【アズールレーン】青葉「人気投票!」サンディエゴ「Dグループだよ!!」
1: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:50:30.71 ID:EHgq0tKN0
【アズールレーン SS】です
――――寮舎前
サンディエゴ「んっふふふ~♪ 青葉ちゃん! こうして私を呼んだということは、ついに新しい記事を書いてくれる気になったのね!」
青葉「えーと、何度も言ってるけどそれはないからね?」
サンディエゴ「あれー!?」
青葉「今回呼んだのは過去二回、乱入してきた貴女をどうするかって考えたことがあってさ。前回の赤城さんの件もあるし」
サンディエゴ「あの人怖かった……」
青葉「取材には危険がつきもの。けど、何度もあんな目にあってたら流石に私も体が持たないし……だから、協力をお願いしたくて」
サンディエゴ「協力?」
青葉「これから行く取材先では、魔物に囚われた人達から話を聞く必要があるの。その時、荒っぽいことが起きる可能性もあるんだ」
サンディエゴ「ま、魔物!? そんなのがここにいるの!?」
青葉「いるっていうか、ここに『ある』かな。だから何かあった時、サンディエゴさんのお力を借りられたらなーっと」
サンディエゴ「うーん、魔物ってのが気になるけど頼られるのは悪い気分じゃないから、いいよっ!!」ニコニコ
――――寮舎前
サンディエゴ「んっふふふ~♪ 青葉ちゃん! こうして私を呼んだということは、ついに新しい記事を書いてくれる気になったのね!」
青葉「えーと、何度も言ってるけどそれはないからね?」
サンディエゴ「あれー!?」
青葉「今回呼んだのは過去二回、乱入してきた貴女をどうするかって考えたことがあってさ。前回の赤城さんの件もあるし」
サンディエゴ「あの人怖かった……」
青葉「取材には危険がつきもの。けど、何度もあんな目にあってたら流石に私も体が持たないし……だから、協力をお願いしたくて」
サンディエゴ「協力?」
青葉「これから行く取材先では、魔物に囚われた人達から話を聞く必要があるの。その時、荒っぽいことが起きる可能性もあるんだ」
サンディエゴ「ま、魔物!? そんなのがここにいるの!?」
青葉「いるっていうか、ここに『ある』かな。だから何かあった時、サンディエゴさんのお力を借りられたらなーっと」
サンディエゴ「うーん、魔物ってのが気になるけど頼られるのは悪い気分じゃないから、いいよっ!!」ニコニコ
2: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:51:10.67 ID:EHgq0tKN0
3: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:53:44.58 ID:EHgq0tKN0
青葉「ありがとうございます。よしっ、これならなんとか……」
サンディエゴ「それで、力を貸す代わりに青葉ちゃんはなにをくれるの?」
青葉「解説役として、出会った子に対する印象などで良いっすから、一言私の記事にコメントを載せていただこうかと」
サンディエゴ「お、おおー! もしかして、ついに私も記者デビュー!? きゃー! 楽しみー!」
青葉「微妙に違うけど、サンディエゴさんが喜んでくれているならいいや。さぁ、話もまとまったとこでいざ寮舎へ――」
タタタタッ!
Z23「……ふぅ……ふぅ……や、やっと見つけましたよサンディエゴさん!」
サンディエゴ「ほへ?」
青葉「貴女は……ニーミさんじゃないっすか」
Z23「どうも青葉さん。これから取材ですか?」
青葉「ええまぁそうすけど……サンディエゴさんになにか?」
Z23「サンディエゴさんが補習を忘れて出歩いていたのを連れ戻しにきたんですよ!」
サンディエゴ「あ、そういえばそんなことも言われてたかなー?」
4: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:54:27.67 ID:EHgq0tKN0
5: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:55:49.08 ID:EHgq0tKN0
青葉「えぇ……あの、ニーミさん? その補習って先延ばしにすることは」
Z23「出来ませんよ!? サンディエゴさんの成績は言うなれば沈没寸前の船! 今すぐ補修しなければ危険なレベルなんですから!」
青葉「そ、そんなレベル……」
サンディエゴ「大丈夫大丈夫、勉強なんてしなくてもノープロブレ――」
Z23「大問題なんです!!」
サンディエゴ「はひゅ!?」ビクッ
Z23「と、いうわけでサンディエゴさんは連れて行かせてもらいます。いいですね、青葉さん!」
青葉「え、や、でもこれから取材を手伝ってもらおうと……」
サンディエゴ「そうそう! 私これから記者デビューするんだから!」
Z23「記者ですか……サンディエゴさんが……? 青葉さん、こう言ってはなんですが、いくらなんでも人選ミスかと」
青葉「あー……まぁ」
6: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 21:58:48.76 ID:EHgq0tKN0
Z23「それに、私も貴女の記事は読ませて頂きました。あんなに良い文章を書ける方に、サンディエゴさんが必要なのですか?」
青葉「はっきり言っちゃうと、この後なんかあった時の盾役としては必要っすね」
サンディエゴ「え?」
Z23「なにをそんなに警戒されているかは分かりませんが、今日取材する相手はラフィーや綾波でしたよね?」
青葉「ええ、その二人ももちろん入ってますよ。というか貴女も後で――」
Z23「ならば大丈夫です。あの二人は私の友達ですから、きっと快く取材を受けてくれますよ!」
青葉「まあ普通ならそうなんだろうけど……というか、ニーミさんにも取材――」
Z23「ともかく、これ以上他の先生方を待たすわけにはいきません。強引にでもサンディエゴさんを引き取らせて頂きます!」
サンディエゴ「あ、ちょ、ちょっとま」
Z23「いきますよ!!」グイグイッ
サンディエゴ「あぁぁぁ私の記者デビュゥゥゥ!!」ズルズル
青葉「……話聞いてくれないしサンディエゴさんも連れて行かれちゃったじゃん……参ったなぁ……どうしよう」
青葉(…………しょうがない、諦めて私だけで取材に行くか。ま、これまでも一人でやってきてたし、なんとするしかないっしょ)
青葉「よし、そうと決まれば突撃! 魔物がなんだ! この青葉の目から逃れるのは一万年早いってとこ、見せてやるっての!!」グッ
青葉「はっきり言っちゃうと、この後なんかあった時の盾役としては必要っすね」
サンディエゴ「え?」
Z23「なにをそんなに警戒されているかは分かりませんが、今日取材する相手はラフィーや綾波でしたよね?」
青葉「ええ、その二人ももちろん入ってますよ。というか貴女も後で――」
Z23「ならば大丈夫です。あの二人は私の友達ですから、きっと快く取材を受けてくれますよ!」
青葉「まあ普通ならそうなんだろうけど……というか、ニーミさんにも取材――」
Z23「ともかく、これ以上他の先生方を待たすわけにはいきません。強引にでもサンディエゴさんを引き取らせて頂きます!」
サンディエゴ「あ、ちょ、ちょっとま」
Z23「いきますよ!!」グイグイッ
サンディエゴ「あぁぁぁ私の記者デビュゥゥゥ!!」ズルズル
青葉「……話聞いてくれないしサンディエゴさんも連れて行かれちゃったじゃん……参ったなぁ……どうしよう」
青葉(…………しょうがない、諦めて私だけで取材に行くか。ま、これまでも一人でやってきてたし、なんとするしかないっしょ)
青葉「よし、そうと決まれば突撃! 魔物がなんだ! この青葉の目から逃れるのは一万年早いってとこ、見せてやるっての!!」グッ
7: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:02:30.29 ID:EHgq0tKN0
――――寮舎内
青葉「――というわけで、改めてDグループの方に人気投票にかける意気込みなどをお伺いしたいのですが……あー」
ラフィー「ラフィーはここでウトウトしたいから、そういうのに関わりたくない」
綾波「今綾波はぬくぬくとしながら新着動画の視聴で忙しいです。後にしてほしいです」カチカチ
クイーン・エリザベス「女王に対して直接取材など無礼にもほどがあるわよ! そんなことよりウォースパイト!」
ウォースパイト「はい陛下。皮を剥いたオレンジです」スッ
クイーン・エリザベス「うむっ! この『コタツ』とやらに入って食べるオレンジの、なんと甘美な……これぞ高貴な身分の嗜みね!」
青葉(コタツに集まってたのがちっちゃい子達ばっかのってのもあってか、絵面がとっても庶民的だと思うんだけどなぁ……)
ウォースパイト「……その顔、言いたいことは分かるが黙っていてくれないかしら。お願いよ」
クイーン・エリザベス「♪」モグモグ ニコニコ
青葉「それはもちろんっすが……うーん、ウォースパイトさん、どうやらこの中で話が通じそうなのは貴女だけみたいですね」
ウォースパイト「陛下のために色々しなければならなくて……それでコタツに入らなかったのが幸いしたようね」
8: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:03:12.95 ID:EHgq0tKN0
※ラフィー
http://i.imgur.com/CeSJ2M9.jpg
※綾波
http://i.imgur.com/HjyciSN.jpg
※クイーン・エリザベス
http://i.imgur.com/5HdKDoR.jpg
※ウォースパイト
http://i.imgur.com/MdSyOIO.jpg
http://i.imgur.com/CeSJ2M9.jpg
※綾波
http://i.imgur.com/HjyciSN.jpg
※クイーン・エリザベス
http://i.imgur.com/5HdKDoR.jpg
※ウォースパイト
http://i.imgur.com/MdSyOIO.jpg
9: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:10:53.65 ID:EHgq0tKN0
青葉「そういうお仕事はベルファストさんの領分だと思ってたんだけど、彼女は今どこに……?」
ウォースパイト「ここの掃除をしようとして、陛下を含めコタツの魔力に囚われた者たちに苦戦したために一時撤退をしたみたいよ」
青葉「……やはり『コタツ』は魔物……戦場では華々しく戦う彼女達をここまで怠けさせた上、ベルファストさんを退けるとは」
ウォースパイト「私も驚いたわ。最初はあれほど『このような粗末な道具で暖を取れなど、女王をなんだと思っているのかしら!』」
ウォースパイト「そう仰っていた陛下が、一度あれに潜り込んだ瞬間からあんな……」
クイーン・エリザベス「甘くて……暖かいわ……あぁ……王家の栄光のように……んふふ~♪」モグモグ
クイーン・エリザベス「あったかい~……えへ~♪」コロコロ
ウォースパイト「あんな、まるでただの可愛らしい小さな子供のような言動をされるなんて……!」
青葉「これはこれで需要がありそうな姿っすけど、下手に写真を残したら後が怖そうだなー……いや、まてよ? これは……」ゴソゴソ カシャ
ウォースパイト「青葉、どうすればいい。このままでは陛下がただのわがままなお子様になってしまうわ!」
青葉「へっ!? あー……そりゃ私もこのままだとここにいるDグループの人に取材が出来ないし、なんとかしたくはあるけど……うーん」
ウォースパイト「この『コタツ』は、ずっと出している道具ではないのでしょう? ならば、なにか方法が」
10: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:14:17.10 ID:EHgq0tKN0
青葉「よく使われる手段としては、コタツを無理やり持ち上げて片付ける、とかっすけど」
ピクッ
ラフィー「ラフィー達からコタツを……」ガシュ
綾波「取り上げるですか……? それは、本当です……?」ガシュ
青葉「ヤッバ……この殺気マジもんじゃん……え、ええと、仮定の話だからさ! こっちは気にせずゆっくり休んでて!」
クイーン・エリザベス「当然よ。女王の居城を取り上げようなど、許されることではないわ。分かっているわよね……!」
青葉「え、ええそれはもう、もちろんですよ! ……うーんやっぱりこれは保険として……」ゴソゴソ カシャ
ウォースパイト「陛下……とうとうコタツを居城だなどと……」シクシク
青葉「あとは、一時撤退されたベルファストさんに賭けるしかないか……? 記者としては情けない話だけどさ」
ベルファスト「そのようなことはありません」
ウォースパイト「うわぁ!? ベルファスト、いつの間に戻ってきていたの?」
11: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:14:56.24 ID:EHgq0tKN0
※ベルファスト
http://i.imgur.com/YMulfPl.jpg
http://i.imgur.com/YMulfPl.jpg
12: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:17:32.81 ID:EHgq0tKN0
ベルファスト「つい先程になります。青葉様、陛下や他の皆様を囚えられたコタツの魔力は強大です。青葉様が悪いわけではありません」
青葉「そう言ってくれるとちょっとは気が楽ですね……」
ベルファスト「そして、その強大な存在を相手にするには、こちらも少々強引な手が必要になる時があります」ガシャガシャ
青葉「……うん?」
ウォースパイト「ベ、ベルファスト……? 武器を構えて、どうするつもりなのかしら?」
ベルファスト「ご心配なく。明石様にはすでに家財の修理をして頂くお話を通してあります」
青葉「え、えーと、ベルファストさん? 結局なにを」
ベルファスト「ご主人様の矯正もメイドの務め……陛下や、他の皆様には大変申し訳ありませんが……」キランッ
13: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:18:47.35 ID:EHgq0tKN0
ベルファスト「あの怠惰な状態から解放し、そしてここを掃除させていただくために! 私の全火力を持ってコタツを排除します!!」
ラフィー「ふぇ?」
綾波「え?」
ウォースパイト「なぁ!? しょ、正気なのかベルファスト!? ちょ、ちょとま――」
青葉「い、いやベルファストさんの火力だとコタツどころか皆さんが――」
ベルファスト「皆様……少々痛く、なりますよ!!」カッ
クイーン・エリザベス「ま、まて、それはま――」
KA-BOOOOOMM!!
14: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:23:49.73 ID:EHgq0tKN0
――1分後、寮舎
パラッ……パラ……
青葉「……『ベルファストさんのメイド魂は、まさしく炎のように激しいものであった』……あーあ、コタツが、というか部屋が……」
ラフィー「危うくラフィー達が消し炭になるところだったの……けふっ」
綾波「……綾波の、道具が……これではしばらく動画が見れないです……実況参加も出来ないです……」シクシク
クイーン・エリザベス「っ……はっ!? わ、私は一体……!? ……そ、そうか、そういうことね――ベルファスト!!」
ベルファスト「はい陛下。覚悟はできております。ですが、不敬を承知で、罰を受けるのはここの掃除を終えてから――」
クイーン・エリザベス「……いいえ、貴女はよくやった。あのコタツ、あのままでは私にどれだけ恥をかかせたか分からなかったわ!」
ベルファスト「……まさか、お許しくださるのですか……? 陛下に砲撃をした私を……」
クイーン・エリザベス「あのまま女王としての尊厳を失う姿を見せ続けるよりは、余程マシよ!」
ベルファスト「……陛下の御慈悲に感謝します。そして早速ですが、掃除を始めてもよろしいでしょうか?」
クイーン・エリザベス「ええ、構わないわ! ウォースパイトもベルファストを手伝いなさい! いいわね!」
ウォースパイト「はい陛下! ……ベルファスト、方法はあれだったけど、陛下を元に戻してくれて感謝するわ」
ベルファスト「これもメイドの務めですから」ニコッ
15: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:28:15.79 ID:EHgq0tKN0
青葉「メイドってすごいなー」
クイーン・エリザベス「さてもう一つ……青葉とやら?」ニコリ
青葉「は、はい!?」
クイーン・エリザベス「貴女、私に取材をしたいと言っていたわね?」
青葉「……ええはい。ただ、許可して頂けないというのであれば、ネタがありませんし、先程までの陛下のお姿を指揮官に届けるしか」
クイーン・エリザベス「……くっ、やはりコタツの魔力に囚われていた時でも感じた気配……貴女、そのつもりで写真を撮ったわね!?」
青葉「しがない文屋にはなんのことやら……ですが」ヒソヒソ
青葉「もしも、取材を許して頂けるなら、陛下の仰っている写真が世に出回ることを絶対に阻止しますが、どうでしょう?」ヒソヒソ
クイーン・エリザベス「っ~~~! わ、分かったわよ! その代わり、覚えておきなさい!! いつか貴女を私に跪かせるから!!」
青葉「そりゃ怖い、では今後の立ち回りは気を付けないとっすね。――さて、女王様のお許しも得たし……」ゴソゴソ
青葉「ラフィーさん達も元に戻った以上、現在Dグループ1位のベルファストさんのお掃除が終わったら、取材再開といきますか!」
16: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:29:57.18 ID:EHgq0tKN0
――――38時間後。
青葉「いやー、そんなわけで今回ほんと大変だったんすからね?」
取材に協力的な相手と、逆にとても話を聞きづらい相手が揃ったDグループ。そのメンバー全員に取材を終え、
非協力的だった面々を怒らせないために何度も内容を書き直し、納得いく文面が出来上がったのは日が変わってから。
長丁場に耐えて記事を書き上げた青葉は明らかに疲れた様子であったが、それでも記事を渡す時、
指揮官の前では記者らしい不敵な表情を崩さなかったのは流石というべきか。
青葉「ともかく、これで人気投票に参加した艦隊の子達の情報はお伝え出来たと思うので……」
けれど記事を渡した瞬間から緊張の糸が切れてしまったのか、喋りながらも青葉の瞼は段々と下がり始め、それに
伴って声も小さくなっていく。
青葉「あとは……本戦、は……指揮官の好きなように……」
青葉(……あぁ、ちゃんと、しゃべらないと……でも、眠気が……)
17: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:32:24.98 ID:EHgq0tKN0
段々と立つこともままならなくなってきた青葉に対して指揮官は心配そうに声をかけるが、意識が薄れていく
彼女の耳は、指揮官の声はとても心地よくて。
青葉(指揮官の声……いい声だなぁ……艦隊のみんな、が……好きなのも、わか……る……――)
ついにはその声が睡眠導入剤のように作用してしまったのか、青葉は自分でも信じられないほど
急速に眠りに落ちていき、支えることが出来なくなった体はその場に崩れ落ちてしまう。
指揮官は慌てて駆け寄り、驚いた様子で青葉を抱きか抱えながら彼女の名前を何度も呼ぶも、
しばらくして青葉から静かな寝息が聞こえ始めてくると、安心した表情を浮かべてなにかを呟いた。
「――――」
その呟きは、決して青葉に意味のある言葉として届くことはなかったが、それでも、音に込められた想いは
感じたのか、青葉は指揮官の腕の中で、とても幸せそうな表情で眠り続けるのであった。
〈終〉
18: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:36:05.27 ID:EHgq0tKN0
Dグループ、ベルファストさんがとんでもないというか、アズールレーンはほんと白髪の子が強い気がする
そして人気投票中でも次々新キャラ実装されたりしてますが、改めて青葉をよろしく!
あとアズールレーンのSS増えると嬉しいな!
読んでくださった方ありがとうございました
そして人気投票中でも次々新キャラ実装されたりしてますが、改めて青葉をよろしく!
あとアズールレーンのSS増えると嬉しいな!
読んでくださった方ありがとうございました
19: ◆R4LxbbyKhE 2017/12/02(土) 22:36:42.51 ID:EHgq0tKN0
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/02(土) 22:40:56.65 ID:aRA8HY8Fo
エルドリッジのボイスはよ
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/02(土) 23:03:34.38 ID:arLyA+R4o
山城が上位でうれしい
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1512219030/
Entry ⇒ 2017.12.06 | Category ⇒ アズールレーン | Comments (0)
【アズールレーン】青葉「人気投票C 」赤城「どうして」
1: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:00:14.43 ID:ihm7nZup0
【アズールレーン SS】です
――――発着場
青葉「赤城さん!? お、お早いお着きで……でもまだ取材時間では」
赤城「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
青葉「ひぇっ」
赤城「……どうしてこの赤城が1位ではないのでしょう……? 指揮官様は、赤城を好いておられないとでも……?」
青葉「い、いえ今回Cグループは確かに1位のユニコーンさんが突出しているとはいえ、残りはまだどうなるか分かりませんし」
赤城「それでも、すでに私が指揮官様にとって一番大切だと証明される機会は失われたということですわよね……?」
青葉「あ、えと、それは、その……」
赤城「あぁなぜ、なぜ! なぜなんですの!? これだけお慕いしておりますのに……尽くしていますのに……!!」
赤城「理解が出来ませぬ……信じたくもありません……やはりこれは、ここに目障りなものが多いためでしょうか」
赤城「それとも……どこぞの巫山戯た記者が、ことあるごとに私が危険などという根も葉もない噂を指揮官様に届けたためでしょうかねぇ……?」
青葉「いや、それは、その……えっと」
赤城「ねぇ青葉……? 私、あなたに少し聞きたいことがあるの……うふふふふ」
――――発着場
青葉「赤城さん!? お、お早いお着きで……でもまだ取材時間では」
赤城「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」
青葉「ひぇっ」
赤城「……どうしてこの赤城が1位ではないのでしょう……? 指揮官様は、赤城を好いておられないとでも……?」
青葉「い、いえ今回Cグループは確かに1位のユニコーンさんが突出しているとはいえ、残りはまだどうなるか分かりませんし」
赤城「それでも、すでに私が指揮官様にとって一番大切だと証明される機会は失われたということですわよね……?」
青葉「あ、えと、それは、その……」
赤城「あぁなぜ、なぜ! なぜなんですの!? これだけお慕いしておりますのに……尽くしていますのに……!!」
赤城「理解が出来ませぬ……信じたくもありません……やはりこれは、ここに目障りなものが多いためでしょうか」
赤城「それとも……どこぞの巫山戯た記者が、ことあるごとに私が危険などという根も葉もない噂を指揮官様に届けたためでしょうかねぇ……?」
青葉「いや、それは、その……えっと」
赤城「ねぇ青葉……? 私、あなたに少し聞きたいことがあるの……うふふふふ」
2: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:00:56.82 ID:ihm7nZup0
3: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:02:34.67 ID:ihm7nZup0
青葉「は、はいなんでしょう……?」
赤城「焼かれるなら、一瞬で消し炭になるのと、じっくり炙られるの、どちらがお好きかしらぁ?」ニコッ
青葉「ちょ、ちょっと待って下さい爆撃されるのは確定なんですか!? ま、まずは弁明を」
赤城「黙ってくださる? それもこれも事あるごとに、私が恐ろしいやら、危険やらなどと嘘を記事に書くのがいけないんですよ」
青葉「し、しかしそれらは私が取材によって得た証言を元に書いていて、つまり嘘なんかじゃ……!」
赤城「聞いた相手が加賀はともかく翔鶴など……私を貶めるための流言だと、その頭と耳では考えられない……そういうことね?」
青葉(あ、だめだこれ完全に他人の話が聞こえないモードになってる……私、ここで終わりかも……)
???「ちょーっと待ったぁああああ!!!」シュピーン
赤城「何奴!?」
青葉「誰!?」
夕立(?)「喧嘩ならこの夕立も混ぜろって」ズルッ
夕立(?)「ぁぁぁああああ!?」
ゴロゴロゴロ ドボーンッ!!
4: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:03:53.04 ID:ihm7nZup0
赤城「……」
青葉「……」
夕立(?)「わ、わぷ、滑って! し、沈む……助けてー!」ガボガボ
赤城「……うふふふふ、さて青葉、まずはその役に立たない耳から焼いてあげますわぁ……それも出来るだけ痛くねぇ」ニコニコ
夕立(?)「た”す”け”て”ぇ”ぇ”ぇ”」ガボガボ
青葉「……えー、赤城さん、後で私をどうとでもしてくれていいですから、ちょっと待っててくれませんか?」
赤城「……仕方ないわねぇ……あれ、うるさいもの」
青葉「ありがとうございます。では――サンディエゴさん! ほら、捕まって!!」スッ
サンディエゴ「わぷっ、わぷっ……! う、うん!!」バシャバシャ
グイッ ドサッ
サンディエゴ「げほっげほっ……ふひぃぃ……あ、ありがとう青葉ちゃん……」グッタリ
青葉「いいんすけどね。で、夕立さんの変装で割り込んできたのはどういうつもりだったんですか?」
サンディエゴ「ほら、また今回も人気投票に関する取材をするんでしょ! だから夕立ちゃんの代わりに私を取材してもらおうって!」ニパッ☆
5: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:04:19.03 ID:ihm7nZup0
6: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:06:22.95 ID:ihm7nZup0
サンディエゴ「でも発着場に来てみたら青葉ちゃんがピンチだったから、ここは颯爽と助けて恩を売っておけば後々私の有利なことに」
青葉「なりませんから」
サンディエゴ「なんだってー!?」ガーン
青葉「仮に助けられたとしても、前にも言ったとおり人気投票に関して一人に対し取材は一回! これは譲れません!」
サンディエゴ「そ、そんなぁ……」
青葉「……まぁ、割り込んでまで助けよとしてくれた意気込みだけは感謝します。いつか別件で融通してあげるくらいなら……」
サンディエゴ「……やった!! 青葉ちゃんありがとう~♪」
青葉「で、ですが絶対、今回の人気投票ではもうサンディエゴさんに有利になる記事は書きませんよ? 分かって下さい」
サンディエゴ「ぬふふ、そう言いつつ、段々とこのサンディエゴちゃんに優しくなっていくんでしょ? ね、ね!」
青葉「ありえません。それより、本物の夕立さんはどうしたんですか?」
サンディエゴ「あの子なら明石ちゃんが新しい装備用意してたって言ったら、『見てくる!』って――」
赤城「…………そろそろ、よろしいかしらぁ?」
7: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:11:50.87 ID:ihm7nZup0
ババババババッ ババババババッ
青葉「うわっ!? いつのまにか周りに大量の航空機が!?」
サンディエゴ「あわわわわ」アセアセ
赤城「私のお話の最中に割り込んできただけでなく……私の前で仲良く談笑だなんて……ふふ、ふふふふふ」
赤城「あぁ……もういいです。結構。お掃除しませんと……そうです、初めからこうしていれば、指揮官様は迷われず……」
赤城「故にどちらも……念入りに片付けませんと……指揮官様のところに行き過ぎですもの……えぇ、ええ!」ニコッ
赤城「指揮官様の胸の中、指揮官様の笑顔、指揮官様の匂い、全部全部私のモノ……ふふ、ふふふ、あはははははは!!」
青葉「やっば、もう完全にスイッチ入っちゃってんじゃん……! サンディエゴさん! とにかくお互いこの場はなんとかしないと!」
サンディエゴ「ま、任せてよ!! こんな数、私のスキルで全部撃ち落としちゃうから! それにっ!」
青葉「それに?」
サンディエゴ「なんとかするどころじゃなくて……別に、あれを倒してしまっても構わないんでしょう?」キラーン☆
青葉「……どうしよう、不安しか感じないんだけどッ!?」
サンディエゴ「いいからとにかくよく分かんないけど」
赤城「『先手必勝』…… 私の愛は、無敵よ!」シュッ
8: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:15:22.92 ID:ihm7nZup0
ヒュゥウウウウ!!
サンディエゴ「えぇぇー!? そんな、対空が間に合わないー!?」
青葉「……終わった」
???「――手、握って」
青葉「え……?」
KA-DOOOOOM!!
サンディエゴ「きゃああああ!!」
DOOOOOM!! DOOOOOM!! KATA-DOOOOOOM!!
赤城「うふふっ! あははは!! あっはははははははは!!!」スッ スッ
ヒュゥウウウウ!! DOOOOOM!! DOOOOOM!!
赤城「――……ふぅ……これで、撃ち尽くしたかしら……?」
サンディエゴ「…………二度、ある、ことは……サン……ディ、エゴ……」バタンッ
赤城「むぅ……私の機体をそれなりに撃ち落として致命傷は避けたのねぇ……流石は……いえ、なんて生意気なのでしょう」
赤城「けれど、青葉には耐えきれないはずの火力をぶつけたのです。きっとよい具合に焼きあがって……」
9: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:18:40.51 ID:ihm7nZup0
青葉「……なんか、すいません」
赤城「なッ!? ど、どうして! 青葉、あなたが私の攻撃を受けて生き残れるはずが……!」
エルドリッジ「ん、青葉、無事でよかった」
青葉「た、助かりましたエルドリッジさん……やはりすごいですね、レインボー・プランは……」
赤城「……お、おのれ……小娘……よくも、よくも!!! 次は必ず仕留める! 指揮官様のために!!」
青葉「赤城さん、顔、顔! 女性がしちゃいけない感じになってますって!!」
赤城「黙れ!! こうなれば、ここに来て葬るつもりだった1位の娘よりも先に、お前達を!!」
瑞鶴「おーい青葉ー! ユニコーンちゃん連れてきたよー! ……あれ?」
青葉「瑞鶴さんタイミング悪い!!」
瑞鶴「うわなに赤城先輩すっごい怒ってる……もしかして、とんでもなくまずいところに来ちゃった感じ……?」
ユニコーン「……お姉ちゃんが……ユニコーンを見てる? ……うん、勇気だよね、歌姫さま……!」テクテク
赤城「あははは! よくやったわ瑞鶴! この赤城が消したい相手を連れて来てくれるなんて、褒めてあげますわ!」
赤城「その上で、お前も私の障害となりえるのだから、今ここで消えてしまいなさい!!」シュッ
10: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:19:18.76 ID:ihm7nZup0
※エルドリッジ
http://i.imgur.com/LJcEQLo.jpg
※瑞鶴
http://i.imgur.com/m867J1r.jpg
※ユニコーン
http://i.imgur.com/hi7FEcm.jpg
http://i.imgur.com/LJcEQLo.jpg
※瑞鶴
http://i.imgur.com/m867J1r.jpg
※ユニコーン
http://i.imgur.com/hi7FEcm.jpg
11: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:20:38.49 ID:ihm7nZup0
ババババババッ ババババババッ
瑞鶴「うぇええ!? いきなりなんなの!? 青葉、赤城先輩どうしたってのさ!」
青葉「今回の順位結果でこうなりましたッ!」
瑞鶴「納得したけどつまりこれとばっちりだー!?」
ユニコーン「……赤城姉ちゃん」
赤城「!?」ビクッ
瑞鶴「あ!? ユニコーンちゃんいつの間にそんなとこに!? まずいって、今の赤城先輩に近づいたら……!」
青葉「も、戻って下さいユニコーンさん!!」
赤城「あら、あらあらあら……どうやってか指揮官様に気に入られた小娘が……そう、そんなに消されたいのでしたら」
ユニコーン「こんなに艦載機がいっぱい……やっぱり、赤城姉ちゃん……すごい……!」
赤城「……はぁ?」ポカーン
瑞鶴「あああどうしようどうしよう! このままじゃユニコーンちゃんが……こうなったら私が助けに!」
エルドリッジ「大丈夫」
12: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:25:11.74 ID:ihm7nZup0
青葉「エルドリッジさん? 大丈夫って……」
エルドリッジ「見てて」
赤城「……あなた、どういうつもりなのかしらぁ? 今、私は」
ユニコーン「……ユニコーン、赤城姉ちゃんのしてることがすごいって思って……」
赤城「すごいって……これ程度、私にとっては造作もないことよ?」
ユニコーン「うん……指揮官……お兄ちゃんも言ってた。赤城姉ちゃんの強さには助けられてばっかりだって」
赤城「え……?」
ユニコーン「まだこの艦隊が小さかったころ……赤城姉ちゃんが来てくれたお陰でお兄ちゃんは救われたことがあるって……」
赤城「指揮官様が……そのようなことを……?」
ユニコーン「赤城姉ちゃんがいたから……ここまで艦隊を大きく出来て……おっきな戦いでも皆無事に帰還させることが出来て……」
ユニコーン「お兄ちゃん……とっても嬉しそうだった……ユニコーンも頑張ってるけど……やっぱりまだまだ頼りないみたいだから……」
赤城「……」
ユニコーン「赤城姉ちゃん……いつかユニコーンも、赤城姉ちゃんみたいに……強く、なれるかな……?」
13: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:28:30.34 ID:ihm7nZup0
赤城「…………ええ、そうね」シュッ
バババ……
瑞鶴「赤城先輩が……艦載機を戻した……!?」
青葉「……どうなって」
赤城「あなたが、指揮官様のために努力し続けるなら、きっといずれ私のように強い女になれますわ」
ユニコーン「ほんと!? ユニコーン、頑張ればもっと皆の……お兄ちゃんの役に立てる?」
赤城「ええ、きっと。それにユニコーン、あなたは今も十分皆の役に立てているのだから、もっと自信を持ちなさい」
ユニコーン「そう、なのかな……?」
赤城「もちろんですわ」
ユニコーン「そっか……ありがとう、赤城姉ちゃん!」ニコニコ
赤城「…………ふーっ、青葉」
青葉「は、はい!?」
赤城「なんだか興が削がれました。私の記事については、あなたに全ておまかせします」
14: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:32:43.51 ID:ihm7nZup0
青葉「そ、そんな!? せめてなにか一言だけでも!」
赤城「赤城の……私のすべてが指揮官様のもの。たとえ誰が何と言おうとも、それだけは、絶対に真実として知らしめなさい」
青葉「は、はぁ……では、赤城さんはどちらへ?」
赤城「ボロボロにしてしまったサンディエゴを介抱してあげる必要があるでしょう? それに……妙に加賀に会いたくなりました」
ヒョイ
サンディエゴ(気絶したフリをしてたら、まさかのお姫様だっこに困惑しちゃーう!?)
瑞鶴「え、えっと加賀先輩なら寮舎で見かけましたけど」
赤城「そう。では私はここで失礼させていただきますわ……ユニコーン」
ユニコーン「な、なに赤城姉ちゃん……?」
赤城「せいぜい頑張ることですわ」
ユニコーン「……! うん!」
スタスタスタ……
瑞鶴「赤城先輩行っちゃったよ……」
15: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:34:52.58 ID:ihm7nZup0
青葉「完全に毒気が抜かれてましたねあれ……エルドリッジさんは、ああなることが分かっていて?」
エルドリッジ「ユニコーン、だから」
青葉「なるほど……ちなみにユニコーンさんは、先程のを狙ってされたんすか……?」
ユニコーン「……? 赤城姉ちゃんが怒ってて、でも哀しそうだったから……ユニコーン、元気になってほしかっただけだよ?」
瑞鶴「え、つまり、ほんとにただ単純に赤城先輩心配して声かけただけってこと!?」
ユニコーン「そうだよ……? だって、艦隊の皆が元気ならお兄ちゃんも喜ぶし……ユニコーンも、嬉しいから……!」ニコニコ
瑞鶴「ぐぅ……!? 翔鶴姉とはぜんぜん違うなんて純粋な笑顔!!」
青葉「こ、これがCグループ1位……強い!!」
ユニコーン「……? エルドリッジ、二人はどうしたのかな……?」
エルドリッジ「気にしなくていい。それより青葉、取材、しないの? おかし食べたい」
青葉「え? あ、あーそうだった、エルドリッジさんはその条件でお呼びしたんでした。では」ゴソゴソ
青葉「はい。酸素コーラ味の飴になります。いっぱいあるので、ユニコーンさんもどうぞ」
エルドリッジ「やった」←(エルドリッジのアホ毛が「♪」の形になっている)
16: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:36:02.40 ID:ihm7nZup0
ユニコーン「わぁ……青葉姉ちゃん、ありがとう……!」
瑞鶴「……青葉、私のは?」
青葉「食べたいんですか……?」
瑞鶴「え!? いや、そんなあはは! だって私はほら、この子達より大人だし」
エルドリッジ「瑞鶴、欲しい? あげる」スッ
瑞鶴「ほんと!? わーい♪ ……あ」
青葉「……今のは翔鶴さんにだけ報告しておきますから気にせずに、どうぞどうぞ」
瑞鶴「やめて!!」///
青葉「……えー、まぁ、なにはともあれ、色々有りましたが、今から取材させて貰ってもいいっすかー!」
三人「「「はーい」」」
青葉「よし、それではまず現在1位のユニコーンさんから――」
17: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:37:23.24 ID:ihm7nZup0
――――7時間後。
懸念だった赤城への取材があまりにも呆気なく終わってしまったこと。人気投票の記事が艦隊に
知れ渡り、友好的に取材を受けてくれる相手が増えたこと。
それらの要因が重なり取材時間の最短記録を更新することが出来た青葉は、自分へのご褒美にと、
記事を書く前に海軍食堂で少し豪華な食事を取っていた。
青葉「しかし今回のグループはユニコーンさん以外が本当にどうなるか予想出来ないな~……ん、おいし♪」
海軍カレーと共に注文したデザートを摘み、顔をほころばせながら、青葉は取材内容をまとめたメモを
再度見直す。
青葉「しかし、ここまで圧倒的だとユニコーンさんのことは、改めて指揮官に伝えることないんじゃ……いやいや」
取材の最中も指揮官のことを楽しそうに話し、仲が良い事を見せていたユニコーンに、
今更自分が指揮官に伝えなければいけない情報があるのかどうか不安になる青葉であったが、
公平な記者として伝えるべきことは必ず伝えなければと頭を振る。
青葉「それに、あんなに『お兄ちゃん』『お兄ちゃん』って言っていた子の言葉は届けないと……お兄ちゃん、か……」
自分の指揮官のことをそのように呼ぶのはどうかと思わなくもないが、当の本人が嫌がるどころか
喜んでいるのを見ていると、やはり妹とは良いものなのだろうかと青葉は考える。
18: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:40:03.57 ID:ihm7nZup0
青葉にとって妹とは衣笠のことであり、確かに可愛いとは思うが、それ以上に姉であるはずの
自分の生活態度に口を出してくることが多く、困ってしまうことも多い。
そう考えると素直に懐いてくれていて、健気に頑張るユニコーンは、指揮官から見ると
最高の妹なのではないだろうか。
青葉(まさかと思うけど、指揮官ってアッチ系じゃなくて重度のシスコンだったり……?)
突拍子もない考えではあったが、そう当て嵌めると指揮官がこれだけ美女や美少女達に囲まれて、赤城のように
熱烈に迫ってくる相手もいる中で、未だ誰かに手を出したという噂が流れてこない理由になるのが面白く、
一人笑みをこぼした青葉は、しかし真面目な表情へとすぐ戻り。
青葉(……てことは、下手するとその内ユニコーンさんの身が危なくなる可能性も……? それはヤバイでしょ……)
あまりに純粋無垢だったユニコーンの姿を思い出し、それが汚されるような事態だけは避けなければと
妙なことを心配し始めた青葉は、そのためにどうすればいいかと悩み、ついとんでもないことを口にしてしまう。
青葉「私が指揮官のことを『兄さん』とか『お兄ちゃん』って呼べば、なんとかなる、か……?」
そこで、唐突に背後からトレーが落ちる音が聞こえ、気になって振り返った青葉は、驚いて目を丸くしていた
指揮官と視線を合わせた。
青葉「ぇ」
想定外すぎる事態に間抜けな声を漏らしながら、青葉は出来るだけ何事もなかったかのように
指揮官に話しかけようとするも。
19: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:44:16.20 ID:ihm7nZup0
青葉「き、聞いてたの……?」
動揺していることがバレバレの、顔も赤ければ声も震えている情けない姿を晒してしまい、そんな青葉の姿を
見ながら、指揮官はとてもいい笑顔を浮かべて答える。
青葉「とっても良い言葉だからもう一回言って欲しい……? いや、えっと? 指揮官、あのさ」
兄さんって言ってくれよとお願いしてくる指揮官は、青葉を弄れることが楽しくてしょうがないといった雰囲気であり、
そのような態度を取られると、青葉も負けじと意地悪なことを言ってしまいたくなる。
青葉「そういうのは流石に有料に決まってるじゃん。して欲しいことがあるなら、それなりの誠意みせ、て……」
そこまで言って再度驚いた顔をした指揮官を見て、自分がとんでもないことを口走ったのだと理解した青葉は、
慌てて前言撤回と叫ぼうとしたが、それよりも早く指揮官から小声で、いくら必要だ、という質問が
飛んできてしまえば、もう笑うしかなく。
青葉「ふふっ……えー、指揮官ほんと? そういう趣味あったの……? うっわー」
指揮官もそこで顔を赤らめ、やはり聞かなかったことにしてくれ、と青葉に告げてくるが、
こんなチャンスは記者でなくとも逃すわけにはいかず、彼女は立ち上がると、
ゆっくり指揮官に近づき、心底楽しそうな表情で囁いた。
青葉「いいよー。私になんでも書かせてくれたら、その見返りでやってあげても……ね?」
その言葉は青葉自身も驚くほど甘い響きを含んでいたが、それが返って指揮官には良かったのか、この後から、
青葉の書く記事には、艦隊の面々の秘密に迫る内容がさらに増えていくのであった。
〈終〉
20: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:45:28.53 ID:ihm7nZup0
Cグループの人気投票は、サーバーごとに2位以下にかなりばらつきがあるようで結果が楽しみ
そして青葉はBグループで頑張ったほうだと思う、これからも応援していくぞ!
読んでくださった方ありがとうございました
そして青葉はBグループで頑張ったほうだと思う、これからも応援していくぞ!
読んでくださった方ありがとうございました
21: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/24(金) 23:45:57.69 ID:ihm7nZup0
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/25(土) 00:21:26.25 ID:3u29XNPmo
乙
今回の結果どうなるのやら
あとエレバスに清き一票を
今回の結果どうなるのやら
あとエレバスに清き一票を
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/25(土) 00:25:22.45 ID:8MhYCEUP0
乙です。
今回は読めん……とりあえず瑞鶴と暁とレパルスに入れてるが、瑞鶴はどうかねぇ厳しそうだけど。
今回は読めん……とりあえず瑞鶴と暁とレパルスに入れてるが、瑞鶴はどうかねぇ厳しそうだけど。
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511532005/
Entry ⇒ 2017.11.28 | Category ⇒ アズールレーン | Comments (0)
【アズールレーン】青葉「人気投票Bグループ!私もいるぞー!」
1: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:16:26.50 ID:gL1Rt8K90
【アズールレーン SS】です
――――海軍食堂
青葉「と言っても予想していたとおり厳しい戦いになってるってね。ま、それはこれ、記者は記者の仕事をしますよっと!」
青葉「そんなわけで、早速Bグループで現在上位の方々にお話を伺っていきたいと思いまーす!」
プリンツ・オイゲン「急に呼び出されたと思ったら……ふぅん? 取材ってわけ?」
青葉「お忙しいとこすみませんね~。本当はこちらから出向くのが筋なんですが、やはり上位の方には同時にお話を聞きたくて」
フッド「この方々とおしゃべりを、ということでしょうか? それならば、喜んで参加させて頂きます」
加賀「私は前回の記事を読んだ限り、これは指揮官に対する気持ちを語る場と認識しているが?」
イラストリアス「まぁ、まぁまぁ♪ そういう場なんですの? でしたら私、とってもいっぱいお話できますわ!」
青葉「加賀さんが私の記事を読んでくれてるのは嬉しいっすけど……やっぱ皆のアピール載せるとそういう認識になっちゃうかぁ……」
加賀「誰も彼もが少なからず指揮官に向けた言葉を語っている記事を見て、他にどう認識しろという」
青葉「皆さんのことをもっと知ってもらうために書いた記事ですから、出来れば記事の子の優秀な所や可愛い所を紹介した部分を」
ジャベリン(?)「可愛さなら私負けませんよ!!」
――――海軍食堂
青葉「と言っても予想していたとおり厳しい戦いになってるってね。ま、それはこれ、記者は記者の仕事をしますよっと!」
青葉「そんなわけで、早速Bグループで現在上位の方々にお話を伺っていきたいと思いまーす!」
プリンツ・オイゲン「急に呼び出されたと思ったら……ふぅん? 取材ってわけ?」
青葉「お忙しいとこすみませんね~。本当はこちらから出向くのが筋なんですが、やはり上位の方には同時にお話を聞きたくて」
フッド「この方々とおしゃべりを、ということでしょうか? それならば、喜んで参加させて頂きます」
加賀「私は前回の記事を読んだ限り、これは指揮官に対する気持ちを語る場と認識しているが?」
イラストリアス「まぁ、まぁまぁ♪ そういう場なんですの? でしたら私、とってもいっぱいお話できますわ!」
青葉「加賀さんが私の記事を読んでくれてるのは嬉しいっすけど……やっぱ皆のアピール載せるとそういう認識になっちゃうかぁ……」
加賀「誰も彼もが少なからず指揮官に向けた言葉を語っている記事を見て、他にどう認識しろという」
青葉「皆さんのことをもっと知ってもらうために書いた記事ですから、出来れば記事の子の優秀な所や可愛い所を紹介した部分を」
ジャベリン(?)「可愛さなら私負けませんよ!!」
2: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:17:37.20 ID:gL1Rt8K90
※青葉
http://i.imgur.com/RR9RbDg.jpg
※プリンツ・オイゲン
http://i.imgur.com/L3FSsin.jpg
※フッド
http://i.imgur.com/5sqx9uY.jpg
※加賀
http://i.imgur.com/ITy4Wv4.jpg
※イラストリアス
http://i.imgur.com/9h1YJng.jpg
http://i.imgur.com/RR9RbDg.jpg
※プリンツ・オイゲン
http://i.imgur.com/L3FSsin.jpg
※フッド
http://i.imgur.com/5sqx9uY.jpg
※加賀
http://i.imgur.com/ITy4Wv4.jpg
※イラストリアス
http://i.imgur.com/9h1YJng.jpg
3: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:18:45.46 ID:gL1Rt8K90
青葉「ええ、そういう意気込みはもっと言ってもらって……ん?」
ジャベリン(?)「どうしました? 私、そんなに見られると恥ずかしくてバカになっちゃう!」
青葉「……ジャベリンさん……ですよね?」
ジャベリン(?)「とうぜんとうぜん! 私はどこからどう見てもジャベリンちゃんで~す!」ニパッ☆
フッド「あら……? でもジャベリンさん、そんなに胸元が膨らんだ服を着ていらしたでしょうか……?」
ジャベリン(?)「こ、これはほら、いわゆる成長期ってやつで!」
プリンツ・オイゲン「そもそも、あの子の髪は赤くなかったわよ」
ジャベリン(?)「ぐっ……い、イメージチェンジって奴だよっ! ほら、改になることで見た目が変わる的な!」アセアセ
加賀「……ほぉ、ならば……」スッ
バババッ
ジャベリン(?)「あっ戦闘機! よく分かんないけど撃ち落とさなきゃ!! だって『私はNo.1!』だか……あ」
加賀「……間抜けだな」
プリンツ・オイゲン「むしろどうしてバレないと思ったのかしら」
4: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:19:44.34 ID:gL1Rt8K90
青葉「えー……一応聞きますよ? なにしてるんですかサンディエゴさん!」
サンディエゴ「ぐぬぅ!? バレた、バレてしまったー! なんてことだ、このままイケると思ったのに~!」
イラストリアス「あらら? ジャベリンちゃんが突然サンディエゴちゃんに変身してしまいましたわ?」
フッド「いえ、変身ではなく変装を解いただけですよ、イラストリアス」
イラストリアス「そうなんですの? でしたら、とっても素敵な変装でしたわ! 私、分からなかったもの!」
サンディエゴ「えっへへ♪ そうだろそうでしょー!」ニコニコ
青葉「……イラストリアスさんの優しさはともかく、ほんとなにしてるっすかサンディエゴさん。あなた前のグループの人ですよね?」
サンディエゴ「そうだよ?」
青葉「私ちゃんと取材しましたよね?」
サンディエゴ「うん、しっかりされたよ!」
青葉「ではなぜいるんすか」
サンディエゴ「それはもちろん、もっと私の事を指揮官に知ってもらうため! だからこうやって他の人の代わりに混ざるんだよ!」
青葉「いや、そんな、建造で見せる根性ここで見せられても困るというか……」
5: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:20:22.27 ID:gL1Rt8K90
※サンディエゴ
http://i.imgur.com/8AwI7IY.jpg
http://i.imgur.com/8AwI7IY.jpg
6: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:21:50.61 ID:gL1Rt8K90
プリンツ・オイゲン「それで、本物のジャベリンはどこにいるのかしら」
サンディエゴ「ジャベリンちゃんなら今頃ラフィーちゃん達と一緒に、指揮官が買った新しい『コタツ』とかいう道具に夢中のはずさ!」
加賀「……コタツ……そうか……あの魔物相手ならば仕方ないな……」
フッド「それほど危険な代物なのですか……!?」
加賀「あぁ、あれの魔力には流石の赤城も素直になった猫のように……んんっ、いや、なんでもない、忘れろ」
プリンツ・オイゲン「そこで忘れてほしいは、むしろ気になるわね?」
加賀「いいから忘れろ。覚えていたら後が恐ろしいぞ」
プリンツ・オイゲン「はいはい。なら忠告に従っておいてあげるわ」
青葉「と、ともかく、サンディエゴさんは一旦出ていって下さい! ここは真面目に取材する場なんですから!」
サンディエゴ「だったら私ももう一回取材したらいいよ! ほらほら、まだまだ聞くべきことは沢山あるよー!」
青葉「そ、そういうわけには……公平な記者として、投票期間中は一人につき一回までの取材と決めてますし」
サンディエゴ「え~。じゃ、いいや青葉ちゃんの気が変わるまで私ここにいよーっと! イラストリアスちゃんもいいでしょ?」
イラストリアス「ええ! 私もサンディエゴさんの賑やさは好きですもの♪」
7: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:24:36.61 ID:gL1Rt8K90
サンディエゴ「ほら、今Bグループ1位の人からも許可を貰ったから、いいよね青葉ちゃん!」
青葉「ぬ、ぬぬ……そういうわけには……記者として、公平に……指揮官に読んで欲しいのは、そういう取材をした記事で……」
サンディエゴ「ほらほら~、諦めてサンディエゴちゃんに取材してみ? ほらほら」ツンツン
サンディエゴ「わ、青葉ちゃん柔らかっ!」
青葉「……妙な所をつつかれたのはこの際置いておくとして……こうなったら最終手段っ!」カキカキ ビリッ
青葉「今からここにいるサンディエゴさんをどこかに移してくれた人には!」
フッド「人には……?」
青葉「この! 女の子の仕草で指揮官が好きなものについて記載した、秘密のメモをお渡しします!!」
イラストリアス「ごめんなさいサンディエゴちゃん。これも指揮官さまのためなの」シュ
バババババババッ! ババババババッ!
サンディエゴ「そ、そんなイラストリアスちゃんさっきと言ってることがちが」
KA-BOOOOOM!!
サンディエゴ「きゃぁあああ!!」
8: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:25:54.49 ID:gL1Rt8K90
フッド「私も援護しましょう。これも運命だと思って下さいね」
DOOOOM!! DOOOOM!!
サンディエゴ「ちょ、ま、空爆どころか砲撃までって……とにかく逃げるー!!」タタタッ
KA-BOOOOOM!! DOOOOM!!
プリンツ・オイゲン「……容赦ないわね、あの二人」
加賀「赤城といい、ケッコンによって姿が変わる連中はどうしてこうも」
イラストリアス「なにか?」スッ
フッド「言われましたか?」ニッコリ
加賀「……なんでもない」
サンディエゴ「お、おのれ~! しかし私を倒しても、第二、第サンディエゴがいつか必ず……!」
KA-BOOOOOM!!
サンディエゴ「うわーん!!」ピューン
9: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:27:14.46 ID:gL1Rt8K90
イラストリアス「――さぁ、青葉さん。これでサンディエゴさんはいなくなりましたわ」
フッド「この場合、私とイラストリアスさんのどちらがそのメモを頂けるのでしょうか?」
青葉「あ、え、ええと……その、あの」
イラストリアス「もちろん私ですわよね?」
フッド「申し訳ありませんが、私でも譲れないものはあります。そのメモは、ぜひとも私に」
イラストリアス「……あらあら」ジーッ
フッド「なるほど……」ジーッ
プリンツ・オイゲン「うふふ、このままだと取材の前に大変なことになりそうね」
加賀「青葉、どうするか早く決めたほうがいい。でなければ、この食堂が廃墟になりかねんぞ」
青葉「え、ええと……あー、もう! ちょっと待って下さい!」カキカキ ビリッ
青葉「はい! これ、どちらも同じ内容のメモです! それを差し上げますから、仲良くして下さいっ!」
イラストリアス「……もう、そんなつもりではありませんでしたのに。ですが、ありがたくいただきますね青葉さん。ふふっ♪」
フッド「……ふむ……指揮官様はこのようにすれば……恥ずかしいですが……いえ……それでも……」
10: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:29:36.09 ID:gL1Rt8K90
青葉「なんとかなったか……」
プリンツ・オイゲン「なかなか楽しいものを見せてもらったわ。取材なんて退屈と思っていたけれど、あんたやるじゃない」
青葉「別に楽しんでもらうために仕組んだわけじゃないっすけど……まあいいや、では改めて取材を」
イラストリアス「あぁ指揮官さま……そのような、ダメですわ、まだ、聖なる光がこんなにも満ちているのに――はい?」
フッド「レディがここまでしたのです、分かっていただけますね指揮官様……そうです、そうやって――ううん?」
青葉「……取材をさせて頂いてもよろしいですかお二人とも……」
加賀「青葉、気を強く持て。これに負けているようでは、赤城に取材などすれば滅ぼされるぞ」
青葉「わー、翔鶴さんの話といい俄然赤城さんが怖くなってきたー……けど、文屋としては負けてられないじゃん!」
青葉「こうなりゃ多少強引に行っちゃお! まずは現在Bグループ1位のイラストリアスさん! 人気投票をどう思っていますか?!」ズイッ
イラストリアス「きゃっ!? も、もう……そのように力強く迫られると、私……恥ずかしいですわ」
青葉「やー、でもこの場にお呼びしたのが取材のためだといい加減思い出して欲しかったので!」
11: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:31:55.13 ID:gL1Rt8K90
イラストリアス「そ、そうでしたわね……ええ、投票への思いと言われましたら、まずは皆さまのお気持ちに感謝したいですわ」
イラストリアス「皆さまのお力で、私が少しでも世界を明るく出来るというのであれば、これほど嬉しいことはありません」
イラストリアス「……うふふ、やはり大切なものをいただけてしまうお方がいるというのは、本当に幸せなことですわ~♪」
青葉「『世界中の暗闇を無くしてしまいそうな眩い光を思わせる笑顔で、彼女はそう語った』と……ほんとに眩しいかも」カキカキ
プリンツ・オイゲン「ああいう風に笑えるのは、一種の才能と言えるわね……私には、難しい話でしょうけど」
イラストリアス「まぁ、そのようなことはありません! 心から嬉しいことを思っていれば、自然と明るくなるはずですわ!」
イラストリアス「とても美しいお顔をされているのですもの。キラキラとされたら、皆さまもきっと喜びます♪」
プリンツ・オイゲン「……そ、一応助言として聞いておいてあげる。参考にするかどうかは、分からないけど」
青葉「と、言われていますが、実は水着を着られていた時のプリンツ・オイゲンさんに取材した時はっすね」
プリンツ・オイゲン「なぁに、可愛がられたいのかしら?」
青葉「い、いや私そういう趣味は……」
プリンツ・オイゲン「は?」
青葉「やっばこれ以上はまずそうだし……えー、では改めて! 次は現在2位のオイゲンさん、意気込みをどうぞ!」
12: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:33:40.41 ID:gL1Rt8K90
プリンツ・オイゲン「この流れでよく聞けるわね……けど、意気込みなんてものを聞かれても、私にそういうのはないわ」
プリンツ・オイゲン「ただ、目新しくて私が退屈しないという点で、今回の人気投票は良いイベントではないかしら」
プリンツ・オイゲン「なにより、あの指揮官がドタバタしてる姿を見れるのよ? 楽しくて……ふふっ、ほんと、す――素敵よね」
青葉「『そう語る彼女の顔は一瞬口にしかけた言葉からか、ほんのり赤く染まっていた』……よしよし、これならきっと喜ぶ人も」
プリンツ・オイゲン「その前にあんたの身体を真っ赤に染めましょうか?」ガキッ
青葉「ひぇっ……!」
フッド「プリンツ・オイゲンさん、抑えて。荒療治が必要なこともありますが、今はそこまでしなくても良いと思います」
プリンツ・オイゲン「……そうね。機会はいくらでもあるもの、そうしてあげるわ」
青葉「たすか……った……?」
プリンツ・オイゲン「演習、楽しみにしておきなさい? 青葉」
青葉「助かってなかったー!」
加賀「……演習、か……今頃赤城が派手にしている頃だろうか」
13: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:35:04.24 ID:gL1Rt8K90
フッド「あら、彼女は確か今日の演習の編成には選ばれてはいなかった気がしますけれど」
加賀「あぁ、この艦隊にはエイジャックスというのがいただろう?」
青葉「ええ、今回同じくBグループに選ばれている方っすね! この後ちゃんと取材に行くつもりですが……その人が、なにか?」
加賀「指揮官のことを子豚扱いしていたようでな。それを知った赤城が笑顔で演習場に連れて行った」
ガタンッ!
青葉「うわっ!?」
イラストリアス「指揮官さまを……」
フッド「豚扱い……!?」
加賀「ああ。それだけでなく、褒美と称して指揮官の肉体を痛めつけようとも」
イラストリアス「青葉さん、大変申し訳ありません。私、演習場に用事が出来てしまいましたわ」
フッド「私もです。青葉さん、この無礼に対する謝罪は後日必ずさせて頂きますので、今はこれにて失礼致します」
スタスタスタ
青葉「イラストリアスさん!? え、え、あ、ちょ、フッドさーん!? まだ取材――」
14: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:36:40.69 ID:gL1Rt8K90
――バタンッ!!
青葉「……して……なかったんすけど……行っちゃった……そんなぁ……」ガックリ
プリンツ・オイゲン「ふふっ……加賀、あんたこうなることを分かって言ったでしょ」
加賀「さて。だが燃え上がった赤城には贄は多いほうがいいだろう。こういう戦い方も、たまには悪くない」
青葉(……やっぱ赤城さんだけじゃなくて加賀さんもこっわ……指揮官に二人は絶対怒らせないように言っとかないとなー)
加賀「それで青葉。私としては面白いことになっているはずの演習場に早く行きたい。故に、くだらないことを考えている暇があるなら」
青葉「あーはい分かってますって! なんかもう今回色々取材計画狂わせられっぱなしじゃんもー!」ペラペラ
青葉「ともかく、では現在人気投票Bグループ3位の加賀さん! 今回のことでなにか言いたいことなどありますか!」
加賀「そうだな……私は征服者だ、誰に対しても。勝って、全てを得ることのみを楽しんできた存在だ」
加賀「だからこそ、今の順位に選ばれていることが不思議でたまらない。票を入れる大多数の者にとっては、私は憎むべき存在のはずだ」
加賀「なのに、こうして……その、好かれていると言っていいはずの順位にいて、私は…………」
青葉「加賀さん?」
加賀「……指揮官達に言いたいことはある。感じていることも沢山あるのに……うまく言葉に出来ない……どうしたらいいんだ?」
15: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:38:48.60 ID:gL1Rt8K90
プリンツ・オイゲン「……案外不器用なのね、あんた。可愛いとこあるじゃない」
青葉「……もしかして、さっきイラストリアスさん達を追い出したのも、実は直に取材内容を聞かれる相手を減らしたかっ」
加賀「それ以上言えばお前の命はないぞ、青葉」
青葉「なんか今日脅されること多いぞー!?」
加賀「……ふんっ。ともかく、私からは以上だ。後はお前が上手くやれ、それくらいは出来るだろう」
青葉「まあ記者っすから。『このように、まだ素直に感情を吐き出せない彼女が、どう変わっていくのか楽しみである』と……」カキカキ
プリンツ・オイゲン「ふふっ……いいんじゃない?」
加賀「やはりお前達は私が演習場に連れて行くべきのようだな」
青葉「おっと! 私はまだまだ取材が残っていますのでこれで失礼します! お二人とも、取材協力ありがとうございましたー!」タタタッ
加賀「……逃げ足の速い」
プリンツ・オイゲン「そう? 私には、素直に言えないことを指揮官達に伝えてくれそうなあの子を見逃したように見えたけれど?」
加賀「……素直に言えないことなど、お前のほうが多いのではないか、プリンツ・オイゲン」
プリンツ・オイゲン「さぁ? でも、まぁ……今度の記事を読んだ時の指揮官達の反応だけは楽しみよ♪」
加賀「……そうだな。赤城が前回以上に不機嫌にならなければ……私も楽しみだ」
16: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:40:09.47 ID:gL1Rt8K90
――――それから16時間後。
青葉「お、終わった……疲れた……」
演習場で爆撃と砲撃に晒されるエイジャックスを救出してからの取材。
クリーブランドの応援準備を優先しているために、邪魔をしようもなら即座に砲撃してくるヘレナへの取材。
話を聞くだけなのに死にそうな目に何度もあいながら、人気投票Bグループのメンバー全員への取材を終えた青葉は、
自室に戻り、酸素コーラを呷りながら椅子にだらしなくもたれかかっていた。
青葉「Bグループ……メンバーが辛かった……でもまだCグループもDグループもあるのかぁ……」
指揮官に喜ばれたこと。そして艦隊の面々にも記事が好評だったことが取材への活力となっていた青葉だが、
取材をする事に会いに行くのが怖いと感じる相手が増えてきていることもまた事実であった。
青葉(赤城さんとかやっぱ怖いし……でも記事は書きたいし……でも毎回味方のはずの相手に命がけの取材もなー……)
記事を書きたいという記者の本能と、これ以上酷い目に会いたくないという生存本能がせめぎあい、さらに
だらしなく椅子にのめり込んでいく青葉。
青葉(記事書いて……赤城さん怖い……取材楽しい……ワレアオバ…………)
単調になっていく思考に合わせてまぶたも重くなり始め、このまましばらく眠ってしまおうかと、抗いがたい睡魔に
青葉の心が呑まれかけたその時、彼女の部屋の扉を叩く音が耳に入った。
始めは遠慮がちに、次第に大きくなっていくノックの音に、流石に反応せざるを得なくなった青葉は、ジャケットを
脱いでいることも忘れたまま、寝ぼけ眼で来訪者と面会する。
17: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:42:00.88 ID:gL1Rt8K90
青葉「ふぁい……だれ……わたし……今帰ってきたば……かり……で?」
そして目の前に立っている人物が誰か。それを理解した青葉は自分の姿があまりにもだらしないことを把握すると、
顔を真っ赤にしながら慌ててジャケットを羽織りに戻り、手早く髪などを整えてから再び来訪者と面会した。
青葉「え、ええと! ようこそ指揮官私の部屋へ! さっき見たことは忘れて! うん、ほんとにッ!!」
部屋を訪れてきたのは青葉の指揮官その人であり、彼女の取材が過酷だった様子をどこかで聞いてきた指揮官は、
その労いのためだろうか、手には料理と飲み物を手にしていた。
青葉「で、用件は? 記事のほうなら残念だけどまだ……え? これくれるの? 良い物見せてくれたお礼? ……バカっ!」
しかしそれらを渡す理由をあえて直前見たものに対する礼だと言った指揮官の表情はとても嬉しそうで、青葉としては
恥ずかしいやら奇妙な嬉しさがあるやらで、顔をさらに赤く染めるしかない。
青葉「仮にも女の子の部屋に来るんだったら、今度から先に連絡してよ! 指揮官だからっていきなり来ると驚くじゃん!」
確かにそのとおりだ、と反省した様子を見せた指揮官は、次からは必ず連絡することを青葉に約束したあと、差し入れの料理を
渡しながら、まるで今思い出したかのようななんでもない素振りで、今回の人気投票で投票した相手の名前を口にした。
青葉「ん、差し入れはありがとっ、あとで食べるから。それで指揮官は青葉って子に投票したんだ……へー……あれ?」
18: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:45:24.16 ID:gL1Rt8K90
指揮官が投票した相手の名前を自分も口にし、それが妙に馴染みがある名前だと首を傾げた青葉は、数秒かかってその名が
自分の名前であることを思い出すと、貰った料理をうっかり落としかけるほど盛大に驚きながら叫んでしまう。
青葉「……私の名前ーっ!? な、なんで指揮官!? 他に入れるべき子いたでしょ!? なんでッ!?」
嬉しいという以上に、まさか自分に投票してくれたことが信じられない青葉は指揮官に詰め寄るが、
さらっと彼女を躱した指揮官は苦笑しながら、青葉に投票した理由を語る。
青葉「理屈抜きに私の書く記事が好きだから……それが理由で投票した……? なにそれ、だから……ほんとに……もう」
以前言われた時は落ち込んでいた青葉を慰めるために言った言葉だと思っていたのに、自分に投票した上で
また同じことを言う指揮官に、青葉はこの瞬間妙な気恥ずかしさを覚えてしまう。
だが、嫌な感情というものは一切湧いてこず、むしろ先程まで抱いていた今後の取材をしたくないなどの
負の感情すら消し飛ばされてしまえば、呆れた顔は一転、明るい笑顔に染まって。
青葉「そういうのは私に言うなってば。甘えたりするの苦手だけど、ここまでされたら指揮官のために頑張るしかないってね!」
そして指揮官が帰っていた後、再び気力が湧き上がってきた青葉が書き上げた記事は、前回以上に良い評判で
艦隊の人々に楽しまれるのであった。
〈終〉
19: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:45:59.71 ID:gL1Rt8K90
青葉のいるアズールレーンBグループ人気投票は、11/20 23時59分59秒までとなりまーす!
1票でも多く青葉に票が入って欲しいので、投票する子が決まってない方は青葉によろしくお願いしまーす!
読んでくださった方ありがとうございました
1票でも多く青葉に票が入って欲しいので、投票する子が決まってない方は青葉によろしくお願いしまーす!
読んでくださった方ありがとうございました
20: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/18(土) 05:47:16.35 ID:gL1Rt8K90
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/18(土) 08:33:48.21 ID:RqngreQoO
おつでした。Bグループベスト4は見た目によらず血の気が多いから仕方ないね(特にオイゲンと加賀)
ついでにパワーヒーラーのアリゾナさんにも一票お願いします…
ついでにパワーヒーラーのアリゾナさんにも一票お願いします…
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510949786/
Entry ⇒ 2017.11.22 | Category ⇒ アズールレーン | Comments (0)
【アズールレーン】青葉「人気投票開始!」
1: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:36:11.20 ID:7dEEEPCG0
【アズールレーン SS】です
――――ドッグ
青葉「というわけでまず最初はAグループ上位の方々から、意気込みなんかを取材させてもらいまーす!」
エンタープライズ「人気投票……? なんのことだ」
翔鶴「指揮官達の間で行われている、私達のことをどれだけ好きかを競い合うイベントだそうですよ♪」
高雄「わ、私はそのような浮ついたことを指揮官達がしているなど聞いていないぞ!」
翔鶴「あら? その割には高雄さん、水着を着て指揮官にアピールされていたような……」
高雄「見ていたのか翔鶴殿!?」
翔鶴「いいえ~? ただ『もしかしたら』のことを口にしただけでしたのに、本当にされていたなんて……ふふふ♪」
高雄「なぁ!? う……うぅ……」///
青葉「……あの、取材させてもらっていいんですよね?」
翔鶴「ええもちろん。この取材内容は指揮官に見せるのですよね?」
青葉「当然そのつもりですっ! なので指揮官にアピールしたいことがあるならどんどん喋ってくださいよ?」
――――ドッグ
青葉「というわけでまず最初はAグループ上位の方々から、意気込みなんかを取材させてもらいまーす!」
エンタープライズ「人気投票……? なんのことだ」
翔鶴「指揮官達の間で行われている、私達のことをどれだけ好きかを競い合うイベントだそうですよ♪」
高雄「わ、私はそのような浮ついたことを指揮官達がしているなど聞いていないぞ!」
翔鶴「あら? その割には高雄さん、水着を着て指揮官にアピールされていたような……」
高雄「見ていたのか翔鶴殿!?」
翔鶴「いいえ~? ただ『もしかしたら』のことを口にしただけでしたのに、本当にされていたなんて……ふふふ♪」
高雄「なぁ!? う……うぅ……」///
青葉「……あの、取材させてもらっていいんですよね?」
翔鶴「ええもちろん。この取材内容は指揮官に見せるのですよね?」
青葉「当然そのつもりですっ! なので指揮官にアピールしたいことがあるならどんどん喋ってくださいよ?」
2: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:37:01.99 ID:7dEEEPCG0
※青葉
http://i.imgur.com/RR9RbDg.jpg
※エンタープライズ
http://i.imgur.com/9dziWlD.jpg
※翔鶴
http://i.imgur.com/RwEBEwr.jpg
※高雄
http://i.imgur.com/ZTVkXL1.jpg
http://i.imgur.com/RR9RbDg.jpg
※エンタープライズ
http://i.imgur.com/9dziWlD.jpg
※翔鶴
http://i.imgur.com/RwEBEwr.jpg
※高雄
http://i.imgur.com/ZTVkXL1.jpg
3: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:39:05.13 ID:7dEEEPCG0
エンタープライズ「しかし……人気投票という物もよく分からない上に、急にアピールと言われてもな」
青葉「お、さすがは現在断トツ1位に君臨してるお方! 『アピールなど必要なしと言わんばかりに、その姿は堂々としていた』と」カキカキ
エンタープライズ「い、いやまて、そういうことではない。戦争以外の賑やかな話は、どうにもまだ慣れていないだけだ」
翔鶴「うふふ、そうやって初な感じも見せる戦術だとしたら、なかなか強かですね~♪」
エンタープライズ「どうしてそうなる。けれど、そうだな、これは指揮官達が私達のことをどう見ているかの判断が出来るのだろう?」
青葉「ええ、まぁ、そうですね。投票数が多いほど、その人は好かれていると言っていいかと」
エンタープライズ「ならば私からは言うことなどない。いつも通り、期待に応えて動くだけだ。これまでしてきたのと同じようにな」
エンタープライズ「……それでもあえて言うことがあるとするならば……指揮官とこういう賑やかな時間を過ごせるのは悪くない」
エンタープライズ「だから、これからもずっと一緒に居たいものだ……だろうか」
翔鶴「わぁ……♪」
高雄「凛々しい顔で凄まじいことを口にする……やはり手強い相手だ」
エンタープライズ「な、なんだ、取材というから素直に答えただけだぞ? なにか問題のある内容だっただろうか?」
4: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:41:34.41 ID:7dEEEPCG0
青葉「いえいえ! とても良い回答をありがとうございますって! ……イケる、これは最高の記事になる!」カキカキ
エンタープライズ「そ、そうか。あまり詳しくは分からないが、喜んでもらえているのならば良かった」
翔鶴(どう聞いても告白としか思えない内容を理解していないなんて、いじり甲斐のありそうな人ですね……ふふ)ニコニコ
エンタープライズ「――うん!? なんだ寒気が……敵襲か!?」
青葉「ここに敵が来たら大問題っすから気のせいですって。エンタープライズさんはこんなとこかな。じゃあ次に現在2位の――」
ガコォンッ!
ポートランド「ちょーっとまったぁああ!!」
青葉「うわぁ!?」
ポートランド「ここ!? ここよねっ! 今回の人気投票に関する記事の取材現場は!!」
青葉「そ、そうっすけど……ポートランドさん? なにか御用で」
ポートランド「用!? 今回のことで指揮官達にどーしても言いたいことがあるからとんできたの! だから聞いて!」
青葉「や、あの、あなたへの取材はちゃんと別に時間を――」
ポートランド「いいから黙って聞きなさい! 吹き飛ばすわよ!?」ガシャ
5: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:42:01.71 ID:7dEEEPCG0
※ポートランド
http://i.imgur.com/U1DbwB6.jpg
http://i.imgur.com/U1DbwB6.jpg
6: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:43:26.30 ID:7dEEEPCG0
青葉「記者に暴力反対! わ、わかりましたよ……翔鶴さん、ちょっと待っててください」
翔鶴「いいですよ。なんだか面白い話になりそうですし♪」
青葉「だそうで。許可を貰ったのでポートランドさん、お話どうぞー」
ポートランド「じゃあまず一言……どうして! 私の!! インディちゃんが!!! 1位じゃないのよーっ!!!!」バンバン
青葉「…………は?」
ポートランド「あんなに物静かで大人しくてでも可愛くて可愛くて可愛いかわいいインディちゃんの順位がおかしいの!」バンバン
ポートランド「どうして!? どうして!? 可愛さならそこの三人より絶対ぜーったい上でしょ!? 指揮官達の目は節穴なの!?」
青葉「まぁ実際これだけ女の子に囲まれても誰かに手を出したって話を聞かない辺り、指揮官はやっぱり『アッチ系』の……」
エンタープライズ「アッチ系?」
高雄「なんだそれは」
青葉「えっ!? あ、いや、それはですね、ええと……ヤッバ、どう説明すればいいのこれ」
翔鶴「ちょっと人とは違う好みをしているってことですよ、お二人とも」
7: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:45:59.48 ID:7dEEEPCG0
高雄「そうなのか? ……確かに、拙者のような者といても楽しそうにしてくれる方達だからな……分からなくもない」
エンタープライズ「そもそも我々を従えながら平然としている時点で強い人達だ。そういうことなら理解できるぞ」ウンウン
青葉「ああはい、今はもうそれでいいで――ぐえっ!」グイッ
ポートランド「話をちゃんと聞きなさい記者なんでしょう! だから早く、指揮官達にインディちゃんに投票させる記事を!」グイグイ
ポートランド「というかインディちゃん特集を書きなさい! 私いくらでもその記事買うから!!」グイグイ
青葉「こ、公平な記者としてその提案には乗れないというかやめて首の引っ張らないで……い、いきが……」
ポートランド「息がなんなの!? 記者ならそれくらい我慢しなさい! いいからインディちゃんの可愛さや柔らかさを――」
ボコンッ!
ポートランド「はぐっ!? ……きゅー……☆」バタン
インディアナポリス「……ごめん、お姉ちゃんが迷惑かけた」
青葉「けほ……けほっ……いえ、助かりましたインディアナポリスさん」
8: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:46:32.11 ID:7dEEEPCG0
※インディアナポリス
http://i.imgur.com/x5e1IzT.jpg
http://i.imgur.com/x5e1IzT.jpg
9: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:48:03.79 ID:7dEEEPCG0
インディアナポリス「こういう取材があるって聞いて、嫌な予感がしたから……ちょっとまってね、お姉ちゃんしまってくるから」
瑞鶴「手伝うよインディ」
インディアナポリス「……うん、ありがとう」
翔鶴「あら瑞鶴? どうしてここに」
瑞鶴「姉がいる身同士でちょっと会話してたら、急にインディが走って行ってね。着いてきたんだ」
翔鶴「そう……瑞鶴に仲が良い相手が増えるのは、お姉ちゃん嬉しい♪」ナデナデ
瑞鶴「ちょ、ちょっと人前ではやめてよ翔鶴姉……」///
インディアナポリス「……瑞鶴のお姉ちゃんは、静かな人だね」
瑞鶴「でしょ? あ、でも青葉、一つだけ私から言っておくことがあるよ」
青葉「はい?」
瑞鶴「柔らかさでいえば翔鶴姉のほうが絶対上――」
翔鶴「瑞鶴?」ニコッ
10: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:49:15.57 ID:7dEEEPCG0
11: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:50:48.78 ID:7dEEEPCG0
瑞鶴「おわっ……!? あ、えと、とにかくポートランド運ぶよインディ!」ヒョイ
インディアナポリス「う、うん……それじゃあ……ええと、青葉さん、取材はまたあとでしてね……」スタスタ
青葉「わ、分かりました……はぁ……嵐みたいな出来事だった」ヒョコ
高雄「大丈夫か?」
青葉「なんのこれしき! 文屋魂はこれくらいでは燃え尽きませんって! というわけで取材再会させて貰います!」ペラペラ
青葉「それで……ええと、次は翔鶴さんでしたよね」
翔鶴「はーい♪」
青葉「では、現在Aグループ2位の翔鶴さんは人気投票に対する意気込みなどありますか?」
翔鶴「そうねぇ……私自身については、正直あまりないかな」
エンタープライズ「む、先程私に人気投票について教えてくれた所から見ても、かなり興味を持っていたのではないか?」
翔鶴「あくまで興味はあったけれど、それも瑞鶴のためでしたし……あの子が指揮官達に良く思われてくれていたら十分です♪」
高雄「どこまでもお姉ちゃん……か」
12: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:53:21.51 ID:7dEEEPCG0
青葉「ふむふむ……『妹への愛の強さを感じさせる優しい笑みを浮かべながら、彼女は語った』と」カキカキ
翔鶴「それに、うちには怖い「センパイ」達がいますからね……」
エンタープライズ「あぁ……そうか、彼女達か」
翔鶴「ええ。特に赤城先輩なんて指揮官が自分以外に投票したら、容赦なく焼き殺しそうな目をしていましたから」
青葉「ほんとですか!?」カキカキ
翔鶴「……ほんと、怖いセンパイ達です。だから青葉さん、センパイ達には注意するよう、記事にちゃんと書いておいてくださいね?」
青葉「そ、そうしておきます……痴情のもつれで指揮官不在なんて洒落にもなりませんから」
翔鶴「はい、全くですね……うん、私から伝えることは以上です♪」
高雄(気のせいだろうか。拙者には翔鶴殿のほうが恐ろしく思えたぞ……)
翔鶴「そんなことありませんよ♪」ニコッ
高雄「っ!?」ビクッ
青葉「どうしました高雄さん? 翔鶴さんへの取材も終わりましたから、次は現在3位のあなたの意気込みを聞かせてください!」
13: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:54:33.10 ID:7dEEEPCG0
高雄「え!? あ、う、うむ……拙者はそうだな。一先ず現時点で投票してくれた指揮官達には感謝したい」
高雄「拙者の剣は指揮官殿のためにあり、この身は指揮官殿に尽くすと決めた。認めていただいた恩義には必ず報いる」
高雄「絶対にそなたの元から去りはしないと約束しよう。なにがあっても生きて帰ることを誓おう」
高雄「だから、これからもどうか拙者を見ていてほしい。それだけで、拙者はいくらでも強くなれますから……」
青葉「『と、普段の武人らしさが嘘のように、乙女の表情で彼女は語った』……うんうん」カキカキ
エンタープライズ「……なんだ、その、この世にはこんなに聞いていて熱く……いや、恥ずかしくなることがあったのだな……」
翔鶴「高雄さんもなかなかどうして……ふふっ」
高雄「はっ!? い、いや拙者はその! それにエンタープライズ殿に比べればまだ普通のはずであろう!?」
エンタープライズ「なっ!? どういうことだ、別に私とて普通に!」
翔鶴「どちらも素敵な回答だったと思いますよー。指揮官が見たら、きっと嬉しそうにすること間違いなし、です♪」
14: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:57:05.92 ID:7dEEEPCG0
エンタープライズ「そ、そうか……? そうか……」///
高雄「……な、なら、まぁ……うむ」///
青葉(やっぱり戦闘以外のこととなると翔鶴さんに勝てる人はそういないって感じだな~。指揮官にはそう報告しとこ)パタンッ
青葉「さてさて、お三方とも取材に応えていただきありがとうございましたー! では私は次の取材に行きますのでっ!」
エンタープライズ「そうか。ちなみに、あと何人に取材するつもりだ?」
青葉「Aグループに選ばれてる人に片っ端から突撃するつもりですね。こういう機会こそ記者の本領っすから!」ニコッ
翔鶴「……投票が終わる前には、必ず記事を書き上げて指揮官に見せてくださいね?」
青葉「そ、そりゃもちろん! 特にあなた方は人気投票本戦に出る可能性が高い本命ですし、必ず指揮官に情報を届けますよ!」
高雄「あまり取材にかまけすぎて自分の身を疎かにするなよ。青葉とて、いずれ人気投票の対象になるのだろう?」
青葉「んー……ま、でも私はこういうネタになる機会があるだけで嬉しいっすから。それに今回上位になってる人を見るに……」
三人「「「?」」」
青葉「――いえ別に! ともかく、取材協力感謝します! またなにかあれば取材させて下さいね!」
15: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 04:59:45.94 ID:7dEEEPCG0
――――それから十数時間後。
青葉「――といった感じで取材した成果がこちら! どーぞ指揮官読んで読んで!」
Aグループに選ばれたメンバーの取材を終えた青葉は、自身も驚くほどの早さで記事を作り上げ、それを指揮官に提出していた。
上位3名の取材を終えてからは、他のメンバーを捕まえるのに苦労したが、それを指揮官に語るつもりは青葉にはなく、
ただ自分の取材の成果の感想を聞きたいつもりで指揮官のもとを訪れたというのに。
青葉「……え? これだけの人数の取材お疲れ? ……もう、そういうのいいってのに」
最初に取材したこと事態を褒められてしまうと、思わず顔が赤くなってしまう。記者として当たり前のことをしただけだが、
それでもやはり誰かに認めてもらえるのは心地よいことだ。
青葉「そんなことより、ほら、記事を読んでもっと艦隊の子のこと知ってあげてよ。いい子いっぱいいるよ~」
青葉「サンディエゴさんとか指揮官に対してぐいぐい迫る……え? 建造でよく会うから知ってる? そっか」
青葉「ならほらレナウンさんの記事どう? 真面目に取材受けてくれたんっすけど回答がちょっとズレてておもしろ……知ってる?」
青葉「えーとえーと、だったらサラトガさんの今後のいたずら予定の記事なんか……も分かってる!?」
しかし取材して特に読んで欲しかった内容を、指揮官が次々と知っていると反応する度に青葉は困惑し、同時に一つの
嫌な予感を覚える。
16: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 05:02:32.49 ID:7dEEEPCG0
青葉「も、もしかしてなんだけどさ……指揮官、艦隊にいる全員のこと、ちゃんと把握してる……?」
――コクンッ
青葉「うわーっぁ!? マジで……マジでー……あー、そりゃそうだ、指揮官ってそういうもんっすよねー……うぅ」
この艦隊は出来てから日が浅く、所属している面々の国籍もバラバラであり、全員の詳細を頭に叩き込むには時間がかかるはず。
ならば記者である自分がその手助けになればと初めた行為が、一瞬にして無意味になったことを知った青葉は頭を抱えてしまう。
青葉「はぁ……自分の指揮官のことを知れてないとか記者失格じゃん……いい記事書けたと思ったのになぁ……」
青葉「やっぱり……真似事なんてやめて、力不足でも戦闘にだけ集中したほうが指揮官の――え? そんなことない……わわっ!?」
今後の記者活動への自信すら失いかけていた青葉であったが、真面目な顔で手を握られ、そして指揮官から
理屈抜きに青葉の書く記事が好きだもっと読ませてくれ、などと言われれば、もはや先程までの落ち込み様はどこへやら。
青葉「もー……そういう風に言われると記者続けるしかなくなっちゃうでしょ! 読者が一人でもいるなら記者は頑張れるっての!」
青葉「その代わり覚悟してよー? 私を焚き付けた以上、今後はもっと容赦なく取材活動させてもらうからさ」
青葉「ここにいるみんなのことを書き記すだけじゃない、もっと沢山の記事を楽しみにしててよね、指揮官♪」
指揮官も見惚れるような晴れ晴れとした素敵な笑顔を浮かべて、青葉はそう宣言するのだった。
〈終〉
17: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 05:03:06.25 ID:7dEEEPCG0
アズールレーンを軽い気持ちで初めたら、建造で出会った青葉が色んな意味でときめく要素持ってたので……
現在開催されている人気投票で青葉が来たら、一票でも多く票が入りますようにと祈りつつ
読んでくださった方ありがとうございました
現在開催されている人気投票で青葉が来たら、一票でも多く票が入りますようにと祈りつつ
読んでくださった方ありがとうございました
18: ◆R4LxbbyKhE 2017/11/11(土) 06:33:11.16 ID:7dEEEPCG0
……最初のドッグは読まれた方はドックで変換お願いします(今誤字に気付いた)
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/11(土) 08:56:05.55 ID:SSq3R5Kqo
乙
俺はインディちゃんにだけ入れたわ
三人まで投票できるシステム上トップスリーがぶっちぎりになるねこれ
俺はインディちゃんにだけ入れたわ
三人まで投票できるシステム上トップスリーがぶっちぎりになるねこれ
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/11(土) 10:18:38.19 ID:PzqUUt+AO
地獄の潰し合いブロックとか出るんだろうなぁ
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/11(土) 14:44:15.40 ID:1GGZxOGaO
乙
性能が強い子は使ってて愛着が湧く…と言うことも往々にしてあるから強い…とはいえ、翔鶴姉が飛び出してるのはちょっと驚き
性能が強い子は使ってて愛着が湧く…と言うことも往々にしてあるから強い…とはいえ、翔鶴姉が飛び出してるのはちょっと驚き
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510342570/
Entry ⇒ 2017.11.15 | Category ⇒ アズールレーン | Comments (0)
アズールレーンSS 「愛のその先」 エンタープライズ編
1: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:13:45.44 ID:DelUQeib0
ヤンデレ物につきキャラ崩壊注意
2: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:14:48.79 ID:DelUQeib0
好感度: 普通
3: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:15:37.16 ID:DelUQeib0
「ヨークタウン型二番艦、エンタープライズだ。指揮官、戦闘は任せてくれ」
初めまして、エンタープライズ。君の噂は良く聞いているよ。これからよろしく頼む。
4: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:17:14.44 ID:DelUQeib0
―― 35/100 ――
「私が秘書艦だと……? 待て、そんな顔をするな。嫌な訳では無い。そんなことを言われたのは初めてでな、少々驚いただけだ」
じゃあ引き受けてくれるんですね?
「もちろんだ。戦い以外のことをしてみるのも良い経験になるからな」
5: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:17:54.33 ID:DelUQeib0
―― 45/100 ――
「……ああ、指揮官か。どうかしたのか?」
エンタープライズが難しい顔をしているものだから気になったのさ。その書類がどうかしたのか?
「資源の状況を見ていたんだ。見てみろ、私が秘書艦になってから備蓄が増加傾向にある」
良いことじゃないか。要因は?
「そうだな、遠征の効率が良くなったおかげだろう。つまり遠征艦隊の編成を改善した指揮官のおかげだな」
いや、エンタープライズの助言を基に改善したものだから、君のおかげでもあるぞ。
「ふふっ、そう言ってくれるのはありがたいが、こういう時の賛辞は素直に受け取るものだぞ、指揮官?」
6: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:18:37.07 ID:DelUQeib0
―― 55/100 ――
大したものだな……。演習とはいえあの状況からひっくり返すか。
「戦闘は私の得意分野だからな。最近は秘書艦業務で忙しかったとはいえ、その程度で鈍るような私ではないさ」
……君を秘書艦から外すべきなのかもしれないな。
「……何だと? それはどういう意味だ?」
待て待て、そんな怖い顔をしないでくれ。君が悪いわけじゃ無いんだ。先程の戦闘を見る限り、君を戦闘で活躍させないのはおかしい話だろう?
「………………」
任命したのが私だというのは分かっているが……エンタープライズ。改めて君の意見を聞きたい。
「……私の意見、か」
「……最近ようやく秘書艦業務にも楽しさを見出してきたところなんだ。出来ればこのまま続けさせて欲しい」
「だが指揮官の言うことももっともだ。だからこれからはなるべく出撃にも参加しよう」
それはありがたいが……大丈夫なのか?
「平気だ、私を誰だと思っている。……それに」
それに?
「指揮官、あなたも支えてくれるだろう?」
――ああ、もちろんだ。
7: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:19:24.60 ID:DelUQeib0
―― エンタープライズの好感度が「友好」に変化しました。 ――
8: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 04:20:12.19 ID:DelUQeib0
一旦投下終了です。
それではまた。
10: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 15:55:16.89 ID:DelUQeib0
好感度: 友好
11: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 15:57:54.46 ID:DelUQeib0
―― 65/100 ――
「エンタープライズ、ただ今帰還したぞ」
連戦連勝……、流石だな。
「私一人の力ではない。信頼出来る仲間と信頼できる指揮官が居たからこその結果だ。それより指揮官、本日の業務は何だ?」
ああ、今日の分はもう無いんだ。量も多くなかったし、既に終わらせてしまったよ。
「……では指揮官は今、少し時間が空いているということだな?」
確かにそうだが……、どうかしたのか?
「なに、良い機会だと思ってな。良ければ私の昔話に付き合ってくれ」
エンタープライズの昔話か……。面白そうだ、ぜひ聞かせてくれ。
「了解した、ついでに私のコレクションも持ってこよう」
12: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 15:58:35.76 ID:DelUQeib0
―― 75/100 ――
「…………はぁ」
……無敵の艦なんて居ないんだ。演習で一敗したくらいでそんなに落ち込むな。今回の敗北は私の見極めが甘かったせいなんだぞ。
「……ただの一敗でも、実戦では取り返しがつかないだろう」
そうならないための演習だと私は思うが? 良い経験にもなっただろう。
「……確かにそうだな。すまない、見苦しい姿を見せてしまった。忘れてくれ」
……少しだけ安心したよ。
「安心? 何故だ?」
エンタープライズが落ち込むこともあるんだと分かってだ。
「……一体私を何だと思っているんだ」
13: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 15:59:18.90 ID:DelUQeib0
―― 80/100 ――
「――――んっ……ここは……」
おはよう、エンタープライズ。大分お疲れのようだな。
「私は……寝ていたのか。業務中に申し訳ない……」
気にするな。最近の忙しさは重々承知しているし、君が寝たのは時間外からだ。
「だとしても指揮官が仕事をしているのに眠る秘書艦は駄目だろう。書類が途中だったはずだ、寄越してくれ」
その書類なら書き終えた。今日はもう休むと良い。秘書艦業務に出撃や演習、私にも無理をさせている自覚はあるんだ。
「だが……! ……いや、こんな状態では足手まといになるだけか。今日のところは指揮官のお言葉に甘えさせて頂こう。……すまない」
明日もよろしく頼む。おやすみ、エンタープライズ。
「おやすみ、指揮官」
14: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 15:59:54.72 ID:DelUQeib0
(……不思議な感覚だ)
(指揮官の傍に居ると心が落ち着く)
(離れると、途端に不安になる)
(つまり、その、……そういうことなのか?)
(……ふふっ)
―― 81/100 ――
15: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/09(月) 16:00:24.07 ID:DelUQeib0
―― エンタープライズの好感度が「好き」に変化しました。 ――
18: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/10(火) 00:24:23.28 ID:RVgFo/Z00
好感度: 好き
19: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/10(火) 00:25:05.13 ID:RVgFo/Z00
―― 85/100 ――
「指揮官、次はどの店に行く? それとも一息入れるか?」
私はまだまだ平気だ。……それにしても驚いた。君はこういう所によく来るのか?
「昔は仲間とよく来ていた。出撃が多くなってから足が遠のき始めたんだ。戦場の空気の方が私には合っていたらしい」
本部への報告ついでとはいえ、君に誘われた時は何事かと思ったよ。
「ああ、あの時の指揮官の表情は新鮮で面白かったぞ」
……随分店に寄った割に、買っているものは少ないな。しかも買ったのは服だけ……。
「これといった趣味も無いし、日用品は支給品で足りているからな」
アクセサリーとかに興味は? エンタープライズくらいの年頃ならそういうものに興味があってもおかしくないだろう?
「……無いな。……だが、指揮官はどう思う?」
どう、とは?
「私が、アクセサリーを着用することについてだ。……似合うと思うか?」
…………それはその……似合うと思うぞ。エンタープライズは綺麗だからな。
「…………検討しておこう」
待て、エンタープライズ。何故歩く速度を速めるんだ。普段事務仕事ばかりの体にこの速度は応えるぞ!
23: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/11(水) 00:46:59.31 ID:vym0MZlU0
―― 90/100 ――
『――――こちらエンタープライズ。指揮官、そちらの調子はどうだ?』
こちら指揮官。私は元気に仕事をしているところだ。エンタープライズからの通信は珍しいな。遠征先で何か問題でも発生したのか?
『いや、任務は順調だ。予定通りに帰還出来るだろう』
……では何故通信を?
『そうだな……強いて言うなら指揮官の声が聞きたくなったからだな』
ふっ、そういうジョークを言えるようになったのか。感慨深いな。
『………………』
……エンタープライズ? 通信障害か?
『……ちゃんと聞こえている。少し考え事をしていただけだ』
そうか、それならいいんだが……。……エンタープライズ?
『どうした?』
私の勘違いかもしれないが……怒っていないか?
『怒ってなどいない。通信を終了する』
やはり怒っ――――。
24: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/11(水) 00:47:40.53 ID:vym0MZlU0
―― 95/100 ――
「おはよう……、どうした? 私が食堂に来るのがおかしいか?」
――――――、――――。
「……ああ、確かに最近は指揮官の部屋で食べることが多かったからな。珍しいといえば珍しいのか」
――――――――?
「今日? 今日は本部からの来客だ。私は同席しない方がいいとのことで、こちらに来た。少なくとも午前中はどこかで時間を潰すことになるだろう」
――――。
「……何だその顔は?」
――、――――――。――――?
「私はイライラなどしていない」
――! ――――!
「――っ!? ……何だ、何処にも…………ああ、なるほど」
――――――♪
「喜べ、午前中は私との演習だ。私をからかったことを後悔させてやろう」
――――っ?!
「諦めろ。最近の私は指揮官に関することだと抑えが効かないからな」
27: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/16(月) 01:09:24.18 ID:0/XfRbKU0
―― 99/100 ――
……なあ、エンタープライズ?
「……指揮官、どうした?」
それはこちらの台詞だ。先程からずっと私の事を見ているようだが……。
「ああ、そのことか……。不快だったか?」
いや、そういうわけでは無いが……気になって仕事に集中できない。
「そうか、それは悪いことをしたな。すまない」
……そうは言いつつも私から視線を外さないのか。一体何がしたいんだ?
「特に何かをしたいという訳ではない。指揮官を見ているだけで楽しいからな。ただまあ強いて言うなら……」
強いて言うなら?
「一度途切れた集中力を戻すのは難しいだろう? 少し休憩を入れないか?」
つまりお喋りがしたい、と。最近よく私と話したがるが……私の話なんて面白くもないだろう?
「面白さは重要じゃない。……指揮官のことをもっと知りたいんだ。……駄目か?」
……その表情はズルいぞ。……分かった、少し休憩にしよう。
「ふふっ……。ありがとう、指揮官……」
28: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/16(月) 01:10:01.07 ID:0/XfRbKU0
(指揮官のことをもっと知りたい)
(――――私のことを知って欲しい)
(指揮官の姿を見ていたい)
(――――私の姿を見て欲しい)
(指揮官を傍に感じていたい)
(――――私を傍に感じて欲しい)
(指揮官を、指揮官の、指揮官に、指揮官と……)
(――――私を、私の、私に、私と……)
29: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/16(月) 01:10:48.70 ID:0/XfRbKU0
―― 100/100 ――
―― エンタープライズの好感度が「 愛」に変化しました。 ――
32: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:12:49.77 ID:7GnpJzMa0
好感度: 愛
33: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:13:15.94 ID:7GnpJzMa0
―― 100/100 ――
「おはよう、指揮官。……そんな驚いた顔をするなんて、どうかしたのか?」
「ん? ……ああ、そんなことか」
「早く指揮官に会いたくてな、執務室ではなく指揮官の部屋の前で待たせてもらっていた」
「心配してくれるのはありがたいが、これは私の都合によるものだ。指揮官に急がせる訳にはいかないだろう? 『ずっと』静かに待っていたさ」
「――――ふふっ、可笑しなことを聞くんだな」
「早く指揮官に会いたかった、と言っただろう? 急ぎの用事なんか無い」
「さあ、仕事だ。執務室に向かおう」
34: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:13:45.21 ID:7GnpJzMa0
―― 100/100 ――
「――――エンタープライズ、ただ今帰還した」
「どうした、指揮官? せっかく勝利したというのに浮かない顔をしているぞ」
「やり過ぎだと? そんなことは無いと思うが……」
「まあ待て指揮官。今回の演習相手は前回私が敗北した相手でもある。私も知らない内に力が入っていたということだろう」
「ああ、指揮官の命令だ。次は気を付けよう」
「…………指揮官?」
「何故演習相手の、しかも相手の空母の心配をするんだ?」
「………………」
「………………」
「……なるほど、まだ戦闘に慣れていない新人だったのか」
「そうだな、ああ、そうだったそうだった。指揮官は優しいからな」
「私も悪いことをしてしまった。次の機会に『いろいろと』指導してあげようじゃないか」
35: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:14:16.58 ID:7GnpJzMa0
―― 100/100 ――
「こんな所で会うなんて奇遇だな、指揮官」
「お疲れ様。おやすみ、指揮官」
「料理をしてみたんだ。味見してもらえないか、指揮官?」
「仕事はこれで全部終了だな。さて、今日はどんなことを話すんだ、指揮官?」
「……今は私との時間だろう、指揮官」
「秘書艦だからな、傍に居るのは普通の事だ。なあ、指揮官?」
「指揮官、指揮官…………ああ、ここに居たのか、指揮官」
「――――指揮官」
「指揮官?」
「指揮官……」
「指揮官!」
36: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:15:09.27 ID:7GnpJzMa0
――――エンタープライズ、君を秘書艦から外す。
37: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:15:51.27 ID:7GnpJzMa0
「…………そうか」
38: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:16:26.19 ID:7GnpJzMa0
―― 100/100 ――
39: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 02:17:01.11 ID:7GnpJzMa0
―― 測定不能 ――
42: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:36:37.97 ID:7GnpJzMa0
最近のエンタープライズはどこかおかしい。
私の傍に居る時は以前より距離が近くなったとは思っていたが、他の子達からの報告によれば、私が傍に居ない時のエンタープライズは以前とは別人のように冷たくなったらしい。
……自惚れであるかもしれないが、エンタープライズは私に依存している可能性がある。
こういった事例があることは知っていたが、まさかエンタープライズがそうなるとは思っていなかった。
どのような方法が効くかは分からないが、このままにしておくわけにはいかない。
まずは少し距離を置いて、反応を見ることにしよう。
43: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:37:29.01 ID:7GnpJzMa0
――――――――――――
――――――――――――
「指揮官」
「あなたの傍が一番安心するんだ」
「指揮官はそうではないのか?」
「………………」
「それなら……ふふっ……」
――――――――――――
――――――――――――
44: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:38:11.13 ID:7GnpJzMa0
――――――――――――
――――――――
――――
「……久しぶりだな、指揮官」
エンタープライズ! 戻ってきたのか!
「急に長期の休暇申請を出してすまなかった。少し離れて考えたいことがあってな……」
許可を出す前に姿を消されてしまったからな。……心配したぞ。
「……申し訳ない。どんな処分でも受けるつもりだ」
……いや、いい。戻ってきてくれて何よりだ。それで今後のことだが――――
「待ってくれ、指揮官。それも含めて少し二人きりで話がしたい。急なことだが、今夜の時間は空いてるか?」
今夜か? ……空いているな。場所はどうする? ここでいいか?
「構わない。ではまた夜に……」
ああ、待っているぞ……エンタープライズ。
45: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:38:54.15 ID:7GnpJzMa0
――――――――――――
――――――――
――――
――――…………くっ、な、何だ、ここは……?
「――――おはよう、指揮官」
46: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:39:41.52 ID:7GnpJzMa0
「そんなに怯えないでくれ。不安になるのは分かるが、指揮官のそんな表情を見てしまうと私も悲しくなってしまうだろう? ようやく私の願いが叶いそうなんだ、私だけではなく指揮官にもぜひ喜んで欲しい。……願い? もちろん指揮官の傍に居ることに決まっている。これからずっと、ずっとな。ここもそのために用意した部屋なんだ。指揮官を運んでくることには苦労したが……ふふっ、ぐっすりと眠っていて、寝顔も可愛かったぞ? ……指揮官、あなたも薄々気付いていただろう? はっきりと言おう。私は指揮官が好きだ。愛しているといっていい。これはな、私の愛情表現なんだ。指揮官の傍に居るためなら何だって出来る。だが肝心の指揮官が私を傍に置いてくれなくなってしまったら、これはもうそうせざるを得ない状況を作るしかないだろう? 手足を縛られ、首輪を繋がれ、何処にあるかも分からない部屋の中だ。私を頼るしかない。……安心してくれ、その鎖からは解放するつもりだ。でもその前に、私の気持ちを、想いを、愛を、知ってもらう必要がある。そして願わくばこの愛しいという感情を指揮官にも抱いてもらえれば最高だ。ああ、指揮官……ようやく、ようやく……! ……ふふ、ふふふふふっ!」
「――――指揮官」
47: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:40:10.53 ID:7GnpJzMa0
「この先ずっと、命の果てまで一緒に歩もう」
48: ◆FmUzHw5G3o 2017/10/22(日) 16:42:21.90 ID:7GnpJzMa0
全投下終了です。読んで下さった方々、ありがとうございます。
好感度が愛の子が増えたらまた書く予定です。
依頼出してきます。
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/22(日) 19:25:37.39 ID:RJkCzJz6o
乙でした
やはりエンタープライズは最高
やはりエンタープライズは最高
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/23(月) 00:37:44.72 ID:YQUhxYAxo
乙
指輪さえ間に合っていれば...
指輪さえ間に合っていれば...
掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507490025/
Entry ⇒ 2017.10.27 | Category ⇒ アズールレーン | Comments (0)
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