)
一夏(男はISを使えないから。……男は何も守れないと、思われているからだ)
一夏(でも。何の因果か、俺は世界で唯一の『ISを動かせる男』になった!)
一夏(強くなりたい。せめて、今日まで俺を守り続けてくれた千冬姉を守れるくらいには……!)
<入学式・ホール>
一夏(強くなりたい)
一夏(《白騎士事件》から10年。女性しか使えない超兵器IS《インフィニット・ストラトス》は、世界を変えた)
一夏(今や世界は女尊男卑だ。町中ですれ違った、なんて理由だけで女にパシらされる男の姿も珍しくない)
一夏(男はISを使えないから。……男は何も守れないと、思われているからだ)
一夏(でも。何の因果か、俺は世界で唯一の『ISを動かせる男』になった!)
一夏(強くなりたい。せめて、今日まで俺を守り続けてくれた千冬姉を守れるくらいには……!)
3: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:53:47.17 ID:eCRAPvkKo
■第一幕 二十歳の高校生
<入学式当日SHR(ショートホームルーム)・1年1組>
一夏(気になることはたくさんある。どうして千冬姉がIS学園の教師をしていて、しかも俺の担任なんだ、とか。でも、それよりももっと、奇妙な奴がいるんだ)
戒斗「…………」
一夏(気になる……)
一夏(同い年に見えないんだよなぁ。って言うか、なんでIS学園の制服を着てないんだ。あの赤と黒のコートはどこの制服なんだ)
一夏(それに、あの強い瞳。……なんか、千冬姉みたいだ)
山田「――はい。みんな自己紹介できましたね」
「はいはーい! 先生、質問いいですかー!」
千冬「いいだろう」
「それじゃあ……。駆紋くん! 駆紋くんって、いくつなんですか!」
一夏(それ聞いちゃうのかよ!? そりゃ確かに、高校生って言うにはちょっと老けてる気がするけど……)
戒斗「二十歳だ」
一夏(なん……だと……)
戒斗「俺からも一つ質問をさせてもらおう」
一夏(えっ。あいつ、他人に興味を持つような奴だったんだ)
戒斗「授業外でのISの貸し出しはしているのか?」
一夏(違ったー!? やっぱり一匹狼だったー!?)
千冬「訓練機なら放課後も使えるぞ。ただし、機体とアリーナの使用は事前申請が必要だ。くくっ。駆紋、リベンジはいつでも受けてやるぞ」
戒斗「……ふん」
一夏(え? 千冬姉が笑ってる……?)
千冬「じゃあ、そろそろ授業を始めるぞ。お前達を一年で使い者になるように育て上げなければならないんだ。時間はいくらあっても足りないからな」
一夏(どういうことだよ。千冬姉と戒斗は、俺の知らないところで何かあったのか? ……千冬姉と)ギリッ
<入学式当日SHR(ショートホームルーム)・1年1組>
一夏(気になることはたくさんある。どうして千冬姉がIS学園の教師をしていて、しかも俺の担任なんだ、とか。でも、それよりももっと、奇妙な奴がいるんだ)
戒斗「…………」
一夏(気になる……)
一夏(同い年に見えないんだよなぁ。って言うか、なんでIS学園の制服を着てないんだ。あの赤と黒のコートはどこの制服なんだ)
一夏(それに、あの強い瞳。……なんか、千冬姉みたいだ)
山田「――はい。みんな自己紹介できましたね」
「はいはーい! 先生、質問いいですかー!」
千冬「いいだろう」
「それじゃあ……。駆紋くん! 駆紋くんって、いくつなんですか!」
一夏(それ聞いちゃうのかよ!? そりゃ確かに、高校生って言うにはちょっと老けてる気がするけど……)
戒斗「二十歳だ」
一夏(なん……だと……)
戒斗「俺からも一つ質問をさせてもらおう」
一夏(えっ。あいつ、他人に興味を持つような奴だったんだ)
戒斗「授業外でのISの貸し出しはしているのか?」
一夏(違ったー!? やっぱり一匹狼だったー!?)
千冬「訓練機なら放課後も使えるぞ。ただし、機体とアリーナの使用は事前申請が必要だ。くくっ。駆紋、リベンジはいつでも受けてやるぞ」
戒斗「……ふん」
一夏(え? 千冬姉が笑ってる……?)
千冬「じゃあ、そろそろ授業を始めるぞ。お前達を一年で使い者になるように育て上げなければならないんだ。時間はいくらあっても足りないからな」
一夏(どういうことだよ。千冬姉と戒斗は、俺の知らないところで何かあったのか? ……千冬姉と)ギリッ
4: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:55:34.63 ID:eCRAPvkKo
<1時間目休み時間・1年1組>
一夏「戒斗!」
戒斗「何だ。……ああ、織斑か」
一夏「そうだ、よろしく! ――じゃ、ない! お前、どういうことだよ!」
戒斗「何がだ」
一夏「千冬姉だよ! いつの間に千冬姉と仲良くなったんだ!!」
戒斗「千冬?」
一夏「織斑千冬だよ! 俺の、世界でたった一人の家族だ!」
戒斗「ああ。そういえば貴様はあいつの弟だったな」
一夏「あいつ!? な、ななな、なんでそんなに親しげなんだよ!」
戒斗「…………」
一夏「何とか言えよ!」
戒斗「やかましい」
一夏「な、なんだとぉっ!?」
戒斗「織斑千冬は、俺の入試の対戦相手だった。ただそれだけの話だ」
一夏「それだけって。だったら、なんで千冬姉は笑ってたんだよ!」
戒斗「本当にやかましいな、お前は……」
一夏「これは俺にとっては大事なことなんだ!」
戒斗「……ふん。お前は姉がそんなに大事なのか?」
一夏「大事だ!」
戒斗「…………」
戒斗「いいだろう」
一夏(戒斗の表情が変わった……?)
戒斗「強い男は嫌いじゃない。あいつは、そう言っていた」
一夏「強い男……?」
戒斗「そうだ、強い男だ。織斑、姉が欲しければ強さを示せ」
一夏「強さを示す……。って、俺は別にそんなんじゃ!?」
戒斗「ふん。話は終わったろう、消えろ」
一夏「わかった、わかったよ!」
一夏(駆紋戒斗。……こいつは一体、何なんだ)
一夏「戒斗!」
戒斗「何だ。……ああ、織斑か」
一夏「そうだ、よろしく! ――じゃ、ない! お前、どういうことだよ!」
戒斗「何がだ」
一夏「千冬姉だよ! いつの間に千冬姉と仲良くなったんだ!!」
戒斗「千冬?」
一夏「織斑千冬だよ! 俺の、世界でたった一人の家族だ!」
戒斗「ああ。そういえば貴様はあいつの弟だったな」
一夏「あいつ!? な、ななな、なんでそんなに親しげなんだよ!」
戒斗「…………」
一夏「何とか言えよ!」
戒斗「やかましい」
一夏「な、なんだとぉっ!?」
戒斗「織斑千冬は、俺の入試の対戦相手だった。ただそれだけの話だ」
一夏「それだけって。だったら、なんで千冬姉は笑ってたんだよ!」
戒斗「本当にやかましいな、お前は……」
一夏「これは俺にとっては大事なことなんだ!」
戒斗「……ふん。お前は姉がそんなに大事なのか?」
一夏「大事だ!」
戒斗「…………」
戒斗「いいだろう」
一夏(戒斗の表情が変わった……?)
戒斗「強い男は嫌いじゃない。あいつは、そう言っていた」
一夏「強い男……?」
戒斗「そうだ、強い男だ。織斑、姉が欲しければ強さを示せ」
一夏「強さを示す……。って、俺は別にそんなんじゃ!?」
戒斗「ふん。話は終わったろう、消えろ」
一夏「わかった、わかったよ!」
一夏(駆紋戒斗。……こいつは一体、何なんだ)
5: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:56:54.80 ID:eCRAPvkKo
<3時間目・1年1組>
千冬「では、クラス代表を決める」
一夏「千冬姉、クラス代表って何する――いでぇっ!?」
千冬「学校では『織斑先生』だろうが、このバカ者が」
一夏「……御指導ありがとうございます、織斑先生」
千冬「よろしい。それで、クラス代表の役割だったな。いわゆるクラス長だ。生徒会の開く会議や委員会への出席の義務を負うことになる。それと」
一夏「それと?」
千冬「再来週に行われる、クラス対抗戦に出場することになる。だからまあ、強い者。いや、強くなりたい者がなるべきだな」
一夏「強くなりたい者……」
――織斑、姉が欲しければ強さを示せ。
一夏「…………」
一夏(千冬姉が欲しいとか、そんなんじゃない。でも、俺は……)
千冬「自推、他推は問わない。誰かいないか?」
戒斗「俺がやる」
一夏(戒斗!?)
千冬「ふむ。他に候補者がいなければ、駆紋で決まりに――」
一夏「待った! 俺、クラス代表に立候補する!」
千冬「織斑か。他にいないか?」
シーン……
千冬「ふむ。候補者2人か、どうやって絞るか」
戒斗「決まっているだろう。戦って勝利した者がなればいい」
千冬「くくっ。それもそうだな」
一夏(千冬姉、また笑ってる)ギリッ
千冬「それでは一週間後にクラス代表をかけた試合を行う。織斑、駆紋。がんばれよ」
千冬「では、クラス代表を決める」
一夏「千冬姉、クラス代表って何する――いでぇっ!?」
千冬「学校では『織斑先生』だろうが、このバカ者が」
一夏「……御指導ありがとうございます、織斑先生」
千冬「よろしい。それで、クラス代表の役割だったな。いわゆるクラス長だ。生徒会の開く会議や委員会への出席の義務を負うことになる。それと」
一夏「それと?」
千冬「再来週に行われる、クラス対抗戦に出場することになる。だからまあ、強い者。いや、強くなりたい者がなるべきだな」
一夏「強くなりたい者……」
――織斑、姉が欲しければ強さを示せ。
一夏「…………」
一夏(千冬姉が欲しいとか、そんなんじゃない。でも、俺は……)
千冬「自推、他推は問わない。誰かいないか?」
戒斗「俺がやる」
一夏(戒斗!?)
千冬「ふむ。他に候補者がいなければ、駆紋で決まりに――」
一夏「待った! 俺、クラス代表に立候補する!」
千冬「織斑か。他にいないか?」
シーン……
千冬「ふむ。候補者2人か、どうやって絞るか」
戒斗「決まっているだろう。戦って勝利した者がなればいい」
千冬「くくっ。それもそうだな」
一夏(千冬姉、また笑ってる)ギリッ
千冬「それでは一週間後にクラス代表をかけた試合を行う。織斑、駆紋。がんばれよ」
6: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:58:15.83 ID:eCRAPvkKo
<放課後・屋上>
戒斗「ここは静かだな」
戒斗「……」
戒斗「あれが織斑一夏か。俺は、あれを育てなければならないのか……」
戒斗「……。ふん」ヘンシン
戒斗(ロードバロン)「そこに隠れている奴、出てこい」
束「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃじゃーん! 私が天才の~束さんだよー!」
戒斗「……」チャキ
束「女の子に無言で剣を突きつけるのはよくないと思うなー」
戒斗「ここでお前を斬れば厄介事の大半が片付くからな」
束「ふうん。いっくんを育てることと私を殺すことは、同じことなんだ?」
戒斗「なるほど、その耳は盗み聞きのためにあるわけか」
束「それだけじゃないよお。例えば――お前を食べちゃうためにあるのさあ!」ブンッ
戒斗「!」ガキンッ
束「女の子といっくんしか使えないはずのISを君が動かせる理由、何となく分かったよ。ばいばーい!」
戒斗「待て! ……ッチ。逃がしたか」
戒斗「……」
戒斗「まったく。葛葉の奴、いい加減な掃除を……!」
戒斗「ここは静かだな」
戒斗「……」
戒斗「あれが織斑一夏か。俺は、あれを育てなければならないのか……」
戒斗「……。ふん」ヘンシン
戒斗(ロードバロン)「そこに隠れている奴、出てこい」
束「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃじゃーん! 私が天才の~束さんだよー!」
戒斗「……」チャキ
束「女の子に無言で剣を突きつけるのはよくないと思うなー」
戒斗「ここでお前を斬れば厄介事の大半が片付くからな」
束「ふうん。いっくんを育てることと私を殺すことは、同じことなんだ?」
戒斗「なるほど、その耳は盗み聞きのためにあるわけか」
束「それだけじゃないよお。例えば――お前を食べちゃうためにあるのさあ!」ブンッ
戒斗「!」ガキンッ
束「女の子といっくんしか使えないはずのISを君が動かせる理由、何となく分かったよ。ばいばーい!」
戒斗「待て! ……ッチ。逃がしたか」
戒斗「……」
戒斗「まったく。葛葉の奴、いい加減な掃除を……!」
7: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 02:59:19.14 ID:eCRAPvkKo
<放課後・学生寮1025室>
一夏「そうだよな。男子は二人しかいないんだから、戒斗と同じ部屋になるよな……」
戒斗「ふん。何が不満だ」
一夏「決闘相手と寝起きを共にするなんてありえないだろ!?」
戒斗「安心しろ。俺は寝首を掻くような弱い真似はしない」
一夏「そういう問題じゃなーい!」
戒斗「やかましい。俺は寝る。お前も朝まで黙っていろ」
一夏「あ、ちょ! ……電気消しやがった」
一夏(駆紋戒斗。俺と同じ、ISを動かせる特別な男。そして、鉄面皮の千冬姉を笑わせられる男)
一夏(……俺は、お前に負けたくない)
一夏「そうだよな。男子は二人しかいないんだから、戒斗と同じ部屋になるよな……」
戒斗「ふん。何が不満だ」
一夏「決闘相手と寝起きを共にするなんてありえないだろ!?」
戒斗「安心しろ。俺は寝首を掻くような弱い真似はしない」
一夏「そういう問題じゃなーい!」
戒斗「やかましい。俺は寝る。お前も朝まで黙っていろ」
一夏「あ、ちょ! ……電気消しやがった」
一夏(駆紋戒斗。俺と同じ、ISを動かせる特別な男。そして、鉄面皮の千冬姉を笑わせられる男)
一夏(……俺は、お前に負けたくない)
8: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:00:31.75 ID:eCRAPvkKo
■第二幕 クラス代表決定戦!
<朝・1年1組>
「そういえば、他のクラスってクラス代表はどうするんだろうね」
「3組はイギリス代表候補生のセシリア・オルコットじゃないかな? ほら、専用機持ちだし」
「2組にはあの篠ノ之束の妹がいるらしいじゃん。だったら、その子じゃないかな」
「4組も専用機持ちがいるらしいから、たぶんその子だよね」
「そして、うちのクラスは……」
「織斑一夏くん!」「駆紋戒斗くん!」
「「「「むむむむむ」」」」
「織斑くんよ! だってIS世界大会(モンド・グロッソ)の初代優勝者の織斑千冬様の弟君なのよ!」
「戒斗よ! あの貪欲に強さを求める彼こそクラス代表――いえ、王者にふさわしい逸材だわ!」
「「「「むむむむむ」」」」
<朝・1年1組>
「そういえば、他のクラスってクラス代表はどうするんだろうね」
「3組はイギリス代表候補生のセシリア・オルコットじゃないかな? ほら、専用機持ちだし」
「2組にはあの篠ノ之束の妹がいるらしいじゃん。だったら、その子じゃないかな」
「4組も専用機持ちがいるらしいから、たぶんその子だよね」
「そして、うちのクラスは……」
「織斑一夏くん!」「駆紋戒斗くん!」
「「「「むむむむむ」」」」
「織斑くんよ! だってIS世界大会(モンド・グロッソ)の初代優勝者の織斑千冬様の弟君なのよ!」
「戒斗よ! あの貪欲に強さを求める彼こそクラス代表――いえ、王者にふさわしい逸材だわ!」
「「「「むむむむむ」」」」
9: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:01:24.63 ID:eCRAPvkKo
<4時間目・1年2組>
箒(一夏は1組なのか……)
箒(噂では、クラス代表の座を賭けて決闘するとか。もしかしたら、ISの特訓を口実に接点が持てるかもしれない)
箒(けれどあいつは、私のことを覚えているだろうか……)
箒(……。ええい、何を恐れる必要がある! こうして再び一夏と同じ学び舎で過ごせるのは、きっと、運命なんだ。大丈夫。一夏はきっと私を覚えてくれている)
箒(きっと……)
<4時間目・1年3組>
セシリア(駆紋戒斗を籠絡せよ、ですか。ISを動かせる男性。その存在はとても意味がありますわ。本国からそういった指示が来るのも、不思議ではないかもしれません)
セシリア(でも。わたくしは、自分の相手は自分で決めますわ。……夫は、強い人でなければだめよ。父のように、弱い人では……)
セシリア(しかし、どうして駆紋戒斗と指定されたのでしょう。もう一人がいますのに……)
セシリア(考えても仕方がありませんわ。どの道、接点は持ってみるつもりでしたもの。お昼休みに会ってみましょう)
セシリア(そういえば、駆紋戒斗と織斑一夏はクラス代表の座をかけて決闘するとか……。うまく使えば、口実にできるかもしないわ)
箒(一夏は1組なのか……)
箒(噂では、クラス代表の座を賭けて決闘するとか。もしかしたら、ISの特訓を口実に接点が持てるかもしれない)
箒(けれどあいつは、私のことを覚えているだろうか……)
箒(……。ええい、何を恐れる必要がある! こうして再び一夏と同じ学び舎で過ごせるのは、きっと、運命なんだ。大丈夫。一夏はきっと私を覚えてくれている)
箒(きっと……)
<4時間目・1年3組>
セシリア(駆紋戒斗を籠絡せよ、ですか。ISを動かせる男性。その存在はとても意味がありますわ。本国からそういった指示が来るのも、不思議ではないかもしれません)
セシリア(でも。わたくしは、自分の相手は自分で決めますわ。……夫は、強い人でなければだめよ。父のように、弱い人では……)
セシリア(しかし、どうして駆紋戒斗と指定されたのでしょう。もう一人がいますのに……)
セシリア(考えても仕方がありませんわ。どの道、接点は持ってみるつもりでしたもの。お昼休みに会ってみましょう)
セシリア(そういえば、駆紋戒斗と織斑一夏はクラス代表の座をかけて決闘するとか……。うまく使えば、口実にできるかもしないわ)
10: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:02:31.92 ID:eCRAPvkKo
<昼休み・1年1組>
セシリア「ちょっと、よろしくて!」
一夏「な、なんだお前!?」
セシリア「あなたが駆紋戒斗さんね」
一夏「……俺は織斑一夏だ。戒斗は、あっち」
セシリア「…………」
一夏「…………」
セシリア「…………//」
スタスタスタ
セシリア「ちょ、ちょっと、よろしくて!」
戒斗「またやかましいのが来たな」
セシリア「ん、んまあ!? このセシリア・オルコットに向かってやかましいとは! 未開の島国はこれだから困りますわ。野蛮で、粗暴で、文明後進国なんですもの」
戒斗「ふん」ガタッ スタスタスタ
セシリア「ちょ、ちょっとどこに行くんですの! 貴族を前にその無礼な振る舞いは万死に値しますわよ! ……ちょっと! 待ちなさい!」
戒斗「やかましい。演説がしたいなら、骸骨にでも語っておけ」
セシリア「く、くきーっ!」
セシリア(っは!? こ、これでは接点を持つどころではありませんわ)
セシリア「駆紋戒斗。あなた、クラス代表の座をかけて決闘をするそうじゃありませんの」
戒斗「それがどうした」
セシリア「あなたが初めてISを動かしたのは3月の終わりだと聞いています。まともな操縦もできないのではありませんか? 本当にその状態で決闘に臨むのですか?」
戒斗「む。……何が言いたい」ピタッ
セシリア「わたくしがあなたにISの基礎を教えてさしあげてもいいですわ。このイギリス代表候補生、セシリア・オルコットが!」
戒斗「……ふん」スタスタスタ
セシリア「ちょ! こんなサービス滅多に無いんですのよ!」
戒斗「お前に教わることなど何も無い」
セシリア(ぐ、ぐぬぬ。失礼な殿方ですわ……。けど、彼みたいな人ならプライドを刺激すれば絶対に喰いついてくるはず! わたくしには分かりますわ!)
セシリア「あなた。織斑先生に負けたそうですわね」
戒斗「む」
セシリア「勝利、したくはありませんの?」
戒斗「……ふん」
セシリア(絶対に、絶対に喰いついてくるはず……っ)
戒斗「いいだろう。セシリアとか言ったな。少しの間だけ貴様を師と仰いでやる」
セシリア「ふふん。賢明な判断ですわ。それでは放課後に、また」スタスタスタ
戒斗「ふん」スタスタスタ
セシリア「ちょっと、よろしくて!」
一夏「な、なんだお前!?」
セシリア「あなたが駆紋戒斗さんね」
一夏「……俺は織斑一夏だ。戒斗は、あっち」
セシリア「…………」
一夏「…………」
セシリア「…………//」
スタスタスタ
セシリア「ちょ、ちょっと、よろしくて!」
戒斗「またやかましいのが来たな」
セシリア「ん、んまあ!? このセシリア・オルコットに向かってやかましいとは! 未開の島国はこれだから困りますわ。野蛮で、粗暴で、文明後進国なんですもの」
戒斗「ふん」ガタッ スタスタスタ
セシリア「ちょ、ちょっとどこに行くんですの! 貴族を前にその無礼な振る舞いは万死に値しますわよ! ……ちょっと! 待ちなさい!」
戒斗「やかましい。演説がしたいなら、骸骨にでも語っておけ」
セシリア「く、くきーっ!」
セシリア(っは!? こ、これでは接点を持つどころではありませんわ)
セシリア「駆紋戒斗。あなた、クラス代表の座をかけて決闘をするそうじゃありませんの」
戒斗「それがどうした」
セシリア「あなたが初めてISを動かしたのは3月の終わりだと聞いています。まともな操縦もできないのではありませんか? 本当にその状態で決闘に臨むのですか?」
戒斗「む。……何が言いたい」ピタッ
セシリア「わたくしがあなたにISの基礎を教えてさしあげてもいいですわ。このイギリス代表候補生、セシリア・オルコットが!」
戒斗「……ふん」スタスタスタ
セシリア「ちょ! こんなサービス滅多に無いんですのよ!」
戒斗「お前に教わることなど何も無い」
セシリア(ぐ、ぐぬぬ。失礼な殿方ですわ……。けど、彼みたいな人ならプライドを刺激すれば絶対に喰いついてくるはず! わたくしには分かりますわ!)
セシリア「あなた。織斑先生に負けたそうですわね」
戒斗「む」
セシリア「勝利、したくはありませんの?」
戒斗「……ふん」
セシリア(絶対に、絶対に喰いついてくるはず……っ)
戒斗「いいだろう。セシリアとか言ったな。少しの間だけ貴様を師と仰いでやる」
セシリア「ふふん。賢明な判断ですわ。それでは放課後に、また」スタスタスタ
戒斗「ふん」スタスタスタ
11: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:03:18.83 ID:eCRAPvkKo
<昼休み・戒斗が去った1年1組>
一夏「師……か。そうだよな、誰かに教えてもらうのが手っ取り早いかもしれないな」
「織斑くん!」
一夏「お、おわっ!?」
「だったら私が教えてあげる!」
「私よ!」
「いやいや、私と一緒に特訓しましょう! 朝から晩まで! そして朝まで!」
一夏「ちょ、ちょ、ちょっと待って! そんないっぺんに来られても――」
箒「一夏!」バンッ
一夏「うえっ!? ……え。え! お、お前、まさか、箒か!」
箒「そうだ。ちょっと来い」グイッ
一夏「あ、ちょ」ズルズル
「……ありゃ。織斑くん、連れていかれちゃった」
「今の誰かなあ?」
「あれよ、あれ。2組の篠ノ之束の妹よ」
「へー、そうなんだ」
「織斑くんと知り合いみたいだったね」
「でも」
「うん」
「横から掻っ攫って行くって、なんか感じ悪いね」
一夏「師……か。そうだよな、誰かに教えてもらうのが手っ取り早いかもしれないな」
「織斑くん!」
一夏「お、おわっ!?」
「だったら私が教えてあげる!」
「私よ!」
「いやいや、私と一緒に特訓しましょう! 朝から晩まで! そして朝まで!」
一夏「ちょ、ちょ、ちょっと待って! そんないっぺんに来られても――」
箒「一夏!」バンッ
一夏「うえっ!? ……え。え! お、お前、まさか、箒か!」
箒「そうだ。ちょっと来い」グイッ
一夏「あ、ちょ」ズルズル
「……ありゃ。織斑くん、連れていかれちゃった」
「今の誰かなあ?」
「あれよ、あれ。2組の篠ノ之束の妹よ」
「へー、そうなんだ」
「織斑くんと知り合いみたいだったね」
「でも」
「うん」
「横から掻っ攫って行くって、なんか感じ悪いね」
12: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:04:17.78 ID:eCRAPvkKo
<昼休み・廊下>
一夏「六年振りだな、箒」
箒「ああ。お前は六年見ない間にずいぶんと軟弱になったみたいだな、一夏」ギロッ
一夏「そ、そんなことはないぞ!」
箒「ならどうして女子に囲まれて鼻を伸ばしていた!」
一夏「そんなことないって! ……あ。それよりも、箒」
箒「なんだ」
一夏「俺さ。六日後に、クラス代表をかけて決闘するんだよ」
箒「知っている。学校中の噂になっているぞ、『男子が決闘する』ってな」
一夏「そうなのか。じゃあ、話は早いな」
箒「うん?」
一夏「俺さ、ISのことってほとんどさっぱりでさ。よければ稽古を付けてくれないか」
箒「……っ。わ、私が、か?」
一夏「ああ。戒斗には負けたくないんだよ。だから、頼む」
箒(ね、ねねね、願ってもない状況になった!? 私は夢を見ているのか!? い、いや、きっと。……これは。これは一夏と私の運命なんだ!)
箒「い、いいだろう」
一夏「本当か!?」
箒「本当だ。放課後、とりあえず剣道場に集合だ」
一夏「わかった。箒、本当にありがとう!」
箒「ふふっ。どういたしまして」
一夏「あ、それと」
箒「?」
一夏「去年、中学の剣道の全国大会で優勝したってな。おめでとう!」
箒「~っ!? お、お前、どうしてそれを知っている!」
一夏「新聞で見たからな」
箒「どうして新聞なんて見ている!」
一夏「そこをどうしてって言われても……」
箒(い、いいい一夏は私を見ていてくれた!? 気にしていてくれた! 一夏。一夏。一夏。一夏。一夏。一夏。一夏! ……//)
一夏「六年振りだな、箒」
箒「ああ。お前は六年見ない間にずいぶんと軟弱になったみたいだな、一夏」ギロッ
一夏「そ、そんなことはないぞ!」
箒「ならどうして女子に囲まれて鼻を伸ばしていた!」
一夏「そんなことないって! ……あ。それよりも、箒」
箒「なんだ」
一夏「俺さ。六日後に、クラス代表をかけて決闘するんだよ」
箒「知っている。学校中の噂になっているぞ、『男子が決闘する』ってな」
一夏「そうなのか。じゃあ、話は早いな」
箒「うん?」
一夏「俺さ、ISのことってほとんどさっぱりでさ。よければ稽古を付けてくれないか」
箒「……っ。わ、私が、か?」
一夏「ああ。戒斗には負けたくないんだよ。だから、頼む」
箒(ね、ねねね、願ってもない状況になった!? 私は夢を見ているのか!? い、いや、きっと。……これは。これは一夏と私の運命なんだ!)
箒「い、いいだろう」
一夏「本当か!?」
箒「本当だ。放課後、とりあえず剣道場に集合だ」
一夏「わかった。箒、本当にありがとう!」
箒「ふふっ。どういたしまして」
一夏「あ、それと」
箒「?」
一夏「去年、中学の剣道の全国大会で優勝したってな。おめでとう!」
箒「~っ!? お、お前、どうしてそれを知っている!」
一夏「新聞で見たからな」
箒「どうして新聞なんて見ている!」
一夏「そこをどうしてって言われても……」
箒(い、いいい一夏は私を見ていてくれた!? 気にしていてくれた! 一夏。一夏。一夏。一夏。一夏。一夏。一夏! ……//)
13: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:05:18.03 ID:eCRAPvkKo
<放課後・アリーナ>
セシリア「さ。特訓を始めますわよ! 訓練機は打鉄でよろしくて?」
戒斗「ああ。打鉄は入試でも使っているからな」
セシリア「なるほど。……さて。日も少ないですし、スパルタで行きますわよ。今日はわたくしと戦ってもらいます!」
戒斗「どの程度動けるか確認する、というわけだな。いいだろう」
セシリア「察しが良くて助かりますわ。それでは、始めますわよ!」
――しばらくして。
セシリア「……判断に困りますわね」
戒斗「そうか」
セシリア「明日までに訓練メニューを考えておきます。今日はこの辺にしておきましょう」
戒斗「分かった。じゃあな、“師匠”」
セシリア「ええ、ごきげんよう」
セシリア「…………」
セシリア「不思議。いえ、変、な方ですわ」
セシリア「ISの扱いはまるで素人。でも、とても戦い慣れている。傭兵でもしていたのかしら……」
セシリア「駆紋戒斗。二十歳の高校生。……よくわかりませんわ」
セシリア「さ。特訓を始めますわよ! 訓練機は打鉄でよろしくて?」
戒斗「ああ。打鉄は入試でも使っているからな」
セシリア「なるほど。……さて。日も少ないですし、スパルタで行きますわよ。今日はわたくしと戦ってもらいます!」
戒斗「どの程度動けるか確認する、というわけだな。いいだろう」
セシリア「察しが良くて助かりますわ。それでは、始めますわよ!」
――しばらくして。
セシリア「……判断に困りますわね」
戒斗「そうか」
セシリア「明日までに訓練メニューを考えておきます。今日はこの辺にしておきましょう」
戒斗「分かった。じゃあな、“師匠”」
セシリア「ええ、ごきげんよう」
セシリア「…………」
セシリア「不思議。いえ、変、な方ですわ」
セシリア「ISの扱いはまるで素人。でも、とても戦い慣れている。傭兵でもしていたのかしら……」
セシリア「駆紋戒斗。二十歳の高校生。……よくわかりませんわ」
14: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:06:26.01 ID:eCRAPvkKo
<放課後・剣道場>
箒「全然だめだっ! この六年間、お前は何をしていたんだ!! 剣道は、剣道はどうした!」
一夏「止めちまったよ。少しでも千冬姉の負担を減らしたくて、ずっとバイトしてたんだ」
箒「うぐっ。……そうか。千冬さんと二人暮らしだもんな」
一夏「ああ。やっぱりさ。千冬姉に迷惑かけたくなくてさ」
箒「むう。その心掛けは立派だが、先ずは決闘をどうにかしなければならないぞ」
一夏「まずいか?」
箒「まずい。IS以前の問題だ。……よし。明日からお前をシゴキ抜いてやる。覚悟しろよ!」
一夏「……人選間違えたかも」
箒「何か言ったか!?」
一夏「な、なんでもありません!」
<放課後・学生寮1025室>
一夏「シャワー先に使うぞ……」
戒斗「好きにしろ。俺は夜風に当たりに行く」
一夏「ずいぶんと余裕があるなぁ。あのセシリアってのと特訓してたんだろ?」
戒斗「軟な鍛え方はしていないからな」
一夏「ふーん……」
戒斗「織斑」
一夏「なんだよ」
戒斗「身体が貧弱なままでは勝負にもならないぞ」
一夏「わ、分かってるよ!」
一夏(……箒の特訓。絶対にやり遂げてやる!)
――時は流れた。
箒「全然だめだっ! この六年間、お前は何をしていたんだ!! 剣道は、剣道はどうした!」
一夏「止めちまったよ。少しでも千冬姉の負担を減らしたくて、ずっとバイトしてたんだ」
箒「うぐっ。……そうか。千冬さんと二人暮らしだもんな」
一夏「ああ。やっぱりさ。千冬姉に迷惑かけたくなくてさ」
箒「むう。その心掛けは立派だが、先ずは決闘をどうにかしなければならないぞ」
一夏「まずいか?」
箒「まずい。IS以前の問題だ。……よし。明日からお前をシゴキ抜いてやる。覚悟しろよ!」
一夏「……人選間違えたかも」
箒「何か言ったか!?」
一夏「な、なんでもありません!」
<放課後・学生寮1025室>
一夏「シャワー先に使うぞ……」
戒斗「好きにしろ。俺は夜風に当たりに行く」
一夏「ずいぶんと余裕があるなぁ。あのセシリアってのと特訓してたんだろ?」
戒斗「軟な鍛え方はしていないからな」
一夏「ふーん……」
戒斗「織斑」
一夏「なんだよ」
戒斗「身体が貧弱なままでは勝負にもならないぞ」
一夏「わ、分かってるよ!」
一夏(……箒の特訓。絶対にやり遂げてやる!)
――時は流れた。
15: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:07:26.18 ID:eCRAPvkKo
<決闘前日の放課後・剣道場>
箒(一夏には戦いの才能がある)
箒(覚えは早いし、勘も良い。奴の剣筋を見ていると千冬さんの弟なのだと実感する)
箒(六年間のサボりで鈍っていた身体もマシになってきたみたいだ。これなら、なんとかなるかもしれない)
箒(ああ、しかし)
箒(……一夏の真剣な横顔は、いい//)
<決闘前日の放課後・アリーナ>
セシリア(ここ数日の特訓で分かりました。ええ)
セシリア(よっっっっっっく分かりましたわ! 駆紋さんは不器用なのよ!)
セシリア(言葉遣いも! 戦い方も! ……生き方も!)
セシリア(誰の理解も求めてない。ただ前だけを見て、進み続ける)
セシリア(度し難いですわ。そんな生き方はきっと、寂しくて、辛い、茨の道)
セシリア(でも……。だからあの人は、強いのですね)
<決闘の前日・学生寮1025室>
一夏「今日は先にシャワー使っていいぜ、戒斗」
戒斗「ほう。どうやらこの一週間を無駄に過ごしたわけではないようだな」
一夏「当たり前だ! 俺はお前に勝って、強さを証明するんだからな!」
戒斗「ふん。こっちも、負けるつもりはない」
一夏「言ってろ! 明日はその余裕の態度をぶっ飛ばしてやるからな!」
戒斗「くくく。楽しみにしておいてやる」
箒(一夏には戦いの才能がある)
箒(覚えは早いし、勘も良い。奴の剣筋を見ていると千冬さんの弟なのだと実感する)
箒(六年間のサボりで鈍っていた身体もマシになってきたみたいだ。これなら、なんとかなるかもしれない)
箒(ああ、しかし)
箒(……一夏の真剣な横顔は、いい//)
<決闘前日の放課後・アリーナ>
セシリア(ここ数日の特訓で分かりました。ええ)
セシリア(よっっっっっっく分かりましたわ! 駆紋さんは不器用なのよ!)
セシリア(言葉遣いも! 戦い方も! ……生き方も!)
セシリア(誰の理解も求めてない。ただ前だけを見て、進み続ける)
セシリア(度し難いですわ。そんな生き方はきっと、寂しくて、辛い、茨の道)
セシリア(でも……。だからあの人は、強いのですね)
<決闘の前日・学生寮1025室>
一夏「今日は先にシャワー使っていいぜ、戒斗」
戒斗「ほう。どうやらこの一週間を無駄に過ごしたわけではないようだな」
一夏「当たり前だ! 俺はお前に勝って、強さを証明するんだからな!」
戒斗「ふん。こっちも、負けるつもりはない」
一夏「言ってろ! 明日はその余裕の態度をぶっ飛ばしてやるからな!」
戒斗「くくく。楽しみにしておいてやる」
16: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:08:17.68 ID:eCRAPvkKo
<決闘の当日・アリーナ控え室>
山田「それじゃあ、ルールの確認です」
山田「公式戦と同じく、先にシールドエネルギーが切れた方の負けとなります。また、二人共使用するISは訓練機の打鉄でいいですね」
戒斗「待て」
山田「なんでしょう、駆紋くん」
戒斗「織斑には専用機が届いていると聞いている。そっちを使うといい」
一夏「な、何だよそりゃ!?」
戒斗「織斑。貴様、身体は鍛えたようだが肝心のIS操縦訓練はしたのか?」
一夏「そ、それは……」
戒斗「勝負の見えている決闘をしたいなら打鉄のままでも構わんがな」
一夏「ぐっ! そういわれて!」
千冬「待て、織斑。駆紋がこう言っているんだ。専用機の『白式』に乗っておけ」
一夏「でも、千冬姉! ――あでっ!?」
千冬「織斑先生だ」
一夏「……。織斑先生、ご指導ありがとうございます」
千冬「よろしい。白式はこれからお前のパートナーになる機体だ。共に初陣を経験することは、とても重要だ」
一夏「わかった。わかったよ!」
千冬「さて。アリーナを使える時間も限られている。すぐに決闘を始めるぞ」
山田「それじゃあ、ルールの確認です」
山田「公式戦と同じく、先にシールドエネルギーが切れた方の負けとなります。また、二人共使用するISは訓練機の打鉄でいいですね」
戒斗「待て」
山田「なんでしょう、駆紋くん」
戒斗「織斑には専用機が届いていると聞いている。そっちを使うといい」
一夏「な、何だよそりゃ!?」
戒斗「織斑。貴様、身体は鍛えたようだが肝心のIS操縦訓練はしたのか?」
一夏「そ、それは……」
戒斗「勝負の見えている決闘をしたいなら打鉄のままでも構わんがな」
一夏「ぐっ! そういわれて!」
千冬「待て、織斑。駆紋がこう言っているんだ。専用機の『白式』に乗っておけ」
一夏「でも、千冬姉! ――あでっ!?」
千冬「織斑先生だ」
一夏「……。織斑先生、ご指導ありがとうございます」
千冬「よろしい。白式はこれからお前のパートナーになる機体だ。共に初陣を経験することは、とても重要だ」
一夏「わかった。わかったよ!」
千冬「さて。アリーナを使える時間も限られている。すぐに決闘を始めるぞ」
17: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:08:57.54 ID:eCRAPvkKo
<アリーナ>
戒斗(『白式』その名の通り、白いISか……。呉島貴虎を思い出させる。結局、奴に雪辱を果たす機会は失われてしまったな)
一夏「戒斗! 俺は絶対にお前に勝つからな!」
戒斗「ふっ。やれるものならやってみろ!」
<アリーナ・モニタールーム>
千冬「なんだ、お前達も来たのか」
セシリア「わたくし達は彼らの特訓に付き合いました。見届ける権利はあると思いますわ」
箒「私も同じです」
千冬「ふっ。いいだろう」
セシリア「それで、戦況は……」
山田「駆紋くんの優勢ですね。射撃武器を上手く使いながら、確実にシールドエネルギーを削っています」
千冬「白式には近接武器しかないからな。まあ、妥当な戦法だろう」
箒「えっ」
千冬「白式はそういう機体なんだ。文句なら束に言え。……まあ。取りまわしは難しいが、悪い機体じゃない。私だって同じコンセプトの機体で、モンド・グロッソの優勝をもぎ取っている」
セシリア「えっ」
山田「先輩って、雪片一本で優勝しちゃいましたもんねえ」アハハ
箒・セシリア「えっ」
千冬「……だから。あのバカだって、やってやれないはずはないんだ」
山田(いやその理屈はおかしい。……んじゃ、ないでしょうか先輩)
戒斗(『白式』その名の通り、白いISか……。呉島貴虎を思い出させる。結局、奴に雪辱を果たす機会は失われてしまったな)
一夏「戒斗! 俺は絶対にお前に勝つからな!」
戒斗「ふっ。やれるものならやってみろ!」
<アリーナ・モニタールーム>
千冬「なんだ、お前達も来たのか」
セシリア「わたくし達は彼らの特訓に付き合いました。見届ける権利はあると思いますわ」
箒「私も同じです」
千冬「ふっ。いいだろう」
セシリア「それで、戦況は……」
山田「駆紋くんの優勢ですね。射撃武器を上手く使いながら、確実にシールドエネルギーを削っています」
千冬「白式には近接武器しかないからな。まあ、妥当な戦法だろう」
箒「えっ」
千冬「白式はそういう機体なんだ。文句なら束に言え。……まあ。取りまわしは難しいが、悪い機体じゃない。私だって同じコンセプトの機体で、モンド・グロッソの優勝をもぎ取っている」
セシリア「えっ」
山田「先輩って、雪片一本で優勝しちゃいましたもんねえ」アハハ
箒・セシリア「えっ」
千冬「……だから。あのバカだって、やってやれないはずはないんだ」
山田(いやその理屈はおかしい。……んじゃ、ないでしょうか先輩)
18: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:09:45.01 ID:eCRAPvkKo
<アリーナ>
一夏(くそっ、近づけねえ! 戒斗の奴、いやらしい戦い方しやがる)
一夏(シールドエネルギーはまだまだある。でも、このままじゃジリ貧だ。何とかしなきゃ。千冬姉の前で無様な姿は見せたくない!)
戒斗(……ふん)
戒斗(よく粘る。素人にしては大したものだ)
戒斗(しかし。こんなつまらない戦い方に負けるようなら、まだまだだな)
戒斗(織斑一夏。姉を大事だと言い切った時の、あの気迫を見せてみろ!)
一夏「――ッ。うおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
戒斗「ほう! ダメージ無視の特攻か。そいつを待っていた! ようやく面白くなってきたぞ!」
<アリーナ・モニタールーム>
山田「駆紋くんが銃を捨てた!?」
セシリア「そんな。あのまま、遠距離から撃ち続けていれば楽に勝てたのに……」
千冬「それではつまらんだろう」
セシリア「はい?」
千冬「駆紋戒斗。あいつは、真っ向勝負を挑まれれば必ず応える男だ」
セシリア「あの。織斑先生?」
千冬「なんだ」
セシリア「その。……ずいぶんと駆紋さんのことを理解されているのですね」
千冬「……」
セシリア「……」
千冬「忘れろ」
セシリア「えっ」
千冬「忘れろ。いいな?」
セシリア「アッハイ……」
一夏(くそっ、近づけねえ! 戒斗の奴、いやらしい戦い方しやがる)
一夏(シールドエネルギーはまだまだある。でも、このままじゃジリ貧だ。何とかしなきゃ。千冬姉の前で無様な姿は見せたくない!)
戒斗(……ふん)
戒斗(よく粘る。素人にしては大したものだ)
戒斗(しかし。こんなつまらない戦い方に負けるようなら、まだまだだな)
戒斗(織斑一夏。姉を大事だと言い切った時の、あの気迫を見せてみろ!)
一夏「――ッ。うおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
戒斗「ほう! ダメージ無視の特攻か。そいつを待っていた! ようやく面白くなってきたぞ!」
<アリーナ・モニタールーム>
山田「駆紋くんが銃を捨てた!?」
セシリア「そんな。あのまま、遠距離から撃ち続けていれば楽に勝てたのに……」
千冬「それではつまらんだろう」
セシリア「はい?」
千冬「駆紋戒斗。あいつは、真っ向勝負を挑まれれば必ず応える男だ」
セシリア「あの。織斑先生?」
千冬「なんだ」
セシリア「その。……ずいぶんと駆紋さんのことを理解されているのですね」
千冬「……」
セシリア「……」
千冬「忘れろ」
セシリア「えっ」
千冬「忘れろ。いいな?」
セシリア「アッハイ……」
19: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:10:40.11 ID:eCRAPvkKo
<アリーナ>
戒斗「なかなかどうして。剣技だけは様になっているじゃないか!」
一夏「箒にさんざんしごかれたからな!」
戒斗「だが甘い!」
一夏「まだまだァッ!」
<アリーナ・モニタールーム>
山田「互角、ですね……」
千冬「純粋な戦闘経験では駆紋の方が上だろうが、機体のスペック差が実力差を埋めているな」
山田「織斑先生。織斑くんの機体、そろそろ一次移行《ファーストシフト》します」
千冬「ふむ。これはひょっとすると、ひょっとするかもな」
箒「一夏は勝ちます」
千冬「言い切るな、篠ノ之。その根拠は何だ?」
箒「一夏が、織斑一夏だからです」
千冬「……。くくっ。ベタ惚れなんだな、お前は」
箒「な、なぁっ!? そ、そそ、そんなことはありません!」
セシリア(あら。篠ノ之さんはツンデレなのですね)
戒斗「なかなかどうして。剣技だけは様になっているじゃないか!」
一夏「箒にさんざんしごかれたからな!」
戒斗「だが甘い!」
一夏「まだまだァッ!」
<アリーナ・モニタールーム>
山田「互角、ですね……」
千冬「純粋な戦闘経験では駆紋の方が上だろうが、機体のスペック差が実力差を埋めているな」
山田「織斑先生。織斑くんの機体、そろそろ一次移行《ファーストシフト》します」
千冬「ふむ。これはひょっとすると、ひょっとするかもな」
箒「一夏は勝ちます」
千冬「言い切るな、篠ノ之。その根拠は何だ?」
箒「一夏が、織斑一夏だからです」
千冬「……。くくっ。ベタ惚れなんだな、お前は」
箒「な、なぁっ!? そ、そそ、そんなことはありません!」
セシリア(あら。篠ノ之さんはツンデレなのですね)
20: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:12:19.45 ID:eCRAPvkKo
<アリーナ>
一夏「わっ!? なんだ、白式が……!?」
戒斗「一次移行か」
一夏「一次移行!? そうか、これが……」
戒斗「そうだ。初期化《フォーマット》と最適化《フィッティング》。その機体をお前専用機とする、第一歩だ」
一夏「俺の専用機……」
一夏(ウェポンパネルに新しい武器が表示されている。『雪片弐型』。これは、千冬姉の武器『雪片』の発展形だろう。千冬姉……)
一夏(千冬姉の剣を持つんだ。この戦い、いや、これから先ずっと、俺は誰にも負けられない!)
戒斗(ほう。織斑の顔つきが変わったな。……いい顔をするじゃないか)
一夏「戒斗! これで、ケリをつけてやる!」
戒斗「ふっ。勝つのはこの俺だ!」
――そして、二人の剣は交わった。
一夏「わっ!? なんだ、白式が……!?」
戒斗「一次移行か」
一夏「一次移行!? そうか、これが……」
戒斗「そうだ。初期化《フォーマット》と最適化《フィッティング》。その機体をお前専用機とする、第一歩だ」
一夏「俺の専用機……」
一夏(ウェポンパネルに新しい武器が表示されている。『雪片弐型』。これは、千冬姉の武器『雪片』の発展形だろう。千冬姉……)
一夏(千冬姉の剣を持つんだ。この戦い、いや、これから先ずっと、俺は誰にも負けられない!)
戒斗(ほう。織斑の顔つきが変わったな。……いい顔をするじゃないか)
一夏「戒斗! これで、ケリをつけてやる!」
戒斗「ふっ。勝つのはこの俺だ!」
――そして、二人の剣は交わった。
21: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:13:18.30 ID:eCRAPvkKo
<夜・学生寮1025室>
戒斗「まだ信じられんのか」
一夏「……悪いかよ」
戒斗「いいや。せいぜい、勝利の味に酔いしれるがいい」
一夏(……決闘は、俺が勝った。でも、今でも勝ったって実感がない。夢を見ているみたいに、ぼんやりとしている)
一夏(俺は本当に勝ったのだろうか? 本当は負けていて、偽りの夢を見ているのだろうか)
一夏「なあ、戒斗」
戒斗「何だ、織斑」
一夏「もう一度戦ったらさ。どっちが勝つかな」
戒斗「俺が勝つに決まっているだろう」
一夏「あ、あはは」
戒斗「急に笑いだしてどうした。妙な奴だな」
一夏「いや、そうだよな。戒斗ならそう言うよな」
戒斗「ふん……」
一夏(試合には勝った。でも……俺はたぶん、決着をつけられていないんだと思う。この奇妙なクラスメイトに自分の強さを証明できなきゃ、きっと……)
一夏(俺の強さ。……強さって、何だろうな……)
戒斗「まだ信じられんのか」
一夏「……悪いかよ」
戒斗「いいや。せいぜい、勝利の味に酔いしれるがいい」
一夏(……決闘は、俺が勝った。でも、今でも勝ったって実感がない。夢を見ているみたいに、ぼんやりとしている)
一夏(俺は本当に勝ったのだろうか? 本当は負けていて、偽りの夢を見ているのだろうか)
一夏「なあ、戒斗」
戒斗「何だ、織斑」
一夏「もう一度戦ったらさ。どっちが勝つかな」
戒斗「俺が勝つに決まっているだろう」
一夏「あ、あはは」
戒斗「急に笑いだしてどうした。妙な奴だな」
一夏「いや、そうだよな。戒斗ならそう言うよな」
戒斗「ふん……」
一夏(試合には勝った。でも……俺はたぶん、決着をつけられていないんだと思う。この奇妙なクラスメイトに自分の強さを証明できなきゃ、きっと……)
一夏(俺の強さ。……強さって、何だろうな……)
22: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 03:14:12.89 ID:eCRAPvkKo
■幕間 ヘルヘイムの残滓
<3月初旬・呉島邸>
貴虎「50年、か……」
貴虎「私も歳を取るわけだ。しかし、まだまだやるべきことは残っている」
貴虎「IS。あの兵器を見ていると胸騒ぎがする。私が生きている間に決着をつけなくては……」
戒斗「その役目、俺に任せてもらおうか」
貴虎「お、お前は!? 駆紋戒斗……!」
戒斗「50年ぶりだな、呉島貴虎」
貴虎「何故お前が生きている。それも、当時の姿のままで……」
戒斗「安心しろ、俺は死人だ。いや、神か」
貴虎「どういうことだ」
戒斗「言葉通りの意味だ。50年の信仰が俺を神にした。くくっ、今の俺は人類の護り神らしいぞ。この俺がな」
貴虎「……なるほど。そういうことか」
戒斗「ずいぶんあっさりと納得するんだな」
貴虎「沢芽の御神木が君だということは葛葉から聞いているよ。ああ、そうだ。遅くなったが――ありがとう。メガヘクスとの戦いでは世話になった」
戒斗「……ふん」
戒斗「貴様のことだ。俺の目的も察しているだろう」
貴虎「IS、だな」
戒斗「その通りだ。あの兵器は弱者が虐げられる世界を生む。その存在を許すわけにはいかない」
貴虎「それだけではないのだろう?」
戒斗「……」
貴虎「これは勘でしかないが。IS――インフィニット・ストラトスのコアは、ヘルヘイムの果実だ」
戒斗「……さあな」
貴虎「駆紋戒斗。君がISの秘密を調べてくれるなら、私は全面的に支援しよう」
戒斗「……ふん。勝手にしろ」
<3月初旬・呉島邸>
貴虎「50年、か……」
貴虎「私も歳を取るわけだ。しかし、まだまだやるべきことは残っている」
貴虎「IS。あの兵器を見ていると胸騒ぎがする。私が生きている間に決着をつけなくては……」
戒斗「その役目、俺に任せてもらおうか」
貴虎「お、お前は!? 駆紋戒斗……!」
戒斗「50年ぶりだな、呉島貴虎」
貴虎「何故お前が生きている。それも、当時の姿のままで……」
戒斗「安心しろ、俺は死人だ。いや、神か」
貴虎「どういうことだ」
戒斗「言葉通りの意味だ。50年の信仰が俺を神にした。くくっ、今の俺は人類の護り神らしいぞ。この俺がな」
貴虎「……なるほど。そういうことか」
戒斗「ずいぶんあっさりと納得するんだな」
貴虎「沢芽の御神木が君だということは葛葉から聞いているよ。ああ、そうだ。遅くなったが――ありがとう。メガヘクスとの戦いでは世話になった」
戒斗「……ふん」
戒斗「貴様のことだ。俺の目的も察しているだろう」
貴虎「IS、だな」
戒斗「その通りだ。あの兵器は弱者が虐げられる世界を生む。その存在を許すわけにはいかない」
貴虎「それだけではないのだろう?」
戒斗「……」
貴虎「これは勘でしかないが。IS――インフィニット・ストラトスのコアは、ヘルヘイムの果実だ」
戒斗「……さあな」
貴虎「駆紋戒斗。君がISの秘密を調べてくれるなら、私は全面的に支援しよう」
戒斗「……ふん。勝手にしろ」
34: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:08:09.05 ID:eCRAPvkKo
■第3幕 嵐を呼ぶ転校生
<モノレール・客席>
鈴(恋する乙女なんて似合わない。あたしはそんなキャラじゃない。そんなことは分かってる)
鈴(でもあたしは一夏が好きで。一夏のお嫁さんになりたくて。料理とか、家事とか、いっぱい覚えた)
鈴(一夏、あの約束ちゃんと覚えてくれてるかな……)
鈴(…………)
鈴(もうすぐ、一夏に会える)
35: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:08:55.97 ID:eCRAPvkKo
<1時間目・グラウンド>
千冬「それでは、1組と2組の合同訓練を始める。今日はISの基本的な飛行操縦だ。織斑、試しに飛んでみせろ」
一夏「お、おう! ……えっと、ISの展開方法は」
千冬「早くしろ。熟練したIS操縦者は1秒とかからんぞ」
一夏「そんなこと言ったって!」
千冬「口応えするな、バカ者が。貴様も日本男児なら結果を見せてみろ」
戒斗(……ふん。織斑千冬め、弟が可愛いらしいな。ことあるごとに機会を与えている)
戒斗(ブラコンとシスコンの姉弟か。お似合いだな)
戒斗(しかし……)
千冬「織斑。急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表10センチだ」
一夏「わ、分かった!」
ヒューン ……ズドン!
千冬「……馬鹿者。誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」
戒斗(織斑の育成は前途多難だな)
千冬「それでは、1組と2組の合同訓練を始める。今日はISの基本的な飛行操縦だ。織斑、試しに飛んでみせろ」
一夏「お、おう! ……えっと、ISの展開方法は」
千冬「早くしろ。熟練したIS操縦者は1秒とかからんぞ」
一夏「そんなこと言ったって!」
千冬「口応えするな、バカ者が。貴様も日本男児なら結果を見せてみろ」
戒斗(……ふん。織斑千冬め、弟が可愛いらしいな。ことあるごとに機会を与えている)
戒斗(ブラコンとシスコンの姉弟か。お似合いだな)
戒斗(しかし……)
千冬「織斑。急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表10センチだ」
一夏「わ、分かった!」
ヒューン ……ズドン!
千冬「……馬鹿者。誰が地上に激突しろと言った。グラウンドに穴を開けてどうする」
戒斗(織斑の育成は前途多難だな)
36: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:09:35.08 ID:eCRAPvkKo
<1時間目・IS学園正面ゲート前>
鈴「本校舎1階事務受付……。って、どこよ!」ウガー
鈴「あーもー……めんどくさいなー……」
<1時間目休み時間・グラウンド付近>
一夏「とほほ。何か、千冬姉に叱られてばっかりだったよ」
箒「失敗ばかりだったんだ、仕方ないだろう」
一夏「そりゃそうなんだけどさ。何かこう。悔しいじゃんか」
セシリア「織斑さんはシスコンですわねぇ……」
一夏「そ、そそ、そんなことないぞ!?」
箒「本当にか?」
一夏「なんでそこで疑うんだよ、箒!?」
戒斗「貴様の普段の態度がシスコンのそれだからだろう」
一夏「戒斗までぇっ!?」
戒斗「毎夜毎夜姉への愛にあふれた寝言を聞かされている俺だ。これくらい言う権利はあるだろう」
箒「なん……だと……」
セシリア「まあ! 筋金入りですのね」
箒「一夏ァッ! ま、ままままさかお前実の姉のことを……!」ガシッ
一夏「誤解! 誤解だよ! 箒、待てって、誤解だって!」ガクガクガク
箒「いいや! 思えばお前は昔から千冬さんにべったりだったじゃないか! 二人きりの生活で間違いが起こっていないとも限らない! 吐け! 真実を吐くんだ、一夏!」
一夏「だから誤解だって言ってるだろー!?」
戒斗「ふん」
一夏「笑ってないで助けてくれよ戒斗ぉっ!」
<同時刻・グランド付近>
鈴「何あれ」
鈴(一夏と知らない女の子。すごく仲良さそう)
鈴(何で。何で何で何で何で。一夏、その子は誰。どうしてそんなに楽しそうにしてるの)
鈴(約束、忘れちゃったの……?)
鈴(……)
鈴(…………)
鈴(……私との約束なんてどうでもよかったのかな)
鈴「本校舎1階事務受付……。って、どこよ!」ウガー
鈴「あーもー……めんどくさいなー……」
<1時間目休み時間・グラウンド付近>
一夏「とほほ。何か、千冬姉に叱られてばっかりだったよ」
箒「失敗ばかりだったんだ、仕方ないだろう」
一夏「そりゃそうなんだけどさ。何かこう。悔しいじゃんか」
セシリア「織斑さんはシスコンですわねぇ……」
一夏「そ、そそ、そんなことないぞ!?」
箒「本当にか?」
一夏「なんでそこで疑うんだよ、箒!?」
戒斗「貴様の普段の態度がシスコンのそれだからだろう」
一夏「戒斗までぇっ!?」
戒斗「毎夜毎夜姉への愛にあふれた寝言を聞かされている俺だ。これくらい言う権利はあるだろう」
箒「なん……だと……」
セシリア「まあ! 筋金入りですのね」
箒「一夏ァッ! ま、ままままさかお前実の姉のことを……!」ガシッ
一夏「誤解! 誤解だよ! 箒、待てって、誤解だって!」ガクガクガク
箒「いいや! 思えばお前は昔から千冬さんにべったりだったじゃないか! 二人きりの生活で間違いが起こっていないとも限らない! 吐け! 真実を吐くんだ、一夏!」
一夏「だから誤解だって言ってるだろー!?」
戒斗「ふん」
一夏「笑ってないで助けてくれよ戒斗ぉっ!」
<同時刻・グランド付近>
鈴「何あれ」
鈴(一夏と知らない女の子。すごく仲良さそう)
鈴(何で。何で何で何で何で。一夏、その子は誰。どうしてそんなに楽しそうにしてるの)
鈴(約束、忘れちゃったの……?)
鈴(……)
鈴(…………)
鈴(……私との約束なんてどうでもよかったのかな)
37: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:10:23.29 ID:eCRAPvkKo
<2時間目・廊下>
2組担任「凰さんは2組になるわ」
鈴「そうなんですか……」
2組担任「元気ないわね。長旅で疲れちゃった?」
鈴「大丈夫です。……大丈夫」
2組担任「そう? ……ところで凰さんって、専用機持ちよね?」
鈴「そうですよ。龍咆の試験機、甲龍《シェンロン》があたしの専用機です」
2組担任「実はね。凰さんにお願いがあるの。クラスのみんなの了解も得なきゃいけないことなんだけど――クラス代表、やってくれないかしら?」
鈴「クラス代表……?」
2組担任「ええ。クラス代表ってね、今度行われる学年別クラス対抗戦に出ることになるんだけど……」
鈴(なんだろう。先生の顔が、ちょっと怖いような)
2組担任「1組に負けたくないのよ!」
鈴「は、はあ」
2組担任「1組の担任にはちょーっっっっっと因縁があってね! 負けるわけにはいかないのよ! 専用機持ちの凰さんがクラス代表になってくれれば心強いわ!」ガシッ
鈴「まあ。そんじょそこいらの操縦者には負けませんけど……」
2組担任「だったらお願い! クラス代表になって1組のクラス代表――織斑一夏くんを、倒して!」
2組担任「凰さんは2組になるわ」
鈴「そうなんですか……」
2組担任「元気ないわね。長旅で疲れちゃった?」
鈴「大丈夫です。……大丈夫」
2組担任「そう? ……ところで凰さんって、専用機持ちよね?」
鈴「そうですよ。龍咆の試験機、甲龍《シェンロン》があたしの専用機です」
2組担任「実はね。凰さんにお願いがあるの。クラスのみんなの了解も得なきゃいけないことなんだけど――クラス代表、やってくれないかしら?」
鈴「クラス代表……?」
2組担任「ええ。クラス代表ってね、今度行われる学年別クラス対抗戦に出ることになるんだけど……」
鈴(なんだろう。先生の顔が、ちょっと怖いような)
2組担任「1組に負けたくないのよ!」
鈴「は、はあ」
2組担任「1組の担任にはちょーっっっっっと因縁があってね! 負けるわけにはいかないのよ! 専用機持ちの凰さんがクラス代表になってくれれば心強いわ!」ガシッ
鈴「まあ。そんじょそこいらの操縦者には負けませんけど……」
2組担任「だったらお願い! クラス代表になって1組のクラス代表――織斑一夏くんを、倒して!」
38: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:11:07.74 ID:eCRAPvkKo
<2時間目・家庭科室>
「はーい、今日はデザートを作りまーす!」
一夏(不安だ……)
一夏(高校に入って初めての調理実習。俺はいい。千冬姉が安心して働けるように、一通りの家事は身につけている)
一夏(不安なのは戒斗の班だ)
戒斗「……」フンッ
クラスメイト1「とりあえずマヨネーズだよ! マヨネーズ!」
クラスメイト2「私は調理実習でも頂点に立つ女だ!」
クラスメイト3「ハッピバースディ! 新しいデザートの誕生だ!」
一夏(不安だー! って言うか、彼女達は本当に女の子なのかー!?)
「じゃあみんな、がんばって食べられるものを作ってね!」
一夏(先生、丸投げじゃないですかね!?)
「織斑くーん。何作ろー?」
「ねえねえ、織斑くんってデザートは何が好き?」
「キライジャナイワ! キライジャナイワ!」
一夏「あー……えっと。簡単なところで、プリンでも作ろうか」
一夏(戒斗達は――な、何をしているんだあいつらは!?)
戒斗「もっと素早く、しかし丁寧に泡立てろ! マヨネーズの泡立てを思い出せ!」
クラスメイト1「うおおおおおおおっ!」ガチャガチャガチャッ
戒斗「そうだ。お前の剣はイチゴのスライスにおいて頂点に立つんだ!」
クラスメイト2「ク・モーン! 君の友情に応えよう!」
戒斗「貴様、ケーキ作りは中々の腕と見た。スポンジは任せたぞ!」
クラスメト3「大船に乗ったつもりでいたまえ! すばらしいっ!」
一夏(連携取れてるー!?)
「戒斗くんカッコイー!」
「駆紋戒斗の言葉で班が一つにまとまった。……やはりあの男、王の器……」
一夏(まさか戒斗の奴が料理上手だったなんて)
戒斗「ふっ。最後はこの俺が直々に仕上げてやろう!」
一夏(意外な一面だなあ)
「はーい、今日はデザートを作りまーす!」
一夏(不安だ……)
一夏(高校に入って初めての調理実習。俺はいい。千冬姉が安心して働けるように、一通りの家事は身につけている)
一夏(不安なのは戒斗の班だ)
戒斗「……」フンッ
クラスメイト1「とりあえずマヨネーズだよ! マヨネーズ!」
クラスメイト2「私は調理実習でも頂点に立つ女だ!」
クラスメイト3「ハッピバースディ! 新しいデザートの誕生だ!」
一夏(不安だー! って言うか、彼女達は本当に女の子なのかー!?)
「じゃあみんな、がんばって食べられるものを作ってね!」
一夏(先生、丸投げじゃないですかね!?)
「織斑くーん。何作ろー?」
「ねえねえ、織斑くんってデザートは何が好き?」
「キライジャナイワ! キライジャナイワ!」
一夏「あー……えっと。簡単なところで、プリンでも作ろうか」
一夏(戒斗達は――な、何をしているんだあいつらは!?)
戒斗「もっと素早く、しかし丁寧に泡立てろ! マヨネーズの泡立てを思い出せ!」
クラスメイト1「うおおおおおおおっ!」ガチャガチャガチャッ
戒斗「そうだ。お前の剣はイチゴのスライスにおいて頂点に立つんだ!」
クラスメイト2「ク・モーン! 君の友情に応えよう!」
戒斗「貴様、ケーキ作りは中々の腕と見た。スポンジは任せたぞ!」
クラスメト3「大船に乗ったつもりでいたまえ! すばらしいっ!」
一夏(連携取れてるー!?)
「戒斗くんカッコイー!」
「駆紋戒斗の言葉で班が一つにまとまった。……やはりあの男、王の器……」
一夏(まさか戒斗の奴が料理上手だったなんて)
戒斗「ふっ。最後はこの俺が直々に仕上げてやろう!」
一夏(意外な一面だなあ)
39: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:13:06.51 ID:eCRAPvkKo
<昼休み・学食>
一夏「ってわけで。俺も一口もらったんだけど、戒斗達の作ったケーキがすげえ美味かったんだ」
セシリア「あら。そんなに美味しいなら、わたくしもいただいてみたいですわね」
戒斗「昔取った杵柄、という奴だ。別段誇ることでもない」
一夏「いやいやいや、あれは自慢になるって! まるでパティシエみたいだったぞ」
戒斗「……ふん」
一夏(照れてるな)
セシリア(照れてますわね)
箒「ところで、一夏」
一夏「なんだ、箒?」
箒「明後日は学年別クラス対抗戦だな」
一夏「そうだな。箒は2組の代表だっけ。……ああ、それじゃあ一緒に練習するのはマズいよなあ」
箒「いや、それなんだが……。私は代表ではなくなった」
一夏「なんだって!? 一体どうして」
箒「それは……」
鈴「あたしがクラス代表になったからよ!」
一夏「!?」
一夏「ってわけで。俺も一口もらったんだけど、戒斗達の作ったケーキがすげえ美味かったんだ」
セシリア「あら。そんなに美味しいなら、わたくしもいただいてみたいですわね」
戒斗「昔取った杵柄、という奴だ。別段誇ることでもない」
一夏「いやいやいや、あれは自慢になるって! まるでパティシエみたいだったぞ」
戒斗「……ふん」
一夏(照れてるな)
セシリア(照れてますわね)
箒「ところで、一夏」
一夏「なんだ、箒?」
箒「明後日は学年別クラス対抗戦だな」
一夏「そうだな。箒は2組の代表だっけ。……ああ、それじゃあ一緒に練習するのはマズいよなあ」
箒「いや、それなんだが……。私は代表ではなくなった」
一夏「なんだって!? 一体どうして」
箒「それは……」
鈴「あたしがクラス代表になったからよ!」
一夏「!?」
40: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:13:53.75 ID:eCRAPvkKo
一夏「り、鈴!? お前、どうしてここに!?」
鈴「転校してきたのよ! 聞いてない? 中国から専用機持ちの代表候補生が来る、ってさ」
一夏「俺、そういうの疎いからなあ」
鈴「そっか。ま、いいわ。とにかくそういうことだから、またよろしくね」
一夏「おう!」
箒「……。一夏。お前は凰と知り合いなのか?」
一夏「幼なじみだ」
箒「お、幼なじみは私だろう!?」
一夏「そりゃそうなんだけど。鈴も幼なじみなんだよ。箒は小4の終わりに引っ越していっただろ? で、鈴が小5の頭に転校してきたんだ。それから中学2年の終わりまで一緒にいた、ってわけさ」
箒「い、一緒に!?」
鈴「そゆこと♪ ふっふーん。そりゃもう、ずっっっと一緒にいて、遊び回ったんだから!」
箒「ぐ、ぐぬぬ……」
セシリア(……。あら。これはもしかして修羅場かしら)
戒斗「……」コソッ
セシリア(ああ! 駆紋さんがめんどくさそうな空気を察して離脱しましたわ! やっぱり修羅場なんですわ、これ!?)
箒「だ、だが! 私と一夏だって長い付き合いだ! 何度も食事を共にしたし、遊びだって!」
鈴「ご飯ならあたしだって何度も一緒に食べてるわよ! 一夏はしょっちゅうあたしの家に遊びに来てたんだから!」
箒「な、なあぁっ!? ……ぐ、ぐぬぬぬぬ」
セシリア(――逃げましょう。巻き込まれる前に、迅速に。可及的速やかに)
一夏「セシリア」
セシリア「(逃げ損ねましたわ!?) ……な、何かしら、織斑さん」
一夏「あの二人、なんで妙に張り合ってるんだろう……?」
セシリア「…………」
一夏「…………」
セシリア「織斑さん。あなた、お馬さんに蹴られておしまいなさい!」
一夏「ええっ!?」
鈴「転校してきたのよ! 聞いてない? 中国から専用機持ちの代表候補生が来る、ってさ」
一夏「俺、そういうの疎いからなあ」
鈴「そっか。ま、いいわ。とにかくそういうことだから、またよろしくね」
一夏「おう!」
箒「……。一夏。お前は凰と知り合いなのか?」
一夏「幼なじみだ」
箒「お、幼なじみは私だろう!?」
一夏「そりゃそうなんだけど。鈴も幼なじみなんだよ。箒は小4の終わりに引っ越していっただろ? で、鈴が小5の頭に転校してきたんだ。それから中学2年の終わりまで一緒にいた、ってわけさ」
箒「い、一緒に!?」
鈴「そゆこと♪ ふっふーん。そりゃもう、ずっっっと一緒にいて、遊び回ったんだから!」
箒「ぐ、ぐぬぬ……」
セシリア(……。あら。これはもしかして修羅場かしら)
戒斗「……」コソッ
セシリア(ああ! 駆紋さんがめんどくさそうな空気を察して離脱しましたわ! やっぱり修羅場なんですわ、これ!?)
箒「だ、だが! 私と一夏だって長い付き合いだ! 何度も食事を共にしたし、遊びだって!」
鈴「ご飯ならあたしだって何度も一緒に食べてるわよ! 一夏はしょっちゅうあたしの家に遊びに来てたんだから!」
箒「な、なあぁっ!? ……ぐ、ぐぬぬぬぬ」
セシリア(――逃げましょう。巻き込まれる前に、迅速に。可及的速やかに)
一夏「セシリア」
セシリア「(逃げ損ねましたわ!?) ……な、何かしら、織斑さん」
一夏「あの二人、なんで妙に張り合ってるんだろう……?」
セシリア「…………」
一夏「…………」
セシリア「織斑さん。あなた、お馬さんに蹴られておしまいなさい!」
一夏「ええっ!?」
41: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:14:30.58 ID:eCRAPvkKo
<5時間目・1年2組>
鈴(篠ノ之箒。一夏と仲良くしてた娘。……まさか、一夏の幼なじみだったなんて)
鈴(知ってる。知ってたわ。一夏ったら昔から何度も『箒って幼なじみがいる』って話を聞かせてきたんだもん)
鈴(すごく、楽しそうに……)
鈴(篠ノ之箒。あの子があたしのライバルだ……!)
箒(凰鈴音。まさか私以外に一夏の幼なじみがいたなんて)
箒(離れ離れになった幼なじみ。その二人の、再会。……まるで運命みたいじゃないか)
箒(待て待て待て! 一夏は私の運命の人だ! 私の!)
箒(でも。……鈴を前にした一夏は、私が見たこともないような顔をしていたな。あんな、楽しそうな顔……)
箒(凰鈴音。あいつが私のライバルだ……!)
鈴(篠ノ之箒。一夏と仲良くしてた娘。……まさか、一夏の幼なじみだったなんて)
鈴(知ってる。知ってたわ。一夏ったら昔から何度も『箒って幼なじみがいる』って話を聞かせてきたんだもん)
鈴(すごく、楽しそうに……)
鈴(篠ノ之箒。あの子があたしのライバルだ……!)
箒(凰鈴音。まさか私以外に一夏の幼なじみがいたなんて)
箒(離れ離れになった幼なじみ。その二人の、再会。……まるで運命みたいじゃないか)
箒(待て待て待て! 一夏は私の運命の人だ! 私の!)
箒(でも。……鈴を前にした一夏は、私が見たこともないような顔をしていたな。あんな、楽しそうな顔……)
箒(凰鈴音。あいつが私のライバルだ……!)
42: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:15:07.70 ID:eCRAPvkKo
<放課後・アリーナ>
箒「……凰。どうしてここにいる」
鈴「クラス対抗戦が近いんだもん。練習しなきゃ。それとも、あたしがここにいたら都合が悪いの?」
箒「……ッ」
セシリア(醜い争いですわ……。ああはなりたくないものですわね)
戒斗「織斑。俺に勝ったお前だ、無様な戦いをしないようみっちり鍛えてやる」
一夏「うへぇ。お手柔らかに頼むぜ、戒斗」
セシリア(こっちはこっちで、何と言うかマイペースなことで……)
一夏「それにしても。セシリアは3組のクラス代表だろ。一緒に訓練って、大丈夫なのか?」
セシリア「微妙なとこですけど。織斑さんは、わたくしが指導した駆紋さんに勝利していますわ。そのあなたには、それなりの戦いをしてもらわないとわたくしの面子が立ちませんの」
一夏「つ、つまり」
セシリア「わたくしもスパルタですわよ」
一夏「う、うへぇ……」
箒「……凰。どうしてここにいる」
鈴「クラス対抗戦が近いんだもん。練習しなきゃ。それとも、あたしがここにいたら都合が悪いの?」
箒「……ッ」
セシリア(醜い争いですわ……。ああはなりたくないものですわね)
戒斗「織斑。俺に勝ったお前だ、無様な戦いをしないようみっちり鍛えてやる」
一夏「うへぇ。お手柔らかに頼むぜ、戒斗」
セシリア(こっちはこっちで、何と言うかマイペースなことで……)
一夏「それにしても。セシリアは3組のクラス代表だろ。一緒に訓練って、大丈夫なのか?」
セシリア「微妙なとこですけど。織斑さんは、わたくしが指導した駆紋さんに勝利していますわ。そのあなたには、それなりの戦いをしてもらわないとわたくしの面子が立ちませんの」
一夏「つ、つまり」
セシリア「わたくしもスパルタですわよ」
一夏「う、うへぇ……」
43: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:15:59.68 ID:eCRAPvkKo
<放課後・学食>
セシリア「織斑さん達とご一緒しなくていいんですの?」
戒斗「今日はすさまじくやかましくなりそうだからな」
セシリア「ですわね……」
戒斗「他者が自身に向けている感情に気づかない。織斑のそういうところは、あいつに似ている……」
セシリア「あいつ?」
戒斗「……。失言だった、忘れろ」
セシリア「先週の特訓の指導料として教えてくれてもいいんじゃないかしら」
戒斗「ッチ」
戒斗「葛葉紘汰という男がいた。愚直で視野の狭い男だった」
セシリア「その葛葉さんも、やはり修羅場に巻き込まれましたの?」
戒斗「修羅場か……。そう言ってもいいかもしれないな。男ばかりだったが」
セシリア「まあ!」
戒斗「何だ、妙に嬉しそうだな」
セシリア「そ、そそ、そんなことはありませんわ!」
戒斗「ふん」
セシリア「……ねえ、駆紋さん」
戒斗「……」
セシリア「その葛葉さんという方は、あなたにとってどんな存在ですの?」
戒斗「指導料ならもう払い終えた。答える理由はない」
セシリア「なら、今度は前借りで」
戒斗「……」
セシリア(にっこり)
戒斗(代表候補生に貸しを一つ作っておくのも、悪くはないか)
戒斗「強いと認めた男だ」
セシリア「……」
セシリア「まあ!」
戒斗「その気色悪い笑みをやめろ! 今すぐだ!」
セシリア「そ、そそ、そんな笑い方はしていませんわよ。おほほほほ」
戒斗「ッチ」
戒斗(判断を間違えたかもしれん)
セシリア「織斑さん達とご一緒しなくていいんですの?」
戒斗「今日はすさまじくやかましくなりそうだからな」
セシリア「ですわね……」
戒斗「他者が自身に向けている感情に気づかない。織斑のそういうところは、あいつに似ている……」
セシリア「あいつ?」
戒斗「……。失言だった、忘れろ」
セシリア「先週の特訓の指導料として教えてくれてもいいんじゃないかしら」
戒斗「ッチ」
戒斗「葛葉紘汰という男がいた。愚直で視野の狭い男だった」
セシリア「その葛葉さんも、やはり修羅場に巻き込まれましたの?」
戒斗「修羅場か……。そう言ってもいいかもしれないな。男ばかりだったが」
セシリア「まあ!」
戒斗「何だ、妙に嬉しそうだな」
セシリア「そ、そそ、そんなことはありませんわ!」
戒斗「ふん」
セシリア「……ねえ、駆紋さん」
戒斗「……」
セシリア「その葛葉さんという方は、あなたにとってどんな存在ですの?」
戒斗「指導料ならもう払い終えた。答える理由はない」
セシリア「なら、今度は前借りで」
戒斗「……」
セシリア(にっこり)
戒斗(代表候補生に貸しを一つ作っておくのも、悪くはないか)
戒斗「強いと認めた男だ」
セシリア「……」
セシリア「まあ!」
戒斗「その気色悪い笑みをやめろ! 今すぐだ!」
セシリア「そ、そそ、そんな笑い方はしていませんわよ。おほほほほ」
戒斗「ッチ」
戒斗(判断を間違えたかもしれん)
44: ◆n.O102o4Y2 2014/12/31(水) 13:16:53.70 ID:eCRAPvkKo
<同時刻・学食>
一夏(針のむしろ)
箒「ぐぬぬぬぬぬ」
鈴「ぐむむむむむ」
一夏「なあ。二人とも、どうしてそんな険悪なんだ」
鈴「あんたがそれを聞くの!?」
箒「この馬鹿者が!」
一夏「え、ええ……」
一夏(針のむしろ)
箒「ぐぬぬぬぬぬ」
鈴「ぐむむむむむ」
一夏「なあ。二人とも、どうしてそんな険悪なんだ」
鈴「あんたがそれを聞くの!?」
箒「この馬鹿者が!」
一夏「え、ええ……」
45: ◆n.O102o4Y2